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2017/06/01 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 経済産業委員会 第15号
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2017/06/01 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 経済産業委員会 第15号

#1
第193回国会 経済産業委員会 第15号
平成二十九年六月一日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月三十一日
    辞任         補欠選任
     仁比 聡平君     辰巳孝太郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小林 正夫君
    理 事
                岩井 茂樹君
                滝波 宏文君
                宮本 周司君
                石上 俊雄君
                石井  章君
    委 員
                青山 繁晴君
                井原  巧君
                北村 経夫君
                林  芳正君
                松村 祥史君
                渡邉 美樹君
                礒崎 哲史君
                浜口  誠君
                平山佐知子君
                伊藤 孝江君
                石川 博崇君
                岩渕  友君
                辰巳孝太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        廣原 孝一君
   参考人
       神戸大学経済経
       営研究所教授   家森 信善君
       全国商工会連合
       会副会長
       鹿児島県商工会
       連合会会長    森  義久君
       一般社団法人全
       国信用金庫協会
       朝日信用金庫専
       務理事      中村 高広君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○中小企業の経営の改善発達を促進するための中
 小企業信用保険法等の一部を改正する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(小林正夫君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、仁比聡平君が委員を辞任され、その補欠として辰巳孝太郎君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(小林正夫君) 中小企業の経営の改善発達を促進するための中小企業信用保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
 御出席いただいております参考人は、神戸大学経済経営研究所教授家森信善君、全国商工会連合会副会長・鹿児島県商工会連合会会長森義久君及び一般社団法人全国信用金庫協会朝日信用金庫専務理事中村高広君でございます。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。
 本日は、御多忙のところ本委員会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 参考人の皆様から忌憚のない御意見を拝聴し、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、議事の進め方について申し上げます。
 まず、家森参考人、森参考人、中村参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 御発言の際は、挙手していただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
 なお、参考人、質疑者共に御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず家森参考人にお願いいたします。家森参考人。
#4
○参考人(家森信善君) おはようございます。神戸大学経済経営研究所の家森信善です。
 本日は、中小企業の経営の改善発達を促進するための中小企業信用保険法等の一部を改正する法律案について意見を述べる貴重な機会をいただきましたことに深くお礼を申し上げます。
 私は、金融システム論の研究者の立場から、中小企業政策審議会の金融ワーキンググループのメンバーとして議論に参加してまいりました。現在御審議いただいています法案は、昨年末に取りまとめましたワーキンググループの報告書を受けたものと認識しておりますので、本日は、今回の見直しの基本的な考え方について、ワーキンググループでの議論を踏まえて私の所見を述べさせていただきたいと思います。その際、この法律が成立した後に、法案の名称どおり中小企業の経営の改善発達を促進するために、金融機関の行動や金融行政の観点も含めて特に留意すべきだと考える点について触れたいと思っております。
 まず、今回の保証制度改革のワーキンググループに参加していたメンバーの共通の問題意識が、どのように信用保証制度を改革すれば中小企業に対する支援を強化できるかにあったということを強調しておきたいと思います。金融ワーキングにおける提案は、全て中小企業支援を強化することにつながるかという観点から議論した結果であります。そのことは、金融ワーキングの報告書のタイトルが「中小企業・小規模事業者の事業の発展を支える持続可能な信用補完制度の確立に向けて」となっている点に端的に表れております。
 リーマン・ショックの際に信用保証制度が果たした役割などを思い起こせば、中小企業金融において信用保証制度の果たすべき役割は今後も重要であることは明らかであります。一方で、信用保証協会と金融機関のリスク分担の在り方を適切に見直すことによって、金融機関の支援姿勢をこれまで以上に高めることが可能になるというのが議論の出発点でございました。
 簡単に申しますと、全てあるいはほとんどのリスクが保証協会に転嫁されていますと、金融機関の支援の動機が弱くなるというのは、これは自然であります。金融機関がリスクを取っている場合には、借り手企業が倒産すると自ら損失を抱えることになりますので、企業支援に積極的になると予想されます。しかし、単純に金融機関のリスク負担の割合を高めればよいわけではありません。過度にリスク負担を高めてしまうと、金融機関が融資を実施しなくなってしまい、必要なときに中小企業に対して信用保証制度を使って支援することができなくなってしまいます。
 そこで、今回の法案の一つの柱として、一律に保証割合を引き下げるのではなく、個々の事業者のライフステージや状況に合わせて当該企業の成長や再生を支援するという観点から、リスク分担の割合を保証協会と金融機関の間で柔軟に調整していくという考え方が取られております。
 注意すべきは、こうした柔軟な仕組みは金融機関のモラルハザードを生みかねない面があるということです。企業の業況が悪くなったときに支援するのがメーンバンクの役割であり、信用保証協会の支援姿勢にただ乗りしてメーンバンクが責任を放棄してしまっては、今回の制度改正の意図とは真逆になってしまいます。
 したがいまして、新しい制度の下で、金融機関の事情ではなく、中小企業の事情に応じてリスク分担を調整していけるかが今後の焦点になります。この点では、信用保証協会が金融機関の行動をモニターしていくのはもちろんですが、そうした信用保証協会の姿勢を中小企業庁がモニターし、さらに金融庁が金融機関の行動をモニターするといったことが必要になります。また、情報公開についても工夫して、金融機関がモラルハザードを起こしにくいような環境をつくっておくことも重要です。
 今回の法案の二つ目の特徴は、ライフステージに応じて保証の役割を見直して、保証利用にめり張りを付けている点であります。
 信用保証を利用した支援の積極化を提案しているのは、創業期の企業、再生期の企業及び小規模企業に対する分野です。一方で、成長期の企業については、成長とともにプロパー融資の確保をすることにより信用保証への依存度を下げて、最終的には信用保証からの卒業を目指すことになります。
 ここで注意しておきたいのは、中小企業への支援を強化するという観点で今後の制度が運営されるべきだということであります。例えば、法案には小規模事業者向け一〇〇%保証の枠の拡大が盛り込まれていますが、金融ワーキング報告書では新規資金の調達を容易として経営の立て直しを可能とすることがその目的だと明記しています。返済が苦しくなっている小規模事業者に対して、単に返済負担を先送りするために拡大した枠を使う金融機関があるとすれば、それは考え違いだと私は認識しております。そうした利用の申込みがあったときに、信用保証協会が金融機関に対して、その保証を利用しながら企業をどのように支援していくのかの説明をきちんと求められるかが鍵になります。金融機関と保証協会の連携を実効的にするためには、こうしたことも信用保証協会に新しく求められる重要な役割の一つなのだと思います。
 ところで、御存じのとおり、最近の金融行政では、金融機関に対し、担保、保証に過度に依存することなく、取引先企業の事業の内容や成長可能性等を適切に評価、いわゆる事業性評価、するよう促しています。
 今回の信用保証制度の改革は、金融行政の用語を使って言い直しますと、保証制度を見直すことで事業性評価に取り組むことへの金融機関のインセンティブを高めることだと言い表せます。したがって、両者は同じ方向を向いていると評価できます。
 その際、今回の見直しによって中小企業の資金繰りに不要な支障が生じないように、事業性評価と信用保証付融資の関係について正しく理解しておくことが必要です。というのは、両者は相入れないものだと考えて、事業性評価を推進するために信用保証の利用を減らすべきだと誤解している金融機関があるようだからです。
 先ほど申しましたように、今回の信用保証制度の改革では、成長期の企業についての保証利用を抑制していこうというスタンスであることは確かです。私が独立行政法人経済産業研究所のプロジェクトの一環としてこの一月に実施しましたアンケート調査によると、約三千人の地域金融機関の支店長さんに回答していただいたんですが、そのうちほぼ三分の一の方が信用保証付貸出しは職員の目利き力向上を阻害しているという意見に同意しておられます。つまり、三分の一ではありますが、安直な利用による弊害は現場でも大きな課題になっているというふうに言えます。
 したがいまして、これまで事業性を評価せず、信用保証の枠があるからという理由だけで融資をしていた金融機関に対しては、保証利用の抑制を経営目標に掲げて、現場での事業性評価の姿勢を強化してもらう必要があると考えています。
 しかし、例えば取引先の事業性を十分に評価した結果、事業性はあるものの、自行だけではリスクが取り切れず、保証協会とリスクを分担すれば支援することが可能な先があったとします。そうした先にそうした判断に基づいて信用保証付融資を実施した場合は事業性評価に基づく融資であり、現在強く求められているものだと私は考えます。つまり、信用保証制度の利用と事業性評価とは相入れないものではなく、むしろ両者は補完的なものなのであります。逆に、信用保証の利用を頭から否定してしまって支援しなかった場合こそが、金融庁の言う日本型金融排除を実践してしまっていることになります。
