くにさくロゴ
2017/04/12 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 国民生活・経済に関する調査会 第4号
姉妹サイト
 
2017/04/12 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 国民生活・経済に関する調査会 第4号

#1
第193回国会 国民生活・経済に関する調査会 第4号
平成二十九年四月十二日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 二月二十二日
    辞任         補欠選任
     大沼みずほ君     森屋  宏君
 四月十一日
    辞任         補欠選任
     斎藤 嘉隆君     浜口  誠君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         川田 龍平君
    理 事
                上野 通子君
                中西 祐介君
                山田 修路君
                風間 直樹君
                新妻 秀規君
                岩渕  友君
                藤巻 健史君
    委 員
                朝日健太郎君
                小川 克巳君
                自見はなこ君
                島村  大君
                進藤金日子君
                豊田 俊郎君
                中泉 松司君
                松下 新平君
                元榮太一郎君
                森屋  宏君
                神本美恵子君
                浜口  誠君
                平山佐知子君
                宮沢 由佳君
                伊藤 孝江君
                宮崎  勝君
               薬師寺みちよ君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        林  浩之君
   参考人
       明治大学農学部
       教授       小田切徳美君
       新潟大学法学部
       教授
       みなかみ町参与  田村  秀君
       全国知事会地方
       創生対策本部副
       本部長
       徳島県知事    飯泉 嘉門君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国民生活・経済に関する調査
 (「あらゆる立場の人々が参画できる社会の構
 築」のうち、経済・生活不安の解消(地域活性
 化の取組及び地域間格差の現状と課題等)につ
 いて)
    ─────────────
#2
○会長(川田龍平君) ただいまから国民生活・経済に関する調査会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、大沼みずほ君及び斎藤嘉隆君が委員を辞任され、その補欠として森屋宏君及び浜口誠君が選任されました。
    ─────────────
#3
○会長(川田龍平君) 国民生活・経済に関する調査を議題といたします。
 本日は、「あらゆる立場の人々が参画できる社会の構築」のうち、「経済・生活不安の解消」に関し、「地域活性化の取組及び地域間格差の現状と課題等」について参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。
 御出席いただいております参考人は、明治大学農学部教授小田切徳美参考人、新潟大学法学部教授・みなかみ町参与田村秀参考人及び全国知事会地方創生対策本部副本部長・徳島県知事飯泉嘉門参考人でございます。
 この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
 御多忙のところ本調査会に出席いただきまして誠にありがとうございます。
 本日は、皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、何とぞよろしくお願いいたします。
 本日の議事の進め方でございますが、まず小田切参考人、田村参考人、飯泉参考人の順でお一人二十分程度御意見をお述べいただいた後、午後四時頃までを目途に質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、小田切参考人からお願いいたします。小田切参考人。
#4
○参考人(小田切徳美君) ありがとうございます。明治大学の小田切でございます。
 このような機会をいただきまして、大変ありがとうございます。
 テーマであります地域活性化の取組及び地域間格差の現状と課題等に関わって、特に田園回帰という新しい動きについて少しお話をさせていただきたいと思います。この動き自体がこの活性化あるいは地域間格差について大いに関わるというふうに私自身思っております。(資料映写)
 まず、田園回帰という言葉なんですが、この言葉は、政府文書でいえば今から二年前の食料・農業・農村白書の中で取り上げられております、特集の中で取り上げられております。御存じのようにこの食料・農業・農村白書は閣議決定文書でもございまして、そういう文書の中でこういう言葉が出てきたというのが一つの特徴でございます。
 この特集の中に取り上げられているのが下の方にあります内閣府の世論調査であります。細かく見ることは省略したいと思いますが、非常に印象的な数字が出ております。
 約千八百ぐらいのサンプルサイズだというふうに記憶しておりますが、それぞれ男性、女性、世代別に、あなたは都市住民、あなたは農山漁村への定住願望がありますかという、そんなことを聞いておりますが、イエスというふうに回答している者、これを見ていきますと、二〇一四年の数字ですが、二十代の男性四七・四%という、こういう数字であります。つまり、都市に住む若者の半分近くが将来的には農山漁村に移住したいという、そんな思いを強めているという、そんな傾向がはっきり出てきております。
 もう一点注目したいのは、実は女性の三十代、四十代であります。絶対的な割合は低いんですが、実は伸びのポイントとしては女性の三十代、四十代が一番大きくなっております。恐らく一番現実的な志向性を持っている世代だというふうに思いますが、その世代でもこういった動きが出てきているというのが一つの特徴です。
 今申し上げたのは二〇一四年度の調査だったんですが、実は直近に総務省で同じような調査をさせていただきました。私が座長を担当させていただきました「田園回帰」に関する調査研究会、これが中間報告をこの三月に行いましたが、これはインターネット調査で三千のサンプルを持っております。
 ここで、御覧のように、男性の世代、女性の世代別にそれぞれ見ておりますが、同じような傾向が出ていると同時に、少し違うのが、実は二十代と三十代がほぼ並び始めております。この図でいえば緑の部分のところまで、ここが移住願望が何がしかの形であるということなんですが、男性の二十代、三十代、これ三つのカテゴリーを足すと男性二十代が四三・八となります。三十代が四三・六%というふうになって、ほとんど並んでいるというのが一つの特徴であります。前には見られなかった傾向、つまり、田園回帰の願望が若手を中心に、そして三十代にまで広がり始めているというのが一つの特徴であります。
 上から三番目に小さな数字で書いておりますが、全体として見れば、調査した対象の三千強のうち三一%、三〇・六%が移住願望を持っておりますが、さらにその方々にどうしたら移住するのかというふうに聞きましたところ、条件が整えばすぐにでもというのがこの中で一六・一%あります。つまり、全体の調査対象の五%が条件があればすぐにでも移住したいという、こういう数字が出ているというのも一つの特徴であります。
 さて、それではどういうところに移住しているのかということなんですが、島根県の地図がここにあります。このデータは、藤山さんという田園回帰一%戦略を唱えて大変有名な研究者ですが、この藤山さんが島根県の一つ一つの地域、この一つ一つの地域は小学校区に相当しますが、その中で二〇〇九年から一四年、どのように三十代の女性が動いたのかというのを見ております。
 実は、赤い部分が増加であります。全体の島根県の二百二十七エリアある中で九十六エリア、ここで三十代の女性が現に増加しているという、こういう傾向が出ているということであります。
 なぜ三十代の女性に注目したのか。これはもちろん、先ほど見たように、この世代が言わば最も現実的な動きをするという、そういうこともありますが、先生方御存じの例の増田レポートであります。増田レポートは、二十代、三十代の女性が将来半減するということをもって消滅可能性を論じました。ところが、現実にこういうふうに細かく見ていくと、つまり市町村単位でなく見ていくと増加しているところが出てきているという、このことが初めて明らかになったというふうに思います。
 右は鳥取県、隣の鳥取県の数字を見ておりますが、ここは地域分布というよりも数そのものを御覧いただきたいと思いますが、表の中に、二〇一一年が五百四人、これは移住者の実数でございますが、二〇一五年、最も新しいデータですが、約二千人と四倍になっている数字も確認することができます。
 それでは、この移住者、全国的にどういうふうな数なのか。残念ながら全国データはございません。この全国データがない中で、私どもの大学とNHKと毎日新聞で合同調査を二回ほど取っております。その結果、二〇一四年度の数字を御紹介させていただくと、全国で約一万人の移住者がいるという、そのことが確認されております。
 ただ、ここには最狭義というふうに書いておりますが、ここでの移住者は県境をまたいでいることが条件であります。あるいは、都道府県や市町村の何がしかのあっせん窓口を経ていることが条件であります。全国を比較するためにこういうふうな制限を付けざるを得なかったということですが、そういう意味では恐らくこの一万二千人の数倍はいるというふうに思いますが、見ていただきたいのは、むしろ青いグラフのトレンドです。これで見ていただきますように、移住者はこの五年間で四倍に増加しているという、こんな傾向が出ております。もちろん、これがそのままのトレンドで伸びていくというふうには思いませんが、ただし単純延長すれば数万人規模になるという、そのことが予想されるということであります。
 ただ、この調査の中で、私ども大変驚いたんですが、明らかになったのは地域間格差の存在であります。四十七都道府県のうち、東京と大阪は調査しておりませんので四十五道府県が対象なんですが、下の表にございますように、二〇一四年度、そのトップファイブを掲げますと、岡山、鳥取、長野、島根、岐阜、こんなところが出てくるわけですが、この五県の合計で実は全国の四八%を占めているという、こういう状況になっております。つまり、残りの五二%で四十県がひしめいているという、こういうふうな格差が出ているというのが一つのポイントであります。
 それでは、どういう特徴が見られるのか、私どもの実態調査結果を御披露させていただきたいと思います。
 一つは、二十代、三十代が中心であることも明らかになっています。いわゆる団塊の世代の移住が予想され、期待されておりましたが、それは期待ほどは多くなかったというのが実態であります。
 それから二番目は、何といっても女性割合が上昇しております。かつては単身の男性が主な移住者だったわけですが、最近ではファミリー世代が移住している、したがって、必然的に女性の割合も増えているという特徴もあります。
 そして三番目、地域振興上大変重要な論点ですが、移住、これは一般にはIターン者を想定されるというふうに思いますが、Iターン者が増えているところでは地元出身のUターン者が増えるという、こういうある種の傾向があることが分かり始めております。
 なぜこのことを強調するのかと申し上げますと、実は、移住施策、地元からは必ずしも評判がいいものではありません。なぜよそ者だけを優遇するのかという、そういう議論は実は市町村の住民の中からしばしば出てくるわけなんですが、そうではなく、こういう方々が来ることによってその地域出身の息子や娘が帰ってくる可能性が高まるという、そんな傾向が明らかになっております。
 そして、こういった特徴の延長線上に、私どもが孫ターンというふうに呼んでいる、一世代飛ばしで帰ってくる。つまり、息子、娘はもう東京、大阪に、そこに張り付いてしまっているけど、その子供、つまり孫が戻るという傾向が出てきておりまして、考えてみればNHKの朝ドラの「あまちゃん」がまさにそうだったわけですが、こういった傾向が実はかなり普遍的に見られる。恐らく、これは推測ですが、移住者の一割程度は孫ターンではないかという、そんなふうに私ども捉えております。
 当然、こういうふうなお話をすると、先生方からの質問は、それでは彼らはどのような仕事しているのか、仕事がない中で移住が本当に成功するのかということなんですが、実はそこに新しいライフスタイルが生まれていることも見逃せないというふうに思います。
 ナリワイとか、あるいは少し古い言葉ですが半農半X、あるいはドラッカーが一九九〇年代に言ったパラレルキャリア、こんな言葉で表現できるというふうに思いますが、複数の仕事を行う、こんな傾向も出てきております。夫婦移住の場合の標準型でいえば、年間六十万円、これは月当たり五万円という意味なんですが、この仕事を夫婦で五つ集めて暮らすような、そんなライフスタイル、これは貧困の上このようなライフスタイルにならざるを得ないということでは決してなくて、むしろそれを選び取っているという、自ら起業を行って、そしてNPOとして活躍するなどという、そんな傾向も見ることができます。詳しい事例は省略しますが、ここに書いたような幾つかの事例を私たちは目撃あるいは調査をしております。
 こういった状況の中で、当然、従来から言われております移住をめぐるハードル、当然ハードルが存在しておりました。私ども三大ハードルというふうに言っておりますが、村、すなわちコミュニティーですが、あるいは住宅、空き家がない、そして今申し上げたような仕事がない、こういったハードルがあることは確かであります。しばしば自治体職員は、村はいつまでも閉鎖的だとか、あるいは空き家など絶対流動化しないとか、仕事がないから人など来ない、しばしば自虐的にこういうことをおっしゃっておりますが、詳しく御紹介することは省略しますが、実はこの三つのハードルが下がっているというのが実態であります。
 特に、空き家が流動化しないということについては、しっかり空き家はその所有者の悩みに応えれば空き家も本来は流動化するんだという、そんなふうに言われ始めております。むしろ、空き家が流動化しないというのは農村伝説だなどという言葉さえもあって、その意味で、どのように流動化させるのかということを真剣に考えているところでは、いよいよこういう動きも出てきているということだろうと思います。
 飛ばさせていただきまして、それでは課題がないのかというと、そうではありません。新たな課題が浮かび上がっております。この移住者の特徴を先ほど幾つか御紹介させていただきましたが、一言で言えば多様性です。あるいは多様化であります。ライフスタイルをめぐる多様化、あるいは世代をめぐる多様化、こういうものが明らかに出てきておりまして、この移住者の気持ちが多様化すれば、当然地域それ自体も多様化ですから、多様掛ける多様、こういうふうな状況の中で、言わばミスマッチが非常に起こりやすい状況が今生まれております。
 そういう意味で、この地域と人のマッチングをどのようにするのかというのが実は非常に大きな課題となっております。
 右に表がありますが、これは地域おこし協力隊の応募理由のアンケートでございますが、いろいろありますが、ここで見ていただきたいのは、実は理由が最大でも一九%、その他でも一七%という形で、非常に分散しているということであります。そういう点でも多様化を見ることができるわけであります。このミスマッチをどのように解消するのかが第一の課題でございます。
 第二の課題は、移住者のライフステージに応じた支援というのが重要になってきております。
 移住施策は、しばしば移住というこの瞬間に支援が集中しがちであります。ところが、移住が終わって定住に入れば、定住なりの課題があります。当然、仕事をどうするのかという課題がやはり存在しております。そして、永住段階にあれば、ここはここで課題になっておりまして、特に教育費が非常に大きな課題であります。先ほど申し上げましたように、夫婦で場合によったら三百万円でライフスタイルを楽しんでいる、そういう移住者がいて、彼らが、それでは東京に子供を出すとき、大学に出すときにはたと困ってしまう。この教育費が一つの大きな課題でありまして、現在、政府などが進めております奨学金の充実というのは確かに大きな課題であることが確認できるわけであります。
 いずれにしても、移住ばかりに集中しない、言わば家族目線で、家族のライフステージに応じた支援が今後の課題となるというふうに思っております。
 それでは、今日いただきました地域活性化というテーマとこの田園回帰がどういうふうに結び付くのかということをお話ししてみたいと思います。
 二つの疑問から考えていきたいと思いますが、なぜ移住者は農山漁村に向かうのか、あるいはなぜ地域差は生じるのかということでございますが、これを我々に教えてくれたのが和歌山県の那智勝浦町の色川地区の皆さんです。
 右側に図がありますように、実は色川地区は全住民の四五%が移住者という移住最先発地域の一つでありますが、その代表の方々は次のようなことを言っております。若者が本当にその地域を好きになったら、仕事は自分で探し、つくり出す。その地域にとって、まずは地域を磨き、魅力的にすることが重要だ。仕事がないと言う前にやるべきことがある。つまり、地域をしっかりと磨いて魅力的にすることが、実は移住が生まれて、その後に仕事は付いてくるんだ、そういった覚悟を持って若者の一部は来ているんだということを私どもに教えていただいています。
 つまり、地域で今なすべきことは、何よりも地域を磨く、こちらの調査会の言葉で言うと地域活性化だということだと思います。地域を磨いて、人が輝いて、内外の人に選択されるような地域をつくる。私どもの調査によっても、人が人を呼ぶ、移住者の先輩が輝いて、それが移住者を呼び込んでいると。あるいは、今申し上げたように、地域が非常に輝いていて、こんな地域に住みたいんだということで移住が発生しているケースが非常に多いということが確認できます。
 その意味で、ここに書きましたように、地域づくりと田園回帰のある種の好循環が生まれている。別の言葉で言うと、地域づくり、地域活性化なくして田園回帰なし、あるいは逆に、田園回帰なくして地域づくりなしという、こういった好循環が今生まれていることが一つのポイントだろうと思います。
 もっと分かりやすく言えば、若い移住者は、前向きの人々、前向きの意識を持っている人々のところに移住してきます。別の言葉で言うと、愚痴ばっかり言っているような地域には人が入ってこないという、こういう特徴も見ることができるんだろうと思います。
 話をまとめてみたいと思います。
 それでは、田園回帰とは何なのか、私たちは三つの田園回帰ということを言っております。
 一つは、何よりも都市から農山村に向かって新たな人口移動が起こっている、人口移動論的田園回帰であります。英語ではカウンターアーバニゼーションというふうに言いますが、既に一九七〇年代から欧米では起こっている動きでございます。現在、英国のイングランドではこの傾向がまだ続いている。地図も載せておりますが、黄色の部分がイングランドの人口減少地域でありますが、イングランド全体でこういうふうに人口減少地域と増加地域がまだら状況になっている、これがカウンターアーバニゼーションの一つの結論でございますが、日本で同じような地図を作れば過疎地域は真っ黄色という、そういう状況ですが、そうではないということが確認できます。これが言ってみれば半世紀遅れで起こっているということが一つであります。
 そしてもう一つは、地域づくり論的な田園回帰、先ほど申し上げましたように、地域づくりと田園回帰が好循環を持っている。
