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2017/03/22 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 厚生労働委員会 第4号
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2017/03/22 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 厚生労働委員会 第4号

#1
第193回国会 厚生労働委員会 第4号
平成二十九年三月二十二日(水曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十二日
    辞任         補欠選任
     石川 博崇君     谷合 正明君
     倉林 明子君     小池  晃君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         羽生田 俊君
    理 事
                島村  大君
                そのだ修光君
                高階恵美子君
                足立 信也君
                山本 香苗君
    委 員
                石井みどり君
                小川 克巳君
                太田 房江君
                木村 義雄君
                自見はなこ君
                馬場 成志君
                藤井 基之君
               三原じゅん子君
                宮島 喜文君
                石橋 通宏君
                川合 孝典君
                川田 龍平君
                牧山ひろえ君
                熊野 正士君
                谷合 正明君
                小池  晃君
                片山 大介君
                福島みずほ君
               薬師寺みちよ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  橋本  岳君
       厚生労働副大臣  古屋 範子君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       堀内 詔子君
       厚生労働大臣政
       務官       馬場 成志君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   政府参考人
       内閣官房働き方
       改革実現推進室
       次長       小林 洋司君
       厚生労働省医政
       局長       神田 裕二君
       厚生労働省健康
       局長       福島 靖正君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局長  武田 俊彦君
       厚生労働省労働
       基準局長     山越 敬一君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       吉田  学君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    定塚由美子君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    堀江  裕君
       厚生労働省老健
       局長       蒲原 基道君
       厚生労働省保険
       局長       鈴木 康裕君
       農林水産省農村
       振興局農村政策
       部長       新井  毅君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成二十九年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)、平成二十九年度特別会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)、平成二十九年度政府関係
 機関予算(内閣提出、衆議院送付)について
 (厚生労働省所管)
    ─────────────
#2
○委員長(羽生田俊君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、石川博崇君及び倉林明子君が委員を辞任され、その補欠として谷合正明君及び小池晃君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(羽生田俊君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省老健局長蒲原基道君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(羽生田俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(羽生田俊君) 去る十五日、予算委員会から、三月二十二日の一日間、平成二十九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、厚生労働省所管について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 予算の説明につきましては既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○島村大君 自由民主党の島村大でございます。
 今回も、塩崎大臣始め、どうか皆様方よろしくお願いいたします。今回、四十分いただいておりますので、少ししっかりと中身の濃い質疑と答弁をよろしくお願いいたします。
 さて、平成二十九年度の予算についてお伺いしますが、塩崎大臣は、以下のように今回の予算に関して述べております。
 まず、持続可能な社会保障制度を構築する観点から、医療・介護制度の改革を着実に進めていくことを確認させていただいた。また、平成二十九年度の社会保障費の伸びにつきましては、概算要求時点では自然増六千四百億円から五千億円程度に収めることができた。社会保障の充実につきましては、消費税増収分と重点化並びに効率化によって生み出される財政効果を活用した全体で一・八四兆円を確保することができました。国民健康保険への財政支援につきましては、国保改革を着実に実施するために、財政安定化基金につきましては、平成二十九年度にこれまでに積立分と合わせて千七百億円程度の規模を確保、そして平成三十二年度末までに二千億円規模を確保できた。また、平成三十年度及び三十一年度に保険者努力支援制度などに一千七百億円程度の規模を確保したと言われております。
 また、保育士などの処遇改善は、二%の処遇改善に加えて、経験年数に、おおむね七年以上の職員の皆様方には月額プラス四万円、経験年数がおおむね三年以上の職員に対しては月額プラス五千円の処遇改善を行うこととした。また、介護人材、障害福祉サービスの人材についての処遇改善につきましては、経験や資格に応じて昇給する仕組みを設けることを要件に月額平均一万円相当の改善を行うこととしたと。
 また、雇用保険制度については、未来への投資を実現する経済対策を踏まえ、平成二十九年から三十一年の三年間に限っては、雇用保険料を〇・二%引き下げ、国庫負担は本則の五五%から本則の一〇%へ引下げを行い、また育児休業の延長、教育訓練給付の拡張などを行うこととした。
 以上のように、これだけ今財政が厳しい中で、私は、国民目線で一億総活躍社会の実現のために、働き方改革また新三本の矢などを重点分野として、一般会計で一・二%増の総額三十兆六千八百七十三億円の予算を組んでいただいたと思っております。これに関しましては、大臣始め皆様方に本当に我々も敬意を表したいと思います。
 それでは、今述べましたように、大臣が述べていますように、持続可能な社会保障制度を構築する観点から、今回は、特定健診、保健指導について御質問させていただきたいと思っています。
 この特定健診、保健指導は、国民の健康の延伸や、ただ一律に医療費増の抑制ではない観点から、疾病への給付とは別に予防の仕組みとして医療保険制度に位置付けられていると言われておりますが、その意義が十分に国民に知られていないという状況だと思われております。残念ながら、特定健診、保健指導の国民の理解や実施率は、今お話ししましたように、すごく保険者間での格差が大きいと。これに関しまして、特に市町村国保や協会けんぽなどについては実施率が残念ながら低い状況でございます。
 この健康寿命延伸のために、特定健診、保健指導の実施率の向上が極めて重要であると思われますが、平成三十年度から、これ特定健診、保健指導は十年たっておりますので、三十年度から、今回はどのように具体的に見直しを行われるのか、局長、よろしくお願いします。
#7
○政府参考人(鈴木康裕君) 特定健診、保健指導の意義、また見直し等について御質問がございました。
 まず、特定健診、保健指導の意義でございますけれども、運動、食事、喫煙など不適切な生活習慣が引き金となり、内臓脂肪の蓄積に起因する糖尿病等の発症それから重症化を予防するためには、重症化に至っていく前の段階で本人が自ら健康状態を自覚し、生活習慣の改善の必要性を理解した上で実践につなげられるよう、保険者が健診結果によりリスクが高いものを的確なタイミングで選定をし、専門職が個別に介入をして保健指導に取り組む必要があるというふうに思っております。
 特定健診、保健指導は、こうした国民の健康保持増進と医療費の適正化の観点から、保険者が法律に基づき共通で実施する法定義務の保健事業でありまして、健康寿命の延伸の観点からも極めて重要な保険者機能であるというふうに思っております。
 見直しについてでございますけれども、実施率につきまして、特定健診は平成二十六年度時点で約二千六百万人が受診をしておりまして、毎年百万人増加するということなど、制度も着実に実施をされ、定着をしてきておりますけれども、特定健診の目標が七〇%受診、保健指導の目標が四五%ということでございますけれども、平成二十六年度の実施率は、特定健診が四九%、保健指導が一八%であるなど、目標とまだ乖離がございまして、実施率の更なる向上が必要だというふうに思っております。
 このため、御指摘の平成三十年度からの見直しにおきましては、法定義務であり保険者の責任を明確にするという観点から、全ての保険者の特定健診、保健指導の実施率を平成二十九年度実績から厚生労働省において公表をするということにしております。また、保険者の厳しい財政状況、限られた人的資源の中で、保健指導の質を確保しつつ、対象者の個別性に応じた現場の創意工夫や改善を可能とするよう、保健指導の評価期間を六か月から三か月でも可能とするなど、特定保健指導の運用の大幅な弾力化を図ることとしております。
 さらに、糖尿病腎症の重症化予防の観点から、医師が必要と認める場合に行う詳細健診に血清クレアチニン検査を追加するとともに、歯科口腔保健の端緒となるよう、質問票に食事をかんで食べるときの状態に関する質問を新たに追加をいたしまして、特定健診における歯科口腔保健の位置付けを明確にいたしました。あわせて、歯科医師が食生活の改善指導を行う場合に今まで必要としておりました研修の受講も不要といたしました。これにより、歯科口腔に着目した保健指導がより行われるようになり、歯科への適切な受診勧奨にもつながるというふうに考えております。
 こうした取組により、保険者による特定健診、保健指導の意義の周知や実施率の向上に取り組み、健康寿命の延伸を図っていきたいというふうに思っております。
#8
○島村大君 ありがとうございます。
 今、特定健診や保健指導の改定のお話、そして今後は保険者に関して実施率等を公表するというお話がございました。ある程度それは私も必要だと思っておりますが、公表すればただそれでいいのかなというのを私は実感をしております。
 というのは、今、いわゆる特定健診や保健指導の実施率の高いところと低いところのいろいろな保険者にお話を聞きますと、最終的には、いろんな方法はあるとは言っていますが、やっぱりそこの保険者の例えば役員なり現場の人たちの熱意があるところ、こういう本当にマンパワー的なものが、私、相当これは左右されているんじゃないかというのを痛感しております。
 ですから、やはり厚労省の皆様方もここの、保険者で実施率が高いところはもう分かっているわけですから、そこがどういうふうに実施率を上げているかということは皆様方も多分御理解してまたこういうことを、今回改定するということでやっていただいていますので、是非とも成功しているところの成功例を広めていただきたい、これは私から是非とも要望させていただきたいと思っております。
 本当にこれは、高いところは、例えば一つのこれは健保組合ですけど、そこの役員の人方が、本当にこの保健指導、いわゆる特定健診を社員の皆様方にマンパワーで一人一人に対して個別に対応しているという、もうこれしかないのかなというぐらいやっていますので、そこをお願いしたいのと、また、これは特定健診、保健指導ではないですが、一般企業健診、これに関しましても、会社名は差し控えますが、ある会社は、この一般企業健診、一年に一回義務化されている健診を受診しないと、何回も社員の方々にお願いして受診しないとボーナスの査定をしているという会社も今あると聞いております。ふだんの給与は、このために給与をいじることはこれは労基法でできないと、ただ、ボーナスに関してはこれはできることだそうです。
 ですから、やはりそこまでやっている会社もございますので、しっかりと厚労省としては、成功例、また、うまくいかないところに関してはその成功例を是非とも広めていただきたいと思っております。
 そして次に、いわゆる国民皆保険制度と今お話ありました特定健診、保健指導に関してちょっともう一度おさらいをさせていただきたいのですが、二〇一五年の五月二十六日にこの参議院の厚生労働委員会で、本日もいらっしゃいます川田龍平議員が総理に対して国民皆保険制度についての質問をなさっております。この質問は、国民皆保険制度において疾病リスクの少ない加入者の保険料を安くすることについて、賛成ですか、反対ですかという質問をしております。
 この総理の回答が、我が国の国民皆保険制度は、国民皆保険の中で相互扶助の理念の下、疾病リスクにかかわらず誰もが必要な医療を受けられることを原則としています。このため、疾病リスクにより保険料に差を設けることは結果としてリスクの高い方が保障を受けにくくなるおそれがあり、適当ではないと考えております。また一方、この少子高齢化の下、国民一人一人ができる限り長く健康に暮らせる社会をつくり、また医療保険制度を持続可能なものとしていくためには、予防や健康づくりを積極的に進めていくことは重要な課題だと認識しております。このため、予防、健康づくりの幅を広く進めていくこととし、その中で個人のインセンティブを強化するため、保険者が加入者へヘルスケアポイント等の付与をすることは、この工夫を進めていくこと、これは進めていくべきだとおっしゃっております。
 また、塩崎大臣はこのときに、受診をしないことでポイントを与えるようなことは考えていない、いわゆるポジティブなインセンティブになるようなことを考えているというふうな基本的な考えだということを説明をなさっております。私ももうこれはこのとおりだと思っております。
 ですから、こういうことを考えた前提に、この特定健診、保健指導ということが私は本当に大切なものだと思っています。ですから、まずはこれらを前提に、法定義務であります特定健診、保健指導などの充実、また国民の健康寿命の延伸にしっかりと取り組むことが本当に大切だと私は思っておりますが、大臣、今のことを含めてお聞かせください。
#9
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど保険者の言ってみればリーダーというか、その引っ張る方々の熱意というのが大事だというお話をいただきまして、私もそのとおりだと思います。
 今また御指摘がございましたけれども、特定健診あるいは保健指導、これにつきましては、糖尿病などの発症とかあるいは重症化予防を行うことによって健康寿命を延伸するとともに、医療費を適正化するなどの観点から、保険者の法定の義務としておりまして、実施率の向上が極めて重要であって、これもリーダーが頑張ってこの重症化予防などに熱心な保険者があるわけで、それの横展開を我々としても進めていきたいと考えております。
 こういうことから、保険者の責任を明確にする観点からも、特定健診あるいは保健指導の各保険者の実施率について、平成二十九年度の実績から厚生労働省が全て公表するということといたしているわけでございます。さらに、保険者へのインセンティブを評価する際の指標の中に、特定健診そして保健指導、この実施率に加えて、特定保健指導の対象者がどのくらい減少したかなどの項目も盛り込んでいこうということとしておりまして、取組状況を積極的に評価をするめり張りの利いた仕組みというふうにしていこうと思っております。
 歯科口腔保健につきましては、特定健診の質問票に歯科の質問を入れるなど、歯科口腔保健の位置付けを明確化をいたしました。これによって、歯科に着目をいたしました保健指導がより行われるようになって、歯科への適切な受診勧奨にもつながるのではないかというふうに考えております。
 特定健診、保健指導を始め保険者による予防、健康づくりをしっかりと進め、健康寿命の延伸を図りながら国民皆保険を堅持していきたいというふうに思っておりますが、独り厚生労働省だけが掛け声を掛けてもこれは駄目であって、やはり保険者がそれぞれリーダーシップを発揮していただいて、その下におられる被保険者、御家族の皆さん方、そういう方々の健康寿命の延伸に寄与していただくことが大事ではないかというふうに思っております。
#10
○島村大君 大臣、ありがとうございます。
 私の地元の神奈川県におきましても、この健康寿命は四十七都道府県で男性が十二位、女性が十三位なんですよ。これに関しまして、私事ですが、私が選挙に出る約一年前に公約を決めさせていただきまして選挙活動を始めさせていただいたんですけど、そのときには、健康寿命という言葉を県民、国民の方々に、約五年前のときにはなかなかこれが理解してもらえない、浸透していなかったというのが私の実感でございます。ただ、今皆さんも感じていると思いますが、今、国民、県民に対しまして、健康寿命と平均寿命の話とか、今お話ありましたように、例えば神奈川県が健康寿命に関して十二位、十三位だから、これを健康寿命日本一にさせていただきたいというお話をしますと、これはほとんどの方が理解していただけるような状況になっております。これは、やはり厚労省の皆様方、また、今大臣がおっしゃったように、皆様方がこれの本当に必要性ということを感じて、各皆様方が説明していただいてこれだけ広まったと思っております。
 ですから、今後は、この特定健診、保健指導の必要性をもう少し分かりやすく、何か、まあメタボ健診といえば確かに分かるんですが、じゃ、メタボ健診がどういう必要性があるかとか何でやるのかとか、そういうことがちょっとまだ国民、県民に理解していませんので、我々を含めまして、是非ともこれは広めさせていただきたいと思いますので、是非とも、大臣、これは要望ですが、そういうキャッチフレーズとか、分かりやすくどう広めるかということについてもう少しみんなで知恵を出していきたいと思っております。よろしくお願いします。
 次に、今、日本も確かに高齢者の方々が増えていますので、この高齢者の方々に関しましての私の専門であります歯科からのちょっと御質問をさせていただきたいと思っております。
 歯科医療に関しましては、一般的には病院や診療所の外来で提供されておりますが、患者さんが入院や病気など身体機能低下により診療所に通院することが難しくなった場合に、患者さんの自宅や介護施設などに我々歯科医師が出かけるという訪問診療も現在行わさせていただいております。
 また、この訪問診療に関しましても、持ち込む器材に関しましては相当小型化されて使いやすいものができてきていることは確かだと言われておりますと同時に、私も現場として本当に十年、二十年前とは違うなということは自分で体験させていただいております。
 ただ、この訪問診療、在宅診療に関しまして、医科の先生方はどちらかというと内科的なところで行くことが多いんですが、我々歯科の場合は、内科的というよりは外科的な治療の方のが、正直言って口腔内の治療をすることが多いと。そして、いわゆる幾ら器具が良くなったとはいえ、患者さんのベッドとか又は座っていただいて口腔内を見るというのは非常に難しいところもあります。ですから、在宅でやる現場の歯科医師たちは、やはり正直言うと診療の内容に関して限界を感じているというのと、又はどこまでやるべきかと非常に悩んでいるところもあることは大臣も理解をしていただいている、地元の愛媛県の歯科医師会も相当それは大臣にお話をしているということを聞いております。
 そういう意味で、今後、いわゆる在宅で診療することに関しまして、歯科訪問車というものが今までもありますし、今も使われておりますが、それに関しまして、診療報酬の中でどのように評価するか、また今後していくべきかということを是非とも厚労省としての見解をお願いいたします。
#11
○政府参考人(鈴木康裕君) 歯科訪問診療における歯科訪問診療車の取扱いについて御質問ございました。
 診療報酬におきましては、歯科医師が疾病や傷病により通院が困難な患者様の居宅を訪問し診療を行った場合に歯科訪問診療料を算定することができるということに御指摘のようになっておりまして、治療器材等を患者様の居宅に持ち込んで診療を行う手間等を勘案をいたしまして、病院又は診療所で診療を行った場合よりも高い点数を設定をしております。歯科訪問診療料と申します。
 一方、議員御指摘のいわゆる歯科訪問診療車を利用した診療につきましては、治療用の器材等が備え付けられた車両において診療を行うものであるため、歯科の訪問診療料ではなくて、むしろ通常の歯科診療所と同様の初診料及び再診料を算定することとしております。
 議員御指摘のように、在宅歯科診療の推進というのは大変重要だというふうに考えておりますので、そのための診療報酬の在り方につきましては、関係者の御意見をよく伺いながら、中央社会保険医療協議会において検討してまいりたいというふうに思います。
#12
○島村大君 ありがとうございます。
 今局長からも、できる限り前向きに、関係者のいろいろな方々の御意見を聞きながら検討していきたいという答弁がございましたが、現実的に今この在宅診療なり訪問診療をしている歯科医師がどのぐらいいるかということが、非常にこれが広まらない大きな理由になっていると思っております。
 それは、今お話ししましたように、なかなかやっぱり、まあ施設の場合はまだいいのかもしれないですが、居宅で、患者さんの御自宅の中で診療をしなくちゃいけないということの難しさということを、いわゆる健常者の方を診るわけじゃないですから、やはり基礎疾患を持っているとかある程度リスクのある方の患者さんを在宅で診るという場合には、これはもう皆様方も想像付くと思いますが、例えば口の中に麻酔の注射をしただけでその患者さんの状態が非常に悪くなることもあるわけですよ。その場合にそれの対応をしなくちゃいけない。我々もしっかりと準備はしておりますが、やはり自分たちの慣れたスペースの中でやるのと、それぞれの患者さんのお宅で、行ったところの中でやれというのとでは、やっぱり対応の仕方、それからそれだけの時間とか考えますと、本当にそれを対応できるのかという怖さもあるわけです。
 ですから、そういうことを含めまして、ある程度のリスクのある患者さんの訪問の場合には、やはりそういう訪問の車でやるか、どうしてもの場合には搬送してもらって診療室でやるという考え方ももちろん分かりますが、そこは是非とももう少しいろんな考え方でこの訪問診療、歯科診療の車を御理解していただきたい。
 又は、今、地域包括ケアで多職種連携でいろんな方々と患者さんを診るときに、やはり歯科だけではなくて、そういう患者さんを診ることができる、その確保ができるスペースがあるのであれば、もっと我々以外も利用してもらえることもできると思いますので、そこは是非とも大臣、前向きに、そういういろいろな今状況が違っていてそれだけのニーズがあるということをこの歯科訪問車に関しまして御理解をしていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