 また、さきに申しましたように、創業や再生期の企業については保証の積極的な活用を推奨しています。例えば、創業支援に熱心に取り組むことが地域経済にとって重要だと考える金融機関には、創業保証を今まで以上に活用していただくことが期待されております。つまり、信用保証は金融仲介機能の発揮のための有力な手段であります。過剰な信用保証の利用が顧客の価値向上に役立たないのは間違いありませんが、同時に、必要な状況で利用しないのも顧客の価値向上を害することになります。
 今回の改革は、保証をやみくもに減らそうということを目指しているわけではなく、繰り返しになりますが、企業への支援をより充実させることにあります。既に法案成立後の課題について幾つか触れましたが、そのほかに留意すべき点として、信用保証協会の課題について述べたいと思います。
 まず、信用保証協会に期待される役割が大きく拡大します。金融機関との適切なリスク分担を実現する力量を持つ必要があることについては既に述べたとおりであります。
 さらに、創業や再生支援といった新しい業務が本業となりますが、それを担う組織体制の整備や人材の育成を各信用保証協会が実現できるかも大きな課題になります。
 また、成長期の企業向けの保証が縮小していくことが見込まれますが、そうした中で保証協会は経営体としての健全性を維持していかなければなりません。
 そのほか、金融分野ではフィンテックの急速な発展が進んでいますが、信用保証協会の業務においてもIT化や効率化を進めて利用者の利便性を向上させていく必要があります。
 さらに、保証協会の業務の実態の開示の仕方についても一層の工夫が必要になると思われます。例えば、金融機関との連携状況として、企業の状態別にプロパーと保証の協調状況を示すような開示が必要だろうと思われます。どの金融機関が趣旨に沿わない利用をしているかが分かるような開示になっていますと、それがプレッシャーになって金融機関のモラルハザードを予防できるかもしれません。また、創業保証や企業再生の分野で保証がどのように役立っているかを示すような開示も是非行っていただきたいと思います。
 このように、信用保証協会は様々な課題に対応していく必要があり、その対応が十分に進んでいるのかについて監督当局はしっかりと監視していく必要があります。
 最後になりますが、私は、現在審議されている法律案が信用保証を使った企業支援の強化につながると考えています。信用保証協会や金融機関の皆さんが見直しの趣旨に沿って取り組んでいただき、信用保証を通じた企業支援の強化が実現できることを強く期待しているところでございます。
 以上で私の意見陳述を終わります。御清聴ありがとうございました。
#5
○委員長(小林正夫君) ありがとうございました。
 次に、森参考人にお願いいたします。森参考人。
#6
○参考人(森義久君) おはようございます。全国商工会連合会副会長の森でございます。鹿児島県商工会連合会の会長を務めております。地元は鹿児島県鹿屋市の旧輝北町でございまして、建設業、旅館業、畜産業などを営んでおります。
 本日は、私どもの意見を聞いていただく場を設けていただき、厚く御礼を申し上げます。
 私からは、中小企業、とりわけ小規模企業の立場から意見を述べさせていただきます。
 まず、私ども商工会の組織についてですが、地域の中小商工業者が集まっている団体、つまり地域総合経済団体でございまして、会員数は全国で約八十二万、そのうち小規模企業は七十二万であります。全国各地に千六百六十の商工会があり、各県に都道府県商工会連合会、そして全国団体として全国商工会連合会があります。主な事業は、中小・小規模企業に対する経営支援と地域経済活性化のための地域振興事業の二本柱となっております。
 各商工会には、小規模事業者から寄せられる経営相談に対応する経営指導員が全国に約四千百名おりまして、経営革新や税務、金融、労働などの経営全般にわたる相談を受けております。平成二十七年度の相談対応件数は二百八十八万件、経営指導員一人当たりに換算しますと年間約七百件となっております。
 商工会の相談対応の特徴は、行きます、聞きます、提案しますのスローガンの下、小規模事業者のところに訪問し、一緒に寄り添い、まさに伴走型で支援をしているところです。年間七百件の相談件数のうち約四百件が巡回訪問による経営支援となっております。
 このうち、金融相談の内容について述べさせていただきますと、新規の借入れ、既存融資の借換えなどの際には、主に日本政策金融公庫のマル経融資や県市町村の制度融資を活用し、事業者さんと対話しながら資金計画や返済計画の作成をお手伝いしております。
 なお、都市部には商工会議所がございますが、商工会は主に町村部と、今は市の中にあっても行政合併前の旧町村部に設置されており、地区の重複がないように法律で規定されております。
 さて、小規模企業の景況感ですが、全国商工会連合会が毎月三百人の経営指導員を対象に行う調査結果によると、ここ四か月ほど景況DIが上向いてきておりますが、現下の人手不足によって人件費が高騰してきたり、中には受注を諦めたりするとの声が寄せられるなど、利益の確保が厳しく、依然として景気回復の実感が得られていないのが実情であります。また、資金繰りDIを見てみますとマイナス一三・四ポイントとなっており、なかなか明るい兆しが見えておりません。とりわけ地方においては、人口減少、高齢化、それに伴う需要の低迷等々に直面し、先行き懸念材料が払拭されておらず、今なお厳しい環境下に置かれております。
 このような状況の下、今般の信用補完制度の見直しが議論されているところですが、論点となっております金融機関とのリスク分担に関しては、やはり一定の規律を持って制度が運用されなければならないので、見直し全体の方向性については賛同するものであります。一方で、信用補完制度は、経営基盤が脆弱で信用力の乏しい中小・小規模企業にとって大変重要な経営課題である資金調達に関して必要十分な信用供与を果たしており、小規模企業にとってまさに命綱とも言える極めて重要な制度であります。
 したがいまして、特にお願いしたい点を中心に、三点ほど意見を述べさせていただきます。
 一言に中小企業と言いましても、大手企業に近い中堅企業から小規模零細まで、幅が広いものであります。また、創業したての企業から成長発展している企業、一方では再生が必要な企業まで、様々な企業があるわけです。ですので、中小企業を一律に論じるのではなく、規模やライフステージに応じて、必要なところはしっかり手当てし、自立できるところは信用保証の依存度を下げてプロパー融資を促すように、きめ細かく制度設計していくことが必要であると考えます。
 そこで、まず一点目ですが、小規模企業向けの特別小口保険の拡充についてです。
 中小企業庁の統計によると、中小企業は三百八十万者、我が国経済の九九・七%を占めております。そのうち、小規模企業の数は全国で三百二十五万者おり、全体の八五・一%を占めております。商圏を見てみますと、売上高の約六割が同一市町村を販売先としており、近隣市町村向けの約二割と合わせ、約八割を占めています。同一都道府県まで含めると九割弱となっており、小規模企業の売上げのほとんどが同一都道府県内におけるものとなっております。まさに地域内における資金循環に貢献をしているとともに、併せて地域の雇用の受皿にもなっておりますので、小規模企業は、我が国経済、特に地域経済において重要な役割を果たしているものと認識しております。
 しかしながら、小規模企業は、自己資金や担保力に乏しく突発的な事態に対して影響を受けやすいため、経営状況が急変しがちである側面もあります。したがいまして、単に市場任せでは金融機関からリスクが高い事業者としてみなされてしまうため、必要十分な資金供給がなされないおそれがあります。そのため、特別小口保険につきましては、現行のとおり保証割合一〇〇%を維持する方向で検討されておりますことに感謝を申し上げます。
 また、限度額の引上げについても、是非とも実現をお願いしたいと思います。といいますのも、先ほど述べましたとおり、小規模企業は主要取引先からの受注減など外的要因により事業継続が危ぶまれることがあるため、その立て直しのためにニューマネー、新規資金が必要となりますし、今後、海外展開や生産性向上のための設備投資など、攻めの経営を志向する小規模企業を多く輩出することが我が国経済にとって極めて重要であることから、こういったニーズにきっちり応えるためにも、限度額を引き上げていくことは必要不可欠であると考えております。
 次に、二点目でございますが、危機関連保証、いわゆるセーフティーネット保証について意見を述べさせていただきます。
 リーマン・ショックのような大規模な経済危機や東日本大震災など被害が甚大かつ広範囲にわたる自然災害が発生した際には、自社だけでなく取引先、金融機関までもダメージを受けることになります。このような事態になれば、信用収縮が生じ、小規模企業だけではどうにもし難い状況に陥ることとなります。
 したがいまして、政府において機動的に発動できるようなセーフティーネット保証を一〇〇%保証かつ別枠で創設することについて賛同をしたいと思います。その際、運用に当たっては、あくまでも緊急対応でありますし、規律を維持することも必要でありますが、小規模企業の実情を適切に把握した上で、延長するか否かを慎重に決めていくことが必要だと思います。
 一方で、不況業種対策であるセーフティーネット保証五号については、不況業種の構造改革を促すため、追加的な運転資金などの調達に対し保証するものと承知しておりますが、中小企業庁の資料によりますと、単に条件変更を繰り返す状態が続いており、必ずしも構造改革にはつながっていないようであります。そのため、今回の改正案では、一〇〇%保証を八〇%保証に引き下げ、金融機関による経営支援の下で経営改善を進めていくことにしておりますが、ここで懸念されることは、金融機関による貸し渋りであります。
 したがいまして、改正を行う場合は、事業者が構造的な改善を行うことができる十分な準備期間を設定するとともに、新分野、新事業展開を促すための総合的な支援策を併せて講じるなど、対象となる事業者に対し、きめ細かな対応を図ることが大事であると考えております。
 三点目でございます。信用保証協会の業務に経営支援を追加することと金融機関との連携について意見を申し上げます。
 金融支援を行う際には、それに関連する事業計画や販路開拓などの経営支援は不可欠であります。この点に関しては、私ども商工会においても、小規模企業支援法に基づく経営発達支援計画において、小規模企業に寄り添って経営分析、経営計画策定、実行支援及びその後のフォローアップ支援をしていくことを最重点事業として、組織を挙げて推進しているところであります。これにより、もうかる事業者を輩出し、地域の経済振興につなげていくことが私ども商工会のミッションでございます。
 したがいまして、保証協会と金融機関との連携はもちろんのこと、経営支援に取り組んでおります私ども商工会を始め、他の関係支援機関とも一緒になって支援していくことも考えられるのではないかと思います。
 以上三点を申し上げましたが、それ以外にも、事業承継に関しては、私ども商工会地区においても、経営者の高齢化や後継者不足によって地域経済が衰退することが心配されております。したがいまして、私ども商工会としては、専門家と連携して事業の引継ぎに取り組むとともに、事業の磨き上げなどの支援を積極的に進めているところであります。
 今回の改正により、株式を分散させないために代表者に寄せる際の資金を保証の対象にすることについては、まさに時宜を得た内容となっており、賛同いたします。また、創業に関しても、営業を開始して以降、成長に向けての踏ん張りどころが勝負の分かれ目となりますが、この部分にしっかりと手当てする内容になっておりますので、こちらにつきましても、是非とも実現を図っていただきたいと思います。
 本法案は中小・小規模企業の実態に即した内容と評価しておりますので、早期成立をお願いし、中小・小規模企業の資金調達環境をより良く整備するとともに、成立した暁には、新たな制度の周知徹底を強くお願いしたいと思います。私ども商工会としても、施策の周知に努めてまいりたいと思っております。
 以上をもちまして私の意見陳述とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。
#7
○委員長(小林正夫君) ありがとうございました。
 次に、中村参考人にお願いいたします。中村参考人。
#8
○参考人(中村高広君) おはようございます。朝日信用金庫専務理事の中村と申します。
 本日は、中小企業信用保険法等の改正に関しまして、信用金庫業界を代表して意見を申し述べる機会をいただき、誠にありがとうございます。
 また、皆様におかれましては、日頃から信用金庫に対して格別の御指導、御支援をいただいており、この場を借りて厚く御礼を申し上げます。
 さて、本題の意見を申し上げる前に、簡単に信用金庫について説明をさせていただきます。お手元の資料を御覧ください。
 一ページ目は信用金庫の概要ですので割愛しまして、次の二ページに信用金庫の特性を記載しております。
 信用金庫は、銀行と同じように預金、融資、為替業務などを行っている金融機関ですが、相互扶助を理念としまして、会員の出資によって成り立つ協同組織金融機関である点が大きな特徴でございます。また、信用金庫は事業地区が限定されておりますことから、その地域に密着した地域金融機関、まさに地域と運命共同体であるという特徴がございます。そして、事業者向けの貸出しは原則として一定の中小企業に限定されておりまして、中小企業専門金融機関であるということも特徴でございます。
 次に、資料の三ページを御覧ください。
 信用金庫の融資先の規模についてもう少し詳しく説明をさせていただきますと、信用金庫の事業融資先は、中小企業の中でも比較的規模の小さい、従業員が十名未満の小規模事業者が九割近くを占めておりますので、まさに小規模事業者のための金融機関と言えるのではないかと思っております。
 私たち信用金庫の最大の目的は、お客様の成長発展、そしてそれを通じて地域の成長発展を支援することでございます。信用金庫は、地元の自治体、商工団体などの地域の様々な機関と連携協力しながら中小企業支援、さらには地域産業の振興などにも力を入れており、地域の中でつなぐ力を発揮しておるというふうに思っております。したがいまして、政府の重要課題である地方創生は私たちにとっても率先して取り組むべき課題であり、日々の活動の中にも積極的に取り組んでおります。
 次に、資料の四ページを御覧ください。朝日信用金庫について少し説明をさせていただきます。
 当金庫は、東京の上野に本店を置き、東京の下町を主な事業地域としております。預金残高が約一兆七千四百億円、融資残高が約九千八百億円となり、信用金庫の中では比較的規模が大きい信用金庫と言えるかと存じます。
 私どものお客様は、先ほどの説明と同様に、下町の製造業、卸売業、小売業などを含む小規模事業者が事業取引先の大半を占めております。私どもは、お客様に最も身近な金融機関として、日々、フェース・ツー・フェースの関係によって対話を深め、お客様の課題解決に向けて努めさせていただいているところでございます。
 その一例になりますが、資料五ページを御覧ください。
 私どもは、融資のみならず、様々なお客様の支援に努めております。例えば、当金庫の内部に経営支援センターという部門を設置いたしまして、積極的にお客様の経営改善支援に取り組んでいるところでございます。そのセンターには、センター長を含めて支店長経験者五名と中小企業診断士一名という経験豊かな人員を配置いたしまして、営業店とも連携しながら支援を行っているところでございます。この支援では、よろず支援拠点や商工会議所等の各機関とも連携しながらお客様の経営改善に取り組んだり、さらには信用保証協会の経営サポート会議の制度を活用しつつ、信用保証協会とも円滑に連携しながら改善支援を行っております。
 それでは、本題の中小企業信用保険法等の改正についてでございます。
 今般の法改正の狙いは中小企業の資金需要に一層きめ細かく対応すること、信用保証協会と金融機関が連携して中小企業への経営支援を強化すること、そして、それを通じて中小企業の経営改善、生産性向上を一層進める仕組みを構築することであると理解しております。信用金庫業界からも、平成二十七年十一月から中小企業政策審議会基本問題小委員会金融ワーキンググループにオブザーバーとして参加させていただき、この目的を踏まえつつ、現場の視点から意見を申し述べてきたところでございます。
 そうした議論を踏まえつつ、資料六ページの項目に沿いまして、何点か信用金庫業界として意見を具体的に申し述べます。
 まず、金融機関のプロパー融資と保証付融資の適切なリスクシェアを図るという今般の考え方についてですが、信用金庫業界が取り組んでいる方向性から見ても違和感はございません。
 先ほど申し上げましたとおり、私ども信用金庫の取引先は小規模事業者が中心です。小規模事業者の経営状況は財務資料だけではなかなか分かりませんので、お客様との日々の面談、対話を密に行い、日々の受注や資金繰りの状況等を確認しながらきめ細かく資金ニーズに対応することを心掛けてまいりました。小規模事業者の方は詳細な資金繰りの管理などについてもなかなか手が回らない場合がありますので、例えば、私どもが資金繰り表の作成のお手伝いをしながら資金繰り支援をさせていただくということも多くございます。
 さらには、信用金庫業界では適切にリスクテークをして、お客様の資金ニーズに対応できるように、事業性に基づく融資の促進にも力を入れており、その工夫をしながら絶えず努力を重ねているところでございます。
 また、そうした取組は正常先だけではなく、例えば、先ほど朝日信用金庫の経営改善支援センターの取組について説明いたしましたが、そこではお客様の事業全般を見ながら経営改善計画の策定支援を行い、お客様の再生のため、資金のファイナンスにも積極的に取り組んでおります。そうしたファイナンスも含めて支援した結果として、お客様の経営も改善し、そして滞っていた既存の融資返済も再開できたという相乗効果を生んだ事例も多数ございます。
 私どもといたしましては、今般の法改正における適切なリスクシェアとの方向性を踏まえまして、お客様の状況をきめ細かく把握しながら、更にお客様の資金ニーズに的確に応えられるよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、今般措置いただいております創業保証制度の充実についてでございます。
 信用金庫業界では積極的に創業支援に取り組んでおりますが、皆様御承知のとおり、創業してから数年間のうちに多くの創業企業の経営が難しくなってしまう、いわゆる死の谷と言われる問題がありますけれども、創業企業の先行きを見通すにはどうしても難しい部分がございます。
 今般の制度改正は、信用補完を必要とする企業のライフステージという視点を勘案した上で、創業期の保証限度額の拡充について措置されたものと考えております。これを踏まえて、信用金庫としても、創業後のモニタリングの更なる充実に努めるなど、絶えず支援の高度化を努めていきたいというふうに考えております。
 次に、その他の制度改正では、お客様の経営改善支援を進めるためのセーフティーネット保証五号の改正や、大規模な経済危機等への備えのための新たな危機関連保証制度の創設などが措置されております。私どもといたしましては、こうした制度改正の趣旨を踏まえまして、引き続きお客様の経営改善支援に注力してまいりたいと存じます。
 また、こうした一連の措置に併せまして、小規模事業者向けの一〇〇%保証の限度額の拡充についても措置いただいております。小規模事業者は、例えば業況が良い事業者であっても、主たる取引先が一つなくなってしまった、あるいは主要商品をめぐる市場環境が少し変わってしまったというような、たった一つの問題で一気に経営が難しくなってしまうという難しさがありますので、いざというときの必要な運転資金などの確保を考えた際に非常に有用な制度であると考えております。小規模事業者の特性を踏まえましてきめ細かな措置が講じられており、引き続きその資金繰りをしっかりと支えてまいりたいというふうに思っております。
 最後になりますが、一点、農業ビジネス支援についての要望がございます。
 最近、例えば建設事業者が第二創業として農業ビジネスを始めるなど、いわゆる六次化を伴う事例を含めて増えてきており、地域の関係者からこうした信用保証制度を利用したいという声が寄せられております。農業ビジネス支援については、現在、国家戦略特区において行われているところですが、それ以外のニーズがある地域でも同様の対応がなされるようお願いしたいというふうに思います。
 以上、いろいろと申し上げましたが、私ども信用金庫といたしましても、信用保証協会を始めとする地域の関係者の皆様と連携しながら、引き続き適切なお客様支援に努め、地方創生の実現に貢献をしていきたいというふうに考えております。私ども信用金庫への引き続きの御指導、御理解をお願いいたしまして、私からの話を終わらせていただきます。
 本日は、貴重な機会をいただき、誠にありがとうございます。以上でございます。
#9
○委員長(小林正夫君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○宮本周司君 おはようございます。自由民主党・こころの宮本周司でございます。
 三名の参考人の皆様方におかれましては、それぞれの見地から本当に貴重な御意見、御発言をいただき、ありがとうございました。時間も限られておりますので、早速質問をさせていただきたいと思います。
 今般の信用保証制度の見直し内容に関しましては、お三方のそれぞれの御発言の中で盛り込まれていたので割愛をさせていただきますが、やはり経営基盤が脆弱な、また外部要因の影響も受けやすい中小企業にとっては、その財務体制をしっかりと維持させていく上においてもやはり命綱とも言える重要な存在であると認識をしております。その中で、やはり強い経営を実現していく、安定した健全な財務体制を実現していく、これは経営者の責務であり、また企業にとってもそのガバナンスを徹底していく、これは重要なファクターであると、これは認識はしております。
 ただ、やはり体質が弱いということもありますし、今回のこの法改正が起こるきっかけになった二年ぐらい前の議論では、やはり目利き力が、金融機関による目利き力が落ちたんじゃないか、また育てる金融が実現していないんじゃないか。このことにおいては、やはり企業の借入れ、デットに対しての、貸し手である金融機関がやはり借り手企業の経営を監視するそのデットガバナンスも機能していなかったんじゃないかと思います。
 まず、家森参考人の方にこの件に関してお伺いしたいと思いますが、現状の分析に関しては先ほどの御発言の中にもあったと思います。具体的に、このデットガバナンスを金融機関、現地、現場で実現していただくためにどのようなことを具体的に推し進めるべきだとお考えになりますでしょうか。
#11
○参考人(家森信善君) ありがとうございます。
 金融機関の目利き力の向上というのは、この十五年ぐらい金融機関にとっての大きな課題になってきています。具体的にどうやっていくかということで、各金融機関とも一生懸命職員の研修なんかをやられているんですけれども、他方で、ノルマがボリュームの方を取ってきなさいというようなので、お客さんのことを懇切に聞いているよりも投資信託を売ってきた方がポイントが上がるような形の言わば職員評価なんかがこれまで行われてきています。
 それで、今、金融機関の人事評価を一部の金融機関では定性的なもの、お客さんの相談、困り事をいかに解決したかを評価をするような形に工夫をされたりするようなところが出てきていまして、こういう職員の目利き活動そのものを評価をしていくことは非常に重要かなというふうに思います。
 それから、私は最近、経済産業研究所でやりましたアンケート調査を今分析中なんですけれども、そこでも例えばこんなことが分かりまして、職員のノルマだけでなくて、支店を今金融機関当然評価されるんですが、その支店を評価する際にも、この職員の目利き力に相当するようなものをきちんとその支店や支店長の評価にも入れていくというような形でしているところの方が職員の能力向上している傾向があるということですので、やはり職員の評価、役職員まで含めた、というところが鍵になるのではないかと思います。
 潜在的に金融機関の方は能力はあるので、きちんとしたインセンティブを与えれば、我々の期待するような方向で動いていただけるのではないかというふうに思います。
#12
