くにさくロゴ
2017/05/16 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 国土交通委員会 第14号
姉妹サイト
 
2017/05/16 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 国土交通委員会 第14号

#1
第193回国会 国土交通委員会 第14号
平成二十九年五月十六日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十一日
    辞任         補欠選任
     伊藤 孝恵君     羽田雄一郎君
 五月十五日
    辞任         補欠選任
     野田 国義君     藤末 健三君
     高瀬 弘美君     宮崎  勝君
 五月十六日
    辞任         補欠選任
     藤末 健三君     野田 国義君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         増子 輝彦君
    理 事
                井上 義行君
                石井 正弘君
                酒井 庸行君
                長浜 博行君
                新妻 秀規君
    委 員
                足立 敏之君
                青木 一彦君
                朝日健太郎君
                大野 泰正君
                金子原二郎君
                末松 信介君
                中野 正志君
                長谷川 岳君
                福岡 資麿君
                吉田 博美君
                野田 国義君
                羽田雄一郎君
                鉢呂 吉雄君
                藤末 健三君
                魚住裕一郎君
                宮崎  勝君
                山添  拓君
                室井 邦彦君
                青木  愛君
                行田 邦子君
   国務大臣
       国土交通大臣   石井 啓一君
   副大臣
       国土交通副大臣  田中 良生君
       国土交通副大臣  末松 信介君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       堀内 詔子君
       国土交通大臣政
       務官       大野 泰正君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 利幸君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       横田 真二君
       警察庁長官官房
       審議官      長谷川 豊君
       総務大臣官房地
       域力創造審議官  時澤  忠君
       消防庁国民保護
       ・防災部長    杉本 達治君
       厚生労働大臣官
       房審議官     藤澤 勝博君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       田中 誠二君
       経済産業大臣官
       房審議官     土田 浩史君
       国土交通大臣官
       房物流審議官   重田 雅史君
       国土交通大臣官
       房危機管理・運
       輸安全政策審議
       官        東井 芳隆君
       国土交通省総合
       政策局長     藤田 耕三君
       国土交通省土地
       ・建設産業局長  谷脇  暁君
       国土交通省都市
       局長       栗田 卓也君
       国土交通省道路
       局長       石川 雄一君
       国土交通省住宅
       局長       由木 文彦君
       国土交通省鉄道
       局長       奥田 哲也君
       国土交通省自動
       車局長      藤井 直樹君
       国土交通省航空
       局長       佐藤 善信君
       国土交通省航空
       局安全部長    高野  滋君
       国土交通省国際
       統括官      奈良平博史君
       気象庁長官    橋田 俊彦君
       海上保安庁長官  中島  敏君
       防衛省整備計画
       局長       高橋 憲一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国土の整備、交通政策の推進等に関する調査
 (我が国の海上保安体制の強化に関する件)
 (建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進
 に関する法律に基づく基本計画の策定に関する
 件)
 (物流生産性革命の推進に向けた荷さばき駐車
 場の整備促進及び高速道路の活用に関する件)
 (航空機の客室乗務員の労働条件に関する件)
 (国土交通省における地球温暖化対策に関する
 件)
 (高速鉄道等のインフラシステムの海外展開に
 関する件)
 (ミサイル発射事案を受けた国土交通省の対応
 に関する件)
○道路運送車両法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(増子輝彦君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、伊藤孝恵君、高瀬弘美君及び野田国義君が委員を辞任され、その補欠として羽田雄一郎君、宮崎勝君及び藤末健三君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(増子輝彦君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官横田真二君外二十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(増子輝彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(増子輝彦君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○中野正志君 おはようございます。自民党・こころ会派、日本のこころの中野正志でございます。
 既に御案内のように、北朝鮮の傍若無人ぶり、本当にけしからぬことであります。怒りを持ちながらも、しかし、私たち日本国としていざ朝鮮半島有事の際にどうあらねばならないのか、この国土交通委員会でも真剣に今後とも議論を進めてまいらなければなりません。何よりも、韓国在住の日本人、あるいは旅行者も当然ながら含めて、いかに保護するか、また我が国沿岸部の安全をどう確保するか、これは喫緊の課題でありまして、今回はいわゆる難民対策についてだけお伺いをいたしたいと思います。
 日本海沿岸部に、いわゆる朝鮮半島、北朝鮮中心として仮に難民が殺到した場合、海上保安庁、警察庁を中心として、あるいは防衛省も含めて政府一体となって取組をしてまいらなければならない、またいろいろ対策についてはシミュレーションもされていると思いますけれども、その中でも、海上保安庁としてはどのような対策を講じられるのか。事柄の性格上、詳しくはお伺いはいたしませんけれども、差し支えのない限りで御答弁をいただきたいと思います。
 また、その中には、当然ながら、原子力発電所を狙った、あるいは重要拠点を狙ってのテロ行為、そしてまた、この間マレーシアで示されたような生物化学兵器をもって国内であるいはテロ行為を働く者もある。そういったことも含めて、その対応は大丈夫なのか、国民の皆様にしっかりとお答えを示していただいておきたいと思います。
#7
○政府参考人(中島敏君) お答えいたします。
 海上保安庁では、様々な事態に対応できるよう、平素から関係省庁と連携をし、情報収集に努めるなど、状況に応じ必要な体制を確保しております。事態の個別具体的状況にもよりますが、避難民に関し一般論として申し上げるならば、政府方針に基づき、適切な勢力を投入し、必要に応じ、避難民の身柄の保護、身体検査の実施などを行うこととなると考えております。また、御指摘のようなテロの発生が予想される場合は、テロの未然防止等に万全を期すため、重要施設の周辺海域に巡視船艇、航空機を効果的に配備するなどしてまいりたいと考えております。
 海上保安庁としては、引き続き関係省庁と緊密に連携し、適切に対応することといたしております。
#8
○中野正志君 北朝鮮、もちろんでありますけれども、やっぱり私たち日本は、中国のことも真剣に考えなければなりません。
 尖閣諸島周辺の海域を航行する中国船舶、大変な数であると言われております。ゴールデンウイークには、連日尖閣諸島沖の接続水域を中国海警局の船が航行いたしております。また、五月の八日には、尖閣諸島周辺の領海に中国海警局の船四隻が侵入したことが明らかであります。これで今年に入って十二件目だと承知をいたしております。一隻は機関砲のようなものを搭載をしていたということであります。五月十日には、尖閣諸島沖合のEEZをロープのようなものをつり下げて、何らかの調査を行っている中国の海洋調査船が発見をされております。海洋資源の調査かなと、あるいは潜水艦関連の海底調査ということにもなるのかなと。
 こういった尖閣諸島周辺を中心とする東シナ海における中国公船の領海侵入、航行について、去年そして今年、どういう状況、現実になっておるのか、これもつまびらかにされたいと思います。
#9
○政府参考人(中島敏君) お答えいたします。
 尖閣諸島周辺海域における中国公船の領海侵入は昨年は三十六件となっており、今年に入ってからは今先生御指摘のとおり十二件発生をしております。また、中国公船の接続水域入域日数は昨年は二百十一日となっており、今年も昨年と同様、荒天の日などを除き、ほぼ毎日接続水域を航行をしております。
 加えまして、機関砲のようなものを搭載した中国の公船や外国海洋調査船による我が国の同意を得ない調査活動等が確認されており、尖閣諸島周辺海域を始めとする我が国周辺海域の情勢は依然として予断を許さない状況となっております。
 引き続き、我が国の領土、領海を断固として守り抜くという方針の下、事態をエスカレートさせないよう冷静かつ毅然とした対応を続け、領海警備に万全を期してまいりたいと思います。
#10
○中野正志君 海上保安庁の現場の皆さんの御苦労を多としながらも是非頑張っていただきたい、激励を申し上げたいと思います。
 海上保安庁としては、戦略的海上保安体制の構築、これを着々と図っていると承知をいたしておりますけれども、昨今の東アジアの情勢を鑑みますと、今の海上保安体制でいいのかなと率直に思います。
 そういう意味で、現在の我が国巡視船の配置状況、そして中国海警局船舶の配置状況、そのトン数も含め、まず明らかにされたい。そして、海上保安庁としては、今後どのような予算体制の下で具体的にどういった装備及び人員の展開を考えているのか。私は、大型巡視船、更なる配置も必要なのではないかということもありますので、併せ、今後の方針と建造計画等もお示しをいただいておきたいと思います。
#11
○政府参考人(中島敏君) お答えをいたします。
 海上保安庁は、現在、四百五十五隻の船艇と七十四機の航空機を保有をしております。そのうち、千トン級以上の大型巡視船は六十二隻となっており、昨今進めてきた尖閣領海警備専従体制の整備等により、中国公船が尖閣諸島周辺海域における活動を活発化させた平成二十四年と比較して、大型巡視船は十隻増強をされております。一方、海上保安体制強化に関する方針にもありますとおり、中国公船の勢力等については、大型化、武装化、そして増強が確認をされております。
 このような状況の変化を踏まえ、今後の装備、人員等の体制につきましては、昨年十二月の関係閣僚会議において決定された海上保安体制強化に関する方針に基づきまして強化することとしております。具体的には、平成二十九年度予算において、この方針を踏まえ、二十八年度補正予算とともに、大型巡視船五隻の増強、尖閣専従船への映像伝送装置の整備、そして海洋調査船一隻の増強と二隻の高機能化など、緊急時に海上保安体制を強化することで前年度比二百二十九億増の二千百六億円を計上しており、定員についても、二十八年度の緊急増員を含め、前年度比二百二十二人の増となっております。
 今後とも、同方針に基づき、その時々の情勢の変化を踏まえるとともに、整備内容や優先順位を精査しつつ、尖閣領海警備体制を強化するなど、領土、領海の堅守に万全を期してまいりたいと考えております。
#12
○中野正志君 昨年、示されたように、中国公船を始め漁船群、三百隻も四百隻も尖閣諸島周辺に近づいて航行するということで、その三百、四百があるいは尖閣諸島に領海侵犯の上、上陸するなどということが正直まことしやかにいろいろな予想で示されておるところでもありますから、是非、海上保安庁、予算面も含めて私たちもしっかりサポーター役を務めたいと思いますので、頑張っていただきたいと思っております。
 それに関連して、やっぱり海上保安庁の役割と同時に、防衛省の役割も大変大事であります。自衛隊、現在、一二式地対艦誘導弾、いわゆる地対艦ミサイルでありますけれども、改良型を開発中だということは知られたところであります。
 ただ、実際の配備ということになりますと、平成三十五年中だというのでありますね。これでは、いかにもいかにも遅過ぎる。南西諸島の宮古島あるいは石垣島に配置をしますと、この一二式改良型ミサイルは三百キロ前後の射程距離だというのでありますから、そういう意味では我が国の抑止力に大いなる力ということになるのであろうと思うのであります。
 まして、日本の自衛隊、地対艦ミサイルの技術は世界ナンバーワンだと、こう言われておるわけでありますから、中国、北朝鮮の脅威、現実待ったなしの状況でありますから、平成三十五年の配備では遅いのではないかと、配備計画をもっと前倒しにすべきだと、そのために必要な予算はもっと要求したらいいと、そのこと自体も正直抑止力そのものになると、この点について防衛省の見解を伺っておきたいと思います。
#13
○政府参考人(高橋憲一君) お答えいたします。
