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2017/04/11 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 文教科学委員会 第7号
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2017/04/11 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 文教科学委員会 第7号

#1
第193回国会 文教科学委員会 第7号
平成二十九年四月十一日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     野田 国義君     蓮   舫君
 四月四日
    辞任         補欠選任
     小野田紀美君     太田 房江君
 四月五日
    辞任         補欠選任
     太田 房江君     世耕 弘成君
     三浦 信祐君     長沢 広明君
 四月六日
    辞任         補欠選任
     世耕 弘成君     小野田紀美君
     長沢 広明君     三浦 信祐君
 四月十日
    辞任         補欠選任
     宮沢 由佳君     風間 直樹君
     蓮   舫君     矢田わか子君
 四月十一日
    辞任         補欠選任
     風間 直樹君     宮沢 由佳君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         赤池 誠章君
    理 事
                石井 浩郎君
                堂故  茂君
                斎藤 嘉隆君
                吉良よし子君
    委 員
                今井絵理子君
                上野 通子君
                衛藤 晟一君
                小野田紀美君
                橋本 聖子君
                水落 敏栄君
                山本 順三君
                大島九州男君
                風間 直樹君
                宮沢 由佳君
                矢田わか子君
                河野 義博君
                三浦 信祐君
                高木かおり君
                木戸口英司君
                松沢 成文君
   国務大臣
       文部科学大臣   松野 博一君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  野上浩太郎君
   副大臣
       総務副大臣    原田 憲治君
       文部科学副大臣  義家 弘介君
       文部科学副大臣  水落 敏栄君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       樋口 尚也君
   政府特別補佐人
       人事院総裁    一宮なほみ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        戸田 浩史君
   政府参考人
       内閣官房内閣人
       事局内閣審議官  加瀬 徳幸君
       総務省行政評価
       局長       讃岐  建君
       文部科学大臣官
       房サイバーセキ
       ュリティ・政策
       評価審議官    中川 健朗君
       文部科学省生涯
       学習政策局長   有松 育子君
       文部科学省高等
       教育局私学部長  村田 善則君
       文部科学省科学
       技術・学術政策
       局長       伊藤 洋一君
   参考人
       前文部科学事務
       次官       前川 喜平君
       元文部科学大臣
       官房人事課企画
       官        嶋貫 和男君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関
 する調査
 (文部科学省における再就職問題等に関する件
 )
    ─────────────
#2
○委員長(赤池誠章君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、野田国義君及び宮沢由佳君が委員を辞任され、その補欠として矢田わか子君及び風間直樹君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(赤池誠章君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣人事局内閣審議官加瀬徳幸君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(赤池誠章君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(赤池誠章君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に参考人として前文部科学事務次官前川喜平君及び元文部科学大臣官房人事課企画官嶋貫和男君の出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(赤池誠章君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(赤池誠章君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のうち、文部科学省における再就職問題等に関する件を議題といたします。
 政府から説明を聴取いたします。松野文部科学大臣。
#8
○国務大臣(松野博一君) 文部科学省では、本年一月以降、再就職等問題調査班を設置し、外部有識者である特別班員四名の指導、判断の下で調査方針等を決定するとともに、調査班員として十五名の弁護士の方々に参画していただき、三百回以上のヒアリング調査、三千名以上を対象とした全職員調査、再就職規制導入以降の全退職者六百名以上を対象とした退職者調査等、現時点ででき得る限りの調査を徹底的に行い、最終まとめを取りまとめました。
 これにつきましては、三月二十九日の再就職等監視委員会において了承されたことを受け、同月三十日に公表したところです。
 最終まとめにおいて、組織的なあっせん構造の全容を解明するとともに、再就職等監視委員会の調査により判明した事案と新たに文部科学省の調査によって判明した事案とを合わせ、違法行為が確認された事案が六十二件ありました。
 確認されたこれらの行為は、文部科学行政に対する国民の信頼を著しく損ねるものであり、省を挙げて猛省するとともに、文部科学省の責任者として、改めて国民の皆様に心よりおわび申し上げます。
 最終まとめを踏まえ、三月三十日、改めて処分する三名を含め関係した職員等三十七名について厳正な処分等を行いました。この結果、一月二十日に処分した職員等と合わせると四十三名となり、多くの処分等を行ったことは極めて遺憾なことであります。文部科学省として、再就職等に係る構造を断ち切るために厳正に対処いたしました。
 特に、文部科学省の再就職あっせんの構造の構築、運用に関わってきたことやこのような事態を招いたことについて事務方トップである事務次官の責任を極めて重く受け止め、三人の事務次官経験者を停職相当の評価としたところであります。
 最終まとめにおいては、調査を通じて考え得る再発防止の在り方として、硬直化した人事慣行や組織体制の見直し、身内意識の組織風土の改革、職員の遵法意識の醸成が挙げられております。
 私の使命として、これを踏まえた再発防止のための方策について、有識者に参画いただき、その意見を踏まえて取りまとめ、それを着実に実行し、文部科学省が国民に信頼され得る組織になるよう、職員一丸となって与えられた職責に全力で取り組んでまいります。
#9
○委員長(赤池誠章君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○上野通子君 自由民主党の上野通子でございます。本日は、発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 まず最初、今大臣からも御報告いただきましたが、再就職の規制違反問題についてお伺いします。
 今回の文科省の不祥事は、法律違反であることは明らかです。今再就職のまとめを報告していただきましたが、幹部を含めた多くの文科省の職員がたくさんの違法行為事案に関わっており、言語道断でございます。文科省としても猛省していただかなくてはいけないと思っています。
 松野大臣におかれましては、最終調査のまとめにおいても、国家公務員法違反六十二件を認定し、退職者を含む四十三人を懲戒処分にするというほかの懲戒事案に比べて非常に厳しい処分として臨まれたことに加え、大学等への再就職の自粛などの厳しい措置をとられたことは、非常に重い決断であったと思われます。本来であれば、文科省職員が在職中に培った知識や経験を生かして退職後も大学等の関係分野で活躍することは、日本の未来にとっても非常に有意義なことでございます。
 そこで文科省は、ここで猛省する、それだけにとどまらず、ただ萎縮してしまうことにならないよう、日本の未来をつくる責任ある立場としてしっかりと自覚をしていただき、法令の手続にのっとって適切に再就職できる環境を早急に整えていく必要があると思います。
 このような観点から、最終取りまとめを行う判断についての大臣の所見、そして今後の文科省行政についての国民の信頼をどのように回復していくかという御決意をお伺いしたいと思います。
#11
○国務大臣(松野博一君) 今回の文部科学省における再就職等規制違反については、先ほどの報告をさせていただいたとおりでございますけれども、最終まとめにおいては違反行為が確認された事案が六十二件あるなど、文部科学行政に対する国民の信頼を著しく損ない、当省職員の再就職に疑惑を抱かせるものであり、省を挙げて猛省をするとともに、文部科学省の責任者として改めて国民の皆様に心よりおわびを申し上げます。
 最終まとめにおいては、組織的な再就職あっせん構造について、幹部がそれを認識していたか否かにかかわらず重大な責任があったと認定しております。これを踏まえ、文部省出身の歴代事務次官を停職相当、歴代人事課長を原則減給処分とするなど、厳正な処分を行ったところです。
 このような最終まとめの指摘を踏まえ、四月七日に、法律やコンプライアンスの専門家など外部有識者に参画いただき、文部科学省における再就職等規制違反の再発防止策に関する有識者検討会を設置しました。本検討会において、文部科学省のコンプライアンスを確保するための組織の在り方を含め、具体的な再発防止策をまとめていただきたいと考えております。
 今後、私の果たすべき使命として、調査を通じて明らかになった課題を克服し、国民の皆様に再び信頼され得る新生文部科学省をつくり上げることができるよう、省を挙げて全力で努めてまいりたいと考えております。
#12
○上野通子君 ただいま大臣から強い御決意をいただきました。新生文科省というお言葉がございました。できるだけ早く元の文科省に戻ることができて、皆さんそれぞれに仕事ができるような体制づくりをお願いします。教育は世界共通のパスポートとも言われております。そのパスポートの子供たちの質を良くするためには、何としても文科省の皆さんのお力が必要になります。しっかりとこれから仕事をしていただきたいと御期待させていただきます。
 次に、気持ちを変えていただきまして、JKビジネスの問題に対する対応について、義家副大臣にお伺いします。
 まず、文科省の皆様、恐らくJKビジネスを知っている方、限られた方だけだと思います。委員の中にも知らない方もいらっしゃると思いますが、JKはもちろん女子高校生を称して、どちらかというと悪いイメージで商品化した、女子高生を商品化した、十八歳未満の青少年の性を売り物とする営業体系の総称として今使われております。
 まず、資料の一を御覧ください。これは警視庁の実態調査の結果です。これを見ますと、どのような子供たちがJKビジネスで働いているのかの実態が分かります。そして、女子高生のアルバイトとしてJKビジネスは、決して経済的な貧困家庭の子供が生活費や学費のため苦渋の選択としてやむを得ず働く場として選んでいるとは限らないということも分かります。むしろ、普通の家庭に育ちながら、家庭に居場所がなく、心のよりどころがない精神的な心の貧困の子供たち、いわゆる難民高校生が、遊ぶお金欲しさにお小遣い稼ぎという安易な気持ち又は興味本位、あるいは友達に誘われてなどの安易な動機で入り込むという、そういう居場所の一つがJKビジネスであるのではないかとうかがわれます。
 そこでお伺いしたいのは、JKビジネスには青少年、特に女子高生にどんな危険があるということなのかということです。そして、この問題に対して国はやっと目を向けてくれるようになりました。今月四月をJKビジネス等の被害防止月間としておりますが、文科省は関係する省庁としてどのようなことを取り組まれるおつもりなのか、お伺いします。
 また、各地方においては青少年健全育成条例を改正して、愛知県などですね、東京も七月施行の予定ですが、JKビジネスによる被害を防止する取組を強化するための指導を始めています。だからといって、地方任せでよいのでしょうか。地方からは、国としての法整備の必要性をいまだに要望する多くの声があります。
 義家副大臣は、自民党の青少年健全育成推進調査会の前幹事長として、今まで中心となって青少年を守るための法整備を必要だということで活動されてきました。その義家副大臣にお伺いしたいんですが、法のはざまでなかなかJKビジネスのような被害を救うことのできない青少年を守るための法律、これを今でも必要と感じていらっしゃるでしょうか。JKビジネスの危険性、そして予防月間となった四月、この四月の取組について、また法整備の必要性と併せて、ずっとこの問題に深く関わってきた強い思いのある義家副大臣から、思いも含めた答弁をお伺いしたいと思います。
#13
○副大臣(義家弘介君) お答えいたします。
 ちょうど上野議員と秋葉原等でこのJKビジネスの実態について視察してからまだ五年余りが経過したというふうに思いますが、あのときも、手渡されるチラシの、グレーというか、非常に子供たちが利用されている環境の中で危機感を覚えたわけでありますが、さらにはスマホが広がった中で、今その誘惑、入口、玄関は極めて広くなってしまっているのではないかという問題意識をまず持っております。
 その上で、JKビジネス等の若年層に対する性的な暴力については、児童生徒等の心身に有害かつ深刻な影響を与える行為であり、児童生徒等の保護と健全育成の観点から大変憂慮すべきものというふうに考えております。また、社会経験の乏しい子供たちに対して甘言を伴って違法あるいは脱法なビジネスに利用する者は極めて不適切であるというふうに考えております。
 文部科学省においては、若年層がJKビジネス等の性的な被害に遭う危険性が高いと考えられる新生活がスタートする四月を捉えまして、こうした性的な被害の予防を図る観点から、教育委員会や大学等の関係機関に対して三月二十四日付けの文書で、入学ガイダンス等の機会に生徒児童等に対して十分な注意喚起、指導を行っていただくよう要請したところでございます。
 また、文部科学省としては、児童生徒等をこうした被害から守り、青少年の健全育成環境を整備するため、防犯教育や情報モラル教育等を推進しております。さらに、放課後子供教室等の子供の居場所づくりや、貧困等の厳しい状況にある子供への支援の充実、家庭教育支援の推進等にも努めているところであります。
 なお、御指摘の青少年健全育成基本法については議員立法として議論されているということを存じておりますが、今スマホの普及によって郡部と都市部がまさに同じ玄関によってつながっているという中で、それぞれが状況に合わせた基準を作っているだけで足りるのかという議論が存在している、特に地方自治体の方から声が上がっているということは承知をしております。
 文部科学省といたしましては、子供、若者が健やかに成長、自立し、次の社会を担う存在として活躍するためには、社会全体が積極的に青少年の健全育成に関与することが重要であると考えておりまして、今後とも関係省庁と密接な連携を図りながら関連施策の一層の充実に努めてまいります。
#14
○上野通子君 ありがとうございます。
 今の御答弁の中にもございましたが、社会全体でもっと興味を持つことが必要だと思います。JKビジネスの実態を大人がまず知って、どういうものなのか、こういう環境が子供に果たしていいのかどうかを判断していただきたいと思っております。もちろん、文科省の皆様方にも、是非とも副大臣から学習していただきたいと思っております。
 また、今のお話の中にもありましたが、地方は店舗を構えなくてもJKビジネスに子供たちを誘い込むようなシステムもできております。さらにはターゲットがJKからJC、JSへと、女子中学生、女子小学生へと広がっているのも事実でございます。早く歯止めをしなければ子供たちの環境は良くならないと思いますので、厚労省やほかの各関係省庁と連携しながら文科省としても対策を早く進めていただきたいと思います。あわせて、議員立法としても、私たち議員としても頑張って法制化に向けてこれからも進めていきたいと思っております。ありがとうございました。
 次に、日本型教育の海外進出についてお伺いします。
 現在、日本の学校で当たり前に行われている掃除や日直制度、また学校行事や給食といった特別活動や道徳教育が海外からは現在注目を浴びているようでございます。
 資料の二を御覧ください。文科省としては、平成二十八年度、各国のニーズに合わせつつ、日本型教育をパッケージとして輸出することを計画し、既に着手していると伺っております。
 このように既に日本の特活や道徳教育を母国の教育現場へ導入している国、資料の方にも書かれていますが、エジプト等のアフリカやアジア、モンゴル等も、ここにはモンゴルは書かれていませんが、モンゴル等でも既に日本の良いところを学んでくださって教育現場に導入しております。また、一昨年は七十九か国にも及ぶ各国から視察に来ているとも伺っております。
 そこで、各国のニーズに合わせ、途上国向けや先進国向け、あるいはアジア向けやアフリカ向けなど地域別ニーズに分析して日本の教育をどんどん発信していくべきと思いますが、文科省の見解をお伺いしたいと思います。
 あわせてですけれども、せっかく教育を輸出するというチャンスを生かして、特活や道徳という日本語そのものを、今までも世界共通語として使われるようになったおもてなしやもったいないという言葉と同じように、日本語文化の輸出として考えていくのはいかがでしょうか。このことについても大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
#15
○国務大臣(松野博一君) 近年、諸外国から、高い基礎学力のみならず、協調性や行動規範を重視する小中学校教育や実践的かつ高度な職業教育を行う高等専門学校制度など、日本型の教育に関して強い関心が寄せられています。
 御指摘の点に関して、我が国の学校教育は、各教科等と道徳、特別活動等を一体とした学校の教育活動全体を通じて知徳体のバランスの取れた育成を重視している点に特徴があると考えています。
 文部科学省においては、諸外国においての現地のニーズに合った日本型教育を展開するため、平成二十八年度に外務省、経済産業省、JICA、ジェトロ等とも協力して日本型教育の海外展開官民協働プラットフォームを立ち上げたところであり、今後とも教育の海外展開モデルの形成に向けた取組を推進していきたいと考えております。
#16
○上野通子君 ありがとうございます。
 お配りした資料の目的のところにも書いてありますが、今大臣からもお話ありましたが、これらの取組をしっかりとしていただいて、教育を通じた諸外国との強固な信頼や連携関係、又は日本国内においても関係教育産業との連携をしっかりとつなげていくということは大変有意義なことだと思いますので、これからも頑張って進めていただきたいと思います。
 そして、大臣からはお言葉ございませんでしたが、やはり私は道徳とか特活という言葉そのものが世界中で使われるようになれば、日本の子供たちも、日本の教育がほかの国でも認められているんだという思いになって自信や誇りにもつながることだと思いますので、是非ともパッケージとして合わせて、プラスして日本語も輸出していただきたいなと思います。よろしくお願いいたします。
 次に、受動喫煙防止教育の必要性についてお伺いします。
 間もなく東京オリパラ、三年後に迫っております。どこの開催国でも、開催地でもスモークフリーを目指すということで、受動喫煙防止の法整備をしております。いつもは松沢委員がおっしゃってくださっているんですが、私たち自民党の中でも受動喫煙防止の議員がおりまして、議連のメンバーの一人である私は、受動喫煙防止法案、今回、厚労省の方から提出されておりますが、これに賛成の立場でもございます。
 聞くところによれば、四月の七日にWHOの幹部が来日されて、塩崎厚労大臣と丸川オリパラ大臣に面会されて、そのときに、日本は経済やテクノロジーは発展しているが、たばこ対策、特に受動喫煙対策は時代遅れですと苦言を呈していかれたと伺っております。
 御存じのように、受動喫煙により、毎年世界で六十万人、日本でも一万五千人の方が亡くなっております。子供の安心、安全な環境を守るという文科省の立場として、たばこの煙から子供を守るという、この姿勢にしっかりと向かっていただきたい。そのためには、厚労省任せにしないで、もっと啓発活動を積極的に行っていただきたいと思います。もちろん今でも教育現場でなされているという御答弁だと思いますが、できれば親子で一緒に受動喫煙防止教育を進めるなどの新たな取組もしていただきたいなとも思っております。文科省として現在の取組状況をお伺いします。
 あわせて、大臣は、五月三十一日が、三十一日ですね、世界禁煙デーであることを御存じでしょうか。厚労省は、毎年その日から一週間を禁煙週間として全国で様々な取組を行って啓発活動をしております。文科省も厚労省と是非連携して、何らかの取組はなされてはいかがでしょうか。併せてお答えいただきたいと思います。
#17
○国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。
 児童生徒が受動喫煙も含めた喫煙による健康課題を防止するため、正しい知識を身に付け、健全な価値観を養うことは重要であると認識をしています。各学校においては、学習指導要領に基づき、体育科及び保健体育科を中心に喫煙防止に関する指導が行われているところです。具体的には、小学校では、喫煙については呼吸や心臓の働きに対する負担などの影響がすぐに現れることや、受動喫煙により周囲の人々の健康にも影響を及ぼすこと。中学校では、たばこの煙の中には有害物質が含まれていることや、常習的な喫煙により肺がんや心臓病など様々な病気を起こしやすくなること。高等学校では、喫煙は生活習慣病の要因となり健康に影響があることや、周囲の人々や胎児への影響があることなど、受動喫煙の害とともに喫煙の健康への影響について指導が行われているところです。
 文部科学省においても、受動喫煙を含む喫煙の健康への影響等を総合的に解説する啓発教材を小学校五年生、中学校一年生、高等学校一年生に作成、配付するとともに、厚生労働省が呼びかける世界禁煙デー及び禁煙週間の取組に合わせて教育委員会等に喫煙防止教育を促すなど、喫煙防止教育の充実に努めているところです。また、喫煙防止に関する指導に当たっては、学校薬剤師等の外部人材と連携し、効果的な指導が行われている学校もあると認識しています。
 文部科学省としては、外部人材を活用した効果的な指導事例の普及など、今後とも学校における喫煙防止教育の取組が一層充実されるよう努めてまいります。
#18
○上野通子君 ありがとうございます。
 ルールやマナー、様々に取り組まれているということ、それを教育現場で子供たちに学ばせるということ、よく分かりましたが、まだまだ不十分な気がいたします。どうか、子供たちそして保護者も含めて勉強を更に進めていただく、そういう環境をつくっていただき、世界の常識が日本の非常識、日本の非常識が世界の常識と言われないような環境づくりに協力していただきたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。
#19
○斎藤嘉隆君 民進党・新緑風会の斎藤嘉隆です。
 今日は、天下りの問題に入る前に、数点ちょっと確認をさせていただきたいと思います。
 商業紙でも出ておりましたけれども、福島からの避難をしている子供たちに対するいじめについて、文科省、全国的な調査をされて、今日この後ですか、結果を含めて公表をするというふうにお聞きをしております。この概要について、冒頭、大臣にお聞きをしたいと思います。
#20
○国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。
 平成二十八年度における福島県から避難している児童生徒へのいじめは、全体で百二十九件認知され、うち四件が東日本大震災又は原発事故に関連することが確認できています。千人当たりの認知件数は十・九件となっております。平成二十七年度の全国の児童生徒千人当たりのいじめの認知件数は十六・五件となっており、全国の平均値より若干低くなっているところです。
 文部科学省は、先般、いじめの防止等のための基本的な方針を改定し、原子力発電所事故の避難者である児童生徒に対するいじめの未然防止、早期発見について明記したところであり、各学校における取組を一層促すこととしております。
 また、児童生徒が放射線に関する科学的な知識を身に付け、福島県外に避難を続ける方々のつらい思いに関する理解を深めることができるよう、放射線副読本等の活用を含む放射線に関する教育の充実、福島県教育委員会作成の道徳教育教材の積極的な活用を各学校に促しております。
 しかしながら、震災や避難生活によりつらい思いをされている児童生徒を更に傷つける行為は決してあってはならないことであり、引き続き文部科学省として被災児童生徒に対するいじめの防止に取り組んでまいります。
#21
○斎藤嘉隆君 百人に対して一件程度の案件ということで、非常に多いんですね。実際はもっとあるのかもしれませんけれども、福島に帰れとか放射能がうつるから近くに来るなとか、非常に耳を疑うような言葉のやり取りも報道ベースではあるということでありますので、是非、今大臣も言われましたけれども、地元の学校やそれぞれの教育委員会が対応する案件だというふうには思いますけれども、しっかりそのフォローを今後ともお願いをしたいというふうに思っていますし、大人社会にやっぱり根強く残っているこういう差別意識みたいなものもやっぱりきちんと排除をしていかなければいけないし、政治の場も一緒だというふうに思います。自主避難者を自己責任だなどと言う、こういう感覚がある限りは子供たちの世界でもいじめはなくならない、このように思っておりますので、是非その点についてもお願いをしたいというふうに思います。
 もう一点、教育勅語の課題について少しお伺いをさせていただきたいと思います。
 国会で排除がされ失効したこの教育勅語でありますけれども、教材として現場で使うことまでは否定をしないと、こういう見解でありました。私は、あくまでも教育課程の最終的な編成権は現場であって教員でありますから、そのことを大前提に、その判断、学校や教員が行う、このことについては理解をしているつもりです。例えば教育勅語が歴史の教科書や資料集にあって、例えばそのことをベースに行われた戦前の教育によってどのような状況がもたらされたのか、史実に基づいてこういったことを子供たちにしっかり伝えていくと、こういったことはあり得るだろうと思います。そのことを言っているのではないんです。先日の衆議院の内閣委員会での義家副大臣の答弁について、ちょっと確認をさせていただきたい。
 塚本幼稚園のように毎朝の朝礼において、幼稚園ですよ、教育勅語を朗唱することについて、教育基本法に反しない限りは問題がない、幼稚園児に教育勅語を毎日朗唱させることを問題ないと副大臣が答弁をされていますが、文科省は本当にこのような見解に立っているんですか、確認をさせてください。
#22
○国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。
 学校現場において教育勅語を活用することとした場合には、教育勅語を我が国の教育の唯一の根本とすることがなく、憲法や教育基本法、学習指導要領等に反しないような適切な配慮が不可欠であります。義家副大臣の答弁につきましては、例えば教科書に記載されている内容を児童生徒を指名して読ませるといった教科指導もあることから、児童生徒等に社会科等の教科書の教育勅語を読ませることのみをもって問題がある行為ではないとの旨の答弁をしたものと承知をしております。
 いずれにしろ、個々の学校においてどのような教育を行うかは一義的にはそれぞれの学校で創意を工夫しながら考えるべきものであり、仮にそこで行われる教育活動が教育基本法や学習指導要領等に照らし不適切なものであるとすれば、教育委員会や私立学校の所轄庁である都道府県において適切に対応すべきものと考えており、先般の義家副大臣の答弁についてもこのような趣旨を答弁したものと承知をしております。
#23
○斎藤嘉隆君 いや、答弁の、議事録はまだ出ていないので、画像で確認をさせていただきましたけれども、副大臣は、毎朝の朝礼において朗唱することについては問題がないと、こうやっておっしゃっているんです、明確に。これ、何でこんなことを、今日ちょっと資料を用意をさせていただきましたけれども、やっぱり幼稚園の教育というのは幼稚園の教育要領にのっとって行う、これが、まさに大臣の今おっしゃった教育基本法の下で、まさに学校教育法や幼稚園の教育要領にのっとって行われる、その上で適切であればこれは問題ないと、こういうことだろうというふうに思います。
 是非、今日はちょっともう細かくやりませんけれども、幼稚園の教育要領に示されている幼稚園教育の基本とか、それから狙い及び内容、五つの領域について、是非中身を文科省の皆さんも読んでいただきたい、もっとしっかり。ここのどこに、どこにですよ、教育勅語を幼稚園児が朗唱することが教育基本法に反しないと言えるような部分があるのか。私は全くないと思いますよ。
 この教育、幼稚園要領の基本は、発達段階に応じた指導を個々の子供の状況に合わせてやっていく、そして、幼稚園の教育というのは環境を通して行う、遊びを通して行う、そういったことを言っているんです。何か一つのことを繰り返し繰り返し、洗脳するかのごとく朗唱を毎朝させる、こんなことが幼稚園の教育要領にのっとった指導だとは到底思えない。
 このことについて文科省が、今大臣おっしゃったみたいに、直接指導に入るなんということはやってはいけないというふうに思いますが、少なくとも、そのことが適切ではない、教育要領に照らし合わせて適切ではないという、これぐらいの見解を持たないといけないと思いますよ。いかがですか、大臣。
#24
○国務大臣(松野博一君) 幼稚園における教育のありよう、幼児教育要領ですね、については、もう先生からお話があったとおりであると思います。遊び等を通じて、それを通じて身に付けていくのが幼児教育の主たるありようであると考えております。
 そういった面においては、まさに先生と思いを同じくするものであります。ただ、一点、その中において、暗唱という手法、これはどういった状況で何を暗唱させるかということがございますが、暗唱という手法が必ずしも幼稚園の教育において排除されるということでもないというふうに思います。
 いずれにせよ、義家副大臣の答弁趣旨に関しましては、これは答弁の中にもありますとおり、幼稚園は、これも先生から今お話がありましたが、直接的な所轄庁また公立であれば所管庁等々がこれは指導をするべき対象でございます。もしも不適切な事例があるとすれば、その所轄庁、所管庁において適切に対応されるものというように考えております。
#25
○斎藤嘉隆君 以前のこの委員会でも申し上げましたけれども、是非、文科省の皆さんには常に子供たちの姿を念頭に置いて行政に当たってほしい、そのように思います。不必要なそんたくは必要ないので。じゃないと、もう現場が不幸ですよ、子供たちが。是非そのことをお願いをしたいというふうに思います。
 それでは、今日は前川さんと嶋貫さんにお忙しい中お越しをいただきましてありがとうございます。数点、再就職規制の問題についてお伺いをしたいというふうに思います。
 私は、やっぱり再発防止には原因究明、これがもうとにかく全てだと、欠かせないというように思います。もう端的で結構ですので、今回の問題の最大の原因は何であったのか、大臣にお聞きをしたいと思います。
#26
○国務大臣(松野博一君) まず、今回の問題に関しましては、文部科学行政に対する国民の信頼を著しく損なったことに関しては、繰り返し国民の皆様におわびを申し上げなければいけないと考えておりますし、もう何よりも再発防止に努めて文部科学省の信頼回復をしなければならないと考えております。
 調査の結果におきまして、文部科学省の再就職等問題の原因として、職員一人一人の遵法意識はもとより、文部科学省の硬直した人事慣行や組織的弊害、身内意識の組織風土が挙げられております。このような原因を踏まえた再発防止の在り方が示されており、この道筋に沿って進めてまいりたいと考えております。
 このような最終まとめの指摘を踏まえ、四月七日に、法律やコンプライアンスの専門家など外部有識者に参画いただきまして、文部科学省における再就職等規制違反の再発防止策に関する有識者検討会を設置しました。本検討会において、文部科学省のコンプライアンスを確保するための組織の在り方を含め、具体的な再発防止策をまとめていただきたいと思っております。
#27
○斎藤嘉隆君 それでは、ちょっと嶋貫さんにお聞きをしたいと思います。
 この再就職あっせんのスキームについて、なぜ私はこのような嶋貫さんを中心とするあっせんのスキームができ上がったのか、そのきっかけやスタートは一体何であったのか、この最終報告書を何度も読ませていただきましたけれども、ここからはなかなか読み取ることができないんです。
 嶋貫さんは、二十一年の七月に退官をされた後、自らの思いや判断で後輩たちのためにこの再就職あっせんを始めたということをこれまでも答弁でおっしゃっていらっしゃいますけれども、そういう経緯はこれまでもお聞きしましたので結構であります。自ら進んで、嶋貫さんは誰に言われるでもなくこの再就職のあっせんに取り組んでいらっしゃった、こういうことでよろしいでしょうか。
#28
○参考人(嶋貫和男君) 初めに一言申し上げたいと思います。
 この度の一連の問題が、監視委員会の方から、また文科省から、そして何よりも社会から厳しい御批判を招くに至りましたこと、関わった者の一人として、またかつて文科省に身を置いた者として、重く受け止め、おわびを申し上げたいと考えてございます。
 ただいまお話しの点につきましてでございます。繰り返しになってしまいますけれども、私の思いとしては今先生の方からお話しいただいたようなことだったわけでございますけれども、これは非常に個人的な私の心のようなもののお話になってしまうのかもしれませんが、私が主に御紹介申し上げた人というのは国立大学の事務局長さんなんかが多かったんでございますけれども、私自身が長く、その当時、現職の頃ですけれども人事に関わっていたということもございまして、そういうときに、人事の一端を担った者として、文科省に勤務していた人に遠隔の地へ、北海道や九州へ異動してもらったりということがございました。十年、十五年と、結果としてその方が単身赴任を続けて、六十になって定年を迎えてと、家族は東京におって、東京へ帰ってくるというようなケースが間々ございました。
 そういうときに、なかなか東京で自分の力でそういう状況の中で再就職というのも難しいということも私も聞いてございまして、そういう中で、まあ贖罪というといささかオーバーな言葉ではございますけれども、私なりの償いのような気持ちもどこか心の中にあったことは事実でございます。そんな思いで、何かお役に立てばということで御紹介をしたりということがございました。ただ、それがこの度このような形で大きな問題になったということについて、私自身大変深く反省もしてございます。
 ただ、当時、スキームという言葉で申し上げれば、何か形があってというよりは、手探りというか、混沌とした状況の中で物事が動いていったのかなというのが私の記憶でございます。
#29
○斎藤嘉隆君 自ら進んで、今おっしゃったような状況の中であっせんを始められたと、こういうことだと思います。
 中川さんにもいろいろお聞きをしたいんですが、ちょっと時間がないので、ちょっと細かなことをお聞きをしたい。
 この最終報告書の中に、引継ぎメモというものの内容が記載をされています。この中に、調整という文言が数か所出てまいります。これが組織的関与のまさに裏付けとして報告書に記載をされているわけでありますけれども、ちょっと確認をさせていただきたい。例えば、二十二年七月の引継ぎメモの二ポツのA、二十二年七月のメモの二ポツのAにある、省内意見調整というものがあります。嶋貫さんと相談をしながら再就職先の案を確定と、これ多分人事課だと思いますけれども、その後、省内の意見調整を行うと。
 この省内の意見調整とは、どのような形で行われる調整でしょうか。
#30
○政府参考人(中川健朗君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、今回の調査の過程において、人事課任用計画官が異動に当たり再就職等に係る作業を引き継ぐ際のメモが複数確認され、それが最終まとめに載っているところでございます。
 この引継ぎメモ、あるいはそれに関連するヒアリング等によりまして、嶋貫氏と調整を行うための退職者予定リストや再就職先の情報の資料の作成、あるいは今御指摘がございました嶋貫氏への情報提供等が、案件によって省内意見調整として人事課長や事務次官に報告されたもの、これは具体的に最終まとめの中で、こういう案件については事務次官や人事課長に報告されたものがあるというようなものが具体的に示されておりまして、ただ、案件によってそういうものがあったということが証拠として示されているということから、文部科学省内において組織的に行われたというふうに評価せざるを得ないと、これが最終まとめでございます。
#31
○斎藤嘉隆君 ということは、この省内意見調整というのは、あらかた決まった案を次官や人事課長に報告をし了解を取ると、こういうことであるかなというふうに思いますが、ということは、この最終決裁者というのは事務次官あるいは文科審、こういうことでしょうか。いずれのオーケーがなければ再就職先は決定をしないと、こういうことでよろしい、前川さん、いかがですか。
#32
○参考人(前川喜平君) まず、この度の文部科学省における再就職規制違反及び隠蔽の事案に関しましては、事務次官の職にあった者といたしまして深く責任を痛感しているところでございまして、この場をお借りいたしまして深くおわびを申し上げます。
 ただいま御質問のございました、省内における調整という言葉が人事課の補佐級職員の引継ぎメモの中にあるということでございます。これは私もこの度の調査の結果によって初めて知ったことではございますが、OBの再就職に関しましては、確かに私が文部科学審議官あるいは次官の在任中に人事課から報告がございました。それが全て報告があったかどうかは私は分かりませんけれども、折に触れて、どこを辞めた、誰がどこへ再就職することになったと、そういう報告は受けていたのは記憶しております。ただ、私の主観的な受け止め方といたしましては、決まったことを事実として受け止めていると、そういう意識でいたことは事実でございます。
