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2017/04/25 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 厚生労働委員会 第13号
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2017/04/25 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 厚生労働委員会 第13号

#1
第193回国会 厚生労働委員会 第13号
平成二十九年四月二十五日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     今井絵理子君     木村 義雄君
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     自見はなこ君     和田 政宗君
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     和田 政宗君     自見はなこ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         羽生田 俊君
    理 事
                島村  大君
                そのだ修光君
                高階恵美子君
                足立 信也君
                山本 香苗君
    委 員
                石井みどり君
                小川 克巳君
                太田 房江君
                木村 義雄君
                自見はなこ君
                馬場 成志君
                藤井 基之君
               三原じゅん子君
                宮島 喜文君
                和田 政宗君
                石橋 通宏君
                川合 孝典君
                川田 龍平君
                牧山ひろえ君
                熊野 正士君
                谷合 正明君
                倉林 明子君
                片山 大介君
                福島みずほ君
               薬師寺みちよ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  橋本  岳君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       堀内 詔子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   政府参考人
       内閣法制局第四
       部長       高橋 康文君
       警察庁長官官房
       総括審議官    斉藤  実君
       警察庁長官官房
       審議官      小田部耕治君
       法務大臣官房審
       議官       加藤 俊治君
       厚生労働大臣官
       房総括審議官   宮川  晃君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局長  武田 俊彦君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    堀江  裕君
       厚生労働省保険
       局長       鈴木 康裕君
       国土交通省総合
       政策局次長    篠原 康弘君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一
 部を改正する法律案(内閣提出)
    ─────────────
#2
○委員長(羽生田俊君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、今井絵理子君及び自見はなこ君が委員を辞任され、その補欠として木村義雄君及び和田政宗君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(羽生田俊君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長堀江裕君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(羽生田俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(羽生田俊君) 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○足立信也君 おはようございます。民進党の足立信也です。
 まず、この改正案についての私の考え、気持ちを申し上げたいと思います。
 今回の改正案は、障害者権利条約に違反して、我々が目指す将来の共生社会の理念にも反していて、厚生労働省が積み上げてきた審議会の方向性にも反して、精神科医療の国際的潮流にも反するものだと。国連の自由権規約委員会からの日本への懸念は、非自発的入院が多過ぎること。今は世界中、医療モデルから社会モデルへ変わっているときです。精神保健福祉法の趣旨である精神障害者本人の利益は一体どこにあるのかと、このことを申し上げたい。
 私は、うがった見方かもしれませんが、ライシャワー事件を思い出して、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向けて非自発的入院をしやすくしようとしているとしか思えないです。厚労省でいろいろ頭をひねったのは理解しますけれども、当事者が置き去りにされていないか、現場がその意を酌み取れるかどうか、精神障害福祉の現場が酌み取れるかどうか、甚だ疑問です。やはりこの事件を考えると、薬物依存症対策はどうしたのかと、ここが抜け落ちていると言わざるを得ません。
 まず、一度目の、二回趣旨説明とその法案の概要の説明がありました、一度目のこの概要の説明、この前、一週間前、大臣は、概要を見ながら、川合委員の質問に答弁をされながら、首をひねっていろいろ考えられた、そのように答弁されていました。あのとき初めて見たのかなと僕は疑問を思いました。
 一回目のこの概念の、法案の改正の概念のポンチ絵ですね、これは最終的に誰がチェックをして誰が決定したんですか。
#7
○国務大臣(塩崎恭久君) これまで各種説明の場で用いてまいりました法案の概要資料、これにつきまして今回変更をさせていただいているわけでありますが、追加で資料を提出させていただいているわけでございますけれども、これはもちろん私が確認をした上で最終的に作成をしたものでございます。また、この概要資料の一部の見直しと四月十三日のこの委員会での理事会への提出、これに当たりましても私が内容を確認をした上で最終的に意思決定をしたものでございます。
 御指摘の四月十三日の委員会質疑における私の答弁は、十一日の委員会質疑における各委員の御指摘を踏まえ、改めて概要資料を見直した理由について御答弁申し上げたものでございます。
#8
○足立信也君 大臣がチェックをして最終決定したと、最初のものですね。ということは、他省庁の答弁者は別にして大臣に答弁を全部願いたいと、そのように思います。
 資料を配付いたしました。これは、やはり事の発端は、七月二十六日の津久井やまゆり事件、そして翌日の大臣の訪問、そして翌々日、僅か二日後の関係閣僚会議、ここの発言から端を発していると、それは間違いないことだと思います。
 まず、総理は、七月二十八日、事件を徹底的に究明し、再発防止、安全確保に全力を尽くす、厚生労働大臣を中心に関係閣僚が協力して、施設の安全確保の強化、措置入院後のフォローアップなど、様々な観点から必要な対策を早急に検討し、できるところから速やかに実行に移していくよう指示をいたします、内閣一丸となって対応していきたいと思いますと、この発言。
 同じ日、厚生労働大臣、塩崎大臣は、今回の容疑者について、精神保健福祉法に基づく措置入院の解除の判断に係る対応が適切であったかどうかの検証、措置入院後の本人に対するフォローアップの在り方などについて、関係省庁と連携して鋭意検討を進めてまいりますと。これが二日後です。
 そして、今年の、二枚目です、一月二十日の安倍内閣総理大臣の施政方針演説です。「昨年七月、障害者施設で何の罪もない多くの方々の命が奪われました。決してあってはならない事件であり、断じて許せません。」、同意します。「精神保健福祉法を改正し、措置入院患者に対して退院後も支援を継続する仕組みを設けるなど、再発防止対策をしっかりと講じてまいります。」。
 そして、次が、三枚目です、三月七日の塩崎厚生労働大臣の所信表明です。「昨年七月に相模原市の障害者支援施設で発生した痛ましい事件を受け、その検証を通じて明らかになった課題に対応するため、措置入院者が退院後に医療等の継続的な支援を確実に受けられる仕組みを整備すること等を内容とする法案を今国会に提出しました。」。
 この大臣の所信表明は今回の趣旨説明に近いものだと思いますが、今挙げましたように、総理大臣の施政方針演説の中身は大分その趣が違うと思います。精神保健福祉法改正の内容は、措置入院患者に対して退院後も支援を継続する仕組みを設ける、そして結論は再発防止対策です、こう言い切っているわけですね。
 これを、今三枚並べましたが、特に総理の施政方針演説と大臣の所信、そして前回の内容の説明、趣旨説明、ここに変化があったのかどうか、あるのかないのか、その点をまずお聞きしたいと思いますが。
 ちなみに、施政方針演説、総理の、これはどの項目で言われたかというと、生活の安心で言われているんですね、生活の安心。そして、その障害者施設の事件のことの一項目前は何かというと受動喫煙対策の徹底、オリパラに向けて。これも今どうなるか分かりませんけれども、これは余談ですけれども。
 まずは、総理の施政方針演説と大臣の所信、そして趣旨説明、違いがあるのかないのか、明確にお答えください。
#9
○国務大臣(塩崎恭久君) 結論としては、違いはないと思っております。御指摘の、障害者施設における殺傷事件への対応に関する関係閣僚会議、ここにおける総理の発言と、平成二十九年一月二十日の総理の施政方針演説、今お配りをいただいておりますが、これはいずれも様々な再発防止対策にしっかりと取り組むという決意を申し上げて、その一つとして本法案による退院後支援の仕組みというものを設けるということをお示しをしたということだと思っております。
 また、四月二十日の本委員会において、私から、本法案は、退院後の医療や地域福祉、就労支援等の支援の充実を図り、結果として再発防止に資するものである旨を申し上げたわけでございまして、それが、先ほどお配りをいただいていることについての言及をしていただきましたが、この三月の七日の所信表明の中で本件に関して触れた、そういうところを説明をして、今説明とこの配っているものはかなり近いということを言っていただいたと思っておりまして、したがって、それぞれの発言の趣旨は何ら矛盾するものではないというふうに考えておりまして、厚労省としては、施政方針演説で述べられたとおり、本法案によって措置入院患者に対する継続的な退院後の支援の仕組み、これらを整えてまいりたいと考えているところでございます。
#10
○足立信也君 はっきり違うと思いますよ、私は。大臣は、精神障害者施策の見直しをしていく中で事件が起きて、その検証をして、その障害者施策の見直しの、三年後の見直しをやられていましたね、その一連の流れの中で今回クローズアップされてきたというふうにおっしゃって、結果的に再発防止の一つになるかもしれないという話でしたね。総理は再発防止策だと言っているんです、これは。
 資料には挙げませんでしたが、関係閣僚会議、七月二十八日のものは先ほどお示ししましたが、これ最終結論といいますか、十二月九日、去年の、十二月九日の関係閣僚会議、総理が最後に何と言っているか。「今回まとめられた再発防止策は、精神障害者の方が、措置入院から退院した後も地域で孤立することなく生活していくことができるようにする、そのための継続的な支援体制を整えるものです。」、再発防止策とはっきり言っているんですよ。それは違うんじゃないですか、趣旨が。もう一回、説明お願いします。
#11
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほども申し上げましたように、そしてまた三月七日のこの所信表明の中で私が申し上げていることは、退院後の医療あるいは福祉、就労支援、こういった支援の充実を図ることによって結果として再発防止に資するものであるということを申し上げているわけでございます。
 総理の施政方針演説は少し違うのではないかという御指摘を今いただきました。これにつきまして、このお配りをいただいている昨年七月というところから始まって、決してあってはならない事件であり、断じて許しませんの後に精神保健福祉法の改正に触れておりまして、「退院後も支援を継続する仕組みを設けるなど、」と書いてあるように、この次にある「再発防止対策をしっかりと講じてまいります。」と書いてありますが、それは仕組みを設けるなどという一つの例示として、再発防止対策の数ある中の一つとしてこれが結果として再発防止に資するものであるという意味合いで総理はこの施政方針演説を申し上げているということだというふうに理解をいただければ有り難いなというふうに思います。(発言する者あり)
#12
○足立信也君 まあ無理だという意見が委員席から出ておりますが、理解をいただければと変わってきたということは違うんですよ、これは。さっき読み上げませんでしたが、この最後の関係閣僚会議で、「関係大臣には、この再発防止策を実効あるものとするため、連携して具体的な取組を進めるよう」、これは再発防止策なんですよ。それを、再発防止にも資するんだと変わってきた、変わってきたから趣旨説明やり直して、それから概要の説明もやり直したんでしょう。これ、総理の方に、趣旨が変わってきています、あるいは、再発防止策として出したのではありません、説明したんですか。
#13
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど来申し上げているように、当然、あの十九人の尊い命が奪われるということ、ああいうことが二度とあってはならないということは誰しもがあの当時考えたはずでありますし、今も同じように考えているんだろうと思います。したがって、検討会で提案をいただいて、十二月に最終提案が出てまいりましたけれども、その中の再発防止策には、今回のこの法改正、精神保健福祉法改正だけではなくて、当然、福祉施設での防犯対策であったり、いろいろなことが書いてありまして、共生社会の推進に向けた周知啓発とか、それから学校教育における心のバリアフリーの取組の充実であったり、今申し上げたこの社会福祉施設等における安全確保策など、省庁をまたぐ様々な対策が提言をされているわけでありまして、それを総称して再発防止策と総理は言っているものだということだと思います。
 したがいまして、様々な対策をあの事件を受けて検討してきたこの検討会での、検証チームのまとめの中でそういう御提起をいただいたことを受けての発言だというふうに思っております。
#14
○足立信也君 私が聞いたのは、明らかに再発防止策だとおっしゃった総理大臣の見解とその後の大臣の説明が違うんではないですかということで、そのことを官邸に、総理大臣にちゃんと報告したんですかと、了解を得たんですかと聞いているんです。
#15
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の、先週、その前の週からいろいろあった議論についてつぶさに説明をしたということではございませんが、元々、今申し上げているように、この今回の法改正は結果として再発防止に資するということであって、そのことは総理の施政方針演説でも、あるいは先ほどお配りをいただいているこの関係閣僚会議での発言でも同様のことを申し上げているわけで、そういう意味で、趣旨が変わっていれば総理にももちろん説明をしなければいけませんけれども、特に大きな変更をしたということでは、まあ小さな変更もないんですが、そういうことで、この再発防止策の結果として資する手だての一つとして法改正を御提起を申し上げて、ここにまさに私の大臣の所信表明の中で、まさにこの検証を通じて明らかになった課題、これはもう消退届における空欄が大体二、三割はあるというようなことから始まって、ほとんど孤立をすることが多い、地域へのお戻りになった立場の方々のことが課題としてたくさん上がってきた、そういうことを受けてのことでございますので、総理に説明を今回のことでしているということはございませんが、それは元々我々が意図したことと中身的には変わらないことで、今回、資料に関して混乱をもたらしたことについては申し訳ないということを申し上げてきたわけでありますけれども、趣旨という意味では変わっていないということで、特に説明をしに行っているわけではございません。
#16
○足立信也君 大臣はそういうふうにおっしゃるかもしれませんけど、言葉として、文言として残っているのは、大臣は結果として再発防止に資するんではないかと、総理は再発防止策だから関係閣僚協力しろって言っているんですよ。全然違うじゃないですか。
 先ほど、津久井やまゆり園の事件は二度と起こしてはならない、皆さん、多くの国民はそう思っていらっしゃる、それは当たり前ですよ。これを聞くと、二〇〇七年、まあもういらっしゃらなかった方が多いかもしれません、消えた年金記録問題で、当時の安倍総理は、徹底的に、五千万件ですよ、徹底的に解明して一年以内にゼロ件にする、全部解明すると、物すごく反射的に言ってしまうんですよ。それを思い出しました、私は。
 今回の一度目のこの説明で何て書いてあるか。相模原市の障害者支援施設の事件、犯罪予告どおり実施された事件だと。更に言葉を私追加させていただきますと、大麻使用者が犯罪予告どおりに実施したっていう事件なんですよ。これの再発防止策をやりなさい、総理は言っているんです。で、出てきたものが再発防止策だと。でも、大臣は違うでしょう、今までの精神障害者を含めた障害者施策の三年後の見直しをずっとやってきた。その中に措置入院のフォローのこととか一回も出てきていませんよ。結果として分析してやったら資すると言っていることと、この事件の再発防止策だと、それをやるんだと言っていることは全然違う話ですよ。だから、さっき理解してほしいという言葉に変わったんじゃないですか。これを、変化がないから総理には言っていませんと、報告していませんというのはやっぱりおかしいですよ。だったら、ここに総理を呼んで議論すべきじゃないかという話になりますよ。
 私、申し上げました、先ほど、津久井やまゆり事件は大麻使用者が犯罪予告どおり犯行を実施したというものなんですよ。これの再発防止対策とこの法律を言うんだったら、当初の説明のようにこれを防止対策だと言うんだったら、私は反対しますよ。でも、これが障害者施策、中でも精神障害者の施策の一連の流れでやって今回これが出てきたんだと言うんだったら、私は断固阻止したいと思いますよ。その流れではない、冒頭私が申し上げた世界の流れにも反していますよ。
 そのことを、でも、一つでも再発防止に資するんじゃないかという説明になってきたわけですけれども、もう一回聞きますよ。総理大臣が指示したのは再発防止策で、そして、これが再発防止策だ、関係閣僚は協力してください、そのことと結果的に再発防止に資するというのは全然違うじゃないですか。端的にそこをお答えください。
#17
○国務大臣(塩崎恭久君) 繰り返して恐縮でございますけれども、総理が、関係大臣にはこの再発防止策を実効あるものとするため連携して具体的な取組を進めるように指示いたしますとありますのは、これは、先ほど申し上げたとおり、この検証チームがまとめた再発防止につながる対応策としてのパッケージを指しているということでございまして、この精神保健福祉法の改正だけを指して再発防止だということで総理が申し上げているわけでは決してないということでございます。
 したがいまして、先ほど申し上げたとおり、この法改正が結果として再発防止につながることがあるということはあり得るわけでありますけれども、しかし、今総理が言っていることがこの法改正のことだけを申し上げているわけでは決してなくて、全体の先ほど申し上げたような対策として各省が考えるべきこと、教育は文科省ですけれども、であったり、もちろん防犯の話もあるわけでございますので、共生社会の推進というのは内閣府に当たるんでしょうか、そういうようなことを考えてみて、全体のことを言っておったということを私は是非理解をいただきたいと申し上げたところでございます。
#18
○足立信也君 再発防止に資する、あるいは再発防止策、何の再発を防止しよう、あるいはできると考えているんですか。
#19
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほどもお答えを申し上げましたけれども、今回御提起申し上げているこの法案の内容は、相模原市の事件が発生するに至った様々な要因への対策のうちの一つとして、措置入院者が退院をした後に、社会復帰に向けた医療とか地域福祉とかあるいは就労支援等々の支援を確実に受けられるようにすることで、退院後に精神障害者の方々が地域で戻ってから孤立をしないようにと、そういう孤立するような状況を防止をしようということで今回の法改正をお願いを申し上げているわけでありまして、事件の背景にある様々な要因の一つに対応するということで、結果として再発防止に資するという考えでございまして、直接的に犯罪の防止を図るための施策というのは全く異なる問題であるというふうに思います。
 先ほど大麻の話がございました。このまた後で議論になるのかも分かりませんが、私どもも、大麻の使用と、それから症状、措置入院する際の症状を見ても、指定医の先生は大麻の使用についての言及が症状についてありました、判断もありました。それであるにもかかわらず、消退届の中には一言もその問題について触れていない。そして、後でいろいろ議論になるわけでありますが、この事後に、退院をされた後にどういうケアを自ら可能性としてあるのかということは一応先生からお話があったけれども、全くそういうところには、薬物の専門家のところに自ら出向いていくということにはなっていなかったわけでございますので、そういうような様々な課題を踏まえた上で、今回地域に戻られた方が孤立をしないようにということで、支援の仕組みを考えるということで御提起を申し上げているということでございます。
#20
○足立信也君 何の再発を防ぐんですかという質問です。今いろいろ措置入院者のこと、あるいは薬物使用と、なかんずく大麻のことをおっしゃいましたが、何の再発を防ぐんですか。
#21
○国務大臣(塩崎恭久君) これは先ほど申し上げたように、精神障害者の方々が地域で孤立、戻ってから孤立をする状況を防ぐということが大事であって、孤独な闘いをしないでもいいように医療的にも、そして福祉的にも、あるいはその他の、やはりこれは生きていかなきゃいけないわけですから、誰しもが、その際の所得を得るための就労であったり、いろんなサポートをどうやっていけば孤立をして困らないようになっていくかということを私たちは考えていかなければならないということで、今回の提案をさせていただいているということでございます。
#22
○足立信也君 今のをまとめると、精神障害者の孤立、その再発を防ぐというまとめでいいんですか。
#23
○国務大臣(塩崎恭久君) 措置入院をされたときは、精神障害者ということで入院をされるわけであります。それが措置入院であります。
 しかし、それが、どの時点で、じゃ、退院した後は、自傷他害がないということでこれは退院をされるわけでありますから、その後にその方が精神障害者であるかどうかはそれはまた別問題であって、そうである場合もそうでない場合もあるというふうに私は精神科の医師からも教えていただいているわけでございまして、いずれにしても、たった一人で地域に戻って、そして、医療が必要な方に医療が提供されなかったり、あるいは福祉的なケアが必要な方に福祉的なケアが行かなかったりする。そういう中で、仕事をしたいけれども、なかなか仕事が見付からない、探し方も分からないというような状況で孤立をするということがまたいろいろな問題に直面をするということにならないようにサポートをしっかり地域でもってすべきではないかということで、今まで余りにも仕組みがなさ過ぎたところに私どもとしては支援の仕組みをつくってサポートをしていくということを御提起を申し上げているわけでございます。
#24
○足立信也君 さっきとちょっと変わってきて、さっきは精神障害者の孤立、その再発を防ぐと。しかし、今は、措置入院者はその後、精神障害者かどうか分からないから、措置入院者、措置入院をしたことのある方の孤立、その再発を防ぐと、そうまとめていいんですか、今の答弁は。
#25
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたように、それぞれ精神障害をお持ちで、措置入院をしたとしても、それはその後どうなるかということは、それは一人一人異なるんだろうというふうに思いますが、いずれにしても、地域で孤立をすることがないように、そして、今回の場合には大麻にアクセスをする方であったわけでありますから、アクセスをしたことと今回起きた事件とがどういうリンクがあるのかはこれはまた分からないことでありますけれども、いずれにしても、大麻自体は犯罪行為につながるわけでありますから、そういうことにならないようにしていくということで、薬物に関しても指導を得られるようにするということであるわけでございます。
#26
○足立信也君 すぱっと答えがないんですが、やっぱり今おっしゃったことは人それぞれということがありましたので、措置入院を経験された方のその後の孤立、この再発を防ぐということをおっしゃっているんだろうと、そう理解します。
 今、犯罪ということがありましたが、じゃ、部長で結構ですが、措置入院経験者って犯罪率高いんですか。
#27
○政府参考人(堀江裕君) お答え申し上げます。
 今、手持ちに数字は持っておりませんけれども、高くはございません。特に措置入院者について高いということではないと理解しています。
#28
○足立信也君 措置入院者が犯罪率、経験者が高いわけではない。今、大臣の答弁の中で、じゃ、大麻の話出ましたけど、薬物依存症者は犯罪率高いんですか。
#29
○政府参考人(堀江裕君) 今手持ちにあるわけではございませんけれども、分からないと理解してございます。
#30
○足立信也君 分からない。
 薬物依存症対策も厚労省ですけれども、じゃ、薬物依存症者は、これ、当事者の方から聞いたことですが、も一部入りますが、警察が監視する、あるいはフォローする、それで回復できるんですか。
#31
○政府参考人(堀江裕君) お答え申し上げます。
 今回の退院後支援計画の中で警察がフォローするものではございません。自治体の方で退院後支援計画を作りまして、医療等の支援の関係者によって支援をしていくと、こういうことになります。
#32
○足立信也君 関与しているじゃないですか。協議会でやるわけでしょう。薬物依存症の当事者の話では、警察とつながればつながるほど医療につながりにくくなる。結果として医療から逃げざるを得ない。この法律の中で、協議会の中で、また再度の説明がありましたけれども、つながっていることは間違いないし、そういう会議にしたんじゃないですか、結論として。障害者にとって、薬物依存症者にとって警察の関与はいいことなんですか、悪いことなんですか、本人から見て。
#33
○政府参考人(堀江裕君) 今回の法案によりまして、個別ケース検討会議の方には原則として警察は入らないということでございますので、今回の退院後支援のところに基本的に警察が関与するものではございません。
 それから、違法薬物の使用ですとか所持ということにつきましては犯罪行為になるわけでございまして、警察において適切な対応がなされる必要がございます。一方で、薬物依存症の患者については、治療継続の観点も重要であり、医療関係者等からは、治療中の患者について違法薬物の使用を把握した場合の警察への情報提供の在り方については慎重に検討すべきという御意見もいただいてございます。
 この点、現在は、措置入院中に違法薬物の使用を把握した医療機関や自治体が警察に情報提供をするか否かについては医療機関や自治体の判断に委ねられていて、医療機関や自治体ごとに取扱いにばらつきがある状況にございます。このため、厚生労働省としては、公務員の告発義務に一定の裁量も認められるとの見解があることも踏まえまして、薬物依存症の患者の治療継続に配慮した警察への情報提供の在り方について検討し、全国的な対応方針を示すことができないかを検討してまいります。
#34
○足立信也君 関与に関しては、これまでの質疑、もうゼロベースかもしれませんが、代表者会議等で全体の関わり方を年に数回やるわけです。警察の関与は間違いないわけです。何度も繰り返しますが、この事件は大麻使用者が犯罪予告どおり犯行を起こしたということです。警察の関与、薬物依存症者に、さっき私、質問したのは、警察の関わりがあることが薬物依存症者にとって是なのか非なのか、いいのか悪いのか、そのことをさっきお聞きしたんですけれども、部長としてそこはどうですか。
#35
○政府参考人(堀江裕君) 繰り返しになりますけれども、違法薬物の使用、所持は犯罪行為でございますので、警察において適切な対応がなされる必要がございます。一方で、薬物依存症の患者につきまして、治療継続の観点も重要であり、医療関係者等から治療中の患者について違法薬物の使用を把握した場合の警察への情報提供の在り方については慎重に検討すべきということを御意見をいただいており、私どもとしてもまた検討してまいりたいと考えてございます。
#36
○足立信也君 慎重に検討すると。何で慎重に検討するかというのは、是か非かという話だと思いますよ。どう考えているんですか。答えてもらっていませんが。
#37
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど部長から答弁申し上げたように、これはまた先生、お医者さんですからよく御存じだと思いますけれども、今、医師によっていろいろ判断が全国でばらつきがあるというところも今回の検証を通じて課題として浮き彫りになってきた一つでございます。
 そういう場合に、犯罪行為である例えば覚醒剤であったり大麻であったり、それぞれの違法な薬物についてのケースがあり得るわけでありますけれども、それぞれ大事なことは、さっき申し上げたように、治療継続の観点から、犯罪行為であったとしても直ちに警察に言うことが治療継続にとってプラスかどうかということはお医者さんがそれぞれ御判断をされているという実態であるわけでございまして、そのことを、今の現状を踏まえてみると、今後また公務員が、自治体の職員などが知った場合の告発義務にも、これも法律の解釈として一定の裁量が今認められてきていますから、これについてもそれぞれ警察への情報提供の在り方というのは、やはり関係省庁ともこの告発義務に係る見解をどうするのかという、おおむね全国で同じような扱いにしていかないとやっぱりいけないんじゃないかということを私ども考えておりますので、協議会の運用通知で全国的な対応方針はしっかりと作っていかなければいけないんだろうというふうに思っているところでございます。
#38
