くにさくロゴ
2017/05/10 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 国民生活・経済に関する調査会 第6号
姉妹サイト
 
2017/05/10 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 国民生活・経済に関する調査会 第6号

#1
第193回国会 国民生活・経済に関する調査会 第6号
平成二十九年五月十日(水曜日)
   午後二時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     高野光二郎君     森屋  宏君
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     徳永 エリ君     斎藤 嘉隆君
 五月九日
    辞任         補欠選任
     島村  大君    渡辺美知太郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         川田 龍平君
    理 事
                上野 通子君
                中西 祐介君
                山田 修路君
                風間 直樹君
                新妻 秀規君
                岩渕  友君
                藤巻 健史君
    委 員
                朝日健太郎君
                小川 克巳君
                自見はなこ君
                進藤金日子君
                豊田 俊郎君
                中泉 松司君
                松下 新平君
                元榮太一郎君
                森屋  宏君
               渡辺美知太郎君
                神本美恵子君
                斎藤 嘉隆君
                平山佐知子君
                宮沢 由佳君
                伊藤 孝江君
                宮崎  勝君
               薬師寺みちよ君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        林  浩之君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国民生活・経済に関する調査
 (「あらゆる立場の人々が参画できる社会の構
 築」のうち、経済・生活不安の解消について)
    ─────────────
#2
○会長(川田龍平君) ただいまから国民生活・経済に関する調査会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、高野光二郎君、徳永エリ君及び島村大君が委員を辞任され、その補欠として森屋宏君、斎藤嘉隆君及び渡辺美知太郎君が選任されました。
    ─────────────
#3
○会長(川田龍平君) 国民生活・経済に関する調査を議題といたします。
 本日は、中間報告書を取りまとめるに当たり、これまでの調査を踏まえ、「あらゆる立場の人々が参画できる社会の構築」のうち、「経済・生活不安の解消」について委員間の意見交換を行います。
 本日の議事の進め方でございますが、まず、各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。
 発言を希望される方は、挙手の上、会長の指名を待って御発言くださいますようお願いいたします。
 また、発言の時間が限られておりますので、委員の発言はお一人五分以内となるように御協力をお願いいたします。
 なお、発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、発言のある方は挙手を願います。
 上野通子君。
#4
○上野通子君 自由民主党の上野でございます。
 意見交換の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 本調査会では、「あらゆる立場の人々が参画できる社会の構築」の大テーマの下、本年度は「経済・生活不安の解消」について五回に分けて様々な分野において有識者の皆様からの御意見をお伺いしてきました。
