くにさくロゴ
2017/05/25 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 厚生労働委員会 第19号
姉妹サイト
 
2017/05/25 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 厚生労働委員会 第19号

#1
第193回国会 厚生労働委員会 第19号
平成二十九年五月二十五日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十四日
    辞任         補欠選任
     和田 政宗君     馬場 成志君
     浜野 喜史君     川合 孝典君
     石井 苗子君     片山 大介君
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     馬場 成志君     小野田紀美君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         羽生田 俊君
    理 事
                島村  大君
                そのだ修光君
                高階恵美子君
                足立 信也君
                山本 香苗君
    委 員
                石井みどり君
                小川 克巳君
                小野田紀美君
                太田 房江君
                木村 義雄君
                自見はなこ君
                藤井 基之君
               三原じゅん子君
                宮島 喜文君
                石橋 通宏君
                川合 孝典君
                川田 龍平君
                牧山ひろえ君
                熊野 正士君
                谷合 正明君
                倉林 明子君
                片山 大介君
                福島みずほ君
               薬師寺みちよ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  橋本  岳君
       厚生労働副大臣  古屋 範子君
   大臣政務官
       財務大臣政務官  杉  久武君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   政府参考人
       消防庁審議官   猿渡 知之君
       厚生労働省医政
       局長       神田 裕二君
       厚生労働省健康
       局長       福島 靖正君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    定塚由美子君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    堀江  裕君
       厚生労働省老健
       局長       蒲原 基道君
       厚生労働省保険
       局長       鈴木 康裕君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○地域包括ケアシステムの強化のための介護保険
 法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(羽生田俊君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、浜野喜史君、石井苗子君及び和田政宗君が委員を辞任され、その補欠として川合孝典君、片山大介君及び馬場成志君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(羽生田俊君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省老健局長蒲原基道君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(羽生田俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(羽生田俊君) 地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○足立信也君 おはようございます。民進党の足立信也です。
 毎回毎回六時間という審議、非常にお疲れさまでございます。特に、昨年来、昨年から比べて、与党の議員の方を始めとして非常に離席が少なくて、定足数をはるかに超える委員会の審議で、皆さんお疲れさまでございます。
 日経新聞御覧になっている方は御存じだと思いますけど、私の友人の中川東大の准教授が連載しておりまして、一日六時間以上座って仕事をする方は、三時間未満の方に比べて、男性で一七%、女性で三四%死亡率が高い、死亡リスクが高いということがあります。欧米などではスタンディングデスクと、立って仕事をするということもありますけど、なかなか委員会ではそういうこといかないと思います。特に、午後四時間連続というのはかなりリスキーだと私も思いますので、途中で一回歩けるような休憩時間みたいなことも考えてもいいのかなという気がしますし、でも終わりは五時という形で、与野党の皆さんが話し合っていただければ有り難いなと思います。
 全く立てない、歩けない場合の、座っていて、彼が言うには、皆さん御存じの方もいらっしゃると思いますが、何が有効かと、貧乏揺すり。貧乏揺すりが有効だと、これ血液ポンプの関係もあって、筋肉ポンプですね。だから、彼の言葉を借りれば、貧乏揺すりと言わないでこれからは健康揺すりと言ったらどうかということも書かれておりました。御参考にしていただきたいと思います。
 資料を御覧ください。
 世の中、当然、皆さん現場を回りながら、介護の分野の人手不足というのはもう明らか、顕著になっていますが、実際どうなのかというものを資料にまとめてみました。
 これ、介護保険創設時、二〇〇〇年と二〇一六年を比較したものです。六十五歳以上が一・五一倍、一・五倍ですね。その中で七十五歳以上が一・八倍。それほど顕著に増えているというわけではない。要支援、要介護認定者が二・九倍、介護利用者は、介護保険の利用者は三・三倍です。利用者が三・三倍になっていて、介護職員は下から二番目ですが、三・三四倍。介護職員が介護利用者よりも増えているのに、現場は人手不足感が非常に強い、疲弊している、一体それはどこに原因があるのかということだと思います。
 この資料でも類推はできるのですが、まず大臣に、利用者が三・三二倍で介護職員は三・三四倍だと、どうして現場で人手不足感がこれほど強いのか、実際人手が足りないのか、その理由をどういうふうに捉えておられるでしょうか。
#7
○国務大臣(塩崎恭久君) 今資料をお配りをいただきましたけれども、確かにスタートをしたときに比べてかなり利用者も増え、同時に職員も増えているにもかかわらず、例えば有効求人倍率で見ても全業種よりもずっと高い水準になっているわけであって、これ全国平均で介護分野は三・一八倍でありますので、全業種が一・三四倍ということで、相当上回っているということで、今御指摘のとおり、かなりタイトな人手不足感の強い分野になっているのが介護人材でございます。特にこの近年その差が拡大をしているというふうに思います。
 その要因は何かということでありますが、高齢者人口がもちろん増えているということが全体を増やしていくことにもつながりますけれども、同時に、在宅サービスの利用者が増えている、あるいは認知症の方の増加で介護ニーズが大変複雑化、高度化、あるいは多様化をしていって、お一人に掛かる時間も、何というか、エネルギーもより掛かる方が増えているというところがあるのかなと。
 そういうことで、事業所によってはこうしたニーズに十分応えられるだけの人材を集めることが難しいというところが随所に見られているところに我々としても手を打たないといけないという、こういう状況ではないかというふうに思います。
#8
○足立信也君 この資料から読み取れるのはまさにそこでして、三・三倍以上になっているのは認知症、これが三・三一倍、それから在宅の介護サービスの利用者が四・〇二倍だと。
 認知症の方に対する介護というのは非常に人手が必要ですし、また高度になって、在宅も、以前より以上に在宅の要介護認定度が高くて、それからケアが必要だということだろうと思います。この両方を同時に考えると、私、徳島で介護のシンポジウムをやっているときに現場で言われたことは、オレンジリング、認知症サポーターですね、これがかなり多いのに十分活用されていないのではないかという意見を現場から伺いました。その点については、局長はどのように捉えているんでしょうか。
#9
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。
 今委員から話がございました認知症サポーターですけれども、この方は、認知症に関する正しい知識と理解を持って、地域や職場で認知症の方やその家族を可能な範囲で手助けする者として全国で養成をしております。二十九年三月末現在で約八百八十万人の養成がされておるところでございます。
 この認知症サポーターの中には、単にそのサポーターとして勉強が終わったというだけではなくて、地域の見守り体制に参加しているなど、実際に地域において活躍している事例も見られているところでございます。私どもとしては、やっぱりそういう形でできるだけ活躍してもらうことが大事だというふうに思っておりまして、例えば、そうした認知症の方の行方不明を防ぎ、見付ける努力、取組を行っている事例などを含めたリーフレットを昨年度末作成いたしまして、自治体に配付をしているところでございます。
 そのような形で、できるだけ社会全体で認知症の方を支える基盤として認知症サポーターが活躍していただくことが重要だというふうに考えておりますので、養成も当然ですけれども、その活躍の推進というのに取り組むとともに、それを通じた認知症の方を含む高齢者に優しい地域づくりというのに取り組んでいきたいというふうに思っております。
#10
○足立信也君 是非、この八百八十万人という方々は、人手不足解消のみならず、コミュニケーションの意味でもしっかり活躍していただきたいと、そのように私も思います。
 あと一つ、在宅ですね。これ、私は、昨今の議論、医療も介護もそうですが、在宅にとらわれ過ぎているという感じが非常にします。あるいは居宅に縛り付けているという言い方にもなるかもしれません。
 在宅で過ごせる最大の要因は、いつでも必要なときに入院あるいは入所ができるということなんです。その安心があるから居宅で過ごせる、しかも長く入院、入所していてはなかなかまた家に戻ろうという感じが起きません。ですから、必要なときには入院、入所ができ、地域医療構想もそうですけど、入院、入所ができ、速やかに帰れるということをつくり上げていくことが在宅を推進するという、遠回りのようではありますが、近道だと私は思います。
 そこで、同じ資料で、費用の問題です。利用者も職員も三・三倍です。なのに介護給付費は二・九倍、保険料は一・九倍ですね。じゃ、利用者の負担額はどうだというと、これ一・九倍。利用者、職員の数の増加に比べると、その財源となるべきものは、全くそれに比べると少ない増加です。これでは処遇改善がなされるはずがなくて、立ち去ってしまう、当たり前ですよ。これ、比較だけでもうはっきりしていますよ。三倍を超える利用で、費用の方は二倍を切ったりしている。まあ給付費は二・九倍ですけどね。ここが問題ですよ。
 ところで、今回、三割負担一部導入ということになっているんですが、そこで説明は、いつも介護保険の持続可能性を高めると言うんですが、これ百億だと思いますけれども、どうしてこれで持続可能性が高まるんですか。今の費用のことを、私、三種類申し上げましたが、この介護保険の持続可能性を高めるということの一部三割というのは、私は整合性はないと思うんですが、そこはどう説明されますか。
#11
○国務大臣(塩崎恭久君) 今お話がありましたように、介護費用は約三倍になって、それから、今後二〇二五年までに一号被保険者の保険料が八千円を超えるということが見込まれているわけでありまして、その中で必要な方に必要なサービスをしっかり提供する、そして同時に、保険料、そして税、利用者自己負担、この組合せしか財源としてはない中にあってどうそれを組み合わせていくのか、そしてその財源をどう確保するのかということが私どもにとっては大変大事な政策課題になるわけでありまして、今回の利用者負担の見直しにつきましても、こうした要素をよく考えた上でこの必要な改正を行っているわけでございます。
 今回の法改正では、あわせて、介護納付金に総報酬割を導入をするということによって現役世代の一部の方々の御負担の増加もお願いをするということがあって、世代内、世代間の負担の公平化、これを図ることとしているわけでございます。
 こういうようなことで、三割負担の導入も今回の手だての一つとしてバランスを取りながら、まあ百億ということで額はそう大きい額ではないという御評価かも分かりませんが、それでもやはりこういった形で、どういう助け合いのバランスの取れた形をつくっていって持続可能性を追求するかというときに、今回はこのような形で総報酬割を含めて三割負担の導入も必要になるのではないかという御提起を申し上げているわけでございます。
#12
○足立信也君 繰り返しになります。利用者も職員も三・三倍なのに給付費が二・九倍、利用者負担、保険料は一・九倍、これは算数でいっても合うわけがないです。
 我々、三年三か月の政権のときに医療崩壊という言葉はなくなったと思っています。食い止めたと思っています。その崩壊の原因は、まず第一に、十年間続いた医療費抑制策、そして提供する側と受ける側の情報の格差、それが原因だったと思って、一つ一つ解決しました。この抑制策がずっと続く限り恐らく介護も崩壊の道をまずたどっていくのではなかろうかと、そう思います。そのことを今手を着けなければ、二〇二五年には八千円超えるとおっしゃいましたが、もう既に今の段階で本当に妥当な保険料なのかという気が私はします。
 そこで、今、初産ですね、第一子を出産する年齢は、女性が、これ二〇一三年の統計で、今はもうちょっと高いかもしれませんが、三十・四歳、男性が三十二・五歳です。親が七十歳になるときは第一子は三十代です。昔と違います、三十代です。
 私、地元で話をしていましたら、二十六歳の方がいて、親が介護サービスを受けるようになったと、これは非常に大事で助かっている、私たちも保険料を払った方がいいんじゃないかと彼は言っていました。
 そこで、私は、やっぱり今の保険料のこと、それから年齢のことを考えると、三十代の方の親というのは、介護サービスを受けている方が非常に多いと思います。二号被保険者の年齢を拡大したらどうかと私は個人的に、民進党の考えというよりも私は個人的にそう思っています。それと引換えといいますか、やっぱり介護サービスは必要なサービスを受けられるという状況にしなきゃいけないです。
 これ、特定疾病、今十六ありますけれども、例えばがんに限って言うならば、これはもう回復の見込みがない末期状態だと限定されているわけですね。三原さんもよく発言されますけど、サバイバーとして在宅で働く、あるいはほかの病気でも在宅で働くということの中で、やはり私は介護の援助、家事の援助等々は必要だと思います。そういうことを広げていくのであれば、今自分の親が介護サービスを必要としている年代の方々が保険料負担せざるを得ないという考えは私はあり得ると思います。
 そのことについて、この特定疾病の中でやっぱりかなり限定的に、介護サービスが利用できるのが限定されているということについて、今保険料の範囲の拡大という話をしましたけど、それは一例として、この限定されているということについてはどのように捉えておられるでしょうか。
#13
○国務大臣(塩崎恭久君) これはまさに二号被保険者の年齢拡大の問題とつながる問題かと思いますけれども、私も前申し上げたように、自社さ政権時代、介護保険のスキームを議論する場に福祉プロジェクトチームでおりましたが、その際に、二号被保険者の範囲をどこまでにするかということも実は大変大きな課題として議論が分かれました。結果は、老人保健法、当時の、の健診というのを四十歳以上で線引きをしていて、四十歳は加齢に伴って病気が増える、そういう、つまり要介護の状態になり始めの年齢ということで四十ということで切ったという記憶がございまして、老人保健法の話を今の現役の人たちに言ってもぽかんとして、その法律がないということもありますが、そういう議論がございました。
 それで、被保険者の範囲につきましては、年齢あるいは要介護になった理由などによらずに、介護を必要とする全ての人が利用できる普遍的な制度とする観点もございます。それから、制度の支え手を拡大をして財政面からの安全性というものを高めるという観点から、加入年齢、被保険者の引下げというものを検討すべきという意見があったし、先生のようにおっしゃる御意見もございます。
 被保険者の範囲を四十歳未満の方に広げるということについて、若年者は介護サービスを利用する可能性が低く保険料負担への理解がなかなか得られないんではないのかという考え方、そしてまた、障害者団体の中には障害者福祉制度の介護保険制度への統合というものに非常に慎重な御意見があるということもあります。
 ただ一方で、今お話しのように、例えば、がんが原因で介護が必要な方も年齢に関わらずおられるということも確かにあるわけでございますので、そういうことも踏まえた上で、私どもとしては、この被保険者の範囲をどうするかということについては国民的な議論を更に積み重ねていくことが大事なんだろうというふうに思うところでございまして、これを本当に持続可能で意味のある制度としてどういうものにするのかということはやっぱり絶えず考えていかなきゃいけませんが、やっぱり過度な負担にもこれは注意をしていかなければいけないんだろうと思いますが、一方で、ニーズとしてどういうものがあるのかということには敏感でなければいけないんだろうというふうに思います。
#14
○足立信也君 この国の介護について一緒に考えていきたいと、そのように思います。
 私は大分の出身ですが、大分県の取組がモデルとして今法案の審議でもよく言われます。ちょっと時間が短くなったので私の方から言いますが、総合支援事業に段階的に移行していく中でも、認定率が下がったというと、この認定率の分母になる部分はどうなのかという質問を昨日聞いたわけですけれども、元々高齢者の人口が同じ分母であるならば、総合支援事業に移行した方々はチェックシートでチェックされているわけですから、要介護認定受けないですよ。分子が減っていくのは当たり前であって、やっぱりそこ、総合支援事業に移行した方々は分母の部分から外すというのがないと、本当の意味で認定率が下がっているなんて言えないですよ。これは申し上げておきます。ですから、この認定率の上下というものは評価指標としては余りふさわしくない、これはもう政府もお認めになっていること。
 それでは、大分県は、私も現場を回ってみて、非常によくやっていますよ、よくやっている、ここで大分県の取組のどこがすばらしいのか、どれを全国へあまねく広げたいのか、そこをおっしゃってください。
#15
○政府参考人(蒲原基道君) 大分県の取組でございます。我々が把握しているところによりますと、平成二十四年度から地域ケア会議に係る市町村支援というのを開始いたしておりまして、その後、ちょっと話が出ましたけど、認定率が低下していると。総合事業が始まる前のところも一定の範囲で下がっているところもあろうかと思います。
 その上で、大分県の取組についてということですと、幾つかポイントがあると思います。一つは、これは市町村長を対象とするトップセミナーというのを開催いたしまして、県内の市町村全体の意識統一というのを図っているというのが一つあります。もう一つは、いろんな先進的な取組を行っている市町村、これは全国のほかの市町村ですけれども、そこから講師を派遣しまして、地域ケア会議だとかその他のいろんな取組について研修あるいは実地支援というのを実施しているということ。
 あと、今のにも少し似ていますけれども、県内で最初にモデル的な市町村を幾つか選んで広めていっているということでございまして、そういった意味では、県内のより地域ケア会議の実践者をアドバイザーとして県内のいろんなところに派遣をしていると、そうしたものを通じた研修等を行っているということがございます。
 あともう一つ、地域ケア会議等では多職種の関わりが非常に大事でございます。例えばリハの専門家等でございますけれども、こういう方々を、県レベルで専門職の団体とよく調整をいたしまして、そうしたリハビリテーション専門職などの派遣を県がコーディネートしているというところも一つ大きいと思います。
 そのほか、住民主体の通いの場などの介護予防事業の充実を支援していると、こういうことがございます。
 いずれにしても、大分県のそうした取組、あるいは大分県の市町村がそういうサポートを受けていろんな取組をやっていることで一定の成果が上がっているということでございますので、私どもといたしましては、そうした大分県の取組を含めまして、全国で先行的な取組をしている自治体のノウハウというのを抽出いたしまして、それを手引書なりによく整理をして、自治体職員への研修等を行うなど、市町村を支援していくことが大事かというふうに思っています。
#16
○足立信也君 私も厚生労働省の方と大分県の取組をちょっと詳細に分析しました。確かに要介護一は余り変わっていないんです。要支援と要介護二、三、四、五はやっぱり減っているんですね。
 今、意識統一というのが非常に大事だという話がありました。実は、三、四年前、大分県というのは健康寿命と平均寿命の差が全国で一番長かったんです。だから、健康寿命日本一を目指そうということでスタートしたんです。これ、要支援の方が認定が減っているというのはまさにそこに表れていると思います。体操であるとかウオーキングであるとかそういう運動で、逆に、認定率を意識しないで健康寿命を延ばそうという試みが認定率を下げていったということだろうと思うんです。
 評価指標ということはこれから議論されるので詳しくは申し上げませんが、私はその健康寿命ということが一つのメルクマールになると思っていまして、今日、福島さんお呼びしているので、これ、健康寿命というのは非常に主観的で、WHOの規格とも違うし世界で通用するものでもないし、客観的な指標を是非日本がつくったらどうかと思いますよ、健康寿命。これがある意味日本が誇れるようなことになるんではないかと思うんですが、簡潔にその点についてどうですか、福島さん。
#17
○政府参考人(福島靖正君) 健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間であります健康寿命の算出につきまして、健康日本21におきましては、国民生活基礎調査における、あなたは現在、健康上の問題で日常生活に何か影響がありますかという質問項目、生命表を用いて日常生活に制限のない期間の平均を算出して、これを健康寿命としているわけでございます。
 この方法につきましては、確かに客観的なデータではないという御指摘もございますけれども、欧米におきましても、インタビュー等、主観的なデータを採用しているということもございまして、また、国民生活基礎調査については昭和六十一年から継続的に実施をしておりまして、この質問項目を用いることで継続的な評価ができると、こういう長所がございます。
 客観的なデータに基づく健康寿命の算出方法としては、要介護認定のデータを用いて平均自立期間を算出する方法もございますけれども、これは市町村ごとのデータが算出できるというメリットもある一方で、ほとんど六十五歳以上の方に限定されておりますから、実際の健康寿命を算出する上では限定されるし、また日本人全体の算定には適していないということでございます。
 健康づくりの指標あるいは健康政策、保健医療施策の評価指標としてどういう健康寿命の算出方法がよいかということについて、引き続き私ども研究をしてまいりたいと考えております。
#18
○足立信也君 分かりました。
 評価指標はこれから決められますが、参考人のお一人の方は、これで毎年毎年評価を求められたらとても対応できないとおっしゃっていました。交付金だから毎年になるかもしれませんが、そこは毎年毎年事業者に更に労力を課するようなことは控えた方がむしろいいんではなかろうかと思います。
 ここから、ちょっと時間の関係で、質問より申し上げます。
 私、去年以来、質問をよくしているのは、家庭内介護で介護する方もされる方もどちらも疲弊して、自殺というようなことも起きている、これを、介護施設に介護を家庭でしている人も臨時職員として雇って、そして介護されている方はその施設に入ると、これはもう臨時職員ですから給料は安いかもしれませんが、何よりも大事なのは週に一回、二回、休みが取れる、レスパイトになる。
 今回、これ地域包括ケアの中で、共生型サービス、我が事・丸ごととあります。まさにそういった、障害で家庭で物すごくケアに苦労されている方もいらっしゃる。この考え方は、外国人をいかに入れるかということもありますが、まず、日本人で家庭内介護で苦労されている方、そこは私は救いになると思います。是非それは、私は大分から進めていきたいと思っていますので、是非そのことも参考にしていただきたい。
 最後は、介護医療院のことです。
 介護医療院で医行為の割合が増えると思います。丸めて施設介護サービス費として出されるわけですけれども、そのときの医行為は、診療報酬、医療保険の方からどのように払われるというふうに今のところ考えているのか。
 それから、二〇一一年に、介護施設でも特に老健等々は家に帰るためにあるんだと、しかしそこでみとりをすることも非常に大事だということで、点数をかなり高く設定してみとっていただけるようにしました。今回、例えば、また老健に関しては在宅への、帰るのが大原則だということになっていますが、その老健でのみとりがこれから少なくしていくんだということは考えているんでしょうか。その二点だけ、介護医療院について、お願いします。
#19
○政府参考人(蒲原基道君) 二点について御質問いただきました。
 まず、介護医療院のサービスにおける給付でございますけれども、これは、今、介護療養病床から転換していくというパターンが一番想定されるわけでございますけれども、そこの介護医療院における医療の部分については、給付としては基本的には介護保険の仕組みから出てくるということになります。そのときに、ただ、介護医療院において入所者が非常に専門的な医療を必要とする場合、これは今の介護療養病床でも同じようにCTの撮影だとか抗がん剤等の専門的な医療を受けることがありますけれども、この部分は今医療保険から出ているところでございます。したがって、今回の介護医療院についても、そのような専門的な医療のところについては、そうした今の取扱いをよく踏まえて、今後そういったことを頭に置きながらよく検討していきたいというのが一点でございます。
 もう一点、みとりのことがございました。老健施設は確かに居宅への復帰を目指す施設でございますけれども、入所後の状況はいろんなパターンがあって、一旦戻ってまた入所してくるということもあり得まして、その意味ではやはり入所している段階でみとりということもあろうかと思います。現在、こうしたものについてはターミナルケア加算として介護報酬上の評価を行っているところでございます。みとりというのはいろんな場所で提供される必要がありますので、こうした老健施設におけるみとりについても適切にこれが行われるようにしっかりと対応していきたいというふうに思っています。
#20
○足立信也君 まとめます。
 争点は割と私は限定的になっていると思います。自己負担を二割にした場合、それから総合支援事業に移行した場合の実際の検証、それがどうなってきたかと、これが何よりも大事、じゃないと次に進めないという論点。それから、公正な評価指標に基づく財政的インセンティブ、これをどうするかということと、人材の確保。ここが議論の争点であることは間違いないと、そのように思っていますので、これからほかの三名の我が党の議員が質問すると思います。
 ありがとうございました。
#21
○牧山ひろえ君 民進党・新緑風会の牧山ひろえです。
 前回に引き続きまして、政府提出の地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案、これにつきまして質問させていただきたいと思います。
 まず、創設が定められています介護医療院についてお伺いしたいと思うんですが、医療保険、介護保険が一体的に見直されて、高齢で医療の必要性の低い方については療養病床から移行した老人保健施設等で対応することとなり、介護療養型医療施設は御承知のとおり平成二十三年度末で廃止されることとなりました。ですが、移行が進まなかったことなどから、平成二十三年改正によって平成二十九年度末までの六年間廃止期限が延長されました。ですが、それにもかかわらず、いまだに転換は十分に進んでいないというのが現状です。
 そのため、今国会の政府提出法案では廃止期限を更に六年延長するとされています。六年後、まだ転換が進まないということで再延長はあり得るんでしょうか。それとも、これっきり再延長はしない、されないということで確定なんでしょうか。
#22
○国務大臣(塩崎恭久君) 介護療養病床の問題についてのお尋ねをいただきましたが、この設置に係る経過措置期間について、介護療養病床の利用者の療養生活に悪影響が生じずに介護療養病床の開設者が経営方針等を決めるのに十分な時間を確保して、六年間ということを今回経過期間として設定させていただいているわけでございます。
 これまでいろいろ経緯があって延長してきた経緯がございますけれども、今回の介護医療院への移行につきましては六年間の経過措置期間中にしっかりと支援を行って、まずは移行状況等を把握をしながら適切に進めていくことに全力を傾けるということが最も大事なことだろうというふうに思います。特に医療のニーズをどう測るのか等々について課題がございましたので、今回、そういうことに答えを出しながら、六年間の猶予期間を持ちながら進めていきたいと、このように考えております。
#23
○牧山ひろえ君 今の大臣の御答弁だと、結構不明確な御答弁だなと思いました。
 そもそも、今回の介護医療院の創設で今度こそ転換がうまくいくという見通しを大臣はお持ちなんでしょうか。その判断の根拠も併せてお尋ねしたいと思います。
#24
○国務大臣(塩崎恭久君) これまで介護療養病床からの転換が進まなかったのは、先ほどもちょっと申し上げたように、患者さんの医療ニーズというものをどう測るのかということについて十分な把握ができていなかったのではないかという課題を私たちは考えていまして、既存の老健施設などはこの受皿として十分な機能を有していなかったという、そういう反省があったというふうに思います。介護療養病床で提供される医療機能は、やはり個人個人差がありますけれども、やはり基本的にはこの提供されるべき医療機能というのは重要であって、また入院先が生活の場となるような利用者にふさわしい環境も同時に重要なわけでございます。
 このために、私どもとしては、今般の制度改正で、日常的な医学管理やみとりやターミナルケア等の医療機能だけではなくて、生活施設としての機能というものを兼ね備えた、これが今回御提起申し上げている介護医療院ということで、新たにこういうジャンルで創設をしようと、こういうことを申し上げているわけでありまして、介護療養病床からの介護医療院への移行につきましては、六年間の経過措置期間中にしっかりと支援を行って、移行状況等を把握しながらしっかりと転換を進めてまいりたいというふうに思います。
#25
○牧山ひろえ君 今大臣がおっしゃった、日常的な医学管理やみとり、ターミナルなどの機能と生活施設としての機能とを兼ね備えた介護施設、この必要性について私は否定するつもりはないんですが、平成十八年に介護療養病床の転換政策を開始した際に、当時は十二万床あった病床数が、平成二十七年段階でも六・一万床も残っているんですね。十年たっても半数以上が残っている。転換の受皿が老健から介護医療院になったからうまくいくのではとおっしゃいますけれども、肝腎の介護医療院の中身も固まっていないということです。今度こそという決意を持って転換に臨むならば、今の段階で転換支援策などについてもう少し説得性のある根拠が必要ではないかと思うんですね。
 次に、この法案で実現を目指すとされております地域共生社会実現への取組についてお伺いしたいと思います。
 共生型サービスとして、障害福祉サービス事業所などであれば介護保険事業所の指定を受けやすくする、そして逆に、介護保険事業所であれば障害福祉サービス事業所等の指定を受けやすくするとされています。
 この指定を受けやすくする特例、この中身、すなわち具体策をお示しいただきたいんですけれども、申請を簡易化するなどのどちらかというと手続的なことをおっしゃっているんでしょうか。それとも、指定の要件を引き下げるという中身にまで踏み込むということなんでしょうか。具体例も挙げて御回答をお願いしたいと思います。
#26
○副大臣(古屋範子君) 今回の地域包括ケア強化法案におきましては、デイサービスなどにつきまして高齢者と障害児者が同一の事業所で受けやすくするために、介護保険と障害福祉両方の制度に新たに共生型サービスを位置付けることといたしております。これによりまして、介護保険又は障害福祉のいずれかの指定を受けている事業所がもう一方の制度における指定も受けやすくするようにするためのものでございます。
 両制度を比較いたしますと、デイサービスを例に挙げますと、機能訓練室の面積や食堂の有無などにつきまして指定基準には違いがございます。共生型サービスの基準につきましては、このような違いを踏まえつつ、サービスの質を確保することに十分留意して設定される必要があり、関係する審議会などにおいてしっかりと検討をしてまいりたいと考えております。
 また、事業所が指定を受ける際の手続につきまして、委員御指摘のように簡素化を図ることも重要な視点であると認識しております。この点は平成二十八年十二月の審議会の意見書においても御指摘をいただいておりまして、これを踏まえて検討を進めてまいりたいと考えております。
#27
○牧山ひろえ君 では、前回の質疑で、具体的な基準や報酬については、サービスの質や専門性を確保することに十分留意をして設定をされる必要について答弁されているんですけれども、サービスの質の低下を防ぎ、そして専門性が確保される、その一方で、施設基準や人員基準の引下げ、この矛盾したもの同士ということで、私は全くイメージが湧かないんですけれども、この相反する二つの要請をどう両立させるのか、もう少し具体的に御説明いただければと思います。
#28
○政府参考人(蒲原基道君) これはやはり、非常に現場のいろんな状況、あるいは具体的な今の基準の状況というのをよく踏まえて検討していきたいというふうに思っています。
 先ほど機能訓練室の面積だとか食堂の有無について若干の差異があるということを例示として申し上げました。ただ、そういう差異がありながらも、サービスとしての質というのはきちっとこの共生型サービスについては確保する必要があると思っていますし、その専門性というのもやはりきちっと確保していくことがこれは大事だというふうに思っていますので、まさにそれは、具体的な個々の基準そのもの、あるいは現場におけるいろんな運用状況、そうしたものをよく聞いた上で、基本的な立場は、先ほども話がございましたとおり、サービスの質の確保といったことに十分留意を置いた上で具体的な検討をしていきたいと、こういうことでございます。
#29
○牧山ひろえ君 やはり矛盾を感じますし、いまいちちょっと説得力を感じないです。
 そもそも、今回の法案の大きな柱になっております地域共生社会は、障害者のための施策でもあるとのことです。また、つい先般まで審議をしておりました精神保健福祉法も、当局の説明によりますと、障害者のための施策であると。これにつきましては、立法事実に対する大きなごまかしがあるのではないかということで、私たちはさんざんそのことを申し上げましたし、私たちの見解なんですけれども、それはおきまして、当局の説明では、今回の国会では障害者のための大きな法案が立て続けに議論されているということになります。当事者であられる障害者や障害者団体の方は、では、さぞや喜んでいるだろうと思いきや、同僚の石橋議員の質疑でも示されましたとおり、全く喜んでいないということです。むしろ、非常に積極的な働きかけで必死に成立を阻止なさろうとしています。当事者が喜ばない施策です。これが、前回の質疑でも私が指摘した、今回の法案の私は本質ではないかなと思うんですね。
 ただ、厚生労働省の善意を信じますと、これだけ障害者施設に力を入れているのですから、来年度の障害者予算は大幅増とされるに違いないと思いますが、いかがでしょうか。来年度以降の障害者予算について、しっかりとはっきりと方針をお示しいただきたいと思います。
#30
○国務大臣(塩崎恭久君) 日本のこの障害者施策、特に予算の面から、例えばOECD諸国の中でどういう位置付けかということについては私自身も随分指摘もして、大臣になる前よく言っておりましたし、それは変わらず低いという指摘は当然あるわけですね。障害者福祉なりに係る財政支出については、いろいろな各国の状況がある中でありますが、単純に比較することは難しいと思っていますけれども、そういう厳しい評価があることは分かっていますし、私もこれは充実をしていかなければいけないということは強く思っています。
 我が国では、障害者総合支援法などによって必要な方に必要な福祉サービスが提供される仕組みを構築をして、予算面で見ていただいても、これに係る負担額はこの十年間で二倍以上に増加をしておりまして、予算で見ても、この障害福祉サービスなどは平成二十九年度は一兆二千百六十九億円ということになっています。また、依存症対策に関する予算とか、あるいは地域生活支援事業などを始めとする負担金以外の裁量的経費の政策的な予算も時々の政策事情に応じて拡充を図ってきているわけでありまして、今後も、障害のある方が安心して生活できるように、当然これは毎年度の予算編成においてしっかりと予算が確保できるように努力をしていかなければならないと思っております。
