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2017/05/16 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 厚生労働委員会 第16号
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2017/05/16 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 厚生労働委員会 第16号

#1
第193回国会 厚生労働委員会 第16号
平成二十九年五月十六日(火曜日)
   午前十時三分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十六日
    辞任         補欠選任
     石井みどり君     藤木 眞也君
     谷合 正明君     伊藤 孝江君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         羽生田 俊君
    理 事
                島村  大君
                そのだ修光君
                高階恵美子君
                足立 信也君
                山本 香苗君
    委 員
                石井みどり君
                小川 克巳君
                太田 房江君
                木村 義雄君
                自見はなこ君
                馬場 成志君
                藤井 基之君
                藤木 眞也君
               三原じゅん子君
                宮島 喜文君
                石橋 通宏君
                川合 孝典君
                川田 龍平君
                牧山ひろえ君
                伊藤 孝江君
                熊野 正士君
                谷合 正明君
                倉林 明子君
                片山 大介君
                福島みずほ君
               薬師寺みちよ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  橋本  岳君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       堀内 詔子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   政府参考人
       警察庁長官官房
       審議官      小田部耕治君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    堀江  裕君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一
 部を改正する法律案(内閣提出)
    ─────────────
#2
○委員長(羽生田俊君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長堀江裕君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(羽生田俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(羽生田俊君) 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○足立信也君 民進党の足立信也でございます。おはようございます。
 先週、与党の方から今日採決をしてほしいという話がありましたので、可能性としては今日いっぱいかなということも考えて、先週、川合さんが質問されたことなんですが、途中で法案の概要の説明が、私たちは追加資料という表現しましたけど、差し替えたという表現をされておりました。しかし、連休中に川合さんがホームページをずっと調べたらまだいっぱい残っているということで、大臣にそこをただしたところ、大臣の方からはできるだけ早くやり替えるという話をされましたので、その後どうなっているか、お聞きしたいと思います。
#6
○政府参考人(堀江裕君) 今お尋ねの説明資料につきましては、即日ホームページ上の修正を行ってございます。
#7
○足立信也君 全部ですか。
#8
○政府参考人(堀江裕君) 法律案の概要につきまして、例えば、審議会等でかけたものにつきましては新しいものにジャンプできるようなことをいたしまして、新しいものに、見ていただけるようにしてございます。
#9
○足立信也君 確認しようと思って今朝まで待っていたんですね。今朝の時点でホームページで探してみると、精神・障害保健課の心の健康支援室、医療観察法医療体制整備推進室というところから、そこにPDFが三つありまして、前のというか第一版の、大臣が非常に懸念されておった立法事実のところ、「相模原市の障害者支援施設の事件では、」という、これがそのままありまして、もう一つのPDFにはその部分がないんですが、非常に大事なことは、その前の方のものにアスタリスク付けてあって、赤字で大きな字で主管課長会議開催後の差し替え版はこちらですと書いてあるんです。それが元のやつなんです。これはジャンプするという意味ですか。
#10
○政府参考人(堀江裕君) 今の委員のおっしゃいますように、その新しいものがそこからジャンプして見れるようにしているという理解だと考えてございます。
#11
○足立信也君 ということは、そこの前の版の方を見た方も、そこをクリックしたらその二行が削除されたところに飛ぶと、つまり二種類まだあるということですね。
#12
○政府参考人(堀江裕君) おっしゃるとおりだと思うんですが、ジャンプして今正しいものを見ていただけるようにするということでございます。
 それから、ちょっと今手元にそのホームページを見れないところがあるのですけれども、そのときに会議に使ったものという意味での歴史的なものとして残っているのかもしれません。ちょっとそこは確認させていただきます。
#13
○足立信也君 これは、今朝確認して最新の情報でと思ったので、昨日の通告の段階ではこれはもう当然できませんので、今言いました。そこのところはもう少し、私の質問時間で結構ですから、当初大臣は、先週の段階では古いものは全部削除して新しいものにという話をされていたので、今、堀江さんはかなり丁寧に、そのときの会議ではこれを使ったけれども、今はこれですと分かるようにと今おっしゃいましたけど、それを私もいいように解釈しますけど、そのところは、今急な話をしましたので、私の質問時間内にちょっと整理して、きれいに答弁してもらえますか。
#14
○政府参考人(堀江裕君) そのようにさせていただきます。
#15
○足立信也君 連休前に何とか間に合うようにということで、私、質問主意書を出しました。その内容は、総理が施政方針演説で精神保健福祉法を改正することを例に挙げて再発防止策だというふうにおっしゃったこと、それから大臣は今回の取組で再発防止に資するんだというこの違い、そこはそごがないのかという点が一点と、それから再発とは何なのかということをただしたわけですね。政府としての統一見解、再発防止対策あるいは再発防止に資すると、いずれにしても再発と言っているわけで、その点をただしたわけです。そこで、再発とはどう答弁書は答えられているか。昨日、答弁書出ましたけれども、再発とは、今回の事件と同様な要因を背景とした事件が再び起きることだと、そういうふうに書いているんです。
 大臣は答弁の中で、先週、石橋さんとの審議の中でおっしゃいましたが、孤立を防ぐという、措置入院経験者のその後の孤立を防ぐという、私の答弁のときにもありました、それを引用されたのが石橋さんですけど。答弁書では、今回の事件と同様な要因を背景とした事件が再び起きることが再発であって、大臣はこの防止に資するということをおっしゃっている。ということは、やっぱりこの津久井やまゆり事件、この事件がこういうものだというふうにしっかりした概念があって、そしてその再発防止に資するんだということをおっしゃっているわけですが。
 じゃ、大臣は、私、これ何度か今までの質疑の中で津久井やまゆり事件というのはこういう事件ですよということを申し上げましたけれども、大臣としてはどのような事件だと受け止めて、今回、再発防止に資するというのは、この事件と同様な要因を背景とした事件を起こさないということをおっしゃっているわけで、そこを教えていただきたいと思います。
#16
○国務大臣(塩崎恭久君) 私の方から孤立の再発防止するという答弁をしたと、こういう御指摘がございまして、総理の発言との整合性についてお尋ねをいただいているわけでありますけれども。
 今の、四月の二十五日の審議で私から、措置入院者が退院後に地域に戻ってから孤立するような状況を防止しようということで今回の法改正をお願い申し上げているという旨をお答えをしたわけでございますけれども、これは、本法案の内容につきましては、今回の事件の背景になった様々な要因の一つである措置入院者が退院後に孤立をする状況の防止を図るということで、結果として今回の事件と同様の様々な要因を背景とした事件の再発防止に資するものであると、このような趣旨で私の方から御答弁を申し上げたということでございます。
 質問主意書の答弁書では、今御指摘がございましたが、こうした考え方の下で私が申し上げた再発は、今回の事件と同様の様々な要因を背景とした事件が再び起こることがあるとお答えをしたものでございます。このため、質問主意書の答弁書の内容はこれまでの答弁と矛盾をするものではないというふうに考えておるところでございます。
#17
○足立信也君 私が聞いたのは、大臣は津久井やまゆり園事件をどのような事件だと捉えているのかと。
 様々な背景とおっしゃいましたが、大臣もこの事件を、多分また同じことを聞いても同じ答えだと思いますので聞きませんけど、措置入院者ということはよく言われるんですけれども、やはりここは大麻使用者ということは余りおっしゃらない。孤立とおっしゃるけれども、この前、石橋委員の質疑でも、ハローワークにも行っている、生活保護の申請もしている、通院もやっている、で、孤立だとおっしゃる意味が分からない。だから、重要単語、大臣がおっしゃる再発防止のための重要単語は措置入院と孤立だというんですけど、そのどちらもよく分からない。
 私は、もう何度も申し上げましたが、このやまゆり事件というのは、大麻使用者が犯罪予告どおりに犯罪を犯したということです。そういう事件ですよ。その認識がちょっと違い過ぎるんではなかろうかと思うんです。
 措置入院の出口の話ばかりされていますけど、やっぱり措置入院というのは私、入口の整備が最も大事だと思いますよ。どういう状況に置かれているからそれは非自発的入院やむなしと、そして場合によっては措置入院になるんだということになっていく、その入口の問題だと思います。そこに薬剤あるいは禁止薬物が絡んでいるということで、そこを、やっぱりこのやまゆり事件のところをもう少し明確にした方がいいと思いますので、私はそこをまず最初にやっていきたいと思います。
 この容疑者、津久井やまゆり園に三年以上在職しています、三年以上。その間、精神障害を疑わせる、あるいは大麻使用を疑わせるような事案はなかったんでしょうか。
#18
○副大臣(橋本岳君) お尋ねの点でございますけれども、私どもの把握しているところによれば、平成二十八年二月十九日に、昼に被告人が施設に退職届を提出し退職をし、同日夜に相模原市が緊急措置入院を実施した後の尿検査の結果、大麻成分が陽性であった、このことは承知をしております。
 今、在職中についてはというお尋ねをいただきましたけれども、検証チーム等で把握している限りにおいては、精神障害や大麻の使用があったということを確認できてはおりません。
#19
○足立信也君 今までの議論の中で、措置入院になった患者さんは精神障害の既往のある方が非常に多いという話もありましたが、疑わせることはなかったと。
 ただ、私、検証チームの会議の状況をつぶさに見ていますけれども、一昨年、二十七年十二月くらいから言動が変わってきたという職員のヒアリングがあります、変わってきたと。私は、それは大麻に物すごく絡んでいることじゃなかろうかと、そのように思いますよ。二十七年十二月から変わってきたということがあります。
 この事件は、別のいろんな情報によると、そもそもこの容疑者は、安倍総理宛てに、自民党本部に手紙を持っていったと。しかし、断られて議長公邸へやむなく持っていったということになっています、二月十五日ですね、去年の。で、手紙は麹町警察署に渡されて、神奈川県警に送られたと。そこが、殺人予告なんですけれども、神奈川県警に送られたのは刑事課ではなくて生活安全課なんですね。これまたどうしてなんだろうかと。担当は、相模原市の精神保健福祉課になったということなんです。
 先ほど、要するに、手掛かりとしては、橋本副大臣おっしゃったように、在職中は疑わせることはなかったと今おっしゃいました。手紙の内容だけだと思うんですけれども、資料はですね。精神保健福祉課の担当になって生活安全課に回されたということなんですが、これ殺人予告は刑事課ではなくて生活安全課になるんでしょうか。
#20
○政府参考人(小田部耕治君) 各都道府県警察における所属ごとの所掌事務はそれぞれに定められているものでありますけれども、一般的には刑法犯等の特定の犯罪の捜査や犯罪の捜査一般に関することは刑事部門が担当し、犯罪、事故その他の事案に係る市民生活の安全と平穏に関することは生活安全部門が担当しているところでございます。
 お尋ねの殺人予告につきましては、様々な形態が考えられ、個別具体の事案に応じて対応することとなり、一概にお答えすることは困難でありますけれども、例えば、犯罪が行われている疑いがあるなどの情報であれば捜査を行うこと、自傷他害のおそれがあるなどの情報であれば警察官職務執行法に基づく保護、精神保健福祉法に基づく通報を行うこと、また、このほか、関係機関、団体等との連携を図りつつ必要な防犯措置を講ずることなどが考えられるところであります。
 警察署におきましてこれらの対応を行う場合には、警察署長の指揮の下、刑事課が捜査をすると同時に、生活安全課が防犯措置を行うなどが考えられますけれども、いずれにいたしましても、個別具体の事案に応じまして、警察署長の指揮の下に組織的な対応を図っていくこととなるものと承知しております。
#21
○足立信也君 個別具体の事案のことを聞いているんですけれども、手紙しかなくて、そこで、今、自傷他害のおそれのある精神障害者じゃないかという、多分そういう判断をしたんですね。
 これ、殺人予告がそういう生活安全課、今、一般論をおっしゃいましたけれども、その判断はどうしてそういう判断になったんですか。
#22
○政府参考人(小田部耕治君) 当時、神奈川県警察におきましては、被告人に関する情報を得た後、施設を管轄する津久井警察署におきまして、警察署長の指揮の下、捜査、防犯などの様々な観点から検討を行った上で、組織的に対応し必要な措置を講じていたものと認識しております。
 具体的には、当時の被告人の手紙につきましては、その内容等から刑罰法令を適用して検挙するのは困難でありましたけれども、被告人に関する情報を得た後、速やかに施設周辺のパトロールを開始するとともに、施設に赴き手紙の内容を説明するとともに、防犯カメラの設置、夜間の警備体制の強化等の防犯指導を行い、また、被告人との面談結果に係る施設側からの説明、被告人の言動等を基に、精神保健福祉法第二十三条に基づき相模原市に通報を行い、さらに、施設からの連絡を受け、被告人の退院を把握した後も施設を重ねて訪問し、数度にわたり防犯カメラの設置などを含めた防犯指導を行うなどしていたところでございます。また、施設におきましても、警察による説明、指導を受け、早急に警備体制の強化を開始するとともに、その後、防犯カメラを設置するなどの対応を講じていたものと承知しております。
 このように、当時、神奈川県警察におきましては、被告人に関する情報を得た後、必要な措置を講じていたものと承知しております。
#23
○足立信也君 やっぱり認識といいますか、甘いのかなと。
 検討チームのものでは、施設に対しては予告の内容が知らされていなかったというような記述があったんですが、今の説明ですと、施設に対して手紙の内容を詳細に説明したということはおっしゃっていましたが、それはそのとおりなんですか。
#24
○政府参考人(小田部耕治君) 施設に対しましては、被告人が施設を名指しして入所者に危害を加える手紙を作成したことなどを説明するとともに、これを踏まえた防犯カメラの設置、夜間の警備体制の強化等の指導を行ったとの報告を受けております。
#25
○足立信也君 していないというふうに書かれていますよ。ここは問題点の一つだとまず思いますし、手紙が二月十五日ですよね、で、二月十九日に施設で容疑者に対して辞職の勧告をしていますね。辞職の勧告をして、本人が承諾をして、そこで職を辞めることになって。この場合の措置入院の流れを僕はちょっとよく分からないんですが、これは、そこで辞職をした、そして警察が保護した、相模原市へ警察から通報があった。そこのことがまたよく分からないんですが、これ、届出が、通報があった場合は調査をすることになっていますよね。調査をして指定医の診察を受けて判定になっていくわけですが、この場合、今の流れで届出後の調査というのは誰が行ったんですか。
#26
○副大臣(橋本岳君) 今御指摘をいただきましたように、措置入院については、入院の必要性を判断するために、精神保健指定医の診察を行うに当たっては措置権者が事前調査を行うこととされており、緊急措置入院についてはできる限り事前調査を行うように努めることとされております。
 御指摘のケースについて申し上げれば、相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止検討チームにおける検証作業の中で把握された事実関係によれば、先ほどお話をいただきましたように、二月十九日に面談等があり、そして警察官が保護し、警察官通報を行うということがございまして、その後、緊急措置入院ということになりますが、被告人の緊急措置入院に先立ち、相模原市の精神保健福祉士を含む職員三名が事前調査を行ったものと承知をしております。
#27
○足立信也君 そこでPSWを含む三名という話ですね。で、緊急措置入院になった。
 緊急措置入院になったわけですけど、その時点でのまず診断は何でしょうか。
#28
○政府参考人(堀江裕君) 相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止策検討チームにおける検証作業の中で把握された事実関係によりますと、容疑者の緊急措置診察を行った精神保健指定医は、診断書において、主たる精神障害の欄に躁病と記載したものと承知してございます。
#29
○足立信也君 躁病ですね。ハイな状態だったと。
 その緊急措置入院の間に、尿検査で大麻陽性が分かったと。大麻陽性だということは警察には届けられていないんですか。
#30
○政府参考人(堀江裕君) 警察には届けてございません。
#31
○足立信也君 警察に届けていない。
 そして、その後、措置入院になります。ただ、緊急措置入院、まあ短期間ですけれども、その緊急の間に大麻陽性が分かったと。そして、措置入院に変わる。措置入院に変わったときの診断は何ですか。
#32
○政府参考人(堀江裕君) 検証・検討チームが把握した事実関係によりますと、容疑者の措置診察は二名の精神保健指定医が行っており、そのうちの一名は、主たる精神障害を大麻精神病、従たる精神障害を非社会性パーソナリティー障害と診断してございまして、もう一人の精神保健指定医は、主たる精神障害を妄想性障害、従たる精神障害を薬物性精神病性障害と、こう診断してございます。
#33
○足立信也君 第一指定医、第二指定医とも、主従の違いはありますが、薬物あるいは大麻というふうに書いているわけですよ、診断が。
 そこで、これから、以前の質問で退院のことを大分やりましたけど、更にここを行きますけれども、緊急措置入院のときに大麻の使用が分かって、でも警察にも届けていない。そして、措置入院のときには大麻あるいは薬物というふうになっているのに、なぜその専門の医療機関に入院させないんでしょうか。あるいは、この容疑者がいた施設というのは、私が知っている範囲では、当然、大麻使用に関する専門の機関でもないですね。相模原にはたしかあったはずです。さっき入口の問題と言いましたけれども、なぜそこで対処しなかったんでしょう。その点、答えられますか。
#34
○国務大臣(塩崎恭久君) これ、検討チームで、検証結果におきまして、それを見てみますと、薬物使用に関連する精神障害への対応が不十分な医療機関では、薬物使用が判明した時点で措置症状の原因を薬物のみに求める傾向が強く出まして、薬物を体内から消失させるための治療のみに集中をして、他の精神疾患が存在する可能性の検討が十分に行われないというようなことが問題としてあるわけであります。それから、他の精神疾患を検討して対応する際に不可欠な生活歴の聴取とかあるいは心理教育目的での関わりが希薄になるという、そういう可能性が指摘されている。つまり、薬物の使用による問題についての専門機関ではない場所での医師の判断であった場合の問題点というのは検証チームの中で指摘をされているわけであります。
 御指摘のように、相模原市の近郊では、神奈川県立精神医療センター、これは横浜にありますが、それから国立精神・神経医療研究センター、これは東京の小平市でありますが、地理的に近いという意味では、こういったところに薬物の詳しい、精神障害に対応できるような、そういう技術的助言が行うことができる医療機関があったわけであります。
 このため、チームの検証結果では、今回の措置入院先の病院は薬物使用に関連する精神障害に対応する体制がやはり不十分であったというふうに結論付けておりまして、こうした精神障害について十分な診療経験を有する外部機関の医師の意見を聞くとともに、躁うつ病などの気分障害の可能性を考え、より詳細に生活歴を調べること、あるいはパーソナリティー障害等の可能性を考えて心理検査を行うことが望ましい対応であったこと、さらに、外部機関の医師の意見を求めるなど多職種、多機関との連携をしっかりとしながら、認知行動療法の考え方を用いた治療プログラムへの参加を促すべきであったというような報告がなされております。
 厚生労働省としても同様の認識を持っているわけでありますので、御指摘のように、薬物専門の医療機関、医師の診断を仰がなかったことについての問題点は御指摘のとおりだというふうに思っております。
#35
○足立信也君 私も外科医ですので、後で診た方がより正確な診断になるというのはもう常識ですね。
 この方は、八日間入院措置、措置入院をされていて、八日で解除になりましたね。そのときは大麻陰性ですね。つまり抜け出た。じゃ、そのとき、ここで措置解除をする、自傷他害の疑いがなくなったと、そのときの診断は何だったんですか。
#36
○政府参考人(堀江裕君) 検証チームで把握されました事実関係によりますと、措置解除に先立って病院から提出されました症状消退届には、措置症状の内容として、主たる精神障害は大麻使用による精神及び行動の障害である旨の記載がございました。症状消退を認めた指定医は、この精神障害による措置症状が消退したと判断したものと承知してございます。
#37
○足立信也君 この緊急措置入院、措置入院の間のいわゆる結論は、大麻使用による精神及び行動の障害なんですよ。しかし、その後、今回の法改正で計画になるかもしれませんけれども、その後、やはり薬物使用、大麻使用の専門家のところになぜアプローチしなかったのか、そこが大いな疑問ですね、結論としてそこになっているのに。
 戻りますけれども、措置入院者に犯罪率高いのかというこの前の質問です。高くはありませんと。しかし、大麻使用者は、そもそもが犯罪ですし、またそこから他の犯罪を犯す危険性も非常にあるわけです。結論としては、措置入院の間にせっかくそこまで結論を達したのに、なぜその後のフォローをしなかったのか、薬物依存、大麻依存に対する治療をなぜやらなかったのか、この事件の本質はそこだと思いますよ、私は。
 そこで、この前から私が言っている、これは、やっぱり大麻使用者が大麻の使用中に犯罪予告をし、そして入院したことによって大麻が体から出ていって、陰性になったときは自傷他害の疑いがなくなった、でもまた犯行時は大麻陽性だったわけでしょう。このことですよ、本質は、この事件の。だから、大麻使用者が犯罪予告どおりに、そのときも大麻を使用していて、犯行のときも大麻を使用していた、そういう事件ですよ。それなのに、やはりその大麻使用ということはその次に置かれて、二日後の関係閣僚会議で、措置入院の既往があった人、その人が退院後のフォローが不十分だったという理由を付けて事件を起こしたという決め付けからスタートしているんですよ、その後の検討は。そこに大きな問題があるんだと私は思っています。
 そこで、この前の質問で、入院措置、措置入院の解除はイコール退院だと。今までは、法律はずっとそれを退院と表現している。そして、その後の転帰は、医療保護入院が約五割、任意の入院が二割、そして転院が一割強、通院の方に回るのは二割弱なわけです。
 そこで、この退院計画との関係なんですけれども、同じ法律で、この前質問しましたが、退院ということを答弁者、特に大臣はやはり家に帰ることの意味で退院を非常に使われている、堀内政務官は、この前の質問がそこに限ったからだと思いますが、措置の解除が退院だという意味でよく使われているというのを感じています。答弁者によっても退院の意味合いがやっぱり違っている。それから、内閣法制局は解釈で使い分けていると言いました、同じ言葉を。これが本当に法的安定性が保てるのかなという大疑問がまずありますけれども、そこでお聞きしたいんです。
 この前、措置入院からそのまま医療保護入院に移る方が五割だと。あるいは、転院を入れると、転院は一割ですね、一割強。それで、任意入院は二割。全部で八割が入院を継続しているわけです。しかし、そこで退院という言葉を使っていて、その日のうちに退院して再入院したんだという表現をこの前答弁で言われました。じゃ、同じ日に退院して入院したといったらそれは入院の継続だと私は言いましたが、これは費用負担どうなるんですか、その日の。