 これに関しまして、済みません、もう一点だけちょっと訪問診療に関して質問させていただきたいんですが、これ本当に現場から非常に困ったということで言われているんですが、歯科医師が歯科訪問診療、在宅診療で患者さんを診させていただいて、そのときにどうしても、先ほどお話ししましたように、現場の患者さんの御自宅ではなかなか診療するリスクが高くて診療ができない、その場合に診療室に一度搬送してもらうと。その場合には患者さんの御家族とか周りの方々の、住民の方々のお力をお借りして、本当に苦労に苦労して一度だけ診療室に来ていただいて観血処置とか外科的な処置をさせていただくと。それ以外の処置に関しましては在宅で、その方の御自宅で診るようなことをするということで、一度とか二度だけそういうふうに診療室なり病院で診させていただきますと、この在宅の歯科訪問診療ということが、ローカルルールだと思いますが、これが算定が不可ということで返戻される場合が多いんです。
 ですから、やはりケース・バイ・ケースで、診療室じゃなければできない場合にはそれは特例として見ていただいて、それ以外は訪問診療、在宅で見ていただけるようなことを是非とも、今局長の方から説明をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
#13
○政府参考人(鈴木康裕君) 一旦外来診療を行った後の歯科の訪問診療料の算定についてお尋ねがございました。
 歯科訪問診療料、先ほど申し上げましたように、歯科医師の方々が疾病や傷病により通院が困難な患者の方々の居宅を訪問し診療を行った場合に算定することとしておりまして、通院が容易な患者の算定はできないというふうにルール上なっております。
 御指摘がありましたような、処遇の内容により、どうしても自宅ではできずに診療所に一時的に家族等の支援を得て外来に通院された患者の方々につきましては、一律にこれが通院が容易な者として取り扱うのではなく、患者の状態や治療内容等により御指摘のように個別に判断されるべきものというふうに考えております。
 今後とも、必要な在宅歯科診療が提供できるように適切に対応してまいりたいというふうに思います。
#14
○島村大君 ありがとうございます。是非そこはよろしくお願いします。
 続いて、農福連携についてちょっと御質問させていただきたいと思っています。
 私がちょっと教えていただいたところでは、福岡大学の医学部がJA福岡と畑の研究をしているということを聞いております。これは、軽度の認知症の方々が家族とともに畑仕事、いわゆる大根とか白菜とかニンジンとか等々の栽培を取り組んでいると。農業は、いつ種をまいたらいいか、芽が出たら生育状態に合わせてどのような肥料管理をしなければならないか、そしてまた、いつ収穫することなど、やはりこれは御自身で計画してそれを実行していくということで、やはり栽培管理の過程とか気象条件の変化に合わせた臨機応変な対応も必要になってくると言われております。
 ですから、ある意味では、常にしっかりと考えながら、自分で頭を使いながら、また手足を使うと。手先もしっかりと細かい仕事をしていただくとか、ある人に言わせますと、ちょっと危険を帯びるとあれですが、土にはだしで歩くということが認知症予防、軽度の認知症の方々には予防とか、また、いわゆる回復するんじゃないかと言う方もいらっしゃいます。
 ですから、やはりこういうふうに、いわゆる農業をやりながら育てる喜びとそして収穫する楽しさということを、自然を相手にする仕事を是非とも私としては、認知症の重症化予防又は改善するということでこの調査研究を進めていただきたいと思っていますが、いかがでしょうか。
#15
○大臣政務官(馬場成志君) 今お話ありましたように、畑仕事や園芸活動も含めて、認知症の方々が地域活動やボランティア活動への参加などを進めていくことは重要であると認識しておりますので、地域で実施されています就労支援や生きがいづくりの実践事例を集めているところであります。果樹の栽培や畑仕事も含め、今後こうした実践事例を全国に広めてまいりたいというふうに存じております。
 また、地域包括ケアシステムの推進の観点からも、認知症の方が農業等に参加しながら地域の様々な方とともに働いて交流する取組も進められていると承知しておりますので、認知症の方が安心して地域で住み続けられる取組を進めてまいりたいというふうに存じます。
#16
○島村大君 是非とも、馬場先生、進めていただきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
 また、今日、農水省にも来ていただいていますので、農水省からもこの農福連携について、障害者や認知症の高齢者が関わる福祉農園について、農水省からはどういうふうに支援をしていただいているのか、御質問させていただきたいと思います。
#17
○政府参考人(新井毅君) 農福連携の取組は、厚生労働サイドから見た意義に加えまして農業サイドから見ましても、持続可能な農業経営にとって重要な取組と認識しておるところです。そのため、厚生労働省と連携協力いたしまして、福祉農園の整備ですとか農福連携を推進するための人材育成の支援などによりましてその推進を図っているところでありまして、来年度予算におきましてもそれを更に充実させていくこととしているところでございます。
#18
○島村大君 ありがとうございます。農水省の方々からも是非応援をしていただきたいと思っております。
 ただ、これ一点問題があるんですよ。これは、農地を貸し出す場合に、いわゆる農地は、税制上、宅地とは固定資産税とかは違うわけですよ。この農地を、農福農園でもいいですし、今言われています市民農園とかいろんな形で貸し出しますと、税制の問題が非常に大きな問題として出てきます。この辺に関しまして、今農水省としてはどのようにお考えなのか、教えていただきたいと思います。
#19
○政府参考人(新井毅君) 御質問の趣旨は、神奈川県の市街化区域における農地の利用、いわゆる都市農地の問題だというふうに存じます。
 三大都市圏の特定市におきましては、生産緑地として指定されました一まとまりの農地につきまして適切に農業が営まれているという場合には、固定資産税の軽減措置あるいは相続税の納税猶予といった税制上の措置を講じているところでございます。生産緑地内の農地におきましては、市民農園あるいは福祉農園として活用されている事例も大変多くございます。
 そのため、一昨年に成立いたしました都市農業振興基本法、あるいは昨年閣議決定いたしました都市農業振興基本計画に基づきまして、これら都市のニーズに応えまして施策の充実を更に図ってまいりたいと考えているところでございます。
#20
○島村大君 ありがとうございます。
 是非ともこの税制に関しましては進めていただきたいんですが、神奈川県のある農業の方々に聞きますと、一年間丸々市民農園とかいわゆる福祉農園としてお貸ししてしまうと、農地ではなくて都市並みの、いわゆる普通の宅地並みの税制が掛かってしまうと。こういうことを、せっかくお貸しして、お貸ししたことによって税制が高くなってしまうのであれば、ちょっと考えなくちゃいけないよねということが起こっているわけです。
 ですから、そこをしっかりと、全部が全部市民農園だから貸すことを許可してくれとは言いませんが、やはり福祉農園とか、先ほどお話にあったように、認知症とかそういうことに関して、やはりそういうことを含めてやっている農園に関しましては是非とも税制上考えていただきたいと思っていますので、そこは厚労省からも後押しをしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 最後に、介護に関してちょっと御質問させていただきたいと思います。
 現在の介護保険制度の下では、介護サービス事業所のケアにより利用者の要介護度が改善すると報酬が下がる仕組みになっております。これはもう皆様方は御存じだと思いますが、施設等のスタッフがモチベーションを保つためには、要介護度が改善した場合のインセンティブを私は与えるべきじゃないかと思っておりますが、その辺はいかがでしょうか。よろしくお願いします。
#21
○大臣政務官(馬場成志君) 介護報酬につきましては、効果的、効率的な介護サービスの提供等の観点から、事業所のアウトカム評価を順次導入しているところでありますが、一方で、審議会等の議論では、要介護度の改善のみで評価することによって、改善の見込まれる高齢者のみを事業者が選別して入所させる可能性があるなど、課題が指摘されておるところであります。また、個別の介護職員の評価については、どの職員が提供したサービスが効果的であったかの判断をどのように行うか等の課題があると認識しております。
 アウトカム評価については、介護職のやりがいの向上につながる等の御指摘もいただいておるところでありまして、質の高いサービスの提供にインセンティブが働くよう、介護サービスの評価の在り方について適切に検討を進めてまいりたいと存じます。
#22
○島村大君 ありがとうございます。
 検討をしていただいていることは大変うれしいんですが、より一層、やっぱり現場は、いわゆる施設側に関してはある程度、今のお話にもありましたように、評価をしていただいていることはもう重々分かっています。ただ、現場のスタッフに関して、職員さんに関しては、確かに、どの方がどういうふうに頑張ったから介護度が下がったとか、また患者さん御自身が頑張って要介護度が下がる場合もありますから、評価の仕方が難しいというのは我々も重々承知をしております。
 ですが、やはり現場のモチベーションを上げるためには、いわゆる報酬だけではなくて、例えば表彰をするとか、その要介護度を下げた方々の、関わった人全員に、例えば、何というんですかね、分かりやすいようなバッジを作ってあげるとか、何か、やはり現場もお金だけと言っているわけではないですから、そこを是非とも前向きに、また、各市町村も今そういうふうな、現場と各市町村が、じゃ、どういうふうにやろうかということをやっぱりこれ進めていますので、国としましても、その辺の情報を収集しながらどういうふうにやっていくかということを、是非とも情報を収集して、少し、一歩、二歩でも進めていただきたいと思いますので、大臣、そこは、介護現場の皆様方のモチベーションを更に上げさせていただくためにも、先ほど報酬、処遇の面ではすごく考えていただいている、今回の予算で考えていただいたのは分かりますが、もう一つ二つ、是非とも大臣、介護職員、また関係者の方々にも御尽力をいただきたいので、よろしくお願いします。
 これで終わらさせていただきます。ありがとうございました。
#23
○そのだ修光君 自由民主党のそのだ修光です。早速質問に入らせていただきたいと思います。
 さて、介護現場の人手不足です。深刻な状態になっております。そういう中で、介護福祉士の受験者数が半減するという大変良くない状態が今起きているわけであります。介護福祉士は現場のリーダー格になる人たちで、リーダーの候補が半減してしまい、本当にこれで大丈夫なんだろうかなと。
 国内の人材育成、海外からの人材の確保など、団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年までに介護の人材確保についてどのような対策をしていくおつもりなのか、答えていただきたいと思います。
#24
○政府参考人(定塚由美子君) 介護現場を支える介護人材の確保、極めて重要な課題だと考えております。
 介護人材の中核となる介護福祉士の方につきましては、一定の質の確保が必要であるということから、この受験資格について、本年一月実施の試験から、新たに、三年以上の実務経験を経て受験しようとする場合、実務者研修の修了を要件としているところでございます。このことが今回の介護福祉士の受験者数の減少の主な理由となっているわけでございますが、この見直しにつきましては、近年の介護ニーズの高度化や多様化に対応できる資質を担保をして、質の高い介護サービスの提供ができる人材を現場のリーダーとして養成をしていくという観点から見直しを行っているところでございます。
 このように介護福祉士の資質の向上を図っているわけでございますけれども、また同時に、介護人材を量としても確保するということも大変重要でございます。
 こうしたことから、ニッポン一億総活躍プランに基づき、二十九年度から技能や経験に応じた給料アップの仕組みを構築をして、月額平均一万円相当の処遇の改善、また、人材の確保が特に困難な地域におきましては、一旦仕事を離れた方が再び仕事に就く場合の再就職準備金を倍増するなどに取り組んでまいるところでございます。
 また、これに加えまして、介護福祉士を目指す学生に返済を免除する奨学金の活用、また介護ロボットの活用やICT化による生産性向上の推進による現場の負担軽減や職場環境の改善など、様々な方策を多方面から講じてまいることによりまして、二〇二五年までに約三十八万人の介護人材を追加で確保していくことを目指しているところでございます。
 なお、介護人材の確保に当たりましては国内人材の確保が基本と考えておりまして、外国人の介護人材を受け入れていくに当たりましては、それぞれの制度趣旨に沿って我が国の介護現場で活躍いただけるようにしてまいりたい、このように考えております。
#25
○そのだ修光君 今局長がるる話をしていただきましたけれども、新しい制度をつくって初めての、介護福祉士の実務者研修を素人なら四百五十時間しなさいねと、現場の中では今言われたとおり重度化していますから、喀たん吸引の資格を取るために五十時間のあれをしなさいねとかいろいろあるんですけれども、そのやさきの、今回が半減してしまったというのは、やっぱりこれは制度的にもう一回しっかりと厚労省でも見直しを掛けてやってもらわなければ、二〇二五年、三十八万人が足りないんですよと、介護の現場で働く人たちがいなければ回らなくなるというのが今現実出ているわけですから、三十八万人というのは本当に程遠い数じゃないかね、今の現状を見ればですよ。現段階でも職場には人が足りないんですから、そういうものをもう少しやっぱり厚労省の中でも真剣に検討をしていただいて、我々現場で働く者としても一緒になってこのことはやっていかないと、介護保険はあっても介護が受けられない人たちが出てくるということになってはもう元も子もなくなってしまいますから、そのことはしっかりとやっていただきたいと思います。
 それでは次に、最近、入所者を集めるために極端に低い家賃を設定をして介護保険サービスを最大限に使わせて利益を上げるサ高住が増えてきているんです。平成二十八年度実施された大阪府の調査でも、特に要介護三以上の方々に対しては施設サービス以上の給付費が掛かっているケースも散見されることが指摘をされております。
 このようなサ高住を放置していると、介護保険事業計画を幾ら緻密に作っても、サ高住が介護サービスを無駄にたくさん使うことで結局介護費全体が膨らんでしまいます。このようなサ高住に対してどのような対策を考えておられるのか、お伺いいたします。
#26
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。
 先生御指摘がございましたとおり、サービス付き高齢者住宅におけるサービスの使い方について大阪府等で調査が行われておるということは十分知っております。また、そのほかにも幾つかの話を聞いております。
 この件につきましてですけれども、まず、サービス付き高齢者向け住宅におきまして、入居者の介護サービスなどの自由な選択と決定を妨げるような運営が行われているという、そこがまず一つのポイントになろうと思います。そうしたことを踏まえまして、昨年八月に、サービス付き高齢者向け住宅に関する基本指針、これは告示でございますけれども、これを改正をいたしました。
 その中で、サービス付き高齢者向け住宅をやっている事業者は、入居者の介護サービス等の利用に関して、特定の事業者からのサービスに限定すべきではないという旨の規定を設けまして、まずは、言わばサービス付き高齢者向け住宅の事業者側に対して考え方を示しているというのが一点でございます。
 もう一つでございますけれども、介護サービスの利用に当たりましては、今度はサービス提供側では、ケアマネジャーが御本人の心身の状況だとかあるいは家族の状況等に応じてケアプランを作って訪問系のサービス等を実施するわけでございますけれども、その際、居宅介護支援事業者、まさにケアマネ事業所の事業所本体あるいは管理者は、個々のケアマネジャーに対して、ケアプランにおいて特定のサービス事業者等のサービスを位置付ける旨の指示を行ってはいけないというふうなことを運営基準に書いてございます。そうしたことで、この運営基準に違反があった場合は都道府県等の指導監督の対象になるということで、言わばサービスをつくって提供する側でもそうしたことをきちっと徹底をしようとしているところでございます。このほか、ケアプランチェック等のいろんな点検もやっているところでございます。
 以上のように一定の対応を取っているところでございますけれども、ただ、先生御指摘のような事例があるということも先ほど申しましたとおり聞いているところでございまして、引き続き現行の取組をしっかりと行っていくということに併せまして、来年度は調査研究事業を行いまして、適切なケアマネジメントを行うための課題の把握、あるいは具体的に対応策をどうするかといったようなことについて、何ができるかということをきちっと考えて更なる追加の対応を考えていきたいと、このように考えてございます。
#27
○そのだ修光君 今答えていただきました。しっかりやっぱり現場を見ていただきたいと思いますよ。無駄なということは話をしましたけれども、そういうことに使われるお金があったら、まだまだしっかりとした介護の現場に使われるお金というのが必要になろうかと思っておりますから、よろしくお願いいたします。
 それと、次に、自立支援に対する介護報酬の評価、先ほど島村先生からもお話がありました、さっき答弁をしていただきました。そのことと少し、ちょっと考えが違う方向から話をさせていただきたいと思います。
 アウトカム重視やインセンティブという話題が出てきております。要介護度の改善を重要視するという考え方がありますが、一方で、加齢や死から逃れられない現状がある以上、要介護度を改善できるケースは本当に限定的なものがあります。そして、ある自治体が独自に利用者の要介護度を改善させた事業者に対して報奨金を出すという仕組みをした結果、要介護度改善が期待できそうな七十歳ぐらいの比較的若い利用者を集めて収益を上げているケースが出てきているという話であります。要介護度改善というアウトカム評価を介護報酬に持ち込むということは、こうした動きはエスカレートしてしまって大変危険な部分もあるんではなかろうかと思っております。
 介護報酬での自立支援の評価の在り方について、やっぱりどういう考え方を持っておられるのか、もう一回お聞きしたいわけでありますけれども、よろしくお願いをいたします。
#28
○政府参考人(蒲原基道君) 介護報酬の評価の中でのインセンティブを設けるべきだということについての御質問がございました。
 まず、介護報酬でございますけれども、効果的、効率的な介護サービスを提供するという観点から、これまでも事業者によるアウトカム評価というのを順次実施をしてきておりまして、例えば、平成二十四年度改定におきましても、介護老人福祉施設等におきまして在宅復帰の率が一定の割合以上であるといったことなどを評価いたします在宅復帰機能加算というのを設けているところでございます。
 一方で、審議会等でこの件についていろいろ議論をしていただく中で、先生から少し御指摘いただきましたけれども、要介護度の改善のみで評価することによりまして、改善の見込まれる高齢者のみを事業者が選別して入所させる可能性があるなど、考えるときの課題といったことについての指摘がされているというところでございます。
 我々といたしましては、今後アウトカム評価を検討するに当たりましては、先生御指摘のような、言わば事業者による利用者の選別というような、起こる可能性というのが生じないようにしていくということは一つ大事なポイントだと思っております。そうした点を十分踏まえた上で、質の高いサービスの提供にインセンティブが働くような介護サービスの評価の在り方、これは具体的にはまた今後関係の審議会等でいろんな先生方あるいは団体の意見を聞いてやっていかなきゃいけないと思いますけれども、そういうことで検討を進めてまいりたいと、このように考えております。
#29
○そのだ修光君 今、老健局長から話をしていただきました。さきの政務官も話をしていただきましたけれども、やっぱり介護の現場、特養に当たってはもう重度化して三以上の方しか入所できないと。しかし、入所した時点でもう限りなく死に近づいている。生活の場の、我々、医学であればそれは病気を治すという形のものがありますけれども、介護の現場というのは限りなく、三、そして四になって、五になってという、最後はみとりをやっていこうという現場があるんですよ。
 そういう中で、ただ介護度だけを見て、三の人が二になりましたとか、四の人が二になりましたとか、その介護度だけの評価で報酬体系を変えていくという、こういうやり方には現場は大変戸惑いを見せておりますから、是非ともそこの、もちろん評価の在り方というのはいろんな形はあるでしょうけれども、しっかりと、限りなく、三の人たちが、ほっておいたら、一年掛かったらもう四になってしまう、五になってしまう、その人たちが五年たっても三のまま維持できたとか、やっぱりそういう評価の在り方というのをしっかりやっていただかなけりゃ私は困ると思っておりますから、どうかよろしくお願いいたします。
 それと、次に入ります。
 今国会での法案の中の一つに、これから審議をされます地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案では、自立支援や重度化防止に向けた保険者機能の強化等の取組の推進が盛り込まれております。また一方、財政的にインセンティブを付与されるこのような新しい仕組みが、主観的な要素も多い要介護度認定に恣意的に影響を与えたり、利用者の選定が出てくるのではないかと危惧をしております。
 都道府県によっては市町村に対する支援事業の創設も含まれているということに期待をしたいのでありますけれども、ある程度の標準性を保つためにどのような方策を考えておられるのか、よろしくお願いいたします。
#30
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。
 高齢者の方々の自立支援あるいは重症化防止といった取組を進めていくために、今回出しております法案の中で、PDCAサイクルを活用いたしまして保険者機能を強化していくことといったことが重要であるという観点から、今回の法案で必要な仕組みというのを盛り込んでいるところでございます。
 この仕組みについては、一定のちゃんと地域の状況を踏まえた上で計画に盛り込んで、やるべきことをやって、その上で評価をして、財政的インセンティブを与えていくと、こういう流れになっていくわけですけれども、その際、保険者の様々な取組の達成状況を評価できるように、客観的な指標といったものを設定した上で市町村等に対する財政的なインセンティブといったものを付与していきたいということを考えているところでございます。
 具体的な仕組みあるいは評価の指標については今後検討していきますけれども、幾つか観点申し上げますと、一つは、要介護認定率の抑制など、適正なサービスの利用の阻害につながらないことが前提であるというのがまず一つございます。また、各保険者におけます高齢化率の違いあるいは地域資源の違いというのがありますので、そうしたことも十分踏まえた指標であることが大事だと思います。更に言えば、結果としてのアウトカム指標というのも大事ですけれども、そこに至るまでのプロセスの指標、こうしたことをきちっと盛り込んで、その組合せでやっていくといったことが大事かなというふうに思っています。
 そのような観点を踏まえまして、関係者の御意見も伺いながら、公平な指標、先ほど申しました客観的な指標でございますけれども、そうしたものを設定してまいりたいというふうに思っております。
 また、先ほど少し市町村の体制あるいは都道府県の支援のことが話に出ましたけれども、市町村の人員体制だとか、あるいは市町村が今持っているノウハウの蓄積、こうしたものについては、現在、地域によって様々な状態になっているというふうに思います。その意味では、御指摘のように、市町村に対して都道府県が積極的かつ丁寧に支援をしていくということが大事だというふうに思っております。
 具体的には、都道府県が市町村を支援するという規定を今回は法律上明記したいと考えておりますし、その上で、例えば市町村の職員に対する研修、あるいは関係の専門職団体と連携した上でそうした専門職を市町村に派遣するようなこと、こうしたことをきちっと丁寧に推進をしていきたいというふうに考えてございます。
#31
○そのだ修光君 大変大事な事業でして、地域支援事業はもちろん保険者の責任でやっていただくという話の中でありますけれども、やっぱり都道府県あるいは、今都道府県が指導をするということを言われましたけれども、各市町村の中では温度差がすごいんですよね。これをやっぱりしっかり指導をしていかないと、利用者さんにその負担が来るということがありますから、どうかよろしくお願いをいたします。
 次に、今年も子供が保育園に入れなかった働きたいお母さんたちがたくさん出てしまったようであります。日本も、働くお母さんが少数派であった時代から一段繰り上がったフェーズに来ているように思います。
 今回、これから審議される雇用保険法等の一部を改正する法律案では、育児休業期間の延長として最大二歳まで育児休業を取れるようになります。一方で、二歳まで育児休業を取ったら、キャリアで不利な状況になるのではないかという心配もお母さんたちにはあります。
 雇用主の意識改革や働き方改革、男性の家事、育児参加も含めて、制度改正の実効性を担保するためにどのような対策をしていくおつもりなのか、また、諸外国では自治体に保育園確保を義務付けているところもあるようですが、保育園に入れなかった方々に対してどのような対策をしていかれるおつもりなのか、お聞かせください。
#32
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 御指摘いただきましたように、今回、雇用保険法等の一部改正の中で育児・介護休業法についても改正を提案させていただいております。その中では育児休業期間の再延長という仕組みも盛り込ませていただいておりますが、私ども、これに当たりましては、育児休業を取得しやすい職場環境を整えること、それと、女性に育児の負担が更に偏ったりあるいは女性活躍の取組に逆行することのないように男性が積極的に育児をすることも重要というふうに考えてございます。
 このうち雇用環境の整備につきましては、事業主による育児休業取得者に対する不利益取扱いの禁止を周知徹底するということに加えまして、本年一月から施行しております改正育児・介護休業法に基づく育児休業取得に対するハラスメントの防止というもの等により、育児休業を取得しやすい職場環境づくりというものをまず進めなければならないというふうに考えております。
 また、男性の育児休業取得の促進につきましては、これらの取組に加えまして、イクメンプロジェクトあるいは企業に対する助成等を行ってまいりましたけれども、現在御審議いただいております改正法案では、事業主に対しまして、育児休業対象者を知ったときに当該対象者に育児休業の取得を勧奨していただくという仕組みを創設するべく盛り込ませていただいております。
 またあわせて、待機児童の問題にも御指摘をいただきました。私ども厚生労働省としましては、平成二十九年度末までの五年間で五十万人を超える保育の受皿の拡大を進めるということで現在自治体の方々の支援をさせていただいておりますし、さらに、一月の全国部局長会議などにおきまして、保育コンシェルジュなどによる保護者の意向や状況を丁寧に把握をして、保護者に寄り添う支援、残念ながら今回地域において希望に添えない場合においても、寄り添う支援をもってきちっとケアをしていただくというようなことを自治体に対してお願いをしているところでございます。
 今後とも、この待機児童対策、待機児童解消というものと、男女共に育児休業を取得しやすくなるような仕組みづくりというものを両輪として進めさせていただいて、仕事と育児の両立を支援してまいりたいというふうに考えてございます。
#33
○そのだ修光君 しっかりやっていただきたいと思います。
 最後に、大臣にお伺いをいたします。
 平成三十年度の診療報酬と介護報酬同時改定ですけれども、二〇二五年までの中で実質的には最も重要な改定になると思っております。前回に引き続いてマイナス改定になるようでは、今介護のサービス等を提供する側は既にぎりぎりの状況で運営しているので、かなり厳しいところがあります。
 住民が住み慣れた地域で医療と介護サービスを同時に受けられる仕組みづくりは最重要課題でありますけれども、次の診療報酬、介護報酬について国としてはどのような考え方でおられるのか、お伺いをいたします。
#34
○国務大臣(塩崎恭久君) 平成三十年度は、医療計画と介護保険事業計画が初めて全国で同時に改定されるという大きな節目の年を迎えるわけであります。ちょうど二〇二五年という、団塊の世代が皆七十五歳になる、そのときまでに残された期間を考えますと、今回の六年に一度の診療報酬と介護報酬の同時改定というのは極めて重要な局面であろうというふうに思います。
 このため、今回の同時改定におきましては、地域包括ケアシステムの構築、医療と介護の連携強化、そして効率的なサービス提供体制の構築ということが大事であり、また、急性期から回復期、慢性期そして在宅医療までの医療機能の分化、連携の推進も極めて大事でございます。ICTの活用も含めて、現場の負担軽減にもつながる効率的な医療そして介護の提供の推進、そしてさらに、高齢者の自立支援に資する取組の推進などを図らなければならないと、それでなければ、この高齢化先進国たる日本の抱える医療、介護の問題は解決ができないというふうに思うわけであります。
 また、介護事業所の経営状況につきましては、今お話がございましたが、そういった状況あるいは関係者の御意見はしっかりと踏まえながら、今後、平成三十年度の同時改定に向けて様々なことをしっかりと検討してまいらなければならないというふうに考えているところでございます。
#35
○そのだ修光君 大臣、しっかりと、今、全然分からないというお話が出ていますけれども、私は大分理解しました。大臣が言われたことをやっぱり大臣の下で、今回新しい改定を迎えて、将来にやっぱり介護保険なら介護保険制度そのものが持続できるような、医療保険もまさにそのとおり。
 しかしながら、現場の今私は話をしましたけれども、今、特養の現場は、今回、もう二十七年度の改定で収支が今出ているんですよ、三割強が赤字の状態、運営が行き着かないと。そんな現状があって、先ほどから話をするように、利用者さんはどんどん増えていく、しかし、利用者さんが、介護度ができて、介護度三になりました、特養で見ていただきましょうといったときに、特養は運営ができなくなってその人たちの行き場がなくなるということ、そういう可能性もあるということだけは厚労大臣も分かっていただきたいと思っているところであります。
 時間が来ましたから、以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
    ─────────────
#36
○委員長(羽生田俊君) この際、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に内閣官房働き方改革実現推進室次長小林洋司君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○委員長(羽生田俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#38
○石橋通宏君 民進党・新緑風会の石橋通宏です。
 早速質問に入らせていただきたいと思いますが、今日は初めに、いよいよ佳境に入ってまいりました働き方改革実現会議、来週方向性が出るという状況にありますので、まさに本当に大詰めの議論を今されているんだというふうに理解をしております。幾つかまだ議論が足りないのではないかという課題を今日は少し確認答弁をいただいてまいりたいと思いますが。
 初めに、繰り返しになりますけれども、今日、この大変重要な働き方改革の議論、政府から大臣の思いを是非聞かせていただきたいということで、重ねて加藤担当大臣の出席を要求させていただきましたが、また理事会で認めをいただけませんでした。
 昨年の臨時国会のときに同じことがありまして、そのときは副大臣に来ていただいたわけですが、これはもう与党の皆さんも委員長もそう思われたと思いますが、甚だ不十分な答弁しかいただけなかったということで、やはり大臣の出席が必要だということは恐らく皆さんも思われていたんじゃないかなと思いますが、今回もお認めをいただけませんでした。
 これから本当に重要な方向性出る、それから今後も議論続いていくわけです。是非、この厚生労働委員会で加藤大臣にちゃんと質疑をさせていただく、そういう機会をやっぱりいただかなきゃいかぬというふうに強く思います。
 重ねて、委員長、お取り計らいをお願いしたいと思います。
#39
○委員長(羽生田俊君) はい。また理事会にて議論をさせていただきますので、よろしくお願いします。
#40
○石橋通宏君 その前提で、今日は実現推進室から小林次長においでをいただいております。ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 それでは最初に、懸案となっております上限規制の在り方ですけれども、今日は、休日労働の問題についてまず幾つか確認をしていきたいと思います。つい最近も新聞等々で取り上げられまして、事実関係の確認も今後の議論のために必要だと思いますので、少し塩崎大臣、改めて現状の認識も含めた確認をしてまいりたいと思いますが。
 これ政府参考人で結構です。まず、現行の三六協定の上限告示、法定休日の労働についてはこれは含まれていないということでよろしいですね。
#41
○政府参考人(山越敬一君) お答え申し上げます。
 現行の限度基準告示には、今先生がおっしゃいましたように、法定休日労働の制限は含まれていないところでございます。
#42
○石橋通宏君 法定休日の労働には一切上限の規制はないという理解でよろしいですね。
#43
○政府参考人(山越敬一君) お答え申し上げます。
 限度基準告示では、法定休日労働についての上限時間は定められておりません。
#44
○石橋通宏君 ということは、法律上は、三六協定で休日労働を合意、届出さえすれば、毎月一切法定休日さえ与えずに労働者を働かせることも可能だという理解でよろしいですね。
#45
○政府参考人(山越敬一君) 休日労働に関します三六協定を締結していただいて届け出ていただければ、その範囲で休日労働をさせることは可能になります。
#46
○石橋通宏君 これは世間的にどこまで理解されているか分からないんですが、三六協定結んでしまえば、実は月間休みなしで働かせることが現実的に可能なんです。
 これも基準局長で結構ですが、これ、そもそも何で、平成十年、労働省当時、告示出たときに、休日労働で別扱いにして全く制限を課さなかったのか。なぜ、協定結んでしまえば休日一切与えずに働かせるような、そんな働き方を可能にしたのか、合理的な理由を説明してください。
#47
○政府参考人(山越敬一君) この三六協定でございますけれども、法定の時間外労働又は法定の休日労働をする場合に必要でございますけれども、それは、それぞれ労働基準法の三十六条、三十五条、よって来る、労働時間であれば三十二条でありますけれども、規制されている条文が異なるわけでございまして、現状の上限規制は、そのうち労働基準法三十二条、基本的な労働時間が週四十時間と定められておりますけれども、その上限を定めるということになっているわけでございます。
#48
○石橋通宏君 これはやっぱり、ちょっとそもそもの立て付けが、結局今の議論にも大変大きな影響を与えるわけですが、これも事実確認です。現状、三六協定で休日労働の定めをしている事業場、全体の何%ありますか。
#49
○政府参考人(山越敬一君) お答え申し上げます。
 現在、休日労働を実際に行っている……(発言する者あり)休日労働を定めていない事業場が、実績といたしましては、七八・九%の事業場においては年間を通じて休日労働はないという実情におります。
#50
○石橋通宏君 三六協定で休日労働に関わる協定を結んでいる事業場が全体の何%ありますか。
#51
○政府参考人(山越敬一君) 恐縮でございますけれども、手元にちょっと数字がございません。
#52
○石橋通宏君 事前に要求して四九・八%という数字をいただいておりましたので、約全体半数の事業場が休日労働の定めをしているという事実があります。
 その中で、月平均何日、労基署に登録をされているか、これ、局長、これもいただきましたけど、数字お持ちですか。
#53
○政府参考人(山越敬一君) 厚生労働省が行いました実態調査によりますと、三六協定で定める限度日数は、これ平均でございますけれども、月二・二一ということになっております。
#54
○石橋通宏君 全体の半数の事業場で休日に労働をさせることができる協約結んでいて、平均登録が二・二、平均で二・二ということは、三日以上登録している事業場もかなりに上ると。三日、四日、まあ月二十八日のうち四日間法定休日与えればいいわけですから。そうすると、それこそ毎休日働かせることができる、事実上、法律上ですね、そういう事業場があるということです。
 塩崎大臣に確認します。現行、この状況について、大臣としてどういうふうに思われますか。法律上、現行でも休日に、三六協定さえ結んでしまえば、月間三十日、三十一日、本当に休みなく働かせることが可能であるという実態について、今の、過重労働対策、大臣、この間ずっとお取組をいただいた。これやっぱり何とか法規制強化しなければいけないという今議論をまさにされている。その中で、この状況について、大臣、どういうお考えをお持ちですか。
#55
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど局長からも答弁をいたしましたけれども、実態調査によりますと約八割、七八・九%の事業場で年間一日も休日労働がないという現実が一つございます。
 また、事業場で休日労働が最も多い方に注目して集計をしてみますと、その休日労働は年間の平均で五・四日、まあこれ、年間で全部で休みを数えますと五十二日あるわけでありまして、多い方で五・四日ということなので、年間一日も休日がないなどという極端な例はなかなかないんだろうというふうに思います。
 そもそも休日労働の規制につきましては、時間外労働とは別途三六協定を結ばないといけないという立て付けになっているのは先ほど来お話が出ているとおりでありまして、この労使合意が必ず必要だと。その合意の範囲内でしか行わせることはできないということになっているわけで、さらに、実際に休日で働かせた場合には三五%以上の割増し賃金の支払ということが義務付けられておりますから、これが一定のやはり抑止効果を持っているんだろうというふうに思います。
 一方で、報道を見ますと、今回の労使合意の後に、連合の神津会長もこうおっしゃっているというふうに報道されています。それは、休日全部に働かせることは今も可能だが、現実にはそのような協定はないと、こういうふうに御発言をされているというふうに受け取っております。当然、この現行の休日労働の規制に反する場合には労働基準監督署による指導をしているわけでありまして、今後とも、これはこれで徹底をしなければいけないというふうに考えているところでございます。
 取りあえずそういうことでございます。
#56
○石橋通宏君 協定がない、いや、でも先ほど答弁いただいたように、半数の事業所では協定があるということはお認めをいただきました。
 先ほど七八・九%という数字出されましたけれども、じゃ、これ、母数は何なのかと質問したら、母数は分かりませんという回答が厚労省からは返ってきました。どういう数字か分からずに七八・九%という数字も使われているという、これもう恐ろしい事実が事前のやり取りで判明をいたしました。こういう状況だということです。
 確認しておきますが、小林次長来ていただいておりますが、今回の議論の中でこの休日労働の在り方どうするかということは議論されているんでしょうか。
#57
○政府参考人(小林洋司君) お答え申し上げます。
 三月十三日の労使合意がございまして、基本的に、先ほどお話ございましたように、現行の告示を法制化し、それに上限を掛けていくということに加えまして、特に脳・心臓疾患の認定基準との関係で、八十時間、百時間という別の観点からの歯止めを掛けると、そこには休日労働を含んでいるというのが労使の合意事項というふうになっております。基本的に政府もそれを受け止めて法制化を図っていくと。
 それに加えまして、できるだけその延長時間を減らすということが労使合意でも確認されておりますが、政府におきましては、更に一歩進んで、それを指針で定めていってはどうかということも提案させていただいたところでございまして、そういったことを踏まえて、まさに休日、健康確保の問題含めて、実現会議の方で御議論いただいておるということでございます。
#58
○石橋通宏君 ちなみに、確認で、これも事前にいただいておりますのでお答えいただけると理解しておりますが、三六協定がなしで、現状、所定内だけで労働時間でフルタイム働いたときに、年間で理論上可能な総実労働時間というのは何時間になりますか。これ、局長で結構です。
#59
○政府参考人(山越敬一君) 御質問は、今、現行法制の下で、全ての法定休日に目いっぱいの労働をした場合の、失礼いたしました、所定労働時間四十時間、ベースとなる四十時間、年間働いた場合という御質問だと理解いたしますけれども、その場合、年間の労働時間数は約二千八十六時間になります。
#60
○石橋通宏君 これも是非改めて、残業なしで働いたときでも二千八十六時間働けちゃうんです。この二千八十六時間ってどうでしょう。ヨーロッパの先進諸国と労働時間比べたときに、元々の議論って、ヨーロッパ並みの水準を目指すというのがこれ政府・与党の方針だったはずです。残業なしでもこれだけ働けちゃうんですね。
 じゃ、仮に上限告示の枠内でフルに働いたとき、これ、理論上、何時間年間働けますか。
#61
○政府参考人(山越敬一君) 休日労働も入れないでですか。ただいまの二千八十六時間に、通常であれば今の上限時間は年間三百六十時間でございますので、それを加えた時間になるかと思います。
#62
○石橋通宏君 今、上限告示が三百六十ですので、年間は。ただ、これも繰り返しですが、休日労働が理論上は可能です。もし、理論上マキシマムで休日労働をさせたとき、それはあり得ないという話でしたが、法律上可能な上限、これフルでいったら年間何時間の労働になりますか。
#63
○政府参考人(山越敬一君) 全ての法定休日に最大限労働した場合の最大の労働時間数でございますけれども、これは三千六百四十五時間になるかと思います。
#64
○石橋通宏君 これ、現状でもまあ三千六百四十五時間まで、上限、マキシマムいったら、働かせられちゃうんです、法律上は。だから、法律の規制が必要だという議論をさんざんこの委員会でも、今政府の議論でもやっていただいているわけで、ここは是非、先ほど御答弁もいただきました、塩崎大臣、最後に先週の予算委員会で共産党の山添委員がこの件質問されて、加藤担当大臣からは、先ほどのように、繁忙期の月百若しくは二か月―六か月平均で八十、そこは休日を含むという、それを踏まえて議論をしていきたいという答弁を加藤大臣もされています。
 塩崎大臣、同じように、これからいよいよ大詰めの議論、それからその先には法文化の議論があるわけですが、是非、この繁忙期の月百それから二か月―六か月八十、そこは休日を含むんです、それはやっぱり休日を含んだ上限を掛けなければいけないということで、そういうふうに労使で合意をいただいた。であれば、残りの、通常の上限告示の法定化、月四十五、ここの部分も、休日の在り方どうするのかということは、それを踏まえてちゃんと議論をしていただきたいということは重ねてお願いをしておきたいと思いますが、塩崎大臣、見解をお願いします。
#65
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、労使合意に至ったわけでありますけど、まず第一に、これまでなかなか労政審でも合意ができなかった、そして大臣告示という形で罰則が掛からない、青天井を残した、そういう規制だったわけですね。それに対して今回は、月四十五時間そして年三百六十時間という、これを法律で罰則付きで上限を設けようと、こういうことで合意をいただいて、これで我々法律改正ができるということになったわけでありまして、そういう意味で、まずそういう意味での前進を大きくしたということは、我々としてもよく強く認識をしなければいけないんだろうというふうに思います。
 これまでこの長時間労働の問題については、やはりいわゆる時間外労働ということについての限度時間についての議論がなされてまいりましたし、今回のもちろん労使合意やあるいは政労使の提案でもその整理をそのまま踏襲して、また委員会などでずっと議論してきた野党の皆さん方との議論の中でも、野党からもこれを法定化するということがずっと御主張されてきたと思います。
 しかし、そんな中で、人間の体はやはり一つでありますから、実労働時間というのがやはり大事であって、そのことを総理は、具体的な上限規制の在り方、いわゆる三六協定での決め方についての思いは、よく語っていたのは、脳・心臓疾患の労災認定基準、いわゆる過労死基準をクリアするといった健康の確保を図った上で議論する必要があるという指示を総理がしてきたわけでありますが、これは、まさに事実上、休日労働も含めた実労働時間を念頭に入れつつ、新たな規制についての労使間の合意を是非お願いしたいという意味だというふうに思います。それを受けてあの労使の合意がなされたのが三月十三日であるわけでございますので、休日労働を含めた時間数を規制することに一歩踏み込んだというふうに考えるわけであります。
 しかし、基本は、これはもう労使合意にも明確に書かれているように、上限時間水準までの協定を安易に締結するものではなくて、月四十五時間、年三百六十時間の原則的上限に近づける努力が重要だということを言っているわけで、これをどう実現をしていくのかということが今後また問われることだろうというふうに思いますので、指針等既に示唆をされているわけでありますので、そういうことを含めて今後議論を深めていきたいというふうに思っております。
#66
○石橋通宏君 質問に全くお答えいただけていない、長々と答弁をいただきましたが。休日労働についての大臣の見解をいただきたかった、もうそれだけに尽きていましたけれども、関係ない話をだらだらいただきましたが。これ、残りの通常の四十五時間、ここの告示の法定化の部分でも休日労働の在り方どうするのか、これを是非しっかりと議論をして、今のままではいけないのではないかという問題意識を持って対応いただきたいということを重ねてお願いして、大臣、だらだら答弁いただいた中にそれは含まれているという解釈をさせていただいて、次の質問に移りたいと思いますが。
 上限告示の適用除外の話についても確認をしておきたいと思います。
 これ、まず小林次長に確認をさせていただきますが、上限告示の今適用除外業種というのが幾つかありますが、その中で、建設とそれから運転手、運輸業については、これは方針として今回のその法定化に合わせて適用除外をやめると、つまりこれもこの傘の中に入れていくということでよろしいですね。
#67
○政府参考人(小林洋司君) 三月十七日の第九回働き方実現会議におきまして、総理からこういった御発言がございました。現行、建設それから自動車の運転業務というのが適用除外になっているわけでありますけれども、業界の担い手を確保した上で、長年の慣行を破り、猶予期間を設けた上で、かつ実態に即した形で時間外労働規制を適用する方向としたいという御発言であります。こういう方向で今国交大臣を始めとして調整を図っているところでございます。
#68
○石橋通宏君 適用するんですね。
#69
○政府参考人(小林洋司君) 原則適用という考え方に立って、ただ直ちにそれを導入することの難しさということもありますので、実態に即してどういう調整を図っていくかということでございますが、原則は適用するという考え方に立っておるわけです。
#70
○石橋通宏君 原則適用するんだというお話を今いただきました。原則適用すると、今ちょっと附帯条件が付いているような話で答弁をいただいておりますが、これ、行く行くは、一定期間の猶予期間云々というお話をされているのかなというふうに思いますが、目指すところ、最終的に行き着くところは他産業と同じ基準を適用するんだ、つまり、他産業と別枠のダブルスタンダードを建設なり運輸なりに設ける、そんな話は絶対にしないということでよろしいんでしょうか。
#71
○政府参考人(小林洋司君) 原則適用という考え方に立ちつつ、実態を踏まえてどういうふうにそこに移行していくかということでございまして、そのプロセスはいろいろあるんだと思います。それも含めて今調整過程ということでございます。
#72
○石橋通宏君 違う、プロセスの話をしているんじゃないんです。プロセスを経た上で行き着く先の話をしているんです。ダブルスタンダードを設けることは今の時点で念頭にあるんですか。
#73
○政府参考人(小林洋司君) 総理からは、長年の慣行を破り、時間外労働規制を適用するという考え方が示されておりまして、目指すところは他産業と同じところというのが念頭にあると思います。ただ、繰り返しになりますけれども、いろいろ荷主、施主等の問題ありますので、そういったことを含めて今後の道筋というのを調整しているということでございます。
#74
○石橋通宏君 今大事なポイント、言及をいただきました。総理としても他産業と同じところを目指すという話を今いただきましたので、同じところを目指すということでプロセスについて今後具体的な議論をされるんだろうと。
 塩崎大臣、この点、是非塩崎大臣としての思いも確認をしておきたいと思いますが、これも幾つか取り上げられておりましたけれども、特に運輸業、これ過労死、様々な過重労働による労災、一番多いんです。本当に現場で過重労働で、今様々の宅配業界の問題なんかも取り沙汰されておりますけれども、人手不足がますます深刻化をして、それがますます現場の過重労働、拍車を掛けているという残念ながら悪循環に陥っているのではないかと。
 なので、今残念ながらこの上限告示が適用から除外をされてしまっている、ここの部分やっぱりメス入れないと、この業界こそメスを入れていかないといけないということで、これは可及的速やかにこれちゃんとした規制を掛けてほしいというふうに思いますし、大臣、同じ思いでいていただいていると思いますので、できるだけ早期にこれ同じ基準で適用いただく、そういう態度で塩崎大臣には議論に是非参加していただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
#75
○国務大臣(塩崎恭久君) みんなで議論をしておるのでみんなでやりたいと思いますが、まさに自動車運転の場合には、先ほどお話が出ていた休日労働を含めての規制をどうするかということにも関わってくる問題でもあろうというふうに思うわけで、先ほどだらだらというふうにおっしゃいましたが、それなりの思いを込めて言ったつもりでありまして、もう少し明確に申し上げれば、休日労働の問題については、これは運転をされる方についてお話が出ておりますので、休日を含めて大体行く方が多いので、長距離トラックなんかは、先ほど申し上げたように、労働基準法に定める指針を設けるということで、その中で、我々としては休日労働についてもできる限り抑制をするということは明確にしていきたいというふうに考えていますので、それを言ったつもりですが、どうも伝わらなかったようで、あえて繰り返して申し上げておきたいと思います。
 今の適用除外の建設並びに運輸、まあ運転ですね、こういった方々について、御指摘のように過労死が一番多いのが運転ということはこの委員会でも随分取り上げられて、私どもも、正直、驚くほど多いというふうに私は思いました。したがって、ここのことは総理から、これはやはり実態を聞くとかなりの大変な状況であるということと、一方で、それでもって今成り立っているこの業をどう続けながら働く人の健康を確保するかという大事な問題なので、ここはやはり総理としては、長年の慣行を破りということは、やはり将来的には同じように他の業種と一緒に扱うということをするんだという宣言でもあろうかというふうに思いますので、しかし一方で、その際には、猶予期間を設けた上で、かつ実態に即した形で時間外労働規制を適用する方向と、適用というのは他の業種と同じように適用する、そういう方向で鋭意詰めろと、こういう指示だというふうに受け止めておりますので、それを受けて石井国交大臣とも協議を重ねていきたいというふうに思っております。
#76
○石橋通宏君 休日労働の件は先ほどその答弁をいただければすっと行ったんですが、答弁、確認をありがとうございました。
 今の話で、大臣から答弁いただきましたけれども、既に一部の新聞報道では五年猶予するという報道があって、これあたかも決まったように報道されておりますが、これ五年猶予で決まったんですか、小林次長、これ決まった話ですか。
#77
○政府参考人(小林洋司君) まさに調整中でございまして、決まっておりません。
#78
○石橋通宏君 新聞報道、五輪、オリンピック需要に配慮というふうに書いてあります。どっちが大事なんですか。人の命、労働者の命が大事なのか、それとも、オリンピックで需要があるから、だから五年間猶予して、じゃ、その五年間にどれだけの労働者がこれによって今と同じ状況で働かされる、それ野放しにするんですか。そういう話ですよ。これ、是非そんな無責任な議論はやめていただきたいということは強く申し上げておきたいと思いますし、塩崎大臣、多くの皆さんが参加している中で、でも、やっぱり労働者の命を守るのは厚生労働大臣の役割ですから、そういう思いでこの議論に是非参加、参画をしていただきたい、強くお願いをしておきたいと思います。
 四十一条の話したかったですが、ちょっと時間がなくなりましたので、四十一条の話、これ管理監督職の除外の話、これこのままでいいのか、農業、今のままで適用除外でいいのか、これも大事な議論だと思いますので、これはまた別途扱わせていただきたいと思います。
 続いて、もう一つ大事な課題ですが、従業員代表の在り方について、今回、三六協定で上限告示の法定化、これまさに労使できちんと協議をいただいて、労使で合意をいただいて、これまで以上に重要な役割をこれ労使に担っていただかなければなりません。その中で、過半数労働組合が存在しない事業場における、じゃ、労使の協議、合意、これどうするのか。これは本当に重要な課題なんですが、これも小林次長に確認します。この話は、働き方改革、今回議論されてきたんでしょうか、されているんでしょうか。
#79
○政府参考人(小林洋司君) 御指摘ございましたように、これから時間外労働あるいは休日労働を極力減らしていくという上で、労使の役割というのが非常に重要だということは共通認識となっております。
 そういった中で、第六回の働き方実現会議におきまして連合の神津会長の方から、従業員代表、労働者代表の適正な選出を担保することが非常に重要不可欠だという御発言がございまして、そういったことも念頭に労使の役割の重要性というのが議論されているというふうに認識をしております。
#80
○石橋通宏君 議論をされているんですね。じゃ、どういう具体的な議論があって、これどういう方向性で来週であろう結論の中に入るんですか。
#81
○政府参考人(小林洋司君) 具体的な議論につきましては、先ほど申し上げましたように、そういった御発言があったということでございまして、それを受け止めて労使の役割が重要だというふうに議論をされておるというふうに認識をしております。
#82
○石橋通宏君 ちょっとよく分かりません。議論はされていないんですね。神津会長からそういう提案があった、でも具体的な議論はこれまでのところは行われていないということですね。これ事実ですから、確認してください。
#83
○政府参考人(小林洋司君) 実現会議は、それぞれの有識者議員からいろいろ御発言をいただく、順次御発言をいただく、それを最終的に実行計画に反映していくということになるわけですけれども、そういった有識者の御意見を承る中において先ほど申し上げたような御発言があったということであります。
#84
○石橋通宏君 結局、発言があった、重要だと言っているにもかかわらず、これまでは具体的な議論はされていない、そういうことで今答弁をいただきました。
 これ、せっかく法律規制強化されても、今現状の問題認識、残念ながら、これ、ちょっと、じゃ、確認しますけれども、これ参考人で結構です。現状、この三六協定、労使協定の締結当事者、過半数労働組合でないいわゆる従業員代表が締結当事者、全体の何%ありますか。
#85
○政府参考人(山越敬一君) 恐縮ですけれども、手元に資料がございません。
#86
○石橋通宏君 これもいただいたのでお答えをいただけるはずなんですが、今回通告で提供いただいたデータで、過半数代表が締結当事者六割です。過半数組合は一一%しかありません。圧倒的多数が過半数代表による交渉であり、締結当事者です。
 これ、前回覚えておいでだと思いますが、労働者派遣者法のときにここもさんざん議論したんですね。結局、じゃ、従業員代表がどういうふうに選出をされているのか。これも厚労省としてはちゃんとした調査されていない、これJILPTが随分古いデータで調査をされている。半数近くは、言い方悪いですが、結構いいかげんな形で従業員代表、中には自動的に誰かが過半数代表になってしまったと、経営側が指名したと。これじゃちゃんとした労使関係になり得ませんよ。大臣、そこはお分かりだと思います。
 大臣、今回の議論に当たって、従業員代表、これのちゃんとした選出の在り方、民主主義な手続にのっとって、そしてちゃんとした労使協議が行われる、それによって全ての働く者が、一体どういう合意なのか、賛同するのか、それに基づいた協定でこの労働時間規制決められる、それが必要だと思いますが、大臣、そう思われませんか。
#87
○国務大臣(塩崎恭久君) この過半数代表の問題については、たしか派遣法の議論のときにも行田さんだったか随分取り上げられた記憶がございまして、また、その代表の選び方にいろいろな問題があるということも間々あるんだということも私もよく分かっているつもりでありまして、この点については、組合がない場合に過半数代表者を会社側が指名をするというのもあるという、そういう指摘もありました。
 そういう不適切な選出はやっぱり許されないことでありますので、こういった実態はちゃんと見極めた上で今後のことを考えなきゃいけないと思いますけれども、使用者の意向による選出はもちろん手続違反に当たるなどの通達の内容を今回省令に格上げをして指導を徹底する方針であるわけでございまして、先ほど六割というお話がありましたが、中小企業の場合には間々、特に零細企業の場合にはそういうことが多いはずでありますから、我々としては、そういうところが適切な代表権を持った方が会社側と話し合うということができるように持っていきたいというふうに思います。
#88
○石橋通宏君 今回、先ほどの省令に格上げ云々の話も事前に御説明はいただきましたけれども、やはりこれ具体的な立法措置が私は必要だと思います。きちんと従業員代表の在り方、これ考えなければいけない。今、私ども民進党の中でも、この点について議員立法を議論をさせていただいております。是非今後しっかりとした議論、対案も含めて提起していきたいと思いますので、今後の働き方改革の議論の中では、是非大臣そのことも念頭に置いていただいて、ここをしっかりやらないと絵に描いた餅に残念ながら終わってしまう懸念も強いということは重ねて申し上げておきたい。よろしくお願いします。
 それでは、次に行きます。
 もう一つ、これ働き方改革の議論に関わる話で、今回、個別の産業分野の話は余り具体的にされておりませんので、そこと切り離して少し、二年前の私自身の質問のフォローということでさせていただきますが、医療従事者、とりわけお医者さん、看護師さんの過重労働対策、今回の働き方改革の具体的な対応が成ったときに、じゃ、医療現場にどういう具体的な効果があるのか、期待できるのかということも含めて少し確認をしておきたいと思います。
 先日、足立委員も質問の中でこれ医療現場の話は触れておられましたし、我々もまたこれも対案も含めて検討させていただいておりますが、二〇一五年四月十四日ですからほぼ二年前に、塩崎大臣、二年前ですので覚えておられないかもしれませんが、私、この質問取り上げまして、医療現場の過重労働問題について大臣と思いを共有させていただいて、幾つか大臣から答弁をいただいておりますので、それに対してのその後の対応について確認をしておきたいと思います。
 一点は、医療現場での過重労働の実態調査について、これ厚労省として行われていなかった。特に三六協定の締結状況、病院で三六協定の締結、個々に必要なんだけれども、実は三六協定が締結されていない病院がかなりある、いや、病院で残業がないところなんてあるのか、そういう議論を二年前にさせていただいた。大臣からはそのときに、何ができるのか考えてみたいと、集中的に監督で入っていただくとか、調査をいただくとか、大臣から答弁をいただいておりました。
 この二年間で何らかの具体的な対応、取組いただきましたでしょうか。
#89
○政府参考人(神田裕二君) 医療従事者についての改善についての取組の状況ということでございます。
 先生御指摘のとおり、看護職員を始めとした医療従事者の夜勤負担の軽減等については大変重要なことであるというふうに認識いたしております。平成二十六年に法律改正をいたしまして、医療機関の管理者については勤務環境の改善等の措置を講ずるように努めなければならないというふうにされたところでございます。また、大臣が定めました指針に基づきまして、各医療機関におきまして、具体的に勤務環境の改善に関する課題を抽出して改善計画を策定して、取組を行って、その効果を評価するといったPDCAサイクルを活用した医療従事者の勤務環境の改善の計画的な取組を推進しているところでございます。
 具体的に、例えば夜勤の回数を減らすということでいえば、夜勤専従者を導入するとか看護補助者を導入するといった取組をしているところでございます。これを医療勤務環境改善支援センターによって、医療労務管理等のアドバイザーが総合的、専門的に支援をするというような取組を行っているところでございます。
 また、同じ法律改正におきまして、看護師等の免許保持者の届出制度というのを活用いたしまして、ナースセンターが、今働いているか、それとも求職活動をしているのかといったような状態に応じましてきめ細かな復職支援の取組などを行っているということでございまして、そういった取組をしているところでございます。
#90
○石橋通宏君 局長、済みません、よく分からなかったのですが、実態調査はされたんですね。
#91
○国務大臣(塩崎恭久君) これ、昨年十月に新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会というのを立ち上げました。実は年末に、回収で一万六千近くの先生方から、これはお医者さんですが、全国から、それこそ沖縄から北海道まで、そういったところから送り返していただきまして、今それを集計中でありますが、かなり働き方の実態が、年齢や性別や診療科などによって様々立体的に分かってきているわけでありまして、押しなべて申し上げれば、もう容易に想像付くところでありますけれども、かなり厳しい診療科のところがやはり幾つかあるなということ、特に救急とか、その他も幾つかありますが、そういうようなことが浮き彫りになってきておりまして、こういうことを踏まえた上で今後、医療の現場の皆さん方、なかんずく医師の働き方については考えていかなければならないし、これは産業医の問題で、これは薬師寺先生からも院長が産業医になっているという利益相反の問題を指摘をされましたが、そういうことも踏まえて私どもとしては今後の在り方も考えつつ、まずは実態をしっかり、もちろん当直とか、それからオンコールをどう考えるのかとか、いろんなことが今出てきておりますので、それ今整理中でございますが、いずれにしても、この二年間で何をやったのかということで、最大の調査はこの十万以上の先生方に出して返ってきた一万数千のデータを今分析中と、こういうことでございます。
#92
○石橋通宏君 看護師さんの調査はされていますか。
#93
○政府参考人(神田裕二君) 看護師につきましては、看護師の交代制勤務、二交代制か三交代制か、それからその夜勤の回数でございますとか最長の連続勤務時間等につきまして、医療分野の勤務環境マネジメントに基づく医療機関の取組に対する支援の充実を図るための調査研究ということで、二十七年度、二十八年度と調査をさせていただいているところでございます。
#94
○石橋通宏君 ここで言っていただける範囲で、改善は見られるんでしょうか。夜勤の回数、これ二年前の大臣答弁で、残念ながらまだ十回を超えているような、平均が、大臣から当時答弁をいただいておりました。これ減っているんでしょうか。労働時間も減っているんでしょうか。
#95
○政府参考人(神田裕二君) 御指摘の看護職員の夜勤の状況についてでございますけれども、二十八年度の調査結果については現在集計中ということでございますので、二十七年度とその前に行いました看護協会が実施している調査で比較をしますと、看護協会が二十五年に行った調査では、三交代では夜勤平均回数が八・一回でございましたけれども、二十七年度の先ほど申し上げた調査では七・八回というふうになってございます。それから、二交代ではどちらとも四・六回というふうになってございます。それから、連続勤務時間についてでございますけれども、それまで看護協会等でも十分な把握はされておりませんでしたけれども、平成二十七年度に実施いたしました病院に勤務する看護師の実態調査によりますと、最長連続勤務時間の平均ということで申しますと、三交代で十二時間、二交代で十六・九時間というふうになっているところでございます。
#96
○石橋通宏君 これ、次の調査、今月中にも出るというふうに聞いておりましたので、その内容で是非比較してこの委員会で説明いただきたかったんですが、今いただけなかったので、これは是非、すぐ出たらまた当委員会の委員の皆さんには共有をいただいて、今後のまたどういう具体的な進化があるのか、進展があるのか、PDCAしっかりと回していただくことも含めて、これ大臣にも重ねて具体的な対応、調査の結果に基づいた対応をいただくように、そして、その中で今回の働き方改革の長時間労働規制、この強化が医療の現場にもこれ当然関わるわけですから、その中でどう医療従事者の皆さんの健康、命、安心、働き方、これを確保できるのか、そこをしっかりと検討を続けていっていただきたいということをお願いをしておきたいと思います。
 次に、これも少し以前の私の質問のフォローなんですが、電通の過労死事案に対して、臨時国会のときに少し大臣とやり取りをさせていただきまして、そのときに私、一つ提案をさせていただきました。これだけ重篤な法令違反を繰り返す、これはやっぱり政府として公共調達の在り方考えるべきなのではないかと。とりわけ厚生労働省としては、そういった企業に対して厚生労働省が多額の事業を発注する、これはやっぱりいかぬでしょうという話をさせていただいたところ、そのとき大臣からは検討してみたいということで答弁をいただいておりました。
 その後、厚生労働省として検討結果、具体的にどのような対応を決定されたか、大臣、御説明をお願いします。
#97
○国務大臣(塩崎恭久君) 厚生労働省では、今年の一月に、労働基準法を含めて厚労省所管法令に違反し行政処分などを受けた業者を公共調達から排除するということ、それから、契約締結後に厚生労働省所管法令違反で行政処分等を受けた場合には契約の解除等ができるようにあらかじめ契約書に明記をする、こういったことを省内で通知を既に発出をいたしまして、徹底を既に図っているところでございます。
 今、政府全体というお話でございました。政府全体の公共調達ルールにつきましては、厚生労働省としては所管をしているわけではございませんので、私がその総括をすると、あるいは他の省のあるべきことを私の立場で申し上げるというわけにはまいりませんが、今申し上げたように、少なくとも厚生労働省の所管する法令について違反するような場合については今申し上げたような立場は明確にしておくということを省内で徹底をしているということでございますので、御理解を賜れればというふうに思います。
#98
○石橋通宏君 具体的な対応を厚生労働省として取っていただいたこと、これは前向きに評価をさせていただきたいと思います。
 確認ですが、これは排除、どれぐらいの期間排除されるんでしょうか。何らかの具体的な進展が認められなければ排除は解除しないという理解でよろしいですか。
#99
○国務大臣(塩崎恭久君) 一律にどのくらいということを決めているわけではございませんで、契約ごとにそれを決めるということで、何年とか何か月とか、そういうことを決めるというふうに今なっているところでございます。
#100
○石橋通宏君 これ、じゃ、法令違反、過去何年間のうちに何か、そういうことですか。例えば過去一年以内、つまり一年過ぎたらその排除は解除されるという、そういう立て付けですか。
#101
○国務大臣(塩崎恭久君) 例えば過去一年とか過去半年とか、そういうようなことについても、それぞれケース・バイ・ケースで決めていくということに契約ごとにしていくということでございます。
#102
○石橋通宏君 ちょっとよく分からないので、これ改めて精査が必要だと思いますが、これあえてお聞きしているのは、これまでにも電通に対する応札差止め、自治体やら独法やらで取組を既にされているところもあるんですが、おおむね一か月の指名停止とか、せいぜい二か月、三か月とか、要はそれ終わっちゃったらまたできちゃうんですね。
 これだけ繰り返し繰り返し何年もにわたってというのは分かっていたわけです、今回のケースでいけば。それが一か月の指名停止で、一か月たったらまた堂々とされる、これで本当にいいのかという思いがしたものですから、厚生労働省として、今回せっかくそういう対応いただいた、それがどれぐらいの期間、いや、本来であれば、ちゃんとした対応が認められなければ一定期間、そしてまさに大臣言っていたように、中身次第では一年、二年、三年、それだけ重い対応を厚生労働省としてはやっぱりしていただかないといけないのではないかと思うんですが、大臣、個別の対応と言われましたけれども、基本、そう簡単にはということで厚生労働省、対応するということでよろしいですか。
#103
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、どういう行政処分が行われるか、つまりどういう法律違反をしたのかということにも掛かってきますが、今お話しのように、それはやはり意味ある期間を設けるということが、こういうルールを作る限りは必要だというふうに思うわけでございます。
#104
○石橋通宏君 意味ある期間というのがどういう意味あるのか分かりませんが、厳しくこれ厚生労働省としては対応いただきたいと思いますし、先ほど政府全体について、もちろん政府全体の話、厚生労働大臣が決める話ではないにせよ、でも厚生労働省としてこういう対応した、ほかの省庁もやるべきだという提案をいただくのは、これ厚生労働大臣として閣議なり何なりでしていただけると思います。
 是非、政府全体でも、やはりこういう形の対応の在り方、これは是非共有をいただいて提案をいただく、そういうことはやっていただきたいということは要請だけしておきたいというふうに思います。
 時間がなくなってきましたので、済みません、少し順番を入れ替えさせていただいて、先に年金の話を取り上げさせていただければと思います。
 先般、もうかれこれ一月ぐらいになったと思いますが、新年度の年金の支給額の改定率について公表がありました。改めて確認をさせていただきたいと思います。四月以降、六月支給分から、年金の支給額、どうなりましたでしょうか。
#105
○副大臣(橋本岳君) 平成二十八年度から〇・一%の引下げということになります、現行の、現在のルールでですね。
#106
○石橋通宏君 〇・一%の引下げということです。
 一部新聞報道で、昨年ここでさんざん議論させていただきました年金制度改革法案、我々、繰り返し、現下の経済情勢、実勢を考えれば、新たな改定ルール、これに基づくとやはり大きな減額になるのではないか、試算もお願いし、法律が出てから、国会が終わってから試算出てきた、でも残念ながら私たちが想定していた試算ではなく、何であれが国会の審議中に出せなかったのか、これ足立委員が先般指摘をされたとおりでしたけれども、一部新聞報道で、この改定ルールが適用されていたら〇・九%の減額であった、こういう報道がなされています。これは事実でしょうか。
#107
○副大臣(橋本岳君) 報道が事実かどうかというお尋ねでございましたけれども、まず昨年成立した年金改革法による賃金に合わせた年金改定ルールの見直しということであれば、まずは、例えば低所得、低年金の方に最大年六万円の福祉的給付がスタートした後に施行する予定であるとか、そうしたことも是非勘案していただきたいと思いますし、現時点において、経済状況に関する仮定の数値に基づいて年金の改定額を計算することは国民の皆様に誤解と混乱を与えるのではないのかなというような心配もあって、ちょっと適当ではないのではないかと考えるところでございます。
 また、一応ちょっと補足で説明をさせていただきたいと思いますが、平成二十九年度の賃金変動率が今回マイナス一・一%ということでございますが、これ、平成二十五年度から二十七年度までの過去三年間の実質賃金の平均を用いるということになっております。
 デフレから脱却していく過程で、平成二十六年四月の消費税率引上げによる実質賃金マイナスの影響がそれ以降の三年間にわたり時限的に現れているものでございまして、今後も賃金変動率がマイナスでずっと推移をしていくとか、そういうことを示唆するものではないということは補足をさせていただきたいと思います。
#108
○石橋通宏君 確認です。
 新ルールが当てはめで、機械的に当てはめた、これ新聞報道で出ちゃっているんですよ。僕らも聞かれるんです。これ、〇・九、新ルールってどういうこと、何で〇・九なの、これ誤解を、やっぱりそうやって新聞報道がばんと出る。是非、逆にこれ本当に、じゃ、新ルールを当てはめたら一体どういう、これ〇・九、それを機械的に当てはめを行ったときに〇・九、これが正しい改定ルールの積算なのかどうか、これは確認してほしいと思いますが、副大臣、もう一度。
#109
○副大臣(橋本岳君) 平成三十三年度において可処分所得スライドが終わっているというようなことがございます。また、先ほど申しましたように、消費税の増税の影響等も変わっているなど前提が大きく変わりますので、先ほど申し上げましたように、混乱を与えかねない面もあるとは思いますが、重ねての御質問でございます。
 現下の経済と切り離した全くの仮定の話として、平成三十三年度以降の年金額に用いる指標が、ここで物価変動率はマイナス〇・一%でした。そして、賃金変動率が実態としてはマイナス〇・九%で、今回、可処分所得スライドの影響があるのでマイナス一・一%ということになっていたので、そこをどっちで考えるかということによろうと思いますが、仮に賃金変動率が本当にマイナス一・一%だったらということでお答えをすれば、さきの法律改正に合わせたルールの変更によりまして、年金額は賃金変動率に合わせるということになりますので、マイナス一・一%の改定となります。
 先ほどの新聞でマイナス〇・九というのは可処分所得スライドが今回入っていてそうなっていたので、そこのところをどう考えるかによってその数字の違いが出てくるということで御理解いただければと思います。
#110
○石橋通宏君 副大臣から確認の答弁いただきました。
 大臣、繰り返し、昨年秋の臨時国会のときにやりました。政府はこれ、ずっと、あり得ないから、あり得ないけど、転ばぬ先のつえだと繰り返し言われた。でも、やっぱり現実あるわけです。
 今回もマイナス賃金改定率、結局、それで当てはめで計算すればマイナス一・一だったかもしれない。ここを含めてやっぱりこれちゃんとした試算を出していただかないと、一体これからの年金がどうなるのか、準備すらできません。ですので、これ改めて政府にはちゃんとした試算を出していただくことを要求したいと思いますし、少なくとも次期財政検証、このところでは重ねて、現実に即した、楽観的でない、そういう試算、しっかりとシミュレーションをやっていただきたいということ、大臣、約束を改めてしていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
#111
○国務大臣(塩崎恭久君) これは川合先生からの御質問や、この間の足立先生からの御質問に対してもお答えを申し上げたところでありますけれども、次期財政検証に用いる将来の経済前提についても、やはり一時的に賃金上昇率がマイナスになるようなケースも含めてやはり様々なケースを考えるということが大事かと思っておりますので、幅広い前提の設定について、これは専門家に議論いただくわけでございますから、そういった専門的な観点からも客観的に御議論を幅広い前提を置いてやっていただきたいというふうに考えておりますので、御指摘の点はそのとおり私どもも考えていきたいというふうに思っておるところでございます。
#112
○石橋通宏君 しっかり我々としてもウオッチしていきますので、よろしく対応をお願いしたいと思います。
 あと一分、最後に確認だけさせてください。
 労働基準監督官、これ私びっくりしておりますが、今、規制改革会議で民間委託の話が出てきております。とんでもない話だと。これまでもさんざんこの場でも労働基準監督制度、体制の強化、増員、これが必要だとずっと言ってきて、政府からも、そうだそうだ、頑張ると言っていただいてきたはずです。それが、規制改革会議で今回民間委託の話が出てきた。これ、まさか厚生労働省として、大臣として、こんな話とてもじゃないけどのめない、断固体張って反対すると大臣には是非言っていただきたいと思うんですが、政府の考え、大臣の考え、最後に確認して終わりにしたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#113
○国務大臣(塩崎恭久君) まだ私はそのタスクフォースなるものの方々の御意見というのは直接聞いていないものですから、何をおやりになりたいのか、何を民間に任せたいのかというのはよく分からないのでありますので。
 今、既に労働基準監督署でも民間人に任せているところは、例えば平日夜間とか休日の電話相談窓口とかインターネット上の求人情報等の監視等を民間委託をするというようなこともやってはいるんですね。それから、社会保険労務士等の民間人材を非常勤職員として活用をしているというようなことはやっているわけでありますので、何を追加的にやれというのかということは、よく聞いた上で、理にかなわないことはもちろんやらないと、理にかなうことは場合によっては考えるということでありますから、まずはこのタスクフォースの皆さん方の御意見をしっかりと承ってみないと何とも言えないというふうに思うわけで、いずれにしても、しかし、働く人の健康と権利を守るということは私どもの使命であることは御指摘のとおりでありますし、我々の使命はしっかりと守っていくことが当然だというふうに思います。
#114
○石橋通宏君 終わります。
#115
○委員長(羽生田俊君) 午後一時十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十一分休憩
     ─────・─────
   午後一時十分開会
#116
○委員長(羽生田俊君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成二十九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、厚生労働省所管を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#117
○熊野正士君 公明党の熊野正士です。
 本日は、質問の機会をいただきましてありがとうございます。
 まず、緩和ケアについて質問いたします。
 私も医師として今でも医療相談を受けますが、感じることは、医師と患者さんとのコミュニケーション不足ということです。例えば、がんの告知、治療法の提示、再発したときの説明などが必ずしも十分とは言えず、患者さんの立場からすると、もっと丁寧に説明してほしい、あの医者は親身になってくれないと、本来あるべき信頼関係が損なわれているケースもあるのも事実です。
 ここ数年はインフォームド・コンセントが普及し、日本においても患者さんに直接がんの告知を行うことが一般的となっています。第二期のがん対策推進基本計画の中には、患者とその家族等の心情に対して十分に配慮した、診断結果や病状の適切な伝え方についても検討を行うとあります。がんの病状をどう伝えていくのかは非常に大切な課題でありますが、基本計画の中の、検討を行うとありますが、これまでどういった検討が行われてきたのかについて教えていただければと思います。
#118
○政府参考人(福島靖正君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、がんの診断結果やその再発時の病状の説明は患者さんにとって精神的に大きな負担となることから、がんと診断されたときから、身体的苦痛だけではなく不安や抑うつなどの精神、心理的苦痛に対しても適切な緩和ケアを提供することが重要であると考えておるところでございます。
 第二期のがん対策基本計画で今御指摘のような検討を行うということでございまして、緩和ケア推進検討会におきましてこれについて御議論いただきまして、その結果を踏まえて、がん診療連携拠点病院の整備指針につきまして平成二十六年一月に見直しを行いました。
 具体的には、拠点病院では、医師から診断結果や病状を説明する際には、看護師や医療心理に携わる者などの同席を基本とすること、説明時には、初期治療内容のみならず長期的な視野に立って治療プロセス全体について十分なインフォームド・コンセントに努めること、必要に応じて看護師などによるカウンセリングを活用するなど、安心して医療を受けられる体制を整備することといたしまして、家族や患者の心情に配慮する体制の整備に取り組んできたところでございます。
 またさらに、がん患者の精神的なケアの充実のために、平成二十六年の診療報酬改定におきまして、医師又は看護師が患者の心理的不安を軽減するために面接を行った場合に診療報酬が算定できるようにしたところでございます。
#119
○熊野正士君 この適切な伝え方というのは、今答弁の中にありましたけれども、がんと診断された早期からの緩和ケア医療にとって重要な役割の一つであるというふうに思います。
 患者さんに病気のことを適切に伝えるにはどうしたらいいのかと。がんの告知は通常は診療科で行われるわけですけれども、主治医一人一人が丁寧な説明を心掛けるのはもちろん大切なわけですが、主治医も多くの患者さんの診察が控えておりまして、一人一人の患者さんが納得するまで説明できる時間が取れない場合も実際にはあると思います。その際、各診療科と緩和ケアチームが連携を強めて患者さんの不安を取り除いたり安心を与えていけるような医療を目指すべきで、そのためにも緩和ケアチームがもっともっと関わっていくべきではないかなというふうに思います。
 第二期の基本計画の中にも各診療科と緩和ケアチームが連携を図るということが記されておりまして、先ほどのお話の中でも、看護師さんであるとか医療従事者の方が一緒に同席をしてフォローしていくというふうなお話がありましたけれども、現場では緩和ケアチームが十分になかなか関わっていける環境が整っていないというふうなお声もたくさん聞いておりまして、これから第三期のがん対策推進計画策定されると思いますけれども、この連携の強化というか、連携の達成度をきちっと評価することを是非とも盛り込んでいただきたいなというふうに思いますけれども、厚生労働大臣の御所見をお聞かせください。
#120
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生御指摘のように、この緩和ケアというのがかなり今一般的に言われるようになってまいりましたけれども、まだまだ整備しなきゃいけないことがたくさんあるようなふうに私も受け止めております。
 がんの患者の皆さん方が質の高い生活を送るためには早期から緩和ケアを実施することが大変重要だというふうに認識をしておりまして、現在、全国に四百二十六か所、拠点病院などを指定をしておりますけれども、そこの全てに緩和ケアチームを配置をしておりまして、主治医等との連携を義務付けるなどの取組を進めてまいりました。
 平成二十九年度の緩和ケア研修のプログラム改定におきまして、主治医が、痛みの緩和のみならず、今先生から御指摘が幾つかございましたけれども、患者の精神的、社会的不安を解消するなどの緩和ケアチームとの連携の必要性、これを認識をしていただく、それから、どういった時期にどういうようなやり方で緩和ケアチームと連携を取るのかといった具体的な連携の方法を知ることが必要だといった認識に基づいて、こうした内容をプログラムに盛り込むことを検討することとしております。
 さらに、この緩和ケアを必要とする患者のニーズをくみ上げるためには、具体的な好事例の動きを知ることが他の病院、医療機関においても大変効果的だということで、平成二十八年度から、高い成果を上げている緩和ケアチーム、そういったチームの下で他の病院の緩和ケアチームが実地研修を行うという取組を開始をしておりまして、こうした取組を拡充をしてお互い学び合っていただくということを進めたいと思っております。
 緩和ケアにつきましては、本年夏までに第三期がん対策推進基本計画をまとめますので、その際に、重要な論点の一つとしてしっかりとこの緩和ケアの質の向上に取り組んで、この計画に入れ込んでまいりたいというふうに思います。
#121
○熊野正士君 是非とも連携強化に向けた取組を更に進めていただければなというふうに思います。
 次に、肝炎対策について御質問させていただきたいと思います。
 がん対策加速化プランの中で肝炎対策が柱の一つとなっております。昨年改正されましたがん対策基本法の第六条にも、がんの原因となるおそれのある感染症等がんに関する正しい知識を持ちというふうに新たに追加されているわけですけれども、肝がんの大半は肝炎ウイルスの感染がその原因でして、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスに感染をして慢性肝炎、肝硬変へと進行して、そこから肝がんが発症すると。したがって、肝がん対策で一番大事なのは、この肝炎ウイルスの感染を防いで、そして感染があれば早期に除去するということに尽きると思います。
 そのためには、まず肝炎ウイルスの検診を受ける必要がありますが、実は日本では国民の半分ぐらいしかまだ肝炎ウイルスの検診を受けていないという実情であります。最近は、C型肝炎ウイルスでも完全に除去できる画期的なお薬もありますし、またB型肝炎についても核酸アナログの投薬によって肝臓の炎症を抑えることができるようになりました。したがって、肝炎ウイルス感染のチェックをできるだけ早期に行うことで肝硬変や肝がんのリスクを大きく減らすことができます。そのためには、肝炎ウイルスの検診を広く広めなければなりません。
 この肝炎ウイルスの検診率向上に向けた取組について答弁をお願いしたいと思います。重ねて、これも、第三期のがん対策推進基本計画には受診率の目標とかそういうものを盛り込んでいただければなと思いますけれども、厚生労働大臣、いかがでしょうか。
#122
○政府参考人(福島靖正君) 御指摘のように、肝炎ウイルスにつきましては、感染していてもほとんど自覚症状がないために感染に気付きにくく、治療を行わずに放置すると、肝硬変、肝がんと、そういうふうに移行していくおそれがあるために、私どもとしても、全ての国民に少なくとも一回は肝炎ウイルス検査を受けていただきたいと考えておるところでございます。
 このため、厚生労働省では、地方自治体が実施する肝炎ウイルス検査への助成を行っておりますけれども、平成二十三年度の調査では、御指摘のように、その受検率がまだ半数ということになっておりまして、この受検率の向上が課題となっております。
 これまで、医療機関に委託して、医療機関で受診ができるようにする、あるいは出張型検診を実施するなど、検査を受ける方にとって利便性を高くする、こういう取組を推進してまいりましたけれども、さらに、来年度の予算案では、市町村が行っております四十歳以上の方に対する受検の勧奨を従来五歳刻みで行っておりましたけれども、これを四十歳以上の方全ての方に対して受検勧奨を行っていただくように見直しをします。
 また、職場の健康診断などに合わせて行います肝炎ウイルス検査につきましては、健診を担当する医療機関から健診を受けられる方に対して受検を勧めていただく、こういうことにしておりまして、より多くの方に検査を受けていただくよう、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。
 それから、目標値については、できるだけこれを私ども全ての方にということでございますが、実態、なかなかまだ足下の数字を二十三年以降把握ができておりませんけれども、できるだけそのまず把握に努め、より高い目標、受検率につなげてまいりたいと考えております。
#123
○熊野正士君 私は放射線科の専門医で、肝臓がんの早期発見のための画像診断に携わってまいりました。肝がんは肝硬変の方に発生しますので、慢性肝炎、肝硬変の方は定期的に肝がんのチェックをしなければいけないということで、肝がんの早期発見にはやっぱり画像診断が大事でして、超音波検査であったりCTやMRIなどが用いられて、これ必要不可欠であります。しかし、これらの検査はいずれも高額でございまして、結構インターバルが短く、病状が進行すればするほど、一年で一回でよかったものが半年に一遍になったり三か月に一遍になったりして、患者さんの負担もすごく大きいものがございます。
 そういった意味で、来年度の予算の中で、こういったいわゆる慢性肝炎、肝硬変の方々に対する予算措置の改善などを是非求めたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#124
○政府参考人(福島靖正君) お答えいたします。
 慢性肝炎の患者の方を早期の治療に結び付けて重症化を予防するためには、継続的に検査を受けていただくことが重要であると考えております。このため、厚生労働省では、慢性肝炎などの患者さんが定期検査を受ける際に要する医療費の自己負担分に対して都道府県を通じて助成を行っております。
 今年度は、年二回の検査に対しまして、世帯の市町村民税課税年額二十三万五千円未満の世帯では、一回当たりの負担上限額が慢性肝炎では三千円、肝硬変、肝がんでは六千円となるよう、また、住民税非課税世帯では自己負担がないように、こういうことで助成をしておるわけでございます。
 来年度予算案につきましては、患者団体の皆様の御要望を踏まえまして、この負担上限につきまして、慢性肝炎では三千円を二千円に、肝硬変、肝がんでは六千円を三千円に引き下げ、現状よりも自己負担が軽減できるように、こういうふうにしていきたいと考えております。
 この制度を利用して、より多くの肝炎患者の皆様に定期検査を受けていただきまして肝炎の重症化予防に取り組んでいただけるように、私どもとしても努力してまいりたいと考えております。
#125
○熊野正士君 次に、てんかん医療について質問をいたします。
 てんかんの患者さんは全国で約百万人と言われておりまして、決してまれな疾患ではありません。小児だけではなくて、成人してから発症するケースもあるようです。適切な治療を受ければ、多くの患者さんはてんかん発作が抑えられて、日常生活に支障なく過ごすことができますし、車の運転も可能です。
 しかし、てんかんの患者さんを取り巻く環境は決して恵まれているとは言えません。てんかんの専門医の数が少ないことや、診療科が脳外科、小児科、精神科など複数にまたがっていて、患者さんからすると、どこに行って治療を受ければいいのか分からないといった声も少なくありません。こうした事情は、患者さんだけではなくて、医療従事者でも同様でして、適切なてんかんの治療が受けられるような体制の整備が急務であるということが以前から指摘されておりました。
 こうした状況を改善するため、厚生労働省は、平成二十七年度から三か年計画でてんかん診療拠点機関というものを指定して、相談窓口の設置や地域の医療機関とのネットワークづくりなどモデル事業を開始をいたしました。全国に現在八つの拠点機関が指定されておりまして、患者団体やてんかん学会からは感謝の声が届いております。
 二十九年度でこのてんかん診療拠点機関のモデル事業が三か年の最終年となるわけですけれども、これまでこのてんかん拠点機関が設置されてからの成果であるとか、また課題などについて御報告いただければと思います。
#126
○政府参考人(堀江裕君) 今委員御指摘のとおり、てんかん医療は多科にまたがる医療だというようなことで、適切な医療に患者さんが接していただけるように連携体制、診療科の垣根を越えた連携体制が必要だということで、御紹介の三年間のてんかん診療拠点機関というモデル事業をさせていただいているところでございます。
 全国では、てんかんのセンター協議会ということで三十五の医療機関が自主的に集まっていただいて、ネットワークをつくって協議していただいているわけでございますけれども、やはり国の方でも全国に拠点をつくって、てんかんの全国拠点機関であります国立精神・神経医療研究センターと連携した医療従事者に対する研修、一般国民に対する普及啓発、てんかん診療コーディネーターによる相談援助、関係機関との協議会の開催などを通じまして連携体制を強化しようと、その辺が評価されているところだということだと思いまして、地域での連携強化が図られて患者が専門的な医療につながりやすくなったという評価、啓発活動を通じて地域住民や教育関係者、就労支援関係者への理解が広まったというような意見が各拠点機関から寄せられておりまして、この辺が成果と言えるものだというふうに思います。
 一方で、地域において、てんかんの専門的な診療に対応できる医療機関が偏在しているというような課題がまだ残っているわけでございまして、こうした三年間のモデル事業の成果、課題をよく整理して、三十年度以降の体制の整備強化に努めてまいりたいと考えてございます。
#127
○熊野正士君 今いろいろと成果を御紹介していただきまして、ありがとうございました。
 てんかん拠点病院の大きな成果の一つは、今お話しいただいたことの中にもありましたけれども、地域のネットワークがしっかり機能することで適切な治療が実施されるようになったということだろうと思います。てんかん患者さんの約二〇%は難治性てんかんということで、薬物治療では発作を十分に抑制できないという方がいらっしゃいます。こうした患者さんには、次のステップとして外科的治療ということで対象になる方がいらっしゃるわけですけれども、これまではなかなかそういう連携がうまくいっていなかったので外科的治療まで結び付いていなかったと。それが、このてんかん拠点病院のおかげで外科的な治療に回ってくる機会が増えたということです。
 先日も、てんかん学会の専門医の先生から、外科的な治療で劇的に改善した患者さんのビデオを見せていただきました。そして、このてんかん拠点病院の意義を痛感させてもらいました。このほかにも、長時間のビデオを撮影することでてんかんと正しく診断されて、今まではてんかんとちゃんと診断されていなかったのに、てんかんというふうにきちっと診断をされて適切な治療を受けることができるようになっております。
 このてんかんの拠点病院というのは全国に八つあるんですけれども、実は近畿地方とそれから四国と九州には全く拠点病院がないということで、患者さんからのお話を伺うと、この方、京都の方なんですけれども、てんかんのお子さんを抱えておられるんですけれども、ただ単に発作を抑えるというだけではなくて、日常生活のこととか勉強のこととか、あるいは将来仕事、就職するようなこととか、包括的な相談がしたいんだけれども、そうした相談をしようにも近くに病院がないんだというふうにおっしゃっていました。
 三十年度以降は、このモデル事業の成果を踏まえて、是非とも国としてこのてんかん拠点病院を増やしてほしいと、このように思いますけれども、塩崎大臣の御決意を伺えればと思います。
#128
○国務大臣(塩崎恭久君) 平成二十七年度から実施をしているこのモデル事業、二十九年度まで行われるわけでありますけれども、てんかん診療拠点機関を中心とした、患者を適切な医療につなぐということで、連携体制の構築、それから、てんかん診療に関する成果、課題が明確にこのモデル事業によってなってきているというふうには思っております。
 このため、都道府県が平成三十年度から第七次医療計画を作成する際にどうするかということでありまして、このモデル事業の取組も参考にしていただいて、てんかんも含めた多様な精神疾患に対応できる医療連携体制の構築であったり、それから地域の拠点機能の強化であったりといったことを第七次の医療計画に盛り込むように促していきたいと考えておりますけれども、こうしたことを含めて、てんかん診療に関する地域の連携体制が構築をされて、てんかん患者に適切な支援が行われるようにしなければいけないわけで、今先生御指摘のように、先生、愛媛大学御出身ですが、四国にはない、九州にもない、北海道にもない、なぜか中国地方には三か所あると、こういうふうになっているわけであって、本来、また関西にもないということであれば、やはり、先ほど、百万人からおられる患者さんのことを考えてみると、何らかのことを手を打っていかなければいけないのではないかというふうに思うわけでありますので、地理的なバランスも含めて、このてんかんの患者の皆さん方が安心していただけるような拠点体制を構築すべきじゃないかというふうに思います。
#129
○熊野正士君 本当に前向きな答弁、ありがとうございます。
 続きまして、東日本大震災から丸六年が経過をいたしまして、今月の三月三十一日には浪江町、それから川俣町、飯舘村で、四月一日には富岡町で、それぞれ避難指示が解除されます。
 私は先月二十日に南相馬市を訪問いたしました。南相馬市の小高区は、昨年七月に避難指示が解除されたんですけれども、帰還された方の割合というのはまだ一割程度というふうにお聞きをいたしました。帰還が進まない理由はいろいろとあると思いますけれども、その中で、医療体制の整備というのは本当に重要な課題であろうかというふうに思います。南相馬では、その小高区、解除された地域では、帰還された方々が比較的高齢者の方が多いんだというふうにもお聞きをいたしました。
 今回、三月三十一日、四月一日という中で避難解除になるのが四町村あるわけですけれども、そういったところも含めて、この原発の周辺地域の医療体制の整備について、来年度の、二十九年度の予算措置も含めて古屋副大臣の方から御説明いただければなと思います。
#130
○副大臣(古屋範子君) 熊野委員、現地に行っていらしたそうでありますけれども、私も二回関係の地域に参りまして、直接現地の関係者から意見を伺ってきたところでございます。
 福島県につきましては、東日本大震災に伴う原子力災害の影響によりまして医療従事者を含む地域住民が福島県外に流出をした中で、避難指示区域の解除に当たりまして、住民の帰還を支援するためには、医療施設の再開支援、また人材確保支援等を通じた医療のインフラ整備が重要な課題と考えております。
 このため、医療機関の再開、新設に係る施設整備や運営に関する支援、医療従事者の養成、確保を図ることが重要だと考えておりまして、平成二十九年度予算案におきましても、これらに必要な経費を二百三十六億円計上をしております。今後も引き続き福島県と連携しつつ、必要な医療提供体制の整備を進めてまいります。
#131
○熊野正士君 ありがとうございました。
 是非とも、本当に原発の周辺の地域の方々のためにも国を挙げて応援していただけたらなというふうに思います。
 最後の質問になりますけれども、かかりつけ薬局のことについてお尋ねをしたいというふうに思います。
