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2017/06/01 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 厚生労働委員会 第21号
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2017/06/01 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 厚生労働委員会 第21号

#1
第193回国会 厚生労働委員会 第21号
平成二十九年六月一日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月三十一日
    辞任         補欠選任
     神本美恵子君     石橋 通宏君
 六月一日
    辞任         補欠選任
     倉林 明子君     小池  晃君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         羽生田 俊君
    理 事
                島村  大君
                そのだ修光君
                高階恵美子君
                足立 信也君
                山本 香苗君
    委 員
                石井みどり君
                小川 克巳君
                太田 房江君
                木村 義雄君
                自見はなこ君
                馬場 成志君
                藤井 基之君
               三原じゅん子君
                宮島 喜文君
                石橋 通宏君
                川合 孝典君
                川田 龍平君
                牧山ひろえ君
                熊野 正士君
                谷合 正明君
                小池  晃君
                片山 大介君
                福島みずほ君
               薬師寺みちよ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  古屋 範子君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       馬場 成志君
       経済産業大臣政
       務官       井原  巧君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   政府参考人
       内閣官房社会保
       障改革担当室長  木下 賢志君
       個人情報保護委
       員会事務局長   其田 真理君
       消費者庁審議官  東出 浩一君
       消費者庁審議官  小野  稔君
       消費者庁審議官  福岡  徹君
       文部科学大臣官
       房審議官     浅田 和伸君
       厚生労働大臣官
       房技術・国際保
       健総括審議官   福田 祐典君
       厚生労働省医政
       局長       神田 裕二君
       厚生労働省健康
       局長       福島 靖正君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局長  武田 俊彦君
       厚生労働省労働
       基準局長     山越 敬一君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       吉田  学君
       厚生労働省保険
       局長       鈴木 康裕君
       経済産業省商務
       情報政策局商務
       情報政策統括調
       整官       吉本  豊君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○医療法等の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(羽生田俊君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、神本美恵子君が委員を辞任され、その補欠として石橋通宏君が選任されました。
 また、本日、倉林明子君が委員を辞任され、その補欠として小池晃君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(羽生田俊君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 医療法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医政局長神田裕二君外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(羽生田俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(羽生田俊君) 医療法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○川田龍平君 よろしくお願いいたします。おはようございます。
 今日も大臣には二問ということで、これはもう精神的にサポートするということで、受動喫煙の問題、しっかり頑張っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、法案の審議に入る前に、一年ぶりに、熊本市の化学及血清療法研究所、いわゆる化血研の事業譲渡問題について取り上げさせていただきます。
 日本脳炎ワクチンに関する業務改善命令後の対応を含めた化血研の組織運営改革の現状とペナルティー及び震災からの生産量の回復状況について、厚労省の認識を伺います。
#7
○政府参考人(武田俊彦君) 化血研につきましては、二重帳簿を作成するなど、周到かつ組織的に国等の査察を逃れる欺罔・隠蔽行為を長期にわたり行ってきたため、厚生労働省といたしましては、昨年一月、百十日間の業務停止命令を行ったところでございます。
 また、業務停止期間の終了後におきましても、昨年九月の厚生労働省等の立入検査により、新たに日本脳炎ワクチンで製造販売承認書と異なる製造が行われていることが確認をされ、これを受け、業務改善命令により化血研に適切な組織体制の構築を求めるべく、昨年十月、行政手続法に基づく弁明の機会の付与を行ったところでございます。
 これに対して、化血研からは弁明書の提出があったため、現在、厚生労働省では、化血研に対して、化血研が提出した弁明書の内容の具体的な根拠を照会するなど、行政手続法の趣旨にのっとった対応を行っているところでございます。
 また、熊本地震による化血研製剤の供給への影響でございますけれども、血漿分画製剤につきましては、昨年の九月末までに設備復旧が完了し、出荷を再開しているものと出荷に向けて調整しているものがあるとの報告を受けておりますけれども、他社製品の流通により全国的な不足は生じない見込みでございます。また、ワクチンにつきましては、一部製品の出荷が一時的に停止する等の影響が生じておりますけれども、いずれのワクチンにつきましても、他社製品の流通により全国的な不足は生じない見込みでございます。
 以上でございます。
#8
○川田龍平君 この質疑通告は月曜日に行っていたんですが、一昨日、早川理事長が辞任されたと聞き、大変びっくりしています。
 早川理事長は、血液製剤の不正製造問題を受け、昨年、外部から登用されたばかりでした。組織運営改革に取り組んでいる真っ最中でのこの急な辞任というのは大きな影響が出るのではないかと心配していますが、大丈夫なのでしょうか。
#9
○政府参考人(神田裕二君) 化血研の組織運営改革の現状についてでございますけれども、化血研におきましては、昨年の六月、ただいま御指摘ございましたように、理事会メンバーを全て外部出身者に入れ替えているところであります。また、昨年の八月には、監事について化血研出身者から外部の出身者に交代をしております。また、九月には、評議員会について化血研出身者を含まない構成に見直しするなど、一定の組織体制の見直しを実施してきたというところでございます。
 また、先生御指摘のように、一昨日、化血研において理事会が開催されまして、理事長の交代による新たな体制が発足しているところでございまして、今後、この動向について注視していきたいというふうに考えております。
#10
○川田龍平君 次に、この化血研が一翼を占める血漿分画製剤の供給体制全般について、現状の御認識を伺います。
#11
○政府参考人(武田俊彦君) 安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律、いわゆる血液法では、基本理念として、血液製剤の国内自給の確保と安定的な供給を行う旨が規定されておりまして、国といたしましては、日本赤十字社や内資系製薬企業三社と共に国内自給の確保等に取り組んでいるところでございます。
 平成二十七年度の現状でございますけれども、血液由来の第[因子製剤や第¥因子製剤等では国内自給率一〇〇%となっております。また、免疫グロブリン製剤では国内自給率約九六%となってございます。一方で、アルブミン製剤につきましては国内自給率約五六%となってはおりますけれども、内資系製薬企業三社では需要に対応できない血漿分画製剤は、外資系製薬企業により提供されていることから安定供給に支障はないという状況になっているところでございます。
 厚生労働省といたしましては、血液法の理念である国内自給と安定供給が行われるよう、昨年十月に取りまとめられた血漿分画製剤に関する産業政策の提言であるワクチン・血液製剤産業タスクフォース顧問からの提言を踏まえまして、内資系製薬企業三社の競争力を強化するための対応策などについて検討しているところでございます。
#12
○川田龍平君 この血液の安定供給については、私は非常に薬害エイズの被害者として、大変、この外資系企業がどの程度参入するのか、それとも国内自給を守るのか、非常にそういった意味では、特に国内製造メーカーをどのように、まあ守ると言うとあれですけれども、いかにこの安定供給を確保するのかということも必要な観点ですので、本当にそういう意味ではこの問題は非常に慎重に慎重に考えなければいけない問題だと思っています。
 私は、この化血研の今後のあるべき組織体制、特に事業譲渡について大臣に伺いたいと思います。
 今回辞任された早川理事長は、今年の一月十九日の熊本日日新聞のインタビューに対して、株式会社では中長期的に不採算部門を抱えることは難しいと、一般財団法人なら不採算部門を抱えつつも経営体として成り立つと述べておられました。
 私は、今このガバナンスの問題もありますけれども、今後もこういった、大臣は化血研の株式会社にこだわっているようですけれども、熊本に残ってほしいという地元の要望なども踏まえて、本当に株式会社というだけが唯一の道なのか、大臣の現時点での見解を伺いたいと思います。
#13
○国務大臣(塩崎恭久君) 化血研に対しましては、薬事制度の根幹を揺るがす極めて悪質な行為を行ったことはもう事実でございまして、事案発覚当初から私どもは製造販売業許可取消しに相当するものと判断をして、化血研としての医薬品製造販売業の継続を前提としない体制の抜本的な見直しを指導をしてきたところでございます。
 一昨日、この化血研におきまして理事会が開催をされて、理事長の交代による新たな体制が発足をしたというふうに承知をしておりますが、今回の動きが、大事なことは、やはり、強固なガバナンス体制並びに厳正なコンプライアンスの体制の下で、化血研における医薬品の品質保証の強化であったり安定供給の確保、これにつながるということを一番私どもは期待をしているわけでありまして、そのような方向で今後改革が進むということを私どもは確認をしてまいりたいと思っています。
 組織についてはいろいろな考え方があろうかと思いますが、大事なことは、なぜ、今回のような不正を長年にわたって、厚生労働省をだますというようなことを組織ぐるみでやるようなことがなぜできてしまうような組織だったのかということを考えた上で、最もガバナンスの利く、そしてコンプライアンスの体制が強化できる、そういう体制を選んでもらいたいと考えているわけでありますので、今後そういう方向でどういう形を選ぶかというのは、それは民間である化血研が決めることではありますが、そこを確実に、このような、今回起きたようなことが起きない体制を守るためにどう組織を持っていくかということをよく考えてもらいたいと考えています。
 厚労省としては、大事なことは、ワクチン、そして血液製剤が安全で確実に安定的に供給される。血液については、先ほどのお話のとおり、これは国内の供給、国内供給、自給と安定供給が特に大事だということを申し上げましたが、こういうこの産業として、そしてまた研究開発の体制、さらには生産体制、これをしっかりと強化をして、私ども頂戴をいたしておりますワクチン・血液製剤産業タスクフォースの指摘がありますので、これに沿って組織体制の改革を進めて、事業譲渡を速やかに実現するように指導を継続してまいりたいと考えております。
#14
○川田龍平君 私は、株式会社が必ずしもガバナンスが利いているとは思わないんですね。東芝の事件などもありましたし、外部監査が入ったとしても、それがやっぱりコンプライアンスにちゃんとつながっていないというような事例もあります。そういう意味では、やっぱりしっかりとした体制をいかにつくっていくかということは一つの道だけではないというふうに思っております。
 では、法案の審議に入ります。
 今回の医療法改正では、ゲノム医療の実現化に向けた検体検査精度確保の問題、東京女子医科大学病院や群馬大学での患者死亡事件などを受けての特定機能病院のガバナンスの問題、美容医療に関する消費者トラブルの発生を受けての広告規制の問題などが重要課題とされました。いずれも重要な問題であり、必要な改正であるので、改正法案には賛成をいたします。しかし、患者の安全確保、医療の適正化という観点からは、今回の改正案は全く不十分です。
 まず、特定機能病院におけるガバナンスについて伺います。
 私が問題にしてきた、これまでも何度も取り上げてきましたけれども、聖マリアンナ医科大学病院においても、薬の臨床試験に参加したために不適切な抗精神病薬の治療を受け続けた患者が、五年間仕事と生活を失ったとして実名を公表いたしましたが、自らのデータの利用停止を大学に求めたのに対し、医療安全部門と研究推進部門が結託をして患者データを隠蔽し、患者にうそをついたという問題があり、私立大学のガバナンスの問題の解決は急務だと考えております。しかしながら、この聖マリアンナ事件が示すことは、ガバナンスの強化だけでなく、もっと根本的な組織的な構造が原因になっているということではないでしょうか。
 従来、大学病院の使命は、教育、診療、研究の三本柱であるとされてきました。診療に割かれる時間が多過ぎるために教育、研究が充実しないことが問題だとされていますが、その一方で、近年の不祥事のみならず、旧来の大学講座制への批判として、大学の権力構造、研究業績を積むことばかりが評価される体制が診療能力の低い医師による不適切な医療や事故を招くと指摘され、三つの機能の分離が必要だとの主張もされています。ディオバン事件も、群馬大学、東京女子医大の患者死亡事件も、診療に忙殺される医師が実験的な未確立の手術や製薬会社から研究資金を得るための活動に終始しなければならないという中で起こっています。
 そこで、大学病院のガバナンスについて、この開設者と管理者の独立ということだけではなく、診療、教育、研究の三本柱のそれぞれの機能を明確化し、研究を主とする病院に研究のリソースを集中させ、診療に忙殺しないでもよい環境を整備する。そして、診療を主とする病院では、製薬会社の資金稼ぎのために意義の低い研究に従事することなく、標準的な治療を提供できる体制を確立すべきではないでしょうか。
 この診療と研究の分離という課題について、大学病院のガバナンスの点からどう考えるかを伺います。
#15
○政府参考人(神田裕二君) 特定機能病院の大宗を占めます大学病院におきましては、先生御指摘のとおり、医学教育、医学研究、高度な医療の提供という三つの役割を担っているところでございます。最新の医学研究等から得られる知見に基づきまして患者の方々にとって必要かつ高度な医療を提供するとともに、その診療から得られた医学的知見を研究や論文を通じて国内外に発表し、また医学生に対して教育をするということで医学の発展に尽くすという使命を有しているものというふうに理解をしております。このため、これらの機能を分離、独立させることについては、これまでの特定機能病院や大学病院が果たしてきた役割を踏まえた議論が必要になるというふうに考えております。
 今回の法案におきましては、特定機能病院がこれら三つの役割を担うことを前提にいたしまして、患者の安全が何よりも優先されるべきであるという考え方から、患者の安全を第一とする高度な医療安全管理体制の確保を特定機能病院の承認要件に追加をしております。
 また、医療安全の確保に責任を負う特定機能病院の管理者には、選挙等でない透明な選考プロセスにより、出身等を問わず、医療安全管理について十分な知見を有し、継続したリーダーシップを発揮できる者が選任される必要があるというふうに考えております。このようにして選任された管理者が、権限と責任を持って病院の管理運営に取り組めるよう、管理者の医学部との関係や管理運営に係る権限を明確化する必要があるというふうに考えております。
#16
○川田龍平君 次に、医療安全の取組について伺います。
 本法案は、特定機能病院の省令改正とセットで医療安全を確保することが目的の一つにあると理解しています。
 法案では、医療の安全の確保に関する監査委員会を設置することが義務付けられています。ただ、この監査委員会の指摘事項を病院の管理者なり開設者なりが真摯に受け止めて実行に移せるかというのが問題になります。監査委員会の実効性の担保はどうするかについて教えてください。
 また、監査委員会には医療安全の専門家の活躍が期待されると思いますが、そもそも医療安全の専門家というのは十分に育成されているのでしょうか。
 また、病院長のガバナンスを強化するだけでは医療安全の確保はできないのではないでしょうか。病院長が多職種から上げられる医療安全への声に耳を貸すだけの度量があるかどうかによるのではないでしょうか。本法案は、病院長に医療安全への知識を求めていますが、第三者や専門家の意見を聞く能力を求めていません。であれば、ガバナンスの強化は、医療安全の確保にかえって負の遺産となり得るのではないでしょうか。
 そもそも医療安全教育は、医療法上、特定機能病院ではこれまでも実施されてきたわけですが、東京女子医大や群馬大学の例を見ても明らかなように、それが十分に機能していないわけです。したがって、この医療安全教育の質の向上も急務だと思います。
 医療安全の確保について、監査委員会の実効性、病院長の資質、医療安全教育の質の向上などについて、考えられる予算措置なども含めて御説明ください。
#17
○政府参考人(神田裕二君) 監査委員会の実効性等についてのお尋ねでございますけれども、監査委員会につきましては、昨年六月の省令改正におきまして、医療安全に関する監査委員会の設置を特定機能病院に義務付けております。
 委員の過半数について、病院と利害関係のない者から選任をすること、委員には、医療安全管理の有識者や医療を受ける立場の者などを含むこと、医療安全管理責任者等の業務の状況について管理者などから報告を受け、必要に応じ医療安全管理について是正措置を講ずること、また、その監査結果については公表することなどを要件としているところでございます。
 医療安全管理の有識者について十分確保できないのではないかというお尋ねでございますけれども、医療機関において医療安全に関する業務に従事した経験を持つことによりその要件を満たすこととしておりますので、要件を満たす者は一定数は確保できるものというふうに考えております。
 また、監査委員会の設置は本法案により開設者の義務というふうになりますので、仮に開設者がこれらの措置を適切に講じていない場合には、病院に対する指導や特定機能病院の承認の取消しなどの措置が可能となるなど、これまで以上に実施の担保が可能になるものというふうに考えております。
 病院長の資質につきましては、本法案におきまして、特定機能病院の開設者に対して、病院の管理運営業務の遂行に当たって、医療安全の確保、組織管理に必要な能力、経験を有する者を管理者として選任することを義務付けております。これによりまして、医療安全管理業務の経験や患者の安全を第一に考える姿勢と指導力を持った管理者が選任されることになるものというふうに考えております。
 また、医療安全教育についてお尋ねがございましたけれども、特定機能病院におけます医療安全教育につきまして、職員研修におきまして、昨年六月の承認要件の見直しにおきまして追加をされました特定機能病院の医療安全管理に関する事項、具体的には、高難度新規医療技術の導入ですとか未承認新規医薬品の導入等の審査の手続等でございますけれども、こういった項目ですとか、監査委員会から意見の表明があった場合における当該意見に関する事項を研修の中で取り上げることとしていること、また、管理者、医療安全管理責任者、医薬品の安全管理責任者、医療機器の安全管理責任者等が定期的に医療に係る安全管理のための研修を受けることを義務化しております。
 この管理研修の実施につきましては、平成二十九年度より予算措置をして国として研修を実施することとしているところでございます。
#18
○川田龍平君 医療安全は患者の命を守る大変大きな肝です。法律だけを作っても、中身がなければ何も変わりません。これまでと具体的に質的にどのように向上していくのかを説明する責任があると思います。裁量行政でもって全て役人に任せるというのではなく、国会の議論の場で政府の具体的な施策を示す準備をしていただきたく思います。
 次に、医薬品安全管理の確保についてですが、病院において医薬品の安全管理を担う医薬品安全管理責任者は医師がなることも認められていますが、薬の専門家でもある薬剤師にするべきではないでしょうか。
 特定機能病院ではありませんが、福山市の福山友愛病院の事例では、開設者たる医師が使用期限が迫った医薬品を不適切に処方し、これに異議を唱えた薬剤師の意見を取り合わなかったと聞きます。薬剤師は薬の専門家として客観的に意見を述べるだけの力量がありながらもしかるべき地位になく、意見を取り上げられることもなかったことになります。
 外来にあっては、薬剤師の専門性を評価し、ダブルチェックという医療安全推進の立場から医薬分業を推進しておきながら、院内においては、その医療安全の推進に薬剤師の活用を明文化しないのは二重行政ではないでしょうか。
 文科省によれば、国立大学附属病院については医薬品安全管理責任者たる薬剤部長はほぼ薬剤師が就いているそうですが、こういう実態を考えるのであれば、ここは医薬品安全管理責任者の任用規程に、少なくとも特定機能病院にあっては原則として薬剤師であることを明記すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
#19
○政府参考人(神田裕二君) 特定機能病院におけます医薬品の安全管理に対し、薬剤師が適切に関与することは大変重要なことであるというふうに認識いたしております。
 昨年六月の特定機能病院の承認要件の見直しにおきまして、医薬品安全管理体制の強化として、薬剤師が主体であります医薬品安全管理責任者の下に、医療安全管理部門に専従の薬剤師を配置すること、医師の処方した医薬品の使用に関して医薬品安全管理責任者から指名された薬剤師等が未承認や禁忌などに当たるか否かの把握を行い、これに該当する場合には処方の必要性や妥当性を検討し、処方する医師に処方変更を提案すること、未承認の医薬品や禁忌薬を用いた医療を新たに提供する際に、その実施の適否について審査を行う委員会の構成には薬剤師が入ることとした導入プロセスの整備などの要件を新たに設けたところでございます。
 特定機能病院における医薬品安全管理責任者の実態でございますけれども、平成二十七年の調査によりますと、一名の医師を除いて全て薬剤師というふうになっておりまして、先生、職種限定してはどうかという御提案でございますけれども、職種の限定は現在行っておりませんけれども、実質的には薬剤師がその知識を生かして医薬品安全管理責任者として中心的な役割を果たしていただいているものというふうに考えております。
#20
○川田龍平君 ほとんどの特定機能病院が実際には薬剤師を任用しているということですから、現状のような医薬品の専門知識を有するというような曖昧な規定ではなく、明確に薬剤師と規定する時期に来ていると思います。薬学部を六年制にして薬剤師の専門性を高めるためにどれだけの予算を使って、また多くの若者がその未来を信じて薬学部の門をたたいているというにもかかわらず、医療の現場では医薬品安全管理責任者には医師もなれるというのでは、何のために六年制にしたのかさっぱり分かりません。薬のことは薬の専門家に任せるべきですので、法案では多職種連携というのをうたっているのですから、専門性をきちんと評価すべきだと思います。
 次に、衆議院での質疑で、プロポフォール製造販売会社から東京女子医科大学へ一年間に一千万近い原稿等執筆料の提供があったことを厚労省が日本製薬工業協会の公表資料から提示した一方で、大学への資金提供状況を国立大学から把握する、私立大学については今のところ着手するとは明確に言えない、関係者と協議して検討すると答弁をしています。なぜ国立大学と私立大学との格差を付けるのでしょうか。
#21
○政府参考人(浅田和伸君) 大学病院における民間企業等からの資金提供状況についての情報公開を適切に行うことは、両者の関係に対する社会的信頼を確保するため重要であると認識をしております。このような観点から、現在、日本製薬工業協会のガイドラインに基づいて、大学病院等に対する資金提供状況の公表が行われていると承知しております。
 これらの資金提供状況についての情報公開を適切に行うなどの臨床研究法が先般成立し、製薬企業等に対し資金提供の情報公開が法律上義務付けられたことにより、大学病院等に対する資金提供状況に関する情報公開が一層進展することが見込まれるところでございます。
 文部科学省としては、大学病院と企業との関係に対する社会的信頼を確保する観点から講ずべき対応の在り方について、今後、臨床研究法に基づく情報公開の状況を十分踏まえつつ検討してまいりたいと考えておりますが、その際には国立大学病院だけではなく公私立大学病院も含めた対応の在り方について適切に検討してまいりたいと考えております。
 なお、先般、衆議院の厚生労働委員会において、樋口大臣政務官から、当面、国立大学病院における資金提供の現況について、国立大学病院関係者と協議の上、早急に調査に着手したいと述べられた趣旨は、国立大学病院においては、平成二十六年六月に企業等からの資金提供状況の公表に関するガイドラインを自主的に策定し、このガイドラインに基づいて企業等からの資金提供状況について既に公表を行っていることから、まずはこれらの状況も踏まえた上で公私立大学病院も含めて講ずるべき対策を検討したいという趣旨でございます。
#22
○川田龍平君 格差を付けないということであるならば、早急に全国医学部長病院長会議とも協議を開始し、私立大学についても企業資金提供のガイドラインを作成して、国立大学での着手時期から余り日がたたないうちに調査に着手すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#23
○政府参考人(浅田和伸君) さっき申し上げましたとおり、国立大学病院だけではなく、公私立大学病院も含めて考えていきたいと思います。
#24
○川田龍平君 早急に着手していただきたいと思います。
 東京女子医大について製薬協の公表情報からも調べたのであれば、聖マリアンナ医科大学についても同様に調査していただけませんでしょうか。文科省、ちょっとお願いします。
#25
○政府参考人(浅田和伸君) 全体としてこの対応の仕方を考えてまいりたいと思います。
#26
○川田龍平君 済みません、是非よろしくお願いいたします。
 聖マリアンナ大学が一月に公表した臨床研究に関する倫理指針違反についての調査報告書によれば、研究推進部門と医療安全部門が加害者である医師とともに協議して臨床試験データ原本を破棄したという虚偽の報告を行ったということですから、これは両部門がぐるになって結託した最悪の事態と、診療機能と研究機能の独立性が保持されていないことの証拠だと考えられますが、両部門の責任者の不利益処分は行われたのでしょうか。
 また、このような体制に対する一連の再発防止策をいつまで待つつもりなのでしょうか。長引くようであれば特定機能病院の取消しも検討する必要があると考えますが、いかがでしょうか。
#27
○政府参考人(神田裕二君) 議員御指摘のとおり、聖マリアンナ医科大学附属病院の精神科におきまして実施された臨床研究において、患者から求めのあったカルテと研究データの開示請求について、研究者と医療安全管理室の担当者らが虚偽の報告を行ったということが判明しております。
 これについて処分を行ったのかということでございますけれども、医療安全管理部門の責任者である病院長に対して厳重注意、研究推進部門の責任者である学長に対して戒告の処分を行い、また、実際の開示請求に対する虚偽の報告に直接関与をした者については、研究者である医師については懲戒休職二か月、医療安全の担当者、また研究推進の担当者については厳重注意の処分を行ったという報告を受けているところでございます。
 また、再発防止についてどうなのかということでございますけれども、昨年三月のこの病院におけます臨床研究の不適正事案に対しまして、事案の全容解明のための第三者委員会の設置と改善方策についての報告を求めたところ、本年二月の第三者委員会からの報告書の公表を受けまして、同月に病院に対しまして立入調査を実施するとともに、三月三十日に病院に対して過去五年間の全ての臨床研究の点検を指示することと併せまして、臨床研究に関する指針等の遵守を徹底させるための指導体制を含め、臨床研究を適正に遂行するための学内での体制の整備、臨床研究における学内教育の徹底などの再発防止策について、具体的な対応方針と現時点における取組状況の報告を指示しているところでございます。
 現在、指示に対する病院からの回答を待っているところでございますけれども、厚生労働省としては、病院からの回答を踏まえて必要な措置を検討していきたいというふうに考えております。
#28
○川田龍平君 是非早急に報告が出るように、是非早く取り計らっていただきたいと思います。
 報告書の再発防止策の中には、医療安全と研究推進が結託したという最重要問題について十分に触れられていないことを改めて指摘しておきます。私は、この点についての再発防止策が最重要課題だと考えており、厚労省と文科省にその認識がないのであれば、後日改めて質問をさせていただきます。
 研究対象者の患者さんへの丁寧な説明を行うよう指導していると思いますが、その患者さんから求められている報告書で言及されていないもう一つの論文の撤回について、現状はどのようになっているでしょうか。
#29
○政府参考人(神田裕二君) 御指摘は、聖マリアンナ医科大学病院の医師が、既に同意を撤回している研究対象者であった患者のデータを用いた論文を引用して作成をいたしました研究概要に関するものであるというふうに承知をいたしております。
 厚生労働省としては、今年の四月に、同病院に対しまして研究概要の該当部分の修正又は撤回を行うように指導を行っており、現在、病院において、この医師に対し、掲載された学術誌に研究概要の修正又は撤回を求めるよう勧告をしているというふうに聞いております。さらに、仮にこの医師が研究概要の修正又は撤回の申入れを行わない場合には、病院から学術誌に対して直接研究概要の修正又は撤回を申し入れることを検討しているというふうに報告を受けております。
#30
○川田龍平君 この論文がガイドラインの参考になっているというようなこともあるそうですので、是非しっかり、論文の方を取り下げるのであれば、修正なり取下げをしっかりしていただきたいと思います。
 先般の臨床研究法の審議過程で、群馬大学病院での腹腔鏡手術による患者連続死亡事件について、実験的医療であるため事前の倫理審査が必要だったのではないかと質問したところ、研究とみなして、事前の審査を必要とするものではなく、事後対応としての医療安全を求めるべき案件であるとして、高難度の新規の医療技術を施設において最初に導入する時点に限った事前評価制度が特定機能病院に限って義務付けられました。
 今回、衆議院での附帯決議で、高難度新規医療技術の実施状況、有効性、安全性の評価状況の把握に努めることが明記されましたが、把握するだけでなく、その結果を特定機能病院の認定取消しに反映させるべきと考えますが、いかがでしょうか。
#31
○政府参考人(神田裕二君) お尋ねの点につきましては、昨年六月の省令改正におきまして、特定機能病院が高難度新規医療技術を用いた医療を提供する場合には、診療科の長は、担当部門に対して、あらかじめ、高難度新規医療技術と既存の技術を比較した場合の優位性、また提供する医師の経験等を記載した書類を提出し、これを確認の上、担当部門が評価委員会の意見を踏まえて提供の適否を検討することとされております。また、その技術によって患者が死亡した場合等には、担当部門が手術記録等を確認し、適正な手続に基づいて提供されたかどうかなどを確認するというプロセスを踏むことを特定機能病院の承認要件に追加をいたしまして、この四月から施行されているところでございます。
 各特定機能病院においてこの高難度新規医療技術を用いた医療を提供する場合のプロセスが適正に実施されているかどうかにつきましては、各病院における高難度新規医療技術の申請から導入に至るまでの審査などの状況、高難度新規医療技術に関連した死亡事案が発生した後の対応状況などを毎年立入検査時に確認をし、適正に実施されていない場合には改善を指導し、改善が見られない場合には特定機能病院の承認の取消しを検討するなど、適切に対応していきたいと考えております。
#32
○川田龍平君 今回、特定機能病院のガバナンスに焦点が当てられましたが、特定機能病院に限らず、一定規模以上の病院については、開設者による管理者権限の明確化、管理者の選任方法の透明化、厳格な監査の実施などを含むガバナンス体制の確立が特定機能病院にも増して重要ではないでしょうか。規模の大きな病院で、特に一族経営の病院などで会計監査が機能しておらず、病院の資産であるとして外国車を度々買い換えたり、愛人にマンションを与えたりといった事例があると聞いています。こうした病院では、経営者が病院を私物化し、一般の勤務医や看護師その他の職員の待遇は改善せず、不当な解雇を言い渡したり、勤務医が愛想を尽かして次々と離職をしたりといった状況が続いています。これは病院の安定経営に反することであると考えます。
 衆議院の附帯決議では、ガバナンス体制確立のための厚労省令を特定機能病院以外に対しても適用することの適否の検討を求めていますが、一定規模以上の病院にはガバナンス体制を求めて当然ではないでしょうか。
#33
○政府参考人(神田裕二君) 先生御指摘のとおり、特定機能病院に限らず、全ての病院に医療安全の確保は重要な課題であるというふうに考えております。
 現在、病院等の管理者は、医療安全確保のための指針の策定、医療に関する安全管理のための委員会の開催、従業者に対する研修の実施といった医療安全の措置を講じなければならないということにされております。
 大学病院におきましては、医療安全に関する重大な事案が相次いで発生したことを受けまして、特に特定機能病院においては、高度の医療の提供、高度の医療の開発、評価、高度医療に関する研修という三つの役割を有しており、組織、事業規模が大きく、かつ複雑なガバナンス構造を有していることから、医療安全管理体制に係る承認要件の見直しを行うとともに、今回の医療法改正案におきましてガバナンス改革にも踏み込むこととしたところでございます。
 一方で、それ以外の病院についても今回と同様のガバナンス体制を義務付けしてはどうかということでございますけれども、特定機能病院以外の病院に関しましては、開設者と管理者が同一である、個人病院などはそうなりますけれども、そういう場合が多いなど、特定機能病院の置かれた組織の状況と大きな違いがあること、また様々な規模の病院があることなどから、直ちに特定機能病院と同様の要件を課すことは難しい面があるというふうに考えております。
 まずは、今回導入いたしました特定機能病院の管理体制の状況を踏まえながら、それ以外の病院につきましてどのような方策が考えられるか検討していきたいと考えております。
#34
○川田龍平君 医療法人は剰余金配当を禁止されているにもかかわらず、一般職員の待遇が改善されないままに、病院開設者が一族経営である場合の家族らが経費と称して高額な資産の個人的使用を可能にしているという実情については財務状況を調査すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#35
○政府参考人(神田裕二君) 先生御指摘のとおり、医療法人につきましては医療法の五十四条の規定によりまして剰余金の配当を禁止されておりまして、剰余金は積立金として内部に留保して、医療への再投資ですとか、先生今御指摘ございました職員の処遇改善等に充てるという仕組みになっております。
 医療法人の財務状況につきましては、先ほど不適切な経理があったということで例示がございましたけれども、まずは医療法人の監事が法人の業務や財務状況について内部監査を行い、毎会計年度に監査報告書を作成するというふうになってございます。
 また、前回の医療法改正におきまして、負債五十億円以上又は収益七十億円以上の医療法人につきましては、二十九年の四月より公認会計士又は監査法人による外部監査の実施が義務付けられており、医療法人の適正な会計管理を行っているところでございます。
 さらに、これらの会計監査も含めまして、医療法人は毎年度事業報告を監督官庁でございます都道府県に対して行うこととされておりますので、都道府県が医療法人の経営状況や財務状況を把握し、必要に応じて立入検査、改善措置命令、場合によっては法人業務の停止命令等の是正措置を講ずることとされているところでございます。
 こうしたことによって、経理の適切性についてしっかりと担保していきたいというふうに考えております。
#36
○川田龍平君 これは、自治体任せで厚労省がこのような実態を全く存じないということでは問題ではないでしょうか。是非、大臣、まず実態をこれ把握していただきたいと思いますが、聞いてもよろしいでしょうか。
#37
○国務大臣(塩崎恭久君) 医療法人についての今、剰余金の配当等々あるいは資産の活用の仕方についての御指摘がございました。
 非営利でやっていただいている医療ということでありますので、私どもとしては、絶えずその原点を忘れることなく、よく見ていかなければいけないというふうに思っております。
#38
○川田龍平君 ありがとうございます。是非よろしくお願いします。
 衆議院での審議では、美容医療に関しての広告と消費者トラブルについても議論され、広告、情報発信に対する監視を強める旨の答弁もありました。
 しかしながら、消費者のクレームの問題だけではなく死亡事故を含む健康被害が起こっており、厚生労働省では美容医療における死亡事例を含む事故の系統的調査を行っているのでしょうか。行っているのであれば、最新の調査概要についてお教えください。
#39
○政府参考人(神田裕二君) 現在のところ、美容医療に焦点を当てた健康被害についての調査ということは行っておりません。ただ、平成二十七年の十月に開始いたしました医療事故調査制度では、病院等に勤務する医療従事者が提供した医療に起因し、又は起因すると疑われる死亡、死産であって管理者が予期しなかったものを医療機関が医療事故として第三者機関である医療事故調査・支援センターに報告することとされたところでございます。
 これまでのところ、まだ美容外科ですとか形成外科からの報告はないところでございますけれども、死亡事例等についてはこうした把握は可能となっております。
 また、今後、美容医療の関係団体が合同で参画しております美容医療連絡協議会におきまして、先生御指摘のような美容医療によります健康被害の実態把握の在り方について意見交換をしていきたいというふうに考えております。
#40
○川田龍平君 美容については被害者らが泣き寝入りするケースも多く、美容については告発がまたされにくいということで実態把握が難しいかもしれませんが、美容に関する医療事故訴訟や新聞報道に関して系統的に調査した学術論文なども発表されていますので、是非目を通していただきたいと思います。平成二十五年以降、二千件以上そういった消費者センターにも相談が上がっておりますので、是非しっかり調べていただきたいと思います。
 美容外科分野で巨額の収益を上げている個人や医療法人があることは私も皆さんも周知の事実だと思いますが、大臣はそういう認識をお持ちでしょうか。美容外科が巨額の利益を上げているのは医療法人ではないからなのか、医療法人であっても財務上の不正が疑われるような事象は発生していないのか、厚労省の御認識、把握しているところを教えてください。医政局長で結構です。
#41
○政府参考人(神田裕二君) 厚生労働省といたしましては、自由診療が中心であります美容外科の収益等については現在把握しておりません。また、美容外科を標榜する医療機関を開設している医療法人について財務上の不正が疑われたという事案について、現時点で特段の事案を把握はしておりません。
 ただ、医療法人におきましては、剰余金の配当は禁止しているものの、医業収益の多寡のみをもって問題とはしていないところでございますけれども、法人の運営が著しく適正を欠く疑いがある場合につきましては、都道府県知事による立入検査、改善措置命令、法人業務の停止命令等の是正措置がございますので、情報の入手等に応じてこうした措置を講じていきたいというふうに考えております。
#42
○川田龍平君 最後に、広告規制に関して、前回に続きバイエル薬品のイグザレルトの患者調査に関して伺います。
 ディオバン事件の判決では学術論文が広告に当たらないとのことでしたが、今回、バイエル薬品が資金提供し、その社員が下書きをしたことが明らかになっているこの調査論文自体、薬機法上の広告に当たるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
#43
○政府参考人(武田俊彦君) 医薬品それから医療機器の広告等につきましては、国民の保健衛生上の危害防止のため、虚偽又は誇大なものや薬事承認を受ける前の広告を禁止するなど、医薬品医療機器法に基づく規制を行っているところでございます。
 具体的には、医薬品医療機器法第六十六条におきまして、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述することを禁止しておりまして、私ども厚生労働省といたしましては、論文という形態であっても広告又は記述に該当するというふうに判断をしており、御指摘の調査論文につきましてもこの対象に当てはまるのではないかというふうに考えているところでございます。
#44
○川田龍平君 ありがとうございます。
 前回も取り上げたように、今回新たに十二例もの副作用があったことを踏まえれば、アドヒアランスが九割を超えるという調査結果を販促資料とすること自体、薬機法上の虚偽・誇大広告の可能性があるのではないでしょうか。
#45
○政府参考人(武田俊彦君) バイエル薬品に対しましては、今般、副作用報告遅延の事案に関連いたしまして報告命令を出しております。その中で、イグザレルト錠の副作用報告遅延症例十二例に関しましても、副作用の発現状況や副作用発現後にイグザレルト錠の服用を継続したかどうかも含めまして、詳細な情報について把握をしてまいりたいと考えております。
 その上で、厚生労働省といたしましては、調査論文の内容が虚偽、誇大な事案に当たるかどうかにつきましては、予断を持たずに判断をしてまいりたいと考えております。
#46
○川田龍平君 この調査論文で引用されている患者調査を行ったとされる健康日本21推進フォーラムという団体について、これまでの活動への評価や、今回急に解散した経緯について、どのような見解をお持ちでしょうか。大臣、お願いします。
#47
○国務大臣(塩崎恭久君) インターネット上の情報を見る限りでは、健康日本21推進フォーラムというこの団体は、国民の健康増進の啓発を行う任意の団体であったというふうになっております。厚生労働省が推進をしております国民健康づくり運動であります健康日本21、この名を使用はしておりますけれども、厚生労働省が直接監督する団体ではなく、全く任意の団体でございます。これまでの活動や解散した経緯については特に承知をしていないところでございます。
#48
○川田龍平君 この健康日本21という、これ厚労省がやっていることですよね。この厚労省がやっている大看板を汚されたわけですから、厚労省はもっと怒るべきではないでしょうか。
 ちょっと最後にお願いしますが、前回の医政局長答弁に関し、臨床研究の定義について一問だけ伺います。
 臨床研究法の審議でも自民党の古川議員なども指摘されていましたが、日本だけパッチワークのような法規制になってしまいました。臨床研究の倫理指針と疫学研究の倫理指針を統合して人を対象とする医学系研究の倫理指針ができたことで、この指針の対象研究は全て臨床研究とみなされることになったと思っている人が多いと思うんですが、これは事実誤認でしょうか。医療法第四条にある臨床研究と臨床研究法における臨床研究とでは定義が異なり、現場に混乱を生んでいるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#49
○政府参考人(神田裕二君) 臨床研究法の審議の際にもお答えしておりますけれども、臨床研究法における臨床研究の定義は、人に医薬品とか医療機器を用いることによってその有効性とか安全性を明らかにするための研究ということになってございます。
 ただ、臨床研究に関する倫理指針における臨床研究というものは、疾病の治療方法の改善等を目的として実施される研究であって、医薬品の投与や手術等の医療行為を伴う介入研究、これが一つでありますけれども、もう一つは介入は行わずに診療情報等を用いて行われる観察研究、このうち疫学研究を含まないものというふうに定義されております。
 また、疫学研究に関する倫理指針における疫学研究とは、地域ごとの疾病の発症率の違いなど特定の集団における健康に関する事象の発生頻度や分布などを明らかにする研究とされているところでございます。
 この臨床研究に関する倫理指針と疫学研究に関する倫理指針は平成二十六年十二月に統合されておりますけれども、この際、臨床研究と疫学研究を合わせて人に関する医学系研究というふうに整理したものでございまして、両指針の統合によって臨床研究の範囲が拡大されたというものではございません。
#50
○川田龍平君 終わります。ありがとうございました。
#51
○牧山ひろえ君 民進党・新緑風会の牧山ひろえです。
 本日は、同僚の川田議員に引き続きまして、政府提出の医療法等の一部を改正する法律案につきまして質問させていただきたいと思います。
 まず、医療に関する広告規制についてお伺いしたいと思いますが、現行の医療法は医療機関の広告を診療科名や診療時間などに限定しております。一方で、医療機関が開設したホームページは、利用者側が検索して閲覧するため、情報提供ですとかあるいは広報とみなし、同法上の広告規制の対象としていないんですね。
 今回、医療法を改正して、医療機関のウエブサイトなどについても虚偽、誇大などの不適切な表示を禁止し、中止・是正命令又は罰則を科すことができるよう措置することとされています。ただし、患者が知りたい情報が得られなくなるとの懸念などを踏まえて、患者による医療に関する適切な選択が阻害されるおそれが少ない場合、こういった場合は省令で限定列挙、規制の例外とすることができるというふうにされています。
 それで質問ですが、患者による医療に関する適切な選択が阻害されるおそれが少ない場合、こういった場合の判断のプロセスのイメージを教えていただきたいと思います。それから、省令でより詳しい基準を示していただいて、それに適合するか判断がなされるということでよろしいでしょうか。その要件適合は誰がどのように判断するのでしょうか。教えていただきたいと思います。
#52
○副大臣(古屋範子君) 牧山委員御指摘の要件につきましては、今後、医療関係団体や患者団体、消費者団体などの意見を聞きながら検討することとしておりまして、検討の結果を踏まえて省令やガイドラインをお示しすることを予定いたしております。
 また、この要件に適合していることの判断や、報告命令や是正命令の権限を有する都道府県が行うこととなりますけれども、この要件に適合することを容易に確認することができますように、新たな規制の内容や具体的な違反事例をガイドラインにおいて明確化をするとともに、広告に関する地方自治体の相談窓口を公表して相談しやすい体制を整えて、さらにネットパトロール等を通じて監督するなど、国としてもしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
#53
○牧山ひろえ君 そうしますと、規制の例外につきましては、事前の許可ということではなくて事後の形でチェックを想定されるということですね。限定の例外につきましては、これまでのトラブルの事情を十分に分析そして考慮した上で、患者さんなどが適切に判断できる情報が提供されるものとなるように慎重に検討することが求められると思うんですね。また、中立公正な判断が担保される判断プロセスが必要ではないかと考えます。また、信頼性を確保するためには、透明性ですとかあるいは一般ユーザーからの分かりやすさもやはり重要となってくるかと思いますので、是非御留意いただきたいと思います。
 医療法上の広告規制につきましては、国民からの苦情あるいは相談を受け、地方自治体が医療機関など広告主に対する指導を行うことになっています。この規制の執行の流れ自体は法改正後も大きく変わることはないと思うんですけれども、資料にお示ししましたように、広告規制の執行は地方自治体の衛生主管部局と消費者行政担当部局が連携して行うこととされています。
 地方自治体において、現在、規制がどのように執行されているのでしょうか。地方自治体に寄せられた苦情ですとか相談の件数、そのうち行政指導に至った件数や割合、それからまた、どのくらいの案件が複数の部局で情報共有しながら対応されているのか、厚生労働省が把握している現状を御説明いただければと思います。
#54
○政府参考人(神田裕二君) 現在の地方自治体における対応の状況についてのお尋ねでございますけれども、議員御指摘の地方自治体に寄せられた医療広告に関する苦情や相談件数についてでございますけれども、これは任意の回答に基づくアンケート調査を行ったものでございますけれども、平成二十六年度が六百十二件、平成二十七年度が三百五十七件というふうになってございます。そのうち、違反のおそれがあるものとして行政指導を要した件数と割合でございますけれども、平成二十六年度が二百二十件、三五・九%、平成二十七年度が百十八件、三三%となっております。
 また、都道府県、保健所に、先生の絵でいいますと都道府県の下に書いてございますけれども、都道府県とか保健所に設置されまして、患者、住民からの医療に関する苦情、相談への対応を行っております医療安全支援センターから消費者行政担当部局等に情報した件数については、平成二十六年度が八十一件、平成二十七年度が二十三件というふうになってございます。
 なお、平成二十八年には、更なる連携を図るために、都道府県に対しまして衛生主管部局と消費者行政担当部局との連携を改めて要請をしておりまして、今後もより緊密な連携が図れるように取り組んでいきたいというふうに考えております。
#55
○牧山ひろえ君 都道府県等には、現行の広告に加えて、医療機関のウエブサイトの不適切な表示への監視も、これも求められることになると思います。新たな規制の実効性を確保するためには、やはりその体制の充実、また強化が求められると思います。
 平成二十九年度予算では、ウエブサイトの監視体制の強化として国が外部委託で行うネットパトロール事業が計上されておりまして、これにより都道府県等の指導を支援することとされていますが、配付資料を御覧いただきたいと思うんですが、本措置の施行後におきましてもこうした取組を一層進めて、国が都道府県等の指導をしっかりと支援していく、こういったことが重要となります。
 このネットパトロール事業なんですけれども、これに関しましては、監視、パトロールなど能動的なアクションだけではなくて、一般の国民の皆さんからの通報あるいは相談も貴重な情報源にしなければならないと思うんですね。一般の国民の皆さんがホームページ上で不適切な内容の医療広告を発見したときには、全国で一元化された通報あるいは相談窓口を設置すべきと私は考えますが、いかがでしょうか。しかも、その一元窓口は、電話受付だけではなくてウエブ窓口も開設して、そしてウエブ上の操作でごくごく簡単に操作できる仕組みとすることもここで提案させていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。御見解をお伺いしたいと思います。
#56
○国務大臣(塩崎恭久君) 大事な御指摘をいただいたと思っております。
 医療機関のこのウエブサイトの取扱いを議論した検討会におきまして医療広告の相談窓口の周知が求められたわけでありまして、これを踏まえて、平成二十八年十月から、厚生労働省のウエブサイトにおいて地方自治体の相談窓口一覧のページを作成、公表をしているところでございます。
 さらに、今年度から厚生労働省として予算を確保いたしまして、厚生労働省が委託をいたしました専門機関、ここに、不適切なウエブサイト等を発見をし、その情報を医療機関の監督権限を有しております地方公共団体、ここに通報してもらい、そして地方公共団体がウエブサイト等の規制を、おかしなところを直さすというようなことでネットパトロールによる監視体制を構築をしているわけでございます。
 今、一元化などについての御提言を頂戴いたしました。この事業におきまして、厚生労働省の委託を受けた外部の専門機関が一元的な通報受付も行うこととしておるわけでございますので、その点も徹底をしてまいりたいと思います。
 そして、通報窓口に対して電話で国民の皆さん方から情報提供など指摘をできるようにということと、それから、ウエブで、メールで情報提供を国民からできるようにすべきじゃないかと、こういう御指摘をいただきましたが、そのように是非してまいりたいというふうに思いますし、またそのことを国民の皆さん方にお知らせをする、周知をするということも大事でありますので、そういうことで不適切なウエブサイトの適正化を医療機関についてしっかりと推進してまいりたいと思います。
#57
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。是非その方向でお願いしたいと思います。
 現在の厚生労働省のホームページに各都道府県、保健所設置市及び特別区における医療に関する広告の窓口一覧が掲載されていますけれども、現状のことを言いますけれども、残念ながら、分かりやすい、見やすいと、今の時点ですけれども、今はちょっとそういうふうには言えないと思いますので、しかも電話だけというのはやっぱり通報のハードルとなりますので、今大臣がおっしゃったように、ウエブ上でもいろいろ意見が言えて、そしてそれが反映できるようにハードルを低く下げて問題が見えやすくするということが重要だと思いますので、是非その方向でよろしくお願いいたします。
 厚生労働省が法改正に合わせて予算事業で行うとしているネットパトロールにつきましては、美容医療を含む医療機関が対象となるとされています。ですが、ネット上で医療に関する情報を提供しているのは医療機関だけではないんですね。去年の十一月、大手のIT企業が提供していた健康情報のまとめサイトにおきまして、根拠を欠く医療関連記事が多数掲載されていたことが発覚したんです。そのサイトは閉鎖に至るという、そういった事例がございました。
 医療機関でないものが医療や健康に関わる情報を掲載しているサイトはほかにも多く存在しております。全てではないんですけれども、こういったサイトによって不適切な情報が国民に流布され、被害をもたらすことも考えられます。国民にやはり正確な適切な医療情報を提供するために、このようなサイトに対する監視も絶対必要だと思うんですけれども、大臣の御見解をお聞かせいただければと思います。
#58
○国務大臣(塩崎恭久君) 今インターネット上で医療機関以外のものが医療や健康に関する情報を掲載をしているウエブサイトが多数存在をしているわけでございます。その中には、医師等の専門的な十分な監修がないままに、国民に対して極めて不正確な紛らわしい医療情報を流布しているというものも多々見られるわけでありまして、今回の改正によって医療機関のウエブサイトについてはこの医療広告の規制対象にもちろんなりますけれども、医療機関以外が運営をするウエブサイト、これについても、その中で、特定の医療機関への患者などを誘引する手段として情報を掲載をしているような場合が見られるわけでありますので、その場合は、当然これを規制の対象にしていこうということとなっております。
 今年度から、先ほどお話ございましたけれども、厚労省として予算を獲得した上で、専門機関に委託をして、不適切なウエブサイト等を発見した場合にはしっかりと、それを監督する地方公共団体、ここに通報をしてもらって、地方公共団体がウエブサイト等の記載内容を適正化するネットパトロール、これが有効に監視体制を構築するというふうにしてまいりたいと思っているわけでありますが、インターネットにおける医療情報の適正化については、今申し上げたような外部の専門機関の力も借りて、私どもとしてしっかり地方公共団体と組んでまいりたい、それでその適正化を進めてまいりたいと思っております。
#59
○牧山ひろえ君 先ほど申し上げました健康情報のまとめサイトのケースにおきまして、今年の三月に公表された第三者委員会の報告書によりますと、薬機法、医療法、健康増進法に違反する可能性があるとされたものがそれぞれ確認されております。それから、専門的な知見を持つ者による内容確認がなされなかったんですね。記事の法令適合性を担保する方策も講じられていなかったことが指摘されています。再発を防止する何らかの対策がやはり必要となってくるかと思います。
 また、厳密には広告ではないんですけれども、SEO対策の問題もあります。ネットで調べ物をする際に検索サイトを利用するケースが大部分ですけれども、この検索結果で上位に付けたいサイトの運営側は、お金を払ってSEOと言われる検索エンジン最適化対策を施します。その結果、情報が正確で情報量も豊富な優良サイトが必ずしも上位に来るというわけではなくて、よりSEOに費用を投じたサイトが上位に表示されるということになっています。ホームページの閲覧者にも当然、まあ上に行くわけですから、影響力を持つという結果となります。先ほど申し上げた、問題となった健康情報のまとめサイトも実は上位に表示されていたんです。
 このような医療情報に関するSEO対策については、どのような認識あるいは問題意識をお持ちでしょうか、大臣。
#60
○国務大臣(塩崎恭久君) 今はインターネットの時代でありますので、いろんな情報をインターネットを通じて国民が得るわけでありますから、そこに、特に人間にとっての基本である健康に関わる情報で不適切なあるいは適正性に欠く情報があるということは、これは除いていかなければいけないというふうに思います。
 これまで問題となった医療情報等のウエブサイトにおいて、検索エンジンにおける上位表示を確保する、情報の正確性をないがしろにした過度な検索エンジン最適化、SEOという手法というか、細工を凝らすというか、そういうものが取られているという批判がございます。そのことは私どももよく分かっております。
 この大手検索サイトがその細工によって上位ではないものを上位に持ってくるような形にされてしまうという格好になっているわけでありますので、この大手検索サイトの方も、SEOというこの手法を駆使して上位に表示されるということを企図している不適正なウエブサイトが上位に表示されないように取組を行っていると承知をしているところでございまして、この問題についての重要性を私たちもよく考えた上で対応してまいりたいというふうに思います。
#61
○牧山ひろえ君 SEOというのは、ある意味広告と同じような機能を果たしていると思うんですね。
 ちょっと御参考までに、ある大学での研究では、大手の検索サイトの検索で上位に来た約二百五十のサイトのうち信頼できるサイトが一割しかなかったという調査結果もございますので、まずは問題意識を持って現状の把握に努めるべきと考えます。
 医師以外の者が、施術所などにおいて、あんま、マッサージ若しくは指圧、はり又はきゅう、そして柔道整復を業として行おうとする場合には、それぞれの根拠法によって免許を取得しなければならないと規定されています。そして、無免許でこういった行為を業として行った者は、同法によって処罰の対象になるわけです。
 ところが、医業類似行為のうち、資格が必要な行為であるにもかかわらず、無免許で行っている違法な施術所が存在しております。厚生労働省や地方自治体は、国民に対して、利用の際には国家資格を持った施術者であることを確認するよう注意喚起を行っています。無資格でマッサージのような業務を行っている業者の広告やホームページがきっかけとなって、国民が施術による健康被害を受ける事例も実は多数あるんですね。
 そこで、無資格者の広告やホームページに対し、現行どのように対応しているのか、また、今後どのような方策を考えられるのか、教えていただければと思います。
#62
○副大臣(古屋範子君) 無資格者による健康被害や違法な広告につきましては、これまで、医学的観点から人体に危害を及ぼすおそれがあり医師法等に抵触するおそれがあるケースや、実際より著しく優良であることを示す表示や実際と相違する表示など不当景品類及び不当表示防止法に抵触するおそれがある広告につきましては、保健所等の関係機関とも連携をして、必要な措置を講じるよう都道府県等に対して依頼をいたしております。
 さらに、健康被害に関する相談や広告に関する苦情につきましては、消費生活センターに寄せられることが多いことから、平成二十八年二月に、消費生活センターなどから都道府県等に対しまして情報提供がされる体制の構築を図るとともに、悪質な事例につきましては、警察とも連携の上、告発等も検討した対応を行うことにつきまして都道府県等に依頼をしたところでございます。
 引き続き、このような取組を通じまして、無資格者の広告などに対する対策を広めてまいりたいと考えております。
#63
○牧山ひろえ君 無資格による施術がホームページの広告によって被害を拡大する危険性に着目しますと、取締りなどの強化も必要ではないかと考えます。また、正当な資格を有する柔道整復師、あんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師などのホームページを新たに規制強化する場合には、患者の選択に役立つ十分な情報提供ができるように配慮をしていただくことが必要だと思います。
 次に、妊産婦の異常の対応などに関する説明の義務化についてお伺いしたいと思います。
 今回の改正で、出張のみによってその業務に従事する助産師が、妊婦などの異常に対応する病院等を定めること、このことが義務化されます。自宅での分娩における母児の安全確保を図る観点から、この改正の方向性は私は評価できると考えます。ただ、出張助産師は、主として業務を行う場所が定まっていないということなどから、今までは義務化の対象外となってきました。
 ここで質問ですが、妊婦などの異常に対応する医師あるいは医療機関の嘱託引受先がないという問題は生じないのでしょうか。これは既存の助産所にも共通する懸念なんですけれども、助産所の場合、助産所と医師ないし医療機関との言わば包括契約であるのに対し、出張助産師の場合は妊産婦ごとの契約となる旨事前の御説明がありました。出張助産師の場合は、特に病院等との契約の負担が重いのではないかと心配しております。
 また、もう一つ質問ですが、そのような懸念に対する対策はお持ちなんでしょうか。
#64
○副大臣(古屋範子君) これまで、助産所に対しまして、嘱託医師と嘱託医療機関を確保するよう義務付けてまいりましたけれども、今般の改正によりまして、出張のみの業務に従事する助産師につきましても妊産婦ごとに異常に対応する医療機関の確保を義務付けました。このことにつきましては、現在、既に多くの助産師が連携する医療機関を確保していると承知をいたしております。
 医療機関の確保に当たりましては、助産師に過度な負担が掛からないようにすることが重要であります。今回の法改正の施行に際しましては、都道府県や産婦人科医師会等の関係団体と連携しながら医療機関への協力を依頼するとともに、助産師会が行う医療機関と助産所との仲介や助産所への相談援助業務への財政支援など必要な支援を行うことにより、助産所において連携する医療機関の円滑な確保につなげてまいりたいと考えております。
#65
○牧山ひろえ君 本措置には罰則が適用されることとなることから、異常に対応する病院などとなることを了承してもらえないと助産師は助産を行うことができなくなるんですね。そうした状況が生じないように、病院等にも積極的に受け入れるといった対応が求められますし、また政策的なバックアップも必要となってくると思いますので、よろしくお願いします。
 今回の措置は必要なものではありますけれども、当然、助産師の負担は増えることになります。また、嘱託先の病院サイドも受入れ体制を整備する必要があります。もちろん助産師や病院サイドにも前向きな御対応をお願いするとしても、国としてもこの連携に対して支援を行うべきと考えますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#66
○副大臣(古屋範子君) 助産所が嘱託医と嘱託医療機関を確保する際に医療機関が嘱託を引き受けやすくするため、これまで厚生労働省では、分娩を取り扱う助産所から嘱託を受けたことをもって嘱託医師と嘱託医療機関が応招義務以上の新たな義務を負うものではないことの周知や、嘱託を受ける際に医師の承諾書は不要であり、助産所が当該医師に嘱託した旨の書類を提出すればよいこととするなどによりまして医療機関の負担の軽減に努めてまいりました。
 さらに、今回の法案の施行に際しましては、都道府県や産婦人科医会などの関係団体とも連携をしながら医療機関への協力を依頼するとともに、これまでの取扱いを改めて周知することを通じて医療機関が助産所からの嘱託を引き受けやすい環境整備に努めてまいりたいと思います。
#67
○牧山ひろえ君 助産師や病院の負担が過重なものとならないように国としての支援をしっかりとやっていく必要があると思いますので、是非お願いします。おっしゃったような書面の工夫など手続面の簡素化も重要ですけれども、積極的に嘱託の引受けを行っている病院に対して財政上の評価なども、こういったことも取り入れて検討すべきではないかなと思います。
 また、分娩における急変時に助産師から医師や病院等へ適切な連絡がなかったことにより母児が死亡するようなケースの再発を防止するためには、病院等との連携、連絡の重要性など、分娩時における安全確保に向けた研修ですとか、あるいは本措置が適切に実行、実施されているかについての定期的なフォローアップ、こういったことが必要だと考えますので、是非よろしく検討していただきたいと思います。
 次に、持分なし医療法人への移行計画認定制度の延長につきましてお伺いしたいと思います。
 平成十八年の医療法改正によって、新設する医療法人につきましては持分なししか認めないこととされました。また、これまでの持分あり医療法人も持分なし法人への移行を進めることとされました。これは、以前、株式会社による医業経営の是非が議論となったことを受けて医療法人の非営利性を徹底するという考え方に基づいて行われた措置であると、このように承知しています。今回の改正により、役員数あるいは役員の親族、要件、医療計画への記載等の要件を緩和されたり贈与税の非課税対象が大幅に拡大したこと、こういったことに関しては率直に評価できるかと思います。平成に入って、規制改革の流れから株式会社による医業経営の是非が取り沙汰された際など、医療における非営利性について議論が行われてきました。
 そこで、こうした議論を経て、現在、医療と営利性との関係がどのように整理されているのか、御説明をお願いしたいと思います、大臣。
#68
○国務大臣(塩崎恭久君) 医療と営利行為との関係についての議論の整理をせいと、こういうことでございました。
 医療法では、営利を目的として病院などを開設しようとする者に対しては開設の許可を与えないことができるというふうになっております。これは、医療では、医師の裁量が大きく、また、患者が十分な情報を持っていない、いわゆる情報の非対称性と呼ばれているものですが、こういう中で、株式会社等の営利を目的とした経営主体による医療機関の経営への参入につきましては、まず第一に、患者が必要とする医療と株式会社の利益を最大化するという場合の医療とが一致をしないということがあり得て、適正な医療が提供されないおそれがあるというのがまず第一点にございます。次に、利益が上がらない場合の撤退によって地域などでの医療の確保に支障が起きる、こういうおそれもあるわけであります。それから、利益を上げるために不必要なあるいは不要な診療が行われて、患者さんにとってもプラスにならず、医療費の増大も招くということがおそれとしてある。
 こういうような懸念が指摘をされているために、今申し上げた医療法の第七条第六項に、「営利を目的として、病院、診療所又は助産所を開設しようとする者に対しては、第四項の規定にかかわらず、第一項」、これ、医療機関の開設ですが、この「第一項の許可を与えないことができる。」というふうになっているわけでございます。
#69
○牧山ひろえ君 医療法人の非営利性の徹底という今回の方向性は正しいと思います。国民皆保険と医療の非営利性は日本国民の健康を支える車の両輪であり、しっかりと堅持すべきというのが私の意見です。
 衆議院の厚生労働委員会におきまして、持分なし医療法人への移行が進まなければ、非営利性の徹底が難しいことを理由に営利目的の法人による医療機関経営を求める検討を始めることになり得るのかという、そういった質問がありました。これに対して、厚生労働大臣はこのように答弁されています。株式会社等の営利法人の参入について、患者が必要とする医療と株式会社の利益を最大化する医療とが一致せず、必ずしも患者に適正な医療が提供されないおそれがあることなどの懸念が指摘されており、慎重に検討すべき、こうおっしゃっているんですね。
 私もそのとおりであると思うんですが、とはいえ、余りにも移行が進まないようでは、営利法人による医業経営を求める議論が再び湧き上がってくるのではないかと思うんですね。医療法人の非営利性を徹底するためにも、政府には更なる移行を促すよう努めていただきたいと思います。
 他方、事情としては、これまでの持分なし医療法人への移行件数は少数にとどまっています。資料にありますとおり、認定件数は二〇一七年三月末時点で六十七件、うち移行完了は二十八件にすぎないんです。
 ここで質問ですが、大臣は、今回の措置によって持分なし医療法人への移行がどの程度進むとお考えでしょうか。移行の見込みを御答弁ください。また、持分なし医療法人への移行を促進するため、制度の恒久化や現行三年以内となっている移行期限の延長を求める意見もありますけれども、そのような意見に対してはどのような見解をお持ちでしょうか。
#70
○副大臣(古屋範子君) 今回の制度改正におきましては、現在、措置をされております納税猶予制度を三年間延長するということに加えまして、移行の際に贈与税が課される可能性があるという従来の懸念を解消しているため、今後、制度を活用して移行する法人が増加するのではないかと考えております。具体的には、病院団体等にヒアリングを行った結果等を踏まえた大まかな試算でございますが、約千法人程度と見込んでおります。
 また、制度の期間につきましては、租税特別措置として恒久的な措置は認められていない中で、持分なし医療法人へのできるだけ迅速な移行を促す観点から三年間の時限措置としておりますけれども、まずは新制度に関する周知を図りまして、この制度を利用した移行の促進に力を注いでまいりたいと考えております。
#71
○牧山ひろえ君 厚生労働省には、今回の延長後も持分なし医療法人への自主的な移行が進まない場合には、その理由を分析して、必要に応じて制度の更なる見直しを検討することが求められると思いますので、是非お願いしたいと思います。
 最後に、特定機能病院のガバナンス体制強化についてお伺いしたいと思います。
 本法案によって、特定機能病院の管理運営の重要事項を合議体の決議に基づいて行うことですとか、開設者による管理者権限の明確化、管理者の選任方法の透明化などが図られることとされました。さらに、特定機能病院の承認要件に医療の高度の安全を確保する能力を持つことが追加されることとなっています。また、これらに先立ち、昨年六月に改正された医療法施行規則では、医療安全責任者の配置、専従の医師、薬剤師、看護師の医療安全管理部門への配置などの措置が追加されるところです。
 これらを踏まえた上で、特定機能病院のガバナンス体制強化の具体策についてお伺いしたいと思います。
 本法案において、特定機能病院の管理者を選任する際に外部有識者を含む合議体において審査を行い、選考の結果、過程、理由を公表することとされています。これは何を対象にどのように公表されるんでしょうか。例えば過程の公表に当たっては、議事録などの作成を病院側に義務付けたりするのでしょうか。また、選任の公正性を担保することになる外部有識者について、人数や比率は規定するんでしょうか。
#72
○副大臣(古屋範子君) 今回の改正案におきましては、特定機能病院の開設者に対しまして、病院の管理運営業務の遂行に関して、医療安全の確保や組織管理に必要な能力と経験を有する者を管理者として選任すること、また、選任手続は合議体の審査の結果を踏まえて行わなければならないことを義務付けております。
 昨年取りまとめられました大学附属病院等のガバナンスに関する検討会の取りまとめにおきまして、医療安全確保のために必要な能力、経験、組織管理能力などの管理者に求められる基準の要件についてあらかじめ定めて公表すること、広く候補者を募った上で、候補者が管理者に求められる基準に照らして適任かどうかにつきまして選考委員会といった外部有識者も含めた合議体で厳正に審査すること、また、選考委員会の審査を踏まえて任命権者が自らの責任において選考を行い、その結果については、選考の過程、基準に照らした選考の理由とともに遅滞なく公表することといったプロセスによる選任を求めることとされております。
 議員の御指摘のような、この選考に係る情報の公表方法等、詳細な事項につきましては、今後、関係者の意見もよく伺いながら、必要に応じて省令等において定めていくものと考えております。
#73
○牧山ひろえ君 特定機能病院のガバナンス改革が求められてきた経緯を踏まえれば、各特定機能病院においては、医療安全を確保する、それから、病院運営に指導力を発揮できる管理者としてふさわしい者を複数の候補者の中から選任することですとか、合議体での選考過程を公開することなども期待されると思います。また、外部有識者につきましては、選任の公正性を担保する機能を果たせるだけの比率要件を定める、こういったことも検討すべきだと考えます。
 本法案においては、また、病院の管理及び運営上の重要事項を合議体の決議に基づいて行うということとされていますけれども、合議体における審議の過程は公表されるんでしょうか。それからまた、何をもって病院の管理及び運営上の重要事項とするのでしょうか。
#74
○副大臣(古屋範子君) 本法案におきまして、医師、看護師といった多職種の病院幹部で構成する合議体を設けまして、病院の管理運営上の重要事項についてこの合議体の決定に基づき行うことを特定機能病院の管理者に義務付けることといたしております。この合議体での審議内容につきましては、その内容にもよりますけれども、原則、職員に周知をすることにより適正な病院運営を確保するよう、今後省令等において求めていくことを想定しておりますけれども、審議内容を一般に広くつまびらかに公表することは想定はいたしておりません。
 また、どのような事項が病院の管理運営上の重要事項たり得るかにつきましても、同様に、今後省令等においてお示しする予定でありまして、例えば病院の中期目標や運営方針、予算案等が考えられますけれども、関係者の意見もよく伺いながら検討してまいりたいと思います。
#75
○牧山ひろえ君 決定の適正性を担保するためにも、審議過程について内部への周知はしっかり行うように運用していただきたいと思います。
 では、重要事項が合議体の決議に基づかなかったとき、合議体の決議に基づかない決定はどのような効果を持つのでしょうか。そして、制度趣旨に従って、なるべくそのようなことが生じないためのチェックはどのようになされることが想定されているんでしょうか。
#76
○副大臣(古屋範子君) 今回の法改正によりまして、特定機能病院の管理者は、病院の管理運営に関する重要事項につきまして、多職種で構成をする合議体の決議に基づいて行うことを義務付けられております。仮に、この合議体の決議に基づかずに特定機能病院の管理運営に関する重要事項が実施されている場合は、改正後の医療法に違反をしておりまして、承認の取消し事由になり得るものと考えております。
 厚生労働省としては、特定機能病院に対する立入検査において、病院の管理運営上の重要事項が合議体の決議に基づき適切に実施されているか確認していくことによりまして、特定病院における診療科間の縦割りと管理者の独断専行の双方の是正に資するガバナンス体制が確保されて、患者の安全を第一とした適切な意思決定が行われるよう取り組んでまいります。
#77
○牧山ひろえ君 運用面においてしっかりしたフォローアップが重要だと思います。
 病院運営に関する合議体は、管理者並びに当該特定機能病院に勤務する医師、歯科医師、薬剤師及び看護師その他の者をもって構成するとされています。特定機能病院の運営に当たっては、各診療科の縦割りの弊害、管理者の独断専行の双方を牽制しなければならないとの指摘がなされているためです。
 合議体の構成員は職種間のバランスという意味で適正と考えますが、診療科など部門間の相互牽制はどのように図っていくことが想定されているんでしょうか。
#78
○国務大臣(塩崎恭久君) これまで病院というのは、医療機関というのは、管理者一人が全ての責任を負うという、そういう形のガバナンスの機構になっています。いわゆる独任制と言われる、独立行政法人なんかもそうですが、そういうことで、本当に巨大な組織でもあるこの特定機能病院のようなときにそのガバナンスの体制でいいのかということで、重要事項は合議体で決めていくということを今回御提起申し上げているわけでありますが、特定機能病院の大宗を占める大学附属病院、これについては特にまたいろいろな問題点があるんだろうというふうに思っておりました。
 衆議院の議論でもそのようなことが多数指摘をされましたけれども、まず第一に、病院内において各診療科の権限が大きいために生じる縦割りの弊害、これがまた、医学部の中の縦割りがそのまま持ち込まれるというようなことで、組織と関係ない論理で組織が揺り動かされるというおそれもあるわけであります。
 それから、病院の管理運営に係る権限を有する管理者の独断専行というか、一人で決めるということが今度は逆に裏目に出て、必ずしも正しくないことを一人でどんどんやってしまうということのリスクもあるわけでありまして、極端な例で申し上げればそういった問題点があるので是正をしないといけないと、こういうことでございます。
 今回の改正では、病院の管理運営上の重要事項については、今御指摘をいただいたように、医師、歯科医師、薬剤師、看護師、こういった多職種の者で構成する合議体を設けて、合議体の決議に基づいて行うということでありますけれども、これは、今の申し上げたような縦割りの問題あるいは独断専行の問題を含めて、様々な問題を抱えながら、リスクを最小化しながらメリットを最大化するというために、皆の知恵を持ち寄って、一人だけの判断に組織が丸乗りするというようなことではない、合議体の決議に基づいて今後は重要事項について決めていただきたい、こういうことでございます。
 さらに、合議体の構成等の詳細につきましてはもちろん省令等で定めますけれども、御指摘の診療科による縦割りの弊害の排除を含めて、ガバナンス体制の見直しに向けてしっかり具体化をしてまいりたいというふうに思います。
#79
○牧山ひろえ君 本法案の措置は、安全で適切な医療が提供されるようにするために必要なものであると思いますけれども、ですが、内容の一括法案となっておりますので、やはり国会における審議の充実がなされにくいことを苦情だけ申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
#80
○宮島喜文君 自由民主党の宮島喜文です。
 私は、医療法一部を改正する法律案でございますが、検体検査の精度管理を中心に質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 検体検査の結果は、様々な疾患や診断、経過観察等に活用されており、患者の方々の診療に必須なものとなっております。その値は、科学的なエビデンスとして重要な意味を持つもので、信頼性の高いものでなければなりません。しかし、医療機関が自ら検査をする場合、これらの精度管理について何ら法的な基準がなく、医療機関自らの判断により臨床検査の質と精度の担保が行われている実態があります。このため、ここに従事すると申しますか、臨床検査医や検査技師の方々は、多くの労力と時間、そして費用も掛かっているということがございます。
 今回の法案でございますが、検体検査の品質、精度を確保するため、診療に用いられる検体検査の行う施設全てに対して精度管理の基準を法律に設けられるとされております。
 私も長年臨床検査技師として検査に従事しておりましたので、診療に用いられる検体検査というものは、適切に精度管理され、品質保証された過程を通じて測定された検査値でなければ正しいものではないという考えを常に持っていたところでございます。適切な検体検査が日本でしっかりなされるようになってほしいという思いもあり、国政の世界に私も足を踏み入れたわけでございます。このような改正が行われるということは、非常に私は、やっとここまで来たかという思いもございますし、また、大変これからを期待しているところでございます。
 臨床検査の精度管理と一言で言いますが、その種別は大きく分けて二つございます。検査施設が自ら行う内部精度管理と、第三者が複数の検査施設のデータを比較する外部精度管理、この二つがございます。
 内部精度管理については、試料というサンプルを、検体のサンプルを、患者検体を検査する前に測定して、患者の検体検査においても期待される検査結果が得られるかどうかを確認するものでございます。
 一方、外部精度管理は、先ほど申しましたように、検査施設間の検査の結果を比較し評価するものでございます。代表的なものに、全国的には、日本臨床衛生検査技師会の外部精度管理が昨年実績では三千九百三十四施設、日本医師会のが三千二百二十三施設、これは自ら、検査する施設が精度を確かめるためにこれらの第三者機関に評価してもらい、許容範囲を超えた場合には各施設において原因究明や是正を行っているという状況でございます。
 先ほど数字を挙げましたが、外部精度管理でいいますと、全国で四千施設弱でございます。これは医療機関のほんの一握りということでございますが、このようなことを考えますと、現在十分な内部精度管理又は外部精度管理が行われているか疑問がある状況でございます。
 このような検体検査の精度管理の実態について、国は現状認識をどのように持っているか、お伺いしたいと思います。
#81
○政府参考人(神田裕二君) 現在の精度管理の現状についてのお尋ねでございます。
 医療機関内におけます検体検査の精度管理につきましては、平成二十七年七月現在、内部精度管理の実施や外部の精度管理事業への参加などを要件といたします診療報酬の検体検査管理加算を算定している医療機関の状況で申し上げますと、病院については八千四百八十二施設中の五千五百十施設ということで約六五%でございますけれども、診療所については約十万の施設のうち三百九十四施設ということで非常に低い割合というふうになってございます。
 また、衛生検査所につきましては、その開設者に対しまして検査業務の外部精度管理調査を受ける義務を課しており、一定の精度は確保されているものと考えておりますけれども、平成二十七年度の都道府県等による立入検査においては、約三割の衛生検査所に対しまして精度管理の向上に関する指摘がなされているところでございます。
 今回の改正によりまして、医療法上、検体検査の検査精度に関する基準を設けまして、適切な基準を新たに定めることによりまして、医療機関、衛生検査所等における検体検査の精度の差が是正されていくものというふうに考えております。
#82
○宮島喜文君 やはり検体検査の精度管理基準がない現状というのを伺ったところでございます。今改正が必要だということになるわけでございまして、再認識したところでございます。
 法は改正されたとしても、今後設定される基準でございます、これが極めて甘いものになってしまうと、適切な検体検査のその質の確保ができないということになってしまいます。例えば、診療所のような小さな医療機関などでは、その負担を考えますと、余り過大な、厳重なと申しますか、精度管理を求めることはできないかと思います。しかし、検体検査は、検査の業務、係る全ての作業工程で精度管理されなければ品質保証された過程を通じて測定された検査データということになりませんし、適切な診療につながらないという可能性も出てくるわけでございます。こうした状況を考えてみますと、小規模機関も含めてある程度の基準を設定することは必要であろうというふうに考えます。
 そこで、今改正により検体検査の精度管理の基準は具体的にどのような基準となるか、お伺いしたいと思います。
#83
○政府参考人(神田裕二君) 検体検査につきましては、先生御指摘のとおり、疾病の的確な診断や治療効果の評価などのために日常的に実施されているものでございまして、その品質、精度の確保は大変重要であるというふうに考えております。特に、遺伝子関連検査の品質、精度管理につきましては、ゲノム医療の実現をオールジャパン体制で取り組んでいくために内閣官房に設置されましたゲノム医療実現推進協議会において、ゲノム医療の実用化に向けて特に重点的かつ早急に検討を要する課題とされているところでございます。このような状況を踏まえまして、本法案では、遺伝子関連検査を含めた検体検査の精度の確保等のため、精度管理の基準の明確化などを行うこととしているところでございます。
 具体的な基準についてのお尋ねでございますけれども、今後、医療関係者が参画する検討会で議論をすることを予定いたしておりますけれども、例えば、これまで特段の精度管理の基準が設けられていなかった医療機関が自ら実施する検体検査についても、検体検査業務に係る責任者の選任、医療機関の実情に応じた医師、臨床検査技師の配置、機器の保守管理やデータ測定のための標準作業書の策定などの事項を基準として位置付けることが考えられるところでございます。
 検討会においては、例えば、大病院や中小病院、診療所などの規模や能力、遺伝子関連検査のように高度な技術を伴うものであるかどうかといった検査の内容などに応じまして適切な基準が設定できるよう議論することとしておりまして、先ほど先生御指摘ありました診療所等の小さな医療機関の負担にも考慮をしながら、検体検査の品質、精度が確保できるように努めてまいりたいと考えております。
#84
○宮島喜文君 では、検査施設の面から見ますと、自ら検査を行う医療機関、そして、医療機関内に検査を委託するブランチラボという形がございます、それから、検査を外部委託先として衛生検査所にお願いするという、この三つの形態がございます。この法案では、それぞれの検査施設に検体検査の精度管理を、根拠を明確に規定するというふうに認識しているところでございます。検体検査を自ら行うか、又は委託するか、委託したものを請け負うかという違いはありますが、これについては、検体検査の品質管理上は全く同じでなければいけないと思っているところです。
 医療機関、ブランチラボ、衛生検査所、それぞれについて、仮に同じ検査であっても適用される基準というのは異なるということになるでしょうか。
#85
○政府参考人(神田裕二君) 先生御指摘のとおり、今回の法律改正では、医療機関、ブランチラボ、衛生検査所のいずれについても、検体検査の精度管理に関する具体的な法的根拠を設けまして、具体的な基準をそれに基づいて設定をすることとしておりますけれども、その具体的な基準につきましては医療関係者等が参画します検討会で今後議論をする予定にいたしておりまして、適用される差異の要否、また内容等についてもこの中で検討してまいりたいと考えております。
 現時点で適用される基準が異なると想定されるものといたしましては、医療機関が外部の衛生検査所に委託をする場合には医療機関から衛生検査所に検体を搬送するということがございますので、検体の変質等を防ぐために、受託者としての搬送を行う衛生検査所に対してのみ搬送に関する基準を設けることなどが考えられます。
 また、検討会においては、先ほども申し上げましたけれども、医療機関の規模や能力なども基準の差異を議論をするに当たりまして必要な要素というふうに考えております。例えば、今回いろいろ議論になっております高度な医療の提供を行う特定機能病院には、その果たすべき機能に鑑みて、内部精度管理の実施、外部精度管理調査の受検を義務付けるなどの対応も考えられるところでございます。
 いずれにいたしましても、検討会でそれぞれの検査施設において検体検査の品質、精度を確保するために適切な基準が設定されるように議論をしてまいりたいと考えております。
#86
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 この検体検査、診断の根幹となるものですから重要なものです。決してその基準が骨抜きになってはいけないだろうというふうに考えておりますので、是非よろしくお願いいたします。
 検体検査を、第三者認証では、こういうほかにISOとかCAPなど国際基準がございます。そこまで厳しくないものにも、国内には、標準化され、かつ精度が十分保証されている評価の施設として、日本臨床衛生検査技師会では精度保証施設としての認証する仕組みもございます。今回の基準の整備と併せて、このような制度を普及させることもより良い方向に進むんではないかと思っているところでございます。
 さて、基準が設定されても、その実効性が確保されなければやはり意味がないということになると思います。基準設定後、この基準の遵守が適切になされているかを確認することも精度管理の重要な仕事になると思います。
 医療機関については、医療法第二十五条の一項において、都道府県知事が医療法で定める人員、設備、構造、帳簿類等について報告の徴収や立入検査ができることになっております。衛生検査所についても同様に、臨床検査技師等に関する法律第二十条においてできるようになっておりまして、私も、保健所に勤務の時代は立入調査を実施していたわけでございます。
 今後、医療機関や衛生検査所に対して都道府県等が行う立入検査において、検体の精度管理の状況については確認していくことになるんでしょうか。
#87
○政府参考人(神田裕二君) 都道府県の検体検査の精度管理の確認をどうやってやっていくのかというお尋ねでございますけれども、先生今御紹介いただきましたように、都道府県は必要があると認めるときには、いずれも医療法に基づきまして、医療機関には医療法に基づいて立入検査ができますし、衛生検査所には臨床検査技師等に関する法律に基づいて必要な報告、立入検査を行うことができることとされているところでございます。
 この法案におきましては、検体検査の精度の確保につきまして、医療機関が自ら実施する検体検査について精度管理の基準を定めるための根拠規定を新設することや、また、ブランチラボや衛生検査所に業務委託される検体検査について精度の確保に関する規定を法律に位置付けて、精度管理の基準を省令で定める旨を明確化することによりまして、精度の確保に関する基準を共に法律上明確に規定して、精度管理に関する指導等の実効性を担保することとしております。
 法案が成立した後には、法律の施行までの間に、精度管理の具体的な基準について検討会で検討し、その議論を踏まえ必要な省令改正を行うこととしておりますけれども、法律施行後には、それぞれの検体検査の実施主体が省令で規定をされます精度管理の基準を遵守しているかどうかについて、立入検査等を通じて都道府県から確認、指導していただくこととしております。
#88
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 継続的な精度管理を実施していくということになりますと費用も掛かるわけでございますが、診療報酬による評価が必要と私は考えます。現在の評価と今後の評価について、厚労省はどうお考えかをお聞かせ願います。
#89
○政府参考人(鈴木康裕君) 検体検査の精度管理のための診療報酬の評価についてお尋ねがございました。質の高い医療を提供していくためには、検体検査の精度の維持向上というのが大変重要であるというふうに認識をしております。
 先ほど医政局長の方からも答弁ございましたように、検体検査の精度管理向上のために、現行の診療報酬におきましては、検体検査の実施体制につきまして、医師、臨床検査技師の一定の人員配置、それから内部精度管理の実施、外部の精度管理事業への参加等、一定の基準に適合する機関を四段階で評価する検体検査管理加算というものを設けてございます。平成二十七年度時点においては、約六五%の病院がこの基準に合致しているということで届出を行っております。
 この加算の点数、そして施設基準につきましては、これまでも関係学会からの提案に基づきまして検討を行ってきておりますけれども、今後、今回の法改正の趣旨を踏まえまして、関係者の御意見も伺いながらしっかりと検討したいというふうに思っております。
#90
○宮島喜文君 今回の法案では、この精度管理の基準のほかに、検査の分類の整理に関する改正も盛り込まれております。
 臨床検査技師等に関する法律第二条では、検査の分類として、微生物学的検査や生化学や寄生虫などの検査など六分類が規定されております。今回の法律では、この六分類を、人体から排出され、又は採取された検体の検査という定義に改正しておりますが、この細かい分類については省令にということでございますが、この改正を行うことの理由についてお伺いしたいと思います。
#91
○政府参考人(神田裕二君) 今回の改正案では、先生御指摘のとおり、検体検査の定義を、人体から排出され、又は採取された検体の検査として厚生労働省令で定めるものというふうに規定いたしまして、検体検査の分類については法律から省令に委任をするということにいたしております。
 近年では、ゲノム解析など新たな検査技術が生じてきておりまして、例えば遺伝子関連検査でいうと、今の六検査の分類ですと三つの検査の分類にまたがるというようなことになっております。また、今後とも新たな種類の検査方法が実用化されていく可能性もあると考えられますので、こうした新たな技術等に対して精度管理の基準を迅速に整備をすることが今後必要になってくるというふうに考えられます。
 このため、今回の法改正においては、時代の変化に柔軟かつ迅速に対応することができるよう、検査分類を法律に規定するのではなく省令に委任することとしたものでございます。
#92
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 この第二条については、私は臨床検査技師の業務範囲を規定しているものだというふうに考えているところでございますが、これ、分類を見直すと、臨床検査技師の国家試験の範囲や養成課程にも影響が出てくるわけでしょうか。
#93
○政府参考人(神田裕二君) 臨床検査技師の国家試験への影響についてでございますけれども、臨床検査技師等に関する法律第二条に規定する検体検査や生理学的検査に必要な知識、技能について問うことが国家試験の目的とされているところでございます。また、臨床検査技師国家試験の受験資格については、指定を受けた養成施設において三年以上検体検査や生理学的検査に必要な知識や技能を修得したものであることが定められているところでございます。
 今回の改正に伴いまして法第二条に規定する検体検査の分類が省令に委任することとなりますけれども、その具体的な内容によって養成施設の教育内容や国家試験の出題基準の見直し等が必要になった場合には適切に対応していきたいというふうに考えております。
#94
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 では、今度はゲノム医療について少しお話をお聞きしたいと思います。
 国民が本当に望む安心で安全なゲノム医療が提供されるということは、大変重要なことだと思います。そういう中で、臨床検査の領域でも検討しなければいけないという思いでおります。例えば、技術的なことになりますが、病理診断のために採取された検体、これは病理診断の後も遺伝子診断等に活用されることがありますから、この検体をきちんと良質な状態で保存し丁寧に取り扱うという、一つ一つこういう細かな対応がこれから必要になってくるというふうに考えているところでございます。
 このような中で、昨年、政府も、先ほどお話がございましたが、ゲノム医療タスクフォースが厚生労働省の方で意見の取りまとめが行われたわけでございますが、遺伝子関連検査の品質、精度管理をするため、法令上の措置含め具体的な方策を検討、策定するように指摘されているところでございます。
 それによって今回の法改正になっているわけでございますが、ゲノム医療は、今後、検査分類、どのように整理されていくのか、そしてまた、ゲノム医療に関する検体検査の精度管理の基準はほかの検査と異なる部分があるとお考えでしょうか。
#95
○政府参考人(神田裕二君) 現在の検査分類では、遺伝子関連検査は、検査の目的に応じて、先ほども申し上げましたけれども、三つの検査の分類にまたがっておりまして、その精度管理の基準も検査ごとに異なっているということがございますので、今回の改正におきましては、諸外国と同様にこれらを統合いたしまして、新たに遺伝子関連検査として分類を追加いたしまして、統一的な精度管理の基準を定める必要があるというふうに考えております。
 また、その具体的な基準についてでございますけれども、医療関係者等が参画する検討会で議論を行う予定でございますけれども、昨年十月のゲノム医療タスクフォースでの指摘を踏まえまして、諸外国と同様の水準を満たすために、例えば遺伝子関連検査が高度な技術を伴うことを考慮して専任の責任者を配置すること、また、内部精度管理の実施、外部精度管理調査の受検を義務とすること、また検査に従事する者への適切な研修を実施すること、また遺伝子関連検査施設の質を保証する第三者認定を受けることなどが考えられるところでございます。
 具体的な基準につきましては、先ほど申し上げましたように、いずれにいたしましても、医療関係者等が参画をいたします検討会の中で具体的に定めてまいりたいと考えております。
#96
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 では、厚労省として、今後、遺伝子関連検査を含めたこのゲノム医療の推進について取り組むべき課題又は今後の推進の方策について、少し大きい話になりますが、副大臣、お願いいたします。
#97
○副大臣(古屋範子君) ゲノム医療に関する御質問をいただきました。
 厚生労働省では、ゲノム医療等の実現、発展のための具体的方策について検討するために、関係府省と連携をしまして、有識者会議であるゲノム情報を用いた医療等の実用化推進タスクフォースを開催いたしまして、昨年十月に意見を取りまとめました。その中では、ゲノム医療の実現に向けて取り組むべき課題として、遺伝子関連検査の品質、精度の確保、ゲノム医療に従事する者の育成、ゲノム医療の提供体制の構築などに係る取組を進めていくことが求められておりまして、今後着実に実施をしていく必要がございます。
 このうち、遺伝子関連検査の品質、精度管理につきましては、タスクフォースの意見取りまとめにおきまして、諸外国と同様の水準を満たすために、法令上の措置を含めまして具体的な方策等を検討、策定していく必要があるとされました。これを踏まえまして、今回の医療法等の改正では、遺伝子関連検査を含めた検体検査の品質、精度の確保のため、精度管理の基準の明確化、検体検査分類の柔軟な見直しを可能とする制度改正を行うことといたしております。
 また、ゲノム医療における人材の育成につきましては、学会の取組として認定遺伝子カウンセラーなどの資格が養成をされているほか、厚生労働省においては、現場のゲノム医療従事者を対象として、遺伝子カウンセリングに当たる人材の質を確保するためのe―ラーニング教材の開発などの研究事業に取り組んでおりまして、引き続きこれらの取組を進めてまいりたいと考えております。
 さらに、ゲノム医療の提供体制の構築等につきましては、がんゲノム医療の実現が重要と考えております。このため、国内の医療従事者や研究者の力を結集して、最新のがんゲノム医療を国民に提供する仕組みを構築するため必要な機能や役割を検討することを目的として、厚生労働省においてがんゲノム医療推進コンソーシアム懇談会を開催をしております。
 宮島委員を始め全国の関係の皆様の英知を結集しながら、一刻も早く国民の皆様にがんゲノム医療を届けられるよう取り組んでまいりたいと考えております。
#98
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 ゲノム医療を進める上で、やはりもう少し早くしていかなきゃいけないかという議論もあることも事実でございます。
 今回、この検体検査の精度管理ということが中心となりましたけれども、今後、病院や衛生検査所で働く臨床検査技師の役割についてどのように認識されているか、お伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
#99
○政府参考人(神田裕二君) 検体検査の重要性については、先ほどから先生御指摘のとおりでございます。このため、衛生検査所の管理者や医療機関内で検査業務を受託する業者であるブランチラボの受託業務の責任者は医師又は臨床検査技師でなければならないというふうにしているほか、衛生検査所やブランチラボにおいて検査の精度を適正に保つ精度管理責任者として医師又は臨床検査技師を置かなければならないということとしているところでございます。
 今後とも、医療及び検査技術の高度化が進む中で、検体検査の精度管理において、臨床検査技師の方々がその専門性を生かして精度管理に取り組んでいただくことを期待しているところでございます。
#100
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 検体検査については臨床検査技師が重要な役割を果たすということの見解を御答弁いただき、多分若い検査技師も頑張る気持ちになるんじゃないかと思っておるところでございます。
 加えて、臨床検査技師の役割についての質問でございますが、平成十七年四月の二十一日の参議院における臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律の一部改正する法律案に対する附帯決議がございます。そこで、人体から排出され、又は採取された検体に係る第二条に規定する検査のうち、高度な医学的な知識及び技術を要するものについては、検査の適正を確保するため、臨床検査技師等の専門的知識や技能を有する者が望ましいことから、周知に努めることとなっておるところでございます。
 この附帯決議を踏まえますと、遺伝子関連検査というのは、まさにそのとおり高度な医学的知識及び技術を要するものと整理されるとも考えているところでございますが、そういう中では、当然、臨床検査技師の専門的な知識、技能を有する者が該当すると考えますが、厚生労働省の御見解を伺いたいと思います。
#101
○政府参考人(神田裕二君) 遺伝子関連検査につきましては、分子生物学、遺伝子検査学などの知識が必要であり、また特殊な検査機器を使用することなどから、高度な医学的知識及び技術を要する検査に該当するというふうに考えております。
 今回の法改正におきまして、検体検査の精度管理に関する基準を設定することとしておりますけれども、その具体的な基準については医療関係者が参画する検討会で議論することを予定しており、遺伝子関連検査につきましては、例えば、高度な技術を伴うことを考慮して、遺伝子関連検査に関して相応の知識と経験を有する専任の責任者を配置することなどを基準として設けることを検討しているところでございます。
 議員御指摘の、高度な検査についてはできるだけ臨床検査技師がやるようにという附帯決議の趣旨を踏まえますと、その責任者の下で臨床検査技師を始めとする専門的知識、技能を有する者が遺伝子関連検査を実施することが望ましいというふうに考えております。
#102
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 臨床検査というのも非常に広い分野でございまして、血液だけを取ってみましても、生化学的なもの、免疫学的なものございます。そういう中で、遺伝子という新しい切り口ができてきました。もうこれは考えてみますと、人体から排出された検査というのでずっと来ているわけでございます。
 そういう意味でいいますと、昭和三十三年に衛生検査技師法ができまして、それが基本になっているわけでございますが、ずっとその考え方で、当時の単眼の顕微鏡で寄生虫を見る時代から変わっていない。又は、尿のたんぱくを煮沸して、固まればたんぱくが出ているんだと、こんな時代の基になった法律であったわけでございますから、その辺から考えますと、何だか本当に、もう少し早く考え方を変え、そしてその精度というものに対して取り組むべきだったと思っているところでございます。
 最後になりますが、現在、我が国は高齢化が進展し、団塊世代が七十五歳に達する二〇二五年に向けて、国は医療、介護の供給体制の改革を進めているところでございます。その中で、医療と介護の連携によって病院や施設から在宅へと切れ目のない移行を目指した地域包括ケアシステムというものを構築するために様々な取組を熱心にされているところでございます。この地域包括ケアシステムの中では、当然、医師、看護師、薬剤師、栄養士、リハビリの関係職種の皆さんは、従来の活躍の場であった急性期や慢性期の病棟だけでなくて、在宅等で現場で重要な役割を果たしているというふうに考えますし、今後期待されているところでございます。こんなような文脈がいろいろある中で、実は臨床検査技師は余り取り上げられていないような感じも受けているところでございます。
 そこで、最後に大臣にお伺いしたいんですが、地域包括ケアシステムの構築に当たり、在宅医療の場面における臨床検査技師の役割の重要性についてどのように認識されているか、お伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
#103
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘をいただきましたように、これからの医療というのは、特にチームで行うということが大きな流れだろうと思いますし、先般、将来の医療と働き方のビジョンの検討会においても、タスクシェアリング、タスクシフティングということで、やはりそれはチームで医療を行う、あるいは場合によっては介護も含めてやろうと、こういうことだろうと思います。
 そんな中で、臨床検査技師の皆様方にもこのチーム医療の重要な一員として私どもは位置付けをしているところでございまして、これから医療、介護を一義的には統合していくような地域包括ケアシステムでありますけれども、それよりも、健康づくり、あるいは予防、健診等々を含めてこの体系をつくっていかなければいけないというふうに思いますが、この地域包括ケアシステムの構築に臨床検査技師の皆様方にも積極的に御協力をいただきたいというふうに期待をしているわけでございます。
 具体的には、病院やあるいは診療所はもとより、在宅においても、訪問診療の場合などで、持ち運びが容易にできる、特別な設備がなくても実施できる、例えば血糖の測定とかインフルエンザウイルスの迅速検査とかの検体検査が在宅でも可能なわけでありましょうし、それから心電図、超音波検査などの生理学的な検査、この役割も当然担っていただかなければいけないというふうに思うわけでありますので、他の多くの医療関係職種とともに、臨床検査技師の皆様方には中心的な役割をチーム医療の中で担っていただきたいというふうに思っているところでございます。
#104
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 今、大臣、いい答弁をいただきましたので、業界としても頑張ると思います。また、チーム医療ということでは、たまたま最後は臨床検査技師の話をしましたが、臨床工学士も、またそれらの他職種もいっぱいおるわけでございまして、それぞれ在宅医療に向かって何とかできないか、介護に対して何かできないかという思いを持っておりますので、是非大きくお話を聞けるような、聞いていただけるような場も今後つくっていただけたらということをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
 どうもありがとうございました。
#105
○委員長(羽生田俊君) 午後一時十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時七分休憩
     ─────・─────
   午後一時十分開会
#106
○委員長(羽生田俊君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、医療法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#107
○太田房江君 自由民主党の太田房江でございます。
 先般、私は、石井みどり委員長の下、改正国民生活センター法案を消費者特で議論をさせていただきました折にも、この今回の医療法の改正の中の一つの目玉であります美容医療に関するトラブルについて消費者庁の方にお伺いをさせていただきました。
 今回は、こういったことを踏まえて、美容医療に関する広告規制等を中心に質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 この広告規制の見直しでございますけれども、美容医療サービスにおける消費者トラブルが後を絶たないと、こういうことで、その増加を受けまして、消費者委員会の方から建議が厚生労働省の方になされまして、それを受けて、一つの契機として、今回の医療法改正に至ったというふうに承知をいたしております。
 確かに、全国消費生活情報ネットワークシステム、PIO―NETと申しますけれども、この国民生活センターにあるネットワークの苦情件数、相談件数の示しているところによりますと、美容医療に関しましては、二〇一一年度に千五百五十八件、それから二〇一二年度千八百七十四件、そして二〇一四年度には二千三百七十七件と、こういうことですから、一一年からの三年間で約一・五倍に増えていると、こういうことでございます。
 こうした状況を受けまして、消費者委員会の方が美容医療サービスに関する建議を二十三年十二月、それから二十七年七月の二度にわたって厚労省の方に発せられました。
 一度目の建議がありましたときにも相当もう問題にはなっていたんですけれども、このときには法改正が行われませんでした。そして、先ほど申し上げたように、その後もどんどん増え続ける苦情や相談に鑑みて今回の改正法案に至ったと、こういうふうに思いますけれども、ちょっと申し上げにくいんですけれども、もう少し早くやってくださっていればなという声もございます。
 厚労省にお伺いいたしますけれども、最初の時点でこういった法案の提出に至らなかったということについては、どういうことがあったんでございましょうか。
#108
○政府参考人(神田裕二君) 先生御指摘のとおり、平成二十三年十二月に消費者委員会から厚生労働省に対しまして、美容医療サービス等の医療機関のウエブサイト上の不適切な表示の取締りの徹底が求められたところでございます。
 これを踏まえまして厚生労働省で検討会を設けて検討したわけでございますけれども、医療機関のウエブサイトの取扱いをその中で議論いたしましたけれども、医療機関のウエブサイトを医療法上の広告とみなすと患者自らが知りたいと考えられる情報がインターネット等により入手できなくなること、また、一般的な医療機関のウエブサイトは情報発信や情報共有をする場としての性格を併せ持つことなどから、広告として一律規制すると大きなデメリットが生ずると、当時の検討会ではそのようにされたところでございます。
 これを踏まえまして、医療機関のウエブサイトにつきましては引き続き医療法上の広告とはみなさず、自由診療分野を中心としたガイドラインというものを翌年の平成二十四年に策定をいたしまして、関係団体等の自主的な取組を推進することとしたところでございます。また、このときにも、ガイドラインによる取組で改善が見られない場合には、法規制も含めてその後の対応を検討することとされたところであります。
 しかしながら、平成二十七年の七月に消費者委員会から美容医療に関する二度目の建議を受けましたことをなどを踏まえまして、改めて厚生労働省の検討会で議論を行いまして、医療機関のウエブサイト等についても、医療法を改正し、虚偽、誇大等の不適切な表示を禁止し指導等ができるように措置することとされたところでございます。
 これを踏まえまして、今般、医療広告の規制を見直し、ウエブサイト等についてもほかの広告媒体と同様に原則医療広告の規制の対象とし、虚偽又は誇大等の不適切な内容のものを禁止し、是正命令や罰則などの対象とすることを内容とする法案を提出させていただいたところでございます。
#109
○太田房江君 ありがとうございました。
 今回は、ウエブサイト等について他の広告媒体と同様に、今お答えありましたとおり、医療広告規制の対象とすることになったわけですけれども、ウエブサイトについて、例えば、本当に消費者が知りたい情報を、限定的にではありますけれども、列挙できるのかと。これから検討されるというふうには伺っておりますけれども、やっぱり一番知りたいのは治療の特徴がどこにあるのかとか、あるいはどのぐらいの費用が掛かるのかとか、そういう点が消費者にとっては一番知りたいことだろうと思いますけれども、具体的にどのような規制を行うことになるのか、教えていただきたいと思います。
 先ほどもガイドライン等の説明がございましたけれども、これだけでは、診療科名や名称など限定された項目に限られておりまして、今申し上げたような、本当にかゆいところに手が届くといいますか、そういう消費者からのニーズに応え得るのかなというふうに思われますので、これから審議を行われるとは聞いておりますけれども、どのような規制を行うことになるのか、お答えになれる範囲でお願いを申し上げます。
#110
○政府参考人(神田裕二君) お答えいたします。
 先ほど申し上げましたように、平成二十七年の七月に消費者委員会から、医療機関ホームページガイドラインは不適切な情報提供が行われたとしても改善措置を命ずるなどの法律上の措置がないため遵守されておらず、医療機関のウエブサイトに対する法規制が必要であるという建議を受けたところでございます。
 そこで、今般、医療広告の規制を見直ししまして、ウエブサイト等についても他の広告媒体と同様に原則医療広告規制の対象とし、虚偽又は誇大等の不適切なものを禁止し、是正命令や罰則等の対象とするという法案を出させていただいているところでございます。
 しかしながら、ウエブサイトについて現行の医療広告の規制と同様に広告可能な事項まで限定をしてしまいますと、例えば現在の広告規制でございますと自由診療については原則広告してはならないということになってございますので、難病や悪性腫瘍の患者さんが、海外で承認されている国内未承認の治療薬など治療に必要な情報を入手できなくなるのではないかという懸念が医療関係団体や患者団体から指摘をされているところでございます。
 このため、今回の見直しに当たりましては、一定の条件を満たし、患者による医療の適切な選択が阻害されるおそれが少ない場合には、広告可能な事項の限定の例外とすることができるという取扱いにいたしております。具体的には、ウエブサイトに自由診療について記載する場合には、治療の内容、平均的な費用、治療回数、また、医療機関にとって都合の良い効果などだけではなくて、治療等のリスク、副作用などについても記載することを条件とすることなどが考えられますけれども、具体的なこの例外的な取扱いの要件につきましては、今後、医療関係団体や患者団体、消費者団体などの意見を聞きながら具体的な基準を検討することといたしております。
#111
○太田房江君 元々、消費者行政というのは、消費者と企業であったり事業体であったり、そういう間の知識の格差に基づいて、その格差がある状態で消費者を支援するという観点から発している行政でございますので、今具体的に御指摘のありました費用ですとかリスクですとか、結局、消費者はそういうところからしか情報は取れないと思いますので、どうか分かりやすい基準としていただけますようにお願いを申し上げておきたいと思います。
 私は、今回の改正はそういう意味で大変前進であったというふうに評価をしておりますけれども、発信元のと申しますか、消費者の視点から今回の建議をなされました消費者委員会の方、今日は消費者庁の方からおいでいただいております。その消費者庁から見ると、今回の法案の内容についてはいかに評価をしておられるでしょうか、お伺いをいたします。
#112
○政府参考人(福岡徹君) 消費者庁からお答えいたします。
 美容医療につきましては、消費者と事業者との間の情報の質、量及び交渉力の格差が大きいこと、また、一度施術を受けると元に戻りにくいこと、費用が高額に及ぶことが多いことなどの理由により、消費者政策上極めて重要な分野であると考えてございます。
 その美容医療でございますが、消費者からの相談の状況を見ますと、全国の消費生活センター等には、近年、年間で約二千件の相談が寄せられているところであり、またその内容につきましては、広告、勧誘、契約、施術等の各段階のものが見られているというような状況にございます。
 その上で、今回の医療法の改正法案でございますけれども、医療機関のウエブサイト等における虚偽又は誇大等の不適切な内容を禁止する、そういう規制が盛り込まれているというふうに承知してございまして、消費者被害の防止に資するものであると考えてございます。
 他方、先生からも御指摘先ほどございましたけれども、全国の消費生活センター等に寄せられる相談の中では、費用、コストに関するものが多いことから、施術に係る費用についての情報というものは重要なものと考えておりますし、また診療内容等についての詳細な情報は消費者が知りたい情報であるというふうに認識しております。このため、これらの情報が得られなくなることがないようにしていただきたいと考えてございます。
 消費者庁といたしましては、本法案の内容も踏まえながら、今後とも厚生労働省と緊密に連携協力いたしまして、消費者被害の防止に向けて取組を進めてまいりたいと、そのように考えてございます。
#113
○太田房江君 今回の改正は、消費者庁と消費者委員会、そして厚生労働省との連携が大変うまくいった事例だと私は考えております。これからも連携協力を密にしていただいて、先ほど申し上げた基準の早期確定等について御尽力いただきたいと、こう思っております。
 美容医療サービスに関する相談内容と申しますと、どうしても思ったのと違うとか、そういう方に苦情がたくさんあるかなと思ったんですけれども、よく見ますと、実は販売方法及び契約、解約に関する相談内容が多いんですね。苦情相談の八三%が、販売方法であったり、契約、解約、解約したくてもできないというようなことに認められます。そして、医療内容の種別では、医療脱毛が一八・六%ということで一番多いと、こういうことでございます。つまり、この脱毛なんかもそうですけれども、継続的に期間を要する形で美容医療を施していくという場合には、エステと同様に通常クーリングオフですとか中途解約が可能になるような形態にしなくてはならないわけですけれども、医療法上はそれが措置されてこなかったと。
 こういう中で、消費者庁におかれましては、これから特定商取引法という消費者行政の根幹を成す法律の中で対象業務にこの美容医療サービスを加えるということが検討されております。
 今の状況では、例えばPIO―NETによりますと、契約当初に購入金額として八十万円をまとめて払って、そして何回かにわたって先ほど申し上げたような医療美容サービスを受けるわけですけれども、途中で、どうも自分には合わないわとか、あるいは効果がないのでやめたいわと、こういうことになってもやめられないケースも多々これまであったわけですけれども、今回、これが特定商取引法上の対象業務に加われば、クーリングオフや中途解約が可能になります。そういう意味では消費者にとって多大な損害を防ぐということにもなるわけでございますけれども、消費者庁の方にお伺いをいたしたいと思います。今申し上げたように、特定商取引法において特定継続的役務としてこの美容医療サービスを追加して規制を強化していく方針というふうに聞いておりますが、どのような内容、どのようなスケジュールでこれをお進めになるおつもりでしょうか。お願いいたします。
#114
○政府参考人(東出浩一君) 御指摘の美容医療につきましては、平成二十八年一月になされました内閣府消費者委員会の答申を踏まえまして、委員御指摘のとおり、特定商取引法施行令を改正しまして、一定の美容医療契約を特定商取引法の特定継続的役務提供というものに位置付ける方向で検討を進めております。
 具体的には、一か月を超えて継続して行われる美容医療契約のうち、脱毛、それから、にきび、しみ、そばかす、ほくろの除去、皮膚のしわ、たるみの症状の軽減、脂肪の減少、歯牙の漂白などにつきまして、主務省令で定める方法によるものを特定継続的役務の対象とする方向で検討しております。この主務省令で定める方法といいますのは、例えば、脱毛につきましては光の照射又は針を通じて電気を流す方法によるというような形で定めることを考えております。
 予定の関係ですけれども、特定商取引法施行令の改正案につきましては、五月二十八日までパブリックコメントを行っていたところでございます。現在、いただいた意見を精査しておりますけれども、今後、消費者委員会に対する諮問等を経まして、本年十二月一日をめどに施行する予定としております。
 なお、この改正された施行令が施行されますと、一定の美容医療契約につきまして、特定商取引法に基づいて事業者は契約内容等に関する書面を消費者の方に交付する義務が生じると、それから消費者の側からしますとクーリングオフや中途解約を行うことができるということになります。
#115
○太田房江君 ありがとうございます。十二月一日ということですから、しっかり進めていただきたいと思います。
 こうした制度改正は、規制の実効性を高めるという観点からは、制度をつくって終わりということではなくて、運用が大変大事だと思います。
 そこで、医療広告規制の監督体制についてお伺いをいたします。今後、ウエブサイトを広告規制の対象とすることにより、更なる監督機能の強化が必要になると考えます。どのように取り組んでいかれるのでしょうか。午前中の牧山委員の質問と少し重なってまいりますけれども、もう一度確認をさせていただきます。ネットに対する監視はもちろんのこと、自治体や保健所などとの連携もこれまで以上に必要になってこようかと思いますが、いかがでしょうか。
#116
○政府参考人(神田裕二君) 監督機能の強化についてのお尋ねでございますが、昨年、医療機関のウエブサイトの取扱いを議論いたしました検討会の取りまとめにおきましても、法改正に加え、医療機関のウエブサイトの監視、是正体制の強化や、規制の周知、遵守の徹底が重要であると指摘を受けているところでございます。
 これを踏まえまして、厚生労働省としては、美容医療関係団体が合同で参画いたします美容医療連絡協議会を立ち上げまして規制の周知徹底に取り組むとともに、今年度から厚生労働省が専門機関に委託いたしまして、医療機関の不適切なウエブサイト等を発見し、監督権限を有する都道府県に通報し、適正化につなげる事業を開始をすることとしております。また、新たな広告規制の導入後に都道府県等において円滑に規制を行えるよう、新たな規制の内容や具体的な違反事例をガイドラインにおいて明確化することとしているところでございます。
 一方で、消費者や患者の方々の保護のためには、先生御指摘のとおり、消費者庁などの関係省庁や都道府県等の地方公共団体などがそれぞれ主体的に法令の周知徹底や執行に取り組み、互いが積極的に情報を共有するなど連携して対応することが重要であると認識いたしております。
 これまでも、地方公共団体の消費者行政担当部局と衛生主管担当部局が連携して、美容医療サービス等に関する苦情相談情報の活用を図るように通知等で指導しておりますけれども、厚生労働省と消費者庁におきまして、都道府県等の衛生主管部局の医療広報担当者の会議におきまして消費者庁から美容医療に関する消費生活相談の概要について説明をするとともに、美容医療サービスを受けるに当たって注意すべき事項につきまして、厚生労働省と消費者庁の連名でチラシを作成し注意喚起を行うなど、連携した取組を行ってきているところでございます。
 引き続き、関係省庁、地方公共団体と連携して、法令の周知、遵守の徹底に取り組んでまいりたいと考えております。
#117
○太田房江君 今回、規制強化ということではありますけれども、悪質な事業者にだまされることがないように消費者が賢くなるということが、こういう規制をやっていく場合に前提として大変重要だというふうに私は考えます。消費者教育という言葉がございますけれども、消費者教育なくして健全な消費社会は築けないというのが私の持論で、消費者もより一層賢くなってだまされないようにしないといけないと、これがまず基本だと思うわけです。
 ただ、医療については、医療従事者と患者の知識の差が極めて大きい特殊な分野だと私は思います。そのギャップを縮めることが消費者教育なわけですけれども、とはいえ、医学、医療というのは大変難しゅうございますから、このギャップを埋めていくということは容易な作業ではないというふうに思います。ただ、やはり高齢化社会を迎えて、いろいろな自由診療も今のように出てきたという中においては、患者の医療リテラシーを高めるための対策、これにもこれまで以上に力を入れるべきではないかというふうに考えます。
 また、この観点からは、今回の改正に関しまして、美容医療の分野においてインフォームド・コンセント、これを徹底することが必須というふうに考えますけれども、医療法上、これはどのように担保をされるのでしょうか。これまで、平成二十三年、二十七年と消費者委員会からの二回の建議に基づいて、それぞれ都道府県に対して通知も発せられております。ただ、この通知は、都道府県に医療従事者等に対して指導強化をしてほしいというような要請と申しますか、そういう内容のものでございまして、患者の側から見ると、苦情がどんどん増えているのに、被害もどんどん出ているのにという中で、十分なものであったのかなという気もいたしております。
 これらを踏まえまして、更なるインフォームド・コンセントの徹底ということについて医療法上どのように対応していかれるのか、政務官に御答弁をお願いできればと思います。
#118
○大臣政務官(馬場成志君) お答えします。
 厚労省としましては、これまで医療安全支援センターにおきまして市民公開講座やリーフレットの配付を実施するなど、患者の主体的な自己決定の支援等に取り組んできたところであります。さらに、医療機関のウエブサイトの取扱いを議論した検討会におきまして、学校や地域における患者教育、消費者教育が重要であり、消費者庁、消費生活センター、保健所、医療安全支援センターなどと連携した積極的な取組を促すこととされておりまして、引き続き患者の医療リテラシーの向上に資する取組を進めてまいりたいと存じます。
 また、医療法におきましては、医師、看護師等の医療の担い手が医療を提供するに当たって、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう努める旨規定しております。特に、美容医療サービス等の自由診療におけるインフォームド・コンセントにつきましては、即日施術の必要性が医学上認められない場合には即日施術を強要することは厳に慎まなければならないことや、実施しようとする施術に関する費用や解約条件について必ず当該施術前に丁寧に説明しなければならない旨を通知し、周知及び遵守の徹底を依頼しておるところであります。
 今後とも、厚労省としましては、美容医療におけるインフォームド・コンセントが適切に実施されるよう、留意すべき事項の必要な見直しを行うとともに、地方自治体と連携して行政指導を実施してまいりたいと存じます。
#119
○太田房江君 この項の最後に、今回の医療広告規制の円滑な施行のためには全ての医療機関への周知が必要ですが、このため、今回の法案による医療広告の規制の見直し、速やかに施行することが大事だと思いますし、早期に、広告として何を列挙していいのか、何が悪いのかということについて分かりやすく基準を早く明確化していただきたいと、このように思います。
 施行に当たって十分な周知期間を確保することも大変大事になってくると思いますが、この点、いかがでしょうか。
#120
○政府参考人(神田裕二君) 今回の医療広告の規制の見直しにつきましては、法律の公布の日から一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
 今回の医療広告の規制の見直しは、これまでは行政指導の対象であったウエブサイトの取扱いについて、虚偽や誇大等の不適切な内容のものを禁止し、是正命令や罰則等の対象とすることとしており、その施行に当たっては、一定の期間を設けた上で十分な周知が必要というふうに考えております。
 今後、広告可能な事項の条件などについては、医療関係団体や患者団体、消費者団体などの意見を聞きながら検討していくこととしており、可能な限り速やかに施行に必要な事項を決定し、十分な周知期間が確保されるように努めてまいりたいと考えております。
#121
○太田房江君 ありがとうございました。
 次に、妊産婦の異常の対応等について、今回の医療法の改正案に組み込まれておりますので、この点について質問させていただきます。
 これは高階先生に御教示をいただいたことでもあるわけですけれども、今回の改正案には助産所に対する縛りというのが幾つかございまして、これから助産所、助産師さん、大変になってくるだろうなというふうにも思われるわけです。産婦人科の半数以上がお産を取らなくなっているという現状にも鑑みて、私は、助産所あるいは助産師さんたちのこの施設設備が十分対応可能になっているのかどうか、その点も多少心配でございますし、また、緊急対応の際の医療機関等を妊産婦に説明しておくということ、これはもう当然のことではありますけれども、今申し上げたように、お産を取る産婦人科が減少しているというような状況もあって、助産師さんが連携先を確保できず四苦八苦しておられるようなケースもあるやに聞いております。
 行政としても、この辺をカバーしてさしあげて、助産所における嘱託医師や医療機関の確保がしっかりできるように、支援を今まで以上に進めていく必要があるのではないかと考えますが、今回の改正と併せて、こうした支援措置について、副大臣、どのようにお考えでしょうか。
#122
○副大臣(古屋範子君) 助産所に関する御質問をいただきました。
 今回の医療法改正におきましては、助産師から妊産婦等に対して、異常の際に対応する医療機関名等について事前の書面の交付と説明を義務付けることといたしており、これにより、妊産婦の安心、安全が一層推進されるものと考えております。
 助産所におきましては、都道府県等に開設の届出をすることとしておりまして、都道府県等はその構造設備を把握しているわけですが、助産所の施設整備への支援につきましては、分娩取扱施設が少ない地域において産科や助産所を開設する場合に、その施設設備に要する費用の一部を補助をする、また、助産所が分娩を伴わない産後ケア等の様々なニーズに対応できるよう、分娩を取り扱わない助産所につきましては分娩室の設置を要しないこととする規制緩和などの措置を行っているところでございます。
 嘱託医師や嘱託医療機関の確保につきましては、今回の法案の施行に際して、都道府県や産婦人科医会などの関係団体と連携しながら医療機関への協力を依頼をしていく、また、助産師会が行う医療機関と助産所の仲介や助産所への相談援助業務への財政支援などの必要な支援を行うことによりまして、連携する医療機関の円滑な確保につなげてまいりたいと考えております。
 なお、助産所を含む正常分娩を取り扱う地域の分娩施設におきまして妊産婦が急変した際に、周産期母子医療センター等の高次施設に搬送可能な連携体制を構築するよう、都道府県が医療計画を策定する際の指針を国として示し、周産期医療の連携体制構築を推進しているところでございます。
#123
○太田房江君 ありがとうございます。ちょっと安心をいたしました。
 最後に、今回の法案からは少し離れて恐縮なんですけれども、医師の働き方改革についてお伺いをいたしたいと思います。
 これは法案中の特定機能病院のガバナンス体制の強化という議論に関連して、党の勉強会で恐縮ですけれども、やはりこういう病院の管理運営体制の強化、これは大変重要だけれども、一方で医師に求められる負担は増えていくのではないかというような議論もございまして、この働き方改革について質問させていただこうと考えた次第です。
 働き方改革というのは当然のことながらアベノミクスの中心課題でございますけれども、さきに出されました基本計画の中では、医師についても二年慎重に検討した後で、五年の猶予期間、移行期間を置いて施行をすると、労働時間の上限規制についてですね、こういうふうに定められております。
 そのまま読みますと、医師については、時間外労働規制の対象とするが、医師法に基づく応招義務等の特殊性を踏まえた対応が必要であると。具体的には、改正法の施行期日の五年後を目途に規制を適用することとし、医療界の参加の下で検討の場を設け、質の高い新たな医療と医療現場の新たな働き方の実現を目指し、二年後を目途に規制の具体的な在り方、労働時間の短縮等について検討し、結論を得ると、このようになっております。
 一億総活躍社会をつくっていく上で働き方改革は避けて通れない道であることは十分私どもも存じておりますが、製造業など通常の産業ではこういうことが起こるかと存じます。つまり、労働時間の上限が制限をされれば、当然ロボットなどの省力化投資も進んでくる、そして会議の効率化も進んでくると、こういうようなことを通じて、労働需給の逼迫に伴う賃金の上昇ということとも相まって、生産性向上のプラスのメカニズムが働いてくるというふうに考えられますから、そういう意味では、労働時間の上限の制限というのは私は日本において是非やっていくべきだという考えの持ち主です。
 ただ、医師については、患者の健康、生命に関わる仕事であり、応招義務もあるということで、画一的に他の業種と同じような労働時間規制の下に置くことは難しいのではないかという意見も多くあるというふうに考えます。
 応招義務というのを繰り返して申し上げるのもなんでございますけれども、医師法十九条、「診療に従事する医師は、診察治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。」と、こういう定めがあるわけでありますから、今回の働き方改革の中でこれを踏まえてどのように時間外労働規制を行っていくのか、これは国民的に大きな議論をしないといけないんではないかなというふうに思います。
 今回、働き方改革の中で適用除外等とされました業種は四つございまして、一つは自動車の運転業務、トラック運転手さん、それから建設事業、それから今回のこの医師、さらには新技術、新商品等の研究開発、この四つが適用除外等として挙げられておりまして、最初の三つ、すなわちトラック運転手と建設事業と医師については、将来の他業種と同等の適用を目指してこれから検討を行うということになっている。そしてまた、研究開発の方は、この時点で既に適用除外ということが、限定するということは入っていますけれども、適用除外とされておるわけです。
 私の考えでは、この四つの業種のうち、最初の二つは労働集約型だなと、あとの二つは知識集約型だなと。特に研究開発が今の時点で適用除外となっていて、医師の方はこれからしっかり検討しようと、こういうふうになっているわけですけれども、私は、医師についても、どちらかというと研究開発に近い業態ではないだろうかと。つまり、お医者さんというのは労働の部分とそれから勉強の部分というのが簡単には切り分けられない職種なのではないだろうかと、このようにも思います。
 労働時間の規制を率先して進めておられる厚生労働大臣にお伺いをいたしたいと思いますが、その前に厚生労働省の方に、医師の勤務時間の実態、どのように把握をしておられるか、そして医師の勤務環境、大変厳しいと認識をいたしておりますけれども、医師の勤務環境の改善に向けてこれまでどのような取組をされてこられたか、局長にお伺いをいたします。
#124
○政府参考人(神田裕二君) まず、医師の勤務時間の実態についてでございますけれども、今年の四月に、新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会におきまして働き方に関する初めての大規模全国調査を実施いたしましたけれども、それによりますと、診療というものと教育、研究、会議等の診療外の労働について労働時間を調べたところ、男性の二七・七%、女性の一七・三%が週六十時間以上であるという実態にございます。また、二十代の若い医師について申しますと、診療、診療外、当直、オンコールの待機時間を合わせますと、男性で週七十三時間、女性で六十六時間という非常に過重な労働環境にあるということが確認されております。
 厚生労働省としましては、これまで医療機関の勤務環境を改善していくために、都道府県ごとに医療勤務環境改善支援センターというものを設置いたしまして、勤務環境の改善に取り組みます医療機関を社会保険労務士ですとか医療経営コンサルタントなどが総合的、専門的に支援する体制を整備しているところでございます。また、診療報酬におきましても、医療従事者の負担の軽減の取組を評価しており、例えば医師の事務作業を補助する者を配置している場合には医師事務作業補助体制加算の算定ができるというふうにしております。
 さらに、新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会の報告におきましては、働き方実態調査の結果を踏まえまして、医師の負担軽減策として、主治医・副主治医制などを活用したグループ診療やチーム医療の推進といったタスクシフティング、タスクシェアリングといったことを進めていくこと、地方で働きたい医師については労働環境やキャリア形成の不安を解消するための支援を行っていくこと、AIやICTを活用した遠隔診療などによる医師の作業の効率化などの具体的な対策を御提案いただいているところでございます。
 今後、厚生労働省としては、報告書の内容を踏まえまして具体化の検討を行うなど、医師の勤務環境の改善に向けまして更なる検討を進めてまいりたいと考えております。
#125
○太田房江君 それでは、最後に大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。
 今るる申し上げましたように、この医師の働き方改革というのは大変難しい問題で、安全、安心の確保はもちろんのこと、やっぱりお医者さんには元気で的確な治療をやっていただかなくてはいけない、質の高い医療を実現し続けるということが我が国の優れた医療を維持していく上で大変重要。しかし、今申し上げたような、複数の施策が関連した大変難しい課題。塩崎厚生労働大臣、長くこの分野を担当、両方を担当してこられて、最もこの分野で的確なお答えをお出しになれる大臣だと思います。持論で結構でございますので、この部分について御意見を少しお伺いさせてください。
#126
○国務大臣(塩崎恭久君) 御指摘のように、医師法で応招義務というのがある、医師の特徴的な位置付けなわけです。お医者さんも、しかし人間でありますから、家族もあれば人生もあると。こういう中で、一方で優秀なお医者さんになるためにはやはり研修を重ねていって十年ぐらい掛かるわけでありまして、そういう中で安全かつ高度な質の高い医療を提供していただかなきゃいけないということと、ワーク・ライフ・バランスをまさに個々人としても改善、実現をしていく、そういう中での働き方改革ということで、御指摘のように大変難しいことだと思っております。
 しかし、それはやらないといけないということで、実行計画に定めたわけでありまして、本年四月に、先ほど局長からも触れた新しい医療と働き方のビジョンを出しましたけれども、そこにいろいろ新しいチーム医療や、あるいは医師の働き方、そしてまた技術面でのいろいろなサポートによって、医師の言ってみればいい意味での生産性が上がることで労働時間が短くなるということが、今先生からも御指摘がありましたが、そういうようなことが提言されておりまして、こういうことを踏まえた上で、医療の在り方とそこでの医師の働き方の改革を進めながら、やはり今回、二年間掛けるということで、実行計画の中で医師の今後の長時間労働対策を決めていかなきゃいけないというふうに思っているわけでありまして、これはやっぱり連立方程式をきっちり解くということだというふうに思いますので、規制の中身は、具体的な在り方とか労働時間の短縮の具体的なことは、これは二年間掛けて議論していただきますけれども、やはり先ほど申し上げたような、達成しなきゃいけない政策目標というのをそれぞれやっぱり達成できるような形で連立方程式を解いていけるように我々努力をしていかなければいけませんし、検討の場を設けるわけでありますから、そこでしっかりと議論していただきたいというふうに思っております。
 その場に医療界の御参加をいただくことになっていますから、いろんな方々がやっぱり医療界にもおられると思うので、そういったいろんな声が反映できるように工夫しながら進めてまいりたいというふうに思います。
#127
○太田房江君 丁寧な御答弁、ありがとうございました。
 以上で終わります。
#128
○藤井基之君 自由民主党の藤井基之でございます。自由民主党の最終バッターになりました。よろしくお付き合いいただきたいと存じます。
 あえて申し上げるまでもございませんけれども、今回の医療法の改正、幾つかの目標がある、目的があるわけでございますが、その一つがゲノム医療、遺伝子情報を用いた医療の実用化等に向けて、遺伝子情報を含めた検体検査の精度の確保を図ることとされております。
 御案内のとおり、約三十億個の塩基対から成ると言われておりますヒトの全ゲノム解析、これをやろうという、そういうヒトゲノム計画がスタートしたのは一九九〇年のことでございました。ワトソン、クリックがDNAの二重らせん構造を解明した一九五三年からちょうど五十年後の二〇〇三年、このヒトゲノム計画は完了いたしました。十三年の歳月と、約三十億ドルと言われておりますが、そのような経費を要したものでございました。
 しかし、今ではゲノム解析に要する時間は約一週間、コストは大体千ドル。今年になりまして、ある企業は、もうこのコストを百ドルを目指すんだと、そういったような製品開発をしますと、こういうことを公表しておりまして、日々目覚ましい技術刷新が続いております。このことが疾病の診断、治療とか、あるいは新薬の開発であるといった医療分野への応用を高めるものとなってきております。
 個人のゲノム情報に基づきまして、個人の体質や病症に適したより効果的、効率的な疾患の診断、治療、予防につながるゲノム医療、これに対する国民の期待は非常に高いものがあります。昨年六月閣議決定されました日本再興戦略改訂二〇一六におきましても、ゲノム検査・解析等に関する高度な技術を有する医療機関を含めたゲノム医療提供体制の構築を進めるとともに、ゲノム情報を用いた新たな製品及び技術の臨床における普及に向けた課題解決について検討を進めるとしまして、政府を挙げて信頼性の確保されたゲノム医療の実現に取り組むことが示されております。
 また、二〇一四年に閣議決定されました健康・医療戦略、本年二月に一部改定されておりますけれど、その中では、健康・医療推進会議の下に設けられたゲノム医療実現推進協議会、そしてゲノム情報を用いた医療等の実用化推進タスクフォースの検討が加えられまして、がんとか難病等の医療提供体制の整備、具体的な取組が現在進められていると存じております。
 今週の月曜日でございます五月の二十九日、厚生労働省ではがんゲノム医療推進コンソーシアム懇談会が開催されたと伺っておりまして、そこにおきましては、「国民参加型がんゲノム医療の構築に向けて」と題されました報告書案の取りまとめも行われたんだというふうに伺っております。
 午前中に副大臣から一部御答弁があったことは存じておりますけれど、このゲノム医療の実現化に向けて、その体制整備、具体的にどのように進めるおつもりなのか、もう一度改めて答弁をいただきたいと存じます。
#129
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
 近年、個人のゲノム解析技術やその結果を解釈するための情報通信技術が飛躍的に向上しており、一人一人の患者の特性に即した、従来よりも効果が高く副作用が少ないがん治療を届けることが可能となりつつございます。全国の患者にがんゲノム医療を届けるためには、患者個人のがんの原因となりましたゲノム変異や治療効果等に関する情報などを集約し、AI、人工知能などを用いまして解析するとともに、治療に当たる医療関係者などを支援する拠点の整備が不可欠であると考えております。
 昨年末には、総理から厚生労働大臣に対し、がんに立ち向かう国民の皆様の命を守るため、がんゲノム医療の計画的な推進を行うようメッセージがあったところであり、厚生労働省としては、国内の医療従事者や研究者の力を結集して最新のがんゲノム医療を国民に提供する仕組みを構築するため、必要な機能や役割を検討することを目的にがんゲノム医療推進コンソーシアム懇談会を開催しているところでございます。
 全国の皆様の英知を結集しながら、一刻も早く国民の皆様にがんゲノム医療を届けられるように取り組んでまいりたいと考えております。
#130
○藤井基之君 ありがとうございました。
 今御答弁いただいたように、このゲノム医療の実用化というものは、これは簡単に言葉としてしゃべっておりますが、今言われたように非常に様々なジャンルの施策を総動員して初めてそれが実現可能になるものだと思っております。そういった意味で、いろいろな新しい日進月歩の科学技術等も全部採用して、そして世界に誇るゲノム医療の拠点を日本につくっていただきたい。それに対して政治もそれを支援をさせていただきたいと思っております。
 これにつきましては、今回の法改正にも言われておりますような遺伝子関連検査の品質、精度の確保を図る、これも重要だと思っておりますが、これについては、特にゲノム医療に関しては、この遺伝子関連検査というものは、かつて言われていた、何というんですか、検査と言われているものとはかなりニュアンスが違うものだというふうに認識をしております。今日午前中の宮島先生の御質問にもありましたように、やはりこれらについては、そのものそのもののターゲットの適性に応じた基準というものを設定していただきたいと思っております。
 このゲノム医療の実用化のため、これ、ゲノム医療に用いる検査機器だとか検査キットなどといういわゆる新しい製品の開発、製品の供給が不可欠なものと考えられております。例えば、現在その導入がもう図られつつあります例えばがんの遺伝子パネル検査システム、例えばこのシステムには、塩基配列を決定するためのDNAのシークエンサーが必要であります。また、テンプレートDNA調製試薬も必要となりますし、解析に用いるプログラムも必要となります。これら個々の構成パーツを全て一定の品質、一定の基準でそれを用意して、全体として一つの検査のシステムができ上がるようになります。
 今回、厚生労働省にお尋ねしたいと思いますが、この種のゲノム情報を用いてゲノム医療用に必要となる新たな製品の開発とか供給につきまして、どのような取組、またどのような御支援を行っているか、お尋ねしたいと存じます。
#131
○政府参考人(武田俊彦君) ただいま御指摘をいただきましたように、遺伝子検査システムは非常に技術革新が進んでいる分野でございます。
 今お話がありましたように、がん関連遺伝子パネル検査システムというものが開発されつつございますけれども、これはがんパネルといった百を超えるがん関連遺伝子領域を濃縮する部分、それからDNAシークエンサーとして塩基配列を決定する部分、それからそれを解析するプログラムの部分というものがセットとして成り立っております。
 こういうものにつきまして、本年二月に、医療上の必要性が高く、国内で早期の開発が見込まれ、極めて高い有効性が期待される製品の実用化を促す私どもの先駆け審査指定制度というものがございますけれども、この先駆け審査指定制度におきまして、このがん関連遺伝子の検査を目的といたしました検査システムを一品目指定しているところでございます。
 こういったがん関連遺伝子の網羅的な測定を目的とした製品は本邦ではまだこれまでに承認したものがないということでございますので、私ども、先駆け指定制度におきまして、現在承認申請を予定している企業と医薬品医療機器総合機構、いわゆるPMDAとの間で承認申請に向けた相談が開始をされているところでございます。
 なお、遺伝子検査システムを始めとした医療機器におきましてプログラムは重要な役割を担うと認識しておりますが、厚生労働省では、平成二十六年の医薬品医療機器法の改正により、プログラムを医療機器として定義した上で医療機器として使用されるプログラムに関するガイドラインを作成するなどの対応を行ってきたところでございます。
 今後とも、遺伝子検査システムの承認審査を適切に実施し、実用化が円滑に進められるよう努めてまいりたいと考えております。
#132
○藤井基之君 ありがとうございました。
 今御答弁ありましたとおりでございます。このジャンルは非常に技術刷新が早うございます。多分今までその意義が分からなかった遺伝子配列がある特定の意味を持つように分かってくるということは幾つも出てくると思いますし、それの解析に用いるプログラムをそのためにアップ・ツー・デートにする必要がどんどん出てくると思います。そして、ビッグデータをベースにして、当然AIを使うことになると思うんですね。このようなプログラムが可能になって、そしてシステムが可能になって初めて医療の現場においてもよりゲノム医療というものが振興される、広く使われることになると思っております。このような取組については引き続き力を入れていただきたいと思います。
 これと似たようなお話でございますが、がん治療の分野における治療薬としてこれ様々な分子標的薬というものが開発されて、もう世界中で幅広く使われているわけでございますが、そして、その治療効果が非常に高いということで、関係者の期待が高うございます。
 厚生労働省は、これ二〇一三年だったと思いますけれども、いわゆるコンパニオン診断薬などといいましょうか、そういったもの、これは特定の例えば分子標的薬、そのお薬の有効性とか安全性というものがどのような患者さんにはより高く効果が出てくるのか、あるいはどの患者さんにはこれは副作用が出てしまうということをプレチェックができるような、そういった検査といいましょうか、これが俗に言うコンパニオン診断薬、あるいはコンパニオン医療機器と言われているものだと思うんですね。厚生労働省は二〇一三年に、これらに対する、開発に対する指導通達を出されたと伺っております。このようなコンパニオン医薬品というものの意義は非常に高いと私は思っております。
 そして、このようなものの中には、確かに患者さんの適性を判断するものもありますけど、もう一つ、昨今ずっと話題になっておりました、その価格が高過ぎるのではないかということで、厚生労働省にも御苦労いただいて、たしか薬価を引き下げる手当てを取りました、免疫チェックポイント阻害薬、これらについてより適正に使うためにはどうすればいいかという話、その答えの一つとして、このコンパニオン診断薬を開発して、それによって患者さんの適性を使い分ければいいんじゃないかと言われている。これにつきましては、キイトルーダでしたか、新しいお薬について今年既にこのコンパニオン診断薬はもう認可されたとも伺っております。
 このようながん治療薬としての分子標的薬とか遺伝子診断における治療薬の選択、これ、革新的な医薬品の開発が大切なのはもちろんでありますけれど、この治療薬の選択、そのことが医療や効率化につながると考えられるコンパニオン診断薬等の開発状況、これがどのようになっているか、厚生労働省の把握しているところを教えていただきたいと存じます。
#133
○政府参考人(武田俊彦君) ただいま分子標的薬におけるコンパニオン診断薬の開発などについてのお尋ねがございました。
 がんの治療におきましては、それぞれの患者に適切な医薬品を用いて最適な治療が行われることは非常に重要でございます。この点、御指摘のとおりでございます。特にお尋ねの分子標的薬、最近の科学技術の進歩によりまして出てきた新しいジャンルの医薬品でございますけれども、がん細胞に発現している特定の遺伝子又はたんぱく質を標的分子として作用して効果を発揮する医薬品と、こういう性格がございますので、この作用する遺伝子変異など標的分子の有無をあらかじめ確認をして、効果が高いと期待される患者に対して適切に使用されるということが非常に重要であるというふうに考えてございます。
 したがいまして、これまで、この分子標的薬の承認申請を行う企業に対しましては、これまでもその標的分子の有無を確認するための診断薬、これがコンパニオン診断薬と言われているものでございますけれども、この開発を並行して行うといったこと、それから、承認審査資料や市販後に収集された調査結果などに基づきまして、効能、効果や使用上の注意において、有効性、安全性の確保のための分子標的薬の特性に応じた必要な記載、これを添付文書上に必要な記載を行うことを指導してまいっているところでございます。
 二〇一三年に指導通知を私ども出した以降につきましても、例えば医薬品の販売名でいいますとアレセンサカプセルといった、二十ミリグラム、四十ミリグラム、百五十ミリグラムといった医薬品の販売に当たりましては、ALK融合遺伝子陽性の患者に効果があるということでございますので、コンパニオン診断薬としてこのALK遺伝子の検査キットが同時に開発をされ、そして医薬品の効能、効果におきましても、具体的に対象患者を限定した形の効能、効果を記載させていただいているところでございます。
 このような形で、最も患者にとって最適な治療というのが行われるように取扱いを進めているところでございますけれども、また、厚生労働省といたしましては、日本医療研究開発機構、いわゆるAMEDに委託して実施をしている革新的がん医療実用化研究事業というのがございますけれども、平成二十九年度には、がんの最適医療の実現に資するゲノム異常及びバイオマーカーの同定と臨床的有用性の検証、こういうテーマで公募課題としておりまして、がんの原因となる遺伝子変異などについて更に一層研究推進の取組を進めているところでございます。
 これらの研究により得られる情報なども活用しながら、今後とも患者にとって有効で安全な医薬品が開発され、さらに臨床で適切に使用されるように取り組んでまいりたいと考えております。
#134
○藤井基之君 ありがとうございました。
 今、局長から御答弁いただきましたように、このコンパニオン診断薬というのは、付随するというような意味でコンパニオンと付いていると思うんです。ですから、ある新しい新薬が認可されるとき、それを使うために必要なサイドデータを提供するのがコンパニオン医薬と、そういうことで、ほぼ同時期にセットして認可を受けている。
 ですから、先ほど申し上げましたけど、いわゆる免疫のポイントの阻害薬でございます、例えば今年、正確にはこれ去年ですか、去年の暮れに認可されましたキイトルーダ、商品名で申し上げれば、このお薬についてはコンパニオン診断薬がもう認可されているわけですね。ですから、このキイトルーダを使うときにはこの診断薬がちゃんとありますよと、患者さんの選択ができます。じゃ、このキイトルーダと多分競合してそれよりも早く認可を受けた日本初と言われているオプジーボというお薬、これもメカニズム的には同じである。ところが、オプジーボが認可されたときにはこのような政策的な定型がなかったためにコンパニオン医薬品と称されるものは存在していないというふうに私は理解している。だから、何も新しく認可された薬と同じ時期でなくても、このお薬を使うために必要なそういった診断薬とか、いわゆる臨床検査薬というものの開発をまさに国が要請して、あるいは指導してそれを出せば、このキイトルーダの方と同じような形で、オプジーボに対しても使用の適正が図れることになると思うんですね。
 ですから、私は、厚生労働省はコンパニオンという用語を使われておりますけど、私は、その時期的なものはコンパニにしなくても、その使い方がコンパニにすればいい、そういうことだと思っておりますので、これから先の指導対象、あるいはそういった技術指導につきましても、これからのものだけに限定しないで、幅広い対応を取っていただきたいと存じます。
 次のテーマに移らせていただきたいと存じます。
 遺伝子検査ビジネスというものについては、今、医療用の関係の、医療に関係するものをずっと中心に少しお尋ねをさせていただきました。ただ、遺伝子検査につきましては、これは消費者向けのいわゆる民間ビジネスとでも申しましょうか、そういったものも結構これ広く使われているわけでございます。これ、衆議院でも多くの先生が御質問なさっておりました。私もこれに関係して一つ質問をさせていただきたいと存じます。
 今日、コピーは、申し訳ございません、用意いたしませんでしたが、先週の日曜日でしょうか、五月の二十一日の日曜日の読売新聞の一面に、このような記事がございました。将来の遺伝病予測、両親を検査してその発症率を測定するという、そういった製品を開発していると。まさに消費者向けの遺伝子ビジネスのはしりになるような内容でございます。
 この記事によりますと、国内の遺伝子検査会社が提携するアメリカの検査サービスを国内に導入しようとするものでございまして、男女のカップルの遺伝情報を調べることで将来生まれる子供の遺伝病の発生確率を調べるんだと、こういうんですね。そして、このサービスを来年にも開始する計画がありますと、そういうふうにこの新聞は伝えております。また、この記事では、この検査によりまして、筋ジストロフィーであるとかパーキンソニスムスの一部などの約千五十の病気の発症確率が把握できると、こうされているわけでございます。
 これだけのいろいろなものが簡単に情報として取れるとなったら、これはひょっとすると利用者のニーズというのは高いものがあるのかもしれません。ただ、ニーズが高いといいましても、やはりこれは、これから先生まれてくる子供さんがどうだろうかということをある程度予測する、未来予測をするわけです。そのことが新たな差別を助長するおそれもあるのではないかということで、関係する学会等はこの検査に懸念を示すような声明をも検討しているんだとも記事は伝えているわけでございます。
 私も、このような消費者向けの遺伝子ビジネスというものが提供される、これはある種の、検体検査を海外の施設にこれは送ってそこで検査をするというものは幾つもあるわけでございます。こうなりますと、これ日本人の遺伝子情報の海外流出になってしまうのではないかと危惧しますし、また、この種の遺伝子情報のその行方、あるいはその取扱いがどのようになるんだろうかということも心配になります。
 消費者向けの遺伝子ビジネスに関しましては、遺伝子検査ビジネス事業実施者を対象にしまして、経済産業省さんのガイドラインでありますとか、実施事業者を会員とする法人の自主ガイドラインによりましてその適正な実施が図られていると聞いております。ただ、医療として提供されるのではありませんと、こうされていますけれども、例えば今申し上げたような消費者向けの遺伝子検査ビジネス、これは直接人の健康に関わる、あるいは次世代の子供の健康に関わる問題だと思うんですね。ですから、この質についても、医学的にもいわゆるゲノムサイエンス的にも適正でなければならないんだろうと思うんですね。となりますと、やはり私は、経済産業省さんが頑張っていることはよく分かるんですけれども、厚生労働省としてもそれぐらいのこれに対する取組を進めていく、一緒になって取り組めれば結構なわけですよね。それをする必要があると思うんですけれども、厚生労働省の考え方をお尋ねしたいと存じます。
#135
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
 いわゆる消費者向け遺伝子検査サービスにつきましては、関係府省と連携し、厚生労働省が事務局を務める有識者会議でありましたゲノム情報を用いた医療等の実用化推進タスクフォース、この昨年十月の取りまとめにおきまして、医療や健康増進の観点から、厚生労働省も関わった上で、検査の質などについて一定の水準を確保するために実効性のある取組を行う必要があるとされたところでございます。
 これを受けまして、現在、厚生労働科学研究におきまして、消費者向け遺伝子検査ビジネスの、先ほど御指摘ありましたように、具体的な検査内容でございますとか検査手法、また利用者への説明内容など、サービスの現状を把握するための実態調査を行っているところでございます。この研究成果も踏まえまして、御指摘の遺伝子情報の海外流出の懸念も含め、厚生労働省としてこれからのサービスの質確保の方策につきまして必要な施策を検討してまいりたいと考えております。
#136
○藤井基之君 よろしくお願いします。
 今回の法改正のうち、特定機能病院のガバナンス改革というんですか、医療安全確保に係るもの、この法改正のきっかけになりましたのは、特定機能病院の承認を受けておりました東京女子医科大学病院及び群馬大学医学部附属病院において医療安全に関する重大な事案が発生した、これが端緒だというふうに理解をしております。
 東京女子医科大学病院の事案では、二〇一四年二月に、集中治療における人工呼吸中の鎮静目的として小児への投与、これはお薬を供給する会社の製品の添付文書については禁忌だとされているものでございます、その禁忌とされている医薬品プロポフォールが投与された、そうした小児が亡くなってしまったわけです。医薬品の添付文書に投与禁忌とされていたにもかかわらず、漫然とそのお薬が投与されてしまった、これは非常にもう不幸な話であるし、残念でなりません。
 これは、たとえその病院が、特定機能病院であるかどうかを問いませんよ。全ての医療機関でこういうことはあってはいけないんだろうと思うんですね。医療機関における医薬品の適切な使用というのか適正な使用、これは医療従事者が当然留意すべき重要な事項だと考えます。
 東京女子医科大学病院の事案におきまして、これは二〇一五年の四月に社会保障審議会の医療分科会から、東京女子医科大学病院の特定機能病院としての取扱い等についてと題される文書が大臣宛てに提示されておりまして、それを受けて特定機能病院の承認が取り消されたんだと理解をしておりますが、この東京女子医科大学の事案で、医薬品の使用であるとか医療安全管理についてどのような問題があったというふうに厚生労働省は理解をされているんでしょうか。その見解をお聞かせいただきたいと存じます。
#137
○政府参考人(神田裕二君) 御指摘の東京女子医科大学病院の事案についてでありますけれども、これは、先ほど先生御指摘のございました社会保障審議会の医療分科会におきまして、次のような問題点が指摘されているところでございます。
 この小児集中治療におけます人工呼吸中の鎮静にプロポフォールを使用することは禁忌であるわけでありますけれども、一部のICUでは禁忌であるということが認識され、使用しないように治療方針が変更されていたわけでありますけれども、この事案の発生した中央ICUを含む病院のほかのICUにおいては、その治療方針に係る変更が周知徹底されていなかったということでございます。
 また、この中央ICUにおきましては、一部の医師以外はプロポフォールの禁忌情報を認識していなかった、また、本事案に関与した医師、薬剤師を始めとする医療従事者の大半が禁忌薬を処方する場合の基本原則を十分に理解しておらず、院内において禁忌薬についての考え方が整理、共有されていなかったといった問題点が指摘されております。
 また、このほかにも、プロポフォールを使用することについて医師から家族に対して説明を行っておらず、家族の同意が得られていなかった、管理者への権限の集中についての取組が不十分であったため、医療安全の向上に向けた取組に際して病院長が管理者の責任を十分に果たせない状態にあったなど、医療安全管理体制の問題点が指摘されているところでございます。
 厚生労働省としては、こうした事実を踏まえまして、昨年六月に、医薬品安全管理責任者は担当薬剤師等を指名いたしまして、医師の処方した薬剤の使用が未承認や禁忌などに該当するか否かを把握した上で、未承認や禁忌に該当する場合には、薬学的知見に基づきまして、処方した医師等に対しまして処方の必要性や論文等の根拠に基づくリスクの検討の有無、処方の妥当性等を確認し、処方の変更等の提案を行うこと、また、医薬品安全管理責任者に未承認、禁忌などに該当する医薬品使用に関する状況を報告し、必要に応じて医師等に対する指導の実施を行わせること、また、未承認の医薬品や禁忌医薬品等を用いた医療を新たに提供する際には、その医療の実施の適否について診療科以外の者が確認をするなどの導入プロセスを整備し、その実施の適否を決定する部門がそのプロセスの遵守状況を確認すること、また、先ほどインフォームド・コンセントに関する問題がございましたので、患者の説明に関する責任者を配置し、標準的な説明内容、説明の実施に必要な方法に関する規程を作成し、規程で定められた事項の遵守状況を確認することなどを内容といたします特定機能病院の承認要件の見直しを行ったところでございます。
 加えまして、今回の法案におきまして、病院の管理運営に関する業務遂行能力のある者を管理者として適切に選任し、その管理者が多数の診療科をまとめ、権限と責任を持って管理運営に取り組めると同時に、相互牽制が機能するような適切なガバナンス体制が構築されるよう、今般、特定機能病院のガバナンス改革に関する法案を提出させていただいているところでございます。
#138
○藤井基之君 ありがとうございました。
 今回、私まだ大臣の声を聞いていないので、一つ大臣にお尋ねをさせていただきたいと存じます。
 今、東京女子医大の件で、お薬の名前で、プロポフォールという名前が出てまいりました。このお薬は、イギリスで開発された全身麻酔剤でございまして、現在、日本を含めまして世界では百か国以上の国で使われている意外とポピュラーな薬でございます。
 ただ、私ども、どちらかというと薬物乱用、いろいろな話をする機会、会合に出てまいりますと、このお薬は別な意味で非常に有名なお薬だということが認識されています。といいますのは、プロポフォールと聞くと、まず思い浮かぶのは誰かと、マイケル・ジャクソンなんですね。世界のポップス界に君臨しておりましたマイケル・ジャクソンが五十歳の若さで亡くなった、これは二〇〇九年のことでございました。その死因はこのプロポフォールの中毒でありました。彼は以前から薬物依存があったのではないかとの指摘が強うございましたけど、このプロポフォールの、死因としては急性プロポフォール中毒となっておりまして、この主治医、そしてその注射をしたという医師は有罪判決を受けたというものでございました。
 このほかにもこのプロポフォールを使った乱用事件というのは実は幾つも出ておりまして、お隣の韓国でも、二〇一三年には芸能界の多くの女性の方々がこの乱用の問題がありまして、社会問題になったと記憶をしております。
 このプロポフォールの乱用というのは、実はそういう芸能人の方が多いように聞こえますけれども、本当はこれ、調べてみますと医療関係者に多いんですね。もうそれは薬剤の性格だと思うんですね。注射でありますし、麻酔のところで使われる睡眠導入、これは必ずしも適応じゃないと言われている。そういう使われ方をすることによって、医療関係者の乱用が多いとも言われております。
 この乱用の問題で、ちょっとポイントずれますけれど、今、アメリカなどでは、いわゆる処方薬といいましょうか、お医者さんが医療に使うお薬、この乱用が大きな問題になっているという報告がいっぱい伝わっているわけです。
 もう御案内のとおりと思いますけれど、現在アメリカで処方薬の乱用による死亡者、この死亡者数はアメリカにおける交通事故の死亡者数を上回るものになっていると。そして、アメリカの麻薬取締局、DEAが、非医療目的、医療の目的以外の目的で使われているこの処方薬の費用、これだけで年間五百三十億ドルを上回るなどと、そのような推計もされております。非常にアメリカにおいては今処方薬の乱用ということが取り沙汰されておりまして、もちろん日本は、おかげさまでと申しましょうか、厚生労働大臣の指導もありまして、乱用の問題というのはそれほど大きな問題になっていない、もう御同慶の至りでございます。
 ただ、この日本におきましても、例えば精神安定剤等の処方薬の医療機関からの紛失であるとか、あるいは盗難を受けた、こういったケースは毎年起こっているわけなんですね。
 私は、今回のプロポフォール、この名前を聞いて、まず最初私はそちらを思いまして、なぜこれだけ有名な、薬物乱用のターゲットの一つであるような薬剤の乱用をどうしてすぐに止められなかったんだろうかと思いました。そして、私は、これを知っているとしたら、多分お医者さんよりも薬剤師の方が知っているんだろうと思うんですが、なぜ薬剤師はちゃんと言えなかったのかということを残念でならない。今回の安全問題、特定機能病院の医療安全管理に関する承認条件の見直しで、これ昨年の六月に既に施行規則を変えていただきまして、特機病院の承認要件に医療安全管理責任者を配置するとか、あるいは専従の医師、薬剤師、看護師を医療安全管理部門に配置するんだ等々の非常に積極的な対応を取っていただきました。これは、今回の改正法に示されているガバナンス改革と相まってすばらしい効果を用意していただけるんだと思っております。そして、それをリードしていただきました大臣、努力に対して高く評価をいたしたいと思っているんです。
 ただ、大臣が衆議院での厚生労働委員会で、実はこのような発言をなさっておるところがあるんですね、言葉尻を捉えるつもりは毛頭ありませんけれども。これらの配置問題に加えまして、内部通報窓口の設置というものを義務化いたしました、やはりなかなかパラメディカルの方々がお医者さんの批判をするのは勇気が要るわけでありますけれども云々と、だけど、それに負けないようなそういう窓口というのをやりましょうよと、こう大臣は言われているわけですね。そして、この病院の風土を変えるということは簡単ではございませんけれどということから、そのときの答弁の中でこういうふうにも言われているんですね。専任の医師あるいは看護師、薬剤師等々の資質がどうなのかということ、厚生労働省においてもしっかりと見て、必要なら指導していくということをやっていきたいと思いますとも答弁されている。つまり、制度をつくっても、そこに働く方々がどのような気持ちでどのように仕事をするかということが大切だと、そういうことを言われたんだと思う。私もそのとおりだと思うんです。
 ただ、御案内のとおり、例えば今回、特定機能病院に専従の医師と薬剤師と看護師さんを配置しますと言われたけど、実はこの医療専門職、先ほども太田先生からもお話ありましたけど、結構、単純に人増やしてくださいと言っても、実は、そういう医療機関で人を充足していることってめったにないんですよね。そして、業務はただただ増えてきているわけです。ある種のブラック企業化していると言うと言葉は悪うございますけど、医療環境というのはかなり劣悪になっているんじゃないかというふうに危惧します。
 薬剤師も同様でございまして、病棟業務が増えたり医療安全対策業務が増えていると。ただし、じゃ、それに伴って増員が認めてもらっているかといったら実はそうでもない。これは全ての医療職について同じだと思うんですよ。
 私は、このように、国民が応えて、そして行政担当から、こういうこともこういうこともやった方が国民、世のためになるんだと、こう言ってくれている。じゃ、それができるようにするためにはどうするのかというところも踏まえて、私はこれから厚生労働大臣にこのジャンルでのリードをお願いしたいと思っております。医薬品の院内の医療事故、これを防止するために、私は、やはり医薬品の適正使用というものに対してのプロだと思っております、医薬品情報に接する機会の多い医薬品の専門家である薬剤師がより主体的に関与するような仕組みというもの、これも用意していただけたらと考えております。
 最後になりますけれど、大臣の御見解を伺いたいと存じます。
#139
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回のこの法改正もそうでありますけれども、法律などで公的に規制を掛けるというのは、言ってみればこれは最低基準を定めている話であって、それぞれの医療機関なりが、組織が自分たちの考え方で、少なくとも、法律、制度で決められている基準を守りながら、自分たちで更にそれを上回るだけの効果を現すような工夫は幾らでもこれしてもらわなければいけないことで、この法律などの要件を満たしていれば事足りるということでは決してないということをまず申し上げておきたいと思います。
 その上で、今回、例えば重要事項は合議体で決めていただくようにしましたが、これもやはりそれぞれの専門性を持った方々の意見を聞いた上で総合的に委員長が最終的には判断をするということを実現するためにやっていることでございまして、薬品の安全管理に薬剤師がしっかりと関与をするということは極めて重要なことであり、また、この合議体であっても、その中で、薬の問題に関してはどういうことであっても遠慮なく言っていくという文化をやはりその組織としてつくっていってもらわなきゃいけないというふうに考えています。
 昨年六月の、承認要件を特定機能病院について見直しましたが、その中でも、医療安全部門の専従の薬剤師を置くとか、担当薬剤師による医師の処方した医薬品の未承認とか禁忌に当たるときの把握とか、先ほど局長からも述べましたから繰り返しませんけれども、こういうようなことを設けましたが、これは当然、特定機能病院だけではなくてどこの医療機関であろうとも一般の病院でも、薬剤師は薬のプロということで、しっかりと医薬品安全管理責任者などを中心に、従業員の研修であったり、あるいは医師の研修もそうだろうと思います、遠慮なく発言をした方がいいと私は思いますが、医薬品の安全使用のための業務手順書をちゃんと作ってみんなに周知徹底するとか、あるいは未承認の薬、もちろん禁忌薬、こういうようなことについての新たな提供の際には、今回の特定機能病院に準じたような措置を一般病院でもやってもらうと。そうすれば、当然、今度は一般病院のガバナンスどうするんですかということが必ず出てきますので、そういうところをよく踏まえた上で、特定機能病院、一般病院問わず、薬剤師の皆様方には薬の安全や有効な使い方について中心的な役割を果たしていただきたいと思います。
#140
○藤井基之君 ありがとうございました。終わります。
#141
○熊野正士君 公明党の熊野正士です。
 今回の改正により検体の品質、精度管理についてきちっと法整備を行っていくということになるわけですが、そもそもこの検体の品質管理、精度管理とは一体どういうことなのか、そして、なぜ品質管理や精度管理が大切なのか、国民に分かりやすく是非説明していただければと思います。
#142
○政府参考人(神田裕二君) 検体検査は疾病の的確な診断や治療効果の評価などのために日常的に実施されているものでありまして、その品質、精度の確保というのは非常に重要であるというふうに考えております。
 検体検査におけます精度管理というのは、採血などによる検体の採取から実際の検査の実施、また、その検査結果の報告に至る一連の作業工程を通じて検査が正しく行われるための措置を講ずることでございます。例えば、検査の実施に関するものといたしましては、検体検査業務に関する責任者の選任、医療機関の実情に応じた医師、臨床検査技師の配置、機器の保守管理やデータ測定のための標準作業書の策定などが挙げられるところであります。
 また、検査自体の正確性や精密性に関するものとしては、施設内で同じ検体に繰り返し検査をしたときに測定結果にばらつきがないかどうかを管理する内部精度管理というものと、第三者機関から複数の施設に対して目標値が設定された同一の検体を配付いたしまして、各施設での測定結果が目標値から外れていないかどうかということを確認する外部精度管理という方法がございます。
#143
○熊野正士君 分かりやすくお答えいただきまして、大変にありがとうございました。
 品質及び精度管理を担保する今回の法改正の必要性は理解できるんですけれども、実際に品質管理、精度管理を行うとすれば各医療機関に負担が発生するんじゃないか、過度の負担になるんじゃないかという、そういった懸念する声もあるようでございます。この点について厚労省の見解を求めたいと思います。
#144
○政府参考人(神田裕二君) 今回の法律では、衛生検査所、それから医療機関の中で受託をいたしますブランチラボだけではなくて、医療機関にも検体検査の精度管理を求めるということにいたしております。
 具体的な基準につきましては、今後、医療関係者などが参加いたします検討会で議論をするということにしておりますけれども、この検討会におきましては、例えば、大病院、中小病院、診療所などの医療機関の規模や能力、遺伝子関連検査のように高度な技術を伴うものであるかどうかといった検査の内容などに応じて適切な基準が設定できるよう議論することとしております。
 御指摘いただいている医療機関の負担等も考慮しながら、検体検査の品質、精度が確保できるように検討してまいりたいと考えております。
#145
○熊野正士君 今回、ゲノム医療タスクフォースからの指摘が法改正につながっていると承知をしております。このゲノム医療タスクフォースでは、どういったことが議論をされ、どういったことが指摘されたのかについて分かりやすくお教え願えればと思います。
#146
○政府参考人(神田裕二君) ゲノム医療タスクフォースの指摘についてでございますけれども、遺伝子関連検査の精度管理につきましては、今先生から御指摘がございました、厚生労働省が各省と連携して開催いたしましたゲノム情報を用いた医療等の実用化推進タスクフォースの意見の取りまとめにおきまして、遺伝子関連検査の品質、精度を確保するためには、諸外国と同様の水準を満たすことが必要であり、法令上の措置を含め具体的な方策等を検討、策定していく必要があるとされておりまして、ゲノム医療の実用化に向けて、特に重点的かつ早急に検討を要する課題とされたところでございます。
 今回の改正は、このような指摘を踏まえまして、遺伝子関連検査を含めた検体検査の精度を確保するために医療法等の改正を行うものでございます。
#147
○熊野正士君 今回、法改正の目的の一つが、今答弁ありました、今後の日本におけるゲノム医療の発展を見越して我が国としての基盤づくりということだと思いますけれども、それに関連して幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 まず、遺伝子検査についてであります。現在、既に多くの医療機関で遺伝子検査が実施されているわけですけれども、例えばどういった疾患で遺伝子検査が実施されているのか、そしてそれがどう治療に反映されているのかについて分かりやすく説明をいただければと思います。
 あわせて、遺伝子検査、先ほど藤井先生からもいろいろと御指摘ございましたけれども、医療機関で行うものももちろんありますし、民間の団体が企業で行うような検査もあるわけですけれども、遺伝子検査どれぐらいあるのかというふうなことと、また、そのうち保険適用になっているものは何種類ぐらいあるのかということについても教えていただければと思います。
#148
○政府参考人(鈴木康裕君) 遺伝子検査などの保険適用についてお答えをいたします。
 現在、保険適用されている遺伝子検査は五十以上ございまして、一つの遺伝子検査が複数の疾患、病気に活用される場合もありますことから、病気の数で申し上げますと、悪性腫瘍、がん、それから難病、感染症、百種類以上の疾患に利用されているという現状でございます。
 これらの検査結果は、医療現場において病気の診断の補助、それから治療方針の決定などに活用されております。例えば、肺がんにおきましては、EGFRという成長因子の遺伝子、受容体の遺伝子がございますけれども、これに変異が存在する場合には抗がん剤のゲフィチニブというものが投与すると非常に高い効果が得られることが分かっております。したがって、遺伝子検査の結果、ある肺がん患者の方にこうした遺伝子が存在しておれば、ゲフィチニブを投与すると効果が高いということになりますので、治療効果を高め副作用を減らすために患者ごとに個別の治療方針を定めるというふうに用いております。
#149
○熊野正士君 ありがとうございます。
 今、肺がんを例に分かりやすく説明をしていただきまして、保険適用になっているものが五十以上あるということでしたけれども、今後ゲノム医療が間違いなく進歩していくというふうに思います。遺伝子検査といったことも国民にとってより身近なものになっていくというふうに思います。ゲノム医療に対する国民的な関心も高まっておりますし、何よりも期待が非常に大きいというふうに感じているところであります。ただ、具体的にゲノム医療の進歩によって我々国民が一体どういったメリットがあるのかということが一番知りたいところだと思います。
 例えば、先ほどありましたけれども、がんの治療を選択する際に、より治療効果が大きくて副作用の少ない治療を選ぶことができるとか、あるいはオーダーメード医療ですとか、あるいは、ある疾患に罹患するリスクが、この遺伝子があると例えば糖尿病になりやすいとか、そういった人をピックアップできて予防医学の観点から非常に役立つと、そういった研究成果もどんどん発表されているようでありますが、厚生労働省として、既にゲノム医療の実用化に向けた取組も開始されているともお聞きしておりますけれども、今後のこのゲノム医療の将来展望についてどのように考えて取り組まれようとしているのか、現状の取組なども踏まえて、その御所見を賜ればと思います。
#150
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
 近年、個人のゲノム情報に基づきまして、個々人の体質や病状に適したより効果的、効率的な疾患への診断、治療、予防が可能となりますゲノム医療への期待が急速に高まっており、特にがんや難病などの分野では実用化が始まっております。
 具体的には、例えば感染症分野におきましては、病原体のゲノムを対象とした検査によりまして、エボラ出血熱やMERS、結核などの感染症を早期に発見し、その蔓延防止や早期治療につなげることが可能となっております。このほか、薬剤耐性に関するゲノムの研究が進められており、創薬への期待も高まっております。また、効果的な治療法の開発に向けて、感染症のかかりやすさや重症化とゲノムの関係につきましても研究が進められているところでございます。
 また、難病の分野におきましては、通常の医療では診断に至ることが困難な何らかの遺伝子異常が疑われる患者さんに対して遺伝学的解析を行い、約三〇から四〇%の方に診断が付くようになるなど、ゲノム医療の進歩及び実装による恩恵がもたらされているところでございます。
 さらに、がん分野につきましては、先ほどお話ありましたように、近年、個人のゲノム解析技術やその結果を解析するための情報通信技術が飛躍的に向上しておりまして、一人一人の患者さんへの特性に即した、従来よりも効果が高く副作用の少ないがん治療を届けることが可能となりつつあります。
 がんゲノム医療に関しましては、厚生労働省におきまして、国内の医療従事者や研究者の力を結集して、最新のがんゲノム医療を国民に提供する仕組みを構築するために必要な機能や役割を検討することを目的として、がんゲノム医療推進コンソーシアム懇談会を開催しております。全国の皆様の英知を結集しながら、一刻も早く国民の皆様にがんゲノム医療を届けられるように取り組んでまいりたいと考えております。
#151
○熊野正士君 ありがとうございます。
 ゲノム医療ががんや先ほどありました難病で苦しむ方々にとっての希望の光となるように、国を挙げて更に強力に推進していただくようにお願いをしたいと思います。
 今回の法改正ですけれども、将来のゲノム医療の進展などを考えたときに、日本の医療基盤を支えるためにも必要であるというふうにお聞きをしているんですけれども、具体的にどういったメリットがあるのかということをお示しいただければと思います。
#152
○政府参考人(神田裕二君) お答えいたします。
 今回の改正では、先ほども申し上げましたように、ゲノム医療の実用化に向けて特に重点的かつ早急に検討を要する課題であるというふうにされております遺伝子関連検査の品質、精度の確保を図るという改正法案を提出させていただいているところでございます。
 これまで我が国では、遺伝子関連検査の品質、精度管理の基準が制度として整備されてこなかったために、結果の正確さや再現性の保証がなく、臨床現場で安心してゲノム医療を行うことができない可能性があるといったことですとか、国内より制度が整備された外国に遺伝子関連検査が委託され続けることによって国内における技術開発が空洞化するといった点で、今後の医療の根幹を成すゲノム医療の実用化が我が国で大幅に遅れるのではないかというような指摘がされていたところでございます。
 今回の改正によりまして、遺伝子関連検査の品質、精度確保を図るための制度を設けることによりましてこのような懸念を払拭いたしまして、ゲノム医療の実現をオールジャパン体制で取り組んでいくための基盤が整備されるものと考えております。
#153
○熊野正士君 次に、医療安全の問題について質問いたします。
 特定機能病院における医療事故が相次ぎました。社会保障審議会医療分科会から調査結果が厚生労働大臣宛てに報告をされているわけですけれども、今回の事故調査の結果報告から明らかになった問題点について簡潔に、できればポイントを絞って説明をお願いしたいと思います。
#154
○政府参考人(神田裕二君) 今回の法律改正の背景となりました東京女子医科大学病院と群馬大学医学部附属病院におけます重大事案の問題点についてでございますけれども、これらの特定機能病院の承認取消しの審議を行いました社会保障審議会医療分科会では、東京女子医科大学病院につきましては、先ほどの議論でもございましたけれども、禁忌薬を使用する際の原則に関する理解不足など、医薬品安全使用のためのルールに基づいた対応や、医薬品の選択、投与開始時に投与の妥当性やリスクの検討が不十分であったことなど、基本的な医薬品の安全管理体制の整備が不十分であったということが指摘されております。
 また、群馬大学医学部附属病院につきましては、新規又は高難度の医療行為の導入時における審査体制の整備が不十分であったこと、また、死亡事例が発生した場合の院内での報告制度が機能しておらず、速やかな原因分析や改善策の立案と職員への周知ができていなかったことなど、病院の安全管理体制の問題点が指摘されているところでございます。
 加えまして、管理者への権限の集中について取組が不十分であったため、医療安全の向上に向けた取組について病院長が管理者としての責務を十分果たせない状態にあったこと、診療科の独自性が非常に強かったため、病院全体のガバナンスが機能しなかったなど、病院のガバナンス上の問題も指摘されているところでございます。
#155
○熊野正士君 特定機能病院の承認要件について伺います。
 実は、この承認要件については、昨年、平成二十八年六月十日に改正されていて、医療安全管理責任者の配置であるとか、専従の医師、薬剤師、看護師の医療安全管理部門への配置とか、監査委員会による外部監査等の項目を加えるといった見直しがもう既に行われていまして、今回の法改正においても、更に特定機能病院の承認要件の見直しで次の条文が新たに付け加えられているわけですけれども、「医療の高度の安全を確保する能力を有すること。」と、そういうふうにありまして、これは塩崎大臣も衆議院の方で何度も答弁されているんですけれども、医療を提供する際のそもそもの前提になる部分で、まさに根本的な話だというふうにおっしゃっていますけれども、今回のこの承認要件の見直しに至った議論の経過とか内容とか、今回の本当、意義について説明をいただければと思います。
#156
○副大臣(古屋範子君) この特定機能病院に関しましては、高度の医療の提供、高度の医療技術の開発、評価、高度医療に関する研修という三つの役割を有しておりまして、また特定機能病院の大宗を占める大学附属病院、熊野委員もいらしたのでよくお分かりと存じますが、病院が法人内の医学部等の教育、研究のための附属施設という位置付けでありまして、複雑なガバナンス構造を有しております。
 そうした中であっても、特定機能病院では高度な医療安全管理体制を確保する必要があります。大学附属病院等で発生をした一連の事案につきましては、特定機能病院の承認取消しの審議を行った社会保障審議会医療分科会では、医療安全の管理体制にとどまらず、管理者への権限の集中についての取組が不十分である、病院の管理者が権限と責任を持って病院の管理運営に取り組めるよう、大学及び大学附属病院の体制及び関係の在り方について抜本的に見直すといったガバナンスに関する指摘がなされたところであります。
 このため、病院の管理運営に関する業務遂行能力のある者を管理者として適切に選任して、その管理者が多数の診療科をまとめ、権限と責任を持って管理運営に取り組む、さらに、管理者と開設者間においても相互牽制が機能するような適切なガバナンス体制が構築されるよう、今般、特定機能病院についてガバナンス改革を行うものでございます。
 具体的には、特定機能病院が高度かつ先端的な医療を提供する使命を果たす前提として、高度な医療安全管理体制を確保する必要があるという理念を明確化することに加えまして、特定機能病院の開設者に対して、管理者が病院の管理運営業務を適切に遂行できるよう、管理者の選任方法の透明化、管理者権限の明確化、監査委員会の設置などを義務付ける、特定機能病院の管理者に対して多職種の者で構成される合議体の決議に基づいて管理運営の重要事項を決定することを義務付けるといった措置を講ずることとしているところでございます。
#157
○熊野正士君 ありがとうございました。
 それぞれの特定機能病院が医療安全確保のために今一生懸命努力していくということが最も大切なわけですけれども、国としてそれをどのように支援をし、監督していくかということで、例えば国の監督という意味でいうと、既にこの特定機能病院には立入検査というものが毎年行われているというふうに聞いておりまして、事故が発生する前から毎年やっていると。でも、立入検査をしたにもかかわらず、重大な医療事故が発生してしまったわけです。
 国としての支援というか、監督というか、そういった体制強化も必要じゃないかなと思いますが、その点、いかがでしょうか。
#158
○副大臣(古屋範子君) 特定機能病院の医療安全の確保につきましては、第一義的には、各病院が自ら高度の医療提供に見合った医療安全の管理体制を構築すること、医療安全管理の体制が適切に機能するよう、病院運営全体の意思決定の在り方等を含むガバナンス体制の強化を図るとともに、これらの体制の下で医療安全対策の実施状況を外部監査によりチェックすることが重要だと考えております。
 国といたしましては、特定機能病院の承認要件の見直しや、今回の法案で提案をしております病院全体のガバナンス体制の見直しなど、一連の重大事案を踏まえまして、特定機能病院における医療安全の確保に関する制度の検討や見直しを行うことが役割の一つと考えております。
 また、個別の特定機能病院の新規承認に当たりましては、医療安全対策が適切に実施されているかなどにつきまして実地調査等も含めて確認をするとともに、毎年の立入調査等により、これらの医療安全対策が現場において適切に運用されているかについて確認をしていくことも国の重要な役割であると考えております。
#159
○熊野正士君 今回は先ほど答弁いただきましたように、ガバナンス強化などが法改正に盛り込まれているわけですけれども、社会保障審議会医療分科会で行われた議論などを見てみますと、好事例として、オーダリングシステムにあらかじめ医薬品情報というのを入力をして、適応外とか禁忌に該当する処方が行われた場合には自動的に処方医への警告であるとか、調剤する薬剤師への情報が行われるような病院があったというふうな記載がありました。
 今いろいろと働き方改革なども議論されていますけれども、ICTのいわゆる電子カルテにそういうふうに入力するとぱっと警告が発せられる、まさにICTを活用した、そういった医療安全確保のための活用を是非やっていただきたいと。それ何か特定機能病院がやればいいということではなくて、例えば国として、安全上こういうのをやれば大事だと、重要だと思われることがあれば、このICTの活用に関して指針とかそういうのを是非示すべきじゃないかなと思いますけれども、いかがでしょうか。
#160
○政府参考人(神田裕二君) 現在、ICTを活用した医療安全についての具体的な取組事例として、先生からお話ございましたけれども、先ほどからございますように、例えば東京女子医大で禁忌薬をそのまま投与したというようなことがございましたけれども、適応外や禁忌に該当する処方の入力があった場合に自動的に処方医や調剤をする薬剤師に警告が行われるような機能を持ったものでございますとか、入力するときに読み取り時のエラーを予防するために、処方時の一日量と一回量とを併記する機能を持った、そういった、システムベンダーによってそういった機能が開発されておりまして、これを装備した電子カルテやオーダリングシステム等を持つ病院が増えてきているというふうに承知いたしております。こういった機能がありますと禁忌ですとか未承認の薬を的確に把握することができるということがございますので、こうしたものを推進していくことが非常に重要だというふうに考えております。
 医療安全機能の搭載による効果ですとか選択に資する情報が広く周知をされていく必要があるというふうに考えております。今後、各医療機関が電子カルテやオーダリングシステムなどを導入する際の参考にできるよう、実装すべき医療安全機能についての情報を収集、提供することを検討するなど、医療安全におけるICTの活用をしっかりと推進していきたいというふうに考えております。
#161
○熊野正士君 是非ともよろしくお願いをしたいと思います。
 次の質問に移りたいと思います。
 今回、広告規制が行われるわけですけれども、そのきっかけとなったのが、平成二十七年に消費者委員会から出された美容医療サービスに係るホームページ及び事前説明・同意に関する建議というふうに伺っております。インターネット情報による美容医療サービスの消費者被害が増加しているというのが今回の法改正の背景にあると理解しておりますが、そこで伺いたいのが、医療サービスたくさんありますけれども、医療サービスのうち、今回は美容医療が非常にいろいろ問題が多かったということですけれども、その美容医療以外のそういう医療サービスの消費者の被害というか、そういうものの実態を掌握しているのであればお教えいただければと思います。
#162
○政府参考人(神田裕二君) 御指摘の美容医療以外の分野の医療広告に関するトラブルについてでございますけれども、厚生労働省において定量的に把握しているものはございませんけれども、自治体等に寄せられたものの中から、がん免疫療法に関する不適切な広告などについての情報が寄せられております。また、独立行政法人国民生活センターからは、歯科のインプラントでございますとかレーシックなどに関する注意喚起がなされているところでございます。
 したがいまして、美容医療に限らず、それ以外の分野でも医療広告に関するトラブルというものが発生しているというふうに認識いたしております。
#163
○熊野正士君 今回の法改正では美容医療サービスの消費者被害をきっかけにしているけれども、今回の広告規制に関してはですね、医療全体に対しての規制であるというふうに理解をしております。
 今、先ほどありましたがんの免疫療法であるとか歯科のインプラントであるとかレーシックとかありましたけれども、例えば美容医療以外で、がん治療というのでいえば、もうがんの日本人の二人に一人がなる時代ということで、がんというふうに診断をされると本当に死を意識することになるので、何とか助かりたい、何とか家族を助けたいとわらをもすがる気持ちで、そういったときに、何というか、弱みに付け込むというような言い方はあれかもしれませんけれども、そういうような広告があれば、そういったものもしっかりと規制の対象にすべきじゃないかなというふうに思います。
 今回の法改正で美容医療以外の医療サービスに対しても実効性を持って規制をするということが可能なのかどうか、この点を厚労省の方に確認をしたいと思います。
#164
○政府参考人(神田裕二君) 先生御指摘のとおり、今回の医療広告の規制の見直しは、直接的には美容医療に関する消費者委員会の建議を受けて行うこととしたものでございますけれども、建議を踏まえまして医療広告の規制の見直しについて議論を行った検討会におきましては、美容医療や自由診療といった限定された範囲において医療機関のウエブサイトを規制することについては、美容医療以外でも、先ほどから御紹介ありますように、同様に不適切な表示がなされ得ること、また、保険医療機関においても自由診療を行うことがあり指導上の区分が困難であるなどの意見があったことを踏まえまして、美容医療等に限定せずに、そのほかの分野の医療も含めて医療機関の広告を全体として規制をすることとしたものでございます。
#165
○熊野正士君 今回、ウエブサイトのパトロールを受託業者が行うというふうにされておりまして、ここも、だから、美容医療サービスだけではなくて、がん治療に関する広告など医療全般にわたって受託事業者がしっかり監視できる体制をつくっていただければと思いますけれども、いかがでしょうか。
#166
○政府参考人(神田裕二君) 先生御指摘のとおり、今回、昨年の医療広告規制の見直しにおいて議論を行った検討会の取りまとめにおきましても、法改正だけではなくて、それに加えて、医療機関のウエブサイトの監視、是正体制の強化や、規制の周知徹底等の遵守の徹底が重要であるという指摘をされているところでございます。
 これを踏まえまして、厚生労働省としては、新たな規制導入後に都道府県等において円滑に規制を執行できるように、新たな規制の内容や具体的な違反事例等をガイドラインなどにおいて明確化するということと併せまして、今年度から、厚生労働省が専門機関に委託をしまして、医療機関の不適切なウエブサイト等を発見して、それを監督権限を有する地方自治体等に通報するという事業を開始することとしているところでございます。また、美容医療関係団体等が合同で参加した美容医療連絡協議会を立ち上げまして、規制の周知徹底に取り組むこととしているところでございます。
 こうした取組を通じまして、新たな規制の監視体制の強化と周知を図っていきたいというふうに考えております。
#167
○熊野正士君 消費者委員会からの建議の中に、建議事項三として苦情相談情報の活用というふうにあって、具体的には、医療安全支援センターの相談窓口が活用されるように消費者に周知することというふうにあります。建議の中では、厚労省において、PIO―NETや医療安全支援センターの活用が十分でなく、蓄積された情報を収集し活用を図るべき、また、医療安全支援センターの相談窓口が一層活用されるよう、同センターにおいて患者等の相談を受け付けていることについて周知を図るべきであると、そのように建議の中であるわけですけれども、特にこの各都道府県に設置されている医療安全支援センターの取組について答弁をお願いしたいと思います。
#168
○副大臣(古屋範子君) 御指摘いただきました医療安全支援センターは、医療法に基づきまして、患者、住民からの医療に関する苦情相談への対応、また、医療機関、患者、住民に対して、医療安全に関する助言や情報提供等により、住民の医療に対する信頼を確保することを目的として、都道府県、保健所を設置する市、特別区により全国約三百八十か所に設置をされております。平成二十七年度におきましては年間約十万件の相談対応の実績がございまして、件数は毎年増加傾向にあります。
 厚生労働省におきましては、医療安全支援センターの相談員の資質の向上を図るために、相談員の研修、情報交換会の開催、相談困難事例の収集、分析、提供等について東京大学医学系研究科医療安全管理学講座へ委託をいたしております。今後とも引き続き医療安全支援センターの活用が推進されますよう、自治体等としっかり連携を図ってまいりたいと考えております。
#169
○熊野正士君 ちょっと時間があれですので、少し質問を飛ばさせていただきたいと思います。
 持分なしの医療法人への移行なんですけれども、いろいろ議論がありましたけれども、確認ですけれども、なかなか前回の改正では進まなかったと。今回また改正をするということなんですけれども、今回の法改正で移行がちゃんと進むのかどうか、ちょっと確認ですけれども、再度答弁の方、よろしくお願いをいたします。
#170
○政府参考人(神田裕二君) 確かに、現在の持分なし医療法人への移行計画の認定制度というのは二十六年の十二月にできたところでありますけれども、二十九年の三月末時点で認定件数が六十七件ということで、依然として四万近い、全体の八割を占める四万法人が持分ありという状況でございます。
 その理由としては、元々個人立の診療所や病院から法人成りをした場合に、自己資産としての意識がまだ残っているといった事情もあると思われますが、仮に出資者が持分を放棄することを決断しても、移行の際に医療法人に贈与税が課税されるのではないかという懸念があったというのもその原因の一つかというふうに考えております。
 今回の見直しにおきましては、この期間を三年間延長することと加えまして、認定を受けた医療法人については移行の際には贈与税を課さないということを租税特別措置法で明確に規定をいたしておりますので、今回のこの制度を活用することによって、移行する法人は増加するのではないかというふうに考えております。
#171
○熊野正士君 次の質問に移りたいと思います。
 医療機関を開設する者に対する監督規定の整備について質問したいと思います。
 これまで医療法人には監督規定が明確でしたけれども、それ以外の団体が医療機関を開設しても監督規定が明確でなく、今回の法改正で整備したということですけれども、今回の法整備で期待できる効果について具体的に説明していただければと思います。
#172
○政府参考人(神田裕二君) 先生御指摘のとおり、医療法を根拠とする法人形態であります医療法人につきましては、従前から都道府県知事による法人事務所への立入検査や、法令に基づく処分等に違反した場合や運営が著しく適正を欠く場合の改善命令等の仕組みがあったわけでありますけれども、医療法人以外の医療機関の開設者への行政庁による監督につきましては、各法人の設置根拠法等によって異なっており、医療機関を開設する者に対する監督という観点からは十分でないという指摘があったところであります。また、医療機関に法令違反等があった場合には、その他の法人につきましては、行政指導で十分改善ができない場合には開設許可の取消しなどで対応するしかなく、段階的な指導ができないといった問題点もあったところでございます。
 このため、今回、法令又は法令に基づく処分に違反している疑いがあり、又は医療機関の運営が著しく適正を欠く疑いがある場合には、開設者の事務所への立入検査を可能にするということと併せまして、実際に不適正な運営が認定された場合の改善措置命令でございますとか業務停止命令等の規定を新設することとしておりまして、これによりまして、医療機関全体についてより段階的に実効性のある措置をとることができることになることで必要な監督がより行いやすくなるものというふうに考えております。
#173
○熊野正士君 ありがとうございました。
 次の質問に移りたいと思います。
 今回助産師さんの説明義務ということで法改正されるわけですけれども、まず助産所について、現状について教えていただければと思います。
#174
○政府参考人(神田裕二君) 助産所の現状についてでございますけれども、分娩を取り扱う助産所につきましては、平成二十七年度調査の時点では四百八か所ということでございます。全出生数が百万人ほどでありますけれども、助産所における出生数は約六千九百人という状況であります。また、就業している助産師数は約三万八千人でございますけれども、助産所に就業しております助産師数は千八百人という状況でございます。
#175
○熊野正士君 分娩を扱う助産所の数は減少傾向にあると、助産所での出産数というのは先ほど約六千九百というふうに説明をいただきました。数としては百万人弱が日本で出生しているわけですので、そのうちの六千九百人ということだと思います。
 自宅で出産している方も千四百二十六名いらっしゃって、恐らくこの方々も助産師さんが取り上げていらっしゃるんじゃないかなと思いますけれども、数は減っているとはいえ、相当数の赤ちゃんが助産所あるいは自宅で助産師さんに取り上げてもらっているというのが実態、事実かと思います。
 今回法改正するわけですけれども、この助産所の役割、産科がどんどんどんどん減って、特に地方に行けば産科医がいないというような状況の中で、この助産所、助産師さんの役割というものを厚労省としてどのように考えているのか、御見解をお願いしたいと思います。
#176
○政府参考人(神田裕二君) 助産所の位置付けについてのお尋ねでありますけれども、助産所におきましては、妊娠中の健診から分娩時、出産後の保健指導まで同一の助産師による一貫したケアができること、また、家庭的な雰囲気の中での出産で妊産婦と助産師がよりコミュニケーションを取ることができること、自宅での出産ですとか分娩時の姿勢などへのきめ細かな対応ができるといった助産所ならではの役割を担っていただいているものというふうに認識いたしております。
 さらに、近年、出生数、分娩を取り扱う医療機関は減少しておりまして、周産期に係る医療資源が非常に限られている中で、医師との連携の下で正常分娩の一部を助産師が担うことで医師の負担の軽減に資するとともに、地域において安心、安全なお産ができる体制を確保するために、引き続き、助産所にも一定の役割を果たしていただく必要があるというふうに考えております。
#177
○熊野正士君 ありがとうございます。
 今回の法改正でいただいたいろいろな参考資料があったんですけれども、その参考資料の中に妊産婦さんの死亡率というか死亡数の推移のグラフがありまして、今回、この法改正の契機になったのが妊産婦さんが亡くなられたということですけれども、このグラフを見ますと、二〇〇〇年に入ってからずっと妊産婦さんの死亡が減っているのが分かります。この妊産婦死亡の軽減に向けた取組を国として行ってきた成果だろうなとは思いますけれども、この妊産婦死亡数の減少の要因を厚労省としてどのように見ているのか、教えていただければと思います。
#178
○政府参考人(神田裕二君) 先生御指摘のとおり、平成二十年に脳出血を合併した妊産婦死亡事案が発生したことを踏まえまして、これを契機といたしまして、有識者で構成いたします周産期医療と救急医療の確保と連携に関する懇談会を開催いたしました。その中で、脳神経外科などの関連する診療科と連携した周産期の救急搬送体制の整備、新生児集中治療室の整備、産科医や助産師などの周産期医療を担う人材の確保対策、財政支援や診療報酬上の措置などの周産期医療における安心と安全の確保に関する提言を受けたところでございます。
 これを踏まえまして、妊婦の状態に応じて救急搬送の調整を行うコーディネーターの配置を行うといったことですとか、新生児集中治療室の整備、産科医の処遇の改善のために分娩手当を支給すること、院内助産師、助産師外来の整備などの取組を行う医療機関に対して財政支援を行ってきたところでございます。
 また、診療報酬におきましても、周産期医療の充実を図る観点から、平成十八年にハイリスク分娩管理加算を、また平成二十年にはハイリスク妊娠管理加算を創設いたしまして、その後の改定で評価の充実を図ったほか、新生児特定集中治療室管理料についても累次の改定で評価の充実を図るなどの対応をしてきております。
 特に専門家の方にお聞きしますと、先ほどの脳卒中等の事例に見られますように、救急医療に対応できるところと周産期医療センターなどの連携をしっかり図るようにしてきたことが死亡数の減少に大きく寄与しているというふうに伺っております。
#179
○熊野正士君 是非とも、そういった連携を含めた医療体制の強化に今後ますます力を入れていただきたいというふうにお願いをいたします。
 ちょっと、最後、残った時間をいただきまして、がん対策のことを少しだけお聞きさせていただきたいと思います。実は、第三期のがん対策基本推進計画というのが策定がいよいよ大詰めを迎えておりまして、第二期の基本計画の策定が二十四年でしたので、五年ぶりの策定ということです。
 そこで質問なんですけれども、緩和ケア、特に診断時の緩和ケアについて伺いたいと思います。実は、がんと診断された方の、患者さんの診断後一年の間の自殺のリスクというのが普通の人の約二十倍といった調査結果もありまして、診断時から患者さんの心情に配慮した丁寧な説明とか言葉掛けが重要だと。主治医がもちろんそうなんですけれども、その役割を緩和ケアチームとかが担っていけるようにしたらどうかなというふうに思います。
 実は、この緩和ケアに関しては、厚労省の方で実態調査をずっと行っていらっしゃったと聞いておりますけれども、できればこの実態調査を続けてほしいというふうな声もございまして、特に今申しました診断時からの緩和ケアというところに注目をして実態調査を是非続けていただけたらなと思うんですけれども、厚労省の見解をお願いしたいと思います。
#180
○政府参考人(福島靖正君) お答えいたします。
 緩和ケアにつきましては、今御指摘のように、がんと診断されたときから適切に提供されるようにすることが重要でございまして、これはがん対策基本法にも明記されております。
 厚生労働省としては、身体的苦痛だけではなく、不安や抑うつなどの精神、心理的な苦痛、あるいは就業や経済負担などの社会的苦痛、こういうものに対応するために、全てのがん診療連携拠点病院で、医師、看護師、薬剤師などの多職種により構成された緩和ケアチームや緩和ケア外来を整備すること、そしてがん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会の実施などの取組を進めてまいりました。
 今後、がんと診断されたときからの緩和ケア、これを推進していくためには、体制整備だけではなくて、今実際にどういう提供がされているか、これを把握していくことが重要であると考えております。現在、がん対策基本計画の見直しのための議論をがん対策推進協議会で議論をいただいておりますけれども、この委員の間でも、実地調査などを通して緩和ケアの質の評価を行って、政策立案に生かしていくことで認識が一致しているというふうに私ども考えております。
 厚生労働省としては、患者さん、それからその御家族のQOLの向上を目指して、この夏をめどに作成する予定であります第三期がん対策推進基本計画に基づいて、より質の高い緩和ケアの提供がなされるように引き続き様々な施策を行っていきたいと考えております。
#181
○熊野正士君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 次なんですけれども、もう一点なんですが、がんと就労に関して、今回の推進計画の大きな柱とも伺っております。実は、がん対策推進企業アクションというのがあって、これは元々企業とかでがん検診の受診率を上げるということが目的で立ち上がった事業と聞いているんですけれども、これを、がんになっても働けるというふうに啓蒙活動にも是非活用していただいたらいいんじゃないかなと思うんですけれども、厚労省の見解をお願いいたします。
#182
○政府参考人(福島靖正君) 働く世代のがん対策を推進していく上では、職域でのがん検診、それからがん患者の就労支援、こういうものが重要であると考えております。そのためには、やはり企業の理解、これを促していく必要があると考えております。
 今御紹介のがん対策推進企業アクションでありますけれども、平成二十一年度から実施をしておりまして、元々はがんに対する企業の理解を促進して、がん検診の受診率向上などを進めることを目的としておりました。二十八年度末現在では二千三百の企業が参加して、従業員でいいますと六百万人の規模になっておりまして、企業に対するがんの知識の普及啓発などにおいて大きな役割を果たしていると考えております。この事業、平成二十五年度からはがん患者の就労支援の観点も含めて普及啓発等に取り組んでおりまして、職域におけるがん検診の受診率の向上だけではなくて、就労に関する支援について企業の取組が進むことも期待しているところでございます。
 がん医療が進みまして、がん患者さん、経験者が長く生きる、生存できるようになってきたこと、それから、働きながらがん治療を受けられる可能性が高まってきた、こういうことから、就労支援を必要とする人はますます増えてくると考えております。本事業を含めまして、がん患者さんの就労支援に一層取り組んでまいりたいと考えております。
#183
○熊野正士君 ありがとうございます。
 これ、最後の質問にさせていただきたいと思います。がんと感染症ということですけれども、肝がんであれば肝炎ウイルス、胃がんであればピロリ菌といったことで、感染症ががんの原因になっていると。その感染症を予防したり、あるいは治療をすることでがんの発生を未然に防げるということが分かってきました。
 昨年末の改正されたがん対策基本法の中でも、がんの予防に関して、感染症対策、その重要性というのがきちっと述べられておりまして、今回の第三期の推進基本計画の中でも感染症対策について具体的に取り組んでいらっしゃるというふうには聞いているんですけれども、この感染症対策、これ、やればやるほどきちっとがんが予防できるわけですから、本当にしっかりと、やらない手はないなと、本当に大事だなと、大事な施策だというふうに思うんですけれども、この点に関して厚労省の答弁を最後にお願いしたいと思います。
#184
○政府参考人(福島靖正君) がんの一次予防、がんにならないようにするためには、たばこ対策も重要でございますけれども、今御指摘の発がんに寄与する感染症対策、これも重要であります。
 例えば、肝炎ウイルスに関して言いますと、早期に肝炎ウイルスの感染を発見してその治療をすることで肝硬変、肝がんへの移行を抑制していく、こういうことも重要でありまして、例えば、今、全ての国民の皆さんに一度は肝炎ウイルスの検査を受けていただくようにお願いをしておりまして、この「知って、肝炎プロジェクト」、こういうことで国民の皆さんへの普及啓発を行っております。
 また、地方自治体が実施する肝炎ウイルス検査への助成も行っておりまして、今年度からさらに、四十歳以上の方の受診勧奨、従来は五歳刻みだったものをこれを四十歳以上の皆さんにお勧めしておりますし、また職域の検診などで併せて行う肝炎ウイルス検査についても、医療保険者にその受診をする人に検査を受けていただくように勧めていただく、こういう取組を進めております。
 一人でも多くの国民の皆様に、感染症の中で発がんに寄与するものがある、がんの原因として感染症があるということについても知っていただくということが重要でございますけれども、また実際に肝炎検査のような発がん予防につながる感染症検査を受けていただく、これも重要でございますから、こういう啓発に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
#185
○熊野正士君 ありがとうございました。以上で終わります。
#186
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 久しぶりにちょっと古巣でよろしくお願いします。質問させていただきます。そういうわけで、いろんな問題、ちょっと今日は質問することも御了解いただきたいと思います。
 法案についてですけれども、これ検体検査の精度確保、特定機能病院へのガバナンス強化、広告規制の見直し、持分なし医療法人への移行促進など、いずれも賛成できるものであります。
 お聞きしたいのは助産師の問題なんですが、先ほどからも議論ありますが、私もちょうど二〇〇七年三月、十年前のこの委員会で、助産師の、その当時やっぱり嘱託医療機関がなかなか難しいという問題を取り上げたことがあるんですが、その当時は柳澤大臣だったんですが、にも聞いたことなんですけど、そのことをもう一回、ちょっと塩崎大臣にもお聞きしたいと思っているんですが、やっぱり助産所の役割、お産の安全、安心というのは当然の前提なんですけれども、やっぱり満足のいくお産をしたいという思いは非常に強いわけですね。その満足のいくお産をするという上で、やはり助産所での出産を希望されている方は多いし、助産所での出産というのはやっぱり病院に比べて満足度が高いというような、そういう調査もあると言われているわけです。
 大臣は、助産所の役割、意義、この問題についてどのように認識されているか、お聞きしたいと思います。
#187
○国務大臣(塩崎恭久君) 助産所ないしは助産師の役割についてのお尋ねを頂戴をいたしましたけれども、妊娠中の健診から、それから分娩時、あるいは出産後の保健指導、同一の助産師による一貫したケアが、本当に人間関係もできながら提供できるという、家庭的な雰囲気の中での出産など、妊産婦との緊密なコミュニケーションが取れること、それと、例えば自宅での出産とか分娩時の姿勢などへのきめ細かな対応ができることなど、妊産婦の多様なニーズに対応したお産ができるというふうに考えています。
 私の事務所にこの三月末で卒業した若い男性の秘書がおりまして、つい十日ほど前に四人目の子供が生まれましたが、三人目の子供は都内のマンションの自宅で、居間で三人目を、助産師さん二人がいて、そして上の子二人もその場に立ち会って、おやじももちろんいるわけでありますが、そういう中で出産を三人目の子供さんはしたという秘書さんが私の事務所におりました。この間連絡が来て四人目が生まれたって言っていましたが、彼らが東京のマンションを引き払って神奈川県に移るに当たって、一番残念だったのは、その三人目の子供を出産した居間から離れなきゃいけないことが一番残念だと言っていたのを大変私も感動を持って話を聞いたところでありまして、まあやはりこの喜びを持って子供を産む、そして育てる、満足なお産ができるというのはこの助産師、助産所ならではの良さではないかというふうに私は思っておりまして、今回の、こうした形で連携する医療機関を確保しながら、安全性で妊婦も産婦も安心をできる中での人間関係の温かい助産師さんとの関係を持って子供を持つことができるというのは大変すばらしいと私は思っています。
#188
○小池晃君 大変助産師さんが喜ぶ答弁をしていただいたのかなと思いますので、しっかり支援をしていただきたいというふうに私からも求めたいと思います。
 それから、前ここの委員会来たときの質問、ちょっと続きやりたいんですが、裁量労働制の問題で、損保ジャパン日本興亜で六千三百七十四人、企画業務型の裁量労働制で全社員の三人に一人ということで、人事部の資料にはその対象に営業と書かれていて、これは問題ではないかという指摘をいたしまして、大臣は、これは労基法違反が確認された場合は厳しく指導すると答弁されたんですが、その後、どのように対処されましたでしょうか。
#189
○政府参考人(山越敬一君) 個別の事案についてでございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、三月二十二日に御答弁を申し上げましたとおり、一般論といたしましては、企画業務型裁量労働制の対象業務外に従事されている方の場合には通常の労働時間管理の下で行っていただく必要がございます。
 労働基準監督署といたしましては、いずれにいたしましても、法に違反するような事実が確認された場合にはその是正について指導を行ってまいりたいと考えます。
#190
○小池晃君 前回の質問で、企画業務型の裁量労働を営業職に拡大しようとするのに、その数を厚労省として把握していないということを指摘をして、答弁は推計でいいんだということだったんですが。
 その後、私の事務所が東京労働局に情報開示請求をして、東京局内の決議届と報告の件数、示されています。今日はお配りの資料の三枚目にグラフにしておりますが、二〇〇六年から二〇一五年までの十年間で、決議届の件数で一・五倍、半年ごとに義務のある報告件数で一・六七倍と大幅に伸びているわけですね。これは初めて出た数字だと思うんですが。これ、対象者数は把握していないというんですけど、当然増加しているものと思われます。
 厚労省にお聞きしますが、先日、私どもに対して、全国の企画業務型裁量労働制の対象労働者数を把握する予定だという報告がありました。どのような項目を把握して、いつまでに公表するんでしょうか。
#191
○政府参考人(山越敬一君) 企画業務型裁量労働制の対象労働者数を把握するために、これは平成二十六年度から平成二十八年度までの各下半期に労働基準監督署に届けられております六か月ごとの定期報告がございますけれども、これを基に対象となる労働者数の項目について、この三年分について調べたいと考えております。
 この企画業務型裁量労働制の労働者数の調査結果につきましては、内容をチェックするのに時間を要しますので、できるだけ早期にまとめたいと思っておりますけれども、現時点ではっきりとその時期については申し上げることは難しい状況でございます。
#192
○小池晃君 これまで推計だとしていた対象者数を把握すること自体は、これ、当然だけれども前進だと思います。是非これやっていただきたいと思うんですが。
 大臣、本来やっぱり東京労働局がやったように業種別など詳細に分析すべきではないかと思うんですけど、せっかく初めてこの集計公表するのであるから、やはり働き過ぎの有無が確認できるように、健康確保措置の状況なども調査して公表すべきではないかと思うんですが、更に踏み込んだ調査していただけませんか。
#193
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど局長から申し上げたとおり、企画業務型裁量労働制の対象となる労働者数を把握するために、全国の労働基準監督署に届けられた定期報告、私もフォーマットを見ましたが、六か月ごとに出てくるわけでありますけど、これを調査するということで実施をいたします。
 企画裁量型労働制の対象となる方の健康確保措置の実施状況につきましては、平成二十六年にJILPTが実施をいたしました調査によりますと、企業が実際に実施をした健康確保措置としては、例えば、産業医等による助言、指導又は保健指導を受けさせる、これが四〇・四%、それから、心と体の健康相談窓口を設置するというのが三九・二%などとなっておりまして、健康確保措置の実施状況についてはこの調査により把握ができているものと考えておりますけれども、今、小池委員の方から御指摘の定期報告に記載されている労働者の健康及び福祉を確保する措置の実施状況の集計につきましては、大部でございますので、どのような集計ができるのか検討してまいりたいと思いますが、いずれにしても、集計をするということは御要望のとおりにしたいと思います。
#194
○小池晃君 これは是非やっていただきたい。せっかく報告書に入っているんですから、きちっとその集計公表をしていただきたい。
 受動喫煙防止対策についてお聞きをしたいと思います。
 これ、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックまでにというのは国際的な責任です。子供や病気の患者を始めとして、受動喫煙で毎年一万五千人が亡くなっている。国民の健康確保のためには一刻を争う課題であります。
 大臣、この対策の基準は、これは望まない受動喫煙を禁止することであるということだと思います。あらゆる妨害をはねのけてこれを必ず実現をするという大臣の決意を示していただきたい。
#195
○国務大臣(塩崎恭久君) これ、この委員会でかかったはずでございますけれども、健康増進法というのは十四年前に改正になりまして、そこで、施設の管理者に受動喫煙防止の努力義務が設けられた。しかし、今御指摘のように、引き続き、毎年推計で一万五千人が受動喫煙で亡くなられていると。裏返して見れば、これは従来の努力義務では足りないということでありますから、この規制を直接するということを導入しないといけないということで、総理も一月の施政方針演説の中で受動喫煙対策の徹底を行うという明確な姿勢を表明いたしておりまして、私どもも三月一日に厚生労働省の基本的な考え方の案というのを公表をさせていただいております。
 厚労省は国民全体の健康に責任を負っているわけでありますから、受動喫煙の健康影響が明らかであって、科学的にも、健康を確保して命を守り、子供たちの未来を守るというために、望まない受動喫煙を完全に解放するための対策を講じることができるように関係者の理解を得る努力を引き続き続けてまいりたいと思います。
#196
○小池晃君 厚労省は自民党と協議をしているそうですが、自民党の方針は、ここにいる方はちょっと違うんだと思うんですけど、百平米以下の小規模の飲食店は表示義務付ければ喫煙認めると。これ、東京都の場合、百平米以下の一般飲食店は全体の八五%、バー、スナック等の遊興飲食店九五%ですから、百平米以下の飲食店を表示義務で喫煙オーケーとすれば、圧倒的な飲食店が喫煙フリーになるわけですね。アルバイト、従業員、子供まで望まない受動喫煙を強いられることになるんですね。
 大臣、これ、あり得ないでしょう。こんな百平米以下などという自民党案には絶対に妥協しないと、原則禁煙実施の先送りはしないということを明言していただきたい。
#197
○国務大臣(塩崎恭久君) この飲食店の規制につきまして、喫煙とか分煙とかというこういう表示を課すことを条件に一定の面積以下の飲食店は規制対象外とする案が報道されていることは承知をしております。
 三月一日にお示しをいたしました厚生労働省の基本的な考え方の案においては、通常、妊婦あるいは子供たちが利用せずに、経営者以外の従業員とかアルバイトもいないような、いても一人程度である小規模のバーとかスナック等においてのみ例外的に喫煙を可能とした案でございましたが、一方で、喫煙などの表示義務によって、がんやぜんそくあるいは難病の皆さん方の、こういった患者さんを含む、あるいは従業員やお客様として来られる方々の受動喫煙、そして、いや応なく全員参加で来る会社の送別会とかそういうような、あるいは接待ですね、そういうことで、いわゆる嫌々受動喫煙といったことを完全になくすことは私は表示義務では難しいと思っています。
 いろんな考え方が示されているわけでありますけれども、厚労省としては、原則屋内禁煙の前提を譲ることはできない、広範な例外を恒久措置として残すような案では望まない受動喫煙は排除し切れないというふうに思っております。
#198
○小池晃君 こういう問題では全面的に応援しますので、これはもう、これはね。この委員会だったらみんな賛成ですよ、きっと。こういう妨害はやっぱり許しちゃいかぬと。
 医療費の問題から見たって、これ重大な損失があるわけですよ。WHOは、喫煙による健康被害で百五十五兆円の経済損失が生じているとしています。我が国では、受動喫煙によって生じている超過医療費というか、これは一体幾らになっているのか。厚労省研究班の結果を簡潔に示してください。
#199
○政府参考人(福島靖正君) 平成二十八年度の厚生労働科学研究によりますと、肺がん、虚血性心疾患、脳血管疾患を対象として算出した平成二十六年度の受動喫煙による超過医療費は、約三千二百三十三億円と推計されております。
#200
○小池晃君 これ、脳血管疾患、虚血性心疾患、肺がんに限定しているから、実際はもっと多いことは間違いないわけですね。これだけのやっぱり医療費でも損失なわけですよ。
 それから、完全禁煙に反対する意見としては、客足が減るという御議論ある。しかし、WHOは、公衆の集まる場所で喫煙を禁止する法律を導入してもマイナスにはならないと。イギリス政府の調査によれば、全面禁煙にしてもパブは逆にお客さん増えているという結果も出ているわけですね。
 日本では、全面禁煙にした飲食店への影響について愛知と大阪で調査されたと聞きますが、結果はどうでしょうか。
#201
○政府参考人(福島靖正君) 飲食店の経営につきましては、WHOの国際がん研究機関がまとめたがん予防ハンドブックでは、レストラン、バーを法律で全面禁煙にしても減収なしとされております。
 国内でも、自主的に禁煙に取り組んだ飲食店の状況についての幾つかの調査があります。平成二十二年度に愛知県が行った調査では、自主的に全面禁煙した千百六十三店舗のうち約九六%の千百十八店舗は売上げが増えた又は変わらないと回答し、売上げが減ったと答えたのは約四%となっております。また、平成二十二年度に大阪府が行った調査では、自主的に終日全面禁煙としている飲食店二百二十六店舗のうち売上げが減ったと回答したのは約八%となっております。
#202
○小池晃君 もう答えははっきり出ているわけですよ、これね。
 ところが、五月十五日、自民党の厚労部会で受動喫煙の問題で発言された議員に対して、たばこ議連に所属している大西英男議員が、がん患者は働かなければいいとやじを飛ばしたと。その後、謝罪されたようですけれども、でも、飲食店の従業員が喫煙可能な店で無理して働かなくていいのではないかという趣旨で発言したということで、持論を撤回しないというんですね。これ、とんでもないと思いますよ。全国がん患者団体連合会も、怒りというより悲しい、がん患者の尊厳を否定しかねないと、こう抗議文を出しました。
 大臣にお聞きしますが、党派を超えて受動喫煙対策に、受動喫煙防止に取り組んでいるときに、どうしてこういう発言が与党の国会議員の中から出てくるのかと。やはり受動喫煙による深刻な被害に対する著しい認識の欠如があると言わざるを得ないと思うんですが、大臣としてどう対処されますか。
#203
○国務大臣(塩崎恭久君) 自民党の厚労部会では、当日様々な御意見が出ました。私もその場におりました。がん患者やぜんそくの患者、あるいは難病を抱えている方など、弱い立場の方々が働く際の問題も提起をされたわけでありまして、私どもとしては、どこの職場にあっても望まない受動喫煙を完全に防止できるようにする、これが大事だというふうに思っています。
 加えて、職場の送別会とか接待など、先ほど申し上げたとおり、自分の意思と関係なくそろって飲食店に行くというような場面もたくさんあるわけで、がんやぜんそく、難病の患者さんなどを含めて人知れず病気と闘っている方々、あるいは妊娠をされている方々を望まない受動喫煙から完全に解放するということをどう実現するかを真剣に考えなければいけないというふうに思っております。
 受動喫煙による健康影響は科学的にも明らかであります。受動喫煙対策は、国民の皆様方一人一人に関わる問題でもありますので、国民の健康を大事に思う気持ちは議員の皆様方も同じ思いであるとは思っておりますので、引き続き、受動喫煙に関するこの健康影響、あるいは受動喫煙対策の重要性に関して、私どもとしては、厚労省としての使命として丁寧に説明を尽くしてまいりたいと思っております。
#204
○小池晃君 受動喫煙防止法の立法事実は明らかだと思います。国と与党のやっぱり責任が問われていると。これ、是非超党派で実現をしたい。厚労省案、最低基準ですよ。これ、一刻も早く実現し、更に厳格な対策を実現するということが必要だというふうに思いますので、是非この問題は力を合わせて、抵抗勢力を打ち破って前に進もうということを訴えたいと思います。
 地域医療構想による病床機能の再編、効率化について聞きますが、今年三月末に一応全都道府県の構想が出そろって、二〇二五年の必要病床数、全国で幾らになりましたか。
#205
○政府参考人(神田裕二君) 二十八年度中に地域医療構想が全て策定が終わりまして、二〇二五年時点の病床の必要量を機械的に積み上げますと、全国で百十九万一千床というふうになります。
#206
○小池晃君 百十九万一千床ということでありますが。一昨年六月に厚生労働省が地域医療構想ガイドラインを発表した直後に、内閣官房の医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会が、厚労省ガイドラインに基づいて二〇二五年の病床数についての試算を出しました。
 内閣官房にお聞きしますが、そこで示された機能分化をしないまま高齢化を織り込んだ場合の二〇二五年の病床数と、それから目指すべき二〇二五年の必要病床数は、それぞれ幾らでしょう。
#207
○政府参考人(木下賢志君) 御指摘の有識者から成る専門調査会におきまして推定作業を実施をして公表したものでございますが、その推計におきましては、二〇二五年度におきまして、機能分化等をしないまま高齢化を織り込んだ場合を百五十二万床程度、そして、機能分化をした場合につきましては、二〇二五年に必要病床数を百十五万から百十九万床程度と推計しております。
#208
○小池晃君 現行のままなら高齢化で百五十二万床に増える病床数を機能分化によって百十五万から百十九万床に抑える、少なくとも三十三万床分の効率化を行うということを内閣官房は出した。厚労省は、この試算が発表された直後に地域医療計画課が事務連絡を出して、この内閣官房の推計値というのはこれは機械的にやったもので、単純に我が県は何床削減しなければならないという誤った理解にならないようにお願いしますというような事務連絡を出しているんですね。
 この年、おととしの九月に私、この委員会でこの問題取り上げて、大臣にお聞きしたんですよ。そのとき大臣は、都道府県は地域の実情を踏まえて地域医療構想を策定することになっていると、内閣官房の専門調査会で示された推計値に基づいて病床削減や病床機能の再編をそのまま進めていくようなことは考えていないと、こう答弁されたんですけど、実際に発表された数字を集計してみると、高度急性期十三万、急性期が四十万、回復期が三十七・五万、慢性期二十八万床、合計百十九万床。今日、資料でお配りしていますけど、結局内閣官房の推計と全く同じなわけですね。
 大臣、一昨年九月、ここで大臣は、病床削減ありきではないんだと、そのまま内閣官房の推計値のようにはならないんだと、こうおっしゃったんですが、実態は内閣官房の推定どおりの、想定どおりの数字になっているじゃないですか。
 結局、報酬点数の低い患者、慢性期の患者などを在宅化することで、現状のままなら二〇二五年には百五十二万床に増えるはずの病床を百十九万床に、すなわちこれ三十三万床分の効率化を行うと。これ、内閣官房の数字どおりになったというのは、これ答弁のときと、何でこんなことになったんですか、そういうふうにしないとおっしゃっていた。
#209
○国務大臣(塩崎恭久君) 平成二十七年六月の今答弁もありましたが、内閣官房が行った推計で二〇二五年の病床の必要量の推計を行ったわけでありますが、その際に、都道府県間あるいは地域間で患者の移動を考慮するとか、あるいは地域差を踏まえて将来の療養病床の入院受療率を選択化するといった本来地域ごとの実情が反映されるべき点については、機械的な仮定を置いて推計をしております。約百十五万床から百十九万床程度という幅のある結果を示したわけであります。
 これに対して、昨年度末までに都道府県が行った推計では、さきに述べたような、患者移動等について地域の医療関係者や保険者、患者、住民の皆さんのお声も交えながら議論がなされて、地域の実情を踏まえて推計がなされたというふうに理解をしております。その結果としてこの百十九・一万床という内閣官房の推計のほぼ範囲内となったというふうに理解をしているわけでございまして、地域医療構想においてこの二〇二五年の病床の必要量を推計することとしているのは、機械的に病床を削減するためではなくて、介護施設とかあるいは在宅医療等の受皿の整備を含めて、地域ごとの医療ニーズに応じた病床の機能分化、連携を進めていただきたいということを各都道府県ごとに議論するということをお願いしたわけでございます。
 今後、各地域における達成方策の検討に当たっても、地域の医療関係者等が参画をする地域医療構想調整会議において地域の実情を踏まえた議論が進められるように、よく私どもも見てまいりたいというふうに思います。
#210
○小池晃君 だから、内閣官房の方は機械的に当てはめて計算したわけでしょう。それ、百十五万から百十九万と出て、そうなるのかといったら、そうじゃなくて、ちゃんと地域の実情を踏まえて、この推計どおりにやるというわけじゃないんだと言ったけど、結局、数字は同じなんですよ。だから、これ結局、機械的にやったことになりませんか、ここに地域の実情がちゃんと反映されているんですかと私は聞いているんですけど、今の説明は全くちょっと、さっきはいい答弁だったけど、今の説明は全く説得力がないと私は思います。
 これ、結局、やっぱり機械的に、そもそもを言ってしまえば、厚労省がつくった計算の仕方で内閣官房は出したわけだから、それで結果として内閣官房の数字になったということだと僕は思うんだけれども、やっぱり、結局こういう機械的なベッド削減になるわけですよ。地域の実情をやっぱり踏まえたものになっていないと私は思います。こういうことではやっぱり医療や介護が現場大変なことになるということだと思いますので、きちんとちゃんと実情を踏まえた形での、やはりよく現場の声も聞いた対応をしていただきたいということを重ねて申し上げて、質問を終わります。
#211
○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。
 今回の医療法の改正案、大変多岐にわたるので、私は、医療に係る広告規制の見直し、これにテーマを絞って質問させていただきたいと思います。
 実は、私は議員になる前、記者をしていて、ネット広告もこれまで取材してきたので、だから少し、大変気になっているテーマなんです。だから、ちょっとこれ話をさせていただきたいと思います。
 今回の見直しでは、医療機関が作るウエブサイトの全てを医療法上の広告として位置付けようという、それで法の規制を掛けて、虚偽だとかそれから誇大だとかというような広告をなくしていこうというのが今回の法改正の趣旨なんですが。
 それで、じゃ、ちょっと配付資料の一枚目を見て、どういうふうに見直しが変わっていったのかをちょっと説明をしたいと思うんですが、これまでは左側の現行の制度で、ウエブサイトに対しては法の規制というのはなくて、五年前に作られたガイドラインだけで行政指導が行われていた。そして、もちろん罰則もなかった。だから、余り遵守もされてこなかったという経緯があって、それで、おととしに消費者委員会からこれで二回目となる建議を受けて、それで今回法改正をして広告規制の対象に加えようということになったという経緯なんです。
 それで、この一枚目の資料の一番下にある広告可能事項、これはどういうことかというと、医療広告の場合は載せてもいい内容というのがもうあらかじめ限定されている。それはどういうものかというと、二枚目の配付資料にある十三項目に限られている。だから、今回、医療機関のウエブサイトについてもこれに準ずることになるんだけれども、例外を設けましょうという。その例外が、一枚目に戻った右側の赤い四角で囲った、一部の限定を解除すると。それで、この一部の限定解除というのは基本的にウエブサイトを対象にしたものであって、左側にある折り込み広告だとか、それからテレビCMなどとはやっぱり一線を画して違う扱いにしている。
 今回、医療機関のウエブサイトを広告とみなすことにしたのにも、こういうようなほかの広告とは別扱いのこういう赤い枠組みをつくった、これはなぜなのか、まず教えていただきたいんですが。
#212
○政府参考人(神田裕二君) 今回の見直しについてでございますけれども、消費者委員会からの建議等を踏まえまして、基本的にはこれまでの折り込み広告ですとかテレビコマーシャルと同じように、原則として同様の規制を掛けるということにしているわけでございますけれども、仮に、先生の資料の二枚目にございますような、こういった広告可能事項を限定列挙というふうにいたしますと、特にこの中で言いますと、提供される医療の内容、Jになりますけれども、医療の内容に関する事項ということについては原則として保険診療等に限られるというのが現行の限定列挙の規制でございます。
 そういうことになりますと、難病の患者さんですとかあるいはがんの患者さんなどで国内でまだ承認されていないけれども海外で承認されているような薬を使った医療等について、ウエブ上で必要な情報を得ようとしても得られなくなるということがございますので、今回、原則としては同じ規制を掛けるわけでありますけれども、この検討を行いました検討会におきまして、こういった患者さんですとか医療関係団体の方々から、患者さんがどうしても必要だという情報が得られなくならないようにしてほしいという御意見がございましたので、それを踏まえまして、一定の要件を満たすような場合については、患者さんの適切な選択を阻害することがないような場合については、この限定列挙の規制というのを一部解除するということで御提案をさせていただいているということでございます。
#213
○片山大介君 そうすると、その医療法上の広告の定義って何なのかをもう一遍確認したいんです。
 これまで厚労省は、広告に該当するかどうかというのは三つの要件があるというふうに言ってきたんですね。それが配付資料の三枚目なんですが、まず一つ目が、これ誘因性、患者の受診などを誘引する意図があるかどうか、これが一つ目、誘因性。二つ目が医療機関名などが特定されるかどうか、これが二つ目、特定性なんですね。三つ目が、これ認知性、一般人が認知できる状態にあること。これ分かりやすく言えば、こちらから情報を取ろうとしなくても自然と目に飛び込んでくるようなもの、これを認知できる状態、そしてこれを認知性と。それで、この三つを全て満たしたものがこれまで広告だと言っていたんです。
 そうすると、医療機関のウエブサイトというのはこの三つを全部満たしているということでいいのかどうか、それをお伺いしたいんですが。
#214
○政府参考人(神田裕二君) これまでウエブサイトについては、従来、医療広告に該当しないという判断をしておりました。それは今の三要件で申しますと、Bにございます一般人が認知できる状況にはないという、認知性という要件を欠いているという解釈でございました。テレビコマーシャルですとか看板のように一般人が認知できるという状況にはないということから、従前の解釈ではこれは広告に該当しないということでございました。
 したがいまして、今回の法改正におきましては定義規定を設けまして、広告その他の医療を受ける者を誘引するための手段としての表示というふうに定義を置きまして、従前の広告プラスアルファ患者さんを誘引するための手段としての表示もこの規制の対象にするんだという明文の定義規定を置きまして、従前と違って、認知性がなくても誘因性と特定性があればこの規制の対象になるんだということを法文上明記させて提案をさせていただいているということでございます。
#215
○片山大介君 そうなんです。だから、これまではその三番目のが、認知性がなかったから医療広告の扱いしてこなかったわけですよね。それが、だから、おととしに消費者委員会からの指摘があった、医療扱いにしてほしいというのがあった。その一方、患者団体からは、広告にすると掲載内容がさっきの十三項目に限定されちゃうから、だから、そうすると必要な情報が得られないという、そういった懸念の声もあった。だから、両方の顔を立てる形でこういう新しい概念というか、新しいような手法を生み出したと。
 だから、今回のこの見直しって、若干やっぱり私分かりづらいと思うんですよね。一部限定解除だ、言葉からしてよく分からない。対象がどうなるかも分からない。だから、ここについてはどういうふうに思っているのか、これ大臣、お答えできたらお伺いしたいんですが。
#216
○国務大臣(塩崎恭久君) これは今局長から御説明申し上げたように、結論的には、認知性がなくても誘因性と特定性が認められれば規制の対象とするということで、これはウエブサイトなどについても、今までは別扱いしていたわけでありますが、他の広告媒体と同様に規制の対象として虚偽又は誇大等の不適切な内容のものを禁止するということで、是正命令とか罰則等の対象とする。今までは、基本的に医療機関のウエブサイトについては、閲覧を希望する方が検索した上で閲覧するものであって認知性がないということから、原則、医療法上の広告とはみなさないで、医療機関ホームページガイドラインということで行政指導でやってきたと、こういう世界だったわけでありますが、今回は法の規制を掛けていくけれども、しかし、今まで行政指導扱いをしてきた、言ってみれば一般の方々にとってのアベイラビリティーをなくすということがないようにすべきということで、今後はそういったことに配慮をしながら、具体的な内容について、今後、医療関係団体あるいは消費者団体、そして大事なのはやっぱり患者団体、こういった方々の御意見を聞いて検討をしていくこととなるわけでございます。
 規制の対象を明確に示したガイドラインというのをお示ししていこうというふうに考えておりますので、可能な限り速やかに施行に必要な事項を、何をガイドラインとして示すのかということが今分かりづらいというお話でありましたから、分かりやすいガイドラインをどう項目立てしてお示しをするかということで、元々ウエブサイトを見ながらここに行こう、あそこに行こうとお決めになっていた方々にとって不便なことがないように、しかし間違った情報で被害を被るようなこともないように私どもとしてはきちっと規制を掛けていきたいと、こう思っているわけであります。
#217
○片山大介君 分かりやすくということなんですが、そうすると、今回のこの資料に、その三要件についてがどうなるのかというのが実は書かれていないんですよね。そうすると、じゃ、これまで定義としてきた三要件というのはこれからは関係なくなるということなんでしょうか。そこを簡単に教えていただきたいんですが。
#218
○政府参考人(神田裕二君) この点については、先ほど大臣からも御答弁申し上げましたように、三要件のうち認知性というものがなくても基本的にはこれまでの広告規制と同様の規制を掛けるということでございますので、誘因性と特定性という二要件があれば今後はこの広告規制と同様の規制が掛かるということでございます。
#219
○片山大介君 分かりました。
 そうすると、今後ネット上では医療機関のウエブサイトというのは、限定解除されて十三項目以外にも掲載内容を載せられるサイトと、限定解除にならずに十三項目に掲載内容が限定されるサイトと混在していくことになると思うんですけれども、これはどっちが多くなるというふうに厚労省は見ているのか教えていただきたいんですが、私は、ウエブサイトというのは、広告というよりは情報発信の意味合いの方がやっぱり強いと思うんですよね。だから、余りこれ縛ることなく、限定解除になる方が多い方、例外としていろいろ書くことを認めてあげた方がいいんだと思うんですけれども、厚労省、今後これによってどうなるのかというふうに見ていらっしゃるでしょうか。
#220
○政府参考人(神田裕二君) 具体的な定量的な数まで予測しているということではございませんけれども、これは現在のガイドラインでも、ウエブサイトについてガイドラインを設けて行政指導しておりますけれども、その中でも、先生おっしゃったように、ウエブサイトの特徴というのは、かなり情報量が多いということですとか、アップ・ツー・デートも比較的しやすいといったような特徴があるわけであります。
 そういう意味で、丁寧な情報提供ができるという良い点もあるわけでありますので、提供者側に都合のいいような効果だけをうたうということではなくて、副作用だとかリスクですとか、あるいはどれぐらいのお金が掛かるのかとか、あるいはどれぐらいの費用、回数が掛かるのかとか、そういった適正な情報と併せて提供すればそれは有効な情報源になり得るということでございますので、一定のルールを守って適正に提供されるものについては先ほどの限定列挙を解除いたしまして、医療の内容についても詳しく載せていただけるようにしていきたいというふうに考えております。
#221
○片山大介君 それで、その一定のルール、限定解除する、例外認めてあげるそのルール、条件というんでしょうか、私、それもなかなか難しいと思っているんです。
 例えば、これまでの審議で衆議院なんかで出てきたのは、自由診療についての記載する場合どうするのかと。それに対して、厚労省としては、治療内容だとか平均的な費用だとか、あとリスクや副作用などもきちんと記載したら認めてあげるようにしようかということをおっしゃっていたんですけれども、ただ、このリスクだとか副作用だとかって、どこまで書いたらそれが限定解除の条件になるのか。あと、それで、記載されたリスクや副作用が本当に正しいのかどうか。リスクなんかもちょっと低く見積もって書くようなケースもあるんだけれども、そういった正しさもどこまで求めるようにするのかというのはどのようにお考えなのか、教えていただきたい。
#222
○政府参考人(神田裕二君) いずれにしろ、これは、法律が成立いたしましたら、医療関係団体、患者団体、消費者団体の方々の意見も聞きながら具体的な基準については決めてまいりたいというふうに考えておりますけれども、基本的には先ほど申し上げましたような情報源としての有用性ということの中で適切な情報提供というものをどのように条件付けするかと、基本的な要件は患者の適切な選択を阻害することがない場合ということでございますので、その基本的な考え方に従いまして、どのような要件を課すことが適当かという観点から、関係者の方々の御意見も聞きながら具体的な要件について検討していきたいというふうに考えております。
#223
○片山大介君 それで、今後、その関係者から話を聞くと言っているんですが、私はやっぱり余り条件厳しくしない方がいいんじゃないかなというふうに思っているのと、あとは、やはり今回の見直しが、これは医療法上の医療分野のウエブサイトですけれども、この新しく作ろうとした条件が、やっぱりほかの分野のウエブサイトへの私は影響を与える可能性もあるんじゃないかなと思っているんですね。ほかの分野でも、こうしたルール作っていない分野って結構多いですから。
 だから、そういう意味では、いろんな人から、関係者から話を聞くことはいいと思うんですけれども、この医療法上での利害のある人だけじゃなくて、ネット広告についての詳しい専門家だとか識者だとか、そうした医療分野だけじゃなくて、全体の法体系としてのバランスが考えられるような人も呼んで聞いた方がいいと思うんですが、そこら辺はどのようにお考えでしょうか。
#224
○政府参考人(神田裕二君) 今回のこの法案を提出するに当たりまして、医療機関のウエブサイトの取扱いを議論していただいた検討会がございますけれども、そこにもインターネットに詳しい有識者として、通信関連業界においてガイドラインを策定している専門家に御参画いただいております。
 当然、今後検討していくに当たりましては、インターネット等に詳しい有識者にも参画いただいて幅広い御意見をお聞きしていくことが必要だと考えておりますので、先生の御指摘も踏まえて、そういった有識者の方にも参加していただくようにしていきたいと考えております。
#225
○片山大介君 あと、ほかの法律との関連性というのはどうなるのかというのもちょっと聞きたいんですけれども、消費者委員会なんかの方では、景品表示法とあって、あそこでも広告規制をやっていたりするんですよね。だから、そうした医療法との関係がどうなるのか。それぞれの法律、所管する部局というのはあると思うんですけど、そことの連携をどうしていくつもりなのか、それがちょっとまだ何も書かれていないので分からないんです。そこはどのようにお考えなのか、教えていただきたいんですが。
#226
○国務大臣(塩崎恭久君) 不当景品類及び不当表示防止法、いわゆる景品表示法ですが、これ、商品やサービスの取引全般に関する広告について、医療法と同様に、実際のものより著しく優良であると消費者に誤認をあえてさせてしまうとか、そういうものを禁止をするという規制を行っているわけでありますが。
 さらに、医療法においては、医療は何といっても人の生命にあるいは身体に関わるいわゆるサービスでございますので、不当な広告によって受け手側が誘引をされて不適当なサービスを受けた場合の被害が命に関わると、こういうことがあるわけであります。それと、極めて専門性が高くて、広告の受け手は、実際のサービスの質についてはいわゆる情報の非対称性で事前に判断することが非常に難しいということなど、他の分野とやはりかなり異なる特性が医療の場合にはあるのではないかというふうに思うわけでございまして、この広告可能な事項を限定するなどの厳しい規制を設けているのは、やっぱりそういう理由がこれまでもあったからだろうというふうに思います。
 消費者や患者の方々によります自主的かつ合理的な選択を確保するために厚労省と消費者庁では日頃から連携を行っておりまして、これまでも、消費者委員会の建議を受けて、例の美容医療サービスに関する苦情相談情報の活用について、共同して都道府県などの医療部局に対して、国民生活センターなどの消費生活相談、これを積極的に活用することを求めるとともに、美容医療サービスを受けるに当たって消費者の方々が注意すべき事項をまとめたチラシの作成と注意喚起を行うというような対応をこれまで行ってきたわけでありまして、こういった省庁間あるいは地方公共団体との連携をしながら、法令遵守の徹底に取り組んでいきたいと考えております。
#227
○片山大介君 是非よろしくお願いします。
 それで、ちょっと時間がないから、私もネットパトロールの方についてちょっと話を聞きたいんですが。私は個人的に、先ほど言っているように、ウエブサイトというのは情報発信の機会だと思うから、これで広告規制を掛けるというよりは、やっぱりパトロールの方をしっかりやった方がいいと思う。それで、やっぱり問題のあるサイトを見付けて、きちんと指導、改善させていく方が私は大切だと思っています。
 今回、新しいネットパトロールの体制もつくるということになっています。それで、外部委託ですか、外部委託をしていろいろ見付けてもらって、不適切な記載があった場合にはその見直しを求めて、改善されなかった場合にはそれぞれの当該の自治体に情報提供をして改善をしてもらうようにと、それは分かったんですが、じゃ、実際にこれ、サイトの数って物すごい数あるわけですよね。だから、これをどのように実効性を担保するのかというのが知りたいのと、それから、そもそもこれのきっかけというのは美容医療でしたよね。だから、美容医療を中心にやっていくのか、それとも医療機関のサイト、医療機関数は十万とかなんとかといっていますけど、これ全体を監視するのか、どのようなお考えなのか、ちょっとお伺いしたいんですが。
#228
○政府参考人(神田裕二君) サイトの数は非常に多いのでどのように実効性を担保していくのかということでございますけれども、実は医薬品についても、例えば危険ドラッグですとか未承認の医薬品の広告等についてはネットパトロールを行っております。これは、実はかなり専門性が高いということがございまして、行政の人間ではなかなかそういったウエブサイトを抽出するというのが非常に難しくて、一定のノウハウがあるということでありますので、厚生労働省の委託として、そういったノウハウを持った専門の機関に委託をして、効率的に問題のあるウエブサイトというのを抽出して、それを、先ほど先生おっしゃったように、まずはその是正を指導して、それでも従っていただけないような場合には都道府県等から指導を行って、それでも難しいということであれば今度は広告規制の対象になりますので中止ですとか是正の命令を掛けられますし、その命令にも従わないということであれば今度は罰則ということになりますので、従前ですと行政指導しかできなかったわけでございますので、言っても従っていただけないとなかなか実効が上がらなかったということがございますが、今回は、先ほど申し上げましたような立入検査ですとか報告徴収ですとか是正命令とか、それに違反した場合の罰則という担保措置ができますので、こういったものを使って効率的に実効のある規制をしていきたいというふうに考えております。
#229
○片山大介君 了解しました。
 ただ、それでもウエブの世界というか、はもう日進月歩というか、どんどん進んでいっているので、例えば対応に困るケースも出てくるんじゃないかなとかと思っているんです。
 それで、体験談とかについて言えば、これはこれまでにも、医療機関が自分のウエブページに載せる場合には、例えばこれは恣意的に選んで載せるから駄目だ、だからあとは被験者の方が自分でブログなどに書く分には問題ないとかというような判断を示している。だけれども、今、広告は一見して広告として分からないような、例えばネーティブ広告とかと呼ばれるんですけど、一見するとブログの記事のように見えるような広告だとか、そういった広告も出てきている。
 それから、あともう一つは、今は動画を付けるようになってきています、ウエブページには。それで、先ほどからあるように、テレビCMというのは純然たる広告だからそれはいいんだけれども、今はウエブ用に動画を撮影して編集して貼り付けるというような、その動画をもう取り込むというのがどんどんはやってきているから、トレンドになっているんだけれども、こういった対応はどうするのか、教えていただきたいんですが。
#230
○政府参考人(神田裕二君) まず、最初の体験談の扱いについては、先生御指摘のとおり、個人が経験された体験を自分で出版物で公表したり口頭で評判を広めたりという分には、特定の医療機関への受診を誘引するという意図があるとは限りませんので、一般的には医療広告に当たらないということでありますけれども、お金をもらって特定の医療機関の受診を勧奨するような、誘引するようなものについては広告に当たるケースもあるというふうに考えております。
 それから、動画についてどのようにするのかということでございますけれども、動画につきましてもウエブサイトと同様に今回は広告規制の対象になるというふうに考えておりますので、先ほどから御議論ございましたように、誘因性と特定性があって、特定の医療機関への受診を勧奨、誘引しているようなものであるというふうに判断されれば基本的には今回の広告規制の対象になり得るというふうに考えております。
#231
○片山大介君 いずれにしろ、ネットによる情報発信の重要性はどんどんこれから増してくると思うんです。だから、そうした中で今回見直しをすると。これ、あくまでも問題のあるサイトをなくしていこうということで、それが意欲ある人たちを萎縮させたりだとか、意欲を減退させるようなことがあってはいけないと思うんですね。最後に、それについて大臣のお考え、ちょっと聞いて終わりにしたいと思いますが。
#232
○国務大臣(塩崎恭久君) おっしゃるとおり、今まで行政指導でやっていたところに法律の網を掛けるというときには、今お話しのように、表現の自由とか、いろんな意味で自由な発信を、いい意味で自由な発信をされる方々の自由を奪うようなことがあってはならないということはそのとおりだと思いますので、そういう点によく注意をしながら、新しいガイドラインを作っていこうというふうに考えているところでございます。
#233
○片山大介君 是非しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 これで終わります。ありがとうございました。
#234
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 私も、まず美容医療というか、今回のネット規制についてお聞きをいたします。
 国民生活センターのPIO―NETに寄せられた美容医療サービスに関する相談件数は、二〇一二年が千八百七十六件、二〇一四年が二千六百二十四件、二〇一六年は二千四十九件と、お手元の資料にありますけれども、ピークは脱したものの依然高止まりを続けております。
 それから、先ほどからもこの委員会で質問がありますが、消費者委員会は、二〇一五年七月七日、美容医療サービスに係るホームページ及び事前説明・同意に関する建議を出して、厚生労働大臣に対して同建議の対応に関する実施状況の報告を二〇一六年一月までに報告するよう求めております。
 今までのこの美容医療をめぐる相談例やトラブル例、それにどのように対応してきたか、消費者庁、それから厚労省、答弁をお願いします。
#235
○政府参考人(福岡徹君) 消費者庁でございます。
 美容医療に関する消費生活相談の状況でございますけれども、全国の消費生活センター等には、先生も御指摘ございましたように、近年、年間約二千件の相談が寄せられているところでございます。
 その内容といたしましては、エステ店から紹介された美容外科で全身脱毛の契約をして、解約しないと記載がある同意書にサインしたが高額なので解約したいというものであるとか、小顔注射を打つ目的で美容クリニックに行って手術を受けたが手術の内容の説明がなかったので返金をしてほしいとか、クリニックで脂肪冷却痩身の施術を受けたところ脇腹二か所が凍傷になったということで今もやけどの跡が残っているといった相談が寄せられているところでございます。
 その被害額ということでございますけれども、平成二十八年度におきまして相談を寄せられた方々の契約購入金額の平均額は約六十五万四千円、既支払額、既に払った額の平均額は約三十一万円となっているところでございます。
 こうした美容医療に関する消費生活相談でございますけれども、対応が済んだ事例ということで申し上げますと、例えば、医療機関との協議の進め方についての助言とか、双方の間でのあっせんを行ったということで、結果、一部返金がなされるといったケース等がございます。
#236
○福島みずほ君 厚生労働省はどう対応されてこられたのでしょうか。
#237
○政府参考人(神田裕二君) 厚生労働省の対応についてでございますけれども、まず平成二十三年に一度目の建議がございまして、それを踏まえて検討会を開催いたしまして、平成二十四年に医療機関ホームページガイドラインというものを制定いたしまして、行政指導でまず対応するということをしてきたわけでございます。
 ただ、この点については、二回目の二十七年の七月の建議でも指摘されておりますけれども、改善命令等の法的な措置がないことから実効性が上がっていないという御指摘もございましたので、これを踏まえまして、検討会を設けまして議論を行いまして、今回医療法を改正いたしまして、医療機関のウエブサイト等について、ほかの広告媒体と同様に原則医療広告の規制の対象として、虚偽、誇大等の不適切な内容のものを禁止し、是正命令や罰則等の対象とするという改正案を提案させていただいているところでございます。
#238
○福島みずほ君 これは、厚生労働省が身を乗り出して解決すると。その前に、消費者庁、消費者委員会の頑張りがあったということは、他の委員の御質問の中でも消費者特別委員会の中でも出てきました。是非成果を上げていただきたいと思います。
 ところで、エステと美容医療はどこが違うのか。例えば脱毛にしても、ちょっとこれ質問通告をきちっとしていないんであれですが、毛根の根っこを全部取っちゃうのが医療で、そうでないのがエステとかもあるんですが、相談例などをいろいろ見ていると、エステなのか医療なのか。あと、いろいろ広告なども、脱毛とかいろんなものって、エステでもいっぱい出ているんですね。そうすると、その区別というのはどこにあるんでしょうか、あるいは今後どうしていくんでしょうか。
#239
○政府参考人(神田裕二君) 個々の事例については個別具体的に判断をしていく必要があると思いますけれども、本質ということでいいますと、人の身体に危害を及ぼすようなおそれがあるものについては医行為に該当するおそれがありますので、もしそれを無資格の者が行えば医師法に反するということになろうかというふうに思っております。
 例えば脱毛ということで、レーザー光線で毛根部分を照射して毛乳頭等を破壊する、いわゆるレーザー脱毛でございますとかそういうものについては人の身体に危害を及ぼすおそれがあるということになりますので、これは医行為に該当して、無資格者が行えば医師法違反というふうに考えております。
 一方で、そういった人の身体に危害を及ぼすおそれがないようなものについてでございますけれども、これは無資格の人が行いますと、逆に美容師法における美容に該当するものについては、美容師免許を持っていない者がこれを業として行うということになりますと美容師法違反ということになろうかと思います。
#240
○福島みずほ君 今日は経済産業省にも来ていただきました。
 消費者委員会は二〇一一年十二月二十一日にエステ・美容医療サービスに関する消費者問題についての建議を出して、無資格者によるエステとして、レーザー脱毛、アートメーク、まつげエクステンションなどを挙げられております。永久脱毛やアートメークなども法令に違反するおそれがある旨、明記されています。
 経産省、医療とエステの間ですが、エステの問題に関してどのように責任官庁としてやっていくのか、教えてください。
#241
○政府参考人(吉本豊君) お答え申し上げます。
 経済産業省といたしましては、エステティック業者等が行うお尋ねのような行為、これを規制する法律というのは所管をしておりません。ただ、エステティック業を含みますサービス業、これを振興すると、こういった観点から、これらの事業を行う者が、厚生労働省あるいは消費者庁等の関連法令を持っておられますが、こういったものを当然遵守していくということは当然の前提であるということかと思っております。
 ということで、エステティック業、消費者から信用されるサービスとして発展をするためにも、こういった関係省庁とも連携しながら、業界団体への周知等を通じまして、健全な産業の育成、これに努めてまいりたいと、こういうことでございます。
#242
○福島みずほ君 今回の法案の準備のためにいろんな広告をたくさん見て、あるいは相談例を読んできました。ビフォー、アフターってあるのに、ビフォーは化粧をしていなくてアフターの方がすごくきれいに化粧をしていて、というか、それから、これ本当に、ビフォー、アフターは同一人物なんだろうか分からないとか、あるいはお試しとか無料って言っておびき出して高く吹っかけるとか、あるいは保険診療が利く、あるいは自由診療なのか、とりわけ保険診療が利く場合と自由診療の場合って、普通の人にはよく分からない。
 あるいは、今普通は二百万だけれど、今しわ取りをすると六十万でオーケーだとか、インフォームド・コンセントが非常に不十分で、今なら安くするとか、みんなそれでうっかり契約しちゃってもう手術台に上っちゃったとか、もうすさまじい例とかあって、でも、これって、消費者もあれだけれど、むしろやっぱり広告の打ち方や営業の仕方もあると思うんですね。
 もし美容医療でも保険が使えるんだったら、それはきちっともっと言ってあげるべきだとも思うんです。この辺についてもしっかり厚労省取り組んでいくんでしょうか、どうでしょうか。
#243
○政府参考人(神田裕二君) 個別具体的の例がございましたけれども、ちなみにでありますけれども、ビフォーは化粧をしていなくてアフターは化粧をしているというと、これまでの解釈では誇大広告というふうに言っておりますし、写真に改ざんをしているとこれは虚偽広告だというのが従前の解釈でございます。こういった点につきましては、また、費用は今行うと幾ら幾らキャンペーン中とか、そういう費用を過大に強調するような広告も適当でないということでこれまで指導しているところでございます。
 今回、ウエブで提供されます中身につきましては、これまでの広告と同様に、虚偽、誇大なもの、それから比較広告、公序良俗に反するものなど具体的な基準を省令で決めていくことになっておりますので、その中で基準を決めまして、ガイドラインの中でどういうものが適切事例か、できるだけ分かりやすくお示しするようにしていきたいと考えております。
#244
○福島みずほ君 次に、健康診断における医療情報の第三者提供についてお聞きをいたします。
 これ、身近なところの健康診断もそうなんですが、ここの厚生労働委員会で自分の医療情報についてのプライバシーの問題についてずっと質問してきました。健康診断に当たる説明書きを集めてみました。配付資料にもあって、別にここがとても悪いというわけじゃなくて、こういうものが結構散見されるので今日御質問いたします。
 配付資料なんですが、個人情報の提供のところで、二枚目で線を引いておりますが、個人情報の提供の任意性、協会に個人情報を御提供いただくのはあくまで任意ですが、個人情報を御提供いただけない場合、協会のサービスの全部又は一部が御利用になれない場合がありますと。ほかにも同じように、サービスが受けられない、あるいは御相談くださいとか。
 私が言いたいのは、自分の医療情報を提供するかしないかは、全く同意するか同意しないか対等であるべきなのが、こういう説明書き、とりわけ健康診断の場合に、もし提供いただけない場合はサービスが利用できない場合があると。これだと、気の弱い人間は、しようがないというか、同意をいただけない場合は適切な医療サービスに支障があると書いてあれば、やっぱり不安になって、まあいいやと思ってしまうかもしれない。
 厚生労働省にお願いです。こういう健康診断の場合の医療の提供、あるいは、同意がどこまで同意なのかもよく分からないんですね。普通こういうのをまじまじと見て健康診断を受けないかもしれない。それは極めて問題ではないか。この点について、個人情報をきちっと、憲法における知る権利は自己の情報におけるコントロール権だと最近では憲法上言われておりますので、自分の情報をきちっとコントロールする、自分の医療情報を提供したくない、匿名加工もされたくないという場合には、ノーだと言って、それで不利益を受けないということがはっきり分かるような、そういう文案にすべきではないでしょうか。そういう指導をしていただきたいという質問です。
#245
○政府参考人(福島靖正君) この今先生お示しの資料の文面が、第三者提供なのか、それともこれ、協会に個人情報を提供いただく場合ということで、協会に対しての、健診を行っている機関に対してその当該本人の、健診を受けられる方の情報を提供することに伴うその協会が提供するサービスの問題なのか、ちょっと分かりかねるんですが、仮に第三者提供だとした場合に、個人情報保護法では第三者に個人情報を提供する場合はもちろん原則として本人に同意を得る必要がありますけれども、健診機関は、その第三者に個人情報を提供する必要があるような何らかのサービスがある場合に、御本人がその同意を得ない場合にはそういうサービスを提供することができない、そういう場合が生じるということで、その第三者提供が嫌だと拒否される場合には一定程度制約がされる可能性はあるんだと思います。
 この御指摘の記載も含めて、健診受診時の同意取得の方法が適切か不適切か、これは個別に判断する必要があると思いますけれども、健診機関は、やはり健診の実施に当たって個人情報の第三者提供に関して、受診者本人が同意するかどうかによってどういうサービスが受けられるのか受けられないのか、そういうサービスの違いが生じるのであれば、そういうことを受診者本人が理解できるようにやはりすることが望ましいのだと考えております。その際、抽象的なあるいは不十分な説明で、同意しなければあたかも受診者が不利益を被ると受け取られるような表現によって同意を取得することは適当ではないと考えております。
 個別具体的にこの中身について今後どういうふうにしていくのかというのは、先ほど言いましたように、第三者提供の場合あるいは当該健診機関が直接的に提供するサービスの場合、いろいろあると思いますので、もう少しここは研究させていただきたいと思いますけれども、基本的には、第三者提供については、先ほど申し上げた考え方であると、抽象的説明では適当じゃないんじゃなかろうかと考えております。
#246
○福島みずほ君 適切じゃないというので、今後どうするか考えていただくということです。でも、幾つか集めた中の健康診断で、一、利用目的、二、第三者提供、三、業務委託、四、受診者様の権利、五、同意についてとあって、同意のところで、万一上記の事項について同意をいただけない場合には、健康診断に係るサービスの提供に支障が出る場合がございます、同意し難い事項がある場合には御相談ください、利用目的については同意というふうになっているんですね。そうすると、健康診断を受けるのに一々相談しなくちゃいけない、第三者提供はやめてほしいと思っているのに、やっぱり非常に不同意をしにくい事態が健康診断の中でも出ています。
 内閣委員会で議論した匿名加工における法案が、残念ながらと言うべきですが、成立しましたが、きちっと同意、不同意は対等であり、不同意にした場合もとりわけ不利益を被るものではないということがはっきり分かるようにすべきだ、いかがですか。
#247
○政府参考人(其田真理君) お答え申し上げます。
 ただいま厚生労働省からも御説明がございましたように、個人情報保護法では、個人情報取扱事業者が個人データを第三者に提供する場合には原則として本人の同意を取得することが義務付けられております。その上で、一般論といたしまして、事業者は、個人情報の提供の同意の有無によりまして受けられるサービスにどのような違いが生ずるのかという点について、利用者が理解しやすいように適切な取組に努めることが重要であると考えられますので、私どもとしてもそういった取組には積極的に対応してまいりたいと思います。
#248
○福島みずほ君 例えば、尿やいろんなものを例えば臨床検査の協会に委託するとか、そういうのはいいんですよ。そうじゃなくて、自分の情報を第三者に流す、あるいはそれが匿名加工される、健康診断の情報がどこか流れるかもしれないということに関する同意のところの問題です。
 自分の情報を同意しなければ何か不利益なことが起こるんですか。それ、おかしいでしょう。健康診断に関して本人が情報を第三者に提供すること、それが診療に必要、検査に必要な場合でなく、情報を流すことに関して不同意ってしたことによって健康診断を受けることに差が起きたら、真の意味の不同意、同意じゃないじゃないですか。いかがですか。
#249
○政府参考人(其田真理君) お答え申し上げます。
 個人情報保護法におきましては、個人情報の第三者提供を拒否する受診者への不利益取扱いというところは規律は置いてございませんけれども、やはり利用者が分かりやすい御説明というのが重要であるというふうには考えております。
#250
○福島みずほ君 利用者が分かりやすい以前に、不同意の場合に不利益を受けないということが不同意ができる権利じゃないですか。もし、同意しなければサービスの提供に影響がある、あるいは御相談くださいとややこしければ、不同意にならないですよ。だとしたら、同意と不同意を対等に扱ってくれというのが今日の質問の意図なんです。
 第三者に提供するに当たり、検査に必要という意味じゃないですよ、情報本体を情報として流す場合に、不同意にした場合に健康診断の段階で不利益があるのはおかしいでしょう。大臣、どうですか。
#251
○政府参考人(福島靖正君) 第三者提供の形も様々あると思います。例えば、市町村の実施する健診、あるいは事業所の健診の場合、あるいは健康保険組合が実施する健診の場合もあると思いますし、またそういう情報がもちろん健診の委託者といいますか、そこに提供されるということもあると思いますし、また今おっしゃったような形態での第三者提供、全くそれと無関係のものというのが現実的に起こる場合は、これは当然本人同意でなければ第三者提供できないわけでありますので、ここで書かれいるいわゆる一部、サービスの全部又は一部というのが、まさに不利益な扱いなのか、それとも、まさに、先ほどお答えいたしましたけれども、それに伴ういろいろなサービスが提供できない、御同意いただけないことによって提供することが極めて限定されてしまうと、そういう趣旨なのかということによってそれはまた違うので、先生の御指摘、今質問の御趣旨のような場合なのか、それともこれがどういう趣旨で書かれているのか、そこを考えながら、どういう表現が、あるいはこういう場合にどのような形で記載されるべきなのかということについては少し私どもも研究したいと考えます。
#252
○福島みずほ君 是非検討をお願いします。
 幾つか集めた中で、ばくっと不同意の場合にはサービスの提供に支障が出るというのが簡単に出てきていて、何についての不同意に、どの部分の何で、そして、というのが分からないんです。でも、医療情報はセンシティブ情報ですから、本人が不同意をした場合に何か不利益が生じたり面倒なことが起きることはやめていただきたいということなんです。とりわけ会社員とかだと、自分の医療情報がどう流れるか、ただでさえ不同意って言いにくい状況があると思います。その点について厚労省がしっかり分かるように、しかも同意と不同意が等価値であるという形がはっきり分かるような形の一つのガイドラインかそういうものを作ってくださるようにお願いをいたします。よろしいでしょうか。
#253
○政府参考人(福島靖正君) まずは、この健診機関が提供しておりますこのような個人情報の取扱いの説明の紙、いろいろ多分様式もあると思いますし、まずはどういう趣旨で書かれているものかも含めて少し研究させていただきたいと思います。
#254
○福島みずほ君 研究した後、また研究の結果を教えてください。
 次に、助産師による異常時対応病院の確保についてお聞きをします。
 本法案では、出張のみにより業務に従事する助産師に対して、妊婦の異常に対応する病院などをあらかじめ定めることを義務付けております。個人営業の助産師に過度の負担を掛けることにならないか。周産期医療における異常時対応については国や自治体が責任を持って対処するための体制を整備すべきではないでしょうか。
 公益社団法人日本助産師会は、この医療法改正に当たり、助産師に関する部分は、一、妊産婦はどこで出産しても安全が保障されるべきである、二、緊急時の妊産婦対応は国が整備するべきであって、助産師個人や職能団体の努力によって整備されることではない、三、国が妊産婦の安全を守るシステムを整備すべきである、四、産婦人科医師の減少、高齢化及び産婦人科医の負担を軽減するためにも医療法第十九条にある嘱託医制度そのものを見直さなくてはならない時期に来ているとあります。
 とりわけ緊急時の対応のことの問題について、これは国と自治体が整備すべきではないか。いかがでしょうか。
#255
○国務大臣(塩崎恭久君) 出張のみで業務を行う助産師の問題という理解でよろしいですね。
 今回の医療法改正によりまして、出張のみの業務に従事する助産師につきましては、妊産婦の異常に対応する医療機関の確保を義務付けているわけでありますけれども、現在既に多くの助産師が連携する医療機関を確保している状態にございます。例えば、出張のみで分娩を取り扱う助産所は百一ありますけれども、これ二十六年の調査でありますが、そのうちで医療機関との連携を確保しているのが八十、七九・二%、こうなっております。ですから、あと二十ぐらいをどうするかと、こういう問題になるわけで、医療機関の確保に当たりましては助産師に過度な負担が掛からないようにすることは御指摘のように重要だと思っています。
 今回の法改正の施行に際しては、都道府県や産婦人科医会などの関係団体と連携をしながら、私どもとしてはこの医療機関への協力を依頼をしてまいりたいと思いますし、助産師会が行う医療機関との助産所の仲介というのをやっていますが、助産所への相談援助業務への財政支援などの必要な支援も行うようにしようと思っておりまして、助産所において連携する医療機関の円滑な確保をしっかりとするということが大事なので、私どもとしては全力を挙げたいというふうに思います。
 なお、周産期医療における異常時の対応につきましては行政も責任を持って対応する必要があるというふうに思っておりまして、国としても、都道府県が医療計画を策定する際の指針において、妊産婦や新生児の搬送及び受入れ等について、各都道府県が助産所を含む周産期医療関連施設間の連携体制を構築していただくというように求めているところでございます。
#256
○福島みずほ君 時間が来たので、最後の質問は意見として一言述べます。
 獣医師の偏在なのか需要なのか、加計学園で国会は大揺れですが、医師の偏在、医師の不足について厚労省はどう考えているのか、これはもう時間がありませんので、また次の機会にでも聞かせてください。
 というのは、地方都市、東北やいろんなところへ行きますと、産婦人科がいない、お産ができない、だから、首長や自治体議員の公約が産婦人科を連れてきますとか、というものがあるわけですね。医師の偏在はそれはあるだろうと、とてもそれは感じております。
 じゃ、どうしていったらいいのか。医療法の今回の改正案の中にそのことは盛り込まれておりません。厚労省の中に、医師需給分科会で議論があったり、今年四月、新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会、四月からは今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会も開催されています。それを見守りつつ、是非どこにいても医療が受けられるようになるように解決していただきたいと申し上げ、質問を終わります。
#257
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。よろしくお願い申し上げます。
 今日は、私、一点、検体検査の精度確保のところのみ焦点を当てて質問させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
 まず、今回のこの部分の改正の目的というものについて、局長、教えていただけますでしょうか。よろしくお願い申し上げます。
#258
○政府参考人(神田裕二君) 検体検査は、疾病の的確な診断や治療効果の評価等のために日常的に実施されているものであり、その品質、精度の確保は重要であるというふうに認識いたしております。特に遺伝子関連検査の品質、精度管理につきましては、ゲノム医療の実現をオールジャパン体制で取り組んでいくために、内閣官房に設置されましたゲノム医療実現推進協議会におきましても、ゲノム医療の実用化に向けて、特に重点的かつ早急に検討を要する課題というふうにされているところでございます。
 今回の医療法の改正では、このような状況を踏まえ、医療分野における遺伝子関連検査を含めた検体検査の品質、精度の確保のために精度管理の基準の明確化を図ること、検体検査の分類の柔軟な見直しを可能とする制度改正を行うこととしているところでございます。
#259
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 局長の御答弁のとおりに、その重要性というものが認識をしていますといいながら、ここまでなぜほっておかれたのかと私は大変疑問に思っています。それは同僚議員からも今質問が様々あったところです。
 ですから、やっぱり協議会に押されて、ゲノムの医療のタスクフォースの意見からということで今回こういう大きな改正になったわけですけれども、しっかりこれを守っていただくためにはどうしたらいいのかということにつきまして、これから議論を展開していきたいと思っております。
 この検体検査の精度といいましても様々なものがございます。特に私がその分子遺伝学的検査というものに注目をいたしまして調べておりますのですけれども、OECDが二〇〇七年五月に既にガイドラインを出しております。このガイドラインというのが、検査の質的保証に関すること、それから施設技能試験に関すること、検査機関の職員に対する教育訓練に関することということで、これは加盟国に対して勧告が行われております。
 それを受けまして、この日本でも国内の特別会員、いわゆる官公庁も一緒になりまして、日本臨床検査標準協議会が日本版ベストプラクティス・ガイドラインというものを出しております。
 先ほど御答弁いただきましたように、これから医療界の皆様方と作っていきますというふうにおっしゃるんですが、もう既にOECDのグローバルスタンダードというものが示され、それを日本もしっかりと守っていこうじゃないかというガイドラインまであります。だから、ここをなぜ利用するというふうに言えないのか。しっかり利用して、これからグローバルスタンダードに近づけていくんだ、遅きに失したというふうに私は思いますけれども、しっかりこれを守っていくためにどうしたらいいのかということを考えるべきだと思います。
 先ほども申しましたこの三点、ここでは特に遵守すべきこととして挙げられておりますので、これに準じた形で私はこれから規定していただきたいと思いますが、局長、いかがですか。
#260
○政府参考人(神田裕二君) 先ほど申し上げました、これのきっかけとなりましたのは昨年十月に取りまとめられました、厚生労働省が主体となって開催しておりますゲノム医療タスクフォースの取りまとめでございますけれども、その取りまとめにおきまして、遺伝子関連検査の品質、精度を確保するためには、先生が今おっしゃっておられました、遺伝子関連検査に特化した日本版ベストプラクティス・ガイドラインなど、諸外国と同様の水準を満たすことが必要であり、法令上の措置を含め具体的な方策等を検討、策定していく必要があるというふうにされたところでございます。
 したがいまして、先ほど先生から御指摘がございました三点ということでございますけれども、遺伝子関連検査施設が第三者認定を受けることによる検査の質の保証、外部精度管理調査の受検を含めた施設技能試験、検査に従事する者などの職員に対する教育や訓練についても、遺伝子関連検査施設の基準の設定に当たり取り入れる方向で検討していこうというふうに考えておりますけれども、具体的な基準につきましては、今後関係者も入った場で検体検査の品質、精度の確保が図られるよう、適切に設定していきたいと考えております。
#261
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 皆様方のお手元にも資料として準備をさせていただいておりますけれども、やはりしっかりと、私は、これから国としてがんゲノム医療を進めていこうという体制の下、これグローバルスタンダードからどう考えても劣るよねというようなガイドラインを出したって、全く意味がありません。しっかりと研究者の皆様方の声に応えるような形で、私は、精度が高く、これからはゲノム医療もそうですし、普通の一般の検査についてもお願いをしたいと思っております。
 そのためにも、この衛生検査所におきまして今まで漫然といわゆる更新をされてきたというこの習慣もやめていただきたいと思っております。一部のそのような心ある検査機関におきましては、国際基準でありますISOの基準、そしてCAPサーベイなどに基づいた自主点検というものも行われているところです。
 多くの欧米諸国では、有期更新可能の免許制というものが取られております。先ほど申しましたような施設のハード面であったり、マニュアルの確認、検体の取扱い、そしてしっかりとそのソフトウエアの審査なども行われた上で、そこに従事する人材の技術的な適性に関する評価というものも行われて、三年から五年ごとに定期的に当局の立入検査を義務付けている大変厳しいものでございますけど、やはりここまで徹底された上で患者様に正しい情報を提供するということになっております。
 今後、欧米諸国同様、このような有期的な免許更新制というものも私は取り入れるべきではないかと思いますけれども、大臣の御意見をいただけますでしょうか。お願い申し上げます。
#262
○国務大臣(塩崎恭久君) 臨床検査技師等に関する法律におきまして、この検体検査を業として行う者は、医療機関等を除いて、衛生検査所として都道府県知事の登録を受けるということになっております。その構造設備あるいは管理組織等が必要な基準に適合しない場合には、都道府県知事は衛生検査所の登録をしてはならないと、こうなっているわけでありますが、都道府県知事は衛生検査所の開設者に対して必要な報告徴収と立入検査を行うことができるとなっておりまして、運用においては、二年に一度全ての衛生検査所に対して都道府県から立入検査を行うように厚生労働省から依頼をしているところでございます。
 この立入検査において、構造設備あるいは管理組織などが登録基準に適合していないことが確認された場合には、都道府県知事は、是正指示等を経て最終的に業務停止や登録の取消し、これを行うことができることになっている立て付けでございます。このように、現行の登録制であっても、衛生検査所に定期的に立入検査を実施をして、その基準が満たされていることを確認をするなどの対応を着実に行うということで、衛生検査所における検査の質の確保を図っているという形になっているところでございます。
#263
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 ですから、できるではなく、しっかりと更新制にしていく、必ず、マストにしなければならないというようなことです。結局、私どもが今考えているような、衛生検査所で正しいことが行われているということで性善説に立っておりますけれども、しっかりと、これからゲノムというものを視野に入れた場合に、更に厳しい基準というものが世界にはございます、そこをやっぱり日本は目指していくべきではないんでしょうか。
 今回の法改正におきまして、検体検査のこのような精度管理の確保というものを行う、まず施設の範囲というものにつきましてもこれは問題になってくるかと思いますが、局長、いかがでしょうか。
#264
○政府参考人(神田裕二君) 医療分野で行われております検体検査には、医療機関において医療機関の職員自らが実施する場合、医療機関において検査を受託した業者の職員が実施する場合、いわゆるブランチラボの場合、それから医療機関から検査を受託した衛生検査所が実施する場合の三つのケースが考えられます。
 現行の検体検査の精度管理の基準については、医療機関が自ら実施する検体検査については法律上の根拠がございません。それから、二つ目のブランチラボについてでございますけれども、医療機関内で実施する検体検査につきましては明確な法律上の規定がございませんで、受託業者の満たすべき基準が一部省令に規定されているということでございます。それから、衛生検査所が受託して実施する場合の検体検査については、法律に規定された衛生検査所の登録基準のその他の事項として精度管理に関することが一部省令に規定されているということで、それぞれのケースで課題が生じているということでございますので、今回の法律では、いずれのケースにつきましても、法律上の根拠を明確に規定をいたしまして、精度管理に関する基準を制定していきたいというふうに考えております。
 この中で、医療機関についてはこれまで根拠規定がございませんでしたので、精度管理に関する根拠規定を新設するということにしておりますし、ブランチラボ、衛生検査所につきましても、今はその他事項ということになっておりますけれども、明文で精度管理の基準を省令で決めるということを法文上明確化するということにいたしております。
#265
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 しっかりそれはやっていただきたいんですが、私は、ちょっと一つ心配なことがございます。
 皆様方のお手元にも準備をさせていただいておりますけれども、NIPTコンソーシアムというものがございます。いわゆる母体血からおなかの中にいる子供、胎児の遺伝子検査というものが行えるようになってきました。これは、NIPTコンソーシアムというような組織の皆様方がやってくださっていたには大変意味がございまして、簡単に産婦人科医でなくても血液を採ればその子供の状態が分かってしまうでは、カウンセリングを受けなくて、結局は、お母様方がその結果に悩みながら、もしかしたら堕胎なさるかもしれない、しかし、そういうような安易なものを行わせないためにも、しっかりとその倫理的なものにも配慮し、カウンセリングに対しても配慮しというところで、臨床試験という中でこれは行われてまいりました。
 しかし、残念なことながら、皆様方のお手元に示されているように、無認可の施設で検査が行われているという現状が起こってきております。これは、何度か日産婦の方も申入れをしていらっしゃるようですけれども、やっぱりそれがまだまだ改善されないということで、資料三にも御準備しておりますけれども、厚生労働省の方でも様々周知徹底をしていただいて、通知まで出しております。
 この状況につきまして、まずは厚生労働省の見解を伺いたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
#266
○政府参考人(吉田学君) 新しい出生検査、いわゆるNIPTにつきましては、御指摘のとおり昨年十月に一部の報道がありまして、それを受けて確認させていただいたところ、それまでのルールであります日本医学会の認定を受けていない海外の施設に委託をされるなど、日本産科婦人科学会が平成二十五年三月に決めた指針を遵守しない形で実施されたケースがあるということがあったというのを学会から伺っております。
 厚生労働省としましては、これまで、日本産科婦人科学会の指針を医療機関や仲介業者が遵守して実施するように自治体あるいは関係団体に、今お示しいただきましたように、周知を行ってきております。それで、本件につきましては、既に学会において処分が行われたと、その処分が決定されたというふうに承知をしております。
 厚生労働省としましても、さらにこの事案を受けまして、今年二月の全国の児童福祉主管課長会議において、改めて日本産科婦人科学会の指針の周知を行っているところでございまして、妊婦の方の安全、安心の確保の観点から、引き続きこの指針の遵守を求めてまいりたいというふうに考えております。
#267
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 じゃ、局長、ちょっとお伺いしたいんですけれども、例えばこういう施設におきまして、じゃ内科医がやりたいんだといったときに、先ほど、これから精度管理を行いますよね、そういう国内でもし検査をするとしましたら、その精度管理があるところでないと検査ができないということになりますでしょうか。それとも、ビジネス的にそういう方々が入ってこられるところにも、精度管理が行われていないところにも血液検査というものが行えるような形になるんでしょうか。
#268
○政府参考人(吉田学君) まず、これまでの扱いといたしましては、まさに先ほど申し上げましたように、日本産科婦人科学会の指針を遵守してそれぞれの医療機関において行っていただくということを求めておりますので、私どもとしては、引き続き、そのような形で関係の機関の方々に対してその指針の遵守について求めてまいりたいというふうに思っております。
#269
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 だけれども、結局遵守しない方々がいらっしゃるから困るんですよね。そういうところでビジネスに入り込んでこられた場合には、じゃ精度管理は一体どうなってしまうのかということも実は私は大変心配をいたしております。
 遺伝子検査ビジネスというものが事業者によって行われております。その調査を経済産業省の方で行っていらっしゃいますので、その結果について、まず教えていただけますでしょうか。
#270
○政府参考人(吉本豊君) お答え申し上げます。
 委員お尋ねの調査、これは、私ども経済産業省の方で調査会社に委託をいたしまして平成二十四年度に行った遺伝子検査ビジネスに関する実態調査のことと承知をしております。
 この内容でございますけれども、消費者向けに疾患リスクあるいは体質等に関する遺伝子検査サービス、これを実施している事業者、これはインターネットでのキーワード検索等によって幅広く調査をいたしまして、平成二十四年八月の段階で七百三十八の事業者がこういった検査の実施あるいは提供をやっておられるということが確認できております。このうち約八〇%が医療機関であったということでございます。
 ただ、この七百三十八の事業者のほとんどは御自身で直接この遺伝子検査をされているわけではないようでございまして、外部に検査を委託しておられる、あるいはそういった検査キットの販売だけを行っておられる、そういったようなことであったようでございまして、実際に検査そのものを実施しておられるのは当時の私どもの調査では十数者に限られた特定の事業者だったと、こんなような詳細になってございます。
#271
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 その十数者についても、じゃ今回の精度管理についての法整備がなされた場合には適用になるんでしょうか。お願い申し上げます。
#272
○政府参考人(吉本豊君) 今申し上げましたのは、この医療行為の外側ということで、あくまで消費者向けの遺伝子検査のサービスをやっておられるところということでございます。
 もちろん、こういった受託をしておられる検査事業者の中には、先ほど御答弁、厚生労働省の方からございましたけれども、例えば衛生検査所の登録を同時に取っておられるようなところもあるようではございますけれども、私どもの調査は、あくまでもこの遺伝子検査ビジネス、消費者向けのビジネスをやっておられるところという観点から行ったということでございます。
#273
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。ですので、八〇%が医療機関なんです。
 この遺伝子検査ビジネスを利用している実態というものは、厚労省、把握しているんでしょうか。
#274
○政府参考人(神田裕二君) 先ほど経済産業省から調査の紹介がございましたけれども、私どもの方におきましては、ゲノム情報を用いた医療等の実用化推進タスクフォースにおいても、多因子疾患の疾患リスク等の確率情報を提供するサービスが医療機関を通じて実施される場合があるというふうに指摘を受けておりまして、そういう機関があるということは承知をいたしております。消費者向け遺伝子検査ビジネスについては、医療機関を通じて提供されるものも含めまして、昨年十月のタスクフォースの取りまとめにおきまして、医療や健康増進の観点から、厚生労働省も関わった形で検査の質等について一定の水準を確保するために実効性のある取組を行う必要があるとされたところでございます。
 これを踏まえまして、現在、厚生労働科学研究におきまして、消費者向け遺伝子検査ビジネスの検査手法や利用者への説明内容等、サービスの現状を把握するための実態調査を行っているところでございます。この研究については、医療機関を通じて提供される遺伝子検査ビジネスについても調査されているものと承知しておりまして、今後、研究報告がまとまればその内容を確認していきたいというふうに考えております。
#275
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 このような遺伝子検査ビジネスにつきましても、業界団体の皆様方が自主規制で認定基準を作って、認定制度もつくってはいらっしゃるんです。
 統括官、どのくらいの機能をしているのか、教えていただけますでしょうか。
#276
○政府参考人(吉本豊君) お答え申し上げます。
 お尋ねの件は、消費者向けのこういった遺伝子検査サービスを提供する事業者等から構成されております特定非営利活動法人、いわゆるNPO法人、個人遺伝情報取扱協議会というのがございまして、こちらの方で、こういったサービスに伴う個人情報の保護の方法あるいはそのサービスの信頼性確保等につきまして規定をいたしました自主基準、これを策定いたしまして、これに基づいた独自の事業者認定制度を立ち上げておるということでございまして、これは、昨年、平成二十八年六月に最初の事業者の認定が行われておりまして、これまでにこの協会加盟三十二社のうち十社が認定を受けているということでございます。
 まだまだそういう意味じゃ三十二社のうちの十社ということでございますので、協議会の方では認定マークを作って、また一般消費者への周知を図る等の取組を進めておるところでございますけれども、今後、このような取組を含めまして、この実効性、認定制度の実効性が高まることを経産省としては期待をしていると、こういうことでございます。
#277
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 でも、ベストプラクティスには全く程遠いような状況のものが医療にかなり、先ほど申しましたような、もしかしたら、そのNIPTコンソーシアムのようなこと、本当に大事な部分のような検査がもしかしたらビジネスとして入り込んでくるかもしれない。
 今回、報道でもございますように、両親の検査をして病気の発症率を何と出してしまうような企業の計画というものもございまして、それについても多くのアカデミアの先生方から注意喚起がなされております。ですから、どんどんどんどんビジネスなのかこれが医療なのかという垣根がなくなってきているのと、やっぱりそこのところ、かなり医療に近い部分のものまで今度は経産省管轄のものが入り込んできております。
 ですから、ちょっとこれ、一番最後の質問に飛ばさせていただきたいと思います。
 やっぱりどこまでが医療なのかというものがもう垣根がなくなっているこの分野におきまして、やっぱり医療法のスコープというものを、所管省庁、もう少しその守備範囲というものも見直しながら共同で私は作業して見直すべきだと思うんですけれども、今日は井原政務官にもいらしていただいたので、井原政務官、そして大臣、お二人に最後にお答えいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#278
○大臣政務官(井原巧君) お答えを申し上げます。
 要は、スコープというか守備範囲をしっかり明確に再考しなければ、これだけ広がってきているビジネスだからという、そういう御心配なんだろうというふうに思っております。
 これまでも連携はしておりますけれども、それぞれ取り組んでいるところでありまして、日本を含め各国の保健当局が医療として各種医療法制の中で規制はいたしております。一方、先ほど言いました経産省の関係のビジネスの非医療という前提の下では、医療規制の外側で経産省の方でガイドラインを策定して、サービスの信頼性を確保するための措置を講じております。
 しかしながら、近年、非常にこのサービスが広がってきたというようなことでありまして、その在り方についての議論がされているところでありまして、イギリスは現在の日本と同様に、行政指針による信頼性確保措置が講じられている国があるということでありますけれども、一方で、アメリカのように法規制の対象で取り組んでいるところもあります。また、議論の最中で結論の出ていない国、我が国もそうでしょうけれども、そういうところもあるということでありますから、いずれにしろ、消費者向け遺伝子検査サービスを含め、遺伝子検査の適正化を図るためにいかなる制度が適切であるか、関係省庁と連携し、我が国としてもしっかりと検討してまいりたいと考えております。
#279
○国務大臣(塩崎恭久君) 遺伝子関連検査のうちで、医師の指示の下で診療に直接用いることを目的として実施されるものについては、これは疾病の診断とか治療方針の決定に直結するものでありますので患者にとって影響が大きいものであることから、これを医療分野における遺伝子関連検査として捉えて今回の医療法等の改正において早急に質の確保等の対応を図ろうという、こういうことで法改正はお願いしているわけでありますけれども、一方で、この医療法等の対象となるもの以外の遺伝子検査と言われているものでありますが、いわゆる消費者向けの遺伝子検査サービスについては、関係府省と今連携をしている、厚生労働省が事務局を務める有識者会議であるこのタスクフォースで昨年十月から取りまとめているわけでありますけれども、医療や健康増進の観点から厚生労働省も関わった上で、厚生労働省も関わった上でというふうになっていますが、検査の質等について一定の水準を確保するために実効性のある取組を行う必要があるというふうにこの中ではされているわけであります。
 これを受けて、現在、厚生労働科学研究において消費者向け遺伝子検査ビジネスの検査内容、それから検査手法や利用者への説明内容など、サービスの現状を把握するための実態調査を行っています。この研究の成果も踏まえて、厚生労働省として、これらのサービスの質の確保の方策について必要な施策を検討するということにフォーマルにはなっているところでありますが、病気になる確率が出てくるようなことを医療でないと考えるのは私は何か大きな違和感を感じるわけであって、ここのところを、遺伝子検査だからといっても、やはり、では経産省にお医者さんが何人いるのかというようなことも考えてみると、これは医療だかそうじゃないか分からないというようなことでやっていくのはなかなか微妙だなという感じを私は持っていますので、そこのところはきっちり整理を今後していくべきだと私は思っています。
#280
○薬師寺みちよ君 終わりますが、経産省の調査は二〇一二年です。遅過ぎますので、しっかりと早く結論を出していただきたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。
#281
○委員長(羽生田俊君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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