 そして、最後に先生方に是非お伝えしたいのは、このように、移住した皆さん方が、特に若い皆様方が、言わばソーシャルイノベーターという言葉を使いますが、言わば都市と農山村をつなぎ役として大きな役割を果たすという傾向が出ております。
 二月に、全国町村会等の移住女子の大きなシンポジウムがありました。三人の移住女子が登壇されてお話をされたんですが、非常に印象的なのは、三人の女性が、私たちの役割は農山村と都市をつなぐことだ、異口同音におっしゃっておりました。具体的にそんな行動を彼ら、彼女は起こしております。それを我々はソーシャルイノベーターというふうに呼んで、言わば都市農村共生社会の担い手となり始めているということだろうというふうに思います。こんな傾向が出ていることを改めて確認してみたいと思います。
 最後に、一点だけ付け加えてみたいと思います。
 この表は、先進国の首都圏の人口傾向を見たものでございます。五十年間にわたって記しておりますが、よく言われておりますように、首都圏人口が増加しているのが日本だけでございまして、それ以外はちょうど一%内外の変化でございます。こういった傾向を改善していくためにも、先ほどの田園回帰傾向が必要であると同時に、ソーシャルイノベーターとしての若者の力というものを我々はもっと信じ、そして支援すべきだ、そのように感じております。
 私の報告は以上でございます。
 御清聴ありがとうございました。
#5
○会長(川田龍平君) ありがとうございました。
 次に、田村参考人にお願いいたします。田村参考人。
#6
○参考人(田村秀君) ただいま御紹介いただきました新潟大学の田村でございます。
 本日は、このような場をいただきまして誠にありがとうございます。
 私の方からは、余り高尚な話というか、かなり砕けた話をさせていただこうと思っております。一応研究者ではありますが、かなりいろんな実践的なことをやっておりまして、そういう中で、地域の活性化ということについて私なりの考えもお話をさせていただければというふうに思っております。(資料映写)
 ここに肩書が何か羅列しておりまして、大学で教える傍ら、後ほどお話をしますが、地方創生の関係で群馬県のみなかみ町の方に行っております。そして、ここには(予定)と書いておりますけど、実は、昨日やっと立ち上がりましたこういう食文化、こちらの関係をやっております。要は、食べ物で地域を元気にしたいということをずっとやっておりまして、その具体例をお話をさせていただきたいというふうに思っております。
 このような目次でありまして、ちょっと簡単に私の紹介だけをさせていただきますと、役人やっていたんですが、霞が関ではなかなか私、落第生といいますか、研究の方が面白いということで、もう大学の方に十七年勤めております。その関係で、地方自治をやっておるんですが、どちらかというと、あちこち行きながらおいしいものを食べると。先生方の名刺いただきましたら、ああ、ここにはこういうのがありますねと大抵分かるんですが、一応大学のマネジメントもやっておりましたし、いろんなところへ行っております。本も書いたりということで、かなりやじ馬精神が旺盛な方かなというふうなことであります。
 格差の問題でありますが、これについては、これまでもいろんな本で書かせていただきましたし、今回、先生方に事前に抜粋を送らせていただきました。そこにも書きましたとおり、かなり極端化している。いわゆるこの極端化というのは温暖化でよく使われる言葉ですが、勝ち組、負け組というものがかなり広がっている、しかも、その格差というものが相当大きくなってしまっているということはやはり問題だろうと。私がおります新潟でも様々な格差が顕在化しておりますし、やはり特に町村部であります。新潟県の町村会のアドバイザーもしておりますが、やはり町村長さんとか議員の方々から聞きますと、都市部以上に様々な問題が深刻化している。この点につきましては、先ほど小田切先生からもるるあったかというふうに思います。
 次の話も釈迦に説法ではありますが、よく地方自治の世界で補完性の原理とか言われますが、個人ができることはまず個人がやっていくしかない、個人ができないことはコミュニティーだと。そしてまた、市町村はその町づくりであり、特に新潟におりまして感じますのは、都道府県の役割というのは、より小さな市とか町村をサポートする、そういうところに特化をしてほしいなというふうに思っております。さらに、国に関しましては、やはり地方の自主性を損なわないような形で地方の支援をすべきではないかと。もちろん、地方分権というのを進めるべきでありますが、その一方で、やはり国の支援というのも地方にいると大変必要性を感じるところであります。
 ここまでは総論でありまして、私が個人的にやっております二つの仕事について少し御紹介をさせていただきたいというふうに思います。
 まず、地方創生人材支援制度であります。これは国の方、内閣府の方で立ち上げまして、様々な専門家を人口五万人以下のところに派遣するという制度であります。私自身も、一期生に手を挙げまして派遣されたということであります。はっきり言いまして、大学の先生というのは非常に気楽な商売でありまして、こんなことを言っては怒られちゃうんですが、かなり自由なこともできますし、好き勝手なことを言っても楽なんですが、地方の厳しい現実を見ておりますと、やはり何かしなければという気持ちになったわけでありまして、特段この群馬県みなかみ町にはゆかりもないんですが、派遣されたと。それで、今年になりまして三年目ですが、国の制度は二年で終わることになっておりますが、みなかみの方で是非ということで、三年目も派遣されております。
 この制度につきましては、どちらかというと七割ぐらいがいわゆる霞が関の官僚、若い人たちが派遣されておりますが、大学の研究者、シンクタンクの人なども派遣されていまして、実際非常に良かったことといいましては、派遣者同士がいろんな情報交換をする場ができております。やはり地域の課題というのは様々共通することもありますので、そういう中で交流が活発になり、これは元々日本版シティーマネジャー制度という形でできたものでありますが、現在、その有志で日本シティーマネジャー協会というものを立ち上げようと、このような動きも出ております。
 それで、みなかみ町でありますが、一番象徴的なものとしては、この写真でありますけれども、アウトドアスポーツが大変盛んなところでございます。群馬県の北部でありまして、温泉が十八ございます。人口が二万弱でありますが、ほかの自治体同様、非常に人口減が厳しくなっております。
 こちらの方は、内閣府の方で提出した実績の資料をちょっと加工したものであります。人口減もそうですし、また全国の観光地、バブルのときは大変良かったわけでありますが、その後非常に厳しくなっている。そういう中で、観光の再生ですとか農業の再生ですとか、そういう形で総合戦略というものを作りまして、具体的にはDMO、こちらの方も今取り組んでおります。また、先ほど来アウトドアということで、やはり健康づくり、それにつなげていこうということで、ヘルスツーリズムの推進ですとか、様々な活動をしております。
 細かいところは省略いたしますが、こういう形で、一応大学の方も勤務しておりますが、週に一、二回、みなかみの方でまさに地方創生の仕事をさせていただいていると。そういう中でいろいろと感じるところがありますので、それについてまたいろいろお話をさせていただきたいというふうに思っております。
 そこで、幾つか気付いたことがございます。町づくりとか地域活性化でよそ者の視点ということが大事だということがよく言われますが、みなかみに行きましてもそれが非常に役に立ったといいますか、やはり地元の人は、非常に地元のことをよく分かっておりますが、意外と欠けている視点というのもございます。やはり外の視点をどんどん取り入れるということが、地域の活性化につながるのかなと。
 実は、これは一昨年でありますが、北陸新幹線が開通したと。当時、上越新幹線沿い、新潟県とか群馬県とかは、新幹線の数が減ってしまうんじゃないかとか、あるいはミニ新幹線になってしまうんじゃないかとか、いろんな声がありましたけれども、結果的には新幹線の数はほとんど減らなかったんですが、ちょっと新潟辺りですと所要時間が長くなったりということがあったわけですが、実は、みなかみ町というのは、新幹線、上毛高原の駅があるんですが、そこが結果的に近くなった。しかしながら、地元の人、観光業界の方がたくさんいらっしゃるんですが、ほとんど気付いていなかったということに、たまたま時刻表とか調べているうちに分かりまして、しかも平均で十一分も短縮された。これ、残念ながらJRも余り積極的にPRしていなくて、やはりこういうところはしっかり統一したキャッチフレーズでPRすべきじゃないかということで意見をさせていただきまして、改善が加えられたということであります。
 そのほか、これは自治体間で今様々な連携というのが起きていますが、さいたま市が新幹線の駅のフォーラムを二〇一五年からやっているんですが、昨年、みなかみ町も、是非これは私が参加すべきではないかということで、参加してもらったものであります。
 実際、町とか小さい市の新幹線の駅もあるんですが、なかなか、さいたま市とか金沢とかそういうところが、そうそうたるメンバーが入っている中で、小さいところはどうなのかなというのがあったようですけれども、規模の関係ではない、やはり意欲であろうということで、こういう取組も進めているということであります。
 また、地方創生といいますか地域活性化というのはやはり連携が必要だろうということで、実際、みなかみ町、県域を越えた広域観光圏にも入っておりますし、また、市町村の枠を超えた一部事務組合の高校もありますが、こういうところの活性化などもやっております。
 これも後ほどもちょっとお話をしようと思いますが、やはり活性化には高校生、場合によっては小学生、中学生の力というのが非常に今注目を集めておりまして、実際頑張っています。そういうところもみなかみでもやっているということでありまして、まさにコラボレーションの時代だろうということであります。
 それと、もう一つの方でありますが、食による町づくり。
 やはり地域の魅力というのは一言で何となるかということであります。私なりに考えていますのは御当地、御当地の良さ、そういうものに光を当てることが地域活性化につながるというふうに考えておりまして、実は、大きなイベントですが、B―1グランプリというものがありまして、こちらの特別審査員などを十年ほど務めております。
 どうもこのイベントについてはまだ誤解があるようなんですが、これ、実は食のイベントじゃございません。いわゆる御当地グルメを通した町おこしの祭典ということでありまして、その御当地の魅力を食だけでなく様々な形でイベント会場などでPRしているということであります。
 皆さん方のそれぞれの御出身のところでも様々な御当地グルメがあると思います、ギョーザだったり焼きそばだったり焼き鳥だったりと。様々なルーツありますけれども、そういう中でも最近ちょっと新しいものが、開発型が乱立している感じもありますが、むしろ元々ある地元に愛されたものを大事にすべきである、またそういうことが地域の活性化につながるんじゃないかということでこの活動をしております。
 まさに食というものは古今東西、観光、交流のキラーコンテンツでありまして、非常にこのB―1の活動も活発化しております。
 例えば、これは北九州で行われたときの前夜祭でありますが、各団体のまさに町おこしを自ら実践している人たちの集まりであります。そしてまた、こちらの方は、これは豊川の会場でした。本当に多くの人が駆け付けます。まさに食を通じた町おこしということで、かなり定着してきたのかなという感じがいたします。
 そして、これに、特にこの写真に注目していただきたいんですが、これ青森県の十和田市の団体、バラ焼きという肉料理があるんですが、これを生かした町おこしをやっている団体であります。その団体の活動がゴールドグランプリを取ったんですが、このときは地元の高校生がまさに食づくりとか地元のPRとか大活躍をされました。そして、ここにはないんですが、その翌年に十和田市で実は次の大会があったんですが、今度は小学生とか中学生が来た人たちの案内をしたりごみを集めたりということで、まさにおもてなしをしております。
 まさに地域の活性化、地方創生というのは若い人たちがどれだけ地元を好きになって地元の発信をしていくか、それが恐らくは、仮に将来東京に出てもまた地元に帰ってくるきっかけになるのではないかということで、このB―1グランプリの活動というのは非常に定着してきたわけであります。
 しかしながら、それだけで、要はイベントをやるだけで本当にいいんだろうかと、いろいろ壁にも突き当たっているところもございます。こういう御当地グルメというのはまさに日本の食文化であると、これを活用することが地方創生に少なからずつながるのではないかというふうに関係者の中でいろんな議論があったわけであります。
 そういう中で、こちらのB―1グランプリの関係者、旅行関係ですとJTBさんとか、マスコミの関係者など、これがいろいろと集まりまして一般社団法人日本食文化観光推進機構、大変、昨日できたまさにほやほやでありまして、これからまさに活動していくわけですが、地域食文化の発掘調査とか情報収集とかブランディング支援とか人材育成、そしてまた、食文化に我々が関心を持っていますのは単に日本人だけではないと、やはり海外の人に、インバウンドがこれだけ盛り上がっている中で、もっと日本の各地にある様々な食文化というものを外国人の人にも知ってもらいたいというようなことを考えておりまして、本来、私のような者が理事長になるのはちょっとどうかなと思ったんですが、ちょっと諸般の事情がありまして、初代の理事長になったということであります。
 どのようなことを考えているか、この概念でありますけど、まさに人口減少の中で、やはり地域に住んでいる人が地元を好きになる、その一つのきっかけと。やはり食というものは、一種のソウルフードというものは、やはりこれは長い年月を掛けてつくられたものでありますし、またそういうものがいろんな発信の可能性があるだろうと。それについていろんな団体、メディアとか旅行会社とか食品メーカーとか連携しまして、食文化を生かした産業振興とか、食文化を生かした観光振興、そしてブランディングとか海外への発信ということで、なかなかそう簡単ではないかもしれませんが、やっぱり食を通じて若者の定住人口の増加ですとか地方創生の実現ということを考えているということであります。
 そもそも、食文化と言ってまいりましたけれども、皆さん方御存じのように、和食がユネスコ遺産になりましたけれども、もちろん高級なものもありますけれども、ここで言っている食文化というのはむしろラーメンですとかギョーザですとかもっと庶民的なもの、もちろん高いものも否定はしませんが、そういうものを、地域に根差している、地域のまさに文化である。こちらの細かいこと書いてありますが、御当地グルメは景観であると、まさに食堂とかの風景ですとか様々な地域の資源とつながってということであります。
 そこにも書いておりますが、食文化観光とは、地域食文化を体験することを目的にその土地を訪れ、地域独特の食を味わい、その食の背景にある地域ストーリーを知ることにより、その地域が本来持つ価値を体感する旅行の形態であるということで、こういうことを今後進めていきたいというふうに考えております。
 ここにも書いておりますけれども、食材だったり郷土料理だったり御当地グルメ、いろんな言い方されます。私も、当初はB級グルメという言い方で本も書いたりもしましたが、ちょっと、B級と余り言ってしまうと、何か、じゃA級はどうなのかとかいろいろありまして、むしろ、そういうことではなくて、地域に根差した、御当地のもの、これ実は食だけじゃないと思います。御当地の宝をいかに磨いてそれを発信していくか、これが活性化につながるんじゃないかということで、現在、今後の展開を図るべく、様々取組を進めようということであります。
 ということで、私の方からは余りアカデミックな話でもありませんで、みなかみ町での活動、そしてまた食文化観光ということについての活動の一端を御紹介させていただきました。
 地方創生ということで言葉は使っておりますけれども、昨今ではもうこれは地方創生は失敗だと言い切るような有識者もいらっしゃいますけれども、やはり今やらずしていつやるんだろうかということ、そしてまた、地域の活性化というのはやはり競争していくこと、いい意味での競争をしていくことじゃないと達成できないだろうと。みんなで手をつないでというわけにはなかなかいかないのかなというふうに思います。それはまさに、競争するということと、一方で、地域が、例えば観光であれば、先ほどの雪国観光圏じゃないですが、周辺の県と連携してということ、競争と協調、このコラボレーションのバランスなんだろうと思います。
 また、地方創生の中で、産官学金労言と言われまして、まさに地域の総力戦、いろんな方々、いろんなプレーヤー、そういう人たちが全て参加して地方創生、地域活性化に取り組むべきだと思います。ですから、批判している暇というのはまずないんだと思います。まさに地域で自分ができることに取り組むべきではないかというふうに思います。
 また、実はB―1グランプリの各団体を見ますと、結構地方議員さんがやられていたり、あるいはそういう町おこしの団体から議員さんになったりということで、議員さんたちもプレーヤーになっている方結構いらっしゃいます。願わくば、地方議員、そしてまた国会議員の皆さん方もキープレーヤーとして頑張っていただきたいと。偉そうなことを言いましたけれども、そういう方々が実際各市や町にいらっしゃいます。我々もそういう方々と連携して、まさに食文化で地域を元気にしていきたいというふうに思っております。
 雑駁になりましたが、以上で私の説明を終わらせていただきます。
#7
○会長(川田龍平君) ありがとうございました。
 次に、飯泉参考人にお願いいたします。飯泉参考人。
#8
○参考人(飯泉嘉門君) ただいま御紹介をいただきました全国知事会地方創生対策本部副本部長、徳島県知事の飯泉嘉門でございます。
 川田会長さんを始め調査会の先生方には、こうした場をお与えをいただきまして、心から感謝を申し上げたいと存じます。
 それでは、紙媒体としては徳島の資料と、そして全体はスライドショーの方で進めさせていただきたいと存じます。(資料映写)
 まず、今日のラインナップでありますが、地域間格差の現状と課題等という今回のテーマ、そして地方創生の必要性から全国知事会からの提言、あるいは徳島が今打ち出しております「VS東京」、そして徳島の具体的な事例について、以下御説明をさせていただきます。
 まずは、今の全国の状況、どうなっているのか。大正九年から行われております国勢調査、平成二十七年度行われまして、大変ショッキングなデータが二つ出てまいりました。まず、全体としてはいよいよ日本が人口減少時代に入ったということ。また、調査開始以来一度も人口の減ったことのない大阪府が人口減少となりました。その一方で、東京を始めとする千葉、神奈川、埼玉、いわゆる東京圏は五年間で何と五十一万人も人口が増えたんですね。地方創生、まさに何とかしなければ東京一極集中の是正はあり得ないという状況になりました。
 また、その中のデータを調べると、更に大きな課題が出てまいります。先ほど小田切先生の講演の中にもありましたように、都市部にいる若い皆さん方は地方に行きたい、こうした希望があるにもかかわらず、結果として大学への進学あるいは就職、これをきっかけに東京にどんどん若者が集まってしまっている。まさに若者のブラックホール東京となっているところでありまして、更なる地方創生、これが大変重要になるということで、その具体的な処方箋として、新しい働き方から地方創生回廊の創出まで、以下五つ御説明をしてまいりたいと思います。
 それではまず、地方創生に入る前の年、全国知事会から日本再生デザイン、こちらを発表をさせていただきましたので、その主なポイントを御覧をいただきたいと思います。
 ここでは、五つの未来像、こちらをしたためるとともに、具体的な施策の抜粋、これがなされました。一つは、自己決定と責任を持つ、二十一世紀型の地方自立自治体なんだと。まさに国、地方が連携をして国の形、例えば国、地方協議の場などを通じて策を取りまとめていく、こうした点であります。また、多様性のある経済圏、大交流圏形成によるまさに多極交流圏の創出ということで、こちらにつきましては、今大きなテーマとなっている六次産業化、一次産業をベースとしていかに成長戦略を果たしていくのかという点であります。また、三番目として国土軸の新たな形、リダンダンシーなどが出されておりまして、この中には全国の新幹線構想、こうした点についていかにこれから具現化をしていくのか、これが大きなポイントになるというものであります。また、国、地方の力を結集をした社会保障制度、こうした点についてどうしていくのか、その背景には多様なまさに働き方、環境整備が必要になる。そして五番目、地域や日本を担い、そして未来を開く、やはり重要なのは人づくりという点であります。