○宮本周司君 ありがとうございます。
 続いて、森参考人にお伺いをいたします。
 全国商工会連合会の筆頭副会長としても、また鹿児島県での会長としても御活躍でございます。
 もうすぐ三年がたとうとしますが、小規模企業振興基本法ができ、商工会及び商工会議所による小規模企業を支援する法律の改正を迎えてから、今伴走型の支援というものを徹底していると理解をしております。
 中小・小規模企業に対するこの金融支援の中で商工会はどのような役割をこれまで果たしてきたのか、また、今回の法改正案に関連しまして信用保証協会に期待をしたい部分はどこなのか、この点についてお聞かせいただけますでしょうか。
#13
○参考人(森義久君) 経営支援と金融を適切に組み合わせることで中小・小規模企業の経営改善発達が図られることは、御承知のとおりでございます。
 商工会では、常日頃から金融、税務、労務のほか、販路開拓や経営計画の策定支援など、経営全般に関する相談、指導業務を行っております。その中に資金調達の相談があった際には、事業者と対話をしながら事業計画や資金計画などの作成を支援しております。その上で、事業者ニーズや金利などを考慮して、事業者に合った融資制度を紹介し、金融機関に取り次ぐといった対応をしております。
 商工会が平成二十七年度に金融あっせんした件数はマル経融資も含めて約六万七千件、金額にして約四千五百億円のあっせんをしております。
 金融機関に取り次ぐに当たり金融機関との信頼関係は不可欠であり、各地で金融機関との懇談会等を開催し、例えば一日公庫とか、お互いの取組について理解を深め、それぞれの役割を果たすべく連携を密に図っているところであります。
 その上で、信用保証協会に期待していることは、信用保証制度が中小・小規模企業にとって命綱とも言える極めて重要な制度でありますので、引き続き中小・小規模企業の資金需要にしっかり応えていただきたいと思います。
 加えて、本改正法案では、経営サポート会議の開催や中小・小規模企業に対する専門家派遣など経営支援を行う役割が新たに追加されておりますので、私ども商工会の経営支援にも御理解いただき、中小・小規模企業の目線でしっかりと対応していただきたいと思っております。
 以上です。
#14
○宮本周司君 ありがとうございます。
 やはり、経営指導員の方一人当たりが二百社以上の会員企業の対応をされているということで、本当にきめの細かい支援も求められながら、またその中でいろいろな責務も果たしていかれていると思いますので、引き続きのお力添え、中小企業に対するお力添えをお願いしたいと思います。
 続いて、中村参考人にお伺いをいたします。
 先ほど家森参考人の方にもお伺いした内容と関連するのでありますが、やはり現場で目利き力を、行員の皆様方の目利き力を育成していく、実現していく、このことが急務であると思っています。
 そして、今回の法改正の中で目的とされている、いわゆる経営の状態であったり財務の状況で融資の決定、査定をするということのみならず、事業性を評価していく、この部分においては、特にやっぱり小規模企業、事業規模が小さくなればなるほど、財務内容であったり過去の実績、また担保、保証、こういったところを気にされるわけでございますが、こういった部分に依存することなく、いかに事業リスクを判定していくのか、いかに経営者の資質を見極めていくのか、いかに事業そのものの実効性やまた将来性を評価をしていくのか、このことに関して、朝日信用金庫さんのお取組でも結構でございますので、どのようにお考え、若しくは実践をしようとされているのか、お聞かせいただけますでしょうか。
#15
○参考人(中村高広君) 先ほど育てる金融というようなお話もありましたけれども、育てる金融ということと目利き力の強化という部分については相通じるものがあるのではないかというふうに思っております。
 私ども信用金庫の場合は、お客様のところに訪問して、対話を通じて取引先の要望ですとか課題解決を行うことで取引先の成長に少しでも資するような活動をしてきたつもりでございます。
 しかしながら、昨今、利ざやの縮小による収益環境の悪化から、効率性を重視する余り、そうした信用金庫本来の育てる金融の考え方がやや希薄になってきているのは事実だというふうに認識はしております。ですから、先ほど来話が出ておりますけれども、事業性評価が盛んに言われている中で、信用金庫業界としましても、個々の信用金庫が自身の経営基盤や周辺環境、取引先の特性などに合わせてそれぞれ独自で取り組んでいるところでございます。
 先ほどありましたけれども、当朝日信用金庫においても、冒頭で説明させていただいた、取引先の経営改善に取り組む経営支援センターと、主に事業承継や相続、あるいはMアンドAや海外進出、販路拡大など様々な取引先の要望、課題をサポートするお客様支援センター、これを合体、一本化しまして、七月からお客様サポート部を新設する予定としております。
 具体的な活動としましては、当庫独自の事業性定性シートを新たに作成しまして、営業店の担当者が取引先の強みや弱み、あるいは課題、要望といった経営者や法人の非財務の情報を取引先との対話を通じて聞き取り、作成したシートをお客様サポート部に提出します。お客様サポート部では、その内容を精査して、取引先が何を求め、当金庫はそれに対して何ができるのか、あるいはその取引先の課題はどこにあって何が必要なのかといったソリューションの提供を営業店、本部が一体となって行っていく体制、本部も営業店や取引先に積極的に訪問し、取引先の様々な課題やニーズに応えていくような体制をつくっていきたいというふうに考えております。
 先ほど家森先生の方から話がありましたけれども、そういった活動をしているか否や、そういったものを店舗の業績評価に反映することでより活動が活発化していくというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいというふうに思います。
 私の方からは以上でございます。
#16
○宮本周司君 ありがとうございます。
 まだ少し時間がありますので、最後に家森参考人にもう一つお聞きしたいと思います。
 成長戦略、アベノミクスで欧米並みの開廃業率一〇%を目指すんだという数字目標を掲げられて現在に至るところでございますが、創業支援とか開業の促進に関しましては、いろいろな施策も中小企業庁を中心に打ってまいりましたので、新陳はある意味で推進してきたのかなと。ただ、転業、廃業、この部分が余り施策的にもこれまでは十分じゃなかったので代謝が進まなかったということで、全体的な開廃業率の方へ影響を及ぼしているんじゃないかなと私は考えております。
 特に、小さい企業になると所有と経営が分離していない、そういった中小企業、小規模企業が地方においてはやはり多く見られる中で、やはり資本市場の規律が働きにくい。こんな中で金融が果たしていく役割として、やはり、いわゆる健全な市場からの退場であったり、若しくは今の事業を一旦クローズしてベンチャー型で新たに立ち上げるなり、こういった部分の機能性、また役割を金融機関の方にも課していかなければいけないと考えているんですが、参考人はどのようにお考えでしょうか。
#17
○参考人(家森信善君) おっしゃるとおりでありまして、ここは、まさに金融機関と企業の間で日頃からの密接な関係を持って、結局、状況が悪くなってからでは対応がますます困難になるし不幸せが増えますので、早い段階で違う選択肢があるよという情報提供をするということがまず必要ですし、その段階では、例えばやめるというのも一つの選択肢ですが、おっしゃるように、会社をほかの方に譲るあるいは違う業容に変わるという、いろんな選択肢を金融機関と企業の方で話し合える素地が必要なんですが、最近なかなかそれが、金融機関と企業の間の距離感が広がってしまって難しくなっていると。
 それで、今、事業性評価であるとか、朝日さんの方からありましたような取組をもう一度原点に返ってやろうということが始まっていると思いますし、今回の保証制度改革も、従来、例えば一〇〇%保証ですと、もう金融機関にとって手間を掛ける必要はないよねということでしたけれども、これからこのプロパーが入ってきますと、金融機関として、悪いことが起こると非常に困りますので、早い段階から真剣に考えていただくインセンティブが強まるのではないかと期待しております。
#18
○宮本周司君 ありがとうございました。
 我が党の方でも、これは事業承継という観点なんですが、やはりそのまま継承するという在り方もありますし、MアンドAという手法もあります。ただ、その経営資源であったり経営の基盤、これを利用して新たな強み、新たな価値を創出していくベンチャー型の事業承継というのもあってもいいんじゃないか、こういったことを今政府の方にも提言をしたところでございます。
 今回のこの法改正を受けて、お三方の参考人からの御意見もしっかりと現場に反映できるように努めていきたいと思いますし、また、それぞれのお立場で中小企業・小規模事業者に対しましての御指導や御支援をいただけますことをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#19
○石上俊雄君 おはようございます。民進党・新緑風会の石上俊雄でございます。
 三名の参考人の皆様、本当に今日は貴重なお話をお聞かせいただきまして、ありがとうございました。
 早速質問に入らせていただきますが、二〇一〇年の六月になりますけれども、そのときは民主党政権でございましたが、中小企業憲章というものを閣議決定いたしました。その冒頭に、「中小企業は、経済を牽引する力であり、社会の主役である。」というふうに書かれているわけでございます。実際、先ほど来御説明をいただいておりますけれども、日本の企業数でいいますと九九%、雇用の方で見ますと全体の七割が中小企業の皆様ということになるわけでございまして、まさしくこの日本の経済の活力を高めるためにしっかりと進めていただいているということで、中小企業の皆様の力は欠かせないということになるわけでございます。
 今日の講演でもお聞かせいただきましたけれども、一方で、この小規模企業の景気動向、先ほど資料の中にも書いてありましたが、この十年間、業況のDIというところを見ますと、ずっと悪いわけでございます。生産性に関しても中小は大企業の半分とも言われていますし、関係者からは、中小企業政策で法律改正や予算措置をこれだけ行ってもなぜ中小の経営力が上がらないのかとか、また、景気が悪いのでもうからないと嘆くというよりも、実は景気が良くても中小の収益は増えない時代に入っちゃったんじゃないかというような意見も聞かれるわけでございます。
 その原因の一つが、よく言われるのが地域の人口減少、さらには市場自体が縮小しているんだというところの考えもあるわけで、そういうことがあるから、中小の世界においては、新しい市場を求めてITの活用とか、それによって生産性を上げるとか、さらには異業種との連携で何か新しいものを目指していくとか、さらには海外に出ていこうという、そういうような発想になるというふうに理解はしているところでございます。
 しかし、昨年、金融庁の方でアンケートを取ったということでございますが、中小企業に対してですね、経営上の課題は何ですかというふうに中小企業の皆様にお聞きしたんだそうです。そうしますと、三位が営業力や販売力の強化のところだと、二位が売上げや収益の減少だと、何と一位が人材の不足、要は課題を解決する人がいないという人材の不足、さらには、その人材の育成に対して経営課題だと言っているところが六二%だったということなんです。
 そこも驚きなんですが、ここは大体予想ができるんですけど、本当の驚きはここからなんですけど、しかし、それをメーンバンクに相談していますかという問いに対して、日常的に相談をしているというところは僅かに一二%、全く相談したことがないというのが実に四五%ということで、トップ回答だったということなんですね。そういったことをいろいろ考えながら思いを巡らせてみますと、そのさらにアンケートの最後にまとめが書いてあったんですが、メーンバンクに相談しない理由というのもありました。そこの第一位は、余りいいアドバイスや情報が期待できないからというのが四一%だったというアンケート結果なんです。