#33
○斎藤嘉隆君 もう一個、二十八年三月のメモ、一ポツDに調整が必要なOB名簿という言葉があります。このOBというのは誰を指しているんですか、中川さん。
#34
○政府参考人(中川健朗君) お答え申し上げます。
 この辺りの調整が必要なOB名簿というのが、人事課担当官がそういった資料を、引継ぎメモの中にそういうものがあるというようなものは確認してございますが、一方、それをどう評価するかということについては、その後、具体的な案件等を基に、この最終まとめの中で評価しているところでございます。
 その評価においては、例えば、先ほどの省内意見調整のところをどういうふうに評価しているかというと、この引継ぎメモにあるような省内意見調整が存在していたと見るべきであり、再就職あっせんの仕組みは文部科学省の組織的な関与の中で運用されてきたと評価せざるを得ない。これは、具体的な事案が幾つか重なっているという、具体的な事案を、まあ最終報告書だと、それも時代ごとに少し案件数も変わっているんですが、そういったものを全体として踏まえて、この引継ぎメモの記述と有識者が照合をして、それをどう評価するかといった評価として、組織的な関与の中で運用されてきたと評価せざるを得ない、こういった引継ぎメモに記載されているようなものは全体として組織的な構造を意味するものであるというふうに評価されているというものでございます。
#35
○斎藤嘉隆君 ちょっとお聞きしたことをお答えいただいていませんけれども、いいです、またこれは改めてお聞きしますので。
 ちょっともう時間がないので、少し話題を変えます。加計学園のグループについて少しお伺いをさせていただきたい。
 千葉科学大学に文科省のOBが退官後に就職をしています。現在はこの大学の学長をしていらっしゃると、こういうことであります。文科省出身で第二次安倍内閣で内閣官房参与を務めた人物だと、こういうことであります。
 この人のように、私立大学の学長等に文科省のOBが就いている事例というのは、分かっている範囲で何件ぐらいあるんでしょうか。
#36
○政府参考人(中川健朗君) お答え申し上げます。
 国家公務員法に基づく再就職状況の届出、これによれば、四名の文部科学省OBが私立大学の学長として再就職しております。
#37
○斎藤嘉隆君 今治での国家戦略特区の話題、この加計学園による獣医学部の新設、自治体による土地の無償譲渡とか建設費用の一部負担などが大きな話題となっていると、このことはもう周知のとおりであります。
 この千葉科学大学についても、地元でいろいろ物議を醸している大学なんです。銚子市が元々これ大学の誘致をしましたけれども、市が九十二億円の補助金を出して私有地を無償貸与をして学校ができています。その後、非常に大きな負担に市民の批判が高まって、十四億円余りを大学が市に返還をしたと、こういう経緯があります。当時の市長は現在に至るまで加計学園岡山理大の客員教授をしていると、こういうことであります。落選をされて、今月に行われる市長選挙に立候補予定。公約でですよ、公約で、千葉科学大学に国家戦略特区での獣医学部の新設を掲げているんです。本当かと思いますけれども、まさに今治と同様の図式が見える。
 この方の学長就任に関して、これは規制違反ではないというふうに思いますけれども、これは文科省としてどう関与をされているのか。嶋貫さんはこの案件に関わられたんですか。
#38
○参考人(嶋貫和男君) 全く承知してございません。
#39
○斎藤嘉隆君 実は、今回のこの最終まとめでもこの学長が関わった事例について再就職規制違反と判断されたものがあります。ユネスコ・アジア文化センター事案というもので、最終報告書でいうと、ちょっとページがすぐ出てきませんけれども、そういったものがあります。理事を務めていたこの方が自分の後任人事について嶋貫さんに相談をし、依頼をし、その後、人事課を中心に情報提供に関する違反などが認められたと、ここに記載をされている事案です。
 そして、その方はその後、その後、そのユネスコ・アジア文化センターの理事を辞められて、そして加計学園の今の大学の学長に就任をされたと、こういう事案ですが、加計学園グループについては、実はこれだけじゃないんですよ。今回の最終まとめの中にももう一点、もう一点、事例があります。
 再就職監視委員会から指摘された三十七事案のうちの英数学館事案というもの。これも、この学校も実は加計グループなんですね。嶋貫氏及び戸松参事官がそれぞれ英数学館校長についての推薦依頼を受けたというようにここに書かれています。ほかの多くの事案からは、誰からどのような形で推薦の依頼を受けたかというのが大体おおむね記載があるんですが、この事案にはないんですね。英数学館から依頼を受けたというふうにあります。
 嶋貫さんが関わっていらっしゃいますが、英数学館の誰から依頼を受けられたのか、あるいは参事官は誰から依頼を受けたと答えているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#40
○参考人(嶋貫和男君) はっきりした記憶がちょっと乏しいところもあるんでございますけれども、たしか、今名前が出てまいりましたけれども、その文科省の方が最初にお聞きして、その方から私はお聞きをしたような気もするんでございますけれども、結果的には、なかなかその適当な方がおられないということで、具体の御紹介には至らなかったということだったと記憶してございます。
#41
○政府参考人(中川健朗君) お答え申し上げます。
 御指摘の英数学館事案について、最終まとめで詳しく経緯も記載されておりますが、これはヒアリング調査等によりまして、嶋貫氏については、今お話のあったとおり、推薦依頼を受けたけどそれ以上詳しくは御記憶がないと。一方、戸松私学部参事官についても、別ルートで推薦依頼を受けたんだけれども、条件が提示された、その条件について条件を満たす候補者がいないため、結局、勤務可という条件を満たす者がなくてもう回答をしなかった、候補者を提示したかどうかも定かではないということで、このこと自体、再就職等規制に違反する行為をここでは確認できなかった、違法事案ではないと。
 一方、ただ、そういったものを、再就職候補者を検討し、もし適任がいたらそれを伝えている可能性はあったわけでございますので、そういった検討した経緯そのものは違反につながりかねない不適切な行為であるというふうに認定をしたものでございます。
#42
○斎藤嘉隆君 他の事案の報告と比較すると、若干甘いんですね。いろいろな報告の中身が具体性に乏しいとあえて指摘をさせていただかざるを得ないなというふうに思います。
 これ、先日の決算委員会で私、この問題、加計学園の大学の今治における土地の無償譲渡の問題について指摘をさせていただいた。総理が答弁の中で、二十年間で二十五例、自治体が土地を無償譲渡して学校を誘致した事例というのは二十五例あるんだというふうに、だから全然こんな珍しいことでも何でもないと、こういうような答弁を総理がされました。
 これは、二十年で二十五件というのは事実ですか。
#43
○政府参考人(村田善則君) お答え申し上げます。
 私立大学等の設置に当たりまして地方自治体から土地の無償譲渡を受けた例といたしまして、過去二十年間で少なくとも今御指摘ございました二十五例の事例がございます。例えば、平成十二年度開設の立命館アジア太平洋大学では大分県別府市から、平成十八年度開設の関西看護医療大学は当時の兵庫県津名町から、それぞれ無償譲渡を受けていると承知してございます。
 なお、大学や学部の設置につきましては、各設置者の判断によりまして、寄附金や資産売却収入のほか、各自治体からの補助金や土地等の無償譲渡によるものなど、多様な財源を用いて行われていると承知しているところでございます。
#44
○斎藤嘉隆君 二十年間で二十五件の自治体による学校法人への土地の無償譲渡があったのは事実です。これは事実です。
 じゃ、お聞きしますが、この十年では何件あったんですか。
#45
○政府参考人(村田善則君) この十年では、そういった事例はございません。
#46
○斎藤嘉隆君 この十年では一件もないんですよ。総理は、二十年で二十五件もあるじゃないかというふうに豪語をされて、全然こんな珍しいことでも何でもないというふうに言われましたが、この十年間では一件もないんです。なぜあのときに十年では一件もないと答弁をされないのか。なぜ、二十年単位で二十五件もあって、全然おかしくありませんよ、こんな不誠実な答弁をされるのか。
 御本人いらっしゃいませんけれども、これは極めてレアなんですよ。十数年ぶりに自治体による学校法人への土地譲渡がまさになされた、これは本当にレアなことであって、今回のこの加計学園岡山理大の今治における獣医学部の新設がいかにこれ政治案件であるかというのがこういったことでも分かっていただけるんではないかというふうに思っています。
 この点については、引き続き問題を更に明らかにするように議論をしてまいりたいというふうに思います。
 国家戦略特区の規制緩和については、どちらかというと官邸主導でやっぱり行われているんだろうというふうに思います。これまでの特区と違って、それぞれの地元のニーズに基づいて上がってくるものが選択をされるということよりも、もう政府主導でここでこういうものをやるんだということをどんと決められて、それに、言ってみれば、文科省の皆さんも応じざるを得ない、応じざるを得ない、そういう状況があるんではないかというふうに思っております。ですから、文科省の皆さんを責めているわけではありませんけれども、こういった中身について、更にこの問題、引き続き明らかにしていきたいというふうに思います。
 時間がありません。最後に、私どもの党の文科部会で、今回のこの再就職に関わって、届けが本来必要な再就職先を届け出ていない、こういうOBが十数名いるということが明らかになりました。事実でしょうか。何人そういった方がいらっしゃるのか、そして、その方については今回の報告書ではどこに記載がしてあるのか、お聞きをしたいと思います。
#47
○政府参考人(中川健朗君) お答え申し上げます。
 今回、再就職規制導入以降の全退職者六百名以上を対象とした退職者調査等の過程において、現在なお精査中ですが、計十五名の者が再就職に係る届出を怠っていたことが判明しました。これらの者については、文部科学省から法令の規定にのっとって早急に届出を行うよう促し、四月四日時点で十五名全員から届出がございました。
 再就職に係る事後の届出を怠った者については、国家公務員法において過料を科す旨定められているところであり、制度を所管する内閣人事局とも相談しつつ、事後の届出を行っていなかった者全員について裁判所に通知を行うということにいたしました。このような事態が生じないよう再発防止に努めてまいるという所存でございます。
 なお、今回の最終まとめ、これにつきましては、再就職等監視委員会から一月に、国家公務員法第百六十条の十八に基づき、このことについて任命権者調査を要求しますよという事項、具体的には国家公務員法百六十条の二から百六十条の四までの規定に違反する行為、これについて宿題が任命権者に課されまして、任命権者のこの調査というのは、そこについて調査結果をまとめ、これについて再就職等監視委員会からも了承したと言われたものでございます。
 一方、この調査の過程でいろいろ付随する調査もやったり、いろんなもの、事案が見付かったりと、今御指摘のもの等についてはこの最終まとめに書かれておらなくてもしっかり対応するということをやっているところでございます。
 失礼いたしました。国家公務員法百六条の二から百六条の四までの規定でございます。
#48
○斎藤嘉隆君 時間が参りましたのでこれぐらいにしたいというふうに思いますが、今回の事案で回答をしてその結果出てきたことについては書かれてあるんですよ。で、報告さえもしていない方については、今回の最終報告書から、悪質にもかかわらず出ていないと、そういう状況がありますので、この問題は、今、中川さん、様々な対応策についておっしゃられましたけれども、是非厳重に対応していただきたいと、このように思います。
 じゃ、私からは以上とさせていただきます。ありがとうございました。
#49
○風間直樹君 今日は最初に嶋貫さんに伺いたいと思います。
 嶋貫さんは平成二十一年に文科省を退職されたということですが、失礼ですが、現在のお年と退職された当時のお年をお伺いできますでしょうか。
#50
○参考人(嶋貫和男君) 現在の年は六十七でございます。退職をした年は、その年に六十歳、定年を迎えるという、誕生日前でございましたので五十九歳でございました。
#51
○風間直樹君 差し支えなければでいいんですが、六十歳で退職された当時、お子さんがいらっしゃるかどうか存じませんけれども、もう、お子さんがいらっしゃるとしたら既にお子さんは卒業されて就職されていたのかと、あるいはまだ学生でいらっしゃったのか、その点を伺えればと思います。
#52
○参考人(嶋貫和男君) もう卒業していたと記憶しております。
#53
○風間直樹君 前川参考人に同じお尋ねをしますが、今年退職をされたわけですけれども、現在の年齢、失礼ながらお伺いできればということと、それから、次官に就任をされたとき、恐らく前川さんの同期入省の皆さんは順次文科省を退職されたと思うんですけれども、御存じの範囲で結構ですので、一番早い同期の方で文科省を退職された方が、大体で結構ですが、何歳ぐらいで退職されたのか、その点教えてください。
#54
○参考人(前川喜平君) 局長以下の職員の定年は六十歳でございますが、文部科学審議官あるいは事務次官、長官のポストに就いた場合には六十二歳が定年になるわけでございます。私の場合は、次官になりましたときに六十一でございまして、この一月の二十日付けで退職いたしました時点では六十二歳でございました。
 私の同期では、私よりも年齢が若い者もおりますので今まだ現職の公務員で仕事をしている者もおりますが、多くはもう既に退職しておりまして、話題になっております早稲田に再就職した吉田元局長も私の同期でございました。そのほかにも、今回のまとめの中に出てくる再就職事案は、ちょうど適齢期だったということもございまして私の同期に当たる者がたくさんいるわけでございまして、この二、三年の間で多くの同期が辞めておりますが、大体五十九歳、五十八歳、あるいは六十歳の定年で辞めているというケースでございます。
#55
○風間直樹君 早い方だと五十八歳ぐらいから辞めると。
 そうすると、こういうお尋ねをした趣旨は、恐らく、いわゆる早期勧奨退職で役所をお辞めになる方の中には、当然まだ学齢期のお子さんをお持ちの方もいらっしゃるんだろうという認識なんですね。我々政治家もそうですし、皆さん、元役人の方もそうですが、人間ですのでこれ日々の生活があります、日々のなりわいがあります。学齢期のお子さんがいらっしゃれば養わなきゃいけない、当然皆さんも御家族いらっしゃるわけですから家族を生活させなきゃいけないと。ですので、私の思うところ、恐らくこの五十八歳という年齢で退職された方は、文科省をお辞めになっても、じゃ、そこで手ぶらで日々もう悠々自適で何もせず過ごせばいいかというとそうではないんだろうと、恐らくその後も人生の中で何らかの仕事を手にして家族を養っていく必要性があるんだろうと、そんな思いで今お尋ねをいたしました。
 それで、続けて嶋貫さんに伺うんですが、今回の事案は非常に大きな問題だけに大きく報道されました。嶋貫さんが受けた世間からの非難も非常に大きかったと拝察しますし、前川さんも同様だっただろうと思います。
 そうした中で、嶋貫さんは、今回御自身が文科省退職後に手掛けてこられた文科省OBに対する就職あっせん、再就職時あっせんに関して、今現在あの人たちを自分が就職、再就職あっせんしたことに非常に良心の呵責を感じていらっしゃるのか、あるいはそれとも、いや、あの人たちにもやはり退職後の生活があり家族を養う必要があったんだから、自分はそういう意味では、やむにやまれぬ必要性に迫られてやったという意味では、法に違反はしていたけれども必要上やむを得なかったという認識でいらっしゃるのか、どちらなのか教えてください。
#56
○参考人(嶋貫和男君) その時々、その時点での私の気持ちとして申し上げれば、御本人にもそういう、今お話ございましたけれども、それぞれのその生活上の問題もあったかと思いますし、もう一つはやっぱり自分のそれまでの経験を生かして何か社会で貢献できれば、活躍できればというような思いもございましたでしょうから、そういう意味で、その一つ一つについては、私は、十分御本人にとって満足するものであったかどうかはともかくとして、そういう受け止め方をしていただいたものと考えております。
 ただ、この度このような形で文科省としての全体の組織的な関与ということが問われることになった今この時点においてどうかということで考えますれば、私自身は非常にそこは複雑なところがございます。
 私自身、これまでも何度かいろんな場で議論があったかと思うんでございますが、そもそもOBである私がそういうことに関わること自体がどうなのかということで問われたこともございます。私自身は、そこのところは民間人として法の許される範囲と思っていたわけでございますが、そこのところが結果的に組織的な関与ということで認定を受けたということで受け止めてございまして、そういうことを考えますと非常に今複雑なところはあるのは事実でございます。
 御紹介を受けた側の気持ちというのは、私自身、今推し量ることはできないんでございますけれども、それぞれやはり同じようにいろんなことを感じておられるのかとは思ってございます。
#57
○風間直樹君 私自身、国会で今までこのいわゆる天下りの問題をかなり厳しく追及してきた者の一人なんですが、いつもこれをやるたびに感じるんですね、嶋貫さんと同じ思いを。制度は御案内のようにこうなっています。法も平成二十年の改正でこうなりました。ただ、法の改正後も人間の生活というのは変わりませんね。皆さんが六十前後で退職をされる、ただ、その後も皆さんの御家庭はある、御家族もいらっしゃる。学齢期のお子さんもいらっしゃるかもしれない。お父さん御自身が稼いで、仕事をして家族を養っていかなければいけない。そういう現状がある中で平成二十年にこうした法改正がされたということです。そんな中で、今、嶋貫さんがお答えになられたことは、率直な、非常に複雑な、法と現実のはざまで揺れ動く御心情だろうと思います。
 それで、今回、嶋貫さんに引き続きお尋ねするんですが、手元に配られていますこの文科省の調査報告書を見ていますと、五十ページに今後の再発防止策というのが載っています。項目だけ読みますと、硬直化した人事慣行や組織体制の見直し、それから身内意識の組織風土の改革、三番目に職員の遵法意識の醸成ということなんですが。
 嶋貫さん、どうなんでしょう、ここにある再発防止策で、御自身がこれまで違法行為と知りつつOBの必要性に迫られやむを得ず再就職あっせんをされてきた御経験上、この再発防止策で、嶋貫さんがこれまで悩まれ、苦悩され、それでもOBの再就職にお力を貸してきたその現状が変わるのか、つまり、文科省を退職されたOBの皆さんの生活がこの再発防止策によっていい方向に変わるのか、なりわいを得ていけるのかどうか、その点いかがでしょうか。
#58
○参考人(嶋貫和男君) 私も何度かこの報告書読ませていただきました。この度、膨大な調査の中から、その現象面から導き出されてきた答えというか、今後の方向性として打ち出されたものについては、一つ一つ私も感ずるところがございます。
 あえて今お話がございましたので申し上げさせていただきますと、私がずっと感じてきた、考えてきたことでもあるんでございますけれども、生活というところに着目してあえて申し上げればなんですが、公務員の定年が六十歳、私が記憶している範囲で申し上げれば、多くの方は六十の定年まで勤め上げられた方だと思っておるんでございます。その方が実際に家庭に戻ったときに、職場を離れたときに、年金受給の六十五歳までをどのように生きていくのか、生活を維持していくのかといえば、非常に一人一人の生活になったときに難しいという話を私もよく聞いておりました。制度的には例えば再雇用とか様々な手だてはあろうかと承知はしてございますけれども、現実にそういう立場の人にそういう道があるかどうかというのは、これまたいろんなことがあったと思うんでございますね。
