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2017/05/11 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 内閣委員会 第8号
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2017/05/11 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 内閣委員会 第8号

#1
第193回国会 内閣委員会 第8号
平成二十九年五月十一日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     藤末 健三君     矢田わか子君
 四月二十六日
    辞任         補欠選任
     今井絵理子君     野上浩太郎君
     清水 貴之君     室井 邦彦君
 四月二十七日
    辞任         補欠選任
     室井 邦彦君     清水 貴之君
 五月十日
    辞任         補欠選任
     野上浩太郎君     小野田紀美君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         難波 奨二君
    理 事
                上月 良祐君
                高野光二郎君
                相原久美子君
                西田 実仁君
    委 員
                有村 治子君
                石井 準一君
                江島  潔君
                小野田紀美君
                岡田 直樹君
                岡田  広君
                山東 昭子君
                豊田 俊郎君
                和田 政宗君
                神本美恵子君
                矢田わか子君
                里見 隆治君
                田村 智子君
                清水 貴之君
                山本 太郎君
   国務大臣
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    松本  純君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(クール
       ジャパン戦略、
       知的財産戦略、
       科学技術政策、
       宇宙政策))   鶴保 庸介君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革、地方創生)
       )        山本 幸三君
       国務大臣     丸川 珠代君
       国務大臣     加藤 勝信君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  野上浩太郎君
   副大臣
       厚生労働副大臣  古屋 範子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤田 昌三君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       横田 真二君
       内閣官房働き方
       改革実現推進室
       次長       小林 洋司君
       内閣官房内閣人
       事局人事政策統
       括官       三輪 和夫君
       内閣官房特定複
       合観光施設区域
       整備推進本部事
       務局審議官    徳永  崇君
       人事院事務総局
       給与局長     古屋 浩明君
       内閣府日本学術
       会議事務局長   駒形 健一君
       警察庁生活安全
       局長       山下 史雄君
       警察庁警備局長  松本 光弘君
       総務大臣官房審
       議官       宮地  毅君
       消防庁審議官   猿渡 知之君
       法務大臣官房審
       議官       佐々木聖子君
       文部科学大臣官
       房審議官     白間竜一郎君
       スポーツ庁審議
       官        木村 徹也君
       文化庁文化部長  永山 裕二君
       厚生労働大臣官
       房審議官     土屋 喜久君
       厚生労働大臣官
       房審議官     藤澤 勝博君
       厚生労働大臣官
       房審議官     坂口  卓君
       厚生労働大臣官
       房審議官     諏訪園健司君
       厚生労働省職業
       安定局派遣・有
       期労働対策部長  鈴木英二郎君
       国土交通大臣官
       房技術審議官   潮崎 俊也君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○内閣の重要政策及び警察等に関する調査
 (警察によるテロ対策の拡充に関する件)
 (国家戦略特別区域の区域計画の認定に関する
 件)
 (日本学術会議の意義及び今後の役割に関する
 件)
 (ユニバーサルデザイン二〇二〇行動計画の基
 本的な考え方に関する件)
 (働き方改革における同一労働同一賃金の在り
 方に関する件)
 (北朝鮮のミサイル発射時における全国瞬時警
 報システム等による対応に関する件)
 (東京オリンピック競技大会・東京パラリンピ
 ック競技大会開催国としての生活困窮者支援の
 在り方に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(難波奨二君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、藤末健三君及び今井絵理子さんが委員を辞任され、その補欠として矢田わか子さん及び小野田紀美さんが選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(難波奨二君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 内閣の重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官横田真二君外十九名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(難波奨二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(難波奨二君) 内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○和田政宗君 自由民主党・こころの和田政宗です。
 早速質問をしてまいります。
 まず、沖縄の基地反対運動について聞きます。
 三月九日の当委員会における質疑において、基地反対運動に極左暴力集団、いわゆる過激派が入り込んでいることが明らかになりましたが、その際、辺野古のキャンプ・シュワブゲート前や北部訓練場に関する基地反対運動の逮捕者がここ二年で三十二件、四十一人に上るということでした。
 基地反対運動における活動家の暴力は目に余るものがありますけれども、一向に止まりません。三月九日以降、逮捕者は更に出ているのか、またその内訳はどうなっているでしょうか。
#7
○政府参考人(松本光弘君) お答え申し上げます。
 その後でございますが、キャンプ・シュワブ及び米軍北部訓練場周辺の抗議行動をめぐりましては、沖縄県警察によれば、平成二十九年四月六日、公務執行妨害、傷害事件で一人、刑事特別法違反事件で一人を逮捕し、また四月十一日、道路交通法違反事件で更に一人、計三人を逮捕いたしております。
 そうしましたことから、平成二十七年以降の検挙状況につきましては、三十五件、延べ四十四人になったものと承知しております。
#8
○和田政宗君 更に増えているということでございますけれども、現地の状況などを目撃している方などの話では、やはり不法行為というか、公務執行妨害の中に暴行も含まれるわけでありますけれども、そういった暴力行為というものがやはり多々見られるということは、私はこれはゆゆしきことであろうというふうに思います。
 私も実際にそういった暴行を受けたわけでございますけれども、基地反対運動というものは、それは米軍基地が沖縄にあるということについて快く思わない方がいるというのは、それはまあ当然そういった御意見もあろうというふうに思いますけれども、やはり法にのっとって抗議活動するのであれば正当な抗議活動をしていただきたいというふうに思っております。
 この基地反対運動の現場に行けば分かることですけれども、例えば辺野古のキャンプ・シュワブゲート前の基地反対運動には辺野古の方々は参加していないというふうに辺野古の方々は口々に言うわけです。すなわち、辺野古以外の人が辺野古での反対運動に参加をしているわけですけれども、私も実際に現地に行って何度も見ていますけれども、基地反対運動の参加者の中で飛び交っている言葉を聞きますと、標準語、そして大阪弁、関西弁、そして沖縄の言葉なんですね。垂れ幕をフェンスにも掲げていまして、これも違法なわけですけれども、ここには韓国語のハングルで書かれた垂れ幕もあります。すなわち、辺野古以外の外部から入り込んだ活動家などがこの混乱を引き起こしているわけですけれども、これまでの政府答弁によれば、ここ二年の逮捕者四十四人のうち外国籍の者が四人で、いずれも韓国籍とのことです。
 そこでお聞きをしますけれども、その他の四十人の逮捕された日本人のうち沖縄県外に居住している人というのは何人いるんでしょうか。
#9
○政府参考人(松本光弘君) キャンプ・シュワブ及び米軍北部訓練場周辺の抗議行動をめぐってでございますが、平成二十七年以降、沖縄県警察が逮捕した者につきまして、お尋ねのとおり外国籍の者四人ございますので、それを除いた延べ四十人、このうち逮捕当時に沖縄県外を住所地としていた者は延べ十一人と承知いたしております。
#10
○和田政宗君 十一人も県外から来た人間が逮捕されているということであります。こうしたやはり活動の実態をしっかりと私は沖縄県の人々も国民も知るべきだというふうに思っております。
 繰り返しになりますけれども、基地反対運動、これは米軍が沖縄に駐留をすることに対しての反対、これはもう当然意見としてはあるわけでございますけれども、その意見の発露が暴力ですとか、そういった外部の者が混乱を引き起こしているような現状というものは、私は、しっかりと直視をして、これはいい方向に改善をしていかなくてはならないというふうに思っております。
 次に、旭日旗に関連して聞きます。
 四月に韓国で行われたサッカーのアジアチャンピオンズリーグの試合でサポーターが旭日旗を掲げたJ1の川崎に対しまして、アジアサッカー連盟は旭日旗が差別的だとして処分を下しました。これは事実誤認も甚だしく、現在も陸上自衛隊や海上自衛隊の旗として使われておりますし、大漁旗や朝日新聞の社旗など日常的に使われているわけであります。この旭日旗を差別というのは思い込みも甚だしく、日本に対する侮辱であるというふうに考えます。
 過去、国立のオーストラリア戦争記念館の展示フロアにおいて、入口部分の床に旭日旗が上から投影されまして、そのフロアに入る人は旭日旗を踏み付けて入るという、とんでもない展示というものが行われていたわけですけれども、これを発見して実際現地を見ました私がオーストラリア政府に抗議をいたしまして、これ恒久的に撤去となりましたけれども、オーストラリア政府が撤去したのは敬意を払うべき旗を踏み付けるというのはとんでもないというこの展示を恥じてのことでありました。
 官房長官も記者会見でお答えしたというふうに認識をしておりますけれども、今回、アジアサッカー連盟より旭日旗は差別的と言われたわけでありますけれども、政府はそうした認識では当然ない、全く差別的でないということでよいか、これを確認いたします。
#11
○政府参考人(木村徹也君) お答え申し上げます。
 本件については、菅官房長官が五月八日の記者会見において話されたとおり、旭日旗の意匠は太陽をかたどっており、使用実態としては、例えば大漁旗や出産、節句の祝い旗等、日本国内で現在まで広く使用されてきたものであり、何ら差別的なものではないと認識をしております。
 今後の川崎フロンターレのアジア連盟への対応については、川崎フロンターレ、Jリーグ及び日本サッカー協会と緊密に連絡を取りつつ、大会関係者の今後の対応を注視してまいりたいと考えております。
#12
○和田政宗君 政府におかれましても、しっかりとした対応といいますかサポートですね、そういったことは、J1の川崎も含めてサッカー界全体も差別的ではないという認識でありますので、そういったところをしっかりと後押しをしていただくとともに、我々も正しい認識というものを広めていかなくてはならないのではないかと考えております。
 次に、北朝鮮によるミサイル危機、これに関連してお聞きをしていきたいというふうに思っております。
 実際にミサイルが飛んできたときにどうするのか、これは、国民保護ポータルサイト、こちらの方にその対応について書いてございます。これは非常に中身も分かりやすいものなんですが、じゃ、いざというときどう対応するのですかというところを導き出そうとしますと、画面をスクロールして、下のその対応についてというPDFファイルになっているところをクリックして、ようやく分かりやすいイラストが出てくるというようなところもございます。
 これもできれば分かりやすいように、すぐそれを発見できるように改善をしていただければとも思うんですけれども、この国民保護ポータルサイトを知っているかということで、地元の宮城県でありますとか、この連休中も各地、全国訪問させていただきましたが、聞きますと、知らないという方が圧倒的多数なんですね。これはやはり私は知っていただくということが重要だと思いますが、その周知についてどのように考えているか、よろしくお願いいたします。
#13
○政府参考人(横田真二君) お答え申し上げます。
 国民保護ポータルサイトについてでございますが、先月、内閣官房におきまして、国民の皆様の関心が特に高く、問合せが多く寄せられております弾道ミサイル落下時の行動について分かりやすく取りまとめまして国民保護ポータルサイトに掲載をいたしました。それとともに、そのことにつきまして、地方公共団体向けの説明会を開催をいたしまして、地方公共団体の方から住民の方々に広報について協力を要請したところでもありまして、そのことはマスコミ等でも取り上げられたところでございます。また、首相官邸のツイッターとかLINEでも同様の内容を配信をいたしましたが、その際にも併せて国民保護ポータルサイトを紹介をして、できるだけその周知を図っているところでございます。