#38
○政府参考人(堀江裕君) 四月二十五日の答弁は、措置入院から医療保護入院へと入院を継続している方は、法律上、措置入院から一度退院し医療保護入院をしたという整理である旨を申し上げました。精神保健福祉法上、退院は全て入院を終えることを指すという整理と合致してございまして、法の中で退院の使い方が複数あるものではございません。
 お尋ねの入院費の負担でございますけれども、措置入院の場合は原則公費負担、措置入院以外の場合は公費負担の対象外としてございますが、措置入院を終えた日と同じ日に別の入院形態で入院した方であっても、再度入院した以後の治療行為は公費負担の対象外としてございまして、条文上の整理と今の費用負担の取扱いにつきまして矛盾はないというふうに考えてございます。
#39
○足立信也君 笑っている方もいますけど、その日はどうなるんですか。
#40
○政府参考人(堀江裕君) その日につきましては、入院基本料につきましては、その措置解除時について公費負担ということでございまして、ただ、その後の、医療保護入院を開始した後に個別の医療行為を行ったような場合の診療報酬は医療保護入院の方で、公費負担でない形のことで算定するルールになってございます。
#41
○足立信也君 じゃ、それは二つ、報酬としては請求がどう行くかということになるわけですけど、ある時点を境に公費負担で回る部分と、そこから後はいわゆる診療報酬でというふうにもうルール上決まっているということですか。
#42
○政府参考人(堀江裕君) ルール上、そういう取扱いでこの請求の実務も行ってございます。
#43
○足立信也君 そうおっしゃるので、じゃ実例をこれから調べてみます。
 そこで、退院後支援計画は、さっき私が四つ挙げました転帰、これ全てに掛かりますね。これはそういう答弁をこれまでされてきました。だとすると、さっき、この容疑者の方、八日間で措置入院を終えているわけですけれども、措置入院期間の平均とその後の医療保護入院の平均日数、大体どれぐらいの期間の差があるのか、ちょっと知りたいと思うんですが。
#44
○政府参考人(堀江裕君) 平成二十二年度に厚生労働科学研究で調査した内容でございますが、千四百二十一例を対象にして行いました調査によりますと、措置入院期間の平均値は八十八・二日、また措置入院後に医療保護入院等を経て退院するまでの医療保護入院等の期間の平均値は五十三・一日というふうになってございます。
#45
○足立信也君 分かりました。八十八日と五十三日ということです。
 今回、前の質問でもありましたけれども、措置入院の入退院の判断を精神医療審査会が行うということですね。その精神医療審査会で決定するわけですけれども、この審査の期間というのを、この前の質疑では約三十三・五日みたいな話をされていましたが、これ、今回のケースも八日で措置入院解除です。入院の決定が措置入院の解除よりも遅くなるということはあり得ないわけですから、これ、措置入院の期間って幅もあるでしょうけれども、今回は八日だったと。その間に精神医療審査会で入院の可否の判断は絶対必須条件になるわけですか。
#46
○政府参考人(堀江裕君) 精神医療審査会におきます入院届あるいは退院請求等の審査というのは、病院以外の第三者機関として入院や処遇の妥当性を審査するものでございまして、審査会の決定を経て入院や退院が可能というような仕組みにはしてございません。また、審査会の決定が措置解除の条件ともなってございません。
 今回の改正で、患者の権利擁護あるいは適正手続の確保をより一層図るため、知事等が措置入院を行った時点においても速やかにその必要性について精神医療審査会におきます審査を実施することとしてございますが、審査会の決定までに措置解除となることを何ら妨げるものではございません。
 いずれにいたしましても、審査会による権利擁護を図る観点から、適正な審査を迅速に行うことができますよう必要な対応を図ってまいりたいと考えてございます。
#47
○足立信也君 何ら妨げるものではないと、そう言われましても、だって、措置入院の可否の判断が出る前に解除ってできるものじゃないじゃないですか。措置入院そもそもが、そこが可であったということがない以上、自傷他害の疑いがなくなったからこれ解除しますという段階に行けないんじゃないですか。
 これ、できるだけ速やかにと今おっしゃいましたけれども、措置入院になったときに大体どれぐらいの期間内で精神医療審査会開いて入院の可否を決めるんですか。
#48
○副大臣(橋本岳君) ちょっと一点補足をさせていただきたいと思うのですが、措置入院そのものの決定は措置権者、すなわち自治体が行うものでございまして、今部長が答弁を申し上げましたように、精神医療審査会というのは第三者機関としてその妥当性を審査をするという位置付けになっております。
 したがいまして、決定そのものは精神医療審査会における審査が間に合わなかったという場合もあり得るわけでございますけれども、その決定、措置入院の決定あるいはその解除の決定そのものは、その審査会の妥当性の審査が仮にまだなされていなかったとかいうことの影響を受けるものではないということです。
#49
○足立信也君 機能しないような気がするんですよ。やはり、妥当性を判断するって、その前に次の行動がもう始まっているわけで、場合によっては解除もあるわけで、要するに後追いにすぎないような気が私はするんですね。
 さっき入口の問題が一番大事だと言いましたけれども、そこは、この審査会の妥当性の判断というのが本当に機能するかどうかというのは、措置入院あるいは解除そのものに懸かってくるんだと私は思います。そうでなければ機能しているとは言えないんじゃないかと私は思います。
 そこで、さっき、計画は全てに掛かるわけですけれども、これ例えば、例えばですよ、医療保護入院に変わる、で、医療保護入院に変わる方が五割です。その方にもずっとこの計画というのはそのまま半年間は有効だと、おおむね半年間は有効だというふうに考えていられるんですか。そこの判断はないんですか、医療保護入院の。
#50
○政府参考人(堀江裕君) 医療保護入院に転帰する場合につきましては、先回もお答え申し上げたところでございますけれども、医療保護入院中にどういう適切な医療を行っていただくかというようなことを記載してもらうものでございまして、その医療保護入院の期間がもうごくごく短く想定されるというようなことがもし分かっている場合があれば期間は短くなりましょうし、そういう意味では、半年というのはあくまで目安でございますので、必ず半年というものではないわけでございますが、いずれにいたしましても、医療保護入院中、退院後支援計画は有効に機能するといいますか効力を発揮していると、こういうことだと思います。
#51
○足立信也君 それですと、これは転院が一一%いるんですけれども、他の都道府県、他の医療機関、そこに入院になった場合も、前のところで協議された、自治体が責任持ったその計画がそのまま踏襲されるんですか。
#52
○政府参考人(堀江裕君) 退院後支援計画は転院した場合の医療機関におきましても作成されておりますので機能いたします。
#53
○足立信也君 いや、そんなの、私、医療者として受け入れ難いですね。前の都道府県の医療機関で決められた退院後の計画が、転院してきて、例えば私が勤めているところに来て、そのまま有効ですと、それに従ってください、指導させる義務があるって法律に書いてあって、それに従えって言うんですか。
#54
○政府参考人(堀江裕君) 計画の内容にもよるわけでございまして、直接に退院する場合と、それから転院、転院といいますか、医療保護入院に移る、あるいは他県の医療保護入院に移る場合とでまた内容も違うかもしれませんが、地域にお帰りになる場合にはどういう医療あるいは地域福祉、就労支援等の支援を行っていくものかということについて、どの医療機関に、クリニックにお願いをしてということまで含めまして、こういう退院後支援計画としますというのを、その行き先の自治体の関係者にも、あるいは医療機関、あるいは福祉サービスを提供する機関にも参加いただいて計画を、本人のための計画を作っていく、支援のための計画を作っていくわけでございます。
 それから、医療保護入院に変わる場合、転院等の場合につきましては、基本的には、元の医療機関でこういう状態でございました、そうすると、通例こういうことが、例えばこういう病歴がある方ですよというようなことも含めまして退院後支援計画の内容として、転院後、移られる病院の管理者の方に周知をいたしまして、言わば留意事項的なことも含めましてお伝えいたしまして、ただ、後、そこの、病気でございますので、それは症状が変わっていくものを元の計画で全部縛ろうとか、そういうような計画にはおのずからならないものと考えてございます。
#55
○足立信也君 今、考えておりますみたいな形で答えられるよりも、そこは医療保護入院になった方に対する退院支援委員会とこの前の協議会との役割とか、そこを整理すべきだと思いますよ。措置入院された方もさっき八十八日って言われました。医療保護入院はその後五十三日と言いましたが、結構長いわけですよ。その間にやっぱり状況は相当変わるし、一番直近の診断、判断がやっぱり正しいと思うんですよ。そこは、当然そこで修正を加えていきながらやるべきですよ、医療保護入院者に対して退院支援委員会があるんですから。
 そこと協議会の関係を詰めることと、今、私が特殊な例に近く挙げたのは別の都道府県、そこだって責任があるわけですよ。今回、都道府県に対して計画を作る義務と指導させる義務まで負わせているわけですよ。それがずっと掛かってきている。でも、直近の医療を受けているところが全く違う都道府県の別の医療機関だとしたら、そこで決められることの方がはるかに有効じゃないですか、その患者さんにとって。そこの整理ができていないんじゃないですかということを言っているわけです。
 それは、今、話合いをしながらどうこうなんて言うよりも、やっぱり義務が掛かっていることとその後の協議の在り方というのをちゃんと規定してないことは大きな違いがありますよ。そこを整理しなさいと言っているんですよ。
#56
○政府参考人(堀江裕君) 退院後支援計画については、今委員おっしゃいますように、そのときそのときで一番いい内容にするのが当然でございますので、もし必要が出てきたときには計画を、例えば病状が一定の変化をしたとかいうような場合には、当然、今の退院後支援計画でスペックが合わないということであれば変更していただいたらばというふうに考えているところでございますし、ですから、何といいますか、当初のところで作ったものがずっとそのまま固定的にフォローされなければいけないというふうには考えてございません。
 それから、例えば今度いよいよ医療保護入院から退院をする場合には、新たに居住することになる地域の自治体の方が主体となって、退院後支援計画の見直しの形になりますその作成というのをもう一回していただくような形になると思います。
#57
○足立信也君 いろいろな指摘がある中で、そうだなと思われて、常套文句であるガイドラインに書きますというのが今出なかったので不思議なんですけれども、これはやっぱりそう定めなきゃいけないですよ。今おっしゃったけど、それは随時変えていくんだと、病状に応じて。でも、今回、それは措置入院者に限っているんじゃないですか、医療保護入院は外れているじゃないですか。だから規定する必要がありますよと言っているんです。そして、もう一つは、別の自治体ですよ、別の自治体になったらやっぱりそこで協議させなきゃいかぬですよ。そういうことが書かれていないということですよ。一発そこで決めてしまったかなり義務の強いものがあったら、その後の修正なり変更なり協議なりというのが書かれていないということを言っているわけですよ。
 これは、本来、これだけの義務が自治体に課されるんであれば、転院先の自治体のことも書かなきゃいけないし、医療保護入院であるところの委員会、このことも明記すべきだと思いますけど、最低限、それはガイドラインに書かないと駄目ですよ。ちょっとサジェスチョンですけれども、そう答えてくださいよ。
#58
○副大臣(橋本岳君) ちょっと整理をして御答弁申し上げたいと思いますけれども、措置入院が措置解除後、別の入院をする、それは同じ病院かもしれないし、別の病院に転院をするということもあり得ると思いますが、そうした場合に、まず措置入院中に計画を作るということになったときに、転院なりもう一回別の形で入院をするということが見えていれば、それはその入院継続先の病院の管理者が、退院が見通しが立った際に都道府県、政令市に連絡をするということを計画に書くということになります。その上で、措置が終わり、医療保護入院なり別の入院なりということとなっていきますと、その計画は引き継がれていくことになるわけでございますが、その計画の中で、今度はその新しい病院の方で、若しくは同じ病院かもしれませんが、退院の見通しが立った段階で入院継続先病院の管理者から都道府県が、政令市が連絡を受けるということになりますので、そこが患者の帰住先の保健所設置自治体に連絡をするということになります。で、その患者の帰住先の保健所設置自治体が協議会を開催し、それ以降の期間における支援について、通院医療するだとかいろんなサポートするだとか、そういうことについての退院支援後計画を作成をし直すという整理になります。
 帰住先の保健所設置自治体に連絡をするということについては法律上の規定に基づいて行うということになりますが、それ以外の今申し上げた点についてはガイドライン等にきちんと明記をして、その措置入院から別の入院形態になったときにどういうふうに整理をされるのかということは、しっかりそこも誤りのないように周知をしていきたいと考えております。
 御指摘ありがとうございます。
#59
○足立信也君 今副大臣、整理されましたけれども、措置入院のまま変わり得ることは当然ある、そのときは同じ義務が自治体に掛かるからいいわけですね。だから、入院形態、費用負担も含めて、形態が変わったとき、そこをしっかり連携するような形をつくっておかないとということを、再度、繰り返しになりますけど、そこはある意味ガイドラインの肝かもしれませんから、是非それをやっていただきたいし、それが本当にでき上がっているかどうか、私の方もチェックしたいと思います。
 今回、自治体の情報提供が義務化されるわけですけれども、情報提供の規定というのは、今回、地域包括ケアの中に我が事・丸ごとというものの中で、その部分でも精神障害者の方々に対しては包括ケアの取組があるわけですけれども、ほかの医療とか難治性疾患とか、障害者総合支援法にこの情報提供の義務規定、これはあるんでしょうか。
#60
○政府参考人(堀江裕君) 今回の法案で、退院後支援計画による支援の対象である患者が転居した場合に、転居元から転居先の自治体に対して患者の退院後支援計画の内容等の情報を提供する規定を新たに設けているところでございますが、お尋ねの精神科医療以外の医療や、例えば難治性疾患に関する法令、あるいは障害者総合支援法には、支援の対象者に対して計画の策定を自治体に義務付ける規定はなく、支援の対象者が転居した際の情報提供についても本法案と同様の規定はございません。
 一方で、例えば児童虐待の分野におきまして、支援を行っている家庭が他の自治体に転出する場合に、児童福祉法第二十五条等に基づきまして、転出先の自治体等に通告をいたしまして、ケースを移管することで児童等への必要な支援を継続的に行える仕組みはございます。
#61
○足立信也君 私、地域包括ケアシステムの中に例を取って、今後、介護保険法関係の審議があると思いますが、そこに障害者福祉も含めて溶け込んでいるわけです。多くの国民あるいは障害者施策に関わる方々はその流れが正しいんだと思っているわけです。
 そこで、地域包括ケアシステムの中と今回のこと、今、堀江さんおっしゃったように、法律で義務を規定して、情報について、これしかないんですよ。果たしてそれが正しいのかどうかということなんですが、その前に、障害者総合支援法では発達障害も精神障害の一つになりましたね。先週、川合委員が、自傷と他害は大きく違うということの中で、発達障害というのは私は自傷の可能性がかなりあると思っていますが、これは、今回、そこで自傷の危険性が相当数あるとなった場合に、今回もこの法律のスキームの対象になり得るんですか、発達障害。
#62
○副大臣(橋本岳君) 発達障害の方についてのお尋ねでございますが、これは、発達障害の方も含めて、措置入院に至るまで病状が悪化した方については、退院後も円滑に地域生活に移行できるような環境を整える必要性は同様に高いと考えられます。このため、措置入院となった方は、発達障害の方を含めて、精神障害の内容に関係なく退院後支援の対象として適切な支援を行ってまいりたいと考えております。
#63
○足立信也君 そこで、先ほど申し上げたことなんですけど、地域包括ケアシステム、これは二〇一〇年に原案を作り始めて、一一年ですかね、二十一世紀のコミュニティーの再生だと私は位置付けてやりました。
 その中で、地域協議会、今回のですね、地域協議会も退院後支援計画の法定化も、地域包括ケアシステムには先ほど部長答えられたようにないわけですよ、ないんですね。あれは、中学校単位を考えながら、医療、介護、福祉を地域包括ケアシステムという形でコミュニティー再生しようじゃないかということの中で、今回、なぜ措置入院だけ、そして退院後計画というものが法で縛られている、自治体の義務となっている。この地域包括ケアシステムの全体の考え方の中と、ここだけ抜き出した、法で縛る、義務化するというのは私は相入れないんじゃないかと思うんですよ。そこのところはどういうふうに整理されているんでしょう。
#64
○国務大臣(塩崎恭久君) 地域包括ケアシステムの構築と今回の支援計画などについてのお尋ねをいただいたわけでありますが、入院から地域生活に移行する際には、患者本人が地域生活を可能な限り円滑に継続できるようにするということが大事であって、必要な支援が包括的に提供することが重要であるわけであります。
 この点、入院中から、入院先の医療機関と退院後に患者を支える医療機関の介護、福祉などの関係者が多職種、多施設のチームを構成をいたしまして退院後の支援について調整を行う、そして本人の意向を踏まえて退院後の支援計画を作って、それぞれの支援者の明確な役割分担の下で包括的に支援を提供するということが有効な手段であることは広く認知をされているわけでありますが、高齢期を対象とした御指摘の地域包括ケアシステムにおいて、既にこれは、退院時のカンファレンスであったり地域ケア会議といったものでこういう方式は定着をしているわけでございます。
 今回の法律で、なぜこの法律で定めるのかと、自治体に対して義務化をするのかと、こういうことでありますけれども、今回作ります退院後の支援計画やあるいは精神障害者支援地域協議会は、このような医療、介護などの分野でこれまで蓄積をされてきた政策やそれから実践等の共通の考え方の下で、措置入院者を含めた精神障害者が社会復帰の促進などに必要な医療、福祉、就労支援などなどの各種の支援を地域において包括的に受けることができるようにと、そういうことで考えた仕組みであるわけでございます。
 したがいまして、これは地域包括ケアシステムの考え方と相通ずるものでございますが、なぜ法律で義務付けるのかという御質問でございましたが、それにつきましては、何度も申し上げているように、これまで孤立をする仕組みで、きちっとした支援の手だてが用意をされていなかったということを、自治体がその支援の計画を作る、しかしもちろん御本人がそれを受け入れるということを前提に作るということで、そのことによって孤立をすることなく社会復帰がよりスムーズにいくようにしようと、こういうことで作らせていただいているものでございます。
#65
○足立信也君 やっぱり特別視という感想が拭えないですね。
 もうあと二分しかないので、ちょっと最後に申し上げたいと思うんです。
 精神保健指定医の要件の見直しのことなんですが、一症例は一人に限るというような話も説明で聞きました。しかし、私は外科医ですから申し上げますけど、やっぱりチーム医療で一人の患者さんを数人で診ている、それは経験になるわけです。この精神障害についても、例えば十年前に診た人と今診た人では当然違うし、一人で診るのはかなり危険性があって、私はチームで診るべきだと思っていて、それは、一人の症例、患者さんのことが二人のところに表れてきても何らおかしなところはないと私は思いますよ。それを参考にしていただきたいと思います。
 最後に、もう今日が終わりかもしれませんので、あと一分ですけれども、冒頭、この質疑に入る前に私申し上げましたけど、やっぱり時代の逆行だという感じがどうしても否めない。イギリスでは一九五九年に精神保健法改正、アメリカでは一九六三年のケネディ教書、その後、施設から地域医療へというふうに世界は流れていって、今は社会モデル化されているわけです。しかし、日本では、東京オリンピック、一九六四年のライシャワー事件で、これは精神科病院への入院歴のある方が起こしたと。そして翌年、精神衛生法が改正されて、警察官による知事への通報が始まったんですよ。何か今回のことは、三年後のオリンピックも考えると、繰り返しをされているような気がしてならない。
 そこで、その結果、今回の改正案は、私は、障害者権利条約に違反して、我々が目指す将来の共生社会の理念にやっぱり反している、厚生労働省が積み上げてきた審議会の方向性にも反している、精神科医療の国際的潮流にも反しているんだと思います。
 そこで、ほかの検討会でも指摘されました。今ある、これ三年後の見直しをずっとやってきて、ある意味結論も近かったわけです。審議を継続している審議会や検討会とは別にアドホックな検討会を立ち上げて、医療ビジョンの件を指摘されている方もいました。ぽこんと検討会ができて、その内容がメーンに変わっていくと、こういう法案作成の段階におけるやり方も、私は、ちょっと拙速だし、おかしいと思いますよ、王道じゃないと思います。
 そして、何よりも精神保健福祉法の趣旨である精神障害者本人の利益というものがこの法案から抜け落ちているということを申し上げて、私の質問を終わります。
#66
○川田龍平君 川田龍平です。
 相模原事件と法改正の関係について、起訴された以上、被告の行為は措置入院時の精神障害と無関係なのではないかという前回の私の質問に対して、昨年の検証チーム段階では関係性は明らかになっていないとしかなく、起訴をどう考えるのか答弁ありませんでした。そして、同僚議員からの、何度も指摘しているように、具体的な立法事実やエビデンスが今に至るまで示されておりません。やっぱりこれは改めて出し直しを求めたいと思いますが、せっかくいただいた質問時間なので、法案の内容についても質問いたしたいと思います。以下、質問いたします。
 先ほども足立委員からもあったように、本当に全くこの法案の作成段階からの非常に矛盾があるわけですけれども、ちょっと質問入りますが、先月、NHKで「ハートネットTV」という二夜にわたる連続の番組で、フィンランドのオープンダイアログという取組が紹介されて、私は再放送で見たんですけれども、その中でフィンランドの専門家の方がおっしゃっていたのは、患者を理解するためにはどの専門家の意見も対等であり欠かせないのです、医師の意見が正解とは限らず、全員の理解、全員の見解が求められます、治療で最も重要なのは患者を理解することであり、病名を付けることではないのですと言っておりました。私はこの言葉に大変感銘を受けましたが、大臣は御覧になりましたでしょうか。是非感想を伺いたいと思います。
#67
○国務大臣(塩崎恭久君) NHKの番組自体をそのとき見たわけではございませんが、オープンダイアログは、不安定な病状にある患者の下に多職種のチームで訪問をして、そして患者の御自宅で御本人、家族、そして医療、福祉等の関係者が平等な立場で対話を繰り返すという中で症状の安定化を目指す治療法の一つというふうに聞いているわけでございます。
 患者を中心として本人の抱える複合的な悩みに寄り添いながら解決を図るためには、多職種での関わりというのが重要だということで、その際、御本人の意向を踏まえて、医療面はもとより、生活面、就労面などの支援の提供が必要だというふうに思います。
 今回御提起申し上げている退院後支援計画や精神障害者支援地域協議会というのは、ある意味、今の考え方と通ずるところがございまして、入院中から入院先の医療機関と退院後に患者を支える医療や地域福祉などの関係者が多職種で集まって、病院で医療チームと一緒に退院後の支援について調整をもう始めるということ、それから、本人の意向を踏まえて退院後の支援計画を作って、それぞれの支援者の明確な役割分担の下で、先ほど地域包括ケアシステムの話が出ましたが、まさに包括的な支援を提供する、それも地域で提供するということによって、措置入院者を含めた精神障害者が社会復帰の促進等に必要な医療等の様々な支援を地域で包括的に受けられるようにと、こういうふうに考えているところでございます。
#68
○川田龍平君 私は、やはり医師の診断というのが、これが必ずしも正解ではないというところ、それから、しっかり患者を理解することが治療であって、病名を付けることが治療なんではないという、こういったことをはっきり言っていたことが大変私は感銘を受けて、昨日、おとといの審議でも、自見委員から詩が紹介されていましたけれども、患者当事者の人たちの思っていることがどういうことかというと、SEKAI NO OWARIというアーティストが「銀河街の悪夢」という歌を歌っているんですけれども、あれもやっぱり聞いていただきたいんですけど、いいかい、君は病気だからと、お医者さんがくれたこの薬を飲んだなら、深い眠りに落ちるんだといって、本当に、ある意味、お医者さんがやっぱり診断をして、それによってもうほとんど精神障害者の人たちが立ち直っていくことが非常に難しくなっていくような治療にしてはいけないんだと私は思っております。
 次に、障害者権利条約との整合性について、前回の質問に続き再度伺いますが、国連障害者権利委員会の十四条ガイドラインでは、自傷他害のおそれなどほかの要件が入っていたとしても、精神障害が要件の一つとなっていればその自発的入院は同条約違反とされています。このことは厚労省は知っていますでしょうか。また、前回答弁がなかったので改めて伺いますが、参考人質疑で池原参考人も紹介していたこの事実について厚労省は知っているのでしょうか、それとも知らないのでしょうか。
