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2017/03/23 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 文教科学委員会 第5号
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2017/03/23 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 文教科学委員会 第5号

#1
第193回国会 文教科学委員会 第5号
平成二十九年三月二十三日(木曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十二日
    辞任         補欠選任
     蓮   舫君     浜口  誠君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         赤池 誠章君
    理 事
                石井 浩郎君
                堂故  茂君
                斎藤 嘉隆君
                吉良よし子君
    委 員
                今井絵理子君
                上野 通子君
                衛藤 晟一君
                小野田紀美君
                橋本 聖子君
                水落 敏栄君
                山本 順三君
                大島九州男君
                浜口  誠君
                宮沢 由佳君
                河野 義博君
                三浦 信祐君
                高木かおり君
                木戸口英司君
                松沢 成文君
   国務大臣
       文部科学大臣   松野 博一君
   副大臣
       文部科学副大臣  義家 弘介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        戸田 浩史君
   政府参考人
       文部科学省生涯
       学習政策局長   有松 育子君
       文部科学省初等
       中等教育局長   藤原  誠君
       文部科学省高等
       教育局長     常盤  豊君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○義務教育諸学校等の体制の充実及び運営の改善
 を図るための公立義務教育諸学校の学級編制及
 び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(赤池誠章君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、蓮舫君が委員を辞任され、その補欠として浜口誠君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(赤池誠章君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 義務教育諸学校等の体制の充実及び運営の改善を図るための公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、文部科学省生涯学習政策局長有松育子君外二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(赤池誠章君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(赤池誠章君) 義務教育諸学校等の体制の充実及び運営の改善を図るための公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○今井絵理子君 自由民主党の今井絵理子です。この度は質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 最初に、今回の法案の趣旨をお伺いします。
 今回の法案は、教職員定数の充実や学校の事務機能の強化、学校と地域が連携、協働して行う取組の推進など、学校が抱える様々な課題に対応するためのものであり、幅広く学校の機能強化に関係する法律を一体的に改正する画期的な法案だと思います。
 その中で私が特に関心を持っていますのは、今回の法案で特別な支援が必要な子供たちの教育を始めとして学校がどのように変わっていくかという点です。通級による指導の充実については三万人以上の保護者からの署名が集まるなど、今回の法案についてとても期待が寄せられております。
 まずは大臣から今回の法案の趣旨や意気込みについてお聞かせください。
#7
○国務大臣(松野博一君) 今井委員の御質問にお答えをいたします。
 本法律案は、委員御指摘のように、学校が直面をする教育課題に対応するため、学校の機能強化を図ることを趣旨としています。今回の改正案では、障害に応じた特別の指導を担当する教員などの基礎定数化に伴う教職員定数の標準の改正、事務職員の職務及び共同学校事務室に係る規定の整備、学校運営協議会の役割の見直し及び地域学校協働活動の実施体制の整備を同時に講ずることとしています。
 本法案の趣旨をしっかりと踏まえ、今後、学校の指導体制を質的かつ量的に充実すること、地域の連携、協働による学校の支援も含め、学校の運営体制を改善することの両方策を一体的に推進し、全ての子供たちの教育が充実するよう取組を進めてまいります。
#8
○今井絵理子君 先ほど大臣からお答えしていただきましたが、今回の改正により通級による指導が充実することは、障害のある児童や家族にとって希望を与えられると思います。通級指導は、小中学校の通常学級に在籍しながら障害に応じたきめ細かな教育を行うことができる、とても重要な役割を果たしております。
 資料を御覧ください。
 通級指導を受けている児童生徒はこの十年で二倍以上に増加しています。障害の種類や程度は様々で、言語障害を始め、ADHDや自閉症、LDや難聴などがあります。今までは通級による指導は加配でしか措置されず、不安定なものでした。教員の数が足りず、保護者からは、通級を申し込んでも何年も入れない、在籍校に通級学級がなく、近隣の学校も定数が埋まって、空きが出るまで待つか別の学区の設置校へ通うかの選択を迫られたという声が上がっていました。
 障害があってもなくても、全ての子供たちがそれぞれのニーズに対応した教育を受けられる環境が重要だと考えます。今回の教員の基礎定数化を始めとする定数改善により通級指導を担当する教員の配置がどのように改善されるのか、義家副大臣にお尋ねいたします。
#9
○副大臣(義家弘介君) お答えいたします。
 今回の義務標準法の改正では、障害に応じた特別の指導、いわゆる通級による指導のための教員について、平成三十八年度までの十年間で段階的に対象児童生徒十三人に一人という基礎定数化を実現することとしております。
 こうした教員はこれまで委員御指摘のとおり加配定数として毎年度の予算の範囲内で措置をしてまいりましたが、この措置が対象の児童生徒の増加に対応し切れていないという状況が現実としてございました。今回の基礎定数化により、通級による指導を担当する教員の定数は対象の児童生徒の数に応じて自動的かつ確実に措置されることとなります。
 あわせて、弱視等の対象児童生徒数の少ない障害への対応、へき地にある学校における通級による指導については、これは自動的な定数の算定のみでは十分の数の教員が行き届かない可能性もあるということから、現在措置している加配定数の一割程度を引き続き確保し、地域や学校の実績に応じて配分することとしております。
 これにより、地方自治体は教職員定数について将来の見通しが立てやすくなり、安定的、計画的な採用、研修、配置が行いやすくなるとともに、児童生徒に対するきめ細やかな指導の充実を図ることに資するものと考えております。
#10
○今井絵理子君 ありがとうございます。
 お答えいただきましたように、十年間で段階的に教員の数を増やすということで、本当に今回の改正が通級による指導体制の充実への第一歩となることは大変うれしく思います。
 ただ、通級指導を担当する教員の指導力については個々の教員によってばらつきがあります。教員の数の面では非常に大きな一歩だと思いますが、数が増えることに伴いその質が低下するようなことがあってはならないと考えます。
 次の一歩は教員の質を早急に高めていくことが重要だと思いますが、松野大臣のお考えをお聞かせください。
#11
○国務大臣(松野博一君) 文部科学省としても、委員御指摘の障害に応じた特別の指導、いわゆる通級による指導を担当する教員の指導力の向上は大変重要な課題であると認識しております。
 このため、従来から実施されております各教育委員会における研修等の取組の充実を促すとともに、文部科学省としてもそのための必要な各種の支援を行っていきたいと考えております。
#12
○今井絵理子君 ありがとうございます。教員の質の向上の重要性について、松野大臣から前向きな答弁をいただきました。ありがとうございます。
 そこで、担当局長にお伺いいたしますが、具体的な取組について教えていただけますか。
#13
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 いわゆる通級による指導を担う教員につきましては、各教育委員会等において通級指導担当教員の研修など様々な取組が行われているところでございまして、また独立行政法人国立特別支援教育総合研究所におきましても、通級による指導の実施に当たって、指導的立場に立つ者などに対する専門研修を実施しているところでございます。
 文部科学省といたしましても、平成二十八年度から、都道府県教育委員会などが実施する通級指導担当教員に関する研修体制の構築の研究などにつきまして、国の委託事業として、通級による指導担当教員等専門性充実事業といたしまして進めているところでございます。また、学習指導要領の解説等において効果的な指導を実施するために必要な考え方や方法を示すことによって、各教育委員会などにおける更なる研修の充実を促してまいりたいと考えております。
#14
○今井絵理子君 ありがとうございます。
 保護者の願いは、教員の数も大切ですが、いかに通級指導の教員が専門性を持って教育ができるかだと思います。特別な指導が必要な児童がこれだけいる中、もはやもう特別なものではなくなっているように感じております。一朝一夕にできることではありませんが、例えば大学のカリキュラムの中に発達障害等の教育を必修科目にし、また特別支援学校の免許状が取得できるくらいの専門的な知識のある教員が増えることを強く望みます。
 次に、特別支援学校についてです。
 教員の指導力、専門性が重要であるのは、通級指導の担当の教員だけではありません。特別支援学校の教員についても同様です。障害のある子供たちへの教育のプロフェッショナルである特別支援学校の教員については、通常の幼小中高等学校の教員免許とは別に、特別支援学校のための教員免許の制度があります。本来であれば特別支援学校の教員は全員が保有するべきと考えますが、特別支援学校の免許を持っている教員の割合はどのぐらいでしょうか。
#15
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 平成二十九年三月十七日に公表をいたしました特別支援学校教諭等免許状保有状況調査の結果におきまして、平成二十八年五月一日時点における公立の特別支援学校の教員について、その中で当該障害種の免許状を保有している教員の割合につきましては、全国で七五・七%となっているところでございます。
#16
○今井絵理子君 ありがとうございます。直近のデータで約七五%ということで、特別支援学校の教員の四人に一人は特別支援学校にいるのにその免許を持っていないことになります。
 お手元に、免許状を保有している教員の割合と人数を示す資料を配付いたしました。資料二でございます。都道府県によって保有の状況にばらつきがあることが分かります。特別支援学校の免許を持たずに特別支援学校の教員ができるのは、教育職員免許の制度ができた頃、免許状を持った教員が足りないことから、教育職員免許法の附則で、幼小中高の免許状があれば当分の間特別支援学校で教員になることができることになっているためです。
 しかし、当分の間といっても、この附則は昭和二十九年に置かれてから既に六十年以上経過しています。障害のある子供一人一人に応じた授業を行うためにも、いつまでもこの附則に頼るのではなく、特別支援学校の免許状を持つ教員を増やして保有率を一〇〇%にしていくべきだと考えますが、文科省として今後どのように取り組んでいくのか、義家副大臣にお尋ねいたします。
#17
○副大臣(義家弘介君) お答えいたします。
 問題意識、まさに共有するものでございます。平成二十七年十二月の中央教育審議会の答申においても、教育職員免許法附則第十六項の廃止も見据え、平成三十二年度までの間におおむね全ての特別支援学校の教員が免許状を所持することを目指すこととしております。
 文部科学省といたしましては、特別支援学校教諭等免許状の取得を集中的に推進するため、大学等における単位認定講習の開設を支援する事業の実施、さらには国立特別支援教育総合研究所における通信教育での単位認定講習の開設を引き続き支援してまいります。加えて、各教育委員会に対し、教員の採用、配置、研修を通じた特別支援学校教諭等免許状の保有率向上に取り組むよう要請しております。
 今後とも、特別支援学校教諭等免許状の保有向上に努めてまいります。
#18
○今井絵理子君 少なくとも、特別支援学校の教員には必ず免許状を取得していただきたい。
 私の経験からお話をしますと、息子が聴覚障害を抱えて、聾学校の方に通っていますが、その聾学校では主に手話で教育を行っています。しかし、驚いたことに、手話が未熟な教員が担任として配置されるなど、教科を教える以前に児童とのコミュニケーションが難しくて、困難な状況にあります。現場の教員も苦悩しておりました。熱心に教えたいけれども、専門外のために上手に指導ができないことへの葛藤も抱えていらっしゃいます。是非、先ほど義家副大臣がおっしゃっていたように、中央教育審議会の答申に沿った取組を進められることを期待しております。
 さて、一方で、どんなに専門性を伸ばしていっても、障害のある子供たちへの支援を教員が全て対応するのは不可能です。例えば、聴覚障害や言語障害であれば言葉の話し方のプロである言語聴覚士、体や手足の動かし方であれば理学療法士や作業療法士など、教員以外の専門家の力を借りていかなければなりません。
 学校がこうした専門家の力を十分に活用できるよう、国としても支援していくべきと考えますが、文科省としてのお考えをお聞かせください。
#19
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、学校において障害により特別な支援を必要とする子供に対して支援を行うに当たっては、教員のみならず様々な専門家のサポートが必要であると考えております。
 文部科学省では、平成二十八年度から、特別支援教育専門家等配置事業といたしまして、学校などに言語聴覚士、作業療法士、理学療法士などの外部の専門家などを配置する自治体に対しまして、その経費の一部を補助する事業を実施しているところでございます。
 今後とも、このような外部の専門家の配置を進めて、専門的な知識、技術を生かし、教員と協力して指導の改善を行うとともに、校内研修における専門的な指導を行うなど、特別支援教育の充実に向けた支援について努めてまいりたいと思います。
#20
○今井絵理子君 ありがとうございます。一番大事なのは子供たちです。専門家の力をお借りしながら、子供たちに最良の教育を受けられる体制をつくっていけたらいいなと思っております。
 続いて、切れ目のない支援の重要性についてお尋ねします。
 障害のある子供が成長していく過程では、学校の支援だけではなく、保健や福祉、医療など多様な分野の支援を受けることになります。教育だけではなく、こうした様々な分野がしっかりと連携できていないと、必要なときに必要な支援が受けられないかもしれません。また、例えば、学校に入る前に保健所や療育センターなどでどのような支援を受けてきたか学校にしっかりとつながれば、入学してからも教育を適切に受けることができると考えます。
 子供が生まれてから、保健や福祉など様々な分野の支援を受けながら、小学校に入学して、中学や高校へと進み、大学に進学したり就職をしたり、大人になっていくまで行政全体として切れ目なく支援をしていくことが重要です。障害のある子供に対して、教育、福祉、保健、労働等の各分野が連携した切れ目のない支援を文科省としてどのように推進していくのか、松野大臣のお考えをお伺いいたします。
#21
○国務大臣(松野博一君) 障害により特別な支援を必要とする子供への就学前から学齢期、社会参加までの切れ目のない支援を行うため、教育、保健、医療、福祉、労働など関係部局が連携して一貫した切れ目のない支援を行うことが求められています。
 文部科学省としては、関係部局が連携して一貫した支援体制を構築する自治体を支援するため、平成二十九年度予算案において、特別な支援を必要とする子供への就学前から学齢期、社会参加までの切れ目のない支援体制構築事業を新たに計上しています。この事業により、例えば関係省庁との連携により、自治体における相談窓口の一本化や個別の教育支援計画を活用した支援内容の共有化により、一人一人に適切な支援がなされることが期待できます。
 文部科学省としては、こうした支援に加え、当該事業において成果を上げた自治体の取組事例を全国的に発信し、切れ目のない支援を推進をしてまいります。
#22
○今井絵理子君 ありがとうございます。
 本当に、赤ちゃんのときから大人になるまでというものは、障害を持つ親としては、教育、また保健、福祉など関係省庁との連携がとても大切で、なぜなら、親としての願いは、この子が社会に出たときにどうやって自立して生きていくのか、社会参加ができるのかということが不安になっております。どうかそういった切れ目のない支援の取組に、お願いしたいなと思っております。
 続いて、障害のある子供がその能力や可能性を最大限に伸ばし、先ほどおっしゃっていたような自立や社会参加に必要な力を培うため、そして障害のある子もない子も一緒に生きていく社会をつくるためには、学校と地域社会が一緒になって子供を見守り、育てていくことが必要だと感じています。今回の法案においては、学校運営協議会の役割を充実させ、その設置を努力義務とすることは、そうした共生社会に向けての一歩を踏み出すものとなると思います。
 しかし、その一方で、現状では、特別支援学校における学校運営協議会の設置状況は全国で十一か所しかございません。十分とは言えません。障害という特性を地域の方に理解していただけるような取組や子供たちへの教育の充実を図るためにも、特別支援学校に学校運営協議会の設置が重要だと考えます。そして、その協議会の委員の中に障害のある大人たちも入っていただき、当事者目線の考えや意見も重要だと考えています。
 今回の法改正を踏まえ、特別支援学校における学校運営協議会の設置を進めるため、文科省として今度どのように取り組むのか、お答えください。
#23
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 障害のある子供たちが自立して参加できる社会を構築するためにも学校と地域の組織的、継続的な連携は重要でありまして、特別支援学校における学校運営協議会の設置を推進する必要があるという点につきましては、委員御指摘のとおりでございます。また、協議会に多様な視点を取り入れるという観点から、障害のある方を含め様々な立場の方を委員に加えることについて、非常に意義があるものと考えてございます。
 平成二十八年四月一日時点において特別支援学校における協議会の設置数は、委員御指摘のとおり十一校にとどまっているところでございますが、例えば、京都市におきましては、協議会を通じて、学校の所在する地域と児童生徒が暮らす地域が連携して児童生徒を育む仕組みを構築しているなど、好事例も見られるところでございます。
 文部科学省といたしましては、このような好事例を全国的に積極的に発信するとともに、平成二十八年一月に策定いたしました「次世代の学校・地域」創生プランに基づきまして、協議会の設置に係る財政面の支援やコミュニティ・スクール推進員の派遣など、特別支援学校においても協議会の設置が一層推進されるように取組を進めてまいりたいと考えております。
#24
○今井絵理子君 ありがとうございます。
 続いて、地域学校協働活動の推進についてお尋ねいたします。
 文科省では、地域の方々の協力により、放課後に子供に様々な学習、体験活動の機会を提供する取組を行っていると聞いています。こうした地域と学校が連携、協働した取組により、子供のコミュニケーション能力が高まったり、地域住民の方々の生きがいづくりや地域の教育力の向上にもつながったりしているというお話も聞いています。
 このような取組が広がっていくことは大変重要なのですが、その際、障害のある子供など特別なサポートが必要な子供にも配慮し、参加したい子供たち全員が参加できるように国として支援していくことが必要だと考えています。そして、その活動の中に、障害のある子供のモデルとなるような、障害のある例えば特別支援学校の卒業生だったり、そういった大人が一緒に活動をすることも効果的だと思っております。
 文科省ではどのような、特別な支援が必要な子供も安心して一緒に過ごすことができる居場所づくりに取り組んでいく予定でございますか、具体的な事例も含めてお答えください。
#25
○政府参考人(有松育子君) 先生御指摘のとおり、特別な支援が必要な子供も含めまして、放課後に全ての子供たちが安心して多様な学習、体験活動ができるように地域全体で取り組んでいくことが重要なことだと考えております。
 このため、文部科学省では、放課後子供教室におきまして特別な配慮を要する子供たちを支援する特別支援サポーターの配置に対して補助をしておりまして、例えば、東京都のあきる野市の放課後子供教室では、特別支援サポーターを活用して、近隣の大学の学生や企業の協力も得て、多様なプログラムを実施しているところでございます。また、障害のある大人の方が一緒に地域学校協働活動に参加されている事例としては、例えば、奈良県の大和高田市での、車椅子で生活している特別支援学級の生徒にこの学校では学習支援をしているわけですが、その学校では車椅子バスケット選手との交流活動といったような取組も行っており、これに対して補助をしているところでございます。
 文部科学省では、こうした事例を各自治体に紹介するなど、特別な支援が必要な子供たちも含めて、全ての子供たちを地域全体で支えていくための地域学校協働活動の推進に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
#26
○今井絵理子君 ありがとうございます。是非、特別支援サポーターの活用を全国に広げていただきたいなと思っております。
 最後に、私にとって障害は一つの個性だと思っています。個性や違いを生かした教育など、その違いを認め合える社会を目指しております。障害のある子も堂々と前を向いて歩いていってほしい。生まれた町で、地域で全ての子供たちが迷いなく大きく育つことを期待して、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#27
○大島九州男君 民進党の大島九州男でございます。
 本日は、質問の機会をいただきまして、心から感謝を申し上げて、義務教育諸学校等の体制の充実及び運営の改善を図るための公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。
 早速でありますけれども、今回、基礎定数化される初任者研修の指導員の業務内容というのはどのようなものか、教えていただきたいと思います。
#28
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 初任者研修に係る指導教員のお尋ねでございますが、これまで加配定数として措置してまいりましたが、今回、初任者研修の実施のための安定的、計画的な環境整備を図るために基礎定数化を図ることとしております。
 この基礎定数化される初任者研修の指導教員の業務内容についてでございますが、初任者が所属する学校内の研修におきまして、例えば学級経営とか、あるいは授業の進め方などに関しまして初任者に直接指導などを行うことを想定しているところでございます。
#29
○大島九州男君 先ほど今井先生のいろんな質疑の中で、特別支援学校であればやはりそういうその障害に応じたいろんな対応ができる、そういった免許を持った先生も必要ですよねと。やはりそういう経験がすごく必要なんだなと。
 そういう意味では、学校経営だとか教科指導の先輩である経験者のベテランがそれを指導するというのも一つであるとは思うんですけれども、やはりいろんな視点からそういう指導をいただくということも必要じゃないかというふうに、私は個人的にはそう思うんですが、この指導教員という人というのはどのような人が当たっているのかというのを教えていただければと。
#30
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の初任者研修の指導教員につきましては、初任者が所属する学校内の研修におきまして、先ほど申し上げましたとおり、学級経営とか授業の進め方などに関して初任者に直接指導を行う次第でございますが、そのために、日々の指導において指導力を発揮できる経験豊富な教諭など、具体的には副校長、教頭、主幹教諭、指導教諭などでございますが、これらの方が初任者研修の指導者としての研修などを受けた上で指導教員として初任者の指導に当たるということを想定しているところでございます。
#31
○大島九州男君 まあ、大概そういう形でやるんだろうなというのは想像は付くんですが、やはり自分のいろんな経験からいうと、同じ立場で見る場合と外からそれを見る場合とではやはり視点が違ってくると思うんですね。
 伝統文化を継承していくという意味においては、そういった諸先輩からいろんな形で指導を受けていきながら、その学校の伝統文化、そういうものをしっかりと引き継いでいくということは大変必要であると思うんですが、やはり外の見方、今の学校経営というのも、やはりいろんな保護者がたくさんいらっしゃいますので、そういういろんな保護者のニーズにどう対応するかというようなことも踏まえていろんな対応もあると。いじめがあったり、まあよく言われる何とかペアレントというような人もいらっしゃったり、地域との連携も取らなきゃならないという意味では非常に多種多様な場合が想定されるわけですよね。そういう意味においても、外部人材というものをしっかりと活用していかなければならないんじゃないかというふうに思っているわけです。
 コミュニティ・スクールの話もありました。今、チーム学校という話も皆さんよくされています。そういうことを、じゃ連携して考えていくと、当然その初任者研修という部分の、その新たな学校に入る人たちにそういった仕組みというか、その感覚を学んでいただくためにも、まずはやっぱり外部人材との交流というものも最初からやっていくことが必要だというふうに私は強く認識をしているんですけれども、具体的にそういう外部人材を入れてやっているような事例があったりとか、こういうようなことがあるんだとかいうことがあればそれも教えてもらいたいし、いやいやいやと、これはもう学校の中だけの話ですから、それはもう当然学校経験者の副校長とかそういう経験のある先生が責任を持ってその初任者研修をやっていくのかとかいうようないろんなパターンがあるんでしょうけど、文科省の考え方と、それから今の現状を教えていただければと思います。
#32
○副大臣(義家弘介君) お答えいたします。
 担当となっている指導者、初任研の指導者が責任を持つということは大変重要なことであるとともに、様々な主体が持つ幅広い知見を積極的に活用する観点から、各地域の実情に応じて指導教員のほかに外部人材を活用することは極めて有効であるというふうに考えております。
 各都道府県教育委員会等では、大学や民間の組織等の関係者を指導者や講師として招くなど、外部人材を活用した取組も進められているところでございます。
 具体的な取組といたしましては、例えば授業力を向上させるための教職大学院の教員による訪問指導、これ、和歌山県の小学校などでは、和歌山大学教職大学院と提携しながら、県内五校の協力校に教員を週一回派遣するなどの取組、あるいは社会人としてのマナーを身に付けさせるための地元企業による接遇に関する講義、これ東京都、あるいは岐阜県、鳥取県等々でも民間企業からビジネスマナー講師を校内・校外研修に招聘しているところがあります。
 などなど、様々な取組が進められているところでありまして、文部科学省といたしましては、こうした事例の発信等、情報提供にも積極的に努めてまいりたいと思っております。
#33
○大島九州男君 大変それはすばらしいことだというふうに思いますね。
 今、事例でありました、いろんな大学の先生だとか、そういう人たちが指導していく。具体的に言うと、例えば板書をどのようにすると子供たちに見やすいかとか、あと、いろんな問題が起こったときにどのように保護者と対応したらいいのかとか、やはり子供たちのコミュニケーションを図っていくのにどうしたらいいのかと、あらゆる分野、いろんなものがあると思うんですね。
 後で出てくると思うんですけれども、資料に付けておりますが、学校現場における業務の適正化に向けてという、この@を付けた方のちょっと資料を見ていただくと、業務改善のアドバイザーの仕組みを創設するというようなことも書いてあるわけですね。そうすると、そういう業務改善をしていくという、そういうプロジェクトをつくってやっていくということですから、もう当然、最初に入ってきた先生たちにそういった経験を積んでもらうことは非常に大切だと思うんです。
 この業務改善の中に、ちょうど私、今日資料を見ていて、ある中学教員の一日というのがあるんですね。ちょっとこれを御紹介しますと、朝六時四十分に学校に到着しまして、七時二十分に部活の朝練の参加して、その後、職員の打合せをします。一、二時間目の授業、定期テストの答案を返して、課題を解きました。休み時間にテストの採点について尋ねてくる生徒とのやり取りをやりました。三、四時間目は授業はないですが、三十人分の提出物、生活ノート、テストの学習計画表などの点検、生活ノートに必ず赤ペンで一言書き込みます。三十人分見て書き込むというのは、これは結構大変な作業ですよね。給食の時間は声を掛けながら鍋を持って生徒の机を回ります。残り十分ぐらいで自分の昼食を取ります。そして、放課後、生徒会指導の会議、子供の状況や各学級の課題を出し合って、終わるとテニスコートへ下校時刻の十八時十五分まで練習に参加します。そして、十九時に長期欠席の生徒が保護者と登校し、そしてその打合せをした後、二十一時、まだ提出物の点検が終わりません。二十三人の教員中、七人が残っています。二十二時に退勤して、今月出勤しなかったのは土日を含め一日だけ。土日は部活の練習や大会に参加して、この調子でいくと月のサービス残業は百時間を超えてしまいますという。こういうある中学教員の一日を見させていただいて、ああ、これは大変だなと。
 教職員の一番最初に入ってきた人たちはどういうイメージなのかなと。まさに、研修のときに、こういうものが普通なんですよとか、いやいや、でもこれはこういうふうに、働き方改善でこういうふうに変わっていくんですよとかいうような、いろんな状況があると思うんですよ。
 これ、民間でいきますと、私の経験でいうと、私、実は麻生先生のところの麻生塾というところのテニススクールの校長をずっと二十年ぐらいやっていたんですね。そうすると、朝から私は夕方までテニスのレッスンをするわけですよ、コーチとして。で、夕方、実は私、学習塾をやっていたので、小学校、夕方から授業を教えて、中学校を十時半ぐらいまで教えるわけですよ。それで、マイクロバスで子供を送っていって、それで大体十二時ごろに塾に帰ってくるというのを実は何十年も続けていた。
 これはもう我々は、自分としては当たり前と。うちの先生たちは、まあ大体、それでも午前中に出てきてやっぱり夜まで働いているんですね。これ、当たり前になっちゃっているんですけど、でも、今考えたらとんでもないことをしていたなと。何か、ゆとりがないんですよね。でも、それはもうそれが当たり前だと思って生きてきたので、大体正月休みとお盆休みになると実は熱が出て寝込んでいた。ところが、市会議員になって、議員になると正月とお盆が忙しいので、それで風邪引かなくなったんですよね。
 いや、これ本当の話なんですけど、それぐらい何か本当に追い詰められながらやっていたという、今考えたら、それを追い詰められたと思わなかったからできたんだけれど、これは、今の状況から考えたら、よっぽどの精神力がないとやっぱりやっていけないなと。
 だから、そういう意味においても、初任者研修のときに、私のような経験があるような外部人材行ったら、いや先生と、若いから、やる気で一生懸命頑張ろう、今言うように、寝なくてもいいと、自分はもうクラブでも頑張ろうという、そういう気持ちは大切だけど、現実は、そんなことはやらない方がいいよというような声を聞けば、ああそうか、俺も少しはゆとりを持ってやろうかなとかいうような気にもなっていったりすると思う。そういう意味において、初任者研修というのはすごく大切だという認識をしているんですね。特に、民間教育、今言う私たちのように、本当に朝から晩まで働いてきて、それが本当は、そういうことではゆとりもできないし駄目なんだよというような経験が語れるような人も必要だし。
 ここで一番私が今日言いたかったのは、塾の先生というのは、すごく短い時間の中でいろんな指導をしたり、あとテストのデータとかそういうものを処理して、そしてそれを次の生徒指導に生かすという、そういった業務には非常にたけているんですよね。だから、そういう意味においての民間教育の皆さんの知見を初任者研修のときに使っていくということは、僕は非常に、生徒指導とかそういうことじゃなくても、逆に言う、業務の中で、テストの成績処理だとか、いろんな保護者へ出す通信のノウハウだとかいうものはすごく役に立つと思うんですけれども、それは、義家副大臣、ちょっと、私の言うことは、ああ、そうだなと思うか、いやいや先生、それは民間教育は使えませんよと言うのか、ちょっと御意見があればお願いします。
#34
○副大臣(義家弘介君) まず、大島委員の冒頭の、先生の忙しい一日、これは私も初めからそうだったので何とも思わなかったわけですけれども、考えてみたら、五十代になったら、あるいは子供ができた後どうするのか等々も含めて、これは潰れる可能性が大変あると思います。
 しかし、同時に、分析しなきゃいけないのは、例えば、テニス部の顧問の先生とほとんど指導していない美術部の顧問の先生では、またそれ朝練の形とかも違ってきますし、部活動のない小学校と中学校も違ってきますし、更に言えば、郡部で部活動が少ししかない学校の中学校と、都市部のいろんな部活動があって必ず顧問をしなければ回らないという地域の比較等々、これ総合的に分析した上で、いずれにしてもバックアップしていかなければならないであろうと思います。
 その上で、実は私も塾でほぼ三年、約三年教えました。私の勤めていたところは一こま二時間だったんですけれども、これ、小学校も中学校も一こま二時間で、大体一日二こま、つまり四時間の授業をするわけですけれども、確かに、学校教員になったときにそのときのノウハウというのは大変役に立ちました。
 具体的には、テストの作成の仕方、あるいはテストの処理の仕方、それから情報の蓄積の仕方、学年末にばたばたっとやるのではなくて、常にターゲットを準備しながら積んでいくという意味では大変役に立ちましたし、そして、それらの知見が実は学校の常識じゃないというところも実はございまして、そういう知見を生かしていくことというのは、それぞれの先生方をバックアップしていく大きな一助になるというふうに思っております。
#35
○大島九州男君 副大臣は、そういうやはり経験、我々は同じ経験しているのでそれが響くんですよ。
 だから、特に私は学校の先生にそういう縁に触れてもらいたいと。そうすると、ああ、なるほど、こういうやり方があるんだ、こういうふうにやるともっと自分の時間が持てるなと。だから、そういう意味においての業務改善をしていただきたいという思いを持っておりますので、是非それを進めてもらいたいと。
 ちょうど今副大臣がおっしゃった、これAですけれども、チームとしての学校、これもこの間ちょっと使った資料ですけれども、この黄色のところがしっかり勉強するところですよ、そして、先生たちもこの黄色のところはしっかり頑張りましょうね、そして、放課後のこの緑のところはもう部活を部活動指導員という人にしっかり任せられるんだという、そういった仕組みが今回はしっかりとできたわけですよね。これをやっぱりしっかりと活用して、ああ、自分はクラブの顧問もやりたいという人は当然部活動指導員としてこの緑のところを頑張る。それは正直言って若い頃は私もできたんです、今言うように。ところが、四十、五十とだんだんこうなったり、今言う子供ができたりとかしたら、そこは、自分は、ああ、ちょっと外れて部活動指導員に任せようかというような形になるだけでも非常に心が救われると。
 まさに、先生たちというのは使命感に燃えていますから、もう何から何まで自分がやっぱりやっていくんだという、そういう思いで、森友さんのように行き過ぎてしまう人もいるわけでしょうから、森友さんじゃないですね、籠池さんですね、森友学園でした。そういう思いが強い人が多いと思うんですよ、やっぱり先生は。だけど、そこで精神的に病んでいくような人もいたり、道を間違えていく人もいたりするわけで、そういう意味では、これを部活動だけではなくて、生徒指導、まさにいろんな部分で活動していただく一つのいいきっかけにしていただきたいという、そういう思いが強いものですから、是非それを文部科学省としても進めていただきたいというふうに思います。
 次に、学校事務の共同実施の状況と、共同学校事務室を制度化する目的とその効果について、教えていただきたいと思います。
#36
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 平成二十四年度の文部科学省委託調査によれば、市区町村の全域又は一部において学校の事務の共同実施に取り組んでいる割合は、全国の市区町村の約四八%となっております。共同実施の形態は、例えば週一回程度集まって業務を行うなど、いろいろなものが見られるところでございます。
 共同学校事務室の制度化によりまして、共同実施を行う場合の服務監督に係る責任、権限関係や業務範囲の明確化が図られます。また、共同学校事務室の設置によりまして、複数の職員が業務を遂行することで、組織的な事務処理によるミス、不正の防止や事務の負担の平準化、OJTの実施による事務職員の育成などが期待されるところでございます。
#37
○大島九州男君 そうですね。一人でやるというよりも、情報共有しながら仲間と相談してやっていくという環境を整備するというのはやはり精神的にも非常にいいことだと思うので、今までそういうことが制度化されていなかったということについては残念なことでしたけれども、こういう制度化をされるということは非常にいいことですから、しっかりとそれは進めていただきたいというふうに思います。
 次に、学校運営協議会の設置状況、先ほど特別支援学校の話もありましたけれども、非常に進んでいないというところがあるんですね。その今の状況と、多分コミュニティ・スクール余り進んでいないと思いますけれども、その進んでいない原因みたいなのがあればそれも一緒に教えていただければと思います。
#38
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 まず、学校運営協議会の現在の設置の状況でございますが、平成二十八年四月一日時点におきましては、全国で二千八百六校に設置されております。この数字は全公立学校の約七・四%という数字でございます。
 次に、学校運営協議会の設置が必ずしも十分に進んでこなかった主な理由につきまして、この点は平成二十七年十二月の中央教育審議会の答申におきまして指摘されているところですが、各教育委員会などで、まず、保護者や地域住民の意見が既に学校運営に反映されているという意識があること、それから、教職員の任用に関する意見によっては学校運営が混乱するおそれがあるのではないかという不安感がある、これらのことが指摘されているところでございます。
#39
○大島九州男君 いや、実は私もそういう話を聞いていて、コミュニティ・スクール、学校運営協議会、しっかり進めていこうということで、僕らもいろんなところで発信するわけですよ。
 大体、平成十六年ぐらいからそういう話が出てきて今二十八年ということは、ちょうど十二年。十二年掛かって全体の七・四%、一割ですから、これ百年計画かいという話をしたわけですよ。そうしたら、どこに問題があるの、必要ないのとおっしゃったら、今局長がおっしゃるように、いやいや、十分反映されていますよと、いやいや、それはあなたがそう思っているだけでしょうと。
 一番の問題は、今おっしゃった、人事に口を出されるんじゃないかというような懸念というよりは恐怖心とか不安感なんですよ。いや、まさに信頼関係のないそのことが非常に感じられたんですね。
 私、実は江東区と板橋区の特別支援学校に二回ずつぐらい、先生、行ったことがあるんです。それは何でかって、保護者からのお声を聞いて行くわけですよね。そうすると、江東区の場合は余りトラブっている話じゃないですけど、もう一校の方は実はたまたま私の同級生のお子さんが行っていて、やはり先生が替わったらちょっとこういう状況になったとか、手の掛かる新しい子が入ってきたら先生がそっちの方に一生懸命向いちゃうんでちょっとこっちが手薄になってそれでこうだとか、結構具体的に細かい問題でやっぱり悩むんですね。
 そういう部分になったときにどう対応していくのかといったときに、私なんかは校長先生とかにそういう直接的にどうとかは言いません。当然、現状はどうなんですかとか、それで改善できるところがあればあれなんでしょうねという話をしながら穏便に話するんですけれども、違う触れ合いの人もいますからね。もう学校にどなり込んでいったりとか、何でうちの子だけそんな面倒見ないんだとかいうような人がいたりするわけですよ。
 そして、例えばある程度権限のある人に、口利きじゃないけれども、学校用地を安くしろとかいうことじゃなくて、学校の先生替えろと、担任替えろとかいうような人も出てこないとも限らないという、そういう思いの中でコミュニティ・スクールはちょっとと思っている人もいると思うんですが、それに対する対応は何か文科省はしたんでしょうか。
#40
○副大臣(義家弘介君) まず、文科省といたしまして、今回の法案において、教職員の任用に関する意見の対象事項について教育委員会規則で定めることとする、二つ以上の学校に一つの協議会を置くことを可能とすることなど、各委員会等の不安を払拭し協議会が設置されやすくなるよう、制度の見直しを行っているところでございます。
 そしてもう一つ、広がっていかない理由の中の、この七・四%の理由のところですけれども、先ほど今井委員からも御指摘があった特別支援学校、これがなかなか、千百十四ありますけれども、地域と本部がつくられない。それから高等学校、私も結構教育に困難を抱える生徒たちが集まるところで働いておりましたが、この場合は確実に地域と協働しなければできないんですね。しかし、そうじゃないところは全県一区で集まってきて放課後に帰っていってしまうので、なかなか地域立学校ということがならない。しかし、そのような状況では教師のサポートとか様々なものが進んでいかないと思いますので、是非足りないところをどんどん補いながら積極的に広げてまいりたいと思っております。
#41
○大島九州男君 今副大臣がおっしゃった、そういう制度と仕組みをつくったということを広く学校の先生に周知をし、そしてやっぱりそこのところは積極的にやらないと、このコミュニティ・スクール、本当に百年計画になっちゃいますので、是非そのことはしっかりやってもらいたいというのと、最後になりますけれども、先ほど言いました、学校の先生がゆとりを持って、精神的にやっぱり元気でなければいい指導はできないんだと。先生が楽しく生き生きと働くことのできる学校にしてほしいという保護者の声があったりとか、まさに、本当に今働く先生たちの職場、今は土日休みは当たり前ですから、学校の先生が土日しっかり休めるような仕組みをつくるということは、もうこれは基本だと思います。
 そういう働く環境をしっかり整える、先生たちの精神的な安心感を持っていただく、こういった働き方の改革が今一番望まれているし、そうすることによって子供たちも健全に育っていくというふうに私は考えますので、大臣、この働き方改革、業務改善について決意を述べていただけると有り難いんですが。
#42
○国務大臣(松野博一君) 私といたしましても、教員の長時間勤務によって学校現場が支えられているという状況は、もう既に限界に来ていると認識をしております。
 学校現場における業務の適正化に向けた取組方針を本年一月に発表をいたしました。御指摘のとおり、学校現場の業務の適正化を着実に推進するためには、先ほど来委員からお話がありましたとおり、民間の企業等のノウハウも、その業務改善の実績等もしっかりと活用させていただくというのは有効な手段であると認識をしておりますので、そういう考え方に立って業務改善アドバイザーの仕組みを創設をしたところであります。
 また、文部科学省としては、教員が子供と向き合える時間を確保し、教員一人一人が今まで以上に誇りとやりがいを持てる学校現場の環境を実現をすると。あわせて、教員お一人お一人の働き方に関して適正なこれは生活とのバランスを維持をしていく、この二つの観点において、学校現場における業務の適正化を着実に推進をし、学校教育の質の向上を図ってまいりたいと考えております。
#43
○大島九州男君 ありがとうございました。
 まさに、この学校現場における業務改善の適正化、もう本当に民間の知恵だとか地域の人の知恵を借りて足らざるところを足していただくという、そういう謙虚な気持ちで皆さんが臨んでいけば必ず成果は出るということは確信をしておりますので、今後とも引き続き頑張っていただきたいというふうに思います。
 質問を終わります。
#44
○斎藤嘉隆君 民進党の斎藤です。昨日に引き続いて、今日もよろしくお願いをいたします。
 冒頭、今日は予算委員会で籠池氏をお呼びをしての証人喚問がございましたけれども、松野大臣はこの喚問の様子を御覧になられましたか。
#45
○国務大臣(松野博一君) 午前中に会議、打合せ等が続いたものですから、この証人喚問に関してはニュースで要約されたものを見ただけであります。
#46
○斎藤嘉隆君 今回のこの森友問題、いわゆるこれは教育に極めて深く関わりのある問題であります。所管をする大臣として、一部報道で見られたということでありますけれども、今回の問題について、教育的な側面も含めてどのような思いを持っていらっしゃるか、率直にお伺いをしたいと思います。
#47
○国務大臣(松野博一君) 今回の証人喚問に関しましては、もちろん委員会の御意思によって行われたものでありますが、この証人喚問を通じて事実関係がしっかりと解明がされればなと考えております。
#48
○斎藤嘉隆君 今日は法案の審議ですので余りこの問題に関わりたくはないんですけれども、もう少しお聞きをしたいと思います。
 今回の森友問題の発端は、いわゆる国有地の売却に関する問題です。そして、その売却をするための大前提として、大阪府の私学審議会での学校法人に対する小学校の設置認可、これがその前提としてあるわけです。様々この認可についてこの私学審議会で疑念の声が出ていたと、これはもう御案内のとおりだというふうに思います。あれだけいろいろ疑念の声が出ていたにもかかわらず、なぜ認可適当の判断が出たのか、私はここが一番大きな問題だと、また究明をしなければならない課題だというふうに思っているんですね。
 これ、文科省としても独自にしっかりとした調査をすべきではないですか、いかがでしょうか。
#49
○国務大臣(松野博一君) この私学の小学校の設置認可につきましては、もう委員御承知のとおり、大阪府の自治事務に属するものであります。当然、その自治事務の中において審議会が設置をされ、議論をされたと承知をしております。私もこの審議会の議事録に関しましては適正な手続にのっとって入手をいたしまして読まさせていただきましたが、その中においては各方面から様々な御指摘があったということもこれは事実として承知をしていることであります。
 しかしながら、これはあくまで自治事務の中における審議会でございます。これらの今問題が指摘をされているというのは当然大阪府の方でも認識をされていることだと思いますので、一連のこういった審議会の議論の進め方に関しても当然のことながら大阪府によって適切に対応されるものと考えております。
#50
○斎藤嘉隆君 審議会の議論の在り方については、今後、府でいろんな形で調査がされて究明がされていくんだろうと期待をしています。その結果を受けて文科省としても、大本のつかさどっている省庁でありますから、どこにどのような課題があってこのような問題が生じたのかということのしっかりした分析を是非お願いをしたいというふうに思います。
 もう一点、今日の証人喚問でも御本人が、証人自らがおっしゃっていました、幼稚園での行き過ぎた指導があったと、こういうことを言われていました。恐らく教育勅語の唱和とかそういったことをおっしゃっているのではないかなというふうに思います。この点についてもちょっと確認をさせていただきたいと思います。森友学園のこの塚本幼稚園で教育勅語の文言が園内に掲げられていて園児がこれを唱和をしていると、こういう映像が全国的に報道されて国民は多くの方が衝撃を受けたということだと思います。このことをちょっと行き過ぎたというように表現をされたのではないかなと思っていますけれども。
 この教育勅語の取扱いについて、政府としての正式な現段階の見解をお伺いをしたいんです。稲田大臣もこの教育勅語について擁護をする答弁をして、様々な話題になっています。
 四八年の衆議院本会議では排除に関する決議、同じ日の参議院の本会議では失効確認の決議がなされています。文面の一部を読むとこういう文言があります。衆議院の決議では、教育勅語などが今日もなお国民道徳の指導原理としての性格を持続しているかのごとく誤解されるのは、従来の行政上の措置が不十分であったため。また、参議院の決議では、教育勅語等が、あるいは従来のごとき効力を今日なお保有するかの疑いを懐く者あるをおもんばかり、我らは特に、それらが効力を失っている事実を明確にする。そして最後に、教育の真の権威の確立と国民道徳の振興のために、全国民が一致して教育基本法の明示する新教育理念の普及徹底に努力を致すべきことを期すると。こういうような決議の中身になっています。
 この決議を受けて、文部科学省、当時は文部省だと思いますが、としてどのような対応をされたのでしょうか。
#51
○国務大臣(松野博一君) 御指摘の昭和二十三年の次官通達でありますけれども、衆議院の教育勅語等排除に関する決議及び参議院の教育勅語等の失効確認に関する決議を受けて、その趣旨を徹底し、遺憾のないよう万全を期すこと、本省から交付をした教育に関する勅語等の謄本で学校等において保管中のものを本省に返還することなどを都道府県に通達をしたものであります。
 教育勅語の取扱いについては現在も同じであり、日本国憲法及び教育基本法の制定等をもって法制上の効力が喪失をしたものと考えております。
#52
○斎藤嘉隆君 そのような次官通達が出されていて、今の御答弁でもあったように、効力を有していると、こういうことだと思います。
 それでは、学校教育においてこの教育勅語そのものを扱うことについて、これについてはどのような御見解をお持ちでしょうか。
#53
○国務大臣(松野博一君) 教育勅語につきましては、委員の方からお話もあった戦後の様々な諸改革の中におきまして、これを教育の唯一の根本とすることが禁止をされるとともに、日本国憲法及び教育基本法の制定等をもって法制上の効力が喪失をしております。このため、学校現場において教育勅語を活用することとした場合においては、教育勅語を我が国の教育の唯一の根本とすることなく、憲法や教育基本法、幼稚園教育要領等に反しないような適切な配慮が不可欠と考えております。
 実際の個々の教育現場においてどのような教育を行うかは一義的にはそれぞれの教育現場、学校、園で創意工夫しながら考えるべきものであり、仮にそこで行われる教育活動が教育基本法や幼稚園教育要領等に照らし不適切なものであるとすれば、教育委員会や私立学校の所管庁である都道府県において適切に対応すべきものと考えております。
#54
○斎藤嘉隆君 私は、この教育勅語の歴史的なこれまでの経緯とか思想的な背景とか、そういったものに焦点を当てて議論する気はないんです。
 私は、教育のあるべき姿について申し上げているのであって、幼稚園児に、発達段階上ですね、恐らく彼らがあそこに書いてある文言を唱和をしても、唱和をしても、何を意味しているのか多分分からない、分からないと思います。分かるはずがありません。発達段階上、極めて不適切だというふうに思います。望ましい教育だとは到底思えないんですね。
 だから、このことについてはしっかりしたやっぱり見解を文科省として私は持つべきだと思います。いろんな段階の子供たちがいて、それぞれの段階の子供たちにしかるべきこと、その段階に合わせた中身のことを分かるように教えるのが教育の本質だと思います。あれは教育ではない、教育ではないし、教育現場で行うことではないと思います。現行も、また改訂をされる学習指導要領や幼稚園の教育要領も、そうした考えの下にあると思うんです。訳も分からず、まあいろんな学校長なりの判断で、その思いを具現化をするために子供たちに暗唱させるような、そういう行為は教育的ではないので、こういったことについてはやはりしかるべき対応をしていくべきだというふうにも思うし、しかるべき対応というのは文科省としての明確な見解をこのことについてはお示しをするべきだと。私は不適切だと思います。
 これ以上御質問はさせていただきませんけれども、そのことを強く申し上げたいというふうに思います。
 それでは、大変遅くなりましたけれども、この義務標準法の改正についてお伺いをしたいというふうに思います。
 今回は、通級や日本語指導、基礎定数化に伴う教職員定数の改善ということもありまして、久しぶりのこれ法改正だというふうに思います。まずは大枠で、この法改正については文科省の皆さんの御努力にも敬意を表したいというふうに思います。
 この基礎定数化についてのメリットについて端的にお伺いをしたいと思います。
#55
○国務大臣(松野博一君) 今回の義務標準法の改正では、障害に応じた特別の指導、いわゆる通級による指導、日本語能力に応じた特別の指導、初任者研修のための教員について、平成三十八年度までの十年間で基礎定数化することとしています。
 これらの教員は、これまで加配定数として毎年度の予算の範囲内で配置をしてきましたが、この措置が対象の児童生徒や教員の増加に対応し切れていない状況がありました。今回の基礎定数化により、これらの特別指導や初任者研修を担当する教員の定数は、平成三十八年度までの十年で、対象の児童生徒や教員の数に応じて自動的かつ確実に措置されることとなります。
 これによって、地方自治体は、教職員定数について先の見通しが立てやすくなり、安定的、計画的な採用、研修、配置が行いやすくなるとともに、児童に対するきめ細やかな指導の充実や質の向上に必要な研修体制の充実を図ることに資するものと考えております。
#56
○斎藤嘉隆君 今、計画的に自治体が教職員の採用ができると。これは義家副大臣の答弁にもありましたけれども、これまでは、毎年の予算編成で増減をするのでなかなか見通しが持てない、ちょっと大ざっぱに見通しを持って採用すると。そのために何が起きているかというと、正規採用者を若干削って、削って、言い方はちょっと悪いんですが、バッファー的に臨時任用を充てるということもあったと思います。
 このような形の採用が減って、正規採用者がこの措置によって各自治体で増えていくと、こういう認識でいいのか、また、そのために様々なやり取りを文科省として地教委とされているのか、お伺いをします。
#57
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 今回の基礎定数化によりまして、委員御指摘のとおり、各教育委員会におきまして計画的な採用ができる、ひいては正規採用ということで、臨時的な採用という人数は相対的に減っていくのではないかというふうに文部科学省としては考えている次第でございまして、今後とも、この法案が通った暁には、正規採用についてきちんと措置するように各地方自治体に対して対応を促していきたいと考えております。
#58
○斎藤嘉隆君 これ、細かく見ると、通級とか日本語指導とか、そういう対象児童生徒数に基づく、何というんですかね、算定基準も大幅に改善をされるんです。例えば、通級でいえば、従来の十六・五人に一人という教員の配置が十三人に一人、定数として国から措置をされるということだと思います。日本語は、二十一・五人に一人が十八人に対して一人の措置がされると。初任者研修、これ大きいと思いますけれども、同様に、七・一人に一人というのが六人に一人の教員と、こういうことになります。
 ただ、これはもう既にそれらの自治体はこの水準でやっていますよね、ほとんど。多くの自治体で独自に加配を上乗せをしているんじゃないでしょうか。今回の国の措置というのは、こういう先行する各自治体の措置に追い付いたというか、そういう状況じゃないかというふうにも思います。
 今回の通級や日本語指導、あるいは初任研、こういう国基準について、現場の状況を勘案をした、何というか、十分な水準かどうか、どのようにお考えか、お聞かせをいただきたいと思います。
#59
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、現在、通級指導などにつきまして、現場での追加で措置していると、地方単独措置でございますが、そういった実態があることは事実でございます。
 ただ、その地方単独措置につきましても、ある意味やる気がある自治体、さらには財源がある自治体についてはそのような措置ができているという状況でございますが、必ずしも財源がないような財政的に厳しい自治体についてはなかなかそういう措置もできていないということで、自治体間格差、地方の格差が出ている点もあるというふうに認識をしております。
 その意味で、国が今回のように基礎定数化することできちんと対応するということ。今回の基礎定数化によって、現在まさに特別の指導を受けている児童生徒の数とを比較して実際に配置している担当教員の数との割合を考慮して算定基準を設定するわけなので、地方単独で従来から措置されているものを仮に加えれば、義務標準法で定める割合よりも良い水準で教職員が配置されるということになるわけでございます。
 なお、当然のことながら、学校ごとの具体的な配置についてはそれぞれの自治体の事情などで今後適切な判断がなされるわけでございますが、文部科学省といたしましては、今回の国による基礎定数化による標準法による措置に加えまして、地方単独措置が引き続きなされることを是非とも期待していきたいと考えております。
#60
○斎藤嘉隆君 今何もしていない自治体が、国の措置が改善をされたのでそれに合わせて改善をしていくと、これはあると思います、あると思います。
 ただ、もう既に例えば今回の法改正による国の基準を上回る形で独自に措置をしているような自治体がありますけれども、こういう自治体は、今の局長の御答弁の中にもありましたけれども、場合によっては、今回の国の余分に措置される定数分をただのみ込んで、自治体の財政の中に組み込んで、現場にはその分を追加で加配をしないと、こういうことが極めて心配をされるんです。今、もう自治体も財政が厳しいので、厳しい中、工夫をして先行してやっているわけですよ。先行してやっている。国の基準がそれに追い付いてくれた、やっと追い付いてくれた、やれやれ助かったと。これまで自分たちは自らの負担でやっていたけれども、これで国の三分の一の分を国からいただいて、交付税もいただいて、それで対応するので、これまでの独自加配は引き揚げようと、こういうことを多くの自治体が考えるんじゃないかなと思うんです。
 これは、自治体にとってはいいですよ、財政的にはプラスですから。必ずしもマイナスではないと思いますけれども、現場は何も変わりません、これでは。一つも改善をしないわけで、ここを阻止をするというか、ここの改善を促すために、今局長は期待をしたいとおっしゃいましたけれども、期待をするだけでは駄目なんじゃないでしょうか。具体的に何らかの対応をすべきではないですか。
#61
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 例えば通級指導について、それを例に取って申し上げますと、これまでの現状が子供十六・五人に対して一人の教員が配置されていたという実態がございました。今回の予算措置及び法改正が通れば、十三人の子供に対して一人ということになるわけでございます。ただ、これは基礎定数の分でございますので、残り一割分、加配も残しますので、その加配も付け加えますと、トータルとして見れば、子供十二人に対して一人の教員が配置されるぐらいの計算になります。それに加えまして、委員御指摘の地方単独措置で現状でも配置している教員、これがございまして、仮にそれが今回の制度改正後も全て残るとすれば、おおむね子供十人に対して一人ぐらいの教員配置になるはずでございます。
 私どもとしては、元々、通級指導について申し上げると、子供十人に対して一人ぐらいが理想的な状態であるというふうに考えておりまして、元々概算要求をしていたということ、そういう経緯がございます。
 今回の予算では、基礎定数に限ってみれば十三対一になりますけれども、トータルとして申し上げると、今申し上げましたとおり、地方単独措置合わせれば十人に一人ぐらいということになるので、そういったことを踏まえますと、今回の法改正及び予算が通った後、新年度以降、文部科学省といたしましては、そういう方向性に向けてできるだけ努力していきたいと考えております。
#62
○斎藤嘉隆君 是非、基準の改善もそうですけれども、各地教委とのやり取りも綿密にしていただいて、せっかくの法改正なので、それが現場に届くような形で対応できるように御配慮を是非いただきたいというふうに思います。
 あえてちょっと苦言も申し上げたいというふうに思いますが、通級や日本語、特別な支援の子供たちも増えていますし、喫緊の課題だと思います。今回の改善、基礎定数化は十年掛けて行うということでありますけれども、子供たちはもう待ってくれません。
 先ほど今井先生の議論の中にもありましたけれども、通級の子供たちは物すごい勢いで増えているわけですね、対象となる児童は。もっと短期間に実施ができるように、例えば定数改善の五か年計画とか三か年計画とか、何かそういったものを策定すべきではないでしょうか。いかがでしょうか。
#63
○副大臣(義家弘介君) まず、定数と加配はお互いにメリット、デメリットがございまして、基礎定数は、学級数や生徒児童に連動するために各自治体において教職員の安定的、計画的な採用、配置が行いやすい一方、個々の教育課題や新たな教育課題に対し機動的に対応することがなかなか難しい。一方で、加配定数は、政策目的や地域の実情等に応じてきめ細やかな定数措置が可能となる一方で、毎年度の予算編成の中で行っていくということで、安定的、計画的な確保になりにくい。
 したがって、まず、一番最重要、必要なものは定数化し、そして加配も一定程度残しながら、物すごい大きな変化を遂げているのが現在の教育現場でございますので、そういった形での対応をしていくということで今回の改正案を出させていただきました。
 その上で、さらに計画的というお話でございますが、学校現場の実情、これは間もなく学校現場における教職員の勤務の実態等々の調査結果も出てきますし、課題等々も改めて上がってくるところでございますので、それらを勘案した上で適切に進めてまいりたいと思っております。
#64
○斎藤嘉隆君 是非、法改正で終わり、十年変わりませんと、これでは意味がないので、現場の状況を、常に常に新鮮な情報を得ていただきながら、更なる改善、加配も定数、基礎定数の増も目指していただきたいというふうに思います。
 私、愛知県で、地元に豊橋市という市があります。製造業の拠点で物すごい勢いで外国人児童生徒が増えているんです。ある小学校は、全校児童が八百人弱、七百七十人ほどなんですけれども、百六十四人が外国人児童です。いわゆる取り出し授業なんかで対応するんですけれども、六人の加配教員と一名の再任用教員で対応をしていると、こういうことです。ほかにも、これだけでは足りないので、言語に応じた複数の言語アシスタントの方も配置をされています。
 私もかつて、外国から帰ってきた、帰国をする子供たちばかりで構成をする学級の担任をしたことがあります。日本国籍を持った日本人ですけれども日本語が話せない、こういう子結構多いんですね。しかも担任は私ですから、英語の教員でもないし、英語に堪能でもありません。基本的には彼らは親学級で、学年の学級で過ごすんですけれども、毎日数時間は日本語習得のための取り出し授業を行う。
 いろんな方に手伝っていただいてやるんです。ただ、そこには教員がいなきゃいけないので先生方の負担も非常に大きいんですけれども、ボランティアとかアシスタントとか、もういろんな方が入って指導する。一人でも多い人手が必要だと、こういう状況だと思います。自治体も努力をしていますし、現場も努力をしていますので、こういう努力に応えるような基準の改善がなおも必要だと思っていますので、この点を是非お願いをしたいと思います。
 なぜこんなことを申し上げるかというと、今回の法改正で基礎定数化によるメリットは分かりました。分かりましたけれども、定数全体の増減を見ると、私はちょっと残念な部分も多いんです。
 平成二十六年に少子化に伴う自然減以上の定数削減、いわゆる純減という状況が初めて実施をされまして、このときはマイナス十人の定数減でした。翌年はマイナス百人、そして今年は、本年度は三百七十五人の減ということになっています。
 来年度は、この法が改正をすることを前提に、どのような定数の上限になるんでしょうか。
#65
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 平成二十九年度予算案におきましては、全体の定数減が三千二百八十二人でありまして、そのうち少子化に伴う自然減が三千百人となっているため、委員御指摘の自然減を除いた増減の比較について申し上げると百八十二名の減となっております。
#66
○斎藤嘉隆君 いろんな努力をしていただいて八百六十八名の定数増なんですけれども、統廃合なんかを想定をして千五十人の減を見込んでいると。これを定数増では賄い切れていないので、やっぱりこれ純減なんですよ、四年連続の純減、財務省は喜んでいるかもしれませんけれども。本年度の三百七十五人に比べれば半減ですから、マイナス分が、改善であることには間違いないというふうに思いますけれども、結果として教職員定数が減っていく、子供たちの数に見合って減っていくという状況には変わりがないのではないかというふうに思います。ましてや、純減という状況では教育現場の混乱を改善をするには至らないのではないかなというふうに思います。
 この件に対してのお考えはいかがでしょうか。
#67
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、いわゆる純減の数につきまして、先ほど私の方から御説明申し上げましたとおり、平成二十九年度では百八十二名ということで、今年度の三百七十五名と比較して、これまでの減り方の数の拡大について抑え込んだということでございます。
 なお、この純減の数についてでございますが、学校統合の進展に伴う減などを見込んだものによるものでございまして、教育条件への悪影響は直ちに生じるものではないと考えておりますけれども、複雑化、困難化する学校現場の状況を踏まえますと必ずしも望ましいものとは言えないという指摘がありまして、私どもとしてはこの指摘を真摯に受け止めていきたいと思っております。
#68
○斎藤嘉隆君 是非お願いをいたします。
 もう一点、学校運営協議会についてお伺いをしたいと思います。
 先ほど我が党の大島委員からもありましたけれども、今回も職員の任用についてこの学校運営協議会が任命権者に意見を述べるというふうに規定をされています。
 任用というのは、地公法にのっとって任命権者がこれ本来行うというものです。学校運営協議会のメンバーが任用に意見を言うシステム、これについていろんな意見が出ていることはもう御案内のとおりです。職員の一部、一面しか場合によっては見ない、こういう委員の意見について、これ元々学校には評価制度、教員の評価制度もありますし、学校長には任命権者への意見具申権もあるわけですよ。それらとの整合性はどうなっているのか、お知らせをいただきたいと思います。
#69
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 学校運営協議会制度における教職員の任用に関する意見の規定の意義につきましては、学校運営に関する基本的な方針を踏まえて、実現しようとする教育目標等にかなった教職員体制の配置、充実を図る点にございます。この意味におきまして、この規定は地域住民や保護者の意見を取り入れながら学校運営の改善を図ることを目的としたものであり、協議会にとって必要な機能であると考えております。
 他方、この意見につきましては、都道府県教育委員会等の任命権者による任命権の行使そのものを拘束するものではなくて、任命権者は、協議会による意見に加えて、委員御指摘の人事評価の結果や校長による意見具申を踏まえた市町村教育委員会の内申等を総合的に勘案して教職員の任用を行うこととなります。
 文部科学省といたしましては、協議会による教職員の任用に関する意見の意義や当該規定の正確な解釈について、各教育委員会等に対して周知してまいりたいと考えております。
#70
○斎藤嘉隆君 いろいろちょっとお聞きしたいことがあるので、ちょっと別の視点ですが、事務職員について、服務規定が従来の従事するという形からつかさどるというふうに改正がなされています。校長や教頭の負担が、これ昨日の委員会の議論でもありましたけれども、非常に増えている。学校マネジメントという観点から役割分担をすると、例えば非常に財務や事務などに通じている事務職員がその専門性を生かして学校の事務を一定の責任を持ってそれを担っていく、これまで以上の主体的な対応をしていくということだろうというふうに理解をしています。
 衆議院で、校長、教頭に対応していただいてきたものを総務や財務に通じた事務職員が対応するという旨の答弁もされているかというふうに思います。これは若干分かりづらい、分かりづらいのでちょっと明確にしていただきたいんですが、事務職員の職務について、教育委員会からの調査対応や情報管理、学校の予算編成や執行計画、地域との連絡調整や学校評価、監査への対応、こういうこれまで校長や教頭が担当している職務を一部事務職員が担っていくと、こういうことも当然考えられると思いますが、どの程度、どこからどこまでという想定をするのか、これは何らかのガイドラインのようなものを示す必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#71
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 今回の法改正案によりまして、事務職員の職務の見直しによって学校の事務について事務職員が一定の責任を持って処理することとなる次第でございます。したがいまして、従前は、委員御指摘のとおり、例えば各種の調査対応、あるいは学校予算の編成、執行などの事務につきまして、校内の取りまとめ、確認作業等の細かな対応まで校長や教頭などが対応してきた次第でございますが、今後は事務職員が対応できるということになるわけでございます。
 これによりまして、事務職員が主体的、積極的に校務運営に参画することが期待されまして、学校全体として事務の効率化が図られるほか、校長や教頭がよりマネジメントに注力できるようになりまして学校運営の改善が期待されることから、文部科学省といたしましては、この改正の趣旨についてきちんと各教育委員会等に対して周知してまいりたいと考えております。
 委員御指摘の事務職員の職務の例示等のガイドラインの件でございますが、先進的な取組をしております自治体の例なども参考にしながら、引き続き検討してまいりたいと考えております。
#72
○斎藤嘉隆君 是非検討の方をお願いをします。
 もう一点、この件に関して、共同事務室についてお伺いをしたいと思います。
 四八・八%の学校で共同でもう既に事務を行っているということです。単に共同で物品の管理とか予算、決算の会計管理とか、そういう本当に共同で事務をすると、こういう形から進んで、今のお話で事務職員がいわゆる事務をつかさどるということですから、こういう事務職員の職務規定の見直しとリンクをして主体的に学校の機能強化に資する、そういう共同事務室でなければ意味がないというふうに思っています。この件についてはいかがでしょうか。
#73
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 今回の共同学校事務室の制度化によりまして、共同実施を行う場合の服務監督に係る責任、権限関係や業務範囲の明確化が図られる次第でございます。また、この共同学校事務室の設置によりまして、先ほども御答弁申し上げましたが、複数の職員による業務遂行で、組織的な事務処理によってミス、不正の防止が図られたり、事務の負担の平準化などが図られる期待もございます。
 これによりまして、学校事務の効果的な実施、それから事務職員の資質向上によります学校運営へのより積極的な参画が図られまして、学校のマネジメント強化に資するものと考えております。
#74
○斎藤嘉隆君 ありがとうございました。
 時間があと一分ぐらいですので、最後にもう一問、定数のことについてもう一度戻ってお聞きをしたいと思います。
 かつて、教員、教職員の定数については、二分の一を国が、二分の一が自治体がということで負担をしていました。現在は、国の負担率が三分の一、自治体が三分の二ということになっています。定数増が地方自治体の負担に今直結をする、こういう状況です。苦しい自治体がそのために対応し切れない、そのことによって都道府県間のいわゆる教育格差というのが生まれていると、こういうことも否定できないというふうに思っています。
 私は、この定数については全額改めて全てを国負担とすべきだというふうに思います。少なくとも、少なくとも早期に、二分の一から三分の一にされてしまったわけですから、元の二分の一に戻していくと、国の負担率を、この必要がもう何よりも大きな課題として文科省にはあるというふうに思っていますが、最後に大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#75
○国務大臣(松野博一君) 義務教育については、地方自治体が学校の設置管理を行うなど直接的な責任を負っている一方、教育の機会均等や全国的な教育水準の維持向上といった義務教育の根幹保障については国が責任を負っています。国と地方の負担により義務教育の教職員給与費の全額を保障するという義務教育費国庫負担制度により、全国どの地域においても財政状況にかかわらず教職員給与費を安定的に確保することが可能となり、教育の機会均等や水準維持が図られているものと考えております。
 本来、義務教育は国が責任を負うべきものであり、私としては、国が教職員給与費を全額負担することが望ましい、あるべき姿ではないかと考えております。当然のことながら、教育行政の責任者としては現行体制においてしっかりと運用していくことは言うまでもないことでありますし、この議論の中において、私も長くこの議論をしてきましたが、一方で、教育の地方分権の立場からむしろ全て地方に移すべきだという御意見があることも承知をしておりますが、あくまで私個人の考えとしては、申し上げましたとおり、やはり国がこれは全額負担することが望ましいんではないかと考えております。
 教職員の給与費の国の負担割合の在り方については、これは地方自治体の裁量という上でも大変大事な観点でありますから、この点を確保しつつ、国の果たすべき責務を担保する観点から、今後よく検討していくべき課題だと認識をしております。
#76
○斎藤嘉隆君 ありがとうございました。終わります。
#77
○河野義博君 公明党の河野義博です。
 安心で質の高い教育を支えるのは、学校現場で懸命に子供たちに向き合っていただいている教員の先生方であります。一方、学校現場では、多様化する子供の課題に対してきめ細やかな対応が求められるケースが増えておりまして、教員多忙化は大きな問題となっているところでありました。
 今回、義務教育諸学校の体制拡充のために、従来の加配措置を定数化いたしまして、障害に応じた特別の指導のための基礎定数化の新設、いわゆる通級指導の基礎定数化ということですけれども、また日本語能力に課題のある児童生徒の指導のため基礎定数化を新設、初任者研修のための基礎定数化を新設、そして少人数指導推進のために基礎定数化を新設するということで、長年指摘されておりましたいわゆる加配頼みというところから待望の基礎定数化へという流れで、大きな一歩を踏み出していただいたと高く評価をしております。
 特に、特別な支援を要する児童生徒への通級指導というのは、重要性、我が党でも大きな問題として受け止めておりまして、党の教育改革推進本部におきましても繰り返し提言をお出ししてきた中でこれ実現できたものというふうに承知をしております。
 そこで、改めて今回の教職員定数を改善することに対する大臣の御所見を伺いたい。また、より一層の少人数化に向けた強い要望が現場ではあるわけでありまして、実際に自治体の独自予算によって三十人学級を実現している地域もある。こういったことを鑑みた上で、今後の課題をどのように認識されているのか、大臣からお示しをいただきたいと思います。
#78
○国務大臣(松野博一君) 今回の法改正では、委員から例示をいただいたとおり、障害に応じた特別の指導、いわゆる通級による指導、日本語能力に応じた特別の指導、初任者研修のための教員について平成三十八年度までの十年間で基礎定数化することとしています。
 今回の基礎定数化により、その対象となる教員の定数は平成三十八年度までの十年で対象の児童生徒や教員の数に応じて自動的かつ確実に措置されることとなります。これにより、地方自治体は教職員定数について先の見通しが立てやすくなり、安定的、計画的な採用、研修、配置が行いやすくなるとともに、児童生徒に対するきめ細やかな指導の充実や質の向上に必要な研修体制の充実を図ることに資するものと考えております。
 また、委員御指摘の少人数学級も含め、指導方法の工夫、改善については、現在も現場において様々な取組が行われており、少人数学級以外の指導形態にも効果が見られることから、各自治体の判断で少人数学級やチームティーチング、習熟度別少人数指導などを選択的に行うことが効果的であると考えています。
 今後の教職員指導体制の在り方については、学校の課題に関する客観的なデータや実証研究、地方自治体の政策ニーズ等を踏まえ、必要な検討を行ってまいりたいと考えております。
#79
○河野義博君 少人数化も含めて指導方法の改善で効率を高めていくというお話でございまして、是非ともそれをやっていただきたいと思うんですが、やっぱり生まれる場所は選べませんので、ここの自治体で生まれたら生徒三十人だったけれども、隣だと四十人だったというのはやっぱりあるべき姿ではないんだろうなというふうに思います。更なるボトムを上げていただきたいと思いますし、冒頭申し上げましたように大きな一歩であったと思いますので、この流れを是非とも継続してまいりたいと、しっかりと私どももバックアップしていきたいというふうに思います。
 次に、共同学校事務室の設置に関して伺います。
 基礎定数化に加えまして、今回教職員定数の加配事由に共同学校事務室というものが明示をされまして、事務職員の職務について事務をつかさどるものとするということが定められました。これにより、教員の多忙化解消に向けた取組が加速されるといったことが期待される。その一方で、市区町村の調査の結果では、学校の共同事務の実施というのは、一部で実施しているものも含めますと市町村の四八・八%は既に実施をしております。結果、学校のマネジメント力が強化されたとか、教員の事務負担が軽減したという結果を当然求める、期待するわけでありますが、その効果はまだ十分に現れていないというのが調査の結果でございました。
 そこで、今回新たに明示される共同学校事務室は、具体的にどういった事務を請け負うことが期待をされ、そして具体的にどのような効果をもたらすことを想定されているのか、御所見を伺います。
#80
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 委員お尋ねの共同学校事務室でございますが、その具体的な事務の内容といたしましては、備品の共同購入、教職員の給与及び旅費の支給、各種手当の認定業務など、これらを共同処理することによって個々の学校事務が効率的に処理され、学校における業務負担の軽減により学校マネジメントの強化に資するものと考えております。
 また、その効果でございますが、共同実施を行う場合の服務監督に係る責任、権限の関係や業務範囲の明確化、組織的な事務処理によるミスの防止あるいは不正の防止、それから事務の負担の平準化、OJTの実施による事務職員の育成及び資質の向上、これらが期待されているところでございます。
#81
○河野義博君 しっかりと好事例を横展開していくということが大事なんだろうなと思います。備品の共同購入、給料の支払業務、それを複数やっていたところを効率化するというだけではやや寂しい印象を持っておりまして、せっかく事務をつかさどるということにしたわけですから、もっともっと業務の枠を広げて、現場が本当に助かったんだというふうに思われるように、そこまでやることが意味があると思いますので、しっかりと実効性があるものに高まるようにフォローしていただきたいというふうに思います。
 次に、義務教育国庫負担法の一部改正に関して伺います。
 平成二十二年の国勢調査によりますと、義務教育未修了者は少なくとも十二万人いると言われておりまして、夜間中学や不登校特例校はその受皿として大きな役割を果たしていると承知をしております。一方、現在、全国で不登校特例校は十校、夜間中学は三十一校の設置にとどまっているわけでありまして、これら学校での学びを希望する者の居住する自治体にこういった特例校や夜間中学がないといった理由で通えていない児童生徒の願いをかなえていくということも重要でありまして、その設置数の増加が期待されているわけであります。
 今回の改正では、不登校特例校や夜間中学を都道府県が設置する場合に、教職員の給与などについて新たに国庫負担の対象に加えるというふうにされました。これも大きな一歩だと思います。法改正によりまして都道府県がこれらの学校を設置する際の経済的な負担が少なくなることから、設置の推進が期待できる。また他方で、不登校特例校や夜間中学の設置の推進を図るためには、経済的なハードルを下げることに加えて、都道府県がこれらの学校を設置しやすくするために、文部科学省により適切なフォローが求められると思います。
 具体的には、設置するためのノウハウを共有する仕組みや担当となる教員の研修の支援などが考えられますが、文部科学省としてどのように都道府県へのフォローを行い、不登校特例校、夜間中学の設置の増加につなげようとしていくお考えでしょうか。
#82
○国務大臣(松野博一君) 不登校特例校において教育を受けることを希望する児童生徒や夜間中学での指導を必要とする者は都道府県内の市町村に散在しており、これらの学校を都道府県が設置した場合の教職員給与に要する経費を国庫負担の対象とすることで、都道府県による設置に向けた取組が促進されるものと考えています。
 不登校特例校については、更なる設置促進に向けて、設置申請があった場合には申請等に係る指導、支援を行うほか、不登校特例校に関する効果的な取組事例を紹介するなどして、教育委員会等に対する働きかけを強化してまいります。
 夜間中学については、各地方自治体で設置に向けた検討が進むよう夜間中学に関する手引を作成し、各都道府県教育委員会宛てに周知をしているほか、平成二十九年度予算案において、教員への研修等も含めた夜間中学の新設に向けた調査研究に必要な経費を計上しております。
 文部科学省としては、これらの施策を通じ、市町村に加え、各都道府県において設置に向けた取組が進むよう支援をしてまいります。
#83
○河野義博君 実際に複数の、設置がされていない自治体に話を聞いてみたんですが、なかなか、重要性は認識していただいているものの、具体的な取組が進んでいるというところまでにはまだ至っておりませんでしたので、これもきめ細かなフォローをお願いしたいというふうに思います。
 次に、学校と地域の連携、協働の推進に関して伺います。
 今回の法改正では、学校運営協議会の設置が努力義務化されるほか、地域学校協働活動に関する規定が新設されるなど、地域と学校との協働をこれまで以上に進めていくこととされました。多様な背景を持つ地域の大人との関わりを通じて子供たちは多くの学びを得ることができ、また、地域の人々にとっても、学校により積極的に関わることで学校をより良いものにしていこうとする当事者意識が高められるものというふうに考えております。
 このように、学校と地域が協働する意義は大変大きいと認識をしておりますけれども、改めて、今回の制度改正の狙い、また期待される効果をお示しいただきたいと思います。
#84
○副大臣(義家弘介君) 近年、子供たちを取り巻く環境は大きく変化しており、複雑多様化する課題に対応するためには、地域と学校が連携、協働し、社会総掛かり、地域総掛かりの教育を実現することがますます重要となっておると認識しております。
 このため、文科省では昨年一月、「次世代の学校・地域」創生プランを策定いたしまして、学校と地域の連携、協働に向けた改革を進めるため、一つ、学校運営協議会の設置を加速するとともに、二つ、地域全体で子供たちの成長を支え、地域を創生する地域学校協働活動を推進するなどの改革に取り組むことを決断いたしました。
 この度の法案では、本プランを受け、地域住民等が学校運営に参画する仕組みである学校運営協議会において、学校運営のみならず地域住民等から必要な支援についても協議するよう役割を見直すことや、その設置を努力義務化すること等の改正を行うほか、地域学校協働活動の円滑かつ効果的な実施を図るため、教育委員会が地域住民等と学校の連携協力体制を整備するとともに、地域住民等と学校の情報共有を行う地域学校協働活動推進員を委嘱できる旨を規定を設けることといたしました。
 文部科学省といたしましては、今回の法改正により、地域と学校の連携、協働を一層推進させることで、地域と学校が一体となって子供を育む、地域と共にある学校への転換や、次世代を担う人材の育成などによる、学校を核とした地域の創生が推進されることと同時に、地域住民等のサポートによる学校運営の改善が進むことで教職員の負担軽減にも効果が得られるということを期待しておりまして、引き続き必要な施策の充実に努めてまいりたいと思っております。
#85
○河野義博君 学校にとって地域との関わりを広めていくことは非常に大事であるということは共有できていると思います。一方で、地域にとっても、昨今、地域同士のつながりが希薄化していく中で、学校と関わりを持つことで地域のコミュニティーを再構築していくという利点もあるんじゃないかなというふうに思います。非常に重要な施策だと思いますので、引き続きフォローしていきたいと思います。
 今回の法改正では、先ほどの御答弁の中にも一部ありましたけれども、教育委員会は、地域学校協働活動が学校との適切な連携の下に円滑かつ効果的に実施されるよう、地域住民等と学校との連携協力体制の整備、地域学校協働活動に関する普及啓発その他の必要な措置を講ずるものとされました。
 地域学校協働活動の円滑かつ効果的な実施のためには、学校や地域に任せきりにするのではなくて教育委員会によるサポートが不可欠と、こういう趣旨に基づいた内容となっているものと思われますけれども、教育委員会によるサポートの具体例としてどのようなものがあるのでしょうか。また、文部科学省として具体的にどのような事業を今後展開していくおつもりか、お聞かせください。
#86
○政府参考人(有松育子君) お答えいたします。
 地域学校協働活動を円滑かつ効果的に実施するためには、改正後の規定に基づきまして、教育委員会において、地域住民と学校の連携協力体制の整備、地域学校協働活動に関する普及啓発などが必要なことは先生御指摘のとおりでございます。さらに、教育委員会においてこうした地域学校協働活動の機会を提供する事業を実施していただくことが必要であると考えております。
 文部科学省といたしましては、教育委員会の取組を促すために、平成二十九年度の予算案におきまして、地域学校協働活動推進事業、約六十四億円を計上いたしまして、まず、放課後や土曜日における学習活動や自然体験活動などの地域学校協働活動の機会を提供する事業の実施、また、今回の改正で法律上位置付けました地域学校協働活動推進員の配置やそうした方々の研修等の実施に必要な経費につきまして、教育委員会の取組を財政的に支援をすることとしております。
 また、未実施の地域を含めまして幅広い地域における取組を促すために、参考の手引となりますガイドラインを策定をいたしまして、地域学校協働本部などの連携協力体制の整備や地域学校協働活動推進員の具体的な役割等につきまして、情報提供をすることによって教育委員会における取組を支援してまいりたいと考えております。
#87
○河野義博君 財政支援、またガイドライン、そして情報共有といった具体的な内容をお示しをいただきました。
 学校と地域との協働がうまくいくためには、教員や事務職員が地域の人々と緊密に連携、調整を行っていく必要がございます。これまでも教員の多忙化が指摘されておりますが、学校と地域との協働を中心的に担う教職員というのは、地域の人々との連携や調整に時間を要します。ますます忙しくなるのではないかというような懸念の声もあるわけでありますが、こういった懸念を払拭するためにも、学校と地域の連携、協働に熱意のある学校への教職員配置を手厚くすることですとか、学校と地域の連携、協働を担当する教職員が先進校の事例を学ぶ機会を提供するなど、学校と地域との協働に係る多忙感を解消していく工夫が求められると思いますけれども、どのようにお考えでしょうか。
#88
○政府参考人(有松育子君) 御指摘のとおり、学校と地域の協働において教員の多忙感の解消は重要なことと認識をしております。学校運営協議会は、学校が抱える課題について、保護者や地域住民等の支援や協力を得ながら対応することを可能とすることで教職員の負担軽減を目指すものであり、その設置がかえって教職員の負担を増大させることのないよう、設置に当たっては教育委員会において適切な教職員の配置等の配慮を行うことが重要であると認識をしております。
 また、地域学校協働活動は、学校のみならず、地域全体で子供たちの成長を支える活動でございます。学校運営の改善の観点から、教員の負担軽減にも資するように、まず、教育委員会における地域住民等と学校との適切な連携協力体制の整備や地域学校協働活動推進員の委嘱につきましてこの法律案で規定を設けているところでございます。
 文部科学省といたしましては、学校と地域の協働が、教職員の負担に配慮し、学校と地域の適切な役割分担の下に実施されるように改正の趣旨を丁寧に説明するとともに、好事例の発信を図ることで教員の多忙感の解消に努めてまいりたいと考えております。
#89
○河野義博君 教員の多忙化を解消することを一つの目的としてやるわけですけれども、逆に忙しくなったでは本末転倒になってしまいますので、必要なサポートを講じていただきたいと思います。
 次に、学校運営協議会の設置の努力義務化に関して伺います。
 今回の改正では、現在、全国の公立小中学校の約一割、平成二十八年四月現在で二千八百六校、全体の約九%と伺っておりますけれども、既に設置されている学校運営協議会でありますけれども、この設置を努力義務化するということになります。
 学校運営協議会については、学校と地域の人々が目標やビジョンを共有し、地域一体となって子供たちを育む、地域とともにある学校を実現していく上で非常な、大変重要な役割を果たすものと評価をしておりまして、努力義務化の方向性についても賛成であります。他方、学校運営協議会に類似するものの、自治体独自の取組でありまして、学校と地域との間で適切に連携が行われているというケースも見られるわけであります。
 文部科学省としては、学校運営協議会と自治体による類似の仕組みとの関係についてどのように整理をしているのか、また、自治体による類似の仕組みから学校運営協議会へのスムーズな移行を促すためにどういった取組を行っていかれるのでしょうか。
#90
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、自治体によっては保護者や地域住民等の声を学校運営に取り入れるために学校運営協議会に類似した会議体を設置して、そうした場において学校運営や教育活動について協議を行っている例があることを承知しております。
 文部科学省といたしましては、それらの類似の仕組みにつきましても学校と地域の信頼関係の土台となる重要なものと認識しており、そのような仕組みを更に発展、充実させることで学校と地域の組織的、継続的な連携体制を確立する学校運営協議会制度への導入につながるものではないかと考えております。
 今回の法案では、各自治体におきまして協議会の設置に向けて取組が進められるように、協議会の設置について努力義務を課すこととしております。これを受けまして、文部科学省では、設置に係る財政面の支援などを行うとともに、類似の仕組みを置いている自治体におきまして、協議会の成果や意義を発信するフォーラムを文科省として開催するなど、その後押しを図ってまいりたいと考えております。
#91
○河野義博君 財政支援、またフォーラムの開催といったところでありましたけれども、フォーラムも、フォーラムのためのフォーラムとならないように、実際に移行が進むような取組を是非お願いいたします。
 次に、チーム学校に関連して伺います。
 チーム学校では、学校現場の諸課題に対して、教員のみならず、事務職員やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーを始めとする専門スタッフが適切な連携を取りながらチームとして対応していくことが想定をされております。いじめ、不登校、貧困、学校現場が抱える課題が複雑化、多様化していく中で、学校や職員に求められる役割は増大しております。その結果、例えば、子供の心理的サポートや家庭の福祉的な課題へのケアなどについて、必ずしも専門性を有するわけでもない先生方がこれらの対応の中心を担うということも現場ではありました。
 今回の改正によりまして、事務職員の職務規定が見直されることを始め、チーム学校が実現すれば、子供にとっては、例えばスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーからより専門性のある対応を受けることができるようになるというふうに期待をされておりますし、また、教員にとっても、授業の準備や学校経営など、教員が担うことが期待されている本来的な業務により専念できるということで、質の高い教育を提供しようという意味でも望ましいと言えると思います。こういった目指すべきチーム学校を実現するために、文科省としてどういったフォローを行っていくのでしょうか。
#92
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 学校が複雑化、多様化した課題に対応して教育活動を充実していくためには、学校のマネジメントを強化し、組織として教育活動に取り組む体制を構築するとともに、教員が心理や福祉などの専門家と連携、分担する体制を整備することによって学校の機能を強化すること、すなわちチーム学校の実現が委員御指摘のとおり重要であると考えております。
 このため、文部科学省におきましては、ただいま御審議いただいている法案における事務職員の職務規定についての見直しを図ることとするほかに、部活動指導員、これにつきましてはスポーツ庁が、先般、学校教育法の施行規則省令改正をしている次第でございますし、さらには、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーについても近いうちに省令上の位置付けを図っていきたいというふうに考えております。また、これらに加えまして、教職員の指導体制の充実、あるいは専門スタッフの配置促進に必要な経費を二十九年度の予算案に盛り込んでおります。
 こういったことを通じまして、今後とも、文部科学省といたしましてはチーム学校の一層の推進を図ってまいりたいと考えております。
#93
○河野義博君 一つの方策として部活動指導員の点、御答弁をいただきましたが、部活動指導員の導入によります教員の負担軽減に関連しても伺います。
 教員の多忙化に関する問題点、これまでも指摘されておりますけれども、中学校の運動部で顧問をしている教員の勤務時間の長さが特に問題であると認識をしております。運動部の顧問は平日のみならず休日も練習や大会の引率などを行っておりまして、長時間労働の是正が早急に求められているわけであります。加え、運動部を担当する教員の中には競技歴のない教員が顧問になっている例もありまして、教員自身の負担軽減や部活動における適切な指導という観点からも、教員のみが部活動の顧問を担う現在の在り方には課題があるものと承知をしております。
 こういった中、文部科学省は三月十四日、学校教育法施行規則の一部改正を行いまして、来年度から部活動の指導や大会への引率を可能にする部活動指導員に関する規定を整備いたしました。競技に関する専門性を有した地域のスポーツ指導者が部活動指導員として部活動の指導を行うことになれば、教員の負担軽減にもつながるということのみならず、指導力の向上にもつながりまして、望ましい方向性と考えています。
 部活動指導員の導入促進を始め、部活動の適正化に向けて、文部科学省としてどのように取り組んでいかれるでしょうか。
#94
○国務大臣(松野博一君) 学校教育の一環として行われる部活動は、生徒がスポーツや文化等に親しみ、学習意欲の向上や連帯感の涵養に資する重要な活動として、教育的側面での意義が高いものと考えております。一方、行き過ぎた部活動により、教員、生徒共に様々な弊害が生じているとの指摘もございます。
 文部科学省は、昨年十二月に発表した調査結果を踏まえ、一月に各都道府県教育委員会等に対し、運動部活動において休養日の適切な設定を求める通知を発出したところです。また、今月十四日、部活動指導員の規定を新たに設ける学校教育法施行規則の一部を改正する省令が公布され、同日付けで各都道府県教育委員会等に対し、本施行規則の一部を改正する省令の施行に関する通知を発出いたしました。
 今後、各種会議等において部活動指導員の制度の周知に努めるとともに、補習等のための指導員等派遣事業の活用、来年度から実施予定のモデル事業、民間活力による運動部活動支援体制の構築のための実践研究の活用などを通じて、部活動指導員の導入促進を図ってまいります。さらに、平成二十九年度においては、部活動に関する総合的な実態調査やスポーツ医科学の観点からの調査研究を実施し、これらを踏まえ、適切な練習時間や休養日等を含めた運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインを策定することとしています。
 文部科学省としては、今後とも、学校現場における業務の適正化や生徒の健全な成長の促進の観点から、部活動指導員の導入促進を始め、部活動の適正化を推進してまいりたいと考えております。
#95
○河野義博君 部活動指導員の導入は、指摘をされていた多忙化に対応するための大きな一歩を踏み出していただいたものだと思っておりますので、引き続きのサポートをお願いしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#96
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
 今回の法改正では、都道府県が夜間中学を設置した場合の教職員給与を国庫負担の対象とすること、発達障害など障害に応じ通級指導に当たる教員や外国籍の子供に日本語指導を行う教員などをこれまでの加配措置から国庫負担の算定の基礎とするなどの改善が行われます。これは、保護者や教職員からの強い要望もあったものであり、子供たちへの行き届いた教育を行おうとするものであることから、賛成いたします。
 しかし、学校事務を共同して処理する共同学校事務室の設置を法定化する地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正については、現場の学校事務職員など関係者の皆さんから様々な懸念が示されているところです。
 そこで、今日はこの問題について伺いたいと思います。そもそも、この学校事務職員は、子供や教師、家庭、地域にとって欠かせない重要な専門職であると思います。
 そこで、まず大臣に伺いますが、今回の法改正で学校事務職員の職務規定が従事するからつかさどるへと見直されますが、それはどういう目的で見直すのか、また、そうしたことにより、事務職員の仕事が重要であるとの認識は変わらないということでよろしいかどうか、お考えをお聞かせください。
#97
○国務大臣(松野博一君) 現在、学校では、教員が様々な事務業務を行っているほか、特に校長や教頭は、例えば各種調査の対応や学校予算の編成、執行などの事務について、校内の取りまとめ、確認作業といった細かな対応まで行っており、事務的な面における負担が大きくなっております。このような状況がある中、校長や教頭による学校マネジメントが十分に機能するためには、学校組織において唯一の総務、財務等に通じる専門職である事務職員の役割は極めて重要であると考えております。
 今回の事務職員の職務規定の見直しにより、その専門性を生かして学校の事務を一定の責任を持って処理することとなり、事務職員に期待される役割はますます高まるものと考えております。
#98
○吉良よし子君 事務職員の専門性の期待は高まる、重要であると認識だということだと思います。
 今回、その上で、地教行法改正において、共同処理することが当該事務の効果的な処理に資する学校事務を扱う組織として共同学校事務室を置くことができる旨を法定化することになるわけです。改めて、ここで私も確認したいと思いますが、その共同処理することが効果的な処理に資する学校事務とは何なのか、そして、共同学校事務室はどのような目的で設置することとしているのか、確認させてください。
#99
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 まず、共同学校事務室で処理する事務の内容でございますが、備品の共同購入、教職員の給与及び旅費の支給、各種手当の認定業務など、共同処理することによって個々の学校事務が効率的に処理され、学校における業務負担の軽減により、学校マネジメントの強化に資するものが考えられます。
 また、共同実施を行う場合の効果でございますが、例えば、服務監督に係る責任、権限関係や業務範囲の明確化、組織的な事務処理によるミス、不正の防止、事務の負担の平準化、OJTの実施による事務職員の育成及び資質の向上、これらが期待されるところでございます。
#100
○吉良よし子君 ミスや不正を防止すると、マネジメントに関する業務をやることによって、先ほどもあったように、効率的な事務処理をすることも目的だということだと思うわけですけれども、じゃ、本当にそういった効果的な事務がこの共同実施によってできるのかという疑問があるわけです。
 そこで、まず、私の地元、東京の事例を御紹介したいと思います。東京では、事務職員等による副校長業務への支援や事務の集中処理による正確性の向上と効率化を目的に、学校事務の共同実施というものを進めています。現在、一区三市でその試行が行われているわけですが、まず、お配りした資料一を御覧ください。
 これは、東京で進められようとしている学校事務の共同実施について、共同事務室と学校事務室それぞれの学校事務職員の標準的な職務の例を示したものであります。見ていただいて分かるとおり、一部を共同化してはいるわけですけれども、各学校の事務室で行うべき職務は、そうはいっても引き続きたくさんあるという実態だと思うわけです。こうしたものを見ても、つまり共同化したからといって、まずは各学校の事務職員、この数などを減らすことはあってはならないことだと思うわけです。
 今回の共同学校事務室により、各学校の事務職員をなくしたり定員を減らしたり、そういったことを想定しているわけではないということでよろしいでしょうか、大臣、いかがでしょう。
#101
○国務大臣(松野博一君) 学校の事務職員は、学校教育法上、小中学校等に原則として必ず置くものとされており、また、今回、事務職員の職務規定の改正を行うことで事務職員に期待される役割はますます高まると考えています。
 今回の共同学校事務室の制度化は、学校の機能強化を目的として事務処理の更なる効率化を図るものであり、その室長と職員は共同処理を行う学校の事務職員をもって充てる仕組みとしています。このため、共同学校事務室は学校に事務職員が配置されていることを前提とした仕組みであり、事務職員の削減、非常勤化を図るものではありません。また、今回の法律案においては、教職員定数の加配事由に共同学校事務室を明示し、事務体制の強化に取り組むこととしています。
#102
○吉良よし子君 学校にそれぞれ事務職員が配置されていることを前提とするんだというお話でした。
 私、この間、学校事務職員の皆さんの話を伺っていたんですけど、やはり本当に学校現場に事務職員というのが必要だということなんです。皆さん口そろえて言ったのが、学校にいてこそ、その仕事、専門性発揮した仕事ができるということなんですね。
 先ほど備品の発注ということがありましたけど、例えば教材の発注という仕事もあるわけです。例えば、種芋とかメダカとか若しくは解剖実習用のイカや豚の目玉など、生ものの教材発注の仕事があるわけですが、そうしたものは現場の授業の状況を把握していないと適切なタイミングでの発注が難しいというわけです。また、給食費の未納の状況をつかんで就学支援へつないでいくなど、現場の子供たちの顔を見て仕事することにより教員を支える、きめ細やかな対応ができるというようなお話もありました。つまり、事務職員がその仕事を適切に行うには、第一義的に学校現場に適切な数の事務職員が配置されるということが重要なのだと思うわけです。
 ところが、先ほど御紹介しました東京の事例では、現場の人減らしとなっている事例が既にあるわけです。現在、都内の小中学校には都費での学校事務職員が原則一名配置されているわけですが、しかし、共同実施をしている自治体では、各学校に配置されたその都の学校事務職員が非常勤に置き換えられてしまっているという。その非常勤として配置された学校事務職員の勤務の日数が週五日から週四日に減らされていると。つまり、学校が開いて子供たちもいるのにもかかわらず事務職員がいない日ができてしまっているというわけで、それはつまり実質的な人減らしにもつながっているのではないかと私思うわけですけど、効率化の名の下において実質的な人減らしみたいなこういう事例というのはやってはならないことではないのかと思うのですが、大臣、いかがでしょうか。
#103
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 委員が今御紹介いただきました東京都における共同実施の例の関係でございますが、今回の法改正による共同学校事務室の法制化につきましては、各教育委員会の判断によって学校の事務処理の効率化を図るために設置できることとするという仕組みでございまして、学校の事務処理に係る各教育委員会の判断や運用について直接的な規制を加えるものではありません。
 したがいまして、東京都における共同実施につきまして私どもその詳細は承知しておりませんけれども、仮に、委員御指摘のとおり各学校において事務職員が非常勤化が図られているというようなことがあっても、それが直ちに法律に抵触するというものではございません。
 しかしながら、文部科学省といたしましては、事務職員の重要性を踏まえ、また義務標準法に定められている標準を踏まえまして、各自治体において適切な事務職員の配置をしていただきたいと考えております。
#104
○吉良よし子君 適切な配置と、直ちに法違反ではないけど適切な配置が必要だという話でした。適切というのは、やっぱり各学校に一人、常勤でというのが基本だと私は思うわけです。
 問題はそれだけではありませんで、その共同化された業務というものも適切に行えるかどうかという問題もあると思うわけです。
 資料二を御覧ください。
 東京の例でいえば、各学校の事務職員、非正規化されただけではなくて、共同事務室に配置された職員の数というのが四人になっているわけです。つまり、四人で七校分の共同事務を行うということになってしまっているわけですね、それぞれ今までは七校で七人でやっていたことが。先ほど、共同学校事務室の職務について、教員の給与や手当も想定しているとの答弁があったわけですが、東京で七校分の教職員となると、その数は三百人から四百人になるわけです。それぞれの学校現場や一人一人の教職員の状況を知らないまま、その四人で七校分、三百人、四百人の教員の給与、手当の処理しなけりゃならない、それができるのかと思うわけです。
 実際、東京では、この教職員の給与や手当の制度についての理解が不足していることなどが原因で、修学旅行に引率した際などに手当てされるべき教員特殊業務手当が手当てされずに給与が支給されそうになった、そういう事例も起きたことがあるという話も伺いました。制度などを熟知している、教職員の福利厚生に責任を持ってくれる学校事務職員がやっぱりそういう意味でもちゃんと現場にいるということが何よりもそういうミスを防ぐためにも重要だということが分かる事例なんじゃないかなと私思うわけですけれども、そういう意味でも、今必要なのは、事務を共同化することをまず進めるということよりも、まずは現場の体制強化、事務職員の複数配置、各学校での、その複数配置こそやるべきではないかと思うわけですが、大臣、いかがでしょうか。
#105
○国務大臣(松野博一君) 教員に求められる役割が拡大をする中で、教員が授業など子供への指導により専念できる体制を整備することは重要と考えております。
 文部科学省としては、平成二十九年度概算要求では学校事務職員の複数配置基準の引下げなどを要求しましたが、その結果、予算案においては、共同事務実施体制の強化に必要な五十人の加配定数を計上をしております。学校において事務職員が果たす役割も勘案しつつ、引き続き、経済・財政再生計画改革工程表における方針に基づいて、学校の課題に関する客観的なデータや実証研究、地方自治体の政策ニーズ等を踏まえ、必要な検討を行ってまいります。
#106
○吉良よし子君 概算要求したけれども、それが実らずに今回の形になったというお話だったと思うんです。
 ただ、本当に複数化というのが私やっぱり大事だと思うわけですし、先ほど大臣は、教員が授業に専念するためにという話がありました。また、学校長や教頭、副校長等の業務の多忙化を防ぐための共同事務だというお話もありました。しかし、じゃ、本当にそうなのかどうなのかというところでいくと、東京でいいますと、共同実施の試行が始まって五年たつわけですが、都教委は十年で都内全地域に拡大したいとしていたわけですが、いまだに一区三市での試行にとどまってしまっているわけです、東京では。
 その理由の一つとして挙げられているのが、副校長の校務負担の軽減にはつながっていないということもあると伺っているわけです。共同実施を検討しているある市では、副校長がこのように述べたといいます。学校事務が全く初めての人が配置されたらいろいろ業務を教えていかねばならない。そのような場合、市から配置される事務職員の負担は倍増し、副校長も黙って見ているわけにはいかず、結局は副校長業務が増えてくることが予想される。学校現場には職務分担には現れてこない隙間の仕事がたくさんあると。分担にない仕事というのはお願いすることになり、それができないとなると副校長がしなくてはならなくなると。ほかにも、現金を扱う学校徴収金事務を不安定な身分の非常勤職員、非常勤の事務職員に任せることは過重でありできないと校長会が教育委員会に申し入れるなどの状況もあると聞いております。
 学校事務職員の皆さんからは、この共同学校事務室が法定化されることで、東京ではかえって副校長や学校現場の多忙化、生み出すことになるんじゃないかという懸念の声も上がっているわけです。
 こうしたことを見ると、そもそもの目的から見ても全く違うことがこの東京の事例でいくと生まれてしまっているというのが現状でないかと私は思うわけです。
 そこで、大臣に確認したいわけですけれども、先ほどもありましたけど、一つの先行事例を、それを想定しているわけではないというお話でしたけど、今回の法改正によって、例えばこの東京の共同実施のやり方を全国に広げていくとかそういうことではないということでよろしいでしょうか。
#107
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 東京の共同学校事務室の実態について必ずしも私どもつまびらかではございませんが、全国的な状況から見ると、既にこの共同学校事務の仕組みについては約半分ぐらいの自治体で実施されていると、それなりに効果が上がっているという、こういう実態を踏まえて今回法改正により制度化をお願いしているという状況でございまして、全国的な実態と、それから東京都がもしかしたら特殊な事情があるのかもしれません。
 その辺よく分かりませんが、いずれにしても、仮に今回制度化が図られた暁には、今回の私どもが本来目指す共同学校事務の在り方についてきちんと全国的に周知徹底していきたいと考えております。
#108
○吉良よし子君 東京は特殊な事情かどうかというところはあるわけですけれども、少なくとも、東京の今ある事例ではそうした効果的とは言えないような実態があるわけです。
 全国で半分は実施されているというわけですけれども、それが全て本当にうまくいっているかどうかという精査もないままでまず共同実施だというところ、制度の枠組みだけ進めてしまうというところに私は懸念を示しているわけです。やっぱり、現場の学校事務職員の皆さんは、日々、子供たちが学びやすい環境をつくりたい、教員らとともに学校を支えていきたいという思いで努力されていると伺っているわけです。そういう思いに寄り添った法制度、仕組みが必要だと思うわけです。
 そういう意味では、現場の思い、一番は正規の事務職員の複数配置だということなんですが、大臣、もう一度伺いますが、それこそ優先すべき課題だと思うんですが、いかがでしょうか。
#109
○国務大臣(松野博一君) 先ほど申し上げましたとおり、今年度予算においても複数配置を目指して要求をしましたが、結果的にそれが完全実施という形になるだけのものが得られなかったという状況でございます。
 委員が御指摘をいただいたとおり、優先課題の一つであるという認識は持っておりますが、まず、今回提出させていただいております本法案の中における事務職員の業務の目的、また共同事務の実施等を通して事務職員の方々がより効率的に、また本来の目的に見合った活動ができるようにしっかりと推進をしてまいりたいと考えております。
#110
○吉良よし子君 複数配置は優先課題の一つだというお話でした。ただ、この間、二十年間見てみても、学校事務職員の数というのは一校当たり一・〇五人と、ほぼ二十年間ずっと横ばいというままになっているわけですから、やはりこの改善こそ急務だということを申し上げたいと思うわけです。
 更に言えば、やはり子供の教育にとっても教職員の生活と健康にとっても、この学校事務職員も含めた学校現場の全ての教職員の多忙化、非正規教職員の急増というのは一刻も早く解決すべき問題だと思うわけです。にもかかわらず、二〇〇五年以降、文部科学省が教職員の定数を改善するための計画持っていないということはやはり問題だと思うわけです。
 今こそ、優先課題の一つというお話もありましたけれども、そうした教職員の定数の充実を図るための計画をつくる、これが必要だと思いますが、最後に大臣、いかがでしょうか。
#111
○国務大臣(松野博一君) 今回の基礎定数化は、これまでの定数改善計画のように基礎定数、加配定数を含めて全ての改善数を固定するものとは異なりますが、経済財政諮問会議における経済・財政再生計画でも求められている中期的な見通しに関する基盤となるものであると考えています。
 今後の教職員定数の在り方については、引き続き、経済・財政再生計画改革工程表における方針に基づいて、学校の課題に関する客観的なデータや実証研究、地方自治体の政策ニーズ等を踏まえ、必要な検討を行ってまいりたいと考えております。
#112
○委員長(赤池誠章君) 時間が過ぎておりますので、質疑をおまとめください。
#113
○吉良よし子君 昨日も申し上げましたけど、やっぱりこういう問題も大臣の姿勢が問われていると思います。是非とも、計画作ることも含めて姿勢を示していただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
#114
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりでございます。
 私は本日、義務標準法の一部を改正する法律案につきまして、教員改革、教員の資質向上という観点から質問をさせていただきたいと思います。
 公立の小中学校におきまして、子供たちを取り巻く学校現場の環境、それから課題を解決するためには、やはり教員の力量に大きく関わってくると考えております。今現在、大学の教職課程を終えて教員採用試験に合格し、赴任直後すぐに担任を受け持つことは珍しくないとのことですが、教師として当然未熟であり、新しい環境の中で子供たちとコミュニケーションを取ることがなかなかできず、若い新人の先生が道半ばにして辞めてしまうという事態が起こっております。これは、教師にとっても、また子供たちにとっても大変不幸なことであることは言うまでもございません。
 こういった現状につきまして、松野文科大臣、どのように思われますでしょうか。
#115
○国務大臣(松野博一君) 小学校においては約九割以上、中学校においては約六割の初任者が学級担任を受け持っているという状況の下、初任者が学級担任や授業を受け持ちつつ初任者研修を受講するなど、初任者に負担が掛かっているという指摘があるものと認識をしております。
 そうした状況を踏まえ、文部科学省としては、初任者の育成や負担軽減に対して組織的に取り組む体制を構築する必要があると考えており、今回の義務標準法の改正により、安定的、計画的な初任者研修体制の充実に必要な教員の基礎定数化を図るとともに、先般改正された教育公務員特例法に基づく教育委員会と大学等の協議を通じた初任者研修等に対する支援体制の構築の促進や、学校内における初任者の組織的な育成を図るための先進的な取組に対する支援事業の実施などに取り組んでまいります。
#116
○高木かおり君 今、しっかりとそういったことには認識をいただいているということでございました。
 公立の小中学校の教員は、多くは十月頃に採用の内定があり、四月に勤め始めるまで約半年近く時間があるわけです。教員が一般の会社員と異なるのは、一般の会社では四月は新人研修等を受けている時期ですけど、そんな時期にもう一人前の担任として振る舞わなければならない。生徒の背後には保護者もいるわけですから、相当なプレッシャーだと思います。
 通常は赴任は四月一日付け、それ以前に研修を受けることはできませんが、教員、学校はそれでは間に合いません。四月一日以前の研修が大変重要だと思いますが、事前の研修を設定している教育委員会はどのくらいの割合でしょうか、お聞かせください。
#117
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 委員お尋ねの教員として着任する前の研修につきまして、文部科学省といたしましては全国的な実施状況は現在把握しておりませんが、例えば東京都あるいは大阪府など一部の自治体においてこのような着任前の研修を実施しているところがあるということは承知しております。
#118
○高木かおり君 全国的には把握されていないということですが、今御答弁いただきました中の東京都、この東京都教育委員会の方では、これ私の方で調べさせていただきましたが、採用前実践的指導力養成講座というものがありまして、採用決定してから十一日間ほど行っているということでございます。
 どんなことを学んでいるかといいますと、採用後の学級経営について円滑にできるように、また児童生徒の理解や学級集団への指導の仕方ですとか、また特別支援教育、保護者との信頼関係の築き方、また学校の問題を解決するための初期対応、そういったことにプラス教科、例えば体育、理科、道徳、外国語、そういった教科に対する講座も行っている、大変充実した養成講座であると、そして、これは新人教員の方々には必須であるということでございました。また、更に加えて、赴任後、決まってから、任意ですけれども、事前交流として任用前学校体験が二、三日程度あるということで、これらは大変良い、学校現場を理解できる取組だというふうに思っております。
 この新任者研修は、やはり赴任先に行く前に余裕を持って取り組める体制を整えるということが教員の方々やまた子供たちにとって大変良い影響があると思います。このような取組を文科省が率先して推奨し、全国的に行っていくというのはどうでしょうか、大臣のお考え、お聞かせください。
#119
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 採用前の内定者に対する事前研修の実施についてのお尋ねでございますが、まず、新規採用教員の円滑な入職、それから学校における必要最低限の実践力の獲得、これらの効果が期待される一方で、まだ職員としての身分を有していないために研修への参加を強制できないこと、公務災害補償が適用されないこと、そもそもこのような研修の予算の確保がなかなか難しいことといった課題があると聞いております。
 事前の研修につきましては、こういったメリット、デメリットを踏まえまして、文部科学省といたしましては各任命権者の責任において適切に判断して対応していただきたいと考えております。
#120
○高木かおり君 今、公務災害補償の件ですとか予算の面とか様々な壁はあるということですけれども、是非とも、これは良い取組だと思いますので、各自治体ばらつきのないようにお考えいただければなというふうに思います。
 次に、まだ採用されていない段階、教職課程にある学生についても目を向けてみたいと思います。
 教員を志望されている方々にとっては、本当に自分が教師に向いているのかどうか改めて模索するということも必要かと思います。学校の教育活動について実際に教員としての職務を実践する教育実習などもありますが、さらに、学校における様々な体験において自らの教員としての適性を把握する、教員としての実践力を身に付けさせることのできるインターンシップについてですが、教職課程の学生のどのくらいの割合で進んでいるんでしょうか、お聞かせください。
#121
○国務大臣(松野博一君) 学生が長期間にわたり継続的に学校現場等で体験的な活動を行う学校インターンシップは、学校現場をより深く知ることができるとともに、理論と実践による実践的指導力の基礎の育成に有効であると考えております。
 平成二十七年に文部科学省が実施した調査では、回答のあったうち約三割の大学で学校インターンシップや学校ボランティアに関する授業科目が開設をされており、例えば岡山大学では、教育学部の全学生を対象として四年次に公立学校で三か月以上の教育実践インターンシップを必修科目として開設をしています。静岡大学では、静岡市が実施する学生スクールボランティア等へ参加した学生に対する単位認定を行うなど、既にそれぞれの大学の判断による多様な取組が実施をされているところであります。
 こうした取組を推進するため、現在、文部科学省では、平成二十八年度総合的な教師力向上のための調査研究事業において、学校インターンシップ実施のための環境整備に係る調査研究を実施をしており、平成二十九年度も引き続き同様の調査研究を実施することとしております。さらに、今後、学校インターンシップを教職課程に位置付け、教員免許取得のための単位として認められるようにするための省令改正を行うこととしており、文部科学省といたしましては、このような取組を通じて学校インターンシップの推進をしてまいりたいと考えております。
#122
○高木かおり君 現場で子供たちと触れ合う機会が増えるため、実際に赴任する前に学校現場を体験できる、これは本当に貴重であると思います。この学校インターンシップ、是非とも今後拡充していっていただきたい。そして、単位として認めていくということも推奨されるということです。是非よろしくお願いをいたしたいと思います。
 この教育実習ですとかインターンシップ制度、こういった実践的な体験活動はもちろんですが、やはり、新任者研修のところで申し上げましたように、特に新人の先生がまず一番初めに子供たちとコミュニケーションを図るために、また子供たち同士も新しい友達をつくり良いクラスをつくるための学びが必要だと思います。
 私は、以前からライフスキル教育に関心を持っておりましたが、先日、初めて念願かなってライオンズクエストワークショップというライフスキル教育プログラムを受講できる機会がございました。これは文科省のホームページの「総合的な学習の時間」応援団のページにも、このライオンズクラブのライオンズクエストライフスキル教育プログラムが掲載されております。
 このプログラムはエビデンスに基づくものでして、青少年の健やかな成長と薬物乱用防止への願いからスタートした総合的な内容に発展したプログラムでございます。コミュニケーション能力ですとか、また感情のコントロール、目標設定スキル、不当な圧力への対応などのライフスキルを今まさに児童生徒を教えている先生がしっかりと学んで生徒たちに教えていただく、そういった仕組みでございます。分かりやすく言いますと、失敗、挫折、困難、こういったことに直面したときどのように切り抜け、どのように立ち直っていけばいいのか、そういったことを教えてくれるプログラムということでございます。
 私が受講したときは、小学校の校長先生、教頭先生、PTA、それから地域の方々が一体となって連携して開催する運びになりました。主に地元の現役の小学校の先生、それからインターンシップ生にワークショップを受けていただきました。先生方とお話ししますと、新しいクラスの担任になったときの子供たちの自己紹介の仕方、また、お互いを知るためのゲームですとか、トラブルになりかけたときの回避方法、また、そういったことが授業の中で本当に是非活用したいというふうにもおっしゃっておられました。また、これは子供だけではなくて、大人の職場での人間関係を築くということにも大変参考になるともおっしゃっておられました。
 また、先生方がプログラムを学んで、中学校全校挙げてこのライオンズクエストプログラムを行っているというのが地元の大阪の中学校にございました。これは荒れていた学校だったんですけれども、このプログラムを行うことによって大変学校全体が落ち着いたという校長先生のお話もございました。
 これは、今お話しいたしましたのは現役の先生を対象としたものですが、現役の先生はただでさえ先ほどからもお話ございますように多忙でございます。なかなか受講の時間が取れません。そこで、これを先生になる前の学生の皆さんが受講する、時間を掛けてしっかりと学ぶことができないかというふうに私は考えました。
 本日、皆様にもお配りをさせていただいている資料を是非とも御覧になっていただきたいんですが、これは京都教育大学が教員養成において取り入れているもので、平成二十一年、教師力を高めるライフスキル教育の可能性を探るという研究テーマが採用されまして、その一環としてライオンズクエストプログラムをベースとしたライフスキルセミナーがスタートいたしまして、四年目から自由教科、そしてライフスキル教育が創設され、平成二十七年度からこれを教養科目に移行し、選択必修教科として位置付けられております。
 他大学でもライフスキル教育については研究が進められているようですけれども、まだこのように実践として行っている例は少ないようでございます。この京都教育大学の井谷副学長、お話も聞かせていただきましたが、今の学校は本当に多くの問題を抱え、教員に課せられる責任も重く、本当に多忙でございます。根本的にこういったことは解決していかなければならないとともに、やはり先生方も、不安を一人で抱え込まずに、教員が直面している様々な困難にも立ち向かうことができる、そういった能力も必要だということでございます。それを解決し、担う力がこのライフスキルだというふうに私自身思っております。
 このライオンズクエストのライフスキル教育プログラム、この率直な御感想を伺うとともに、このような取組につきまして、教員養成課程のある大学で是非とももっと、選択必修科目にするなど、広く進めていっていただきたい、子供たちを育成する立場になる多くの学生の皆さんに受講していただきたいと思うのですが、大臣、是非御検討いただけないでしょうか、御見解をお願いいたします。
#123
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、問題解決能力、あるいは意思決定能力、それからコミュニケーション能力、さらには対人関係能力、こういったライフスキルにつきましては、教育職かどうかを問わず、社会を生き抜くために必要で重要なスキルだと認識をしております。
 したがいまして、そのライフスキル教育について教職課程に盛り込むかどうかというお尋ねでございますが、今御紹介いただきました京都教育大学を始めとして、今既に各大学の判断で様々な取組が行われているものと思いますが、文部科学省といたしましては、それぞれの大学の判断によってこのような取組、多様な取組が実施されていくことを期待しているところでございます。
#124
○高木かおり君 ありがとうございます。
 赴任前の新任者研修、それからインターンシップ制度、ライオンズクエストのライフスキル教育プログラムなど、様々、新人の先生方が安心して、自信を持って子供たちと接することができるものは是非とも前へと進めていっていただきたいと思います。希望を抱いて教師になろうとしている先生の、教師の卵を是非とも育てていく取組、お願いをしたいと思います。
 続きまして、余り時間がございませんが、今のは養成段階の教員の方々の改革。そして、一番ベテランになります校長先生、この現職研修改革についてでございますが、この校長先生のマネジメント能力向上の必要性についてお伺いをしたいと思います。
 今回の法改正でチーム学校を目指しておりますが、教育に関わる多様な人材が専門的な能力を十分に生かせるようにするためには、やはり校長がチームのリーダーとしてリーダーシップを発揮して学校を運営していくことが何より重要だとは思います。
 そこで、この校長がチーム学校を実現していくためにマネジメント能力を向上させていく必要性とともに、この校長に求めるマネジメント能力とはどういったものをお考えでしょうか、お聞かせください。
#125
○国務大臣(松野博一君) 学校教育法において、「校長は、校務をつかさどり、所属職員を監督する。」と規定をされており、学校運営は校長の責任と権限に基づいて行われることとされています。
 学校が直面する課題が複雑化、困難化する状況において、校長のリーダーシップの下、学校のマネジメントを強化し、組織として教育活動に取り組む体制をつくり上げるとともに、専門家や地域の機関と連携、分担する体制の整備が必要です。このため、校長は、まず学校の教育ビジョンを示し、教職員の意識や取組の方向性を共有を図ることが重要です。そして、教育指導の点で教職員の力を伸ばしていくことができる資質に加え、多様な専門性を持った教職員、専門家を有機的に結び付け、共通の目標に向かって動かす能力などが求められると考えられます。
#126
○高木かおり君 この校長先生に求められるマネジメント能力に関して、平成二十七年の中央教育審議会の答申の中には、若いうちからこのマネジメント能力を付けさせるように、計画的に教職大学院や民間企業への派遣、そういったことを、この学校現場でのOJT等の経験だけではなく、させていくべきであるというふうに指摘がございました。
 こういったことで、民間企業への派遣ですとか教職大学院、教育委員会事務局での勤務、こういったことは実際にどの程度行われているんでしょうか、取組について最後お聞かせください。
#127
○国務大臣(松野博一君) 校長のマネジメント能力の向上のためには、将来管理職として活躍することが期待される教員に対して、若いうちからマネジメント能力を付けさせるよう、計画的に教職大学院や民間企業への派遣、教育委員会事務局での勤務、学校現場でのOJT等の経験を積ませる必要があると考えております。
 文部科学省では、教職大学院による学校管理職の組織運営能力を向上させるためのプログラム開発を支援したり、教諭等の民間派遣にも活用できる研修等定数を措置したりするなど、校長のマネジメント能力の向上に資する取組を進めております。
 また、独立行政法人教員研修センターが実施をする研修では、リーダーシップとマネジメント等の民間講師による講義を実施をしているところです。当該法人については、平成二十九年度から独立行政法人教職員支援機構に改組することとなっており、新たに付加される調査研究業務において、民間の優れたノウハウを有効活用し研修の高度化に生かすなど、事業のより一層の充実を図ってまいります。
#128
○高木かおり君 様々取組はしていっていただいているということでございました。
 是非とも、校長先生のマネジメント力の強化とともに、校長のリーダーシップ、しっかりと行っていただけますようにお願いを申し上げまして、私の質問、終了いたします。
 ありがとうございました。
#129
○木戸口英司君 希望の会(自由・社民)、自由党の木戸口英司でございます。
 まずは、今回の法改正が目指す方向性についてお伺いをいたします。
 チーム学校は、教員に加えて、事務職員やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーを始めとする専門家がチームとして学校教育を担っていくものであります。その意味で、教員を中心とした従来の学校の在り方を大きく変えていく可能性のあるものであり、我が国の学校制度、学校文化の大きな変革にもつながるものと考えます。
 一国の教育制度、学校文化は、その国の歴史や伝統文化、国民性と不可分であることから、改革はなかなか難しく、困難であると言えます。一方で、教育課題に対しては喫緊の対応が求められていると考えております。
 今回の改正案は、大臣の考える我が国の教育課題を解決する上でどのような位置付けとなるのか、お伺いをいたします。
#130
○国務大臣(松野博一君) 今回の法改正では、学校が直面する多様で複雑な教育課題に対応するため、障害に応じた特別の指導を担当する教員などの基礎定数化に伴う教職員定数の標準の改正、事務職員の職務及び共同学校事務室に係る規定の整備、学校運営協議会の役割の見直し及び地域学校協働活動の実施体制の整備を同時に講ずることとしています。これにより、必要な教員の充実が図られるとともに、学校事務に専門性を有する事務職員や学校を支える地域住民がそれぞれの役割を担うこととなり、校長や教頭が学校マネジメントに注力できるようになったり、教員が授業や学級運営、生徒指導を始めとした子供に向き合う業務に専念することにつながると考えています。
 このように、私としては、今回の法改正を契機として、学校の指導体制を質的、量的に充実するとともに、教職員や地域住民がそれぞれの専門性や経験を生かして連携や役割分担することで多様な教育課題に適切に対応できる環境整備を進めてまいりたいと考えております。
#131
○木戸口英司君 ありがとうございます。
 学校教育、これはやっぱり現場重視であると思います。また、学校文化を醸成すると、こういうことは分権的であるべきだと思います。しかし、大きな変革でありますので、文部科学省、また大臣のリーダーシップを期待したいと思います。
 次に、教育機会確保法、昨年成立いたしましたが、その点についてお伺いをいたします。
 不登校児童生徒への対応は喫緊の課題であります。昨年成立した教育機会確保法では、学校以外の場での多様な学習活動の重要性や休養の必要性に言及するなど、これまでの学校教育の在り方とは異なる方向性が示されております。一歩前進との受け止めもある中で、かえって子供を追い詰めるのではないかなど、不安の声も強いことも事実であります。
 本年二月の同法の施行を受けて、こうした不安の声に文部科学省、教育委員会、学校現場が一体となって丁寧に対応することが不可欠であると思いますが、大臣はどのようにリーダーシップを発揮していく所存か、具体的な施策を含め、お伺いをいたします。
#132
○国務大臣(松野博一君) 教育機会確保法第十三条において、学校以外の場での多様で適切な学習活動の重要性や休養の必要性が規定をされたところです。不登校児童生徒についての支援については、この規定の趣旨を踏まえ、当該児童生徒や保護者を追い詰めることのないよう配慮しつつ、個々の状況に応じて行うことが必要であると考えており、今後定める予定の基本指針に盛り込むことを検討しております。
 文部科学省としては、引き続き、地方公共団体やその他の関係者と密接な連携の下、不登校児童生徒に対する教育機会の確保に努めてまいります。
#133
○木戸口英司君 先ほども不登校特例校、夜間中学の設置について質問がありましたが、私からも少し確認をさせていただきます。
 今回の国庫負担法改正は都道府県立の不登校特例校、夜間中学の設置促進を目指したものでありますが、地方自治体におけるこれらの学校の新設に向けた動きについて現状をお伺いいたします。進んでいない理由というものが大きくあるんだと思います。設置促進に向けた文部科学省の取組についても併せてお伺いをいたします。
#134
○国務大臣(松野博一君) 今回の法案において、不登校特例校や夜間中学を都道府県が設置した場合の教職員給与費を国庫負担の対象とすることで都道府県による設置に向けた取組が促進されるものと考えています。
 不登校特例校については、現在、自治体における新規設置の動きは承知していませんが、更なる設置促進に向けて、設置申請があった場合には、申請等に係る指導、支援を行うほか、不登校特例校に関する効果的な取組事例を紹介するなどして、教育委員会等に対する働きかけを強化してまいります。
 夜間中学については、新たに二つの市が新設に向けた検討を行うことを表明しております。引き続き、各自治体で設置に向けた検討が進むよう、夜間中学に関する手引を作成し周知しているほか、平成二十九年度予算において夜間中学の新設に向けた調査研究に必要な経費を計上するなど、一層支援をしてまいりたいと考えております。
#135
○木戸口英司君 様々、学校教育また学校制度がこうして改革が進められているところでありますが、そもそも、こうして学校に来られない不登校の生徒児童の数の高止まりということ、これがやっぱり大きな問題だと思っております。我々もフォローアップをしっかりとしていきたいと思っております。
 教職員を真のチームとして機能させるための方策、何点かお伺いをいたします。
 今回の法改正は、我が国の学校制度、文化の大きな変革の端緒となるものであります。今後は、教員だけでなく、事務職員、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、部活動指導員等の教員以外の職員もチーム一丸となって学校教育を担っていくことが求められております。チームとしての意識を醸成するためには校長のマネジメントの向上が不可欠でありますが、国や教育委員会の支援も併せて求められております。
 教員や専門性を有する多様なスタッフの意識を変えていくために文部科学省としてどのような支援を行っていきますでしょうか、お伺いいたします。
#136
○国務大臣(松野博一君) チームとしての学校については、一昨年の十二月に中央教育審議会より答申をいただき、文部科学省としても、教育関係者に対する各種会議や研修等の場においてチームとしての学校の考え方や取組について周知啓発に努めてきたところです。
 また、今回の法案において事務職員の職務規定の見直しを行うほか、省令においてスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、部活動指導員についての規定を整備するなど、事務職員や専門スタッフの役割を明確化し、今後その趣旨を通知等で周知していくこととしております。
 文部科学省としては、こうした取組により、各教育委員会を通じてチーム学校としての学校の実現に向けて教職員や専門スタッフの意識の向上が図られていくよう引き続き支援をしていきたいと考えております。
#137
○木戸口英司君 分かりました。
 その中で、多様な立場の教職員をチームとして機能させるためには、それぞれがチームの中で果たすべき役割を自覚した上で、互いの職務内容を十分に理解する必要があります。例えば、教員は事務職員やカウンセラー等の職務内容について養成研修の段階から理解を深めておく必要があると考えますが、大臣としてはどのようにお考えか、具体的な施策と併せてお伺いをいたします。
#138
○国務大臣(松野博一君) チーム学校を効果的に機能させるためには、その構成員となる教員、事務職員、スクールカウンセラー等が互いの職務内容についての理解を深めるとともに、有機的に連携協力しながら職務に取り組んでいく必要があると認識をしております。
 今後、教員の養成段階では、多様な専門性を持つ人材と効果的に連携、分担して課題に取り組むための、チーム学校への対応についても必ず学ぶこととするための教育職員免許法施行規則の改正を予定しております。また、各任命権者が行う現職教員の研修においても、チーム学校への対応を踏まえた資質向上が図られるよう促してまいります。
 文部科学省としては、養成研修の各段階を通じて、教員が様々な専門性を持つ職員と連携する必要性やその在り方について理解を深める機会を得られるよう引き続き取り組んでまいります。
#139
○木戸口英司君 それでは、事務職員についてお伺いをいたします。
 従来、いわゆる一人職場であります、研修や先輩からの指導も必ずしも十分でない実態があったと承知しております。こうした中で、チーム学校に対しては、校務運営への参画等が新たに求められる事務職員には不安があるとも聞いております。丁寧な対応が不可欠であると考えますが、文部科学省としてどのように対応していく考えか、伺います。また、校務運営に参画できるようにするためには教員の職務内容を把握することが必要であり、さらに学校マネジメント職としての人材養成、採用、研修等の在り方についても検討するべきと考えますが、いかがでしょうか。
#140
○国務大臣(松野博一君) 今回の事務職員の職務規定の見直しにより、学校事務について事務職員が一定の責任を持って処理することとなり、学校全体の事務の効率化や校務運営の改善が期待されるところです。こうした効果を実現するためには、事務職員が管理職を補佐して学校運営の改善に役割を果たすことができるよう、今回の見直しの趣旨を十分に周知するとともに、事務職員の資質向上を図ることが必要であると考えております。
 このため、文部科学省では、事務職員を対象とする研修プログラムの開発や全国的な普及を図るとともに、教員研修において、各地域において中核となる事務職員を対象とする中央研修を平成二十八年度から実施するなど、事務職員の研修の充実に取り組んでいるところです。
 本法案が成立すれば、委員御指摘のように、事務職員には更なる活躍が求められることから、文部科学省としてはこうした取組を通じ必要な支援を行ってまいります。
#141
○木戸口英司君 先ほども共同学校事務室に対する懸念の御質問がありました。私からも、その設置によって事務職員の削減や非常勤化につながることがないように、ここは指摘をさせていただきます。
 次に、通級指導、日本語指導の基礎定数化について伺います。
 定数改善の方向性は一定の評価はできます。他方で、例えば通級指導に関して、対象児童生徒十三人に一人という数字だけに基づいて教員が配置されることになると、特に小規模校の多い地方では、通級に対するニーズがあるのにもかかわらず、それぞれの学校に対して通級指導を行う教員が十分に配置されないおそれがあります。加えて、地方では学校と学校の距離が離れているため、通級指導のために隣の学校に通うとしても、その時間的、経済的な負担は大きいと言えます。全国どの学校に在籍していたとしても必要な教育機会に平等に提供されてしかるべきであり、地理的な理由で通級指導や日本語指導が受けられないということがあってはならないと考えます。
 小規模校における通級指導や日本語指導を行う教員配置を充実させる必要性について、文部科学省としてどうお考えでしょうか。
#142
○国務大臣(松野博一君) へき地にある学校における通級による指導や、弱視等の対象児童生徒数の少ない障害への対応、日本語指導が必要な児童生徒が散在している地域への対応については、自動的な定数の算定のみでは十分な数の教員が行き届かない可能性があることから、加配定数を引き続き確保し、地域や学校の実情に応じて配分することとしております。
 基礎定数及び加配定数を含む全体の定数措置により、各地方自治体において学校の指導体制の充実を図ることができるよう取り組んでまいりたいと考えております。
#143
○木戸口英司君 そのとおりだと思います。それにしても、やはり不安に思っている学校、そして父兄の皆さんもいらっしゃるんだろうと思いますので、改めてこの点、確認をさせていただきます。教育機会の確保のためにも、必要数がきちんと確保されているか、今後、私も注意していく必要があると思います。
 一定数は加配措置されるとしても、果たしてそれで十分にニーズを酌み取れているのか、もう一度、大臣、この点について、やはりメッセージとしても必要だと思いますので、御所見をお伺いしたいと思います。
#144
○国務大臣(松野博一君) 障害に応じた特別の指導、いわゆる通級による指導や外国人児童生徒等教育に係る教員定数については、今回の基礎定数化によって必要な教員が確実に定数措置されることとなり、各地方自治体において担当職員の安定的、計画的な採用、研修、配置が行いやすくなると考えています。
 あわせて、基礎定数化される定数とは別途、現在の加配定数の一割を引き続き措置することとしており、この定数も活用することにより、各地方自治体において、例えば巡回指導体制の整備など、実態に応じた弾力的な教員配置が行いやすくなると考えております。
#145
○木戸口英司君 それではしっかりとお願いをしたいと思います。
 今回の法改正によって、二以上の学校の運営に関し、相互に密接な連携を図る必要がある場合には一つの学校運営協議会を設置することが可能となりました。この点に関して、学校運営協議会の設置が一つの契機となって学校統廃合が行われた結果、過疎化、高齢化の中で地域社会の維持が困難になるといったおそれはないか、仮におそれがないとすれば、地方自治体に対してその旨を十分に周知するべきと考えますが、いかがでしょうか。
#146
○国務大臣(松野博一君) 現行制度では学校運営協議会は学校ごとに置くこととされておりますが、本法案では、原則としてその立場を保持しつつ、二以上の学校について相互に密接な連携を図る必要がある場合には、それらの学校に一つの協議会を置くことができることとしています。この規定は、平成二十七年十二月の中央教育審議会答申における指摘も踏まえ、小中一貫教育など学校間の教育の円滑な連携、接続に資する観点から、協議会が複数の学校について一体的に協議を行うことを可能とすることを目的として置くものであります。
 二以上の学校について一つの協議会を置くことができる具体的な場合については文部科学省令で定めることとされておりますが、例えば小中一貫教育や中高一貫教育を行う複数の学校などを想定しているところです。このように、当該規定は、委員御指摘のように、それを契機として当該学校の統廃合に直接つながるものではないと認識をしており、文部科学省としては本来の趣旨を十分に周知をしてまいりたいと考えております。
#147
○木戸口英司君 それでは、最後になりますけれども、教職員定数改善についてお伺いをいたします。
 定数改善の方向性は先ほども触れましたが、十分かどうかは別としても、一定の評価をさせていただきます。他方で、これが学校現場の声に十分応えたものとなっていると言えるか、本当に現場の教員の多忙化の解消、ひいては児童生徒に対する質の高い学習環境の提供につながるのか、今後も注視していく必要があると考えます。
 どのような教職員定数の在り方が望ましいと考えているか、そして、その実現に向けて来年度以降どのような方向で財務省との間で、やはり予算でありますので、折衝を行っていく考えか、お伺いをいたします。
#148
○国務大臣(松野博一君) いじめや不登校など学校現場を取り巻く課題が複雑化、困難化する中、時代の変化に対応した新しい教育に取り組むとともに、そのために学校現場が力を発揮できる環境を整備することが最大の課題と考えております。
 我が国では、教員が教科指導、生徒指導、部活指導を一体的に行う日本型学校教育が大きな成果を上げている一方、教員の勤務時間は国際調査においても長いことが指摘をされており、現状のままの指導体制ではこれまでのような成果を上げていくことは困難になってきております。
 今後の教職員定数の在り方については、学習指導要領の改訂や学校現場における教職員の勤務実態も勘案しつつ、引き続き、経済・財政再生計画改革工程表における方針に基づいて、学校の課題に関する客観的なデータや実証研究、地方自治体の政策ニーズ等を踏まえ、必要な検討を行ってまいります。
#149
○木戸口英司君 いずれ、毎年の着実な実施が重要であります。来年度でありますが、そして二年目、三十年度予算、これがまた勝負になってくると思います。その意味からも、一刻も早く現在の問題であります天下り、また、今日も証人喚問が行われておりますが、私学教育行政を揺るがしかねない森友学園問題、こういった問題に、一連の事件ですね、これにけじめを付けて、国民の信頼を回復し、文部科学行政の立て直しを図ることが急務であることを強く申し添えて、質問を終わらせていただきます。
 以上でございます。
#150
○松沢成文君 無所属クラブの松沢成文です。大臣、副大臣、連日、御答弁、御苦労さまです。私で最後ですので、よろしくお願いいたします。
 まず、今回提案されております義務標準法について伺います。
 公立小中学校の教職員定数について十年間で加配定数の約三割を基礎定数化するということで、これによって地方自治体の計画的な採用が行われるようになるとともに、通級指導や外国人児童への日本語教育が充実するなどのこともあって、私は今回の改正案を評価をしたいと思います。
 さて、その過程で新年度の教職員定数の概算要求をめぐって財務省と文科省の間でかなり激しいやり取りがあったというふうに新聞報道で聞いています。昨年十一月に財務省が財政制度等審議会で、少子化の進行により十年後には現状の約六十九万人よりも約五万人減らすことができるというふうに発表したわけですね。これに対して文科省は、いじめなど学校現場の様々な対応の強化のために一・五万人減にとどめるべきだというふうに主張して、双方が対立して様々な交渉があったんだと思います。最終的には、松野大臣と麻生財務大臣の閣僚折衝で、新年度は、教員数を自然減を除いて八百六十八人増やすとともに、先ほどの基礎定数化でも合意ができたということであります。
 大変激しい折衝だったと思いますが、この折衝を振り返って、大臣は今どのような感想をお持ちでしょうか。
#151
○国務大臣(松野博一君) 教職員定数につきましては、二十九年度予算案において、通級による指導の対象児童十三人に対して一人、外国人児童生徒等教育の対象児童生徒十八人に対して一人に加えて、初任者研修の対象教員六人に対し一人、指導方法工夫改善加配のうち少人数教育の取組が定着している部分の約九千五百人を含め、十年間で行う基礎定数化が認められました。これにより、発達障害や日本語に課題のある児童生徒に対するきめ細やかな指導の充実や、教員の質の向上に必要な研修体制の充実が図られ、学校における喫緊の課題に一定程度対応できるものになったと考えております。
 また、各地方自治体にとっては、これまでの加配定数六万四千人の約三割が基礎定数化されることから、教職員の定数について先の見通しが立てやすくなり、安定的、計画的な採用、研修配置が行いやすくなります。
 こうした問題意識については、昨年五月の財政制度等審議会の建議においても触れられたところであり、今回の予算に反映されたものであると考えておりますが、参議院の文教委員会の先生方を始め、多くの国民の世論の後押しも受けて今回に至ったものと感謝をしております。
#152
○松沢成文君 しかし、申し上げるまでもありませんけれども、この十年後の削減数をめぐる対立がこれで解決したわけではないと思います。
 今回は年間で約六万人以上いる加配定数の三割を基礎化できたわけですけれども、逆に言うと、財務省としては、約三割の基礎化は認めるけれども、残りの七割は今後削減する方向で、削減対象で考えているというのが私は本音だと思いますが、これにはどう対応していきますか。
#153
○国務大臣(松野博一君) 平成二十九年度予算案においての状況は今申し上げたとおりでございますが、基礎定数については、学級数や児童生徒数に連動するため、各地方自治体において教職員の安定的、計画的な採用、配置が行いやすくなる一方、個々の教育課題に対して機動的に対応しにくいという性質があります。これに対して、加配定数は、政策目的や地域の事情等に応じたきめ細やかな定数措置が可能となる一方、毎年度の予算編成の中で数が決定するため、安定的、計画的な教員確保につながりにくいという性質があります。
 以上のような基礎定数と加配定数の性質を勘案しつつ、教職員定数の在り方については、引き続き経済・財政再生計画改革工程表における方針に基づいて、学校の課題に関する客観的データや実証研究、地方自治体の政策ニーズ等を踏まえ、必要な検討をもって対応してまいりたいと考えております。
#154
○松沢成文君 ちょっと時間がないので一つ通告から飛ばしますけれども、財務省は財政審で、教員を増やすより外部人材を活用した方が効果的な場合があるとして、文科省に教員数を増やさなければならない明確な根拠を示すように求めました。このことからも、外部人材の活用を教員削減に絡めようとしているのは私は明らかだと思います。一方で、文科省の概算要求を見ると、外部人材の活用など業務の適正化による教員の負担軽減には一切触れずに、自然減からの上積みだけを主張しています。これでは話がかみ合うはずがないんですね。
 業務の適正化をうたう以上、例えば部活動指導員やスクールカウンセラーなどの外部専門スタッフの活用による教員の業務負担の軽減分も人数や時間を指標とした教員の業務量に換算して、どの程度の削減効果があるかを明らかにすべきではないでしょうか。その上で、いじめ、不登校への対応や障害のある児童生徒の対応、あるいは貧困等による学力差の解消など、多岐にわたる新たな課題への対応による増加分を主張しなければ、私は説得力がないと思います。このように、業務と人的資源のバランスを緻密に分析した上で適正化を進めることは、民間では当たり前のようにやっているわけですね。
 財務省へしっかりと反論し、国民の理解を得るためにも、学校現場での業務適正化の取組による削減効果も明確に主張すべきであると考えますが、大臣はいかがお考えでしょうか。
#155
○国務大臣(松野博一君) 部活動指導員やスクールカウンセラー等の外部の専門スタッフと連携、分担をする体制を整備することで、学校の機能が強化されるとともに、教員の業務負担の軽減につながるものと期待をしております。
 文部科学省としては、教員の業務負担の軽減を図ることは喫緊の課題であると認識をしており、二十か所程度の重点モデルを地域指定し、学校現場の業務改善に関する実践研究を行うための経費を平成二十九年度予算案に計上しており、業務改善の取組による効果をエビデンスとして蓄積をして、その成果を全国に発信してまいりたいと考えております。
 文部科学省としては、適正な労働と生活のバランスの下、教員が子供と向き合える時間を確保し、教員一人一人が今まで以上に誇りとやりがいを持てる学校現場の環境を実現するため、業務の適正化を着実に推進をしてまいりたいと考えております。
#156
○松沢成文君 次に、私の毎年恒例の、国立大学における卒業式、入学式の国旗掲揚、国歌斉唱問題について伺いたいと思います。
 現在、小中学校の学習指導要領と併せて改訂案が公表されて年度内に告示予定の幼稚園教育要領でも、従来からの国旗に加えて、国歌に親しむということが明記されました。保育所、認定こども園もこれに足並みをそろえていまして、ようやく三歳以上の幼児教育でもひとしく国旗・国歌への取組が進められることになります。
 この方向について大臣はいかがお考えですか。
#157
○国務大臣(松野博一君) 教育基本法の教育目標として定められているとおり、子供たちに伝統と文化を尊重する態度を養っていくことは重要なことであり、そのためには幼児期からこれらに親しんでいくことは大切と考えております。
 このため、今回の幼稚園教育要領の改訂案においては、新たに幼児が我が国や地域社会における様々な文化や伝統に親しむことを内容に加えるとともに、その際、伝統的な行事や遊び、国歌、唱歌、童歌に親しむことを追加をいたしました。
 国歌については、従来から小中高等学校では学習指導要領に基づき、その意義を理解させ、尊重する態度を育てるように指導しているところであり、幼稚園教育と小学校教育のより円滑な接続を図るという点からも、幼稚園において国歌に親しむことが大切と考えております。
 なお、通う施設の違いにかかわらず子供たちがひとしく質の高い教育を受けることができるよう、今回の幼稚園教育要領の改訂に当たっては、保育所保育指針や幼保連携型認定こども園教育・保育要領と内容について整合性を図っているところでございます。
#158
○松沢成文君 これで、初等教育、中等教育に加えて幼児教育の分野でも新しい教育基本法の方針にのっとって国旗・国歌をしっかりと教えていこうというか、親しんでもらって理解してもらおうということになった一方で、国立大学は国から多くの運営交付金を支給されていますし、そしてまた、国立大学の目的養成ですよね、理科系の大学は理工系人材の育成に寄与すること、そして文科系の学部や大学は教員育成の中核を担うことの役割を担っているわけです。
 国立大学では今ちょうど、今週の後半ぐらいですかね、卒業式のシーズンでありますけれども、多くの教員を輩出するこうした国立大学では、当然に国旗掲揚、国歌斉唱がしっかりと実施されるべきだと私は長年訴えておりますが、大臣にもう一度見解を伺います。
#159
○国務大臣(松野博一君) 国立の教員養成大学・学部は、教育に係る国の責任に鑑み、安定的に質の高い教員を一定数養成する観点から、原則として各都道府県に設置され、初等中等教育分野を中心に教員養成について主要な役割を果たしています。
 また、教育課程及び指導法に関しては、国立大学のみならず全ての大学の教職課程で履修することとなっており、その内容は学習指導要領に則したものでなければならないとされています。
 各国立大学においては、こうしたことも踏まえつつ、国旗・国歌の取扱いについて検討していただきたいと考えております。
#160
○松沢成文君 私が初めて三年前にこの問題を下村大臣にぶつけて、是非とも国立大学に要請をしていくべきだと。そのときに、いわゆる大学の自治を脅かすというような批判がございました。
 そもそも、大学の自治というのは、憲法解釈上、研究の自由、研究発表の自由、教授の自由といった学問の自由を保障するために認められているものであって、国立大学の入学式、卒業式という節目の式典で国旗を掲揚し、国歌を斉唱することが、あるいは設置主体の文科省がそうしてほしいと要請することが、学問の自由を侵害し、大学の自治を損なうということには全くならないと私は考えていますが、大臣はいかがですか。
#161
○国務大臣(松野博一君) 大学の入学式、卒業式における国旗・国歌の取扱いについては、各大学の自主的な判断に委ねられているところであり、御指摘の下村元大臣のお願いはあくまでお願いであり、大学の自治や自主性の妨げになるものではないと考えております。
#162
○松沢成文君 そこで、昨年の十一月に私が松野大臣へ質問をした際には、適切に国旗・国歌の問題に対応していただくようお願いをしたいと、国立大学側にですね、こういう答弁だったんですが、十一月から今日まで、この間、どのようにお願いをしましたでしょうか。
#163
○国務大臣(松野博一君) 御指摘の答弁につきましては、下村元大臣が会議の場で各学長に対して適切に御判断いただくようお願いをし、馳前大臣も国会において各大学の状況について適宜適切に把握してまいりたいと答弁していることを踏まえ、引き続き、こうした考え方を受け継ぎつつ、私としても各大学に適切に御判断いただきたいという趣旨で申し上げたものでございます。
 何か特定の形式でお願いをするということではなく、文部科学省として、各大学の実施状況について意見交換を通じながら、適時適切に把握をしつつ、各大学には適切に御判断をいただくことをお願いをしていきたいと考えております。
#164
○松沢成文君 じゃ、具体的に学長を集めた場とかそういうところで、私はこう考えていますので、是非とも国立大学の皆さんも協力いただきたいというような具体的な文書とかあるいはスピーチとかでお願いしたというのではないんですね。
#165
○国務大臣(松野博一君) 私といたしましては、下村元大臣、馳前大臣の考え方を踏襲しつつ、各大学において適切に御判断いただければと考えております。
#166
○松沢成文君 文科省には、法令に基づいて大学教育の振興に関する助言というのを行う権限を有しているわけですね。お願いを受けて大学側がどのように対応したのか、状況を把握しなければ、これ助言もすることができないわけです。
 昨年は馳大臣の方針で実施状況の調査が行われなかったんですね。一昨年は下村文科大臣の方針で調査を行っていただきました。昨年は馳大臣はやらなかった、さあ、今年は。私は、そういうお願いをしたいという気持ちがあるのであれば、お願いをして国立大学がどう変化していったか、やっぱりこれ調査しなきゃいけないと思うんですけれども、松野大臣はどういたしますか。
#167
○国務大臣(松野博一君) 一昨年の三月に各大学の入学式、卒業式において国旗掲揚、国歌斉唱を実施しているかどうかの事実関係を照会させていただいたところであり、それを受けて下村大臣が一昨年の六月に各国立大学に対して口頭でお願いをしたことで、各大学に趣旨は伝わっていると理解をしております。
 国立大学における国旗・国歌の取扱いは各大学の自主的な判断によるべきものであり、学習指導要領に基づいて実施するとされているような事例とは異なり、毎年実施状況を調査するような性格のものでないことから、実施状況を調査することは考えておりません。
#168
○松沢成文君 大臣がおっしゃったように、一昨年に下村大臣が国立大学法人学長等会議という場で正式に要請をしたわけですね。この要請、要請というかお願いを受けて、実は昨年は十五大学が対応を変えたんです。新たに四大学が国旗を掲揚し、六大学が国歌を斉唱するようになったと報道されています。
 この結果が示すように、大臣のお願いなり要請によって明らかに現場は改善されていくわけですから、松野大臣にもしっかりと大学側にお願い、要請をして、またいい変化を生むように私は努力をしていくべきだと考えます。
 そしてまた、その結果を国民に公開をすべきだというふうに思っています。やっぱり国民は、国立大学でどういう教育が行われているのか、式典がどう行われているのか、これ知る権利があると思うんですね、国立大学ですから。そこで、いや、この大学は国旗も国歌もやっていない、こういう情報があれば、ああ、この大学は自分に合わないなと生徒は選択にもつながりますよね、生徒や父母の。だから、私はこれは継続してやらなきゃいけないと思っているんですが、大臣はいかがでしょうか。
#169
○国務大臣(松野博一君) 繰り返しとなりますが、各大学との意見交換を通じて適時適切に状況を把握していきたいと考えております。調査という形でなく、意見交換を通じた状況把握でございますので、文部科学省により結果をお示しすることは考えておりません。
 他方、大学の入学式、卒業式における国旗や国歌の取扱いについては、各大学において必要に応じて自主的な判断について説明がなされるものと考えております。
#170
○松沢成文君 もう時間がないので、最後、質問ではありませんけれども、私がこの質問をするたびに関心のある国民の皆さんからいつも驚かれるのは、国立大学で何で式典で国旗も国歌も揚げないの、そんな大学いまだにあるのってみんなびっくりしますよ。
 これ、日本人の常識だったら、これ国立大学、それも教員養成を目的にしているんです。この教員はみんな、高校や中学や小学校の学校現場に入っていくんです。この学校現場では、式典ではきちっと国旗掲揚、国歌斉唱をやって、その親しみをきちっと教えていこうというふうになっているわけですよ。やっぱり先生たちがそのことをしっかり身に付けて学校現場に行かないと、学校現場で教えられるわけがないんですね。
 今回、幼児教育でもそれをしっかりやっていこうという方向が出たわけです。私は、国立大学、もう国がしっかりと設置をしている大学でありますから、私は、思想の自由とかいろんなことを言う人いますけれども、これはやっぱり日本の常識としてきちっと対応していただくように、私は毎年のように、大臣、まあ法的な根拠がないから強制はできないけれども、やはり文科省として考えを伝えていくべきだというふうに思いますので、改めて最後要請させていただいて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#171
○委員長(赤池誠章君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本案の修正について吉良君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。吉良よし子君。
#172
○吉良よし子君 私は、日本共産党を代表して、義務教育諸学校等の体制の充実及び運営の改善を図るための公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、修正の動議を提出いたします。
 その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。
 修正案提案の理由及びその内容について御説明申し上げます。
 本法案は、発達障害などの障害に応じた特別の指導(通級指導)に当たる教員、日本語指導を受ける外国人などの子供を担当する教員を安定的に確保するために、対象となる児童生徒数による配置を行う基礎定数化が実現します。現在これらの教員は、毎年度の予算措置による加配で配置が行われてきました。しかし、教員が十分に確保されないために通級指導教室が開設されず、いわゆる待機児童が相当数いるといった状態にあります。法改正をきっかけに、通級指導教室の開設の増加などが期待されるもので、保護者、教職員からの要望に応えた、教育条件の改善につながり、賛同するものです。
 ただ、本法案のうち、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部改正で規定される共同学校事務室の制度化については、学校の共同事務の内容については様々なものがある現状での制度化は性急であり、学校事務職員の人減らしや他教職員の多忙化を招きかねないとの懸念もあります。
 そこで、共同学校事務室の制度化について削除を求める修正案を提出するものです。
 次に、修正案の内容について御説明申し上げます。
 第一に、教職員定数の算定に関する特例の事由に共同学校事務室が置かれている場合を加える改正規定を削ること。
 第二に、共同学校事務室の設置に関する改正規定を削ること。
 第三に、その他所要の規定の整理を行うこと。
 以上が修正案提案の理由及びその内容でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をいただけますようお願い申し上げまして、提案理由の説明を終わります。
#173
○委員長(赤池誠章君) これより原案及び修正案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに義務教育諸学校等の体制の充実及び運営の改善を図るための公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、吉良君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#174
○委員長(赤池誠章君) 少数と認めます。よって、吉良君提出の修正案は否決されました。
 それでは、次に原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#175
○委員長(赤池誠章君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、斎藤君から発言を求められておりますので、これを許します。斎藤嘉隆君。
#176
○斎藤嘉隆君 私は、ただいま可決されました義務教育諸学校等の体制の充実及び運営の改善を図るための公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・こころ、民進党・新緑風会、公明党、日本維新の会及び希望の会(自由・社民)の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    義務教育諸学校等の体制の充実及び運営の改善を図るための公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
 一、学校現場を取り巻く課題が複雑困難化し、教職員の長時間勤務が常態化している実態を踏まえ、教職員の働き方改革を実現するとともに教育の質を更に高めていく観点から、教職員定数の計画的な改善に努めること。また、いじめ対策や貧困による教育格差の解消など、学校が対応しなければならない新たな教育課題が増大している実態に鑑み、児童生徒に対するきめ細かで質の高い教育を実現するため、必要かつ十分な数の加配教職員が配置できるよう定数を確保すること。
 二、「主体的・対話的で深い学び」を実現するための授業改善や教材研究、学習評価の充実、子供一人一人の学びを充実させるための少人数によるきめ細かな指導の充実など、次期学習指導要領等における指導や業務の在り方に対応するため、必要な教職員定数の拡充を図ること。
 三、教職員定数の計画的な改善に当たっては、小学校二年生以上においても、学級編制の標準を三十五人に引き下げるなど、平成二十三年の改正義務標準法附則第二項の趣旨の実現を期すべきこと。
 四、特別支援教育の対象となる児童生徒数の増加や通常の学級における発達障害の可能性のある児童生徒への教育的な対応が求められている実態を踏まえ、特別支援教育に関する専門的な知識や技能を有する者を十分に確保するなど指導・支援体制の整備・充実に努めること。
 五、近年その数が急増している定住外国人などの日本語指導が必要な外国人児童生徒等について、国際人権規約や児童の権利条約の趣旨を踏まえ、その希望に基づいて公立の小中学校等において受け入れ、日本語を理解し使用する能力に応じて特別な指導が確実になされるよう、指導教員等の養成・確保、指導体制の整備・充実に努めること。また、地域間格差が生じないよう、ICTの積極的な活用を促進するとともに、効果的な指導方法に関する情報共有等を図ること。
 六、通級指導・日本語指導を必要とする児童生徒は、いわゆる小規模校を含む全国各地の学校に在籍していることに鑑み、教育の機会均等・全国的な水準確保と障害者差別解消法の趣旨を踏まえ、全ての子供たちに必要な教育条件を充実させる観点から、本法施行後三年から五年を経過した段階で実態を把握し、必要な見直しを行うこと。
 七、事務職員の職務に関する規定の見直しや共同学校事務室の制度化の意義について、地方公共団体に対し周知徹底すること。その際、事務職員が一定の責任を持って主体的、積極的に学校運営に参画することにより、学校の機能強化が図られる点について理解を得るよう努めること。また、事務職員が学校運営に関わる職としてその専門性を向上するための研修の企画・実施体制を充実するとともに、共同学校事務室の設置が事務職員の人員削減につながることのないよう、基本的に一校に一人以上の事務職員の配置を確保すること。
 八、学校・家庭・地域が一体となって子供たちを育む観点から、学校運営協議会制度については、同制度の持つ意義や成果について周知するとともに、十分な教職員数の配置など財政措置も含めた方策を講ずることにより教員の更なる負担増を招くことのないよう留意すること。
 九、地域住民等による学校との協働活動が推進され、各地域の子供たちがその活動を通じた学びを得ることができるよう、地域学校協働活動推進員を始めとする人材の確保、地域住民等と学校との連携協力体制の整備に向けた好事例の収集・普及など財政上の措置を含めた必要な支援を行うこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#177
○委員長(赤池誠章君) ただいま斎藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#178
○委員長(赤池誠章君) 全会一致と認めます。よって、斎藤君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、松野文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。松野文部科学大臣。
#179
○国務大臣(松野博一君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。
#180
○委員長(赤池誠章君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#181
○委員長(赤池誠章君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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