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2017/03/22 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 内閣委員会 第3号
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2017/03/22 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 内閣委員会 第3号

#1
第193回国会 内閣委員会 第3号
平成二十九年三月二十二日(水曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十日
    辞任         補欠選任
     足立 敏之君     野上浩太郎君
     市田 忠義君     田村 智子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         難波 奨二君
    理 事
                上月 良祐君
                高野光二郎君
                相原久美子君
                西田 実仁君
    委 員
                有村 治子君
                石井 準一君
                江島  潔君
                岡田 直樹君
                岡田  広君
                山東 昭子君
                豊田 俊郎君
                和田 政宗君
                神本美恵子君
                矢田わか子君
                里見 隆治君
                田村 智子君
                清水 貴之君
                山本 太郎君
   国務大臣
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    松本  純君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策、男女共同
       参画))     加藤 勝信君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    石原 伸晃君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(宇宙政
       策))      鶴保 庸介君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(地方創
       生))      山本 幸三君
   副大臣
       厚生労働副大臣  古屋 範子君
       国土交通副大臣  末松 信介君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        長坂 康正君
       厚生労働大臣政
       務官       堀内 詔子君
       農林水産大臣政
       務官       細田 健一君
        ─────
       会計検査院長   河戸 光彦君
        ─────
   事務局側
       事務総長     郷原  悟君
       常任委員会専門
       員        藤田 昌三君
   衆議院事務局側
       事務総長     向大野新治君
   裁判官弾劾裁判所事務局側
       事務局長     松本 智和君
   裁判官訴追委員会事務局側
       事務局長     藤井 宏治君
   国立国会図書館側
       館長       羽入佐和子君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       多田健一郎君
       内閣官房領土・
       主権対策企画調
       整室長      市川 正樹君
       内閣府大臣官房
       審議官      木下  茂君
       内閣府政策統括
       官        山脇 良雄君
       内閣府宇宙開発
       戦略推進事務局
       長        高田 修三君
       内閣府子ども・
       子育て本部統括
       官        西崎 文平君
       警察庁刑事局長  吉田 尚正君
       警察庁交通局長  井上 剛志君
       法務大臣官房審
       議官       佐々木聖子君
       文部科学大臣官
       房審議官     松尾 泰樹君
       厚生労働大臣官
       房審議官     土屋 喜久君
       厚生労働大臣官
       房審議官     吉本 明子君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局生
       活衛生・食品安
       全部長      北島 智子君
       厚生労働省職業
       安定局次長    大西 康之君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    堀江  裕君
       農林水産大臣官
       房生産振興審議
       官        鈴木 良典君
       国土交通大臣官
       房審議官     早川  治君
       国土交通省総合
       政策局次長    篠原 康弘君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成二十九年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)、平成二十九年度特別会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)、平成二十九年度政府関係
 機関予算(内閣提出、衆議院送付)について
 (皇室費、国会所管、会計検査院所管、内閣所
 管及び内閣府所管(内閣本府(沖縄関係経費、
 消費者委員会関係経費を除く)、地方創生推進
 事務局、知的財産戦略推進事務局、宇宙開発戦
 略推進事務局、子ども・子育て本部、総合海洋
 政策推進事務局、国際平和協力本部、日本学術
 会議、官民人材交流センター、宮内庁、警察庁
 、個人情報保護委員会))
    ─────────────
#2
○委員長(難波奨二君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、市田忠義君及び足立敏之君が委員を辞任され、その補欠として田村智子さん及び野上浩太郎君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(難波奨二君) この際、長坂内閣府大臣政務官から発言を求められておりますので、これを許します。長坂内閣府大臣政務官。
#4
○大臣政務官(長坂康正君) おはようございます。
 この度、内閣府大臣政務官に就任いたしました長坂康正でございます。
 海洋政策・領土問題、行政改革、食品安全、規制改革、地方創生等を担当しております。
 今回、国会において予算を御審議いただいているさなかに大臣政務官が交代する事態に至ったことについて、皆様に大変申し訳なく思っております。
 幅広く多岐にわたる事務を担う重責に身が引き締まる思いであり、関係大臣を支え、緊張感を持って職務に全力を尽くしてまいる決意でございます。
 難波委員長を始め、理事、委員各位の御指導と御協力を何とぞよろしくお願い申し上げます。
#5
○委員長(難波奨二君) 長坂政務官は御退席いただいて結構でございます。
    ─────────────
#6
○委員長(難波奨二君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官多田健一郎君外十七名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(難波奨二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#8
○委員長(難波奨二君) 去る十五日、予算委員会から、本日一日間、平成二十九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、皇室費、国会所管、会計検査院所管、内閣所管並びに内閣府所管のうち沖縄関係経費及び消費者委員会関係経費を除く内閣本府、地方創生推進事務局、知的財産戦略推進事務局、宇宙開発戦略推進事務局、子ども・子育て本部、総合海洋政策推進事務局、国際平和協力本部、日本学術会議、官民人材交流センター、宮内庁、警察庁、個人情報保護委員会について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 国会所管及び会計検査院所管の予算につきまして順次説明を聴取いたします。
 まず、衆議院関係予算の説明を求めます。向大野衆議院事務総長。
#9
○衆議院事務総長(向大野新治君) 平成二十九年度衆議院関係歳出予算につきまして御説明申し上げます。
 平成二十九年度国会所管衆議院関係の歳出予算要求額は七百三十七億八千五百万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと一億一千七百万円余の減額となっております。
 これは、次期議員会館運営手法検討調査費、情報システム関係経費及び給与改定に伴う人件費等の増額がある一方、議員会館関係経費、退職手当等の減額によるものであります。
 その概要を御説明申し上げますと、国会の権能行使に必要な経費として四百四十億二千五百万円余、衆議院の運営に必要な経費として二百五億七千百万円余を計上いたしております。
 これらの経費は、議員関係の諸経費、事務局及び法制局の事務を処理するために必要な経費でございます。
 また、衆議院施設整備に必要な経費として十億九千四百万円余、民間資金等を活用した衆議院施設整備に必要な経費として八十億八千六百万円余を計上いたしております。
 これらの経費は、議事堂本館等の施設整備費、議員会館等の整備に係る不動産購入費でございます。
 このほか、国会予備金に必要な経費として七百万円を計上いたしております。
 以上、平成二十九年度衆議院関係歳出予算の概要を御説明申し上げました。
 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#10
○委員長(難波奨二君) 次に、参議院関係予算の説明を求めます。郷原参議院事務総長。
#11
○事務総長(郷原悟君) 平成二十九年度参議院関係歳出予算について御説明申し上げます。
 平成二十九年度国会所管参議院関係の歳出予算要求額は四百四十二億一千万円余でございまして、これを前年度予算額と比較いたしますと七億六千二百万円余の減額となっております。
 これは、主に、通常選挙の実施に伴い必要となる経費が減額となることによるものでございます。
 その概要を御説明申し上げます。
 まず、国会の権能行使に必要な経費として二百二十九億八千七百万円余、参議院の運営に必要な経費として百五十四億五千九百万円余を計上いたしております。
 これらの経費は、議員活動に係る諸経費並びに事務局及び法制局の所掌事務を処理するために必要な経費でございます。
 次に、参議院施設整備に必要な経費として十四億八千九百万円余、民間資金等を活用した参議院施設整備に必要な経費として四十二億六千八百万円余を計上いたしております。
 これらの経費は、各種施設整備に必要な経費及び議員会館の不動産購入費でございます。
 最後に、国会予備金に必要な経費として五百万円を計上いたしております。
 以上、平成二十九年度参議院関係歳出予算の概要を御説明申し上げました。
 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#12
○委員長(難波奨二君) 次に、国立国会図書館関係予算の説明を求めます。羽入国立国会図書館長。
#13
○国立国会図書館長(羽入佐和子君) 平成二十九年度国立国会図書館関係歳出予算について御説明申し上げます。
 平成二十九年度国会所管国立国会図書館関係の歳出予算要求額は二百二十二億一千三百万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと二十六億五千六百万円余の増額となっております。
 これは、関西館第二期第一段階施設整備に必要となる経費の増額等によるものでございます。
 その概要を御説明申し上げます。
 第一は、運営に必要な経費でありまして、人件費等、九十五億五千七百万円余を計上いたしております。
 第二は、業務に必要な経費でありまして、国会サービス経費及び情報システム経費等、七十四億三千三百万円余を計上いたしております。
 第三は、科学技術関係資料の収集整備に必要な経費でありまして、十億九千三百万円余を計上いたしております。
 第四は、施設整備に必要な経費でありまして、四十一億二千九百万円余を計上いたしております。
 以上、平成二十九年度国立国会図書館関係歳出予算の概要を御説明申し上げました。
 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#14
○委員長(難波奨二君) 次に、裁判官弾劾裁判所関係予算の説明を求めます。松本裁判官弾劾裁判所事務局長。
#15
○裁判官弾劾裁判所参事(松本智和君) 平成二十九年度裁判官弾劾裁判所関係歳出予算について御説明申し上げます。
 平成二十九年度国会所管裁判官弾劾裁判所関係の歳出予算要求額は一億一千二百三十九万円余でございまして、これを前年度予算額と比較いたしますと三十三万円余の増額となっております。
 この要求額は、裁判官弾劾裁判所における事務局職員の給与に関する経費及び事務処理費並びに裁判官弾劾法に基づく裁判官の弾劾裁判に直接必要な旅費及び庁費でございます。
 以上、裁判官弾劾裁判所関係歳出予算の概要を御説明申し上げました。
 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
#16
○委員長(難波奨二君) 次に、裁判官訴追委員会関係予算の説明を求めます。藤井裁判官訴追委員会事務局長。
#17
○裁判官訴追委員会参事(藤井宏治君) 平成二十九年度裁判官訴追委員会関係歳出予算について御説明申し上げます。
 平成二十九年度国会所管裁判官訴追委員会関係の歳出予算要求額は一億二千九百七十六万円余でございまして、これを前年度予算額と比較いたしますと百五十五万円余の増額となっております。
 この要求額は、裁判官訴追委員会における事務局職員の給与に関する経費、訴追事案の審査に要する旅費及びその他の事務費でございます。
 以上、裁判官訴追委員会関係歳出予算の概要を御説明申し上げました。
 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
#18
○委員長(難波奨二君) 次に、会計検査院所管予算の説明を求めます。河戸会計検査院長。
#19
○会計検査院長(河戸光彦君) 平成二十九年度会計検査院所管の歳出予算について御説明申し上げます。
 会計検査院の平成二十九年度予定経費要求額は百七十二億七千百万円余でありまして、これを前年度予算額百六十八億九千五百万円余に比較いたしますと三億七千五百万円余の増額となっております。
 ただいま申し上げました要求額は、日本国憲法第九十条及び会計検査院法の規定に基づく会計検査院の運営及び会計検査業務に必要な経費等であります。
 次に、その概要を御説明申し上げます。
 まず、会計検査院の運営に必要な経費として百五十億九千四百万円余を計上いたしております。これは、会計検査に従事する職員等の人件費及び庁舎の維持管理等に必要な経費であります。
 次に、会計検査業務に必要な経費として二十億七千七百万円余を計上いたしております。これは、国内外における実地検査等のための旅費及び検査活動を行うためのシステムの開発・運用等に必要な経費並びに検査活動に資する研究及び検査能力向上のための研修に必要な経費であります。
 次に、会計検査院施設整備に必要な経費として九千九百万円余を計上いたしております。
 以上、会計検査院の平成二十九年度予定経費要求額の概要を御説明申し上げました。
 よろしく御審議のほどお願いいたします。
#20
○委員長(難波奨二君) 以上で予算の説明聴取は終わりました。
 説明者は御退席いただいて結構です。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#21
○委員長(難波奨二君) 速記を起こしてください。
 それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#22
○上月良祐君 自由民主党の上月良祐でございます。
 今日は、成長戦略に関連して、特に農業の輸出のこと、オリパラでの食材の提供のこと、最近ようやく話題になってきておりますけれども、その関係のことについてお聞きをいたしたいと思っております。
 まず最初に、石原大臣にお聞きをしたいと思います。
 成長戦略を進めていく上で、三本目の矢ということでありますけれども、TPPがこういう状況になっている中で、しかし、農業はこれから大いに成長、発展していってもらわなければいけないというふうに思っております。ただ、平均年齢が六十七歳である。また、米だけ取ってみれば七十歳になっている。耕作放棄地も増えていて持続可能性が懸念されているところも多うございます。
 一方で、農業の生産額は、いろんなデータがあるんですけれども、かなり世界では上位の方である一方で、輸出だけ見ると世界で六十位程度ということであります。よく言われておりますけれども、オランダが二位ということに比べますと、もっともっと頑張れるんじゃないかとも思っておりまして、今、二〇二〇年の一兆円目標に向けて順調に来ていたんですが、昨年少し一服した感じがあります。
 これから日本の国内の人口減が進む中で、アジアでは人口がどんどん増えていく。国内のマーケット縮小を考えると、輸出はこれはもう必須のものであろうというふうに思っております。特に、作っているものの品質の高さからしますと拡大の余地が大いにある、しかし、それだけにきちんと戦略を立ててやっていかなければいけないのかなというふうに思っております。
 アベノミクスを津々浦々にというふうに考えたときに、もちろん企業立地、企業誘致も大変重要だと思っておりますけれども、地方という目で見ますと、どこにでもある一次産業、特に農業と、それからインバウンド、観光ですね、国内でもいいんですが観光、これが特に重要だと私は思っております。
 その中で、農業のところをちょっと絞ってお話をすると、農業を支えていく特に新規の就農者、あるいは、関係の輸出となれば流通の業者の皆さんとも、やはり流通の方にももうけてもらわないといけないし、農業者はもちろんもうからないといけないわけですけれども、輸出をする、流通をさせるときに流通業者がもうからないようではやっぱり広がらないんだということも勉強をしていく中でよく分かりました。
 また、一方で、日本はどうしても農業のコストが非常に高うございます。今その問題についても集中的に取組を進めておりますけれども、このコスト高を何とかして抑えていかなきゃいけない。お米は大変品質はいいけれども、値段を提示した途端に、それじゃとても取引はできないよと言われちゃうというような問題もあります。そういう意味で、コスト高をいかに抑えて、いいものを少しでも安く作るかという問題もあります。