○足立信也君 治療の継続が大事だと今大臣おっしゃって、警察が関与することがいいことなのか悪いことなのか様々な意見があると、それは大臣の認識だと思いますが、私はマイナスが強いとはっきり申し上げておきます。
 これはもう、今の認識がそこまでですので、これはもうこれ以上はしようがないかなと思いますが、今までの質疑を聞いていてどうも私は違和感を感じているのは、大臣を始め答弁される方が退院、退院と、措置入院からの退院とおっしゃるんですけれども、この法律は措置入院、入院措置の解除を退院と言っているんですね、私はそういう認識で。
 入院措置の解除、その後の転帰は一体どうなるかというと、医療保護入院になるか、あるいは任意入院になるか、ほかの病院へ転院するか、あるいは家に帰って通院か、居宅に帰って、こうあるわけですよ。入院措置の解除を退院と表現しているんですよ。ただ、今までの答弁は、大臣始め皆さんの答弁は、措置入院された方の退院というのがイコール家庭に帰る、居宅に帰ることをおっしゃっているような気がしてならないんです。そこで僕はすごく違和感を覚えるんです。
 そこで、入院措置解除後、その患者さんの転帰ですね、今私、四通り申し上げましたけど、どういう割合なんですか。
#39
○政府参考人(堀江裕君) 平成二十八年に厚生労働省がサンプル調査として十一自治体に対して行った調査の結果でございますが、措置解除後の転帰につきましては、医療保護入院で入院継続となる方が四九・九%、任意入院で入院継続となる割合が二〇%、通院医療となる割合が一九・二%、その他、転医、お医者さんが替わるとか、それからその他でございますけれども、が一〇・九%というふうになってございます。
#40
○足立信也君 合わせると約七割が同じ病院で入院継続ですね。転院、つまり入院されている方が一〇%強、実際に家に帰る、あるいは居宅に帰る方が一九%。今、そういう数値でしたね。
 今回の改正のことをちょっと言うんですが、まず確認したいのは、先ほど私、自分の認識申し上げましたが、今までの精神保健福祉法の中で、入院措置の解除、さっき四通り挙げましたが、これ全て退院と表現していますよね。そこを確認したいんですが。
#41
○政府参考人(堀江裕君) 法二十九条の三におきまして緊急措置入院者の退院に関する規定、それから法第二十九条の四に措置入院者の退院に関する規定がございます。いずれの条文の退院も入院を終えることを意味するものでございまして、緊急措置入院者又は措置入院者に係る条文であるために、緊急措置入院又は措置入院を終えることを指すものと考えてございます。
#42
○足立信也君 今挙げられました条文、ちょっと控えるの間に合いませんでしたが、要するに入院措置の解除を意味している。それは、そのままその病院に入院している方が七割、そして転院が一割、そして通院が一九%、それ全部を退院と書いているわけです。
 それでは、今回の改正案、第二条第二項の退院の意味はどういう意味ですか。
#43
○政府参考人(堀江裕君) 第二条第二項の退院の意味でございますが、本法案におきます第二条第二項におきましては、国及び地方公共団体は、精神障害者の退院による地域における生活への移行が促進されるよう十分配慮しなければならないとしておりまして、この退院は入院を終えることを意味してございます。
#44
○足立信也君 だから、どっちなんですか。措置の解除を意味しているんですか、それとも居宅に帰ることですか。
#45
○政府参考人(堀江裕君) 入院を終える、そして地域に帰ると、そういうことだと思います。
#46
○足立信也君 そうしたら、さっきおっしゃったかもしれません、措置入院の条文である二十九条の三、四、この退院の意味はどうか。
#47
○政府参考人(堀江裕君) 法第二十九条の三が緊急措置入院者の退院に関する規定、法二十九条の四が措置入院者の退院に関する規定でございます。いずれの条文の退院も入院を終えることを意味するものでございます。緊急措置入院者又は措置入院者に係る条文であるため、緊急措置入院又は措置入院を終えることを指すものと考えてございます。
#48
○足立信也君 解除ということですね。入院措置の解除ということですね。
#49
○政府参考人(堀江裕君) 今の解除という言葉でございますけれども、都道府県知事が、措置入院者が入院を継続しなくてもその精神障害のために自傷他害のおそれがないと認められるに至ったときは、直ちにその者を退院させなければならないと規定されていることでございますが、知事が退院させる処分を措置解除と解するものでございまして、退院そのものは入院を終えることというふうに解してございます。
#50
○足立信也君 皆さん分かりますか。だから、四つあるんでしょう、措置の解除が。(発言する者あり)今、えっ、家に帰ることを言っているんですか。
#51
○政府参考人(堀江裕君) 退院につきましては、この精神保健福祉法の中で、入院を終えることで統一されているというふうに理解してございます。今回、その退院させる処分、まあ知事は退院させるとございますので、それをもって措置解除というふうに解してございます。
#52
○足立信也君 措置解除をしたら、そのままその病院に入院し続ける人が七割だと、ほかの病院に行く人が一割だと。これも退院でしょう、今の表現、条文の表現は。
#53
○政府参考人(堀江裕君) 必ずしも同じ病院でその病棟を移るとかいうものでもございませんし、それから退院して入院するというものを指してございますので、この措置解除の条文におきます退院させるが、退院させる処分を措置解除というふうに解してございまして、退院そのものはその入院を終えることというふうに理解してございます。緊急措置入院あるいは措置入院を終えることを指してございます。
#54
○足立信也君 誰も納得していませんよ。何を言っているんですか。
 措置入院の解除、緊急措置入院の解除を退院と称して、その行き先は、自院でそのまま入院継続が七割なんでしょう、他院に転院するのが一割なんでしょう、それで通院は一九%なんでしょう。それを全部退院と言っているんじゃないですか。そういう法の立て方ですよ、今まで。今までですよ。後ろで皆さんうなずいていて、何で部長だけがうなずかないんですか。
#55
○政府参考人(堀江裕君) いずれも入院を終えることということで一致していると思います。
#56
○足立信也君 措置入院を終えることとしか答えない。
 じゃ、二十九条の五の二、今回の改正文、この退院は何ですか。
#57
○政府参考人(堀江裕君) 二十九条の五の二でございますけれども、措置入院者を入院させている病院の管理者は、措置入院者に退院後生活環境相談員を選任しなければならないという規定でございまして、この退院も入院を終えることを意味するものでございますが、措置入院者に係る条文であるため、措置入院を終えることを指すものでございます。
#58
○足立信也君 それは、そのまま継続して入院している人、七割の人にも全部係るんですか。
#59
○政府参考人(堀江裕君) それはあり得ると思います。失礼しました。係るものでございます。
#60
○足立信也君 今、解除に全部係ると。先ほど、改正第二条の二項は、帰ることだと、居宅に。退院の意味が二つあるんですね。
#61
○政府参考人(堀江裕君) 二条二項の退院でございますけれども、この条文は、精神障害者の退院における地域における生活への移行が促進されるよう十分配慮しなければならないというふうに書いているものでございまして、その地域における生活への移行ということができるように、その退院後の支援をしていかなければいけないということでございます。
#62
○足立信也君 はっきりしていると思いますよ。今まで、入院措置の解除を退院、その形態には四形態あると、これが今までの精神保健福祉法なんですよ。
 今回改正されたところは、退院というのは居宅、帰ることを意味しているんですよ。私は、全く違う二つの概念を同じ法律に書き込んでいると思いますよ。今回、改正条文の退院というのは、私が見た感じでは、十九か所全部居宅に帰ることだと思いますよ。しかし、繰り返しますけれども、非自発的入院、中でも措置入院、この解除は家に帰ることじゃないんですよ、この退院は。
 同じ法律の中で違う意味の退院という言葉を使い分けている、それは認めませんか。
#63
○副大臣(橋本岳君) 退院という言葉の使い方についての御質問をいただいております。
 退院という言葉そのものは、改正案であっても前からの法律であっても、全て入院を終えることを意味することでございます。これは現行法でも改正法案でも変わるものではございません。
 例えば、第二条第二項などを挙げていただきました。また、例えば第五十一条の十一の二第一項などにも退院という言葉は出ておりますが、この今申し上げた二つの条文などの退院は、入院を終えること全般を指しております。文脈上それで、そして地域に帰るというその目的のために書いているということでございますので、そのように御理解いただきたいと思います。
 また、例えば、これは現行法上の、先ほどお触れをいただきました第二十九条の三、第二十九条の四、あるいは改正案における第二十九条の五の二などなどについては、条文上、緊急措置入院又は措置入院を終えることを、それを、そこについての患者の退院と書いておりますので、その緊急措置入院又は措置入院を終えることを意味しているものでございます。
 したがいまして、そのいずれも入院を終えることという意味でございますので、退院の意味するところは法改正前後を通じて変わるものではございません。
#64
○足立信也君 詭弁ですよ。
 じゃ、八割の方が入院を続けているんです。その人は退院したことになるんですか。いつから入院したことになるんですか。
#65
○副大臣(橋本岳君) ですから、措置入院をされた方がそのまま医療保護入院になるということは先ほど答弁をしたとおりあるわけでございますが、それは整理としては、措置入院から一度退院をされて、医療保護入院をされてその後というふうに整理をしていただければ御理解いただけるものと思います。
#66
○足立信也君 同じ日に退院と入院した場合に、継続になりませんか。
#67
○副大臣(橋本岳君) 先ほどの部長が答弁をした数字上は、それを医療保護入院に継続と呼んでいるのであって、手続として、あるいは法律上の理解としては、退院をして入院をするということとなるということでございます。
#68
○足立信也君 私、二十三年間外科医の生活では、同じ日に退院、入院したら、それは継続ですよ。何か言葉遊びをしているような気がしてならないですよ。
 さっきから言っているように、入院を終えることが退院だと。でも、措置入院、緊急措置入院は、終えた人の八割が病院にそのまま継続していると、ほかのところも含めてですよ、これも退院と呼んでいると。そして、今回の改正条文は、退院ということは地域に帰ることだと言っている。全く違うことを同じ退院で表現しているんじゃないですか。これが混乱を呼んでいると思うし、私、聞いていて、物すごく違和感があるんですよ。
 じゃ、今なかなか認めないけれども、今の橋本副大臣の答弁で、やっぱり二通りの意味があるということは間違いないことだと思いますよ。そうした場合に、まあ、これ通告しているからいいのかもしれませんけれども、相当退院という言葉は出てくるんです、これ。一つずつ説明しないと分からないんじゃないですか。この退院はこちらの意味です、この退院はこちらの意味です。恐らく皆さんも理解はできていないと思いますが、まず、どれぐらいあるんですか。先ほどの措置の解除の意味の退院、行き先は問わない、それと居宅へ帰ること、どれぐらいあるんですか、この法律の中で。
#69
○副大臣(橋本岳君) 先ほど少し触れましたけれども、取りあえず私どもの方で整理をしている限りにおいて申し上げれば、第二条第二項及び第五十一条の十一の二第一項の退院というものは、その入院を終えること全般を意味しているものと解しております。そして、これは現行法の第二十九条の三、第二十九条の四、そして改正案の第二十九条の五の二、四十七条の二、第五十一条の十一の二第二項第二号そして第三項、第五項は緊急措置入院又は措置入院に関する条文でございますので、緊急措置入院又は措置入院を終えることを意味しているというものでございます。
#70
○足立信也君 今副大臣おっしゃったように、解釈だと言いましたね、解釈だと。私、正確かどうか分かりません、結構小まめなもので。条文全体で、退院が三十四ですよ。解除の意味の退院、つまり全部の形態を含むのが十一。まあ四十五ぐらいはあると思いました。
 今日、法制局来ていただいていますが、同じ法律で同じ単語で解釈で二つの意味を持たせるというのは問題じゃないかと私は思うんですよ。この同じ法律で同じ単語で二つの意味を使い分ける、あり得るんですか。
#71
○政府参考人(高橋康文君) 法令の表現につきましては、できる限り正確かつ分かりやすいものであることが必要であるというふうに承知しておりますが、同じ法律の中で同じ単語が二つの意味で用いられる例としては、例えば命令という単語が、出頭の命令のように行政機関が特定の者に対し一定の義務を課する具体的処分の意味で用いられるとともに、主務大臣の発する命令のように国の行政機関によって制定される法形式の意味で用いられる例がありますように、必ずしも二つの意味で用いられているケースがないわけではないというふうに承知しております。
#72
○足立信也君 退院と命令を今比較されましたけれども、果たしてそれが妥当かと疑問を持たれながら答えたと思いますよ。
 私は、今回の改正は、私が見る限り、ほとんど居宅へ帰ることが退院だと書いていると思うんです。だったら、ここは定義すべきだと思いますよ、条文として。今まで措置入院、緊急措置入院の退院はそういう意味じゃなかったんですよ。これ考えると、このまま押し通して今回の改正の退院だということになると、これ、措置入院の方々も全部居宅へ帰すことなのかと取られちゃいますよ。全部そういう方針なのかと取られかねないし、やっぱり分かりにくいことなんだと思うんですよ。こういう使い方をするときは私は定義を置くべきだと思いますが、法制局としてはどうですか。
#73
○政府参考人(高橋康文君) 条文の趣旨に即して書かれていると思います。過去、退院という用語につきましては全て入院を終えることの意味で使われておりますので、今回もそういった意味で二つの意味で用いられているものではないというふうに理解をしております。
#74
○足立信也君 用意した答弁書だからそうなるのかもしれませんけど、さっきはっきり解釈で二つの意味で使っているということをおっしゃったんじゃないですか。私はこの条文自体が練り込まれていないといいますか、不確か、どちらにも取れるな、あるいはこれ定義しなかったら本当に措置入院患者さんも全部帰すようになるのかな、そういう方針なのかなと思います。
 これ、退院という言葉ですけど、今度全部をそうするのかなと先ほど申し上げましたけど、そうじゃなかったら措置入院患者さんだけに退院計画というのはやっぱりおかしいですよ。大半、今二十九万人のうち措置入院患者さんって千五百人でしょう。そのうち、じゃ帰る人は、さっき二割弱だとしたら三百人、そうなってくるわけですよね。だから、そこで、これを退院という言葉を使うのはやはり変だと思うし、私は、今までの見直しの議論でずっとやられてきた地域生活支援計画の方がいいと思いますよ。退院の意味がそれだけ、そのまま継続して入院する、それから転院も含まれているということを考えると、地域生活支援計画ということの方が、私は、実際に帰って、そこで孤立しないようにというふうにつながっていくんじゃなかろうかと、そういうふうに思っています。
 今回は、今までの説明、総理の施政方針、大臣の所信、そこにどうもそごがあるんじゃないか、変更したのではないか。それを官邸には伝えていません、報告していませんという話。それから、退院という言葉でも二つの意味で解釈でよって使っていると、そういう話。私は、かなりやっぱりこれは不備があって、やっつけ仕事みたいな感じ、申し訳ないけど。やっぱり事件から二日後の総理の発言から端を発した、ちょっと今までの審議の流れから逆行するような法案ではないかと、そのように私は思っています。
 この後、津久井やまゆり事件、そしてその検証、そして防止策等々について質問を用意しておりますので、次回があることを期待して、今日の質問は終わりにします。
#75
○石橋通宏君 民進党・新緑風会の石橋通宏です。
 足立委員に続きまして質問させていただきたいと思いますが。
 今、足立委員が最後のところでまとめていただきましたけれども、大臣の説明聞いても、堀江部長の説明聞いても、残念ながらぐだぐだですね、まともな説明になっていない。今日、与党の皆さんも首かしげながら答弁聞いておられた様子も見受けられました。余りに苦しい答弁で、こじつけ、やっつけ仕事、もうこの法案、本当にこれ出し直すしかないというのは前回も申し上げました。改めて、今日、具体的な課題についてちょっとやり取りをしていきたいと思いますが。
 まず、足立委員からも御指摘がありましたけれども、重ねて立法事実の問題、警察の関与、エビデンス等の問題について、最初に、前回の理事会要求提出資料、今日、皆さんお手元に配付をされていると思います。
 大臣、改めてこれ用意をいただいたんですが、厚生労働省、前回の私の要求に従ってこれ出していただいたわけですが、この資料って、済みません、改めて、何を証明していただいた資料ですか、教えてください。
#76
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘をいただきました措置入院制度への警察の関与につきましては、代表者会議と個別ケース検討会議への警察の関与のことと思われると思いますが、今回のこの御提起申し上げている……(発言する者あり)今ここにありますが、この資料ですね。この資料は、措置入院制度、特に退院後の支援、これへの警察の関与が被支援者の地域生活への移行促進に有効であることを調査、分析した結果ということで、示すようにということでいただいたものでございますので、その趣旨に沿ってお出しをしたということでございます。
#77
○石橋通宏君 大臣、改めて確認しますが、この資料の具体的にどこにそのエビデンスが示されているでしょうか、教えてください。
#78
○国務大臣(塩崎恭久君) 少し長くなりますけれども申し上げたいと思いますが、今御指摘の措置入院制度への警察の関与につきましては、代表者会議と、そして個別ケース検討会議への警察の関与のことと思われるわけでございますので、御説明を申し上げたいというふうに思います。
 まず、代表者会議につきましては、都道府県別の警察官通報件数と対応状況、これは委員会で取り上げられておりましたが、そのデータを見ますと、警察官通報から措置入院につながった割合について地域ごとにばらつきが大変あるということが明らかになっております、これは十六ページにございますが。これに対しまして、日本精神保健福祉士協会から、警察官通報等から措置入院に至るまで、入口段階、つまり措置入院の段階ですね、の地域格差、これを解消することを求められておりまして、これは八十五ページに書かれてございます。
   〔委員長退席、理事島村大君着席〕
 また、医療と警察のいずれが対応すべきか判断が困難な事例、これが多くあって、医療と警察が対話をしていくことが重要である旨の指摘があったことに加えて、これは三ページ目、四ページ目にございます。兵庫県から、精神障害者支援地域協議会を設置を去年の四月でしょうか、したと思いますが、そのうち、行政・警察・医療連絡会議、ここにおきまして、警察も参加をして、精神科救急医療体制等について検討して関係機関の連携強化を図っていると、そういう説明がございます。これは二十八ページと三十六ページにそれぞれ記載をされております。
 加えて、厚生労働省が十七の自治体を対象に行いましたサンプル調査、ここにおきまして、実際に措置入院に関する関係機関の意見交換の場というものを設けている十一の自治体のうち、八自治体において警察が関係機関としてその場に含まれていることなどが明らかになっておりまして、これは七十二ページに記載がございます。
 また、個別ケース検討会議に関しましては、まず検証・検討チームが兵庫県を視察した際に、措置入院中から患者を支援する関係者でチームを設置をして検討会議を開催することでお互いの連絡がスムーズになった、医療中断を防ぐ効果があったといった報告が県からなされておりましたが、これは検証・検討チームにおける兵庫県視察の概要という中にございます。その支援の関係者として、保健所職員、精神科主治医、精神保健福祉センター職員に加えて、一部の事例では警察が患者の支援の観点から参加をすることもあるということでございました。
 また、厚生労働省の調査では、全国の都道府県、政令指定都市六十七自治体のうちで明文化をされたルールに基づく退院後支援を実施をしているのが八自治体ございました。その八自治体の中の三自治体において、退院後の支援に当たって警察と連携をしているということが明らかになったところでございまして、これは五十五ページに記載がございます。
   〔理事島村大君退席、委員長着席〕
 このように、精神障害者の支援の現場の関係者の実感や実践に基づく意見が、検証・検討チームやこれからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会、この報告書において、都道府県や保健所設置自治体に代表者会議や個別ケース検討会議に相当する協議の場を設置することが適当との意見に集約されたものと考えておるところでございます。
 これを受けて、厚生労働省において更に検討を具体化をして、個別ケース検討会議については、自殺のおそれが認められる者や繰り返し応急の救護を要する状態が認められている者などについて、患者の支援を目的として、保健所設置自治体が御本人、御家族から意見を聞いた上で、警察以外の援助の関係者で警察の参加について合意が得られた場合に限って警察が例外的に参加をすることを排除しないこととしたということでございます。
#79
○石橋通宏君 長々と答弁いただきましたけれども、大臣、私が聞いているのは、一体どこにエビデンスがあるのかということをお聞きしているんです。
 例えば、じゃ、大臣、六十七自治体の調査、八自治体が何らかのルールがあって、三自治体が警察が関与している。その三自治体が、警察が関与することによって措置入院後の地域移行支援がうまくいっているというエビデンスはどこにあるんですか。
#80
○政府参考人(堀江裕君) 自治体の方からその後情報収集をしておりまして、警察が連携することの効果ということで、警察が本人の治療状況等を踏まえることで地域住民からの相談に適切に対応することができる、医療機関と連携し警察が本人支援を行うことで医療に適切に結び付くことができる、あるいは、警察が関係機関と連携し地域住民からの相談に適切に対応することで本人が自宅で暮らすことが可能になる、それから、警察が本人のSOSを早期にキャッチし、スムーズに受診行動を促すことで適切な医療を受けることが可能となる、医療機関や保健所と連携した上で警察から本人へ受診行動を促すことでスムーズに適切な医療を受けることが可能となる、警察が関係機関と連携し本人や家族と地域住民の支援を行うことで本人が地域で暮らすことが可能になるというような、警察が連携することの効果ということを自治体から追加的に聞きました。
#81
○石橋通宏君 僕が聞いているのは、この資料のどこにそのエビデンスがあるかを教えてくれと言っているんです。三つの自治体がアンケートに答えた、それだけじゃエビデンスにならないんです。一体どういうエビデンスがあるのか、今、堀江さんが言われたこと、この資料のどこにあるんですか、どこにもないですよ。この資料がエビデンスだといって私もらったから、隅から隅まで読みましたよ、事務所挙げて。どこにもそんなこと書いてないじゃないですか、どこにエビデンスがあるんですか。今の話、誰が言ったんですか、誰が聞いたんですか、誰が比較したんですか。マイナス面は全然言っていない、マイナス面は全然出てこないんですか。
 大臣、エビデンスはどこにあるんですか。それがプラスだというエビデンス、この資料の中にあるんですか、ないんですか。ないんでしょう。我々のこの委員会の質疑のためにエビデンス出してくれ、出てないじゃないですか。何で付け足しで勝手に出てくるんですか。大臣、答えてください。大臣。
#82
○国務大臣(塩崎恭久君) 分厚い資料を今日お出しをしているのは、先生の方から御要望があって、立法事実は何だ、どこにあるんだと、こういうことでお出しをしているわけでございますが。
 今、エビデンスをと、こういうことでございますが、数量的、定量的なものは必ずしもないかもしれませんけれども、今部長からも答弁申し上げたように、この三つのケースというのは、まあ八自治体のうちの三つの自治体でございますけれども、退院後の支援に当たっての警察との連携について、宮城県、兵庫県、広島県でありますが、こういったところでどういうふうにやっているかということについては聴取をした上で、そのプラス面について我々としては評価をすべきということでやっているわけで、先ほど申し上げたようにですね。
 いずれにしても、例外的に参加をこの個別ケース検討会議で行うということでありますので、例外的ということは、多くの場合には警察がこの個別ケース検討会議に入るということは余り想定をされないことでありますけれども、さっき申し上げたような、自殺のおそれがある場合とか、あるいは繰り返し応急の救護を要するような状態であって、なおかつ、先ほど申し上げたように、これはあくまでも患者の支援を目的としてつくるわけでありますから、その支援の観点からふさわしいということを、御本人、御家族、それから警察以外の援助関係者でこれ構成されていますから、そういった方々が合意をした場合に限って限定的にということを申し上げているので、それはそういう可能性を排除しないという選択肢としてあるということでございます。
#83
○石橋通宏君 今、結局、答弁、大臣、エビデンスないということで、最初に言われたことだけでいいんです。エビデンスないんでしょう、具体的に。
 私が聞いているのは、検証チームで具体的なエビデンスどれだけちゃんとテーブルに出して協議をしたのか。委員から意見があった、意見があった、はい、そうですかじゃないでしょう。それに基づいてちゃんと調査をする、六十七自治体中三自治体が警察が関与している、それがプラスなのかマイナスなのか。じゃ、残りの六十四自治体はどうなのか。警察が関与していない、じゃ、全て失敗しているんですか。うまくいっている自治体だってあるでしょう。それと比較検討してどうかという、それを分析してエビデンスを出して、検証チームでそれをテーブルに並べて、どういう形がいいか、それを教えてくれと言っているんです、この法案の審議のために。それがエビデンスだって言っているわけでしょう。
 ないんでしょう。検証チームはそれでエビデンスやってないんでしょう。それ認められちゃったわけですよ。エビデンスもない、付け足しで、いや、誰が聞いた、あれが聞いた。検証チームで、具体的にどうやって、何を題材に議論して結論出したんですか。それを示してくれと言っているんです。示せないんだから、それはないんですよ。それ認めてください、大臣。
 もう一つ、具体的に聞きましょう。じゃ、これ検証チームの資料で兵庫のシステムについて云々言われました。これも具体的に、じゃ、それがどうメリットなのか。
 これ、ヒアリングの中で、「精神病」者集団、桐原参考人、兵庫のシステムで問題が発覚している、問題が明らかになっているという発言されていますね。これについて具体的に、検討チーム、どういうふうに取り上げて具体的な協議されたんですか。大臣、教えてください。
#84
○政府参考人(堀江裕君) 兵庫県の取組につきましては、昨年八月の塩崎大臣におきます精神保健福祉センターへの視察、それから相模原市の障害者支援施設におけます事件の検証及び再発防止策検討チームの第五回会議におきます兵庫県からのヒアリング実施、十月二十六日の検証チームの構成員三名による兵庫県の精神保健福祉センターへの視察と、その第八回会議での報告などによりまして調査等を行ってございまして、その際、兵庫県からは、二十八年四月からその精神障害者地域支援協議会を保健所ごとに設置し、行政・警察・医療連絡会議を年一回開催して、精神科救急医療体制の現状と課題の検討、精神保健福祉法二十三条通報に関する検討等を行っていて、関係機関による顔の見える関係をつくって連携を強化しているという発言があったものでございます。
 本法案で、こうした兵庫県の取組や検証チーム等で明らかになった課題を踏まえまして、保健所設置自治体に代表者会議を設置して、精神障害者の支援体制について協議することとしたものでございます。(発言する者あり)
#85
○委員長(羽生田俊君) 今の質問についてのお答え、どなたがお答えになりますか。
 堀江部長、きちっと答えてください。
#86
○政府参考人(堀江裕君) はい。
 提出資料の六十ページの方で、「精神病」者集団の方から、兵庫県における継続支援チームにつきまして、検討チームは退院後のフォローアップのモデルとして兵庫県の継続支援チームに注目している、ところが、私たちは兵庫県の精神障害者団体と協力して独自に調査した結果、兵庫県の継続支援チームの介入によって体調を崩している人が複数いることが分かってきました、例えば継続支援チームの介入をストレスに感じて再発した例や、たまたま評判の悪い病院に精神科救急の当番であったため入院して、そのまま当該病院への通院を強いられて体調を崩したなどの例がありますというようなことがございまして、こうしたことが起きないように今回の制度を運用してまいりたいと考えています。(発言する者あり)
#87
○委員長(羽生田俊君) 答弁できますか、一問目の答弁を。
 じゃ、今の一問目、石橋委員から一問目の質問をもう一度お願いいたします。
#88
○石橋通宏君 堀江部長、もし的確に答弁いただけないんだったらもう答弁立たないでください。時間、時計の無駄です、時間ばっかり使って。
 繰り返しますけれども、先ほど、改めて、これ、エビデンスがもうないんでしょう、そこのところはまず確認をしてください。それから、兵庫の事例というふうに言われた。具体的にどこまできちんと中身の精査、議論をされて、それが検証チームでちゃんとどう討議をされたのか、それがこの資料で出てこないなら資料を出してもらわなきゃいけない。そのことも含めてお願いをして。
 桐原参考人の話、今、堀江さん、ああだこうだと。僕が聞いているのは、じゃ、それを踏まえて検証チームでそれをどう議論をしたのか。それ検証したんですか、裏付け取ったんですか。それをどう調査の中でやって、それを検証チームに持ち帰ってその是非を検討したんですか。それを教えてくださいよ、大臣。
#89
○委員長(羽生田俊君) どなたがお答えになりますか。
 堀江部長、きちっと答えてください。
#90
○政府参考人(堀江裕君) 専門家がその経験に基づいて御議論いただいたものだと考えています。
#91
○国務大臣(塩崎恭久君) 石橋委員の御要望があって今回配付資料を、この分厚いのをお配りをしているのは、先生から、立法事実についてエビデンスを出せと、こういう話でございました。その議事録の……(発言する者あり)よろしいですか、よろしいですか。議事録からこの立法事実を出せというリクエストであったわけで、それにお応えをしたのがこの分厚い資料でございまして、議事録の中からお出しをしているということでございまして、もちろんこれが全てではないわけであって、それを先ほど部長の方から答弁をして、私も兵庫に行きました。そして、兵庫の皆さんにも来ていただいてヒアリングを行っています。
 必ずしも全部が議事録に書いてあるわけではないこともあるかも分かりませんし、それから、検証チームの構成員が三名、さっき申し上げたように、兵庫県の精神保健福祉センターへ視察と、それから第八回会議での報告などによって、我々はいろいろな話を聞いて、もちろんダイレクトにこのさっきの三県のケースでどういうふうに連携をしているのか、そして御懸念の、今日お配りをしている六十ページに、これ、患者の会でしょうか、から懸念が書かれていますよね、先ほどお話がありました。通院を強いられて体調を崩した例などがありますといったようなことを懸念をされているわけで、こういったことを解消しなきゃいけないということで、その際に、こういう連携がどういうふうに効果があったのかということについては、それぞれヒアリングをさせていただいているわけでありますので、そういうことを基に今回の法律を組み立てさせていただいているわけでございますので、立法事実がないというふうにおっしゃるのは少し正確性を欠くのではないかというふうに私どもは思います。