#31
○牧山ひろえ君 最近、障害福祉サービス予算は増加傾向にありますことは確かですけれども、それでも日本の障害者関係の公的支出の対GDP比は、今大臣がおっしゃったとおり、OECD諸国の中でも低水準にとどまっているということは事実です。OECD諸国平均を目安に障害者施策に財政を投入することをやはり推進すべきだと思いますし、また、障害者のことを思う厚労省の善意が本物ならば、そして大臣の思いが本物ならば、せめて障害者関係の公的支出の少なさに対する問題意識ぐらいはもう少しはっきりと、また具体的に表明していただきたかったと思います。是非、具体策を具体的にお願いします。
 次に、利用者負担の見直しについてお伺いいたしたいと思います。
 前回の質疑で、十一月二十五日の介護保険部会において三割負担に関する論点を提示されたお話がございました。では、この三割負担についてですが、この案が提示されたという十一月二十五日、この日を除いて、報告書作成までに介護保険部会において一体何回審議が行われたんでしょうか。
#32
○政府参考人(蒲原基道君) 利用者負担の在り方についての審議会における検討でございますけれども、まず、審議会における議論の開始時に主な検討事項というのを提示いたしましたけれども、その中の一つとして提示をされておりました。その後、二回にわたり議題とし御議論いただいた後、今話がございました十一月二十五日に改めて論点として提示をし、その次の十二月九日に報告書が取りまとめられたと、こういうことでございます。
 それまでの二回、これは八月十九日と十月十九日でございますけれども、その二回の議論の中であった意見として、一つは、負担能力に応じた負担となるようにしていくべきではないかということ、あるいは、医療保険における患者負担割合との整合性を取るべきではないかといったような御意見があったということを踏まえまして、先ほどの十一月二十五日に論点として提示して議論いただいたと、こういう経緯でございます。
#33
○牧山ひろえ君 正直言って、今の御答弁、非常に分かりにくかったです。
 事前に確認しておりますけれども、三割負担につきましては、案が提示されたという十一月二十五日、この日を除いては、報告書作成までに介護保険部会において一回も審議が行われていないんですね。負担増の一般論としてはともかく、次期国会における法改正による三割負担導入につきましては、ほぼ議論していないということなんです。それまでの部会で負担増の意見があったと言っても、部会の総意というわけでもないんですね。私が指摘しておりますとおり、後出しじゃんけんそのものじゃないかなと思うんです。
 では、なぜ二割負担導入の僅か一年後のこういったタイミングで提起をされたんでしょうか。それから、この短い間隔で負担増を繰り返すことが利用者負担増の止めどない拡大への国民の不安をかき立てること、ちゃんと考慮されたんでしょうかということをお聞きしたいです。この両点について明確にお答えください。
#34
○国務大臣(塩崎恭久君) これは先ほど足立委員にもお答えを申し上げたことでもございますけれども、高齢者の暮らしを支える上で必要不可欠な仕組みでございますこの介護保険、この制度につきまして、高齢化が進展していても持続可能性を絶えず図れるように手だてを打つということが責任ある立場としてやらなければいけないことだろうと思います。
 その際に、必要な方に必要なサービスが行くという観点を大事にしつつ、財源は三つしかないわけでありますから、保険料と税とそして自己負担と、これをどういう組合せでいくのかということで財源を確保することが可能になって必要な方に必要なサービスが行くようになるかと、こういうことだと思います。制度を不断に見直していくということを続けていくことによって持続可能なものにしていくわけで、そのことが、今後の若い世代にこの制度を引き渡す私どもとしてやらなきゃいけないことではないかというふうに思います。
 先ほど議論がありましたけれども、介護費用が三倍になって、そして二〇二五年には保険料も八千円を超えるという、かなり大きな数字も見えている中で、今回の介護保険では、単にこの今御指摘をいただいている、この間二割にしたのに何ですぐに三割にするのかという、現役並みの所得を稼いでいらっしゃる方々に限っての負担割合三割ということを導入するだけではなくて、この財源として総報酬割を介護納付金に導入をする、そのことによって現役世代の一部の方にも負担を一部お願いをするということを一緒にお願いをして、世代内そしてまた世代間の負担の公平を図ろうということを御提起させていただいているわけでございます。
 いずれにしても、制度の可能性を高め公平な制度にすることが、やはり制度の先行きを皆様に見ていただくようにして不安を持っていただかないようにすることが大事だというふうに思いますので、引き続き、これは丁寧に御説明を国民の皆様方にしていくということが大事なので、理解を求めるべく努力を重ねていきたいというふうに思っております。
#35
○牧山ひろえ君 本当に三割導入が必要だとお思いならば、二割導入と同時に検討すればよかったんではないかなと思うんですね。後々三割導入の必要性に気付いたと言うならば、二割導入の影響がやはり判明してからやるべきだと思うんですね。御説明では、なぜこの時期でやらなければならないかという点に全く私は説得力を感じません。
 また、後半部分の答弁では、国民の不安は考慮したが、それ以上に必要性を優先したということでしょうか。当局の対応は、介護保険の将来に不安を持つ国民の心理に鈍感過ぎると思うんですが。
 では、塩崎大臣が衆議院等で、立体的に実態を把握する努力を更にしてまいって執行に当たっていきたい、このように答弁されているんですけれども、この立体的に実態を把握する努力、それから、更なる多角的な分析、また、サービス利用の実態把握に努める、これ全部大臣の言葉そのものなんですけれども、当然、利用者負担増に関する調査、分析のことだと思いますが、それでは、いつどのような形で実施するおつもりなんでしょうか。端的、明確に御答弁願います。
#36
○国務大臣(塩崎恭久君) 二割負担の導入に際してのサービス利用への顕著な影響があったかどうかということで、私どもは、顕著な影響は見られていないのではないか、しかし、引き続きこの統計データなどを活用したサービス利用の実態把握に鋭意努めなければならないと。そういうことで、法案審議においても、利用者やケアマネジャーを通じた実態把握が必要であり、また、同居する御家族の状況の実態把握も必要だろうということもありまして、様々な御意見を委員会審議を通じてもいただきました。
 そこでいろいろ御提起をいただいたのは、やはり多様な状況が想定し得る、家族の構成とかあるいは地域とか、あるいはそれまでの資産の蓄積であったり、あるいは年金の状況であったり、いろんなことが様々あるわけでございまして、そういう中で、もちろん家族でどういう方と一緒に住んでいらっしゃるのかということも含めて、そういう意味で、先ほど御指摘をいただいたような、立体的に実態を把握するとか、あるいは多角的な分析とかサービス利用の実態把握、同じニーズをお持ちの方でも利用される方とされない方がいるけれども、それはなぜかとか、いろんなことがあり得るというふうに思っておりますので、そういう意味で、多角的な分析ができるような調査を今後しっかり検討してまいりたいということを申し上げたところでございます。
#37
○牧山ひろえ君 是非しっかりした調査をお願いしたいと思います。
 大臣は、二割負担の影響について、僅か半年という短期間を対象に、顕著な差は見られないとして三割負担の導入を正当化されていますが、より長期的、本格的な調査や、大臣がおっしゃるような多角的な分析で顕著な差が明確になった場合にはどうするんでしょうか。三割負担の導入について再検討されるんでしょうか。そもそも、どの程度の結果で顕著な差と認めるんでしょうか。この両点についてお教えいただければと思います。
#38
○国務大臣(塩崎恭久君) これ、先ほど申し上げたとおり、この二割負担の導入による影響というものがどういうことかということの実態把握が不十分ではないかという御指摘をいただいておりました。法案審議の中での様々な御意見を私ども先ほど申し上げたとおり踏まえて、多角的な分析を調査手法の内容も含めて検討していきたいということを申し上げたわけでありますけれども、この三割負担の導入につきましては、二割負担の導入の影響に関するこれまでの実態把握等の結果を踏まえ、二割負担者よりも一層範囲を限定をして、現役並みの所得を有する方に限って三割負担については導入しようということを提案をさせていただいているわけであります。
 したがって、今後の更なる実態把握のための調査、これは中身については鋭意詰めますが、その結果が三割負担の導入が適切でないと判断される内容になるとは想定はしておりませんけれども、しかし、今の二割導入の際の影響についての言ってみれば私どもでまだ気が付かない部分があるとするならば、そういうことについてもしっかりと踏まえた中で実態把握をやりながら法の執行を行っていきたいというふうに思っております。
#39
○牧山ひろえ君 それじゃ駄目ですよ。それ、調査じゃないと思います。三十年八月の三割負担導入前に二割負担導入による顕著な影響が確認されても、今おっしゃるように再検討がなされないということであれば、柔軟性を欠くと思います。柔軟性を欠く硬直した対応としか言いようがないと思います。
 また、データについて、事前に評価の基準を明らかにしていただけないと恣意的な評価が行われるのではないかという心配もしております。国民の皆さん、今の御答弁で心配されていると思いますので、是非それ撤回していただきたいなと思います。
 衆議院の参考人質疑で、認知症の人と家族の会の副代表理事である田部井康夫氏はこう陳述されています。二割負担の導入や補足給付の見直しについて実態調査を行った結果、二割負担と補足給付が重なった場合、五万円から十万円に近い負担増となって生活が成り立たない、サービスを減らさざるを得ないなどの非常に厳しい状況に追い詰められている利用者が相当数いるということが分かった、こうおっしゃっているんですよね。このような現場の声、貴重な現場の声です。当事者の声にはしっかりと耳を傾けていただきたいと思います。
 平成二十六年に成立した医療・介護総合確保推進法によって、消費税率の一〇%への引上げによる増収分を活用して低所得者への介護保険料の軽減措置が行われることになっております。ですが、消費税率の引上げは再延長されており、軽減措置は一部実施されているというものの、完全実施とはなっていないんですね。消費税率の引上げは平成三十一年十月に実施されると予定されていますけれども、低所得者への軽減措置も平成三十一年十月に完全実施されると考えてよろしいでしょうか。また、仮に消費税率の引上げが再延期された場合にはどのような対応となるんでしょうか。端的にお答えください。
#40
○国務大臣(塩崎恭久君) 消費税の引上げについてのお話をいただきまして、平成二十七年四月からこれ、消費税八%への引上げによる増収分を活用して所得の低い方への保険料軽減措置は、第一弾、実施したところであります。軽減措置の更なる拡充がこの一体改革の中で決まっておったわけでありますけれども、消費税一〇%への引上げが延期されたことを踏まえまして、平成二十九年度予算編成過程においてその取扱いを検討した結果、現行の軽減措置を継続をするということにさせていただいたところでございます。
 そこで、更なる拡充の実施をどうするのかと、こういうことでありますが、具体的な時期については、この消費税一〇%への引上げ時に実施をするというこれまでの社会保障の充実の考え方を踏まえて今後の予算編成過程において検討していくことというふうに私どもはしているところでございます。
#41
○牧山ひろえ君 引上げが実現した場合であっても、所得の低い高齢者への支援策を国の責任できちんと充実していくことが必要ではないかと考えます。
 時間となりましたので、質問を終わらせていただきたいと思います。
#42
○石橋通宏君 民進党・新緑風会の石橋通宏です。足立委員、牧山委員に続いて三番手、質問させていただきたいと思いますが。
 まずは、前回、先週の質疑のときに、今回の法案、三十一本の束ね、二百二十二項目に及ぶ政令、省令委任事項という点について問題提起もさせていただきました。資料提出をいただきまして、今日、今皆さんのところにお配りをいただいていると思いますが、資料を作っていただいたことには感謝を申し上げたいと思いますし、これ、リストを見れば、改めてこれだけの、重要事項も含んで政令、省令に委任をされてしまっていると。だから、多くの皆さんがこれでは実態どうなるか分からないと、それを分からないままに法案審議が進んでいるのではないかと。やっぱりそこから多くの懸念が出ているということは、これは大臣も含めてお認めはいただけるんだと思います。
 本来ですと、これだけ多くの政省令委任事項があるわけですから、じゃ、具体的にどういう基準、水準で設定を考えておられるのか、もっと丁寧にこの委員会で審議することが必要だろうというふうに思うわけです。そういう御要望、多数我々のところにも届いておりますので、是非引き続き徹底的な審議をというふうに思っていることを申し上げて、今週に入ってからも、恐らく皆さんのところもそうだと思いますが、今週に入ってからだけでも物すごい数の皆さんからの声が届けられております。ほとんどというか全て反対の声です。廃案にしてほしい、若しくはもっと慎重な審議をしてほしいと。切実な市民、国民の皆さんからの声、ユーザーの皆さんからの声、もうぎりぎりのところだ、貯金をどんどん食い潰してこの先どうなるか分からないと、もう本当に悲痛な叫びです。これは大臣のところにも届いていると思いますし、大臣、御覧をいただいていると思います。是非その声にしっかりと本当に耳を傾けていただきたいということもお願いをしておきたいと思います。
 その上で、今日三十分だけしか時間ありませんので、要点絞ってお聞きをしていきたいと思いますが、最初に、今のに関連して、牧山委員からも、改めて、どこまでこの法案に当事者の皆さんの意見、声が反映をされているのか、前回、これ私、改めてお聞きをしたわけです。大臣は、いや、当事者の皆さんも部会のメンバーとして参加をいただいているからちゃんと声は反映されているんだというふうに答弁をされた。でも、保険部会でも、さっき牧山さんも言われた、いや、余り審議してねえじゃねえかと。僕も、障害者部会の方でも改めて議事録も出していただきながら、一体どこまで障害者部会でこの法案の根幹に関わる部分、障害者の皆さんに関わる部分が実質的な議論をされたのか。いや、正直されてないんじゃないですか、これ。
 例えば、今年の一月六日の第八十三回障害者部会、これ介護保険部会の意見資料に基づいての説明があっただけです。第八十四回、二月二十二日、既に提出された法案の説明資料に基づいて説明があっただけです。議事録見ても、ほとんど意見がありません。厚労省の担当の皆さん、いや、意見がありませんでしたというふうに言われる。いや、それはそうでしょう。こういうふうになりました、どうやって意見提起するんですか、結論だけ言われて。
 大臣、これで実質的に当事者の皆さんも参加、参画をいただいて、この法案、この中身についてちゃんと皆さんの御意向、御意見も問題提起も組み込まれている、これ、到底言えないと思いますが、大臣、どうですか、その問題意識は共有いただけるんでしょうか。
#43
○国務大臣(塩崎恭久君) 制度をつくったり変えたりする際に、当事者の皆さん方の御意見を聞く機会を持つということは大事だということは御指摘のとおりだというふうに思います。
#44
○石橋通宏君 結局、今回の法案に至るプロセスにおいてということについて、大臣、今一言もお触れにならなかった。まあ、答弁書をまた間違えられたのかもしれませんが。
 これ、幾らやっても大臣、同じなので、一つ提案をさせてください。
 正直、難しいと思うんです。部会に参加をされる当事者の皆さん、もちろん数が限られてしまっている。でも、やっぱり当事者の皆さんって本当に幅広い、多くの当事者団体の皆さん、関係者の皆さんおられるわけです。多くの事項、重要事項も政省令に委ねられている、これからいろんな審議出てくるんだと思います。そこにどうやって、より幅広い、多くの当事者、関係者の皆さんに声を出していただいて、皆さんの声をちゃんと聞いていただいて、そして適切、妥当な形をつくっていっていただく、そういう意味ではこれからが本当の勝負だというふうに大臣も共有いただけるのであれば、是非、その当事者、関係者の皆さんの参加、参画の在り方について、より適切な形を何としてもつくっていくという大臣のお約束を是非ここでいただきたいと思いますが、そこ、皆さんも聞いておられるので、しっかりとした答弁をお願いします。
#45
○国務大臣(塩崎恭久君) 一般論でお聞きをいただいたので一般論でお答えをしましたが、もう少し具体的に申し上げますと、今回の特に議論になっているのは、共生型のサービスの創設ということについての様々な御懸念をお指しになっていただいていると思いますが、元々この社会保障審議会障害者部会において、障害のある方にも委員として参画をいただいて、平成二十七年の四月から十二月にかけて、これ、かなり長い期間にわたって障害者総合支援法等の見直しの議論を行った結果を踏まえたものでございまして、具体的には、六十五歳を過ぎた障害者について、介護保険の被保険者となった際に、使い慣れたなじみの事業所でサービスを利用できなくなるのではないかという御懸念がございましたが、これを見直すべきとの意見が出されたことが契機となっていました。
 同部会では、今年の一月と二月にも、今回の介護保険法等の制度見直しについて御審議をいただいています。これは、先ほど石橋委員の方からも御指摘がありましたので、このように、今回の法案の策定に当たっては、障害者団体の御意見を既にお聞きをして、それを前提として進めてきているわけでありまして、障害のある方に関係する制度を見直すのは、先ほど申し上げたとおり、当事者の御意見を聞くことは当然であって、法律が成立をした場合には、今御指摘をいただきましたが、今日、先ほど言及があった、省令委任事項が多いじゃないかということで、そのとおりの部分ももちろんありますが、私どもはいつも、法律ができた後のこの省令の中でどう決まるのかというのも大変大事なので、是非御意見を聞かせてくださいということを、私も、例えば地元の障害者の関係者の皆さんと勉強会を持って御意見を吸い上げながら、それを今度は、普通の議員であった場合には、部会でもって発言をしてそれが生きるようにするということも、あるいは直接厚生労働省に言うということもやってきたわけでありまして、この共生型サービスについての御心配をいただいていますけれども、具体的な基準などを検討をするわけでありますから、引き続き、障害者部会を通して障害者団体の意見を十分に伺ってまいりたいと思っています。
 この参議院厚生労働委員会で本法案の審議が始まる前に、障害者部会に参画をしている複数の障害者団体から改めてこの法案についての御意見もいただき、肯定的な意見書も、例えば全国手をつなぐ育成会連合会とか知的障害者福祉協会とか、様々なところから頂戴をしているところでございます。
#46
○石橋通宏君 答弁書を読まれるよりは大臣の大臣としての今表明をいただきたかったところですが、まさに大臣いろいろるる言われましたけど、そのプロセスについて多くの、その部会に参加できなかった、参加しておられない多くの障害者団体の皆さんから、私たちの声は聞いてもらっていない、反映されていないという意見がある。それについて、じゃ、これから議論の中でしっかりとどういう形でいい形をつくっていただけるのか、そのことをちゃんと答えていただきたかったわけです。
 是非、大臣、こう決まったから皆さんこうですよと、それじゃ参加、参画にならないわけです、どう一緒につくっていくかというそのプロセスに参加、参画をいただけるように、そこをしっかりとやってくださいというお願いなので、大臣、そこは踏まえていただいていると思いますから答弁求めませんけれども、これ我々しっかり見ていきますからね、これは大臣の責任において確実にやっていただけるようにお願いをしておきたいと思います。
 その上で、ちょっと済みません、時間今かなり使われてしまったので順番入れ替えて、先に、いま一度財政的インセンティブの話にさせていただきますが、これも先週木曜日の質疑でるる質問させていただいて、おとといの参考人、先ほど足立理事も少し触れられましたが、参考人の皆さんからも、やはりこれ一歩間違えばマイナスになってしまう、悪い方に行ってしまうと。現場へのプレッシャー、ケアマネジャーの方々への様々なプレッシャー、これは本当にむしろサービスが切り捨てられる結果にならないだろうかと、そういう課題提起、問題提起もいただいたところで、これ、しっかり本当に指標の設定も含めてちゃんとやっていただかないとかえってマイナスになる、これはもう大臣も御存じのとおりだと思います。
 その上で、先週私が確認を何度もさせていただいたのが、法案第百二十二条三の、予算の範囲内において交付金を交付するという財政的インセンティブ。これ、じゃ、予算獲得できなかったら、ディスインセンティブ付けて、どっかの予算減らしてどっかの予算を付ける、そういうプラスマイナスの同じパイの中での切り刻んだ話になるのではないかというふうに質問したところ、ちょっとはっきりした答弁いただけなかったので私も混乱してしまったわけですが、昨日レクでようやくつかめましたので、大臣、ここで改めて確認ですが、これは結局、追加の予算が取れなければ、プラスの予算が取れなければ、財政的インセンティブ、この百二十二条の三に言う交付金はないんだという意味だということで説明をいただきましたが、大臣、それでよろしいですね。
#47
○国務大臣(塩崎恭久君) ディスインセンティブはないという理解でいいかというお尋ねだと思いますが、そのこと自体はそのとおりだと思います。つまり、プラスアルファないし最悪プラス・マイナス・ゼロということで、マイナスだけという今のお考えはないと。
 この法案においては、市町村あるいは都道府県に対して自立支援や重度化防止の取組等を支援するというのが目的として、予算の範囲内において新たな交付金を交付する旨の規定が新設をされているわけでございます。介護給付費を賄うのは、もう何度も申し上げておりますけど、国費と地方負担とそして保険料のこの負担割合は法定をされていますので、この新たな交付金はこれらとは別に財源を確保した上で交付することを予定をしておりますので、結論は先ほど申し上げたとおりでございます。
#48
○石橋通宏君 要するにそういうことで、追加的な、だから大臣がこの間も努力をしますと、でも取れなかったらプラスもないわけです。そういうことを今確認をいただいた。だから、マイナスはないけれども、追加の予算なかったらプラスもないと。
 プラスもないと言われると、これ大臣、ちょっと驚きなんですが、つまり、せっかく今回これだけやって、自治体にも都道府県にも計画も作ってもらって目標も立ててもらって頑張れと、でも予算取れなかったらプラスもないというふうになったら、これってどうなんですか。結局、今と全然変わらない。頑張れと言ってニンジンぶら下げながら頑張らせて、結果出したのに、いや、予算取れませんでした、ごめんなさいと、そういう意味ですか。それだったら、我々の議論、何だと思いますが、そうではないならそうではない、でも今の答弁だと、いや、予算取れなかったらゼロもあり得るということになっちゃいますが、大臣、そういうことなんですか。結局、どんなに頑張っても、結果、取れなかったらゼロなので、済みません、そのときは、頑張っていただきましたけれどもゼロなんです、そういうことですか。
#49
○国務大臣(塩崎恭久君) いや、これは全ての政策は予算が要るわけでありますから、それは当然予算を確保して実施をするというので御提起を申し上げているわけでありますから、予算が取れなかったらというようなことを考えるのはやや悲観的に過ぎる話であって、私どもは、三十年度予算でこれは編成過程で必ず取るようにしていくというのが私たちの考え方であります。
#50
○石橋通宏君 必ず取ると、与党の皆様にも聞いていただきましたので、必ず取るというお約束だと思います。あとは、じゃ、取るとしてどれだけ取れるかで当然交付金の額、幅、規模、決まってくるのでしょうから、そこも踏まえてこれだけのことを約束されたんでしょうから、そこはしっかりと確保いただきたい、結果ゼロだったということがないようにお願いしたいと思いますが。
 その上で、結局、前回の質疑、局長もおっしゃっていました、多くの自治体の皆さんがやっぱりむしろ心配されているのは、今日、資料の三で、財源構成、さっき大臣が触れられた点、これ決まっているので、この負担割合というのは、だからここが動くことはないんだというふうに今大臣もおっしゃった。でも、財政審が言っているのは、いや、むしろここの、この上の国庫負担金のところ、全国でいけば五%、そして第一号保険料、全国平均でいけば二二%、ここの部分をインセンティブ、ディスインセンティブを付けるべきではないだろうかということを財政審が言っていると。
 これ、今自治体の状況でいろいろあるわけですね。これは平均値だから、多い自治体もあれば少ない自治体もあると。だから、ここを、もっと頑張って結果を出した自治体は国庫負担金のところを増やすし、そうでない自治体は減らすしということを財政審が言っていて、それを自治体の皆さんが大きく心配されていると、そういうことだと改めて理解をいたしましたが、これ、大臣に是非、厚労省として、大臣として、財政審のこの言い分、どういうふうに思われているんでしょうか。
 これ、自治体として、いや、頑張った、でもやっぱりいろんな事情でいわゆる財政審が望む結果は出せないところはやっぱりそれはあるんだと思います。でも、予算が減らされる、国庫負担が減らされる、そうなったらまさにサービスが立ち行かなくなってしまう、自治体間格差がむしろ今よりずっと拡大してしまう、そういう懸念がやっぱり我々はあると思いますが、大臣も同じ思いでおられるのか。財政審のそういう現場を見ないやり方については、断固厚労省としては、大臣としては反対していく、そういう理解でよろしいんでしょうか。
#51
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、あらゆる政策については、財政当局は財政当局の論理で物事を言うわけで、我々はこれは介護保険なら介護保険の立場から物事を言っていくという中で、どう決まるのかは、これは民主党政権時代も同じことだったというふうに思うんですね。
 財政的なインセンティブについては、審議会で、追加的な財源を確保した上で実施をすべきという意見と、それからディスインセンティブも組み合わせた上で財政中立で実施をすべきだというような意見ももちろんありました。
 本法案で新設をされる交付金に加えて、調整交付金の仕組みにおいて新たに市町村の取組の差を反映させることも検討課題というふうになっていることが今御指摘の一つだろうと思いますが、これについては、何度も申し上げますけれども、調整交付金というのは、市町村間の後期高齢者比率とかあるいは所得水準がいろいろ全国ばらつきがありますから、そういうものの調整をする目的で導入をされたものであること、それから、調整交付金にインセンティブの要素を組み込んだ場合に従来よりも調整交付金が減額となってしまう市町村が出てくるというようなことで、これは自治体の方からの強い抵抗ももちろんあるわけでありまして、そういった反対意見も踏まえた上で、今後しっかり検討をしていかなければならないということは前回も申し上げたというふうに思います。
#52
○石橋通宏君 決して、参考人からの御指摘も含めて多くの皆さんが心配をされている、懸念がある、かえってそういうやり方によって必要な介護サービスが提供されなくなるんではないか、そういう事態に絶対に陥らないように、それがまさに厚労大臣、厚労省の役割だと思いますので、この辺については、今大臣の答弁も踏まえてしっかりとした対応をしていきたいと、これは強くお願いをしておきたいと思います。
 その上で、改めて、これ牧山委員も触れられた、我々が何度も繰り返し指摘をしている今回の一部三割負担への引上げ、さらには過去の二割負担引上げの影響評価、それから総合事業の移行に伴う、本当に現場で何が起こっているのか、格差が広がっていないのか、その辺をちゃんとした調査、分析もないままに今回また更なる提案がされていることについての疑問、こういったことを先ほど大臣からもるる答弁をいただいたところです。
 二割負担、三割負担の件は、牧山委員指摘をされましたので、総合事業に関する点について改めて確認をしておきたいと思いますが、お手元の資料の二、改めて整理をしていただきました。じゃ、これまで厚労省としてどういう調査をしてきたのかということで、これまでの調査、一六年八月、昨年の十二月、対象自治体ということで出していただいておりますが、この中で、今日お手元に資料の五の一、二で、新しい地域支援事業、総合事業の実施状況の調査の結果ということで一部参考にお付けをしておりますけれども、これが、この資料の二のリストでいうと、十二月十三日、五百十四自治体の資料です。
 大臣にお聞かせいただきたいと思うんですが、この資料、先週になるまで公表されておりませんでした。私が四月になぜ公表されないのかお伺いしたら、いや、公表するつもりはありませんという答弁だった、説明でした。いや、せっかくこれだけの調査をして、法案の審議をしている大事な話なのに、なぜ、ちゃんと委員の皆さんに共有したり、一般の皆さんに公開しないのかとお伺いしたら、何か慌てて先週急に公開されました。これ、何で公開しないつもりだったんでしょうか。大臣、説明できますか。
#53
○政府参考人(蒲原基道君) 今話が出ました、この五百十四自治体の資料だと思います。それまでは七十八自治体ということで、一段階前の時点でのものだったんですけれども、それ以降のことを、我々、いろんな関係自治体から情報を収集していました。
 実は、まだ完全にチェックというのが終わっていなくて、なかなかホームページ等に出せる状態になっていなかったんですけれども、元から、これは整理をして公表しなきゃいけないものだというふうに思っておったんですけれども、その時期については、確かにおっしゃるような時期だと私も聞いています。聞いていますけれども、何か、元々、こういうものを調べてずっと公表しないとかいうことではございませんでした。
#54
○石橋通宏君 ちょっと担当の皆さんの説明と違いますよ。四月の段階で、いや、そもそも公表するつもりでやっている調査ではありません、いや、それは違うんじゃないのと。
 去年の八月十七日に実施された最初の調査、対象が少なかったこともあるのかもしれませんが、割と早い時期に部会に資料として提出されています。今回は、十二月にやったのに公表されたのは先週です。何でこんなに時間を掛けたのか、それがよく分かりません。元々は三月ぐらいに出される予定だと聞いておりましたが、出されなかった。先週です。何か隠していたんじゃないのかなと、うがった見方をしてしまうわけですが。
 じゃ、例えば、大臣、これ大臣は当然御覧になっているんだと思いますし、総合事業の実施状況、自治体間格差がどうなのか、こういったことを大臣も、こういうことを踏まえて分析をされているんだと思うんですけれども、これ大臣、どういうふうに御覧になっていますか。
 各自治体で、これ去年の四月一日段階での話、五百十四自治体ですから、一部限られた話ではありますけれども、例えばこれ、緩和型のサービスが増えているんですね。五の二のあるように、緩和型のサービスでいうと、自治体の基本単価の水準設定で大きく差があります。さらには、緩和型サービスの利用者負担割合も大きく差が出始めています。とすると、このデータって、まさに総合事業の、これからどんどんどんどん進めていくに当たって、むしろ従来型よりは緩和型がこれから拡大をしていくのではないか、その中で、自治体間の単価設定とか利用者料金の設定とか、そこに格差が拡大していくのではないか、そういう状況も読み取れるのではないかと思うんですが、とすれば、やはりより丁寧にこれ状況をちゃんと調査しないと、まさにその自治体でのサービス提供の実態が分からないのではないか、強くこの資料から思うわけです。
 どうでしょう、大臣、むしろ、そういう課題、問題認識、この資料から、大臣、読み取っておられるでしょうか。
#55
○国務大臣(塩崎恭久君) 元々、要支援を地域にお願いをしようというときの発想は、やっぱり地域の特性に応じたサービスの提供が必要に応じてなされるようにしていくということが主眼だったんだろうというふうに思います。当然この財源は介護保険から出るわけでありますから、そこのところはいろいろな誤解を招いていますけれども、そこはしっかり国民の皆様方にも御理解をいただくことが大事だと思っています。
 一方で、今お配りをいただいたこの資料五の一にございます、この時点での調査の五百十四市町村の実際のところは、やはり担い手一つ取ってみても、まだまだ住民主体であったり、あるいはNPOとかボランティアとか、そういう形での担い手が十分じゃ多様化しながら広まりを見せているかというと、これはまだ課題が残っているなというふうに思っておりまして、今緩和型のサービスについての言及をいただきましたけれども、これは一つの決まった方向があるわけではなく、やはり多様に担い手が現れて必要なニーズを適切に提供できるような体制をどう早くつくっていくかということは、これからもそれぞれの地域の御事情もお聞かせをいただきながらしっかりと進めていかなければならない、そういうことを読み取れる調査ではないかと思います。
 今日お配りをいただいている資料一の一番最後に、二〇一七年の四月一日に全自治体についての調査を行いつつあるということがありますが、こういう中で恐らくそういう実態が現れ、今後何をしなければ本来元々これを実施する目的としていたことが実現しないかということが分かってくると思うので、できるだけ早くにこの二〇一七年の四月に行っている全自治体のこの調査、これについて中身をきっちりと分析できるような状態に今早く持っていくことが大事だなというふうに思っています。
#56
○石橋通宏君 大臣も理解いただいていると思いますが、相対的に言って、去年の四月一日段階までに移行された五百十四自治体、比較的全国の自治体の中では体力があるといいますか、先行して実施ができる、そういう自治体だったんだろうなと。ということは、やはり大事なのは、この今年の四月一日までのところで移行をした残りの多くの自治体、そこでどういう実情になるのか、実態になるのか、それが、やはりしっかりして見ていただかないと、当然まだ今の段階では分からないわけです。これから実施をしていっていただいて、その結果どうなるのか。やっぱりそれを見ないと、果たして前回の影響が本当にどうだったのか、自治体で本当に格差が出ていないのか。サービスが、さっき大臣、多様なサービスが、でも、ちゃんとした必要なサービスが必要な方に適切に提供されているのかどうかをやっぱりこれからちゃんと掘り下げて見ていただかなきゃいけないわけです。
 そこをどう厚労省として大臣の責任でしっかり調査をいただいて、その結果を踏まえて適切ないろんな対応をいただけるか、本当にそこに懸かっているというふうに思いますので、そこを、大臣、改めて最後に、大臣、そこをしっかりやった上で、今回法案でいろいろるる提案されていますけれども、具体的な省令事項、政令事項の具体的重要な要件の設定も含めて、やはりしっかりとそこの実態を見た上で、それに照らし合わせた適切な対応を当事者の皆さんの参加、参画も含めてしっかりと確保して議論を進めていく、最後に大臣の決意をお願いしたいと思います。
#57
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたように、元々、この地域支援事業、総合事業に移行するということは、地域地域それぞれ特徴のある、あるいはそれぞれの課題を抱えた中でどうやって必要なサービスが必要な方々に行くかということがこのやり方で実現できるのではないかということで導入をしているわけでありますから、先ほど申し上げたように、例えば既存の介護事業者がやはり担っていることが多くて、その他の担い手がまだ十分現れていないということも申し上げているわけでありまして、これではまだまだ、直近になって、やっとこの四月から導入をされたり、最近になって導入をされた自治体もまだまだどのようなふうにするのが一番いいのかということは十分まだ慣れていないということを私たちは踏まえた上で、今後、じゃ、我々がどういう支援をすることがそれぞれのニーズに合ったあるいは地域に合った多様なサービスが提供できる体制をつくることになるのか、そういうことをしっかりお声を聞きながらやっていかなければならないというふうに思います。
 石橋委員おっしゃっているように、当事者の考えに絶えず触れるべしということはそのとおりでありまして、その当事者の一番の当事者は高齢者ですから、自治体の職員ももちろん担い手で大事でありますが、高齢者がどういうニーズが不十分だと、こういう声があるならば、ちゃんとそれが届くように私たちは絶えず努力をしなければいけないというふうに思います。
#58
○石橋通宏君 終わります。
#59
○川合孝典君 民進党の川合でございます。一昨日に引き続きまして質問をさせていただきたいと思います。
 聞けば聞くほど分からないところがまだまだたくさんあるわけでございますが、頂戴した時間三十分しか私もございませんので、本日は、一昨日通告させていただいた質問項目の中から、現場から上がってきている個別具体的な課題について幾つか確認をさせていただきたいと思います。
 まず、地域包括支援センターの機能強化についてというところから御質問します。
 地域包括支援センターの機能の強化を図るという、このこと自体は私も賛成なわけでありますが、機能強化を図るに当たって必要な人員だとか予算だとか、こういったものが一体どうなるのかということについて現場から心配の声が上がってきておりますが、これ一体どうなっているんでしょうか、それをまずお伺いします。
#60
○政府参考人(蒲原基道君) 御質問は、今の地域包括センターの財政支援の状況はどうなっているかということだというふうに思いますけれども、地域包括支援センターの運営費につきましては、これは地域支援事業交付金による財政支援が行われると、こういう仕組みになって……
#61
○川合孝典君 強化のため。
#62
○政府参考人(蒲原基道君) 強化のため、はい、分かりました。
 その意味で、今回保険者機能を強化していくということで自立支援あるいは重度化防止ということに取り組むということになります。これは市全体でございますけれども、そのときに、やはり一つ、地域包括センター、市内に、自治体によって幾つかありますけれども、その地域包括センターがきちんと機能していくと、機能強化というのが非常に大事だというふうに思っております。
