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2017/03/23 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 財政金融委員会 第6号
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2017/03/23 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 財政金融委員会 第6号

#1
第193回国会 財政金融委員会 第6号
平成二十九年三月二十三日(木曜日)
   午後二時五十九分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十二日
    辞任         補欠選任
     山谷えり子君     こやり隆史君
 三月二十三日
    辞任         補欠選任
     倉林 明子君     小池  晃君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤川 政人君
    理 事
                大家 敏志君
                中西 健治君
                長峯  誠君
                三宅 伸吾君
                大塚 耕平君
    委 員
                愛知 治郎君
                石田 昌宏君
                こやり隆史君
                徳茂 雅之君
                中山 恭子君
                松川 るい君
                三木  亨君
                宮沢 洋一君
                風間 直樹君
                古賀 之士君
                白  眞勲君
                藤末 健三君
                杉  久武君
                平木 大作君
                小池  晃君
                大門実紀史君
                藤巻 健史君
                渡辺 喜美君
   国務大臣
       財務大臣     麻生 太郎君
   副大臣
       財務副大臣    大塚  拓君
   大臣政務官
       財務大臣政務官  杉  久武君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 伸一君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       土生 栄二君
       警察庁長官官房
       審議官      白川 靖浩君
       金融庁監督局長  遠藤 俊英君
       総務省統計局統
       計調査部長    千野 雅人君
       法務大臣官房審
       議官       佐々木聖子君
       財務省主税局長  星野 次彦君
       財務省理財局長  佐川 宣寿君
       国税庁次長    飯塚  厚君
       文部科学大臣官
       房審議官     藤江 陽子君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○所得税法等の一部を改正する等の法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(藤川政人君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、山谷えり子君が委員を辞任され、その補欠としてこやり隆史君が選任されました。
 また、本日、倉林明子君が委員を辞任され、その補欠として小池晃君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(藤川政人君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 所得税法等の一部を改正する等の法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として財務省主税局長星野次彦君外八名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(藤川政人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(藤川政人君) 所得税法等の一部を改正する等の法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○古賀之士君 民進党・新緑風会の古賀之士でございます。
 森友問題で、本日の午前中、まず参議院の予算委員会で籠池理事長の証人喚問が行われました。そして、一部報道によりますと、明日、当時の近畿財務局長とそれから理財局長が参考人招致されるという報道もなされているようでございますが、そこでこの森友問題についてまずお尋ねをいたします。
 資料の、お手元の一を御覧いただきたいと思います。文部科学省としての、教育勅語に関してどう捉えているか、お尋ねをさせていただきます。
 既に御承知の方も多いかと思いますが、この教育勅語に関しましては、昭和二十三年六月十九日、衆議院の本会議におきまして、教育勅語等排除に関する決議として、憲法九十八条の本旨に従い、ここに衆議院は院議をもって、これらの詔勅を排除し、その指導原理的性格を認めないことを宣言すると。また、同日、参議院の本会議でも同様の決議が行われております。
 ただ、塚本幼稚園のホームページを見ますと、少なくとも、私、本日の朝確認をしていますが、現段階でも、教育内容としまして、ホームページには、毎朝の朝礼において教育勅語の朗唱を行うと記されております。さらに、教育の根底は下記の十二の徳目を根幹とした上で、十二の徳目の基となっているものとして教育勅語が掲載されております。
 幼稚園の教育において教育勅語が指導原理となっているとも読めますが、この点について文部科学省にお尋ねをいたします。問題はないのでしょうか。
#7
○政府参考人(藤江陽子君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のように、昭和二十三年の衆議院、参議院の決議にもございますとおり、教育勅語につきましては、戦後の諸改革の中で、これを教育の唯一の根本として取り扱うことが禁止されるとともに、日本国憲法及び教育基本法の制定等をもって法制上の効力が喪失しているところでございます。このため、学校現場において教育勅語を活用することとした場合におきましては、教育勅語を我が国の教育の唯一の根本とすることなく、憲法や教育基本法等に反しないような適切な配慮が不可欠でございます。
 実際に個々の私立幼稚園においてどのような教育を行うかは、一義的にはそれぞれの園で創意工夫をしながら考えるべきものでございますけれども、仮にそこで行われる教育活動が教育基本法等に照らして不適切なものであるとすれば、所轄庁である都道府県、この場合は大阪府となりますけれども、において適切に対応すべきものと考えております。
#8
○古賀之士君 確かに大阪府が所轄庁でございますけれども、今お答えにありましたように、教育勅語に関しては、当時の、昭和二十三年の六月十九日、文部大臣の答弁の中にも、教育勅語は、教育上の指導原理としては、法制上はもちろん、行政上も思想上にも、その効力を喪失いたしておるのでありますというふうに明記されておりますので、この辺の事実もきちっと把握をしていらっしゃると思いますけれども、これを踏まえた上で、所轄官庁の大阪府に、昨日も申し上げましたが、指導なり助言なり適切な処置を、対応をよろしくお願いを申し上げます。
 では、次の質問に参らせていただきます。
 財務省関連についてでございますが、この本件に関しまして、先ほど申し上げましたが、当時の近畿財務局長と理財局長、これも当時の理財局長が参考人招致がどうやら決まったと一部報道がなされております。この当時の近畿財務局長と当時の理財局長間のメールの記録、添付ファイルを含めまして、このやり取りを提出することはできませんでしょうか。財務省にお伺いします。
#9
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。
 昨日、委員の御質問にお答え申し上げましたが、パソコン上のものも紙ベースのものも同様に私ども取り扱ってございます。したがいまして、公文書管理法に基づきまして制定されております財務省の行政文書管理記録に基づきまして、保存期間が満了すれば処分をしてございますので、メールのやり取りとか面会記録等につきましても、事案が終了しているということで残ってございません。
#10
○古賀之士君 明日の参考人招致でこれをしっかりと注視していきたいとも思っております。
 では、次の質問に参ります。時間がないので、よろしくお願いをいたします。
 今日の午前中の証人喚問で西田議員が籠池理事長にお尋ねした中に、問題の本質はお金がないのに小学校の建設を進めていることにあると。そこでお尋ねでございます。近畿財務局は森友学園の財務状況を詳細に把握していたんでしょうか。財務省、お尋ねでございます。
#11
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。
 本件につきましては、森友学園から国有地の取得要望書が出てまいったわけでございますが、それとともに過年度分の、二か年分でございますが、決算書類あるいは収支計画書というものの資料の提出を受けております。さらに、二十七年の一月、国有審の前でございますが、その時点の決算書類等の提出も受けてございます。
 こうした資料につきまして、私ども近畿財務局で事務的に審査を行いまして、二十七年二月の地方審議会に買受け特約付きの定期借地契約を締結し処理するという方針を付議いたしまして、了承いただいたところでございます。その後、二十八年三月に新たな埋設物が見付かって、今度、買受けということになるわけでございますが、その売買代金につきまして先方法人より分割払にしたいという要望を受けてございます。
 したがいまして、森友学園からその時点におきます決算書類あるいは収支計画等の提出を求め、ヒアリング等も行いまして、先方の、その建設工事中、借入金を抑える必要があって全額一括で支払うことが難しい、ただ、開校後における収支上、延納代金は確保できる計画になっているといったことを確認しまして、私ども分割払とすることを認めたということでございます。
#12
○古賀之士君 少なくとも、平成の二十七年の二月の十日、これ、国有財産近畿地方審議会の議事録におきまして近畿財務局の管財部長が、なるべく早く寄附を受領することはできませんかという助言を我々はしたというふうなことも述べられておりますし、また、我々も認可する大阪府も互いに協調して森友学園の今後の経営状況というのを見ていく必要があるのだろうというふうに思っておりますと答弁をされていらっしゃいます。したがって、この辺の事実をきちっと引き続き注視していきたいと思っております。よろしくお願いをいたします。
 さて、引き続きの質問をよろしいでしょうか。
 今日の午前中の証人喚問で籠池理事長から、財務省の本省に対してもいろいろとお願いに上がったということを証言をされました。麻生財務大臣、今日の午前中のことでございます、突然の質問で大変申し訳ございませんが、籠池理事長が財務省本省を訪ねて、そしてその担当の係の方に、財務大臣にもひとつこの辺もお含みおきいただいてよろしくお伝えくださいというようなコメントを出しております。実際に籠池理事長が、間接的にはありますけれども、麻生財務大臣に対しまして、何らかのその働きかけのコメントを担当係官から大臣に直接何か耳に入ったという経験はおありでしょうか。
#13
○国務大臣(麻生太郎君) ありません。
#14
○古賀之士君 ありがとうございました。
 では、次の質問を移らせていただきます。昨日の積み残しの質問でございます。
 昨日は、様々な保険料の控除についてお尋ねをさせていただきました、生命保険それから地震保険。そして、自動車保険料の税の控除について今日はお尋ねをさせていただこうと思っております。