#92
○石橋通宏君 大臣、それは余りに、あるなら出してくださいよ。これ、法案の委員会質疑ですよ。我々の質疑に、これ、特定秘密ですか、違うでしょう。我々の質疑に出せないんですか。ないから出せないんでしょう。議論していない、議事録にも残っていない、だから要求したって出てこないわけでしょう。あるなら出してくださいよ。何でここに入っていないのに、いや、議論しました。この第七回の議事録、ここだけは議事録全部出ています。桐原参考人の御意見に対してその後何の質疑もされていませんよ。第八回、第九回で質疑しているんですか。しているなら出してください。
 検証委員会でこの桐原参考人の御意見を踏まえた、じゃ、それが本当にいいのか。これ、まさに先ほど足立委員が指摘されたことなんです。それが本当に退院後の支援にとって、本人にとっていいのか悪いのか、マイナスの面が多いのではないか、それが実態としてあるわけです。それをどう検証チームで検証したのか、議事録を出してくれ、出てこない。議論していないじゃないですか。だから、立法事実がないと言っているんですよ。
 あるんですか、それだけ教えてください。あるなら出してください。
#93
○政府参考人(堀江裕君) 先ほど御紹介いたしました十月の二十四日にチームの方で兵庫県視察に参ったときのことといたしまして、継続支援チームができたことにより定期的に関係機関が集まることとなり連携がスムーズになった、医療中断を防ぐ効果もあると考えるというまとめになってございます。
#94
○石橋通宏君 ちゃんとした議事録があるんですか、ないんですか。あるんだったら、それをここの委員会に出してください。
#95
○国務大臣(塩崎恭久君) 当然、議論はいろいろされているわけでありますが、これは、公開をしているのは、もちろん元々公開の議論の場合の議事録は全部公開をするわけでありますが、個別のケースが入っている議論が多いわけでありますので、その議事録を全て公開するということはできないということで、今回、議事録として公開されているうちのどこにその立法事実があるのかと、こういうお尋ねに対してこの分厚い資料をお出しをしているということでございまして、私どもは、立法事実として、様々なヒアリングや我々の視察などを通じて、私も、さっき申し上げたとおり、兵庫にも実際参りました、知事とも話もしました。いろんな形でやったものをこれはやっぱり答弁で御説明を申し上げるというのが私どもの責任ではないかというふうに考えております。
#96
○委員長(羽生田俊君) 石橋通宏君、続けますか。(発言する者あり)
 ちょっと待ってください。ちょっと待ってください。
 今の質問に的確にお答えをできますか。議論の場ですから、きちっとお答えをいただかないと進みませんので、石橋委員の質問にお答えをしてください。
#97
○国務大臣(塩崎恭久君) 相模原事件の検証チームにつきましては、第一回開催時に構成員に諮って決定された運用要綱というのを決めております。
 個人情報を扱うことなどから、原則として非公開ということにさせていただいたわけでございまして、この検証チームにおきましては、被告人に関する医療関係等の機微性の高い個人情報や、それから非公表を前提に医療機関から、あるいは関係者から得た情報を大量に今含んだ資料を取り扱っております。また、検証チームの構成員の方々には、こうしたことを前提として自由闊達で制約のない御議論をいただいたということでございまして、非公開とした会の議事の内容や非公表資料をそのまま公表するということはやはりなかなかこれはできることではないということでございまして、検証チームの座長からも資料の公表については賛成できない旨の御意見を実はいただいておるところでございますので、御答弁を誠意を持ってさせていただきたいというふうに思います。
#98
○石橋通宏君 委員長、是非、これ、向こうが整理しているときは時計一回止めてください。どんどん時計が走っちゃう。
 塩崎大臣、おかしいよ。第七回の議事録は全部公開されているんだよ。だから、ここにも示されている。で、桐原参考人はちゃんとこれ問題提起をされている。
 じゃ、それについてその後で検証チームで議論されたのか、されていないのか、それ示さなきゃおかしいでしょう。じゃ、もし個人情報でどうしても出せない、それは黒塗りにして出せばいいじゃないですか。
 今、加工して出せる、委員長、これ、取り計らってください。
#99
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、第七回目の会合についてのお話をいただきました。この御指摘の第七回は、これ、公表をされた中間取りまとめに対して関係団体からのヒアリングを行う会でございまして、これは例外的に公開としたということでございまして、その他につきましては、先ほど申し上げたように、様々な機微な情報が、個人情報が入ってございますので、これは公開をしないということで、立法事実等につきましては、御答弁の中で誠意を持って説明を申し上げたいということを先ほど申し上げたところでございます。
#100
○石橋通宏君 大臣、責任持って証明してください。これに基づいて第八回なり第九回なり、きちんと、これ反証も検証した上で議論をした、議論をされていると、立法事実はあるんだとおっしゃっていますので、委員長、お聞きになったと思います。個人情報のところはそれなりに加工していただいて結構ですので、それ証明していただくために、委員会に改めて資料要求したいと思います。
#101
○委員長(羽生田俊君) 後日理事会で議論させていただきます。
#102
○石橋通宏君 これ、資料を出していただいた中にはあり方検討委員会の、一部ありますけど、繰り返します、これ、前回もしてきました。あり方検討委員会で措置入院の話したのは一月になってからですからね。それまで全くしていないですよ。何の検証もしていない。じゃ、こういう事例に基づいて、そのネガティブな面もあるのではないかということも含めて、一体どこで検証したんですか。これ、あり方検討委員会は議事録オープンでしょう、それは議事録にあるんですか。議事録にあるんですね、それをあり方検討委員会の方でもきちんと議論をされた。
 今日、議事録で出ていないので、あり方検討委員会の方では一切そういう議論はしていない、これは認めざるを得ないと思いますが、そういうことでよろしいですね。
#103
○政府参考人(堀江裕君) 公表している資料につきましては、全て議事録に載せてございます。
#104
○石橋通宏君 だから、これは隠しようがないんです。これ、是非皆さんも議事録全部読んでみてください。どこにも書いてありませんから。これはオープンです。全然検討していないんです、あり方検討会議の方では。これは議事録オープンですからね。これ、逃げられませんよ、大臣。全然検討していないわけです。
 そのことは、ここで出てきたものでも何にも検討していないことが出ていますので、これ、もう今までのやり取りで、今日、大勢傍聴も来ておられますが、多くの方々、関係者の皆さん聞いておられます。もう全く検証チームでちゃんとしたエビデンスに基づいた議論がなされていない、あり方検討会の方でも全然議論がされていない、一体どこにエビデンスがあるのか。
 結局、立法事実がないわけです。先ほど言ったそもそもの立て付けが違った、どんどん途中から変えた、もうぼろぼろですよ、大臣。こんなんで無理やりこの法案通して、これマイナスしかないですよ、大臣。これ、認めた方がいいよ、大臣、大臣。
 大臣、重ねて、あり方検討委員会では、こういう具体的な議論を一切していない、それは大臣、お認めいただけますね。
#105
○国務大臣(塩崎恭久君) 検証チームにおいて措置入院等について議論を深めているところでございまして、あり方検討会のお話がございましたが、これについては規定どおりの公開をしているというふうに思います。
#106
○石橋通宏君 これ、おかしいよ。大臣、だから、議事録に出ていないんだから議論していないんでしょう。それだけ認めてください、大臣。
#107
○政府参考人(堀江裕君) あり方検討会の方で、退院後支援計画ですとかあるいは協議会についての内容については御説明をして、御議論をいただいておるところでございます。(発言する者あり)
#108
○委員長(羽生田俊君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#109
○委員長(羽生田俊君) 速記を起こしてください。
 政府からの答弁をお願いいたします。堀江部長。
#110
○政府参考人(堀江裕君) あり方検討会におきましては、協議会についても議論をしてございます。
 今回は、警察に係る部分だけの要求をいただいたため、その部分だけを提出しておりますが、警察に関わらない全体の部分につきましては全て公開してございます。それは、そういう意味では必要に応じまして提出することは可能でございます。(発言する者あり)
#111
○委員長(羽生田俊君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#112
○委員長(羽生田俊君) 速記を起こしてください。
 政府からの答弁を求めます。塩崎厚生労働大臣。
#113
○国務大臣(塩崎恭久君) 繰り返しになりますけれども、先ほど申し上げたように、今回の御要望に応じてお出しをした資料で、警察との関係での立法事実を出せということで議事録から提出したわけでありますが、先ほど御答弁申し上げたとおり、提出した資料が今回お求めのエビデンスを表しているというふうに私どもは考えております。
 さっき申し上げたように、確かに数量的、定量的なエビデンスとしているわけではございませんけれども、検討会では経験豊富な方々が有識者として参加をしていただいて、様々な議論をいただいているわけでありまして、その結果がエビデンスに相当するものと考えております。
 退院後の支援計画、例えば支援計画の策定をすることについては、これは例えば地域包括ケアシステムの中で、今もう既に地域ケア会議とか、退院時の、入院から退院をされるときのこれは一般的なものでありますけれども、医療、介護の分野でこのカンファレンスをやって、その支援計画をどうするのかということは、尾道方式なんかも典型例でございますけれども、医師や関係者が集まって、もちろん本人が真ん中にいて決めるということをやっているわけでありまして、私どもは、そういうようなことも参考にしながら、そして何よりも、さっき申し上げた兵庫県等々、やっていらっしゃるところでどういうメリットがあるのか、あるいはどういう注意をしなければいけないのかということについて御意見を頂戴しながら今回の法律を出させていただいているということでございますので、御理解を賜れれば有り難いと思います。
#114
○石橋通宏君 大臣、全然答えていないですよ。
 さっき聞いて、今、いろいろ協議いただいて、何の協議をしていたんですか。あり方検討会ではどうだったんですかと聞いているんです。あり方検討会は議事録公表されているんでしょう。議事録公表されているけど、全然示せていないでしょう。だから、結局、あり方検討会の方では、警察の関与が具体的にどのような効果、デメリット含めてあるのか、いろんな事例含めて検証して、議論をして結論、エビデンスを出したのか。出ていないということは、それは検討していないんですね。エビデンスなかったんですね、検討会の方では。それを聞いているんです。どうですか、大臣。
#115
○国務大臣(塩崎恭久君) 元々、先ほども何度か申し上げたように、この警察が関与する場合というのはもうごくごく例外的なケースであります。
 これは、先生から御要望いただいたのは、警察との関係でエビデンスを出せと、立法事実を出せということでこれを出しているので、あり方検討会の中で支援計画等々についての議論はしているわけでありますけど、それは警察とは関係ない部分がたくさん、まあ大半でありますから、ここには入っていないわけでありまして、警察との関係だけで議論をして支援計画を作ったということは全く当たらないことでございまして、そこのところは、先ほど申し上げたとおり、例外的にこの支援関係者が合意をした場合に限って警察の関与が排除をされないということを申し上げたわけであります。
 したがって、この警察との関係で出せということでございましたのでこのような形で出ておりますが、あり方検討会の議事録はまた別途御覧をいただければ、そこに支援計画等々のことについては書いてございますので、御覧をいただければというふうに思います。
#116
○石橋通宏君 どこにも議事録にないから聞いているんですよ、大臣。
 これ、警察の関与、協議会に関与するんでしょう。そう書いてあるじゃないか、法案の概要説明に。検証チームだって、限定的な事例といいながら、警察の関与の道、開いているわけでしょう。それを含めてそれが正しいと、それがいいんだとおっしゃるから、これ出してきているわけでしょう。それを、あり方検討会の方でどこでどう議論をしたのか、エビデンスに基づいて。それが協議されているなら、それ議事録にあるはずだ。ないから議論してないんでしょうと聞いているわけです、大臣。それだけ端的に答えてくださいよ。
#117
○国務大臣(塩崎恭久君) 今日お配りをしている資料の表紙にもございますように、抜粋と書いてあるわけで、これは警察との関係で立法事実を出せということなのでお出しをしているわけでありますから、警察との関係を捨象して議事録を出せというならば、もちろん公開している議事録がありますから、それはそれで支援計画等々についての立法事実を出せということで、そういうことであれば、もちろんお出しすることは、もう公開されていますから出すまでもないことでございますので、御覧をいただければというふうに思います。
#118
○石橋通宏君 これ、おかしいですよ。
 じゃ、公開、出せるものをじゃ理事会要求資料に出してなかったということですか。そういうことでしょう。出せるなら出してくださいよ。それに、まさに私が要求した資料、ここに出せるのは、いや別にあるんだ、いや、でもこの中には入っていません、いや、言われたら、改めて。じゃ、この要求資料そのものが駄目じゃないですか。
 委員長、これ要求資料として満たしてないということになりますよ。
#119
○国務大臣(塩崎恭久君) さっき私、お許しをいただいて少し長い御答弁を申し上げましたけれども、その際にも、どの部分が措置入院制度への警察の関与が被支援者の地域生活への移行促進に有効であることを調査、分析した結果なのかというようなことをお示しくださいということをリクエストいただいたので今回のこれになったわけでありますので、警察の関与と関係なく支援計画は我々は議論してまいっておりますから、その議事録は今日お配りのこの抜粋には入っていないのは当然のことであるわけでございますので、また、これ、警察との関与が関係なく出せと、こういうことであれば、それはまた出すことができるということでございます。(発言する者あり)
#120
○委員長(羽生田俊君) 改めて、資料要求はありますか。資料要求はありますか、改めての。(発言する者あり)
 速記を止めてください。
   〔午前十一時五十四分速記中止〕
   〔午後零時十六分速記開始〕
#121
○委員長(羽生田俊君) 速記を起こしてください。
 政府からの答弁をお願いいたします。塩崎厚生労働大臣。
#122
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど来、石橋委員の質問に対して当を得た答弁が十分できていなかったことに対して、改めておわびを申し上げたいと思います。
 この今日の資料に関連をして申し上げれば、この資料要求の中で、現状の措置入院制度に際し、警察の関わり方について具体的にどのような問題等があり、調査、分析を行って立法事実とされたのかが分かる両会議の議事録部分及び資料の本委員会への提出についてという御要望をいただきました。今の警察の関わり方についての部分については、今日お出ししているもので全てでございます。
 先ほど私があり方検討会の議事録を御覧いただければと申し上げたのは、警察に必ずしも関わらない部分についてはここに入っていないのがございますので御覧をいただきたいということを申し上げたので、御要望いただいた資料に関連していけば、まさに今日お出しをしているものが全てでございます。
#123
○石橋通宏君 ということは、大臣、あり方検討会では、これ議論されてないということを今お認めになったわけです。しかし、この法案、それが根幹です。だから、私は前回から繰り返しエビデンスをちゃんと出してくれ、検討会で具体的などのような議論をしたのか出してくれ、これが全てだ。つまり、ないわけですから、協議されてないもの、しっかりとしたエビデンスがないもの、それを法案として出してきた。この法案は立法事実がないことを今大臣がお認めになった、これじゃもう法案審議できないと思います。これ以上審議続けられません。
#124
○委員長(羽生田俊君) 御答弁ございますか。
 堀江部長。
#125
○政府参考人(堀江裕君) あり方検討会につきまして議事録の抜粋を提出させていただいておりますけれども、例えばそこの七十五ページのところに、通報に基づく移送の在り方とか、あるいは具体的な犯罪情報を把握した場合の情報共有の在り方というようなことについて協議の場を持つということで、主にどういう事例を措置の方に回すのか、通報するのかといったことにつきまして、警察と病院のコミュニケートが余り取れてないことが検討会で指摘されたので、それについての議論、設けていったらいいのではないかというようなことを、その検証・検討チームの座長である山本座長代理、あり方検討会では座長代理でございますから、そちらの方で報告をして議論に付されていると、こういうことでございます。
#126
○委員長(羽生田俊君) 一旦休憩といたします。
   午後零時十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
#127
○委員長(羽生田俊君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、和田政宗君が委員を辞任され、その補欠として自見はなこ君が選任されました。
    ─────────────
#128
○委員長(羽生田俊君) 休憩前に引き続き、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#129
○小川克巳君 自由民主党の小川克巳でございます。よろしくお願いいたします。
 冒頭、私も今回の立法事実について、これを確認しない以上、先には進めないなというふうに思っておりまして、関心深く聞いておりました。ただ、私の理解は多少、午前中の質疑の中身とは少し違うかなというふうには思っておりまして、それを前提として確認をさせていただきたいと思っております。
 今回の法改正につきましては、これまでの議論でも指摘されておりますように、医療の本質と人権への配慮という点で、厚生労働省には相当丁寧な説明をしていただかないと誤解を招きかねないというふうな印象を持っております。これまでの議論でかなり突っ込んだ質疑がなされ、先日は改めて法案提出の趣旨説明が塩崎大臣からなされたところですが、国民の不安や疑念はまだまだ払拭し切れていないと感じています。
 本日は、そうした不安を払拭する観点から、冒頭申し上げました人権と医療ということをベースとして基本的な事項について確認をさせていただきます。類似する質問を繰り返させていただくこともあるかと思いますが、厚生労働省には丁寧かつ分かりやすい答弁をお願いいたします。
 初めに、今回の改正案提出に至る背景について改めて確認させていただきます。全てはここからきていますので、入口が変わりますと出口も変わるというふうなことになりかねません。厚生労働省には明確な答弁をお願いします。
 さきに配付されました参考資料百五十七ページの精神保健福祉分野における制度改正の経緯によりますと、昭和二十五年の精神衛生法成立以来、精神保健法、精神保健福祉法と、内容とともに名称も変遷してきているわけですが、ライシャワー事件、宇都宮事件、池田小学校事件、そして昨年の津久井やまゆり園事件という衝撃的な事件がそのたびごとの制度見直しに対する一つの大きなきっかけになってきたと、そういう事実は否めません。
 しかしながら、今回、改正案提出の趣旨には法整備のポイントとして三点が挙げられておりまして、その一番目に、医療の役割を明確にすること、医療の役割は、治療、健康維持増進を図るもので、犯罪防止は直接的にはその役割ではないというふうに明記されております。これは、精神障害というものに対する医療と保安という議論に終止符を打ち、あくまで精神障害者医療及び福祉という観点に立ってそのあるべき姿を改めて整理したいとの厚生労働省の意気込みであろうとも理解しますが、しかし、そうだとするなら、これまでも指摘を受けているように、今回の法改正に至る背景とは何なのか、非常に重要な部分であるというふうに思っております。明確かつ丁寧な答弁を求めます。
#130
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の法案の提出に至る立法事実のお尋ねがございました。
 三つあると思います。一つは相模原市の障害者支援施設で起きた事件、そして精神保健指定医が不正に指定を取得をしていたという事案、そして平成二十五年の前回改正における施行後三年後の見直し規定、この三つを踏まえまして精神保健医療福祉に係る制度についての検討を行ったところでございます。
 その結果、現行法には措置入院について患者が退院した後の医療や福祉あるいは就労支援などのサポートが不十分であること、そして精神保健指定医制度については、指定医になろうとする者を指導する指導医の役割、これが十分認識をされていなかったこと、そして医療保護入院につきましては、患者の御家族などが同意、不同意の意思表示を行わない場合があって、その場合の患者の適切な医療につながらないというケースがあることなどの課題があることが明らかとなりました。これらの課題を踏まえまして、措置入院者等の退院後の医療等の支援の強化、そして指定医の指定制度等の見直し、さらに、医療保護入院に必要な手続の見直しなどを行うために今回この法律案を提出したところでございます。
 なお、これまで各種説明の場で用いてきた法案の概要資料につきましては、一部を見直しをいたしました。これは、これまでの審議での御指摘を踏まえて、この法律案の趣旨の内容をより正確に表現をし、誤解を招かないようにしたものでありましたが、審議に混乱を来したことにつきましては、改めておわびを申し上げたいというふうに思います。
#131
○小川克巳君 ありがとうございます。
 三点についてはこれまでも説明をされてきているところですけれども、後ほど、指定医の問題についてももう少しお尋ねをさせていただきたいというふうに思っております。
 続きまして、医療の役割について確認をさせていただきます。
 医療法第一条の二には、「医療は、生命の尊重と個人の尊厳の保持を旨とし、医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係に基づき、及び医療を受ける者の心身の状況に応じて行われるとともに、その内容は、単に治療のみならず、疾病の予防のための措置及びリハビリテーションを含む良質かつ適切なものでなければならない。」というふうに今回のテーマとなる事項について明確に定めていると思っています。
 また、同法第二項には、「医療は、国民自らの健康の保持増進のための努力を基礎として、医療を受ける者の意向を十分に尊重し、病院、診療所、介護老人保健施設、調剤を実施する薬局その他の医療を提供する施設、医療を受ける者の居宅等において、医療提供施設の機能に応じ効率的に、かつ、福祉サービスその他の関連するサービスとの有機的な連携を図りつつ提供されなければならない。」と定めています。
 今回改正しようとする精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第一条には、その目的として、「精神障害者の医療及び保護を行い、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律と相まつてその社会復帰の促進及びその自立と社会経済活動への参加の促進のために必要な援助を行い、並びにその発生の予防その他国民の精神的健康の保持及び増進に努めることによつて、精神障害者の福祉の増進及び国民の精神保健の向上を図ることを目的とする。」というふうに定められており、当然のことながら、精神障害者による犯罪行為の防止などの記載はありません。
 この法の目的をきっちりと踏まえていただいた上で、今回の改正によりこの趣旨が損なわれることになりはしないかという強い懸念があるところで、医療は全ての国民に対し平等に良質なサービスが提供されなければならないというふうに私は思いますが、今回、そうであるにもかかわらず、法改正が措置入院者のみを対象としている合理的理由とは何なのか、あわせて、改正の概要の二に記された措置入院者が退院後に医療等の継続的な支援を確実に受けられる仕組みの整備、これは他の精神障害者に対しても例外ではないと考えますが、今後適用を拡大する考えがあるのか、以上二点についてお尋ねいたします。
#132
○副大臣(橋本岳君) 幾つかの点、お尋ねをいただいております。
 まず、医療の役割、若しくは今回の法改正の目的と申し上げてもよろしいかと思いますが、第一条を引いて今御質問いただきました。私どもといたしましても、精神障害者に対する医療は、その病状の改善そのほか精神的健康の保持及び増進を目的として行われるべきものであると考えております。その点で、今回の法改正案でも明記をしているところでございます。
 また、円滑な社会復帰等ということに関して、その観点からいえば、今御指摘をいただきましたように、もちろんその措置入院の方もそうですし、それ以外の形での入院をされた方においても、そこから退院をされた患者の方に対して何がしかの支援を実施をするということは望ましいことだというふうに考えておりますし、例えば入院患者一般について言えば、医療法の方で退院後の療養に必要な保健医療サービス又は福祉サービスに関する事項を記載した書面の交付等に努めることとされておりまして、診療報酬で評価をされているとか、あるいは医療保護入院については、平成二十五年改正の際に、退院促進措置として、病院管理者に対し退院後生活環境相談員の選任ですとか、そのほか努力義務などを設けて、そういうことを促そうということは取り組んでいたわけでございます。
 ただ、今回、その事件がございまして改めて措置入院の制度について検証してみたところ、措置入院の制度については退院後の支援をするという点が欠けているということを改めて私どもとしては認識するに至ったということで、今回の法改正のような支援の枠組みを設けようということで御提案を申し上げていることでございます。
 ただ、じゃ、それをほかの、今は措置入院制度についてということの退院された方についてということで御提案をしていますが、ほかの形態で入院をされた方については広げる考えはないのかということも御質問いただきました。
 これは地域保健行政の人的資源との関係もあります。それは、結局こうした保健所等が、あるいは支援する様々な自治体の組織がそれを、仕事をするということになりますので、その人的資源との兼ね合いにおいて、全ての入院形態の方について退院後支援計画の作成等を自治体に義務付けることはちょっと現実的には困難であろうというふうに考えているところでございまして、今回、措置入院の方に対してまず提案を申し上げた理由につきましては、措置入院に至るまでの病状となった方については、退院後も円滑に地域生活に移行できるような環境を整える必要性がほかの入院形態の患者の方よりも高いのではないかと考えられること、また、措置入院は都道府県知事等が行う、まさに措置ですから、ものでございまして、退院後の支援についても自治体が関わりを持つ必要性もよりほかの入院に対しては高いのではないか、このように考えられることから、本法案においてはまず措置入院者に対して、自治体に対し退院後支援計画の作成等を義務付けたところでございます。
#133
○小川克巳君 ありがとうございます。
 ただ、今の答弁の趣旨は理解できますけれども、二〇二五年を目途として地域包括ケアシステムが運用されようとしています。その地域包括ケアシステムそのものは、いわゆる自助をベースとした共助、公助ということの仕組みをうまく回すことによって実現していこうというふうな考え方にあるものだというふうに理解しておりまして、そういう意味では、いわゆる退院後についても継続的に適正な医療ないし、ほかのいわゆる福祉系の相談であるとかサポートであるとか、そういったものがきちんと受けられるということがやっぱりその根底になければ成立しないというふうに思っております。
 そういう意味で、是非、今回措置入院者ということが非常にクローズアップされているわけですけれども、視点をもう少し今後広げていただけると有り難いかなというふうに思っているところでございます。
 退院後の医療等の支援の関係者が参加した精神障害者支援地域協議会で退院後支援計画を作成するということが提案されておりますが、退院後支援計画には具体的にどのような内容が盛り込まれることになるのか、また、退院後支援計画の支援期間につきましては当然患者の状態に応じて設定されることになると考えますが、標準的な期間についてはどの程度を想定しているのか、また誰がその判断を行うのか、さらに、退院後支援計画の見直しをどのようにするのかについてお伺いします。
#134
○政府参考人(堀江裕君) お答え申し上げます。
 退院後支援計画は、措置入院者が退院後に円滑に地域生活に移行し、社会復帰、自立と社会経済活動への参加ができるよう、医療、地域福祉、就労支援などの必要な支援を確実に受けられるようにするためのものでございます。
 計画の内容としては、支援対象者が希望する地域社会生活、支援対象者の退院後の医療等の支援の内容、医療等の支援を行う関係機関名、担当者名、医療等の支援を行う期間などを盛り込むことを想定してございます。これらの計画の内容について、退院後の医療等の関係者をメンバーとする個別ケース検討会議で本人、家族の参加の下、協議いただき、自治体が決定することとなります。
 このうち、計画の期間でございますが、措置入院者が地域生活に円滑に移行できるようにするための期間といたしまして、現時点では半年以内程度を基本とすることを考えてございます。患者の病状や生活環境の変化によっては例外的に支援期間を延長することも考えられますが、その場合でも延長は原則一回までとし、一年以内には地域生活への移行を図ることができるように努めていただくことを考えてございます。
 こうした支援期間の在り方等の詳細につきましては、厚生労働省において厚生労働科学研究班における有識者の意見を踏まえ、秋頃をめどに退院後の支援のガイドラインを作成し、自治体に対して示してまいりたいというふうに考えてございます。
#135
○小川克巳君 半年以内をめどとするということについて少し安心をしました。
 一年以上に上る長期入院者については、地域移行あるいは地域定着事業、そういったものが平成二十年から始められておるようですけれども、これらの考え方を適用していくということが必要なんだろうというふうに考えております。
 退院後支援計画の作成に当たっては、今回、その主体として患者本人又は家族が参加すべきものとして位置付けられたというふうに理解しておりますけれども、その意向確認について具体的にどのように取り扱われるのか、また両者の意向確認ができない場合においてはどのように対応することを考えているのかについてお伺いをいたします。
#136
○政府参考人(堀江裕君) 退院後支援計画は、患者本人の社会復帰の促進等のために自治体が作成するものでございまして、措置入院先病院において行われる医療、福祉の多職種によるニーズアセスメントの結果を下に、本人、家族の意向をしっかりと踏まえた上で作成することが必要であると考えてございます。このため、退院後支援計画を協議いたします個別ケース検討会議には本人と家族も参加すべきであることに加えまして、患者本人又は家族の意向を確認する手続についても具体的にガイドラインで示してまいりたいと考えてございます。
 両者の意向確認ができない場合であっても退院後支援計画は作成されますが、患者は作成されました計画の内容に従う義務はなく、仮に計画の内容に同意できない場合には計画作成後に支援を受けないことが可能であるが、できるだけ本人や家族の意向を確認できますようにガイドラインで促してまいりたいと考えてございます。
#137
○小川克巳君 是非、当事者の意見を拾い上げるようにやっぱり努力していただきたいと思います。
 改めて支援期間終了後についてお伺いをいたしますが、退院後支援計画等、患者情報等についてはどのように取り扱われるのか、この辺りについて、例えば保管期間、あるいは保管場所、管理者、廃棄方法、そういったものなどについて御説明をお願いいたします。
#138
○政府参考人(堀江裕君) 退院後支援計画は保健所設置自治体が作成し、支援期間終了後はその自治体において保管することとなります。その保管期間は各自治体ごとの文書管理の規則などにより設定されまして、設定された期間を過ぎれば適切に廃棄されると考えてございます。
 一方で、自治体の取扱いに大きなばらつきが生じないよう、精神障害者支援地域協議会の運用通知においてお示ししたいというふうに考えてございます。
#139
○小川克巳君 情報が妙な形で外に出るというふうなことのないように是非気を付けていただきたいというふうに思います。
 医療においては、昨今、インフォームド・コンセントは当たり前のことですが、措置入院者について同様の手続があるのかどうか、また措置は行政処分であり、権力の人権への介入でもあることから、精神医療審査会での審査についても、書類審査のみにとどめず、原則として本人との面接等を組み込むということなどは考えられないものかというふうに思っております。この点について見解をお願いいたします。
#140
○政府参考人(堀江裕君) 措置入院は、精神保健指定医による診察の結果、入院させなければその精神障害のために自傷他害のおそれがあると認められる方を対象としていることから、迅速な医療及び保護の実施のため、入院に関して本人の同意を要件とはしてございません。一方で、インフォームド・コンセントの考え方からは、本人が入院措置の必要性について説明を受ける機会を確保することが適当と考えてございます。
 このような観点から、本法案では、措置入院を行う際の書面による告知事項に入院措置をとる理由を追加いたしまして、患者やその家族等がどのような理由から措置入院などの入院措置がとられたのかについて、医師からの説明の内容をより充実させることといたしてございます。
 精神医療審査会の審査については、審査において参考とする情報に地域でばらつきが生じないようにするため、また審査に際し必要な資料が確実に提供されるようにするため、原則として書面をもって行うこととしてございますが、請求者や関係者の意見を聞きながら実効性のある審査が実施される仕組みとしているところでございます。
 具体的には、法律上、退院請求、処遇改善請求の審査においては、請求者と精神科病院の管理者の意見を原則として聞かなければならないこととしてございます。また、審査会の運営マニュアルにおいて、入院届の審査について必要に応じて患者等に意見を求めることができることとしており、こうした取組を通じまして患者の人権確保を図ってまいりたいと考えてございます。
#141
○小川克巳君 まさにこの辺りが医療とそうでない部分のいわゆるグレーゾーンといいますか、基本的な医療のスタンスというものを踏まえた上で対応を決めていくということは前提だろうというふうに思いますので、是非、犯罪予防というふうなことの観点が前面に出ないようにお願いをしたいというふうに思っております。
 時間が当初予定よりも随分と圧縮されておりますので、ちょっと飛ばし飛ばしということでお願いをいたします。
 退院後生活環境相談員についてお尋ねをいたします。
 今回の法改正により、措置入院先病院の管理者には退院後生活環境相談員の選任が義務付けられることになりました。厚労省ではどのような者が選任されることを想定しているのか、また、有資格者であるだけでなく、措置入院者からの相談に適切に応じられるよう、それなりの資質を備えている必要があるのではないかと考えますが、資格とは別にそうした備えるべき資質の担保についてはどのように考えているのか、お伺いをいたします。
#142
○政府参考人(堀江裕君) 現在、医療保護入院者の退院後生活環境相談員としては、精神保健福祉士のほか、看護師、作業療法士等の資格保有者でその資格の実務経験を有する者、精神障害者の退院後の生活環境に関する相談、指導について三年以上の実務経験を有する者で厚生労働大臣が定める研修を修了した者を選任することとしてございます。今回の法案について、新たに措置入院者の退院後生活環境相談員も選任されることになりますが、基本的には医療保護入院の場合と同様のものを想定しているところでございます。
 今後、退院後の医療等の支援に関するガイドラインや関連する通知において退院後生活環境相談員の役割などにつきましても明確化を図る予定でございまして、そうした役割の周知や専門性の向上のために必要な研修について検討してまいりたいと考えてございます。
#143
○小川克巳君 退院後支援については日常的に居宅訪問等が想定されるというふうに思いますが、患者数に対する人員要件等についても、今の御答弁のように、そういった中で定められていくというふうに考えてよろしいのでしょうか。
#144
○政府参考人(堀江裕君) 今回の法案によりまして、地方自治体は、退院後支援計画を作成する際の関係機関との調整、患者や家族への丁寧な説明、退院して自宅に帰住した措置入院者への居宅訪問等による保健指導など、役割が大きくなるものと考えてございます。
 このため、保健所や精神保健福祉センターにおいて相談、指導等の体制強化できますよう、平成二十九年度から全国の自治体で二百人程度の精神保健福祉士を新たに雇い入れることが可能な地方交付税措置を講じてございます。
 さらに、今後、二十九年度におけます自治体の対応状況を見ながら、平成三十年度予算に向けまして対応策を検討し、自治体において適切な退院後支援を行うための適正な人員体制が確保できるように努めてまいりたいと考えてございます。
#145
○小川克巳君 精神保健指定医についてお尋ねをいたします。
 今回のもう一つの大きな問題である精神保健指定医につきまして、個人的には非常にあるまじき実態だなというふうに、そういった感想を持っております。今回、ちょっとはしょらせていただきますが、処分を受けた医師が関わった措置入院者及び医療保護入院者への対応について、その手続や判断に誤りがなかったかどうかの確認はなされたのか、なされたのなら、その内容について簡潔に御説明をお願いいたします。
#146
○政府参考人(堀江裕君) 不正なケースレポートの作成に関わった指定医が行った過去の指定医業務については、その内容の妥当性について検証する必要があると認識してございまして、平成二十八年十一月に四十七都道府県と二十の指定都市に対しまして、緊急措置入院や措置入院に係る入院時の判定、応急入院や医療保護入院に係る判定、隔離、身体的拘束に係る判定等につきまして、不正取得した医師等の関与の有無、妥当性の検証を依頼いたしました。
 平成二十九年三月末時点におきまして、措置入院又は緊急措置入院に係る入院時の判定については、不正取得した医師が関与した患者が六百三十五名おりまして、そのうち報告のあった六百十五名は入院時の判断に妥当性があったというふうに確認してございまして、差分の二十名につきましては現在自治体の方で検証を進めているところでございます。
 その他の調査に関しましては現在集計中でございますが、不適切な事例を認めた場合には、個別具体的な分析を行い、必要な対応を行ってまいりたいと考えてございます。
#147
○小川克巳君 警察庁の方にお尋ねをいたします。
 今回の津久井やまゆり園事件では、警察の対応にもそれなりの課題があったというふうに感じるわけですけれども、このような事件の再発を防ぐために事件後の検証はなされたのか、その内容と今後の対策について説明をいただきたいと思いますが、あわせて、医療との関係性における警察の役割、機能をどのように考えているのか、警察庁及び厚生労働省にお尋ねをいたします。
#148
○政府参考人(小田部耕治君) お尋ねの件につきましては、厚生労働省に設置されました相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止策検討チームに警察庁も参画いたしまして、医療、福祉面のみならず、警察における対応も含めて検証が行われたところでございます。
 当該検証チームにおきましては、医療や保健の現場において、医療と警察のいずれかが対応すべきか判断が困難な事案があること、それに関連した認識や情報を共有することが重要であり、地域で定期的に協議する場を設置することが必要であること、また、警察官通報から措置入院につながった割合について地域ごとにばらつきがあることなどが課題として指摘されたものと承知しております。
 こうした課題に対応するため、本法案におきましては、精神障害者支援地域協議会を新たに保健所設置自治体に設置することとされ、代表者会議において関係機関間の情報共有方法や措置入院の適切な運用の在り方等、地域の精神障害者の支援体制に関し、自治体、警察、精神科医療関係者等の関係者で協議を行うこととされていると承知しております。警察がこれらの協議に参画することにより、より適切な関係機関間の情報共有や措置入院の運用につながるものと承知しております。
 また、これらの協議内容には、他害のおそれが精神障害によるものか判断が難しい事例、いわゆるグレーゾーン事例への対応方針等も含まれていると解されていると承知してございます。今後、厚生労働省におかれまして、これらのグレーゾーン事例の対応方針について協議会に関する運用通知で示され、協議会の代表者会議の場で当該方針に沿って、自治体、医療関係者、警察等の間であらかじめ具体的な対応方針を取り決めることを考えられているものと承知してございます。
 警察におきましては、こういった今後厚生労働省におきまして示される方針を踏まえまして、代表者会議が取り決めます具体的な方針に沿いまして、協議会とは別の場で、こういったグレーゾーン事例に関する情報提供等を受けた場合には個別具体の事案に応じて必要な対応を行うことが考えられるところでございます。こうした対応にあっては、関係機関との連携に留意しつつ、また人権保護にも配意しながら適切に実施してまいりたいと考えております。
 また、検証チームにおきましては、社会福祉施設等における安全確保策を講じていく必要があることが提言されたところでございます。この点につきましては、厚生労働省から自治体に対しまして通知が発出され、防犯に係る取組を進めるための具体的な項目が示されたところでございます。警察庁におきましても、この通知を都道府県警察に周知し、社会福祉施設等から協力要請があった際の適切な対応を指示したところでございまして、都道府県警察におきましてはこうした取組への協力を実施しているものと承知しております。
 警察といたしましても、関係機関等と連携協力し、取組をしっかりと進めてまいりたいと考えております。
#149
○政府参考人(堀江裕君) 今、警察庁から御答弁あって、私どもも検証・検討チーム等を通じまして一緒に検討してまいりましたので、内容が繰り返しになりますので簡潔に申し上げますけれども、本法案におきまして精神障害者支援地域協議会を保健所設置自治体に設置することといたしまして、その代表者会議において関係機関間の情報共有、措置入院の適切な運用の在り方、地域の精神障害者の支援体制について自治体、警察、精神科医療関係者等の関係者で協議を行うということでございまして、警察がそうした会議に参加することで、治療、健康の維持増進を図る医療と犯罪防止を担う警察との役割分担が地域において明確化されて、適切な対応がなされるものと考えてございます。
#150
○小川克巳君 時間がもう過ぎておりますので、もうこれ以上申し上げませんが、警察に対して多くの国民は余りいい感情を持っていないということがあります。あくまで医療をベースにしたところで関わっていくという視点を忘れないようにしていただきたいということと、関わる方々に対して、警察庁の中で、研修なり、そういった啓発活動といいますか、そういったものについても是非やっていただきたいというふうに思います。
 ほかの質問に関しましては改めての機会にさせていただきます。質問を終わります。
#151
○石井みどり君 自由民主党の石井みどりでございます。
 先週に引き続き、精神保健福祉法改正法案について御質問をさせていただきます。
 精神保健福祉法は、前回、平成二十五年に改正され、平成二十六年四月一日に施行となりました。その際、医療保護入院において保護者の同意要件を外し、配偶者、親権者、扶養義務者、後見人又は補佐人である家族等のいずれかの者の同意が要件とされ、家族等の該当者がいない場合等において市町村長が同意の判断を行うこととなりました。
 今改正案におきましては、家族等が同意、不同意の意思表示を行わない場合においても、市町村長が同意をすることで医療保護入院が可能となることが盛り込まれています。
 そこでお伺いします。前回の法改正の施行後三年となりますが、医療保護入院における家族等同意及び市町村同意の件数及び傾向について、厚労省はどのように分析されておられますでしょうか。
#152
○大臣政務官(堀内詔子君) 医療保護入院につきましては、平成二十五年の前回改正において保護者制度が廃止され、家族等同意が医療保護入院の要件となりました。都道府県、指定都市、六十七自治体を対象としたアンケート調査によりますと、各年度の四月から六月の四半期について、市町村同意による医療保護入院は、前回法改正前の平成二十五年度は八・〇%、法改正後の平成二十七年度は三・九%であり、市町村長同意による医療保護入院の割合は減少しているところであります。
#153
○石井みどり君 これまでの保護者から家族等の同意に変更することで、保護者の負担は軽減されたと考えています。しかし、家族等同意となったことにより、現場において同意の取り方に様々な変化が起こり、一部病院や市町村において業務量が増加、複雑化しているのではないでしょうか。
 医療保護入院は、医療及び保護のための入院の必要がありますが、自ら同意して入院する状態にない方のための入院であり、緊急を要する場合が多いです。しかし、家族等同意を取るための時間が掛かり、現場において混乱を来すケースが多く見受けられます。
 平成二十五年改正までであれば、市町村同意の必要性が認められる場合は、市町村長同意の依頼を市町村に対し行うことで速やかに受理されていました。しかし、改正後は、市町村は対象者の住民票や戸籍謄本等を確認し、家族等がいるかどうかについて厳密な確認を行わなければならない状況となり、本籍地が他の市町村にある場合は書面にて他の市町村に照会を示す必要があるなど、時間を要しています。特に本籍を何度も移っている人はそれを全て追わなければならず、早急な対応が困難であります。場合によっては、同意の獲得は極めて長期にわたり遅延をしたり、遅延が頻回に発生することもあり得ますが、この手続の法的意義を考慮すれば、法の趣旨からの逸脱ではないかと思われます。
 現場にだけ負担を押し付けるのではなく、このスキームと行政の対応についてどのようにお考えでしょうか。
#154
○政府参考人(堀江裕君) お答え申し上げます。
 家族等同意は、本人の同意に基づかない医療保護入院の実施に当たって、精神保健指定医による医学的な判断だけではなく、本人の利益を勘案できる者による入院の必要性の判断が必要と考えられることから、家族等が医師から十分な説明を受けた上で同意を行う仕組みでございまして、また、市町村長同意は、家族等がいない場合などに家族等に代わって市町村長が同意を行う仕組みであります。
 このような制度の趣旨に鑑みますと、同意を得るに当たりましては、まず家族等の存在を適切に確認し、医師から家族等に丁寧な説明を行った上で同意の判断を行っていただく必要がございます。一方で、御指摘のとおり、現場において同意を得るのに余りに時間を要する制度では医療へのアクセスを阻害する可能性がございます。
 このため、これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会の報告書においては、現在実務上困難になっているような、同意の対象となる家族等と連絡が取れない場合等の取扱いを整理すべきであるという提案をいただいてございまして、今後、こうした点につきましても取扱いを整理して、厚生労働省で作成いたします同意を行う際に求められる手続等に関するガイドラインにおいてお示ししてまいりたいと考えてございます。
#155
○石井みどり君 医療保護入院は、指定医が診察をし、書面告知をし入院措置をとりますが、同意が得られた時点において法的には医療保護入院が成立をいたします。直ちに家族の同意が得られない場合は、その緊急性から一旦入院し、家族の同意や市町村長同意を求める努力をする実態が多く見られます。
 入院措置と同意との時間差が短期間であれば緊急避難の考え方もできると思いますが、入院措置が長期にわたれば違法状態となるのではないでしょうか。先ほども述べましたように、前回の法改正のためにこの時間が長期にわたることが多く見られています。このスキームが違法状態を発生させていると言えるのではないでしょうか。
 医療保護入院は同意によって法的に成立しているのですから、届出に関する規定や遅延届等はこの違法性の阻却とはなり得ません。入院措置と同意との間に時間差がやむを得ない実態が広く見られる現状に鑑みれば、この時間差が緊急避難として違法性が阻却されるために短期間となるようなスキームが必須であり、違法性が広く見られる実態を改善する必要があります。
 入院措置と同意との間の時間差が長期化しないようなスキームをどうお考えでしょうか。
#156
○政府参考人(堀江裕君) 基本的に、医療保護入院は家族等が同意をしてから入院が行われるもので、本法案では、家族等の全員から同意、不同意の意思表示が行われない場合に市町村長の同意に基づく医療保護入院を可能とするものでございます。
 制度の運用に当たりまして、患者の医療へのアクセスを確保する観点から、精神保健指定医が入院の必要性があると判断した後、家族等の同意、不同意の意思表示が速やかに確認できるようにすることが必要であるのは委員御指摘のとおりでございます。また、家族等の同意、不同意の意思表示が行われない場合には、市町村長による医療保護入院の判断が速やかに行われる必要がございます。
 このため、市町村向けに作成してございます医療保護入院の手続に関します事務処理要領におきまして、家族等同意に係る円滑な手続につきまして改めて整理をいたしまして、市町村及び医療機関等に示してまいりたいと考えてございます。
#157
○石井みどり君 既に措置入院で入院している対象者が措置症状の消退により医療保護入院へ切り替わる際も家族等同意が必要となりますが、家族等の存在確認に手間取るなど事務手続に時間を要する場合、医療保護入院者入院届出等の提出が期限の十日間を超えてしまい、遅滞届を提出する必要が生じることとなります。また、症状から、措置入院ではなく医療保護入院に切り替えたいにもかかわらず、取り得る方法がなくなることもあり得ます。
 このように、家族等の存在の確認自体に時間を要する場合、病院や市町村側に混乱を生じさせないための方策はお持ちでしょうか。同意が取れるまでの間の本人の治療等に影響を与える懸念はないのでしょうか。このことを何度もお聞きしますのは、現場のPSWは非常に困っています。これで本当に時間を取られています。ですから何度もお聞きしています。お答え、お願いします。
#158
○政府参考人(堀江裕君) 医療保護入院は、本人の同意に基づかない入院制度の一つでございますので、実施に当たっては、指定医による医学的判断だけでなく、本人の利益を勘案できる者により入院の必要性の判断が必要でございます。一方で、必要な医療等の支援が途切れないよう、制度の適切な運用を図ることが重要と考えてございます。
 今回の改正案では、措置入院から医療保護入院に切り替わる方も含め、全ての措置入院者について、措置入院中に退院後支援ニーズアセスメント等を実施することといたしてございまして、その中で家族等の状況についても可能な範囲で把握することを想定してございまして、これにより市町村同意への移行の判断がより円滑に行われるものと考えてございます。
 また、措置入院からの移行以外の場合でも家族等の存在の確認自体に時間を要する場合が想定されますことから、例えば病院管理者による家族等の存在の確認ができなければ市町村に調査を依頼するなど、今後、適切な運用の在り方について検討し、通知等で示してまいりたいと考えてございます。
#159
○石井みどり君 今改正におきまして、家族等が同意、不同意の意思表示を行わない場合に市町村長の同意による医療保護入院が認められることとなりました。
 同意、不同意の意思表示を行わない場合はいろいろなケースが考えられるのではないでしょうか。例えば、対象者に悪いのではないか、あるいは恨まれるのではないか、あるいは、関係を絶ちたいとの考えから、意図的に同意、不同意の意思表示を行わない場合は、同意、不同意の意思表示を行わないという意思は示されているので市町村同意に切り替えることは比較的早期に行えることが期待できます。一方で、家族等の意見が一致せずに、家族間で議論がまとまらずに結論を決められないなど、意図しない形で同意、不同意の意思表示がなかなか示されない場合もあるのではないでしょうか。
 同意、不同意の意思表示を行わない場合の具体的な事例をお示しください。また、同意、不同意の意思表示を行わないと判断するための期限設定等はあるのでしょうか。同意、不同意の意思表示を行えないケースについて、ガイドライン等で判断基準が示されるのでしょうか。
 以上三点、お伺いいたします。
#160
○政府参考人(堀江裕君) 家族等が同意、不同意の意思表示を行わない場合としては、具体的には、家族等が同意、不同意の意思表示を行わない旨の意思を示し市町村長同意の手続に進むことを了承している場合のほか、市町村長同意の手続に進むことの了承まではしていないが病院及び市町村からの患者についての連絡を行うこと自体を拒否している場合など、同意、不同意の意思表示を行わない旨の意思が示されている場合が含まれるものと考えてございます。
 一方で、家族等が同意すべきかどうか判断に迷い判断を留保しているような場合につきましては原則として対象としないことを考えておりますので、一律に同意、不同意の意思表示を行う期間設定を設けることは考えてはおりません。できるだけ医師から丁寧に入院の必要性を説明し、家族等に判断を促すようにすることが適当だと考えてございます。
 今後、厚生労働省において、同意を行う際に求められる手続を本年秋頃を目途にガイドラインとして明確化する予定でございまして、どのような場合を同意、不同意の意思表示を行わないケースとして取り扱うべきかという点につきましても明確にしていきたいと考えてございます。
#161
○石井みどり君 市町村長同意により医療保護入院後、内科的治療など別の要因で転院し、再び転院先から元の病院に医療保護入院で戻る場合、最初の入院による市町村長同意は転院先から戻る際も有効でしょうか。精神科病院においては診ることができない内科的治療等のため、一度転院しても再び精神科病院に戻る場合、また家族等同意、市町村同意の確認から始め、治療が遅れるというような懸念はないでしょうか。対象者の不利益が生じることがないよう柔軟な運用が必要と考えておりますが、見解をお伺いいたします。
#162
○政府参考人(堀江裕君) 市町村長同意による医療保護入院は、精神保健指定医による診察の結果、精神障害者であり、かつ医療及び保護のため入院の必要がある者について、その家族等がいないような場合において、その者の居住地を管轄する市町村長の同意があれば、例外的に精神科病院の管理者は本人の同意がなくてもその者を入院させることができる仕組みでございます。
 本人の同意に基づかない入院である医療保護入院の実施に当たりまして、指定医による医学的判断だけでなく、本人の利益を勘案できる者による入院の必要性の判断が重要であることを踏まえますと、御指摘のような再入院の場合であっても、原則として、その時点の症状に応じて再度入院の必要性を判断し家族等の同意を求めるなど、通常の医療保護入院の手続を経ることが必要と考えておりますが、いずれにいたしましても、対象者に不利益の生じることのないよう、こうした場合の運用につきましてガイドラインで示してまいりたいと考えてございます。
#163
○石井みどり君 質問をちょっとスキップさせていただきます。
 一九五〇年に精神衛生法が制定され、措置入院制度が発足しましたが、この間に経済措置として生活困窮者等の精神科医療対策として用いられ、大量の措置入院患者が見られた時期がありました。近年になり措置入院患者が減少し続けたのは御承知のとおりでありますが、更に医療観察法による措置入院の変容も見られます。発足以来、長年にわたる社会の変化があり、これに応じて措置入院の実態も変化してきたと言えます。
 しかしながら、長年にわたる社会の諸情勢の変化に応じて措置制度の在り方が根本的に見直されることはありませんでした。数次にわたる精神保健福祉法の改正の都度に見直されるべきであったと考えています。相模原事件の本質は、このような加害者の出現に対して対応し切れない制度疲労もその原因の一つではないかと考えられます。
 この長期にわたる措置入院制度の歴史に鑑み、現在の措置入院制度の在り方について、つまり、重大事件の発生のための言い訳として見直されるのではなく、適時見直すべきであると思いますが、いかようにお考えか、お聞かせください。
#164
○国務大臣(塩崎恭久君) おっしゃるように、歴史がある措置入院制度の在り方についての見直しについて、様々な考え方があるということは御指摘のとおりでございます。
 今回の制度の見直しは、相模原事件を一つの契機として、検証・検討チームにおける検証などを通じて明らかになった措置入院からの退院後の社会復帰に係る現行制度の課題に対応するために行う法改正でございます。具体的には、措置入院者が退院をした後の社会復帰に向けた医療あるいは地域福祉あるいは就労支援、こういった様々な支援を強化をすることによって、措置入院者がこうした支援を確実に退院後に受けられるようにするための見直しを行うものでございます。
 一方で、措置入院制度につきましては、適時見直しを検討すべきという御指摘には全く同感でございます。本法案においても施行後五年以内の検討規定を置いてございますが、今回の制度見直しの運用状況等を踏まえた措置入院からの退院後支援の在り方も含めて、制度の検証と必要な見直しを行ってまいりたいと考えております。
 いずれにしても、今回の一連の法改正の三つの理由を、冒頭、立法事実として申し上げましたけれども、とりわけこの措置入院制度につきましては、退院後の地域への移行というのは、大きな方向性は決まっていながらその仕組みがなかなか整備をされてこなかったということに応える法改正だと、そのように思っております。
#165
○石井みどり君 次に、措置入院中の医療の質に関わる課題についてお伺いをいたします。
 千葉県精神科医療センター病院長の平田豊明先生は、御自身の論文の中で、全精神科医療施設のうちおよそ七割が措置入院の指定病院であり、入院患者四十八人に医師一人の病棟でも措置入院患者を受け入れることができるが、例えば入院患者十六人に対して医師一人以上を配置する病棟に措置入院先を絞り込むことは現状でも可能であり、医学的観点及び権利擁護の観点からも必要である、実現困難な地域があるならば、地域医療計画の最優先課題として実現を目指すべきと述べられています。
 また、提供する医療の質をどう担保するか。薬物依存症やパーソナリティー障害は、現代医療をもってしても治療困難な病態であり、措置入院中の治療プログラムという枠組みにとどまることなく、関係諸機関との連携を前提とした対応を検討するべきとしています。
 特に、池田小学校事件に見られるように、治療困難なパーソナリティー障害などの処遇についてどう考えておられるか。社会において同様の事件による被害者を発生させないことも行政の義務であり、アメリカ、イギリス等の司法精神医学について、その政策や制度等を研究しておられるのでしょうか。また、これをどのように参考にしようとしておられるのか、お聞かせください。
#166
○政府参考人(堀江裕君) お尋ねのパーソナリティー障害につきましては、国際疾病分類、ICD10でございますが、によりますと、F6、成人のパーソナリティー及び行動の障害に分類されまして、精神疾患に位置付けられてございます。
 パーソナリティーの特徴そのものを医療のみで改善することは容易ではございませんが、社会の中で適切な医療、福祉等の支援を受けることにより、一定の改善が見られる場合があると認識してございます。
 現在、実施されております厚生労働科学研究によりますと、例えばイギリスでは、触法行為のあったパーソナリティー障害を有する方を含む深刻かつ複雑なニーズのある精神障害者には、担当のケアマネジャーが中心となって多職種、多機関連携によるアウトリーチ等のサービスを提供してございます。
 厚生労働省といたしましては、諸外国の司法精神医療の取組も参考にしながら、パーソナリティー障害にも適切に対応可能な地域精神医療体制の充実を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
#167
○石井みどり君 先ほど申し上げた平田先生の御指摘のように、措置入院の指定病院の質及び提供する医療の質を担保することは重要な観点と考えておりますが、見解をお伺いしたいと思います。
#168
○大臣政務官(堀内詔子君) 先生御指摘のとおり、措置入院患者に対して退院後も継続して良質な医療を提供できるよう、できる限り住み慣れた地域の近くで質の高い精神科医療を提供できる体制を確保することは重要だと思っております。
 現在、措置入院患者を受け入れる指定病院については、医療法施行規則に定める精神病床の基準に加えて、常勤の精神保健指定医が二名以上、措置入院を受け入れる病棟の看護職員が一般病棟の基準以上といった手厚い人員配置基準になっているところであります。
 厚生労働省といたしましては、適切な措置入院の診療内容を明確にすることで医療の質を確保するために、厚生労働科学研究として精神保健医療福祉に係る有識者の協力を得ながら、措置入院中の診察内容に係るガイドラインの検討を進めてまいりたいと思っております。
#169
○石井みどり君 資料を配付させていただいております。先週、川合委員や石橋委員も質疑で取り上げておられましたが、措置入院の地域差についてお伺いをしたいと思います。
 厚生労働省の衛生行政報告例では、二〇一四年度の措置入院決定件数は、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、福岡県の上位六自治体で全体の約六割を占めています。一方で、自傷他害のおそれがある方を警察が保健所に通報した件数は、都道府県によって大きくばらつきがあり、一部の県は件数が突出しています。
 また、通報を受理した行政機関においても、措置診察の要否判断基準にばらつきがあり、行政処分の回避を優先する自治体では措置診察の比率が低く、措置入院の臨床的利点を重視する自治体では措置診察の比率が高くなります。