 こういうことを含めて、本日は、ちょっと前置きが長くなっちゃいましたが、中小企業が欲しい経営支援とはどんなものなのかなというところと、さらには、金融機関の皆様がこれまで中小企業の皆様にどういうような対応をされて、今後どういうふうなことをやっていったらいいのかなと、さらには、その両者を結び付ける日本の信用保険制度というのは今後どうあるべきかという観点でちょっと質問をさせていただきたいと思います。
 まず、森会長に質問させていただきますが、森会長は、鹿児島の方で奄美の黒糖焼酎というのをドイツの方に展開をされて、いろいろ蔵元がこぞって海外に出して拡大をされていったというのを資料で拝見をさせていただいていたわけなんですが、そういう経験を持っている中で、中小が元気を出すにはどういうような経営支援をしていったらいいとお考えなのかといったところを聞きたいわけなんですね。
 そもそも、地元でやられている方は、多分、そこに特化した経験というか知識というか、技術、技能ってあるわけなんですが、一方で、それ以外のところ、未経験のところというのはこれやっぱり持ち合わせていないわけでありまして、海外に進出する、そのための足掛かりとか、効率を上げるためのITをどういうふうに活用したらいいんだとかというところはしっかりと何か支援をしていかないといけないというふうに思うんですが、そういった意味で、どういうことを助言したり支援をしていったら中小企業さんがしっかりと息を吹き返すとか元気になるというふうにお考えか、その部分をお聞かせいただけますでしょうか。
#20
○参考人(森義久君) ありがとうございます。
 取りあえず、JAPANブランドで展開いたしました奄美の黒糖焼酎、海外展開のやつを御説明を申し上げたいと思います。
 ちょうど平成二十五年に奄美群島が本土復帰六十周年、加えて世界自然遺産登録の申請をした年でありました。私どもは中小企業庁のJAPANブランド事業を活用させていただいておりますが、この黒糖焼酎というのは、奄美しか製造できない、そういう特殊なお酒でもありましたので、それを私どもとしては奄美群島のそういう機会に合わせて展開をしたわけであります。
 このときに、たまたまドイツのベルリン大使館にお邪魔いたしまして、大使と面談をする機会がありました。その中で説明を申し上げましたら、是非この大使館公邸でそういったPRしたらどうかということの助言をいただきまして、その後、三回連続してそういった開催をさせていただきました。大変、大使館に六百名あるいは七、八百名来ていただいて、三回にわたって披露をしたわけであります。当然、奄美の黒糖焼酎、あるいは伝統文化、大島つむぎ、あるいは奄美の歌、そういったものを全て披露しながらやってきたわけであります。この三回を通じまして、確かな手応えを感じております。現在も、ヨーロッパ、特にベルリンの方を含めて海外に蔵元が黒糖焼酎を出荷いたしております。
 このことにつきまして、私は、検証してみたときに、我々まさに小規模・中小企業でありますが、こういう制度を活用して、あるいは海外へ展開することにおいてはほとんどそういう海外の展示市場、そういったところが多いわけでありますが、大使館を活用させていただいたということが大変信頼を帯びて非常に良かったというふうに思っております。そして同時に、こういったものは継続することが大事でありまして、蔵元の方々にもいろいろな助言をしております。加えて、ドイツの方からもバーテンダーを含めて現地に赴いていただいておりますし、大変好評をいただいているわけであります。
 そういった中でありまして、要するに、小規模事業者ですから金融に絡む面もあります。ここのところを商工会として一番の強みを持っておりまして、先ほども冒頭で御挨拶申し上げましたように、いろいろな金融政策につきましてはそのニーズに合わせた取引を紹介をいたしております。そのことが非常に感謝をしていただいておりますので、また引き続きこういうJAPANブランドを活用させていただきたいと思います。
 ちなみに、今年度から、まさに日本食がブームになっておりますが、こうじ、みそ、しょうゆ、お酢を今度海外でまた展開するように採択をいただきましたので、併せて御礼申し上げたいと思います。
#21
○石上俊雄君 ありがとうございました。
 引き続き、是非海外の方に展開いただいて、頑張っていただきたいと思いますが。
 それで、次に中村専務理事にお聞きしたいと思うんですけれども、先ほどちょっと説明がありましたが、要はサポートチーム、サポート部というのをつくったというふうにお話がございました。今回の法の改正の柱の一つが、セーフティーネットの保証五号というところの条件変更もあるんですが、そこで見ると、不況業種というのが現在でも二百四十七種あるわけであります。結構多いんですね。じゃ、そこに対していろいろな、先ほどもちょっとありましたが、アドバイスとか支援をしていこうとすると、中身を見ると、建設業もあれば製造業もあったり、小売ではガソリンスタンドやジュエリー小売やカラオケボックスというのもあるわけで、幅広いというふうに感じるんです。そこに、じゃ、どういうふうなアドバイスをしてどういうふうな支援をしていくというふうなところというのは結構金融機関にとってはハードルが高い内容なのかなというふうに思います。
 資料を見させていただいて、私もちょっとホームページを見ながら、朝日信金さんでは地域支え隊ということで多彩なメニューをそろえておられて、自分たちではなくて外部の専門機関、具体的には税理士さんとか貿易保険さんのところとか科学技術振興機関とか、様々なところの手を借りながら、そことの橋渡しをするというのが金融機関の役回りということでされているというふうに思うんですが、そこのことを含めて、一般的な金融機関においてその支援体制というのはどうお考えか、このことについてお聞かせいただければと思います。
#22
○参考人(中村高広君) 今お話があったとおりでございまして、お客様の課題ですとか問題は業種それから各々の事情によって様々でございます。そうしたものを例えば私どもだけで解決しようとすると、これはかなり無理があるというふうに思っております。ですから、先ほどお話がありましたように、いろんなところと提携をしてそういったところにお話を持っていく、そういうことによってトータル的なものをやっていこうというものが一つ。
 それと、経営支援センターを通じていろんなサポートをしてお客様の経営改善に努めていくと。先ほど小規模事業者の場合にはちょっとしたことで、ちょっとした理由によって悪くなる場合もあるというふうにお話しさせていただいたと思うんですけれども、逆に、例えば一つ取引先が増えたらとか、そうしたちょっとしたことで急にがらっと業況が良くなるような場合もございます。
 厳しいのは確かでございますけれども、地元の経営者の皆様、事業意欲はかなり持っております。そうした中で、じゃ、例えば私どもとして何ができるのかというようなことをお客様と一緒になって支えていくというのがやっぱり地域金融機関の役目だというふうに思っております。そのためにいろんなところと連携して、私たちだけではなくて、全員、地域を巻き込んだ形で地域創生に努めていくというのが地域金融機関の役割だというふうに思っておりますので、そのような活動を行っている次第でございます。
#23
○石上俊雄君 多分時間がないのでもう最後の質問になるかと思いますが、家森先生にお伺いをしたいと思いますが、日本の信用保険制度というのは、主要先進国と比べて規模的にも大きくて、そしてほかでは類を見ないような全額保証があって極めて手厚いと言われているわけであります。このことをどうお考えか。
 さらには、具体的に、OECDの報告の中で中小ゾンビ企業論というのが報告をされて、それを受けて、経済同友会は一〇〇%保証全廃とか八〇%保証を五〇%に引き下げる話も何か一時期出たという話もちょっとお聞きしました。そのことについてどうお考えなのかといったところと、さらには、これまでの議論で中小企業と金融機関と信用保証協会の三者の間のモラルハザードということが中心だったというふうに思うんですけれども、信用補完制度全体を見ますと、制度は二階建てになっているわけですね。そうすると、信用保証協会と日本政策金融公庫と国の三者の間にもモラルハザードが発生しているとも考えられるわけでありまして、いわゆる税金が融資焦げ付きの穴埋めにと批判される構図を生み出しているということも考えられるわけであります。このような我が国の特殊な状況についてどのような大局観、方向性をお持ちかというところも含めて、ちょっとお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
#24
○参考人(家森信善君) ありがとうございます。たくさん難しい問題ばかりをいただきまして、ありがとうございます。
 まず、規模については、確かに先生おっしゃるとおりに、我が国も、世界で見ると、多分、韓国と日本がこの保証制度をGDP比なんかで見て多い国であります。ただ、それは、日本の金融が銀行を中心とし、中小企業の方も銀行からお金を借りるという、そこも併せると、銀行からお金を借りるような仕組みがないところと比べれば、当然、銀行に保証が付いてくる制度の比率が高くなるという部分もあります。ですから、一概には決められないのではないかと思います。
 それから、我が国の場合には特に、御案内のとおり、失業者の精神的なダメージが非常に大きい国柄でして、失業のコストというのは他の国に比べて非常に高いわけです。そういう観点からすると、失業をとにかく回避をして、その間に円滑に新しい職場に移っていただくというのが多分国情に合っているのではないかというふうに思います。
 したがって、ゾンビ的になってしまう企業もありますけれども、それは一時的に業況が変わって悪くなっているという意味ではそうでありますけれども、その後、そこできちんと支援をして新しいものに変わる、その時間はやっぱりあってもしかるべきではないかというふうに思います。
 それから、協会と保険公庫と国との関係でありますけれども、これについても、おっしゃるような問題点、当然あり得ると思うんですけれども、当面、まず保証制度全体としてのデータを蓄積するプロセスが今必要でして、そのデータがいろんなところに少しずつありまして、なかなか全体像を見られないという現状があります。
 今日の私のところでも情報開示というのを申し上げましたけれども、例えば各協会のホームページに見に行けば全部載っているというのは、一覧性がなくて非常に大変なわけで、是非一覧性があるような形で開示をしていただくと、それだけでも、あの協会頑張っている、この協会頑張っていないというのが分かるようになるのではないかなというふうに思います。
#25
○石上俊雄君 時間が来ましたので、これで終わります。
 三名の参考人の皆さん、本当にありがとうございました。
#26
○伊藤孝江君 おはようございます。公明党の伊藤孝江です。
 三名の参考人の先生方、本日は本当に貴重な示唆に富んだお話をありがとうございました。
 早速質問の方をさせていただきたいと思っております。
   〔委員長退席、理事石上俊雄君着席〕
 今回の法改正に関連をして、適正なリスク分担を金融機関と信用保証機関とでしっかりとしていこうというのが一つ大きな柱であるかと思いますが、まず、現状について中村参考人にお伺いをしたいと思います。
 今回、適切にリスク分担がなされていないのではないかという前提がまずあって、そこからどう解消していこうかというところに話が行っているというのが、大ざっぱに言うとそういう感じかと思うんですが、現状として、中村参考人の意見としてというか、信用金庫さんの方から見たときに、過度に信用保証に依存をしているような状況というのが見受けられるものなのかどうか、プロパー融資と保証付融資の割合に関する現状についての御認識をお伺いできればと思います。
 また、実際に、保証機関の方に保証を依頼をしたときに実際どのぐらい断られたりするものなのかというところについても、細かな数字はなければそれで構わないんですが、その点についての御見解をお聞きできればと思います。
#27
○参考人(中村高広君) 私ども、その質問に的確に答えられているかどうかというのはちょっとあれなんですけれども。