 現在、一二式の地対艦誘導弾でございますが、奄美大島、宮古島、石垣島に警備部隊、地対艦誘導弾部隊、地対空誘導弾部隊をそれぞれ配置する予定でございまして、島嶼部に対する侵攻を可能な限り洋上にて阻止する地対艦誘導弾部隊は、他国艦艇の島嶼接近に対する抑止力の観点からも重要であると考えてございます。
 委員御指摘の一二式地対艦誘導弾の改良型でございますが、現行の誘導弾に比べまして射程を更に延伸する、終末誘導におきましてはGPS誘導を追加して誘導性能を向上させるという点からも、現行よりも大きく能力を向上させるという観点で平成二十九年度開発に着手いたしまして、二十四億円を計上してございます。
 しかしながら、この開発につきましては、システムの全体設計に加えまして、試作品を製造することが必要であること、試作品を基にして技術試験を実施する、あるいは現場の部隊がその装備品を使用して円滑に運用できるかどうかという評価を行う実用試験を行うというような幾つかのプロセスが必要でございますので、委員御指摘のとおり、この装備化は平成三十五年度を予定しているところでございます。
 我々としては、南西諸島の防衛が非常に重要だと思ってございますので、可能な限り防衛体制の強化に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
#14
○中野正志君 今、試作、技術試験あるいは実用試験を経てということでありますけれども、ですから、そのことがあったとしても、平成三十五年、これから六年先ですよ、それでは遅いのではないですかと。今防衛力の強化という表現がありましたからあえて首肯はいたしますけれども、やっぱりできるだけ早く配備をするという決意を持っていただくのでなければならない、関係当局にもしっかりそういう形で御説得をいただきたいとも思います。
 海上保安庁に戻りますけれども、我が国は、いずれにしても海洋国家、冠たる海洋国家であります。昨年七月に政府は、総合海洋政策本部において、我が国の海洋状況把握の能力強化に向けた取組、これを決定されております。これは、海図や海流あるいは海底地形等のいわゆる海洋状況把握、MDAと言われておりますけれども、情報を効果的に把握しようという取組であります。
 海洋国家である我が国が海洋情報をリアルタイムに把握する、これは国の安全保障にも直結する取組であることは論をまちません。大陸棚の海洋権益などをめぐる中国の活動、御存じのとおり活発化しておりますし、緊張も高まっております。我が国が日本の周辺海域に関する情報を集約して、高度に利用、活用する体制を整えるということは、国益の観点から極めて重要であることは指摘するまでもありません。
 海上保安庁としては、来年度から、このMDA情報をリアルタイムに集約する海洋状況表示システムを稼働させると承知をいたしておりますけれども、このシステムを用いたMDA能力強化の意義、そしてこれからの見通しについて、海上保安庁長官の御見解をお伺いをいたします。
#15
○政府参考人(中島敏君) お答えいたします。
 海洋状況表示システムにつきましては、平成二十八年七月二十六日の総合海洋政策本部決定に基づきまして、海上保安庁が整備、運用することになりました。その意義につきましては、海洋の安全保障、海上安全、自然災害対策、環境の保全、産業振興等に広く貢献するものであります。
 具体的には、海上保安庁が運用する既存のシステムを基盤として活用しまして、これまで掲載されていなかった海洋情報を政府関係機関から提供を受けまして新たに追加し、広域性、リアルタイム性の向上を図るとともに、利便性を高めたシステムとすることといたしております。
 今後は、今年度内にシステム設計を行い、各利活用分野のユーザーニーズを踏まえつつ、セキュリティー対策を講じたシステムやアプリケーションを開発し、来年度末の運用開始を目指してまいりたいと考えております。
#16
○中野正志君 是非、大陸棚を含めた海洋資源、漁業、環境の観点からも、もちろんお話しいたしましたように安全保障の見地からも、是非頑張っていただきたいと思います。
 最後でありますけれども、昨年十二月に建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進に関する法律、これが制定をいたしました。自民党から共産党まで各党全体で賛成をした、非常に建設業、工事従事者の皆さんにとりましては画期的な、ある意味歴史的な出来事であったと思います。
 今回、国交省として基本計画の策定に向けて議論を進めて当然おられるわけでありますけれども、その中で、建設工事の請負契約における安全及び健康の確保に関する経費の適切かつ明確な積算についてお伺いをいたします。
 安全衛生経費については、工事の内容に応じて様々に異なってはきます。基本計画では、関係行政機関等が協力して実態を把握するとともに、下請負人まで適切に支払われるような実効性のある施策を検討し、実施する旨を規定すると承知をいたしております。
 この実態把握について、国交省としては今後どのようなスケジュールで進められていくのか、また、実態の把握には、当然ながら、請負契約の当事者としての発注者側、いわゆるお施主さんですね、その側による情報の提供など、調査に対する情報の協力、それが欠かせないと思われますけれども、これらの点について国交省としての考え方をお聞かせをいただきたいと思います。
#17
○政府参考人(谷脇暁君) お答えいたします。
 建設工事従事者の安全健康確保法に基づきます基本計画でございますけれども、今御指摘ございましたように、現在、関係者の御協力をいただきながら策定を進めているところでございます。
 この建設工事従事者の安全、健康の確保のためには様々な施策を講ずる必要があるわけでございますけれども、特に今御指摘がございました建設工事の請負契約において適正な請負代金の額が定められ、これが確実に履行されるということが非常に重要であるというふうに考えております。
 一方で、安全衛生経費につきましては、建設工事の工種、工事規模、施工場所などによって様々でございまして、非常に幅があって異なる部分がございます。そういうこともございますので、まずその実態を把握する必要があるというふうに考えてございます。この実態把握につきましては、今御指摘ございましたように、幅広く関係者にも情報提供等の協力をお願いしつつ、基本計画の策定後速やかに進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#18
○中野正志君 ありがとうございます。
 建設産業の発展にとりましても本当に大事なことでありますし、この間、法制定記念しての熱いパーティー会合が開催をされました。是非これからも早急に仕上げていただきますように期待をして、ちょうど時間となりました、終わります。
#19
○藤末健三君 おはようございます。民進党・新緑風会の藤末健三でございます。今日は、財政金融委員会に所属しておりますが、差し替えで伺いました。
 私も、中野委員から先ほどお話がございました、昨年の十二月、全会派一致で、それもこの参議院先議で成立しました建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進に関する法律、これについて御質問をさせていただきたいと思います。
 この法律ができますのは、参議院において先議で議論し、増子委員長におかれては衆議院での説明など本当に有り難かったと思います。私の方は、増子委員長の下にこの法律、民進党の方で担当させていただきましたので、細かいところをいろいろ議論させていただきたいと思います。
 この法律は何かと申しますと、今建設業の方々、大体年間四百人近く命を失われています、毎日一人という状況。ただ、毎日一人命を失われているにもかかわらず新聞にも載らずマスコミにも取り上げられないという状況で、建設業で従事される方々が安心して安全に、そして処遇を改善し働いていただけるようにするというのがこの法律の目的でございます。
 具体的な数字を挙げますと、昭和四十七年には二千四百人にもおける方々が建設業における労働災害による死亡者となっていました。これが平成二十七年には四百人を割るまで減っているという状況ではございますが、この建設業における労働災害の災害発生率は全産業平均の二倍を超えるという状況。特に一人親方、自営業主、家族従事者を含めた建設工事従事者においては、建設災害を始めとします建設工事の現場において、先ほど申し上げましたように年間四百人も亡くなっているという状況でございます。こういう状況を受け止め、我々国会において全会一致で新しい法律を作ったという状況でございます。
 この法律の目的は何かと申しますと、やはり建設工事従事者の安全そして健康を確保するということでございます。そのポイントは何かと申しますと、公共事業のみならず全ての建設工事において労働安全衛生法令に基づく最低基準の遵守の徹底をする、そしてさらには建設業者等による取組を促進するということでございますが、先ほど中野委員からも質問がございましたが、請負契約における適正な請負代金、工期を定めることや、あとは処遇改善、週休二日制、適正な予算の執行、賃金の支払などが求められるわけでございます。
 私、この建設工事従事者の安全確保法でございますが、建設職人基本法と申し上げておりますが、実は昨日十五日に建設工事従事者安全健康確保推進専門家会議というのが開かれまして、法律に基づきます基本計画の議論が始まっております。それにつきまして質問させていただきたいと思います。
 ただ一方、この建設職人基本法の基本計画の前に、森友学園についてちょっと簡単に御質問させていただきます。
 森友学園の契約に関しましては、四月の五日、衆議院の国土交通委員会で航空局長の方から、今回の森友学園に売却された土地につきましては、平成二十二年七月以降、森友学園とは別の学校法人から別件土地の取得要望書が提出されていたということから、例外的に本件土地を国から新空港会社に対して現物出資しないで国が引き続き保有し、将来的に売却するということにしておりました、このように、本件土地を例外的に取り扱うことにつきましても、関空・伊丹経営統合法に基づき措置されているところでございますとお答えいただいています。
 御質問は何かと申しますと、同法に基づいた特例取扱いというのは法律のどの規定に基づいたものかというのを明確にしていただきたいと思います。お願いします。
#20
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
 まず、国有財産法第二十条第二項においては、「普通財産は、法律で特別の定めをした場合に限り、出資の目的とすることができる。」とされております。本件土地を含む伊丹空港の移転補償跡地につきまして、新関空会社へ出資することができる根拠となる今申し上げました法律による特別の定めは、平成二十四年に施行されました関西国際空港及び大阪国際空港の一体的かつ効率的な設置及び管理に関する法律、いわゆる関空・伊丹経営統合法でございます。この経営統合法の附則第六条第一項においては、この法律の施行の際、これは平成二十四年の七月一日でございますけれども、現に国が有する伊丹空港に関する権利及び義務は政令で定めるものを除き新関空会社が承継するとされております。
 新関空会社が承継しない政令で定める権利義務につきましては、経営統合法施行令附則第四条に規定されているところでございます。この経営統合法施行令の附則第四条第一号におきましては、新関空会社が承継しない権利義務といたしまして、国土交通大臣の所管に属する土地のうち、国土交通大臣が財務大臣と協議して指定するもの以外のものに関する権利及び義務が定められておりますので、国土交通大臣が指定した土地は新関空会社が承継をし、それ以外の土地については承継しないということになります。
 本件森友学園にその後売却された土地につきましては、今申し上げました国土交通大臣による指定がなされておりませんので、関空・伊丹統合法及び同法施行令の規定に基づき、新関空会社へ承継せず、国が引き続き保有することとなったものでございます。
#21
○藤末健三君 概要は分かりましたので、また引き続き御質問させていただきたいと思います。是非とも政省令も含めまして御説明いただきたいと思います。
 それでは、建設職人基本法に基づきます基本計画案、昨日公開していただいたわけでございますが、それにつきまして御質問させていただきたいと思います。
 まず、これは厚生労働省にお聞きしたいんですが、この基本計画案の第三の二ポツ、墜落・転落災害の防止対策の充実強化というのがございます。この中に、労働安全衛生規則に併せて実施することが望ましいより安全な措置等とございますが、このより安全な措置等とは何か、明確にしていただきたいと思います。お願いします。
#22
○政府参考人(田中誠二君) お答えいたします。
 厚生労働省におきましては、平成二十四年に策定いたしました足場からの墜落・転落災害防止総合対策推進要綱の中で、より安全な措置等として、上さん、幅木の設置などの措置、手すり先行工法及び働きやすい安心感のある足場の採用、足場等の安全点検の確実な実施の三点を挙げておりまして、労働安全衛生規則の確実な実施に併せて実施することが望ましいものと位置付けております。
#23
○藤末健三君 是非、先ほどおっしゃっていただきました安全措置でございますけれど、これをきちんとやっぱり徹底していただくことと、次の質問でございますけれど、実施することが望ましいより安全な措置等の一層の普及促進に向けて実効ある対策を講じるとございますけれど、その一層の普及促進の具体的な内容、そしてその日程感覚がどうなっているか、明確にしていただきたいと思います。お願いします。
#24
○政府参考人(田中誠二君) 手すり先行工法を含みますより安全な措置等の一層の普及促進のために、まずは早急に、事業者などに対し、改めてより安全な措置等の周知啓発、指導の徹底を図りたいと考えております。また、より安全な措置等の普及促進を効果的に進めるには、建設工事に関わる幅広い関係者と認識を合わせ、一体となって対策を図っていく必要があると考えております。
 このため、足場や建設業の業界関係者の御意見を伺うことなどによりまして、普及促進のためにクリアすべき課題を明らかにし、それに適切に対応することが必要であると考えており、速やかにその準備を開始したいと考えております。
#25
○藤末健三君 是非、もっと細かくお聞きしたいんですけれど、速やかにというのはいつまでかという話ですよね。今お話しいただきましたように、より安全な措置の普及促進を効果的にするために関係者と認識を合わせて周知徹底を図っていくことが必要であるということでございますけれど、私がお聞きしたいのは、具体的に周知徹底をどのくらいされるのか。
 そしてまた、恐らくこの話は基本的には政令である規則に持っていかなきゃいけないと思いますが、そのためには委員会を開かなきゃいけません。委員会をいつまでに開くか。そして、その委員会で議論された中身に基づき、その規則を、労安規則をいつまでに改定するか。それぐらいの日程のスケジュール感を教えていただかなければいけないと思うんですが、いかがですか。