 最近、国民保護ポータルサイトのアクセス数というのはかなり多くなっているところではあるのですが、国民保護に係る情報を国民に提供する重要な手段の一つでございますので、その内容について充実を図りますとともに、国民の皆様の理解がより一層進むように更に見やすく分かりやすいものになりますよう改善に努めてまいるとともに、国民の皆様への周知について引き続き一生懸命取り組んでいきたいと、こう思っております。
#14
○和田政宗君 それに関連してお聞きをいたしますけれども、例えば国民保護法又はこれに関する種々の法律などを見てみますと、地方自治体の役割、都道府県を含めてですけれども、こういったものが極めて重要になってくるわけですね。国も当然この法律において様々な呼びかけですとか対応をするわけでございますけれども、いざ外敵からの攻撃があった場合には、自衛隊も政府もその外敵からの防衛ということでそちらの方にかなり重点が割かれるわけでございます。そうなりますと、避難される方々ですとか万々が一被害を受けた場合の対応というものはこれ地方自治体がしっかりと担っていかなくてはならないわけでありますが、なかなかこれ、地方自治体の方も、えっ、国がやるんじゃないんですかというようなところも実際のところございます。
 政府においても都道府県の危機管理担当者の方々を東京に集めてそういったことの周知をしているわけでございますけれども、これもなお一層の周知が必要だと思われますが、この点、いかがでしょうか。
#15
○政府参考人(猿渡知之君) お答え申し上げます。
 国民保護法におきましては、国の指示に従いまして、都道府県は避難の指示、救援、武力攻撃災害の防御に関する措置に係る指示等を実施しますとともに、市町村は、避難住民の誘導、都道府県の救援の協力、消防等を実施するということになってございます。これにつきましては、ただいま御指摘いただきましたように、毎年度都道府県の担当者会議を開くのは当然のことでございますが、消防大学校や全国十ブロックにおける研修などを通じまして全国の地方公共団体への周知を図っているところであります。さらに、都道府県や市町村による図上訓練、また住民の参加を得て行われる実動訓練につきましても国と共同で実施をするというようなこともやってございます。
 また、先日の四月二十一日には、内閣官房と消防庁が弾道ミサイルへの対処等に関する説明会も実施したところでもございまして、こういう機会も含めまして、今後とも引き続き地方公共団体への周知を充実してまいりたいと考えております。
#16
○和田政宗君 しっかりとやっていただきたいというふうに思います。
 そして、朝鮮半島の有事や我が国へのミサイル攻撃などが発生したときに、併せて国内におけるテロの発生というものも懸念されるわけでございます。
 先月、アメリカのテロ専門家と意見交換をすることがあったんですけれども、その方がおっしゃっていたのは、今、寺社仏閣、神社などに油がまかれるような事案があるわけでありますけれども、あれはいたずらだと見てはいけませんと。そのいわゆるテロの専門家は、これはテロの第一段階ですということを私に対して言いました。すなわち、油をまいたことによって、警察が何日後に発見をして、どの警察署から何人の警察官が来るのか、また消防は来るのかどうか、そういったことを見て、いざテロを起こすときにその場所を狙ったり、若しくは、そこにこれだけの人数が集まるから例えば駅などで起こしたときにそこは手薄になるということを判断をしてやると。
 このテロの専門家は、中東などにおいてそういったいわゆるテロの段階が進んでいく出だしなどを見ている中でこれは私にも忠告をしてくださったわけでありますけれども、まさにそういったような観点も持たなくてはならないというふうに思っております。
 警察におけるテロ対策の一段の充実を求めたいと思いますが、御答弁願います。
#17
○国務大臣(松本純君) 警察では、厳しい国際テロ情勢を踏まえまして、外国治安情報機関との緊密な連携等によりまして、情報収集、分析の強化を行っております。また、関係機関と連携した水際対策や官民連携の強化、さらに、各種部隊の能力向上等によりまして、国内におけるテロ等発生時の事態対処能力の強化などの施策を推進をしているところでございます。
 現下の朝鮮半島情勢も踏まえまして、より一層の情報収集に努めるとともに、警戒警備の万全を期すよう警察をしっかり指導してまいりたいと思います。
#18
○和田政宗君 なお一層の充実を御答弁のようにお願いをしたいというふうに思います。
 次に、教育勅語について、この内閣委員会でも質問がありましたので、この際ちょっと取り上げたいというふうに思いますけれども。
 これは、その文脈から皇室への忠誠を誓うものだなんというようなことを言う方もいるわけでございますけれども、これは当時の時代背景等を見れば、また、いにしえからの日本の歴史を見れば、当時においてこういった勅語が発せられるということは、これは時代背景も含めて当然あることであろうというふうに思っております。
 この教育勅語というものが危険な思想であったと言うような方もいるわけでありますけれども、今にもやはり通じる部分というのは私はあるというふうに思いまして、これ、教育勅語をひっくり返したらどうなるのかということをちょっと見てみたいというふうに思うんですが、実は、教育勅語をひっくり返した逆教育勅語というものを憲政史家の倉山満さんという方が書いているんですが、これ、教育勅語をひっくり返して文章にしてみるとどうなるかといいますと、ちょっとそれ朗読をいたしますと、一、親に孝養を尽くしてはいけません、家庭内暴力をどんどんしましょう、二、兄弟姉妹は仲よくしてはいけません、兄弟姉妹は他人の始まりです、四、友達を信じて付き合ってはいけません、人を見たら泥棒と思いましょう、九、人格の向上に努めてはいけません、何をしても個性と言えば許されます。私が書いたのではないので。ちょっと最後朗読をいたしますけれども、十二、勇気を持って国のため真心を尽くしてはいけません、国家は打倒するものです。
 まあ、教育勅語をひっくり返してみるとこうなるというふうにその憲政史家の方はおっしゃっているわけでございますけれども、一部過激な思想を持つ方はこういったことを実行しようとしているのかなというふうにも思いますけれども、教育勅語の精神は、しっかりと直視をすれば今にも通ずるものがあるというふうに思っております。
 ただ、現行憲法ですとか教育基本法というものが存在するわけでございますが、この現行憲法や教育基本法に反しない限り、学校教育現場でこの教育勅語を使用しても差し支えないということでよろしいかどうか確認をしたいというふうに思います。
#19
○政府参考人(白間竜一郎君) お答え申し上げます。
 学校での全ての教科等の指導における教科書以外の教材の使用につきましては、学校教育法三十四条二項の規定に基づきまして、教育基本法等の趣旨に従った有益適切なものである限り、校長や設置者の責任と判断で使用できるものでございます。
 文部科学省は、これらの教材の適正な取扱いについて、法令等の趣旨に従っていることなどの留意点を示し、校長や設置者が教材について適切な取扱いを行うよう指導を行っておりますけれども、各学校における個々の教材の個別具体的な是非についてあらかじめ判断する立場にはございません。
 そのため、教育勅語を教育において用いることが憲法や教育基本法等に違反するか否かについては、まずは設置者や所轄庁において、国民主権や基本的人権の尊重といった憲法の基本理念、教育基本法に定める教育の目的等に反しないような適切な配慮がなされているか等を個別具体的な状況に即して総合的に考慮して判断されるべきものでございますけれども、憲法や教育基本法等に反するような形で教育勅語を教育に用いることは不適切であると考えております。
#20
○和田政宗君 すぱっと答弁いただければというふうに思うんですが、過去の政府答弁のやり取りでもいわゆる使うことは差し支えないということは出ているわけでございまして、これは設置者等の判断等にもよるということであるわけでありますけれども、戦前のそういったことをとにかく悪だということではなく、いいところはしっかりと直視をしていかなくてはならないというふうに思っております。
 最後に、竹島のことについて聞きます。
 韓国の新大統領の文在寅氏、昨年、竹島に上陸をしているわけでございます。竹島は我が国固有の領土であるわけでございますけれども、韓国人を含めた外国人の竹島への上陸、これは不法上陸、不法入国として私は見るべきだというふうに思いますけれども、政府としてそういった立場に立っているのかどうか、もしそうでないとするならば、何でそういうことになるのか、お願いをします。
#21
○政府参考人(佐々木聖子君) お答えいたします。
 入管法上の規定を一般論として申し上げますと、外国人が上陸の許可を受けずに上陸する目的で我が国の領域に立ち入ることは不法入国になり、入国審査官から上陸の許可等を受けないで本邦に上陸することは不法上陸になります。
 ただし、これは上陸に関する入管法上の手続を取ることができることを前提として、それができるにもかかわらず上陸の許可を受けないことを問題とするものでありまして、竹島については我が国の施政が及んでいない状況にあり、そうした手続を取ることのできない地域であることに照らしますと、不法入国等の入管法適用の前提を欠くものと考えております。
#22
○和田政宗君 できないということなんですが、これはやはり我が国固有の領土でありますから、これは将来的な法改正も含めて、これは立法府でもしっかりやらなくてはならないというふうに思いますし、内閣、政府においてもしっかりとした認識をお持ちいただければというふうに思います。
 時間が参りましたので、以上で終わります。
#23
○矢田わか子君 民進党・新緑風会の矢田わか子です。今日も質問の時間をいただき、ありがとうございます。
 まず、今日は、一番最初に国家戦略特区に関する問題について触れたいと思います。
 山本大臣にお尋ねをしたいと思います。
 本年一月二十日、愛媛県今治市における獣医学部新設を含む区域計画が国家戦略特区諮問会議で認定されました。それに応じ、岡山の加計学園が三月三十一日に文部科学省に対し獣医学部設置認可申請を行い、今治市は加計学園に対し十六・八ヘクタールの土地の無償提供と施設整備費として九十六億円も補助することを決められました。この一連の経過に対し、森友学園等の問題があったからかもしれませんが、国家戦略特区が特定の企業や団体に有利に働くような仕組みになっているのではないかと指摘がなされています。
 元々、この国家戦略特区は、産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成、つまり都市の国際競争力強化に関する施策の総合的かつ集中的な推進を図るため、いわゆる岩盤規制全般についての突破口を開いていくものと政府は定義されております。しかし、今回の今治市の一件は、元々西日本や四国において不足している産業獣医の確保のために計画されたものであります。本当に国家戦略特区のこの理念に合っているのかどうか、御見解をいただけますか。
#24
○国務大臣(山本幸三君) お答え申し上げます。
 国家戦略特区は、長年にわたり実現できなかった岩盤規制の改革に突破口を開けることにより経済社会の構造改革を推進しようとするものでございます。国の制度を変えてまで事業を実現したいとする意欲にあふれた自治体や事業者の具体的提案を実現するために、都市、農業、創業、観光など多くの分野でこれまでに数々の規制・制度改革を実現してまいりました。例えば、一般企業の農地所有、家事支援外国人材の受入れなどが挙げられます。
 御指摘のあった新たな獣医学部設置も、五十年以上にわたり実現できなかった岩盤規制を改革し、獣医療の知見を生かした新薬開発など我が国の創薬産業の活性化を図るとともに、感染症への水際対策など食の安全による畜水産業の振興を図ろうとするものであり、産業の国際競争力の強化や国際的な経済活動の拠点形成といった国家戦略特区の趣旨、目的に合致しているものと考えております。
#25
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 おっしゃるとおり、この特区は、地方公共団体と企業などが一緒にプロジェクトを動かし地域を活性化させる、発展させていくという点では評価できるものももちろんあると思います。今治市も日本創成会議から消滅可能性自治体とされておる中で、こうした自治体にとっては企業誘致や大学誘致が地域活性化にとって魅力的な政策となるということでもあります。
 しかし、一方で、投資に合う経済的効果が本当に期待できるのかどうか、これは楽観できないと思います。戦略特区における様々な事業のうち、特にこうした財政負担が生じるものについては最終的に税金の無駄遣いになる可能性も十分にあります。政府として、そのような事態を起こさないように事業の途中できちんとした評価を行い、PDCAサイクルを回すべきだと考えます。
 既に最初の段階の事業については去年評価がなされておりますが、今後は第三者的な視点から定量的な評価をきちんと行っていくべきだと考えますが、見解を伺えますか。
#26
○国務大臣(山本幸三君) 国家戦略特区は規制改革の実験場であることから、特区法に基づきまして、毎年、PDCAサイクルによる厳格な評価を行うこととなっております。この評価は国と自治体が一体となって行うものであり、自治体サイドにおいて、評価を契機として、毎年、資金の効率的な活用についても定期的にチェック機能が働くものと期待されているところであります。
 今後も、PDCAサイクルによる適切な進捗管理を通じて、事業の効率的、効果的な実施を確保してまいりたいと思います。
#27
○矢田わか子君 ありがとうございます。是非とも厳格なチェックをお願いしたいと思います。
 こうした特区で特定の企業や団体だけが規制緩和のメリットを受け、そして結果的にその企業が独占権を手にしたり大きな利益を得ることになれば、皆さんの疑いの目がやっぱり注がれると思います。今国会に国家戦略特区法及び構造改革特区法の改正案が提出されております。対象事業の拡大も提案されておる中で、こうした特区が経済を本当に活性化させる規制緩和となるように、言い換えれば、利権の付与ということにならないように、是非とも今後とも厳格な対応をお願い申し上げたいと思います。
 続いて、今社会的な問題となっております児童虐待の問題に関して質問したいと思います。
 近年の児童虐待の実態について、資料の一と二を配付させていただいております。相談所における相談対応件数も、警察に通告された児童数、保護児童数、そして検挙数も増大の一途をたどっています。
 政府としても、一つ目に児童虐待の発生の予防、二つ目には早期発見、早期対応、三つ目に子供の保護、支援、保護者の支援の三段階にわたってこれまで取組を充実してきていると認識しております。また、今国会では児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律の一部改正案が提出され、保護者指導などに家庭裁判所が関与する仕組みを提案されておられます。
 とにかく、児童虐待の実態はより深刻になっているので、まず、このように児童虐待が増加している要因についてどのように分析されているのか、また、この問題について省庁が関連して連携を取るような仕組みになっているのかどうか、警察庁と厚生労働省よりそれぞれ御説明をお願いしたいと思います。
#28
○政府参考人(山下史雄君) 児童虐待事案は年々増加をしておりまして、平成二十八年中、警察から児童相談所に通告をした児童数は五万四千二百二十七人、また児童虐待事件の検挙件数は一千八十一件で、いずれも統計を取り始めて以降最多となっておりまして、大変深刻な状況と認識をしております。増加している要因といたしましては、国民の意識の高まりなどにより児童虐待に関する通報が積極的になされるようになったことなどが考えられるところでございます。
 こうした深刻な状況を受け、警察といたしましても、この児童虐待の早期発見と児童の安全確保を最優先として、現場対応力を更に強化する必要があると考えております。警察庁におきましては、昨年、有識者による研究会を開催をいたしまして、これまでの現場活動で得られた知見を集約の上、児童虐待の危険性を的確に判断するためのアセスメントツールを作成をしたところであり、現在、各都道府県警察におきまして、これを活用して警察職員の現場対応能力の向上に向けた指導教養を行っているところでございます。また、児童相談所等の関係機関とは、個別事案における早期の情報共有や人事交流の推進を通じまして緊密な連携を図っているところでございます。
 今後ともこうした取組を継続し、児童の安全確保に万全を期してまいる所存でございます。
#29
○副大臣(古屋範子君) お答え申し上げます。
 児童虐待につきましては、子供の命が失われるなど痛ましい事件が後を絶たない、依然として深刻な状況が続いております。児童相談所における児童虐待相談対応件数は近年増加を続けておりまして、直近の平成二十七年度におきまして初めて十万件を超えて、過去最多となっております。
 増加要因につきましては、自治体からの意見を踏まえますと、心理的虐待が増加をしている。その要因の一つに考えられることとして、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力がある事案、いわゆる面前DVについて警察からの通告が増していること、また平成二十七年七月から開始をいたしました児童相談所全国共通ダイヤルの三桁化、一八九の広報、またマスコミによる児童虐待の事件報道等により国民の関係機関の児童虐待に対する意識が高まったことに伴う通告の増加によりまして初期段階での相談につながっているということが考えられます。
 増加する児童虐待相談に的確に対応し、子供の安全確保を迅速に行うためには、児童相談所の体制や専門性の強化を図ることが必要であります。
 昨年五月に全会一致で成立をしました改正児童福祉法により、児童相談所に配置する専門職として児童心理司や弁護士等を新たに法律上に位置付けました。児童福祉司等に対して研修の受講を義務付けています。これらにより、法改正を踏まえた政令の改正によりまして、児童福祉司の配置基準について人口当たりの数を増やしていくとともに、人口だけでなくて業務量も考慮できるよう見直しを行いました。また、昨年四月には児童相談所強化プランを策定しまして、児童相談所の専門職を平成三十一年度までの四年間で千百二十人増員することを目指しています。
 さらに、昨年の児童福祉法等改正法の附則の検討規定を踏まえまして、昨年七月から検討会を開催して、児童虐待対応における司法関与の在り方について議論を行ってきました。その取りまとめを踏まえまして、児童等の保護についての司法関与を強化する等の措置を講ずる児童福祉法等の改正法案を今国会に提出をしているところでございます。
 厚生労働省としても、今後、関係省庁と連携をしつつ、法律、予算、運用全般にわたり必要な取組を強力に進めて、児童虐待対策の強化を図ってまいります。
#30
○矢田わか子君 様々な方面からの取組をいただき、本当にありがとうございます。
 ただ、児童虐待では依然として、児童が死亡する、死亡に至る悲惨な事例も発生をしております。統計によると、無理心中や嬰児殺しを含め、平成二十七年度では五十八人、二十八年度では六十七人もの児童が亡くなっております。こうした悲惨な事件は絶対に起こしてはいけないと思います。
 そこで、基本的には、児童虐待が起こらないような予防対策が重要となります。個々の事例の分析あるいは当事者を取り巻く社会的、生活的条件などの要因分析などによって予防につながる知見や対応策が生まれてくるかもしれません。様々なケースがあると考えますが、親と児童との関係性なども細かく分析をしていく必要があります。
 資料三は、主たる虐待者と虐待を受けた児童の年齢ごとの件数を厚労省でまとめられたものでありますが、私は、更に詳しい親子関係の分析が必要であると考えています。虐待をする側と受ける側、それぞれの年齢によってその対応はきっと変わってくるというふうに思われます。児童虐待防止法の第四条の五の項にも、児童虐待の防止のために必要な事項について調査研究及び検証を行うということが明確に明記をされておりますので、しっかりと厚労省としては分析をまず進めていただきたいと思います。
 また、予防に関しては、子育て世代包括支援センターなどにおける妊娠段階からの相談支援体制の充実等も行われておりますが、これまでの行政の対応の様々なケースから積まれてきた経験や、あるいは国内外の児童虐待に関する研究の成果なども含めて、実効性ある政策に結び付く調査研究活動を積極的に推進すべきだと思いますが、御見解をいただけますか。
#31
○副大臣(古屋範子君) 児童虐待の要因の解明や分析につきましては、児童虐待防止法に基づいて、厚生労働省と都道府県等におきまして虐待による死亡事例等を分析、検証いたしまして、問題点や課題を明らかにするとともに、その検証結果を踏まえて対策の改善につなげております。
 特に、昨年九月に専門家の議論により取りまとめられました子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について、第十二次報告では、死亡事例の中で、ゼロ日、ゼロか月事例の発生数はゼロ歳児死亡事例の六割弱を占めていること、このため、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を行うために、委員おっしゃいましたように、子育て世代包括支援センターの設置を進めるべきとの提言がありましたことなどから、子育て世代包括支援センターを法律に位置付けまして、全国展開に向けて取り組んでいるところでございます。
 また、海外の事例や各所の研究実績を参考とした児童虐待防止対策としては、例えば、先ほど申し上げた子育て世代包括支援センターはフィンランドにおける取組を参考としたものでございます。虐待を行った保護者に対する指導では諸外国等で開発をされましたプログラム等を活用しております。
 今後の取組としては、昨年三月に取りまとめられました新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会の報告において、各国の事例も踏まえまして、地域での情報共有に役立つデータベース、国としての制度、施策等の向上に役立てるためのデータベース、これら二つのデータベースを個人情報に配慮して構築することが必要であるとの提言をいただいておりまして、この提言を踏まえて今年度必要な調査研究を行うことといたしております。
 今後とも、海外の事例や各所の研究実績も参考にしながら、児童虐待防止対策の充実を図ってまいります。
#32
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 児童相談所などの現場の方の声も聞いてきましたが、やはり虐待の発見からその児童の保護、そして養育先の確保を含め、スタッフの皆さんは本当に大変な苦労をされております。特に人員不足の問題、それから専門家の対応が必要なケースが増えてきているという課題もあります。
 昨年の法の改正で、児童心理司や医師又は保健師などの専門職を必ず児童相談所に置くこと、及び法律に関する知識がやはり必要なケースが増えてきているので弁護士の配置が規定されておりますが、本当に進んでいるのだろうかという懸念もされております。五日に一人の子供が虐待死している、その実態を含めて、是非実態の把握を進め、体制の強化をくれぐれもお願いを申し上げます。
 続いて、社会保障と税の一体改革に関する問題に触れたいと思います。
 過重な社会保険負担の問題についてまずは触れさせていただきます。税と社会保障の一体改革に関して、企業などで働く雇用労働者が日常的に持っている疑問点について、本来は担当されている石原大臣に質問をさせていただきたかったのですが、本日は御欠席ということですので、意見のみ言わせていただきたいと思います。
 高齢化に伴い、社会保障費、年々膨張する中で、今この財源をどのように分担していくのか、税と社会保障の関係について国民的議論を行う段階に来ていると思っています。特に健康保険組合や公務員の共済組合においては、高齢者医療や介護に対する負担が増加しつつあり、それに伴い保険料の引上げを余儀なくされ、せっかく賃金が上がっても可処分所得は増えない、あるいはマイナスになるという実態があります。
 問題は、年金や健康保険、介護保険など社会保険料の引上げは厚労省の法律によって決められ、消費税の引上げのような国民的な大議論には至らないということ、取りやすい方法で取りやすいところから取るという形になっていることによって多くのサラリーマンが不満や不公正感を抱いているという現実にあると思います。特に健康保険組合では、本年度より後期高齢者支援金の全面総報酬割が実施され、そして同時に、本年度からは介護納付金の総報酬割も導入されています。こうしたことによって、健康保険組合の財政、一段と悪化することになり、保険料の引上げを行わざるを得なくなっております。ほぼこの十年間平均して年間十万円の保険料の引上げが行われているという実態です。
 資料四を御覧ください。ここに近年の負担増の状況が書かれておりますけれども、後期高齢者支援金の負担だけでも、ほぼこれ累積でこの四、五年において二千百億円の負担増が行われております。実質的には、こうしたことから健康保険組合が解散に追い込まれ、結局、解散した健康保険組合の人たちは政管に移るということで国の負担は大きくなるという、そんな循環になっているのではないかと思います。
 実際、こうした年金、健康保険料、介護の保険制度が順次改定される中で、ある程度裕福な高齢者に対し、若い低賃金の労働者からの所得移転が行われているという側面もあろうかと思います。税と社会保障の関係において所得再分配機能がややゆがんでいるということを指摘させていただき、真の一体改革に向けた論議の加速をお願い申し上げておきたいと思います。今日は大臣がいらっしゃらないので、御指摘と御意見だけにとどめさせていただきます。
 続いて、配偶者控除の改定について加藤大臣にお伺いをしていきたいと思います。
 税と社会保障の一体改革に関し、制度の運用で最も改善してもらいたいテーマの一つに所得税の配偶者控除の問題を挙げたいと思います。
 本年度の税制改正により、来年の一月から、配偶者控除を受けられる妻の年収要件、百三万から百五十万円に引き上げられました。しかし、一方で、夫の社会保険の被扶養者になれる年収要件の百三十万円は据え置かれ、さらに昨年の十月、五百名以上の会社ですけれども、労働時間週二十時間以上の場合には年収百六万円のパートタイマーは社会保険に加入するということになった。制度がかなり複雑化しているというふうに思います。加えて、夫である方、配偶者の年収要件一千百二十万というものも付いてきているという現状にあります。
 配偶者控除の要件を百五十万円に引き上げたのは、年収を気にせず積極的に女性にも、パートタイマーの方にも働いてほしいという、そういう狙いがあったというふうに思っておりますが、結局のところは、年収要件百五十に引き上げても、社会保険で百六万、百三十万という壁が残っているがために、そこを意識した働き方をする人が多いのではないかと思われます。いろんな出ている女性誌を見ても、どこが一番お得な働き方なんだというふうな、そんな特集まで組まれている次第です。
 まさに税制と社会保障制度がばらばらに運用されていることの懸念をしております。配偶者控除制度を思い切って廃止するとか、パートタイマーは全員社会保険に加入してもらい、一人一人がきちんと自分の社会保険料を納めるというふうにするとか、こんなふうな思い切った改革をしなければ進まないのではないかと思います。これは特に女性の活躍という視点から、是非とも加藤大臣に一言いただきたいと思います。
#33
○国務大臣(加藤勝信君) 女性活躍の視点に立って今の社会保障あるいは税の在り方というのは大変重要でありまして、特に働く希望を持っている方々あるいはより働こうとされている女性の皆さん方がその不便さを感じたり、それによって働く意欲が阻害されるということがないようにしていくということが非常に重要だというふうに思います。そういう意味で、今回の所得税法の改正で、今御指摘がありました配偶者控除等については、配偶者の収入制限を百三万から百五十万に引き上げるなどの見直しが行われたところであります。
 また、もう一つあったのは、いわゆる配偶者手当がいわゆる収入制限を一つの基準としてそれぞれ支給がされているという実態もございました。今回のこうした議論の中で、各企業においてもそうした配偶者手当の支給の在り方について見直しが行われるというふうに承知をしておりまして、そうしたことが相まって、女性を含め働きたい人が就業調整を意識せずに働くことのできる環境づくりに寄与していくものと期待をしているところであります。
 また、社会保障に関しては、短時間労働者の年金などの保障、これ厚くしていく、将来の生活の安定を図っていく、こういう観点から被用者保険の適用拡大を進めることとされており、昨年十月からは大企業で働く短時間労働者を対象に被用者保険の適用拡大が、またさらに今年の四月からは、労使の合意を前提に中小企業等で働く短時間労働者の方にも適用拡大の道が開かれたところでありまして、こうした被用者保険に加入するということのメリット、こういったことをしっかり周知、広報していくことによってこうした施策の円滑な実施を図り、着実に被用者保険の適用が拡大していくように努めていきたいと思っておりますし、また、平成二十四年の厚生年金法改正の際の附則において、さらに適用範囲については、平成三十一年九月三十日までに検討を加え、その結果に基づき必要な措置を講ずるとされているところでありますので、こうした今まで取り組んでおります適用拡大の施行状況、あるいは個人の就労実態、あるいは企業に与える影響なども踏まえながら、更なる適用拡大について検討していきたいというふうに考えております。