 それでは、徳島が今地方創生の中で打ち出している「VS東京」、この点について少しお話をしたいと思います。
 「VS東京」、これが発表されたのは平成二十六年の九月九日であります。ちょうど九月の三日に地方創生、東京一極集中の是正だ、政府が掲げた点で大変注目をいただいたところでありまして、この「VS東京」の動画、ユーチューブで流したところ、何と十日間で十万回の再生件数があったところであります。
 マスコミの皆さん方は、徳島が東京にけんかを売るのかなんてことで言われたわけでありますが、実はそうした意味ではありません。コンセプトは大きく二つ。まず一つは、東京と地方がやはり切磋琢磨をしていかなければならないだろうと。特に、第二次世界大戦後、東京都の人口は四百万人でありました。もちろん、疎開をされている人もおられたとは思いますが、今ではそれが一千万を超え、一千三百万人、つまりその多くの皆さん方は地方にルーツを持つ皆さんということで、例えば徳島御出身、徳島ゆかりの人、あるいは徳島で長年仕事をしてお子さんの関係で老後を東京で暮らしている、こうした皆様方にあなたのふるさとはどこですか、こうした問いかけをしていこう、これがまず第一点であります。気付きを持っていただこうということ。
 そしてもう一つは、東京を始めとする東京圏、二〇二五年問題が今大きく立ちはだかっております。医療、介護、この需給が大変逼迫をする。あの地価の高いところに病院を、介護施設をどんどん建てていく、これはなかなか不可能であります。ということであれば、徳島ゆかりの皆さん方に是非まだ現役として働ける間に徳島にお戻りをいただき、そして老後を過ごしていただこうと、こうした点を平成二十六年度から行ってきたところ、それが後に日本創成会議が打ち出す日本版CCRC、これへと結び付いてくることとなりました。
 ということで、ちょうど平成二十六年の十二月、当時の舛添都知事さんの方へこの「VS東京」を持っていったところ、翌年には今度は東京側から「&TOKYO」というものが出されました。これの一番のポイントは、決して徳島VS東京と言っているわけではない。つまり、高知VS東京でも鳥取VS東京でもいい、地方が東京と共に切磋琢磨をして、そして日本をより良くしていこう、日本創成に結び付けていこうというものでありまして、実はこの「VS東京」、県庁の四十歳以下の若手十四名のタスクフォースが二十六年の一月から約九か月間を掛けてつくった、まさに若者の意識、やる気というものであります。
 それでは次に、徳島の具体的な地方創生の状況、お話を各テーマに沿って申し上げていきたいと思います。
 全体として共通をするのは、ピンチをチャンスへであります。徳島を始めとする四国、いわゆる典型的な地方であります。人口減少、高齢化、少子化、日本で最初に課題が訪れる課題先進県であります。そして、これが日本全体のまさに課題へとなっていく。であれば、真っ先にこの課題を解決をする処方箋を出すことがまさに徳島、四国から日本のスタンダードをつくることができる。我々徳島は、課題先進県から課題解決先進県を目指していこうとしているところであります。
 そこで、まず第一番目、新しい働き方改革であります。
 実は地上デジタル放送、テレビが双方向になる、紅白歌合戦、お茶の間から投票ができる、いいことずくめです。これは、しかし政府広報であります。実は、四十六都道府県はいいんでありますが、徳島県、アナログであるがゆえに関西波が全て見える。しかも、大阪は一チャンはビデオチャンネル、徳島は四国放送が見えます。つまり、十チャンネルということで、何と東京と同じなんですね。しかし、放送法上は三チャンネルしか見えない県、デジタルは仕事きっちりであります。見えるか見えないか、「暴れん坊将軍」が見えなくなる、高齢者の皆さん方が逆に暴れちゃうぞ、大変だということで、約七年間を掛けて、中山間地域、各御家庭までケーブルテレビでつなぎました。それが後発の利ということで、光ファイバーで結ぶこととなり、今ケーブルテレビの普及率は八九・八%、五年連続で日本第一位。ちなみに、第二位が大阪府、第三位が日本最大の難視聴地域である山梨県、「VS東京」相手の東京は第四位。もう既にVS東京、言うまでもないところであります。
 ということで、この光ブロードバンド環境を使わない手はないであろうということで、まずは、東日本大震災、これが起こり、特に東京、大阪のICTの企業の皆さん方がクライアントから、BCPはどうするのか、リスクヘッジをどうするのか、こう問われた。しかし、彼らにとってみて東京、大阪以上の通信環境にあるところはない。しかし、それは徳島なんですね。
 ということで、我々は、二十四年の三月から東京、大阪の企業の皆さん方に、徳島でサテライトオフィスを構えないか。今では神山町あるいは美波町は十六社始めとして、二十四市町村がある中で何と九市町に今四十五社が集まっております。そして、美波町では東京サテライトオフィス、そして美波町を本社にする企業も出てまいりました。
 ということであれば、これをまず隗より始めよ、県庁からはしっかりとテレワーク、これを行っていこう。在宅勤務、モバイルワーク、そして神山町の方にサテライトオフィスまで構えた、これがとくしま新未来創造オフィス、後に消費者庁の移転の名前になるベースがここにございます。そして、いよいよ今年の六月からは、県庁十階、ここが消費者庁、消費者行政新未来創造オフィスが移ってくるフロアでありますが、WiFi環境を全て行い、フリーアドレス制、そしてさらには立ち会議システムの導入、ペーパーレス化、こうしたものを進める予定としております。
 また、県民の皆さん方、企業の皆さん方にもテレワークを実感をしていただこうと、特に子育てあるいは介護離職、女性の管理職の皆さん方に大きな今課題となっているところでありまして、これを、テレワーク実証センター徳島を二十七年十月つくりまして、そうしたテレワークの講座、また各企業の皆さん方に、テレワークやってみたいんだけどまずはお試しからという皆様方の場の提供をさせていただいております。
 次に、今度は六次産業化であります。今、農業を始め第一次産業は、従事者の減少あるいは高齢化、大きな課題があります。こうした中で、長らく関西の台所を任じ、そして東日本大震災発災以降は日本の台所を期待される徳島県。実は、中四国九県の中で大学に農学部がないのは徳島県だけであります。かつてはオー・ノーなんてことを言っていたわけでありますが、そうではなくて、このピンチをチャンスに、最大の工学部があるんであれば、工学系から農学系の方へと農工連携スタディーズを始め、昨年の四月から日本で初となる六次産業人材育成の進学、徳島大学としては三十年ぶりの学部を県とともにつくり上げ、生物資源産業学部が誕生をいたしました。
 ということで、今、Iターンの皆様方にもどんどん農林水産業、徳島で行っていただいております。小田切先生始めとする明治大学の農学部の皆様方が、本県の海陽町、きゅうりタウンということで、先ほども出てまいりましたが半X半農と、ここでは埼玉のIターンの女性がJA共済の全国版の宣伝のモデルとして出てくるわけでありますが、きゅうりタウンでキュウリを作り、年商一千万を超えようと。そして、彼女は実は埼玉にいながらにしてサーフィンが好きなんですね。ということで、海陽町でサーフィンを行う。高知県との県境、生見のところはまさにサーフィンの世界的な大会が行われる場所であります。
 また、これに併せ、徳島としては、地元の大学とアグリ、マリン、フォレスト、三つのサイエンスゾーンをつくり上げるところであるとともに、さらに即戦力としての林業あるいは漁業。既に林業は昨年の四月からとくしま林業アカデミーを、何と倍率は倍以上、そして今年卒業生が出たわけでありますが、この皆さん方、林業関係からは何と三倍の募集率ということで、次は更に数が増えたところであります。漁業アカデミーはこの四月から、こちらも五名の枠だけを設けたところでありますが、倍以上の募集がありまして、七名をまず採ってみて、そしてベテランの漁業者の皆さん方とともにこの皆さん方を育んでいこうというものであります。
 また、全国初となりました徳島大学、こちらの生物資源産業学部、定員は百名であります。県から提案をさせていただきまして、実は八名の地方創生枠、こちらはセンター試験を受けることなく、いわゆる専門高校からそちらへ推薦で入ることができるわけで、弱いミシン目で四、四、全国枠と県内枠がありましたが、二年連続で五名、県内枠が入りました。つまり、全国枠を一名食べたところでありますし、また、百年を超える伝統の徳島農業大学校、こちらの専修学校化をし、大学の三年に編入を可能としているところであります。ということであれば、高校の段階からこの大学を目指していこうではないか。新たな専門コース、こちらをつくるところでありまして、今、職業高校が、例えば農商が一体になる、あるいは農工商三つを一体とする、こうした高校のコースをどんどんつくり、この生物資源産業学部を始めとする、即戦力として六次産業の人材を育成をしているところであります。
 そして次に、どうして若者が東京に集まるのか。言うまでもなく、名立たる企業の本社が東京にあるからであります。しかし、それも各企業、東京をなかなか離れられない。これは、明治開闢以来、この国の中枢と言われる霞が関に各省庁が集まっているからであります。この省庁を地方に分散化しないことには、まさに企業の本社が地方へ展開をするのは夢、幻となります。
 そこで、徳島県は、二十七年の九月、国からの手挙げ方式に対して、消費者庁、国民生活センター、消費者委員会、これらを提案をさせていただきました。
 では、なぜ徳島県が消費者庁を選んだのか。平成十九年、本県の四大ブランド、その中の筆頭、こちらが実は産地偽装の事件が起こり、マスコミの皆さん方からは、消費者目線でやはりその業者の名前を公表すべきではないか、こうした話がありました。うちの農林水産部としてもこれをしようと決めたところではありますが、国の方から、風評被害を招くのでこれはまかりならないという待ったが掛かりました。やはり業育成のところが業規制と同じになっていると、どうしても育成が勝ってしまう。そうした点で、最終的には私が会見をしたところでありますが、この中で、やはり消費者目線の役所をつくるべきではないか。徳島県は翌年から政策提言として消費者庁の創設を提言をさせていただきました。そして、二十一年の九月、消費者庁が誕生するわけでありますが、当初の様々な、また全国の制度といったものが徳島をモデルとして生まれたものが多々あるところであります。
 そして、平成二十八年に入りまして、神山町、県庁で業務試験が、国民生活センターにつきましては五月から今年の二月まで鳴門におきまして様々な研修事業が行われたところでありまして、こうした結果、今年の七月頃と言われておりますが、消費者行政新未来創造オフィスが先ほども少しお話をした県庁の十階に五十名の規模で創設をされることとなります。まさにこれからは、徳島県というフィールドを持つことによって新次元の消費者行政あるいは消費者教育の展開が、そして日本の新しい働き方改革へ、また消費者教育の新たな展開がこれから期待をされるところであります。
 そして、最後、四番目となりますが、先ほどの地方創生回廊の話であります。
 実は、二〇二〇年インバウンド二千万人、しかし、昨年既に二千四百万人を突破をし、今国におきましては、二〇二〇年には四千万人、そして二〇三〇年には六千万人という形となりました。しかし、東京圏あるいは東京から富士山、名古屋、京都、大阪、神戸、ゴールデンルート、今ではビジネスホテル一泊五千円のところが五万円、とても泊まることができない。新たな観光圏を、新たな広域観光周遊ルートを観光庁の方が展開を言われたところであります。
 実は、中四国で最初にこの観光圏指定をされたのが本県の県西部二市二町、にし阿波でありました。またさらに、広域観光周遊ルートが最初に七つ選ばれ、新しいゴールデンルートをこの中で、実は、四国、瀬戸内、関西、この三つの広域観光周遊ルート、かぶるのは徳島県のみであります。
 また、今農林水産省におきましても新たなインバウンド対策として、日本の原風景、これを是非にということで、食と農の景勝地、五つ全国で指定をされました。西日本では唯一やはりにし阿波が、そして、日本農業遺産には八地域指定をされるとともに、このうち特に三つを世界農業遺産にチャレンジをする。こちらについても、その三つの中ににし阿波が選ばれるところであります。
 しかし、ダイレクトに四国へ入ってくる、海外からはなかなか難しいところであります。今は羽田空港、更に二本滑走路を加えようか、こうしたお話もあるところでありますが、しかし、関西、大阪ベイエリアを見ていただきますと、関空、大阪の伊丹、神戸、徳島、南紀白浜と五つで何と七本の滑走路があります。今、北陸新幹線の大阪までのルートが決まり、その後これを関空まで延ばすべきではないか。もし関空島まで新幹線が渡ることになれば、お向かいは、もう淡路島は目の前であります。そして、淡路へ渡れば、淡路島と徳島、鳴門の間には大鳴門橋が整備をされ、ここは新幹線併用橋となっております。BバイCということではなく、こうした既存のストックを併せ持つストック効果を今後は是非目指すべきではないか、このように考えるところでありまして、首都と関西、二つをまさに二眼レフ構造によりまして国土の強靱化を図っていく、そうした今後の道筋もお考えをいただければと思います。
 ということで、以上、課題解決先進県徳島として、全国知事会を下に、是非先生方の御理解をいただきまして、しっかりと地方創生を展開してまいりたいと考えております。どうぞよろしくお願いをいたします。
 御清聴ありがとうございました。
#9
○会長(川田龍平君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
 まず、各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。
 質疑を希望される方は、挙手の上、会長の指名を待って御発言くださいますようお願いいたします。
 質疑及び答弁は着席のまま行い、質疑の際はその都度答弁者を明示していただきますようお願いいたします。
 なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますよう、答弁を含めた時間がお一人十五分以内となるよう御協力をお願いいたします。
 それでは、質疑のある方は挙手を願います。
 島村大君。
#10
○島村大君 自民党の島村大でございます。
 本日は、三名の参考人の皆様方、本当に貴重な御意見をありがとうございました。
 実は、私も質問を少し考えてきたんですが、三名の先生方のお話を聞きましてちょっと具体的に聞きたくなったので、是非とも具体的に教えていただければと思いますので、よろしくお願いします。
 まずは飯泉参考人に教えていただきたいんですが、先ほどからちょっと徳島のお話を聞きましたが、一つは、三名のお話を聞いていて、田村参考人はいわゆる都心から新幹線が速くなったとか、そういう交通の利便を少し強調的にお話しされていました。小田切参考人は島根県のことを特にお話ししていて、そこはちょっと交通の便というようなお話はなかったんですが、飯泉参考人も例えば大阪からの交通の便が良くなればより一層良くなるんではないかというお話がありましたが。
 もちろん、それは私もよく分かりますが、そうすると、逆に交通の便が良くないとなかなか地方創生は難しいのかなという裏返しの考え方にもなってしまいますが、飯泉参考人としては、もちろんそれはプラスアルファになるかもしれないけど、先ほどお話ししました、若い人のいわゆる職業訓練学校を、高校生からそういうふうに自分の地元に合った仕事に就いてもらうという考え方はよく分かるんですが、一つは、例えば中学卒業して高校入るときに自分の進路というのをなかなか決められない若者が今多いというふうにこれは一般論ですけど言われていますが、そこはどのように飯泉参考人はお考えか、ひとつ教えていただきたいと思います。
#11
○参考人(飯泉嘉門君) 今お話がありますように、実は、普通科として高校に行き、そしていわゆる大学に行って、手に職を付けない子供さんたちというのは、実は企業に就職できないんですね。つまり、企業の求める人材になれていない。それはおっしゃるとおりで、まさに何を自分がやりたいかというところが決まっていない、これを見抜かれてしまうということなんですね。
 そこで、ある企業に入りたいと思うと、結局、専門学校に行くんですね。それであれば、もう高校の段階からしっかりと手に職を付けて、その上で目的を持って大学に行っていただくと。これがまさに今までは商業高校あるいは工業高校という職業高校と言っていたものを、徳島ではこれを専門高校と言うとともに、それを単発ではなく、できれば農工商連携に持っていこうと。そして、専攻という形、もちろんセンター試験受けてもらってもいいんですが、それで今度はより次元の高い生物資源産業学部、大学に行く、あるいはそのまま就職してしまう、こうした形で即戦力という形を目指すべきではないだろうか。
 今一番問題になっているのは、まさに無目的でただ単に大学まで行ってしまう、この子供さんたちをどう今度そういう目的に向けていくのか、ここが確かに一番のポイントになるんではないかと思っています。
#12
○島村大君 ありがとうございます。
 そうしますと、いわゆる自分の、例えば徳島なら徳島の、今の知事のお話ですと、特徴をすごくつかんで今お話あったと思いますが、一つは、やはり地元の皆様方の、自分たちはこういうところがいいよとか、ある意味では一種の感覚とか体験からお話ししていることが多いと思うんですが、知事も御存じのように、地域経済分析システムですか、RESASというのが今大分、国も出させていただきまして、知事もそれを積極的に利用していただいているようなんですが、ただ、現実的に、あのデータを見まして、ある意味ではちょっと固いデータとか役所的なデータとか、本当にその地元に合ったデータかどうかというのを私も見させていただいて疑問点もあるんですが、そこは飯泉参考人としてはどうお考えか、教えてください。
#13
○会長(川田龍平君) 飯泉参考人、お願いします。
#14
○参考人(飯泉嘉門君) RESASについて、我々、各県内の市町村にどんどんやはりこれも活用するようにと、このようには申し上げてあります。
 ただ、実際には、こうした統計データ的なものについては、やはり目的を持って、そしてそれを、自分の目的に合うデータを引っ張ってくる、これがやはり一番重要なんですね。逆に、データがあるからそれで何かアウトプットが出るというものではないということでありますので、やはりそれぞれの地域の特色、そして、どういった点が自分のところは弱いのか、どういった点を長所として伸ばしていきたいのか、その際にこのRESASを活用していく、この手順がやはり重要になってくると、このように考えています。
#15
○島村大君 ありがとうございます。
 そうすると、飯泉参考人としては、今のRESASにあるデータで、徳島県としては、ある意味で、ああ、これは使えたなとかというのは実際的にはございますでしょうか。その辺、もしあれば教えてください。
#16
○参考人(飯泉嘉門君) 我々としては、各、その度量ということではないわけなんですが、我々の場合、RESASの利用をと言われる前からそれぞれの施策を進めているところでありますので、それぞれの施策を進めるに当たって更にその深掘りをしていく、こうした点で逆にRESASの統計データを使わせていただいていると、こういう手順になります。
#17
○島村大君 ありがとうございます。
 では、ちょっと時間もあれなんで、田村参考人に教えていただきたいと思います。
 田村参考人の話、みなかみ町のお話が特にありました。私も小さいときに一番最初に雪のある地域に行かせていただいたのがみなかみ町だと今記憶にあるんですが、そういう意味でも、本当に四十年、五十年前に行かせていただいたなという記憶なんですが、町に行くと本当に、昔ですから三メートルぐらいの雪があったという記憶があるんですが。
 そこのみなかみ町を今、田村参考人からお話聞きまして、一つは、今、飯泉参考人に聞いたように、やっぱりその地元のお子様が地元をどのように好きになるか。ですから、そこが一つの職としてその職業訓練学校なりへ入っていただくというのは、私もそれをすごく先ほど聞いていてなるほどなと思ったんですけど、田村参考人も先ほど、小中高というのか、お子さんが自分の地元を好きになることが一番大切じゃないかというお言葉があったんですが、その好きになるというこのキーワードというか、何かやっぱりこういうふうになると、まあいろんなことがあると思いますが、特に好きになれるかということを、もしあったら教えていただきたい。
#18
○参考人(田村秀君) みなかみでも例えば中学生議会をやったりいろんな取組をしておりますし、また給食にかなり力を入れております。
 食だけではないですけど、やはり地元といえばこれというようなものを、イメージが湧くもの、食べ物ですとか、あるいは私は食べ物だけじゃなくてもいいと思います。みなかみというのは非常に景色がいい、こういう眺め、例えば谷川岳が見える、そういうものを、刷り込むわけじゃないですけれども、そういう象徴的なものをやはりもうちょっと子供たちに発信すると。もっと言えば、大人が自信を持っていないんですね。意外と親が、大したことないとか山ばっかりだと。でも、その山にこそ例えば宝があったり、あるいは利根川で、まさに東京の水がめなわけですけど、やっぱりそういうものをしっかり教えるということが必要なのかなと思います。
#19
○島村大君 ありがとうございます。
 私の地元、神奈川県なんですけど、神奈川県もいろんなそれぞれのおいしいものがあるんですけど、私が個人的に一番好きなのは、小田原に漁港があるんですけど、その漁港にアジフライ、ちょっと余りメジャーな話じゃないんですけど、ローカルな話なんですけど、そのアジフライが、テレビで、行列のお店、全国版の行列のお店で、一位は千葉県の富津だったんですけど、二位が小田原だったんです。そういうふうに本当に探すといろんなおいしいものがあるんですが、残念ながら、今、多分、皆様方聞いたように、アジフライなんか聞いたことないよなというのが現実なんですね。
 先ほどお話ありましたように、その食を、B級グルメという言い方は別として、その食を広げるためにはやはり自分たちがその自分たちの食を好きになる、先ほどお話ししましたようにその町を好きになるということだと思うんですが、広めるためのノウハウとかそういうことを、もしあれば教えていただきたいと思います。
#20
○参考人(田村秀君) 基本的には、やはり今お話がありましたように、地元の人が食べないと駄目なんですよね。それは、やはり歴史があったり、例えば富士宮やきそばって御存じだと思いますが、あれはやはり工場があって女工さんたちなんかが昔から食べていたとか、そういうのが地元にしっかり定着して、特に子供たちですね、昔の、何というんでしょう、駄菓子屋さんとかそういうところであったというところがまさにソウルフードになっていると。その意味からすると、なかなか今駄菓子屋をつくれとかそういうことはあれですけれども、やはり、さっき触れました、実は給食というのは結構重要な私はテーマだと思っていますし、実際、その給食で、ある地域で出してきた食が実は御当地グルメとして広がっていく。
 例えば、これは三重県の津なんですが、津ぎょうざというのは、調理師さんが子供たちにたくさん野菜を食べてもらいたい、そのときに大きな一個の揚げギョーザですね、たくさんだと大変じゃないですか、手間のことも考えて。そうすると、今そういうもので御当地グルメ、津ではなっていますので、やはり給食というのはもっと私はいろんな形で光を当ててもいいんじゃないかなと思っております。
#21
○島村大君 ありがとうございます。
 田村参考人のその給食のイメージというのは、やっぱり小学校、中学ぐらいまでをイメージしていますか。
#22
○参考人(田村秀君) 基本的にはそうだと思います。高校生じゃなくて、そこでも、たしか津でも小学校がベースだったと思います。
#23
○島村大君 ありがとうございます。
 何でそんなことを聞いたかといいますと、神奈川県も小学校はもちろん給食がありますけど、中学まで給食があるところがちょっと微妙なところなので教えていただきました。ありがとうございました。
 ちょっと最後に、あと五分ぐらいしかないので、小田切参考人に教えていただきたいと思います。
 小田切参考人は、私の地元の神奈川県の川崎が、明治大学、生田にありまして、私も生田何回か行かせていただいているんですけど、先ほどは、お話にありましたように、島根県とかいわゆる中山間地域と都会との話とかそういうことを教えていただいて、中山間地域もまだまだ人口が増えているところもたくさんあるんだよということを教えていただいたんですが、御案内のとおり神奈川県も人口は確かに増えております。まだまだ増えている。ただ、神奈川県の中を見ますと、いわゆる大都市の横浜、川崎、そこはまだ人口増えている。ただ、残念ながら、横須賀とか先ほどお話ししました西の方の小田原とか南足柄とか、その辺になりますと、もう今は人口減です。例の消滅何とかでも大分トップクラスに、特に横須賀なんかはもう今人口が一〇%以上減っていますので、大分減っている町なんですよね。
 そうしますと、地方もそうですが、いわゆる人口が増えているという県の中でもそういうふうにすごい格差が今大変できてしまっているのは残念なところなんですが、先ほどからお話ありますと、やっぱり一つは、キーワードはやっぱり女性かなというのをすごく感じたんですけど、女性以外に何かそのキーワードがあったら教えてほしいんですが、どうでしょうか。
#24
○参考人(小田切徳美君) 私、先ほど申し上げたように、地域を磨くというのが一つの大きなポイントだと思います。これ、恐らく都市も農山村も問わずに地域を磨く。その具体的な中身は、地域コミュニティーの皆様方がまさに自らの問題を自らの力で解決していくという、そういう姿に対して外の人が感銘するというこのプロセス、あるいは共感するというプロセス、これが重要だろうというふうに思っています。
 その意味で、女性に限らず様々な主体が汗をかいて、そして問題を解決する、これをしっかりと支援するということが一つのポイントかなというふうに思っております。
#25
○島村大君 ありがとうございます。
 小田切先生のちょっと以前いただいた資料を読ませていただきますと、その中に、移住促進のための様々な政策とかいわゆる女性に関してはもちろんそれも必要だと、ただ、最後の決め手は人だということを書かれていました。この人ということをちょっともう少し詳しく教えていただければと思います。
#26
○参考人(小田切徳美君) 人が人を呼ぶということを先ほど申し上げました。それでは、その地元の人というのはどういうタイプなのかというと、おおむね三つのタイプがあります。
 一つは、移住者の先輩です。移住者の先輩が輝いて、ああいうふうになりたいという、そういう方々です。それからもう一つは、意外と多いのは市町村の移住コーディネーターの方々です。この方々は、言わば、少し大げさに言えば二十四時間、三百六十五日体制で移住者の面倒を見る、あるいは相談に乗るということを大変行っております。しばしば、彼がいたから私たち家族は移住したんだというお話を聞きます。そして三番目は、地元の方々のとりわけ御高齢の方々です。先ほど申し上げましたように、しばしば愚痴を言ってしまうことが多い、そういう方々がまさに前向きに地域の問題解決に汗を流している。このことが一つのポイントになって、ああいう大人になりたいと、これ現に地元で言われている話なんですが、そんな言葉が人を引き付けている、そんなことを見ることができます。
#27
○島村大君 ありがとうございます。
 最後に、本当に一言だけ。その一番最初の核になる方を育てるとか、なっていただけるという何か秘訣があったら、最後教えていただきたいんですけど。よろしくお願いします。
#28
○参考人(小田切徳美君) これも繰り返しになりますが、一番最初の核になる方は、何といっても地域の魅力によって引き付けられていきます。そういう意味で、地域が輝くということが何よりも第一歩ではないかというふうに思っております。
#29
○島村大君 ありがとうございました。
#30
○会長(川田龍平君) 平山佐知子君。
#31
○平山佐知子君 ありがとうございます。民進党・新緑風会の平山佐知子と申します。
 今日は、三人の参考人の皆様、地域磨き、それからよそ者の視点ですとか食の話も、私、地元が静岡県で、富士宮やきそば、先日も富士でB級グルメのイベントをやりましてたくさんの人がいらっしゃって、食は人を呼べるというのを実感しましたので大変共感いたしましたし、ピンチをチャンスに変えるという話題も興味深く聞かせていただきました。
 その中で、先ほども先生の方から人口減少社会の話がありましたので、重なる部分もあるかもしれませんけれども、地域間格差、例えば人口とか所得とか財政力とか様々な格差がありますけれども、先生方も著書などで触れられていらっしゃいますように、いわゆる富の都市集中型、これが進んだことが大きな原因かなと私も思います。
 そんな中で、私、地元の静岡県見てみますと、中山間地域は県土面積のおよそ三分の二もあります。高齢者人口の比率の上昇、それから耕作放棄率など、全国平均に比べて高いということもあります。こういう問題。また、今月七日に発表されたばかりなんですが、静岡市、政令指定都市としては初めて人口七十万人を割りました。これは地元でも大変話題になりました。特に十八歳から二十二歳の若者の人口減が目立つということで、静岡市では、以前からやっていますが、県外の大学に進学した学生に新幹線の定期代、これを補助したりですとか、東京都内に開設した移住支援センターで希望者の相談を受け付けるなどして、様々な人口減少対策も進めているところではございます。
 ただ、国全体としてもこの人口減少社会については様々やっているところだと思いますが、やはり効果が出るには時間が掛かってしまう。そんな中で、先ほどもいろいろアイデアはありましたが、この人口減少社会といった大ピンチを大チャンスに変える施策はないかもしれませんけれども、ピンチはピンチとして受け入れながらも、地域の特色を生かしながら何かできる施策があれば、更にあれば伺いたいなと思います。それぞれの皆さんにお答えいただければと思います。
#32
○会長(川田龍平君) それでは、まず小田切参考人からでいいですか。
#33
○参考人(小田切徳美君) これも繰り返しになって大変恐縮なんですが、地域を磨くということが何よりも重要です。その意味では、ある種地方創生に対する批判にもなりますが、急がないということが重要だと思います。しばしば地方創生は、人口減少局面の中で急がなくてはいけない、そのために短期間で成果を求めがちですが、そうではなく、地域づくりというのは本当に息が長い仕事です。そして、地域を輝かせ、そして人が輝く、このプロセスを諦めないで追求するということが重要ではないかと思います。
 具体的に、静岡でいえば、例えば浜松の県北地域は大変頑張っております。ある種の移住者のホットスポットになっておりまして、まさに地域づくりの積み重ねによってそこに若者が向かうような好循環が生まれておりまして、こういったことが全国に広がるということが求められているんだろうと思います。
#34
○参考人(田村秀君) 確かに特効薬というのはなかなかないと思いますし、私も余り短期的に求めるべきではないと思っています。
 地域を磨くということですが、食によって地域を磨いて交流人口を増やすことなのかなと。その際に、やはり余り新しいものに飛び付かず、やっぱりあるもの、持ち駒で勝負する。
 私は、静岡おでんのあの文化というのはすばらしいものだと思っています。やっぱり駄菓子屋さんとかであるわけですよね。やっぱりそういうものを大事にするとか、あるいは、先日、沼津、三島へ行きましたけれども、そこにある歴史のものって結構私知らなかったものをまた見付けまして、ああ、まだまだこういうところもっと行きたいなというところがあります。
 やっぱりそういうものを地道にやはり情報を発信し続けるのかなと。特に、食は文化としてちゃんと子供たちにつなげていってほしいと思います。どうしてもファストフードばかりになってしまいがちですけれども、元々あるそういう食文化というものを大事にしてほしいと思いますね。
#35
○参考人(飯泉嘉門君) 今、十八から二十二歳がというお話がありました。今回の国勢調査の結果、十五からいわゆる二十九までの皆さん方、いわゆる若者ですね、この皆さん方が本当に東京圏に集まってしまっているということがあります。
 ということで、まず、例えば静岡県では新幹線定期を、これを渡そうというお話があったわけでありますが、地方に魅力のある大学の学部、こうしたものをつくると。例えば、六次産業であれば本県の徳島大学に生物資源産業学部、そしてまた、本県の場合にはノーベル賞の学者もこの間出たところでもありますので、そうした地方の大学の魅力を増していく、これがまず重要ではないかと思っています。
 それからもう一つは、やはり就職です。ということで、東京に本社、名立たるものがみんなある、そうしたところも、新しい例えば頭脳拠点、こうしたものを地方へ持ってくると、そうすることによって地方と、もちろん東京から外してしまうというだけがいいとは思わないんですが、やはり行き来をしていくと。そうしたものの中で、じゃ、自分はやっぱり地方のがいいよと、こうした思いを強くしてもらえる、そうした場を増やしていくのが一番ではないか、このように思っています。
#36
○平山佐知子君 ありがとうございます。
 次に、ちょっと今日の皆さんのお話のテーマとは変わってしまうかもしれないんですけれども、私、以前から中心市街地活性化とか様々なところをちょっと調べているところがございまして、先日も決算委員会で経産大臣には質問をさせていただいたりもしたんですけれども、町づくりという点で、是非、現場を知る皆様方のお話も今日はいただけたらなというふうに思います。
 これまでの町づくりのいきさつを簡単に振り返ってみますと、特に地方都市では大型店の出店が相次いだことで、その影響を受けた中心市街地の商店街、閉店を余儀なくされてシャッター通り化というふうになってしまいます、これは皆さんの多くの地域でもそうだとは思うんですけれども。そうした中でも、ただ、大型店が郊外でもあるという状況であれば、例えばお年寄りの皆さん、自転車を頑張ってこいで行ったりとかですか、あと買物回数を減らしてまでもバス、タクシーを使って何とか行っていた。でも、最近ではネット通販の普及で、そういう大型店さえも撤退、衰退してきている現状があるということなんですね。そうすると、もう高齢者の皆さんにとって、インターネットもうまく使えない、大型店も郊外になくなってしまって、中心市街地の商店街もなくなってしまいますと、もうなすすべがなくなって、結局ちょっと便利な土地に引っ越しせざるを得ないという状況にもつながってしまうと。何かそうなると、私、大変悲しい状況で、このような町づくりでいいのかなというふうに疑問も以前から抱いておりました。
 そういう一連の時代の流れも含めて、このような状況について、それぞれの皆様に意見、何かあるといいなというふうに思います。
#37
○会長(川田龍平君) じゃ、まず小田切参考人。
#38
○参考人(小田切徳美君) 私も先生と同じことを考えております。実は、農山村、中山間地域問題以上に、郊外問題の方が深刻だと思っております。それは二つの理由があります。
 一つは、郊外にはなかなかコミュニティーが生まれませんでした。大型店が生まれて、ロードサイド店が生まれて、そして住宅が生まれる、こういうプロセスの中で、残念ながらコミュニティーが根付く時間がありませんでした。その意味で、足掛かりとなるような、つまり地域づくりの基盤となるようなコミュニティーが、欠落しているとは言いませんが、希薄化しているということ。
 それからもう一つは、農山村のように目立つ地域資源がありません。農山村であれば、農産物であったり景観であったり、まさに地域資源があり、それが足掛かりになるわけなんですが、多くの郊外地域にはそれがないと。
 そんなことを考えると、実は最も深刻な問題がそこに集積しているんではないかというふうに思っております。農山村の経験が何がしかの形でそこに役立つ方法はないか、今まさに我々研究グループでも考えているところであります。
#39
○参考人(田村秀君) これはなかなか本当に難しいなと。私も本などでも書いているんですが、一種の焼き畑商業みたいな感じで、どんどんどんどん移っていくと。私はなかなか、こうすればという案はないんですが、反省を込めて言うならば、やはり日本の都市計画の問題が一つあるのかなと思っております。御存じかと思いますけど、日本は建築自由の国と言われていて、先ほど小田切先生からイギリスなんか出ましたが、イギリスなんか非常に権限が自治体持っているんですね。ドイツもしかりであります。それはもちろん日本の経済発展を支えたという側面はあるんですが、町づくりにおいて自治体のその規制する権限というのが十分ではなかったということが一つあると思います。
 じゃ、どうすればいいかというのはなかなか、私も新潟なんかにいて、逆に規制する権限もあるんだけど、区画整理とかをどんどんどんどん郊外でやってしまって、それでまた、まさにロードサイドショップがこの時代になってもできているような地域もあります。そうすると、やはり何かもう少し土地利用のコントロールということがないのかなと考えてはいるんですけれども、いまだにこうだというのが出てこないというのが現状かと思っております。
#40
○参考人(飯泉嘉門君) 今お話がありましたように、平成九年にこの中心市街地の再活性化法ということで、このときには旧銀座、これをよみがえらせると。そこはなかなか駐車スペースがないということで、立体駐車場、こうしたものを各省が応援をすると、こういうパターンだったんですね。
 しかし、なかなかこの車社会から高齢化社会になって、今どちらかというと免許の返納問題ということになってまいりました。そこで、具体的な処方箋としては二つ。
 一つは、高齢者の皆さん方に、今お話がありましたように、便利な大都市部に移っていただくと。実は、イギリスの事例がさっき出てきたところでありますが、イギリスは、若いうちは子育て環境のいい郊外で、そして高齢者になってくると便利なシティーに住むんだと、こうしたパターンなんですね。ということで、このコンパクトシティーというのがまさにその最近よく言われる一つの事例です。
 でも、高齢者の皆さん方にお聞きすると、慣れ親しんだところを離れたくない、こうした話なんですね。こうなった場合には、先ほどのネット通販は使いようです。つまり、パソコンを使う。個の時代から、今ではやはりヒューマンインターフェース、これをどんどんどんどん変える。そして、高齢者の皆様方が、例えばテレビ、タッチパネルで物ができると、受発信がですね。こうなってくれば非常にこれは便利になるところでありますし、場合によっては、それも難しければ、今徳島ではとくし丸という制度がありまして、逆にスーパーが移動スーパーで、昔はお豆腐屋さんも魚屋さんもそうだったんですよね、これをやろうと。あるいは、障害者の皆さん方が小さいミニバンにそうしたものを積んで、そしておじいちゃん、おばあちゃん、どうですかと。で、障害者の皆さん方もヒューマンインターフェースが逆に良くなってくると、そういうウイン・ウインの関係をつくると。
 都市型あるいは郊外型、こうした形が、特にAIが導入をされると大分変わってくるんではないかと、こう思っています。
#41
○平山佐知子君 ありがとうございます。引き続き考えていきたいと思います。
 最後、ちょっと時間が短くなったので、飯泉さんにお伺いしたいと思いますけれども、私、地元の商店街振興組合の方にもいろいろお話を伺っているんですが、様々な町づくりの活性化のための法とか予算とか、自治体のものも含めてたくさんあるんだけれども、たくさんあり過ぎてちょっと使いにくさも感じていらっしゃるというお話がありました。
 特に、静岡市で行っている中心市街地にぎわい創出事業補助金というものがあって、大変便利なんだけれども、イベントなどの補助金について、補助の対象となる経費の二分の一が三年を限度に補助されるということで、ただ、商店街の皆さんによると、やっぱりイベントというのは三年ぐらいやってようやく皆さんに認知されて、だんだんこれから盛り上がっていくというところで補助金打切りというふうになってしまうと、なかなか存続難しくなって、それで、そのままイベント、せっかく盛り上がってきたのにやめざるを得ないという状況にもなったりすると。その地域のやはり実情を知ってもらって、その実情に合ったやはり補助金とか様々な制度づくりが必要なんじゃないかというお話もありました。
 やっぱり私もそう思いまして、住民とか民間事業者とか経済団体、金融機関とか、もう本当に幅広くこの町づくりには携わって進めていかなくてはいけないのかな、広い目で俯瞰して見ていかなくてはいけないのかなというふうに思っているんですけれども、その辺りどうかなと、ちょっと意見がありましたら教えてくださいませ。
#42