 この点については、今回の法案の中で、そのセンター自身が自己評価するあるいは市町村がその機能を評価するということをきちっと書き込んで、その結果に基づいて必要な措置を講ずるということを義務付けていると、こういう状況でございます。
 具体的な中身でございますけれども、センターの業務の実施状況あるいは業務量などをきちっと把握いたしまして、これを職能団体やあるいは利用者から成る運営協議会で評価をいたします。その上で、評価、点検をすることを予定しておりまして、その評価の結果を、一つは必要な体制整備、これは人の確保等でございます、あるいは、人がいても、その人たちの、何というか、能力の関係もあるので、研修の実施、そうしたものにつなげていきたいというふうに思っています。
 あわせまして、この財源については地域支援事業交付金で賄われるということでございますので、そうした交付金を活用することによってセンター全体の機能強化というのを図っていきたいと、このように考えております。
#63
○川合孝典君 私、この点について、厚生労働省、大臣始め厚労省の説明と現場から上がってきている声の間に食い違いをずうっと感じておりまして、何かかみ合わないなというところがありまして、いろいろと検証しておりますうちに気が付いたことがあるんですけど、ちょっと確認をさせていただきたいんですが、これは説明のポンチ絵、またポンチ絵です、ポンチ絵には地域包括支援センターの機能強化という書き方がされているんですけれども、話を聞いておりますと、機能強化のための評価をきちんと行って、それに基づいて様々な措置を講じる、それをやることについて義務付けを行うという、こういう話の流れで説明されているんですけれども。
 ここで確認なんですけれども、評価を行って検証が、まず機能強化のために評価を行うということをやるということなんですか、これは。そういうことなんですよね。なのに、自己評価と質の向上を図ることを義務付けると、こう書いてあるんです。同列に実は書かれておるわけでありまして、したがいまして、今現場で何が起こっているかといいますと、要は、質の向上が義務付けられているという、この部分が走るわけですよ、この言葉が。そうでなくても人手不足。地域包括支援センターのいわゆる業務過多であるということについては、社保審の介護保険部会においても繰り返し指摘されていることであります。そういう状況の中で、さらに、質の向上を図ることを義務付けるというこの言葉が入っていることで、この上一体、現場は更にプラスアルファで一体何をやらされるのかという、こういう心配の声が実は上がっているんです。
 ここで確認をさせていただきたいと思いますが、自己評価をきちんと行う、評価を行うということなしに何らかの業務が増えるということは現場では起こらないという理解でよろしいんでしょうか。この点を確認させていただきたいんですけど。
#64
○政府参考人(蒲原基道君) ちょっと済みません、御趣旨があれなんですけれども、今回の保険者機能の強化という中で、やはり包括支援センターというのは、例えばセンター、ケアマネ事業者、住民、この全体の意識を統一する、合わせるといったようなことも一つ大事な業務になりますし、そのほか幾つか地域ケア会議なんかもあると思います。その意味でいうと、もちろん評価はしますけれども、地域包括センターに求められる仕事というのは、いろいろそうしたものが求められてくることになると思います。
 ただ、その評価ということを我々申し上げているのは、既存の仕事も、今十分に、どういう仕事を実際やっているのか。忙しいという声は私も聞いていますけれども、どういう仕事をやっているのか、あるいは、それが効率的にやられているのか、あるいは、人はいるけれどもなかなかその人の研修とかが不十分で、十分にやっていないのかと。そういうところをやはり自己評価及び市町村の評価の過程で明らかにしていって、そうすると、言わば業務のここが少し足りない、あるいはここが少しダブっているとか、そういうことが分かってくるんで、そうすると、新しく今回求められている仕事も含めて、全体として効率化すべきところは効率するし、サポートすべき研修とかをやっていくと、そういうところにつなぐということができるようになってくると、こういう関係になっているというふうに認識いたしております。
#65
○川合孝典君 やり取りしているうちに、徐々に私自身が今見えてきたものがあります。
 実は、現場から上がってきている声というのは、その地域包括支援センターで働いていらっしゃる様々な職種の職員さんと同時に、そこからの委託を受けてセンターで勤務していらっしゃる、要は委託業務をやっていらっしゃる方々がいらっしゃるわけなんですが、そうした方々からのお声を聞いておりますと、丸投げだと。あとはよろしくねという、そういう非常に乱暴な状況の中で仕事の委託を受けているという、そういう実態が非常によく聞かれるんです。
 そういう方々からすれば、こういう紙が出てきて、質の向上を義務付けるよという、こういう話が来ると、丸投げの状況の中で質の向上まで丸投げされるんではないのかという懸念の声が上がるということなんです。そういうことはないという理解でよろしいでしょうか。これ、大臣に一言お願いします。
#66
○国務大臣(塩崎恭久君) 去年、私、松山市は十一ありますが、全部回りました。いろんな意見を聞いて、またその後もいろんなコミュニケーションを続けておりますが、私の印象は、やはり地域包括支援センターそのものの、じゃ、目的は何なのかと、何であるのかということを考えてみれば、これは、介護保険の保険者として、本来は市が保険者としての機能を発揮するための地域の拠点として機能しなければいけないと。それは、介護保険の目的は、自立とそれから重度化の防止と。それに、本当にニーズに合ったサービスが提供されているのかということを絶えず考えていかなきゃいけないのが保険者。その出先として本当はやらなきゃいけないのに、これ委託が多くて、委託しっ放しで、保険者がその保険者の機能を果たしているのかどうかと、これを非常に私は問題だなということを感じました。
 つまり、丸投げと今おっしゃいましたが、間々そういうことが起こり得るし、そこの法人に任せっきり、社会福祉法人もあれば、松山市の医師会も一つ担っていましたが、そういうようなことをやっているわけであって、我々は、ですから、保険者としての市町村がちゃんと本来の目的を達するようにきめ細かくやっているのかどうかを評価をすべしということを申し上げているので、それを義務付けて、つまり出先として保険者の機能を果たす拠点になっているのかどうかということを私は確認をすることが今回お願いする義務付けだというふうに思っています。
 ですから、何か仕事を丸投げするとかなんとかいうことを新たにこれからやろうじゃなくて、むしろ本来のお仕事をちゃんとやっているかどうかを評価をして、お互いお願いする方もお願いされる方も同じ目的に向かってきちっとしたきめ細かいことをやっているかどうかを絶えず見ていきましょうということが、私は今回のこの義務化をして、評価、そして必要な措置をそれに基づいて行うということだというふうに思っているわけでありまして、恐らく保険者ごとによって随分違うんだろうと。
 和光市の場合は、私は部長さんにも聞きましたが、皆さんにとってはこの地域包括支援センターってどういうものですかと言ったら、我々保険者の出先ですというふうに言っていました。それが私は正しいんじゃないかなというふうに思っていますので、それが全国できちっと保険者機能を果たす拠点として地域包括支援センターがやっていただけるように、自ら評価を市町村にお願いするということだと思います。
#67
○川合孝典君 ありがとうございます。そこまで御説明いただくとなるほどということなんですが、残念ながら、これだけだとそれが読み取れないです。
 そういう趣旨なんだと、今大臣がおっしゃったことが本来の今回の法改正の趣旨なんだよということについて、それぞれの保険者の方々が理解の上、いわゆる職務遂行をしていただけるように、これもきちんと指示を出していただきたい。これは蒲原局長にお願いしたいと思いますが、大丈夫でしょうか。
#68
○政府参考人(蒲原基道君) 今大臣から申し上げたような中身を、これはきちんと保険者機能の強化ということを説明する中で、地域包括センターへのこういう役割があるんだということをきちっとその評価の意味も含めて伝えてやってもらうようにしていきたいというふうに思います。
#69
○川合孝典君 よろしくお願いします。
 次に、別のテーマについて御質問、確認をさせていただきたいと思います。介護医療院についてであります。
 現場の方から質問の声が上がっておりまして、新たなこの施設、一人当たりの床面積、どういう面積になるのかということについての実は質問なんです。
 厚労省の有料老人ホームの設置運営標準指導指針ございますね。これでは、居室は原則として個室、一人当たり面積十三平方メートル以上という規定がなされているわけでありますけれども、今回のこの介護医療院、新たにできる介護医療院とこの規定とは整合性がきちんと取れているという理解でよろしいんでしょうか。局長で結構ですけど。
#70
○政府参考人(蒲原基道君) この介護医療院の様々な基準につきましては、関係の審議会から成る特別部会で幾つかのことが報告書の中に入っております。その中でこの床面積についても入ってございまして、ここについては、入所者一人当たり八平方メートル以上とするというふうなことが書かれておりまして、こうしたことを踏まえて、関係の審議会で平成三十年度の報酬改定に向けての中で具体的に決めていきたいと、審議いただきたいというふうに思っています。
#71
○川合孝典君 という答弁されるんだろうなと思ったんですが。
 御存じだと思いますけど、二〇一五年七月のこの指針の改正で既存の建築物等を活用する場合の特例が認められているはずであります。現場の皆さんが心配されているのは、この特例には居室面積の定め、規定がないんです。特例、既存の施設を転用するということについて面積の定めがないと。
 厚生労働省としては、現在の標準指導指針の枠内で対応できるといったようなことをおっしゃっているようでありますけど、本当に既存施設にこの規定を設けずに適正にその八平米とおっしゃったものが守られるのかどうかということについての確認をさせてください。
#72
○政府参考人(蒲原基道君) 済みません、今委員がおっしゃっているところは、有料老人ホームの基準のことをおっしゃっていまして、お問合せがあった、私はそれを踏まえて、介護医療院がどうなるかということで先ほど八平米とか言いました。
 実は、そういうところの経過措置のところについては、これは介護医療院の側では、これは既存の元々この部分というのは介護療養病床がどう転換していくかということとの対比で、対比というか、そういうことを踏まえながら今回の介護医療院への移行をどう考えるかということになってくると思います。その際に、これは審議会の中でも意見が出ておりまして、大規模改修までの間は、元々介護療養病床ですから六・四平米ということになっておりますので、大規模改修までの間につきましては六・四平米ということを認めるべきとの意見がございました。
 その意味でいうと、先ほどの八平米と今のそういう意見があったということ両方を踏まえて、先ほど申しました平成三十年度報酬の議論の中でよくよく審議してもらって決めていきたいというふうに思っています。
#73
○川合孝典君 つまりは、詳細についてはこれから決めるということなんですよね。
 結局、皆さんが心配されているのは、なし崩しでその六・四という数字が固定化されてくる可能性があるんじゃないかということなんです。
 だから、当然のことですけれども、やっぱり高齢者の尊厳に配慮した生活環境、住環境というものがきちんと守られなければいけないんです。もちろん医療機関の経営の問題もありますし、補修費にお金が掛かることについても、それは私もそれを無視しろという話ではないんですけれど、一定の期間後にはきちんと八平米なら八平米という面積に移行できていないといかぬわけでありまして、その道筋がきちんと立っているのかということと今おっしゃったことがこの法律のどこで担保されているのかということが私には読み取れないものですから、そのことの確認がしたいんです。
#74
○政府参考人(蒲原基道君) 一つは、まず基準につきましては、これは確かに法律上具体的に何か書いていることではございませんので、その意味でいうと法律以下のレベルということになります。
 実際には、これ、八平米という話は元々、言わば本来といったらいいんですか、議論の中では八平米とすべきだけど、先ほど言ったように、大規模改修までの間については六・四でもいいのではないかと、こういう意見があったと、こういう構造になっているので、そういった意味では、八平米の方が言わば本来の姿としての位置付けとしての意見書の中身になっていると。
 あと、もう一点付け加えますと、やはりおっしゃるように、これは介護療養病床から移行するときに、我々申し上げましたとおり、医療機能に併せて生活支援の場だというふうに申し上げています。その意味でいうと、先生おっしゃるように、その尊厳ある暮らしというのは非常に大事にしなきゃいけなくて、八平米に加えて、この審議会の中では、おっしゃったように、多床室の場合でもいろんな家具やパーテーション等の仕切り等を使ってきちんとプライバシーに十分配慮したものにしなきゃいけないというところも一つ書いております。
 これは一つの文言として入っているんですけれども、そうした書いていることの考え方というのを十分踏まえて、報酬改定に向けての審議の中で具体的な基準というのを審議していきたいと、こういうふうに考えております。
#75
○川合孝典君 いま一つ釈然としないんですけれども、家具やパーテーションが個人の尊厳を守る、いわゆるプライバシーを守るものに果たして十分つながっていくのかということについては大いなる疑問があるんですが、これだけやっているとまたこれだけで時間を使ってしまいますので、もう一個だけ確認させてください。
 大規模改修までの間とおっしゃいましたが、この大規模改修までの間というのはいつまでということですか。いや、改修が二十年後になりますといったら二十年後まで許されるという話なんでしょうか。
#76
○政府参考人(蒲原基道君) ここの大規模改修までの間という言わば考え方につきましては、現在の介護療養病床から老健施設に転換する場合、そうした場合についてもそういう大規模改修までの間は六・四平米でいいですよと、こういう基準になっておりまして、いついつまでの期限でやらなきゃいけないとかいうことは今の現行では入っていないということでございます。
 したがいまして、そうした現行の扱いを頭に置きながら具体的にこれから審議会の中で御議論いただいていくと、こういうことになろうかというふうに思います。
#77
○川合孝典君 皆さんもお分かりいただいたと思いますが、決まっていないんです。
 ここからは、局長にお伺いしても、これ以上は御答弁のされようがないので、大臣に今のやり取りを聞いていただいて、そういう状況にあるということを是非まず御認識をいただきたいんです。
 その上で、このままの状況でいきますと、恐らく十年後、二十年後にも、今のままのいわゆる六・四平方メートル基準の部屋をそのままこの新しい医療施設、介護医療院として使い続けるということが恐らく常態化してしまう、それが既成事実化してしまうことにつながりかねないと思っているんです。したがって、八平米というのが、例えばその有料老人ホーム、個人の尊厳を守る面積基準として一定の線引きが今回されたのであれば、その基準に向けてきちんとした、お尻を切った上で取組を、それぞれの関係医療機関、介護医療院を設置しようとされている医療機関にも一定部分義務付けるという、そういうことを御指示をいただきたいと思うのですが、大臣、いかがでしょうか。ここで一言はっきり言っていただけると、安心される方が大勢いらっしゃいます。
#78
○国務大臣(塩崎恭久君) どこかで期限を切れという御意見かなというふうに思いますが、今までこういう、老健施設への移行の場合の例を先ほど局長の方から御説明申し上げましたが、大事なことは、やはり実態がちゃんと八平米に変わっていくということが担保できることが大事なのでございまして、これは、改修については当然補助をする、助成をするということを私どもがやっている、これからもやっていこうというふうに思っているわけでありますから、これを、予算はいつまでも御用意をできるわけではないので、これについてはやはりしっかりと前倒してできるように、この予算を確保しながら助成をし、今申し上げた六・四から八に広げるということをできるだけ早く確保したいというふうに思いながら、こういう助成をしっかり予算確保をしていきたいというふうに思います。
#79
○川合孝典君 補助する期間をいつまで設定するかによって、そのことが改修することのインセンティブにきちんとつながるような枠組みを御検討いただければいいんじゃないのかなと思いますが、ただ、ちょっとこの今のお話だけだと本当にそうなるのかがまだまだ心配だと思いますので、この問題については今後も継続的に検証してまいりたいと思います。
 時間がいよいよなくなってまいりましたので恐らく最後になると思いますが、六番目の質問のところまで一気に飛ばさせてください。介護職の皆さんの収入、所得の問題についてであります。
 既に皆さんが御議論いただきましたとおり、介護職の皆さんの賃金、労働条件の水準というのは、他産業に比べて月収でおおよそ十万円低いと言われております。そうした状況の中で、いわゆる資格の基準が、介護福祉士の試験の要件が非常に厳しくなったということになって、一回目の質問のときに御指摘がありましたが、受験者が半分になってしまったと。そうでなくても、総務省の労働力調査では介護福祉職の労働者が二十万人減ったというような数字も出てきているわけであり、今後のこのニーズということを考えたときに、介護福祉、介護職で働いていらっしゃる方々の処遇、労働条件を上げていくという取組をよりスピーディーにやっていかなければ、景気が良くなればなるほど介護職から離職者が加速していくことにつながりかねない。
 実は、皆さんが、政府の部内や役所の中でも議論されているかもしれませんが、皆さんが思っていらっしゃる以上にこの状況というのは速いスピードで進展してしまっております。いよいよ本当に人が足りなくなってしまってからでは遅いわけでありますが、この収入が低く安定しない状況の中で低賃金で仕事を一生懸命していらっしゃる介護職の方々の労働条件を良くするために具体的に取組をどうしようとされているのかということ、このことについてちょっと確認をさせていただきたいと思います。
#80
○政府参考人(蒲原基道君) 御指摘いただきましたとおり、介護職員の給与が相対的に低い状態にあって安定していないという理由についてでございますけれども、様々な要因があろうかと思います。
 一概になかなかこれだというのを申し上げるのは難しいんですけれども、例えば、一つポイントは、勤続年数が相対的に短いというのが一つ要因ではないかというふうに思います。ヘルパーさんも、あるいは施設の方々も、なかなか長く勤められていないということが一つあろうかと思います。
 この点については幾つかの対応があろうと思いますけれども、離職を防止して定着の促進を図るということで、一つは、例えばICTだとかあるいは介護ロボットといったものを活用して、できるだけその入所されている方の質も上げながら職員の負担の軽減を図っていく、そういうこと、あるいは施設で働く職員のための保育施設の開設等をやっていくということ、そのようなことを通じて、できるだけ長く働けるようにしていくということ、あとは、当然ながら、併せまして処遇改善の例の一万円等をやっているところでございますので、そのような措置を今後力を入れて継続的にやっていくということが一つ大事ではないかというふうに考えております。
#81
○川合孝典君 急に振ったから、その点では申し訳なかったんですが。
 勤続年数が短いのは、どんどん辞めていかれる理由があるわけです。なぜ辞めるのかというと、この仕事じゃ生活していけないからなんですよ。結婚して、子供を持って、それで働き続けられる賃金水準ではないから、どんどん離職しなければいけない。仕事は好きだけれども、食べていけないとおっしゃっている方が大勢いらっしゃるのが今の現場なんです。
 だから、それをどうするのかという意味でいけば、局長、今るる御説明いただいた中で、最後に処遇改善のための一万円という話がありましたが、処遇改善なんですよ。給料をどれだけ増やすのか、そのために今から何をやるのかということの議論がされなければいけないんです。これをやらない以上は、どうやったって、根本的にこの問題は解決いたしません。それをこれからどうするのかということについて私は聞きたいんですけど。どういう絵を描こうとされるのかということなんです。
 大臣も、今現場の施設も積極的に視察して回って情報収集にも取り組んでいらっしゃると、先ほど大臣おっしゃいました。恐らく介護職の皆さんが厳しい労働条件下で働いていらっしゃることについても把握されていると思うんですけれども、今すぐ予算付けて今すぐ十万円月給増やせなどということは無理です。当然無理なことなんですけれども、三年後、五年後、十年後に向けて、今からどう取り組んでいくのかということの絵は描けるはずなんですよ。
 私は、細かいことは何にも決まっていないけれども、政令事項にして、取りあえず大事なことはこれから議論して決めていきましょうとせっかくおっしゃっているわけでありますから、労働条件を抜本的に底上げをして、介護従事者の方がこの仕事できちんと働き続けて、自らの家庭も守っていけるだけの処遇、労働条件をどうつくっていくのかについても是非議論を始めていただきたいんですけれども、この点、是非取り組んでいただけないでしょうか。大臣、お考えをお聞かせください。
#82
○国務大臣(塩崎恭久君) これはもう既に去年から、介護の仕事としての魅力を増すための検討会というのをつくって、先ほどロボットとかいろんなことを言っていましたが、そういうことを含めて、つまり、処遇だけではなくて、そもそも仕事の負担感をどう軽くするのかといったようなことも含めて、総合的にやっぱり介護の仕事をやりたいというふうに思っていただけるような、そういう私たちは配慮を政策的にしていかなければいけないのではないかというふうに思います。それは、ですから処遇の問題も当然入ってくるわけであります。
 一方で、先ほど勤続年数の話をしましたが、実は現場は非正規の方が多いんですね。その正確な割合はちょっと今数字を持ち合わせていませんが、どういう働き方をされている人たちが多くて、あるいはどういう構造になっているのかということもしっかりと踏まえないと、一つの政策で全部を答えを出そうと思ってもこれは無理で、働き方によっても、こういう働き方をされている方々にはこういう配慮をすべきかというようなことも含めて、しっかり現状がどうなっているのかということを把握をしないといけないというふうに思っていまして、これは衆議院段階での審議の中でも、やっぱり現状を把握をしないでいろいろなことをやろうとしても難しいということを議論になりました。
 その際に私が申し上げたのは、この間、医療の医師に関しては一万六千人余りの方々にお答えをいただけるような十万人に対してアンケート調査を出しました。初めてのことで、かなりいろんなことが初めて分かるということがありましたが、同じようなことを私は介護でもやるということを衆議院の審議の場で申し上げているわけで、これは医療の場合には東大の井元先生というのに中心になってやっていただきましたが、介護についてもますますこれは大事になってくるわけでありますから、それについての現状と働いていらっしゃる方々の働き方を含めて今後どうするかということを考えるのに資する調査をしっかり総合的にやっていきたいというふうに考えているところでございます。
#83
○川合孝典君 私の出身の組織にも介護労働者の方々の団体があります。そこだけでも六万五千人分ぐらいの対象にした調査をやっておりまして、私自身は、大臣と違ってそうしたデータに基づいて質問をさせていただいているということであります。
 非正規の方が多いというお話もありましたけれども、非正規、なぜそういう働き方をしなければいけないのかということは、正社員従業員として働ける労働環境じゃないから家計の補助という形で仕事に入っていらっしゃるといったような、本末転倒、要は卵が先か鶏が先かという議論になってしまっているんです。だから、そこをきちんと線引きをして、一定の労働条件というものをどう担保するかということを今からやってくださいよということを言っておるわけであります。
 断固として予算取ってくるって先ほどおっしゃったじゃないですか、プラスアルファのために。あのときにあれだけはっきりと言い切られたわけでありますから、要は、この制度をきちんと将来にわたって維持していく、すばらしい制度にしていくために、そこで働いておられる方々の労働条件もきちんと守っていく、このことをやるのは私は当然のことだと思いますので、是非、再度申し上げておきたいと思います、質問はしません。是非、介護職の皆さんの労働条件改善に向けた取組進めていただくことを重ねてお願い申し上げまして、私からの質問、終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#84
○委員長(羽生田俊君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#85
○委員長(羽生田俊君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#86
○自見はなこ君 こんにちは。自民党の自見はなこです。よろしくお願いいたします。
 今日は、地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案についての質問の機会を与えていただきまして、誠にありがとうございます。
 介護保険法は、皆様御存じのとおり、二十年前の一九九七年に成立をいたしまして、二〇〇〇年から施行されております。一九六〇年代に日本で高齢者福祉政策が始まりまして、七〇年代に老人医療費の無料化、そして八〇年代には社会的入院や寝たきりなどの老人を取り巻く医療の問題が社会的な問題として扱われるようになり、無料だった老人医療費に一定額の負担を導入をいたしました。その頃に、高齢者のための施設が必要だということで、ゴールドプランの下、まず施設の方を重点的に整備をいたしまして、同時に、移行しまして、一九九〇年に新ゴールドプランで在宅での介護の充実というふうに徐々にシフトをしてまいりました。
 高齢者の介護に関しましては、介護保険成立前には福祉と医療というものが分かれており、それぞれの所管により、サービスの実施主体でありますとか申込みの方法でありますとか、あるいは施設である、それから給付の在り方なども制度としては分かれておりました。当時、福祉の側には、施設として特別養護老人施設、事業としてはホームヘルプサービスやデイサービスなどがあり、医療の側には、事業として訪問介護やデイケアがあり、施設としては老人保健施設、療養型病床や一般病院などがありました。ただ、その二つの分野、どうしても福祉と医療ということでそれぞれに分かれている、そして分かれているがゆえの課題ということもあったから、是非統合して解決していこうという機運の下で二十年前に介護保険法が成立をいたしました。
 このときにはドイツを参考にしたと言われております。このドイツには、家族に対するケアの概念というものが介護の仕組みに取り入れられておりました。当時も議論に十分にあったということは承知しておりますが、二十年を経た今、さきの、今までの先輩方の質問にもありましたように、家族に対してのケアというもの、先輩方訴えられておりましたが、私も実は全く同感であります。導入をした二十年前までは、まだ社会構造としては、多くの家庭では、御主人がいて専業主婦がいてという構造でございました。日本は、このような背景から、税の仕組みもそして社会保障の仕組みも含めて良妻賢母型であると言われております。
 ただ、この二十年の、特にこの十年間の間でございますが、いわゆる家庭の形というものだけを見ても、生涯独身の方も増えておられますし、また家庭を持った場合においても、世帯の平均所得、特に若年層の世帯の平均所得も落ちておりまして、全体としてはやはり所得の二層分化が進んでいること、また女性の就業率が上昇していることなど様々な事柄を考えますと、我々の今携わっております社会の仕組みづくりということに関しましては、これらの時代の変化に残念ながら追い付いていない部分が多々あるのではないかなというふうに感じております。
 保育の場面でも同じでありますけれども、介護の場面でも、家族や女性に対する負担というものは引き続き現実的には求められているという状況の中で苦しんでおられる方々が大変多くおられます。介護離職がゼロだということを目標だということで掲げてくださってはおりますが、一方で在宅介護や医療の推進というものをうたっておられます。
 私は、これら二つに関して言葉に応じた施策の実行が必要であると思いますし、それらへの答えが、例えば家族への負担を軽減させていくような給付の在り方や多職種連携をより推進していく形でのアウトリーチの実際の在り方、また晩婚化、初めてお子さんを産む年齢の上昇等から育児と介護のダブルケアということなどもございますので、これらに対して家族ということを一つのキーワードとして対応していくことが急務であるというふうに思っております。
 今回の法改正の主目的でございます介護と医療の連携を深めることや、あるいは地域包括ケアを更に深化させるということは今何より必要なことではもちろんございますけれども、医療と介護という領域だけではなく、社会保障や税といった観点から、今の家庭の形の多様性や社会のありのままの姿を見て、利用者のみならず家族に対してのケアというものも是非今後見直していってほしいというふうに思っております。
 これはお願いでございますけれども、目の前の課題に対して、今これが必要だ、あれが必要だということで考えていかれると思うんですけれども、自分たちが今までどのようなやり方でやってきたかというような、今までのやり方からのみ解を導き出そうとするというのには私は限界が来ているんだろうと思っております。厚生労働省の皆様は大変多くの業務を抱えてくださっておりますけれども、是非、将来どういう日本の社会であるかということ、将来に目的地を見出していただいて、そこから逆算してこういうような政策が必要だからということで、人々の気持ちに寄り添った上で二歩先を見た行政というものを是非今後推進していっていただきたいというふうに考えております。
 さて、本日は、地域包括ケアシステムの深化、推進といったところから、まず医療と介護の連携についての質問をさせていただきます。
 一問目の質問でございます。これまで様々議論を深めてこられたとは思いますけれども、この度の法案では、介護療養病床について、特に介護保険病床のものに関しましては今後六年間廃止が延長されたものの、新たな選択肢として介護医療院が提示をされました。
 質問ですが、大臣にお伺いをいたします。介護医療院につきましてでございますけれども、介護療養病床を持つ医療機関などは、具体的な基準そして報酬を見た上で実際に移行できるかを見極めていくことになってくると思っておりますが、介護医療院の基準それから報酬につきましてはどのような方向性で考えているのか、大臣のお考えをお伺いできたらと思います。
#87
○国務大臣(塩崎恭久君) いろいろな経緯があって、今回、介護医療院を設けることによって介護療養病床、これをなくしていこうと、こういうことでございますが、今般の制度改正では、長期的な医療と介護のニーズを併せ持つ高齢者を対象といたしまして、日常的な医学管理やみとりやターミナルケアなどの医療機能と、そして一方、生活をする場としての生活施設、こういう機能を両方兼ね備えているという施設としての介護医療院というのを新たに創設をしようということにさせていただいております。
 お尋ねの、介護医療院の基準あるいは報酬などが見えないとなかなか今療養病床をお持ちの医療機関などが腹が決まらないと、こういうことだと思いますが、療養病床の在り方等に関する特別部会の取りまとめにおきましては、現行の介護療養病床相当の機能を持つ類型と老人保健施設相当以上の機能を持つ類型とを二つ設けるということ、そして、床面積の基準として入所者一人当たり八平方メートル以上とすることなどを御提言がございました。
 これらを踏まえて、介護医療院のより具体的な基準、報酬等につきましては、これは、平成三十年度介護報酬改定に向けて、社会保障審議会介護給付費分科会、ここにおいて議論を深めてお示しをし、そしてお選びをいただくようにしたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
#88
○自見はなこ君 大臣、ありがとうございます。
 是非皆様に御理解いただきたいなと思いますのは、介護療養病床についてでありますけれども、確かに様々な流れの中で廃止ということから今回廃止延長ということになっておりますけれども、実は、この介護と医療をどうベストミックスさせるかという観点から、本当に質の担保された医療を提供しながらも同時に介護も提供したいという、大変熱心に取り組んでこられた医療従事者の方々がおられます。そういった声を今回丁寧に拾い上げた上で新しいこの介護医療院というものを創設を提案してくださっていると思いますけれども、是非、こういった気持ちで介護療養病床に携わってきた大勢の関係者がいるということをお伝えしておきたいと思います。
 また、大臣の言葉にもございました介護医療院の床面積についてであります。
 療養病床の部会の報告では八平米とされておりますが、現在の療養病床の床面積の基準は六・四平米となっております。療養病床から介護医療院に移行する際でございますが、床面積に関する特例を私は設けるべきだと思っております。川合先生とちょっと質問かぶるかもしれませんが、お答えいただければと思います。
#89
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。
 現行の介護療養病床から老人保健施設等への転換の際の支援策におきましては、大規模改修までの間は床面積を八平方メートルではなく六・四平方メートル以上で可とする経過措置というのが設けられているところでございます。このことを踏まえまして、今お尋ねのございました介護医療院への転換につきましても同様の支援策を設けることを含めて、平成三十年度介護報酬改定に向け、先ほど話が出ました介護給付費分科会において適切に議論をしていきたいと、このように考えております。
#90
○自見はなこ君 まず制度をつくられるとおっしゃっておりますから、しっかりと移行を希望する機関が移行できるような配慮を是非お願いしたいと思っております。
 また、皆様御承知のとおりでありまして、消費税の増税というものが先送りされておりまして、十分な社会保障の財源が確保されていないのが現状であります。また、医療機関におきましては、御存じの方の方が多いかと思いますが、消費税の部分というのは損税として医療機関が負担をしている状態がずっと続いております。その中で、人、人件費ですね、人に掛ける費用というのをぎりぎりのところで捻出しているというのが現状であります。
 その中で、今後、働き方改革を含めて、より働いている方に今よりは本当に働きやすい職場を提供するということで、ここは、人件費というのはなかなか削ることができない部分であります。こういった状況の中で医療機関は経営しておりますので、介護療養病床の移行に当たりましても改修工事というものはやはり費用を伴います。その体力がある医療機関というのは実は多くはないと思っておりますので、くれぐれもよろしくお願いいたします。
 そしてまた、床面積に関しましては二つの考え方があるのかなというふうに思っております。
 都会で密集しているような住宅事情のところと、それからまた、地方では大変広々と土地があって、大きな家に三世代同居で住んでいるというような、こんな地域があります。それぞれではやはり広さに対しての考え方も全く違っておりますので、面積基準に関しては、もちろん入居者の方の、利用者の方の安全性を担保したということが大前提にはなりますけれども、それぞれの地域の実情というものをある程度考慮に入れて幅を持たせたものにするというのも今後の検討材料の一つかなと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 さて、次の質問に移ります。
 介護療養病床の医療についてであります。
 基本的に、介護療養病床の医療については介護報酬の中で評価されていますが、包括報酬とされております。今後、様々な医療のニーズが必要な人ということが増えてくると考えられますので、これらが的確に対応できるようにするためにもきめ細やかな報酬設定が必要であるというふうに考えますが、いかがでしょうか。
#91
○政府参考人(蒲原基道君) 今お話がございました介護療養病床の果たしている医療の関係でございます。現在でも非常に重要な機能を果たしているというところでございます。そうした機能については引き続きそういう機能も果たすし、一方で、介護医療院という受皿もできたので、そちらの方に移るところもあるというふうに思います。
 いずれにしても、そうしたところにおける医療の機能というのがしっかり発揮されて、必要な医療が利用者の方々に提供されるということが極めて大事でございます。そういった意味では、全体を含めて、平成三十年度の介護報酬改定に向けて適切に検討してまいりたいというふうに考えております。
#92
○自見はなこ君 今局長が、必要な医療という言葉を言っていただきましたけれども、医療といいましても、実は、御承知のように様々なことを指します。例えば、乾燥性の湿疹があるのでクリームを処方しましょうというのもこれも医療的な処置でございますし、あるいは、少し尿が出づらいので導尿しましょうというのももちろん医療処置でございます。また、軽い胃腸炎になったときに脱水になることがよくありますけれども、点滴、輸液をしようというのもこれも医療であります。
 また、恐らく一番、私が働いておりましたのは一般病院でありますけれども、総合病院でありますけれども、勤務医として働いておりまして、救急患者さんというのを受け入れるときという観点から見ますと、やはり一番多いのは、施設からの受診のパターンとしては誤嚥性肺炎などの感染症による発熱というのが一番多いというふうに感じております。どうしても寝たきりのままの姿勢が多いので横になっておりますし、それから、ごっくんする力、嚥下の機能が落ちておりますので、口の中にいる口腔内のばい菌、細菌が気管の方に入りやすくなりますので、誤嚥性の肺炎になることがよくあります。