 財務省にお尋ねをいたします。自動車保険料、これ、所得の控除対象とすることについてどのようにお考えになっていらっしゃるのでしょうか。大塚副大臣にお尋ねをいたします。
#15
○副大臣(大塚拓君) 自動車に特化してという話ですけれども、地方において生活必需品であることなどを考えますと、所得税の課税対象となる所得から自動車保険料を控除してはどうかと、こういう趣旨の質問だというふうに伺っているわけでございますけれども、個人が生活していく上で必要な支出というのは、自動車以外にも光熱水料、家賃、携帯電話等通信料、多岐にわたっているという中で、自動車保険料のみを取り出して所得控除の対象とすることが妥当なのか、低所得者の方々の中では自動車を有していない方も多いと考えられることから、こうした控除を設けることが所得再分配の観点から適切なのかといったような問題があると思っております。
 さらに、一般に新たな控除を設けることについては、これまで政府税制調査会の答申において、制度がいたずらに複雑になりかねない、稼得した所得の大きさに応じて負担を求める所得税の根幹を損ないかねないことから、基本的に適当でない旨の指摘がされているところでございます。
 こうした様々な点を踏まえれば、御提案についてはなかなか困難で、一般的に自動車で言われておりますのは、取得税とか重量税とか自動車固有の課税についてよく議論をされるわけでございますけれども、こういったことに比べてもなお一層ハードルが高いものというふうに考えております。
#16
○古賀之士君 確かに今副大臣からお話があったように、必需品という一環からすれば、取得時にはもちろんお金も掛かるわけでございますけれども、その後のやはりランニングコスト、これは保険料も含めて、ランニングコストがやっぱり自動車の取得に関して若干気持ちの上で前のめりになりにくいという声も上がりつつある昨今でございますので、引き続き御検討をよろしくお願いを申し上げます。
 続きまして、資料の二を御覧いただきたいと思います。
 三月二十日付けの日本経済新聞の朝刊でございます。見出しに、グローバル企業、税務情報、詳細に公表、国・地域別明記、節税批判受け透明性高まるという記事が出ております。ボーダフォンは、国別の納税額を公表した上、タックスヘイブンの利用実態も開示しているそうであります。また、欧州委員会では、EU域内の納税額や利益を公表するルールを審議中とも書いてあります。こうした動きに対する財務省のお考えを伺いたいと存じます。
 また、民進党は、昨年、大企業の所得と納税額を開示する法人税法改正案を議員立法で提出いたしましたが、この法案に対する評価も改めてお伺いをいたします。
#17
○副大臣(大塚拓君) 欧州委員会がEU域内で活動する多国籍企業に対し、国別の売上高、納税額等の企業情報の公表を義務付ける制度を提案したということは承知をしております。EU提案の趣旨は多国籍企業の活動実態の透明性を高めていくことに租税回避リスクを抑制するというものでありまして、日本としてもその考え方は重要であると考えております。
 どの国に幾ら納税したということについては我が国においても公表財務諸表だけでは把握ができないところがございますので、日本の企業とか地元の企業と思って応援していたけれども本当に日本に納税していただいているんだろうかという疑問も呈されることもあるというふうに私は考えておりますけれども。
 他方で、OECDのBEPSプロジェクトにおいては、多国籍企業のグループ企業の情報を親会社が所在する国の当局が一括して収集し、関係国間で交換するための国別報告書制度を守秘義務を遵守しつつ実施時期を合わせて導入することが合意しているという点、また、現在、各プロジェクト参加国が制度導入に必要な法令の整備等に取り組んでいる最中であるということなどを踏まえれば、まずはこのBEPSプロジェクトで合意された取組を各国が足並みをそろえて進めていくと、その上で必要に応じて税の透明性を高める方策を各国協調して議論していくべきだろうと考えてございます。
 また、お尋ねの民進党によります資本金百億円以上の企業の法人税の額等を公示するという内容の法人税法改正案に関しましては、目を通させていただいたわけでございますけれども、今申し上げたような国際的な合意に基づく取組が進展している中で日本が単独で個別企業の納税情報を公表することは、企業イメージへの影響など、日本企業に競争上の地位への影響を及ぼす可能性がございます。そうした影響と公益上の必要性というものをよく比較考量し、その効果を見極める必要があると考えているところでございます。また、何で資本が百億以上なのかとか、いろいろ気になる点もないでもなかったわけでございますけど、そういう考え方でございますけれども。
 パナマ文書を契機にして我が国でも企業の納税姿勢に関心が高まっているというのもこれまた事実でございまして、各企業において税務方針とかどの国にどれだけ納税しているかという、こういったこと、これを義務的に開示をさせるのか、あるいは税務署が公表するのかということになるといろいろ検討しなければいけないことが出てくるんですけれども、各企業においてこれは是非積極的に開示に取り組まれたらいいんではないかなというふうに私としては思っているところでございます。
#18
○古賀之士君 確かに今副大臣が御指摘のあった問題点もあるかとは思いますけれども、ただ、少なくとも税の透明性を高めていく、あるいはまたタックスヘイブンの利用実態をきちっと把握していく上でも、私どもが提出させていただいた議員立法につきましては、再度また御検討を踏まえ、また修正、訂正も含めて御検討いただければ大変有り難いと思っております。
 では、次の質問に移らせていただきます。資料の四の一あるいは四の二に関連するお話だと思います。
 財務省に伺います。直近年度の法人税について、租特、欠損金等を考慮した税負担率はどれぐらいあるのでしょうか。
#19
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 今先生お配りになられました資料四の一、これが、主税局の方で、国税庁の会社標本調査等に基づきまして、ここに書かれている一定の仮定を置いて試算をしたものでございます。これを、合計欄のところを見ていただきますと、平成二十五年度の数字でございますけれども、税引き前利益に対する法人税の割合は全体として一五・六%ぐらいの水準になっております。
 法人税制上の各種措置がございまして、これを表面税率からどの程度税負担率を引き下げているかということになるわけでございます。例えば、軽減税率ですと〇・六%、租税特別措置ですと一・七、受取配当等益金不算入が二・〇、外国子会社配当等益金不算入が一・三、それから欠損金の繰越控除三・三ということでございまして、こういうものを一応調整をすると一五・六ということでございますが、これ自体、二十五年度の数字でございまして、今申し上げたような一定の仮定を置いて試算をしております。年度によりまして当然、その法人の利益状況でございますとか、例えば繰越欠損金のその欠損金の大きさですとか、時々刻々変化していくものでございますので、そういう意味では一定の留保付きで見るべき数字かなというふうに考えております。
#20
○古賀之士君 ですので、以上のことを考えると、今後の法人税の在り方というのは、単に表面上の国際比較を行うべきではなく、実質の税の負担率に着目した議論が必要と思われますが、この辺についてはどうお考えでしょうか。
#21
○国務大臣(麻生太郎君) 法人税の負担は、今おっしゃるとおり、課税ベースと税率によって決まるものですけれども、単に表面税率だけで着目するのではなくて、課税ベースの大きさも含めました実質的な税負担というものを見ながらいわゆる検討する必要があるというのはこれは御指摘のとおりだと、私どもそう思っております。
 こうした観点から、平成二十七年、二十八年度の取組では法人税改革において税率の引下げを行っておりますけれども、これは単に税率を引き下げるというのを目的としたものではありませんで、従来の法人課税において課税ベースがだんだんだんだん狭くなってきておるという面を踏まえまして、外形標準課税を拡大するとか、研究開発税制における控除限度を見直すとかいったような課税ベースの拡大ということによって、財源をしっかり確保しつつ税率を引き下げることで法人課税というものをより広く負担を分かち合う構造へ改革をさせていただいたというように思っておりますので、古賀先生の問題意識に沿ったものであると、私どもはそう考えております。
 なお、先生御指摘になりましたように、国際比較におきましても、先ほど星野の方から、主税局長の方で答弁をさせましたけれども、法人税の負担割合が表面税率よりも小さくなっておるというのは、例えば国内外の子会社からのいわゆる受取配当金の損益不算入制度というものや欠損金の繰越控除というのがございますので、そういったなどが影響しておると思っておりますけれども、いずれにいたしましても、こうした制度はこれは何も日本だけのものではなくて、大体、海外、国際的にも一般的に使われている制度だというように理解をいたしております。
#22
○古賀之士君 今、麻生大臣がおっしゃった国際的な見方というのも微妙に実は御存じのように違う部分もございますので、その辺も勘案した上で是非善処していただければと思っております。少なくとも、表面税率をただ下げればいいというわけではないということで御確認をいただいたのは大変有り難いと思っております。
 では、次の質問に移らせていただきます。
 企業年金の積立金に関する特別法人税について、現在は課税が凍結されておりますが、積立金はなぜ課税対象とされているのか、仮に課税となりますと、対象となります税額はどの程度となるのでしょうか。お尋ねでございます。
#23
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 特別法人税でございますけれども、これは、事業主が負担する従業員の企業年金の掛金等に対しまして、従業員に課されるべき所得税が年金受取のときまで繰り延べられているということに伴いまして、その遅延利息相当分の負担を求めるために課税をするものでございます。本制度につきましては、近年の低金利の状況等を踏まえまして、臨時的な措置として平成二十九年三月末まで課税を停止しているところでございますが、今般の税制改正におきまして、この期限を三年間延長することとしております。
 特別法人税は廃止すべきといったような御指摘もあるわけでございますけれども、今申し上げましたように、特別法人税は企業年金の拠出時及び給付時の税制上の取扱いを踏まえて課されているものでありまして、現行制度上、拠出時の課税が繰り延べられていることに伴い遅延利息相当分の負担を求めることは経済合理性のあるものであり、これを直ちに廃止することは適当でないと考えております。
 また、厚生労働省等の計算によりますと、本税制の対象となります企業年金制度の積立金額、これが二十八年三月末時点で合計で約九十三兆円ございます。このうち課税対象となる積立金額に国税分の税率を掛ければ、約七千億円の金額になります。
#24
○古賀之士君 時間が余りありませんけれども、少なくとも、こういった類いの三年延長ですとか一年延長という法律が、私もこの世界に入ってまだ八か月余りでございますが、異常に多いという実感がしておりまして、必要なものはそのまま残し、必要でないものはきちんと整理をしていくということも大切なことかと考えております。是非善処いただければと思っております。
 まだお時間大丈夫ですか。──二分過ぎております。じゃ、済みません、申し訳ございません、時間オーバーしてしまいまして申し訳ございません。以上で質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#25
○大塚耕平君 民進党の大塚耕平でございます。
 今回の所得税法改正案の中身、お伺いしたいことはたくさんあるんですけれども、今日は外国子会社合算税制の見直しについてまずはお伺いしたいと思います。
 まず、大臣にお伺いしたいんですが、そもそもこの外国子会社合算税制、これは課税をどちらかといえば強化する方向での見直しなのか、それとも緩くする方の見直しなのか、基本的な方向性についてお聞かせください。
#26
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的には、外国の子会社合算課税というものが、これは、海外にこれから展開をしていこうとしている会社に対してのいわゆる営業というか活動というのを阻害することなく、他方、国際的には、いわゆる例のBEPSの話題で、この十年間ぐらい随分話題になってきましたBEPS等々の話もありますので、これまで以上に効果的な対応をしていかないかぬというので両面あると思いますけれども、基本的にはBEPS等々のものの、タックスヘイブン等々を使われた脱税等々のものに対応していくというのが基本的な主眼として考えておるというところだと思っております。
#27
○大塚耕平君 ということは、基本的には強化をする方向だという理解でいいですね。今うなずいていただいたので、それを前提にお伺いしますが。
 そうすると、合算対象の外国子会社の実情をどのように把握するのかということで、幾つも基準があるんですが、今回そのトリガーになる税負担率、合算後の税負担率が、従来は二〇%だったものを一部三〇%も根拠として、ベンチマークとして考えようというような内容が含まれていますが、この三〇%というのはどういう考え方で定められたんでしょうか。
#28
○国務大臣(麻生太郎君) この外国子会社の実情につきましては、これは日本の親会社に対しまして、申告書と合わせて合算対象となります外国子会社の損益計算書と貸借対照表というもの、両方提出するように求めるというのですが、国外送金等の調書などの資料や情報も収集することにより、より適切な把握というのが努めるということになろうと思います。
 これに加えて、必要に応じて租税条約に基づく外国税務当局、海外の税務署等々との情報交換を積極的に実施をさせていただくということで、外国子会社の実態をより的確に把握することが可能と考えております。
 その上で、今、トリガー価格のお話がありましたけれども、外国子会社合算課税のこの案で、現行、今、発動要件であります外国子会社の税負担、いわゆるトリガー価格というのは二〇%ということになって、イギリス等々がその二〇%になる、そういうことになるんですが、これを廃止しますと。これによって、いわゆる租税回避リスクの高い例えばいわゆるペーパーカンパニー等々なんであれば、税負担率というものは、現行制度でいわゆるトリガー価格二〇%以上であったとしても、その全ての所得が日本の親会社の所得に合算されることになります。
 その上で、企業の事務負担というものを、これを軽減することを考えにゃいけませんので、ペーパーカンパニーなどであっても、その税負担率が三〇%であればこの制度の対象外としております。これはなぜかというと、日本の場合はほぼ二九%、約三〇%になりますので、そういった意味では、税負担率三〇%という基準は、日本の法人税の実効税率等を参考に想定される租税回避をしようというリスクなどなど、企業の事務負担を勘案して三〇%というのを設定させていただいたものであります。
#29
○大塚耕平君 そうすると、ペーパーカンパニーであってもトリガー税負担率を参考にしながら、合算対象にするかしないかは個別に対象を絞り込むという、こういう理解でいいですか。
#30
○国務大臣(麻生太郎君) そうです。
#31
○大塚耕平君 そうすると、そもそもペーパーカンパニーの定義は何でしょうか。
#32
○国務大臣(麻生太郎君) ペーパーカンパニーの定義というものは、主たる事業というものを行うために必要な事務所等々の、いわゆる事務所とか倉庫とかそういった固定の施設を持たないで、かつその本店所在地の国において事業の管理、支配などを自ら行っていないという外国子会社と定義をいたしております。実体がない。
 ペーパーカンパニーにつきましては、税負担率が三〇%にある場合を除きまして、原則としてその全ての所得を日本の親会社の所得に合算するというふうにさせていただいております。
#33
○大塚耕平君 今日お伺いしたい質問の問題意識はここまでで御理解いただけていると思うんですが、基本的には外国子会社に対する課税を強化する、BEPSの流れに沿った見直しということなんですが、本当にそうなるのかどうかというところをお伺いしたいわけなんです。
 そこで、ちょっと具体的な事例として金融機関についてお伺いしたいんですが、メガバンク三行の有価証券報告書に記載されているタックスヘイブン等に所在する子会社、関係会社の数を、これはもしあれでしたら金融庁の政府参考人でも結構ですので、大臣でも結構ですし、お答えください。
#34
○政府参考人(遠藤俊英君) 三メガバンクグループの二〇一六年三月期の有価証券報告書に基づきますと、三グループ合計で、連結子会社二百五十社、持分法適用関連会社六十四社、持分法適用子会社五社でございます。このうち、いわゆるオフショアが住所になっていて、銀行業などの経済活動を行っていないと見られるものを有価証券報告書で拾いますと、三グループ合計で、連結子会社五十六社、持分法適用関連会社二社でございます。
#35
○大塚耕平君 これは政府参考人で結構ですが、金融業を行っていないと思われるものは一体何をやっているんですか。
#36
○政府参考人(遠藤俊英君) 金融業を行っていないものは、いわゆるオフショアのいろいろなバミューダ等の島に登録のペーパーカンパニーをつくりまして、そこのペーパーカンパニーで、例えば資産をそこに移して証券化をしたり、そういった、何といいますか、銀行業ではない、いわゆるペーパーカンパニーを使ったトランザクションを行っているというふうに理解しております。
#37
○大塚耕平君 金融機関の顧客、クライアントの要望に応じて、そのクライアントのためにつくっている外国子会社、タックスヘイブンに登記されている子会社はないですか。
#38
○国務大臣(麻生太郎君) それはちょっと、どれがどうなっているかという区分まではできませんけれども、あります。
#39
○大塚耕平君 そうすると、先ほど金融庁からお答えいただいたメガ三行の有価証券報告書記載の外国子会社のうち、今回のこの見直し後の基準に照らすと、合算対象はそのうちのどのぐらいになるかとかというイメージはありますでしょうか。
#40
○政府参考人(遠藤俊英君) その点については承知しておりません。
#41
○大塚耕平君 それは、あれでしょうか、実は、委員の皆様のお手元にも今回の税制改正の見直しの財務省から提出されている説明資料を配付させていただいていますが、二枚目に、経済活動基準として、事業基準、実体基準、管理支配基準、所在地国基準とかもろもろ書いてあります。どれが合算対象になるかならないか、例えばメガ三行を例に取ると、現時点では把握し切れないというのは、これらの基準の詳細がまだ決まっていないからなのか、それともそれらの子会社の実情が分からないからなのか、どちらでしょうか。
#42
○政府参考人(遠藤俊英君) まさに今は税法の審議中ということでございますので、どういった確立した基準に基づいてこれを適用して、何社がその対象になり得るのかということについて、我々イメージをまだつくるに至っていないということでございます。
#43
○大塚耕平君 そうすると、大臣、今回の外国子会社合算税制の見直し、パナマ文書のこともありましたし、これを見直しするというのは、そうだそうだということで賛成意見が多いと思います。我々はもちろん賛成です、これについては。しかし、これらの基準、具体的な基準をこれから決めていくということになると、これはもう大臣の決裁、この基準の決め方の決裁いかんによっては、アナウンスどおりの効果が及ぶような税制をつくれるのか、それとも随分抜け道の多い基準になるのか、相当差が出てきますが、大臣はどういう御方針で臨まれるおつもりでしょうか。
 もし、これらの基準について今何かお考えがあれば、お答えください。
#44
○国務大臣(麻生太郎君) 何となく危なそうな話なので、よくよく落ち着いて答弁をせぬと、後々あのときどう言ったこう言ったなんて言われちゃいそうだから。
 ちょっと余り分かっておられない方もおられると思いますので、いわゆる銀行業というものが経済活動をしていないという、海外のオフショアという話が一番出てくるんですが、このオフショアが大体余りぴんときておられない方が普通だと思いますが、少なくとも、銀行自身というものは、最初、子会社の話、融資先の企業の話ありましたけど、銀行自身も国際的な自己資本比率規制というのがあります、いわゆるバーゼル規制ですけれども、これに適合した資本調達を行うということを目的とするんですが、これは御存じのように、銀行が増資しろといって国内で増資をすると、まず株主として俺の配当金が減るとか、いろいろな話がくっついてきて極めて難しいことがありますというのはもう御存じのとおりで、一株当たりの配当率が下がるという話なんですが。そういったものを回避するためには、これは資本調達を行う会社というものを別に設立して、これを連結子会社としてグループ全体の自己資本を上げると。これによってバーゼル規制はクリアしますし、国内の資本家に対してもいろいろ配当がどうとか言われることがないという面が一個あります。
 加えて、今言われましたように、顧客であります企業等の資金調達を支援をするために、いわゆる資産を流動化させますので、顧客から一定の資産というものを、金銭とか不動産とかそういったものを分離して別会社に帰属させることでその当該企業の倒産リスクというものを間違いなくそれで回避をしますので、その資産に見合う資金を調達する、この二つが、多分今海外でオフショアでつくっておられる銀行の主な理由がその二つかなと思われますけれども。
 いずれにいたしましても、これらを海外に設立する理由については、これはもう設立コスト、管理コストの観点とか、これらの海外拠点が発行する証券等々に対して投資をしてくる海外の投資家にとりましては、これは海外の法規制の方がなじみやすいという点もあろうかと思っております。
 したがって、一般的には利益というものの海外への移転など租税回避目的での設立とか活用でないものと理解をいたしておりますが、いずれにいたしましても、海外展開を阻害することがないように、利子や配当等一見、何というんですか、受動的な所得と見られるような所得であっても、今申し上げたように、金融機関の場合はその事業を通じて得るものなどについては合算対象からこれは外しておいてやらぬと偏ったことになりかねぬということは注意しておかないかぬところだと思っております。
#45
○大塚耕平君 どんな法律でも、詳細を政省令等に委ねればその政省令等がかなり重要な意味を持つのは当然のことでありますが、今回のこの外国子会社合算税制は、とりわけこれから定まっていく基準が重きを成すなと思っている、重い影響を与えると、この基準がですね、と思っているんですが、いつ頃これらの基準についての案が提示されて、これはパブリックコメントに付されるんでしょうか。その辺りのスケジュール感とパブコメに付されるのかどうかということを聞かせていただきたいんですが。
#46
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 基本的には、政省令は法律に併せて三月末に出せるように用意をしております。そういう意味では、それに関する基準ですとかどういう制度にするかということについては明確になるということでございます。
#47
○大塚耕平君 パブコメは付されるんですか。どうぞ。
#48
○政府参考人(星野次彦君) 税制につきましては、基本的に税制改正プロセス等につきまして、何というか、オープンな場で議論はされておりますので、そういう意味では税制そのものについてはパブリックコメントには付さずにルールを決めて、法律、政省令をまとめてそのまま制定して出すというのは毎年行われているということでございます。
#49
○大塚耕平君 いや、そうすると、昨日の大門さんの質問をちょっと想起してしまうんですけれども、見直しの分野や内容いかんによりますけれども、これ、もし政省令の案がもう事実上決まっていて、かつもうこの法案が通ったら三月末にもリリースするということであれば、何かこの基準についてはもっと説明をしていただきたかったなという気がするんですが、今から一個一個聞き始めると随分な時間がたってしまいますけれども、それは採決の前に我々は拝見することはできないんでしょうか。
#50
○政府参考人(星野次彦君) 今回のこの合算制度、新しい制度の施行自体は、実際に動き出すのはちょうど一年後の四月一日からでございます。ただ、ルール自体は、今申し上げたとおりこの三月末に法律と併せて政省令を出せるように準備をしているということでございますけれども、その後、そういう意味では、制度全体、一年間、動き出すまでに整備をすべきところがまた出てくれば、そこは手直しをして出していくということになろうかと思います。
#51
○大塚耕平君 そうすると、例えば、一個、じゃお伺いします。事業基準及び所在地国基準の判定方法を見直すというふうになっているんですが、これは、今がどうであって、それをどういうふうに見直すということなんでしょうか。
#52
○政府参考人(星野次彦君) 事業基準でございますけれども、現行の外国子会社合算税制に設けられている事業基準は、税負担軽減以外に国外で事業を行う積極的な経済合理性を見出すことが困難な事業を限定列挙をしております。その上で、外国子会社の主たる事業が事業基準に掲げられた事業に該当する場合は、当該外国子会社の全ての所得が親会社の所得に合算課税されるということになりますけれども、こうした事業基準自体は今般の改正後も維持することとしております。
 ただし、従来事業基準に含まれておりました航空機の貸付業務につきましては、近年、単に税負担を軽減するためではなく、外国におけるノウハウや高度な人材を活用して航空機貸付業務を行う外国子会社が見られるようになってきていると、そういった状況を踏まえまして、今般の外国子会社合算税制の見直しにおきまして、一定の要件を満たす航空機の貸付業務につきましては租税回避リスクが低いと認め、事業基準から除くこととしております。
 また、所在地基準でございますけれども、これは、外国子会社と所在地国経済との関わりの程度に着目いたしまして、いわゆる能動的所得を得るために必要な経済活動の実態を有しているか否かを確認するための基準でございます。具体的には、例えば外国子会社が製造業の場合に、主としてその本店所在地国で製造を行っているか否かで経済活動の実態の有無を確認することとしております。
 現行の基準では、製造子会社につきましては、その本店所在地国で製造自体は行っていないけれども別の国・地域に所在する委託先での製造に主体的に関与しているような場合についても、一律にその全ての所得が日本の親会社に合算されてしまうといった問題があるという、そういう認識に立ちまして、今回の改正では、BEPSプロジェクト等の基本的な考え方を踏まえまして、本店所在地国で製造自体は行っていなくとも製造に主体的に関与している場合には所在地国基準を満たすという形で、所在地国基準の適用方法を見直したところでございます。
#53
○大塚耕平君 政省令がオープンにされましたらその他の基準についても一回勉強させていただきたいと思いますが、これは財務大臣あるいは主税局長星野さんにお願いでありますけれども、ということは、今回この基準を見直したことによって、平成二十九年度の、これから始まる二十九年度の決算において、見直し前の基準だったら外国子会社の合算は、例えば一部上場企業についてはこうであったんだけれども、この見直し後は、二十九年度の合算の結果はこうなったという、その比較分析した結果をできれば来年の通常国会のどこかの段階で、つまり次の税制改正の前にはレポートをしていただきたいなと思うんです。多分、来年も私はこの委員会におりますので。
 いや、つまり、これ非常に大事な見直しなんですが、見直したことによって、大臣が言っておられるように、合算強化になるような、見直しの本当に実績が上がるのかどうなのかというのをやっぱり検証させていただきたいなと思うんですが、何らかの形でそういうレポートを、当委員会にでもいいですし一般向けでもいいんですけれども、まずは当委員会にできれば報告をしていただけないかなと思うんですが、いかがでしょうか。
#54
○政府参考人(星野次彦君) 勉強はいたしますけれども、ちょっと今お聞きして思いますのは、この合算税制に伴ってもちろん活動の中身が企業それぞれ変わると思いますけれども、それによってどう変化するのかというのは、個々の企業によってもちろん違いますし、全体の活動の中に溶け込んでいる話でございますので、そこだけ取り出して個々の企業についてその追跡を行うというのは、それは実際はなかなか難しいのかなと今お聞きして思います。勉強はちょっとしたいと思いますけれども、さすがに何かレポートするような形では難しいのではないかという感じがいたします。
#55
○国務大臣(麻生太郎君) 今、星野が申し上げたとおりなんで、これ、なかなかやり方は難しいなと。自分で会社経営者やった経験からいきますと、ちょっとこれ、なかなか簡単にはいかぬだろうなという感じはするんですけれども。
 いずれにしても、興味を持たれるのは当然のことなんであって、そういったものには、それなりにやらせていただきます。ただ、どれぐらいできるかどうかについては余り期待していただいても困りますし、そのときまで私が大臣でいるという保証もありませんので、よろしくお願い申し上げます。
#56
○大塚耕平君 分かりました。この場で約束まではできないというのは理解できます。
 そのタックスヘイブンのペーパーカンパニーを利用するような企業の経営陣は、麻生大臣のような善良な方ばかりではなくて、抜け道を探す天才みたいな人たちですから、この課税強化をしても本当にそうなるかどうかというのは、これは何といいますか、多少何とかと何とかの化かし合いみたいなところがありますので、是非トレースはしていただいて、個別の事例等で場合によってはまたお伺いするかもしれませんので、フォローアップをしていただきたいと思います。
 もう一つお伺いしたいんですが、国外財産に係る相続税等の納税義務の範囲の見直しということで、これは三枚目の資料としてお付けしてありますが、これは一体何をやりたいのかということを、ちょっと大臣、簡単に御説明いただけますか。
#57
○国務大臣(麻生太郎君) 国外財産に対しましていわゆる相続税、贈与税等々の納税義務というものは、これは、経済のいわゆるグローバル化等への対応とか、また租税回避防止の観点からの見直しを行うこととしておるのが基本です。
 具体的には、日本で働いておられる外国人が増加していることに対応して、短期滞在の外国人同士の相続税というものの場合には、これは国外財産というものは課税対象外とすることにいたしております。このことは、外国人材の受入れという促進にもつながると考えております。
 また、現行のいわゆる相続人とか被相続人とかいうので、五年を超えて日本に住所を持たない日本人の場合は、これは国外財産に課税しないこととされておるのが今御存じのとおりですが、こういったものに対しては、相続税などの課税を逃れるために日本人が国外に移住していこうとか、五年シンガポールへ行っちゃおうとか、そういったようなのに対応して、この期間を十年超というのにさせていただいて、厳しくさせていただきたいと思っております。
#58
○大塚耕平君 これも今最後におっしゃったように課税強化ということで出てきている話だと思うんですが、これも本当にそうなのかということなんですね。
 これ、今日、法務省に来ていただいているんですが、法務省は外国人の入出国履歴をどのようにどの程度把握していて、その履歴というのは税務当局と共有しているのかどうかというのをできるだけ簡単に是非お答えください。
#59
○政府参考人(佐々木聖子君) 法務省からお答えいたします。
 法務省では、本邦を出入国した外国人の出入国履歴につきまして、電算システムにより全て把握をしています。
 今お尋ねの税務当局との情報共有ということですが、税務署等から税務調査で必要な照会があった場合には法令に基づきまして適切に対象者の出入国記録を回答をしています。
#60
○大塚耕平君 そうすると、今回のこの見直しの資料ですけれども、五年以内を十年にするということなんですが、五年であれ十年であれ、これは原則は、まずその課税対象になられた方からの自己申告で五年、これまでであれば五年ですし、今後の新しいルールでは、十年の在留期間があったのかなかったのかというのは、これは御本人の自己申告によるものなんですか。それとも、どなたか外国人がお亡くなりになったりした場合に、何か法務省に今の話ですと問合せをして必ず確認をするものなのか、あくまで自己申告なのか。この辺りはどうなっているんでしょうか。
#61
○政府参考人(飯塚厚君) お答えいたします。
 国税当局におきまして、外国人であっても相続税の適正課税を行うという観点からでございますが、今法務省からも答弁ありましたように、一つは、必要に応じて出入国に関する情報について入国管理局に対して照会を行う、こういったことで収集すると。また、それ以外に、日頃から所得状況に関する情報あるいは資産の保有状況に関する情報など、様々な情報を収集しております。
 また、外国人の死亡事実につきましては、市区町村からの通知がございますし、またマスコミ情報ですとか、あるいはその申告状況、具体的には、死亡の場合に準確定申告の提出がございますし、また、今まで出ていた所得税の申告書が出なくなったと、こういったような様々な事実がございます。
 こういった様々な情報から把握をしておりまして、国税当局においてこれを把握した際には、先ほど申し上げましたように、今まで蓄積していたいろんな資料情報に加えまして、租税条約等に基づく情報交換も活用しながら、その亡くなった方が保有していた財産の把握に努め、必要が認められれば税務調査を行うということで対応しているところでございます。
#62
○大塚耕平君 私も不勉強で、死んだときに外国の財産まで課税対象になる、しかも、これは大体各国、先進国は共通してそういうルールを持っているということで、知らなかったんですけれども。
 そこでいろいろ調べてみたら、なかなか実際の運用は難しいなという印象を持ちまして、これは法務省が作っている出入国管理のパンフレットですけど、ここに在留資格がずっと書いてあって、よく議論になる高度専門職とは別にいろんな在留資格があるんですが、例えば経営・管理という分類に入る人は、本邦において貿易その他の事業、つまり会社を経営している外国人はこの在留資格を認めて、幾つかのパターンがありますけど最長では五年まで在留を認めると。
 今回の法案が通ると、この在留資格は大体の分類が五年なんですけれども、全部これ十年に見直すということと連動しているんでしょうか。
#63
○政府参考人(佐々木聖子君) 今の点をお答えいたしますと、今御覧いただきました在留期間というのは一回に許可される期間でございまして、必要に応じてそれが更新をされるという仕組みという意味で、滞在のマックスが五年ということではない、法務省的にはございませんので、そこだけ御説明申し上げます。
#64
○大塚耕平君 分かりました。じゃ、これが自動的に今回連動して見直されるわけではないということは理解しました。
 何を申し上げたいかというと、これ、課税強化のようで本当に課税強化になるのかなという疑問があります。
 例えば、これは主に欧米の方々の高度人材が長くいてくれるようにということを想定して見直しているんでしょうけれども、最近は、皆さんもお感じだと思いますが、中国の方で事実上生活の拠点を日本にしている人がすごく増えているんです。日本で会社経営をしていて、従業員は日本の若者たちが、給料は安いか高いか分かりませんけれども、一生懸命働いていると。しかし、社長の中国の方は、日本のインフラは使っているけど税金は基本的に納めていない。その方が亡くなったときにどうするかという話なんですね。
 最近は入出国、もう頻繁に行われている方々もいらっしゃいますので、そうすると、この五年を十年に延ばすと、過去十五年間以内に十年に収まるようにきちっとマネジメントしながら日本に在留するということをしている方も、いや、今は五年ですから、それを五年でコントロールしている人もいますし、今後はこれが十年になるわけですから、これは一体課税強化なのか、むしろ課税を緩めるということなのか、難しい判断だなと思って説明を聞かせていただいたんですが。
 この辺り、欧米の方は見た目ですぐ分かりますけれども、アジアの皆さんは見た目では分からない中で、事実上、他国籍で他国に対して税金を払っている、あるいは、場合によっては海外に在留しているということで、母国に対する税金の支払も圧縮しつつ、しかし生活の拠点は日本で、大半の公共インフラは日本のものを使っているという方々に対して、適切に税を払っていただいたり、お亡くなりになったときには相続税をお預かりするという仕組みをきちっとつくっていただかないと、何のために日本国民の税金で日本のインフラを造っているか分からなくなりますので、この辺りのフォローアップもしっかりしていただきたいなということだけお願いをしておきます。
 昨日の質問のちょっとフォローアップをさせていただきますが、首相官邸の入出退記録が基本的に保管されていないと、特に一般の来訪者のですね、これを聞いて私はちょっとびっくりしたんですけれども、警察庁に聞きますが、セキュリティー上、テロ対策上、警察庁はこの実態を知っていましたでしょうか。