#69
○副大臣(橋本岳君) お尋ねの障害者権利条約のガイドラインの件でございますが、障害者権利条約第十四条に関し、国連障害者権利委員会が精神障害を理由とした本人の同意のない入院を含む拘禁を禁止する旨のガイドラインを二〇一五年、平成二十七年に発出していることは承知をしております。
 一方、障害者権利条約の起草過程、これは二〇〇一年から二〇〇六年の頃ということになりますが、強制入院の禁止についても検討されたが、各国の反対により強制入院の一律の禁止については規定しないこととされたと承知をしておりまして、政府としては、障害者権利条約第十四条は自由の剥奪が障害の存在のみにより正当化されないことを確保することを規定しているものとの理解の上に立って条約を批准しているものでございます。
 この点、精神保健福祉法に基づく非自発的入院は、精神障害者がその精神障害のため自らの意思による入院が行えないなどの要件を満たす場合に法律に基づく適正な手続により行われるものでございます。このため、精神障害者であることのみを理由に入院させるものではなく、障害者権利条約そのものには反しないと考えております。
#70
○川田龍平君 いや、この自傷他害のおそれなどほかの要件が入っていたとしても、これ精神障害というのが要件の一つとなっていればその非自発的入院は権利条約違反だということは、これは御存じですね。
#71
○副大臣(橋本岳君) ガイドラインの方で、今、ガイドラインの方について委員は御指摘をいただいておりまして、それは二〇一五年に採択をされたものでございます。その内容につきまして、繰り返しはいたしませんけれども、記述があるということについては承知をしております。
 一方で、私ども、先ほど答弁申し上げましたが、権利条約そのものの起草過程から踏まえてその条約には反しないものだと考えているということを先ほど答弁を申し上げた次第であります。
#72
○川田龍平君 いや、これとか、条約違反だということをやっぱり知っているか知っていないかということをちょっと是非お聞かせいただきたいと思います。
#73
○副大臣(橋本岳君) これはもう繰り返しの御答弁ということになりますけれども、先ほど川田委員が御指摘をいただきましたように、国際障害者権利委員会による障害者権利条約第十四条ガイドラインにおきましては、障害を理由とした拘禁はいかなる例外もなく第十四条では許されず、自傷他害のおそれがあることも含むほかの理由を条件とした拘禁の実践も恣意的な自由の剥奪に当たるとしているということについては承知はしております。
#74
○川田龍平君 今後の審議の重要なポイントになるので、是非これ質問答えていただきたいんですけれども、十四条ガイドラインは、これ公定訳、訳は作っているのでしょうか。作っていないなら早急に作るべきではないでしょうか。
#75
○政府参考人(堀江裕君) 今、仮訳であるというふうに承知しています。
#76
○川田龍平君 是非これ公定訳を作るべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#77
○政府参考人(堀江裕君) 恐らく担当するとすれば外務省だと思いますので、今日の審議につきましてお伝えしたいと思います。
#78
○川田龍平君 是非作っていただきたいと思いますが、いかがですか。
#79
○政府参考人(堀江裕君) 外務省と相談させていただきます。
#80
○川田龍平君 是非作ると言っていただきたいんですけれども、是非相談して作っていただきたいと思います。
 これは、本会議での大臣答弁によると、この条約に基づく政府審査が行われた結果が出てから対応を検討するということでしたが、これ他国の例を見ても、このガイドラインでは精神障害者のみを理由とした自由剥奪を問題としているのではないということは明らかです。これ、対政府審査の結果というのを待つまでもなく、今すぐにこの条約についての理解のある専門家を交えて同条約十四条と非自発的入院の整合性について議論すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
#81
○副大臣(橋本岳君) これも、何というんですかね、累次申し上げておるとおりでございますが、当然、法的拘束力が掛かるのは条約そのものでございます。条約についての私たちの理解というのも先ほど答弁を申し上げました。
 ガイドラインはガイドラインで二〇一五年に発出をされたわけで、私たちが批准をして以降に出されたわけでございますけれども、必ずしも法的拘束力があるものではないと承知をしております。
#82
○川田龍平君 いや、しっかりガイドラインという言葉に対してのちょっと理解があれですけれども、大臣これ、ちょっと通告はないですけれども、十四条違反とこれ勧告されるのが分かっていることですから、今から議論を始めていただきたいと思いますし、先ほどの公定訳の話も含めて、大臣是非、外務省に相談して作ると言っていただきたいと思いますが、よろしくお願いします。
#83
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど部長から申し上げたように、公定訳を仮に作るとすればそれは外務省が作るので、外務省の意思を私が代弁をするわけにはなかなかいきませんから、川田委員からこういう強い御要望があったということを明確に伝えたいと、このように思っております。
#84
○川田龍平君 それと、この議論を始めるということも是非お願いいたします。
#85
○国務大臣(塩崎恭久君) 条約の見直しということであれば、これも外務省のマターでございますので、そういった御意見が強く出されたことはお伝えを申し上げたいと思います。
#86
○川田龍平君 条約の見直しではなくて、条約に違反するということが、これ対政府審査というのが、結果が来るということが分かっているわけですから、その結果が来る前にこの見直しの、まず厚労省のやっていることについての見直しをするということを議論をしてほしいということなんですが、それはいかがでしょうか。
#87
○副大臣(橋本岳君) 累次御答弁を申し上げてありますとおり、その第十四条、その条約そのものに私たちは違反をすると理解をしておりません。
#88
○川田龍平君 是非これしっかりと、もう一回公定訳を作って、しっかりと議論を見直す、そのスタートをしていただきたいと思います。
 次に、これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会報告書にある措置入院者等に対する退院後支援計画に基づく相談、指導の委託について伺います。
 委託する業務内容は具体的にどのようなものを想定しているのでしょうか。
#89
○政府参考人(堀江裕君) 二月八日に出されましたあり方検討会の報告書におきまして、退院後の対応といたしまして、保健所設置自治体による退院後支援全体の調整という中に、従来から地域において退院後支援の調整に取り組んでいる地域の精神科医療機関等が存在すると、保健所設置自治体による適切な関与を前提に、こうした医療機関等への委託などについて検討することが考えられるという記載について、今お尋ねされたところでございます。
 措置入院者の退院後には、退院後支援計画に記載されました医療、地域福祉、就労支援などの各種支援がそれぞれの支援の提供主体によって行われることになりますが、退院後の患者の帰住先の保健所設置自治体は、患者に必要な支援が継続的に行われることを確保するために、各主体による支援の実施状況を確認し、必要な連絡調整を行うこと、例えば患者の通院が中断した場合に患者への受診勧奨を行ったり、あるいは見守りによる孤立化防止を行うといったことが想定されます。そうした業務につきまして、従来から多職種のチームで同様の業務を担っていたなど、保健所に代わって行うことが適切であると判断される医療機関等が存在する地域におきまして、保健所等の適切な関与を確保した上で当該業務を委託することが可能であるというふうに考えてございます。
#90
○川田龍平君 この委託先として想定しているような医療機関というのはどのようなところでしょうか。
#91
○政府参考人(堀江裕君) その委託の対象として、今申し上げましたように、各主体の支援の実施状況の確認、必要な連絡調整、通院が中断した場合の受診勧奨、こうしたことが継続的にできることが確保されるということが必要なわけでございまして、こうした業務を受託する医療機関につきましては、従来から地域におきまして多職種のチームにより退院後支援を実施している、実践しています精神科医療機関を想定してございまして、そういうところでは、アウトリーチ支援ですとか二十四時間の例えば電話での対応とかいったこともできるものを想定しているところでございます。
 委託を行うことにより十分な支援が行われなくなるような事態が発生することがないように、委託を行える場合あるいは委託先の医療機関等の考え方につきまして、退院後支援のガイドラインにおいて明示していきたいと考えてございます。
#92
○川田龍平君 この委託を可能とする根拠は法文上どこに明記されているんでしょうか。
#93
○政府参考人(堀江裕君) 今回の退院後支援の各主体の支援の実施状況の確認、必要な連絡調整、あるいは通院が中断した場合の受診勧奨につきましては、公権力の行使というのに当たらない行為ということでございますので、民法に基づきます行政と民間の事業者との、委託先との契約ということで委託が行われることになりますので、そうしたものにつきまして、精神保健福祉法において法律上の規定については設けてはございません。
#94
○川田龍平君 この委託先の関係者の守秘義務及び守秘義務違反をした際の罰則についての法文上の根拠規定というのはどこにあるんでしょうか。
#95
○政府参考人(堀江裕君) 退院後支援に当たりまして、今申し上げましたような実施状況の確認、必要な連絡調整、受診勧奨といったことを委託する場合に、当該委託先の医療機関等が個別ケース検討会議の参加者になります。個別ケース検討会議におきます個人情報等については、今回の改正法案におきまして、参加者に対する守秘義務規定とそれに違反した場合の罰則を設けてございます。改正法案の五十一条の十一の二の八項に、「協議会の事務に従事する者又は従事していた者は、正当な理由がなく、協議会の事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。」と規定があり、また、五十三条の二によりまして、違反した場合に一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処するということが規定されてございます。
 こうしたことによりまして、仮に保健所が業務を委託した場合でありましても、委託先の医療機関におきまして個人情報等の取扱いが適切に行われるようにしてまいりたいと考えてございます。
#96
○川田龍平君 精神科のクリニックについては、以前私がこの委員会で指摘したように、手広くやっているところも含めいろいろと人権問題を引き起こしているクリニックもありますので、自治体の事情でやむを得ず委託する場合は是非慎重に選定されるように、国の方でもしっかり目を光らせていただきたいと思います。
 次に、権利擁護の仕組みについて伺います。
 これまで答弁では、本人の希望に応じて、本人に代わって弁護士や後見人が個別ケース検討会議に参加できるようガイドライン等で示していくとのことですが、専門家に依頼できるような資力がなく、家族にも頼めないという人は、どのように自分の代理人を確保すればよいのでしょうか。
 自分で弁護士を探したり成年後見制度を申立てをして後見人を付けるにはそれなりの時間と労力も掛かり、病状が悪いから入院している人がそのような行動をすぐにできるとは思えません。協議会へ一人で参加することも不安で迷っているうちにどんどん計画が作られてしまうような場合も考えると、入院後直ちにこの審査会の委員が病院に行って審査を行うか、入院直後、自動的に院外から権利擁護の仕組みを案内し、利用を勧める仕組みを検討すべきじゃないかと考えますが、いかがでしょうか。
#97
○副大臣(橋本岳君) 権利擁護についてのお尋ねでございますが、現行制度におきましても、精神医療審査会において、入院中の患者が何らの請求を行わなくても全ての医療保護入院者について入院届の審査が行われるとともに、医療保護入院者や措置入院者の定期病状報告の審査という形で入院の必要性について自動的に院外からの審査を受ける仕組みは確保されております。
 そして、今回の改正においては、患者の権利擁護や適正手続の確保をより一層図るため、退院等の請求がなされない場合であっても、措置入院を行った時点で速やかに精神医療審査会による審査を実施することとしておりまして、権利擁護の機能が強化をされると考えております。
 また、御指摘のように、院外から患者に対し権利擁護の仕組みを案内する仕組みということにつきましては、前回の平成二十五年改正法の三年後見直し規定に基づきまして、有識者や当事者、家族会等が参加する検討会、これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会ですが、ここにおきまして、入院中の処遇、退院等に関する精神障害者の意思決定と意思表明の支援の在り方について検討を行いました。その結果、退院請求等の権利を行使できることを入院者本人に適切に伝える機能が必要であるという御指摘をいただいております。こうした機能を担う者として、障害者総合支援法に基づく地域生活支援事業を活用し、地域での援助を行う相談支援事業者など、医療機関以外の主体がピアサポーター等の地域の社会資源と連携しながら、精神障害者を権利擁護に関して支援をする枠組みを設けることとしております。
 具体的な事業の実施方法につきましては今後の検討をするということにしておりますけれども、しっかり御指摘も踏まえて、患者本人の権利擁護に資するように丁寧に検討し、実施に移してまいりたいと考えております。
#98
○川田龍平君 今答弁いただきましたけれども、この権利擁護について厚労省が検討している障害者総合支援法の枠組みで、この障害者総合支援法に基づく地域生活支援事業、これでは病院からの独立性が十分に確保されないのではないかという懸念があります。権利擁護者が面接後に病院に報告をする仕組みになっていますと、病院の立場に偏ってしまい、本人との信頼関係が築けなくなってしまうのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
#99
○政府参考人(堀江裕君) 前回の平成二十五年改正法の三年後見直し規定に基づきまして、有識者、当事者、家族会等が参画する検討会におきまして、入院中の処遇、退院等に関する精神障害者の意思決定と意思表明の支援の在り方につきまして検討を行ったものでございまして、その結果、入院の必要性等について審査する役割は引き続き精神医療審査会等が担うべきとしつつ、患者本人が退院を希望する前から退院に向けた意思決定を支援する役割、それから退院請求等の権利を行使できることを入院者本人に適切に伝える役割を担う者が必要であるとの指摘になってございます。
 こうした役割を担う者としまして、総合支援法に基づきます地域生活支援事業を活用いたしまして、地域での援助を行う相談支援事業者など、医療機関以外の主体がピアサポーター等の地域の社会資源と連携しながら精神障害者を支援する枠組みを設けることによりまして権利擁護の推進を図ることとしてございまして、具体的な事業の実施方法につきましては今後検討いたしますが、医療機関以外の第三者が意思決定支援等の権利擁護を行うという目的に適切に果たすことができますよう、丁寧に検討してまいりたいと考えてございます。
#100
○川田龍平君 それ、今副大臣が読んだのと全く同じものを読んでいるんですけれども、要するに、これ本人との信頼関係が築けなくなってしまうのではないかという次の四の二の質問をしているんですけど、これ四の二って言わなきゃ分からないですね、もう。
 次の四の三の質問をしますが、身体拘束で自ら院外に電話できない、権利擁護を求めることができないという入院者の実例があることを厚労省は認識していますか。その場合に、地域生活支援事業への申込みができず、仕組みを利用できないのではないでしょうか。
#101
○政府参考人(堀江裕君) 精神科病院におきます入院中の行動の制限については、医療又は保護に欠くことのできない限度においてのみ行動の制限は可能なわけでございますが、その中でも、特に信書の発受の制限、あるいは人権に関する行政機関の職員や患者の代理人である弁護士との電話の制限、それから人権擁護に関する行政機関の職員や患者の代理人であります弁護士、患者、家族等の関係者の依頼によりまして患者の代理人になろうとする弁護士との面会の制限、これらにつきましては、身体的拘束の下にある場合を含めまして、どのような場合でも行うことはできないとされているものでございます。
 制度上、権利擁護を求めます患者の外部への通信を制限することはいかなる理由があろうとも認められない規定となってございまして、権利擁護を求めることができない入院者の実例につきましては承知してございません。
 ということで、先ほど申し上げましたとおり、地域生活支援事業におきまして、退院に向けました意思決定を支援する役割、退院請求等の権利を行使できることを入院者本人に適切に伝える役割を担う者につきまして、ピアサポーター等の地域の社会資源を連携しながら権利擁護の推進を進めてまいりたいと考えてございます。
#102
○川田龍平君 是非よろしくお願いします。
 退院請求手続における権利擁護制度について、この手続を行っている精神医療審査会は、自由権規約の第九条四項の裁判所に相当するとして現状で十分だと厚労省は考えているようですが、この刑事手続における弁護人に相当する者がいないことについてはどのように考えているんでしょうか。
#103
○政府参考人(堀江裕君) 精神医療審査会は、適正な医療を確保するためには、患者本人の意思によらない入院や行動の制限などを行わなければならないという精神科医療の特殊性を踏まえて、総合的な観点から入院継続の適否等の審査を行うことが必要でありますことから、その審査会の構成といたしまして、精神障害者の医療に関し学識経験を有する者、法律に関し学識経験を有する者、精神障害者の保健又は福祉に関し学識経験を有する者の三者構成となってございます。その審査は、原則として書面をもって行うこととしてございますが、請求者や各関係者の意見を聞きながら実効性のある審査が実施される仕組みとなってございます。
 具体的には、退院請求あるいは処遇改善請求につきまして、法律上、その審査については請求者と精神科病院の管理者の意見を原則として聞かなければならないとしてございます。また、審査会の運営マニュアルにおきまして、審査をするに当たっては、審査会は都道府県知事に対しまして実地審査を含む報告徴収を行うことを要請するとして、これに患者の医療の当事者でない中立の指定医である委員の同行を求めることができることとしてございます。
 このように、精神医療審査会は、審査に当たって、請求者による挙証のみによることなく、必要に応じてこうした意見聴取、実地審査を行った上で専門的知見を持つ第三者的立場から適切な審査を行う仕組みとなってございまして、引き続き審査体制の強化を図って実効性のある審査が行われるように取り組んでまいりたいと考えてございます。
#104
○川田龍平君 これ、ちょっと次の質問の前にですけれども、国際法律家委員会からも、この退院請求手続における権利擁護者について、これは予算措置が講じられていない点が不十分だと指摘されている点を認識していないのでしょうか。
#105
○政府参考人(堀江裕君) ちょっと今手元に回答を持っていませんので、確認させていただきたいと存じます。
#106
○川田龍平君 是非その辺を認識していただきたいと思います。
 次に、四の五ですけれども、これは言っておかないと分からないと思いますので、現在弁護士会が行っているこの精神保健福祉法上の退院請求手続における代理人を権利擁護者として法的に位置付けることについて、これはこの四年間の間に具体的に調査検討されたのでしょうか。この最も深刻な人権侵害である非自発的入院に対する退院請求について、弁護人による代理人は全国どこでも確実に付けることができて、病院からも独立しており、権利擁護者として効果的じゃないかと考えますが、いかがでしょうか。
#107
○副大臣(橋本岳君) 御丁寧に恐れ入ります。
 御指摘をいただきましたように、日本弁護士連合会が法律援助事業の一環として、その退院請求等の代理人を行う弁護士に対する相談費用の援助を行っております。そのことは承知をしております。
 一方、具体的に調査検討されたのかということでございますが、これはもう先ほども御答弁申し上げましたが、その入院中の権利擁護の在り方につきましては、これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会で検討を行っております。
 その結果、御指摘の点につきましては、患者の意思を尊重する観点からは、全ての患者に意思決定支援等を行う者が選任されるようにすることまでは必要ではないが、一方で、患者本人が退院の意向を示す前から退院に向けた意思決定を支援する役割や、退院請求等の権利を行使できることを入院者本人に適切に伝える役割を担う者が必要であるという御指摘をいただきました。
 こうした役割を担う者として、これもさきに答弁をしておりますが、地域生活支援事業を活用し、支援する枠組みを設けていくということを今検討しているということでございます。
#108
○川田龍平君 五の一ですけれども、これまでの審議でガイドラインで示すとの答弁が繰り返されていますが、ガイドラインの方向性と別の動きをする都道府県が出た場合には、この国の方針との整合性をどのように確認してどうしていくつもりなのでしょうか。特に、警察の関与に関して、都道府県がおよそ例外と言えないような事例にも積極的に関与させる場合、例えば知事が指定する支援調整機関が専ら警察などという場合には、どのような実効性の歯止めを掛けるのでしょうか。
#109
○副大臣(橋本岳君) まずは、その退院後支援のガイドラインについて、各自治体に対ししっかりと周知をすることにより適正な運用を図ってまいるというのが大前提になろうと思います。
 その上で、法の施行後、精神障害者支援地域協議会の実施状況につきましては、しっかり実態把握を行いまして、課題があれば改めて適切な実施方法について周知をしてまいるということは継続的に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、警察の関与につきまして、仮に御指摘のような警察が事務局をするみたいな例えば例を挙げられましたけれども、そうしたケースがあれば、それは不適切な対応であるというふうに考えております。仮にそうしたことがあれば、該当する自治体に対し、ガイドラインに沿った適切な対応が行われるように個別に助言するなどして改善がなされるように努めてまいりたいと考えております。
#110
○川田龍平君 本人が警察の関与を拒否した場合、個別検討会議に警察は入らないとの答弁がありましたが、本人が拒否した場合で警察が入る例外は絶対にないと、これお約束いただけますでしょうか。
#111
○政府参考人(堀江裕君) 十一日の委員会で厚生労働省から答弁させていただきましたとおり、個別ケース検討会議は、患者の支援を目的に、保健所設置自治体が本人、家族から意見を聞いた上で、警察以外の援助の関係者で警察の参加についての合意が得られた場合に例外的に援助の関係者として警察が参加することがあり得るものでありまして、また、本人が警察の参加を拒否した場合には警察を参加させない取扱いといたします。その例外を設けるつもりはございません。
 この旨、秋頃を目途に発出いたします予定の退院後支援のガイドラインにおきまして明示して自治体に周知徹底を図ります。
#112
○川田龍平君 この本人の拒否というのは、援助関係者が合意した後にどのタイミングで表明されることが想定され、有効とされるんでしょうか。
 例えば、警察の参加を含む計画の説明を受けた時点で明確な拒否の意思表示がなかったといって支援が開始された後で本人がその内容を拒否した場合に、その段階で計画が変更され、警察が撤退をし、把握していた個人情報というのはこれは必ず破棄をされるんでしょうか。
#113
○政府参考人(堀江裕君) 個別ケース検討会議への警察の参加については、保健所設置自治体が本人、家族から意見を聞いた上で、警察以外の援助関係者全員が合意することを要件に、本人が警察の参加を拒否している場合には、個別ケース検討会議に警察が参加した上での退院後支援計画が開始されることはございません。
 個別ケース検討会議への警察の参加を含めた退院後支援計画に基づく支援が開始された後で、本人が計画に基づく支援の内容を拒否した場合には、改めて個別ケース検討会議を開催し、計画の見直しを協議することになります。その際、本人が、前は拒否していなかったわけですけど、その際に、今度本人が警察の参加を拒否した場合には、本人の意向に沿って退院後支援計画を変更し、警察は個別ケース検討会議の構成員から外れることになります。
 なお、それまでの個別ケース検討会議の協議において警察が把握した個人情報については、継続的に退院後支援に関わらなくなった以上、警察が継続して個人情報を保有することは適当ではないと考えております。
 今後、このような場合の個人情報の具体的な取扱いにつきまして、警察庁と協議してまいりたいと考えてございます。
#114
○川田龍平君 次に、法の五十一条の十一の二第八項の協議会の事務に従事する者とは、法五十一条の十一の二第二項の事務に応じて守秘義務があるという趣旨でしょうか。
#115
○政府参考人(堀江裕君) おっしゃるとおりでございまして、法五十一条の十一の二の八項では、「協議会の事務に従事する者又は従事していた者は、正当な理由がなく、協議会の事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。」とされてございまして、この協議会の事務は、御指摘の同条第二項の各号に掲げる事務のことを指すものと考えてございます。
#116
○川田龍平君 それでは次に、代表者会議というのは、これは個人情報は一切取り扱わないということでよろしいでしょうか。
#117
○政府参考人(堀江裕君) 代表者会議は、精神障害者の適切な医療その他の援助を行うために必要な体制に関して地域の関係者が協議を行うものでございます。代表者会議は、これまで答弁してございますが、個別ケース検討会議で退院後支援を行う中で生じた課題について、個人情報を伏せた形で議論をすることはあり得ますが、個人情報を共有することは一切ございません。