 こういった状況、プラスの面、これから伸びていけそうな面、ただ、たくさん課題もある、そういった中で、大臣が成長戦略において農業をどういうふうに重要だと見て、どんな取組を進めていかれているのか、その点についてお答えいただきたいと思います。
#23
○国務大臣(石原伸晃君) 上月委員にお答えいたします。
 農業は、私もいろいろなところを拝見させていただいておりますけれども、やはり成長戦略であるし、戦略を持って販路を開拓していく、そういう意味では、委員の御指摘のとおり、この流通と戦略性というものは非常に重要であると認識をしております。
 やはり、国内の市場が限られている以上、そしてクオリティーが他の国に比べて非常に高いものである以上、販路を海外に求める、また海外の方々も、日本の農作物に対する需要というものが大変高まっているということはもう委員の御指摘のとおりでございます。
 昨年の、ちょっと古い話で恐縮でございますが、五月ですけれども、私が座長となりまして、農林水産品の輸出強化戦略に基づきまして、関係省庁一体で今委員の御指摘に沿って推進していくにはというものを取りまとめさせていただきました。
 これは、ただ単にすばらしい日本の農産品を輸出するのにもう一つプラスアルファを付けまして、日本の文化、食文化も含めて併せてプロモーションをする。また、やはり農産物である以上は鮮度というものが重要でありますので、海外にも冷凍の基地をつくるといったような技術の普及促進を通じまして、これに伴って本当にいろいろな都道府県でこの取組が顕在化してきていると思っております。
 先般、私、マレーシアにやはりこの関係で行ってまいりましたけれども、上月委員のお地元の茨城からも梨と柿とメロンですか、これを輸出されているという話聞かせていただきまして、どのぐらい伸びているんですかと聞きましたら、一年間で十倍増えたと。十トン以上輸出をされているということで、マレーシアとタイ、東南アジアが中心だそうでございますけれども、やはり日本のいいプロダクトというものは海外で受けているということを実感させていただきました。
 もう一つ御質問がございましたのは、やっぱりコストが掛かってしまったらこれは駄目だと、また流通業者の方々も利益がなきゃ駄目だ、これもまさに委員の御指摘のとおり、ございます。
 そんな中で、これも私拝見したんですけれども、ICTを使った農業、成長戦略の司令塔として未来投資会議というものをつくらせていただきまして、まさに現場で農業をやっていらっしゃる若い農業者の方々の意見などを伺いながら、今施策の具体化に向けて議論を進めさせていただいております。今週にも実は会議の中間取りまとめをさせていただくわけですけれども、このICTの技術を使うといいましても、データの利活用については実はICTの進歩に法律あるいは政省令等々が合っていないものもかいま見るわけでございます。まさにその構造改革の議論も併せて進めさせていただいて、委員の御指摘のとおりのような環境をつくるべく努力をさせていただいているところでございます。
#24
○上月良祐君 大変すばらしいお答えを本当にありがとうございます。
 もうここで石原大臣には御退席いただいて、実際にその仕事の方をやっていただきたいと思っていたんですが、もう一問だけ、ちょっと順番入れ替えてSOPEXAのことを細田政務官にお聞きをして、そこまで大臣には是非ちょっといていただきたいと思います。
 細田政務官にちょっとお聞きしたいと思います。順番入れ替えて申し訳ありません。オリパラの食の問題のその後に聞こうと思ったんですが、日本版のSOPEXA、名前はともかくとして、間もなくできると聞いております。地元でも、お米をヨーロッパとかアメリカにすごい輸出している人がいるんですね。大変高い値段で輸出されています。
 実は、輸出輸出というと、輸出額が目標になっちゃうと、量をこなさないといけないと思って安くたくさん売ろうとすると、これはスタートは若干いいかもしれないけど、もうサステーナブルじゃないんですね。農家がもうかるから続くので、流通もある程度もうけられるから続くのであって、もうからない安い値段で最初だけスタートを増やしても広がりがないわけです。そういう意味で、高く売り付けることはないんですけど、ある程度ちゃんと稼げるように高く売るという戦略は大変重要なものだと思っています。
 それから、今は、各県はどうしてもばらばらに輸出しちゃうんですね。ここは、県同士というのは隣であればあるほどライバルであって、もちろん共同してやらなきゃいけないことも多くて、頭では分かっているんですけれども、どうしてもやっぱり競争しちゃう。特にインバウンドでもそうですけれども、どこかの県だけに来るということは余りなくて、本来は、北関東だったら北関東、東京と併せて来るでしょうし、関西の方だったら関西の方を広く行くんだと思うんですよ。そういう意味では連携してやっていかなきゃいけない、売り込みもですね。これは大変重要なことだと思っているんですけれども。
 そういった面で、輸出の戦略ですね、個別のつなぎとかはジェトロさんが今までもやっていただけたんだと思うんですけど、戦略をちゃんと立てて進めていくという、その司令塔の部分がいま一つなかったんじゃないかという反省が非常にありまして、そこの日本版のSOPEXAというところは大変重要なことだと思っておりまして、そこら辺について細田政務官にちょっとお聞きをしたいと思います。
#25
○大臣政務官(細田健一君) まず、改めまして、上月先生におかれましては、日頃から農林水産行政の企画立案、また実行に当たり大所高所から貴重な御意見をいただいていることに改めて心から御礼を申し上げます。私どもも、引き続き、先生から御指導をいただきながら、特に茨城県の農業振興について取り組んでまいりたいと、こういうふうに考えております。
 今先生から御指摘いただきましたとおり、輸出の促進というのは攻めの農業政策にとって非常に重要な柱であると考えておりますが、おっしゃるとおり、いわゆるもうかるから輸出をするということが流通業者あるいは農家の方々にとっても非常に大切なことであろうと、こういうふうに考えております。この観点から、先生にも取りまとめに御尽力いただきました、昨年十一月に取りまとめられた農業競争力強化プログラムにおきまして、新たな組織としてSOPEXAの創設が提言をされているところでございます。
 これは四月から活動が開始されるように現在鋭意準備を進めているところでございますが、まさにおっしゃるとおり、どの国に何を総合的にどう売り込むかといった日本産品のプロモーションあるいはブランディング戦略の企画立案、実行が非常に重要であると、こういうふうに考えておりまして、それを総合的に担う組織としてその実施が期待されているところでございます。特に、商社等から有能な外部人材を登用してこういう機能を担っていただいて、是非、日本産品の輸出、もうかる輸出の実現のために頑張っていただきたいと、こういうふうに考えております。
#26
○上月良祐君 ありがとうございます。
 輸出関係では、今日これからお聞きするGAP等の認証の問題は、手順を誤って先に変な形で普及させてしまうと物すごく後で大きなツケを払うことになります。国際的に、国際標準をいかに取るかということも大変重要で、これはもう外務省も関わらないといけないことですし、農水だけではなくて、もちろん経産省、あるいは流通のことを考えると国交省ですね、そういったことが、大変重要な連携を取っていってもらわないといけない問題です。局をまたぐと、どんなに優秀な人がいてもなかなか動かないのが役所の弱点でもありまして、そういう意味で、局を超える、あるいは省を超えるところについて石原大臣によく目を付けておいていただいて、大きな観点から御指導をいただきたいと思いますので、是非よろしくお願いいたしたいと思います。
 石原大臣はここで御退席いただいて結構でございます。あとは細田先生とよくお話をします。
#27
○委員長(難波奨二君) 石原大臣、御退席いただいて結構でございます。
#28
○上月良祐君 ありがとうございます。
 それでは、引き続いてオリパラでの食事の提供のことを、よく聞いておりますけれども、もう一回ちゃんと聞きたいんです。
 グローバルGAPを基準にするという話があって、そうすると、グローバルGAP、まだほとんど取れていない。そうすると、オリパラで日本の食材がほとんど提供できなくなるんじゃないかとも言われています。ただ、実態はそういうことでもなさそうなんですけれども、現状どういう基準で対応していくことになりそうなのか。一度、去年の十二月ですか、案が出されているようでありますけれども、今後どういうふうに決まっていきそうなのか。畜産と水産もあるんですけれども、ちょっと時間が限られていますので、農業について、農産品についてということを例えに教えていただきたいと思います。それと、今回の基準と併せて、過去のオリパラはどうだったかということについても、概略で結構でございますので教えていただきたいと思います。
#29
○政府参考人(多田健一郎君) 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が策定をしております持続可能性に配慮した食材調達基準案でございますが、農産物について例えて申し上げますと、食品安全、環境保全、労働安全の要件を満たすものとして、JGAPアドバンス、それからグローバルGAPの認証のほか、組織委員会が認める認証スキームによって認証を受けて生産をされた農産物を認めると、こういうことになっているところでございます。また、これら認証品以外を必要とする場合におきましては、GAPの共通基盤に関するガイドライン、これに準拠したGAPに基づき生産をされ、都道府県等の公的機関による第三者の確認を受けたものを調達するということにも併せてなっているところでございます。
 過去大会につきましては、例えばロンドンの二〇一二年大会におきましても持続可能性に配慮した食材調達基準というものを規定をしておりまして、農産物につきましては、義務的基準として、英国の農業者団体が運営をいたしますレッドトラクターという認証制度などの基準を満たしますとともに、推奨基準としてグローバルGAPの認証が求められていたものと承知をしているところでございます。
#30
○上月良祐君 ありがとうございます。
 GGAPだけじゃなくてJGAPアドバンスも入っているということも、案ですけれども、分かりました。
 それから、それに加えて、もう一つ下というといけないのかもしれませんけれども、もうちょっと緩やかな基準でカバーできる部分も考えているということなので、日本食材が、日本で開くオリンピックで、もちろん夏ですから、夏に取れないものはどうしてもしようがなくて海外のものというのはもちろんこれはあり得るんだと思うんですけれども、できる限り日本の食材で日本のいい料理を提供していただきたいと思っております。
 GAPって何だというのがよく分からない。これは食品の関係の人でもGAPに関係していない人は、GAPと言っても何ですかそれという感じのことが最近もあったものですから、GAPというのは、グッド・アグリカルチュラル・プラクティスなんでしょうけれども、GAPって何ですか。GGAPとJGAPの違いですね、簡単に教えていただけませんでしょうか。
#31
○政府参考人(鈴木良典君) お答えをいたします。
 GAPとは、生産者の方々が日々の活動の中で行っております農産物の安全性を確保するための生産履歴の記帳や、環境保全や労働安全を確保するための点検状況などの記録簿や掲示物による見える化など、より良い農業生産を目指していく取組のことでございます。
 GAPは、政府が制定をする公的規格ではなく民間団体が作成する民間規格であり、様々な規格、運営主体が存在いたしますが、御指摘の二つのGAPにつきましては、海外や国内の小売業者や食品メーカーがその認証取得を求めてくるなど、取引の標準となりつつあるものであります。
 いずれのGAPも食品安全、環境保全、労働安全に関する取組を要求しており、内容や水準に大きな違いはありませんが、グローバルGAPは、ドイツの民間会社が運営しており、生産過程において厳しい水管理などが求められる欧州向けの輸出などに有利である、JGAPは、日本の民間団体が運営しており、我が国の生産者にとって取り組みやすいといった特徴がございます。
#32
○上月良祐君 取得に掛かるコスト、費用とか期間というものがグローバルGAPと例えばJGAPアドバンスで、オリンピックで認められるであろうこの二つについてどれぐらい違うのかなということを簡単に教えてください。
#33
○政府参考人(鈴木良典君) GAPの認証を取得するに当たっては、審査会社に審査費用を支払うほか、審査を受ける前にコンサルタント会社から技術的な指導を受ける場合にはそのための費用が発生いたします。これらの費用は、GAPの種類や審査会社、コンサルタント会社などによって異なりますが、個人の場合、審査費用は十万から五十万程度、グローバルGAPの場合ですと二十五万から五十万程度、JGAPのアドバンスですと十万程度、技術的な指導を受ける場合のコンサルタント費用は二十五万から五十五万程度というふうに聞いております。
 また、認証取得に要する期間につきましては、日頃の営農活動の状況により異なるものの、JGAP、グローバルGAP共に半年から一年程度が標準的な期間であるというふうに聞いております。
#34
○上月良祐君 JGAPはもうちょっと早く取れるのかなというふうにも聞いていたんですが、大体それぐらい。しかし、JGAPの方が比較的取りやすくて、コストもちょっと安くて、GGAPの、グローバルGAPの方が時間も少し掛かって、場合によってはかなり掛かって、お金もちょっと高いということになるのかなと思います。
 これからそのグローバルGAPを取っていく、JGAPアドバンスでもいいのかもしれませんが、取っていく農家を広げていくということは、これは大切なことだと思います。そのときに、今個人のお話がありましたけれども、団体で認証を取るというやり方があるとお聞きをいたしておりまして、それだとコストの面からも非常に取りやすいんじゃないかというふうにお聞きしたことがあるんですが、団体認証というのがどんなことなのか、その方が取りやすいのか、その辺を教えてください。
#35
○政府参考人(鈴木良典君) JGAPやグローバルGAPには、個々の経営体を対象として認証を与える個別認証と、複数の経営体により構成されたグループを対象とした団体認証がございます。
 GAPは生産者の方々の営農活動を見える化し、小売や食品メーカーとの取引の安定、円滑化を図っていくものであり、農産物の販売を共同で行う生産者グループがある場合には、これらの者がまとまって取得することが合理的であると考えております。
 また、個別認証であれ団体認証であれ、個々の経営体が求められる取組内容は変わりませんが、個々の経営体が負担する審査費用やコンサルタント費用はグループが大きくなるほど安価になる仕組みであることから、団体認証を受けた方が農家の負担は少なくなります。
#36
○上月良祐君 ありがとうございます。
 どれぐらい大きいかによって掛かる経費が、どれぐらいコストが安くなるのかというのは違うんだと思いますが、私が聞いたお話だと、かなりその全体で、まあ割り勘という言い方はおかしいかもしれませんが、みんなで負担をすればかなり安く取れるということでもあります。
 日本はやっていることの水準はそもそも高いんだと思うんです。ただ、それがきちんと帳簿に、帳面に付けていないとか、そういったことから認証が取れていないということであるとすれば、やっていることを、今、非常にやり方がまずいことを直すというのではなくて、やっていることはきちんとやっているんだから、そのことを認証してもらう。その経費の問題というのは大変重要なファクターかなと思いますので、そういう意味で、団体認証のやり方もよく、うまく普及していただいて、オリパラできちんと食材が使われるようにということで御配慮をお願いしたいと思います。
 ちなみに、今、日本でGGAPなりJGAPアドバンスを取っている農家というのがどれぐらいあるものでしょうか。
#37
○政府参考人(鈴木良典君) グローバルGAPの運営会社によりますと、我が国におけるグローバルGAPの取得経営体数は約四百経営体でございます。また、JGAPの運営団体によりますと、JGAPの取得経営体数は約四千百経営体でございます。
#38
○上月良祐君 経営体の数ですから、農家の数とはまたちょっと違うのかもしれませんけれども、これは販売農家が百二十万以上ある中からすると、本当に数%とか一%とか、何かすごい小さな数にしかならないと思うんですね。それでみんな不安になっている、心配になっているんだと思うんです。
 ちなみに、オリパラで必要となる農産物の量からすると、このGGAPなりJGAPアドバンスを取っておいてもらわなきゃいけない取得農家というのがどれぐらいになるかということについては、これはどちらにお聞きすれば、鈴木さんでよろしいですか、じゃ、お願いします。
#39
○政府参考人(鈴木良典君) オリパラ東京大会の飲食提供については、国産農産物の活用により日本食、国産食材の魅力をアピールし、我が国農業の競争力強化につなげていくことが重要であるというふうに考えております。
 ロンドン大会では、大会の約三十か月前に策定された飲食提供の基本戦略において、選手村における食材の必要量が公表されており、東京大会においても、現在、調達基準に基づいた国産食材の活用を含む飲食提供基本戦略の策定に向けた議論が組織委員会において開始されたところでございます。
 今後、この議論の推移も踏まえつつ、GAPの認証取得に関する目標を考えてまいりたいというふうに考えております。
#40
○上月良祐君 まずは、オリパラの事務局というんでしょうか、そっちの委員会の方でどれぐらい何が必要になるかということを示してもらわないとということなんだというのは分かります。これがロンドン五輪の場合は二年半前とおっしゃったので、この夏ぐらいに大分分かってくれば必要なものも分かってくるということだと思うんですが、いずれにしても、しかし、現状では全く足りてないだろうということはこれは誰しも分かるわけでありまして、ロンドンのときは一千五百万食ですか、という食事の提供があったということですから、現状の四百あるいは四千百という経営体の数ではちょっとまずいだろうと。しかも、食材もまだまだ広がりがないでしょうから、そういう意味で、オリパラの事務局の検討をもちろん横目で見ながら、しかし、しっかり広げていく方もやっていただきたいと思います。
 実は、それで、オリパラでの食事の提供に関してということは大変重要なんですけれども、これは二〇二〇年の夏の間の話でありますから、そこだけに集中するのはどうなんだろうかという問題意識があるわけですね。その後、日本の農産物を、やはり海外に出ていってもらう、輸出していくために、先ほどお話がありましたように、例えばヨーロッパを考えると、グローバルGAPを取っていた方がいいぞという話があるわけです。また、例えばアジアにはJGAPアドバンスをグローバルスタンダード化しちゃうというようなことで頑張ってやるんだというやり方もあるんだと思います。
 実は、大手の飲料メーカーの方と意見交換をしたときに、海外にも輸出しているお茶の、あえて名前は言いませんけど、お茶の茶葉はJGAPアドバンスを取っているところに限っているというようなことのお話も聞きました。その意味は、やっぱり帳面にちゃんと付けるからコスト意識もちゃんと頭に入るらしくて、あっ、去年これ買っていたものはもう一回買わなくていいなとかということに気付いて、コストの意識も高まるんだというようなことも聞きました。なるほどなと腑に落ちた次第です。
 あるいは、五所川原農林ですか、青森の高校ではグローバルGAPを学校で取っているということで、そこの学校の生徒さんが経営意識というんでしょうか、農業の経営をやりたいと、経営者ですね、これがすごい農業では重要なんですが、その経営意識の醸成に大変役に立っているということも学びました。
 輸出促進だけじゃなくて、コストの問題あるいは人材育成にも大変重要だというふうに思っております。オリパラももちろん直近視野に入れながら、しかし、その後の輸出促進、農業の振興、発展を考えたときに、どういうふうにこのJGAPやグローバルGAP、進めていこうとされているのか、これは細田先生にお聞きしたいと思います。