#65
○政府参考人(白川靖浩君) お答え申し上げます。
 警察といたしましては、官邸職員と連携して総理官邸の警戒警備に当たっているところでございますが、官邸訪問者の管理は行っていないところでございます。
#66
○大塚耕平君 いや、私もいろんな事情で、先日、御担当の内閣官房、土生さんがああいう答弁をされざるを得なかったというのは理解はしますので、訂正されるなら今のうちですけれども、やっぱり、例えば先日申し上げた京都大学の名誉教授のような方が御来館されたら、それは来館されたという記録は残っているという理解でよろしいでしょうか。内閣官房。
#67
○政府参考人(土生栄二君) 昨日の答弁を補足をさせていただきまして、また、官邸のセキュリティー確保という観点で支障のない範囲で、一般的な手続ということで改めて御説明をさせていただきたいと存じます。
 総理大臣官邸……(発言する者あり)総理大臣の官邸への入邸につきましては、通行証を貸与し、厳格に管理を行っているところでございます。通行証の貸与に当たりましては、事前に訪問予定者に訪問先への訪問予約届の提出を求めまして、入邸時にこれと記載されている内容と訪問予定者の身分証とを照合いたしまして本人確認を行っているところでございます。こうした者のみが官邸への入邸を許されるということでございます。
 この訪問予約届につきましては、こうした一連の手続終了後、その使用目的を終えることから、公文書管理法等の規定に基づきまして遅滞なく廃棄をする取扱いとしているところでございますけれども、これ以上の詳細につきましては官邸のセキュリティーに関わる事柄ということでございますので、お答えを差し控えさせていただきたいと存じます。
#68
○大塚耕平君 土生さんのお立場上はやむを得ないと思いますが、事実と違う情報が上塗りをどんどんされていっているような気がしてなりません、一連の森友問題でもそうですけれども、大変懸念されるところですが。
 最後に一点、今日、籠池さんの証人喚問、私も院内テレビでずっと見ていました。あの西田昌司議員を逆に論点が違いますよみたいな形で制御してしまうというのは、なかなかの人だなと思って聞いていましたが、最後に一点だけ聞きます。
 その籠池氏が、ちょっと十日間ぐらい雲隠れしていた方がいいですよと財務省の方から言われたということに関して証言をしていました。これ、証言ですからね。そんなことを言った覚えはないし、そんなことはあり得ないという答弁を理財局長はここでもされましたけれども、籠池さんは、恐縮ですが、これは籠池さんが言ったことですからね、佐川局長の指示で嶋田さんという方から籠池さんの顧問弁護士である酒井さんという弁護士にそう伝えられたと証言しました。この証言は偽証ということでよろしいですか。それとも、それは正しいですか。
#69
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。
 私から指示をしたこともございませんし、私の部下がそのようなことを先方に伝えたこともございません。
#70
○大塚耕平君 じゃ、最後に一点です。この嶋田さんという部下はおられるんですね。おるとすると、本省の方ですか、それとも財務局の方ですか。
#71
○政府参考人(佐川宣寿君) 私どもの財務省理財局の課長補佐として嶋田という者がおります。
#72
○大塚耕平君 それでは、終わりますけれども、証人喚問というのは本人にとってもまさしく重いこれは対応だったと思いますので、証言をしっかり精査して、引き続き議論をさせていただきたいと思います。
 終わります。
#73
○大門実紀史君 昨日に続いて、国犯法と通則法の問題を取り上げますけど、その前に、この間の確定申告の相談会場のことでちょっと声が届いておりますので確認をしておきたいんですけれども。
 資料の二枚目に、全国で確定申告が行われて、その相談会場の数のことなんですけれども、全体で税務署が五百二十四か所あって、平成二十五年の段階では、税務署も含めて、ほとんど税務署なんですけれども、確定申告の相談を受ける会場が四百九十六あったのが、四百八十に減っているということでありますけれども、ただ、よく見てみると、減っているのは地方のというか、都道府県全部減っているわけじゃなくて、東京と大阪が極端に減っているわけです。あと、神奈川が一つ、京都が一つ、愛知が六か所減っているんですかね。中身を聞いてみますと、東京といっても二十三区の中で減っている、大阪府といっても大阪市内が減っているということだそうでございます。
 国税庁に聞きますけれども、なぜ相談会場をこう減らしてきたんでしょうか。
#74
○政府参考人(飯塚厚君) お答えいたします。
 確定申告の会場につきましては、納税者の数や税務署の広さ、交通の便、近隣の状況等、様々な要素を勘案し、各税務署の実情に応じて決定しているところでございます。
 一般的に申し上げれば、税務署の建物は狭く、相談や待合のスペースを十分確保できないことが多うございますし、また、駐車場待ちの車により近隣に渋滞を生じさせてしまう場合もございます。こうした問題を解消しながら、来場された方に長くお待ちいただくことのないよう効率的に相談を実施する観点から、複数の税務署で一体となって相談を実施する外部会場の設置を進めているところでございます。
 こうした会場の見直しの結果、会場の数が減っているということでございます。
#75
○大門実紀史君 今おっしゃったように、要するに納税者のサービス向上といいますか、広い場所で、税務署狭いので広い場所でとか、駐車場が確保できないからとか、こうおっしゃったんですけど、この減らされたところの地域は都市部の人口が割と密集したところでありまして、そもそも駐車場で相談会場に行くというのは余りないんですよね、地方と違ってですね。
 それとか、聞いてみると、会場は広くなったけれども、結局混み合っているのは同じで、待ち時間が短くなったわけでもないということで、余り、余りというかほとんど納税者のサービスの向上になっていなくて、税務署に聞いてみると、効率化といいますか、その時期に税務署員が四つや五つの税務署から一か所に相談会場に行ってという点では、税務署員の働き方というか、その点では効率化になっているのかも分かりませんけれども、住民サービスの向上にはつながっていないんじゃないかというふうに思います。
 例えば、実は大阪の人たちから、極端に減ったものですから、相談会場が、税務署で相談受け付けてくれなくて、遠い相談会場に行ってくれと言われて、ちょっと調べてみたんですけれど、確かに大阪で言えば、大阪福島税務署、大淀税務署、北税務署、西税務署、西淀川税務署、東淀川税務署、これがたった一か所にまとめられてしまったと。あと、天王寺税務署、東税務署、南税務署、阿倍野税務署、浪速税務署、東成税務署、これも一か所にまとめられてしまったと。
 これ、地図に落としてみたんですけれど、今までは自転車で、駐車場ないのはみんな分かっていますから自転車で相談会場に行って、税務署のですね、行っていた人たちが、電車に乗ったり地下鉄に乗って二つ三つ動かなければ相談に乗ってもらえないと、相談会場に行けないというようなことになっているわけでありますけれども。
 何といいますか、本当の理由は、住民サービスと言っていますけど、そうじゃなくて、税務署員が増えない中、こういう相談よりも調査の方に人員配置をしたいというようなことで、そういう流れの中でこの住民サービスが後になっているんではないかと、人の効率化からこんなことになっているんではないかというふうに思うんですね。
 特に、大阪は大変極端なんですね。これ一遍に、一年や二年で六か所の税務署に相談に行っていた人が一か所に行けと言われたわけですね。こういう極端な減らし方というのは、ちょっと住民の声を反映しているとも何とも思えないんですけれどもね。
 これ、余り長々質問する気はありませんけれど、実際、大阪の国税局で判断したんだと思いますけれど、住民サービスにとってどうなっているのか、来年の会場の数のこともあると思うので、ちょっと改めて点検、検証されたらどうかと思うんですけど、いかがですか。
#76
○政府参考人(飯塚厚君) お答えいたします。
 まず、大阪を中心に都市部で多く減っておるではないかと、こういう御指摘でございますけれども、先ほども少し申し上げましたけれども、狭い税務署で多くの来署者に長時間お待ちいただくという問題、これは納税者の多い都市部で多く見られる現象でございます。加えまして、都市部におきましては、比較的狭い地域に複数の税務署が所在をしております。交通の便もそれぞれ良いということで、合同会場の設置がしやすいという特徴もございます。
 それから、具体的に大阪市内の例をお取り上げになりましたけれども、先生がおっしゃいましたように、二十七年まで大阪市内十九の税務署それぞれで会場を設置しておりましたが、二十九年、二年後には計十二の税務署を対象として、これを二か所の外部合同会場に集約するということをしております。
 これは大阪の特徴でございますけれども、大阪の税務署のエリアというのが他局の税務署のエリアと比べて、特に大阪市内でございますけれども、非常に狭くなっておりまして、それぞれの税務署間がかなり近いという相対的な現象がございますので、そういったこともあって大阪で合同会場化を進めておるということでございますが、もう一点申し上げますと、東京の方で合同会場化を進めたのはもう少し早い段階からでございまして、これ順次やってきておったわけですけれども、むしろ大阪の動きがやや東京よりも遅れていたということもございまして、この二年間に集中的に合同会場化を進めておるというところでございます。
 ただ、いずれにいたしましても、きちっと現場の状況を把握してという御指摘でございますけれども、確定申告相談の実施に当たって、納税者の方々の御意見や現場の職員の声に耳を傾けるということは重要だと考えておりますので、来年以降の確定申告会場の在り方につきましては、本年の実施状況もよく見ながら適切に検討してまいりたいと考えております。
#77
○大門実紀史君 そうしてください。
 ちょっと本当に何か一方的に国税局の方から決めて一気にやっちゃったみたいですからいろんな不満の声が出ているんだと思いますので、よく聞いてもらって改善を図っていただきたいというふうに思います。
 それで、本題の方に入りますけど、昨日の続きでございますが、国税犯則法と国税通則法を、国税犯則法を廃止して通則法の中に編入するという話なんですけれども。
 昨日も申し上げたように、そもそも違う法律でございます。立法事実も、その立法趣旨も違って、しかも歴史の長く別々にやってきた法律でございます。その全く違うものを一つにするんですから、これは大改定ではないかと。一つにするに当たっての、何というんですか、立法趣旨というか改定趣旨というか、あるいはなぜ改定しなきゃいけないか、そういう事実を一言もどこにもないのはおかしいんじゃないかということで、文書にすべきだと言って、そうして早速お手元の資料の一枚目に、きちんとした文書にしてもらいました。この辺はさすが星野さんだというふうに思います。早速出していただきました。
 改めて、これに基づいて、なぜ一つにするのかという説明を、書いてあるとおりということはそうだと思うんですけど、ちょっと簡潔にしてもらえますか。
#78
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 今般の犯則調査手続に係る規定の国税通則法への編入についてでございますけれども、まず国税通則法の目的規定がこの法律の一条に書かれてございます。国税についての基本的な事項及び共通的な事項を定めることを目的といたしまして、国税の納付義務の成立時期、確定方法、納付・徴収手続、更正決定、課税調査手続、不服申立てなど、国税に関する主に手続面からの各税に共通する基本的な事項を定めているものでございます。
 こうした国税通則法の目的を受けまして、今回、犯則調査手続につきましては、課税調査と同様に納税義務の有無等に関する事実について確認を行う手続であり、国税に関する共通的な手続を定める国税通則法になじむこと、それから課税調査、国税通則法に定められております課税調査と犯則調査、現時点では国犯法に定められておりますが、これを同一の法律に規定することによりまして一覧性が高まり、現代語化と相まって納税者にとっても分かりやすい法体系となると考えられることから行うものでございまして、法形式面での整備を図るものでございます。
 また、国税以外で犯則調査手続を定めております関税法、独占禁止法、金融商品取引法におきましても、それらの犯則調査の権限や手続は行政調査に係る権限や手続と同じ法律に規定されているということでございます。
#79
○大門実紀史君 中身に入る前に、これ、改定の趣旨ですよね。何といいますか、改定事実といいますか、改定しなければならない、立法のときは立法事実といいますけれども、その事実というのは、これは衆議院で既に答弁されておりますけれども、我が党の議員が、現在、法律別々になっているけれども何か支障があるんですかということに対して、星野主税局長は、現状の運用上、特段の問題が生じているわけではないとお答えになっていますけれども、それはそういうことでよろしいですね。
#80
○政府参考人(星野次彦君) 問題という意味では問題があるというわけではございませんけれども、ちょっと経緯を申し上げますと、昨年の十月下旬に開催されました政府税制調査会におきまして複数の委員から、電磁的記録の証拠収集を的確かつ合理的に行うために平成二十三年の刑事訴訟法改正の内容を参考にして国税犯則調査手続の整備を行うべきではないかといった指摘、また手続の明確化や権限の整備という観点から関税法との平仄を取る検討を行うべきではないか、さらに片仮名法を現代語化することが必要ではないかという問題が提起をされました。
 これを受けまして、関税法や刑事訴訟法に詳しい研究者ですとか外部有識者を交えまして国税犯則調査手続の見直しに関する会合を開催いたしまして、そこで出たいろいろな問題提起に即しまして、国税犯則調査手続について見直しが必要と考えられる事項を整理して報告書が作成されました。
 この過程で私どもといたしましては、見直しに当たって国民に分かりやすい法律に改める観点から、法律の現代語化を行うべきとの報告書の記載も踏まえまして検討を更に進めまして、国税法の編入、先ほど申し上げたように、現代語化と相まって納税者にとっても分かりやすい法体系となるということで、今回こういう編入をするということをまとめさせていただいたということでございます。
#81
○大門実紀史君 その税調での出た意見というのは大変細かいテクニカルな意見であって、この国犯法をなくす議論をしたわけでもないんですよね。この国犯法そのものを廃止までするような、廃止しろというような意見ではなかったわけですね。それは昨日も聞きましたけれども。要するに、これは税調とかの外部の意見を聞いて提案したものではなくて、行政側の、財務省からの提案ですと、国犯法廃止そのものとかはですね。その細かい議案出たのは知っておりますけれども、そういうことだそうでありますので、ちょっとややこしい話をしないでほしいのだけれども。
 そういうことからいきますと、なぜ、どうしても国犯法を廃止しなきゃいけないというような、どうして廃止したいかというこの趣旨は分かるんです、分かるというか、言われたんですけれども、そうしなければならない今の事実が何もうかがい取れないわけであります。
 それで、なぜ私、これこだわっているかといいますと、私が皆さんに言うのも変ですけれども、やっぱりこの国犯法とは何なのかとか、通則法とは何なのかという、何というかな、基本的な哲学といいますか、法が持っている役割といいますか、そういうものをきちっと改めて真剣に考えられたのか、あるいは、考えて分かった上で、分かった上でこうやって立法事実も示さないでさらっとなくそうとしているのか。余り疑いたくありませんけれども、もっときちっとした議論が必要じゃないかと思うんです。
 時間の関係で、私の考えといいますか、私だけじゃないんですけれども、いろんな学者の方も基本的に考えておられるんですけれども、この通則法と国犯法は、分かりやすく言うと何が違うかというと、納税者をどう見るか、国民をどう見るかというところに大きな違いがあるわけですね。
 国税通則法の方は、昨日も申し上げたように、昭和三十七年、戦後の民主化が定着してきた中で定められて、不十分だけれども、一定、戦前と違って納税者の権利的なこととかいろんなことが入ってきて、そういう経過の中で、納税者をどう見るか。つまり、調査のときに現れるわけですけれども、納税者というのは基本的には真面目に働いている国民だ、国民の皆さんだと。そういう皆さんに対して、調査をするときも、ですから仕事の邪魔をしないで、ちゃんと時間を取ってもらって、配慮して、任意調査をやって、それで間違いがあれば修正申告というのがありますけれども、そういう概念なんですね、納税者を見る目が、この通則の方はですね。
 国犯法の方は、そんな人ばかりじゃないでしょうと。脱税犯もいるでしょう、脱税犯の場合はそんな甘い対処できませんと。税務署員にも権限を持たせて、いろんな強制的な調査をやれるようにしましょうと。こういう立て付けであって、納税者をどう見るかというのが国犯法と通則法は大きな違いがあって、その歴史でこう来ているものなんですよね。
 それを簡単に一緒にするというところに非常に違和感を思うわけですね。その納税者の見方というのは国犯法と通則法と根本的に違うというふうに、星野さん、思われませんか。
#82
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 今、先生からるる御指摘をいただきました。
 国税犯則調査は、悪質な脱税者等の限られた者を対象として調査を行い、告発により刑事責任を追及すべき事案かどうかを判断するための手続でございます。したがいまして、適正な課税を行うための課税調査とは対象となる者や調査の性質等に違いがあるというのは、それは先生の御指摘のとおりでございます。
 また、国犯法と通則法のそれぞれの成立の時期、またその過程についても違うということも、そこも理解をしております。
 ただ、国税通則法が、先生御指摘のとおり、昭和三十七年に、手続に関する共通の事項をまとめて規定するなど税法の簡易、平明化を図ることを趣旨として制定された後に、この時点におきましては国犯法自体とは一緒になっていなかったわけですけれども、その後、通則法につきましては、平成二十三年に税制改正で、調査手続に係る実質的な改正と併せて、各税法に置かれていた、例えば質問検査権に係る規定を国税通則法に集約するという方式面での整備を行いまして、ある意味、手続の一般法としての機能を非常にそろえたものになったということがございます。
 それから、片や、先ほど申し上げましたとおり、例えば金融商品取引法は平成四年に、独禁法につきましては平成十七年に、それぞれ犯則調査手続が導入されましたけれども、いずれも一つの法律に犯則調査の権限や手続と課税調査の権限、手続とを規定するという法形式を取っております。
 あと、昨日ちょっと申し上げましたけれども、この間、国税犯則調査の目的につきましては、例えば最高裁の五十九年三月二十七日に、国税の公平確実な賦課徴収という行政目的を実現するためのものという判断が示されておりまして、これは課税調査の目的とも共通するものだというふうに考えております。
 こういう過程を経まして、今般の改正では、国税犯則調査手続に係る実質的な改正と併せまして、法形式面での整備として国税通則法への編入を行うこととしておりまして、これは今申し上げたような国税通則法の改正ですとか、国税以外の犯則調査に係る法整備の状況等々の経緯を踏まえたものでございますので、御理解をいただければと思います。
#83
○大門実紀史君 いろんな経過を言われましたけれど、大きく立て付けとか概念が違って、歴史も違って、それを一つにする理由として、何かいろんな手続上の整備が進んできたとか、例えば先ほどの示していただいた趣旨も手続としては共通だ云々とか、それはそうでしょう。それはそうでしょう、事実確認するという手続では同じですよ、流れはですね。そういうことで一緒にするような話なのかと、そういうことなのかということを問うているわけですね。そもそも、手続が一緒で事実を確認するのは一緒だからといったら、それなら最初からそうすればいいわけですね。一つにすればいいわけですね。
 あと、一覧性が高まるというのは、これ誰にとっての一覧性かさっぱり分からないですね。税務署にとってじゃないかと思うんですね。税務署にとって通則法と国犯法とが、今まで普通の税務署員は通則法の世界でやっていますから、どこでつながるのかとか、あと、これ、納税者にとって分かりやすいといったって、全然分かりやすくないですよ、そもそも税法なんというものは、こんなことしたどころでですね。
 最後に、関税法とか独禁法とか書いていますけど、これ違うんですよ、概念が。先ほど申し上げたように、法人があるいは人間が自分の一年間の経済活動について税について申告をするという形ですので、だからこそそういうふうに、人に対する調査だから権利を尊重するとかいろんなことが定められてきたものと、こんな関税法とか独禁法とか金商法の議論はここでさんざんやっていますけれども、全然違うわけでありまして、こういう、何といいますか、軽いことで簡単になくしていいのかというふうに思うわけであります。
 なぜこういうことを大変こだわっているかというと、実践的に言うと、犯則法の中の調査というのは強制調査ですね。権限の強い、もう犯罪者だというようなことでやる調査ですね。通則法は、先ほども言いましたが、任意調査であります。あくまで本人の都合を聞きながら、あらかじめ脱税者だとかいうことではなくて、確認で伺うというようなことでありますね。
 ところが、今現場は、この委員会でも何度か取り上げさせていただいていますけれど、現場の税務署員は、さっきの申告会場の話と似ているんですけれども、共通するんですけれども、調査件数のノルマを与えられてこなさなきゃいけないということがあって、どうしても行き過ぎた調査が、任意調査をちょっと踏み越えてやるような調査がこの間大変増えていまして、内観調査といいますか、おとり調査とか、あるいは納税者の承諾なしに取引先を勝手に回る反面調査ですね、こういうものがいろいろ実際にたくさん事例が出てきて、私の方は国税庁にそのお話をして、現場の税務署をただしてもらうということをもう年に何回もやっているんですよ。
 そういう現場の税務署員を見ているものですから、こういうふうに国犯法と一緒にしちゃうと、そういう税務署員にとってどういうインセンティブになるのか。全てがそうなるとは言いませんけれども、今でさえ追い立てられて任意調査を超えるようなことをやっている税務署員にとって、一つになって犯則調査も一つの視野に入れた場合、星野さんが衆議院で言われたように、課税調査がその延長で犯則調査につながることはあり得ると。それはそうですよね、今でもあり得るわけですよね。
 それはそのとおりなんだけれども、こういうふうになったときに、税務署員の中で犯則を念頭に置いて任意調査をやるとか、あるいは犯則の可能性があるんじゃないかと思って任意調査から始めるとか、こういうことが起こらないかということを大変心配しているわけであります。やっぱり国犯法が別にあるという世界と違って、そのことを心配しているわけでありまして、これは今も既にそういうことはあるんですけれども、この改定によってそういうふうに進むのかどうかというのは、何年後か見てみないと分からないかも分かりませんけど、恐らく何年後か私もこの委員会にいると思いますから、点検させてもらいたいと思うんですけれども。
 心配事といえば心配事なのかも分かりませんけど、最後に麻生大臣、そういうことにならないように、是非現場の運用を指導していただきたいというように思いますけど、いかがですか。
#84
○国務大臣(麻生太郎君) 大体、税務署というのは嫌なイメージですもんね。余り人がなりたがらない商売の一つ、職業の一つかなと、大蔵省の人に聞きながらもいつもそう思っているんですけれども、何となく税務署が入ってくるというだけで警察が入ってくるのとほとんど似たようなイメージで思っている人は大体地方の中小企業が多いですよ。
 ですから、そういった意味では、今言われたように、その人たちが今のようにガイシャと思って、ガイシャって、犯罪者と思って乗り込んでくるのか、納税していただく方のところに面会に来ているのかではもう雰囲気が全然違いますので。ただ、受け取る方の雰囲気がただでさえ違うところに持ってきて、今のがくっつくと非常に問題なのではないかという御懸念なんだと思います。
 よく理解できるところだと思いますが、これは、現場によくそこのところを履き違えぬことを、指導というのをやっていかねばいかぬなと思って、伺いながらそう思いました。
#85
○大門実紀史君 それじゃ、今日は終わります。
 ありがとうございました。
#86
○藤巻健史君 日本維新の会、藤巻です。
 まず最初に、ちょっとしつこくて恐縮なんですけれども、内部留保についてちょっと再確認をしておきたいと思います。というのは、やっぱり最近内部留保の話をされる方が随分多くて、内部留保課税なんていうことをおっしゃる方もいらっしゃいますし、せっかく公認会計士の杉政務官がいらっしゃいますので、もう一回だけちょっと確認させていただきたいんですが。
 お配りした配付資料で、内部留保というのは当然貸方、右側サイドにあるわけです。下の一のケース、これちょっと、私も質問が連日なのでひどいものを作っちゃったなと思って、大変申し訳ない、おわびしておきますけれども。まず、右側の借方と書いてあるのは両方とも貸方でして、一番の起票がちょっと間違えています、今見ていたら、どう考えても間違えているなと。会計士試験落ちるわけだなと思ったんですけど。
 上の方の賃上げとか配当金支払、研究開発費の場合、普通ですと、借方、まず支払給与が出て、貸方、普通預金が減ると。決算の段階でもしこれだけしかトランザクションがないのであれば、左側、借方に内部留保が減って記載されて、右側に、貸方の方に純資産が減る、書かれるということで、要するに内部留保が減ということで、借方に来るということで、内部留保が減るんですけれども、二番の設備投資の場合には、単なる、内部留保、右側の内部留保は全く額が変わらずに、資産サイドで普通預金が例えば工場設備に変わるということで、内部留保には全く影響ないと。
 そういう意味で、内部留保を減らしたいならば、賃上げ、配当金とか研究開発費の場合は確かに内部留保は減りますけれども、設備投資の場合には内部留保は全く減りませんよと、こういうことだと思うんですが、公認会計士としての杉先生に御確認をしたいと思います。
#87
○大臣政務官(杉久武君) お答え申し上げます。
 内部留保というまず言葉自体は、これはバランスシートに出てくる言葉ではありませんので、いろいろ私も国会の議論を拝聴する中で、比較的広い意味で使われているんではないかというようにまず理解をしております。
 一般的に内部留保という用語は会計上は利益剰余金のことを指しますので、利益剰余金という言葉に置き換えますと、賃上げをした場合、また研究開発費で即時に費用化しなきゃいけない場合は、損益計算書を通じて利益剰余金を減らす効果というのはもちろんあります。配当金の支払は、まさにこれは剰余金の分配になりますので、利益剰余金を減らす効果がございます。設備投資の場合は、当然その購入時点においては資産を計上いたしますので、その時点で利益剰余金が即座に減少することはありませんが、固定資産でありますので、将来にわたって減価償却費という費用計上を通じて損益に影響を与えることはございます。
 以上です。
#88
○藤巻健史君 さすがに公認会計士の先生で、私よりも理解が確かかなと思いました。
 一応確認を終えましたので、本質的な質問に入りたいと思いますけれども、まず、星野局長にお聞きしたいんですが、計画道路が掛かっている土地の相続税評価額というのはどうなっているかということをお聞きしたいかと思います。
#89
○政府参考人(飯塚厚君) 相続税評価の話、相続税評価通達、国税庁のもので決まっておりますので、私から答弁をさせていただきます。
 相続財産の価額は相続税法二十二条の規定により取得のときにおける時価とされておりますが、御指摘の都市計画道路予定区域内の宅地につきましては、建築制限による宅地価額への影響を考慮し、商業用、住宅用などの宅地の用途、容積率、制限を受ける宅地面積の占める割合、それぞれを踏まえた客観的な補正率を定め、建築制限がないものとした場合の価額に補正率を乗じて評価するということとしているところでございます。
#90
○藤巻健史君 私は二〇%の減というふうに理解したのは、それは違いますか。二〇%の減、計画道路が引っかかっているところは二〇%減という理解をしていましたけど、それは違いますでしょうか。
#91
○政府参考人(飯塚厚君) お答えいたします。
 先ほど申し上げましたように、まず、その土地がどういう用途のものか、あるいはその土地の規制が、の容積率がそもそもどうなっているのか、あるいはその制限を受ける宅地面積がその土地のうちどれぐらいの面積を占めるのかとか、それぞれによってこの補正率が変わっておりますので、おっしゃったように二〇%という数字もあるかもしれませんけれども、いろんな数字がございます。
#92
○藤巻健史君 分かりました。それは、じゃ、私の一律二〇%というのは誤解だったということで理解しましたけれども。
 何がちょっと私今日はお聞きしたいかというと、道路を造る場合、計画決定がされて、その後事業決定されるわけですが、当然、その計画決定から事業決定まで数年のうちにされるのであるならば、その間に相続が起こって、二〇%とかそういう数字で減額になるというのは分かるんですけれども、今日本においてかなりほったらかしにされている計画道路ってあるわけですね。昭和二十一年に計画決定されてからほったらかしになっていると。特に東京都でも第一京浜、第二京浜、それから青梅街道、甲州街道でも、都内に二十三区の中に七十キロあるというんですけれども、そのうちの二十キロが七十年間計画決定のままほったらかしにされていると。
 計画決定になると原則二階までしか建てられないわけですよ。例えば高度商業用地域であって、十一階建てのコンクリートのマンションが建てるところであっても二階まで。それを七十年間ほったらかしにする。その機会損失って物すごく高いと思うんですよね。七十年といえば、普通だったらマンションなんかの減価償却が終わっちゃうぐらいですから、十何階までのマンションで収益が上がるものを二階までのしか建てられないということ、それを七十年間ほったらかしにされるということは、私は憲法の私有財産権の違反に相当するのではないかなと思っているくらいですね。憲法の二十九条の三項として、「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。」。数年待って買収があって道路に変わるのであれば、それはまさにその第三項に当たるわけですけれども、それがなくて七十年間ほったらかしにしておくというのは、これはやっぱり憲法違反でもあるんじゃないかなと、憲法裁判所があれば聞いてみたいなという感じのところなんですね。
 そういうところも、もし二〇%ということであるならば、低い補正率であるならば、これはかなり本来であれば補償がなくちゃいけないところを、それは補償はないわ、その路線価から相続のときに二〇%しか減がないわというと、余りにも、何というか、私有財産が守られていないという気がするんですけれども。
 そういうような場合、例えば七十年間もほったらかしにされているところの、計画道路のままというところの路線価を大幅に引き下げるとか、そういう考えはないんですか。一律やっぱり同じになるんでしょうか。
#93
○政府参考人(飯塚厚君) お答えいたします。
 まず、先生がおっしゃっています都市計画道路予定区域内における規制の問題でございますけれども、これは都市計画法に基づく規制でございますので、それについての評価につきましては、私の方からはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
 その上で、相続税評価についてお答えを申し上げますと、先ほど御説明いたしましたいわゆる補正率でございますが、これ、土地等の評価を専門といたします第三者機関に調査等を委託いたしましてその調査等の結果に基づいて定めているものでございます。
 具体的に申し上げますと、その調査の内容でございますが、不動産鑑定評価で一般的に用いられている手法でございます収益方式、具体的には将来受ける賃料を現在価値に割り戻して価額を求める方式と、それから比較方式、これは過去の鑑定評価実例のうち減価率を算出した事例を基に価額を求める方法、こういった方法によって都市計画道路予定区域内の宅地の価額とそれから区域外の宅地の価額を比率を求めまして、その結果に基づいて補正率を算出するというものでございます。平たく申し上げますと、都市計画法上の規制の効果が織り込まれたような評価になっているということでございます。
 したがいまして、このような方法に基づいて算出しました補正率につきましては、適正に時価を反映しているというふうに認識しております。
#94
○藤巻健史君 今日は例示を持ってきていないのであれですけれども、私が知っている限り二〇%減なんですけれども、それ、七十年間もほったらかしにしたようなところが二〇%減ということで続くのはおかしいかなと思います。詳しい資料を持ってきていませんのでこれ以上の議論はいたしませんけれども、その辺ちょっと考えてみていただければというふうに思います。
 次に、租税特別措置法についてお聞きしたいんですけれども、元々我が党は企業年金が禁止ということになっておりますので、我が党については問題ないんですけれども、とかく租税特別措置法というのは政治献金に結び付いているんじゃないかなという話が出てくるわけですね。
 いろいろ一昨日お話聞いていたら、三宅委員の、アメリカでは租税特別措置法を廃止する方向で検討しているという質問というか御提示がありましたので、ああそうかと思ったんですけれども、本当に租税特別措置というのは必要なのかどうか。特に一番気になるのは、海外に進出している企業に租税特別措置をして本当にリターンが、きちんとしたリターンがあるのかというのが非常に疑問なんですね。
 例えば日産、これ日産が日本企業か外国企業かというのは、外資企業かというのは非常に極めて疑問なところがあって、例えばカルロス・ゴーン、これ社長が今度会長になるんですか、それにしても取締役三人中二人が外国人で、株主、筆頭株主がルノーで四十何%持っていて、七〇%は外国人株主であると。生産台数も、二〇一五年で世界で五百二十三万台、そのうち四百三十八万台は海外だと。
 こういうことで、確かに日本名を持っていて本店が日本にある企業ではあるんですが、こういうところに租税特別措置をやって彼らがメリットを得ても、台数はほとんど七割、八割海外で造っているわけですから、そこの従業員がリターンを得るし、その国が所得税とか固定資産税でリターンを得るし、じゃ、その子会社がもうかったからと日本に帰ってきても、先ほどの、日本では子会社の配当金、原則不算入ということで政府の方には戻ってこないし、あと、株は利益は七〇%外国へ行っちゃうしということで、一生懸命日産を、例えば日産だけじゃなくて外国に進出している企業に優遇しても、日本人にとっても日本の政府にとっても余りリターンがないように思われてしまうんですけれども、その辺についてはどう考えればよろしいんでしょうか。
#95
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 租税特別措置についての御指摘、あと海外の企業との関係についてのお尋ねでございます。
 まず、租税特別措置につきましては、確かに有効な施策であるとともに、ある意味経済活動にゆがみをもたらす面もございますので、中身については不断の見直しをしていく必要があると思いますし、二十九年度改正でもそこは厳しく見直しをし、廃止をしたりとか、中身を改めたりといったようなことは行っております。
 そういう中にあって、我が国の必要な施策、例えば設備投資、必要な設備投資を行っていくとか、賃金の引上げを行っていくといったような、そういう施策をある意味めり張りを利かせて推進していくために、今回も設備投資の減税ですとか賃金引上げの税制などの租税特別措置を行っているわけでございますけれども、こういったものについては国内の企業の活動に即してメリットを受けるという面がございますので、確かに海外に進出している大きな企業が適用を受けるという面もございますけれども、国内でのそういった賃金の引上げですとか設備投資の活動ですとか、そういうことは後押しをするということは利いてくるわけでございまして、それは今国内におけるやはり必要な政策推進というものを後押ししていく上では租税特別措置というのは有効に機能しているというふうに考えております。
#96
○藤巻健史君 アメリカでも、トランプさんもなくすということなので、より一層検討を加えていただければというふうに思います。
 次に、ちょっと質問の順番を変えて総務省にお聞きしたいんですけど、所得税にしろ贈与税にしろ相続税にしろ、所得再分配の機能があるという話があります。それから、格差是正に役立つとかいう話があるんですが、格差がなければいいとも限らないわけですよね。やっぱりそれはみんな結果平等になれば誰も働かなくなっちゃって、異常なる格差というのは確かに是正するべきですけど、適度な格差というのは残しておくべきだと、国の発展のためにもね、と思うので、何でもかんでも格差是正のために再分配すればいいというわけでもないと思うんです。
 それに関連してまずお聞きしたいんですが、日本のジニ係数は幾らかということについて教えていただけますでしょうか。
#97
○政府参考人(千野雅人君) お答えいたします。
 総務省統計局の全国消費実態調査では、平成二十六年が最新の結果となっておりますが、等価可処分所得のジニ係数は〇・二八一となっております。
#98
○藤巻健史君 ジニ係数、数字が大きければ大きいほど格差が大きいということだと思うんですが。
 ちょっと仮定の国を考えます。人口三人しかいない、で、三人の年収が二億円、五千万円、五千万円。このときのジニ係数というのは幾らになりますでしょうか。
#99
○政府参考人(千野雅人君) 御質問のあったA国の例のジニ係数を計算いたしますと、〇・三三三となります。
#100
○藤巻健史君 そうすると、人口三人、二億円、五千万円、五千万円の国は日本よりもよっぽど格差が大きいということになるわけですね、ジニ係数だけで考えればですけれども。
 では、もう一つお聞きします。さっきの例は二億円、五千万円、五千万円でしたけれども、二百万円、五十万円、五十万円の収入があるB国のジニ係数はお幾らでしょうか。
#101
○政府参考人(千野雅人君) お答えいたします。
 今の例で申し上げますと、ジニ係数を計算いたしますと、同じく〇・三三三になります。
#102
○藤巻健史君 申し上げたかったことは、そのA国の例、三人の国民しかいなくて、二億、五千万、五千万の格差の国というのは、これは私は格差なんか是正する必要は全くないと思うんですね。二億円、格差是正なんかしていたらやる気なくなって、二億円もうけている人がいなくなっちゃって国力が落ちていくと思うんですね。一方、二百万円、五十万円、五十万円の、同じジニ係数ですけれども、二百万、五十万、五十万円の国民が三人しかいないところ、国は、日本よりは格差が広いわけですけれども、そんなことを言っていないで、やっぱり全員が生活できるかどうかなものですから、やはりこれは助けてあげなくちゃいけないというふうに思うわけで、何となく日本というのはジニ係数が全てで、ジニ係数が高い国は何とかしなくちゃ、だから日本はジニ係数が高いから何とかしなくちゃいけないという議論が進んでいるように思うんですが、決してそうではないのではないかなと私は思っています。
 特に、昔、私が小さい頃というのはエンゲル係数が貧しさのあれで、それに比べると今のエンゲル係数というのはかなり低い、私がちっちゃい頃に比べてかなり低いと思うので、そういうことももちろん考えなくちゃいけないと。
 もちろん、生活レベルの低い人たちは、これは、国の義務というのは生命と財産を守ることですから十分手厚いセーフティーネットをつくって守らなくちゃいけませんけれども、ジニ係数が高いからといって何でもかんでも格差是正というのは間違いだと思います。
 ですから、そういう意味でいうと、税法を作る意味でも、格差是正は是ということで何でもかんでも平等にすればいいと、何でもかんでも所得再分配をする方がいいというわけでは決してないんではないかなというふうに思います。
 それで、昨日の続きの質問をしたいんですが、星野局長に昨日お聞きしたんですが、ちょっと私、昨日、議事録見ればいいと思ってメモを取ってなかったんですけど、OECD諸国の中で十何か国が相続税ないというふうにおっしゃったと思うんですが、ちょっとその国をおっしゃっていただければと思います。
#103
○政府参考人(星野次彦君) 昨日の答弁で、OECD加盟国三十五か国中、相続税がない国十三か国と答弁をいたしました。
 相続税がない国を申し上げますと、オーストラリア、オーストリア、カナダ、チェコ、エストニア、イスラエル、ラトビア、メキシコ、ニュージーランド、ノルウェー、ポルトガル、スロバキア、スウェーデンでございます。
#104
○藤巻健史君 ですから、相続税があるというのは当たり前の話ではないということだけは分かるかと思います。
 それで、もう一つ、昨日の質問で私がきちんと聞き取れていなかったんですけれども、アメリカの場合、相続税は五億何千万円までは非課税だというお話だったと思うんですけれども、アメリカの場合は被相続人の方で計算すると思うので、子供一人の場合、両親から相続した場合には何億まで非課税というふうになるんでしょうか。
#105
○政府参考人(星野次彦君) 昨日申し上げましたとおり、米国の遺産税額の算出に当たりましては、課税遺産額に税率を掛けて、そこに最大で約二百十四万ドルまで税額控除を適用することができるという制度になっております。税率を掛ける前の課税遺産額が五百四十九万ドル、約五・九億円を超えると課税が生じるという計算になります。
 今御質問がありました、両親から遺産相続があった場合に非課税となる課税遺産額につきましては、アメリカは遺産課税方式を取っているために被相続人に対して課税が生ずる制度であること、先ほど申し述べました二百十四万ドルの税額控除は被相続人一人ごとに適用可能な控除の最大額であることを踏まえますと、子が両親から遺産を相続する場合、制度上は二人分の税額控除が適用可能ということになりますので、課税遺産額が千九十八万ドル、十一・九億円、倍ということになります。これに達するまでは非課税となり得るものと考えられます。
 ただ、家族構成や相続のタイミング等につきまして細かな例外規定等がある可能性もありますので、全てを調査し切れているわけでありませんので、実際の相続において非課税となる最大額が必ずしも今申し上げた金額とは一致しない可能性があることは申し上げておきたいと思います。
#106
○藤巻健史君 相続税が十三か国、非課税であって、ないということと、アメリカでも二人だったら今おっしゃった十一・九億円まで非課税だということで、日本の三千万円プラス六百万円掛ける法定相続人の数、二人だと四千二百万円ですか、それから課税がされるというのは、別にグローバルスタンダードではないというふうに私は認識しております。
 もう一つお聞きしますけれども、ドイツの課税標準、一九六四年以降、三十年以上も統一評価の改定を行わなかったと聞いているわけです。というのは、私、ドイツ人に、大変だね、相続、お父さんが亡くなったという、ちょっとかなり前だったので、九四年の前だったと思うんですけれども、お父さんが亡くなったというから、相続、あんたのところだったら大変だろうと言ったら、今ドイツで相続税を払っている人なんかいないと言ったわけですよ。税率は高かったですけどね。
 というのは何かというと、全てその相続の評価をするときに、一九九〇年であろうと一九六四年のときの土地評価、時価で評価しているわけですから、こんなものはもう全然、インフレが進んでいればむちゃくちゃに低いわけで、みんな相続財産持っていないということで、ほとんどそう。
 ですから、一概にその税率が高いとかいうことじゃなくて、高いとかそういう税率だけで各国を比べられないんだなというふうに思ったんですが、その辺について、ドイツ、六四年から九七年まで評価額は変えないでやっていたと、その後の経緯、そしてもう一つ、ドイツの相続税収額と全ての総税収額との割合をちょっと教えていただきたいんですが。
#107
○政府参考人(星野次彦君) ドイツの不動産に係る相続税、先生から以前からいろいろと御紹介いただいておりますけれども、ちょっと経緯的に申し上げますと、御指摘のとおり、一九七四年の法改正以降、二十年以上にわたりまして、不動産に係る相続税等の計算が、一九六四年に評価された不動産価格、統一評価額と言われておりますけれども、これに基づいて行われてきておりました。
 一九九五年に、ドイツ連邦憲法裁判所によりまして、市場価格に基づき課税される他の資産との関係で憲法の平等原則に反するとの判断が下されまして、これを受けまして、一九九七年の法改正によって、評価額を市場の実勢価格により近づけるため評価方法の適正化が図られたということでございます。その後、二〇〇九年に再度評価方法の変更が行われまして、これは比較価値方式と呼ばれていますけれども、それが導入されまして、現在では原則として時価又はそれに類する価格を基に計算を行っておりまして、ドイツにおきましては適正価格に基づく課税のための見直しが進められてきたものと認識をしております。
 ドイツの相続税の税収でございます。
 まず、ドイツにおきましては、相続税は州税、すなわち地方税であることを確認までに申し上げたいと思います。
 二〇一五年度におきますドイツの国、地方合計の税収総額が約七十八兆円、ユーロで申しますと六千七百三十二億ユーロでございまして、このうち地方税収の総額が約九・四四兆円、八百七・二億ユーロとなっております。また、二〇一五年度におけるドイツの相続税収、これが全州合計で約〇・七四兆円、六十二・九億ユーロでございまして、地方税収総額に占める割合は七・八%、国、地方合計の税収総額に占める割合は〇・九%となっているところでございます。
#108
○藤巻健史君 ちょっとはっきり、後で検算しますけれども、日本の相続税収って二・一兆円だったかな、ぐらいだったと思いますけれども、何か税収の割合に比べてかなりドイツでは低いかなという印象がありますけれども、それは違いますか。
#109
○政府参考人(星野次彦君) 日本は、国、地方合わせた相続税収が約二兆円ぐらいでございますけれども、それに比べてドイツが低くなっておりまして、そういう意味では税率が低くなっているという認識を持っております。
#110
○藤巻健史君 私が申し上げたいのは、日本は何となく相続税が格差是正の下に重税化しているような気がするんですけれども、ほかの国は無税であったり、それからアメリカみたいに十一億円以上からしか課税しないとか、相続税というのは余り重視というか、厳しくないわけですね。その理由というのをやっぱりきちんと考えて税制というのは比べるべきかなというふうに思うわけです。まあ、当然のことながら、所得税で累進なんだから、累進でまた累進となると、異常なる格差是正が起こっちゃうとか、やる気がなくなるとか、そういう問題があるかと思います。
 ちょっと時間がないのでもう一つ申し上げちゃうと、今、日本で一番必要なのはリスクマネーだと思うんですね。要するに、日本の発展のためにリスクあるものにお金が回るということが必要なんですが、この相続税があるせいで、みんなが節税目的の節税商品にしか行かないということを私は非常に憂えているわけですよ。
 そういう問題もあって、要するに余りにも結果平等に行き過ぎるということとか、リスクマネーにお金が回んないとか、そういうことを考えて他国は相続税をなくしたり軽減化しているんじゃないかと私は想像しているんですけれども、そういう点も踏まえて、猫もしゃくしも格差是正で重税化していくのはやっぱり考え物かなということだけは申し上げておきたいと思います。
 一つお聞きしたいのは、たばこを例えば千円にすると、たばこ税、きっと増収になるかと思うんですね。今たばこ税、九千二百九十億円、今年の見込み。これ、たばこを千円にするとどの程度増収になるんですか。数が減らないと考えてですね。どのくらいになりますでしょうか。
#111
○政府参考人(星野次彦君) たばこ一箱当たりの販売価格千円とした場合でございますけれども、今先生、仮定を置かれました販売数量が減少しないということでございます。仮に、税率引上げ後もたばこの販売価格に占める税の割合が現行制度と同一であるといった仮定を置いて機械的に試算をすると、たばこ税、今、国、地方と合わせて約二兆一千億ございますけれども、これを千円にしますと大体二・七兆円ぐらい増収が見込まれます。
 ただ、実際には、たばこ税率を大幅に引き上げた場合にはたばこの消費量に影響するということが想定されると考えます。
#112
○藤巻健史君 二・七兆円増収になるんであれば、相続税プラス贈与税の二・〇兆円というのはもうなくなっていいわけですよ。ですから、やっぱりたばこ千円で受動喫煙もなくなって、それで相続税、贈与税がなくてみんながどんどんお金を使ってリスク資産にお金が回る国と、たばこ税は低くて相続税がある国と、どちらが日本の将来明るいかなというと、私はたばこ千円にした方がいいのかな、それを財源にしちゃった方がいいんじゃないかなと思います。
 これは意見表明ということで、時間が参りましたので終わりにいたしたいと思います。
#113
○委員長(藤川政人君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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