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2017/04/03 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 決算委員会 第3号
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2017/04/03 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 決算委員会 第3号

#1
第193回国会 決算委員会 第3号
平成二十九年四月三日(月曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
     大門実紀史君     吉良よし子君
 三月二十九日
    辞任         補欠選任
     山本 博司君     新妻 秀規君
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     里見 隆治君     三浦 信祐君
     又市 征治君     福島みずほ君
     行田 邦子君    薬師寺みちよ君
 四月三日
    辞任         補欠選任
     吉良よし子君     辰巳孝太郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岡田  広君
    理 事
                二之湯武史君
                松下 新平君
                山田 俊男君
                大島九州男君
                河野 義博君
                田村 智子君
    委 員
                阿達 雅志君
                片山さつき君
                進藤金日子君
                そのだ修光君
                西田 昌司君
                藤井 基之君
                古川 俊治君
                松川 るい君
                丸山 和也君
                宮本 周司君
                森屋  宏君
                石上 俊雄君
                礒崎 哲史君
                古賀 之士君
                斎藤 嘉隆君
                平山佐知子君
                新妻 秀規君
                三浦 信祐君
                吉良よし子君
                辰巳孝太郎君
                石井 苗子君
                片山 大介君
                福島みずほ君
               薬師寺みちよ君
   国務大臣
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償・廃炉
       等支援機構))  世耕 弘成君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 菅  義偉君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策、男女共同
       参画))     加藤 勝信君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    石原 伸晃君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(マイナ
       ンバー制度))  高市 早苗君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       防災))     山本 公一君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全、
       防災、海洋政策
       ))       松本  純君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、ク
       ールジャパン戦
       略、知的財産戦
       略、科学技術政
       策、宇宙政策)
       )        鶴保 庸介君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革、地方創生)
       )        山本 幸三君
   副大臣
       財務副大臣    大塚  拓君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       樋口 尚也君
       経済産業大臣政
       務官       井原  巧君
        ─────
       会計検査院長   河戸 光彦君
        ─────
   政府特別補佐人
       人事院総裁    一宮なほみ君
       内閣法制局長官  横畠 裕介君
       公正取引委員会
       委員長      杉本 和行君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        秋谷 薫司君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       土生 栄二君
       内閣官房内閣審
       議官       平川  薫君
       内閣官房内閣審
       議官       向井 治紀君
       内閣官房内閣審
       議官       富山 一成君
       内閣府大臣官房
       長        河内  隆君
       内閣府政策統括
       官        山脇 良雄君
       内閣府政策統括
       官        平井 興宣君
       内閣府地方創生
       推進室次長    塩田 康一君
       内閣府知的財産
       戦略推進事務局
       長        井内 摂男君
       宮内庁次長    西村 泰彦君
       総務省行政管理
       局長       山下 哲夫君
       財務省理財局長  佐川 宣寿君
       文部科学大臣官
       房審議官     浅田 和伸君
       文部科学大臣官
       房審議官     松尾 泰樹君
       文部科学省高等
       教育局私学部長  村田 善則君
       スポーツ庁スポ
       ーツ総括官    平井 明成君
       厚生労働大臣官
       房審議官     土屋 喜久君
       厚生労働大臣官
       房審議官     吉本 明子君
       厚生労働大臣官
       房審議官     坂口  卓君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局生
       活衛生・食品安
       全部長      北島 智子君
       厚生労働省労働
       基準局長     山越 敬一君
       農林水産大臣官
       房審議官     大角  亨君
       経済産業大臣官
       房長       高橋 泰三君
       経済産業大臣官
       房地域経済産業
       審議官      鍜治 克彦君
       経済産業大臣官
       房商務流通保安
       審議官      住田 孝之君
       経済産業大臣官
       房原子力事故災
       害対処審議官   平井 裕秀君
       経済産業省産業
       技術環境局長   末松 広行君
       経済産業省商務
       情報政策局長   安藤 久佳君
       資源エネルギー
       庁資源エネルギ
       ー政策統括調整
       官        小澤 典明君
       資源エネルギー
       庁資源・燃料部
       長        山下 隆一君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      村瀬 佳史君
       中小企業庁長官  宮本  聡君
       国土交通省航空
       局長       佐藤 善信君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第一局長   鈴土  靖君
       会計検査院事務
       総局第二局長   腰山 謙介君
       会計検査院事務
       総局第三局長   戸田 直行君
       会計検査院事務
       総局第五局長   寺沢  剛君
   参考人
       沖縄振興開発金
       融公庫理事長   川上 好久君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成二十七年度一般会計歳入歳出決算、平成二
 十七年度特別会計歳入歳出決算、平成二十七年
 度国税収納金整理資金受払計算書、平成二十七
 年度政府関係機関決算書(第百九十二回国会内
 閣提出)(継続案件)
○平成二十七年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第百九十二回国会内閣提出)(継続案件)
○平成二十七年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第百九十二回国会内閣提出)(継続案件)
 (皇室費、内閣、内閣府本府、経済産業省、消
 費者庁及び沖縄振興開発金融公庫の部)
○国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調
 査
 (国会法第百五条の規定に基づく本委員会から
 の会計検査の要請に対する結果報告に関する件
 )
 (会計検査院法第三十条の二の規定に基づく報
 告に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(岡田広君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る三月三十一日までに、大門実紀史君、山本博司君、行田邦子さん、又市征治君及び里見隆治君が委員を辞任され、その補欠として吉良よし子さん、新妻秀規君、薬師寺みちよさん、福島みずほさん及び三浦信祐君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(岡田広君) 平成二十七年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、皇室費、内閣、内閣府本府、経済産業省、消費者庁及び沖縄振興開発金融公庫の決算について審査を行います。
    ─────────────
#4
○委員長(岡田広君) この際、お諮りいたします。
 議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれも省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(岡田広君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#6
○委員長(岡田広君) 速記を起こしてください。
    ─────────────
#7
○委員長(岡田広君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○平山佐知子君 民進党・新緑風会の平山佐知子です。
 まずは、森友問題について経産大臣にお尋ねを申し上げます。
 先日の経済産業委員会でお伺いをしたとき、大臣は、確かに安倍昭恵夫人には経済産業省から出向という形で職員が行っていますが、出向した後その二人がやっていることに関しては、内閣官房に聞いていただかないと、経産大臣としてはお答えしかねるとおっしゃっていました。
 現在は、その方、経産省に戻ってきておられるということで間違いないでしょうか。
#9
○国務大臣(世耕弘成君) 経済産業省の職員として現在仕事をしているということは事実だと思います。
#10
○平山佐知子君 私は、何も彼女を追い詰めるつもりも批判するつもりもありません。女性で、しかもノンキャリアでいらっしゃって、総理大臣夫人付きという大役を任せられるということは、よほど期待、それから信頼があるのではというふうに推察をいたします。
 彼女は、与えられた職務に対して全力で取り組まれて、恐らく心配りをした結果ではなかったかと思います。まだまだ男社会のこの現代におきまして、経産省には非常に優秀な女性の方がたくさんいらっしゃって、私も何人かお目にかかってお話もさせていただいておりますけれども、同じ女性として非常に心強く思いますし、また私も頑張らなくてはいけないなという元気もいただいているようなところでございます。
 女性だからというのではなくて、私は、大臣というのは、その省に勤める職員は家族同然であり、その家族を守るために全力を注いでいただけるものだと思っております。その大切な職員の方がある意味では利用されてしまった今回の一件で、大臣としては非常に腹立たしく思っていらっしゃるのではないかなというふうに思います。
 その大臣の率直な今の思い、感想をお聞かせ願えますでしょうか。
#11
○国務大臣(世耕弘成君) 利用されたとかいろいろ主観的なことをおっしゃっていますけれども、いずれにしても、内閣官房に出向していた期間における本人の仕事ぶりとか、どういう思いだったか、これはもう内閣官房でお答えいただくしかない。内閣官房のことを私がそんたくして答えるわけにはいきませんので、そこは、やっぱり経済産業省と内閣官房という、これは仕事がしっかり分かれていますので、そこはよく御理解をいただきたいというふうに思います。
 その上で申し上げますと、本人は、実は彼女は私の中学、高校の後輩でもありまして、よく知っています。食事も何人かで一緒に行ったこともありますし、当然、私、官房副長官をやっていましたから、彼女の仕事ぶりも見ておりました。現在も経産省でも非常に真面目で優秀な職員であると上司たちは評価をしているようでありますし、夫人付き時代も、海外へ行ったときなんかは本当に大変なんですよ、夫人付きというのはですね。そういう意味で、かいがいしくお仕事をされていたというのもよく印象に残っております。
 今後とも彼女にはしっかりと職務に当たって成果を出していただきたい、期待をしております。
#12
○平山佐知子君 私、今回の問題は、国有地が国民の納得いく理由なく異常に安い価格で払い下げられたということ、そして残っていてしかるべきそこに至る経緯、この書類がないということ、書類が残っていないということですね、それから、私たちがさんざん申し入れても民間人の参考人招致には慎重であるべきとされながら、総理の名前が籠池氏から出た途端に侮辱だといって証人喚問すること、それから、閣僚が国会の答弁で絶対ないというふうに言っていたことが間違いだったと分かった途端におわびして訂正いたします、それから、都合が悪くなると記憶にございません、分かりませんと。
 これ私、全てが問題だと思いますけれども、今回の一連のことによって、今政治家がますます信用されなくなっているのではないかと。政治そのものが多くの人から信用されなくなってしまう、これ私、非常につらいと思います。政治家なんて誰がやっても一緒じゃないかとか、政治、誰がやっても変わらないのではないかというふうに、このように思われてしまう、このことこそが一番憂慮すべきことじゃないかなと私は思っています。
 ですから、与党、野党、これはもう関係なく、私たち政治家はもちろんですけれども、国家公務員のみならず地方を含めた公務員全員、今回の一件を契機としてきちっとこれ襟を正すべきだと思います。
 国民に納得できる説明、それからおわびをするべきだと思うんですが、この点については、大臣、いかがでしょうか。
#13
○国務大臣(世耕弘成君) 政治家なんて誰でもいい、あるいは総理大臣なんて誰でもいいという時代もありましたけれども、それは安倍内閣になって私は相当変わってきたと思いますよ。誰でもいいわけではない、やっぱりきちっとした適材適所というのがあるというのが、今、国民の思いではないかというふうに思っております。
 その上で、今るる御指摘のあった証人の件ですとか参考人の件、これは国会でお決めになることであります。また、価格が適正であったかどうかということについても、これは理財局がきちっと説明をしてきていると思いますし、もし問題があるのであれば、これは会計検査院によって問題が明らかになるということだというふうに思っておりますので、経済産業大臣としてここは個人的な感想等は述べる立場にはないということを申し上げておきたいと思います。
#14
○平山佐知子君 まだまだ国民が納得いっていない、しっかりと説明をなされていないという思いが、たくさん国民が思っているということだけお伝えをさせていただきたいと思いますし、今後、真摯な対応をお願いしたいと思います。
 それでは、次の本題に入らせていただきたいと思います。
 先日の経済産業委員会でも若干お伺いはしたんですけれども、時間が足りなくて聞き切れなかったところもありますので、それからまた、講じた施策に対して質問を申し上げるという点では、この決算委員会、まさに適当であると思いますので、まずは地域の商店街が抱える問題について触れてまいりたいと思います。
 これまでのいきさつを簡単に振り返ってみますと、平成十年の第百四十二回国会におきまして大店立地法が成立したことによって、平成十二年、旧大店法が廃止されました。大店立地法は、大規模商業施設の店舗規模の制限などを目的とした大店法とは異なり、出店規模についてはほぼ審査を受けなくてもよいというものです。これによって、特に地方都市では大型店の出店が相次ぎ、元々あった商店街に対する影響はやはり大きく、商店街のシャッター通り化、これ皆さん御存じのとおりだと思います。
 しかし、大型店が郊外とはいえ存在していれば、例えばお年寄りの皆さん、自転車をこいで一生懸命そこに行ったりですとか、バスやタクシーを使って、買物回数を減らしてでも買物に行って生活をしていた。ですが、これが最近、ネット通販の普及などに伴って大型店も衰退、これが相次いで聞かれている状況となってしまっています。
 こうなると、中心市街地も衰退して大型店もなくなるというふうになると、高齢者の皆さんにとってはもうどこに買物に行っていいのか、もはやなすすべがなくなってしまうという状況に陥っています。
 私は、もちろんネット通販などを始めとしたウエブ取引、便利ですし、否定はしませんけれども、しかし、この頃、多発する事故を心配して自動車免許を返納して、それからパソコンを扱うことに慣れていないという高齢者の皆さんは、結局買物するところがなくて慣れ親しんだふるさとを離れざるを得なくなり、便利な土地を求めて引っ越しをしなくてはならない状況に陥ってしまう、これでは私、もう悲しいかなというふうに思います、町づくりとして。
 このような町づくりで本当にいいのかどうか、大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。
#15
○国務大臣(世耕弘成君) 御指摘のとおり、郊外への大型店の進出、これははっきり言って今もまだ続いている面があるだろうというふうに思います。
 また、インターネット通販の拡大、私ももう自分の買物はほとんどインターネット通販かコンビニということになってしまうわけでありますけれども、そういうのが拡大をして、中心市街地や商店街を取り巻く環境は大分厳しくなった。
 でも、これは元々厳しかったんです。平山委員から先日経産委員会でも御質問を受けて、私は平成十年初当選ですから、その頃和歌山では、これ商店街どうなっちゃうんだということで、例えば地元のデパートが倒産したりとかいろんなこともありまして、その頃非常に深刻な問題でありました。ようやくそれが静岡でも実感いただけるような状況になっていっているのかな、そういう意味ではだんだんだんだん広がってきている、商店街の問題がですね、そういうふうに考えています。
 そんな中で、当然インターネット通販なども非常に便利ですし、これがある意味過疎地の買物の対策になるという面があるんですが、やっぱり一方でデジタルデバイドというのがあって、高齢者で全くインターネットにアクセスする知識がないというような方々、こういう方々を始めとする買物弱者対策という観点から、中心市街地や商店街の機能の維持というのは非常に重要だというふうに考えております。政府一丸となって中心市街地や商店街機能の維持強化策は展開をしてきています。これはずっとやってきているんです。
 元々、どちらかというとハード重視でやってきた面もありますけれども、例えばアーケードの予算なんというのを昔よくやっていたんですね。雨が降ったときでも買物ができるからいいじゃないかというんですが、結局、その維持費ですとか、アーケードになると当然電気代もかなり増えますから、それがまた商店の負担になっているというようなことがありますので、最近はできる限りソフト面での支援を中心にしている。
 それも、できる限り町づくり全体と連携をさせて、今コンパクトシティー、コンパクトタウンということをやっていますけれども、そういう中で商店街をしっかり位置付けてもらって整備をしていく、そういう形にしていかなければいけないだろうというふうに思っていますし、経産省でも今まではどちらかというといろんな細かいことを応援していたんですが、それよりは少しテーマを絞って、少子高齢化対応ですとかあるいはインバウンドの観光客に対応した商店街づくりとか、特定六分野と呼んでいますが、そういう分野に絞って、全国的に商店街のモデルとなるような、商店街組織が行う施設整備事業を中心に支援を行うという方向に今もうやり方も切り替えています。
 ただ、はっきり言って、それで何か全国的に商店街が元気になったなという感じにはなっておりませんので、これからもいろいろ工夫をしながら取り組んでいかなければいけないと思っています。
#16
○平山佐知子君 私は、やはりコミュニティーとしても大切な立ち位置である中心市街地という商店街、立ち直らせる必要があるんじゃないかなというふうに思っています。
 先日、私、地元の静岡の葵区にあります商店街振興組合、七間町名店街の副理事長にお話を伺ったんですけれども、様々な町づくり、それから活性化のための法や予算など、自治体が行う補助金なども含めてたくさんあって、大変有り難いし、商店街自身も努力をしなくてはいけないというのも重々承知の上でなんですが、使いにくさもやっぱり感じているというお話をされていました。
 そこで、実際にどうなのか伺ってまいりたいと思います。
 平成二十六年に改正した中心市街地活性化法、これは、中心市街地における経済活力の向上を図るために、中心市街地に訪れる方を増加させるなどの効果が高い民間プロジェクトを認定する制度を新たに創設するということですとか、先ほどもありましたが、中心市街地を活性化させるためのイベントなどの事業を認定するなど、にぎわいの裾野拡大を図る措置などがとられているものです。
 この中心市街地活性化法に基づく中心市街地活性化基本計画ですが、平成二十九年三月現在、百四十一市、二百十一件認定をされて、活性化に向けた取組が行われています。しかし、居住人口の増加それから商業振興には必ずしも結び付いてはおらず、厳しい状況が続いていると伺っております。
 資料一の@からB、御覧いただきたいと思います。三枚組になっていますが、一番下の枠の中の大文字のアルファベットのAとC、皆さん、見比べていただきたいと思います。
 一枚目から三枚目まで、それぞれ内閣府の平成二十五年度から二十七年度の最終フォローアップ報告ですが、いずれの年も、計画当初よりも悪化してしまったものが目標を達成したものより上回っている現状があります。この結果について、内閣府の見解、それから今後の改善点を伺いたいと思います。
#17
○政府参考人(塩田康一君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、平成二十五年度から平成二十七年度の最終フォローアップにおける各年度の数字を見ますと、計画当初より悪化した指標の割合が目標を達成した指標の割合を上回っておりますが、一方で、目標を達成した割合というのを見ていただきますと、まだ十分満足な数字だとは思っておりませんけれども、平成二十五年度が二一%、二十六年度三〇%、二十七年度が四一%と着実に上昇してきております。
 また、目標は未達だが計画当初より改善した割合まで含めますと、平成二十七年度におきますと合計で五五%というふうに、計画当初より悪化した割合を上回っているという数字にもなっております。
 これは、平成二十六年に中心市街地の活性化を図るための基本的な方針、これを改正いたしまして、計画期間中のフォローアップにつきまして、それまでは中間年のみでありましたけれども、原則毎年行うということといたしまして、PDCAサイクルの強化を図ったことによる効果もあるものと考えております。
 さらに、昨年からは、この毎年のフォローアップにおきまして、このままでは目標達成可能とは見込まれない、そういう自己評価をした地方公共団体に対しまして個別にヒアリングを実施いたしまして、必要に応じて改善方策の検討等についての助言を行っております。
 今後も、目標達成率の更なる改善に向けまして、毎年のフォローアップ等を通じて、地方公共団体に対する助言等、きめ細やかな対応を行ってまいりたいと存じます。
#18
○平山佐知子君 省庁をまたいでチームで一つの目標に向かっていくというのは私も大賛成で、すばらしいと思います。最終的に出た結果をまたこれチームで見て、チームでまた反省しながら次に進めていくというのが必要だと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 また、二十六年度補正予算では、雇用や地域の消費活性化が期待できる商業施設の改修、それから買物弱者対策などに支援する中心市街地再生事業費補助金が二十二億円計上されました。でも、結局、この補助金は二十七年度に全額繰り越されます。その後、電通が事業の運営事務を行って、四十一件の事業が採択されたものの、決算額は九・六億円、執行率は四四%と、低調のまま事業は終了しているんです。
 そもそも、私は考えたんですが、補正予算というのは当初予算で足りない分を補うものだと思っていましたが、それが丸々使われずに次年度に繰り越されたというのもまずは疑問に思いましたし、その上で、しかも電通が間に入ってなお執行率が四四%というのは、この事業はこれでよかったのかなと考えてしまうところがあるんですが、なぜ補正予算に入れる必要がまずあったのか、また、この結果について経産省としてどのように考えて、これからどうするおつもりか、聞かせていただきたいと思います。
#19
○政府参考人(鍜治克彦君) お答え申し上げます。
 本事業は、平成二十六年十二月の緊急経済対策に基づきまして、地方が直面する構造的課題等への対応を通じた地方の活性化を促す観点から、中心市街地活性化に必要な施設の改修、リノベーションなどの、雇用、地域の消費活性化に対して即効性の期待できる事業、あるいは過疎地対策や、コンパクトシティー化を進める上で不可欠となる買物弱者に対する支援を行うもので措置されたものでございますが、本補正予算、平成二十七年の二月三日に成立をいたしまして、三月二十四日に第一次締切りとしての公募を開始いたしましたが、この事業の公募の申請に当たりまして、市町村の同意あるいは中心市街地活性化計画への追加等が必要でございましたところから、一次公募の申請に間に合わない事業者の方々への対応が必要となりまして、事業計画を見直し、繰越しを行わせていただいたところでございます。
 その結果といたしまして、先ほど委員御指摘のとおり、平成二十七年度末の執行率は四四%でございました。この理由でございますけれども、申請額そのものは予算額二十二億円を上回る額の申請があったのでございますけれども、やはり事業の目的に相等しい案件というものが結果としては少のうございました。
 具体的に申し上げますと、商店街などの地域関係者との連携が必ずしも十分に図れていないために波及効果が期待できませんですとか、あるいは事業の実施体制が脆弱であるために継続的な事業遂行に難があると思われる等の理由で不採択案件が出ました結果といたしまして、予算額二十二億円に対しましては、中心市街地の活性化事業で五・九億円、買物弱者対策で三億円の執行額となったところでございます。
 今お答え申し上げましたとおり、今後は、効果の高い事業を事前に申請者の方々へのアナウンスもしっかり行いながら個別予算の執行率を高めていきたいと考えてございます。
#20