#26
○政府参考人(田中誠二君) 手すり先行工法を含みますより安全な措置等につきましては、労働安全衛生規則を確実に実施した上で、事業者の判断で採用すべきより安全な措置、上乗せの措置ということで推奨をしております。
 手すり先行工法について申し上げますと、その普及状況については既に先月の委員会でお答えしたとおり、民間工事では平成二十三年度時点で二三・二%の採用率にとどまっているところでありまして、その後の普及状況もしっかり把握しながら、この普及状況を踏まえた周知の在り方ということを考えまして、より徹底した周知を行っていきたいと思います。その上で、この普及の障害となっているような要因を分析しまして、その障害を取り除くための有効な方策について検討してまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、建設業における墜落・転落災害の防止対策については引き続き最重要課題でございまして、業界団体や個々の事業者の主体的な取組を含めて総合的に推進しないといけません。基本計画の見直しの検討の時期も念頭に置きながら、速やかに調査検討を行ってまいりたいと考えております。
#27
○藤末健三君 部長、基本計画、読んでいただいていますか。
 一番最後に、基本計画の策定後二、三年内に調査等を行った上でまた計画を見直すと書いてあるんですよ。これは何かと申しますと、立法した我々の意思なんですよ。基本計画は五年以内に見直すと、わざわざ以内と書いたんだもの。その意味分かりますか。五年、普通は基本計画というのは五年なんですよ。それをわざわざ以内と書いた。それはなぜかというと、三年とか短い間にきちんと成果を出したいという我々国会の意思なんです、それは。それが分かっていますか。いつまでにやるのか。基本計画は基本的に三年でやるということを書いたわけですよ。総合的にやります、一生懸命やりますじゃ答えにならない。明確に答えてください。
#28
○政府参考人(田中誠二君) 昨日御提案申し上げました基本計画の案の最後のところにおきまして、施策の推進状況の点検と計画の見直しについての項目がございます。そこでは、本基本計画に定める施策について、本基本計画の策定後二から三年で調査等を行った上で必要な見直しをするという趣旨を書いております。
 私どもは、先ほどお答えをいたしましたけれども、この見直しの時期を念頭に速やかに調査検討を行い、対応してまいりたいと考えております。
#29
○藤末健三君 これは二、三年以内ということでございまして、三年、少なくとも三年以内にはある程度閉じなきゃいけないという、そういう意思でございますので、理解いただきたいと思います。
 具体的に私が考え得るスケジュールを申し上げますと、まず、通達をきちんと徹底していただくとすると、私、一年ぐらいじゃないかと思う。そして、その一年間にいろんな調査を行っていただき、その現状を把握していただき、やはり委員会を一年後に開いていただく。そして、委員会で一年議論していただいた上で規則を改正していただく。そうするとちょうど三年なんですよ。それが妥当なスケジュールと思われますか、いかがですか。お答えください。
#30
○政府参考人(田中誠二君) 委員御指摘のとおり、業界団体あるいは関係者を参集いたしました検討会等を開く必要があると考えておりますけれども、そのための準備のための実態把握等も必要になってまいります。また、その後、どのような有効な方策があるかについても幅広く検討をいただく必要がありますので、委員御指摘のようなスケジュール感もよく念頭に置きながら進めてまいりたいと思います。
#31
○藤末健三君 是非念頭に置いていただきたいと思います。私も、これ何となく思い付きで言っているのではなく、関係者の方々と相談した上で、これが適切なスケジュールじゃないかということで提案させていただいていますので、それを是非御理解いただきたいと思います。
 続きまして、発注者を含む国民の目の前にこの転落とか墜落の防止の安全対策を見える化することが非常に大事じゃないかと思っておりまして、私の提案でございますが、例えば、今どんどんどんどん、この法律にも新しい技術の開発等を書かさせていただいておりますけれど、転落、墜落の防止に対するいろんな技術があります。そういう公開実証実験を行う必要があると考えますけれど、厚生労働省のお考え方はいかがでしょうか。
#32
○政府参考人(田中誠二君) 御指摘の検証実験の内容については具体的に明らかでないので一般論になりますけれども、労働災害の防止のために効果がある個々の対策について見える化を推進していくという取組については、関係者が労働災害防止対策を検討していく上で有益であると考えております。個々の対策につきまして、知見を持った民間団体が主体的に情報を発信していくことを期待しております。
#33
○藤末健三君 是非サポートいただきたいと思います。実際にやっぱり現場のいろいろな話を聞かせていただきますと、まだまだ啓蒙普及が行き届いていないところもありますし、同時に、新しい技術を使えば本当に命を失わず、そしてけがをされずに済むという事例があると思いますので、是非この公開検証実験を進めていただきたいと思います。
 実際に、ある団体はもうこれをやりたいということもおっしゃっておりますので、是非ともこういう活動を民間機関が行う場合に、例えば国交省、厚労省、経産省などが後援することはできないでしょうか。
 また、我々が作ったこの法律の九条の都道府県の計画策定の参考とするためにも総務省の後援をやっていただく必要があると思うんですが、是非総務省、この法律に書いています都道府県も、国だけではなく都道府県も建設工事従事者の安全を、そして健康を確保するための計画を作るように促進していただきたいと思いますが、回答を短くお願いしたいと思います、それぞれ。
#34
○政府参考人(谷脇暁君) 民間団体による行事の主催等に関する国土交通省の後援につきましては、基準を設けて対応してございます。後援を行う際の基準といたしまして、例えば国土交通行政施策の推進、普及、啓発に寄与すると認められるもの、あるいは営利を主たる目的とせず、かつ特定の団体等の宣伝に利用されるおそれのないもの、あるいは行事等の実行を確実にならしめる計画を有し、かつ運営方法が公正であるものなどを定めているところでございます。
 御指摘のような公開検証実験に対する国土交通省の後援につきましても、その内容を確認の上、このような基準に基づき適切に対応してまいりたいと考えております。
#35
○藤末健三君 じゃ、ほかにも、国土交通省の御意見いただきましたので、厚生労働省、経済産業省、そしてまた総務省の方の御回答をお願いいたします。
#36
○政府参考人(田中誠二君) 厚生労働省による後援名義に関しましても、主催者からの申請に基づいて基準を適用して判断いたします。申請を待って適切に判断してまいりたいと思います。
#37
○政府参考人(土田浩史君) お答え申し上げます。
 経済産業省に対しまして民間の団体が後援名義の使用を申請してきた場合には、当省の内部規定に基づきまして審査を行いまして、基準に合致する場合には後援名義の使用を承認することとしております。
#38
○政府参考人(時澤忠君) 総務省におきましても、承認取扱要領に基づきまして後援名義の使用を承認をしております。一定の基準に合致する場合には承認することとされておりますので、お尋ねの件につきましての内容を確認した上で、基準に基づき適切に対応させていただきたいと思います。
#39
○藤末健三君 是非、各省庁連携していろいろ支援をいただければと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 また、この基本計画案の中におきまして、一人親方の労災の加入を積極的に推進するというふうにありますが、その具体的な内容を教えていただきたいと思います。
 実際に、労働災害保険に一人親方入っておられない場合があるんですね。私は話をお聞きしますと、災害に遭われて命を失われる、しかし労災に入っていなくて残された御家族が大変な目に遭われているという、そういう事例もございます。調べたデータでは、亡くなった方の三分の一が入っていないというデータがあるんですよ。そういう状況でございますので、是非これを進めていただきたいと思いますが、厚生労働省、見解をお聞かせください。
#40
○政府参考人(藤澤勝博君) お答えを申し上げます。
 一人親方の特別加入に関しましては、年々加入者が増加しているところではございますけれども、御指摘のとおり、加入をしていらっしゃらない方がいることも事実でございます。
 特別加入は任意加入ということもありまして、これまでは私ども行政側からの積極的な加入促進を必ずしも行ってこなかったところでございますが、今後は、この今回の基本計画に基づきまして、一人親方の特別加入の状況の実態を把握をするとともに、特別加入を促進するより分かりやすい新しいパンフレットなどを作成をいたしまして、関係行政機関とも連携をし、関係団体や建設業の事業主などを通じまして、現場の一人親方に確実に届くような周知、広報を実施をするということで、一人親方の方が確実に特別加入制度を知ることができて、特別加入される方がより一層増えていくよう、積極的な加入促進を行ってまいりたいと考えております。
 なお、契約上一人親方として扱われている方でありましても、現場において労働者としての実態がある方につきましては労働者として当然に労災保険が適用されるものであり、そのような場合は現場でも労働者として取り扱うよう事業主に対して改めて周知や指導を行ってまいりたいと考えております。
#41
○藤末健三君 前向きな回答をありがとうございます。
 この一人親方につきましては、労働法制上、法の対象となる労働者として扱われておりません。ですから、本来労働保険の対象とならないことから、労災保険の加入を希望する場合、特別加入者という任意の加入になってございます。ただ、今日お答えいただきましたように、契約上一人親方として扱われる人でも、現場において労働者としての実態がある方については労働者と取り扱うよう事業者に対して改めて周知するということ、これは是非やっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 では、次の質問でございますが、法律の所管省ではないですけれど、関係が深い経済産業省としての建設工事従事者の安全向上のための取組を教えていただきたいと思います。
 私は元々経済産業省で仕事をしておりまして、経済産業省は、建設機械とか、あと、そういう道具のレンタル業、そういう業種を所管しておりますので、是非その業種を所管する経済産業省としての取組についてお聞かせください。お願いいたします。
#42
○政府参考人(土田浩史君) お答え申し上げます。
 経済産業省では、建設現場で使われております建設機械、工具その他の資機材につきまして、日本工業規格、いわゆるJISを制定しております。JIS規格の制定に当たりましては、安全性が確保されているか、あるいはどのように安全性の試験をするか等の内容も勘案しながら定めることとしております。このような標準化を進めることにより、建設現場の工事従事者の方々の安全の確保に効果があるものではないかというふうに考えておるところでございます。
 引き続き、関係省庁や関係業界とも連携をしながら、標準化の推進による安全な資機材の普及に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#43
○藤末健三君 是非経済産業省にお願いしたいことが一つございまして、JISも所管しておられるわけでございますが、我々が作りましたこの建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進に関する法律、この七条に、財政上そして税制上の措置をすることとか、またあとは、たしか十三条だったと思いますけど、研究開発を行うということが書いてございまして、是非、経済産業省はいろんな税の仕組みを持っています、中小企業の支援、その中でもやはり建設業の支援、それも安全と健康に関する支援というのを、やっぱり税制上の問題とか財政上の問題、国土交通省、厚労省と連携してやっていただきたいというのが一つございます。
 そして、もう一つございますのは、今回、やはり基本計画の案にも入れていただいておりますけれど、生産性向上や、そして安全、健康を向上させるための研究開発を推進するという項目も入れさせていただいているわけでございますので、その研究開発なども併せて国交省と連携していただきたいと思います。
 実際に、国交省とお付き合いをさせていただきますと、純粋な研究開発予算みたいなものは持っておられない形になっていますので、そこは是非、経産省のいろんな機械を、建設関係の機械、そして安全関係の機械などを開発する事業者の方、工業事業者の方々がおられますので、そういう方々の連携を進めていただくことをお願いしたいと思います。
 最後でございますが、この基本計画を実施するに当たりまして、現場で働く建設工事従事者の生の声を是非幅広く聞いていただき進めていただきたいと思いますが、是非、今回いろいろ御指導いただきました石井国交大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。お願いいたします。
#44
○国務大臣(石井啓一君) 建設業は現場で直接施工を担う建設工事従事者によって支えられておりまして、人材で成り立っている産業であります。過去に比べると建設業における死亡災害等は大きく減少しているものの、平成二十七年において四百八名の方が亡くなっている現状は重く受け止めております。建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進に関する法律も、このような現状を踏まえ成立をしたものと承知をしております。
 現在、同法に基づく基本計画につきましては、できる限り早期に策定すべく議論を進めているところでありますが、その際、現場の状況に即したものとするために、現場で働く建設工事従事者の御意見を聞くことも重要であると考えております。そのため、基本計画の策定に当たりましては、学識経験者及び関係業界団体の代表に加え、若手技術者、技能者等からも御意見を聞いているところでございます。
 私自身も、建設工事従事者の安全及び健康の確保の前提となる働き方改革に関しまして、課題や今後必要な取組等につきまして現場の建設工事従事者の生の声を直接伺う意見交換会を二月に実施をさせていただいたところでございます。
 今後、基本計画を速やかに策定をし、その内容を実施してまいりますが、実施をする際にも、現場で働く建設工事従事者の御意見を聞きながら、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。
#45
○藤末健三君 是非、石井国交大臣におかれましては、現場の声を吸い上げて、是非この安全、健康の議論を深めていただきたいと思います。