 塩崎大臣は、原因を精査するために、現在、全国の都道府県や政令市に対して措置入院制度の運用についての実態を調査しており、調査結果を踏まえて、都道府県などにおける制度の適切な運営、ガイドラインの整備を進めていきたいと答弁されています。
 このような地域格差は是正するべきものであり、医学的に説明が困難な地域差があるように思われます。厚生労働省の御見解をお伺いしたいと思います。また、実態調査及びガイドラインの整備についてのスケジュールをどのように考えておられるのか、これもお聞かせください。
#170
○政府参考人(堀江裕君) 措置入院制度の運用についての地域格差についてお尋ねがございました。
 措置入院制度に関しまして、自治体ごとに運用のばらつきがあることは御指摘のとおりでありますけれども、その原因については明確ではございません。このため、厚生労働省では、全国の都道府県、政令市に対しまして、警察官通報を受けた場合の対応についてのマニュアルを整備しているかなど措置入院の運営に関するアンケート調査を実施してございます。また、厚生労働科学研究の研究班におきまして、都道府県等に対しまして措置入院の運営に関するヒアリング等を行ってございます。
 こうした調査結果などを踏まえまして、都道府県等において措置入院制度が適切に運営されますよう、秋頃までに実態調査結果の取りまとめやガイドラインの整備等を進めてまいりたいと考えてございます。
#171
○石井みどり君 同一県内の各保健所においてさえも処理の方針に違いがあるように見受けられます。極力、措置鑑定としない方針の保健所もあれば、そうでない保健所もあります。甚だしいのは、その保健所管内にあっては指定医獲得のための症例が集まらないため、他府県の措置鑑定に応じることさえあると言われています。
 この地域差についてどうお考えでしょうか。適切な措置鑑定と入院のためには警察官通報及び措置鑑定に関する有効なガイドラインが必要と思われますが、これについてどうお考えでしょうか。措置入院の各都道府県の処理状況をお示しください。
#172
○政府参考人(堀江裕君) 衛生行政報告例によりますと、人口当たりの措置入院患者数は都道府県等によってばらつきがございまして、平成二十六年度の人口十万人当たりの措置入院患者数は、例えば岐阜県が〇・六人でございますが、栃木県は八人となってございます。また、警察官通報がなされた件数のうち措置入院となります件数の割合につきましても、岐阜県は〇・〇一でありますが、栃木県は〇・五二でございまして、こうしたばらつきの原因を精査する必要がございます。
 このため、厚生労働省では、全国の都道府県、政令市に対しまして、警察官通報を受けた場合の対応についてのマニュアルを整備しているかなど措置入院の運営に関するアンケート調査を実施しているところでございまして、警察官通報を受けた際の措置診察の手順についてマニュアル等を整備している都道府県は約七割、それから、警察官通報を受けた際の措置診察の要否の判断方法に関してのマニュアル等を整備している都道府県が約三割といったようなことになってございます。また、厚生労働科学研究の研究班におきまして、都道府県等に対しまして措置入院の運営に関するヒアリング等を行ってございます。
 こうした調査結果などを踏まえまして、都道府県等において措置入院制度が適切に運営をされますよう、本年秋頃を目途にガイドラインの整備等を進めてまいりたいと考えてございます。
#173
○石井みどり君 もう時間がありませんので、ちょっとスキップさせていただいて、せっかく警察庁から審議官おいででありますので、そのことでお伺いいたします。
 警察官の中には、精神科医療、医学に対する知識が低い方もいらっしゃいます。措置入院だけでなく、これからの高齢社会の認知症の増加に鑑みても、警察官の知識レベルの向上は喫緊と考えています。
 警察庁、各都道府県県警との連携なども考慮して、警察官の精神科医療、医学の教育についてどう検討されるのか、お答えください。
#174
○政府参考人(斉藤実君) お答えいたします。
 精神障害を有する方の特性を理解いたしますことは、様々な警察活動において適切に対応をする上で大変重要な事項であると認識をいたしております。
 こうした観点から、都道府県警察では、警察学校や警察署等の職場において精神障害等への理解を深めるために、関係施設等を訪問しての実習ですとか、あるいは精神保健福祉の専門家等の部外の有識者の方をお招きしての研修会等を行っているところでございます。
 今後とも、精神障害を有する方などへの適切な対応のため、様々な機会を捉えて教育を実施してまいるよう指導していく所存でございます。
#175
○石井みどり君 時間が参りましたので、以降の質問はまた次回ということにさせていただきますが、措置入院についても随分お伺いしましたが、措置入院は公権力による強制入院でありますので、くれぐれも、医療とグレーゾーンの話ですけれども、医療はあくまで健康、精神的健康の回復、維持増進するためのものだということをよくよく御認識をいただきたいと思います。
#176
○熊野正士君 公明党の熊野正士です。
 まず、措置入院について伺います。
 四月十三日の参考人質疑で辻本参考人から提出された資料、措置入院者のフォローアップ研究に、退院前にカンファレンスができた方とできなかった方で退院後の治療継続や福祉サービスの利用に差があるかどうかという検討がなされております。結果は、退院前にカンファレンスを行った患者さんは一〇〇%治療が継続をできて、福祉サービスの利用も圧倒的に多いというデータが示されています。
 精神障害者の方にとっては、医療や福祉の支援が途切れると地域での生活を送るのが困難になる場合が少なくありません。そうした観点から、本法案にある退院後の支援計画の作成は、精神障害者支援のボトムアップに資するものであると考えます。
 この退院後支援計画の意義、期待される効果について伺いたいと思います。
#177
○政府参考人(堀江裕君) 措置入院者の退院後の支援につきまして各自治体の取組にばらつきがございまして、退院後の医療等の支援について明文化したルールを設けている都道府県、政令市は約一割というようなことがございます。
 患者が医療、地域福祉、就労支援などの支援を確実に受けられることができないといった課題があることは明らかでございまして、このため、今回の法案では、患者が退院後にどこの地域で生活することになっても、社会復帰の促進等に向け、こうした支援を確実に受けることができるよう、自治体に対しまして退院後支援計画の作成等を義務付けたものでございます。
 これによりまして、措置入院者が退院した後に安定した地域生活を送れるようになり、措置入院者の再入院率が下がるなどの効果が期待されるというふうに考えてございます。
#178
○熊野正士君 今回の法改正で、退院後支援計画書の作成に当たっては、患者さん一人一人、個別の支援協議会を開催することになっています。この個別協議会の参加対象ですが、厚労省の説明では、本人、家族、都道府県、政令市の職員、入院先病院、保健所設置自治体の職員、市町村職員、退院後の医療機関、福祉サービス事業者など、本当にたくさんの方に集まってもらうことになっておりまして理想的だなと思いますが、これは日程調整するだけでも結構大変じゃないかなと思うわけです。
 特に、退院後の医療機関というのを探すのが困難な場合も多いというふうに聞いております。措置入院の届出数は年々増加をしておりまして、平成十一年から平成二十七年で倍増しております。
 この協議会なんですが、開催回数であるとか参加対象者などについてはガイドラインで示してくださるということですが、より実効性のあるものにしていただいて、かつ現場の負担だけが重くならないように配慮していただけたらなと思いますが、厚労省の見解を求めます。
#179
○政府参考人(堀江裕君) 今回の法案におきましては、地方自治体に対しまして退院後支援計画の作成等を義務付けておりまして、精神障害者への支援に関し、その役割が大きくなるものと考えてございます。
 このため、保健所や精神保健福祉センターにおいて相談、指導等の体制を強化できるよう、平成二十九年度には、全国の自治体で二百人程度の精神保健福祉士を新たに雇い入れたり、退院後支援計画を協議する個別ケース検討会議への参加に係る経費に充てることが可能な地方交付税が措置されてございます。また、自治体におきます退院後支援の実施状況を踏まえまして、平成三十年度に向けましても必要な予算が確保できるよう努めてまいりたいと考えてございます。
 また、今後、退院後の支援に関しますガイドラインを作成いたしますとともに、支援を担う自治体職員に対します研修を行うこと等によりまして、その専門性の向上を図ってまいりたいと考えてございます。
#180
○熊野正士君 次に、退院後の支援計画の支援期間について質問をさせていただきたいと思います。
 滋賀県の調査では、退院後の六か月の時点でその方が医療・福祉サービスをどれだけ利用しているかというふうなことを調べているんですけれども、調査された十七人中、六か月後の時点で治療を継続していた、あるいは福祉サービスの利用が確認できたのは十七人中九人と、約半数しかいなかったようであります。こうした結果からは、六か月程度のフォローは必要じゃないかなと思うわけですけれども、一方で、ずっと監視されるんじゃないかと、そういった批判もあります。
 この支援期間についてもガイドラインで一定の目安を示すということになっておりますけれども、この点についても厚労省の見解をよろしくお願いいたします。
#181
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘がございました支援の期間についてでございますが、この退院後の医療等の支援の期間につきましては、患者の症状等に応じて適切にこれが設定されるということが大事でございまして、今後、退院後支援のガイドラインを作るということになっておりますが、その目安をそこでお示しをしていこうというふうに考えています。
 今のところ考えておりますところでは、支援期間につきましては、措置入院患者が地域生活に円滑に移行できるようにするための期間でございますので、現時点では半年以内程度を基本というふうに考えております。患者の、しかしそうはいいながら、症状やあるいは生活環境の変化によって例外的にこの支援期間を延長することも考え得るわけでございますけれども、その場合でも延長は原則一回までとする予定でございまして、一年以内には地域生活への移行を図るということができるように努めていただこうというふうに考えておるところでございます。
 この支援期間につきましては、患者の状態に応じて柔軟に設定をされるべきという御指摘がございましたが、そのとおりだと考えておりまして、これは画一的な運用にならないということがそれぞれの患者さんにとってふさわしい期間となるということで、ガイドラインの中でもそういったことも注意をしっかりしていこうというふうに考えております。
#182
○熊野正士君 今回の退院後の支援計画に対して、本人が納得しないのに強制的に運用されるんじゃないかと、こういった懸念があります。本来、強制力で治療の継続はできないと思うんですけれども、信頼感があって初めて継続が可能だというふうに思いますが、本法案は、退院後の支援計画の作成を都道府県などに対して義務付けるものであって、決して、患者さんが計画に従うように義務を課すと、そういったものではないと私は理解しておりますけれども、政府の見解はいかがでしょうか。
#183
○政府参考人(堀江裕君) 今回の法案は、措置入院者が退院した後の社会復帰に向けた医療、地域福祉、就労支援などの支援を強化するため、自治体に対して退院後支援計画の作成等を義務付けるものでございます。患者は作成された計画の内容に従う義務はなく、計画の内容に同意できない場合は計画作成後に支援を受けないことは可能でございます。
 一方で、患者が退院後に円滑に社会復帰を図ることができるようにするためには、本人、家族が理解、納得をした上で必要な医療、地域福祉、就労支援等の支援を受けられることが望ましいと考えてございます。このため、本人、家族の意向をしっかりと踏まえた上で計画が作成され、丁寧な説明がなされますよう、退院後支援のガイドラインで示してまいりたいというふうに考えてございます。
#184
○熊野正士君 ありがとうございます。
 次に、精神科の救急医療体制について質問をさせていただきます。
 精神科の救急医療体制の強化のために、精神科救急医療体制整備事業が実施されております。実施主体は都道府県あるいは政令都市となっておりまして、二十四時間三百六十五日対応できる体制を取っていると聞いておりますけれども、この精神科の救急医療体制についてお教えください。
#185
○政府参考人(堀江裕君) 精神科救急医療体制の整備につきましては、精神保健法第十九条の十一におきまして、精神障害の救急医療が適切かつ効率的に提供されるように、地域の実情に応じた体制の整備を図るように都道府県に努めるものとしているところでございまして、この規定に関しまして、現在、精神科救急医療体制整備事業、この中では、精神科救急医療体制連絡調整委員会等の設置、精神科救急情報センターの設置、それから精神科救急医療確保事業を行っているところでございますけれども、その事業によりまして、緊急な医療を必要とする全ての精神障害者などが迅速かつ適正な医療を受けられますよう、精神科救急医療体制を確保することを目的として、都道府県及び指定都市に対して国庫補助事業を行っているものでございます。
 精神科救急医療体制整備事業の予算額は、精神科救急へのニーズの高まりに伴います都道府県等の要望を踏まえるために、平成二十七年度十三・二億円、二十八年度十四億円、二十九年度は十五・五億円と増額するなどの予算の確保に努めているところでございます。
#186
○熊野正士君 この精神科の救急医療体制はすごく大事だと思うんですけれども、精神保健福祉等の国庫補助金について、平成二十六年度までは申請額に対して一〇〇%の交付額だったんだけれども、平成二十七年度は七八・四%の交付額になって、事業の円滑かつ継続的実施に支障が出ていると。
 補助金の減額によって、いわゆる措置入院などの迅速な実施が困難になるおそれがあるという、そういう切実な現場の声も実はいただいておりまして、この辺のところをしっかり政府にやっていただきたいなと思うんですけれども、答弁の方をよろしくお願いいたします。
#187
○政府参考人(堀江裕君) 精神科救急医療体制整備事業につきましては、緊急な医療を必要とする全ての精神障害者等について迅速かつ適正な医療を受けられるような体制を確保することを目的として実施しているところでございまして、本事業で整備した体制を確保する中で措置入院の患者を受け入れている事例があると承知してございます。
 予算額につきましては近年拡充しているところでございますけれども、本事業の実施主体である都道府県等から計画額に対して要望額が増えておりまして、補助額が下回っていることについて御要望をいただいているところでございまして、各都道府県等におきます精神科救急医療体制の整備に必要な予算の確保に向けまして引き続き努力してまいりたいと考えてございます。
#188
○熊野正士君 よろしくお願いをいたします。
 平成十六年九月に精神保健医療福祉の改革ビジョンが策定されまして、入院医療中心から地域生活中心という理念が明確になっています。
 厚労省の資料に、医療保護入院の入院期間別の患者数のデータがあります。平成二十六年を見ますと、一年以上入院の患者割合は六二%と高くて、退院して地域で生活するのに課題が多いことがうかがえます。
 平成二十九年二月八日の報告書では、一年以上の長期入院精神障害者の多くは、地域の精神保健医療福祉体制の基盤を整備することによって、入院から地域生活への移行が可能であると示唆されたというふうに記されておりまして、大事な指摘だなと思いますが、報告書には地域にどういった受皿、基盤を整備すればいいのかについては言及がありませんでした。また、報告書には精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に向けての自治体を中心とした取組も明記されているわけですけれども、自治体としても一生懸命今いろんなことをやっているんですけれども、やるべきことがいっぱいあって、具体的にどういったことを、どういった受皿を整備すべきなのかということを、国として各自治体に対してガイドラインのようなものを示すべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
#189
○政府参考人(堀江裕君) 本年二月に取りまとめられましたこれからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会の報告書においては、精神障害者が地域の一員として安心して自分らしい暮らしをすることができるよう、医療、障害福祉、介護、社会参加、住まい、地域の助け合い、教育が包括的に確保されました地域包括ケアシステムの構築を目指すことを理念として掲げてございます。
 このため、あるべき地域精神保健医療福祉体制を見据えまして、平成三十年度から開始されます各都道府県の医療計画、各都道府県及び市町村の障害福祉計画、介護保険事業計画におきまして中期目標を設定し、精神病床の入院需要及び入院中の精神障害者の地域移行に伴う地域での基盤整備量を明確にすることとしてございます。六月には都道府県などの担当者会議を開催いたしまして、自治体の計画策定を支援する予定でございます。
 あわせまして、平成二十九年度からは、精神障害者の生活支援に向けまして、地域連携の調整役の経験者からアドバイザーとして都道府県や政令市に助言、指導を行うとともに、地域におきます支援体制整備に関する手引きを作成する事業を行ってございます。
 引き続き、こうした取組によりまして、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に向けまして具体的な取組を進めてまいりたいと考えてございます。
#190
○熊野正士君 自治体のアンケートによれば、家族などの依頼により保健所において診療支援計画を作成して家庭訪問を検討した者のうち、約四割が受診勧奨に、約三割が実際の受診に結び付いているという結果が出ております。専門家によるこうしたいわゆる家庭訪問の重要性は認識をされていまして、既に予算化もされております。
 しかし、二十七年度は僅か三自治体しかアウトリーチ事業ということで活用ができていないと聞いておりまして、このアウトリーチ事業を有効に活用するためには、例えばひきこもりセンターと連動させるとか、もっと工夫が、たった三自治体しか利用していないというのはどうかなと思いますので、もっと何か工夫が必要じゃないかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#191
○副大臣(橋本岳君) 今、アウトリーチの事業につきまして御質問をいただきました。
 精神障害者の地域生活を支えていくためには、もちろん本人の御意思の尊重と多職種協働による包括的な支援が重要でございます。その中で、御指摘のアウトリーチ、家庭訪問は大変有効な支援方策であると考えております。
 元々、このアウトリーチ支援については平成二十三年度から平成二十五年度までモデル事業を実施しておりまして、再入院を予防する効果が一定程度認められました。これを踏まえ、平成二十六年度より、受診者などに対して都道府県等が実施主体となって行う多職種による訪問支援について、障害者総合支援法に基づく地域生活支援事業のアウトリーチ事業として事業化を行ったものでございまして、平成二十七年度に実施された取組としては、保健所が御家族等の相談内容に応じて精神科医や保健師等の多職種によるチームを編成し、引きこもりの精神障害者などの御家庭を訪問して本人への対応方法などを助言したり、また、病院が精神科医や精神保健福祉士等によるチームを編成し、精神疾患が疑われる未受診の方の受診を支援するなど、効果的な取組が行われているところでございます。
 このような効果的な取組がもちろん普及していくことは望ましいと思っていながら、ただ、現状で今三自治体しか行われていないというのは御指摘のとおりでございまして、今ひきこもりセンターとの連携というお話もいただきましたけれども、そうしたことも含め、より多くの自治体でどうやったら取り組んでいただけるのか、効果的な普及方策というのは考えていきたいと思いますし、また、関係の会議等でも呼びかけを行っていきたいと、このように考えております。
#192
○熊野正士君 よろしくお願いします。
 アウトリーチに関して報告書にこのようにありまして、保健的アウトリーチを行うに当たっては、家族支援をより積極的に行えるよう、支援内容について検討すべきであるというふうにございまして、家族支援が大事だという指摘でありますけれども、この家族支援について具体的にはどういった支援考えているのか、お示ししていただければと思います。
#193
○副大臣(橋本岳君) 精神障害者が地域で生活するためには、患者の方を取り巻くというか、御一緒に生活されていることが多いと思いますけれども、御家族の方への支援を具体化していくことも大変重要だと考えております。
 御家族から保健所等へ相談があった場合に、精神科医を始めとする専門職が家庭を訪問し、御家族の不安に寄り添いながら相談に応じ、家族としての対応方法の助言等を行うことは、家族支援の有効な方策であると考えております。
 このため、平成二十九年度、今年度より、アウトリーチ事業の実施要綱を改正し、支援対象者として家族というのを明文的に追加をしたわけでございます。今後これが、この取組が進んでまいりまして、また御家族の方が持っている悩みや課題、そうしたものをより伺う機会というのが増えていくのではないかと思っておりますが、また、そうしたことがどのようなものがあるのかしっかりと注視をし、更に今後支援の充実というのができることがあるか、しっかりと検討してまいりたいと、このように考えております。
#194
○熊野正士君 ありがとうございます。
 次に、児童思春期の精神疾患について質問させていただきたいと思います。
 この児童思春期精神疾患というのは、十八歳未満に発症した精神疾患というふうに聞いておりますけれども、年齢分布とかどうなっているのか、あるいは小学生で発病するようなケースもあるのかどうか、その辺のことをちょっと教えていただければなと思います。
#195
○政府参考人(堀江裕君) 平成二十六年度の患者調査におきまして、精神疾患の総患者数を調べた結果、若年層、こちらでは二十歳未満の方で精神疾患の総患者数は二十二万六千人ということでございまして、その年齢内訳につきましては、ゼロ歳から四歳までが三万三千人、五歳から九歳までが三万五千人、十歳から十四歳までが六万五千人、十五歳から十九歳までが七万一千人というふうになってございます。
 さらに、各年齢層におきます疾患の内容まで述べさせていただきますと、十歳未満の層では約九割が発達障害等の精神障害でございましたが、十歳から十四歳になると不安障害などの神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害が全体の二割弱に増える一方で、発達障害等は七割程度に減じ、十五から十九歳では不安障害等の神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害が二四%、うつ病の気分障害が一七%、統合失調症等が一三%というふうに多様な精神疾患の発症が認められるところでございまして、お尋ねの小学生期というと、五歳から九歳は五万七千人、それから十歳から十四歳のところで六万五千人、そんな感じになってございます。
#196
○熊野正士君 ありがとうございます。
 いわゆるその児童思春期の精神疾患で、発達障害とかもかなり相当数いるということであるんですけれども、実は、気分障害であるとかあるいは統合失調症のいわゆる中学生とか高校生も相当数いるというのを聞いて、ちょっと私もびっくりしたというか、そんなたくさんの子供がこういう精神疾患にかかっているんだなという実態にちょっと驚いたわけですけれども、この児童思春期の精神疾患に対して余り、今までそんなに、この施策としてどういったことが行われてきたのかということも含めて、子供の病気ですのでしっかりと国として対応していかなければならないと思うんですけれども、この児童思春期、子供の精神疾患に対しての厚労省としての対策、何か講じていらっしゃるんでしょうか。
#197
○政府参考人(堀江裕君) 児童思春期精神疾患に対しまして適切な医療を提供できるように取り組んでいくことは大変重要な課題でございまして、このため、厚生労働省では、平成十三年度より、児童思春期の心の問題に関する専門家を養成するために、医師、看護師、保健師、精神保健福祉士、臨床心理技術者等を対象にいたしまして、思春期精神保健研修を行ってございます。平成二十三年から平成二十五年の累計ですと、開催回数六回、受講者数二千三百十三人を数えてございます。
 さらに、厚生労働省といたしましては、都道府県が平成三十年度からの第七次医療計画を作成する際に、児童思春期精神疾患に対応できる医療機関を明確にすること、児童思春期精神疾患に対応できる専門職の養成や、多職種連携、多施設連携の推進のために地域連携拠点機能及び都道府県連携拠点機能の強化を図ることなどを計画に盛り込むよう促しているところでございまして、こうした取組によりまして、児童思春期精神疾患に関する地域の医療体制が確保され、支援を必要とされている方に適切な支援が行われるように引き続き努力してまいりたいと考えてございます。
#198
○熊野正士君 次に、精神障害者の方々の自立支援、そして精神障害の有無や程度にかかわらず誰もが安心して自分らしく暮らすことができるような地域づくりを進める必要があると思いますけれども、そのために移動の自由というのも大事な要素かなと思います。なかなか外に出ることができない障害者の方も多いと思いますけれども、そういった方こそもっと自由に外に出やすい環境をつくるべきではないかと思いますけれども、厚労省の見解をよろしくお願いいたします。
#199
○政府参考人(堀江裕君) 障害者に自由に外に出て自らが望む社会参加を実現していただくためには、移動に際しまして必要となる支援を行うこと、生活介護を始めとする日中の活動を支援する障害福祉サービスの提供の充実、交通分野、公共施設などのハード面のバリアフリー化とともに心のバリアフリー化の推進などを民間事業者の協力も得ながら幅広く進めていくことが重要であると考えてございます。例えば、障害者総合支援法では、地域生活支援事業や自立支援給付において障害者の外出の際の介助者、ガイドヘルパーによる移動の支援などを行ってございます。
 引き続き、関係省庁とも連携しながら、障害者が思うように外出でき、そして社会に参加しやすい環境整備に努めてまいりたいと考えてございます。
#200
○熊野正士君 現在、身体障害者の方とそれから知的障害者の方には適用されている民間交通運賃半額制度なんですけれども、精神障害者の方はこれ除外されていることが多いというふうに聞いております。国土交通省が鉄道やバスの事業者に一生懸命働きかけて精神障害者割引の適用拡大が徐々に広がっているというふうに承知しているんですけれども、これまでの適用拡大の状況と、それから今後の国交省の取組について伺いたいと思います。
#201
○政府参考人(篠原康弘君) お答えを申し上げます。
 ただいま御指摘いただきました精神障害者割引を含めまして障害者に対する運賃割引につきましては、割引による減収を他の利用者の負担によって賄うという交通事業者の自主的な判断の中で行われているわけでございますので、私ども国土交通省といたしましては、機会を捉えて交通事業者の理解と協力を求めてきております。
 その中で、鉄道事業者の精神障害者割引、十年前の四十二社から現在では七十一社、バス事業者では百四十二社から七百六十二社と着実に増加傾向にございますが、引き続き、関係者に幅広く周知をいたしまして、この精神障害者割引がしっかりと広まっていくように理解と協力を求めてまいりたいと思っております。
#202
○熊野正士君 是非、非常に要望が強うございますので、やっぱり精神障害者の方だけちょっと差別されているんじゃないかという声もたくさんございますので、何とぞよろしくお願いをいたします。
 これで私の質問を終わります。ありがとうございました。
#203
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 審議途中で法案の改正趣旨が変更になる、これもう前代未聞の事態が起こっているわけです。前回質疑後に最終的な書き直しの説明ということになったわけですけれども、そこで大臣は、混乱させたと謝罪はされ、改正趣旨を変えた説明がされた。しかし、中身は変わらないという説明だったと思うんですね、法案の。しかし、この法案の中身でも大きな問題があると。先ほど警察庁の審議官答えていましたけれども、グレーゾーン事例など個別のケースでは警察との情報共有のことにも触れていたと思うんですよ。これ、この警察との情報共有というのが精神障害者の人権に大きな侵害しかねないということで、中身に大きな問題があるということも指摘しているということは改めて申し上げておきたいと思うわけです。
 そこで、四月十三日の委員会の質疑を振り返ってみますと、そのとき、立法事実の議論をさせてもらいました。大臣はおっしゃいました。法案提案理由は別にしっかり出していると、そして、それこそが提案の理由だというふうに私、答弁いただいたわけです。
 それでは、確認したいと思うんです。ここで言いたかった、そもそも、しっかり出しているという改正理由は何だったんでしょうか。
#204
○政府参考人(堀江裕君) お答え申し上げます。
 今回提出いたしました精神保健福祉法の改正法案の理由につきましては、「精神障害者の社会復帰の促進を図るため、都道府県が入院措置を講じた者に対する退院後の医療等の援助を強化するとともに、精神障害者の支援を行う地域関係者の連携強化を図るほか、医療保護入院に必要な手続、精神保健指定医の指定制度等について見直しを行う必要がある。」というふうに記してございます。
#205
○倉林明子君 改正理由には相模原事件のサの字も出てこないんですね。ところが、四月十一日の委員会、この大臣の説明はどうだったかと。相模原市の事件は検討の契機ではあるが、今回の法案は犯罪を防止することを目的としたものではないと、こう説明しているわけですね。
 じゃ二十日、この訂正された改正趣旨、これについての大臣説明はどうだったかと。これは、本法案は、退院後の医療や地域福祉、就労支援等の支援の充実を図り、結果として再発防止に資するものと、また再発防止出てくるんですね。
 結局、改正の理由のところには出てこなかった。しかし、概要の改正の説明資料では二行を抜いて、相模原事件の再発という文章は消した。しかし、やっぱり改めての大臣説明は犯罪防止が結果的な目的になっているんじゃないですか。
 もう一回整理してもらえますか、大臣。
#206
○国務大臣(塩崎恭久君) 今お読み上げをいただきましたけれども、四月二十日の委員会の場で私の方から、本法案は、退院後の医療や地域福祉、就労支援等の支援の充実を図り、結果として再発防止に資するものであると、こう発言をいたしました。
 この経過として申し上げますと、昨年八月以降、検証チームにおいて検証を行った結果、被告人は措置入院から退院した後に、医療機関や地方自治体から必要な医療等の支援を十分に受けることなく孤立をしていたということが明らかになってまいりました。これを受けまして、厚生労働省で調査をいたしました結果、現行の精神保健福祉法第四十七条に基づく相談、指導、これについて各自治体の取組にばらつきがございまして、退院後の患者が医療、地域福祉、就労支援などの支援を確実に受けることができる状態ではないと、こういう課題も浮き彫りになってまいったところでございます。