#41
○大臣政務官(細田健一君) ありがとうございます。
 私ども、全く上月先生と認識を共有をしております。当面はオリンピック・パラリンピック東京大会において、私どもが世界に誇ると言っていいと思いますが、安全で高品質な日本の農林水産品を提供させていただくということのためにGAPの取得の促進が必要であると思っておりますが、さらに、その後を見据えて、我が国の農林水産業の競争力強化、あるいは人材育成という観点からもGAPの取得促進を進めていく必要があると、こういうふうに考えております。この点についてはもう全く先生と認識を共有をしております。
 私ども農林水産省といたしましては、国際的に通用するGAPの認証取得に対する支援、これは直接的な補助による支援、また都道府県、JA、あるいは日本農業法人協会等の関係団体について、その傘下の農家に対してGAPの取得を促進するような様々な活動を行っていただくような要請、また、GAPにまとまって取り組む産地に対して、例えば強い農業づくり交付金を優先採択するといった手法によって取組を進めているところでございます。
 今後とも、これらの取組を通じまして、オリパラの東京大会において日本食あるいは国産食材の魅力をアピールするとともに、大会後を見据えた輸出の拡大や農業人材の育成に取り組んでまいりたいと、こういうふうに考えております。
#42
○上月良祐君 ありがとうございました。
 余りにも一律的に強制的にやっていくとやっぱりこれは問題があると思います。ローカルにやっていきたい農家も多いと思います。地産地消と言っていたわけですから、そういった意味で、ローカルな需要に対応するためにどういうふうな基準を取るべきなのかということも現場と対話しながら丁寧にやっていただきたいと思います。
 GAPやHACCPの問題全体を理解している人がどうも政府にも今のところ余りいなかったという反省もありまして、だから、これは反省をすることは反省して、しっかり取り組んでいっていただきたいと思います。
 最後、もう時間がありませんから、ちょっと御要望だけにしたいと思います。
 バス事業者の安全、インバウンドで僕これずっと取り組んでいるんですが、バス事業者の安全の問題で新しい法律が段階的に施行されています。それで、例えばですけど、契約の段階では下限料金を割っていないようなときでも、当日渋滞しちゃったとかということで時間が延びると、計算すると下限を割っちゃうときなんかがあるんですね。じゃ、タクシーみたいにバスの貸切りでもう一遍料金取るのかと。値段が上がりました、メーターが上がったみたいな形でまた取るのかとかということは、バスの需要にとっては本当にプラスなのかというようなことも思うんですね。
 だから、そういったことは今回やり出したから分かったことで、余り、何というんでしょうか、角を矯めて牛を殺すようなことをしてはいけないと思いますので、これから更新制も入っていきます、インバウンドの需要を拡大していくために、私は、バスの安全性、輸送機関の問題というのは、必要条件として大変、十分条件まで行かなくて、必要条件としてまずすごい大切なところだと思いますので、早川審議官には、これから施行が進む中で是非ともその点をよく気を付けていただいて、柔軟で効果的な運用を心掛けていただきたいと思いますので、これは御要望させていただきたいと思います。
 時間ですので、これで質問を終わります。ありがとうございました。
#43
○里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。
 質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けまして様々な取組がなされております。公明党としましても、世界に誇れるバリアフリー先進都市東京、そしてその全国展開に向けて全力で取り組んでおります。
 政府におかれても、本年二月、ユニバーサルデザイン二〇二〇関係閣僚会議で行動計画を策定し、全国においてユニバーサルデザインの町づくりと心のバリアフリーを政府一丸となって、しかも民間企業も巻き込んで取り組まれると承知しております。本日御出席をいただいております加藤大臣、また松本国家公安委員長も、さらに国土交通大臣もその閣僚会議のメンバーであるというふうに伺っております。
 そこで、本日は、交通弱者として配慮が必要な障害者や高齢者について政府の対応状況、今後の方針について質問をさせていただきます。
 まず、お手元の配付資料の一ページ、二ページを御覧いただきながら、公共交通機関における精神障害者の運賃の割引についてお伺いをいたします。
 鉄道、バスなどの事業における障害者割引運賃について、身体障害者や知的障害者は一〇〇%の事業者が導入している一方で、精神障害者を対象としていない事業者がまだまだたくさんあるというふうに承知をしております。こうした中で、障害者のうち精神障害者だけが差別を受けているのではないか、早急に精神障害者もその対象に加えてほしいとの切実なお声をいただいております。
 まず、国土交通省に、現在の精神障害者を対象とする割引の導入の現状をどのように把握されているか、お伺いをいたします。
#44
○政府参考人(篠原康弘君) お答えを申し上げます。
 障害者に対します運賃等の割引につきましては、各事業者の自主的な判断に基づき、割引による減収を他の利用者の負担で賄う形で行われているところでございます。
 精神障害者に対する割引運賃を実施している交通事業者は、委員のお配りの資料にもございますけれども、鉄軌道事業者で七十一者、乗り合いバス事業者で七百六十二者、合計八百三十三者となっておりまして、全体の事業者の約四割弱のレベルとなっております。また、経年的に見まして、平成十三年度から比較しますと増加傾向にあるという状況にございます。
#45
○里見隆治君 ありがとうございます。
 この資料にはございませんけれども、身体、知的が一〇〇%導入されているという一方で、この配付資料の一ページにあるとおり、これ平成十八年からとなっておりますが、これは手帳に顔写真が貼られるようになって本人確認ができるようになった年だというふうに認識をしておりますが、それ以降、導入件数が少しずつ伸びているとはいえ、導入率が四割に満たないというのは公平性を欠くものであるというふうに言わざるを得ません。国土交通省は、所管の鉄道、バス等の事業者に対して、これまでどのような対応をされてこられたのでしょうか。
 また、本年四月からは、九州の西鉄が精神障害者への割引運賃を導入するというふうに承知をしております。こうしたものを含めて、今後の割引運賃の導入の見通し、そして、国土交通省としてどのように導入を進めていかれるか、方針を伺いたいと思います。
#46
○副大臣(末松信介君) 大変大切な御質問をいただいたと思っております。
 障害者に対する運賃割引につきましては、割引による減収を他の利用者の負担によって賄うという事業者の自主的な判断の中で理解と協力を強く求めてきたところであります。
 具体的には、鉄軌道事業者に対しましては、毎年障害者団体等からの要望を周知するとともに、障害者割引の適用拡大について理解と協力を強く求めてきたところであります。また、バス事業者に対しましても、新規参入時や運賃変更などの各種の手続の際に理解と協力を求めてきたところであります。
 国土交通省といたしましては、今回の西鉄による取組も含め、精神障害者割引の実施状況につきましては、各交通事業者や事業者団体等の関係者に対し、引き続き幅広く周知をいたしてまいりたいと思います。里見先生の精神障害者への割引につきましての、この理解と協力をしっかりと求めてまいりたいと思っております。
#47
○里見隆治君 確かに、企業の経営判断ということが最終的にはあると思いますけれども、国土交通省におかれては、是非ともそういった周知、また御指導をよろしくお願いいたします。
 冒頭申し上げましたとおり、今や二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックを前にユニバーサルデザインの町づくり、そして心のバリアフリーを官民で取り組んでいると。その中で、政府を挙げて民間企業とも協力をして取り組んでいただきたいと思います。
 この点、厚生労働行政におきましては、精神障害者が、一年後、来年四月から企業における障害者雇用の法定雇用率の対象となると。その際の通勤手段として公共交通機関が重要となってまいります。まさにこれが好機、この機会を捉えてしっかりと取扱いを進めるべきであるというふうに考えます。厚労省からも、国土交通省に対して精神障害者の割引について毎年要請をされているというふうに伺っております。
 また、警察庁の業務統計を見ますと、前回の道路交通法の改正による自動車運転免許の厳格化によりまして、平成二十六年度から一定の病気等による免許の取消し件数が増加をしております。これによりまして、鉄道などの公共交通に頼らざるを得ない方が増加しているという状況も発生しております。
 さらに、総務省におきまして、この五年だけでも、地方の六つの管区行政評価局が地方運輸局に対してあっせんを行っているという状況で、それぞれ各省庁ごとには取組をその範囲においてされているところでございます。
 本日は、一億総活躍また障害者施策担当の加藤大臣にも御出席をいただいております。このような各省それぞれの動き、対応の中で、精神障害者の割引運賃制度について、是非、各省庁の総合調整、政府全体としての後押しをお願いしたいと思いますけれども、加藤大臣、いかがでしょうか。
#48
○国務大臣(加藤勝信君) 委員から運賃割引について、障害の中においても身体、知的と障害者の中において差があるという御指摘がございました。全ての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現、これを目指す観点から、正当な理由なくして障害種別によって取扱いに差が生じるということは望ましいことではないというふうに考えております。
 今委員からも御指摘ありました、関係省庁においても、事業団体などに対して様々な割引の対象拡大に向けた働きかけが行われているというふうに承知をしておりますけれども、引き続き、こうした働きかけを通じて精神障害者に対する運賃割引への理解と協力を得て、より多くの事業者においてこうした取組が広がっていくことを期待するとともに、私どもの立場としては、いわゆるユニバーサル社会の実現、あるいはユニバーサルデザイン等に対する理解を高めていく、またそうした機運を醸成すべく引き続き取り組んでいきたいと考えております。
#49
○里見隆治君 今大臣おっしゃっていただいたとおり、ユニバーサル社会の実現という観点、また二〇二〇年のオリパラ、来年の障害者雇用率の改正、障害者雇用制度の改正など、様々な情勢下で今見直しの契機を迎えていると思います。そうした意味で、障害者施策担当の加藤大臣には、関係大臣と是非御調整をいただいて、御検討をお願いいたしたいと思います。
 加藤大臣におかれては、委員長のお許しをいただければ御退席をいただいて結構でございます。
#50
○委員長(難波奨二君) 加藤大臣、御退席いただいて結構です。
#51
○里見隆治君 次に、高齢運転者について御質問いたします。
 一昨年、高齢運転者による交通事故の発生の状況などを踏まえ、本内閣委員会での審議を経て、附帯決議もなされた上で改正された道路交通法が、ちょうど十日前、三月十二日に施行されました。七十五歳以上の高齢者が、一定の違反行為があった場合に加えて、免許の更新時に認知機能検査を受け、認知症のおそれがあると判定された方は医師の診断を受けなければならないというものでございます。
 この施行のタイミングで、地元でも、御高齢の皆様あるいは認知症の診断を行う医師の皆様から不安の声などが上がっておりますので、こうした不安を解消すべく何点か確認をさせていただきたいと思います。
 一昨年の道交法の審議の際の附帯決議でも、臨時適性検査等の対象者の大幅な増加が想定されることから、同検査等を実施する専門医の確保に努めること、医師の数が少ない地域において医師の紹介を行うことと決議をされております。
 今回の改正により、高齢者の免許更新、一定の違反行為を行った際の認知機能検査で認知症のおそれありとされた高齢者は医師による診断を受けることとなりますが、この医師の診断を受ける方はどの程度見込まれていて、これに対してきちんと十分に対応できる医師が確保されているのか、松本国家公安委員長にお伺いをいたします。
#52
○国務大臣(松本純君) 改正法によります認知機能検査の結果等により医師の診断を受けることとなる方は、年間約五万人になると見込まれております。
 そこで、警察といたしましては、施行前から医師会等関係団体の御協力をいただき、診断体制の確保を図ってきたところでございます。その結果、診断への協力のみならず、診断を必要とする方に紹介することまで御了承いただいた医師だけでも本年二月末現在、約三千百人に上っているものと承知をしております。
 他方、この医師の数には地域的な偏りが見られるなど課題もあることから、警察におきましては医師の確保に向けた取組を更に進めてまいる所存であり、医師の方々の御協力や高齢運転者を始めとする国民の皆様の御理解をお願いしたいと存じます。
#53
○里見隆治君 どうもありがとうございます。
 今御答弁をいただきました医師の量ですね、この確保とともに、質の面におきまして一つ心配事がございます。
 認知症の診断に当たっていただく医師の中には、診断結果によって高齢者の運転免許の返上につながってしまうことに心理的な抵抗感を感じるですとか、あるいは逆に、認知症でないと診断したものの、その後の交通事故が発生した場合の刑事上あるいは民事上の責任を問われるのではないかといった心配のお声を伺っております。
 今月になって、警察庁も協力をされて、日本医師会がかかりつけ医向けに「認知症高齢者の運転免許更新に関する診断書作成の手引き」を示されたというふうに伺っております。
 警察庁として、こうした医師の不安に対してどのような対策を講じておられるのか、お伺いをいたします。
#54
○政府参考人(井上剛志君) お答えいたします。
 医師が作成した診断書によりまして都道府県公安委員会が運転免許の取消し等の行政処分を行う場合は、聴聞等の手続を経まして、都道府県公安委員会の判断と責任において処分が決定されるものでございます。また、処分を受けた方に不服があるときには、都道府県公安委員会に対する審査請求や処分又は裁決の取消し訴訟の提起をすることができることとされております。
 他方、認知症でないとの診断書が都道府県公安委員会に提出されたものの、その後、事故が発生したときには、医師が故意に虚偽の診断書を作成したような場合は別といたしまして、その良心と見識に基づき行った診断について医師の刑事責任が問われるということは通常想定できないと考えられるところでございます。
 警察におきましては、都道府県警察に連絡責任者等を置き、都道府県の医師会と情報交換等を行う場を設けるとともに、医師会等との連携強化に努め、質問、要望等に誠実に対応することとしており、訴訟リスクに関することを含め、診断に御協力いただく医師が抱える様々な不安を払拭し、その御理解が得られるよう今後とも努めてまいる所存でございます。
#55
○里見隆治君 円滑な施行を是非ともよろしくお願いいたします。
 ところで、警察庁が開催をされています第二回高齢運転者交通事故防止対策に関する有識者会議の資料の中で、ちょうど愛知県にございます国立長寿医療研究センターの予防老年学研究部長島田裕之先生の発表資料を興味深く拝見いたしました。その抜粋を配付資料の三ページ目以降で御覧いただくことができます。
 三ページにございますとおり、免許を停止するなどして自動車の運転をやめてしまうと、要介護発生の確率が高くなるとの研究調査結果でございます。これを受けて、島田先生は、高齢者の運転寿命が延びるように高齢運転者のためのトレーニングを提唱されております。トレーニングの内容は、四ページにある安全運転技能教習、さらに、資料では配付しておりませんけれども、眼球、目の運動を行うトレーニング、危険予測のためのトレーニングなどが含まれております。
 五ページ目を御覧いただきますと、こうした実車、すなわち車に乗ってのトレーニングを受けられた方や、ビジョン、すなわち眼球の運動や危険予測のトレーニングを受けられた方は、単に講習を受けられた方と比べると運転技能が顕著に向上し、しかもそれが一年経過してもある程度維持されるということを示しております。
 こうした研究を是非御支援いただいて、その実用化に向けて応援いただきたいというふうに考えておりますが、警察庁としてこうした研究をどのように評価されますでしょうか。
#56
○政府参考人(井上剛志君) お答えいたします。
 国立長寿医療研究センターが過去三年にわたり実施された研究におきましては、認知機能が低下している高齢運転者に対し運転技能の向上を目的として開発されたプログラムを実施した結果、運転技能の改善が見られ、その効果が一定期間にわたって継続したとのことでありました。
 警察庁といたしましても、高齢運転者に長く安全運転を継続していただくためにこのような研究が行われていることは極めて有意義であると考えているところでございます。
 今後、これまでの成果を踏まえて、大規模な実験の実施が愛知県において計画されているとお聞きしておるところでございまして、高齢運転者に安全な運転を継続していただくためのこの取組に警察庁としても協力してまいる所存でございます。
#57
○里見隆治君 是非御協力をよろしくお願いいたします。
 松本国家公安委員長におかれては、委員長のお許しがあれば御退席をいただいて結構でございます。
#58
○委員長(難波奨二君) 松本国家公安委員長、御退席いただいて結構でございます。
#59
○里見隆治君 今御紹介をしたトレーニングに加えて、車の安全技術の性能向上をさせていくということが高齢社会という観点からも重要と考えます。
 自動ブレーキ機能や踏み間違い時の加速抑制装置など、先進安全技術の性能向上や普及促進に向けた取組について、例えば自動ブレーキなどの安全基準の策定など制度面の環境整備が重要であると考えますけれども、国土交通省の取組と今後の対応方針についてお示しください。
#60
○副大臣(末松信介君) 先生御指摘の問題は、国土交通省が取り組む最重要課題の一つでございます。
 国土交通省といたしましては、高齢運転者の安全運転を支援する先進安全技術を搭載した安全運転サポート車の普及啓発を図るべく、関係省庁とともに、私が共同議長を務める副大臣等会議を設置しまして検討を進めているところでございます。高木経産副大臣と越智内閣府副大臣と、それと警察庁の井上交通局長と私でございます。本日午後から中間取りまとめを行う予定でありますし、今日、自動ブレーキの機能を持ちました車八台にそれぞれ試乗をする予定となってございます。
 先生御指摘のとおり、先進安全技術の性能向上や普及促進のためには、一定水準の安全効果が見込まれる装置について順次安全基準を策定するなど、制度面の環境整備が重要と認識をいたしております。この一環として、国土交通省では、乗用車等の自動ブレーキの安全基準の策定を目指し、本年一月、国連におきまして国際基準を策定することについて提案を行いました。この提案につきまして他国の支持が得られたことから、今後、国際基準案について議論を行う専門家会合の設置が決定されたところでございます。
 国土交通省としては、こうした制度面の環境整備に関する取組を含め、安全運転サポート車の性能向上と普及促進のための方策につきまして、冒頭御紹介しました副大臣等会議での議論を踏まえて幅広く検討いたしまして、先進安全技術を搭載した自動車の普及啓発、導入促進を図ってまいりたいと思います。よろしく御指導のほどお願い申し上げます。
#61
○里見隆治君 非常に前向きな、積極的な御答弁をいただきましてありがとうございます。
 今御答弁をいただいた中で、安全基準について制度的な環境を整えるということでございました。こうした基準がしっかり整備されれば、例えば税制上の優遇措置もそうした基準に基づいて進め、これを促していくことができるといったことも考えられます。そういう意味で、是非その整備についてスピード感を持って進めていただくようにお願いをいたします。
 最後に、この交通関係の最後でございますが、運転免許が取消しになってしまった高齢者の移動手段の確保についてお伺いいたします。
 この点、一昨年の本内閣委員会の附帯決議においても、「地方自治体等とも連携しながら中長期的な視点も含め適切に対策を講じていくこと。」とされております。免許のない高齢者、特に大変な事例としては、例えば過疎地で腎臓病を患っている高齢者が二日に一度定期的に人工透析のために長時間通院するなどというケースでは、地域での公共交通が必須でございます。私の地元愛知では、日進市という市がございますが、こちらでも地域交通の活性化再生法の活用に熱心に取り組んでおります。
 乗り合いタクシーなどを含め、こうした交通弱者の足の確保についてどのようにお進めいただけるか、国土交通省にお伺いします。
#62
○副大臣(末松信介君) お答え申し上げます。
 高齢化が急速に進行する中で、高齢者が自家用車に依存しなくても安心して移動できるよう、公共交通を始めとする地域の移動手段を確保することは大変重要であると認識をいたしております。
 このため、国土交通省では、地域の公共交通サービスを確保するため、路線バス、コミュニティーバス、乗り合いタクシーなどの運行に対して財政的な支援を行っているところでございます。また、地域公共交通活性化再生法に基づきまして、地域の関係者が協力をしまして、地域の実情に合った移動手段を確保する取組を促進をいたしております。里見先生御指摘の乗り合いタクシーの活用につきましても、この一環として取組の推進を図っているところでございます。
 加えて、先般、地域交通や高齢者の移動特性に対して知見を有する学識者等を委員とする高齢者の移動手段の確保に関する検討会を立ち上げました。この検討会での議論を踏まえつつ、幅広い検討を進め、引き続き、自動車の運転に不安を感じる高齢者の移動手段の確保に努めてまいりたいと思います。
 以上でございます。
#63
○里見隆治君 今御答弁いただきました検討会でも具体的な、そして効果的な結論を出していただくよう是非お願いいたします。また、具体的な地域交通のシステムという意味では市町村が大きな単位となると思います。そういった意味で、都道府県任せということではなく、是非市町村ごとにきめ細かな地域ごとの対応をお願いいたします。
 次に、子ども・子育て支援についてお伺いをいたします。
 企業主導型保育については、昨年四月に制度がスタートしてちょうど一年となります。この間、実施してみて、この制度について運営主体の企業から様々なお声をいただいておりますので、そうしたお声も御紹介しながら、その運営を運営主体である企業にとって使いやすくできるよう改善をお願いしたいと思います。
 そもそも、企業主導型保育の財源が一般事業主から徴収する拠出金であることからして、もちろん保育の質を担保したというその大前提でございますが、企業にとって使い勝手を良くするというのは拠出者に理解をいただくという意味で必要なことだと思っております。
 具体的な御要望として、例えば企業主導型保育において、通常、日中はほかで保育施設を利用している従業員のお子さんについて、臨時的に夜勤、残業などの場合の利用を認めてほしいといった声をいただいております。また、企業主導型保育内の給食について、企業内の通常の社員食堂の調理場を使っての調理が可能になるようにしてほしいという声も伺っております。
 こうした点については、明らかに認められるケース、また認められないケース、またグレーゾーンと、なかなか線引きが分かりにくい、そういった中で、むしろグレーな部分は認められるような方向で柔軟に運用してほしいという御要望をいただいております。こうした御要望に対して柔軟に対応いただきたいと。この点、内閣府としてどのようにお考えでしょうか。
#64
○政府参考人(西崎文平君) 企業主導型保育事業におきましては、例えば、委員御指摘のように、ふだん認可保育所を利用している方が一時的に夜間の保育が必要となるような場合におきましては、人員配置基準や施設基準を満たした上で、一時的にその方のお子さんを預かることも可能でございまして、その場合には補助額の加算が出る仕組みとなっております。
 また、食事の提供に当たりましては、子ども・子育て支援新制度の事業所内保育事業等と同様に自園調理により提供することが原則ではございますが、一定の要件の下、食事の外部搬入を行うことも可能となっております。ただし、満三歳未満の乳幼児向けに外部より食事を搬入する場合においては、設置企業等が運営する企業主導型保育施設や社会福祉施設等からの搬入に限定させていただいているところでございます。
 企業主導型保育事業につきましては、認可保育所等と同水準の補助がなされる一方、新制度における事業所内保育や小規模保育事業の基準等を参考に実質的に同等となる基準を定めておりますので、こうした基準を遵守していただくことが必要であると考えております。
#65
○里見隆治君 やはり企業主導型ということですから、当然、他の保育施設との並びということもあろうかと思いますが、財源としては、先ほど申し上げたとおり企業の拠出金が財源であるということで、是非企業の皆さんの御意向が沿うような形で柔軟にお願いしたいと。今、時間外、臨時的に夜勤、残業などの場合は補助も対象としてというお話でしたけれども、例えば、突発的な事前の予想もしなかったような場合でも、仮に補助金がなかったとしても柔軟にと、そんな話も出ているところでございます。
 是非、内閣府におかれては、こうした個々のケースございますけれども、柔軟な対応をお願いいたします。
 次に、保育職員の処遇改善についてお伺いをします。
 昨年の十月の質疑でも、子ども・子育て支援について、自治体との連絡調整をきめ細かに行っていただきたい旨お願いをいたしました。間もなく新年度、四月を迎えますけれども、幼稚園、保育所、認定こども園などの職員の処遇改善について、予算案の上で四月から予定をされておりますけれども、現場では年度替わりに当たっていて、給与改定の事務が間に合わないなど混乱が生じるのではないか、こういった保育の現場からの心配の声が上がっております。
 地方自治体との連携を密にして処遇改善について円滑な実施に努めるべきと考えますが、内閣府としてどのようにお取り組みになられる御予定でしょうか。
#66
○政府参考人(西崎文平君) お答えいたします。
 来年度の処遇改善のうち、技能、経験を積んだ職員に対する追加的な処遇改善のための加算につきましては、キャリアアップの仕組みを構築する観点から、対象職員について発令等を行っていただき、職務手当を含む月給により賃金改善を行っていただくことなどを要件とする予定でございます。しかしながら、導入初年度である平成二十九年度の当初におきましては、対象職員への発令等の準備が整わないケースも想定されるところでございます。
 こうした中、四月時点で発令等の準備が整っていなくても四月分から加算の支給ができるようにすることを念頭に、その場合にどのような要件を必要とするかについて現在検討しているところでございます。
 いずれにいたしましても、早急にその取扱いをお示しし、保育等の現場における処遇改善が円滑に実施されるように取り組むことにより、現場で働く職員がやりがいを感じながら安心して働き続けられる職場の構築を支援してまいりたいと考えております。
#67
○里見隆治君 もう時間ですので終わりますけれども、これ、今大変現場では混乱をしておられます。そういう意味で、是非とも早急な対応を内閣府にお願いをしまして、私からの質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。
#68
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 今日は予算委員会の委嘱ということですので、一月三十一日の予算委員会で取り上げましたヤマト運輸の不払残業についてまず短く確認をしたいと思います。
 この予算委員会で、私は、ヤマト運輸の構造的な不払残業の実態を示して、厳正な対処とともに本社への立入調査を求めました。総理は、全社的に労働基準法違反がある場合、本社に対して徹底的に調査をしなければならない旨答弁をされました。労働者からの申告、またこうした国会質問を受けて、ヤマト運輸は、現在、構造的に不払残業があったことを認め、全国的な調査を始めていると報道されています。これは、全国的に労働基準法違反の不払残業があったということを意味しています。
 確認します。厚労省は本社に対して立入調査を行いましたか。
#69
○政府参考人(土屋喜久君) お答え申し上げます。
 個別の事案の件でございますのでお答えは差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論として申し上げますれば、労働基準監督機関におきましては、監督指導の結果、労働基準法等の法違反が企業全体で生じていると考えられる場合には、本社に立入検査を行うなどによりまして全社的な是正をするように指導しておりまして、今後もこうした是正指導を徹底してまいりたいと考えております。
#70
○田村智子君 これ、入ったという情報がないわけですよ。
 三月十七日付けの毎日新聞、ベテランドライバーの声を紹介してしているんですね。過去二年間にサービス残業があれば裏付けの証拠を示してほしいと言われた、過去二年を自分で調べるのは至難の業だ、タイムカードを押した後に残業することもあり、証明のしようがない、会社は残業代を支払う気がないのではないかと。非常に重大です。そもそも二年分しか遡及しないということも問題ですし、これまでの残業時間の記録や手当支給の記録を全部保管しているなんという労働者はまずいないと思いますよ。
 神奈川では労働者と事業所の協議が行われているんですが、その中で事業所側は、要件を満たさない違法な変形労働時間制、これを強弁して不払分を認めないという態度を取っていることも聞いています。この労働者は頑張って支払を求めているんですけれども、こういうやり方をやられたら、多くの労働者はまた泣き寝入りですよ。これ、元々不払残業だったものを是正する際に値切るようなことがあれば、二重の企業犯罪だと言わなければなりません。
 これは求めたいんですね。やっぱりポータブルPOSによる労働時間とタイムカードの差、この情報を事業所の側が示す、昼食休憩が取れないという実態に応じた未払の算定をどうするかを事業所の側が示す、これ、やらせなければ駄目です。
 ですから、総理の約束どおり、監督官庁が本社に立入調査を行い、きっちり是正させる、その責任があると思いますが、政務官、いかがですか。
#71
○大臣政務官(堀内詔子君) 先ほど審議官から答弁させていただきましたように、個別事業についてはお答えをこの場では差し控えさせていただきたいと思います。けれども、一般論としては、賃金不払残業など法令に違反することは決してあってはならないものと私どもも思っております。
 先ほど審議官が述べたとおり、企業全体で同様の労働基準法違反が疑われる場合は、労働基準監督機関において企業の本社に立入検査を行うなどによって全社的に改善を図るように指導させていただいております。今後とも、賃金不払残業をなくすために指導を徹底してまいりたいと存じます。
#72
○田村智子君 改めて本社への立入調査と是正指導を求めて、この問題を終わりたいと思いますので、厚労省の関係の質問は以上ですので、退席いただいて構いません。
#73
○委員長(難波奨二君) 堀内政務官、土屋審議官、御退席いただいて結構でございます。
#74
○田村智子君 次に、この数日来報道されています姫路市の認定こども園、わんずまざー保育園の問題取り上げます。
 これ、四十六人の児童を入所させていると行政に届けていながら、二十人超の直接契約によって、定員の一・五倍、約七十人の児童を受け入れ、給食は四十人分を分けて与える、保育士数は架空の人物まで入れて水増しをしていたことなどが判明し、姫路市は認定を取り消し、刑事告発をすると報じられています。これは子供の安全や命にも関わるような重大な事件なんですが、内閣府もまだ事態の詳細を把握していないということですので、また別の機会に詳しく取り上げたいと思います。
 今日は一点だけ、監査の問題を指摘しておきます。
 これだけひどい保育実態が明らかになったのは、今年二月の定期監査で不審点があったことから、約二十日後に抜き打ち監査を行い、定員超の児童を確認したと、ここが出発点なんです。しかし、保育士数の水増しなどは何で認可時点で分からなかったのか、これまでの定期監査でなぜ明らかにできなかったのかということが問われなければなりません。また、昨年一月には不適切な保育が行われているという情報が寄せられていたのに、抜き打ち監査を行うこともありませんでした。
 これは、認定こども園に対する監査が非常に不十分であったと言わざるを得ないと思いますが、内閣府の認識はいかがでしょうか。
#75
○政府参考人(西崎文平君) 子ども・子育て支援制度におきましては、施設の認可に加え、施設型給付等の支給の要件として、市町村長が施設型給付費等の支給に係る施設として確認を行うこととされております。また、市町村が行う施設型給付費等の支給の適正化を図るため、確認に係る指導監査を適切に行うよう自治体に特定教育・保育施設等指導指針をお示ししているところでございます。この確認及び指導監査におきまして、市町村は、保育所、幼稚園、認定こども園等の類型を問わず、また、保育士等が常勤であるか非常勤であるかにかかわらず、年齢別配置基準が満たされていることを審査することとなっております。
 委員御指摘のわんずまざー保育園の事案につきましては、姫路市の実地指導及び兵庫県との合同による姫路市の監査により明らかになったと承知しており、今後とも、市町村において適切に確認及び指導監査が行われるよう取り組んでまいりたいと考えております。
#76
○田村智子君 これは大臣にも伺いたいんです。
 これ、本当に重大な保育事故がいつ起きてもおかしくないような状態だったと思うんですよ。ところが、そもそも認定こども園は年一回の監査が法的に義務付けられていません。私は、昨年の委員会でも保育事故の問題取り上げて、定期監査に加えて抜き打ちの検査や巡回指導が必要だということを強調いたしました。
 スプーン一杯程度のおかずで栄養も全く足りない給食だった、食器の使い回しがあった、保育士がまともに配置されず、定員超で詰め込み保育を行っていた。これ、たとえ地方裁量型であっても、認定こども園でこういう問題が明らかになった以上、早急に認定こども園の指導監督を自治体に義務付けるということが必要だと思いますが、いかがですか。
#77
○国務大臣(加藤勝信君) 認定こども園で実施される指導監査等については、委員御承知のように、都道府県における各施設事業の認可基準充足状況のチェック、そして、施設型給付の要件を講じていることを含む適正な運営や施設型給付の支給要件に係る運営状況を市町村が確認を行う指導監督、この二つのいずれも受けることとされております。
 認定こども園については、都道府県等による立入検査については、幼保連携型認定こども園は、認定こども園法第十九条に基づく指導監査通知により、児童福祉施設が一年に一度以上実施されることに留意して、定期的かつ計画的に実施すること。保育所型認定こども園は、児童福祉法施行令第三十八条に基づき一年に一回以上実施することが義務化。幼稚園型は必要に応じて実施。地方裁量型認定こども園は、児童福祉法第五十九条に基づく認可外保育施設に対する指導監督の通知により年一回以上行うことを原則とされております。
 また、市町村による確認による指導監査については、子ども・子育て支援法第十四条、また三十八条に基づく確認に係る指導監査通知により新規施設、既存施設への指導監査が実施をされると、こういう立て付けになっております。
 それぞれ根拠とする法令等が違うわけでありますけれども、立入検査の実施については、その法令の規定に基づき各自治体において適切に実施されているものというふうに認識しております。
#78
○田村智子君 いやいや、これ適切にやられていないから、もうここまでひどい事態になって発覚しているわけですから。
 これ、また改めて取り上げますけれども、様々な保育の規制緩和の問題とか、いろんな事業所が入っていいよとか、もうチェックが抜け落ちるような事態が今広がっちゃっていることを表していると思うんですよ。また、地方裁量型の認定こども園だったら監査は努めるぐらいですからね、自治体は。それでいいのかという問題として、また引き続き取り上げていきたいというふうに思います。
 今日、本当は取り上げようと思っていたのは、やはり保育士の処遇改善の問題で、これは昨年来、その抜本的な処遇改善が必要だということはもうみんなの共通の認識になったと思います。来年度の予算の目玉にもなっている案は、これ今の質問にもありましたし、九日は自民党の岡田委員からも指摘されたように、四万円アップというこのやり方は非常に混乱を来しているわけですね。それはなぜかといえば、やっぱり現場の要望を置き去りにしたことが大きな要因だと私は認識しています。
 私、保育の関係者から何度もお話をお聞きしてきましたが、現場の要求というのは、常勤保育士の賃金単価全体が低過ぎると。加えて、国の職員配置基準が実態と乖離していて、その低い賃金単価さえも保障することが困難だと。何でここに手を付けないかということなんです。
 改めて、お示しをしました資料を見ていただきたいと思います。これ、実際にある保育園、A保育園としますが、この人員配置を公定価格に照らして比較をしたものです、実際と公定価格。ゼロ歳児八人、保育士配置の最低基準は子供三人に一人で、公定価格では二・六人。公定価格ではこの小数点以下は全部足し上げた上で四捨五入するんですけど、そんな配置は不可能ですから、実際は三人を配置しています。一歳児十二人、二歳児十二人、公定価格ではこれを合わせた配置で四・〇人。実際には、一歳児に三人、これは自治体独自の加配一人を含んでいます、二歳児には二人で、合計五人。三歳児十三人、公定価格では〇・八人、実際には一人。四歳児十五人、五歳児十四人、公定価格ではこれも合わせて〇・九人。実際にはクラスを分けて一人ずつ配置をしています。
 このA保育所では、加えてフリーで動ける保育士を一人配置しています。公定価格でも同じような位置付けでチーム保育推進加配一人というのを置けるようにしていますが、これで公定価格全部足し上げると九人。実際の配置は十二人ですから、保育士三人分の給料は保育所の持ち出しということになってしまいます。
 この児童の人数に応じた保育士配置、これだけ実態との乖離があるということをどう考えるかと。特に、年齢ごとにクラスをつくって保育士を配置する、これは子供の発達や安全を保障するために多くの保育所が当然のごとく行っていることです。なぜ公定価格で認めないのか。
 認定こども園では、既に三歳児、四歳児、五歳児はそれぞれ分けて保育集団にして公定価格を採用しています。これ改善が必要だと思いますが、いかがですか。
#79
○政府参考人(西崎文平君) 子ども・子育て支援新制度における公定価格の設定に当たりましては、人件費、事業費、管理費のそれぞれについて標準的と考えられる経費を積み上げて設定しており、そのうち人件費の額につきましては、子供の人数から各施設、事業が満たすべき職員配置基準等をベースに計算しているところでございます。
 その上で、いわゆる〇・七兆円のメニューにおきまして、三歳児に対する人員配置を十五対一により実施する場合に必要な人件費を加算によって評価するために、三歳児配置改善加算を新たに設けたほか、保育標準時間認定を受ける子供の公定価格を設定するに当たっては、保育士の勤務シフトを組みやすくするとともに、保育士の負担軽減を図るため、三時間分の非常勤保育士の人件費をプラスするなどの対応を行っているところでございます。
 なお、一歳児や四、五歳児の職員配置の改善につきましては、いわゆる〇・三兆円メニューとして整理しているところでございまして、引き続き、必要な財源を確保しながら実現に努めてまいりたいと考えております。
#80
○田村智子君 資料の一番右の欄を見てほしいんですけど、これ、A保育園の児童数で認定こども園の公定価格にした場合どうなるかというのを試算したんですよ。そうすると、これ十一人になりますので、実態に近づくわけですよ。保育所の公定価格では九人、認定こども園で試算すれば十一人、この格差は説明が付かないと思いますよ。
 これ、児童数に対する保育士配置の最低基準の見直しも必要だという声は現場に物すごくありますが、せめて、すぐにできることとして、保育所と認定こども園の職員配置基準の格差、これはなくすべきです。それから、小数点を全部足し上げてから四捨五入するんじゃなくて、年齢区分ごとにちゃんと繰り上げる、せめてそれぐらいの改善、これすぐにやるべきだと思いますが、大臣、いかがですか。
#81
○国務大臣(加藤勝信君) 議員から資料をいただいておりますけれども、子ども・子育て支援制度における公定価格の設定に当たっては、各施設に求められる基準に対応して設定をしておるところでありまして、基準が共通……(発言する者あり)いや、基準が共通する部分については幼稚園、保育所と認定こども園の間で公定価格に差を設けないという方針の下でこれまでも設定をしているところであります。
 議員御指摘のように、一号認定こども園と二、三号認定こども園、これは同時に受け入れる施設が認定こども園でありますから、幼稚園由来の加算と保育所由来の加算の両方が算定可能になっているという特殊性があることは確かでありますけれども、幼稚園由来の加算は本来、一号認定の子供さん、保育所由来の加算は二、三号認定の子供さんに対する給付として反映されているところでありまして、基本的には差がないのではないかというふうに考えております。
 したがって、ただ、委員御指摘のように、全体としての充実を図っていくということに対しては、今、〇・三兆円分についてもまだ手が付いていないところもございます。それらを含めて、予算をしっかり確保しながらその充実に努力をしていかなければならないと考えております。
#82
○田村智子君 もうこれ、現場が繰り返し求めている改善なんですよね。そのことに対しては応えないわけですよ。
 それで、やろうとしているその給料アップ、これ中身見てみますと、おおむね七年の経験を経た常勤職員のうち三分の一を副主任と任命することができ、そのうち二分の一は必ず月額四万円給与を上げなくては駄目だ、こういう制度だと。多くの保育所では、主任等の職務手当は一万円程度で、園長も同様だと思います。これでは、まず副主任が園長や主任の給与を上回ることになってしまうと。内閣府はこの指摘を受けて、じゃ、四万円アップ対象の職員のうち二分の一は六千円以上アップすればいいよと、残りの分はほかの職員の給与に充てていいよということも言っています。しかしこれ、園長の給与には充てられないんですね。小規模の保育園など、本当に園長さん御苦労されているんですけど、これ、変な格差が生まれてしまうわけですよ。こういう賃金体系にしてしまって現場が混乱している。
 加えて、ちょっともう指摘をしてしまいますけれども、しかも、二〇一八年度以降は、副主任は計六十時間の研修を受けることで他の保育所に移っても資格のように扱うというのが政府の案です。しかし、副主任全員が四万円加算されるわけではなくて、同じ研修受けて同じ副主任として発令されるのに、誰かは四万円、誰かは六千円と、これもう同一労働同一賃金でさえもないわけですよ。
 先日、全国の保育関係者が現場の実態を踏まえた処遇改善の要請行動を行いました。そのときに都内の施設長さん、こう言われました。月四万円アップというのは大変大きい、園の中から二人選ばなきゃいけない、誰をその対象にするのか本当に悩んでいる、これでは保育士の中に分断を持ち込み、職場の人間関係を崩しかねない、今回の政府案には怒りさえも感じると、こう言われているわけです。
 もうこれ過渡期ですから、来年度についてはちょっと柔軟な対応を考えてほしいんです。丸めて渡して、使い方は考えていいよと。それで、再来年度はもっと現場の声を踏まえたまともな処遇改善やってほしいと思いますが、大臣、いかがですか。
#83
○国務大臣(加藤勝信君) まず一点、園長とその他の保育士との賃金の水準でありますけれども、これ、公定価格においても実態面においてもかなりの差があるというふうに我々は認識をしておりまして、そういった意味において、園長に関しては今回の加算の対象にしていないと、こういうことであります。
 それから、今御指摘がありました今回の制度でありますけれども、これも基本的に、保育士の方の場合はもう五年未満で離職するという方が非常に多いということがあります。そういったことを踏まえながら、やはりキャリアアップの仕組みというもの、キャリアが上がっていくに従って賃金が上がっていくという仕組みをつくっていく、これが必要だと、こういうことで、対象者の選定等、今御指摘のように、現場にはいろいろ御負担を掛けることにもなりますけれども、保育士の方々が長く働き続け得る、こういう職場環境を整備すると、そういった観点でこの仕組みは重要であるというふうに考えております。
 また、いろいろ原則論ございますけれども、基本的には各園の事情等を勘案して柔軟に配分できるような仕組みとする予定でありますし、また、先般もこの委員会において、現場において様々な問題を抱えているというお話の指摘もございました。我々としても、キャリアアップの仕組みが円滑に構築されるようできる限りの支援はしていきたいと、こういうふうに考えております。
#84
○田村智子君 これ、一番困っちゃっているのは、年功序列型で長く働けるように、本当に、長く働けば賃金がアップしていくということを頑張ってやってきた保育園で一番矛盾が起きちゃうんですよ。長く働いている保育士さんいっぱいいるのに、その中から二人選ばなきゃいけないと、どうするんだという問題になってしまっているんですね。
 もう率直に申し上げて、月四万円アップって聞けば、ああ、安倍政権頑張っているなと、そんな印象を与えるような政策を取っていたら駄目ですよ。現場が処遇改善で何を求めているのかと。今言った職員配置の問題、それから延長保育や土曜保育が正しく評価されていない、必要な人が配置されていない、研修とか年休とかこんなことも考慮されていない、この職員配置をどうするんだ、ここを本格的にやっぱりやっていかなければ処遇改善につながっていかないと、このことを強く申し上げて、質問を終わります。
#85
○清水貴之君 日本維新の会の清水貴之です。どうぞよろしくお願いいたします。
 今日は二つのテーマで質問を用意しておりまして、ちょっと順番を変えて、最初、ライドシェアの方から質問をさせていただきたいと思います。
 ライドシェア、今世界的に見ますと、アメリカのウーバー社のような仕組みがかなり急速に広がってきています。じゃ、日本はどう対応していくのかということなんですが、このライドシェアに関して日本の対応、政府の考え、現状ではどうなっているんでしょうか。
#86
○政府参考人(早川治君) お答えいたします。
 国土交通省といたしましては、自動車による旅客の運送において、安全、安心の確保が最重要の課題と認識をしております。
 自家用車を用いましたいわゆるライドシェアにつきましては、運行管理や車両整備等について責任を負う主体を置かないままに自家用車のドライバーのみが運送責任を負う形態を前提といたしております。このような形態の旅客運送を有償で行うことにつきましては、安全の確保、利用者の保護等の観点から問題があり、極めて慎重な検討が必要と考えております。
#87
○清水貴之君 今のは政府の考え方ということでよろしいでしょうか。国土交通省の考え方なのか。
 というのも、政府の規制改革推進会議では、このライドシェア、解禁に向けて検討を進めていくと、法整備もしようというような流れも起きてきているというふうに聞いています。この辺りはいかがでしょうか。政府の考え方ですか。
#88
○国務大臣(山本幸三君) 規制改革推進会議では、需給の構造変化を踏まえた移動・輸送サービス活性化のための環境整備について、事業者からの要望を踏まえて検討は行っておるところであります。
 なお、議員御指摘の一般のドライバーが料金を取って自家用車で利用者を送迎するいわゆるライドシェアについては議論を行っていないと承知しております。
 また、規制改革推進会議は委員主導による会議であるため、今後そうしたライドシェアの検討を行うかどうかについては私どもとしてはお答えする立場にはありません。
#89
○清水貴之君 その一方で、現在、一部では、国家戦略特区などでは、過疎地ではという限定が付いているということなんですけれども、実際こういう有償運送も行われているというふうに聞いています。これは今どういった現状で、効果なり、何というんですかね、どういう認識でいるんでしょうか。
#90
○国務大臣(山本幸三君) これは、昨年の国家戦略特区法の改正で、限定的に、そうした業者がいないところ等について、行政当局なりあるいはNPO法人なんかが責任を持って、そうした業者なんかとのまた調整も踏まえた上で、やむを得ないという場合にはそういうものを認めると、限定的に認めているところであります。したがって、そのことが大きな問題を起こすことになるというふうには承知しておりません。むしろ、どうしても観光上必要なことで、しかもちゃんと管理をしてやることにしているということであります。
#91
○清水貴之君 現状は限定的で、特区でやっているわけですけれども、話を聞きますと、非常に利用実績もあって、その地域からは助かるという声が聞かれているということなんですね。ということは、特区でやってみて、もし、いいと、これがいいというのはほかの地域でも活用できる可能性があるわけですね。ということは、広がっていく可能性が十分にあるということですか、このやり方が。
#92
○国務大臣(山本幸三君) そこは、先ほども国交省の方からお話がありましたように、まさに安全性を誰が確保するのかとか、あるいは事業者等の関係とかそういうことがありますので、そう簡単な話ではないというふうに理解しております。
#93
○清水貴之君 これ、国交省にお聞きしたいんですが、済みません、事前にこれは具体的な会社とかは出していなかったんですが、相乗りサービスでnottecoというのもあります。それは御存じだと思います。これも相乗りサービスですね。ただ、実費以上の利益を取るのは違法になるため、利用者は遠方に行く場合に相乗りをすると、実費ですね、ガソリン代とか高速代を相互に負担しようという、こういうサービスを提供しているところがあるわけですね。これは、今の法の中であったりとかその体制の中だったら問題はないわけですか。
#94
○政府参考人(早川治君) お答えいたします。
 委員御指摘ありましたように、そのnottecoの現在のサービスにおきましては、要するに、例えば一定の場所に行く予定のある方が相乗りをする人をマッチングしてもらって、相乗りをしたときに、例えばガソリン代であるとか駐車料金であるとか高速代であるとか、そういう運行する上で避けられないような料金を分割するというようなサービスになっているというふうに承知しておりまして、そういう実費の負担するという範囲内においては現行法上問題はないものと考えております。
#95
○清水貴之君 ただ、これは、もう有償かどうかの違いであって、知らない者同士が乗り合わせたりする中で、最初におっしゃった、僕もそこは大事だと思うんですが、安全性の担保とかというものはこの仕組みでは大丈夫だというふうにはならないですよね。この仕組みであっても、有償のサービス、ウーバーのサービスと一緒で、安全性というのはもちろんしっかりと担保されなければいけないわけですけれども、ウーバーはしっかり慎重な検討で、nottecoは、今、まあまあいいですよと、もう今の法体系では問題ないですという、この辺りというのがどうも僕の中で何かすっきりとしない部分があるんですけれども、どういう整理をしているんでしょうか。安全性という部分においてです。
#96
○政府参考人(早川治君) お答えいたします。
 現在、旅客自動車運送事業につきましては、有償で、自動車を使用して需要に応じて旅客の運送をする事業につきまして道路運送事業として、それらについては相当の安全確保措置を講じていただくということを取っておるわけでございます。まさに、そういう形での旅客というのはやはり安全確保ということに対する期待というものもございますし、輸送の安全を保護する、安全措置を十分に講じるということが必要というふうに考えております。
 いわゆる実費の範囲内、要するに業として行っているものではない相乗りということは、これは恐らく一般にも行われているものでございまして、その点についてまで現行の道路運送法で規制をしているものではないということでございます。
#97
○清水貴之君 もう一点お聞きしたいのが、こういうウーバー社のようなサービス、GPSを使っているやつです。私も一回中国で利用して、大丈夫かなと思ったんですけれども、しっかりと、中国でもと言ったら中国に失礼ですけれども、かなり進んでいて、みんな本当に日常的に使っていたりするわけですね。そうすると、車がどこにいて、誰がどう動いていてというのは全部今管理をされている中ですから、そこで様々な情報が得られるということだそうです。
 これから、先ほども自動運転の話ありましたけれども、自動運転などがどんどんどんどん進んでいく中で、そこで得られる情報というのは非常に貴重な情報になると。そういった面では、日本は今のところ、現状ではこのサービスは全体的には取り入れていないわけですから情報収集という意味では遅れが生じてしまうのではないかというふうにも思うんですが、そこはどのように考えますか。
#98
○政府参考人(山脇良雄君) お答えいたします。
 御指摘の自動運転の関連で、道路上の状況を適切に把握して最適な走行制御を行うというために、周辺の車両でありますとか歩行者の動きを把握するということとともに、事故、渋滞、交通規制などいわゆる御指摘の交通情報を有効に活用していくことが必要だと考えております。
 道路上で時間とともに変化していくような情報の利活用というものは、三次元の高精度のデジタル地図情報とともに、関係者が協調してその技術の確立をしていかなければいけないということで、現在研究開発を行っているところでございます。内閣府の戦略的イノベーション創造プログラムにおきまして、産学官連携による自動運転の研究開発の一環といたしまして、道路上のどこで、いつ、何が起きているのかというものを自動走行車が把握できるように、デジタル地図情報の上に交通情報を組み合わせたダイナミックマップというものの開発ということを進めております。
 このような形で、高度な自動運転の実現とともに、事故の低減でありますとか交通環境の改善、新たなサービスの創出ということも期待されているところでありますので、交通情報の利活用も含めて、関係省庁と連携して引き続き積極的に取り組んでいきたいと考えておるところでございます。
#99
○清水貴之君 最初に国土交通省から答弁あったとおり、やっぱり利用者の安全性を確保するというのは、これはもう一番重要なことだと思います。その一方で、今、特区でも進んでいるように、必要なところにサービスを提供するというのも、これはこれで大切なことだと思うんですね。
 私、危惧しているのは、やはり現状とその法整備などがうまく追い付いていないといいますか乖離する、民泊とかまさにそうだったと思うんですけれども、どんどんどんどん広がって、もう違法民泊、ちゃんと許可を取っていない民泊が何万件もあるのに、実際はみんながそこを利用して、でも、というようなことがもう現状、今も起きていて、徐々に法整備は進んでいますけれども。このライドシェアに関しても、しっかりとその辺りというのをルールを作っていかないと、そこに入っていこうとする人にとっても利用者にとっても様々混乱を生むと思いますので、その辺りは、大臣、特に見ていきながら、バランス取りながら進めていただきたいというふうに思います。
 続いて、外国人労働者の受入れについてお聞きをしたいと思います。
 今、少子高齢化、労働力人口がどんどんどんどん減少していく中で、様々な分野で外国人労働者の受入れというのを進めていこうとする中で、日本人の現在の労働者とのこれもバランスですよね、外国人が入ってくることによって今働いている方々の職が奪われるようなことがあっては、これは本末転倒なわけですし、かといって、じゃ、必要なところだけ外国の方にお願いするというのも、何かこれもいいとこ取りをしているように思いますし、この辺というのが非常に、加藤大臣、難しいような感じを受けているんですが、どのように考えていらっしゃいますでしょうか。
#100
○国務大臣(加藤勝信君) 外国人労働者受入れの基本的な考え方は、もう委員御承知のように、我が国の経済社会の更なる活性化を図っていくという観点から、いわゆる高度専門人材、専門的、技術的分野において外国人労働者の就業を積極的にこれは推進に努めているところでありますし、また、そうした就労を目的として日本に入国する外国人については、原則日本人との同等報酬を確保することなど、日本の賃金等に対する影響が生じないようこれは配慮されているというふうに承知をしております。
 他方、いわゆる専門的、技術的分野とは評価されない分野の外国人の受入れについては、ニーズの把握や経済的効果の検証だけではなくて、御指摘の日本人への雇用への影響、産業構造への影響、あるいは教育、社会保障等の社会的コスト、治安など幅広い観点から国民的コンセンサスを踏まえつつ検討すべき問題であるというふうに位置付け、そうした立場を取っているところであります。
 今、ちょうど働き方改革実現会議においても、この問題も含めて議論させていただき、三月末の実行計画に今申し上げたような趣旨で取りまとめていきたいと考えております。
#101
○清水貴之君 今おっしゃった専門的、技術的ではない分野に関してですけれども、皆さんも感じていらっしゃると思いますけれども、今、本当に都市部では、特にコンビニであったりとか飲食店に行きますと、ほとんど夜などはもう外国の方が働いてというような現状が起きているわけですね。
 そういう労働に、法の中で、ルールの中で就業している分には私は問題ないと思うんですけれども、今、特に外国人の留学生の方などがそういった分野で働いていることが多いかと思うんですが、週二十八時間というルールがあります。もちろん、留学生ですから、勉強するために来ているわけですから、それをオーバーするような、もう仕事だけして勉強しないというのはこれは本末転倒なわけですから、これは認められないと、この考え方は非常によく分かります。
 じゃ、実際、本当に二十八時間という枠の中で皆さんアルバイトをしているのか、それを超えて、言ってみたら法のルールを破って働いている人たちはいないのか、この辺をしっかり見ていくべきだと思うんですが、どう対応しているんでしょうか。
#102
○政府参考人(佐々木聖子君) 今の御質問に関しまして、入国管理局といたしましては、留学生の個々の資格外活動の状況につきまして、厚生労働省から提供される外国人雇用状況届出により、雇用主やあるいは雇用開始時期等を把握することは可能になっています。ただし、就労時間を自動的に把握するような仕組みとはなってございません。
 そのため、私どもも問題意識を持ってございまして、現在、外国人雇用状況届出の情報を活用して、留学生の資格外活動状況について実態を把握するための調査を行っています。また、日本語教育機関におきまして在籍管理等が適切に行われているかどうかを確認するための調査も行っているところでございます。
 今後、これらの調査結果も踏まえまして、留学生に対する入国・在留審査に係る審査方針について検討いたしまして、週二十八時間を超えてアルバイトを行い、今まさに御指摘のように在留活動の主従が逆転をするようなことがないように努めてまいりたいと考えております。
#103
○清水貴之君 この二十八時間という枠に関して、九州などからはもう少し延ばしてくれないか、三十六時間ぐらいまで広げてくれないか、特区として認めてくれないかと、こういった要望が出ているというふうに聞いています。これに対しては、政府としてはどのような認識でしょうか。
#104
○国務大臣(山本幸三君) 国家戦略特区におきまして、北九州市から、昨年七月の集中受付期間及び九月の区域会議におきまして、留学生の資格外活動許可の規制緩和に関する提案をいただいております。
 ただ、これは労働力として搾取をというような話では全くなくて、大きなスポーツ大会を開いたようなときに、大規模な国際大会、そういうときに留学生に是非活躍してもらいたいと。特に、英語とかだけじゃなくて、タイ語とかインドネシア語とか、通常の通訳のいない方たちもいますので、せっかく留学してきている学生たちにその期間だけ手伝ってもらいたいと、通訳とあるいはおもてなしというところで活躍してもらいたいと、そういうことであります。
 これは、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック大会を前にして、いろんな大規模国際大会、その関連イベント、あるいは練習のための催しとかそういうことをやったときに是非留学生等に活躍してもらいたいということで、そのときの就労時間の規制緩和を提案しているものと、そういうふうに理解しております。
 いただいた提案に対しましては内閣府が関係省庁と折衝を行っておりますが、法務省から個別の許可を取ればそれはできるという話があるんですが、その個別の許可を一々取っていると、聞くところによりますと大体二か月ぐらい申請してから掛かっちゃうというようなことで、ちょっと現実的ではないところもありまして、引き続き今調整をしているところであります。
#105
○清水貴之君 もちろん、今足りていない労働力の分野、単純労働の分野でサポートをしてもらっているところもあると思いますが、一方で、やはり、先ほども答えていただきましたけれども、ちゃんと二十八時間という枠があって、国費の留学生などにはもう日本からも多額の、これはもう百億円を超えるお金が入っているわけですね。勉強してください、日本をもっと知ってくださいという思いで日本のお金を使って来てもらっている人たちが勉強せずに働いてばっかりというのは、これはやはり僕は違っていると思いますので、恐らく大分把握するのは難しいとは思うんですが、しっかりと把握をして対応していただきたいというふうに思います。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
#106
○矢田わか子君 民進党・新緑風会の矢田わか子です。
 今日は、内閣委員会が対象とする政策と予算、多岐にわたっておりますが、特に、国民が納めた税が有効に使われ、それが国民にきちんと還元されているかどうかという視点、さらには、女性や障害者など働く人を増やし、それによって個人や法人がより多くの税を納めることができる体制の整備、こんな観点に立って質問させていただきたいと思います。
 その前に、私たちが納めた税金が適正に使われ、また国の財産が適正に管理されているかどうかという視点に立つと、どうしても今話題の森友学園問題に触れざるを得ません。済みませんが、第一問だけ国家公安委員長に質問させていただきます。
 現在、予算委員会を始めとする国会審議において大きく取り上げられているこの問題、あしたはいよいよ証人喚問ということになりますけれども、今現在も様々な疑念が浮かび上がっております。
 まず第一には、小学校設立に関する大阪府への認可申請、国への補助金申請における私文書偽造の疑い。二つ目には、幼稚園の補助金申請における不正請求の疑い。また三つ目には、寄附金募集において、事もあろうか安倍総理大臣の名前を勝手に使ったという詐欺罪の疑い。こうしたことについて、既に大阪府は偽計業務妨害容疑で刑事告訴の準備をされておりますとお聞きしております。捜査機関は、告訴を待つのではなく、任意捜査に入られてもおかしくない状況にあるのではないかと思います。
 国家公安委員長として、一般論としてで結構ですが、このような事件が明らかになった場合に今後どのように捜査を進めていかれるのか、教えていただけますか。
#107
○国務大臣(松本純君) 特定の行為が特定の犯罪に該当するか否かにつきましては、具体的な事実関係に即して判断されるべきものでありますが、一般論として申し上げれば、警察は、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、法と証拠に基づき適切に処理をしていくものと承知をしているところでございます。
#108
○矢田わか子君 明日の証人喚問もありますけれども、是非ともこうした場合を想定してきちんとした捜査をお願いしたいなというふうに思います。
 引き続きまして、高齢者の交通事故対策の強化について伺います。ちょっと里見委員とも重なりますので、割愛しながらお話をしたいと思います。
 昨年の一年間で交通事故による、発生から二十四時間以内に亡くなった方、三千九百四人ということで、六十七年ぶりに四千人を下回ったという集計結果が発表されております。しかしながら、多くの負傷者や三十日以内の死亡者の数を考えると、更なる交通安全対策の強化が必要だと思われます。
 政府は第十次交通安全基本計画において、平成三十二年までに二十四時間交通事故死亡者を二千五百人以下とするとされておりますが、特に今後は、今まで話をしてきた高齢者の運転、特に高齢者の運転による事故の防止、それから運送業における運転手が過労によって引き起こす事故などにも対策を打っていかなければいけないというふうに思います。
 資料一に高齢者の死亡事故の件数と構成比のグラフを示しましたので参考に見ていただきたいと思います。高齢者の運転による事故対策、まず高齢者自らが自覚し、家族の勧めで免許証の自主返納というのが有効でありますが、これは資料二に示しておりますとおり、増加をしている傾向にあります。
 そして、七十歳からの免許更新時に高齢者の講習が行われ、七十五歳以上については認知機能検査が実施され、さらに認知症が分かった場合の免許証の取消し措置の強化が今月から行われています。さらに、年齢を区切った免許証の強制返上を含め、踏み込んだ対策も必要であるという主張もあります。
 警察庁として、今後の検討方針とともに、一方で高齢者の方々、交通手段として大変困られるということもありますので、その対策も含めてお答えをいただければと思います。
#109
○政府参考人(井上剛志君) お答えいたします。
 高齢運転者の交通事故情勢は厳しく、また今後、高齢の運転免許保有者の一層の増加が見込まれており、高齢運転者の交通事故防止対策は喫緊の課題であると認識いたしております。
 こうした中、三月十二日に施行されました改正道路交通法により、認知機能が低下しているおそれのある高齢運転者をよりタイムリーに把握し、医師の診断や所要の講習を受けていただく制度が導入されたところでございます。また、昨年十一月の関係閣僚会議における総理の御指示を踏まえ、現在、警察庁において有識者会議を開催するなど、関係府省と連携しながら更なる対策について検討しているところでございます。
 今後、関係機関、団体等と更なる連携を図り、新制度を適切に運用するとともに、自動ブレーキ等の先進安全技術の普及啓発を含め、高齢運転者の交通事故防止対策に向けた取組を推進してまいります。
 さらに、お尋ねの免許証の自主返納は、あくまでも運転者の自主性を尊重するものであり、警察としては、加齢等で運転に不安のある方が自主返納しやすい環境を整備することや、自主返納や行政処分によって運転免許を失うこととなる高齢者の移動手段を確保することは極めて重要であると認識しております。このため、自主返納制度の周知に努めるとともに、運転に不安を感じる高齢運転者やその家族等からの相談を受ける体制の充実を図っているところでございます。
 また、国土交通省を始めとする関係省庁や自治体に働きかけ、地域ごとの実態に応じた持続可能な地域公共交通網の形成や、自主返納した方に対する公共交通機関の運賃割引等の支援措置の充実に努めており、引き続き関係省庁や自治体と連携してこうした取組を推進してまいる所存でございます。
#110
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 交通事故から身を守る、あるいは日常生活において犯罪に遭うことなく安全に安心して暮らせるということは、市民の納税意識を高める大きな条件となります。どうか警察庁においては、犯罪防止とともに、この交通事故を減らすということに引き続き御尽力をお願い申し上げたいと思います。
 続いて、自動運転システムへの期待と対策についてお伺いしたかったんですが、先ほど里見委員、そして清水委員からもこの件触れられましたので、私の方からは、これ二〇二五年には完全自動運行システムを実現するというめども立っておりますので、ここに向けて更なる加速した基準ルール作りの整備をお願い申し上げ、質問の方は控えさせていただきたいと思います。
 続いて、一億総活躍社会づくり、保育士の確保のことについて触れたいと思います。
 今、もう待機児童の問題、大変深刻な状態になっております。先週の予算委員会でも触れさせていただきましたが、まず、この保育士の問題については、来年度の予算において、先ほど田村委員からもありましたとおり、保育士の処遇の改善策を打ち出されたという、その打ち出されたことについては評価ができるというふうに思っております。ただ、それが本当に、今、保育士資格を持つと言われて、しかも保育士をやっていない七十万人がもう一度働きに出るという施策につながっているのかということだというふうに認識をしております。
 まず、保育士、待機児童を解消するためにもたくさんの保育士の方々に働きに出ていただかなければいけないんですが、その有効な施策の一つとしては、働きに出る前にまずは離職させないということにも焦点を絞らなければいけないと思います。
 資料三にあるように、実は保育士の離職率は年間一〇%を超えております。そのうち三年未満の離職者が三〇%、五年未満に辞める人は五〇%、半分は五年までに辞めると、そういう実態になっております。
 その原因なんですけれども、やはり若い保育士の方々の給与が極端に低いという実態、そして労働負荷が大きいということではないかと思います。子供への安全面の配慮、長時間の時間外労働が課せられ、そして仕事を続けるのに困難を覚えて離職するケースが増えている。やはり、この保育士の方々の働き方改善をしていかなければいけないというふうに思います。
 私の知り合いにも保育士、若い二十代の保育士が結婚されたんですけれども、今子育てをしながらおうちに入っていらっしゃる。もう一度続けますかと聞いても、あの過酷な現場になかなか戻っていけない、しかも自分の子供を預ける先がないというふうな声をお聞きしております。
 是非、この新人の保育士の方々の処遇改善、仕事の軽減化などによって、続けていきたいという気持ちを誘発する、そんな施策をお願いしたいと思いますが、御見解をお願いいたします。
#111
○政府参考人(吉本明子君) お答え申し上げます。
 保育の担い手となります保育人材を確保するためには、処遇改善に取り組みますとともに、就業継続を支援すること、また新規の資格の取得促進、それから離職者の再就職、いろいろな面から取り組んでいく必要があるというふうに考えております。
 処遇改善につきましては、来年度、全職員につきまして二%、新人の方も含めて月額約六千円改善をするとともに、技能、経験に応じたキャリアアップの仕組みといたしまして、経験年数おおむね七年以上の中堅職員については月額四万円、また経験年数がおおむね三年以上の職員に対しては月額五千円ということで、若手の保育士の方も対象とした処遇改善となっているところでございます。
 さらに、就業継続を図っていくために、保育士の方々の業務負担を軽減するために、一つは、保育補助者の雇い上げ支援を行っておりますとともに、保育園でのICT化を推進するために、様々な作業の業務を効率化するための必要なシステムの購入費の補助なども行っているところでございます。
#112
○矢田わか子君 処遇改善、ほぼ七千九百億を投じられるということでもありますので、是非ともやっぱり現場で当事者たちが何を求めているのかというお声を聞いた処遇改善をお願いしたいと思います。
 二つ目に、保育士の子供の優先入園について少し触れたいと思います。
 多分賛否両論あると思いますが、やっぱり、保育士さんの子供を、自分の子供を見ながら家にいるよりも、外に出て働いて、自分の子供も連れて保育園に行き、ほかの子供も一緒に見るというような、何か一つ突破口を開くような施策を打っていかなければ、なかなか大きな確保につながらないのじゃないかと思いますが、そうした政策について政府はどうお考えでしょうか。
#113
○政府参考人(吉本明子君) 保育士の子供が保育園を利用する際のことにつきましてですが、各自治体で利用調整を行う場合に保育園を優先利用できるようにということで自治体宛てに通知をしております。また、保育士が子供を保育園に預ける際の保育料の貸付けなども実施しているところでございます。
#114
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 保育政策を進めるということは、働きたい人に働いてもらえる、そういうことの場を広げていくということでもありますし、最終的には、労働人口を増やす、労働人口増えるということは納税者を増やすということでもあります。納税者が増えた結果として行政サービスが更に充実する、その好循環をやっぱり回していかなければならない。そういう意味でも、先行投資という意味合いを含めて、是非とも予算措置を含め前進した取組をお願いしたいというふうに思います。
 続いて次は、その延長にありますいわゆる放課後児童クラブ、学童保育について触れたいと思います。
 保育園の保育ニーズ、増加しておりますが、この先には学童保育の問題も出てきております。資料四に学童保育の児童数、児童クラブの数、そして利用できなかった、待機している学童クラブの児童の数の推移を表しました。今、学童保育の数、百九万人、児童クラブの数も二万三千六百十九か所、そして待機学童児童も一・七万人にまで上っております。
 この課題に対して政府は、学童保育と放課後子供クラブ、一体化、連携に向けた取組を想定されております。政府は、今、一億総活躍プランにおいては、平成三十一年度までに学童保育三十万人の追加的な受皿の整備を進め、全小学校区に当たる約二万か所で学童とそして放課後子供教室を連携して事業を実施し、その半分に当たる一万か所で一体として事業運営をするというふうにされております。
 しかしながら、この学童保育と放課後子供教室、ちょっと混乱するんですけど、この二つは実は全くニーズが違っております。この違いを資料五に整理をさせていただきました。左側がいわゆる学童保育、右側が放課後子供教室です。学童保育なら、当然お母さんがいないのでお預かりをする保育の事業、そして右側が文科省が管轄している、どちらかというと、お母さんがいるけれども遊びたい子供たちを受け入れる事業というふうに御理解をいただければと思います。
 いつでも家に帰れば保護者がいておやつも食事もあるこの子供教室に来ている子供たちと、夜遅くまでお母さんが家に戻れない子供たちは、やっぱり求めるものが違ってきます。学童の子供たちは、当然、夜遅くまでいなければいけないということですので、おなかもすいてくるのでおやつも必要であります。仲間や指導員の方々と一緒におしゃべりしたり遊んだりしながら過ごす時間というのは、子供の心身の健全な発達のためにも必要とされています。
 また、指摘されているのは、学童保育と子供教室の一体運営に伴って、もう大勢の子供たちが一気にその教室の中に入ってきますので、小学校一年の子から小学校六年生の子というと体格も全く違う中にあって、踏み潰されるんじゃないかというふうな、そういう危険度、狭いところで動き回ることの危険度も増してくるというふうに言われております。
 政府としてもこの一体化運営については是非再検討する必要性があるというふうに思いますけれども、御見解を伺えますか。
#115
○政府参考人(吉本明子君) 今ほど御指摘のありました放課後子ども総合プラン、平成二十六年の七月に策定したわけでございますが、文科省とともに、共働き家庭等のいわゆる小一の壁を打破するということとともに、やはり全ての児童が放課後を安全、安心に過ごし、また多様な体験活動を行うことができるようにしていくという趣旨でこの一体型を進めるということで取り組んでいるところでございます。
 ただいま御指摘ありましたように、一体型として実施する場合でありましても、両事業それぞれ、放課後児童クラブであればその設備、運営等に対する基準が定まっておりますので、そうしたものを踏まえ、それぞれの機能を維持しながら取り組むといったことが原則だというふうに考えております。
 このため、一体型の実施に当たりましても、市町村が条例で定める基準の遵守を求めるとともに、放課後児童クラブ運営指針におきましては、一体型として実施する場合を含めまして、児童一人一人の状態を把握しながら支援がなされるように、児童に関する育成支援の目標や計画の作成、また日々の児童の状況、育成支援の内容の記録などに取り組むべき旨を示しているところでございます。
 こうした趣旨につきましては、各自治体の担当者、現場職員にも全国会議等を通じて周知をしているところでございます。
#116
○矢田わか子君 実際に学童保育で預けられている親御さんからも様々な不安の声も出てきております。一体運営を進めていかれる過程において、やはり現実的な声をまた、これまた保護者の方々、それから学童の指導員含めて拾い上げていただき、柔軟な対応の変更も含めて取組をされていただきますようお願いを申し上げたいと思います。
 学童保育につきましては、一方で、様々な運営形態があるというふうに思います。現在、公立公営が三七%、公立民営は四五%、民立民営が一八%とされています。特に民営のクラブについては、NPO法人が運営をしたり、実は保護者が今も運営に関わっているところも多く残っています。これはやはり財政的にも運営が厳しいところが多いという結果でもあります。
 今、この学童保育は、経験等に応じた職員の処遇改善、業務負担軽減対策を進めるというふうに方針としては出されていますが、国としてもやっぱり学童に対して、これはもう絶対にやってくる課題なわけです。今、保育、待機児童がたくさんいる中で、その子たちが成長していけば、当然のことながら今度は学童保育員になっていく、こういうことを含めて、今、三分の一しか国として財政支援しておりませんけれども、この辺りの改善も含めて御検討をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#117
○政府参考人(吉本明子君) 放課後児童クラブへの財政支援についてでございますけれども、待機児童が発生している市町村につきましては新規整備の国庫補助率を引き上げまして、公立の場合は三分の一のところを三分の二、また民立の場合は九分の二のところを二分の一というような形で補助を厚くしております。
 また、処遇改善も、ただいま御指摘ありましたけれども、それに加えまして、基本的な運営費に対する補助基本額と申しておりますが、それにつきましても増額を図るということで、児童四十人の場合には現在三百七十四万ほどのところを四百三十万に増額するといったようなこともただいま来年度予算案に盛り込んでいるところでございます。
#118
○矢田わか子君 徐々にしか改善できないのかもしれませんが、是非ともニーズをつかんでいただき、早期に対策を打つという視点でお取組をお願いしたいというふうに思います。
 続きまして、子供の貧困対策の充実について触れさせていただきます。
 これまた、子供の貧困というと、もう国民の皆さんもかなり関心の高い課題になっているかと思います。相対的貧困率一六・三%という実態、あるいは食事をきちんと食べていない子供に関するレポートなども出ており、社会的な認知も高まっており、また、自治体や地域のボランティア、NPOなどによって様々な取組も始まっております。
 内閣府としては、実態調査やモデル事業の費用などを補助する地域子供の未来応援交付金を自治体に交付する予算措置をとってこられましたが、残念ながら、昨年度二十四億に対して一〇%、二・四億円に交付金の金額がとどまったということも報告されております。実際に交付された県は十二都道府県、そして五十三市町村にとどまっているということでありますが、なぜこれほどまでにこうした交付金の支給が広がらなかったのか、原因と対策について教えていただければと思います。
#119
○国務大臣(加藤勝信君) 委員御指摘のように、子供の貧困対策、今、民間でも子供食堂、居場所づくり、様々な対応が展開されております。本当にそうした環境にある子供さんに対して必要な支援を国、都道府県、市町村、そしてさらには民間、連携してしっかり対応していきたいと、そういう思いの中で、この平成二十七年度補正で子供の未来応援交付金というのを予算で二十四億措置をさせていただきました。
 今委員御指摘のように、六十五自治体に対して約二億四千万の交付決定が行われているところでありますけれども、予算規模の約一割ということで、十分な活用がなされていないというふうに考えております。
 この背景においては、自治体における子供の貧困対策がまだスタートしたということでなかなか交付金を申請するまでの準備に至らなかったということと、この交付金の事業そのものが、実態調査をまずしていただいて、それから計画というものを練っていただいて、さらにNPOとの連携体制を整備し、その上で先行的なモデル事業ということで段階的に実施するということになっていたものですから、それが自治体にとって負担になっている、またさらに、最初の実態調査においてもどういうことをやればいいのかなかなか分かりにくかったと、こういうことが原因だと思っております。
 そういった意味で、昨年の九月においては、まず段階的な事業実施を求めずにネットワークを形成する、あるいは先行的なモデルをしていただける、こういうふうにもいたしました。また、実態調査を進めるに当たっては、こういったやり方がありますよという一つの例示を示すなど、より活用していただけるような対応を取ったところでございまして、現在、そうしたこともあって、本交付金に対して多くの自治体からの問合せをいただいているところでございますので、平成二十八年度補正でも十億円の交付金が計上されておりますので、しっかりこの活用を図って、地域における子供の貧困対策を進めていけるよう努力をしていきたいと思います。
#120
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 現実的な支援策としては、やっぱりNPOとか地域ボランティアによって有名になりました子供食堂、これ全国に今三百ほど開かれているというデータもありますが、そういう場が開かれたり、学習支援、居場所づくりなども行われていますが、いずれにしても皆さん資金面で困難があるというふうに報告されております。
 これらの活動に対する直接的な支援、予算措置が求められている中において、現在、国民運動の一環として子供の未来応援基金の活動があります。こうしたNPOなどへの直接的な援助が行われるというふうなことですけれども、やはり民間の善意だけでは限度があると思います。企業のそういうことに対する支援をしたいという方々と結び付けるマッチングの活動が中心だというふうにお聞きしておりますけれども、それだけでは限度がありますので、国と自治体が連携してそれぞれの事業を後押しすることが重要となってくると思いますが、御見解を伺えますか。
#121
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど申し上げた、こうした子供の貧困対策を推進するというのは私どもも同じ立場でございます。
 その中で、民間の資金によって創設された子供の未来応援基金、これはマッチングというよりも、これ自体は直接NPOの支援等に使わせていただいておりますけれども、それのみならず、また先ほどの子供の未来応援交付金以外にも、生活困窮者自立支援法に基づく自治体の行う学習支援に対する補助、あるいは一人親家庭の子供の生活、学習を支援するために自治体がNPO等に委託して実施する、居場所づくりを支援するひとり親家庭等生活向上事業、あるいは地域未来塾、様々な施策を展開をしているところでありまして、こうした施策とも相まって、それから民間の様々な活動とも一緒に相まって、先ほど申し上げたように、本当に必要な子供さんに対して必要な支援が届けるように、しっかりと施策の充実を図っていきたいと思っております。
#122
○矢田わか子君 加藤大臣、ありがとうございます。
 直接真水が子供に落ちる、必要な物資や食品、それから学術用品が直接本当に子供の手に渡る、そういうことを進めていくために、例えば今の時代だと電子マネーの活用、電子マネーを発行して、それはそれにしか使えないというふうなことの取組もできると思いますし、是非とも加速したお取組をお願い申し上げます。
 そして、トータルとして、こうした少子化対策とか女性活躍、政府も肝煎りで様々な政策を打ち出されてきているんですけれども、こうしたことに対する予算が、この予算書を見させていただくと子育て支援充実に九千百六十億円ということで、大変残念なことに、総予算九十七・五兆に対しては一%にも満たないという、そういう現実もあります。徐々にしかできないのかもしれませんが、是非とも、子供やそうしたことに対して未来に対する投資という受け止め方をして、予算の更なる大きな配分をまたお願いしたいというふうに思います。加藤大臣、何かコメントをお願いします。
#123
○国務大臣(加藤勝信君) 子供の貧困も含めて、未来を担う子供さんに対する教育とか様々な対応、これは我々としても大変必要だというふうに考えております。
 ただ、御指摘のように財源ということがございますけれども、財源をしっかり見付け出しながら、こうした施策の充実に引き続き努力をしていきたいと思います。
#124
○矢田わか子君 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
 続いて、一億総活躍の視点から、次に障害者の就労促進についてお伺いをしていきます。
 二〇一三年四月から障害者総合支援法が施行され、また、去年の四月からは改正障害者雇用促進法、障害者差別解消法が施行されております。これによって障害者の雇用対策が大きく前進することが期待されております。
 近年の障害者のまず雇用の実態について、特徴的な傾向があれば教えていただけますか。
#125
○政府参考人(大西康之君) 近年の障害者雇用の状況について御説明させていただきたいと思います。
 障害者の雇用数につきましては、最近着実に伸びてきておりまして、過去最高を更新しておるというところでございます。特に最近は精神障害者の方の雇用数が大きく伸びてきているという、こういった状況にあるわけでございます。ただ一方で、こうした方々の中には、就職しても職場環境になじめないといったことから、職場の定着に課題を抱えていらっしゃる方もいらっしゃるわけでございます。
 厚生労働省といたしましては、こうした就職準備から職場定着まで一貫した支援をハローワークを通じて行っているところでございます。また、就業面と生活面の一体的な相談支援を行う障害者就業・生活支援センターの体制の拡充も併せて行っているところでございます。
 また、委員御指摘ございました、昨年改正されて施行されました障害者雇用促進法に基づきまして、企業に対して雇用する障害者への差別禁止や合理的配慮、こういったものの義務をお願いしておるわけでございます。これにつきましては、国といたしましても、マニュアルを作成したりしてしっかりと周知を行っているところでございます。
 以上のような取組で、今後とも、障害のある方が能力を発揮して働き続けると、そういった環境の整備を進めてまいりたいと考えておるところでございます。
#126
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 障害者雇用の全体の数字、改善の方向を示しております。障害者がどのような就労をし、その職場に定着していくのかを個別に見ていくと、ただ様々な課題があるというふうに思います。
 先月、私も神奈川にある就労事業所を見てまいりました。一般的に企業で経験を積まれた高齢者の方々が治工具を作って、障害者の方が働きやすい環境を整えながらそういう就労支援をしているという、そういう現場でございました。
 資料六に就労移行支援事業における状況についてお示しをしております。この就労支援事業において、一般就労への移行者とその定着率に大きな差が出ているという、そのグラフということにもなっております。一般就労への移行率が二〇%以上の事業所の割合は、平成二十七年四月で四六・九%であるのに対し、一方で移行率がゼロの事業所も、この黄色いところです。ずっとこれ固定化しているように見えますが、三割以上あります。
 まさに、これには様々な要因があると思いますが、実績を上げている、特に定着支援に基づく実績を上げている事業所に関しては、先ほどもお話ししたとおり、見てきた施設では物づくりの経験を生かした方々の直接指導や、物づくり現場だけじゃなくて、例えば清掃サービスだとか、その方々に合うようなものを一定期間を経てローテーションしながら体験させ、どこに適性があるのかを見極めたり、若しくは勤続年数に合わせて、就労が定着すればその施設でもってお顔も掲げながら表彰すると、勤続表彰するというふうなこと等で士気高揚を図るような、そんな取組までされております。
 そういうところについてはよりやはりインセンティブを与え、実績のない事業所には逆に指導員の研修を始め積極的な指導の強化をする必要があるというふうに思います。
 予算の有効活用という面からも、特にこの黄色いところ、実績が出ていない事業所をどのように改善するのかという政策を含め、今後の雇用促進についての御見解をお聞かせください。
#127
○政府参考人(堀江裕君) 委員御指摘のとおり、この就労移行支援事業所、これは分かりやすく申し上げますと、障害者の方に対しまして就労のための訓練等を行う福祉サービスの事業所でございまして、直近では全国に三千二百三十九か所ございまして、約三万二千人の方が利用していただいているところでございますが、一年間におきます一般就労への移行率が二〇%以上の事業所の割合が増加し、約五〇%ある一方で、移行率がゼロ%という事業所の割合が三割程度ということで推移しております。
 こうした状況について、以前から是正を、少しずつ強化しているところでございまして、平成二十七年度に障害者福祉サービスの報酬改定を行いまして、その取組を、何というんですか、今実績が上がっているところをより応援する形で、それから実績の上がらないところには少し我慢をいただくような形での改定を行ってございまして、具体的には、一般就労への移行実績がない事業所に対する基本報酬を、大体一日八千四十円ぐらいのものを六千八百円ぐらいに一五%減算するというような仕組みを創設いたしますとともに、逆に一般就労移行後の定着支援の実績がある事業所に加算を行うというようなことで、課題となる格差についての縮小が少しずつですが出ておるところでございまして、委員のお示しいただいたものは平成二十六年度の実績でございますけれども、二十七年度も少しずつでございますけれども改善されてございます。
 厚生労働省では、そのほかに、移行実績が低い事業所について重点的な指導を行うように、昨年、各都道府県に通知しておりますし、また、去る三月八日に開催されました全国都道府県の障害福祉関係の課長会議におきましても重点指導の実施を依頼しているところでございます。
 平成三十年度にはサービスの報酬改定がございます。そうした際に、報酬体系の見直し、そして就労支援員などの人材を育成したり一般就労への移行支援のノウハウを共有する、このようなことを通じながら更なる是正に努めてまいりたいと考えてございます。
#128
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 障害者の方は日本に一千万人いらっしゃる。そのうち就労している人はまだたった五%にすぎません。是非とも、障害者の方々が一般就労し、一般的な水準の給与を得ていくことは、当然、社会の一員として自立が促され、福祉を受ける人から納税をする立場に変われるということでもあります。そういう観点からも、お取組の一層の強化をお願い申し上げたいと思います。
 続きまして、性暴力被害者支援策の強化についてお伺いをしていきたいと思います。
 今回、新たに予算の中に性犯罪被害を受けた方々に対する支援促進交付金として一億六千三百万円の予算が計上されました。
 一方、性暴力被害においては、被害者が適切な措置が受けられる機関にすぐに駆け込めるかどうかが大きなポイントだと言われております。大阪府では、病院拠点型の性犯罪・性暴力被害者のワンストップ支援センターというものが平成二十年四月に開設をしております。被害者の心情に配慮した相談や診療、証拠物の採取、保管など、一貫した対応が求められます。このようなワンストップ支援センターについては、施設や人材の確保、専門家の育成、そして病院との連携体制の整備など多くの課題が横たわっていますが、被害者の救済は最優先課題であります。
 国連の基準では二十万人に一か所を推奨されているというような例を鑑みれば、まだまだ日本には拠点数も少ない、各都道府県に一か所というふうな目標も立てられておりますけれども、今後とも予算を拡大し、全国に広げるということについて求めていきたいと思いますが、御見解をお願いします。
#129
○国務大臣(加藤勝信君) 女性に対する性犯罪、性暴力、これはまさに女性の人権を著しく踏みにじるものでありますし、許されない行為であると、こういう認識を共有するとともに、加害者への厳正な対処とともに被害者の方の支援が極めて重要でありますし、特に心身の負担を軽減するために、被害直後、できるだけ早期に相談を受け、医療的な支援、心理的な支援などを可能な限り一か所でやっていく。そういう意味で、第四次男女共同参画計画において、平成三十二年までにワンストップ支援センターを各都道府県最低一か所という一応目標を立てて、現在、三十六都道府県において設置をされているところであります。
 今回の御審議いただいている予算案においては、これまでの実証的調査研究に替えまして、性犯罪・性暴力被害者支援交付金という形にいたしまして、これまでであれば一回しかできないものを恒常的にできるようにする、対象を拡大するといったことで都道府県の負担について財政的に支援をすることにしております。
 まずはワンストップ支援センター各都道府県一か所ということを、早期実現に向けて、そしてその安定的な運営を図っていきたいと思っておりますし、また、被害者支援の更なる充実には引き続き努めていきたいと考えております。
#130
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 性暴力被害を受けた女性の方々、恐怖と屈辱と混乱の中で、誰にも話せない、言えない、そういうことでずっと一人で悩んでいらっしゃる。このとき、できるだけ早く医療的なケア、精神的なケアをしてあげることが必要だと思います。是非とも、今回、刑法も改正されて、強姦罪が強制性交等罪というふうなことに変わっていきますので、こうした対策の強化を改めてお願いを申し上げ、この質問は終わりたいと思います。よろしくお願いします。
 それでは、ちょっと質問の中身をがらっと変えまして、宇宙政策について鶴保大臣にお伺いをしていきたいというふうに思います。
 宇宙開発は、様々な技術開発、科学技術の発展を促し、また様々な産業に新たな供給と需要をもたらすものであります。昨年、宇宙二法の改正も成し遂げられました。中でも、この準天頂衛星による位置サービスの充実、今一号機ということで「みちびき」が打ち上げられたということですが、本年中に二号機、三号機、四号機まで打ち上げられる予定であります。全体の予算としても来年度百五十二億六千三百万も計上されております。これが成功すれば、センチメートル単位で居場所がきちんと明確に分かるということに加えて、建設や農業分野でのサービス、それから、交通網においては船舶や航空機の安全運航等々、様々な活用分野が広がります。
 是非とも、この四機体制のシステムを一日も早く運用に乗せていただきたいというふうに思います。私が出身の電機産業でも今技術者が精いっぱい努力をし続けているということでもありますので、政府としても予定どおり運用ができるよう尽力をお願い申し上げたいと思いますが、御見解をいただけますか。
#131
○国務大臣(鶴保庸介君) 委員御指摘のとおり、今年中に今の一機体制から三機を打ち上げまして、再来年度からは四機体制によるサービス開始を目指して準備をしておるところであります。四機ということになりますと、ほぼセンチメーターレベルでの精密な位置情報等が得られることになりまして、新たなビジネスの創出等にも貢献していくことが期待されております。
 昨晩も、こうしたことを前提に、これから宇宙ビジネス、こういう準天頂衛星を始め様々な衛星を使った宇宙ビジネスにどういう可能性があるかということについてのマッチングのサービスというか、マッチングのコンソーシアムのようなものを立ち上げさせていただき、いろんな宇宙分野での可能性を探る機会を得ることができました。
 今後、引き続き、こうした予定どおりの衛星を打ち上げ、サービスの開始後に、準天頂衛星から、またそれ以外からも測位信号を多くの方が円滑に利用できるような、そういう状況をつくってまいりたいというふうに考えております。
#132
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 将来的には持続測位が可能となる七機体制を目指されるということで、総トータルの投資額一千七百億円にも及ぶということですが、やり方次第では国際競争力にも打ち勝つ日本の新しい売り物にもなるというふうに思います。新しいビジネスの創設によって成長戦略、真の成長戦略につなげるということも含めたお取組の強化を是非ともお願い申し上げたいと思います。
 最後の質問になります。竹島、尖閣諸島について少し触れさせていただきたいと思います。
 先日、実は各国会議員の事務所に韓国の大学の名誉教授から竹島の占有権に関する小冊子が配付されております。御存じでしょうか。歴史の資料から日本の領有権の主張に反論する内容でありました。
 現在、我が国は、主として北方領土、竹島、尖閣諸島の三つの領有権、主権の問題を抱えております。北方領土については、歴史的経緯はある程度国民に理解されていますし、私の出身の連合からも毎年根室で行われているイベントに一千人以上が参加をし、もう二十七年これ続いていますので、三万人ほどが北方領土の返還を要求する集会に参加をしているという実績もあります。
 しかしながら、この竹島や尖閣諸島の問題は、複雑な歴史的な経過があるためか、日本では国民の理解が余り得られていないのではないかというふうに思います。内閣府の予算としても、この予算書を見ると、沖縄と北方領土は、領土問題ということで約十六億円計上されておりますが、竹島、尖閣についてはここにはほとんど記載もないような状況です。お調べをすると一・二億ほど予定をされているということなんですが、これは去年から、教科書を見れば、教科書に竹島と尖閣について少し掲載をされているというふうなことも認識をしているんですが、もう少し国民の理解を得るための広報活動等も推進していくべきだと思いますけれども、御見解をお伺いできますか。
#133
○国務大臣(松本純君) 我が国の領土、主権を取り巻く情勢がますます厳しくなっていく中で、竹島問題及び尖閣諸島をめぐる情勢について、我が国の立場に関する正確な理解が広く国民に浸透するよう、政府全体で発信を一層強化することが重要な課題であると認識をしております。
 このため、内閣官房では、関係府省と連携し、史料や史実に基づく領土、主権に関する啓発活動として、防衛省との連携事業や学校教育を通じた啓発事業、また地下鉄との連携事業などに努めてきているところでございます。
 今後とも、国内外におきまして、竹島及び尖閣諸島は我が国固有の領土であるという我が国の立場が一層浸透していくよう、引き続き発信を強化してまいりたいと存じます。
#134
○矢田わか子君 ありがとうございました。
 沖縄政策、北方対策は鶴保大臣、この竹島、尖閣は今、松本大臣ということなんですが、日本の固有の領土ということの捉え方をすれば、もう今はちょっと分けているようなことではないのではないかという感じもしますので、是非とも外交問題含めたお取組の強化をお願いしたいと思います。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
#135
○山本太郎君 自由党共同代表、山本太郎でございます。自由・社民の会派、希望の会を代表して質問いたします。
 内閣府が事業規模目標二十一兆円を目指すというPPP、PFIについて、水道法を絡めながらお聞きします。
 まず、石原大臣に、冒頭少し短めに基本的なことをお聞きしたいと思います。あくまでもこれは確認です。国がPPP、PFIを地方に強制するようなことはないですよね。
#136
○国務大臣(石原伸晃君) 山本委員にお答えいたします。
 委員の御指摘は、骨太の方針二〇一五に基づいて地方に要請をした案件につきまして、それが強制であるか、それとも任意であるかという御質問だとお聞きしたところでございますけれども、これはもう委員御指摘のとおり、地方自治法に基づくいわゆる技術的な助言でありまして、地方公共団体に対して国の側から強制力を持って行うものではなく、地方公共団体の自主的な判断に依存するものであるというふうに御理解をいただければと思います。
#137
○山本太郎君 ありがとうございます。
 人間が生きる上で一番必要なものは何なんだろうって考えたときに、まず空気だと思うんですね。空気がなきゃ生きていけない。先日の予算委員会で麻生大臣に対しまして、人間が生きる上で二番目に必要なものは何ですかとお聞きしました。普通に考えれば水ですよね。大臣のお答えは、オリジナルと思われるすてきなポエムをしあさっての方向から披露していただくことで終わりました。
 なぜ私が事前通告までした上でこのような質問をさせていただいたのかということなんですけれども、資料の一ですね、もうこれはすごく有名な話ですけれども、二〇一三年、麻生大臣は、アメリカのシンクタンク、CSISで日本の水道についてこう御発言をされましたと。この水道は全て国営若しくは市営、町営でできていて、こういったものを全て民営化します。これ、国内で国民に対しての丁寧な説明もしないまま海外の場で勝手にこのような発言をなさる気が知れないんですよ。
 これに対して、麻生大臣がそれに対しての答弁といいますか、このことに対しての言い訳といいますか、民営化を考える中の一環として、一つの案として申し上げたとおっしゃっているんですけれども、いや、どう考えてもフルスイングで民営化するってCSISでおっしゃっていますよという話だと思うんですよ。
 水道は大臣の所有物ではありません。水道というインフラはこの国に生きる人々の財産、人が生きる上で絶対的に必要な水、水道法に関する法律、水道法にも、水道が国民の日常生活に直結し、その健康を守るために欠くことのできないものであると書かれています。水道法は憲法二十五条、生存権とつながる法体系ということでよろしいでしょうか、教えてください。
#138
○副大臣(古屋範子君) 委員御指摘のとおり、水道法は、憲法第二十五条に言う「すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進」を実現するための法律体系の一環として位置付けられているものでございます。
#139
○山本太郎君 生存権とつながる法体系が水道法であるということが分かりました。
 命と直結する水は、水道は私たちにとってのライフラインである。それを安全、安定供給するという公共性の高さから、これまで民間が運営、経営することはなじまないとされ、それに掛かる費用は税金と利用料金により支えられてきた。
 多国籍政策グループ、トランスナショナルインスティテュートの調べでは、この三十年以上、国際金融機関や各国政府は民営化とPPPを強引に推進してきたが、今や水道事業の再公営化の方が政策的選択肢として定着する趨勢にあると。水道を民営化した世界の国々で再公営化、元のやり方に戻す流れが主流になりつつある。
 民営化を進める上で一体何が問題になったか。利益、利潤追求が第一になった。利益が再投資されない。海外事例では売上げの一五から四〇%が株式配当及び企業内部留保に回される。コスト削減で雇用や安全、水質に問題が生じる。公的金融を多用し、受託企業からの資金投入は少ない。コストリカバリーによる値上げ、不払者へのサービス停止、もうかる産業に水が集中する。例えば、水の供給は自給農業から商業型農業に、農村から都市富裕層や工業部門に移っていくと。情報非公開、契約に絡む汚職などなど。世界では、民営化された水道がこの十五年間で再公営化、事例は三十五か国、少なくとも百八十件に上る。例えば、フランスだけでも五十以上の市が民間事業者との運営契約を解除するか又は不更新の決定をしていると。
 お配りの資料二、代表的な都市が挙がっていると思います。先進国もたくさん含まれております。ベルリン、アトランタ、インディアナポリス、カナダのハミルトン、ブダペスト、ブエノスアイレス、クアラルンプールなどなどが再公営化をしていったと。一方、同じ時期に水道事業を民営化した大都市はほんの数えるほど。日本では世界とは逆の流れに進みつつあります。
 お聞きします。水道法改正、PFI、コンセッションを採用することによって、今まで水道事業でできなかった何が可能になるでしょうか。
#140
○政府参考人(北島智子君) 現行の水道法では、コンセッション方式により水道事業運営を行う場合、経営主体は地方公共団体以外の運営権者、コンセッション事業者となるため、事業を引き継ぐコンセッション事業者が水道事業の認可を取得するとともに、当該地方自治体は事業の廃止許可の手続を行うことが必要でございます。
 今般の水道法改正では、地方自治体が水道事業者等としての位置付けを維持したまま、PFI法に基づき、条例で定めた範囲でコンセッション事業者に水道料金の収受を始め、水道施設の運営等に関する企画、水道施設の更新等を担わせることが可能となります。
#141
○山本太郎君 運営権の売却をするよという話ですから、数々のことができるようになっていくということなんですね。
 これ、民間が運営主体になった場合、民間が水道料金決められますかという話なんですけど。
#142
○政府参考人(北島智子君) コンセッション方式における水道施設の利用料金につきましては、PFI法に基づき、地方公共団体が事前に利用料金の上限や範囲を条例によって定め、その範囲内でコンセッション事業者が利用料金を設定し、徴収することとされております。
 このため、コンセッション事業者が一方的にその範囲を超えて利用料金を高くすることはないと考えております。
#143
○山本太郎君 そうなるといいですね。
 水道、かなり老朽化してきているというお話はもう皆さん御存じのことだと思います。その水道管、浄水設備等を法定耐用年数で更新した場合、総更新費用は約五十九兆円ぐらいになるんじゃないかというような試算もございます。
 コンセッション導入、民間が入ることで、じゃ、今より水道料金が上がりますか。
#144
○政府参考人(北島智子君) ただいま申し上げましたとおり、地方公共団体が条例によって定めた範囲内で料金を定めることとされておりますので、コンセッション事業者が一方的にその範囲を超えて利用料金を高くすることはないと考えております。
#145
○山本太郎君 前回、予算委員会で聞いたときよりも随分警戒した答えになっていますね。今の水道料金よりも高くなることは考えにくいという予算委員会ではお答えを多分いただいていると思うんですよね。随分気を付けて御発言なさっていると思うんです。
 ええ、そうなんですよ。決めた幅以上にはならないよ、どうして、条例で決めているからねという話なんですよ。その条例、誰が定めるんですかって。全国それぞれの市区町村ですって。企業側との話合いになったときに、これひっくり返ることってないのかなって。それぐらいの交渉能力を市区町村みんなが持っているかって話だと思うんですよね。
 水道事業の始まりから五十年以上たつところも多くあり、今後、老朽化による設備更新に費用が掛かると。そこに民間が運営、経営に参入してきて、今の水道料金よりも高くなることは考えにくいという答弁自体はすごく適当だなというふうに感じてしまう。老朽化による設備更新など、これら費用、当然料金に上乗せされてきますよね。どうやってそれ以外に回収する方法ありますか。
 料金上げられないなら、インフラなどの設備も適当になります。その幅に見合わない、条例で決められた幅に見合わない料金、もっと上げていかなきゃこれ続けられないねという話になったら、撤退されちゃうんじゃないですか。民間企業は慈善事業ではないと。民間企業の目的は株主に対する配当を最大限にすることですから。だからこそ、公共性の高い水道事業は民営とはなじまないと。公共のサービスとしてここまで来た。
 民営化された水道事業者は、地域独占という事業の性格上、地方公共団体に対して強力な交渉力を有することになりませんか。そのため、契約の途中に、事業者にとって有利な契約内容に変更を求められることや契約の解除や契約の不更新などのリスクも出てきますよね。
 資料の三、厚労省の水道ビジョンの二って書いてある部分見ていただくと、水道事業というのは深刻化している、何が、人材不足についてということが書かれいていると思います。
 PFI、水道では事業期間まだ決まっていないそうなんですね。水道以外のコンセッションでの事業期間はって聞くと、六年から四十四年ぐらいだよって、ほかのコンセッションで決まっていったものですね、それぐらいの期間だそうです。公務員の派遣も初期段階に限ってするというお話を聞いています。初期段階の期間ってどれぐらいなんですか。
#146
○政府参考人(木下茂君) お答えいたします。
 PFI法による公務員派遣制度につきましては、不必要に派遣期間が長期にわたることのないよう、派遣を事業の初期段階に限定することとしておりまして、具体的には、一人当たりの派遣期間は三年以内とし、事業全体での派遣期間も最大で五年程度を想定しております。
 以上でございます。
#147
○山本太郎君 三年とか五年とか、五年って今おっしゃいましたね。これ、五年って何なんだってことですけれども、公務員派遣できるよって。これ、どういう意味を持つかといったら、引継ぎの期間なんですよ。
 三年とか五年、これ、時期が過ぎると技術やデータなどの蓄積どこに移りますかって、民に移るんですよ。それ以降、公的な部分から技術やデータなどの蓄積、すっぽり抜け落ちませんか。後継者は民によって育てられる。そのノウハウも蓄積も商業ベースに乗って公共性が犠牲になるおそれがある。
 先日の予算委員会で、海外の水メジャーなどが日本に参入するんじゃないですかという私の問いに対して、麻生大臣は、そんな技術ないです、ほかの国にそんな高い技術はないですからと一蹴された。でも、既に進めているものを見たら、きっちり技術やノウハウを引継ぎまでお手伝いする仕組みになっているじゃないですか。そればかりでなく、実際には既に下水道事業では、フランスのヴェオリアが運営交渉権手に入れていますよね。日本でですよ。麻生大臣、答弁適当過ぎませんか。ごまかしているのか知らないのか、どっちかですよね、これ。
 民間は参入するのも撤退するのも当然自由ですよ。利用者の都合によってビジネスとして論理を優先させる。株主の利益など経済的効率が優先され、事業から撤退することもあるでしょう。そのときに蓄積が奪われた状態、失われた状態をどうリカバーしますか。だからこそ、世界では民営化された水道が再公営化に進んでいるわけですよ。水道事業は国が責任を持って果たすべき安全保障の一つじゃないですか。
 国連の広報センター、ホームページには水道民営化の問題点が指摘されていまして、そこを抜粋すると、契約を受注し、事業を開始してしまえば、民間企業は人員と維持費を削減したり、料金を引き上げたり、あるいは、その両方により収益を上げようとすると指摘なさっている。これ、国連だけじゃないですよね。世界銀行までPPP、PFIに否定的なコメントを出している。これはもう皆さん御存じのとおりです。
 これ、私、全てのPPP、PFIが悪いとは言わない。実際、官民連携がうまくいっている部分もあるでしょう。というよりも、水道の事業でも検針の事業であったりとかメーターを見るということにはもう民間が入ってきているわけですから。しかし、余りにも広げ過ぎじゃないかなと思うんですよ。
 今後、より一層力を入れていく、開放することが、資料の四、これ、あくまでも目次の部分なんですけどね、PPP、PFIの事例集にある。上から見ていっても随分広げるんだなって。事務庁舎、公営住宅・宿舎、小中学校、給食センター。施設系は分かりますよ、管理するとかというのは。でも小中学校、これ入ってきたらどうなるだろうと、給食センター入ってきたらどうなるだろうと。アメリカでこれ民営化されたりとかした部分のひょっとして二の舞になっていったりとかすることないのかなって。何よりもこのやっぱり上下水道というか、特に水道という部分に関してはライフラインなので非常に心配なんですよね。
 水のようなライフラインは、運営、維持管理、人の育成など、その技術やノウハウが公的な部分に蓄積されていくことが国の責任だと思うんですよ。地方自治体の公的資産に国が触手を伸ばし、PPP、PFIを通じて民間にアシストするんじゃないかという動きが地方自治体宛ての二つの通知と一つの法案から読み取れます。
 一つ目の通知、資料の五、平成二十六年四月、国は地方に対して通知を出しました。公共施設等総合管理計画を作れという通知。簡単に言うと、どんな公共施設持っているのか、その維持費、管理費、幾ら掛かるか、補修費、更新費、幾ら掛かるのか計算しいや、今後に備えなさいよというもの。これを策定した自治体に対して、策定費用の助成や除却、老朽化して使えなくなった施設などの廃棄に取りかかる費用なんかについて地方債を発行して調達できるようにルールを変えているんですよね。ちゃんと前向きに取り組んでもらえるようにあめも用意したわけです。
 二つ目の通知、資料の六、平成二十七年十二月、人口二十万人以上の地方自治体に優先的検討規程の策定、運用を求める通知を出します。建設費を含む総事業費が十億円以上か、運営だけで単年度一億円以上掛かる事業で利用料金を徴収する公共施設が対象になると。これらにPPP、PFIの導入を従来型手法に優先して検討するための手続及び基準等を定める優先的検討規程の策定、運用を求める通知。
 要するに、どういうことなんですかって。一つ目の通知、公共施設等総合管理計画でPPP、PFI事業の対象となる施設の整理を地方自治体にさせる。これは先々どうなるかといったら、民間業者にとって商品の載ったメニューやパンフレットの役割につながるわけですよね。二つ目の通知、優先的検討規程策定で、従来型ではなく、優先的にPPP、PFIを進められるよう基準等を定めさせ、運用できるようにさせたと。自治体が導入しない場合には、その旨及び評価の内容をネット上で公表しなさいという話になっている。これ何なんですか。やりたくないんだったらやりたくないでいいじゃないですか。ネット上で公表しなきゃいけないんですって。これ、国の方針に忠実に従っているか否かをインターネットを通じて外部から検証可能にするためでしょうか。
 そして、国交委員会で継続審議になっている一つの法案が国の地方介入をより一層強固なものにしていく気がします。自民党、公明党より第百九十回国会に提出されて継続審議になっている官民連携事業の推進に関する法律案。この法案、いわゆる官民連携、PPP、PFIを強力に推進するため、地方公共団体に様々な責務、義務を負わせようとしている。
 資料の七です。囲いをしてあるところ、条文ちょっと見てみたいと思います。十一条、民間業者に対してPPP、PFIについての提案を積極的に求めなければならない。どうして、強制されることじゃないですよね。十六条、民間事業者からのPPP、PFIに関する相談に応じる体制を整備しなければならない。どうして窓口つくらなきゃいけないんですか。十八条、PPP、PFIの推進を妨げるような規制の撤廃又は緩和を速やかに進めなければならないって、これ、すごいこと書いていませんか。これ、先ほどの地方自治法に基づいてというお話とは真逆だと思うんですけど。
 結局、これは法的根拠を持って、地方自治体の責務、義務としてPPP、PFIの手法を優先的に検討しろということを求めるものになっている。これ、事実上の強制じゃないですか。もう地方分権とか地方自治なんということは神話の世界に入っていきますよ、こんなことをやっちゃったらという話なんですよね。これ、一体何のためにやっているんですかって、企業のもうけのためなら何でも差し出す気なのかって疑ってしまいますよって。
 先ほども言ったとおり、全てのPPP、PFIが悪だとは言いません。アウトソーシングする部分、そしてしてはいけない部分の線引き、しっかり議論されているようには見受けられないですよ。その中で先ほどのような法案まで準備されている。不安しかないです。特に水のようなライフラインについては、運営、維持管理、人の育成など、その技術、ノウハウが公的な部分に蓄積されていかないことには。憲法二十五条の法体系の中にある水道法なんでしょう。みんなの権利ですよ、安全な水、安定した水を供給してもらえるということが。
 世界から見れば周回遅れですよ。不健全な官民事業の在り方、時代遅れじゃないかって。新自由主義の最先端にこの国を引きずり込むことはやめていただきたい。非常に危険な法案も待機していると言っても過言ではないと思います。
 山本大臣、これって、本当に今のようなPPP、PFIの方向性、地方創生、地方の活性化につながると本気で思われますか。
#148
○国務大臣(山本幸三君) 地方創生の推進のため、地方の仕事が人を呼び、人が仕事を呼び込む好循環を確立し、それを支える町に活力を取り戻していくことは重要であると考えております。時代に合った町づくりのためには、人口減少を踏まえた老朽化した公共施設等の集約化、再編や地域活性化のための資産の有効活用といった観点からの公共施設、公的不動産の利活用が求められているところであります。
 その際、民間の資金や創意工夫を活用し、効率的かつ効果的に公共サービスを提供できるPPP、PFIは新たなビジネス機会の拡大による地域経済好循環の実現や公的負担の抑制を図ることができる有効な手法と考えております。例えば、岩手県紫波町における図書館等を整備したオガールプロジェクトにおいては、PPP、PFI事業を活用し民間投資の誘導が図られたことにより、二百人の新規雇用創出、周辺エリアで四百人の人口増加につながったと承知しております。
 地方創生の観点からは、今後ともPPP、PFIの取組を推進してまいりたいと思っております。
#149
○山本太郎君 済みません、上手に朗読はしていただいたんですけれども、お答えになっていない。
 是非これ、内閣府としても厚労省としても関係することですから、これ皆さんでPFIの在り方、PPPの在り方というのをもう一度考え直していただきたいと申しまして、質問を終わらせていただきます。
#150
○委員長(難波奨二君) 以上をもちまして、平成二十九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、皇室費、国会所管、会計検査院所管、内閣所管並びに内閣府所管のうち沖縄関係経費及び消費者委員会関係経費を除く内閣本府、地方創生推進事務局、知的財産戦略推進事務局、宇宙開発戦略推進事務局、子ども・子育て本部、総合海洋政策推進事務局、国際平和協力本部、日本学術会議、官民人材交流センター、宮内庁、警察庁、個人情報保護委員会についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#151
○委員長(難波奨二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時散会
ソース: 国立国会図書館
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