#34
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 今回は第一段階の取組、最終的に目指す姿があって、その第一段階の取組だというふうに受け止めております。是非とも女性の皆様にも、お一人お一人がきちんと税も納め、社会保障費も納めて社会に役立てるということの意識付けとともに改革を進めていただきますようお願いを申し上げたいと思います。
 続いて、老後に目を向けまして、老後への自助努力への支援策の問題について触れたいと思います。サラリーマンの立場から、老後に不安を持つ、将来に不安を持つ人が増えているんですが、そこに向けて自助努力をしていきましょうという政策についての質問というふうに受け止めていただけたらと思います。
 資料五を御覧ください。こうした自助努力に対する税制措置を一覧にしたものがこの資料五であります。生命保険料の控除を始め、勤労者の財産形成貯蓄制度等、それから企業年金制度等もあります。
 そこで、本日はまず、一九七二年、昭和四十七年から始まった財形貯蓄制度について質問します。
 現在、財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄については、合わせて元利合計五百五十万円まで利子等の非課税扱いということになっております。しかし、近年は利用件数も貯蓄の残高も減少傾向にあります。その理由の一つとしては、最近の低金利を反映して利率が低く金融資産としての魅力がないこと、また、一般財産形成貯蓄には税法上の優遇策はないということと、加えて、住宅融資に関しても金利面でのメリットが薄れてきているというようなことが挙げられております。
 この制度を維持するのであれば、非課税枠の大幅な引上げ、若しくは、住宅や年金だけが非課税ではなくて、今お金を使うときに、やっぱり子育てや教育面等でお金を使うときもありますので、そうしたときに引き出そうとしてもこれは税が掛かりますということになっては本当に勤労者を応援するような財産形成を促す制度にはならないというふうに思いますので、そうした用途の拡大等も含めてより魅力ある制度にすることが必要だというふうに思いますけれども、いかがでしょうか、御見解をいただけますか。
#35
○政府参考人(藤澤勝博君) お答えを申し上げます。
 財形貯蓄制度におけます税制上の措置についての御質問でございますが、昨年、平成二十八年十一月十四日に政府税制調査会が取りまとめました経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告におきまして、一部中略して申し上げますが、勤労者財産形成年金貯蓄等については、就労形態や勤務先企業によって利用できる制度が細分化されており、税制上受けられる支援の大きさも異なっていると指摘されており、実情も踏まえた専門的、技術的な見地から専門家の間で論点を整理した上で議論を行うことが適切であるとされたところでございます。
 御指摘の財形貯蓄制度におけます非課税の対象拡大やあるいは非課税限度額の引上げにつきましては、このような政府税制調査会での議論の結果や、また他の非課税制度との整合性などを踏まえて慎重に検討すべきものと考えているところでございます。
#36
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 一方、企業年金についても、老後の生活を豊かにするものとして厚生年金基金が運用されてきましたが、多くの企業では今、もう持っていられないということで、代行返上して確定拠出年金という年金制度に変えているというようなことであります。
 特に二〇〇一年から運用が始まったこうした企業型の確定拠出年金については、従業員の自助努力による資産形成を促すということで、私も企業の中にいたときには説明会を行ったりというふうなことも担当させていただいたんですけれども、運用する金融商品の運用収益、基本的には非課税ということになっておるんですが、この非課税枠が今極めて限定的なものとなっております。また、本年一月からは個人型の確定拠出年金が新たに設けられ、一般の方々にも加入者の範囲が広がっております。
 こうした制度が本当に従業員の老後に向けた資産形成に寄与できるようになるように、更なる拠出限度額の引上げ、若しくは、退職したときに脱退一時金制度というものが今ありませんのでそうした脱退一時金の制度や、ポータビリティー制度をつくる、要するにほかの企業に移るときに持っていけるような制度を、更に魅力的なものとしてつくり変えるなど、運用の範囲を拡大していくべきだと考えますが、政府の見解を伺いたいと思います。
 あわせて、厚生年金基金と確定拠出年金を含め、現在凍結されている特別法人税については基本的に撤廃の方向を打ち出すべきだと考えますが、御見解をいただけますか。
#37
○政府参考人(諏訪園健司君) お答え申し上げます。
 確定拠出年金制度につきましては、公的年金の給付と相まって国民の老後所得の充実を図るという観点から、昨年五月に成立しました改正法において、中小企業におきます企業年金の実施を支援するための対策を講じる、そして、先生御紹介のように、原則全ての方に個人型の確定拠出年金、私どもiDeCoと呼ばせていただいておりますが、これに加入していただけるようにしたほか、加入者の一層の拡大を図るため積極的な広報に努めているところでございます。そして、この確定拠出年金制度の魅力を高めるためには、今後とも私ども不断の取組を行っていくことが重要と認識してございます。
 その中で、御指摘の拠出限度額につきましては、現在は他の企業年金制度の加入の有無などに応じましてそれぞれ各企業の確定拠出年金の拠出の限度額が設定されておりますが、個人型につきましてもその拠出限度額が設定されるところでございますが、公的年金と私的年金の役割分担の在り方、確定拠出年金の制度目的や普及の実態等を踏まえて今後とも検討してまいりたいと思います。
 それから、退職・脱退一時金につきましては、先ほど申し上げました、昨年成立した改正法を審議する企業年金部会でも議論をしましたが、なかなか論点が多岐にわたりまして、今後の検討課題ということとされたところでございます。
 そして、ポータビリティーにつきましての御質問もございました。ポータビリティーにつきましては、昨年の改正法におきまして、来年からの施行ということでございますが、確定拠出から確定給付等への年金資産の持ち運び、そのポータビリティーの拡充というものを図ることとしております。
 そして、最後に特法税についても御質問がございました。これは、二十九年の税制改正で特別法人税の廃止を要望いたしまして、これにつきましては課税停止措置の期限が三十一年度末まで再延長されることになってございます。
 企業年金制度などが公的年金を補完する重要な制度であることなどを踏まえまして、引き続き検討してまいりたいと、このように考えているところでございます。今後とも制度の魅力を高めるため様々な努力を講じてまいりたいと、このように考えております。
#38
○矢田わか子君 ありがとうございます。勤労者にとって更なる自助努力が促されるような制度運営に向けてのお取組をお願い申し上げておきたいと思います。
 続きまして、IRの準備とギャンブル依存症対策について質問させていただきたいと思います。
 昨年暮れに、こちらの内閣委員会でも論議をし、いわゆるIR推進法が成立をいたしました。IR整備の推進を総合的かつ集中的に行うために、今年の三月二十四日、内閣に総理大臣を本部長とする特定複合観光施設区域整備推進本部が設置され、また四月四日にはIR推進会議が発足したとお聞きしております。
 近年、この内閣委員会でも審議の焦点となりました、参議院での法案修正や附帯決議においての重要テーマとなったのが、ギャンブル依存症対策であります。資料六は、我が国が国際的に見てもいかにギャンブル依存症の有病率が高いかというデータを示したものであります。男性に至ってはほぼ九%の方というふうなことになっております。カジノ開業前に万全の対策を講じていくべきであると思います。
 現時点におけるその依存症対策の状況と平成二十九年度予算における予算措置五・三億円について説明をいただけますか。
#39
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 まず、ギャンブル等依存症対策につきましてですが、これまでも依存症者への専門的な治療や相談支援、依存症者の家族等への相談支援などを行うほか、支援に当たる人材の研修でありましたり、正しい理解を広めるための普及啓発というものを行ってきたところでございます。
 平成二十九年度予算におきましても、こういったこれまでの取組も踏まえた上で、ギャンブル等依存症を含みます依存症対策全体の推進に係る予算としまして、今委員御指摘ございましたように、五・三億円を確保いたしたところでございます。
 具体的な内容といたしましては、依存症対策の全国拠点機関といたしまして国立病院機構久里浜医療センターを指定いたしまして、依存症医療支援体制の整備を推進するということとともに、全ての都道府県、指定都市に依存症の拠点となる医療機関を確保して、全ての都道府県、指定都市の精神保健福祉センター等に依存症専門の相談員を配置するということとしております。
 また、地域生活支援促進事業におきましても、地域におけるギャンブル等依存症の問題に取り組みます民間団体の方々を支援するための事業を新たに盛り込んだところでございます。
 さらに、依存症対策につきましては、保健医療分野から生活分野まで広範な支援策が求められますので、昨年末には、大臣を本部長といたします依存症対策推進本部を省内に設置しまして、その下にギャンブル等依存症対策チームを設けて、省内横断的に施策を進めているところでございまして、これらの取組を着実に進めるとともに、引き続き依存症対策に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 なお、委員、資料の方で御指摘のギャンブル依存症の実態の把握につきましても重要だと考えておりまして、御指摘のこの資料の直近の日本の状況につきましては、アンケート調査ということでもありましたので、更に精度を高めるために、ギャンブル等依存症が疑われる方の割合につきまして、平成二十八年度に予備調査を行った上で、本年度、全国調査を行うべく準備を進めているというところでございます。
#40
○矢田わか子君 ありがとうございます。予算は、アルコールそれから薬物の依存症と合わせた予算ということになっておりますが、是非、ギャンブル依存症の五百三十六万人に対応するために、そうした特化した対応策についての予算配分をお願いしたいなというふうに思います。
 続いて、入場制限の問題について触れたいと思います。
 依存症対策として議論があったのがこのカジノへの入場規制に関することであります。附帯決議においても、カジノへの厳格な入場規制を導入することとし、諸外国におけるカジノ入場規制の在り方やその実効性等を十分に考慮し、我が国にふさわしい、清廉なカジノ運営に資する法制上の措置を講じることと明記しております。
 こうした状況について、海外の入場制限の事例等の調査研究をされているのかどうか、厳格な制度運用についてしっかりと検討していただきたいというふうに思いますが、何か答弁ありますでしょうか。
#41
○政府参考人(徳永崇君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、IR推進法に係る国会審議の中では、ギャンブル依存症対策等の観点から入場規制の重要性というのは非常に議論されたと承知しておりまして、また、同法の十条第二項においても、政府は、外国人旅客以外の者に係るカジノ施設の利用による悪影響を防止する観点から、カジノ施設に入場することができる者の範囲の設定その他のカジノ施設への入場に関し必要な措置を講ずるものというふうに規定されておりますし、またその上で、今ほど委員の御発言にございましたように、附帯決議としてしっかりと決議がされたところでございます。
 その上で、政府としましては、諸外国の例につきましても、例えばシンガポールに基づく入場規制の状況でございますとか、あるいはその他の国におきます入場規制の状況については調査をしているところでございまして、こうした国会での御議論あるいはIR推進法の規定、諸外国の例等々を十分に受け止め、入場規制の在り方につきまして、全閣僚で構成するIR推進本部あるいは有識者で構成される推進会議において現在検討を進めているところでございます。
#42
○矢田わか子君 ありがとうございました。引き続きの御検討をお願いしたいと思います。
 最後の質問に移ります。
 日本学術会議の運営と今後の役割について触れます。鶴保大臣、来ていただいておりますので、時間がないので少しまとめて話をします。
 日本学術会議、戦後の昭和二十四年にいわゆるアカデミーとして設立されまして、政府から独立して、行政や産業そして国民生活に科学を反映させるための機関とされております。今日、我が国が科学技術立国として大きく発展し、また大学や公的な研究所や民間の研究所を含め研究体制も整備され、各種の学会も活発な活動をしている中で、この日本学術会議が活動する意義について再度検討する必要が出てきたのではないかと思っております。
 鶴保大臣、三月七日の大臣所信において、内閣府の原子力委員会に関して、こうした原子力政策については、原子力をめぐる環境が変化する中で、国民の理解と信頼を得られるよう、中立的、俯瞰的視点から中長期を見据え、原子力利用全般の目指すべき方向性を示す必要がありますと述べられております。
 こうした観点からも、原子力に対して国論が二分され、国民がこの政策の在り方について、まさに中立的、科学的な見解、知見を必要としていますので、第三者ではなく、厳格な意味での第三機関を求めているという前提に立ち、この日本学術会議への期待が高まっているような気がするんですけれども、こうした要望に応えることができるのかどうか、御見解をいただければと思います。
#43
○国務大臣(鶴保庸介君) 御指摘のように、日本学術会議の意義というものはもう一度再点検をし、今回先生の御指摘もございましたので、各国の様子なども調べてまいりました。各国同様に悩みを持ち、それぞれに改革の糸口をつかみつつあるという感じを受けておりますけれども、それぞれが、学会が提言活動をし、政府に対してしっかりとした学術界としての意見を取りまとめるという活動をしていることは一様に共通しているというふうに思っております。
 今回、我々も調べてみましたら、平成二十七年、薬剤耐性に関する共同声明がエルマウ・サミットの成果文書に反映され、それが我が国で薬物耐性アクションプランとして策定されるなど、その影響はしっかりとしたものがあるというふうに思いますし、委員御指摘のような国内向けに対してでも第三者機関として、一番よく、最近のものとしてはSTAP細胞の不正問題についてしっかりとした集中審議を行われ、報告書を取りまとめられた結果、その後の各研究機関の対策にも生かされているというふうにも聞いております。