 このことから、措置入院者が退院した後に社会復帰に向けた医療、福祉、就労支援などの地域での支援を確実に受けることができるようになり、地域で孤立することを防ぐ観点からこの法案を提出したと、こういうことでございまして、本法案の内容は今回のような事件が発生するに至った様々な要因への対策のうちの一つでありまして、直接的に犯罪防止を図るものではないと。しかし、事件の背景にあった様々な要因、今申し上げましたが、その一つに対応することで結果として再発防止に資するものではないかということを申し上げているところでございます。
#207
○倉林明子君 いや、いろいろおっしゃったけれども、結果として犯罪防止に資するものと、再発防止に資するもの、相模原事件のような犯罪の再発防止ですからね、言っておきますけど。資するものというのは、これ辞書引いたら、役に立つということなんですよね。
 法案の改正理由でも、概要の説明資料でも、相模原事件再発防止という言葉は消えている。しかし、改めて説明している中身でトーンはちょこちょこ変わっています。ちょこちょこ変わっているんだけれども、やっぱり再発防止に役に立つ法律としてあなた方は提出したんじゃないのかと。再発防止が目的ではない、どっちなのかがよく分からなくなっているんですけれども、もう一回ちゃんと短めにはっきりと明確に答えてください。
#208
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど明確に申し上げたと思いますが、今回のような事件が発生するに至った様々な要因があったんだろうと思います。今回のような事件を二度と起こしてほしくないと思うのは、これひとしく全ての人が思っていることだろうと思います。それはしかしそれとして、私どもはこの様々な要因への対策のうちの一つとして、直接的には犯罪防止を図るものではないけれども、事件の背景にあった様々な要因の一つに対応することで結果として再発防止に資するものと考えているということを申し上げたわけでございますので、御理解をいただければと思います。
#209
○倉林明子君 いや、御理解いただけません、今の説明ではね。
 改めて、今回の法改正に至る経過というのを振り返ってみたいと思うわけです。
 昨年、相模原事件発生直後、七月二十八日に総理は、事件を徹底的に究明し、再発防止、安全確保に全力を尽くすというふうにおっしゃった。そして、施設の安全管理、措置入院の見直しについて早急に検討するように指示を出された。これ指摘したとおり。そして、八月八日、直ちに相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止策の検討チームが立ち上げられたわけですね。同月十日、第一回の検証・検討チームが開かれました。ここで大臣は、今後の再発防止策として提案していくことが重要だというふうに発言されて、初回の会議に既に論点が示されています、こういう方向で検討していこうと。その論点って一体何だったんでしょうか。端的に。
#210
○政府参考人(堀江裕君) 二十八年八月十日に開催されました第一回検証チームでは、検証・検討に当たって想定される論点案といたしまして四点、福祉施設における防犯対策について、精神保健福祉法の措置入院に係る手続について、退院後のフォローアップについて、そして警察等の関係機関との情報共有の在り方についてというふうに論点を示してございます。
#211
○倉林明子君 私、最初の質疑でも申し上げたとおり、この相模原殺傷事件というのは戦後の殺傷事件の中でも本当に未曽有の事件だったわけですよね。ところが、論点、たった四つ。この論点に沿ってその後の検証の議論が進められて、たった三回の会議の後に、たった一か月後の九月八日に事件の検証、これ中心とした中間取りまとめということになっているわけですね。この展開というのは、本当に十分な検証、検討がされたのかどうかということを改めて立法府としても我々は検証する必要があるというふうに思うわけです。
 そこで、先ほども議論がありましたこの中間取りまとめ案について、第七回十月三十一日になって初めて関係団体からのヒアリングを行っていますね。このとき、全国「精神病」者集団の意見書では、神奈川県警、警察本部が何ができて何ができていなかったのか検証がほとんどされていない、こういう指摘がされております。また、全国手をつなぐ育成会は、容疑者の犯行声明にどう対応したのか、離職後の容疑者の犯行予告、これにどう備えてきたのか、情報は十分ではないと、検証が不十分だという指摘があったんですよ。
 こうした声を受けたら、当然なされるべきは警察の対応に対する検証だったと思う。これ、やったんでしょうか。どうですか。
#212
○政府参考人(堀江裕君) 相模原市の事件の検証・検討チームは、警察庁も参画の上、神奈川県警における被告人の情報を把握してからの対応を含めた事実関係全般について議論が行われたものというふうに考えてございます。
 また、第七回の検証・検討チームにおいて、村上構成員が、医療や保健の現場において精神保健福祉法第二十三条の警察官通報が行われる場面で医療と警察のいずれが対応すべきか判断が困難な事案がある、そのような事案が発生し、措置診察など限られた時間で判断を求められるときに医療と警察のどちらで対応すべきかについて、医療と警察の間で日頃から信頼関係が構築された上で意見交換できることが重要であるという趣旨の発言がございました。
 これは、精神科医療と警察の本来の役割に沿って個別の事案への対応を行うべきであり、警察で対応すべき事案まで精神科医療において対応すべきでないというふうに考えてございまして、こうした課題に対応するため、本法案において精神障害者支援地域協議会を新たに保健所設置自治体に設置することとして、代表者会議において地域の精神障害者の支援体制に関し、自治体、警察、精神科医療関係者等の関係者でいわゆるグレーゾーンが発生した場合の情報提供の方法等について協議を行うこととしてございます。
#213
○倉林明子君 いや、だから、措置入院の枠組みで論点まとめてきているからそういう検証になっているんですよ。
 そもそも、この事件の警察の対応、犯罪に対する警察の対応というのがどうだったのかという検証が不十分じゃないかという指摘に対して、検証したのかどうかと聞いたら、答弁ないわけですよ。それが問題だと思うわけですね。
 さらに、指摘されていた中身で、容疑者が措置入院していた事実、これがあるからこういう検討になったんだけれども、じゃ、事件との因果関係というのははっきりしていない、私もそうだと思いますけれども、それについての解明は何がどこまで進んだんですか。短くお答えください。
#214
○政府参考人(堀江裕君) 昨年、今回の事件の検証チームにおいて事実関係の検証を行いましたが、お尋ねの被告人が措置入院等となっていたという事実と事件との因果関係については明らかとなってはおりません。
 検証チームの検証結果では、昨年二月の措置入院時には精神障害と診断されましたが、措置入院から退院した後に被告人が医療、地域福祉、就労支援等の支援を十分に受けておらず孤立していたとの課題が明らかとなりました。こういった課題に対応するために、今回の法改正において措置入院者の退院後支援の規定を設けるに至ったものでございます。
#215
○倉林明子君 もう明確に、今おっしゃった、措置入院していた事実と事件の因果関係は明らかではないと、私、それはそのとおりじゃないかと思うんですね。これから裁判も始まるという中です。因果関係について明らかでないということが分かっていながら、じゃ、なぜ措置入院を見直すことで結果として再発防止に資する、こういうことになるのかと。精神障害による事件でなければ、私、立法事実というのは極めて不安定、ないと言っていいんじゃないかと思うわけですよ。ここの因果関係をはっきりさせないままの法改正になっているから、精神障害者に対する差別や偏見を助長するんじゃないかという大きな不安が広がっているわけですよ。
 そこで、もう一点確認したい。容疑者の精神鑑定が時間掛かって、二月二十四日に出ました。責任能力が問えるということで起訴されるということになった。裁判はこれからですけれども、容疑者は措置入院の対象じゃなかったという可能性も出てきた。
 この鑑定結果というのは極めて重要だと思うんですね。重要だと思うんですよ、退院もしているわけだけれども。この鑑定結果というのを法案の重要な局面でどんなふうに受け止めて閣議決定に出そうということになったんでしょうか。その判断についてお聞きしたい。
#216
○国務大臣(塩崎恭久君) この相模原市で起きました事件の検証・検討チームにおきまして検証を行った結果、被告人は措置入院から退院した後に医療機関や地方自治体から必要な医療等の支援をこれは十分に受けていなかったということが分かり、孤立をしていたという事実が分かりました。
 こういう状況を改善するために、措置入院者が退院した後に社会復帰に向けた医療などの支援を確実に受けられるようにすることが、退院後に精神障害者の方々が地域で孤立をするという状況の防止を図るものとして本法案を提出したことは申し上げてきたとおりでございまして、相模原事件の被告人の横浜地検における鑑定結果、これを踏まえて起訴をされているものと承知をしているわけでございますが、この鑑定結果にかかわらず、措置入院者が退院後に必要な医療等の支援を受けられるようにするための対応として今回の法改正が必要であると考えているところでございます。
#217
○倉林明子君 鑑定結果は関係ないということだったんですか、大臣の認識は。
#218
○国務大臣(塩崎恭久君) 今申し上げたとおり、なぜこの法律を出したかというのは先ほど法改正の目的で申し上げたとおりでありまして、様々な要因がこのような事件が発生するにはあったうちの一つとして、地域で孤立をするという措置入院退院後の精神福祉の在り方について私どもは法改正をすべきということを考えたところでございます。
#219
○倉林明子君 法案閣議決定された、二月の二十八日だったと思います。その後、三月十八日、日本精神神経学会が、精神保健福祉法改正に関する学会見解、これ公表されております。そこでは、精神科医療の役割は、病状の改善など精神的健康の保持増進であり、精神保健福祉法の改正もこの視点に立って行われるべきものですと、犯罪の防止を目的として精神保健福祉の改正を行うべきではありませんとしているんですね。
 私、そのとおりだと思います。これに対してはどう答えますか。
#220
○国務大臣(塩崎恭久君) 今の日本精神神経学会の意見書でありますけれども、今御指摘のとおり、精神科医療の役割というのは症状の改善など精神的健康の保持増進であって、精神保健福祉法の改正もこの視点に立って行われるべきという今の御指摘がございました。それから、犯罪の防止を目的として精神保健福祉法の改正を行うべきではないということ、この御意見も私どももしっかり把握をしているわけでありまして、また、有識者や当事者家族などから成っておりますこの検討会の取りまとめにおきましても、同じように、医療の役割は患者の治療、健康維持推進を図るものであって、犯罪の発生防止ではないということを十分に踏まえて、措置入院から退院した患者に対する医療の充実を図ることが重要と、こういう御指摘をいただいています。
 精神科医療の役割は、もう言うまでもなく、精神障害者に対する治療や健康の維持増進を図る、そういうものでありますから、犯罪の発生防止では決してないわけでございます。厚生労働省としても、この点を十分に認識をした上で、相模原事件の検証と再発防止策の検討を行ってきて、本法案では、もう何度も申し上げているとおり、国、地方公共団体が精神障害者に対する医療を、その健康の保持増進を目的として行われるべきことを認識しなければならない旨を法律上明確化する、そして、措置入院者が退院した後に医療、福祉などの社会復帰に向けた支援を確実に受けられるように退院後支援計画の仕組みを創設をするなどの対応を図って本法律で御審議をお願いしていると、こういうことでございます。
#221
○倉林明子君 端的に、じゃ堀江さんにお聞きしたいと思うんですけれども、堀江さんから紹介いただきたいと思うんですけれども、今回の改正、これで第二条二項を新設されています。中身読み上げて紹介してください。
#222
○政府参考人(堀江裕君) 改正法案におきます改正後の法第二条第二項は、「国及び地方公共団体は、前項の施策を実施するに当たつては、精神障害者に対する医療はその病状の改善その他精神的健康の保持及び増進を目的として行われるべきものであることを認識するとともに、精神障害者の人権を尊重するほか、精神障害者の退院による地域における生活への移行が促進されるよう十分配慮しなければならない。」と規定されてございます。
#223
○倉林明子君 今度の法改正ではそういう共生の理念というのを新たに盛り込むことになっているんですよ。それなのに、警察との情報共有という、治安の目的ではないかと精神神経学会からも誤解されるような改定の中身になっているんですよ。それが問題なんですよ。
 そこで、そもそも、一月二十日、総理の施政方針演説について先ほども議論ありました、この精神保健福祉法について説明どうだったか、これも読み上げて端的に御紹介ください。
#224
○政府参考人(堀江裕君) 今回の改正案に関しまして、一月二十日の第百九十三回国会におきます施政方針演説において、総理から次のように述べられてございます。
 「昨年七月、障害者施設で何の罪もない多くの方々の命が奪われました。決してあってはならない事件であり、断じて許せません。精神保健福祉法を改正し、措置入院患者に対して退院後も支援を継続する仕組みを設けるなど、再発防止対策をしっかりと講じてまいります。」と発言されてございます。
#225
○倉林明子君 これ、安心、安全の国づくりの一つとして総理は演説しているんですね。
 じゃ、その前に何があるか。糸魚川の火災、テロ対策、こういうものと並んで相模原事件の再発防止などって、などに何でも含まれているみたいな説明したらあきませんよ、はっきりしているんですから。これ、主なものはこれ、これを再発防止策しっかり講じてまいりますとはっきり言っているんですよ。誤解の余地は総理の説明には私全くないと思います。
 総理の施政方針演説によれば、ずばり事件の再発防止なんですよ。大臣の説明と違うんじゃないですか。大臣、どうですか。
#226
○国務大臣(塩崎恭久君) 総理の施政方針演説は、先ほど御自身もお読み上げをいただいたとおり、「措置入院患者に対して退院後も支援を継続する仕組みを設けるなど、再発防止対策をしっかりと講じてまいります。」ということで、あのような事件が繰り返されるということはやっぱり望ましくないことと思うのは皆等しい思いだと思います。
 それで、総理はやはりこの様々な再発防止対策にしっかりと取り組むという決意を申し上げたわけで、その一つとしてのこの今回の法改正で、決して本法案は犯罪防止を目的としたものではないということでありまして、何度も申し上げますけれども、継続的な退院後支援の仕組みを、今の状態では全く欠けているので、それをしっかりと組み立てていこうということで、今後、精神障害福祉がちゃんとなされるようにしていこうということでございます。
#227
○倉林明子君 ということは、私たちは再発防止という説明を受けて、聞いていたけれども、それは大臣の言うところ、誤解だったという説明ですよね、改正趣旨の説明は。誤解だったからその二行を抜いて説明のし直しをしましたと。だけど、再発防止に資するというわけでしょう。
 そもそも一月二十日の総理の演説というのは、誤解の余地なく再発防止なんですよ。総理が一番誤解しているんじゃないですか。どうですか。間違っていますか。
#228
○国務大臣(塩崎恭久君) やはりそれは正確ではないわけでありまして、さっき申し上げたとおり、総理は、施政方針演説の中で申し上げているのは、様々な再発防止対策に取り組まなければいけないということで、先ほど申し上げたように、福祉施設の防犯体制もありますし、そもそも共生社会づくりについての言ってみれば教育の中でもこういうことをしっかりと伝えていく。もちろん学校教育の中で心のバリアフリーについてもやらなければいけないということが検討会の報告書の中で、いや、検証チームの中で語られているわけで、提案されているわけでありまして、そういうことが検証チームの言ってみれば結論として出てきて、対策として今後はこういうことをやっていかなきゃいけないというパッケージで省庁横断的な提案として出てきているわけでありまして、独り厚生労働省の所管をしている法律だけの問題を言っているわけでは決してないわけでございまして、繰り返して申し上げますけれども、本法案は犯罪防止を目的としたものでは決してないということであります。
#229
○倉林明子君 もう一回読み上げましょうか。総理はどう言っているか。
 昨年七月、障害者施設で何の罪もない多くの方々の命が奪われました。決してあってはならない事件であり、断じて許せません。精神保健福祉法を改正し、措置入院患者に対して退院後も支援を継続する仕組みを設けるなど、再発防止策をしっかりと講じてまいります。
 これをテレビで聞いていた国民、そして精神障害者はどう思ったでしょうか。総理が精神保健福祉法を改正することで再発防止をするんだ、素直に聞いたらそうしか聞こえないんじゃないですか。どうですか。
#230
○国務大臣(塩崎恭久君) 何度も申し上げているように、総理はこの検証チームの報告書を受けて対策を考えなければいけないということで、さっき申し上げたとおり、共生社会の推進、学校教育における心のバリアフリー、社会福祉施設の防犯対策の強化等々、提案をされた各省横断の課題、これを受けて、その中の一つである今回の精神保健福祉法の改正というものを提案をしているわけであって、これは、何度も申し上げますけれども、その一つとして退院後支援の仕組みを強化することがこれは結果として再発の防止に資するということを申し上げているわけでございまして、今回は、何度も申し上げているように、相模原での事件が一つのきっかけで、我々は、措置入院から退院後の言ってみればその方々の地域での扱いというものを我々は検証しました。そこでいろいろな欠けているものがあった、それを今回提案をさせていただいて、支援計画としてまとめて、医療あるいは福祉の支援を提供することによって孤立することがないようにしていこうということでございます。
#231
○倉林明子君 私、やっぱり官邸主導でこれ、この法案改正というのは動いてきた経過があるし、本来の法改正の目的、二条二項改正になったというところに沿った中身になるべきなんですよ。
 説明を途中でねじ曲げるというようなやり方というのは、本当に国会も国民も愚弄するものにほかならないと思います。この法案の中身そのものが精神障害者への差別や偏見を助長することにつながっていく。私は、本当にこの法案、撤回して、きちんと法の趣旨を立て直して出直すべきだと思います。
 撤回を求めて、終わります。
#232
○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。
 私も、まずは、今朝からの議論になっている厚労省が出したこの資料ですか、これについてまず最初伺いたいと思っているんです。
 私も、これ先週受け取って何度も読んだんですけれども、これだけで見るとすごく物足りなさを感じたというのが正直なところなんです。これはもう先ほどから説明があったように、警察の措置入院への関わり方について、これまでのあり方検討委員会ですか、含めて二つの会議で行われてきた議事録の中から立法事実に当たるものをまとめたものと。
 それで、具体的には、この一枚目の概要紹介に書いてあるような、警察官通報に係る一部の地域によるばらつきや、いわゆるグレーゾーン事例に対して関係者が共通認識を持つことの必要性などを書いてあるというんだけれども、その当該部分も実はこの資料ってそんなに多くないんですよね。それ以外のことが結構多くて、じゃ、その当該部分について読んでみると、先ほど石橋委員が言われたように、その会議のメンバーが発言した内容が幾つか載っていたりだとかしているだけで、それで、基本的にその内容についてきちんと調査をしただとか分析をしただとか、その結果がどうなったとかということはやっぱり書かれていないんですね。
 そこで、改めて、立法事実に対する考え方、これについてまず大臣にお伺いしたいと思います。
   〔委員長退席、理事島村大君着席〕
#233
○国務大臣(塩崎恭久君) これ、石橋議員から要求があってお出しをした資料についての今お尋ねをいただいたわけでございまして、それは、協議会への警察の関与についての立法事実について、二つの検討会での議論に関わる議事及び資料についての提出要求、こういうことでございました。
 これは二つありまして、一つは個別ケース検討会議、これにつきましての警察の参加というのはあくまで例外的なものと想定をしておって、制度の大枠を議論いただいたあり方検討会においては、そのこと自身について議論はしていないところでございます。
 一方で、検証チームの検討の過程で六十七の都道府県、政令指定都市を対象に調査をいたしました結果では、明文化されたルールに基づく退院後支援を実施している八自治体のうちの三自治体において退院後支援に警察が関与している例を把握をしておって、法案提出に当たって例外的な参加は必要というふうに考えたところでございます。
 その後、いろいろヒアリングもいたしました。措置入院を繰り返すような状況があるときに警察官が患者本人の症状とか状況を共有をしておるということで、精神症状による行動であると理解した上での対処が可能となって、医療機関とかあるいは保健所などの関係機関と円滑な連携を図ることができるといった効果が把握をされたところでございました。
 以上のとおり、個別ケース検討会への警察の参加につきましては、私どもは立法事実はあるのではないかというふうに考えておるわけでございまして、代表者会議については、警察官通報のばらつきというのがございまして、この解消を図る意見があって、また医療と警察のいずれが対応すべきかどうか判断がなかなか難しいと、こういうケースがいわゆるグレーゾーンということであって、こういうことで、兵庫県での例やあるいは厚労省がサンプリング調査で調べてみた十一自治体のうちの八自治体で警察が関係機関として含まれている、こういったことを踏まえて検証チーム及びあり方検討会における有識者による議論を行った結果で、保健所設置自治体にこうした協議の場を設置することが必要だとの意見が集約をされたところでございまして、それぞれ立法事実としてあったという認識でございます。
#234
○片山大介君 その今お話しになったのが立法事実という言い方ができるのかどうか、私はやっぱりそれはちょっと疑問に思うのがあるのと、その地域協議会の代表者会議の方で、今、先ほど大臣が言われた警察官通報のばらつきの解消云々とか言っているんですが、これはこれまでの審議の中で、この地域による格差があることについてはまだきちんと分析していないというふうに言っていたと思います、これまでの審議の中で。だから、そういうことがまだ決まっていないんだけれども、その協議会の立ち上げだとかそういうものは決めたという話になっていて、そうなると、やはりこれをもって立法事実と言うのはやっぱり私は弱いような気がするんですが、こうした声に対してはどういうふうにお答えになるでしょうか。
#235
○国務大臣(塩崎恭久君) もちろん、これは、今申し上げたのは、検討チームとそれからあり方検討会、この二つの議事録関係で申し上げた立法事実を申し上げているわけでありまして、私どもは、決してそれだけではなくて、他のことについて、例えば兵庫県に出向いていく、あるいはそれ以外にももちろん私どもはヒアリングなどもしてきているわけでございまして、そういうようなことで、私どもの判断として、立法事実があるということも加わって今回の法改正をお願いをするという、そういうことに至っているということだと思っております。
   〔理事島村大君退席、委員長着席〕
#236
○片山大介君 それで、今、この議論は午前中からずっと議論をやってきたので、ここで同じ議論をしても恐らく前に進まないというふうに私は思っているんです。
 私、それよりも聞きたいのが、前回までの一連の混乱の原因となったこの概要資料の説明についてなんですけれども、ここで文言が削除されたというのがあって、それで各会派を回って説明したと言っているんですが、この公の場でというか、ここでの説明がまだきちんと私されていないのが気になっていて、ちょっとそれについての説明を一つ一つしていただきたいと思っていまして、まず、警察が参加する精神障害者支援地域協議会、ここについての説明で、概要資料から運用のイメージという言葉が外れましたね。代わりに、役割と構成という言葉になったんですけれども、これ、そもそも何でイメージという書き方をしたのかというのと、なぜ変えたのかというのをきちんと説明していただけますか。
#237
○政府参考人(堀江裕君) 御指摘の資料は、地域協議会のうち、支援体制について協議する代表者会議と個別の退院後支援計画を作成する個別ケース検討会議のそれぞれの役割を示すためのものでございます。
 運用のイメージとしたことで両者の機能が曖昧なままであるとの誤解を招くおそれがあると考え、両者の役割を明確に区分するために文言の修正を、説明資料の修正を行ったものでございます。
#238
○片山大介君 今の説明だけだと少し分からなくて、これを役割と構成と変えたところで何が違うのかなという感じはするんですけど、そこはどうなんでしょうか。
#239
○政府参考人(堀江裕君) この二つの会議につきまして、条文上明確に参加者につきまして法定して区別をしてございます。そういうことで、それはイメージではなくて、この役割と構成というところでございますけれども、イメージではなく役割と構成という言葉に改めさせていただいたものでございます。
#240
○片山大介君 次の質問に行きますと……(発言する者あり)いや、ちょっと私も分からないところがあります。
 じゃ、そうすると、この二つの会議、もちろん法案には明記されていない、条文には明記されていないですよね。そうすると、じゃ、この二つの会議の中で警察の関わり方というものをもう一度きちんと教えていただけますか。
#241
○政府参考人(堀江裕君) 法律上は、地域協議会の中で、関係行政機関ということで警察自体を明記しているものではございません。一方で、個別ケース検討会議につきましては、関係行政機関等のうち支援対象者の退院後の医療その他の援助の関係者をもって構成する合議体で当該協議又は連絡調整を行うものとするということでございまして、その支援対象者の退院後の医療その他の援助の関係者のみで構成するということで明確にしてございます。
#242
○片山大介君 そうすると、その二つの会議での情報の共有だとか、情報の取扱いだとか共有というのはどうなるんでしょうか。
#243
○政府参考人(堀江裕君) 代表者会議の方には、こちらの説明資料の方にも記載してございますけれども、警察も入った格好になります。ただし、右側の個別ケース検討会議は、先ほど申し上げましたように、支援対象者の退院後の医療その他の援助の関係者をもって構成する合議体でございますので、防犯目的で行います警察は入りません。
#244
○片山大介君 先ほど私もちょっと入るという話をほかの委員のときに聞いていたんですけれども、それで、今の説明だと、個別ケース検討会議で警察に情報が共有されるケースというのは、それは自傷の場合だけなんでしょうか。そこはどうなんでしょうか。
#245
○政府参考人(堀江裕君) 今の個別ケース検討会議の方につきましては、先ほど申しましたように、防犯の観点から警察が参加することはございません。
 例外的に警察が参加するのは、今御指摘がございましたように、警察が医療その他の援助の関係者に該当する場合に限られ、具体的には自殺のおそれが認められる者や繰り返し応急の救護を要する状態が認められている者等につきまして、患者の支援を目的に、保健所設置自治体が本人、家族から意見を聞いた上で、警察以外の援助の関係者で警察の参加についての合意が得られた場合に例外的に援助の関係者として警察が参加することがあり得る旨を退院後支援のガイドラインにより明示することを考えてございます。
#246
○片山大介君 そこがよく分からなくて、あと、グレーゾーンについては代表者会議でというふうに言っているんですけれども、実際にグレーゾーンに当たるようなケースが出てくるというのは、個別検討会議で作るときに出てくるわけですよね。
 グレーゾーンでこういうことが想定されるだとかなんとかって、そのグレーゾーンがいろいろな想定したタイプごとに分かれるわけがなくて、いろんなものが現場で出てくるから個別検討会議だと思うんですよね。そこは分かっていただけるかなと思うんですけど。
 だから、そのグレーゾーンが代表者会議で終わるということではなくて、それで、しかもそれを下に下ろしてくればそれぞれ対応ができるという話じゃなくて、下からやっぱり上がってくると思うんですよ、私、グレーゾーンについては。そうすると、やっぱりこれは情報の共有になると思うし、それは警察との情報共有にもなると思うんですけれども、ここはいかがでしょうか。
#247
○副大臣(橋本岳君) 二つの会議がございます。その間の情報連携、そしてそれに警察がどう絡んでくるか、そういうことで御質問いただいたんだと思っております。
 代表者会議は、退院後の支援計画を作成をする、そして運用する、それを作成をするに当たりまして、何というんですかね、そもそも関係者間の連携体制を協議をしておこうということで、まさにグレーゾーン事例が、計画を作ろうと思ったときに、どうもちょっとそういうこともあるようだ、医療が所管範囲なのか、それとも医療では対象とできないような例なのかということがあったときに、きちんとどう対応するのか。すなわち、要するに自治体が引き続き支援をしていくということが望ましいケースなのか、あるいは警察が対応すべきケースなのかということについて、あるいはそうした事例があったときにどういう形で誰とどう相談するのかということをきちんと定めておく、それを代表者会議できちんと先に定めておこうということで警察が入っているということでございます。
 実際に何かしらそういうケースがあったというときは、自治体がそこをまず把握をするわけですよね、計画を作るために。そうしたときにはその定めに従って、代表者会議とかではなくて、そのルールに基づいて警察に情報共有をすると、こういう話になります。それと、一方で、個別のケース検討会議につきましては、先ほど来部長が答弁をしましたように、防犯のための警察は入りません。ただし、本人等の意見を聞いた上で関係者が合意をすれば支援の関係者としての警察が入ってくるということはあり得ます。
 そして、その上で、もちろんその個々の事例においてそれまで想定されていたルールとやっぱりもっと、まだまだ違うものを、ケースを考えるべきであるだとか、そうしたことが出てくるというのはあり得ますので、そうした場合は個別ケース検討会議から個人情報を伏せた形で、こうした形について今後どのように検討していく、機関間で情報共有するべきだろうかということについては個別検討会議からこういう、何ていうんですかね、抽象的な例として情報を上げて、もう一回その代表者の会議で議論をして、今後そうした例、同じような例があったときにどうするかというのを議論をしていただくと、こういうことはあり得るんだろうというふうに思っています。
 だから、個人の情報が個別の会議と代表者会議の間で行ったり来たりするということは考えておりません。
#248
○片山大介君 いや、恐らくそういう回答になるかなと私思いました。きっと匿名という扱いをするんだろうなと思ったんですけれども、匿名することによって本当のその個々のグレーゾーンの一番適切な対応というのが分かるのかどうかと私は思ってしまいますね、というのが一つ。だって、場所だとかそういったものが分からなければ、本当にそのグレーゾーンに適した対応ができるのかどうかというのはあると思います。
 それから、代表者会議というのは年に一回か二回だと言っている。そうしたら半年に一回ですからね、平均すると。それで、そうしたグレーゾーンに対応する時期が遅くなるんじゃないのかというのもありますけれども、そこら辺はどういうふうにお考えでしょうか。
#249
○副大臣(橋本岳君) 何というんですかね、もちろん、抽象度をどのぐらいにするかというのは、当然個々の事例に応じて対応されるべきであろうと思います。ただ、やはり原則としては、原則としてと言うと、済みません、誤解を招くので今のなしです。ただし、個人の情報、個人が特定されるような情報を含まない形でそこはケース検討会議から代表者会議に上げるということを想定をしております。
 その上で、そして、年に一回とか半年に一回で大丈夫なのかというお問いがございましたが、こちらについては当然ながら、どのぐらいの事案、重大な事案なのか、あるいは今後同じような事案が起こり得るので早急に対応した方がいいというようなことであれば、当然ながら、臨時に代表者会議を開いてそうしたことに対する枠組みをもう一回再確認をするということはあり得るんだろうというふうに思っております。
#250
○片山大介君 そうすると、この前の資料でやっぱり削除された、次に削除された、両会議における課題や結論を相互に反映というのもこれ削除されたわけなんだけれども、そうするとこれは余り削除する意味がないんじゃないのかなと思うんですが、これはいかがでしょうか。
#251
○副大臣(橋本岳君) 両会議の間での個人情報のやり取り等については、今答弁をしたとおりでございますので繰り返すことはいたしません。ただ、前の資料では課題や結論を相互に反映というふうに書いておりました。これは、まさにそう書いているように、課題や結論を相互に反映するつもりで書いたということで、個人情報をやり取りするということをイメージしたものではございませんでしたが、ただ、最初の委員会の質疑の中でそこに対する御懸念が大変強くあったということを踏まえて、誤解を招かないようにという趣旨でこの文言については削除させていただいたと、そういうことでございます。
#252
○片山大介君 そして、そうした機微の扱い、情報の機微の扱いというのがこれから求められてくることになるとしたら、それは今、法案とか条文には書いていないわけだから、これガイドラインにしっかり書いて分からせなきゃいけないと思うんで、そこについてはどうお考えなんでしょうか。
#253
○副大臣(橋本岳君) それはまさに御指摘のとおりでございまして、個々の自治体で今後対応していただくということになりますので、そこで混乱等が生じないようにガイドラインをもってきちんとお示しをしてまいりたいと考えております。
#254
○片山大介君 それで、次に聞きたいのが、これも以前から聞いているんですが、個別ケース検討会議の参加者について。
 それで、これは、ここについては本人、家族は必要に応じて出席するという必要に応じてが取られたわけですね。それについて指摘をされたら、当初から本人や御家族の参加というのは当然なんだと、参加すべきもので、あえてそこまでの意味がなかったというような言い方をされているんですが、ただ、これも私、前言ったんですが、その協議会、この会議を規定する法案の五十一条の十一の二には、本人や家族についてはその他の関係者で読むとしているんですよね。これで本人や家族が最初から入ることを想定していたというのは、なかなか考えづらいと思う。審議の過程においてやはりちょっと考え方を変えたというのがこれ普通に見る見方だなと思うんですが、これについてはいかがでしょうか。
#255
○国務大臣(塩崎恭久君) この退院後の支援計画の作成などにつきまして協議をする個別ケース検討会議は、先ほども申し上げましたけど、支援対象者の退院後の医療その他の援助の関係者ということになって、それが構成員ということになっています。この規定は、患者あるいは家族に対する医療、福祉などの様々な支援を連携して提供するという、そういう支援を提供する主体が構成員として会議に参加をすべきということを定めているのがこの条文であります。
 こうした規定の性格上、当然この援助の関係者の中には本人や御家族は入らないと、こういうことになっているわけでございまして、それは元々予定されておったということでございまして、一方で、支援計画は、患者本人の社会復帰の促進等のための自治体が作成を義務付けられるものでありまして、措置入院先の病院において行われるいわゆるニーズアセスメントの結果を基に、御本人それから御家族、この意向をしっかりと踏まえて作られるということになっています。
 また、個別ケース検討会議には、御本人と御家族も参加すべきであるということは、これは何度も申し上げておりますけど、退院後支援のガイドラインで明示をして自治体に理解を徹底していきたいと思っておりますけれども、本人又は家族が個別ケース検討会議への参加を拒否する場合の質問が前も出ましたが、本人の症状から参加が困難な場合というのもあり得るわけでございます。例外的に、御本人や御家族が個別ケース検討会議にそういった場合には参加しないこともあり得るということでございまして、いずれにしても、法案の概要資料で必要に応じてと記載をしておりましたけれども、この点、御本人と御家族が参加すべきということは、明確化するために記載を今回改めさせていただいたということで、元々の考え方は変わっていないということでございます。
#256
○片山大介君 もし今言われることがそうであるのであれば、その五十一条の十一の二も、最初に誰が読んでも本人や家族が入るということが分かるような文言でやっぱりしっかり入れておくべきだったというふうに思います。
 それで、次に気になるのが、望まない人、今大臣がおっしゃられたんですが、これ望まない人に対しては、最終的に、何というのか、歩み寄れなかった場合、この場合はどうなるのか、教えていただきたいんですが。
#257
○国務大臣(塩崎恭久君) これは御本人の社会復帰の促進のために作成されるもので、計画はですね、当然御本人の意向はしっかりと踏まえていくというのが原則であるわけでありますが、御本人に個別ケース検討会議に参加をしていただくことによって、支援内容やその必要性について丁寧に御本人に説明をしないといけない、そして理解、納得を得るということに努めなければならないというのが、これ地方自治体の側の責務であるわけでありまして、その上で、御本人にこの退院後支援計画に記載された支援内容に御納得がいただけないと、そういう場合です。
 それには、必要に応じて計画内容を見直すなどの本人の御意向を踏まえた計画となるように対応することが当然まず必要でございます。こうした対応を行ってもまだ計画に基づく支援に御本人から理解を得られないという場合、そのことを今お尋ねかと思いますが、保健所等の職員が、御本人や御家族からの相談に応じたり、患者の状況等に応じて見守りを行う旨を計画に記載をすることが考えられるというふうに思っております。
 いずれにしても、患者に必要な医療、福祉などを提供することが、行き届くことが大事なことでございますので、こういった退院後支援のガイドラインの中で、この秋をめどに、今申し上げたようなやり方についてしっかりと書き込んでまいりたいというふうに思っております。
#258
○片山大介君 ここはしっかりしてほしいと思うんです。というのは、先日の参考人質疑で、これまで何人かの先生がおっしゃったんですが、障害者が当事者の立場で参加した桐原参考人なんですが、次のように述べているんですね。当事者の多くは措置入院者に対する退院支援を恐れている、措置入院になると無期限に監視されるかもしれない、そうならないために措置入院になる前に家族などに医療保護入院にしてもらうことを相談しておこうと話し合っているというふうに、やっぱりこうした不安の声があるのは確かだと思うんですね。
 そんな中でもその計画を実行するというのであれば、歩み寄ったりだとか、それからすり合わせをしっかりするようなマネジメントのようなこともやってもらわなきゃ困るんですけれども、そこら辺についてはどういうふうにお考えなのか、もう一度聞きたいと思いますが。
#259
○副大臣(橋本岳君) るる答弁を申し上げておりますように、もちろん、まずその大前提として、御本人、御家族の皆様にしっかりとまずアセスメントをし、どういう支援が求められているのか把握をするということ、そしてきちんと御説明を申し上げること、そしてできるだけ同意をいただくように努力をするということは前提でございます。
 その上で、先ほど大臣が答弁ありましたように、御納得いただけない場合というのもございますから、その場合、必要に応じて計画を見直すだとか、そうしたことをやっていく、そしてまた、なお御理解が得られなかったら御相談に応じるというような形での計画を作るというような形になるということになるわけでございます。
 そして、先ほど期間の話がございました。これも以前にもう既に答弁をしておりますけれども、半年以内を基本的には考えている、あるいは、延長も仮にしたとしても一年以内ということを考えているということでございまして、永遠に監視されるということではございません。
 そうした中で、しっかりとした個々人の状況、あるいは御希望に合った支援をしていただくということは、それは自治体としてそのように取り組んでいくべきものでございまして、そうした全体としてしっかりガイドラインとしてお示しをし、今回の改正の趣旨及びどのようにそれを実現していただくかということをお示しをしてまいりたいと考えております。
#260
○片山大介君 今副大臣の方から期間の話聞いたんですが、その期間の半年以内程度でしたっけ、それと、あと延長するとしても一年というような、これの、何というのか、こうした目安にした根拠というのを教えていただけますでしょうか。
#261
○国務大臣(塩崎恭久君) 今の支援計画についてでありますけれども、退院後に円滑な地域生活に移行するということが目的でありまして、何度も申し上げておりますけれども、医療、福祉等の支援を確実に受けられるようにするということです。したがって、措置入院者の地域生活への円滑な移行のための支援が実際に機能するようになれば計画は終了するということにならなければいけないわけであって、それは、精神保健福祉法第四十七条に一般的な相談、指導というのが書いてございますが、そこに移行するということが念頭に入れられているわけで、そこへの言ってみれば一つの目安がこの支援期間としての半年以内程度を今考えている、これが基本として考えているわけでありますが、この支援期間を今延長する場合の話がございましたけれども、これは、今申し上げたように、患者の症状とかあるいは生活環境の変化で例外的にこの支援期間を基本的な半年以内程度というものを延長することも考えられるわけでありますが、その場合でも延長は原則一回限りということで考えるのが基本ということで、一年以内には地域生活への移行を図ることができるように自治体に努めていただくということを我々としては考えておるわけでございまして、精神保健福祉法の第四十七条の一般的な相談、指導に移行をすることで特別な計画を作っての支援というものを卒業するということができれば、地域移行というのがよりスムーズにいくのではないかというふうに考えるところでございます。
#262
○片山大介君 時間なくなったので、最後に、これからそのガイドラインを作るということなんですけれども、じゃ、当事者の意見を聞く場というのは設けるおつもりなのか、どのように反映させる、尊重するつもりなのか、それを最後にお伺いしたいと思います。
#263
○国務大臣(塩崎恭久君) 今の御指摘のあったガイドライン以外にも各種ガイドラインをこの措置入院に、そして措置入院後の支援についてのガイドラインを作成することにしておりますけれども、当然、これはもう御本人、御家族の関心が高い問題について入れるわけでございますので、当然、御本人の御意見あるいは御家族の御意見というものはしっかりと受け止めた上でいかなければいけませんし、そのガイドラインの中にも、御本人、御家族の意向の取扱い、それから個別ケース検討会議の参加者であったり、それから開催時期とか、それから期間の目安、支援の終了に関する考え方、今の延長の考え方、本人、家族への説明の在り方というものも丁寧にガイドラインの中に書き込んでいきたいというふうに考えておりまして、当然、御意見はしっかりとお聞きをするということでございます。
#264
○片山大介君 分かりました。ありがとうございました。
#265
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 端的にお聞きします。厚生労働省は、再発防止を捨てるんですか、捨てないんですか。
#266
○政府参考人(堀江裕君) 今回の退院後支援計画等によりまして、一つの施策といたしまして、それは再発防止に資する施策でございますので、進めてまいりたいと考えてございます。
#267
○福島みずほ君 再発防止に資するから、再発防止捨てないんでしょう。捨てないんだったら、なぜ解説の概要から再発防止落とすんですか。
#268
○政府参考人(堀江裕君) 今回の説明資料の見直しを行ったことにつきましてでございますけれども、概要資料の改正の趣旨に、「二度と同様の事件が発生しないよう、以下のポイントに留意して法整備を行う。」と記載し、また四月十一日の委員会質疑におきまして、相模原市の事件は検討の契機であるけれども、本法案は犯罪防止を目的としたものではない旨を答弁したことにつきまして、概要資料の記載と異なっているという御指摘があり、さらに、本法案が犯罪防止を目的とすると受け止められるものであり、概要資料の記載が不適切な表現である旨の御指摘があったことから、本法案は、措置入院者の退院後の医療や地域福祉、就労支援等の支援の充実を図ることで、結果として再発防止に資するものであり、犯罪防止を目的とした法案との誤解を招かないようにする観点から概要資料の修正を行ったものでございます。
#269
○福島みずほ君 でたらめですよ。再発防止に資すると言って捨てないんだったら、なぜ取るんですか。インチキじゃないですか。
 結局、この法案は再発防止のためのものなんですよ。再発防止のためにこれを作った。相模原、措置入院、再発防止、総理の頭の中のこの三点セットに、こびたのかそんたくしたのか。それで、措置入院の人に対して、フォローアップして警察を入れる、再発防止に資するという法案なんですよ。そのことをみんなから指摘されてやばいと思ったのか、それを削除するというふうになった。でも、今日の答弁でも明らかなように、再発防止に資する、再発防止捨てていないんでしょう。だったら取る必要ないじゃないですか。だから、めちゃくちゃなんですよ。取りゃいいというものじゃないじゃないですか。だって、ほかのところ変わっていないんだから。
 だから、この法案は取り下げなくちゃいけません。こんな法律を国会で、厚生労働省のでたらめに付き合って国会がこんな法律成立させたら、本当におかしいですよ。立法理由に再発防止に資するというのあるんでしょう。もう一回確認させてください。
#270
○政府参考人(堀江裕君) 今回の精神保健福祉法の改正法案の理由は、「精神障害者の社会復帰の促進を図るため、都道府県が入院措置を講じた者に対する退院後の医療等の援助を強化するとともに、精神障害者の支援を行う地域関係者の連携強化を図るほか、医療保護入院に必要な手続、精神保健指定医の指定制度等について見直しを行う必要がある。」というものでございまして、今回のそれが理由でございます。
#271
○福島みずほ君 今日はいろんな委員からも出ていますが、安倍総理の一月二十日の参議院本会議、「精神保健福祉法を改正し、措置入院患者に対して退院後も支援を継続する仕組みを設けるなど、再発防止対策をしっかりと講じてまいります。」。まさに再発防止対策が前面に出ているじゃないですか。
 審議の中で、責任能力がこの被疑者、被告人はあったということ、それから措置入院と犯罪の因果関係はないということ、それも明らかになりました。そして、この協議会、代表者会議と個別ケースの両方にというか、代表者会議には警察が入っているが、個別ケースの場合も警察が入るということも明らかになりました。まさにこれ、再発防止じゃないですか。
 しかも、措置入院と犯罪の因果関係がないということが明らかになったにもかかわらず、何なんですか。孤立防止を防ぐというのであれば、なぜ措置入院だけフォーカス当てるんですか。孤立防止を防ぐんだったら、通院の人も任意入院の人も措置入院の人もちゃんとフォローアップしたらいいじゃないですか。全く矛盾していますよ。どうですか。
#272
○政府参考人(堀江裕君) 精神保健福祉法に基づく入院には、措置入院のほか任意入院、医療保護入院という入院形態がございまして、円滑な社会復帰の観点からは、御指摘のように、措置入院以外の入院形態から退院した患者に対しても退院後の支援を実施することが望ましいということはおっしゃるとおりでございます。一方で、地域保健行政の人的資源との関係から、全ての入院形態の方について自治体に退院後支援計画の作成等を義務付けることまでは難しいと。
 この点、措置入院に至るまでの病状になった方については、退院後も円滑に地域生活に移行できるような環境を整える必要性が他の入院形態の患者よりも高いと考えられること、このほか、措置入院は都道府県知事等が行うものであり、退院後の支援についても自治体が関わりを持つ必要性もより高いと考えられることから、本法案においては、まず措置入院者について、自治体に対し、退院後支援計画の作成等を義務付けたものでございます。
 退院後支援計画は、患者本人の意向をしっかりと踏まえた上で作成されるべきものでございまして、社会復帰の促進に向けました支援が適切に実施されるよう自治体に対して趣旨を徹底してまいりたいと考えてございます。
#273
○福島みずほ君 本人の同意も取らなくて、何で支援なんですか。これはもうこの委員会でも言ってきています。本人の同意がなくて、何の支援なんですか。しかも、措置入院者だけなぜ支援計画作るんですか。なぜ警察が入り込むような、個別ケースでも、そして代表者会議に入れるんですか。やっぱり再発防止でしょう。だから、一番初めの質問に戻るわけですが、再発防止のために作るんですよ。しかし、これは何かやっぱり人聞きが悪いというか、評判が悪いとなって変えたけれども、そんなの駄目じゃないですか。だって、そういうふうに作ってあるんですもの、この法案が。措置入院だけなぜするのかという質問に答えていないですよ。だったら、もう少しワンストップサービスを充実させる、いろんな精神障害者、精神保健の必要としている人たちに対してやるんだ、だったら、それは違いますよ。
 新旧法律案の概要なんですが、いろいろまたこれの変更出て、必要に応じて障害福祉サービス事業者、本人、家族等と、こうなっているんですが、必要に応じてがその調整会議から取れました。ということは、本人、家族は必ず調整会議に必須で参加するんですか。
#274
○副大臣(橋本岳君) 必要に応じてを削除した理由ということでお尋ねをいただいておりますけれども、厚生労働省においては、法案の作成時から退院後支援計画を協議する……
#275
○福島みずほ君 いや、なぜ取ったかではないんです。取ったということは、本人と家族は必ず出席するということかという質問です。
#276
○副大臣(橋本岳君) 失礼をいたしました。
 法案の作成時から、退院後支援計画を協議する個別ケース検討会議には本人と御家族も参加すべきだというふうに考えております。ただし、本人か御家族が参加を拒否した場合や、本人の病状から参加が困難な場合には例外的に参加しないことがあり得るというふうに考えているところでございます。
#277
○福島みずほ君 だったら、必要に応じてを取る必要なかったんじゃないですか。
#278
○副大臣(橋本岳君) ただ、一方で原則として本人、家族は御参加をいただきたいというふうに考えているということでございまして、そこに対してその本人、家族の御意見も聞かないのかといった御議論がたしかあったと思っております。そうした誤解を招かないように、ここのところは削除をさせていただいたということでございます。
#279
○福島みずほ君 おかしいですよ。だって、本人と家族は参加しなくてもいいというか、例外的に参加しないんだったら、元々の必要に応じてでよかったんじゃないですか。実は、元々のポンチ絵の方が正直だったんですよ。だけど、文句言われたからまずいと思って消したというので、答弁とあれが変わらないじゃないですか。別に必須じゃないということなんですよ。
 かくかくさように、これだけ迷走を続け、幾ら再発防止を削除したとしても、実際は再発防止に資するとして、今も答弁ありました、再発防止、捨ててないんでしょう。捨ててないんだったら何で取るのか。そして、再発防止に資するという、再発防止のためにこの法案を作ったというわけですから、というか骨格はそうなっているわけで、この法案そのものをやっぱりこれは認めるわけにはいかないと思います。これだけ迷走を続けて、国会で厚労省の説明よく分かりましたといって審議をやることはできないですよ。これ、取り下げるべきだということをまた改めて申し上げます。
 それで、長谷川利夫杏林大学教授の調査、配付資料一によりますと、身体拘束は、二〇〇三年の五千百九人から二〇一三年の一万二百二十九人へ、十年で二倍以上になっております。また、隔離も、一九九九年の七千十五人を底に増加傾向が続き、最新データである二〇一四年は身体拘束と隔離の両方が一万人を超えるという事態になっております。なぜこのように増加しているんでしょうか。
#280
○政府参考人(堀江裕君) 精神科病院におきます隔離あるいは身体拘束につきましては、精神保健福祉法上、精神保健指定医の診察により患者の医療と保護のため必要性が認められた場合に限り必要最小限の範囲内で行うことができると、法三十七条に基づく告示で定めているところでございまして、厚生労働省が行っております調査では、精神科病院で隔離、身体的拘束を受けた患者は増加傾向にあり、平成二十六年には各々一万人を超えているというのは御指摘のとおりでございます。その要因につきましては、比較的症状が激しい急性期の患者が増加していることなどが考えられますけれども、現時点では明確ではございません。
 厚生労働省といたしましても、早期に隔離や身体的拘束の増加要因を分析することが重要と考えてございまして、厚生労働科学研究といたしまして、本年六月に、隔離や身体的拘束に関する全国調査を実施できますよう調査設計を今行っているところでございます。
#281
○福島みずほ君 調査に当たっては、精神病院関係者だけでなく、当事者、弁護士など人権擁護的観点から知見を出せる人も入れるべきだと考えますが、いかがですか。
#282
○政府参考人(堀江裕君) 研究班のメンバーでございますけれども、国立精神・神経医療研究センターが中心となって、研究協力者として、民間及び公的な精神科病院の医師や精神医療審査会の実務に精通した方によって構成されてございまして、研究代表者からの報告によれば、本年六月に実施する実態調査には弁護士の方にも参画いただく計画であるというふうに聞いてございます。また、当事者にも参画いただく方向で研究代表者との調整を図ってまいりたいと考えてございます。
#283
○福島みずほ君 当事者をしっかり中に入れるべきだというふうに思います。
 隔離、身体拘束の継続実施日数はそれぞれ平均で何日間でしょうか。
#284
○政府参考人(堀江裕君) 隔離、拘束の平均継続日数の現状についてでございますけれども、現時点で実施日数等の詳細は把握しておりませんが、厚生労働省としても隔離、身体的拘束の実態を把握することは重要と考えておりまして、先ほど申し上げました六月に実施する全国調査において、隔離や身体的拘束の実施期間につきましても把握できるよう調査設計を行ってまいりたいと考えてございます。
#285
○福島みずほ君 現状で把握していないということも問題ではないでしょうか。長谷川教授の調査では、身体拘束九十六日、隔離四十六日と極めて長期であるというふうになっております。なぜこのように長期なのか、人権侵害ではないかというふうに思います。是非、その隔離、身体拘束、今厚労省は平均何日か認識していないということで、かように長期になっていること、しかも極めて増加をしていること、それについてしっかり改善、これは国際人権規約B規約からも非常に言われておりますので、きっちり、隔離、身体拘束を行う際の基準、それから長期にわたっていることなど、しっかり改善すべきだと思います。
 同じく長谷川利夫教授が全国十一の精神科病院における隔離病者四百四十四人、身体拘束患者二百四十五人を対象に調査をしたところ、その実施理由は不穏が一番多く三百三十五人、次いで多動が二百三十八でした。しかし、不穏も多動も、患者本人にしてみれば自分を落ち着かせるための行為である場合も多く、また医療従事者側の恣意的評価が働きやすいなど、専門家からの批判も根強いです。
 ヨーロッパでは、医療従事者が患者に対して大丈夫ですよなどと声を掛けながら抱き締めたり手を握ったりするなど対応し、隔離や身体拘束をできるだけ行わない工夫をしています。厚労省はこのような取組を取り入れるべきではないでしょうか。また、やむを得ず隔離、身体拘束を行う場合においても、実施についての厳格なルールを設け、精神医療現場に周知徹底をすべきではないですか。
#286
○政府参考人(堀江裕君) 隔離、身体的拘束につきましては、先ほども申し上げましたように、患者の医療と保護のための必要性が認められ、他に適当な代替手段、方法がない場合に限り、必要最小限の範囲内で行うことができるものでございます。
 御指摘のような不穏や多動が認められる患者についても、隔離や身体的拘束の対象となる場合が想定されます。具体的には、不穏や多動によりまして他の患者に対する暴力行為や著しい迷惑行為、器物破損行為が認められ、他の方法ではこれを防ぎ切れない場合、一般の精神病室では医療又は保護を図ることが著しく困難な場合等には隔離の対象であり、また自傷行為が著しく切迫している場合、多動又は不穏が顕著である場合などには身体的拘束の対象であると考えられております。このため、不穏や多動が認められる患者に対する隔離や身体的拘束が直ちに不適切というものではないことは先ほどから申し上げているところでございます。
 そこで、ルール化についてもお尋ねがございまして、隔離、身体的拘束の基準につきましては、精神保健福祉法三十七条一項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準において、その基本理念といたしまして、患者の個人としての尊厳を尊重し、その人権に配慮しつつ、適切な精神医療の確保及び社会復帰の促進に資するものでなければならないことを明示してございます。また、隔離、身体的拘束それぞれに基本的な考え方、対象となる患者に関する事項を定め、その取扱いを規定して精神保健医の判断のみにより開始できることとしてございます。
 引き続き、こうした取扱いを指定医の申請時、更新時の研修等を通じて徹底し、医療中の患者の人権に配慮した適切な精神医療が確保できるように対応してまいりたいと考えてございます。
#287
○福島みずほ君 どういうふうに拘束するかという写真を見てやっぱり驚きました。日本の刑務所は革手錠を廃止したんですね。やっぱりすごく拘束することになるし、良くない。日本の刑務所は革手錠を廃止したんです。この身体拘束が平均して九十六日、やっぱり長いですよ。是非これらの改善をするべきだということを強く申し上げます。
 そもそも隔離、身体拘束が増え続ける理由として精神科救急の問題があるのではないでしょうか。精神科救急医療体制を有する病院数は二〇〇八年から二〇一四年までの六年間で九百十五病院から千六十七病院へ百五十二病院、率にして一六・六%増えています。一方、同じ六年間で精神科病院数は千七十九病院から千六十七病院へ十二病院減っています。配付資料二です。
 また、診療報酬の点数も二〇〇四年から二〇一六年までの十二年間で、精神科救急入院料三十日以内が二千八百点から三千五百五十七点へ、精神科急性期治療病棟入院料三十日以内が千六百四十点から千九百八十四へと上がっております。一方、同じ十二年間で、救急ではない入院精神療法の診療報酬は三百六十点のままです。配付資料三です。
 このような精神科救急病院の増加と診療報酬アップを受けて、請求金額も急増をしております。二〇〇四年から二〇一四年までの十年間で、精神科救急の入院医療に係る主な項目の一か月分の請求金額は二十七億円から九十六億円へと三・五倍以上に膨らんでいます。配付資料四です。一方、同じ十年間で、救急以外の精神科入院は三十八億から五十五億へ一・四倍であり、全ての科の入院では七千二百三十億円から一兆九百六億円へ一・五倍にとどまっています。配付資料五です。
 つまり、精神科救急の入院医療が十年間で三・五倍以上に膨らんでいると、精神科救急は来院即隔離ないしは身体拘束という対応も多くなるため、こうした精神科救急の重視策が隔離、身体拘束増加の原因の一つになっているんじゃないでしょうか。
#288
○政府参考人(堀江裕君) 隔離、身体的拘束の件数が増加している背景につきましては、先ほども申し上げましたが、本年六月の厚生労働科学研究におきます全国調査を行うこととしてございます。
 それから、御指摘のとおり、精神科救急機関の夜間、休日の受診件数、入院件数、増加してございますが、隔離や身体的拘束と精神科救急との関係については明らかではないわけでございまして、六月の全国調査において分析が行われる予定でございまして、その調査結果を踏まえまして、必要な対策を検討してまいりたいというふうに考えてございます。
#289
○福島みずほ君 でも、この診療報酬や点数から導かれるものもあると思います。是非しっかり検討していただきたいと思います。
 重度かつ慢性に関する診断基準、これは資料と新聞を付けておりますが、厚労省は、第五期障害者福祉計画、二〇一八年から二〇二〇年度において重度かつ慢性に該当しない長期入院精神障害者の地域移行を目指すという方針を出しています。また、これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会、あり方検討会によると、一年以上の長期入院精神障害者、約十九万人、認知症を除くの六割以上、約十一万人が重度かつ慢性に該当するとされています。
 障害者の地域移行は世界のスタンダードです。であるにもかかわらず、十一万人もの人々が地域移行から排除されるのは問題ではないでしょうか。
#290
○政府参考人(堀江裕君) 精神病棟に入院後、適切な入院医療を継続して受けたにもかかわらず一年を超えて引き続き在院した患者のうち、精神症状、行動障害、生活障害、身体合併症などの基準から重度かつ慢性の基準に満たすとされる方についての御質問でございますけれども、当該基準を満たすことを理由に地域移行へ向けた取組の対象から外れるようなことがあってはならないと、それから、当該症状を有する障害者にはより手厚い入院医療を提供することでできる限り地域移行に結び付けていくことが方向性として確認されているものでございます。
 また、第五期障害福祉計画では、平成三十二年度末の長期入院精神障害者の地域生活への移行に伴う地域の精神保健医療福祉体制の基盤整備量を明記することといたしてございます。この第五期というのは平成三十年度からのものでございます。基盤整備量を算出するに当たりましては、御指摘の重度かつ慢性の基準に該当する患者以外の地域移行だけでなく、治療抵抗性統合失調症治療薬の普及等によって御指摘の重度かつ慢性の基準に該当する患者の地域移行が進むことも想定しているものでございます。
#291
○福島みずほ君 ただ、十一万人が重度かつ慢性というのはどうでしょうか。この基準作成は厚労省の補助研究事業研究班が作成しておりますが、この研究班やあり方検討会に精神科病院の業界団体である日本精神科病院協会幹部がメンバーとして入っております。十一万人が地域移行をするのか、それとも引き続き入院したままなのかは極めて重要な経営問題でもあります。利益相反ではないでしょうか。
#292
○政府参考人(堀江裕君) 御指摘の重度かつ慢性の基準は、精神症状、行動障害、生活障害、身体合併症について重症度を評価するものであることから、精神医学の専門的な知見を有する医師等が中心となって作成したものと認識してございます。
 また、これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会では、当該基準を満たすことを理由に地域移行へ向けた取組の対象から外れることはあってはならないこと、当該症状を有する精神障害者にはより手厚い入院医療を提供することでできる限り地域移行に結び付けていくことが方向性として確認されてございます。
 このため、精神科病院の医師等が作成しているということで利益相反にはならないというふうに考えてございます。
#293
○福島みずほ君 ただ、この十一万人がまさに重度かつ慢性というこの診断基準はおかしいと思います。
 資料として、配付資料八、九に付けております重度かつ慢性を診断する際の基準となっているBPRS、簡易精神症状評価尺度は、その第一項目、精神症状の評価基準として十八項目における点数、なしの一点から最重度の七点までの七段階評価の合計を四十五点以上としています。十八項目の総得点が四十五点以上ということは、一項目平均二・五点以上で重度かつ慢性とみなされるという意味になります。
 しかし、BPRSの点数表においては、二点はごく軽度であり、三点は軽度となっています。四点が中等度、五点がやや重度、六点が重度なんですね。ということは、二・五点平均点で取っていると、でも三点が軽度で二点はごく軽度なんですよね。ですから、各項目における評価基準と総点数の評価基準とが著しく乖離していて、評価尺度として適用するのは不適切ではないでしょうか。
#294
○政府参考人(堀江裕君) 精神疾患の重症度を評価する重度かつ慢性の基準を構成するBPRS、簡易精神症状評価尺度の評価基準につきましても、研究班に参加している有識者の合意形成に基づき作成されてございます。
 研究代表者によりますと、BPRSの評価基準につきましては、総得点四十五点以上は治療抵抗性の精神症状を評価する際の目安として学術的にも用いられている、いずれかの項目で六点以上となれば重度な症状を有していると言えるといった考え方の下、有識者の合意形成に基づき設定したとのことであり、一定の合理性があるものと考えてございます。
 いずれにいたしましても、これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会報告書においては、御指摘の重度かつ慢性の基準によって、より配慮された名称並びにより適切な基準となるよう、学会など様々な場において引き続きの検討が必要であるとされてございまして、今後これを踏まえて適切に対応してまいりたいと考えてございます。
#295
○福島みずほ君 でも、重度かつ慢性が十一万人、六割以上がそうだとなると、地域移行の歯止めになっちゃうじゃないですか。イタリアとかは御存じ、入院をしないようにするとか、大臣はいろんなことに明るい方ですから、もっと精神障害者の問題を地域へというのはよく御存じだと思います。その意味で、これの重度かつ慢性の評価基準はおかしいと思います。
 それで、ちょっとまた元に戻って、調整会議と代表者会議で、調整会議は本人と家族は原則として出ると、出れない場合はまあいいということで、必要に応じてを取ったという先ほど副大臣から説明がありました。じゃ、本人が、警察入れないでくれ、私のフォローアップのこの会議に警察入れないでくれ、絶対に警察に情報渡してくれないようにと言ったら、それは可能なんですか。
#296
○副大臣(橋本岳君) 個別のケース会議のことだというふうに理解をして申し上げますけれども、このときに警察は、まずは防犯をする人としての警察は入らないということ、ただし、支援の関係者として入り得るという、何ていうんですか、例外的に入り得るということで今まで答弁を申し上げております。
 これは、まず本人、御家族の御意向を伺い、そして、その上で、関係者の方々、ほかの支援の関係者の方々の合意が得られた場合に限り警察が入るというふうに考えているところでございまして、まず大前提として、原則的には警察は個別のケース会議には入らないのだということでございますし、仮に入った場合でも、防犯のために入るのではなくて、御本人の支援のために、要するに関係者の方々も含めて必要だと考えたときに入り得るということでございます。
#297
○福島みずほ君 警察は何の支援なんですか。警察って防犯なんじゃないですか。警察って、別に精神保健福祉士じゃないわけだから、防犯でしょう。警察、何のために入るの。支援ということは分からないですよ。そして、今のだと、本人の意向を聞き、関係者の同意がなければ、本人が嫌だと言ったら入らないんですか、本人の同意は不可欠なんですか。
#298
○副大臣(橋本岳君) まず、警察は防犯だけではないのかというようなお問いがございましたけれども、こちらについては、先ほど申し上げましたように、援助の関係者として警察が参加をするということで申し上げております。例えばそれは、自傷のおそれが認められる者や、繰り返し応急の救護を要する状態が認められている者等についてということを想定をしておりまして、例えば、繰り返し応急の救護を要する場合……(発言する者あり)はい。というようなことを想定をしております。
 そして、これも繰り返しになりますが、警察が入るという場合は、まさに患者の支援を目的に、保健所設置自治体が本人、家族から意見を聞いた上で、警察以外の援助の関係者で警察の参加についての合意が得られた場合に例外的に警察が参加することがあり得るということでございまして、本人の御意見はしっかり伺った上で、警察以外の関係者の合意が得られた場合に保健所設置自治体が警察の援助が必要だということで入り得るということでございます。
#299
○福島みずほ君 もう時間ですが、今の答弁では分からないんですよ。本人がノーと言えば入れないという答弁でもないじゃないですか。いろんな人の関係者の意見、本人の意向を聞きながらみんなの同意を聞くというんであれば、本人が嫌だと言ったときには入れないのかというのはよく分からないですよ。そして、やっぱりこれは……
#300
○委員長(羽生田俊君) お時間でございますので。
#301
○福島みずほ君 はい。
 厚生労働省は再発防止を捨てないんでしょう。再発防止に資するというのを言うんであれば、この概要説明からこれを切るのは間違いだと思っています。
 法案と説明が合致しない、この法案は取り下げるべきだということを改めて申し上げ、質問を終わります。
#302
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。よろしくお願い申し上げます。
 朝からの議論の関係で少し順番も入れ替えさせていただきながら、慎重に議論を進めていきたいと思っております。
 参考人質疑で様々な問題点が上がってまいりました。私が、まず参考人から本当にこれは大切だなと思ったような問題提起を受けましたのは、今回指定医の見直しが行われるんですけれども、指定入院医療機関の要件等についても再検討される必要があるよねという、こういう貴重な御意見でございました。それと、当事者である桐原参考人から、私もちょっと胸が痛んだんですけれども、桐原参考人の友人が措置入院になり、入院後五日目にして身体拘束中に死亡したと、こういったことが起こっているんだということが明らかになったことです。
 では、精神科に入院していらっしゃる患者様方がどういう入退院をしていらっしゃるのかなと私も調べてみました。それが資料一に準備をさせていただいております。
 これは、平成二十六年六月、一か月間で入院した患者様が約三万人だった。じゃ、その三万人の患者様方がどういう転帰を取られたか。死亡退院が千二百五十人、大変多うございます。これ、月別で、何月にその三万人の患者様方が死亡なさったか、そして退院なさったか、これを見てみましても、ある月では約一割の患者さんが死亡退院、こんなことも起こっている。本当にこういったところに厚労省はしっかりと目くばせをしてくださっているんでしょうか。しっかりと議論してもらっているんだろうかということが非常に疑問になってまいりました。
 このような事実、厚労省としてどのような分析をしていらっしゃるのか、部長、教えていただけますでしょうか、お願い申し上げます。
#303
○政府参考人(堀江裕君) 第三者的な視点から、死亡事例あるいは長期入院事例の実態を把握し分析することは、患者に対する医療の質の向上ということから重要だと考えてございます。
 ちょっと済みません、やり直させていただきます。
 精神科病院入院患者の一割弱程度が死亡で退院されている等のことでございますが、平成二十六年の患者調査によると、九月の一か月間において精神病床から退院した患者は三万三千二百人であり、このうち死亡退院者が二千人であったと。この調査では、死因による内訳は把握していないところでございます。
 一方、厚生労働省が都道府県等の立会いの下、精神科病院の実施検証を行った際には、死亡例についても精神保健指定医による診療録の確認等を行っており、死因としては肺炎、老衰、自殺などが見られたものでございます。
#304
○薬師寺みちよ君 私は、もっとしっかりとこの分析をしていくべきだと思います。
 桐原参考人のその友人が身体拘束を受けているときに、面会に来た母親に対して今すぐ退院させてくれ、それでないと殺されてしまうという言葉を残しているんです。こういった事実をきっちり積み重ねていって、やっぱり彼はなぜそこで死亡しなきゃいけなかったのかなということ、これ一例だけで私は今お話をしていますけれども、でも、その次に、やはりこれが事実なのかどうなのか、こういったことが本当に起こっているかどうなのか、私も分かりません。ですけれども、これだけ多くの皆様方が死亡退院しているというこの事実はしっかり私ども重く受け止めなければならないんじゃないでしょうか。そこだけは、まずはお願いしたいんですけれども。
 大臣、この死因の調査についても行っていただきたい、もっと今のような形ではなく検討すべきだと考えますけれども、御意見をいただけますでしょうか。
#305
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど御答弁申し上げたように、入院中に亡くなられた方のこの死因については不明だということでございまして、これは残念なことでございまして、統計的に把握をしていないのが現状でございます。
 一方で、こういう事例について、死因やその背景、なぜ亡くなったかということについて分析をすることは、精神科医療の質の向上ということでも大変大事な問題だというふうに思います。したがって、この実態把握の手法をどういう形でできるのかということを含めて、精神科医療の関係者の話をしっかりとお聞きをした上でこの手法を検討してまいらなければならないなということを今改めて、死因が分からないままに精神科病院において、先ほど千二百五十名でしょうか、死亡退院をされているという、こういうことを私も初めて、改めて知ったところでございました。
#306
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 こういうことが放置されているからこそ信頼を失っているということなんです。
 次に、資料二に付けておりますけれども、じゃ、どのくらいの期間入院していらっしゃるのかということもしっかりと分析を行っていただきたいと思っております。
 例えば措置入院でございましたら、二十年以上入院していらっしゃる方が四十四名、十年以上二十年未満が五十六名、強制的に入院をさせられている。医療保護入院は、更にこれ桁が違います。二十年以上が一万人、十年以上二十年未満、一万二千人ですよね、こういう方々がいらっしゃる。
 じゃ、本当にこれでいいのか。もっと改善の余地がなかったか。もちろん、今、なるべく社会に戻そうという動きがあるのは私も存じ上げておりますけれども、しっかりと、やっぱりこういった例ではなく、社会に戻すための施策というものも考えていかなければならないんじゃないでしょうか。
 医療の質というのが問われております。特に精神科というのは、閉鎖された中で医療が行われるだけに、信頼関係を大変築きにくい現場でもございます。だからこそ、死亡退院、そして長期入院の実態についても定期的にチェックするような仕組みというものが私は必要かと思いますけれども、大臣はどのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
#307
○国務大臣(塩崎恭久君) 今数字をお示しをいただいて、死亡退院あるいは長期入院のお話をいただきました。これをしっかりと、客観的に実態を把握をする、そして分析をして、患者に対する医療の質の向上をどう図っていくかということについてしっかり考えなければならないということを改めて感じたところでございまして、これを第三者的な視点から見るということが大事なんだろうというふうに思います。
 現在、国が都道府県等の立会いの下で精神科病院の、二年に一回、実地検証というのを行っているわけでありますけれども、その際には、当該病院から入院患者の概要や過去の死亡事例に関する診療録等の提出を、書類の提出を求めて、第三者の精神保健指定医がその死因等について確認をしているわけでございますが、こういう取組を通じて死亡事例やそれから長期入院患者の実態を把握しながら、第三者的な視点から定期的に実態把握を一層強化をするということが検討すべきこととして考えられるのではないかというふうに思うわけでございます。
 実地検証については今申し上げたような頻度でございますから、全体をどうカバーするかというとなかなか難しいことであって、この実態がどういうふうになっているのかということを把握をより正確にするということも含めて考えていかなければならないなというふうに思います。
#308
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 精神科領域ではとてもいい病院も多くあるというふうに私は伺っておりますけれども、でも一部の病院ではなかなか、カルテの調査と申しましても、結局我々医師側が書くだけです。それは客観的なデータでも何もないわけです。そういうクローズの空間で何が行われているかということをどうやったら把握できるのかということを真剣に厚労省も考えていただかなければ、私どもがこのように議論をしても、結局は現場の状態が全く質が上がらないまま、ただただ強制的に入院させられ、そして強制的に監視されるんじゃないかという、こういう心配ばかりが募ってしまう。一人の人間として、これは私は当たり前だと思います。だからこそ、今ある問題というものを放置せずに、しっかりと厚労省も足固めをまずしていただかなければならないんじゃないでしょうか。人権侵害ということが先ほどから何回も出てきております。まさにそうです。
 これも参考人が語ってくださったことなんですけれども、心神喪失者等の医療観察法、これは、強制入院の後に通院の義務化といいますか、通院の継続を確保する方法を定めているわけですけれども、この法律が施行されて十一年の間に五十二名の方が自殺をなさっています、ということです。未遂の事例という、自死の意思が明確でないものというものはこの中に含まれていない。だからこそ、これは氷山の一角の数字ではないか。医療観察法で入院又は通院の処遇を受けた人の総数から算出すると、自殺率が一・五六%ということになる、これは大変高いじゃないかというふうにおっしゃっているんです。やはり強制的な医療ということが非常に強い反作用を持っていること、患者の心に深い傷を負わせたり、自尊心を傷つけて、それが自殺を誘発しているということが容易に想像される、この点についてもっと調査が必要と思います、安易に医療を強制していいというわけではない、十分に注意が必要だと。まさに私も同じように感じております。だからこそ、今回も慎重な審議、そしてこの法案の中身というものについても再度見直しが必要だと思います。
 それに当たりまして、判断するのは指定医ですよね。この指定医、どのような能力が求められるのか、部長、教えていただけますでしょうか。
#309
○政府参考人(堀江裕君) 指定医に求められる能力についてお尋ねがございました。
 精神保健指定医は、患者の意思によらない入院や行動制限の必要性について判定を行う医師でございまして、個人の人権に関わる医療的判断を行う上で重要な役割を担っているものでございます。そのため、指定医の業務を行う医師は、精神障害について各分野にわたる業務経験を有するなど、人権擁護の観点から精神障害者に適正な医療及び保護を確保できる能力が求められているというふうに考えてございます。
 具体的には、人権に配慮しつつ、患者本人の意思によらない入院が必要かどうかを適切に判断できる能力、行動制限が必要かどうかを適切に判断できる能力などを備えている必要があるというふうに考えてございます。
#310
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 この度も様々な事件が起こって研修も見直されるかと思いますけれども、この研修で果たして今部長が語ってくださいました能力というのが獲得可能だと、部長、思われますか、お願い申し上げます。
#311
○政府参考人(堀江裕君) 今回の見直しの中で、やはりこうした人権に関わる医療的な判断を行う上で重要な役割を担っているということの自覚が、指定医を申請される方あるいはその指導医に当たられる方に欠如していたんだろうということを認識してございまして、そうしたものを正していく見直しとして考えてございます。
 御趣旨はそのとおりでございますので、そのとおり進めてまいりたいと考えております。
#312
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 私も、この研修自体も抜本的にまず見直す必要があるかと思います。今の法改正では足りないと思います。本当にそういう方でない方には退場いただきたい。一人の人生が懸かっております。人間の人生が懸かっているその判断というものが本当にできないのであれば、二度とそういったトライアルも許してはならないと思います。
 そこに当たりまして、厚労大臣、この研修、もっともっとこれは真剣に厚労省としても検討していただきたいんですけれども、どう思われますか。
#313
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の法改正で、この精神保健指定医の指定の不正取得の再発防止、それから指定医の資質をどう確保するかという取組を講じていくことにしているわけでございますけれども、こうした取組と併せて、指定医として必要な資質や能力が取得、保持されるように、指定医の新規登録あるいは更新に際しての研修というのが今御指摘のようにございますが、グループワークによる事例研究を行う時間を確保するなど、より実践的な研修へと見直すこととしております。
 厚生労働省としては、今後、座学中心による受動的な研修だけではなくて、グループワークのような能動的な研修を取り入れるなどして見直しを行う、そして指定医の資質の確保を努めていかなければならないというふうに考えております。
#314
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 では、この指定医、大体人数はどのくらい必要なんでしょうか。今、足りていますでしょうか、部長、お願い申し上げます。
#315
○政府参考人(堀江裕君) 精神保健指定医については、二十八年四月現在、全国で一万四千七百七人指定されてございまして、十年前と比べますと約二千五百名の増加があることは把握してございます。しかしながら、必要とされる指定医の人数についての見積りは持ってございません。
 厚生労働省としては、毎年、指定医の地域分布を把握してございまして、全国の精神医療審査会長それから精神保健福祉センター所長会議を通じまして、現場との情報共有に努めているところでございます。
 それで、指定医の確保状況に関する地域からの声を聞きながら、精神科医療の関係団体ともよく連携を取って、地域医療の確保に努めてまいりたいと考えてございます。
#316
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 人数をつくればいいというものではないんです。質を上げていかなければなりません。
 それに当たりまして、指定医を持っていたら診療報酬が上がるから取っておこうかというような方々がいらっしゃるということを、私、実際にこの指定医を持っていらっしゃる先生から御意見をいただいたところでございます。
 皆様方にもお配りしておりますように、この指定医の業務を行っていない方が、これ一三%になりますけれども、最近の調査では一四%いらっしゃる、これ、問題ですよね。だから、そういう、診療報酬が上がるから、じゃ指定医取っておこうかなんて、そういう動きじゃないんです。本当は、しっかりと質の担保をしていくためには、最初部長がおっしゃったようなそういう質の方こそ取っていただくための私は制度だと思いますけれども、今後どのようにこういう方々を、逆に持っていらっしゃるんだったらスキルアップもしていただかなければなりません、そのような全く業務を怠ってしまっているようなドクターに参画してもらう仕組みというものを、大臣、考えていただきたいんですけど、いかがでしょうか。
#317
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、一四%の指定医が過去五年間に実務をやっていないと、こういうことが判明をしているわけでございまして、これは更新に際して行う研修会の参加者に対して調査をした結果であるわけでありますが、今回の法案では、指定医として必要な資質や能力が保持をされるように実際に指定医業務に従事をしたことを更新要件に追加をすると、つまり、やっていなければ更新ができないということになるわけで、これは、これによって、現在指定医業務を全く行っていない者も指定医業務への参加が促されていくことになるわけで、裏返せば、やらないままであれば更新はされないと、こういうことだと思います。
 厚労省としては、指定医の活動実態を十分に把握をした上で、地域医療への影響がないようにすると。そして、指定医の資質をしっかり確保するといった観点に加えて、指定医業務に積極的に参加をしていただけるようにするという、そういう観点からも具体的な指定医の更新要件を検討して、本年秋頃までにお示しをしてまいりたいと思っています。
#318
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 順番を入れ替えますので、間違えないように局長、お願い申し上げます。
 実は、なぜ私はこうやってドクターの質にこだわるかというと、薬の副作用から実際にそういう精神的な疾患を起こしていらっしゃる方々もいらっしゃるということです。そういうものが分からずに医療を行っているドクターも多いからだということなんです。
 薬の副作用からギャンブル依存症、病的賭博が起こるということは厚労省はどのくらい把握していらっしゃいますでしょうか。局長、お願い申し上げます。
#319
○政府参考人(武田俊彦君) 薬の副作用からギャンブル依存症、病的賭博が起こることについてのお尋ねでございます。
 私どもといたしましては、まず、平成十八年の十一月に、このパーキンソン病の主要な治療薬であるレボドパ製剤やドパミンアゴニスト製剤の服用後に病的賭博等が発現することがある旨の論文でございますとか、イギリスで報告が出ていることを踏まえまして、添付文書のその他の注意欄に病的賭博に関する記述を記載をしたところでございます。その後、国内でも病的賭博などの副作用報告がございまして、平成二十年九月に添付文書の重要な基本的注意の欄に、病的賭博等の衝動制御障害が報告されているので、このような症状が発現した場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うといった旨を医療従事者に注意を喚起をしたところでございます。
 さらに、平成二十五年八月には、この添付文書の中で、患者及び家族にこのような衝動制御障害の症状について説明することというのを追記をした上で、製造販売業者から医療従事者に対するお知らせ文書の配付を求めるとか、患者向けの説明資料につきまして、これも配付をするように求めているところでございまして、こういった形で医療従事者及び患者への周知を図っているところでございます。
 なお、私どもとして把握している副作用の件数でございますけれども、ギャンブル依存症、病的賭博を含むギャンブル障害ということで報告があった件数は、平成十六年四月から平成二十八年十二月までの間、医薬品医療機器総合機構にパーキンソン病の治療薬等の投与後に十六件の副作用報告があったところでございます。
 以上のように把握しております。
#320
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 これ、パーキンソン病の治療薬だけではないですよね。精神疾患に使うお薬でも起こってくるんです。実際に、御自身では全く御存じなくて、高齢者の方々がギャンブル依存になってしまい、結局は自殺まで追い込まれてしまったというケースもございました。そういうケースを聞きました。じゃ、そういう方々に副作用ということでしっかりと報告なさいましたかと。これが副作用だということも知らない、かつ、ギャンブル依存というのを副作用として届け出ていいんですか、熱があるわけでもないし発疹が出ているわけでもない。これが現状なんですよね。
 そういうことまでしっかりと医師が把握し、そして治療を行っていかなければ、今日は例は挙げませんけれども、精神疾患のお薬でどろどろになり、またそのどろどろになるのを更に加えられることによって、多くの副作用、そして副作用でまたお薬をということで、かなりな多剤を服用なさっている患者様方が多いのが現実ですよね。
 そういうことを一つ一つやはりこの指定医の皆様方が発見をし、やっぱりこのお薬のせいじゃないか、どうなんだということも見分けていただかないと、ただただ拘束すればいいだろう、そういう話ではないですよね。だからこそ、この入口となる方々の質というものをしっかり担保してもらうことも必要なんです。
 それから、私がもう一点疑問に思いましたのが、先ほどから出ております協議会の設置についてです。
 今まで地域の精神保健ってどこが中心としてやっていたんですか、保健所です。全く何一つこの中には文言がないですし、法律上も出てきておりません。置いてきぼりなんですよ。保健所設置自治体というだけであって、今までしっかり患者様を中心として保健師などの皆様方が努力なさっていたその現場というものと全く別個で議論されようとしているんです。だからこそ大きな問題が生じるんじゃないかという不安も生んでいるということは、厚労省、御理解いただいておりますでしょうか。
 では、このような協議会に保健所というもの、どのような役割が期待されているのか、部長、お教えいただけますか。
#321
○政府参考人(堀江裕君) 今回の法案では、措置入院者の退院後の医療等の継続的な支援の仕組みを新たに設けることとしておりますが、その仕組みにおいて、保健所は、計画に基づく患者、家族の相談、指導を実施するとともに、個別ケース検討会議の事務局としての役割を担っていただくことになります。
 具体的には、措置入院中から患者やその家族の意向をしっかりと伺い、帰住先の保健所設置自治体や入院先の病院、通院先の医療機関等と調整して退院後の支援計画を作成するとともに、患者と支援の関係者との円滑な関係を構築する、また、患者が退院した後は退院後支援計画に基づいて患者やその家族への相談、指導を実施するとともに、支援機関との連絡調整を行うなど、支援の全体を調整することになります。
 このように、保健所には、個々の退院後支援計画の作成、それに基づく支援を通じて措置入院者が退院後に必要な医療、地域福祉、就労支援等を継続的に受けられるようにするための中心的な役割を果たしてもらうことを期待しているところでございます。
#322
○薬師寺みちよ君 中心的な役割の保健所がどこにも入っていないというのはどういうことなんですか。おかしいですよね。だから、ここ、入れるのは警察という文字ではなくて、保健所が中心となってこういった体制を構築して、しっかりと今までのスキルアップをしてみんなでいこうじゃないかという、こういう体制だと私は思うんですけれども。
 部長、もう一度お答えいただけますか。
#323
○政府参考人(堀江裕君) 保健所設置自治体というところで、その機関としての保健所は明示されておりませんでしたけれども、当然に保健所が中心になっていただいて退院後支援計画の調整などをしていただくということの認識は深くしてまいりたいと考えてございます。
#324
○薬師寺みちよ君 参考人もおっしゃっていました。自分が自殺の危険性があるとしても警察には見守ってほしくない。でも、それが保健師だったらどうでしょう。だから、そういうところの心遣いなんですよ。それが全くここにはないですよねと。だからこそ、しっかり本当は保健所が中心となってこういう体制を構築してくれよと書き込んでいただきたかった。でも、保健所設置自治体ですよ。だから、保健所なんですよという意見も分かりますが、でも、なぜ、じゃ書き込まなかったんですかということです。
 まず、しっかりと、そこが私は欠落してしまっているからこそ多くの不安を与えてしまっているんではないかというふうに思います。だから、今までの保健師さんの努力であったり保健所の努力というものを更にスキルアップさせるためにも、私は、今回皆様方にもお配りをしております資料にもございます、記事になってもおります、こういう事件から保健所などに精神保健福祉士二百名を配置できるように上積みの予算を取っていただいたということ、しかし、これ、しっかりと機能してもらわなければならない。上積み計上分だけでは困るんです。保健所の機能強化、そして精神保健福祉士の方々が、確実に配置して、しっかりとこういう協議会も支えていただきたい。そして、この協議会の中心にこそ私は保健所というものを設置して、もう一度出し直していただきたいなと思うんですけれども、大臣、最後にお考えをお聞かせいただけますでしょうか。お願いを申し上げます。
#325
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、保健所設置自治体というふうに表現をして、保健所が前面に出ていない、自治体という言葉になっているものですから、今御指摘をいただいておりますけれども、我々は当然、主体になるのは保健所であって、そこに自治体を、言ってみれば実際の実動部隊は当然これは保健所であるわけでありますから、そこの人員をしっかりと充実をさせる。
 実際、聞いてみると、例えば薬物についての専門家が保健所にいるかというと、余りそういうところはないというふうに聞いておりまして、そういった面でまだまだ、そもそも精神科の医師がいるというところも少ないんだろうというふうに思っています。したがって、そういうところの充実を今後課題としてやっていかなきゃいけませんし、その取っかかりとしてまずはPSWを二百人配置できるようにしていくということでありますが、いずれにしても、私どもは地域移行をどう支援できるかという観点でありますので、当然、医療職、福祉職、そして就労関係でサポートしながら、生活をどう支えられるのかということが一番大事なことでありますので、警察について随分話題になっておりますけれども、私どもは、もう極めて例外な扱いであり、また基本的には個別の案件の場合には支援の役割を担う場合に限っての役割ということでありますので、基本的には医療職、福祉職、あるいは労働関係のサポートをして生活を支えられるような、もちろん住宅とかいろんなことがありますから、ソーシャルワーカーの皆さん方にもお手伝いをいただかなきゃいけない、そういうことでしっかりやっていきたいと思っております。
#326
○薬師寺みちよ君 次に続けます。
 今日はありがとうございました。
#327
○委員長(羽生田俊君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時四分散会
ソース: 国立国会図書館
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