 まず、世界経済、金融等の情勢及び国民生活における格差の現状と課題においてでは、我が国において今直面する問題は、富裕層の一層の富裕化ではなく、低所得層の貧困化と革新力の低迷が進んだことにより格差が拡大したことにあると考えられること、そして、低所得層の貧困化に対応するためにはセーフティーネットの強化を検討することが必要であることが分かりました。
 次に、社会保障分野における格差の現状と課題等においては、国民の寿命が延び、年金の受給期間が長くなることに対応し、年金制度の持続性と世代間の公平性を維持させる方策を考える必要があるということ、また、比較的健康状態が良好であるとか、就労能力や知的能力が維持されていることを鑑みながら、高齢者の働く意欲を生かせる年金制度を更に検討していくことが必要であること、そして、子供の貧困や貧困の連鎖の予防の手段として現金給付には既に限界があり、今後重要となるのは、自治体の役割とともに、有効な支援プログラムの開発とその普及をすることにより、貧困の連鎖にならぬよう社会環境整備充実の強化をしていくことが重要であると思われます。
 そして次に、労働分野における格差の現状と課題等においては、生産年齢人口が減少する中、働き方を変えると同時に労働生産性を上げることが重要で、それには、障害者も女性もそして高齢者も誰もが働くことができ、意欲と能力を発揮できる働く環境の整備が必要となります。特に、現在政府の進める働き方改革においては、根強く残る日本型の働き方を抜本から改革して、女性活躍支援をするための男性の家事、育児への参加の促進、男女所得格差の解消、そして、何よりもまず長時間労働の是正が一番必要な先決条件であると思われます。
 また、地域活性化の取組及び地域間格差の現状と課題等の分野においては、地域間格差が極端に広がっている現状を知ることが大切であり、まずは市町村、都道府県、そして国がそれぞれの役割を補完するとともに、そこに住む一人一人の町づくりに対しての参画意識の強化が必要となります。また、地方創生、人材育成支援制度を充実させて、地域の厳しい状況をしっかりと受け止めながら、ピンチをチャンスに変えていく創造性と行動力、判断力、忍耐力のあるリーダーを養成していくことも重要となってきます。そして、これからは更に地元を好きな若者を増やし、地域を磨き、人に選ばれる地域づくりを進めることが求められています。また、農山漁村への移住については、移住者のライフステージに応じた支援の必要性などの新たな課題の解決にも取り組んでいく必要があります。
 そして、教育分野における格差の現状と課題、文化芸術・スポーツを通じた社会参加の在り方等においては、高等教育を始めとする教育費の負担軽減に向けた教育財源の確保が必要であるということを始め、インクルーシブ教育を進めるとともに、障害のあるなしに関係なく、誰もが格差を感じずに参画できる文化や芸術、そしてスポーツ活動への支援の在り方やその役割の重要性を実感しました。
 以上、五回にわたる参考人質疑を通じ、国民の中に広がっている物質的な格差ばかりでなく、心的、精神的な格差も合わせて様々な格差を解消していき、一人一人の国民が経済や生活の不安を感じずに生活していくために、短期、長期に必要なことは何であり、今後どのように取り組んでいけばよいのか、大変役立つ御意見を伺うことができました。
 この調査会が大変実のある調査会となったことに感謝申し上げ、中間報告をまとめるに当たっての自民党としての私からの意見とさせていただきます。
 ありがとうございました。
#5
○会長(川田龍平君) 風間直樹君。
#6
○風間直樹君 この五回の調査会の総括として、感想を申し述べます。
 初回が世界経済、金融等の情勢及び国民生活における格差の現状と課題、二回目が社会保障分野における格差の現状と課題、三回目が労働分野、そして四回目が地域活性化、最後の五回目が教育、文化芸術・スポーツと、国民生活の全般にわたり参考人から意見をお聞きしたわけです。
 現下の社会情勢に鑑みて感じましたことは、我が国の財政赤字がこれだけ巨額なものになり、一方で、医療費、年金等掛かるものは相当掛かり社会保障費が膨張する中で、国民が憲法に定められた最低限の生活を基本的人権の保障の下に営むには、やはり健全な財政運営があってこそという感を改めて持ちました。
 特に、初回の世界経済、金融等に関する参考人意見聴取で感じたことがあります。三人の参考人の方からそれぞれのお立場で御意見いただきましたけれども、とりわけ河村小百合日本総研の参考人から出された日銀が抱える日銀の財務体質上のリスクについては、空恐ろしさというか背筋が寒くなるというか、体が震撼するような思いを感じました。
 当日配付をされた資料の中で、河村さんがこのリスクの本質を一言で語っている部分がありますが、それは何かといいますと、河村さんの資料、当日配付の五十一ページにあります、「「日銀が中央銀行として金融政策運営を続けていくうえで、BS上に保有する国債についている利回りが低すぎ、リスク性資産を多額に持ち過ぎていること」が問題」、この部分が日銀の現下の問題を端的に表しているのだろうと思います。
 この調査会の後、様々な関係者と意見交換をする中で知らされた資料の一つに、自由民主党の行政改革推進本部が本年四月十九日に公表した資料、日銀の金融政策についての論考というものがございました。この中で、自民党の行政改革推進本部は、日銀の金融政策が抱える問題点を的確に指摘をした上で、ここのところの対策として、まず日銀に対しては出口戦略に伴う市場とのより一層の対話、そしてもう一点、政府の責任、とりわけ出口戦略の際の最大のリスクたる金利の急激な上昇に対する対応を求めています。この自民党の行革推進本部の論考は非常に的確でありまして、評価をしたいと考えています。
 我々政治家も国民もそうですが、やはり現下の国民生活をどう賄っていくのか、現下の政策課題にどう国会、政府で対処していくのかということに当然日々注力をするわけですけれども、今同時進行で起きていることは、この現下の課題に日々何とか対処しつつも、近い将来、この日銀が行う金融政策によってその現下の対応すら取れなくなる可能性があるということだろうと思います。
 参議院では財政金融委員会を中心にこうした議論を行っているところでありますけれども、自民党からもこの行政改革推進本部の論考が出たところでもありますし、今回の調査会を通してこの課題が広く国会、ひいてはあまねく国民に認識が共有され、そして議論が進むことを期待したいと思っています。
 最後に一点申し上げます。この調査会の後、他の専門家と意見交換をする中で気になることを知りました。それは、ある新聞人との意見交換でありましたけれども、この新聞人が当該新聞社の紙面で日銀の金融政策に対して批判的な論評を載せると、論壇の大方の方々、専門家からかなり冷静さを欠く反発が寄せられるということでありました。金融政策に関して言えば、我が国の論壇から今冷静にこの金融に客観的な分析の物差しを当てて論評し、それを国民生活の今後に反映していくという姿勢そのものが失われている、そんな危機感を抱いた次第であります。
 この調査会、ひいては参議院での議論を通して冷静な闊達な意見交換を行い、将来の国民生活を担保したいと考える次第です。
 ありがとうございました。
#7
○会長(川田龍平君) 新妻秀規君。
#8
○新妻秀規君 公明党の新妻秀規です。
 「あらゆる立場の人々が参画できる社会の構築」のうち、「経済・生活不安の解消」に向けた取組について、八点意見を表明します。
 まず、貧困化への対応として職業訓練、能力開発を強化すべきと考えます。
 初回の参考人質疑において、森口参考人は、貧困化への対応としてセーフティーネットについて触れまして、その機能の強化に向けて北欧での職業訓練を紹介し、その重要性を強調しました。この点については、二回目の参考人質疑での藤田参考人、三回目の樋口参考人、森岡参考人も同意見でありました。藤田参考人は、職業訓練制度の設計に当たっては、現状、短期で稼げるようになる資格、訓練に重点が置かれているところを是正し、長期的に安心して職業訓練を受けられるようにする体制整備の重要性を強調しましたが、森口参考人が示した北欧の事例はまさにこれに当てはまります。こうした成功事例に学び、現行制度の問題点を検討すべきではと考えます。
 次に、能力開発を正規雇用につなげるに当たり、ジョブ・カードの活用を推進すべきと考えます。
 三回目の参考人質疑において、樋口参考人はジョブ・カードの重要性を強調しました。ジョブ・カードとは、何ができるのかという求職者の能力を示すカードのことです。今後、企業において職務限定正社員を増やすことが重要とした上で、開発された能力と職務限定を結ぶジョブ・カードの重要性が増すのはよく理解できます。現状、新卒を含め採用に当たっては各社ごとに異なるエントリーシートへの入力が求められておりますが、ジョブ・カードをベースにして、どうしても別途聞きたいことだけエントリーシートに記入するように改善すれば、求職者の負担も減らすと期待できます。ジョブ・カードの活用に向け、企業への働きかけ、そして求職者への普及啓発を後押しすべきと考えます。
 三点目に、住まいの安心のために住宅政策の推進をすべきと考えます。
 二回目の参考人質疑において、藤田参考人は住宅政策の拡充を訴えました。住宅政策は、かつては社員寮とか社宅など企業の福利厚生がカバーしていた役割でありますが、その機能が失われてきており、特に若年層、また高齢者層の不安解消のためにも、その分行政での対応を強化すべきと考えます。
 四点目に、多様な働き方の推進をすべきと考えます。
 特に、女性のライフステージに応じた働き方を可能にしていくことは喫緊の課題と考えます。常見参考人から導入の推進を求める声があり、樋口参考人からも、そして四回目の飯泉参考人からも同様の意見表明がありました。
 五点目に、地域活性化を進めるに当たり、長期的な観点での政策を検討すべきと考えます。
 小田切参考人、飯泉参考人からは、地方創生の取組は長い目で見てほしい、せかさないでほしいとの意見表明がありました。さらに、小田切参考人は、移住段階のみならず定住、永住段階の施策を求め、さらに、小田切参考人は、人材育成と地域磨きの大切さを強調しました。こうした声を政策に反映する必要があると思います。
 六点目に、教育の無償化を推進すべきと考えます。
 五回目の参考人質疑において、小林参考人は、教育の無償化について、国際人権規約で国際社会に公約したことでもあり、取組を続けるべきとの意見表明をしました。さらに、給付型奨学金と所得連動返還型奨学金の創設に非常に高い評価を寄せました。我が党も推進してきた政策であり、給付額の引上げを始め、授業料減免など他の施策と併せて今後も拡充を進めるべきと考えます。
 なお、二回目の参考人質疑での藤田参考人、三回目の参考人質疑での常見参考人も同趣旨の発言をしています。
 七点目に、教育における地域間格差の解消を図るべきと考えます。
 小林参考人からは、高等教育における地域間格差について、大学、短大などへの進学率については鹿児島は東京の約半分との問題提起があり、是正策を検討すべきと考えます。
 最後、八点目に、障害者芸術、スポーツの人材育成への支援が必要と考えます。
 五回目の参考人質疑において、日比野参考人からは、障害者芸術におけるキュレーターやリサーチャーといった人材の大切さが強調され、野村参考人からは、障害者スポーツ、アダプテッドスポーツの振興についても、産官学をつなぐキーパーソンの存在が肝要との意見表明がありました。心のバリアフリーの実現のために、障害者芸術、スポーツ分野における人材育成への支援を後押しすべきと考えます。
 以上です。ありがとうございました。
#9
○会長(川田龍平君) 岩渕友君。
#10
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
 国民生活・経済に関する調査で、「あらゆる立場の人々が参画できる社会の構築」のうち、「経済・生活不安の解消」をテーマに行った五回の参考人質疑を踏まえて、意見表明します。
 世界経済、金融等の情勢及び国民生活における格差の現状と課題について、水野参考人は、大企業がため込んだ四百兆円に上る内部留保は、正当化できない所得と利潤の分配、本来労働者が受け取るべき賃金であり、税制で是正すべきと主張されました。河村参考人からは、アベノミクスの金融政策について、日本の国債発行額は国家の実力以上のものであり、後の世代への負担のツケ回し、リスクが大きくなり過ぎている、立ち止まって見直すべきとの指摘があるなど、五年目に入った安倍政権の経済政策について、共通して危機感が示されました。
 社会保障分野については、軍事費が過去最高となる一方で、社会保障が削減され、このことが国民の生存権を脅かし、将来不安を増大させることになるとの懸念があります。社会保障審議会委員も務めた駒村参考人は、保育士確保のために、賃金のみならず労働条件を早急に改善することが解消の手と発言されました。藤田参考人からは、住まいは人権であり、住宅政策の負担軽減について議論してほしいと述べられました。
 労働分野では、非正規雇用の増大や長時間過密労働の常態化、ブラック企業、ブラックバイトの横行など、日本の雇用状態が悪化している下で、森岡参考人は、残業時間の上限規制に関する当時の政府案が過労死の実効的な防止につながらないと批判し、政府の働き方改革実現会議委員でもある樋口参考人からは、社会的なルールとして上限を設けるべきではないかとの指摘がありました。
 地域間格差の現状は、大都市一極集中の経済政策の下で中小企業や農林水産業の経営が破壊され、地方の衰退が深刻化し、日本社会に、経済にとって大きな問題となっています。徳島県の飯泉知事からは、地域活性化の取組として、九九%の中小企業のうち、地方では九九・九%が小規模事業者であり、地産地消の担い手である小規模事業者支援に特化した条例改正を行ったことが紹介され、地域経済の要である中小・小規模事業者への支援が重要であるとの認識が共有できました。
 教育分野では、小林参考人から、給付型奨学金制度の創設に当たって、給付額、給付対象を広げることが重要と指摘がありました。
 私は福島県の出身であり、原発事故をめぐる問題、再生可能エネルギーについて参考人にお聞きしてきました。
 水野参考人は、再稼働に反対、余りにもリスクが大き過ぎる、再生可能エネルギーに転換すべきと述べられました。小田切参考人は、原発事故を経験した日本こそ再生可能エネルギーへの転換が必要ではないか、地元の中小企業の仕事や雇用に結び付き、地域に新たな収入が生まれる、農山村でこそ再生可能エネルギーの意義は大きいと述べられました。徳島県の飯泉知事は、地産地消のエネルギーによって地域に経済と雇用をもたらすとして、脱炭素化社会に向けた取組について紹介されました。エネルギーを原発依存から再生可能エネルギーへ転換することは、経済、雇用、地域活性化など、格差と貧困の克服にとっても大きな役割を果たすものであるということが再認識できました。
 様々な分野の参考人から伺った御意見を通して、各分野において格差が広がっていることが明らかになりました。格差の解消を始め、様々な課題の解決に向けて今後更に議論を深めていきたいということを述べて、意見表明といたします。
#11
○会長(川田龍平君) 藤巻健史君。
#12
○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻です。
 聞いておりまして、風間委員の考え方と極めて似ていることを申し上げたいと思っておりますけれども。
 格差で有名になったトマ・ピケティ博士が、二〇一五年に以下のようなことを本の中で書いてあります。ヨーロッパから見ると、日本の現状は摩訶不思議で理解不能である。政府債務残高がGDPの二倍、つまりGDP二年分にも達するというのに、日本では誰も心配していないように見えるのはどうしたことか。どんな事情で、あるいはどんな政治的判断によって、借金がこれほどに膨大になったのか。我々は日本の政府債務のGDP比や絶対額を毎日のように目にして驚いているのだが、これらは日本人にとって何の意味も持たないのか。それとも、数字が発表されるたびに皆大急ぎで目をそらしてしまうのだろうか。
 これがトマ・ピケティの警告だったわけですけれども、現状、私が考えるに、今、日本が抱えている二大危機というのは、一つは北朝鮮問題、これはテールリスクだと思います。テールリスクというのは、起こる確率は非常に低いけれども、起こってしまえばとんでもないことになるというテールリスク。そして、もう一つの危機がやっぱり財政破綻危機だろうと私は思っています。財政破綻危機の方は、テールリスクどころか、起きることがまず間違いない、あとタイミングだけの問題のような危機だと思っております。その点では、河村小百合参考人はほとんど私の意見と同じだったもので、意を強くしておりますけれども、これはほっておけるような問題ではないと思っています。
 御存じのように、日本の借金、対GDP比は二四八%です。ピケティは二倍と言っていましたけれども、実際は二〇一五年段階で二四八%、財政破綻で話題になったギリシャの一七七%よりもはるかに悪い。
 なぜギリシャがあれだけ騒がれて日本は安泰としていたのかというと、それは、ギリシャの中央銀行がギリシャ政府を助けられない、すなわち、ユーロというのはヨーロッパ中央銀行しか紙幣を刷れないので、ギリシャ中央銀行はユーロを刷れない、だからギリシャの中央銀行は政府を助けられないということであのような事態になったわけです。一方、日本の場合には、日銀が日本円を刷れば幾らでも刷れますので、何とかこれがもっていたと、これが現状だというふうに考えています。
 百五十兆円、今政府は年間国債を発行しております。借換債と新発債三十四兆円、それだと借換債が大きいですけれども、発行しているうちに、日銀が百二十兆円も買っています。要するに、八割の国債を日銀が引き受けているということで、日銀が皆様の、議員の、それからほかの給料を払っているようなもので、新しく紙幣を刷ってそれを政府に渡しているというような現状があるわけです。すなわち、財政破綻という世界で冠たる財政の悪化を日銀によって、日銀の実質財政ファイナンスによってカモフラージュされているという現状があるかと思います。それが問題になっている。
 更に問題になっているのは、この日銀が世界に冠たるメタボになってしまったということで、要するにバランスシートが膨れに膨れまくっているわけですね。要するに、FRBが今バランスシートの対GDP比が約二五%、たった二五%、そしてバンク・オブ・イングランドが二二%、それから、ECB、ヨーロッパ中央銀行は三三%。それに対して、日本の日銀のバランスシートの額、規模ですね、これは対GDP比八八%なんですね。とんでもない状況になっている。これも八十兆円ずつ長期国債を買い足していくということで、これ今年中にも一〇〇%を超えるということで、現状は、財政危機を今、日銀危機に飛ばしている状況かと思います。
 私はもう限界だと思いますので、これは、財政が破綻する、なれば、今までいろんな格差の問題とかそういう教育問題とかいうことを議論しましたけど、全てがオシャカになります。すなわち、社会が根底的に覆されるということで、この問題というのはそんなにのんびりしている問題ではないと思います。格差も、きっとそうなれば格差は是正されます。なぜならば、全員が平等に貧乏になるからです。
 ということで、非常に、ピケティではありませんけれども、日本人、特に政治家は財政赤字問題にもっと真剣に物事を考えるべきだというふうに思います。これは意見の表明です。
#13
○会長(川田龍平君) 薬師寺みちよ君。
#14
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。
 私もこの五回の調査会、本当に学びが多かったものだと思っております。本当に、このような有識者の皆様方を招いていただきましたことに、理事の皆様方そして川田先生にも感謝をしたいと思います。
 それに当たりまして、今様々御意見いただきましたけれども、やはりこのデータをどう使うかということによって全然見方が変わってきます。いつもの委員会でしたら賛否両論しっかりと聞けるんですけれども、やはり一方向からしか御意見いただけなかったというような施策もございますので、これをもって全てを語ってしまうというのは大変危険なのかなという感想を率直に言って思っております。
 しかし、一回目、二回目はそういう形でございましたけれども、三回目以降というものは与野党問わずそれなりの共通項として意識を持てた項目だと私は思っております。
 特に、地域間格差というもの、そして教育分野の格差、そして障害者施策というものについては、私は、これからお願いできるとしましたら、是非当事者研究というものも中心として扱ってヒアリングしていただきたいと思っております。
 なぜならば、地に足付いた施策若しくは調査会としての報告書にならなければ、全くこれは意味がないと思っております。ただ単なる研究書のまとめというだけに終わってしまうと、これは参議院の独特の制度でもあるこの調査会の意義がございません。ですから、是非、私もここで障害者施策を語りたいのはやまやまでございますけれども、その運営の問題として是非そこを皆様方と今日は問題を共有していただければと思います。
 障害者の皆様方、スポーツにおけるというところで、先生からは忌憚ない御意見をいただいたんですけれども、芸術もそうです、しかし、じゃ当事者はどう思っているのか、当事者の皆様方がどういう意識でそこに参画していらっしゃるのか、その奥底にあるものは何なのかということなどをまだまだ私どもは知り尽くしておりません。ですから、これをもってして報告が全て終わり、そして何か次に進んでいこうというのは拙速ではないかというふうな意見を私は持っております。
 それから、先ほど経済という問題もございました。経済の問題につきましても、やはり賛否両論あることは確かでございます。しかし、これからそういう先生方をお呼びしていろんな立場から、私はもっともっとこの中でも議論を展開していけるようにお願いをしたいと思っております。
 なぜならば、私どもは一回一回このように意見を表明する機会を与えていただいておりますけれども、与党の先生方、野党の先生方の中でもなかなか意見を表明する機会もなく、ただ聞くだけで終わってしまっているということ自体が申し訳ないかなと思うとともに、もったいないと思います。
 ですから、私からもし提案できるとすると、今回このような形で収束してまた次に同じことを繰り返すのではなくて、もうワーキンググループのような形で幾つか分けていただいて、もう少し詰めた議論が膝合わせながらできるような形で持っていただくと、もっと今先生方が表明なさっていただいた意見が実質可能なものとして、例えば委員会若しくは政府の方に提言書として我々が提出できるのではないかと思います。
 ですから、せっかく参議院の今改革協議会も行われているように、参議院の特色をどこで生かしていくのかということを考えると、この調査会というものは大変重要な役割だと思っておりますので、もちろん皆様方の御意見というものを更に凝縮した上で、我々がこの調査会をもって次に何をアクションしていくかということもしっかり議論する場というものをいただきたいと思います。
 私からは以上でございます。
#15
○会長(川田龍平君) 以上で各会派の一巡目の発言は終了いたしました。
 他に発言の希望のある方は挙手を願います。
 森屋宏君。
#16
○森屋宏君 今、私、薬師寺先生のお話を聞いていて、それまでも思っていたんですけれども、国会というところはどうしても政党政治の場になってしまいますから、例えば法案であるとか予算案ということになると、それぞれの党派の立場の中で議論になってしまう、しまうというか、それが政党、国会の姿であろうかというふうに思います。
 その中において、こうして参議院の中に衆議院にはない形で調査会というものがあるということは、私も非常に大きな意味があるし、ここでやっぱりまとめることは、党派の枠を超えてやるべきことは何なのかというふうなことを考えて、ここの場に参画をさせていただいています。
 そうした意味で、政策的なことに突っ込んだ、あるいは現政権の政策批判といいますか評価というふうなことになると、なかなかまとまらないというふうに思います。そうではなくて、やはりこの調査会としてできることは、私はやはり、参議院議員は比例あるいは選挙区選出でそれぞれ選ばれている立場が異なるわけであります。そうした異なる立場の中、あるいは選挙区で出ている先生方も全国からいろんな地域の代表として出ていらっしゃるわけでありますけれども、そうした意味で、いろんな多角的な目からこの我が国の姿を見ている中において、今回のこの国民生活・経済に関する、あるいはサブテーマといいますか、「経済・生活不安の解消」という視点から現状認識についてコンセンサスを得ると。現状について、それについてもいろいろな見方があろうかとは思いますけれども、現状の問題、課題認識についてコンセンサスをこういう場で党派を超えてまとめ上げるということには非常に意義があるのではないかというふうに思います。
 それが今後のそれぞれの党派に分かれた、今度は手法としての政策がそれぞれの党派からは主張が出てくるわけでありますから、それは賛否を問うような場面もあるかもしれませんけれども、私はこういう場で、特にこの調査会という参議院特有のこの場において、現状課題について、我が国の抱えている課題においてコンセンサスを得るという、そして一つの文面にするというものは、非常に今後に向けての価値あるものではないかというふうに思います。
 あわせて、お話をさせていただきますと、やっぱり格差という問題については、世界でも特有の一極集中、東京、首都圏にだけ日本の国の中で人口が集中をしていくというこの姿、これについて問題意識を抱えていない国会議員の先生方はいないと思います。
 あわせて、地方は疲弊しているというこの日本の姿について、私は、先生方とともにコンセンサスを得られるのではないか、現状分析において、認識において得られるのではないかと、そのことは非常にこの調査会の役割としては大きなものがあるんじゃないかというふうに思います。
 以上です。
#17
○会長(川田龍平君) 他に発言の希望はございませんか。
 新妻秀規君。
#18
○新妻秀規君 今、薬師寺先生、また森屋先生のお話を聞いて、私、全く同じ意見なんです。参議院の存在意義というのは、やっぱり多様な民意、これを反映するというところが我々の役割なんだろうなと思うんですよね。
 今まで調査会、参議院の機能で調査会がありますけれども、この参考人質疑というのはやはり土台としてあって、ただ、参考人質疑はいいんですけれども、各委員間の、何ですかね、意見を闘わせるような機会って実は非常に少ないのかなと思っていまして、まさに今日がその場なわけなんですよね。ただ、やっぱりさっき森屋先生がおっしゃったように、党派に縛られないような闊達な意見交換ってあってもいいんじゃないかなと。
 参考人質疑というのは、やはり自分もこれまで臨んできて、参考人の先生と委員のやり取りで終わってしまって、それを受けて、じゃ、どうなのというと、結局、それについて議論する場というのは最後の最後にこの場になっちゃうわけですよね。やっぱり忘れちゃうわけなんですよね。なので、やはり在り方として、例えば参考人質疑をやって、その後、各委員間の自由な闊達な意見交換とかもあっていいんじゃないかなと。それで、もしも参考人の先生がいらっしゃるとかえって意見交換しにくいのであれば一回お引きいただいて、それでディスカッションするような、その中で、例えば当然賛否両論あるような課題もあると思いますし、でも、それはそれでいいと思うんです。必ずしも意見は一致しなくていいと思うんです。違う認識するということも重要なプロセスだと思うんですよね。そうやって議論を煮詰めていく中で、そして今度、一年目から二年目、二年目から三年目のそういうステップアップを図れていけるんじゃないかなと思うんです。
 こうした運営の仕方というのも、また皆さんと意見交換する中で詰めていけたらなというふうに考えています。
 以上です。
#19
○会長(川田龍平君) 上野通子君。
#20
○上野通子君 皆様方の御意見を聞いて、最初に理事の皆様方と三年間の計画を立てた中で、一年目は参考人の有識者の皆さんの御意見を聞きましょうと、二年目は現場の声、そして当事者の声を聞きましょうと、三年目にそれに対して皆さんで意見交換をする場を多くつくりましょうというふうに計画したんですが、今多くの方々からの御意見で、もっと委員間の意見交換をする場をその場でつくった方がいいんじゃないかという御意見が多かったので、これは検討していった方がいいかなと私も個人としての意見として思ったところでございます。
 ただし、今回の参考人質疑は多分皆様方にとってかなり実のあるもので良かったんじゃないかなと思いますので、中間報告としてまとめるには十分じゃないかなと思っております。
 ありがとうございます。
#21
○会長(川田龍平君) 他に発言の希望はございませんか。
 神本美恵子君。
#22
○神本美恵子君 ありがとうございます。
 今幾つかこの調査会の持ち方についての御意見がありました。
 私は二〇〇一年に参議院に初当選で来たんですが、そのときはもう共生社会調査会というのがたしかあって、ドメスティック・バイオレンス防止法がその共生社会調査会で議論をされて法案の形になって成立をした翌年、二年ぐらいたったときだったのかな、この共生社会調査会で常時その法案について審議するのではなくて、その中にプロジェクトチームをつくって、理事を中心とする全会派から代表が出て、調査会とは別途のところで法案の改正について議論をして、そして調査会全体会にその改正についての議論をまた持ち込んで第一次改正を仕上げたというような経験があるんですね。
 ですから、先ほど森屋先生は法案という形ではないとおっしゃいましたけれども、そういうことも含めて、例えばドメスティック・バイオレンスなんというのは、夫婦げんかは犬も食わないといって民事不介入ということで全然取り上げられなかった、特にこれは法務に関わることですけれども、取り上げられなかったけれども、余りにも、三日に一人、夫からの暴力で亡くなっているとか、そういうせっぱ詰まった現実を前に何とかしなければということで参議院のこの、せっかく超党派でここは集まっているわけですから、共通の課題として法律を作り上げたというような例もありますので、今現状分析をしながら、何が今この日本の中で最もせっぱ詰まって、ほかの委員会ではできないことがあるかというような課題を絞り込んでいくことも含めて議論をしていって、仕上げられたらいいかなというふうに思います。
 私、自分の問題意識をちょっと言わせていただきますと、そのドメスティック・バイオレンス防止法もそうですが、例えば子供に対する性虐待、これも本当に見えにくいもので、もちろん児童虐待防止法ありますし、性犯罪防止法もありますけれども、その中にすくい取れない問題で、幼児期から性暴力を様々な、実親とか親戚の人とか兄弟から受けて、魂の殺人と言われる性虐待を受けて大人になっていっているというような問題などを議論するとかいうことも含めて、是非これからの三年間、三年目には何らかの形で法律が制定できればいいし、そうでなくても政府にインパクトの強い提言として出されるような調査会になったらいいなというふうに思っております。
 問題意識は、性虐待というのは、今ちょうどそういうことを、お話を聞いているところでそれを取り上げただけですので、ほかにも皆さんの問題意識で絞り込んでいけたらいいなというふうに思います。
 以上です。
#23
○会長(川田龍平君) 他に発言の希望はございませんか。よろしいですか。──他に発言の希望もなければ、以上で委員間の意見交換を終了いたします。
 各委員におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。
 本日伺いました御意見も踏まえ、各理事とも協議の上、中間報告書案を作成してまいりたいと存じます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト