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2017/05/25 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 国土交通委員会 第17号
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2017/05/25 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 国土交通委員会 第17号

#1
第193回国会 国土交通委員会 第17号
平成二十九年五月二十五日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十三日
    辞任         補欠選任
     こやり隆史君     金子原二郎君
     古賀友一郎君     吉田 博美君
     野田 国義君     蓮   舫君
 五月二十四日
    辞任         補欠選任
     蓮   舫君     有田 芳生君
     室井 邦彦君     清水 貴之君
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     有田 芳生君     野田 国義君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         増子 輝彦君
    理 事
                井上 義行君
                石井 正弘君
                酒井 庸行君
                長浜 博行君
                新妻 秀規君
    委 員
                足立 敏之君
                青木 一彦君
                朝日健太郎君
                大野 泰正君
                金子原二郎君
                末松 信介君
                中野 正志君
                長谷川 岳君
                福岡 資麿君
                吉田 博美君
                有田 芳生君
                野田 国義君
                羽田雄一郎君
                鉢呂 吉雄君
                魚住裕一郎君
                高瀬 弘美君
                山添  拓君
                清水 貴之君
                青木  愛君
                行田 邦子君
   国務大臣
       国土交通大臣   石井 啓一君
   副大臣
       国土交通副大臣  田中 良生君
       国土交通副大臣  末松 信介君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       藤井比早之君
       国土交通大臣政
       務官       大野 泰正君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 利幸君
   政府参考人
       法務大臣官房審
       議官       佐々木聖子君
       外務大臣官房参
       事官       大鷹 正人君
       文化庁文化財部
       長        山崎 秀保君
       国土交通省鉄道
       局長       奥田 哲也君
       国土交通省航空
       局安全部長    高野  滋君
       観光庁長官    田村明比古君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○通訳案内士法及び旅行業法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(増子輝彦君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、野田国義君、こやり隆史君、古賀友一郎君及び室井邦彦君が委員を辞任され、その補欠として金子原二郎君、吉田博美君、有田芳生君及び清水貴之君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(増子輝彦君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 通訳案内士法及び旅行業法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、観光庁長官田村明比古君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(増子輝彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(増子輝彦君) 通訳案内士法及び旅行業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○長谷川岳君 おはようございます。自由民主党・こころ、北海道選挙区の長谷川岳です。今日はよろしくお願いいたします。
 まず最初に、この法案に入る前に、日本の成長戦略につながる、航空局に御質問させていただきたいと思います。今日は地下埋蔵物の質問ではございませんので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 皆さんに、今日、資料の一を配らせていただいておりますが、成層圏を目指すソーラー機、ソーラーストラトスが初の試験飛行をしたというのが、この間、先般報道されました。
 今、世界では情報通信事業における成層圏の利用というのが注目されておりまして、こういった成層圏に飛行物体を飛ばす場合は航空法上どのように整理をされるのか、及び今後実用化された場合法整備をどのようにしていくのかをお聞かせをいただきたいと思います。
#7
○政府参考人(高野滋君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の成層圏における飛行物体の飛行でございますが、現在、成層圏におきまして、気象観測や情報収集等を目的として航空機等が飛行しております。こういった情報通信事業のための航空機等の飛行を、例えば無人の航空機を長期間成層圏に滞空させて活用していくというようなことが内外の民間事業者において検討されていると承知しています。
 成層圏におけるこのような航空機等の飛行につきましては、航空法が適用されることになります。具体的には、例えば、航空法第十条及び第十一条の機体の安全確保のための耐空証明でありますとか、同法第八十七条の無操縦者航空機などの規定の適用が考えられます。
 このため、成層圏における長期滞空を前提とした機体の安全性の確保でありますとか、操縦者が乗り組まないで飛行する場合の運航の安全確保、ほかの航空機との空域調整など、航空安全の観点から十分な検討を行う必要があると考えております。
 国土交通省といたしましては、成層圏における具体的な飛行の計画や国際的な動向なども踏まえまして、法整備の必要性も含め検討を進めてまいりたいと思います。
#8
○長谷川岳君 まさに、二〇二〇年の東京オリンピックに向けまして、こういった日本の成長戦略を支える上で情報通信事業における成層圏の利用というのは非常に重要になってくると思います。
 政府として、こういったガイドライン又はルール作りはどのように考えているのか、副大臣、伺いたいというふうに思います。
#9
○副大臣(田中良生君) お答えいたします。
 成層圏においては、今後、高度な情報通信環境の整備等を目的としました航空機等の飛行が増えていくものと見込まれております。このために、航空の安全を確保しながら、民間による成層圏の利用環境を整備していくことが重要であると考えております。
 国土交通省といたしましても、情報通信事業での成層圏の利用に向けまして、総務省ですとか文科省、関係省庁と連携を取りながら、今後の具体的な利用計画等に即した対応を積極的に講じてまいりたいと思います。
#10
○長谷川岳君 ありがとうございます。
 続きまして、今回の法案の前提として、やはり地方にいかに人を送り込むか、そして交流人口をいかに促進していくかということが非常に重要になってくると思いますので、鉄道行政所管する鉄道局にも伺いたいというふうに思います。
 資料二も含めて御覧になっていただきたいんですが、現在、リニア新幹線に対する融資も始まりましたし、それから、新幹線というのがまさに速達化という部分においては新しい段階を迎えているというふうに思います。
 現在、東北新幹線の宇都宮―盛岡間は最高速度三百二十キロの走行を実現しておりますけれども、一方で、盛岡から上になりますと、新函館北斗の最高速度、これ二百六十キロに変わってしまうんです。
 この二百六十キロでの走行区間において車両性能の最大限までの速度向上を図ることができれば一層の速達化が図れ、地域経済の波及効果を高められることから、是非これは実現をすべきと考えておりますけれども、この最高速度が、今リニアも出てきている段階で二百六十キロに抑えられている理由、これを伺いたいと思います。三百二十キロにできないのかという質問であります。
#11
○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 整備新幹線の最高設計速度は全国新幹線鉄道整備法に基づく整備計画で定められておりまして、既に開業いたしました路線や現在整備中の路線では時速二百六十キロメートルとされております。
 東北新幹線や北海道新幹線などの整備計画は昭和四十六年及び四十八年に定められましたが、新幹線の最高速度につきましては、その当時、乗り心地による限界、車両の蛇行動による限界、架線を伝わる波の速さによる限界、車輪とレールとの間の粘着による限界、軸受による限界などの様々な技術的な観点から検討されまして、また軌道構造、集電性能、車両重量、台車の走行性能などについての将来の技術開発の可能性を加味して時速二百六十キロとされたと承知をいたしております。
 現在、東北新幹線宇都宮―盛岡間では最高速度時速三百二十キロでの営業運転が行われておりますが、これに至るまでには、JR東日本において車両の開発が進められるとともに、防音壁のかさ上げ、側壁の吸音工施工、トンネル緩衝工の新設や増設といった騒音対策などが行われることにより、平成九年三月から二百七十五キロに、平成二十三年三月から三百キロ、平成二十五年三月から三百二十キロに速度向上が図られてきたところでございます。
 一方、整備新幹線区間における時速三百二十キロ走行につきましては、これまで全国的に二百六十キロを前提に施設整備を進めてきた経緯がございまして、速度向上に必要となる防音壁のかさ上げ工事などのための費用を確保する必要があるなどの課題がございますので、そのような課題についても関係者間で検討していく必要があるものというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、以上のことから、現在の施設では時速二百六十キロでの走行となっておるところでございます。
#12
○長谷川岳君 まさに今、局長から御指摘があったように、整備計画というのは昭和四十六年、四十八年、我々の生まれたちょうど年なんですね。非常にもう年代がたってきていて、しかも、こういうリニアとかそういうことも考えますと、やはり速達性というものがこれからますます重要になってくるというふうに思います。
 資料の二を皆さんに今日お配りをさせていただいておりますけれども、鉄道局の試算が出ています。現在進められている北海道新幹線、これ、新函館北斗―札幌間、最高速度を仮に三百二十キロに向上することで、八%、千二百人一日の利用者拡大を見込んでおります。特に、この区間は長大トンネルが多くて、七割近くがトンネルであることから騒音対策の工事費が比較的少ないと予想されます。さらに、建設時点から騒音対策工事を行うことで、開業からやはり工事に着手するよりも工事費の圧縮が可能であります。
 そこで、ちょっと新しい提案でございますけれども、騒音対策を促して速度向上を図る新たな仕組みとして、建設主体である鉄道・運輸機構が防音壁等の追加で必要となる工事を施行する一方で、事業者であるJRから速度の向上で利用者が増加したことで得られた利益を鉄道・運輸機構が貸付料として徴収する、まさに整備新幹線法にのっとった形で、こういった貸付料で防音壁工事をしてしまうという、そういう徴収する仕組みを導入する方法は考えられないか、伺いたいと思います。
#13
○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 整備新幹線では、防音壁などの地上設備が時速二百六十キロに対応して整備されております。このため、最高速度を時速三百二十キロに向上させるためには、今後整備いたします区間については二百六十キロ対応の施設の設計を変更するとともに、既に整備された区間においても防音壁のかさ上げやトンネル緩衝工などの追加の騒音対策などが必要となります。また、高速走行する場合には軌道や架線等の維持管理費も増加することとなります。
 このような状況の中で、昨年十二月、与党整備新幹線建設推進PT、青函共用走行区間に関する検討委員会から、共用走行区間の走行速度引上げのほか、盛岡―新青森間の速度向上などの実現可能性について検討するよう求められたところでございます。
 これを受けまして、国土交通省では、今年の四月、交通政策審議会の下に新たなワーキンググループ、青函共用走行区間等高速化検討ワーキングを設置いたしまして、まずは盛岡―新青森間の速度向上のために必要な工事内容などについて現在検討を進めているところでございます。
 平成二十四年度には、盛岡―札幌間について、青函共用走行区間を含め時速三百二十キロに速度向上した場合の需要予測を行い、現計画に比べて需要が八%程度増加するとの試算結果を公表いたしました。
 速度向上の方策を検討するに当たっては、関係者により追加の施設整備費や維持管理費などを精査した上で、まずはその費用対効果や収支採算性などを検討していく必要がございます。さらに、これらの課題についての検討が進み、その具体化を図る段階になりましたら、先生からの御指摘の内容も含めまして前向きに幅広く検討を行っていくことになるものと考えております。
 鉄道の高速化につきましては、時速五百キロでの走行を目指したリニア中央新幹線が国民の期待を集めているように、北海道新幹線の沿線においても様々な期待があることは承知をいたしております。
 いずれにいたしましても、今後、平成二十四年度の検討結果や高速化検討ワーキングでの検討状況も踏まえながら、引き続き、盛岡―新青森間を始め、速度向上の実現可能性について検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
#14
○長谷川岳君 前向きに幅広く検討を行っていくというふうに御回答いただきましたので、しっかり我々も協力をさせていただきながらこの速達化について進めていきたいというふうに思います。
 大臣に伺いますけれども、この新たな、先ほどの鉄道・運輸機構に貸付料として防音壁工事料を払うということで、北海道新幹線の収益拡大、速達性の向上、地域経済への波及効果の向上に寄与すると考えておりますが、大臣のお考えを伺いたいというふうに思います。
#15
○国務大臣(石井啓一君) 一般に、新幹線の速度向上等によりまして地域間の移動時間が短縮されますと、観光客やビジネス利用客等の増加に伴う交流人口の増加が期待をされ、地域の産業や社会に大きな効果をもたらすものと考えております。
 北海道新幹線につきましては、現在、国土交通省におきまして、青函共用走行区間における時間帯区分案による高速走行の実現に向けた検討と併せまして、東北新幹線の盛岡―新青森間の速度向上の実現可能性等についての検討も開始したところでございます。
 いずれにいたしましても、東北新幹線の一部では、北海道新幹線も走行している車両によりまして時速三百二十キロの営業運転が行われていること等も踏まえまして、また札幌開業時の東京―札幌間の所要時間も念頭に置きながら、交流人口の増加、地域の更なる振興、利用者利便の向上等の様々な課題に対しましてどのようなことができるのか、新たに検討してまいりたいと考えております。
#16
○長谷川岳君 新たに検討していただけるということの御回答をいただいておりますので、しっかりと検討いただきながら、やはり何よりもこの実現に向けて御尽力をいただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、今回の通訳案内士及び旅行業法の一部を改正する法律案について伺いたいと思いますが、現場関係者の皆さんからいろいろ意見を伺いますと、ほとんどが異論なしという非常に評価のあるお声をいただいておりますが、その中であえてちょっと二、三項目質問をさせていただきたいと思います。
 これは地域通訳案内士の創設ということを書いてありますけれども、問題は、やはりこの地域通訳案内士の質の向上、それから量ですね。多く地域に人を送り込むのであれば、やはり量も確保していかなければならない。こういった質と量の確保をどういうふうにこの施策で実行しようとしているのか、伺いたいと思います。
#17
○政府参考人(田村明比古君) お答え申し上げます。
 これまで既存の各特例法に基づきまして地域限定特例通訳案内士制度が実施されてきたところでございまして、今年の四月現在、二十六の地域で取り組まれておりまして、登録者数は二千五十二名となっております。
 地域通訳案内士の人員の確保につきましては、英語以外の言語の場合には、余り狭い地域で制度を運用いたしますと効率性が落ちる懸念がございます。このため、複数の都道府県が連携するなど、より広域での取組を勧奨いたしまして一定程度の有資格者の数を確保することを検討しているところでございます。
 また、地域通訳案内士の質の維持につきましては、地域通訳案内士が満たすべき外国語能力水準について国が一定の基準を示すとともに、地方公共団体が行う研修において、研修の最後に修了試験を実施することを勧奨する等によりまして、地域の通訳案内に必要となる知識等に精通した者であることを担保する適切な措置を講ずることを求めていく所存でございます。
 これに加えまして、地域における地域通訳案内士育成等計画の策定に際してのアドバイスや優良事例の横展開など、地域通訳案内士の導入、育成に関して積極的な支援を行い、有資格者の数の確保や質の高い通訳案内が行われるよう努めてまいりたいと考えております。
#18
○長谷川岳君 一部のランドオペレーターによるキックバックを前提とした土産物屋への連れ回しとか高額な商品購入の勧誘とか、こういったことが報告をされておりますが、この法案が成案した後に、ランドオペレーターの実態をきちっと把握をして、業者の皆さんとランドオペレーターとの取引の内容の適正化とか、あるいは取引のそういう公正化をどのように図っていくか、ここが一番重要なところだというふうに思いますが、この方策についてはどのようにお考えか、伺いたいというふうに思います。
#19
○政府参考人(田村明比古君) 悪質なツアーガイドによる土産物屋への連れ回し行為は、外国旅行会社の依頼を受けたランドオペレーターが土産物屋からのキックバックを前提としたツアーを手配したケースにおいて多く見られるところでございます。このため、観光庁におきましては、ランドオペレーターの調査を行いましたところ、千三百六十九社を確認し、これらのうち約六〇%は旅行業登録を有している一方で、残りの約四〇%が登録を有していない等の実態を把握したところでございます。
 このような実態を踏まえまして、今般旅行業法を改正し、これまで規制対象とされていなかったランドオペレーターに対する登録制を創設するとともに、悪質な土産物屋への連れ回しを禁止行為として位置付け、悪質な場合には処分を行うことといたしております。
 このような規制の遵守について、ランドオペレーターに対する報告徴収や立入検査の実施を含めて適切に周知、指導することにより、悪質な連れ回し事案を防止してまいりたいと考えております。
#20
○長谷川岳君 このランドオペレーター、特に日本の観光の評価に直結する問題だと思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 質問の最後をさせていただきますけれども、今回の規制緩和等ございますが、やはり東北とか北海道という観光資源が広域に存在する地域については、今回の地域限定という、そういうことを考えても、交通アクセスの実情も踏まえながら、地域の旅行業者の皆さんが地域の観光資源を活用した旅行商品の造成には積極的に関与していくことが重要であると考えておりますが、今回の規制緩和はここら辺をよく考えていただいているのかどうかを含めて、大臣の所見、伺いたいというふうに思います。
#21
○国務大臣(石井啓一君) 訪日外国人旅行者を始めといたしまして、旅行のスタイルが団体旅行から個人旅行へ、物の消費から事の消費へと大きく変化をしている中で、地域の魅力を生かした体験交流型の旅行商品を企画、販売しやすくする環境の整備が重要でございます。このため、今般の法改正によりまして、地域限定旅行業務取扱管理者制度や複数営業所の兼務制度を創設することとしております。
 委員御指摘のとおり、北海道や東北のように観光資源が広域に点在する地域もございまして、また交通アクセスについても、それぞれの地域で事情が異なっていることも事実でございます。
 今般、第三種旅行業者及び地域限定旅行業者の業務範囲の設定についても見直しを行いますが、それに当たりましては、消費者保護の観点も踏まえつつ、各地域の空港、新幹線等の交通アクセス拠点の実情も十分反映して定めることとしておりまして、着地型旅行の企画、販売の促進に向けた環境を整備してまいりたいと考えております。
#22
○長谷川岳君 地域の実情を十分に反映していただけるというふうに伺いました。やはりこういった皆さんの施策が地域地域によってそれぞれ異なる場合もございますので、十分に実情を反映していただくことをお願い申し上げまして、早めでございますが、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#23
○有田芳生君 民進党・新緑風会の有田芳生です。
 私は、隣の法務委員会から今朝は差し替えで質問をさせていただきます。よろしくお願いします。
 質問を週刊誌風、新聞風にタイトルとして言えば、観光立国の現状に見合った通訳案内士の役割を鮮明にということにいたしました。今、長谷川委員からのお話の中で、今回の通訳案内士法及び旅行業法の一部を改正する法律案について、関係者にお話を伺うとほとんど異論はなかったとおっしゃいましたが、私が伺った関係者、文字を含めて千二百人を超える人たちが異論、反論、不安、懸念を抱えていらっしゃる。それが何かということについて具体的に明らかにしていきたいというふうに思います。
 私は、六年前の六月二十一日に内閣委員会で、総合特別区域法案に関わって、この通訳案内士の役割、意義について質問をいたしました。皆さん、その前提としてお考えになっていただければ、長谷川委員だったら札幌周辺、あるいは、皆さんも日本全国回っていらして、東京はもちろん、北海道、仙台、神奈川、京都、大阪、沖縄などなど全国各地を歩いていて、この数年どんどんどんどん外国人の旅行者が目立つようになってきた、それは実感として感じていらっしゃるだろうというふうに思います。
 銀座の街、三越の前を歩いていても、今でも、特に多くの中国人観光客が集まっている。一時はもうバスが連なって、日本語よりも中国語を聞く機会の方が多かったというようなこともありました。日本全体の風景がそのように変わってきている。しかも、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックを目指して四千万人の観光客を目指すということは、恐らく実現していくことになるでしょうが、そういう風景が変わっていく中で、やはり目を凝らしてみれば様々な問題点が見えてくる。
 例えば、私が何度も銀座の街を歩いていて目撃したのは、バスだったら観光客乗ってやってくるというのは分かるんだけれども、タクシーではない個人の車で中国人観光客が御家族と一緒に買物に行って乗り込んでいる。白タクですよね。そういうものも全国で横行しているという現実があります。あるいは、長谷川委員が指摘もされましたように、ランドオペレーターの問題に関わって、偽ガイド、闇ガイド、ブラック免税店、ランドオペレーターと三位一体になって様々な社会問題を起こしている。後ほど詳しくお聞きをしていきますけれども、そういう中で、やはり専門的な立場である通訳案内士の役割というのは、減じるどころかますます重要な役割を果たさなければいけないというふうに思います。
 先ほど私は六年前に内閣委員会で質問をしたということをお伝えしましたけれども、六年前には通訳案内士の登録者は約一万二千人でした。観光庁長官にお聞きをしますけれども、現在登録されている通訳案内士、何人いらっしゃるでしょうか。
#24
○政府参考人(田村明比古君) 現在、通訳案内士の登録者数は、これは四月時点でございますけれども、総数二万二千七百五十四人となっております。言語別では、英語が一万五千九百八十五人の登録がなされている一方で、中国語では二千四百九十三人、韓国語では千百十人、タイ語では三十五人が登録されているところでございます。
#25
○有田芳生君 もう少し具体的にお聞きをしたいんですが、十か国語ですよね、英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、韓国語、タイ語、これで資格を取るために試験が行われている。一九四九年、昭和二十四年に始まったこの通訳案内士についての国家試験というのは、今でいえば国土交通大臣が実施をしているわけですけれども、非常に難しい試験だと私は思います。
 実は、個人的には十年前までこういう制度があるということは知りませんでした。弁護士さん、お医者さんなど国家試験がありますけれども、この通訳案内士という試験についても非常に難しいというふうに思いますけれども、一体どのような試験内容が行われているのでしょうか。
#26
○政府参考人(田村明比古君) 通訳案内士は、外国人に付き添い、外国語を用いて有償で旅行に関する案内を行うための国家資格でございまして、試験に合格した者が登録できることとなっているところでございます。そして、現行制度におきまして、通訳案内士でない者は報酬を得て通訳案内を業として行ってはならず、また、通訳案内士又はこれに類似する名称を用いてはならないとされているところでございます。
 そして、この試験につきましては、外国語、日本地理、歴史、あるいは産業、経済、政治、あるいは文化に関する一般常識等々の試験が課されるということになっているところでございます。
#27
○有田芳生君 もう少し具体的に言いますと、皆様方にお配りをした資料の左の上、これは平成二十八年度の日本地理の試験のごく一部を取り上げました。なかなか難しい内容で、歴史であるとか一般教養であるとか、ただ語学ができるだけではないと。そういう中で、合格率というのは非常に厳しいものがあると理解をしておりますけれども、長官、合格率というのはどのような推移で来ているんでしょうか。
#28
○政府参考人(田村明比古君) ここ十年ぐらいの合格率というのは大体一五%から二二、三%程度の間を推移しているということでございます。
#29
○有田芳生君 例えば英語の試験だと、平成二十八年度の受験者八千四百二十七人のうち、合格率は二三・八%、これ、この十年ほど前にたどってみると、平成二十二年には一二%しか通っていない。去年の試験を受けた人でいえば、中国語で通った方というのは僅か九・五%、タイ語は六・四%。非常に難しい国家試験を突破して資格を得ていらっしゃるにもかかわらず、通訳案内士の根幹である業務独占というものが今度廃止されようとしている。ここに問題は出てこないんでしょうか。
#30
○政府参考人(田村明比古君) 業務独占規制の廃止によりまして、通訳案内士の資格のない方も有償でのガイド行為が可能となる一方で、通訳案内士は、我が国の歴史や文化に関する正確な知識を有し、外国人旅行者に満足度の高い案内を行うことができる者でありますので、質の高い旅行商品を企画する旅行業者や高級ホテル等においては引き続き有資格者を求める声が数多くあるわけでございます。
 こういうことでございますので、今後、通訳案内士の利用というものを更に促進していくために、旅行業者等が一括して通訳案内士を検索できるデータベースの構築、国内外の観光関連事業者への制度の周知と通訳案内士の利用促進の呼びかけ、あるいはJNTO等による訪日外国人への通訳案内士のプロモーション等の取組を行っていくこととしているところでございます。
#31
○有田芳生君 さすがに今はもう改善されてきていると思いますが、私が六年前に質問したちょっと前ですけれども、例えば、香港からやってきた通訳ガイドが日本語をしゃべるときに拙者はというような言葉を使ったり、そういう日本語水準さえあったというのは、これもまた紛れもない事実なんですよね。
 六年前に私が質問したときに、具体的に、例えば皇居外苑に楠木正成公の銅像があるんですけれども、そこで国家資格を持った通訳案内士の方がガイドをしていたときに、そこに来ていた外国人ガイド、多くのお客さんを連れてきて、専門的な通訳案内士の方の楠木正成公についての説明を聞いて、それを自分が連れてきた観光客に説明をするという、そういう非常に専門的な知識がないと、本当に東京だけではなくて京都でも大阪でも沖縄でもちゃんとした説明ができない現状がまだまだあるというふうに思うんですよね。
 それで、そうした難しい試験を通ってきた方々なんだけれども、私は多くの通訳案内士の方々にお話を聞いていて、例えば官僚の方でやはり語学を究めたい、そういう方もいらっしゃいました。それから、商社に勤めている方が商社で身に付けた語学をこの国家試験で試してみたいという方もいらっしゃいました。あるいは、高校生で資格を取った優秀な方も、二年連続、英語に続いて別の国の言葉で資格を取った青年もいます。彼なんかは、将来外務省に入りたいんだという希望を持っている方がいらっしゃる。と同時に、主婦の方、あるいは定年を超えてこういう資格を取ってこれからの生活の糧にしたいんだという方も多くいらっしゃるんだけれども、だけど、これだけの難しい国家試験を通過して資格を確保したにもかかわらず、仕事がないんですよね。
 長官、御存じだと思いますけれども、通訳案内士の今経済的地位というのはどのような現状にあるんでしょうか。
#32
○政府参考人(田村明比古君) 平成二十五年度に観光庁が行った調査によりますと、通訳案内士の資格取得者のうち約七六%が未就業となっておりまして、就業者の中でも専業が約六%、兼業が二四%という状況となっております。このことから、その平成二十九年四月時点で、先ほどお答え申し上げましたように、約二万二千人の方が通訳案内士として登録されておりますけれども、実働の通訳案内士というのはそのうち約五千五百人程度であろうというふうに推定されます。
 このギャップの理由としては、もちろん、先ほど先生御指摘いただきましたように、一部の受験者の中には自らの語学力を証明するために受けるというような、そういう方が相当数いらっしゃるということ、あるいは自己研さん、趣味のために通訳案内士試験を受験している者もたくさんいらっしゃいます。また、通訳案内士の需要は季節波動が大きくて、通年で安定して仕事を得ることがなかなか難しいという状況もあります。それから、団体旅行から個人旅行への旅行者ニーズの変化、それから旅行者と通訳案内士の語学のミスマッチ等々いろいろなことが背景にあるというふうに考えられます。
#33
○有田芳生君 そうはいっても、今も長官からお話ありましたように、通訳案内士の国家資格を持って、それを生活の糧にしたいという方も当然いらっしゃるわけですよね。観光庁の今お示しになった調査によっても、兼業、未就業の理由として一番多いのが、一定の収入が見込まれないため、これが四五・九%。さらには、自営業として独立する見込みがないため、二二・一%。確かに、現在の仕事を退職、引退するつもりがないとか自分の研さんのためだという方はいらっしゃるんだけれども、しかし一方で、これだけの難しい試験を通過して資格を得たにもかかわらず、それで生活の糧にしたいというにもかかわらず、一定の収入が見込まれないんです。
 具体的にはどのぐらいの収入得ていらっしゃるんでしょうか、専業でやっている方でも。
#34
○政府参考人(田村明比古君) 収入につきましては、これも同じ二十五年に行われた調査がございますけれども、一番多いのが年間収入百万円未満という方でありまして、これが全体の約五〇%を占めております。それから、百万円から百九十九万円というところで一一%、二百万円から二百九十九万円で七・二%と、こういう感じになっております。
#35
○有田芳生君 そういう現実なんですよね。この現実が変わっていかない。変わっていかないのに、難しい国家試験を通った通訳案内士の方々の業務独占を廃止しようという方向に向かいつつある。このことは、やはり改善しなければいけない課題が多々あるというふうに思うんです。確かに、個人の趣味であるとか自己研さんのために国家資格を得たという方はそれは喜んでいらっしゃるんだけれども、同時に、今後の自分の生活をこの通訳案内士の仕事で打ち立てていきたいという希望を持っているにもかかわらず逆方向の流れがあるならば、これは特に国家資格を持った方々にやはり何らかの配慮がこれから必要ではないかと思うんですが、どんなことを考えていらっしゃるんでしょうか。
#36
○政府参考人(田村明比古君) 先ほど少しお答えを申し上げたところでございますけれども、この質の高い通訳案内士については、少しレベルの高い旅行商品を企画する旅行業者でありますとか高級ホテル等においては引き続き有資格者を求める声というのがあるわけでございます。旅行業者等が一括して通訳案内士を検索できるデータベースの構築でありますとか、それから国内外の観光関連事業者への制度の周知と通訳案内士の利用促進の呼びかけ、そしてJNTO等による訪日外国人への通訳案内士のプロモーション等の取組を行っていくこととしております。
 また、この法案では、通訳案内士を利用したい旅行者のニーズに合致した旅行商品が提供されるように、旅行業者やランドオペレーターに対しまして取引時の書面に通訳案内士の同行の有無を記載することを新たに義務付けることといたしております。
 先ほどの利用促進の呼びかけ等とも相まちまして、これらの施策を総合的に行うことでこれまで以上に通訳案内士の利用の促進を図ってまいりたいと考えているところでございます。
#37
○有田芳生君 せっかく通訳案内士の資格を取ることを夢見て実現をした方に仕事がやってきた。どんな仕事かというと、東京にお住まいの方なんだけれども、大阪の方で仕事の依頼が来たんですよね、日当は一万三千円、ところが、旅費が出ないんですよね。東京から大阪方面に行って旅費が出ない、日当一万三千円、生活が成り立つはずがないですよね。当然、そんな仕事を受けることもできないというような現状がある。
 そういったことも含めて改善しなければいけないんだけれども、同時に、闇ガイド、ぼったくりガイド、そこと結び付いた免税店、物すごく闇ガイドなんかは金もうけをしている、とんでもないお金。その実態を皆さんにも知っていただきたいんだけれども、そういう闇ガイドが通訳案内士の方々の仕事を圧迫し、仕事を奪い、しかし一方で自分たちが莫大な蓄財を日々、今も行っている。
 そこで、観光庁長官に伺いたいんですけれども、去年、二〇一六年三月に九州の闇ガイドが摘発されましたけれども、具体的に教えていただけますか。
#38
○政府参考人(田村明比古君) 今御指摘のございました事案は、昨年三月に、就労資格のない中国人の男女が中国人観光客のガイドをして不正に報酬を得たということで、出入国管理法上の資格外活動、いわゆる不法就労の疑いで福岡県警がこれを逮捕、書類送検し、国外退去処分となったということは新聞報道等により承知しております。
#39
○有田芳生君 まず、入管に先にお聞きをしますけれども、今観光庁長官が説明していただきましたけれども、摘発の容疑というのはどういう具体的な内容だったんでしょうか。
#40
○政府参考人(佐々木聖子君) 個人を特定してのお答えは差し控えさせていただきますが、一般論として、今委員御指摘のようないわゆる闇ガイドに従事した外国人本人につきましては、入管法違反者として資格外活動の罪に問われます。また、関連をいたしまして、闇ガイドのようなケースを含め、事業活動に関し外国人に不法就労活動をさせた者につきましては、不法就労助長罪に問われることになります。
#41
○有田芳生君 この九州の件は後でまた具体的にお聞きをしますけれども、クルーズ船が相当入ってきているんですよね。中国で旅行を手配して日本にやってくる、バスなどに乗って偽ガイドなどがブラック免税店に連れていく、そこで様々な商品を買わせる、粗悪品どころか偽物まで売っている。
 今回の摘発されたケースでいえば、これは案内先の免税店から莫大な報酬を得たと幾つかの新聞などで報じられましたけれども、長官は、その事実、御確認なさっているでしょうか。
#42
○政府参考人(田村明比古君) まずは新聞報道等により承知をしておりますし、差し支えない範囲で当局からも情報を提供いただいているところでございます。
#43
○有田芳生君 この偽ガイドは中国人で、日本にいる家族とともに暮らしていた方ですが、何と、福岡県警が預金通帳を調べたところ、案内先の免税店から約七千五百万円の報酬を受け取っていた。
 だから、中国から日本にやってきて闇ガイドをする、あるいは日本にいて闇ガイドを案内されたら三千万円、七千五百万円など、本当に一か月でも日本に来て仕事をすれば家が建つというようなことですから、こういった実態が横行しているんですよね。
 入管にお聞きをしますけれども、この昨年の事件についていえば、その該当する人物というのはその後どのような対応を取られたんでしょうか。
#44
○政府参考人(佐々木聖子君) これも個人を特定してのお答えは差し控えさせていただきますけれども、先ほど申しました資格外活動違反は、その態様によりましては退去強制事由に該当し、また、先ほど申しました不法就労助長行為につきましても、その行為者が外国人である場合にはやはり退去強制事由に該当しますので、いずれにあっても入国管理局におきまして法令にのっとり退去強制手続を取ることになります。
#45
○有田芳生君 この昨年の九州の件でいえば、その人物は罰金五十万円。三千万円以上もうけていて罰金五十万円、これが現実なんですよね。摘発されていない人たちはいっぱい今でもいる。
 そこの背景として中国発のクルーズ市場というのが急拡大している問題がありますけれども、観光庁長官、この中国からのクルーズ船、どのような現実に今ありますでしょうか。
#46
○政府参考人(田村明比古君) 我が国の訪日クルーズ市場は最近急速に拡大をしておりまして、二〇一六年、昨年は旅客数が百九十九万人に達しております。中でも、中国発の訪日クルーズ旅客数が最も多くなっているところでございます。
 特に九州には中国を中心に多数のクルーズ船が寄港しておりまして、昨年の寄港回数は対前年比四一%増の七百九十七回に上っているところでございます。
#47
○有田芳生君 中国発のクルーズツアーというのは、乗船中、朝昼晩、食事代無料なんですよね。そして、飛行機と違って、帰るときもお土産いっぱい持って帰ることができる。買物によるお土産の持込みにも制限がない、しかもそう高くはないということで多くの人たちが来るんだけれども、同時に、そこに一緒に付いてくる、あるいは日本で待ち受けている闇ガイドというのは本当に、コミッション、手数料ではなくて報奨金ですよね、それを得ているという現実がずっと続いている。しかも、繰り返しますけれども、国家資格を取っている通訳案内士の方々の仕事を圧迫しているという現実がある。
 資料をお示ししました右側を御覧になってください。各国別訪日客に対応する闇ガイドの推定人数、ハロー通訳アカデミーの学院長の植山源一郎さんが調べてくださいました。
 まず、表の右側、訪日客数を見ていただいて分かりますように、中国からはもう六百三十万人、増えている、一年間で。韓国からのお客さんは五百万人超えている。台湾からも四百万人超えている。香港からも二百万人近いお客さんたちが来ている。だけど、一番右を見てください。闇ガイドの推定人数、中国三千七百十二人、韓国七百四十一人、台湾二千二百八十七人、香港二百五十九人、合計六千九百九十九人。七千人近い闇ガイドが今でも日本でこの時間にも行動している。
 こういう現実は観光庁として確認されていますでしょうか。
#48
○政府参考人(田村明比古君) 中国を始めとした低価格の訪日旅行の一部におきまして、キックバックを前提とした土産物屋への連れ回し、高額な商品購入の勧誘等の問題が発生しているということは、観光庁や政府観光局に寄せられた苦情等により把握いたしております。
 こうした問題の背景には、旅行の手配を行うランドオペレーターが土産物屋からのキックバックを前提にその土産物屋を行程に組み込むことを約束し、ツアーに同行する通訳案内士資格を有しないガイドにも土産物屋からのキックバックを前提として無報酬で案内を依頼しているとの実態があると認識をいたしております。
 現在、政府観光局の中国語サイトに意見箱を設けて訪日旅行中のトラブルに関する情報収集に当たっているところでございますけれども、訪日中国人旅行者の方々から二〇一五年は五十件、それから昨年は八十件の苦情や御意見が寄せられたところでございます。
#49
○有田芳生君 これは報道もされましたけれども、例えば、あるぼったくり免税店などは、一三年十二月期に約五十億円だった売上げ、一三年に五十億円、それが一五年十二月期には約四百八十億円、五十億円の売上げが四百八十億円、十倍に増えている。しかも、観光バスにお客さんたちを乗せて闇ガイドが免税店に連れていって、そして商品を買わせる。市販の薬局なんかに行けば数千円で売っているものを何倍もの値段で買わせる。あるいは、具体的に言うと、納豆の商品であるとか酵素であるとかそういった健康食品的なものを、そこに製造元が書いてあるんだけれども、製造元には何もないというようなものが売られていて、莫大なもうけをブラック免税店が得ている、そしてそこに連れていった闇ガイドにお金が流れていくというのが現実なんですが、いわゆるぼったくりの闇免税店というのは、観光庁、どのぐらいあると把握されていますか。
#50
○政府参考人(田村明比古君) そういう免税店があるということは承知をしておりますけれども、数については把握をしておりません。
#51
○有田芳生君 そういうのはどこが把握をするべきなんでしょうか。
#52
○政府参考人(田村明比古君) 関係省庁で今悪質ガイドの防止対策のための連絡会議というものを開催しておりまして、対策を検討しているところでございます。
#53
○有田芳生君 関係省庁とはどこでしょうか。
#54
○政府参考人(田村明比古君) 例えば法務省あるいは警察庁、消費者庁、あるいは厚生労働省等でございます。
 失礼しました。ちょっと訂正いたします。
 今、連絡会議には、警察庁、消費者庁、厚労省が入っております。
#55
○有田芳生君 もう一つ、簡単に具体的な例をお聞きをしたいんですが、これは今年に入ってから、一月ですけれども、沖縄で、那覇市の若狭バースに大型クルーズ船が相次いで入港した。そこに下船した観光客を迎えたのは県外から来たと見られる百六十人の無資格ガイド、百六十人ですよ、ここには国家資格を持った通訳案内士さんなんというのは一人もいない。こういう人たちが沖縄の観光案内をするんだけれども、沖縄の歴史なんかも現実なんかも何も知らないから、やることといえば買物に連れ回すだけなんです。これ、何とかしなきゃいけないんじゃないでしょうか。沖縄だけではないと思いますけれども、長官、いかがでしょうか。
#56
○政府参考人(田村明比古君) 今御質問ありました沖縄におきまして、そういった実態の調査というものをするべきではないかという陳情書が沖縄県議会に提出されたということであります。
 そして、この陳情を受けて、今年の一月二十八日、二十九日のクルーズ船寄港時の状況について、港湾管理者、ランドオペレーター等の事業者四者に対してヒアリング調査を行ったということでありまして、その調査によれば、通訳案内士資格の有無は確認できなかったものの、当時百二十名程度のガイドが業務を行っていたことを把握したということでありまして、これ以外に更に全体的な調査を行うかどうか、今沖縄県で調査方法を含めて検討をするという意向を確認をいたしているところでございますけれども、こういった調査といいますか、県と連絡を取りながら、国といたしましてもその内容を把握し、対応策等について連携して対応してまいりたいと考えております。
#57
○有田芳生君 沖縄では、今年の五月にも台湾人向けの白タクが問題になっております。そういうことを含めて沖縄からの調査をやってくれという依頼でしょうけれども、これは沖縄に限らない、九州もそうですし、全国各地で恐らくこういう事態が頻発しているという可能性がありますから、観光庁、是非そういう実態調査をしていただきたいというふうにお願いをします。
 同時に、これからの課題として前向きに検討していただきたいんですけれども、再発防止策ですよね。例えば、韓国なんかには観光警察というものがある。中国でもそういう動きがある。ギリシャ、イタリア、エジプトでも観光警察がある。
 例えば、韓国での観光警察、観光ポリスは青色のジャケットに黒いベレー帽をかぶって複数で観光地などを見回っている。どうも今のところは外国人観光客が道を聞くということが多いらしいんだけれども、しかし、そうはいっても、今年の中国最大の祝日の春節の期間、一月二十三日から二月二日、韓国ではこの観光ポリスが動くことによって五百七件摘発行っているんですよね。その中でも無資格ガイドなどが百八十八件、三七・一%で最も多い。
 韓国でもこの無資格ガイドというのは社会問題になっているという現状の下で、やはり通訳案内士の資格が大事だというのは、そういう観光立国である例えばギリシャなども、国立の通訳案内士養成の学校があって、定員は四十人。大体八百人ぐらいが試験を受けて、試験を受けて四十人が通るんだけれども、二年間の期間勉強をして残るのは二十人ぐらいだと聞いております。そういう残った人たちがギリシャの観光局あるいは旅行会社あるいは各種団体と協議会をつくって、例えば通訳案内士の料金はどうしなければいけないかというような、そういう仕組みができているんですよね。
 ですから、日本でも、今後観光立国を更に進める上においてはそういうことも検討していただきたいと強くお願いをしておきます。
 しかし、残念ながら、今、日本には観光警察というのはありません。だけれども一方で、もう幾らでも、枚挙にいとまがないほど闇ガイドの問題点を指摘することができる現状の下で、お願いしたいのは、観光庁の職員の方々が、例えば皇居の周りであるとか、あるいは観光客が来るような場所に出向いて、観光庁という腕章を付けて、怪しげなのがあれば、あなた資格はあるんですかということを聞いていくという、そういう積極的な対応を取っていただきたいんですが、いかがでしょうか。
#58
○政府参考人(田村明比古君) 悪質なガイド行為、質の低いツアー、こういうものは、旅行者の満足度を低下させるだけではなくて、我が国に対する信頼や印象形成にも悪影響を及ぼしかねないわけでございます。
 今般の改正では、こうしたガイドの手配や旅行取引の公正の確保にはいわゆるランドオペレーターというものが大きく関わっていることから、旅行業法を改正して、これまで規制対象となっていなかったランドオペレーターに対する登録制を創設するとともに、例えば悪質な土産物屋への連れ回しを禁止行為として位置付けて、悪質な場合には処分を行うことといたしております。また、このようなガイドを手配する側の規制の遵守についても適切に周知、指導することによりまして、訪日観光全体の質の維持確保に取り組んでまいりたいと考えております。
 これらに加えまして、観光地における悪質ガイドの実態調査や外国人旅行者に対する悪質な土産物販売等に関するパンフレット等の配布、そして先ほどもちょっと御紹介申し上げましたが、悪質ガイド対策関係省庁連絡会議の実施、訪日旅行者から消費者庁、JNTO及び観光庁に寄せられた悪質行為に関する情報共有、それから、これらの情報を基に、中国を始め各国の観光当局等と連携した旅行業者に対する指導強化等の取組を進めて、悪質事案の防止を徹底してまいりたいと考えております。
 今先生御提案の部分も含めまして、どういう対策が効果的であるかということについては検討してまいりたいと考えております。
#59
○有田芳生君 観光庁の職員の方々が現場に足を向けてくださると、そういう理解でよろしいですか。
#60
○政府参考人(田村明比古君) 今お答え申し上げましたように、今御提案の点も含めまして、どういう対策が効果的であるかということについて検討を進めてまいりたいと考えております。
#61
○有田芳生君 闇ガイドをやっている人たちというのは、新宿などの風俗営業店なども同じですけれども、情報網というのはすごいんですよね。ですから、現場に観光庁の方々が、例えばさっき言ったように観光庁というものを付けて歩くだけで、これは本気であるということはマスコミも大きく報道しますから、全国各地に即座に影響を及ぼすというふうに思いますので、是非前向きに考えていただきたいというふうに思います。
 最後に一言。
 韓国でも一九九九年に通訳ガイドの規制緩和を行って業務独占を廃止しました。しかし、それから十年たって、制度を見直して旅行業者などに有資格者の添乗を義務付けた。
 一回規制緩和をして業務独占を廃止したんだけれども元に戻ったのは、やはり無資格ガイドなどが増加をしたということだというふうに思いますので、最後に大臣、そういう日本のひどい現状が続いている中で、やはり通訳案内士の方々の権利、立場、歴史というものをこれからも守っていくというようなことも十分配慮していただけるだろうと期待をしておりますので、一言感想をいただければというふうに思います。
#62
○国務大臣(石井啓一君) 今般の改正によりまして、業務独占規制の廃止に伴い悪質なガイドが増えることがないように、ガイドを手配する側であるランドオペレーターに対する登録制の導入、訪日観光におきまして悪質ガイドや免税店等での高額な土産物販売等の被害に遭わないための注意喚起リーフレットの作成、配布、それから、先ほどから御紹介しておりますように、本年四月から悪質ガイド対策関係省庁連絡会議を設けまして、これを今後とも実施をしていく等の措置を今回の法改正と併せて総合的に行う所存でございます。
 また、今回の法改正に際しましては、旅行業者等が一括して通訳案内士を検索できるデータベースの構築、また、訪日観光においてランドオペレーター等に対して通訳案内士の有資格者を積極的に活用するよう呼びかけを行う、JNTOによる訪日外国人への通訳案内士のプロモーション等の取組を行うことによりまして、有資格者が使われやすい環境をこれまで以上に積極的に整備をいたしまして、訪日外国人旅行の質の向上を図ってまいりたいと考えております。
#63
○有田芳生君 終わります。
    ─────────────
#64
○委員長(増子輝彦君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、有田芳生君が委員を辞任され、その補欠として野田国義君が選任されました。
    ─────────────
#65
○高瀬弘美君 公明党の高瀬弘美です。よろしくお願いいたします。
 質問の順番を少し入れ替えさせていただきたいと思います。
 今回のこの法改正は、より観光客の皆様の利便性を上げるために、ひいては日本の観光の魅力を上げるためのものと理解をしております。
 そんな中、我が国として、福岡県の宗像大社を中心に「「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群」というものを世界文化遺産として推薦をいたしましたが、一部を除外した形で文化遺産へ登録することが適当との勧告がなされたとの報道を目にいたしました。まずは、事実関係につきまして文化庁にお伺いしたいと思います。
#66
○政府参考人(山崎秀保君) お答え申し上げます。
 「「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群」につきましては、本年の五月五日に世界遺産委員会の諮問機関でございますICOMOSによる評価結果がユネスコの世界遺産センターを通じて通知されたところでございます。そのICOMOSの評価結果は、本資産の世界遺産登録は適当であるとした一方、一部の構成資産を除く沖ノ島とその周辺の三つの岩礁のみを世界遺産に登録すべきという内容でございました。
 今後、このICOMOSの評価結果を踏まえ、本年七月にポーランドで行われる世界遺産委員会において登録の可否が決定される予定となってございます。
#67
○高瀬弘美君 この宗像の世界文化遺産登録につきましては、福岡県知事を始めとしまして、福岡県と宗像市と、また福津市とその関係の市町村の皆さん、また市民の皆さんがもう長い時間を掛けて、いかにこれが魅力的な文化遺産であるかということを熱意を持って広報をしてこられて、取り組んでこられました。こういう一部除外で勧告をされるというのは今回が初めてではなくて、たしか富士山のときも三保の松原を除外という形で勧告がありまして、そこから巻き返しをしまして、最終的には当初のとおり全て含んだ形で登録をされたという経緯があると理解をしております。
 それと同じように、この宗像の遺産につきましてもここからの巻き返しが重要であるというふうに思っておりまして、何とか地元の皆様の思いを酌んでいただいて、この八つの遺産全て含んだ形で一体登録ができるように、これから七月が勝負ということでありますので、もう四十日程度しかないんですけれども、各国への働きかけを含めて登録へ向けて一体となってやっていくことが大事と思いますが、その御決意を、各国への働きかけの担当である外務省にお伺いしたいと思います。
#68
○政府参考人(大鷹正人君) お答え申し上げます。
 このICOMOSの勧告でございますけれども、その内容を真摯に受け止めた上で、世界遺産委員会の委員国ですとか関係の専門家に対しまして、今後とも専門的観点から本件遺産の価値について丁寧に説明を行っていきたいというふうに考えております。そして、関係省庁や地元の福岡県等ともしかるべく協力しながら、登録に向けて全力を尽くしてまいりたいというふうに思っております。
#69
○高瀬弘美君 ありがとうございます。大変力強い御答弁をいただいたと思っております。
 福岡県の皆様も本当に熱望しておりますので、どうかお力添えをいただきますようお願いいたしたいと思います。
 それでは、法案の中身についての質問に戻らせていただきます。
 先ほど有田委員からもお話がありましたが、通訳案内士、現在は十言語あるということで、これから訪日客をより増やしていくと考えるときには、この十言語だけでなく、例えばインドネシア語ですとかアラビア語なども増やして、インドネシアですとか中東からの観光客もターゲットにしていくべきだと思いますけれども、こうした通訳案内士の言語を増やすという点についての御検討状況、いかがでしょうか。
#70
○政府参考人(田村明比古君) 現在の通訳案内士試験におきましては、試験科目として試験が実施されている言語は、御質問のとおり十か国語であります。英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、韓国語、タイ語ということになります。
 試験を実施する言語の追加につきましては、これまでにも、タイからの訪日観光客の増加を受けて、平成十八年に試験科目としてタイ語の追加を行っているところでございます。
 今年の三月に公表しております通訳案内士のあり方に関する検討会の最終取りまとめにおきましても、訪日外国人旅行者数の動向を踏まえつつ、タイ語以外の東南アジア諸国の言語等を試験対象言語へ追加することについても検討を進めるべきであると、こういう中間取りまとめがありましたけれども、この検討結果を反映するよう引き続き検討を進めるべきであるというふうにされたところでございます。
 今後、各国からの訪日観光客の推移を把握しながら、必要に応じて試験実施言語の追加を検討してまいりたいと考えております。
#71
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 今回の法改正によりまして通訳案内士の業務独占規制を廃止をすることになりますけれども、通訳案内士、先ほど来お話ありますとおり、国家資格でございます。この国家資格を持っている通訳案内士の皆様の地位の確保、そして、そもそも論として、通訳案内士が国家資格であるということが余り知られていないのではないかなと思っておりまして、この認知度の向上のためにどのような取組をこれからされていくのか、お伺いしたいと思います。
#72
○政府参考人(田村明比古君) この法案によります通訳案内士法の改正後におきましても、質の高い訪日観光を実現するために通訳案内士の果たす役割というものは大きいものでございまして、観光庁といたしましても、通訳案内士の地位を確保するとともに、通訳案内士の認知度を高めていくことが重要であるというふうに考えております。
 そのため、今回の法改正を契機に、通訳案内士に対しまして定期的な研修の受講を義務付けてその質の維持向上を図るということ、それから博物館、美術館の入場料割引など通訳案内士に対する優遇的な対応がなされるように関係省庁、関係機関への働きかけを行うこと、それから旅行業者等が一括して通訳案内士を検索できるデータベースを構築すること、さらには政府観光局等による訪日外国人への通訳案内士のプロモーションを図っていくこと等の取組を行っていく予定でございます。
 これらの施策を総合的に行うことで、通訳案内士の地位の確保を図るとともに、認知度を向上し、通訳案内士の活躍の場を広げていくように取り組んでまいりたいと考えております。
#73
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 是非、通訳案内士というのが国家資格であるということ、また、そういう方が優先してガイドとしてお仕事をいただけるという状況をつくっていただきたいと思います。
 今回、この通訳案内士の試験科目の見直しも行われるということで、新しく実務に関わる科目の追加ということも一つ加えられておりますが、この実務に関わる科目の追加とは具体的にどのようなものになりますでしょうか。実務といいますと、ガイドでありますので、緊急のときに救命措置をとれるように、例えばAEDの使用方法を勉強するとか、そういうことも含むべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#74
○政府参考人(田村明比古君) 現在、通訳案内士試験の筆記科目につきましては、外国語、日本地理、日本の歴史及び産業、経済等に関する一般常識の四科目となっておりますけれども、本法案によりまして、新たに通訳案内の実務を筆記試験科目に追加することといたしております。
 これは、通訳案内士の質を高めるための一つの方策として、通訳案内士の方々あるいは旅行業者の方々等から、より現場で求められる知識等を問う方向で試験内容自体を見直すべきであるという意見を多くいただいたことを踏まえて対応したものでございます。
 通訳案内の実務の具体的な内容につきましては、今後、この法案の成立後、施行までの間に、通訳案内士や旅行業者等から意見を聞きながら検討を進めていく予定としておりますけれども、例えば災害時の対応や旅程管理の基礎的な内容、それから訪日外国人の生活習慣など、より通訳案内の実務に沿った設問とすることで通訳案内士の質の維持向上に資するものといたしたいと考えております。
 今先生御指摘のAEDの使用方法を含む緊急救命措置などにつきましても、災害時の対応として外国人の方を通訳案内する上では重要な実務であるというふうに考えております。この点も踏まえながら具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。
#75
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 この緊急救命措置、非常に大事なことだと思いますので、是非とも含んでいただけるように御検討いただきたいと思います。
 今回の法改正で通訳案内士に対する定期研修受講の義務付けという新しい義務が課されていくことになりますけれども、この定期研修の内容と、また、どれくらいの頻度で定期研修を受けないといけないのか、また、研修受講というのは有料なのか無料なのか、そこも含めて教えていただきたいと思います。
 先ほどからお話があっていますが、この通訳案内士の試験、大変難しい試験になっておりまして、多くの方が予備校に通ったり、あるいは通信教育を受講されて合格をされるぐらい、かなり投資をされて、その上で取られる資格となっております。それだけお金が掛かっておりますので、それにプラスして定期受講でまたお金が掛かるとなると大変な負担になるのではないかと懸念をしておりますので、この点、教えていただければと思います。
#76
○政府参考人(田村明比古君) 今回の改正によりまして新たに導入されます通訳案内士に対する定期的な研修制度、これは、訪日外国人旅行者の旅行の安全を確保し、多様化するニーズに対応する観点から、通訳案内士の質の維持向上を図ろうとするものでございます。
 この中で、研修の受講期間につきましては、三年以上五年以内において国土交通省令で定める期間としておりまして、今後、受講者の負担をできる限り少なくする方向で検討をしてまいります。
 また、研修内容につきましては、先ほどもちょっと触れました定期的な研修につきましても、旅程管理や緊急対応時に関する知識、旅行者の安全確保等に係る国の制度に関する知識など、通訳案内士が実務において求められる内容とする予定でございます。
 また、研修費用につきましては有料になります。ただ、その額というのは、登録研修機関が研修に係る実費を基に算定することになりますけれども、通訳案内士の方々に対する過大な負担とならないように、国としても働きかけを行ってまいりたいと考えております。
 さらに、通訳案内士が研修受講義務に違反した場合は、最終的には都道府県がその登録を取り消すことになります。これは、現行の通訳案内士法においては、通訳案内士試験に合格した者は、登録申請書を都道府県に一旦提出し登録を受ければ足り、その後定期的に登録情報を更新するような仕組みが制度上措置されていなかったことによるものでございます。今回、定期研修の義務付けということを導入することによりまして、通訳案内士としての稼働状況が適切に登録情報に反映される仕組みとしてまいりたいと考えております。もちろん、登録が取り消されました場合でも、登録取消しから二年後には再度登録することが可能となるようにいたします。
 以上でございます。
#77
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 この研修、有料となるということでありますけれども、例えば今おっしゃったような内容、旅程管理ですとか国の新しい制度ですとか、このような内容であればオンラインでできるのではないかなというふうに思いますので、例えばインターネットを活用してその分受講料を下げるですとか、なるべく負担が掛からない形に持っていけるように前向きな御検討をお願いしたいなと思っております。
 今回の法改正によりまして、通訳案内士有資格者の皆様のデータベースを国が整備をするというふうになっております。例えば、震災のような災害の場合に、避難所に来た外国人の方の通訳が足りない、通訳がいないというような問題が発生をいたしております。熊本の地震のときもそうなんですけれども、被災された方の中に外国人の方がいらっしゃいまして、その方々に情報提供をしたくても、混乱している状況でもありますので通訳がいない、見付からないというような状況で、なかなか意思疎通ができなかったというようなことも発生をしております。
 このデータベース、国が整備をするということで、今のお話で、そもそも通訳案内士の皆様、県には登録があるということなんですけれども、国がデータベースを作るのであれば、是非それを各市町村もデータベースにアクセスできるようにしていただいて、例えば災害の場合にこの通訳案内士の皆様のお力をお借りできるようにすべきではないかなと思っております。特に、今回の新しい実務的な科目の追加で救命措置ですとか災害時のいろんな必要な知識をお持ちになるのであれば、ただの通訳さんとは違って、通訳案内士の方はそういう技術も持っているということになりますので、是非、災害の際にその方々のお力を借りれるようにしていくべきではないかと思っております。
 個人情報の問題もありますので、例えば登録時に通訳案内士の皆様に対して、このようなデータベースで緊急の事態に市町村からコンタクトさせていただいてもよろしいでしょうかというような承諾は取る必要あるかと思いますけれども、そのような形でこの通訳案内士の皆様、災害時にもお力をお借りできる体制つくっていくべきだと考えております。これは災害に関わることでもありますので、是非大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#78
○国務大臣(石井啓一君) 現在、都道府県がそれぞれ管理をしております通訳案内士の登録簿につきまして、有資格者の方々の就業機会を増やすべく、これをデータベース化いたしまして、旅行業者等が全国の通訳案内士の登録・就業状況を一括して確認できるシステムの構築を進めているところでございます。
 委員から今御指摘をいただいたように、災害時において、日本語に不自由であったり日本の生活環境に不案内な外国人の方への支援に当たりまして、外国語の能力を有した通訳案内士の活用を図ることは重要であると考えております。
 このため、今後、災害時等の緊急の場面を始めといたしまして、市町村でも通訳案内士の登録状況、所在地などを確認できるよう具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。
#79
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 このことができるようになりますと、例えば災害のときに通訳案内士の方に御活躍をいただけるようになりますと、先ほど冒頭申し上げた通訳案内士の皆様の地位の向上にもなると思いますし、また認知度の向上という面もあるかと思いますので、是非とも前向きに考えていただきたいと思いますし、また、通訳案内士の皆様がそのことについてどうお考えになるかという御意見はもちろん聞いていただく必要あるかと思いますけれども、是非前向きに御検討いただきたいなと思っております。
 実際、東日本大震災のときにも、海外から支援物資が参りまして、その支援物資、たしかヨーロッパからの支援物資だったと思いますが、せっかくいただいた液体ミルクで、赤ちゃんのための常温保存できるミルクだったんですけれども、それが何が書いてあるのか分からなくて、ミルクであるだろうという推測の下に避難所の皆様にそれが配られたということがありました。後ほど語学ができる方にきちんと確認をしていただくと、例えばゼロ歳から六か月の方用と、六か月から一歳未満の方用という二種類、違うミルクがあったそうなんですけれども、災害時でよく分からない、通訳できる方もいない、翻訳できる方もいないという中で、そういう区別なくごっちゃになって配布をされたというようなことが起こったということも聞いております。
 ですので、災害時に支援物資の関係でもやはり語学ができる方というのは非常に重要でありますので、是非この点も踏まえて、今のデータベースの整備と、また市町村にその情報がしっかりと行くように体制をつくっていただければなというふうに思っております。
 少し早いですが、質問を終わらせていただきます。
#80
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
 現行の通訳案内士法では無資格者による有償ガイドは禁止をされております、業務独占です。そこで違反をすれば罰則もありますけれども、この十年間には適用された者はいないということでありました。しかし、無資格ガイドは存在するわけです。
 先ほど有田議員からもありましたが、沖縄の例を始め、私も通訳案内士の方から似たような事例を幾つも伺います。資格を持ち仕事をしている皆さんが豊富に情報をお持ちになっています。なぜ国交省では実態を把握し、適切な指導監督をしてこなかったのでしょうか。大臣に伺います。
#81
○国務大臣(石井啓一君) 通訳案内士法の業務独占規制違反につきましては、ガイド行為が外国語で移動しながら行われておりまして、その現場を確認することが容易ではないこと、無資格ガイドの被害に遭われた方が訪日旅行中の外国人でいらっしゃって、旅行の終了後は本国へお帰りになるため具体的な被害を日本政府当局に届けることが難しいこと等から、過去十年間、罰則の適用までは行われてこなかったところであります。
 しかしながら、国土交通省においては、これまでも観光庁や日本政府観光局に苦情相談窓口を設置をいたしまして、無資格ガイドについて情報収集を行うとともに、通訳案内士制度のあり方に関する検討会等の場において旅行業者、通訳案内士団体からヒアリングを行うなど、無資格ガイドの実態把握に努めてきたところでございます。
 また、訪日外国人の方が悪質ガイドの被害に遭わないよう、これまでも、悪質ガイド対策関係省庁連絡会議の開催、訪日旅行者から消費者庁、JNTO及び観光庁に寄せられた悪質行為に関する情報の共有、これらの情報を基に、中国を始め各国の観光当局間と連携をいたしました旅行業者に対する指導の強化、特に被害が多いと考えられます中国人旅行者への注意喚起のためのリーフレットの作成、配布等の取組も進めてきておりました。
 今後とも、悪質ガイド被害の防止に努めてまいりたいと考えております。
#82
○山添拓君 把握しにくいとおっしゃるんですけれども、例えばクルーズ船で大勢来てそこからバスに乗り換える、その段階で調査に入るということは可能なんですね。先ほども一月、沖縄で調査をされたとおっしゃいました。ところが、その段階でも無資格者か有資格者か、この調査はされていないということなんです。大手の旅行会社も含めて使ってきたと伺います。国交省も当然に把握し得たはずなんですけれども、本格的な調査すらしてこなかったと。その責任を棚上げにして、無資格違法ガイドを解禁し合法化しようと、これが今度の法案だと言えます。
 例えば、先ほどもお話ありましたが、中国語、韓国語の無資格ガイド、七千人ぐらいいるんじゃないかという話があります。本国から同行してくるケースもあれば、日本に在住していて空港などで受け入れるという場合もあるそうです。中国語、韓国語のガイドというのは九割以上が無資格だとも伺っています。無資格ガイドがこれだけ多いのはなぜだとお考えでしょうか。
#83
○政府参考人(田村明比古君) 近年、アジア各国、特に中国、韓国からの訪日外国人旅行者数が急激に伸びておりまして、直近五年間で見ますと、中国人は約五倍、韓国人は約三倍となっております。また、通訳案内士の数で見ますと、平成二十九年四月、今年の四月時点で、英語では一万五千九百八十五人の登録がなされている一方で、中国語では二千四百九十三人、韓国語では千百十人となっておりまして、英語と比較いたしましても中国語、韓国語の通訳案内士の数が不足をいたしている状況でございます。
 このような状況もございまして、中国語及び韓国語につきましては、有資格者でカバーし切れない部分についてボランティアガイドなどの無資格ガイドが増加しているものと考えられます。
#84
○山添拓君 先ほどもありましたが、二万人の通訳案内士の方のうち専業は六%ということでもあります。実際には資格のある人にきちんと仕事が行っていないと。私が話を伺いました方の中でも、年間五十日程度しか仕事はなくて、さらに終日、一日中仕事があるのはその半分だということでした。
 無資格がはびこるのは、今ボランティアという話もありましたが、安上がりだからにほかならないわけです。有資格者であれば一日二万円、高級ツアーだと四、五万円になるそうですが、ところが、無資格ガイドは日当不要で旅行会社に売り込みます。代わりに客をぼったくり店に、免税店に連れ込んで、そしてキックバックを受けるわけですね。
 資料の二枚目、三枚目を御覧ください。
 先日、私は銀座や秋葉原の免税店に行ってまいりました。店内には化粧品、衣料品、家電製品、時計、南部鉄器のようなお土産まで売っているんですが、日本語はほとんどありませんで、中国語が躍っております。十四万円する炊飯器ですとか、三ページにありますが、普通の薬局では見たことがないような栄養食品、納豆キナーゼ三百六十粒、十四万八千円と。私が入りますと、警戒されて店員が後ろを付いて回りまして、パスポートの提示を求められたんです。日本人ですよと言ったんですが、いや、免税店だから見せてくださいと、もう普通じゃあり得ないようなことが国内であるわけです。
 こういう店に大型バスで乗り付けまして、車内では、日本人はみんなこういうものを飲んでいるんだよ、だから長生きなんだと、こう宣伝をしまして、他の店で買うと高いからここで買うようにと、こう吹き込んでおくわけです。割引券だと言ってカードを渡すそうです。客が買った額に応じてキックバックを支払いますので、連れてきたガイドの名前と手配したランオペ業者を免税店側で判断できるようにしておく必要があるわけです。二万円から三万円の商品でガイドには九千円のキックバックがある、別途ランオペにも支払われるそうです。
 無資格ガイドの中には、先ほどもお話ありました出入国管理法違反や、あるいは所得税の無申告、ガイドが白タクのドライバーを兼ねるなど、もう何でもありだという状況です。以前、ある免税店がバスを出して空港から店まで運転していたそうでありまして、これ白バスだったんですね。一斉摘発に遭いまして、その後はエバーグリーンという名前のバスにしたそうです。これ、いつも緑ナンバーということですね。これ、笑えない話なんですけれども、幾らでもこういう話があると。その上、ガイドをすれば、大阪城を建てたのは徳川家康だと案内するような話もあると。
 大臣、これが日本のおもてなしなんでしょうか。こういう訪日経験をする方を増やすようなこういう政策、大臣、やっぱり日本は取るべきじゃないと思うんですけれども、大臣の認識を伺いたいと思います。
#85
○国務大臣(石井啓一君) 観光振興は我が国の成長戦略の柱でありまして、地方創生の切り札であります。昨年三月に取りまとめました明日の日本を支える観光ビジョン及びそれを踏まえた観光立国推進基本計画におきましては、二〇二〇年までの訪日外国人旅行者数四千万人、旅行消費額八兆円の達成等を目標といたしまして観光先進国を目指すこととしたところであり、現在、政府一丸となって諸施策を推進をしております。
 今回の通訳案内士法の改正につきましても、訪日外国人旅行者数が増加する中で、通訳案内士につきまして、その数が不足をしており、求められるサービスの質も多様化していることから、今般、業務独占規制を廃止をし、名称独占規制のみ存続することとしております。
 委員が御指摘ありましたとおり、我が国における訪日旅行の質の確保は重要であります。今般、通訳案内士制度の見直しと併せて、訪日旅行商品の企画やガイド等の手配を行うランドオペレーターにつきましては、登録制の導入等を通じた業務の適正化を図ることとしております。これに加えまして、本年四月から、悪質ガイド対策関係省庁連絡会議を実施をする、苦情の多い免税店に対する任意の事情聴取や改善要請の実施、旅行会社に対しなるべく有資格のガイドを活用するよう要請を行う、中国政府と連携をいたしまして、苦情の多いツアーを実施する日中の旅行会社について双方の根拠法令に基づき指導を行う、訪日旅行における悪質事案に関するリーフレットを作成をしまして、空港や観光案内所において配布し注意喚起を行う等の取組を総合的に行うことによりまして、訪日旅行の安全、安心の確保に向けた取組を今後とも進めてまいりたいと考えております。
#86
○山添拓君 通訳案内士の業務独占を廃止すれば、旅行業者やランオペ業者にとっては有資格者を用いる積極的な理由はなくなるわけです。無資格ガイド問題の対策とはなりません。質の低い有償ガイドを合法化するだけであろうと思います。
 業務独占の廃止をやめるように求めたネット署名がございまして、ここにはたくさんのコメントが寄せられておりました。法律に違反しているにもかかわらず、その人たちにはおとがめなしで、得する人たちがいるので法律を変えちゃおうというのはむちゃくちゃだ、あるいは、難関の試験を突破し誇りを持って民間外交官の役割を果たしている私たちの夢を打ち砕かないでください、また、いいかげんな偽ガイドをのさばらすのは、一流国で観光を目玉にしていこうとする国のすることではない、これ、もっともな声だと思います。実態把握と取締りを適切に行い、通訳案内士を質、量共に充実させることこそが求められていると私は思います。
 こういう悪質ガイドの問題については、今度旅行業法の改正でランオペ規制をして対応するんだと言っています。悪質な土産物屋への連れ回しを禁止行為で位置付けるんだとしています。さらには、業務改善命令や登録の取消しといった監督権限を予定されているわけですが、こうしたぼったくり店への連れ回しや出入国管理法違反、キックバックによる収入の無申告、白タクの手配や薬事法、景品表示法違反などの違法行為を行った場合にも改善命令の対象となるでしょうか。これ、そうであるかどうかということだけお答えいただければ結構です。
#87
○政府参考人(田村明比古君) 当然、違法行為、禁止行為はそういうものの対象になるというふうに考えております。
#88
○山添拓君 定期的に実態を把握する体制をきちんと整えて対処をすべきだと考えます。
 そもそも、なぜこの通訳案内士法の改定案が出されるに至ったのか。二〇一五年十二月に、業務独占を廃止し名称独占のみを存続させる規制緩和を行うべきだという提案が規制改革会議に出されました。観光庁はこの提案にどう回答されましたか。
#89
○政府参考人(田村明比古君) 通訳案内士の業務独占規制について平成二十七年十二月の規制改革会議において議題に上がりまして、その後、規制改革ホットラインを通じて業務独占資格制度を廃止し名称独占資格制度のみを存続させるよう規制緩和に関する具体的な御提案をいただきました。
 観光庁といたしましては、この御提案に対しまして、その時点におきまして、訪日外国人旅行客が増加しガイドに対するニーズが高まる中で、通訳案内士の絶対数の確保に加えて質の確保が課題であること、それから、依然として無資格ガイドによる不適切な勧誘等が行われている等の問題が生じていることから、まずは通訳案内士の量と質の確保に取り組むことが先決であると認識しているとの回答を行ったところでございます。
#90
○山添拓君 資料の四ページでございますが、当時の所管省庁としての国交省、観光庁の措置の分類としては対応不可なんです。業務独占廃止は応じられないというのが当時の対応だったわけです。
 二〇一四年に観光庁に通訳案内士制度のあり方に関する検討会が設置され、長らく議論がされておりました。この二〇一六年二月の第十二回の検討会、ここでも議論がされておりまして、通訳案内士団体の皆さんあるいは旅行業者、ヒアリングを行っていますが、その議論の中でも業務独占を廃止せよという意見は全く出されておりませんでした。
 この規制改革会議がその後、二〇一六年一月から四月に計三回このテーマで議論をしておりますが、資料の八ページを御覧ください。
 一月二十八日、観光庁の意見は、資格が必要な業務範囲を明確にする、訪日外国人旅行客の増加に的確に対応できる資格取得者を確保する、無資格ガイドについては両罰規定の導入と法の適正な執行などと、至ってまともな意見を述べているんですね。ところが、岡議長の取りまとめでは、本件は業務独占を廃止するしかないと、観光庁においてもその方向で検討してもらいたい、もう廃止ありきだったんです。
 二月十日には五つの通訳案内士団体からヒアリングを行っておりますが、これはその次のページです。ここでも業務独占を廃止すべきだという意見は現場からは出ていないわけです。観光庁も、その後も業務独占廃止は主張されておりません。
 ところが、四月八日には業務独占廃止の結論に至っています、最後の資料です。当時の河野大臣、業務独占をやめるということだけ、今通常国会に、昨年ですね、議員立法でも何でも出すべきだ、観光産業の育成を邪魔するような役所だったらやめてしまえばいいと、これ、まるで脅しだと私は思います。大臣が議員立法をあおるという明らかな越権行為まである。
 そして、六十年の歴史を持つ制度を激変させる結論を下してしまいました。誇りを持って仕事に当たっている通訳案内士の皆さんはもちろん、所管する国交省、観光庁の意見すら無視して、僅か三回の会議で結論を押し付けたわけです。
 これ、大臣、最後に伺いたいんですが、規制改革実施計画が閣議決定される前には、国交省としても業務独占を廃止すべきとの意見を一度も出していない、これはお認めになりますね。それなのに、なぜ受け入れるんですか。
#91
○委員長(増子輝彦君) 田村長官、申合せ時間が過ぎておりますので、簡略にお願いします。
#92
○政府参考人(田村明比古君) はい。
 平成二十八年の二月に開催された規制改革会議のワーキンググループでは、委員御指摘のように、通訳案内士団体の皆さんから業務独占規制、維持すべきというような意見も出されておりました。しかしながら、その後、通訳案内士制度のあり方に関する検討会において、これらの団体の方々にも加わっていただいて議論を重ねた結果を踏まえて、今般の法案が作成されたものでございます。
#93
○山添拓君 もう終わりますが、結局、規制改革会議が決めたことだからということなんです。これ、規制改革でも何でもない、規制の破壊だと私は思います。通訳案内士制度の業務独占の廃止には理由がありません。その決定プロセスも極めて不適切であると考えます。
 そのことを述べまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
#94
○清水貴之君 日本維新の会の清水と申します。
 本日、室井議員に代わりまして、この国交委員会で質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 今回の通訳案内士に関して様々質問するに当たって資料を読んでおりますと、まず最初にやっぱり思ったのが、どうもこの通訳案内士の制度とか試験というのが実情と合っていないのではないかなというのを感覚として感じました。本当にこれは必要なものなのかなというふうに思いました。というのも、資格を取得してもほとんどの方が通訳案内士として仕事をしていない、まあできないというのもあるのかもしれませんけれども、していない現状があると。その資格を取る目的を尋ねたアンケートもありましたけれども、自分の語学力を試すためだという方が一番多かったりするわけですね。その試験を受けている方もほとんどが英語だと、英語に偏っているということで、国内で必要とされている言語との、ニーズとのマッチングもうまくいっていないというようなことも感じます。
 今までも質問出てきていますように、本当に悪質なガイドがはびこるのを防ぐためにしっかりとした質を確保するんだと、そういった目的があるのだとは思うんですが、でも、本当にこの制度で正しいのかなと思わざるを得ないんですが、まず大臣にこの通訳案内士制度の必要性についてお伺いしたいと思います。
#95
○国務大臣(石井啓一君) 通訳案内士につきましては、訪日外国人旅行者に対する観光案内の質の確保を通じて満足度の高い訪日旅行を提供するため、有資格者のみがその業務を行えることとしたところであり、全国を旅行する外国人旅行者に帯同して様々な観光地を案内する業務を現状行っているところでございます。
 この制度につきましては、訪日外国人旅行者数が急増する中で、その数が不足をしており、またそのニーズも多様化していることから、今般その業務独占規制を廃止することとしておりますが、他方で、我が国の歴史や文化に関する正確な知識を持ち、外国人旅行者に満足度の高い案内を行うことができる者として、質の高い旅行商品を企画する旅行業者や高級ホテル等において引き続き有資格者を求める声があることも踏まえまして、全国通訳案内士について名称独占の資格として存続することとしたところでございます。
 今後、国土交通省といたしましては、旅行業者等が一括して通訳案内士を検索できるデータベースの構築、訪日観光においてバスや宿泊ガイド等の手配を行うランドオペレーターに対して通訳案内士の有資格者を積極的に活用する呼びかけ、JNTOによる訪日外国人への通訳案内士のプロモーション等の取組を行いまして、全国通訳案内士の利用を更に促進をし、訪日外国人旅行の質の向上を図ってまいりたいと考えております。
#96
○清水貴之君 今度、自分が旅行をする立場になってこれ考えてみたいと思うんですけれども、海外に行くとなったときにガイドを頼むとなった場合に、やはり自分の言語、母国語が日本語である方のガイドだと非常に助かる場面が多いです。実際、海外のガイドさんを頼む場合に、価格なども見ましても、やはり日本語を話せる、日本語ツアーであったりとか日本人のガイドを付ける場合には価格が高かったりするわけですね。それだけやはりニーズも高いとは思うんですけれども、今おっしゃっていただいたように、いろいろ言語が足りていない中で、外国人の通訳案内士さんだったり、例えばそういう通訳をする、ガイドをする方というのをもっと増やすなり生かしていくべきではないかなと私は思います。
 既に在留資格を日本で持っていて、もう日本に住んでいる、けれども母国語は外国語である、外国人であるという方々を更に生かすべきではないかというふうに思うんですが、この辺りはいかがでしょうか。
#97
○政府参考人(田村明比古君) 我が国に滞在している留学生や日本に滞在経験のある各国に在住する外国人につきましては、通訳案内士としての活躍を図るべく、これまでも受験者の増加に向けて海外での試験会場の設定や試験免除対象の拡大等を行ってまいりました。
 しかしながら、外国籍の受験者数や合格率、必ずしも高くございません。その要因としては、海外での試験会場の増加にも限界がありますし、また、日本の歴史とか地理とか一般常識といった試験科目の内容が外国籍の受験者の方々にとっては特に難しいものであったためと認識をしております。
 先生御指摘のとおり、その言語を母国語とする外国人を活用することというのは非常に重要であると考えておりまして、今後は、従来の取組に加えまして、試験内容の見直し、オンラインによる研修や特定の言語を対象とする地域通訳案内士制度の創設を促すとともに、通訳案内士団体や旅行業者の皆さん方からも意見を伺いまして、更なる外国人の活用方策について積極的に対応を検討してまいりたいというふうに考えております。
#98
○清水貴之君 今お話ありましたとおり、合格率がやっぱり低いんですね。日本国籍の方々、大体二〇%ぐらい最近でしたら合格率というのがあるんですが、外国籍の方は、千人を超える方が受験はしているわけですけれども、受かるのが五十人、六十人ぐらいと、五%ぐらいしかないわけですね、合格率というのが。
 今おっしゃったとおり、恐らくそのやっぱり試験科目ですよね。日本の文化、歴史といったら、なかなかこれは我々日本人でも難しいわけですから、外国の方にそこを求めるのが、じゃ、そこまで求めるのが果たして適切かという議論も進めていっていいのではないかなというふうにも思います。
 例えば、中国から、韓国から来た方々に対して、やっぱり自分の国の言語、片言の日本人が、一生懸命勉強して頑張っていらっしゃると皆さん思うんですけれども、片言のそこまですらすらしゃべれる言葉ではない中国語、韓国語でガイドをするよりは、やはり自分の同じ国の同じ言語を持った方々がガイドをした方が来た方は喜ばれるんじゃないかなというふうに思うわけですね。
 ですから、そういった方々が千人も受けてくれていまして、なりたいという意思を持っている方は、これは決して少なくないと思うんですね。ですから、その辺りの制度を、見直すというのはそこだけ何か優遇するようで難しいのかもしれませんが、ただ、入りやすい制度というのもつくることも考えていいんじゃないかと、長官、思いますが、これはいかがですか。
#99
○政府参考人(田村明比古君) 多少繰り返しになりますけれども、その言語を母国語とする外国人の方々を活用するということは非常に重要だというふうに考えておりますので、従来の取組に加えて、オンラインの研修でございますとか試験内容の見直し、それから特定言語を対象とする地域通訳案内士制度の創設等、いろいろそういう外国人の方の活用方策について検討してまいりたいというふうに考えております。
#100
○清水貴之君 もう一つ、現実的な対応を考えると、今ですと中国、韓国、どこでもいいんですけれども、から一緒にガイドとして、もう現地でガイドさん付いて日本に入ってきた場合は、この資格を持っていないと日本でのガイドができない、また別の日本の有資格者を雇わなきゃいけないという仕組みになっていると思うんですけれども、利用者側からすると、やはり現地から付いてきてくれた、もうずっと一緒にいるガイドさんに日本も一緒に案内してもらった方が非常に居心地がいいんじゃないかなというふうに思うわけですね。その際、もちろん、これまで山添先生からもありましたとおり、そういったガイドさんが質が悪い、悪徳だとか、こういったガイドさんを入れて一緒にガイドさせるのはこれはもう問題だと思うんですけれども、ここは、現地で例えばしっかりと実績があるとか資格を持っているとかいった場合に日本の資格まで求めるのはなかなかハードルが高いような気もしておりまして、この辺うまく何か連携しながらできないかなというふうにも考えるんですが、この点はいかがでしょうか。
#101
○政府参考人(田村明比古君) 今先生御指摘の点も含めまして、いろいろと検討させていただきたいと思います。
#102
○清水貴之君 もう一点、業務独占が廃止されるということで、今も、現時点でもたくさんボランティアでガイドをされている方がいらっしゃるというふうに思います。このボランティアガイドと今度通訳案内士の有資格者との、何ですかね、すみ分けといいますか、この辺り、もし今後、ボランティアガイドも安いお金で、全くの無償じゃなくて多少のお金でもできるようになるかもしれませんし、なるのかもと思いますし、そうしますとますます、なかなか今、通訳案内士さんが資格を取っても働けない、働かないという現状が進んでしまうんじゃないかなと。資格者を増やしたところで、なかなかそういう方々が活躍する場を与えられないんじゃないかなというふうに思うんですが、このボランティアとのすみ分けであったりとか関係であったり、この辺りについてはどのように考えていらっしゃいますか。
#103
○政府参考人(田村明比古君) 我が国のボランティアガイドの実態につきましては、全体で約千八百組織、約四万八千人が登録されておりまして、そのうち外国語対応を行っている組織というのは約三百五十組織、一万六千人強いらっしゃるというふうに見込まれております。
 これまで有償で通訳案内を行うことができるのは通訳案内士有資格者に限られていたところでございますけれども、今般の資格制度の見直しによりまして業務独占規制を廃止することで、これまでボランティアで通訳ガイドを行ってこられた方々についても今後は有償で通訳ガイド行為を行うことが可能となります。今後、質、量共に増大するガイドニーズに対応し得る重要な担い手として期待されるところでございます。
 多様な主体が通訳案内を業として行うためには、より一層国といたしましても積極的に支援を行うことが必要でございまして、無資格の方に対しましても、今回の法改正により制度化される有資格者向けの研修の受講を促すことによりまして、無資格者の質も高めて積極的な活用を図ってまいりたいと考えております。
 一方、通訳案内士、有資格の通訳案内士は、我が国の歴史や文化に関する正確な知識を有し、外国人旅行者に満足度の高い案内を行うことができる者でありまして、そういう質の高い旅行商品、企画する旅行業者とか高級ホテル等において、その有資格者を求める声というのは数多くあるわけであります。このため、通訳案内士資格についても名称独占の資格として存続することとしたところでありまして、この有資格者の活用に向けて、一括して検索できるデータベースでございますとか、観光の関連事業者へ制度を周知して利用促進、呼びかけるというような話でありますとか、通訳案内士の認知度を高めるために訪日外国人にプロモーションを行う等々、いろいろ取組を強化して通訳案内士の有資格者の活躍の場も広げてまいりたいというふうに考えております。
#104
○清水貴之君 以上で質問を終わります。どうもありがとうございました。
#105
○青木愛君 希望の会、自由党の青木愛です。
 まず、通訳案内士のお仕事は、訪日外国人観光客に対して日本を正しく紹介をして、旅行者に安全、安心、満足の日程を提供することだという認識をしております。
 まず、質問させていただきますが、有資格者であります通訳案内士が現在就業しているのは、専業で六・二%、兼業で一八・一%と伺っておりましたが、長官は先ほど二四%と述べられておりますが、就業者の年収は二百万円以下が約半数であるということであります。業務独占を廃止しますと、通訳案内士の立場は更に厳しい立場に追い込まれるというふうに予想されます。量的に不足をしているというのであれば、まずは就業していない登録数の約四分の三にも上る有資格者をどうしたら活用できるか、そこをまず考えるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#106
○政府参考人(田村明比古君) 御指摘のように、平成二十五年度に観光庁が行った調査によりますと、通訳案内士の資格取得者のうち約七六%が未就業となっておりまして、就業者の中でも専業が約四%、兼業が一八%という状況になっております。また、今年の四月時点で約二万二千人の登録がなされておりますけれども、実働の通訳案内士はそのうち約五千五百人程度というふうに推定されます。
 なかなか、やはりこの受験者の中には語学力を証明するために受験したり、自己研さん、趣味のために受験するというような方もいらっしゃいます。ただ、通訳案内士の需要、季節波動が大きくて通年で安定して仕事を得ることは難しかったり、それから団体旅行や個人旅行への旅行者ニーズの変化だとか、旅行者と通訳案内士の語学のミスマッチなど、いろいろ背景にございます。
 やはり、有資格の通訳案内士の方々の利用を更に促進すること、非常に重要であるというように考えておりますので、関係者にその利用促進を呼びかけたり、知名度を上げるために訪日外国人あるいは海外の旅行会社に対してプロモーションを行っていったり、いろいろ総合的な取組を行って、これまで以上に有資格の通訳案内士の利用を促進してまいりたいというふうに考えております。
#107
○青木愛君 せっかくの人材をどうしたら活用できるかというのは、国として積極的に今後とも考えていただきたいというふうに思います。
 今回の改正によりまして、全国通訳案内士、地域通訳案内士、有償の無資格ガイド、そしてボランティアガイドの四パターンの通訳ガイドに大別されると思いますけれども、それぞれの役割をどのように考えイメージされているのかが一点と、私は、国、自治体また公共団体等が実施をする外国人招聘事業ですとか、旅行業者やランドオペレーターが主催をする一定規模以上のツアーについては全国通訳案内士を義務付けるなどをして、全国通訳案内士の社会的身分の向上と就業機会の確保、これしっかり図るべきだというふうに考えておりますが、その点についていかがか。
 あと、もう一点お伺いしたいのですが、この改正で全国通訳案内士には新たに試験に実務の追加、また三年から五年ごとの研修が義務付けられ、負担が増すばかりで全国通訳案内士にとっては全くメリットが感じられないわけであります。そして、通訳案内士の方々は、ふだんからこの案内知識の向上のために全国各地に移動して自己研さんを行っているという状況がございます。
 このガイドの品質の確保、これはある程度国によって保証されるべきではないかというふうに考えておりまして、新設の研修を始め、あらゆる研修の機会に対しまして国による何らかのある程度の支援があってしかるべきではないかなというふうに考えております。今後の検討課題として思いますが、いかがでしょうか。
 この三点、お伺いをさせてください。
#108
○政府参考人(田村明比古君) 今お尋ねのありましたそれぞれの主体の役割分担ということでありますけれども、全国通訳案内士は、日本全国の歴史、地理、文化等の観光に関する質の高い知識、技能を有しており、広域に周遊する訪日旅行者に帯同して行う観光案内などを担っていただく。あるいは、地域通訳案内士は、特定の地域について、その固有の歴史、地理、文化等の現地情報に精通しており、より密度の濃い観光情報を求めるリピーターや多様なニーズを有する旅行者に対する地域の観光案内を行っていただく。あるいは、ボランティアガイド等の資格を有しない方、これは、資格は有しないものの、訪日旅行者に対して観光案内を行う高い意欲を有している者でありまして、現地において気軽にガイドを頼みたい訪日旅行者に対する観光案内を担っていただくなどが考えられるというふうに思います。
 そして、今般の業務独占規制の廃止によりまして誰でも有償でのガイド行為が可能になるわけでありますけれど、資格を持った通訳案内士の方が非常に高い知識、技能を持っておられるわけでありますから、引き続き重要な役割担っていかれるというふうに考えております。利用の促進、これを図ってまいりたいというふうに考えているわけでありますけれど、例えば、我が国において訪日外国人旅行者数が最近急増していて特に通訳案内士が著しく不足する言語のような場合に、こういう方々の同行を義務付けるということは逆に通訳案内士の数が不足して団体旅行が催行できないといったボトルネックとなってしまうようなことも懸念されます。
 先生、ちょっと御提案いただきました国が実施する外国人招聘事業みたいなものについて、招聘の目的に応じ、必要な場合に通訳案内士の活用を各省庁に働きかけるようなことというのは私どもも検討をしたいというふうに考えております。
 それから、定期研修や自己研さんに対する負担軽減措置というお話でございますけれども、研修の受講期間については、三年以上五年以内において国交省令で定める期間とされているわけでありますけど、今後、受講者の負担をできる限り少なくする方法で制度設計を行ってまいりたいというふうに思います。
 それから、試験の見直しに当たっては、難問、奇問が多い等の指摘のある問題をより通訳案内の実態に即したものに見直すなど、トータルとして通訳案内士の方々や受験者の方々の負担を増やさないような配慮を図ることとしております。
 また、研修の費用につきましても、これ、過大な負担にならないように国としても働きかけを行ってまいりたいというふうに考えております。
#109
○青木愛君 前向きな御答弁、大変ありがとうございました。
 続いて質問をさせていただきますが、この地域通訳案内士、これは研修に参加するだけで国家資格を得るということになります。就業地域についての地理、歴史、文化、また産業などに一定の見識を必要とするわけでありますけれども、この研修の修了時には合否の試験を課すべきではないかというふうに考えておりましたところ、先ほど長官の御答弁で試験も併せて行うということでありましたので、御答弁は省かせていただきたいと思います。
 続いての質問に移りますけれども、今回の法改正で、有資格者である全国通訳案内士や地域通訳案内士が違法ガイド行為を行った場合には登録の取消しですとか名称の使用禁止など処分規定があるわけですけれども、無資格ガイドが違法ガイド行為を行った場合、あるいは質の低いガイドを行った場合、無資格だけに処分の対象にはならないということなんですけれども、こうした場合にはどのような対処をしていくのか、お伺いいたします。
#110
○政府参考人(田村明比古君) 今回の法案におきましては、無資格者に処分を科すというような規定はないところでありますけれど、悪質なガイドの手配を防止するためのランドオペレーターに対する登録制度等は別途導入することとしております。
 また、ガイドが景品表示法や医薬品医療機器等法等の個別の法律に違反した場合には、それぞれの根拠法に基づき適切に対処をすることとしておりまして、このような関係省庁の連携を強化するために、今年の四月より悪質ツアー防止に関する関係省庁連絡会議を立ち上げたところでございます。
 そのほか、免税店協会に対しまして悪質なガイドについては観光庁に一元的に情報が提供されるよう通知を発出いたしましたり、それから、法務省入国管理局と連携をして悪質ガイドについての情報を共有することにより、当該ガイドが就労資格を持たない場合は出入国管理法に基づき適切な取締りが行われるよう対処するなど、関係省庁と連携してまいりたいと考えております。
#111
○青木愛君 ありがとうございます。
 今伺ったのは、国内での質の低い無資格ガイドについてお伺いをさせていただきましたけれども、今、御答弁重なるかもしれませんが、先ほどから、昨年三月の中国人による就労資格がない違反事例の御紹介があります。アジア地域から同行の無資格ガイドが急増しているという状況の中で、この法案の改正後に無資格というものが合法になるわけですけれども、この外国の無資格ガイド、就労ビザの取得は厳しいというふうに思っておりますけれども、観光ビザでの入国でガイド業務を行った場合、先ほどもお話出ていましたけれども、どのように取り締まるのか、実際取締りが可能なのかどうか、その辺のところを改めてお伺いをさせていただきたいと思います。
#112
○政府参考人(田村明比古君) 今般の業務独占規制の廃止によりまして、外国人を含め、誰でも有償でのガイド行為というのが可能となりますけれども、外国において手配されたガイドでありましても、先ほどもちょっと触れましたが、景品表示法や医薬品医療機器等法等の個別の国内法に違反した場合には、それぞれの根拠法に基づき適切に対処することとなります。
 それから、外国の旅行業者が発地で手配したガイドが、観光ビザのまま就労資格を有さずに日本国内で報酬を得る行為を行うことも考えられることから、観光庁におきまして、諸外国政府や関係省庁と連携をして違法行為への取締りを強化していくこととしております。
 そのほか、これも先ほどちょっと触れましたが、免税店協会との連携、さらにはランドオペレーターや旅行業者に対しての有資格者の活用を働きかけるというようなこと等々も含めまして、悪質行為についての対応を進めてまいりたいと考えております。
#113
○青木愛君 最後の御質問を石井大臣に御答弁お願いいたしますけれども、冒頭申し上げましたように、通訳案内士の仕事は、訪日外国人観光客に対して日本の歴史や文化を正しく紹介をして、旅行者に安全、安心、満足の日程を提供する仕事であり、国益を背負った仕事であると考えております。業務独占規定を廃止をして無資格者が増加をしますと、悪質な行為や間違った日本の紹介が行われる危険性が高まると考えます。
 石井大臣はこのような危惧をどのように払拭をされるのか、また、全国通訳案内士の存在意義と通訳案内業全体の健全な発展についてどのようにお考えになっているか、お伺いをいたします。
#114
○国務大臣(石井啓一君) 通訳案内士につきましては、近年の訪日客の急増や変化する旅行ニーズに対しまして質、量共に対応できていない現状があることから、今般、通訳案内士団体や旅行業界、地方自治体など各方面からいただいた御意見を踏まえ、この度の法案を提出をしたところでございます。
 今般の改正によりまして無資格でも通訳案内業務が行うことが可能となりますが、これらの無資格で通訳案内業務を行う方々に対しましても、全国通訳案内士向けの研修の受講等を促すことで、通訳案内業務を行う者の全体的な質の向上を図ってまいります。
 また、旅行取引の公正の確保にいわゆるランドオペレーターが大きく関わっていることを踏まえまして、今般、旅行業法を改正をし、これまで規制対象とされていなかったランドオペレーターに対する登録制を創設するとともに、悪質な土産物屋への連れ回し等を禁止行為として位置付け、悪質な場合には処分を行うこととしております。
 これに加え、訪日旅行者から消費者庁、JNTO及び観光庁に寄せられた悪質行為に関する情報共有、これらの情報を基に、中国を始め各国の観光当局間と連携した旅行業者に対する指導強化等の取組も進めまして、悪質事案の防止を徹底してまいりたいと考えております。
 一方、全国通訳案内士につきましては、質の高い旅行商品を企画する旅行業者や高級ホテル等におきましては、引き続き有資格者を求める声が数多くございます。このため、今回の法改正に併せて、国土交通省といたしましては、旅行業者等が一括して通訳案内士を検索できるデータベースの構築、旅行関係者に対しまして通訳案内士の有資格者を積極的に活用する呼びかけ、JNTOによる訪日外国人への通訳案内士のプロモーション等を行いまして、全国通訳案内士の活躍の機会を増やすための各種取組も進めてまいりたいと考えております。
#115
○青木愛君 質問を終わります。ありがとうございました。
#116
○行田邦子君 無所属クラブ、行田邦子です。よろしくお願いいたします。
 通訳案内士の登録者数は約二万人ということでありますけれども、そのうちの三分の二は英語通訳で占めているということで、中国語の通訳は一二%と非常に少ない状況になっています。一方、訪日外国人旅行者数なんですけれども、二〇一六年の観光庁が出している推計値ですと、中国、台湾、香港からの旅行客で半分以上を占めている、五一・五%ということです。需給ギャップが生じているというふうに思っております。中国語通訳者が現状に対して不足しているというふうに見ています。
 そこで伺いたいんですけれども、中国語のガイドを質、量共に充実させるためには、中国語の通訳案内士をどのように増やすことができると考えていますでしょうか。
#117
○政府参考人(田村明比古君) 近年、アジア各国、特に中国、韓国、あるいはタイ等からの訪日外国人旅行者数が急激に伸びておりまして、特に中国人におきましては、直近五年間で見ると約五倍も増加しているということでございます。中国語に対応する通訳案内士の不足が顕著になっているというふうに認識をしております。
 こうした状況を踏まえまして、今般の改正を通じて、通訳案内士について、業務独占から名称独占へと資格制度を見直すということによりまして多様な主体が通訳案内を有償で行うことを可能とするほか、例えば現行の九州の地域限定通訳案内士制度のように、中国語などの特定の言語を対象とする地域通訳案内士制度を創設すること等によりまして、現在の不足している状況の改善を図ってまいりたいというふうに考えております。
 また、通訳案内士が不足している中国語などの言語につきましては、より一層国が積極的に支援を行って、無資格者も含めて通訳案内士の質を高めていくことが必要と考えておりまして、中国語などの受験者がより受験しやすくなるようにオンラインによる研修等を行うというようなこと、それから無資格者に対しても今回の法改正により制度化される有資格者研修の受講を促すというようなこと、さらには地域通訳案内士の創設時においても地域における育成計画の策定に際してアドバイスや優良事例の横展開を図るなどの対応を進めることによりまして、通訳ガイドの質の確保を図り、こういった取組を通じて急増する中国などの訪日外国人旅行者のガイドニーズに適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。
#118
○行田邦子君 私は、中国語の通訳案内士を量だけではなく質もきっちりと確保していくためには、やはりまずは国家資格である通訳案内士、中国語の通訳案内士の量を増やすことが何かできないかというふうに問題意識を持っております。ただ、そもそも日本の学校教育における外国語というと英語であります。中国語が使用できる日本人の数は英語と比べて少ないわけであります。日本人の中だけから中国語通訳案内士を増やしていくには、やはり限界があるというふうに思っております。
 そこで伺いたいんですけれども、日本には今、大体中国から十万人の留学生が来ているわけでありますけれども、中国からだけでも十万人来ているわけですけれども、留学生など就労可能な在留資格を持っている中国語ネイティブの中から資格者を増やすことは何か考えられないでしょうか。
#119
○政府参考人(田村明比古君) 平成二十八年度通訳案内士試験の中国語受験者全体の合格率、これ九・五%であるのに対しまして、中国、台湾籍の受験者の合格率は三・四%と低迷をいたしております。これは、外国籍の方にとっては日本の通訳案内士試験受験すること、物理的になかなか簡単ではないといったことに加えて、日本の歴史や地理あるいは一般常識といった試験科目の内容が外国籍の受験者にとっては特に難しいものであることも要因の一つであるというふうに考えております。
 このため、これまでも、日本に滞在経験のある各国に在住する外国人あるいは日本に滞在している留学生につきましては、試験免除対象の拡大でございますとか、それから北京や台北などの海外での試験会場の設定でございますとか、そういうことで受験者をできるだけ増やすという取組も行ってきたわけでございます。
 今後は、従来のこうした取組に加えまして、先ほども申し上げましたオンラインによる研修だとか、それから特定の言語を対象とする地域通訳案内士制度の創設、こういったものによりまして中国語ネイティブの資格者が不足している状況の改善というのを図ってまいりたいというふうに考えております。
#120
○行田邦子君 中国語の国家資格である通訳案内士を増やす取組、いろいろと引き続き検討していただきたい、取り組んでいただきたいと思いますけれども、ただ、そのために国家資格の通訳案内士の質を下げるということであってはならないというふうに思っておりますので、そのことを付言しておきたいと思っております。
 続きまして、多少、ちょっと重なるかもしれませんが、大臣に御所見伺いたいと思っております。
 この度の改正法案では、通訳案内士が業務独占から名称独占に変わるということです。つまり、これまで違法であった無資格である方の通訳案内が合法になるということであります。これまでも、今、様々な質疑の中で問題が指摘されましたけれども、悪質また低レベルな通訳案内というのが問題になっているわけでありますが、資格を持たない通訳者の質の確保、維持に対する対策を何も講じなければ、より一層事態は、状況は悪化するというふうに私は懸念をしております。ある程度は市場競争によって淘汰はされるとは思いますけれども、限界があると思っております。
 国土交通省、観光庁として、質の確保への対策を講じるべきではないでしょうか。
#121
○国務大臣(石井啓一君) 無資格ガイドによる悪質なガイド行為につきましては、旅行者の満足度を低下させるだけでなく、我が国に対する信頼や印象の形成にも悪影響を及ぼしかねないといった弊害があると認識をしております。
 今般の改正によりまして無資格でも通訳案内業務を行うことが可能となりますが、これらの無資格で通訳案内業務を行う方々に対しましても、全国通訳案内士向けの研修の受講等を促すことで、通訳案内業務を行う者の全体的な質の向上を図ってまいりたいと考えております。
 また、ガイドの手配や旅行取引の公正の確保にはいわゆるランドオペレーターが大きく関わっていることから、今般、旅行業法を改正をいたしまして、これまで規制対象とされていなかったランドオペレーターに対する登録制を創設するとともに、例えば悪質な土産物屋への連れ回しを禁止行為として位置付け、悪質な場合には処分を行うこととしております。このようなガイドを手配する側の規制の遵守についても適切に周知、指導することによりまして、訪日観光全体の質の維持確保に取り組んでまいります。
 これらに加えまして、悪質ガイド対策関係省庁連絡会議の実施、訪日旅行者から消費者庁、JNTO及び観光庁に寄せられました悪質行為に関する情報の共有、これらの情報を基にいたしまして、中国を始めとする各国の観光当局間と連携をいたしまして旅行業者に対する指導を強化する等の取組も進めまして、悪質事案の防止を徹底してまいりたいと考えております。
#122
○行田邦子君 お願いいたします。
 それでは、今日は文化庁にも来ていただいているので質問したいと思っておりますけれども、それぞれの国、地域を観光地として見たときに、その観光地としての魅力、また観光地としての基礎力というのは私はどこにあるかというと、文化、広い意味での文化財、いかにしっかりとした文化財があるかということにあるかと思っております。
 文化庁は、地域に点として存在をしている文化財を、これをつなぎ合わせて面として捉えてストーリー展開をさせる日本遺産認定事業を平成二十七年度から始めています。お手元に資料をお配りをしているとおりでありますけれども、地域の観光ひいては活性化につながることが期待されるわけであります。
 どういったものが認定されているのかというのをちょっと見てみますと非常に面白い、興味深いんですけれども、例えば群馬県ですと、「かかあ天下 ぐんまの絹物語」とか、長野県ですと、「木曽路はすべて山の中 山を守り山に生きる」、そして私がおります埼玉県行田市なんですけれども、「和装文化の足元を支え続ける足袋蔵のまち行田」といったものであります。非常に興味深いなというふうに思っておりますけれども、例えば足袋蔵とか、かかあ天下とか、木曽路は全て山の中とか、こういったこと、地域の歴史、伝統、文化をしっかりと理解をした方がそれを外国人のお客様に伝える、そのことによって外国人の観光客にもその魅力を楽しんでいただくという、外国人の観光客誘致にも非常に生かせるのではないかなというふうに思えるんですけれども。
 文化庁に伺いたいと思います。そのために、人材育成やまた情報発信など文化庁としての取組、それから観光庁との連携について伺いたいと思います。
#123
○政府参考人(山崎秀保君) 日本遺産についてのお尋ねでございますが、文化庁では日本遺産の認定地域に対しまして、外国語でも現地を案内できる観光ガイドの養成であるとか、あるいは多言語対応した案内板、解説板の設置等の取組に対して財政支援を行っているところでございます。また、認定地域が抱える諸課題に対して助言等を行う専門家の派遣を行い、個々の認定地域に応じた必要な支援を行っておるところでございます。
 海外への情報発信につきましても、それぞれの日本遺産認定地域の宿泊先やアクセス、イベント等の情報発信を行う日本遺産ポータルサイトの英語翻訳や、海外ジャーナリストや旅行代理店等に対して日本遺産及び地域の魅力ある文化財を発信することを目的とした日本遺産国際フォーラムの開催に取り組んできたところでございます。
 また、観光庁と連携した取組としましては、日本遺産認定地域への旅行商品の開発に向けた旅行会社を対象とするセミナーの開催でありますとか、官民連携による観光機運醸成プロジェクトの企画、また日本遺産の普及啓発等を目的としたシンポジウムの開催などを行っているところでございます。
 今後とも、日本遺産の取組を関係省庁とも連携しながら着実に進め、観光立国、地方創生の実現に貢献してまいりたいと考えております。
#124
○行田邦子君 ありがとうございます。
 それでは、同様の視点から大臣にも伺いたいと思います。
 日本が、そしてまた国内の各地域が観光地として魅力を発信して、そして外国の観光客も更に来ていただくようにするためには、観光庁と文化庁だけではなくて、観光庁以外の国土交通省本省と、この三者がうまく連携をしていくことが重要だと思いますけれども、どのような取組が考えられますでしょうか。
#125
○国務大臣(石井啓一君) 日本の各地域に継承、保存されております有形無形の文化財は、我が国の魅力を世界に伝える上で重要な観光資源でもあります。ソフト、ハード両面からその活用を図る取組を進めることが重要であると考えております。
 このため、まず国土交通省では、文化庁と連携をしながら、国内外の旅行者の目線に立ちまして、文化財の本来の価値や魅力を国内外の旅行者に分かりやすく伝えるための解説の充実や多言語化、旅行者に新たな感動をもたらすストーリーを有する日本遺産の旅行商品化など、文化財を鑑賞する方にその歴史や意義も併せて理解してもらうようなソフト面での取組を進めているところでございます。
 また、地域の文化財を活用した観光まちづくりなどのハードの取組も重要と考えております。このため、国土交通省において歴史的建造物等の保存や遊歩道の整備など、景観の面的な整備の支援を行うとともに、観光庁が当該地区においてマーケティング調査等の実施支援を行い、さらに文化庁がこれらと連携をして文化財の修理事業等を実施するなど、三者が連携をして集中的な事業実施を進めているところでございます。
 今後とも、明日の日本を支える観光ビジョン及びそれを踏まえました新たな観光立国推進基本計画に基づきまして、文化庁等の関係省庁と連携をいたしながら、文化財を観光資源として活用するための各種施策に取り組んでまいりたいと存じます。
#126
○行田邦子君 終わります。
#127
○委員長(増子輝彦君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#128
○山添拓君 日本共産党を代表して、通訳案内士法及び旅行業法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 旅行業法の改正により、これまで規制がなかったランドオペレーターに登録制を導入し観光庁の監督下に置くことは、運送業者や宿泊施設、ガイド等との取引の公正、旅行の安全確保のために必要な対策であり、一定の改善を図るものと考えます。
 しかし、通訳案内士法の改定案は、訪日インバウンドの急増に対応するという口実で通訳案内士の業務独占を廃止し無資格の有償ガイドを合法化するものであり、容認できません。「通訳案内士でない者は、報酬を得て、通訳案内を業として行つてはならない。」とする現行法三十六条は、通訳ガイドの質を確保し、外国人訪日客の満足度を高めてきたものです。質の低いガイド、様々な違法行為やぼったくり店の連れ回しとキックバックなど、無資格ガイドの問題が指摘される中、業務独占を廃止すべき理由はありません。
 政府は無資格ガイドについて本格的な実態調査すら行わず、そのため違法事例が摘発されたことは皆無と言ってよい状況です。実態把握と取締りを適切に行い、通訳案内士を質、量共に充実させることこそが求められています。
 通訳案内士の資格を持つ方は全国で二万人を超えますが、観光庁の調査によれば、就業している人は四分の一であり、最大の理由は一定の収入が見込まれないからとされます。年間就業日数三十日以下という方が半数以上であり、半数は年収二百万円以下といいます。資格を持っていてもまともに就業できない実態を改善し、質を担保された通訳ガイドの活用を図るべきです。
 この改定案は、通訳案内士の有資格者を始め所管する観光庁の意見すらも無視し、規制改革会議の一存で結論ありきに進められたもので、従来の政策とも矛盾します。歴史や文化を豊富な知識で正確に伝え、訪れる人に魅力を感じていただく環境を整えることが観光政策に求められる在り方です。無資格ガイドの横行を助長する政策を選ぶべきではありません。
 以上の理由から本法案に反対とする旨を申し述べ、討論といたします。
#129
○青木愛君 私は、希望の会(自由・社民)を代表して、ただいま議題となりました通訳案内士法及び旅行業法の一部を改正する法律案に対し、反対討論を行います。
 通訳案内士の仕事は、訪日外国人観光客に対して日本を正しく紹介し、旅行者に安全、安心、満足の日程を提供する極めて重要な仕事です。
 法律改正の背景として、訪日外国人が急増している中、通訳案内士の実情は、都市部に偏在し資格保有言語は英語に偏っているなどの問題があり、通訳ガイドの量的不足とガイドのニーズの多様化に対応できていないという課題が指摘されています。しかし、今回の改正で、地域通訳案内士の創設により都市部偏在のゆがみを一部解消できるとしても、通訳案内士の業務独占を廃止することにより悪質なガイドが増え、これまで質の維持向上に努めてきた通訳案内士制度が崩壊することを懸念します。
 通訳ガイドが不足するのなら、まずは資格を有しながら就業していない全体の四分の三も存在をする通訳案内士の活用を考えるべきです。
 また、全国通訳案内士の果たす役割の重要性を考えると、国、自治体、公共団体等が実施する外国人招聘事業、あるいは旅行業者やランドオペレーターが主催する一定規模以上のツアーについては全国通訳案内士を義務付け、全国通訳案内士の社会的身分の向上と就業機会の確保を図るべきであると考えますが、今回の改正にはそのような積極的な措置がなく、全国通訳案内士の試験に実務を追加し、さらに三年から五年ごとに研修を義務付けるという負担増にとどまっています。
 さらに、無資格ガイドが悪質な行為を行っても、通訳案内士法以外の法律に違反しない限り処分することができません。海外の悪質な旅行業者や悪質なガイドに対する取締りも十分ではありません。
 旅行業法の改正において、これまで対象外だったランドオペレーターを登録制にしたことは一定の評価をするものの、通訳案内士の業務独占を廃止をすることは、以上の理由により認めることはできません。
 以上を申し述べ、反対討論といたします。
#130
○委員長(増子輝彦君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 通訳案内士法及び旅行業法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#131
○委員長(増子輝彦君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、長浜君から発言を求められておりますので、これを許します。長浜博行君。
#132
○長浜博行君 私は、ただいま可決されました通訳案内士法及び旅行業法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・こころ、民進党・新緑風会、公明党、日本維新の会、希望の会(自由・社民)及び無所属クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    通訳案内士法及び旅行業法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。
 一 全国通訳案内士及び地域通訳案内士が本法により位置づけられた資格であることの意義を踏まえ、その信頼を保つために、新制度の周知に最善を尽くすこと。
 二 全国通訳案内士等の有資格者の内外での認知度を高めるための措置を講じるとともに、就業機会を確保する環境を整備すること。また、全国通訳案内士等の団体を通じて就業状況の実態把握に努めて定期的に公表し、必要に応じ、より効果的な取り組みを行うよう努めること。
 三 全国通訳案内士に対して義務付けされる定期研修について、有資格者にとって受講しやすいものとなるよう制度設計を行うとともに、無資格者に対しても有資格者が受講する研修受講を呼び掛け、訪日外国人観光客の急増に適切に対処すること。
 四 悪質ガイドを防止するために、諸外国と連携しそれぞれの国内法に基づく取締りを要請するとともに、国内観光地において定期的に啓発活動を実施することを通じて、旅行者の安心と安全を確保し、訪日外国人観光客のニーズに応え、質の高い旅行を提供するための環境整備に努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#133
○委員長(増子輝彦君) ただいま長浜君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#134
○委員長(増子輝彦君) 多数と認めます。よって、長浜君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、石井国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。石井国土交通大臣。
#135
○国務大臣(石井啓一君) 通訳案内士法及び旅行業法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことに深く感謝申し上げます。
 今後、審議中における委員各位の御意見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 ここに、委員長を始め理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。
 誠にありがとうございました。
#136
○委員長(増子輝彦君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#137
○委員長(増子輝彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十分散会
ソース: 国立国会図書館
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