 そういう中で、そこをどう考えていくのかということと、もう一つは、やっぱりこれ感じましたことは、どういうんでしょうか、一人一人が六十までに培ってきた知識とか経験とか、そういったものを社会で生かしたい、貢献したい、そういう思いとですね、思いと、それからもう一つ、社会の公正性というんでしょうか、社会正義というんでしょうか、そういったものとをどのように両立させていくべきなのか、ずっと私なりに感じてきた、考えてきたことでもございますし、こういう形でこの問題が指摘されるに至ってなおその思いは今強くしてございます。
#59
○風間直樹君 私もそう思うんですよね。六十前後で退職されて年金受給開始が六十五歳と、今後更に引き上げられるかもしれませんが、その間の約五年間をどう暮らしていったらいいかというのは、これは元役人でなくても誰もが悩む問題だろうと思います。
 私は、このキャリアシステムの問題、この再就職あっせんの問題をいろいろ議論しながら、随分厳しく批判、追及してきましたが、そちらに座っている政府参考人あるいは元役人の方々と、それからこちらに座っている国会議員、あるいはそこに政務三役いらっしゃいますが、この国会議員、政務三役と役人、元役人の皆さんの間には大きな溝があると思っています。
 我々は、選挙で当選している間は国から歳費をいただいて生活ができますし、政治活動もできます。選挙、何歳まで当選し、再選するかはまた別問題、落ちればまたその時点で人生の再設計しなきゃいけないわけですが、ただ、役人の皆さんの場合は、これはもう入省した時点で、大体六十で退職、年金受給開始が六十五歳、その間の五年間をどう暮らしたらいいのかというのが多分ずっと頭にあると思うんです。この空白の五年間の役人の皆さんの生活を、やはりもうそろそろ政府、国会がきちんと制度設計を見直して考えないと、この天下り、再就職あっせんという問題は永遠に私はなくならないと思うんですね。
 いかがでしょうか。前川さんと嶋貫さんに、私の認識が正しいのか間違っているのか、端的にちょっと御答弁いただければと思います。
#60
○参考人(前川喜平君) 私は再就職規制違反の責任を問われている立場でございますのでなかなか口幅ったいことを申し上げることができないわけでございますが、できれば六十五歳まで定年を引き上げていただくのがよろしいかと存じます。
#61
○参考人(嶋貫和男君) 私が公務員を退職した当時、これは平成二十一年でございましたけれども、私がこういう形で関わってきたそのときの思いの中の一つとしては、その当時、定年制度そのもの、六十歳という定年年齢についての議論があったと承知してございます。いろんな事情で今に至っていると理解をしてございますが、その部分が、その時点で申し上げれば、どのように進んでいくのかということは私の意識の中にも一つございました。
 それから、もう一つ申し上げれば、六十で退職した人間のその生き方というんでしょうか、制度ができたことの一つの作用として考えたのは、やはり一人一人が自立した生き方というんでしょうか、自分で、人に頼らない、頼らなくても生きていけるような力をどのように現職の時代において蓄えていくのか、そういったことが問われる、そういったことを促す組織変更でもあったんだろうと私は思っておりまして、そういう意味で、私自身が関わってきたことはあくまでも過渡的な、経過的なものであろうと、そうあってほしいという具合に思ってもございました。
 それと、その六十から六十五の部分については先ほど申し上げたとおりでございます。
#62
○風間直樹君 我々政治の世界の話をして恐縮ですが、一九九六年だったと思いますけれども、中選挙区制から小選挙区制に変わりまして、それとともに政党の在り方、それから政治資金の流れも相当変わりました。
 それまでは、中選挙区制の下、国会議員も政党に所属しない無所属で選挙区で勝ち上がってくることは十分できたわけですけれども、もう小選挙区制でそれは無理になった。金の流れも、これ政党から個々の国会議員あるいは候補者にという流れになりましたので、以前に比べると、最近ではもう国会議員が、与党、野党を問わず、たまにいますけれども、政党を離れ、離党して無所属になって活動していくという例は以前に比べると非常に少なくなりましたね。
 これはやはり、国会議員として政治活動が無所属では非常に困難だと、同時に生活も厳しいという背景があるわけでして、私は、役人の皆さんにとってはこの六十歳から六十五歳というこの空白の五年間が同じような問題だと思っています。
 さて、松野大臣に伺うんですが、今お二人の参考人にいろいろ実際的な生活事情を伺いました。ここで浮かび上がってきたのは、現行のこのいわゆるキャリアシステムという制度の問題点だろうと思います。
 御案内のとおり、キャリアシステム自体がこれ違法でありますが、現状として、同期入省の方々は、同期から一人の事務次官が出ると、いわゆる早期勧奨退職によって定年前に役所を離れるというのが通例になっていると聞いています。これによって空白の五年が五年以上になったりするわけで、そこに今御答弁いただいたような元役人の皆さんの苦悩があるわけですね。
 大臣、どうなんでしょう。私は、そろそろこのキャリアシステムというものを、これ政府、国会共に力を合わせて見直しをするべきじゃないかと。今回の問題も自民党政権で出た問題ですが、これは与野党を問わずやはり共に取り組まなければ改善できないものだと思います。
 そこで大臣の認識を伺いたいんですけれども、キャリアシステムの廃止は国家公務員制度改革基本法の目的でもありまして、参議院では法案採決の際にこれを確認する附帯決議も行われているところです。この際、文科省が率先して他省の模範になってキャリアシステムの完全廃止を宣言するべきじゃないかと、こう考えるんですね。本会議で拝見していましても、松野大臣、非常に職責を重くお感じになっているとみえて、お顔色も余り良くないし、ふだん、今回の事態を非常に重く捉えていらっしゃるんじゃないかと思います。
 いかがでしょう。文科省が率先してこのキャリアシステムの改善、廃止を宣言して、同時に国会に対しても共に新しい制度設計を考えたいという提案をされてはいかがでしょうか。
#63
○国務大臣(松野博一君) 先生の今質問、また参考人の皆さんとの御議論をお聞きをして、いささか先生の質問の直接的な部分より敷衍しての答えになってしまうかもしれませんが、先生が御指摘をされたこの再就職に関する問題、これは個々の人生設計において、また生活において、この問題の大きな本質が先生の御指摘の中にあるというふうに考えております。
 そして、先生の方で、私どもの調査班のこの最終報告の中身の防止策、解決策ということにも言及をいただきましたが、ここが若干先生の問題意識とこの報告書が直接的な解決に結び付かないというポイントだと思いますけれども、この報告書は、現行、再就職を是とした上で、現職の職員が関わることの違法性、また自分が現職中利害関係がある対象に関しての求職活動することの違法性、こういった違法性をどういったら排除していけるかという観点において書かれているものでございます。ですから、まさにこの報告書に関しては、現行制度においての違法性を防止をしていくためにどういった観点が必要であるかという面において書かれたものであり、ただ、それぞれの御議論というのは今後の公務員制度を考える上において重要だなというふうに考えておりました。
 その上で、先生の方から、これは本質的に新たな公務員制度に関する設計が必要ではないかという御提案をいただきまして、それに関しては、これはもう先生御案内のとおりでありますが、公務員制度の設計に関しては、これ文部科学省の所管事項ではございません。もちろん、先生から御指摘をいただいたとおり、六十歳定年の問題、またそれまで培ってきた本人の見識、経験等をどう生かしていくかというのは同様の問題意識を持っておりますが、例えばこのキャリア制度でありますとか退職制度に関する設計全般に関しては、所管は内閣府の方にございますので、文部科学大臣として発言をすることは、直接的に言及することは差し控えさせていただきたいと考えております。
#64
○風間直樹君 本会議で拝見している限りではこれだけ苦悩されている松野大臣ですから、その深い悩みを基に、私は、閣議で、いや、今回いろいろ悩んだんだけれども、もはやこの公務員制度、キャリアシステムは限界に来ていると思う、その事件を起こしてしまった省の責任者として、まあ内閣府の所管かもしれないけれども、この点については一言発言させてほしいという問題提起も私はされるべきではないかなと思っています。
 予算委員会でもこの質疑したんですけれども、大臣、実は今回、私は重視しているのは国公法の十七条なんですね。人事院にはこうした問題含めて各省の人事行政を指導し調査する非常に強い権限が付与されている。ところが、今日人事院総裁にもお越しいただいていますが、お尋ねをすると、さきの法改正でこの権限が総理に移行されたと、なので、これは総理の権限で、我々ほとんどすることないんですと、大体こういった趣旨の答弁なんです。つまり、政府と人事院、あるいは他の機関との間で今キャッチボールという状況なんです。私は、今回、文科省でこうした事務次官が直接関与した組織的な不正行為、しかも明白な国家公務員法違反という異常事態が起きている中で、このキャッチボールが行われている状況というのは不健全だと思っています。この状況では問題の根本的な解決は難しいと思っているんですね。ですので、松野大臣にはいま一度お考えをいただければというふうに強く要請をいたします。
 今回、報告書を読んで思いましたのは、私、選挙区新潟ですけれども、水落副大臣とともに日頃新潟で活動させていただいていますが、新潟県内の大学が幾つも出てきます、文科省に対して誰か適切な人を紹介してほしいと。大体この報告書に掲載されている問題事案では、パターンとしていわゆる三位一体ならぬ、もう四位一体ですね。つまり、嶋貫さんがノンキャリの再就職あっせん担当としていらっしゃって、文科省本体があり、さらにOBが今現在在籍をしている大学と、もう一つ、新たなOBを受け入れたいという大学、この四者が緊密に連絡を取り合って今回問題として指摘された事件が起きている。
 これ見ていますと、我々国会議員はこういう実態があるのは今まで知りませんでしたけれども、各全国の大学の事務局当事者は全部知っていますね、文科省の人事課に、あるいは文科省の嶋貫さんに連絡をすれば適切なOBを紹介してもらえるということを。その共有認識があるから今回この事件が起きたというのが報告書を読んでいると浮かび上がってくると思います。
 それから、もう一点私が気付きましたのは、これ報告書の四十四ページと四十五ページなんですが、外務省OBのあっせんと、それから旧経済企画庁OBのあっせんの話が出てきます。今回の事件で、他省のOBに対してこのようなあっせんが行われているわけですが、実は私がほかで得ている情報では、これ文科省だけじゃなくて省庁間でこうした仲介、あっせんが行われているという情報を私は得ています。
 これは嶋貫さんに伺いたいと思いますが、そうした私の認識で間違いないでしょうか。
#65
○参考人(嶋貫和男君) お尋ねの点については、私自身は承知してございません。
#66
○風間直樹君 ここは核心に入ってきますので、なかなか参考人の答弁も慎重になってくるんですよね。
 嶋貫さんにもう一問お尋ねしますが、嶋貫さんは過去、会計検査院OBの再就職あっせんというのは仲介されたことはありますか。
#67
○参考人(嶋貫和男君) ございません。
#68
○風間直樹君 大臣、今の私の質問はどういうことかといいますと、これ、この今回の文科省事案の、先ほどの四十四ページ、五ページかな、外務省と経企庁の件、それから、この報告書読むと、今回処分を受けられた方の中に元次官で大使経験者の方がいらっしゃいますね。
 これ、各省の人事を見てみると、人事院含めて、それから会計検査院含めてそうなんですが、全部お互いに助け合って人事を行っています。人事院は、現役の局長級ポストに数多くの他省庁からの出向者を受け入れています。会計検査院も同様です。会計検査院の場合は財務省が大半。検査院の場合は、これ、その見返りかどうか分かりませんよ、私は見返りだと思っていますが、検査院OBが退職して再就職するときに、恐らくこれは他省庁の再就職あっせんの世話になって各省所管の法人、民間企業に再就職しています。お互い助け合っているんですよ。
 ですので、この報告書に掲載されている外務省と経企庁の件、これちょっと読みますけれども、藤江課長、現在停職中の方ですが、この方が、外務省案件の場合、四十四ページの上から三つの丸ですね、藤江課長は、外務省職員に連絡したところ、同年、外務省職員は藤江課長にnの略歴を送付したと書かれています。
 一方、隣の四十五ページでは、上から二つの丸ですが、藤江課長は経済分析に優れた旧経企庁出身の人などはいいかもしれないという話を人事課のBさん、文科省のBさんにし、さらに、Bさんは藤江課長からの依頼を受けて某大学教員のpのことを報告したと。そうしたら、藤江さんが内閣府の職員にこのpさんの公務員時代の働きぶりを確認して、更に二つ下の丸で、藤江課長から、内閣府職員からpの連絡先を入手しと。
 つまり、藤江さんがいろんな連絡を取る中で、外務省のカウンターパートがいる。同時に、内閣府のカウンターパートがいるということがここからうかがえるわけなんです。当然、非常に機微な話を藤江課長はしていますから、じゃ、外務省にこのnさんの略歴を下さいと頼むときに、目的も当然話している。再就職あっせんの話だということも当然している。経企庁に対しても内閣府に対しても同様だと思います。ここが今回の参考人の証言からまだ出てきていない部分なんです。我々、政治もこれ今まで、恐らく与党の皆さんもそうですが、あずかり知らないことなんですよ。ここにメスを入れていかないと、大臣、この問題はまた再発すると思います。
 ですので、先ほど提案しましたように、是非閣議でこの件は大臣から話をしていただきたい。我々政治のあずかり知らないところで、各省庁のOBあるいは人事課の現役同士にそれぞれ担当者がいて、雲の上なのか雲の下なのか分かりませんけれども、政治を外れたところでOBの再就職あっせんを各省の担当者同士、OBの担当者同士がし合っているようだと、これについては実態を調査すべきではないかという、そういう提起を大臣から閣議でしていただきたい。そうでないと、この天下りの問題は根治しないと思います。
 大臣、いかがでしょうか。
#69
○国務大臣(松野博一君) 今回の調査の中において、委員御指摘のこの事案二十五、二十六の他省庁との関係においてなされた違反事項ということについての調査が上がっているわけでありますけれども、この一連の調査の中においては、文部科学省として今他省庁との関係において違反項目があったのはこの二つの案件ということになっております。
 そして、この藤江さんからのヒアリングも繰り返し調査班の方で行わさせていただいたということでありますけれども、この内容に書かれているとおりで、大学側からの要望に対応して、その中で判断をして紹介をしたという形になっておって、この報告書調査を通じた中で、各省庁間において委員からあったいわゆるバーター的なものが存在をしたということは確認をされていないというのが私どもの結論でございます。
 ただ、先生の方の問題意識という観点も、しっかりと今後、引き続き文科省としても、この調査は最終報告でありますけれども、常設的な体制について今設計を外部有識者にお願いをしているところでございますから、きめ細かく様々な視点からその調査を続けるということに関しては文科省内で対応させていただきたいと思いますが、全省庁的な動きに関しては、今全省庁調査も行われているところでございますので、その全省庁調査の結果を得てまた私どもの方としても考えてまいりたいということでございます。
#70
○風間直樹君 最後に、人事院総裁に伺いますが、人事院が所管する法律、特に国公法に照らして、今回の事件についてどこが違法だとお考えなのか、さらに、法に規定された人事院の職責、総裁の職責に照らして、総裁御自身、何を行うべきとお考えになっているか、お尋ねします。
#71
○委員長(赤池誠章君) 一宮人事院総裁、時間が来ておりますので、簡潔にお答えください。
#72
○政府特別補佐人(一宮なほみ君) はい。
 国家公務員の再就職について問題であるのは、官民の癒着につながりかねない予算、権限を背景とした再就職のあっせん等の不適切な行為であるというふうに認識しております。
 他方、法令に違反することなく、再就職して、公務部門で培ってきた能力や経験が社会に生かされるということは必要であるというふうに考えております。
 このような今般の文科省における再就職規制違反事案については、あってはならないことというふうに認識しております。
#73
○風間直樹君 終わります。
#74
○河野義博君 公明党の河野義博です。
 まずは、再就職問題に関連して伺います。
 三月三十日、文部科学省における再就職等問題に係る調査報告書、いわゆる最終まとめが提出をされました。文部科学省の再就職あっせんの構造とこれに係る組織的な関与が明らかになりました。再就職等監視委員会の指摘を受けた事案を含めまして、六十二件の国家公務員法違反が確認されるに至ったということは大変残念でなりません。
 また、今回の事案は、国家公務員法で明確に禁止をされている、現職の職員が、営利企業に対して、他の職員OBを当該企業の地位に就かせることを目的として情報提供をし、また地位に就かせる情報提供を依頼する、また他の職員OBを営利企業又はその子会社に就かせようと要求、依頼することは禁止と、これ明確に定められているにもかかわらず、法令違反を行い、その事実を隠蔽しようとしたものでありまして、その責任は逃れることはできないというふうに考えます。
 原因については、最終報告書に三点挙げられておりまして、硬直化した人事慣行や、時代や環境によって変化する様々な課題に十分対応し切れていない組織的な弊害、また、上司、先輩や職員OBに対して必要以上に気配りする身内意識の組織風土、また、三点目に、国家公務員法の再就職規制の内容について理解が浸透しておらず、職員一人一人の遵法意識が希薄であったというふうに記載をされているなど、様々な理由が挙げられていますけれども、改めて大臣に伺いたいと思いますが、今回の再就職あっせん問題、根本的な原因はどういうところにあったというふうにお考えでしょうか。
#75
○国務大臣(松野博一君) 今回の再就職違反に関しての総括的な御指摘は先生からいただいたとおりでありまして、これに関しては答弁を繰り返しになって恐縮でございますが、文部科学省として猛省をして、そして、再発防止に取り組んでいかなければならないと強く考えているところでございます。
 根本的な原因ということで、報告書の中でも、これは外部有識者の方々からも御指摘をいただいているのは、先生の方から御紹介をいただきました身内意識でございますとか、遵法意識の不足でございますとか、また、硬直した人事慣行ということであるかと思います。
 先生御分析の根本的な原因ということが、これらを超えたどういった方向をお考えになっているのか、ちょっと私の方で今うまく理解ができないというところもあるかと思いますが、やっぱり私なりの考え方でいうと、文科省の身内意識といいますのは、これはいい方向に働くこともあって、みんなが一丸となって教育、文化、スポーツ、科学技術等に取り組むということもあるんですが、こういった今回の場合の例を見ても、この身内意識がかえって身内内の甘えにつながってしまって、その甘えの構造が守らなければならない遵法意識を超えていってしまったと、そのことが今回の事案を引き起こした大きな要因ではないかなというふうに考えております。
#76
○河野義博君 身内意識というのはどこの組織にもあり得るものでありまして、こういった問題というのはどの組織でも起こり得るんだろうと思います。身内意識がいいように働くケースもあれば、悪いように働くケースもある。そのために、やっぱり組織というのは不断に見直しをして、リストラクチャリングしていかなければいけないんだろうというふうに思っています。その点は、後ほどまた質疑をさせていただきたいと思いますけれども。