#118
○川田龍平君 それでは、代表者会議で想定される秘密とはどのようなものでしょうか。グレーゾーンなどの取扱いであれば、これはむしろ公表すべきルールではないでしょうか。代表者会議で個人情報を取り扱わない以上、秘密などないのではないかと思いますが、いかがですか。
#119
○国務大臣(塩崎恭久君) 御指摘の代表者会議におきましては、先ほど来答弁しておりますけれども、患者の個人情報はまず第一に取り扱わない。そして、御指摘のグレーゾーン事例への対応方針を始めとして、精神障害者の地域での支援体制という、地域の精神障害者の方に広く関わる事項を取り扱うものでございますので、原則公開でこれは運用をしていただく方向で検討をしております。
 このため、代表者会議において取り扱う情報の中に秘密に該当するものが含まれることは基本的にはもうないということでございまして、一方で、各地域の代表者会議の運用において、地域の関係機関に関する情報であって非公開にすることが適当である情報が共有される可能性も排除はできませんが、そういうことのために各地域の協議会の運営に支障を生じないように、協議会の事務に従事する者全体について守秘義務を設けていると、こういうことでございます。
#120
○川田龍平君 公開ということで是非やっていただきたいと思います。
 次に、六番に行きます。ちょっと飛ばしますが、時間の関係で、六の一です。厚労省説明ペーパーにあるこのグレーゾーン事案の定義について伺います。
 ポイントは、入院時の指定医が、他害のおそれが精神障害によるものと明確に診断しているかどうかだと思います。このグレーゾーン事案とは、五月十一日に大臣が答弁されたように、措置診察の時点で他害のおそれが精神障害によるものか判断が難しい事例、つまり入院時に明確に診断できず迷った場合だけでしょうか。
#121
○政府参考人(堀江裕君) お尋ねのグレーゾーン事例とは、他害のおそれが精神障害によるものかどうか判断が難しい事例のことを意味していると考えてございまして、具体例といたしまして、精神障害とまで必ずしも言えないような反社会的な性格の偏りがある方が、隣人、地域に対する殺害予告をするですとか、妄想とまで必ずしも判断できないような被害的な思い込み、例えば隣人の生活音がとてもうるさくて、自分を害するためにやっているように感じるなどによって隣人に暴力を振るおうとしたというような事例を今考えてございますが、こうしたグレーゾーン事例につきまして、精神保健福祉法に基づきます対応が開始された後に他害のおそれが精神障害によらない可能性が高いことが判明するものでございます。
#122
○川田龍平君 これ、六の一のままですけれども、法二十九条にあるように、この措置入院というのは、指定医がその精神障害のために自身を傷つけ、又は他人に害を及ぼすおそれがあると認めたときでなければこれは許されないはずです。
 そもそもこの措置入院させるべき事案ではない、法律の要件を満たさないのに、強制入院を取りあえずさせ監視しているというような批判にどのように答えるでしょうか。
#123
○副大臣(橋本岳君) まず、先ほど部長が答弁しましたけれども、グレーゾーン事例というものについて、一般的に言えば、他害のおそれが精神障害によるものか判断が難しい事例ということでございますが、もちろん診察をしてそうだというふうに思われるということもあり得ると思いますし、部長答弁でも最後に少し触れましたけれども、例えば措置診察時点では精神障害によるものと考えられて措置入院になったけれども、その入院中に時間を掛けて診療する中で、これは他害のおそれというのが精神障害によらない形で認められることが分かってくる場合などもあり得るんだろうというふうに考えております。
 そうしたケースは、もうそういうことが医師として御判断をいただいて、これは精神障害によらない可能性が高いという判断がされた時点で、自治体とのそれまでの協議に基づいた対応がなされるということになろうかと考えております。
#124
○川田龍平君 これ、大臣は答弁で、やっぱり撤回するべきではないかと思いますが、一般の人はこれ確固たる信念というのを持っていても逮捕されないのに、警察に動向を把握されることもないわけです。しかし、措置入院者だけが措置症状は消失しているのに別扱いを受けるというのは、これは差別ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#125
○政府参考人(堀江裕君) 退院後支援が必要だということで精神保健福祉法に規定をしているものでございまして、地域におきます孤立を防ぐという意味から、医療、地域福祉、就労支援などの計画をまとめて作って対応するという意味では、やはり措置入院まで達した、自傷他害のところまで達した方でございますので、そうした支援が自治体の側から用意されるのが適切であろうというふうに考えているものでございます。
 繰り返しですけれども、この計画自体、自治体にとっては義務でございますけれども、本人にとっては義務ではございませんので、そうした意味で差別的な取扱いをするものではないというふうに考えてございます。
#126
○川田龍平君 もう一つ確認ですけれども、この措置入院の要件を満たして入院して治療したけれども、確固たる信念というのがこれ残った場合、つまり、入院時には明確に判断し治療効果もそれなりにあったが、確固たる信念というのはこれは医療では変えられなかった場合というのも、これグレーゾーン事案に含まれるんでしょうか。
#127
○副大臣(橋本岳君) これは先ほど私が答弁したことと重なるのだろうと思うのですが、結局、医療の中で当然医師としては医療をしっかり頑張っていただくということになるんだと思いますが、その結果として、確固とした信念とか、精神障害によらないで他害のおそれが認められるということ、受け止める側からすればそういうふうになるんだと思いますが、そういうふうな事例が出てきたということにつきまして言えば、それは、要するに、事前に代表者会議でそうした事例が出たときにどのように連携をするのかということを定めているわけでございますから、それに基づいて自治体等に連絡をするなりという対応が取られるということになるんだと思います。
#128
○川田龍平君 ちょっとやっぱりこれはしっかり議論が必要だと思いますが、時間がないので次に行きますが、そもそもこのグレーゾーン事案について地域ごとにルールを決める必要があるんでしょうか。全国的にこれ厚労省が統一するべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
#129
○副大臣(橋本岳君) グレーゾーン事例の対応としては、例えば措置診察の時点で他害のおそれが精神障害によらない可能性が高いと認められる場合は、措置入院による対応ではなく警察において必要に応じて可能な対応を行ってもらうであるとか、精神障害による他害のおそれでないため措置解除の必要があるが、入院中のその者の言動から措置解除後に他害行為に及ぶ可能性が高いと考えられる場合に、警察に対応を相談をするなどといったことが考えられます。こうしたグレーゾーン事例について医療で対応すべきでないと至った場合の全国的な対応方針は、これまで御答弁申し上げたとおり、今後厚生労働省において作成する協議会の運用通知で自治体にお示しをしたいと考えております。
 一方で、地域において実際にグレーゾーン事例が把握をされた場合について、その地域の関係機関間の連絡体制などについては個々の地域によって変わるわけでございますから、自治体、医療関係者、警察等の間であらかじめ具体的に定めておくということが必要であろうというふうに考えております。このため、全国的な対応方針に沿って各都道府県等の代表者会議の場において協議し、その連絡体制などについて取り決めていただく必要があるというふうに考えております。これにより、治療や健康の維持増進を図る医療と犯罪防止を担う警察との役割分担が地域において明確化され、適切な対応がなされることを期待しております。
#130
○川田龍平君 次に、七の一ですけれども、これまでの答弁で、計画作成のために入院が長期化することがないのであれば、本人が計画を受け入れないまま退院になるという場合も想定されると理解をしました。しかし、例えば措置入院自体が不当だと、自分は他害行為をしていないのに相手方が被害を受けたと勝手に騒いだだけだと本人が主張して、計画を作られることにも納得していないので、弁護士を呼ぶぞと言ったらすぐに退院が認められたような場合でも、計画は作られ、転居後は本人が同意しなくても転居先都道府県に通知されてしまうのでしょうか。
#131
○副大臣(橋本岳君) 退院後支援計画で設定された支援期間の期間中、その患者の社会復帰の促進等に向けた医療、地域福祉、就労等の支援が継続されるようにすることが重要でございます。そのため、措置入院自体に納得をしていない患者であっても、退院後支援について本人に丁寧な御説明を行い、本人の御理解をいただいた上で計画の作成が行われることがまずは望ましいことと考えております。また、その支援期間中の患者が転居する場合には、新しい環境で必要な支援が継続するように十分な対応を図ることが必要でございます。
 このように、支援を継続させることの必要性から転居元から転居先の自治体に通知を行うことを法定しているものでございますが、この通知は本人が作成された計画に同意していない場合でも行われるわけでございますけれども、ただ、この場合においても、原則としてはまず本人の御理解をいただいた上で通知が行われることが望ましいということは言うまでもございません。
 なお、転居の際の通知は、退院後支援計画で設定された支援期間中にのみ行われるものでございます。地域生活における支援が十分に機能するようになり支援期間が終了したということがあれば、転居の通知というのは行われません。
#132
○川田龍平君 これ、海外に行ってしまえば転居先には通知されないということなんですけれども。
 これは七の一の続きですが、弁護士が病院に行くだけで隔離を解除されたとか措置解除になったという話がこれよくあるそうなんですが、精神医療審査会で措置入院自体が不適当と判断された場合は、これは計画は作られないと理解してよいでしょうか。
#133
○政府参考人(堀江裕君) 精神医療審査会で措置が解除された場合は、入院の必要はなかった方だという扱いだと存じますので、計画は作られないと考えてございます。
#134
○川田龍平君 七の二です。精神障害者支援地域協議会の議事録は誰が保管し、保管期間はどれくらいを考えているんでしょうか。
#135
○政府参考人(堀江裕君) 精神障害者支援地域協議会の代表者会議と個別ケース検討会議はいずれも保健所設置自治体が開催するものでございまして、議事録等の記録は当該自治体が作成し、保管することになります。
 その作成と保管期間でございますけれども、自治体ごとの文書管理の規則等によりまして設定されることになりますので、自治体の取扱いに大きなばらつきが生じないように協議会の運用通知においてお示ししてまいりたいと考えてございます。
#136
○川田龍平君 同じ問いですけれども、本人からの求めがあれば、これ簡便な手続で開示されるように検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
#137
○政府参考人(堀江裕君) 今のは議事録の話をされているんでしょうか。そこにつきましては、また今後、協議会の運用通知におきまして検討させていただきたいと考えてございます。
#138
○川田龍平君 是非開示されるようにしていただきたいと思います。
 七の三ですが、転居先自治体に情報が共有されることが想定されています。転居先自治体の職員が本人に面会できない、また訪問しても会えない場合でも計画を保有しておく意味はあるのでしょうか。これまでの答弁で、地方公共団体の条例で定めて管理するとの答弁がありましたが、本人と接触ができない場合は意味がないわけですから、一定期間経過後、計画を破棄、つまり個人情報を削除すべきじゃないかと考えますが、いかがでしょうか。
#139
○副大臣(橋本岳君) 転居先自治体への通知を行うということにしているわけでございますけれども、転居先の自治体においては、通知された計画の内容や患者のその時点での病状や意向を踏まえて見直しが必要な場合には退院後支援計画を作成することとなるわけでございます。転居後、患者本人が拒否をするなどによって会うことができない場合についても、必要な支援が途切れることのないように、可能な限りまず自治体から本人にその病状等や支援に関する御意向を確認し、計画を作成していただくということを想定しているわけであります。
 なお、患者さんの方にその作成された計画の内容に従う義務はございませんから、計画作成後に支援を受けないことも可能でございます。仮に支援を受けないとした場合でも、措置入院先の病院における多職種によるニーズアセスメントの結果を基に自治体が計画を作成をして持っておくということによって、今はもう支援を受けないということを、患者の意思であったとしても、何かしら事情の変更等あるいは変化等で本人が支援を望むに至って、例えば相談をしたいということを言ってくるということになったときに、その計画持っていれば、それ以前の事情というのを把握をした上で適切に支援の提供を開始できるという効果は期待できるんだろうというふうに考えております。
 なお、その計画期間が終了した場合には、自治体における文書管理規程に基づいて適切に処理をされるものと考えております。
#140
○川田龍平君 七の四、任意入院者や医療保護入院者を除いて措置入院者にだけ退院後支援計画を作成する、しかも、個別のサービスが拒否された場合の具体的な機能は、計画の期間中に転居した場合の引継ぎという点で支援したとしても不十分ではないでしょうか。むしろ、障害者総合支援法に基づく重度訪問介護サービスを任意入院、医療保護入院、措置入院の全ての精神障害者が自らの求めに応じて受けられるように拡充すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
#141
○政府参考人(堀江裕君) 重度訪問介護は平成十八年度に創設されまして、長時間にわたり日常生活に生じる様々な介護の事態に対応するための見守りの支援とともに、食事等の身体介護、洗濯等の家事援助等を総合的に提供されるサービスでございまして、精神障害者につきましては平成二十六年度からこの重度訪問介護サービスの利用対象者に追加をされまして、障害支援区分四以上であって精神障害等により著しい行動上の困難を有する方が利用しているものでございます。
 重度訪問介護の対象となっていない方々については、行動上の著しい困難がないということで、長時間の総合的なサービスではなく家事援助等を個別に提供する居宅介護等による支援を受けられる仕組みになってございます。また、昨年の総合支援法の改正によりまして、平成三十年四月からは、アパートなどでの独り暮らしを希望する精神障害者等を対象として、支援者が定期又は随時に自宅を訪問し、生活状況の確認などの支援を行います自立生活援助による支援を受けられるようにしてございまして、今後とも、関係者の御意見を踏まえまして、精神障害者が必要とするサービスを充実して、努めてまいりたいというふうに考えてございます。
 退院後支援計画につきまして、措置入院者が退院後に社会復帰に向けた医療、地域福祉、就労支援などの支援を確実に受けられるように作成するものでございまして、重度訪問介護の対象範囲の拡大によって対応できるというものではないというふうに考えてございます。
#142
○川田龍平君 精神科病院の管理者は、精神障害者が支給決定を受けて本人が選び利用している重度訪問介護の従業者の面会を制限できることとされていますが、この法律の第三十六条第二項の規定に基づく大臣告示において、行政や弁護士と同様にこれを制限できないものとすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
#143
○政府参考人(堀江裕君) 入院中の患者に対する面会については、原則として自由に行われることが必要でございまして、精神科病院の管理者は、その医療又は保護に欠くことのできない限度において指定医が必要と認める場合でなければ面会を制限することはできないということになってございます。一方、法三十六条の二項の規定に基づきます大臣告示におきまして、人権擁護に関する行政機関の職員や患者の代理人であります弁護士の面会はいかなる場合も制限できないものとされているものでございます。
 御指摘のように、重度訪問介護の従業者を行政や弁護士と同様に位置付けることにつきましては、患者の人権擁護を図る観点から特に必要と考えられる者について面会の制限を禁止している現行の規定との関係を含めて慎重に検討する必要があると考えておりますが、まずは求められている必要性につきまして現場の声を聞いて現状を把握していきたいというふうに考えてございます。
#144
○川田龍平君 是非しっかりやっていただきたいと思います。
 退院後支援については施行までにガイドラインを示すとのことですが、その際、この法律の第三十七条第一項の規定に基づく大臣告示同様、基本理念を定めるべきではないでしょうか。
#145
○副大臣(橋本岳君) 御指摘の告示におきましては、基本理念として、入院患者の個人としての尊厳を尊重し、その人権に配慮すること等が示されております。
 今後、厚生労働省から示す予定である退院後支援のガイドラインにおいても、精神障害者に対する医療は、病状の改善など精神的健康の保持増進を目的とすること、精神障害者の人権を尊重し、地域移行の促進に十分配慮すべきことなどを基本理念としてお示しをしてまいりたいと考えております。
#146
○川田龍平君 是非これは、医療者中心ではなく、本人中心の支援策として、患者本人の中心支援策として是非前向きに検討していただきたいと思います。
 最後に、今回の改正案については、重要な点が全てガイドラインで示すとされていますが、これだけ国会で問題となった以上、全てのガイドラインについて、これ必ずパブリックコメントを行うべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
#147
○政府参考人(堀江裕君) 本法案は、措置入院者の社会復帰の促進、自立と社会経済活動への参加の促進を目的とするものでございまして、その趣旨に沿った運用が徹底されることが重要と考えてございます。
 このため、法の運用に関することはガイドラインで詳細に定めることとしてございますが、これらのガイドラインにつきましては、パブリックコメントにより、より広く意見を求めることとしたいと考えてございます。
#148
○川田龍平君 是非これはしっかりこの法案の審査、まだ私は引き続きやっていただきたいと、石橋議員もまだ質問の三分の二が残っているとこの間も答弁しておりましたけれども、しっかりこの法案は、作成過程においてやっぱり十分な検討がされていないという中で、またさらに、法案の審議の間に趣旨説明の文が削られると、趣旨説明の中から削除されるというような本当に前代未聞のことも起こりましたし、本当にこの法案については十分な審議がもっともっと必要ではないかと思っておりますので、この午後も審議がありますし、是非、衆議院も含めて、参議院でもしっかりと今後も引き続き審議をしていただきたいということを申し述べて、私からの質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#149
○委員長(羽生田俊君) 午後二時十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二分休憩
     ─────・─────
   午後二時十分開会
#150
○委員長(羽生田俊君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#151
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 前回の質疑の続きで、グレーゾーン事例への対応について確認をさせていただきたいと思います。
 本会議の塩崎大臣の答弁は、確固たる信念を持って犯罪を企図する者への対応などは医療と警察の分担が必要、このため、あらかじめ代表者会議においてその対応方針を明確化することが必要と答弁されております。そして、五月十一日、堀江部長は、医療の対象というよりは、個別ケース検討会議の外、入る前に自治体が警察と協議すると答弁をされております。
 それでは、措置入院者がグレーゾーンであるかどうかと、この認定、一体誰がすることになるのか、そして何に基づいて行うことになるんでしょうか。
#152
○政府参考人(堀江裕君) お尋ねのグレーゾーン事例とは、他害のおそれが精神障害によるものかについて判断が難しい事例のことを意味してございまして、精神科医療の現場では、グレーゾーン事例について、精神保健法に基づく対応が開始された後に他害のおそれが精神障害によらない可能性が高いことが判明する場合がございまして、例えば精神障害が疑われるとして警察官通報がなされたが、措置診察の結果、他害のおそれが精神障害によらない可能性が高いと認められ、措置入院で対応すべきでないと判断される場合や、措置診察時点では他害のおそれが精神障害によるものと考えられ措置入院になりましたが、入院中に時間を掛けて診察する中で他害のおそれが精神障害によらない形で認められることが分かってくる場合などがございまして、このような事例が把握された場合には、自治体から警察に対応を相談、依頼することを想定してございまして、また、警察に対応を相談すべきかどうかについては、まず医師が、他害のおそれが精神障害によらない可能性が高く、医療で対応すべきでない事例に該当するか否かを判断し、その上で医師から相談を受けた自治体が、各自治体の個人情報保護条例に基づいて警察に個人情報の提供を行うことが可能かどうかを最終的に判断することとなります。
 精神科医療の役割は、精神障害者に対する治療や健康の維持増進を図るものであり、犯罪の発生防止ではございません。本来医療で対応すべきではないケースまで医療で抱え込むことにならないよう、グレーゾーン事例について、他害のおそれが精神障害によらない可能性が高く、医療で対応すべきでないと判断されるに至った場合の全国的な対応方針を今後協議会の運用通知で示す予定でございます。その際、どのようなケースが他害のおそれが精神障害によらない可能性が高いかと考えられている点についても、現場の事例を収集、整理して、モデル的な事例を併せて示したいと考えてございます。
 この全国的な方針に沿いまして、代表者会議の場において、自治体、医療関係者、警察等の間であらかじめ地域の関係機関間の連絡体制など具体的な対応方針を決めていただくことを想定してございまして、こうした対応は現在も各自治体の判断で行われているものでございますが、改正法案により新たな対応を求めるものではなく、現場で迷いや混乱が生じないよう、対応に当たっての考え方を整理して国からお示しするものでございます。
#153
○倉林明子君 答弁は簡潔に、御協力をよろしくお願いします。
 通報するのは、ずばり医師だということだと思うんですね。自治体はこの通報に基づいて警察と協議をする、そのルールを作っていくんだということかと思います。この法案の改正趣旨が変更された後も再発防止に資すると説明をしておられます。通報しなかったことから事件の再発防止が、防げなかったということにはなってはならないという圧力がこれ医療の現場には間違いなく加わってくると思います。結果として、精神医療に犯罪防止を持ち込むことにほかならないと私は指摘をしておきたいと思います。
 そこで、引き続き、前回の議論に続きまして、精神障害者の権利擁護について質問をいたします。
 二〇一四年七月、国連の自由権規約委員会では、精神医療についての勧告がされております。強制入院について、多数の精神障害者が極めて緩やかな要件の下で強制入院を余儀なくされ、かつ、自らの権利侵害に対して異議申立てをする効果的な救済手段を利用できないでいる、また代替サービスの欠如により入院が不必要に長期化していると報告されていることに懸念を有すると、極めて具体的な指摘になっています。
 そこで、日本政府に求めた行動の中身は何でしょうか。簡潔に、付け足しなしでお願いします。
#154
○政府参考人(堀江裕君) 二〇一四年七月に出されました自由権規約委員会の最終見解では、我が国の非自発的入院制度に関しまして、三つ、一番、精神障害者のための地域密着型あるいは代替となるサービスを増やすこと、二番、非自発的入院が必要最小限の期間で、最後の手段としてのみ課されること、また自傷他害防止のために必要な場合のみ、かつ相当とされる程度のみ課されることを確保すること、三番、虐待に対する実効的捜査と制裁措置及び虐待の被害者とその家族への補償を目的とする精神病棟に対する実効的かつ独立した監視及び報告制度を確保することにつきまして対応するよう求められてございます。
#155
○倉林明子君 これは二〇一四年の勧告となっております。それに先んじまして二〇一三年、国連の拷問禁止委員会からも精神医療に対する勧告が出されております。非自発的入院の多さ、長期化に対する強い懸念を示した上で、こうした収容を減らすように求めていたものとなっています。こうした非自発的入院については、非人道的及び品位を傷つける取扱いたり得る行為であると、独居拘禁、身体拘束及び強制投薬の頻繁な使用に懸念を有するとしているわけですね。司法的コントロールと効果的な不服申立ての機構の確立も、この先ほど詳細紹介していただいた自由権規約委員会の勧告に先んじて拷問禁止委員会からも勧告受けているんですね。
 非人道的、こう指摘されていた身体拘束及び隔離の状況について確認をしたいと思います。過去十年間で身体拘束が二倍、保護室隔離も三割増し、どちらも一万人を超えております。これは、国連の勧告以降も増加傾向に歯止めが掛かっていない現状だというふうに思います。その理由は何でしょうか。
#156
○政府参考人(堀江裕君) 厚生労働省が行っています調査におきまして、精神科病院で身体的拘束、隔離を受けた患者数は増加傾向にあり、平成二十六年に、今御指摘のそれぞれ一万件を上回っているものでございます。
 精神科病院における隔離や身体的拘束については、精神保健福祉法上、精神保健指定医の診察により、患者の医療と保護のため必要性が認められた場合に限り、必要最小限の範囲内で行うことができるものとされてございまして、保護室への隔離や身体的拘束の数が増加している要因は、例えば、在院日数が減る中、急性期の入院患者数は増えているというようなこともございますので、比較的症状が激しい急性期の入院患者が増加していることなどが考えられますが、現時点で明確ではございません。
 厚生労働省といたしましては、隔離や身体的拘束の増加要因を早期に分析することが重要と考えてございまして、厚生労働科学研究として、本年六月に隔離や身体的拘束に関する全国調査を実施できるよう調査設計を行っているところでございます。
#157
○倉林明子君 要因については若干の推定はあるけれども、はっきりした原因については今後調査をしていくという中身だったかと思います。
 堀江部長に確認したいんですけれども、こうした身体拘束や隔離、増えているということについては、これは決して良くないことだという認識はお持ちだと思いますが、確認をしておきたい。
#158
○政府参考人(堀江裕君) 繰り返しでございますけれども、隔離や身体的拘束は、精神保健福祉法上、指定医の診察により患者の医療と保護のため必要が認められた場合に限り、必要最小限の範囲内で行うことができるものでございまして、もしそれが逸脱する場合があるとすれば、それは趣旨に合っていないということがあろうかと存じます。
#159
○倉林明子君 増加傾向をたどっているのはいいことと考えているのか悪いことだと考えているのか、権利擁護の観点からはどうお考えでしょうか。
#160
○政府参考人(堀江裕君) 今、法の趣旨に沿って身体的拘束あるいは隔離が抑制的に実施されるべきものだと考えてございます。
#161
○倉林明子君 非人道的な拘束になっているという指摘なんですよ。そういう自覚が私は問われているというふうに思うわけです。
 そこで、次に確認したい。この身体拘束を受けていた患者の入院形態、この中で最も多いのは何ですか。
#162
○政府参考人(堀江裕君) 厚生労働省の行っています調査では、平成二十六年六月三十日時点で、精神病床において身体的拘束が行われていたと確認された患者は一万六百八十二人でございまして、このうち医療保護入院が最も多く八千九百七十七人、次いで任意入院千四百四十五人、措置入院二百三十二人などとなってございます。
#163
○倉林明子君 八割を超える者が医療保護入院だということは、これ数字から見ても明らかだと思うんですね。ベッドの入院形態の割合から見ても、医療保護入院に高い比率で身体拘束が行われているということが数字から読み取れると思うわけですね。
 自傷他害のおそれがないと、そういう下での非自発的入院が医療保護入院ということになるわけです。それなのに、なぜこれだけ身体拘束が多いというふうにお考えでしょうか。
#164
○政府参考人(堀江裕君) ちょっと今の御指摘のところで、措置件数と患者数との比で見ますと措置入院が医療保護入院より高くなってまいりまして、一五・四%でございます。それから、医療保護入院は六・八%、それで任意入院は〇・九%というふうになってございますので、補足させていただきたいと存じます。
 身体拘束が多い理由につきましてお尋ねをいただきました。先ほどのように、必要性が認められた場合に限り必要最小限の範囲内で行うことができるとされているもので、具体的には、自殺の企図又は自傷行為が著しく切迫している場合、多動又は不穏が顕著である場合、その他精神障害のためにそのまま放置すれば患者の生命にまで危険が及ぶおそれがある場合であって、他に代替する方法がない場合に身体的拘束の対象となるものでございます。
#165
○倉林明子君 私、入院形態別に比率を問題にしているんじゃないですよ。全体の身体拘束が医療保護入院にとりわけ大きいということで問題提起、検討していただきたいというふうに思ったからこそ取り上げたんですね。
 これ、なぜ増えるのかということについてはやっぱり合理的な理由があるんじゃないかと思うんです。それは、本人同意のない強制入院ということになっているわけですから、十分な理解がなければ、入院について、逃げようとしたり拒絶反応、拒否反応が当然出てくるものだと思うわけです。自傷他害のおそれはないのに入院治療が必要だということで医療保護を掛けて入院していただいているわけですけれども、それそのものがこうした身体拘束の多さにつながっているのではないかという観点からも、私、十分にやっぱり検討する必要があるんだと思います、減らしていくという観点からもね。その上で、入院治療の必要性についても十分な説明がされているんだろうかと。されないからこそ身体拘束増加の要因にもなっている可能性、否定できないと思うわけです。
 この強制入院、最後の手段としてのみ認められているんだということを、私はその勧告の趣旨をしっかり受け止めていくべきだというふうに思っています。増加しているということは、勧告を受けながらもそれに逆行する、結果としてそうなっているということをしっかり認識すべきだというふうに思います。
 そこで大臣に伺います。国連の人権機関からのこうした相次ぐ勧告に対して、私は、精神医療の在り方、強制入院の在り方、政府の姿勢が問われる問題だというふうに受け止めております。大臣の認識はいかがでしょうか。
#166
○国務大臣(塩崎恭久君) この非自発的入院につきまして、国連の自由権規約委員会あるいは拷問禁止委員会から指摘をいただいているわけでありまして、これは御指摘のとおり真摯に受け止めなければならない問題というふうに受け止めております。
 例えば、自由権規約委員会からは、多くの精神障害者が非常に広範な条件で権利侵害に異議を申し立てるための実効的な救済措置なく非自発的入院の対象になっていること等について御指摘をいただいております。政府といたしましても、精神科病院の入院はあくまで任意入院が原則ということでありますので、その一方で、有識者による検討会報告書で示されているように病気の自覚を持てない場合がありますので、症状の悪化によって判断能力そのものが低下をするという精神疾患の特性を踏まえれば、自傷他害のおそれがある場合以外にも入院治療へのアクセスを確保することが必要であるというふうに考えます。
 その上で、入院に係る適切な処遇の在り方を検討して必要な見直しを講じていく必要があると考えておりまして、このような観点から、今回の改正では、措置入院者について、新たに入院を行った時点で速やかに精神医療審査会による審査を実施をすることとし、入院時の患者の権利擁護や適正手続の確保をより一層図っているわけであります。また、医療保護入院についても、制度は維持をしながら、入院に当たって医師から入院が必要となる理由を本人や家族等に文書などで丁寧に説明をするために所要の改正を行っているところでございます。
 また、拷問禁止委員会から民間の精神保健指定医が入院治療の必要性の判断を行っていることの懸念などについての御指摘を頂戴いたしておりまして、今回の改正では、精神保健指定医の更新要件に指定医としての業務に従事をした経験を追加するなどの対応を行うこととしておりまして、引き続き精神保健指定医の質の担保を図っていかなければならないというふうに思います。
#167
○倉林明子君 指摘を真摯に受け止めると、こういう表明がありました。真摯にこうした勧告を真剣に受け止めるのであれば、本当に今増加している非自発的入院の多さ、身体拘束の問題、隔離の問題、解決に向けた取組こそ私は本当に求められるということを強く指摘をしておきたいと思うんですね。
 その上で、御紹介もありました精神医療審査会の問題です。非自発的入院は強制入院であるということから、入院者の権利擁護、この観点からのチェック機能の強化というのは本当に精神医療審査会に強く求められていることだと思います。
 そこで確認したいと思います。医療保護入院の入院届の審査結果で入院継続が不要となったケースというのは、審査件数全体に対して何件になっていますか。
#168
○政府参考人(堀江裕君) 厚生労働省の衛生行政報告例によりますと、平成二十七年度の精神医療審査会におきます医療保護入院の入院届に係る審査件数は、全国で十八万三千百六十八件となってございまして、そのうち入院継続不要とされましたのは三件でございます。
#169
○倉林明子君 いやこれ、一瞬計算できませんけど、五千件に一件もないということと違いますか。つまり、ほとんど入院継続不要となるケースはないということですね、実際の審査結果は。
 さらに、大きく当事者からも声が上がっていました退院請求、処遇改善、これらについてはどうなっているかといいますと、不適当と判断された場合ですね、この取扱いがどうなっているかというのを見れば、請求件数全体に対して数%と。この数字は、統計見せていただきましたけれども、ほとんど横ばい、変わっておりません。
 結果として、こうした強制医療保護入院の措置にしても、退院請求や処遇改善の措置にしても、医療側の行為に結果としてはお墨付きを与えているという批判の声が出るのは当然だと思います。変化もないわけですから、改善措置いろいろしてきたと言われるものの、結果としては出ていないと、ここを真摯にそれこそ受け止めるべきではないかというふうに思います。
 二〇一三年、国連の拷問禁止委員会の勧告が求めていたのは、効果的な不服申立て機構へのアクセスの強化であります。実態は効果的な不服申立て機構として機能もしていないし、患者のアクセスも十分とは全く言えないと思いますけれども、大臣、認識いかがですか。
#170
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、拷問禁止委員会勧告の件でございますが、二〇一三年の国連の拷問禁止委員会の最終見解におきましては、我が国に対して、自らの意思に基づかない入院等への効果的な上訴制度の設置などが求められているというふうに理解をしております。
 精神医療審査会は、本人の同意によらない入院や処遇の妥当性を医療機関以外の第三者が審査をするという機関でございまして、定期病状報告や入院届の審査によって、患者本人からの請求を待たずに全件につきまして入院の必要性の審査を行っているわけでございます。このうち医療保護入院の入院届の審査につきましては、そのほとんどが現在の入院形態が適当という審査結果でございますが、そのことのみをもって審査結果を評価するということは難しいと考えております。
 一方で、御指摘の最終見解等の国際的な指摘も踏まえれば、患者の権利擁護の観点から精神医療審査会の機能を強化することは重要であるというふうに考えてございます。このため、今回の改正によりまして、入院時の患者の権利擁護、そして適正手続の確保をより一層図る観点から、措置入院者について入院を行った時点で速やかに精神医療審査会による審査を全数について実施をするという仕組みを新たに盛り込んだところでございます。
 また、今回の改正では、精神保健指定医の更新要件としてこの指定医業務の実績を追加するということにして、その実績として精神医療審査会への参加、これも評価することにして、指定医の委員をより確保しやすい環境を整備するということにしております。また、予備委員の積極的な活用を図ることなどを通じて審査会の機能強化を図って、実効性のある審査が行われるよう取り組んでまいりたいと思っております。
#171
○倉林明子君 いや、数字だけだったら判断難しいというふうな答弁していたら、実効性担保なんかしていけませんよ。
 私は、この数にこそ、やっぱりいかにきちんとした評価されているのかということ、アクセスとして機能しているのかということが端的に表れていると思っているからこそ指摘しているんですよ。私は、拷問禁止委員会からも求めがあった効果的な不服申立て機構へのアクセスを強化すべきだという指摘に沿った結果を出すような見直しにしていくべきだということを強く申し上げておきたい。
 この間、認知症患者の増大、これが入院の長期化の要因にもつながっております。認知症に伴う徘回、暴力、昼夜逆転、本当に周辺症状が悪化することによって、在宅でも、そして施設でも介護が困難になった、こういう人たちの最後の受皿という役割が精神病院担っているというこれ現状になっていると思います。治療によって激しい症状というのは大体一か月程度でコントロールが可能になるというわけですね。退院の行き場がなく長期化しているという問題があります。
 本来、在宅、施設で生活が可能な認知症の方々が長期入院になっていると、こういう問題についてはどう現状認識されていますか。短くお願いしますよ。
#172
○政府参考人(堀江裕君) 厚生労働省の調査によりまして平成十七年と二十六年の比較をいたしますと、認知症の総患者数は三十二万一千人から六十七万八千人に増加してございますけれども、精神病床における認知症の入院患者数は五・三万人ということで横ばいでございまして、また、入院期間一年以上の認知症の推計入院患者数も三万人で横ばいとなってございます。
 また、平成二十七年の病院報告によりますと、精神病床の平均在院日数は二百七十四・七日でございまして、この十年で五十二日間短くなりますとともに、精神病床における一年以上の長期入院患者数は、平成十七年は二十二万人であったところが平成二十六年には十八・五万人というふうに減少してございまして、認知症の増加により入院が長期化している傾向は見られないとは考えますが、いずれにしても、引き続き長期入院患者の地域移行を促進するとともに、精神障害者の方々が地域で安心して生活できることができるよう取り組んでまいりたいと考えてございます。
#173
○倉林明子君 いや、問題意識ちゃんと持つべきだと思います。横ばいやから問題ないというような認識では、今後必ず増加傾向になるものであります。きちんと受皿を確保していかないと、肩代わりというようなことが精神医療に求められてしまうということは絶対避ける必要があると思うから指摘をしておりますので、重く受け止めていただきたい。
 そして、再三議論にもなりました、今後、重度かつ慢性、こういう考え方で入院者を囲い込むというようなことになっては私は本当に本末転倒だと思いますので、この点は指摘にとどめておきます。
 最後、五月の十四日、先日ですけれども、NHKで「バリバラ」という番組やっています。実は、障害者の障害者による番組ということで、主体的に番組作りをされている。実はこの日は日本の精神医療を取り上げておられました。
 医療の必要のない人々が三十年以上の長期入院している、こういう現状を紹介し、当事者たちも登場しておりました。福島県の病院での取組は、長期入院患者の思いに寄り添って、退院に向けた支援があれば地域や施設で自立した生活が可能だということが示されていたということに感激しました。医師は、長期入院患者の四十人のうち、どうしても入院治療が継続だと判断されるのは二人程度だと話しておられたんですね。私、退院患者が自ら登場して、退院された後に幸せをやっとつかんだとおっしゃった言葉、本当に涙なしには聞けませんでした。
 治療の必要のない入院者、これを入院させ続けている現状というのは人権の侵害に当たる、私は日本の精神医療を解決していく上でこういう認識を持つということが大前提だと思うんですよ。大臣、どうですか。
#174
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど来お話出ているように、現在でも多くの長期入院患者がいることはそのとおりだと思っております。背景はいろいろありますけれども、本人の抱える複合的な課題を解決するための仕組みが不十分だということであることがまず挙げられると思いますし、また、精神科病棟の入院患者の中には、地域移行を促す基盤整備が整えば必ずしも入院医療を要しない、そういった患者さんが一定数おられることもよく認識をしております。
 具体的には、精神病床の一年以上の長期入院患者のうちで、地域移行を促す基盤整備を推し進めることで四・七万人から六・二万人の長期入院患者が地域移行できるのではないかというふうに思われております。
 このため、都道府県、市町村が実施をする平成三十年度から三年間の第五期障害福祉計画において、平成三十二年度末における地域移行を促す基盤整備量を明確にし、計画的に基盤整備を推し進めるということ、加えて、平成三十二年度末までに多職種チームによる支援体制を構築するために、全ての障害保健福祉圏域と市町村ごとに保健、医療、福祉の連携に向けた協議の場を設置することとしておるところでございます。
#175
○倉林明子君 非自発的入院、強制入院というのはやっぱり人権侵害なんだということの立場に立って、解消をしっかり目指していくべきだということを強く求めたい。
 そして、本法案は、こうした精神障害者に対する差別や偏見、こういうものを助長することにつながりかねないと。徹底した審議の継続を求める声も野党の中からありました。私も徹底した審議をしていくべきだと改めて思っております。
 本日の採決など、強行は絶対に認められない、最後表明して、終わります。
#176
○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。
 今日は、これまでなかなか時間もなくて質問できなかったことをまとめていろいろ聞いていきたいと思います。
 まず聞きたいのが、まず患者の薬物使用の場合の対応について、これについて、今日も午前中質問ありましたけれども、私も改めて聞きたいと思っています。
 これまでの審議で厚労省は、違法薬物の所持や使用については、これは犯罪行為になるので警察において適切な対応をされることが必要と。そして一方、薬物依存症の患者には治療継続の観点も重要なので、違法薬物の使用を把握した場合の警察への情報提供の在り方については慎重に検討することが必要だというように言っています。そして、実際のところ、措置入院中に違法薬物の使用を把握をした医療機関そして自治体などが警察に情報提供を行うかどうかの判断というのは、実際のところはもう各判断に委ねられていて、状況にもばらつきがある。そして、自治体の職員などがそうしたケースを知った場合の告発義務というのもあるんだけれども、これも法の解釈上は一定の裁量が認められている。
 こういうのが今の現状だと思うんですが、こうした中で、今回の法改正に伴って、厚労省としては、支援協議会の中で、運用通知の中で方針を示していくと。ただ、この支援協議会というのは代表者会議のことになるかとは思うんですけれども、これ具体的にはどのようなイメージというか内容になるのかというのをまず聞きたいんですけれども。
#177
○国務大臣(塩崎恭久君) 問題点整理、何度も申し上げて、今その要点を的確にお話をいただきました。
 まさに、全国でばらつきがあって、その扱いが統一的ではない、必ずしも治療継続が必要であっても、きちっとした治療が行われないままに、今朝の指摘があったように、専門家の目で診られないままに退院をしていくという、そういうことが起きるわけでありますので、全国的な対応方針を私どもとしても、厚生労働省としてはお示しをしてまいりたいと考えているわけでございます。
 検討に当たりましては、どの程度の犯罪の疑いがあれば情報提供をすべきか、警察に、それから医療現場にどのような影響を与えるのかという点を考慮する必要があるのではないかというふうに考えているわけでございますので、先ほどお話あったとおり、公務員の告発義務に一定の裁量が認められるという見解があることを踏まえて、薬物依存の患者の治療継続に配慮した情報提供の在り方について、考え方を全国的に示していきたいと思っております。
 現時点では通報の対象となる場合を具体的にお示しをすることはなかなか難しいわけでありますが、一部の医療関係者などからは、治療継続による改善が期待できると医師が認めた場合には必ずしも警察に通報を要しないとすることができないかとの意見を伺っているわけであります。こうした意見を踏まえて検討を進めて、医療機関や自治体ごとに取扱いにばらつきが出ないように改めることができるようにしてまいりたいというふうに考えております。
#178
○片山大介君 今大臣がおっしゃったんですが、やはり警察の関与と治療の継続、これバランスすごく難しいと思うんですけれども。
 じゃ、実際に作る、これから作るということなので、その作る過程は実際どういうふうにやっていくのか。いろいろ有識者の意見とか入れたりするのか、ある程度公開しながらやるのか、ちょっとその過程をどういうふうに考えているのかも知りたいんですが。
#179
○政府参考人(堀江裕君) ガイドラインの作成に当たりましてということでよろしいかなと思いますけれども、薬物依存症の患者の治療継続に配慮した警察への情報提供の在り方につきまして、全国的な対応方針を示すことができないかどうか検討しているところでございまして、そのような検討に際しまして、どの程度の犯罪の疑いがあれば情報提供すべきかですとか、医療現場にどのような影響を与えるのかということも考慮すべきものと考えているところでございます。
 また、一部の医療関係者等からは、治療継続による改善が期待できると医師が認めた場合には必ずしも警察に通報を要しないことができないかとの意見を伺っているところでございまして、全国的な対応方針を示すに当たりましては、薬物依存症の診療経験が豊富な医師あるいは法律家などの有識者の意見も踏まえつつ検討を進めてまいりたいと思います。また、パブコメもきちっと対応してまいりたいと考えてございます。
#180
○片山大介君 そして、今回のその運用通知というのが協議会の中の代表者会議で、代表者会議になるんですか、これは個別検討会議の中でも示されるのか、そこはどんなふうなイメージなんでしょうか。
#181
○政府参考人(堀江裕君) 代表者会議の取扱いでございます。
#182
○片山大介君 そうすると、代表者会議に参加するのは一部の関係者になるわけでして、それで、実際の医療現場で患者と向き合っている医師の方々への周知ってどうするのかというのがあって、これは以前の審議で同僚の薬師寺議員が言われていたんですけれども、その答弁で厚労省が言ったのかな、基本的には今の現行の医療関係の法令においては警察への報告義務が求められている法令というのはないというふうに言っているんですが、ただ、それでも一部の医師の間では報告義務はあると思っている方が、そういうふうに間違った理解をしているケースもあるというふうな指摘があったんですけど。
 だから、どうやってそれを周知していくのかというのはあると思うんですが、それについてはどのようにお考えでしょうか。
#183
○政府参考人(堀江裕君) 対応方針でございますけれども、関係省庁あるいは医療診療経験が豊富な医師、法律家等の有識者の意見を踏まえつつ秋頃までに取りまとめますが、その際、現場の医療従事者等にも全国的な対応方針について熟知していただくことが大事でございまして、医療関係団体等を通じて通知等で周知する、あるいは定期的に開催します代表者会議においてもこうした対応方針を構成員の間で相互に確認いただくとともに、傘下の機関などにも御伝達いただく、それから、指定医の新規指定、更新の際にも、受講が義務付けられています研修の内容にも盛り込みたいと考えてございまして、こうした取組を通じまして、定めました内容というのがしっかり現場の医師等の理解が深まるようにしていきたいというふうに考えているところでございます。
#184
○片山大介君 分かりました。
 じゃ、ちょっと続いての質問に行きます。
 続いては、精神保健福祉士についてもこの前ちょっと聞けなかったので聞きたいと思っているんですが、今回の改正によってより全国の保健所の中で重要性が高まるのが精神保健福祉士で、それで、これまでの審議の中で厚労省はおよそ二百人の増員の予算配置を行ったというふうに言っている。それで、この前の審議のときには、現時点ではこの二百人の数で十分な数を確保したというふうに言っているんですが、保健所というのは全国に四百八十か所あるわけだから、一か所に対して一人の増員にはなっていないわけで、これで何をもって十分な配置なのかというのがよく分からないので、その根拠を教えていただきたいというのがあります。
#185
○副大臣(橋本岳君) まず、今回の法案では、地方自治体に対して退院後支援計画の策定等を義務付けておるわけでございまして、精神障害者への支援に関し、保健所設置自治体などで精神保健福祉士の役割はより重要になるものと考えております。具体的には、退院前面談、退院後支援計画に関する調整会議、退院後面談や、通院医療機関、相談支援事業者との連携等が役割になるんだろうというふうに想定しているところでございます。
 御指摘いただきましたように、平成二十九年度地方交付税措置における精神保健福祉士二百人を配置できるように措置をするということで御答弁を申し上げておりますが、これは、平成二十九年度に見込まれる措置入院者全てに新たに発生する業務が必要となると想定をし、その退院後支援計画策定、退院後のフォローアップに係る経費から必要となる人員を常勤換算をして数字にしたものでございます。
 将来的に必要な配置数については、今後、平成二十九年度の実施状況や今後示す退院後支援に係るガイドラインに基づき所要の業務量等を勘案の上、かつ、平成二十九年度、要するに今年度はまだ義務化されておりませんので、全ての自治体が実施するわけではない、もちろん先行して取り組むところはあるかもしれないということで先行的に二百名、あるいは義務化に際しての準備等もあるということで先行的に二百名の配置ということを今回地財措置をお願いしておりますけれども、当然ながら義務化をしたときにどうなるのかということは、それに応じて業務量も増える、あるいは実施自治体も増えるということになると思われますので、そうしたことも踏まえながら必要な体制の維持、確保というものに努めてまいりたいと考えているところでございます。
#186
○片山大介君 そうすると、この前言っていた現時点で十分だというよりは、取りあえずこの措置をしたけれども今後状況によっては更なる増員が必要になってくる可能性があるという、こういうような言い方でよろしいでしょうか。
#187
○副大臣(橋本岳君) 一応、試算、何掛ける何掛けるという計算をして想定はしているわけでございますけれども、現時点では全自治体でやるというよりもある一部の自治体で実施をするという想定になっていますので、全自治体でやる、要するに義務化をされる平成三十年度以降については当然全自治体でやるという状況で計算をして、それに、あとは要求をして認めていただけるかというような財務当局との調整ということになろうと思いますけれども、考え方としてはそのように考えているところでございます。
#188