 この肺炎に対して採血やレントゲンといったものがいわゆる必要な検査でございまして、治療といたしましては抗生剤などの点滴ということになっております。順調に抗生剤が反応した場合というのは、大体十日間、幅はありますけれども、十日間ぐらいの加療で落ち着く場合が一番多いのではないかと思いますけれども、今の現状ですと、その間よくありますのが、やはり総合病院などで、救急車で搬送されまして急性期の肺炎という診断で、DPCも一番高いところで算定をされるということが現実的にはあります。
 また、施設に入っておられる方の立場からいたしますと、やはり変化というものに大変敏感であります。今までいるスタッフ、スタッフに囲まれて日々のケアをしてもらうということも非常に大事でありますし、また、急性期病棟では、御承知のようにアラームが鳴っていたりいろんなモニターが付いておりますので、若い方が入院しても、ICUシンドロームといいますけれども、ちょっと譫妄が起きたりいらいらしたり、普通じゃないような言動をされるような方もおられます。
 ですから、総合的に考えますと、医療ということの幅はもちろんあるわけでありますけれども、幅のある医療の部分のこの幅に関してでありますけれども、私はこの医療保険の外出しのことというものに関しましては、いろんなことをさっき申し上げた、繰り返しますけれども、肺炎に関して同じ治療でありますので、高齢者の心理的そして身体的な負担からも考え、そして医療費の負担適正化という観点、そして救急現場の負担感ということ、この三つのことから考えまして、是非介護現場における医療というものの給付の在り方には見直しをしてほしいと思っておりますし、蒲原局長がおっしゃってくださいましたような三十年のダブル改定というものもございますので、期待をしているところであります。どうぞよろしくお願いをいたします。
 また、付け加えますと、介護医療院のことから少し離れますけれども、日本の行政の仕組みづくりということに関しましては、おおよその場合でありますけれども、様々な場面、恐らく厚生労働行政以外もだと思いますけれども、施設と結び付いていることが多くあると思っております。例えば、保育園でも保育とそれから病児保育というのを分けておりますし、これは施設ごと分けております。ただ、ヨーロッパでは子供は風邪を引くものだという大前提がありますので、保育園の園長が看護師の資格を持っていなければいけないということを定めているところもありますし、あえて病児保育ということで施設ごと切り分けていない国も大変多うございます。
 日本は何かと施設ごと切り分けるのが好きな国なんですけれども、そろそろ私たち日本も、人的資源もそれから財源ももう限られてきておりまして、二十年前、三十年前の日本ではもうございませんので、丸ごとということをうたってくださっておりますから、そういった観点からも社会保障全体の見直しをしてくださることを願っております。よろしくお願いいたします。
 それでは、次の質問に移ります。
 全国には八百近い地区医師会、地区の医師会というものがございます。大変興味深いのですが、それぞれの地区医師会には必ず歴史がございます。長いと百年以上の歴史がございます。そして、それが必ずしも行政の区分と一緒になっていないんですけれども、実はその歴史の方が古いから一緒になっていないということが多々あります。例えば、京都の西陣とかもそうですけれども、自分たちの長年守ってきたエリアがあると、そっちの方を優先して医師会活動が今も行われている。非常に患者様、利用者や医療従事者、そして行政の方と顔が見える関係というのが構築されている地区医師会というのが実は大変多うございます。
 私自身、全国を回らせていただく中で、この地域包括ケアというものを考えますと、この地域の中で顔が見える関係が構築されているような地域力のあるところというのは既に地域包括ケアの土台ができ上がっているなと思っておりまして、これかなり地域差があるんですけれども、やはり一番難しいのが顔が見える関係の構築から始めなければいけない地域というのが難しいなというふうに思っております。
 その中で、この地域包括ケアを今後どうやって進めていくかという話ですけれども、私の感覚からいいますと、地域を丸ごと病棟に例えて機能させてくださると大変に有り難いなと思っております。
 といいますのは、御承知のとおり、医師は診断とそれから治療方針を決めることはできるんですけれども、それ以外のことは本当に何も一人ではできません。病棟でも、入院していただきますと、ナースステーションがあって、看護師の皆様にいろんな処置をしていただいて、それから事務の仕事はクラークさんがいてしてくださいますし、それから、入院した方が退院に向けてどのような支援をしようかというときは、入院して早々からソーシャルワーカーさんにも助けていただきます。また、リハビリに関しましては理学療法士の方にしていただくといった具合で、病棟というふうに考えますと、そこだけでも既に多職種連携であります。
 是非、この地域包括ケアというのは、地方が丸ごと病棟だという感覚でおりますので、今回の医療と介護連携、非常に大事でありますが、そういった多職種連携といった概念、これを真ん中に置いていただきたいというふうに思っております。
 それでは、質問に入ります。
 今後でございますが、先ほど私なりの地域包括ケアに対する所感を述べたところでございますけれども、厚生労働省は介護と医療の連携を深めるために、今後具体的にどう取り組んでいこうと考えておられるのか、お考えをお聞かせください。
#93
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。
 平成二十六年の介護保険法改正に伴いまして、これは市町村が実施する地域支援事業として、在宅医療・介護連携推進事業というのを位置付けております。こうした中で、在宅医療と介護の連携を推進してきているところでございます。
 具体的な中身でございますけれども、まず市町村が地域の医療、介護の関係者と連携しながら、地域の医療、介護の資源を把握すること、そして在宅医療・介護連携の課題を抽出し対応策を検討すること、このような二つをまず基礎とした上で、幾つかの具体的な取組をしているところでございます。
 一つは、医療、介護の関係者の研修を通じて、先ほど先生のお話にもございましたけれども、顔の見える関係を構築していくということ。また、情報共有ツールの整備など、情報の共有を支援すること。さらには、連携の調整や情報提供による相談支援というのを行っていくこと。さらに、これは在宅医療・介護に関しまして住民の方々に普及啓発ということをきちっと行っていくこと。このようなことに取り組むということにしているところでございます。
 これらの市町村が行います在宅医療・介護関係者の連携を支援する取組につきましては、平成三十年四月には全ての市町村で実施いただくということにしているところでございます。
#94
○自見はなこ君 是非、我が事・丸ごとという精神でお願いしたいというふうに思っております。
 続いて、関連でございますけれども、今回の法案では、地域で医療と介護の連携体制の構築を推進するために都道府県における市町村に対して支援が盛り込まれている、先ほどの局長答弁にもございましたが、具体的にはどのような支援を想定しているのか、教えてください。
#95
○政府参考人(蒲原基道君) 今回の法案におきましては、都道府県が市町村支援に努めることを法律上位置付けるということにしております。
 具体的な中身でございますけれども、都道府県が市町村に対しまして、一つは医療や介護に関するデータを収集、分析していくこと、さらに、在宅医療・介護連携に関する相談を担う人材を育成すること、また、在宅医療・介護連携推進事業を行うに当たって医師会等関係団体との調整を行うこと、このような支援に取り組んでいただくといったことを予定しております。
 厚生労働省といたしましても、都道府県による市町村支援等を明確にした自治体向けの手引を示すことなどによりまして、市町村における在宅医療と介護の連携の推進に資する取組というのが充実されるように、しっかり国としても取り組んでいきたいというふうに思っています。
#96
○自見はなこ君 ありがとうございます。
 是非、地域医療構想というものは、これは県が策定していくものですけれども、そことの整合性というものを連携を深めていくようにお願いしたいと思います。
 また、局長の答弁にもありましたけれども、本当に今、自治体の職員が大変だなというふうに思います。特に市町村の方の業務というのの負担というものを私は大変心配しております。また、ただの業務ということではなく、第一線で実際に給付ができるかどうかといった調整も含めまして、非常に精神的にも多くのストレスを抱えながら業務も抱えるということになっておりますので、私どもが、厚生労働省、特に塩崎大臣を中心に働き方改革ということを進めてくださっておりますけれども、是非、厚労省丸ごと、行政丸ごとという観点で、地方自治体への業務の効率化ということについてプロジェクトチームでも是非つくっていただきまして、どのようにこの業務の負担を軽減するかということもみんなで丸ごと考えていっていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 次の質問に移ります。
 医療と介護の連携というものを推進するためには、ケアマネさん、ケアマネジャーさんの医療に対する理解というものも同時に促進していくことも大変重要かなと考えておりますが、今後どのように取り組んでいかれるか、お考えをお聞かせください。
#97
○政府参考人(蒲原基道君) 今後、重度の方、あるいは医療の必要性が高い利用者の方の増加が見込まれる中、話がございましたケアマネジャーが利用者の方々の医療ニーズを踏まえてケアマネジメントを行えるようにしていくといったことが重要であるというふうに認識をいたしております。
 このため、昨年度からケアマネジャーの研修を大幅に見直しておりまして、医療の理解を深めるための内容を大幅に拡充をしております。具体的に少し申しますと、脳血管疾患や認知症などの特性や療養上の留意点、その疾患患者に起こりやすい課題を踏まえた支援の手法を具体的な事例を活用しながら研修すること、あるいは、ケアマネジメントを行う際の医療との連携における留意点や情報共有する内容などについても、これも事例を活用しながら研修すること、こうしたようなことなどを新たにこの研修の中に盛り込んでいるというところでございます。この研修でございますけれども、ケアマネジャーの資格取得のとき、あるいは五年ごとの更新のときに受講が義務付けられているということでございます。
 こうした研修を着実に実施していくことで、ケアマネジャーの方々の医療に関する理解の促進や、それを通じて利用者一人一人の医療ニーズを踏まえたケアマネジメントの推進に取り組んでまいりたいと考えております。
#98
○自見はなこ君 ありがとうございます。是非しっかりとした取組をしていただきたいというふうに思います。
 特に、これからは一層の高齢化ということが前面になっていきますので、どうしても人間ですので、生まれてきた以上、生老病死と、生まれてきて、病気になって、老いて、病気になって、逆のこともありますし、事故のこともありますけれども、最後には死を迎えるわけであります。その過程で医療というものの知識はケアマネさんにも大変大きく必要性というものはのしかかってくると思います。
 私自身は、また付け加えて申しますと、文系の大学を出た後に医学部に行った人間でございますけれども、今地方を回っておりますと、社会人を一回経験して、それで介護の世界に飛び込んでいきたいという方も大変多うございます。また、地元の医師会の先生方は准看護師の養成ということに大変熱心にしてくださっておりますけれども、私の、先ほども触れましたけれども、保育の領域も是非、この医療あるいは看護のケアという概念をしっかりと学んだ上で子供に当たってほしいという思いも持っております。
 この丸ごとという観点におきましては、あらゆる医療職の方々が生き生きと働けるような現場ももちろん大事ですし、ケアマネさんのような介護職、福祉職の方にも医療の知識を是非、全てとはもちろん申しませんけれども、適切なケアができる医療の知識の習得ということを一緒にやっていきたいと思っておりますので、御指導いただければと思います。
 続きましての質問でございます。続きましてはみとりに関してであります。
 現在でございますけれども、在宅でのみとりの加算ということに関しましては、みとりに向けて今までいろんな診療を行ってきた医療機関ということではなく、あくまで最後にみとった医療機関というものが算定をすることになっております。複数の医療機関が連携してみとりに対応した場合は、このみとりに至るプロセスも評価していくことが今後ますます在宅でのみとりというものを推進していく上では必要かと思っておりますが、このみとり加算というものを連携医療機関の中で分け合うということは可能なんでございましょうか。
#99
○政府参考人(鈴木康裕君) 医療機関による在宅におけるみとりに対する診療報酬上の評価について御質問ございました。
 御指摘のとおり、在宅におけるみとりに関しましてはみとりに至るプロセスも評価しておりまして、一つは、死亡前の二週間の間に二回以上の訪問診療を行った場合には在宅ターミナルケア加算、それからもう一つは、療養上の不安等の解消のために十分な説明を行った上で、死亡の日に訪問診療等を行って患者をみとった場合にはみとり加算を算定することが可能でございます。
 これらの診療報酬は、患者に対して、原則といたしましては在宅医療を担当しております一つの医療機関が算定することとしておりますけれども、例えば複数の医療機関が連携してみとりに対応された場合には、医療機関同士の合議によって診療報酬を分け合うということが可能でございます。
 医療資源が限られているという現状の中で地域での医療機関が連携するということは極めて重要であるというふうに思っておりまして、地域医療機関の連携という視点も踏まえて、在宅医療の評価の在り方については、関係者の御意見もしっかりと伺いながら、来年の診療報酬改定に向けて努力をしたいというふうに思っております。
#100
○自見はなこ君 合議ができるということで確認させていただきました。ありがとうございます。
 実際、医療機関の在宅でしてくださっている先生方、様々なパターンがありまして、普通に一人で外来診療をしていながら、三十年、開業歴長いとやはり患者さんも亡くなってまいりますが、やっぱり最期は先生がいいよということで、昼間の時間を利用して往診に行って、そしてだんだんその方がいろいろな経過の中で死を迎えるときに当たっては、夜だったら駆け付けられるけど、外来診療中ですと、それこそ地方に行きますと、冬場ですと百人、二百人のカルテが並ぶ中、外来止めておみとりにということが行けないときに、やはり隣の医療機関ですとか連携しているところに頼んだりするということも現実的にはございますので、まだまだ課題は多い分野、それから様々な議論が出てくる分野かなと思っておりますけれども、あえてここで、みとりについての加算ということの質問をさせていただきました。
 続きまして、この地域包括ケアを進めていく、それから介護も在宅も進めていくということの議論の流れの中でございますけれども、救急についての質問をさせていただきたいと思います。
 近年、救急車による救急搬送というものの数が増えているというふうに伺っておりますが、その内訳について教えてください。
#101
○政府参考人(猿渡知之君) お答え申し上げます。
 平成二十七年の救急出動件数は、十年前、平成十七年と比較いたしまして、約五百二十八万件から約六百六万件と約七十八万件増加してございます。また、救急搬送人員を見てみましても、四百九十六万人から約五百四十八万人と五十二万人増加しており、いずれも過去最多となってございます。
 救急搬送人員の内訳を見てみますと、全体に占めます六十五歳以上の人員は、十年前と比較して、約二百二十万人から三百十万人と九十万人増加しており、また全体に占める六十五歳以上の者の割合も四四・四%から五六・七%に増加しておりまして、高齢化の進行が救急搬送の増加の大きな要因であると考えられます。
#102
○自見はなこ君 ありがとうございます。
 救急搬送が増えているということ、その中でも特にやはり高齢者の搬送が増えているということを教えていただきました。
 続きまして、三問まとめての質問になりますけれども、この増大する救急要請の中で、本当の三次救、いわゆる交通外傷でありますとか、あるいは心筋梗塞や動脈解離、本当に一刻を争うものを三次救といいますけれども、この三次救急とそれから緩やかな救急、例えば施設からの発熱とかそういったものもありますし、ちょっと吐き気がするようだということで救急車をもちろん使われる方おられるんですけれども、これら三次救とそれからこういった緩やかな救急というものの搬送を、今後、現場がこのままですと恐らくパンクしてしまうかなという懸念もありますので、適切に区別していく必要があるというふうに感じております。
 ただ、それは簡単なことでは全然ございませんで、地域の人口規模により状況も異なりますし、対応も異なってくると思っておりますので、この点については消防庁がどのようにお考えかということもお伺いしたいと思っておりますし、また、救命救急の医療に関してですけれども、地域の関係者が連携していく対応というものが大変必要であると思っておりますが、これにいかにメディカルコントロールを利かせていくのかというのも一つの視点となっております。また、そのときには、救急車はやはり消防庁でありますので、消防庁との連携も非常に重要だと思っております。どのように連携していくのか、そのお考えをお伺いできたらと思います。よろしくお願いします。
#103
○政府参考人(猿渡知之君) お答え申し上げます。
 傷病者の搬送につきましては、都道府県ごとに、消防機関、医療機関等から成る協議会の意見を聞きまして、傷病者の搬送等に係る実施基準が定めてございます。地域の実情に応じて緊急性や専門性などを踏まえて分類された搬送先の医療機関のリスト等に基づきまして救急活動が実施されているということであります。
 なお、救急搬送者に占めます軽症者の割合についてでございますが、平成二十七年の統計では、東京や政令指定都市の大都市にあっては五三・三%、その他の地域では四七・三%となっておりまして、地域にかかわらず、いずれも約五割を占めるという状態になってございます。
 このため、急な病気やけがの際に一一九番通報をするかどうか迷う住民の方が電話で相談できる救急安心センター事業、いわゆるシャープ七一一九でございますが、の全国展開を推進していますとともに、スマートフォンなどから緊急性を判断できる全国版救急受診アプリ、いわゆるQ助というものの提供も開始したところであります。
 また、転院搬送につきましては、緊急性の乏しい場合にはいわゆる病院救急車や患者等搬送事業者等を活用するなど、地域の実情に応じて転送、搬送ルールを定めるよう厚生労働省と連名で通知しているところでもあります。
 いずれにいたしましても、消防庁といたしましては、救急車の適正利用の推進は極めて重要なことでございますので、厚生労働省始め関係機関と引き続き連携を強化してまいりたいと思います。
#104
○政府参考人(神田裕二君) メディカルコントールをどのように利かせていくのかというお話でございますけれども、傷病者の救命率ですとか予後の向上のために、救急救命士など救急隊員が行う救急救命処置等の質を医学的に保障することを目的といたしまして、医療機関、医師会、消防機関、行政機関の四者で構成いたしますメディカルコントロール協議会というのが、現在、全国の都道府県単位に加えまして二百四十三の地域単位に設置されているところでございます。
 先生御指摘のとおり、地域によって実情が異なりますことから、地域に応じた関係者の連携をどのように図るかといった点について、個々の事例ごとの検証なども行いながら、救急搬送体制、救急医療体制の整備に生かすという役割をこの協議会は負っているところでございます。
 地域によりましては、この協議会に高齢者の施設ですとか介護事業者、それから自治会、民生委員、社会福祉協議会などの幅広い関係者が加わりまして、あらかじめ本人や高齢者の施設が御家族と話合いをしまして、持病ですとかかかりつけの病院、医療に関する希望、できるだけ救命、延命措置をしてほしいのかどうか、なるべく自然に見守ってほしいのかといった希望などを一枚の紙にまとめて整理をいたしまして冷蔵庫等に貼っておくことによって、救急隊員が駆け付けたときにそれをもちまして医療機関に連絡を取る、あるいは、搬送したときに医療機関に示すことによって円滑な搬送等につながっているという事例がございます。
 このような地域包括ケアの構築に資するメディカルコントロール協議会の運営協議が地域で進むよう、厚生労働省としても、消防庁、都道府県と連携しながら助言等に努めてまいりたいというふうに考えております。
 それから、消防庁との連携ということで申しますと、全国のメディカルコントロール協議会の連絡会というのを開催いたしまして、好事例等を全国的に共有するとか課題の整理をするといったことでございますとか、消防庁が行っております救急業務のあり方に関する検討会に私どもの方からオブザーバーで参加しておりますので、今後ともしっかりと連携を図っていきたいというふうに考えております。
#105
○自見はなこ君 ありがとうございます。
 救急に関する実情とか、あるいは対策というものは、大都市、それから政令指定都市規模、中核都市、それから本当に過疎地といった大きく四つに分かれるのかなと思っておりますが、それぞれに対しまして、例えば御指摘いただきましたような病院救急車あるいはメディカルコントロールの利いた民間救急の在り方というものもありますし、それから、八王子の八高連というのが大変有名でありますけれども、顔の見える関係を構築していて、高齢者がどのように搬送されるのが一番適切かということを地域で構築しているところもありますので、是非、こういった観点からも、救急医療、消防庁と厚労省で連携を深めてやっていただきたいと思っております。
 最後はもう質問はいたしませんで、コメントだけにいたしますけれども、私自身は、この医療と介護の分野において、顔の見える関係の構築も非常に大切ではありますけれども、医療のICTというものもこれらの連携をより深めていくんだろうというふうに考えております。HPKIというものの資格証というものが適切に普及されるということは、私は極めて鍵になってくると思っておりますし、それから、医療ICTを取り巻く安全という意味では安全機構を創出する必要もあると思っております。また、医療機器を適切に管理するためには臨床工学技士などの非常にメカに強い方々も一緒に参画していただくことも必要になってくるかと思います。
 いずれにいたしましても、これからしっかりと我々医療界と介護と福祉の業界で頑張っていきたいと思いますので、御指導いただきますよう、お願いいたします。
 質問を終わります。
#106
○そのだ修光君 自民党のそのだ修光です。質問の機会をいただいてありがとうございました。
 いよいよもうこの法案についての審議も尽くしつつあるところに入っておりますけれども、二、三確認をしながら質問をさせていただきたいと思います。もう質問も重複するところがあったり、ただ、確認していかなきゃならないところ、大事なところがありますから、どうかよろしくお願いいたします。
 まず、制度改正の全体的な方向性という意味で、介護保険制度の理念を確認したいと思います。
 介護保険制度の持続可能性を高めるとともに、介護保険の保険者である市町村の取組を推進することを通じて地域包括ケアシステムの強化を図ることが今回の法律案の目的であると理解をしております。制度の持続可能性を高めることも保険者機能を高めることも方法論であって、その目的は、財政の緊縮のために要介護度認定率を下げさせるプレッシャーを掛けたり、重度化防止の名の下に身体機能など分かりやすい数値の改善をさせるために介護サービスを提供することではないわけですよね。
 介護を必要とする高齢者等が尊厳を保持し、その人々が有する能力に応じてQOLの維持向上といった生活面での充実や満足を得られるよう、その人らしい日常生活を営むことができることを目指すという理解でよろしいんでしょうか、まずお尋ねいたします。
#107
○副大臣(古屋範子君) そのだ議員御指摘のとおりだと思っております。介護保険法第一条におきましては、介護保険は高齢者の方々がその尊厳を保持をして、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう必要な給付を行うための制度であるとされております。
 以上でございます。
#108
○そのだ修光君 今副大臣に答弁をしていただきましたけれども、理念がやっぱり着実に反映されるように、そしてまた指標の作成に十分な検討をしてほしいと思っているところであります。
 それと、次に入りますけれども、介護保険の財政的なインセンティブについてお伺いをいたします。
 本法案においては、市町村や都道府県に対して自立支援、重度化防止の取組等を支援するために新たな交付金を交付をする旨規定が新設されております。これももう各委員から質問が出たところでありますけれども、この仕組みが前向きに作用するためには、保険者である市町村がお互いに学び合って、そして真に介護を必要とする方に必要な介護サービスを提供できる仕組みを構築していくことが一番必要であると思っております。
 法案には、都道府県は評価をし、評価の結果を公表するように努めると明記されておりますけれども、国として一歩踏み込んで、市町村が切磋琢磨できるような環境づくりをする必要があると私は思っているんです。そのことについて答弁をしていただきたいと思います。
#109
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。
 今回の法案に関連いたしまして、市町村が互いに学び合っていく、あるいは市町村がそれぞれ相互に切磋琢磨できるような環境づくりという話がございました。
 市町村によりまして、今後の高齢化の進展状況あるいは要介護認定率や介護費用、あるいは当該地域における介護サービスの状況というのは様々でございまして、それぞれの市町村が自分の地域の課題を的確にまず把握をした上で、その実情に応じた地域包括ケアシステムの構築を進めるということが大事ですし、あわせて、その際、高齢者の自立支援、重度化防止に向けた取組を一層進めていただくことが重要であるというふうに思います。今回の法案では、市町村が地域課題を分析し、地域の実情に即して高齢者の自立支援、重度化防止の取組や目標を計画に記載するとともに、その取組実績を評価する仕組みを創設することにいたしておるところでございます。
 市町村相互の学び合いといった話でございますが、これ、厚生労働省としては、それぞれの市町村に対して、自分の地域を多角的に、視覚的に地域課題を分析できるように、例えば、ほかの市町村と比較可能な形で要介護認定率や給付費などに関するデータを提供すること、さらには、先進的な市町村の取組の事例、それの周知も含めまして自立支援、重度化防止に関する研修を実施することなどによって、それぞれ市町村のいい事例をお互いに学び合えるような環境をつくって、その上で各市町村がそれぞれの特色を生かして積極的に取り組んでいけることができるように支援をしていきたいというふうに考えております。
#110
○そのだ修光君 それは大変大事なことでして、自民党の部会の中でもやっぱりそこの辺は大変不安なところがあるということなんです。保険者である市町村に任せてやること自体、他のいい取組をしている市町村とのやっぱりしっかりと連携を取らせたり、それはもちろん、市町村の部分の上の段階は都道府県、あるいはまた上の国からのしっかりした指導に基づいてやっていただかなきゃならないと思っていますから、そのことはしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 ここで、今までたくさんの委員の、制度そのものはいろいろできてくるんです。今回の地域包括ケアのこともそうなんです。今何が一番問題なのかといえば、人材不足なんですよ。もうこのことは各委員から話が出ている。新しい法律を作っても、その法律に、そして介護の現場でどういう形でやるんだといえば、やっぱり介護に必要な人材がいなけりゃ絵に描いた餅なんですよ。そのことについてこれから少し質問させていただきます。
 介護人材不足の対策として、国は財源の一つとして地域医療介護総合確保基金を活用して、地域医療介護総合確保基金は都道府県が計画を立ててそして実行しているということで理解をしておりますけれども、この基金を通じて実施された介護人材確保施策の具体的な実施状況をお聞かせいただきたいと思います。
#111
○政府参考人(定塚由美子君) お答え申し上げます。
 介護人材の確保に当たりましては、地域の実情に応じた確保策を進めるということが大変重要でございまして、委員から御指摘ありましたとおり、平成二十七年度からこの地域医療介護総合確保基金活用しまして、都道府県が計画を立てて実施する取組、介護人材の参入促進と資質の向上、それから労働環境、処遇の改善という三つの柱の取組を支援をしてきているところでございます。国においてはこれらの取組に関しての事業メニューとして二十四の事業をお示ししておりまして、都道府県のそれぞれの状況に応じてこの事業を実施をいただいています。
 幾つかのメニューについて具体的に申し上げますと、地域住民や学生などに対する介護や介護の仕事の理解促進を図るような事業、これは全ての都道府県で実施をいただいております。また、若者や高齢者など多様な世代を対象として介護に参入していただくための職場体験、これは四十一の都道府県で実施をいただいております。また、医療的ケアなどの専門的な技術などを習得するためのキャリアアップ研修支援や、管理者などに対する雇用管理改善に向けた取組支援、これらも全ての都道府県で実施をしていただいております。
 こうした事業の状況につきまして、更に実施状況の検証をしながら事業内容の充実改善を図り、また新しいメニュー、必要なものがあれば追加をして、基金がより有効に活用されるように図ってまいりたいと考えております。
#112
○そのだ修光君 今四十何品目という話も出ましたけれども、有効に使われているか、そしてまた結果を出しているかということは大事なことですよね。
 今回、この基金の介護の分というのは幾らなんですかね。答えて、ちょっと、ください。
#113
○政府参考人(蒲原基道君) 今、人材確保の話が出ました。介護人材の確保については、二〇二〇年代初頭に二十五万人分更なる確保が必要だということで、総合的、計画的な対策が必要と認識しております。
 お話が出ました基金の介護人材確保分でございますけれども、これは、まず当初予算の関係でいいますと、平成二十七年及び平成二十八年度の当初予算においてそれぞれ九十億円でございます。これは国分と都道府県分含めてでございます、九十億円。また、平成二十七年度補正予算におきまして百七十九億円でございます。これらの額を確保いたしまして、先ほど社会・援護局長から話がございました、都道府県が策定した計画に基づきまして実施する参入促進や資質向上、労働環境、処遇の改善に資する事業を実施していると、こういう状況でございます。
#114
○そのだ修光君 ちょっと財政的にもこれが多いか少ないかという、結果が出ていなけりゃ少ない状況なんですよね。そのことも含めて、やっぱり人材不足は大変深刻なんです、さっきから話をするとおり。ですから、しっかりとこの部分には今まで以上の努力をしていただかなきゃならないと私は考えておりますから、頑張っていただきたいと思います。
 そして、次に外国人の技能実習制度の施行についてお伺いをしたいと思います。
 これは人材の面でも、また今、介護分野で外国人の技能実習制度がいよいよ今年の十一月からスタートするわけですけれども、事業者としては、どのようなルールになるのか、あるいはまた現場はいつ頃から始められるのか、大変気になるところであります。これまでの議論及び今後どのような形でルールが決まり施行されていくのか、また現場にはいつ頃から届いて、人材が、していくのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#115
○政府参考人(定塚由美子君) 介護分野の外国人技能実習制度についてお尋ねをいただきました。
 この技能実習制度の介護職種の追加でございますが、介護サービスの質の担保などの適切な対応を図った上で、本年十一月一日の新たな技能実習制度の施行と同時に職種追加を行うということとしております。
 この介護職種の追加に当たりましては、厚生労働省において有識者に参集いただきまして、外国人介護人材の受入れの在り方に関する検討会で議論いただきまして、一昨年二月ですけれども、一旦取りまとめをしていただいております。この取りまとめにおきまして、実習生に必要なコミュニケーション能力の確保や適切な実習体制の確保など、具体的な対応の在り方を提言いただいているところでございます。現在、この提言に沿いまして具体的な要件等について検討を進めているところでございます。
 実は、技能実習法におきましては、業種ごとに組織をされて技能実習の適正な実施などの協議を行う事業協議会という仕組みがございます。この施行後の事業協議会への移行も見据えまして準備会を開催しておりまして、その中で関係者の御意見も聞きながら具体的な要件を検討しているところでございます。
 今後具体的な要件案を作成次第パブリックコメントを行い、その上で今年の夏頃を目途といたしまして、職種追加のための省令や介護職種における固有要件を定める告示という形になりますが、これを公布したいと考えております。
 また、こうした検討状況については、公表できるものは現在も私どもの厚生労働省ホームページでQアンドAとともに周知をしているところでございますが、今後、省令や告示の内容を含む制度の詳細について、ホームページ及び関係者への説明会、地方への説明会などを通じて現場に周知を図って受入れの準備に努めてまいりたいと考えております。
#116
○そのだ修光君 それと、これからこの外国人の、外国人材も介護現場をもちろん支える重要な人材となっていくと考えております。ただ、介護現場における外国人材の、外国人の支援策として基本的な考え方を教えていただきたいんですけれども。
#117
○政府参考人(定塚由美子君) 外国人の介護人材の受入れにつきましては幾つかの制度がございまして、例えば経済連携協定、EPAに基づく受入れなど、それぞれの制度趣旨に沿った形で我が国の介護現場で活躍できるように受入れを進めているところでございます。
 例えばEPAでありましたら、その経済連携協定の趣旨に基づく受入れということでございますし、また、資格を取得した留学生への在留資格付与という制度も本年スタートするところでございます。それぞれの趣旨に沿って受入れを進めるという準備をしているところでございます。EPAに基づく受入れにおきましては、介護福祉士資格を得て引き続き我が国に滞在をして介護現場で活躍をいただけるように、日本語の学習支援や国家試験合格に向けた通信添削の指導の提供など、様々な支援を実施しているところでございます。
 また、先ほど御質問いただきました、今後介護職種の追加を行うこととしております技能実習制度におきましても、日本で働いていただくということを前提といたしまして、実習実施者における標準的な日本語の学習プログラムであるとか、また御本人の自己学習のためのウエブコンテンツの開発など実習生の方の日本語学習環境の整備を行うことを考えており、準備を進めているところでございます。
 このように、外国人介護人材の受入れに当たってはそれぞれの制度趣旨に沿った必要な支援を行うこととしておりますけれども、こうしたことを通じまして、受け入れた外国人の方がその能力を発揮して我が国の介護現場で活躍いただけるように積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
#118
○そのだ修光君 今答弁していただきましたけれども、やっぱりいよいよ外国人の皆さんも介護の現場でしっかりと働いてもらわなきゃならないような状況にありますから、やっぱりそこは、日本人だから人材のいろんな形の教育は受けさせますよとか、いや、外国人にはこれは、このお金は使っちゃならないとかいうようなことがないように、それはしっかりとやっていただきたいと思います。
 それと、先ほど蒲原局長が質問に答えておられましたけれども、介護人材の不足の解消のために、施策のもう一つの柱というので、ICTや介護ロボットを活用した生産性の向上の推進が進められております。しかし、ICTや介護ロボットの導入は産業振興として浸透をしているように感じられますが、介護現場で働く人や運営にとっては、費用対効果については周知の問題なのか知りませんけれども、ビジネスモデル上の問題又はシステム環境の問題とか、なかなか浸透していかないように私には思えてならないんです。
 現場がうまく活用ができなければ、生産性の向上は図られないわけであります。介護現場におけるICT及び介護ロボット施策の検証や評価について、また、今後介護現場に浸透させていくための課題と方策についてお聞かせいただきたいと思います。
#119
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。
 ICTや介護ロボットにつきましては、一つは利用されている方の生活の質の維持向上という点で効果がございますし、併せて介護者の負担軽減が図られるという効果が期待されるということから、その普及に努めているところでございます。そのためには、先生、さっきお話がございましたとおり、現場の声を踏まえて現場のニーズに合った施策を進めることが重要であるというふうに考えているところでございます。
 まず、ICTについてでございますけれども、これまで介護現場でのモデル事業を通じて効果や課題などを把握してきているところでございます。幾つかのモデル事業の中でいうと、実際上の効果が大きい業務として、日々のサービス内容の記録の業務だとか、あるいは事業所内の情報共有の業務、あるいは介護報酬の請求業務、こうしたところがかなり効果があるというところがまず出ているところでございます。また、これは個別の事業だけでなくて、今後は事業所間の連携といったことも、そうしたものを使うことが大事だと思っていまして、その間、そうした連携における課題解決に向けて更にモデル事業を実施しながら、介護現場の意見を把握して施策に反映していきたいというふうに考えております。