 最終まとめが公表されました。調査開始当初から、徹底的な調査のためには第三者の目を入れるべきだと公明党は指摘をさせていただき、その結果、有識者を入れた調査を行っていただいておりますけれども、今回、調査手法に関して伺いますけれども、どういった体制でどのような調査を行ったんでしょうか。また、全職員、全退職者に調査を行ったと承知をしておりますけれども、回収率はどの程度であったのでしょうか。また、この問題、全貌は解明されたというふうに断言していただけるんでしょうか、御答弁を。
#77
○政府参考人(中川健朗君) お答え申し上げます。
 文部科学省では本年一月以降、再就職等問題調査班を設置し、外部有識者である特別班員四名の指導、判断の下で調査方針等を決定するとともに、調査班員として更に十五名の弁護士の方々にも御参画いただき、三千名以上を対象とした全職員調査、再就職規制導入以降の全退職者六百名以上を対象とした退職者調査を行いました。
 全職員調査につきましては、病気休暇等で回答が得られなかった者以外の九九・五%の職員から回答を得ており、また、退職者調査につきましては、住所不明等により回答が得られなかった者以外の約八三%の退職者から回答を得ています。
 また、今回の調査に当たりましては、全職員や退職者全員への書面調査のみならず、匿名で通報可能な相談窓口の設置、あるいは、先ほど御紹介いたしました外部有識者が主導して、合計百九十名、三十四団体に対して行った三百回以上に及ぶヒアリング、あるいは関係する職員のメール記録の精査、これらを総合的にやりまして、現時点でできる限りの調査を徹底的に行いました。
 この結果といたしまして、最終まとめにございますように、組織的なあっせん構造の全容を解明するとともに、再就職等監視委員会から指摘のございました個別事案のほかに、新たに二十七件の違法事案が判明したところであり、文部科学省といたしましては現時点でできる限り調査を尽くしたものと考えており、また、その調査結果につきましては、再就職等監視委員会も了承したというものでございます。
#78
○河野義博君 かなり大掛かりな調査を、そして外部の目を入れながら行ったという御答弁でありました。
 国民の大きな関心の一つは、再就職先に不当な利益供与が行われているのではないかという疑念でありました。最終まとめにおきまして、六十二件の違反行為確認されておりますけれども、これと関係する法人への予算支出、補助金などの配分は、これ実績はどのようになっておりますでしょうか。また、違法な再就職あっせんによって補助金や認可等がゆがめられてはいないかという点も大きな関心事であります。補助金や許認可等、これがゆがめられたような実態はなかったと承知をしていいんでしょうか、御答弁を。
#79
○政府参考人(中川健朗君) お答え申し上げます。
 最終まとめにおいて新たに再就職等規制等に違反するとされた六十二事案に関連する五十六法人、これらのうち、過去二年間には三十七法人に対して支出実績がございました。また、二十九年度予算のうち、過去二年間において当該三十七法人に対して支出した費目の平成二十七年度の実績額、これは合計で約一千八百五十一億円でございます。
 これらの法人のうち、二十九年度予算であらかじめ交付が確定してございますのは、国立大学法人及び国立研究開発法人に対する運営費交付金及び施設整備費補助金であり、その他の法人についてはあらかじめ補助金等の交付が確定しているものではございません。
 これらの法人への支出につきましては、これまでも学生数や教員数等の客観的な指標等に基づいた機械的な算定、あるいは第三者で構成する審査会など厳正な審査を実施することにより公平性を確保し、厳正な配分、執行を確保してきたところであり、平成二十九年度予算の配分及び執行に当たっても同様に適正な配分、執行を行ってまいる所存でございます。
 また、今回の調査に当たりましては、これに加えまして、OBによる出身府省への不当な口利きを禁止いたしました国家公務員法第百六十条の四、これに該当する事案がないかも含め、補助金や許認可等の行政行為がゆがめられる行為がなかったかについても徹底的に調査いたしましたが、結果としてそのような行為は確認されませんでした。
#80
○河野義博君 予算配分や補助金、そして許認可等が不正にゆがめられたことはなかったという答弁でありました。
 最終まとめを受けまして、再発防止、これが非常に重要でございます。その検討にも第三者を入れるべきだと私は考えておりますけれども、文部科学省としてどのような再発防止策を、そしてどのような体制で、どのようなスケジュールで実行していくのか、再発防止に向けた大臣の決意も改めてお伺いをしたいと思います。
#81
○国務大臣(松野博一君) 再発防止についての体制、スケジュールという御質問でございますが、最終まとめにおきまして、調査を通じて考え得る再発防止の在り方として、これはもう先ほど答弁させていただきましたけれども、硬直化した人事慣行や組織体制の見直し、身内意識の組織風土の改革、職員の遵法意識の醸成が挙げられております。
 これらの観点から、再発防止策を設計をする体制でございますけれども、これはもう先生からも御指摘をいただいたとおり、現行において文部科学省が国民の皆様の信頼を失っているという状況下にあっては、これは御党からも調査の時点においても御指摘いただいたように、外部の方々に設計、構築をしていただくということが国民の皆さんに御納得をいただけるという面において必要なことであるというふうに考えております。
 そこで、四月七日に、法律やコンプライアンスの専門家など外部有識者に参画をいただきまして、文部科学省における再就職等規制違反の再発防止に関する有識者検討会を設置をいたしました。本検討会におきまして、文部科学省のコンプライアンスを確保するための組織の在り方や具体的な再発防止策をまとめていただきたいと考えております。
 スケジュールでございますけれども、このスケジュールに関しても参画をいただく外部有識者の方々で検討をしていただきたいと考えておりますが、一刻も早く文部科学行政に対する信頼を取り戻せることができるように御協力をいただいて、スピード感を持って議論をお進めをいただいて、公表をしたいというふうに考えております。
#82
○河野義博君 そういった再発防止策が作ることが目標ではありませんで、しっかりと再発しないということが目的でありますので、不断のフォローが必要ではないかと思います。
 私は、再発防止というよりは、何と申しますか、官民の人材交流というのが一つの策といいますか、組織のリストラクチャリングとして非常に重要ではないかと私は考えます。もちろん再就職それ自体は否定されるべきものでは当然ありません。
 平成二十二年六月に閣議決定されました退職管理基本方針にはこのように書かれていまして、官を開くと、こういう基本方針の下、中高年期の職員が公務部門で培ってきた専門的な知識、経験を民間などの他分野で活用するとともに、他分野での勤務を経験することにより公務員のコスト意識、現場感覚を高める観点から、任命権者が、官民の人事交流などの拡充を図るためにとるべき措置ということで定められた基本方針がございます。このとおりだと私思うんですね。
 やっぱりずっとその組織に三十年も居続ければ、その組織を守りたくなるというのは当たり前でありますし、身内意識が生まれるのも当たり前で、悪いことをしていても知らず知らずそれがもう当たり前になっていくという、これはどの組織にもはらんだ危険性でありますので、それを防ぐ一つの方策としては、やっぱり新しい血を入れる、そして人をやっぱり外に出して違う空気に触れさせていくということは大切なんじゃないかなと私は思います。どんな優秀な人もその組織にずっといればその組織の論理にはまっていく、これは必然でありますので、そうならないためにしっかりとシステムは整えていくべきじゃないかなと私は思います。
 そんな観点でちょっと伺ってみましたところ、人材交流というのは余り行われていないんですね。官から民に人を出すというのは余り行われておりませんし、これからはどんどん中途も採っていくべきで、民間からも人を採用していくべきだと私は思います。
 こういった官から民、民から官という人材交流を促して、外の空気に触れることで自浄作用が働くような組織、こういった組織に再構築していってはどうかなと私は思うんですけれども、これまでの人材交流の実績をお示しいただきますとともに、私が申し上げているような官民の交流、これはどういったふうに捉えられているのでしょうか、御意見を。
#83
○政府参考人(中川健朗君) お答え申し上げます。
 まず、先ほど国家公務員法の条文、百六条の四でございます。訂正いたします。失礼いたしました。
 ただいまの御質問でございますが、文部科学省におけるいわゆる官民人事交流の実績でございますが、平成二十九年四月一日現在で、交流派遣、国から民間企業に派遣する場合、こちらが十名、交流採用、民間企業から国に採用、これは二十名でございます。
 文部科学省といたしましては、この官民人事交流制度について、人事院が定める交流基準等を踏まえまして、国と契約関係や許認可関係にある民間企業との人事交流について透明性を担保するなど、国民の疑念等が生じないよう配慮しつつ、今後とも適切に人事交流を推進してまいりたいと考えてございます。
#84
○河野義博君 派遣先企業、派遣元企業を拝見いたしましたが、やや偏っている、数も少ない。十人とはおっしゃっておりますが、それは何年たったら違う人が来ていてつながっていたりして、実質の数というのはこれは極めて少ないんですね。
 大臣、通告しておりませんが、御感想でも結構ですが、人材交流、官と民、より積極的に推進していくべきと私は思うんですけれども、大臣、いかがお考えでしょうか。
#85
○国務大臣(松野博一君) 再発防止においても、先ほど体制の整備のお話をさせていただきましたが、一番の課題というのは文部科学省の職員の意識改革という点であろうかと思います。その意識改革において、やはり民間の視点というのを省内に取り入れていくということは重要な観点だと考えておりますので、先生のアドバイスも受けて検討させていただきたいと考えております。
#86
○河野義博君 必ずしも企業がいいと言うつもりも私はありませんで、役割、目的が違いますので、それぞれの役割の中でそれぞれのいい組織をつくっていくということが大事なんだろうと思っております。
 不正事案を内部の人員から明らかにするためにコンプライアンス室というのが置かれるケース、どの組織にも、大抵の大きな組織には置かれているんだろうと思っております。匿名性を保ったまま組織の不正を明らかにするという組織は必要なんじゃないかなと思っておりまして、文部科学省に聞いてみましたら、実際にありました。省内には人事課の計画調整班服務係というところが窓口になっております。外部では弁護士事務所が窓口になっておりまして、その役割を果たしていくと。体制自体は整っていると伺いました。実際にイントラのコピーも見させていただいて、ちゃんと文科省の職員であればそのページというのは誰でも見れるところにしっかり窓口というのがありまして、通報、相談できるような体制は整っておりました。
 この制度、具体的な内容を改めてちょっと御説明をいただきたいというふうに思いますし、また今までの利用実績、どのようなものだったんでしょうか。それから、これは再発防止の観点からも確認しておきたいんですけれども、その上で通報体制というのを今後どのように整備をしていかれるんでしょうか、お聞かせください。
#87
○政府参考人(中川健朗君) お答え申し上げます。
 この内部公益通報制度、これは文部科学省職員が文部科学省についての法令違反行為に対し通報できる制度、あるいは外部公益通報として文部科学省所管の法令における違反について外部労働者が通報できる制度、こういったものでございまして、文部科学省では公益通報者保護法に基づきまして公益通報に係る制度を設け、通報した職員等が不利益な取扱いを受けることのないよう、通報の処理、その他の手続を定めているところでございます。
 なお、公益通報制度の利用実績につきましては、秘匿性を保持する観点からお答えは差し控えさせていただきます。
 一方、委員御指摘のとおり、今般の最終まとめにもございますように、こういった制度が果たして実効的に機能していたのかと、文部科学省においてコンプライアンス、こういったものがしっかり確保される、そういった仕組みになっていたのかと、こういった点につきましては最終まとめでも指摘がされているところでございまして、こういったものを踏まえ、最終まとめの指摘を踏まえ、まさに法律、コンプライアンスの専門家など外部有識者に参画いただき、再就職等規制違反の再発防止に関する有識者検討会、これを四月七日に設置いたしましたところでございまして、この検討会におきまして、その御専門家の御知見、御参画いただきながら、文部科学省のコンプライアンスを確保するための組織の在り方を含め具体的な再発防止策をまとめていただきたいというふうに思っておるところでございます。
#88
○河野義博君 しっかりとした再発防止策を作り、そしてそれが実効的に運用されているということを確認を不断にしていただくこと、これをお願いをいたしまして、質問を終わります。
    ─────────────
#89
○委員長(赤池誠章君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、風間直樹君が委員を辞任され、その補欠として宮沢由佳君が選任されました。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#90
○委員長(赤池誠章君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のうち、文部科学省における再就職問題等に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#91
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
 まず冒頭に、私も教育勅語について伺います。
 先週金曜日、義家副大臣は、幼稚園などの教育現場の毎日の朝礼で教育勅語を朗読することについて、教育基本法に反しない限りは問題ない行為であろうと思いますと御答弁されております。教育勅語を学校現場でどう扱うかをめぐって様々な意見がある下で、これまでの答弁からは少し踏み込んだ内容なのではないかと思うわけですが、義家副大臣、このような答弁をされた御趣旨を簡潔に御説明ください。
#92
○副大臣(義家弘介君) お答えいたします。
 今、幼稚園などのというお話でございましたが、この金曜日の委員会においては、広く学校教育一般の教育勅語の授業での取扱い及び一部の例示として大阪の特定の学校のホームページが紹介された上で、この教育勅語の朗読取扱いについての質問ということを認識した上でこれは繰り返し言ってきたことでありますが、教育現場において教育勅語に触れる場合には、教育勅語は我が国の教育の唯一の根本とすることなく、憲法や教育基本法、学習指導要領等に反しないような適切な配慮が必要不可欠である、これは何度も答弁してきたことです。
 その上で、御指摘の答弁の趣旨は、例えば、現在、教科書に記載されている教育勅語についての内容を生徒を名指しして読ませるといった教科指導も現実にあることから、児童生徒等に社会科等の教科書で教育勅語を読ませることのみをもって問題がある行為ではないという旨をまずは答弁したものであります。
 その上で、いずれにしても、個々の学校においてどのような創意工夫を行うかは、一義的にそれぞれの学校で創意を工夫しながら行われるべきものであります。例えば、学校は自治事務でございまして、国がその教育現場のそれぞれについて具体的なものをキャッチしていないにもかかわらず、いいとか悪いとか言う権限はそもそも適切ではありませんし、また、特に、とりわけ私立については、私立学校法により建学の精神に基づく教育が最大限保障され、国及び所轄庁の規制が極力制限されているという法理も踏まえた上で、まずは所轄の道府県において、憲法及び教育基本法に合致しているか否か、さらには学習指導要領と照らし合わせた上で不適切かあるいは適切かの判断を一義的に行うものであるという旨を答弁したものであります。
#93
○吉良よし子君 広く学校教育一般についての中での御答弁だったというお話だったと受け取りました。
 何にせよ、例に挙げられたような幼稚園教育の中では、午前中の質疑でもありましたけれども、そもそも幼稚園教育においては教科書はないわけですね。だから、教材の扱いということはあり得ない話だと私は思います。
 なお、教育勅語については、以前この委員会でも、教育の唯一の根本としては失効している旨、大臣にも確認しましたし、先ほどの御答弁もありましたが、そもそもこれは大日本帝国憲法下の戦前の軍国主義教育の中心的役割を担っていて、多くの子供を始め国民を戦場へと送り出した歴史を持つもの、だから憲法と教育基本法ができた際に失効したわけなんです。そうした歴史の事実、経緯を踏まえるなら、単なる資料、教材としてその他のものと同列視していいのかという、私、疑念を持つものであります。
 何にせよ、この問題については改めて本委員会で議論させていただきたい、その旨申し上げまして、次に文科省の再就職について伺いたいと思います。
 最大の問題は、大臣、この件については、身内意識であると、組織改革が必要であるというような話をおっしゃっていました。しかし、私、この再就職の問題について最大の問題は、文科省と大学との癒着の構図そのものにあると思っております。
 まず、今回の端緒となった元高等教育局局長の吉田大輔氏の問題ですが、四月五日、衆議院の文部科学委員会において、早稲田大学に教授として再就職した際の任務、大学への助言とは何かという質問に対して吉田氏は答弁されているんですが、ワセダビジョン一五〇という基本方針に沿って大学改革が進んでいるが、その際に様々な教育に関する制度ですとか予算事業、そういったものについての知識も必要だと述べた上で、私はそういった面につきまして大学のその担当の方々に説明する、そういった役割を担っていると述べられました。
 この発言は、まさに吉田氏が早稲田大学と文科省のパイプ役を果たしていたということを述べたものだと私思うわけです。文科省のつくった様々な教育に関する制度や予算事業について大学の担当の方々に説明する、助言する元文科省の職員と、その助言を生かして大学改革を進める大学と、これこそ文科省と大学の癒着じゃないのかと。こういう関係を改めなくてはならないと私考えるのですが、大臣、いかがでしょうか。
#94
○国務大臣(松野博一君) 従来より文部科学省としては、大学の自治を尊重して教育行政に取り組んできたことはもう当然であります。
 その上において、今先生の方から御指摘があった教育法規、また行政に関して解説をする、助言をするということがいかがなものかという趣旨の御質問であったかと思いますが、大学運営はこれはもうもちろん自治でありますけれども、もう一つの側面として、これは教育機関として教育関連法規にのっとって運営をしなければならないことは、これも当然のことでございます。その大学運営の中において一つの基盤となる方向性を示す教育法規、制度について、これを解説、助言することが大学の自治を侵すということにはつながらないんではないかと考えております。
#95
○吉良よし子君 方向性示して助言するだけではその自治を侵していることにはならないのではないかというお話だったんですけれども、吉田氏の場合、教授として赴任したわけです。にもかかわらず、実際には予算事業に関する助言を行っていたと。そもそも公務員というのは全体の奉仕者であるべきはずなわけですね。だから、退職したからといって、すなわち、じゃ個別の奉仕者になっていいのかというと、そういうわけではない。余りにも不公平じゃないかと国民が思うのは当然の話だと思うわけです。さらに、やはり許認可権限、予算上で強い権限を持つ文科省から大学へ再就職ということ自体が、やはり単なる経験や知識を生かして再就職するということでは済まない問題を含んでいると私は言わざるを得ないと思うんです。
 先ほど法規にのっとり運営するとおっしゃいました。ただ、ただ単に法規にのっとり運営するというだけなら、それはそうかもしれませんけれども、例えばこの間、安倍政権は、世界最高水準と政府が判断した特定の大学に予算などを集中する世界に勝てる大学になる大学改革というものを押し付けてきております。その一例が二〇一四年に創設されたスーパーグローバル大学制度なわけです。
 これは、二〇一三年に閣議決定された日本再興戦略、ジャパン・イズ・バックで、教育再生実行会議の提言を踏まえつつ、産業競争力の観点から、グローバル化による世界トップレベルの教育の実現を目指すとしてその創設を掲げているものなんですが、この創設に関わったのが当時高等教育局長であった吉田大輔氏なわけです。そして、吉田氏が二〇一五年に天下った先である早稲田大学というのは、このスーパーグローバル大学のトップ型に指定されていたと。さらに、その総長は教育再生実行会議の座長である鎌田薫氏だったと。
 こういう経過や吉田氏自身が大学内で行っていた大学への助言、予算措置や教育制度についての助言の中身を照らし合わせると、この天下りというのは政府のこの大学改革を早稲田大学の中で推進させるためだったとも言えるのではないかと思うのですが、大臣、いかがでしょうか。
#96
○国務大臣(松野博一君) まず、吉田元高等局長の早稲田大学に関する再就職等違反に関して、これも文部科学行政に対する大きな信頼を損なった事案でございまして、これはもう省全体としても見直し、反省をしていかなければいけないことであるというふうに考えております。
 その上で、公務員を退職して、そして再就職をした個人が、例えば大学においてどういった職務内容を受け持つかは、これは大学長の御判断によってなされるものでございます。その職務内容に関して文部科学省として言及する立場にはないというふうに思いますし、一般論でございますが、公務員当時の知見、経験を生かして再就職の場でまた活躍をしていただくということは、これはもう許されたことではないかと思います。
 しかし、問題は、これはもう明確に法制上も規制をされておりますが、一定の条件の中において、OBが元の省庁に対していわゆる口利き等の行為を行うことはもう現行法制においても禁止をされているわけでございまして、それに違反をしていたかいないかということがこれは一つのポイントでありますが、今回の調査においても、吉田元高等局長においては、そういった違反事例も、元の職場に対する口利き等の違反事例はなかったということが今回の調査によって確認をされているところでございます。
#97
○吉良よし子君 もちろん、大臣がおっしゃるような口利きなどがあったとしたら大問題なわけで、済まされない話なわけですけれども、そうじゃなくても、実際に大学側の事情を考えるに、予算はかなり逼迫していると、そういう中で大学の生き残りを懸けて再就職を受け入れている、そういう大学もいると言えるのではないかと、大学長の御判断と言いますけれども、それで済まされるのか、単なる知識、経験を生かした再就職と言えるのかと。やっぱり、そういうところの疑念が払拭されないからこそ、許認可権限や予算上で強い権限を持つ文科省から大学などへの再就職というのは、やっぱり極めて問題だと言わざるを得ないと思うわけです。実際に、政府の大学改革を各大学の中で押し付けるための天下りというのは、先ほど申し上げた早稲田大学だけではないと思うんです。
 例えば、最終報告の六十六ページで指摘されている新潟科学技術学園事案では、人事課室長級職員Aの違法行為によって室長級職員Fが同学園の役員に再就職したという事例が報告されているわけですが、このF氏は、二〇一五年の五月一日に同学園の事務局長、理事に就いて、長野に薬学部を設置する認可を得る業務に従事したと。許認可に関わっているわけです。同時に、政府の大学ガバナンス改革に沿って、新潟薬科大学の学長選考における教職員の信任投票を廃止するという改革を教職員の反対を押し切って強行したという事案があるわけです。
 そのほか、今回の報告書で取り上げられていないものの、文科省の天下り、いわゆる再就職した人物が学長選考における意向投票の廃止を推進したという事例もあると私は聞いております。
 そこで、伺いますが、こうした違法な、とりわけ違法な行為によって文科省の役人を大学に再就職させたことにより、大学の人事に介入して大学の自治を侵したという認識というのは、文科大臣、ないのでしょうか、こうした事例を見ても。
#98
○国務大臣(松野博一君) 文部科学省におきまして、先ほどもお話をさせていただきましたが、これまでも、学問の自由や大学の自治、私学の自主性、建学の精神を尊重しつつ大学行政を推進をしてきたところでございます。
 御質問につきましては、補助金の予算の配分及び執行については、学生数や教員数等の客観的な指標等に基づいた機械的な算定や、公募の場合は第三者で構成する審査会など厳正な審査を実施の上で採択をすることにしており、公平性を確保し、適正な配分、執行を確保しております。また、設置認可等につきましても、大学の設置・学校法人審議会による学問的、専門的な観点から厳正に審査されることとなっております。
 したがいまして、再就職の有無が、予算額でありますとか設置認可等に影響を与えるものでなく、大学の自治や学問の自由を侵害するものではないと考えております。
#99
○吉良よし子君 再就職の有無がそもそも自治を侵すものではないとおっしゃっていますが、事実として、補助金の額は適正かもしれませんけど、その許認可に関わっていらっしゃるわけです、再就職された方が。やはり先ほども申し上げましたとおり、全体の奉仕者であるはず公務員がその一大学の許認可の権限、許認可の実務に関わっていると、再就職した先で、それは一般的に見ればやっぱり不公平という感情が出てくるのは免れないと思うわけですね。
 なおかつ、やっぱり自治の問題なんですよ。人事の案件ですよ。学問の自由及び大学の自治に関する判例となっている東大ポポロ事件の最高裁判決というのがあります。そこには、大学における学問の自由を保障するために伝統的に大学の自治が認められていると、この自治は、特に大学の教授その他の研究者の人事に関して認められ、大学の学長、教授その他の研究者が大学の自主的判断に基づいて選任されるとしているわけです。その天下りした元文科省の職員が学長選考の信任投票をなくすということは、こうした大学の自治を侵す行為そのものなのではないかと私思うわけです。
 また、事案二十六、四十五ページの新しい事案の方なんですけれども、新潟大学の事例においては、報道によると、大学広報室は情報提供をそもそも依頼をしていなかったのに、文科省から一方的にその該当する元経済企画庁出身の男性p氏の情報が入ってきたという、そしてその男性p氏が理事となったということなんですけれども、これもやはり大学の人事権、自治を侵す行為、文科省からの押し付け人事と言えるような事態じゃないのかなと私は思うわけです。
 ここで内閣府に確認をしたいわけですが、二〇〇八年の法改正というのは、そもそもこうした押し付け的な天下りをなくすために現職職員による再就職あっせんを禁止したのではなかったのでしょうか、いかがでしょう。
#100
○政府参考人(加瀬徳幸君) お答え申し上げます。
 平成十九年の国家公務員法改正の趣旨でございますが、国家公務員の再就職について問題なのは、官民の癒着につながりかねない予算権限を背景とした押し付け的な再就職のあっせん等の不適切な行為でございます。一方、法令に違反することなく再就職し、公務部門で培ってきた能力や経験を活用して社会に貢献することには意味があるというふうに考えてございます。
 このため、平成十九年の国家公務員法改正により、密接な関係のある営利企業への離職後二年間の再就職の原則禁止に替えまして、それまで禁止されていなかった各府省による再就職あっせんの禁止等、厳格な規制を導入することとしたものでございます。その際、規制を実効性あるものにする観点から、離職後二年以内に再就職した場合にはこれを公表するとともに、極めて独立性が高くかつ強力な調査権限を有した再就職等監視委員会を設置し、厳しく監視することとしたものでございます。
#101
○吉良よし子君 背景を確認したかったんですけれども、結局、役所が予算や権限を使って押し付け的に、あるいは人事の一環として再就職のあっせんをしていたことを厳格に禁止するための法改正だったわけですよね。これは首相も答弁されているわけです。
 やはり単に職員が情報を渡したことが問題なんじゃなくて、そうした押し付け的な天下りの人事そのものが問題だと、そうしたものを私、根本からなくすべきだと言いたいんです。
 例えば日経の社説では、問題の根本にあるのは、文科省による大学支配と両者の癒着だと指摘して、大学の運営側は、文科省とのパイプづくりに腐心し、あうんの呼吸で天下りを受け入れている、こんな関係が長年にわたり築かれたきた、二〇〇七年の国家公務員法改正で天下りあっせんが禁止されてからも、様々な仕掛けを施して旧来のつながりを温存してきたのが今回の不正の実相だとしているわけです。
 まさに、全体の奉仕者たる公務員、ましてや教育をつかさどる文科省の職員らが大学との癒着を行い、そうした不公平なやり方が代々の事務次官の下で長年に行われてきたことに対して、多くの国民が怒り、そんな不公平はやめろと言っているのではないでしょうか。
 実際、もう大学側は実は変わろうとしていまして、先ほどの新潟大学の職員組合はこの今回の最終報告を受けて、そうしたあっせんを依頼した理事の氏名の公表だとか、経過の事実関係の公表だとか、任命されたp氏の任命の無効化を求めて要求を出したりしているわけです。
 やはりそういう意味では、文科省もそうした癒着の構図にメスを入れる、そういう再発防止策出すべきじゃないかと私思うわけです。そのためにも、大学の自治を守れるような制度的な保障が私必要だと思うわけですが、まずお金、予算をちゃんと増やすこと、そして抜本的に天下りを禁止するルール作り必要と思いますが、大臣、いかがでしょう、最後に。
#102
○国務大臣(松野博一君) 先ほど答弁をさせていただきましたとおり、これまでも文部科学省としては、学問の自由や大学の自治、私学の自主性、建学の精神を尊重して大学行政を推進をしてきたところであります。再就職者の有無が予算額や設置認可等に影響を与えるものではありませんけれども、文部科学省として、そういった疑念が国民の皆様からいただくことがないように、透明性をより確立をしてまいりたいと考えております。
#103
○委員長(赤池誠章君) 時間が来ておりますので、おまとめください。
#104
○吉良よし子君 はい。
 透明性確保するのは当然のことなんですけれども、やはり癒着の構図にメスを入れるというその体制を取らなければ再発防止にはつながらないと。私たち野党は、国家公務員法の改正案、再発防止策というのを対案として国会に提出しております。そうしたルールの厳正化も含めてしっかり再考していただきたいことを申し上げまして、質問を終わります。
#105
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりでございます。
 先月末、文部科学省における再就職等問題調査班による最終報告が発表されました。その内容につきましては、衆議院の文部科学委員会、そして今日は参議院でいろいろと御議論をいただいているところでございます。これらの内容につきましては、幾つか気になった点もございます。一つずつ大臣にこれから伺っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 まず、天下り問題の本質についてでございます。
 国家公務員法は省庁の現職官僚が再就職の世話をすることを禁じております。役所の組織的な仲介は、癒着や不正が生じたり、それを疑わせる事態が起きたりするからです。今回はまさにその典型的な例で、退職官僚が再就職することで、大学に対する文部科学省の監督行政が適正になされないことにつながる可能性があったわけであります。設置認可や監督がおろそかになれば、最大の被害者は大学等でいえばやはり学生さんたちであり、日本の未来への損害とも言えるのではないでしょうか。
 そういった中で、この天下り問題の本質は、まさに国民の不利益になる、そして一部の団体、法人等への利益誘導がなされる若しくはなされるのではないかという疑念を生む、官民の癒着につながりかねない、また予算、権限を背景とした再就職のあっせんがなされるという点にあるのかと、様々な議論をお聞きする中で私自身も感じているところであります。
 今回のあっせんによりまして、利益誘導、これがあったというような断言はもちろんないわけですけれども、この利益誘導がなされるのではないかという疑念を生む、こういったところが問題なのであって、国民から疑念を持たれること自体が私は問題だというふうに今回思っております。これにつきまして、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#106
○国務大臣(松野博一君) 今回の再就職等違反におきまして、先生御指摘のとおり、国民の皆様から疑念を持たれる、信頼を損ねるということはもう大変な問題であると思いますし、猛省をしているところでございます。
 今回の調査、これは、再就職監視委員会の方から任命権者である私に指示、要望があり行われた調査でございますが、その調査の中において、今先生からお話があった点、例えばこの再就職違反によって予算措置であるとか設置認可であるとか、そういったような不適切な行為があったかどうかについても調査対象として調査させていただきました。
 今回においてそういった事例は確認できておりませんし、その内容に関して監視委員会の方で了承をいただいたところでありますが、しかし、その上においても、更にこれはもう再発防止策も含め国民の方々に御納得いただける体制をつくっていかなければならない、そう決意をしているところでございます。
#107
○高木かおり君 私も、公務員の皆さんの再就職自体、それが悪いわけではないですし、問題があるわけではないというふうには考えております。公務員生活を通して得た様々、午前中にも議論の中にありましたけれども、公務員生活を通して様々得た見識、経験、実績、そういったものを再就職の場で生かしていただくということは、これはこれで当然大事なことであろうかと思います。ただ、そのためには、法令に違反することなく、言い換えれば遵法意識を持っていただくという、これがやはり大切なのではないでしょうか。
 ここで一つ気になる点でございますけれども、今回の件でも文部科学省の職員の方々にお聞きしますと、人事課の職員が余りにも遵法意識に欠けていたんだと、そもそもこの法令の理解が不十分だった、そういったお話もお聞きいたしました。
 確かに、今回の件は、文部科学省という大きな組織の中で、処分された数人のみが勝手に法令違反をしただけという見方もあるかもしれません。しかしながら、二〇〇八年の法改正以来、十年近くにわたってやってきたわけであります。薄々感じていた方もいるはずです。見て見ぬふり、そういう体質が文部科学省の中にもあったのではないかと疑われても仕方ないのではないでしょうか。
 また、先日来の答弁をお聞きいたしましても、法に抵触する行為であると理解していなかった幹部職員の方々もいらっしゃったと、これは驚くべき事実であると。知らなかったから法を犯しても仕方がなかったというわけにはまいりません。
 そこで、再就職等問題調査班の特別班員の方々の所見のところにもございます、国民の文部科学行政全体に対する信頼を損ねたことは計り知れないほど深刻であるとありますけれども、この文部科学省として受け止めなければならないことを、早くも処分された方のみに押し付けているように感じる部分もあるわけです。これについて、大臣、どうお感じになられていますか。また、今後どういうふうにこういった部分を変えていくおつもりでしょうか、お聞かせください。
#108
○国務大臣(松野博一君) 今回の一連の再就職等規制違反に関しましては、文部科学省としても私としても、文部科学省の中の数人によってなされた違反であるというふうには全くもって認識をしておりません。これは、この最終まとめの報告の中にも書かれているとおり、文部科学省が組織として関与をしている、また再就職等規制を潜脱をする目的で構造がつくられた等々の御指摘、評価もいただいているところでありまして、これはもうまさに人事課を中心として事務次官まで含めた関与の中においてこれらがなされたものというふうに考えておりますし、反省をしているところであります。
 これはもう一部の人間の問題というよりも、文部科学省を挙げて反省をし、また、先生の方から御指摘いただいた法的な知識、認識においても、研修等充実をさせる中で、全体を通して再発防止に努めていかなければならないものだというふうに考えております。
#109
○高木かおり君 今大臣の方から、組織的に行われたことであった、数人だけがやったのではなく文部科学省としてしっかりと反省をしていく、これから取り組んでいくというようにお答えをいただきました。
 続きまして、その再発防止策の内容についてちょっと伺っていきたいんですけれども、今回の最終まとめにおきまして、調査を通じて考え得る再発防止の在り方ということで、三点挙げられておりました。硬直化した人事慣行や組織体制の見直し、身内意識の組織風土の改革、そして職員の遵法意識の醸成でございます。これは、調査に主導的に関わっていただきました外部有識者の方々の指導の下まとめられた再発防止の在り方であると思いますけれども、一つ目の硬直化した人事慣行や組織体制の見直し、これは大変重要だと私も思っております。
 例えば年功序列人事の廃止ですとか、能力本位の任用制度、新たな人事評価制度といったもの、これは、第一次安倍内閣のときに国家公務員法改正法の概要に既に方針として打ち出されてきたわけであります。安倍総理が既にこの能力主義に基づいた評価制度が採用されているというふうに御答弁されておられます。ただ、最近の結果を見ても、省幹部に低い評価が付けられることはほぼゼロに近い状態なのではないか、若干の差はあるものの、年功序列とほぼ変わらないのではないかというふうに私自身は感じているわけです。
 特に今回の問題になりました中で私が感じた部分ですが、人事課職員の方々のキャリアパスの在り方についてでございます。今回、原因の考察の中にでも、多くの人事課職員が同じ人事課内において異動を繰り返している。これは、秘匿性ですとか専門性がございますから、必ずしも悪いことであるというふうに私自身も言っているわけではございません。ただ、ここの中で、人事課が職員の違反行為の監視や指摘、そういったことをすべき役割であったということは、やはり見直しが必要なのではないかというふうに思っております。
 これを踏まえまして、文科省として、こういった様々、先ほどの硬直化した人事慣行や組織体制に関して、現状どういうふうになっているのか、また、今後の再発防止として、大臣としての御見解、お聞かせいただければと思います。
#110
○国務大臣(松野博一君) 再発防止に向けて、先生の方から挙げていただきました三点、硬直した人事慣行、組織体制の見直し、身内意識の組織風土の改革、職員の遵法意識の醸成というのが挙げられて、これに従ってこれから再発防止策を進めていかなければならないと考えております。
 先ほど答弁させていただきましたが、この身内意識というのが、この甘えの構造が遵法意識より勝ってしまって今回に至ったという側面もあると思いますし、また、人事課職員が同じ人事課内で異動を繰り返している、先生の御指摘も、今回の最終まとめの中におきましても、多くの人事課職員が同じ人事課内で人事異動を繰り返しているという人事慣行について、再就職等問題が発生した原因の一つだというふうに指摘をされております。
 人事課の業務は、職員の任用や給与を扱うという専門性及び秘匿性が高いということもありますが、そういった傾向を受けて人事課内の異動が多くなりがちだということもあると思います。こうした点を踏まえて、文部科学省においては、人事課の所掌でありました再就職に関するチェック機能を総務課に今回移しました。また、指摘を踏まえ、人事課を始めとした職員の配置や各担当に必要な専門性等についてしっかりと検討するとともに、これまでの硬直化した人事慣行を見直して、柔軟で活力のある組織へ変化させるなど、再発防止策に積極的に取り組んでいかなければならないと考えております。
#111
○高木かおり君 ありがとうございました。
 早速そういった、人事課から総務課へというふうに移していただいたという、対応していただいたということは大変評価したいというふうに思います。これから、まだまだ様々改善していかなければならないことはたくさんあると思いますので、どうかお願いをしておきたいと思います。
 先ほど三点挙げさせていただきました再発防止に関しての最後の職員の遵法意識の醸成の部分なんですけれども、これまでの参考人の方々の御答弁を聞いておりますと、特定OBの行うあっせん行為について、それが違法であるという認識が不十分であったと、必ずしも明確に違法とまでは言えないんではないかというふうな認識を持っていたというお答えが多かったと思います。
 そうすると、法律違反であるという認識があれば遵法意識を醸成することは可能で、簡単という言い方はあれですけれども、認識があるのであるからそれを可能とするかと思いますが、認識がないという人たちにどうやってこの意識改革を行っていくのか、これ大変難しいことだというふうに思います。根本から、基本的なところから言っていかなければならないということで、今回の調査結果を踏まえた再発防止の在り方の中で、研修の充実が不可欠だというふうにもございました。
 やはり、どんなに優秀な人材でも時がたてば認識が薄れるということもあります。こういった研修制度、定期的な研修というのは私は必要ではないかと思いますが、この点について大臣の御見解を伺いたいと思います。
#112
○国務大臣(松野博一君) 今回の最終まとめにおいては、国家公務員法の再就職等規制の内容の理解を深めることと同時に、職員が隠蔽する行為をしてしまったことを重く受け止めまして、コンプライアンスに関する研修の充実は必要不可欠であるとされております。具体的には、今回の事案を踏まえた実態的かつ能動的な内容に改善を図ることが必要であるとともに、職員の年齢や職位、従事している職務内容を踏まえ、きめ細やかに実施することを検討すべきであると指摘をされています。
 このような最終まとめにおける指摘を踏まえ、先日設置した有識者検討会におきまして、法律やコンプライアンスの専門家など外部有識者の御意見をいただきながら、職員の遵法意識の醸成のための研修の在り方も含め、具体的な再発防止のための方策を取りまとめていただきたいと考えております。
#113
○高木かおり君 是非ともこの研修に関してはしっかりとやっていただいて、知らなかったというような発言が文科省の職員の方々から今後二度と出ないようにお願いをしておきたいと思います。
 続きまして、我々日本維新の会では、今、この天下り規制法案の提出に向けて準備を進めているところでございます。
 今回、法の抜け道となりましたのがこのOBを介してという点であったかと思います。これについて、現行の天下り規制の制度設計に携わった原英史氏は次のように三月三十一日の読売新聞で述べられておられます。文科省のようにOBが再就職に介在することは今の規制の制度設計の段階でも想定されていた。ただ、OBといえども人事当局の情報がない限り仲介はできないとの理由で現職官僚によるあっせん禁止にとどまった経緯があると。今回、これだけOBが堂々と関わった実態が明らかになったのであれば、ルールを改善してOBの組織的なあっせんも禁止すべきだと。
 維新の会で検討している法案でも、このOBの組織的なあっせんも禁止する方向で考えております。そうした場合に、今回のような事案は防げるというふうに思うわけですが、大臣、この点はどのようにお感じになられますでしょうか、お聞かせください。
#114
○国務大臣(松野博一君) 日本維新の会から提出をされている議員立法については承知をしております。
 今回の文部科学省における再就職等規制違反はそもそも現行法令に違反する行為でありまして、二度と起こしてはならないことであると考えており、まずは、私としては、文部科学省が引き起こした再就職等問題の再発防止策の具体化を着実に実行していかなければならないと考えております。
 なお、政府全体で、全体の対策が取られる場合におきましては、公務員制度を所管する山本大臣を始め関係閣僚に協力をしてまいりたいというふうに考えております。
#115
○高木かおり君 制度設計に関しては文科省だけでできるということではなく、内閣府の人事局等に関わる件だということは承知いたしております。
 次の質問もそれに、制度に関してを少し触れることにはなりますけれども、この再就職の禁止につきまして、我々大阪の方で、大阪市と大阪府の職員基本条例を基に今回我々日本維新の会は法案を作成しているわけですけれども、この大阪府と大阪市の職員基本条例の中で、こういった全面禁止、これは再就職の禁止について、在職した府省等の所管に関わる独立行政法人等へは無期限に禁止。また、在職した府省等の監督、その他の関与を受けて主たる事業を行う法人、国と一定の契約関係にある法人に対しては、離職後五年間は禁止と。原則は禁止ですけれども、再就職等監視委員会の承認があれば再就職は可能というふうにしているわけです。
 これは、個別承認で再就職を認めた事例が多数ございまして、これは公務員の方々が、先ほど来の御議論の中にもありましたように、やはりそれまで培ってきた能力、経験、そういったものを社会に貢献する意味でも活用していただきたい、そういうふうに我々も考えてそのようにさせていただいておりますが、大阪ではこれによって外郭団体の数も大幅に減りました。
 そういった中で、文科省におきましても、特にこの外郭団体と申しますか、この独立行政法人それから認可法人、密接な関連のある公益財団法人それから公益社団法人、これが文科省は多い省かと思われます。これらを整理して国民が納得できる再就職の仕組みづくりということも今後求められていくかと思います。
 最後に、大臣の今後の天下り問題に対する、これを根絶していくんだという御決意を、これらを踏まえてお聞かせいただきたいと思います。
#116
○国務大臣(松野博一君) 先ほど来答弁をさせていただきましたが、再発防止、まず現行法令をこれしっかりと守っていくというのは当然のことでございますけれども、今回それがかなわなかったということでございますので、外部の有識者の方々の設計を基にしっかりと再発防止策を実現してまいりたいというふうに考えております。
 一方で、法令に違反することなく、また国民に疑念を抱かれることのない形で再就職をし、今までの経験で培ってきた能力を活用して社会に貢献すること自体は有用なことであるというふうに認識をしております。
 先生の方から御指摘をいただきました例えば財団法人や独法等の関係において、何よりもそれぞれの団体との関係において、国民に疑念を抱かれることがないように、情報に関して透明性を高め、公開をしていくということが肝要ではないかというふうに考えております。
#117
○委員長(赤池誠章君) 時間が来ておりますので、おまとめください。
#118
○高木かおり君 はい。
 様々質問してまいりましたけれども、国民の信頼を得ることがやはり重要であると思います。是非とも、新生文部科学省をつくり上げるため全力で取り組んでいただきたいことをお願い申し上げまして、私の質問を終了いたします。
 ありがとうございました。
#119
○木戸口英司君 希望の会(自由・社民)、自由党の木戸口英司でございます。
 今回、前川参考人そして嶋貫参考人には同席をいただきましてありがとうございます。
 今回の最終まとめは、文部科学省への国民の信頼が著しく損なわれた中で信頼回復の第一歩となるべきものであり、今回の天下り問題全体について徹底的に調査し、全容を解明することが求められていました。
 しかし、発端となった早稲田大学の事案、同事案に関して文部科学省が隠蔽を図った点、さらには、十五名ですか、もの文部科学省OBが再就職の届出を行っていなかった件等については、最終まとめにおいてほとんど触れられておりません。今回の天下り問題を総括し、全容を解明した報告書となっていないのではないでしょうか。
 また、松野文部科学大臣は、二月七日の衆議院予算委員会において、天下り問題解明の一環として、生命保険会社の顧問の役職について、これを差配する機能がOB又は人事課内にあったかどうかについて更に調べたい旨答弁しておりますが、これについても明らかにされておりません。
 これらについては、最終まとめの公表で幕引きを図るのではなく、全容解明に向けて引き続き徹底的な調査を行うことを求めたいと思います。
 一方で、最終まとめにある再就職等問題調査班特別班員の所見では、刑事事件のような捜査権はなく、公用メール記録の精査と本人を含め関係者の任意のヒアリングが中心の調査となったと述べている箇所もあり、特別班員が限界を感じながら調査に当たっていたようにも思われます。
 任意のヒアリングが中心であったため、嶋貫氏、前川前事務次官を始めとする歴代事務次官、OB、現職職員がどの程度調査に協力的であったかが今回の天下り問題の全容を解明するための鍵だったと考えます。そして、全容を解明することこそが失った文部科学行政の信頼を回復するための第一歩だったと考えますが、まずは嶋貫参考人、前川参考人にお伺いいたしますけれども、今回の天下り問題について、どのような責任の下で、そしてどのような姿勢をもってこの調査に臨んだのか、お伺いをいたします。
#120
○参考人(嶋貫和男君) 自らもOBとして関わってまいりました一連の問題が、このような形で監視委員会から、また文科省から、そして社会から何よりも厳しい御批判を受けるに至りましたこと、私自身かつて文科省に身を置いた者として極めて重く受け止めてございます。深く悔いているところでもあります。幾つかの安易な思い込みが遵法意識の欠如ということで御批判を招いたところでもございます。
 また、現職とOBが互いに持つべき緊張感、その緩みのようなものが、過剰な身内意識という形で看破されたところでもございます。特にこの点につきましては、これはOBの側がまず気が付くべきことであったと考えております。
 遅きに過ぎはしましたけれども、今自らを厳しく戒めているところでございます。
 そのような反省に立って、自らのこれは当然の責任として、幾度かにわたりましたけれども、外部有識者を中心とされました調査には私自身真摯に向き合ってまいったところでございます。また、それが関わった者として、せめてなし得る務めであるという具合にも考えてございましたし、果たすべき責任のその第一歩でもあるという具合に考えてございます。
#121
○参考人(前川喜平君) 文部科学省の事務次官あるいは文部科学審議官といたしまして、文部科学省の事務方の運営の責任を負う立場といたしまして、今回の文部科学省の一連の再就職規制違反及びその隠蔽に関する問題につきましては、大変強く自らの責任を感じているところでございます。文部科学行政に対する国民の信頼を著しく損ねたことにつきましては、深く国民の皆様におわび申し上げたいと思っているところでございます。
 今回の監視委員会及び文部科学省調査班の調査に関しましては、私といたしましては真摯に応じさせていただきまして、私が知る限りのことは全て正直に申し上げたつもりでございます。
#122
○木戸口英司君 ありがとうございました。
 この最終まとめ、私もしっかりと読ませていただきました。その中でどうしても感ぜざるを得ないのが、一部の調査対象者、特に歴代事務次官について、必ずしも積極的に自らの関与を認めたようには読めない箇所があります。その中に指摘されているとおり、身内意識、また、何かを守っているものがないか、そういった思いを持たざるを得ない感がいたすんです。
 例えば、清水元事務次官が記憶にないとしている件について、当時の人事課長が清水氏の関与を認めていることを踏まえて違法性の認定を行った事案があります。これは事案四であります。
 次に、山中元事務次官についても、山中氏が再就職の調整状況が情報として入ってくることはあったが伝えることは余りなかったように思う旨の発言をしている件について、人事課職員等の発言を踏まえ、嶋貫氏とともに再就職の調整をしていたと考えられるとして違法性の認定を受けた事案があります。これは事案十四であります。
 前川前事務次官についても、再就職規制等の関係で自分からは紹介できないとの回答をした件について、前川事務次官が人事課室長級職員に対し嶋貫氏を同法人関係者に紹介することを指示したことが推測されるとして、違法性の認定を受けた事案があります。これは甲子園学園事案であります。
 全容解明していかないと再発防止につなげていくことはできない、これはそのとおりであります。
 大臣は、最終まとめに際して公表した談話において、国民の皆様に再び信頼され得る新生文部科学省をつくり上げることを私の果たすべき使命としているが、新生文部科学省の実現には、原因の徹底的な究明が不可欠であります。徹底的な原因究明を行う上でも、松野文部科学大臣がリーダーシップを発揮して、元事務次官らに対しても、調査において自らの関与をしっかりと語らせるべきであったと考えます。大臣の所見を伺います。
#123
○国務大臣(松野博一君) まず、今回の最終報告書の報告の対象範囲について、先生の方から御指摘をいただきました。早稲田に関する事案が今回の最終報告の対象となっていない点に関しましては、いわゆる早稲田事案に関しては既に再就職等監視委員会の方で調査があり、確定事項として発表されている、終えられているということで、今回の最終報告には載っていない、対象としていないということでございます。
 今回の調査は、国家公務員法上の指定調査によって任命権者である私に課せられたものでありまして、その対象に関してはきちっと条文ごとに範囲を指定をされているという種の調査でございます。十五件の届出がなかったという案件に関しては、この調査の対象ではなかったということで、この中に、最終報告の中においては書かれていないわけでありますが、しかし、この十五の届出がなかった案件に関しても全職員調査の対象とは当然なっているわけでございまして、それを通してしっかりとそれぞれの事案に関しても調査分析をされているところであります。
 そして、この調査がどこまで踏み込んだものであったかという先生の御指摘でありますけれども、これも繰り返しの答弁で恐縮でございますが、全職員で、三千名以上を対象とした調査をさせていただきました。また、再就職等規制導入以降、全退職者六百名以上を対象とした退職者調査も行いました。ヒアリングも三百回以上を数える回数をさせていただいております。
 個々の調査に関しましては、そのヒアリングに外部有識者、法律の実務家である弁護士の皆さんにヒアリングにも参加をしていただきまして、法律的な実務の観点からヒアリングを進めさせていただいて、それぞれのヒアリング内容を比較をした上で、また更に新たなヒアリング内容を設計していただくという手法によってこの調査が進められてきたものでございまして、文部科学省としては、現状においてでき得る限りの調査をさせていただいたと考えております。
#124
○木戸口英司君 私の今の指摘に対して、また今の文部科学大臣の答弁、これを聞いて、前川前事務次官、ちょっと所見があれば一言お伺いしたいと思います。
#125
○参考人(前川喜平君) 私を含め、これまでの文部科学省の再就職に関する認識につきましては、その遵法意識あるいは違法性の認識において著しく問題があったというふうに認識しております。
 今後、残された職員がしっかりと反省をして、私を反面教師といたしまして、文部科学省の出直しのために頑張ってほしいというふうに思っているところでございます。
#126
○木戸口英司君 最終まとめの中では、誰が携わり、そしていつからあっせんの仕組みが構築されたか、先ほども質問がありました。嶋貫氏は自発的、贖罪の気持ちということもおっしゃられました。しかし、報告書の中では、改正国家公務員法が施行される中で打開策の見通しが立たないうちに改正法が施行され、職員OBの中で再就職のあっせんを行ってもらうしかないという共通認識が生まれていたということも報告されております。
 このことを考えれば、やはりどのように構築されてきたかということ、組織的にそれが行われていたのではないかという疑念はやはり残ります、疑問点があります。これらの点について、文部科学省として全容解明に向けて引き続き徹底的な調査を行うことが再発防止に向けた取組と併せて求められていると思います。この点は指摘とさせていただきます。強く求めていきたいと思います。
 そこで、今回の最終まとめにおいては、大学への再就職に関して数多くの違反事案が認定されました。一方で、違反事案の認定はなされたものの、なぜこれだけ多くの大学への違法な天下りが行われたのかについて、背景にまで踏み込んだ分析はなされていないと思います。再就職の話もあります。その点は当然認められるべきものと思いますが、なぜ大学なのかということ、この点はやっぱり大きな、文部科学省と今の大学行政の在り方、その問題をはらんでいるんではないかということを指摘させていただきたいと思います。
 その中で、文部科学省OBの多くが大学に天下りを行い、また大学側が受け入れているのには文部科学省と大学との関係において構造的な背景があるのではないかと、その構造的な背景を明らかにせずに再発防止をうたったとしても、対症療法的なものとなり、今後もより巧妙な形で違法な天下りがまた続いていくことも考えられます。この点、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#127
○国務大臣(松野博一君) 大学への再就職も含め、国家公務員が法令に違反することなく再就職をし、公務部門で培ってきた能力や経験を活用して社会に貢献することは意味があると考えております。一方で、官民の癒着につながりかねない公務員OBの口利きや予算権限を背景とした再就職のあっせん等の不適切な行為はあってはならない、これはもう当然のことでございます。
 今回の調査の過程においては、再就職等規制違反行為に伴って補助金や許認可等の行政行為がゆがめられる行為がなかったかについても徹底的に調査をしましたが、結果としてそのような行為は確認されませんでした。
 一方で、文部科学省による再就職等規制違反により、文部科学行政に対する国民の皆様の信頼を著しく損ない、当省職員の再就職に疑念を抱かせているものであることを踏まえまして、私の判断により、当省の許認可や財政支出の対象となっている大学等への再就職については、国民の皆様から疑惑が払拭できる、納得いただける体制を構築するまで自粛をお願いをしているところでございます。
 今後、最終まとめの内容も踏まえ、法律やコンプライアンスの専門家など外部有識者の御意見もいただきながら具体的な再発防止のための方策を取りまとめ、実行してまいりたいと考えております。
#128
○木戸口英司君 やはり、大学が自前で計画や目標の企画立案能力を有した人材を育成していくと、そういった環境を整備していくこと、そのことが重要であると思います。そこがないから文部科学省に人材を頼るという状況が続いてきたんだと思います。また、それをそのままにしてきたということも文部科学行政の中に言えるんだと思います。ここは強く指摘しながら、前回の質問でも、私、運営費交付金の話もさせていただきました。しっかりと大学行政の充実ということ、このことを求めていきたいと思います。
 ここで、時間もなくなってきましたので、国家戦略特区における、私は、医学部、獣医学部の新設についてお伺いをしたいと思います。
 千葉県成田市の国際医療福祉大学医学部新設について、まずはお伺いいたします。
 文部科学省は、琉球大学を最後、これは一九七九年でありますが、医学部の設置を認めてきておりません。医師の地域偏在、診療科による偏在といった問題に対しては、卒業後の勤務地を限定する地域枠の入学定員を二〇〇八年度以降千五百人増やすということで対応してきました。これはいい対応だったと思います。更に増やしていくべきだと思っております。その中で、仙台に、東日本大震災の復興支援を目的に、例外措置ということで東北薬科大学医学部が新設され、また国家戦略特区を利用して、本年四月、成田市、国際医療福祉大学医学部が新設されております。
 国家戦略特区を利用した医学部の新設に際しては、文部科学省が国家戦略特区における医学部新設に関する方針というものを示しております。国内外の優れた医師を集め、最高水準の医療を提供できる世界最高水準の国際医療拠点をつくるという国家戦略特区の趣旨を踏まえた国際的な医療人材の育成を目的とするとされております。
 これまで医学部の新設が抑制されてきたのは、研修医の期間も含め医師の養成には八年間も掛かる一方で、教員への引き抜き等により医学部新設に際し地域の医師が不足する、地域医療の質が逆に低下するということが懸念されていることが私は本質だと思っております。その意味で、真に求められているのは、医師の地域偏在を解消し、地域医療を担う人材を育成することであります。実際に、地元の成田市長も、最も重要なのは地元と県内の医師不足解消だと述べるなど、国家戦略特区の目的と地元のニーズとの間には乖離があるようにも思います。
 この点、この医師養成の在り方と、それと国家戦略特区の在り方と、非常に大きな矛盾をはらんでいるのではないかということを指摘したいと思いますが、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#129
○国務大臣(松野博一君) 国家戦略特区におきまして新設された医学部は、医師の地域偏在や診療科偏在の解消を目的とするものではなく、国際的な医療人材の育成を目的とすることを内閣府、文部科学省、厚生労働省で定めており、本年四月に開学した医学部においてもこの目的に沿った教育が今後進められていくものと考えております。
 なお、国際的な医療人材の育成を目的とすることについては、医学教育やグローバルヘルスに関する知見を有する方々から示されたグローバル化への対応は、国際的に活躍できる医療人の育成は我が国にとって極めて重要な課題であるといった御意見を踏まえ、内閣府や厚生労働省とともに新設する医学部の目的として決定したところであります。
 また、我が国の医師養成の在り方については、医師資格を所管する厚生労働省と連携し、適切に取り組んでまいります。
#130
○木戸口英司君 それでは、今治、加計学園の獣医学部新設についてもお伺いをいたします。時間が大分来ておりますので。
 この成田との関係において、二〇一五年十二月の国家戦略特区ワーキンググループのヒアリングの中で、委員から、成田では非常に特殊な医学部だからといって認めてもらったことがあるわけで、これも同じように非常に特殊な獣医学部だから既存の獣医さんとコンフリクトがないという形で持っていくとつくりやすいと思うと。こういう形で、先端サイエンス研究ということ、こういう新たなニーズに対応する獣医学部を新設する、今まで認められてこなかった獣医学部が国家戦略特区によって認められたと。
 同じ問題をはらんでいるのではないかと思いますが、この点、大臣の御所見をお伺いいたします。
#131
○国務大臣(松野博一君) 国家戦略特区における獣医学部新設については、昨年十一月九日の諮問会議において、先端ライフサイエンス研究や感染症に係る水際対策など、獣医師が新たに取り組むべき分野における具体的需要に対応するため、獣医学部新設を可能とする制度改正を直ちに行う旨の追加規制改革事項が内閣府を中心に農林水産省とも調整の上で決定されました。これを踏まえ、内閣府と共同で獣医学部新設を可能とする告示の改正を行ったという経過でございます。
#132
○委員長(赤池誠章君) 時間が来ておりますので、質疑をおまとめください。
#133
○木戸口英司君 はい。
 この点については、大学行政、そして文部科学行政、そして地域創生という部分と、いろいろと矛盾をはらんでいる問題だと思っております。また、更に指摘をしたいと思います。
 以上でございます。
#134
○松沢成文君 無所属クラブの松沢成文です。
 いつもどおり最後の質問者でありますので、大臣、お疲れだと思いますけれども、よろしくお願いいたします。
 この職員の再就職というか、天下り問題のちょっと大きく全容を確認をしたいなというふうに思うんです。現在、文科省の職員は何人おられますでしょうか。天下りというか、文科省の所管団体に天下り中のOBは何人おられますでしょうか。
#135
○政府参考人(中川健朗君) お答え申し上げます。
 文部科学省の職員数は二千百十六名でございます。また、文部科学省所管の独立行政法人における現在の再就職者数全体については把握しておりませんが、国家公務員法に基づく再就職状況の届出によりますれば、文部科学省所管の二十三の独立行政法人に平成二十一年以降三十一名の文部科学省OBが再就職しております。
#136
○松沢成文君 文科省の職員数というのは、これ、法律もありますので、大体二千名、二千百名ちょいでずっと来ているんですね。それで、この文科省の所管団体に天下り中の職員、今のお答えは独立行政法人二十三に三十一名が天下っていたと。
 ただ、もっとちょっと大きく捉えて、独立行政法人の下に財団法人とか社団法人とかいう認可法人が幾つもぶら下がっているんですね。これ広く含めると、文科省の所管の法人だとすれば、私は、すごい数の法人があって、すごい文科省のOBが天下っているんじゃないかというふうに思うんです、疑うんです。
 なぜかといいますと、これ、二〇〇九年に衆議院の調査局が、二〇〇八年に国家公務員法の改正があって天下り規制が新たにできたんですが、その一連の騒動があった時期ですね、この時期に衆議院の調査局が公務員の天下り調査というのをやっています。当時の文科省の職員が二千百九十二名、これは今と余り変わりません。天下り中のOBが何と二千九百八十人いると。すごい数字だと皆さん思いませんか。現職の職員よりもOBで天下り中の職員の方が多いという省庁はこのときの調査で文科省だけなんですね。いやあ、すごいことだと私は思いました。
 じゃ、次に、文科省所管の団体数ですね。できれば、独立行政法人だけじゃなくてその下にぶら下がっている認可法人等も含めていただきたいのですが、何団体ぐらいあるのか。年間の文科省の予算のうち、こうした団体に対する助成金の金額は幾らで、予算の何%ぐらいになるのか、教えていただきたいと思います。
#137
○政府参考人(中川健朗君) お答え申し上げます。
 一般財団法人等は今内閣府の所管になっておりますので、文部科学省が現在所管している独立行政法人の法人数ということでお答え申し上げますが、こちらについては二十三法人でございます。平成二十九年度当初予算において、これらの法人に対する支出としては、運営費交付金や施設整備費補助金など、一兆一千四百八十億円を計上してございます。
#138
○松沢成文君 これも、今の答弁のとおり、公益財団とか一般財団の法人が内閣府の所管になっているので、これ文科省系の団体であってもカウントがされないんですね。そこで浮かび上がってきませんが、この衆議院の調査局の調査によると、大体文科省の予算の約半分はこうした団体に助成金として流れているということでありました。これ、十年近く前の調査ですけど、今も実態は私は余り変わらないんじゃないかというふうに思っています。
 大臣、そういう意味では、文科省というのは、天下り団体、少ないんじゃなくて、たくさんあるんですよ。それで文科省のOBは全てこういう団体に天下れるような構図ができ上がっているんじゃないでしょうか。つまり、天下り天国です。十年前の調査ですけれども、職員が二千百人か二千二百人で、天下り中のOBが二千九百八十人いるということですから。大体職員が文科省にいるのは三十年ぐらいでしょう、大学出の職員が。だから、じゃ、五十後半から六十で天下って、すごい長い間天下り団体にいるか、あるいは一人が二つ三つの天下り団体の役職を持っているかなんです。そうじゃないとこういう数字出てこないんですね。ですから、多分、わたりという、もう天下り団体から次に、またその次にと行って、恐らく十数年、七十を過ぎるまで天下りを続けて、わたりを続けて、退職金を数度もらうという、こういう構図がない限りこういう数字は私は出てこないと思うんですね。
 さて、大臣、その文科省の下に独立行政法人がぶら下がって、その下に箱物が幾つもできます、博物館とか、何とか事業団とかなんとか。で、その箱物ごとに財団法人や認可法人がみんなぶら下がっている。つまり、天下り法人がネズミ算のように増殖していく構造が文科省を頂点にでき上がっちゃっているんじゃないですか。先ほど高木委員の指摘にあったように、こうしたところの行政改革をしっかりやっていかない限り、文科省村のみんなで天下りできるからいいところじゃないかという村意識は私は永遠に変わっていかないと思うんですが、大臣の御認識をお聞かせいただきたいと思います。
#139
○国務大臣(松野博一君) 国家公務員の再就職は国家公務員法により規制をされていますが、独立行政法人の職にある者の再就職についても独立行政法人通則法により規制がなされています。また、独立行政法人と財団法人の関係の透明性を確保するためには、資金の流れを押さえることが大事と認識をしています。
 このため、平成二十四年六月一日の行政改革実行本部決定に沿って、独立行政法人から財団法人等に対する支出状況を定期的に公表することや、随意契約がある場合にはその適切性を点検した結果を公表することにより、今国民から疑念を招かないよう政府全体としても努めてまいりたいと考えております。
#140
○松沢成文君 ちょっと議論を先に進めますが、それでは、文科省が補助金を出している旧科学技術庁系の団体は幾つありますか。そして、その総額はどれぐらいになっているでしょうか。
#141
○政府参考人(中川健朗君) お答え申し上げます。
 文部科学省が現在所管している独立行政法人のうち、旧科学技術庁関連、これは国立研究開発法人になりますが、国立研究開発法人の法人数、これは八法人でございます。平成二十九年度当初予算におきまして、これらの法人に対する支出として運営費交付金や施設整備費補助金など五千七百六十二億円を計上してございます。
#142
○松沢成文君 八法人で五千七百六十二億円、かなりのお金が流れていますよね。
 これらの団体の役員と職員に文科省のOBは名人ぐらいいると把握していますか。
#143
○政府参考人(中川健朗君) お答え申し上げます。
 旧科学技術庁関連の八国立研究開発法人における現在の再就職者数については把握しておりませんが、国家公務員法に基づく再就職状況の届出によりますれば、旧科学技術庁関連の八国立研究開発法人の役員及び職員として、平成二十一年以降、計二十五名の文部科学省OBが再就職していますが、役員として再就職した者はおらず、二十五名全員が職員であると承知してございます。
#144
○松沢成文君 これ、役員と職員の境目が分からないんですけど、例えば顧問というのは役員に入るんですか、職員ですか。
#145
○政府参考人(中川健朗君) 一般的には役員には入らないと存じます。
#146
○松沢成文君 JSTという独立行政法人があります。これ、国立研究開発法人の科学技術振興機構という団体ですね。この団体はどのような団体で、年間の補助金額はどれくらいでしょうか。そして、これは各省庁から天下りが相当行っている、天下りというか、職員が、OBが相当行っていると思いますが、その中で文科省のOBの人数はどれくらいでしょうか。
#147
○政府参考人(伊藤洋一君) お答え申し上げます。
 科学技術振興機構、JSTは、科学技術基本計画の中核的実施機関といたしまして、イノベーションを創出することを目的として、国の政策に基づいて基礎研究から産学連携まで一貫した研究開発を推進しております。
 具体的に申し上げますと、自ら研究開発を行うのではなくて、主に大学や研究機関等を対象に厳正な審査の下で研究資金を配分して行う研究開発、あるいは研究戦略の立案、情報基盤の強化、科学技術コミュニケーション、人材育成、こういった事業を総合的に展開しているところでございます。年間の予算、二十九年度予算におきます政府の支出額は一千十九億一千七百万となってございます。
 それから、各省からの再就職者数でございますけれども、平成二十年の国家公務員の再就職人数の調査のときと同様の条件、すなわち国家公務員を退職してJSTに再就職した者で、本省経験者のみならず、本省出身者のみならず、国立大学とか当時の国立試験研究機関、こういった機関の職員として三年以上在職した者も対象とする、こういった条件の下でカウントいたしますと、二十九年四月一日現在では五十名となります。このうち、文部科学省出身者は三十四名でございますけれども、本省出身者は十四名、これ以外に法人化以前の国立大学とか国の試験研究機関に在籍した方が二十名となってございます。
#148
○松沢成文君 将来有望な研究にお金を、助成をしていくという機関で、年間一千億の予算ですよね。天下りというか、OBの人数は間接経由で来た人も含めて五十名で、そのうち文科省が三十四名、わあ、もう天下りの巣窟のような団体だと私には見えるんですけれども。
 さて、この団体の元理事長、沖村さんという方がいらっしゃって、この方は一九九九年に科学審議官を退官した後に、同年、このJSTの前身である科学技術振興財団の専務理事に就職したんですね。九九年です。そして、〇三年には理事長になっています。そして、〇七年には顧問に就任しています。普通、理事長をやったら数年で顧問を退いて御勇退ということになると思うんですが、何と一三年に特別顧問というポストを新設して、自ら新設して自ら就任している。現在でも、もう七十何歳なんでしょうか、日本・アジア青少年サイエンス交流事業推進室長というのを務めていて、まだこのJSTに在籍ということです。
 まず、なぜこういう特定の人物が二十年近くも、先ほど顧問は幹部ではないと言いましたけれども、専務理事、理事長、そして顧問、特別顧問と、ずっと二十年近くも居座っているんでしょうか。相当優秀なんでしょうか、この方は。
#149
○政府参考人(伊藤洋一君) JSTの沖村氏についての御質問でございますけれども、一九九九年、平成十一年に科学技術庁退職後、これは当時の新技術事業団法に基づきまして、内閣総理大臣の認可を受けて科学技術振興事業団の理事長が同氏を専務理事に任命し、その後、法律に基づき文部科学大臣が同氏を科学技術振興事業団あるいはJSTの理事長に任命してございます。
 沖村氏がJSTの理事長を退任した後は、平成の十九年から二十五年までJST顧問、また現在も行っておる業務といたしまして、平成二十一年から中国総合研究交流センター上席フェロー、平成二十五年からJST特別顧問、平成二十六年から日本・アジア青少年サイエンス交流事業推進室長を務めているのは、今先生御指摘のとおりでございます。なお、特別顧問につきましては、これは沖村氏が自ら創設したものではないというふうに伺ってございます。
 沖村氏のこういった過去の公務で培ってきた能力、経験を評価して、それぞれのポストの業務内容に応じてその時々の理事長が任命してきた結果であるというふうにJSTから聞いてございます。
#150
○松沢成文君 文科省の人事課は、この沖村氏に退職予定者や文科省OBの就職のあっせんを依頼したことがあるんでしょうか。
#151
○政府参考人(中川健朗君) お答え申し上げます。
 今回の調査におきましては、旧文部省出身、旧科学技術庁出身の区別なく、全職員及び改正国家公務員法施行後に退職した全ての退職者を対象に徹底した調査を行いました。結果として、旧科学技術庁系につきましては、組織的な再就職あっせんが行われていたことは確認されておりません。人事課から沖村氏に就職のあっせんを依頼したことも確認されておりません。
#152
○松沢成文君 私は、旧文部省ルートで、先ほどの嶋貫さん、OBを使って退職予定者のあっせんをしていたルートというのがかなり確立していたわけですね。もう一方で、旧科学技術庁のルート、ここも天下り団体たくさんありますから、ここで長い間OBとして、JSTの役員というか、ずっと君臨していたのが沖村氏で、沖村氏がかなり旧科技庁系の職員の再就職のあっせんを行っていたのではないかという幾つかの情報をいただいております。
 もう一度聞きますが、旧科技庁関係の団体への天下りの仲介を沖村氏が行っていたんじゃないかというのが私の疑惑なんですね。今回の調査で沖村氏仲介の天下り人事はなかったのか、沖村氏本人をヒアリングしたのか、あるいは、ほかのヒアリングした人から沖村氏に世話になったとか、こういう情報はなかったのか、もう一度確認をさせてください。
#153
○政府参考人(中川健朗君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたとおり、今回の調査で旧科学技術庁系につきましては、組織的な再就職あっせんが行われていたことは確認されておりません。
 また、今回の調査に当たりましては、三千名以上を対象とした全職員調査、あるいは再就職規制導入以降の全退職者六百名以上を対象とした退職者調査、これらを始めヒアリング調査等種々のものをやってまいりました。その中で、有識者の指導、判断の下、こういった全職員調査、OB調査等その他の各種の情報を基に、元々再就職等規制委員会から指摘のございました組織的なあっせん構造の解明、あるいは違法行為の認定のため、こういったものの必要なヒアリングを行ってきたものでございます。
 有識者等の判断の下、そういった必要なヒアリングを行ってまいりました。沖村氏については、これらに該当しておりませんでしたので、ヒアリングは行ってございません。
#154
○松沢成文君 時間がないので、最後に、大臣、二つ端的に伺います。
 まず、天下りによる癒着を断絶するには、省庁が認可や補助金を出している団体には、例えば少なくとも退官後二年間は再就職を認めないというようなルールをここで新たにもう一度作るべきではないかという考えについてどう思うか。
 そしてもう一つは、OBが仲介することで次官や役所は借りができるわけですね。天下り団体の予算を増額するような配慮につながるおそれもあると考えますけれども、ここで、先ほどからほかの委員からも御意見出ていますが、もう一度、国家公務員法でOBによるあっせんを禁止する、現職の職員だけでなくてOBによるあっせんも禁止すると、これが一番分かりやすい今回の事件に対する対処法になるんじゃないかと思いますが、この二つについての御見解を伺って、終わります。
#155
○国務大臣(松野博一君) まず、新たな再就職に対する規制枠組みをつくることはどうかということでございますが、国家公務員制度の改善に関しまして、松沢先生からの御提言も含め、政府全体の対策ということになりますと、山本大臣を始め、山本大臣が所管大臣ということになります。これは政府全体で検討しなければならないことでございますので、もしそういった対策が取られる状況になれば、もちろん文科省としてもしっかりと協力をしてまいりたいというふうに考えております。
 OBによるあっせんを禁止してはどうかということでございますが、現状において、退職して営利企業等に再就職した職員OBについては、離職前五年間在職した局等の組織の職員に対して再就職に関する契約等事務について離職後二年間働きかけを禁止する等、もう働きかけに対する規制を行っているところであります。その中において、今回の文部科学省の最終まとめにおいて、調査を通じて考え得る再発防止の在り方の一つとして、現職職員と職員OBの関わり方について改めて見直して、より厳格にルール化することの検討等も指摘を受けているところでございます。
 文部科学省としては、このような最終まとめの指摘を踏まえて、今後、法律やコンプライアンスの専門家の御意見をいただきながら再発防止のための方策を取りまとめたいと考えておりますが、先ほど申し上げましたとおり、全体の制度に対する改革、改善の提言でございますとか、また、今、松沢先生の方から御提言いただきましたOBあっせんの禁止等に関して、現状において文部科学大臣としてお答えすることは適切でないと考えますので、差し控えさせていただきたいと考えております。
#156
○松沢成文君 ありがとうございました。
#157
○委員長(赤池誠章君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後二時二十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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