 厚生労働省では医薬分業というものをこれまでずっと推し進めてこられました。平成二十七年の十月に患者のための薬局ビジョンというものが策定をされまして、門前薬局からかかりつけ薬局、そして地域にと、そういったコンセプトで、服薬情報の一元化、あるいは二十四時間対応する、また各医療機関との連携を強化すると、そういったことが三本柱でありまして、患者さん目線に立った大切な取組だなというふうに思っております。
 このかかりつけ薬局というのは、具体的には平成二十八年四月から開始されたというふうに承知しておりますけれども、一番大事なのは、広く国民に知っていただくということが、まず理解してもらうということが一番大事じゃないかなというふうに思っております。しかし、現状はなかなか、薬局もいろんな種類があるし、なかなか国民的な理解がもらっているというのは正直言えない状況ではないかなというふうに思います。むしろ、門前薬局でもらった方が簡単だしということで、なかなか地域のかかりつけ薬局まで処方箋持っていくといった流れには余りなっていないと思います。むしろ、医薬分業のメリットというよりはデメリットの方がちょっと目立っているのかもしれないなと思うぐらいです。
 これ始まったばかりですので、今後、この患者のための薬局ビジョンというものを推進するための施策について、是非とも御答弁をお願いしたいなというふうに思います。
#132
○政府参考人(武田俊彦君) ただいま御指摘をいただきましたとおり、薬剤師、薬局が地域の中でかかりつけの機能を果たしていくということは大変重要なことだというふうに考えてございます。こうした方向性は、ただいま先生から御指摘ありましたように、平成二十七年に策定、公表した患者のための薬局ビジョンでも示しているところでございます。
 具体的に期待をされる役割といたしましては、かかりつけ薬剤師・薬局は、かかりつけ医を始めとした地域の多職種、他機関と連携し、患者が服用する薬を一元的、継続的に把握することや、地域住民からの健康に関する相談に適切に対応することなどが求められていると考えておりまして、こういった機能を薬局が又は薬剤師が果たしていくということを非常に大事な方向性であるというふうに考えているところでございます。
 私ども、こうした方向性に沿って現場レベルでもこのかかりつけ薬剤師、かかりつけ薬局といった働きが進んでいくように、例えば平成二十八年度の予算事業におきましては、都道府県においてかかりつけ薬剤師・薬局を推進するためのモデル事業を実施しているところでございます。これは多くの都道府県から申請をいただいておりまして、二十八年度は三十二の事業、三十の道府県で患者のための薬局ビジョン推進事業を実施をしているところでございます。
 それから、平成二十八年度の診療報酬改定におきましても、処方医と連携して患者の服薬情報を一元的、継続的に把握し、服薬指導などを行うかかりつけ薬剤師としての業務を診療報酬上評価をするといったことも導入をされているところでございます。
 こういった対応を行っているところでございますけれども、新年度、平成二十九年度の予算におきましても、この都道府県におけるモデル事業を引き続き実施をしてまいりたいと考えておりますので、引き続き、かかりつけ薬剤師・薬局が地域包括ケアシステムに参画し、多職種と連携して生活者を支える一翼を担う存在となるよう、こういった取組を推進してまいりたいと考えております。
#133
○熊野正士君 これで質問を終わります。ありがとうございました。
#134
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。久しぶりですので、よろしくお願いします。
 午前中、石橋委員も質問されていた時間外労働の上限の休日に絡む話について聞きたいと思うんですが、ちょっと午前中も議論あったので若干質問の順番とかは変わるかもしれませんが、この残業時間年間七百二十時間とする案が示されて、月四十五時間超えるのは年六回までと、ここには休日労働は含まれていないということが午前中も説明があったと思います。
 ということは、理論的には、休日労働を加えれば時間外労働は十二か月連続八十時間、つまり年間九百六十時間が可能になるということですよね。
#135
○政府参考人(山越敬一君) お答え申し上げます。
 時間外・休日労働を合計した上限でございますけれども、今おっしゃられましたように、理論上は年間九百六十時間となり得ると思いますけれども、ただ他方で、この時間外労働、休日労働、三六協定による労使合意の範囲でやることになっておりますし、割増し賃金三五%を休日労働については支払っていただく必要があるわけでございます。
#136
○小池晃君 いや、それは、まあ経営判断、労使の合意という問題で、労働法制上の問題じゃないと思うんですね。法律上は九百六十時間まで可能になるわけですよ。
 ちょっと分からないのは、百時間、八十時間には休日は入れる、今日午前中も説明はあった。四十五、七百二十時間には何で休日を入れないんですか。これ、よく分からない。
#137
○政府参考人(山越敬一君) 今回の政労使提案におきます月四十五あるいは年三百六十時間でございますけれども、これは、現在、現行法の下で大臣告示で定められている限度時間であります月四十五時間、年間三百六十時間を踏襲するものでございます。
 この現行法の大臣告示は休日労働を含まない時間外労働についての限度時間を定めるものでございまして、これを踏襲するものでございますので、今回のその月四十五時間、年三百六十時間という政労使提案については休日労働の時間分が入らないということでございます。
#138
○小池晃君 だから、現行制度だって入っていないのはおかしいじゃないかとさっき指摘あったじゃないですか。私もそうだと思いますよ。
 現行制度でないからそこに入っていないと。じゃ、その百と八十にはなぜ入れるんですか。
#139
○政府参考人(山越敬一君) 今回の政労使提案では、二か月ないし六か月の平均で休日労働を含んで八十時間、それから単月では休日労働を含んで百時間未満としておりますけれども、これは働く方の健康を確保する観点から休日労働を含むということにしたところでございます。
#140
○小池晃君 百と八十は健康確保のためだから休日労働は入れる。じゃ、四十五と七百二十だって同じじゃないですか、何でそっちに休日労働を入れないんですか。百と八十は過労死基準だから、過労死基準との関係があるから、まあ健康確保のためには休日労働を入れなきゃいけない、一方で四十五と七百二十は漏れがあってもいいと。
 こうなったら、結局、幾ら八十、百に休日労働を入れたって、これは過労死基準超える働き方になっちゃうでしょう。そこが何で違いが出てくるんですか。おかしいじゃないですか。
#141
○政府参考人(山越敬一君) いずれにいたしましても、一年を通じて二ないし六か月平均で休日労働を含みまして八十時間、それから単月では休日労働を含んで百時間未満ということでございますので、労災補償の脳・心臓疾患の認定基準の枠内には入るものだというふうに考えております。
#142
○小池晃君 だって、違うと思うんですよ。だって、結局、こんなことをやったらば、二か月平均八十時間という過労死ラインの働き方がこれは毎月可能になるわけでしょう、四十五の方には休日入ってこなければ。ずっと八十時間で働けるわけですよ。
 年七百二十時間という上限があったから、二か月から六か月八十時間の規制が一定の歯止めになるはずだったと思うんですよ。ところが、これが九百六十時間まで許されるということになったらば、結局この歯止め空洞化するわけじゃないですか。もう毎月毎月、一年間ずっと八十時間働けるようになるじゃないですか。そうなれば結局、過労死基準を超える働き方になるじゃないですか。違いますか。
#143
○政府参考人(山越敬一君) いずれにいたしましても、年間を通じて二か月ないし六か月の平均で休日労働を含んで八十時間、それから単月で休日労働を含んで百時間未満という基準は、その枠内には必ず収めていただかなければいけないわけでございます。
 ただ、これはその範囲で三六協定を定めるということでございますので、その中で幾らでもやってもいいということではなくて、労使が御努力をいただいてできるだけ短くするということも必要だというふうに思っております。
#144
○小池晃君 いや、私はそれでは歯止めになっていないと思いますよ。結局、休日労働をこの四十五、七百二十、ここには入れないということになったら、ここは漏れがあってもいいということになるわけですよ、結局ね。結局、こうなれば過労死基準まで働かせるということにお墨付きを与えることになるじゃないですか。だから、過労死基準はクリアするんだ、するんだと言ってきたけれども、結局ここのところで穴を空けちゃったわけだから、もう過労死基準を超えるような働かせ方が可能になる基準になってしまっている。
 大臣、やっぱり、もう理論的には九百六十時間まで可能になることをお認めになったわけですが、結局、私は、もう月六十時間、年間七百二十時間そのものがとんでもない上限だと思いますけれども、これを二百四十時間も上回る九百六十時間まで理論的には可能になるルールにしちゃったわけですよ。文字どおり過労死基準が認定されるような労働時間まで、もう毎月毎月一年間八十時間働かせても、これは合法でしょう、法律上は。合法という形になっちゃったわけでしょう。これは、どこが過労死ゼロなんだということになりませんか。
 大臣、私の言っていることに反論があるんだったら言ってください。
#145
○国務大臣(塩崎恭久君) 元々議論は、これは共産党の先生方からもしばしば言われたのは、この大臣告示である月四十五時間それから年三百六十時間を法定しろということを随分御議論いただいてまいりましたし、それから時間外労働の問題についての議論、御提案が多かったし、今回、御案内のように、労使合意として連合と経団連の間での合意も、やはりこの時間外労働の上限規制は月四十五時間、年三百六十時間とすると、これが基本だということだと思うんですね。
 ただ、先ほども申し上げましたけれども、これは、人間はもう体が一つで、どういう規制をしようと命は一つですから、実労働時間で休日を含めて見ると。つまりこれは、労災認定をされるときには、曜日に関係なくどういうストレスが掛かったのかということを見ながら労災認定をしていくわけでありますので、そういう意味で総理が何度も申し上げてきた、いわゆる過労死基準をクリアするということを何度も申し上げてきて、この際は休日労働も含めた実労働時間を念頭に事実上入れながら、新たなこの時間外労働の規制について労使間で合意をしてほしいということで話合いを促して、これが十三日に合意として出てきたということであります。
 さっき申し上げたように、また今先生からお話があったように、人間の体は休日のストレスというものも掛かってくるわけですから、当然この休日労働について可能な限り抑制をするということは、私どもとしてもこの後に作られる指針という中で、これは労基法で指針を作るということにすることが政労使の提案の中に入っているわけでありますので、その指針の中で休日労働についても可能な限り抑制をするということをしっかりと盛り込んでいきたいというふうに考えているところでございますし、また、実績は、今日、石橋先生との間で議論が大分あったように、言ってみれば、もうのべつ幕なしみんなやっているわけではなく、限られたところで休日の労働というのは行われているということで、もちろん休日全部に働かせることは今も可能になっているわけでありますけど、現実にはそんな協定はないということを連合の会長さんもおっしゃっているぐらいでありますので、そういうことをしっかりと頭に入れながら三六協定について合意をしていったということだというふうに思います。
#146
○小池晃君 いや、午前中、私聞いていたけど、だって半分あると認めていたわけで、それで、だらだら言ったけれども、ちょっとおかしいですよ。それで、しかもそのデータ自体が非常に何かおかしなデータだという説明もされていたじゃないですか。
 今の話でいけば、やはり健康確保ということでいえば、この四十五と七百二十に対しても休日のことを加味するようなことを考えると、検討するという理解でいいですか。
#147
○国務大臣(塩崎恭久君) さっき申し上げたように、いわゆる過労死基準をクリアするということは、事実上、休日労働も含めた実労働時間を念頭に入れながら時間外労働の規制について考えるということで、労使の皆さんが話し合った末にぎりぎりの合意が初めて法律にするという形で出てきたということでございます。
#148
○小池晃君 ぎりぎりの合意かもしれないけれども、穴は空いちゃっているんだから、穴を塞ぐ努力をするかどうかだと。私は、これしなければ、これはもう過労死基準超えますよということを言い続けますよ、私たちも。過労死の家族の会だってそのことを怒っているわけですよ、皆さん。その声に耳傾けて、やっぱり検討する、検討するぐらい言ってください。
#149
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたように、後に労働基準法の改正の中でこの指針を定めることにいたしますから、その指針の中で私たちとして可能な限り抑制をするということを明確にしていくということを申し上げておるわけでありますから、それは、今、小池先生の御意思に応えているというふうに私は思います。
#150
○小池晃君 指針だというんだって、まだ法律だって出ていないんだから、今から見直して、ちゃんと合意をしっかりとした、本当に、過労死水準、過労死にさせない、過労死ゼロの働かせ方、働き方改革にすべきだし、今検討されている中身はもう私は撤回すべきだということを申し上げておきたいと思います。
 裁量労働制について聞きますが、今、国会に提出されている労働基準法の改悪案、いわゆる残業代ゼロ法案では、企画業務型裁量労働制に新たに一定の営業職を追加するとしておりますが、現在は一般的な営業は入っていないということですね。
#151
○政府参考人(山越敬一君) 現行の企画業務型の裁量労働制の対象業務でございますけれども、これは、事業の運営に関する事項の企画、立案、調査、分析の業務とされております。したがいまして、営業についての企画、立案、調査、分析の業務をする場合はこれは含まれるわけでございますけれども、他方で個別の営業活動などは対象業務にはならないというふうに考えております。
#152
○小池晃君 損保ジャパン日本興亜では、嘱託などを除く職員約一万九千人のうち、企画業務型裁量労働制が六千三百七十四人、全社員の三三%、実に三人に一人という比率です。損保ジャパン日本興亜の人事部資料を見ますと、企画業務型裁量労働制の対象として営業とはっきり書かれております。これは明らかに対象外だと思います。実際、労働者へ聞いたところ、支店とか二十人から三十人程度の支社の一般の営業職にまで企画業務型が導入されている。
 指針では、これ対象要件は、支店、支社の場合も、本社の具体的な指示を受けることなく独自に事業の運営に大きな影響を及ぼす事業計画や営業を計画する。もうとてもそんなことできない職場だと思いますよ、この今の支店、支社。これ直ちに調査すべきじゃないですか。
#153
○政府参考人(山越敬一君) 個別の事案に関することについてのお答えは差し控えさせていただきたいと思います。
 一般論といたしまして、企画業務型裁量労働制の対象業務外に従事されている方の場合には通常の労働時間管理の下で行っていただく必要があるわけでございます。
 労働基準監督署といたしましては、いずれにいたしましても、法に違反するような事実が確認された場合にはその是正について指導を行ってまいりたいというふうに思います。
#154
○小池晃君 実際に話聞きました。是非調査してほしいんですよ。この労働者は、上司から裁量労働制の同意書提出を求められたと。自分の仕事はこれは企画業務型の定義に当てはまらないんじゃないかと、対象外なんじゃないかと伝えた。そうしたら上司は何と言ったかというと、あなたは毎日会社の仕事のことを考えているでしょうと、それならば裁量労働制の対象になるんです、だから同意書にサインしなさいと、こう言われたというんですね。
 本人同意が要件というけれども、損保ジャパン日本興亜のこの対象を見ると、大卒後四年以上の経験なんですね、要件は。二十代後半の社員が上司から強く言われたら断れないのが現実だと思うんですね。これ、根本に関わる大問題だというふうに思います。
 そしてもう一つ、個別企業の問題は答えられないといつも出てくるんですけれども、大臣、これ実は、政府は昨年十二月に、損保ジャパン日本興亜を女性が輝く先進企業として総理大臣表彰を行っているんですよ。個別企業を表彰しておいて、問題があると指摘すると個別企業のことは言えないというのは御都合主義だと私思います。私、少なくとも、女性が輝く企業として総理大臣表彰までする、これは厚労省だって多分情報を流してこれ表彰したんだと思いますよ。
 これ、株主総会で問題にもされたこともあるんですよ、この企画業務型の裁量労働の適用がおかしいんじゃないかって。そういう企業をやっぱり表彰する、表彰するんだったら、今私が明らかにしたようなこういった実態とか、実際の労働条件どうなっているのか、賃金どうなっているのか、こういったことにしっかり目を向けるべきなんじゃないですか。
 これ、私が言っているだけじゃない。週刊現代、今年一月三十一日付けの週刊現代で裁量労働制の特集やられているんですが、その中で、損保ジャパン日本興亜の社員の声、記事でも二十代営業と書いてあるんですよ。この方は、みなし労働時間一日九時間だけれども、実際十二時間働いているというふうに言っています。実際にこの損保ジャパンの人事部の資料を見ると、昨年四月から八月で実際の残業時間は月四十・三八時間、みなし時間である二十時間の約二倍、恒常的に、こういう実態あるわけですね。
 大臣、個別企業、個別企業と逃げないで、やっぱりこれ、これだけ明らかになって、表彰までしたんですよ。予算委員会で私、安倍総理にこのこと聞こうと思っていたんですけど、いろいろ事情があって聞けなかったので、ちょっと、大臣、こういったものをちゃんと調査すべきじゃないですか。これは、個別企業だと言って逃げないでくださいよ、ちゃんと調査しますと言ってくださいよ。
#155
○国務大臣(塩崎恭久君) 個社の問題についてはコメントは差し控えたいと思いますけれども、実際、企画業務型裁量労働制と銘打っていながら必ずしもその法律の趣旨並びにその定めに合っていないというものについては、当然、不適切な運用でありますから、これは労働基準法違反ということを確認された場合には当然しっかりと指導して、厳しく指導していかなきゃいけないというふうに思いますので、営業ということでありますけれども、これは、やはり自社の経営そのものに影響を与えるような先であったり、あるいは事業場でも全体に影響を与えるようなものに限られるわけでありますし、それから、三年から五年の経験がなければいけないということも守られていないならば、それは問題になり得るわけでありますので、そういうことをもろもろやはりきちっと見た上で、私どもとしても、法が遵守されているかどうかは見ていきたいというふうに思います。
#156
○小池晃君 限られると言うけど、社員の三人に一人なんですよ。全然限られていないじゃないですか。私、昨年の予算委員会で取り上げたソニーも、もうかなりの社員が裁量労働制になっているという実態も示しましたよ。これ、広がっている。
 同時に、じゃ、企画業務型の裁量労働制の労働者って一体何人いるのかと聞いても答えられないわけですよね、政府は。かつて二〇〇三年の国会では私どもの山口富男衆議院議員が質問して、六千七百四十四人が企画業務型裁量労働制と答弁したこともあります。それから、二〇〇七年には東京労働局がそういう調査もやりました。
 私は、この企画業務型の営業職への拡大が今も実態として本当に野方図になっている、広がるんじゃないかということを言っているときに、少なくともやっぱりこれ調査すべきじゃないですか、労働者の数。どうですか。
#157
○政府参考人(山越敬一君) 企画業務型裁量労働制の対象労働者数でございますけれども、これは、統計調査である就労条件総合調査などを基に推計ができるというふうに考えておりまして、毎年この推計結果については公表することを考えてまいりたいと思います。
#158
○小池晃君 いや、それはあくまで推計結果で、数%みたいな話しか出ていないんです。実際の数字をやっぱり示すべきだと。
 それに加えて、今出している労働基準法改悪案では、今義務になっている六か月ごとの使用者の監督署への報告を制度導入後六か月のみとすると。もう一回こっきりで終わりにしちゃうというんですよ。今までは六か月ごとに報告義務があったのを一回報告したら終わりにすると。これ、とんでもないじゃないですか。労働者保護に逆行するんじゃないですか。こんなことは撤回すべきだと思います。
 大臣、これやめてください、こんな規制緩和は。今ですら裁量労働制の把握ができていない。その調査を更に、六か月ごとにやっていたものをもう六か月やったら終わりでいい、こんなことはとんでもないと思いますよ。いかがですか。
#159
○国務大臣(塩崎恭久君) これ、労政審の建議において、御指摘のこの定期報告についての、企業が制度を導入してから最初の六か月後にだけを行えばよいという方針が示されたことを受けての決めたことでございまして、これ、企画業務型裁量労働制が制度として定着をしてきたということ、それから手続の簡素化を図るという観点、そして健康・福祉確保措置の実施状況について事業場に書類の保存を義務付けることにより、定期報告は最初に行えばよいということになったと理解をしているわけでございますので、先生の御意見は御意見として受けてまいりたいというふうに思います。
#160
○小池晃君 しっかり労働者保護をしていただきたいと思います。
 終わります。
#161
○片山大介君 日本維新の会の片山大介でございます。
 私も働き方改革について質問させていただきたいと思います。何人かの先生がお話をされているので、重ならないようにしたいと思います。
 それで、私も自分の社会人生活振り返ると、やはり長時間労働を是正したいなと思っても、なかなかそれを自ら率先することはできなかったと、気付けばいつも毎日毎日夜遅くまで仕事をしていたという思いがあります。ですから、今回、実現会議が計画を取りまとめて、そして法改正につなげていくということに対して、私は評価していいというふうに思っております。
 それで、先週の十七日に、その前の労使の合意があった、焦点になっていた繁忙期の上限規制、これが百時間未満ということで合意されたと、それが紹介されました。
 その百時間というのを一日単位で見るとどうなのかなというふうに思って、一か月、二十日間の平日で見てみると、大体残業時間が五時間ぐらい、そうすると大体午後十一時ぐらいまで仕事をすると。その後、通勤時間で帰ると大体家に帰るのが午前零時頃になる。そうするとお風呂に入って寝るだけという生活で、やっぱりそう考えると、一日の労働時間で見るとやはりこれは長いなというふうにあるんですが、まずそこで厚労省にお伺いしたいのが、今回の百時間未満の枠内で労働者の健康確保という観点から望まれる時間というか、それはどういうふうに考えているのか、まずお伺いしたいと思います。
#162
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回のこの政労使提案、労使の合意を受けて政労使で提案をさせていただいた時間外労働の上限規制は、月四十五時間かつ年三百六十時間を原則としておりまして、一時的な業務量の増加がやむを得ない場合に限って一年七百二十時間と、そういう特例も認めるということにしたわけでありますが、御指摘のとおり一か月当たりの時間外労働の限度は原則月四十五時間でありますので、臨時的な特別の事情がある場合に該当すると労使が合意しなければこれを上回ることはできないし、この特例は年に六回だけということに限られるわけでございます。
 十三日の労使合意では、特別条項を適用する場合でも、上限時間水準までの協定を安易に締結するのではなく、月四十五時間、年三百六十時間の原則的上限に近づける努力が重要だと。ですから、上限が、臨時的な上限があるからといって、そこまで行っていいということを言っているわけではなくて、むしろ原則は、あくまで月四十五時間、年三百六十時間の原則であって、それにいかに近づけるようにする努力をするかということが大事なんだということが明記をされております。
 そのことを労基法に書き込んで、規則として、規定して指針を設けるということにしていこうということで、その哲学を入れ込んでいこうというふうに思っているわけでございまして、新たに労働基準法に指針を定める規定を設けて、行政官庁は必要な助言、指導を行うということになっておりますので、これを踏まえた法整備を行って、しっかりとその法に基づいた指導を行って、少しでも長時間労働がなくなって過労死ゼロになるようにしていきたいというふうに思います。
#163
○片山大介君 それはおっしゃるとおりで、原則はあくまでも四十五時間だと、だから、あくまでもこの今百時間未満というのは特例にすぎないということで、それをしっかりやるために、配付資料で二枚目にも、可能な限り労働時間の延長を短くするというふうにも明記されていますし、その指針を定めると、そしてさらに政府などによる労使に対しての助言や指導をやるという、これでしっかりやっていただきたいというふうに思っているんですが。
 あと、今回の法改正というのは五年後には見直すことにしているということにしているんですが、そうすると、今後厚労省としては原則としてこの上限規制の時間というのは原則の四十五時間に近づけていくべきだという認識でいいのかどうか、これ改めて聞きたいと思いますが。
#164
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたとおり、そのとおりだというふうに思います。
#165
○片山大介君 そうすると、四十五時間に近づけていくべきだと。
 そうなると、今、それ以外に、例えば割増し賃金が五割以上に引き上がる時間が六十時間だとか、あとは医師の面接指導を義務付けられる時間が百時間だとかという、その四十五時間を超えた場合を想定した基準というのが併存している状況になっているんですけれども、それについても今後見直していく必要が出てくるのじゃないかと。今までは青天井だったところもあるから、そういう規制をやっていることが抑制効果があったのかもしれないけれども、今後この原則に近づけていくのであればそうした点も見直す対象になってくるんじゃないかと思いますが、それについてはいかがでしょうか。
#166
○国務大臣(塩崎恭久君) そもそも過重な労働は避けるというのが原則だというふうに思います。
 この今の割増し賃金率の二五%、あるいは今度中小企業も含めて今提出している労基法でいけば五〇%ということで、これはあくまでも抑制を利かせるためのものと理解をすべきかなというふうに思っているわけでございまして、割増し賃金率というのはやっぱり抑止効果を狙ったものだというふうに考えるべきだと思います。
 平成二十年の労働基準法の改正によりまして、新たに今御指摘になった月六十時間というのが、そういう区分ができました。これを超える時間外労働について、大企業に対する割増し賃金率を従来の二五%から五〇%に引き上げると、それから、大臣告示において、月四十五時間などを超える時間外労働については通常よりも高い割増し賃金率とするように努めなければならない旨を定めて、長時間労働の是正に向けた対応を図ってこれまできたわけですね。
 さらに、現在提出している労働基準法改正法案では、先ほど申し上げたとおり、中小企業にも月六十時間を超える時間外労働への割増し賃金率について、今は二五%ですけれども、これを五〇%に引き上げるということで、私どもとしては、もう既に出して二年たっているわけでありますが、この法案の成立をお願いをしたいというふうに考えているわけでございまして、十三日の労使合意では、特別条項を適用する場合でも、先ほど先生からも御指摘があったように、上限時間水準までの協定を安易に締結するのではなくて、月四十五時間、年三百六十時間の原則的上限に近づける努力が重要だと明記をしているわけでありますので、この合意を受けて、私どもとしては労基法の中に指針を入れ込んで、書き込んで、その哲学を入れて、しっかりと長時間労働を回避する努力を皆さんにしていただくように指導していきたいというふうに思っております。
#167
○片山大介君 是非、原則に近づけるために、その周辺の整備もきちんとしてほしいなと思います。
 それで、ちょっと時間がないので、次にインターバル制度についてお伺いしたいと思います。
 それで、日本では今一部の企業で自発的に導入されていると。それで、そのパーセンテージが二%程度ですか、だからかなり少ないし、それから時間も海外の十一時間に比べると相当短いような感じになっているという感じですね。
 それで、今回は、先週の会議の中でも、このインターバル制度について企業に努力義務を課すということが明記されたと、そして普及の促進に向けて有識者による検討会も立ち上げるということになっているんですが、これまで努力義務というので、やっぱり実際のところ効果が薄いんだと思うんですけれども、これ実効力を持たせられることができるのかどうか、そこの判断、まずお伺いしたいと思います。
#168
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、労使合意の中で、初めて努力義務という形でインターバル規制を入れるということが労使の間で合意ができたというのは、それはそれなりにやはり大きな前進だったんだろうというふうに思います。
 考え方としては、これは前向きに捉えるべき考え方ということは、これはもう政府としても申し上げてきたわけでありますけれども、いかんせん、実際の企業の中で導入をしているところがせいぜい二・二%ということは何度も申し上げてきたわけでありますので、今回、努力義務ということを法律の中で書き込むということで進んでいこう、そちらの方向に行こう、そして御指摘の、助成金がありますから、助成金を活用しながら、そしてまた同時に好事例の周知をしながら、規制導入についての環境整備を進めていくということではないかというふうに思っておりまして、この支給要件も九時間以上の勤務間インターバルを導入することを求めておりますけど、これは働く方の生活時間や睡眠時間等を考慮して設定したものだということでございますので、EUの場合も業種によってはいろんな考え方があるようでございますので、そういうことをよく見ながら今後も考えていきたいというふうに思います。
#169
○片山大介君 やはり、その法的規制にまだどうしても及び腰になっている感があると思うので、しっかり強めてほしいと思っているのと、あと、今助成の話について大臣おっしゃったんですが、その助成の対象がたしか九時間以上からというふうに大臣はこれまで答弁されたことがあるかと思うんですが、何で九時間以上なのかを教えていただきたいと思うんですが。
#170
○国務大臣(塩崎恭久君) これ、何度か御答弁申し上げておりますけれども、一番は睡眠時間が働く人にとっては一番大事だということで、睡眠時間を考えているということ、その他生活時間を考えてこの九時間というふうにしていますけど、ヨーロッパはEU指令で十一時間となっているわけでありまして、私どもとしても、九時間とは助成金の支給要件としてしていますけれども、十一時間にするということであれば助成金の上限額を引き上げて、インターバル時間数ができるだけ多く確保できるように政策的に促していくということをこの助成金の要件の中でも入れ込んでいるわけでございますので、九時間が、それでいいんだと言っているわけではなく、それは労使で決めることだけれども、できるだけ長く取った方がそれはいいだろうということを私どもとしても推奨しているということだと思います。
#171
○片山大介君 その九時間というのが、だから、今大臣言われたように、睡眠時間と通勤時間とか、あと入浴時間を足したものとなっている、これの平均を足したのが大体九時間というところからそれはきていると言うんですけれども、これだと、私がこの質問の冒頭で言ったように、やっぱり帰って寝るだけということの時間と一緒なんですよ。だから、基本的に生理的な時間過ごすだけのインターバルになっちゃっていて、これ、本来のこのインターバルの目的というのは生活時間の確保というところにあったと思うので、そういう意味では、九時間以上、十一時間以上に対しては割増しとかってあるのかもしれないですけれども、もっとこれしっかりと上限の目標を、これこそ上限の目標をしっかり立てた方がいいんじゃないかなと思いますが、いかがでしょうか。
#172
○国務大臣(塩崎恭久君) あくまでも、何といいますか、上限として、あるいは少なくともこれだけは取った方がいいんじゃないですかということを申し上げている時間だと思うんですね。ですから、本来はもっと取ってゆったりとした方がかえっていい仕事ができるということにもなるので、最悪でもそのぐらいかなということを申し上げているんだろうと思いますし、ヨーロッパの十一時間というのは、まさにその基準として十一時間ということで合意をしたというのがEUなんだろうというふうに思いますが、そこに合意ができるかどうかは、今回の労使の合意で長時間労働についての答えが出ましたから、こういうような形で話合いをどんどん進めていっていろんなことを決め込んでいくということは大変大事なことだというふうに思います。
#173
○片山大介君 そして次に、勤務管理についてちょっとお伺いしたいんですが、今のような対策を実効力のあるものにするためには、やはり勤務管理、実労働時間の管理というのをしっかりすることが必要だと思います。
 それで、これまでの会議でも有識者から実労働時間の把握義務というのをこれは法律に明記した方がいいんじゃないかというような意見も述べられているようなんですけれども、それで、厚労省は今年一月に、社員が自己申告をした労働時間について正確にできるだけ把握するように求めるガイドラインも作った。だけど、こっちの厚労省が作ったガイドラインの方はやっぱり強制力ないんですよね。それで、会議の方では識者の方が法律に明記すべきだというふうに言っていて、ちょっとここ分かれているというか、それがあると思うんですが、やはりこれは実効力がなければいけないと思うんですけれども、このためにはちょっとどういうふうにしていったらいいというふうにお思いなのか、お伺いしたいんですが。
#174
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生おっしゃっているのは、あるべき姿ということでおっしゃっていただいていると思いますが、今回のこの一月二十日に出しましたガイドラインの案につきましては、これまでは厚生労働省の中の労働局向けに通達を出していたということで内向きの話でやっていて、指導はこういうふうにしなさいみたいなことでやっていたわけですけど、今回は、むしろ労働時間の適正な把握をしてくださいね、こういうやり方に従ってというのを企業向けにガイドラインとして初めて出させていただいたと。
 こういうことで、電通の問題なんかも受けて、これはやはり企業にしっかりとやってもらわないといけないので、指導のことばっかり言っているんじゃなくて、むしろ企業が自らこのガイドラインをもって適正な労働時間の把握の仕方というものを確立をしてもらいたいということで周知をするということになっているわけでございまして、我々としても、厚生労働省のホームページにガイドラインを解説をしたリーフレットを掲載をしております。それから、使用者団体に要請をしたり、あるいは労働局において各地の商工会議所等の傘下の事業主に周知を依頼するなどして、このガイドラインをできる限りしっかり読んでいただいた上で、それぞれが働く人のために適正時間把握をしてもらいたいというふうに考えているところでございます。
#175
○片山大介君 私の社会人経験からいうと、この実労働時間の把握って一番できていなくて、これがやっぱり長時間労働だとかサービス残業につながっていった一番の根底にあるなと思っているので、ここについては是非取り組んでいただきたいなと思っています。
 それで、ちょっと時間ないので、次、同一労働同一賃金もちょっとお伺いしたいので、これについて聞かせていただきます。
 それで、去年暮れに初めてのガイドライン案が示されて、そのガイドライン案では、同じ企業内で正規と非正規の場合で待遇の差があった場合に、何が合理的なのか、またそうでないのかというのを示したというふうになっているんですが、私は、非正規にも昇給を行って、それで賞与を支払うような可能性にまで言及したということは評価できると思うんです。私のこれまでの知り合いなんかでも、やっぱり賞与をもらえていないような人いっぱいいましたから、そういう意味ではそれはすごく評価できると思うんですが、だけど、あのガイドラインを見て思ったのは、手当などの平等化というのはやっぱり簡単じゃないだろうなというふうに思うんですね。
 御存じのように、日本の給与体系というのは、職能給だとか職務給だとか実に複雑ですから、そんな中で、そのガイドライン案では、それぞれの給与というのは明確に分解できるということを何か前提の下に書いてあるような気がするんですけれども、それは私、現場レベルとか企業レベルではなかなか簡単にはいかないと思うんですよね。だから、まずそれについて大臣どうお考えなのか、お伺いしたいんですが。
#176
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、同一労働同一賃金のガイドラインの前文というのがありまして、そこに今後の課題ということも同時に書きました。それは、やはり職務を明確化をして、それに必要な能力も定義をして、そして公正な評価をする体制をどうつくるかということと、それにのっとって正規、非正規共通の併せた賃金体系を新たにつくっていかないといけないということで、先生御指摘のように、そう簡単に分解できないんじゃないかということは、おっしゃるとおり、今までやってきていなかっただけにそう簡単なことではないとは思いますが、このことをやらないで働く人たちの納得感も、あるいは非正規の方の賃金が安いから上げるといっても、どれだけ上げるのかという根拠も出てこないとなれば、正規の方、非正規の方、双方に納得感が生まれないということになってしまうので、難しくてもやはり分解できて評価ができる、あるいは明確化できる職務についてはやはりしっかりと描き切るということがないとなかなか同一労働同一賃金というのが実現しないんだろうと思うので、そういうところはやはり今までやったことのない努力をしなければいけないんじゃないかというふうに思います。
#177
○片山大介君 私は、だから会社側に待遇差についてのやっぱり説明責任、これを持たせなきゃいけないと思っています。これも議論になっていますが。
 今月開かれた厚労省の同一労働同一賃金の検討会でも、会社側の説明責任を強化充実する必要があるということが指摘されていますよね。それで、その強化充実がどこに当たるのか、私よく分からなくて、これは働いている側が会社の方に求めたら教えてもらえるということなのか、それとも契約時に説明を受けられることができるのか、ちょっとこれによっては受取方かなり変わってくるかと思うんですね。
 非正規で働いている人というのは、そもそも正規の人が幾らもらっているかなんというのは分かるわけがないですし、最初から説明受けないと、その疑念に対しての意識も芽生えないですから、それはしっかりやるべきだと思うんですが、そこについてはどこまで果たされるのか、これもまた法律にきちっと明記するのか、そこの二点についてちょっと最後お伺いしたいと思います。
#178
○国務大臣(塩崎恭久君) この中身については、この間の柳川先生の検討会で出てきた報告書はありますけれども、説明義務の強化という方向性は指し示されたというふうに思いますが、それをどういうふうにするのか。まさに説明責任というのは、先ほど申し上げたような、職務をきちっと定義して、必要な能力を定義して、そして公正な評価をする体制を組むということが必要なわけでありますので、この中身についてはやはりしっかりとまず実行計画の中に考え方を入れ込み、その後、不十分なところはやはり労政審でしっかりと議論していただいて、法制化するべきものはどういうものなのかということをしっかり議論していきたいなというふうに思っておりますので、御指摘の問題意識は十分受け止めてまいりたいというふうに思います。
#179
○片山大介君 しっかりお願いいたします。
 ありがとうございました。
#180
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 まず始めに、生活保護受給者の子供の大学進学の問題について御質問をいたします。
   〔委員長退席、理事島村大君着席〕
 高校進学においては、一九七〇年、生活保護を受けている家庭でも世帯内就学が実現をしました。今、大学の進学率も五三・九%、一般世帯になっています。つまり、もう大学に行く子供が半分以上になっていると。しかし、生活保護世帯は一九・二%にとどまっています。
 厚生労働省は、社会・援護局関係主管課長会議資料の中で、各実施機関においても、大学等へ進学を希望する子供がいる生活保護受給世帯に対して、世帯分離という仕組みの活用等を通じて大学等に進学することができることについて、丁寧な説明をお願いしたいとしています。
 他方で、世帯分離によって生活保護受給額が減ってしまい、そのことが大学進学を諦めさせてしまうというおそれが出てきています。働けるじゃないかと言われるので大学に行く子供を世帯分離をするが、そのことによって生活保護の受給額が減ってしまって大学進学が困難になると。
 高校に次いで今大学の進学率が半分以上になっているということから、大学進学についても世帯内就学を認めるべきではないでしょうか、いかがでしょうか。
#181
○政府参考人(定塚由美子君) お答え申し上げます。
 生活保護制度は、働ける方は働いて収入を得ていただくなど、あらゆるものを活用した上で、それでもなお最低限度の生活に不足する分に対して全額公費でカバーをするというものでございます。
 生活保護世帯の子供の進学を考える際には、一般世帯でも、高校を卒業した若者について、進学する方もいるが、働いて自活するという方も少なからずおられるため、こういった方々とのバランスも考えるという必要があると考えております。
 また、大学に行かれている方につきましても、一般世帯の低所得の世帯では、自ら学費や生活費を賄いながら、アルバイトなどをして親からの仕送りを受けずに大学に通っている若者もおられますので、こうした方々とのバランスも考えながら、生活保護制度において、大学生、進学を認めて生活保護費から生活費を出すようにすることについては慎重に検討することが必要であると考えております。
 しかしながら、生活保護世帯の意欲と能力のある若者が大学に進学を希望する場合には進学ができるようにするということ、これは貧困の連鎖を断つという観点からも大変重要なことと考えております。現在では、こうした若者については、働いて自活することを求めるのではなく、本人分の保護費が支給されない取扱いとするということをして、さらに、生活保護世帯の子供本人のアルバイト収入や奨学金などを大学などの入学金、受験料などに充てることができるよう、収入として認定せずに保護費を減額しないこととするということで支援を拡大してきているところでございます。
 今後、こうした観点も含めまして、現在、生活保護基準や制度の見直しを検討中でございますので、この中で何が必要か検討してまいりたい、このように考えております。
#182
○福島みずほ君 子供の貧困に取り組むグループあるいは大学生などの話を聞くと、やっぱり大学進学が困難であるという話、大学生活が大変であるという話がとても出てきています。
   〔理事島村大君退席、委員長着席〕
 かつてと違って、今、大学進学率が一般世帯で五三・九%、生活保護世帯はそれに比べて一九・二%であると。私は、もちろん全ての子供が大学に行くという必要は全くないし、高校出て、中学出て働くという選択肢ももちろんあり得るし、大事だと思っているんです。問題は、生活保護家庭の子供で大学に行きたいと思ったときに、これ世帯分離するしかないんですよね。世帯分離するしかなくて、そうすると、今まで例えば十九万、母子家庭でお母さんもらっていたのが十何万になるとかということが起きて、むしろ大学進学が困難になってしまう。だとすると、世帯分離って不自然なんじゃないか。何が何でも大学に行かなくちゃいけないということを言っているわけではないんです。望む子供が大学に行きたいと思ったときに、世帯分離の方法しかないというのが問題ではないか。
 高校は、既にこの世帯分離をやめて世帯内で就学できるようになっているわけですよね。さっきの例でいうと、例えば、世帯分離、二人世帯で生活保護受給額が約十九万円、母のみの単身世帯扱いで生活保護受給額が約十三万円となって、大学に行きたい、だから世帯分離をして行くしかない。そうすると、収入、生活保護が減っちゃうんですよ。そうすると、大学に行きたいと思ったけれども、逆にすごく生活が苦しくなる。これはおかしいではないですか。
 かつて高校について判断をしたことが、今、大学についても判断、決断すべきではないでしょうか、いかがでしょうか。
#183
○政府参考人(定塚由美子君) 大学進学につきましては、先ほども申し上げましたけれども、同じ年齢で一般世帯の方でも、親から自立をして、親からの仕送りを受けずに自分でアルバイトや奨学金で自活をしているという学生さんも少なからずおられます。こうした方々とのバランスというのも考えながら慎重に検討する必要があると考えております。
 ただ一方で、生活保護家庭のお子さんが大学に行けないという誤解も一部にあるとは伺っておりますので、こうしたことがないように、今回、地方自治体向けの会議で制度の周知を図りましたし、いろいろな支援策も現状でもございますので、こうしたこともしっかり周知をしてまいりたいと考えております。
#184
○福島みずほ君 生活保護家庭の子供が大学に行けないわけではないが、大学に行くためには世帯分離をせざるを得ず、そうすると受給額ががくっと落ちてしまう。そうすると、せっかく大学に行きたいと思っても、その生活保護の家庭、例えば母子家庭で、そうしたら、大学に行く決断をすると今度は受給額が減ってしまう。これだと大学進学が困難になるんですよ。
 もちろん、世の中には、貧しくて、貧しくてというか経済的な理由から全く自活している大学生もいます。でも、その結果、何百万という借金背負って、奨学金背負っているわけです。私は、もう大学進学率が五割を超えている段階で、かつての高校と同じように、大学に進学する子供に関して、世帯分離しなければ大学に行けないというのは見直すべきだと思っています。是非この点は考えてください。世帯で受け取る生活受給額が減れば、やっぱりそれは大学進学困難になりますよ。で、また奨学金の借金がという悪循環になっていくので、是非、生活保護家庭でも大学に行ける、でも、そのためには世帯分離をしなくちゃいけない、これはやめていただきたい。是非、厚労省の中で考えていただきたい。ちょっとこれ、時間が余りなくて、塩崎大臣、こういう議論聞かれてどう思われますか。
#185
○国務大臣(塩崎恭久君) これ、いろいろ我々でも議論をしているところでありますけれども、大事なことは、やっぱり貧困の連鎖を絶たないといけないと、そして、いかなる子供さんであっても、やっぱり学びたい人には学ぶチャンスを与えないといけないということは、これ総理も何度も申し上げていることであります。
 生活保護の方が大学に行きづらい、あるいは児童養護施設の卒業生が難しいというのがまず出ておりまして、今回、給付型の奨学金でまず第一にこれをやろうということでありますけれども、しかし、生活困窮者の世帯の方々も非常に苦しい、生活保護にはならないで頑張っている人たちがいる、じゃ、そこの大学に行きたい人たちはどうするんだというようなこともあって、いろいろやはりバランスを考えながら、あらゆる子供さんにチャンスがあるようにしていくためにどういう制度があり得るのか、税金を使いながらのことでありますので、しっかり議論していきたいと考えております。
#186
○福島みずほ君 生活保護世帯は一九・二%にとどまっている、これを是非改善をしていっていただきたいと思います。
 次に、児童相談所の子供たちの問題についてお聞きをいたします。
 児童相談所に保護されている子供の学校に通う権利、携帯電話所持などの通信の権利、弁護士との交通権に関する現状把握はいかがでしょうか。
#187
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 児童相談所の一時保護所の子供たちの状況につきましては、平成二十七年度に実施いたしました児童相談所一時保護所の更なる質の向上のための調査研究事業というもので把握をしてございます。
 本調査結果によりますと、回答のありました一時保護所のうちに、約三二%の一時保護所では学校に通っている子供がいる、ただし、この場合、通学人数を改めて見ますと、いると回答した施設で平均約一人ということですので、まさにそういう子がいたという意味で先ほどの三二%の数字かと思います。
 また、お尋ねの携帯電話などの所持の状況につきましては、九七%の一時保護所で必要なもの以外の私物、これは携帯電話を含むと思いますが、は持込みを禁止というルールが定められておりますし、さらに、全ての一時保護所で無断での外部との連絡の禁止というルールが定められている実態というふうに承知をしております。
 なお、お尋ねの中での弁護士に対する意見表明の機会というものについては、この調査では把握をできていないところでございます。
#188
○福島みずほ君 児童相談所に保護されている子供たちや周りの人たちに聞くと、やっぱり今おっしゃったように学校に通えないんですよね。だから、助けを求めて児童相談所に入ったとして、学校に通えない、そうすると、友達と全く切れてしまうし、ずっと学校に通わないと、勉強もそうだし、友達との関係ももう切れてしまう。もちろん、親が追っかけてくるとか、いろいろなケースは、駄目な場合もあると思いますが、私は、子供はやっぱり学校に行きたい、行きたい子は、その客観的状況、条件が満たせば、できるだけ、やっぱり子供を隔離して学校に行けないようにしているという状況は子供にとってとてもつらいと思うんですね。あるいは、携帯電話も、これはいろいろな問題があるかもしれませんが、要するに、児童相談所って行きたくないという話を聞くんですね。行ったら学校に全く行けなくなるし、携帯電話も全て取り上げられちゃうし、もう外に出られなくなっちゃう、行きたくないという声聞くんです。これだったら、でも、本当は児童相談所に、もう求める声はたくさんあるわけで、是非これを考えていただきたい、せめて学校に行ける権利というのを何とか考えていただきたい、いかがでしょうか。
#189
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 確かに、一時保護というのは、委員も御指摘のように、片一方で安全確保とか心身の状況、環境を把握するということもございますので、子供たちの安全の確保という、あるいは心身の安定ということを考えますと、ある一定、この外部との通信など、行き来を遮断する、そういうルールを設けるというのも致し方ないかなというふうには思っております。
 ただ、おっしゃるように、例えば子供の学習ということについては我々も大事だと思っておりまして、これまでも入っておられるお子さん方の個々の学力に応じた学習支援ということをその一時保護所内で行えるように、学習指導協力員あるいは学校の教員のOBの方々に来ていただいて、それぞれ中で学校に準じたような教育をする機会を設けていただくなどの取組をしておりますが、実態も十分把握しながら、私どもとして問題意識を持ってこれからも取り組んでいきたいと思います。
#190
○福島みずほ君 児童相談所に入ったら、今までの友達全部失っちゃうわけですよね。つまり、突然学校からいなくなっちゃうわけで、それは子供にとってもとてもつらいと思います。学習支援をやっていらっしゃるのは存じていますが、是非、学校に通う権利とかそういう保障、児童相談所がまさに子供たちのためのもっと施設になるように、是非御検討をよろしくお願いします。
 次に、肝炎についてお聞きをいたします。
 C型肝炎救済特別措置法は議員立法によって制定され、二〇〇八年にでき、法改正で給付金の請求期限が法施行後五年から十年に延長されました。ですが、請求の期限が来年一月十五日で再延長が必要だと考えております。
 そして、この肝炎の問題で残っている問題は、とりわけ薬害防止のための第三者機関の問題です。この厚生労働委員会でも随分議論をしてまいりました。最終提言の中で、まさにこの第三者機関をつくれと、評価組織の創設というのが残っております。これをきちっとした形の第三者機関をつくる、その決意を教えてください。
#191
○政府参考人(武田俊彦君) まず、C型肝炎救済特別措置法の関係でございます。
 このC型肝炎救済特別措置法につきましては、感染被害者の製剤投与の時期を問わない早期一律救済の要請に応えるため、平成二十年に議員立法により成立をいたしました。平成二十四年九月には議員立法により改正がなされ、当初は平成二十五年一月十五日までであった給付金の請求期限は、現在では平成三十年一月十五日となっているところでございます。
 厚生労働省といたしましては、給付金支給の対象者の方々が期限までに請求できるように、様々な広報手段を用いてこの制度の周知に万全を期してまいりたいというふうに思っております。
 御指摘の再延長の点につきましては、これまでこの法律の制定、改正は議員立法により行われていることから、厚生労働省としては、立法府での御議論の行方を注視しつつ、必要な対応を行ってまいりたいと考えてございます。
 それから、第三者組織についても御指摘ございました。
 医薬品行政を監視、評価する第三者組織の設置につきましては、薬事法の改正を検討していた平成二十五年当時、議員連盟におきまして、与野党を超えて幅広い、精力的に御検討をいただいたものの、関係者の合意による成案を得るに至らなかったと承知をしているところでございます。
 厚生労働省といたしましては、多くの方の賛同を得ながら進めるため、議員連盟と原告団、弁護団が意思疎通される中に厚生労働省も入る形で引き続き真摯に対応を検討してまいりたいと考えております。
#192
○福島みずほ君 きちっとした第三者機関を早急につくるということを是非しっかりやってくださるようお願いいたします。
 子供の医療費助成を行う自治体へのペナルティー廃止についてお聞きをいたします。
 厚労省は、保険局国民健康保険課長発出で、子供の医療費助成に係る国保の減額調整に関する検討結果について、配付資料ですが、そこにおいて、未就学児までを対象とする自治体の医療費助成に関して、国保の減額調整を平成三十年度から廃止する旨、通知をいたしました。
 このペナルティー廃止を小中高と広げていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
#193
○政府参考人(鈴木康裕君) 国民健康保険の減額調整措置について御質問ございました。
 この措置は、一般的には、自治体が医療費の自己負担分を助成する場合には医療費が伸びる可能性があると、公平な財源を配分するために減額調整をしているものでございます。このうち、子供については、御指摘のように、昨年六月の一億総活躍プランにおいて、検討会の取りまとめを踏まえて年末までに結論を得るということにされておりまして、審議会の結論を得て、御指摘のように、三十年度より、未就学児まで対象とするような助成については減額措置を行わないということにしております。
 この未就学児までということでございますが、二つ理由がございまして、一つは、未就学児までであれば全ての市町村が何らかの助成を実施しているという実態、それからもう一つは、原則三割となっております医療保険制度の窓口負担が未就学児までは二割とされていることでございまして、これらを踏まえて、限られた財源の中、自治体間の公平も勘案しつつ判断したものであり、御理解をいただきたいというふうに思います。
#194
○福島みずほ君 このペナルティーが廃止になったことは良かったと思っているんですが、是非これを拡大し、それから、今は自治体がやっていますけれども、国自身が医療費の助成、子供たちに関しては厚労省自身がそういうことを進めていくということを是非お願いしたいと思います。
 医療ケアを要する子供への支援についての質問は、もう時間ですので、是非、医療ケアを要する子供への支援、三月末にまとめて、それから発表ということですが、実際、周りの医療ケアを必要とする子供を抱えているお母さん、ママたちから、やはり保育園に入れないという話も聞いております。普通の子供たちと小さいときから一緒に育っていくということはとても大事だと思っていますので、この結果を踏まえてまた是非取り組んでくださるようお願い申し上げ、質問を終わります。
#195
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。
 まず初めに、大臣にお礼を申し上げたいと思います。先日、ハーボニーにつきまして議論させていただきました。もちろん私が議論したからではないと思いますけれども、早速、薬剤の流通ルート、安全性の確保に関しての審議会も立ち上げてくださったということ、本当にこのような迅速な対応いただきましたことをお礼を申し上げたいと思います。
 ところで、今日の話題に移りますけれども、皆様方に資料もお配りをいたしております。治療と職業生活の両立支援のためのパイロット事業でございます。まさに院内にオフィスをつくるという新しい発想、私は新聞で拝見をいたしまして、本当に椅子からずり落ちそうになるほど驚きました。しっかりこのことにつきまして今日は議論させていただきたいと思います。
 一体、この事業、必要性があったのか。そのニード調査というものをしっかり行った上でこの事業というものを起こされたのか。まず、大臣、御意見いただけますでしょうか、お願い申し上げます。
#196
○国務大臣(塩崎恭久君) がん患者などが希望や能力、疾病の特性等に応じて最大限活躍できる環境を整備することは、一億総活躍社会を実現していくために重要な取組だということでございます。
 現状では、がん患者などが治療を続けながら働くための制度や社内の理解が不十分であることなどいろんな理由があって、多くの方が治療のために離職をするという方々がかなり多いと聞いております。がんの場合、約三四%の方がすぐに離職をしてしまう。
 一方で、幾つかの病院からヒアリングを実施した結果、患者の中には、例えば退院が近くなった際に職場復帰に向けてテレワーク用のスペースが設けてあれば利用したいというような一定のニーズがあるというふうにも聞いておりますし、例えば糖尿病の指導入院患者、あるいは足だけ骨折しているとかそういうような方々、あるいは他の病気でも場合によってはそういった安定期というのがあるのかも分からないということで、一定のニーズがあるのではないかというふうに見ているところでございまして、このため、二十九年度の予算において、病院内に患者の職場復帰を支援するためのテレワークコーナーを設置をして、もちろん医師の許可が必要なわけでありますが、それがあった場合に入院患者等に利用していただくパイロット事業というものをまず行ってみようということで、入院患者の円滑な職場復帰に対する支援としてやれるかどうか、そして、それができるならば、病気治療と仕事の両立を図れる手だてにもなり得るかということでパイロット事業をさせていただくと、こういうことでございます。
#197
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 先ほどから出ております働き方改革、本当にこの方向性でいいんでしょうかということです。
 皆様方に資料三を付けさせていただいております。内閣府ががん対策に関する世論調査を行っております。がんと先ほども大臣おっしゃいましたけれども、やはり一番問題になってくるのが、長く治療をしておかなきゃいけない、また、退院してもまた入院しなければならない、こういう方々が一番心配なのが就業でございます。その中で、両立することが六割の方々がまだまだ難しいよなと思っていらっしゃる中で、じゃ、どうしたら働き続けられるのかという調査が出ているのがこれです。短時間労働が五二%、柔軟な働き方の改革が、休暇制度が四六%、在宅勤務が約四〇%ですよね。このどこに院内オフィスという言葉が出てきているんでしょうか。まさに、本当にこのような状況下において仕事ができるのか、私もいろんながん患者さんにも尋ねてみましたけれども、とてもではないですけどできる状況ではない。
 ここに、ポンチ絵にも書いてありますように、退院前の数日間、職場復帰の準備のために短時間利用する、いわゆる短時間労働を病院でさせるということなんですよね、この趣旨が。ですから、しっかりその状態ができるのかどうなのか。まず、山越局長、どういう対象でどのような状況というものを想定していらっしゃるのか、教えていただけますでしょうか。
#198
○政府参考人(山越敬一君) このパイロット事業でございますけれども、疾病の範囲あるいはその状況については特に制限を設ける予定はないわけでございますけれども、想定される疾病といたしましては、先ほど大臣からも答弁がございましたように、骨折でございますとか糖尿病ということを想定しているわけでございます。
 このパイロット事業でございますけれども、患者の方がテレワークコーナーでの作業を申し出て、主治医が治療に影響しないと判断された場合に限って利用を認めるということにしているものでございます。
#199
○薬師寺みちよ君 先ほど一定のニーズがあるとおっしゃいました、大臣が。だから、どういう方々がこれを必要としていらっしゃるのか、しっかり想定した上で動いていただかないと、ただただ無駄に予算が使われてしまうだけですよね。がん患者さん方が本当にそのニードがあるのかといったら、ない。じゃ、誰のためにこれをつくらなければならないのか、パイロットスタディーをやらなきゃいけないのか。それが、焦点が定まっていないということ自体がまず問題かと私は言わせていただきたいと思います。
 先ほど山越局長おっしゃっていただきましたけれども、じゃ、勤務をしていい、いや、やっぱりこの人は無理だというふうに判断をするのは主治医ということでよろしいんですか、お願い申し上げます。
#200
○政府参考人(山越敬一君) 患者がこのテレワークコーナーで勤務をするに当たりましては主治医の許可が必要であるというふうに考えておりまして、主治医が許可された範囲内で、そしてまた事業主の出勤命令の下に働いていただくということになると考えております。
#201
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 主治医が判断をして、それでその指示命令系統は企業サイドにあるわけですよね。
 じゃ、どういう仕事をどういうふうにやらせるかということをしっかり調整を行うということですよね、事前に。そこはどのように考えていらっしゃいますか。
#202
○政府参考人(山越敬一君) テレワークコーナーにおきましては病院の中でテレワークをしていくわけでございまして、その勤務内容というのは最終的に労働者が希望した範囲内で事業主の指示の下に行うわけでございますけれども、その前に、これは治療とともに行うわけでございますので、主治医の方ともその勤務内容とか勤務時間とか十分相談をしていただきまして、その範囲内でやっていただくということを考えているところでございます。
#203
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 入院していらっしゃる方々の中には傷病手当金を受け取っていらっしゃる方もいらっしゃるんです。傷病手当金というのは働けないから受け取っていますよね。じゃ、ここで短時間勤務をしたら傷病手当金というものはどうなってしまうんでしょう。私は不思議でなりません。この傷病手当金が支給されている、短時間労働をそこで行う、この関係性がどのように整理をなさっていらっしゃるのか教えていただけますでしょうか、局長、お願いいたします。
#204
○政府参考人(鈴木康裕君) 入院中にテレワークをしておられる患者の方に対する傷病手当金の支給の取扱いについてお尋ねがございました。
 健康保険上、傷病手当金は、被保険者が療養のために労務に服することができず、相当額の報酬が支給されない場合に、所得保障を目的として支給されるものでございます。
 したがいまして、お尋ねの健康保険の被保険者が入院中にテレワークをする際、本来の職場における労務と同様の労務に従事し相当額の報酬を得ている場合、そう考えられる場合には傷病手当金は支給されないということでございます。
#205
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 そこで打切りということになってしまうわけですよね。病院に入院しながら治療を受ける、でもそこでオフィスができて仕事をしたらお給料は出るから、もらえるものももらえない。じゃ、本当にそれだけのもの、仕事ができているのかどうなのか。まだ治療中なわけですよね。そういう方々のことをしっかり考えていただけたんでしょうかということです。私も産業医をやっておりますけれども、病院を退院してすぐに働けるわけじゃないんですよ、次の日から。そこからまた休業が始まってしまう。何のためにこの数日間、そんな短時間勤務って焦って仕事をさせなければならないんでしょうか。私はどうしてもこの点が分かりません。
 例えば、想定をしていただいても容易に想像付くかと思いますけれども、点滴を持ちながら、じゃパソコンを片手で抱えてそこのコーナーまで行く、じゃ、そこのコーナーに行くまでの間にいろんなところを通っていくわけですよね。転びます。じゃ、それで転んでしまったらどうしたらいいんでしょう。この事故の責任って誰にあるんですか。これ、医療事故になるんですか、どうなるんですか、局長、教えていただけますか。
#206
○政府参考人(山越敬一君) テレワークコーナーを利用して労働しているときにおっしゃられましたように転倒等の事故が発生した場合の責任は、労働関係法令に従いまして使用者が負うことになるというふうに考えております。
#207
○薬師寺みちよ君 矛盾していますよね。病院の中で転んでも、結局はその責任は企業のサイドにある。何か本当にこれ、こういう制度設計の下、走り始めていいのかなということ、私でなくても多分多くの議員の先生方も心配になられると思います。
 この作業コーナーにも実は、ここに書いてあるように、管理者そして看護師を配置する。その一人分の人件費考えただけでも、それは相当に病院側にとっても負担になりますよね。本当にそれだけのニードがあって、皆様方が手を挙げて、どうしても院内で仕事をしなければならない、どうしても短時間勤務が必要だということが明確に数字で表れているんだったら協力していただける病院も増えてくると思うんですけれども、全くそういうわけでもなく、どうしてこれが思い付いてしまわれたのかということ自体がちょっと疑問を呈してしまう内容だということです。
 はっきり申しまして、いろんな話を厚労省と打合せをさせていただきました。そのときに、ネット環境自体も院内は整備されていないからという話もございました。でも、今ほとんどの方がスマホを持っていらっしゃいます。ネット環境がなくたって、いろんなやり取りも自主的にやっていらっしゃる方もいらっしゃる。営業で困っていらっしゃってどうしても連絡を取らなきゃいけないときには、ナースステーションなんかに行って、済みません、ちょっと電話だけさせてくださいというところで、そういうスペースでしていらっしゃる方もいらっしゃいます。
 あえてここにオフィスを開設するということ、ちょっとどうしても私解せないんですけれども、大臣、いかがでしょうか。これ、本当にこういう環境というものが今必要なのかどうなのか。何かこれを見ておりましても、ネット環境の改善だけに病院が使われてしまって、実際にオフィスが御利用いただけないようなどうも環境下にあるんではないかと思わざるを得ないんですけれども、大臣の御意見いただけますか。
#208
○政府参考人(山越敬一君) このパイロット事業でございますけれども、病気の治療をされている方が円滑に仕事に復帰できることを支援することを目的としている事業でございまして、円滑に仕事に復帰していただくためには段階的に仕事をしていただくということも必要であるというふうに考えております。
 この事業、パイロット事業でございますので、こういった円滑な職場復帰のためにどういったニーズとか課題があるかということについても、十分この事業の中で把握とか分析を行いながら進めていきたいと、こういうふうに考えております。
#209
○薬師寺みちよ君 局長、これ予算幾ら付いているんですか。
#210
○政府参考人(山越敬一君) この事業でございますけれども、九千七百万円余りの事業でございます。
#211
○薬師寺みちよ君 お話伺いましたら、二千万で五つぐらいの病院でトライアルをなさるということの設定でよろしいんですか。
#212
○政府参考人(山越敬一君) 今想定をしておりますのは、五か所で行うことを検討しているところでございます。
#213
○薬師寺みちよ君 その五か所をどこにするのかもすごくやっぱり問題があると思うんですね。どういうニードがあるかが分かって、そこで本当に実証実験をやってみないと分からないですよね。やみくもに、じゃ、五か所どこかつくってみて、一億円を使ってしまう、それで全然使われませんでしたよねということであったら、全く無意味ではないですか。働き方改革というこの名の下、本当に患者様であり、かつ労働者である皆様方に最良の現場を提供するために本当にその回答が院内オフィスだったのかということが、これまでちょっと議論をしただけでも矛盾点が噴出してきたと思うんです。もう一回私はしっかりこのパイロットの在り方を考えていただきたいと思います。
 大臣、回答をお願いしたいと思うんですけれども、やっぱり入院しているときに治療に専念する、これ当たり前ですよね。治療をしながらそこまでオフィスを使って仕事をさせなければならないことがあるんでしょうか。先ほど内閣府の調査にもあったように、皆様方が望んでいらっしゃるのは全然別のところにございます。短時間勤務で早く職場に復帰できるようにしてほしい、そして柔軟な休み方があればもっと自分たちも治療を受けやすくなる、そういうところにしっかり力を入れていただくべきなんではないでしょうか。どうもこの発想自体が、私自身もそうですし、多分多くの皆様方も疑問に思われていることだと思うんですけれども、御意見お願いいたします。
#214
○国務大臣(塩崎恭久君) いろんなケースがあるんだろうとは思いますが、少なくとも基本は治療で病院にいるわけですから治療をするということで、その主治医が、大分回復して、やってもいいということであれば、しかし先ほどの傷病手当金の話もございますので、どういうことがニーズとして本当にあるのかは改めて考えるべきではないのかなと。特に、私もこの仕様を見て、要件を見て、看護師さんが一人いないといけないような状態であるならば、それは治療に専念せいという意味だろうというふうに思いますので、正直どういうニーズがあるのか、そのニーズに合わせてサポートすることが大事なんだろうなと。
 しかし、それが就労なのかあるいは単なる助走なのか、そこは考えていかないといけないし、人によってはやっぱりもう必死で、医者はいいと言っているからということが大前提ではありましょうが、どうしても仕事したいという人も中にはいるのかも分からない、医者もいいと言っているということもあるかも分からないので、確かに病院にお見舞いに行くと、WiFiは用意されていてパソコンもお貸しをしますなんという病院は幾らでもあります。そういうようなことも加味して、何が必要なのかということを考えるべきではないのかなというふうに思います。
#215
○薬師寺みちよ君 そうです。まさにもう一度原点に立ち戻って見直していただかないと、だからこそ過重労働というものを起こしてしまう原因を厚労省がつくってしまっているじゃないかと言われても仕方がないんです。お願いを申し上げます。
 そうでないと、病院では働けただろうというふうに言われてしまったら、皆様方、退院なさって、そこに、現場に行けないということだけで、通勤ができないということだけで、就労できない、そんな言い訳にならないよななんということ、その言い訳として企業側のいいような材料に使われてもこれ困るんです。だから、しっかりと療養のときは療養ですし、もう少し厚生と労働とちゃんと勉強してください。今、病院で、働けるような状態の皆様方はほとんど退院をしてもらっています。ベッドの回転率を考えても、もう昔のようにだらだら入院するような時代ではないんです。それが分かった上でこれをしっかりと労働の方に指示していただきたいということが私の願いでございます。
 もう一点、皆様方に、資料二を付けていただいていますけれども、がん治療中の雇用困難ということで、逆に中小企業の皆様方は六割が治療との両立が困難だというふうに考えていることが分かっています。労働者ではございません。雇用者側でございます。やはり、中小企業の皆様方、一人でもやっぱり抜けてしまうということ、これは大変な痛手でございます。もっともっと中小企業の皆様方の、経営者の皆様方の立場に立って我々も物も考えていかなければならないと思いますが、こういう場合に、中間に入る産業保健センターの役割であったり産業医との関わりをもう少し充実して、アドバイザーとしての活用をお願いしたいと思うんですけれども、大臣の御意見、最後に一点いただけますでしょうか、お願いいたします。
#216
○国務大臣(塩崎恭久君) 平成二十八年の二月に、治療と仕事の両立支援に関する企業向けのガイドラインというのを初めて出しました。このこと自体は前向きな取組だというふうに私も見ているわけでありますが、特に今御指摘の中小企業、これについては産業保健体制というのも十分ではない、我々の事務所なんかも考えてみると必ずしも十分ではないということが間々あるわけで、その支援のために、全国の産業保健総合支援センターにおいて事業者あるいは人事労務担当者などを対象とするケアセミナーなどの開催を行っていたり、それから社会保険労務士などの専門家による企業の個別訪問指導、それから相談対応や、働く方と企業との間の個別ケースにおける調整支援などを行っているわけであります。
 さらに、両立支援を行うに当たっては、産業医は事業者に対して必要な意見を述べるなど非常に重要な役割を担うこととなるわけでありますが、このため、産業医が必要な知識を身に付けて的確な支援が行われるように、今般、産業医を養成する研修、実習の内容に、治療と職業生活の両立支援、これを新たに追加する予定でございまして、いずれにしても、産業医の在り方については、電通の問題で、例えば社員からの相談が人事系のところというか、保健管理部を通じないとなかなかつながれないとか、そういうようなこともいろいろあるようでございますので、そういったことを含めて、産業医の在り方についても実現会議の中で実行計画を作っていきたいというふうに思います。
#217
○薬師寺みちよ君 終わります。ありがとうございました。
#218
○委員長(羽生田俊君) 以上をもちまして、平成二十九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、厚生労働省所管についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#219
○委員長(羽生田俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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