 私ども朝日信用金庫は、信用金庫では大手であるというふうに思っておりますが、例えばメガバンクとの比較でいえば、三菱UFJフィナンシャル・グループの昨年のグループの連結純利益、これが約九千三百億です。私どもの貸出金の総量というのは九千八百億です。私どもの貸出金の総量というのはメガの一年の純利益分、メガグループの純利益分ぐらいしかないということでございます。
 何が言いたいかということでございますけれども、私どもは小規模金融機関でありまして、五百万円あるいは一千万円の貸出しに対する考え方ですとか重みが多少違うというふうに思っています。
 私どもの事業先の一先当たりの貸出金というのは三千万弱でございます。例えば、ですから、取引先から三千万円の設備費などの資金需要に対しまして、何とか要望に沿うため、まずはプロパー資金での積極的な対応というのを検討するところでございますけれども、なかなか当庫では難しいというような場合も多々ございます。そうした場合には、保証協会に取引先と一緒になって説明に行ったり、あるいは日本政策公庫に行って説明に行ったりして、三千万円の資金に対して一千万円ずつの協調融資を取り上げるというようなことは元々やってきたことでございます。
 ですから、リスク分担の考え方というのは今更始まったことではなくて、既に従前からそういった形で私どもは取り組んできたことでございますので、特に違和感はないというふうに思っております。
 以上でございます。
   〔理事石上俊雄君退席、委員長着席〕
#28
○伊藤孝江君 ありがとうございます。
 じゃ、もう一つ、事業性評価というところで中村参考人に引き続きでお願いしたいと思います。
 今回、目利き力を実際にどう高めていくのかというところも一つの大きな目標とするところであるかと思うんですが、現状として、金融機関の担当の職員の方々なり支店なりで持っておられる目利き力と言われるものについてどのように実際評価をされているのか、また、その点について今課題があるということであればどのような課題があるというふうにお考えなのかということをお聞きできればと思います。
#29
○参考人(中村高広君) 冒頭でちょっと事業性評価のところで私の方で説明させていただいたと思うんですけれども、信用金庫というのは、やっぱり元々事業性評価というような考え方というのはやってきたつもりでございまして、お客様に少しでも成長に資するような活動というのはやってきたつもりです。
 ただ、先ほどお話ししましたように、現況の利ざやの縮小ですとか収益環境の悪化から、効率性を重視する余りにそうした本来的な育てる金融というのがやや希薄になってきている、それによって担当者個々の目利き力というのが少し弱まっているというのは実態だというふうに認識しております。
 そのために、今盛んに言われている事業性評価シート、なかなかお客さんのところに行ってどういう話をしたらいいんだろうかというのが営業担当者個々では分からないという部分もございますので、そういった事業性評価シートというものを私どもで作りまして、いろんな質問の仕方ですとか、そういうものを手取り足取り本部の方から営業店に赴いて説明をして、そういうことをやらせて、実際にお客さんのところに行ってそういう話をして結果が出てくると。例えば融資に結び付いた、お客さんが喜んでもらえたということで達成感をもし担当者が得られるとしたら、そういったものに対する仕事の喜びというものが出てくるというふうに思っております。
 そうすることによって、担当者がただ単純に貸し出すとかそういうことではなくて、お客様の企業をよく知ることが大事なんだというような目利き力の効果をやっぱり自ら高めていくというような行動に表れてくるんではないかというふうに思っておりますので、今回のこういった事業性評価に対する試み、これがどういうふうにやっていくかというのは、我々信用金庫の今後を決める重要な一つのアイテムであるというふうに考えております。
 以上でございます。
#30
○伊藤孝江君 ありがとうございます。
 続きまして、家森参考人にお伺いをしたいと思います。
 今お話しいただいていた適切なリスク分担という点についてですけれども、先ほど、例えばライフステージ、時期という点に着目をすると、成長期の企業には特にプロパー融資というのを重点にしていった方がいいんじゃないかというような、改善した方がいいんじゃないかと思われるところについてお話をいただいたんですけれども、やっぱり時期的なものであるとか、またリスク分担の割合というか程度というか、その点で今の現状についてこのような課題があるというのを、済みません、簡潔にちょっとお教えいただければと思うんですが。
#31
○参考人(家森信善君) まず、成長期の企業、私がいろいろ調査をしますと、中小企業の方で、もうずっと十年以上とか二十年にわたって信用保証制度を利用し続けていらっしゃる企業がたくさんいらっしゃるんです。それは、逆に言いますと、その間全く問題がなく続けてこられたわけですから、そのうちのかなりの方々はもう保証がなくても銀行のプロパーでお金がそもそも借りられて、その分を企業投資とか従業員の給料を引き上げるとかいろんなことに使えたのではないだろうかという、そういう問題意識がありました。
 ということで、この成長期の、もう銀行にプロパーでやっていただくと、さらに銀行自身がリスクを負うことになりますので、よりその企業に成長していただきたいとかリスクが小さくなるような助言をされるだろうという両方の観点から、この成長期の企業に対しての保証の利用は今ほどではなくてもいいのではないかなというふうに感じております。
#32
○伊藤孝江君 ありがとうございます。
 その点で、今日いただいた資料にもあるんですが、金融機関のモラルハザードを生み出さないためにというところでの指摘として、信用保証協会が民間金融機関の行動をモニターする、その信用保証協会の姿勢を中小企業庁がモニターをする、金融庁が金融機関の行動をモニターするというようなシステムをきっちりしていったらどうかというような御指摘をいただいているところなんですが、この点において、今現在の課題というのはどこにあるとお思いでしょうか。
#33
○参考人(家森信善君) これまで、保証協会と金融機関の間の関係性について、法律にそういうことがしっかり明記されていませんでしたので、モニターをするというような観点ではなかったように思われますし、それから、実はいろんな協会の方の私インタビューをしたりしたんですけれども、そうすると、協会によってはかなりそういうことを実態としてされているところもあれば、どうもそうでもないところもあるということで、今までは各協会の中でやる気のある協会がやっているという状態だったのが、今度法定化していただくと、どの協会も最低限あるレベルまではやるということに変わるというふうに期待できるかと思います。
#34
○伊藤孝江君 ありがとうございます。
 済みません、保証協会の方いただいたんですが、中小企業庁とか金融庁とか、あるいは国側の方に対しての課題というのはどのように捉えていらっしゃるでしょうか。
#35
○参考人(家森信善君) まず、金融庁の方に関しましては、まさに金融行政で今事業性評価をやろうということで進めておられまして、この観点は多分、金融庁、現在の金融行政としてこういう観点はこれからもしっかり見ていっていただけるというふうに思います。
 それから、中小企業庁と信用保証協会の間についても、今まで以上にきちんと法律上のバックがありますので、例えばリスク分担についてうまくできていないというようなときに、きちんとした指導ができるようにこれからなるのではないかと。今まではそういうことは特に決まっていなかったわけですので、できるようになるというふうに期待しております。
#36
○伊藤孝江君 ありがとうございます。
 では、続きまして森参考人に今回の法改正に関してお伺いしたいと思うんですが、先ほど幾つか項目を挙げていただいて、今回の法改正の方向性については賛同するというような形での意見表明をいただいたところなんですけれども、例えばプロパー融資が増えるというような状況になったときに、金融機関の中小企業・小規模事業者への例えば対応が変わるというようなことを考えておられるのか、どういうような効果があるというふうに思っておられるかについて見解をお伺いできればと思います。
#37
○参考人(森義久君) 基本的には、金融機関が支援を行うことが当たり前だと思います。しかしながら、私ども小規模企業、そういった事業者にとりましては、創業者も含めて信用性の問題もありますので、あるいはリスクの問題がありますので、そういった関係によりましては一〇〇%保証によるそういった制度がやっぱり必要ではないかなというふうに思います。
 また一方、中小・小規模企業のそういうライフステージに合った、そういったところで必要なところはしっかり手当てをしていただき、自立できるところは信用保証の依存度を下げてプロパー融資を促すようにきめ細かく制度設計をしていただきたいと、そういうふうに考えております。
#38
○伊藤孝江君 ありがとうございます。
 特別小口保険の方についても千二百五十万から二千万円に増えるということで、その限度額が、その点についても賛同するということでいただいたんですが、具体的に、例えばその千二百五十万円から二千万円に増えるということで、こういうところが効果が見込めるんじゃないかというところでお考えのところがあれば、お教えいただければと思います。森参考人に、済みません。
#39
○参考人(森義久君) 冒頭の御挨拶で申し上げましたように、小規模企業の事業者にとりましても、いろいろな売上げ等の拡大、販路拡大等々を含めたときに、いろんなニーズが変わってきております。それに合わせて、そういう資金の需要もありますので、是非限度を上げていただきたいということであります。よろしくお願いいたします。
#40
○伊藤孝江君 ありがとうございます。
 続いて、森参考人、また中村参考人にお伺いをしたいんですが、今回の法改正の中で、制度改正を行うための準備期間ということで、最後、一年間ですね、公布の日から起算して一年を超えない範囲内で政令で定める日から施行するということでなっているんですけれども、実際に制度が変わったときに、金融機関で、また中小企業・小規模事業者の方に、こういうふうに制度が変わったよという周知をしていくための期間というのが現実問題として必要かと思うんですが、その点で、この一年という期間について今回どのように考えられるかと、またあわせて、今回の法改正以外の制度においてもやっぱり周知徹底というのがすごく大切なところになるかと思うんですが、その期間を通常どのように考えておられるかということについても、もし御意見等がありましたらお伺いできればと思います。
#41
○参考人(森義久君) 今回の運用に当たりましては、あくまでも緊急対応でありますので、規律を維持することも必要でありますが、小規模企業の実績を適切に把握した上で延長するか否かを慎重に決めていくことが必要だと思います。なお、全国レベルで突発的な事態により著しい信用収縮が起きた場合には、財政出動による経済対策を併せて講じていただきたいと思います。
#42
○参考人(中村高広君) 周知徹底する期間ということでございますけれども、現場サイドとしましては、現実的に、例えばセーフティーネットの一〇〇%保証が八〇%保証に変わるとしても、現在の実行ベースで既にもう責任共有対象制度が八〇%以上というような状況になっておりますので、一年間いただければもう十分だというふうに思っております。
 以上です。
#43
○伊藤孝江君 ありがとうございました。以上で終わります。
 しっかりと法改正の方に、審議に生かしていきたいと思います。今日はありがとうございました。
#44
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。参考人の皆さん、本日は本当にありがとうございます。
 政府は、本法案の背景として、信用補完制度は中小企業の資金繰りを支える重要な制度であり、中小企業がライフステージの様々な局面で必要とする多様な資金需要や大規模な経済危機、災害等により信用の収縮が生じた場合における資金需要等に一層対応できるものとしていくことが重要であるというふうに述べております。
 中小企業は、先ほど森参考人からもありましたけれども、日本経済の根幹であって、企業の九九・七%、そのうち小規模事業者は八五%を占めています。働く人の三人に二人が働いている雇用の担い手でもあります。地域に根を下ろして、物づくりやサービスでの需要に応えた雇用を生み出している中小企業の役割はますます大きくなっている、重要になっているというふうに思っています。なので、法改正は中小企業の実態と求められている支援に応える内容にする必要があります。
 そこで、初めに森参考人にお伺いをいたします。そもそも中小企業・小規模事業者が果たす役割についてということです。
 森参考人が金融ワーキンググループの中で、小規模事業者の立場からということで、鹿児島県での取組について紹介をされておられて、支援機関に求めることについてということで話をされています。鹿児島県が離島を抱えていて、南北に六百キロ、非常に広大だと。ということなんですけれども、そういう条件の中でも、何度も事業者の皆さんと面談をして、対話をして、課題に寄り添ったきめ細やかな支援、先ほど伴走型の支援というふうにありましたけれども、そこに力を入れているというお話でした。
 私は福島県の出身なんですけれども、先日、福島県の商工会連合会に伺ったときに、東日本大震災そして原発事故の被害が続いている中で、例えば商工会連合会の調査で、東京電力への損害賠償について、一度も賠償を請求したことがない事業者さんがかなりいるんだという、そういった実態を調査の中で明らかにしたりですとか、一つ一つの事業者に損害賠償の実態がどうなっているのかということを確認をしたり、国の制度、この制度の中身に対する問合せが事業者からあったときに答えたりということで、本来だったら東京電力や国がやるべきことまで対応しているんだというお話をお聞きしました。この中小・小規模事業者に寄り添って、事業者にとって頼りになる存在が商工会の皆さんだということを実感をしています。
 本法案の概要に、信用補完制度を通じて中小企業の経営改善、生産性向上を促進するというふうにあります。けれども、小規模企業振興基本法が事業の持続的発展を積極的に評価するとしているように、売上げや利益、従業員数などの規模の拡大が必ずしも行われていなくても、技術の向上や雇用の維持に努めているということを積極的に評価する必要があるのではないかというふうに考えています。
 そこで、その中小・小規模事業者が地域経済や地域社会で果たしている役割についてどのように考えておられるか、お聞かせください。
#45
○参考人(森義久君) ありがとうございます。
 私ども鹿児島におきましては、先ほどございましたように、南北六百キロ、離島を抱えておりますが、そういった中にありまして、八十四あった商工会が現在三十八に再編されております。全て同地域で商工会を抱えておりますので、きめ細やかなサービス、あるいはそういった会員に対するいろいろな制度を我々が担っているわけであります。加えて、地域のコミュニティーも含めて、そういったことも併せてやっております。
 そういった中にありまして、私ども商工会といたしましては、金融の関係は、先ほども申し上げましたように、日本公庫の国民生活事業関係のマル経資金、これは、私ども商工会の中で金融審査委員会を開催をしまして、それでもって推薦をするわけであります。そうすることにおいて、会員によりましては非常に相談しやすい、あるいは頼りになるというようなことをお聞きいたしております。これはまた、このことにつきましても、逆に全国的には沖縄県が会員が増えているということも報告を受けております。
 そういったことで、今回の信用補完制度の関係につきましては、先ほど申し上げましたように、そういう小規模事業者のリスクを考えたときには一〇〇%保証、そしてまたそれに伴う、巣立っていく企業には見直しも必要ではないかなということも考えております。
#46
○岩渕友君 次に、森参考人と中村参考人にお聞きをします。
 信用保証制度は、中小・小規模事業者の四割が利用をして、そのうち小規模事業者が七五%利用している、先ほども何度か命綱という言葉がありましたけれども、まさに命綱と言える制度だというふうに私も思います。商工会の会員の八割以上が従業員五人以下の事業者だと、信用金庫も、先ほど御説明いただいたように、取引先の約九割が従業員十人以下の企業だということで、小規模事業者にとってこのセーフティーネット保証の五号が果たしてきた役割についてどのようにお考えか、お聞かせください。
#47
○参考人(森義久君) 先ほど申し上げましたとおりのことでありますが、商工会が果たす役割、そういう小まめな金融支援を行っているということで御理解をいただきたいと思います。
#48
○参考人(中村高広君) セーフティーネット保証が果たしてきた役割ということですけれども、どちらかというと不況業種という形でやっていた部分でございますけれども、なかなか、どちらかというと、私の個人的な意見ではありますけれども、一部形骸化していた部分もあったのではないかなというふうに思っておりますし、別にそのセーフティーネット保証が例えば八割に変更されたとして、じゃ、金融機関のお客様に対する融資姿勢が変わるかということでございますけれども、それについては、先ほどもお話しさせていただきましたけれども、もう既にほとんどの保証協会付きの融資というのが実行の八割以上を占めている状況でございまして、逆にその八〇%保証責任共有対象というのが我々にとってもう当たり前の形になっておりますので、別にセーフティーネットがなくなったからといって大きな変化があるだとか、例えば金融機関の対応が変わるというようなことはないというふうに思っております。
#49
○岩渕友君 森参考人にお聞きいたします。
 全信用保証に占めるセーフティーネット保証の割合は四五%だと、そのうちセーフティーネット五号は九八・二%占めています。衆議院の参考人質疑の中では、このセーフティーネット保証について、危機を支える最後のとりでだというふうに述べた方もいらっしゃいました。
 本法案で、セーフティーネット保証五号の保証割合が、今お話があったように一〇〇%から八〇%にするということが提案をされていて、先ほど森参考人からも、貸し渋りが起きるのではないかという懸念があるということは述べられました。実際に、貸し渋りが起きるんじゃないかという懸念の声は、私自身もお伺いをしているものなんです。一〇〇%保証の継続を求める声というのも聞いてきました。
 小規模事業者は景気変動の影響を受けやすい、景気回復機能、波及効果も遅いというような特徴があって、先ほど中村参考人がおっしゃられていたように、取引先が一つなくなっただけでも経営危機に陥ることもあるんだと。今の日本の経済状況について、先ほど森参考人から、景気回復の実感がなかなか得られない現状もある、先行きの懸念材料が払拭されていないという、そういうようなお話もありましたけれども、そういう中でセーフティーネット五号の保証割合が八割になると小規模事業者にとって懸念されることはどんなことがあるというふうにお考えでしょうか。
#50
○参考人(森義久君) 先ほども申し上げましたように、一〇〇%を八〇%に引き下げられる、このことにつきましては、金融機関による貸し渋り、これを一番懸念をしております。したがいまして、改正を行う場合には、構造的な改善を行うことができる十分な準備期間を設定するとともに、新分野、新事業展開を促すための総合的な支援策を併せて講じるなど、対象となる事業者にきめ細やかな対応を図ることが大事であると考えております。
#51
○岩渕友君 次に、家森参考人にお聞きをします。
 金融ワーキンググループメンバーの共通の問題意識ということで、最初に述べていただいたんですけれども、中小企業金融において信用保証制度の果たすべき役割は今後も重要だというふうにお話がありました。けれども、過度に負担割合を高めると融資が行われなくなるおそれがあるということも併せてお話しいただきました。
 今のやり取りにもあったように、小規模事業者の方からは貸し渋りが起きるのではないかと、そういったことが心配だという声も出ているわけなんですけれども、こうした懸念についてはどのようにお考えでしょうか。
#52
○参考人(家森信善君) まず、一〇〇%保証から八〇%保証に行くというのが、従来構造不況業種と言われた人たちでした。それは、言わばその間に構造改善をやって新しいものに変わるというのが本来ある姿だったんですけれども、これはもうある業種を見ていただくとずっとなんですね。ということで、結局その間に変われるだけの支援ができなかったという反省があるかと思います。
 今回それを是非、プロパーを一部金融機関にリスク分担というのは、根本的には金融機関はやっぱり八〇でも一〇〇パーでも保証が付いてしまうと保証が付いているという認識になってしまって、プロパーだと自分の貸出しという認識になるという傾向があるそうなので、是非このプロパーを少しでも入れていただいて、本気に支援していただくことになるんではないか、それができないようでは金融機関としてそもそも存在価値がないんじゃないかと私は思っていて、きっとやっていただけると思っております。
 ですから、この八〇に下げることでお金を貸さないというような金融機関ではなくて、八〇に下げることでより真剣に支援をするというような金融機関像を念頭に置いて私議論をしております。
#53
○岩渕友君 じゃ、次に中村参考人にお聞きをいたします。
 信用金庫の役割ということで、一番最初にお話もいただいたんですけれども、中小企業や地域の住民のために協同組織による地域金融機関だと、相互扶助が基本理念になっていると、会員や利用者並びに地域のニーズに応えることを経営の基本に置いているということで先ほどお話があったとおりかと思います。そこに加えて、その社会的使命、役割の達成に向けて三つのビジョンがあると。地域社会繁栄への奉仕、中小企業の健全な発展、豊かな国民生活の実現という三つのビジョン、これを掲げているということをお聞きしました。
 信用金庫に働く方にお話をお聞きしたときに、信金魂という言葉もお聞きをしたんですけれども、地域に密着して頑張っておられるというふうに感じました。
 本法案の背景として、金融機関が過度に信用保証に依存することとなると、事業性評価融資やその後の期中管理、経営支援への動機が失われるおそれがあるんだというふうに述べられているんです。政府も、一〇〇%保証を継続することになると金融機関が過度に信用保証に依存することになるというふうにも述べているんですけれども、本当にそうなのかと。そこら辺どのようにお考えなのか、お聞かせください。
#54
○参考人(中村高広君) 先ほど来申し上げておりますけれども、一〇〇%保証があるがために金融機関の方がそれに依存してしまうという傾向は、私は特にないというふうに思っております。
 今回、先ほど来話がありますけど、セーフティーネット保証がなくなった代わりに、小規模事業者向けに対しては保証の枠を拡大しております。これについては、私どもとしましては、その保証枠の拡大については、すぐその保証の枠を使うということではなくて、先ほど話がありましたけれども、小規模事業者の場合にはちょっとした経済危機だとかちょっとした販売先がなくなったということによって資金繰りが窮する場合がございますので、そのための備えの増枠というふうに考えていますので、その辺の運用は間違えないようにやっていきたい、引き続き中小企業を支援したいというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
#55
○岩渕友君 ありがとうございました。
 今日の質疑を通して、小規模事業者の皆さんが果たしている役割、そしてあわせて、それを支えている信用保証制度の役割の重要性もよく分かりました。今後の質疑に生かしていきたいと思います。
 ありがとうございます。
#56
○石井章君 日本維新の会、石井章、質問したいと思います。
 今日は、お三方、御苦労さまでございます。
 貸し手の代表、借り手の代表、理想を語る方の代表と三人ですが、本来であればもう一人です、もうお一方ね、メガバンクの代表が来て初めて議論が成り立つんですけれども。
 いろいろ今回の法案について長々と説明はいいんですけれども、御自分が感じているメリットと、これはメリットというのは必ずデメリットもありますので、森さんも相当、鬼瓦みたいな顔して言いたいことたくさんあると思うんですが、決して法案だから全ていいとは限らない、今共産党の委員の方が現場の声をおっしゃっていましたけれども、それぞれの立場でメリット、デメリットを簡単でいいですからお答えいただければと思います。
#57
○参考人(家森信善君) 私は、やっぱり今回、一律に例えば六〇%とか四〇%に下げる選択肢と、今回のような柔軟な枠組みという二つの選択肢があって、今回は企業の事情等に合わせて、例えば成長期であった企業でも何か窮境が発生したときにはちょっと保証を多めにするというような柔軟な仕組みにするという提案に最後なったわけです。これは、柔軟というのは、いい意味ももちろんあるんですが、悪くすると安易に流れてしまうということで、そこを外側から規律付けの面を見続けられるかどうかが重要だというふうに思います。
#58
○参考人(森義久君) メリットといたしましては、この保証制度につきましては、中小・小規模事業者にとりましては大変助かっているわけであります。加えて、昨今の災害ですね、このことにつきまして非常に会員も疲弊した中で大変な苦労をするわけでありますが、そういった中にありまして、やっぱり保証制度というものは本当に助かっているというところであります。
 デメリットといたしましては、今回、セーフティーネット五号の関係もありますが、加えて、今度、金額の上限とかそういったことにもなっているようでもありますけれども、やっぱり借り手側といたしましては、プロパー資金、そして保証協会、両方手数料を払うわけですね、金利も手数料も払うわけであります。ですから、できれば金融機関のプロパー資金の金利を安くしていただくことがやっぱりいいんじゃないのかなという感じはいたしております。
#59
○参考人(中村高広君) 今回の法案につきましては、小規模事業者向けの枠の増枠ですとか、あと創業部分についての増枠ですとか、比較的資金調達力の弱い先に対して手厚く措置されているものだというふうに理解しております。
 それと加えまして、保証協会とのリスク分担をきちっと図ることによって協調性を強める、お互いの連携を強めるという部分においては、非常によくでき上がっている内容だというふうに理解しております。
 以上でございます。
#60
○石井章君 じゃ、貸し手側の代表で朝日銀行の中村参考人にお伺いしますが、朝日銀行は……(発言する者あり)朝日信用金庫は、赤字の企業にもお金は率先して貸しますかどうか。
#61
○参考人(中村高広君) そのための事業性評価だというふうに思っております。
 確かに今までは赤字かもしれませんけれども、例えばその事業を評価する中で今後の事業継続性が出てくるですとか、先ほどお話し申し上げましたけれども、小規模企業の場合には、一つでも二つでもいいことがあればがらっと変わるような要素を含んでおります。したがって、そういう要素があるかどうか、お客様との対話を強めながら取り組んでいきたいと思っておりますので、一概に赤字だから絶対駄目だというようなことはございません。
#62
○石井章君 理想論を語っていただきまして、ありがとうございます。
 中小企業と零細企業の違い、これは当然ながら従業員の数が、いろいろおっしゃっていました、今まで委員さんから、五人以下の零細企業というのは、いわゆる農家でいえば三ちゃん農業と同じで、じいちゃん、ばあちゃん、母ちゃんという形で、他人を採用しても近所のパートさんぐらいで、ほとんどはもう家族経営なんですね。そういった方が商工会の会員さんの大半でありまして、その会員さんの七割以上、八割以上が赤字なんですね、青色申告でも。
 そういったことで、今日は商工会の会長さん来ていらっしゃいますので、実際は経営指導員さんが四千百名いまして、一指導員当たり七百四件と、これはそういうふうに書かないといろんな補助金の申請とかありますから、七百四件も一指導員当たり経営指導なんかできないんですけれども、それは理想として、そこのところはそれとしてなんですが、実際問題、そういう零細企業を抱えている商工会の代表として、そういったところに実際問題貸し渋りがないのかどうかですね。
 やっぱり、例えば制度資金、先ほどから、マル経資金というのはこれは無担保無保証人なんですね、マル経。これは、銀行さんが直接じゃなくて代理貸付けですから、当然ながら、政策金融公庫のマル経というのは、非常に、元々は五百万から始まって今だんだん大きくなっています。これが拡充して一〇〇%保証でありますから、これあることは非常に助かるんですけれども、会長がお抱えしている会員さんの中で赤字のところがたくさんあると思うんですが、そういったところに対しての金融機関の貸付けの割合というか、どういうふうにお考えになっているか、お伺いします。
#63
○参考人(森義久君) 小規模事業者でありますが、いわゆるそういう経営的に苦しいところも多々あります。
 しかしながら、私どもが日頃から指導しておることにつきましては、指導員を含めて、まさに伴走型の支援策を講じているわけであります。そういった中にありまして、ニーズに合わせた金融の取扱いをいたしております。先ほどありますように、マル経を含めて、あるいは市町村の金利負担、あるいはプロパー資金等を含めた中の様々なそういう金融を取扱いをしながら進めているわけであります。決して、赤字であって、我々商工会としてもそういったことを区別することなく、しっかりとした支援体制を取っております。
#64
○石井章君 森参考人にお伺いしたいんですが、組織率が五八%ということであります、会員数、事業者数に対しての分母がそういうことなんですけれども。じゃ、今回の法案の中で貸付けを充実しようということなんですが、当然、会員さん以外でも窓口に相談に来られると思うんですね。そういったときの対応はどういうふうに対応していますか。
#65
○参考人(森義久君) 基本的には商工会会員が優先いたしますが、現下の状況でありますので、そういった相談があれば、商工会に入っていただきながら、そして指導をするということで進めております。
#66
○石井章君 じゃ、中村参考人にお伺いしますが、当然ながら、銀行さんに来る人は、新しく事業を立ち上げる人もいますし、継続してやっている人もいますし、また、商工会じゃなくて民商に入って指導を受けている方もいらっしゃいますから、当然ながら、金融機関とすれば分け隔てなく窓口として相談を受けると。
 そういった中で、当然、保証協会付きの方は格付がありますから、CRDに掛けて、どれに掛かるかによって保証料も違ってくるんですけれども、それとは別に、やっぱり商工会に入っていない人が相談に来た、そうすると、銀行で直接貸付けの案件ではあっても、一旦商工会の方に戻して、制度ローンなどは商工会の役員会にかけて持ち回りで判こをもらわないと出ないものもあります。
 そこで問題になってくるのは、商工会の会員になるということは、県によって、あるいはその商工会によって会費が違うんですけれども、会費を負担しなきゃならない、あるいは、商工会に入らないと手数料が会員じゃないからということで増額して負担しなきゃならないという問題もありますが、中村参考人にその辺のところどうなのかお伺いしたいんですが。
#67
○参考人(中村高広君) 例えば、あれですか、商工会に入らないでプロパー融資を検討と、そういうことでございますかね。
#68
○石井章君 要するに、いろんな、セーフティーネットにしても、それから例えば地方においては自治金融とか振興資金とかたくさんありますね。それから、マル経もそうです。だから、そういったことの、制度ローンなどは、当然ながら、物によっては商工会を通して申込みしてくださいというものもあります。そういったものに対して、商工会の会員さんであれば手数料が、そこで手数料も掛かりますから、手数料が安く済むと。しかし、商工会が入っていないと手数料がちょっと高めに取られるということの問題というのは抱えていますかどうかということをお伺いしたい。
#69
○参考人(中村高広君) 余りそういったケース、ちょっと私、経験も余りないものですから、済みません、よく分かりません。
#70
○石井章君 じゃ、森参考人に同じ質問なんですが、そういったいわゆる会員の組織率が五〇%ぐらいだということは、会員以外の人も当然、資金の需要として商工会に相談に来ざるを得ない場合もあると思うんですが、当然ながら、商工会は、会員に勧誘して、同時に会員に入ってくださいと、そうすると手数料も安くしますよというようなところがあるのも聞いておりますが、その辺のところ現場としてどうなのか、お伺いします。
#71
○参考人(森義久君) 基本的には会員でもっての商工会でありますので、それを基本的にはいたしておりますが、今御質問のことにつきましては、極端なそういった取扱いというものは私どもまだいたしておりませんし、全てにおいて会員あるいは会員以外におきましても取扱いはして、そこで御相談するというようなことになっているかと思います。
#72
○石井章君 そうすると、会員さんも含めて、会員以外の方も分け隔てなく、いわゆる会員じゃなくても特別な手数料の徴収はしていないということで理解してよろしいですか。
#73
○参考人(森義久君) 手数料はいただいておりますが、そもそも商工会の会費そのものが非常に、その規模によっての会費でありますが、格段に安いと思っております。
#74
○石井章君 ありがとうございます。
 いろいろな問題を抱えているわけですが、今回の法案は、私は少なくとも五号における一〇〇%保証はきちんと維持しながらやっていってもらいたいと。いわゆる銀行は貸し手側として、プロパーとは言っていますけれども、やっぱり脆弱な零細企業に対してはどうしたってこれは貸し手は制度ローンを使わざるを得ないんですね。最初からもう制度ローンありきで銀行さんはまずそこをお勧めしてくるのは当然でありまして、銀行もリスクを背負ってまではなかなか貸付けはしませんから、そういった意味ではやっぱり国の役目というのは非常に大きいだろうと。
 とにかく、緊急時の一〇〇%保証はこれは当たり前のことでありまして、そうじゃなくて、やっぱり中小零細、中小企業というのは二十人前後の企業もいますけれども、実際は商工会で抱えているのはもう五人以下の本当に家族で経営しているところなんで、そういったところの資金需要に関しては、やっぱり担い手もいないし、じいちゃん、ばあちゃんでやっているところも多いし、やっぱり商工会の役目というのは非常に大きいし、商工会の経営指導員が巡回指導といいながら、実際はこんなに巡回指導していませんから、いわゆるこの数字の大きいというのは、確定申告の時期に向こうから自然に申告の相談に来たものも全部入っていますので。
 鹿児島の森会長はしっかりしていらっしゃいますので、今後商工会としての役目を、いわゆる貸し手はいつもわいわい言っていますけれども、実際に払えなくなったときに、地方なんか景気悪いんですから、そうすると、貸し渋りじゃないんですよ、貸し剥がしが始まるんで、その辺のところの、借り手側の代表としてもう一度、森さんに最後にお伺いいたします。
#75
○参考人(森義久君) ありがとうございます。
 先ほどの会員、非会員等の問題につきまして、これはもう基本的に、会員にとりましてはそういった決まったことで進めております。そして、非会員につきましては、会員よりかはそれは若干の手数料は高いと思いますが、そのようにしっかりとした金融支援は行っております。
 加えて、おっしゃいますように、商工会が果たす役割、まさに地方の経済が活性化するということは私どもの商工会会員の務めだと思っております。そのためにいろいろな様々な事業を取り入れてやっております。特に申し上げますけれども、持続化補助金等につきましては、大変会員が喜び、そしてまた、二回、三回申請しながら、いろんなことにそれぞれのところが活性化をしているわけであります。そういった施策について、今後ともどうぞよろしくお願いを申し上げます。
#76
○石井章君 お三方、今日は本当にありがとうございました。貴重なお時間ありがとうございました。
 これで質問を終わりにします。
#77
○委員長(小林正夫君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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