 また、介護ロボットの方でございます。こちらについても、介護現場のニーズを踏まえた現場主導の開発に取り組むとともに、介護現場においてこれまでの予算でいろんなモデル的な事業、あるいはいろんな導入支援をやっているところでございますので、そうした現場での活用による実証の結果というのを踏まえて、例えば今後は介護報酬等での取扱いについても検討してまいりたいと、このように考えております。有識者からも、介護現場のニーズをよく踏まえることが重要だという意見を我々も聞いているところでございます。
 今後、ICTや介護ロボットの推進については、介護現場のニーズを十分に踏まえた上で、現場に即した施策というのの検討あるいは実施に努めてまいりたいというふうに考えております。
#120
○そのだ修光君 現場が使わなけりゃもう回っていかないわけですから、現場に、我々も介護ロボットの件で、施設の中でいろんなのを試してみて、職員に装着させたりいろんな形でやっておりますけれども、まだまだ使い勝手のいいところまで来ていないんですよ、正直言いまして。だから、このことにあって生産性が上がるところまでまだ来ていないと私は思っているんです。ですから、やっぱり現場の声をしっかりと受け止めていただいて、産業界全体でもそういう形のものを作っていただきたいものだと思っております。
 それで、最後に大臣にお伺いをいたします。
 医療・介護連携の、シームレスに行い地域包括ケアを推進するために、介護現場の魅力を向上させるためにも、また科学的な介護の実現のためにも、利用者のデータが非常に重要となってくると思っております。今後、ビッグデータの利活用時の方針等について国としてどのような方向性で取り組んでいかれるか、お伺いをいたします。
#121
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘をいただきました、介護に関するデータを今後どういうような形で収集、利活用していくのかと、こういうことでございましたが、今現在でも市町村から要介護認定や介護レセプトなどについてのデータはいただいておりまして、これは介護DBとしても厚生労働省に蓄積をしているわけでありますが、今後は、今御指摘のように介護を科学するという観点から、どのようにして自立支援介護など御本人にとってより自立をし重度化を食い止める、あるいは場合によっては改善をする、そういうようなことをデータ化して、例えばこれはPTあるいはOTの皆さん方の御専門ですけれども、リハビリにおける医学的なデータを含めて、何をすることが本当に自立につながるのかということもデータ化をしていこうということを今試みておりまして、二〇二〇年の本格稼働を目指している医療介護データプラットフォーム、これを今仕込みつつあるわけでございます。
 当然のことながら、こうしたときに大事なのは個人情報をどうするかということで、我々としては、現在は実は匿名化をした上で収集をしておりますから、個人情報が出るということは想定されていないわけでございますけれども、今後とも私どもがこの科学的なデータとしての介護情報、あるいはその他医療や、あるいは健診、そしてまた予防の段階までの一気通貫でそういうものを見ようというときには個人情報の扱いを大変注意をしなければいけないというふうに思っていますので、当然、これ匿名化を含めてしっかりとした扱いをしながら、それを利活用できるようにしていかなければいけないというふうに思っております。
 個人情報につきましては、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律において、行政の適正かつ円滑な運営を図りつつ、個人の権利や利益を保護するということが求められておりますので、今後仮に厚生労働省において収集する介護に関するデータに個人情報が含まれるような場合には、当然のことながら法令に基づいてしっかりと適切に扱ってまいりたいと思っております。
 いずれにしても、しかし、ビッグデータの利活用が御本人の自立と重度化防止に役立つようにしっかりと我々取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#122
○そのだ修光君 今大臣に答弁をしていただきましたけれども、このビッグデータが介護現場を助けて、介護の質が向上するという好循環を生み出して、その結果コストを下げられる、これはもう本当に新たな介護の時代をつくるためにも是非とも介護現場へ寄り添った制度をつくっていただきたいと私は思っております。是非よろしくお願いいたします。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
#123
○谷合正明君 公明党の谷合正明です。
 午前中のやり取りで六時間座り続けることは健康に余り良くないという話がありましたが、いよいよ午後の時間に差しかかりまして、今日五十分の質問時間をいただいております。介護保険の大事な法案でございますから、しっかり質疑をさせていただきたいと思っております。よろしくお願いをいたします。
 まず総論を確認させていただきたいんですけれども、新たに発表されました平成二十九年推計で、三十歳代から四十歳代の出生率が上昇したことを受けまして、前回の平成二十四年推計から合計特殊出生率が上昇することとともに、平均寿命は二〇六五年に男性が八十四・九五歳、女性が九十一・三五歳まで延びることなどが推計されています。また、前回と比較しまして、人口減少のスピードや高齢化の進行度合いは緩和する一方、二〇四二年には高齢者数がピークを迎えて、同年の高齢者数は前回の三千八百七十八万人から三千九百三十五万人に増加することが見込まれています。
 今回の法律案の内容は、平成二十四年の将来人口推計に基づく介護保険部会での議論を踏まえて提出されたものでございます。今般の改正の大きな目的の一つとしてこの制度の持続可能性を高めることがありますが、新たなこの二十九年の人口推計上明らかとなった長寿命化の進行や高齢者数の伸びにも耐え得るものとなっている必要があります。
 そこで、改正案が成立することで新たな将来人口推計によってもなお介護保険制度は持続可能なものとなっているのか、今般の介護保険法を改正する意義と併せてお答えいただきたいと思います。
#124
○政府参考人(蒲原基道君) 今回の改正法案の意義、趣旨についてのお問合せがございました。
 今回の法案は、委員からお話がございましたとおり、高齢化がますます進展していくということを背景に、介護を必要とする高齢者の増加が見込まれる中で、介護保険の保険者であります市町村が、自立支援、重度化防止の取組を推進することなどを通じて地域包括ケアシステムの強化を図ろうとするものでございます。
 また、介護保険制度の持続可能性を高めるために、負担能力に応じた負担を求めるという観点から、一定以上の所得を有する者の負担割合を見直すこと、また、四十歳から六十四歳までの方の保険料について、被用者保険者の介護納付金を標準報酬総額に応じた負担とすることを改正内容に盛り込んでいるところでございます。
 このような改正によりまして、一つは地域包括ケアシステムの強化を図りつつ、またサービスを必要とする方に必要なサービスを将来にわたって提供される、そのような形にしてまいりたいと、こういうふうに考えております。
#125
○谷合正明君 それでは、改正案の具体的なものについて質問したいと思います。
 一つは、保険者機能の強化について伺いたいと思います。
 高齢化が進展する中で、介護保険の保険者である市町村が介護を必要とする人々へ適切なサービスを提供することが求められております。先ほど本法案の意義について触れていただきましたけれども、地域包括ケアシステムを強化するとともに、制度の持続可能性を維持するため、保険者が地域の課題を分析して、高齢者がその有する能力に応じた自立した生活を送っていただくための取組を進めるという必要があります。
 そこで、改めて確認したいんですが、今回の改正では、決して市町村任せにするのではなくて、国や都道府県が支援を行うことが規定されていますが、その支援の内容、今回の改正によって行われる保険者機能の強化に関わる制度全般に関して改めて説明いただきたいと思います。
#126
○副大臣(古屋範子君) 保険者機能の強化に関する御質問をいただきました。
 高齢者の自立支援や重度化防止の取組を進めていくためには、PDCAサイクルを活用して市町村の保険者機能を強化していくことが重要でありまして、今回の法案でも必要な仕組みの創設を盛り込んでいるところでございます。
 具体的には、市町村が地域課題を分析して、地域の実情に即して高齢者の自立支援や重度化防止の取組や目標を計画に記載をすることや、市町村等の取組を後押しするために客観的な指標を設定した上で財政的インセンティブを付与することを予定しております。
 また、市町村の人員体制やノウハウの蓄積等の状況は様々でありまして、厚生労働省や都道府県が積極的かつ丁寧に支援をしていくことが必要だと考えます。
 今回の法案では都道府県が市町村を支援するということを法律上明記をしておりまして、市町村職員に対する研修を実施すること、またリハビリテーション職員等の派遣に関する関係団体との調整等を推進していくことなどの支援に取り組んでいただくこととしているところでございます。
#127
○谷合正明君 ただいま副大臣から保険者機能強化に関わる制度全般について説明をいただきましたが、その中で、とりわけ財政的インセンティブの導入が大きな改正点の一つと考えております。
 具体的な制度設計については、これまでの委員会質疑において、保険者の自立支援、重度化防止に向けた取組を後押しするようなものになるように、今後、自治体関係者の意見を伺いつつ検討していきたいとの答弁があります。平成三十年度予算の編成過程で決まるものと承知しておりますが、他方、自治体にとって大きな関心事でございますので、この財政的インセンティブの全容というものはなるべく早く示す必要があると考えています。
 今後のスケジュールについて改めて伺いたいと思います。
#128
○政府参考人(蒲原基道君) インセンティブの指標の設定について御質問いただきました。
 適正なサービス利用の阻害につながらないことを大前提にしながら、自治体関係者の意見を伺いつつ具体的な中身を検討していくということでございますけれども、その具体的な内容についてでございますが、これは、各自治体が策定いたします介護保険事業計画、この策定作業に一つ影響いたしますし、そもそも、いろんな市町村が行う事業の実施にも非常に影響していくということでございますので、これは検討状況に応じて可能なものから順次お示ししていって、できるだけこの市町村の側が次のいろんな取組をしやすいように進めていきたいというふうに考えております。
#129
○谷合正明君 今日の答弁だけではそこがやっぱり多分精いっぱいなところだと思うんですけれども、可能なものから順次示していくという話もございました。
 そこで、財政的インセンティブの、これまでの度々議論の中でも出されておりますが、その評価の指標なんですが、地域ケア会議の開催状況等を考慮されますが、要介護状態の維持、改善度合いも考慮されるということでございます。委員会質疑の中で、アウトカム指標としては、要介護認定率の高低、高い低いを直接用いず、要介護状態の維持、改善の度合いなどの保険者の取組の成果を反映する指標を、また、プロセス指標としては、地域包括ケア「見える化」システムの活用状況を含む地域分析の実施状況、ケアマネジメントや地域ケア会議等に関する保険者の基本方針についての地域包括支援センターや事業者などとの共有状況、さらに通いの場への参加状況、地域ケア会議の実施状況などを例として挙げていただきました。
 財政的インセンティブの詳細については今後検討になるわけでありますけれども、毎年度編成される予算とは異なって、特にアウトカム指標とされる要介護状態の改善の度合いなどは、一年間の実績で判断するのはなかなか難しいのではないかと。財政的インセンティブの付与に当たっては、単年度の実績を評価するのではなくて、数年間にわたりどのように要介護状態が改善されたか等の調査を行い、一定期間で評価した上でインセンティブを付与すべきと考えますが、いかがでございますでしょうか。
#130
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。
 この指標の設定につきましては、委員からお話がありましたとおり、これまで御説明しているところでございます。その期間というか、状況を単年で見るのか、あるいは少し長い期間、経年で見るのかといった点の御質問だったと思いますけれども、そのようなことも含めて、関係自治体の意見を聞いて、言ってみれば保険者の自立支援、重度化防止に向けた取組を後押しするようなものになるように検討したいと思っています。
 その意味でいうと、御指摘の点も含めて、そこは指標の在り方として検討していきたいと、このように考えております。
#131
○谷合正明君 是非御検討いただきたいわけであります。評価疲れになるというような話も、参考人質疑でもいろいろ出されたところでございまして、そこはきめ細やかにやっていただきたいと思っております。
 さて、インセンティブということに関連して、ここはちょっと大臣に是非お伺いしたいんですけれども、介護サービスを提供する事業者へのインセンティブの在り方について、今回の法改正は保険者に対するインセンティブなんですけれども、事業者へのインセンティブの在り方についてお伺いしたいんです。
 岡山市は、いろいろヒアリングさせていただいたんですが、以前から介護保険事業に関する先進的な取組を行っていて、とりわけ力を入れているのがデイサービス等への成功報酬制度の導入です。この制度は、介護保険制度の下では、要介護度が高いほど事業者に支払われる報酬が高くなり、事業者が要介護度の改善に消極的になりやすいということを受けて、要介護者の要介護度を改善させた介護サービス事業者に対して岡山市がより多くの報酬を支払う制度であります。もちろん、この成功報酬制度では、事業者において改善が難しい利用者の受入れ拒否が生じて、要介護度が改善しやすい要介護者のみを選別して受け入れてしまうというような指摘、おそれがあるなど、まだまだ検討すべき課題があることは承知しております。
 この点について、参議院の本会議でも質問がなされまして、塩崎大臣からは、今私が申し上げたような課題を踏まえて、質の高い介護サービスの提供にインセンティブが働くよう、平成三十年度介護報酬改定に向けて検討を進めると答弁されています。
 このような取組については、岡山市のほか、川崎市や東京都品川区を始めとしたほかの自治体でも実施されています。また、この取組の要望を、福井県だとか滋賀県も共通の要望として出されているところでございまして、国として検討に値すると思いますが、厚生労働大臣の御所見をお願いいたします。
#132
○国務大臣(塩崎恭久君) 介護報酬におきましては、これまでも状態の改善に係る事業者へのインセンティブが働くようにアウトカム評価というのを導入をしてまいっております。
 また、自治体独自の取組、今、岡山、川崎、品川、お取上げをいただきましたけれども、介護サービス事業者に対してインセンティブ付与が行われる場合があるというふうに承知をしておりまして、岡山市では介護サービスの質の評価を実施をし、これ、いわゆる日常生活機能評価、ADLと呼ばれているわけでありますが、積極的にこうした利用者の状態像の維持、改善に努める事業所にこの評価を使ってインセンティブを付与するという取組が行われていると聞いているわけでございまして、岡山市などからはインセンティブ導入に向けての御意見もいただき、担当部局に今勉強をさせているところでございます。
 こうしたインセンティブにつきましては、介護職のやりがいの向上につながるという指摘もございますけれども、一方で、いわゆるクリームスキミングといいましょうか、改善の見込まれる高齢者のみを事業所が選別をしていってしまうんじゃないかという懸念も示されているところでございまして、これらを踏まえて、いかにしてより高い質の介護サービスの提供にインセンティブが働くか、こういう観点から平成三十年度の介護報酬改定に向けて検討を進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#133
○谷合正明君 是非よろしくお願いいたしたいと思います。
 それでは、次の質問に移りたいと思います。
 介護医療院、それから医療、介護の連携についてお尋ねしたいと思います。
 まず、介護医療院の創設についてお尋ねします。
 これ全国的に見ますと、西日本では全国平均と比べて介護療養病床数が多くなっています。今般の法改正に先立って議論が行われました療養病床の在り方等に関する特別部会では、部会の委員である高知市の市長から、高知市は介護療養病床のベッド数が全国平均の約五倍あり、その背景として、中山間地域に暮らしている方々が病気をするとなかなか在宅で見ることができないため、地域的な事情で介護療養病床が減らなかったという実情があるとのお話がございました。
 今回の改正によりまして介護医療院が創設されますが、一方で、従来の介護療養型医療施設については廃止までの経過措置が更に六年間延長されることになっています。
 そこで、改めてお伺いしますけれども、地域的な事情で現行の介護療養病床を残さざるを得なかった地域において、実際に利用している方々が不利益を被ることはないということを確認をさせていただきたいというふうに思っております。
#134
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。
 介護療養病床についてでございますけれども、ここは現行でも日常的な医学管理やみとりやターミナル等のケア、こうした医療機能を果たしておりまして、それが重要であるということに加えて、一方で、長期的な療養が必要なためにその入院先が実質的に生活の場となっているという利用者にとっては、それにふさわしい環境が重要だというふうに思います。そのため、今回の改正で、日常的な医学管理等の医療機能だけでなく、生活施設としての機能を兼ね備えた施設として介護医療院を創設するということになっているわけでございます。
 お話ございましたとおり、地域によって療養病床が多い等、それぞれ地域の違いがあろうかと思いますけれども、この介護療養病床の設置につきましては、今回新しく介護医療院をつくる際も、利用者の生活に、利用者の状態に悪影響が生じないこと等に対応するために六年間の経過措置期間というのをまた延長するということにしたわけでございますけれども、ここは、その期間中に御本人の状態というのをよく踏まえるとともに、恐らく移行する病院の側も基準をよく見て、自分のところの職員のいろんな配置転換等をよく見ながら判断していくということになると思いますので、そういった意味では、現場に何か悪い影響が起こらないようにきちんと支援をしていくと。その間に、移行状況等をきちっと把握しながら支援をすることで、そうしたことが、御心配のことが起こらないようにしていきたいと、このように考えております。
#135
○谷合正明君 是非しっかりと移行状況を把握した上で、国としてもきちんと支援をしていただきたいと思っております。
 医療、介護の連携についてお尋ねいたします。
 平成二十六年の介護保険法の改正によりまして、地域支援事業として在宅医療・介護連携推進事業が来年の四月から全ての市町村において実施されることになっています。これまで医療行政に関する取組は主に都道府県が担ってきたことから、市町村には必ずしもその事業のノウハウがないということで必ずしも円滑に進んでいない現状があることから、今般の改正案においては、在宅医療・介護連携推進事業を含む地域支援事業の包括的支援事業について、都道府県が当該事業に関わる情報提供や市町村に対する支援に努めるものと規定されています。
 岡山の話にもあったので恐縮なんですけれども、ここでは医療と介護の多職種の顔の見える関係づくりが既に行われておりまして、こうした取組も全国展開していく必要がございます。特に、在宅医療・介護の連携に関しまして、都道府県が市町村に対して行う具体的な支援の内容と、あわせて、じゃ、国はどうするんだと、国が行う支援の内容についてもお伺いしたいと思います。
#136
○副大臣(古屋範子君) 今、谷合議員の方から御指摘がございましたように、地域の医療と介護の関係者の連携の推進には顔の見える関係を構築することが重要であると考えておりまして、市町村が実施をする在宅医療・介護連携推進事業により推進をしてきているところでございます。その際、市町村におきましては、地域の医療の関係機関との協力関係の構築に加えまして、事業のノウハウの不足、隣接する市町村との広域連携の調整なども今課題として挙げられているところでございます。
 そのため、今回の法案におきましては、都道府県が市町村支援を努めることを法律上位置付けることとしておりまして、具体的には、医療や介護に関するデータを収集、分析すること、広域的な入退院時の連携等、保健所等を通じて広域的な医療・介護連携の取組体制を整備することなどの支援に取り組んでいただくことを予定しております。
 また、厚生労働省といたしましては、都道府県に対して市町村が実施する在宅医療と介護の連携に資する取組への支援方法等を明確にした手引を提示すること、また、都道府県が市町村に対して実施する研修で活用できる研修支援パッケージを作成することなどを通しまして、地域の実情に応じた医療と介護の連携体制の構築に支援をしてまいりたいと考えております。
#137
○谷合正明君 ありがとうございます。
 それでは、総報酬割について何点か伺いたいと思います。
 介護費の財源は、国庫負担が二五%、地方自治体が二五%、六十五歳以上の第一号被保険者の保険料が二二%、そして四十歳から六十四歳までの第二号被保険者の保険料が二八%となっておりまして、現役世代にも一定の負担をお願いしています。第二号被保険者の介護保険料は、介護納付金として医療保険者に賦課されておりまして、各医療保険者が加入者である第二号被保険者の負担すべき費用を一括納付しています。介護保険制度が導入された二〇〇〇年から現在に至るまで、各医療保険者は介護納付金を第二号被保険者である加入者数に応じて負担するいわゆる加入者割が実施されてきました。
 今回の法改正により、加入者割から被用者保険間で報酬額に比例した負担とする総報酬割が導入される運びとなりますが、仮に今後も加入者割を続けた場合、どういった問題点が生じると考えているのか、また、今回新たに導入される総報酬割によりそうした問題点はどのように解決されると考えているのか、今回加入者割から総報酬割へと変更することとなった経緯も含めて、答弁をお願いしたいと思います。
#138
○政府参考人(蒲原基道君) 現行の加入者割の問題点、そして総報酬割の導入の経緯、二つについて御質問をいただきました。
 まず一点目でございますけれども、現行の介護納付金につきましては加入者割ということになってございますので、各医療保険者が第二号被保険者数に応じて、その数に応じて負担する仕組みというふうになっているわけでございます。それに伴いまして、一人当たりの報酬額の高低を問わず保険料額が一定になっているということから、報酬額の低い医療保険者ほど報酬額に対する保険料負担額の割合が高くなっていると、こういうことでございます。
 今回の総報酬割導入の経緯でございますけれども、経緯あるいはその背景でございますけれども、今回の法案では、高齢化の進展により介護費用が増大する、あるいは保険料が上昇する、こうしたことが見込まれる中で、現役世代内の負担の公平、あるいは負担能力に応じた負担を求めるという観点から、この介護納付金について総報酬割、すなわち報酬総額に応じて負担する方法を導入するということにするわけです。これによりますと、総報酬に対する介護納付金の割合は同一になってくるわけでございます。それに伴いまして、総報酬の低い医療保険者につきましては介護納付金の額が軽減され、被用者保険の被保険者のうち約六割の方が介護保険料の負担が軽減されるというふうに見込まれております。
 今回、このようなことで負担の公平を図るという趣旨で総報酬割を導入したいということでございます。
#139
○谷合正明君 今六割が軽減されるという見通しが示されましたが、総報酬割は報酬額に比例した負担ということですから、当然そのほかの方は総報酬割の導入によって負担が増加する保険者ということになってまいります。先ほど申し上げましたけれども、第二号被保険者は四十から六十四歳の方々でありまして、介護保険による恩恵を直接自ら受けている方というのはごく少数となってまいります。急に負担が増加してしまうことがないよう配慮の措置がなされていると承知しておりますけれども、当然こうした配慮は必要であると考えております。
 総報酬割の導入に当たって急激な負担増等への対応策について確認をさせてください。
#140
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。
 総報酬割の導入によりまして負担の増加が特に大きい医療保険者につきましては、激変緩和措置を講ずるということにしております。一つは、平成三十二年度に向けてこの総報酬割を段階的に導入するということが一点です。また、被保険者一人当たりの介護納付金の額に上限を設けまして、この上限を超える部分については全ての被用者保険者間で再按分して負担するという、このような仕組みを設けることといたしております。また、この再按分による負担につきましては、一定の被用者保険者に対しまして全部又は一部を国費による助成をするという予定でございまして、平成二十九年度の予算では約九十四億円を計上していると、こういうことでございます。
 このような仕組みによりまして、負担の増加が特に大きい医療保険者をしっかりと支援し、総報酬割の円滑な導入というのを図ってまいりたいというふうに考えております。
#141
○谷合正明君 どんな制度でありましても、その後の社会情勢等の変化に応じた改善、見直しが必要であるということは当然でございます。同時に、その見直しの結果、その影響がどう出てくるかということも見極めていく必要もございます。
 先ほど御説明いただきました激変緩和措置についてはこれまでの委員会でも度々出ておるんですけれども、一定の被用者保険者に対して全部又は一部を国費により補助する予定であり、世代間の負担の公平、負担能力に応じた負担を求めるという総報酬割導入の趣旨を前提としつつ、制度の円滑な導入のために行うものであり、三年間の時限措置が適当と考えているということも答弁で出ております。
 それでも、やはり私は、全面報酬割となった以降も、つまり時限措置が終了する三年後の保険者の財政状況等を適切に把握した上で必要な対策を講じていくべきではないかと考えているわけでありますが、いかがでございますでしょうか。
#142
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。
 この点につきましてはこれまでも委員会で何度か質問を受けているところでございます。
 先ほど申し上げましたとおり、特に負担の増加が大きい医療保険者に対する措置でございますけれども、そもそも、この総報酬割の導入というのは、世代間の負担の公平、あるいは負担能力に応じた負担を求めるという、そういう趣旨を前提として先ほどのような支援策を講ずるというものでありまして、その趣旨を前提とした上で、制度の円滑な導入のために行うというものでございます。
 そのために、やはり激変緩和措置としては本来の姿になるまでの間の三年間が適当というふうに考えておりまして、公平な制度ができ上がるときには、この措置というのはその手前で終わるというのが適当ではないかというふうに考えているところでございます。
#143
○谷合正明君 総報酬割導入の趣旨を前提としつつの激変緩和措置であるという答弁も改めていただいたわけでありますけれども、ちょっとここは食い違うところもあるんですけれども、改めて、その時限措置が終了する三年後のやはり保険者の財政状況等を適切に把握していくこともまた極めて大事であると私は申し上げておきたいと思います。
 それでは、地域共生社会について質問をしたいと思います。
 本法律案では、塩崎大臣自らも強調されております我が事・丸ごとの地域づくりを含む地域共生社会の実現に向けた理念が示されています。
 近年、ダブルケアの問題を有する世帯や、高齢の親と働いていない独身の五十代の子が同居している世帯であるとか、障害のある子の親が要介護状態となっている世帯など、もう本当に個人や世帯全体を抱える課題というのは複雑化、多様化しております。また、それらが顕在化しているということも確かであると思います。とりわけ団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年以降、高齢者数の増加とともに、生活保護世帯とはならないまでも少ない年金額で暮らすなど低所得高齢者も増えていくことが予想されておりまして、低所得高齢者への対策が急務となっています。
 今回の法案の名称ともなっています地域包括ケアシステムは、高齢者の地域における介護、医療、介護予防、住まい及び生活支援が包括的に確保される体制と定義されておりまして、このうち低所得の高齢者の方々にとっては、医療、介護はもとより、生活支援、住まいの確保も重要な要素になっています。
 低所得であっても高齢者の方々が住み慣れた地域で安心して生活し老後を暮らしていけるように今後どういった対応をしていくのか、この点について答弁をいただきたいと思います。
#144
○政府参考人(定塚由美子君) お答え申し上げます。
 低所得高齢者のまず現状でございますが、所得の面から我が国の社会全体を長期的に見ますと、高齢者の相対的貧困率は改善傾向にございます。これは公的年金制度を始めとした社会保障制度の成熟の中で高齢者に対する所得再分配機能の高まりの表れであると認識しているところでございます。
 一方で、委員から御指摘いただきましたとおり、高齢化に伴いまして低所得の高齢者の世帯の数が増えているという状況でございます。こうした方々の中には、家族や地域社会の変化により、また長寿化の中で現役世代に十分な蓄えができていなかったということもままあるわけでございまして、こうした場合には、持家や貯蓄がないとか乏しいとか、また家族からの同居、仕送りの支えがないとか就労が困難であるなどの事情により厳しい生活実態になる方がいると認識をしております。
 こうした低所得高齢者の方々に対しましては、今年八月施行の年金の受給資格期間の短縮に加えまして、社会保障・税一体改革で行うこととしている年最大六万円の年金生活者支援給付金の創設、また医療、介護の保険料負担軽減などに取り組むことといたしております。
 こうした社会保障制度面からの対応に加えまして、低所得の高齢者の生活状況に応じたきめ細かな支援も重要と考えておりまして、生活困窮者自立支援制度において各自治体に相談窓口を設けて幅広く相談に対応しているところでございます。
 例えば具体的に申しますと、年金だけでは生活に足りないという方の、収入を得るために短時間でも働きたいという方への就労支援であるとか、現役世代と収入水準が異なってしまうという方への家計支援であるとか、本人の希望に応じて先ほど委員からも御指摘がありました住宅を探すための居住支援であるとか、そうした包括的支援を行っているところでございまして、現在、この制度の施行後三年を目途とする見直しについて、社会保障審議会における検討をスタートしたところでございます。
#145
○谷合正明君 今局長の方から生活困窮者自立支援制度について言及もございまして、見直しの議論もされているという御答弁がございました。
 生活困窮者自立支援法は平成二十七年四月に施行されておりまして、まさに今審議会の部会において見直しのための議論が行われているわけであります。この生活困窮者自立支援法は、自立に向けた人的支援を包括的に提供していくことを基本としていて、どちらかというと自立支援、就労支援等に重きが置かれていたように感じます。
 しかし、我が事・丸ごとの地域づくりにより、これまで顕在化していなかった低所得高齢者の問題が浮き彫りになってくるため、低所得の高齢者が安心して老後を暮らせるように、今の生活困窮者自立支援法を低所得高齢者の実情に沿った形で見直していく必要があると考えます。
 低所得高齢者をめぐる現状及び課題、先ほど来お話しいただいていますけれども、そうした現状、課題を踏まえて、どのように見直しを行っていくのか、方向性についてお伺いしたいと思います。
#146
○政府参考人(定塚由美子君) 生活困窮者自立支援法の相談窓口では、高齢者の相談が全体の約二割を占めているという状況でございます。就労や家計管理などの相談を受けておりまして、この中で幾つか、こうした相談を受ける中で幾つかの状況が分かってきたというところがございます。
 まず、一般就労を目指す方が半数近くいらっしゃるということで、就労収入で家計を支えるという希望があるということ。また、就労が難しい中で支出をやりくりしなくてはならないという方も一定程度いらっしゃるということ。また、低所得の高齢者の方が民間の賃貸住宅に住むに当たっては、家賃負担だけではなくて入居の拒否であるとか連帯保証の問題といった課題があることというような状況が分かってきたところでございます。
 こうした現状も踏まえまして、生活困窮者自立支援法の見直しに向けて、昨年度、有識者の検討会、開催しておりますけれども、この中では、特に留意すべき対象者ということで、高齢の生活困窮者に対する支援の在り方についても議論がされているところでございます。
 この議論の結果といたしましては、短時間の就労を希望する人から主たる生計の支えとして働きたい人まで様々な状況が高齢者の方にございますので、その状況に合わせて支援をしていくということ。また、ハローワークやシルバー人材センターなどとも連携をして、高齢者の就労の場づくりを進めること。また、賃貸物件に入居しやすくなるような自立支援や地域の見守りといった居住支援をすること。さらには、高齢期になって生活困窮や生活保護に至ることを防ぐために、将来を見据えた就労支援であるとか、家計管理ができる力を身に付けるための家計相談支援をすることが必要ではないかといった論点が挙げられているところでございまして、今月から開始されましたこの審議会の部会での議論においても、こうした論点を踏まえてしっかりと検討をしてまいりたいと考えております。
#147
○谷合正明君 お願いします。
 それでは、地域共生社会とほかの施策との連携について伺いたいと思います。
 橋本副大臣にもお越しいただいておりまして、ちょっと副大臣に答弁いただきたいんですが、火曜日の質疑でも、この地域共生社会とのほかの施策との連携ということで、自殺対策との連携という話もありました。私自身もこの委員会の所信に対する質疑でこの自殺対策と地域共生社会の連携に取り組んでほしいということを質問したところでございます。それは目的と枠組みが共通しているからということも踏まえてさせていただいたわけであります。
 あわせて、ただいま議論となっております生活困窮者自立支援制度も、これもやはり理念でありますとか目的であるとか、そういったところがかなり重なり合う。そこで、自殺対策と地域共生社会のみならず、生活困窮者自立支援制度もセットで進めていくべきではないかということを考えておりますが、いかがでございますでしょうか。
#148
○副大臣(橋本岳君) 御指摘いただきました地域共生社会と、まず自殺対策との両施策は、市町村での包括的な支援体制の整備を図ること、住民も参加する地域づくりとして展開をすることなどの点で共通をしておりまして、実際の支援においても、状態が深刻化する前の早期発見や複合的課題に対応するための関係機関のネットワークづくりなど、対応、共通する部分が多くあると考えております。
 こうした支援の形は、今御指摘をいただきましたように、生活困窮者自立支援制度においても共通する部分が多いというふうに考えております。自殺というものはいろいろな背景があって、個々にですね、そういうことに至ってしまうということですが、やはり生活の困窮というのもその背景の一因となり得るものでございまして、やはり生活困窮者支援制度も含めた三者を、要するに自殺対策と生活困窮者の自立支援の制度とそして地域共生社会づくり、これを一体的に推進をすることがやはり重要だというふうに考えております。ですので、自治体にはこのことも含めて周知をしてまいりたいというふうに考えております。
 また、先ほど局長も答弁をしておりましたが、平成三十年に生活困窮者自立支援制度の施行後三年の見直しを予定をしております。これに当たっても、本制度とともに、地域共生社会づくりや自殺対策の取組の推進も意識をしながら、それぞれ相乗的に効果が上がるように検討を進めてまいりたいと、このように考えているところでございます。
#149
○谷合正明君 是非、三つの施策をしっかりと連携しながら取り組んでいただきたいというふうに思っております。
 それでは、最後に、介護人材の確保について質問をしたいと思います。
 これも度々この委員会で質問がなされているところでございます。単刀直入にお伺いしますけれども、いろいろな処遇改善策、これまでも累次やってまいりました。そうした処遇改善策による効果について、厚生労働省としてどのように把握して、どう評価しているんでしょうか、この点についてお伺いしたいと思います。
#150
○政府参考人(蒲原基道君) 御質問ございました介護職員の処遇改善についてでございます。これまで財源を確保しつつ、着実に行ってきております。
 その改善効果についてでございますけれども、例えば、平成二十七年度の介護報酬改定では、月額、実績の効果の方です、平均で一万三千円になっていまして、これは過去の分の実績で、平成二十一年四月分からの全部の実績でいきますと、合計で四万三千円相当の処遇改善を行っているところでございます。また、今年度はニッポン一億総活躍プランに基づきまして、技能や経験に応じて昇給する仕組みを構築し、月額平均一万円相当の処遇改善を行っており、こうした本取組を今後、着実に進めていきたいというふうに考えております。
#151
○谷合正明君 それで、大臣御存じかどうか分かりませんが、介護現場で働く若者が主人公となった漫画で「ヘルプマン」というのがあるんですね。これは二〇〇三年から連載が始まっておりまして、今も続編が週刊誌に連載中であります。若い介護福祉士の中には、この「ヘルプマン」という漫画を読んで介護を志した人も少なくありません。昨年、四国在住の原作者の方にちょっとお会いしていろいろお話を伺ったところでございます。四国ということでちょっと取り上げさせていただいているんですけれども。
 実は、漫画は、最初はおむつ替えに悪戦苦闘するシーンというところも始まってまいりますし、その主人公の若者が介護を通じて高齢者に学び、成長していく姿、そういうストーリーでもあるんですね。
 原作者の方にお伺いしたときに、いろんな取材現場を訪れたと。その中で印象的だったということで、おむつ替え。おむつ替えは他人に見られたくない部分に寄り添う仕事ですから信頼関係が大事なんです、介護士にとっておむつ替えは誇りであり、ある意味人間の尊厳に関わる仕事だと思いましたと。ケアの仕方や温かい言葉一つで顔の輝きが全然違う、自尊心がそのままあるんだということを取材の現場で知りましたというふうにおっしゃっていただきました。
 また、介護の場合も、高齢者に人生を学ぶような姿勢や心を育てることが大事で、実際に現場を体験学習した人たちは職場の定着率が高いんですという、政府もそういうお話もありますけれども、というようなことも言われておりました。
 その原作者の方は、介護のきついとか汚いとか給料が安いというネガティブな3Kのイメージを、格好いい、感動的、価値創造的というポジティブな3Kのイメージに塗り替えたいということで、情報発信のホームページ、「コチラ愉快護情報局」というものも立ち上げられているんですね。
 以上、原作者とのやり取りなどを紹介させていただきましたけれども、介護人材の確保について、処遇改善、職場環境の改善策など様々な取組をされていることは承知しておりますけれども、やはり私自身、介護の持つ尊さというものを根底にしっかりと据えていかなきゃならないんだというふうに思っておりますし、社会全体がそうなっていかなきゃならないんだというふうに思っております。
 農業はよく産業政策と地域政策が車の両輪だと言うんですけれども、まさに介護もそのような面があるのじゃないかなと。ですから、ICTとか介護ロボットだとか様々な施策があろうかと思いますが、しかし、忘れてはならない根底には、やはり介護というのは人間の尊厳に関わる非常に尊い仕事なんだということをしっかりと意識してやっていかなければならないのではないかということでございまして、そこで、改めて介護人材の確保について答弁いただいて、質問を終わりたいと思っております。
#152
○政府参考人(定塚由美子君) ありがとうございます。
 介護人材の確保ということでございますけれども、御紹介いただいたように、様々な観点から取組を進めていくことが必要と考えております。一つは、やはり多くの方に参入をしていただくという参入促進でありますし、もう一つは、職場の定着促進ということと離職を防止していくということ、さらには、処遇改善とともに、先生から御指摘がありましたような、魅力をしっかりと発信していくというような取組を総合的に進めていくということが重要であると考えております。
 最近では、今年四月からの処遇改善に加えまして、ICT、介護ロボットとか、介護施設で働く環境改善のための保育施設の開設運営支援であるとか、あるいは先ほど御紹介しました基金事業の中では、キャリアアップのための研修の受講負担軽減などにも取り組んでおります。さらには、今後多くの方々に介護の世界に入ってきていただくということを見据えまして、いろいろな方々に研修支援をしていけるような仕組み、助成というものも考えたいと考えております。
 また同時に、大変重要なのは、委員からも御指摘がありましたように、介護が大変魅力ある仕事だと、やりがいがあって尊厳を守るすばらしい職業だということで入ってこられる学生さん、あるいは再就職されていらっしゃる方々の思いをきちんと受け止められる職場であるということを確保しつつ、その魅力を発信していくということかと思っておりますので、基金の中にもそうしたメニューはございますけれども、厚生労働省としてもしっかり魅力の発信ということをしてまいりたいと考えております。
#153
○谷合正明君 終わります。
#154
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 質疑が大分煮詰まってきたとかいう御発言もありましたけれども、午前中にもありましたとおり、徹底した審議を求める声も上がりました。私も引き続き、このテーマ、多岐にわたる問題でもあります。国民全般に大きな影響を与える重要な法案だという受け止めです。徹底した審議を冒頭求めておきたいと思います。
 そこで、質問です。先ほど、自民党のそのだ理事からもお話ありました人材不足、介護保険においてこれ本当に喫緊の課題だと私も受け止めております。そこで、日本医労連が今年二月に、介護施設百四十三施設、四千九百五十三人に対して夜勤実態調査を行っております。その結果、二交代夜勤の職場、これが全体の九割となっておりまして、そのうち六四・五%で勤務時間は十六時間を超えているということになっています。月の夜勤回数、これ平均で四・四回と、極めて過酷な勤務実態、改めて明らかになった調査だったなというふうに思っております。
 そこで、確認をさせていただきたいと思います。
 介護職員の、施設のですね、特養ホーム等施設の介護職員の配置基準は現在どうなっているのか、そして、この配置基準に対して実態の配置、つかんでおられると思います。どうなっているでしょうか。どうぞ簡潔にお願いいたします。
#155
○政府参考人(蒲原基道君) お答えいたします。
 特別養護老人ホームにおける介護職員の配置基準の方でございますけれども、こちらは、利用者の状態に応じた弾力的な対応を可能とするため、最低基準として入所者の数三人ごとに一人以上の介護職員又は看護職員の配置を求めております。
 それでは、実態の方でございます。実際は、特別養護老人ホームにおいては入所者の中重度化が進んでいることもありまして、平成二十六年度の経営実態調査によりますと、入所者二・〇人に対して一人の介護職員又は看護職員が配置されていると、こういう状況でございます。
#156
○倉林明子君 実態は上回る配置になっているということは今もあったとおりかと思います。
 ところが、なかなか確保ができないということで、これ、ぎりぎりで配置しているという例も確かにあるんですね。こうなるとどうなるかというと、神奈川県の特養老人ホームの事例を伺っておりますが、入所者七十名、ショートステイが四名ということで、定員七十四人で三対一だと、介護職員二十二名ぎりぎり。こうなったら、夜勤や休みを除くと、日勤一人当たり、職員一人当たりで十人ほどの入所者さんの対応をするということになるわけです。お風呂入れて、欠ける人もあるということになるので、本当にぎりぎりの体制になると。そうなると、やっぱり事故のリスク、対応も高くなっているというわけですね。やむにやまれず基準を超えて、やっぱり安全確保必要だということで、実態の配置はそうなっているというふうに思うんですね。介護の質を確保するため、これが基準を超えた実態の配置、これが現状なんですよ。
 こういう実態についても要望も聞いていると思うんですよ、配置基準そのものを上げてほしいと。この配置基準の見直し、下げる方じゃないですよ。引上げについての検討はされているんでしょうか。
#157
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほども局長の方からも御答弁申し上げましたが、特別養護老人ホームの人員配置について、最低基準としての入所者の数、三人ごとに一人以上の職員配置、これを求めているわけでございますが、その一方で、実際には、全国平均で見ますと、基準より手厚く配置をされています。こうした実態も踏まえまして、特養においては介護福祉士などの手厚い人員配置を行った場合に評価をする加算というので充実を図ってきているところでございます。
 特養が引き続きその役割をしっかりと果たしていかなければならないわけでありますので、サービス提供体制等については、今後、社会保障審議会介護給付費分科会、ここで検討をしていくわけでありますが、いずれにしても、今現状では、今申し上げたようなことで手厚い人員配置を行った場合には加算で評価をしていくということでやって、充実を図ってきたところでございます。
#158
○倉林明子君 いや、加算なんですよね。配置基準はどうなんだということで聞いているんですよ。やっぱりそこが最低ラインになっていくということなので、要望、実態、こういうことも踏まえたら、本当に手を打つべき課題だというふうに思うわけですよ。現場は自助努力で、それは確かに加算ありますよ、あるけれども、自助努力でほぼ二対一というところを確保しているわけですよ。確保できなかったらそのしわ寄せはどこに行くかというと、長時間労働、過密シフトということをお願いせざるを得ないようになる、事業所も追い詰めることになっているわけですよ。
 結局、その結果が現場で重労働を苦にして職員が離職する、慢性的な人手不足になるという事態になっているんですね。先ほど漫画でやる気とやりがいという話ありました。こうした人手不足の現状が放置されることが職員のやりがいもやる気も私は奪うことになっていると、これは本当に厳しく指摘したいと思うんです。
 二十一世紀・老人福祉の向上をめざす施設連絡会の報告レポート集、これ出ております。見せていただきますと、宮城の施設長さんが以下のように述べておられます。政府は介護離職ゼロと言っていますが、施設ができても職員が確保できず開所できていない施設があること、経営が成り立たず閉鎖する施設がある事実に、現実に向き合った対応を考える必要があるんじゃないでしょうか、このままでは事業所も職員も疲弊してしまうと、本当に切実な声だと思うわけです。
 私、介護離職ゼロということを掲げるのであれば、この現場の配置基準の見直し、二対一へとここ本当に引き上げて、加算じゃ駄目なんですよ、きっちりこれに見合った報酬、これ引き上げるという見直しをやるべきだと思います。どうでしょうか。
#159
○国務大臣(塩崎恭久君) 人員配置基準は、利用者の状態に応じた弾力的な対応を可能にするというために最低基準として設けているわけでございます。介護報酬につきましては、人員配置等の基準に基づいて設定されるわけではなくて、介護保険上、当該サービスに要する平均的な費用の額を勘案して設定をするということになっています。
 介護事業経営実態調査などによって、この介護サービス事業所の経営実態等を適切に考慮して改定を行っていく方針でございます。
#160
○倉林明子君 今のは適切な改定はやれているという大臣の認識の御紹介だったんでしょうか。ちょっと確認させてください。
#161
○国務大臣(塩崎恭久君) 今申し上げたように、介護報酬については、人員配置等の基準に基づいて設定されるわけではないわけでございまして、介護保険上の平均的な費用の額を勘案して設定をしているということでありますので、当然、その現場に合わせて評価をして設定をされているということでございます。
#162
○倉林明子君 私は、やっぱり介護報酬全体がマイナス改定ということがあって、本当にそういうことがあるからこそ安心して職員の処遇改善につながっていかない、こういう状況がある下で、本当に現場でぎりぎりの体制は、二対一に現実になってきているわけですよ。この配置基準がしっかり担保できるような報酬そのものを見直していくということが必要だということを申し上げておりますので、受け止めていただきたいと思います。
 委員会の質疑の中でも、介護福祉士の養成校が定員割れをしていると、こういう実態の紹介もありました。私、深刻だと思います。現場が疲弊していると、こういう実態を放置したままでは離職が止まらないと思います。外国人が人材確保だみたいなさっき話がありましたけど、実習生は人材確保目的じゃなかったはずですよ。そんな話がまた出てくるというのは私はちょっととんでもないなと思って聞いていましたので、それは指摘しておきます。そこで、こうした人材確保がどんどん困難になるという悪循環、断ち切るためにも配置基準の見直しが私は改めて必要だということ。
 この問題でいうと、今、介護報酬の改定の議論が始まっているということで、訪問介護の生活援助の人員配置基準、これ緩和の方向で見直すというふうなことが始まっていると。こういうことはやるべきではないと強く申し上げておきたいと思います。
 そこで、次に職員の賃金の問題で質問をしたいと思います。
 資料の一枚目を見ていただきたいと思います。これ、二〇〇七年以降二〇一六年までということで、一般労働者と介護関係職員の平均賃金の月額の差額を右にしております。これ、二〇〇七年、十一万九千九百円、ずうっとこれ、十年たっているわけですけれども、賃金格差、十万五千四百円、本当にこの格差というのが埋まっていないという実態がよく分かると思うわけです。
 二〇一五年度、これ処遇改善加算を事業所、ここがどのように取得したのか、その内訳を、賃上げに使ってもらうんだということで出した加算の使い方がどうだったのか。ベースアップ、定期昇給、各種手当の増額、賞与の増額と、それぞれ何%になっているのか、数字でお願いします。
#163
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。
 平成二十七年度の介護従事者処遇状況等調査の結果によりますと、平成二十七年四月から九月までの間における、処遇改善加算を取得した事業所における給与等の引上げの実施方法でございますけれども、この二十七年度の調査によりますと、ベースアップが一七・七%、定期昇給の実施が五九・八%、各種手当の引上げが五〇・七%、賞与等の引上げが一九・一%ということでございます。これは平成二十七年度の調査でございますけれども、平成二十八年度の調査はそれぞれまた一六・四、六九・七、二九・九、一四・八と、こういう状況になっておるところでございます。
#164
○倉林明子君 今御紹介あったように、二〇一五年、一六年の数字を御紹介いただきました。
 二〇一六年、新しいところで、二枚目の資料にして、今の内訳を書いたもの、全体と、あと施設、事業所ごとの状況を資料にいたしました。ほとんど、全体で見れば定期昇給七割ということで、定期昇給に回っちゃっているんですよ。確かに、定期昇給に賃金が下がるということは含まれないけれど、これは当然のものなんですよ。賃金が上がったというところで見る場合は、やっぱり給与がどうかと、基本給がどうかということが問われると思うわけで、基本給で上がっているのは僅か一六・四%しか回っていないんですね。福祉保育労の調査を伺っておりますと、手当を上げるために基本給を下げたというところさえあったという報告を聞いております。
 そこで質問です。二〇一五年度の処遇改善、これで一体給与と月額、どれだけ増えて、そのうち基本給の増額分というのはどれだけでしたか。
#165
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。
 二十七年度の介護報酬改定では、一人当たり月額一・二万円相当の処遇改善加算の拡充を行ったということでございます。そういう仕組みの拡充の下で、平成二十七年度の、先ほどの言いました介護従事者処遇状況等調査では、本加算を取得した事業所における介護職員の給与額、これは前年と比較いたしまして給与額全体で月額平均一万三千百七十円の増となっております。このうち、御質問がございました基本給につきましては月額平均二千九百五十円の増というふうになっております。
#166
○倉林明子君 衆議院の質疑でも先ほど来の質疑でも、厚労省は月四万三千円増やしたと、この間、そういう説明をしているんですね。
 しかし、実態、基本給ベースで見てみたらどういう実態になっているのかというのが三枚目の資料に付けております。
 二〇〇九年から二〇一五年まで月額給与アップをこれだけしてきたんだという、政府が四万三千円と言っているのが左側の数字ですよね。これ、その内訳で基本給ベースはどうかというと、それぞれ、今の回答があった二〇一五年は二千九百五十円なんだけれども、この二〇〇九年から四回分を積算しても、これ一万三千円余りが基本給で引き上がったということになると思うんですけれども、これが実態、基本給の実態だと思いますけれども、間違いないと思いますが、どうですか。
#167
○政府参考人(蒲原基道君) 委員御指摘のとおり、この調査によりますと、合計で四万三千円の増というのが全体の引上げの実績でございまして、このうち基本給部分が合計で約一万三千円の増ということでございます。
#168
○倉林明子君 だから、基本給が本当に上がらない。だからこそ、この格差、埋まっていかないという状況も続いているんだということなんですよ。これ、基本給が上がっていかないからこそ将来見通し、働き続けるという見通しも示せていない賃上げになっちゃっているんですね。
 私は、この報酬改定、そしてこの加算の在り方ということが、事業所にこういう賃上げしかできないという状況を一方つくってきた責任は厚労省にあるということを申し上げたいと思うんですね。報酬改定、処遇改善加算、これ基本給に結び付いていない。この結果について、理由は何だと思いますか、大臣。
#169
○政府参考人(蒲原基道君) 済みません、私が先にお答えいたします。
 処遇改善加算につきましては、その算定額を介護職員の賃金引上げに充てることが必要でありますけれども、その実施方法については、基本給、手当、賞与等のいずれでもよいということにしているところでございます。
 御指摘のような御意見があることは承知しておりますけれども、一方で、一つは、介護職員の賃金というのは一義的には労使間で自律的に決定されるべきものであり、賃金引上げの具体的な方法まで国が制限を設けるということについては慎重な対応が必要であるというのが一つございます。また、もう一つ、仮に基本給による引上げに限定した場合、事業所が加算の取得を控えてしまうと、かえって介護職員の処遇改善が図られなくなってしまうおそれもあるといったような課題もあるものと考えております。
 こうしたことから、幅広い賃金引上げの方法を認めつつ、各事業所に処遇改善加算がしっかりと定着していくことが重要というふうに考えてございまして、今年度からの月額一万円相当の処遇改善も含めまして、事業所が加算を継続して取得できるように努めてまいりたいというふうに考えております。
#170
○倉林明子君 そういう考え方でやって賃金が上がっていないわけじゃないですか。十万円の格差が問題だと言って長いことなっているんですよ。それでも、それは事業所と労働者の契約で政府は介入すべきではないなんて、そんなことを言っていたら、いつになったって賃上げなんてできませんよ。
 賃上げされなくても結果として構わないと、こういう立場なんでしょうか、大臣。
#171
○国務大臣(塩崎恭久君) これは先ほど御答弁申し上げましたけれども、正規社員だけで成り立っているわけではなくて、非正規の方々が施設の場合には大体四割でありまして、あと訪問介護の場合には七割ぐらい、八割ぐらいですかね、七割から八割、これは非正規なんですね。したがって、非正規の給与の報酬については、これは同一労働同一賃金でこれから底上げをしていこうということをやっているわけでありますが、その場合には、基本給という部分が非正規の場合にはどの程度になっているのかよくまだ明らかではない中で、そこは、先ほど局長から答弁申し上げたように、どういうふうに賃上げを図っていって、施設にしても優秀な人材が来てくれる方が当然いいわけでありますから、それは当然、ほかと比べても見劣りがしないようにするための努力をしていただくということが選ばれる道だろうというふうに思いますが、しかし、何かこういう、例えば基本給だ手当だ賞与だということで決め込んでいくということは余りなじまないことではないかなというふうに思っています。
 いずれにしても、大事なのは、処遇が改善されるということが現実に起きるということが大事だと思っています。
#172
○倉林明子君 そんなこと言ったら、もう何年たったって介護現場の職員の賃金上がらないと思いますよ。本気で、どうやって介護職員の処遇改善、賃上げ、底上げをしていくのかということが問われているんだと思うんですよ。
 参考人でおいでになった服部さんは、二〇一五年報酬問題、触れておられました。これ、史上最高のマイナス改定で、実質四%を超えるマイナスとなったと、基本的には介護報酬をしっかり付けて、まともな仕事に、人が辞めないということをやっていくことが妥当だろうと。私、本当にそのとおりだと思いました。
 特養ホームでは、この改定によって減収が一二%、処遇改善の加算があったって基本給のアップに踏み出せない、これは当然じゃないかと思うんですよ。一方で処遇改善だといって加算をしながら、一方で全体では報酬の削減だと、こういうやり方をやめるべきだと言いたいと思うわけです。報酬の全体の引上げ、これこそが着実な賃上げを担保することになると、これ強く申し上げたいと思う。
 そこで、質問、保険料の滞納処分問題、これについて質問移りたいと思います。
 二〇一四年、保険料の滞納、これを理由に差押処分が一万人を初めて超えました。給付制限、これは一万三千人を超えた状況になっています。介護保険料の滞納がある場合、給付を受ける段階で、災害、失業など特別な事情がないと判断されると一体現在どんな制裁措置があるのか、御説明ください。
#173
○政府参考人(蒲原基道君) 介護保険制度は、国民の共同連帯の理念に基づいて相互に保険料を負担し合う社会保険制度でありまして、全ての被保険者の方に保険料を収めていただくということが非常に制度の根幹であると思います。このため、介護保険料の未納対策については、市町村が介護保険財政を安定的に運営する、あるいは保険料負担の公平性を図るといった観点から保険料の徴収を確実に行う必要がありまして、保険料の適切な納付を促すために行うものでございます。
 具体的に、介護保険料の滞納者につきましては、保険料の滞納期間に応じて、一つは保険給付の償還払い化、これは支払方法の変更でございます。二つ目、これが保険給付の支払の一時差止めでございます。三番目、保険給付の減額。このような措置をとることといたしております。
#174
○倉林明子君 なかなか聞いているだけでは分かりにくいと思いましたので、資料を付けました。資料の一番最後のところをめくっていただきたいと思います。これ、滞納者に送られたチラシ、大阪府東大阪市が作っているもので大変分かりやすくなっております。
 一年以上滞納すると、右側の高齢者、男性の方がおっしゃっています、十倍も払うのと、九割償還はされますというもの。一年六か月以上滞納すると、右側の女性、十割払ったのに九割返してもらえないのということで、一部差止めや滞納保険料にその分回りますよという説明。二年以上滞納するとどうかというと、三割も払うのということで、びっくりした高齢者の顔が載っているものです。
 国保の場合、時効で消滅した保険料、これ取立て不能となるわけですけれども、請求された滞納分、これ支払えばペナルティー解除となる。ところが、介護は、この時効を過ぎたら後払いというのはできません。保険料が徴収できなかった期間に応じたペナルティー措置というのが出てきます。
 二年間を超えた滞納があると利用料は三割というのが現行のペナルティーですね。ほかにもあるんですけれども、ペナルティー措置は。本法案では三割負担が導入するという提案になっております。この過去二年間滞納期間が、二年を超えた滞納期間があった場合、この利用料負担というのは一体どうなりますか。
#175
○政府参考人(蒲原基道君) 現行制度におきましては、保険料をきちっと払ってもらうという趣旨から、お話がございましたとおり、一定の、二年以上滞納した場合について、その場合についてのその負担の割合というのを一割、二割から三割にしているわけでございます。今回、一定の方に対して三割負担を導入するということになっています。それに伴って、保険給付の減額が果たすべき言わば未収納対策としての役割が維持されるように、これらの方に対する給付制限としては負担割合を四割にするということにいたしております。
#176
○倉林明子君 もう本当に四割って驚きですよ。ひどいと思いますね。
 現役時代に何らかの事情で保険料の未納があった人、これがいざサービス受けようとなったときに初めて気付くというような場合も私はあるだろうと思うんです。滞納から二年たったら、滞納した分払いたいと言っても、これ、受け取れませんということになるわけですよ。今でも三割負担になって、補足給付、高額介護サービス費等は出ません、滞納していると。それが三割負担に該当する人の場合は四割負担になると。本当に余りにも厳しいペナルティー措置ではないかと言いたいと思うんです。
 サービスが必要な人がサービスを利用できるように、これ原則だと思うんですよ。ペナルティー措置でいったら、医療よりも更に厳しくなっている。こんな、滞納分払ったら、少なくともこのペナルティー措置というのは解除できるようにすべきじゃないですか。
#177
○国務大臣(塩崎恭久君) 保険給付の減額措置について、社会保険でございますので、介護保険制度にとっては全ての被保険者に保険料をお納めをいただくことが制度の第一歩であるわけでございます。市町村が介護保険財政を安定的に運営をして、そして保険料負担の公平性を図るといった観点から、保険料を二年以上滞納をし、保険料の徴収権が時効消滅した期間がある方に限って実施するということとしておるわけであります。
 これについて、例えば要介護状態等となってから一括して滞納相当分を支払うというようなことになりますと、保険給付の減額を逃れる仕組みとした場合、要介護状態等に至るまでの時期における保険料の未納を助長をしてモラルハザードが生じるおそれが出てくるわけでございまして、時効消滅する前に納付をすれば保険給付の減額措置の対象にはならないことから、確実に保険料を納めていただくことが何よりも基本であり、また重要であるというふうに考えております。
 保険料の収納率の向上につきましては、これまでも口座振替を勧奨するとか、あるいは収納事務をコンビニなどでも委託をするとかなどの対策をいろいろやってきて、自治体へお願いをしているところでありますけれども、引き続き被保険者相互の負担の公平を図る観点から収納率の向上を図ってまいりたいと思います。
#178
○倉林明子君 いや、未納者というのは現実増えているんですよ。滞納者って増えているんですよ。制度開始と比べたら、率で二倍になっている、額で十倍になっている。このまま放置すれば、実際に受けるという段階で、こういう大きなペナルティーを受ける可能性が出てくるわけですよ。
 こういう人たちを除外するということになりかねない。適正なサービス利用を阻害するような制度改悪、これは到底認められないと申し上げまして、終わります。
#179
○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。
 今日で三回目の審議となるこの介護保険法の改正案の審議です。これまでもほかの議員さんから質問、指摘があったんですけれども、今回は、この全てをここで一括で審議するというんだけど、大変これはポイントが多いと思います。だから、これまでの審議で全てポイントをきちんと議論し尽くしたかどうかというのは私も確かに不安があります。それで、私も、時間がないので幾つか絞ってやらざるを得ないんですが、しっかりと問いただしていきたいと思います。
 まず、私も保険者機能の強化について聞きたいと思います。
 それで、これは、各市区町村が国から提供されたデータというものを分析をして、そして自分たちのニーズに合わせた介護保険事業計画を作っていく、そして自立支援や重度化防止につなげていく、国の方ではその取組状況というのを評価して、それをインセンティブにつなげていこうと、こういう話なんですけれども、その国から提供されるデータというものがどういうものかというと、これは厚労省の公式統計のデータベース、見える化システムというもので、ちょっとこれについて幾つか質問をしたいと思います、まず。
 それで、まず、配付資料を用意しました。それで、配付資料の一枚目にあるのが、これがその見える化システムの開いたときの画面で見える画面。それで、これが要介護認定率だとかそれから給付費だとか、こういった現状分析に必要な指標というものがそれぞれ都道府県ごとないしは市町村ごとに見れるようになっている。
 それで、各自治体ではこれを見ながら、そして二枚目になるんですが、二枚目にあるその赤枠の中なんですが、このいろんなデータを見ながら、そして自分たちで将来推計の人口だとかそれから認定率の伸びだとか、こういったものを入れていく、そうすることによって将来的な介護保険料の推計を行ったりすることができる、これが今回の見える化システムのものなんですが。
 それで、どうやって計画を作っていくかというと、今度はそれの縦のラインで、在宅介護実態調査だとか、反映と書いてあるんですが、こういったものを反映させていって、よりそれぞれの地域に即した事業計画を作ってもらうというような考えなんですけれども、ただ、この見える化システムを私自身も実際どんなものなのか実際に開いて使ってみたんですが、結構、かなり難しいんですよ。
 それで、一口に自治体と言っても、それこそもう人口も面積も違って、職員数だって違うわけですから、これ、自治体によってはシステムを使いこなせないようなところが絶対出てくるかと思うんですが、まずこれについてどのようにお考えなのか、お伺いしたいと思いますが。
#180
○政府参考人(蒲原基道君) 一つ、見える化システムについてどのように使うかということと、もう一つは、市町村職員がうまく使えるようにということですかね。
 まず一点目でございますけれども、各市町村がそれぞれの地域の状況に応じて分析して計画にいろんなことを盛り込んでいくということでございます。その際に、各市町村が、なかなか自分のところだけのデータでは不十分だし、もう一つは、やはり隣のほかの市町村と比較するということをできるようにするために、厚労省として、今お話がありました見える化システムというのを構築していろんなデータを提供していると。
 ここに、先生がおっしゃっているようなこともありますけれども、典型的には、例えば年齢調整を行ってほかの市町村と比較できる要介護認定率の状況だとか、あるいは年齢調整を行った一人当たり給付費の状況だとか、あるいは在宅サービス、施設サービスの割合の状況だとか、そういったものを提供しているところでございまして、それを各市町村で、先生お示しのございましたいろんな分析の材料の一つとしてやってもらいたいということでございます。
 各市町村でなかなか使うのが難しいじゃないかというお話がありました。実はこれは確かに、先生もお使いになって、私もやりましたけれども、なかなかアプローチするときに少しいろんな知識が要るということで、我々は現在、都道府県の職員に対して、これは既にやっていますけれども、見える化システムの活用方法に対する研修というのをやりました。それをやって、県の人が市町村の職員に同様の研修を行うようにお願いをしているところでございます。
 また、見える化システムを活用した地域分析の結果を計画に反映するための手引、こういったものを作って配付をしていると、こういう状況でございまして、あるものをうまく使ってもらうように支援をしているところでございます。
#181
○片山大介君 それでその思惑どおりにいくかどうかって、これもなかなか難しいかなというところがあって、それで、各市区町村はアカウントを取ってログインしていくんですけれども、そのログイン状況というのは実はすごく低調なんですよね。最近になってようやくログインし始めた市区町村って多いんですけれども、去年の四月から八月までの状況だと、一度もログインをしていない市区町村というのは七百四十あったというんですよね。それで、市区町村の数って大体全国で千七百ぐらいですから、そうすると半数以上が一度もログイン状況をしていなかったとここに出ているんですよね。
 それで、おとといの参考人質疑で岩名参考人が、やっぱり市区町村がデータの山に埋もれちゃうんじゃないかとか、現場の市区町村の仕事というのは分析することじゃないんじゃないかという、こういう警鐘も鳴らしているんです。
 だから、今回の法改正でこれはもう必要不可欠になるからというふうに言われてもなかなかできないんじゃないのかなとか思うんですが、それで、実際に、大臣、これを御覧になったことあるかどうか、ちょっと聞きたいんですけれども。
#182
○国務大臣(塩崎恭久君) 本物はまだ見ておりません。
#183
○片山大介君 是非、見ていただきたいと思います。見ると、なかなか大変なのが分かると思います。
 そして、なおかつ、これをどのように使うのかとかというその使用状況が今後のインセンティブにも関わってくるということを言っているので、結構、市区町村はかなり気にしていると思いますね。そうじゃないんですか。じゃ、それちょっと、局長、お願いします。
#184
○政府参考人(蒲原基道君) 市区町村の状況までは私も聞いていませんけれども、どういうものをインセンティブの目標に入れるかについては、まさに今いろんな自治体の声を聞いて検討していくということでございますので、何か、これを入れるとかなんとかということが決まっているということではございません。
#185
○片山大介君 じゃ、検討する項目の一つになっているということに……(発言する者あり)じゃ、もうちょっと整理して。
#186
○政府参考人(蒲原基道君) まず、整理いたします。
 今回の自立支援、重度化防止に向けては、各市町村で地域の状況を分析をする、その上で取り組むべき事項を整理して、これを計画に盛り込んで評価をすると、こういう流れでございます。最初の分析するところについてはいろんな分析の情報が必要で、その一つがこの国から提供する見える化システムによる、こういう各市町村と比較できる情報でございます。
 その意味では、各市町村で取り組むときにはまず使います。ただ、それをそのインセンティブのための指標として入れるかどうかについては、指標そのものについては、これまで申し上げましたとおり、いろんな自治体の声を聞きながら、サービス利用の抑制につながらないようにこれから検討するということなので、その指標を入れるかどうかについてはまさに検討していると、こういう状況でございます。
#187
○片山大介君 分かりました。いずれにしろ、自治体の職員、気にしている人もいますから、そこはしっかり言っていただいた方がいいかなというふうに思います。
 それで、だから実際に、そうすると、この負担、どっちにしても市区町村はこれを使うということになると、インセンティブ付かなくても事務作業の負担は増えるわけですけれども、だからこれの軽減だとか、研修も言われましたけど、それから、やっぱりお金掛かりますよね、これ、自治体がスキルを学んでいくというのは。やっぱり外部の人にお願いするのかという話も出てくるかと思うんだけれども、そうした意味での助成的なものとかというのは何か考えているのかどうか、これも併せて聞きたいんですが。
#188
○政府参考人(蒲原基道君) これは、やはり職員の人が通常の業務の中でこれを使ってもらうということなので、先ほど申しましたけれども、都道府県職員にこの使い方、県の職員も自分で使うわけですから、よく我々としては研修を行って、都道府県の職員が当該県内の市町村のこういう計画策定事務に当たる人たちに対して具体的に研修を行って、これを使えるような能力を市町村職員に持ってもらうと、こういうことを考えているところでございます。
#189
○片山大介君 次に、このシステムで提供されるデータというんでしょうか、これについてもちょっとお伺いしたいんですが、医療の方では地域医療構想というのが今年の三月に全ての都道府県から出そろったんだと思うんですけれども、その医療構想なんかでは、どのような状態の、入院の必要な人がどのくらいいてだとか、それからベッドの稼働率なんかを計算して将来の、二〇二五年にどのぐらいのベッドが必要になるかとかというのは将来予測もきちんと出していると思うんですけれども、この事業計画の方が、それがどれほどの精度があるのかなというふうには思っているんですが、まず、それについてはどのようにお考えでしょうか。
#190
○国務大臣(塩崎恭久君) この地域医療構想との関連のお尋ねがございましたが、今年度は、都道府県の地域医療構想を含む医療計画と、それから市町村、都道府県の介護保険事業計画等が同時に今策定されるという、そういう年に、巡り合わせになっておりますが、両計画の整合性をも確保して、地域で必要な受皿となります在宅医療・介護サービスが確保できるように、都道府県と市町村による協議の場を設けて、連携しながら策定を進めるということになっています。
 厚生労働省としても、今後、自治体に対して計画策定のための基本指針を示すなど、自治体の取組を支援をしてまいりたいと思っております。
 いずれにしても、この二つの計画が関連して作成されるべきということでございますが、当然、その二つが一緒になって初めて地域の包括ケアのシステムが構築をされるわけでございますので、その方向で協議を深めていただくということが大事だというふうに思います。
#191
○片山大介君 実はその次の質問のところを言っていただいて、ありがとうございました。
 そうなんです、計画はやっぱり連携させなきゃいけないなと思っていて、それはなぜかというと、今回の法改正でも医療と介護の連携推進と書いているから、やっぱり計画も連携させなきゃいけないのと、そうすると、やはり私、この見える化データも医療データとの連携というのが必要になってくるんじゃないのかなと思っているんですが、これ昨日ちょっとレクで聞いたら、医療データというのはこの見える化システムに全然反映されていないというんですよね。だから、将来的なことを考えればそれをやった方がいい。
 それで、今回、介護医療院って新しく創設されますけれども、あれは医療法上の医療提供施設になっているわけだから、やっぱりデータ上の関連性もいろいろ出てくるんじゃないかなと思いますが、そこについてはどのようにお考えか、お答えいただけますか。
#192
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。
 この地域包括ケア「見える化」システムに医療のデータをどういうふうに入れていくのかということだと思いますけれども、まず、この部分についてそのような医療・介護連携に必要な情報を充実していくということは非常に重要だというふうに思っています。
 これまでの、今の現状ですけれども、ここは確かに介護分野のデータの見える化を中心にやってきておるので、介護分野の部分が非常に多くなっています。ただ、現時点でも幾つか、少ないんですけれども、幾つか入ってございまして、例えば都道府県別の後期高齢者一人当たりの医療費などの幾つかのデータは入っているところでございます。
 ただ、先生御指摘のとおり、これからやっぱり医療・介護連携というものが非常に大事になってくるので、実はこの見える化システムは何回か一定期間ごとにバージョンアップしている状況になっていまして、その過程で医療関係で優先度の高いデータについても今後追加するというようなことを考えておりまして、そうしたことについて、全体の充実の中でそのようなことも考えていきたいというふうに思っております。
#193