 原子力等々についても、シンポジウム等を通じて市民の科学リテラシーを普及啓発していくことは今後も重要なことだろうというふうに考えております。
 我々としても、しっかりとこうした御意見を踏まえながら、不断の改革に取り組んでまいる所存であります。
#44
○委員長(難波奨二君) 矢田さん、時間参っております。
#45
○矢田わか子君 はい。
 ありがとうございました。なかなかこの日本学術会議、国民広くには知られていない実態もあると思いますので、今後も国民の期待に応え得る運営体制について是非とも御検討を進めていただければと思います。
 ありがとうございました。質問を終わります。
#46
○里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。本日は質問の機会をいただきましてありがとうございます。
 三年後の二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、スポーツのみならず、社会、文化、芸術面で様々なムーブメントを起こそうという機運が盛り上がっております。本日は、御担当の丸川大臣を始め、政府に対してその取組についてお伺いをしたいと思います。
 その前に、冒頭、この論点に入る前に、丸川大臣に確認をさせていただきたい点がございます。それは、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの大会の費用負担についてでございます。
 東京都以外の会場での大会経費負担の在り方が決着していなかったところ、今後いよいよ大会会場の施設整備などを始めるという段階に入っておりまして、一昨日、安倍総理が、関係県の知事から早期解決への協力の要請を受けて、丸川大臣に対して東京都の案を待つことなく直ちに調整するようにとの指示をされたと承知をしております。
 この件は、東京都や大会組織委員会に主体的に取り組んでいただくにしても、オールジャパンで盛り上げていく上で政府の役割は大変重要であり、費用負担の調整に関しても丸川大臣のリーダーシップに期待するところが大きいと考えております。今後どのようなスタンス、お考えで調整に当たられるお考えか、大臣のお考えを伺います。
#47
○国務大臣(丸川珠代君) 東京都以外の競技を行う自治体の皆様とは、これまでも私ども国はその自治体の皆様側の立場に立って都とそれから組織委員会との調整に当たってきたわけでございますが、総理の御指示を受けまして直ちに調整を行いました。
 今後、仮設の部分だけではなくて、それ以外にもまだ決めなければいけないことたくさんございますので、全体の費用負担について早期の成案を得られるように引き続き努力をしてまいりたいと存じます。
#48
○里見隆治君 ありがとうございます。
 今時点でこの調整結果がどうということはないかと思いますけれども、是非とも日本全体で盛り上げていく、国と東京都、また大会組織委員会、そして関係の県、皆さんが納得のいく調整をいただくよう、リーダーシップの発揮をお願いいたします。
 それでは、私の元々の関心事項の方に入ってまいりたいと思います。
 今週末の日曜日、五月十四日は母の日でございます。皆様、お母様への感謝をどのように表されますでしょうか。
 実は先週、母の日を前に、私の地元名古屋市におきまして、愛知県立愛知商業高校のユネスコクラブの活動で母の日に贈るミニブーケ作りのイベントがありまして、私も参加してまいりました。使っているバラはアフリカ、ケニアから輸入したもので、大変大きく色鮮やかで、これを適正価格で輸入したものでございます。いわゆるフェアトレードによるものでございまして、最も身近なお母さんに感謝をしながら、遠く地球の裏側のケニアの人々の雇用、所得、教育に貢献しているというすばらしい企画であるというふうに感じました。
 翻って、今回の東京オリンピック・パラリンピックを契機として社会全般における消費、生産パターンの変革というレガシーをいかに残すか、政府あるいは大会組織委員会においても御議論をいただいていると承知をしております。
 具体的には、本年三月に大会組織委員会において持続可能性に配慮した調達コードとして取りまとめられておりまして、その点、その意義、また政府として大会組織委員会をどのように後押しをされていくお考えか。その取組の中で、二〇二〇年を契機として、今申し上げましたようなフェアトレードに関する取組を企業活動、自治体、地域、市民活動などのレベルで更に広げていくべきというふうに考えますが、丸川大臣の御所見をお伺いいたします。
#49
○国務大臣(丸川珠代君) 大変重要な御指摘をいただいたと受け止めております。
 組織委員会が本年三月に策定をしました持続可能性に配慮した調達コード、これは、地球温暖化などへの、環境問題への対応、また人権、労働問題の防止、そして公正な事業慣行の推進等の観点を考慮に入れた調達を実現するための基準や運用方法等を定めております。
 この調達コードの意義については、組織委員会がSDGsを始めとした国際的な動きも踏まえた持続可能性に配慮した調達を行うことを通じて、大会の運営主体としての社会的責任を果たすとともに、広く社会に持続可能性を重視する姿勢が定着するように働きかけていくことを示したことにあるというふうに認識をしております。ですので、国としてもこのような組織委員会の方針に協力を行っておりまして、一例としては、今年四月に組織委員会が調達を行う事業者の皆さん向けに調達コードの説明会を開催をされましたが、その場の設定を国がやらせていただきました。
 このフェアトレードについては、調達コードの中でも、調達物品等の製造、流通等における環境面、人権面、また労働面の配慮事項が規定をされておりまして、考え方としては盛り込まれていると思っておりますけれども、真にSDGsに対する理解、またフェアトレードに対する理解をより組織委員会においても深めていただくと同時に、私どももしっかりとそうしたものが社会全体に広がっていくような後押しを更に行ってまいりたいと思います。
#50
○里見隆治君 よろしくお願いいたします。
 この持続可能性に配慮した調達コードにおきましては、農産物の調達基準について、障害者が主体的に携わって生産された農産物を調達することが推奨される事例として提示をされております。また、政府で本年二月に丸川大臣の下で決定をされたユニバーサルデザイン二〇二〇行動計画においては、「障害のある人にとっての職域や収入拡大を図る」、途中省略をいたしますけれども、「農福連携を推進する等、障害のある人等が地域の担い手として活躍する取組を推進する。」とございます。
 そこで、丸川大臣にお伺いをいたします。障害者の活躍の場を広げるとの観点で、ユニバーサルデザイン二〇二〇行動計画の基本的な考え方についてお伺いをいたします。その際に、障害者の就労機会の拡大という点においては、今例示をいたしました農業だけである必要はなく、あらゆる産業、業種で御活躍いただくべきと考えますが、いかがでございましょうか。
#51
○国務大臣(丸川珠代君) ユニバーサルデザイン二〇二〇行動計画では、障害のある人もない人も、支え手側、受け手側に分かれることなく共に支え合い、多様な個人の能力が発揮されている活力ある共生社会の実現を目指しております。
 一九六四年の東京大会を振り返りますと、実はパラリンピックという名称が初めて使われた大会でございました。車椅子使用以外の障害のある選手が初めて参加をするなど、我が国の障害のある人々の社会活動の参画を促す大きな契機となりました。ですので、二〇二〇年の東京大会というのは、それから長い時を経て、今度は成熟社会日本の姿を世界に示す大切な契機であると同時に、私たちの社会が真に共生社会として成熟していく重要なきっかけでもあるという認識でございます。
 議員御指摘のとおり、農業分野での就労というのは活躍の場の一例でございまして、行動計画においては、障害のある人が活躍しやすい企業などを増やす取組として、職場定着の支援あるいは柔軟な働き方の工夫などの措置を講じる中小企業等の事業主への支援を進めていくこととしております。
 共生社会を実現する上で、障害者差別解消法の趣旨を踏まえて障害者の雇用を促進することは重要であると考えております。二〇二〇年に向けてオリパラ担当大臣としても協力をしてまいりたいと存じます。
#52
○里見隆治君 よろしくお願いいたします。
 関連しまして、厚生労働省にお伺いをしたいと思います。
 平成二十五年度から、障害者の就労施設等からの物品等の調達の推進等に関する法律によりまして、国、独立行政法人、地方公共団体には障害者の就労施設等からの物品等の調達の努力義務が課せられております。この法律によりまして障害者就労施設等からの調達実績がどの程度伸びておりますでしょうか。
 事前に伺ったところ、二十五年度から二十六年度にかけての増加幅に比べると、二十六年度から二十七年度にかけての増加幅が鈍化しているようでございます。その背景をどのように分析されているか、併せてお願いいたします。
#53
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 今委員からお尋ねございました障害者就労施設等からの調達実績額でございますけれども、国、独法、自治体合わせてでございますが、平成二十五年度は百二十三億円、二十六年度は百五十一億円、二十七年度は百五十七億円でございまして、委員御指摘のとおり、調達実績額の増加幅は鈍化傾向にございます。
 その背景といたしましてということでございますけれども、国等におきましてはこの障害者就労施設等からの物品等の調達の推進を図るための調達方針を作成する義務というものが課されておりますけれども、特に、二十七年度時点で全体の調達実績額の七割以上を市町村が占めておりますけれども、その市町村の調達方針の策定率というのが平成二十五年度で五八%、二十六年度で八三%、二十七年度で八九%ということになっておりまして、二十五年度から二十六年度に調達方針を立てて積極的に取り組む市町村は大幅に増えた一方で、二十六年度から二十七年度にかけては微増であったということなども増加幅が鈍化した主な要因ではないかということで考えております。
#54
○里見隆治君 それに関連いたしまして、この法律の附則の検討規定がございまして、三年以内の検討が盛り込まれております。その期限は昨年三月末だったというふうに承知をしております。この検討結果を踏まえて更に実績を伸ばすということも本来あったのではないかというふうに思っております。その検討結果及び対応状況がいかがかという点、お伺いしたいと思います。
#55
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 今委員の方から御指摘ございましたとおり、同法の附則に検討規定が二つございまして、検討規定の第一項には、障害者就労施設等の物品等の質の確保に関する技術的支援や、購入者等に対する情報の提供の体制の在り方について検討するということ等を規定されております。
 厚生労働省といたしましてはこれへの対応としまして、予算事業といたしまして、平成二十七年度から、事業所が提供します物品等の質の確保の支援をするために、専門家の派遣等によります技術指導によります品質向上支援等を実施するということとともに、平成二十八年度からは、企業や自治体等に対しまして、障害者就労施設等が提供する物品等の情報提供体制を確立するための支援というものを予算事業で行っておるところでございます。
 一方で、検討規定の第二項の方では、公契約の落札者を決定するに当たりまして法定雇用率を満たしていること、あるいは相当程度の物品等を調達していることなどを総合的に評価する方針を導入することについての検討ということが規定されてございますが、この点につきましては私どもも関係省庁との間でも検討を行ったところでございますが、法定雇用率以上の障害者を雇用することは法律上の義務でもあること、それから障害者就労施設等からの相当程度の調達を行っていることが、それ自体がより優れた成果物を出せることを必ずしも保証しないのではないかといったような議論にもなりまして、今、公契約の調達に当たってその点を考慮して評価することということについては慎重な対応が必要ではないかということで考えておるところでございます。
 ただ、いずれにしましても、厚生労働省といたしましても、各省庁に対しまして、四月七日に開催されました次官連絡会議におきまして、引き続き障害者優先調達推進法に基づく調達に努めていただくように依頼いたしました。また、自治体に対しましても、二十八年の九月からは、先ほど申し上げました調達方針の未策定の自治体名を厚労省のホームページでの公表を行ったり、あるいは担当課長等都道府県の課長を集めた会議で調達方針の早期策定案の全庁的な取組の依頼ということを行っているところでございまして、私どもとしましても、引き続き、調達の増加ということが促進されるようにしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
#56
○里見隆治君 ありがとうございます。
 検討事項は二点あって、一点目は具体的に予算措置もして対応いただいて実績の増につなげていただいていると。二点目の施設等から相当程度の物品を調達していることを総合的に評価する方式の導入という点については、まだきちんとした具体的な結果には至っていないということでございました。
 関係省庁との調整の中で、今おっしゃったような理由というのは、これはもう法律を規定したときから分かっている理由でして、それでもなお法律を規定したということですから、やはりこの法律の趣旨にのっとった形で、これを真摯に受け止めて積極的に前向きな検討をいただくべきだというふうに考えます。
 今、もうオリンピック、二〇二〇年を契機に、民間にも広くこうした動きをというふうに官が呼びかけている中で、国、独法あるいは地方公共団体がそういった非常に固い取組ということでは範を垂れることはできないと考えております。この点、今後しっかりと検討いただきたいということを改めてお願いしたいんですけれども、いかがでしょうか。
#57
○政府参考人(坂口卓君) 今の点につきましては、今日の議員の御指摘も踏まえまして、関係省庁とも連絡しながら、改めてどのような対応ができるか、しっかり検討してまいりたいと考えます。
#58
○里見隆治君 よろしくお願いします。
 さて、二〇二〇年はオリンピック・パラリンピック、こうした持続可能性に配慮した経済活動のみならず、文化プログラムを通じて日本の魅力を発信する絶好の機会でございます。
 この観点から既に、今年に入って、丸川大臣の下でビヨンド二〇二〇プログラムの認証が進められていると承知をしております。大臣には、このビヨンド二〇二〇プログラムの意義についてどのようにお考えか、また、今後、民間にも、首都圏のみならず地方にも広く巻き込んでいく必要があると考えておりますが、今後どのように取り組んでいかれるか、お考えをお聞かせください。
#59
○国務大臣(丸川珠代君) 御指摘のとおり、二〇二〇年の東京大会というのは、スポーツの祭典であると同時に文化の祭典という側面もございます。この機会を通じて日本の魅力を発信するとともに、障害の有無にかかわらず誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合う共生社会を実現することも重要でございます。
 ビヨンド二〇二〇プログラム、今御紹介をいただきましたけれども、これは、御指摘のとおり、二〇二〇年以降を見据えて、まず地域の広がり、つまり主催都市東京だけではなくて、地域性豊かで多様性に富んだ日本文化の魅力を全国津々浦々から発信をしていただくということとともに、障害者にとってのバリアを取り除く取組を含んでいるなどのレガシーを創出する文化プログラムを認証する仕組みでございまして、ロゴマークを付与することでオールジャパンで統一感を持って日本全国へ展開することとしております。
 今後は、盛り上げの観点から、さらに民間事業者の皆様、それから開催都市、開催地域以外の地方への展開が非常に重要であるという認識をしておりまして、今後はそのビヨンド二〇二〇プログラムの認証を行う組織を関係の府省庁や都道府県、また政令指定都市にまで広げることで多様な組織や地域からの申請を促してまいりたいと考えております。
#60
○里見隆治君 是非とも積極的なお取組をお願いいたします。
 今言及されました特に障害者、その文化芸術活動、これは私の地元愛知県蒲郡市で楽笑というNPO法人が、障害者を、支えられる存在というだけではなくて、創作活動を通じて地域の住民と交流を深めるという考えで創作の展示活動などをする会場を拝見してまいりました。非常に独創的な作品が多く、感銘をいたしました。
 この点、更に日本全国、二〇二〇年を契機に更に発展、広めていくべきと考えますけれども、文化庁としてこの点どういうふうにお取り組みになるか、最後にお聞かせください。
#61
○政府参考人(永山裕二君) 委員御指摘のとおり、障害の有無にかかわらず全ての人が文化芸術に親しみ、優れた才能を生かして活躍することのできる社会を築いていくことが重要だと考えております。障害者が様々な地域で文化芸術を通して活動できる、そういう環境を整えていくことが重要と考えております。
 これまでも文化庁といたしましては、障害者の優れた文化芸術活動の国内外での公演、展示の実施、また助成採択されました映画作品のバリアフリー字幕、また音声ガイド制作への支援、また特別支援学校の子供たちに対する文化芸術の鑑賞、体験機会の提供など、障害者の文化芸術活動の充実に向けた支援に取り組んできたところでございます。
 また、一昨年の六月からは厚生労働省と共同の懇談会というのを開催しております。正式名称ちょっと長いんですが、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた障害者の芸術文化振興に関する懇談会というものを開催いたしまして、その場で関係機関との情報共有、また意見交換などを行ってきたところです。
 文化庁といたしましても、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機といたしまして、心豊かな生活の実現につながる文化プログラムにおきまして、こうした取組を一層充実させて、障害の有無にかかわらずあらゆる人々が文化芸術を鑑賞し、これに参加し、これを創造することができるよう、障害者による文化芸術活動を促進してまいりたいというふうに考えております。
#62
○里見隆治君 よろしくお願いいたします。
 以上で終わります。
#63
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 今日は、働き方改革で示された同一労働同一賃金の考え方についてお聞きします。
 正規雇用と非正規雇用の不合理な待遇差を解消するというのが働き方改革実行計画の柱の一つです。これに基づいて同一労働同一賃金のガイドライン案というのが示されましたが、ここでは基本給、手当などについて均等・均衡待遇を確保するとしていて、基本給は職業経験・能力、業務評価、勤続年数の三要素が同じならば正社員と同一水準にすることと、こういうふうにしていますね。
 この三要素の一つ、職業経験・能力部分については、原則として職業経験・能力に応じた部分につき同一の支給をしなければならない、また、蓄積している職業経験・能力に一定の違いがある場合においてはその相違に応じた支給をしなければならないとしながら、同じ職務であっても、キャリアコースの違い、職務内容の将来の変更とか転勤の有無、これを理由に基本給は違っても問題がないんだという例示をしています。
 これ、つまりは同じ仕事に従事していても、その仕事の内容とは直接関係のないキャリアコースの違い、あるいは将来職務内容の変更があり得るそういうポジションなのか、将来転勤があるのかどうか、これを理由に基本給の格差を認めてしまうというものなんですね。これでは同一労働同一賃金は達成できないというふうに思いますが、厚労省にまずお聞きいたします。
#64
○政府参考人(鈴木英二郎君) お答え申し上げます。
 今回のガイドライン案におきましては、基本給から教育訓練に至るまで、待遇改善に向けまして幅広い待遇についての判断例を示したところでございます。
 その中で、不合理な待遇差の是正をするに当たりましては、我が国では長期雇用の中で配置転換をしながら幅広い職務遂行能力の向上を促していき、それと対応しました賃金決定を行っている企業も多いという実態を踏まえる必要があると考えたところでございます。
 他方、同じガイドライン案の中でございますけれども、職務内容、配置の変更範囲等につきまして、将来の役割期待が異なるといった主観的、抽象的な説明では足りず、客観的、具体的な実態に照らして不合理性が判断される旨を明記したところでございまして、この内容は適切なものではないかと考えておるところでございます。
#65
○田村智子君 これ、歴史的な男女賃金差別、パート賃金差別の判例である丸子警報器、あの判例さえも後退させるような中身なんですよ。認められないですよね。
 一億総活躍国民会議で、安倍総理は次のように指示をしました。どのような賃金差が正当でないと認められるかについては、早期にガイドラインを制定し、事例を示してまいります、このため、法律家などから成る専門的検討の場を立ち上げ、欧州での法律の運用実態の把握等を進めてまいります、できない理由は幾らでも挙げることはできます、大切なことは、どうやったら実現できるかであり、ここに意識を集中いただきたいと思いますと。
 これを受けて、同一労働同一賃金の実現に向けた検討会では、ヨーロッパの判例や制度を調べましてガイドラインの研究が進められたというふうに理解をしております。では、ヨーロッパにおいては、職務の変更の有無、残業の有無、異動の有無、キャリアコースの違い、これで賃金格差を容認するような法制度あるいは判例はあったんでしょうか。
#66
○政府参考人(鈴木英二郎君) お答え申し上げます。
 職務が同一である労働者につきまして、労働契約により職業能力向上のために設定されましたキャリアコースに進んだか否かで賃金差が生じている事例について同一労働同一賃金原則に違反しないと判断いたしました裁判例がフランスにあると承知してございます。
#67
○田村智子君 裁判例が一つフランスにあったと。でも、法制度ないわけですよ。基本的にヨーロッパは職務が同じだったら同一労働同一賃金なんですよね。
 だから、これはあくまでも日本的雇用慣行の温存だと私は思いますよ。日本では、正社員というのは職務の変更や転勤を企業から命じられればそれに従うんだと、長時間残業も受け入れるんだと、こういう働き方が前提になっていて、これができないんだったら処遇の格差は、基本給であっても格差があっても当然だと、これは私、日本的慣行だと言わざるを得ないんですよ。
 私、例えば非正規雇用で、例えば雇用契約が一年の契約社員とかこういう方に転勤があるなんという前提はまず考えられなくて、そうなったら、これもう基本給で差別があっていいということになっちゃうんですね。同じ正規雇用の中でも、例えば転勤などができないなら一般職ですよと、転勤にも応じます、残業もばりばりこなしますと、それなら総合職ですよといって、例えば女性なんかはもう入社の時点でこうやってコース別にさせられてしまうんですよね。政府は今、多様な働き方の一つとして多様な正社員、つまり転勤などがない地域限定型の正社員、こういうことも進めようとしていますが、これだって転勤がないんだから基本給の格差を認めてしまうということになってしまうと思います。
 先月、ILOの議員連盟の学習会に私参加をいたしまして、そこで女性と仕事に関する国際意識調査に関わったILO本部の方々からお話をお聞きすることができたんですね。日本に対する勧告というのもお話をされました。
 そこで私質問したんです。日本では就職するときに、あなたは残業ができますか、転勤が可能ですかと、これで言わばコースが決められて基本給も含めた賃金の格差というのが生じているんだと、これ、男女賃金格差の一つの理由になっているんだと。こういうことをどう思いますかというふうにお聞きをしました。そうしたら、こういう答えだったんですね。多くの国が、採用時に残業や転勤に応じることができるか、こんなことを前提とする、あるいは質問する、そのこと自体が禁じられていますよと、これもう日本固有の問題ですよというふうに指摘をされました。
 同じ仕事をしていても正規、非正規の格差がある、男女の賃金格差がある、それは、残業、転勤など企業に対する義務を履行できるかどうかなんだと、これを理由にすれば格差があってもいいんだと。いつまでこれを私は続けるんだというふうに思います。
 加藤大臣にお聞きします。働き方改革と言うのであれば、せっかくヨーロッパ調べたんですから、法制度、こういう同一労働同一賃金に追い付くように日本的慣行の打破こそ必要だというふうに思いますが、いかがですか。
#68
○国務大臣(加藤勝信君) これまで日本ではいわゆる能力給を踏襲していると、それに対してヨーロッパ等では職務給であると、そういったことを踏まえて、なかなか同一労働同一賃金というのは難しいんじゃないかと、こういう立場に我々も正直言ってあったわけでありますけれども、そういう中で、やはり非正規における処遇の格差是正を図っていく、そのためにはそういった同一労働同一賃金ということにも踏み込んでいく必要がある。そして、その実例としてヨーロッパ等をいろいろ勉強させていただく中で、今こちらからお話がありましたように、例えばキャリアパスが違えば、同一労働、同じような仕事をしていたからといって必ずしも賃金が一緒になっているわけではない。そこに一種の不合理さがあるかないかということが問われている。
 そういったことを踏まえて、昨年末お示ししたいわゆるガイドライン案では、我が国の雇用実態にも配慮しながら、基本給の趣旨、性格が様々である現実を認めた上で、それぞれの趣旨、性格に照らし、実態に違いがなければ同一の、違いがあれば違いに応じた支給を求めるということにしたところであります。
 転勤有無等による話がございましたけれども、長期雇用の中で配置転換しながら幅広い職務遂行能力の向上を促す人事管理が現行で見られることを踏まえ、職務内容や配置の変更範囲を待遇差の判断に当たっての考慮要素の一つにするということは適当だというふうに考えて、ああしたガイドラインをお示しをさせていただいたところであります。
#69
○田村智子君 これ、転勤すれば転勤手当が付くとか、残業すれば残業手当が付く、それで月収が違うというのは分かりますよ。だけど、基本給の格差を認めちゃったら、これ同一労働同一賃金じゃないですよね。
 ちょっと角度を変えて聞きます。
 私は、そもそもガイドライン案を読んだときに根本的な疑問として感じたのは、同じ職務でありながら、一方は正規雇用、一方は非正規雇用、この格差自体がおかしいんじゃないのかなと、同じ職務で同じ仕事なんですから。
 今日資料をお配りしました。就業構造基本調査から厚生労働省が作成した資料なんですけれども、これは若い人対象でありますね。初めて社会に出たときにその仕事が非正規だったという方々がどれだけの割合でいるかという調査なんです。
 五年ごとで、その五年間のうちでどれだけの方が非正規の職業に就いたのかという調査で、今年が調査年なので、一番新しい数字というのが二〇〇七年十月から二〇一二年九月の五年間ということになります。これ見ますと、三九・八%の方が学卒で最初に就いたのが非正規なんですよ。女性でいえば四九・三%。しかも、年々上がり続けてきているわけです。
 大臣、まずこれ見てどう思われますか。
#70
○国務大臣(加藤勝信君) 直近の姿がいま一つ見えないというところはありますけれども、確かに、男性も女性も含めて、非正規で働いている方の割合が増えてきているという実態はここに示されているというふうに思います。
#71
○田村智子君 非正規の処遇の改善が求められていくというのはもちろんなんですけど、働き方改革実行計画の中では、非正規という言葉を世の中からなくすと言っているんですよ。なくすと言いながら、学卒で初めて働く女性の半分が非正規だと。これをどうやって解決していくのかということが真剣に私考えられなければならないというふうに思うんですね。
 そもそも何で非正規で雇うのか。私、その合理性こそ使用者に問うべきだと思いますね。非正規というのは、直接雇用をしないで派遣労働者にする、あるいは無期雇用ではなくて三か月とか半年とか、長くても一年という有期雇用にすると、これを非正規というふうに呼ぶわけですけれども、その理由が人件費抑制のためでしかないんだとしたら、私は、正規と非正規で格差が生じてしまうのは当然で、根本的な是正など不可能だというふうに思います。
 社会人となって初めての職が非正規、こういう方々が増加していくということに歯止めを掛けるためには、これは私たち何度も長年にわたって提起しているんですけれども、なぜ非正規で雇うのかというその理由、この入口の規制が何らかの検討必要だと思うんです。
 では、働き方改革のこの検討の中で、この非正規労働の入口規制については何らかの検討は行われたんでしょうか、何らかの施策盛り込まれたのか、お答えください。
#72
○政府参考人(小林洋司君) お答え申し上げます。
 合理的な理由がない場合に有期労働契約の締結を禁止するという、今おっしゃいましたいわゆる入口規制につきましてでございますが、今般の働き方実行計画には盛り込まれていないところでございます。
#73
○田村智子君 いないんですよ。盛り込まれたのはこの非正規の待遇どうやったらという、合理的な理由がなければと言いながら非合理な待遇格差も認めるようなガイドライン案を出してくる。
 それから、もう一つ進めようとしているのは、入口では非正規だったと、だけど五年が経過をしたら本人の申出によって無期転換ができるということで、これを徹底していくことで非正規減らしていこうということは安倍内閣は持ち上げました。しかし、私何度も国会で取り上げてきましたけれども、五年前の雇い止めというのが国立大学や研究所など独立行政法人、省庁の足下でも防げていないという実態があります。
 これに関わって、今日厚生労働省にもお聞きしたいんです。
 厚生労働省は、この五年経過したら無期転換ということについてパンフレット出しています、周知を図るために、「有期契約労働者の円滑な無期転換のために」と。しかし、当初出したパンフレットは、基幹的な業務は無期転換の対象だけれども、補助的な業務は必ずしも転換しなくてもいいという中身が書かれていて、私はこれはおかしいということを厳しく批判して、新たに出されたパンフレットはその記述はなくなったんですね。しかし、「長期勤続が見込まれる有期契約労働者については、無期労働契約への転換を検討する。」とし、「業務の大半は正社員が担っており、業務量の変動への対応として有期契約労働者を活用しているため、五年を超えて契約更新する者については選抜する。」と書いてあるんですよ、パンフレットに。選抜なんですよ。
 これ、法律上は、本人が申し出たら、これは無条件で無期転換しなくちゃいけないんです。そうすると、選抜というのはいつやるんですか。五年の前にやるしかないですよ。五年の前に、五年契約に図る前に、あなたの契約は今年で打ち止めですよという選抜を五年の前にやるということを私このパンフレットは事実上認めているようなものだというように思いますが、厚生労働省、いかがですか。
#74
○政府参考人(土屋喜久君) お答え申し上げます。
 労働契約法におきます無期転換ルールは、業務の内容にかかわらず、同一の使用者との間で有期労働契約が五年を超えて反復更新された場合、有期契約労働者の申込みによって期間の定めのない労働契約に転換できるという仕組みでございまして、私どもとしては、これ、できるだけ多くの方がこれによって無期転換して雇用の安定が図られることが望ましいというふうに考えているところでございます。
 そういう前提の下で、現在、事業主の方々が労働契約法の趣旨を踏まえて無期転換ルールへの対応に積極的に取り組んでいただくよう、ポータルサイト、ハンドブック等を用いまして周知啓発を図っているところでございますが、こうした周知啓発に当たりましては、現在使用しているハンドブック等におきましては、業務の必要性が恒常的なものについては、基幹的な業務か補助的な業務かにかかわらず無期契約労働者が担うことが適しているといった例示を示しながら周知啓発を図っているところでございまして、いずれにいたしましても、無期転換ルールの内容が使用者の方あるいは有期契約労働者の方々に十分御理解いただけるように引き続き周知啓発を図ってまいりたいと考えております。
#75
○田村智子君 引き続き議論していきたいと思いますが、余りに不十分な中身だということを指摘して、質問を終わります。
#76
○清水貴之君 日本維新の会の清水貴之です。どうぞよろしくお願いをいたします。
 先月二十九日に北朝鮮のミサイル発射というのがありました。そのときの対応ですね、特に鉄道会社によって対応が異なったりということで、この辺りのことがかなりその後報道なども大きくされました。そういった場合、今後ももちろんそういったミサイル発射などがされる可能性というのは十分予測されるわけですので、そういったときの対応についてまずはお聞きしていきたいと思います。
 先月のその二十九日の発射時には、まずJアラートですね、これは作動しませんでした。しなかった理由というのを教えていただけますでしょうか。
#77
○内閣官房副長官(野上浩太郎君) 国民の生命、財産を守り抜くためには、国民に対して迅速かつ適切に情報伝達を行うことが極めて重要であります。政府としては、ミサイルが我が国に飛来する可能性がある場合にはJアラート等を活用して直ちに国民に情報を伝達することとしております。
 御指摘の今般の事案では、発射されたミサイルが我が国に飛来する可能性がなかったことからJアラートなどを使用しなかったものであります。
#78
○清水貴之君 となりますと、じゃ、どういった状況で、例えば発射してどこまでどう来た場合にこちらに飛来するというふうに判断するのか。
 また、範囲ですよね、Jアラートが作動する、そして例えば携帯電話とか警報が鳴るような、日本全国で鳴るのか、その地域限定で鳴るのか、こういったことというのも非常に大きな要素になってくると思います。その作動があった場合に、もちろん自治体であったりとかで、国民の皆さん、我々も含めですけれども、どう対応していくのか、これも大切になってきますが、この辺りというのはどういうふうに定められているんでしょう。
#79
○政府参考人(横田真二君) お答え申し上げます。
 Jアラートを使用する具体的な判断基準については、事柄の性質上コメントを差し控えさせていただきたいと思いますが、政府といたしましては、北朝鮮から発射されたミサイルが我が国に飛来する可能性があると判断したときには、直ちに飛来する弾道ミサイルに注意が必要な地域の国民の皆様に幅広くJアラートを使用して緊急情報を伝達することといたしております。この内閣官房が発信する緊急情報は、消防庁の送信システムを通じまして各市町村の受信機に送信をし、市町村の防災行政無線のスピーカーや戸別受信機、それにコミュニティーFM、ケーブルテレビなど、それを自動で起動させることによりまして住民の方々に瞬時に伝達されるということになっております。また、消防庁の送信システムから直接携帯電話会社を経由をいたしまして、エリアメール、緊急速報メールなどを発信することとなっておるところでございます。
 そのJアラートにより緊急情報が伝達された場合、国民の皆様には直ちに、屋外にいらっしゃる場合には近くの頑丈な建物や地下に避難していただきたい、また、近くに避難に適した建物がないという場合には、物陰に身を隠すか、地面に伏せ頭部を守っていただきたい、また、屋内にいらっしゃる場合には、できるだけ窓から離れ、できれば窓のない部屋へ移動していただきたいと考えております。
 先月二十一日に弾道ミサイル落下時の行動として取りまとめたリーフレット、これを作成をいたしまして、内閣官房のホームページに掲載しますとともに、首相官邸のツイッター、LINEでも同様の配信を行う等によりまして周知を図っておりますほか、消防庁を通じて地方公共団体に対して住民への広報について協力を要請しているところでございます。
#80
○清水貴之君 今回、大きくその後の報道などで伝えられたのはやはり鉄道会社の対応だと思います。Jアラート鳴らなかったけれども、テレビの速報が流れたので止めたというところもあれば、全く何にも、そのまま止めることなく通常運行を続けていたところもあるわけですね。
 見ますと、もう様々、基準は定めていたり、全く基準も定めていない、対応マニュアル作っていない鉄道会社ももちろんあるわけなんですけれども、やっぱりこういう基準が違うと、例えば、地上の電車ですね、山手線が止まりましたと、ああ、地下に逃げなきゃということで地下に逃げたけれども、地下鉄は動いていると、そうしたら、地下鉄で普通に、上空の状況、地上の状況が分かりませんから、地下鉄で通勤している、通学している方などは上から人がわっと流れてきて何だということで混乱を来す、こんなことももちろん可能性としてあるわけですね。
 四月二十九日は祭日だったからそれほど人が多くなく、朝早い時間でしたし、大丈夫だったのかなと思うんですが、この辺りというのは、やはりある程度統一した上で国民の皆さんにちゃんと知らせておかないと余計な混乱を生む可能性があるんじゃないかというふうに思っておりますが、この辺りについてはどう考えていますか。
#81
○政府参考人(潮崎俊也君) ただいまお話ございました鉄道の件でございますが、四月二十九日、Jアラーム及びエムネットによる緊急情報発信はなかったわけでございますけれども、お話のとおり、一部の事業者、具体的には東京メトロ、東武鉄道とJR西日本の一部の線区で運行が抑止されまして、約十分後に運転が再開されたということがございました。
 これ、それぞれ各社は弾道ミサイル発射の報道、まさにお話ございましたとおり、報道を確認して、旅客の安全確保を最優先として独自に判断し運行抑止の対応を取ったということでございますけれども、一方で、今回の事象を踏まえまして、東京メトロでは、今後Jアラーム又はエムネットの情報により運行抑止を判断するという対応に変更をしたところでございまして、また、今回同様に止まりました東武鉄道とJR西日本においても同様の措置を徹底するということを私どもとしても確認しております。
 これによりまして、国交省といたしましても、JR及び大手民鉄につきましてはJアラーム又はエムネットの情報に基づいて運行の抑止の判断をするということを確認しておりまして、その上で、各鉄道事業者において自社の旅客の安全確保を最優先とした対応を取っていただきたいと考えております。
#82
○清水貴之君 ということは、やはりJアラートは基本にありながら、とはいえ、やっぱり違いというのはこれは生じてくるわけですよね、鉄道会社によって対応というのが。それは国交省としては仕方がないといいますか、もう鉄道会社の判断ですからということになるわけですか。一律の基準を作る必要はないというふうな考えですか。
#83
○政府参考人(潮崎俊也君) 交通機関の一般論、地上の交通機関の一般論として、何か危機なりハザードが迫った場合には、まず大原則として、運行を停止するということによってその危機の回避なり被害の軽減を図るというのは、これはある意味、一般論でございますけれども、大原則であると思っております。
 そういう意味では、Jアラート又はエムネットという共通の情報に基づいて基本的には運行抑止の判断をするということは、今回の対応以降、基本的に大どころの会社は、JR、大手はそういう対応でそろったわけでございますが、各社それぞれ、旅客の集中の状況ですとかあるいは施設の状況なんかはそれぞれ様々でございますので、今の対応を基本としつつ、それぞれ各社の対応の中で最善の判断の余地というものも全くないわけではないと思っております。
#84
○清水貴之君 何かあって後ではもちろん遅いので、先に予防措置をとる、運行を止める、こういう判断をするのはもうもっともだとは思うんですけれども、やはり私が言いたいのは、そこに違いが生じることによる混乱というのもあるんじゃないかなということなんですね。しかも、今回は、Jアラートの、鳴ったら止めるということに東京メトロは変えたということですが、発射が五時半で、速報が六時ぐらいに大体流れて、止めたのが六時七分ですから、まあちょっと、飛んできていたとしてももうどこかへ行ってしまっているか、到達している後の判断なわけですね。
 ちょっと、だから、こういうことをしてしまうと、本当に繰り返しになりますが、祭日の朝だったからそれほど大きな混乱にはなりませんでしたけれども、なのでというのを思っておりまして、官房副長官、こういうのも踏まえて、ちゃんと国民への周知というのもこれ非常に大事だと思います。何もないのが一番ですし、ミサイル飛んでこないのが一番ですが、あったときのため、そして、二次災害といいますか、更なる混乱を生まないために、そういう周知も是非進めていただきたいと思いますが、いかがですか。
#85
○内閣官房副長官(野上浩太郎君) 今委員が御指摘された点、大変重要でありますので、更に国民に周知するように徹底してまいりたいと思います。
#86
○清水貴之君 副長官、どうもありがとうございました。ここで副長官への質問は終わりですので、御退席いただいて結構です。
#87
○委員長(難波奨二君) 野上官房副長官、御退席いただいて結構でございます。
#88
○清水貴之君 続いてなんですけれども、国家公務員の皆さんの退職手当、これについてお聞きしたいと思います。
 先日、人事院の方が調査をして、民間の退職金との差、これについて調査をしたというふうに聞いております。この、まずは調査内容、結果、お知らせいただけますか。
#89
○政府参考人(古屋浩明君) 昨年八月に、国家公務員の退職給付制度を所管しております内閣総理大臣及び財務大臣から人事院に対しまして、民間企業における退職金及び企業年金の実態調査の実施と国家公務員の退職給付に係る見解の表明について御要請がありました。
 これを受けまして、人事院におきまして、官民それぞれの平成二十七年度中に勤続二十年以上で退職した者の退職一時金と企業年金を合わせた退職給付額について調査を行い、退職事由別、勤続年数別のいわゆるラスパイレス比較を行いました。
 その結果、公務の平均退職給付額が二千五百三十七万七千円、民間の平均退職給付額が二千四百五十九万六千円となり、公務が七十八万一千円上回っていたということから、国家公務員の退職給付水準について見直しを行うことが適切である旨の見解を表明したところでございます。
#90
○清水貴之君 その見解を受けて、山本大臣、どう政府として対応していくのか。また、これ官民差、徐々に縮まってはきているということなんですが、今お話ありましたとおり、いまだ残っております。この辺り、公務員制度御担当ということで、どういうふうな将来的に対応をしていくのか、お聞かせいただけますか。
#91
○国務大臣(山本幸三君) 国家公務員の退職給付につきましては、平成二十六年の閣議決定におきまして、官民比較に基づき、おおむね五年ごとに退職手当支給水準の見直しを行うことを通じて、官民均衡を確保することとされております。
 平成二十三年に実施された前回の退職給付の調査から五年が経過したことを踏まえまして、昨年八月に人事院に対して改めて調査の実施を依頼し、去る四月十九日にただいまお話がありましたように人事院の調査結果及び見解が示されたところであります。
 私どもとしては、この人事院の調査結果及び見解を踏まえて、退職手当の支給水準の見直しについて検討を行っていきたいと思っております。
#92
○清水貴之君 もう一つ、地方公務員、特に現業部門の官民格差というのも非常に大きいと、これはもうずっと言われ続けています。
 私も過去に予算委員会などでも質問をしたら、大臣からはしっかりと、民間の類似職等の給与との均衡に一層留意して適正な給与制度とするよう各自治体の方に要請をしているという、こういった答えなんですが、やはり、これはもう法律でもしっかり、地方公務員法でも定められていることですし、さっきありました同一労働同一賃金という観点からも、私はここもしっかりと見直しを進めていくべきところではないかと思いますが、要請しているだけで、じゃ変わるのかというふうにも思うわけですね。
 先日、大阪市を、人事委員会に、これは大阪市長がしっかり調査しろと言って調査したところ、やはり現業十部門のうち六職種で民間水準を公務員の方が上回っていたという結果が出ていますし、ちゃんと、要請だけじゃなくて、その後の指示であったりとか、結果を報告させること、こういったことが大事だと思いますが、これについてはいかがでしょうか。
#93
○政府参考人(宮地毅君) 技能労務職員の給与につきましては、従来より各地方公共団体に対しまして、民間の同一又は類似の職種の給与との均衡に一層留意して、住民の理解と納得が得られる適正な給与制度運用とすること、民間給与データと比較した給与情報を開示するなどの取組を徹底することなどを継続して要請をしております。
 地方公共団体におけます技能労務職員の給与の状況につきましては、毎年実施をしております地方公務員給与実態調査などにより把握しておりまして、それによりますと、例えば一般行政職給料表などからより給与水準の低い国の行政職俸給表(二)相当の給料表への切替えが進んできておりまして、平成二十年四月時点で行政職俸給表(二)相当の給料表を適用している都道府県は二割強にとどまっておりましたものが、二十八年四月時点では七割まで増加しているところでございます。
 この結果、給与水準につきましては、平均年齢が上昇している職種もある中で、全体といたしましては抑制基調で推移をしておりまして、技能労務職員の給与の適正化は着実に進んでいるものと認識をしておるところでございます。
#94
○清水貴之君 済みません、ちょっと時間をオーバーしまして。
 以上で終わります。ありがとうございました。
#95
○山本太郎君 ありがとうございます。自由党共同代表、山本太郎です。自由・社民の会派、希望の会を代表して質問いたします。
 昨年の十月、本委員会で私が質問いたしました、オリンピック開催に向けて明治公園の野宿者が東京都により強制追い出しをされたことについて、その後進展がありました。
 その前に、ざっくりこの経緯を。国立競技場周辺にある都立明治公園、ここは古くから野宿生活者の方々が命をつないできた場所でした。オリンピック開催決定後、日体協・JOC新会館が、二〇一七年夏着工予定で、高さ六十メートル、地上十四階の超高層ビルの建設用地として利用するため、野宿生活者四名が強制排除されました。
 JSCはこれまでも当事者たちと交渉をしたと言いますが、当事者に言わせれば、新国立競技場の新たな公募以降はまともな話合いにも応じず、話があったとしてもいつも追い出しありきだったと言います。結果、強制的に排除されてしまった人々。事実上選挙権さえも持たない者たちに対しては、その存在さえも無視する非情な政治がこの国には存在するような気もします。
 しかし、世界は違います。中でもオリンピックの開催地として選ばれた都市の数々は、路上に住まう方々にも路上の権利を付与するなど、オリンピックアジェンダ21にある、社会で最も恵まれないメンバーに特に注意を払うという精神を着実に実現する動きがあります。
 以前、丸川大臣に対して当事者との話合いの場を設けていただきたいとお願いしたのが昨年の十月の質疑でした。追い出しありきでさっぱり野宿者に対して寄り添うつもりもなさそうな東京都が、質疑の翌月、野宿者のもとに出向き、代替地の提案をしてくれたんですね。明治公園から別の公園に移り住むという提案を東京都の方からしていただいた。これ、丸川大臣はお認めになることはないと思うんですけれども、私、丸川大臣の御尽力じゃないかな、そのおかげじゃないかなというふうに思っています。心からお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございます。
 オリンピック開催の主体はJOCと東京都ですけれども、そのバックアップを国が全力で行うと、政府側のオリンピックの顔としてオリンピックの担当大臣がいらっしゃるのだと思います。これからもオリンピックの精神にのっとって、誰一人取り残されることのない社会の実現に向けての意気込み、丸川大臣ございましたら、是非お願いします。
#96
○国務大臣(丸川珠代君) オリンピック・パラリンピックは、単なる一過性のスポーツイベントではなくて、社会的な意義をもたらすものであるという認識で取り組んでおります。とりわけ二〇二〇年大会は、パラリンピックの夏季の大会を史上初めて二回東京が行うわけでございまして、そうした意味からも、様々な違いを乗り越えて共に尊厳を持ち、人権を大切にし合う共生社会の実現に向けてこれからもしっかり取り組んでまいりたいと存じます。
#97
○山本太郎君 ありがとうございます。共生社会に向けてしっかりと取り組んでいっていただけると。
 野宿者、ホームレスに関してお話をする際に、さっさと福祉につなげればいい、自立できるようにするべきだという声が必ずと言っていいほど聞こえてくるんですね。先日の本委員会での政府答弁で、住む場所を提供し、一日三食付くんだという答弁があった際にも、だったらいいじゃないか、公園にこだわらずにそっちに行けよといったような空気がこの委員会室にも少なからず流れたんじゃないかなという記憶があります。
 公園などの野宿生活を送る以前に、行政が提案する福祉につながった結果、心をえぐられるような体験をされた方々、実際に多くいらっしゃいます。例えば、ここ数年社会問題化している無料低額宿泊所、簡単に言うと、住む家のない生活困窮者に一時的に安価に利用できる部屋を提供する事業者を指すと。無料低額宿泊所、これ届出だけでできてしまう。誰でも簡単に無料低額宿泊所を開けてしまうというような部分がございます。届出をしている人たちだけでも五百三十七か所の宿泊所、これに類する法的位置付けのない施設は千二百三十六か所と、先日政府側に聞いたときにそのような答えもありましたけれども、その存在はそれ以上とも言われている。
 近年、様々な事業者が参入してきて、ここを舞台に貧困ビジネスが横行しているのは皆さんの御存じのとおりです。手口としては、暖かい部屋、毎日の食事ありますよ、ホームレスを始めとする社会的、経済的に弱い立場の方々に生活保護を受けさせ、保護費を徴収する。その徴収している内訳は、家賃、施設利用料と食事代。家賃といっても、ベニヤ板などで仕切られた三畳ほどの劣悪な住環境、日々の食事は粗末なもの。生活保護費用のうち本人に渡るのは一日千円程度。そのような環境での暮らしに加えて、煩わしい人間関係も付いて回るだけでなく、運営者による虐待も報告されています。まともな医療支援やまともな就職に向けた支援がなかなかその中に存在するはずもありません。
 国はこれら施設を生活困窮者が自立するまでの一時的な起居の場とし、東京都は入所期間原則一年、千葉県は原則三か月と定めていますけれども、厚労省の行った届出がある施設だけでされた調査では、利用者のうち一年を超える三年ぐらいの入居者は全体の二六・五%、四年以上は三二・三%。一年以内という原則ですよ、三か月以内という原則ですよというけれども、その届出がされている施設だけで行われた調査でも、利用者のうち一年を超える三年ぐらいの入居者は全体の二六・五パー、四年以上は三二・三パー。
 昨年末の調査で、無料低額宿泊所で年間百五十人以上が死亡退所、死んだから退所しましたということですね。これ、亡くなるということにならなかったら恐らく今もいらっしゃるという状況にあると思います。
 いっとき身を寄せて、いっとき身を寄せて自立支援につながるような場所ではなく、人間を見えないドヤに押し込めて、ついの住みかとし、存在をないものとして扱っている。社会的立場の弱さから選択肢がほかにない人々と、それを利用した卑劣極まりない貧困ビジネスとのマッチングを黙認することが常態化してしまっている。雨風しのげるんだろう、一日三食あるんだろう、ぜいたく言うなよ、野宿やめろ、福祉につながれよというのは、私かなり乱暴だなと思うんですよね。丸投げな話だと感じてしまいます。行政には振り回され、まともな援助も受けられず、国の福祉政策の破綻部分を実体験した人々は、精神的にも追い詰められ、もう懲り懲りだと。最終的に路上生活を選んだという人々がいる理由はそこにもあるわけです。
 そんな社会的に弱い立場に置かれた方々にも寄り添うという気持ちがオリンピック開催国には求められています。オリンピックの憲法とも言えるのがオリンピック憲章。それをより具体的に目標そして目的を定めたものがオリンピックムーブメンツアジェンダ21。その中には「社会で最も恵まれないメンバーに、特に注意を払わなければならない。」とうたわれています。
 シドニー・オリンピックをきっかけにオーストラリアでは、ホームレスには路上の権利、つまり公共空間である路上に滞在する権利があるということを定められ、公共空間にいる権利議定書というものが複数の州が締結したと。イギリスで開かれたロンドン五輪。仕事に就いていない方々対象に、七万人を五輪大会関連事業の競技場建設、運営スタッフにする計画を掲げた。実際には六万八千九百人を雇用した。職業訓練、就業、収入を得る機会につながったなど、オリンピックの開催国として、このアジェンダ21にも言われているとおり、社会的に弱い立場におられる方々に対し寄り添うという行動をオリンピックホスト国として確実に前に進めている、これは前回の質疑でもお知らせしたとおりのことでございますけれども。
 そして、この日本でも、恐らく丸川大臣から御忠言していただいたであろう、東京都が追い出しを行った野宿者に別の公園の代替地を提案することになった。これ、オリンピックホスト国の名に恥じないすばらしい決断だと私は思います。改めて丸川大臣、ありがとうございました。
 その一方で、今年の三月二十七日、渋谷区の公園で残念なことが起きてしまったんですね。渋谷の宮下公園といえば地方の方でもよく御存じな有名な公園ですよね。三井不動産という不動産ディベロッパーに東京五輪に関連した事業としてホテルを伴った商業施設を建設させるために、野宿者にまともな告知もせず強制排除するということが起きました。これ、ふだん渋谷区長がアピールしている多様性を認める社会的なこととは全く逆のお話なんですよね。言っていることとやっていること、違うことするんですね。
 当事者及び支援者の報告の中にはこういうことがありました。公園封鎖について、渋谷区は利用者や区議会に対して事前の告知を行っていない。渋谷区は、同日八時三十分過ぎに区庁舎の掲示板に宮下公園供用停止の告示を行ったが、公園封鎖は九時頃から始まったと。実質的な周知時間はほとんどなかったということですよね。これまでも渋谷区は年末年始にも公園封鎖ということをしてきたんですけれども、その際には公園内の掲示というのは行っていた。けれども、今回はそれがされていなかったということですね。まさに計画的な抜き打ち閉鎖、利用者に対する説明責任を放棄している。渋谷区は、利用者や区民に対する説明責任、情報開示よりも、三井不動産の計画、利益を優先するという行政として不適切な逸脱を行っているというふうに支援者の方々や当事者の方々が言われている話なんですけれども。
 でも、この渋谷区のやり方はかなり雑だと思うんですよね。事実上予告なしの排除というのはちょっと卑劣、ひきょうなやり方だなと思うんですよね。これはオリンピックの精神に泥を塗るものじゃないかなと。あくまでも事前にしっかりと通告をし、通告をする前にしっかり話合いをしという段取りを踏んでいかないことにはこれ成立しない話なんですけど、予告なしでいきなりやっちゃうというのは余りにもあり得ない。「社会で最も恵まれないメンバーに、特に注意を払わなければならない。」というアジェンダ21を踏みにじるような行為、オリンピックホスト国としてふさわしくない行為、これ慎まなければならないと思うんです。
 大会も近づいてきています。これからも、このような強制排除や計画的な抜き打ち閉鎖のような乱暴なやり方でオリンピックに泥を塗るような行為がどこかの自治体によって行われる可能性があるかもしれませんよね。大臣、是非それを予防するためにも、しっかりと当事者と丁寧に話し合って答えを導き出すと、東京都スタイルといいますか東京都が実際にやったという、そのようなことを求める通知のようなものを予防的に各自治体に出していただくということはしていただけないでしょうか。これは、ある意味日本の姿勢といたしましてアジェンダ21をしっかりと守っていくんだよということのメッセージにもなると思うんですよ。
 東京スタイルということを、このようなひきょうな強制排除を行わないような通知、通告というものを各自治体に出していただきたいんですけれども、御検討願えないでしょうか。
#98
○国務大臣(丸川珠代君) まず、渋谷区がどのような手続を踏んで公園の閉鎖に至ったかというのは、私は恐縮ですが渋谷区が発表している内容でしか確認をしておりませんので、改めて渋谷区にお伺いしなければちょっと何とも申し上げられません。
 加えて、大変恐縮ですが、実際に公園をどのように使用するか、また今、福祉政策ではなくて居場所の問題としてお考えになりたいというような考え方についてどうするかというのは、私ども内閣官房というよりは内閣府としてお取り組みになるかどうかという部分もございますので、そうした点も踏まえての検討が必要かと存じます。
#99
○山本太郎君 前回質疑よりもかなり前向きにお答えいただいている形だと思います。
 是非、まだこの私が本日お話しした件に関しては、恐らく内閣という場所においてもほとんど触れられていない部分だと思うんですね。このオリンピックアジェンダ21という部分に関して、どういうふうにその精神を守っていってオリンピックを成功させるのかということは話し合われなきゃならない部分だと思うんです。社会的弱者、一番弱い者に対してどのようなアプローチをしていくかということの議論さえもまだ恐らく始まっていないでしょうから、是非、丸川大臣がそのボールを投げていただくという役割をしていただきたいんですけれども、今おっしゃったことは、まずそのきっかけということを引き受けてくださるということでよろしいでしょうか。
#100
○国務大臣(丸川珠代君) まず、オリンピックはもちろんですけれども、国としてどう向き合うかということをこれまでも議論されてきているわけでありますので、そうしたことにのっとった手続であったかどうかということについてはよく確認をさせていただきたいと思います。
#101
○山本太郎君 これまでの議論であったり手続というものに関しては、実際にこのように路上に住まわれている方々がいらっしゃる、要は現在の福祉政策というものからやはりこぼれ落ちるといいますか、やっぱりそのいびつな形からこぼれ落ちる部分は確かにあるということなんですよ。でも、そこから変えていかなきゃいけないのは、やはりオリンピックを呼ぶに当たってホスト国としての役割、先ほど御紹介しました内容、世界の国々が、ホスト国がそのように変えてきたという部分があるんですよね。
 渋谷区のこともお調べになるとおっしゃいました。もちろん、それで結構でございます。
#102
○委員長(難波奨二君) 時間が参っております。発言をおまとめください。
#103
○山本太郎君 はい。十四分四十三秒で、あと十五秒あるので、済みません。(発言する者あり)はい、まとめますね。
 じゃ、お願いします、どのようなことがあったかという背景を調べていただくのは結構なんですけれども、このようなことが二度と起こらないような通知を是非御検討いただきたいんです。最後にその一言をお願いします。
#104
○委員長(難波奨二君) 答弁は簡潔にお願いいたします。
#105
○国務大臣(丸川珠代君) 私ども内閣官房がそのような通知を出す役所かどうかということも含めて、よく精査をさせていただきます。
#106
○委員長(難波奨二君) 山本君、時間参っております。
#107
○山本太郎君 はい。では終わりますね、済みません。
 オリンピック担当大臣というポジションができた理由考えていただければ、何もしないではそのポジションがある意味がございませんので、是非、丸川大臣、よろしくお願いします。
 ありがとうございました。
#108
○委員長(難波奨二君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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