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2017/03/07 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 文教科学委員会 第2号
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2017/03/07 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 文教科学委員会 第2号

#1
第193回国会 文教科学委員会 第2号
平成二十九年三月七日(火曜日)
   午後零時八分開会
    ─────────────
   委員の異動
 二月一日
    辞任         補欠選任
     小野田紀美君     武見 敬三君
 二月二日
    辞任         補欠選任
     武見 敬三君     小野田紀美君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         赤池 誠章君
    理 事
                石井 浩郎君
                堂故  茂君
                斎藤 嘉隆君
                吉良よし子君
    委 員
                今井絵理子君
                上野 通子君
                衛藤 晟一君
                小野田紀美君
                橋本 聖子君
                水落 敏栄君
                山本 順三君
                大島九州男君
                宮沢 由佳君
                蓮   舫君
                河野 義博君
                三浦 信祐君
                高木かおり君
                木戸口英司君
                松沢 成文君
   国務大臣
       文部科学大臣   松野 博一君
   副大臣
       文部科学副大臣  義家 弘介君
       文部科学副大臣  水落 敏栄君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       樋口 尚也君
       文部科学大臣政
       務官       田野瀬太道君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        戸田 浩史君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関
 する調査
 (文教科学行政の基本施策に関する件)
 (平成二十九年度文部科学省関係予算に関する
 件)
 (派遣委員の報告)
    ─────────────
#2
○委員長(赤池誠章君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題といたします。
 まず、文教科学行政の基本施策について、松野文部科学大臣から所信を聴取いたします。松野文部科学大臣。
#3
○国務大臣(松野博一君) 第百九十三回国会において各般の課題を御審議いただくに当たり、私の所信を申し上げます。
 まず、内閣府再就職等監視委員会の調査によって明らかとなった、文部科学省の職員が再就職に関する国家公務員法の違反行為を行ったこと、さらにその隠蔽を図ったことにつきまして、国民の皆様の文部科学行政に対する信頼を著しく損ねたことを心よりおわびを申し上げます。
 この度の件について、省として猛省し、このような事態が二度と生じないよう、全容の解明と再発防止策の構築に全力で取り組みます。私の下に再就職等問題調査班を設置し、弁護士や公務員制度等の有識者の指導、判断の下で調査方針、調査方法を決定し、再就職等監視委員会に対して調査方針等を逐次報告しつつ、これら有識者が参画したヒアリング等を通じて徹底した調査を進めています。二月二十一日に中間まとめを公表したところであり、三月末を目途に最終報告をまとめることとしています。再就職等問題の全容を解明し、調査結果に基づき厳正な処分を行ってまいります。
 法令を遵守すべき公務員の組織においてこのような事態を招いたことは誠に遺憾であり、重ねて深くおわび申し上げますとともに、省全体を挙げて信頼の回復に努めていく所存です。このような反省の上に立って、文部科学行政の更なる推進に全力を尽くしてまいります。
 現在、安倍内閣においては、一億総活躍の旗を更に高く掲げ、未来を切り開き、内閣一丸となって未来への責任を果たしていくことを最大の使命としています。文部科学省が担う教育再生、科学技術イノベーション、スポーツ、文化の振興は、未来への先行投資そのものです。
 こうした基本認識の下、何よりも重要なことは、学校、研究所等の現場の環境づくり、現場力を高めていくことだと考えます。そのために必要なのは、具体化と決断です。次期学習指導要領を告示として具体化し、それを学校現場に浸透させなければなりません。あわせて、教育に直接携わる教職員の定数改善と業務適正化を着実に実行します。研究現場に活力をもたらすために、産学官連携や基礎科学力の強化に向けた具体策を示します。また、一億総スポーツ社会の実現を目指した第二期スポーツ基本計画を策定するとともに、文化庁の本格移転に先駆けて機能強化を図り、費用負担の在り方についても決断していかなければなりません。
 一億総活躍社会を更に推し進める上で、特に、障害のある子供が、学齢期に充実した特別支援教育を受けるのみならず、就学前や卒業後も含めたその一生を通じて、自らの可能性を追求できる環境を整え、地域の一員として豊かな人生を送ることができるようにすることが重要です。このため、特別支援教育の生涯学習化を進めます。具体的には、障害のある方の生涯を通じた学びを支援する観点から、文部科学省の実施する様々な施策を改めて見直すとともに、福祉、保健、医療、労働等の関係部局と連携した進学、就職を含む切れ目ない支援体制の整備やインクルーシブ教育システム構築に向けた特別支援教育、障害者のためのスポーツ、文化の振興等に総合的に取り組みます。
 さらに、安倍内閣が最大のチャレンジとして位置付ける働き方改革の実現に向け、高校中退者や女性、非正規で働く方を含め、誰もが柔軟に学び直すことで、転職、再就職を始め雇用環境の変化に対応できるよう、必要な取組を進めます。また、地方創生に向け、地方大学の振興などの取組を進めます。
 東日本大震災や平成二十八年熊本地震については、就学支援、児童生徒の心のケア、学習や学校再開への支援等を始め、復興を支える人材育成、大学、研究機関による地域再生への貢献、学校施設や文化財の復旧など、被災者の心に寄り添った復興を更に加速します。また、原子力損害賠償についても、万全を期すとともに、除染や廃炉に関する研究開発や人材育成を着実に進めます。さらに、原発事故の避難者を始めとする東日本大震災により被災した児童生徒に対するいじめについては、関係機関とも連携して必要な取組を行ってまいります。
 教育再生は安倍内閣の最重要課題の一つです。全ての子供たちが夢に向かって頑張ることができるよう、教育再生実行会議のこれまでの提言を踏まえ、教育再生の実現に向けて必要な施策を推進するとともに、学校、家庭、地域の役割分担と教育力の充実、子供たちの自己肯定感が低い現状を改善するための環境づくりについて、引き続き検討を行ってまいります。
 我が国の将来を担う子供たちが自他のかけがえのない価値を認識しながら、協働し、様々な分野に積極的に挑戦し、自分の可能性を高めることが大事です。子供たちの現状を見ると、学力については世界でもトップクラスであり、全国学力・学習状況調査においても学力の底上げが図られています。一方、諸外国に比べると、自己を肯定的に評価する子供の割合が低いことから、その要因分析や対応策の検討を進めます。
 将来に向けて、我が国が成長、発展を持続するためには、一人一人の能力や可能性を最大限に引き出し、多様な個性を伸ばす教育が不可欠です。家庭の経済事情にかかわらず、誰もが能力に応じて大学を始めとする高等教育機関で希望する教育を受けられるよう、昨年末、我が国初となる給付型奨学金を平成二十九年度政府予算案として取りまとめました。本年四月からの先行実施に向けて、今国会で所要の法整備を行うための準備を進めるとともに、無利子奨学金の大幅な充実などと併せた政策パッケージ、高等教育進学サポートプランを実行してまいります。
 また、学校が複雑化、困難化する教育課題に適切に対応していくためには、教職員定数の改善など学校の指導・運営体制の強化とともに、地域住民との連携、協働を含めた学校運営の改善により、学校の機能強化を一体的に推進することが重要です。このため、障害のある児童生徒や日本語能力に課題のある児童生徒への特別の指導を担当する教職員の基礎定数化、学校の事務体制の強化、学校と地域の連携、協働の促進を柱とした法整備を行うための準備を進めます。
 このほか、幼児教育無償化の段階的推進、高校生等の奨学給付金の充実など、幼児期から高等教育段階までの切れ目のない形での教育費負担軽減を図るとともに、私立小中学校等に通う児童生徒への経済的支援に関する実証事業を新たに実施します。
 急激な時代の変化に対応できる人材育成が求められている中、学校教育における現場力を高めるための教員の資質向上を図ることが必要であり、さきの教育公務員特例法等の改正を受け、教員養成、採用、研修の一体改革を着実に進めます。
 教員の資質向上と併せて、学校指導体制の充実のため、さきに述べた基礎定数化のほか、平成二十九年度政府予算案において、小学校の専科指導やいじめや不登校への対応などに必要な加配定数の充実を図ります。
 また、教員の授業改善や子供と向き合う時間を確保し、教員一人一人が力を発揮できるよう、教員の行う業務の明確化や事務の効率化についての実践研究や休養日の設定等の部活動の適正化、国、教育委員会の支援体制の強化を通じて、長時間労働の是正など教員の働き方改革に取り組みます。
 新しい時代に求められる資質、能力を子供たちに育むため、教育が普遍的に目指す根幹を堅持しつつ、社会の変化を柔軟に受け止めていく社会に開かれた教育課程の実現に向けて、年度内に幼小中の学習指導要領等の改訂を行ってまいります。
 質の高い幼児教育の提供、教育の情報化、学校図書館の整備充実、道徳教育の充実、いじめや不登校への対応、多様な場で学ぶ子供への支援、夜間中学の設置促進、家庭教育支援の充実などにしっかりと取り組みます。
 また、指導体制の充実を通じた学力課題解消へ向けた取組や福祉機関との連携強化、地域未来塾による学習支援、地域における読書・体験機会の提供など子供の貧困対策を推進します。
 今後更に加速していくグローバル社会を見据え、外国語教育や在外教育施設における教育、外国人児童生徒等への教育、高等学校、大学等における留学生交流の更なる充実、日本型教育の海外展開、持続可能な開発のための教育、国際バカロレアやG7倉敷宣言を踏まえた新時代の教育のための国際協働などを推進します。
 学校施設は子供たちの学習、生活の場であり、その安全性、機能性の確保は不可欠です。加えて、災害時には避難所としても重要な役割を果たすことから、耐震化・老朽化対策を中心とした教育環境の整備を推進します。
 知識、技能、思考力、判断力、表現力等の能力、主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度といった学力の三要素を育成するため、高等学校教育、大学教育及び大学入学者選抜を一体的に改革する高大接続改革に取り組みます。
 大学は国の知的基盤です。グローバル人材の養成、指定国立大学法人による国際競争力の強化、地方創生を担う人材育成、イノベーション創出のための教育・研究力強化、高等専門学校や専修学校等における教育の充実に取り組みます。このためにも、国立大学法人運営費交付金や施設整備費補助金、私学助成など基盤的経費を安定的に確保し、改革を進める大学を重点的に支援します。
 さらに、優れた専門技能等を持って、新たな価値を創造することができる専門職業人材を養成する専門職大学を制度化するため、今国会において所要の法整備を行うための準備を進めます。
 これらの教育再生に向けた取組を着実に実現するため、必要な財源を確保しつつ、教育投資の充実に努めてまいります。
 我が国が将来にわたって成長と繁栄を遂げるための要は、科学技術イノベーションです。第五期科学技術基本計画に基づき、世界で最もイノベーションに適した国を目指します。基本計画で掲げる政府研究開発投資目標の達成に向け、科学技術予算の確保に努めます。
 大隅良典東京工業大学栄誉教授が、昨年十二月、ノーベル生理学・医学賞を受賞されました。また、森田浩介理化学研究所グループディレクターらの研究グループが発見した百十三番元素の名称が、昨年十一月にニホニウムに決定しました。先生方の業績に心からの敬意を表したいと思います。日本人による三年連続のノーベル賞受賞やアジア初の新元素命名は、我が国の高い科学技術水準を世界に示すとともに、大きな誇りと励みになるものです。
 大隅先生が指摘されているように、知の基盤である学術研究、基礎研究は極めて重要であり、今後とも長期的な視野に立って、確実に支援してまいります。また、研究環境向上のため、研究施設・設備の整備等に取り組むとともに、特定国立研究開発法人を始めとする国立研究開発法人を中核として、世界最高水準の研究活動等を進めます。
 科学技術イノベーションを担い、未来を切り開くのは人材です。国際的な頭脳循環の進展も踏まえ、優れた若手研究者の育成、確保やスーパーサイエンスハイスクール等を通じた将来を担う人材の育成、女性研究者の支援等に取り組みます。
 人材、知、資金の好循環システムの構築に向けて、オープンイノベーション共創会議を開催し、組織対組織の本格的な産学官連携やベンチャー創出、起業家育成機能の強化など、オープンイノベーションの加速に向けた改革方策の検討を進めます。また、地域科学技術イノベーションや革新的、挑戦的な研究に関する取組を進めます。第四次産業革命等の情勢変化が急速に進む中、我が国は世界に先駆けて、ソサエティー五・〇を実現する必要があります。その鍵となる人工知能、ビッグデータ等の研究開発を強化するとともに、ポスト「京」などの情報科学技術や、我が国が強みを持つナノテクノロジー・材料等の研究開発を進めます。
 再生医療や感染症等の研究開発、地震、津波等の防災・減災に関する研究開発、環境・エネルギーに関する研究開発、ITER計画等の核融合研究などを進めます。
 さらに、H3ロケットを始めとする基幹ロケットの開発など宇宙・航空分野の研究開発や、海洋・極域に関する研究開発など、国主導で取り組むべき基幹技術に関する研究開発を推進します。
 「もんじゅ」については、昨年十二月に開催された原子力関係閣僚会議において「もんじゅ」の取扱いに関する政府方針が決定され、原子炉としての運転は再開せず、今後、廃止措置に移行し、併せて将来の高速炉開発における新たな役割を担うよう位置付けることとされました。今後は、安全確保に着実に取り組みつつ、地元自治体の十分な理解を得た上で本方針に基づく作業を進めてまいります。
 スポーツには、体を動かして楽しむだけでなく、人を夢中にさせ、感動させる魅力があります。また、文化は我が国のアイデンティティーを形成する源であり、世界に誇る重要な資源です。
 本年四月から開始する第二期スポーツ基本計画に基づき、スポーツの価値を生かした取組を進めてまいります。
 昨年のリオデジャネイロ・オリンピック・パラリンピック競技大会では、多くの日本人選手が活躍しました。二〇二〇年東京大会や二〇一九年ラグビーワールドカップ等に向け、更なる国際競技力向上を図るとともに、ドーピング対策を加速させます。さらに、新国立競技場を着実に整備します。
 文化芸術資源を掘り起こし、その魅力を国内外に発信する文化プログラムの全国展開を通じ、文化による国づくりをオールジャパンで推進します。さらに、東京大会のレガシーとして共生社会を実現するために、二〇二〇年に全国の特別支援学校でスポーツ・教育・文化の全国的な祭典を開催します。
 また、スポーツの成長産業化を通じたGDP拡大への貢献、障害者スポーツの振興、学校体育の充実、スポーツを通じた健康増進、地域活性化、国際協力、貢献等に取り組みます。
 文化は伸び代のある分野であり、伝統文化から漫画、アニメまで幅広い文化芸術の振興や、日本遺産等の文化資源を活用した地域活性化、観光振興により、GDPの拡大に貢献します。さらに、デジタルネットワーク化の進展に対応した著作権制度の整備等に取り組みます。
 文化庁の京都への移転については、新たな政策ニーズへの対応に必要な機能強化を図りつつ、着実に実行してまいります。
 私としては、文部科学行政全般にわたり、信頼の回復に努めつつ、現場第一の姿勢で諸課題の解決に全力で取り組む考えです。引き続き関係各位の御指導、御鞭撻のほど、よろしくお願いを申し上げます。
#4
○委員長(赤池誠章君) 次に、平成二十九年度文部科学省関係予算について、水落文部科学副大臣から説明を聴取いたします。水落文部科学副大臣。
#5
○副大臣(水落敏栄君) 平成二十九年度文部科学省関係予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 文部科学省関係予算は、一般会計五兆三千九十七億円、エネルギー対策特別会計千九十五億円などとなっております。
 第一に、社会を生き抜く力の養成として、発達障害等の児童生徒への障害に応じた特別の指導、いわゆる通級による指導、外国人児童生徒等教育等に係る教員定数の基礎定数化や教員の資質能力の向上などにより、次世代の学校創生のための指導体制強化を図ります。
 また、切れ目ない支援体制構築に向けた特別支援教育、道徳教育、教育課程やキャリア教育、職業教育の充実を図るほか、学校現場における業務の適正化、いじめ・不登校対応、子供の体験活動、教育の情報化、学校健康教育や高大接続改革等を推進します。
 さらに、きずなづくりと活力あるコミュニティーの形成として、地域学校協働の推進やコミュニティ・スクールの促進などにより、地域の活性化や社会全体で子供を育む環境づくりを推進します。
 第二に、未来への飛躍を実現する人材の養成として、我が国の人材養成、学術研究の中核である国立大学の機能強化を一層加速していくため、運営費交付金等基盤的経費の充実を図るとともに、建学の精神に基づき多様な人材を育成する私学の振興を図ります。
 また、初等中等教育段階からグローバルな視点に立って活躍する人材の育成、大学等の留学生交流の充実、新時代の教育のための国際協働等を推進します。
 第三に、安心して教育を受けることができる学びのセーフティーネットを構築するため、大学生等に対する返還不要の給付型奨学金制度を新たに創設します。また、無利子奨学金について、低所得世帯の子供たちに係る成績基準を実質的に撤廃し、必要とする全ての学生への貸与を実現するとともに、卒業後の所得に応じて返還月額が変わる所得連動返還型奨学金制度を導入します。さらに、大学等の授業料減免等の充実、高校生への奨学給付金の拡充、市町村民税非課税世帯の第二子の無償化など幼児教育の無償化に向けた取組を進めるとともに、私立小中学校等に通う児童生徒への経済的支援に関する実証事業を新たに実施します。
 同時に、国公私立学校施設の老朽化対策、耐震化等を推進します。
 第四に、スポーツ立国の実現を目指し、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会やラグビーワールドカップ二〇一九に向け、選手強化、指導者の養成やドーピング防止とともに、スポーツの成長産業化や参画人口の拡大、スポーツを通じた地域の活性化、国際貢献、健康づくり、障害者スポーツの振興等を推進します。
 第五に、世界に誇るべき文化芸術立国の実現を目指し、文化財を活用した観光振興、地域経済の活性化を支援するとともに、地域の魅力ある文化芸術の取組の支援などを通して文化プログラムを推進します。
 また、我が国の多彩な文化芸術の発信や国際文化交流、国立文化施設の基盤充実等を図ってまいります。さらに、地域文化創生本部(仮称)を京都に設置するとともに、新たな政策ニーズに対応した事務事業の実施を通じて文化庁の機能強化を進めてまいります。
 第六に、未来社会に向けた先端基盤技術の強化や民間から大学等への研究開発投資拡大のため、革新的な人工知能、ビッグデータやナノテクノロジー・材料等の研究開発を強化するほか、地域イノベーションの推進や、革新的、挑戦的な研究の推進等によるオープンイノベーションの加速に取り組みます。
 また、イノベーションの源泉である研究基盤の強化のため、多様で独創的な学術研究などへの支援の充実や戦略的な基礎研究の推進のほか、若手研究者や女性研究者の活躍促進等を図ります。さらに、ポスト「京」の開発や最先端大型研究施設の整備、共用等に取り組みます。
 第七に、国家的・社会的重要課題に対応するため、ライフサイエンス分野の研究開発を推進するとともに、次世代半導体研究開発やITER計画等の核融合に関する研究開発に取り組むほか、地震、津波や火山等による被害の軽減に資する研究開発等に取り組みます。
 また、人類のフロンティアの開拓及び総合安全保障など国家の基幹となる技術の強化を図るため、H3ロケットの開発を始めとした宇宙・航空分野や海洋・極域分野の研究開発を推進します。
 「もんじゅ」については、原子力関係閣僚会議の決定を踏まえ、施設を安全に維持管理しつつ、廃止措置に向けた必要な取組を実施します。
 以上、平成二十九年度文部科学省関係予算の概要につきまして、御説明申し上げました。
 なお、これらの具体の内容につきましては、お手元に資料をお配りいたしておりますので、説明を省略させていただきます。
 以上です。
#6
○委員長(赤池誠章君) 以上で所信及び予算説明の聴取は終わりました。
 本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ─────────────
#7
○委員長(赤池誠章君) 次に、先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。斎藤嘉隆君。
#8
○斎藤嘉隆君 去る二月二十日及び二十一日の二日間、山梨県において、地方における教育、文化、学術及び科学技術に関する実情を調査してまいりましたので、その概要を御報告申し上げます。
 派遣委員は、赤池委員長、石井理事、堂故理事、吉良理事、今井委員、上野委員、小野田委員、山本委員、宮沢委員、河野委員、三浦委員、高木委員、木戸口委員、松沢委員、そして私、斎藤の十五名でございます。
 一日目は、まず、韮崎市民交流センター内の韮崎大村美術館サテライトスペースを視察した後、韮崎大村美術館において、平成二十七年にノーベル生理学・医学賞を受賞された大村智博士の講話を拝聴し、意見交換を行いました。
 大村博士は、金を残す人間は下、仕事を残す人間は中、人を残す人間は上を信条に、若手研究者への支援や県内学生のための山梨科学アカデミーの創設など、人材育成に取り組んできたことを述べるとともに、教育による地方創生、とりわけ初等中等教育における自然科学教育や道徳教育の重要性を強調されました。
 意見交換においては、基礎研究と応用研究の両立の在り方、研究資金の確保に向けた研究者の工夫の重要性、地方の国立大学による地場産業活性化の必要性など、活発な論議を行いました。
 次に、国立大学法人山梨大学を訪問いたしました。
 山梨大学は、地域の中核、世界の人材をスローガンに、地域の特色を生かし、周辺自治体や地場産業と密接に連携した教育・研究を推進しております。意見交換において、国立大学法人運営費交付金の減少による研究現場への影響、産学官連携の推進に向けた大学の調整機能の在り方、卒業生の地元企業への就職状況等について活発な論議を行った後、同大学の燃料電池ナノ材料研究センター及びワイン科学研究センターを視察いたしました。
 燃料電池ナノ材料研究センターは、燃料電池の更なる高性能化と産業化を目指し最先端の研究を行っており、今後の商品化の見通し、産学官連携における企業への中長期的支援の必要性等について意見交換を行いました。
 ワイン科学研究センターはワインを専門に研究する国内唯一の研究機関であり、関係大学や研究機関との連携の在り方、今後のブドウ栽培における課題等について意見交換を行いました。
 次に、山梨県教育委員会との意見交換を行いました。
 県における学力・体力向上の取組、教員の多忙化の改善、子供の貧困対策等について概要説明を聴取した後、教育委員の方々から、学校ICT化の推進、通級指導等のための加配定数の充実、学校の業務改善への支援、給付型奨学金などによる教育費負担の軽減等について御意見を伺うとともに、非正規教員の増加の実情、家庭学習支援の重要性等について意見交換を行いました。
 二日目は、まず、山梨県立甲府第一高等学校において、スーパーグローバルハイスクール活動報告会を視察いたしました。
 同校は、スーパーグローバルハイスクール事業開始初年度の平成二十六年度に同事業の指定校となり、主体的に課題を解決できる山梨発グローバルリーダーの育成をテーマに、大学や企業等と連携し、論理的思考力やコミュニケーション能力の育成に取り組んでおります。
 一年生のポスター発表及び二年生の英語によるプレゼンテーションでは、地域が抱える課題の解決に向けた独創的な提案が行われました。
 その後、スーパーグローバルハイスクールの活動と他教科との好循環の在り方、同活動を通じた高大連携の重要性等について教員の方々と意見交換を行いました。
 次に、昭和町立押原小学校を視察いたしました。
 同町では、町内の小中学校四校全てがコミュニティ・スクールに指定されるなど学校と地域の協働による教育が推進されており、特に押原小学校は町内のコミュニティ・スクールの取組の中心として積極的な活動を行っております。
 校内視察では、地域の方々から伝統文化について学ぶ授業、地域の福祉専門学校から学ぶ福祉体験授業、元Jリーガーが夢について語るキャリア教育の授業などを拝見いたしました。
 その後、地域住民、卒業生、在校生から成る地域和太鼓サークルによるCSコミュニティーコンサートを保護者や地域の方々とともに鑑賞した後、コミュニティ・スクールの取組を地域全体に広げるための方策、教育委員会や周辺の学校との連携の現状、教職員の負担感等について意見交換を行いました。
 以上が調査の概要であります。
 最後に、今回の調査に当たり、お世話になった関係者の方々に厚く御礼を申し上げ、報告を終わります。
#9
○委員長(赤池誠章君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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