○片山大介君 それで、あと、このシステムは都道府県別とあと市町村別になっているわけですよね。だけども、介護とかは越境だとか隣接している市町村で別のところにサービスを受けるとかというのがよくある話なんですけれども、そういうのもきちんと反映これからさせていかなきゃいけないと思うんですが、せっかくこのシステムでそれぞれの隣り合った市町村のデータを見られるようになるんだったら、そういったことも今後促すとか改善していくだとかという必要もあると思うんですが、そこについてどうでしょうか。
#194
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。
 この見える化システムにおきましては、市町村ごとの給付費等の状況を分析するということが可能でございます。こうしたデータの中には、当該市町村に住んでいる住民で他の市町村に所在する事業所でサービスを受けた分、こういうものも、まさにこれは当該市町村を含めて、当該市町村の全ての被保険者に係る実績が計上されていると。そういった意味では、別の隣の場所の事業所のデータも入っているというのが一つでございます。
 また、いずれにしても、そのような形を通じて各地域において適切に課題を分析した上で、関係するデータがちゃんと見られるように必要な支援というのは行っていきたいというふうに思っております。
#195
○片山大介君 分かりました。
 それで、あと、インセンティブの方にちょっと話を行きたいんですけれども、インセンティブで、今もシステムの使い方が別にインセンティブになるわけじゃないとおっしゃったんですけれども、インセンティブは適切な指標による実績評価と言っているんだけれども、その適切な指標というのはやっぱりこれまでの議論でも余りよく分からなくて、だから、実際にそれを、どういうイメージのものをいつ頃までにきちんと示してもらえるのかというのはやっぱり知りたいんですけれども、そこについてはどういうお考えでしょうか。
#196
○政府参考人(蒲原基道君) インセンティブについて、まず基本原則としてよく我々申し上げているのは、まさに適切なサービス利用の阻害につながらないということを大前提にして、各地域における高齢化の状況とか地方の特性等もうまく踏まえたものにする必要があるし、加えて、アウトカム指標とプロセス指標を組み合わせるというのが基本原則であります。
 その上で、アウトカム指標については、直接要介護認定率の高低を使うわけではなくて、要介護状態の維持、改善の度合いなどの取組を反映する指標にするということが一つ。もう一つは、プロセス指標については何度か幾つか例を申し上げていますけれども、分析の状況だとか、あるいはケアマネジメントの考え方について関係者で意思統一がされているかどうか、そのようなことを入れていきたいと思っています。
 具体的な中身についてはこれからまた検討でございますけれども、先ほどどなたかの委員に御説明いたしましたけれども、できるだけ可能なものから早め早めに提示していって、市町村のいろんな取組にできるだけいろんな情報を出せるようにやっていきたいというふうに思っております。
#197
○片山大介君 いや、それで、これまでの審議で言っていたのが、地域のケア会議などでの情報共有とかというのも言われていたと思いますし、それから予防的なサロンや通いの場への参加状況とか、これがどうやったら、それぞれ自治体によって人口だとか高齢化率だとか地域資源なんかもそれぞれ違うわけなんですけれども、これがどうやったら公平な評価になり得るものなのかが私いま一つよく分からないんです。しかも、こうしたデータを一個一個集めるんですか。ちょっとそこはどういうふうに考えているのか、教えていただけますか。
#198
○政府参考人(蒲原基道君) そこも含めて今後の具体的な検討になると思いますけれども、例えば、地域ケア会議であれば地域ケア会議の開催の頻度だとか、あるいは介護予防の場であればそういう、体操教室なり、そういう活動をする場所の数あるいはお年寄りの参加状況、こういったものが一つ可能性としてあるんじゃないかと思います。
 いずれにしても、そうしたものを、地域の実情、いろんな状況もうまくかみ合わせながら指標として適切なものをこれから具体的に検討していくということだというふうに思っています。
#199
○片山大介君 そこは是非公平に、妥当性のある、説得力のあるものにしてほしいと思います。これ、かなり抽象的で、各自治体によって捉え方が違うようなものになるとこれは後々よくないと思いますので、そこはしっかりお願いしたいと思うのと、それで、実際のインセンティブについて、これ大臣はこれまでも交付金だという話を言ってきているんですが、それでここの議論も私ちょっともう一遍整理をして聞きたいんですけれども、これまでの、新たな予算措置にするのか、追加財源みたいな話をさっき言っていましたけれども、それとも今までの介護保険財源の範囲内で行うのか、そこがいま一つやっぱり分からないんですけれども、そこをちょっときちんと整理をして教えていただきたいんですが。
#200
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど川合先生の御質問のときにお話を申し上げましたけれども、今回の法改正では市町村の保険者機能を強化するというのが一つの大きな眼目になっていますが、その一環として保険者の様々な取組の達成状況を評価をすると、そういうようなことができる客観的な指標を設定をする、そして市町村等に対する財政的なインセンティブの付与を与えながらそういう方向に持っていきたいと。つまり、保険者が更に介護保険の目的達成のために御努力をいただくようにと、こういうことだと思います。
 財政インセンティブの指標とか使途については自治体関係者などの意見も伺いながら検討したいと考えていますけれども、自立支援あるいは重度化防止に向けた保険者の取組を後押しをする観点から、例えば、市町村においては自立支援や重度化防止に取り組むことによって増加する介護保険の事業費の一部、あるいは都道府県においては市町村に対する支援に要する経費の一部、こういうのに充てていただくことが考えられるわけで、財源的な問題については、先ほど申し上げたように、プラスアルファを私どもは確保しながらそれを使ってまいりたいと、こういうことでございます。
#201
○片山大介君 なるほど、やっぱりちょっとまだ一つ分からないところがあるんですが。
 それで、あと交付金で、その交付金を自治体に交付した後どうなるのかも私ちょっと知りたくて、それが結局、自治体に交付した後は、自治体におけるそれぞれの介護保険事業に使い道を限定させるようにするものになるのか、それともそれぞれの自治体において一般財源化してほかの用途にも使ってもいいようにするのか、ここもまだ明らかにしてもらってないんですけれども、これ、本来のこのインセンティブの趣旨からいえば、ある程度介護保険事業に限定させるように促すものなのかなと思うんですが、そこについての考えはどうでしょうか。
#202
○政府参考人(蒲原基道君) これは、今大臣の方からも御答弁申し上げましたけれども、この交付金の使い道あるいは充てる事業ということでございますけれども、この部分については、これは市町村向けの交付金と都道府県向きと両方あると思います。
 市町村の部分については、これは自立支援や重度化防止に取り組むことによって増加する介護保険の事業費の一部に充てるといったことが考えられるというふうに思います。もう一つ、都道府県でございますけれども、都道府県は、いろんな取組で市町村を支援する、先ほど来、研修とか言いましたけれども、そのような市町村を支援する事業の経費の一部に充てると、こういったことが考えられるというふうに考えております。
#203
○片山大介君 その充てるというのはどういう意味なんでしょうか。それはある程度そのように、そういうふうにきちんと使い道を縛るという意味なんでしょうか。どういうことなのか、ちょっと分からないんですけれども。
#204
○政府参考人(蒲原基道君) まず、市町村については、これは介護保険については特別会計をつくって保険料と国費等々を入れて、もちろん、給付に係る経費と地域支援事業に係る経費というのを出していると、こういうことでございますので、市町村についてはそういう形で特別会計に入れるということを考えております。
 都道府県の方は、ちょっと今、具体的なことをこれからちょっと考えていこうと、こういうことでございます。
#205
○片山大介君 是非介護保険の事業にきちんと充てられるようにしていっていただかないと、そもそもその趣旨の目的が違ってくるかなと思います。
 それで、あと、インセンティブによって、これまでの答弁だと別に自治体間の競争を促すものじゃないというふうに厚労省側は言っていると思うんですけれども、それでもやっぱり自治体による差というのは絶対出てくるだろうなというふうに思っていて、これまでも積極的に取り組んできたところはもっと一生懸命取り組むだろうし、そのノウハウがなかったりするところはなかなかできなくなってくるかなと思うんですが、だから、それも含めて都道府県が支援にサポートに入るというのが厚労省の論理だと思うんですけど。
 そうすると、来年度が第七期ですか、第七期になると、これは今後は、これまでどちらかというと市町村ごとの差があったと思うんですが、これからは、きちんとやっている、きちんと指導している県とそうじゃない県の県単位の差が出てくるのか、ちょっとそこら辺の将来的な見方というのはどういうふうにしているのか、教えていただけますか。
#206
○政府参考人(蒲原基道君) 今話がございましたとおり、都道府県は市町村をいろんな形で支援をするということでございまして、これを法律に明記しているところでございます。そうした都道府県が支援するということを前提に、厚労省としても、今度は各都道府県間のそうしたばらつきが生じないようにしっかりと支援をしていきたいと思っています。
 具体的には、一つ、これは都道府県が多角的に地域課題を分析できるように、今度は都道府県に対するいろんな要介護認定率等のデータの提供というのが一つあります。もう一つは、都道府県職員に対する研修、これは国がやる県の職員に対する研修でございます。また、もう一つ、これは昨年の四月に、厚生労働省の地方支分部局で地方厚生局というのがございますけれども、ここに地域包括ケア推進課というのをつくっております。地方厚生局は全国で八か所あるんですけれども、そういう地方厚生局の地域包括ケア課が、自分の関係する、自分の所在するブロックの都道府県に対して支援をすると、こういうことも考えておりまして、このようなことを通じまして、国として都道府県をサポートしていきたいというふうに考えております。
#207
○片山大介君 分かりました。
 それで、時間がないので、私も利用者負担についてやっぱりちょっと聞きたいんですが、今回、一部の人に対して三割に増やしたというのがあると思います。それで、高齢者の方にもやはり負担をお願いしなきゃいけないという考えが出てきたんだろうし、低所得者の方にはある程度、これ以上負担できないからとかと、いろいろな考えがあったんだろうけれども、やっぱりちょっと取れるところからどうも取ろうという考え、どうしても今回のを見ると見えてしまうんですけれども、そうすると、その三割負担にしたことの必要性だとか、また切迫性というんでしょうか、何かそこについてちょっと御意見を伺いたいんですが。
#208
○国務大臣(塩崎恭久君) 介護保険は当然のことながら高齢者の暮らしにもうなくてはならない制度になっているわけでありますけれども、高齢化が進展する中でも必要な方に必要なサービスがちゃんと行くように、あるいは、三つしかない財源を適切に組み合わせて財源を確保しながら持続可能性を図っていくということは、絶えずやらなきゃいけないと思っています。
 これは何度も申し上げているように、介護費用が創設当初から見れば三倍になって、二〇二五年には介護保険料、一号被保険者の保険料が八千円を超えると、こういうことを展望しながら、今回の法案で総報酬制ということで、現役の方々にも一部負担をお願いをし、なおかつサービスの利用者である高齢者の中でも現役並みの所得を有する方に限って負担割合を二割から三割にという引上げをさせていただくという、絶えず世代間そしてまた世代内の負担の公平ということで、もちろん負担の能力に応じた負担の範囲内ということでございますので、そのような形で見直しを、利用者の方に丁寧に説明しながら、絶えざる見直しを行っていかなければならないというふうに思います。
#209
○片山大介君 それで、その三割負担にしたことによる効果というのをちょっと改めて聞きたいんですけれども、これについてもちょっと。
#210
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。
 三割負担の財政影響のことだと思いますけれども、これは平成三十年度予算の編成過程で精査されますけれども、現時点の粗い見積りでは、平年度の介護保険、介護給付費ベースでおおむね百億円程度の影響というふうに考えております。
#211
○片山大介君 それで、今回の改正に合わせて、法律事項じゃないんですけれども、八月には高額介護サービス費の見直しも行われて、一般の所得者の上限が三万七千二百円から四万四千四百円に引き上げられる。これは元々は、おととしの八月に一部の人を二割に負担を上げたときに見直しを行わなかったので、高額介護サービス費の支給額がかなり増えてしまって、それによって二割に負担上げたことによる効果というのが減殺されちゃったから、そういうことがあったからなんです。
 今回については、今回の政令の改正では、その三割負担になる現役所得並みの介護サービス費の上限値ですか、これは四万四千四百円が据置きになっているんですけれども、そうすると、結局またこれも減殺効果というのが出ちゃうんじゃないのかなというふうに思うんですが、これについてはどうお考えでしょうか。
#212
○政府参考人(蒲原基道君) 今御指摘のとおり、高額介護サービス費については、これは一般区分のところでございますけれども、三万七千二百円から四万四千四百円ということに上げることにしております。もちろん、この場合は一定の低所得者への配慮を行っていると、こういうことでございます。
 そうした状況も踏まえて、そうした状況も加味した上で、先ほど三割負担のところについては百億と言いましたけれども、そうした取組も踏まえた上で、百億分が言わば今回の三割負担の財政効果と、こういうことでございます。
#213
○片山大介君 それで、あと、今回の改正で三割負担の方々が実質的にどこまで影響があるのかという感じが、そうした余り影響がなくて、これまで三万七千二百円で済んでいた二割負担の方々が結局より多くの負担を求められることになるのかなとかと思うんですが、そこについてはどうでしょうかね。
#214
○政府参考人(蒲原基道君) それは、今回のところは、いわゆる一般区分のところの上限額が三万七千二百円から上がるということでございますので、一般区分の上の方に、おっしゃるように、二割負担の対象者の所得層がありますから、そうした方々については、例えば施設入所とかされている方であれば上限の今三万七千二百円に張り付いている方が多いので、そうした方々についてはその負担が四万四千四百円に上がると、そういうことでございます。
 ただ、これはあくまで、やはり世代間の公平、あるいは世代内の公平、あるいは負担能力による負担という観点からそういう引上げを行うと、こういうものでございます。
#215
○片山大介君 済みません、時間が来たので、じゃ、これで終わります。ありがとうございました。
#216
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 まず冒頭、これは看過できないので一問だけ、労働基準監督官の業務委託、民間委託について質問させてください。
 お手元に配付資料、新聞記事があります。政府の規制改革推進会議の作業部会は、五月八日、労働基準監督業務の一部を社会保険労務士など民間に委託する提言をまとめました。とんでもない話だと思います。立入調査を民間にやらせる、私はこれを見たときに、検察や警察を民間委託するぐらいとんでもない話だというふうに思いました。
 労働基準監督官は労働基準行政の要の中の要であり、逮捕権も有しています。監督官の数が不足しているのなら増やすべきであり、民間委託は本末転倒極まりないと思います。厚労大臣、いかがでしょうか。
#217
○国務大臣(塩崎恭久君) 労働基準監督官がこの権限に基づいて行う業務というのは、相手方の同意なく企業に立ち入る、それから労働基準関係法令の違反の有無を確認をする、そして法違反の是正指導や、悪質な場合には刑事訴訟法に基づく捜査や書類送検を行うなど、一体不可分なプロセスによって働く方の保護を行うものでございます。その一部を民間に委託することは困難であるというふうに考えています。
 その上で、これまでも厚生労働省において、厳しい財政事情、行財政事情の中で、労働基準監督官の人員確保に努めるというのが基本でありますが、平日夜間や休日の電話相談窓口とか、あるいはインターネット上の求人情報等の監視等を民間委託するなど、効率的な業務運営にこれまでも努めてきたところでございます。今回、今月二十三日に規制改革推進会議、ここが取りまとめた答申におきましても、こうした状況や厚生労働省の考えを御理解いただいた上で、労働基準監督官の業務を補完できるよう民間活用を拡大すべき旨の御提言をいただいたというふうに考えています。
 厚生労働省としても、より効率的かつ効果的に法規制の執行強化を図ることが極めて重要だというふうに考えていますので、本答申を踏まえ、今後とも対応を検討してまいりたいと思っております。
#218
○福島みずほ君 ILO職員だった石橋さんもいらっしゃいますが、ILO八十一号条約は、監督職員は不当な外部圧力と無関係な公務員でなければならないとし、条約六条、必要な資格を考慮して採用し、訓練を施すべき、条約七条、と定めています。労働基準監督官は試験受かった人たちであり、それこそ増やすべきであると。監督業務の民間委託は条約違反だと考えますので、この点は是非、労働基準監督官を増やす立場で頑張ってほしいというふうに思っております。是非よろしくお願いします。
 では、この本案について御質問いたしますが、今日は財務政務官にお越しいただきました。ありがとうございます。
 配付資料なんですが、財政審、平成二十九年度予算編成における具体的な取組なんですが、私は、まず、自然増を五千億円に抑制すべきだと数値目標を掲げていることは問題じゃないか。小泉構造改革で二千二百億円ずつ毎年五年間カットしたことで非常に社会保障が壊れました。目標設定をしたことで、例えば二〇一七年度の予算ベースで六千四百億円から五千億円へ、二〇一六年度予算ベースで六千七百億円から五千億円へ抑制されています。
 これ、数値目標でやると、ベッドに合わせて手足を切るみたいな状況になって、問題ではないか、いかがでしょうか。
#219
○大臣政務官(杉久武君) 今御質問いただいた点でございますけれども、我々財務省といたしましては、例えば今審議いただいております介護保険につきましても、今後も高齢化等に伴う給付費の伸びが見込まれている中で、将来にわたって必要な給付を確保しつつ、保険料の過度な上昇を招かないようにしていくことが重要であり、そのためには負担の公平化の確保や給付の適正化に向けた制度改革に不断に取り組んでいく必要があると考えております。
 介護におけますと、例えば二五%は国費で賄われている中で、財政を預かる立場といたしましては、介護保険制度の効率化、適正化に向けて、財政審等の立場において財政当局の立場から提案を行っていく、こういったことは当然の責務と考えております。
 今後とも、制度の施行状況を踏まえつつ、持続可能な制度を次世代に引き渡していけるよう、必要と考えられる改革については厚生労働省とよく議論をしながら取り組んでまいりたい、このように考えているところでございます。
 また、今お話がありました目安の件につきましては、経済・財政計画において社会保障費の伸びを三年間で一・五兆円程度にするということを目安にしてきておりまして、財政当局としては、今後ともこの目安を着実に達成できるよう、社会保障の効率化、適正化に不断に取り組んでまいりたい、このように考えております。
#220
○福島みずほ君 私は、今回の介護保険の、社民党的には改悪法案なんですが、介護保険つくった厚労省が介護保険を壊す邪悪な心を持ってやっているとは思わないんですね。ただ、財政審の方から、やっぱり社会保障をカットせよカットせよというのが上から圧力としてやってくる。だから、今日お出まし願ったのは、是非その頭を変えてほしいという実はお願いなんですね。
 例えば、これを見ると、介護保険における利用者負担の在り方、軽度者に対する生活援助サービスなどあります。でも、軽度者に対する生活援助サービスを検討せよとか言うのって、言い過ぎじゃないでしょうか。どうですか。
#221
○大臣政務官(杉久武君) 繰り返しになりますけれども、介護におきましては、例えば給付費、先ほど申し上げました二五%は国費で賄われているという中で、やはり財政を預かる立場としては、介護保険制度の効率化、適正化に向けて、財政審等の場において財政当局の立場からの提案を行っていく、これは当然の責務であると考えております。
 以上です。
#222
○福島みずほ君 では、軽度者の定義を教えてください。
#223
○大臣政務官(杉久武君) 介護保険における軽度者につきましては、制度上定められた定義があるわけではございません。
 一方、前回の介護保険制度改正においては、特別養護老人ホームの入所者を原則要介護三以上とし、中重程度者を支える機能に重点化と説明をされております。財政審の資料では、それと対比した形で、要介護二以下の方を軽度者とした上で財政当局の立場からの提案を行っております。
 以上です。
#224
○福島みずほ君 そうだとすると、将来、要介護一、二を介護保険給付から外すとか、生活援助については引き下げるとか、そういう提案があり得るんですか。
#225
○大臣政務官(杉久武君) 御指摘の点につきましては、厚生労働省の社会保障審議会における議論も踏まえて、昨年末の改定された改革工程表において、介護予防訪問介護等の移行状況を踏まえつつ、引き続き関係審議会等において検討し、その結果に基づき必要な措置を講ずるとされたところと理解をしております。
 財政当局としては、引き続き、改革工程表に沿って介護保険制度の持続可能性を確保しつつ、高齢者の自立を支援し、真に必要なサービスが提供されていく観点から、厚生労働省ともよく議論をしながら検討してまいりたい、このように考えております。
#226
○福島みずほ君 軽度者が要介護二以下と聞くと、やっぱり非常に心配になるわけです。軽度者のまさに生活援助サービス、この報酬を下げるとか切り捨てるということがまさに起きていくんではないかと思っております。というのは、実際その介護保険制度を使えなくなったら、介護保険料を払いながら、介護保険に対する信頼がなくなってしまうわけです。介護保険、国家的詐欺というわけで、詐欺やったら信頼関係なくなっちゃうじゃないですか。
 だから、お願いで、是非違う形でやっぱりやってほしい。介護は割と優良と言うと変ですが、黒字続きじゃないですか。だから、そのことを理解してほしい。
 私は、財務省がタックスヘイブンなどに非常にメスを入れる、日本の財務省の役人がOECDのあるビルのところに行ってタックスヘイブンなどにメスを入れようとしている。今回もそれについて一歩前進する法案が成立をしました。だから、私は、金のあるところで富裕層から金を取るんだったら全然いいんですよ。しかし、三百四十万の人は金持ちですか、現役並みですかということなんです。
 是非、財務当局の側で、社会保障はやっぱり必要なんだと、高齢社会の中で。軽度者の生活支援は削るんだ、こういう考えをやめて、厚労省に圧力を掛けるのをやめていただきたい。どうでしょうか。
#227
○大臣政務官(杉久武君) 繰り返しになって大変恐縮でありますけれども、財政当局といたしましては、先ほど申し上げたとおり、介護保険制度の持続可能性、また、高齢者の自立を支援し、真に必要なサービスが提供されていくようという観点から、厚生労働省とよく議論をしながら検討してまいりたいと思います。
#228
○福島みずほ君 日本のお財布を預かるわけですから、とても責任感を持っていらっしゃるのは理解しますし、共有します。ただ、お金のあるところから取ればいいじゃないですか。三百四十万年収の人は金持ちですか、現役並みですか。そして、要介護二も軽度者というのはやっぱり驚くべきというふうに思いますが、生活支援などを削ることでみんな生活できなくなる、つまり介護が得られなくなる、地域で。これをつくって社会保障をぶっ壊したら元も子もないでしょうというふうに思うんです。いかがですか。
#229
○大臣政務官(杉久武君) 繰り返しの答弁になってしまいますので、いずれにしても、今いただいた御意見も踏まえながら、改革工程表に沿って厚労省としっかり議論をしてまいりたいと思います。
 以上です。
#230
○福島みずほ君 是非工程表の見直しをよろしくお願いします。というのは、社会保障が壊れればやっぱり生活できないんですよ、生活ができなくなってしまう。そして、介護保険制度がもう維持できなくなったり壊れたら、もう信頼回復できなくなってしまいますよ。どれだけたくさんの人が生活援助やいろんなことでお世話になっているのか。財務省がお金のあるところからがばっと税金取ることについては全面的に応援します。そちらでやってくださいよ。よろしくお願いします。どうですか。
#231
○大臣政務官(杉久武君) 済みません、今私がお答えできる立場ではないかとは思いますけれども、今日いただいた御意見も踏まえて厚生労働省と議論をしてまいりたいと思います。
#232
○福島みずほ君 社会保障制度をきちっとやっていくということについては共有できると思います。是非よろしくお願いいたします。
 では、次に、六十五歳を迎える障害者の問題についてお聞きをいたします。
 厚労省は、毎年、六十五歳に達した障害福祉サービス対象者が何人いて、そのうち何人が介護保険対象者に移行しているのか、数字を把握しているでしょうか。
#233
○政府参考人(堀江裕君) 厚生労働省では、平成二十七年に、障害者総合支援法三年後見直しにおきます精神障害者及び高齢の障害者に対する支援の在り方の検討のために、平成二十六年度における障害者の介護保険サービスの利用状況等について調査を行ってございまして、その調査では、平成二十六年度中に障害福祉サービスの利用を終了し、介護保険サービスの利用を開始した方、あるいは六十五歳到達後に初めて障害福祉サービスの利用を開始した方、またそのうち、障害福祉サービスと介護保険サービスを併用した方の数など、障害者が六十五歳になった際のサービスの利用状況について把握しているものでございます。
 ただ、今お問合せの、毎年度把握しているかといえば、そうしたものではございません。
#234
○福島みずほ君 把握しているわけではないというのをレクで聞いたので、またその詳細の、分かっている範囲の資料について教えていただきたいですし、しっかりと調査し、把握すべきだということを申し上げます。
 きょうされん始め様々な障害者団体、たくさんの人たちの話を聞き、要望を受けてきました。岡山で裁判をしている方がいらっしゃいます。この方は、六十五歳の誕生日の三日前に福祉支援サービスの打切り処分を受けたので、それで裁判を起こしているということです。
 つまり、処分を受けたとき、生きていくことを奪われたような気がしたと訴えている。つまり、介護保険を使えと、それで今まで使っていた福祉支援サービスが受けられない。この人は、介護保険で八十から九十時間の介護を受けて、介護料として月に十五万円だが、毎月負担分三十五万から四万を納めて、三か月後、十五万円引いて返ってくると。福祉サービスでは、重度訪問介護として二百二十四時間の介護を受けている。この福祉サービスは無料だけれども、介護保険の納めるお金をキープしておくのが大変であると、だからといって介護をしてもらう時間を減らすことができないというので、この裁判を起こしているわけです。
 ここの委員会の答弁では、通知があると、当該介護保険サービスを優先的に利用するものとすることはしないものとするという、これは平成二十七年三月三十一日の厚労省社会・援護局障害保健福祉部企画課長、障害福祉課長通達というのがあるわけですが、実際はこれが自治体で生きていない。つまり、介護保険に移行せよと言われて本当に困っている人がいる、この声を厚生労働省はどう聞かれますか。
#235
○政府参考人(堀江裕君) 今お話しいただきました平成二十七年の三月三十一日の通知というものでございますけれども、介護保険の相当するサービスが、共通するサービスがあるときに、一般的には介護の方を優先して受けていただくことになりますと。ただし、障害者が同様のサービスを期待、希望する場合でも、介護保険サービスを一律に優先させて、これにより必要な支援を受けることができるか否か一概には判断することは困難であって、一律に介護保険サービスを優先的に利用する決定をするものではないということが書いてあるところでございまして、この通知につきまして現在も有効なものでございますし、これに沿いまして市町村におきまして適切に判断いただいて、その支給決定をいただくものというふうに考えてございますが、今回もいろいろ改正もございますので、この通知に基づく適切な運用がなされますように、引き続き市町村に対しまして周知を図っていきたいというふうに考えてございます。
#236
○福島みずほ君 障害のある方からは、六十五歳になったら介護保険に行けと言われる、実際裁判も起きているし、現場から本当に困っているとか大変だという声が上がっているわけです。現に裁判が起きているわけです。だとしたら、この通達は有効に機能していないんじゃないですか。
#237
○政府参考人(堀江裕君) 市町村の方で適切に判断いただくことになりますが、やはり同様のサービスがある場合でも、その利用者の方の状況ですとか、あるいはどんなサービスをほかにも御利用いただいているのかというようなことも総合的に考えて市町村の方で御判断いただくというのが私どもの考えでございまして、この通知、繰り返しですけれども、現在も有効なものでございますので、こうしたものがしっかり周知されますように努めてまいりたいと考えてございます。
#238
○福島みずほ君 障害者総合支援法七条に定められている介護保険優先原則により、各自治体において利用料の発生や支援の打切りといった事態が後を絶たない、年齢により障害のある人の生活の水準や質が大きく引き下がっていくと。この介護保険優先主義を見直す、あるいは廃止する必要があると考えますが、いかがですか。
#239
○国務大臣(塩崎恭久君) 我が国の福祉というのは、社会保障というのは、自助、これを基本としながら、共助が自助を支えて、そして自助や共助で対応できない場合には公助、これが補完をするという仕組みが日本の社会保障の基本だろうというふうに思っています。
 こういうことで、あるサービスが公費負担制度でも社会保険制度でも提供されると、こういう場合には、国民が互いに支え合うために保険料を支払う社会保険制度の下でそのサービスをまず御利用いただくということに、これを、保険優先の考え方が原則だということを繰り返し申し上げてきているわけでございまして、社会福祉制度と介護保険制度のこの二つの関係につきましては、社会保障審議会障害者部会、ここにおいても様々な議論がこれまでもありました。我が国の社会保障の基本からは介護保険を優先するという原則には一定の合理性があるとされておりますので、このこと自体を見直すという考えはないわけでありますが、なお、障害福祉サービスを利用していた方が六十五歳になっても、この介護保険サービスを受ける場合で、サービスの支給量が介護保険サービスのみでは適切に確保することができない場合とか、あるいは障害福祉サービス固有のものと認められるサービスを受ける場合は、障害福祉サービスを引き続き受けることが可能であって、介護保険に強制的に統合されるというようなことは、おそれはあるという御指摘は全く当たらないというふうに考えていただければというふうに思います。
#240
○福島みずほ君 六十五歳の誕生日が何か非常に大変な日になるということがないように、私自身は是非見直しをしていただきたいと思います。
 それで、お手元に資料をお配りしております。新聞記事ですが、軽度者向けサービスについてです。
 厚生労働省の調査によれば、住民主体型の参入割合は、訪問介護で三・九%、通所介護で一二・九%にとどまっております。結局、軽度者切りのために市町村へ事業を移行しても、小規模な自治体では人材確保が難しく機能しないという実態が明らかになりました。軽度者切捨てを直ちにやめるべきではないでしょうか。
#241
○政府参考人(蒲原基道君) 御質問ございました軽度者に対する生活援助サービスの件でございますけれども、これは、先ほどの財務省の関係にもありますけれども、改革工程表の中で今後の検討の事項として盛り込まれているものでございます。現時点で具体的な結論が出ているわけではございません。改革工程表に基づきまして、高齢者の自立を支援あるいは重度化を防ぐという介護保険の理念というのを踏まえつつ、制度の持続可能性、さらには介護人材の確保という観点にも留意して今後審議会で御議論いただきたいというふうに考えております。
 新聞記事にございましたとおり、新しい地域支援事業について要支援者に対する訪問介護などの状況が出ているわけでございますけれども、これは市町村が地域の実情に応じたサービス提供が行えるように創設したというのがその趣旨でございますけれども、我々の調査にありますし、またこの新聞報道にあるとおり、住民主体のサービスあるいはそうしたものが十分に広まっていないことは確かでございます。
 新しい地域支援事業はこの四月から全市町村で実施されているということでございますんで、引き続きここは全市町村の状態というのを、状況というのを我々よく把握して、市町村に対して、本来、元々考えていたような多様なサービスが提供できるようないろんな人材の確保とか人材の育成、こういったものに取り組むように支援していきたいというふうに考えております。
#242
○福島みずほ君 これは、厚労省の調査ではっきりしたわけですよね。小規模な自治体では人材確保が難しく機能しない。ですから、地域に移管するといっても、訪問介護で住民主体型参入、三・九%ですよ。できないということですよね。地域に移行したのはいいけど、できないということで、これから広がるとはやはり思えない。介護保険給付をしっかりやっぱり維持していくという方向で、厚生労働省、そして財務省も是非よろしくお願いいたします。
 次に、介護職員処遇改善加算についてお聞きをします。これも資料をお配りしておりますが、今日も、何で給料が上がらないのだという質問がいろんな委員からも出ました。その配分の仕方が事業者に完全に委ねられているというのはなぜですか。
#243
○政府参考人(蒲原基道君) これは先ほどの質問にも関係しますけれども、処遇改善加算につきましての中身でございますけれども、介護職員の賃金というのは本来労使間において自律的に決定すべきものであるということ、処遇改善加算はその算定額を原資として事業者が介護職員の賃金引上げを行うものであること、こうしたことの考え方から、算定額の分配自体については事業所に委ねているということでございます。
 ただ、そのときに、やはり当該事業所の職員の方々にちゃんとそういうことが分かってもらうことが大事なんで、加算の取得に当たりまして、例えば賃金体系についての就業規則等の明確な根拠規定を書面で整備すること、さらには、賃金引上げの方法等を記載した計画書とともに雇用する全ての職員に周知することというふうな要件を課しておりまして、きちっとその分配の方法が事業所の職員に十分伝わるように要件を掛けているところでございます。
#244
○福島みずほ君 数人分の改善加算をたった一人の労働者の賃金にだけ反映させ、他の全ての労働者は賃上げゼロでも問題ないという仕組みになっていることでよろしいですか。
#245
○政府参考人(蒲原基道君) そこの仕組みとしては、先ほど申しましたとおり、労使間で元々自律的に決めるべきであるという、こういう考え方から、事業所の方に任されているということでございます。その事業所がどういうふうに判断するかということで具体的な配分というのが決まってくると、このように認識をいたしております。
#246
○福島みずほ君 済みません、だから駄目なんじゃないでしょうか。つまり、事業所に任せていて、一人の労働者の賃金に反映させて、あとは賃上げゼロでも問題ないというのでもオーケーなわけじゃないですか。だとしたら、平均点じゃないけれど、ほかの人は上がらないという状態が起きると。だから、この処遇改善加算、私たちは一人一人の賃金が上がるようにと思っているわけで、仕組みとしておかしいと思いますよ。
 この処遇改善加算が介護労働者全体の労働条件の改善を目的に行われていることから考えれば、幅広く公平に処遇改善すべき旨、通達やガイドラインを出すべきではないですか。誰か気に入った職員一人だけがばっと賃金上げて、あとはゼロでもいいとか、そんなのおかしいじゃないですか。事業所に任せていたらそんなことだって起きますよ。どうですか。
#247
○政府参考人(蒲原基道君) お話がございましたけれども、ここは、やはり事業所の中でのいろんな賃金について基本的には労使間で自律的に決定すべきであるというのが一つの考え方だというふうに思います。その意味では、いろんな原資を当該事業所に渡して、当該事業所が自分の中で適切に分配するということが大事かなと。
 ただし、その中身については、先ほど申したとおり、当該事業所の職員にきちんといろんな形で周知しますし、そうしたことについては、今年度から月額一万円相当の処遇改善の実施に当たっても、従来に加えて、事業所内の介護職員から照会があった場合に当該職員の賃金引上げの内容について書面を用いるなど分かりやすく回答するといったことも求めておるところでございますので、きちっと事業所内の職員には丁寧に説明するということをセットでやるということではないかというふうに思います。
#248
○福島みずほ君 職員は、丁寧に説明されても、自分の賃金ゼロじゃないですか。そんなこと説明されても仕方ないと思いますよ。
 自民党からもおかしいという意見が出ている。つまり、事業所に任せてしまったら、みんなの賃金がちゃんとちゃんと一人ずつ上がらないんですよ。私たちは、多分これは与野党問わず、やっぱり介護で頑張る人をみんな一人一人応援したいというふうに思っているわけで、これは是非、事業所に任せるんじゃなくて、幅広く公平に処遇改善すべき旨、通達やガイドラインを出すべきじゃないですか。
#249
○政府参考人(蒲原基道君) そこは重ねてになりますけれども、そういう事業の中における、個別というか、そういう賃金の決定自体についてはやはり労使間でまず自律的に決定するというのが一つの考え方だと思います。
 したがって、こういう処遇改善やるときに、そこまで具体的にガイドラインを決めるというよりも、額としてはちゃんと出して、それを分配する。ただし、分配の中身についてはきちんと事業所の職員に説明していくという、こういう仕組みが適切ではないかというふうに考えております。
#250
○福島みずほ君 全然駄目だと思います。そんなことやっていたら賃金上がらないじゃないですか、一人一人の働く人を応援するというふうにしないと。やっぱり、事業所に任せています、でも、私たちは現場に行くと、賃金が上がっていません、賃金が上がっていません、低賃金ですという話、山のように聞くわけですよ。そのからくりがここにもあるわけで、これは是非変えていただきたい。大臣、どうですか。
#251
○国務大臣(塩崎恭久君) お気持ちはよく分かりますが、それぞれ経営体ですので、財政力というか体力がそれぞれだろうと思います。したがって、基本給に必ずという、反映させろということを厚労省から指示をするということになれば、当然ボーナスであったり退職金であったり、いろんな形で跳ねてきますので、それが可能なところと可能ではないところと、いろいろあると思うんです。
 したがって、私どもとしては、絶えず、どういうふうに中で割り振っていくのか、そして、それをどう働いていらっしゃる方々に周知をして納得をいただくという民主的なプロセスを取って、その上でやっていただくかということは少なくともチェックをして、かつてはそういうことのチェックを十分していなかった時代もあったわけでありますが、それはちゃんとやっていただくようにチェックをしようということですが、最終的な細かな、何に充当していくのかということについてはなかなか指示をするというのは難しいのかなというふうに思います。
#252
○福島みずほ君 たくさん質問したいことがまだ残っておりますが、時間ですので、終わります。
#253
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。
 私からは、今回、指標の作り込み方によってかなり地方自治体の皆様方の施策は変わってくるんではないかと思いますので、その辺りを重点的に質問させていただきたいと思います。
 先日来、同僚議員、いろんな方から、やっぱり科学的根拠に基づいてしっかりとした指標を設定すべきではないかというような御意見がございましたので、私なりにフレイルという一つの事項を捉えまして質問させていただきますが、厚生労働省でまずフレイルの概念というものをどのように捉えているか、お願いします。
#254
○政府参考人(鈴木康裕君) フレイルの概念についてお尋ねがございました。
 フレイルにつきましては、学術的な定義というのは現段階ではまだ必ずしも確定はしておりませんけれども、厚生労働省が設置している高齢者の保健事業のあり方検討ワーキンググループにおきましては、フレイルについて、暫定的にでございます、以下のように定義をしております。加齢について、運動機能や認知機能が低下をし、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害されて、心身の脆弱化が出現した状態でありますけれども、一方で、適切な介入、支援により生活機能の維持向上が可能な状態ということでございます。
#255
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 元々この介護保険の制度の趣旨というものは、要介護高齢者の自立支援でございます。ですから、しっかりこのフレイルの状態で可逆的なときに戻すという、この作業がとても大事なものになってくると思います。
 本日は介護職員の話もございました。介護職員を増やすというのも一つの手ですけれども、もう一つやっぱり大事なことは、その対象者になる方々を少なくとも何としてでもやっぱり予防によって増やしていかないという、この施策も私は充実させなければならないと思っております。
 皆様方に資料をお配りいたしておりますけれども、その資料の一の二番、フレイルって何だろうというところ、分かりやすく書いた図がございます。右の図でございます。健康があって、プレフレイルがあって、フレイルがあって、そこから要介護になる。でも、そのフレイルの状態から健康にもなるし、要介護の状態からも何とかフレイルに戻ることもできる。昔で言うと虚弱というような状態をフレイルというふうに呼ぶんですけど、これなかなかこの概念が広がっていかないんですけれども、それはなぜだとお考えであったりしますか。
#256
○政府参考人(鈴木康裕君) フレイルの概念の社会的浸透でございますけれども、提唱されてから比較的間がない概念でもございますし、先ほど申し上げたように、学術的な定義が現段階では必ずしも確定していないということがやはり一般的な認知度が必ずしも高くない原因ではないかというふうに思っております。
#257
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 でも、これ、すごく私、大事なことだと思います。どこでやはり人間、ターニングポイントを迎えるのかということをしっかり周知徹底をしていただきたいのと、今まではロコモと、ロコモシンドロームのロコモというのは少しずつ浸透してきておりますけれども、まだまだこのフレイルという概念、虚弱だからもう諦めるんではなく、ここから何とかリカバーできるぞというところをしっかり政府としても広報していただきたいと思っております。
 このように、様々なエビデンスの蓄積というものは老年学会で行われているんですけれども、今回、省庁が様々なガイドライン等々を作成するということでございます。是非そのようなエビデンスを生かしていただきたいんですけれども、蒲原局長、いかがですか。
#258
○政府参考人(蒲原基道君) 施策の検討を行う際には、これまでも厚生労働科学研究や老人保健健康増進等事業等を活用しながら、最新の知見等を収集した上で、できるだけ、エビデンスということもありましたけれども、そうしたものに基づいて行ってきているところでございます。
 今後、この法律に基づくいろんな省令あるいはガイドラインを作成する際も、先生お話しのように、いろんな、エビデンスが大事ですから、そういう研究等をきちっと活用して、そうした研究に基づく知見というのを踏まえて、省令、ガイドライン等の作成に当たりたいというふうに考えております。
#259
○薬師寺みちよ君 是非お願いいたします。
 ですから、健康局ともしっかり連携をしながらやっていただかないと、またここで新しい研究、新しい調査を行って、こんなに無駄なことはありませんので、既にあるものは使ってなるべく早く現場に落としていただく、このスピーディーな対応というものもお願いをいたしておきます。
 実は社会とのつながりというのがフレイルに陥らない第一段階だと、社会とのつながりを失うことがこのフレイルの最初の入口だということも実は研究で分かっております。
 じゃ、実際はどうなのか。六十五歳以上でも働く意欲のある方は六割以上です。六割の方が六十五歳時でも働きたい、しかし六十歳以上の就労状況というものは一〇%の方しか常勤職員ではない。ですから、働き方改革でも今しっかりそこは私は議論されているところだと思います。
 じゃ、それ以外の方は何をやっていらっしゃるのか。高齢者の七割の方は地域における活動にも実は従事していないんですね。そこで、皆様方の資料にもお付けいたしましたけれども、この資料二の一を御覧いただきたいと思います。
 定年をじゃ境に何を皆様方がやっていらっしゃるのかということになると、四十歳これは前半の有業者の方の平日というものはほとんど仕事ということになっているんですが、六十代になってくると日がなテレビを見て過ごしているということがこれは総務省の調査からも分かっています。
 宝の持ち腐れじゃないですか。働きたいし、その手はある。でも、何、日頃やっているんだというと、休養、テレビですね。こんなことをほっといて、結局それがフレイルのような状況になり、そして介護に陥っている、これが今の日本の悪循環の一番のもとじゃないかというのが、厚労省はこれにしっかり気付いてこの策を私は打っていただきたいというふうに思っております。
 しっかり高齢者の皆様方をいかに今後社会に出て活躍していただけるのか、そして、社会的なところで、職業に就くだけではなく様々な社会活動に参画していただくのか、ここが肝になると思いますけれども、大臣、御意見下さい。
#260
○国務大臣(塩崎恭久君) 大変興味深い資料をお配りをいただいて、男性は特に反省をしないとこういうパターンに陥ってしまうということで、睡眠も増えていますよね、これ、テレビとということでありますが。
 社会参加と介護予防、その関係を御指摘をいただいたというふうに思います。介護予防の研究成果の一つとして、他者との交流が多い人ほど要介護状態に至らないということが示されていますので、高齢者が積極的に参加できる住民主体の通いの場とかそういうものを充実をするとか、そういうようなことが、高齢者が生きがいやあるいは社会の中での役割というものを持って生活できることが重要だというふうに思います。
 今回の法改正では市町村の保険者機能を強化するというのを特に強調していますけれども、その一環として、保険者の様々な取組の達成状況を評価できるように客観的な指標を設定した上で、市町村等に対する財政的インセンティブを付与することを予定をしているわけであります。
 指標の設定に当たっては、今後、保険者の自立支援あるいは重度化防止に向けた取組を後押しするようなものになるように、御提案の高齢者の社会参加といった観点も踏まえて、自治体関係者の御意見も伺いながら、そしてまた自治体関係者にも、今お配りをいただいたような、ほっておくとこういうことになってしまうと、そういうことの認識を深めていただくということで、じゃ、それをどうやったら保険者が回避してできる限り元気なままでいけるようになるかということを是非知恵出しをしていただければ、保険者としての機能を大いに発揮できるんじゃないか、そんなふうに思います。
#261
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 まさに長野のぴんぴんころりというのは有名ですけれども、やはりこのテレビを見ていらっしゃる時間に農作業をしていらっしゃったりするんですよね。自分でなるべく収入をというような、ここで好循環になるのか、私たちも六時間座っておりますけれども、一日に何時間もテレビの前でじっとそれを見ているだけに終わるのか、それによって全然未来が変わってきますよね。
 ですから、まず私は、しっかりと生活実態調査というものも、その地域によって全然違いますので、行うべきだと思いますけれども、御意見いただけますでしょうか。大臣にお願い申し上げます。
#262
○国務大臣(塩崎恭久君) 地域共生社会を実現していくということで今回御提案申し上げておりますけれども、地域住民や地域の多様な主体が町づくり、あるいは助け合いの仕組みを地域で我が事として参画をすると、そして、人と資源が世代や分野を超えて丸ごとつながっていくということを後押しをしようと、こういうことで、現役世代の方がボランティア活動等を通じて地域コミュニティーに積極的に参画をしていただくこともこれまた重要な視点だろうと思います。
 今回の法改正は、先ほど申し上げたように、保険者機能を強化して、それぞれの地域に合ったいろいろなことをやってもらっていこうじゃないかということで、保険者の目的を達成してもらおうと思っています。保険者の様々な取組の達成状況をさっき申し上げたように評価をできるような財政的なインセンティブ付きの指標というものを考えておりますので、そういうようなものを通じて実現を図って、保険者機能を強化した上で、そういったような社会への関わり、肉体的にも関わって、積極的に自らの体も使いながらフレイル状態からの脱却を図ってもらうということが大事なんではないかと思います。
 もちろん、指標の設定に当たりましては、今後、保険者の自立支援そして重度化防止に向けた取組を後押しするようなものになるように、自治体関係者などの御意見も聞きながら、しっかりと適切な指標を検討したいというふうに思います。
#263
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 今、少し次の質問の答えも入っておりましたんですけれども、実際に退職してからボランティア、これは難しいんですね。もっともっと現役のときからしっかりと地域社会に貢献をしたり何か活動を行っていないと、コミュニティーにまずは所属していない状態の、特に男性は多うございます。PTA活動だとか様々なことをやっていらっしゃる方々もいらっしゃるんですけれども、ボランティア休暇というものもなかなか、実は私、調べましたけれども、国家公務員の皆様方も活用されていないですし、一般企業の皆様方も、そのボランティア休暇というのを設けられている企業も少のうございます。
 ですから、しっかりそういった観点からも国策として推進をしていただくような施策を同時並行で私はやっていただかないと、ただ、じゃ、退職したら社会に貢献してね、参画してね、それだけでは弱いと思います。ですから、しっかり総合的に考えて施策を充実させるためには何が必要なのかということを、この省庁の中で組織横断的に私は考えていただきたいんですけれども、大臣、いかがでいらっしゃいますでしょうか、お願い申し上げます。
#264
○国務大臣(塩崎恭久君) そもそも、定年退職してからいきなりコミュニティーに参加しろといっても、なかなかこれは難しいというのはそのとおりだろうと思います。
 ですから、ふだんからもっと定年退職する前の段階から関わりを持つような、そういう暮らし方ということをしていかないと、先ほどお配りをいただいたような、仕事ばっかりやっていてほかに何もやっていないみたいなことでは、助走期間がなくて、いきなり社会参加をしてくれと言ってもなかなかうまくいかないんだろうというふうに思います。
 最近は、我々見ていても、市役所にいました、企業にいました、そういう人たちが町内会長をやってみたり、あるいは公民館長をやってみたり、いろんな形で地域で参画をしていただく機会、人々が増えているなというふうに、かつては、ずっとPTAから公民館長から何から全部農家の方がやっているみたいなことが多かった、我々のような地方にいますと。しかし、それではこれからは、言ってみれば、被雇用者で定年退職して、さあ、丸ごとで社会参加してくれといっても難しいと思いますので、そういうようなことをどう私どもとしても可能性を用意できるかということを考えていかなければいけないなということを改めて考えさせられているところでございます。
#265
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 考えるだけではなく、しっかりと充実した施策に私はつなげていただきたいと思っております。
 ところで、このフレイルの考え方というのは大変面白うございまして、ドミノ倒しにならないようにというような概念がございます。
 ちょっと皆様方には資料を御準備できなかったんですけれども、まず入口が社会とのつながりであって、そこから生活範囲が狭まって、だんだんだんだん精神的に病んでくる。身体的に一番先に弱ってくるのが口だ。口が弱ってくると、結局食が細ってしまって、栄養が取れなくなって、体、最後が体なんですね。ですから、皆さん、どうしても体がとおっしゃるかもしれませんけど、その前段である口をしっかりケアしていく、いわゆるオーラルフレイルというふうに呼ぶんですけれども、みどり先生も御存じのように、しっかりとうなずいてくださっていますけれども、そこが入口なんです。
 ですから、社会的に参画をしていただいた後は、しっかりその口の状態というものを良くする、これはすごく重要なんですけれども、なかなか国民にはまだまだ理解されておりません。そこから次に体をケアをしなければならない。この順番をしっかりと、私は、今回の地域包括ケアによっても根付かせていただきたいですし、そのような概念でもっと歯科医療の取組というものにも力を入れていただきたいと思っておりますが、大臣、いかがでいらっしゃいましょうか。
#266
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、口腔ケアの重要性について御指摘をいただきました。
 最近、高齢者の病気の中でよくよく聞くのが誤嚥性肺炎でありまして、こういうふうになりますと、大変危険な場合が多い、高齢者だと思います。そういう意味では、義歯、入れ歯の治療によって栄養状態が改善することなど、口腔の健康というのは本当に全身の健康につながってくるという大事な要素だと思います。そういう意味では、地域包括ケアシステムにおいて、歯科医療の果たす役割というのが極めて重要だということで、また、その認識も高まりつつあるというふうに考えております。
 今後とも、地域包括ケアシステムを推進する中で、歯科医療機関と連携をした歯科訪問診療の実施とか、あるいは、介護保険施設における口腔管理の実施、医療、介護の多職種による研修や会議への歯科医師の参画などを通じて、地域における口腔ケアの高まりを後押ししてまいりたいというふうに思います。
#267
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 ですから、こういうことが科学的根拠に基づいたということになります。ですから、世界的にもこれは本当に常識なんですけれども、なかなか日本では、個別案件、やはり省庁の中でも縦割りになってしまっていますので、それが連携できないからこそ、そこがどこか落ちてしまうとしっかりとした高齢者の皆様方を支える医療、介護にはなっていかないということです。
 ですから、今回、指標を定めていただくのは大変よろしいかと思いますけれども、それによって、総合的に、包括的にというのがなかなか見えづらくなってしまうと、私はこれは危険だと思っておりますけれども、しっかりと総合的、包括的に見る視点というものも各市町村の皆様方に御指導いただきたいんですけれども、いかがでしょうか。お願い申し上げます。
#268
○政府参考人(蒲原基道君) 各市町村でいろんな取組をするときに、恐らく市町村レベルに行くと、国のレベルで言えば何省、何省、何省であって、かなりいろんなものがあると思うんです。例えば、今思ったのは、例えば公民館とか社会教育施設なんかで人が集まってサロン活動をやっているというのは相当あると思うんですよね。
 そういった意味では、いろんな指標だとか取組の中身、あるいはそれを評価する指標を考えるときにも、自分の分野、厚労省の分野だけではなくて、ほかの役所のところも頭に入れながらいろいろ考えていくということが必要ではないかというふうに考えております。
#269
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 先日、私もありましたけれども、省庁横断的にということ、本当に地方レベルでもお願いをしたいと思っております。
 それから、資料四に付けさせていただきました。これ、センセーショナルなニュースとして報道されましたけれども、日本老年学会、日本老年医学会から、高齢者の定義自体を見直すべきではないかということで、報告をいただいたところでございます。
 現在、高齢者というものは、十年、二十年前と比較して、加齢に伴う身体、心理機能の変化というものが、五年、十年、だから若返っていますよという報告なんですね。ですから、制度がそれと全く変わっていないということ自体がどうなのかというような問題提起でもあったかと私は捉えております。
 内閣府でも、七十歳以上あるいは七十五歳以上を高齢者と考えた方がいいんではないかという御意見もございましたけれども、この定義について厚労省の見解をお教えいただけますでしょうか、お願い申し上げます。
#270
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。
 高齢者の年齢については法律上一律に定義しているものではございません。日本老年学会あるいは日本老年医学会による分析は医学的な立場から検討されたものと承知しておりますけれども、高齢者の年齢を考えるに当たりましては、企業の雇用環境や国民意識などを踏まえる必要があるというふうに考えています。一方で、高齢者の方々ができる限り社会の支え手として活躍できる環境を整備するということは、一億総活躍社会の実現に向けて重要な課題であります。
 厚労省といたしましても、高齢者雇用に取り組む企業に対する支援などの働き方改革や、あるいは健康で末永く活躍できるような介護予防の取組などを進めつつ、その負担能力に応じて社会保障制度を支えていただけるような社会保障改革を引き続き推進していきたいと、このように考えております。
#271
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。しっかり課題として重く受け止めていただきたいと思います。
 では、次に共生社会につきましてお伺いさせていただきます。
 前回、私どもが精神保健福祉法を議論した際に、囲い込んでしまってなかなかそこから出られない、若しくは出すことができないというようなところで、更に社会と隔絶されてしまうような危険性を議論したところでございました。
 今回も、障害者、そして介護を受ける皆様方というのが共生型サービス事業所として一括できるように、これは法文の中でも書き込まれたところでございますけれども、やはりそうやって囲い込むということではなく、もっともっとそれを社会に開かれた、一般の皆様方の出入りがもっと自由にできるような私は事業所にしていただきたいと思っておりますけれども、御意見いただけますでしょうか、お願い申し上げます。
#272
○政府参考人(定塚由美子君) お答え申し上げます。
 地域共生社会のまさに我が事・丸ごとの地域づくりということを進めていく上では、やはり委員から御提示がありましたように、地域に開かれているということ、また住民がいろいろなところに交わって活動できるということが大変重要であると考えております。
 こうしたことから、環境整備のために、住民が気軽に立ち寄ることができる居場所であるとか、住民の自主的活動の拠点の設置であるとか、あるいは住民の方々が福祉に関しての学習会を実施できるとか、そうした形で住民の地域福祉活動への参加を促すようなモデル事業を本年度、全国百自治体程度で実施することとしております。
 また、これに加えまして、今委員からお話がありましたような高齢者や障害者の施設を運営する社会福祉法人、こうしたところについては今年四月から社会福祉法人制度改革が施行されているところでございますが、この中で地域における公益的な取組というものも責務とされているところでございます。
 こうした地域における公益的な取組の中では、まさにそれぞれの法人が運営している施設を地域に開放して、地域の高齢者、障害者、子供などが交流をできる共生の場づくりをしているとか、あるいは地域の住民の方が参加をしていろいろなイベントや学習会を実施しているというようなことの取組も進められているところであり、こうした好事例なども紹介してまいりたいと考えております。
 さらに、地域課題を解決するための活動については、赤い羽根の共同募金というのもありまして取組もしていますので、こうしたことで地域に開かれた我が事・丸ごとの地域づくり、進めてまいりたいと考えております。
#273
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 ここで私がちょっと気になりましたのが、地域福祉計画というものを策定するように努めると、努力義務になっております。これを調べてみましたら、やっぱり市町村は八七%ですけれども、町村が五四・一%と、町村でもちっちゃいところは策定していないんですね。でも、今回、介護計画、県が手伝ってやってくれるじゃないですかというところから併せましても、県がしっかりこういうところにもお手伝いをいただいて、本当私はこれを一〇〇%として義務化すべきではないかと思うんですけど、局長、短く御答弁いただけますでしょうか、お願い申し上げます。
#274
○政府参考人(定塚由美子君) 今回の地域福祉計画につきましては、この義務化ということは地方分権との考え方の関係で難しいということがございまして、今回、ただ、一方で策定義務化してほしいという声もありましたところで、現行の策定については任意でございましたところを努力義務ということで一歩進めたものでございます。
 今回の法律成立したときには、県にも頑張っていただきたいと思いますし、国としてもガイドラインを作って市町村に対して策定を促してまいりたいと考えております。
#275
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 あるものはあるけれども、あるものがなくて、結局今回は、この福祉計画って上位概念ですよね。それがないからこそ、その下というものを立てたって一向にそれがつながっていかないという、これが現実だと思いますので、是非、県の方にも御指導いただきたいと思っております。
 最後に、大臣、お願いを申し上げます。
 私、先ほどから使っておりました資料というものは実は経産省の資料でございます。「不安な個人、立ちすくむ国家」というところで、次官・若手プロジェクトが、これは経産省が最近発表いたしまして、結構これはいろんな方々、話題になっているところでございます。
 やはり、このように他省庁の皆様方からも社会保障制度の持続性というものを不安視する声もございますし、かつ、大変フレッシュな頭で切っているんではないのか。今まである制度をどうしていくかではなく、やはりこれから先どのようにこの国家というものを立て直していくのか、持続させていくのかということをかなり危機感を持って、私は、これ書いてくださったんじゃないかな、それもまた経産省が経産省として発表したということで、これ面白いなというふうに読ませていただきました。
 是非、大臣のこれの御感想をいただきたいと思いますのと、それから、他省庁の若手官僚などにもこのような意見もどんどん募集してみるのも一つの手かと思いますけれども、大臣の御意見いただけますでしょうか、お願い申し上げます。
#276
○国務大臣(塩崎恭久君) 経産省のプロジェクトで社会保障に関する提言がまとめられたということであります。経産省はしばしば他の省庁の分野についてのいろいろな提言をするので有名でございます。厚生労働省の職員はむしろそういうことを余りやらないので、もっとやれと私は言っていますが、担当している年金、医療、介護などの社会保障制度、あるいは就労支援、こういった雇用対策の業務を通じて、プロジェクトで指摘をされているような社会の変化を感じながら、それに対応する制度見直しに関する利害調整の難しさに直面しながら日々の業務を行っているんではないかというふうに思います。
 権限、予算があるだけに直接いろいろな批判も厚生労働省の場合には受けるわけでございまして、だからこそ厚生労働委員会はいつも活発な議論が行われると、こういうふうに認識をしておるところでございます。
 今後とも、様々な御意見をしっかりと拝聴しながら、社会保障制度の持続可能性、そしてやはり、今日お配りをいただいたような、こういう張りのないような生き方ではない老後もちゃんと自分で構築ができるようなそういう社会保障制度と、社会保障にお世話にならなくても元気で生きていけるようなそういう社会づくりをしたいというふうに思います。
#277
○薬師寺みちよ君 是非お願いしたいと思います。
 最後に一つお礼を兼ねまして提案をさせていただきたいんですけれども、日本年金機構のホームページ、私がどうか障害者の皆様方に伺って改定していただけますかとお願いしましたところ、早速厚労省の方から出向いて各障害者の団体の皆様方に意見聴取してくださいました。そして、それを基に改定をしますよという御報告を受けまして、まだまだそこまでは至っていないんですけれども、今回その中で私が大変興味深かったのは、やっぱり今まで審議会に来いとか、それとか、要望書を持ってきたとき、要望書が積み上がっているようなところにそういう障害者の団体の皆様方がいらっしゃいましたけれども、今回は日本年金機構と年金局が出向いたり、若しくは聞かせてくれというところで行ったところ、すごくそこの感触が良く、しっかりと話をしていただけたということなんです。
 だから、私は、やっぱり寄り添いながら当事者の声を聞く、今回もいろんな議員がおっしゃいました、ということはそういうことなんではないのかと思います。審議会で発言するだけが当事者の声を聞くことではありません。しっかりと厚労省自身が出向く、若しくはどんどんどんどん身近に寄っていってその声を本当に拾ってくるということから初めて当事者の思いというものは施策に反映されると思いますので、是非、私も本当にこれには感謝をいたしておりますけれども、今後ともこういう活動を続けていただきたいと思います。
 以上でございます。ありがとうございました。
    ─────────────
#278
○委員長(羽生田俊君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、馬場成志君が委員を辞任され、その補欠として小野田紀美君が選任されました。
    ─────────────
#279
○委員長(羽生田俊君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#280
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 私は、日本共産党を代表し、地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案に断固反対の立場で討論を行います。
 本法案は、衆議院では二十二時間の審議で、地方公聴会も開かないまま強行採決されたものです。本委員会での審議時間はこれを下回る僅か十六時間足らずであり、徹底した審議が尽くされたとは到底言えません。本日の採決に強く抗議するものです。
 反対理由の第一は、介護サービスの利用者に重い負担増を押し付けるものだからです。
 衆議院の議論を通じて二割負担の影響調査の必要性を政府自身も認めていながら、その結果が出る前に三割負担に踏み切るなど、到底国民の理解は得られません。国庫負担金を大きく減らす一方で、要介護者や家族の苦しみに追い打ちを掛ける根拠なき三割負担は断じて容認できません。
 第二は、喫緊の課題となっている介護職員の人材不足解消策が全く不十分だからです。
 人材確保を困難にしている最大の要因は、介護現場の低い職員配置基準を見直すことなく、介護報酬の評価も効果的にされてこなかったことにあり、政府の責任は重大です。配置基準を見直し、それを保証するために思い切った国庫負担の引上げを行うこと、介護報酬全体を引き上げる方向への転換が求められています。
 第三は、本法案が導入する財政的インセンティブが自治体による強引な介護サービスの取上げを更に拡大する危険は極めて高く、介護保険の本質をゆがめかねない重大な問題があるからです。
 参考人質疑では、自治体に公的サービスを止められた要介護者が状態悪化や重度化に至るケース、自費サービスの購入を余儀なくされている実態が明らかになりました。
 本法案による負担増と給付の切捨ては、介護が必要な人に対するサービス利用を阻害するものにほかならず、公的介護制度に対する国民の信頼を土台から突き崩すことにつながることを厳しく指摘するものです。
 第四は、我が事・丸ごと地域共生社会の名の下に、高齢、障害、子供などの福祉に対する公的責任が大幅に後退しかねないことです。
 政府は介護離職ゼロを掲げながら、本法案の中身は、更に介護離職を拡大し、介護難民を拡大する危険を増大するものとなっています。
 断固反対することを強く申し上げ、反対討論といたします。
#281
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 希望の会(自由・社民)を代表し、地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案に対し、反対の立場から討論を行います。
 第一に、今回の法案が、介護保険制度の根幹である介護の社会化や公的介護保障の充実を完全に破壊するものであるからです。
 政府は、二〇一五年の法改正で介護保険の本人二割負担を強行しました。その十分な検証もしないまま、今回更に三割負担へと拡大しようとしています。年金収入三百四十万円以上の人々を現役並みと一方的に位置付け、三割負担を強いるのは、生活破壊そのものです。
 反対理由の第二は、財政的インセンティブの名の下、自立支援や重度化防止を自治体同士で競わせ、本人の頑張りや自治体の工夫に介護の社会的責任を転嫁する内容となっているからです。
 一人の人間の人生が老いとともに最期の瞬間に向かっていくプロセスは様々であり、自助努力が必ずしも重度化防止や回復につながらない人もいらっしゃいます。そうした様々な住民を抱える自治体に対して財政的インセンティブを示すことが介護保険のあるべき姿とは到底思えません。
 反対理由の第三は、本法案の中で新たに打ち出されている共生型サービスが、効率化や生産性の向上の名の下、実際には安上がりな人員体制で複合的ニーズに対応させてしまう内容となっているからです。介護給付の居宅サービス十二事業、予防給付の介護予防サービス十事業を始めとする合計三十四もの事業が盛り込まれているにもかかわらず、その詳しい中身については省令に基づく自治体条例に委ねられているなど、具体的内容が明らかにされないまま法案だけが先行されようとしています。
 反対理由の第四は、こうした福祉の切捨てや軽度者を狙い撃ちにした介護制度の破壊が、所管省庁である厚生労働省ではなく財政審主導で進められているという点です。今回の利用者負担三割の導入についても、そのうち全員が三割になるでしょうと公言する識者さえ早くも出ています。このまま社会保障の切捨てが際限なく進めば、日本はもはや福祉国家と言えない状態に陥ると言っても過言ではありません。
 岡山市において、現在、六十五歳の誕生日の三日前に福祉支援サービスを打ち切られた男性障害者が裁判を起こしています。この男性は、処分を受けたとき、生きていくことを奪われたような気がしましたと訴えています。介護保険優先原則を進めてきた厚労省は、この男性の声をどのように受け止めるのでしょうか。
 今こそ、介護保険制度の本来の目的に立ち戻るべきです。全ての人々が安心して介護福祉サービスを受けられる社会をつくり上げるべきであると強く申し上げ、私の反対討論を終わります。
#282
○委員長(羽生田俊君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#283
○委員長(羽生田俊君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、足立君から発言を求められておりますので、これを許します。足立信也君。
#284
○足立信也君 私は、ただいま可決されました地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・こころ、民進党・新緑風会、公明党及び日本維新の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一、利用者負担の更なる増加に対する国民の不安を払拭するため、政令で定める利用者負担割合が三割となる所得の額については、医療保険の現役並み所得者と同等の水準とすること。
 二、利用者負担割合が二割となる所得の額を定める政令の改正を行おうとする場合には、所得に対して過大な負担とならないよう十分配慮するとともに、あらかじめ、当該改正による影響に関する予測及び評価を行うこと。
 三、利用者負担割合の三割への引上げが施行されるまでの間に、平成二十七年に施行された利用者負担割合の二割への引上げに関する影響について、施行前後における介護サービスの利用の変化や、介護施設からの退所者数の状況、家計への負担、高齢者の地域における生活等に関する実態調査を十分に行った上で、その分析及び評価を行い、必要な措置を講ずること。また、利用者負担割合の三割への引上げの施行の状況について適切に把握し、分析及び評価を行い、必要な措置を講ずること。
 四、軽度要介護者・要支援者に対する介護給付・予防給付等が地域で自立した生活を営み、生活の質を維持向上させること及び介護離職を防止する等家族の負担軽減に重要であることに鑑み、介護予防訪問介護及び介護予防通所介護の総合事業への移行後の状況を把握し、検証を行うこと。また、介護保険の被保険者に対するサービスについては、介護又は支援の必要の程度の高低のみならず、それぞれの被保険者の心身の状況等に応じて、適切かつ必要なサービスが確保されるよう必要な措置を講ずること。
 五、共生型サービスの実施に当たっては、従来、障害者が受けていたサービスの量・質の確保に留意し、当事者及び関係団体の意見を十分に踏まえ、その具体的水準を検討、決定すること。
 六、介護職員の処遇が著しく低いことに鑑み、優れた人材を介護の現場に確保し、要介護者等に対するサービスの水準を向上させるため、平成二十九年度から実施している介護職員の処遇改善の効果の把握を行うとともに、雇用管理及び勤務環境の改善を強力に進め、必要な措置を講ずること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#285
○委員長(羽生田俊君) ただいま足立君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#286
○委員長(羽生田俊君) 多数と認めます。よって、足立君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、塩崎厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。塩崎厚生労働大臣。
#287
○国務大臣(塩崎恭久君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。
#288
○委員長(羽生田俊君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#289
○委員長(羽生田俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時七分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト