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2017/03/22 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 文教科学委員会 第4号
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2017/03/22 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 文教科学委員会 第4号

#1
第193回国会 文教科学委員会 第4号
平成二十九年三月二十二日(水曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十五日
    辞任         補欠選任
     小野田紀美君     山本 一太君
     宮沢 由佳君     福山 哲郎君
 三月十六日
    辞任         補欠選任
     山本 一太君     小野田紀美君
     福山 哲郎君     宮沢 由佳君
     三浦 信祐君     山口那津男君
 三月十七日
    辞任         補欠選任
     山口那津男君     三浦 信祐君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         赤池 誠章君
    理 事
                石井 浩郎君
                堂故  茂君
                斎藤 嘉隆君
                吉良よし子君
    委 員
                今井絵理子君
                上野 通子君
                衛藤 晟一君
                小野田紀美君
                橋本 聖子君
                水落 敏栄君
                山本 順三君
                大島九州男君
                宮沢 由佳君
                蓮   舫君
                河野 義博君
                三浦 信祐君
                高木かおり君
                木戸口英司君
                松沢 成文君
   国務大臣
       文部科学大臣   松野 博一君
   副大臣
       内閣府副大臣   水落 敏栄君
       文部科学副大臣  義家 弘介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        戸田 浩史君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       芦立  訓君
       文部科学省生涯
       学習政策局長   有松 育子君
       文部科学省初等
       中等教育局長   藤原  誠君
       文部科学省高等
       教育局長     常盤  豊君
       文部科学省高等
       教育局私学部長  村田 善則君
       スポーツ庁次長  高橋 道和君
       文化庁次長    中岡  司君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成二十九年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)、平成二十九年度特別会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)、平成二十九年度政府関係
 機関予算(内閣提出、衆議院送付)について
 (文部科学省所管)
○義務教育諸学校等の体制の充実及び運営の改善
 を図るための公立義務教育諸学校の学級編制及
 び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(赤池誠章君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官芦立訓君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(赤池誠章君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(赤池誠章君) 去る十五日、予算委員会から、本日一日間、平成二十九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、文部科学省所管について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 予算の説明につきましては既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○上野通子君 自民党の上野通子でございます。本日は質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 まず、先日、委員長の御地元である山梨県の韮崎市でノーベル生理学賞を受賞された大村教授にお会いしました。大変感動するいろんなお話をお伺いしましたが、その中で、今、学校の現場で頑張る教師に対しての応援メッセージをいただいたところです。
 教授がおっしゃるには、教師の資格は自分自身が進歩していることである、教師の資格は自分自身が進歩していることである。これは、御自身のお母様が教師をされていて、そのお母様が常に言っていらしたお言葉だそうですが、これからの日本の教育に対してすごいメッセージ力があると思います。なぜなら、やっぱり学校の現場の教師も常に子供と共に学んでいるという、常に進歩しているという、そういう姿勢が大事だと思うからです。さらには、全ての大人の私たちも共に育むというその思いで進化し続けることは大事であり、共に育む、共育がこれから学校現場でも地域でも必要になるからだと私は信じています。
 そこで、文科省としても、学校と家庭と地域の教育力の連携強化を図ること、それによって子供の貧困解消や教育格差解消にもつなげていこうという今回の思いが入った平成二十九年度の予算となっていると思います。
 そこで、質問に入りたいと思うんですが、まず、家庭教育支援の国としての取組についてお伺いします。
 今もお話ししましたように、子供の貧困問題を始めとする様々な問題を抱える子供や、子育てに悩む親に対しての家庭教育の支援の重要性が求められてきております。
 皆さんのお手元にお配りしました資料の一を御覧ください。これは、熊本県を始めとする県や市で既に家庭教育支援条例を制定し施行している、そのところでございます。それぞれの地方の条例には、自治体としての責務を明確にするとともに、親としての学びや親になるための学びの必要性と、相談等の機会の提供なども明確にしているところが多い、そのような条例になっております。
 そこで、これから国として家庭教育の支援の必要性についてどうお考えなのか、お伺いしたいと思います。あわせて、資料の二にありますように、訪問型家庭教育支援というものを平成二十九年度の予算にも事業化しているところでございますが、この事業について、この事業は一体誰に対して誰がどのように支援していくものかもお伺いしたいと思います。二問よろしくお願いいたします。
#6
○国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。
 家庭教育は全ての教育の出発点であり、子供の基本的な生活習慣や社会的マナーの習得、自立心の育成、心身の調和の取れた発達等において重要な役割を担うものです。一方で、核家族化、共働き家庭、一人親家庭の増加や地域のつながりの希薄化など、家庭を取り巻く環境は変わりつつあり、身近な相談相手がいないなど家庭教育を行う上での困難さが指摘をされているところであります。
 このため、文部科学省においては、全ての親が安心して家庭教育を行えるよう、地域人材を活用した家庭教育支援チーム等による身近な地域における家庭教育に関する学習機会の提供や保護者への相談対応、基本的な生活習慣づくりのための「早寝早起き朝ごはん」国民運動、訪問型の家庭教育支援の推進等、家庭教育支援の充実に取り組んでいます。
 今後とも、学校、家庭、地域が連携、協働し、社会総掛かりで子供たちの育ちを支援していくことができるよう、家庭教育支援の充実にしっかり取り組んでまいります。
 訪問型家庭教育支援につきましては、政府参考人の方から答弁させていただきます。
#7
○政府参考人(有松育子君) 訪問型家庭教育支援についてお答え申し上げます。
 家庭教育の支援は、全ての家庭を対象とした日常的な支援と、それから課題を抱えた家庭へのきめ細かな支援という側面を併せ持っております。個々の家庭の状況やニーズに応じてこれらの支援を柔軟に織り交ぜていくことが必要であると考えております。
 このため、家庭教育の支援が届きにくい事情のある家庭等に対しては、きめ細かな支援として、子育て経験者を始めとする地域の人材を中心としました家庭教育支援チーム等によって、家庭を訪問して相談対応や情報提供等の支援を行うということが考えられます。各地域におきましては、家庭教育支援チーム等の中核となる人材の養成、そして活動の拠点の整備、また保健福祉部局等との連携による支援体制の構築等を図りまして、不登校対策や外国人児童生徒等への支援方策として訪問型の家庭教育支援を活用している例がございます。
 また、文部科学省におきましては、こうした訪問型の家庭教育支援に関する地域の取組を支援するために、先ほど先生からお示しいただきましたように、平成二十九年度の予算案において、貧困、不登校等の支援が必要な家庭の類型ごとの効果的な支援モデル構築のための経費を新たに計上しているところでございます。
 今後とも、学校、家庭、地域の連携協力の下で、訪問型家庭教育支援を含めた家庭教育支援の充実に取り組んでまいりたいと考えております。
#8
○上野通子君 ありがとうございました。
 今まではどちらかというと、何か事業を起こすとそこに集まってきてくれる、相談に乗るために外に出てきてくれる家庭の親やお子さんに対しての支援が多かったんですが、なかなか問題を抱えていても外に姿の見えない、そういう家庭に対してきめ細やかな支援をしていくためには、この届けていく支援がこれから重要になると思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 今のお話の中にもありましたが、これからは省庁の壁を取り除いて、またそのほかの機関とも連携していくこと、これが重要だと思っておりますが、子供の居場所づくりと子供の貧困対策支援の必要性についてこれから質問させていただくんですが、文科省も厚労省もこの点には大変力を入れて事業を増やしているところだと思いますが、これから特に文科省としてどんな子供の居場所づくりを進めていくべきと思うのか、また、文科省として今考えていくべき子供の貧困への取組はどんなことなのか、併せて大臣にお伺いします。
#9
○国務大臣(松野博一君) 子供たちの未来が貧困の連鎖により閉ざされることはあってはならず、全ての子供が家庭の経済状況に左右されることなく、希望する質の高い教育を受けられることは大変重要です。
 このため、文部科学省としては、平成二十九年度予算案において、幼児教育無償化の段階的推進や、給付型奨学金の創設を始めとする幼児期から高等教育段階までの切れ目のない形での教育費負担軽減、スクールソーシャルワーカーの増員や貧困対策のための重点加配といった、学校をプラットフォームとした子供の貧困対策を盛り込んでいます。
 さらに、地域の教育資源を活用した子供の居場所づくりや教育格差解消の取組として、図書館を活用した読書、学習機会の提供を始めとする困難を抱える親子が共に学び育つことを支援する教育格差解消プランの創設、学習が遅れがちな中学生、高校生等を対象とする原則無料の学習支援である地域未来塾の充実を図ります。
 これらの取組を通じて、子供たちがそれぞれの夢にチャレンジできる社会の実現に向けて全力で取り組んでまいります。
#10
○上野通子君 ありがとうございました。
 子供の様々な教育格差に対しての支援等もたくさん盛り込まれていくということでございますが、今大臣に御答弁いただいた中では、これからも経済面でもしっかりと貧困対策をしていくよ、また、居場所もきちんと地域にしっかりとつくってサービスの提供をしていくよということでございましたが、もう一つ、子供の貧困そして居場所の中には、子供がどうしてもそこに欲しいものがあると思うんです。それは、やはり経済面だけではなく精神面の支援だと思っております。是非とも、これから大事なのは、そこの、子供の居場所、また子供の貧困対策に関わっている人、人材の育成にも是非とも力を入れていただきたいなと御要望させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 次に、高等教育における諸問題についてお伺いします。
 まず、国立大学の教員養成大学及び学部についてお伺いしたいことがございますが、現在、全国で八十六校ある国立大学の中で、教員養成大学や学部を持つ五十六大学には、学部附属の幼稚園、小中高、特別支援学校、合わせて二百五十八校ございます。大臣も御存じだと思いますが、これらの附属校、これの役目というのは教員養成のための教育実習の場、そして実験的、先導的な教育課程の研究の場、さらには現代的教育課題に対応した教員養成に関する研究への協力の場、それぞれが大変重要な役割を持っております。しかしながら、二〇〇四年の国立大学法人化以降、各大学とも国からの運営交付金が年々減少してきており、もちろん自助努力で頑張っている大学もたくさんございますが、しかし、多くの国立大学でやむを得ず教職員の削減に踏み切っているところもあるようでございます。私の地元の栃木県の大学もその一つであり、教育学部附属学校の教員数を今後どう維持できるかというところで深刻な課題が起きている現状です。
 こうした問題は財政基盤が脆弱な地方の国立大学では共通の課題であり、私学においてはもう既にこの問題に直面している大学もたくさんあるはずです。国公立大学も私学も、このままでは日本全体の大学教育の質を担保していくことが不安定となっていくおそれもあります。こんな状態で、一体世界に通用する質の高い教育ができるのでしょうか。それとも、頑張ってそれでも苦しい規模の小さな大学は今後見捨てていくおつもりなんでしょうか。このままの状態では不安が募るばかりです。
 そこで、このことについて文科省としてどう思われているのか、また、この教員養成大学に関しては、ほかの大学と連携して、取得できる教員免許状に応じて分担していくなどの方法は何かお考えになっておられるのか、御所見をお伺いしたいと思います。
#11
○政府参考人(常盤豊君) お答え申し上げます。
 我が国の持続的な成長、発展のためには、各大学における教育の質を向上させて高い能力を備えた人材を育成していくということが重要であると考えております。このため、まず予算面でございますけれども、平成二十九年度予算案におきましては、大学の基盤的経費でございます国立大学法人運営費交付金等につきまして、対前年度二十五億円増の一兆九百七十億円を計上いたしますとともに、私立大学の経常費補助につきましても、前年度と同額、三千百五十三億円を計上しているところでございます。
 また、本年三月六日でございますけれども、中央教育審議会に対しまして、我が国の高等教育に関する将来構想についての諮問を行いました。この中で、今御指摘ございましたけれども、少子化の中で地域における質の高い高等教育機会を確保することについて、例えば高等教育機関相互の連携であるとか、あるいは地方自治体や産業界との連携も含めて適切に確保していくための方策等について総合的、抜本的な検討を進めることとしております。
 また、もう一点、国立の教員養成大学・学部の関係でございます。この点につきまして、地域の教員の養成に重要な役割を果たしているわけでございますけれども、一方で、少子化が進む中でその在り方の見直しということも必要になってきております。
 こうした中、複数の大学が連携して教員養成を行うという御指摘がございましたが、例えば、県内の国公私立大学が連携をして授業を相互にe―ラーニングで学べる仕組み、あるいは、複数の大学の連合あるいは共同で教職大学院や博士課程を設置する、また、国立の大規模な教員養成大学が連携をいたしまして外国人児童生徒の教育、安全教育などの共通の課題の解決をしていく、こうした取組が行われております。
 今後の教員養成の在り方でございますけれども、国立大学に関しまして、昨年八月に有識者会議を設置をして現在検討いただいておりまして、その中で、今御指摘がございましたような、教科によって教員養成機能を複数の大学で集約、分担することも議論されておりますので、こうした議論も踏まえながら、大学間の連携で教育資源を有効に活用することも含めまして、教員養成の改革を促してまいりたいというふうに考えております。
#12
○上野通子君 いろいろやっていただいている、その努力は十分伝わってまいりますが、やはり全ての大学をしっかりと見守り支えてほしいという気持ちを持っておりますので、よろしくお願いいたします。
 そして、全ての問題はどこからきているかということは明らかでございます。とにかく教育財源、これを確保していくこと、これが一番大事なことで不可欠です。
 では、どこから財源を調達していくのか。自民党としましても、教育再生実行本部の中の恒久的な財源確保の特命チームの方で今も議論しているところではございますが、例えば、他党からも提案されている教育国債にしていくとか、子供の教育支出に特化した目的税、子供教育税なるものにすべきなのか、あるいは寄附や保険としてこれから取り組んでいくのか、あるいは様々な方法で、様々な方法の組合せでいくのかなど、まだまだ特命チームとしても模索中ではございますが、御存じのように、教育は未来への先行投資でございます。
 ここで、是非とも大臣から、教育財源確保に対してそのお考えと、さらには、不安を抱える地方の大学や国民への強いメッセージをお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
#13
○国務大臣(松野博一君) 私も、教育は極めて重要であり、未来への先行投資であるという考え方は、委員と思いを同じくするものであります。
 教育財源確保策につきましては、平成二十七年七月に取りまとめられた教育再生実行会議第八次提言において、既存の施策の見直しや優先順位付けによる予算の質の向上、重点化や民間資金の効果的な活用に取り組んだ上で、それでも十分な財源を確保できない場合には税制の見直しを検討するといったことが掲げられています。また、こうした方策を実現するためには広く国民の間で教育投資の効果や必要性について認識が共有されていることが不可欠と提言されています。
 今後とも、国会において御議論を深めていただきながら、必要な財源を確保しつつ、教育投資の充実にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
#14
○上野通子君 よろしくお願いします。
 改めて、御承知でしょうが、OECDによる、日本は、高等教育段階の総教育支出のうち、私費負担で賄っている割合が六五%でございます。OECD平均は三〇%の、その二倍以上となっております。また、私学においても、補助金の総額の一〇%まで切られていると。このことも御承知おきいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次は、文科省としても、また地方としても、ここのところ余り元気がありません。そこで、文科省から地方に対して元気の出るような答弁をいただきたいと思いますので、次の質問をさせていただきます。
 次の質問、東京オリンピック・パラリンピックと地方創生に関連して、まず東京オリパラ教育についてお伺いいたします。
 いよいよ東京オリンピック・パラリンピック開催まで、本日で残り千二百二十日となりました。東京では全国に先駆けてオリパラ教育の取組を進めており、現在、二千百六十五校の学校で参画プログラムの認証校になっているとお伺いしております。
 これからは東京だけでなく、この動きを全国に広めていくことが必要だと考えておりますが、文科省としては今後どのように全国展開していくのか、また教材等どのようなものを使っていくのか、併せてお伺いします。
#15
○政府参考人(高橋道和君) 文部科学省におきましては、オリパラ推進校の指定、オリパラ競技体験や市民フォーラムの開催などの取組を行うオリンピック・パラリンピック・ムーブメント全国展開事業を実施しており、平成二十八年度は十二の府県で展開をしております。また、オリパラに関する映像教材等の指導参考資料を作成し、平成二十八年度中に全国全ての小中高等学校等に配付をすることといたしております。
 こうした取組を進めますとともに、大会組織委員会の東京二〇二〇参画プログラムの認証校制度、また日本パラリンピック委員会等が作成した国際パラリンピック委員会公認教材の「I’mPOSSIBLE」の活用など、様々な取組を通じてオリパラ教育が全国で実施されるように促してまいります。
#16
○上野通子君 お手元の資料の三と四を御覧いただきたいと思いますが、今御説明あったように、オリパラ教育をこれから全国展開するために使っていく教材の中で、この資料三は、国際オリンピック協会の公認教材「I’mPOSSIBLE」の日本語版だそうで、これ四月から全国に配られる、小学生に配られるということで、まだ手元にないので分からないのですが、大変期待しているところでございます。
 また、資料の四、これは英語版の、その前に資料三の裏を御覧ください。これは、東京都で既にオリパラ教育で使用しているという、小学校、中学校、高校もですね、小中高に対してのオリパラ教材の教科書、テキストなんですが、ここに実物ございますが、内容を見せていただきますとすごくいいんですね。大人が勉強したくなるようなオリンピックの歴史とか、日本としてのオリンピックをどのようにしていきたいとか、さらには伝統文化のことが詳しく書かれています。是非先生方もこれ読んでいただくと、ああと納得すると思うんです。