○片山大介君 これ、恐らく素人目に見ても今後やはりもっと必要になってくるのかなというふうに思います。それで、今この精神保健福祉士は毎年七、八千人が受けて四千人ぐらい合格しているとかというんで、潜在的な数というのはあるわけなので、だからこれもっと増やしていくような体制をしないと、要は退院後の支援においてその一番肝になるというんですか、しっかりやっていただく保健士が足りないだとか、なかなか一人当たりに対して時間がしっかり見れないだとか、そういうことが、せっかくこういういろいろな今整備をするというんであれば、ここの人繰りのところが足りないというのが一番もったいない話だから、そこはしっかりしてほしいと思って聞いているんですが、それについて最後、どうでしょうか。
#189
○副大臣(橋本岳君) 御指摘は誠にそうだなと思いながら受け止めております。しっかりと、御指摘のとおりだと思って受け止めておりますので、引き続き、その実際に義務化をされる、そして具体的業務が発生をするというときに、それがしっかりと受け止めて実行できるような体制の確保に努めてまいりたいと考えております。
#190
○片山大介君 それで、時間ないのでその次の質問に行くと、今度聞きたいのは医療保護入院の手続についてなんですけれども、これ前回の改正で保護者制度が廃止されて家族等同意が導入されたと。それで、家族がいなかったり意思表示ができないときには代わりに市町村長による同意が行われることになった。さらにそれ、今回の改正では、その家族等同意に際して意思表示を行わなかった場合にも市町村長による同意で医療保護入院が可能になったということなんですが、この意思表示を行わない場合というのがちょっと具体的にはどんなイメージなのかがよく分からなくて、例えば電話連絡をしてもなかなか通じないだとかそういうときに、それはもう意思表示を行わないという判断になるのか、その判断、状況がちょっとよく分からないんですが、これはどういうふうに判断をするのか教えていただきたいんですが。
#191
○政府参考人(堀江裕君) 今回の法案では、前回の法案で家族等が同意、不同意の意思表示できない場合というのに加えまして、同意、不同意の意思表示を行わない場合におきましても市町村長の同意により医療保護入院を行うことを可能とするものでございます。
 家族等が同意、不同意の意思表示を行わない場合というのは、家族等が同意、不同意の意思表示を行わない旨の意思を示して市町村長同意の手続に進むことを了承している場合、これは一つの典型でございます。それから、市町村長同意の手続に進むことの了承まではしていないけれども、患者についての連絡自体を拒否している場合など、その同意、不同意の意思表示を行わない旨の意思は何らかの形で示されている場合が含まれるというふうに考えてございまして、一方、今御指摘の、何か単に電話をして家族が出なかったというような場合、家族等が同意、不同意の意思表示を行わない旨の意思が示されているとは言えない場合については、医療保護入院に関します家族の意思を尊重する、また患者様の人権というのを尊重する観点から、同意、不同意の意思表示を行わない場合には含まれず、市町村長同意の対象とはならないものだというふうに考えてございまして、法の施行に当たりまして、どのような場合に市町村長同意の対象になるかについて整理いたしまして、また市町村及び医療機関などに示してまいりたいというふうに考えてございます。
#192
○片山大介君 なぜこういうことをちょっと聞いたかというと、今よく言われているのが、その市町村同意が意思表示を行わなかった場合には可能になるというので、その市町村同意が濫用されるんじゃないかというようなことも指摘されるからなんですけれども、その濫用のおそれということに対してはどういうふうに考えているのか、あと、そもそも今回の法改正によって医療保護入院が増えるのかどうか、その予測はどんなふうにしているのか、併せて聞きたいんですが。
#193
○大臣政務官(堀内詔子君) 今回の市町村同意に関する改正は、家族などが存在するものの、その全員が同意、不同意の意思表示を行わない場合には必要な入院医療につながらないという現行制度の課題に対応し、患者に適切な医療を届けるためのものであります。一方で、これによって医療保護入院がどの程度増えるかについては明確に回答することは困難で今の状態ではございますけれども、その適切な運用を図るために、今後、市町村が同意を行う際に必要となります手続や確認事項をガイドラインとして明示してまいりたいと思っております。
#194
○片山大介君 まさにこれはしっかりやってもらいたいと思います。
 それで、その家族同意そのものについても、今、やっぱり家族等同意自体が必要ないんじゃないかとか、全て市町村同意の方にしてもいいんじゃないかとか、あとは、逆にインフォームド・コンセントの上からも、やはり家族への十分な説明がなされるべきだという意見があるわけですよね。それで、前回の改正のときも、家族等同意については幅広く迅速に検討を加えるよう、検討していこうということは附帯に付いているわけなんですけれども、やはりこの家族等同意については、厚労省としては今後も見直しの余地があるというのはどのように考えているのか、ちょっとお伺いしたいんですが。
#195
○政府参考人(堀江裕君) 前回の改正で意思表示ができない場合というのがございまして、ただ、その場合でも、やはりそうではない、できるにはできるけれども、同意をすれば家族、本人から、ちょっと、との人間関係が崩れる、しかし同意をしなければまた適切な医療につながらないというようなことで、家族が非常に重荷に感じるということで、そもそもこの家族等同意の仕組み自体を廃止してほしいという話もあったわけでございますけれども、今回は家族等が判断しない場合というところまで市町村長同意の範囲を広げさせていただいたところでございます。
 今回の実施を踏まえまして、また次のときにどういうふうにしていったらいいかというのをよくこの実施状況を見ながら対応して、考えていくことになるだろうと考えてございます。
#196
○片山大介君 是非考えていってほしいと思います。
 そして次は、先ほど倉林委員からもあったんですが、精神医療審査会について、私もやっぱり同じような、同じ質問になってしまうんですが、ちょっと聞きたいと思っていて、この審査会というのは、精神科病院に入院している精神障害者の処遇などについて専門的にかつ独立的に審査をしようという機関で、今は医療保護入院者が届出を出したときにその入院の必要性が本当にあったのかどうかというのを審査する。
 それで、これまでは措置入院者に対しては、措置入院はそもそも自治体の判断によって行われるものだから審査会による審査というのは必要ないというのが判断だったんだけれども、今回の改正で、そうじゃなくて、措置入院に対してもこの審査会での審査を導入しようというふうにした、この経緯をちょっと聞きたいんですが。
#197
○大臣政務官(堀内詔子君) 片山先生御指摘のように、現行法においては、全ての措置入院患者について定期病状報告の際に入院の必要性について精神医療審査会の審査の対象にするとともに、患者から退院等の請求があった場合にも審査を行うこととさせていただいております。
 今回の改正は、患者の権利擁護や適正手続の確保をより一層図っていくために、措置入院を行った時点においても速やかにその必要性について精神医療審査会による審査を実施することとするものであります。
#198
○片山大介君 それで、私も、さっき倉林さんが言ったように、やはりそれで、退院請求だとか処遇改善請求だとか実際にやっても、それが不適正だとかというような判断が、やっぱりパーセンテージが少ないというのが私も気になっていて、厚労省のデータによれば、これは平成二十七年度に審査会が審査した退院請求のうち入院又は処遇が不適当とされたのは四・四%、処遇改善請求のうち不適当とされたものは八・九%とやっぱり少ないんですよね。
 これ、厚労省のこれまでの議論の中でも、審査件数というのがすごく多いので形式的な処理になっているだとか、書面審査が中心になっているので患者の参画の機会というのがきちっと担保されていないとかというような指摘もされているんですけれども、これに対してどのような考えを持っているのか。そして、この審査の適正さを担保するためにはどのような取組を今後やっていこうと思っているのか、お伺いしたいんですけれども。
#199
○大臣政務官(堀内詔子君) 精神医療審査会は、本人の同意によらない入院や処遇の妥当性を医療機関以外の第三者が審査する機関であって、定期病状報告や入院届の審査によって、患者本人からの請求を待たずに全件について入院の必要性の審査を行っているところでありますけれども、このうち医療保護入院の入院届の審査については、そのほとんどが現在の入院形態が適当という審査結果ではありますけれども、そのことのみをもってして審査結果を評価するということは難しいと思っております。
 その一方で、厚生労働省としては、患者の権利擁護の観点から、精神医療審査会の機能を強化することは重要と考えておりまして、今回の改正によって、入院時の患者の権利擁護や適正手続の確保をより一層図る観点から、措置入院患者について、入院を行った時点で速やかに精神医療審査会による審査を実施していく仕組みを新たに盛り込んでいるところでもございます。
 今回の改正で精神保健指定医の更新要件としても指定医業務の実績を追加することとしていて、その際の実績として、精神医療審査会の参加を評価することによって指定医の委員をより確保しやすい環境を整備しております。そのことによって、先ほど来御心配の精神医療審査会というものがより活性化した実効性のあるものとなってまいると思っております。
 このほか、予備委員の積極的な活用を図ることなどを通じて審査会の機能強化を図って、実効性のある審査が行われるように取り組んでまいりたいと思っております。
#200
○片山大介君 何かいろいろな話が一緒になったような気がするんですけれども、措置入院に入れたのは分かるんですけど、これまでのパーセンテージが低いことに対して、もう少し審査の適正というか、それを担保するということはどうなのかということをまず聞きたいんですけど、そこはどうなんでしょうか。
#201
○政府参考人(堀江裕君) 今回、指定医の方の見直しもして、更新時の要件に審査会にしっかり関わっていただくというところも入れてございます。指定医の仕組みそのものについての国民の信用を落としてしまったところがあるわけでございまして、今回、そうしたところにもしっかり参加していただいて、まさに人権に関わる大事な仕事をしているんだという意識を上げていただきながら、指定医として更新を受け、またかつ医療審査会の方にも御参画いただくような形で全体としての質の向上を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
#202
○片山大介君 その指定医の参加というのは確かに新しい取組なんですが、そうすると、それが、その審査会というのがこれまで余り開催頻度が多くなかったから、指定医がある程度入ることによって開催頻度を上げることができるから一件当たりの審査にもう少し時間が掛けれるという論理なのか、ちょっとその論理の結び方がよく分からないんですが。
#203
○政府参考人(堀江裕君) 審査が少し滞るようなところにつきましては、今回、更新時の要件といたしまして、審査会についての御参加についても勘案させていただくようなことになりますので、そういう意味では、人数の方も増えて、例えば、あと予備委員を活用するというようなことも含めまして、精神医療審査会そのものが機能がしやすいようにしていくというのも一つの話でございます。
 それから、私が先ほど申し上げましたのは、精神保健指定医そのものが意識をもう少し高く持っていただいてというのが今回の法改正の一つ大きな柱でございますので、そこの部分につきましてこの精神医療審査会もその大事な場として取り組んでいただこうと、こういうことでございまして、その量と質と両方とも関係しているというふうに考えてございます。
#204
○片山大介君 分かりました。
 それで、今言われた、じゃ、ちょっと最後、指定医のことを何点かだけ聞いてあれします。
 それで、今回の指定医の問題についても、一連の不正というんでしょうか、結局処分されたのが八十九人に上っているんですけれども、これって実は期間限定で二〇〇九年の一月から二〇一五年の七月までなんですよね。だから、前に遡ればもっとこれ恐らくいるんだろうなというのは想像に難くないんですけれども。
 それで、これについてもういろんな先生がいろいろ質問してきたので余り繰り返してもあれだと思うんですが、私が一点気になっているのが、厚労省がいつもこれ言うときに遺憾だというふうに言っているんですが、遺憾だというのはちょっと第三者的な言い方で、これについては厚労省もやっぱり責任があって、これまでなぜこうした不正を見抜けてこなかったのかとか、それから、厳正な適正な審査、この指定医の審査って基本的に厚労省マターになっているわけですから、これをやってこなかったことという問題があると思うんですけど、これについてはどのように考えているのか、大臣、お願いします。
#205
○国務大臣(塩崎恭久君) おっしゃるように、今回の精神保健指定医のこの処分につきましては、私どもも驚くレベルの数字であるというふうに思っています。したがって、これ、厚生労働省も見落としてきているわけでありますから、当然、そこは厚生労働省のどこに問題があったのかということも考えなければいけないし、それぞれが、病院にあっても内部のガバナンスの問題もこれもあるわけで、こういうところもしっかりと是正されるように私どもとしても政策的に対応を更に深めていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思っております。
 厚生労働省として、この不正取得の問題には、指定医の申請を行う医師と、それからその指導に当たる指導医に、まさに相互に意識が、緊張感がないというかそういうレベルのことで、実は他人の権利を制限するという、そういう重たい決断をするそういう職種であって、医師としてもそこのところの重みをもっと持っていただかなければならないんだろうということ。
 それから、特に、もちろんその指導医の方が上のシニアですから、その意識は更にもっと緊張感を持って、そして若い人たちを引っ張っていくような責任感を、やっぱり気迫を持ってやってもらわないかぬというふうに思いますし、それから、指定医申請時の実務経験の確認をケースレポートでこれ書面審査のみで容認してきたというのは、これは厚生労働省としてそういう形を認めてきてしまったということでありますので、脇をもっと締めなければいけないということを私たちは反省をしなければいけないんだろうというふうに思っております。
 いずれにしても、今回の法改正でこうした事案の再発防止を図るとともに、指定医の資質の確保の観点から、指定医の役割と要件を法律上明確化をするということ、そういったことで見直しを行い、これによって、精神保健指定医制度の重みとそれから信頼を回復するということが大事なんだろうというふうに思っておりますので、我々も反省を込めて努力をしていきたいというふうに思います。
#206
○片山大介君 是非しっかり頑張ってほしいと思います。
 これで終わります。
#207
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 私は、この委員会で四月二十五日、利益相反行為について質問をいたしました。重度かつ慢性ということについてで、この件で、この基準作成は厚労省の補助研究事業研究班が作成しておりますが、この研究班やあり方検討会に精神科病院の業界団体である日本精神科病院協会幹部がメンバーとして入っております。ですから利益相反ではないでしょうかと質問したところ、堀江部長は利益相反にはならないというふうに答弁をされています。
 そこで、この件に関して、重度かつ慢性基準研究における倫理審査及び利益相反報告状況について求めました。安西さん、そしてできればほかの人も欲しいということで要望いたしましたら、安西さんと、そして河崎建人さんに関して書面が送られてきました。これを私が入手したのは五月十一日です。
 ところが、井坂さん、そして川合委員に関して配られたものの河崎建人さんのところは、だから、私がいただいた五月十一日は該当性の有無がなしとなっているんですね。ところが、ほかの人、川合さんとそして井坂さんがもらっているのは、この利益相反のところに関しては、倫理審査の状況については該当性があるというふうになっております。
 これは本当にびっくり仰天で、平成二十七年三月三十一日、同じ日付で同じ人でここの部分だけ違うんですよ。これ、どういうことなんですか。捏造したんですか。何で二枚あるんですか。同じ人のが二枚あるんですか、同じ日付が。しかも、私は知らなかったですよ、ほかの人にこういうのが出されているって。五月十一日に私にくれたものと五月十五日にほかの人に出したもの、何で違うんですか、同じ日付が。
#208
○政府参考人(堀江裕君) 平成二十六年度に行われました厚生労働科学研究費障害者政策総合研究事業におきます精神障害者の重症度判定及び重症患者の治療体制等に関する研究につきまして、平成二十七年三月三十一日付けで、研究者であります河崎氏が所属いたします日本精神科病院協会より厚生労働大臣宛てに倫理審査状況等に関する報告書が提出されたものでございまして、その後、別の衆議院議員からの資料要求が今年のゴールデンウイーク前に行われまして、各研究者十一名に資料提出の可否の確認を行ったところ、五月八日に当該分担研究者の所属する機関であるところの日本精神科病院協会より差し替えの報告が行われたということで、差し替えが行われたものでございます。
 それで、五月十日に、福島委員からの資料の御依頼に基づいて、先ほど出た別の研究者の報告書を五月十一日の日に返答しようとしたところ、これは全くのミスなんですが、過って要求を受けたのとは他人である河崎氏の、それもかつ、その訂正前の報告書をメールで送付してしまいまして、厚生労働省の担当者がそれに気が付きまして、直ちに秘書様の方に廃棄と差し替えを電話によりお願いしたものでございます。
 一方、五月十一日の当委員会において川合委員より、当該研究者全員の報告書の情報開示が求められたことを受けまして、十五日に川合委員に提出してございます。このときに提出した河崎氏の報告書は、差し替えられた後の新しいものでございました。
 その結果、河崎氏の報告書につきましては、正しいものと福島委員にお送りしてしまいました古いものの二種類が外に出てしまっていると、こういう状況になってございます。
#209
○福島みずほ君 いや、全く理解できません。
 平成二十七年三月三十一日付けの同一人物のが、違う報告書が出ているんですよ。同じ人じゃないですか。しかも、差し替えというのも変な話で、実際この利益相反行為はないという前提で、ないという前提で審議をしていたわけでしょう。それが、利益相反というか、倫理のこの該当性があるというふうになったとしたら、これはやっぱり大きな違いなんじゃないですか。
 現実に、私の四月二十五日の質問に対して、利益相反はありませんと答えているじゃないですか。答えているじゃないですか。だったら、その説明、きちっとすべきじゃないですか。何にも聞いていないですよ。
#210
○政府参考人(堀江裕君) 今委員の方から、差し替えられたものについて利益相反があるというふうに御指摘がありましたが、そうではございませんで、倫理審査の状況ということで、河崎氏の取り組まれましたものの中の疫学研究に関する倫理指針について、その利益相反について審査を行う該当性の有無としてありということで、それにつきまして日本精神科病院協会倫理会議の場で審査を行ったということでございまして、利益相反があるというものではございません。
#211
○福島みずほ君 しかし、私が四月二十五日で質問した時点で問題ないと言っているわけじゃないですか。しかも、私がもらった五月十一日付けでは、全部該当なしでもらっているんですよ。
 何で二種類が出たのか。これは公益社団法人日本精神科病院協会会長の印鑑というのも押してあるわけですよね。これは厚労省から言って変えてもらったのか、向こうから変えたいと言ってきたんですか。
#212
○政府参考人(堀江裕君) 今年の四月に、精神障害者の重症度判定及び重症患者の治療体制等に関する研究に係る当該報告書の資料要求があったわけでございまして、それで、個人情報にも関わりますので、それを機に当該研究に参画した研究者に対して提出の可否を求めたところ、その研究者の所属機関より提出内容の変更をして差し替えたい旨が申入れがあったために、正しいものとして新しいものを受理したものでございます。
#213
○福島みずほ君 確認で、五月八日の日にこの差し替えの新しいものが来たんですか。でも、その何で日付が平成二十七年三月三十一日なんですか。両方あって差し替えたと、差し替えたというか、今年の日付で、平成二十九年五月何日にこの新しいのがあったとやるべきじゃないですか。
#214
○政府参考人(堀江裕君) 二十七年に厚生労働大臣宛てに倫理審査等報告書が提出されたわけでございますけれども、そこの内容について誤りがあったということで、新しいものにつきまして、差し替え、訂正したものにつきまして日本精神科病院協会から厚生労働省宛てに倫理審査状況の報告が提出されたものでございまして、あくまで二十六年度の厚生労働科学研究費の調査研究についての倫理審査状況及び利益相反の管理についての報告でございますので、日付がこの当時の二十七年三月三十一日のものとして、かつ、それの差し替えだということで受理させていただきました。
#215
○福島みずほ君 おかしいですよ。二年間この該当なしというので、この人はこれで通用して、みんなもそう思っていたわけでしょう。それが、二年たって差し替えてほしい、間違っていましたといって日付だけ変えると。
 しかも、今回、なぜか分からないけれども、私の方に古い方が来たので二通あるということが分かったけれども、こんな、ひどいじゃないですか。全くひどいじゃないですか。だって、この二年間、違うことでこの人の倫理審査の基準、やっていたんですよ。厚労省、間違っていたわけじゃないですか。二年間違う報告書にのっとってやっていたんですよ。それを同じ日付でやって、これ糊塗すればいいなんというのはおかしいじゃないですか。
 あるいは、私は、悪いけれども、実は該当性なしでやってきた、しかし利益相反だとか国会はうるさい、とてもうるさい、このことは、重度かつ慢性についてやっぱり十一万人退院させないんですかと批判が強い、利益相反についてこれから出てくる、だからよくよくよく調べてみると、表に出すときに、いや、まずい、実は該当性の有無で一つ入っているのがあったといって書き直したんじゃないですか。それがそうだと思いますよ。うそ言ったのが出たら、これがまたうそでしょうと追及されるのが嫌だから書き直したんですよ。というか、書き直せと言ったのか、本人がこれは違うと言ったのか、その両方かもしれません。
 しかし、天網恢々疎にして漏らさずかどうか分かりませんが、なぜか私の方に古い方が来たと。それもすごく変なんですよ。だって、私もらったのは五月十一日なんですよ。普通だったら、古いのを廃棄する。私は、一番誠実なのは、古いのを付けて、これが何日付けで訂正があったとして二枚保管する、これが一番誠実だと思いますよ。だって、二年間古いままでそれを信じてやってきたわけだから、でもそれも変だと思いますよ。
#216
○政府参考人(堀江裕君) 当該団体の方で不手際があったということだと思いますが、二十六年九月に疫学に関する倫理指針にのっとったものとして倫理審査は日本精神科病院協会で行われておりますので、やはりそれはこの報告につきましてもその正確な内容で残していくというのが正しいことだと思います。
 だから、その内容につきまして、ちょっと、誤ったものが報告されていたこと自体は誤りなわけで、不適切なわけでございますけれども、今回、公表するに当たりまして、よく確認いただいて、誤りがあったということでございますので、元々その倫理指針のところで該当性があって、それについてはその精神病院協会の倫理会議でこの審査を行って済んでいるわけでございますので、内容についておかしなことはないと、こういうことでございます。
#217
○福島みずほ君 間違った報告書に基づいて間違った判断を厚生労働省がやって、間違って二年間やってきたわけでしょう。それが今差し替えてよかったですということにはならないですよ。
 しかも、何でこういうことが起きたのかという本人の言い分も含めてきちっと厚生労働委員会で聞く必要があると思います。なぜならば、これはとても重要なことだからです。重度かつ慢性の基準研究で、利益相反じゃないか、おかしいじゃないかということを私以外の委員たちもみんな質問しています。これはみんな関心があるからなんですよ。それが、この該当性の有無のところが二年前違っていたと、それを変えた。で、変えたものを発表するはずがなぜか古いのが来たという、でたらめじゃないですか。同じ日付のものを二枚見たら、これは何だと思いますよ。悪いけど、捏造じゃないかと思いますよ。不利なものは隠す、それをやったんじゃないかというふうに思いますよ。でも、それはおかしいでしょう。誠実な仕事だとは思いませんよ。しっかり重度かつ慢性も含めて、やっぱりこれはしっかり言い分も含めて御本人の意見も聞く必要があるし、利益相反どうなのかということについて厚労省はもっともっとやっぱり鋭敏に考えなくちゃいけないと思っています。
 私は、とにかくこの二枚が来ていて、そして廃棄されたはずの古いのがなぜか五月十一日に来るというのは、実はこっちが、何というかな、怪しいというか、もうとっても怪しい、捏造したんじゃないか。国会議員に出すときに文句言われないように正確にしたけれど、私、悪いけれど、国会で議論にならなかったら、このままですよ。このままですよ。間違ったまま未来永劫行ったんですよ。だとしたら、ひどいでしょうということなんです。(発言する者あり)
 誰がチェックしたのかという今話がありましたが、本当に、実はこれに関わっている委員の皆さんたちは有名な方たちというか、著名な方たちです。これがやっぱりチェックできないというのも厚労省として問題なんじゃないかということも申し上げます。
 公的な機関がこういうのを差し替えるということも私は普通はあり得ないことだというふうに思っております。医師会とかがこんなことやったら大問題になるというふうに思うんですね。ですから、極めて問題であり、この利益相反、問題があるということは今後もしっかり追及していきます。(発言する者あり)そうですね。またこれについては、というかね、大臣、このどたばたぶり見ていると、厚労省、大丈夫ですか。
#218
○国務大臣(塩崎恭久君) まず第一に、この差し替え自体は、もちろん不適切であるわけでありますけれども、この日精協という団体が間違ってしまったということですが、しかし、これ宛名は厚生労働大臣宛てですから、私ども受け取る方も注意を持って接していかなければいけないことだと。審査をするという類いのものではありませんけれども、きちっと、こちら宛ての、大臣宛てに来ているものはちゃんと見るということでありますから、そういう点、もっと緊張感を持ってやらなきゃいけないというふうに思います。
#219
○福島みずほ君 いや、本当にいろんな意味で心配になってしまいます。
 それで、本案についてなんですが、やはりこの警察が入るという問題の五十一条の十一の二に関してです。この六項、代表者会議と個別ケース協議会の両方入っているわけですが、協議会は、第二項に規定する事務を行うため必要があると認めるときは、関係行政等に対し、資料又は情報の提供、意見の開陳その他必要な協力を求めることができるとあります。
 というと、自傷行為、他害行為、そして薬物依存や様々な件について、ある県あるいは政令市、中核都市の中の代表者会議に入った警察の人が、そういう情報を全部やはり警察は持っておきたいというふうに言ったら、当事者、協議会の中の主体的な構成員ですから、その情報は警察は持つことができる、条文そう読めますね。それでよろしいですね。
#220
○政府参考人(堀江裕君) 警察は、今御指摘の協議会のうちの代表者会議に構成員として参加することが想定されるわけでございますけれども、今御指摘の五十一条の十一の二の第六項に基づきます関係行政機関に対する情報提供等の求めは、協議会の一構成員の判断で行えるものではなく、協議会全体の総意として行われるものでございまして、警察が仮に一構成員として情報提供の求めがなされるというようなことがないと思いますが、協議会全体の総意としてそれが提供がなされることはないというふうに考えてございます。
 また、なぜかといいますと、第六項に基づきます情報提供の求めが行えるのは、あくまで、法律で規制されていますように、第二項に規定する事務を行うために必要があると認めるときということでございまして、精神障害者に対する支援体制の協議、退院後支援の内容等の協議のために必要な限りで行えるものでございまして、監視、防犯の目的というようなことで警察の方が入手することはできない形になってございます。
#221
○福島みずほ君 条文にはそうなっていないじゃないですか。条文は、必要な情報を求めることができると書いてあるんですよ。
 そして、この二項についても、事務について必要があるとあれば、厚労省はこの間、この法案について再発防止に資すると言っているじゃないですか。そして、自傷、他傷、それから薬物依存などに関してって、そうだとすると、その情報をある県や市町村で警察が、やっぱりそれは自分たちは再発防止に資するという意味では持っていたいとなったときに、それを拒否することが条文上はできないんですよ、条文上は。それが極めて本当に問題だというふうに思います。
 それで、この四月二十五日の当委員会における私の質問に対して橋本副大臣は、警察が個別ケース検討会議に参加するのは、例えば自傷のおそれが認められる者や繰り返し応急の救護を要する状態が認められている者等の場合を想定している旨、答弁をされました。
 この等とは何を指すんですか。
#222
○政府参考人(堀江裕君) 御指摘の自傷のおそれが認められる者や繰り返し応急の救護を要する状態が認められている者等の等が指すものにつきましては、警察が患者の地域生活の援助の関係者として関わることが適当と考えられる場合を指すものでございます。
 援助の関係者とみなし得る場合につきましては、個別ケース検討会議における個別の判断が含まれるため、特定して申し上げることは困難でございますけれども、あらかじめ警察が疾患の特性について把握した上で、本人の恐怖感、不安感を助長しないよう保護等の必要な対応を行うとともに、必要に応じて医療機関や保健所等と連携することによりまして適切な医療を受けられるようにする場合などを想定しているところでございます。
 個別ケース検討会議への警察の参加は、あくまでも患者の支援を目的に、保健所設置自治体が本人、家族から意見を聞いた上で、警察以外の援助の関係者で警察の参加についての合意が得られた場合に例外的に認められるものであり、かつ本人が参加を拒否した場合には参加させないというプロセスを経て初めて行われるものでありますので、極めて例外的なケースと考えてございまして、こうした旨を秋頃をめどに発出する予定の退院後支援ガイドラインにおいて明示してまいりたいと考えてございます。
#223
○福島みずほ君 自傷と言いますが、他害行為、他傷のおそれがある場合ってありますか。薬物依存はどうですか。
#224
○政府参考人(堀江裕君) それは症状によるんだと思います。だから、そういう意味では他害のおそれがある場合もあるでしょうし、それから自傷のおそれがある場合もあるかと思います。
#225
○福島みずほ君 もう一回確認しますが、例えば措置入院のときに薬物使用している、あるいは薬物依存であるという場合に入る場合もあり得るという答弁でよろしいですね。
#226
○政府参考人(堀江裕君) 診察して、措置入院の該当する場合はあろうかと存じます。
#227
○福島みずほ君 私は、警察が関与をすることには、やっぱり再発防止の手法ではなくて治療に専念すべきだ、まずそれが先でしょうと思うので、警察が関与することを望むわけではないんですが、今の答弁でも、症状によってじゃないですか。自傷も入るし、他害行為の可能性も入るし、薬物も入るということであれば、やっぱり警察は個別ケースで入るんですよ、ということになるんじゃないですか。
 ここで、今、堀江部長は援助をすると言ったけれども、警察は得意なのは捜査ですよね、本来的に。捜査ですよね。だから、援助と言われてもよく理解ができません。
#228
○政府参考人(堀江裕君) 個別ケース検討会議に原則として警察は入らないというのは何度も申し上げてきているところでございまして、捜査の観点から個別ケース検討会議に警察が入ることはありません。
 その上で、ごく例外的にでございますけれども、援助あるいは支援の関係者として、この条文にありますところの援助の関係者だというような場合に例外的に入り得るということでございまして、ただし、その場合についても、先ほど来申し上げていますような手続を踏んで、かつ本人が拒否した場合には警察の参加はないと、こういうことで進めていきたいというふうに考えているところでございます。
#229
○福島みずほ君 私は、百歩譲ってこの条文の中に、条文というか、警察が入らない、そしてケースワーカーやいろんな人たちがみんなで応援するというのであれば、もっと評価は違うんですよ。でも、警察が情報を持ち得る、個別ケースについて警察が入ると。その本人にとっては、繰り返し言ってきましたが、監視されている、これはずっと支援計画が終わっても警察はその情報を持っているわけで、廃棄するかどうかは厚労省の管轄じゃないじゃないですか。要するに一生涯、その薬物使用したとかそういうことを警察が知って、やっぱりその監視下に置かれるというのは、参考人もおっしゃいましたけれども、いいことではないと思います。
 それで、更に確認をしたいのですが、引っ越した場合にも通知が行くわけですよね。住民票を変えていなくても、例えば相模原から八王子に引っ越した場合には、そこに住民票が移っていなくても通知が行くと。それは、保健所からどこに連絡が行くんですか。代表者会議の方ですか、個別検討会議ですか、どういうふうになるんですか。
#230
○政府参考人(堀江裕君) 退院後支援計画を作成しました自治体から今度帰住されることになる自治体の方に連絡が行くことになります。
#231
○福島みずほ君 自治体というか、これ、でも保健所から行くんじゃないですか。だって、住民票は変わっていないから、それを、引っ越したということを知り得るのは保健所しかないですよね。
 じゃ、もし自治体から自治体に行くとしたら、自治体の誰に行くんですか。それから、それは代表者会議にもシェアされるんですか。個別検討会議に反映されるんですか。
#232
○政府参考人(堀江裕君) これは精神保健福祉法の退院後支援のことでございますので、帰住先の自治体の精神保健福祉の担当の部門に連絡が行くことになると思います。
#233
○福島みずほ君 そして、そこからその上の代表者会議にも連絡が行く、協議会にも連絡が行くということでよろしいですね。
#234
○政府参考人(堀江裕君) 代表者会議は個別のケースについては取り扱いませんし、それから、個人情報についてそこに共有するものではございませんので、仮に受けた自治体があった場合にも、代表者会議にそのケースについて報告することはございません。
#235
○福島みずほ君 ケースについてはやらないかもしれないけれど、私は、代表者会議は少なくとも、措置入院して退院した人はこの町には何人、薬物使用した人は何人、このケースで問題になった人は何人、誰かではなくても、この自治体にどれぐらいどんな人がいるかという、匿名でもいいですが、数を把握していない限り、どのような体制でどのようにシェアをしてどのような関係をつくるかというのは協議できないでしょう。それが百人なのか千人なのか一万人なのか、いや五十人なのかによってもその対応が違うわけでしょう。
 だとしたら、私が言いたいのは、個別の、Aという人の情報が代表者会議に、Aというのが来たというふうには言わないにしても、こういう人が来ましたという様々な情報は代表者会議でシェアされるんじゃないですか。だって、何にもそういうデータなくして代表者会議で議論できないでしょう。
#236
○政府参考人(堀江裕君) 各保健所設置自治体ごとに、何人の措置入院者がその期間に措置を行ったとかいうようなことの統計は取るんだと思いますから、ただ、こういうケースが、こういう者が来て、それでもって今委員のお話は個人の特定につながるようなものでというようなことは考えてございません。
#237
○福島みずほ君 しかし、でもそこでは、こういう人が来て、じゃ、逆にまた言うけれど、私が警察だったら、この町の措置入院して退院した薬物使用の人間、その情報欲しいと思いますよ。再発防止ということを言われるんだったら、情報欲しいと思って、さっきの質問にもつながるんですが、やっぱり情報を収集することになるだろう。
 そして、この条文の中にそれを止めるものがどこにもないということなんですよ。そういう担保がどこにもないじゃないですか。だから、本当に問題だというふうに思っています。何人ということも含めて警察は情報を把握する、そして個別ケースに警察が入り得るわけですから、それは本当に問題だというふうに思っています。
 今日は、冒頭に質問する以外のことを聞きたかったんですが、ちょっと時間切れになりました。
 私は、個別ケース検討会議への警察の参加は一切禁止すべきだと。でなければ、十分に治療を受けるとか、心を開いて、例えば薬物に、やっぱりやってしまったみたいな話は死んでもできないわけですから、できなくなるので、警察への関与を一切やめるべきだし、代表者会議についても、それはできるだけ治療とか本人のためにということで、協議会への警察の関与はやめるべきだというふうに思っています。再発防止をやめるんだったらそれをやるべきだと、そうすればこの法案は少しはまともなものになるだろうということを申し上げます。
 そして、今日も冒頭の、同じ日付の同じものが二枚出てきてというとんでもないことを質問いたしました。
 まだまだ質問したいですし、しかもこの法案は、再発防止というところを削除しながら、実は再発防止のための法案になっていると、二枚舌法案なので廃案にするしかない、そして今日採決することなど許されないということを申し上げ、質問を終わります。
#238
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。
 この法案、参議院先議でございます。これだけ長い間時間を掛けて審議する中で様々な課題が浮き彫りになってきたと思います。その中で、余り議論されることがなかった精神保健指定医のことについて今日まずは議論をさせていただきたいと思います。これ、何度も質問に私、仕立てまして厚労省の方には振っておりましたのですけど、なかなか時間がございませんでしたので、しっかり、まずここからやらせてください。
 部長、措置入院の解除を行う際には誰がどのように御判断なさるんですか、教えてください。
#239
○政府参考人(堀江裕君) 精神保健福祉法上、措置入院の解除は、都道府県知事が入院先の病院の指定医の診察による措置症状消退届に基づいて行う場合と、知事の指定する指定医による診察の結果に基づいて行う場合とがございます。いずれの場合でも、指定医による診察の結果に基づいて、患者が入院を継続しなくてもその精神障害のために自傷他害のおそれがないと認められるに至った場合に都道府県知事は直ちに措置入院を解除することになります。
 このほか、都道府県に設置されます精神医療審査会は、精神保健指定医、精神障害者の保健福祉に関する学識経験者、法律に関する学識経験者らで構成され、措置入院患者やその家族等からの退院請求や病院管理者からの定期病状報告に基づいて入院の必要性を審査することとされておりますが、その結果、措置入院が必要ないとの判断がされた場合には、都道府県知事はその措置入院を解除することになります。
#240
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 では、医療保護入院とその退院については誰がどのように判断するのか、部長、もう一度教えていただけますか。
#241
○政府参考人(堀江裕君) 医療保護入院については、精神保健指定医による診察の結果、精神障害者であり、かつ医療及び保護のため入院の必要がある者であって、任意入院が行われる状態にないと判定された場合に、家族等の同意があるときはその者を精神科病院の管理者が入院させることができるというものでございます。
 また、医療保護入院の退院の判断を行うに当たりましては指定医の診察は法律上必要とされておりません。通常は、引き続き医療保護入院を行う必要性について患者の主治医が判断し、必要性がないと判断される場合については精神科病院の管理者が退院させることになります。
#242
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 措置入院については、入退院、精神保健指定医が大きく関わっている。そして保護入院の場合には、入院の場合に深く関わっている。じゃ、その指定医がどのような状況だったのかというのは、先ほど片山委員も大臣との質疑をしたように、指定医の行政処分のこの事態ですよね、一体何が起こっていたのかと、私は一人の医師としてもこれは絶対許されないことだと思っております。
 医師の信頼を失墜させてしまった、指定医の、本当に真面目に指定医をやっていらっしゃる皆様方からしても、これは絶対に私は許されないことだと思って、今回の法案の中で、絶対、この指定医の見直しだけは何としてでも死守しなければならないんじゃないかというぐらい思っております。
 今まで、人権であったり、拘束、そして長期入院ということも様々うたわれてまいりましたけれども、その中で、やっぱり信頼関係の中でしっかり医療を行い、そして、正しい判断の下、正しい医療というものを提供する。その行政処分が八十九人もいた指定医について以前、川田議員も議論をしていただいた覚えが私もございます。そんな実は指定医の資格さえもないような方が、実際に措置入院をやっていたんじゃないか、そして、それから今あったように、医療保護入院の場合にも、様々な意見を言い、そして患者様方の人権というものを侵害していたんじゃないか、そういう思いさえも出てくるわけです。
 いろいろ調べてみましたけれども、この指定医、結構簡単に更新ができるということが今まで通例でしたよね。五年ごとに三百人のまとまった、ただ講習会を聞いていればいい、これでは、本当にその方々がどういう判断の下、どうやって何を判断をしていったのかということは全く分かりません。ですから、倫理的な問題にしっかりと絡んでこなければ、今まで見直しが行われなかったということ自体が私は、大きく欠落していた厚労省の責任も本当に大きいんではないかと思っております。
 そこで、各地域で模擬協議会のようなものをしっかり開催をし、ケーススタディーのような実地に近いような研修体制というものを構築すべきだと。それで、それを五年に一回やるというよりも、単位制にして、私ども産業医もそうですけれども、一年に何回かいろんなところに赴いていってトピックスを聞きながら、産業医というものは、五年間でこのぐらいの単位を集めたらようやく次のステップが我々には待っているんですけれども、五年ごとということになってしまったら、こういう最新の情報というのも得られることができるのが五年先になる人もいるわけです。
 こんなことがあっては私はならないと思うので、是非その更新の講習の見直し、特にその体制について、大臣、御見解をいただきたいんですけれども、お願い申し上げます。
#243
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほどもこの指定医の問題、不正取得の問題について私どもの考えを申し上げましたけれども、今回の法改正では、指定医の不正取得の事案を重く受け止めて、その再発防止と、それから指定医の資質をしっかり確保しないといけないということで、そういう取組を講じていくこととしているわけであります。
 現在、精神保健指定医につきましては、今お話のあったとおり、指定後五年ごとの講習受講だけで、義務付けられているということで、その研修内容は法令上規定されており、精神医学のみならず、人権や社会復帰あるいは精神障害者福祉に係る研修を実施をしてきているわけでありますが、一方で、これは講義を聞いていればいいという、そういうものでありますから、座学だけではなくて実地に近い研修内容としていくことが、やはり人権を制限するわけでありますから、その権限を持つ医師としては重要ではないかというふうに考えております。
 今回の法改正では、指定医として必要な資質や能力が保持できるように、指定医の更新に際しての研修については、今の座学で三百人単位ということじゃなくて、少人数単位のグループワークによって事例研究を行うという時間を確保することによって、より実践的な研修へと見直しをしていこうということを提案をしているわけでありまして、厚労省としては、御指摘の問題点を踏まえて、グループワークの積極的な導入など実践的な研修を、形式にとらわれずに、形式だけで終わることなく着実に充実していくということが資質の確保につながるのではないかと、このように思っております。
#244
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 先ほどから出てきておりますグレーゾーンの件もそうなんですよね。私も大学で医療倫理を教えておりましたので、まさにこのグレーゾーンの議論というのは医療倫理の中で議論してきたものでございます。だから、正解がそのときには見えないんです。後から起こってみれば、あのときああすればよかったよねという議論は起こせるんですけれども、でも、そこに正解はない。だからこそ、議論を尽くしていくことというのがすごく重要になってまいります。
 だからこそ、その中でしっかりと模擬的にそういう場をつくっていただきまして、何の要素について我々は考えなければならないのか、この場で議論しなければならないのかということを徹底的に私はたたき込んでいただきたいと思います。そうすることによって正解に近い回答は得られますし、あと、正解でなかったとしても、ここまで議論を尽くしてきたものだからということで、後からしっかり記録も残っていくと思うんです。
 やっぱりこういうことというものが今回の見直しでも私はしっかりと担保されるべきだと思いますし、こういうことを積み重ねたその次に、いや、その方々が五年間一体何をやってきたのかということも非常に重要だと思います。どういう事例を扱って、どのような判断を行ってきたのかということもしっかり提出すべきだと思いますけれども、大臣、御意見いただけますでしょうか。
#245
○国務大臣(塩崎恭久君) 精神保健指定医は、措置入院の判断を行うということなど、人権に関わる、人権を制限をするという、そういう医療的判断をするわけであります。その更新には、やはり指定医としての今言ったような制限を人権に関して行うということについての知識と技能とこの評価が必要だというふうに思います。
 指定更新に当たっては、今申し上げたとおり、五年ごとの研修を一方的に聞くだけというようなことでは全く不十分だろうということで、先ほど来申し上げているように、資質や能力が保持できるような研修の中身に変えていくということで、指定医としての実務経験を求めていこうということになって、その実務経験を具体的にどういう方法で確認をするかということで、今後、厚生労働科学研究において検討することとしておりまして、厚生労働省としては、御指摘の趣旨も踏まえながら、短期的に解決すべき課題、中長期的に解決すべき課題とに整理をして、より適切に指定医の実績を判断できるように検討していきたいというふうに考えているところでございます。
#246
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 生命倫理、医療倫理の考え方の中では、やっぱりいかに合理的な判断ができるようなツールがあるのかないのか、これすごく大きな問題でございます。だから、同じような事例で、この人が話したらこういうふうになる、この人が話したらこういうふうになるということではなく、ある程度統一的な見解が全国各地で得られるためにも、何か、研究を通じながら若しくは海外の事例などもしっかり取り込みながら、全国の皆様方に御提供いただきたいと思っております。それで、そのツールを生かした研修というものはこれは最重要課題でございますので、今後お考えいただきたいと、私からお願いしておきます。
 それから、そもそも論というのを私は余りやっておりませんでしたので、ここで、済みません、そもそも論ということについて一度やらせていただきたいと思います。
 今回、津久井やまゆり園というような事件のことについて、再発防止はこれは誰しもが望むところでございます。この事件が発生した原因というものは一体どこだったのかということについて、もう一度大臣の見解を問うてみたいと思いますが、いかがでいらっしゃいますでしょうか。
#247
○国務大臣(塩崎恭久君) この事件について、裁判でいろいろなことがまた分かってくるんだろうと思いますし、何か一つが原因ということでは決してないんだろうというふうに思います。
 検証チームの報告書では、十二月でまとまりましたが、被告人に障害者への一方的かつ身勝手な偏見や差別意識があったということは書かれておりますし、被告人が措置入院を終えて退院した後に、医療機関や地方自治体から医療等の支援を十分受けることなく一人で孤立、孤独な毎日を暮らしていたということなどが指摘をされているわけでありますが、私どもとしても、そういった中で、事件の背景が様々な要因としてあったんだろうと。
 その対応策の一つとして、今回の措置入院者が退院した後の社会復帰に向けた医療、地域福祉、就労、いろいろな意味の生活支援、こういったことが確実に受けられるようなことで仕組みをつくることによって、退院後に精神障害者の方々が地域で孤立をしないで、その地域に溶け込んで、そして人間関係をつくりながら暮らしていくことができるようにするということで今回の法案を提出したということでございます。
#248
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 大臣、肝腎なのは、その最後ではなくて最初の方なんですね。実は、資料一に、お配りさせていただきましたけれども、最初の、検証・検討チーム、検証、検討に当たって想定される論点というのが四点挙げられております。
 ですから、この四点と絞り込んだまず理由について、部長、簡単に教えていただけますか。
#249
○政府参考人(堀江裕君) 今御指摘の検証チームでは、論点として今の四つ、福祉施設における防犯対策、精神保健福祉法の措置入院に係る手続について、退院後のフォローアップ、警察等の関係機関との情報共有の在り方についてという論点が示されております。これらの論点については、事件発生から第一回検討チームの開催までに、七月二十六日から八月十日ということでございますが、事件に関して得られた情報を基に、その時点で想定された論点案として第一回会議に事務局より提出したものでございます。
 実際には、その後の議論を経まして、共生社会の推進ですとか心のバリアフリーの取組の充実、社会福祉施設における職場環境の整備等について提言が行われておりますように、検証チームの議論の範囲を絞る趣旨ではございませんでした。
#250
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 しかし、結果的にこの法案にもう真っすぐにつながってしまったなというような論点整理だというふうに私は考えられます。
 大臣、もう少しこれ、第一回目にこういうものを配られてしまうと、委員の皆様方はやっぱりこれについて議論しなければならないと思ってしまいますよね。もっと幅広に御意見をいただきながら、もっと論点をどんどんどんどん挙げていくことによって、私はさらに違った展開にもなったのではないかと思いますけれども、御意見いただけますでしょうか。
#251
○国務大臣(塩崎恭久君) 今部長から答弁申し上げたように、最初の時点でこういう問題かなと、本当はその他というのをもう一つつくっておけばよかったんだろうと思いますが、そういうことで、だんだんと検証を深めていくに従って、さっき申し上げたとおり、その他の共生社会の推進に向けた周知啓発とか学校教育の問題、心のバリアフリーの問題、そういった厚生労働省だけではなくてほかの役所にもまたがるような幅広い問題は議論をされたと思います。
 ただ、一つ一つの対策を着実に行うという意味において、明らかに地域復帰するための仕組みについて余りにも何の手だても打たれていなかったということが浮き彫りになってきたがゆえに、このことが中心となって今回の法改正が行われているので、あくまでも一つの、様々な要因のうちの一つの、孤立化をして地域社会に溶け込むことはまたできないということを解決するための一助としてこれを提案をしているということでありましたので、問題はそれはもう相当幅広いことであって、それはきっと何千ページというぐらい書いても足りないぐらいの問題があるんだろうと思いますが、取りあえず直ちに対応すべき問題として御提起を申し上げたというのが検証チームの結論ではなかったかというふうに思います。
#252
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 今大臣おっしゃったように、様々な問題がある、取りあえず今気が付いたところを法案改正をなさったということは、それ以外の部分というすごく私は重要なものが抜け落ちていると思いますけれども、部長、いかがですか。じゃ、その再発防止というものがこれで終わってしまってはいけないですよね。もっと本当に本質的なところをしっかり分析して審議をしていかなければならないと思いますけれども、いかがですか。
#253
○政府参考人(堀江裕君) 先ほど申し上げましたように、検証チームの報告書、最終的には、共生社会の推進に向けた取組から、今回の法律に関係します退院後の医療等の継続支援の実施のための必要な対応、措置入院中の診療内容の充実、それから地方自治体、警察、医療関係者などの関係機関の協力の推進、それから法律の外ですが社会福祉施設等における対応につきまして、再発防止策の方向性が取りまとめられたものでございまして、こうした議論を踏まえて、措置入院者が継続的に医療等の継続的な支援を確実に受けられる仕組みの整備、精神障害者の支援地域協議会の設置などを今回の法案に盛り込むとともに、障害者への理解を促進するための地域生活支援促進事業において心のバリアフリー推進事業を新設する、あるいは社会福祉施設等施設整備費におきまして防犯対策の強化を行う、それから措置入院中の診療内容のガイドライン作成に向けた検討を行う、そして、内閣府中心でございますが、障害者週間や差別解消フォーラムなどを通じました広報啓発などを行ってございまして、まさに論点は盛りだくさんで、一つ一つが大切な要素だというふうに考えてございまして、こうした課題に応じました取組について、様々な御意見を伺いながら着実に実施していくことが重要と考えてございます。
   〔委員長退席、理事島村大君着席〕
#254
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 そうですよね。でも、その全体像は私どもには見えなくて、いかにもこれが再発防止策だというような形で我々は最初説明を受けてしまったものですから、大きくボタンが掛け違いを起こしてきてしまった原因にもなってきたのではないでしょうか。
 私がすごくやっぱり気になりましたのが、様々な報道の中で、被告が優生思想であったり、意思の疎通ができない障害者、車椅子に縛り付けて一生過ごすというような表現をしたこと、ですから、知的障害施設の労働にも大きく問題があったということは指摘をされているところでございます。こういう方々の労働環境を見てみましても、やっぱり知的障害者の施設によって様々今虐待が起こっていることも時々報道されておりますし、しっかりとこの職員の皆様方の労働環境整備にも力を入れていただきたいんですけれども、大臣、御意見いただけますでしょうか。
#255
○国務大臣(塩崎恭久君) この被告についてはいろいろなことが言われて、人物として、私どもとしても想像を超えるような部分がたくさんあるというふうに受け止めているわけでありますが、当然のことながら、障害がある人もない人も、全ての人々がお互いの人格と個性を尊重し合いながら一緒に暮らすことができる共生社会というのを実現することが何よりも大事であって、被告人が手紙などで表明したとされております施設入所者に対する生きる意味がないといったような考え方というのは、これは一〇〇%否定をしなければいけないと、こういうことだと思います。
 障害者入所施設の職場としての問題についての御指摘がございましたが、職員については、職場内で孤立を職員の中ですることなく、やっぱり前向きにやりがいを持って誇りを持って仕事をしていくことが障害者の皆様方にとってもいい暮らしができることにつながるということだろうと思います。
   〔理事島村大君退席、委員長着席〕
 労働環境調査に基づく職員のメンタルケアの充実についての御提起がございますが、これについては、現在、処遇状況等調査における職員の職場環境、処遇の改善状況の把握、そしてそれを踏まえたミーティング等による職場内コミュニケーションの円滑化や心の健康管理面、この強化などの労働環境の整備というものが大事だろうと。さらに、職員の資質向上を図るための各種研修の実施に取り組んでいるところであって、こうした内容が施設職員のメンタルケアの改善につながるように、引き続き内容の充実を含めて進めてまいりたいというふうに思います。
#256
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 精神医療と同じように、やっぱり知的障害者施設でも同じような問題が起こっております。結局、コロニーといったいわゆる隔離政策というものが今まで行われてきて、私も、友人から様々今回の質疑について議論したことの内容で意見をいただきまして、やっぱりこういうことというのは政治と社会がつくり上げてきた闇だよねと言われたのが、ああ、なるほどなと思ったんですけど、やっぱり同じような問題を内在しているこの知的障害の皆様方の施設の問題というものも、ここで置き去りにせずに同時並行的にしっかりと見直しを行っていただきたいと思いますし、今回の法案で一番精神障害者の皆様方が御心配になっていらっしゃったのが、この法案によってまた差別、偏見というものが増幅されてしまうんじゃないかということです。私もいろんな皆様方から御意見いただきまして、なるべくそういうことがないようにということで、厚労省も本当にやっぱり説明の仕方一つ、その言葉一つ、これから注意をして発信をしていただきたいと思うんですが、大臣、いかがでしょうか、お願い申し上げます。
#257
○国務大臣(塩崎恭久君) この事件が最初に起きた直後の反応でも、やはりこの精神障害者に対する差別あるいは偏見、障害者全体に対する差別、偏見、これへの懸念というものがすごく強く示されたというふうに思っています。それに加えて、今御指摘がありましたけれども、今回の法改正がそういったことをまた助長するのではないかというような御懸念をいただいておりますけれども、私どもはそういう意図は全くないわけであって、完全に欠落をしていた地域復帰への言ってみれば総合的な支援の仕組みというものを私どもは提案をしているわけでありますので、決して犯罪防止だのようなこと、観点から私どもはこの法案を提案しているわけでは全くございません。
 そういうことについて障害者の皆様方に誤解があったとするならば、我々はそれをきちっと説明を丁寧にして御理解をいただくように努力をしていかなければならないというふうに思いますので、引き続き、この説明と、それからこの国会での審議も丁寧にやっていかなければならないというふうに考えております。
#258
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 ですから、趣旨説明のときに第一に私は言っていただきたかったのが今の言葉なんですよ。まずはそこから、障害者に対する差別、偏見というものをまず厚労省としてしっかり取り組んでいきますよというものがあって、次に、じゃ何をすべきなのかということにならなければ、最初の私も趣旨説明の、もちろん厚労省からの説明を受けたときのポンチ絵でああいう文言というのが一番先に上がっているということは、私は障害者の皆様方が更に御懸念になるというのはこれは仕方がないなというふうに思わざるを得ませんでした。
 一番私は大事にしなければならないのはそういうところではないですか、厚労省として。もちろん施策は大事です。施策を前進させることは私は大事ですし、今回の法案、様々なものが含まれておりますけれども、その指定医の問題は絶対許されないですから前進させなければならないと思っておりますが、そこの中にしっかり心というものがなければ皆様方の理解は得られないわけです。だからこそ、懸念事項ということになって、これだけ多くの反発を招いているということは、私は反省をしていただきたいですし、かつ、これからますます問題が大きくなってまいります差別、偏見に対する文化をいかに変えていくのか。
 これは私も今取り組んでいる課題でございまして、スポーツを通じてということで、今多くの発信がオリンピック・パラリンピックに向けてなされております。ですから、いかに障害者差別の、その偏見そして差別から解放するということはやっぱり一緒に何かをやらないと分からないんですよ。本当は身近にいるんですけれども、でも、それを皆さんひた隠しにしていらっしゃるから、実は一緒に歩いているんですけれども、なかなか認識されない。だからこそ、私は、そういった何か一つのツールを通じてもっともっと社会とつながっていただきたいですし、社会につながることによって、より障害を持った皆様方には自信を持ってもらいたいと思っております。
 ですから、もっと、今回、協議会なども開かれますけれども、そういう機会、実はスポーツというもの、障害者は今までは厚労省管轄だったんですけれども、スポーツ庁ができてスポーツ庁に移ってしまったから、どうも引きぎみになっている。スポーツといえば、じゃスポーツ庁に任せておけばいいだろうということだと思うんです。しかし、いろんな機会を通じてやっぱりもう多くの皆様方と交流していただく、そういう機会をしっかりと持っていただきたいと思ってもおりますが、大臣の御意見をいただけますですか。
#259
○国務大臣(塩崎恭久君) 精神障害者の社会復帰などにおけるスポーツの意義ということについて御提起をいただきました。
 スポーツを含めたレクリエーション全般をお指しになっているんだろうと思いますけれども、確かに、障害者の社会参加活動を促すことで自然な形で社会に溶け込むというのは、例えばチームプレーであればソフトボールとか、いろんな形でスポーツを地域地域でやっていただくということは、人間関係をつくるという意味でも、体力もまた気分も前向きになっていくということで大変意義があるんではないかというふうに思います。
 地方自治体の取組がそれを促すように私どももバックアップをしていければなというふうに思うわけでございまして、今回の法律の中での退院後支援の仕組みの中で、この支援地域協議会に地域のスポーツ団体の参加を呼びかける場合もあり得るのかなということを今御提起を受けて思っているところでございます。
#260
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 ソーシャルサッカーを私も一緒にやっていろんなところで活動しておりますけれども、本当に、ああ、何だというふうに、皆さん、ふっと、お互いにそこで何かが形成される、そういう瞬間というものがございます。そういうことを通じながら、呼びかけるだけではなく、そういう場をもっともっと厚労省でも準備をしていただきまして、これから本当に、今回の問題の本質、障害者に対する壁というものをいかになくしていくかということを共に考えていただきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
#261
○委員長(羽生田俊君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 午後五時二十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後四時十分休憩
     ─────・─────
   午後五時二十分開会
#262
○委員長(羽生田俊君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、谷合正明君及び石井みどり君が委員を辞任され、その補欠として伊藤孝江君及び藤木眞也君が選任されました。
    ─────────────
#263
○委員長(羽生田俊君) 休憩前に引き続き、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案に対する質疑は既に終局しております。
 本案の修正について足立君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。足立信也君。
#264
○足立信也君 私は、ただいま議題となっております精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・こころ、民進党・新緑風会、公明党及び日本維新の会を代表して、修正の動議を提出いたします。
 その内容は、お手元に配付されております案文のとおりであります。
 これより、その趣旨について御説明申し上げます。
 修正の要旨は、附則の検討規定について、政府は、この法律の施行後三年を目途として、精神科病院等に入院している者及びこれを退院した者の権利の保護の観点から、措置入院者等及び医療保護入院者の退院後の医療その他の支援の在り方、当該支援に係る関係行政機関等による協議の在り方、非自発的入院者の権利の保護に係る制度の在り方等について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとするとともに、この場合において、一、個別ケース検討会議への参加を含む措置入院者等及びその家族による当該措置入院者等に係る退院後支援計画の作成に関する手続への関与の機会の確保、二、措置入院者等及びその家族による退院後支援計画の内容及びその実施についての異議又は修正の申出に係る手続の整備、三、非自発的入院者に係る法定代理人又は弁護士の選任の機会の確保の事項について特に検討が加えられるものとすることであります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#265
○委員長(羽生田俊君) これより原案及び修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#266
○倉林明子君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 反対する第一の理由は、精神障害者の情報を警察に提供する仕組みをつくり、結果として犯罪防止が目的となるからです。
 措置入院者に限り退院後の支援計画の策定を自治体に義務付けることで、公務員に対し、措置入院患者の規制薬物使用の告発や、確固とした信念に基づき犯罪を企図する者の情報提供を警察に行う仕組みを新たに設けることが審議を通じて明らかになりました。転居先の自治体までその情報は引き継がれることとなり、精神障害者の監視体制の整備となるものだからです。
 第二の理由は、法改正に精神障害者の権利擁護の視点が欠落しているからです。
 退院後の支援計画は、本人が要らないと表明しても、自治体に策定が義務付けられているために必ず策定されることとなります。本人に従う義務はないとしていますが、当事者の思いよりも計画策定が優先されることは明らかです。さらに、権利擁護の要となる精神医療審査会は、審査が形骸化し機能を果たせていない実態は厚労省の調査ではっきりしているにもかかわらず、改善措置は何ら盛り込まれませんでした。
 精神医療における人権問題として国連の人権委員会からも繰り返し求められているにもかかわらず、隔離、拘束については増加の一途をたどっています。法改正に最も求められていた精神障害者の人権擁護措置がとられていないことは極めて重大です。
 なお、ただいま提案されました修正案は、退院後支援計画の対象を措置入院者だけでなく医療保護入院を含む非自発的入院者に拡大するとしていますが、結果として原案の警察の関与が前提となるもので、その対象を広げることは権利侵害の対象拡大になり、賛成できません。
 本法案は、審議途中に改正趣旨を変更するという前代未聞の審議経過をたどりました。相模原事件は精神障害者による犯罪だという立法事実が崩れる中で、事件の再発防止という改正趣旨を変更せざるを得なかったというのが実態です。説明は変わっても盛り込まれた事件の再発防止策はそのままなのです。法の趣旨をねじ曲げる本法案は本来撤回すべきです。断固反対を表明し、討論といたします。
#267
○福島みずほ君 私は、希望の会(自由・社民)を代表して、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案について、反対の立場から討論を行います。
 反対の最大の理由は、本法案が、措置入院者に対する退院後の支援という名の下に、実際には監視を強化し、差別を助長するものであるからです。
 本法案概要の当初版における最初の言葉、「相模原市の障害者支援施設の事件では、犯罪予告通り実施され、多くの被害者を出す惨事となった。二度と同様の事件が発生しないよう、以下のポイントに留意して法整備を行う。」という文言が削除されました。この事件においては、被告人が措置入院経験者だったことから、あたかも措置入院制度に問題があったかの誤った認識から本法案が作られました。しかし、法案審議の過程でその誤りが厳しく批判される中で、厚労省は法案概要を一部削除せざるを得なくなったのです。本来ならばこの時点で法案は廃案とすべきです。にもかかわらず、再発防止に資するという部分は維持したままです。二枚舌法案と言わざるを得ません。
 反対の第二の理由は、本人不在の状態でも退院後支援計画が作られてしまうという問題です。本人の同意なくして一体何のための支援なのでしょうか。私たち抜きに私たちのことを決めないでというのは障害者の皆さんが一貫して訴えてきたことです。本法案はこうした叫びを踏みにじるものです。
 反対の第三の理由は、自殺のおそれや応急の救護などを理由として、警察が代表者会議のみならず個別ケース検討会議にも参加して、薬物使用などの個別情報を入手する仕組みが実質上でき上がってしまうということです。このような情報の廃棄についてはルールが明記されておらず、措置入院者が退院後も永久的に警察にリスト化されるという人権侵害のおそれが大いにあります。
 本法案に対して修正案が出されており、その努力自体は多とするものであり、評価したいと思いますが、法案原案の根本的問題点を踏まえた場合、修正案についても賛成しかねます。
 最後に、精神病患者に対して今第一になすべきことは、このような法案ではなく、本人の意思を最大限に尊重した医療、福祉、就労、生活をワンストップで行う総合支援のはずです。身体拘束、隔離が共に一万人を超える非人道的状況が放置されています。障害者権利条約第十四条は、障害を理由とした人身の自由の剥奪を禁止しており、精神障害者であることを要件とした非自発的入院制度は同条約違反です。また、国連自由権規約委員会も、日本政府に対して、精神病院における非自発的入院について改善を求めています。このような実態にこそメスを入れ、精神障害者や患者の人権確立、入院患者の地域移行に全力を上げるべきだということを申し上げ、私の討論といたします。
#268
○委員長(羽生田俊君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、足立君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#269
○委員長(羽生田俊君) 多数と認めます。よって、足立君提出の修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部の採決を行います。
 修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#270
○委員長(羽生田俊君) 多数と認めます。よって、修正部分を除いた原案は可決されました。
 以上の結果、本案は多数をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
 この際、片山君から発言を求められておりますので、これを許します。片山大介君。
#271
○片山大介君 私は、ただいま修正議決されました精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・こころ、公明党、日本維新の会及び無所属クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一、精神障害のある人の保健・医療・福祉施策は、他の者との平等を基礎とする障害者の権利に関する条約の理念に基づき、これを具体化する方向で講ぜられること。
 二、本法律案は特定の事件の発生を踏まえた犯罪防止を目的とするものではなく、精神障害者に対する医療の充実を図るものであることを確認するとともに精神保健医療が犯罪の防止や治安維持の役割を担うとの誤解や懸念が生じることのないよう留意すること。
 三、措置入院者等に対して退院後に継続的な医療等の支援を行うための退院後支援計画の作成に当たっては、患者本人及び家族が個別ケース検討会議に参画すべきものであり、できる限り患者本人の意見の反映を図るよう、退院後支援のガイドラインで明示し、自治体に趣旨の理解を徹底すること。
 四、退院後支援計画の支援期間については、措置入院者が地域生活に円滑に移行できるようにするための期間として、半年以内程度を基本とすること。また、患者の病状や生活環境の変化によっては、例外的に、支援期間を延長することも考えられるが、その場合でも、延長は原則一回までとし、一年以内には地域生活への移行を図ることができるよう努めること。こうした支援期間の在り方について退院後支援のガイドラインで示し、自治体に周知徹底を図ること。
 五、退院後支援計画に基づく支援について、患者にその内容や必要性について丁寧に説明し、理解、納得を得られるよう努めてもなお納得してもらえない場合にあっては、必要に応じて計画内容を見直すなど、本人の意向を踏まえた計画となるよう対応すること。こうした対応については、退院後支援のガイドラインで示し、周知徹底を図ること。
 六、警察官通報から措置入院につながった割合等に係る地域ごとのばらつきを是正する観点から、代表者会議の具体的な留意事項を運用通知で示し、各自治体において、地域の精神障害者の支援体制に関する協議が通知に即して行われることにより、ばらつきのない措置入院制度の運用に努めること。その際、警察を始めとする関係機関に対して研修の機会を充実させることなどを併せて検討すること。
 七、個別ケース検討会議の運用に当たっては、患者に対する監視を目的とするとの誤解を招くことのないよう、法律上「支援対象者の退院後の医療その他の援助の関係者」をもって構成することとされていることに留意し、警察は原則として参加せず、例外的に参加する場合も援助の観点から行われること、また、本人が拒否する場合には警察を参加させないこととすることについて、改正法の施行に合わせて自治体への適切な周知を行うこと。
 八、精神医療の現場における患者の薬物使用に関しては、患者の治療継続に配慮しつつ、情報提供の在り方について検討すること。
 九、地域における精神保健医療福祉の中核となる保健所の役割と重要性を改めて認識するとともに、その体制強化が着実に図られるよう、都道府県等に対する支援について検討し、保健所運営に係る十分な措置を講ずること。また、保健所がその役割を十分に果たせるよう、必要に応じ、保健所の運営や体制等について、調査、検証すること。
 十、適切な措置入院制度の運用がなされるためには、措置入院を受け入れる病院の質の担保が不可欠であることから、指定病院の基準を満たしているかを継続的にモニタリングするとともに、指定病院の質を評価する等の仕組みについて検討すること。
 十一、医療保護入院における家族等同意及び市町村長同意の運用について、市町村長同意が濫用され、医療保護入院が安易に行われることのないよう、市町村等に対し、制度の適正な運用のための具体的な方策を明示するよう検討すること。
 十二、医療保護入院や措置入院等の非自発的入院から退院後支援に至るまでの家族の負担の重さや、協力の有用性に鑑み、入院患者家族に対する支援体制について検討を加えること。
 十三、当事者にとって不本意な非自発的入院の減少を図るため、国及び地方自治体の責任、精神保健指定医の判断等、幅広い観点から、速やかに検討を加えること。
 十四、医療保護入院等の患者の退院後における地域生活への移行を促進するため、相談対応や必要な情報の提供、アウトリーチ支援など、その受皿や体制整備の充実を図ること。
 十五、精神保健指定医制度の適正な運営に向けて、地域医療への過度な影響がないように、指定申請に当たって提出するケースレポートの症例の要件、指導医の要件、指定医の更新要件、口頭試問等の具体化を検討すること。
 十六、精神保健指定医として必要な知識、能力及び技能並びに精神保健指定医として持つべき規範意識に比して、指定医研修の課程及び更新制度が十分に機能しているとは言えないことから、ケーススタディ等の実地に近い研修体制を構築すること。また、指定医の更新に当たっては、指定医の業務を一定以上行った上で申請できることとする等、指定医の質の担保を図る仕組みとすること。
 十七、精神科病院における長期入院及び退院の事例について調査分析し、今後の対策と改善を検討すること。
 十八、障害者福祉施設等における労働環境について、良質な福祉サービスの提供の支障とならないよう、施設等の環境を改善するための措置について検討すること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#272
○委員長(羽生田俊君) ただいま片山君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#273
○委員長(羽生田俊君) 多数と認めます。よって、片山君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、塩崎厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。塩崎厚生労働大臣。
#274
○国務大臣(塩崎恭久君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。
#275
○委員長(羽生田俊君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#276
○委員長(羽生田俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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