○参考人(飯泉嘉門君) これは、イベントに対する補助金というだけではなくて、全てにおいて言えるんですね。我々地方が国からいただくもの、県が市町村に、市町村が民間団体にと。必ず補助金の切れ目が事業の切れ目、イベントの切れ目になると。ですから、例えばイニシャル効果として出していく、これは大変重要なもので、行政がやはり背中を押してあげると。で、ある一定期間、今三年というお話、先生からありましたが、しかし、三年の間に、今おっしゃられるまさに地域のプレーヤー、最近では産学官だけではなくて言労金という話もありますけど、こうした皆様方がまさに挙地域一致で、そして、それをもうかる仕組み、こうしたものもきっちりとつくり上げていく、そうしなければ、やはり補助金頼みではなかなか難しいということになるかと思います。
#43
○平山佐知子君 以上で終わります。ありがとうございます。
#44
○会長(川田龍平君) 伊藤孝江君。
#45
○伊藤孝江君 公明党の伊藤孝江です。
 三人の先生方、本当に今日はありがとうございます。とても興味深くというか、各二十分という時間ではもう本当に申し訳ないぐらいの示唆に富んだ興味深いお話をお聞きさせていただいて、大変感謝をしております。
 私自身は兵庫県からの選出なんですけれども、兵庫もやっぱり人口減というところで、流出している人口の方が多いというところではもうワーストに入るような状況にありますし、実際に神戸とまた特に日本海側の田園部との格差の問題、勝ち組、負け組という表現もありましたけれども、本当にいろんな課題を抱えている中で、ただ、その中でも地域の活性化に向けたいろいろな取組をお聞きさせていただいて、また田園回帰ということで、本当にそういうところにもしっかりと行きたい人がたくさんいるんだというその需要をどう掘り起こしていくのかというところで希望もまた見せていただいたかなという思いでおります。
 参考人の先生方に順番にお聞きさせていただきたいんですけれども、まず小田切参考人にお伺いいたします。
 先生のお話の中で、移住者の方が都市と田園部をつなぐ役割をソーシャルイノベーターという役割で、本当にそのつなぐ役割ということが大きいというお話もいただきましたけれども、その中で本当にそういう人材をどうつくっていくのか。もちろん、まずはどう呼び込んで来ていただくのかというところからになるかも分からないですが、そういう存在、キーパーソンになる方をどうつくっていくのかというところでもし参考になるようなお話があれば、まずお聞きしたいと思います。
#46
○参考人(小田切徳美君) いわゆる田園回帰の若者は、その田園回帰していく、あるいは定着していくプロセスの中で非常に大きな気付きがあるんですね。都市部で経験したことと余りにも違う環境、あるいは地域の方々が非常に、先ほど申し上げましたように、自らの課題解決に向かっている。そういった中で、明らかに学ぶ力を高めています。
 そういう意味では、実は外から来た人材に対しての教育というのは余り必要がないといいましょうか、むしろ田園回帰を進めるということが重要だと思いますけど、むしろ先ほど、田村先生もおっしゃっていただいたように、実は地元の方々に問題があるというふうに思います。
 私ども、しばしば誇りの空洞化という強い言葉を使うんですが、地域に住み続ける誇りを見失ってしまっているという、そういう実態があります。そこに穴埋めをすることが大変重要になるんですが、実はここはかつての公民館運動、公民館が非常に大きな役割を果たしていて、公民館活動がいまだに続いているところにそういった地域磨きが続いている、こんな相関関係あるいは関連が見られますものですから、こういった社会教育について力を入れるというのが一つのポイントかなというふうに思っております。
#47
○伊藤孝江君 ありがとうございます。
 本当に直接住民、特に田園部という、そういうところの農村部の住民の方とお話しさせていただくと、やっぱり交通の便が悪いとか買物が不便だ、病院がないという、その足らないものをどうしても数えていきがちになるところがあるので、そういう今おっしゃっていただいた気付きというところをしっかり私もまた考えていきたいと思っております。
 また、先生の資料でいただいている、日本と世界の都市と比較をして、首都圏の人口がどう変動してきたのかというところで、資料で十八ページでいただいている表を見せていただいて、ある意味、首都圏であったり都市部に人口が集まるというのは自然な現象の一つなのかなと思っていたら、意外と日本以外はそうでもないというところで、日本の状況はもちろん私たちの方で想像して何とかなるところはあるんですが、諸外国で実際に首都圏に人口が一極集中していないというところで何か取組をしていることであるとか、そういう海外の努力なり状況なりというところでお分かりになることがあれば教えていただければと思います。
#48
○参考人(小田切徳美君) 二つ申し上げてみたいと思います。
 実は、日本以外の先進国といいましょうか、欧米諸国は基本的に中小都市を大切にするという、そういう気風があります。なおかつ、その中小都市の中で開発規制も強いということもあって、その中小都市が人口を増やさないということが一つあります。
 それからもう一つは、先ほど申し上げたように、一九七〇年代からの流れですが、カウンターアーバニゼーション、我々の言葉で言うとまさに田園回帰ですが、これが急速に進んでおります。まさに田園で住み続ける、あるいは、先ほど知事からもありましたように、あるライフステージになると更に戻ってくるというパターンもありますが、いずれにしても、田園部の景観を大切にし、そこに一つの憧れを持って住み続けるという、こういう流れが一つあるんだろうというふうに思います。
 その景観を汚さないため、あるいは維持するための開発規制を強化するというのも、欧米諸国、一貫して流れている動きだと思います。
#49
○伊藤孝江君 ありがとうございます。
 開発規制の強化というと何か人口を狭めていく方に行きそうな気はするんですけれども、やっぱりそこはしっかりと方向性をきちんと定めながら取組をしていかないといけないというところで、またしっかりと受け止めさせていただきたいと思います。
 次に、田村参考人にお聞きさせていただきます。
 参考人は群馬のみなかみ町の方に地方創生人材支援制度の派遣という形で行かれたということで、先ほどお聞きさせていただきましたけれども、実際にちょっとこの制度が、制度という枠組みであったり制度の内容は簡単には私自身も存じ上げてはいるんですけれども、実際にこうやって行かれた方からお話をお聞きするのは初めてで、少しお聞きできればと思うんですが、この制度でそういうところに派遣をされて、行かれた側と受け入れた側とで、実際に二年間なら二年間やってみて、何か変わったところ、感じたところ、この制度の本当にメリットというのがあったら教えていただければ思います。
#50
○参考人(田村秀君) この制度、もちろん課題も、まずちょっと若干の課題の方から、もうこれは私の個人的なあれですが、実は国の方はできるだけ民間の人をいっぱい多く出そうとして、実際、でも、自治体の側はやっぱり霞が関の人間の方がいいみたいな感じになったというミスマッチがあって、そこのところは、実際に民間で行ったシンクタンクの人とかいろいろ話を聞くと、あつれきもあったけど非常に充実した一年、二年だったという話もありますので、もう少し自治体の側も、そういう民間とか、大学の研究者はもしかすると余り信頼されていないのかもしれませんけれども、大学にもいろんな人材がいますし、やっぱりそういうところをもっと手を挙げてほしかったなということはあります。
 そういう課題はありますけれども、やはり二年目、私は三年目に入っていますけれども、地域の課題を生に改めて見る機会になりましたし、やはり最初の頃は少し警戒感もあったと思います、よそ者が来ていると。ただ、そういう中で、先ほど新幹線の話も、やっぱり早い段階で何か提案をするとか、何かちょっと一つアクションを起こすべきかと思うんですが、そういうことを起こし、また、できるだけいろんな人と話をすることを努めた結果、かなり信頼はされてきているかなと。
 しかも、私、非常勤ではあるんですが一応本会議にも席がありまして、残念ながらまだ一度も答弁はしていないんですが、議員さん方とも非常に親しく、町議会議員、結構みなかみの町議会議員というのは、こんなことを言っちゃあれなんですが、非常にアクティブに活動されています。そういう方々の提案なんかも可能な範囲でやはり行政に取り組むとか。
 そしてまた、やはり観光の町ですから、観光の人たちの信頼感。観光の人というのは結構あちこちに移動してしまうんですね。特にアウトドアの人というのはみなかみに行ったり、今、徳島の方もかなり世界大会があるということであれなんですが、そういう人たちをいかにつなぎ止めるかというときに、やはりみなかみの魅力って何だろうねということをお酒飲んだり食べながらしながら腹を割って語る、そういうことがやはりこの国の制度を通じてできたということは、私自身にとってもそうだと思いますし、ほかの団体でもおおむねそういう声聞こえていますので、もっと継続していただきたいなというふうに思っております。
#51
○伊藤孝江君 ありがとうございます。
 また、先生のいただいた資料でも、個人が特に行政に対して過度に依存するということを控えていく方向にすべきではないかというような御指摘もいただいているんですけれども、実際にみなかみ町に行かれて、どういう場面でそういうことを思われたかとか、また、そのことに対して具体的な取組などをされたことがあればお教えいただければと思います。
#52
○参考人(田村秀君) 余り細かいことはあれなんですけれども、やはり観光の関係の中の人たちでも、やはりまず補助金を欲しい、そういうお金が欲しいと。観光振興にお金が掛かる、確かにそうなんですが、やっぱりもう少し具体的な提案が欲しかった。
 そういうことについてはやはり観光事業者同士でもいろんな意見があって、割と依存する方と、自分たちで好きにやるけれども本当に必要なものは提案型でお願いするよという人、いろいろいらっしゃいまして、そういう中で、行政もそうですが、やっぱり観光事業者さん同士も話合いとか、もちろんライバルではあるんですけれども、やっぱり最後はその町の観光を良くすることがみんなにとってのプラスになるわけですから、そういう切磋琢磨の議論というものは必要だったと思います。
 いずれにしましても、民間が活力を持って仕事をつくることがやはり地方創生につながると思うので、そういうところをいかに国や県や町が上手にサポートできるか、そこに尽きるのかなと思っております。
#53
○伊藤孝江君 ありがとうございます。
 飯泉参考人に聞かせていただきたいと思います。
 徳島県知事としていろんな観光とか交通網についてのお話をお聞きして、私も、この徳島と淡路島、特に生活圏も同じですし、渦潮を世界遺産にということで共に活動させていただいている関係で、本当に私も頑張ろうとまた改めて思いました。
 参考人の方からの徳島県のいろんな挑戦の中で、働き方をつくっていくというか改革をしていくということで、いろんな形でここ数年間掛けて取組をされていると。実際に、テレワークであったり新しいオフィスをつくるようなことも含めて、四十代の方を中心に意見をお聞きしたということでおっしゃられていましたけれども、実際に、聞くところまではできてもなかなかそれを具体的に全て、全てというか実現していくというのが難しいかなと思うんですが、そのいろんな働き方の改革のところを実現を一つ一つしてきたというところで何か取り組んだこと、また心掛けてこられたこととか教えていただければと思います。
#54
○参考人(飯泉嘉門君) 働き方はもちろんのことなんですが、やはりまず施策、新しいものをやる、あるいはこの国にないものをやるといった場合には抵抗もありますので、まずはお試しという形ですね、テストとしてやってみるんだという形をやっていくと。
 今回の例えばテレワーク、この場合にも、サテライトオフィスなどについては、ちょうど東日本大震災で各企業は困っておられた、じゃ、まず一遍徳島に、神山に、美波町にお試しで来てみませんかと。そして、今度はその企業の皆さん方が口コミで自分の仲間の企業の方に広げていく、そして今度は本格実施をする、こういう手順でやっていくと。こうすると大抵のものはうまくいくという形で、先ほどの様々な点についても、必ずテストパターン、これを行う。
 できれば、お金も要るものでありますので、国に対して政策提言をして、国策としてどうでしょうかと、そして国のいろいろなモデル事業としてつくっていただいてやる。あるいは、まず県の単独事業としてやって、こんな成果が出ました、今度はこれに乗ってみませんかと、やはり国のモデル事業としてやっていただくと。お金のないのであればないなりにしっかりと知恵を出して、そして汗をかいて、そして国の皆さん方に協力をいただいて行っていくと、こういうテストパターンで行ってまいりました。
#55
○伊藤孝江君 ありがとうございます。
 田村参考人の資料にもあったんですが、国会議員もプレーヤーにということで御指摘をいただいておりまして、三名の参考人の方々に、国会議員がプレーヤーにと求められるところがあれば、簡単にお一言ずつでもおっしゃっていただければと思います。
#56
○会長(川田龍平君) じゃ、まず小田切参考人からいいですか。
#57
○参考人(小田切徳美君) にわかにアイデアはないんですけど、とりわけ地域の住民の方々が今大きな課題になっているのが、実は諦めてしまうということなんですね。非常に厳しい環境や厳しい情報が入ってきて、その情報に流されてしまって諦めてしまう。この諦めてしまうということに対して、そうではないんだという、言わば可能性を共有化するということが重要になります。
 この可能性の共有化をいろんな方々にやっていただきたいなと、そういう意味で、国会議員の先生方にも是非、地元の皆様方に可能性はまだまだあるんだという、そういうことを伝えていただきたいなというふうに思います。
#58
○参考人(田村秀君) 先ほども申し上げましたけど、特に食によるいろんな町おこしの団体あります。そういう中に参加していただくのもよしですし、そういう団体をサポートしていただくメンバーになっていただくのもいいのかなと思っております。
#59
○参考人(飯泉嘉門君) やはり国民目線、そして現場主義のプレーヤーとしてなっていただくと。
 例えば、今日のような調査会を徳島でやっていただくとか、そうするパターンが実は一番マスコミの皆さん方も飛び付いてくるんですよね。そうすることによって広告費を掛けることなく全国に発信ができますし、先生方にはそれを地元に持っていっていただいて、こんなことをやっていたよ、どうだいと。まさにプレーヤーというよりもリーダーとして是非やっていただきたいと思います。
#60
○伊藤孝江君 ありがとうございました。終わります。
#61
○会長(川田龍平君) 岩渕友君。
#62
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。参考人の皆さん、今日は本当にありがとうございます。
 この間、大都市に一極集中するという経済政策の下で、中小企業や農林水産業の経営が壊されて、地方の衰退が深刻化をして、大都市と地方の格差が拡大をする、地域経済の疲弊が深刻となって、日本社会と経済にとって大きな問題になっています。
 地域経済を元気にしていくためには、地域社会を維持する経済主体である住民お一人お一人の生活が維持をされる、向上をされること、中小企業や小規模事業者、農家、協同組合、NPO、そして自治体のそれぞれが再投資力を付けるということが重要だというふうに考えています。国が、地方の基幹産業である農林水産業の振興と六次化産業、中小・小規模事業者の振興、観光産業や地域おこしなどの振興策、自然再生可能エネルギーの地産地消など、自治体が行っている地域の活性化策を支援することが必要だというふうに考えています。
 その上で、参考人の皆さんにお聞きをしたいんですけど、初めに小田切参考人にお聞きをいたします。
 私は福島県の出身です。原発事故を経験をして、原発依存ではなくて、エネルギーを再生可能エネルギーに転換をするということが必要だというふうに考えているんですけれども、小田切参考人の書かれた著書の中で、食料、エネルギー、水、二酸化炭素吸収源としての森林が非常に重要だと。いずれも多くが農山村から供給されていること、地球温暖化の要因となる火力発電所や原発に代わるバイオマスや小水力など、再生可能エネルギーの実現は農山村でこそ可能であるというふうに本の中で指摘をされておられます。
 この再生可能エネルギーなんですけれども、その活用が地元の中小企業の仕事や雇用に結び付く、地域経済に取り入れることができれば地域に新しい収入が生まれてくると。その成果を地元に還元をしたり、雇用や技術、資金の流れを地元に生み出すことで、地域経済の活性化に役立ちます。ドイツでは再生可能エネルギーの分野で三十八万人の雇用が生み出されていると。再生可能エネルギーには優れた雇用効果もあります。
 国内でもいろいろな取組が行われているんですけれども、この農山村での再生可能エネルギーの取組が地域の活性化に大きな役割を発揮するというふうに考えるんですけれども、参考人はどのようにお考えでしょうか。
#63
○参考人(小田切徳美君) 委員おっしゃるとおりだろうと思います。
 再生可能エネルギーは、先ほどもおっしゃった地域内再投資力、地域内で再投資をして、それを回していくという考え方、その基本的な考え方にまさに適する素材だというふうに思います。それからもう一つは、先ほども読んでいただきましたように、四つの資源、エネルギーも含めた四つの資源が、まさに農山村に偏在しているといいましょうか、立地しているという特徴があります。
 そういう意味では、私自身は、国内戦略地域、国内の中で戦略的な地域が実は農山村で、その一つの素材がエネルギーだというふうに思っています。その少しマクロな視点から見ても、再生可能エネルギー、農山村における意義というのは極めて大きいものがある、そんなふうに考えております。
#64
○岩渕友君 ありがとうございます。
 次に、飯泉参考人にお聞きをしたいんですけれども、今の再生可能エネルギーのことと関わってなんですが、徳島県が中四国の中で初めて地球温暖化対策推進条例というものを制定をして、東日本大震災と福島の原発事故を契機にして、化石燃料中心から環境負荷が少ない自然エネルギーを活用しようということで推進戦略を策定されているというふうに知りました。
 自然エネルギーの宝庫である徳島県、先ほど御当地の宝を大事にするということが田村参考人からも話ありましたけれども、その徳島県の優位性を生かしてエネルギーの地産地消の取組をされています。同時に、自然エネルギー協議会の会長県でもあられるということで、自然エネルギー導入に向けた政策提言も積極的に行っていらっしゃいます。
 このエネルギーの地産地消の取組が地域活性化とどういうふうにつながっているのか、参考人の考えをお聞かせいただきたいのと、この地産地消型の自然エネルギー、この推進を行うに当たって、国への要望があれば是非お聞かせください。
#65
○参考人(飯泉嘉門君) 私の場合は、徳島県知事ということと自然エネルギー協議会、今三十四道府県、二百を超える企業の皆さん方がこのメンバーに入っていただいております。
 そして、今御紹介いただきましたように、平成二十年、中四国初となります地球温暖化対策条例、正面から地球温暖化対策に取り組んでいこうと。そして、実は、昨年の九月の議会で日本で初めてとなる脱炭素社会づくりの条例を制定をいたしました。そして、再生可能エネルギー、この導入、あるいは二酸化炭素の固定、今吸収源対策のお話がありましたが、こうした温室効果ガスの排出抑制といった観点で、国全体では二六%、これを四〇%と、日本で一番高い数値を挙げるとともに、これが決して絵空事ではないということで、お話のあった吸収源対策を一三・六%、この中に入れると。その意味では、林業に着眼をして、平成十七年度から林業再生、山に高性能林業機械を入れ、若い皆さん方の特にIターン、Uターンの雇用の場にしていこうと。十九年からは再生、二十三年からは飛躍、そして今では二十六年度から新次元という形で林業の一大中心産地にしていくと。こういうことによって吸収源対策を絵空事ではないんだと、こうした形で進めております。
 ということで、まず考え方ということでありますが、当然マラケシュによってもう既にパリ協定、脱炭素社会に世界中が動き出したところでありますので、県としてあるいは自然エネルギー協議会の会長として、国に対してもこの再生可能エネルギー、これをどんどん活用できるような規制緩和ですね、その意味ではFIT、この促進期間が既に終わったところであります。例えば接続の制限であるとかそうした電力改革、こうした点についてもやはり国にしっかりと先陣を切っていただきたいな、このように思います。
 またさらには、地産地消としてこれを地方創生に生かしていくべきではないだろうか。実は、農林水産省の皆様方にも御理解をいただきまして、例えば農業振興地域であったとしても、角度によってソーラー、このパネルを併せて使うことができると、そうした形によって耕作放棄地の解消を農転をしないままに行っていくことができる。あるいは、小さい集落であれば小水力の発電を行うと。これによって地域の様々な電力を賄うだけではなくて、余剰についてはこれを電力会社に売ることができまして、それによって地域の様々な、先ほどイベントの話もありましたが、こうしたものに振り向けていくと。
 まさに地産地消の、また、これを行う会社を立ち上げることによってまさに地域に経済と雇用をもたらすと。こうした点について規制緩和とその促進を自然エネルギー協議会としても訴えかけているところでありますので、是非こうした点も政府の皆さん方にお考えをいただければと、このように考えています。
#66
○岩渕友君 ありがとうございます。
 今もいろいろお話ありましたけれども、中小・小規模事業者のことについてもお聞きしたいんですけれども、この中小・小規模事業者が経済の根幹であると。それだけではなくて、災害で例えば力を大きく発揮をするだとか、お祭りだとか地域の文化の担い手としても重要な役割を果たしているわけなんですけれども、地域循環型の、経済の循環の核である中小企業の支援を強化するということは地域活性化にとっても非常に重要であるというふうに考えるんです。
 そこで、飯泉参考人にまたお聞きをするんですけれども、徳島にも小規模企業振興憲章があって、条例でもそこがしっかりと位置付けられていると。先ほども話ありましたけれども、雇用を支えると、地域経済の安定化に果たす役割が非常に大きいというふうに評価をされてこうした取組が行われているということなんですけれども、この中小・小規模事業者が元気になるということが地域の活性化の要だというふうに考えるんですけれども、参考人はどのようにお考えでしょうか。
#67
○参考人(飯泉嘉門君) おっしゃるとおりですね。といいますのは、日本の企業構成、この比率を考えると自明の理なんですね。つまり、日本の企業九九%が実は中小企業なんですね。そしてまた、地方におけると、中小企業のうち九九・九%は実は小規模事業者なんです。
 ということで、先ほど地球温暖化対策の条例のお話をいただきましたが、同じ平成二十年度、このときに中小企業の振興条例を中四国で初めて作りました。そして、今、国におきまして、小規模事業者、こちらに目を当てようということで法律も制定をされてきておりますので、徳島では既に昨年、この条例を改正をさせていただきました。先ほど憲章のお話をいただきましたけど、小規模事業者に特化をした例えば融資の制度であるとかあるいは助成金の制度であるとか、こうしたものを制定をさせていただきまして、小規模事業者の皆さん方がまさに地域の経済と雇用、そしてまさに地産地消といった点について担い手として頑張っていただけるような体制、こちらを既に構築をし、スタートを切ったところでもあります。
#68
○岩渕友君 ありがとうございました。
 それでは、田村参考人にお聞きをいたします。
 田村参考人の書かれた本の中で、公共事業に依存するのでは地域経済が駄目になるのではないか、それは地域の魅力を損なっていることも多くあるんだと、環境であるとか国土の保全に力を注ぐことの方がはるかに地域の魅力を増すことにつながっていくのではないかというようなことが書かれていたんですけれども、生活密着型の公共事業への転換が必要ではないのかなというふうに考えるんですが、参考人はどういうふうにお考えか。
 そして、環境や国土保全をするということが地域にとってどういう意味を持つというふうに考えられるかお聞かせいただきたいのと、同じ質問を、済みません、小田切参考人にもお聞きいたします。
#69
○参考人(田村秀君) 私も売れない本をいっぱい書いているので、どの本に書いてあるかちょっとあれなんですが、多分そういうことを書いた記憶があります。
 もちろん、公共事業を否定しているわけではございません。ただ、より生活に身近なものが必要ではないかという多分思いで書いたと思いますし、特に環境とか国土保全ということに関しましては、私は今みなかみ町の参与をしております。そういう中で、まさにあそこに五つの大きなダムがございます、矢木沢ダムを始めですね。やはりそういうダムを通じて、実は、ダムだけじゃなくその周辺の森林の環境を保たないと、きれいな水質が確保できない。正直申しまして、東京都知事さんにはもっとみなかみに来ていただいて、やっぱり水がめで支えているということを知っていただきたいとも思うんですが、そういう都市と地方の交流ということも含めての国土保全、環境、場合によっては下流と上流の間の負担の在り方とか、そういうことがもっと私は議論されてもいいのかなと思っております。
#70
○参考人(小田切徳美君) 私も田村先生と同じように、公共事業を否定するものではありません。
 しかし、環境保全の側面を強調したいのは、とりわけ景観です。先ほどの英国におけるカウンターアーバニゼーションは、明らかに美しい景観を目指して人々が動くという、そういう傾向があります。そして、日本の田園回帰も、先ほどは人が人を呼ぶ、地域が人を呼ぶということを申し上げましたが、それに加えて言えば、やはり美しい農山村景観です。その意味で、景観をしっかりと維持するような、そういう視点が今後ますます重要になっているというふうに思っております。
#71
○岩渕友君 ありがとうございました。以上です。
#72
○会長(川田龍平君) 藤巻健史君。
#73
○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻です。よろしくお願いいたします。
 今日、皆様のお話を聞いていて感じたことは、各地域を活性化しようという試みは非常に貴いものだと思うんですが、その一方、日本全体で考えると、どこかの地域が頑張れば、どこかの地域の人口が減っちゃうと。特に少子化ですから、ゼロサムゲーム以上にほかの地域は減っちゃうということになってしまうと思うんですね。
 ですから、もしそういうことが起こらないんだとすれば、やはり東京とか大阪から人口を引っぺがしてこなくちゃいけない、全体がハッピーにならないと思うんですが、地方のデメリットというのは、やっぱり東京、大阪に比べると教育とか医療とか、それから一番重要な問題というのは仕事だと思うんですね。確かに食の文化、食を特徴付ける、田村参考人がおっしゃっていましたし、小田切参考人は景観だとおっしゃっていましたけど、それでは十万単位、百万単位での人の移動というのは無理かなと思うんですが、東京から持ってくるような仕事というのは地方につくり得るんでしょうか、お三方にお聞きしたいと思います。
#74
○会長(川田龍平君) まず、小田切参考人、どうぞ。
#75
○参考人(小田切徳美君) 二つのことを申し上げたいんですが、まず、仕事の前に申し上げたいのは、やはり先生がおっしゃるようにパイの縮小を食い止めるということが必要で、その意味で、出生率の向上というのが大前提だというふうに思っております。
 それから、二番目は仕事の話なんですが、もちろん、大きな仕事ではないにしても、農山村にある例えば地域資源を生かしたような仕事、あるいは農山村にある困り事を解決するような仕事、これは買物弱者対策もそうですし、様々な対応ということになりますが、それ自体が小さな仕事をつくるという、その傾向はあると思います。そして、先ほど申し上げましたように、その小さな仕事を組み合わせて暮らすという、こういう視点があることによって、もちろん莫大な人口を維持するというものではありませんが、しかし、そこに田園回帰傾向も、あるいは出ていった人間も出なくていいような、そういうことができるのではないか、あるいは現実にそういう動きがあるのではないかということを今日申し上げたかったというふうに思います。
#76
○参考人(田村秀君) もちろん何十万単位というのは無理だと思いますし、私自身は、人口減はある程度これはもうなかなか止まらないんだろうと、そういう中でいかに交流を増やすかに尽きると思っていまして、ですから、みなかみの場合は、やはり近いということが十分生かされていないということをもっと見直して発信すべきだということであります。
 実は、結構最近も移住の方はみなかみに増えておりますし、またテレワークなんかで新しくやっているところもございます。そしてまた、別に完全な居住じゃなくても、二か所居住が結構増えておりますし、あえて名前を出すべきかどうかあれなんですが、昔ライブドアの社長をやられていた平松さんという方がやっぱり、私も知り合いなんですけれども、みなかみが気に入って、みなかみに週末は住んでいるとか、あるいは、軽井沢ほどじゃないんですけれども、外国人村と言われるような別荘の地域があったりして、そういうところをもっと磨く。まさに、地域を磨くということは、景観だったり食文化だったり、そういうことを通じて少しでも交流を増やしていくような、それぞれの、今みなかみの例を出しましたが、それぞれの地域の良さを生かした上でのまさに活性化、地方創生に取り組むべきじゃないかなというふうに思っております。
#77
○参考人(飯泉嘉門君) 二つ申し上げたいと思います。
 一つは、仕事の在り方です。地方でやるべき仕事、これは、例えばクリエーターの皆さん方ですね。いい環境の中で創造を行う。あるいは、徳島がどんどん進めてきたITの皆様方ですね。やはりこうした皆様方もいい環境の中で様々なプログラミングができる、そして人間らしい生活ができる。そして、神山町が典型なんですが、神山には仕事はない、でも、こうした皆さん方に来ていただくとともに、仕事を持ってきてもらおうと。この皆さん方につられて、例えばオーガニックのフランス料理屋さんができるとかピザ屋さんができる、あるいは靴屋さんができる。そして、この皆さん方が逆に自分たちが東京、大阪にいるときには遭遇しなかった中山間地域の様々な課題を解決をしていく、これによって新しい仕事が逆にそこに生まれてくるんですね。
 そして、次に第二点目、今、田村参考人からも話がありましたが、二拠点居住ということになります。ITの皆さん方は、徳島でも東京でも、どちらでも自由に行き来することができるんですね。そうした中で、やはり子供の夏休みの間、あるいは夏休みを超えても子供さん連れで来たい、でも学校がねという場合、徳島の政策提言をさせていただいて、文科省もこれをモデル事業にということで、実は昨年、美波町に来たサテライトオフィスの方が、世田谷区に小学校、子供さんがいるんですが、美波町の小学校に、転校という手続をしないでデュアルスクールという制度、その子が進度調整のためには一つのクラスを構えることも用意していたんですね、課外制度を活用して。これによって実は転校することなく世田谷区の小学校と美波町の小学校を行き来することができて、来年も是非来たいと。そうすると、お父さんにとってみると、単身で美波町に来るというよりはもう家族で、そして最終的には、じゃ美波町に移住をして仕事があるときだけ自分は東京に行くよと、こうしたことが可能になってくるところでありまして、新たな仕事が逆に地方でこそできると、そうした分野はたくさんあるということであります。
#78
○藤巻健史君 せっかく徳島県知事の飯泉さんいらっしゃっているのでお聞きしたいんですけれども、徳島県でこの十年、二十年で空洞化は進んだんでしょうか。要するに、工場団地とかがなくなったかどうか、そしてシャッター通りがやっぱり増えているのかどうか、お聞きしたいと思いますけど。
#79
○参考人(飯泉嘉門君) 徳島の場合には、工業団地、確かに売れ残っていたと、私が商工労働部長のときでありますので今からもう十六年以上前の話でありますが。そこで、逆に新しい工業団地を造ることなくあるものをどんどんと、それからあとはオーダーメードで造っていこうと、こうしたパターンを取ったんですね。そうした結果、もう既に完売をしておりますし、今新たに逆に必要となると。
 といいますのは、南海トラフ巨大地震、これを迎え撃つためには、海岸べりにある工場をやはり安全なところに移していくと、こうした点も必要となりますし、逆に山の中に移すのではこれ利便性が悪くなりますので、ちょうど遅れていたがゆえにラッキーという世界で、今徳島県の場合には四国横断自動車道が着々と造られているんですね。そうした新しいインターチェンジ、その周辺のところ、ここを開発することによって、オーダーメード型で、そして南海トラフに備えるとともに、逆に新たな業種についても入ってきていただくと。
 もちろんICTの関係については、たくさん今、サテライトオフィスは四十五ありますし、またコールセンター、データセンター、平成十五年の段階ではゼロでありましたが、今では十八社二十五事業所がありまして、千を超える、特に女性を中心とする、そうした雇用が生まれております。
 ただ、先ほどの中心市街地、こうした点について、特に徳島の中心市街地、こちらについてはシャッター街化あるいは空洞化と、そうしたものはやはり世の常でありまして、よそと同じように。しかし、今回、イオンがモールを持って徳島市内に出てくるということがありまして、この空洞化がさあこれからどうなっていくのかと、これからが非常に注目のところということになっております。
#80
○藤巻健史君 私がちょっとなぜ空洞化をお聞きしたかというと、私の持論は、またかと思われる方も多いかと思うんですけど、円高のせいだと思っているんですよ。要するに、円高になっちゃって日本人の労働力が高くなる、要するに外国人、逆の言い方をすると強い円で外国人を安く雇えますから、どんどんどんどん工場が外へ行ってしまう、そうすると、当然、工場に頼っていた例えばバス会社それから商店、みんなポシャっちゃうわけですよね。
 一方、東京と地方の格差について言うならば、円高が進んだところで本社はやっぱり東京に残るんですよね、地方、海外へ行かない。ということは、東京では人口減が起きなくて仕事はあり、そうすると地方は工場がなくなって、消滅していって、仕事がなくなるから人がいなくなっちゃうと、こう思っていまして、円高がある以上、やはり地方の活性化というのは難しいかなと。円安になれば仕事がまた工場等、工場はやっぱり東京には造れませんから、やっぱり地方に戻ってきて地方が活性化し、それに伴ってシャッター通りもまたオープンしていくと。こういうのがやっぱり地方活性化の肝だと私は思っているんですよね。
 ですから、今までお聞きしていた施策というのも非常にすばらしいものだと思いますけれども、やっぱり大きく人口が地方に戻ってくるためには工場再開。もし空洞化で日本の工場を戻せないのであるならば、別に日本の工場じゃなくてもいいわけです。アメリカの会社でもいいし、アメリカの工場でもいいし、それからアジアの会社の工場でもいいわけで、その地域地域の特性を生かせる工場を誘致するというのが地方自治体の最大の仕事かなと私は思うんですよね。
 飯泉知事は政府機関を地方へとおっしゃいましたけど、私は、それよりはアジアを回って、自分の地域はこういう大学を出た優秀な人材がいるからとか、原料があるからということで外国の企業を誘致する、そうしていけば工場が元に、新しいアジアの会社でも戻ってきて人が増えると、これが一番手っ取り早い解決法かなと思うんですよね。
 それで、もう一つ言うならば、何はともあれ円高だったらそれは絶対無理ですから、財務省辺りに円安をってデモを掛ければいいわけで、そういうことが一番その地方復活のパワーかなと思うんですが、いかがかなと思いますので、ちょっとお聞きしたいと思います。
#81
○参考人(飯泉嘉門君) 既にこれは歴史が証明をしているところで、円高がどんどん進み、また各金融機関、例えばメーンバンクというところですね、各企業に、一時期はどんどん生産拠点は海外へ出せと、出さないところはもう駄目だ、こうした時代があったんですね。しかし、いろいろなリスクに遭ってなかなか大変だった。もちろん、中小企業もそのサプライチェーンとして一緒に行って大変な思いをしたところもたくさんあるところでして、そうした意味では、昨今のこの円安基調になって、海外に工場を建てるよりは、新しい工場、特に頭脳工場的なところについては国内へと国内回帰が今進んでいるところでありまして、その意味ではより地価の安い地方へというふうになるかと思います。
 しかし、昨今ではIoT、ビッグデータ、そしてAIと、今ある企業、業種、恐らくあと十年後には四割がなくなるという中で、工場を必ずしも持ってきたからといって雇用がたくさん生まれるということにはなかなか難しい時代になったんですね。それよりは、地方に特化をした頭脳拠点、あるいは本社の分社化、こうしたものをやっていくことによって、恐らくそれにまつわるいろいろなサプライチェーン、こうしたところが集まってくるんではないか。
 そのためには、政府関係機関がやはりこれもフィールドを持つことによって地方に展開をすると、そこと共同で各企業が研究開発をするとか、こうしたところが生まれてきますので、これは鶏と卵の関係ではあるんですが、やはり政府関係機関が是非地方へ、そして特色のある活動を企業の皆さん、大学の皆さん、あるいは地元の公共団体と一緒にやっていただく、これがやはりこれからの道ではないだろうか、このように思っています。
#82
○藤巻健史君 インフラを造って外国企業若しくは日本企業が戻ってくることを支援するというのは、非常に重要だと思います。個人的見解としてはかなり円安がこれから進むと思うんで、地方も捨てたものじゃないだろうなと私は思っているんですけどね。
 それはそれとして、最後にちょっと質問もう一つしたいんですけれども、この前飛行機に乗っていてJALの機内誌読んでいたら、浅田次郎氏のエッセーで、最後に、またかよ、またこれかよと、要するにどこ行っても同じだと、日本、面白くないと、こういう話が載っていて、ああ、確かにそうだよなと思ったんですよね。例えば、イギリスとかドイツなんかは車で二十分走るともう羊が草原で草をはんでいるということで、すばらしいなと思うんですけど、日本はどこに行っても同じだと。
 なので、例えば拠点をつくって、地方地方に中心拠点をつくって、その周りは一応仕事が集まって、あとは周りから通ってくる。そして、その郊外の地域はやっぱり野に帰すと、自然に帰す、イギリスとかドイツというのはそういう考え方だと思うんですけど。日本の場合、土着志向が強いですから、今生きていらっしゃる方はきちんと面倒見るけれども、もうその次の世代はそこに帰すという発想じゃなくて、やっぱりその中核都市に戻すというのが的確かなと思うんですが、それについてちょっと、過激過ぎるかどうかちょっとお聞きしたいなと。もし時間があれば。
#83
○参考人(飯泉嘉門君) やはり、今までの日本、戦後は効率よく復興していこうということで、東京一極集中、逆に国策として進めてきたんですね。そうすることによって、今お話があるように各地方もそれぞれを拠点としてミニ東京をつくっていこうと、これが金太郎あめになってしまった。そうした中で、もう一度原点回帰をしようと、地方の魅力を増していくんだというのが今回の地方創生だと、このように思っています。
 ですから、そうなってまいりますと、逆に地方でこそといった意味で、地方のそれぞれの特色を持たせる、つまり地方がそれぞれもう、金太郎あめじゃなくて、それぞれに色が十人十色になるような、そうすることによってそれぞれの目的に合った皆さん方が地方に移り住んでいくと、そしてまた高齢者になった場合には大都市部にコンパクトシティーとして戻っていくというのも一つの方策としてあると、このように考えています。
#84
○藤巻健史君 時間が来ましたので終わりにします。ありがとうございました。
#85
○会長(川田龍平君) 薬師寺みちよ君。
#86
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。よろしくお願い申し上げます。
 地方創生自体を私、否定するわけではないんですけれども、いわゆる社会保障というようなところを専門としている者にとりましては、医療、介護というものが大変大きな問題になってまいります。もちろん、津々浦々まで人の波というものがこれから継続して増えていくという現象が起こってくればいいんですけれども、どうしても人口減少社会といったようなものは、もうこれは私どもしっかりと立ち向かわなければならないというふうに思っているところです。
 そこに、地域の活性化をする。しかし、現実問題といたしまして、山村、農村のような部分で一人の患者様を診るのに一時間、二時間掛けてドクターがそこに行かなければならない。そして、介護施設というようなものも、そういうところは経営が成り立たないような現状、若しくはこれから先、迎えていくに当たりまして、どんどんいわゆる効率化というものを多分国も求めていかなければならないと思うんですね。
 どうしてもこの二つの、地域の活性化という問題と人口減少社会における医療、介護の提供体制というものを考えたときに、反するものというものが生まれてくるのではないのかなということを大変私自身が危惧しておりますし、じゃ、解決方法としては何があるんだろうといつも悩んでおります。ですので、いわゆる私どものような社会保障の立場からではなく、地域活性化を目指していらっしゃる皆様方の立場からこういう現象をどういうふうに見ていらっしゃるのか、まずはお三人の方々に教えていただければと思います。お願い申し上げます。
#87
○会長(川田龍平君) どなたから。じゃ、小田切参考人。
#88
○参考人(小田切徳美君) どうもありがとうございます。
 これは先ほどの藤巻先生の話とも通じるところなんですが、二つ申し上げてみたいんですが、一つは高齢化すればするほど地域に固着する傾向があります。私どもも、アンケートを取ると、年齢階層とその地域に住み続けたいという意向は明らかに高い相関があります。そういう意味で、農山村が高齢化することによってなかなか高齢者がそこから移動しづらいという状況が確かに今生まれているんですね。逆に言えば、極端に言えば、そこから引き剥がすというのが実に大きなコストが掛かってしまうという、こういうことがまず第一に認識すべきだろうと思います。
 二つ目の論点は、現に高齢者が農業生産等に関わることによって健康寿命を長らえているという、こういう現象であります。研究も少しずつ進み始めているんですが、直売所があって、そこに出荷している高齢者の健康寿命が長いという、そういう傾向が徐々に明らかになり始めております。そういう意味では、農山村の中に小さな仕事があって、そして日々体を動かすことによってそういう現象が生まれてくるとすると、実は今住んでいるところから動かすという、そういう発想は必ずしも私としては賛成できないという、そんな議論をしたいと思います。
#89
○参考人(田村秀君) 私の全く専門外でございまして一般的なことしか申し上げられませんけれども、基本的に私も小田切先生と同じような考えで、やはりみなかみですとか新潟の様々な農山村を見ていますと、結構高齢者の方で仕事をしている方が元気にやっている、結果的に病気もしていないということもありますので、一方で、そういう人を例えば新潟市だとか前橋市とかに連れていくとまさにいわゆる認知症になってしまうんじゃないかというリスクもあるので、そこのところはメリット、デメリットをよくよく考えなきゃいけないのかなというふうに思っております。
#90
○参考人(飯泉嘉門君) 実は、かつて待機児童数、これが大きな社会問題になった。今は待機高齢者、つまり特養に入れない皆さん方。日本でワーストは東京です、言うまでもなく。そして、千葉、神奈川、埼玉、東京圏。そして、一番少ないのが徳島県です。ということで、実は我々、日本版CCRC、その原点としてコミュニティーを持ったアクティブシニア、この皆さん方に是非徳島に戻ってきてくれと、その意味でも「VS東京」を発信をしたんですね。そして、モニターツアーなども行いまして、こうすることによって、例えば六十五歳でお戻りをいただければ、介護の発現率が一番高くなると言われる七十五歳以降、十年間はアクティブシニアとして、そしてコミュニティーのある地域で頑張っていただけるんですね。
 こうすることによって健康寿命が延びることにもつながりますし、その地域に、高齢者ではあるんですが、アクティブシニアが来てくれることによって、例えば医療、介護、あるいはいろいろなサービス、こちらについてのマスの点が十分に成り立ってくる。その一方で、東京圏の方からは待機高齢者の皆さん方を減る要因をつくることができるわけでして、まずはこれだけ高齢化がどんどんこれから進んでくるということを考えると、このアクティブシニアの皆さん方をどう、やはり頑張っていただくのか、それから健康寿命をどう延ばしていくのか、ここをまず考える。
 ただ、これが全部の結論にはならないんですね。もちろん最終的には、子供さんたちを産み育てられる、そうした環境をいかにつくっていくのか。その意味でも地方をこのまま廃らせてしまってはいけなくて、地方を魅力あるものにすることによって、やはり子育て、産み育てるんだったらまず地方でという形をいい循環として、まさに人口の好循環、これをやはり生んでいく。その意味でも、まずはアクティブシニア対策、これをしっかりと行うべきと、こう考えています。
#91
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 大変参考になりますし、しっかりと、だからこそ地域の活性化が必要だということは私も理解をしたところでございます。
 まず、小田切参考人にお伺いをさせていただきたいんですけれども、実は私、愛知県選出でございまして、愛知県は大きな悩みを抱えているんですね。実は、男性対女性の比率というのが、女性が極端に少ない地域なんです。と申しますのは、やっぱりトヨタでしたり大きなデンソーでしたり、物づくりが中心になってまいりますので、男性は流入してくるんですけど、女性は逆に出ていってしまう。今この田園回帰のところで羨ましいなと思ったのは、女性の割合が上昇している。まさに、愛知から逃げているんじゃないかなというふうに思ってしまうぐらいに、これはすばらしい現象だなと思います。
 だから、私もいろんなところで話をしますのは、女性がいない都市というのはこれから消滅してしまいますよと、いかに女性に対して魅力的な都市を築いていくのかということがこれからの二十年、三十年先の未来を語ることになるんですけどというふうにお話しするんですが、まさにこれ、なぜこうやって女性が増えているんでしょう。そして、まさにこのちょうど団塊世代が少なくて、二十代、三十代がなぜこんなにも引き付けられているのか、ちょっとそこを、済みませんけれども、教えていただけますでしょうか。
#92
○参考人(小田切徳美君) いわゆる移住は極めて多様なものです。そういう意味ではいろいろな要因があるのは事実なんですが、強いて言えば、子育て環境を求めて農山村に移住するという傾向が出始めております。私たちがいろんなところでインタビューをすると、自分の子供はできるだけ小規模な小学校に入れたいんだという女性もいたりして、これは小中学校の統廃合が進められている状況から見ると、真逆の動きであります。そういう意味で、東京にはない、大都市にはない子育て環境を求めて女性が動いているという傾向は確かにあるんだろうと思います。
 今日の資料でも、内閣府の世論調査の中で、あなたは子育てを農山漁村でしたいですか、大都市でしたいですか、こういう問いに対して、女性はやはり過半数が農山漁村という回答が得られております。
#93
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 ちょうど私どもの世代はやはり都会にというふうに向かってきた世代ですので、そういった意味においては、だんだん若い皆様方の考え方自体がもう既に変わりつつあって、それをしっかりと先取りしたところが結局地域でも残っていけるということになるんでしょうか。
#94
○参考人(小田切徳美君) おっしゃるとおりで、ある研究者がこういうことを言っています。今の若者は農山村と都市をフラットに考えている、どちらが優れているか、どちらか劣っているかという考え方は基本的にしない。私に言わせれば、それに加えて、海外も含めて、つまり海外、都市、農山村がフラットに位置付いていて、自分がどこに行ったら活躍できるのかという視点で見ている方が多く、特に女性がこの視点が強いというふうに思います。
#95
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 じゃ、この人の流れというのがもう今じゃ変わりつつあって、その流れというものを加速させるような方向の施策を考えていけばよろしいということになりますですよね。
#96
○参考人(小田切徳美君) まさにそのとおりだろうと思います。
 ただ、強調しておりますように、非常に地域間格差が大きい、別の言葉で言うと、日本地図に落としてみると物すごく大きなまだら現象が起きております。そういう意味で、それぞれの地域がもっともっと輝いていくことによって多くの移住者を受け入れるような、そういう仕組みと支援策が必要なんだろうと思います。
#97
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 では、次に田村参考人にお伺いさせていただきたいと思います。
 私、面白いなと思ってお話伺っていたんですけど、田村参考人がいわゆるアナログの世界を語っていただいたのではないかな、まさにフェース・ツー・フェースで、人と人が寄り添うことによってその地域が元気になっていく。飯泉参考人の方は、逆にアナログではなくデジタル化をさせていくことによる何かすごく近代的なものを見せていただきまして、私、実は先日、ドイツのデジタル大臣会合に付随して開かれましたステークホルダーの会議にも参加してきたんですね。そうしましたら、やはりアナログの世界というよりももうデジタル化を今世界は目指していて、本当にそのアナログの大切さというものをこれでは欠落してしまう、忘れてしまうのではないかなというとても危機感を持っていたんですけれども、それに関しまして今回いろいろな試みを見せていただき、何かすごくほっとした感じがいたしました。
 やはり直接みんなで集まって食の文化というものを楽しみながら、そこでお互いに触れ合いながら新しいものをまたこうして創造していくって、やはりすごくこれ重要なことで、観光でも、何かビデオで見るのではなく、そこに行き、そしてそこでしっかりと自分の足で踏み締めるという、やはりこういう文化というものをなくしてはならない、そしてしっかりとそれを確立していかなければならないということを感じたんですけれども、今まさにみなかみでやろうとしていらっしゃることというのはそういうことなんでしょうか。それとも、もう少し何か先駆的なものを考えていらっしゃるんでしょうか。
#98
○参考人(田村秀君) みなかみにしても食文化観光についても、基本的には、やはり人と人のつながりであったり、人がつくってきた食の景観みたいなものを上手に次にバトンタッチするということが大事なんだ。もちろん、食というのは決して固定的なものじゃありません。食文化というのはどんどん変わっていきます。日本の食文化というのは、中国だったり韓国だったり、いろんな御当地のものを取り入れる、そういう一種の不易流行、変わるもの変わらないものというののバランスというのが大事だと思いまして、そして、またそこにいろんなうんちくだとか歴史という。
 確かにアナログかもしれませんけれども、でも、現実に海外の観光地もそういうところ多いと思うんですね。やっぱりそういうところをうまく発信するということを通じて地域を活性化させるべきだと思いますし、実は、このB―1グランプリの話もさせていただきましたが、基本的にみんな楽しくやっているんですよ。地域活性化って眉間にしわを寄せてやるものじゃないと思うんですね。自分たちが楽しくなければ周りも楽しくないと、そういう感じでやっている、まあそれはアナログという表現かもしれませんけど。もちろん、その団体間ではまさにデジタル的ないろんな情報交換もしていますが、そこのやっぱりバランスなのかなと。ライバルでもあるけれども、そういう仲間たちが連携してみんなで盛り上げていくと。そういう一種のちょっと体育会的な乗りではありますけれども、そういうものというのは決して無駄にはならないと思っております。
#99
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 名古屋でも手羽先サミットというのをやっていまして、あれも盛り上がるんですよね、いろんな御当地の手羽先が集まって。楽しい中でやはり文化を創造していくということで、本当に今日も勉強になりました。ありがとうございます。
 最後に、飯泉参考人にもお伺いしたいのが、先ほどちょっと申し上げましたいわゆるデジタル化というものを相当進めていらっしゃる。やはりデジタル化を制する者は地域を制する、国を制するというぐらいまで今言われております。今後どのような戦略をお持ちなのか、そして、それをしっかりと私ども、国がサポートしていくために今何が必要だと考えていらっしゃるのか、教えていただけますでしょうか。
#100
○参考人(飯泉嘉門君) 我々は、決してデジタル化をということではなくて、あくまでもデジタルを一つのツールとして使っていくと。そして、その根底に流れるのは、お話のあるように、やはりアナログ文化ということなんですね。この世界をつくってきた私自身としても、どちらかというと、ほとんど私はアナログ人間、だからこそデジタルをツールとして使うことができる。それを目的にしてしまうと非人間的になってしまうということがあるんですね。
 今、特にIoTとビッグデータ、これを合わせることによって個人個人の特性といったもの、これに合う行政を行うことができるようになるんですね。例えば徳島県、いよいよ平成二十九年度から学校の教育現場でも行うんですが、様々なテストデータだとかこうしたものをビッグデータとして活用することによって、どの子がどういった点について弱点があり、どういった点に興味があり、どういったところに長所があるのか、これに合った形の教育をテスト的にやっていってみようと、こうしたことを今進めようと考えているところです。
 そうした各データ、今回、例えばマイナポータル、これがいよいよ始まる。元々のマイナポータルの狙いというのは、個人情報がどのように各政府機関あるいは地方に使われているのか、アクセスをされたのか、こうしたものを個人に開示をしようと、こうしたものなんですが、ただ、例えばアンケート調査というのがありますが、これも、例えば高齢者の皆様方、特に女性で愛知県の人にというような形の、こうした調査も立ち所に行うことができるようになるんですね。
 ということで、デジタルというツールを活用しながら、アナログの非常にほんわかした、しかも温かな、こうしたものをいかに具現化をしていくのか、こうした点を狙っていきたいと、こう考えています。
#101
○薬師寺みちよ君 終わります。ありがとうございました。
#102
○会長(川田龍平君) 以上で各会派の一巡目の質疑は終了いたしました。
 他に質疑の希望のある方は挙手を願います。
 浜口誠君。
#103
○浜口誠君 ありがとうございます。
 三人の参考人の皆さん、本当にありがとうございました。大変貴重なお時間をいただきました。民進党の浜口誠と申します。
 本当に、皆さんの経験だとか実態に即して今日もお話を伺って、大変興味深く、大変いいお話を聞かさせていただけたなというふうに思っております。
 一点だけ私の方から、皆さんの経験を踏まえて、地域の活性化、地方の活性化に向けて、要は、国に対して、もっとこういうところをやってくれ、これが大事なんだという要望等があれば、もうたくさんある方もいらっしゃるかと思いますけれども、そのうちのたくさんあれば二つか三つぐらいに絞って、国に対して地方を活性化するためにはこういうことはもっと国としてリーダーシップを取ってやってほしいという点があれば、是非この場でお話しいただければなというふうに思っております。
#104
○参考人(小田切徳美君) ありがとうございます。
 二つ申し上げたいと思います。
 一つは、先ほども少し申し上げたことなんですが、市町村や地域のコミュニティーを急がせ過ぎないでくれ、焦らせないでくれという、そういうことを申し上げてみたいと思います。ともすれば、短期間で成果を求めるという、そういう傾向が強い中で、地域づくり、地方創生というのは決してそうではないんだろうと思います。そのしっかりとした準備期間あるいは成果が出るまでの期間を確保するという発想を取り続けていただきたいなというふうに思います。
 それから、二つ目は人材です。この人材育成というのは国レベルでも大いにやっていただきたいなというふうに思います。先ほど人口の動向も議論が出ましたが、私もやはり人口減少は更に進むと思っております。農山村でも、田園回帰があってもそうなんだと思います。しかし、人口減であっても人材増であれば、地域は持ちこたえることができます。そんな人材を育成するということに力を注いでいただきたい、そんなふうに思っております。
#105
○参考人(田村秀君) どちらかといいますと、みなかみ町の参与という立場でちょっとお話をしたいと思います。また、私自身、行政経験もありますので。
 国にいろんな支援していただけているのは確かに事実なんですが、特にここ十数年、いろんな法律、特に基本法と言われる法律がいっぱいできて、いろんな計画を自治体は作らなきゃいけない。都道府県レベルであればまだしも、人口二万ぐらいの町が全部計画作らなきゃいけない。もうこのペーパーワークたるや、地方創生どころじゃない。こういう意味での行革という、本当の意味での行革というのは、そういう計画の、確かに各省庁さんたちの立場は分かるんですが、何か非常に似たような計画を年々年々いっぱい作っている、で、書棚がいっぱいになってしまうと。もちろん、ちょっとアナログですけれども、電子化すればもっといいのかもしれませんけれども、やっぱりそういうところというのが一番気になるところです。
 もう一つは、今、小田切参考人からもありました、やっぱり人材育成というところでは、なかなか各地域地域だけでできないところの支援とか、あるいは地域の、地方の人材をもっと武者修行させる場とか、そういういろんな広い意味での人材育成をもっと力を入れていただきたいと思います。
 以上です。
#106
○参考人(飯泉嘉門君) 今もお話がありましたように、やはり地方創生といった点については、はしこく走る人もいれば逆にじっくり型と、こうした団体もありますので、是非長い目で見ていただきたい。長い目という一番のポイントというのは、財政支援にしても、あるいは規制緩和にしても、あるいは人材的な支援にしても、これはじっくりと、もう単年で終わりだとか二年で終わりだとか、こうしたものにしないでほしいということであります。そして、やはり個性を重んじていただきたいといった点ですね。
 そして、二番目としては、やはりその意味で東京一極集中、これは東京のためにもなるところでありますので、政府関係機関あるいは本社機能、地方拠点強化税制もできたところでありますが、なかなかこれを使うところが出てこない、その意味でもやはり政府関係機関、これを地方分散化をしていく。つまり、効率よく戦後の復興を行うために東京一極集中を国策としてやってきたわけでありますので、それを今度地方創生として分散することがどうしてできないのか、是非それをやっていただきたいということです。
 そして、三番目は、あらゆる面での働き方改革です。確かに正規、非正規の問題はあるわけでありますが、自分は芸術家として食べていきたい、でも、当面やはりなりわいが必要だ、こうした方は必ずしも正規を望むわけではないんですね。ということを考えていくと、まずは同一労働同一賃金、オランダは長い年は掛かったわけでありますが、これをやり遂げました。日本としてもやはりそうした点をやっていかないことには、なかなか若い皆さん方が結婚をして子供を産み育てようと、こうした環境にはなかなかなりづらい。
 それともう一つは、介護士あるいは保健師、こうした皆さん方の処遇改善と、アクティブシニアの皆さん方のやはり協力になります。
 アクティブシニアの皆さん方は年金いただくわけでありますので、そうたくさんお金は要らないんですね。そうした皆さん方に生涯現役として様々な資格を取っていただいて、介護士あるいは保健師、こうして、今、正規、非正規で頑張っている若い皆さん方の仕事を実は成り代わっていただく。こうすることによって、浮いた分の賃金をこの皆さん方に、あるいは非正規を正規に変えると、こうした形を取らないことには、介護士あるいは保健師、この数を減らさないであるとか待遇改善、これはなかなか難しいんではないかということで、実は徳島からの政策提言によりまして、昨年の四月からシルバー人材センター、これまでは民業圧迫をしてはいけないということで、週の時間が二十時間、これを四十時間に拡大をされるとともに、介護士、保育士、あるいはコンビニ、こうしたところで勤務をすることができるようになったと改善点がありますので、これからの社会保障問題、逼迫をしてまいりますので、是非、アクティブシニアの皆様方の御協力といったものが引き出せるように是非よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 以上、三点です。
#107
○浜口誠君 どうもありがとうございました。いろいろな本音の御意見もいただきまして、本当にありがとうございます。
 一点、最後、飯泉参考人、現職知事としてのお立場でちょっと御意見いただきたいんですけれども、地方の活性化あるいは地域主権という観点からすると、地方公共団体での課税自主権、いわゆる財政面でもっと自分たちでコントロールできるようになればやれることも広がってくるんではないかなというふうに思うんですけれども、地方公共団体における課税自主権をもっと強めていく、そういう方向に持っていくことによって、地方としてのこれからの政策なんかがやりやすくなるんじゃないかなというふうに私自身は思っているんですけれども、その点に対して何か御意見があれば是非お願いしたいと思います。
#108
○参考人(飯泉嘉門君) 課税自主権の点については、実は裏腹になるんですね。つまり、例えば独特の税を考える、独立税制があるわけなんですが、もしこれを掛けることによってそれを嫌う人たちは逃げていってしまうんですね。ということで、ここは非常に裏腹。もちろん、課税自主権がより広がるということはウエルカムの世界ではあるわけなんですが、必ずしも課税をするからいいということではないんではないか、このように思います。
 それよりも、やはり規制緩和をどんどんしていただいて、地方が独自に様々な施策に関与をすることができる。先ほども実は、様々な法律があって、そして地方は計画を作らされるという話がありました。ですから、大きな基本的な方向は是非法律で作っていただいて、あとはそれぞれの地域が条例で自由にその範囲内で行うことができる、それによって、金太郎あめではない、それぞれの個性あるいは地域の特色を生かした、そうした行政が展開でき、それに引き付けられてくる皆さん方が国内外に出てくるんではないかと思いますので、是非、国、地方協議の場、これがつくられているわけでありますが、これについて地方からの発案権であるとか、あるいは国において共に決めたものについての遵守義務、こうした点についても前向きに御議論をいただければ有り難いと、これは全国知事会の総意でもあります。
#109
○浜口誠君 ありがとうございました。
 四十七都道府県がそれぞれの輝きをステンドグラスのように発することができると、もっともっと日本の全体が輝くんではないかなというふうに感じました。
 今日はありがとうございました。
#110
○会長(川田龍平君) 進藤金日子君。
#111
○進藤金日子君 自由民主党の進藤金日子でございます。
 今日は三人の参考人の皆様方、本当にありがとうございました。
 私は、農村地域、中山間地域の振興という視点で小田切参考人に少しお聞きしたいことがございます。二点ほどお尋ねしたいと思います。
 一点目が、島根県、三十歳代の女性が今増えてきているということなんですが、これ、藤山浩さんのお話ございました。当時、消滅可能性都市、増田レポートが出たときに、敢然とそうじゃないんだと、やはり一個一個見ていくとまだまだ一%理論で増える余地あるんだといった熱い議論を思い出すわけでございますが、実態として増えてきていると。
 この島根県、実は第一回の国勢調査、一九二〇年、大正九年、これ人口七十一万人なんですね。今直近の国勢調査で、これ二〇一五年ですか、九十五年後、六十九万四千人。ほとんど、一旦伸びて低くなっているんですけど、人口の幅、振れ幅は少ない県じゃなかろうかなというふうに思います。そういった中で、なぜ女性の三十歳代が増えてきたのか、その背景なり実効性、何が良かったことがあるのかということを一点お聞きしたいなというふうに思います。
 二点目が、まさに地域を磨くということで小田切参考人言われておりますが、これまさに地域資源、先ほど参考人、地域内再投資ということを言われましたが、やはり地域にある資源をしっかりそこに付加価値を付けて、いわゆる地域内発型の産業振興、これがやはり今後の農村地域、中山間地域の振興に重要じゃないかという考え方があるんですが、この辺について参考人の考え方を御教示いただければと思います。
 以上でございます。
#112
○参考人(小田切徳美君) 一点目について二つ申し上げてみたいと思います。
 国勢調査の結果でも明らかになりつつありますが、この田園回帰傾向は一般的に西日本で顕著です。西日本は、まさに島根県がそうですが、過疎化が先発したという、そういう経緯があると思います。ともすれば、そのまま言わば解体してしまうという議論があるんですが、そうではなく、過疎化が進むことによって、言わば解体と再生のフロンティアという言葉を使うんですが、そこで危機ばねが働き始めているという、そんなふうに実感しております。そういう意味で、西日本がまず何よりもその傾向が強いというのが第一です。
 それから、その中でなぜ島根県なのかということになりますが、もちろん過疎という言葉が島根県で生まれてそこで先発したということが先ほど申し上げたように第一にあるわけですが、それに加えて、島根県の場合には、ふるさと財団という定住を専門にした財団がかなり早く、今から約二十年前ですが、設立されております。この効果がかなりあるのではないかというふうに思います。その意味では、移住、定住についての長い長い取組、そして地域づくりについての取組が今まさに花を開き始めている。
 そういう意味では、先ほど申し上げたように、この二十年というのは非常に重要なタイムスパンで、このぐらいのタイムスパンをしっかりと見ていくことが重要だというインプリケーションでもあるのではないかというふうに思います。
 それから、二番目の地域内発的産業というのは、まさにそのとおりだと思います。一言で言えば地域資源を活用するという、そういうことだと思いますが、私どもそれに加えて言っているのは、活用し過ぎると枯渇してしまう可能性があります。その意味では、地域資源は常に保全しなくてはいけない。この保全の努力とともに活用するという発想が重要なんだろうというふうに思います。そこで初めて内発性、あるいは維持、再生可能性というものが確保されるんだろうというふうに考えております。
#113
○進藤金日子君 どうもありがとうございました。
#114
○会長(川田龍平君) 他に質疑の希望はございませんか。
 新妻秀規君。
#115
○新妻秀規君 公明党の新妻秀規と申します。本日、三人の参考人の先生方、本当にありがとうございます。
 私からは、三人の先生方に一問、また小田切先生には二問、追加で二問伺いたいと思います。
 今、参考人の先生方から、長い取組が大事なんだ、急がせるなというお話伺いました。全くそのとおりだというふうに今つくづく思う事例があったので、私からも紹介をしたいと思います。
 私は愛知を活動の中心の基盤と置いているんですけれども、愛知県の西尾市に佐久島という島があるんです。人口約二百五十人のちっちゃい島なんですけれども、本土から渡船で二十分という、結構近いところにある島なんです。かつては千六百人を超える人口があったんですが、今やもう本当に六分の一以下に減少してしまって、高齢化五〇%という島なんですけれども、この島が今観光客であふれているんです。
 平成七年にアート、芸術による島おこしを始めまして、その翌年には島の有志が、島を美しくつくる会というのを結成をいたしまして、なかなか成果は現れなかったんですけど、息の長い取組を続けていきまして、十年たった頃から観光客が増え始めて、今やかつての三倍近い観光客になって今十万人を超えたんですね。
 党の離島振興チームでこの四月の二日に訪問したときには、もう若いカップルとか女性のグループで島ごった返していました。島を美しくつくる会の会長の鈴木喜代司さんという方にもお話を聞いたんですけれども、やはりこの立ち上げからしばらくは島民の理解と協力を得るのがなかなか難しかったという時期がしばらくあったそうです。しかし、島民コミュニティーが協力をするようになって、また、島の外の本土のボランティアまでどんどん増えて、市の佐久島振興課という課があるんですけれども、その全面的な協力の下に、今ではIターンする青年まで現れたという事例なんです。
 そのIターン青年の一人の名古屋市出身の笠間淳さんは、この島の魅力に引き付けられて移住しまして、今では島で人気のカフェバーの「じょえる」というのを経営して、若い仲間がそのお店の切り盛りを手伝っていまして、まさに小田切先生がおっしゃる、人が人を呼ぶという好事例だと思います。でも、やはりこの笠間さんでも島に移住した当初はなかなか島民の方に受け入れてもらえなくて、信頼を勝ち取るまでしばらくの時間が掛かったという、そういうお悩みの声も伺いました。
 ここで三人の先生方にお伺いをしたいんですけれども、小田切先生は研究者の立場として、また田村先生は実践者の立場として、また飯泉知事は行政の立場から、この地方創生の取組において、地域の方を巻き込む、その気にさせるにはどういうことが大切なのか。
 また、二つ目は、小田切先生は、島の閉鎖性、村はいつまでも閉鎖的というお言葉ありましたけれども、この閉鎖性、例えば、飯泉知事はきゅうりタウンという事業もされていますよね。また、田村先生はまさにみなかみ町の地方創生の取組されているわけなんですけれども、閉鎖性との闘いはあるのかないのか、あったとしたら、これをどのように乗り越えてきたのか。これを三人の先生方にまず伺いたいと思います。
#116
○会長(川田龍平君) まず、小田切参考人、よろしいですか。
#117
○参考人(小田切徳美君) 地域の住民がその気になるためには、別の言葉で言うと当事者意識を持つためにはいろんな工夫があるかと思います。
 三点ほど申し上げてみたいと思いますが、一つはワークショップという試みです。地元学運動というふうに言ってもいいかと思いますが、こういった試みが、確実に地域の方々の、自分たちの問題なんだというそんな意識をつくっていくと思います。それから、二番目は交流です。これ、実は都市農村交流によって、交流の鏡効果というふうに言っているんですが、外から来る人間が地域の宝を教えてくれるという、こういうプロセスが非常に強くあります。そして、三番目は先ほど申し上げた社会教育、公民館運動です。こういった実践が地域の当事者意識を生むことによって、自分たちの問題なんだ、自分たちが汗をかくことによって初めてこの問題が解決できるんだという、そういった気風をつくっていくんだろうと思っております。
#118
○参考人(田村秀君) みなかみ町の場合は元々外から来た人たちが観光をやってきたというところもありますので、比較的排他的というほどではないと思います。ただ、それでもやはり外から来た人に対しては厳しい目線を見せる人はいるんですが、それはやはり、先輩、既にもう年を取っているんだけど実は町外から住んできたという人が結構いますが、そういう人たちがやはり説得してとか、そういう人たちが引っ張ってくるとか、小田切先生の話と重なるんですが、それが一つと。あと、やっぱり子供が絡んでくると割とみんな、例えば入ってきた人が子供がいたりすると、そこの子供のつながりの中でウエルカムになってくるということもありますし、まさにいろんなやり方があると思います。
 ただ、やはり必死になっている地域は、かなりもう、なりふり構わずじゃないですが、やっぱり外の人でも誰でもいないと、本当に地域が、祭りもできなくなってくる、いろんな行事ができなくなってくる中で、以前よりは、私、新潟も含めてですけれども、比較的ウエルカムになってきているのかなという、ちょっと楽観的かもしれませんけれども、感じがあります。
#119
○参考人(飯泉嘉門君) まさに今お二人が言われたとおりですね。
 やはり、地方もあるいは中山間地域も行き着くところまでもう来てしまったということなんですね。ですから、逆に言うと、排他的という言葉自体が死語になってきているんではないかと思います。今事例でおっしゃっていただいたきゅうりタウン、これは、海部郡全体が特産としてきたんですね、キュウリを、大阪が非常に近い市場でありますので。しかし、肝腎の若き担い手がいなくなってしまうと、もうこれは背に腹を代えられない。しかも、キュウリ作りたいとして若い子が来るわけですよね。しかも、地域でサーフィンしたい、あるいは漁をしたい。ええ子じゃないかと、もうこうなっちゃうわけなんですよね。ということで、もう町を挙げて、JA挙げて、ましてやJAバンクの全国のネットワークのPRに、そこまで出るということになるんですね。
 それからもう一つは、地方創生でよく取り上げられる神山町、こちらは古民家を再生してITの皆さん方のサテライトオフィスを構えているんですね。ただ、これは確かに一つ仕掛けがあります。これはグリーンバレーというNPO法人、大南さん、割と名前が有名に今なっておりますが、大南さん中心とするグリーンバレーが、地域の皆さん方とこのITの利用者の皆さん方との橋渡しをする、そしてその間に神山町、役場が緩い関係でいろんな形での支援をすると、こういう形なんですね。
 ということで、普通は、古民家、いろんなものが散らかっているものを見せたくはないわけなんです。でも、これをきれいに片付けて、そしてそれを地域の若い建築家の皆さん方がおしゃれに、そして神山町のあるサテライトオフィスの部分については、ビエンナーレで行っているベネチアの建築祭で銀賞を取ったんですね。
 こういった形にもなるということですので、まずは、もう行き着くところまで来たといった点と、やはりスムーズにいくためには何でもまずやってみたらどうだろうかと言っていただけるコーディネーター役が重要であると、キーパーソンになるということです。
#120
○新妻秀規君 貴重な御回答、ありがとうございます。
 それでは、小田切さん、もう二問行きます。
 先生の資料の十一ページなんですけれども、田園回帰の課題ということで、移住者のライフステージに応じた支援ということがありまして、移住、定住、永住とあると。たまたまこの笠間淳さんの場合には、仕事が自分でつくってそれでうまくいったのでよかったんですけれども、確かに今、国の政策パッケージでは移住段階以外の政策ってなかなかないんだなということを改めて教えていただきました。
 ということで、定住段階、永住段階支援として仕事の安定とか奨学金など教育費などというふうに書いてあるんですけれども、その下の方に、この移住支援策における家族目線の重要性というところで島根県の邑南町の取組が紹介されているので、ここにヒントがあるんじゃないかなと思って、これどういうことか、具体的な中身について教えていただきたいと思います。
 続けて二問目なんですけれども、五ページ、先生の資料の五ページで、この田園回帰、大きな地域差があるぞということで、トップファイブで全国で四八%あるぞということで、二〇一四年は岡山、鳥取、長野、島根、岐阜と挙げられています。こういうトップ県に共通するような、そういう何か、こういうことをやっているんだよとか、そういう共通点があったら教えていただきたいと。
 以上、二問お願いします。
#121
○参考人(小田切徳美君) 具体的な御質問、ありがとうございました。
 まず、横洲さんといいましょうか、邑南町の取組についてなんですが、邑南町は、移住、定住施策では日本で恐らくトップクラスの取組をしているところだと思います。そういう意味で、いろんな支援策あるんですが、しかし、それよりも何よりもこの横洲さんというコーディネーターが最大のポイントです。彼自体も実は移住者です。非常勤の公務員として移住コーディネーターを務めて、先ほど私が申し上げた、あの人がいたから私たちがいるんだというのは実は横洲さんのことなんですが、固有名詞が度々聞かれて、彼の努力が私たちの今を生んでいるという、そんなことが出てきます。
 ちなみに、横洲さん、この四月から正職員になっておりまして、その意味で、こういう方を確保するというのが何よりも一つのポイントだということも教えていただいております。
 それから、二番目の御質問なんですが、移住者を集めている共通性ということ、これまた繰り返しになって恐縮なんですが、本当に地域づくりに長年取り組んでいるところ、そういったところが移住者を集めているんだろうと思います。
 ちなみに、この五県の中で全ての地域が集めているわけではありません。この五県の中で特定の市町村、そして特定の市町村の中で特定の集落が移住者を集めています。それでは、その特定の集落というのはどういうところなのかというと、長きにわたって地域づくりの取組を営々と行ってきたところ、そういったところが今花開いているという、そんなふうに考えております。
#122
○新妻秀規君 横洲さんの具体的な取組について、もうちょっと詳しく教えてもらってよろしいでしょうか。
#123
○参考人(小田切徳美君) 横洲さんは、いわゆるワンストップ窓口ということで、相談があったときには最後までこの横洲さんが面倒を見る形になっています。横洲さんが相談に乗る領域は非常に広くて、子供の学校のこと、あるいは学校の先生との橋渡しのこと、当然、仕事が見付かったらその仕事場との通勤環境のこととか、そういったことを全てにわたって、そういう意味では全てを行っているというふうに言ってよろしいでしょうか、そんなアドバイザーです。
#124
○新妻秀規君 ありがとうございました。終わります。
#125
○会長(川田龍平君) 森屋宏君。
#126
○森屋宏君 飯泉知事、せっかくおいでいただきましたので、最後だと思いますけれども、一言だけ御感想をいただきたいと思いますけれども、御指導いただいてまいりました我が党の中での参議院の在り方、今回、実は今年に入りまして、議長の下に全会派が加わる中で参議院の在り方、議論が今、始まってまいりました。
 そして、各党派から今出していただいている案で最も強いのは、やっぱり行政監視機能をいかに高めるかというふうなことでありました。
 そして、もう一つ出てまいりましたのは、飯泉知事を先頭にした、知事会でまとめていただいた地方の意見を聞く場ということで、これは行政サイドには、御存じのとおりに政府にはあるわけでありますけれども、参議院として、実はこの調査会は衆にはない組織でありまして、三年間を掛けて一つのテーマでまとめていくと。これは参議院の独自性を発揮した調査会でありまして、私は、個人的には、これからの参議院の在り方という意味では大きな一つの柱の、地方の声の要するに聴取の場、六団体、主にですけれども、この調査会というのは非常にその前例というか、いいモデルになるんじゃないかなというふうに考えています。
 三年間を掛けてこうした議論を皆さん方、学者の皆さん方、地域の皆さん方来ていただいて、まとめるわけでありますけれども、ここで決まったこと、まとめたことがどういうふうに政策的な反映をしていくということも一つあるかもしれませんけれども、今日せっかくこうやって参考人として飯泉知事、知事会でいつもそうした御意見を私どもに発信をいただいているわけでありますけれども、改めて、今日おいでになって、参議院の在り方について、今日のこの調査会、どんな感想をお持ちになったか、お聞かせいただければと思います。
#127
○参考人(飯泉嘉門君) 今、森屋委員さんの方からお話がありましたように、やはり我々、せっかく日本が二院制を取っているということであれば、参議院の皆様方が地方の府、まさに地方の意見を代弁をしていただけると、こうした場として。これは、実は戦後からそうした役割を果たし、最高裁大法廷での判例の中におきましても、衆議院と参議院の一票の格差が開いていた、つまり参議院では五倍を超えていても違憲にならないということがあったときにも、やはり都道府県の代表であるといったことに一定の意味があるんだということがあったところでありまして、その後、原理主義的にこの一票の格差が問われるようになったところではありますが、我々としては全国知事会、地方六団体、確かに地方の意見を代弁をする機関はあるわけでありますが、やはり立法府、構成をする衆議院、参議院、特に地方の府として参議院の皆様方が地方の意見をまずしっかりと国の立法の仕組みの中に入れていただくと、これは我々地方としてのまさに総意と言って過言ではない、このように思っております。
 その意味で、今回のこの調査会、是非これからも様々な観点で、地方における課題、そしてこの国の将来の大きな方向性、こうした点についても、腰を据えてそしてすばらしい御議論をいただければ、我々いつでもお呼びをいただければ喜んで参りますので、これからもどうぞよろしくお願いを申し上げたいと存じます。
 ありがとうございました。
#128
○会長(川田龍平君) ありがとうございました。
 他に質疑の希望はございませんか。──では、他に質疑の希望がなければ、以上で参考人に対する質疑を終了いたします。
 一言御挨拶を申し上げます。
 小田切参考人、田村参考人、飯泉参考人におかれましては、長時間にわたりまして貴重な御意見をお述べいただき、誠にありがとうございました。本調査会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト