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2017/06/06 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 厚生労働委員会 第22号
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2017/06/06 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 厚生労働委員会 第22号

#1
第193回国会 厚生労働委員会 第22号
平成二十九年六月六日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月二日
    辞任         補欠選任
     小池  晃君     倉林 明子君
 六月六日
    辞任         補欠選任
     牧山ひろえ君     宮沢 由佳君
     谷合 正明君     三浦 信祐君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         羽生田 俊君
    理 事
                島村  大君
                そのだ修光君
                高階恵美子君
                足立 信也君
                山本 香苗君
    委 員
                石井みどり君
                小川 克巳君
                太田 房江君
                木村 義雄君
                自見はなこ君
                馬場 成志君
                藤井 基之君
               三原じゅん子君
                宮島 喜文君
                石橋 通宏君
                川合 孝典君
                川田 龍平君
                牧山ひろえ君
                宮沢 由佳君
                熊野 正士君
                谷合 正明君
                三浦 信祐君
                倉林 明子君
                片山 大介君
                福島みずほ君
               薬師寺みちよ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  橋本  岳君
       厚生労働副大臣  古屋 範子君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       樋口 尚也君
       厚生労働大臣政
       務官       堀内 詔子君
       厚生労働大臣政
       務官       馬場 成志君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   政府参考人
       内閣府消費者委
       員会事務局長   黒木 理恵君
       内閣府地方創生
       推進事務局次長  川上 尚貴君
       個人情報保護委
       員会事務局参事
       官        山本 和徳君
       消費者庁審議官  東出 浩一君
       消費者庁審議官  福岡  徹君
       総務大臣官房審
       議官       古市 裕久君
       財務省主計局次
       長        可部 哲生君
       文部科学大臣官
       房審議官     瀧本  寛君
       文部科学大臣官
       房審議官     白間竜一郎君
       厚生労働大臣官
       房総括審議官   宮川  晃君
       厚生労働大臣官
       房技術・国際保
       健総括審議官   福田 祐典君
       厚生労働省医政
       局長       神田 裕二君
       厚生労働省健康
       局長       福島 靖正君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局長  武田 俊彦君
       厚生労働省労働
       基準局長     山越 敬一君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       田中 誠二君
       厚生労働省職業
       安定局長     生田 正之君
       厚生労働省職業
       安定局派遣・有
       期労働対策部長  鈴木英二郎君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       吉田  学君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    堀江  裕君
       厚生労働省老健
       局長       蒲原 基道君
       厚生労働省保険
       局長       鈴木 康裕君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○医療法等の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (社会保障関係費の伸びの目安に関する件)
 (地域医療構想における必要病床数の算定根拠
 に関する件)
 (身体障害者補助犬についての啓発に関する件
 )
 (解雇の金銭解決制度の検討に関する件)
 (労働基準監督業務の民間委託に関する件)
 (造血幹細胞移植の適切な実施に関する件)
 (院内保育所の安定的な運営体制の確保に関す
 る件)
 (睡眠時間の確保と労働生産性向上に関する件
 )
 (ワークルール教育の推進に関する件)
 (医師の過重労働の実態に関する件)
○厚生労働省設置法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(羽生田俊君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二日、小池晃君が委員を辞任され、その補欠として倉林明子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(羽生田俊君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 医療法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医政局長神田裕二君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(羽生田俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(羽生田俊君) 医療法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○小川克巳君 おはようございます。今日は十五分の質問時間をいただきました。とんとんとんと進めていきたいと思いますので、是非簡潔なお答えをよろしくお願いいたします。
 まず、医療広告に関する規制につきましてお尋ねをいたします。
 第一点目は、医業類似行為について、不適切な広告等に対する国民からの苦情や相談等が都道府県の主管部局あるいは消費生活センター等に寄せられた事案等の実態を厚生労働省として把握しているのかということが一点でございます。
 また、医業類似行為に関する各職種については、それぞれの本則におきまして広告に関して厳しく制限が掛けられております。これは、これらが国民の健康に一部あずかる職種であるからこそであると承知します。今回の改正は医業類似行為についてはその対象になっていません。これらについても同様の取扱いとし、都道府県や関係省庁等と連携しながら対応するのが望ましいと思われますが、以上二点について厚労省の見解をお願いいたします。
#7
○政府参考人(神田裕二君) まず、医業類似行為について不適切なウエブサイト等の広告の実態を把握しているのかどうかということでございますけれども、御指摘の医業類似行為、例えば柔道整復ですとか、あんまマッサージ指圧、はり、きゅうの施術所のウエブサイトを含めた広告につきましては、今回の制度改正では対象といたしておりません。それは、現状としてそのような不適切なウエブサイト等が非常に横行しているという実態にはないというふうに考えております。
 ただ、今後、これらの医業類似行為に関する広告につきましてもガイドラインの作成の検討を行っていきたいというふうに考えておりまして、まずはその医業類似行為に関する広告の実態でございますとか、都道府県等による指導の実態などについて把握する必要があると考えておりまして、現在、都道府県等に対して調査を依頼しているところでございます。
 今後、調査結果を踏まえまして、都道府県等とも連携しながら、ガイドラインを作成するべく検討を行っていきたいというふうに考えております。
#8
○副大臣(古屋範子君) 二番目の御質問、お答えさせていただきます。
 例えば整体など無資格による違法な広告につきましては、これまで、医学的観点から人体に危害を及ぼすおそれがあり医師法等に抵触するおそれがあるケースであるとか、実際より著しく優良であると示す表示や実際と相違する表示など不当景品類及び不当表示防止法に抵触するおそれがある広告につきましては、保健所等の関係機関とも連携をいたしまして、必要な措置を講じるよう都道府県等に対して依頼をしているところでございます。
 さらに、健康被害に関する相談や広告に関する苦情につきましては消費生活センターに寄せられることが多いことから、平成二十八年二月に、消費生活センターなどから都道府県等に対しまして情報提供がされる体制の構築を図りますとともに、悪質な事例につきましては、警察とも連携の上、告発等も検討した対応を行うことにつきまして都道府県等に依頼をしたところでございます。
 また、今後作成をすることとしております柔道整復師等の広告に関するガイドラインにおきまして、無資格者が行う医業類似行為についても併せて検討してまいりたいと考えております。
#9
○小川克巳君 ありがとうございました。どうぞよろしくお願いをいたします。
 二点目でございます。
 そのほか、医療それから医業類似行為につきましては今御答弁いただいたところでございますが、これと紛らわしい表示をしている例えば整体であるとかカイロであるとか、そこら辺の、いわゆる医業類似行為でもないと思われる紛らわしい表示をしている広告等を、これは割と頻繁に見かけるというふうに思っていますけれども、一般の国民にとってそれらを峻別することはそれほど容易ではないというふうに思います。医療と思って受療をしたところ、逆に症状を悪化させてしまって医療機関を訪れた患者さんを私自身も多く経験をしました。こうした誤解、誤認に基づく健康被害を受ける事例が少なくはないと思っています。
 それらについて、何らかのガイドラインの作成若しくは規制を掛けていく可能性があるかどうか、政府の認識をお尋ねいたします。
#10
○副大臣(古屋範子君) ただいま御答弁申し上げたとおりでございますけれども、委員御指摘のように、整体など無資格者による違法な広告につきましては、先ほど局長から御答弁を申し上げましたように、今後作成をすることとしております柔道整復師等の広告に関するガイドラインにおきまして、無資格者が行う医業類似行為についても併せてしっかりと検討してまいりたいと考えております。
#11
○小川克巳君 ありがとうございます。
 医療と、それから医業類似行為、それからそうでないもの、この三つのカテゴリーがあるものですから、医業類似行為についてはお答えいただきました。ですが、三つ目のそうでないものなんですけれども、民間医療といいますか、そういったものに類するような紛らわしいものがあるということでのお尋ねでございました。
 ですから、医業類似行為、それから医療のはもう当然ですけれども、医業類似行為についての今後の対応については今お答えをいただいたとおりでございます。それは了解をしております。
 じゃ、三点目についてお尋ねをいたします。
 医業等に係るウエブサイトの監視体制強化のため、平成二十九年度予算に四千百五十四万円の予算が付けられています。この監視対象には医業類似行為は含まれていないという認識でよろしいのでしょうか。また、この対応についてどれほどの効果を期待しているのかについて、政府の見解をお尋ねいたします。よろしくお願いいたします。
#12
○政府参考人(神田裕二君) お答えいたします。
 医療機関のウエブサイトについては、その取扱いなどを検討した検討会におきまして、厚生労働省においては外部委託によるネットパトロール監視体制を構築し、都道府県等においてはネットパトロール事業から得られた情報を基に医療機関に対して規制の遵守の徹底を求めていく取組を行うべきという提言をいただいたところでございます。
 これを踏まえまして、今先生御指摘ございましたように、今年度予算を計上いたしまして、厚生労働省が委託した専門機関が不適切な医療機関の広告を行うウエブサイト等を発見し、その情報を医療機関の監督権限を有する地方公共団体に通報することによって、地方公共団体がウエブサイト等の記載の適正化をするネットパトロールによる監視体制を構築することとしているところでございます。
 本事業の対象は、医療機関の不適切なウエブサイト等を対象としたものでございまして、柔道整復師等の医業類似行為に対するウエブサイトを対象としているものではございません。
 実効性についてのお尋ねでございますけれども、これまでは医療機関のウエブサイトにつきましてはガイドラインによりまして行政指導を行ってきたところでございますけれども、この法律が施行された後におきましてはウエブサイトも広告規制の対象となりますことから、この事業によって得られた情報の提供を受けまして医療法等の違反が疑われるものにつきましては、都道府県等が医療機関に報告徴収や立入検査を行ったり、また、これに基づきまして是正命令を行ったり、医療機関が命令に従わない場合などには罰則等を科すことができるようになりますことから、規制の実効性が担保されるものというふうに考えております。
#13
○小川克巳君 ありがとうございました。その結果について一定のまとめができましたら、また御報告をよろしくお願いいたします。
 では、特定機能病院におけるガバナンス体制の強化につきましてお尋ねをいたします。
 特定機能病院で発生した一連の重大な事案を受けて、高度な医療安全を確保しなければならないという決意の表れが今回のガバナンス改革であり、非常に重要であると受け止めています。一方、昨年の省令改正で新たに位置付けられた副院長クラスの医療安全管理責任者は医師又は歯科医師でなければならないとされるなど、医師へ責任が集中しています。今般の改正により、特定機能病院では医療安全を確保するという使命が顕在化しましたが、多忙な医師に更に多くの責任を負ってもらうにも限界があると考えます。
 そこで、お尋ねをいたします。
 高度な医療安全を確保するのであれば、その担い手である医師を始め医療従事者の勤務環境改善も必須となります。そのためには、それぞれの職種が専門性を生かしながら責任を持って業務を行い、タスクシェアリングを進めていくこと等が重要であると考えますが、この点に関しましてどのようにお考えでしょうか。
#14
○政府参考人(神田裕二君) 医療安全を図る上でも、医療従事者の勤務環境を改善していくことは大変重要であるというふうに考えております。このため、医療法に基づきまして、都道府県ごとに医療勤務環境改善支援センターを設置いたしまして、勤務環境の改善に取り組みます医療機関を医療労務管理や医療経営のアドバイザーが総合的、専門的に支援する体制を整備しているところでございます。
 また、この四月に取りまとめられました新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会の報告では、例えば主治医、副主治医制等を活用したグループ診療やチーム医療の推進といったタスクシフティング、タスクシェアリング、また医療機関の人材・労務マネジメントを支援するため、勤務環境改善支援センターの抜本的強化を図ること、管理者のマネジメント研修の受講でございますとかマネジメントを補助するスタッフの配置の促進などの具体的な対策を御提案いただいているところでございます。
 今後、厚生労働省としましては、この報告書の内容を踏まえまして具体化に向けて検討を行うなど、医療従事者の勤務環境の改善に向けて更なる検討を進めていきたいと考えております。
#15
○小川克巳君 働き方改革の対象から医師なんかは外されているという、適用を受けないというふうなことも、応招義務の関係で外されているというふうに理解しておりますが、是非ここら辺も何らかの措置をお願いできればというふうに思っております。
 二点目ですが、特定機能病院で高度の医療安全を確保するためにガバナンス改革が行われることは大いに賛成をいたします。適正なガバナンスを維持するためには、改革の実施状況について継続的なフォローが重要であるとも考えます。特定機能病院において安心、安全な医療が国民に対して着実に提供されるため、厚生労働省としてしっかり取り組むべきであると思いますが、その点についての見解をお尋ねいたします。
#16
○副大臣(古屋範子君) 特定機能病院は高度かつまた先端的な医療を提供することを使命とする病院でありまして、そうした中であっても、患者の安全を第一とする高度な医療安全管理体制を確保することが何よりも優先されるべきであります。
 こうした観点から、今回の改正では、医療の高度の安全の確保を特定機能病院の承認要件に追加するとともに、患者第一の病院運営の実現を図るために病院のガバナンス体制の改革を行うことといたしております。
 具体的には、本法案につきまして、特定機能病院の開設者に対して、医療安全の確保の最終責任者である管理者については選挙ではなく外部有識者も含めた透明な選任プロセスによって選任することや、管理者権限の明確化、監査委員会の設置等を義務付けております。特定機能病院の管理者に対しまして、多職種の者で構成される合議体の決議に基づきまして管理運営の重要事項を決定することを義務付けるといったガバナンスに関する措置を講ずることといたしております。
 委員御指摘のガバナンス改革の実施状況につきましては、毎年病院から提出をされます業務報告書や年に一度の立入検査時において確認をすることとしておりまして、今後その確認状況を整理して、社会保障審議会医療分科会へ報告することとしてまいりたいと考えております。
#17
○小川克巳君 ありがとうございます。
 今回は特定機能病院が対象ということでございますけれども、医療全般、医療というものの本質から考えると、その提供する場所の規模の問題でもなかろうというふうに思いますので、全体としてやっぱり取り組んでいくべきことかなというふうに思っております。
 それともう一点、医療安全という視点からいいますと、専門職を目指している学生の臨床実習等に関しても、過去、その適法性について確認がなされたところだと思いますけれども、ここら辺についてもまだ非常に大きなグレーゾーン残っているなという気がしております。また機会を改めましてお尋ねをさせていただきます。
 では、質問を終わります。ありがとうございました。
#18
○足立信也君 おはようございます。足立信也でございます。
 誕生日のことを言うと余り良くないとは思うんですけれども、この国は、生まれた日が一日目で、三百六十五日たったら一つ年を取るので、誕生日の前の日に一個年を取る。だから、四月一日の誕生日の人は、三月三十一日に一つ年を取るので、上の学年になる。選挙人名簿は、投票日の次の日が誕生日の人が投票日までに十八歳になればそれで選挙権があるということを知っておいていただきたいと。別に昨日のことを申したいわけではありませんので。
 この法案は、医療法と臨床検査技師法がメーンだと、その改正がメーンだと、そういう認識です。まず、臨床検査技師に関して申し上げたいと思います。
 これは、臨床検査技師さんがやるメーンは、今回は精度管理も含めて検体検査がメーンになっていますが、今やっぱり多くやられているのは、私は、脳波や心電図、特に超音波検査等々生理学的検査、これも臨床検査技師さんの相当大きなウエートを占めていると思っています。
 まずは検体検査の精度管理ということなんですが、これにはやっぱり二つあると思うんですね、精度管理。一つは、検査機器あるいは使用する薬物の精度を管理すると。もう一つは、この判定、判断する人の熟練度の管理、プロとしてのレベルですね、これが非常に大事だと思います。
 診断はもちろん医師ですけれども、診断補助として判定する人がいます。よく御案内なのは、細胞診、悪性度がどうこうとか、細胞診であるとか、それも含んだ病理学的診断ですね。あるいは微生物学等々。当然、医師がダブルチェックをしていると信じたいですけれども、中にはそうではないのではないかと疑われるようなこともある。これを判定する方々の精度、プロとしてのレベルの維持、これも非常に大事なことなんですね。
 専門医制度については、今、客観性のある統一性のという動きでいろいろ議論されておりますが、例えばその診断補助、この部分の資格、これの精度といいますか管理といいますか、それは考えられているんでしょうか、今後。あるいは、どういうふうにそのレベルを維持されているんでしょうか。
#19
○政府参考人(神田裕二君) 特に検体検査の中でも病理学的検査等については非常に高度な知識、技能を必要とするということから、まずは臨床検査技師としてきちっとした人材を養成する必要があるということから、臨床検査技師については、文部科学大臣が指定した学校又は都道府県知事が指定した養成所において三年以上検査に必要な知識、技能を修得して国家試験に合格した者に免許を与えるというふうになってございます。
 その課程では、身体の構造や疾病時の臓器、組織、細胞等の形態学的検査についての知識、技術を修得するなど、病理学的検査に必要な教育を実施しており、国家試験においても試験科目に病理組織細胞学を設けて、例えば標本の画像から該当する臓器や染色法を答える問題等を出題しているところでございます。
 臨床検査技師の方が病理組織とか細胞検査から検体を作ったり、組織を切り出しをしてその検体を作って染色やスクリーニングを行って、最終的には病理医の方が鏡検によって病理診断をしていくということになろうかと思いますけれども、病理の部分については、まさに専門医制度の中で、病理についての専門医の仕組みを基本診療科の一つとして今回制度化が検討されているところでございます。そういった臨床検査技師の部分の専門性の確保と病理医の専門性の確保と、両面が必要ではないかというふうに考えております。
#20
○足立信也君 もちろん、みんなそれは必要だと思われていると思いますが、今、国家試験の話じゃなくて、その後、細分化したレベルを維持していて、専門的に診断補助をやっているという、そこをどう維持するのかと、そのレベルを。その話を今しているんであって、答えがないのかもしれませんけど、やっぱり機械の精度管理と人のレベルの維持というのは両輪ですから、これは非常に大事。専門医はそういう方向で今動いているんでしょう。だとしたら、診断補助の分野もやっぱりその熟練度というものをしっかり維持していかなければいけないですよ。多分答えがないので、これ私はやるべき課題だと思っていますので、それを認識していただきたいと思います。
 そこで、例えば病理診断等々でその資格を持っている、細胞診なんて本当に、臨床検査技師さんレベル高いですよ。これは今回、一部限定を解除されるような広告に使えるんですか。答えられるか。
#21
○政府参考人(神田裕二君) お尋ねのあれは、細胞診を行うということを広告できるかどうかということでございましょうか。
 基本的には、保険診療に含まれているものであれば現状でも広告はできるというふうになっておりますので、しっかり確認をする必要があると思いますけれども、検査をするということ自体は保険でもできるということであれば、その部分については広告できるのではないかと思いますけれども。
#22
○足立信也君 ちょっと後ろの方は頭ひねっている人がいっぱいいますけど。明確ではないんだと思いますよ。できないのかもしれない。しかし、診断補助で本当にレベルの高い人いっぱいいるんですよ。ここが、そういう人は何人抱えていますよというようなことは、かなり医療機関にとっては広告したいことですよ、もちろん。そういう研修もきちっと積んでいるというようなことを含めて、大事なことだと思います。ちょっと余り、何というか、まだ明確になっていないので、これは課題の一つだということは認識してください。
 そこで、今回、検体検査の精度管理というふうになっていますが、さっき例挙げました生理学的検査、脳波や心電図、今心電図もいろいろ末梢の四肢に付けて、もうデータとしてきちんと、血管年齢は何歳ですとかいろいろ出てきますよね。あるいは、もう超音波検査なんてほとんど今カラーになっていますから、この機械の精度管理、生理学的検査の機械の精度管理、これは今回出てきていませんが、それはどうなんですか。
#23
○政府参考人(神田裕二君) 御指摘の生理学的検査に用います心電図ですとか超音波診断装置等ございますけれども、こうした医療機器の安全管理につきましては、現在も医療法の施行規則におきまして、医療機関に医療機器安全管理責任者を配置するというふうにされておりまして、その下で安全使用のための研修を実施すること、保守点検に関する計画の策定、保守点検の適切な実施を行うこと、また、安全使用のための情報等の収集を行うことなどを管理者に義務付けているところでございます。
 特に、機器の保守点検につきましては、医療機器の特性等に鑑みまして、保守点検計画の策定に当たっては、医薬品医療機器法に基づきまして、添付文書に記載されている保守点検に関する事項を参照すること、また、保守点検の実施につきましては、その実施状況、使用状況、修理の状況、購入年等を把握して記録をしておくことなどが義務付けられておりまして、これらの実施状況については都道府県等が実施をする立入検査で確認を行っております。
 こうしたことについて、今後とも適切に実施されるように取り組んでいきたいというふうに考えております。
#24
○足立信也君 ちょっと本題から離れますけど、例えば放射線治療を考えたときにも、計算上はここで何グレイ照射してトータルで幾らといっても、それが精度管理されていないと本当にそこに照射できたかどうかも分からないですね。今、子宮がんにしても、欧米では手術件数よりも放射線治療の例数の方が増えている。そういうときに、その精度管理というのは一体きちっとやられているのかどうかというのも非常に大事なんですね。照射がされていると思っていても、実はされていなかったようなこともあり得るわけで、その点は大事だと思います。
 ところで、今年、参議院の健康診断受けましたけれども、先ほどの生理学的検査の件です。私、十数年にわたって超音波検査の臨床検査技師さんへの指導もずっとやっておりまして、健康診断受けた人は、臨床検査技師さんがやられていて、そこで診断できるのかいなと思われたと思うんですよ。ああいうのって、写真に撮ってその静止画を見ただけではなかなか分からない。ダイナミックに動くところを、私は動画に撮っていましたけど、そういうことをやらない限り、最終的診断は医師がやるといっても、その現場にいないと分からないんですよ。
 そこで、委託先というのが僕は気になっているんです。健康診断の場合は、これは委託、外部委託でしたね、今年。そういったときに、その生理学的検査や、あるいは病理診断もそうなのかもしれません、そこの精度管理、委託先、これはどうやられているんでしょう。
#25
○政府参考人(神田裕二君) 生理学的検査や病理学的検査が委託された場合の精度はどのように管理しているのかということでございますが、基本的には、生理学的検査につきましては、業務独占資格の部分がございますので、診療の補助に該当する部分がございます。したがいまして、基本的には、専門資格の方が行うということによって一定の精度を管理するという考え方になってございます。
 それから、病理学的検査の委託される場合の精度管理についてでございますけれども、病理学的検査につきましては、臓器とか組織とか細胞等の形態学的な検査の知識でございますとか、標本を作製する上で、先ほど申し上げました組織を薄く切る技術でございますとか、標本を顕微鏡で見られるように染色する技術など、ほかの検査に比べますと専門的な知識や熟練した技術が必要となりますので、検査施設においては基本的に臨床検査技師が担っているというのが実情かと思っております。
 現状におきましても、衛生検査所の指導要領におきまして、衛生検査所に委託される病理学的検査の精度管理に関する事項が定められておりまして、内部精度管理として、チェック用の標本を用いて適切に染色が行うことができるのかどうかといった確認、また、既に検査を終えている細胞標本におきまして再度検査した際に同じ結果となるのかどうかといった確認など、精度管理責任者が月一回以上検査担当者の技能を評価することを求めております。
 また、あわせて、外部精度管理といたしまして、外部精度管理調査に年一回以上参加することを求めており、実際には、第三者機関から衛生検査所等に対して染色された病理標本の写真やがん細胞等の細胞標本の写真を送付し、この病理標本がいずれかの組織、臓器等の部位であるかを適切に判定できるかどうかといったことでございますとか、細胞そのものの判定を適切に行えるかどうかということについても確認をしているところでございます。
 ブランチラボにつきましては、衛生検査所指導要領に準じた病理学的検査を含めた検体検査の精度管理を実施するよう通知で指導をしているというのが現状でございます。
 今回の改正におきまして、衛生検査所やブランチラボに業務委託される検体検査の精度管理の基準はいずれも厚生労働省令で定められるという法律上の明文の根拠ができますので、この病理学的検査の精度の確保についても、実効性が担保されるように具体的な基準を検討していきたいというふうに考えております。
#26
○足立信也君 質問前では、生理学的検査は委託できないということは聞きましたけど、私、臨床検査技師さんがやる超音波検査のレベルが低いとか、そう言っているわけではなくて、むしろ高いんですよ。なので、確定診断すべき医師はそれをうのみにしてしまうようなケースはかなりあるんですよね。だから、その精度管理というか、熟練度というチェックが非常に必要だろうと、そういうことを申し上げているわけです。
 時間があれなので、四番ちょっと飛ばしますね。特定機能病院についてです。
 特定機能病院、一度承認されれば、まあ立入検査はありますけれども、それで、立入検査に基づいて指導というのがあります。ただ、今まで見ていると、もちろん、群馬大や女子医大のところで、何かあったら取消しと。一度承認されたらそのままと。以前は東京女子医大のまた別のケースもありましたし、東京医大の霞ケ浦の取消しもあったと思います。
 特定機能病院の特徴の一つは、私もいたから言うんですが、人事異動が激しいということです。どんどん人が入れ替わるということです。そこで、ある一定レベルを安全管理については保たなきゃいけないとなったら、私は、一度承認してしまったら何かあるまではそのままというのは、やっぱり良くないんじゃないかと思います。
 何を言っているかというと、更新制が必要じゃないかと思うんです。人の異動が激しいからこそ、更新制をもって一定レベルを保つ必要が私はあると思います。例えば、がん診療連携拠点病院は四年でもう一回認定し直すわけですよね。でも、特定機能病院は一度認められたらそのままと。ここはやっぱりおかしいし、この特定機能病院を応援する意味でも、やっぱり第三者のきちっとした評価を受けながら、そして更新していくという形が私は望ましいんじゃないかと、そのように思います。
 繰り返しますけど、承認されたらそのままで、何かあったら取消し。で、いつまた再承認されるんだと、それを待っていて、患者さんや地元の住民の皆さんにとってはもう承認されないと困るという運動が起きるわけですよね、この繰り返し。だったら、やっぱりきちっと更新制で、このレベルを維持していますよということを証明していくことの方がはるかに大事であると、私はそう思います。
 この点について、御意見いかがでしょうか。
#27
○国務大臣(塩崎恭久君) 大事な論点だと思っております。
 一つは、人事異動が激しいということをどう考えるのかという問題もあると思いますし、この間、五月の連休、M・D・アンダーソンへ行ったときの院長は十五年間やっていましたから、多分、要所要所の方々は、例えば臨床検査の部署はずうっといるとか、いろいろ人事異動がそう激しくないのではないのかなと、同じ大学病院であってもですね、いうことがあるので、そっちをどうするのかというのをやっぱり一つは考えなきゃいけないんだろうと思います。
 ただ、そうはいっても、急には変わらないとすれば、この医療安全管理体制を含めて特定機能病院の承認要件を満たしているかどうかということを継続的に確認をしていくことが大事であって、これは、今は業務報告を年に一遍受けているということ、業務報告書ですね、それから年に一度の立入検査というのが特定機能病院にはあるわけですけれども、このやり方を工夫することで承認要件を確認をするということで、実質的に、言ってみればその立入検査とこの業務報告の組合せでもって確認をする、毎年ということはあり得るのかなと。
 ただ、今承認の更新制ということはどうなんだということでありますが、昨年六月の承認要件の見直しを行いましたし、今回法改正を行いますので、これらがどういうふうになるのかということを含めて、今後、この更新制の問題については検討すべき課題かなというふうに思います。つまり、今、去年打った手だてと今回の法改正が十分かどうかということを見極めるということが大事かなというふうに思います。十分じゃなければ、また考えなきゃいけないということであります。
 それから、外部評価も、第三者評価ですけれども、これ約九割の七十六病院、特定機能病院の、これが日本医療機能評価機構による認定を受けています。ですから、これを、この第三者評価として更に九割じゃなくて十割にするということがあり得るのかなというふうに思います。
 現在、病院機能評価を実施している日本医療機能評価機構では、昨年六月の特定機能病院の承認要件見直しを踏まえて、評価プログラムを新たに作成をしつつあって、平成三十年四月の受審開始に向けて準備を進めていると。つまり、評価の中身をバージョンアップしていると、こういうことであります。
 特定機能病院に外部評価を義務付けるということについて、これは、機構の新たな評価プログラムの運用実績、あるいは医療関係の御意見などを踏まえながら、これもやはり前向きに検討していくべきだと私は思います。
#28
○足立信也君 方向性は同じだと思います。
 確かに管理者がずうっと替わらないというのはありますけど、現場で動いている人たちの人事異動はやっぱり非常に多いわけですね。
 ウログラフィンの事件がありましたですよね、脊髄内に注入。これはもう昔からやられていることなんですね。で、現場で替わって新たに来た人たちはもう昔から言われていることを改めて言われないというようなこと、それはまさにアップ・ツー・デートされていないというか、もう分かり切っているだろうと皆さん思っている。それが一番危険なところなんですね。そういう意味で更新というものが必要なのかなと、私はそう思っています。
 現場の特定機能病院の方からよく聞かれた質問について明らかにしたいと思います。
 今回、管理者の選任に、医療の高度の安全を確保するというような中で、必要な能力及び経験を有するというふうに書かれています。具体的には、これはどのレベルを言うんでしょうか。
#29
○政府参考人(神田裕二君) 管理者の医療の高度の安全を確保するために必要な能力、経験について具体的にどのようなことを言うのかというお尋ねでございますけれども、今回の改正案におきましては、特定機能病院の開設者に対しまして、医療の高度の安全の確保を始めとする病院の管理運営業務の遂行に関し必要な能力、経験を有する者を管理者として選任をすること、また、選任手続として合議体の審査の結果を踏まえて行わなければならないということを義務付けているわけでございますけれども、これまでの検討過程では、次のようなことが管理者の資質、能力として具体的に言われているところでございまして、医療安全管理業務の経験や患者安全を第一に考える姿勢、指導力ということでございます。医療安全管理業務の経験としては、具体的には、医療安全管理責任者であったことでありますとか、医療安全管理委員会の構成員であるとか、あるいは医療安全管理部門で業務に従事した経験などが考えられるというふうに考えております。
 それから、そのほか、特定機能病院内外での組織管理経験ということも掲げております。とりわけ外部の病院での管理者経験など、高度な医療をつかさどる特定機能病院の管理運営上必要な資質、能力といった内容が示されているところでございまして、今後、関係者の意見もよく聞きながら、具体的な基準を省令で決めてまいりたいと考えております。
#30
○足立信也君 今、要件は挙げていただいたので、クリアになっていると思います。
 過度に期待され過ぎているんではないかという心配が現場ではありましたので、委員の経験あるいは従事した経験ということでクリアできるところが多いんではないかと思います。
 ちょっと観点変えますけど、今八十五ある特定機能病院で、ほとんど病院歯科というものがあると思います。二つぐらいないんですかね、ほとんどあると思います。昨今明らかになってきているように、口腔ケアというのを手術の前しっかりやっていると、合併症を減らす、それから回復も早くなる。口の中のケアって極めて大事なんですね。
 そこで、特定機能病院はほぼあると思っていますが、手術の件数の非常に多いがん診療連携拠点病院、これ今四百三十四あるんでしょうか。ここで、私は、入院期間も短くして早期回復、合併症を起こさない、そういう観点からも、少なくともそのがん診療連携拠点病院には病院歯科というのがある方がいいんじゃないかなと、そう思っています。これを、ある方がいいというのはもう皆さんもそうだと思いますが、義務化できるかどうかというところなんですけど、私はそれぐらいやってもいいんじゃないかと思っております。
 そこで、今、がん診療連携拠点病院の病院歯科というのがどれぐらいあるのかと、これを義務化するというのはどうなんだということをまず確認したいと思いますが、いかがでしょう、今。
#31
○政府参考人(福島靖正君) がん診療連携拠点病院のうち歯科に関する診療科がある病院、あるいは常勤の歯科医師がある病院は、平成二十八年度現況報告書によれば、四百三十四病院のうちの、まず診療科がある、歯科、歯科口腔外科あるいは口腔外科、口腔科というのがあるのが二百五十九、常勤の歯科医師がいるのは三百三十四となっておりまして、相当数はあるということでございます。
 がん診療連携拠点病院の整備指針の中で、拠点病院につきまして歯科領域につきましては、必要に応じて院内又は地域の歯科医師と連携し、がん患者に対して口腔ケアを実施することが望ましいとしておりまして、拠点病院に対しての口腔ケアの実施を促しておるところでございます。結果として、そういう、先ほど申し上げたような数字になっている。
 この整備指針によりまして特定の診療科の設置を一律に義務付けるということは直ちには困難であると考えておりますけれども、第三期のがん対策推進基本計画の作成に向けたがん対策推進協議会における議論におきましても、歯科を含めた病院内の多職種連携の更なる強化についての認識が一致しておるところでございまして、引き続き、質の高いがん医療を提供するために拠点病院に求められる歯科診療の機能や役割について議論を行ってまいりたいと考えております。
#32
○足立信也君 四百三十四のうち二百五十九というのは、僕が想像していたよりも低いですね。
 介護保険法の改正のときに私申し上げましたが、在宅が大事だというのはみんながそう思っています。でも、在宅が大事、在宅にいられる条件としては、やっぱりいざというとき、病気が分かったとき等々、速やかに入れることと、速やかに帰れなきゃまたいけないんですね。今、急性期病院の入院患者さんのうち七十五歳以上が八割近いんじゃないでしょうか。そこに居座ってしまったら、やっぱり帰れないんですね。
 だから、術後、手術に今限っていますが、早期回復していただいて、合併症もなく早く帰っていただくというのが大事だと。その点については、歯科、口腔ケア等々は極めて大事だと私は思っていますので、今四百三十四分の二百五十九、これはやっぱりいかにも少ない。義務化も考えてもいい、あるいは、来年のダブル改定でもその点をしっかり評価してもいいというような気が私はします。是非検討をお願いしたいと思います。
 広告の件、最後にお聞きしたいんですが、他の医療機関と比較して良好である等々、そういう広告はやってはいけないことになっている。これはそのとおりだと思うんですが、ただ、昨今、専門資格ももちろんそうですけれども、他の医療機関と比較してというよりも、全国的なスタディーをやっている中で、私の医療機関はそのスタディーの中でこういうことをやったら実は成績こうでした、それが査読性のあるインパクトファクターの高い論文に掲載される、そういうようなことは私は、病院としては誇りですから、それは広告に使ってもいいんではなかろうかと、そのように思います。
 ただ、これは、何といいますか、研究の幅というのは物すごい雲泥の差というかありますから、そこを線引きがいかにも難しいというのはよく分かるんですが、分かるんですが、医師として一生に一回か二回ぐらいしか載らないような論文にきちっとアクセプトされているというような治療成績のようなことは、やっぱりその病院にとっても、その医師、関わった人たちにとってもやっぱり誇りですから、それは使えるべきだと思うんですが、この点についていかがでしょう。
#33
○政府参考人(神田裕二君) 先生御指摘のとおり、現在では、自らの病院が他の医療機関よりも優良である旨を広告する、いわゆる比較広告については、患者の医療に関する適切な医療の選択の観点から、客観的な事実であったとしても、その優秀性について著しく誤認を与えるおそれがあるため、禁止されているところでございます。また、死亡率ですとか術後生存率などの治療成績についても、対象となった患者の状態等による影響が大きいということで、比較広告であるか否かにかかわらず広告できないというのが現在の取扱いでございます。
 したがいまして、比較広告、治療成績の広告の双方とも現行の医療法の広告規制では広告できないというふうにしているところでございますけれども、広告可能な事項の範囲につきましては、衆議院での審議の中でもございましたけれども、客観的な根拠が記載されているようなものについては広告可能とするように見直しすべきではないかという御議論もあったところでございます。
 したがいまして、今回の医療法改正案によります医療広告の規制の見直しの具体的な運用につきましては、今後、医療関係団体や患者団体、消費者団体等の意見を聞きながら検討していくこととなっておりますので、御指摘の点も含めて、この検討の過程の中で検討してまいりたいというふうに考えております。
#34
○足立信也君 今日は検討してくださる項目が随分出てきましたので、期待をして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#35
○谷合正明君 公明党の谷合です。
 医療法等の一部を改正する法律案について、特に医療に関する広告規制の見直しについて質問したいと思います。その中でも、この規制を執行していく上で、その人的体制をどうしていくのかということについて質問したいと思っております。
 まず、現在、都道府県等の衛生主管部局では、医療広告に関して、国民からの苦情相談の対応だけでなくて医療機関など広告を行う者からの相談にも対応することとなっています。今回の法改正やネットパトロール事業によるウエブサイトの監視の強化を受けまして、医療機関によってはホームページを作り直すということも出てくるかと思います。
 規制の具体的内容については今後省令やガイドラインで示されるということでありますが、当然、それらを遵守していくことは当然なんですが、それらを全て理解した上でホームページを作成していくということは、特に小規模な医療機関などには負担も大きく、公開しようとするホームページが法令に適合しているか否か判断に迷うケースも生じるのではないかとも思われます。今回の法改正に伴いまして、ホームページ作成などについての基準を分かりやすく示して医療機関等への十分な周知期間を確保することは当然でありますが、ホームページ広告を行うに当たっての医療機関側からの相談が増えることも考えられますので、そうした相談にきちんと対応できる体制を整えておく必要があると考えます。
 前回の審議では、広告規制の執行に当たっては地方自治体との連携など体制の強化が必要であると指摘されたところでございます。そこで、改めて規制の執行体制、とりわけ実際に法執行を行う者の体制について伺いたいと思います。
 広告規制の執行に当たっては、都道府県等に置かれた医療監視員、医療監視員が医療機関に対して報告徴収や立入検査を行い、必要に応じて指導し、指導に応じない場合には是正を命ずることとなっています。
 平成二十七年七月、二年前に発出された美容医療サービスのホームページに関する消費者委員会の建議では、厚生労働省及び都道府県等における指導監督の執行体制にも目を向けるべきと指摘がなされております。建議によりますと、厚生労働省において美容医療サービスに関する業務に携わっている職員は平成二十五年の四月時点で一人しか配置されていないと。また、都道府県については、東京都の場合、保健所等に医療監視員が配置されているものの、このうち保健所に配置されている専任の医療監視員は一保健所当たり三人程度とのことであります。
 そこで、現在、厚生労働省において美容医療サービスに関する業務に携わっている職員と都道府県における医療監視員の配置状況を確認したいと思います。また、現在のその人員の配置状況を、今後法執行に伴いましてそれが十分なものと考えているのか、厚生労働省の認識を問いたいと思います。
#36
○政府参考人(神田裕二君) 現在、医療広告等の業務に携わっている職員の体制についてのお尋ねでございますけれども、国の職員としては現在二人の職員で担当しているということでございます。もちろん、課長、私どもも当然直接関わって内容等については議論いたしております。今後、しっかり取り組んでいきたいというふうに思っております。
 自治体についてのお尋ねがございましたけれども、先ほど、東京都では保健所に配置されている職員というのは一保健所当たり三人程度しかいないんじゃないかということが建議に書かれているということでございますが、専任の職員は確かに二十八年の四月ですと七十三人ということですので、そのようなことかと思いますけれども、兼務の医療監視を行っている職員というのが東京都ですと四百四十七人という実態でございまして、全国的に見ましても、医療監視の専任の職員は限られておりますけれども、兼務を含めますと全国で一万人を超える職員が医療監視員として任命されているところでございます。
 今回の改正によりまして、先生御指摘のように、ウエブサイト等についても立入検査ですとか報告徴収もできますし、是正命令などの業務も出てまいります。それから、関係者からの問合せ、相談等に対応するという業務も出てまいりますので、適正な指導を行えるようにする体制を確保していくというのは重要な課題であるというふうに考えております。
 私どもも、都道府県等の医療広告を行う担当者を集めた会議を開催いたしまして、指導等に必要な情報共有を行うなどの支援を行ってきているところでございますけれども、人員配置等を含めて、地方公共団体において必要な体制が構築できるよう、必要な支援について検討してまいりたいと考えております。
#37
○谷合正明君 先ほど、都道府県の医療監視員については、専任は少ないけれども、併任、兼任でやっているという話がございました。その医療監視員でございますけれども、広告規制の執行のみならず、管轄区域内の病院及び診療所全体に対する医療監視を担っているところであります。今回の改正案と関連するところでは、特定機能病院やそのほか医療機関への立入検査、指導監督などを行うのも医療監視員であります。医療安全の確保のため、また今回の法改正の実効性を確保するためにも重要な役割を担う人材と言えます。
 そこで、医療監視員とは具体的にどのような業務を行っているのか、その法的位置付け、役割、求められる資質について説明を願いたいと思います。
 重ねてでございますが、関連して、その医療監視員は実践的な検査スキルをどのように身に付けるのか、都道府県等において医療監視員の人材育成はどのように行われているのか、実情を説明願いたいと思います。医療監視員の育成のために、また国が行っている取組についても示していただきたいと思っております。
#38
○政府参考人(神田裕二君) 医療監視員につきましては、医療法の規定に基づきまして医療機関に対する立入検査等を行う職員でございまして、当然、医事法制等に関する知識が必要になるものでございます。今回の改正によりまして規制対象に追加されますウエブサイト等についても同様に都道府県の医療監視員が指導等を担うことになってまいりますので、先生御指摘のように、その資質を確保していくということは非常に重要であるというふうに考えております。
 私どもの厚生労働省では、毎年、各ブロックごとに都道府県等の医療広告の担当者を集めた会議を開催いたしまして、平成二十八年度は、今回の改正を検討いたしました医療機関のウエブサイトの取扱いを議論した検討会の取りまとめの内容でございますとか、消費者庁に寄せられた美容医療に関する消費生活相談の概要を周知するといったことですとか、違反広告の事例報告会を行いまして、担当者間で指導内容とかその根拠について共有するといった指導に必要な情報共有を行った上で、新たな規制の導入を見据えて積極的な指導を実施することを依頼しているところでございます。
 本年度も同様の会議を開催する予定でありまして、引き続き、指導に必要な情報提供、情報共有を行うことによりまして、都道府県等の職員が適切な指導が行うことができるように、私どもとしても、研修等、こうした機会を通じて、その資質の向上に努力していきたいというふうに考えております。
#39
○谷合正明君 医療の安全の確保の観点から、そうした医療監視員をしっかりと育てていくということは極めて重要なポイントだと思いますので、しっかりとした対応をお願いしたいと思います。
 医薬品ネットパトロールとの関係をまたお尋ねしたいと思います。
 法改正による広告規制の見直しとともに、今年度から予算事業によるネットパトロールが行われます。
 他方、インターネットにおける無承認医薬品の販売に対しては、既に平成二十六年度からネットパトロール事業が行われています。この事業は、厚労省が、違法サイトの検索、発見に実績のあるサイバー犯罪の専門会社に委託して、違法サイトの削除等をプロバイダーに依頼するものでありまして、これまでに約二千五百サイトが削除されたというふうに国会質疑等でも明らかにしていただいております。この医薬品のネットパトロールを通じて医療法に違反すると考えられる医療機関の違法な表示が見付かった場合には、医薬食品局から医政局に情報が入り、医療法違反については医政局で対処するようになっているという話も聞いております。
 そこで伺いますけれども、今回新たに開始される医療広告のネットパトロール事業は、実質的には既に行われている医薬品のネットパトロール事業を拡大する形になるのか。医薬品と医療機関とで縦割りになることなく相互に情報を共有する体制を取るべきと考えますけれども、それぞれのネットパトロール事業の今後の運用の仕方について確認させてください。
#40
○政府参考人(神田裕二君) 先生御指摘のとおり、医療機関のウエブサイトについては、今年度から、厚生労働省が委託した専門機関が不適切なウエブサイト等を発見してその情報を医療機関の監督権限を有する地方公共団体に通報することによって、地方公共団体がウエブサイト等の記載を適正化するネットパトロールによる監視体制を構築する事業を実施することとしております。
 一方で、インターネットによる未承認医薬品の販売につきましては、平成二十六年四月から、インターネットの違法サイトの検索や発見に実績のあるサイバー犯罪の専門調査会社に委託をして、違法サイトの削除等をプロバイダーに依頼しているインターネットパトロール事業を実施しているところでございます。
 ただ、それぞれの趣旨、目的、対象が異なっておりますので、一体として行うというよりは、それぞれに専門性を有するようなところに委託をするということではないかというふうに考えております。
 ただ、従来から既に先行して実施しております未承認医薬品の販売のインターネットパトロールにおいて医療機関のホームページガイドラインなどに違反する事例を把握した場合には、医薬・生活衛生局から医政局の方に情報提供をいただいておりまして、それを踏まえて指導するなどの取組を行っているところでございます。
 今後、それぞれのネットパトロールにおきまして医薬品医療機器法や医療機関のホームページガイドラインあるいは改正されました医療法などに違反する事例が判明した場合には、関係部局間で情報共有を行うなど、連携をしながら取り組んでまいりたいと考えております。
#41
○谷合正明君 ちょっと残された時間で、サイバーセキュリティー対策についてお伺いしたいと思います。
 今回の法案の中に特定機能病院におけるガバナンスの強化というのが盛り込まれておりまして、私も特定機能病院を訪れていろいろとお話をさせていただいたんですけれども、法案とは直接関係ないんですが、そのときちょうどイギリスで、イギリスを中心に病院、医療機関に対するコンピューターシステムのサイバーテロが発生したところでありまして、その特定機能病院では、高度で最新の設備を持つ病院でございますんですが、そのような攻撃を受けるおそれがあるのかどうかというのも話をしたんですが、やはり細心の注意を払っているという話でした。
 特に、医療系の設備に関してはインターネットと接続しないよう徹底していくという話もありましたが、そこで、今回のそのイギリスを中心としたサイバーテロの攻撃のうち医療機関への攻撃や影響の実態や、我が国でも被害があったのかどうかについて確認したいと思いますし、病院の設備を管理系と医療系に分けるとすると、特に医療系においては外部のネット環境とつなげないようにすることが大事だというふうに認識しておるんですが、一部医療機器、医療機械においてはネットと接続しないといけないものもあるやに聞いておりまして、その医療機器のサイバーセキュリティー対策をしっかりと講じていく必要があると考えますけれども、その点についても併せてお伺いしたいと思います。
#42
○政府参考人(武田俊彦君) ただいま御指摘のありました医療機器の安全管理対策について答弁をさせていただきたいと思います。
 御指摘のサイバーセキュリティーでございますけれども、まず、厚生労働省といたしましては、医療情報システムの安全管理に関するガイドラインというものが作成されておりまして、医療に関わる全ての情報システムについて情報アクセス制限や不正ソフトウエア対策などの安全対策を実施するように医療機関に対して求めているところでございます。
 医療機関で使われている医療機器に関しましては、医療機器単独で直接インターネットにつながるというものはほとんどないと承知をしておりますけれども、医療機関におきまして、医療機関内の情報システムに接続している医療機器も含め、情報システム全体としてネットワーク上からの不正アクセス対策などの技術的安全対策が取られている状況というふうに承知をしております。
 そして、個々の医療機器に関してでございますけれども、医薬品医療機器法に基づく医療機器の基準といたしまして、使用環境等を踏まえて適切にリスクマネジメントを行って機器の設計、製造などを行うことを求めておりますので、個々の医療機器の販売業者に対しまして、ネットワークに接続される医療機器であった場合につきましては、不正アクセスなどのサイバーリスクの危険性を評価し、暗号化通信を用いるなどの不正アクセス対策を実施するほか、使用者である医療機関に必要な情報提供を行うことを私どもとして求めているところでございます。
 医療機器の製造販売事業者が行うこれらのリスクマネジメントに関して適切な対応を促すため、現在、厚生労働省では医療機器のサイバーセキュリティーの確保に関するガイダンスの取りまとめに取り組んでいるところでございます。今後とも状況の把握に努め、必要な対応を考えてまいりたいと考えております。
#43
○谷合正明君 時間参りましたので、英国のサイバーテロの影響はどうだったのかお尋ねしたかったんですけど、そこは譲りまして、質問を終わりたいと思います。
 以上です。
#44
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 今日は、助産師の嘱託医制度について質問をしたいと思います。
 今回の法改正で、助産所が自ら嘱託医を見付けて契約する、こういう制度そのものは変わらないというままで、出張のみの業務に従事する助産師にも対象を拡大するということになるわけです。義務付けられているのは嘱託医ということなんですが、これを見付けるのは非常に大変だというのは再々議論もあったところかと思います。これ、助産師の責任になるわけなんですが、そのために、嘱託医の確保ができない、開業を諦めるという例もあるし、契約していた嘱託医が廃業ということに伴って嘱託医の続きを見付けられないというような場合もあると。さらに、嘱託医を確保できているという例でも、実際には四十分も掛かるようなクリニックの医師が頼りになっているという実態もあるわけですね。
 現状の嘱託医制度、これが実態として母児の安全を守る制度として十分に機能しているのかどうか、この点での認識を確認したいと思います。
#45
○政府参考人(神田裕二君) 嘱託医師、嘱託医療機関についてでございますけれども、助産所については、開設時におきまして都道府県等に届出が必要というふうになっておりますけれども、分娩時などの異常に対応するために嘱託医、嘱託医療機関を定めておくこととされているところでございます。二十六年度の調査によりますと、回答のあった全ての助産所において嘱託医師、嘱託医療機関が確保されているということになってございます。
 助産所の嘱託医師、嘱託医療機関の役割ということでございますけれども、分娩時の異常があった場合に搬送を受け入れるといったようなことだけではなくて、妊婦健診ですとか必要なときの治療、処方、助産所からの妊婦についての相談に対応するなどの役割も担っていただいているところでありまして、二十八年度に行いました調査では、嘱託医師については九割以上が、嘱託医療機関については八割以上が今申し上げました妊産婦健診、それから必要時の治療、処方、助産所からの妊産婦についての相談などについて対応しているというふうに把握されておりまして、その趣旨を踏まえた機能が発揮されているものというふうに考えております。
#46
○倉林明子君 異常があったときにどう対応するのかということで、それを担う、期待される嘱託医の役割というのもあるんですね。そういう点でどうかということを聞きたかったんですね。
 分娩時の事故に対する訴訟リスクが高まっているという状況、さらに、そういうことで嘱託医が嘱託医を受けることを敬遠するという傾向が現場ではあるというふうに伺っております。さらに、二〇一五年の十月からは医療事故調査制度が発足いたしまして、これ必要な制度だというふうに思うわけですけれども、嘱託医を引き受けるという点で新たなハードルということでの懸念も広がっているわけです。
 その一方で、母児の安全を守るためということで進められてきたのが周産期医療体制の整備ということだと思います。これ、検討会でも出された資料を資料一と二ということで提供しております。この変化にも見るとおり、周産期医療体制、これは確実にこの十年ほどで強化されてきたという傾向が見て取れると思うんです。
 そこで、現状では、周産期医療ネットワーク、これが全都道府県で基本的には整備されているという認識かと思うんですけれど、間違いないですね。
#47
○政府参考人(神田裕二君) 御指摘の妊産婦や新生児が急変した場合の高次施設への搬送を行うためのネットワークについてでございますけれども、厚生労働省としては、都道府県が医療計画を策定する際の指針におきまして、妊産婦や新生児の搬送と受入れ体制に関して周産期医療に関する協議会で協議を行った上で構築するように示しておりまして、これに基づきまして各都道府県が周産期医療に関連する施設間の連携体制の構築を推進しているところでございます。
 このネットワークにつきましては、都道府県を通じて毎年度その整備状況を確認しておりまして、全都道府県において整備されているものと認識しております。
#48
○倉林明子君 様々なお産に関わる事故があって、やっぱりお産難民とか救急時の対応で親子が死んでしまうというようなことを本当に避けていくということでの努力は一定されてきていると私は思うんですね。
 そういう点でいうと、今御紹介あったように、全都道府県でこの周産期医療ネットワークが整っていると。協議会で協議した上で整備してきているということあったんだけれども、ここに実は助産院、助産師が組み込まれていないところも残っているんですね。
 私、分娩を取り扱うこの助産所、助産師、これをしっかり全ての都道府県のネットワークに組み込んでいくということは極めて重要だというふうに思うんです。これ組み込まれていれば、いざ異常があったとき、母児の安全を確保しながら、大臣もおっしゃっていました満足のいくお産、こういうもの、本当に安全面、いざ何かあったときも支えるということにつながっていくというシステムだと思うんですね。
 その上で、既に組み込まれている場合、これも多いかと思います。こういう場合は、ほかの機能もあるんだとおっしゃるんだけれども、一番肝腎な異常が起こった場合の対応ということでいうと、実質的には嘱託医、嘱託医療機関、確保されているとみなすことも私可能じゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#49
○国務大臣(塩崎恭久君) 妊産婦あるいは新生児が急変をした際に、各都道府県の周産期医療の中核でございます今御指摘の周産期母子医療センターへ搬送するためのネットワーク、これが、助産所がしっかりと参画をするということが大事だということでございます。
 このため、厚労省としては、都道府県が医療計画を策定する際の指針、これは周産期医療の体制構築に係る指針、この指針におきまして、各都道府県が助産所を含めた周産期医療ネットワークの構築を行うように求めているわけであります。
 一方で、嘱託医師、嘱託医療機関につきましては、個々の助産所との間で、妊婦健診、必要時の治療、処方、そして妊産婦についての日常的な相談に対応するなどの具体的な役割につきまして文書等により合意をすることを求めているわけでございます。
 医療計画においては、一般的にはこのような内容までは記載をすることになっていないわけでございますので、助産所における安全、安心な分娩のためには、ネットワークとは別に嘱託医師等の確保が必要というふうに考えているところでございます。
#50
○倉林明子君 いや、その嘱託医を確保するということが非常に厳しいという状況が助産師会からも出されている、この嘱託医制度そのものをやっぱり見直してほしいというところまで言っているんですね。確保できないと開業そのものが担保できないということになっているわけですから、私、全ての都道府県でこういういざというときの周産期ネットワークができているというところに組み込むということにとどまらずに、やっぱりこの嘱託医の確保を義務付けているというところが助産院の存続に関わってくる問題にもなっているということは、運用面も含めて、私、この周産期ネットワークに組み込んでいるということを踏まえて、対応、検討を強く求めたい。助産院がこれでもって廃業に追い込まれるようなことは本末転倒ではないかと思っておりますので、ここは強く求めておきたいと思います。
 次に、美容医療の広告規制について質問したいと思います。
 消費者委員会は、二〇一一年の建議を出されまして、その後、厚生労働省に対して繰り返し指摘してきたということで伺っておりますが、その中身は何だったのか。二〇一五年、二回目の建議に至った経緯について簡潔に御説明をいただきたいと思います。
#51
○政府参考人(黒木理恵君) お答え申し上げます。
 消費者委員会では、平成二十三年の建議において、美容医療サービスについて不適切なインターネット上の表示の取締りの徹底等について求めたところでございます。これを受けまして厚生労働省ではガイドラインを策定される等一定の対策を講じられたところでございますけれども、消費者委員会としては、更に厚生労働省に対して、その取組の効果について十分に検証、評価を行い、十分でない点があれば、法規制を含め、更に必要な措置を講じる必要があるということを指摘してきたということでございます。
 しかしながら、その後、平成二十三年度の全国の相談件数千六百件であったものが、平成二十六年度には二千六百件というふうに増加をしておりまして、その対策の効果は十分とは言い難い状況にあったところでございます。
 このような状況を踏まえまして、消費者委員会で美容医療サービスに関する消費者問題について再度調査、審議をしたところ、やはり相談事例において、美容医療サービスを利用するきっかけとなる媒体がインターネット上のホームページというものが多いと、かつ、その割合も二十三年度に比べて高まっている等々の事情が判明いたしましたことから、平成二十七年の建議を行ったところでございます。
#52
○倉林明子君 二〇一五年に出されました二回目の建議のところでも触れられているように、厚生労働省に対しては、評価もした上で必要な措置を講ずる必要がある、こういう、再三指摘をしてきたと、しかし、効果不十分ということで二回目の建議に至ったと、御説明のあったとおりかと思います。
 そこで、ようやく今回の法改正となったわけですけれども、私、最初の建議から見ますと、既に六年ということになったわけです。消費者委員会からもありましたとおり、被害を防止できなかった、結果としてやっぱり増えた、拡大してきた、これ、責任は私、極めて重大だというふうに思っているんです、対応の遅れという点で。
 美容医療の被害をどう未然に防止するのかと。これ、これから問われるのは実効性ということになってまいります。ネットパトロールについての議論もありました。これ、チェック体制が新たに稼働するということになるわけですが、実際にここでチェックされたものについて指導そして是正命令、罰則等を科すのは都道府県、保健所ということになっていくわけで、国民医療センターや国民生活センターからの被害情報、これにも効果的な対応が求められるのは保健所ということになっていこうかと思います。
 そこで、保健所の体制強化、これが肝腎要の実効力担保になると思いますけれども、それはどう進めていかれるのか。どうですか。
#53
○政府参考人(神田裕二君) 先ほどもお尋ねございましたけれども、医療監視の体制についてでございますけれども、現在、都道府県知事等が任命した医療監視員が立入検査等を実施しているわけでございますけれども、全国で一万人余が任命されているところでございます。ただ、専任の職員は限られているというのが現状でございます。
 先生御指摘のとおり、今回の改正によりまして、ウエブサイト等につきまして報告徴収ですとか立入検査、是正の命令、罰則等の対象となってまいります。こうした業務を実際に担いますのは、地方公共団体において医療監視を行っている職員というふうになりますので、適切な指導を行えるような体制を確保していくということは非常に重要であるというふうに考えております。
 私どもとしては、これまでも都道府県の医療広告の担当者を集めた会議を開催しまして指導等に必要な情報共有を行うなどの支援を行ってきているところでございます。人員の配置なども含めまして、各地方公共団体、先生御指摘の保健所の体制等を含めて必要な体制が構築されるよう、必要な支援について検討してまいりたいと考えております。
#54
○倉林明子君 いや、仕事は確実に増えるんですよね、保健所の。地方自治体で保健所今どうなっているかといいますと、やっぱり自治体リストラということで、統合等が進んで職員は減っているというのが実態ですよ。本気で実効性を上げようと思ったら、やっぱりこの体制強化というのは欠かせないと思います。
 何か今の答弁では検討していくというようなことでしたけれども、体制担保してしっかり取り組んでいくと、その決意を最後、大臣に伺って、終わりたいと思います。
#55
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、法改正を行ってウエブサイト等も規制の対象にするということによって、この美容医療の健康被害をなくすということを目指していくわけでございます。
 法改正に加えて、先ほどのネットパトロール、あるいは新たな規制の内容や具体的な違反事例をガイドラインとして明確化を、都道府県において円滑に事務が行えるように明確化をしていこうということを考えておりますし、また、こうした規制の実効性を上げるためには、やはり各地方公共団体における医療監視の体制を確保しないといけない、それによって適切な指導を行えるようになるわけでありますので、こういったことにしっかりと力を入れ、また人員の配置の問題、御指摘ありましたが、これらについてもしっかりと必要な支援を検討してまいりたいと思っております。
#56
○倉林明子君 よろしくお願いします。
 終わります。
#57
○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。
 私は今日は特定機能病院のガバナンス体制の強化について、先ほど何人かの議員の先生からもありましたが、私も引き続いて聞いていきたいと思います。
 このガバナンス体制の強化、そもそもは、御存じのように平成二十六年に相次いだ大学附属病院での医療安全に関する重大な事案の発生がきっかけになったと。そして、背景として、特定機能病院というのは大半が大学附属病院なんだけれども、そこの管理者である病院長が教授会などの選挙によって選ばれる、だから必ずしも必要な資質や能力を持った人が選ばれないケースというのも残念ながらあった、だからそれを変えていこう、そのために、今後、合議体を設置して、そしてその審査を踏まえて病院長を選任していくことにしようというものなんですが。
 まず、この合議体の構成とか人員とか、そして第三者性、透明性というんでしょうか、これの担保をどのように考えているのか。そして、条文を見ると、選任は合議体の審査結果を踏まえて行わなければならないとなっているんですが、だから、そうすると、合議体が選んだ人でない人が選ばれる可能性というのがあるのかどうか、これも併せてお伺いしたいんですが。
#58
○政府参考人(神田裕二君) 選任手続、管理者の選任手続についてのお尋ねでございますけれども、特定機能病院の管理者の選任につきましては、今回の法案におきましては、特定機能病院の開設者と厚生労働省令で定める特別の関係がある者以外の者を構成員に含む合議体の審査の結果を踏まえて行わなければならないというふうにされておりまして、特別の関係としましては、省令において、例えば開設者と雇用関係にないこと、一定額を超える金銭を受領していないことなどを定める予定としております。
 さらに、昨年取りまとめられました大学附属病院等のガバナンスに関する検討会の取りまとめにおいては、合議体を設ける際には理事会等で委員を選定し、委員の名簿や選定理由を公表することとしておりまして、これらの措置によりまして客観的に管理者としてふさわしい者が選考されるものというふうに考えております。
 また、開設者が合議体から推薦された者と全く別の者を選任するようなケースはどうなるのかというお尋ねでございますけれども、今回の改正案では、管理者の選任は合議体の審査の結果を踏まえて行わなければならないというふうにしておりますので、合議体からの推薦と全く別の方を選任するということについては、この規定に違反することになりますので、特定機能病院の承認取消し事由になるものと考えております。
#59
○片山大介君 分かりました。
 それで、今出た去年十二月の検討会の取りまとめでは、病院長に求められる資質として、とりわけ当該病院以外の病院における管理者経験というのを記されている。これ、とりわけというところに強い意思を感じると思うんですが、これについては義務化のようなイメージで考えるものなのか。やっぱり大学病院だと、御存じのように、学閥だとか診療科閥とかってありますけれども、そうしたものの中でやっていくのは簡単ではないと思うんですけれども、その点についてはどういうお考えなのか、お伺いしたいと思うんですが。
#60
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の法改正後、各特定機能病院におきまして、管理者の選任に当たっては、管理者に求める能力、経験に関する基準をあらかじめそれぞれ定めて選考していただくと、こういうふうにお願いをしたいと思っております。
 この基準における具体例としては、省内の検討会の取りまとめにおきましては、当該病院内外での組織管理経験、とりわけ当該病院以外の病院における管理経験を挙げているという今御指摘をいただいたとおりでございまして、現状では、基本的に特定機能病院の管理者は学内の教授から選ばれていて、何となく通過点のように一定期間、一年とか二年とか病院長をやって次に行くというような腰掛け的なことをやっているのはいかがなものかということがまず問題意識の根底にございまして、この大学病院出身者が他の病院の管理者となっている場合は、途中で大学病院の籍を離れて就任をしていることが多いというふうに思います。
 それは、やはり特定機能病院というのは一定のやっぱり高度な医療を担い、大きな病院であるということは、マネジメントも、人を治めるということも、いろんな、特に大学の場合には教授とのつながり、医学部とのつながりとか、いろんな複雑なことがあって、しかし、それは関係なく、医療安全はやっぱり貫徹しないといけないという、そういう意味でのマネジメント能力というものが問われるわけでありますから、そういう経験も含めて、病院長としての責任を果たしてきた経験を持っているということが私は大事なんじゃないかというふうに思っております。
 他の病院における管理者経験というのは、今申し上げたように、やはり特定機能病院というのは、何しろ大きな、そして高度な、そしてリスクが高いときもあるような新たな医療を施すというときは余計に安全性をマネージできないといけないわけでありますから、それは単なる物理的な問題でなく、やっぱり人をどうきちっと収めながらやっていくかということだろうというふうに思います。
 もう一つは、他の病院で、例えばどういう改革を経験をしてきたかということで、この特定機能病院の改革もできると、こんなことを踏まえながら、他の病院での経験というものを評価をしたいというふうに思っているところでございます。
 我が国でも積極的に外部経験を有する者を登用することで組織改革を進める、開かれた社会の、社会文化というか、をつくっていくべきというふうに思っておりまして、こうした観点も踏まえて、他の病院における管理者経験を積極的に評価すべきということでございます。
#61
○片山大介君 その意見に私も賛同のところはあるんですが、ただ、外部を入れることの良しあしもあるかなと。私が前いた会社なんか、やっぱり外部からの人が多かったですけれども、でも、内部のこと知らないんじゃないかとか思ったりもするし、内部にもやっぱり適任はいるかなというふうに思っているんです。だから、それよりも、今回、少しこれ見て思ったのは、病院長の任期については全く触れられていないんですけれども、それよりはある程度任期を定めて、良くない人だったら長居させないようにするというような歯止めみたいな掛ける考えもあったんじゃないかなと思うんですが、そこについてはいかがでしょうか。
#62
○国務大臣(塩崎恭久君) 特定機能病院の管理者が病院の管理運営業務を適切に遂行できるようにすると、そして管理者については医療安全の確保を含む病院全体の管理運営に関する業務執行に関して必要な能力、経験を有する者が選任をされるというのが、基本的に我々が達成しないといけないことなわけでございます。
 したがって、さっき申し上げたように、ただ腰掛け的に、通過点のように順番だからやるとかいう問題ではないということで、こういうことから、今回の改正におきましては、特定機能病院の管理者については、選挙などではない透明な選考プロセスによって、出身等を問わず、医療安全管理を含む病院運営全般に関して十分な知見を有して継続したリーダーシップを発揮できる者が選任される手続を定めるということにしているわけでありますけれども。
 この適切な管理者が選任されるということから、こういうようなプロセスで選任された管理者がやはり一定期間腰を据えて病院の管理運営を担っていくというのがより安全な病院運営につながるのではないかというふうに私も思っていて、任期を決めるのはそれは特定機能病院そのもので、大学の附属病院あるいはそれ以外の病院もそうですが、その病院自体が考えることではありますけれども、当然、ふさわしい管理者ということになれば短期間でそういうことが確立をすることは私はないんだろうと普通は思うわけでありますから、是非、それぞれのお考えできちっとした任期を設定していただければ有り難いなと思いますし、大学の学長なんかの任期も、これも通過点のように名誉職的に学長をやるようなところが多くあって、二期以上やらせないとかそんなことを言っていますけれども、ほかの国に行ったら十年ぐらいやっている学長はざらにいるわけでありまして、そういうところこそがやっぱり大きな改革ができるんだろうというふうに思いますので、特定機能病院の病院長にあっても、私はしっかり、いい人は長くやったらいいと思います。
#63
○片山大介君 あと、病院長はよく、私、権限がないんだというように言われる方もいるんですけど、今回それで人事面とか予算面での執行権限もきちんと明確化するというのも今後義務付けられるんですけれども、これもどこまでの権限なのか。それによっては、今までの大学の中のピラミッド組織もちょっと変わってくるというか、組織文化をかなり変えることになってしまうのかなと思うんですが、これはどの程度の権限というふうにお考えなのか、これもお伺いしたいんですが。
#64
○国務大臣(塩崎恭久君) 大学と病院の関係性ということが深く関わる今御質問だというふうに思いました。
 今般の改革では、特定機能病院の開設者に対して、管理者が病院の管理運営業務を適切に遂行できるように、管理者権限の明確化ということを求めています。具体的には、法人やあるいは特定機能病院の内部規程等において、管理者が有する病院の管理運営に関する権限、これに加えて、管理運営のために必要な人事、予算執行、そういう権限を明確化していくことを考えているわけで、それらが開設者によって振り回されてしまうということでは安全を貫徹することにはならないということでありまして、法人あるいは医学部との権限、運営上の関係等を含めて調整が必要な部分ももちろん出てくるわけでありますけれども、大学附属病院関係者からも病院長の人事権限を強化すべきというような提言が出ているわけでございまして、各特定機能病院においてしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 なかなか根強い文化が既にある大学病院でありますけれども、その開設者が医療安全とあるいは患者の安全を確保するのにふさわしくない介入をしてくることがないようにこの管理者の権限というものを明確にしておく、最初の言ってみれば開設者との間の契約のような形で明確化していくことが大事だろうというふうに思います。
#65
○片山大介君 分かりました。
 ちょっと時間がないので、安全管理体制について伺いたいと思います。
 今回の法改正に先行して、去年の六月から医療法施行規則を改正して、医療の高度な安全確保、これが特定機能病院の承認要件になった。改めてこれで承認要件になる、今までなかったのかというのが驚くなと思っているんですけれども。これに伴って各特定機能病院で様々な措置を講ずることになったんだけれども、これよく見てみると一定の経過期間というのが置かれていて、それで、中には一年以上経過期間置かれていて、まだ設置しなくていいのもあったりするんですよね。そうすると、何のために今回の法改正に先駆けて去年先行して改正したのかよく分からなくて、ちょっとそれの意味を教えていただきたいのと、じゃ、現状として、その各特定機能病院がどこまでこれを設置しているのかという現状を把握しているのか、この二点をお伺いしたいんですが。
#66
○政府参考人(神田裕二君) まず、昨年の省令改正で経過措置が設けられているので先行した意味はどういうことかということでございますけれども、昨年、特定機能病院において医療安全に関する重大な事案が相次いで発生したことから、まず、医療安全確保に関するものについては、法律改正でなくて、省令改正でできます特定機能病院の承認要件ということで手当てをできる部分について昨年六月に行ったところでございまして、例えば医療安全管理責任者の配置、それから全ての死亡事例の医療安全管理部門への報告の義務化、内部通報窓口の設置、それからインフォームド・コンセントの適切な実施など、特定機能病院の承認要件の見直しを行ったところでありまして、今申し上げた項目につきましては昨年十月から既に施行しているところでございます。
 確かに、先生御指摘のように、専従の医師、薬剤師、看護師の配置など、各病院で一定の準備期間がないと直ちに実行が難しいものもございます。そういうものについては、準備をする期間という意味もございまして、一定期間義務付けを猶予することとしているものは確かにございます。厚生労働省といたしましては、各特定機能病院においても新たな承認要件に従った運用がされているものというふうに考えておりますけれども、毎年の立入調査ですとか定期報告等によりましてその実施状況を確認していきたいというふうに考えております。
 それから、具体的な改正事項の把握の状況ということでございますけれども、医療安全管理責任者の配置につきましては、既に昨年十月に施行されておりますので、立入検査ですとか定期報告などで実施をされていることが確認されております。それから、医師ですとか薬剤師の専従などにつきましては、当面は専任でいいということになってございますので、これは、経過措置に当たりまして専任の医師、薬剤師等は置いていただくということになってございますので、こういった点についても立入検査等で専任が置かれていることについては確認をしているということでございます。
 個別の項目については今申し上げたような方法によって確認をしているところでございます。
#67
○片山大介君 時間が来たので、終わります。
 是非、体制強化に努めてください。よろしくお願いします。
    ─────────────
#68
○委員長(羽生田俊君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、谷合正明君が委員を辞任され、その補欠として三浦信祐君が選任されました。
    ─────────────
#69
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 まず、ゲノム医療におけるゲノム情報とプライバシーについてお聞きをいたします。
 血液や尿などの検体の精度管理は必要ですが、同時に検体から得られる個人情報をいかに保護していくのかというのも今後の大きな課題です。とりわけ、ゲノム医療の進展のために遺伝子関連検査を積極的に推し進めていこうとするのであれば、遺伝子関連情報という個人情報の固まりが外部に流出することのないよう、厳重な措置を併せて講じなければならないというふうに考えます。
 なお、改正個人情報保護法の施行により、本人同意のないゲノム情報の取得や第三者への提供が禁止をされました。厚生労働大臣は、衆議院厚生労働委員会での答弁で、遺伝子検査については個人情報の保護をこれまで以上にしっかりとしたものにすべきと個人的には思っている旨、答弁をされていらっしゃいます。個人的ではなく、政府として厳格な対応が必要と考えますが、対応についてどうお考えでしょうか。
#70
○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。
 個人情報保護法におきましては、個人識別符号が含まれる情報を個人情報として規定しています。この個人識別符号とは、単体で特定の個人を識別できる文字、番号、記号その他の符号として政令で定められたものでございます。個人情報保護法施行令におきまして、この個人識別符号として、細胞から採取されたデオキシリボ核酸、別名DNAを構成する塩基配列を電子計算機の用に供するために変換したものが規定されてございます。
 御指摘のゲノムのデータにつきましてはこの個人識別符号に該当し、個人情報に該当することとなります。なお、このため、このようなゲノムデータを取り扱う際には、個人情報保護法により求められます安全管理措置その他の規律に従っていただくことになります。
#71
○福島みずほ君 今話していただいたように、普通のものとやっぱり全然違うわけですよね。ゲノム情報はどのような加工が行われた場合に匿名加工情報となり得るんでしょうか、具体的に教えてください。
#72
○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。
 個人情報保護法に規定された匿名加工情報、これを作成する際の基準につきましては個人情報保護委員会規則で定められてございます。具体的には、個人識別符号を含む個人情報から匿名加工情報を作成するためには、この規則におきまして、個人識別符号の全部を削除することとされております。このため、御指摘のゲノムデータにつきましては、個人識別符号に該当するゲノムデータを含む個人情報を加工して匿名加工情報を作成する場合には、当該ゲノムデータの全部を削除する必要がございます。
#73
○福島みずほ君 つまり、個人識別符号を全部削除することが必要ということは、名前だけではなくてゲノム情報全体が実は個人識別符号になるということで、そのゲノム情報を改変しない限りは外に出すことができないということでよろしいわけですね。
#74
○政府参考人(山本和徳君) ゲノム情報、ゲノムデータにつきましては、解析の程度が種々、幾つかの段階があると思います。ただし、個人、特定の個人が認証できる程度に解析をされたゲノムデータ、これが今一般的に用いられていると思いますけれども、このようなものにつきましては個人識別符号ということで、匿名加工情報を作成する際にはこのようなゲノムデータの全てを削除するということが規則において求められる、こういう形になっておると存じます。
#75
○福島みずほ君 つまり、非常にある意味、ある特別なというか、であればこの人だって特定されるから、それはないけれども、いろんなグラデュエーションがあって、そのゲノム情報の一部を改変するなりしてそれを外部に出すのは匿名加工情報になるということなわけですよね。
 とすると、やっぱり匿名加工情報でなければいけない、外部にプライバシーが出てはいけないというときに、もう少しきっちりガイドラインを決めるとか、その必要があるのではないかというふうに思います。
 匿名加工情報の中で、ヒトゲノムにおける核ゲノムは約三十一億によって構成されているとされているため、ゲノム情報の中の一つないしごく僅かな配列を変えるだけで匿名加工情報として取り扱われてしまう危険性があるのではないでしょうか。いかがでしょうか。
#76
○政府参考人(山本和徳君) 先ほどお答え申し上げましたとおり、個人識別符号に該当するゲノムデータを含む個人情報を加工して匿名加工情報を作成する場合には、当該ゲノムデータの全部を削除する必要がございます。このため、個人識別符号に該当するゲノムデータの一部を加工する、今御指摘のような形での対応をされたといたしましても、制度上これは匿名加工情報には当たらないということになりますので、そのような整理になろうかと存じます。
#77
○福島みずほ君 SNP変異四十か所未満、STR4が八、繰り返しまでなら個人識別符号とならないため、利活用や第三者提供が制限なく行われると事前にお聞きをしました。しかし、これが妥当かどうかも含め、しっかり厚労省でガイドラインを作るべきだというふうに思っております。
 それで、政府の健康・医療戦略推進会議の下部組織、ゲノム医療実現推進協議会の下に設置されたゲノム情報を用いた医療等の実用化タスクフォースは、昨年十月十九日、ゲノム医療の実現・発展のための具体的方策について意見取りまとめを発表しました。その中で、保険適用された検査項目が少ないということが指摘をされています。
 ゲノム医療に対する保険適用に関する厚労省の方針はいかがでしょうか。
#78
○政府参考人(鈴木康裕君) ゲノム医療に対する保険適用についてお尋ねがございました。
 御指摘のとおり、ゲノムタスクフォースの報告においては、普及しない原因としては、保険適用される検査項目が少ないこともあるというふうな意見があったというふうに承知をしております。
 この遺伝学的検査でございますけれども、有効性を確認しつつ、その対象を順次拡大をしておりまして、平成二十八年度の改定におきましては、指定難病である三十八疾患を追加をいたしまして、全部で七十二疾患が対象となっております。
 今後の改定におきましては、調査等によりその実態を把握をして、関係者からの御指摘、御要望を踏まえて中医協において検討したいというふうに思います。
#79
○福島みずほ君 上記意見取りまとめにおいて、患者数が少ない疾患において、遺伝子検査について、費用を考慮した上で確保すべき質の水準を検討する必要があるとされていますが、厚労省としてはどのように考えていますか。
#80
○政府参考人(神田裕二君) 先生御指摘のとおり、昨年十月のタスクフォースの意見取りまとめにおいては、諸外国と同様の水準を満たす具体的な方策等を検討していく必要があるとされている一方で、特に難病等の患者数が少ない疾患において、研究活動の中で行われ診療にも活用される遺伝子関連検査について、費用等を考慮した上で確保すべき質の水準を検討する必要があると指摘されているところでございます。
 この具体的な水準につきましては、今後、医療関係者や学会の代表等が参加する検討会で議論を行う予定でございますけれども、診療に用いられる難病等の希少疾患に関する遺伝子関連検査のうち研究活動の中で行われるものについては、検査施設の負担等を考慮して、検体検査の精度を確保するために適切な基準が設定されるように検討してまいりたいと考えております。
#81
○福島みずほ君 同じく意見取りまとめでは、検査の質の確保の観点から、科学的根拠を評価するための新たな体制を日本医学会に構築してはどうかという意見が示されています。厚労省の受け止めはいかがでしょうか。
#82
○政府参考人(神田裕二君) 御指摘のタスクフォースの議論におきましては、学会、大学研究機関などアカデミアとして、遺伝子関連検査の科学的根拠を評価するための新たな体制について日本医学会に構築してはどうかという提案がなされているものと承知しております。
 具体的には、検査結果の意味付けが十分なされていること、臨床的妥当性でございますけれども、また臨床上のメリット、いわゆる臨床的有用性について科学的な根拠に基づいて評価されることが重要というふうに考えておりまして、学会等においてその評価を行う体制が確保されることを期待しているところでございます。
#83
○福島みずほ君 その評価体制に関しては、政府や製薬会社、医師団体の影響から独立した第三者機関が望ましいと考えますが、いかがでしょうか。
#84
○政府参考人(神田裕二君) 先ほど、提言にもございますように、当然中立的な独立した第三者機関が望ましいということから、アカデミアの中に医学会等に構築してはどうかという提案がされているということも、そういった趣旨かというふうに考えております。したがいまして、学会等においてその評価を行う体制を構築していくことが重要だというふうに考えております。
#85
○福島みずほ君 特定非営利活動法人日本臨床検査標準協議会は、二〇一二年三月、遺伝子関係検査に関する日本版ベストプラクティス・ガイドラインを策定しました。
 本法案並びに今後の省令と同ガイドラインとの関係はどのようなものになるんでしょうか。
#86
○政府参考人(神田裕二君) 遺伝子情報や検体が国境を越えて取引の対象とされていることを踏まえまして、遺伝子関連検査の国際的な精度確保を目的としてOECDが作成した分子遺伝学的検査における質保証に関するOECDガイドラインを基にいたしまして、国内事情を考慮した形で策定された日本版ベストプラクティス・ガイドラインは、遺伝子関連検査の質の保証の実務に関する我が国における包括的なガイドラインであると承知しております。
 昨年十月に取りまとめられましたゲノム医療タスクフォースにおきましても、遺伝子関連検査の品質、精度を確保するため、遺伝子関連検査に特化した日本版ベストプラクティス・ガイドライン等、諸外国と同様の水準を満たすことが必要であり、法令上の措置を含め具体的な方策等を検討、策定していく必要があるというふうにされているところでございます。
 今回の法改正を踏まえまして、検体検査の精度を確保するための基準につきましては、今後、医療関係者等が参加する検討会で議論を行うこととなりますけれども、遺伝子関連検査施設の基準の設定に当たっては、タスクフォースの指摘を踏まえまして、日本版ベストプラクティス・ガイドラインにつきましてもこの基準の中に取り入れる方向で検討していくことになると考えております。
 いずれにしましても、検体検査の品質、精度を確保するために適切な基準が設定されるように努めてまいりたいと考えております。
#87
○福島みずほ君 この同ガイドラインを見たときに、民間企業が実施している疾患リスク、アルコール摂取、肥満等の体質遺伝検査や個人識別等では、それらを監督指導する仕組みや外部精度管理がない、また技術の標準化の観点では、測定方法、測定機器、試薬、標準物質がいまだ整備されていない等の課題が明らかとなったとしています。これは結構深刻ではないかと思うんですね。
 民間企業における遺伝子検査の質の確保や科学的根拠について、厚労省はどう取り組んでいくのでしょうか。
#88
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
 民間企業におきますいわゆる遺伝子検査サービスにつきましては、関係府省と連携し、厚生労働省が事務局を務める有識者会議でございますゲノム情報を用いた医療等の実用化推進タスクフォース、この昨年十月の取りまとめにおきましても、医療や健康増進の観点から、厚生労働省も関わった上で、検査の質などにつきまして一定の水準を確保するために、実効性のある取組を行う必要があるというふうにされているところでございます。
 これを受けまして、現在、厚生労働科学研究におきまして、消費者向け遺伝子検査ビジネスの検査内容、検査手法や利用者への説明内容など、サービスの現状を把握するための実態調査を行ってございます。
 この研究の成果も踏まえまして、厚生労働省としては、これらのサービスの質確保等の方策につきまして必要な施策をしっかりと検討してまいりたいと考えております。
#89
○福島みずほ君 遺伝子検査が一部の富裕層に対して、科学的根拠の薄い将来の危険性を強調し、多額の費用を請求するようなケースに対して、政府はどう対応するのでしょうか。
#90
○政府参考人(神田裕二君) ゲノム情報を用いた医療を行うに当たりまして、遺伝子関連検査の品質、精度の確保のみならず、検査の対象となっている疾患の診断が行えることによりまして、今後の疾患の進行や治療の見通しについての情報が得られること、また、適切な予防法や治療法に結び付けることができることといった、得られたゲノム情報が意味する臨床的有用性を踏まえて実施される医療の有効性や安全性が科学的根拠に基づき判断される必要があるというふうに考えております。
 ゲノム医療を含めて、新規の医療技術として保険収載するに当たりましては、有効性、安全性が確保されていることを前提に、普及性や社会的妥当性等も考慮して専門家の意見も踏まえ判断をしているところでございます。
#91
○福島みずほ君 時間ですので、終わります。ありがとうございます。
#92
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。
 福島先生までゲノムに興味を持っていただいて、大変うれしいです。まだまだ制度が付いていっていないというこの医療の現状がここで明らかになってくることによって、更に制度化されるそのスピードが速くなってくるのではないかという私は期待を持っております。
 私も今日も遺伝学的検査を取り上げていきたいんですけれども、皆様方に資料をお配りいたしております。
 難病の遺伝学的検査というものですね。昨年、保険収載されたということは先ほど答弁でもございました。検査の件数がこれ少ないということになったらビジネスとして成り立たないんですよね。ですから、衛生検査所で実施が困難である検査があるということが、これ以前から、先ほどもございましたけれども、指摘をされております。しっかりとした調査をまずしているのかどうか、鈴木局長、教えてください。
#93
○政府参考人(鈴木康裕君) 難病の遺伝学的検査に対する診療報酬改定及び調査についてお尋ねがございました。
 御指摘のとおり、先ほども答弁申し上げましたけれども、昨年の改定におきまして、難病については三十八疾患についての検査を対象として追加をいたしました。ただし、現段階では個別の疾患ごとの算定件数は把握をしておりませんので、今後、難病の遺伝学的検査について調査を行いまして、平成三十年度改定に向けまして、衛生検査所において実施が困難な検査があるかどうかも含めてその実態について把握をしたいというふうに思っております。
#94
○薬師寺みちよ君 やはり保険点数を付けるのであれば更なる調査とそれから研究をしていただかなければ、実際に行われていないということが資料一で分かっております。
 皆様方の右側にございますこの表の青の部分というものは実際に実施件数ゼロでございます。二〇一四年、この遺伝学的検査が六千件余りあった中で保険適用になったのが二千件ぐらいでございます。その中でもこの青が全く一件もないということで、しっかりと、どのような検査をすればいいのかというような、技術的な質の担保というものもこれから考えていただかなければならないんですけれども、この遺伝学的検査、保険適用になっているということ、先ほど御説明いただきましたけれども、この資料二に付けております。このエと、ア、イ、ウ、エとございますけど、エの部分が今回プラスになった疾患でございます。
 この疾患なんですけど、どの検査機関でどのような解析方法が行われているのか、厚労省は把握していらっしゃるんでしょうか。解析対象や解析方法というものをしっかりリスト化していく必要があると思いますけれども、福島局長、教えてください。
#95
○政府参考人(福島靖正君) お答えいたします。
 遺伝学的検査は、特にその患者数が少ない難病分野におきまして、疾病の早期診断やその早期治療につながることから、検査体制を確保していくことは特に重要であると考えております。
 厚生労働省では、難病などの診断に関する遺伝子関連検査の実施体制等の検討を行うために、本年一月の厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会におきまして、一般社団法人日本衛生検査所協会から、同協会の会員施設で実施している診療報酬上評価されている遺伝学的検査の検査項目、検査方法などについての御報告をいただいたところでございます。先生御配付いただいた資料でございますけれども。
 私どもとしては、同委員会における御議論も踏まえ、現在、診療報酬上評価されている遺伝学的検査について、難病研究班などの協力を得て、各検査の検査項目、検査方法、実施施設などの情報に関するリストを作成しているところでございます。このリストが完成した段階で難病情報センターのホームページに掲載するなどして、必要な遺伝学的検査の実施体制の確保につながるよう周知に取り組んでまいりたいと考えております。
#96
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。だから、誰がどこで何をやっていたかということが全く分かっていないという現状でございます。しっかりリスト化して、これは質の担保まで行われていかなければ、幾ら診断をされたといっても信頼性が高いものなのかどうなのか、そして、その検査をしている人が替われば今度手法が変わってしまう可能性もございますので、私からもお願いをしておきます。
 このようなケースで、やっぱり大学の研究所というものが機能してございます。ですから、いわゆるビジネスベースに乗ってこないので、研究の一環として実施しているケースが多いようでございますけれども、アカデミアで実施されている遺伝学的検査というものについても、先ほど申しました標準作業書などのようなものもしっかり作成を私はして質の担保を図っていくべきだと思いますけれども、福島局長、お願い申し上げます。
#97
○政府参考人(福島靖正君) 遺伝学的検査の実施に当たりましては、御指摘のように、一般的にその精度管理、これが適切に行われているかというその分析的妥当性のほかに、臨床的妥当性あるいは臨床的有用性、この確認が必要だとされておるところでございます。
 これらの点につきましては、指定難病の遺伝学的検査においては、国が指定難病の診断基準に遺伝学的検査を位置付けているということで、臨床的妥当性あるいは臨床的有用性の確認はできていると考えているところでございますけれども、分析的妥当性につきましては、平成二十八年四月に関係学会によって策定されました遺伝学的検査の実施に関する指針、これを遵守していただくことによって確認ができると考えておりまして、厚生労働省といたしましては、大学研究室などのアカデミアで実施される遺伝学的検査においてもこの指針を遵守していただくように、引き続き関係学会等を通じて周知を図ってまいりたいと考えております。
#98
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 資料の三に付けておりますように、どのような方法で行われるべきなのかということ、それと、どういう手順で行われているのかということもこれ非常に重要でございます。このようなものを蓄積することによって、最終的に何が正しいのか、どういう誤差が生じていくのか、どういう精度が必要なのかということが初めて分かるわけでございます。厚労省、全くまだまだこの辺り、調査研究少のうございますので、しっかりと、今回質の担保ということを言うのであれば、この辺りまで手を付けていただきたいと思います。
 先ほども申し上げましたけれども、そのアカデミアの先生方、医療機関、大学に、本当にこのような希少難病、調査を頼っている部分がございます。もう既に研究としては終わっているんですけど、うちしかやっていないからというところで、かなり御無理も大学の先生や研究所にお願いしてやっているような施設もあるというふうに私は伺いました。しかし、そういう小さな研究所にとって質の担保だけを強要していくということは今後更に過度な負担となることも考えられます。
 配慮が必要かと思いますけれども、大臣、どのような御意見をお持ちでしょうか。
#99
○国務大臣(塩崎恭久君) 遺伝子関連検査の精度管理につきまして、昨年十月のゲノム情報を用いた医療等の実用化推進タスクフォース、この意見取りまとめにおきまして、諸外国と同様の水準を満たす具体的な方法等を検討していく必要があるというふうにされた一方で、難病等の患者数が少ない疾患において、研究活動の中で行われ診療にも活用される遺伝子関連検査について、一定の配慮を行うことを考慮すべきという指摘もございました。
 この具体的な基準につきましては、今後、医療関係者そして学会の代表者などが参画をする検討会で議論を行う予定でございますけれども、診療に用いられる難病等の希少疾患に関する遺伝子関連検査のうち研究活動の中で行われるもの、これにつきましては、検査施設の負担等を考慮をしながら、検体検査の精度を確保するために適切な基準が設定されるように検討をしてまいりたいと思います。
#100
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 がんゲノムの医療ということで、がんゲノムの方は進むかもしれません。これ、希少難病のようなことで本当にケースが少ない場合もしっかりと、私は、この際でございますので、ゲノム医療の中でフォローをしていただきたいと思っております。
 それから、この遺伝学的検査の保険点数なんですけれども、一律三千八百八十点ということでございます。先ほども申しましたけど、いろんな施設がございまして、その手間も全く違うんですけれども、これが一律であるということもこれは問題視をされておりますけれども、その検査によって、今後、これ今までは入口だったからということかもしれませんけれども、疾患の種類が今後増えてまいりましたときにはここの三千八百八十点というものに濃淡を付けていくべきかとも思いますけれども、大臣の御意見いただけますでしょうか。
#101
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど保険局長からもお話し申し上げましたけれども、今後、難病の遺伝学的な検査についての実態をしっかり把握した上で、平成三十年度の診療報酬改定に向けて、遺伝学的検査の診療報酬について、専門家の御意見もしっかり聞いて中医協で検討をしてまいりたいと思います。
#102
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 この遺伝学的な様々な医療技術というものは日進月歩でございまして、既に日本は二、三周遅れだと言われておりますので、しっかりと保険収載もした上でデータを集積し、そしてビッグデータとして更に研究、製薬の皆様方にも利活用していただけるよう整備をお願いしたいと思います。
 それから、どのようにいい結果があったとしても、その結果を説明できる人間がいなければ、これ宝の持ち腐れでございます。臨床遺伝専門医というものは現在のところ千三百一名、認定遺伝カウンセラーは二百五名しかおりません。これは深刻な状況でございます。いろんな審議会でも今まで取り上げられておりますし、タスクフォースでも取り上げられましたし、先日のがんゲノム医療推進コンソーシアム懇談会でも取り上げられている問題でございます。
 この遺伝カウンセラーのやっぱり地位をしっかりと向上して、そこに保険点数を付けていくということによって、更になり手も増えてまいりますし、養成所も増えてまいります。大臣の御意見をまずいただけますでしょうか、お願い申し上げます。
#103
○国務大臣(塩崎恭久君) ゲノム医療の実用化がこれから進むわけであろうと見込まれるわけでありますけれども、遺伝カウンセリングに当たる人材を人数的にも、そして質の面でも向上を図っていくということは、いずれも大事なことだと思います。
 現在、学会の取組として二つあって、日本人類遺伝学会、そしてもう一つは日本遺伝カウンセリング学会、この二つが認定をします認定遺伝カウンセラー、この養成がなされていますけれども、まだ人数が極めて限られておりまして、二〇一六年十二月現在で二百五名ということでございます。
 こういうことから、厚生労働省としても、現場の幅広いゲノム医療従事者を対象として、遺伝カウンセリングについて、e―ラーニング教材の開発であったりロールプレー研修会の実施とその教育効果の評価などの研究事業に今取り組んでいます。平成二十九年度以降も引き続き研修プログラムの改善などを実施する予定でございます。
 現在、関係学会において認定をされている認定遺伝カウンセラー、今二つの団体が認定をしていただいていますけれども、これについて国家資格化すべきではないかということでございますが、これにつきましては、認定遺伝カウンセラーが比較的新しい資格であって、まだ人数が極めて限られている、それから、ゲノム医療の実装化を進めるには幅広い人材の養成が必要である、そして、業務独占、名称独占など、このような国家資格にどのように位置付けるのか、こういうような整理が更に必要な段階かなということでございまして、国家資格化の問題について検討するのは少し慎重性が必要なのかなというふうに思っています。
#104
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 がんゲノム医療を進める上におきまして、これ人数が足りないのは明白でございます。しかし、それで安易に養成を行ってしまうと、結局、それから深められる人材という方々がいらっしゃらなくなります。希少難病の遺伝カウンセリング、がんのカウンセリング、その希少難病でも様々な疾患がございますので、それぞれに全く違う知識が必要でございます、カウンセリング能力も必要でございます。ですから、そこでもっともっと、ベースは同じでも、深い専門分野によっても多くの皆様方が参画していただかなければ、これは正しい情報が伝えられない、かつ、これからカウンセリングをしていくその人材をいかに日本が養成するかによって、それを受けるか受けないかということを患者様方が判断する材料にもなってくるじゃないですか。
 これは、アメリカや欧米諸国においても、このカウンセラーの養成というものは日本は本当に遅れていることが一番の問題でございますので、国家資格化を含めて、やっぱりカウンセラーをどう養成していくのかということを厚生労働省はまず第一に考えていただかないと、医療を進めるというその出口ばかりを見ても、この入口が全く整備がされていないということを再認識していただきたいということを私も再度お願いをして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#105
○委員長(羽生田俊君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 医療法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#106
○委員長(羽生田俊君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、高階君から発言を求められておりますので、これを許します。高階恵美子君。
#107
○高階恵美子君 私は、ただいま可決されました医療法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・こころ、民進党・新緑風会、公明党、日本維新の会、希望の会(自由・社民)及び無所属クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    医療法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、安全で適切な医療提供体制を確保するため、本法の施行に当たり、次の事項に万全を期すべきである。
 一、遺伝子関連検査など検体検査の分類を策定するに当たっては、医療法の適用範囲に含まれるものを明確にするとともに、今後の検査技術の研究の進展により新たな検査が生じた場合も遅滞なく検査の安全性等の評価を行い、品質・精度管理についての基準を設けるよう努めること。また、必要に応じてその検査結果を受けての遺伝カウンセリングへのアクセスの確保を実現するよう体制を整えるとともに、認定遺伝カウンセラーの専門資格化の検討を含め、医学的知見や倫理を踏まえ遺伝子検査の意義や結果等を正しく伝えられる人材の育成を図ること。
 二、医療機関が窓口となって、遺伝子検査ビジネスによるサービスないしそのサービスに基づいた結果による情報を提供する例が広がりつつあることから、医療機関における遺伝子検査ビジネスの利用実態を調査するとともに、遺伝子検査ビジネスの領域においても、厚生労働省の主体的な取組の下、本法に定める水準と同程度の品質・精度管理が担保されるよう取り組むこと。
 三、検査精度の確保に関しては、遺伝子関連検査を含む検体検査のみならず、心電図・脳波・超音波検査等の生理学的検査について、学術団体等の作成するガイドライン等に留意しつつ検討するとともに、MRI、CT、PETなど高度な検査機器の精度管理方法・仕様の国際標準化について検討し、必要な措置を講ずること。
 四、特定機能病院におけるガバナンスについては、開設者と管理者の独立性の確保のみならず、医療安全及び医療の質の確保に向けた管理者の権限が発揮される体制が構築されるよう検討するとともに、大学病院の教育・診療・研究の機能分離と連携の課題についても検討を加えること。
 五、特定機能病院におけるガバナンス体制の強化及び安全で適切な医療の提供を定常化し、高度の医療安全の確保を図るために、特定機能病院の承認後の更新制の是非について検討するとともに、広域を対象とした第三者による病院の機能評価を承認要件とすること。
 六、高難度新規医療技術を評価するに当たっては、特定機能病院における制度制定及び運用状況のみならず、実施状況、安全性・有効性の評価状況について把握するとともに、特定機能病院以外についても同様の状況把握に努め、必要な措置を検討すること。
 七、改正法第十九条の二に定める事項を特定機能病院以外の医療機関にも適用することについて、その範囲と方法を検討するとともに、実施する医療機関に対する支援措置を検討すること。
 八、医療機関のウェブサイトにおける広告可能事項の限定の解除要件を検討するに当たっては、患者等に対する適切な情報提供が阻げられることのないよう十分留意するとともに、広告を行う医療機関が混乱することのないよう、具体的な事例について、ガイドラインにおいて早期かつ明確に示すこと。また、医業等に係るウェブサイトの監視を行うネットパトロール事業については、その実効性を確保し、変わりゆくインターネットの広告手法に機敏に対応できるようにすること。
 九、美容医療における痩身や美白、脱毛を始めとした全身美容術を業とする者と提携した悪質な事案の実態の把握に努めるとともに、美容医療における死亡事例を含む事故の把握を行い、必要な措置を講ずること。また、自由診療としての美容医療等について広告ガイドラインの遵守状況を監視し、違反事例の是正を行うこと。
 十、妊産婦の異常時の対応については、助産所及び出張のみにより業務に従事する助産師に過度の負担をかけることなく、医療機関との連携及び協力が円滑に行われるよう、適切な支援を行うこと。また、「周産期医療協議会」に助産師を参加させるよう、都道府県に周知を図るととともに、妊産婦が急変した際に、「周産期母子医療センター」等への高次施設に搬送可能な周産期医療の連携体制を推進するなど、助産所も含めた周産期医療ネットワークの構築を図ること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#108
○委員長(羽生田俊君) ただいま高階君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#109
○委員長(羽生田俊君) 全会一致と認めます。よって、高階君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、塩崎厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。塩崎厚生労働大臣。
#110
○国務大臣(塩崎恭久君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。
#111
○委員長(羽生田俊君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#112
○委員長(羽生田俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時九分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#113
○委員長(羽生田俊君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省健康局長福島靖正君外十七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#114
○委員長(羽生田俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#115
○委員長(羽生田俊君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#116
○木村義雄君 塩崎大臣におかれましては、受動喫煙に大変力を入れておられるようでございまして、本当に御苦労さまでございます。(発言する者あり)あっ、見送ったの。ああ、そう。
 受動喫煙による健康被害が幾らかという話なんですが、その前に、今資料をお配りさせていただきました。実は、たばこ税収というのが二兆円、二兆円とよく言われているんですけど、これ売上げが全部で四兆円あるんですね。四分の一が国税で、四分の一が地方税で、四分の一がたばこ会社で、あとの四分の一のうちの半分ちょっとぐらいがたばこ販売店の方の収入だそうですが。
 よく塩崎大臣が受動喫煙は三千億、三千億と言うけれども、実際、次のページを見ていただけたら分かるんですけれども、喫煙による超過医療費に関する推計なんですけれども、受動喫煙は三千億ちょっとです。ところが、直接のたばこを吸っている人の場合、一兆二千億という数字が出ていまして、合計で一兆五千億になっているんです。それで、一兆五千億の健康被害の原因はたばこなんですよね、たばこなんです。
 それで、たばこは税収で二兆円、しかし総収入で四兆円と、こう来ていますので、この一兆五千億という医療費に影響を与えているたばこの収入を医療の財源に充てるべきではないかと、医療費の財源に充てるべきではないかと、このように思うんですが、今日は財務省から来ていただいておりますけれども、御答弁をお願いします。
#117
○政府参考人(可部哲生君) お答えいたします。
 ただいま委員が御指摘になりましたとおり、一年間の紙巻きたばこの販売代金は約四兆円でございます。これは、委員お話しになりましたように、日本たばこ産業株式会社を始めといたします民間企業の収入でございまして、現在ございますようなたばこ税などの租税あるいは日本たばこ産業株式会社からの配当、こういったもの以外にこうした企業の収入を国の歳入とする仕組みは現在ないところでございます。
 また、現在、国、地方のたばこ税収につきましては、今御指摘ございましたように、約二兆円でございます。これを社会保障の財源に充てるということについてもお尋ねがございました。
 これらのたばこ税収につきましては、現在一般財源として既存の各種経費に充てているところでございます。したがいまして、仮にこれを社会保障の財源に充てたといたしましても財源の付け替えになるということで、他の経費の財源が不足するということになりますので、現在の厳しい財政事情を踏まえますと困難であるというふうに考えております。
#118
○木村義雄君 私は税の話だけしているんじゃないんですよ、収入全体の話をまずしていますので。
 その点でちょっとこれは厚生労働省の健康局長にお伺いするんですけれども、たばこの収入を医療費に充てる仕組みは国際的には結構広がっているんですね。特に米国では相当巨額な数字が充てられているというふうに聞いているところですけど、健康局長、どういう具合に外国の状況を把握しておられます。
#119
○政府参考人(福島靖正君) お答えいたします。
 たばこの収入のうち、税収については、まず、昨年九月に公表いたしました喫煙の健康影響に関する検討会報告書、これにおきまして、たばこ税の一部を医療や予防、健康増進目的のために配分している国として、アジアでは、インドネシア、フィリピン、タイ、韓国などがあるというふうに挙げられております。また、この報告書では、米国の一部の州やスイスなど、たばこ税を目的税化している国や地域もあるとされております。
 このほか、米国のCDCのホームページで確認いたしましたところ、たばこの収入を医療費に充てる仕組みであるかどうかは定かではございませんが、米国でたばこ会社と州政府との間で訴訟が起こりまして、一九九八年に和解、包括的和解締結されておりまして、この同意の中で、二十五年間で二千六十億ドルがたばこ会社から四十六の州及びワシントンDCに支払われることになっているという記載があるというふうに承知をしております。
#120
○木村義雄君 二千六十億ドルというと、二十三、四兆円ぐらいになると。巨額な金額ですよね。それで、こういうのがもう既に様々な形で医療費に還元されたり医療費の方に回ったりなんかしているわけですね。
 それで、財務省がさっきの答弁では、何かもうほかに使っちゃっているからそっちに回るのないと言ったって、たばこ会社も巨額な収入を上げて何かいろんな産業に手出したりなんかしているじゃないですか。今のアメリカの例挙げたって、もし裁判が起こってアメリカと同じような判決が出た場合には、これは相当やっぱり広範囲に負担しなきゃいけないというのは当然のこととなってくるんじゃないかと思えてならないんですけれども。基本的にたばこというのは財政物資と言われている、財政物資と言われている。これで収入を得ていると。財務省は、このたばこの収入を医療費に充てないように、充てようとしないどころか、逆に医療費を削減しているじゃないですか。(発言する者あり)そうだという声がありますよね。これは全く、相変わらず変な話、無慈悲な話で、ひどい話ですよ。
 それで、特に骨太の方針二〇一五というのがありまして、ここでは社会保障費の伸びを三年間で一・五兆円の目安に抑えることとされており、医療費増の原因であるたばこ収入を得ておきながら、国民にとって必要な医療を無理に削減していると。これは犯罪的な出来事ですよ。ちょっと、これに関してはどういう財務省としてお考えになっているか、お聞かせいただきたいと思います。
#121
○政府参考人(可部哲生君) お答えいたします。
 我が国の財政は今大変厳しい状況にございまして、医療、介護を中心といたしまして、今後も高齢化により毎年歳出が増加していくというふうに見込んでおります。
 こうした状況を踏まえまして、今委員御指摘ございましたように、基本方針二〇一五におきましては歳出改革に取り組んできているところでございますけれども、その基本的な考え方といたしましては、一つは、やはり財政あるいは社会保障制度、これらを持続可能なものとして今後も国民の皆様方に必要な医療、介護を効率的に提供できるようにしていくことが必要であるということでございます。もう一つは、安倍内閣発足から三年間の予算編成におきまして社会保障の実質的な増加が三年間で一・五兆円であったという実績を踏まえまして、その伸びを、その続く三年間においても三年間で一・五兆円という目安に沿って予算編成をする、こうした二つの考え方に基づきまして現在の骨太方針というのが運用されているところでございます。
 他方で、たばこにつきまして、財政物資として活用しているという委員の御指摘もございました。財務省は、たばこ税を所管し、またたばこ事業法にのっとって、国民経済の健全な発展あるいはたばこ産業の健全な発展、そして財政収入の安定的確保、こうした観点からたばこ産業に関わってきているところでございます。
 与党における御議論等も踏まえながら、必要な対応については適切に対応してまいりたいと考えております。
#122
○木村義雄君 たばこ会社の健全な発展は取り組んでも、国民の皆さんの健康の健全なそれは全然無視して医療費を削るなんというのはもってのほかですよ。(発言する者あり)御声援ありがとうございます。
 だから、おかしいじゃないかと、それは。何で、たばこ会社の健全な発展というのは、やっぱり国民の健康のそれこそためにやるんじゃないですか。国民の健全のためにやるんじゃないですか。それを無視してたばこ会社の方ばっかり、OBのいるたばこ会社ばっかり、健全な発展なんて言ったってしようがないじゃないですか。どう思うんですか。
#123
○政府参考人(可部哲生君) 喫煙と健康の関係につきまして様々な御議論があることは十分に認識をいたしております。その上で、財務省といたしましては、税法あるいはたばこ事業法、こうした法令にのっとりまして適切な御負担をいただきますとともに、適切に対応してまいるということでございます。
#124
○木村義雄君 適切に対応するってどういうこと。
#125
○政府参考人(可部哲生君) 税法に基づく御負担をいただきますとともに、たばこ事業法に基づきましてたばこ業界を所管している立場から、与党における御議論も踏まえて必要な対応を行ってまいるということでございます。
#126
○木村義雄君 たばこ業界って言ったって、日本にあるたばこ業界ってどこまでをたばこ業界って言うの。それは小売店はあるよ、普通の販売店はあるけど。だけど、大本はあのOBでやる会社だけじゃないですか。
#127
○政府参考人(可部哲生君) たばこ業界と申しましたのは、たばこの小売あるいはその製造、そしてそもそもの原材料を生産している方々でございます。
#128
○木村義雄君 生産者の農家って業界なんですか。
#129
○政府参考人(可部哲生君) 広い意味でのたばこ業界という意味でございます。
#130
○木村義雄君 余りその言葉はぴんとこないな。
 そこで、さっき骨太と言ったんですが、一・五兆円の目安と書いてありますね。目安というのはどの程度の範囲までを言うんですか。
#131
○政府参考人(可部哲生君) 先生御指摘のとおり、骨太の方針には目安と書かれておりますので、それを目安として予算を調整するということでございます。
#132
○木村義雄君 だから、目安ってどのくらいの範囲かとお尋ねしているんですが。
#133
○政府参考人(可部哲生君) これは、与党並びに政府内で議論された上で目安という言葉で決定をいたしておりますので、それに私の方で付け加えたり、あるいは引いたりすることはせず、目安ということで適切に運用させていただきたいと考えております。
#134
○木村義雄君 御都合主義でできるってこと。幾らでもいいってことや。そうでしょう。
#135
○政府参考人(可部哲生君) 目安につきましては、先ほども申し述べましたように、安倍内閣の最初の三年間の社会保障関係費の実質的な増加が高齢化による増加分に相当いたします伸び、すなわち一・五兆円程度であったということなどを踏まえて、その基調を平成三十年度まで継続していくと、こうした事柄を指して目安というふうに呼ぶというのが現在の骨太方針でございます。
#136
○木村義雄君 全然理解不能ですね。言語明瞭、意味不明瞭の典型みたいな回答だと思うんですが。
 それじゃお尋ねするんですけれども、骨太の方針二〇一五では社会保障費の伸びを三年間で一・五兆円の目安で抑えるということにしましたね。そうすると、大体一年当たりでは五千億となるんですが、実際に平成二十八年度予算の社会保障費は、対前年で四千四百億の増加に抑えられて、要するに六百億ばさっと切っているじゃないですか。これはどういうことなんですか。
#137
○政府参考人(可部哲生君) 委員の御指摘は、平成二十八年度予算における社会保障関係費の伸びが約四千四百億円であったのではないかと、これは目安である五千億円を下回っていたのではないかという御指摘かと存じます。
 これは、二十七年度予算におきまして一時的な歳出でございます子育て世帯臨時特例給付金がございましたけれども、二十八年度予算においてはこれが計上されていないということによりまして約六百億円の減額がございました。したがいまして、この臨時特例給付金を除く医療、介護、年金などの社会保障の伸びにつきましては五千億円、それからこの一時的な影響を除いた金額が四千四百億円であったということでございます。
 ちなみに、この二十七年度予算における一時的な歳出の伸び約六百億円は、元々、安倍内閣の最初の三年間の伸び一・五兆円には、一時的な歳出であるということをもって加えておりません。
 したがいまして、元々の最初の実績一・五兆にも入っておりませんし、また、目安をカウントする際の三年間で一・五兆円といっている伸びにも加えていないということでございまして、この給付金を除く年金、医療、介護等の社会保障の伸びは五千億円であったということで、実質的な伸びは五千億円であるというふうに申し上げてきているところでございます。
#138
○木村義雄君 今日皆さんにお配りした資料の後ろから二番目、枚数でいうと四枚目、四枚目を見てください、四枚目の上の段。これは、今お話、説明があった平成二十八年度厚生労働省予算の全体像。これ、昨日インターネットで厚生省のホームページから引き出したんですけれども。
 これ見たって分かるとおり、一般会計のうちで社会保障関係費、増減という真ん中の欄、四千百二十六と。それから、社会保障関係費、政府全体、これ、ほかに内閣府とかなんかでも予算があるので、少し、それを入れたって、四千四百十二億と書いてある。
 確かに、あなたが言っている子育て世帯臨時特例給付金って、こんなの、訳の分からないの入れるから。さっき訳の分からない説明していましたよね、何か、これは臨時的で、続いているものじゃないとか何とかかんとか言っていたけど、これ入れて四千四百億を約五千億に増やして、五千億とつじつま合わせただけじゃないの。言ってみれば、これは幽霊みたいな存在ですよ、この数字は。
 だから、ちゃんと厚生省のホームページでも、社会保障関係費、四千四百億と。あなたの言っているのは括弧書きの方で、これを注で書いたと、入れたから四千九百九十七億で、これは恐らく財務省からの指摘があったんで入れたのかもしれないけど。厚生省のホームページでも四千四百億となっているじゃないですか。だから五千億じゃないよ、これ。粉飾、粉飾。
#139
○政府参考人(可部哲生君) お答えいたします。
 ただいま委員御指摘のとおり、二十八年度社会保障関係費の増額は四千四百十二億円でございます。ただ、そこには、前年度限りの、一回限りの経費の減の影響がございまして、それが、注の四に書いてございますとおり、子育て世帯臨時特例給付金五百八十七億円が含まれており、二十八年度予算案に当該給付金を計上しないことに伴う影響額、三角五百八十七億円などを考慮しない場合、社会保障関係費の増減額は四千九百九十七億円となると、ここが私が申し上げました、実質は五千億円というところでございます。
 骨太二〇一五の閣議決定文におきましては、安倍内閣の最初の三年間の社会保障関係費の実質的な増加が一・五兆円とあり、この基調を平成三十年度まで継続していくとしておりますので、実質的な増加を一・五兆円程度にするという趣旨でございます。
 したがいまして、こうした一時的な経費の増減については、元々の一・五兆円にもカウントしておりませんし、また、この目安を実施する際にもカウントしないということで一貫させているというところでございます。
#140
○木村義雄君 カウントしないと言ってカウントしちゃっているじゃない、逆に。
 じゃ、この子育て世帯臨時特例給付金約六百億をカウントしなければ、やっぱり二十八年度は増減で四千四百億に抑えられているじゃないですか。そうでしょう。だって、カウントしないんだったら、何でカウントしているの。こんなこと書かなきゃいいじゃない。こんな注、書かなきゃいいじゃない。そうすると、そのまま四千四百億ですよ。だから、五千億の目安と言いながら四千四百億に抑えていて、六百億をがさっと切っているわけ、どんと切っているわけ。
 この年の医療費なんか、見てくださいよ、その下の方の欄、その下の方の欄に医療費という、この伸び、何と五百三十八億円。じゃ、前年がどうだったかというと、前年は前のページ、前のページは何と二千九百億円ですよ。この二十八年度というのは医療費が五百三十億。二千億台からどんと、これ診療報酬改定とか何かいろんなあったよね、制度改正で、がさっと切ったわけですよ。こういうことをしているじゃないですか。これ、何なんですか、これは。
 だから、そもそも一兆五千億の目安というので我々はおかしいと言って、こんな目安を付けること自体がおかしいと言ってがあがあ言ったら、これは目安だから、幅が広いからと、こう言いながら、実際はこういう切り方をしておいて、自分たちの方で都合のいい目安にしちゃっているじゃないですか。どう思うんですか、これ。
#141
○政府参考人(可部哲生君) 先ほども申し述べましたように、この一時的な一回限りの経費でございます子育て世帯臨時特例給付金以外の年金、医療、介護、こうした主要な社会保障分野における経費自体は五千億円増加しているというのが二十八年度予算でございます。
 そういう意味で、先ほど二十七年度の数字と比較したお話がございましたけれども、二十七年度は二十六年度にございました消費税率の引上げに伴う社会保障の充実の平年度化の影響もある年でございますので、同列には比較できないということでございます。
#142
○木村義雄君 同列に比較って、こっちは同列に比較しておいて、こっちは同列に比較しないでといって都合のいいことを言ったって駄目ですよ。(発言する者あり)いつもの手だという御意見もございます。
 そこで、少なくともこの六百億円は取り返してもらわないと困る。返してもらわないと困ると。だから、新しい年度は、平成二十九年度はちょうど五千億にしたんだ。だから、新しい、来年はこの六百億しっかり返してもらって、最低でも五千六百億か、あるいはそれ以上の六千億超でもいいと思うんですよね。
 そこで、今日は、今言ったとおり、財務省は、一方で財政物資と言いながら、どんどんどんどんたばこをある意味さっき言ったように何か業界を守るようなことを言って、業界の健全発展とか言っていながら、片っ方で医療費を削るという、こういう矛盾したことをやっている、本当におかしいと。
 また、厚生労働省の方はそんな財務省の言いなりになってやられっ放しじゃ困るので、平成三十年度における診療報酬、介護報酬の同時改定と言っていますけれども、現場からは何かマイナス改定だといって懸念する声もよく聞かれます。ここはやっぱり、特に地方でもって今雇用を守っているのは、雇用でプラスの雇用が出ているのは医療、介護、福祉だけなんですよ、率直に言って。ここでまた厳しい医療費改定、介護費改定をやったら、これは大変なことになるの。
 そこで、保険局長、ちょっとしっかりと決意をあなた聞かせてよ。
#143
○政府参考人(鈴木康裕君) 平成三十年の診療報酬、介護報酬の同時改定についてお尋ねがございました。
 御存じのとおり、平成三十年は六年に一度の診療報酬と介護報酬の同時改定でございますけれども、いわゆる団塊の世代が七十五歳以上になる二〇二五年までの残された期間が短いことを考えますと非常に重要であるというふうに考えております。また、御指摘のとおり、医療・介護分野というのは従事者が年々増加をしておりまして、地域の雇用にとって大変重要であるというふうに認識をしております。
 このため、今回の同時改定におきましては、地域包括ケアシステムの構築と医療機能の分化、連携の推進、ICT等を活用した現場の負担軽減など、質が高く効率的な提供体制の整備を図りたいというふうに思っております。二〇二五年以降の超高齢社会においても、制度を維持しつつ、適正化すべきことは実施しながらも、質が高い医療、介護を安心して受けていただけることができるよう、関係者の意見をしっかりと伺いながら、平成三十年同時改定に向けて努力をしたいというふうに思っております。
#144
○木村義雄君 ところで、保険局長に引き続きお伺いするんですが、日本老年学会と日本老年医学会から、今までは五十年間、高齢者を六十五歳以上としていたと、ところが、それはやっぱりちょっと間違っていたと。これからは高齢者は七十五歳以上にしようと。そして、七十五歳以上を後期高齢者と言っていたんですが、また、この後期高齢者というネーミングで我々はひどい目に遭った。これは厚生省が大いに問題ある。そこで、この学会は、後期高齢者を九十歳以上と、スーパー高齢者、超高齢者としたんですよ。
 そこで、今、後期高齢者のいろんな、まだ名前が厚生省の中に残っていますけれども、私はこの後期高齢者の名称を変えるべきだと、こう思いますが、これ、局長さん、どういうふうにお考えですか。
#145
○政府参考人(鈴木康裕君) 後期高齢者についてお尋ねがございました。
 御指摘のとおり、日本老年学会、日本老年医学会におきましては、医学的な立場から、高齢者の定義について六十五歳から七十四歳を准高齢者、七十五歳から八十九歳を高齢者、九十歳以上を超高齢者としてはどうかという提言がなされたということは承知をしております。
 後期高齢者医療制度につきましては、平成二十年の制度創設当初、私どもの説明不足等もあり、名称を含めて高齢者の方々の心情にそぐわない点があったというふうに考えておりまして、謙虚に反省をするべきものというふうに考えております。
 後期高齢者医療制度は、制度施行から十年を迎えまして、定着しているとは思いますけれども、制度の名称をどうするかということにつきましては、法改正事項でもございますので、医学的見地、制度が定着しているかどうか、他制度との均衡、高齢者の方々の意識等々、様々な角度から総合的な検討が必要な課題であるというふうに認識をしております。
#146
○木村義雄君 今、高齢者の方々は低所得化あるいは生活保護へどんどん入っているというような話もありまして、これ厳しいのは、やっぱり医療費や介護費や、後期高齢者のお金が、負担が天引きでもって行われているので、年金はどんどんどんどん見かけ上下がっていく、実際にも下がっていく、それから、金利がゼロ金利で預金から利息は入らないということで、大変厳しい状況になっているので、もう名前もさることながら、中身をもう一遍見直す必要があるんじゃないかなと、私はそう思えてなりません。
 ところで、老健局長、せっかく来ていただきましたので、高齢者の、あるいは障害者等に対する身体拘束についてちょっとお伺いするんですけれども、医療においては精神保健指定医というのがありまして、ここは精神保健指定医は身体拘束できるんですよ、法律的に。
 ところが、介護や障害の分野では、本来はできないはずなんだけれども、例外的な身体拘束を許可する制度的な枠組み、これ、もう少しやっぱり真剣に私は考える必要があるんじゃないかと。余りにもこれが安易に行われていると様々な問題点も今出ているところでありますので、精神保健指定医のような専門家を介護や障害の分野でも設けることを検討して、例外的に許容される身体拘束の明確なルールや適切な報告体制、これ精神保健指定医の場合にはしっかりと報告体制ありますので、そういう制度をしっかりと構築するべきじゃないかと思うんですが、いかがですか。
#147
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。
 まず、現行の仕組みについて申し上げたいと思います。お話のような入所者に対する行動制限、身体拘束といった点はいろんな面での弊害があるということで、身体拘束ゼロに向けた取組を進めることが大事だと考えております。
 現在、この仕組みでございますけれども、いろんな介護事業者の施設の、あるいは設備運営基準がございまして、ここで、緊急やむを得ない場合を除き、身体拘束その他入所者の行動を制限する行為を行ってはならないというふうにされております。
 その上で、ここでいう緊急やむを得ない場合の具体的な解釈については、一つは切迫していること、あるいはほかに方法がないといった意味で非代替性があること、さらには一時的であること、そのような要件を示しているところでございます。その判断については慎重に行って、安易に身体拘束を行ってはならないというふうに仕組みができているところでございます。
 お話がございました専門家の関与についてでございます。介護施設等において、今申し上げました緊急やむを得ない場合の判断が適切に行われ、安易に身体拘束が行われることがないようにすることが極めて大事でございますので、自治体と連携して制度の趣旨を周知徹底していくとともに、御指摘のいろいろな形での専門家の関与も含めて、これをより一層進めるためにどのような方策があるかについてよく考えていきたいというふうに考えております。
#148
○木村義雄君 以上で終わります。御声援ありがとうございました。
#149
○石井みどり君 自由民主党の石井みどりでございます。
 先週、久しぶりに共産党の小池委員がカムバックされて質問されました。私も地域医療構想について今日は質問させていただきますが、今、全国の都道府県ごとに二〇二五年の病床の機能分化と連携の議論が地域医療構想というところで進んでいることは、もう皆様御承知のとおりだと思います。これについて病床削減が主たる目的ではないかとの疑義が持たれていました。日本医師会などからも非常に議論が起こされたということも皆様御承知のとおりだろうと思います。
 この地域医療構想において各機能分化病床の必要病床数は、二〇二五年の将来の推計でありますが、いずれもその将来において基準病床数との整合性が検討されるであろうと思います。全国の医療の提供体制に大きな影響を及ぼすと思います。したがって、これらの推計というのは厳密にかつバイアスが入らないようにしないと、現場は大変な混乱を来しますし、そしてまた国民にも過大な負担を与えるものとなるかと思います。
 そこで、まず、必要病床数についてお聞きをしたいと思います。
 平成二十五年度、二〇一三年のナショナルデータベースのレセプトデータによる療養病床の入院患者数のうち、医療区分一の患者の七〇%を在宅医療等で対応する患者数として見込むこととありますが、この根拠を厳密に御教示いただきたいと思います。この根拠を突き詰めると曖昧であるというような声もありますが、ですから、是非正確にお答えいただきたいと思います。
#150
○政府参考人(神田裕二君) お答えいたします。
 医療区分一の患者の七〇%が在宅医療等で対応できる患者数として見込んでいる根拠についてでございます。
 この根拠については、平成二十五年の日本慢性期医療協会の調査では、会員である二百四十病院に入院している医療区分一の患者について、独自に設定した、これは慢性期医療協会の方で独自に設定した五段階の重症度別に当てはめますとどうなるのかという質問をその病院にしたところ、五段階のうち上位二段階に当てはまる約三〇%の患者が医療区分二に相当するという結果が得られていることから、残りの七〇%は在宅医療等で対応できるというような考え方に結び付いているということでございます。
 それから、更に古い調査でございますけれども、平成十八年の日本医師会の調査におきまして、医療区分一の患者の退院可能性について約六三%は病状は安定しており退院可能ということでありますけれども、この六三%のうち多くが在宅での受入れ困難のため現実には退院不可能な状況にあるという結果が得られているところでございます。
 こうした調査結果を参考にしながら、医療関係者や自治体関係者等を構成員とする地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会という有識者の検討会で議論をした結果、医療区分一の患者の七〇%は介護施設や在宅医療等で対応可能な患者数として見込むこととしたものでございます。
#151
○石井みどり君 今、結局、日慢協のデータしかなかった、あと日本医師会のデータも都合よくお使いになったんですが、しかし、これは実態とかなり乖離しています。
 そこで、広島県においてはこの根拠の説明は納得できないということで実態調査を行っています。広島県は、病床の必要量を暫定推計値と、余り聞いたことないのですが、これ広島県独自の表現なんですが、病床必要量を暫定推計値と位置付けた上で独自に医療療養病床の入院患者の実態調査を行っています。この調査結果から、慢性期の病床については、現状では療養病床の需要を入院と在宅医療等に明確に区分することが困難であるという実態調査が出ています。
 何かといいますと、なぜ困難かといいますと、これは区分一が広島県の調査だと予想以上に重度の方が多いというんですね。考えてみれば当然なんですね。区分三、二、一というのは、これは、医療療養病床ですから、診療報酬上の区分けでしかない。患者さんの病態は、たとえ医療区分三であっても、算定期間がありますから、それを過ぎると区分一に落ちてしまう。
 よく、高齢者で、区分三は非常にこれハードル高いと思うんですけれども、医療区分二に関しては、これも今度、医療区分については別途議論をさせていただこうと思うんですが、区分三は非常に高いんですね、ところが、ハードル高い、医療区分二に関してはすごく雑多というか、重度から、まあ軽度とは言いませんけれども、非常に疾患がばらばらなんですね。筋ジストロフィーとか多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症みたいなものはこれ数少ないと思うんですが。ところが、パーキンソン病関連疾患みたいなのもある。それから、脊損もあったり、それからCOPD、慢性閉塞性肺疾患、これもかなり数あると思うんですけれども。高齢者で結構多いはずの胆道系がこれ入っていないんですね、胆道炎とか胆のう炎とか、これ入っていない。それで、褥瘡とか譫妄、うつ状態みたいなのもあるんです。
 これは、状態と医療処置とか混在した区分になっている、ここに混乱があると木村大先輩はおっしゃるんですが、要は算定期間が、例えば区分三で酸素療法を実施しているのがこれ三十日間しか算定できないんですね。ところが、そう簡単に、診療報酬上の評価のように、人間、体うまくいきません。三十日超えたらどうするかと、一に落ちてしまうんですね。
 それとか、熱発のところもそうですが、発熱があって脱水のようなところはこれ七日間しか算定ができない。それ過ぎても当然、状態が続いているわけですよ、患者さんにとって。それが過ぎると今度一に落ちてしまうんですね。だから、当然なんですよ、思った以上に重度の方が多いという。これが広島県で実態調査をして分かったんですね。
 広島県では、調査の結果、区分一の調査もやったんですが、その後、全区分の調査もやっています。区分一が予想以上に重度が多かったというのは当然です、今のような話で。
 ですから、広島県では、高度急性期、急性期、回復期は、これは指定どおりの数字で出ているんですが、この慢性期に関しましては、区分一をヘビーとライトという概念を作って分けているんですね。これはやっぱり算定期間の期限が過ぎると区分一に移行して落ちてしまうので、この重度の方々というのは、区分二であったり三であったものが、これが続いている、遷延化したりあるいは重度化したものであるから、病態からいくと決して区分一ではないけれども、算定期間を過ぎるとそういうことになる。ですから、区分一のうち、二百七十七名のうちヘビーというのが百五十二名で、そしてライトというのが百二十五名、要はヘビーが五四・八%、ライトが四五%ということですので、入院継続が必要な方々が半数以上あった。で、四五%のライトという方々が在宅医療等への移行を検討できる対象となるわけであります。
 そこで、地域医療の構想策定ガイドラインの二十二ページの三にありますように、都道府県の考え方をまとめることというふうにあるんですが、都道府県間での供給数の増減を調整する場合というような、こういう場合は都道府県の考え方のそれぞれをまとめることというふうにあるんですが、県が独自で考え方を出す、こういう表現をすることは私は適切であろうと思います。国民のニーズをより正確に把握をして、その実態に対応した施策が立てられるべきであろうと思います。
 いつも言いますが、医療側に求められるのはEBMといって、エビデンスがないと政策につながらなかったり評価につながらない。しかしながら、厚生労働省がお立てになる政策というのはえてしてエビデンスに基づいていない。いつも申し上げているんですけど。労働政策でもそうです。もっと自分たちに対しても厳しくきちんと政策評価をして実態に合ったものをベースにしてお出しになるべきだろうというのは毎度申し上げていることであるんですが。
 広島県は実態調査をしたのでこういうことが分かったわけですね。これは地域格差があるわけです。精神保健医療福祉法、大変長い間審議をさせていただきました。そのときも措置入院の患者さんの数がかなり全国で格差があった。私もそのデータ出しましたし、川合委員からも御指摘があった。地域格差がかなりある。ですから、本来ならば、その格差があるわけですから、各地域ごとに地域にとって適切な施策が立てられるべきで、全国一律の政策を押し付けるというのは、これはおかしいんではないんでしょうか。また、厚生労働省は、全国一律の、押し付けることによって、一律の政策をですね、実態と乖離していてそごが生まれてということを過去繰り返しておられるんですね。反省がない。
 ですから、まず実態調査をしてニーズを把握することが私は施策のスタートではないかというふうに思いますが、いかにお考えでしょうか。
#152
○政府参考人(神田裕二君) 地域医療構想におけます将来の病床の必要量の推計に当たりましては、厚生労働省が都道府県にお示しした平成三十七年、二〇二五年の病床の必要量の推計方法におきましては、患者の地域間での移動を考慮して都道府県間や地域間で医療需要を調整することや、療養病床の入院受療率に関し大きな地域差があることを踏まえた縮小率の目標を選択するなど、地域の実情に応じた対応を行うこととされているところでございます。
 議員御指摘のように、広島県の例を御指摘いただきましたけれども、都道府県で独自の療養病床等の慢性期医療の実態調査を行ったところは、宮城県、長野県、京都府、島根県、高知県などがあるものというふうに承知をいたしております。これらの独自の調査を行った自治体も含めまして、各都道府県においては、国でお示しした推計方法も踏まえまして、昨年度末までに、地域の医療関係者、保険者、患者、住民の方々の意見を聞きながら、先ほど申し上げた患者の地域間での移動に関して現状や将来の見通しを踏まえた地域間での医療需要の調整でございますとか、地域差を踏まえた入院受療率の縮減目標の選択などの判断を地域ごとに行った上で推計をして、地域医療構想が策定されたものというふうに承知をいたしております。
 地域医療構想は、先ほど先生も御指摘になられましたように、あくまでも平成三十七年の病床の必要量を推計をするということであって、機械的に病床を削減するためではなく、介護施設や在宅医療等の受皿の整備を含め、地域ごとの医療ニーズに応じた病床の機能分化、連携を進めていくためであります。
 今後、各地域におけるその達成方策の検討に当たっても、地域の医療関係者等が参画する地域医療構想調整会議において地域の実情を踏まえた議論が進められるように、我々としてもそのように進めてまいりたいと考えております。
#153
○石井みどり君 今の御答弁を伺っていると、地域で調査したところが何件かある、それは独自で自発的に行われたんですけれども、その他には一律のデータを出しておいて、それでいて地域には地域のことをと言う。都合のいい、いかにも地方分権的なことをおっしゃるんですが、しかし、随分それ、さっきから木村委員もおっしゃっていた御都合主義だと、まさに御都合主義の典型ですね。
 ですから、広島県は、何度も申し上げますが、医療区分一の七〇%の患者が在宅療養等で十分対応できるとは言い切れないと、はっきりそういう報告を出しています。ですから、ここが、さっき申し上げたんですけど、広島県の場合は、慢性期は、暫定推計値、初めて聞いたんですけれども、しかもそれを、他のところのものはみんな、数、きちんと、高度急性期は二千九百八十九床、急性期が九千百十八床、回復期は九千七百四十七床とあって、慢性期だけ六千七百六十床以上というような書き方がしてあるんですね。
 結局、実態を見るとはっきりしないから、こういう言い方をしないと後で結局県が大変な思いをするというのでこういう表現になったんだと思うんですが、ほかにもこういうようなことありましてですね。
 じゃ、次に、地域医療構想策定ガイドラインの十八ページのところに、入院受療率の地域差の解消目標としての指標として、全国最小値、県単位、全国最大値、これも県単位、そして全国中央値、県単位、これが挙げられているんですけれども、これを指標として取り上げるのは適切なんでしょうか。単に全国の平均値をよしとする考え方は、これはまさに地方分権に逆行するんではないんですか。あしき社会主義の一つだと思いますよ。
 地域格差の要因というのはかなり多様な要因があると思うんですね。ですから、この地域格差を考えるならば、多変量による解析を各地域ごとに行って、各地域ごとの適切な入院受療率を算定して地域差の解消目標を立てるのが本来の科学的な思考法ではないんでしょうか。いかがお考えでしょう。
#154
○政府参考人(神田裕二君) 療養病床の入院受療率の地域差の解消目標として使われている数値等についてのお尋ねでございますけれども、都道府県別の療養病床の入院受療率を見ますと、高齢化等の要因を調整したとしても、最大の高知県と最小の長野県では約五倍の差があるところでございます。
 本来、患者が入院を必要とする割合が、地域で体の状態にそんな大きな差はないという前提に立ちますと、入院受療率の地域格差は一定程度縮小していくべきものと考えられることから、将来の病床の必要量の推計方法においては地域ごとに入院受療率の縮小率の目標を設定していただくこととしたところでございます。
 具体的な目標の設定の方法といたしましては、先生今御指摘ございましたけれども、都道府県単位で全国最小の山形県のレベルまでに各構想区域ごとの入院受療率を縮小させるパターン、それから、都道府県単位で全国最大の高知県、都道府県単位で全国中央値の滋賀県、県単位の最大を県単位での中央値のレベルまで減少させるというその比率を用いて縮小するパターンの、この間でそれぞれの構想区域で用いる減少率を設定していただくということにしておりまして、この選択に関しては地域の医療関係者、保険者、患者、住民の方々の意見を聞きながら地域ごとに判断をしていただいているところでございます。
 したがいまして、先ほど先生御指摘ございました、それぞれの県で行った調査等に基づいてこの範囲で減少率をそれぞれの地域の実情に応じて設定していただくということはできることになっているところでございます。
 地域医療構想におきましては、先ほども申し上げましたけれども、二〇二五年の病床の必要量を推計いたしましたのは、あくまでも介護施設や在宅医療等の受皿の整備を含めて、地域ごとの医療ニーズに応じた病床の機能分化、連携を進めていくためということでございます。
 今後、各地域におけるその達成方策の検討に当たっては、地域の医療関係者などが参画する地域医療構想調整会議において、御指摘の地域格差の要因等を十分勘案していただきながら地域の実情を踏まえた議論が進められるように、私どもとしてもそうした進め方で推進していきたいというふうに考えております。
#155
○石井みどり君 今の御説明の地域差の解消目標で、計算式でパターンAとパターンBがあると。パターンAは何か財務省が出した方式で、パターンBが厚生労働省が出した。パターンAの場合は、要は全国最小値というところまで入院受療率を低下する、こんなところ採用する県ないですよね。当然、だから四十七都道府県全てがパターンBを採用したと聞いているんですけれども。ちょっと本当にあほみたいな話なんで、今もとうとうと計算式をおっしゃったんですが、しかし、本当にそれが実態を反映しているかどうかは私は別問題だと思います。
 今度、ガイドラインの二十三ページのところですが、これの、医療需要に対する医療供給を踏まえた病床の必要量、必要病床数の推計に関して、病床の稼働率、これを高度急性期が七五%、急性期七八%、回復期九〇%、慢性期は九二%になっておりますが、これの根拠を教えてください。
#156
○政府参考人(神田裕二君) 地域医療構想策定ガイドラインにおきましては、医療需要に対する医療供給を踏まえた病床の必要量を推計するために、四つの機能ごとに異なる病床稼働率を定め、医療需要をこれらの率で割り戻すことによって病床の必要量を推計することとしているところでございます。
 この四機能ごとの病床稼働率の設定に当たりましては、一般病床の病床利用率である七六%というものを基準といたしまして、複数の調査を参考にして、高度急性期が病床稼働率が低くなり、回復期が高くなるように傾斜して配分することで各機能の病床稼働率を仮定して、医療関係者等も参画する有識者検討会で検討いただいて定めたものでございます。
 また、慢性期の病床稼働率につきましては、基準病床数制度において設定されていた療養病床の病床稼働率である九二%を使用したものでございます。
#157
○石井みどり君 今の御説明で、複数の調査というのは何と何でしょうか。
#158
○政府参考人(神田裕二君) 一般病床の病床利用率につきましては、平成二十五年の病床報告におけます一般病床全体の病床利用率が七六%であったということであります。
 それから、高度急性期につきましては、これは診療報酬改定の検証における調査における特定集中治療室管理料、いわゆるICUを算定している病床の利用率が約七五%であったこと、それから、回復期につきましては、回復期リハビリテーション協会が会員の病院に対して行った調査を参考にいたしまして九〇%にしたということで、それぞれ今申し上げたような調査を基に病床利用率を検討会で御議論いただいて設定したところでございます。
#159
○石井みどり君 時間がなくなってきてちょっと焦っているんですが、次に、医療計画における基準病床数についてお聞きをいたします。
 二〇二〇年の推計人口から基準病床数が療養病床を除いて計算されつつありますが、これと地域医療構想における必要病床数との整合性をどのように検討されるのか、お教えください。
#160
○政府参考人(神田裕二君) 地域医療構想における必要病床数と基準病床数との整合性をどのように担保していくのかということでございますけれども、医療計画におけます基準病床数というのは、病床の整備について、病床過剰地域から非過剰地域へ誘導することを通じて病床の地域的偏在を是正し、全国的に一定水準以上の医療を確保することを目的とする制度でありまして、過剰地域において病床の整備を制限する規制的な性格を有するものであるということであります。
 一方で、地域医療構想におけます必要病床数は、二〇二五年の医療機能別の病床の必要量を示すものでありまして、全ての患者が状態に応じて必要な医療を適切な場所で受けられるよう、将来の医療提供体制の構築を目指すものであります。
 今申し上げましたように、両者は目的が違うことから、必ずしも基準病床数と必要病床数が一致するものではありませんけれども、今回策定することになります第七次の医療計画の計画期間が平成三十五年度末まで、それから地域医療構想の目標年次は平成三十七年における必要病床数ということになりますので、両者の整合性を考慮した上で基準病床数を設定していくことが必要であるというふうに考えております。
 この矛盾が生ずるようなケースといたしまして、都市部で今後高齢化が急速に進む地域におきましては、現状では既存病床数が基準病床数を上回っているいわゆる過剰地域に該当して追加的な整備ができないということでありますけれども、二〇二五年時点での必要病床数が基準病床数を上回るというような地域がございます。そういった場合には、毎年基準病床数を見直す等の対応を行うことによって必要な病床の整備ができるように対応していくことを考えているところであります。
 その場合でありましても、将来、二〇四〇年を越えた時点などでは高齢者人口がピークアウトするということが考えられますので、その後の医療需要の推移でありますとか、医療圏における医療需要だけではなくて、ほかの医療圏との患者の流出入の状況、基幹病院等へのアクセスといった交通機関の整備状況など、それぞれの地域の実情に十分留意した上で基準病床数を定める必要があると考えております。
#161
○石井みどり君 もう本当に時間がなくなりましたので二問スキップさせていただいて、本年三月三十一日付けで医政局長通知の「医療計画について」というのが出ておりますが、これの二十六ページのところの注の七なんですが、ちょっとここから精神科の病床の話になろうかと思いますが、精神障害者の重症度判定及び重症患者の治療体制等に関する研究、この研究を基にいろいろ出されているんですが、この研究見ましたけれども、全国で六百六十三病院で四千九百七十八人分の全国のデータを出されています。
 この基準病床数は各県ごとに算定されるわけですから、各県のデータを計算式の基にするべきじゃないんでしょうか。入院受療率の先ほどの議論のように、地域差を取り上げたり地域差を無視したりする御都合主義、まさに御都合主義だと思いますよ。精神科のみならず、ほかの医療データでも地域差が大きいものは大変多く見られます。重度かつ慢性の退院可能患者についても地域差の存在というのが想定されるわけであります。
 精神科の基準病床数の計算式は、各県のデータを基にするべきではないんでしょうか。これは、この研究というのを基にしているとあるんですが、今申し上げたように、これは全国のデータで各県のデータではないんです。今るる御説明あったんですけど、本当に御都合主義ですね。
 答弁簡潔にお願いします。
#162
○政府参考人(堀江裕君) 今御指摘の各都道府県の医療計画における精神病床に係る基準病床数を算定するに当たりましては、御指摘のとおり、できる限り地域の実情を考慮することが重要ということで、各都道府県が最新の患者調査のデータを活用して、各都道府県の入院受療率に三十二年度末の各都道府県の将来人口推計を掛け合わせまして自然体の入院需要を算出して、地域移行を促す基盤整備、治療抵抗性統合失調症治療薬の普及、認知症施策の推進による政策効果を差し引いて平成三十二年度末の入院需要を推計することとしていまして、この入院需要を踏まえまして各都道府県ごとの精神病床に係る基準病床を算定することにしていただくこととしてございます。
 各都道府県がそれぞれの政策効果を算出するに当たって参考になりますよう、御指摘の精神障害者の重症度判定及び重症患者の治療体制等に関する研究等の結果を国としての一定の考え方として御提供はしてございますけれども、最終的には各都道府県で地域の実情を踏まえて算出いただくこととしてございまして、厚生労働省といたしまして、各都道府県が地域の実情を踏まえて精神病床に係る基準病床を算定できるように支援をしていきたいと考えてございまして、そのツールといたしまして入院需要の推計ツールの開発とか配付というようなことも行いたいと考えてございます。
#163
○石井みどり君 時間がないのでもう終わりますが、しかし今の説明おかしいんですね。この全国を調査した研究のこれで、精神病床における入院期間が一年以上ある入院患者のうちの継続的な入院治療を必要とする者の割合のアルファというのは、これは、この研究を基にした、原則として〇・八から〇・八五の間で都道府県知事が定めるんですが、ベースのデータはこれなんですね。だからおかしいと言っているんですよ。各県の調査したデータではないと申し上げているんですよ。
 もう時間過ぎましたので、またの機会に、機会があれば、これは追及させていただきます。
 ありがとうございました。
#164
○小川克巳君 よろしくお願いします。
 平成十四年に橋本龍太郎先生の肝煎りで成立しました身体障害者補助犬法について、その実施状況等についてお尋ねをさせていただきます。
 時間がありませんので、委員の皆様には資料を配付してございます。そちらを参照していただければ有り難く思います。
 まず一番目に、身体障害者補助犬法の施行規則第二条第二項には、介助動作訓練については、介助犬使用予定者の障害の状況及び必要とする補助についての正しい評価に基づいて作成された訓練計画により行うこととされております。第三項については、専門的な知識を有する者との連携を確保するとともに、必要に応じ福祉サービスを提供する者等の協力を得なければならないというふうに定められています。
 この連携や協力についてどの程度図られているかなど、補助犬法施行後の実情について、把握していればお教えいただきたいと思います。
#165
○政府参考人(堀江裕君) お答え申し上げます。
 身体障害者補助犬につきまして、十四の盲導犬訓練施設、二十五の介助犬訓練事業者、二十一の聴導犬訓練事業者により行われてございまして、また、盲導犬は十四の国家公安委員会指定法人で、介助犬は七の、聴導犬は六の厚生労働省指定法人で認定が行われているところでございます。
 平成二十八年度は、盲導犬百五十一頭、介助犬三頭、聴導犬十三頭が指定法人により認定されておりまして、平成二十九年六月一日現在、盲導犬九百五十一頭、介助犬七十頭、聴導犬七十一頭が稼働しているところでございます。
 そしてまた、使用者から使用中止の報告があった場合ですとか身体障害者補助犬の適格性を欠く状況となった場合は指定法人が認定を取り消すこととなってございまして、二十八年度は盲導犬百四十九頭、介助犬八頭、聴導犬三頭の認定を取り消してございまして、取消し事由といたしまして、犬の方の死亡あるいは引退、あるいは使っている障害者の方の体調変化、入院してしまったとか、そういうようなことが挙げられているところでございます。
 身体障害者補助犬法の円滑な運用のためには、まずは現場の状況を十分把握することが重要でございまして、訓練事業者、指定法人の協力を得ながら連携して対応していくこととしてございまして、こうした補助犬法の理解が進みますよう関係者とよく連携を取りながら取り組んでまいりたいと考えてございます。
#166
○小川克巳君 是非積極的に進めていただきたいと思います。
 時間がありませんので、ちょちょちょちょっと簡潔にお答えいただければと思いますが、身体障害者補助犬について国民の理解等なんですが、医療機関ですら同伴拒否に遭うというようなことの話も聞こえてまいります。一般国民への周知もさることながら、医療従事者への補助犬に対する周知並びに意識啓発を喫緊の課題として促進すべきではないかと考えておりますが、その点、厚労省の見解を伺います。
#167
○政府参考人(堀江裕君) 身体障害者補助犬においては、医療機関など不特定多数の方が使用する施設等において身体障害者が補助犬を同伴することを拒んではならないという規定がなされているところでございますが、特定非営利活動法人日本補助犬情報センターが都道府県、政令指定都市、中核市を対象に行いました調査結果によりますと、平成二十六年度で各自治体が受け取った相談のうち受入れ拒否に関するものは四百二件ございました。医療機関についてということでは今のはなくて、全体なんでございますが、医療機関につきましては、身体障害者補助犬に関します理解を促進することを目的といたしまして、平成二十五年度には、日本医師会、日本看護協会、日本感染症学会等関係者の御協力の下、医療機関向けに身体障害者補助犬受入れマニュアルとリーフレットを作成して、各都道府県医師会に周知依頼をするなど普及啓発に努めてきております。
 また、今年度、補助犬使用者を含む障害者が医療機関においてどのような支援を求めているかに関します調査研究を実施することとしてございまして、成果につきまして医療機関に分かりやすく周知をしてまいりたいと考えてございます。
#168
○小川克巳君 ありがとうございます。
 それに類似しますけれども、身体障害者が雇用されるに際して職場等から補助犬の同伴を拒否されるような事例等は、少し前の二〇〇八年ぐらいにちょっと耳にしたことがありますが、その後事例等は確認されていないのか、また、実態等が把握されていないのであれば、その調査をするという考えはありませんでしょうかということについてお尋ねをします。
#169
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
 平成二十五年に障害者雇用促進法が改正されまして、去年四月から事業主に対しまして採用や解雇等の雇用分野における障害者に対する差別を禁止するとともに、障害者と障害者でない者との均等な機会の確保の支障となっている事情を改善するなどの合理的配慮の提供義務付けを行いまして、これらに反する場合につきましてはハローワークなどが事業主へ助言、指導、勧告を行うという仕組みになってございます。
 委員御指摘のように、身体障害のある方に対しまして合理的な理由なく補助犬の同伴を理由に募集や採用を拒否するようなことがございましたら、障害者に対する差別に該当しまして、障害者雇用促進法三十四条違反になります。助言、指導、勧告などの対象になります。
 現在、厚生労働省でこのような法に違反するような事例は把握してございませんけれども、今後とも法の周知徹底を図りまして、仮にそのような事例を把握した場合には、事業所を管轄するハローワーク等でしっかりと助言、指導等を行いまして是正を図ってまいります。
#170
○小川克巳君 ありがとうございます。
 隠れている事例は多分小まめに調べ上げれば出てくるんだろうというふうに思いますけれども、最後の質問でございます。
 東京オリンピック・パラリンピックを控えて海外から補助犬ユーザーが多数入国することが想定されるわけですけれども、海外で認定を受けた補助犬の日本での取扱いについて政府の見解をお尋ねします。この中、受動喫煙問題同様、遅れた国と言われぬ努力が必要だろうというふうに思っております。よろしくお願いします。
#171
○政府参考人(堀江裕君) 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会において、海外から多くの身体障害者補助犬使用者が来日することが予想されるところでございます。
 来日する身体障害者補助犬の受入れにつきまして、現状でございますが、身体障害者補助犬法に定める補助犬と同等に認められる犬について、地域の盲導犬協会やリハビリテーションセンターにおいて一時通行証を発行するといった民間の取組を行っているというふうに承知してございます。
 一方、補助犬に関します制度が海外と日本で異なっているわけでございまして、海外の補助犬の使用者に日本の制度を正しく理解いただき、使用中の補助犬が日本で受入れ可能かどうかを来日前に確認いただくことが大事なわけでございまして、厚生労働省では、既に海外の補助犬使用者の方に利用していただくための英語版のリーフレットを作成してホームページに掲載しているところでございます。
 本年五月から、身体障害者補助犬法や日本における検疫の仕組みなどにつきまして、海外の補助犬使用者向けのポータルサイトを作成して情報を発信しているところでございまして、さらに今年度は、海外からの身体障害者補助犬を円滑に受け入れるための課題と必要な対応について調査研究を行うこととしてございまして、成果につきまして指定法人を始め幅広く周知を行いまして、オリパラといったときに海外から補助犬を伴って来日した方が混乱することのないよう、幅広い周知に取り組んでまいりたいと考えてございます。
#172
○小川克巳君 ありがとうございました。
 皆様にシールを配らせていただいております。目立つところに貼っていただいて、啓発に御協力いただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#173
○石橋通宏君 民進党・新緑風会の石橋です。
 今日は一般質疑ということで、同僚の議員の皆さんの配慮で六十分丸々私がいただきましたので、じっくり質問させていただきますので、大臣含めよろしくお願いしたいと思います。
 今日は最初に、あんしん財団における労働問題について取り上げさせていただきたいと思います。
 あんしん財団ってなかなか皆さんなじみがないかもしれませんが、昔のKSDといえば思い出していただけるのではないかというふうに思います。その後、名称変更があって、あんしん財団ということで現存するわけですが、元々労働省、厚生労働省とは浅からぬ縁のある組織であります。
 最初に、塩崎大臣に、この財団について厚生労働省との関係も含めて少し御説明をいただければと思います。
#174
○政府参考人(山越敬一君) お答え申し上げます。
 一般財団法人のあんしん財団でございますけれども、昭和三十九年の十一月に設立をされました中小企業経営者災害補償共済会を起源としております。この共済会以来、中小企業に対して、従業員がけがなどをされた場合の治療費などを補償する保険業、これを主たる業務として行ってこられた団体であると承知をしております。
 この共済会でございますけれども、昭和四十四年に財団法人の中小企業経営者災害補償事業団となりまして、昭和五十六年にこの事業団が当時の労働省所管とされたわけでございます。その後、平成二十七年二月に一般財団法人として内閣府の所管となるまで、三十四年間にわたりまして厚生労働省が所管していた団体でございます。
#175
○石橋通宏君 今御説明いただきましたとおり、長年にわたって厚生労働省とずっと関係のあったところということです。
 お手元の資料の一の右側のところを御覧をいただければと思うんですが、このあんしん財団で本当にブラックとしか言いようのない人事労務管理問題が発生をしてきております。ここに書いてありますとおり、元々、特に女性の職員の方々、事務職として採用されて長年にわたって真面目に勤務をされて、経験と実績をずっと積み上げてこられた方々です。私も直接お話をさせていただきました。皆さん、本当、誇りを持ってずっとやってこられた。そして、新人の訓練から様々な対応までいろんな重責も任されてずっとやってこられた。それが突然経営者が替わりまして、経営方針が変わった。リストラをやりたくてもなかなか大手を振って首切れなかったからなのかもしれませんが、こういった女性従業員が突然営業職に配置転換されたんですね。
 そしてまた、その中の九名については、ここにもあります具体例の中ですが、全く縁もゆかりもない、そして多くの職員の皆さんは家族の事情などなどでとてもじゃないが転勤なんかできないと、にもかかわらず遠隔地に強制的に配転命令を出されて、結果、どうしても動けなくて退職を余儀なくされた、若しくは精神的に精神疾患などを患ってしまわれた、休職に追い込まれた、こういうふうに本当に大変な状況になってしまっております。
 これ、どうなんでしょう、大臣に是非お伺いしたいんですが、このような手法で人事労務管理を行う、退職強要としか思えないリストラ策を取る、これ、どうなんでしょう、一般的にこんなこと許されるんでしょうか。
#176
○政府参考人(山越敬一君) 一般論としてお答えさせていただきたいと思いますけれども、今御指摘がございました転勤あるいは配置転換でございますけれども、これは労働契約法には特に定めは置かれておりません。
 ただ、他方で最高裁判所の裁判例がございまして、これによりますれば、使用者が広い裁量権を持つものの、業務上の必要性がない場合や不当な動機、目的による場合などには権利濫用として無効になると解されているところでございます。
 それとともに、退職勧奨についても関連するわけでございますけれども、こういった退職勧奨を目的とする配転命令が無効であるかどうかということだと思いますけれども、これは個別の事情に即して司法において判断されるべきものだというふうに思っておりますけれども、いずれにいたしましても、働く方の保護を使命といたします厚生労働省といたしましては、企業内で違法なこういった退職勧奨でございますとか配転、出向等が行われることは不適切であるというふうに考えているところでございます。
#177
○石橋通宏君 一般例というお話でしたけれども、やはりこのように濫用に当たると思われる、これはやっぱり不適切だと、これはやっぱり、それはそのとおりだと思いますよ。
 特に、ここ、あんしん財団で何が行われたかというと、そうやって強制的に全く経験も何もない営業職に配転させられて、すぐに結果を出せと、結果を出さなかったら減給だということでパフォーマンスと結び付けられて実際に減給された、こういうこともまかり通っているわけです。それはやっぱり当該当事者の方々からしてみれば本当にいじめとしか思えない、やっぱりこれも併せて退職強要としか思えない状況になっているわけです。
 こういう、どうなんでしょう、これ、いま一度、局長でも結構です、こうやってパフォーマンスと結び付けて、営業職に転換して、すぐに結果が出ないからといってすぐに減俸処分にする、これも余りに行き過ぎた濫用に当たるのではないかと思いますが、どういう見解でしょう。
#178
○政府参考人(山越敬一君) 労働契約法におきましては使用者の安全配慮義務が規定をされております。したがいまして、一般論といたしましてでございますけれども、こういった働く方の生命とか身体の安全が損なわれることのないよう使用者は配慮する義務が、考えております。
 したがいまして、使用者はこうした観点に立って、精神疾患とかいう面も含めて労働者の安全についてもしっかり責任を果たしてほしいというふうに考えるところでございます。
#179
○石橋通宏君 ちょっと答弁はっきりしませんが、こういう実態も大臣も是非聞いておいていただきたいんです。
 更にひどいのは、こうやって本当に大変な状況の中で精神疾患、休職に追い込まれたと。でも、それでも当該従業員の皆さんは、何とか復職したいということでリハビリにも努められて、お医者さんとも相談をしながら、復職をしたいと、医師の診断書それから復職願、財団に提出して申出を行ったわけです。ところが、財団が何と言うかというと、復職は就業規則にのっとっている、就業規則には、あたかも休職前と同じ仕事を同じパフォーマンスでできなければ復職は認めないというような解釈ができ得る、そういう就業規則になっているんですね。それを盾に取って、元々任務にあった営業職で、ちゃんとしたそのとおりの仕事ができないなら復職は認めないと。
 これもどうなんですかね。普通こういう形で、先ほど局長から答弁があった、精神疾患を患って休職を余儀なくされた、それでも何とか戻る努力を労働者の側でもされた、そうしたら、当面何らかの配慮をされて、当面は事務職でやっていただくとか、医師の診断書にも実はそういうふうに書いてあるんです、当面は配置転換して、しばらくはちゃんとそれでできる、そういう業務に就かせなさい、それを無視して、同じ仕事ができなければ復職させない。
 これもゆゆしき話だと思いますが、大臣、これ、このようなことは絶対認められない、そういうことでよろしいでしょうか。
#180
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど局長から答弁したように、労働契約法の安全配慮義務というのは、やはりどんな場合でも、生命、身体の安全が損なわれないようにしないといかぬということでありますので、今お話しの復職時の配置とか、そういったことについての配慮を含めて使用者は配慮しないといけないというのがこの法の解釈ではないかというふうに思います。したがって、使用者は、働く人の個別の事情に十分配慮をしてその配置先なども考えることが望ましいのではないかというふうに思います。
#181
○石橋通宏君 このあんしん財団、名前、あんしん財団で、先ほど御説明をいただいたように、中小企業の保険業を中心に様々、役割としては大切な役割を担っておられる。でも、そういうところでこういう本当にブラックな話が行われているというのは、これは本当にゆゆしき事態だし、実は、先ほど、トップが替わってこういうことになったと、突然というふうに申し上げましたが、どうも聞いておりますと、このトップになられた方が、昔、元々民間の方なんですけれども、もうあえて言いませんが、どことは、その民間の自分のかつてのお友達をまた財団に引っ張ってきて、そして、もう個人商店的に財団の運営を始められているということで、こういうリストラをどんどんやられたり、この女性の配転に対して異議を申し立てた男性の職員も強制的に配転をして、これ、ある部署の重要な立場にあった男性職員四名も強制的に、文句を言ったがために配転させられてということまで起こっているんです。
 これ、是非大臣、かつて厚生労働省と本当に長い間浅からぬ縁にあった、所管にあったわけです。今は直接的には違うとはいえ、厚生労働省にも関係のある、そういう業務も行っているわけです。これからいろんな形で、働き方改革などなど、むしろ見本とならなければならない、こういう財団法人だと思います。是非、厚生労働大臣として、厚生労働省として、こんなことをこういう財団で行わせてはいけない、のさばらせてはいけない、そういう決意で指導をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#182
○国務大臣(塩崎恭久君) 個別のことにつきましてはコメントはなかなかしづらいわけでありますので一般論として申し上げますと、やはりこれは、働く方の保護を使命としている我が省、厚生労働省でありますから、企業内で違法な労務管理が行われて、働く人がつらい目に遭っているということであれば、それはあってはならないというふうに考えなければいけないというふうに思います。
 働き方改革を我々は進めている観点からも、働く方がやはり意欲を持って自らの能力を発揮をするという形で働くということが一番大事な環境であると思いますし、その環境整備を大きな意味で整えるのが我が省の役割でもあるのだろうというふうに思いますので、企業内で違法な配置転換や転勤命令などが行われているような事案を把握をした場合には、当然、これは必要な啓発指導にしっかりと取り組まなければならないというふうに思っております。
#183
○石橋通宏君 大臣、是非、見本となるべきこういう財団法人などなども含めて、しっかりとこれやっていただかないと、せっかく働き方改革で今みんなでやっていこうと言っている中で、これは本当に悪い事例、ブラックなものをのさばらせることになってしまいますので、ここは是非、むしろ民間よりも徹底して指導いただくことも含めて、大臣、厚労省として対応をお願いしておきたいと思いますので、是非ここはよろしくお願いをします。
 その上で、次の質問に移りたいと思いますが、いじめ防止対策とその相談窓口、これ自殺防止対策も含めて、絡めてなんですけれども、今、様々な相談窓口をそれぞれの省庁、担当省庁でいろんな整備をしていただいております。
 今日は、文科省樋口政務官にもわざわざおいでをいただきまして、ありがとうございます。
 まず最初に、いじめ防止対策推進法に基づいて、国もそうですが、各地方自治体でも今相談窓口の整備を進めていただいていると思いますけれども、その整備の状況についてちょっと簡単に御報告をいただければと思います。
#184
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 いじめ防止対策推進法第十六条第二項で、国及び地方公共団体は、いじめに関する通報及び相談を受け付けるための体制の整備に必要な施策を講ずるものとされております。
 国としては、二十四時間子供SOSダイヤルの設置や、スクールカウンセラーを学校や教育委員会に配置するための財政措置等を行っているところであります。
 また、地方公共団体としては、二十七年度において各都道府県、指定都市で計百八十か所、各市町村で計千五百八か所の教育相談機関を設けており、いじめや自殺を含めまして様々な課題に関する教育相談を受けているものと承知しております。
 さらに、同法十六条三項におきましては、学校の設置者及び学校は、いじめの相談体制を整備するものとされておりまして、各学校に設置をされておりますいじめ防止対策組織がいじめの通報、相談を受け付けるものとなっているところでございます。
 以上であります。
#185
○石橋通宏君 お手元の資料の二で、今回、改めて関係する省庁でどういう体制になっていますかということで出していただいたものを簡単にまとめさせていただきました。今文科省の方から御説明がいただきましたのが、左の下の二十四時間子供SOSダイヤルということになっております。
 厚労省の関係も、いじめに関わるもの、直接、間接に幅広くということでこれ三つ出していただいておりますが、これ、厚生労働省所管でいじめに関わるということではこの三つということで、これ確認ですが、よろしかったでしょうか。
#186
○政府参考人(吉田学君) 事前に、この本日の御質問をいただくに当たりまして、厚生労働省の関係部局、先生の方に御指示をいただき、また御説明に伺ったと思います。
 その際に、先生の方に申し上げたこの三つ、私ども、これがいじめに関しての厚生労働省の窓口というふうに考えております。
#187
○石橋通宏君 済みません、それぞれ担当が違うのでお答えにくかったかもしれませんが。
 今日のこの質問の趣旨は、こうやって相談窓口を設置はいただいて整備はいただいているんですが、では、いわゆるSNS、ソーシャル・ネットワーキング・サービス、この対応が今どうなっているのかと。
 実は、私もある現場の関係者から聞かれまして、はたと、あっ、なるほどなと。これ、もう塩崎大臣も政務官もよく御存じのとおり、昨今、子供たち、なかなか余り直接電話を掛けるということがどんどんどんどん少なくなっておりまして、むしろ、SNS、いろんなSNSのツールが、ソフトが、アプリケーションがありますけれども、むしろSNSを使ってコミュニケーションを図ると。よく、近所にいるのに直接話さずにSNSで話しているなんて、そんなこともあったりもするぐらい、子供たちはむしろそういうツールを使いこなしながら自分の思いを伝えたりしていると。それを考えてこういう対応ってできているんですかねと言われたものですから、ああ、そういえばそうだよなというふうに思って、今回改めてそのことも確認させていただいたわけです。
 文科省政務官、せっかく来ていただきましたので、文科省としてこういう指摘についてどういうふうに課題認識共有されるか。特に年齢層の低い子供たちであればあるほど、そういった新しいツールで、SNSでコミュニケーションを図るようになっているのではないか。とすれば、こういったまさにいじめ相談とか様々な問題、課題とか、自殺対策にも関わるんだと思いますが、やはりSNSで相談できる体制をつくらないと、本音で相談できないとか、本当のことをしゃべってもらえないとか、そういうことがあるんじゃないかと思うんですが、この辺、文科省ではどういう問題認識でどういう対応を検討されているのかいないのか、御説明願います。
#188
○大臣政務官(樋口尚也君) 御指摘のSNSについて、文部科学省として、現在地方自治体で相談窓口に活用しているというところを承知はしておりませんが、今検討されているというところがあるというふうには伺っているところでございます。
 近年、今先生御指摘のとおり、若年層の多くはSNSをコミュニケーションの手段として用いておりまして、私も、子供が高校生と中学生ですが、もう頻繁にSNSということを目にしておるものでございまして、そのとおりだというふうに存じます。電話のみならず、SNSを用いて様々な悩みを抱える児童生徒のSOSを広く受け止めて、一人でも多くの児童生徒に迅速、適切な対応をすることは大変重要であるというふうに考えております。
 先生御指摘のとおり、資料にも書いていただきましたが、文部科学省といたしまして、SNSを既に情報発信等に活用している地方公共団体、例えば渋谷区でございますけれども、今聞き取りを始めておりまして、その結果などを踏まえまして、その有効性そして課題も様々あります。
 今、SOSダイヤルは各都道府県や政令市の窓口に行くようになっておりまして、それ以外の方から行ったときどうするかといったような課題もありますので、その辺りを把握をしながら、SNSを用いた相談体制の実現に向けましてスピード感を持って取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#189
○石橋通宏君 大変前向きな御答弁をいただきまして有り難いと思います。
 今政務官から課題もあるというふうに、いや、まさにそのとおりだと思うんです。誰でも受けられるわけではない。やはり今自治体の方でも、専門性のある方に相談の窓口で電話を受けていただくとかいうふうに対応されていると思います。これ、ひょっとすると、いや、本当に今なかなか電話だと相談をちゅうちょして電話掛けられない子供たちがSNS対応いただくことによってもっと相談をしていただける、でも、そのためには窓口ちゃんと対応、専門性も含めて、育成、養成をして配置をいただかなければいけませんので、そこは大きな課題だと私も思います。
 そこの専門性ある方々の育成、養成も含めて、これ検討いただけるということで、政務官、よろしいでしょうか。そこも重ねてお願いします。
#190
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 文科省として、現在既にこの二十四時間子供SOSダイヤルの地方公共団体における相談員について、その経費の一部を補助する事業を既にしておりますが、この中では、電話相談や教育相談に関する知識及び経験を有し、本事業の趣旨を理解する者としておりまして、網羅的な把握はできておりませんが、把握している自治体の例を見ますと、臨床心理士であったり、その他の心理資格保有者であったり、あるいは教育相談、教員経験を有するような方などが相談員になっていると承知しておりまして、今後の検討においてもきちんとした相談のできるような人が必要だと考えます。以上です。
#191
○石橋通宏君 そこも含めて対応いただくように是非お願いをしたいと思います。
 これ、先ほど言いましたように、SNSだといろんなツールがあります。どれか一つというわけにはなかなかいかない。橋本副大臣なんかよく御存じだと思います。
 そうすると、ひょっとするとやっぱり事業者サイドの協力というのも必要になってくるかもしれません。ですので、受け手側の様々な、今言っていただいた課題もそうですが、そういう、じゃ、ツール側、アプリケーション側、提供事業者側と、例えば先ほどの電話だと、共通の簡単なダイヤルですとか無料ダイヤルとか、そういった番号を共通に設置するとかやっていただく。じゃ、SNSの場合にはどういう形で相談を設置するのか、そこも技術的な問題併せてやっていかなきゃいけないと思います。ですので、事業者側との相談も是非併せてやっていただければと思いますので。
 今、文科省からはSOSダイヤルの関係でお話しいただきました。厚生労働省としてどうでしょう、これ、問題認識、共有をいただけるかどうか。そして、SNSの対応について、ここに大きく三つ、いじめ相談という関係では載せておりますし、そのほかにも自殺防止という観点からも相談体制組んでいただいていると思いますが、あわせて、若年層の残念ながら自殺の数が高止まっていることも含めて、これ是非、SNSの対応まだでしたら検討いただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#192
○国務大臣(塩崎恭久君) 自殺対策も厚労省の仕事になっていることもあり、また、若者の自殺が、今お話ありましたように、全体としては自殺自体は減少傾向にありますけれども、二十歳未満の自殺される方、この人数はおおむね横ばいということでありますので、若年層の自殺は引き続いて深刻な問題だという認識を持たなければいけないというふうに思っています。
 その上で、こうした若年層への対応について、政府の自殺対策の指針でございます自殺総合対策大綱、この見直しに向けた有識者による検討会の報告書におきまして、SOSの出し方教育、これが生活上の困難やストレスに直面しても適切な対処ができる力を身に付ける取組として重要であるとされたわけでありますが、加えてSNSも活用した若者へのアウトリーチ策の強化が必要であるというふうになっておりまして、いろんなSNSのチャネルがあろうかと思いますけれども、そういった点にやや配慮をすべしと、こういうことだと思います。
 こういうことで、私ども厚生労働省としても、SNSなどを活用しました多様な相談手段、そういうチャネルを確保して、SOSをしっかりと受け止めるということがまず第一であって、大変重要なことでありますので、文部科学省ともよく連携をしながら、若い方々の悩みをしっかりと受け止めて、そして相談受付体制が身近なものとして整備が進むように、私どもとしてもしっかり取り組んでまいりたいというふうに思います。
#193
○石橋通宏君 塩崎大臣からも前向きな御答弁をいただいたと思います。
 今、最後のところで触れていただきましたとおり、やはりそれぞれの省庁でいろいろ対策を打って、窓口も設置をいただいています。今日お呼びしていませんが、法務省もそうですし、警察の方でも対応の窓口があったり、そういう意味では、横の連携もやっぱり取っていただきながら対応いただくことが必要だと、ばらばらばらばらでやっていてもいけませんので、横の連携も必要だと思います。自殺対策ということでいけばもう厚労省の責任も大きいわけですから、是非、横の連携も、大臣にリーダーシップも取っていただいて、いい形が一刻も早くつくられるように対応をお願いしたいということを重ねて申し上げておきたいと思いますので、どうかよろしくお願いします。
 以上で、樋口政務官はもう質問ありませんので、もし、委員長、よろしければ退席いただいて結構です。
#194
○委員長(羽生田俊君) 御苦労さまでした。
#195
○石橋通宏君 それでは、次の質問に移りますが、解雇の金銭解決制度についてもう一度改めて質問をしたいと思います。
 先日、五月十八日の本委員会で若干頭出し的な質問をさせていただきました。その後、五月二十九日に検討会で報告書がまとめられたと聞いておりますし、私も報告書を読ませていただきました。前回の質疑のときに、大臣に、いや、労使の見解は一致していないじゃないか、一致していないのに勝手に一致したようにと言ったら、大臣からも、一致していないことは認めますと答弁をいただいて、報告書にもちゃんとそのように書いていただきました。見解は一致していない、コンセンサスは得られていないと。
 大臣、にもかかわらず、何で先を急ぐんでしょうか。
#196
○政府参考人(山越敬一君) 御質問の金銭救済制度でございますけれども、今回の報告書では、この金銭救済制度について、労働政策審議会において、有識者による法技術的な論点についての専門的な検討を加え、更に検討を深めていくことが適当とされているところでございます。また、その際には、現行の労働紛争解決システムに悪影響を及ぼす可能性があることなどから、金銭救済制度を創設する必要がないと、そういう意見があったことを今後の議論において十分考慮することが適当であるということとされているところでございます。
 この金銭救済制度でございますけれども、その論議の出発点は、日本再興戦略二〇一五におきまして、我が国の雇用慣行、とりわけ諸外国から見て不透明であるとの問題を解消し、雇用終了をめぐる紛争の時間的、金銭的な予見可能性を高めて、結果として人材の有効活用や個人の能力発揮を資する、中小企業労働者の保護も図るということとされておりまして、そういうことを踏まえてこの検討会で議論がされてきたところでございます。
 こうしたことを踏まえまして、今後、労働政策審議会において様々な観点から検討を進める必要があるというふうに考えているところでございます。
#197
○石橋通宏君 質問に答えてくださいね。
 労使は一致していない、コンセンサスも得られていない、なのに何で労政審に進めと言うのかと聞いているんです。
#198
○政府参考人(山越敬一君) ただいま申し上げましたように、この金銭救済制度でございますけれども、日本再興戦略二〇一五の記載に基づきまして、こういった検討をするということになっていたわけでございます。
 この検討会におきましては、この金銭的予見可能性の考え方につきまして、一方では、解雇の事案は多様であり、現在の実務では個別事案に応じて金額が決められているということでございますので、一概にルール化することは難しいという意見がございましたけれども、他方で、当事者にとって予見可能性が低いという問題点があり、金銭水準について何らかの基準を作るべきという意見もあったところでございます。
 その上で、この検討会の報告では、紛争の迅速な解決を図るとともに、裁判等における金銭の算定についての予見可能性を高めることが重要であり、そのため、解消対応部分について、具体的な金銭水準の基準を設定することが適当であると考えられたところでございます。
 そうしたことを踏まえまして、この報告書におきましては、金銭救済制度について、法技術的な論点や金銭の水準、金銭的、時間的予見可能性、現行の労働紛争解決システムに対する影響等も含め、労働政策審議会で更に検討を深めていくことが適当とされていると、こういうことでございまして、こういったことも踏まえまして更に議論を深めていきたいと、こういうことでございます。
#199
○石橋通宏君 結局、最初から結論ありきじゃないですか。労使とちゃんと話をして三者構成で云々、じゃ、いや、最初から決まっていますから、これで議論しました、それで、だから決まっていますから、もう出口も決まっています。やっぱり出口決まってやっているだけじゃ、格好だけやっているだけじゃないですか。
 報告書読んだんでしょう。皆さんが報告書読んだら全然分からないと思いますよ。全くコンセンサスがない。何の合意もない。でも次のステップ行きましょう、労政審ですって。何なんですか、これ。
 だから、最初からもう関係ない人たちが勝手に出口から決めて、形だけこうやって検討会やって、形だけ労政審やって、もう出口決まって、はい、導入だ。これがもし安倍政権の手法だとすれば、何が働き方改革ですか。根本的なことに関わりますよ。政労使三者構成の原則で、労使の合意を大事にして、いや、労使の合意が一致されていない、労働者が反対している。
 じゃ、局長、聞きますが、労働者側、誰か賛成意見出したんですか。労働者側、導入してくれと頼んでいるんですか。
#200
○政府参考人(山越敬一君) この検討会でございますけれども、金銭解決を求める労働者に新たな選択肢を設ける必要があるという意見があった一方で、労働側からは、現行の紛争解決システムへの悪影響を懸念いたしまして制度の必要性はないとする意見が寄せられているところでございます。
 こうした様々な御意見を踏まえて、労働者の多様な選択肢の確保等の観点からは一定程度こういった金銭救済制度の必要性は認められるということでございまして、労働政策審議会で更に検討を深めていくということとされているところでございます。
#201
○石橋通宏君 局長、ちゃんと答えてください。労働者側からですよ。ほかの委員に聞いている、労働者から是非これ導入してくださいという意見があったんですかと聞いているんです。
#202
○政府参考人(山越敬一君) 労働者側の意見といたしましては、現行の労働審判制度が有効に機能しており、こうした現行の労働紛争解決システムに悪影響を及ぼす可能性があるとか企業のリストラの手段として使われる可能性があること等のことから、金銭救済制度を創設する必要はないという意見があったところでございます。
#203
○石橋通宏君 反対意見しかなかったでしょう。
 先ほど局長、金銭の予見可能性と言われました。誰のための予見可能性ですか、誰のための制度創設ですか、誰がお願いしてこれやっているんですか。はっきり言ってください、誰のための予見可能性、誰のための制度ですか、誰がお願いしてこれ議論しているんですか。
#204
○政府参考人(山越敬一君) この検討会の中では様々な意見がございまして、こういった制度を設けることによって労働者側にとってもそういった予見性が高まるという意見もあったところでございます。
 いずれにいたしましても、裁判における解決の問題でございますとか、そういった問題を踏まえまして、こういった金銭解決救済制度については一定の水準を設定することが適当であると考えるというようなこととされているところでございます。
#205
○石橋通宏君 誰のためにやっているのか、誰がやってくれと言っているのか、それをはっきりここで言ってくれと言っているんですよ。
 結局、どこかの企業の経営者、まあ民間議員と称する上の方の何だら会議、何だら会議、安倍さんの直結の下でやっている、そこで言っている人たちのことを言っている、じゃ、やりましょうとやっているだけじゃないですか。労働者の誰も望まない、誰もお願いしていない、それを押し付けている、それがはっきりするでしょう。
 具体的に聞きますよ。お手元の資料で、資料の四に、今回、強引にこの報告書取りまとめに出てきた基本的枠組みなるもの、これは前回のときにも例の一、二、三、少し触れましたけれども、例の三を一生懸命厚労省推している。誰も労使合意していないのに一生懸命例の三を推していると前回質疑でやりましたね。前回お聞きしたときに、大臣、例の三は事前型ではないというふうにおっしゃった。今回は、事後型のみしか議論をしないし事後型しか考えていないと。でも、これ例の三って事前型じゃないんですか。ちょっと説明してください。例の三は事前型じゃないんですか。
#206
○政府参考人(山越敬一君) ただいま御質問がございました例の三でございますけれども、これは、労働者が解雇された後に労働者が使用者に対して金銭の支払の請求をする権利を創設する仕組みでございますので、これは解雇がされた後にそういう請求をするわけでございますから、いわゆる事後型の仕組みの一つであり、金銭を払えば解雇できるというような事前型の仕組みとは異なるものというふうに考えているところでございます。
#207
○石橋通宏君 ちょっと混乱しました。今までの事前型、事後型の考え方とちょっと違うんじゃないですか。今の答弁でいいんですか。事後型というのは、裁判に行って、裁判で判決が出た後に、解雇無効判決が出た後に裁定するのが事後型じゃなかったんですか、違うんですか。
#208
○政府参考人(山越敬一君) この事前型、事後型でございますけれども、この総理答弁では、金銭を払えば解雇ができる、そういった事前型の制度は考えていないという御答弁があったところでございます。総理が事後型の仕組みとして答弁したのは、例えばということで答弁されていることでも分かりますように、あくまでもその例示でございまして、解雇された後に金銭解決を行う仕組みであればこういった事後型の仕組みになるというふうに考えているところでございます。
#209
○石橋通宏君 これ、前からそうだったんですか。総理が勝手にまた定義変えちゃった、それとも皆さんがそんたくされている。
 これ、例の一を見ていただければ、解雇されたときにこれ裁判要る、地位確認請求する、解雇の無効判決が出る、その後に、その後に労働者側からの申立てによって金銭解決ができるようにする、それが事後型の労働者申立てによる金銭解決の制度、そういう話じゃなかったんですか。変えたんですね、変わったんですね。それは大事なところなので確認しますが、そうじゃないんですね。
#210
○政府参考人(山越敬一君) 今回の仕組みは、労働者が解雇された後に労働者がその請求をする権利を創設するということで、これは事後型というふうに考えております。これが事後型に入るということは従来から変わっていないというふうに考えているところでございます。
#211
○石橋通宏君 これちょっと、事前、事後の説明、変わっていますよね。
 これ、ちょっとこのまま答弁してもあれなので、済みません、委員長にお願いです。
 これ、ちゃんと今のところ整理をして、かつて言っていた政府の説明と違う、変わっていると思いますので、これ整理をした上で、事前、事後型、もう一度ちゃんと整理をして、当委員会に資料として出していただくことをお願いしたいと思います。
#212
○委員長(羽生田俊君) 理事会で協議いたします。
#213
○石橋通宏君 ここのところが恐らく、いや、参加されていた方でも理解がちゃんと認識が合っていたのかどうか分かりません。労働側の皆さんは、これ例の三は明らかに事前型であるというふうに認識をされています。事後型なんて一言もおっしゃっていません。ということは、そういうちゃんとした、いつの間にか、いや、我々は解釈が勝手に変わっていると理解しますが、そういう認識もなしにこの取りまとめがもし行われたのであれば、そもそもこの取りまとめ、おかしな、もう全然根拠がないということになりますよ。ここは改めて資料をいただいた上で確認をさせていただきたいと思います。
 これ、先ほど局長も答弁されました。大臣、例三は、これ議論の中でも、新たに労働者に法的な権利、これ与える話になるわけですね。法技術的に難しいという議論がメーンだったはずです。にもかかわらず、これ入っちゃっているわけですが、これ、例の三は法技術的に難しい、そういう結論なんじゃないんですか、大臣。
#214
○政府参考人(山越敬一君) 例三でございますけれども、労働者の選択肢を拡大するという観点からいたしますと、例の一とか例二に比べますと相対的に難点が少ないと、選択肢として考えられるという意見があったところでございます。
 ただ、他方で、権利の法的性格でございますとか要件、効果等、法技術的にも更に検討していくべき課題も多いとされているところでございます。
#215
○石橋通宏君 よく分からない答弁ですが、そうしたら、これ大臣に聞くのも酷なので局長で結構ですが、あの報告書の中にも、例三については、これ形成権的な構成か請求権的な構成か、それすら難しいという判断で、全然整理が付いていないと私理解します。これ、じゃ、ちょっと説明してください。これの例で、形成権的構成と請求権的構成、何が違って、どういう結果で違いが出るのか、これ簡単に説明してください。
#216
○政府参考人(山越敬一君) 形成権でございますけれども、これは権利者の一方的な意思表示によって法律関係が変動を生ずることができる権利でございます。一方で、請求権とは、特定の相手方に対して一定の行為を請求することができるものでございまして、この形成権の場合には、通常は一方的には撤回はできないと考えられているところでございまして、そうした観点から、今回の件について形成権的に考えるべきか請求権的に考えるべきか、そういった議論がなされているところでございます。
#217
○石橋通宏君 だから、全く整理できていないじゃないですか、こんな大事なところまで。それってすごく、この例の三の図式を見ていただければ皆さんお分かりいただけると思いますが、これ、形成権的なものにするのか請求権的なものにするのかで全然、先ほどの事前、事後も含めて全然違うわけですよ。それすら整理もされずに、いや、結論です、取りまとめですなんて、こんな無責任な話ないでしょう。
 ここは明らかに、先ほどの議論で、これもう今回はやらない、議論しないと言っていた事前型の最たるものだというふうにしか思えない。だから、ここは先ほどの説明でちゃんと納得しないと、これ聞いてもしようがないんでしょうから、改めてこれ追及したいと思います。
 大臣、これ、今やり取りいただいても、これ取りまとめの中でも全然整理されてないんです。何がどうなのか、これをこうすればああなる、それすら分からないままで結論だ、労政審だ、こんな無責任な話ないと思いますよ、大臣。労働者側は全面的に反対している、労政審に行くべきではないというふうに明確に言っていると思います。大臣、これで労政審の議論強行すれば、やっぱり労使の話合いなんか結局形だけじゃないか、最初から決め打ちで、もうやること決めて形だけやっているだけじゃないかと証明しちゃうことになりますよ、大臣。
 このまま労政審の議論へ行くことは絶対に駄目だというふうに思いますが、大臣、そういうことでよろしいですね。
#218
○国務大臣(塩崎恭久君) いろんな議論があって、賛成、反対、いろんな御意見があったことは私もそのとおりだというふうに思っておりますし、この間もそのように答弁をいたしました。
 しかし、この報告書自体を取りまとめること自体は検討会では御異論はなかったと理解しておりまして、座長一任の中で報告書が取りまとめられて、その中で、労働政策審議会における検討を進め、所要の措置を講ずることが適当であるというのがこの「おわりに」というところに書いてあるわけでございます。
 したがいまして、この報告書の中で宿題として明記をされている問題もありますし、もちろんまだまだ議論を深めていくということは大事なことでございますので、労政審の場において、様々な今も御提起をいろいろいただきましたけれども、そういうようなことを含めてしっかりと議論をしていくということが大事であり、先ほどなぜ急ぐのかというお話でありますが、この報告書に特に急ぐということを書いてあるわけではないのでないかと思いますので、しっかり議論をしていただければと思います。
#219
○石橋通宏君 これ、労働者側の皆さんは明確に労政審に行くべきではないというふうにはっきりとおっしゃっているはずです。にもかかわらず、事務方が勝手に用意をして、労政審、次行きましょうと書いちゃっているだけの話じゃないですか。だから言っているんです、大臣。
 大臣の名においてこんなことしたら、働き方改革なんて名前だけだ、看板だけだ、それ証明しちゃうことになるでしょうと言っているわけです。もっとちゃんと整理するなら法的な整理をして、どういう効果これが及ぼすのか、そのことも含めて議論をしなかったら駄目ですよ、大臣。これ重ねて、このまま労政審、強引に労使の合意もないままに、労働者が大反対している中で、労政審への議論、強行的に進める、これ是非やめていただきたいというふうに申し上げて、時間がなくなってきたので、次も大事な議論なので、次に行かせていただきます。
 これも前回少し取り上げました労働基準監督業務の民間委託について、大臣、前回覚えておいでですかね、私、これを取り上げたときに、体張って止めてくれというふうに大臣にお願いした。余りいい答えなかったですが。最終的に、大臣、これ、規制改革推進会議の言うがままに同意をされちゃったんでしょうか、確認です。
#220
○国務大臣(塩崎恭久君) この労働基準監督業務の民間委託について、前、委員会でも御質問をいただいてやり取りをさせていただきましたが、少なくとも先月二十三日の規制改革会議が取りまとめた答申においては、今後、更なる法規制の執行強化、これが求められていることは間違いないわけで、これはこの委員会でも同様の御意見がたくさん出ていたというふうに思います。むしろ、しっかり執行する側の行政を強化すべしと、こういうことだったかと思いますが、そういう中で、小売店とかあるいは飲食店を中心に非常に事業場数が多い中で十分な監督ができていないという事実もございます。また、事業場における三六協定の締結とか届出などに関する基礎的な知識が十分ではない場合が見られるということ、こういった課題があるわけでございまして、労働基準監督官の業務を補完するものとして民間活用の拡大を図るべきとの提言をいただいたというふうに理解しております。
 具体的には、民間の受託者が、三六協定未届け事業場への自主点検票等の送付とか回答の取りまとめ、あるいは指導が必要と思われる事業場や回答のない事業場などに、同意を得られた場合に業務関係書類等の確認や相談指導を実施すると、こういう内容にこの規制改革推進会議では取りまとめが行われているというふうに思います。
 厚労省としては、こういうような提言も受けて、より効率的かつ効果的に法規制の執行強化を図ることが重要だということは前々から申し上げているとおりでありますので、今回の答申は答申として踏まえた上で、今後どういうような対応をしていくかを検討してまいるというのが私どもの姿勢でございます。
#221
○石橋通宏君 聞いていないことまでずっと答えていただきましたが、結局、提案をもらった、はい、やりますと言ったんですか、言っていないんですか。やらないんですか、やるんですか。規制改革推進会議のその答申、先ほど大臣が、幾つかの論点あった、それ、答申そのままを幾つか論点読まれただけの話のように聞こえますが、結局は、じゃ、その答申やりますということで、大臣、約束したんでしょう。
#222
○国務大臣(塩崎恭久君) いや、全くそんなことは申し上げておりませんで、先ほど申し上げたとおり、この推進会議が言っていることを、私がこういうことを言っていますねということを申し上げた上で、今後どのように対応していくかを我々は検討したいということを申し上げていたわけでございまして、しかし、効率的かつ効果的な法規制の執行強化、これに関しては恐らく石橋先生も賛成されるんだろうというふうに思います。
#223
○石橋通宏君 もちろん、僕らはずうっとこのことを訴えてきているわけです。労働基準監督業務の強化、基準監督官が足らない、もっと増やすべきだ、これはもうずうっと我々言い続けてきたですよ、ここで。厚労省も、基準監督官の増員、努力します、頑張りますというふうな答弁もずうっといただいてきた。じゃ、その方向性と基準監督業務の強化、まさに働き方改革、これからもっと強化をしていかなければいけない、その方向性とこの民間委託が本当に合うのかと、いいんですかというふうに聞いているわけです。
 既に現実的に基準監督業務の民間委託、やられていますね。これは別に昨日今日始まった話じゃないですね。資料の五、資料の六、資料の五は今回厚労省から出していただいたもの、資料の六はタスクフォースの取りまとめの中で資料として付けられていたもの、いろいろともう民間委託がされているわけです。
 どうなんですか。民間委託をしてきた、これだけしている。じゃ、それが労働基準監督業務の本来あるべき役割、機能、十二分に果たしている、この方向でいいんだ、民間委託で構わないんだ、そういう総括を厚生労働省でもされているんですか。そういう理解ですか。
#224
○政府参考人(山越敬一君) この委託事業でございますけれども、例えば労働条件相談ほっとラインでございますけれども、これは平日とか夜間、土日に労働条件に関する電話相談を受け付ける事業でございまして、これは監督署が開庁をしていないときにこういった相談をする事業でございまして、これはその監督署の通常の業務を補完する機能を有しているものでございます。こういう事業と相まって労働基準行政を推進していきたいと、こういうことでございます。
#225
○石橋通宏君 全く、だから民間委託を現状これまでしてきた、様々な形でされていますね。それは、山越さん、局長として、労働基準監督業務の本来あるべき姿、それと照らし合わせて問題ないんだ、これでいいんだ、これがあるべき姿なんだと思っておられるんですか。
#226
○政府参考人(山越敬一君) 労働基準監督署の業務として、例えば事業場に立ち入りまして法違反についての是正指導をする、これはもちろん労働基準監督官が行うものでございますけれども、今申しましたような、例えば相談をするとか、そういった事柄については、これは必ずしも民間ではできないものではないというふうに考えておりまして、こういったものの活用も図りながら労働基準行政全体の水準を高めていきたい、こういうふうに思っているところでございます。
#227
○石橋通宏君 局長の答弁としては残念至極ですね。現場の監督官の皆さん、泣いていませんか、大丈夫ですか。
 いや、大臣もこれ、タスクフォースで厚労省の立場言われていますね。基準監督業務のタスクというのは、どこか切り分けで、切り刻んで、どうのこうのというものじゃないんだと。トータルで、いや、本来は、相談のところから、様々な調査から、そして現場の査察、いろんな対応を含めて、本来ならば専門性ある、現場で様々な、難しい試験も通って、訓練積んで、経験積んで、その専門家たる基準監督官がちゃんと対応するのが本旨じゃないんですか、局長。そう答弁すべきでしょう、あなたは。にもかかわらず、予算の制約だ、人数足らない、いや、切り刻んでこうやって民間外注している。
 これ、東京リーガルマインドってどういう会社ですか。廣済堂ってどういう会社ですか。これ、専門に労働基準監督業務を任せられる、そういうところなんですか。ちょっと局長、説明してください。これ、専門性ある、基準監督官と同等に専門性ある方々なんですか。
#228
○政府参考人(山越敬一君) この委託事業でございますけれども、例えば労働条件についての電話相談をするとか、インターネット上の情報を収集するということを委託している事業でございまして、そういった事業を実施するに、一定の適性を有する事業者だというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、監督官の行っている事業場に立ち入って監督指導をするとか、司法的な事務をするとか、そういったことは監督官にしかできない事務でございます。こういった部門についてはもちろん監督官で行う必要がありまして、私どもそういったところの体制も強化して、この監督指導、司法的な事務、しっかりやっていきたいと思いますし、それとともに、監督官以外でも、例えば相談などについては、これは専門的な知識がある方であれば対応いただけるというふうに思っておりますので、そういったことも併せ行いながら、様々なニーズに対応できるように頑張っていきたいというふうに思います。
#229
○石橋通宏君 様々なニーズって、どこの誰のニーズか、また改めて明確に言っていただきたいと思いますが、これ、現場の労働者からいろんな声、局長のところにも届くでしょう。大臣のところにも届いているでしょう。相談へ行ったけれども、全然相談に乗ってもらえない。何か門前払いで、ああ、そんな事例はこっち来ないでくださいとまで言われる。もう電話掛けるのやめちゃった、相談したくなくなっちゃった、そういう声、大臣のところへ届いていないんですか。これが実態なんですよ。だから、大丈夫なんですかと言っているんです。
 もう一つ確認します。
 ここで、こういういろんなところに、委託先出ていますけれども、今回も社労士、弁護士、いろいろな名前出ていますね。利益相反の関係からいって、これどうするんですか。これ取りまとめの中にもありますね、利益相反は禁止する。じゃ、どういうふうに考えていますか。社労士さんとか弁護士さんって企業の顧客持っているでしょう。企業の顧客を持っている、そういう人たちに、企業の査察、企業の調査させるんですか。無理でしょう。いや、させちゃいけないでしょう。じゃ、これ請け負う方々には、全部、企業との契約は一切受けるな、それによって、利益相反は禁止する、そういう考えなんですか。これ、説明してください。
#230
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど来この監督官の話が出ておりまして、監督官を増やしながら法執行をしっかりやるというのが基本であることは間違いないことであります。ただ、なかなか、政権を担った皆さん方だったらよくお分かりのとおり、そう簡単に定員を増やすというのは容易なことではないわけであって、そうなると、本来監督官でないとできないことをしっかり監督官にやってもらって法目的を達成、実現するということが大事だということで、監督官ではなくてもできることはないのかということで監督官の負荷を軽くするということを考えるということだろうというふうに思っております。
 そこで、今の、例えば社労士、弁護士、こういった方々に、まず第一に我々は法執行を任すようなことはあり得ないわけでありますので、それを前提に申し上げますと、今般の規制改革推進会議の答申でも、事業者に労働基準法の基礎的な知識を身に付けていただくことを目的として、民間の受託者が事業者から提出された自主点検票の確認とか任意での相談、指導等の実施をするという整理になっています。
 具体的には今後対応を検討する必要はありますけれども、事業実施に当たっては、労務管理の知識や経験を有する方に実施をしていただく必要があるということがまず第一でありますけど、一方で、今御指摘のとおり、公平かつ公正に事業を行う、これが重要であることは間違いないわけでありまして、こういうことで民間委託を実施するに当たっては、入札時に、秘密の保持、利益相反行為、信用失墜行為の禁止措置を講じているかを確認するとともに、契約においてこうした禁止措置の遵守を義務付ける、これに反した場合は契約を中途解除するなどを始め、事業の性質に鑑みてどのような要件が必要かということをよく検討をしていかなければならないというふうに考えております。
#231
○石橋通宏君 時間が来ましたので終わりますが、利益相反の話、ちょっとしっかりした答弁なかったので、これ、引き続きちゃんと確認したいと思いますが、なし崩し的にこれやったら絶対逆効果になりますよ。ますます労働基準監督官削られるような話にならないか、そのことを本当に懸念しておりますので、引き続きこれ追及していきたいと思いますので、それを申し上げて、終わりにしたいと思います。
 ありがとうございました。
#232
○山本香苗君 公明党の山本香苗です。
 造血幹細胞移植推進法につきましてお伺いをさせていただきます。
 この法律は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、臍帯血移植の三つの移植術を一体的に推進をして、患者の病状に応じてより良い治療を提供するための法律であります。この法律は、全ての会派の御賛同をいただきまして平成二十四年九月に成立をいたしまして、平成二十六年一月に施行となりました。そして、今年の一月でちょうど三年が経過いたしまして、見直しの時期を迎えております。
 まず最初に、この法律の施行状況について厚生労働省はどう評価をされているのか、お伺いします。
#233
○政府参考人(福島靖正君) お答えいたします。
 今御紹介のように、造血幹細胞移植推進法は、移植に用いる骨髄、末梢血幹細胞及び臍帯血の適切な提供の推進を図り、造血幹細胞移植の円滑かつ適正な実施を行うことを目的として、平成二十六年一月一日に施行されました。
 同法によりまして、造血幹細胞の適切な提供の推進に関し基本理念が定められ、国が講ずべき施策が規定されるとともに、骨髄・末梢血幹細胞提供あっせん事業及び臍帯血供給事業を許可制とし、骨髄・末梢血幹細胞提供あっせん事業者に対してはドナーの健康の保護が、臍帯血供給事業者に対しては品質の確保に関する基準の遵守などが業務遂行上必要な義務として課されることになりました。
 厚生労働省としては、同法に基づきまして、移植に関する国民の理解増進のための普及啓発、造血幹細胞移植に関する情報の一体的な提供、医療提供体制の整備、バンクの安定的な事業運営の確保などに関する施策を講じてきたところでございます。特に、医療提供体制の整備につきましては、現在、全国九か所に造血幹細胞移植推進拠点病院を配置しているところでございます。また、同法に基づきまして、二十六年四月に日本骨髄バンクが骨髄・末梢血幹細胞提供あっせん事業者として、また全国六つのさい帯血バンクが臍帯血供給事業者として厚生労働大臣の許可を受け、さらに日本赤十字社が造血幹細胞提供支援機関として指定され、これら三者が同法に基づき適正に事業を実施しております。
 これらの取組によりまして造血幹細胞の移植実績は近年着実に増加をしておりまして、引き続き造血幹細胞移植が円滑、適正に実施されるよう、私どもとして取り組んでまいりたいと考えております。
#234
○山本香苗君 今御答弁ございましたとおり、この法律ができたことによりまして様々な施策の充実を図っていただいたんですが、課題が残っています。今おっしゃっていただいた中でも拠点病院なんですけれども、今、九ブロックに一か所ずつ拠点病院できているんですが、一つのブロックにおいてカバーエリアがかなり違う、また患者数も移植件数もかなりばらつきがございます。
 本当にこの九か所でいいのかなと思っているんですが、この辺り、もう一回よく検証していただけないでしょうか。
#235
○政府参考人(福島靖正君) 造血幹細胞移植推進拠点病院でございますが、全国を八ブロックに分けまして、関東甲信越ブロックでは二施設、それ以外の七ブロックでは一施設ずつ配置をして、当該拠点病院におきまして、その各ブロックにおける医療従事者の育成、骨髄等の早期採取に向けた連絡体制の強化、これに取り組んでいただいておるところでございます。
 この造血幹細胞移植推進拠点病院につきましては、厚生科学審議会疾病対策部会造血幹細胞移植委員会においても、拠点病院の設置数や配置に関すること、あるいは移植医、造血細胞移植コーディネーターなどの人材育成に関すること、コーディネート期間の短縮、あるいは地域連携の強化などにつきまして様々な御意見を頂戴しているところでございます。
 これらも踏まえまして、現在、造血幹細胞移植推進拠点病院九つを三つずつ三領域、人材育成とコーディネート支援それから地域連携、この三つの領域に分け、それぞれ三病院ずつにその議論をしていただいております。これまでの各事業の実績評価を行い、そして今後の事業の方向性についての検討をお願いしておるところでございます。
 私どもとしては、これらの検討を参考にして、造血幹細胞移植委員会におきまして、御指摘の拠点病院設置数も含めまして今後の拠点病院の在り方について御議論いただきまして、その結果を踏まえて適切に対応してまいりたいと考えております。
#236
○山本香苗君 是非お願いしたいと思いますが。
 あと骨髄移植でありますけれども、ドナーで、特に若い人のドナーの確保、またコーディネート期間の短縮が大きな課題となっております。特に、コーディネート期間はここ十年短縮できておりません。ですから、待機中に患者さんが残念ながら亡くなってしまったという事態も発生しております。その上、骨髄バンクの財政的な状況も大変厳しいという状況にありますが、患者さんからは、骨髄バンクの安定的運営は、治療上の必要性もありますが、患者としての心の頼りであり、潰れては困るといった声も寄せられております。
 是非、厚生労働省としても骨髄バンクの安定的な運営をバックアップをしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#237
○政府参考人(福島靖正君) おっしゃるとおり、移植に用いる骨髄を確保して骨髄移植医療を安定的に実施していくというためには、骨髄バンクにおける事業運営が確実かつ安定的に行われる必要があると思います。
 日本骨髄バンクの経営状況でございますけれども、主な収入源が診療報酬、それから補助金、患者負担金、寄附金となっておりまして、平成二十六年、二十七年におきましては、診療報酬収入や寄附金が減少したことによりまして収支全体として赤字となっておるということで私ども承知しております。
 こういう状況も踏まえまして、厚生労働省といたしましては、平成二十九年度、今年度予算におきましては、移植件数の増加に向けた体制強化ということで、日本骨髄バンクの運営に対する国庫補助金額を増額をすることとしております。
 引き続き、移植に用いる骨髄の安定的な提供に支障を来すことのないように、骨髄バンクにおける安定的な事業運営、これはドナー登録者数の確保ももちろんでございますけれども、骨髄バンクにおける安定的な事業運営がなされるように私どもとしても支援をしてまいりたいと考えております。
#238
○山本香苗君 是非、次期診療報酬改定におきましてもしっかり頑張っていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 この法律に基づきまして、出産の際に赤ちゃんとお母さんから無償提供された臍帯血を第三者の治療のために提供する公的臍帯血バンクというのは、厚生労働大臣の許可を得た事業者のみが行われるということで質の担保が図られたわけであります。しかし、自分の子供のために臍帯血を有料で保管するいわゆるプライベートバンクにつきましては、この法律の対象外となっています。
 先般、八年前に破綻したプライベートバンクから流出した臍帯血が大臣の御地元の松山市のクリニックなどで無届けで患者に移植されていたという疑いがあることが一部新聞で報じられました。
 五月二十四日の衆議院厚生労働委員会で福島局長が、このプライベートバンクの実態を把握すると答弁しておられますが、いつまでにどういう形で実態把握をしていただけるんでしょうか。
#239
○政府参考人(福島靖正君) お答えいたします。
 今御指摘の、個人の委託によって御本人又はその親族の方に移植を行う、それに用いるための臍帯血の採取、保存などを行う事業者、いわゆるプライベートバンクにつきましては、平成二十四年に実施した調査で四か所あることが確認されておりまして、このうち二か所が現在でも事業を行っていると私どもは承知しております。
 このプライベートバンクにつきましては、造血幹細胞移植提供推進法の規制の対象とはされておりませんけれども、様々な課題が指摘されていることから、業務の実態等を把握をするために調査を行うこととしたものでございます。
 現在、日本産婦人科医会と相談をいたしまして、具体的な調査方法について調整をしているところでございます。調整が終わるまで少し時間が掛かりますけれども、できるだけ可能な限り迅速に調査を開始したいと考えております。
#240
○山本香苗君 是非、可及的速やかに行っていただきたいと思っております。
 ただ、やはり、今回の調査もあくまで任意の調査でございまして、正直、正確に実態を把握するのはちょっと難しいんじゃないかなと思っております。少なくともプライベートバンクについては届出を行わせる仕組みが必要なのではないかなと考えておりますが、いかがでしょうか。
#241
○政府参考人(福島靖正君) 繰り返しになりますけれども、造血幹細胞移植推進法におきましては、非血縁者間の移植に用いる臍帯血の提供を許可を得た臍帯血供給事業者に限定した上で、当該事業者に対してその採取などを行う際にはその安全性や品質の確保に関する基準の遵守など、業務遂行上の必要な義務を課しているものでございまして、これは臍帯血の特性やその提供に調製、保存といった過程を伴うことに鑑みまして、第三者の提供における安全性や品質の確保を図ることが必要であるということから規定されたものであると承知をしています。
 他方、プライベートバンク、いわゆるプライベートバンクが行う事業については、個人の委託という当事者間の契約に基づくものであること、また、血縁者間の移植に用いられるものであることから、現在は造血幹細胞移植推進法の規制対象となっておりませんで、安全性や品質の確保に関する基準などが適用されていないという状況にあります。
 このように、プライベートバンク、現在は法規制の対象となっておりませんけれども、先ほどお答えした、今準備しておりますプライベートバンクに関する調査の実施結果も踏まえて、今後の措置の必要性については検討してまいりたいと考えております。
#242
○山本香苗君 最後の部分だけ答弁していただければよかったんですけれども。
 プライベートバンクについて、今日、消費者庁に来ていただいておりますが、全国の消費生活センターにどういった御相談寄せられていますでしょうか。
#243
○政府参考人(福岡徹君) 消費者庁でございます。
 全国の消費生活センター等に寄せられた相談についての御質問でございますけれども、いわゆる臍帯血プライベートバンクに関するものといたしましては、消費者庁において確認しましたところ、少数ではございますけれども、例えば、臍帯血の冷凍保存業者から保存更新の通知が届いたが、業者から詳しい報告等もなく疑わしい、また更新も高額なので迷うんだけれども、信用性が知りたいというものとか、出産間際に医師から臍帯血を私的に預けるバンクを進められ、検討する時間もなく返事をしたら、後から高額の費用を請求されたということ等の相談が寄せられているところでございます。
#244
○山本香苗君 いろいろとプライベートバンクについても相談が来ているそうなんですが、あるプライベートバンクでは、ホームページ上におきまして、臍帯血は、現在十分な治療法のない中枢神経系疾患、自己免疫疾患などに対する再生医療、細胞医療での利用可能性が注目されています等と記載して宣伝しております。しかし、御承知のとおり、こうした治療はまだ臨床研究段階のものであって、この先本当に治療に使えるかどうか定かではありません。
 そこで、もう一回消費者庁にお伺いしますけれども、こうした宣伝が誇大広告や不当表示に相当する場合もあるのではないかという指摘がございますが、いかがでしょうか。
#245
○政府参考人(東出浩一君) 御指摘の表示につきまして景品表示法上の評価を申し上げることは差し控えますけれども、一般論として申し上げますと、景品表示法上の不当表示に当たるかどうかの判断に際しましては、表示全体から判断する必要がありますが、事業者が自己の供給する商品又は役務について行っている表示において、実際にはその商品や役務が使用あるいは利用できない場合があるにもかかわらず、その商品又は役務が必ず使用又は利用ができるかのように表示しまして、一般消費者に著しく優良又は有利であるというふうに誤認される場合には景品表示法に違反するおそれがございます。
#246
○山本香苗君 一例しか挙げておりませんけれども、こうしたことを宣伝しているケースが多々散見されます。プライベートバンクに預けた場合の費用というのは、二十年間で二十万円から四十万円と、出産時にぱっと判断してぱっと払える額ではありません。しかし、将来子供が病気になったとき保管していた臍帯血で命が助かるかもしれない、子供の将来のためのお守りだと思って高い費用を払って契約しているお母さんたちが実際おられます。プライベートバンクで採取された臍帯血は、細胞数や衛生面などの点で品質が担保されているかどうかはっきりと分かりません。保管状況によっては移植に使えない場合もございます。また、そもそも、子供が成人するまで臍帯血を保管していたとしても使う可能性は極めて低くて、仮に臍帯血移植が必要となった場合には公的臍帯血バンクで十分対応ができます。その上、預けられた臍帯血が、プライベートバンクが破綻した場合、今回のケースみたいに破綻した場合にどうなるのかとか、また、それに付随する個人情報がどのように扱われるといった問題も残されております。
 プライベートバンクの問題というものは、消費者保護の観点からも母子保健の観点からも私は看過できないと思いますが、消費者保護の観点から、また母子保健の観点から、それぞれ御答弁いただけないでしょうか。
#247
○政府参考人(福岡徹君) 先に消費者庁の方からお答えいたしますと、先ほど答弁いたしましたとおり、全国の消費生活センター等において消費生活相談を受け付けた事例もあるところでございます。
 プライベートバンクをめぐる論点は多岐にわたるものであると考えられますところ、消費者庁といたしましては、引き続き、プライベートバンクに関する消費生活相談の状況を注視し、また、厚生労働省とも協議して対応してまいりたいと、そういうふうに考えております。
#248
○政府参考人(吉田学君) 母子保健の関係から答弁させていただきます。
 今御指摘いただきましたように、プライベートバンクが提供している情報には我々から見て根拠が不十分なものがあるという指摘もいただきましたし、また、いろいろとプライベートバンクについての御指摘もいただいたと思います。
 先ほど答弁ありましたような、今後行う実態把握を通じまして、もし不適正な事例等が私ども具体的に確認されるという場合には、当然、省を挙げて、関係局と連携をさせていただいて取り組むということでございますので、例えばでありますけれども、母子健康手帳の交付時ですとか、あるいは両親学級あるいは保健指導の機会を捉えて注意喚起を促すことも必要になるのかなというふうに今考えておりまして、その辺り、具体的には、実態を踏まえた上で次なる手を考えさせていただきたいというふうに思っております。
#249
○山本香苗君 注意喚起が必要かなじゃなくて、必要です。是非、情報提供していただきたいと思います。
 公的バンクと私的バンク、これ両方あるということすら知らないで、これしかできないんだと思っていらっしゃるお母さん方もたくさんいらっしゃいまして、そういうお問合せも実際いただいております。是非お願いしたいと思いますし、実態把握、福島局長におかれましてしっかり、そういった点も含めて調査をしていただきたいと思っております。
 大臣にお伺いしたいと思います。
 今回、臍帯血のプライベートバンクについては実態把握をしていただきますが、これのみならず、卵子だとか精子等の生殖系バンクについても何ら法的規制がありません。実際どのくらい日本国内で行われているのかというのもよく分かりません。今回、多分大臣の答弁書を用意したのは吉田局長のところだということだと思うんですが、どこが省内ではっきりグリップを握ってやるのかというのもちょっとよく分からないと。
 今、実際ネットなんかを見るとたくさん出てきます。ネットを介して提供するというようなこともあって、様々なトラブルや子供への影響も懸念をされています。これは、母子の健康のみならず、子供の福祉に深く関わることでもありますので、もう是非、厚生労働省が何も関与しないというわけに私はいかないんじゃないかと考えております。
 現にこうしたバンクが必要だという方がおられることもよく分かっておりますが、だからといって何もしないというわけにはいかないと思います。是非、この卵子や精子等の生殖系バンクについても実態を把握していただいて、ルール作りに資するような実態把握をしていただけないだろうかと、その上で検討を深めていきたいと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
#250
○国務大臣(塩崎恭久君) 国内における精子提供、卵子提供、この実績の数字も実はこれは関連学会に聞かないといけないと、こういうことになっているのがこの答弁書でありまして、平成二十六年の精子提供による出生児数、子供さんですね、百人と、それから、平成十九年から平成二十九年一月末までの十年間ですね、卵子提供による出生児数、これが三十七人と、こういうふうになっているわけであります。御指摘のこの精子バンク、卵子バンク等の実態については、必ずしも御指摘のように全体像が明らかになっているわけではないというのが現実の今でございまして、引き続きこの学会等を通じた情報収集を続けざるを得ないというのが今の体制であります。
 御指摘の点も含めて、生殖補助医療というのは、私も党内で議論、あるいは超党派の議連でもかつてはよく議論をしておりましたが、まさに生命倫理、それから命に関わる、個人のまた家族観にも関わる大変難しい、しかしこれは乗り越えていかなきゃいけない問題だと思っています。現在は関連学会が作成したルールに基づいて生殖補助医療自体行われているわけでありますけれども、与党でも国内の法整備に向けた検討が進められてきて、私も若干の関わりを持ってまいりましたが、さらに、厚生労働省としては、学会あるいは現場の動向などを注視しながら、精子バンク、卵子バンクの問題についてしっかり対応しなければいけないというふうに思います。
#251
○山本香苗君 確かに議員立法という動きがあることはよく承知をしておりますが、なかなか前に進んでおりません。厚生労働省で平成十五年に報告書をおまとめいただきましたけれども、あれから十年以上たってかなり実態も変わったんじゃないかと、かなり変わっていますという状況だと思うんです。
 ですから、この問題は確かに大きく、倫理的な問題だとか様々な問題をはらんでおりますのでそう簡単にルール作りというのができないかもしれないんですが、それに資するためにはやっぱりこの実態をしっかりと見ていただくことが大事だと思うんです。見える化することが大事だと思うんです。是非大臣のリーダーシップでそこのところも、今日は検討していただくといった言葉の中にそれも含まれていると──あっ、うんと言っていただいているので、更問いしないで次に行きたいと思います。
 がん対策についてちょっとお伺いしたいと思いますが、まず一つ、小児がんについてですが、早期診断が難しいと言われております。よく風邪と間違われたり、腹部の腫瘍ができて膨らんでいたにもかかわらず、赤ちゃんのおなかはこんなものだと思い込みから整腸剤が出されていたというような話も聞きました。小児がんは大人のがんに比べて進行が早く、なぜ早く気付いてあげられなかったのだろうかと自分を責め続けておられる親御さんたちもいらっしゃいます。
 東京都は、二年前に医師向けの小児がん早期診断ハンドブックというものを作成されて、今、一般小児科を中心に小児がんを発症した患者さんが訪れる可能性がある診療所や病院に広く配付をしております。大変分かりやすいもので、ちょっと今日持ってこれなかったんですが、大変いいものだという、私も見せていただいて、分かりやすくて、全国からも問合せが来ていると伺いました。
 是非、この診断ガイドブックを全国の一般小児科医を中心に活用できるようにしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#252
○政府参考人(福島靖正君) 今御紹介いただきました小児がん診断ハンドブックでございますけれども、小児がんを発症した患者の方が地域の小児科などを受診した際に、小児がん拠点病院や東京都小児がん診療病院に速やかに紹介されて適切な医療を受けることができるように東京都が一般小児科向けに作成したものでございまして、今御紹介がありましたように、初発症状を分かりやすく紹介して、実際の患者さんに近い症例を具体的に提示したハンドブックとなっております。
 このハンドブックにつきましては、全国十五か所の小児がん拠点病院、それから国立成育医療研究センター、国立がん研究センターによって、平成二十七年六月に開催されました第二回小児がん拠点病院連絡協議会におきまして全国での活用の可能性について議論をされておりまして、また、現在、国立がん研究センターの小児がん情報サービスのホームページの中でもリンクを貼って紹介をしているというふうに承知しております。
 厚生労働省といたしましても、小児がんは数が少なく、発症から診断までに時間を要することが多いために、このようなハンドブックは非常に有用であると考えております。東京都と相談しながら、各都道府県、東京都以外の道府県や小児科医会などを通じまして、全国の一般の小児科医へこのハンドブックについての周知に努めてまいりたいと考えております。
#253
○山本香苗君 よろしくお願いしたいと思います。
 第三次の基本計画が今策定中でありますけれども、そこの中の一つの柱としてがんとの共生ということがありますが、治療と仕事の両立という観点で二つ質問したいと思いますが、一つ目が、がん患者さんが治療をしながらこれまでどおりに日常生活を送るために仕事を続けていく上で、私はアピアランスケアというのが大変重要だと思っておりますが、厚生労働省はどう考えておられるんでしょうか。
#254
○政府参考人(福島靖正君) まず、がん患者さんが実際生活していらっしゃる上で、例えば爪とか皮膚障害、あるいは脱毛といったがん治療に伴う外見の変化、こういうものは生活の質に影響を及ぼすということで、この対策は重要であると考えております。
 これまで厚生労働省でアピアランスケアも含めましたがん治療の副作用への対策を進めておりまして、このアピアランスケアの領域につきましても、治療に伴う副作用等の予防とケアを行う支持療法の研究開発において、日本医療研究開発機構を通じて研究の支援を行っておるところでございます。また、がん診療連携拠点病院のがん相談支援センターにおきまして、がん患者の方の副作用の悩みを受け止めて、アピアランスケアを進める取組を進めてまいりました。
 今、第三期がん対策推進基本計画の策定に向けてがん対策推進協議会で議論をいただきましたけれども、この協議会のメンバーの中ではアピアランスケアについての対策が求められていることについての認識は一致しているところでございまして、私どもとしても、今後とも一層、そのアピアランスケアの対策の推進含めまして、がん患者の療養生活の質の向上、生活の質の向上の推進に努めてまいりたいと考えております。
#255
○山本香苗君 是非、第三次計画にも明記をしていただきたいと思っております。
 アピアランスケアにつきましては、神奈川県大和市が二〇一五年の四月から、また神奈川県ですけれど横浜市、また栃木県栃木市が二〇一六年の四月から乳がん患者さんに対するウイッグの、かつらですね、購入経費の助成を行っていますし、また、秋田県能代市と鳥取県におきましても二〇一六年四月からウイッグとともに胸部補整具も助成制度の対象としています。また、東京都の港区でも今年の四月から同様の助成制度が創設されておりまして、こうした地方自治体における取組も是非支援をしていただきたいと思うんですが、国としても、お願いしたいんですが、いかがでしょうか。
#256
○政府参考人(福島靖正君) がん治療に伴う外見の変化について、かつらであるとか胸部の補整具、そういう補整下着の購入費用の助成等、アピアランスケアに対する支援を行っている自治体があることは私どもも承知をしております。
 ただ、個々の自治体についてどういう支援がどういうふうに行われているか、実態について網羅的には把握をしていないのが現状でございます。まずはそのアピアランスケアについて、どういうケアがどの程度の費用が発生するのか、そして、その自治体でどういう支援が行われているかという実態の把握を行ってまいりたいと考えております。
#257
○山本香苗君 まずは実態把握からと。やっていただいた上でまた質問したいと思いますが。
 田中部長、済みません、最後に残りました。治療と仕事の両立につきまして、去年二月に企業向けのガイドラインを示していただいたんですけれども、示すだけでは済みません、後押しする施策が必要だと思います。
 別に東京都の回し者じゃないんですが、東京都ではこの六月一日から、要するに、がん患者さんがハローワーク経由で新規雇用した企業に最大六十万、職場復帰させた場合には最大三十万補助するという仕組みが、全国初でありますけれども始まりました。こうした取組、東京都だけじゃなくて全国で必要だと思うので、是非、厚生労働省の仕組みにも入れていただきたいんですが、よろしくお願いします。
#258
○政府参考人(田中誠二君) 東京都が難病やがん患者の治療と仕事の両立に向けて積極的に取り組む企業を支援するために、東京都難病・がん患者就業支援奨励金を今年度から新たに創設して、この施策に関して非常に熱心に取り組んでいただいていることは承知しております。
 一方、厚生労働省でも、昨年来の働き方改革実現会議でこのテーマが取り上げられまして、その議論も踏まえまして、治療と仕事の両立を支援するために、がんを含む傷病などの特性に応じた勤務時間や休暇などの制度を導入する事業者に対する助成金を今年度から創設をいたしております。
 私どもとしては、まず、当該助成金について周知、活用を図りまして、効果をよく検証した上で今後の施策の見直し、充実に取り組んでまいりたいと考えております。
#259
○山本香苗君 事前に今年度からスタートした補助金の制度を聞いたんですけれども、まあ使い勝手が悪いなと思いましたので、東京都のこの状況もよくフォローしていただいて、是非方向転換を図っていただきたいなと思いますので、どうぞ、部長、よろしくお願いいたします。
 以上です。終わります。
    ─────────────
#260
○委員長(羽生田俊君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、牧山ひろえ君が委員を辞任され、その補欠として宮沢由佳君が選任されました。
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#261
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 院内保育所について質問します。女性の医療職が働き続けるためにかけがえのない役割を果たしている、これが院内保育所だというふうに認知しております。
 そこで、総務省に確認をさせていただきたいと思います。二〇一五年、医師等の確保対策に関する行政評価・監視の結果に基づく勧告が出されております。その中で、院内保育所の設置状況調査を実施されております。百四十二医療機関を対象としたもので、そこでお聞きしたいのは、そこで出された医療機関の主な意見、どんなものだったか、御紹介ください。
#262
○政府参考人(古市裕久君) お答えいたします。
 お尋ねの平成二十七年一月に公表しました医師等の確保対策に関する行政評価・監視における院内保育所の設置状況の調査結果では、平成二十六年一月現在、調査対象百四十二医療機関中百九の機関、全体の七六・八%の機関に延べ百十二の院内保育所が設置されておりました。
 これら院内保育所を設置する医療機関からは、主な意見として、子供を預けることができない看護師が退職するケースが多いので、院内保育所があることで離職防止に役立っている、早く復職して新しい技術を習得したい看護師も多いため、時期に関係なく入所しやすい院内保育所は早期復職に役立っている、院内保育所に預けられることを就業条件にしている新規採用者もおり、その増加につながっているといった意見が聞かれたところでございます。
#263
○倉林明子君 院内保育所は、この間、急速に増加しているということも調査で判明しているかと思います。
 二〇〇九年、少し前になりますけれども、医師会でも女性医師の勤務環境の現況に関する調査報告書というものが出されております。ここでも院内保育所の拡充、二十四時間対応も含めた拡充、これ急務だというふうに指摘がされているわけです。
 そこで、大臣に確認したいと思います。医師、看護師等の人材確保、これ喫緊の課題となっておるし、院内保育所の効果というのは、私、極めて総務省の調査でも明らかだと思うわけですが、一層の拡充が必要なものだというふうに思っていますけれども、認識いかがでしょうか。
#264
○国務大臣(塩崎恭久君) 私も、地元の例えば愛媛大学附属病院でかなり前に院内保育所を作りましたが、そんなときにいろいろ一緒に努力した記憶がございますけれども、やはり医師あるいは看護師、どちらかというと看護師さんの方がニーズが多いようでありますけれども、医師も当然のことだと思います、最近は女医さんも多いですし、ということで、医療従事者を確保するためにも、子育てをしながら働ける取組として院内保育所の設置は極めて重要だと、こういうふうに思っています。
   〔委員長退席、理事島村大君着席〕
 院内保育所を設置することによる効果、これについては、地域医療介護総合確保基金、ここから補助を得て院内保育所を設置運営をしている五十五の医療機関に対しまして調査を行いました。その結果、出産、育児を理由とした離職の防止に効果があったとする医療機関が約九割。それから、産休、育休からの早期での職場復帰に効果があったというのがやはり約九割です。新規採用者の増加に効果があったという医療機関が約六七%となっておりまして、一定の効果がやはりあるなということを認識しております。
#265
○倉林明子君 その院内保育所の質ですね、保育の質、これを支えているのが言うまでもなく保育士さんになるわけです。改めてその質を支えている保育士の値打ちというのを実感させられたのが、地元であります京都市立病院、ここの青いとり保育園なんですね。一九七七年から既に看護師の確保、定着のために京都市が設置し、運営してきたという院内保育所なんです。私、学生時代、この京都市立病院に併設されていました市立看護短期大学出身なんですけれども、もう院内保育所がまだ珍しい時代から歴史ある院内保育所で、そこがあるからということで就職したいという方、多かったというのも本当に記憶しているところなんです。
 この歴史ある院内保育所なんですけれども、地方独立行政法人化ということで、二〇一一年に運営委託されるということになりました。実質的には直営だった運営委員会の運営から、運営委託ということでピジョン社が受けたんですね。このときは継続雇用を希望された保育士さん全員が雇用されるということになりました。ところが、この続きがありまして、二〇一五年、新たな委託先となったアート社は、保育士全員を、希望したんだけれども、不採用ということになったんです。
 保育士全員交代ということになると、子供に大きな変化が出るんですね。それが資料の一と二でお示ししています。これ同じ子供さんが描かれた絵なんですね。一枚目の絵が描ける発達段階まで行っていた子供さんが、保育士全員が入れ替わるという中で、これ二枚目の絵、見ていただきたいと思うんですけれども、明らかに情緒の不安定さ、発達の後退というのが絵によく出ているというふうに思うわけです。それだけじゃなくて、精神的にも不安定になったり、夜尿が出るというような後退症状も出て、保育所をやっぱり退所せざるを得ないというような事態まで起こっているわけです。
 私、子供の成長を保障する、これが保育所、院内保育所であっても当然求められていることだし、院内保育所であっても厚労省が定めた保育所保育指針、ここで示しているように、子供の最善の利益を考慮したものであるべきだというふうに思うわけです。そのためにも、安定した保育体制が欠かせないと私は思うんですけれども、大臣、いかがですか。
#266
○国務大臣(塩崎恭久君) 保育指針についてお触れをいただいたわけでありますけれども、これ、院内保育所につきましては事業所内保育事業として認可を受けているケースと認可外保育施設であるケースが考えられるわけでありますけれども、事業所内保育事業として認可を受けている場合は、設備運営基準に基づいて保育所保育指針、これが準用されるということになっています。認可外保育施設である場合は、指導監督基準等において、保育所保育指針を踏まえた適切な保育を行うこととされているわけでございまして、いずれの場合においても保育所保育指針に規定をする内容の遵守が必要となるわけでございますので、子供に対する保育の在り方はこの保育所保育指針に基本的にのっとって行われなければならないということだと思います。
   〔理事島村大君退席、委員長着席〕
#267
○倉林明子君 当然のことだと思うんですね。それなのに、実態としては市立病院の青いとり保育園のような事態が起こっているわけですね。
 なぜこういう事態に至ったのかという背景見ますと、院内保育所経費、これを抑制せざるを得ないという病院経営の実態があるわけですね。独立行政法人化に伴って経費を圧縮していくということに迫られるわけですね。直営から委託、これでおよそ三割の運営費の削減ということになりました。さらに、委託先が変わったということに伴って、もっとその委託経費の圧縮ということになっているんですね、結果として。病院経営の黒字化ということで迫られますと、院内保育所の質にまで影響が出ているという実態があるわけですよ。
 保護者が安心して預けられない保育所になっている、これは本当に深刻な問題だと思っているわけです。財政的に病院が追い詰められて院内保育所の質を低下させる、こんなことあってはならないというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。一般論として、どうぞ。
#268
○国務大臣(塩崎恭久君) 院内保育所における保育の質を高めるという取組はどういう場合でも必要だというふうに思います。
 院内保育所への支援ということでは、平成二十六年度以降、地域医療介護総合確保基金における事業として、先ほど申し上げましたけれども、各都道府県において、保育士確保のための運営経費とか、あるいは新たに開設をしようとする場合の施設整備費、この補助がございますが、地域の実情に応じて財政支援は実施をしていただいているというふうに思っております。
 厚生労働省としては、今後とも、地域医療介護総合確保基金の活用による院内保育所の継続的かつ安定した運営ができるようにしなければならないというふうに考えているところでございます。
#269
○倉林明子君 基金も使って支援もしているということなんですけれども、実態は国立病院機構でも同様の事態が進展しております。来年の四月から、院内保育所の運営をめぐりまして、今日紹介した京都市立病院機構と同様の事態が進行しているんですね。それが、二〇一六年で全国百十五か所、二〇一七年には百十一か所ということで、この国立病院機構の保育所を一括して運営してきたのがピジョンだったんですけれども、この全国一括の受託は終了するということを申し出ているわけで、児童でいいますと三千六百人余り、保育士千二百人余り、ここに影響が出るという事態になっているわけです。
 そこで、確認したいと思うんですけれども、ピジョンの受託終了後、この保育士の雇用継続について現状で国立病院機構の対応はどうなっているのか、把握しているところを御説明ください。
#270
○政府参考人(神田裕二君) お答えいたします。
 独立行政法人国立病院機構におきましては、院内保育所について、サービスの向上のために事業者の専門性を活用する観点から、これまで全国百十一の院内保育所について事業者への一括委託によって運営してきたところでございます。
 今般、昨年の十一月になりますけれども、事業者側から、各病院のニーズが多様化し、個別的な対応が困難であるといったこと、地域の実情に応じた保育士の確保が困難になっていることなどから二十九年度末日をもって全国一括での受託を終了したい旨の申入れがあったところでございます。
 これを受けまして、国立病院機構におきましては、平成三十年度以降も院内保育所を継続するために、今後は国立病院機構の各病院が新たな事業者と運営委託契約を締結することを基本とし、速やかに募集の手続を進める旨の基本方針を定めており、現在、この基本方針に沿った手続が傘下の病院で進められているものと認識しているところでございます。
 また、この手続を進めるに当たりましては、新たな委託事業者の選定において可能な限り現在勤務する保育士の雇用に配慮を求める観点から、傘下の病院に対して、募集する際の仕様書に旧受託者の職員が新受託者での雇用を希望する場合には可能な限り応募の機会を設けることと記載するよう、今年の四月に指導をしているところでございます。
 現保育士の継続雇用につきましては、保育士の意向も踏まえ、今後新たな事業者による面接等を経て決定されるものと認識いたしております。現状で申しますと、まだ公募前のところが非常に多くございまして、事業者が決定しているのはまだ二病院という状況でございます。
 厚生労働省におきましては、各病院において引き続き児童の預かり体制が確保され、翌年度においても職員が安心して子供を預けることができる体制をしっかりと確保することが重要と考えており、今後とも状況の把握に努めてまいりたいと考えております。
#271
○倉林明子君 そこで、先行した国立病院機構栃木医療センターではどうなっているかということなんですね。二〇一七年四月一日、今年四月一日から、ピジョン株式会社から株式会社キッズコーポレーションに運営委託を変更ということになっております。
 ここでも、今おっしゃったように応募の機会は設けたんですよ。ところが、結果はどうだったか。つかんでいますか。
#272
○政府参考人(神田裕二君) 先生御指摘の栃木医療センターについてでございますけれども、栃木医療センターの現在のピジョンから次の委託事業者に継続して雇用された者はいなかったというのが結果でございます。
 このため、まずは前の事業者のグループ会社での雇用を検討しましたけれども、その地域に欠員がなかったということから、次にグループ会社以外の保育所の求人情報を提供し、十一名のうち九名は引き続き保育士として採用されるに至ったというふうに承知をしております。残り二名の方については、雇用条件が合わない等、諸般の事由によって採用に至らなかったというふうに承知いたしております。
#273
○倉林明子君 結局、応募の機会は設けたんだけれども、結果として、いろいろ行き先決まった人があったというお話なんだけれど、元の職員十二人のうち応募したのは七人、この七人は全員不採用になったんですよ、全員不採用、御承知のとおりだと思います。
 結局、その雇用は一定守られた、継続が措置はとられたということなんだけれども、保育所の体制というのは全取っ替えになるということなんですね。だから、希望者全員応募の機会を設けるということで今も話は進んでいるということなんだけれども、それだけでは、このとちのみ保育園と同様のことになるんじゃないかと非常に不安の声が広がっているわけです。
 四月十日に、この問題、衆議院の決算行政監視委員会でも我が党の議員が取り上げております。大臣は、各病院において、引き続き、児童の預かり体制が確保され、翌年度も職員が安心していただけることができる体制をしっかり確保しなければならないというふうな答弁もされております。
 私、この経過を見ておりますと、同時に、大臣おっしゃったように、院内保育所であっても保育の質をしっかり確保していかなければならないという観点から見ても、この応募の機会を設けると仕様書に書き込むというだけで雇用や保育は守れないということになりかねないと思うんですよ。
 大臣、認識いかがでしょうか。
#274
○国務大臣(塩崎恭久君) 平成二十九年度末に独立行政法人国立病院機構の院内保育所の一括運営受託事業者との契約は終わるということで、その際には、各病院において引き続き児童の預かり体制が確保されて、職員が安心して子供を預けることができる体制を確保することが重要だというふうに思っております。
 国立病院機構におきましては、新たな委託事業者の選定に当たり、保育士が新受託者での雇用を希望する場合には可能な限り応募の機会を設けるように傘下の病院に対して指導しているということは先ほど御指摘をいただきましたが、さらに、現在の受託事業者におきましては、現在勤務をしている保育士について、まずは次の事業者に雇用を継続することを第一とし、そしてまた、仮にそれができない場合には自分自身のグループ会社に紹介することなどによって対応する意向であるというふうに聞いているところでございます。
#275
○倉林明子君 いや、だから、その答弁は衆議院でも同様の答弁されていたと思うんだけれども、結局、それじゃ、院内保育所の質が守れるんですかというところを私は今日改めて問いかけたいと思ったわけですよね。
 事態を見守るというスタンスなんですよね、一貫して。機構の問題だということだと思うんだけれども、これ注視しているだけでは問題解決しないと思うんですね。女性医療職の人材確保、離職防止にとっても安定した保育、これ本当に確保していくという観点は欠かせないと思っているわけですね。病院機構任せにしないで、希望者全員の保育士の雇用が可能となるように私は財政的な支援、基金やっていますといってこの現状になっているわけですよ。雇用継続希望した人たちはほとんどが賃下げになるんです、保育士ね。そういう状況も踏まえてでも保育の質担保したいと思って保育士は雇用継続希望しているんですよ。そんな人が不採用になるような事態は避けるように頑張っていただきたいと思うんです。どうでしょうか。
#276
○国務大臣(塩崎恭久君) 医療機関で働いていらっしゃる女性の看護師さんあるいは女性の医師の皆さん方が、働きながらも子供を育てることができるということは極めて大事だというふうに思っています。
 今お話しの応募の機会を設けるように指導するだけでは十分じゃないんじゃないかということでございますが、これは受託、委託の関係でもございまして、その次の事業者に、私どもとしては今お願いをしているような応募の機会を設けるとともに、やはり働いていらっしゃる保育士の皆さん方が続いて働くことができるということもこれ大事なことでございますので、そういう場合の手だてを会社としてはしっかりと、その組織としてはしっかりと取ってもらうようにお願いをしているところでございますので、紹介を自身のグループ内、いろいろあるようでございますので、そういうことで対応するということで、雇用を確保するということにも配慮をするように私どもとしても目配りをしているつもりでございます。
#277
○倉林明子君 機構でやっている院内保育所で子供の最善の利益が守れるような体制をどうつくるかと、期限も迫っている問題ですから、踏み込んでしっかり支援していただきたい、強く要望して終わります。
#278
○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。
 私は、今日は働く人の睡眠についてちょっと伺っていきたいと思っています。
 私も、この厚労委員会の質問がすごく多いので、最近睡眠不足になっていて、ちょっと不眠ぎみでもあるという感じなんですけれども、恐らく大臣の後ろにいらっしゃる役人の方も、答弁作りに忙しいので、きっと同じ思いを共有しながら今日は質問をやっていけるんじゃないかと思います。
 まず、日本人の睡眠時間に関するちょっとデータについてお話をしていきたいと思うんですが、これ、調べてみたらいろんなところが調査をやっていて、それぞれちょっとデータが違うんですけれども、私、NHKの放送文化研究所が五年ごとに国民の生活時間調査というのを行っていて、それでそのデータを見ると、国民全体の平日の平均睡眠時間というのが七時間十五分だと、これ二〇一五年のデータが出ているんですね。これ五年ごとの調査なんですが、毎回これが減っていっていると。それで、なおかつ年代別に見ると、三十代から五十代の働き盛りの世代はこの時間よりも三十分から四十分ぐらいやっぱり睡眠時間短いというふうになっているんです。だから、どんどんどんどん短くなってきていると。
 それで、あと、じゃ、ほかの国と比べてみようかと思ってほかの国を見てみたら、この配付資料の一枚目なんですが、これ、OECD加盟各国とそれ以外に中国だとか南アフリカのデータも付け加えてちょっと調べたデータだと、これだと日本人は女性が七時間三十六分、男性は七時間五十二分だというデータになっていて、それで、これ国の中で見てもやっぱり低くて、特に女性はやっぱり一番睡眠時間が短いという、こういうデータが出ている。
 だから、どちらにしても日本人の睡眠時間は短いというデータが出ているんですけれども、まず、こういうデータを見て、何で睡眠時間短いのか、それで、短くてもよいのかどうか、ここについてどういうお考えなのか、まずお伺いしたいんですが。
#279
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、片山委員がお配りになっている数字よりもちょっと古い数字で恐縮なんですが、OECDによる国際比較、私ども今持っているのは二〇〇九年の調査なものですから、今先生お配りのは二〇一一年になっておりまして、若干古いわけでありますけれども、一人当たりの睡眠時間は、例えば、日本人はフランス人と比べて男性で三十二分、女性で六十五分短いなど、諸外国と比べて短いということになっておりまして、二十七年度の国民健康・栄養調査、これは厚労省のものでありますが、これによりますと、一日の平均睡眠時間が六時間未満と回答した人は、併せて質問した睡眠の質の状況について、質に満足できなかった、睡眠時間が足りなかった、日中眠気を感じたなどの回答をされている割合というのが平均睡眠時間が六時間以上の方よりも多くなっていると。
 必要な睡眠時間には個人差があるとは考えられますけれども、まずは睡眠時間の確保を行って、併せて睡眠の質の向上にも努めることが重要ではないかというふうに考えているところでございます。
#280
○片山大介君 大臣おっしゃるとおりで、六時間未満の睡眠時間になると、今言われたように、寝付きが悪くなるとか寝ていても途中で起きちゃうとかという、睡眠の質が悪くなっていくというデータが厚労省の方でも調査で出ているので、だから今どんどん減ってきているので、この六時間が更に近づくとやっぱり悪くなってくると思うので、そこは注意しなきゃいけないと思うんですね。
 それで、ちょっと働き方改革との関連を実は聞きたいんですけれども、働き方改革で実行計画、これ今年の三月末にまとめて、その中には、焦点になっていたのが時間外労働の上限規制だとか、あとはメンタルヘルスやりましょうだとか、インターバル規制への促進を図ろうとかというのがあるのと、それ以外にも、例えば、先ほども出た治療と仕事の両立、これを会社の意識改革を基にやっていってもらおうだとか、産業医だとか産業保健機能の強化だとかっていろいろ書かれているんですけれども、睡眠については全く言及がない。
 だから、これ、働き方改革の中で睡眠がどのように位置付けられているのかというのを次は聞きたいんですが。
#281
○国務大臣(塩崎恭久君) 全く触れられていないというわけでもないのでございまして、三月のこの働き方改革実現会議で取りまとめられました実行計画においては、前日の終業時刻と翌日の始業時刻の間に一定時間の休息を確保するという勤務間インターバルの普及促進というのが盛り込まれておりまして、これは働く方の睡眠時間を確保する手段の一つとして有益だというふうに考えております。
 実行計画において、具体的には、労使の自主的な取組を推進する労働時間等設定改善法を改正をいたしまして事業者に勤務間インターバルを行う努力義務を課し、さらには制度を導入する中小企業への助成の活用や好事例の周知を通じて取組を推進することとしているわけでありますが、しかし一方で、マンアワー当たりの生産性を上げるということが基本的にこの働き方改革の押さえるべき大事なところであって、それは、要するに長時間労働を短くして、アウトプットを同じか良くする中で労働時間短くするということを実現しようということを言っているわけでありますから、これは言ってみれば、早く仕事を定時に終わらせて早く帰ってゆっくり寝ようと、充実したことをやった上で早く寝ようということを可能にするものでありますから、元々これは睡眠時間を確保するための手だてとしてやる。
 王道は、生産性を上げていく、マンアワー当たりの生産性を上げるということであって、インターバルは、長時間労働を前提にしているからインターバルの話が出てくるので、元々長時間労働をしなくていいような働き方をすればインターバルのことは余り心配しなくてもいいということではないかと思います。
#282
○片山大介君 大臣、今言われたことをちょっと一つずつ見ていきたいんですけれども、まず、そのインターバルの規制だとか少し設けるのは、それが必然的に睡眠時間の確保にもつながるというよりは、やはりきちんと睡眠の大切性も私盛り込んでもよかったのかなと。そうじゃないと、やはり睡眠を見直していこうというような意識がちょっと弱くなるんじゃないかなというのが一つ。
 そして、その生産性の話なんですけれども、大臣言われたように、生産性というのはやっぱり日本は低いです。それで、これ私もちょっとそれを調べたら、まず公益財団法人の日本生産性本部によると、日本の労働生産性というのは大体アメリカの六割ぐらいの水準だと。それから、あとOECDの各国の中で見たら、三十五か国中で日本の順位が大体二〇一五年で二十二位といって、三十年ぐらいずっとこの二十位前後を推移しているんですよね。
 これは生産性がやっぱり低いわけなんですけれども、この生産性が低い理由、これについてはどのように、睡眠とどのように関係があるかというふうに見ていらっしゃいますか。
#283
○国務大臣(塩崎恭久君) 国際比較で見ますと、やはり日本の生産性は、かつては高かったはずなのに、いつの間にかひどく悪くなっています。その要因として、我が国は長時間労働の方の割合が多く、効率的な働き方が十分に行われていないことも一因だというふうに思いますが、何でそうなっているのかということが問題であって、一つは、やはり生産性の悪い生産構造になっている。それは、設備投資が十分に行われていない、IT投資が十分行われていない。
 そういうことで、より人間がインプットをしないと一定の生産、アウトプットを得られないということになっているということがあります上に、マンアワー当たりの生産性というか、その働き方自体の問題もやはり考えなきゃいけないような状態ではないかということでありますので、働き方だけではなくて、むしろ本来の生産設備や、あるいはサービス業の場合のいろいろなイノベーションの不足、これによる生産性というのが落ちているということもよく考えなきゃいけない。IT投資をほかの国と比べると日本はずっとどの業種でも低いですから、そこのところは本当によく考えなきゃいけないというふうに思います。
#284
○片山大介君 大臣、おっしゃるとおりです。イノベーションの問題もあるけれども、あとやはり健康上の問題、健康がやはりその生産性を下げているという要素もある。
 それで、それを配付資料の二枚目で紹介をしたいんですけれども、この二枚目はアメリカの医療雑誌の論文に掲載されたものからちょっとそのデータを抜き出して表を作ったものなんですけれども、これどういうものかというと、アメリカの十の企業の合わせて五万人ぐらいの従業員に対して自分の生産性を下げる健康上の要因は何だろうかというのを尋ねた調査の結果なんですね。そうすると、これ一番がやっぱり疲労や倦怠感、二つ目が抑うつだとかですね。これ、一番から五番までやっぱり睡眠が影響しているものが出ているんですよね。六番以降で肥満が影響しているものがあるというふうにあるんですけど。
 こういうのを見ると、生産性を上げるという働き方改革の目的から考えても、労働時間だとか休暇とかだけじゃなくて睡眠に対しても、先ほどインターバル取れば必然的に睡眠を取れる時間だと言っているけれども、もっと睡眠に対して意欲的に意識的に取り組んでもいいんじゃないのかなと思いますけれども、これについてはいかがでしょうか。
#285
○国務大臣(塩崎恭久君) 今お配りをいただいた資料を大変興味深く拝見をしておるわけでありますけれども、やはりこういった、上から四番目、五番目までのようなものが睡眠が十分でないときに起きるんじゃないかということでありますが、平成二十六年三月に策定をいたしました健康づくりのための睡眠指針二〇一四というのがありますけれども、これでは、人間が十分に覚醒して作業を行うことが可能なのは起床後十二時間から十三時間が限界だと言われています。起床後十五時間以上では酒気帯び運転と同じ程度の作業能率まで低下をしてしまうというふうに言われておりまして、睡眠不足が注意力あるいは作業能力を低下をさせるということにつながって、結果として生産性を劣化させ、あるいは事故やヒューマンエラーの危険性を高めると、そういうことでありますから、十分毎日しっかり寝るということが大事でありますが、私も今朝五時台にはもう宿舎を出て答弁のレクをやっておりました。
#286
○片山大介君 それはよく私も聞いております。役人の皆さん大変だなと思いながらあれですけれども。
 それで、今言われた健康指針について、次は、先におっしゃられたので、聞きたいと思っていて、国として、じゃ、どういう取組をやっているのかというふうに私も調べたり聞いたりしたら、厚労省としては三年前から健康づくりのための睡眠指針二〇一四というものを作成したというのですが、これがどういう目的で作ることにしたのか、お伺いしたいんですが。
#287
○政府参考人(福島靖正君) お答えいたします。
 一般的に、睡眠には心身の疲労を回復する働きがあるとされておりまして、人間の心身を健康な状態に保つために睡眠時間の確保は非常に重要なものでございます。
 平成二十五年度から開始いたしました第二次健康日本21におきまして、心身機能の維持や向上のために、睡眠による休養を十分取れていない者の割合の減少、こういう目標を掲げておるわけでございます。二十六年三月に、より充実した睡眠について分かりやすい情報提供を行うことを目的として、健康づくりのための睡眠指針二〇一四を策定いたしまして、良い睡眠を取ることが心と体の健康づくりに重要であること、規則正しい食生活と定期的な運動が大切であることなど、睡眠の重要性について普及啓発を進めているところでございます。
 第二次健康日本21、今中間評価に向けた作業を進めておりまして、睡眠に関する事項についても中間評価を行うこととしておりまして、この中で現在の取組による課題あるいはその課題を踏まえた対応について検討してまいりたいと考えております。
#288
○片山大介君 それで、この指針には睡眠十二か条というのが作られて、それを配付資料の三枚目に付けたんですけれども、そうすると、一番最初には、良い睡眠で体も心も健康にとか、二つ目は、適度な運動、しっかり朝食とか、これ全くそのとおりなんですけれども、ただ、現代の社会人ってこれができないからみんな苦労しているわけであって、だから、これを、十二か条を実行してもらうために国として何か具体的な方策というのを考えているのかどうか、これをお伺いしたいんですが。
#289
○国務大臣(塩崎恭久君) 政府としてどのように実現するんだということをお尋ねをいただいたと思いますけれども、睡眠には、先ほど来のお話に出ているように、当然疲労を回復する働きがあって、睡眠時間の不足とか睡眠の質の悪化というのが生活習慣病のリスクを高めて、適切な睡眠時間の確保や睡眠の質の改善等によって心身の健康づくりを行って労働生産性や生活の質を高めていくという、これが大事だというふうに認識をしながら、厚生労働省としては、先ほど取り上げさせていただいたこの健康づくりのための睡眠指針二〇一四に基づいて、質、量共に充実した睡眠を取るための具体的な情報を国民の皆様方に提供するとともに、特に働く方々、この方々に対しては、特定健診・特定保健指導の重要な要素としての睡眠の状況を確認をしつつ、働き方改革実行計画に基づいて、働く方の睡眠時間の確保に結果としてつなげていきたいというふうに考えておりますので、先ほど申し上げたように、日中の働き方のマンアワー当たりの生産性をどうやって上げるのかと。これは働き方だけではなくて、さっき申し上げたとおり、製造業であれば生産設備そのもの、そしてまたサービス業が七割、もう七五%以上ですから、そこでのイノベーションを絶えず起こしつつ生産性を上げていくということをどうみんなでやっていくかということが大事なことであり、あとは働き方として割り切って、短時間で頑張って、あとは家へ帰って充実した家庭生活と睡眠を得て、その上でまた翌日から元気に生産性の高い仕事をするということが大事だということを進めていきたいというふうに思います。
#290
○片山大介君 それで、あと、今大臣も言われた、状況をきちんと確認するという意味では、私は健康診断ももうちょっと活用の仕方があるんじゃないかなと思っていて、今の健康診断で睡眠については、問診票で、睡眠で十分休養取れていますかと、そこに、はいかいいえを丸付けるだけで、実際にその後の問診でも、私の経験からいえば、お医者さんから、産業医からきちんと聞かれて、それについての結果を基にしたきちんとフォローアップを受けたということもないんですよね。だから、やっぱりそういったフォローアップみたいなこともやっていくようにしたら少しこれは変わってくるんじゃないかと思いますが、これについてはどうでしょうか。
#291
○政府参考人(福島靖正君) 睡眠時間が不足している場合、不足している人あるいは不眠がある人は生活習慣病になる可能性が高いということで、今特定健診の中で標準的な質問票、問診票で、睡眠で休養が十分取れているかという質問を設けておりまして、そこの質問にいいえと答えた場合は、やはりその睡眠の量、質に問題を抱えている方である可能性が高いということで、標準的な健診・保健指導プログラム、こういうものをつくっておりますけれども、この中で、睡眠の量、睡眠時間が不足している場合には、仕事や家庭のやむを得ない事情などを確認し、保健指導する人がその相手の方に共感をした上で睡眠時間を確保する工夫ができるような支援をすること、そして睡眠の質に問題がある場合は、健康づくりのための睡眠指針を参照して支援を行うことといった内容の指導、支援を行うように、こういう問診票の回答の活用例、こういうことで示しておりまして、このような活用例を参考に、睡眠対策を特定健診あるいは特定保健指導の中で対応していただくように今後とも指導してまいりたいと考えております。
#292
○片山大介君 今そう言われました、例えば今特定健診の話もされましたけど、特定健診でもやはり問診で一つ書いてあるだけだし、それであればもう少し項目を増やすだとかいろんな考え方あると思うんですよね。
 特定健診はそもそもメタボ対策というか、そっちの方に重点が置かれているけれども、生活習慣病の予防という観点からいえば、睡眠も生活習慣病のリスクを上げる増加要因になっているわけですから、だからそれをやっていけばいいと思いますし、それからあと、おととしに始まったストレスチェック制度、こちらの方もいろいろな心理的要素をいろいろ尋ねることになっているんだけれども、そちらについても睡眠は一問しか聞いていないんですよね。
 このストレスなんかも睡眠とすごく密接に関わりがあるものだから、いろいろと睡眠にもうちょっとアプローチできるいろんな今ことをやっているわけだから、ちょっとそこを充実させていくという考えを持った方がいいんじゃないかと思うんですが、最後に、じゃ、その意気込みというか、それを、大臣にお願いしたいと思いますが。
#293
○国務大臣(塩崎恭久君) 新たにストレスチェックが制度化されて運用が始まったわけでありますが、今回、電通の問題にしても、やはりストレスで非常に御苦労されている方々がたくさんおられるというのは明らかになりましたし、私も、友人の精神科医の方々が、産業医をやりながら、ストレスが非常に高まっている人たちが増えているという話を聞いております。そういう方々は押しなべて睡眠不足の方が多いというか、寝られないという方々がおられるわけでありますので、ここはストレスコントロールをしながら、睡眠をちゃんと取っていただいて、毎朝元気に出てきてもらって仕事をするという、先ほどのサイクルにうまく乗っていけるように、我々も気配りをしてしっかりと責任を厚生労働省としても果たしていきたいというふうに思います。
#294
○片山大介君 是非みんなで心掛けて頑張れるようにしていきたいと思います。
 ありがとうございました。
#295
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 まず初めに、解雇の金銭解決についてお聞きをいたします。
 先ほども石橋委員から質問がありました。裁判で解雇無効の判決勝ち取るのってやっぱり結構難しいわけですよね。解雇が無効だという判決を勝ち取ったとしても、職場復帰の判決を勝ち取ったとしても、金銭解決制度があるということであれば、これは労働者にとって、金銭提示によってこれを受け入れざるを得ない、受け入れてしまうという力が大変働いてしまうのではないか。実際、解雇が無効だといった後に和解のような形で終わることや、裁判の途中で和解があることはもちろんあります。労働審判の後で和解的な話合いがあることはもちろんあります。
 ただ、制度として、解雇が無効だったとしても、金銭解決できるという制度をつくるとどんなことが起きるか。それは、労働者側からの提示であれ使用者からであれ、解雇やったって、解雇が仮に無効になったとしても金銭解決でオーケーなんだとなれば、解雇やり放題になるじゃないですか。使用者側というのはリスクがあって、解雇ってすれば解雇無効確認訴訟を提訴されるかもしれないというリスクがあるから、やっぱり解雇に少し慎重になるとかということはあるわけですよね。しかし、それを全部無にしてしまう。
 解雇が仮に無効だとしても金銭解決でオーケーなんだという社会はつくってはいけない。なぜならば、解雇やり放題になっちゃうからなんですよ、やり放題。お金払えばいいんでしょうという社会になってしまったら、労働者って、解雇ってやっぱり死刑判決のようなものですから、これを許してしまうととっても弱くなってしまう。
 大臣、いかがですか。
#296
○国務大臣(塩崎恭久君) 恐らく、今のお触れになっている労働者という方は、組織された労働組合の下での労働者ということをおっしゃっていることも多いのではないかと思います。今、つまり、金銭の問題解決すら何もなしに解雇されている人たちもたくさんいるわけで、私たちはそういうことを含めていろいろ考えていかなきゃいけないと。働く人たちはいろんな方々がおられますので、特に中小企業の方々はかなりつらい思いをされている方が多いというふうに思います。
 解雇無効時の金銭救済制度を含む労働紛争解決システムの在り方、こう申しているわけでありますけど、労使を含めた有識者の検討会において検討を行って報告書が取りまとめられたところでございます。この報告書で、使用者申立て制度については現状では容易ではない課題があって、今後の検討課題だと、そうすることが適当だということにされておりますし、これを踏まえると、今後の労働政策審議会における議論においては、労働者申立て制度について検討を深めていくことが適当であるというふうに考えております。
 また、この労働者申立て制度は、解雇された方が職場復帰を希望せずに金銭による救済を求める場合に利用することを想定した仕組みであって、あくまで働く方の選択により利用するものでありまして、金銭さえ支払えば解雇のやり放題というものでは決してないというふうに考えております。
 また、報告書におきまして、金銭救済制度は企業のリストラの手段としても使われかねないと、こういう御意見もあったわけでありますので、今後、この労働政策審議会で議論するに当たっては、そういった慎重論にも十分考慮をいたして議論を深めていかなければならないというふうに思っております。
#297
○福島みずほ君 いや、違うんですよ。解雇が無効だったら職場復帰させなくちゃいけないんですよ。解雇が無効だったら、解雇が駄目なわけですから職場復帰させなくちゃいけないんですよ。だけど、そこで金銭解決というのは、例えば労働者側に預貯金がないとか、本当に生活が困っているとか、何とかしたいというところに付け込んじゃうわけじゃないですか。解雇無効だったら職場復帰させなくちゃいけないんですよ。
 だけど、解雇が無効でも金銭解決ができますというルールを厚生労働省がつくったら、解雇やり放題になりますよ。だって、使用者側はこう思いますよね。解雇、これは解雇無効確認訴訟で訴えられるかもしれない、しかし解雇が仮に裁判で無効になっても、金銭解決に追い込めばいいんだと、幾ばくかの金を払えばこれで追っ払えるんだと思うから、これはやり放題になりますよ。
 私、塩崎大臣は、非常に開明的な、リベラルな、多元的価値とかいうことが大変よく分かっている人だと思います。でも、労働法制についてはちょっと現場が分かっていないんですよ、悪いけれど。労働法制については、だからやっぱりお坊ちゃまだなというか、現場が分かっていないなと思っちゃうんですよ。
 これ、解雇やり放題になりますよ、どうですか。
#298
○国務大臣(塩崎恭久君) いや、分かっていないとおっしゃいますけど、私も人を雇って事務所を運営しているわけでありますから、使用者の一人でもあります。もちろんサラリーマンもやってまいりましたが、これは組織化された組合もある組織でありましたから。
 世の中にはいろんな働き方をされている方々がおられて、力関係も労使の間では全く弱い立場で働いている方々もおられるわけでありますので、私どもとしては、もちろん今お話があったように解雇無効になれば戻るというのが一番いいことですが、戻るに戻れないというケースもあるということが今回の検討の言ってみればスタートラインのような認識だったというふうに思います。
 したがって、いろいろなケースに合った法制度があって、労働者を、働く人を守るということが目的でやるべきだろうというのがこの制度の検討ではないかというふうに私は思っております。
#299
○福島みずほ君 職場復帰が原則になるんですよ。でも、使用者側は職場復帰してほしくないと思うから、解雇無効の判決が出たら、それから実は弁護士的に言えば金銭解決も可能かどうかという話合いに入るわけですよ。それはある意味、取引というか、両方どうですかという交渉に入るわけですよね。だから、それは違いますよ。解雇の無効判決が出て職場復帰をさせなくちゃいけないという使用者がそれどうしても嫌だと思った場合に何かあり得るかということなんです。
 労働者はやっぱり弱い立場ですよ、組織されていようが組織されていまいが、解雇が金銭解決になるわけですから。解雇が無効になるって極めて例外的な場合に金銭解決できるという制度をつくったら、これ使用者は怖いものないじゃないですか。解雇無効確認訴訟で断罪されないというか、断罪されたとしても職場復帰させなくていいわけですから、こういう制度を絶対につくってはいけないというふうに思います。
 そのためにも厚労省、これはちょっと踏ん張ってくださいよ。何で労働者側が絶対これに承諾しないかという意味をちょっと一晩考えて、考えてみてください。お願いいたします。
 次に、ワークルール教育についてお聞きをいたします。
 ワークルール教育法を作ろうというのが非正規雇用議員連盟、これは尾辻会長で、本当に超党派でやっているんですが、若者というか全ての人にワークルールぐらい教えたらいいじゃないかと、裸ん坊で社会に出て傷つくんじゃなくて、せめて産着ぐらい着せてあげようよと。ワークルールというのがあって、君、あしたから首だよと言われても、いや、三十日間それこそ解雇ルールがありますよ、いや、労基法に実は生理休暇って規定あるんですよ、実は均等法という法律があってこういうことを規定されているんですよ、育休という制度があって今こういうのがあるんですよとか、それはやっぱり全く知らないのと少しは知っているので全然違うんですね。
 ですから、厚労省政策統括官が二〇〇九年二月にまとめた今後の労働関係法制度をめぐる教育の在り方に関する研究会報告書によると、労働者自身が自らの権利を守っていく必要性の認識が高まっている状況にもかかわらず、必要な者に必要な労働関係法制度に関する知識が十分に行き渡っていないという現状分析が述べられています。
 ワークルール教育の重要性について、大臣はどのように認識されていらっしゃいますでしょうか。
#300
○国務大臣(塩崎恭久君) 社会保障の制度を知らないで社会に出てしまうのと同じように、働くことのルールを知らないで社会に出るというのは、やはりこれは自分の身を守るためにも、ハッピーに働くためにも、やはりルールをちゃんと若い頃から、学生時代からしっかり習得していくということは大事なことだというふうに思っています。
 厚生労働省は、これまで高校生などに理解を深めてもらうために、高校等の指導者用の、先生方ですね、のモデル授業案を作成をして知ってもらうということをやってまいりました。主に若い世代の働く方をまた対象にして、労働法制についての分かりやすいハンドブックを作成をいたしまして、これも周知をさせているところでございます。
 さらに、企業向けに、これはウエブ上で労働管理とか安全衛生管理上のポイントについて診断を受けられるスタートアップ労働条件、新しい企業を起こすときのチェックポイントですね、労働上の、これを開設するなどの取組を進めておりまして、学生さんや働く方、あるいは新規に起こす、企業を経営しようという、そういった方々に対して労働法に関する知識の更なる周知啓発に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#301
○福島みずほ君 今日は文科省にも来ていただきました。学校現場で、まあ小学校はどうか分かりません、中学、中学でも研修を、仕事場に行きますから、中学、それから高校生はアルバイトもしますし、大学生もアルバイトをする。ですから、様々なところで、社会人教育もあります、文科省としてそのワークルール教育法、あるいはワークルール教育に関して頑張ってやっていただきたい。いかがでしょうか。
#302
○政府参考人(白間竜一郎君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の、子供、若者が労働基準法などを理解して雇用、労働について考えるというようにすることが重要であると考えております。
 一つには、学校教育におきまして、中学校、高等学校の社会科あるいは公民科におきまして労働問題について考えさせるといった指導を行うということが一つ。そして、本年三月に公示をしました中学校の学習指導要領におきまして労働保護立法について触れるということを新たに規定をするということなどの内容の充実を図っているところでございます。
 もう一つ、今大臣からも御紹介がございましたように、厚生労働省と連携をいたしまして、働くときのルールなどを取り上げたハンドブックやリーフレット、これを学校における活用を進めるということ。また、学生、大学生も含めますけれども、学生や生徒、教員に対しまして労働関係法規等の講義を行ってくださる都道府県の労働局、この労働局から講師を派遣していただける、こういったことを学校現場等に周知をすること。また、これも御紹介ございましたように、厚生労働省で労働法、ワークルールの指導のためのモデル授業案、そしてこれを記載した教員用の資料を作っていただいております。こういったものへの協力をするということと、その活用について、これは本年四月に教育委員会に周知をしたところでございますので、引き続き厚生労働省と連携を密にしながらこういった周知に努めてまいりたいと考えております。
#303
○福島みずほ君 ワークルール教育を推進するための体制づくりとして、国レベルでワークルール教育推進会議を、また都道府県及び市町村レベルでワークルール教育地域協議会を置き、ワークルール教育に関する重要事項の調査、審議や推進状況確認、課題検討、情報交換などを行うことが考えられるが、いかがでしょうか。
#304
○副大臣(橋本岳君) 今文科省からも答弁がありましたけれども、厚生労働省は文部科学省と連携をして、学校や大学等において労働関係法規等の講義や労働条件セミナーを実施しているところでございます。
 また、地方公共団体においては、NPO法人や大学、弁護士等との連携の下、労働者向けの労働法や労働問題等に関するセミナー、企業向けの労働関係法令改正の内容や各種ハラスメント等に関するセミナーを実施している例があると承知をしております。
 ワークルール教育推進会議という御提案を今いただいたわけでございますけれども、その労働関係法に関する知識の普及に当たって様々な関係者がしっかり連携をすることというのは大変大事なことなんだろうというふうに思っておりますし、現在でも、国レベルでは文部科学省と、また地方レベルでは各都道府県労働局が関係者と連携を取りながら各種施策を進めているところではございますが、議員の今御意見をいただきました、そうした御提案もあるということで受け止めて考えていきたいと思っております。
#305
○福島みずほ君 是非よろしくお願いします。ワークルール教育法などを作り、根拠法を作り、文科省も厚労省も、厚労省は今ホームページなどでもすごい頑張っていただいているんですが、是非頑張っていただきたいと思います。
 次に、国家戦略特区における地域限定保育士についてお聞きをいたします。
 これ、地域限定保育士の資格取得ができる、二〇一五年の法律で成立し、資格取得後三年間、自治体内のみで保育士として働くことができ、四年目以降は全国で働くことができる。ただ、保育士、今回内閣委員会にかけられている法律の中で、更に規制緩和をして、一般社団、一般財団法人以外の株式会社などもこの地域保育士試験の実施事務を行うことができるという法案がかかっています。これ、おかしいんじゃないでしょうか。保育士さんって国家試験でしょう。何で地域限定で、しかもそこで三年働いたら全国どこでもオーケーなんですか。これ、とってもおかしいと思いますが、厚労省、いかがですか。
#306
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 今御指摘いただきました地域限定保育士試験、これ、流れの中で申し上げますと、都道府県における最低一回の通常の保育士試験の実施を担保した上で、まさに地域における地元の受皿整備に当たって保育士の確保を行いたいという自治体からの御要望を踏まえて、今お話ございましたように、平成二十七年度、都道府県等の意向で実施するという形で、国家戦略特区という形で制度化させていただいております。
 結果、その後ではありますけれども、このときから、この地域限定保育士試験が起爆剤となりまして、翌年二十八年では地域限定保育士試験も含めた全ての都道府県で、それ以前、年一回だった試験が年二回の実施が実現することになったという経緯もございます。
 また、今回提案させていただいております更なる緩和につきましても、三回目の保育士試験についてのその試験主体、指定試験機関を緩和する形にしてございますけれども、それに当たりましても、公正、適正かつ確実な試験の実施ができるということが保育士の質の担保という意味では重要だということを私どもも考えておりまして、今の指定試験機関についての条件でありますとか、あるいは、実際には試験問題を作成していただきます試験委員の選任について一定の条件をきちっと課した上で行うということでございますとか、この結果につきましても、当該都道府県において総合的かつ定量的な評価を行っていただいて、その結果を公表して検証するという形で、質の担保をきちっと図りながら進めさせていただきたいという形で提案させていただいているところでございます。
#307
○福島みずほ君 国家試験を地域限定でやって、その後全国どこでもオーケーというのはおかしいと思います。
 同じように、獣医学部について、大学の規制緩和についてお聞きをいたします。
 大学で、つくるのに、特区って正しいんでしょうか。全国から来るし、全国に散らばる。これ、国家戦略特区に合致するんでしょうか。これ、まさに加計学園が特区でやるわけですが、これについておかしいと思いますが、いかがですか。
#308
○政府参考人(川上尚貴君) お答え申し上げます。
 今回の獣医学部の新設につきましても、私ども国家戦略特区の目的にかなうものと承知をしてございます。同様に、最近の例といたしましては、例えば千葉における医学部の新設についても同様でございます。
#309
○福島みずほ君 地域の特区とかいうのにも本当に合わないと思います。
 それで、今治市の今治市議会国家戦略特区特別委員会記録、平成二十八年九月二十六日にあるのは例えばこういうものです。私、今治で今治市の市の職員にも会いましたけれども、こういう記述があります。ただ、私ども、それで、内閣府としましては、何とか三十年四月を目指して努力をするという姿勢をこの分科会を通じて見せさせていただいておりますので、それに向けて国の方は動いていくんだろうというふうに思っております。
 何で今治市がこんなことをこの特別委員会、今治市で言うことができるんでしょうか。内閣府が三十年四月を目指して頑張っているということを伝えている。この委員会でその姿勢を示していたからではないですか。
#310
○政府参考人(川上尚貴君) お答え申し上げます。
 お尋ねの今治市議会におきまして、最速で平成三十年四月の開学といった説明がされていることにつきまして、内閣府としては関知する立場にございません。また、内閣府から何かお教えしたという事実も一切ないところでございます。
 内閣府といたしましては、今治市からできるだけ早く開設したいとの御意向は常々お聞きをしてございましたけれども、平成三十年四月開設との意向をお聞きしたことはないということでございます。
#311
○福島みずほ君 しかし、これ、九月二十六日で、特区は十一月九日じゃないですか。今治市の市議会の議事録ではっきりと、内閣府が三十年四月を目指して努力するという姿勢をこの分科会を通じて見せさせていただいております、それに向けて国の方は動いていくんだろうというふうに思っておりますというのを、まさに企画課長が述べているんですよ。もう加計学園ありきで突っ走っているし、内閣府は三十年四月に開設するというのを今治市に見せているじゃないですか。
 それで、たくさん質問したいことはありますが、時間ですので、また是非この委員会にもお出ましいただいて、また教えていただきたいと思います。
 以上で終わります。
#312
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。
 私も引き続き、働き方につきまして今日は議論をさせていただきたいと思っております。働き方は働き方ですけれども、厚生労働省のまずは働き方についてです。
 以前、大臣に私は申し上げました。厚生労働省の真夜中まで光が付いている状況を何とかしろと。資料一、御覧ください。何と、新聞に報道がございました。八時までに退庁、厚生労働省ようやく働き方改革かということで、いわゆる厚生労働省ではなく強制労働省、ようやく汚名返上というところになってまいりましたけれども、具体的にどのような方策を考えていらっしゃるのか、教えてください。お願い申し上げます。
#313
○政府参考人(宮川晃君) お答えいたします。
 厚生労働省の働き方改革につきましては、これまでも在庁時間の縮減や年次休暇の取得促進などに取り組んできたところですが、更に加速するため、橋本副大臣の下、若手職員を中心に検討を進め、先月末、厚生労働省業務改革・働き方改革加速化チーム中間取りまとめを策定、公表いたしました。この中間取りまとめでは、これまでの省内の働き方改革には生産性向上の概念が十分に組み込まれていなかったことを踏まえ、幹部職員を筆頭に全職員が生産性向上に向けて意識改革を図るとともに、内部打合せの時間原則三十分の厳守など業務改善のルールの徹底、業務の優先順位の明確化など管理職が取るべきマネジメントの徹底を盛り込んだところでございます。
 また、長時間労働の是正に向けた意識改革などを進めるため、同じ庁舎に入居します環境省の協力を得て年一回以上全館消灯日を設けることとしております。
#314
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 生産性の向上ということを一般の企業にしっかりと義務付けるためにも、まずは自ら襟を正すべきだということは私は申し上げておきたいと思います。
 そのために、実は私どもも協力できることがあるのではないかと考えております。我々議員が協力できることということ、若しくは厚生労働省からどうかこういうことはということがございましたら、どうぞプロジェクトリーダーの副大臣、教えていただけますでしょうか。
#315
○副大臣(橋本岳君) 厚生労働省は働き方改革の旗振り役でございまして、自らも働き方改革に率先して取り組まなければならない、そういう思いで今回その中間取りまとめをさせていただいたところでございます。
 例えばでありますけれども、国会答弁数とか質問主意書の件数などをほか省庁と一人当たりで比べてみると、厚生労働省というのは結構多いですね、相対的に。それも取りまとめの中で載っておりますけれども、そうした国会の関係の業務というものもやっぱりちゃんと効率化をするということを考えていくことによって職員の負担も減るのではないかということも考えております。
 例えば、答弁の作成とか質問主意書の作成について、今回、まずは見える化みたいなことはできないかということで試みをしてみました。まだちょっときちんとそれをもって何かお願いできるというほど精度の高いものだと思っておりませんので、引き続き検討してまいりたいとは思っておりますけれども、例えば、遅い時間に質問通告をいただくとか、概要のみの質問通告をいただくとか、こういう場合は想定をたくさん作らないといけないということもございまして、それはもう職員の負担は増えるということになりますし、先ほど片山議員からも御質疑がありましたが、睡眠時間も削れるということもあるのは正直なところでございます。
 厚生労働省として、国会待機は当番制にするとか待機を縮小するのを徹底するでありますとか、そうした効率化というのはしっかり取り組んでまいりたいと考えておりますし、もちろんそのいただきました御質問に対してしっかりとお答えをできる準備をする、それはもちろん我々の務めでありますから、どのような通告をいただくか、それは議員の先生方、いただいたように私たちは頑張るというのが前提ではございます。
 ただ、当然ながら通告をいただいてその準備をするのも職員が頑張っているわけでございまして、その職員一人一人にも個人の生活、睡眠があるし御家庭もあるしということもちょっと頭に置いていただければ有り難いなと。もちろん、その上で、私たちは、義務ですから、義務としてしっかりとそのことには取り組ませていただきますけれども、ちょっとそうしたことも頭に置いていただければ、私たちとしてはもっと前向きに仕事に取り組めるんじゃないかなということで、それはリーダーとしてちょっとお願いをさせていただければ有り難いなということでございます。
 いずれにいたしましても、私の下で取りまとめた今般の働き方改革の加速化策について、今後ともしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
#316
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 いい議論をするのが私どもの役割でございますので、そのために協力できることというのはやはり議員も我々も心掛けていかなければ、決していじめるというような形で私どもが質問を投げてしまうと本当に御迷惑を掛けてしまいますし、できるだけ答弁は短く的確にということも心掛けていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
 それでは、その働き方も一つ、私、気になることがございまして、資料二にお配りをいたしております。
 先日、太田先生が御質問をいただきました医師の働き方なんですけれども、実はその当日に新聞が躍りました。研修医の過労自殺でございます。やはり医師の過重労働というものはなかなかこれ、問題解決になっておりませんけれども、医師の過労死、実はすごく数が多いのではないかというふうに言われながら、なかなかその実態が把握できておりませんけれども、山越局長、厚生労働省におきまして把握しているのかどうか、まずは教えていただけますでしょうか、お願い申し上げます。
#317
○政府参考人(山越敬一君) 医師の方の脳・心臓疾患、それから精神障害の労災認定件数でございますけれども、平成二十七年度でございますけれども、脳・心臓疾患は一件、それから精神障害が二件、うち自殺された方が一人となっております。
#318
○薬師寺みちよ君 そうですね、みんな疲れながら頑張っておりますので、共に頑張ってまいりましょう。
 このような調査結果に反映されないというような医師の死亡というものも聞こえてまいります。私どもは医は仁術として教えられてきておりますので、どんなに自分が疲れていようと患者様が目の前にいたら、それを診る、それが原則であったというふうに思っておりますけれども、やはりこういう過重労働の問題というのがなぜ改善されないのか、神田局長、教えていただけますでしょうか、簡潔に、済みません、お願い申し上げます。
#319
○政府参考人(神田裕二君) お答えいたします。
 この四月に取りまとめを行いました新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会の報告書の中では、過重労働の原因について、需要側の要因といたしまして、高齢化による医療、介護ニーズの増加、患者の期待の膨張、また、供給側としては、女性医師、高齢医師の増加、地域偏在、診療科偏在といった医療を取り巻く構造的な変化が挙げられております。
 また、モチベーションに欠ける待遇、雇用条件、不十分なマネジメント、限られたリソースの下で患者への十分な価値を生み出すことが困難なサービス提供モデルが構造的に存在しており、医療を取り巻く環境が大きく変化する中で、それらに対応しようとする負荷がかえって医療従事者の負担の増加に転嫁されているということも指摘されているところでございます。
#320
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 資料三に準備させていただきました。勤務時間が週六十時間以上が男性で約三〇%、女性で二〇%弱でございます。やはりこういう状況というものをいかに改善していくのかというのが今後の問題になってくるかと思います。でないと、我々、こういう過重労働をしながら、安全を守れと先ほどまで議論しておりましたけど、そんな無理な話はありません。ここまでへろへろになりながら安全だけは守ってよね、あなたたちの責任でしょうと言われたって、それは確かな睡眠時間をいただかないと、頭も働きませんし、判断能力も鈍る、先ほどそれは大臣が答弁なさったところでございます。
 このような形で今厚生労働省でも議論が行われております。医療従事者の需給に関する検討会医師需給分科会というものがございます。皆様方に資料四、お配りをさせていただきました。先ほどの資料もそちらの委員会で使われたものでございますけれども、実はこのメンバーに勤務医、女性医師が含まれておりません。そのために、しっかり議論をしているにもかかわらず、なぜ当事者の意見というものをもう少しくみ上げるための仕組みというものがないんでしょうか。大臣、御答弁をお願い申し上げます。
#321
○国務大臣(塩崎恭久君) 平成二十七年の十二月から、これ医政局長の私的な検討会になっているんだろうと思いますが、この医療従事者の需給に関する検討会医師需給分科会でありますけれども、様々な立場の御意見を踏まえて検討をするために、女性医師につきましては、日本女医会会長さんに参考人としておいでをいただいたというふうに聞いております。
 それから、勤務医につきましては、様々な勤務医の意見を総合的に反映させる必要があることから、医師の働き方の大規模な全国調査、先ほど話がありましたが井元調査と我々は呼んでいますけれども、この勤務医の、お配りをいただいたさっきのものもそうでありますが、勤務医の勤務実態、働き方の意向も踏まえて議論を行ったわけでございまして、この統計自体は一万六千人ぐらいの医師に答えていただいたということで大変良かったと思いますが。
 さらに、今、勤務医、女性医師、この声をしっかり入れるべきではないかということですが、さっき申し上げたビジョン検討会で井元調査をやっているわけではありますけれども、この医師需給分科会の方で最終的には医師の需給を決めていくことになりますので、今後、私としては、これを見ますと、やはり組織代表の方が多い、そうすると、ポジショントークをやはりせざるを得ないということも間々あるのではないかということを御推察申し上げるわけでありますので、社会保障審議会の最終的な医療部会につながるといえども、ここはいろんな意見があってしかるべきではないかと思いますので、私としては、幅広く意見を伺う観点から、議員御指摘のような勤務医や女性医師を構成員として直ちに入れる方向で検討させたいというふうに思います。当然、私も見て決めていきたいと思います。
#322
○薬師寺みちよ君 是非お願いをいたします。
 これからちょっと議論をしたいんですけれども、実は応招義務というようなものが今問題になってきております。
 私ども医師というのは、医師法十九条に、「診療に従事する医師は、診療治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。」と定められております。これ、いつこの法律が定められたのか、まずは神田局長、教えていただけますでしょうか。
#323
○政府参考人(神田裕二君) 現在の医師法の規定は昭和二十三年に定められたものでございまして、現在まで改正されていないものでございますが、これは、その大本は明治十三年に制定されました旧刑法において定められまして、以来幾つかの法令を経て現在の医師法十九条に引き継がれているというものでございます。
 戦前においては、応招義務違反については罰則が付されていたものでありますけれども、現在の医師法においては、応招義務は医師の守るべき法律上の義務として位置付けられており、違反した場合には罰則は付されておりませんけれども、医師としての品位を損する行為ということで戒告等の行政処分の対象にはなり得るということになっております。
#324
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 やはり、こういうものがあるからこそ先ほどの過労死などの、市民病院でしたよね。ですから、ここで救急を行わなければとか重症患者を診なければということで、結局は多くの、一部のです、多くのというよりも、一部の勤務医の皆様方に負担が掛かっているというこの現状がございます。
 元々、おっしゃっていただきましたように、昭和の昔には個人開業医の皆様方がぽつぽつぽつといらっしゃった。だから、この地域医療という考え方もございませんでしたので、その中で誰かがやっぱり医療を担っていかなきゃいけない、だからこういう義務ができてきたんだというふうにその歴史をひもといてくださった方がいらっしゃいます。でも、今は地域医療で、多くの皆様方がネットワークの中でそれを担うことができると私は思っておりますし、そういう体制を今厚生労働省も推奨してくださっているはずです。ですから、医師の間でもクリニックが今増えております。駅前開業というものをやれば、そこが閉まってしまえばこの応招義務なくなってしまうわけです。電話もつながりません。しかし、一部の勤務医の皆様方はそれを全部担って救急外来で寝ずに診てくださっているというこの現状、この格差も何とかして埋めていかなければならない。そうでなければ、いつまでたっても私はこの医師の問題というのは解決していかないんではないかと思っております。
 ですから、この応招義務というものはもう本当に制度疲労を起こしておりますし、しっかりとその救急医療を担うのであれば、その救急システムというものを地域で構築し、そこに構成する医師がしっかりと参加しなさいよという義務のようなものに変えていけば、もっともっと医師というものが過重労働がなく、一部の方だけに負担を掛けることなく、私はうまく回っていくようなシステムも構築できるんではないかと思いますけれども、大臣、御意見いただけますでしょうか。お願い申し上げます。
#325
○国務大臣(塩崎恭久君) 応招義務的な発想というのは世界中どこでも医師に対してはあるんだろうというふうに思いますが、これだけ長時間労働をしている日本の医師は極めてユニークな存在ではないかな、もう少し人間的な暮らし方をしている医師が海外では何か多いような感じがいたしまして、例えばGP、で、かかりつけ医というと夜中でもいつでも呼び出されるような感じがしますが、例えばイギリスのGPだと、言ってみれば当番制のようになっていて、複数のかかりつけ医で、GPで一人の患者さんを担当しているというようなこともあって、比較的夜中に呼び出されることのない働き方というものも可能になっているんだなということを参考になるものとして拝見をしています。
 やはり役割の分担というものと、それから個々人の医師の間での役割の分担、そして医療機関の間での役割の分担というのが大事で、そのために特定の医師に負担が集中しないように工夫をしていくということが大事ではなかろうかというふうに思います。
 救急医療体制につきましては、初期救急あるいは二次救急、三次救急、役割分担をしていますけれども、地域において効率的かつ円滑に患者さんを受け入れる体制整備を図るために、これ、政府としても補助金などを通じて支援を行ってきているわけでありますが、この中で、病院に勤務する医師だけではなくて地域の開業医の先生方にも、既に地域の実情に応じて休日あるいは夜間における在宅当番制などの初期救急体制等の一翼を担っていただいている。私の地元でも、先生方はそのような形で夜も頑張っていらっしゃる、休日もという方々がおられます。
 ただ、診療科による特性とか医師の専門性などそれぞれいろいろありますので、厚労省としては、まずは現在の役割分担の取組を支援することを通じ、救急医療体制の充実に努めるとともに、やはりタスクシェアリングというのをどういう形でやることが、この救急体制を守り、なおかつ、それぞれの一人一人のお医者さんに過度な負荷を掛けないかということを考えなければいけないのかなというふうに思います。
#326
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 先ほども大臣おっしゃっていただきましたように、いろんな皆様方のやっぱり声を聞いていただかないと、これ回答は一つではないですし単純ではございません。しかし、往々にして、こういった審議会はその代表若しくは使用者側の皆様方が出てこられることが多いです。
 ですから、しっかりと、勤務医の皆様方が一番今悲鳴を上げているこの現状をどうするかということは、勤務医に直接伺っていただきながら、これから制度設計をどうしていけばより良く、医師も安全にしっかりとした医療が提供できるのかということを考えていただきますよう私もお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#327
○委員長(羽生田俊君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#328
○委員長(羽生田俊君) 厚生労働省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。塩崎厚生労働大臣。
#329
○国務大臣(塩崎恭久君) ただいま議題となりました厚生労働省設置法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 近年の保健医療技術の進歩は著しく、ヒトゲノム解析や人工知能等の技術革新により、個別の疾病予防や治療等の観点のみならず、社会保障、公衆衛生、社会福祉等の幅広い分野において施策への応用が可能となる段階を迎えております。また、国際保健の分野においても、エボラ出血熱の流行等の公衆衛生危機への対応や高齢化に関する国境を越えた取組の促進等のため、医学的知見に基づく一元的な施策の推進の必要性が高まっております。
 このような状況に対応しつつ、厚生労働省の所掌事務の的確な遂行を図るため、医学的知見に基づき厚生労働省の所掌事務を総括整理する職として、医務技監を新設するものです。
 なお、この法律案の施行期日は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日としています。
 以上が、この法律案の趣旨でございます。
 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願い申し上げます。
#330
○委員長(羽生田俊君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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