 さらには英語版の教材も用意しているんですね。この内容も、小学校からできるような形になっているんですが、アイ・ハブ・ア・ペンよりもウエルカム・ツー・ジャパンと始まる方が楽しく、しかも役に立つ英語が学べるんじゃないかと思って、CDも付いております。後でこれも皆さん御覧になっていただくといいと思うんですが、大変内容は充実していますので、是非とも、これは、ただ東京版なんですね。これをそっくりまねすることはちょっとできないかもしれないんですけど、全国にも是非とも様々な教材を発信して、子供たちの意識を高める、ここから入っていただきたいと思っております。
 次に、文化プログラムについてお伺いしたいと思います。
 beyond二〇二〇プログラムのロゴマークも決まりました。お手元の資料を御覧ください。beyond二〇二〇のロゴマーク、これはいいね、いいねマーク、指でこうやるいいねですか、それとかグッドなどの賛同のジェスチャーもモチーフにしているそうで、加えてbeyondのbとも読めるし日本の「わ」とも読み取れるマークとなっているそうです。そして、日本の文化を共に継続していく、広げていきたいという願いを込めてこれ選ばれたマークになって、大変覚えやすいマークとなっていると思うんですが、マークもできました。これから文化プログラムもいよいよ全国展開していただきたいと思うんですが、ロンドン大会では子供や若者や障害者がたくさん積極的にこの文化プログラムにも参加していると聞いております。
 そこで、二〇二〇年東京オリンピックでも、是非とも何か記念として、例えば子供たちが参加したよという思い、意識を強めるための、ギネスに挑戦するイベントとか、子供を始めとする国民が参加するプログラムをどんどん実施する、そのアイデアも発信していただきたいと思うんですが、文科省としての所見をお伺いいたします。
#17
○政府参考人(中岡司君) お答えいたします。
 二〇二〇年東京大会を契機として実施する文化プログラムは、次世代の育成や新たな文化の創造に寄与する役割を果たすとともに、若者や障害者を含むあらゆる人々が参加、交流する絶好の機会にもなると考えております。
 今後、二〇二〇年東京大会に向けました文化プログラムの展開を図っていく中で、委員からいただきました御提案やロンドン大会の例を参考にしながら、地方自治体や文化団体等による活動を支援をすることなどを通じまして、心豊かな生活の実現につながる文化プログラムが各地で展開されますよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
#18
○上野通子君 ロンドン大会で行われました文化プログラムは、何種類かは今でも継続されている、レガシーをつくられているということで、是非ともオリンピックのときだけの文化プログラムじゃなくて、今から始めてそれが長く続く、レガシーとして残るような文化に育てていきたいなと御要望させていただきます。
 最後になりますが、地方を元気にする取組の一つとして、文化庁が考えております日本遺産についてお伺いいたします。
 平成二十七年度から取り組んでいる日本遺産について、どのような事業なのか、また、その趣旨と目的をお伺いします。さらに、もちろん日本遺産のストーリーが地域の活性化や観光産業にもつながり、地方創生やオリパラ文化プログラムを盛り上げるためにも期待されると思いますが、何か今後目標等がございましたら教えていただきたいと思います。
#19
○政府参考人(中岡司君) お答えいたします。
 我が国には、有形、無形の優れた文化財が各地に数多く存在しておりまして、これまでは文化財の類型ごとに言わば点として保存、活用を図ってきたところでございます。一方で、地域の文化財群にストーリー性を付けつつ魅力を発信する体制を整備をし、文化財を核に地域の産業振興、観光振興や人材育成とも連動して一体的な町づくり政策を進めることが、地域住民のアイデンティティーの再確認や地域のブランド化にも貢献をし、ひいては地方創生に大いに資するものと考えております。
 このため、地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化、伝統を語るストーリーを日本遺産として文化庁が認定をし、ストーリーを語る上で不可欠な魅力ある有形、無形の文化財群を言わば面として総合的に活用する取組を支援する事業を創設をし、文化財を積極的に活用した取組を行う自治体を後押ししているところでございます。
 平成二十七年度からこの日本遺産の認定を始めたところでございますが、認定地域におきましては訪問客が増えるなど一定の効果があったこともございまして、毎年多くの自治体からストーリーの提案を頂戴しております。
 我が国は、まだまだすばらしい文化財が各地に数多くございます。先ほど、オリンピック・パラリンピックの流れの中でこの日本遺産の話を取り上げていただいておりますけれども、東京二〇二〇年参画プログラムのガイドラインですね、文化プログラム、この文化プログラムの考え方の中に、次代を担う若者に対し、日本文化のすばらしさについて理解を促す取組や、革新的かつ日本文化の伝統を正しく伝える取組といったものも含まれるというふうに考えておりますけれども、文化庁といたしましては、多様で奥深い魅力ある文化財の掘り起こしを進めていきたいと考えておりまして、オリンピック・パラリンピックが開催されます二〇二〇年までに、日本遺産を百件程度認定していく予定でございます。
 今後とも、日本遺産を通じました地域の活性化や日本文化の国内外への戦略的な発信に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
#20
○上野通子君 ありがとうございます。
 現在まで三十七ストーリーですか、これから二〇二〇年に向けて百まで頑張って地方のストーリーを増やしていただきたいと思いますが、残念ながら今日、文化庁さん、誰もこの日本遺産のバッジが付けていないということなんですが、皆さんにお配りしました資料の中に日本遺産のロゴマークというものがございます。
 赤丸は日の丸、その下の縦格子の細い線は、よく見るとジャパンヘリテージと書いてございます。これ、日本遺産という意味ですが、この線の集合は一つの面を形作っているそうで、つまり、日本各地の地域に点在する文化財、文化遺産を点から線へ、そして面へと捉えていくことで地域のブランド化をアップするとか、そして伝統文化を観光産業につなげていくとか、そういう思いのこもったバッジだそうで、是非とも文化庁さん、付けてください。そして、文化庁からいただいていますので、後で委員長の御許可が出れば皆さんにもお配りしますので、これを付けていただいて、皆さんの御地元の伝統文化、歴史を使ったストーリーを考えるそのお助けを、お手伝いもしていただきたいなと思います。
 どうか、いろんな面から私たちもできることを探して二〇二〇東京オリンピック大会を盛り上げるために頑張っていきたいと思いますので、文科省、文化庁、スポーツ庁さん、よろしくお願いいたします。
 以上で質問終わります。ありがとうございました。
#21
○宮沢由佳君 民進党の宮沢由佳です。
 まず、天下り問題から質問いたします。
 新たに三十件の天下りが見付かったとの報道がありました。また、十八日土曜日の夕刊には、文科省が違法天下り、月内に最終報告という記事が掲載されました。参議院の二十九年度予算案採決までに発表していただく必要があると思います。いつ発表されるのでしょうか、お答えください。
#22
○国務大臣(松野博一君) 文部科学省における再就職等問題について報道があったことは承知をしております。現在、最終まとめの公表に向け、再就職等監視委員会にも報告しつつ事実関係の確認作業等を行っているところであり、個別の調査内容については現時点ではお答えを控えさせていただきます。
 また、最終まとめの時期についてのお尋ねでありますけれども、現在、文部科学省における再就職等問題の調査については、組織的なあっせん構造に関する調査、再就職等監視委員会から指摘のあった三十七事案の調査、全職員調査、退職者調査の四項目について並行して調査を行っており、三月末までに最終まとめを行い公表することを目指しております。その具体的な公表時期に関しては確定しているものではございません。
#23
○宮沢由佳君 本来であれば、違法天下りの調査結果を本日の委嘱審査に間に合わす必要がありました。違法な天下りによって二十九年度予算が影響を受ける可能性があるからです。
 大臣は、調査結果を御覧になっていらっしゃいますよね。せめて、違法な天下りによって影響を受ける可能性のある予算について御指摘いただけないでしょうか。国民と国会議員が検討する時間をいただきたいんです。いかがでしょうか。
#24
○国務大臣(松野博一君) 大学を始めとする法人への支出につきましては、学生数や教員数等の客観的な指標に基づいた機械的な算定や、第三者で構成する審査会など厳正な審査を実施することにより公平性を確保をし、適正な配分、執行を確保してきたところであります。
 再就職あっせん問題は、あくまで国家公務員法に抵触した文部科学省側の問題であり、相手側の法人に違法行為が認められるものではないことを踏まえると、それらの法人に対して平成二十九年度予算を配分、執行することに問題はないと考えているところであります。
 引き続き、調査の最終まとめに向け全力を尽くし、国民の疑念を払拭できるよう努めてまいりたいと考えております。
#25
○宮沢由佳君 子供たちの幸せを願い、一緒に目線を合わせて質疑、お願いいたしたいと思います。
 次に、森友学園問題についてお伺いします。
 資料の一を御覧ください。塚本幼稚園の行き過ぎた指導がその映像とともに海外メディアに取り上げられています。
 二〇一六年十二月八日、ロイターは、黄色いところに線があります、専門家からは、安倍首相夫人がこうした学校の運営に携わることに驚きを感じるとともに、国際社会における日本の地位の変化を示すものとの声も聞かれた。テンプル大学日本校のマイケル・チュチェック非常勤教授は、夫人が首相の代理として見られることがしばしばあると指摘。第一次安倍内閣では、学習指導要領に愛国心教育を盛り込むため、教育基本法が改正されている。
 また、二〇一七年一月三十日のタイムズは、黄色のところを読みます、自由主義の日本において、塚本幼稚園は、一九四五年に遡る残忍な戦争介入や、悲劇的な敗北をもたらした愛国主義へと子供たちを洗脳する施設である。それでも、ここにおける教育は更に必要とされている。毎年七十名の募集に対し百二十人の希望者。教育費は毎月二百十五ユーロ。四月には新しく小学校が開校され、十二歳まで愛国的教育が行われる。その名誉校長は、内閣総理大臣安倍晋三夫人、安倍昭恵氏のようだ。
 日本の幼児教育が海外からこういうイメージを持たれてしまったということは大変不名誉だと思います。文科大臣はどう思われるでしょうか。
#26
○国務大臣(松野博一君) 塚本幼稚園における教育活動が海外でどのように報道されているのかにつきましては、詳細には承知をしておりません。また、その報道に関してコメントをする立場にはありません。
 塚本幼稚園の教育活動については、国会等での様々な指摘や元園児の保護者の方々からの申入れを踏まえ、所轄庁である大阪府において事実関係の確認を行っているところであり、確認された事実関係を踏まえ、大阪府において適切な対応がなされるものと考えております。文部科学省としては、引き続き大阪府の対応状況を注視してまいりたいと考えております。
#27
○宮沢由佳君 塚本幼稚園での子供に対する不適切な対応が問題になっていますが、そもそも幼稚園内の問題に気付いたとき、相談窓口はあるのでしょうか。保護者は、子供や幼稚園内における問題に気付いても、子供を人質に取られているようなものだから何も言えないとよく聞きます。また、幼稚園の先生も、特に私立の幼稚園では、雇われている立場では何も言えないと言います。昨夜も、保育園の先生が泣きながら、守ってあげられなくてごめんなさいと保護者に説明をしていたというニュースが流れました。
 幼稚園の保護者や職員が園内における問題に気付いたときの相談窓口はどこでしょうか。
#28
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 幼稚園における教育方針について問題があり、相談がある場合につきましては、まずその園に御相談いただくことになりますが、その上で、仮に幼稚園で不適切な指導が行われているというふうに疑われるような場合につきましては、まず公立幼稚園につきましては市町村の教育委員会、それから私立の幼稚園につきましては都道府県にそれぞれ相談をしていただくことになるわけでございます。
#29
○宮沢由佳君 都道府県に御父兄が電話をするその窓口はどこでしょうか。また、もっと気軽に相談ができるような仕組みが私は必要だと思います。
 次に、日本には運動会や発表会のために子供たちを軍隊式に教え込んだり訓練をしている幼稚園があります。マーチングの練習のために炎天下で長時間練習をさせている園もあります。少子化の中、園児獲得のために園の行事を派手にしたり難しいことをやらせたりという状態は、子供たちにとっては虐待にも近い状態だと思いますが、子供を叱り付けてまで幼稚園行事のために訓練させることを大臣はどうお考えでしょうか。子供たちが幼稚園における園児獲得競争の犠牲者にならないような防止策についてお答えください。
#30
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 幼稚園の教育につきましては、遊びや具体的な体験を通じて幼児に様々な力が育つような指導を基本としております。行事を含めまして具体的にどのような教育活動を行うか、これにつきましては、一義的にはそれぞれの園で創意工夫をしながら考えていただくべきものでございますが、幼児の発達段階を踏まえた活動となるよう適切な配慮をしていただくことが必要と考えております。
 委員御指摘のマーチングバンドの事例のようなケースにつきまして、個別の教育活動の是非について文部科学省として判断する立場にはございませんが、仮に私立の幼稚園で不適切な指導が行われている場合につきましては、所轄庁である都道府県において適切に指導が行われるべきものと考えております。
#31
○宮沢由佳君 幼児教育現場において大人が子供に対してやってはいけないことなど、具体的な禁止事項が必要だと思います。例えば、塚本幼稚園でも問題になりましたが、トイレを我慢させてはいけない、どなってはいけない、たたいてはいけない、嫌がっている子供に楽器や太鼓などを無理やりやらせてはいけないなど、具体的な禁止事項が必要だと思いますが、大臣のお考えをお聞かせください。
#32
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 学校教育法や幼稚園教育要領におきましては、幼稚園において具体的に特定の活動を禁止するなどの規定はございませんが、幼稚園における教育活動を行うに当たりまして、幼児の発達段階を踏まえながら幼児の主体的な活動が促されていくように配慮していくことが大切であると考えております。
 なお、学校教育法の体罰の禁止規定でございますが、幼稚園が対象の外になっているわけですが、これはそもそも懲戒という行為が心身の未発達である幼児の教育に効果がないという考えによるものでございまして、幼稚園においても当然体罰は認められないものと考えております。
 体罰の範囲につきましては、平成二十五年三月十三日の文部科学省の局長通知、体罰の禁止、に基づく指導の徹底についてというタイトルでございますが、そこの中で具体的に別紙で、体罰で許されないというカテゴリーの行為が記述されている次第でございます。
#33
○宮沢由佳君 大臣のお考えもお聞かせください。
#34
○国務大臣(松野博一君) 今政府参考人の方から申し上げたとおりであります。
 学校教育法や幼稚園の教育要領の中において目指すべき方向性について書かれているわけでありますが、一方で、当然のことながら、個々の園や先生方の教育手法に対する一定の裁量権というのは当然あるわけでございます。それが教育にとっても極めて重要な点だと考えております。
 そして、もしも仮にその園、また、教師の皆さんにおける指導方法が不適切ということになれば、それは所轄庁である都道府県において判断をする、これは幼児教育現場を広く取れば都道府県だけじゃなくて市町村の場合もありますけれども、いずれにしろ所轄庁によって判断がされるものと考えております。
#35
○宮沢由佳君 次に、幼稚園教育要領案についてお伺いします。
 資料二を御覧ください。
 幼稚園教育要領案の中に、幼稚園教育において育みたい資質・能力及び幼児期の終わりまでに育ってほしい姿というものがあります。例えば、自立心、諦めずにやり遂げる。協同性、互いの思いや考えなどを共有し、共通の目的の実現に向けて、考えたり、工夫したり、協力したり、充実感を持ってやり遂げる。道徳性・規範意識の芽生え、自分の行動を振り返ったり、友達の気持ちに共感したり、相手の立場に立って行動をする、決まりを守る必要性が分かり、自分の気持ちを調整し、友達と折り合いを付けながら決まりをつくったり、守ったりするようになる。五、社会生活との関わり、家族を大切にしようとする気持ちを持つ、相手の気持ちを考えて関わり、自分が役に立つ喜びを感じ、地域に親しみを持つ。
 幼児期の終わりまでに育ってほしい姿を特定するのは、限りない可能性を持つ子供たちの伸び代を制限するものではないでしょうか。そもそも、子供は七、八歳まではその成長にばらつきがあり、卒園までにここに書いてあることができるようになる子供とそうでない子供がおります。それも個性の違いです。幼児期というのは、学びの土台づくりの時期です。幼児期は、思う存分、主体的に遊ぶことが大切です。この教育要領案は、個性豊かな子供たちに育ってほしい姿を押し付け、諦めずにやり遂げるとか、自分の気持ちを整理するとか、自分が役に立つ喜びを感じるとか、人に役立つ喜びを味わうなど、大人でも難しいことを無理強いするものだと思います。これは理想ではあります。ただ、卒園までにこの姿を追い求めるということに私は疑問を感じております。
 さらには、これに沿った指導をしなければならないと若い幼稚園の先生が真面目に取り組もうとしたら、先生も子供たちも大きな負担となります。卒園までに育ってほしい姿にさせなければならないと思えば焦りも生まれますし、保護者も幼稚園の教育指導方針に従わざるを得なくなり、ますます子供は負担になります。
 幼児教育先進国のニュージーランドでは、個性の発見こそが幼児教育の目的だと言っています。そのために幼稚園の先生たちは夢中になれる遊びの環境をたくさん用意し、自由な遊びを保障されている中で子供たちが毎日何で遊んだか、何に興味を持ったかなどをとことん記録に残します。その記録を小学校へ送り、自らの学びへとつなげています。つまり、幼児教育現場では子供一人一人の個性が十分に生かされ、伸ばされ、高められ、小学校での自らの学びへとつながると思います。
 この育ってほしい姿は、私は不必要だと思います。大臣の所見をお願いします。
#36
○国務大臣(松野博一君) 今回の幼稚園教育要領の改訂においては、総則の中で、幼稚園教育要領の狙いや内容に基づく園の教育活動によって幼稚園修了段階に子供がどのようなことができるようになるかなど、子供の成長の姿から十の項目で示した幼児期の終わりまでに育ってほしい姿を新たに明記をしています。
 これは、幼児一人一人の特性に応じた指導を行うという基本を変えるものでも幼児を評価するための達成度として示すものでもなく、あくまで幼稚園の教師が指導を行う際に考慮することを求めるものであり、また、その姿を小学校の教師と共有することにより、幼稚園教育と小学校教育との円滑な接続を図ることを目指すものであります。
 今後とも、各幼稚園において、幼児一人一人の特性に応じ、その良さや可能性を育んでいけるよう、新しく改訂する幼稚園教育要領の趣旨の周知に努めてまいりたいと考えております。
#37
○宮沢由佳君 是非、この育ってほしい姿まで、個性の違いによってこのとおりではない子供もいるということを含んでいただきたいというふうに思います。
 そもそも、日本の幼児教育が軍隊式と言われてしまう原因の一つに、教員と子供の割合が挙げられます。
 資料三を御覧ください。
 日本は、一人の教員が指導する子供の数が余りにも多過ぎる。工夫して教員を増やしている幼稚園もありますが、幼稚園の割合は、教員一名につき子供三十五人です。保育所においても、三歳児二十人に一人、四歳児、五歳児は三十人に一人です。先進諸国は一人当たりの子供の数を減らす努力を重ねていますが、日本においては進んでいません。だから一斉指導になるわけです。世界的にも自然体験、自然保育の重要性が叫ばれていますが、この割合では園外保育は無理です。ましてや、山の中で自然体験などは非常に難しいのです。北欧諸国では、七対一、八対一に向かっています。是非、日本でも子供の数を減らす努力をしていただきたいと思います。
 資料の四を御覧ください。
 小学校へ行けば、さらに四十人の子供に教員一名です。ほかの国を御覧ください。アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、日本と十人以上の差があります。少人数学級がどんどん進んでいます。これは、根本的に日本は子供の教育に対して積極的でないと言うしかありません。
 こういう話をすると、財源はとよく言われますが、天下り問題や国有地の払下げ問題など税金の使い道に大きな不信がある中で、子供たちへの予算が相変わらずOECD加盟国で低レベルなのは、上野委員からもありましたが、これはとても納得できないことです。
 では次に、学習指導要領の改訂について伺います。
 学習指導要領改訂により授業時数が増え、夏休み、冬休み、土曜日休みが減る可能性があるというのは本当でしょうか。
#38
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 今回の学習指導要領の改訂案におきましては、小学校につきましては、外国語教育の充実に伴いまして、小学校三年生から六年生までの年間標準時間数、これがそれぞれ年間三十五単位ずつ増加することとなります。また、中学校につきましては、標準授業時数についての変更はございません。