 ちょっと時間がございますので、一つ質問戻らさせていただきまして、先ほど、我々が作りました法律の七条にあります財政上や税制上の支援の措置、そして十三条にございます技術開発などについて経済産業省にお話、こちらの提案させていただきましたけど、土田審議官、もしよろしければ、私の提案させていただきました、経済産業省が国交省や厚労省と連携して税制や財政上の支援措置をやっていただく、また、ここの十三条にございますように、ここに書いてございますのは、建設工事の安全の実施に資するとともに省力化及び生産性の向上にも配慮した材料、資材及び施工工法の開発及び普及を促進するとございます。特にこの材料や資機材などにつきましては経済産業省も深く関係していると思いますので、そこに対する研究開発の支援などにつきまして、できる範囲で結構ですけれど、お考えを述べていただければと思います。お願いいたします。
#46
○政府参考人(土田浩史君) 現在、IoTほかi―Constructionというような言葉もございまして、そういったIoT技術の活用というのが産業界で課題になっておりますので、そういった新技術を活用した建設機械ですとか、あるいは工具、資機材等の研究開発等につきまして、国土交通省あるいは厚生労働省と連携いたしまして支援の方策を考えてまいりたいというふうに思っております。
#47
○藤末健三君 是非お願いします。
 今回、この建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進に関する法律、議員立法で全会一致で作らさせていただきました。普通であれば、この法律に基づく基本計画、大体、役所的な感覚でいくと一年ぐらいで作るのが普通でございますが、今回は半年近い、短い時間で作っていただく中で、昨日でございますけれど、専門家会議も設置いただき、新しい一歩を踏み出そうという中で、関係する役所の方々の本当に多大なる御貢献と御努力に感謝を申し上げまして、私の質問を終わらさせていただきます。
 ありがとうございました。
    ─────────────
#48
○委員長(増子輝彦君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、藤末健三君が委員を辞任され、その補欠として野田国義君が選任されました。
    ─────────────
#49
○新妻秀規君 本日は、物流生産性革命についてお伺いをしようと思います。
 まず、物流の効率化に向けた駐車場対策について伺います。
 石井国交大臣は、所信挨拶において、物流生産性革命、これを掲げられました。物流は、人体に例えると血流ともいうべき非常に重要なものだと思っております。なので、その円滑化、効率化は喫緊の課題でございます。
 一方で、現状では、特に宅配業界のピンチについて、最近はクロネコヤマトさんがサービスを縮減するという方針を発表する、それによってこのピンチが幅広く知られるようになりました。
 物流業界に聞き取りを行ったところ、配達に係る苦労について次のようなお声がありました。十年くらい前から駐車違反に関する法規制の運用が厳格になって、荷物の積卸しであっても五分もたてば駐禁を取られてしまう、そのため、特に中心の市街地ではトラックを止められる場所に止めて荷物をカートに載せ替えて、それから個々の配送先まで運ぶ、なので、手間はそれまでと比べると比べ物にならない、こんなようなお声だったんです。確かに、町中でクロネコヤマトさんのネコロジーの手押し車とか佐川さんのカートをよく当たり前のように見るようになりました。でも、その背後にはこういう御苦労があるわけなんです。
 ここで、トラックを止めて荷物を載せ替える場所は荷さばき駐車場というんですけれども、業界の方に言わせると、この荷さばき駐車場、これ全く足りないとおっしゃるんですね。
 資料の一を御覧ください。
 これは国交省さんの資料を持ってきたやつなんですけれども、この荷さばき駐車場がないとこんなことが起こるということが写真で示されています。一番左下の写真。これ、荷さばきの車両によって道が塞がれちゃうと交通の阻害が起こりますよね。ちょっと本当に危ないと思います。右二枚の写真が荷さばき車両による歩行空間の阻害ということで、商店街とか、車が止まっていると安全で快適な往来が言わば妨げられてしまうと、こういうことがあるわけなんです。
 ここで、都市局に伺いたいんですけれども、この荷さばき駐車場の整備について、これまでの取組の実績と今後の取組方針について示していただきたいと思います。
#50
○政府参考人(栗田卓也君) 都市内におきまして荷さばきのための駐車スペースを確保することは、物流効率化の観点からも重要だと考えております。このため、国土交通省では、荷さばき駐車施設の附置義務化、地方公共団体が行う荷さばきのための駐車スペースの確保に関する取組の支援、この両面から取組を推進しているところでございます。
 この結果、荷さばき駐車施設の附置義務化につきましては、地域の実情を踏まえつつ、全国八十九都市で条例化されているところでございます。また、地方公共団体が行う荷さばきのための駐車スペースの確保に関する取組に対しましては、社会資本整備総合交付金等によりまして支援を行っているところでございます。
 今後とも、荷さばきのための駐車スペースの確保の取組を積極的に推進してまいりたいと考えております。
#51
○新妻秀規君 今おっしゃった条例化、この推進について、具体的な取組ということをもうちょっと詳しく教えていただきたいと思います。
#52
○政府参考人(栗田卓也君) 荷さばき駐車施設に関します附置義務につきまして、現在全国八十九都市で条例化されております。先ほど御答弁させていただきました。より一層取組が促進されますように、今年の二月に地方公共団体の参加者約百五十名が集います国土交通省主催の全国駐車場政策担当者会議、ここでも条例化の働きかけを行っているところでございます。さらに、今年八月に開催予定としております地方公共団体の参加者約三百名お集まりいただきます研修会の中でも、改めて積極的な働きかけを行ってまいるつもりでございます。
 現在、複数の都市で条例化に向けた実務的な検討を進めていただいているというように聞いております。今後の条例化にますます期待をしておるところでございます。引き続き、荷さばき駐車施設の附置義務化につきまして働きかけを行ってまいりたいと考えております。
#53
○新妻秀規君 今局長からありました、こうしたあらゆる場を活用しての条例化の推進を是非ともお願いをしたいと思います。我々もネットワーク政党として、様々な働きかけを地方議会の議員にも呼びかけていこうと思っております。
 ここで、更なる取組前進の決意について田中副大臣にお伺いをしようと思います。
 田中副大臣におかれましては、物流の効率化に向けて荷さばき駐車場を更に整備を促していただきたいと思います。是非とも知恵を絞って取組を推進していただきたいんですけれども、御決意のほどお願いをいたします。
#54
○副大臣(田中良生君) 都市内の制約された空間の中で荷さばきのための駐車スペース、これを確保するために、各地域では創意工夫を凝らした様々な取組が現在も行われているものと認識しております。
 例えば、公共の荷さばきのための駐車スペースを整備したりですとか、あるいは公有地のデッドスペース、また民間のコインパーキングを活用して複数の小規模な荷さばきをするための駐車スペースを確保する、こうした取組が見受けられるところであります。
 また、こうしたハード面の取組以外にも、商店街や物流事業者の協力を得て共同での集配送を行ったり、また歩行者が少ないときに安全に荷さばきを行うための荷さばきを行う時間帯を設定するといったソフト的な取組も見受けられるところであります。
 国交省といたしましては、荷さばきのための駐車スペース確保のために、こうしたハード、ソフト両面から先進的な事例についても普及啓発、これを努めるとともに、新たに取り組もうとする地方公共団体に対しまして社会資本整備総合交付金を通じた支援、こうしたものを行っていきたい、そのように考えております。
#55
○新妻秀規君 今、田中副大臣が御答弁されたような普及啓発の取組、是非ともこれからも積極的に進めていただきたいと思います。
 続きまして、高規格の高速道路でのトラックの法定上限速度の見直しについて警察庁にお伺いをしたいと思います。
 現在、トラックの法定の上限速度は、車両の総重量が八トン以上又は最大積載量が五トン以上の特定中型貨物自動車、これと大型貨物自動車、そしてトレーラーでは毎時八十キロとなっておりまして、一般の自動車やバスの毎時百キロよりも二十キロ低く設定をされております。確かに貨物自動車、重たいですから、万が一のことが起こったときには衝突のときのエネルギーが大きい、ブレーキも利きにくいため他の自動車種よりも法定上限速度は抑えられている、これは理解できるところです。
 一方、資料の二を御覧ください。
 これは去年の三月に警察庁さんが出された資料なんですけれども、この資料に示されるとおり、高規格の高速道路の一部の区間においては、普通自動車やバスなどの法定上限速度を毎時百キロから百二十キロに引き上げていくとの提言がなされています。これはどこで行われるかというと、新東名の静岡の一部の区間と東北自動車道の岩手の一部の区間でありまして、早ければ本年度中に毎時百十キロでの試行が始まると伺っています。
 ここで高規格の高速道路とは、カーブとか勾配が緩やかで、見通しが遠くまで効く、そのために速度が早くても安全に走行できる高速道路と、このように承知をしております。
 法定速度の引上げが可能な理由としては、調査の結果判明した二つの事実によります。
 この資料の二の赤枠のところを御覧ください。
 この二の提言の要旨に(1)とありますね。高規格の高速道路における速度規制見直しの可否ということで、構造適合速度百二十キロの高規格の高速道路では、実勢百から百二十キロの路線、区間においては一定程度の規制速度の引上げは可能としておりまして、その次がその理由なんです。
 一つ目の丸、高規格の高速道路における自由流のときの死傷事故率は、標準的な高速道路の同事故率よりも約四割も低いと。二つ目の丸、利用者の意識調査では、道路構造上百二十キロまで走行可能な道路での規制速度引上げについて、約八七%のドライバーが受入れということで、事故が少ないということと、あとはドライバーが大丈夫だと思っていること、この二つによって法定上限速度の引上げが可能というふうにしてあるわけなんですね。
 一方、物流業界からは、トラックについてもこの法定の上限速度を引上げの方向で見直しできないかという声が上がっているんです。速度が上がることによって目的地まで早く着くと、要は時間が少なくて済むわけなんですよね。そうすれば、トラックドライバーの長時間労働の改善の方向なわけなんです。
 なお、諸外国での貨物自動車の高速道路での最高速度は、資料三を御覧ください、この資料三にいろいろ赤枠で囲ってあるように、上から、イギリスは九十六キロ。これ、ちなみに、今から申し上げるのは、例えばなんですけれども、総重量十トンの特定中型貨物自動車だったらどうなるかということで、日本だったら八十キロです。イギリスは九十六キロ、ドイツは六十キロ、フランスは百十キロ、韓国は八十キロ、ニューヨークとカリフォルニア州は八十八キロとなっていますね。
 このように各国ごとに異なっていまして、一般の乗用車との間に速度差が設けられることに十分留意をする必要があるんですけれども、日本の貨物自動車の法定上限速度は若干厳しい方かなというふうにも見受けられます。
 ここで、トラックなど貨物自動車のドライバーへの意識調査の実施について触れたいと思います。
 普通自動車の法定上限速度の引上げに当たっては、先ほどのような客観的な調査が判断の根拠となっています。一方、物流を担う貨物自動車の法定上限速度の引上げについては、一たび事故が起これば影響は深刻なものですから、なので当然慎重に行わなくてはいけないんですけれども、やはりこれも客観的なエビデンスに基づいて行う必要があると思います。
 ここで、普通自動車で高規格の高速道路で百十キロとか百二十キロでの試行がスタートした後に利用者意識調査のフォローアップ調査を行うことがあれば、是非とも、特定中型貨物とか大型貨物とかトレーラーといった貨物自動車の運転手に対して、現状よりも高い速度、例えば速度リミッターと同じ九十キロまでの引上げについて大丈夫かどうかという意識調査をしてほしいんですけれども、警察庁さん、いかがでしょうか。
#56
○政府参考人(長谷川豊君) お答え申し上げます。
 大型貨物自動車等につきましては、高速道路における大型貨物自動車等の死亡事故率が大型乗用自動車、普通乗用自動車等と比較しても高いこと、それから、欧米諸国におきましても、大型貨物自動車等について他の車種より低い速度規制が定められていることなどの状況を踏まえますと、現行の法定速度には合理性があるものと考えているところではございます。
 今回の試行での引上げの検討におきましては、全国の高規格の高速道路における事故データに基づく検討のほか、高速道路利用者の受容性などについて意識調査を行うなどしてきたものでございますけれども、委員から御指摘がございました特定中型貨物自動車、大型貨物自動車やトレーラーの規制速度引上げに関する道路利用者の意識調査につきましては、こうした事情も勘案しつつ、その必要性や内容について検討をしてまいりたいと考えております。
#57
○新妻秀規君 是非とも前向きな検討をお願いしたいと思います。
 ここで、中長期的な課題として、高規格の高速道路でのトラックの法定上限速度の検討の方向性についてお示しいただきたいと思います。
#58
○政府参考人(長谷川豊君) お答え申し上げます。
 今回の試行の引上げを検討いたしました学識経験者等から成る調査研究委員会の提言におきましては、大型貨物自動車等の法定速度を引き上げることにつきまして、貨物の積載状況によっては走行が不安定になる場合があること、積載量に応じて制動距離が長くなること、ほかの車両より重量が重いため同一速度でも運動エネルギーが大きくなって事故発生時に被害が重大化しやすいこと、また死亡事故抑止や二酸化炭素排出量の抑制等のために速度抑制装置設置の義務付けがなされていることから、慎重な検討が必要であるとされているところでございます。
 大型貨物自動車等の速度規制の見直しの必要性につきましては、まずは新東名高速道路や東北自動車道における試行の実施の状況を見た上で、今後の大型貨物自動車等の事故実態も踏まえつつ検討してまいりたいと考えております。
#59
○新妻秀規君 慎重かつ着実な検討の推進をお願いをしたいと思います。
 委員長、警察庁の方におかれましては、質問この後ありませんので、退席についてお取り計らいをお願いします。
#60
○委員長(増子輝彦君) 長谷川審議官、御退席ください。御苦労さまでした。
#61
○新妻秀規君 次に、高速道路の更なる利用の拡大、更なる活用の推進について伺いたいと思います。
 資料の四を御覧ください。
 ここに示すように、これは日本の現状の高速道路の利用、この青い部分で示されているのが高速道路の利用率なんですね。これ、分担率という言葉があります、現状一六%。アメリカ、ドイツ、フランスとかで大体三割超えているんですね。なので、欧米諸国の半分というのが日本の高速道路の分担率なわけなんです。これはやはりもっと使うべきなんですね。
 というのも、まずは皆さん、高速の方が燃費いいですよね。あとは、事故が高速少ないんです。この資料の右の箱の下を御覧ください。高速道路の性能が高い例ということで、高速道路の死傷事故率は一般道路の何と十分の一。なので、高速道路を現状の倍くらいの三〇%、日本なった場合どうなるかというと、この箱の中です。死者が六百人も減ります、年間ですね。負傷者も二十万人減る、消費燃料も四百万キロリットル減る、渋滞損失も七億時間も減るという、これは莫大なもう削減が、若しくは緩和が可能になってくるわけなんですね。でも一方、物流業界からは、経費の削減のためにトラックは高速道路を使わず、下道で何百キロも行くことがあるよというふうに聞いています。
 ここで、資料五を御覧ください。
 ここにあるように、都心にこの大きなトラックがもう普通に通行していますよと。また、この下の棒グラフにあるように、東京港から内陸に行く場合に高速道路を使うか使わないか、使わないのが何と六割、使うのが四割。使わないよと言っているものをもうちょっと詳しく見ていきますと、中央環状線の内側から一般道をずっと使っているという人が、首都高で利用なし約六割を占めていると。かなり高速が使われていないということが分かるわけなんです。やはりこれは何とかしなくちゃいけないと思います。
 今後、高速道路の分担率向上についてどのように取り組んでいくのか、道路局長、よろしくお願いします。
#62
○政府参考人(石川雄一君) お答えいたします。
 高速道路につきましては、一般道路に比べまして走行性が高く事故率も低いため、高速道路の分担率を適切に引き上げることは重要であると考えておりまして、国土交通省におきましては、必要な道路ネットワーク整備を進めるとともに、道路を賢く使う取組を進めているところでございます。
 具体的には、既存の高速道路の有効活用を図るため、ETC二・〇による走行速度などのビックデータを活用し、実容量の低下箇所を特定した効果的なピンポイント渋滞対策の実施や高速道路へのアクセス性を高めるスマートインターチェンジの設置、ドライバー不足にも対応し輸送の効率化を図るため、現在の新東名で実験中のダブル連結トラックの導入、労働環境の改善にも資するよう道の駅など高速道路外施設を活用した休憩施設の確保、死亡事故率の高い暫定二車線区間における対策や二日に一回の割合で発生しております逆走に係る対策など、安全対策の実施などを行っているところでございます。
 これらの対策の実施を通じまして、高速道路の分担率を適切に引き上げ、道路ネットワーク全体を最適利用することで生産性の向上や安全、安心の確保、地域経済の活性化に貢献できるよう取り組んでまいります。
#63
○新妻秀規君 是非とも取組を推進していただきたいと思います。また、料金の低減にも是非とも取り組んでいただきたいと思います。
 最後に、石井国交大臣から、物流生産性革命に懸ける思いを最後に御答弁をお願いしたいと思います。
#64
○国務大臣(石井啓一君) 物流分野におきましては、例えば五十歳以上のトラック運転手の割合が全体の四割近くに達するなど、今後労働力不足が更に深刻化することが懸念される状況であります。その一方で、トラック積載率が四割程度に低下し、長い手待ち時間や駐車場所から配送先までの長い搬送が発生するなど、様々な非効率が生じております。このため、二〇二〇年度までに労働生産性を二割程度向上させることを目標といたしまして、業務効率の改善及び付加価値の向上によって物流産業全般にわたり大幅なスマート化を図る物流生産性革命を推進しております。
 特に、物流の大宗を占めるトラック輸送につきましては、荷主も参画する協議会や官邸に設置をされました中小企業の取引条件改善に関する会議等を活用いたしまして、取引環境の改善及び長時間労働の抑制を通じた働き方改革と一体としてこれを進めてまいりたいと考えております。
#65
○新妻秀規君 終わります。
 ありがとうございました。
#66
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
 今日は、航空機の客室乗務員の労働条件について伺います。
 客室乗務員の職務の範囲と内容について、航空法に基づく運航規程審査要領細則ではどのような位置付けがされているでしょうか。
#67
○政府参考人(高野滋君) お答え申し上げます。
 ただいま委員御指摘になりました運航規程審査要領細則でございますが、それにおきましては、客室乗務員の職務の範囲及び内容は、一つは、「旅客に対するシートベルトの常時着用の要請その他安全上の指示及び説明、緊急避難に係る誘導、機内火災の消火、機内持ち込み手荷物の適切な収納等、客室安全の確保に係る業務を行うこと。」。それに加えまして、「その他機長の指揮命令に基づく業務を行うこと。」と規定しております。
#68
○山添拓君 接客のサービスだけではなく、安全のための要員だということであろうと思います。
 国際民間航空条約、ICAO条約といいますが、その附属書六第十二章添付Aの一という項目では、飛行時間、飛行勤務時間、勤務時間制限及び休養要件、これは運航乗務員並びに客室乗務員が安全運航に必要な適切な注意力を持って業務が確実に遂行できることのみを目的として制定されると書かれています。
 このICAOが二〇一一年、航空機乗組員及び客室乗務員の疲労リスクの適切な管理を求める条約改正を行い、二〇一六年には疲労管理の詳細な方法を記載したドキュメントの改正も行っています。日本ではどう対応するんでしょうか。
#69
○政府参考人(高野滋君) お答え申し上げます。
 国際民間航空機関は、国際航空に関する国際的な技術基準などを定める国連の専門機関でございます。具体的な権能としては、一つは、委員御指摘のように、国際民間航空条約附属書に定める国際標準や勧告方式を定めること、それに加えまして、その他の技術文書にガイダンス等を定めてございます。国際標準につきましては、締約国は国際民間航空条約上遵守することが求められていますが、ガイダンスについては締約国の基準策定に当たっての参考にするという位置付けになっています。
 そこで、御指摘の疲労管理に関するガイダンスでございますが、国際民間航空機関は、平成二十八年二月に、操縦士、客室乗務員及び管制官を対象として、疲労リスクを適切に管理するためのガイダンス文書を発行いたしました。これを受けまして、国土交通省といたしましては、諸外国における疲労管理に関する制度の導入の状況なども踏まえ、まずは操縦士を対象として、航空会社に対し、疲労に関する教育制度を構築すること、及び疲労に関する安全情報の収集を行い分析を行った上で適切に措置を講じることを求める制度を本年十月から導入することとしております。加えて、疲労を踏まえた操縦士の乗務時間等の制限などにつきましても、その基準を、今後、医学面を含む有識者の御意見をいただきながら検討を行うこととしています。
 以上です。
#70
○山添拓君 検討を行うに当たっては、国内での航空会社各社の実際の運用の状況、こういったものについても確認をして情報収集を行っていく、こう伺ってよいでしょうか。
#71
○政府参考人(高野滋君) お答え申し上げます。
 今後、乗務時間等の制限の検討を行っていくに当たりましては、もちろん、十月から施行いたします疲労管理制度、疲労の管理制度の中で各社から集まった安全情報なども参考にしながら検討を進めていくということであろうと思います。
#72
○山添拓君 今度の改正案というのは運航乗務員、操縦士を対象としていますが、客室乗務員についても疲労による乗務へのリスクを防ぐべきは当然であり、ICAO条約も対象としています。時差を伴い、深夜、早朝、不規則かつ長時間の勤務です。機内は富士山五合目ぐらいの低気圧、低酸素、低湿度。床面が傾斜しています、また振動がある、さらに常に乗客の視線がある中での身体に負担が掛かる姿勢で重いカートを扱う、こういう業務です。感情労働だと言われて、精神的にも非常に負荷が大きい。
 深夜二時から六時の身体的低調期と言われる時間帯があるそうですが、こういう場合の乗務制限やあるいはサーカディアンリズム、体内時計の考慮を含めて、疲労管理に当たってこの客室乗務員の就労環境の特殊性を踏まえた対応を検討する必要があると考えますが、大臣、いかがでしょうか。
#73
○国務大臣(石井啓一君) 我が国における航空会社の操縦士や客室乗務員につきましては、運航の安全を確保するよう、国際民間航空機関の国際標準に基づき乗務時間の制限等に係る基準を定めているところであります。それに加えまして、同機関のガイダンスに定められている航空会社における乗務員の疲労リスクの管理に関し、諸外国において操縦士を対象とした基準導入が進められることを踏まえ、国土交通省といたしましても、まずは操縦士を対象とした制度の導入を本年十月から行うこととしたところであります。
 一方、客室乗務員の方々には、運航の安全確保に係る重要な役割を担っていただいているところであります。諸外国における状況等を踏まえ、必要に応じまして客室乗務員を対象とした疲労リスク管理の在り方について検討してまいりたいと考えております。
#74
○山添拓君 客室乗務員も対象として検討していくということですね。
 ところが、昨年十一月から日本航空で導入された客室乗務員の新勤務基準、これは疲労を蓄積させ、安全を脅かす事態となっています。勤務間のインターバルを暦日単位から時間単位として、原則は四勤二休、四日間勤務して二日休みという体系になりました。羽田や成田を基地にしまして、例えば一日目に早朝から沖縄を往復すると、翌日から一泊三日でヨーロッパを往復する。あるいは、一日目は羽田から国際線の往復、二日目は成田から一泊三日の国際線と、三日間の中長距離路線の前に必ず国際線や国内線の日帰りが付くようになった。あるいは、グアムに日帰りをして韓国へ一泊二日で往復をすると、それから四日目に国内線日帰り、こういう四日間というようなセットが仕組まれていると。
 資料の二ページを御覧ください。
 北米路線のケースではこういうものがあります。一日目から四日目にボストンを往復すると。この後は三日間公休が入りますが、その後八日目から九日目には羽田から伊丹を経由して関空に移動する。これは大阪基地がなくなったためなんですね。その後、上海、名古屋、羽田と飛びます。十日目、十一日目で成田から釜山を往復すると、公休一日を挟んで、十三日目から十六日目でニューヨークを往復する。これ、八日目以降は九日間で休みが一日しかない、極めて過酷な勤務形態になっていると。
 この新勤務基準の下で体調不良者が続出をしました。資料の三ページを御覧ください。
 幾つか挙げられていますが、成田で搭乗開始前に体調が急変し、嘔吐が止まらず交代をした、三十分の遅延で出発をした。あるいは、宿泊先のパリで体調不良となり、帰りの便は欠員乗務となったと。あるいは、乗客から乗務員の様子がおかしいと指摘があり、機内でドクターコールをして、到着した北京で緊急搬送されてそのまま現地で入院すると。ほかにも飛行中に体調不良となり乗務員用の休憩室で横になり、残った乗務員でカバーするケースなど、この半年に多数発生したといいます。
 国交省はJALの勤務基準の変更とその後の実態について把握されているでしょうか。
#75
○委員長(増子輝彦君) どなたですか。
#76
○山添拓君 これは大臣に答弁をお願いしております。
#77
○国務大臣(石井啓一君) 日本航空においては、国の定める基準に準拠し、客室乗務員の乗務時間と休養の基準について運航規程に定められておりますが、その運航規程の内容自体に変更はございません。
 詳細な勤務時間の管理方法は社内の客室乗務員就業規程に定められており、昨年十一月に運航規程の範囲内で見直しが行われましたが、乗務時間等、年間休養日数に変更はないと承知をしております。また、同社からの報告によりますと、病欠者数は年度ごとに月の変動があり、就業規程による管理の方法の変更との因果関係は必ずしも明らかではないと聞いているところでございます。
#78
○山添拓君 病欠者数だけで測れるものじゃないんですよね。実際にどういうことが起こっているのかと。先ほども各社の安全情報を収集するとおっしゃいました。ですから、実際起こっていることを是非直接受け止めていただきたい。
 客室乗務員から寄せられている声は本当に切実なものです。新勤務基準を受け入れていない日本航空のキャビンクルーユニオンが労働組合の所属を問わずにアンケート調査を行いましたところ、半年間で千二百通の回答が寄せられました。現に新勤務基準で乗務している他組合の組合員からも来ています。
 資料の四ページ以下を御覧ください。少し御紹介します。
 連日の始発時間帯の出勤に国際線の日帰りの連続勤務、疲れ過ぎて電車の中で乗り過ごしてしまうことも多く、最近は携帯のアラームを掛けています。疲れでじんま疹が出たり、十分な休息が取れないまま重労働に従事するのでこれまで無縁だと思っていた腰痛にも最近悩まされています。
 あるいは、国内線日帰り、中国一泊二日、グアム日帰り、四日間働いて休日はたった一日で、今度は国内線乗務の翌日から長距離便一泊三日で働かされるなんて、社員を殺すつもりとしか思えない。中国からの帰りは大幅遅延で、家に着いたのは夜九時、そしてグアムは朝四時起き、フライト間の睡眠時間すら確保されていない。仕事は好きだが、自分の命を守るため、この基準をやめないのであれば私は会社を辞めようかと思っている。
 疲労の蓄積は明らかです。このまま放置しておいてはならないのではないでしょうか。大臣、この声を受けてどのようにお考えですか。
#79
○国務大臣(石井啓一君) 国土交通省といたしましては、今後とも、日本航空に対する安全監査等を通じまして、乗務割等を含め必要な指導監督を行い、安全運航の確保に万全を期してまいりたいと考えております。
#80
○山添拓君 健康への影響はもちろんですけれども、もう続けられない職場と化している、こういう中で安全運航は担保されないと思います。
 JALではこれまでにも過労により心身の障害を生じる事例が起きています。客室乗務員だった岩本章子さんは、一九九六年五月二十九日、到着地の香港のホテルでくも膜下出血に倒れ、一命は取り留めたものの後遺症が残り、乗務復帰はかなわなかった。成田労基署は労災と認めず裁判となりまして、二〇〇六年十一月二十二日、東京高裁で労基署の処分取消し、労災と認める判決が出されています。業務の過重性についてこの判決はどのような判断をしているでしょうか。
#81
○政府参考人(藤澤勝博君) お答えを申し上げます。
 御指摘の東京高裁の判決は、国際線の客室乗務員に発症したくも膜下出血について、当該客室乗務員の業務は頻繁な作業スケジュール変更などの不規則性が高く、長距離を長時間掛けて乗務する等の拘束時間が長い業務であり、また、深夜、徹夜業務、時差への対応などから心身の負担が大きい業務で、機内における保安業務やサービス業務などの身体的、精神的ストレスにさらされやすい業務であり、このように相当負荷の大きい業務が発症前六か月間継続したことを考慮すると、業務と脳・心臓疾患との間に相当因果関係があると言うことができると判示したものと承知しているところでございます。
#82
○山添拓君 休日からフライトへの変更が多かったとか、発症前六か月間の月間の乗務時間数が七十五時間を超えていた、あるいは特別に負荷が大きいニューヨーク便を三か月連続で乗務していた、こういった個別の事情も含めてですが、勘案しまして、就業規則の範囲内の乗務であっても業務の負荷が高くないとは言えない、こういう判断をした判決です。
 資料の七ページを御覧ください。
 当時、JALの乗務時間制限は月八十五時間、年間九百時間でした。二〇〇八年以降現在までは月九十五時間、年間九百九十時間と増えています。岩本さんのような七十五時間超え、これ連続するというのは決して珍しくなく、月八十時間、九十時間飛んでいるんだと伺います。北米便の連続というのも特段制限はされない。その上、過酷な新勤務基準が導入されている。岩本事件の当時より過酷な状況で、現に多くの客室乗務員からこのままでは乗務が続けられないという声が続出しているんです。
 大臣、これ是非、JALに対して調査し、改めて指導していく、こういうことが必要ではないでしょうか。改めて答弁をお願いします。
#83
○国務大臣(石井啓一君) 先ほども答弁申し上げたところでありますが、国土交通省といたしましては、安全監査等を通じまして、乗務割等を含め必要な指導監督を行い、安全運航の確保に万全を期してまいりたいと考えております。
#84
○山添拓君 現在、無理な勤務基準を強いている背景には、JALが破綻時に強行した大量解雇がベテラン乗務員の不足という形で現場に現れていることも指摘したいと思います。
 最後に、サービス残業の実態について伺いたいと思います。
 JALでは、客室乗務員の勤務時間はショーアップ、出頭時刻からとされています。しかし、実際には最低その一時間前、場合によっては二時間前に出勤しているといいます。乗務する便の機材や担当クラスのサービス、機内食のメニューと盛り付けの手順、路線の特性、旅客の情報、こういった事前の、あるいはその都度調査や確認を必要とする事項があります。ショーアップ後はブリーフィングになりますので、時間に余裕がないため早出を余儀なくされると。資料の八ページ目以下にはその様子があるんですけれども、会社はこういうふうにテーブルごとに便名を記した札まで立てているんですね。いわゆる会社公認の早出残業になっています。
 これ労働時間そのものではないかと考えますが、厚生労働省、いかがでしょうか。
#85
○大臣政務官(堀内詔子君) 資料九ページ、十ページの写真のことについて御質問であると思いますけれども、個別の事案については回答を差し控えさせていただきたいと思っております。
 けれども、一般論として申し上げますと、労働時間の適正な把握を徹底するために、平成二十九年の一月の二十日に、これまで厚生労働省の地方労働局向けに示していた通達を改め、企業向けに労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドラインを新たに作成したところでございます。
 このガイドラインにおいて、労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間のことをいい、使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たるとしており、使用者の指示により就業を命じられた業務に必要な準備行為を事業場内で行った時間については労働時間に該当すると考えております。
#86
○委員長(増子輝彦君) 山添拓君、時間が過ぎております。
#87
○山添拓君 必要な調査、指導の徹底を求めて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#88
○室井邦彦君 日本維新の会の室井邦彦です。
 私は、この地球温暖化対策について、国土交通省の各部門の現在の進捗状況、目標状況をお聞きをしたいと思っております。
 平成二十七年の十二月十二日、COP21で採択されたパリ協定では、気温上昇を二度以内に抑えるという共通目標に向け、各国が進んで約束事をしたわけでありまして、そこで非常に気になることが、アメリカの離脱という、パリ協定の離脱に向けた動向が非常に懸念されるわけでありますけれども、我々にとりましても、たった人類にとりましても一つの地球であります。それぞれの国々が約束したことに対して、粛々と日本の国が進めていくということが世界各国からの信頼を取り付ける、また国連での影響力を高めることにつながっていくと、私はこのように思っておりまして、是非ここで国土交通大臣の御所見をお聞きをしたいわけでありますけれども、その前に、国土交通部門で、業務部門とか家庭部門、運輸部門において、二〇一三年度の温室効果ガス排出量、この五七%を各部門で占めておるわけでありますけれども、国土交通省として、また大臣として、改めて、大臣のお考えと、この決意に向けてのお気持ちを是非お聞きをしたいと思います。
#89
○国務大臣(石井啓一君) 地球温暖化対策を推進することは重要な課題であります。運輸部門、業務部門、家庭部門と関係の深い国土交通省といたしましても、温室効果ガス排出削減において重要な役割を担っているものと認識をしております。
 政府といたしましては、昨年五月に地球温暖化対策計画を閣議決定したところであり、これを踏まえまして、国土交通省といたしましても、本年三月に、私を本部長とする国土交通省環境政策推進本部におきまして国土交通省環境行動計画を改定をいたしました。
 これらの計画に基づき、具体的な取組といたしまして、都市のコンパクト化や公共交通網の再構築等を通じた低炭素型の都市・地域づくり、次世代自動車の普及促進や自動車の燃費改善、新築住宅・建築物の省エネ性能の向上や既存住宅・建築物の省エネ改修等を推進しております。
 引き続き、こうした取組を通じまして地球温暖化対策を強力に推進してまいりたいと考えております。
#90
○室井邦彦君 今の日本の状況における位置ですよね、当然御承知であると思いますけれども、二〇一三年を基本とした温室ガス効果の排出量は、中国が二八%、アメリカが一五・九%、その間に、EUとまとめてしまいますが一〇・四%、イギリスが離脱すると九%ということになりますが、インド、ロシア、引き続いて五番目で日本が三・八%となっております。是非努力を続けて実現に近づけていただきたいと、このようにお願いをしておきます。
 続いて、その国土交通省の部門の中での今度は都市に対するCO2の進捗状況の御質問をさせていただきますが、我が国の排出量のうち運輸部門の排出量は一七・二%を占めておりまして、そのうち八六%は自動車からの排出と、このように聞いております。人口減とはいえども、自動車の台数は一世帯に一台、間違いなくございまして、現在、平成二十八年度の数値では六千八十三万台が乗用車、車として活動しておるわけでありますが。
 その中で、自動車からの排出対策のために自家用車から公共交通機関に切り替えるというか、できるだけこの誘導を進めることによって低炭素型の都市構造の実現ができ、非常に有効な手段だというふうに考えられて国土交通省も進められておるわけでありますけれども、現在の、日本国内には一千七百十八の市町村があるわけでありますが、この取組の現在の状況についてお聞かせいただけないですか。
#91
○政府参考人(栗田卓也君) 低炭素型の都市構造ということで、我々は今コンパクト・プラス・ネットワーク、こういった施策を積極的に進めております。これは、都市全体の構造を見渡しまして、町中あるいは公共交通沿線への生活サービス機能や居住の立地誘導を図るものでございます。
 都市のコンパクト化は人口密度の維持向上を通じて様々な効果をもたらすものですけれども、幾つかの都市間の比較では、人口密度と自動車のCO2排出量との関係には一定の相関が見られるところでもございます。CO2の排出削減、低炭素型社会実現の観点からも都市のコンパクト化は有効と考えております。
 現在、都市のコンパクト化に向けまして、平成二十六年におつくりいただきました立地適正化計画制度、これをもちまして約三百の市町村が具体的な取組を進めております。平成二十九年三月三十一日時点で百都市が計画を作成、公表したところでございます。
 一、二御紹介をさせていただきたいと思いますけれども、そのうち、岐阜市あるいは熊本市では、公共交通を軸としたコンパクト化の取組が進められております。既存のバス路線につきまして、ネットワークにおける幹線、支線の役割を明確化した上で、これに即して路線の再編、利便性向上の交通側からの取組を進めていただく、あわせて、沿線を中心に都市機能や居住の誘導エリアを設定するまちづくり側からの取組をセットで進めていただくというものでございます。
 岐阜市におきましては、平成三十二年までに年間のバス利用者数約百七十万人の増加、これは平成二十七年の実績値に対しまして約一割増ということで、自家用車からの転換によるものも含めて目標を定めているというところでございます。
 引き続き、環境面を含め、都市のコンパクト化によります多様な効果を踏まえながら、関係する政策との連携の下、市町村の取組を支援してまいりたいと考えております。
#92
○室井邦彦君 ありがとうございます。
 このコンパクト化、都市の、私は尼崎に住んでおるわけでありますけれども、時々この尼崎の状況をお知らせしておりますけれども、尼崎の町は、約半世紀前は、東の川崎、西の尼崎という、公害の町ということで超有名な、同じほどの人口がございました、五十万、その当時は。
 今は、川崎は百六十万で政令都市で、尼崎は四十五万と、鳴かず飛ばずといいますか、そういう町ではありますけれども、東西南北が約七キロ平方メートルの中に四十五万人が住んでおりまして、その中に十三の駅があります。非常にコンパクトシティー化された自然体の町でありまして、各駅には、自転車公害ということで、ほとんど自宅から自転車で各駅に行くということで、非常に公害の町であったということが、そういうコンパクトシティー化が自然に成り立った町でありまして、一度是非御見学をいただいて、じっくりとまた指摘をいただくなり御指導をいただければ結構なんですけれども、そういう町もあるということを一言申し上げておきたいと思います。
 続きまして、水素社会。車についての、次世代自動車の普及の拡大ということについて、今現在どういう状況になっておるのか、これをお聞きをしたいと思いますが。
 次世代に向かっての水素社会というのは非常に期待をされておるわけでありますけれども、藤井局長、是非、その部分の今現在の取組状況、また、これからの水素社会における目標をお聞かせをいただければと思います。
#93
○政府参考人(藤井直樹君) お答えをいたします。
 水素燃料電池自動車を始めとする次世代自動車、これにつきましては、交通政策基本計画あるいは政府全体の日本再興戦略、そういったところで普及の目標が定められているところでございます。特に、乗用車の新車販売に占める割合について、二〇二〇年度までに五〇%、さらに二〇三〇年度までに五〇%から七〇%の間、そういったところを目指すこととされております。なお、二〇一六年度、平成二十八年度の実績におきましては、今申し上げました乗用車の新車販売の約三五%が次世代の自動車となっているところでございます。
 今委員御指摘の水素の関係でございますけれども、水素燃料電池自動車につきましては、我が国では平成二十六年の十二月から乗用車の販売が開始をされております。本年の三月末の時点において、バスも含めまして約千八百台が国内で導入をされているという状況にございます。
 国土交通省におきましては、特に営業用のバス、タクシー、さらにトラックにつきまして、環境性能に優れた次世代自動車に対する支援に取り組んでいるところでございます。水素燃料電池自動車につきましてもこの中で助成措置を行っているところでございます。また、水素燃料電池自動車につきましては、自動車関係諸税が減免をされているところでございますので、これらの措置についても普及に向けて併せて活用していくこととしております。
 今後とも、関係省庁と連携をいたしまして、水素燃料電池自動車を始めとする次世代自動車の普及や水素社会の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
#94
○室井邦彦君 是非その点を積極的に取り組んでいただいて、日本の技術は世界に冠たるものだというふうにもお聞きしておりますし、その部門で世界を群を抜いて環境立国日本というふうに進んでいっていただきたいと、このように要望をしておきます。
 最後の質問でありますけれども、今度は、CO2に関して住宅の排出量もかなり大きいと聞いておりますので、その部分の住宅局の状況と進み具合を聞かせていただきますが、ホームエネルギーマネジメントシステムというようなことで積極的に取り組んでおられて、新築住宅には省エネ基準への適合の義務化を徹底されておるという方向で進んでおられ、また、既存住宅についても省エネのリフォームを推進し、断熱性の高い建材とか窓の導入など、専門的にいろいろと推進をされ努力をされておるようでありますけれども、是非、その面に関しましても今の現在の状況と今後の目標、進捗状況についてお聞かせください。
#95
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
 委員御指摘をいただきました、HEMSと呼んでおりますが、ホームエネルギーマネジメントシステム、こういったものの導入を通じまして、住宅におきますエネルギーの使用を効率的に管理をするということは大変重要な方策であるというふうに考えております。
 これまで国土交通省といたしましては、中小の工務店が地域の関連事業者と連携をして質の高い住宅を建設する場合に補助を行っております。この中で、高度省エネ型ということでこういったHEMSを使う場合にはこれを補助の対象としております。また、先導的な省エネの取組あるいは省CO2の取組を行いますプロジェクトに対しましても支援をしておりまして、この中でもHEMSの設置を支援の対象としてきているところでございます。
 また、一定の省エネ性能を有してHEMSを設置するなどの基準に適合する住宅につきましては、都市の低炭素化の促進に関する法律に基づいて低炭素住宅として認定をいたしておりまして、この認定が得られますと、税制とか融資等による支援が受けられることになっております。
 また、本年度からは住宅においてIoT技術などを活用する先導的なプロジェクトに対する支援を行ってまいっておりますが、この中でも、HEMSなどを用いまして高度なエネルギー管理を行いますようなプロジェクトについては、提案を受けて支援の対象にしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
 このような取組を通じて、効率的なエネルギー管理を住宅の分野でも普及させていくということに努めてまいりたいと考えております。
#96
○室井邦彦君 終わります。
#97
○青木愛君 希望の会、自由党の青木愛です。
 私も、まず、異常気象の関係からお伺いしたいと思っております。
 先週末、まさに雨の中でありましたけれども、東京北区の総合水防訓練に参加をしてきました。荒川が氾濫危険水位に迫るという設定でございまして、国交省からは排水ポンプ車ですとか照明車などの貸出しをいただきました。内容については、川の決壊、また地下鉄への浸水、またマンホールからの水の噴出、こうしたものを防ぐための土のうの積み上げなどが行われました。また、北区においては、ハザードマップの活用ですとか、またURなどの高い建物にいざというとき地域の方々が逃げ込めるような、そうした取決めなども交わされているというお話なども伺ってきました。今後とも、訓練の重要性とともに、ハード面またソフト面からの更なる対策の必要性も感じてきたところでございます。
 そう申しますのも、近年、日本におきましては猛暑日や熱帯夜が続いております。また、局地的な集中豪雨による河川の氾濫、土砂崩れ、また都市部においては路上の冠水など、かつてはめったに経験しなかったこうした異常気象が毎年どこかで発生しているという状況があります。この異常気象は収まる気配がなく、地球の温暖化の進行とともにまた今後ますます注意が必要ではないかというふうに私どもも考えますが、気象庁の御見解をまずお聞かせください。
#98
○政府参考人(橋田俊彦君) お答えいたします。
 ただいま気温や雨についての異常気象のお尋ねがございました。気象庁の観測では、日最高気温が三十五度以上となるいわゆる猛暑日、それから日最低気温が二十五度を下回らない熱帯夜、これらの年間回数でございますけれども、統計のある過去九十年につきまして都市化の影響が比較的少ない地域の全国平均を見ましても明瞭な増加傾向がございます。
 また、豪雨災害をもたらすような大雨でございますけれども、一時間当たり五十ミリ以上の短時間の強い雨、あるいは一日当たり四百ミリ以上となります大雨、この年間回数につきましても、過去四十年の統計で見ますと明瞭な増加傾向が現れているところであります。
 このような極端な気温、大雨の発生頻度につきましては、もちろん年々変動がございまして、個々の現象についてそれが地球温暖化の影響であるということを特定するということはなかなか難しいところでございますけれども、実際に異常気象と言われるような気温や雨による極端な気象現象の長期的な増加傾向、これは明らかに地球温暖化が影響している可能性があると、このように考えております。
 この温暖化の影響でございますけれども、気象庁が三月の三十日に公表いたしました地球温暖化予測情報第九巻でございますが、温室効果ガスの排出レベルが高いレベルでこのまま続く場合は、猛暑日や熱帯夜、あるいは雨でいえば短時間の強い雨や大雨の発生頻度は今世紀末にかけて全国的に増加すると、このように予想しております。ますます注意が必要になるというように考えております。
 引き続き、気候の監視、予測に努めてまいりたい、このように考えております。
#99
○青木愛君 ありがとうございます。
 もう聞くにつけ大変恐ろしくなるばかりでありますけれども、こうした極端な異常気象というのがまさに増加をして、常態化まではいかずとも明瞭に増えているという御答弁でございました。
 今まさに世界気象機関、WMOの執行理事会も開かれているというふうに伺っておりまして、日本もその中心的な役割を担っているというふうに伺っております。
 このように異常気象に対する国民の関心が高まる中で、ちょっと話がずれるかもしれませんけれども、気象予報士という存在も広く知れるところとなっておりまして、調べたところ、この資格試験が大変難関であるということであり、合格率も例年五%前後だということであります。試験導入から二十年近くたって今なお九千八百四十七人と一万人以下で、大変少数だというふうな指摘もされているところであります。今後、日本においてもこの気象分野での様々な角度からの人材育成というのは大事だというふうに思いますけれども、日本のみならず地球の至る所でこのような甚大な被害を起こしているという現状において、この気象予測というのは今後ますます重要な役割を担うというふうに思います。そうした意味において、日本は今、気象衛星ひまわり八号、九号はもちろんですし、気象データの解析、またその予報技術、これらは世界最高水準にあるというふうに伺っております。
 このような気象分野での国際社会における日本の役割、貢献について、改めて長官にお伺いしたいと思います。
#100
○政府参考人(橋田俊彦君) お答えいたします。
 ただいまございました気象分野での国際社会における日本の役割や貢献でございますけれども、我が国は、気象の観測、予報、そしてこれらの気象のデータの交換や情報提供を行います通信システム、気候の監視、予測など、各分野でそれぞれ世界最高レベルの技術を有していると考えております。また、この技術を使いましてアジアを中心とした各国へしっかりと技術支援を行うなど、国際社会における気象分野での中心的な役割を果たしている、このように考えております。
 ただいま御紹介ありましたひまわり八号、九号の例でいきますと、世界最先端の観測機能を有する新しい静止気象衛星でございますが、これは我が国が世界に先駆けて新しい世代の衛星を打ち上げました。この観測データは世界各国で広く利用されております。特に東アジア、西太平洋域の発展途上国の約二十か国に対しましては、この「ひまわり」の観測データが台風や気象の予想などに的確に活用されるよう、各国の気象庁、気象局に対しまして、衛星データの受信・解析装置の提供、利用方法の現地での研修など、技術支援にも積極的に取り組んでいるところでございます。
 これらの「ひまわり」の例につきましては、ただいま委員からございました世界気象機関の執行理事会でも先般御紹介をいたしまして、その理事会では今後の衛星分野における国際協力のモデルとして高く評価されているところでございます。このほか、台風や気候の分野でも、世界気象機関の枠組みの下で、我が国は、アジア太平洋地域のセンターとして、地域各国の台風や気候の情報の作成、発表や人材育成の支援に努めてきているところであります。
 各国における気象の観測や予報、あるいは気候の監視といった、この的確な遂行をしていただくことは、あるいはそのための国際協力というのは、我が国にとりましてこれまた大変重要でございます。大気は地球を巡るわけでございますので、こういった観点で、今後とも、我が国の気象技術や知見を広く提供いたしまして、世界の気象業務の発展に貢献してまいりたい、このように考えております。
 以上でございます。
#101
○青木愛君 ありがとうございます。
 東アジア、西太平洋地域においては衛星を打ち上げられない国々もたくさんあるわけでありまして、日本の「ひまわり」、言わば無償で貸し出しているというふうにも言えるかと思いますけれども、この「ひまわり」の観測データを使っているという状況があって、現在においてもこうした気象の分野においても日本は大変大きな貢献をしているというふうに思いますし、今後とも、このような極端な異常気象が続く中で、ますますこの日本の高度な技術、また優秀な人材も含めて世界から求められる分野であるというふうに思っておりまして、今後とも、日本の気象庁が果たす役割、ますます大きくなると思いますので、なお一層の御尽力に御期待いたしております。よろしくお願いいたします。御答弁ありがとうございました。
 それでは、話題を変えまして、石井大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。
 大臣は、今月三日からマレーシア、シンガポールを訪問されています。三度目の訪問だと伺っておりますが、マレーシアのクアラルンプールにおいて高速鉄道のシンポジウムを開催されたというふうに伺っております。両国政府の要人と面談を行い、日本の新幹線の優位性や、また人材育成、技術移転、現地企業との協働など、日本の協力方針について意見交換をされたというふうに伺っておりますけれども、石井大臣の今回の出張の手応えを是非お伺いをしたいと思います。よろしくお願いいたします。
#102
○国務大臣(石井啓一君) 今御紹介いただいたように、マレーシアのクアラルンプールとシンガポールを結ぶ高速鉄道につきまして、新幹線導入を両国関係者に働きかけることを目的といたしまして、今般、マレーシアのクアラルンプールにおきまして高速鉄道シンポジウムを開催するとともに、マレーシア、シンガポール両国閣僚と会談をするため、五月三日から五日にかけて両国を訪問いたしました。
 五月三日のクアラルンプールでの高速鉄道シンポジウムでは、六百名を超えるマレーシアの政府、企業関係者等の出席を得まして、高速鉄道がマレーシアにどのような恩恵をもたらすのか、また、その実現に向けて日本がいかに貢献できるかにつきまして、世界各国の有識者によるパネルディスカッション等を通して具体的に御理解いただいたと考えております。共催のマレーシア陸上公共交通委員会のハミド議長からも、この度のシンポジウムに対しまして高い評価をいただいたところでございます。
 また、両国閣僚との会談におきましては、トータルライフサイクルコストが低廉などの新幹線の優位性や我が国の人材育成、技術移転、現地企業との協働の方針を説明をいたしまして、先方より高い関心が示されたところでございます。
 本高速鉄道につきましては、これまで官民で緊密に連携して新幹線導入を両国関係者に働きかけてきているところでございますが、引き続き、更に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
#103
○青木愛君 ありがとうございます。大変なお役割だというふうに思っております。
 年内に入札の手続がいよいよ開始をするということで、詰めの段階だというふうに思っておりますけれども、今後、入札に向けた取組方針について、改めてお伺いをさせてください。
#104
○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 マレーシアのクアラルンプールとシンガポールを結びます高速鉄道につきましては、昨年十二月、両国の協定が締結をされまして、二〇二六年中の開業を目指すこと、また車両や信号システムなどの入札を本年中に行うことなどが合意されたところでございます。また、今年二月には車両や信号システムなどの入札について両国政府に助言を行うコンサルタントが決定されたところでございまして、今後、両国において入札に向けた検討が加速していくものというふうに承知をいたしております。
 大臣から答弁ございましたとおり、今回の出張におきましては、高速鉄道シンポジウムに関して高い評価を得たほか、両国閣僚との会談ではトータルライフサイクルコストなどの新幹線の優位性や我が国の人材育成、技術移転、現地企業との協働の方針を説明し、先方より高い関心が示されたところでございます。
 このような成果を踏まえまして、年内にも予定されます入札に向けて今後一層両国政府への働きかけを強化するとともに、ファイナンスや人材育成、技術移転、さらには現地企業との協働を含む具体的な提案の検討を加速化していきたいというふうに考えております。特に、人材育成、技術移転につきましては、訪日研修でありますとか専門家派遣を通じまして質、量共に充実した内容を実施するとともに、現地企業との協働に関しましては、今回のシンポジウムにおいても日本企業とマレーシア企業とのビジネスミーティングを行ったところであり、こうした場を活用して更に取組を進めていく所存でございます。
 国土交通省といたしましては、これまでも様々な機会を捉えまして継続的にハイレベルでの働きかけを行ってきているところでございますが、マレーシア―シンガポール間の高速鉄道への新幹線システム導入に向けまして、官民の緊密な連携の下、両国関係者に対し更に積極的に働きかけをしてまいりたいというふうに考えております。
#105
○青木愛君 ありがとうございます。期待をいたしております。
 最後に、石井大臣に一言御答弁をお願いしたいと思います。
 こうした鉄道あるいは道路、また港湾のインフラ整備などがまだ遅れている国々においては必要なことであり、また、先ほどの気象予報なども大変重要な技術だというふうに思っております。世界から必要とされる課題、しかも日本が得意とする分野でありますけれども、日本においては自国の利益追求を第一とするのではなくて、相手国が望む国づくり、また人づくりに貢献をするということが、長い目で見たときに世界の平和環境の構築にもつながるという意味でその意義は大変大きいと考えております。
 これらを所管をする国交大臣として、こうした分野における世界に対する日本の貢献についての基本的な考え、思いについて、是非、石井大臣の御答弁をお願いいたします。
#106
○国務大臣(石井啓一君) 委員御指摘いただいたように、道路、鉄道、港湾等のインフラ整備や防災・減災分野などにつきまして、日本の優れた技術、また災害等を通じて培ってきた知見を生かしまして、相手国のニーズを十分に踏まえつつ国際協力を行っていくことが重要であると考えております。
 日本の国際協力は、質の高いインフラ投資、すなわち、メンテナンスコストを含めたトータルコストが低廉であることや、現地の人材育成、制度構築支援を行うこと、また、現地企業と協働すること、こういったことを相手国の目線に立って具体的な提案を行っていくことが特徴であると考えております。
 国土交通省といたしましては、三月に策定をいたしました国土交通省インフラシステム海外展開行動計画二〇一七に基づきまして、こうした日本の国際協力の特徴について情報発信しつつ、私自身が先頭に立ってトップセールスを行うほか、戦略的な対応を強化してまいりたいと考えております。
#107
○青木愛君 御期待いたしております。
 ありがとうございました。
#108
○行田邦子君 無所属クラブ、行田邦子です。よろしくお願いいたします。
 一昨日、五月十四日午前五時二十八分頃とされていますけれども、北朝鮮は弾道ミサイルを発射をいたしました。約三十分間の間飛びまして、そして約八百キロメートル飛んだということです。高度は、これまでになくというか、約二千キロを超えているのではないかというふうにも推定をされています。そして、日本海に落下をしたということでありますけれども、我が国の領土、領海、またEEZの外での落下ということでありましたけれども、このような国際情勢を不安定化させるような挑発行為というのは断じて許されるべきものではないということであります。
 そして、政府におきましても、しっかりと国連などまた他の国々と協調して、毅然とした態度で取り組んでいただきたいと思っておりますし、また、日本の領土、領海内に飛来したり、また落下するという可能性もゼロではないということでありますので、そうしたことを踏まえて政府としても備えをしていかなければいけないと。今日は、そのような意味で確認の質問を何点かさせていただきたいと思っております。
 まず、直近の二回なんですけれども、一昨日五月十四日と、それから四月二十九日、これは失敗に終わったとされていますけれども、北朝鮮からの弾道ミサイルの発射についてなんですけれども、政府は、この二回ともミサイルが日本に飛来しないと判断をして、Jアラートまたエムネットを使用しなかった、作動をしなかったということであります。けれども、これまでもなんですけれども、日本の領土、領海外あるいはEEZ外に落下されることが想定される場合においても、国土交通省におきましてはミサイル発射情報を航空管制やまた船舶会社に伝達をしています。
 そこで、まずお聞きしたいんですけれども、今回の五月十四日とそれから四月二十九日の弾道ミサイルの発射におきまして、航空機それから船舶会社への情報伝達がなされたのはミサイル発射後の何分後だったのか、何時何分だったのか、そしてまた、その日の国土交通省の対応についてまずお聞かせいただけますでしょうか。
#109
○政府参考人(東井芳隆君) お答え申し上げます。
 委員お尋ねの五月十四日及び四月二十九日の事案に対する航空機及び船舶会社への情報の伝達の時間及び国土交通省としての対応ということでございます。
 両事案とも、内閣官房からの情報を受けまして、まず船舶、航空機等の安全確認、それから国民や関係事業者に対する迅速な情報提供をすることという大臣指示を発出しまして、それに基づいて対応した次第でございます。
 五月十四日の事案でございますけれども、五時二十八分頃ミサイルが発射されまして、五時四十分に航空事業者に被害確認を行いました。また、海運事業者団体等につきましても五時三十九分に被害確認を行いました。さらに、内閣官房からの注意喚起依頼を受けまして、六時七分に海運事業者団体など及び航空事業者等に対しまして注意喚起の情報を提供したところでございます。また、六時十分から海上保安庁より航行警報等を発出しております。
 四月二十九日の事案は、五時三十分頃ミサイルが発射され、直後に北朝鮮内陸部に落下したという委員御指摘の事案でございます。この事案につきましては、念のため、航空機に関しましては六時三十四分に管制機関が福岡飛行情報区内に異常がないことを確認いたしました。また、海運事業者団体等には六時十九分に被害確認を行いました。
 なお、両事案とも我が国のEEZの外に落下したものでございますけれども、仮に我が国のEEZの中に飛来する可能性があると、こういう場合につきましては、防衛省からの連絡によりミサイルに関する情報を把握した内閣官房から発出される情報を、海運事業者や航空事業者などに対しまして自動転送により伝達する運用を三月二十二日以降行っております。迅速化が図られております。
 また、海上保安庁におきましても、航行警報の発出に係るシステムの改修により、これまでより迅速に航行警報を発出する運用を既に開始しております。引き続き、更なる改善について検討してまいります。
#110
○行田邦子君 この直近二回におきましては、航行警報がなされたのはいずれもミサイルが落下した後ということであります。けれども、EEZの外に落下することが予測される場合であっても、一分一秒でも早く関係各社にミサイルの発射情報というのを伝達をしていくように努めていただきたいと思っております。
 それでは、大臣に伺いたいと思います。
 ゴールデンウイークのさなかの四月二十九日、これも午前五時半頃というふうにされていますけれども、北朝鮮が弾道ミサイルを発射しました。これは北朝鮮内陸部に落下した、失敗したというふうにされていますけれども、このときなんですけれども、東京メトロの全路線とそれから東武東上線、また北陸新幹線の一部区間で約十分間運転を見合わせたということであります。ミサイルが発射されたのは午前五時半頃とされています。これらの鉄道事業者が運転を見合わせたのは六時過ぎ、六時七分というふうに聞いておりますけれども、ということであります。その運転見合せの判断をしたのが、その判断材料というのが、六時過ぎの、NHKでしょうか、報道を見てということでありました。
 結果として電車の運転が見合わせられたのは弾道ミサイルが既に落下した後ということになっていますけれども、今回の運転見合せという対応が適切であったと考えるか、大臣に御所見を伺いたいと思います。
#111
○国務大臣(石井啓一君) 四月二十九日の事象につきましては、東京メトロ、東武鉄道及びJR西日本は弾道ミサイル発射の報道を受けて運転抑止の対応を取ったところでありますが、これは各社が旅客の安全確保を最優先として自主的に判断したものと承知をしております。
 その後、当該事象を踏まえた検討によりまして、当該三社を含むJR及び大手民鉄各社におきましてJアラート又はエムネットの情報に基づいて運転抑止の判断をすることに統一をされたところでございまして、これを国土交通省としても確認をしているところでございます。
 さらに、これを踏まえたミサイル発射時の具体的な対応、どういうふうに鉄道を止めるかといった対応につきましては、各鉄道事業者ごとに施設や運行の状況が異なること等から、今後とも、各鉄道事業者において、政府からの確実な情報を基に、自社の施設や運行の状況を十分に踏まえて、旅客の安全確保を最優先とした判断をしていただきたいと考えております。
#112
○行田邦子君 電車が止まれば利便性が損なわれるということですけれども、ただ、鉄道の運行については、利便性とそれから輸送の安全ということをはかりに掛けたらば、やはり輸送の安全が優先されるだろうというふうに私は考えておりますので、今回なぜ電車を止めたのかという批判の声もありましたけれども、強く今回の件につきましては非難されることではないのかなというふうに個人的には思っております。
 ただ、今回起きたことを踏まえて、対応のマニュアルというんでしょうか、規則を見直したということでありますし、またこれからも逐次必要に応じて国土交通省としても鉄道事業者に対して助言また情報提供をしていただきたいというふうに思っております。
 それでは、消防庁さんにお越しいただいていますので伺いたいと思うんですけれども、こうした我が国の領土、領海内にもミサイルが飛来したり、また落下するということもゼロではないということで、そのときの備えとして、政府としては住民避難訓練をするように要請をしています。四月の二十一日に、政府は都道府県の危機管理担当者に対して説明会を行って北朝鮮の弾道ミサイルを想定した住民避難訓練を行うように要請をしていますし、また消防庁としても同様の内容の通知を、四月十九日でしょうか、都道府県宛てに発出をしています。
 そこで伺いたいんですけれども、住民避難訓練の実施及び実施予定状況はどのようになっていますでしょうか。
#113
○政府参考人(杉本達治君) 本年三月十七日に秋田県男鹿市におきまして初めて弾道ミサイルを想定した住民避難訓練を実施をいたしまして、具体的には、国からのJアラートを使った男鹿市への情報伝達、それから住民や児童などの建物への避難などを行ったところでございます。
 訓練を実施しました結果、弾道ミサイルが我が国に落下する可能性がある場合にはJアラート等により伝達される情報の内容などにつきまして、訓練に参加した国民の方ですとか報道に接した国民の皆さんに一定程度の周知ができたものと考えているところでございます。
 しかしながら、今般の我が国を取り巻きます環境に鑑みまして、弾道ミサイルが我が国に落下する場合における対処について国民の理解を広く進める必要があることから、弾道ミサイルを想定した住民避難訓練の積極的な実施について、今委員から御指摘いただきました、四月十九日に全国の都道府県に対しまして通知をいたしますとともに、二十一日には国民保護に関する都道府県説明会を開催したところでございます。
 これを受けまして、まず、先週、五月十一日には青森県のむつ市が住民避難訓練を市の単独事業として行ったところでございます。また、山形県におきましては六月九日、さらに新潟県、長崎県の各知事が訓練実施の意向を表明しているところでございます。そのほかにも、これまでに幾つかの地方公共団体から訓練実施についての相談を受けているところでございます。
 引き続き、積極的な訓練の実施について働きかけを行ってまいりたいと考えているところでございます。
#114
○行田邦子君 北朝鮮からの弾道ミサイルを想定した住民避難訓練なんですけれども、この住民避難訓練を政府としてもやるようにということで地方公共団体に促しているわけでありますが、その避難訓練の想定について伺いたいんですけれども、北朝鮮からのミサイル発射時にJアラートが発信された実績が過去二回あります。二〇一二年の十二月、それから二〇一六年の、昨年ですね、二月なんですけれども、じゃ、これはいつJアラートが作動されたかというと、ミサイルが発射された後、六分後、またあるいは四分後といったタイミングでJアラートが作動しています。
 このときは大体十分ぐらいでどこかに落下をしたということでありますので、そうすると、Jアラートが作動してからミサイルが落下するまでの、要するに避難をしなければいけない、何分ぐらいで避難をしなければいけないのかという想定にされているのか、お聞きしたいと思います。
#115
○政府参考人(横田真二君) お答えいたします。
 今年三月十七日に、秋田県の男鹿市で弾道ミサイルを想定した住民避難訓練を実施をいたしました。これは、屋内避難の呼びかけの伝達を受けてから屋内避難を行うという想定で訓練を行いましたけれども、何分後までに避難を完了するかというところの想定は置きませんでした。
 具体的には、九時三十分にX国から弾道ミサイルが発射されたと。その三分後に発射情報を流しました。そして、約五分後に屋内避難の呼びかけを伝達をいたしました。最終的には十分後に秋田県地方の領海内に落下するという想定でございました。実際やってみた結果でございますが、避難は、結果的に、屋内避難の呼びかけ、五分後の呼びかけから約二分で避難が終了したという結果となっております。
 今月九日にJアラートのメッセージを変更しまして、発射情報の伝達に合わせて屋内避難を開始するよう呼びかけることといたしましたので、今後の訓練は最初の発射情報の伝達を受けてから避難を開始するという想定で行うこととなると思いますけれども、弾道ミサイルの発射から何分後に発射情報を伝達するかなど、その具体の想定の内容につきましては実施する地方公共団体とよく相談をしてやってまいりたいと考えております。
#116
○行田邦子君 秋田県男鹿市で訓練が行われたときには、避難をしてくださいという情報から五分以内で屋内に避難ができたということでありますけれども、これまではミサイルが発射してから十分ぐらいで落下するだろうというふうに私も聞いていたんですけれども、一昨日は違いました。ですから、もういろんな前提条件を想定しなければいけないとは思うんですけれども、やはり避難訓練をする側としては、何分で逃げなければいけないのかといったこともきちんとやはり知った上でというか、想定した上で訓練をしないと実践的ではないのかなというふうに思っております。
 それで、最後の質問なんですけれども、大臣に伺いたいと思っております。
 Jアラートでもそうなんですけれども、とにかく、どこに避難をするのかというときに、頑丈な建物かあるいは地下鉄、地下街などの地下に避難をしてくださいと、このようになっています。そうしますと、地下鉄の構内といいますか、にがあっと逃げ込む方も増えてくるんではないかと思っております。これ特に都市部においてなんですけれども。
 そこでなんですけれども、地下鉄事業者において、避難の受入れなどを想定したシミュレーション、また訓練を行う必要があるのではないかと考えておりますけれども、いかがでしょうか。
#117
○国務大臣(石井啓一君) 先月、内閣官房より国民向けに、弾道ミサイル落下時の行動といたしまして、屋外にいる場合、近くのできるだけ頑丈な建物や地下に避難するよう周知がされました。
 数多くの避難者が地下駅舎に集中することとなれば、混乱や危険が生じる可能性もあります。避難者の安全を確保するべく、施設管理者である地下鉄事業者が適切な対応を取る必要がございます。このため、地下鉄事業者は、隣接する地下街の管理者や地元自治体等との密接な連携によって、混乱や危険を生じさせることなく避難者の受入れ、誘導を行うことが求められます。
 地下鉄事業者がこれらを確実に実施することができるよう、国土交通省といたしましても、関係行政機関や地元自治体と連携をしながら地下鉄事業者を適切に指導してまいりたいと考えております。
#118
○行田邦子君 是非よろしくお願いします。
 内閣官房さん、済みません、たくさん質問を用意していたんですが、また別の機会に聞かせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#119
○委員長(増子輝彦君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#120
○委員長(増子輝彦君) 道路運送車両法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。石井国土交通大臣。
#121
○国務大臣(石井啓一君) ただいま議題となりました道路運送車両法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 昨年発覚いたしました我が国自動車メーカーによる型式指定審査における燃費の不正事案や、海外メーカーによる排出ガスの不正事案の発生を踏まえ、このような不正事案の再発を防止し、自動車の性能及び型式指定制度に対する国内外からの信頼を確保するため、自動車の型式指定制度の適正な実施を図る必要があります。
 このような趣旨から、この度この法律案を提案することとした次第です。
 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 第一に、不正の手段により自動車等の型式の指定を受けたときは、国土交通大臣は当該指定を取り消すことができることとしております。
 第二に、型式の指定を受けた者に対する報告徴収等において虚偽の報告等を行った者に対し、罰則を強化することとしております。
 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上がこの法律案を提案する理由であります。
 この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。
#122
○委員長(増子輝彦君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト