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2017/05/25 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 文教科学委員会 第11号
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2017/05/25 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 文教科学委員会 第11号

#1
第193回国会 文教科学委員会 第11号
平成二十九年五月二十五日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十四日
    辞任         補欠選任
     野田 国義君     蓮   舫君
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     吉良よし子君     小池  晃君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         赤池 誠章君
    理 事
                石井 浩郎君
                堂故  茂君
                斎藤 嘉隆君
    委 員
                今井絵理子君
                上野 通子君
                衛藤 晟一君
                小野田紀美君
                橋本 聖子君
                水落 敏栄君
                山本 順三君
                大島九州男君
                宮沢 由佳君
                蓮   舫君
                河野 義博君
                三浦 信祐君
                小池  晃君
                高木かおり君
                木戸口英司君
                松沢 成文君
   国務大臣
       文部科学大臣   松野 博一君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        長坂 康正君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        戸田 浩史君
   政府参考人
       内閣府地方創生
       推進事務局次長  川上 尚貴君
       文部科学大臣官
       房総括審議官   義本 博司君
       文部科学省高等
       教育局長     常盤  豊君
       農林水産省政策
       統括官付参事官  小川 良介君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関
 する調査
 (国家戦略特別区域における獣医学部新設の経
 緯に関する件)
 (獣医学部新設についての報道等に係る文部科
 学省の調査結果に関する件)
 (獣医学部新設に係る関係府省間の調整過程に
 関する件)
 (獣医学部新設に係る大学設置・学校法人審議
 会の審査の在り方に関する件)
 (今後の獣医師の需給バランスに関する件)
 (報道等における前文部科学事務次官の発言に
 関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(赤池誠章君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、野田国義君及び吉良よし子君が委員を辞任され、その補欠として蓮舫君及び小池晃君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(赤池誠章君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府地方創生推進事務局次長川上尚貴君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(赤池誠章君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(赤池誠章君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○斎藤嘉隆君 民進党・新緑風会の斎藤嘉隆です。
 早速質疑に入りたいというふうに思います。
 本日発売の週刊誌、そして一部の商業紙等で前川前文部科学事務次官による様々な告白の報道記事が掲載をされています。今回、文科省の内部文書ということで示されていましたいわゆる加計学園の獣医学部設置をめぐる総理の御意向文書、これが事務次官時代に前川氏自身が部下から受け取ったレク用の、つまり説明用の資料である、それで間違いないんだと、こういう前事務次官の証言が掲載をされています。
 文科省内部の調査では存在が確認できなかったというようにしていたこの文書、時の事務方トップが、はっきり申し上げて、確認作業などをするまでもなく、省内に存在をする文書だと、ここまでのことを言われている。文書がしかも省内での自分向けの説明用文書であったと、こういう旨の発言です。この前次官の告白の内容は、これは普通に見れば動かしようのない事実だというように思います。大臣の御認識をお伺いをしたい。大臣、そういう認識でよろしいですね。
#7
○国務大臣(松野博一君) 斎藤先生の質問にお答えをさせていただきます。
 御指摘のあった文書につきましては、十九日に、文部科学省が該当する文書の存在は確認できなかったとの調査結果を公表しております。
 また、今先生の方から御指摘がありました一部週刊誌等の内容に関して、本日発売のものでございますので、読み込んでいる、精査をしているわけではございませんけれども、いずれにいたしましても、これはもう既に辞職をされた方の発言でございますので、文部科学省としてコメントする立場にございません。
#8
○斎藤嘉隆君 いや、新聞はもう読まれたと思いますし、それから週刊誌の報道も当然でありますけれども読まれたというふうに思います。そこに文科省の調査と違う内容が明々快々と述べられているわけです。やっぱりここはしっかりした調査をすべきだというふうに思います。
 私は、この文書の内容やあるいは前川さん御自身の発言の真相も含めて、この件を明らかにするためには前川さん本人にこの委員会に来ていただいて話をお聞きをするのがベストだというふうに考えましてこの委員会への参考人の招致をお願いをさせていただきましたけれども、先ほどの理事会で与党の皆さんには応じていただけなかったと、こういう状況であります。確認もさせていただきましたけれども、本人から断りがあったわけではないと、こういうことであります。
 私は、やましいことがないのであれば、国民の疑念を晴らすためにも、本人を呼んで事情を聞いて事の真相を明らかにすべきだというように思っています。大臣もここは同じお考えを持っていただけるのではないかなと思いますが、前川氏から真相を聞く、委員会等も含めて、こういう方向性は大臣も共有していただけますよね。
#9
○国務大臣(松野博一君) 先生も御承知の上で質問されているんだと思いますが、委員会の運営に関して行政から意見を申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
#10
○斎藤嘉隆君 省の様々な事柄について責任を持つ大臣というお立場からこの件についてどのようにお考えになるかというふうにお聞きをしたつもりでありますけれども、理事会でもお願いをさせていただきましたが、前川さんの参考人の招致について当委員会として是非強く求めていただきたい、このことを委員長に是非改めてお願いをしたいというふうに思います。
#11
○委員長(赤池誠章君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議をさせていただきます。
#12
○斎藤嘉隆君 時の事務方のトップが、文科省内の調査と結果として違う、異なる発言をされていらっしゃるということです。これ、文書の存在について、調査は一旦終了しておりますけれども、改めての確認が必要だと思いますが、文科省としてどのような認識をしてみえますか。
#13
○政府参考人(義本博司君) 今般、文科省におきまして、民進党調査チームから提出された文書及び五月十八日の朝日新聞の一面に掲載された関連内容につきまして、文部科学省の判断でヒアリングを実施するとともに、並行して、担当部局の国家戦略特区に関する共有ファイルや共有の電子フォルダの中に該当する文書が存在するかどうかについての確認を行いました。その結果、共有ファイル等の中に該当する文書の存在が確認できなかったところでございます。
 また、ヒアリングにおきましては、この問題を担当する専門教育課の課長、企画官、課長補佐及び専門教育課の上司であります高等教育局長、それから担当大臣官房審議官、特区の窓口でございます行革室の室長補佐などを対象に実施したところでございます。ヒアリングにおきましては、当該文書において作成したことがあるか、職員間で共有したことがあるかについて調査を行いまして、そのヒアリングを通じまして、該当する文書として存在を確認できなかったと結論付けたところでございます。
#14
○斎藤嘉隆君 質問に、時間がないので、端的にお答えをいただきたいというふうに思います。
 前川さんによると、これらの文書は次官時代に、御自身が事務次官の時代に、獣医学部の新設について専門教育課の職員から手渡されて説明を受けたと、こういうことをおっしゃっているわけであります。つまりは、恐らく専門教育課の課長さんか課長補佐か、あるいは企画官か、いわゆる調査の対象になっていたこの三名の方のいずれかか、あるいは全員が同席の場でそのようなやり取りがなされたんだというふうに考えます。
 この三人については、中身だけお答えいただければいいですが、文書の存在を調べるこの聞き取り調査の対象になっていますけれども、聞き取り調査でこの文書の存在について、あるいは共有について、どのような聞き取りに対する答えをしていたんですか、具体的にお答えください。
#15
○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。
 ヒアリング対象者につきましては、示された該当する文書、それから朝日新聞の記事に関連する内容を見せながら、該当する文書が作成したか、あるいは職員間で文書を共有したことがあるかについて、それぞれの文書ごとに確認をさせていただいたところでございます。当該文書を作成、共有したことについては確認ができなかったところでございます。
 また、担当部局の共有ファイルや共有の電子フォルダを確認し、共有ファイルの中に該当する文書がないかについて確認したところでございます。その結果、該当する文書の存在が確認できなかったところでございます。
 こうした多面的な調査方法に基づいてこうした結論を出したところでございます。
#16
○斎藤嘉隆君 ちょっと繰り返しになりますけれども、この三人は、例えば文書を共有したことがあるかという問いに対して、そのことを否定をしているのか、あるいは記憶がないと言っているのか、これはどちらですか。
#17
○政府参考人(義本博司君) 該当する文書を見せながら、作成したことがあるか、共有したことがあるかについて確認いたしまして、それぞれにつきまして、作成したことも共有したこともないというふうな証言をいただいているところでございます。
#18
○斎藤嘉隆君 文科省の調査の最終的な結論は、確認ができなかったということになっています。これはこれで間違いないというふうに思いますけれども。
 私、昨日、官房長官が記者会見の中で、文科省の調査では文書がないということになっていると、それに尽きるというように官房長官御自身がお答えになられています。それは事実ではありませんね。官房長官の言うように、文科省の調査では文書がないということになっていて、それに尽きていると、こういう調査結果ではありませんね。ここだけ確認させてください。
#19
○政府参考人(義本博司君) 今回の調査におきましては、行政文書として該当する文書の存在があるかどうかについて確認させていただきまして、行政文書として当該文書の存在について確認できなかったという結論を出しているところでございます。
#20
○斎藤嘉隆君 確認できなかったということですから、あるともないとも言っていないわけです。確認できなかったということで、文書がないという結論ではないですね。大臣、いかがですか、大臣。
#21
○国務大臣(松野博一君) 今政府参考人からお話をさせていただきましたとおり、先ほどのお話をさせていただいた調査によりまして、その担当の局内における行政文書として存在をしていなかった、存在がないということでございます。
#22
○斎藤嘉隆君 行政文書としてはないと。じゃ、メモの類いはあるかもしれない、あるいはあったと、こういう認識でいいんでしょうか。
#23
○国務大臣(松野博一君) 先般行いました調査は、お示しをいただきました当該文書に関しての存否に関して調査をしたものでございまして、その対象は、文科省にということでございますから、行政文書ということでございます。
 しかし、通常、こういった個人メモ、備忘録等に関するものに関して調査をすることはございませんが、今回は、様々な総合的な判断の中において、対象者に対してヒアリングをさせていただきました。その中において、先ほど政府参考人から答弁をさせていただきましたとおり、この作成について、また共有について確認できないということでございます。
#24
○斎藤嘉隆君 確認できない、文書がない、ここをはっきりしていただかないと、この先の議論が進まないんです。
 私は、確認ができないのであって、文書があるかもしれないし、ないかもしれないと、このように、調査結果について御説明をお受けをしたときに、理事会で、そのように受け止めさせていただいておりますし、多くの皆さんがそのような認識をお持ちだというように思っています。
 これ、内閣府にもちょっとお聞きをしたいというふうに思いますが、今日は政務官にもお越しをいただいていますけれども、これだけの情報が出て、全部、事務次官からも文書に名前が出ている元衆議院議員からも、この文書の中身が真実だという話が出ている。もうもはや、これは官邸も含めて、怪文書と言って無視をできるような、そんな代物ではないというように思います。
 元々は、事の発端は内閣府ですよ。内閣府です。責任者は、御本人もおっしゃっていられるように、山本担当大臣です。内閣府でも、当然でありますけれども、ここまで大きな話題になっているこの状況を受けて、担当審議官等に細かく聞き取りをして、事実関係を調査をして発表すべきだと、このように考えますが、いかがでしょうか。
#25
○政府参考人(川上尚貴君) お答え申し上げます。
 御指摘の文書につきましては、今文科省の方からお話もございましたとおり、調査の結果、既に該当する文書の存在は確認できなかったということでございまして、こうした文書について内閣府としてもお答えする立場にはございません。
 いずれにいたしましても、既に事務方からも答弁しているところでございますけれども、内閣府が、官邸の最高レベルが言っている、あるいは総理の御意思だというようなことを言ったことは全くないということでございます。
 それから、九月二十六日の打合せの文書というのも御指摘の範囲かと思いますけれども、これにつきまして事務方に確認したところでは、具体的な日付や内容は記録もなく定かではないものの、文科省の担当管理職と昨年の九月から十月頃に面談を行ったというふうに伺っているところでございます。
 以上でございます。
#26
○斎藤嘉隆君 いいです、事務方の答えは結構です。
 政務三役として、今の問いに対してこの中身、真相を明らかにする、そういう義務があると思いますけれども、内閣府には、この件について政務官はどのように認識をしておられますか。
#27
○大臣政務官(長坂康正君) お答え申し上げます。
 御指摘の文書につきましては、出所も分からず、お答えする立場にないということでございます。
#28
○斎藤嘉隆君 いや、前次官が、まさに省のトップである前次官がこれは文書として存在をしたということをおっしゃったこの背景を踏まえて今お聞きをしているんです。そのような形でこのままスルーはできないと思いますよ。いかがですか、政務官。
#29
○委員長(赤池誠章君) まず、先に川上次長の方からお話しした後、長坂政務官、お願いいたします。
#30
○政府参考人(川上尚貴君) お答え申し上げます。
 大変繰り返しになって恐縮でございますけれども、御指摘の文書につきましては、文科省の調査の結果、既に該当する文書の存在を確認できなかったということでございますので、私ども内閣府としてもお答えする立場にないというふうに認識をしてございます。
#31
○大臣政務官(長坂康正君) 恐縮でございます。
 御指摘の文書につきましては、文部科学省の調査の結果、既に該当する文書の存在を確認できなかったということでありまして、出所も分からず、その信憑性も定かでないといった文書については内閣府としてはお答えする立場にないということでございます。
#32
○斎藤嘉隆君 信憑性が定かでないというようにおっしゃるのであれば、やはりここの場に前川さん御本人に来ていただいて事の真相を御本人の口から御説明をいただくべきだというように思います。
 この報道を、様々な報道を見ても、文科省は、大臣も含めて、この獣医学部の新設に対してはやっぱり強い懸念を当初持っていたと。にもかかわらず、内閣府や、あるいは場合によっては官邸かもしれません、から強い圧力があって、それに抗し切れずに筋が通らない話を通してしまった。
 文書の存在を調べる調査では、元々やっぱり文書がある、あるんじゃないかなと思いますけれども、黒いものを白と言えというようなことを言われながらも、私は、今のやり取りの中で確認できないということですから、否定も肯定もしておられないわけですよ。これは、文書はないという明確なうそはついていない、文科省は。あえてちょっとこのように捉えさせていただきたいというふうに思います。我々が指摘をしていたとおり、総理の意向を無理にのまされた文科省と、こういう構図がやっぱりどうしても見えてしまう、そのように思います。
 ある意味で、私は文部科学省は被害者だというようにも思いますけれども、こういう指摘が様々報道でもされているというふうに思いますが、大臣、こういう指摘についてどう考えられますか。
#33
○国務大臣(松野博一君) まず、官邸から直接、間接に私たち、私に対して、文科省に対して、国家戦略特区に関して何らかの指示があったということは事実はございません。
 その上でお話をさせていただきますと、そもそも、国家戦略特区のこの段階における文科省の立場、立ち位置をお話をさせていただきたいと思いますが、これはもう先生御承知のとおり、大学の設置申請というのは原則は自由であります。その原則自由の、これは所定の規定をクリアした申請者であればということが当然の前提でありますけれども、その中にあって、医師、歯科医師、獣医師、船舶乗船員がこれは抑制をされていると。その理由は、これはそれぞれの所管省庁の判断による全体の需給バランス、これを前提として抑制をしてきたわけであります。
 今回の国家戦略特区のまずこれは申請を受け付けるかどうかということの判断に関しては、申し上げたとおり、今までの判断がそもそも需給に関するものをもって文科省は判断をしていたわけでありますから、その判断は当然直接的に文科省ができるわけではありません。所管の農水省の従来からの判断を基にということでございますが、私たち文科省が一貫して言っておりましたのは、内閣府によって新しい獣医師養成に関するコンセプトが提示をされて、そして、その中において、そのコンセプトによる運用によって全体の獣医師の需給がこれは農水省の判断によって影響を受けないということであれば、これはもう元々の原則に従って私たちはその申請を受けて、そして大学の設置審においてしっかり公正中立に判断をしていくというのが文部科学省の立ち位置でございますから、もうそもそもこの段階において文部科学省が何らかの圧力を受けるような必要がないということでございます。
#34
○斎藤嘉隆君 それでは、需給の問題が今ありましたので、少し詳しくお伺いをしたいというふうに思います。
 資料を用意させていただいて、一から三までありますけれども、資料の一で、特に二〇一五年六月三十日、これ日本再興戦略改訂二〇一五、これが閣議決定をされています。この中で、資料二にありますように、獣医師養成系大学・学部の新設に関する検討についてという、いわゆる四つの条件が示されています。それをちょっと分かりやすく表にしてみました。@、A、B、Cと、この四つの条件を満たした場合に初めて獣医学部の新設について検討が可になると、こういう中身であります。@、A、B、Cについての今回の加計学園岡山理科大学の獣医学部が本当にそれに合致しているのかどうかと。「?」と書いてあるのは、もう合致していないんではないかと私なりに判断をさせていただいたところでありますけれども、全部ちょっと聞く時間がないので、見ていただきたい。Aの部分ですけれども、新たに対応すべき分野における具体的な需要が明らかになったときに獣医学部の新設について検討するということになっています。
 今回、どのような分野の需要が明らかになったんですか。内閣府、お答えください。
#35
○大臣政務官(長坂康正君) お答え申し上げます。
 日本再興戦略改訂二〇一五では、現在の提案主体による既存の獣医師養成でない構想が具体化すること、ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要が明らかになること、既存の大学・学部では対応が困難であること、近年の獣医師の需要の動向を考慮することといった留意点を示しております。
 提案主体による構想の具体化については、提案者から、獣医師が新たに対応すべき分野や既存の学部では対応が困難であることなど、具体的な構想の説明がございました。ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要については、鳥インフルエンザなど人獣共通感染症が家畜等を通じて国際的に拡大していく中で、地域での水際対策や新薬の開発などの先端ライフサイエンス研究の推進など、獣医師が新たに対応すべき分野で具体的需要が高まってきていると……(発言する者あり)
#36
○斎藤嘉隆君 今、私がお聞きしたのは、新たに対応すべき分野における具体的な需要についてお聞きをしたのであって、今政務官からの答弁では、鳥インフルエンザなどへの対応云々といった部分の今お答えがあったかというふうに思います。
 いろいろ調べてみたんですけれども、地域での鳥インフルエンザってどれぐらい起きているのかということなんですが、昨年十一月から全国での発生状況を示した資料を資料三にお示しをさせていただいていますので、是非御覧をいただきたいと思います。
 この間、全国で二百三十件、鳥インフルエンザの発生が事例として報告をされています。中見ていただくと分かるように、茨城での六十二件とか、鹿児島での三十件、岩手の二十件、愛知での十七件、こういう事例がありまして、幸いにも四国では発生事例は一件もないんです。昨年や今年だけでなく、この数年確認する限り、四国での発生の例はありません。四国に拠点をつくっても、この点について迅速な対応ができないのではないかと。わざわざ特区認定をしてまでこの事業が、今の鳥インフルエンザの対応も含めて、必要だという明確な理由をお示しをいただきたいと思います。
#37
○政府参考人(川上尚貴君) お答え申し上げます。
 鳥インフルエンザの発生地域の御指摘かと思いますけれども、家禽類の高病原性鳥インフルエンザの発生状況を見ますと、今資料でも御覧いただいているとおり西日本での発生が多うございまして、平成二十三年以降で見ましても、四国地域に近い大分県、宮崎県、山口県でも発生が確認されているところでございます。
 近年、高病原性鳥インフルエンザなどの越境感染症の発生リスクが高まる中で、四国地域で仮に発生した場合の封じ込め対策、あるいは近隣府県で発生した場合の四国地域への侵入防止対策などのために対応可能な獣医師を確保するということ、あるいは学術的な支援拠点が存在するという意義は大変大きいと思ってございます。例えば、感染症発生時に疫学調査チームが編成される際、地域の畜産情勢を理解した学識経験者が加わることで一層詳細な分析や検証が可能となるというようなこと、また、近隣からの侵入防止対策につきましても、地域の畜産事情に精通した立場から対策を実施する自治体を学術的に支援することがこれによって可能となるということでございます。
 このほか、新たな獣医学部は、先端ライフサイエンス研究の推進に資する獣医師や、水際対策に関し国際的な対応が可能な産業動物獣医師の養成をも目的とするものでございまして、したがいまして、四国地域で今現在まだ鳥インフルエンザの発生がないといたしましても、獣医学部新設の必要性は大変大きいと考えるところでございます。
#38
○斎藤嘉隆君 必要ないと申し上げているわけではありません。今回の国家戦略特区という枠組みを利用して、そして広域的にこの地域にどうしても迅速な対応も含めて必要だということが、自分の理解がなかなか難しいんです。
 専門的なことは分からないんですけれど、数年間遡って調べさせていただきましたけれども、これ瀬戸内海に面した愛媛県ですとか香川県ですとか広島県、岡山県などではやっぱりこの鳥インフルエンザの発生というのは見られないんですね。これ、何ででしょう。渡り鳥の飛来の経路などにも関係をしているのかも分かりませんけれども、感染症の水際対策ということで地域的に四国に拠点を置く、こういう必然性が若干説得力をこれ欠くのではないかと、こういう指摘をさせていただいています。
 獣医師の需要、需給の課題についても大臣からもお話がありました。これ文科省としては、そこは範疇ではなくて、このことは農水省含めてそこの判断をして、その判断に従って今回の特区の認定に向かって動いていったと、こういう御説明であったかというふうに思いますけれども、これは、獣医師の需給、供給が不足していると言えるんでしょうか。また、それは四国を含む地域が特に不足をしているという数的な根拠を是非お示しをいただきたいと思います。
#39
○政府参考人(小川良介君) お答え申し上げます。
 獣医師の需給につきまして、近年、牛、豚といった家畜、あるいはペットでございます犬、猫の飼養頭数というものは、いずれも減少傾向にございます。一方で、ペット一頭当たりの診療回数というものは増加していると考えられることから、一概に申し上げることはなかなか難しいのでございますが、獣医師の数自体が全体的に不足しているという状況にはないと考えております。
 ただ、このような中、牛、豚といった産業動物の診療を行う獣医師につきましては、都道府県単位の畜産協会等が地元に就職することを条件に獣医学生等に対しまして修学資金を貸与する事業を実施している状況に鑑みますと、地域によってはその確保が困難なところがあるという状況にあると認識しております。具体的には、四国地方におきましてもこの修学資金の貸与事業を行っているところでございます。
#40
○斎藤嘉隆君 今、産業動物診療獣医師のことについても触れられましたけれども、ちょっと古い資料で、今ちょっと出てこないんですけれども、恐縮ですけれども、以前、政府がこの産業動物診療獣医師の地域別需給割合という将来見通しを出しておられます。二〇四〇年までの見通しを細やかに示されたというもので、現状、現在の状況とは多少ずれがあるのかもしれません。中身を見ますと、全国の広域的な地域別で例えば二〇二〇年なんかの例を見ると、最も獣医師が不足する地域は東海地域とされています。産業動物診療獣医師です。次に九州が不足をしていると、こういう数字が明らかになっている。地域偏在を是正という理由であると、やっぱり今回の措置はその解消にならないのではないかというように思います。
 しかも、私は東海地域に住んでいますけれども、最も不足をしているとされていた東海地域で見ると、獣医学部定員は岐阜大学に三十人の定員です。三十人の定員です。次に不足をしているとされている九州では、鹿児島大学と宮崎大学にそれぞれ三十人ずつの六十人の定員です。この状況で、来年度四国に開設をする加計学園獣医学部は、定員は何名ですか。
#41
○政府参考人(常盤豊君) 加計学園の岡山理科大学の獣医学部につきましては、入学定員百六十名ということで申請が上がってまいっております。
#42
○斎藤嘉隆君 最も必要だとされている地域に三十名、六十名、こういう定員があって、今回新設をされるこの獣医学部は百六十名、百六十名です。全国でたしか九百三十名の現行の枠の中で百六十名という学部、学校はほかにはどこにもありません。最も多いんですね。
 これ、先ほどの獣医師の需給という地域別の観点からいって、本当にこれは正しい措置なんでしょうか。百六十名の根拠をお示しをいただきたいと思います。
#43
○政府参考人(常盤豊君) 私どもの方では、加計学園から応募があった構想というものがございます。これは国家戦略特区として新設する獣医学部のことでございますけれども、加計学園から応募があった構想では、入学定員百六十名がライフサイエンスや国際的視野で公共獣医事などに取り組む獣医師を養成する旨が記載されておりますけれども、応募書類上、その定員の内訳については示されておりません。
#44
○斎藤嘉隆君 であるにもかかわらず、それだけ大きな、ほかに類を見ないほどの大きな定員を持った獣医学部がこの特区という制度を使って設置をされるわけです。これどう考えてもおかしいんではないかと。おかしいんではないかと。
 全体に供給が不足をしているというのであれば、全体の地域バランスを考えて既存の大学にまず必要な定員を開設をして、その上で四国も含めて対応していくということを考えるのが普通の文科省としての考え方だというように思いますけれども、そうはなっていません。この件について、なぜ既存の大学での対応ではこの対応が難しいんでしょうか。
#45
○政府参考人(常盤豊君) お答え申し上げます。
 国家戦略特区における獣医学部の新設につきましては、特区制度を所管する内閣府を中心といたしまして、獣医療行政を所管する農林水産省、大学行政を所管する文部科学省の間で調整が行われまして、昨年十一月に諮問会議において、獣医師が新たに取り組むべき分野における具体的需要に対応するため、関係制度の改正を直ちに行うこととする追加規制改革事項がまとめられたところでございます。これを受けまして、内閣府と共同で獣医学部新設を可能とするという告示の改正を行ったところでございます。
#46
○斎藤嘉隆君 これ本来は内閣府が答えるべき内容ですよ。内閣府、いかがですか。
#47
○大臣政務官(長坂康正君) お答え申し上げます。
 昨年十一月の諮問会議で取りまとめられたとおり、先端ライフサイエンス研究や地域における感染症対策など、獣医師が新たに対応すべき分野に係るニーズが一層顕著になっていると。この点について、事業者である加計学園の提案は新たな分野のニーズに応えるものとなっていると考えたわけであります。
 創薬などのライフサイエンス分野の研究者や公務員獣医師を育成する新しい獣医学教育拠点を目指す。創薬プロセスで基礎研究から人を対象とした臨床研究の間の研究で、獣医学の知見、動物実験を用いた臨床実験などを重視する動きに対応した教育研究を推進する。国際獣疫事務局が提案する家畜の越境感染症のゾーニング対策における四国の学術支援拠点として迅速な危機管理対応を支援するといった点で新たなニーズに応えるものである。
 このことから、既存の獣医師養成でない構想が具体化したと言えると考えております。
#48
○斎藤嘉隆君 ですから、一層顕著なニーズはないし、ないし、新たな需要へ対応できるような特に明らかな顕著な事例はないと。ですから、今回の獣医学部については、何らかの恣意的な力の下で無理筋でやっぱり設置が決められていったのではないかと、こういう国民の疑念を代弁をさせていただいているわけですから、このことをしっかり御認識をいただきたいというふうに思っています。
 これ、広く門戸を開いてこの獣医学部の設置についてやっていたとすると、加計学園が特定事業者に正式に選ばれたのは一月二十日の総理認定をもってです。この認定をもって加計学園が対象となって事業がスタートしたということになります、開校まで十四か月というこの時点。ここから文科省と加計学園の一連の様々なやり取りが始まって、来年の四月に学部が新設をされると。このスケジュールで間違いありませんか。
#49
○政府参考人(常盤豊君) ただいま委員の方からお話がございましたが、国家戦略特区におけるスケジュール、手続の流れについては、昨年の十一月に追加規制改革事項が定められまして、その後、プロセスを経て一月に特区の区域計画として認定をされたということだというふうに理解をしておりますが、その後、今年の三月末が学部の新設についての申請の期限でございますので、そこで申請がなされ、現在審査を行っておりまして、通常のスケジュールでございますと、八月下旬には答申をいただき、大学の設置認可を行い、そして来年の四月に開校するというのがスケジュールでございます。
#50
○斎藤嘉隆君 もう時間が迫ってまいりましたので、最後に一点だけ。
 教育はビジネスではありません。ビジネスではありません。三十七億という土地が無償で手に入って、百九十二億という総事業費の半額が自治体によって補助をされます。その百九十二億の総事業費も、私、地元で、現地を見てまいりましたけれども、現地に住んでいらっしゃる方、あるいは市議会の方から、本当にそんなに掛かるのかと、こういう疑念の声も上がっている。算定根拠も実はよく分かっていないのではないかと、こういうような話も出ています。
 開設後は、当然でありますけれども、私学助成も含めて大きな公金がこの学園にまた転がり込んで、まあ転がり込むという表現はいけないかもしれませんけれども、給付をされるということになります。まさに、見方を変えると、これ学園ビジネスと化してしまっているのではないか。それを規制緩和によって一つの学園にのみ、今回でいえば一つの法人にのみ門戸を広げて実現をする、こういう実態があるので我々はこの問題点を指摘をさせていただいているんです。
 文科省は、教育に、何度も言っていますけれども、教育に責任を持つ、こういう省庁ですから、教育的見地に立って、この問題、しっかり対応していただきたいというふうに思いますし、恐らく前川さんの様々な発言はこういう強いメッセージだというように思っています。
 大臣、最後に総括的にお答えいただけませんでしょうか、この問題について。
#51
○国務大臣(松野博一君) 教育が崇高な目的を有しているということに関しましては、先生と思いを共有をしているところであります。
 地域、自治体がこの一連の経過の中で御判断をされたということは、これは、地方議会の決議、判断も経てされたものであると考えておりますので、私が論評すべきものではないと思います。
 文部科学省は、現在、大学の審議会においてこの事案について審議をしていただいておりますが、これはもう専門家が公正中立な立場で設置審においては審査がなされるものでありますから、その審査をしっかりと受け止めて、そして、これはもう先生から御指摘があったとおり、教育行政に関して公正中立の立場からしっかりと取り組み続けていきたいと考えております。
#52
○斎藤嘉隆君 本当に、総理の放つ矢は国民の皆さんには届いていないと思います。友達には届いているかもしれませんが国民には届いていない、これが現実だというふうに思います。
 是非、繰り返しになりますが、前川さんをこの場に来ていただいて事情をしっかり聞く、当委員会としても是非そのことを進めていく、このことを最後にもう一回お願いをさせていただきまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#53
○小池晃君 決算委員会に続いて質問します。
 決算委員会の直後に、私の事務所に、昨年十一月八日に加計学園に伝えられたとされる伝達事項という文書が送られてまいりました。これは民進党さんの方にも来ているということで報道もされております。
 事実関係を確認したいと思うんですが、大臣、加計学園に昨年十一月八日に伝達事項という文書を送ったんでしょうか。
#54
○国務大臣(松野博一君) まず、これは、国家戦略特区に関わるものであっても、大学の設立に関する一般的な相談というのはあり得べしだと思いますが、しかし、従来から、個々のこの種の相談に関しては、それがあった、なかった、内容、どういった内容かに関しても公表をしているものではございません。
#55
○小池晃君 否定しないわけですね。
 もう一つ、事実関係として確認したいんですが、大臣は昨年十一月七日に、加計学園に対しては、文科省としては、現時点の構想では不十分であるということを厳しく伝えるべきだということを専門教育課に指示しましたか。
#56
○国務大臣(松野博一君) 今ほど答弁をさせていただきましたとおり、一般的に設置に関する相談は受け付けておりますが、その内容に関しては極めてその学校法人等の経営判断によるものでありますから、内容に関して公表することはしておりません。
#57
○小池晃君 やっぱりそれも否定しないわけですね。
 この伝達事項の中身が重大で、設置申請に向けて必要な教員確保や施設整備、資金計画など万全な準備を行っていただきたいとあるわけですよ。翌日、翌々日か、十一月九日に、国家戦略特区諮問会議で獣医学部の新設が決定する前の段階で、まさに加計学園に対してここまで具体的に、もう加計ありきで、加計に決まるということを前提とするような伝達事項を伝えていたということであるというのは、これ極めて重大だと思いますよ。
 だから、それ、知らないで済まされる話じゃないんで、これは文科省の文書の調査の後で出てきている問題ですから、もう一回調査してください。よろしいですね。
#58
○国務大臣(松野博一君) 基本的に、文書の出所や入手経緯を明らかにできない場合において、文書の存否や内容などの確認の調査は行っておりません。
 前回、五月十九日に調査を行いましたのは、この内容が、意思形成に関わる大臣等の特定の政府高官のやり取りが指摘をされ、また、総理の意向や官邸の最高レベルといった官邸の関与があった可能性を示すような文書等であり、そして、突然として報道されたため、政府として確認する必要があると判断をし、当該文書に限って存否の確認を行ったところでありますが、このため、文部科学省として改めて調査を行うつもりはございません。
#59
○小池晃君 ひどい話ですよね。だって、具体的に、じゃ、後で届けますから、メール、それから文書。届けますから。事実として来ているんだから、これ、民進党にも我々にも。ちゃんと調べてくださいよ。それを拒否するというのは本当にひどい話だと思いますよ。調査するのは当然だということを申し上げたいと思います。
 それから、これ、決算委員会での質疑の中で、獣医師の需給の問題については、大臣は、内閣府、農水省と調整を進めていたというふうにお答えになっているんですね。この調整、できたんですか。
#60
○国務大臣(松野博一君) 調整ができたかということに関しては、もちろん、国家戦略特区に関しては、それを所管する内閣府、需給を調整するのが農水省でございますから、その間で調整を進め、その結果、三省における合意があり、今回決定がされたという経緯でございます。
#61
○小池晃君 いや、ごまかしているんだと思うんですけど。
 大臣はこう言っているんですよ。今おっしゃったように、国家戦略特区全体の方向性は内閣府で決める、それを受けて、今まで抑制するという理由だった獣医師の需給関係の影響については農水省の方で御判断いただかないといけない、これは一貫して申し上げているんだと。
 要するに、文科省の役割というのは、設置申請が来れば、それに基づいて、基準に基づいて審査することで、要するに、それまで農水省は現時点において需給は足りているという見解だったから、そこをちゃんと調整してくれないといけないですよということじゃないですか。それ、最後に三大臣で確認したという三大臣の確認の中に別に需給について合意したなんて書いていないわけですね。
 だから、農水省は、これは需給についてちゃんと答えを出す必要があるというふうに文科省考えていたわけでしょう。その答えは農水省は出したんですかと私聞いている。
#62
○国務大臣(松野博一君) これは、既に山本地方創生大臣の方からも御答弁をいただいていますとおり、その需給の問題に関して私どもからも調査を進めてほしいというお話はさせていただきました。それを受け、また農水省との調整があり、またパブリックコメント等の内容を経て、結果的に一校に限るということにしたと。これは、もう山本大臣が既に答弁をされているところであります。
#63
○小池晃君 だから、途中全部すっ飛ばしているじゃないですか、今の話。
 だから、その前提として、需給については、これは農水省として一定の結論、調整を付けるということがあって初めてそっちに行くわけでしょう。それができているんですか、できていないんですかと、それを聞いているんですよ。はっきり答えてください。
#64
○国務大臣(松野博一君) まず、これは前提として、政策形成過程に関して、今まで、これはもう従来からも公表をすることは差し控えさせていただいておりますが、当然、農水省が参加をした一連の会議を経てこれは決定されたものでありますから、当然その中において農水省の判断があったということであります。
#65
○小池晃君 いや、だから、ずっと避けているんですよ、回答を、これ。一貫して国会でも一度も誰も答えていないんですよ。農水省は、需給についてはこれはもう調整したんだということで、もうつくっていいんだと。今まで需給が足りているからつくらないでいい、つくるべきではないと言ってきたけれども、それが変わりますということははっきりどこかで言っていますかと。確認していないんですよ、これ。
 それで、朝日のインタビューで前川前事務次官もこう言っているわけですよ。これは、新設認めるというのは文科省だけれども、全体としては足りていると農水省が言っている中で、無駄な大学つくったという批判が文科省に回ってくるのではないかと。だから、農水省や厚生労働省が獣医師は足りていないというデータを示さない中では、本来踏み切れないと。
 これ、そうだと思うんです。だから、大臣も一貫して、これは、需給については農水省示すべきだとずっとお答えになっている。でも、それについて最後まで答えがないわけです。
 私、当然、昨年十一月九日の国家戦略特区諮問会議でもそうした主張を大臣はされたはずだと思うんですね。ところが、今日お配りしている議事要旨を見ると、何も言っていないんです。設置認可申請については、大学設置認可に関わる基準に基づき適切に審査を行ってまいる、この一言で終わっているんですが、本当にこれだけですか、発言は。
#66
○国務大臣(松野博一君) これはもう議事録でございますから、私が発言したとおり正確に記されていると思います。
#67
○小池晃君 ここに、私どもが政府関係者から入手をいたしました、昨年十一月九日の国家戦略特区諮問会議の際の松野文部科学大臣御発言メモというのがございます。この発言の中にはこう書いてある。平成二十七年六月に閣議決定された日本再興戦略改訂二〇一五を踏まえ、規制改革を所管する内閣府を中心にして獣医師行政を所管する農林水産省との調整が行われ、本日、国家戦略特別区域諮問会議において追加の規制改革事項がまとめられました。これに従い、文部科学省においては、関係制度の改正を進めるとともに、今後とも内閣府及び農林水産省と連携協力して調整を行ってまいります。これに沿った設置認可申請については、大学設置認可に係る基準に基づき適切に審査を行ってまいります。
 この最後のところしか議事要旨にはないんですね。その前段の部分、これは言ってみれば、文科省としては日本再興戦略の条件に適合するかどうか判断していませんよ、これはあくまでも内閣府と農水省の調整を受けてやっているだけですよという、そういうニュアンスの発言が事前にあるわけです。それがすっぽり議事要旨から抜けているんです。
 大臣は、普通こういうメモがあれば、このメモに基づいて発言されるんじゃないですか。これ、議事要旨から削除されたんじゃないですか、この大事な部分が。
#68
○国務大臣(松野博一君) 繰り返しになって恐縮でございますが、この会議において私の発言はこのとおりでございます。
#69
○小池晃君 本当にそんなことを言っていいんでしょうか。私は、どう考えても、これだけのメモができていて、恐らく今までの議論の筋からいったら、文科省としてはこういう発言絶対すると思いますよ、こんな形で決められたら困るという思いおありでしょうから。だから、こういう発言したと私は思うんですよ。ところが、これ最後は議事要旨からすっぽり抜け落ちている。
 大臣、十一月九日の、もう焦点になっている会議だから忘れるはずないんじゃないですか。大臣、こういう発言されたでしょう。こんな、議事要旨に残っている、手続に沿ってやりますというだけの発言で終わらせたんですか。そんなことないと思いますよ。大臣、記憶を呼び起こしていただきたい。
#70
○国務大臣(松野博一君) これはもう複数出席をした会議での私の発言でございますので、私の発言はこのとおりでございます。
#71
○小池晃君 だから、削除されているんじゃないですか、議事録、議事要旨からは。じゃ、私が入手した発言メモのとおりにはしゃべらなかったというふうに断言されるんですか。
#72
○国務大臣(松野博一君) 先生のお手元にある発言メモというのがどの種の文書であるか、どういった経過、出元のものであるか分かりませんが、いずれにせよ、事実としてその会議において私が発言したのはこのとおりでありますし、先ほど来申し上げていますとおり、これは別に密室で行われた会議ではなくて、複数名、各関係者が集まっていた場の発言でありますから、このとおりでございます。
#73
○小池晃君 だって、これ議論している間はオープンじゃないでしょう。頭撮りやって終わりでしょう。これは、私はちゃんとこれ解明する必要あると思いますよ。どう考えても御発言メモと違うのが議事要旨に残っているわけです。
 文科省としては、日本再興戦略改訂二〇一五年を踏まえた条件を盛り込もうとした。私は決算委員会でも申し上げました。それから、獣医師の需給は農水省がちゃんとやってくださいねということを特区会議の決定に盛り込もうとしたけど、全部それは拒否されたわけですよ、経過としては。しかも、その上、大臣の発言が議事要旨からも削除された可能性があるのではないかという疑問がこれ湧いてくるわけです、これを見ると。
 最終的には、これは安倍首相が、この会議では、いろんな懸念があるにもかかわらず、今日お配りしている議事要旨の最後にあるように、これは、本日は、獣医学部の設置や地域主体の旅行企画についての制度改正を決定しましたと締めくくったわけですね。結局、いろんな懸念が文科省から出された、農水省の需給の問題についての結論も出なかった、しかし、最後は総理の一言でこの諮問会議で決定されたと、そういうことじゃないですか。
#74
○国務大臣(松野博一君) 繰り返しになりますが、先ほどのこの議事録として示されているものの発言は私の発言したとおりでございます。そして、この国家戦略特区を所管しておりますのは、先生御存じのとおり内閣府でございますから、内閣府において、全体の運びに関しては、是非これは内閣府にお尋ねをいただければと思います。
#75
○小池晃君 内閣府に聞きますよ、これ。やっぱり内閣府が最終的にこういった形で押し切った、内閣府というか、これ、議長は首相ですから、やっぱり安倍首相が最後押し切ったということになるんじゃないですか、これ、経過からいえば。
 前川前文科事務次官、政府の中でどのように意思決定が行われているのかを国民が知ることは民主主義の基本の基本だとおっしゃっている。私はこれは同感です。一連の事実解明するのは国会の責任であります。
 前川前事務次官の証人喚問、求めたいというふうに思います。御検討いただきたい。
 それから、国家戦略特区諮問会議議長である安倍首相が出席をする集中審議がどうしても必要だと思います。これ是非求めたいというふうに思います。御検討ください。
#76
○委員長(赤池誠章君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をさせていただきます。
#77
○小池晃君 私は、これは国家の私物化だと思いますよ。本当に自分たちの家族あるいは知り合い、お友達、そういった者に対して、森友学園ではこれだけ提供され、加計学園でも提供される。国民から見れば、どう考えたってこれおかしいじゃないかという疑念が湧いてくるのは当然じゃありませんか。(発言する者あり)
 今、自民党がいろいろとやじ飛ばしたけど、私は、こういったことについてきちっと国民の疑念を晴らすのは、党派の問題ではないと思いますよ。自民党だって、これちゃんとやらなきゃ駄目ですよ、こんなのそのままにしておいて。霞が関の官僚の皆さんだって、とんでもないと思いますよ、自分たちがいろいろやってきたことをこんな簡単にひっくり返される、こんなことでまともに仕事できるのかという。だから、そういう人たちからどんどん内部文書の提供もあるんですよ。前事務次官が、やっぱりおかしいじゃないかという声を堂々と上げるわけですよ。
 こんなひどい政治はやっぱり変えなきゃいけないということを申し上げて、質問を終わります。
#78
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりでございます。
 本日は、獣医師養成系大学の新設について御質問をさせていただきたいと思います。重なる部分があるかとは思いますけれども、御容赦願いたいと思います。
 まずは、新学部の設置についてでございます。
 本日議題となりました加計学園につきましては、国家戦略特区での獣医師養成系大学の新設ということでございます。我が党は、規制緩和を進める政策として国家戦略特区の活用は応援していきたいとは思っております。しかしながら、獣医学部の新設は五十数年ぶりということ、大学の新設ということであれば、将来を担う若者を育てるということでもあり、今回様々な報道も流れておりますけれども、加計学園で納得できる理由が知りたいと思っております。
 まず、一般的な新学部設置を考えた場合、三十年四月に開学しようとする際のスケジュールについてお聞かせください。
#79
○政府参考人(常盤豊君) お答え申し上げます。
 平成三十年四月に新しい学部を設置するというケースでございますけれども、平成二十九年、今年の三月三十一日までに、文部科学大臣に対して大学から、正確に申しますと、学校法人から設置認可の申請を行うということとなっております。設置認可申請がございました場合には、文部科学大臣から大学設置・学校法人審議会に対して諮問がなされまして、同審議会において、教育課程や教員組織、施設設備、財務状況などが学校教育法及び大学設置基準等の法令に適合しているかについて、学問的、専門的な観点から審査を行うこととなっております。
 一般的なスケジュールといたしましては、同審議会においては、約五か月の審査の後、本年八月に審査結果を答申することとなっておりまして、これを踏まえて八月末に文部科学大臣が認可の判断を行うというスケジュールになってございます。
#80
○高木かおり君 今回の加計学園につきましては、現在、設置認可を大学設置・学校法人審議会に今まさに諮問している段階で、御答弁いただいたように、この八月に答申が出るということでございますけれども、今回様々な課題が出ている中、来年四月まで本当に時間がございません。今年三月に今治市議会が三十七億の用地の無償譲渡などを可決し、校舎の起工式が行われたとのことでございますが、これから校舎を建設し、実験器具や研究器具、そういったものをそろえ、教員を集め、生徒を募集するということになります。本当に来年四月の開学に間に合うんでしょうか、お聞かせください。
#81
○政府参考人(常盤豊君) お答え申し上げます。
 岡山理科大学獣医学部の新設に関しましては、本年三月三十一日付けで学校法人加計学園から申請がございまして、四月十日に文部科学大臣から大学設置・学校法人審議会に対し諮問がなされまして、現在審査が進められているところでございます。
 同審議会における審査におきましては、ただいまも申し上げましたように、教育課程や教員組織、今御指摘ございました施設設備、それから財務状況などがこうした法令の規定に適合しているかどうかということについて審査が行われるわけでございます。その審査につきましては、公平公正な審査環境を確保するという観点で今進められているところでございます。
 具体的な内容については、まだ現在審査中でございます。審査終了後に公表することになっておりますので、現段階でのお答えは差し控えたいと思っております。
#82
○高木かおり君 やはり大学としての質を担保できるのかと、様々な課題もあるかと思います。
 今回は、獣医学部の設置につきまして京都産業大学も手を挙げていたと聞いております。平成二十七年六月三十日に閣議決定されました日本再興戦略二〇一五の獣医師養成系大学・学部の新設に関する検討の中では、三つの条件、そして一つの留意事項が挙げられております。先ほど政務官の方から御紹介もあったかと思います。
 条件の三つ、一つ目、現在の提案主体による既存の獣医師養成でない構想が具体化していること、条件二が、ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要が明らかになっていること、条件三が、既存の大学・学部では対応が困難な場合であること。
 今治市の提案、三つの条件はクリアしていたものと思われます。競合していました京都産業大学は、二〇〇四年の鳥インフルエンザを京都府とともに解決してきたという実績も、そしてまた京都大学のiPS細胞研究所との共同研究、こういった具体的なプレゼンもされていたかと思います。それよりも今回加計学園が優れていた点、どういったところでしょうか、お聞かせください。
#83
○大臣政務官(長坂康正君) お答え申し上げます。
 獣医学部の設置は、平成十九年秋から昨年春までの八年近く、今治市の提案が唯一の提案でございました。こうした中で、京都府、京都産業大学から昨年三月に提案がございましたが、要旨のみの簡素なものであったわけであります。その後、昨年十月に詳細な提案をいただいたことを受けて、十月十七日に特区ワーキンググループでヒアリングを行いました。しかしながら、京都府等の提案は必ずしも準備が整い事業が具体化しているとは言えなかった。これに比べ今治市の提案は、事業の早期実現性という観点から熟度が高いと判断し、これを優先することとしたわけであります。
 今治市は、専任教員の確保、入学定員百六十名に対し七十名の面で京都府等と比べて優れておりました。水際対策について、今治市は、四国知事会等が要望するなど広域的な対策を強化する具体的なアクションを起こしている。他方で、京都府等は、獣医学部のある大阪府との連携が必ずしも確保されていないなど、不十分と評価せざるを得なかった。また、獣医学部の設置は地域の活性化に大きく貢献する必要がある。京都府等の提案にその具体性がない反面、今治市は、まち・ひと・しごと総合戦略等に位置付けた上で、卒業生を地域の産業動物分野に就職させるための奨学金の仕組みなどの工夫を凝らしております。京都府は、ライフサイエンス研究を提案しておりますが、水際対策に関する部分が薄い。他方、今治市は、現場体験学習などを通じて卒業後に産業動物を扱う分野に進むよう誘導するとともに、畜産業のみならず、地元の水産資源を対象とした感染症対策など地元固有の資源に着目したより具体的な内容となっていると評価できるということであります。
 このように、今治市の提案は事業の早期実現が見込まれると判断したものであります。ただし、国家戦略特区は規制改革の突破口であります。今後、京都府等の提案についても十分検討に値するものと考えております。
#84
○高木かおり君 今の御答弁ではかなり今治市の方が、先ほど申し上げたような三つの条件に値してかなりすばらしいというふうに受け取れましたけれども、今後、確認をさせていただきたいんですけれども、この獣医師会の様々パブリックコメント等の要望で、今回は一校のみ認めるということでございましたけれども、将来的には、例えば京都産業大学ですとか、そういった二校目、三校目、こういった開学も考えられるということでよろしいんでしょうか。
#85
○大臣政務官(長坂康正君) お答え申し上げます。
 今回の獣医学部の新設は、人獣共通感染症が国際的に拡大する中で、地域での水際対策の強化や先端ライフサイエンス研究の推進など、獣医師が新たに取り組むべき分野の具体的需要に応えるために認めるものとしたものであります。また、こうした分野に加えて、地域的にも広域的に見て獣医学部がない地域に限るといたしました。
 このように、今回、事業の早期実現性の観点からも今治市において獣医学部を新設することとしたところでありますが、国家戦略特区は規制改革の突破口であり、今後、別途提案が寄せられている京都府等の提案についても十分検討に値するものと考えております。
#86
○高木かおり君 今、需給に関する御答弁も含まれていたかと思います。
 今後の獣医学部新設の可能性と関連するかと思うんですけれども、今回の加計学園の定員は、先ほどから出ているように百六十名ということでございます。国内最大規模であります。ところが、農水省によりますと、獣医師の需給バランスは取れている、ただ、地域によって偏在がある、獣医師が足りない地域もあるということでございます。
 今回、わざわざ広域的にと、獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り獣医学部の新設を可能とするという条件を付けたわけですから、四国に獣医師が不足している、卒業後はできるだけ四国にとどまってほしいという意図があるかというふうに思います。
 四国に獣医学部がないから今治市にということは理解をいたしますけれども、卒業生がそのまま四国にとどまるかどうかは分かりません。現状も、地方の医学部に在籍してそのままその地方にとどまる獣医師というのが一体どれぐらいいるんでしょうか。そういった獣医師を増やすための方策はどのようなものがお考えでしょうか、お聞かせください。
#87
○政府参考人(小川良介君) お答え申し上げます。
 産業動物獣医師、牛、豚を診療する獣医師さんでございますけれども、これは地域によってその確保が困難なところがあるという状況にございます。このような状況を踏まえまして、都道府県単位の畜産協会等が、地元に就職することを条件に獣医学生に対して修学資金を貸与する事業を実施しており、平成二十六年度からは高校生に対しましても、入学金等を含む修学資金の貸与を開始したところでございます。
 平成二十八年度には、四国の徳島、愛媛、高知を含め、全国十六地域で新たに四十人への修学資金の貸与が計画されており、これらの地域で産業動物獣医師の確保に努めていっているところでございます。
#88
○高木かおり君 是非とも、卒業後に役立つような制度、獣医師の修学資金を活用しておられるということでございましたけれども、地域偏在の課題解決につながるようにお願いをしていきたいと思います。
 時間がございませんので次に参りたいと思いますが、国家戦略特区により獣医学部の新設が決まったとしても、最終的には、やはり今回私が大変懸念するのは、大学の質ということに責任を持つのは文科省だと思います。
 最後に松野大臣にお伺いをしたいと思います。
 規制緩和の一つとして、五十数年ぶりに獣医学部を新設するということは評価はしているのですが、獣医学部としての質を確保すること、獣医師が増えたことで獣医師の質が低下すること、これは避けなければならないと思っております。この点について最後、どのように文科省として質を担保していくのか、お聞かせをください。
#89
○国務大臣(松野博一君) 高木先生の御質問にお答えをいたします。
 文科省が獣医師の質に関して担当しておりますのはその教育面からということかと思いますが、学校法人加計学園の獣医学部につきましては、平成二十九年三月に設置認可の申請があり、四月に文部科学大臣、私から大学設置・学校法人審議会に対して諮問を行いました。申請書の内容につきましては審査終了まで非公開ですが、学校法人加計学園が国家戦略特別区域会議の構成員として応募した事業計画には、新設する獣医学部の入学定員を百六十名とすることが記載をされております。
 現在、大学設置・学校法人審議会において、教育課程、教員組織、施設整備等の教育環境の面から、入学定員の人数に必要な整備がなされる計画となっているかという観点から審査を行っているところであります。通常のスケジュールであれば本年八月下旬に答申が出される予定ですが、文部科学省といたしましては、獣医学教育の充実が図られるよう、法令にのっとり適切に審査を進めてまいります。
#90
○高木かおり君 ありがとうございました。
 大学の新設につきましては、大学そのものの在り方はもちろんのこと、地域の産業構造ですとか将来的な産業構造とも深く関わる問題でございます。規制緩和の方向は私どもは賛同いたしますけれども、大学にはやはり私学助成金など国民の税金が投入されるものですから、政府は説明責任をしっかりと果たし、国民に納得のできる大学を設置していただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#91
○木戸口英司君 希望の会(自由・社民)、自由党の木戸口英司でございます。
 私は以前、森友学園の質疑のときに、憲法八十九条、私学助成の在り方というところを引いて話をさせていただきました。私学行政の根本、私学教育の自由、私学行政の公平性、私学教育の公共性、これが私学助成、私学支援、私学行政の大前提だと思っております。ここが、先人たちが苦労して築いてきたもの、それが今大きく崩されようとしているのではないかということ、そのことを文部科学省として重大に捉えるべきだということを申し上げたところでございます。
 今日の前川前事務次官の報道、この見出し、行政ゆがめられた、踏むべきステップを踏めず、筋を通せなかった、こんなことは認められないと私が内閣府に対して強く主張して筋を通すべきだった、反省しているという文言があります。前川前事務次官のこの発言についてお聞きしても、答える立場にないということで返されるところでしょう。私も、この行政がゆがめられたと、このことを非常に大きく懸念をしているところであります。
 私がこう思うことに対して、大臣、いかがでしょうか、所感をお伺いいたします。
#92
○国務大臣(松野博一君) 前川前次官の発言に関しましては、先ほども答弁させていただきましたけれども、既に辞職をされた方でございますので私からコメントをすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、先生の方からの、行政がゆがめられたのではないかということに関しては、文部科学大臣として、文部科学省として、今回の国家戦略特区に関する経過の中においては、一貫して文部科学省として、これはもう国家戦略特区の新たな獣医師に関するこれは需要、ニーズに関しては内閣府において取りまとめられるものであり、それを受けて農水省が全体としての需給に関して判断をし、それが農水省の需給判断の中において、今まで文科省が、獣医学部を抑制をしてきた内容から、内閣府が提示をしているものであれば影響がないという判断であればこれは設置認可に関して受け付けることは同意をすると。それを受けて、その内容に関しては専門家の協議による大学設置審議会において公正中立に進めていくということは、これはもう一貫をして私も指示を出しておりますし、そのように進められてきたものでありますから、行政がゆがめられたということはないと考えております。
#93
○木戸口英司君 特区については内閣府、そして需給については農水省ということ、そして設置については責任を持って文科省でということであります。
 この間も、前回の質疑でも申し上げましたが、いずれ大学が、学部が新設されれば、そこで学ぶ学生、そして学生の将来、これを保障していく、そのことの責任は文科省にあるということ、そのことを踏まえてこの特区での新学部設置ということ、やはりしっかりと検証すること私は大事であると、そのように思っております。
 そこで、ちょっと質問通告の順番を少し変えて、一番最後に通告していた質問から入らせていただきます。
 加計学園による獣医学部の新設は、先ほど来お話ありましたとおり、国家戦略特別区域諮問会議で示された創薬プロセスにおける多様な実験動物を用いた先端ライフサイエンス研究の推進や、地域での感染症に係る水際対策などへの対応が目的とされております。したがって、仮に大学設置・学校法人審議会による審査等を通過し、来年四月、あるいはそれ以降に獣医学部が新設されたとしても、その後も新設された獣医学部においてこうした具体的な需要に対応する研究及び人材育成が行われているか、不断に検証していく必要があると考えます。この点に関して二点ほど質問をさせていただきます。
 そもそもの前提として、来年四月の開設が認められないことも考えられます。これはあり得ることです。国家戦略特区として、しかもこうしてスピード感を持ってということが言われてきたところであります。今回、開設が仮に認められなかった場合に、文部科学行政又は農林水産行政上、何か不都合が起きるんでしょうか。この点をまず伺います。
 また、大学設置・学校法人審議会は、加計学園による獣医学部新設に関して、教員組織や校地等について大学設置基準等に適合しているか審査するものであり、国家戦略特別区域諮問会議で示された目的に合致した教育研究活動を行っているかどうかを判断する機関ではないということでよいか、確認をさせていただきます。
#94
○国務大臣(松野博一君) 獣医学部の設置認可手続につきましては、大学設置・学校法人審議会において、教育課程や教員組織、施設設備、財務状況などが学校教育法及び大学設置基準等の法令に適合しているかについて、学問的、専門的な審査が行われることとなります。仮定の話とはいえ、その設置認可、不認可を前提に議論することは、公正性が求められる審査の過程に影響を与えるおそれがあるため、この場では差し控えさせていただきたいと思います。
 あわせて、大学設置・学校法人審議会は、設置認可申請された計画が国家戦略特区構想に合致しているかどうかについて審査をする役割は有しておりませんが、申請された設置計画を実現するために必要な体系的な教育課程が編成されているかを始め、教育課程、教員組織、施設設備、財務状況などが学校教育法及び大学設置基準等の法令に適合しているかについて、学問的、専門的な観点から審査を行っています。
 また、設置認可に当たっては、国家戦略特区構想に沿ったものであるかについては、内閣府及び農林水産省とも連携して、適切に確認をしてまいります。
#95
○政府参考人(小川良介君) お答え申し上げます。
 私どもは、今回の獣医学部の設置は、昨年十一月九日の国家戦略特区諮問会議の取りまとめ文書にございますとおり、新薬の開発など先端ライフサイエンス研究の推進など、獣医師が新たに取り組むべき分野における具体的需要に対応するためのものと認識しております。その意味では、農林水産行政上、直ちに不都合が生じるとは認識してございません。
 他方、農林水産省といたしましては、獣医学部の新設にかかわらず、引き続き、牛、豚等、産業動物を診療する獣医の確保に努めてまいりたいと思っております。
#96
○木戸口英司君 それでは、その新設される獣医学部の研究、教育活動が、創薬プロセスにおける多様な実験動物を用いた先端ライフサイエンス研究の推進や、地域での感染症に係る水際対策などに対応する研究及び人材育成が行われていることを誰がどのように検証していくのか、具体的にお伺いしたいと思います。また、仮にこれらに対応する研究及び人材育成が十分な水準で行われていなかった場合には目的が達成されないこととなるが、その場合の責任の在り方について見解を示されたい。
 これは文科省というか、文科省でなければ内閣府、両方にお聞きしたいと思います。
#97
○国務大臣(松野博一君) 文部科学省は、大学設置認可の観点から、大学設置・学校法人審議会における学問的、専門的な審査に係る事務を担うとともに、設置認可後においては認証評価による質の担保を図ることとしております。
 一方、御指摘の国家戦略特区制度に関しては、国家戦略特別区域会議における評価や国家戦略特区諮問会議での調査審議のプロセスの中で、内閣府が検証を行うものと理解をしております。
#98
○政府参考人(川上尚貴君) お答え申し上げます。
 今、文科大臣の方からもお話出たとおりでございますけれども、私ども内閣府の役割といたしましては、この獣医学部が新設された場合には、毎年度の特区の評価の制度というのがございます。この特区の評価を通じまして、獣医学部がこの新たなニーズ、所期の目的を果たしているかを点検をいたしまして、適切に大学が運営されているかを確認してまいりたいと考えているところでございます。
#99
○木戸口英司君 じゃ、内閣府、それは公表されるんでしょうか。
#100
○政府参考人(川上尚貴君) これは、評価の制度といたしまして、毎年、評価の結果は公表してございます。
#101
○木戸口英司君 やはりこういうことがしっかり見えてこないと、これだけ鳴り物入りで国家戦略特区という形で新しい大学をつくるということ、やはり学生にとって、また研究者にとって、やはりこのことが実は重要であって、その過程が、実はそこが見えていないというところが、そもそも特区で大学をつくることがふさわしいのかということ、このことをやはり検証していかなければいけないんだと思います。
 そこで、ちょっと通告一つ戻っての質問になりますが、政府の説明では、さきに述べた具体的需要に対応するためと、先ほどから需要の話あります。
 この点、本当に不明なんです。獣医学部を新設するということでありますけれども、現在、全国にある獣医学部の一学年の定員が九百三十名であるのに、新設予定の獣医学部、定員百六十名と先ほどありました。最大の定員となります。この定員百六十名は獣医師数の増加ということになるわけでありますけれども、需給のバランスということ、これ本当に崩すことがないのかということ、その明確な説明がなされていないと思います。
 百六十名とした根拠をもう一度確認をさせていただきたい。このうち何名程度が創薬プロセスにおける多様な実験動物を用いた先端ライフサイエンス研究の推進や地域での感染症に係る水際対策などの具体的需要に対応する獣医師となることを想定しているのか、また、そういう社会的ニーズをどのように把握しているのか、まずは具体的にお伺いをしたいと思います。
#102
○政府参考人(川上尚貴君) お答え申し上げます。
 この百六十人という入学定員でございますけれども、これ、本年一月の公募手続において事業者から提出された提案書によるものでございます。この百六十人につきまして、内閣府としては、特区の特例を適用する際の直接的なチェック対象ではございませんけれども、先ほど来御質問ございました、獣医師が新たに対応すべき分野を担う獣医師、すなわちライフサイエンス系専門獣医師、あるいは国際対応、危機管理対応可能な専門獣医師を育成するための入学定員であるという旨の記載がございまして、それを踏まえ、昨年十一月九日の諮問会議取りまとめに適合するものと私ども判断しているところでございます。
 なお、具体的な入学定員については今後精査されていくものと承知してございます。
#103
○政府参考人(小川良介君) お答え申し上げます。
 ただいま新たな分野として挙げられております創薬など先端ライフサイエンス研究の推進の分野における需要でございますが、これは主に新薬の開発など人の医療関係の分野でございまして、今後どの程度需要があるかということを農林水産省として把握することは難しい面がございますことにつきまして御理解いただきたいと思います。
 また、地域での感染症に係る水際対策でございますけれども、学術支援拠点といった、獣医師がこれまた新たに取り組む分野とされているところでございます。感染症に係る地域での水際対策、現に産業動物獣医師も担っている分野でもございますが、今後どの程度需要があるかということにつきましては農林水産省としては把握が難しいということで御理解をいただきたいと思います。
#104
○木戸口英司君 全く御理解できません。
 やっぱり、その需要というのは、作文ではなくて、実質社会にどういう要請があるかということを科学的根拠を示してこそじゃないでしょうか。それを文科省は求めていたんではないですか。そのことは強く指摘をさせていただきます。何回聞いてももう作文の話しか出てこないんでしょうから、ここが大きな、新しい大学をつくる責任というのがどこにあるのかということを、私は本当にそう言いたいんです。
 そこで、もう時間になりますので、私、四月十一日の当委員会で、国家戦略特区による国際医療福祉大学、今年開学になっておりますけれども、新設に係る質疑を行いました。その際、医師養成の本質的な課題は医師の地域偏在と診療科偏在であり、国家戦略特区での医学部新設の目的が世界最高水準の国際医療拠点をつくり、国際的な医療人材の育成とされたことに地域ニーズとの矛盾が生じていることを指摘いたしました。
 獣医師需要政策上の課題も、農林水産省による獣医師需給に関する検討会報告書において、産業動物診療獣医師や公務員獣医師の地域偏在、職域偏在であるとされており、今回の獣医学部新設で、設置で示された新たな需要についても、本来の地域ニーズと大きく矛盾が生じているのではないでしょうか。国家戦略特区による大学設置にまずは無理がある、矛盾をはらむ要素がそもそもあるということ、このことを指摘させていただきますが、ここは文科大臣にその所見をお伺いしたいと思います。
#105
○委員長(赤池誠章君) 申合せの時間が過ぎておりますので、簡潔にお答えをお願いいたします。
#106
○国務大臣(松野博一君) 国家戦略特区と地域ニーズの関係全般につきましては内閣府の御担当されることと思いますが、医学部、獣医学部の新設について申し上げますと、これらはいずれも内閣府を中心に、需給を所管する省庁と連携し、諮問会議等において議論が進められ、その結果として制度改正に至ったものであります。これを受けて、現在、大学行政を所管する文部科学省において、大学設置に関する基準等に基づき、学部の設置認可手続を行ってきているところでございます。
#107
○木戸口英司君 最後、一言。
#108
○委員長(赤池誠章君) 木戸口英司君、おまとめください。
#109
○木戸口英司君 はい。
 やっぱり文科大臣から、国家戦略特区で大学つくるのもうやめましょうと、そう言うべきじゃないでしょうか。大学設置は様々なニーズの中でそれぞれ自由に、そして最後、設置審の中で公平公正に決められていくこと、そのことが大事だろうと思っております。そのことは指摘させて、終わらせていただきます。
 以上です。
#110
○松沢成文君 無所属の会の松沢成文です。
 通告の質問の前に、今日、先ほど斎藤委員からも質問がありましたけれども、内閣府から文科省にかなりプレッシャーを掛けるような、今回の獣医学部設置に関して、総理の御意向だとか官邸の最高レベルが言っているだとか、こういう文書があるかないかと、この問題でどうしても質疑を聞いていて腑に落ちない点があったので、最初に聞きたいと思います。
 大臣は、文科省の中にそういう文書があるか調査をしたと、こうおっしゃっているんですね。行政文書としてはない、確認できなかったと。ただ、国民が知りたいのは行政文書としてあるかどうかじゃないんです。そういう文書が、それは怪文書じゃ困りますよ。内部文書であっても、そういう文書があるということは現に内閣府からの文科省に対するプレッシャーを掛けられていたわけですから、そういう文書があるかどうかを知りたいんですね。
 まず聞きたいのは、行政文書としてはないけれども行政の内部文書としてはある可能性があると考えているんですか、大臣。
#111
○国務大臣(松野博一君) 松沢先生にお答えをいたします。
 まず、通常、こういった行政における文書の存否を確認する場合は、これは行政文書をもって対象とするということであると理解をしております。
 その上において、今回の調査において、これは個人として作成をしたことがあるか、共有したことがあるかについて、これは国家戦略特区における獣医学部の設置に関する部署というのは高等局の専門教育課でございますから、作成する可能性があるのはまずそこなわけでありますけれども、その対象者に関してヒアリングを行った結果、個人として作成し若しくは共有をしたことが確認できないということでございますので、その結果を素直に報告をさせていただいたということでございます。
#112
○松沢成文君 個人としても確認したというのであれば、何で共有ファイルだけしか調べないんですか。個人のファイル調べないと、それ出てこないじゃないですか。個人としても確認するのであれば、だって、みんなやばいなと思った文書は共有ファイルにしないんですよ。個人ファイル、なぜ調べないんですか。
#113
○国務大臣(松野博一君) 先ほど答弁したことの繰り返しで恐縮でございますけれども、前提としては行政文書に関しての存否を確認をさせていただきました。しかし、今回、特に総合的な判断の中でこれは個人としての作成、共有に関して、あるかということをヒアリングをさせていただいたわけでありますが、その中において、ヒアリングの結果として作成したこと、また共有したことの確認ができないということであれば、それを超えて個人のそれぞれのファイルまでこれを調査対象とする必要はないと認識をしております。
#114
○松沢成文君 それで、昨日、前川前次官が、週刊誌だけじゃなくて一般紙にも答える形で、文書はありますと。なぜこういう一問一答の取材に答えたんですかと聞いたら、やはり、あるものがないことにされてはならないと思ったという、正義感ですよね。
 これ、文科省が調査をしたと。で、担当の課長さんとかそれに関する七人の方を調べたと。そこでは、ないと言い張っている、関与していないと言い張っていると。ところが、その報告を受けたと言われている事務方のトップだった前川さんが、文書はあるんですと、あるものがないことにされては絶対に困るんだ、それはあってはならないといって答えているんですよね。
 ですから、これは前川前次官かあるいはその調査を受けた専門教育課長か、どちらかがうそをついていることになるんですよ。こういう文科行政の信頼を揺るがすようなことをそのままにしていていいんですか。やっぱりここは、だって前の次官というか、その当時の担当していたときの次官ですよ。その次官が、その文書を見せられて報告を受けていると、そう言っちゃっているんだから、これは再調査するしかないでしょう。そうしないと文科行政の信頼を取り戻せないんですよ。そこは大臣のリーダーシップでやるしかないと思いますが、いかがですか。
#115
○国務大臣(松野博一君) 前川前次官の各種の報道に対するコメントに対しては、これはもう辞職をされた方の民間人としての発言でございますので、私が言及することは差し控えさせていただきたいというふうに考えております。
#116
○松沢成文君 前川前次官はもう辞めちゃった方で民間人だからそこまでまたできないと言いますけれども、前川前次官はたしか大臣のときも前半仕えていたんじゃないですか。自分の、大臣としての、事務方のトップとして一緒に仕事をしてきた方ですよ。この方だったら、ちょっとあした来てくれと、大臣室に。あなたの意見と真相を聞かせてくれと、文科行政大変なことになっているんだと。
 いや、調査しなくたっていいですよ。前川前次官、あしたでも呼んで、大臣室でもきちっと事情聴取すべきですよ。それと同時に、我々国民の代表の国会は、この委員会の場で前川前次官もお呼びし、必要であればその担当の課長さんもお呼びし、真相究明を図って、この実態を明らかにして、本当に内閣府の異常なプレッシャーの下で文科省が行政をゆがめたとしたら、これをしっかりと真相を明らかにして二度とこういうことが起きないようにきちっと改革をするのが我々国会の役目でもあるし、是非とも、大臣、どうですか、前川さんと会ってください、明日でもあさってでも。
#117
○国務大臣(松野博一君) まず、委員会の運営に関しては委員会でまた御判断をいただきたいというふうに思いますが、私の立場として、担当の職員も含めたヒアリングを既に行って、それを担当者の方からこの文書の作成や共有に関して確認ができないということでありますから、まずそれを私としてはしっかりと信じていきたいというふうに考えております。
 前川氏に関して、先ほど申し上げました理由によって、その内容に関して私の方からコメントをすることは差し控えさせていただきますが、少なくとも在職時に私に、今日新聞であったところ全て私が今精読しているわけではありませんが、内容を私に直接、間接にお話があったという事実はございません。
#118
○松沢成文君 そうであったら、前川さんと会って、なぜこんな大事なことを事務方だけで判断して私に報告しなかったかって怒らなきゃいけないですよ。大臣だってそうですよ。これが大臣に伝わっていたら、大臣は正義感持って、そんな内閣府の一方的なやり方は許せないと。
 需給だってしっかりと調査されていない。今まで、文科省としては、十分な供給があるから大学は一切つくらないという方針でやってきたんだと、そんな、特区ができたからそこをどうにか早くしろなんて言われたってできませんよって、大臣が官邸に乗り込んで、あるいは内閣府にきちっと言えたじゃないですか。
 だから、それも含めて、関係者に調査をしたというのであれば、その事務方のトップである前川さん、前川さんは文書はあると、あるものがないと言ってはいけないんだといって、今世間と闘っているわけですよ。そうであれば、真相究明のために、あしたでもあさってでも前川さんを呼ぶのは当たり前の話じゃないですか。それが大臣のリーダーシップというものだと思いますが、いかがですか。
#119
○国務大臣(松野博一君) まず、行政がゆがめられたかといえば、その行政判断に関しては私の責任において、先ほど来お話をさせていただいておりますが、明確に内閣府に関して、これは、今まで文部科学省が獣医大学について抑制してきたのは、これ需給面の話が、農水省からの話があって、その判断を前提としてやってきたものだから、ここのところは農水省を加えて内閣府の方で調整をしていただくということが前提だというのは繰り返しお話をさせていただきましたし、その結果、私は今回の経過につながっているものというふうに考えております。その面において行政がゆがめられたということは私はないというふうに判断をしているところでございます。
#120
○松沢成文君 大臣が、前の次官というか自分にも仕えてくれていた次官、次官がこれだけ訴えているのに、そこと一度話そうといって情報交換もできないようでは、私はちょっと文科省の改革というのは進められないなと思って非常に残念ですね、今の答弁は。
 それで、次に行きます。
 獣医師の需給のバランスのことについて農水省に伺いたいんですが、先ほども御指摘がありましたこの平成十九年にまとめられた獣医師の需給に関する検討会報告というのを見てみますと、やっぱり一番、地域でいうと獣医師が少ないのは、先ほどの御指摘があった東海地区ですよ、六〇・〇%。次に九州地区、六〇・六%。それで三番目に四国なんですね。それも六五・五%ってあるんです。だから、需給バランスで足りなくなったから、それで少し増やさなければいけないという面から見ると、地域的な偏在から見ると、やらなければいけないのは九州か東海なんですよ。
 なぜここを通り抜けて四国でやらなきゃいけないのか、その理由をお聞かせいただきたいと思います。
 それで、それに併せて、じゃ、もし今後この国家戦略特区を使って九州とか東海から申請があった場合、需給が更に逼迫している地域は駄目ですよと、三番目のところはいいですよと、こうなっちゃうわけですよね。ですから、これから、今は一校という獣医師会からの強い依頼もあったけれども、これを認めちゃうと、更に逼迫しているところからは、国家戦略特区を使ってやりたいといった場合は認めなきゃいけなくなるかと思うんですが、農水省の見解はどうですか。
#121
○政府参考人(小川良介君) お答え申し上げます。
 まず、御指摘ございました平成十九年に取りまとめられました獣医師の需給に関する検討会の報告書の、これは二〇四〇年における産業動物獣医師の地域別需給割合でございますが、この前提、推計の仮定の前提でございます。これは、家畜の飼養頭数が二〇一五年まで増加し、その後変化しないとの仮定の下に見通しを行ったものでございます。実際の二〇一五年の家畜の飼養頭数は見通しの仮定を下回っております。
 こういったことから、この報告書に基づき獣医師の需給の判断をすることは必ずしも適切ではないと考えております。
 また、御指摘の四国での新設をなぜ認めたのかということでございますが、これ、大学の獣医学部の設置ですとか国家戦略特区区域制度の認定というものが農林水産省がつかさどっている事務ではございませんので、当省では分からないということにつきまして御理解いただきたいと思います。
#122
○松沢成文君 獣医師の今地域的な偏在について聞いたんですが、今度、獣医師の何か質的な偏在というのがやっぱりあるんですね。獣医師といってもいろんな獣医師がいるわけです。確かに、産業動物を対象にした畜産関係の獣医師もいますし、今ペットブームがありましたから、ペットが多いところで動物病院をやりたいという獣医師もたくさんいて、こっちの方が今多いんですよね。それからあと、公務員ですね、県の畜産課とかあるいは農水省に入るという獣医師もいるんですよ。
 それで、地域で幾ら抱えようとしても、やっぱりみんな若い子ですから、より都会に出たいとか、あるいは余り厳しい仕事は嫌だとか、もっとこうやって動物病院やってもうけてみたいとか、いろんな欲望があるから、人は動いちゃうんですよ。だから、四国が少ないから四国でつくって四国の獣医師が賄えるという、そんなふうには全然ならないんですね。これ、人間の医師だってそうですよね、医師の偏在の問題というのは。現に、北海道で獣医師学校が三つあるけれども、北海道で獣医師になった人たちは、もう大部分が全国に散らばっちゃって北海道に残らないわけですね。
 さあ、農水省、ここはどう考えているんですか。これから、じゃ、産業動物関係の畜産関係の獣医師になってくれる人はそこまでいるんでしょうか。だって、今、都会では動物病院やると、例えば狂犬病のワクチン注射とか、何だっけな、フィラリアとかいうそういう病気の治療とか、こういうものをきちっとやると、かなりもうかるんですよ。ですから、なりたい子、たくさんいるわけ。でも、やっぱり都心の真ん中に大きな病院つくるにはお金が掛かるから、なかなかなれないで困っているんです。
 だから、こういう質的な需要も見ないと、幾ら獣医師が少ない、あるいは新たな需要がありそうだ、四国がいいだろうとやったって、そこで卒業生がみんな全国に散らばっちゃったら、四国というその地域を理由にした今回の、何というか、獣医学部開設というのは全く私は意味がないものだと思いますけど、いかがですか。
#123
○委員長(赤池誠章君) 申合せの時間が過ぎておりますので、回答は簡潔にお願い申し上げます。
#124
○政府参考人(小川良介君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、産業動物獣医師に地域の偏在があるというのは御指摘のとおりでございます。
 今回、獣医学部新設に係る提案におきましては、四国出身者向けの地域入学枠が設定される内容になっていると承知しております。これに加えまして、先ほど来説明申し上げました修学資金の活用を図ることにより、関係県とも連携しまして、四国地域における産業動物獣医師の確保に努めてまいりたいと考えております。
#125
○松沢成文君 時間ですので、終わります。
#126
○委員長(赤池誠章君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午前十一時四十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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