 したがいまして、委員お尋ねの長期休業期間中の取扱いでございますが、基本的に中学校は変わりがないと。小学校についてはこの増えた分をどういうふうに取り扱うか、この点につきましては今後の検討課題と認識をしております。
#39
○宮沢由佳君 学習指導要領の改訂では、どんな力を育てたいかを目標を全教科で具体的に挙げ、どんな場面でどんな学習活動を用意するのかまで言及し、全体の記述量が一・五倍に増えるそうです。ベテラン教員が次々と退職し若手教員が増える中で、細かいマニュアルに頼り過ぎることにより教職員の自由な発想が阻害され、若手教員の力は育たないのではないでしょうか、お答えください。
#40
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 今回の学習指導要領改訂案では、子供たちの知識の理解の質を高めるための授業改善や教科書などの教材の工夫を後押しするため、各教科などで育成を目指す資質能力を三つの柱、具体的には、知識及び技能、思考力・判断力・表現力、それから学びに向かう力・人間性等、これら三つの柱で整理をいたしまして、それぞれの教科や内容においてどのような力を育むかを明確にするなどの改善を図っております。そのため、現行の学習指導要領と比較いたしまして記述が確かに多くなっていることは事実でございますが、具体的な指導方法を規定するなどして、いわゆるマニュアル化をしているものではございません。
 近年の教員の年齢構成の変化によりまして、学校内では若手教員の比率が非常に多くなってきておりまして、我が国のこれまでの教育実践の蓄積をしっかりと引き継いで各教室で創意工夫を引き出すためには、学習指導要領の規定を、一つ一つの学習内容を通じてどのような力を育むかという観点からより分かりやすいものにしていくことが重要でございまして、今回の改訂はまさにこの点を重視したものでございます。
#41
○宮沢由佳君 ですから、子供の一学級のクラスの人数を減らしてほしいと特に思うわけです。
 六人に一人の子供が貧困であると言われている今、学校現場の先生たちは、学ぶ環境に恵まれない子供たちのために基礎学力を付けるため精いっぱい努力しています。いつも朝御飯を食べずに学校へ来る子供、夕食を食べられるかどうか分からない不安から給食を二人分食べてしまう子供、親がダブルワーク、トリプルワークで家におらず精神的に不安定な子供など、地域やクラスによっても課題が違い、そういう子供たちに一生懸命向き合っている先生たちに更に質も量もと求めるのは、文科省が欲張り過ぎだとは思います。
 学習指導要領の改訂は教育現場の自主性を最大限に尊重すべきではないでしょうか、大臣のお考えを教えてください。
#42
○国務大臣(松野博一君) 委員のお話にありましたとおり、貧困問題を始めとして、学校現場が抱える問題は複雑化、困難化をしております。それに対応すべく、今年度の予算案の中におきましても、例えば発達障害や日本語教育が必要な子供たちの通級指導に対する基礎定数化を図り、また、貧困等の対応に対しての加配をしているところでございます。
 こういった問題に当たって、先生方が大変現場で御苦労されていることは承知をしておりますし、しっかりとしたサポート体制を文科省としても続けていかなければならないと思います。
 質をどこまで求めるのかという先生のお話、委員の御指摘もありましたけれども、一方で、これからの大きな変化の中において生活をしていく子供たちにとって必要な資質というのは教育を通して身に付けていただかなければなりません。多くの課題を抱えて教師の皆さんは大変でありますけれども、この質の面においてもしっかりと対応していただけるよう環境整備に努めてまいりたいと考えております。
#43
○宮沢由佳君 ありがとうございます。
 次に、道徳教育の教科化についてお聞きします。
 道徳教育が教科化された理由の一つとして、いじめなどの現実の問題に対応できていない、読み物を読んで感想を述べるだけで終わっている、教科書や評価がないことから、他教科に比べて軽視されがちと書いてありました。
 そもそも道徳教育は実体験があって初めて自分の中に落ちるものではないでしょうか。教科書から学ぶというのは、頭では理解していても、行動に移しにくいと思われます。できることなら、道徳の時間には学校を出て、生活体験や地域課題に直接触れる体験などをすることによって、自分のものになっていくと思います。また、いじめなどの問題は、道徳教育をやれば解決するとは思えません。子供の貧困の問題、そこから起こる格差の問題、つまり社会問題が大きな影響を与えていると言えます。
 道徳教育と同時にしっかりとした子供の貧困対策を進めなければなりません。また、道徳教育の評価を受験等に利用しないとしていますが、もしも成績表に書き込めば、そのコピーを要求された際に利用されてしまうのではないでしょうか。対策をお答えください。
#44
○国務大臣(松野博一君) 道徳の特別の教科化は平成三十年度から小学校で、三十一年度から中学校で全面的に実施されることとなっており、現在は全面実施に向けて周知や準備を行っているところであります。
 道徳科の評価は、数値による評価や他の児童生徒と比較する評価でなく、一人一人の成長の様子を文章記述により評価をするものです。こうした道徳科の評価は、他者と比較して合否を決定する入学者選抜とはなじまないことから、私立学校を所管する都道府県知事部局等に対し、道徳科の評価を入学者選抜に使用せず、調査書に記載しないよう、平成二十八年七月に通知により周知するなど、趣旨の徹底を図っております。
 御指摘のとおり、一部の私立中学校において、入学者選抜の際、調査書ではなく各学校が作成する通知表の写しを求めている例があると承知をしております。この場合であっても、通知の趣旨に基づき、道徳科の評価が入学者選抜の実施者に伝わることがないよう、具体的な措置が必要と考えております。私立中学校側や教育委員会と相談した上で、こうした具体的な措置について徹底をしてまいります。
 また、文部科学省としては、通知表の写しの提出が求められることに伴う課題について、今後、全国の実態を把握しつつ、検討をしたいと考えております。
 いずれにいたしましても、平成二十八年七月の通知の趣旨に反することはあってはならず、小学校の道徳科が全面実施となって初めて実施される平成三十年度末の入学者選抜までにはこの趣旨の徹底を確実に図ってまいりたいと考えております。
#45
○宮沢由佳君 よろしくお願いいたします。
 次に、言語聴覚士の活用についてお伺いいたします。
 幼児及び小中学校の児童生徒を対象に、聴覚及び言語についての課題の改善、克服に必要な技能を身に付けさせるため、「ことばの教室」と呼ばれる通級指導教室があります。その指導は一般教員が行っていることが多いようです。
 一方で、言語聴覚士という専門職があります。言語聴覚士は一九九九年に国家資格として誕生した新しい専門職です。言葉や聞こえ、認知、嚥下などに問題がある方々に対して訓練、評価、指導などを行い、思いを伝え合って生きる喜びを持てるように専門的立場から支援する専門職です。言葉の発達が遅れている子供への言語発達促進援助や言語指導などを行い、コミュニケーション能力の改善を図ります。
 そこで、「ことばの教室」への言語聴覚士の活用をどのように考えているかお聞きしたいのですが、一般教員が言語聴覚士の資格を取得することができるというのも一つの方法だと思いますが、いかがでしょうか。
#46
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 通級指導を含め、学校において障害により特別な支援を必要とする子供に対する支援を行うに当たりまして、教員のみならず、委員御指摘の言語聴覚士など様々な専門家のサポートが有効であると考えております。文部科学省では、本年度、平成二十八年度から特別支援教育専門家等配置事業を開始いたしまして、学校等に言語聴覚士や作業療法士あるいは理学療法士などの外部の専門家などを配置する自治体に対しましてその経費の一部を補助する事業を実施しております。
 今後とも、このような外部の専門家の配置を推進して、教員と協力して指導の改善を行うとともに、校内研修における専門的な指導を行うなど、特別教育の充実に向けて支援を努めてまいりたいと考えております。
 また、委員お尋ねの、学校の教員が言語聴覚士の資格を取るということについても重要な事柄と考えております。各教育委員会におきましては研修など様々な取組が行われておりまして、特別支援学校の言語聴覚士の資格取得を推進し、当該資格を取得した教員が通級による指導を担当しているという例もあると伺っておりますので、このような取組を文部科学省としても充実を促していきたいと考えております。
#47
○宮沢由佳君 ありがとうございます。
 お金がないからできないのではなくて、子供の未来のためにしっかりとした教育予算を取っていただくことをお願いして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#48
○斎藤嘉隆君 民進党の斎藤嘉隆です。
 早速質問に入りたいというふうに思います。
 来年度予算の委嘱ということですので、冒頭、私立幼稚園に対する私学助成について、来年度予算の概要をお知らせをいただきたいと思います。一般補助、特別補助、それぞれどれほどの額でしょうか。
#49
○政府参考人(村田善則君) お答え申し上げます。
 私立高等学校等経常費助成でございます。この中に幼稚園の額が含まれてございます。一般補助につきましてはトータルで八百七十九億円、特別補助が百三十億円でございます。うち、幼稚園等に関する特別支援教育費が六十億円計上されているところでございます。
#50
○斎藤嘉隆君 今、特別支援教育経費というものをお話をいただきました。資料の方にも少し書かせていただいたんですが、この特別支援教育経費というのはどういう場合にどれぐらいがどのような形で補助をされるものなのか、御説明をください。
#51
○政府参考人(村田善則君) お答え申し上げます。
 お尋ねの幼稚園等特別支援教育経費でございますけれども、これは障害のある幼児が二人以上就園している私立の幼稚園等に都道府県が補助を行う場合に、国から都道府県に対してその補助額の一部を補助するものでございます。
 具体的に申し上げますと、障害のある幼児の受入れ数に応じ、一人当たり三十九万二千円を上限に、都道府県が補助を行った額の二分の一以内を国が補助するものでございます。予算額につきましては、平成二十八年度においては、対象園児一・五万人、予算額が五十七億円、御審議をいただいております二十九年度予算案におきましては、対象園児一・六万人、約六十億円を計上しているところでございます。
#52
○斎藤嘉隆君 ちょっと確認させてください、ちょっと事前にレクを受けた中身と違うので。対象児童一人につき三十九万二千円を上限に補助がされて、そのうちの二分の一を国が補助をするということですか。御説明はそうではなかったんですが、ちょっと確認を。
#53
○政府参考人(村田善則君) 経費でございますけれども、これは国の補助としては一人当たり三十九万二千円が上限ということで、補助の率としては、都道府県が補助を行った額の二分の一以内ということで規定されているところでございます。
#54
○斎藤嘉隆君 通常、国から私立幼稚園への補助というのは、資料を見ていただくと分かりますけれども、子供一人当たり二万三千円ほどのいわゆる単価、一般補助の単価があるんです。これに地財措置として十五万三千円が加算をされると、子供一人につき。これとは別に、子供の数に応じて補助される補助金があるんです。子供の数に応じて補助される補助金というのは、今お話をいただいた特別支援教育経費国庫補助金なんですね。最大の補助単価は、今答弁いただいたみたいに三十九万二千円、国が。ということは、国が三十九万二千円ですから、都道府県がその同じ額を更に上乗せをして支給をしているということになろうかというふうに思います。つまり、障害を有した幼児一人当たり七十八万四千円がこの特別支援教育経費という補助金という形で支給をされるということだと思います。
 これは何のための補助金で、どのように活用されるべき補助金でしょうか。
#55
○政府参考人(村田善則君) この補助金につきましては、今お話がございましたとおり、障害を持つ幼児の方を受け入れている幼稚園に対する補助金ということで、そういった障害をお持ちの園児さんの方々に対して園として特別な配慮を行う、様々な配慮を行うということに対する補助金というふうに考えてございます。
#56
○斎藤嘉隆君 ですから、その様々な配慮というのは具体的に例えばどういうことですか。
#57
○政府参考人(村田善則君) 具体的には、当該幼児の方に特別なケアをする人件費、これは教員あるいは事務職員の人件費、特別な人件費を計上するといった場合にこの補助金が対象になるということでございます。
#58
○斎藤嘉隆君 資料をちょっと見ていただきたいと思うんですけど、今話題の塚本幼稚園について、この特別支援教育経費を少し中身を確認をさせていただいたんです。これ、実はもっともっとこの表というのはいっぱいあって、この前後二園ずつをピックアップしたものですから、全体の、何というか、概要を示したものではないんですけれども、平成二十三年から二十七年度までの五年間でこの塚本幼稚園は九十人の障害を有する園児を受け入れて、七千万円ほどの助成を受けているんです。十年に遡れば、二百二十人の特別な支援を要する子供を受け入れていて、一億七千万ほどの助成を受けている。
 二十三年度については、見ていただくと分かりますが、二百七十五人の園児のうち三十九人が特別支援対象園児です。一年間で三千五十七万円の助成を受けている。これ、一般的に対象児ゼロという園が最も多い、最も多いんです。その中で、年によってこうやって突出して多いんですね。二十三年には三十九人いた対象園児が、翌年は九人なんですよ、九人。
 幼稚園でこの状況って、ちょっと私は想像ができない、不自然に思うんですが、大臣、この状況を、今初めて御覧になったかもしれませんが、率直にどのような感想をお持ちになられますか。
#59
○国務大臣(松野博一君) 塚本幼稚園における障害のある幼児の受入れの状況については、現在、大阪府に対してその内容の確認を行っているところであります。現時点で大阪府からは、塚本幼稚園に対する特別支援教育費補助金の支出に当たっては、府の補助金交付要綱等に従い、視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱、虚弱、言語障害、情緒障害の種類に応じ、医師等の専門家による医学上又は心理学上の診断書等や、日常において特別に配慮している事項を記載した園作成による副申書を確認するなど、適正に審査した上で交付しているとの報告を受けております。
 大阪府においては、今後更に塚本幼稚園に対する調査を行うこととしていると聞いており、文部科学省としては今後とも大阪府の対応を注視をしてまいりたいと考えております。
#60
○斎藤嘉隆君 大阪といろんなやり取りをされていると思いますが、大阪府の場合は、補助金が決定するのは五月一日時点での園児数だと思います、申請に基づいた。その後、継続的あるいは追跡的な園の状況調査というか確認、こういったものは大阪はしているんでしょうか。
#61
○政府参考人(村田善則君) 補助金に関するお尋ねでございます。
 今委員からお話がございましたとおり、当初のまず各園から当該年度の五月三十日までに一定の書類を出していただく、これは五月一日時点で在園している障害のある幼児の受入れ状況等、あるいは園において日常特別に配慮している事項に関する副申書等を、これは五月三十日までに五月一日時点の書類を取るということでございます。引き続きまして、当該年度の九月三十日までには、園児ごとの診断書、それから個別の指導計画、それから個別の教育支援計画の写し等を提出を求めるということになっているということでございます。
 府においては、四百校前後の私立の幼稚園から提出されたこれらの書類について、必要に応じて各園に確認等を行いながら審査を行って、年度末の三月に交付決定を行っているということを伺ってございます。こうして交付決定を行った後のフォローにつきましては、各園の執行状況につきましては、交付を受けた年度の翌年度の四月三十日までに実績報告書の提出を受けるということになっていると承知してございます。
#62
○斎藤嘉隆君 今、いわゆる診断書などを提出をということでありましたけれども、文科省として、この補助金を出すに当たって対象となる障害のある幼児というのは、一般的にどういう状況にあるお子さんを言うんでしょうか。
#63
○政府参考人(村田善則君) これは、私立の幼稚園に対する私学助成、仕組みとしては、都道府県が実施主体で国が補助を実施した都道府県に対する補助を行うという仕組みでございます。その中で、個別の幼稚園が実施をいたします特別教育の取組に対してどのような障害について私学助成の補助対象とするかは、基本的には各都道府県において基準を設定していただいて補助を行っているというところでございます。
 文部科学省から各都道府県に対して行うこの特別支援教育経費につきましても、こうした各都道府県の取組を幅広く支援することができるよう国としてどのような障害を対象とするか具体的には定めておりませんけれども、各都道府県においては、例えば学校教育法施行令、施行規則等の規定も参考にしながら、具体的には視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱や言語障害、情緒障害などを対象としている例が多いものと承知しているところでございます。
#64
○斎藤嘉隆君 今調査をしていらっしゃるということで明らかになるとは思いますけれども、どうもこの障害児の認定に当たって、どういうお子さんが障害を有しているかという判断基準が非常に曖昧なのではないかということをあえて指摘をさせていただかざるを得ないんです。書類上のやり取りで、基本的には、このような多額の補助金が助成をされて、ところが、これは大阪府議会や報道ベースの状況でありますけれども、実際にこの園に該当年度に要支援児はいなかったというような様々な声も実は上がっていて、大阪府議会などでもかなり議論がされている状況なんです。
 例の小学校の建築に当たって三通りの契約書があって、額の違う、申請先によって違ったものを出していたという状況が明らかになって、多くの疑念が国民からこの学校法人に対して寄せられているのは御存じのとおりだというふうに思います。この特別支援教育補助金についても、一般的にですよ、一般的に他との比較でいえば、極めて不自然に多いし、年によって一割以上の子供が特別な支援を要する。しかも、ある年にその園に三十九人いた特別な支援を要する子供たちが翌年に九人に減る、これは普通に考えれば、三十人以上の子供たちが卒園をしたのか何らかの理由で途中で退園をしたのか、どちらかだと思います。こういう点にも非常に不自然を私は感じるんですけれども、財源はこれは私学助成、補助金でありますから、また地方交付税も入っているわけですよ。もうまさに国民の血税だということが言えます。
 これは文科省としても早急に、もうやっていただいているのは分かっていますが、もっと早く府と連携をして徹底した調査を進めていくべきだと、このように思いますが、いかがでしょうか。
#65
○政府参考人(村田善則君) 大阪府におきましては、塚本幼稚園に対する私学助成に関する事項について今後とも調査を行うということでございまして、文部科学省としては、今後とも大阪府の対応を注視してまいりたいと考えているところでございます。
#66
○斎藤嘉隆君 是非、大阪で結論が出て、そのことに対して必要な措置をしてください。対応してください。学校法人ですから、当然でありますけれども、実態と違う報告をするわけがないんです、ないんです。あり得ない。教育者ですしね。ただ、そういう性善説に基づいてこの制度がつくられているのは事実、事実なんです。
 しかし、こういう状況に直面をすると、やはりもう少し補助金の申請に当たって丁寧に、あるいは細かく正確な事実を把握するような措置を都道府県に対してもいろんな形で話をしていかなければいけないというふうに思っています。一連の問題の決着を付けるという意味も含めて、この点については全容の解明をお願いをしたいというふうに思います。
 続いて、ちょっと話は大きく変わります。
 間もなく学習指導要領の改正についての告示がなされます。三月十五日までパブリックコメントが募集をされていましたけれども、このパブコメの内容は今回の告示にどのように反映をされているのか、公示の段階から何か中身が変わるのか、お知らせをいただきたいと思います。
#67
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 学習指導要領の改訂案につきましては、委員御指摘のとおり、二月十四日に公表いたしまして、今月十五日までパブリックコメントを行い、広く国民の皆様から御意見をいただいたところでございます。現在、そのいただいた御意見につきまして集計、精査をしている最中でございますが、意見の総数といたしましては、約一万一千件を超える御意見をいただいております。
 文部科学省といたしましては、このいただいた御意見をしっかりと精査した上で、今月末までに文部科学省において必要な修正等も加えて学習指導要領の公示をしてまいりたいと考えております。
#68
○斎藤嘉隆君 できれば、今月末までということですからもう間もなくなんですね、ある程度、変更するのであれば、その概要でもお知らせをいただきたいなと、もう率直にそうやって思いますけれども。
 今回のこの学習指導要領で、先ほどもありましたけれども、例えば外国語が小学校で教科となる、極めて大きな改革がなされてきます。これまでは外国語活動ですから、まあ活動です、あくまで。今回、高学年で教科ということになりますから、当然、教科である以上、評価も必要だというふうに思います。
 しかし、小学校には外国語の指導の在り方を大学で学んできた専門の知識を有する教員というのは基本的にほとんどいない、ほとんどいない、免許を持った教員がほぼいない。教える資格が明確でない、そういう教員がこの教科の指導をしていくことになるんです。
 こういう教科が教育現場で本当に成り立つんでしょうか。文科省さんはこれでいいという判断をしているんでしょうか。現場が何とか対応するだろうとたかをくくっているんでしょうか。明らかな免許教科外指導だというふうに思いますけれども、一体、教員養成の段階も含めてどのような対策を実施をしてきたのか、状況をお知らせをいただきたいと思います。
#69
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 委員お尋ねの小学校教諭の普通免許状につきましては、中学校教諭あるいは高等学校教諭の普通免許状のように教科ごとには分かれておりませんで、外国語を含む全ての教科の指導を行うことができるとされております。
 このため、例えば平成元年の学習指導要領改訂によりまして小学校に新たな教科として生活科が導入された際や、あるいは平成二十年の学習指導要領改訂により外国語活動が導入された際につきましても、免許外教科担任の許可等の特別な免許上の措置は行っていないという経緯がございます。
 文部科学省といたしましては、今回の外国語の円滑な導入に向けまして、現職教員の英語力、指導力の向上を図るために、地域で研修講師や助言者としての役割を担う英語教育推進リーダーや各学校で指導の中核となる教員の養成、それから小学校の現職教員が中学校外国語の免許状を取得することができる講習の開設、実施、これらに加えまして、小学校教諭の教職課程におきましては、平成三十一年度入学生から外国語の指導法の科目を必修化するとともに、優れた英語指導力や経験などを有する外部人材を教員として学校に迎え入れるための外国語に係る小学校教諭特別免許状の創設、これらを通じまして、小学校外国語の教科化に対応した教員の英語力、指導力の向上にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
#70
○斎藤嘉隆君 あくまで外国語の指導ですから、極端なことを言えば英語じゃなくてもいいんですよ。中国語でもフランス語でもいいんです。何となくなじみがあるので、英語ならば一般の教員でも指導ができそうかなと、そんなことも思いますけれども、実際はそうではない、実際はそうではない。じゃ、フランス語を教えると、ある学校で、そうなったときに、じゃ、今の、今局長がおっしゃったような対応で対応できるのかと。できないわけです。これは、非常に現場の状況を分からない措置ではないかなということをあえて指摘をさせていただきたいと思います。
 必要な条件整備も、今研修の在り方とかおっしゃいましたけれども、残念ながら十分ではないし、各地域で拠点、中心になる指導者を集めて研修をしたからといって、そこからネズミ講のように、そんな研修の状況が現場にくまなく下りていくかって、そんなものではないというふうに思います。
 外国語指導に関して、今後、条件整備をやっぱりまずしていかなければいけない。私は、これは専科教員、しっかりした資格を持った専科教員を配置すべきだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
#71
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 先ほど私の方から御説明申し上げましたとおり、小学校における外国語の教科化を踏まえまして、教員の外国語指導の専門性を高める必要がございます。このため、英語教育推進リーダーを平成三十年度までに約一千人養成するとともに、各学校で指導の中核となる教員を約二万人研修していくというふうに考えております。それから、小学校において外国語が教科化される平成三十二年度からの学習指導要領の全面実施に向けまして、委員御指摘の専科教員等の学校指導体制の充実、それから小学校外国語の教科化に向けた教員研修の実施、さらには英語が堪能な外部人材の活用の促進、これらを総合的に活用しながらしっかりと各学校で準備が進められるよう文部科学省としては支援をしていきたいと考えております。
#72
○斎藤嘉隆君 是非、総合的な推進をということをおっしゃっておみえですので、専科の配置も含めて御検討いただきたいというふうに思います。
 次に、教職員をめぐる働き方改革について、前回の委員会でも少しお伺いをさせていただきましたけれども、お聞きをしたいと思います。
 働き方改革の議論の中で、現在、時間外勤務の上限、月平均四十五時間、繁忙期百時間未満というような労基法の改正が具体的に議論をされています。日本における労働の在り方を見直すやっぱり契機になるというふうに基本的には思っていますし、歓迎をしているところであります。
 この社会全体の動き、特に先般の商業紙だと、これまで対象外であった建設や運輸やあるいは企業の研究職、こういった方々も上限規制に対象にしていくべきだと、こういう話も出ている中で、公立学校の教員は一体どうなるのか。先ほど上野先生の議論の中で国立の附属の学校の話がありました。彼らは対象になるんですよ、この上限規制に。公立は基本的にはならないんじゃないかなと思っておるんですが、具体的にこれは何か対策が必要ではないか。長時間労働を看過して前提としているから、これは文科省の私ある意味責任問題だというふうに思います。時間外労働の上限規制に公立の教員というのは対象になるんでしょうか。大臣、いかがですか。
#73
○国務大臣(松野博一君) 現在、政府の働き方改革実現会議で議論をされている時間外労働上限規制については、いわゆる三六協定に基づく時間外労働の上限を法定しようとするものであり、労働基準法三十六条に基づかずに時間外勤務が認められている国家公務員、非現業の地方公務員、公立学校教員については本規制案の対象となるものではないと考えております。
 他方、公立学校教員についても時間外勤務が増えてきていることは様々な調査で指摘をされており、引き続き学校における業務適正化に取り組むとともに、今後の労働基準法における時間外労働規制の検討や他の公務員制度における取扱いなどを考慮しながら検討をしていきたいと考えております。
#74
○斎藤嘉隆君 大臣は、十月二十八日の教育再生実行会議、この場で、教育現場は教師の皆さんの長時間労働によって支えられている、この状況を変えなければ教育の持続発展はないというように発言をされています。非常に踏み込んだ私は発言であるというふうに思っていますし、現場の実態に精通をしている現場目線の大臣だとお見受けをしました。その上で、具体的にどうしていくのかというのをもう少し踏み込んでお考えを聞かせていただきたい。
 私は、働き方改革の根本的な考えは、過労死の防止であったり、健康で働き続けることができる環境整備であったり、ワーク・ライフ・バランスを重視していく、こういうことだと思います。これは、どういう現場で働く人間も一緒だと、教員でも一緒だというふうに思います。これだけの議論に一部が対象外になっていて、また、その働く環境が極めて劣悪だという指摘が各方面でなされているわけですよ。このまま対象外で、いろんな工夫をしていくということで、それでいいんでしょうか。
 私は、時間外労働のこの上限規制に教職員などを含んでいくことについて何らかの具体的な手を打つべきだと、文科省として、動きをするべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#75
○国務大臣(松野博一君) 教員が子供と向き合う時間を確保することと、また、教員が一人の生活者として適正な労働と生活のバランスをつくっていくということは、極めて重要な課題であると考えております。
 その認識に立ちまして、本年一月に二十か所程度の重点モデル地域を指定をして、学校現場の業務改善を加速するためのプロジェクトを開始、また部活動の適正化の推進、業務改善等に知見のある有識者や教育関係者等を業務改善アドバイザーとして派遣する仕組みの創設など、学校現場の業務適正化に向けた取組方針を発表したところであり、引き続き取組を推進をしてまいりたいと考えております。
 あわせて、教員の働き方改革につきましては、私が担当大臣を務めております教育再生実行会議において検討を行っているところであります。今後取りまとめられる提言を受け、しっかりと私の下で教員の長時間労働の是正に取り組んでまいりたいと考えております。働き方改革実現会議の場で教員の長時間勤務について議論することや実行計画に盛り込むことについては、今後政府全体の議論を踏まえ検討してまいりたいと考えております。
#76
○斎藤嘉隆君 今、検討していくということで見解をお知らせをいただきました。
 前回の教員の勤務実態調査以降、実は文科省も各自治体も様々な改善策というのはもうやっているんです。努力していただいているのは十分に理解をしています。今話のあった業務改善とか部活動の精選とか勤務時間の適正な把握とか、あるいは様々な調査報告の類いを減らしていく、ICTの推進、こういったこともやってくださっているというふうに思います。しかし、実態を見ると、残念ながら目に見える効果は上がっていない、こういう状況なんです。むしろ事態は年々深刻になっているということなので、施策の私は方向を変えなければいけないというふうに思います。
 今大臣から言及をいただきました、間もなく実行計画、働き方改革の、が閣議決定をされるということだと思います。私は、教員を含む公務員の長時間労働について、例えばこの実行計画の中に各省で検討を進めるという旨のやっぱり文言ぐらいは盛り込んでいただいて、今後の課題として明確にしていただくべきだというふうに思います。
 もう一度、この点に絞って大臣のお考えをお聞かせをください。
#77
○国務大臣(松野博一君) まず、働き方改革実現会議の場で実行計画にどう盛り込んでいくかということに関しましては、これはもう政府全体のことでございますので、その議論を踏まえて検討するということでありますが、この働き方改革実現会議の場においても、各方面から日本の教員の長時間労働についての御指摘があるということは付け加えさせていただきたいと思います。
 あわせて、文部科学省としてのこの問題に対する取組でありますが、先般来申し上げておりますとおり、私は、日本の教育現場、これが今しっかりと高い水準で維持をされているのは教員の皆様の頑張りによるものだと評価をしております。日本の先生、真面目ですし、しっかりと目の前にある子供たちに対応して向き合っていただいているということだと思いますが、それが今のままの状況で持続可能性があるかといえば、それは難しいだろうという問題意識を私自身持っておりますので、文部科学省として、この教員の働き方、長時間労働の是正については、今学校現場が抱えている最も大きな問題の一つと認識をして今後取り組んでまいりたいと考えております。
#78
○斎藤嘉隆君 是非大臣にこの対応を、松野大臣しかいませんので、是非進捗をお願いをしたいというふうに思います。
 連合総研の調査結果を見て、私、愕然とした数字が一個ありまして、これはいかぬと、こんなのではもう本当駄目だというふうに思ったことがあります。労働者の読書時間についての調査なんです。質問しませんので聞いていただければいいんですが、労働者全体で一日の読書時間って平均三十五分、三十五分ということなんです。ところが、小学校の教員は十四分、十四分、中学校の教員は十三分という結果が出ています。子供たちに最前線で接している教員がですよ、読書などでいろんな社会的なあるいは一般的な知識を深く得る時間さえ今ないということのこれは表れだというふうに思っています。先生たちが忙しいとかそういう視点も含め、やっぱり教育を行う、指導する教員の在り方として、この点についてしっかり対応していかなければいけないというふうに思っております。
 そして、最後に、もう時間があれですけれども、なぜこんなことになっているかというその原因をやっぱり将来的には排除していく必要があるんだろうというふうに思いました。所信の質疑の折にも少し触れさせていただきましたけれども、一九七二年に施行されたいわゆる給特法、給特法、教員は超勤、休日給を支払わずに、それに代わって教職調整額を支給するとされています。
 私は、教員の多忙化の大本というのはこの法律にあるんではないかというふうに思っておりますけれども、給特法の縛りというか、このことによって時間外勤務がどうなっているのかという概要を政府参考人にお伺いをしたいと思います。
#79
○政府参考人(藤原誠君) 委員お尋ねの、時間外勤務の実態ということでよろしゅうございますでしょうか。
#80
○斎藤嘉隆君 いや、給特法によって教員のいわゆる時間外勤務というのがどのように規定をされていて、どのような対応がなされているのかということです。
#81
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 委員お尋ねのその給特法に基づきまして、まず基本的に、教員につきましては、時間外勤務を命ずる場合についてはいわゆる超勤四項目ということでございます。原則時間外勤務を命じないわけですが、この超勤四項目、すなわち生徒の実習に関する業務、学校行事に関する業務、教職員会議に関する業務、それから非常災害等のやむを得ない場合の業務、この超勤四項目についてのみ時間外勤務を命じることができるということになっております。
 それを踏まえまして、時間外の勤務手当については、教員の場合、支給しない代わりに教職調整額というものを支給しておりまして、それが給与月額の四%相当、この四%というのは、昭和四十一年の勤務実態調査によって明らかになりました教員の超過勤務時間相当、すなわち月約八時間を給与月額の四%と評価して、それを本給として支給しているということでございます。
#82
○斎藤嘉隆君 労基法の適用でいいますと、労基法の例えば三十二条は、使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて労働させてはならない、一日については八時間を超えて労働させてはならないという規定があるんです。これは、教員も当然ですが適用される、されているんです。
 ここがどうも誤解をされているところがあるんですが、給特法によって労基法の三十七条、これが適用除外になるんだと私は認識をしています。これは、つまり時間外労働に対する割増し賃金の支払義務がない、つまりどれだけ働いても働かせてもコストは変わらないんです。ですから、各自治体もコスト意識というのはほとんど生まれません。このことが非常に大きな今の長時間労働の要因になっているんではないか。
 三六協定、その三十六条、これも、実は教員だって当然ですがこれは該当するんです、適用されるんです。されるんですけれども、まあ実質的に適用がされない状況がこの給特法によって整ってしまっていると、こういうことが言えるんではないかなというふうに思います。
 私は、この法律をもう見直す時期ではないかとあえて指摘をさせていただきたいというふうに思います。給特法を見直して、教員の時間外勤務についても割増し賃金も含めて払っていく、クリアにする、クリアにする、そういう状況が望ましいんではないかと、長く仕事をする教員は若干給料を増えてもらって、そうでない教員は変わらない、こういう環境をつくっていくことがいいんではないかと、そのように思っています。
 給特法の見直しについて中教審での審議、これは、私は今中断をしていると認識をしていますが、再開をしてはいかがでしょうか。
#83
○国務大臣(松野博一君) 斎藤委員御指摘のとおり、この給特法が制定された昭和四十六年当時と今の学校現場の先生方の働き方は大きく変化をしております。その中において、文部科学省も、教員の超過勤務の実態を踏まえ、これまでも教職調整額の支給を定めた給特法の在り方について検討をしてきたわけでありますけれども、結論に至っていないということであります。
 この教職調整額の在り方、今委員の方からこの仕組みをもっとクリアにした方がいいと御指摘もいただきました。ただ、この問題は単に給与の問題だけではなく、学校の組織運営でありますとか教員の勤務時間管理の問題ですとか、もっと言えば、教員がやるべき仕事というのは何なのかという議論も含めて議論をしていかなければいけないことであると考えております。
 先ほど申し上げましたとおり、現状においては教育再生実行会議において議論をしていただいておりますので、その結論を得て、それをもってこの給特法の在り方について更に検討させていただきたいと考えております。
#84
○斎藤嘉隆君 ありがとうございました。終わります。
#85
○三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。
 初めに、原発避難生徒のいじめ問題と対応について質問をさせていただきます。
 昨年の十一月の二十二日、本委員会において、原発事故により横浜市に避難した生徒のいじめについて、私は、避難生徒を含め学校生活の状況把握、放射性物質や避難者の生活について教育を強化すべきと質問をさせていただき、松野大臣より、しっかり取り組むと答弁をいただきました。その後、十二月の十六日付けで、初等中等教育局長名で放射線理解と教育、実態調査について通知文書を発出をしていただきました。
 以降、私どもは国会のあらゆる機会でこの件に関し質問を重ねさせていただき、日本で唯一放射能汚染について学べる福島環境創造センターにも訪問させていただきました。
 地元の公明党神奈川県横浜市議会議員も同所を訪問して、いわゆる原発いじめを起こさせないために放射線について学べる有意義な施設であるとの認識を持ち、横浜市当局にも働きかけました。その結果、同市の教員が研修派遣をされること、また加えまして、被災県発行の副読本を活用して教育を行うこととなりました。
 このような具体的取組について松野大臣の御所見を伺います。
#86
○国務大臣(松野博一君) まず、いまだふるさとに帰れず、不安の中で過ごしている被災児童に対するいじめというのはあってはならないことでありまして、大変遺憾に考えているところであります。こうしたいじめの背景には、放射線に対する理解不足や福島県外に避難を続ける方々のつらい思いに関する理解不足による誤解や偏見が存在すると考えております。
 議員御指摘の環境創造センターは、展示体験を通して福島県の環境の現状や放射線に関する正確な情報を伝えることを目指した施設であり、横浜市を始めとする全国の多くの子供たちが訪問することは有意義であると考えております。
 また、福島県教育委員会作成の東日本大震災の経験を踏まえた道徳教育教材の中には、震災により転校を余儀なくされた生徒が力強く生きようとする話や、福島県産というだけで敬遠されてしまう農作物をいわれのない差別と重ね合わせる話などが収録されているものと承知をしております。
 文部科学省においては、この福島県教育委員会作成の道徳教育教材について、先般、各地の教育委員会に対して積極的な活用の検討を求める事務連絡を発出したところであります。
 省としては、引き続き、原子力発電所事故の避難者である児童生徒に対するいじめについて、こうした取組を通じて偏見や差別に基づくいじめを防止してまいりたいと考えております。
#87
○三浦信祐君 ありがとうございます。
 その上で、通知文書発出後の取組は、藤原局長、いかがでございましょうか。
#88
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の昨年十二月の通知の発出を受けまして、この度、年度末を迎える状況でございますので、この通知による学校における確認について、文部科学省としてフォローアップとして状況把握をしたいと考えております。三月の十四日に各都道府県教育委員会などに対しまして状況把握の依頼を行い、今月の末にはその結果を取りまとめた上で、四月の早い段階でその結果について公表する予定と考えております。
#89
○三浦信祐君 ありがとうございます。是非フォローアップをしていただきたいと思います。
 お手元の資料一番、御覧いただければと思います。
 これは福島県の観光交流課が発行する「福島の今を知る」という冊子、雑誌です。放射線について大変に分かりやすく解説がなされております。さらに、大臣からも先ほどありましたけれども、教育現場に即した宮城、岩手の防災副読本、福島もそうですけれども、被災者の声が多く含まれております。文部科学省が率先をして把握をして全国に展開をしていただいているという御努力、有り難いなと思いますけれども、更に活用していくべきではないかなというふうに思います。そして、現場の教職員が資料を通してどのようにそれを教育をしていけばよいか等のアドバイスや好事例も得られると、教育環境の整備に十分な効果を得られるんではないかと思います。
 藤原局長、この見解と取組について伺います。
#90
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 文部科学省におきましては、防災を含めた学校安全の取組の充実に向けた国の施策や都道府県などの取組を紹介する学校安全ポータルサイトを昨年、平成二十八年の四月に開設しております。このサイトにおきましては、都道府県などが地域の実情に応じて作成した防災副読本や資料、合わせて約三百点を掲載しておりまして、関係者が共有して防災教育を推進できるように情報提供しているところでございます。
 今後、文部科学省といたしましては、教育現場において有効に防災副読本などが活用できるように取組の実践例や成果を掲載するなど、更なる内容の充実を図って防災教育の推進に努めてまいりたいと考えております。
#91
○三浦信祐君 ありがとうございます。
 一方で、子供だけの知見で賠償金云々という会話があるというのは、教育現場はもとより周囲の大人の意識にこそ大きな課題があるんではないかというふうに私は考えます。大人、地域の理解というものが不可欠だと思います。全国の教育委員会が先ほどの福島にある除染情報プラザであったり福島環境創造センター、そのような施設で学んで、地域に戻ってからPTAの皆さんや地元の方々に伝えていただけるというような流れをつくっていただきたいと思います。大臣も是非現地へ行っていただきたいと思いますが、その御決意、伺いたいと思います。
#92
○国務大臣(松野博一君) 先日、是非見学をさせていただきたいと答弁して以来、まだ実現ができておりません。国会等の日程を見据えつつできるだけ早い時期に訪問をして、私からもその意義について発信をさせていただきたいと考えております。
#93
○三浦信祐君 是非、大臣の発言が、相当希望が行き渡っていくことになると思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、教育現場におけるがん教育について伺います。
 がんは、国民の二人に一人が罹患をして、三人に一人が亡くなると言われております。がんに対する理解が深まることが適切な対応と対策、そして共存社会の構築につながってまいると考えます。現在のがん教育の取組について、また、来年度予算に計上されている予算の使途について藤原局長に伺います。
#94
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、がん教育を推進することは極めて重要であると認識しております。
 これを踏まえまして、文部科学省におきましては、平成二十六年度からがんの教育総合支援事業を実施しており、有識者で構成される検討会を設置して今後のがん教育の在り方について検討を行い、地域の実情を踏まえたモデル事業の実施をしているところでございます。
 また、二十七年度には、文部科学省においてがん教育の意義や外部講師の活用についてまとめたガイドラインを作成するとともに、教材の作成を行って、平成二十八年四月に各都道府県指定都市教育委員会に対して周知を行ってまいりました。
 さらに、平成二十八年度のモデル事業につきましては、二十六都道府県指定都市において百三十七校の小中高等学校を指定して、医師やがん経験者などの外部講師を活用したり、文部科学省が作成した教材を実際に活用していただき、がん教育の充実に努めているところでございます。
 文部科学省では、これまでのモデル事業の成果と課題を踏まえまして、厚生労働省と連携して外部講師の確保に努めるとともに、平成二十九年度の予算案におきましては、教員や外部講師の資質向上を目的とした研修会や、指導方法の改善、充実を目的とした事業を実施するなど、がん教育の推進に一層努めてまいりたいと考えております。
#95
○三浦信祐君 国立がん研究センターの推計では、親ががん患者である十八歳未満の子供の総数は約八万七千人、そして、親のがんというのは家族、家庭、特に未来あるお子さんにとって極めて深刻な問題です。だからこそ、がんに対する基本的な知識、理解をする学びは必要だと考えます。
 加えまして、児童生徒ががん経験者、先ほど言っていただいたような医療従事者及びがんのケア、家族等にその話を聞く機会が平等に均等にあれば、その教育効果というのは極めて大きいと思います。
 このモデル事業を更に発展をさせていただきたいと思いますけれども、藤原局長、御所見をいただければと思います。
#96
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、児童生徒に対しましてがん患者への理解と共生について学んでもらうことはとても重要なことだと認識をしております。
 先ほど申し上げました文科省が作成している教材におきましても、内容の一つとしてがん患者への理解と共生について取り上げているところでございます。また、がん経験者あるいは医療従事者などを学校に招いて児童生徒が直接話を聞く機会を設けることも教育効果を高めるものと考えておりまして、文部科学省といたしましては、厚生労働省とよく連携して、教育委員会や衛生主管部局の理解、協力を得て、適切に今後とも対応してまいりたいと考えております。
#97
○三浦信祐君 ありがとうございます。
 親や御家族ががんに罹患することによって、例えば高等教育、大学に進学を断念するようなことがないような体制づくりについても今後是非検討していただきたいと思いますし、私も取り上げていきたいと考えております。
 多くのがんは早期発見をすれば約九割が完治する時代です、治っていく時代です。だからこそ、がん対策として早期発見、早期治療が大切です。
 一方で、若い世代には、がんと言われてもぴんとこないという場合が多いと思います。しかし、将来の責任世代となっていく若者にがん検診の重要性を訴えていくということは社会の責務であると思います。特に、進路の変化があって就職と進学に分かれていく高校時代に、がん検診が身近なものであり、がん検診は受けるものだというようなことが当たり前になっていくような社会をつくっていくことが私は大事だと考えております。
 高校生のうちに検診の体験であったり見学をする、そのような機会があれば大変良いことだと思います。今後、教育の上でどのように取り上げていくか、文科省の見解を伺います。
#98
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、がんの早期発見のために、生徒が検診について学ぶことは非常に重要であると認識しております。
 文部科学省で作成しております教材におきましても、内容の一つとしてがんの早期発見とがん検診を取り上げております。具体的には、がんの種類によって差はありますが、多くのがんは早期に発見すれば約九割が治ること、それから、検診の対象年齢になると市町村が実施する住民検診や職場検診においてがん検診を受けることができること、それから、早期にがんを発見するには症状がなくても定期的にがん検診を受けることが重要であることなどがこの教材で記載をされております。
 文部科学省といたしましては、今後とも、生徒ががん検診の重要性を正しく理解できるように、がん教育を引き続き推進してまいる覚悟でございます。
#99
○三浦信祐君 是非推進をお願いしたいと思います。
 さて、学校現場の教職員が多忙を極めている中で、実は、副校長、教頭の勤務時間の異常な長さがあり、古い結果しかないということでこの資料ですけれども、資料二に示すとおり、教頭の残業時間は極めて長いという現状です。
 まず、副校長、教頭の役割について藤原局長に伺います。
#100
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 まず、副校長の職務でございますが、学校教育法第三十七条第五項におきまして、校長を助け、命を受け校務をつかさどると規定されており、校長を補佐するとともに、校長から命を受けた範囲内で校務を自らの権限で処理することが可能な職と整理されているところでございます。
 次に、教頭の職務でございますが、学校教育法第三十七条第七項におきまして、校長を助け、校務を整理し、及び必要に応じ児童の教育をつかさどると規定されておりまして、校長を補佐するとともに、校内の仕事を整理する職と整理をされております。
 どちらの職務につきましても、管理職員としてそれぞれの立場から所属職員の管理監督を行うといった役割を担うことが求められております。
#101
○三浦信祐君 副校長、教頭は、人事、物品、施設管理の三管理のトップです。これに加えて、教員としての経験を生かし、将来を担う人材の育成をしたいと思われている方がきっと多いものだと思います。
 しかし、先日私もたくさんヒアリングをさせていただいたんですけれども、現実的には、業務として、事務手続の忙殺、親御さんへの対応、臨任教員採用ができないことによる教員の授業代行、不登校児童の家庭訪問、そして地域行事への参加とケア等々、とても余裕がない状況であるということが声を大にしてたくさん寄せられました。
 副校長、教頭の業務効率化を図る必要というのは、私はあるんだと思います。事務手続の簡素化や代行ができるような体制に変えていくべきだと思います。必要な研修時間の確保も困難な状態を解消することにもつながっていくのではないかと思います。藤原局長の見解と対応について伺います。
#102
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 文部科学省といたしましては、副校長、教頭自身が、例えば研修を受ける時間を確保するためにも負担軽減を図ることは喫緊の課題であると認識をしております。
 このため、今国会におきましてもいわゆる義務標準法等の一部を改正する法律案を提出しているところでございまして、そこにおきましては、学校の事務職員の職務規定を改正いたしまして、学校予算の編成や各種調査業務などの事務について事務職員が一定の責任を持って処理することができるようにしようということと、それから、新たに共同学校事務室を制度化して学校事務の効率化を図るということをしようとしているところでございます。このような措置を図ることができれば、副校長、教頭の負担軽減にもつながるのではないかと考えております。
 文科省といたしましては、今後とも、副校長、教頭が本来の業務に注力し、その経験能力が十分発揮できる環境の整備に取り組んでいきたいと考えております。
#103
○三浦信祐君 是非不断の努力をしていただきたいと思いますし、この後、今後も私はこの問題取り上げさせていただきたいと思います。
 教員が管理職の多忙な姿を見て、副校長、教頭職に魅力を感じずなり手不足というのが、これでは懸念をされてしまうと思います。推し量る直接的なデータはないとは思いますけれども、お配りをさせていただきました希望降任制度のデータに明確に表れております。また、主任教諭も希望降任をしていくというのも増加傾向にあります。
 この認識と問題の対処方法、今後の対策について、文科省としての見解を伺います。
#104
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 平成二十七年十二月の中央教育審議会答申におきましても、副校長、教頭の希望降任の増加など、管理職の魅力が低下しているのではないかとの指摘をいただいております。また、都道府県によりましては、今後、管理職候補となる三十代半ばから五十歳ぐらいまでの教員数が減少することが予想されておりまして、計画的な管理職の養成は喫緊の課題であると認識しております。
 副校長、教頭の魅力が低下している原因といたしまして、子供と接する時間が少ないことや業務量が多いことなどが要因であるとの指摘もございまして、なり手の確保のためには、適切な学校運営体制を整備するとともに、副校長、教頭の候補者の養成を計画的に行うことが求められております。
 このため、文部科学省におきましては、適切な学校運営体制を構築するとともに、若いうちからマネジメント能力を付ける観点から主幹教諭の配置を促進しているところであります。また、今国会に提出している義務標準法等の一部改正法案でも、先ほど申し上げましたとおり、学校事務職員の職務規定を見直すことによって、副校長などと事務職員の連携や業務の見直しなどによって体制整備の整備を促していきたいと考えております。
#105
○三浦信祐君 話は変わりますけれども、近年、学校において通級指導への対応や、LD、ADHDの生徒に対応する教員の必要性が増している中、明らかに人手不足であるという声が寄せられます。さらに、教育現場での対応能力を上回る事案も増えているものと承知をしております。
 今回、通級指導への対応を含め、我が党もしっかり主張させていただいて、粘り強い交渉によって最後に盛り込まれた教職員の基礎定数化、加配措置、大きな前進だと思います。しかし、子供それぞれを伸ばす教育が大切だと私は考えております。勉強する教室の雰囲気、やる気がある子を更に伸ばす、やる気を刺激するような教育、生徒さんに教育的刺激の観点から時間を十分に活用できるような環境づくりが大切ではないかと考えます。習熟度別授業をするなど、理論を立てて取り組むべきだと思いますが、御見解はいかがでしょうか。
#106
○国務大臣(松野博一君) 委員のお話にありましたとおり、発達障害などにより通常の学級に在籍をしながら障害の状態に応じた特別の指導、いわゆる通級指導を受ける児童生徒は十年間で二・三倍に増加をしております。こうした課題に対応するため、平成二十九年度予算案においては担当教員の基礎定数化を盛り込み、必要な法案を現在御審議いただいております。
 一方、御指摘の通常の学級における指導体制の充実については文部科学省としても重要と考えており、今後の教職員定数の在り方については、学校の課題に関する客観的データや実証研究、地方自治体の政策ニーズ等を踏まえ必要な検討を行ってまいります。
#107
○三浦信祐君 全国三万校ある中で定員増が八百名強、これはすごい努力をしていただいたと思いますけれども、場合によっては、私どもの地域には大きな望みはないんじゃないかと思われているようなところもあると思います。少子化とはいえ、多様化への対処が教育現場で重要性を増していると思います。不断の努力が必要ではないでしょうか。
 団塊世代の大量退職期において、多様な経験を有している教員が減っていく中、教員としての質を担保するためにも人的確保というのは不可欠です。教職員定数の拡大への決意と具体的な取組について松野大臣に伺います。
#108
○国務大臣(松野博一君) 今日の学校を取り巻く環境が複雑化、困難化する中、チーム学校の推進や学校現場の業務適正化等の取組と併せて、次世代の学校に必要な指導体制を構築することが重要と考えております。
 平成二十九年度予算においては、喫緊の課題に対応するための教員の基礎定数化に加え、小学校専科指導や貧困等に起因する学力課題の解消、いじめ、不登校等への対応などに必要な加配定数を含め、合計八百六十八人の改善を盛り込み、今国会に基礎定数化に必要な法案を提出をしているところです。
 今後の教職員定数の在り方については、学習指導要領の改訂や学校現場における教職員の勤務の実態も勘案しつつ、引き続き、経済・財政再生計画改革工程表における方針に基づいて、学校の課題に関する客観的データ、実証研究、地方自治体の政策ニーズ等を踏まえ必要な検討を行ってまいります。
#109
○三浦信祐君 是非しっかり検討していただきたいと思います。
 この間ヒアリングをさせていただいた中で出てきた話があります。養護教諭、保健室の先生、実は、生徒が抱える多くの問題を真っ正面から受け止めて、子供の求めに応じた対処をしている場合が多数あると伺いました。それによって授業態度が改善をしたとか、親への対応時間が減ったとか、管理職や担任の負担軽減に大きな力を発揮されているものだと私は感じました。
 現状、小学校では生徒八百五十一人、中学校では八百一人で二人の教諭、一人に対応した場合にはほかの生徒へのケアができないというような現状であります。現場から養護教諭への感謝、重要性は数多く、加えて養護教諭の増員が教職員の仕事の軽減に大いに役に立つのではないかという声がたくさん寄せられております。
 まず、この現場の声をどう思うか、また、増員をすべきであると私は考えますけれども、これは真剣に是非取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#110
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 養護教諭の配置の拡充についてのお尋ねでございます。
 文部科学省におきましては、平成二十九年度の概算要求におきまして、養護教諭の複数配置基準の充実、すなわち、委員御指摘のとおり、小学校の場合、現在は子供八百五十一名で複数配置かどうかというのが分かれるところを七百五十一名に引き下げる、それから中学校については八百一名を七百一名に引き下げると、こういう形での配置基準の充実の要求をいたしまして、基礎定数についてはそれに合わせて五十名増の要求をしましたが、非常に残念ながら予算編成の過程で実現しなかったと、こういう経緯がございます。結果的には、二十九年度の予算案では加配定数の改善ということで養護教諭の配置としてプラス十名ということを盛り込んでいるところでございます。
 文部科学省といたしましては、今後とも引き続き養護教諭の配置、充実に向けて頑張っていきたいと考えております。
#111
○三浦信祐君 私もしっかりこれを応援していきたいと思います。直接的な負担軽減だけではなくて、やはり心の負担軽減ということにも大きな効果を及ぼしますので、是非今後とも取り組んでいただきたいと思います。
 子供さんや親御さん、学校で問題が発生したときに相談できる窓口は多数あると思います。一方で、教師や管理職教員の相談窓口はほとんど準備をされておりません。諸問題が起こった場合、初動での対応に多くの場合苦慮していると聞いております。多忙な教頭にも相談できないだけではなく、学校のみで対応できない事例も踏まえ、学校の先生の相談窓口など確保してはいかがかなというふうに考えております。一方で、経験者の場合、昔を軸にして話をされてしまえば実態との乖離で苦悩を深まらせる可能性もはらむことから、思料が必要ではないかと思います。
 他方、場合によっては、親が突然弁護士を引き連れてくる場合もあると承知をしております。学校では、教育のプロであって、司法のプロではありません。学校運営上、教員が正面に受けて立っていては教育現場が成立しない可能性もあります。このような場合、対応弁護士を設けて弁護士が正面に立つ体制づくりなども必要だと考えますが、いかがでありましょうか。
#112
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 学校と保護者や地域住民との間に生じるような、学校だけでは解決困難な課題につきまして相談を受ける体制を構築することは、委員御指摘のとおり、円滑な学校運営のために有効な手段だと考えております。
 例えば学校において保護者や地域などからの苦情や不当な要求行為などへの対応に苦慮している場合について、教育委員会が設置したサポートチームによって、弁護士による法的知見に基づく助言を受けて適切に対応する支援体制を構築している例も承知しております。
 文部科学省といたしましては、このような弁護士等の専門家を活用した学校への支援体制に関する取組について、良い取組については全国への普及に努めてまいりたいと考えております。
#113
○三浦信祐君 最後に、学校現場、教育をつかさどる教職員の環境改善、待遇改善が、子供の育成、日本の未来を支える人材育成につながると思います。大臣もその思いで今回予算編成に取り組まれたと思います。
 松野大臣、御所見と御決意をお伺いします。
#114
○国務大臣(松野博一君) 先ほど来からの御議論にありますとおり、貧困問題への対応でありますとか保護者等からの要望への対応等、学校に求められている役割も拡大をしております。また、平成二十六年度に公表された中学校教員を対象としたOECD国際教員指導環境調査等においても、我が国の教員の長時間労働の実態が示されていると認識をしております。
 文部科学省としては、教員の業務負担の軽減を図ることは喫緊の課題であると認識をしておりまして、本年一月に、二十か所程度の重点モデルを指定をし、学校現場の業務改善を加速するプロジェクトや、部活動の適正化の推進、業務改善等に知見のある有識者や教育関係者等を業務改善アドバイザーとして派遣する仕組み等を発表したところでございます。
 文部科学省として、教員が子供と向き合える時間を確保して、そして教員が一人一人今まで以上に誇りとやりがいを持てる学校現場の環境を実現をするために業務の適正化を着実に推進し、学校教育の質の向上に努めてまいりたいと考えております。
#115
○三浦信祐君 終わります。ありがとうございます。
#116
○委員長(赤池誠章君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十一分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#117
○委員長(赤池誠章君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成二十九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、文部科学省所管を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#118
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
 今日は、大学の学費の無償化について取り上げます。
 首相は、今国会の施政方針演説の中で、どんなに貧しい家庭で育っても、夢をかなえることができる、そのためには、誰もが希望すれば高校にも専修学校、大学にも進学できる環境を整えなければなりませんと述べられておりますが、これは、政府全体として高等教育の段階的な無償化を目指す、学費を値下げしていくという決意の表明と取ってよろしいでしょうか。大臣、いかがでしょう。
#119
○国務大臣(松野博一君) 意欲と能力のある学生等が経済的な理由により進学を断念することがなく、安心して学ぶことができる環境を整備するため、学生等の経済的負担の軽減を図ることは大変重要であると考えております。
 平成二十九年度予算においては、給付型奨学金の創設に加えて、授業料減免や奨学金制度をより一層充実することとしております。高等教育の授業料無償化については、教育費の家計負担の軽減策全体の中で総合的な観点から優先順位を付けながら検討することが必要です。
 今後とも、高等教育の負担軽減を進めるべく、必要な財源を確保しつつ、しっかりと取り組んでまいります。
#120
○吉良よし子君 負担軽減は重要だという答弁でした。
 この間、ただ、この教育の無償化のために憲法改正が必要という政治的思惑がある議論も聞かれているわけですが、私は、現行憲法下でも教育の無償化、学費の値下げはできると思っております。
 例えば、政府は、二〇一二年に国際人権A規約第十三条の(c)、高等教育の漸進的無償化条項の留保を撤回いたしました。この条項には、すべての適当な方法によりというふうにあります。この適当な方法の中に学費の値下げも含むという考えでよろしいでしょうか、大臣。
#121
○国務大臣(松野博一君) 御指摘の国際人権A規約第十三条においては、高等教育は、全ての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、能力に応じ、全ての者に対して均等に機会が与えられるものとすることが規定されております。
 授業料の値下げについてのお尋ねでありますが、国際人権A規約の当該条項は、授業料減免や奨学金事業などを含め、教育費負担軽減のための種々の施策により、能力に応じた教育の機会均等を図っていくことを求めているものであります。
 文部科学省としては、これまでも国立大学や私立大学の授業料減免や奨学金制度の充実に努めているところであり、引き続き、こうした条項の趣旨を踏まえ、財源を確保しつつ、学生の教育費負担の軽減に向け努力をしてまいります。
#122
○吉良よし子君 授業料減免も含まれるという御答弁だったと思います。
 つまり、現行憲法下でも高等教育の学費の値下げ、学費を下げて段階的に無償化を目指すということは可能であるということです。必要なのは、やはり現行憲法二十六条の教育の機会均等、これを全ての国民に保障するという政府の確固たる決意と行動だと思うわけです。とりわけ、今この学費の値下げに踏み切るという政治的な決断が必要だと私思うわけです。
 そこで、お配りした資料二枚目、三枚目、御覧いただきたいと思うんですけれども、この間、大臣も先ほど来、給付型奨学金創設だとおっしゃっていますが、その創設を求めてきた奨学金問題対策全国会議の中でも、大学等の学費の値下げは要求項目の中に挙げられております。また、先日私の部屋に訪問してくれました中央大学の学生の要請の項目の中にも、世界に比べても高過ぎる学費の値下げという項目が入っておりました。
 文部科学大臣、こういう学生たちや、全国で上げられている学費そのものの値下げを求める声についてどうお考えでしょうか。
#123
○政府参考人(常盤豊君) 授業料の値下げということにつきまして、先ほども大臣のお答えの中で申し上げさせていただいたところでございますけれども、高等教育の授業料の問題につきましては、教育費の家計負担の軽減策全体の中で総合的な観点から優先順位を付けながら検討するということでございます。
 そのために、これまでも文部科学省といたしましては、国立大学、私立大学のそれぞれの授業料減免とか奨学金制度の充実に努めているところでございますので、引き続き、財源を確保しつつ、こうした学生の教育費負担の軽減に向けて努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#124
○吉良よし子君 いや、大臣の決意を伺っているんですね。今、学費を値下げする、学生たちの声に応えてその決断をすべきではないかと伺っているんですけど、いかがでしょう。
#125
○国務大臣(松野博一君) 意欲と能力のある学生が家庭の経済状況にかかわらず大学教育を受けられるようにすることは大変重要なことであると考えております。
 国立大学の授業料については、最近十一年間は値上げをしておらず、来年度も授業料標準額の引上げを行わないこととしています。また、平成二十九年度予算案では、授業料減免の対象者について、国立大学では二千人の増員、私立大学では一万人の増員を計上するなど、教育費負担の軽減に努めております。
 御指摘の、大学の授業料そのものを引き下げることについては、必要な財源の確保なども含め、総合的な検討が必要であると考えています。一方、必要な財源を確保しつつ、大学等奨学金事業や授業料減免の充実など、今後とも教育費の負担軽減に努めてまいります。
#126
○吉良よし子君 決意を求めているんですけれども、結局、財源がとか、そういう総合的にとかおっしゃるわけですけど、やはり、私、必要なのは文部科学大臣の決意なんですよ。授業料をいかに値下げしていくか、それを求めているわけです。
 私は、具体的に今日提案していきたいと思うんです。
 まずは私立大学なんです。今、大学進学者全体の七割が私立大学に通っているわけです。その私大で授業料減免受けている学生数はどのように推移しているか確認したいと思います。二〇一一年度、そして二〇一六年度の実績、そして今年度の予算案ではその人数と割合どのようになっているか、お答えください。
#127
○政府参考人(常盤豊君) お答えいたします。
 私立大学等経常費補助金における授業料減免等支援の対象者数及び全私立大学の学生数に占める割合の実績でございますけれども、二〇一一年、平成二十三年度でございますが、対象学生数は三・二万人、全私立学生数に占める割合は一・五%でございました。二〇一六年、平成二十八年度におきましては、対象学生数四・二万人、全私立学生数に占める割合は一・九%となっております。
 そして、もう一点お尋ねがございました。二〇一七年、平成二十九年度予算案におきまして、授業料減免等に関する予算について対前年度十六億円増の百二億円を計上しておりまして、その対象人数は前年に比べて一万人増加をさせております、五・八万人という数を見込んでおります。予算ベースでございますけれども、全私立学生数に占める割合は二・六%となる見込みでございます。
#128
○吉良よし子君 要するに、年々減免を受ける学生の数は増えているし、だから予算枠も増やしているということだと思うわけです。
 それもそのはずで、やはり今私立大学文系で平均七十五万円、理系で平均百五万円と非常に高い学費が払わなくてはならない時代になっていると。だからこそ、この私大の学費下げるというのはやはり緊急の課題だと思うわけです。
 そこで、私提案したいんですけど、国の私学助成の中に、学費の値下げを進めようとする私大に対して緊急に助成できる特別枠、学費減免のための特別枠をつくってはどうかと思いますが、大臣、この提案いかがでしょうか。
#129
○政府参考人(常盤豊君) 先ほどお答えで申し上げましたとおり、現在の私立大学等経常費補助金の中での授業料減免については仕組みを設けているわけでございまして、その実績については先ほど申し上げましたし、また二十九年度予算においては、その対象人数を増加をさせるということで予算案の中に盛り込ませていただいているということでございます。
#130
○吉良よし子君 私が言っているのは、一部の学生を対象にした減免制度の枠を広げろということではないんです。やはり全部の学生に対しての学費を値下げしろと。そういう、学校の全体の学費を下げる取組をしている私学に対してその特別枠をつくってはいかがかと、そういう大きな枠での話をしているわけですね。
 何より、私学助成法第一条にもこの経済的負担の軽減を図ることを目的に書いてあるわけですから、その目的に照らせば、緊急助成枠、大きな枠でつくることでやろうと思えばできると思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
#131
○国務大臣(松野博一君) 委員から御提言をいただきました、私立大学等で授業料を、全体の授業料を、全学生の授業料を減免をする場合の、私学助成の中に枠をつくったらどうかということでありますけれども、これは、例えば仮にそういう方向で考えるとすれば、一校、二校ということではなくて、これもう全私学に対してそれが対応できないと公平性が保てないということになります。そうしますと、全私学に対する授業料減免ということになれば、それなりの財源というものがないとこれは実行がかなわないということになりますんで、現状において、先ほど政府参考人の方からお話をさせていただいた方法をもって高等教育における家計費の負担の軽減に取り組んでまいりたいと考えております。
#132
○吉良よし子君 財源だとおっしゃるわけですけど、私、やっぱりここは財務委員会ではないわけです、文教科学委員会なわけですから、やはりそこで大臣の姿勢を問うているわけですね。
 何より、この間、委員会の中でも教育の予算が少な過ぎるというお話があるわけですよ。とりわけ高等教育については〇・五六%ですか、もうOECDの中でも最下位レベルの数字になっているわけですよね。それをいかに増やしていくかっていう、そこをちゃんとやるのが文科大臣の役割なんじゃないかと思うわけですよ。
 ところで、この私学を含めた授業料の無償化、負担軽減のための施策という点でいえば、政府は既に実績が実はあるんです。二〇一〇年に導入された公立高校授業料の実質不徴収と高校等就学支援金の制度です。
 ここで注目したいのは、この制度の導入の目的なんですけれども、この導入目的はどうなっているのか、お答えください。
#133
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の高等学校等就学支援金制度につきましては、高等学校等への進学率が約九八%に達し、高等学校等が国民的な教育機関となっており、その教育の効果が広く社会に還元されていることから、高等学校等の教育に係る費用について社会全体で負担していくことが要請されている等の理由により、平成二十二年に公立高等学校等に係る授業料の不徴収制度と併せて、高等学校等における教育に係る経済的負担の軽減を図り、もって教育の機会均等に寄与することを目的として導入されたものでございます。
#134
○吉良よし子君 教育機会均等のために高校生たちの学びを社会全体で支える、そういう考え方でこの制度が導入されたと、これ、私、本当に大事な視点だと思うわけです。やっぱり大学についてもその学びを社会全体で支える、そういう立場に立つべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#135
○国務大臣(松野博一君) 先ほど申し上げましたとおり、やはり教育行政の立場からすると、やはりこれは財源を確保するということをまず考えざるを得ないということでございますし、あわせて、教育費の家計負担を下げるということに関しては幼児教育から、また、幼児教育、高校、そして高等教育と、一連の流れの中で優先順位を付けながら施策を進めていかなければならないということもございますんで、繰り返しになりますけれども、財源をしっかりと確保しつつ、奨学金制度の充実、また新たに今提言をさせていただいております給付型奨学金、また返還のありよう等々も含めて総合的に高等教育の負担軽減に図ってまいりたいと考えております。
#136
○吉良よし子君 優先順位付けてと言いますけど、やはり私立大学の学費軽減というのはかなり優先順位、私、高いんじゃないかと思うわけですよ。進学率でいっても、大学進学って五〇%程度で低いと言われているわけですけど、やっぱりそれを上げていくためにも、学費をいかに軽減していくか、そのために財源をいかに捻出していくか、そういう議論をしなきゃいけないはずなんです。
 私学助成についても、その助成法の第四条には、経常経費について、その二分の一以内を補助することができるってあるわけです。じゃ、その二分の一にできる限り近づけていく方向にせめてかじ切っていくべきなのではないですか、大臣、いかがでしょう。
#137
○国務大臣(松野博一君) 教育費の負担軽減を進めたいという思いは、委員がおっしゃっていることと私が先ほど来答弁させていただいていることは同趣旨であろうかと思います。もちろん、二分の一まで助成できるという条文は理解、承知をしております。それに向かって努力をするということは当然のことであります。
#138
○吉良よし子君 それに向かって努力するということです。是非努力していただきたいと思うわけです。
 とりわけ、今現状では、私立大への補助って経常経費のうちの一〇%前後にとどまっているわけです。だから、授業料に転嫁せざる、頼らざるを得ない運営を私学はやっているわけですから、それが高学費にもつながっていると。そういう意味では、私学助成、是非増やしていただきたいと思うわけです。
 そしてもう一つ、国立大学についても、私、伺いたいと思うわけです。
 こちらも値下げに向けた施策は急がれるわけです。昨年の委員会でも申し上げましたけど、私たち日本共産党は、この学費値下げのために運営費交付金、毎年百六十億円増やしていけば十年間で半減できるという提案しているわけですけど、ここで確認いたします。
 今年度予算案で運営費交付金、前年度比でどうなっているか、また、その中でも基幹経費は前年度比でどうなのか、簡潔にお答えください。
#139
○政府参考人(常盤豊君) 平成二十九年度の予算案におきましては、国立大学法人運営費交付金等の基盤的経費について、対前年度〇・二%増、二十五億円増の一兆九百七十億円を確保したところでございます。また、このうち基幹経費、お尋ねの基幹経費でございますけれども、基幹経費につきましては、優れた実績のある機能強化の取組について、評価に基づいて、機能強化経費から基幹経費へ移し替える、いわゆる基幹経費化の仕組みを新たに導入をすることなどによりまして、対前年度、これまでであればほぼ全て減であったわけでありますけれども、対前年度〇・二%減、二十二億円減の九千九十二億円となっております。
#140
○吉良よし子君 いろいろおっしゃられたわけですけれど、運営費交付金は今年は〇・二%引き上げられたと。しかし、基幹経費だけで見ると〇・一%の減だと。しかも、運営費交付金というのは、この十年来毎年一%ずつずっと減らされてきて、過去十二年間で一千四百七十億円削減されてきたということは昨年の答弁でもあったわけです。
 そういう中で、大学の経営はどうなっているかと。先日、文教科学委員会の視察で山梨大にお伺いしたとき、学長から厳しい状況が訴えられました。研究費、人件費、圧迫されている、非常勤職員も削って退職教員も不補充、でも来年度は二億円赤字となるので人事院勧告のボーナスを出さないなどの対応をせざるを得ない、そういう窮状があったわけです。
 後で私、学長に詳しく聞いたんですけど、このまま運営費交付金増えなければ学費値上げも考えざるを得ないというお話を伺ったわけです。やっぱり、運営費交付金が削減されては学費の値下げはできないと。学費下げるためにも、運営費交付金増やすべきではないでしょうか、大臣、いかがでしょう。
#141
○政府参考人(常盤豊君) 先ほども申し上げたところでございますけれども、国立大学法人の運営費交付金につきましては、過去十二年間で千四百七十億円の減額ということで、毎年百億円程度の減額が続いてきたわけでございます。その中で、二十八年度予算においては対前年度同額、そして二十九年度予算ではこの運営費交付金等の基盤的経費、先ほど申しましたように二十五億円の増ということでございます。
 これまで国立大学について、一方で減額の中で教育研究の基盤に非常に課題が生じてきているということ、その一方で国立大学において改革を進めてきていただいているということで、財政当局始め広く御理解をいただき、このような方向に行っているわけでございますが、引き続き我々としては努力していきたいというふうに思っております。
#142
○吉良よし子君 削減路線をやめたというところで答弁だったと思うんですけど、もちろんそれは大事なんです、確保することも大事なんですけれども、やっぱりそれだけじゃ駄目で、先ほどの山梨大の学長、後でまたお話伺ったんですけれども、やっぱり削減をやめるだけじゃなくて、せめて十年前の水準に戻してほしいんだというお話も伺ったわけです。
 是非大臣、学長の言うように、運営費交付金、十年前の水準に段階的でもいいから戻していく、そこにまず着手するべきなのじゃないでしょうか、大臣、いかがでしょう。
#143
○国務大臣(松野博一君) 繰り返しで恐縮でございますけれども、これは財源を確保しつつ、国立大学の運営費交付金についてしっかり確保するように進めてまいりたいと思いますし、一方で、大学自体の効率化、重点化ということも必要な課題だと考えておりますし、大学自体の自主的な財源への取組ということも併せて進めていただきたいと考えております。
#144
○吉良よし子君 もう是非、運営費交付金増やす方向にということで大臣にイニシアチブ発揮してほしいです。教育予算抜本的に拡充して、学費、教育の漸進的無償に向けて努力していただきたいこと、重ねて申し上げまして、この場での質問を終わります。
#145
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりです。
 まず、教育現場でのICT活用についてお伺いをしていきたいと思います。
 最近、学校の教育現場ではタブレットを使った授業ですとか、また中学校の技術の授業でプログラミングを学んだりしているというふうにお聞きをしております。また、教員の多忙化が課題となっている現状の中で、教員にパソコンを一人一台支給するなど、こういった対策が取られていると。特に、地元の大阪市の方では校務のICT化によって効率が上がっているというふうにも聞き及んでおります。
 二〇二〇年に向けまして、デジタル教科書について検討がされ、教育の情報化を推進するという方向性で、情報ですとかまた情報手段を、これを主体的に選択し活用していくために必要な情報活用能力、これを子供たちにも発達の各段階を通じまして体系的に育んでいく、これは大変重要だと私も思っております。
 現代社会の中で急速にこのICT化が進んでいく中で、この技術を使いこなしていく素養、これをやはり全ての子供たちに対して身に付けさせていく、これを義務教育の中で行うということは必要であると私は考えておりますが、全国的にこのICT化、どのくらい今進んでいるんでしょうか。例えば学校現場での授業ではどのくらいICT化が進んでいるか、また、学校の事務、校務における導入の割合はいかがでしょうか、お聞かせください。
#146
○政府参考人(有松育子君) お答え申し上げます。
 学校の授業等で活用するためのいわゆる教育用コンピューターやインターネット環境等の整備状況につきましては、平成二十八年の三月一日現在、まず、教育用コンピューター一台当たり、これの児童生徒数で申しますと一台当たり六・二人、そして超高速インターネットの接続率は八四・二%、そして普通教室の無線LANの整備率は二六・一%となっております。
 また、校務のICT化につきましては、教員の校務用コンピューターの整備率、これは教員の数に対する率ですが、それは一一六・一%となっております。そして、校務の支援システムというものもございますが、この校務支援システムの整備率は八三・四%となっておりまして、校務のICT化に向けて整備が進められているところでございます。
#147
○高木かおり君 ありがとうございます。
 校務の方はかなり進んでいっていると。子供たちも政府としてもこれからどんどん拡充を進めていくという方向であるというふうに感じているわけですが、ICTの活用によりまして、子供たちの授業やまた自宅学習の状況、それから校内テストの結果ですとか生徒の情報を管理、共有する、それから教員の方々の授業の改善、それによって生徒の学力の向上につながると、そういうふうに認識をしております。また、校務に関してですけれども、ICT化することによって、先ほどからも申し上げていますように効率が高まって、担任の先生方に余裕が生まれまして、そして、今本当に課題にも挙がっております児童生徒との触れ合いの時間、こういったことも、また部活動に取りかかれる、そういったことに関しても報告があり、たくさん良いところがあるということは十分認識をしております。
 そして、今回、平成二十九年度の予算でも、次世代の教育情報化推進事業に五千二百万円、それからICTを活用した教育推進自治体応援事業に一億七千百万円、次世代学校支援モデル構築事業に一億三千八百万円、これが計上されていると。これによって、ICT化の活用で確実に教育の現場というのは今後変わっていくというふうに確信をしているわけであります。
 様々ICT化のメリットについて私の方からも申し上げてまいりました。それでは、このICT教育に関して、デメリットについてはどのように御認識でしょうか、お聞かせください。
#148
○政府参考人(有松育子君) 今先生、デメリットとおっしゃいました。例えば健康との関係など、あるいは犯罪被害等のことかと存じますが、文部科学省では、平成二十三年度から二十五年度にかけて実施した学びのイノベーション事業におきまして、ICTの活用に伴う児童生徒の健康面への影響等に関する配慮事項について調査を実施しております。
 この調査におきましては、ICTを活用した授業の前と後で、児童生徒の体の調子や首や肩の調子、また目の疲れなどといった体の各部位の調子に顕著な変化は見られなかったという結果が出ております。ただし、電子黒板等の画面が見にくかったと答えた場合や、テレビゲームを、これは学校ではなくてですが、テレビゲームを長時間利用する生徒あるいは睡眠時間が短い生徒などにつきましては、目の疲れの変化に統計的な有意差が見られるといったような結果を得たところでございます。
 この調査結果を踏まえまして、眼科や脳科学の専門家から、学校の授業のような短い時間であれば影響は生じないと考えられますが、一方で、長時間の利用をすることによっては例えばドライアイといったようなことが生ずるなどのおそれがあるために、長時間集中して見続けるということがないように配慮する必要があるといったような知見を得ているところでございます。
 また、ICTの利用に伴う犯罪被害等でございますけれども、これは文部科学省で調査を行っているわけではございませんが、警察庁においてコミュニティーサイト等に起因する事犯の調査や、内閣府におきましてフィルタリングの利用率などの調査が行われていると承知しておりまして、文部科学省でもそれらの調査結果について承知しているところでございます。
 文部科学省では、教室の先ほど申し上げました環境等の配慮事項についてまとめました児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブックを作成をいたしまして、都道府県教育委員会等に周知をするとともに、文部科学省のホームページに掲載をして活用を促しているところでございます。
 また、犯罪被害に遭わないようにといった意味では、児童生徒が安全に留意して、また先ほどのような健康にも留意して、児童生徒が自らそうしたことに留意しながらICTを活用できるようにという意味で情報モラル教育というのが非常に重要と考えておりまして、このための教師用の指導資料の作成、配付ですとか、普及啓発を目的としたセミナーの開催等の支援策を実施しているところでございます。
#149
○高木かおり君 ありがとうございます。
 今、子供たちの健康被害ですとか犯罪被害、そういう情報モラル教育等もやっていかなければいけないということで御認識いただいているということでございました。
 メリットもたくさんある一方で、やはり物事にはメリットとデメリットが当然あるということでございました。ICTの普及というのは、子供社会においても遊びですとか人間関係、生活習慣の点で本当に大きな変化をもたらしてきたと思います。
 子供におけるICTの弊害としまして、やはり親子のきずなから始まる人間と人間とのきずなの形成、こういったところにも大変影響を与えてきますし、その健やかな成長、発達、また社会性の形成、こういったところにも大きな影響を与えてくる極めて大きな問題だと私は考えております。
 日本学校保健会の平成二十四年度児童生徒の健康状態サーベイランス事業報告書によりますと、子供たちの年齢が高くなればなるほど、また女児ほど、インターネットやメールに費やす時間が長くなってきてネット依存に陥りやすいという統計が出ております。
 この子供のネット依存も大変今深刻化をしておりますし、ICTの適正利用というのは、もう何度も繰り返しになりますけれども、子供たちの健やかな成長、発達にとって解決すべき重要な課題というのがたくさんございます。
 このICT化による子供の健康面について、先ほど御見解等をお聞かせいただきましたが、これに留意してほかにはございますでしょうか。
#150
○政府参考人(有松育子君) 先ほど御説明申し上げましたとおり、健康に関してのICTを学校で活用するためのガイドブックの配付や、あるいはコミュニティーサイトに起因する事犯等の現状及び対策について警察庁の調査等を承知しながら対策を考えたいと思っているところでございますが、一方、先ほど先生からお話がありましたように、現代社会、人工知能やIoTなどの情報技術の進展によりまして、第四次産業革命とも言われる社会経済に大きな変化が生じております。
 こうした現代社会を生きる子供たちには、情報機器やサービス、そして情報を適切に自ら選択、活用して、そして問題を発見、解決をしたり、新たな価値を創造したりする力を、そうした社会の中で育むといったことが極めて重要であると認識をしております。
 このため、文部科学省といたしましては、ICTの活用による子供の健康や犯罪等の被害に関する調査結果を踏まえまして、情報モラル教育を充実しながらICTの活用による分かりやすい授業を実現することで、あるいは情報を収集、判断、表現したり、発信、伝達したりする、こうした力の育成に向けて学校におけるICT活用を推進してまいりたいと考えております。
#151
○高木かおり君 健康面に関してと、それから情報モラル教育、これも大変重要だと私思っております。
 今から健康面に関して特にちょっとお聞きをしていきたいなと思うんですけれども、二〇一五年に、「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議ということで、日本小児連絡協議会の委員でもいらっしゃる山梨大学大学院総合研究部医学域社会医学講座教授の山縣博士、医学博士が、ICTと子供の健康問題について提言されておられるんですね。
 それを少し御紹介をしたいと思うんですけれども、山縣先生は、子供がICT端末を使うことによりまして、先ほども御答弁の中に含まれていたかと思いますが、長時間使用することによって、VDT症候群、これ大人でもあることですけれども、これと、それから睡眠不足、運動不足、それからネット依存、また、デジタルコンテンツの使用によるゲーム依存、行動、メンタルヘルスへの影響、それから情報伝達手段として使用することによって、コミュニケーション能力、これへの影響、社会性の発達への影響、こういったことが指摘されるとおっしゃっておられます。
 中でも、VDT症候群というのは、コンピューターのディスプレーなどの画面を長時間見続けること、先ほど長時間見続けないようにということで気を付けているということも御答弁の中に含まれておりましたけれども、やはりこれによって、長時間子供たちが見ることによって、視力の低下、肩凝り、頭痛、いらいら感、うつ症状、こういったことが大人と同様引き起こされるのではないかと。実際に、大人だけでなくて小児でも病院を受診しているという場合もあるというふうに報告されております。
 ネット依存ですとか、生活時間の変化、ネットを見続けることによっての弊害、これ多く指摘されていますが、その科学的根拠はまだ明らかにされていないということであります。ここが大変問題だと私は思うんですが、その弊害が明らかでないからいいのではなくて、やはり山縣先生がおっしゃるように、子供たちにとって医学的にどのような影響があるのかどうか、今後の検証は必要かというふうに思います。
 厚労省とも協力して解決をしていただかなければならない問題かとは思いますけれども、文科省としてしっかりとしたこういった研究を、調査研究をしていくべきだと思いますが、大臣のお考えをお聞かせください。
#152
○国務大臣(松野博一君) 御指摘のように、ネット依存やコミュニケーション能力への影響などについて懸念も指摘されるところでございます。
 文部科学省としては、自らの健康を損ねたり犯罪被害に遭ったりしないよう安全に留意してインターネットを活用する、SNSなどの利用に伴うトラブルを回避し適切なコミュニケーションをするなど、児童生徒がICTを適切に活用できるよう情報モラル教育の充実に取り組んでまいります。
#153
○高木かおり君 是非とも、これに関しての、やはり我々にはICT化を進めていくと同時に、そういった弊害に対してしっかりと責任を負っていかなければならないと思いますので、調査研究、進めていっていただきたいというふうに思います。
 今回、健康面ももちろんそうなんですけれども、最後に、先ほど山縣医学博士の言葉で紹介したように、コミュニケーション能力、こういったことにも大変影響があると言われております。小学校、中学校、それから高校へと段階的にも影響の度合いというのは違うと思いますけれども、やはりこれに関してもしっかりとエビデンスが欲しいところではございます。私は、決してICT化のこの勢いを止めようとしているのではございません。ただ、やはりこの弊害にしっかりと向き合っていかなければならないと申し上げているわけでございます。
 松野大臣、今後、メリット、デメリット踏まえて、どのように子供たちに対するICT化を推進していかれるのか、もう一度御決意を是非ともお願いしたいと思います。
#154
○国務大臣(松野博一君) このICTの利用によって、今文科省でも目指しております主体的、対話的で深い学び、これを実現するためにICTというのは有用なツールであるというふうに考えておりますし、各教科等の学習におけるICTの活用も極めて有効であると思います。委員のお話にあったとおり、学校事務の軽減化にも資するものであると考えております。
 一方で、先ほど申し上げましたとおり、ネット依存症、コミュニケーション能力への影響等も考えていかなければなりません。こういったことを、しっかりとデメリットに対する対策も進めつつ、ICTの適切かつ効果的な活用を進めてまいりたいと考えております。
#155
○高木かおり君 ありがとうございます。
 このICT化といいますのは、やはり学校でのICT化、これが学校だけの問題ではなくて、これが進んでいくことによって、やはり家庭でもネットに関わる時間が多い。今、御家庭の中では既にパソコンがあったり、タブレットがあったり、スマホも低年齢化して所持している子供たちが多いという、こういった中で、ネットやスマホを使う時間が長くなっていくというのは、これはもう自然の、子供たちにとって自然の流れであるというふうに思っております。このメリット、デメリットをやはり我々は認識をして、学校だけのことを考えるのではなく、やはり家庭での取組というところにも一歩踏み込んで考えていく必要があるのではないかというふうに思っております。
 少し、最後に、質問ではございませんけれど、事例を少し紹介したいと思うんですけれども、文科省とのやり取りの中では、なかなか家庭へ踏み込んでいくのはちょっと壁もあるんだというようなお話もございましたけれども、やはり愛知県の刈谷市、刈谷市教育委員会の方では、学校とPTAが連名によってスマホ、この取扱いについて家庭に、夜九時以降は保護者が預かるですとか、フィルタリングサービスを利用するですとか、そういったことを家庭に対しても言っていっている。それに対して、この新聞記事でございますが、文科省の生徒指導調査官は、こういった刈谷市のような取組は初耳だけれども、家庭に指導を求めても対応はまちまちだったが学校が乗り出せば保護者もやらざるを得なくなるというようなコメントを出されているということで、やはり文科省の方からそういったことも対策として打ち出していっていただければ、学校も家庭も地域も動いていくのではないか、こういったことがコミュニティースクール、学校運営協議会、こういった場でも課題に取り上げていっていただいて、しっかりと子供たちを地域でも、学校、家庭、連携して子供たちを支えていく、こういったことができるのではないかというふうに思いますので、是非ともこのICT化、もちろん推進、私はしておりますが、そういった弊害についても、子供たちが犯罪等にも巻き込まれないように、健康被害もしっかりと支えていっていただけるようにお願いを申し上げまして、私の質問を今日は終わります。
 ありがとうございました。
#156
○木戸口英司君 希望の会(自由・社民)、自由党の木戸口英司でございます。
 本日は、学校教育の在り方等について松野大臣の基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
 まずは、初等中等教育の在り方、現状と課題についてお伺いをいたします。
 戦後の学校教育は現場の教員を始めとした教育関係者のたゆまぬ努力によりおおむね成功を収めたと言えますが、一方で、いじめや不登校などの深刻な課題も多く残されています。
 国家に有為な人材の育成を主たる目的とした戦前教育への反省を踏まえ、戦後教育は、教育基本法の下でその目的を人格の完成に据え、教育制度を抜本的に改革することから始められました。その後、戦後復興から高度経済成長を経る中で、小中学校に加えて高校、大学の整備も進められ、進学率も上昇してきました。一方で、国民の多くが高学歴を志向する中で、過熱する受験戦争等のゆがみがもたらす校内暴力や不登校の問題が顕在してきたと言えます。
 こうした中、学歴偏重社会を改めようとする動きが拡大し、学校制度の見直しも進められました。また、昨年成立した教育機会確保法は、学校以外の場での学習活動の重要性や休養の必要性に言及するなど、これまでの学校教育の在り方とは異なる方向性が示されるようになってきていると考えます。
 教育基本法第一条は教育の目的を人格の完成としておりますが、この目的は必ずしも学校以外の場では達成し得ないものではないと考えます。その意味で、我々は、学校に通う意味、教育における学校の役割についていま一度原点に立ち戻って考える必要があるのではないかと思います。
 文部科学分野に長く携わってきた松野大臣は、とりわけ学校教育に対する強い思いがあると理解しております。まずは、教育の目的、戦後教育への評価、また、子供たちの人生に学校教育はどのような役割を果たし得るのか、御自身の考える理想の教育像も含めてお伺いをいたします。
#157
○国務大臣(松野博一君) 非常に広範囲にわたった御質問でございますが、まず、戦後の初等中等教育についてということからお話をさせていただきたいと思いますけれども、昭和二十二年に教育基本法制定を始めとする戦後の初等中等教育制度は主に三つの柱から成り立っております。
 一つ目は基本的に単一の学校系統を用意する六三三制の学校体系、二つ目は自治体の財政力にかかわらず全ての国民に義務教育の妥当な規模と内容とを保障するための義務教育費国庫負担制度、そして、三つ目は中立公正な地方教育行政が行われるための教育委員会制度でありますが、各種制度の整備によりまして、全ての児童生徒が能力に応じてひとしく教育を受けられるという教育の機会均等の実現を目指し、充実発展が図られてきたものと承知をしております。
 また、平成十八年の教育基本法の改正に代表されるように、時代の変化に適切に対応するため、これまでも不断の教育改革に取り組んできており、我が国の初等中等教育は社会の発展に大きく寄与したと認識をしております。
 教育基本法の教育の目的として人格の完成を挙げております。どのような学校教育を受けるかということは子供たちの人生にとって大きな影響を与えるものだと考えております。これらの学校教育では、我が国の将来を担う子供たちが自他のかけがえのない価値を認識しながら、協働し、様々な分野に積極的に挑戦し、自分の可能性を高めることが大事であり、そのためにも私としては学校教育における現場力を高めていくことが重要であると考えております。
#158
○木戸口英司君 今、戦後の学校教育に対する評価も踏まえ、松野大臣の考える現在の学校教育の最大の課題、今こういう教育をというお話もありましたけれども、改めてその課題についてお伺いしたいと思います。そして、課題が生じている原因をどのように分析しているか、また、課題を解決し、大臣の考える理想の学校教育に近づけていくために、平成二十九年度予算について、大臣としては初めての予算となるわけでありますけれども、特にどのような点に力を入れて予算編成を行ったか、大臣の所見をお伺いいたします。
#159
○国務大臣(松野博一君) 先ほどの委員の御指摘の中にもあったとおり、今学校現場はいじめや不登校を始め問題が複雑化、困難化をしております。時代の変化に対応した新しい教育に取り組むとともに、そのための学校の現場が力を発揮できる環境を整備することが最大の課題と考えております。
 我が国では、国勢調査においても教員の勤務時間が長いことが指摘されており、現状のままの指導体制ではこれまでのような成果を上げていくことは困難になってきていると考えております。
 このため、文部科学省では、学校の指導体制の充実に向け、障害のある児童生徒や日本語能力に課題のある児童生徒への特別の指導を担当する教職員の基礎定数化を図るための義務標準法改正案を提出をしているほか、平成二十九年度政府予算案において、小学校の専科指導やいじめや不登校への対応などに必要な加配定数の充実を図っているところであります。また、教員の授業改善や子供と向き合う時間の確保を図り、教員一人一人が力を発揮できるよう、教員の行う業務の明確化や事務の効率化についての実践研究や、休養日の設定等部活動の適正化、国、教育委員会の支援体制の強化を通じて学校現場の業務適正化など、教員の働き方改革に取り組んでまいります。
#160
○木戸口英司君 教員の定数の改善、またチーム学校など、非常に大きな改革が今進められようとしております。そういうときに、先ほど来話もありますが、天下りの問題など、教育行政に大きな不信が今寄せられております。やはりしっかりとここで文部科学大臣としてのリーダーシップが求められていると思いますので、その点を指摘しておきます。
 続いて、大学教育の在り方と人文社会科学の重要性について、この点についてお伺いしたいと思います。
 平成十六年に行われた国立大学の法人化以降、各大学は六年間の中期目標、中期計画を作成することとなり、第三者機関によりその達成度が評価されるようになりました。また、近年も運営費交付金の配分に際しても重点支援の枠組みを新設するなど、国立大学に対する文部科学省の関与の度合いは法人化以降強まっているようにも見えます。大学に対する国の関与そのものを一概に否定するものではありませんが、そもそも研究は計画や評価とはなじみにくい面もあることも事実であります。そうであるとするならば、大学に対しできるだけ多くの自由を保障し、文部科学省の関与は諸条件の整備等にとどめるべきではないでしょうか。
 文部科学省の大学に対する関与の在り方について大臣の所見をお伺いいたします。
#161
○国務大臣(松野博一君) 大学に関する国の関与においては、学問の自由や大学の自治の保障の下で、各大学の自主的、自律的な教育研究や自由な発想に基づく研究活動が行われるよう配慮することが必要と考えております。一方で、大学は公の性質を有するものとして公金の支出が行われており、教育や研究を行うのみならず、社会貢献と説明責任が求められております。これらを踏まえ、例えば国立大学においては、投じられた国費が有効、適切に使用されたかどうかを検証するとともに、社会への説明責任を果たすため、第三者機関である国立大学法人評価委員会による評価を実施をしています。
 国立大学法人評価においては、教育研究の特性を踏まえるとともに、大学の自主性、自律性を尊重するため、教育研究についてピアレビュー、同僚評価でございますが、に基づいた評価を実施をしているところであります。
 さらに、国立大学法人運営費交付金の配分については、三つの重点支援の枠組みにより、各大学の強み、特色を踏まえ、社会的役割に応える取組への重点支援を行っておりますが、枠組みに応じた構想は各大学が自ら主体的に設定するものであります。
 文部科学省としては、引き続き各大学が社会からの要請に適切に応えていくよう、その教育研究に関する自主性、自律性を尊重しながら支援をしてまいりたいと考えております。
#162
○木戸口英司君 研究者個人の研究に関しても、例えば法人化以降の運営費交付金の削減傾向の中で民間企業からの研究資金の受入れ等も行われております。外部資金の重要性は認識しておりますが、他方で、短期的な成果が見えやすい今の社会のニーズに合った研究にのみ力点が置かれ、自由な発想に基づく一見役に立たない研究が十分に行われなくなるのではないかと危惧しております。
 文部科学大臣として、大学における自由な発想に基づく研究の重要性についてどのような認識を持たれているか、また、一層の条件整備を進めるためにどのような取組を行っていくか、お伺いいたします。
#163
○国務大臣(松野博一君) 研究者の自由な発想に基づく研究、学術研究は国力の源であり、大学はそうした研究活動の場として中心的な役割を担っています。
 このため、文部科学省としては、平成二十九年度予算案において、国立大学法人運営費交付金等や私立大学等経常費補助金の基盤的経費を確保するとともに、研究者個人の独創的な研究を支援する科学研究費助成事業を通じて、学術の変革を目指した挑戦的な研究や若手研究者の独立を促進するなど、学術研究の振興に努めているところであります。
 また、現在、文部科学省内に基礎科学力の強化に関するタスクフォースを設け、学術研究、基礎研究を支える研究費の確保、若手研究者が安定かつ自立して研究できる環境の整備等について具体的な対応策を検討をしております。
 今後とも、これらの取組を通じ、大学における学術研究の振興に取り組んでまいります。
#164
○木戸口英司君 今様々検討しているというお話がありました。まさしく、若手の研究者、そして基礎研究の問題、様々な心配、危惧の声が今寄せられているところであります。その点、しっかりと対応していただくことを指摘したいと思います。
 次に、人文社会科学の研究、学部、そして重要性についてお伺いをしたいと思います。
 平成二十七年六月に文部科学省は、「国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しについて」とする通知を出しております。これに対しては、人文社会科学を軽視するものとして、大学のみならず学術界、経済界からも強い懸念が示されました。これに対し、文部科学省高等教育局は、同年九月に日本学術会議幹事会において行った説明の中で、人文社会科学系の学問を軽視したり、すぐに役立つ実学のみを重視したりはしないとの釈明をしつつも、一方で、人文社会科学系の教育研究の課題を指摘し、社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組むことを求めています。
 私は、人文社会科学を軽視する昨今の風潮に大変大きな危惧を抱いております。さきに述べた通知が結果として人文社会科学の軽視を一層助長させてしまったのではないかと懸念もしております。
 まずは、一連の事態を整理した上で大臣の見解を示していただきたいと思います。
#165
○国務大臣(松野博一君) 人文社会科学系の各学問分野は、人間の営みや様々な社会事象の省察、人間の精神生活の基盤の構築や質の向上、社会の価値観に対する省察や社会事象の正確な分析などにおいて重要な役割を担っていると認識をしております。
 平成二十七年六月の通知は、平成二十八年度から始まる国立大学の第三期中期目標期間における目標計画の策定に向けて国立大学の学長等に対して発出したもので、人文社会科学系統の組織の見直しを取り上げています。これは、国立大学は社会の大きな変化に柔軟に対応する自己変革が必要との考えによるものであり、国立大学に人文社会科学系などの学問が不要というものでも、すぐに役立つ実学のみを重視するというものでもありません。この趣旨は、通知の発出以降様々な場面で説明をし、国立大学の学長等には理解されているところであります。
 この趣旨を踏まえ、第三期中期計画においては、二十六の国立大学において人文社会科学系の学部の見直しが計画され、平成二十八年度においては十六の大学において人文社会科学系の学部の見直しが行われています。これらの取組は、人文社会科学系学部を含めた既存の学部全体を見直し、文理融合や多分野協働により多様な課題の解決を目指すものであり、文部科学省としてはこのような改革に積極的に取り組む大学を支援をしてまいりたいと考えております。
#166
○木戸口英司君 AIの著しい進歩を始め、社会の変化は激しくなっております。将来を見通していくことはますます困難になっていると言えます。その中で、既存の価値観も大きく揺さぶられ、これまで役に立つとされていたものが全く役に立たなくなることも、逆に無駄だと思われていたものが有用だと判断されることもあります。
 そうした変化が激しい時代において、とりわけ必要とされるのは、現状を批判的に分析し判断していく力であります。こうした批判精神は、経済、政治、哲学、歴史、文学などの人文社会科学の幅広い学びを通じてこそ得ることができるものであります。確かに、人文社会科学の学びは、いわゆる実学と言われる学問と違い、今すぐに何か役に立つようなものではないかもしれません。しかし、単に今現在の社会的要請が高くないからといって切り捨ててしまうと、批判精神を持って新たな時代を切り開いていく人材が枯渇することにもなりかねません。
 私は、実学を学ぶ学生も含め、全ての人にとって人文社会科学の学びが重要であると考えております。我が国を覆う閉塞感、行き詰まり感を打破するためには、大学等における人文社会科学の学びを通して健全な批判精神を育てていくことが不可欠であり、その意味では、実学のみならず人文社会科学の学びの機会を充実させていくことこそ必要なのではないかと考えておりますが、大臣の所見を改めてお伺いいたします。
#167
○国務大臣(松野博一君) 大学教育においては、教育基本法で高い教養と専門的能力を培うとされており、また大学設置基準では、教育課程の編成に当たり、幅広く深い教養及び総合的な判断力を培い、豊かな人間性を涵養するよう適切に配慮しなければならないと規定されています。
 これらの規定に基づき、大学では人文社会科学を含めた幅広い内容の教養教育が行われているところであります。近年では、先進的な取組として、全ての学生に対し、批判的精神や課題探求力等の獲得を目的とした少人数教育の科目の履修を義務付けた長崎大学や、理工系の大学でありながら、哲学や宗教、日本語、日本文化など多様な科目を開設し、学士課程から博士課程まで一貫した体系の下で教養教育を実施する東京工業大学など、様々な取組が行われていると承知をしております。
 文部科学省としては、大学において幅広い視野を持った人材の育成の一層の充実が図られるよう、各大学における取組を促進をしてまいりたいと考えております。
#168
○木戸口英司君 それでは、もう時間ですので最後に。
 先ほど来、運営費交付金の話が出ておりました。やはり私からも、この充実が欠かせないと思っております。来年度、そしてそれ以降、運営費交付金の在り方について大臣の所見を最後にお伺いいたします。
#169
○国務大臣(松野博一君) 世界が知識基盤社会へと進展する中、大学における人材育成や自由な発想に基づく学術研究、基礎研究は、イノベーションの源泉となる多様で卓越した知を創出する基盤として極めて重要と考えています。
 また、社会の変化が激しい時代において教養教育やリベラルアーツにより培われる汎用的な能力の重要性は高まっており、人文社会科学系の学問はその重要な一翼を担うものだと考えています。
 平成二十九年度予算案では、人文社会科学系学部等の組織整備も含め、各大学の強み、特色を更に発揮し機能強化を推進するため、国立大学法人運営費交付金等の基盤的経費について対前年度二十五億円増の一兆九百七十億円を計上しており、法人化以降実質的に初の増額となっています。
 文部科学省としては、今後とも、国立大学が我が国の人材育成、学術研究の中核として継続的、安定的に教育研究活動を実施できるよう、運営費交付金等の基盤的経費の確保に努めてまいります。
#170
○木戸口英司君 終わります。
#171
○松沢成文君 無所属クラブの松沢成文でございます。
 大臣、副大臣、政府委員の皆さん、最後の質問者ですので、お疲れだと思いますが、よろしくお願いいたします。
 まず最初に、今日は大臣に一言お礼を言わなきゃいけないなと思っているんです。すばらしいリーダーシップを発揮していただいて、学習指導要領、最後のところできちっと御判断をいただいた聖徳太子についてであります。
 私が、前回の委員会、たしか三月九日の委員会でこの学習指導要領について、聖徳太子を厩戸王という形に名前をどんどん変えていくような改訂はおかしいんじゃないかという問題提起をさせていただきました。ほかにも幾つかあったんですけれども、私が取り上げたのは聖徳太子と、あと鎖国だったと思います。こういう歴史的な用語というのは、歴史教育の一貫性だとか普遍性を考えてしっかりと議論をして慎重にやらなければいけないということで、まだまだ国民的な議論もされていない中での変更というのはむしろ教育現場も混乱させてしまうという意見を申し上げて、大臣にその変更をどうにか阻止してほしいということをお願いしました。
 そうしたら、週末、日曜日か月曜日でしょうか、新聞各紙に、元の表記に戻す方針を決めたという新聞報道が出ていまして、いや、私、これ見たときうれしかったですね。実は、そのニュースを知って、SNSやメールなんかでも、私にもよかったですねと随分来ました、いろんな方からね。
 そういう意味で、大臣のリーダーシップに心から敬意を表する次第でありますが、あれは新聞報道だったので、もう一度確認しますが、十五日にパブリックコメントを終えて、聖徳太子あるいは鎖国等について元の表記に戻す方針である、そういう方針だということでよろしいですね。
#172
○国務大臣(松野博一君) お褒めの言葉をいただいた後で言いづらいんですが、現状においては、先週十五日までパブリックコメントを行い、国民の皆様から一万件を超える多数の御意見をいただいておりまして、現在、今月末の公示に向けてその内容を整理しているところであります。
 三月九日の本委員会におきまして、松沢委員から、聖徳太子の歴史上の実績価値は極めて大きく、それを伝える上で歴史の教育の一貫性、継続性が求められている、名称の変更や複数表記は避けるべきといった旨の貴重な御指摘をいただきました。
 委員の御指摘、またパブリックコメントの内容をしっかりと精査をし、私の責任においてしっかりと今月末の公示をしてまいりたいと考えております。
#173
○松沢成文君 まだその発表前なので言いづらいところあるかもしれませんが、ちょっともう一つ全体確認したいんですが、今回の歴史用語の表記の変更、たしか六個あったと思うんです。聖徳太子、それと大和朝廷を大和政権にする、それから鎖国を幕府の対外政策というふうに変える、あるいは、今まで安藤広重だったのかな、これを歌川(安藤)広重という表記にする、それから日華事変を日中戦争にする、それから元寇というのをモンゴルの襲来(元寇)にするというふうにあったんですが、この中で、変更はしない、今まで現行どおりでいくというのは、報道のとおり、聖徳太子と鎖国、それから元寇というふうに新聞報道ではありました。この三つであって、あとはこの新学習指導要領の答申のとおり変えていくという方向でよろしいんですか。
#174
○国務大臣(松野博一君) 繰り返しのお答えで恐縮でございますが、現在、パブリックコメントをいただいて、国民の皆様からの御意見を精査しているところでございます。委員から御指摘をいただいた七つの用語に関してもそれぞれに御意見をもういただいているところでありまして、聖徳太子以外の歴史用語の表記につきましても、これらの意見をしっかりと踏まえて十分に検討してまいりたいと考えております。
#175
○松沢成文君 とはいっても、もう新聞報道であそこまで変えるって出ちゃっていますからね、特に聖徳太子や鎖国については。今更、発表では変えません、答申どおりでいきますというのをやっても国民が混乱するばかりだと思いますので、今は言えないのかもしれませんが、是非とも賢明な判断をいただきたいというふうに思います。
 さて、そこで、この聖徳太子については特にこれ国民的な議論があったんです。やはり日本の歴史の中で、古代においてというか、日本の歴史上、物すごい大きな存在でありますからね。そういう意味で、この聖徳太子の名称を厩戸王に変更するということでかなりの意見がパブリックコメントに来たと思いますが、十五日で締め切っていますけれども、このパブリックコメント、もちろん匿名でいいんですよ、どういう意見が来て、国民は歴史教育について考えを持っているかというのは公開していただけるんでしょうか、少なくともこの国会には。
#176
○国務大臣(松野博一君) 学習指導要領改訂案について実施をしたパブリックコメントについては現在整理中でございますが、委員から御指摘がありました聖徳太子に関する意見としては、例えば、小中学校で同一人物の表記が異なるのは小中接続の観点でも問題である、教員が教えにくいばかりか、児童生徒が混乱し理解の妨げになる、万人に認知され国民に親しまれている名である聖徳太子を厩戸王に変えることには反対であるなどの御意見が寄せられているところであります。
#177
○松沢成文君 そういう意見というのは公開されて、我々もどんな意見が来たかというのは見れるようになるんですか、パブリックコメントというのは。どうなんでしょう。
#178
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 パブリックコメントの結果につきましては、当然のことながら、私どもの方で整理して公開するという手続を取る予定でございます。
#179
○松沢成文君 大臣、今回こういう大きな歴史用語の議論もあったわけで、それで、大臣は近々、その最終判断をなされて公表されるわけですよね。そのときに、大臣がどういう考えの下に、パブリックコメントでもこういう意見があったと、それから中教審の方からの最終案の答申はこうだったけれども、私はやっぱり歴史教育をこう考えるから、こういう考えで今回この幾つかの用語については現状のままでいくというふうに考えた、あるいはこれからもその方がいいとか、そういう大臣のやっぱり政治家としての、最終決定権者としてのお考えを是非とも示していただきたいんですね。それが残っていれば、今後、また恐らく十年後の改訂のときもいろいろ議論があると思います、そういうときに、歴史教育の継続というのはどう考えるべきなのか、ああ、あのとき、前のときに議論になったときの松野大臣もこういう考えを基に出していると、これ参考になると思うんですよ。
 大臣、どうですか、そういう考えをきちっと大臣として何か正式の文書に残していただけますか。
#180
○国務大臣(松野博一君) まず、今回の学習指導要領の改訂に当たって、広く国民の皆様、パブリックコメントという形で御意見をいただいていると。これはもう当然、精査をして、その中からも国民の皆さんの意見を酌み取らさせていただかねばなりませんし、参議院、衆議院それぞれの委員会において国民の代表の委員の方々からの様々な御議論、御指摘も当然のことながらよくよく勉強させていただかなきゃならないと考えております。
 これらの指摘の中において、私として、歴史と文化の承継と発展、小中学校の学習の連続性、教員の教えやすさや子供たちの理解のしやすさといった観点を踏まえて判断をしていきたいと考えております。
#181
○松沢成文君 できれば、是非ともその判断をした理由というのを何らかの形で発表し、残していただければ後世のまた改革議論に資すると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 さて、次のテーマに参ります。
 先日の、三月九日の質問のときに自民党の石井理事の方からもすばらしい問題提起がありましたゴルフ会場の問題ですね、東京五輪の。
 実は、一昨日、今話題になっている、会場として決まっている霞ケ関カンツリー倶楽部の女性差別問題で、霞ケ関のカンツリー倶楽部の理事会の方で、会則というんでしょうか、細則ですね、定款の中の細則を変えて、今後は女性も正会員になって平等にやっていただくようにするというふうに変更されたということでありますけれども、オリパラ担当副大臣、水落副大臣、いらっしゃっていただいていますが、そのこと自体をどう評価されますでしょうか。
#182
○副大臣(水落敏栄君) お答えいたします。
 女性正会員の受入れを決定いたしました霞ケ関カンツリー倶楽部につきましては、役員の皆様方、会員の皆様方の御理解と御尽力に感謝を申し上げたいと存じます。
 これによりまして、オリンピック憲章などに照らして、IOCが指摘をしておりました霞ケ関カンツリー倶楽部に対する男女平等の懸念はクリアされたと認識をいたしております。
#183
○松沢成文君 オリンピック憲章の規定はクリアしたというお答えでした。
 何か、このことがクリアできたので、もう霞ケ関で決まりでいいじゃないかという意見もあるんですが、私は全くその意見とは考え方を異にしているんですね。今回の霞ケ関の決定も、ある意味で男女平等の思想に乗っていったんだという意味で、全体的に見ればまあよかったねという意見もあるかもしれませんが、私は霞ケ関がプライベートカントリークラブとしての矜持を守り切ったかというと、オリンピックのプレッシャーに負けてある意味で変えていったわけですね。そうじゃなくて、本当ならば、自分たちは頼まれてゴルフ会場になっているんじゃないと、ああ、頼んでなっているんじゃないと、やってくれってなったからいいですよと、そのときにこういう定款も見せたのに、今更IOCや、逆に組織委員会の方からこの定款は駄目だ、変えろなんて言われるのはふざけるなと、こうやって返上するぐらいの私は矜持があったら、これはこれですばらしいなとも思うんですよ。まあ、それは私の意見ですけれども。
 そういう中で、じゃ、霞ケ関カンツリー倶楽部、このオリンピック憲章、男女の差別問題というのはクリアしたのは事実でありますが、ただ、その中でも私が予算委員会で指摘したように、実は丸川大臣に指摘したんですけれども、この霞ケ関に決まった選定プロセスの中で、もしかしたら不正があったんじゃないかと。つまり、霞ケ関カンツリー倶楽部は自分たちの会則を提示したんですね。そうしたら、それを受け取った東京都の方が、えっ、このまま会則を英文にして出しちゃうと、これ男女平等のことがあってオリンピック憲章に引っかかっちゃうかもしれないから、まずいんじゃないでしょうかというふうに霞ケ関に相談したんです。これ、数年前の話ですよ。そうしたら、霞ケ関のどの役員か分かりませんけれども、そんなものは後で変えればいいんだから出す必要がないと言って、東京都の役人はそれを出さなかった。ですから、IOCも国際ゴルフ連盟も、霞ケ関のこの規約のことを知らなかったわけですね。
 ですから、もしこういう小細工をして、不正行為をやって招致を勝ち取っていたのであれば、これは不正行為だったら、これ招致自体が私は無効になるというふうに思っているんですね。
 それで、実は私は丸川大臣に、このことはきちっと、日本のオリンピック招致と会場選定の正当性を保証するためにもしっかりと調べ直した方がいいということで、東京都や霞ケ関カンツリー倶楽部、あるいは日本ゴルフ協会、関係者はどういうプロセスで選定が進んでいったのかを調べるべきだと言って、丸川大臣はそのとおりだと、調べますと言ってくれたんですけれども、これどんどん進んでいきますので、いつまでにその調査やっていただけるんでしょうか。いつ頃出てくるんでしょうか、結果は。
#184
○副大臣(水落敏栄君) お答えします。
 東京大会のゴルフ競技場の選定過程に関する調査につきましては、日本ゴルフ協会及び東京都に御協力をいただきまして、当時の関係者への確認を行っているところでございます。具体的には、スポーツ庁を中心に、一回目の確認結果を精査した上で再度の確認を行うなど、可能な限り当時の経過を把握できるよう調査を行っております。
 相手方のあることでもありますので具体的な時期については申し上げられませんが、できるだけ早く、丁寧かつ確実に事実関係を明らかにしていきたい、こう考えております。
#185
○松沢成文君 是非とも、早く出していただかないと議論ができませんので、よろしくお願いします。
 さて、この霞ケ関の問題、私、最大の問題はコストだと思っています。実は今、東京都以外の会場でやる場合のコスト計算を組織委員会にこの前出したんですね。その結果、実は、皆さんに配った参考資料を見ていただければ分かりやすいのですが、霞ケ関の方は百六十二・四億円掛かって、そのうちの仮設費用が三十九・五億円だというふうに報道されています。
 実はこの表は、私が、専門のゴルフ場を建設する業者さんと、あとゴルフプロデューサーのプロの方と一緒になって、実は私たちが推薦する若洲でやった場合にどれだけ工事だとか会場でお金が掛かるかということを計算した表なんですね。かなりプロが入っています。
 その結果、若洲でやった場合は、アクセスもいいですから、選手村のすぐそば、ですから、警備費とか交通費とか輸送費がほとんど掛かりませんので、ゴルフ場の改良だとか建設、それからソフトの会場費を全部入れたとしても二十億ぐらいでできるという数値が出てきたんですよ。じゃ、それに比べて霞ケ関でやった場合、会場費だけで四十億ですよ。それで、全部のコストを入れると百六十億掛かるというわけです。ですから、百億以上違うわけですね。
 もう一回選定し直して、コストの面も考えて選定し直せば、百億以上ひょっとしたら資金が浮くわけですよ。その分有効に使える、あるいは全体のオリンピックの予算をきちっと縮小できるわけですよね。
 さあ、百六十二億ありますが、もう時間がないんで最後の質問しますけれども、そのうち約四十億が仮設整備費ですから、百二十億は会場費以外に掛かるわけですね。この内訳示していただけませんか。例えば警備費にどれぐらい掛かるのか、交通費に、霞ケ関遠いですから、バスでどう輸送するのか、高速道路に専用レーンつくるのか。ここにどんどんどんどんお金掛かるんですよ、こういう遠い会場でやると。それで百億も違ったら、私はこれコストの面からでももう一度検討し直すべきだと思うんですが、副大臣、いかがでしょうか。
#186
○副大臣(水落敏栄君) 経費の計算の前提が一致しておりませんので比較できるかどうかは不明確でございますけれども、御指摘の数字を単純に比較すれば、若洲ゴルフリンクスでゴルフ競技を開催した方が輸送や警備の観点から安価であるとの御説明と受け止めております。大会運営費削減の観点からは一つの御提案であるというふうに考えます。
 一方で、松沢議員が代替地として御提案の若洲ゴルフリンクスにつきましては、昨日、ゴルフ場の所有者であります東京都に確認しましたところ、大規模なコースの改造が必要であること、多くの観客が安全に観戦できるスペースや、国際放送、関係者諸室等の運営スペースの確保が困難であることから、オリンピックの会場としては課題があるという説明を受けております。
 若洲ゴルフリンクスへの変更にはゴルフ場所有者であります東京都の同意が必要なことを考えますと、現時点で若洲ゴルフリンクスへの変更をすることは率直に申し上げて非常にハードルが高いのではないかというふうに考えている次第でございます。
 また、女性正会員の受入れも決断いたしました霞ケ関カンツリー倶楽部の御努力も踏まえまして、幅広い御理解を得て同会場でのゴルフ競技を成功させるためにも、御指摘いただいた輸送や警備面を課題として受け止めた上で、コスト削減の努力を重ねていくことが不可欠であるというふうに考えております。
#187
○松沢成文君 もうあと一分なので最後にしますけれども、これ、全く同じなんですよ、新国立競技場のときと。プロセスを経て決めたものだから変えられない、もうそれだけなんですね。もうそこで発想止まっていたら、何のいい結果も生めませんよ。我々はオリンピックを成功させなきゃいけないんですよ。霞ケ関はすばらしいゴルフコースだけれども、東京オリンピックには一番向いていないんです。むちゃくちゃ暑くて、むちゃくちゃ遠くて、むちゃくちゃコストが掛かるんですよ。これが分かっているのに、東京都に聞いたら、いや、もう決まったことですから変えられません。これでやっているから、やっぱりオリンピック成功できないんじゃないでしょうか。組織委員会と都と国といつももめ続けているんじゃないでしょうか。
 誰かが勇気を持って、もう一度本当に成功させるためにはきちっと議論をやり直そうと。これ、私、言っていただきたいのは本当に国の大臣なんですよね、総合調整するわけですから。下手したら、コスト百億掛かったら国税だって投入しなきゃいけないわけですから、誰かが勇気を持って言い出さないとこういう改革というのは進まないと思うんですね。やっぱりどうしても官僚機構がみんなでやろうと言ったら、プロセス重視でやりますから、今まで積み上げてきた議論があるので、こう決まったのでもう変えられませんと。
 いや、もうこれは大変なやっぱり問題になると思いますので、これからもちょっとしっかりと議論を国会の場でしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。
#188
○委員長(赤池誠章君) 以上をもちまして、平成二十九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、文部科学省所管についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#189
○委員長(赤池誠章君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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#190
○委員長(赤池誠章君) 次に、義務教育諸学校等の体制の充実及び運営の改善を図るための公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。松野文部科学大臣。
#191
○国務大臣(松野博一君) この度、政府から提出いたしました義務教育諸学校等の体制の充実及び運営の改善を図るための公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 近年、子供をめぐる教育課題が複雑化、困難化する中、学校がこうした課題に適切に対応していくためには、その指導・運営体制を強化するとともに、地域住民との連携、協働を含めた学校運営の改善を図ることにより、学校の機能強化を一体的に推進することが重要であります。
 この法律案は、このような観点から、義務教育諸学校等の体制の充実及び運営の改善を図るため、公立の義務教育諸学校の教職員定数の標準を改めるとともに、義務教育諸学校等の事務職員の職務内容を改めるほか、学校運営協議会の役割を見直し、地域学校協働活動推進員の制度の整備等の措置を講ずるものであります。
 次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
 第一に、公立の義務教育諸学校の教職員定数の標準を改正し、新たな基礎定数として、障害や、日本語を理解し使用する能力に応じた特別の指導が行われている児童生徒の数、初任者研修を受ける者の数などに応じて教員の数を算定することとしております。
 第二に、都道府県が設置する義務教育諸学校のうち、不登校児童生徒を対象とするものや、夜間その他特別の時間に授業を行うものの教職員給与に要する経費を国庫負担の対象に加えることとしております。
 第三に、学校の事務職員の職務規定を改めるとともに、学校に係る事務を共同して処理する共同学校事務室を置くことができることとする規定を整備することとしております。
 第四に、学校運営協議会の役割の見直しやその設置について努力義務とすることなどについての規定を整備するとともに、地域住民等が学校と協働して行う地域学校協働活動に関し、教育委員会が連携協力体制の整備等を講ずるものとすることや、地域学校協働活動推進員を委嘱することができることとする規定を整備することとしております。
 第五に、この法律案は、平成二十九年四月一日から施行することとしておりますが、教職員定数の標準の改正については、改正後のこの法律の標準に漸次近づけることを旨として、必要な経過措置を設けることとしております。
 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
#192
○委員長(赤池誠章君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時二十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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