○平山佐知子君 また、平成二十六年改正の柱として創設された特定民間中心市街地経済活力向上事業ですけれども、先日の経済産業委員会でも、これまでどれくらい活用されているのかお尋ねを申し上げました。そうしたところ、認定されたのは僅か九件であると、そして本年度内にもう一件認定予定であるということでした。なぜこのように認定件数が少ないのかということもお伺いしましたところ、先ほど申し上げました中心市街地活性化基本計画の百三十七の認定から特に経済波及効果の高いと思われるものが九件であったと。さらに、今のところ十件程度の相談を受けているということでお答えをいただきました。また、この事業、比較的単位の大きい事業であることですとか、地権者など多くの方々の権利調整に時間が掛かるという説明もございました。
 改めて考え直してみたんですが、やはり認定件数、これでは少ないのかなというふうに思います。その後、私も予算措置を調べてみたんですが、そのうちの一つ、戦略的中心市街地エネルギー有効利用事業費補助金に関しては、平成二十六年度、二十七年度とも利用はゼロ件と、全く使われていませんでした。こういう結果を見ると、やはり使い勝手の悪さもあったのかなというふうに思います。今後、例えばもう少しハードルを下げるなどの検討をされているのかどうか、これは大臣にお伺いしたいと思います。
#21
○国務大臣(世耕弘成君) 特定民間中心市街地経済活力向上事業、これは、特に経済波及効果が高い民間投資を喚起する、そのことを通じて中心市街地の活力の維持向上を図る制度でありまして、今まで認定した計画件数は十件になっております。この十件が多いか少ないかというのはあると思いますけれども、これはやはりハードルが一定高いところはあるというふうに思っています。特に周辺への波及効果が期待される比較的規模の大きい事業の案件形成には、これはそれなりに時間を要する、そういう面があるんだろうと思います。
 この認定要件とか手続でハードルが高いという御意見もあるわけですが、これ、認定要件を私も見てみましたけれども、例えば、新しくやる事業によって年間来訪者数、それに来訪する人々がその商店街に住んでいる人の人口の四倍であるということとか、年間売上高を一%押し上げる事業であるとか、平均雇用数がそれによって五十人生まれてくるとか、そういうことであります。また、中心市街地と周辺地域の経済活力を向上させる波及効果がある、これを説明してくださいということであったり、あるいは地元住民の強いコミットメントがあるということをしっかり示してくださいと。私は、これは当たり前の要件だと思います。ある一定の規模の事業をやるんだったらこれぐらいのことはやっぱりきちっとクリアをして、そしてそれを認定するというのが、これ予算を使ってやっている以上は私は当然のことだと思います。
 ただ、これもしゃくし定規にやっているわけではありません。地域の実情に応じた配慮は一定程度行わせていただいていますので、商店街の活性化をやろうという方々は、やっぱりまずは自助努力、自分たちのやる気、地域の応援、そして自治体行政との連携ということが非常に重要だというふうに思っております。
 また、先ほどのエネルギー関係の補助金でありますけれども、これは、エネルギーに特化した案件がなかなかなかったということ、あるいは、一部に省エネがあったとしても、商店街全体としての整備をやる場合はほかの補助金を使った方が使い勝手が良かったというような面があって、残念ながら認定がゼロになったというふうに聞いております。
#22
○平山佐知子君 確かに大臣が今おっしゃったように、自助努力というのも大変必要だと思います。ただ、日本商工会議所が平成二十八年にまとめられたまちづくりに関する意見によりますと、この特定民間中心市街地経済活力向上事業の認定要件が、やはり地域によって実情が違っているので、その地域に応じた柔軟な基準とすることが求められるという意見がありました。
 先ほどの質問とかぶるところもあるんですけれども、現場で商工業に従事されている生の声であるこの意見について、経済産業省の見解をお願いいたします。
#23
○政府参考人(鍜治克彦君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、平成二十八年五月三十日付け日本商工会議所からまちづくりに関する御意見というのが提出されておりまして、その中で、中心市街地の活性化法の補助制度について、委員御指摘のような御意見があったことは承知してございます。
 要件そのものの緩和という問題につきましては先ほど大臣答弁したとおりでございまして、この三つの条件、すなわち売上げ等の定量要件、それから波及効果、それから御地元のコミットメント、これにつきましては、御地元御地元の事情を踏まえながら基本的にはしっかり認定をさせていただきたいと思ってございますけれども、我々のこの制度について、制度の使い方が分かりにくいという御意見があるという話も、委員冒頭、商店街の方からのお話として承ったところでございます。
 今後、この中心市街地活性化の事業、予算の施行に当たりましては、今回御提言をいただきました商工会議所の関係の方々も含めまして、経産本省それから経産局等を通じましてきめ細かく丁寧に御説明をして、御地元御地元の理解を更に上げていきたいと考えております。
#24
○平山佐知子君 ありがとうございます。
 活気ある中心市街地づくりを考えるときに、私は、大きく町を俯瞰して考えていく必要があるんじゃないかなというふうに思います。例えばこうしたデータがあるんですが、資料二を御覧いただきたいと思います。
 全国の商店街における平均の空き店舗数ですが、五・三五店あります。右側の上の棒グラフを見てもらいたいんですけれども、空き店舗の埋まらない主な理由として最も多いのが、所有者、貸し手側に貸す意思がないとあります。地元の商店街に聞いても、空き店舗となったところをその土地の大家さんはいずれ再開発したいというふうに考えるので、違う店舗に貸してしまいますと、またそのときに断るのが手続がややこしいということで、取りあえずコインパーキングにしようという例がすごく増えているということです。
 しかし、皆さん思い描いていただくと分かるように、お店が並ばない商店街って魅力がないので消費者も歩かなくなってしまう、そういうふうにつながってしまいますので、せめて商店街通りに面したところだけ補助などがあれば、商店街側も大家さんを説得しやすくなりますし、小さなお店を並ぶということにつながっていく。それから、例えばチャレンジショップなどを出しやすくなれば、お店を持ちたいと思っている若者たちがお店を出すきっかけにもなるので、若者が訪れる町ということで活気が出てくるんじゃないかなというふうに思います。
 シャッター通り化からコインパーキング銀座といった余りよろしくないこの流れを食い止めるために、経産省として、例えば何か具体的な支援施策、それから市町に対しての町づくりの指南などあればお伺いしたいと思います。
#25
○政府参考人(宮本聡君) お答え申し上げます。
 にぎわいのある商店街にしていくためには、委員御指摘のとおり、空き店舗を解消し、新たな店舗が出店しやすい、こうした環境を整備していくことが必要だと考えております。
 このため、中小企業庁といたしましては、地域・まちなか商業活性化支援事業において、商店街における空き店舗を活用した創業支援施設、あるいは店舗の整備、誘致事業、こうした取組を支援しているところでございます。
 例えばでございますけど、山梨県の甲府市の甲府城南商店街においては、空き店舗を改装いたしまして、委員御指摘のチャレンジショップ事業実施、特にこの地域は宝石美術専門学校が立地しているということを生かしまして、宝飾店、雑貨店等を重点的に誘致するとともに、建物の所有者との交渉で低廉な賃料を実現するなど、大変積極的な取組を実施いたしました。その結果、空き店舗が大幅に減少し、また歩行者の通行量も急増するなど、商店街の活性化に向けたいわゆる好循環を生んでいる例でございます。
 平成二十九年度予算におきましても同様の事業を盛り込んでおりますので、引き続きこうした先進的な取組を支援するとともに、優れた取組の成功要因、あるいは課題を分析して、全国の商店街にも周知、拡大してまいりたいと思います。
#26
○平山佐知子君 経産省がそれぞれの産業や地域の発展を促すために様々な施策を次々に打ち出してくれている、これは確かに感謝の声も決して少なくないかと思います。しかし、同じような目的で作られた異なる法案が非常に多くて、名前もすごく似ていて、私も今回いろいろ調べてみて分かりにくいなと感じたのが正直なところであります。地域の皆さんからも、果たしてそのような施策が使えるのかどうか、はたまたどこに相談をしたらいいのか分からないといった声もよく耳にするところでございます。PDCAサイクルのPとDを繰り返すばかりではなくて、やっていらっしゃるとはいえ、更にチェック、アクションがうまくなされていくと更にいいものになるんじゃないかなというふうに思います。
 今、一度この打ち出されている様々な施策を総ざらいで出していただいて、同じ目的なものは分かりやすく一つにまとめて打ち出すということは、これ、分かりやすさにもなりますし、更に使いやすくなるということにつながっていって、建設的な提案だと思うんですけれども、一つにまとめていくということももしお考えになるのであればどういうことがあるのか、経済産業大臣の御意見、お伺いしたいと思います。
#27
○国務大臣(世耕弘成君) まず、制度や組織をいじることよりも、まずは、今はホームページとかをうまく使えば、アプリとかをうまく使えば、制度自体はばらばらなんだけどもワンストップ感を持って使ってもらうということも可能でありますから、まずそういう工夫をしっかりとやっていきたいと思いますし、中小企業の皆さんが地域で飛び込むところって大体決まっているんですね。商工会議所、商工会、それぞれ自治体によって若干濃淡はありますけれども、飛び込むところは決まっていますから、そういう飛び込んだところの方にやっぱりよく知識を持っていてもらって、適切な補助金とか適切な制度につなげるようにしていく、当面はそういう形で対応していくことが重要だろうというふうに思っています。
 ただ、私も実は中心市街地の問題というのは本当に初当選のときからずっとやってきて、これだけやって何でうまくいかないんだろうという問題意識ははっきり言って持っています。まあ縁があって経産大臣になりましたので、一度、今までの施策も、今回も御質問いただいたに当たって一度棚卸しをしてもう一度全部私もおさらいをしましたけれども、もう一度よく棚卸しをして、何かもう少し分かりやすい一元的なやり方がないのかどうか、あるいはもっと効果的なやり方がないのかどうか、あるいはやめた方がいいのかということも含めて抜本的に見直していきたいというふうに思います。
#28
○平山佐知子君 ありがとうございます。是非、使いやすさとか、あと分かりやすさというのを重視した今後も対応をお願いしたいなというふうに思います。
 最後に、中心市街地活性化制度における各種事業でございますが、経済産業省以外にも国土交通省、それからほかの省庁においても実施されています。急速に進む中心市街地の空洞化に対応して活気を取り戻すためには、各省庁の事業がどのように連携をして、またどのような効果を上げているのかを把握することが非常に重要だと思います。
 そこで、国会法第百五条に基づいて、決算委員会として、中心市街地活性化制度における諸事業の実施状況について、会計検査院に対して検査を要請すべきと考えますので、委員長、よろしくお取り計らいをお願い申し上げます。
#29
○委員長(岡田広君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議をいたします。
#30
○平山佐知子君 私は、中心市街地の町づくりに対して様々考えてまいりましたけれども、地域の方々に伺っても、やはり全体を通して俯瞰をしてみて、ただ商店街だけが行うのではなくて、行政も、また外からの目線も、大きくプロデューサーのような方にも見てもらうなど、いろんな様々な方が関わって全体を通して見ていく必要があるんじゃないかなというふうに考えますので、また引き続き皆さんの御協力をお願いしたいと思います。
 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#31
○石上俊雄君 民進党・新緑風会の石上俊雄でございます。
 桜も咲きまして、今日ニュースを見ると、各地で入社式が行われるということで、新しい年度になりました。しかし、引き続く課題というのは多くあるわけでありまして、この審議を通じながら国民の皆さんにしっかりとお伝えをしていきたいと、そういうふうに思いますので、よろしくお願いします。
 今日は平成二十七年度の決算報告書に対する審議ということで、私は三つのテーマで質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。一つは、ずさんな物品管理というものについて、二つ目は、各府省等が保有する研修施設の有効活用について、三つ目が、昨年の四月に報告書という形で出されたわけでありますが、原子力災害対策に係る施設等の整備等の状況についてという、この三つのテーマで質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 その前に、この土日、平日よりは多少テレビを見る機会が多くあって、報道ではやはりいろいろな課題の報道がありました。その中で、今日は官房長官に、最近流行語にもなりつつあるそんたくという言葉がございますが、このそんたくという言葉と、政治主導、あと官邸主導の関係について、御確認というか御認識をお伺いしたいというふうに思っております。
 一連の森友学園問題がありますけれども、そこのやはり国民の皆さんが一番何かおかしいなと思っているのは、国有地が何で八億円超の値引きがされて払下げされたのかというところがなかなかいろいろ説明を聞いても分からないわけでありまして、まさしくそのテーマというのは決算委員会のテーマだというふうに思っているところでございますので、ここはしっかりとやっていきたいわけでありますが、これまでのほかの委員会等の議論を聞いていてもなかなかそこがよく分からなくて、やっぱりどこが課題かというと、そんたくがあったのかどうか、ここが焦点になっているんじゃないかなというふうに思うわけであります。
 ちなみに、そんたくという言葉を国語辞典で引きますと、これを解説させていただきますと、他人の気持ちを推し量ること、推察ということが出てくるわけであります。これ、単純に言うと言葉はこれなんですが、事の本質は本当に簡単じゃないと。ちなみに、小学生が使う辞書にはそんたくって載っていないらしいですね、まあ、関係ありませんが。
 籠池氏が記者会見をした日本外国特派員協会の通訳の方が、このそんたくというのをどうやって訳すんだという、いろいろ考えたらしいんですけど、推測するとか行間を読むが当たるんじゃないかということでいろいろ考えていたわけですが、英語では結局そんたくを直接言い換える言葉はありませんというふうになったんだそうです。
 ニューヨーク・タイムズの記者は、結局舞台裏の力と表現したというふうにお聞きしております。しかし、その中で、舞台裏の力があったのかとお聞きすると、今までの委員会の中でもそうですけど、ほかの、総理も官房長官も完全否定されるわけでございまして、そこが完全否定されるので、聞いておられる国民の皆さんはなおさら分からなくなってしまうと。そういうことでどんどんどんどん回っていってしまうというのが現状じゃないかというふうに思うんです。
 そんな中で、最近ちょっとネットを見ておりましたら、弁護士の郷原信郎さんという方がおられるんですが、その方が書かれているブログに、官僚の世界におけるそんたくについて確かに言えることという題名のブログがありました。それを読みながらこの森友学園の問題と照らし合わせると、ああ、そうかということで、ちょっと納得するところがありましたので御紹介をさせていただきますと、一つ、そんたくはされる方(上位者)には分からない、二つ、そんたくは行う本人も意識していない場合が多い、三つ、そんたくで違法、不当な行為は行われない、四つ、官僚はそんたくで評価されるということなんです。何となくすとんと腹に落ちる、私だけじゃないと思うんですけどね。
 そういうことで、官房長官自身も「政治家の覚悟」ということで本を書かれておられます。そのサブタイトルは「官僚を動かせ」と。まさに政治主導、そして安倍政権の縁の下の力持ち、まさしく舞台裏の力ということで奮闘されているわけでございます。
 この郷原氏のそんたくの第四の法則、官僚はそんたくで評価されるというところでございますが、本当にこういったところは当たっているのかどうか、さらには、そもそもそんたくと政治主導、官邸主導について本当にどうなのかと、「官僚を動かせ」という著書も書かれている官房長官に是非お尋ねさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
#32
○国務大臣(菅義偉君) まず、日本の官僚はそんな柔い官僚はいないというふうに思っています。なかなかそこは、私からすれば、巧妙、したたかだというふうに思っています。
 私自身、元々、この本を書く中で、政治主導というのは、官僚のやる気を引き出して、そして官僚の持っている潜在能力というんですかね、こういうものをやはりうまく引き出して、国家国民のために仕事をするのが、これが私は政治主導だというふうに思っております。
 実は、私、かつて仕えました梶山静六さんという官房長官がおりまして、こういうことをいまだに鮮明に記憶に残っているんです。官僚から説明を受けるなと言われたんです、私。官僚から説明を受けるときは、その行間の中に自分たちがやりたいことをちゃんと忍ばせてきている、おまえなんかすぐだまされると、こういう表現だった、あの人、口が悪かったですから。ですから、とにかく、学者だとかあるいはマスコミだとか経済界とか、いろんな人を俺が紹介するから、まず自分で知識を持っていて、何を書いているかすぐ分かるようになるように勉強しろということを私言われたことをいまだに鮮明に記憶いたしております。
 ですから、そういう意味で、そんたくで評価されると思っている官僚というのは、そこはすぐ私は見破る力が自分で持っているというふうに思っていまして、少なくともそういう官僚はほとんどいないと、こういうふうに思っています。
#33
○石上俊雄君 官房長官、ありがとうございます。しっかりとした答弁をいただきましたが。
 平成二十六年の五月三十日、我々、民主党でしたけれども、そのときの法案には賛成しましたが、内閣人事局というのが設立されました。その内閣人事局というのは、そもそも省庁の壁を越えて、国益にかなう、国民に向けた、そういう政治をしていくんだということで、要は内閣人事局で幹部人事を、六百名ぐらいとその当時は書かれていましたが、しっかりと見ていくんだということですね。これをやることによって政治主導をしっかりとやっていくというのはよく分かって、それは私いいことだなと思ったんですが。
 しかし、それが余りグリップが利き過ぎると、省庁を今まで見ていたところが国民の方を見ないといけないということでそういう制度をつくったんですが、余りグリップを利かせると、省庁を飛び越えて内閣人事局の人事権を持っているところだけ見るようになって、結局そこにそんたくが働いてくるようなことにつながらなくもなきにしもあらずなので、是非その辺はしっかりと今後見ていっていただきたいなということでございます。是非よろしくお願いします。
 官房長官に対する質問はこの後ももうちょっとありますので、お付き合いください。
 次が、早速決算の質問に入りたいと思いますが、一つ目のずさんな物品管理についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 平成二十七年度の決算報告書で、内閣官房及び内閣府本府におけるずさんな物品管理というものが指摘されているわけであります。
 今日はいろいろ資料を作ってまいりましたので、見ながら聞いていただければと思いますが、資料の一の@のところに内閣府大臣官房会計担当が管理するべく重要物品ですね、二千七百四十九件あるわけでありますが、そのうちの、物品管理簿に記録されているが現物が確認できないものが二百件あったということでございます。金額的にかなりでかいんですね。二百個で六十四億円ですよ。これ、一個自体がかなり高いんじゃないかと思うんですが。
 そこでお伺いしたいというふうに思うんですが、この二百個、どのようなものか、できればその品名とか価格ですね、これ参考になるようなことも教えていただきながら、使用状況も含めて、不明になった理由がどこにあるのか、ちょっと教えていただければと思うんです。
 これ、前後関係と比較するとやはり何か特徴があるんじゃないかというふうに思っていまして、改善するにはそこをしっかりと見詰めないといけないと思いますので、お聞かせいただけますか。
#34
○政府参考人(河内隆君) お答え申し上げます。
 お尋ねのありました、内閣府大臣官房会計担当参事官が物品管理官で、かつ現物が確認できないと指摘を受けました重要物品二百個のうち、ほぼ九割、八九・五%、二百個のうちの百七十九個が中央防災無線網関係の機器でございます。残り一割、二十一個が情報システムに係る機器や事務用機器等となっているところでございます。品目や価格の代表的なものを申し上げますと、平成九年度に取得をいたしました中央防災無線網を構成する多重無線装置一式、取得価格約九億五千五百五十七万円や、平成十一年度に取得しました衛星通信用地球局設備、取得価格約七億八千三百五十五万円等々でございます。
 会計検査院から現物が確認できないとの御指摘を受けた物品のほとんどは、機器更新に伴い高機能機器への入替えにより不用となったものや、執務室の移転により規格が合わなくなったことにより不用となったもの、経年劣化により不用となったものでございますが、法令に定める所要の手続を経ることなく破棄され、物品管理等に記録が残されたままとなっていたものと判明をしたところでございます。つまり、廃棄に当たりまして業者に不用物品を引き取らせるための契約事務は適正になされていたものの、当該物品が引き取られた際、担当職員から物品供用官へ情報が伝わらず、物品管理簿に記載するという事務の基本ができていなかったものでございます。
 今回のこのような事態を招いたことを重く受け止めております。この発生原因としては、何よりも物品を適正に管理する重要性に対する認識の欠如が挙げられます。また、頻繁な組織の新設、統廃合に伴い執務室が移転している状況や、直接管理する建物以外で物品が設置されている状況に即しまして物品を適切に管理する連絡体制が整備されていなかったこと、物品検査が適切に行われていなかったことが考えられるところでございます。これらを踏まえまして、今後、再発防止に努めてまいる所存でございます。
 以上でございます。
#35
○石上俊雄君 ありがとうございました。
 資料の一の下の方を見ていただきますと、国全体で物品管理法上管理するのが必要な物品というのは、二十七年度で十二兆四千億強あるわけですね。これやっぱり極めて大きいというのは皆さんも御理解いただけると思うんですが、その中で何でこういう二百件というのが出てきたかというと、やっぱり、執務室が移動するとかそういうことがあってちょっと分からなくなっちゃうんですということなんです。
 資料二に書かせていただいて、この辺は、質問主意書でも同僚の長妻先生等が指摘をしていただいたときに、そこの中で回答があるわけなんですね。研修をやるとか、先ほどもちょっとありましたが、やっぱり、重要性を認識するとか周知するとかということだけで本当にこの問題が解決するかというところの本質のところをついていかないといけないというふうに思うわけであります。
 そこで、会計検査院の方にお聞きしたいんですが、やっていなかったことをやらせる、これしっかりやらせるというのが、今まで会計検査院の指摘、これはやっぱり一つの仕事だというふうに思うんですけれども、更に一歩踏み込んで、更に改善をさせていくためにもっと検査院として指摘していったらどうかなというふうに思うんですけれども、検査院のお考えをお聞かせください。
#36
○説明員(鈴土靖君) お答えいたします。
 先ほど御紹介いただきました会計検査院の指摘でございますけれども、その問題の発生原因につきましては、先ほども御説明ありましたように、内閣官房及び内閣府本府において、物品管理法等に基づき物品を適正に管理することの重要性に対する認識が欠け、また物品検査が適切に行われていないことなどによると認められたというものでございます。したがいまして、是正改善の処置として、物品の管理等に関する研修の定期的な実施のほか、物品検査が適切に行われるよう連絡体制を整備したり、執務室移転等の際の物品検査を行うよう事務手続を定めたりすることなどを求めたものでございます。
 物品の管理を適正に行うために、委員御指摘のような新しい管理手法といったようなものを導入するか否かといったようなことにつきましては、一義的には物品管理法において、その所管に属する物品を管理するものとされている各省各庁の長において検討されるべきものと承知しておりますが、いずれにいたしましても、会計検査院といたしましては、委員の問題意識も参考にさせていただきながら、引き続き多角的な観点からしっかりと検査してまいりたいと考えております。
#37
○石上俊雄君 ありがとうございました。
 なかなか、会計検査院としては、やるべきことをやっていなかったというところを指摘して、何とかこの管理を充実させるというところにどうしても何かとどまるということでありますから、是非それを受け止めて、各省庁としては、やはり国民の皆様方の税金で物を買っているので、意識は持っていただくというのは当然ですが、しかし、物理的にどうしてもというところがやっぱり出てきますので、そういったときは、資料にも付けてありますが、RFIDといって、電子タグというのが最近はやって、はやってというか、普及してきていますから、それを貼り付けて登録というか管理の簡略化とかをやればもっと管理がやりやすくなるんじゃないかということですよ。
 そういうことで、そういったところは会計検査院はなかなか突っ込んで言えませんが、是非省庁として受け止めていただいて、是非省庁の中でこの登録というか、管理の効率化を進めていただきたいと、そういうふうに思うわけであります。特に、先ほど、無線機器というのは高額なものが結構多いわけでありますから、質問主意書の中には、個人的に何か持っていっちゃったとかそういうのはないということでありますので、それはいいんですが、しっかりと管理するべきだと思うので、高額なものとかには特にアクティブなRFIDというのもあるわけでありますので、是非そういったものを使いながら物品管理を進めるように、官房長官、指導していただきたいと思いますが、お考えをお聞かせください。
#38
○国務大臣(菅義偉君) まず冒頭、委員の御指摘、ごもっともであります。そして、私自身、全体の責任者であります。今回のこの事態につきましては誠に遺憾であって、心からおわびを申し上げたいというふうに思います。
 今、委員から御指摘をいただきましたこのRFID、こうしたものも含めて、今後二度と再びこうしたことが起きないように、しっかりと責任を持って実行に移したいと思います。
#39
○石上俊雄君 ありがとうございます。是非、徹底をお願いしたいと思います。
 官房長官に対する質問、以上で終わりますので、御退室いただいても構いません。委員長の御判断をお願いします。
#40
○委員長(岡田広君) 菅内閣官房長官、御退席いただいて結構です。
#41
○石上俊雄君 続きまして、府省等が保有する研修施設の有効活用についてお伺いをさせていただきます。
 資料二のAに書かさせていただきましたが、経産省が都内で、東村山市なんですけれども、保有する経済産業研修所というものがございます。まずは、この研修所の施設内容、さらにはその稼働状況がどれくらいか、そして、稼働状況が少ないときに、この期間の施設利用をほかの機関に呼びかけたかということを含めて、経産省、教えていただけますでしょうか。
#42
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 委員御指摘にありました経済産業研修所でございますけれども、東京都東村山市に所在しておりまして、教室が十八室で四百八十人収容可能でございます。宿泊施設が百七十八室、合計で百七十八人収容可能となっております。稼働率でございますけれども、平成二十七年度の実績で、教室については五六・三%、宿泊施設については一八・七%となっております。
 経済産業省といたしましては、研修所の活用に向けまして、当然のことながら、当省職員向けの研修の継続的な改善充実はもとよりでございますけれども、他省庁あるいは所管独法、それから近隣の自治体などの他機関に対しまして研修所の使用を呼びかけますとともに、昨年十二月には、近隣の会議施設等の料金も踏まえまして、研修所を他機関が使用する際の料金の引下げなども行ってきております。平成二十八年度でございますけれども、教室の稼働率は五八%、宿泊室は二二%と多少改善の傾向を見せております。
 引き続き、他機関への貸出しを含めまして、研修所の一層の活用に取り組んでまいりたいと考えております。
#43
○石上俊雄君 是非有効な活用をお願いしたいわけでありますが、資料三のAの方を見ていただきますと、今全体でこういう研修施設がどれくらいあるかということを見ますと、百三十六あるんです。そのうちの宿泊施設があるものが九十あるんですね。とはいっても、総じて見て、なかなか利用率というのはそんなにすばらしく高いわけじゃないわけなんです。
 その中で、先ほどもちょっと言いましたが、ほかの関係機関に有効利用を何か言ったかという、こういうことを先ほど申し上げたわけでありますが、しかしそこには一つ課題があって、宿泊に対することを、要は、料金を取って使いませんかとお願いをするとどうも旅館業法に抵触するという心配があるようで、なかなかそういったのを具体的にできないということも聞くわけでありますが、実際にその府省が持っている研修所の宿泊施設を宿泊料を徴収して使用の承認をほかの機関に対して行うと、要は旅館業法に抵触をするのかどうか、厚労省、教えていただけますでしょうか。
#44
○政府参考人(北島智子君) お答えいたします。
 宿泊料を受けて人を宿泊させる営業を行う場合には、原則として、旅館業法に基づき旅館業の営業許可を取得する必要があります。したがいまして、旅館業の許可を得ずに宿泊料を受けて人を宿泊させる営業を行えば旅館業法に違反、これは無許可営業ということになると考えられます。無許可営業者に対しましては六か月以下の懲役又は三万円以下の罰金が科せられているところ、無許可営業者に対する罰金の上限額を百万円に引き上げることなどを内容とする旅館業法の改正法案を今国会に提出したところでございます。
 他方、無料で人を宿泊させる場合や体験事業の体験料の実費のみを受ける場合などは無許可営業に当たらないと考えられますが、無許可営業に当たるかどうか、個別のケースごとに判断されるものと考えております。
#45
○石上俊雄君 こういう課題も一つあるんですね。施設はあるのは分かる、さらにはその利用状況が少なくて何とかせぬといかぬというか、本当に使うべきものだったらやっぱり残しておかないといけないですから、有効活用するべくいろいろ方策は打つわけでありますが、しかし法的な制約も出てくるという、こういうものがありまして、じゃ、今に始まった話かというと、資料の三の@のところに書いてありますが、平成十七年と平成二十三年、この決算委員会で決議をされた内容を提出させていただいた経緯があるんです。ほとんど同じ内容ですね。有効活用しなさいというんですが、なかなかこの過去に出したものが反映されずに、現在また同じような指摘を受けているというのがこの現状なんです。
 そこでお聞きしていきたいというふうに思うんですが、検査院からは、先ほど言った決算報告書には所見が書いてあるんですね、検査院の。その所見が書いてあるにもかかわらず、さらには決算委員会で決議したにもかかわらず、なかなか前に進まない、各府省の保有する研修施設の有効活用が先に進まない。そして、これはいろいろ聞いてみますと、内閣人事局の所管外だというふうな話も聞くわけでございます。
 そこで山本大臣にお聞きしたいんですが、政府の中で指摘されたことがなかなか改善されない、先ほどPDCAサイクルと出ましたが、なかなかこのサイクルが回らない、そこの原因というか要因はどこにあるのか、ちょっと御認識をお伺いしたいと思います。
#46
○国務大臣(山本幸三君) 内閣人事局は、縦割り行政の弊害を排して、各府省一体となった行政運営を確保するとともに、政府としての総合的人材戦略を確立するために、平成二十六年の国家公務員法等の一部改正により設置されました。
 研修に関しましては、内閣人事局は、各府省等の実施する研修についての総合的企画及び調整を担っておりまして、各府省等において研修が効果的、効率的に実施されるよう、これまでも各府省等に対し研修内容の改善に努めることや相互の連携協力等を求めてきたところでございます。
 ただ、今般の会計検査院の報告書でいろいろ指摘を受けました。そこで、各府省等における効果的な研修の実施がしっかりと図られるように、他府省等への貸出しが可能な研修施設についてどういうものがあるか取りまとめて、それを活用しろというような御指摘もありましたので、先般、これを取りまとめまして、先月の三月三十一日付けで各府省等に対して情報提供したところでございます。そういう意味で、そうした取組によって、是非、効果的、有効な活用がなされてもらうようにお願いしたいところであります。
 今後とも、各府省等における研修が効果的、効率的に実施されるよう、必要な情報提供等に努めてまいりたいと思っております。
#47
○石上俊雄君 是非、効率的な使用というか、環境ができるようにお願いしたいと思うんです。あれば便利というのは分かります。しかし、これもただ単に持っておくだけだとお金掛かっちゃいますので、そこはやっぱりめり張りを付けて、統合できるところは統合するというようなことも視野に入れながら、今後しっかりと検討していただきたいと、そういうふうに思います。
 最後のテーマになりますが、三つ目です。昨年四月の随時報告で指摘された原子力災害対策施設の整備についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 ちなみに、四の資料の@のところは、これは、柏崎市の防災ガイドブックということで、自慢じゃないですが、私の実家が柏崎市にありまして、コピーして入れておきました。こういうのが原子力発電所があるところの地域には配られるんです、避難計画ということで。
 私の実家は柏崎刈羽原子力発電所から十キロぐらいのところなので、エリア的にいうとUPZというところに入るわけですね。原子力発電所の近くの五キロ圏内、PAZの方々は、何かあったときには即避難する。だから、要配慮者の方はその前段で、みんなが逃げる前に動き出すというような、しっかりとしたこういうものが出されているわけなんですね。
 そこで、いろいろちょっとお聞きしていきたいんですが、まず、資料の四のAに記しておきましたけれども、昨年の四月の随時報告書の中で、原発の一時退避所における水、食料、電源用の燃料の備蓄不足、さらにはオフサイトセンターにおける電源用燃料の備蓄不足、おおむね一週間程度稼働するのに、物がなかったということですね。三番の放射線に関する知識の普及啓発のための放射線測定器の未活用問題というのが、三つ指摘されているんです。
 これは一年前に指摘されているので、その後どうなっているのか、何でそういうふうな方向になっちゃったのかといったところを、内閣府、御説明いただけますでしょうか。
#48
○政府参考人(平井興宣君) お答えいたします。
 平成二十八年度四月の会計検査院の報告書において、平成二十四年、平成二十五年度の原子力災害対策施設整備費補助金により整備された放射線防護対策施設百四十か所のうち、百六か所で水、食料等の備蓄品が整備されておらず、五十九か所で非常用電源装置の連続稼働日数が道府県が設定した屋内退避可能な日数を下回っている、平成二十四年度補正予算の原子力発電施設周辺地域防災対策交付金で購入した放射線測定器八千六百七十二台のうち、六千七百二十九台が一度も普及啓発に活用されていないという指摘を受けたところでございます。
 道府県は、この会計検査院の指摘を踏まえ、まず、水、食料等が未整備の百六か所の施設について、平成二十七年度の原子力災害対策事業費補助金により水、食料費を購入し、必要な日数分を確保しました。また、燃料が不足している五十九か所の施設については、五十五か所の施設において県と県石油組合等との燃料の供給に関する協定等を締結いたしました。また、残りの四か所については、平成二十九年度中に順次締結する予定でございます。
 原子力発電施設周辺地域防災対策交付金で購入した放射線測定器のうち普及等に活用されていないものは、説明会や訓練等で四千百九十八台を住民の普及啓発のために活用いたしました。これらについては、今後も機会を捉えて継続的に活用してまいります。また、現時点で未活用の二千五百三十台についても、平成二十九年度中には説明会や訓練等で住民への普及啓発のために活用することといたしております。
 内閣府といたしましては、会計検査院の指摘事項を重く受け止めており、これまで以上に適切に予算を執行するよう道府県に指導していくとともに、引き続き住民の安全、安心を旨として、避難計画を中心とした原子力防災体制の充実強化に取り組んでまいります。
#49
○石上俊雄君 是非、充実をさせていただきたいというふうに思います。
 これ、特殊なんですね。オフサイトセンターとか一時退避所というのは、陽圧にして中に空気が入ってこないように、外に出ていくように、そういうふうなことをするということで特別な施設になって、そこに備蓄するということになるわけでありますが、しかし、その備蓄を、じゃ、どれだけやればいいかというのは、やっぱり基本になるのは避難計画だというふうに思っているわけであります。避難計画で、じゃ、どれくらいの人がここの一時退避所に来るんだろうかというのが分からないと、どれくらいのものを備えておいたらいいかというところに至らないんですね。
 そこの避難計画に対してどうなんだといったところも同じく指摘をされておりまして、資料の五の@に付けさせていただいておりますが、対象となる市町村が百三十五あるんです。そこの中で避難計画、地域防災計画というのがあるわけですが、避難計画があるところが九十六というところにとどまっているんですね。
 ここがちょっとよく分からなくて、五のAに資料を付けましたが、今、避難計画というのは、県の避難計画、市町村の避難計画、下の地域原子力防災協議会というところの避難計画と、この三つあるんです、三つ。この三つ存在するという法的な根拠というところと、それぞれどういうふうな役割分担になっているのかといったところをお聞きしたいんですね。
 さらに、原発の再稼働というのを求めていくと、やっぱり避難計画と言われるわけなんですが、この三つ、三者のものの避難計画がそろっていないと再稼働というのは認められないのかどうか、何か一つ抜けていても大丈夫なのかどうか。その辺を併せて、経産省、教えていただけますでしょうか。
#50
○政府参考人(平井興宣君) お答えいたします。
 災害対策基本法等に基づき、都道府県や市町村ではそれぞれ地域防災計画を作成することとされ、避難計画はこれに含まれます。市町村の計画は都道府県の計画に抵触するものであってはなりませんという規定がされております。一方で、地域原子力防災協議会では、これら自治体が作成する地域防災計画、避難計画の具体化、充実化を図り、原子力災害時における国の対応や関係道府県、市町村の地域防災計画、避難計画を緊急時対応として取りまとめることとしております。
 内閣府といたしましては、これらの地域防災計画、避難計画は原子力発電所が稼働するか否かにかかわらず作成し、継続的に充実強化を図っていくべきものと考えているところでございます。
#51
○石上俊雄君 この避難計画というのがなかなか難しくて、五の上の方の@を見ていただくと、いろいろこの修正がたくさん出てくるわけです、修正で。基本的な原子力災害対策指針というのが出るので、それを基に避難計画、県の避難計画とか市町村の避難計画をやっていくわけですが、その修正が出てきた瞬間に、瞬間というか、それへすぐ対応して市町村の避難計画を改善できていないというのが今現状ですよね、これは多分お分かりだと思うんですけど。多分、市町村の避難計画も二年掛かりとかで、相当細かなところまで、どこの区の人たちは何人、百何人いて、三歳以下の方が何人いて、その方々はどこにまず避難をしてという、そういう細かなところまで全部定めるので、市町村の避難計画って相当時間が掛かると思うんです。
 そんなときに、じゃ、果たして、市町村の避難計画と県の避難計画と先ほど言った地域原子力防災協議会のをどうやってやっていくのかについて、資料六にも付けましたが、それぞれに役割はあると思うんですね。市町村はその地域で市町村、県は市町村だけじゃなくてそこのエリアが、UPZという概念が出てきましたので、県の中でも様々交わるところがある、そこは県で見るんですね。さらには、県だけではなくて、いろいろ国全体の横のつながりをこの地域原子力防災協議会といったところがやりながらやるという、多分そういう仕組みだと思うんです。
 今現在うまく回っていると聞いています、うまく何となく回っていると。しかし、うまく回させる法的な根拠がないというのが現状じゃないでしょうかと思っているんです。そこの事実関係だけでもいいですから、ちょっと短めに答弁いただけますか。内閣府、お願いいたします。
#52
○委員長(岡田広君) 時間が来ております、簡潔にお願いします。
#53
○政府参考人(平井興宣君) お答えいたします。
 先ほどの市町村及び都道府県はそれぞれ防災対策基本法等に基づいた規定がされております。
 地域原子力防災協議会につきましては、これは防災対策基本法三十四条一項に基づき中央防災会議が作成する防災計画でございますが、それの原子力災害対策編一章第五節で定められております。これに基づきまして、国として前面に出まして市町村等を支援していくという仕組みになっております。
 以上です。
#54
○石上俊雄君 ありがとうございます。
 是非、やっぱり国が前面に出ないとこの話というのはうまくいきませんので、最後に大臣から国としてしっかりと地域を支援をしていくんだという決意をちょっとお聞かせいただけますでしょうか。
#55
○国務大臣(山本公一君) 原子力防災対策は具体性や実効性が重要でございまして、その作成を進めるに当たっては自治体単独では解決できない困難な問題が数多くございます。このため、内閣府としては、原子力発電所の立地地域ごとに地域原子力防災協議会を設置し、関係自治体間の調整や避難先の自治体との協議、原子力事業者やバス事業者等の民間企業との協議など、関係自治体と一体となってきめ細かな対応をしていきたいと思っております。
 国民の生命、身体、財産を守ることは政府の重大な責務でございまして、国としても、地域防災計画、避難計画の充実強化に全力で取り組んでまいりたいと思っております。
#56
○石上俊雄君 是非よろしくお願いします。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
#57
○三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。
 早速質問に入らせていただきます。
 社会保障と税制度の効率性、透明性を高め、国民の利便性の高い公平公正な社会を実現するため政府が整備を進めているマイナンバー制度についてお伺いをいたします。
 マイナンバー制度については、地方公共団体が行う制度の導入のために必要なシステムの整備に対して総務省が交付する補助金の歳出予算現額が二十六年度で七百二十億円、二十七年度で五百九十億円となっているなど、多額の関連予算が計上をされてまいりました。一方で、地方公共団体情報システム機構、すなわちJ―LISのシステム障害等によってマイナンバーカードの交付に遅れが生じたこと、また会計検査院が本年一月に公表をした随時報告に指摘事項があったことなど、制度運用に課題があることも承知をしております。しかし、国民の皆様にとって大変効果的な制度でもあり、今後推進していくことは、私は大切なことだというふうに考えております。
 これらの問題提起も踏まえつつ、マイナンバー制度の本格運用に際して、高市担当大臣の御認識と御決意を伺います。
#58
○国務大臣(高市早苗君) マイナンバー制度は、より公平で公正な社会保障制度ですとか税制の基盤であるということとともに、情報社会のインフラとして国民の皆様の利便性向上や行政の効率化に資するものでございます。
 マイナンバー制度を円滑に導入して利活用を推進するということが極めて重要だと考えております。
 その上で、特にマイナンバーカードの普及及び利活用の推進が重要ですので、三月十七日に、マイナンバーカードの利便性を高める取組を分かりやすく整理して進捗管理をしっかり行うということを目指しまして、新たにマイナンバーカード利活用推進ロードマップを策定して公表させていただきました。
 具体的には、カードの利用範囲の拡大のために、土日や時間外でも証明書が取得可能なコンビニ交付の利用促進、チケット、健康保険証としての利用やインターネットバンキングへのログインなど公的個人認証サービスの民間開放に伴う新たなサービスの実現、そして子育てワンストップサービスの導入などマイナポータルの利便性向上、そしてさらにはスマートフォンやテレビなどカードが利用できるアクセス手段の多様化といったことに取り組むことにいたしております。
 また、情報提供ネットワークシステムによる行政機関間の情報連携の本格運用が開始されますと、社会保障給付などの申請時に必要とされる住民票の写しですとか住民税の課税証明書など添付書類を省略することができます。また、マイナポータルでは暮らしに係る利便性の高い官民のオンラインサービスの提供を目指しておりまして、まずは、地方団体の子育て関連施策を検索し、閲覧し、保育所の入園申請ですとか児童手当の現況届などオンラインで申請できる子育てワンストップサービスを提供できるように今一生懸命準備を進めておりますので、引き続き、このカードの普及と、それから本年秋頃の情報連携ですとかマイナポータルの円滑な本格運用の開始に向けて、関係省庁多うございますので、より一層連携を強化して取り組んでまいります。
#59
○三浦信祐君 ありがとうございます。今テストをされておりますので、是非万全の体制で臨んでいただければというふうに思います。
 さて、日本学生支援機構の奨学金貸与事業もマイナンバー制度を利用できる事業とされております。しかし、機構によりますと、マイナンバーの利用によって奨学金の申込み及び返還に係る各種申請等の手続において利便性の向上が期待されているとしているものの、具体的な利用方法等については現在検討を進めている段階とされております。
 文科省として、機構の奨学金貸与事業にてマイナンバーが利用された場合、奨学金を利用した方、また事務担当者の面からどの程度メリットがあると想定をされているか、分かりやすく答弁をいただきたいと思います。また、利用のために必要なシステム改修等についても併せて樋口政務官に伺います。
#60
○大臣政務官(樋口尚也君) お答え申し上げます。
 大きく三点メリットを想定しております。
 一点目は、日本学生支援機構の奨学金は約百三十万人の学生が利用しておるところでございまして、また四百万人の方が返還をされておりますが、これらの方々には、従来、所得証明書等の提出や住居の移動の連絡等を求めておりましたが、マイナンバーを利用していただく場合はこれらの手続が不要となります。手続に掛かる手間が大幅に軽減されるとともに、郵送料等のコストの面からも大きなメリットがあるというふうに思っております。
 二つ目に、マイナンバーを利用することで卒業後の所得に合わせた返還月額を設定する所得連動返還型奨学金制度の導入が可能となりました。これによりまして、本年度の進学者から、当該制度を活用していただくことにより、所得が低い場合には大幅な返還負担の軽減が図られることとなりました。
 三点目に、マイナンバーにより日本学生支援機構の事務処理に係る業務も大幅に簡素化される見込みでございます。
 次に、システム改修費でございますが、日本学生支援機構においては平成二十六年度よりシステム改修を行っております。平成三十年度に整備を終える予定でありまして、そのための開発費が五年間で約六十五億円でございます。
 以上です。
#61
○三浦信祐君 ありがとうございます。
 実は、給付型奨学金、対象の方というのは経済的に大変負担が大きい方に支給するということになりました。例えば住民票一つ取るにしても、交通費が掛かって、そして手数料も掛かる。それを削減するというのは大変にいいことだと思いますので、しっかり準備をしていただきたいと思います。
 さて、関係各位の努力によりまして返還不要の給付型奨学金制度が開始されることになりましたが、平成二十七年度において機構の有利子及び無利子奨学金の貸与者数は百三十二万三千六百八十八人に上り、返済滞納者も平成二十六年末の時点で三十二万八千三百八十六人となっております。マイナンバーを利用することで奨学金の支給、貸与及び返還業務における利便性が向上するということは、今答弁をいただいたように望ましいことだと考えております。
 一方で、貸与者に対する過度の取立て等の手段とされることになってはならないと思います。すなわち、申請手続が簡易になって事務処理手続作業がスピードアップすることに合わせて取立てのスピードが事務的に上がってはいけないと思います。どこまでも状況把握、これを第一にすべきだと私は思います。
 機構による奨学金支給、貸与及び返還業務におけるマイナンバーの利用に関し文科省として指針を示す、また機構との間で協議を行っているか、文科省に伺います。
#62
○政府参考人(松尾泰樹君) お答えいたします。
 日本学生支援機構が実施する大学等の奨学金事業におけるマイナンバーの利用でございますが、ただいま樋口政務官の方からも御答弁しましたように、基本的に奨学金に係る手続の簡素化、そしてまた新たに導入いたします所得連動返還型奨学金制度を通じた返還負担の軽減のために行うことを旨としてございます。奨学金の回収に当たってということでございますが、これまでと同様、関係法令及び日本学生支援機構が定める規定に基づき返還を求めることとしてございます。マイナンバーの利用によりまして返還月額が過大になるとか、あるいは返還時期が早まるといった過度な回収が行われることはないというふうに承知してございます。
 奨学金事業におけるマイナンバーの利用に当たりましては、奨学金の貸与を受けようとする生徒、学生、そしてまた卒業後に返還する方の利便性に資するというその視点から適切に対応してまいりたいと考えております。
#63
○三浦信祐君 是非、そのとおりにお願いしたいと思います。誤解が生じて、マイナンバーが使われるから奨学金借りません、大学進学はしませんという原因をつくっては絶対にいけないと思いますので、是非そこは徹底をしていただきたいというふうに思います。
 マイナンバー制度は、今ありましたように情報管理が心配だとか、監視社会になるのではないか、またカードの入手に手間が掛かる等、どうしてもネガティブなイメージが先行してきた感もあります。マイナンバー制度の理解には、先ほど答弁いただきましたように、生活の上で具体的に便利になった、手間が省けるようになったなど、僅かなことですけれども、国民の皆さんにとってメリットがある具体的な体験をしていただくことが不可欠だというふうに思います。特に、若い世代がこのメリットを享受することで、マイナンバー制度が効果的に活用できるんだよと、これ、口コミ効果というのも多分あると思いますし、世論形成が生まれることだと思います。
 奨学金制度にマイナンバーを活用していくということは、この点から見ても私は大変に効果があると考えますけれども、御所見いかがでしょうか。その上で、本制度の今後の展開や広報、この広めていくということが極めて大事じゃないかなというふうに思いますので、今後どのような想定をされているかも含め、担当大臣に御答弁いただきたいと思います。
#64
○国務大臣(高市早苗君) 今、三浦委員がおっしゃっていただいたとおり、特に若い方向けのまず広報というのも重要だと思っております。これまでも新社会人向けのテレビCM、新聞広告も出してまいりましたし、マイナンバーをテーマにしたラップ動画の作成もしました。また、文部科学省と連携して中学校三年生向けの副教材の作成などを展開してまいりました。
 ただ、実は去年、市区町村の窓口にまだ住民の皆様にお配りし切れないマイナンバーカードが滞留するという事態が起きましたので、その時期には少し申請数を、過剰になっても困るなというのがありまして広報を抑制していた時期がございました。しかしながら、滞留も解消しましたので、これからはマイナンバーカードの普及促進、それから制度を一層よく御理解いただくこと、それからまた利便性の積極的なPRにしっかり努めてまいりたいと思っております。
 それから、今委員もお触れになりましたが、マイナンバー制度に関しては、個人情報が漏洩するのではないかといった不安や懸念が国民の皆様にあることは承知しております。個人情報保護のために、マイナンバー制度では個人情報を一元管理せず分散管理を実施するということなど、法令面、システム面でまず様々な対策を講じています。また、マイナンバーカードについても、ICチップには税とか年金などプライバシー性の高い情報というのは記録されません。ICチップに内蔵している公的個人認証機能もマイナンバーそのものは使用をしません。
 こういったことを丁寧に説明していくということとともに、先ほど申し上げましたマイナンバーカード利活用推進ロードマップも活用しながら、若い方々始め国民の皆様全体にマイナンバー制度の意義ですとか利便性、十分に御理解いただけるように周知、広報に努めてまいります。
#65
○三浦信祐君 改めまして、大切な今年だと思いますので、しっかり取り組んでいただきたいというふうにお願いいたします。
 次に、待機児童に関して伺いたいと思います。
 都市部を中心に、国の基準を満たす認可保育所の整備が保育需要に追い付いていないというのが現状だと思います。このため、親の就労や病気等の入所要件を満たしながら認可保育所や認可外施設に入れない待機児童数は、平成二十八年四月の時点で全国で二万三千五百五十三人に上っております。
 政府は、待機児童解消加速化プランにより、保育需要がピークとなる二十九年度末までに五十万人分の保育の受皿を確保するとしておりますけれども、統計に表れない隠れ待機児童が六万七千三百五十四名に上っております。保育士の不足に加え、保育所建設が周辺住民の反対で難航するケースが続出するなど、待機児童ゼロ目標の達成が危ぶまれているということも認識をしております。昨日、私も知人から無事保育所に入れたとほっとした顔で言われました。我が国において、この無事という言葉なしに保育所に入れる社会づくりが私は不可欠だと思います。
 待機児童解消のために実施してきたこれまでの施策の成果と、待機児童ゼロ目標達成の見通しについて、加藤担当大臣に伺います。
#66
○国務大臣(加藤勝信君) 子ども・子育て新支援制度においては、年平均十一万人ペースで保育の受皿整備を図り、また毎年度保育士の処遇改善に取り組むなど、子ども・子育て支援の質の向上と量的拡充に努めてきたところでございます。
 また、先般御成立をいただきました今年度予算においても、ニッポン一億総活躍プランに掲げております全職員についての二%の改善に加えて、キャリアアップの仕組みとしての経験年数がおおむね七年以上の中堅職員に対する月額四万円の改善などの保育士の処遇改善、また保育の受皿整備の更なる推進などを盛り込んでいるところでありまして、こうした施策を着実に進めていきたいと思っておりますが、ただ、今、足下、今委員御指摘のように、働く女性が増え、また保育の利用が急速に増加していく中、残念ながら地域によってはいまだ保育所になかなか入り難いという状況が続いているというふうに認識しております。
 そういう中においても、引き続き、待機児童解消に向けて、現在の目標、これをしっかりとまず維持をしていきたいと思っておりますし、また平成三十年度を越えて引き続き待機児童ゼロを目指していくため、新たなプランを六月に決定したいというふうに考えているところでございます。
#67
○三浦信祐君 是非進めていただきたいというふうに思います。
 今回、待機児童の定義の見直しがなされました。待機児童の定義いかんによってはハード、ソフト両面での対策が必要になるというふうに思います。そのような中、姫路市の認定こども園において、定員超過や保育士数の水増し等の法令違反が市による定期検査では発見されないなどの事態が発生をしております。保育の質をいかに確保するかということも喫緊の課題となっています。
 そこで、待機児童の定義見直しの方向性や、認可外施設を含めた保育所施設に対する検査体制の強化の必要性等について、厚生労働省の見解を伺います。
#68
○政府参考人(吉本明子君) お答えいたします。
 まず、待機児童の調査、把握の仕方でございますけれども、これにつきましては、昨年の九月以降、検討会を行ってまいりまして、先般、三月三十日に検討会の報告がまとまったところでございます。
 その中におきましては、例えば育児休業中の者をどう取り扱うかなど、これまでの市区町村ごとの不合理な運用上の取扱いのばらつきがあったものについてそれを是正すること、また各市町村が保護者の意向や状況を積極的かつ丁寧に把握して利用可能な保育園の情報を提供するなど、保護者のニーズに合った寄り添う支援を行うことが重要であるといったまとめを行っていただいたところでございます。
 これを踏まえまして、翌三月三十一日に、厚生労働省から各自治体宛て、新しい調査要領を示したところでございまして、これに基づきまして待機児童数を調査していきたいというふうに考えているところでございます。
 そしてもう一点、認可外保育施設に対する指導監督につきましてお答え申し上げます。
 これにつきましては、厚生労働省の方から指導監督の方法について通知で示しているところでございます。児童福祉法上の届出の対象となる認可外保育施設につきまして、原則年一回以上の立入調査を行うほか、さらに、必要に応じては事前通告をせず立入調査を行うことを示しているところでございます。
 さらに、そうした調査のみならず、日常的な巡回をすることによる支援、指導が必要だということで、平成二十九年度予算におきましては、そのための巡回支援指導員の配置といった自治体に対する補助を盛り込んでいるところでございます。
#69
○三浦信祐君 ありがとうございます。
 親御さんにとって安心して保育園に預けられるという社会をつくるためには様々な施策が必要だと思いますので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 さて、国は、児童福祉法等に基づいて市町村が実施する地域子育て支援拠点事業を助成するために、平成二十五年度に子育て支援対策臨時特例交付金を交付して、二十六年度には保育緊急確保事業費補助金を交付をしています。
 拠点事業については、従来、厚生労働省の所管となっておりましたが、子ども・子育て支援法等の制定に伴い、二十六年度以降の補助金の交付事務は内閣府が行っております。
 会計検査院の検査では、実施要綱等では、補助金の交付額の算定に当たり加算分を算定できるのは市町村から委託を受けた第三者が子育て支援展開取組を実施する場合となっているにもかかわらず、十一府県内、十五市町において、委託していないのに加算分を誤って算定し補助金が過大に交付されているという事態が明らかとなっております。要綱の解釈、読み違いに起因することがあるのではないでしょうか。会計検査院に指摘された問題の背景、今後の対策、改善等について、厚生労働省に伺います。
#70
○政府参考人(吉本明子君) ただいま御指摘がございましたとおり、地域子育て支援拠点事業の加算につきまして、市町村が当該取組を第三者に対する委託等により実施する場合に加算の仕組みがあるわけでございますが、実態といたしましては、会計実地検査におきまして、この加算分を過大に交付されている事案が十一府県管内の十五市町において見受けられたとされたところでございます。
 この原因といたしましては、一つは実施要綱上で市町村からの委託等によるといったこの要件が必ずしも明確ではないということ、また自治体において加算の算定の趣旨についての御理解が十分じゃないといったことが挙げられていたところでございまして、この指摘を受けまして、実施要綱をこの度改正をいたしまして、加算分を算定できるのは市町村以外の者が取組を実施する場合である旨をより明確に規定いたしまして、ちょうど本日になりますが、四月三日付けでその通知を発出したところでございます。
#71
○三浦信祐君 ありがとうございます。事務の手続が大変な中でもありますので、今後とも不断の努力をしていただきたいと思います。
 次に、ちょっと話題が変わりますけれども、案内用図記号、ピクトグラムについて伺います。
 ラグビーワールドカップ、オリンピック・パラリンピック開催など、スポーツビッグイベントを控えて、また観光立国推進を目指し外国人観光客四千万人時代への対応として、案内板や道路標識などの整備の加速が必要であるというふうに思っております。
 今回、ピクトグラムについて、ISO基準のものとの整合性を考慮しているものと承知しております。ピクトグラムの活用は、一九六四年、東京オリンピックの際に始まりました。日本発案のピクトグラムで有名なところは非常口のマークで、今では飛行機にも活用されていて世界的にも有名となっております。
 一方で、清潔で便利として世界で高い評価を受け日本の価値を高めているトイレ、ここに目を向けますと、水を流すフラッシュボタンというのは各社ばらばらで分かりづらくなっております。おもてなし国家として、ピクトグラムの活用と新たな展開について、検討状況及び今後のビジョンについて世耕大臣に伺います。
#72
○国務大臣(世耕弘成君) 今、インバウンドの観光客が増えていて、そしてこれからラグビーワールドカップ、そして東京オリンピック・パラリンピック、海外からのお客さんがどんどん増えてくる中で、そういった方々が迷わないように、ピクトグラムをきちっと整備していくというのは非常に重要だと思っています。
 ただ、若干、日本のピクトグラム、JIS規格とISO規格にずれがあるようなところが出てきている、あるいは今までなかったようなものもこれはやはりピクトグラムにした方がいいというものが出てきているということで、今、昨年七月から有識者会議を開催をいたしまして、つい先月、ISOとの整合化を図る観点から、有名なところでは温泉マークとか、あるいは空港の乗り継ぎマーク、こういったものを始めとする七種類のJISの規格を見直す最終案を取りまとめたところであります。今後、必要な手続を経て、七月二十日付けでJISを改定する予定であります。
 また、新たな記号の追加ということで、例えば無線LANですとかあるいは海外発行のカードが使えるATMですとか、あとオストメイト、人工肛門の方が使うやつですね、こういったものを新たに追加をしていくということも検討中であります。
 また一方で、日本が強みを持つトイレ製品に関しては、まず、洗浄ボタンですとか、あと緊急呼出しボタン、これの配置の位置とかについて日本が提案をして二〇一五年十二月にもう既に国際標準化が行われております。今、既に公共施設の多機能トイレなんかはこの基準に従って設置をされているわけでありますが、今後はさらにウォシュレット、これはもう圧倒的に日本なわけですけれども、これの開閉ボタンですとか洗浄ボタンなどの機能を示す操作ボタンの図柄についても、三月に日本が提案を行って国際標準の獲得を今目指しているところであります。
 いずれにしても、関係省庁ともよく連携をしながら、引き続きピクトグラムをしっかりと推進をしてまいりたいと思います。
#73
○三浦信祐君 日本の得意技でまた新たな歴史をつくっていく、そしてそれが世界に発展をすることによってプレゼンスを保っていくということにも是非お力を注いでいただきたいというふうに思います。
 続きまして、昨年の送電インフラの経年劣化等により生じた首都圏の大規模停電、再発防止策、バックアップ体制及び生じ得る可能性への対策について現時点での対応状況を伺いたいと思いますが、特に二〇二〇年オリンピック・パラリンピック開催するに当たりましては、送電安定化への努力というのは不可欠だと思います。セキュリティー強化というのも欠かすことはできません。高度成長期以降の送電設備などの老朽化対策、機器更新を積極的に進めるべきであると思いますが、現在の取組について併せて経産省に伺います。
#74
○政府参考人(住田孝之君) 昨年十月には、延べ五十八・六万戸もの大規模停電が都内で発生をいたしました。国民生活への影響の大きさを踏まえまして、発生の当日に東京電力に対しまして早期の原因究明と再発防止を指示をいたしました。また、その際に、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を見据えて、中長期的なリスク管理対策もしっかり講ずるよう指示をしたところでございます。
 これを受けまして、東京電力から報告をさせておりますけれども、先月十五日には対応状況についての報告が行われました。
 この報告によりますと、今回の火災の原因、これが経年劣化にあったということが明確になったところであります。そして、経年化をしております設備の対策あるいは適切な時期での設備更新、これが極めて重要な課題だというふうに認識をしておるところでございます。
 そこで、これまでの指導等を踏まえまして、東京電力におきましては、ケーブルの劣化の状況を速やかに把握をする、そして必要な対処ができるというようにするために、いわゆるIoT、センサー等でございますけれども、これを活用した最新の監視装置の導入を決定をしたところでございます。また、都内の重要路線における古い送電ケーブルの取替えを順次進めていくということとともに、さらには送電設備の点検手法を高度化するといったようなことを通じて設備の経年化対策を加速するということにしておるところでございます。
 経産省といたしましては、引き続き東京電力の取組をフォローアップするとともに、必要に応じて追加的な対策を検討してまいりたいというふうに考えてございます。
#75
○三浦信祐君 是非お願いします。
 次に、エネルギー基本計画に基づいて、平成二十七年の七月、二〇三〇年度のエネルギー需給見通しが示されております。再生可能エネルギーは二二から二四%、原子力は二〇から二二%、この電源構成比の実現を図るためには、二十八年の四月にはエネルギー革新戦略が策定をされております。望ましい電源構成比実現のための具体的工程、特に原子力発電についてのスケジュールはどのようにお考えになっているんでしょうか、世耕大臣に伺います。
#76
○国務大臣(世耕弘成君) 今、エネルギーミックスを二〇三〇年度に達成するという目標に向けて作業が進んでいっているわけでありますけれども、まず再生可能エネルギーについては、これは国民負担を抑制するという視点が非常に重要でありまして、しかし一方で、できる限り最大限導入をしていくということで、昨年五月に成立しました改正FIT法、これが四月一日より施行されましたので、今後は、例えば今年の秋からは大規模太陽光を対象とした入札制を実施するなど、この制度をフル活用しながら再生可能エネルギーの着実な導入、運用に努めてまいりたいというふうに思っています。
 また、火力発電もやはりこれは重要でありまして、特に火力発電の場合はCO2をいかに抑えるかということが重要になりますので、低炭素化をしっかり進めていくことが重要であります。これは、省エネ法などを活用して高効率化を促す規制の枠組みを昨年四月に構築したところでありますから、これをしっかりフォローアップをしていきたいというふうに思っています。
 そして、原子力発電については、優れた安定供給性と効率性を有しているということ、また運転コストが低廉で変動も少ない、運転時に温室効果ガスの排出もないということから、安全性の確保を大前提に、エネルギーの需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源というふうに位置付けています。
 しかし、原発の再稼働については、スケジュールありきではなくてあくまでも安全重視で、これ、規制委員会が世界で最も厳しいレベルにあると言われる新規制基準に適合すると判断した原発のみ、その判断を尊重して、地元の理解を得ながら進めていくということになります。
 ただ、数字だけで申し上げますと、今我々が目標としている原発の依存比率二〇から二二、これについては、規制委員会の審査を経た上で既存の原発を全て再稼働し、また一部の炉については法令で認められた四十年を超える運転期間延長を行っていって、そして原発の稼働率が八割程度まで向上すれば、今までは七割だったわけですが、十分達成可能ではないかと考えていますが、あくまでも安全最優先ということでやってまいりたいと思っています。
#77
○三浦信祐君 安全重視という御発言をいただいたことは極めて大事だと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、今大臣からもありましたけれども、火力発電の中でも石炭火力について伺います。
 クリーンコール技術海外普及展開等事業の効果について、まず経産省に伺います。
#78
○政府参考人(山下隆一君) クリーンコール技術海外普及展開等事業は、この国のクリーンコール技術を海外に普及することを目指して、日本の技術者を派遣することなどで相手国の具体的な案件形成や関連調査を支援するものでございます。平成二十七年度から実施をしておりまして、これまでに、新興国を中心に案件形成に向けた調査を実施し、合計四百三十四名の技術者を派遣しております。
 案件形成から入札までは数年は掛かることが一般的でありますので、我が国技術の採用に至った事例はまだ出てきておりませんが、技術者を派遣したことで、例えばタイから我が国の石炭ガス化複合発電、この技術について照会を受けているところでございます。
 今後は、既存案件のフォローアップを適切に実施しつつ、相手国のニーズにより一層沿った形で事業を実施することにより、石炭火力発電量の増加が見込まれるアジアを中心に我が国の高効率な火力発電技術の導入を進めてまいりたいと思ってございます。
#79
○三浦信祐君 ありがとうございます。今御答弁いただいたとおりだと思います。
 その上で、石炭火力というのはCO2排出量が大きく、石炭利用に対する技術の進展が強く求められております。一方で、日本は世界最高水準の石炭火力技術を有しております。地球温暖化対策に寄与することができるこの日本の技術の世界展開について私は積極的に推進すべきであると考えますが、大臣の御見解をお願いします。
#80
○国務大臣(世耕弘成君) 確かに石炭火力はCO2をたくさん排出をいたします。火力発電という分野でいけば、LNGを使った方が環境の負荷ははるかに少ないということになります。
 ただ、LNGは大変高価でありますし、いろんな技術者も必要であります。また、非常に大きな発電になりますので、そのグリッド網がきちっと整備をされていないと、緻密に整備されていないと電力の安定供給につながらないという面もありまして、やはりアジアを中心とする新興国あるいは途上国では、経済上の問題があって石炭火力を選択せざるを得ないという国もあるというのが現実であります。
 こういった国に対して、日本の石炭火力、これは高効率でありまして、CO2の発生を極力抑える技術を持った石炭火力ということになりますので、そういう石炭火力を導入させていくということが極めて現実を見た気候温暖化対策になっていくんではないかというふうに思っています。今、例えばアメリカと中国とインドの石炭火力発電を全部日本の高効率石炭火力発電に置き換えることができれば、日本の一年分のCO2排出量に相当する十二億トンのCO2をカットするということができると言われております。
 こういった意味からも、日本の火力発電を世界に広げていくということは非常に重要でありまして、技術セミナーですとかあるいは海外からの電力関係者の招聘とか、そういうことを行って、日本のレベルの高い石炭火力発電を世界にしっかりと広めてまいりたいと思います。
#81
○三浦信祐君 そうなりますと、石炭火力発電に関連する技術者、研究者というのは、日本にとってはもう重要な人材だと思います。特に、効率を良くするために貢献をしているのは金属材料分野だと思います。その技術者、研究者は世界の最先端の能力を有しております。
 我が国における石炭火力関連分野の人材育成とともに、人材が世界へ流出しないように対策、支援をすべきと考えますけれども、世耕大臣、いかがでしょうか。
#82
○国務大臣(世耕弘成君) 御指摘のように、石炭火力発電に関する技術者というのは我が国にとって非常に重要だというふうに思っています。特に、高効率発電をやる場合に非常に必要不可欠なのは高温に耐え得る金属材料ということになります。それをまた加工する技術ということになるわけですが、我が国はこれを非常に得意としておりまして、今後ともこういった技術は維持強化していかなければいけないと思っております。
 そのため、経産省において高効率な石炭火力発電の技術開発やその普及を支援することによって、人材をしっかりと確保してまいりたいというふうに思っています。
#83
○三浦信祐君 ありがとうございます。
 従来の石炭火力発電に比べCO2を削減できる新たな技術であります石炭ガス化発電について、現在の技術進展と国の支援体制、また取組及び技術保護の動きはいかがか、是非御答弁いただければと思います。
#84
○政府参考人(山下隆一君) 石炭ガス化発電につきましては、既に福島県で民間事業者が実証試験機を商用運転しておりまして、この技術で、旧来型の技術と比べて二酸化炭素の排出量を二割程度削減することが可能になります。さらに、石炭ガス化発電に燃料電池を組み込むことで更に高い発電効率を目指す実証実験を国からの補助事業として取り組んでおりまして、先週の三月二十八日からは実証運転を開始したところでございます。この技術によると、旧来型の技術と比べて二酸化炭素の排出量を三割程度削減することが可能となります。
 開発いたしました技術の保護につきましても、事業者が国内外で特許を取得するとともに、技術やノウハウなどが社外に流出するのを防ぐために、電気事業者、プラントメーカー、関連機器メーカーなどの間で秘密保持契約を結び、知的財産権の保護にも努めているところでございます。
#85
○三浦信祐君 是非、実証できるように御努力をいただければと思います。
 次に、福島第一原発の廃炉について伺います。
 現在の進捗状況について、国民の皆様にお伝えをいただければというふうに思います。
#86
○政府参考人(平井裕秀君) お答え申し上げます。
 福島第一原発の廃炉・汚染水対策、これにつきましては、中長期ロードマップに基づきまして、国も前面に立って安全かつ着実に進められているところでございます。
 そのうちの、まず廃炉対策につきましては、燃料デブリの取り出しに向けた炉内調査というのが着々と進められているところでございます。本年一月からの二号機の調査におきましては、原子炉下部付近の状況を初めて確認したところでございます。また、先月の一号機の調査におきましては、燃料デブリが存在していると想定される格納容器底部、この付近での多くの地点で放射線量等のデータを取得することができるなど、着実にその成果が出てきているところでございます。
 一方、御心配をお掛け申し上げました汚染水対策につきましても、予防的、重層的な対策が着実に進展をしているところでございまして、凍土壁につきましては、海側が昨年十月に凍結完了をいたしました。護岸での地下水のくみ上げ量は約三分の一にまで減少したところでございます。残る山側につきましても、約九八%で凍結が進んでいるところでございまして、残る約二%につきましても原子力規制委員会の認可を得ながら早期に凍結させていく方針でございます。
 今後も予測の難しい困難な作業が予測されることでもございますが、世界の英知を結集して廃炉・汚染水対策をしっかりと進め、福島の皆様の復興、安心につなげていく所存でございます。
#87
○三浦信祐君 当然、福島の皆さんに安心をしていただくだけではなくて、世界から信頼をされるためには、しっかりこれを進めていくことが大事だと思います。これは、党派を超えて、もう政府を挙げて全力で取り組んでいただきたいというふうに強く申しておきたいと思います。
 その上で、今回の原子炉システムでのシビアアクシデントからの廃炉は世界で初めてであります。二度とあってはいけないということはあります。得られる技術と能力をしっかりと保護して、他国に安易に技術をもたらすべきではないと考えます。日本がこれから行っていく通常状態の原子炉の廃炉また福島第一原発の廃炉を通して、これらの技術集積、経験値の蓄積、また知見、知財確保と保護、オープン・クローズ戦略を計画的に進めることが大切であるというふうに私は考えております。その根幹となるのが人材育成、次世代人材の創出であり、それを取り組んでいくことは不可欠だと思います。
 最後になりますけれども、今後どのように取り組んでいかれるか、世耕大臣のお考えを伺います。
#88
○国務大臣(世耕弘成君) まず、福島第一原発のこれからの廃炉作業というのは、人類が経験したことのない大変難度の高い作業になっていくんだろうというふうに思います。ただ、一方で、そういった作業を通じて、日本に廃炉に関する高い技術を蓄積をしていく、また人材を育てていく、そういう機会にもつながってくるのかなというふうに思っております。
 また、これから通常の廃炉も時間を経るとともに増えてくるわけでありますから、通常の廃炉については、これは電力事業者やあるいはメーカーなどの事業者が、これまでの原発の建設、保守、メンテナンスなどで培ってきた技術などを生かしながら取り組んでいくべきものだというふうに思っておりますけれども、これも、円滑な廃炉を実現するためには、高度な技術の維持とやはり人材の確保というのが必要になってまいります。
 そこで、経産省としては、原子力を支える高度な技術、人材を維持発展させるという取組の一環の中で、特に廃炉現場技術者の技能向上に向けた実習や講義などの取組についてもしっかりと支援をしてまいりたいというふうに思っております。
#89
○三浦信祐君 国民の皆様からお預かりをした税金を適切に、未来への投資だったり、また社会の安定のために使っていくことは大事なことだと思います。是非、政府一丸となって取り組んでいただきたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。
#90
○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。
 私は、まず今日は皇室について質問させていただきたいと思います。
 天皇陛下の退位について、先日、国会としての提言がまとまり、総理に報告されました。私は、各党の考えがまとまったことは大変良かったというふうに思っています。その提言では、今の天皇陛下の退位を認める特例法を定めるべきだとしています。そして、皇室典範の附則に特例法は皇室典範と一体だとする規定を置くことも設けています。これを受けて政府は、今後、この提言を反映させた特例法案の提出を目指すことになると思います。私は、以前、報道記者として皇室取材を担当しておりましたので、大変この課題にも思い入れがあります。
 そこで、まず官房長官にお伺いしたいのが、官房長官は、会見において、提言の内容は厳粛に受け止めるというふうにお話しされています。そして、特例法案は今国会での成立を目指すことになると思いますが、法案提出の時期などスケジュール的にはどのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。
#91
○国務大臣(菅義偉君) 三月十七日、安倍内閣総理大臣が衆参両院の議長、副議長から受け取った天皇の退位等について議論の取りまとめであります。これについては、各政党各会派において、退位に係る立法措置は今国会で成立をさせるべきという思いを共有しているとされているものというふうに承知をしております。政府としては、これを厳粛に受け止めて、法案を今国会に提出するよう全力を尽くしてまいりたいというふうに思っています。
#92
○片山大介君 そして、その退位の時期なんですが、二〇一九年の元日が想定されるといいます。だから、そうすると今から一年八か月後になります。これ、私、長いように見えて実はすごく短いというふうに思っています。なぜなら、その特例法以外にも様々な法整備が必要になってくるからだと。
 今日は決算委員会なので、宮内庁関係の予算でちょっと話をしていきたいと思うんですが、宮内庁予算の中のこれは皇室費、これについて説明をしますと、配付資料の一枚目になります。皇室費というのは、内廷費と、それから皇族費、そして宮廷費に分かれます。いずれも皇室経済法という法律に基づいてこういうふうに分かれているんですけれども。
 それで、この中の内廷費についていいますと、内廷費というのは、天皇陛下と内廷皇族と呼ばれる皇后様と皇太子御一家に対して合わせて三億二千四百万円が毎年度定額として支払われている。そして、その下にある項目の皇族費というのは、秋篠宮御一家を始め各宮家の皇族方、これは十四人いらっしゃいますが、十四人に対して合わせて二億一千五百万円が支払われています。
 そこで、聞きたいのがこのそれぞれの額なんですが、どのような基準に基づいて算定されているのか、どのようなことに対して使われるのか、教えていただきたいと思います。
#93
○政府参考人(西村泰彦君) お答え申し上げます。
 今委員御指摘のとおり、まず内廷費につきましては、天皇陛下及び内廷皇族の方々の日常の費用等に充てるものとして支出されるものでありまして、いわゆる御手元金となっております。これは公金ではございません。また、皇族費につきましては、皇族としての品位を保持するため各宮家の皇族の方々へ支出されるものでありまして、いわゆる御手元金となっております。これも公金ではございません。
 今どういう基準でというお尋ねがございましたが、格段こういう基準というものはございません。今申し上げたような趣旨で、それぞれ手当てがされているものでございます。
#94
○片山大介君 それで、この内廷費と皇族費というのはやっぱり額がかなり違うんですが、今後、天皇陛下が退位して皇太子様が即位されると、秋篠宮様が皇位継承の順位一位になるんですね。ですけれども、この場合、今の規定では秋篠宮様は内廷皇族にはならない。今の皇太子様のような内廷費の対象にはならないんですね。
 だから、私は皇室経済法も変えていく必要があるというふうに思います。皇室経済法は、御存じのように、皇室典範と同じく戦後施行されたものだけれども、やはり今回のようなことは想定をしていなかったんだと思います。ですから、変える必要があると思いますが、皇室経済法というのが過去に改正された経緯はあるのか、場合の手続はどういうことなのかを教えていただけますか。
#95
○政府参考人(西村泰彦君) 委員御指摘のとおり、内廷費、皇族費の定額改定の手続につきましては、皇室経済法において定められております。
 まず、皇室経済会議は、定額について変更の必要があると認めるときには、これに関する意見を内閣に提出しなければならないとされております。さらに、皇室経済会議の意見の提出があったときには、内閣はその内容をなるべく速やかに国会に報告しなければならないとされております。
 皇室経済会議の決議を経た後、内閣が皇室経済法施行法の改正法案の閣議決定と国会提出を行い、国会における御審議を経て法案が成立し、公布、施行されることで定額改定が実施されることになっております。過去にもこうした手続を踏まえまして定額が改定されたことがございます。
#96
○片山大介君 そうすると、これまで額の変更に対しての改正というのはあったけれども、今回議論になるかもしれない対象の変更については改正されたこと、検討されたことはあるのかどうか、これいかがでしょうか。
#97
○政府参考人(西村泰彦君) 御身位等、どのような形で制度が設計されるかにつきましては、これからの法案審議の中で定められることでございますので、現時点におきましては答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
#98
○片山大介君 私は、過去においてどうだったかということなんで、こちらから言うと、額以外の変更での改正というのはやったことがないと思うんですね。だから、今後、皇室経済法においてはそれをやっていく必要があるから、やはり私、それが大変なんだと思います。
 ですから、特例法だけではなくて、ほかの整備に対してもこのような法整備が必要になってくる。だから、私は、特例法案の提出というのはできるだけ早い方がいいんじゃないかというふうに思っています。
 そして、皇室についてもう一つお伺いしたいのが、今回の提言では安定的な皇位継承についても言及されています。それで、具体的に言えば、特例法の施行後速やかに検討するということを各党の共通認識になったわけなんですが、これについて、官房長官、どのようにお考えでしょうか。
#99
○国務大臣(菅義偉君) 安定的な皇位継承を維持することは、国家にとっても極めて重要な課題であるというふうに私どもは認識をいたしております。
 そして、今回、立法府からそのような提言もあったわけでありますので、政府としては厳粛に受け止めて、安定的な皇位継承について引き続き検討してまいりたい、そのように考えております。
#100
○片山大介君 実は、こうした課題について、政府は過去に有識者会議をつくっています。それで、そのときにどういう議論が行われたのかというのは、どなたかお答えいただけますでしょうか。
#101
○政府参考人(平川薫君) お答えいたします。
 小泉政権当時、皇室典範に関する有識者会議が平成十七年十一月に取りまとめました報告書でございますが、世襲による皇位の安定的な継承を維持するために、皇位継承資格を女性や女系の皇族に拡大することなどを主な内容としたものと承知しております。
 また、野田政権当時、政府が平成二十四年十月に取りまとめました皇室制度に関する有識者ヒアリングを踏まえた論点整理というものがございまして、この中では、女性皇族の婚姻後の身分について、婚姻後も皇族の身分を保持することを可能とする案や、皇籍離脱後も皇室の御活動を支援していただくことを可能とする案につきまして、その考え方を整理したものだというふうに承知しております。
#102
○片山大介君 おっしゃるとおり、一つ目は小泉政権のときに報告された、それで、もう一つは野田政権のときなんですね。いずれも報告書がまとめられたりとか論点整理が行われたんですが、残念ながら、その後議論は止まったままなんです。私は当時、実は記者としてこれ取材していまして、その後その議論が全く止まったことに大変残念な思いをした覚えがあるんですね。
 それで、今、皇室ですね、現在、皇位の継承順位を持っている男性皇族というのは四人しかいないんです。皇太子様、秋篠宮様、そして秋篠宮御夫妻のお子様の悠仁様、それにあと常陸宮様の四人だけなんです。そして、お子様の世代になると、もう悠仁様しかいないんです。だから、安定的な皇位の継承というのはこれから本当に皇室にとって大きな課題になってくる。だから、この課題を特例法の施行後も止めることなくしっかりと進めていってほしいというのが私の考えでして、それで、日本維新の会では国会でもこの問題について議論する場をつくるべきだというのを訴えている。ですから、国会でもしっかりと対応したいと私自身思っておりますし、是非政府にもしっかりとした対応をお願いしたいと思っております。
 それで、最後に官房長官にお伺いしたいのが、この過去の有識者会議、これは生かすのか生かさないのかどうか、そして今回の安定的皇位継承に対する覚悟というんでしょうか、それをお伺いしたいと思います。
#103
○国務大臣(菅義偉君) まず、政府としては、内閣官房の皇室典範改正準備室においてこれまでの議論の経緯を十分検証するなど、部内的には検討を行ってきました。そして、今回、安定的な皇位継承について、衆参両院の議長、また副議長から議論の取りまとめを厳粛に受け止めるように、そしてこれまでの議論も参考にしつつ、引き続き政府内でこれは検討していきたいと思います。
 なかなか歯切れのいい答弁をできないのでありますけれども、片山委員は皇室関係の取材をされたという経験上、極めて機微そして微妙な問題でありますので、是非、私どもの基本的な考え方は今申し上げたとおりでありますので、御理解を賜りたいと思います。
#104
○片山大介君 その難しい問題であることも重々承知した上で、是非しっかり取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いします。
 皇室に関する質問はここで終わりますので、官房長官、これ以上は質問いたしませんので。
#105
○委員長(岡田広君) 菅官房長官は御退席いただいて結構です。
#106
○片山大介君 次は、先日の全般質問でも質問をした政府の情報システムについて伺いたいと思います。先日の質問ではちょっと質問し切れなかったところがあったので、改めてこちらの考えも含めて質問をしたいと思います。
 各府省で今ばらばらになっている情報システム、これ数多くあるんですが、それを一つの共通のシステム基盤に移行させていこうと、こういう計画を四年前から政府は始めているんです。これが政府共通プラットフォームシステムというので、今回配付資料二枚目になります。イメージ図としてちょっと用意しているんですが、この左側にあるばらばらなものを、これ右側の方の一つの共通の基盤をつくって、その上でシステムを運用させていこうということをやっているんです。
 それで、これは四年前に閣議決定された世界最先端IT国家創造宣言の下行われている。四年前には、各府省のシステムというのは合わせると千四百五十あったんです。それを平成三十年には半分にしていこう、そういうような計画になっているんですが、だけれども、この共通システム、共通プラットフォームに移行させるのは一三%にすぎない。ほかはどうするのかといったら、廃止したり統合したりということで、そもそもこのプラットフォームシステムをそんなに有効活用しないというような感じになっているんですが、これについては、大臣、どのように改めてお考えでしょうか。
#107
○国務大臣(鶴保庸介君) 政府情報システムにつきましては、世界最先端IT国家創造宣言等に基づいて平成三十年度までにシステム数半減を目標に掲げておることは委員御指摘のとおりでございます。
 総務省が整備する政府共通プラットフォームは、各府省の情報システムを集約し、コスト削減や情報セキュリティーの向上を図るための基盤であり、現在までに六十六の情報システムが移行しております。今後、経費節減あるいは情報セキュリティーの向上などの効果を十分見極めつつ、これらの効果が見込まれるシステムの移行を推進をしていくという方針の下、現時点におきましては平成三十三年を目途に二百七十のシステムを移行することを予定しております。
 委員が御指摘のとおり、なかなか進んでおらないという御指摘につきまして、私もちょっと懸念がありましたので聞きましたら、システムの移行期、それぞれの省庁が持っているシステムの移行期が大体四年から五年のタイミングに合わせてしておるということのようでありますから、ベンダーとの契約等々もございますので、決して手をこまねいておるわけではないということだけは御理解をいただきたいというふうに思っております。
#108
○片山大介君 大臣からかなり前向きな答弁をいただいたので、それで、もう少しこれ説明しますと、そもそもこの情報システム、共通システムに特定の情報、例えば捜査情報など特別の事情があるシステムは参加しなくてもいいというのはあったんだけれども、今見ていると、その特別な事情じゃないにもかかわらず参加していないシステムがすごく多いというのが私、問題だと思います。
 それで、今大臣が言われたように四年とか五年とかというスパンあるんですが、新規事業でも、この共通システムに参加しないで、新たにそれぞれの省庁が立ち上げる情報システムってすごく多いんですね。それ、なぜかというのを私ちょっと尋ねて聞いたら、この共通システムに参加させるには事前の検討で二年ぐらいとか何か掛かっちゃうとかというんですよね。それで、新規事業になると二年とか待っていられなくて、もうすぐにでも立ち上げなければいけないと、だからこちらの方には参加できないんだという声も聞こえてくるんですよね。
 ただ、これは私、制度上の問題であって、それは計画的なシステム配備をすればこれは解消できると思いますし、そのために使っているお金というのも削減できると思うんですが、これについてはどうお考えでしょうか。
#109
○政府参考人(山下哲夫君) お答えいたします。
 政府共通プラットフォームは、政府情報システムのうち各府省が共同利用するシステムや中小規模のシステムを集約して、政府情報システム全体でコスト削減やセキュリティーの向上を図るための基盤でございます。そのためには、政府共通プラットフォームへの移行に当たりまして、その稼働状況を精査して規模を決めるとともに、セキュリティーの水準を定めて設計をする、こういうことを詰めた上で概算要求を行い予算措置をしていると、そういうことで時間が掛かっているものでございます。
 ですが、そういうこと、更改の時期とかはあらかじめ想定はされるわけでございますので、そこのところはよく相談をしながら計画的に移行を進めてまいりたいと考えております。
#110
○片山大介君 是非よろしくお願いします。システムというのは、整備するのに物すごいお金が掛かるのは御存じだと思います。だから、それを少しでも減らすということが大切だと思いますし、そういうことを我々決算委員も見ていますので、しっかりやっていただきたいと思っています。
 それで、このプラットフォームですが、実はもう既に一部は運用されているんですが、そこの運用上の課題もちょっと一点お話しさせていただきたいと思いますが、稼働中のシステムのコンピューター、これ効率的に使われているかどうかというのを示す指標の一つにCPUの使用率というのがあるんですけれども、難しい言葉なんですが、これについてちょっと配付資料三枚目を見ていただくと、その使用率というのが軒並み一〇%以下なんです。これは何かというと、例えば十時間の仕事時間のうち一時間しか仕事をしていないような感じなんですね、これは。そもそも、この共通システムに移行することによってこういう無駄な遊び時間をなくしていこうというのが本来の趣旨だったのに、それが生かされていない、それが一つ。
 もう一つはセキュリティーの問題です。それで、こうした情報システムというのは国民の生活に関わるいろんな情報を扱っているからセキュリティーシステムは厳重にしなきゃいけないんだけれども、そのセキュリティーシステムの中にはセキュリティー上問題がなかったかどうかを検証する仕組みってあるんです。これ、ログ解析というんですけれども、そのログ解析を備えていないシステムがあるんですよね、幾つも。これは、もし情報が漏れたりしたら大変な問題になると思うんですけれども、ここら辺のセキュリティーシステムというのは改善すべき点があるんじゃないかと思いますが、そこはいかがでしょうか。
#111
○政府参考人(山下哲夫君) 二点お尋ねいただきました。
 一点目は、CPU、中央演算処理装置の使用率でございます。
 先生御指摘のとおり、会計検査院の報告で、政府共通プラットフォームに移行済みの二十六システムのうち二十一システムのCPUの平均使用率が一〇%未満と、こういう指摘をいただいております。
 ただ、情報システムには、利用が集中する時間帯、時期、そういった繁閑がございます。このため、ピーク時にシステムが止まったり遅れたり、そうなりますと利用者の皆様に御迷惑をお掛けすることになりますので、平均のCPU使用率とともにピーク時のCPU使用率も考慮して設計する必要がございます。検査院の報告にもございますが、ピーク時の使用率につきましては、二十六システム中半分、十三システムにおいて八〇%以上の使用率となっているものでございます。
 ただ、これまで、特に移行するシステムが安定的に稼働することを重要視いたしまして各府省の利用見通しに基づいて設計をしてまいりましたけれども、これまで四年がたち、実績も把握できてきているところでございますので、今後、更改等に合わせてより適正な規模となるように見直してまいりたいと考えております。
 もう一点、ログ解析についてのお尋ねでございます。
 政府共通プラットフォームのセキュリティーといたしましては、一つには、プラットフォームの基盤において、これを提供しております総務省においてファイアウオールなどの対策を講じております。一方、基盤の上に乗っかっている各個別システムについては、それを所管する各府省において処理や障害などの記録であるログを定期的に解析をして不審なアクセスに対応することとしております。こういう役割分担となっております。
 総務省としても、個々に政府共通プラットフォーム上の個別システムを所管する各府省に対しまして、ログ解析の実施を徹底してまいりたいと考えております。
#112
○片山大介君 時間がないからちょっと最初のCPUのことだけ言いますと、余裕を持たせておかなきゃいけないと言っていますけれども、何年も余裕を持たせておく必要はないわけですよね。民間であればその都度その都度に応じて容量って変えていけるのに、今回の政府のシステムは何年間にもわたってそれを空けているんですよ。それで、更新時期が来たらそれを変えるとかと言っているんですよ。これは非常に民間ではあり得ないようなことをやっているので、これは注意していただきたいと思います。
 それで、この問題はもうこれで終わらせて、次にちょっと消費者庁の、大臣に来ていただいていますので、特保のことについてお伺いしたいと思います。
 この特保というのは健康食品で、正式には特定保健用食品と呼ばれています。それで、これは食品事業者が国の許可を得た上でその商品を販売できる、そういう制度です。最近、週刊誌報道などで、これは本当に効果があるのかどうかとか副作用のおそれはないのかとかいったようなことが指摘されていますが、これについて、大臣、どのようにお考えでしょうか。
#113
○国務大臣(松本純君) 週刊誌におきまして特定保健用食品の特集記事が掲載をされまして、一部商品の有効性等に疑義があるとの内容であったと承知をしております。
 特定保健用食品は消費者庁長官が表示の許可をしておりまして、ヒト試験の結果から得られた有効性あるいは安全性のデータを基に、安全性については食品安全委員会に、また安全性及び有効性につきましては消費者委員会に諮問した上で、科学的根拠に基づいて検討していただき、その意見を聞いた上で判断しているものでございます。
 今後とも、引き続き食品安全委員会、消費者委員会の御意見をしっかり踏まえながら、特定保健用食品制度が消費者の健康維持増進に役立つ制度となるよう取り組んでまいりたいと思います。
#114
○片山大介君 それで今、健康志向が国民の間に高まっていて、健康食品市場もかなり拡大しています。ですから、こういうことが出たりすると、消費者にとってはちょっと大丈夫なのかなとか心配することもあるかと思います。こうしたことに対して、消費者に対しては、消費者庁ないしはその食品を作っている食品事業者はどのようにアプローチしていくというか情報を届けていこうと思っているのか、そこをお伺いしたいと思いますが。
#115
○国務大臣(松本純君) この情報提供についてでございますが、消費者庁は、平成二十三年度以降、関係府省や地方公共団体等と連携をいたしまして、食品中の放射性物質について全国で六百回以上の意見交換会を行ってきたほか、健康食品、食の安全を守る取組といったテーマにつきましても意見交換会を実施してきているところでございます。引き続き関係府省と連携して、消費者庁の総合調整の下で、食品安全に関する様々なテーマについて、開催日や開催場所に工夫を行いながら、消費者がより参加しやすい意見交換会等を実施してまいりたいと思っております。
 加えまして、消費者庁が関係府省の協力を得ながら食の安全に関する情報を分かりやすく整理をいたしまして、メールマガジン、SNS、ウエブサイト等を通じて広く広報するなど、国民にとってより分かりやすい情報発信に努めたいと思います。
#116
○片山大介君 是非お願いしたいと思います。
 そして、こうした健康への効能をうたっている健康食品というのは実はもう一つ制度があって、それが平成二十七年度からスタートした機能性表示食品という制度なんです。
 実はその二つがどう違うのかというのを四枚目の資料に付けたんですが、それでまず、特保の方は国の許可において販売ができる、それから、右側の機能性表示食品というのは企業が自分たちの自らの責任において機能性や安全性を証明すればそれを表示した食品を販売できるというふうになっているんですが、ただ、国の許可、企業の責任と書いてある下を見ていただくと分かるんですが、同じように、保健の機能が表示できるとなっているんですね。ですから、実はこの二つ、すごく分かりづらいというか、どう違うのか分かりづらいというのが私も含めて消費者の皆さんの考えかなと思っているんです。
 それを裏付けるデータというのをちょっと五枚目に付けたんですが、これが消費者庁が去年行った消費者意向等調査なんですが、特保に対して、これ真ん中見ていただければ、名前を聞いたことはあるがどのようなものか知らないというのがそれぞれ五割を超えているんですよね。大変高い数字になっています。
 だから、まだまだこの認知度を上げていく必要があると思うんですが、それについては、大臣、どのようにお考えでしょうか。
#117
○国務大臣(松本純君) これまで食品に機能性を表示できる範囲は特定保健用食品に限られておりましたけれども、平成二十七年四月から新たに機能性表示食品制度が始まったことから、消費者にとっては機能性が表示された商品選択の幅が広がったと考えております。
 しかしながら、委員御指摘のとおり、特定保健用食品と機能性表示食品の違いが分からないという御意見もあることも承知をしているところでございまして、そのため、双方の制度を所管している消費者庁におきましては、引き続き制度の周知徹底を図っていくとともに、特定保健用食品制度及び機能性食品制度を含めた保健機能食品制度全体に関する消費者の活用能力、これはリテラシーというんでしょうか、を高めていく必要があると考えておりまして、消費者の理解増進のための消費者教育を充実させていくこととしているところでございまして、消費者庁といたしましては、保健機能食品制度全体が消費者の自主的かつ合理的な選択に資するよう適切に運用してまいりたいと思います。
#118
○片山大介君 元々、機能性表示食品というのは、特保がどうしても国の審査が掛かるから、時間も掛かる、お金も掛かるということもあって、経済界からもっと利用しやすい制度を要望されたという経緯もあってこの機能性表示食品というのができたという経緯もあるんだとは思いますが、ただ、それはあくまでも事業者側の論理であって、スーパーやコンビニに行って買う消費者がこの二つをどう見比べればいいのか、何が違うのか、マークが付いている付いていないでどういうふうな基準で選んでいいのかというのがまだよく分からないと思います。
 ですから、それについて、是非、この二つの制度を両方とも存続させるのであれば、しっかりとしたすみ分けをこれも理解してもらうというのが消費者庁に求められることだと思いますが、最後にそのことを大臣にお伺いしたいと思います。
#119
○国務大臣(松本純君) まさに医食同源という言葉があるように毎日の食事というのは大変重要で、どうバランスを取っていくかということが極めて重要なんだろうと思います。その中で、とはいいながら、好き嫌いを始め、また状況に応じて偏ってしまった食事を取らざるを得ないというような状況もあると思います。そんなときに、不足しているものをどう補うかということの情報提供をこの食品らが提供していくということができるということが消費者にとってプラスになることだと思っておりますので、双方の立場というものを説明をしながら、分かりやすい体制をつくっていきたいと思います。
#120
○片山大介君 是非頑張っていただきたいと思います。ありがとうございました。
#121
○二之湯武史君 自由民主党の二之湯武史でございます。
 先日の全般質疑でもお話をさせていただきましたけれども、今日もその趣旨の話をさせていただきたいと思います。
 そもそも、私もこれで三年九か月弱になりますけれども、先日も申し上げたんですが、これ決算委員会なんで、お金の使い方、これをしっかり見ていこうということですが、民間においてお金の使い方を見るということは当然その次の年度のお金の使い方の話になるわけでありまして、これは予算と決算一体のものであります。しかし、やはりどうしてもこの世界、お金を使う話ばかりが議論に上りまして、どうすればこの日本という国を支えるための収益を生み出していけるかと、お金を生む話というのはなかなか、この議論においては一割にも満たないのかなと、そんな民間人としての感想を持っております。
 先日も申し上げましたように、今、非常に私は大きな時代の変化を迎えているというふうに思っておりまして、是非今日は大臣とその辺についても、資料も何もございません、ガチンコの議論をさせていただければというふうに思っておりますが、今、私は、大きなパラダイムシフトの中にいる、もうむしろ、これ実は数十年前に起こったシフトなんだけれども、なかなかそれに対応することができずに、いよいよその変革を今もう迫られていると、そういうリスクが顕在化し始めたというような思いを持っております。
 例えば、大臣、終戦、昭和二十年における日本の、人口は約一億ちょっと切るぐらいですけれども、平均年齢というのはどれぐらいであったかというのは御存じですか。
#122
○国務大臣(石原伸晃君) ちょっとうろ覚えなんですけど、六十ぐらいじゃなかったかなと思っております。
#123
○二之湯武史君 済みません、ちょっとお聞き仕方が悪かったかもしれませんが、平均年齢、国民全体の平均年齢といいますと、やはり戦争で青年層、中年層が多く亡くなられ、またそれ以降、昭和二十年ということですけど、その時点で二十七歳だったということです。それ以降、実は一九六〇年代半ばまで、日本の平均年齢というのは実は二十代だったんですね。
 二十代で、かつ人口が一億を超えるという先進国は、もちろんアメリカと日本しか、当時日本は先進国ではありませんが、先進国予備軍というのは日本とアメリカしかなかったわけです。それだけの前提条件がそろって、つまり若い人口と、そして非常に大きなボリュームとしての人口、これを備えた国が、ましてや日本人のような勤勉性や、そういった技術的な精巧さ等々、若しくは儒教文化に基づく集団的な意識でありましたり、そういったものを備えた国民、国家が経済成長しないわけがないわけでありまして、一九六四年には当時の西ドイツを抜いて世界第二位の経済大国になったと、それには実はそういった前提条件があったと。
 また、当然、その当時、着るもの、食べるもの、住むところに事欠く、つまり、そういったものを大量に生み出すこと自体がこれは経済の大きな成長要因であり、かつ国民生活の向上要因にもなったわけです。道もなければ空港もない、当然新幹線や高速道路もない。こういうところに道を敷き、鉄道を敷き、そして港や港湾を整備し、空港を整備し、高速道路網を整備するというのは、それ自体が一つの経済対策でもあり、そしてゼロからそういうものを造るわけですから、その効用便益というのは非常に傾きが高かったわけですね。それが、六〇年代、七〇年代、八〇年代、徐々に徐々にそういったインフラが整い社会が成熟するにつれて、今申し上げた公共事業の費用便益も当然徐々に傾きが低くなる、そしてゼロ逓減になっていってしまうと、そういう今時代を迎えていると。
 そして、もう一つ大きな要因というのは私は為替だと思っていまして、当然、昭和二十年代、三十年代はそうですが、四十年代、五十年代においては、日本の経済の実力と比べると非常に相対的に低い為替を、その恩恵を享受することができた。そういう時代において、今申し上げたような様々な環境の前提があって私は日本の高度成長が可能になったと、そういう歴史認識、時代認識を持っておるんですが、大臣はそのかつての高度成長における日本の成長要因といったものをどのようにお考えでありましょうか。
#124
○国務大臣(石原伸晃君) 今委員がまさに言われたとおり、敗戦で全てを失い、そんな中でより豊かになろうという人間の本能、こういうものに立脚して、科学技術、重工業化していく中で豊かになっていったと。そんな中で、三種の神器なるものも、新たに欲しいものとして、テレビが欲しい、車が欲しい、こういうものを取得するためにどうしたらいいのかということで皆さん汗をかいたと。
 インフラもそうだと思います。今、新幹線とお話がございましたけれども、高速道路も実は全然なくて、私の記憶でありますと、祖母が神戸の女学校に行っていた関係で、高速道路ができたら、高速道路というものができたから行ってみようと連れていかれたのを今でも子供心に覚えておりますけれども、そういうものに憧れ、また、そういう社会をつくってこの国をもう一度よみがえらそうという先人たちの努力というものがあったんだと思っております。
#125
○二之湯武史君 ありがとうございます。
 今私が申し上げたような時代の、要は高度成長というものを可能にした時代の前提条件が、実はもうこれ、ことごとく崩れているわけですね。
 平均年齢は、今、日本は四十六・四歳ということでございます。人間で例えますと、二十代はいけいけだと、三十代はばりばりだと、四十代は、私、実は一月に四十になったばかりなんですけれども、これからちょっとやや守りに入っていこうかなと、こう思っております。それがそれぞれ人の本能だというふうに思いますが、今、日本は国家として平均年齢四十六歳だということでございます。
 また、人口も、数年前から人口減少社会が来ると言われ続けていたわけですけれども、いよいよ人口の減少局面に入りました。私の地元の滋賀県は全国でも実は人口増加県としてずっと来たわけですけれども、いよいよ昨年から人口減少県になってしまいました。
 また、先ほど申し上げた衣食住に事欠いて、とにかく良質な安価なものを大量に生産する、大量に消費すると、そういった消費社会も実はもう数十年前に終わっているんじゃないかと。それには、やはり非常に画一的な、いい意味で一億総中流と言われ、どんな世帯、どんな人でもある程度の購買力があり、そしてある程度同じ生活水準の中でみんな同じものが欲しいと、大臣がおっしゃった三種の神器、みんな欲しいと、こういう時代ではもう既にありませんで、Aさんは、いや、こういうものが欲しい、Bさんは全然違うものが欲しい、Cさんは全く違うものが欲しいというふうに非常に価値観も多様化した、成熟した今マーケットの中で我が国国内市場というのが存在をしていると。そして、為替も当然、もう変動相場制でありますから、円高、円安、当然振れますが、当時の一ドル三百六十円なんという、そういう為替ではもう当然ないわけであります。公共事業についても、これは一部の先生から怒られるかもしれませんけれども、ある時代における費用効果というものはかつてほど傾きが高くない。むしろ緩やかに傾きが下がって、そして当然、投資に対する効果という観点でいうとかつてのような効果はなかなか望めないと。
 こういうふうに、前提条件が全てひっくり返っているのが実は私は今のこの平成の時代だと。そして、その時期における様々な政府の施策、これは決算の前提にある考え方ですが、こういった時代のパラダイムは変わっているんだから、その変わったパラダイムの中でいろんな物事を考えていかなければならないんじゃないかということを是非私は皆さんと共有させていただきたいというふうに思っております。
 そして、その……(発言する者あり)ちょっと委員の方から不規則発言がございますが、私は、時代のテーマ、この前申し上げたように、異次元とイノベーションだというふうに思っております。アベノミクス三本の矢ということで、特に第一の矢、金融緩和、これは非常に異次元の緩和をし、一定の効果を上げたことは非常に評価をできることだろうというふうに思いますが、第二、第三においてそういった矢が引き続き放たれることが必要であります。
 今月のウェッジという雑誌、これは許可を得て掲示をしておりますけれども、(資料提示)「さらば生産性後進国」というテーマで特集が組まれておりまして、私も非常に興味のある内容でありまして、面白く拝見をいたしました。要は、今私が申し上げたようなことをずばりおっしゃっておられるわけです。特に、早稲田大学の入山准教授という方が論文を寄稿されているんですけれども、なるほどなというふうに思ったことがございます。それは、今必要なもの、イノベーションなわけですが、それを生む仕掛けがこの日本の社会若しくは企業に非常に乏しいんじゃないかと、いわゆるイノベーションを生む生態系というか、エコシステムといいますか、そういったものがこの社会には非常に乏しいんじゃないかという仮説を唱えておられます。
 私も全くそのとおりだなというふうに思っておりまして、幾つか紹介をしたいわけですけれども、まず、大臣におかれましては、私の高度成長期の時代認識を含めて、それが、あらゆる前提条件がもう既に存在していないと、そういう認識については大臣はどのようにお考えでありましょうか。
#126
○国務大臣(石原伸晃君) 日本という国の成長過程において、人口ボーナスがあり、それによって委員は国民の平均年齢が若かったという話があったわけですけれども、それも二十ぐらいですね、もう戦後七十有余年たちまして、変化して、五十に近くなって、そういう大きな人口逆な、人口オーナスですか、そういう時代になった。その中にあってのこの予算の配分、またその予算が適正に使われたということを審議する決算委員会の意味、こんなお話をされたと思いますが、そこについてはまさに同感でございます。
#127
○二之湯武史君 ありがとうございます。
 昨日も地元で経営者の皆さん百人ぐらいに集まっていただいてお話をしたんですが、そこでも非常に受ける話がありまして、私は最近決まり文句のように言っているんですが、今の時代は左脳から右脳の時代ですよというふうに言っております。左脳というのは、合理的な思考でありましたり、若しくは記憶力というものをつかさどるような脳の機能があります。これ、まさにこれまでの我が国におけるエリートだとか秀才だとか言われたような定義だというふうに思います。一方で、右脳は感性とかセンスとか美意識とか、これ非常にエリートが弱い分野であります。
 しかし、この前もある人とお話ししておりましたが、例えば日本がつくり出す物づくり大国、日本がつくり出す物には、例えばデザイン性がちょっと欠けるんじゃないかとか、要はそういう、例えば女性がハンドバッグを買おうとか財布を買おうと思ったときに、やはり日本のメーカーよりも例えばイタリアやフランス製のメーカーの方がデザインに洗練性があるとか、ちょっとセクシーなデザインになっているとか、そういう定量的に評価のできない、こういう要素というのが実は右脳が生み出すものでありまして、昨日もこういう話を申し上げたんです。
 私、塾の経営者でもありまして、こんなことを言っておきながら左脳ばっかり鍛えているわけですけれども、しかし、最近こういうことを言いました。皆様方に、主要四教科とか五教科という言葉があるんですよ。これはつまり、小学生でいえば算数、国語、理科、社会、これ主要四教科、中学に入るとそれに英語が入ります。そして、副教科とか言われるのが体育だとか美術、音楽、図工と、こういうものなんですね。これ、見事に左と右で分かれるわけですが、これから皆さんと、お父さん、お母さん方多いので、これからは右、つまり音楽、体育、図工、美術が主要四教科で、そして国語、算数、理科、社会はこれからは副教科になるんですよと、こんな話をしても、皆さんきょとんとされているわけですけれども、実は私は、こういうふうな、もうこれこそまさにパラダイム、異次元のシフトだというふうに思っておりますが、こういう社会のいろんな価値観ががらっと変わってこないと、この停滞した、閉塞した日本の社会というものを抜本的に活性化していくことはできないんじゃないかなというふうに思っています。
 先ほど御紹介した早稲田の入山さんという准教授がおっしゃっているのが、知の深化という言葉と知の探索という言葉がありまして、深化というのは、深く、化学の化というふうに書きます。これは、実は日本企業は非常に得意としてきた分野でありまして、一つの技術や素材やそういうものを究極的に深掘りしていくということですね。これは日本企業は非常に得意なところであります。例えば、いろんな携帯端末にしてもテレビにしても、画質を究極的にきれいにしていくでありますとか非常に小さな端末にあらゆる機能を搭載していくという技術革新といいますか、そういう意味でのイノベーション。一方で、知の探索というのは、Aという知とBという知を組み合わせてCにすると。分かりやすく言えば、ここに紹介されていたのは例えばソニーのウォークマン、これは技術のイノベーションではありませんよね。ステレオというかラジカセという技術はもう既にあったわけです。でも、それを歩きながら聴きたいとか、何か御飯を食べながら聴きたいとか、こういうふうなライフスタイルと技術を合わせることによって新しい一つの商品を生み出したと。
 そういう二つのイノベーションの形式を述べておられるんですけれども、一つの技術や素材を深掘りするというイノベーションと、いろんな分野を横断的に組み合わせて一つの新しいビジネスモデルやサービスや財を生み出すという、こういうイノベーションと、私は、実は後者の方が非常にこれからの時代に必要であり、かつ日本という企業や社会に必要なものだというふうに思っております。
 日本再興戦略を毎年拝見します。私も様々な提言をさせていただきますし、特に大臣にはスポーツビジネスで大変お世話になり、成長戦略の中核にも位置付けていただいたところでありますが、実は、よくよくあの日本再興戦略を見ていきますと、知の深化にやや偏っているんじゃないか、知の探索の部分がやや弱いのではないかというふうな私印象を持っておるんですが、大臣、そのことについて、ちょっと抽象的な話ですが、お聞かせいただければと思います。
#128
○国務大臣(石原伸晃君) 二之湯委員が冒頭お話しされましたウォークマンですか、実は私の世代はウォークマンの第一世代で、当時はカセットを入れて音楽が聴けると。これにもう一つ初期のウォークマンには機能が付いていまして、マイクが付いているんです。だから、音楽を聴きながら、それに、おい、どんな音楽聴いているんだとマイクで話すことによって、おお、そんな音楽かと片耳借りるみたいな、そういうリアクションがあったんですね。
 これが、どんどんどんどん実は日本は、委員のお言葉だと深化という形で細かいもの細かいものに行ったと。その最大の結晶というものは多分iモードじゃないのかなという気がいたします。それは、海外から見たら南米のガラパゴスと同じではないか。そうではなくて、そこに違うものを混ぜて、混ざり合うことによって更なる人類あるいは科学技術が生活に役立つものにする、その部分が若干欠けているというような御指摘ではないかというふうに聞かせていただきましたが、委員の御見識というものは私も相通ずるものがあると聞かせていただきました。
#129
○二之湯武史君 ありがとうございます。
 例えば、昨年の再興戦略を見ても、IoT、AI、ロボット等々のこういったものも技術についての深掘りであろうかなと。先ほどおっしゃったソニーのウォークマンからなぜアップルのアイパッド、アイポッドに行けなかったかと。つまり、リアルな端末とネットワークというものをつないでライフスタイルそのものにイノベーションを起こしていこうと、こうした技術の実力というのは実は日本企業はもう当然持っておるわけです。アイフォンの素材の六割か七割ぐらいは日本企業が提供しているわけですから、そのハードの作る技術や、若しくはおっしゃったようなドコモのiモードにしても、これはインターネットの世界ですから、全く同じ、アップルのビジネスモデルと同じ技術なわけですが、それを要は結び付けることができなかった、若しくは結び付けてビジネスとして提供することができなかった。
 ここが、私はいろんな分野分野を見ても、今我が国がなかなか、例えば物づくりにおいても、物づくりというそもそも分類が私はできるのかどうか分かりませんけれども、物づくりと当然ソフトの融合が新しいビジネスになっていくわけですが、そういったところに対する戦略性でありましたり、今申し上げたような様々な知をつなげて一つのモデルにしていくという、こういう力がやや弱いのではないかと、遠慮がちに言っておりますが、非常に弱いというふうに私は思っております。
 それには、様々なやはり構造的な課題があることに気付きます。それは、もう原点からたどれば、やはり我が国の、先日私が全般質疑で申し上げたのは、我が国のそもそもの教育のコンセプトが左の脳を中心としたある種でいうと教養教育になっていて、今我々の時代が求めているような課題解決型の人材でありますとか、双方向のコミュニケーション型人材でありますとか、そういった授業の形態にそもそもなっていない、これがまず根本的な問題であるというふうに思っております。
 今日は文科省の方も来ていただいておりますけれども、先日と全く同じ問題になりますけれども、こういった今私が申し上げた基本的な問題意識についての御見解、役所としての大きな方針といいますか、そういったものについて、特に今、学習指導要領の改訂時期にも当たっているというふうに思いますけれども、どのような今問題意識を持ってそういった教育のコンセプトを改革しようとしていらっしゃるのか、大変難しい問題かもしれませんが、お答えいただけますでしょうか。
#130
○政府参考人(浅田和伸君) 失礼いたします。
 私、今、高大接続と高等教育の担当でございますが、今おっしゃられたような学習指導要領、教育内容の在り方等々についても、やはり単なる知識、技能を積み重ねるだけではなくて、実際に自分で考えてそれをどう生かしていくかと、そういう力、あるいは、先生おっしゃるような感性とか新しいものを生み出すとか、あるものとあるものをつなぎ合わせて新たなものを創造する力とか、そういうものが大事になるという認識は持っております。現在進めている教育の方向性もそのようなものであると認識をしております。
#131
○二之湯武史君 まだそれぐらいのレイヤーの答弁しかできないと思いますけれども、これは本当にこの一、二年、それぐらいのスパンでもう抜本的に変えていかないと駄目だというふうに思っておりまして、党の方でやはりそういう高い球をどんどん投げていきたいというふうに思っています。
 この前申し上げたように、義務教育でも相当のことが今の仕組みの中でできるということが、最近私、勉強して分かってまいりました。例えば、先日申し上げたのは、要は今、学校の先生というのは、学校現場というのはもう非常に厳しい労働現場になっている。長い教育時間もそうですし、そして様々なストレス、プレッシャー、こういったもので、本来教職員が当たるべき業務になかなかその力を注げない。しかし、最終的にその割を食うのは子供ですからね。子供たちが我々の将来をつくるわけですから。
 そういう抽象的なことじゃなくて、じゃ、どんな時代背景において社会をつくるのかということを考えたときに、やはり時代認識の根本的な変化やそういったものを踏まえないとそれは絶対に効果は上がらないわけでありまして、そこについてはこれからしっかりとフォローしていきたいというふうに思います。
 石原大臣、ここで質問終わりですので、もしよろしければ。
#132
○委員長(岡田広君) 石原大臣は御退席いただいて結構です。
#133
○二之湯武史君 それでは、引き続き質問を続けさせていただきたいと思いますが、そういった時代の大きな変化の中で様々な産業や分野を活性化していかなきゃいけないわけですけれども、そのうちの一つとして私が引き続き取り組んでいるのがスポーツの分野であります。
 これも全く先ほどから申し上げているのと同じで、スポーツというのは教育というコンセプトの中で育ってきたわけでありますが、一方で、良質なコンテンツであるにもかかわらず、少しの努力や様々な創意工夫でこれまで以上の、以上といっても、やっぱり十倍、二十倍、百倍単位の収益や様々なものを上げれる可能性があるにもかかわらず、そういったところになかなかコンセプトの転換が追い付いていないというような現状があります。これは政治主導でしっかり変えていかなければいけないというふうに思っております。
 そんな中で、その一つの契機になると言われているオリンピック・パラリンピックですけれども、非常にマスコミの情報等々でも不安に思うような情報がどんどん出ています。
 例えば、開催経費の問題でありましたり、意思決定の問題でありましたり、責任の所在でありましたり等々ございますが、まずお聞きしたいのは全体の経費ですね、これ本当に一体幾ら掛かるんだろうかと。最初、一兆円だとか三兆円だとか何兆円という話が軽く出てきておりますけれども、私、よくそういういろんな方々とお話ししますが、そもそも本当に真水で三兆円も要るなら、三兆円も掛けてオリンピックする価値というか意味といいますか。皆さん御存じのとおり、東京の後、二〇二四年ですが、これ世界の主要都市は軒並み立候補を取りやめています。住民投票で、例えばボストンであったりハンブルクであったり、こういった町というのは住民投票で立候補を取り下げるぐらい、今オリンピックの開催というのはその開催都市に大きな負担が掛かっているのが実情だと思いますが、今現状どれぐらいの経費を算定されているのか、教えていただけますでしょうか。
#134
○政府参考人(富山一成君) お答えさせていただきます。
 まず、東京大会の開催経費につきましては、昨年の十二月に組織委員会が一・六兆円から一・八兆円というその時点での試算を公表したところでございます。この大会の経費ですけれども、今後、大会の準備が進展して大会計画が精緻化される中で見直しが行われていくこととなっておりまして、組織委員会は大会の開始まで一年ごとに更新をして公表していくというふうにしております。
 その中で、組織委員会は今後もコストの縮減に取り組むということを確約しておりますほか、IOCもテストイベントの規模の見直し、あるいは競技会場の使用期間の短縮といったことに取り組んで、一層の縮減が可能だという見解を示しているところでございます。
 国としましても、更なる経費の縮減に協力してまいりたいと考えているところでございます。
#135
○二之湯武史君 その中で国の経費はどうなっていますか。
#136
○政府参考人(富山一成君) 冒頭申し上げました一・六兆円から一・八兆円という中に国の経費としまして現時点で盛り込まれておりますのは、新国立競技場の整備費だけでございます。
#137
○二之湯武史君 であれば、この決算委員会は、国の部分で新国立だということになります。
 そこも非常に大きな課題を抱えてスタートしたことになっております。最初、二千五百二十億、こういう数字が独り歩きして、高過ぎるというような話から始まったわけでありまして、実は、あの一連の動きの中で我々の党にスポーツビジネス小委員会というのを立ち上げ、私は今事務局長をしているわけですけれども、そもそも二千五百二十億という金額が高い安いという問題にこれは矮小化していいものかということを私は常々ずっと、というふうに申し上げておりました、提言も何度も出させていただきましたが。
 過去のオリンピックのメーンスタジアム、今回は新国立なわけですが、前回のロンドンでありますとかかつての北京の鳥の巣でありますとか、それぞれ後利用、把握されている中でどうなっていますか。
#138
○政府参考人(平井明成君) お答えいたします。
 御指摘のロンドン大会のメーンスタジアムにつきましては、現在、運営の方をフランスの民間会社でありますバンシ社が設立した事業体が行っていると聞いてございます。そこでは、例えばサッカーのプレミアリーグのウェストハムチームが九十九年間、年間二十五試合分を利用するということですとか、英国の陸連が五十年間、毎年六月から七月までの一か月間程度利用するというリース契約が締結されてございます。といった形で、多様なスポーツを実施するというスタジアムとして現在活用されてございます。
 一方、北京大会のメーンスタジアム、いわゆる鳥の巣でございますけれども、こちらの方はあいにくと詳細な情報は把握しておりませんけれども、近年は二〇一五年の世界陸上競技大会の競技会場として使用されたことですとか、各種のスポーツ大会やコンサート会場として活用されているということでございます。また、二〇二二年に予定されてございます冬季オリンピック・パラリンピックの開会式、閉会式の会場として利用されることが予定されているということを承知してございます。
 以上でございます。
#139
○二之湯武史君 今、二つの北京とロンドン、これ非常に好対照のレガシーを残しているわけですね。今も、二千五百二十から大分縮減されたとしても非常に多額のお金が投じられる、まあ全てが国費ではありませんけれども。
 実はこれ、先日も申し上げましたが、国、自治体合わせて、新設若しくは改修を含めて年間四千億円弱のお金が実はスポーツ施設に毎年投資をされているわけです。これは私は相当大きな数字だというふうに思っていまして、これを一つ一つ詳細に収支を把握しているわけではありませんが、前回の全般質疑でもパネルを出させてもらいましたが、二〇〇二年、ワールドカップスタジアムのその後の収支を見ますと、フローベースで赤字であります。償却三十年なのか五十年なのか、それで割れば更にその赤字額は年々大きくなっていると。
 こういうものを私は東京オリパラで繰り返してはならないということで、諸外国のスポーツビジネスの先進事例も含めて、この新国立はレガシーをプラスの方向で残せるようにしっかりと諸外国の例に学ぶべきだと、こういうことを党からも何度も何度も発言、提言をしてきたわけでありますが、今この新国立競技場のオリンピック後の計画というものはどうなっているでしょうか。
#140
○政府参考人(平井明成君) 先生御指摘いただきました自民党の方のスポーツ立国調査会が昨年四月にまとめられましたスポーツ市場の拡大に向けた提言におきましても、スタジアムですとかアリーナは、これまでのコストセンターと言われたものからプロフィットセンターへというような御提言をいただいており、大変御示唆に富むものと受け止めてございます。
 新国立競技場の東京大会の施設の後利用につきましては、昨年九月、水落文部科学副大臣を座長とする検討ワーキングチームにおきまして、管理運営の在り方ですとか、収益の向上の方策等、論点整理を取りまとめたところでございます。現在、スポーツ庁におきましては、関係団体、事業者等との意見交換を行い、検討を進めているところでございます。
 その中で、先生御指摘の収益確保の方策につきましては、現在、サッカー、ラグビー、陸上の各競技団体と、例えば定期的な国際試合や集客性の高い国内大会等の開催の見通しについて意見交換を行わさせていただいているとともに、民間事業者からは、例えば、単にスポーツの観戦施設とするだけではなく、スポーツの拠点としての特色を打ち出し、健康増進などのスポーツビジネスを展開すべきではないかですとか、又は、大規模イベントを核とし、神宮外苑地区一帯で多くの人が集まれる幅広いスポーツイベントを実施すべきではないかという御意見をいただいているところでございます。
 また一方、運営管理の形態につきましても、コンセッション方式に関わる民間事業から、参入競争性を高めるために、例えば、特定の一団体ではなく複数の団体が関与する形を取ることでリスクを分散し経営の安定化を図るべきではないかですとか、スポーツ大会は変動リスクが大きいので一定程度事業者への優遇を行うなど参入ハードルを下げるべきではないかという御意見をいただいているところでございます。
 スポーツ庁としましては、このような関係者との意見交換を進めて、民間事業者からの創意工夫を最大限に反映することによりまして、大会後の運営が円滑に行えるよう検討を進めてまいりたいと思ってございます。
#141
○二之湯武史君 いろいろと進めていただいているということは理解をしておりますけれども、何年に一回あるか分からない国際大会の誘致でありますとか、若しくは、そういう開催上必ずしもそれに向けて造られたわけではないエンターテインメントの誘致でありますとか、なかなかこれは難しい話が多いんじゃないかなというふうに思っております。
 一つ御紹介したいのは、先ほどのロンドンの本拠地もそうですし、本拠地といいますかメーンスタジアムもそうですし、アトランタ・オリンピックのメーン会場もそうであります。アトランタ・オリンピックのメーン会場は、今アトランタ・ブレーブスのメーン会場となっております。大リーグの本拠地ですから、年間恐らく九十試合弱のホームゲームを開催することができます。若しくはロンドンの本拠地も、ウェストハム・ユナイテッドというプレミアリーグの本拠地になっておりますが、世界で最も商業的に成功しているサッカーリーグですから、いわゆる日本のプロ野球以上の恐らくフランチャイズフィーが入っているからこそ成り立つわけであります。
 こういうことは、もう既に、この東京オリンピック・パラリンピックの新国立競技場のプロジェクトが始まる前から恐らく事例として存在していたわけですね。それに関して私は、なぜ、そういった知見をいち早く取り入れることによってあのような無意味な騒動は起こらず、かつ、かつですよ、もう建物ができ上がってからぽんと民間に投げるのが、これ日本の指定管理制度の、若しくはコンセッションの悪いところなんですね。でき上がった箱物です、はい、使えと言われても、いや、それだったらできる前から言ってほしかったと、できる前からであれば、そういうスタジアムという仕様を含めて、しかし、その後利用も含めた最初からの様々な設計でありますとかビジネスプランを立てられるのにと、こういうような話が民間の方からあったわけです。
 実は、この新国立競技場問題の本質というのはそこにありまして、金額が高いか安いかというものではありませんで、そもそもこうした、官が建てる箱物について、若しくはこういったスポーツ施設について、実はその償却、三十年間、五十年間のビジネスモデルを最初からしっかりつくっておかなければ、やっぱり価値ある利用というものが幾ら何でも民間でもできかねるという、このビジネスモデルの構築にあるわけでございます。
 これは、スポーツ施設に限らず、前回私が申し上げた美術館や博物館といった文化施設もそうです。若しくは、地方自治体が建てる役所や、また様々な公立の施設もそうです。そういうものを、単体の目的施設にとどまらず、様々な用途に向けて、しかし、それを設計段階の前に民間の様々なビジネスのアイデアを取り込むことによって、公設民営でありますとか様々な知見を活用し、税金を有効に使っていく、若しくは町づくり等々に貢献する施設にしていくと、こういう私は考え方、レガシーを残していかなければいけないというふうに思っているんですね。
 スポーツ庁の方にはそれを踏まえてガイドラインというものを制定していただきましたが、そのガイドラインの中身は今私が申し上げたようなものになっているんでしょうかね。
#142
○政府参考人(平井明成君) 先生御紹介いただきましたいわゆるスタジアム、アリーナを核とした町づくりができるようにということにつきましては、自民党の方のスポーツビジネス小委員会の方でも御議論いただきまして、その提言を踏まえて、昨年夏に、スポーツ庁の方におきましても、関係省庁と連携をしてスタジアム・アリーナ推進官民連携協議会というのを立ち上げさせていただきまして議論を進めているところでございます。
   〔委員長退席、理事松下新平君着席〕
 その中では、いわゆるスマートベニューという考え方の下に、スポーツの観戦施設だけではなくて、多目的な複合型ですとか民間の活力の導入、又は町中の立地、さらには収益力の向上などをキーワードとした構想に持っていくということでまとめ上げてございます。
 この方向に沿いまして、これから造られるスタジアムですとかアリーナにつきましては、これまでのスポーツ施設という固定観念を離れて、前例主義に基づかない、マインドチェンジを図りながら収益性の高い施設として整備するということを官民連携の下、進めてまいりたいと考えてございます。
#143
○二之湯武史君 ありがとうございます。
 最後に、これまでのに基づかない、異次元でしたっけ、もう抜本的なというふうにおっしゃいました。それは非常に大事だと思いますし、これからも党の方でも高い球を投げ続けていきたいというふうに思いますが、先ほど御紹介しましたように、四千億円というお金は文化庁が三つぐらい収まる予算規模ですね。観光庁二つ分ぐらいでしょうか、それぐらいのお金が実はこのスポーツ施設に使われているということです。
 これは、私、決算委員会の非常に大きなテーマだと思っています。かつ、政府が二〇二五年までに十五兆円と大きな目標を掲げておられるわけですから、これについてはこれからもしっかり見ていきたいと思いますが、非常に大きな可能性があるにもかかわらず、今くしくもおっしゃったように、これまでの常識的な考え方や運用ではとてもそうならない、これまでと同じようにコストセンターになってしまうと、そういう強い危機感を持ってそのスマートベニューについて続けていただきたいというふうに思っております。
 それでは、ほかの省庁にも来ていただいておりますけれども、最後にクールジャパンについて幾つか御質問させていただきたいというふうに思っております。
 これも非常に大きな論点でありまして、日本の文化が世界を魅了するということが非常に経済の、若しくは様々な日本のブランドイメージ向上にも役立つ、これを政策的にしっかり活用していかなければいけないという機運がここ五年、十年で急激に高まってきているわけであります。
 私も党の方でクールジャパン人材育成プロジェクトチームというのを立ち上げ、今、座長をしておるんですけれども、ここについて、まずは外食産業についてお伺いしたいと思いますけれども、今全世界に九万軒の日本食レストランがあるというふうに言われております。そのほとんどが日本人のオーナーではないということなんですけれども、その中で、日本の外食産業、これからもっと積極的に海外に展開していけるんじゃないかと。
 しかし、一方で、やはり日本の外食産業というのは非常に特殊なといいますか、サービスであったりおもてなしであったり、そういったある程度の日本食についての文化的な知識、背景でありますとか、そういうものを知っておかなければいけない、そうじゃなければなかなか日式のサービスはできない。こういう中で、恐らく外食産業の中でもそういった人材の確保ということで頭を悩めている、そういう業界なんじゃないかなというふうに思っておりますが。
 今、農林水産省の方で、日本の外食産業が海外に進出するという際における施策、支援というものがどんな形で検討されているか、教えていただけますでしょうか。
#144
○政府参考人(大角亨君) お答え申し上げます。
 日本食、食文化の海外発信に当たりましては、海外の現地の料理人を活用し、日本食の魅力を理解してもらうと、こういったことが効果的だと思っております。
 農林水産省といたしましては、こうした観点から、日本食、食文化を海外に普及する外国人の料理人の育成にも取り組んでいるところでございます。具体的には、平成二十六年に在留資格要件を緩和いたしまして、我が国の調理師学校を卒業した外国人につきまして、卒業後更に二年間日本料理店において就労しながら学ぶことが認められたほか、平成二十八年度からは、日本料理に関する知識、調理技能を習得度の度合いに応じまして民間団体が認定する制度を創設いたしまして、外国人料理人の技能向上を促進するとともに、外国人料理人を我が国に招聘し、日本料理の研修を行う事業等を支援しているところでございます。
 今後とも、こうした取組を通じまして、日本料理に関して適切な知識、技術を有する外国人の日本食料理人を育成いたしまして、日本食、食文化の海外普及を推進してまいりたいと考えております。
#145
○二之湯武史君 今のお話、大変いい取組だというふうに思いますが、こういう提案をしたいと思います。
 つまり、今おっしゃったような、日本で調理学校を卒業した外国人に対する在留資格を受けておられる方というのは、恐らくまだ数十人から百人、二百人というレベルだというふうに思っております。そういった方々が実は、今申し上げたように、世界に進出したいという外食産業に必ずしも就職、若しくはそういったところの人的資産、資本になっているという姿は必ずしも実は実現していないんじゃないかなというふうに思っていまして、個人ベース、若しくは外国に進出しようと思っていない人たちのところにもし彼らがその後在留しますと、店主からしたら二年間でいなくなる人材だからなかなか思いを持って彼らを教えることができない、そういうミスマッチがあるんじゃないかなというふうに思っているんですね。
 ですので、私は、是非、農水省、食料産業局として、今まで以上にそういった海外に進出する意向を持っている外食産業の皆さんとしっかりと意見交換をし、またどのような人材が必要かという人材像もしっかり定義しながら、一方で、今度、平成三十一年に専門職大学という制度ができます。ここで食というものについて人材育成をしたいという日本の大学や専門学校も存在しているというふうに私は聞きます。そういったところとしっかり連携をすれば、海外に進出したいと思っている外食産業が外国人を含めた日本食人材を大学体系でしっかり育成し、かつ、その後、外国人であればしっかりと在留資格を持って日本で食を勉強し、実技も含めて勉強し、そして彼らの母国に進出する際には中核的な経営人材としてそういった外食産業で活躍できると。
 こういう好循環をつくれば、外食産業の海外進出の発展にもつながりますし、我々が取り組んでいる農林水産物の海外輸出に飛躍的に私は貢献するというふうに思っていますので、是非そこの、民間とのコミュニケーションをより今まで以上に密に取っていただきたいというふうに思いますが、審議官、どうですか。
#146
○政府参考人(大角亨君) 現在の在留資格の特例制度につきましては、それぞれの調理師の養成施設の方が取扱い実施機関になり、私ども農水省の方と一定の手続をした上で、それぞれ受入れ機関でございます料理の提供事業者と連携しながらやっていると、こういう形となっております。
 確かに、おっしゃるとおり、必ずしも海外への進出を前提にしている料理施設との形の計画にはなっておりませんが、私ども、今、先ほど申し上げましたように、海外の料理人を呼んできて研修するというような事業を行うような中で、それぞれの料理、調理施設のところともいろいろ連携しながら事業を進めているところでございます。
 先生のお話十分踏まえまして、そういった外食産業の方々との意見交換等を十分進めてまいりたいと考えております。
#147
○二之湯武史君 本当に十分に踏まえて進めていただきたいというふうに思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。
#148
○松川るい君 ありがとうございます。自由民主党大阪選挙区選出の松川るいでございます。本日は質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
 私も大阪選出なので、今、二之湯先生のお話を聞きながら、万博、もしもきちんと誘致できるという見通しになったときには、しっかりと事前にビジネスマインドを持った設計が大事だなと思ったところでございます。
 さて、今日、私はライフスタイルに関する質疑をさせていただきたいと思っております。今後、日本の社会がどういう社会であったらいいかという、そういうことについて質疑させていただければと思っております。
 私、外交官として長らく勤務をしておりまして、海外に仕事をする機会が多うございました。かえって、外から見ると、日本って何てすばらしい国なんだろうと思うことが多かったです。まずまず、水がどこでも飲める、しかもお医者さんに行ったら必ず医療費心配しないで診てもらえる、自販機が道端に置けるぐらい治安がいい、本当にこんなことはめったにないことであります。
 他方で、どうしてこんなすばらしい国なのに日本はこんなに窮屈に生きないといけないのかな、もっと楽に、幸せに生きることもできるんじゃないのかと思った面もございました。長時間労働であったり、私のカウンターパートは長期間バカンスで不在なのに、私は三日だ一週間だとあくせくして休みを取ろうと周りに気を遣っているとか、中国人の同僚は、ベビーシッターをばりっと雇って自分の子供との時間を確保しつつもばりばり働いている一方で、私は、夫と似たような仕事をしておきながら、自分が一手に育児、家事を引き受けている。また、韓国に駐在しておったんですが、皆さん御存じか、韓国の方がマンションの基本設定の居住面積はずっと広いです。また、リスクやそれから失敗に対しても非常に厳しいなというところで、ちょっと窮屈に感じるなと思っておりました。
 ただ、安倍政権になりまして、私今申し上げたような点は非常に大きく改善といいますか進んで、変わってきたなという感じを受けております。女性が輝く社会というスローガンの下で、まさに当時加藤副長官であられましたが、私も外務省の女性参画推進室長としてそのお仕事にも携わらせていただきましたが、女性活躍は明らかにもう五年前とは打って変わって違った状況にございますし、働き方改革で柔軟な働き方であったり長時間労働からの決別ということも随分浸透し、また、今回、安倍総理の下、加藤大臣が中心となって取りまとめられた働き方改革計画、これも集大成ではないかと思います。
 それで、また、何より若い世代の意識が変わってきておりまして、一定程度の所得は要るけれども、それ以降はもう自由な働き方、そして自分の時間があるという働き方を重視するといったような意識調査もございます。
 このような変化の機会を捉えて、三月末で働き方推進本部は解散というか、めでたく仕事をミッションコンプリートで解散とは承知しておりますけれども、是非もうワンステップ進めていただきまして、どのような社会を目指すか、どういう生き方ができるようにこれからなるんでしょうかというビジョンについて、是非国民に対してできればキャッチーなネーミングとかコピーを使って発信をし、意識的に社会の在り方をより良い方向に誘導していくということについて政府や政治がもう少し意を使ってもいいのではないかなと思っております。
 私としては、息苦しい生き方をやめて人生という有限な時間を幸せに生きようということを、このライフスタイルを推進していきたいと思っております。
 まず第一に、加藤大臣にお伺いしたいんですが、そのライフスタイルでいくと大事なのが、夕方に家族で御飯を平日に一緒に食べられるというような働き方でございます。これにつきましてはもう既にいろんなことで御努力いただきまして、今回の残業時間規制であるとかプレミアムフライデーなど様々な取組をされていると思われます。
 ここについて、大臣が御尽力されたこの大きな改革につきまして、特に夕方に御飯を食べられる働き方という観点から御所見をいただきたいと思います。
   〔理事松下新平君退席、委員長着席〕
#149
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員御指摘の一つのライフスタイルという意味において、特にヨーロッパ、あるいはドイツでは、もう三時頃帰宅ラッシュが始まるとか、夕方見ていると、子供さんとお父さんあるいは家族で遊んでいる風景というのをよく見るわけでありまして、そういったことも含めて、ゆう活等、これまでの取組も進めさせていただきましたけれども、今回は特に長時間労働の是正というものを取り上げさせていただいて、やはり日本の状況を見ると、欧州と比較して大変長いということと、トータル、平均すると労働時間は減少しているんですけれども、フルタイムの方だけ見ると、この二十年間、余り変わっていないという実態がありました。そういった意味で、仕事と子育てあるいは介護、いわゆるワーク・ライフ・バランスをどう両立をさせていくのか、図っていくのか、そういう観点から、今回、長時間労働の是正にも取り組ませていただきました。
 先般、働き方改革実行計画を決定したところでありますけれども、この改革というのはある意味で戦後の日本の労働法制史上の大改革であるということをこの実現会議の有識者からは御評価もいただいたところであります。特に、この時間外労働については労使の間でなかなか合意ができなかった、こういう流れの中で、ようやくそれぞれの方々の努力によって合意が達成し、罰則付きの時間外労働の上限を法律で定めるということになったわけであります。
 働き方改革実現本部、別にここでやめているわけではなくて、今回の実行計画はまさに最初の一歩というわけでありますから、この実行計画に書き込まれた内容に沿って、関係審議会の審議を経て早期に法案を国会に提出し、その法案の成立に全力で取り組んでいきたいと、こう考えております。
#150
○松川るい君 ありがとうございます。あわせまして、是非、同一賃金同一労働も進めていただきまして、全体的な改革をお願いしたいと思っております。
 実は今、夕方に家族と、まあ友達でもいいんですけれども、時間を持つ、これは私、幸福という点で大変大事だと思っておりまして、最近読んだ本に「サピエンス全史」というのがございます。これは人類の来し方行く末を語るみたいな大きな本なんですが、中に幸福についての章がありまして、非常に納得というか、なるほどなと思ったんですけれど、人間というのはすぐ慣れてしまうと。つまり、お金持ちになったらお金持ちの状態に慣れてしまう。なので、一定程度経済力というのは幸福に関係するけれども、それ以上にはほとんど関係性を持たないと。何が一番最終的に重要かといえば、人とのつながり、例えば家族であったり友達であったり地域のコミュニティーであったり、そういう人とのきずな、つながりがあることが大変幸福を感じるかどうかにおいて大切であるということでありました。
 私は、今、一時期の日本はもしかすると密度が濃過ぎて息苦しくなった時代もあったのかもしれませんが、核家族化とかいろんなものが深化をしまして、かなり人間関係が希薄になってきたと。また、東日本大震災であるとか、この前、リーマン・ショックもございました。そして今、反グローバリズムというか、少し世界の中でもいろんなものを見直してみようじゃないかといったような動きがある中で、我々のこの日本社会においても、少し人とのつながりであったりコミュニティーを考えるということに関して揺り戻しがあるのではないかと思っております。
 その観点からなんですが、赤ちゃんとお母さんが一緒にいられる時間を確保しながらの女性活躍、そのために、可能であれば、私は育児休業の取り方の軸を一歳児中心にずらしてはどうかなと思っております。
 自分自身、八歳と三歳の娘がいて、二回育児休業を取りました。一人目のときは一年半取りまして、二人目のときは六か月だったんです。ちょっといずれも中途半端だった気はしております。周りのお母さんたちの御意見も聞きますと、みんな、ゼロ歳の四月じゃないと保育園に預けられないからそうしているだけで、もしも本当に保育園がいつでも預けられる状態にあったら、できれば一歳ぐらいがいいなという声は多いです。
 また、小児科医の専門家の御意見ですけれど、これはもう研究が十分あるわけですが、母子の愛着形成期というのがやはり一歳ぐらいまでが非常にクリティカルで、そこでお母さんとくっついて愛されているというところが、将来の人格形成において、情緒安定するかといったところで非常に大事であるということでございます。
 しかも、正直言って、予算の面からいっても余り合理的ではないと思っていまして、ゼロ歳児には一人の保育士さんが見られるのは三人まで、一歳児以降になりますと、一歳児、二歳児は六人見られる、その先は十人、二十人と増えていくわけですが、非常にその費用対効果という面でもどうかと思うという面がございます。
 そこで、もちろん個人の自由というか、そこは尊重しなければならないので、私が申し上げているのはあくまでも制度のお勧めの度合いというか、主流化についてということなんですけど、主軸を一歳ぐらい、まあ十か月ぐらいがいいと思う、十か月ぐらいまでが家庭保育でママと一緒にいて、それから後は必ず預けられるようにする、そして必ず女性は希望すれば職場復帰できるようにする、そしてまた男性がちゃんと育児、家事を一緒にやると、まあ夫ですけれども、この三、四点セットが一緒になるということが一番、予算の面でも、女性活躍の面でも、少子化対策の面でも、子供の成長の面でもいいんじゃないかと思っております。
 このような考え方について、大臣はいかが思われますでしょうか。
#151
○国務大臣(加藤勝信君) 子育てということでありますけれども、本来、子供に限りない愛情を注ぎ、その存在に感謝し、日々成長する子供の姿に感動し、親も親として成長していく尊い営み、これは子ども・子育て支援法に基づく基本指針に記載されている中身でありまして、そういう意味で、子ども・子育ての支援をするに当たっては、親が子育てについて第一義的責任を有するという基本的な認識、そして家庭は教育の原点であり出発点であるというこの認識の下進められる必要があるわけでありますけれども、それを進めるに当たって、一つは、保護者の育児を肩代わりするというものではなくて、むしろ子育てに対する負担や不安、孤立感を和らげることを通じて、親としても成長し、子育てや子供の成長に喜びや生きがいを感じることができるような支援をしていくことが求められる。まさに、それが委員が御指摘しているある意味で人生の豊かさにもつながっていくんだろうというふうに思います。
 その上で、どこが主軸かというのは、なかなかそれぞれの状況、時代によっても違うんだろうというふうに思います。また、それぞれ多様な今ニーズを持っておられる方がいろいろいらっしゃるわけでありますから、そうしたことをしっかり踏まえながら、大事なことは、仕事と例えば子育てとの両立を希望される人がその希望をしっかりとかなえることができるような環境をしっかり整備していくということが重要だというふうに思っておりまして、そういった意味では、例えば今、ゼロ歳児のお話がありました。
 一部には、一歳からでは預けにくいのでゼロ歳からというお話もお聞きをするわけでありますので、むしろ保育を必要とする子供を保育所に預けるそのそれぞれのライフスタイルというかライフプランの中で、その状況に対応できる環境をしっかりと整備していくことが重要だというふうに考えておりますので、そういった観点からも、引き続き、保育所の受皿整備、そして同時に保育所で働く方々の処遇改善、そういったことに努めていきたいと考えております。
#152
○松川るい君 ありがとうございます。
 まさに、おっしゃるとおりであると思います。ただ、私、赤ちゃんは声を出せないので、その赤ちゃんの声も聞いて考えるということも大切ではないかと思っております。
 実は、フィンランドという国が、九割九分ぐらい、ほとんど女性が働いているんですが、一歳半までは家庭保育が主であります。そして、幼児教育の質が非常に高くて、それが、だけではないとは思いますけれども、PISAに、国際学力調査においても非常に高い成績を収めているということがありまして、私はむしろ一歳以降は、特に核家族化した現在を考えますと、子供のためにいい保育園に預けた方がお母さんと二人だけで一日中いるよりも恐らくいいんじゃないのかなとちょっと自分の実体験も踏まえて思っているところでございます。
 次に、窮屈なライフスタイルに関して言うと、実は、規制があるからできないとか、制度がなくてできないということではないですけれども、なかなか進んでいない幾つかのことがございます。その一つが男性の育児休暇取得でございます。
 これ、男性の育児休業というといろいろな御意見はあると思うんですが、実際、世界の統計でも、また日本の中の統計でも、男性が家事や育児に参画、参画という言葉も私これおかしいと思っていて、分担だと思っているんですが、している度合いが多ければ多いほど少子化、子供を産む数が増えるということであったり女性が活躍できるといったような統計はもう既に出ております。日本の男性の育児・家事時間は一日当たり六十七分で非常に世界的に見て低くて、一方、女性は七時間家事、育児に費やしているという、一日ですね、非常に突出して高い状況です。
 これは制度の問題ではありません。日本の育児休業制度は、安倍政権の下でまた更に進んで、夫婦で取れば休業に入る前の八割がカバーされるという、世界で見ても非常に先進的で、かつ男性の取得もインセンティブを与えるような制度設計になっております。しかしながら、二〇〇五年の〇・五%の取得率から二〇一五年が二・七%ということで、ほとんど横ばいの状況であります。これはなぜかというと、アンケートを取ると、長期的なキャリアへの影響を見通しづらいとか、職場で反発が、そんな、男なのに育児休業を取るのかとか、こういうことが理由であるということだというのが実態として見えてくるわけです。
 したがいまして、私は、この育児休業、何で大事かというと、現実的に考えると、長時間労働でいる男性陣が初めて恐らく人生の中で育児と家事を一遍にどうしてもやらざるを得ない、一緒にやらざるを得ない状況に置かれるという意味で、パパスイッチを押したり家事デビューをしたりという非常にいい機会だと思うんですね。別に一年取れとかそういうことではなくて、一週間でも二週間でも取るということが、恐らく女性活躍であったり少子化対策であったり、いろんなことにいい影響をライフスタイル上も及ぼすんじゃないかと思っています。
 さっきの話に戻りますと、制度のせいじゃなくて、もう経営者がどういう意識で職員に対して育児休業をあなた取りなさいと言うかという話に突き詰めていくと行きます。大企業だからできるんじゃないかとか中小企業はできないよという話でもなくて、介護と違って出産は十か月前から、職場に報告するのは七か月前ぐらいかもしれませんけど、分かっているわけで、大企業じゃなくても、七か月先に二週間、一週間休みを取るということができないというようなマネジメントは、経営者として、それはもう能力の問題ではなくて意識の問題でございますので、むしろ私は経営者の意識に対していかに政府がアドレスしていくかということが大事じゃないかと思っておりますが、大臣の御見解をいただきたいと思います。
#153
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど委員がおっしゃった女性の輝く社会の実現に向けて、WAW!という世界のシンポジウムを東京で開催したときに、委員が当時外務省の中心として大変御活躍をいただいたんですが、そのときも、そのシンポジウムには、活躍する女性のみならず、そうした活躍を支援する男性リーダーの方々にもおいでをいただいたわけであります。
 まさに、女性活躍を推進をしていく、また男女共に暮らしやすい社会の実現を目指すためには、経営のトップとかですね、いわゆる、方々がそのリーダーシップを大いに発揮をしていただいて、管理者を含めた特に男性側の意識改革を進めていくことが大変重要だというふうに思いますし、また、そうした働きやすい社会をつくる一つとして男性の育児等への参画促進というのは非常に大事なんだというふうに思います。
 育児休業の取得を希望しながら、先ほどお話がありました、制度というよりは、むしろ取得しにくい職場の雰囲気を理由にされるということが多いわけでありまして、そうした理由で断念することがないように、事業主が対象者に対し育児休業の取得を個別に周知、勧奨することを盛り込んだ雇用保険法の一部を改正する法律案が今国会において可決、成立をしていただいたところでございますので、今後、その法の趣旨も踏まえて、企業の積極的な取組を促させていただきたいというふうに思いますし、また政府としても、イクメンプロジェクトによる企業の表彰、あるいは輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会における行動宣言の賛同者の拡大などによって男性が育児休業を取得しやすい機運の醸成を進めているところでございますので、こういった形で男性の育児休業の取得促進に取り組み、女性の活躍推進が図っていけるように更に努力をしていきたいと思います。
#154
○松川るい君 ありがとうございます。
 御一緒に仕事をさせていただきまして、加藤大臣の女性活躍に懸ける思いというのは、職責にあるからということだけではなくて、本当に心からそう思ってお取組なさっているということを私は実感いたしました、本当に。
 そして、そのWAW!の経験からもなんですけれども、まさに加藤大臣のような心底そう思っているリーダーが、男性リーダーがお声を掛けて働きかけていくということが非常に大事で、その際には、インセンティブだけではなくて、取らせない、自分の課の職員がもう十か月先には子供が生まれるのを分かっていて取らせないような管理職はマイナス評価をされるとか、そういったことも取り組んでいる会社があります、これは政府が強制できることじゃないのは重々承知していますけれども、そういった取組をしている会社もあって成果も上げておりますので、そういったところを更にプレイズするような形で促進していただければと思っております。
 次に、もう一つ、規制があるわけでもないのにできないんですねという話があります。これは、保育士が自分の子供を自分の働く保育園に連れてこれていないということでございます。これ、私の誤解だったら是非正していただきたいんですが、規制があるわけではないと承知しています。何か法的規制があって保育士さんは自分の働く園に自分の子供を連れてきてはいけないということではないんだという理解です。もしも違ったら是非教えてください。
 私は、保育士さんが自分の子供を自分の園に連れてこられたら非常にいいと思うんです。まず、時間が、ほかの保育園に預けてから来なくていいわけで、非常に復帰がしやすいです。今、潜在保育士さんたくさんいるけれども、なかなか帰ってこない理由の一つにそこはあると思います。もう一つは、自分の子供を預けている園のマネジメントとかいい教育プログラム、絶対に真剣になると思いませんか。どう考えてもいいインセンティブが働くんです。問題は、えこひいきになるんじゃないかといったところを御懸念されるんだと思いますが、同じクラスを担任するんじゃなくて、ゼロ歳児から五歳児まで六クラスあるわけですから、違うクラスを担任すればいいだけなんですね。
 これは私、別に妄想して申し上げているわけじゃなくて、私の地元大阪でそういう取組をしている園がございます。私立です。随分大阪市からいじめられたそうですが、ずっと信念を持ってやってきていて、そこでは二十年保育士さんが最長では勤め、最短でも六年勤めていて、その中で、勤める中でお子様も出産し、そして継続して雇用ができているという状況がございます。
 私自身、東日本大震災のときに思ったんです、本当に思ったんです。自分の子供を、東京で、私、仕事していましたので、子供を保育園に預けていて、お昼の二時過ぎで、ぐらっと揺れて、もうすぐに駆け付けたいと思いました。そして実際駆け付けたんです。保育士の先生たちは誰一人逃げずに私の娘や子供たちを守ってくれていました。その保育士の先生たちにもお子さんはいるんですね。その保育士の先生たちが御自分のお子さんに会えたのはもう翌日、夜中になってからなんです。私は自分の子供がすぐ自分のそばにいるということがどれだけ安心かということに関して本当に実感を持っております。
 ここについては、是非そういうことができるように、いや、規制がないからやっていいんですよということだけじゃなくて、むしろ促進する方向にかじを切っていただいたらいいんじゃないかと思っておりますが、この点について、どうして今そうでないのか、そして、インセンティブといいますか、この私が申し上げている方向がそれほど何か問題がないということであれば是非進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#155
○政府参考人(吉本明子君) お答えいたします。
 保育人材の確保につきましては、処遇改善のほか、就業促進、離職の防止など、いろいろなことをやって取り組んでいるところでございますが、その一環として、保育士の子供の保育園の利用については、まず優先して保育園を御利用できるようにということで自治体宛てに通知をしております。また、保育士が子供を保育園に預ける際の保育料の貸付けなどをいたしまして、再就職後二年間保育士として勤務した場合の返還免除といったようなこともいたしております。
 ただいまの御指摘でございますが、保育士が働いている保育園に自分の子供を入園しやすくするということにつきましては、私どももお聞きするところによりますと、御自身のお子さんがいらっしゃるということで公平性がきちんと確保できるのかといったような他の保護者の御利用者様からの心配だとかいったこともあって入所させていないといった利用調整を行っている園、自治体があるというふうに承知をしておりますけれども、まずそうした地域の保護者の方々のニーズ、実情を踏まえつつ、また保育士の確保ということは非常に重要な観点でございますので、そうした観点も踏まえて、各市区町村で適切に判断していただくべきことではないかなというふうに考えているところでございます。
#156
○松川るい君 ありがとうございます。
 私は、親がそういう意識でいることが、やっぱりそこにそんたくといいますか、保育園側がそんたくをして控えているんでしょうけれども、これだけ保育士さんが求められている中で、なかなか潜在的能力があっても戻ってこない中で、保育園に私も通わせている親側でございますけれども、やっぱり保育士の先生の置かれた状況に対してもう少し理解を持ち、こういったところに関して親の意識を変えていくということも私は大事だと思っております。(発言する者あり)ありがとうございます。
 次に、これまたもう一つ、規制があるのかないのか伺いたい点がございます。
 私は、日本のこれは文化なのか何なのか分からないんですが、家事や育児をアウトソースすることに関して非常に抵抗感が女性も男性も強いのかなと思います、後ろめたいといいますか。しかし、女性がフルに活躍していただこうというときに、育児と家事を全部引き受けていてそんなばりばり働けるはずがないというか、補助的な役割に任じざるを得なくなるのは当たり前のことだと思います。したがって、私は、家事は別に女性がやる必要もないし、育児というんだったら、一緒につくったんだから夫婦で一緒にやるべきじゃないかと。もちろんママじゃないと、母親じゃないとできないことというのはもちろんあります。しかし、そういう意識が大事ではないかと思っております。
 ただ、現実問題として、自分自身苦労してきたので分かるんですけど、そんな男子厨房に入らずといって育てられた男性に対して、若い人は別だと思うんですけれども、突然それを求めてもなかなかそれは難しいというのも、これも理解できるところ。結局、現実的な解決策としては、家事、育児の総量負担を減らすということが大事だと思います。そのアウトソースには、ベビーシッターであったり家事補助者、ハウスキーパーであったりといったところがよりリーズナブルに手近に使えるようになると非常にいいなと思うわけです。
 ここで問題なんですが、私も非常に仕事が忙しくなりまして、もうこれは給料大分使っちゃうけれどもシッターさんをお願いしようと思ったんですね。幾つかの会社にお電話をしまして、シッターをお願いしたいんだけれども、空いた時間で家事もやってくれというお願いをしましたら、皆さん駄目だ駄目だとおっしゃるんです。えっ、洗濯物を取り込むぐらいやってもらっていいじゃないですかとか、子供を何か、そうすると、御飯も食べさせてくださいと言うと、いや、お母様がちゃんとレンチンすればいいようにそろえておいてくださいとかですね。それから、いや、うちの子五歳なんで、そんなに心配していただかなくても、終始見張っていただかなくても大丈夫なんですけどと、お風呂掃除してお風呂入れてやってくださいと言っても、いや、掃除はいたしませんとか、シャワーはいいんですけどお風呂は困りますとか、ちょっとよく分からないということなんです。
 世の中の母親が求めているのは、そんなすごいプロレベルなハウスキーピングとシッティングではなくて、母親代わりなんですよ。自分の代わりにお迎えに行ったり子供の面倒を見てくださいと、その間に手が空いたら是非ちょっと片付けたりごみ捨てたりしてよということなんですね。これは、別にバリキャリのお金持ちの話でしょうということでは全然なくて、むしろママ代わりサービスというのがいかに手近にリーズナブルに使えるようになるかが、現実的に考えると非常に日本の女性活躍にとって大事だと思っております。
 ここで御質問なんですが、私のこれ誤解だったら済みません、その業者さんが言ったのは、いや、法律上できないとか、いや、何とかのガイドライン上できないとかあれこれおっしゃっていたんです。他方において、今私が言ったようなママ代わりサービスを細々とやっていらっしゃるところも私は実は知っております。
 確認したいんですが、これは法律上、ベビーシッターさんが、空いた時間、保育をしながら、保育をちゃんとしながら余裕があるときに随時一緒に家事をしてはいけないという法律的規制はあるんでしょうか。
#157
○政府参考人(吉本明子君) ベビーシッターと言われます、居宅訪問型保育事業というふうに申しておりますが、児童福祉法第六条の三第十一項におきまして、保育を必要とする乳児、幼児の居宅において保育を行うと、基本的にはこれはゼロ歳から二歳までの乳児、幼児ということになっております。
 この保育する乳児、幼児の居宅において、保育者と児童が原則一対一という特性がございまして、このため保育の一環として行うことというのは可能なわけでございまして、例えば具体的に申し上げますと、子供の入浴とか、あるいは食事を食べさせるといった補助であるとか、あるいは子供を遊ばせてその後片付けをするとか、そういったことについては保育の一環というふうに解すことができるわけでございますが、一方で、子供が午睡している間に洗濯、掃除をするとか、あるいは火や刃物を扱う調理を行うといったような子供から目を離してしまうというようなことにつきましては、子供の安全を損なうといったことで困難ではないかというふうに考えているところでございます。
#158
○松川るい君 おかしいと思うんですよね。日本中の母親はそれをやっているわけです。日本中の母親が普通にやっていることを業としてやることができないという規制をどうして政府が課す必要があるのか、全く分かりません。常識というものがありまして、それはまあゼロ歳児でふにゃふにゃの赤ちゃんは見守っていないとと、これは分かるんです。五歳児がそこらで宿題をしていて、その横で火を使って調理をしたらそんなに危ないのか。そんなことはないんじゃないでしょうか。これは、時と場合によって、状況、状況に応じてコモンセンスを持って判断すべきことだと私は考えます。
 したがいまして、今私は、法律承知しております、見せていただきましたけど、従事すると書いているところをそこまで読み込むのは解釈し過ぎなんだと思うんですね。実際、そうじゃないサービスを既に提供されている方々もおられて大変御好評いただいているわけですから、私はこの、まあ何というんですかね、ちょっとしゃくし定規な余り現実に即さない解釈を是非厚生労働省にやめていただきたいということを要望しておきたいと思います。
 次に、まだ行きたいんですが、ライフスタイル、大きなポイントになるのが、次は休暇でございます。私は、休暇は単にリフレッシュをするということだけではなくて、消費をしてもらうという意味でも日本経済にも貢献する非常に大事なところではないかと思っております。盆、暮れ、正月とか決まり切った休みだけではなくて、その時期、日本中混み合うわけでございまして、そうじゃなくて、もう自分のタイミングで、一日とかじゃなくて一週間休むことがあってもいいんじゃないのかなと思っております。これも別に今制度上できないわけじゃなくて、皆さん平均的に有給休暇を余らしまくっているわけでございます。
 これは、なぜそれが取れないのか。そういう雰囲気じゃないとかいろいろあると思うんですが、ここについては、私は是非、例えばプレミアムフライデーとか、昔は、土曜日も休みじゃなかった時代に、土曜日休んだらもう経済成長しなくなると言われたときもあったけれども、導入をして現在に至っているわけでございまして、政府が、例えばバカンスジャポネとかいってそういうキャンペーンを張って、ちょっと決まり切ったときじゃないタイミングでも少し休む、休んで家族や友達と一緒に時間を過ごして、できれば日本の中でたくさん消費をしてもらって消費も喚起してもらうといったようなキャンペーンを張ってはいかがかと思っております。
 まずお伺いしますが、これ簡潔にお願いいたします、日本人の有給休暇取得の現状はいかがでしょうか。
#159
○政府参考人(土屋喜久君) お答え申し上げます。
 年次有給休暇の取得率につきましては、平成二十七年の調査で四八・七%と近年五割を下回る水準で推移をしておりまして、その取得の推進は重大な課題であるというふうに認識をしておるところでございます。
 取得をしない理由としては、働く方の約三分の二の方がその取得にためらいを感じていて、そのためらいを感じる理由として、みんなに迷惑が掛かると感じるから、後で多忙になるから、職場の雰囲気で取得しづらいからといった回答が多くなっております。
#160
○松川るい君 ありがとうございます。
 まさにみんなで一斉にやらないと変わらないことの典型だと私は思います。是非、まず隗より始めよではございませんが、国家公務員からこういったキャンペーン、名前は私が勝手にバカンスジャポネと言っておりますけど、やっていただいて、特に国家公務員の方々非常に激務でありまして、私もその当時は人のことを言えた義理ではなかったですけど、たくさん休暇を余らせておられます。是非、ふだん激務なのがなかなか変わらない現状はあるかと思いますけど、せめて休みを何でもないときに一週間取ったらどうだというキャンペーンをやっていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#161
○国務大臣(山本幸三君) 政府としても、国家公務員の女性活躍とワークライフバランス推進のための取組指針等に基づきまして、年次休暇の取得促進を推進しているところであります。御指摘のとおり、まとまった形や週末に続ける形で連続休暇を取得することも有意義であると考えております。政府の方の、国家公務員の取得率は六七・五%でちょっと民間よりも高うございます。このため、休暇取得を促進するに当たりまして、各府省とともに、夏季及び年末年始における一週間以上の連続休暇に加えて、一定程度繁忙な時期が継続するプロジェクトの終了後における連続休暇、各職場等の実情に応じた月曜日又は金曜日の休暇等も取得できるよう努めているところであります。
 今後とも、年次休暇の取得促進など、国家公務員のワーク・ライフ・バランス推進に努力してまいりたいと思います。
 ちょっと所管を外れますけれども、御指摘のように、休暇をしっかり取っていくことは、消費も増やすし、観光も進むわけであります。私は、観光関係もちょっとやっていたものですから、そのときの最大のネックは、観光産業が余りに、連休とかそういうときに人が来るんだけど、そのほかのときは人が来ない、そのために正規雇用がなかなかできないという状況があって、これが一つのネックなんですね。その最大の問題は、年休を取ればいいという話があるんですけれども、親が年休を取っても子供が休めないと観光に行けないんです。
 したがいまして、私は、例えば小学校なんかは一週間ごとに各地域ごとに休みをずらしたらいいじゃないかという話をしておりまして、これは、文科省に話をしましたら、その地元の教育委員会がそういうことを認めればできるというような話でありまして、是非、これは今文科省にもお願いしておりますけれども、各地方の教育委員会がそういう考えでやってもらうと平準化していきますので全てにおいて良くなるというようにも思っております。
#162
○松川るい君 大臣、ありがとうございます。
 大変いい御示唆というか、私も、小学校の休暇をずらしてくれたら、きっとあちこちに行く人が増えて、消費喚起にもなるし、子供たちもきっと両親と一緒にいろんなところ、日本の中で見られて、教育的にもいいと思います。是非進めていただきたいと思います。
 次に、働き方に戻ります。
 私、目指すべきライフスタイルの中で、やっぱり仕事って日本人のみならず非常に大きなところだと思いますが、縦にも横にも自由に生きるということをもっと意識したらいいんじゃないのかなと思っております。
 縦というのは人生を縦軸に取ってという意味なんですが、特に女性は出産や結婚といったライフステージがありますので、ずっと同じ仕事やずっと同じ働き方でなくてもいいし、出産を機にしばらく休むんだけど、また復帰して、そのときには同じじゃなくて、例えばNPO法人を始めることがあるかもしれない、ある人生の時期には学校に行きたくなるかもしれない、いろんなことが人生の中の縦軸にあっていいと思います。これは、既に働き方改革の中でも、柔軟な働き方であるとかそういったところで御努力いただいていると認識しています。
 もう一つは、横にも自由でいいじゃないかと。これは、いわゆるマルチキャリアといいますかパラレルワーク、副業、兼業といったことをもっと普通に、やっているのが当たり前というか、そういうことになったらいいんじゃないのかという話でありまして、これは今回出された働き方改革計画の中でも言及いただいているところなので、政府としても御認識いただいているところだと承知しています。
 私は、地元の大阪のリーディングカンパニーでロート製薬というところがあって、これは個別企業名出させていただきますけど、ニュースになったから構わないと思いますが、去年の二月に兼業、副業を解禁して、今、応募が六十人から始まったんですけど、いろいろ進んでいて、地ビールの会社というか起業をする人とか、違うところで働く人とか、いろいろ出てきているそうです。
 なぜこれをしようと思ったかといったときに、その社長は、人間の能力というのは一つだけじゃないし、いろんな自分の能力を生かしたいと自分は思うし、きっとみんなそうだろうと。そしてまた、そのいろんなところで培ってきた経験とかというのが本業の方にも、新しい発想であったり、そういったものにつながってくると期待しているということでありました。
 私は、付け加えて言うと、これがずっと進んでいくと、実は、今、大企業とか企業側は副業をどこかでやってきてもらって主がこっちだと思っていますけど、これがみんなが進んでいくと、企業の方が副業で来てもらう側になることもあり得ると思うんです。例えば、A企業で勤めている人が副業でB企業でいて、B企業も別にちっちゃなところではなくてというようなことも十分あり得るというふうになっていくんじゃないかと思います。
 私は、このマルチキャリア、副業、兼業、いろんな在り方があっていいと思うんですけれども、これが進むことはイノベーションの創出にもつながるし、新しいいろんな働き方を柔軟にするという意味でも意味があるし、会社の多様化にもつながると思っておりますが、この兼業、副業をどのように推進していくという御所見か、大臣の見解をいただければ有り難く存じます。
#163
○国務大臣(加藤勝信君) 私も、今委員が具体的な会社名をおっしゃいましたけれども、ロート製薬にも行かせていただいて、その取組についてお聞かせをいただきました。
 実際、兼業、副業を希望する方、近年増加しているんですけれども、これを認める企業は決して多くない、むしろ少ないと言っていいんだろうと思います。当然、兼業することによって長時間労働等になってしまってはこれは何のためかということになりますから、そういった健康確保には留意をしつつ、原則認める方向で兼業、副業の普及促進を図っていきたいと私どもは考えております。
 兼業、副業には、今委員御指摘のように、いわゆるオープンイノベーション、あるいは起業ですね、ビジネスを起こす、そして、それのみならず、その働いている人たちの能力のブラッシュアップ、開発にもつながっていく、こういうメリットを示していくと同時に、これまでの裁判例や学説の議論を参考に、就業規則などにおいて本業への労務提供や事業運営、会社の信用、評価に支障を生じる場合など以外は合理的な理由がなく副業、兼業を制限できないことをルールとして明確化するために、モデル就業規則というものを改定をしていく。
 他方、先ほど申し上げた長時間労働を招いたのでは本末転倒になりますので、労働者が自ら確認するためのツールのひな形、あるいは企業が副業、兼業者の労働時間や健康をどのように管理すべきかを盛り込んだガイドライン、こういったものを策定することによって、先ほど申し上げた兼業、副業の普及促進を図っていきたいと考えております。
#164
○松川るい君 ありがとうございます。本当にすばらしい取組、進めていただければ有り難いと思います。
 そのロートの社長がおっしゃっていたのを、私、印象的だった言葉が、今は日本の中では肩書でみんなそれぞれの個人が認識されることが実態だと、これからは副業、兼業をいろいろ進めていくと、肩書じゃなくて、肩書から個人を認識するんじゃなくて、個人から肩書という逆方向に行くのではないかと言っていました。私は、それはとても生き方の豊かさ、まさにライフスタイルの豊かさというのを一つ担う大きなきっかけになるんじゃないかと思っているところであります。
 次に、縦にも横にも自由に生きるという両方に関わって、イノベーションにも関わるし、生き方にも関わるという、それからまた、私は、日本の社会の中でちょっと窮屈だと思っているのが、失敗やリスクに対して不寛容であるという、この三つに関わる点なんですけれども、若者の起こし業、起業というのが私は非常に有意義なんじゃないかと思っています。
 例えば、高校生で起こし業というのはすごくいいと思うんですね。そのときであれば失敗しても、まあ普通親御さんおられたりするので、経済的にあしたから困窮するということにはならないし、また立ち直りもできるし、いろんな、そしてまた、そのときの経験、失敗を経験にして将来の更なる起こし業であったり違うビジネスであったりに生かすことができると思うんです。
 また、そういう意味では、その縦の生き方でも意味がありますし、また、こういう起こし業というのがいろいろあると、全部が成功するわけではない、若者がやるということなので、失敗するということが必ずしもマイナスではない、もちろん皆さんに余り迷惑掛けちゃいけないんですけれども、より日本社会が失敗であったりリスクに対して寛容になっていくという、そういう契機にもなるんじゃないのかなと思っております。
 私、政府の方も若者、女性もですけれども、起こし業、推進していると承知をしておりますが、このお取組について今後更に発展させていただきたいと私思っておりまして、どういうふうに現状お取り組みなのか、これからどうしていきたいのかについて御所見をいただければ有り難く存じます。
#165
○大臣政務官(井原巧君) 簡潔にお答え申し上げます。
 もう議員のおっしゃるとおりでありまして、こういう社会風潮が、働き方改革も経済の方も、同じようなベンチャーのことも言えるんだろうと、少し保守的なんだろうと思っております。
 私が政務官に就任してから、高校生、大学生、あるいは若者の大会に出たのは、高校生ビジネスプラン・グランプリとか、イノベーションリーダーズサミットとか、大学発ベンチャー表彰式等、経産省としてもかなり頑張っていると思うんですけれども、これが社会に広がらないことがやっぱり一つの大きな課題だというふうに思っておりまして、経産省といたしましても、是非このチャレンジ精神の高揚を図れるように、経産省としての制度設計とか政策支援とか低利融資とか、様々な側面で取り組んでまいりたいと、このように考えております。
#166
○松川るい君 ありがとうございます。
 今ちょっと言及していただいたビジネスプラン・グランプリ、これ今年の優勝者は私のまた地元の三国丘高校だということで、大阪の高校だということでございます。引き続き頑張っていただきたいと思います。
 最後の質問をさせていただきたいと思います。今言ったちょっと窮屈だというところにも絡んできますが、何かスキャンダルがあるとすぐに萎縮をして全部駄目になってしまうというのが日本のありがちな、いろんなことに関してあると思うんですね。研究開発についてもそうかもしれないし、一回事故が起きたりするとその研究自体駄目になったりする。
 今回、文科省の天下り事案がありました。あれは本当けしからないお話でございまして、しっかりと対処しないといけないのは当然です。ただ、大変、国家公務員、優秀な方が多くて、その人材を一億総活躍社会の中で生かせないというのは、非常に私は間違ったことだと思っております。
 今回の文科省の天下り事案によって、私は、公務員の再就職であるとか、その能力の活用において萎縮効果が生じてはいけないと思っています。今回、その公務員の再就職というところで、辞めた後に再就職するということもありましょうし、また在任中に、リボルビングドアとは政治任用の国の話なので同じではないと思うんですけれども、民間と交流をしてお互いに刺激をし合うといったようなことも大事だと思っております。
 公務員経験者が民間に出て活躍できるように、在職中も、退職というか、その任を終えられた後もやっていくべきだと思っておりますが、大臣の御所見いただきたいと思います。
#167
○国務大臣(山本幸三君) 国家公務員の再就職につきまして、問題なのは、官民の癒着につながりかねない予算、権限を背景とした再就職のあっせん等の不適切な行為であります。一方で、公務員が法令に違反することなく再就職し、公務部門で培ってきた能力や経験を活用して社会に貢献することには極めて大きな意味があると考えております。したがいまして、規制すべき点は規制しながらも、公務員人材の能力や経験が社会において生かされるように政府としても適切に対応してまいりたいと思います。
 現在、内閣人事局に立ち上げた再就職徹底調査チームで全省庁的な調査を行っているところでありますが、御指摘の点も踏まえて、どのような対策を取れば実効が上がるか、しっかりと検討してまいりたいと思っております。
#168
○松川るい君 ありがとうございます。
 公務員の皆様におかれては、しっかりとそういう意識で意気高く頑張っていただければと思います。
 どうもありがとうございました。
    ─────────────
#169
○委員長(岡田広君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、吉良よし子さんが委員を辞任され、その補欠として辰巳孝太郎君が選任されました。
    ─────────────
#170
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
 二〇一五年の十一月十七日に谷査恵子さんから籠池氏へ返信されたファクスの件についてお伺いをいたします。
 官房長官は、これはゼロ回答だと、籠池氏の要求はゼロ回答だという答弁をされておりますけれども、本当にそうなのかと。貸付契約では、十年以内に買い取らなければならないと、買い取ることができなければ国はその土地を買戻ししなければならないと。しかし、籠池氏は、十年では無理なんだと、五十年の定借に延ばしてほしいと、そして賃料を半額にしてほしいということで要求をされ、そして、時期はずれますけれども、結果的には実現をしております。
 ちょっと具体的にどのようなことが実現をしたのかを確認していきたいと思うんですが、理財局長、二〇一六年の六月に契約をしております。これ、一億三千四百万円の売買契約なんですが、いわゆる即納金を引いて、延納金ですね、延滞金、これを加えた実際の負担金額というのは森友側にとって幾らになったんでしょう。
#171
○政府参考人(佐川宣寿君) 大変恐縮でございます。細かい数字、通告ございませんので、即納金と相殺した分について、たしか委員おっしゃるように数千万の単位で残っていたのを、残っているはずでございます。(発言する者あり)
#172
○委員長(岡田広君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#173
○委員長(岡田広君) 速記を起こしてください。
#174
○政府参考人(佐川宣寿君) 失礼いたしました。
 その即納金とあれの差は五十七万円でございます。
#175
○辰巳孝太郎君 最終的な、負担をする金額ですね、即納金を引いて延滞金を加えた金額は幾らですか。
#176
○政府参考人(佐川宣寿君) 大変恐縮でございますが、その延滞金の金額まで含めてその細かい数字、通告なしでちょっと今聞かれましても、お答えはちょっと今できませんので、恐縮でございます。
#177
○辰巳孝太郎君 いや、これぐらい分かっておいてほしいんですね。これ、一億一千二百万円なんですよ。これ十年分割なんですね。月々にしますと、これ大体九十三万円になるんですよ。つまり、当時、森友側は貸付料、月額二百二十七万円を負担しておりました。それを半額にしてほしいという要求があって、これが実際には九十三万円の月々の負担になると、こういうことなんですね。
 官房長官、これ満額回答以上に引き下げられていると私は思うんですけど、どうですか。
#178
○国務大臣(菅義偉君) 籠池氏側の手紙の内容というのは、二〇一五年秋の時点における国との間の貸付契約に対する籠池氏側の要望を示したものだというふうに承知をしています。
 これに対して、夫人付きのファクスによる返答は、御希望に沿うことはできないというふうに記載をされており、また内容についても法令や契約に基づく一般的な対応を説明したものであり、ゼロ回答であったというふうに思います。
#179
○辰巳孝太郎君 官房長官、そうではなくて、半年後に、三月にごみが見付かり、六月に契約を結びます。これで籠池氏の負担というのは半額以下になったんですよ。そういうことなんですね。結果的に半年後には満額回答になったんじゃないですかということを聞いております。
#180
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。
 賃料の、その半額程度にという委員の御指摘ですが、それは登記の、最初の定期借地契約のその時点での時価があって、それに基づいて賃料を設定しているんです。今委員御指摘の手紙の時点では、全く、新たな埋設物が発見された後の売買契約は全く無関係のレターなので、そういう意味では、最初の賃料の話と新たに見付かった事実の後の売買契約の金額を比較すること自体が適当でないというふうに考えておりますし、なおかつ、定期借地契約に基づく賃料というのは引下げなんか行われておりませんので、ゼロ回答でございます。
#181
○国務大臣(菅義偉君) 今委員の発言というのは、二〇一六年三月に地下の埋設物、これが見付かった後に締結をされた売買契約の分割払の額であり、貸付料とは全く別物であるというふうに考えます。
#182
○辰巳孝太郎君 ごみが九・九メートル辺りから出たのかどうかというのは予算委員会でも議論をしてまいりました。国立研究開発法人の調査でも、九・九から出るはずがないと。地層を見れば、貝殻が四メーター、五メーターから出てきているわけですね。九・九メートルからもしビニール片やマヨネーズの蓋なんかが出てきたら、これは歴史的な発見だと、こういう話になっているわけですから、そもそもの前提がごみはないということだと私は思うんですね。
 二〇一五年の籠池氏からの手紙のやり取り、これについて改めて聞きますが、籠池氏が昭恵氏にまず留守電にメッセージを入れたと、こういう話であります。そして、谷氏から電話があったとの関係者からの証言を我々は得ております、籠池氏が谷氏から電話をもらったと。つまり、昭恵氏が留守電を受けて、谷氏に指示を下して籠池氏に電話をさせたと私は考えられると思うんですね。
 官房長官、確認しますが、昭恵氏が谷氏に留守電のことを伝えて、そして谷氏は籠池氏に連絡をしたんじゃないんですか。ここどうですか。
#183
○国務大臣(菅義偉君) 御指摘の点については承知をしておりません。
 いずれにしろ、本件については、十月二十六日消印の書面が籠池氏から総理夫人に対してではなく夫人付きに対して送られ、夫人付きが財務省に問合せを行い、その結果として自らの判断で作成し、ファクスを送ったと、このように承知しています。
#184
○辰巳孝太郎君 谷さんに確認をされましたか。
#185
○国務大臣(菅義偉君) 御指摘の点については承知をいたしておりません。
 籠池氏の問題が国会で議論されるようになって以降、私は、これまでの経緯等を整理する中で総理夫人付きの活動についても報告を受けましたが、そうした話は承知しておりません。
#186
○辰巳孝太郎君 承知をしていないということは、谷さんは電話をしていないと官房長官に伝えているという、そういう認識でよろしいですか。
#187
○国務大臣(菅義偉君) 今申し上げましたけれども、国会で議論されるようになって以降、これまでの経緯等を整理する中で総理夫人付きの活動についても報告を受けましたが、そうした話は私は聞いていないということです。
#188
○辰巳孝太郎君 確認をしていただいたという認識でよろしいですか。あなたは電話をしたんですかという確認をされたということでよろしいですか。
#189
○国務大臣(菅義偉君) 今申し上げましたけれども、私自身が、この国会で議論になってからどのような経緯であるかというところを報告を受けましたけれども、そうした話はなかったということです。
#190
○辰巳孝太郎君 話はなかった。しかし、今封書のやり取りというのが明らかになっているわけですから、改めて谷さんに、電話をしたんですか、ここの確認をしていただけませんか。
#191
○国務大臣(菅義偉君) 今申し上げましたけど、私がこれまでの経緯等を整理する中で夫人付きの活動について報告を受けましたが、そうした話は承知していない、あれば報告があったというふうに思います。
#192
○辰巳孝太郎君 もう一度確認することが必要だと思うんですけれども、官房長官、確認をしていただけませんか。
#193
○国務大臣(菅義偉君) 私は再三申し上げていますけれども、そうした御指摘の点については承知していませんし、夫人付きの活動についても報告を受けましたが、そうした話は承知していない。
#194
○辰巳孝太郎君 本当にひどい答弁だと思うんですけれどもね。
 つまり、籠池氏は昭恵さんの留守電に電話を入れた後、何のやり取りも谷さんとなく、突然手紙を谷さんのところに送ったと、こういう話になるわけなんですね。しかし、これやっぱりおかしいですよ。この籠池氏が書いた手紙の冒頭は、小学校敷地の件についてというところから表題で始まりまして、小学校用地として豊中市野田一千五百一の国有地を売買予約付定期借地として契約、こういう文言から始まるんですね。
 官房長官、突然訳の分からない手紙が来ても、谷さん、ここまで丁寧にこれ説明する、こういうことなんですか。
#195
○国務大臣(菅義偉君) 私は再三申し上げていますけれども、御指摘については承知しておりませんし、国会で議論されるようになってからその経緯について整理をする中で総理夫人付きについての活動、そうしたものの報告を受けましたが、そういう話はなかったということです。
#196
○辰巳孝太郎君 これはファクスのやり取りというのは、今になって、先週にやっと出てきた話なんですね。ですから、もう一度確認をしていただきたいと思うんですよ。
 この籠池氏が送った手紙には、昭恵氏に関する言及というのはこれ一切ないんですよ、一切ないんです。ところが一方、谷氏が送った返信のファクスには、最後に昭恵夫人に報告してありますと、こう書いてあるわけですね。突然手紙を送ってきた相手に、昭恵夫人に報告をしてありますと、これ普通はならないんですよ。これ、谷さん自身が籠池氏と昭恵さんとのやり取りがあったことを踏まえてこういう言及をしていると、こういうことなんですよ。官房長官、そう思いませんか。
#197
○国務大臣(菅義偉君) 夫人付きは総理夫人の講演会にも行っています。ですから、そういう中で送られてきたのじゃないでしょうか。そして、当然、このファクスで文書を出すについても、その籠池さん側の要望ですかね、それに対して答えています。それは完全にゼロ回答の答えだったと思いますよ。ですから、それを出す前に報告をするというのは、ある意味で自然なことじゃないでしょうか。
#198
○辰巳孝太郎君 ということは、官房長官、国有地の問題を籠池氏は様々、財務局や航空局や大阪府とやり取りをしていた、そして留守電に残したと、昭恵さんの留守電に、ここまでは確かですね。その後、昭恵さんは谷さんにこういう留守電が入っていたということ、それを伝えたという、そういう認識だったと思いますが、どうですか。
#199
○国務大臣(菅義偉君) 私は全く承知していないということをずっと言い続けているんじゃないでしょうか。
 そういう中で、夫人付きも一緒に講演現場に行っていますから、そこにそういう、まあ要請のですか、そういう文書が来たので、ファクスで回答したように、全くゼロ回答を丁寧に出したということじゃないでしょうか。
#200
○辰巳孝太郎君 ということは、この手紙の前にも様々、国有地に関する取得に関して、谷さんに若しくは昭恵さんにいろんな話があったと、それを承知しているからやり取りを谷さんはやったんだと、こういう認識ですか。
#201
○国務大臣(菅義偉君) それは考え過ぎじゃないですか。全く違います。
#202
○辰巳孝太郎君 全く違うという理屈がよく分からないんですね。
 この問題、先週もありましたが、谷さんから籠池さんに送られたこの封書、封筒ですね、これがあります。実際はもう少し大きいものですけれども。これ、こういうことが谷さんから送られたことを、官房長官、承知されていますか。
#203
○国務大臣(菅義偉君) ちょっと見せていただけますか。──私はそれについては承知していません。
#204
○辰巳孝太郎君 今ちょっと見せてくださいということは、これ以外の何かほかにもあるということなんですか。
#205
○国務大臣(菅義偉君) 私は、封書、谷さん宛てに来たものは承知していますので、それと同じかなと思って確認をしただけであります。
#206
○辰巳孝太郎君 谷さんと籠池さん、このやり取りは、今公表されているもの以外にも実際にはあるわけですね。是非、これ、土地をめぐる、取得をめぐる問題ですから、谷さん、そして籠池氏とのやり取り、皆さんがお持ちのもの、若しくは谷さんから出したもの、これ全て出していただきたいんですけど、いかがですか。
#207
○国務大臣(菅義偉君) 私は、今まで出したもの以外については全く承知しておりません。
#208
○辰巳孝太郎君 ですから、官房長官、承知していないと言うだけで確認するとは言わないわけですね。
 委員長、これら全ての書類をこの委員会に提出を求めたいと思います。
#209
○委員長(岡田広君) 後刻理事会において協議をいたします。
#210
○辰巳孝太郎君 改めて安倍昭恵氏の証人喚問を求めて、私の質問を終わります。
#211
○田村智子君 続いて、日本共産党、田村智子、質問いたします。
 まず、姫路市のわんずまざー保育園に関して対応が急がれる問題を一問お聞きいたします。
 認定こども園は二〇〇六年十月からスタートいたしましたが、今回初めての認定取消しの事案となりました。わんずまざー保育園は、国の基準は満たさない認可外施設ですけれども、兵庫県独自の基準を満たしているという地方裁量型認定こども園です。ですから、姫路市が利用調整をして四十六人が入所していた。しかし、それだけでなく、園長が市に報告もせずに私的契約として二十二人が入所、このほか一時利用の子供さんもいたというふうにお聞きをしています。既に市が利用調整をした四十六人の子供さんは市が転園希望も聞いて保育の手だてを取ったというふうに聞きますが、私的契約の子供たちがどうなったのかと。
 資料でも、毎日新聞の夕刊、三月二十九日付けのを配りました。三歳児の保護者に取材したものです。市の監査の直後、園長から退園してほしいと突然通告された、保護者説明会にも呼ばれない、市からのフォローもない、見捨てられたと。このお母さんは一時保育を利用したことから園長の勧めで私的契約となった、元々認可外で直接契約だったこともあり、制度をよく知らないままだったことがこの記事から分かります。
 私的契約であっても、日々子供を預けていたということは、保育が必要な子供であるということは間違いがないというふうに思います。私的契約を自己責任として三月四日に退園してそのままと、こういうことはあり得ないというふうに思いますが、加藤大臣、いかがでしょうか。
#212
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員の御指摘の、そこの保育園におられた子供さん方をしっかりフォローしていくというのは大変重要だというふうに我々も認識をしております。姫路市においては、四月以降子供たちが困ることにならないよう、保護者からの相談への対応など、できる限り応じているというふうには聞いております。
 その結果、今委員も御指摘ありましたが、姫路市の支給認定を受けた在園児と新入予定児四十六人については、保護者の意向を踏まえ、他の施設等への利用調整、これは済みであります。それから、私的契約児二十二人については、認可保育所などへの入所を希望する十五人の方に関しては、姫路市と保護者で相談の上、四月以降に別の施設に入所する予定、そして五歳児クラスの二人についてはここで卒園して小学校に行かれる、残りの五人については別の施設へという希望は出ていないということでありますが、その方の状況をできる限り把握し、丁寧に対応したいというふうに聞いているところでございます。
#213
○田村智子君 保育の規制緩和の中で、定員超の入所というのがいろんなところでやられています。また、多様な事業者の参入ということもやられていて、不適切な保育というのはこの間も繰り返されているわけですね。
 この多様なということになってくると、今介護の施設で起こっていることですけれども、突然の倒産で閉鎖という、これ問題になっているんですよ。ですから、契約の内容にかかわらず、やっぱり子供たちを犠牲にしない、いろんな問題が起きたときに、困っている保護者の声を聞いて対応すべきだということを改めて求めておきたいというふうに思います。
 続いて、今日、学術研究の問題で、研究者の身分の問題に関わって質問したいと思います。
 科学誌のネイチャー三月二十三日号、特別企画ネイチャーインデックス二〇一七ジャパンで、日本の科学成果発表の水準は低下しており、ここ十年間で他の科学先進国に後れを取っていると、こういう指摘がされて日本のマスコミでも大きく報道されました。
 資料の二枚目、三枚目が内閣府がこの中身のポイントをまとめた参考資料です。どういうことが書かれているか。
 高品質な科学論文に占める日本からの論文の割合は、二〇一二年から二〇一六年にかけて六%下落。高品質の自然科学系学術ジャーナルに掲載された日本の著者による論文数は、過去五年間で八・三%減少。二〇〇五年から二〇一五年では、十四分野中十一分野で減少。材料科学及び工学、これ日本が得意とする分野、ここで一〇%以上の減少。日本政府の研究開発支出額は世界でトップクラスであるものの、二〇〇一年以降横ばい。一方で、ドイツ、中国、韓国など他の国々は研究開発への支出を大幅に増やしている。この間に日本政府は大学への支援を削減、大学は長期雇用の職位を減らし、研究者を短期契約で雇用する傾向と。
 これらが科学技術力を落としているという指摘なんですけど、科学技術担当大臣、どう受け止めますか。
#214
○国務大臣(鶴保庸介君) 御指摘のとおり、全世界の論文数が増加しておる中で、我が国の論文数のシェアは順位が低下しております。また、国立大学法人の運営費交付金額も近年まで減少傾向ではありました。
 ただ、政府としては、こうした状況に懸念を強く持っておりまして、平成二十九年度予算におきましては、国立大学の運営費交付金の対前年度比二十五億円と、僅かではありますけれども下げ止まりをさせていただきまして、また、科学研究費助成事業の対前年度比は十一億円を積み増しさせていただきました。
 このほかにも科学技術予算全体の底上げが必要であるという認識の下、昨年十二月に経済社会・科学技術イノベーション活性化委員会を立ち上げまして、官民投資拡大イニシアティブをつくります。大学等への民間資金や寄附の拡大などの施策を進めさせていただきました。
 これらの取組を通じて、科学技術イノベーションの一層の活性化を図りたいと考えております。
#215
○田村智子君 これ、ネイチャー誌でも、予算が抑え込まれた、あるいは削減されたことで、やはり若手の研究者の問題、非常に注目しているんですね。
 ネイチャー誌の中で書かれているのは、例えば北海道大学が今後五年間で二百五人の教授職を削減すると発表、同じように三十三国立大学が退職などによって任期の定めのないポストが空いても補充できていないと、こういう指摘をしています。私のところにも、新潟大学で最近、人件費確保のため教員六十人削減、これ発表されて大変な衝撃が広がっているということも寄せられています。
 これ、運営費交付金が今や基礎的研究費どころか人件費にも足りなくなっている、多くの国立大学が、あるいは研究施設が窮地に追い込まれているということを示しているんだと思います。
 特にこの間、日本政府は競争的資金は拡充してきたんです。しかし、競争的資金というのはプロジェクトですから、そのプロジェクト期間中の雇用ということしか保障されないわけですよ。その中で何が起きているのか。
 資料の四枚目になるでしょうか、大学教員の年齢階層の構造、これ文科省の資料ですけれども、三十九歳以下が一九八六年から二〇一三年で一〇%近く落ち込んでいるわけです。他の年齢階層と比べて急激な減少傾向です。また、独立行政法人の研究者数、二〇〇七年から二〇一〇年、人数は全体も若手も増えている。ところが、常勤で任期なしという方が減少していて、中でも三十七歳以下は二千百六十人から一千六百九十八人へと急減しているわけです。
 この実態、非常に危機的だと思うんですよ。今後どんどんいわゆる団塊世代以上の方々が退職をしていったときに、研究に大きな穴が空きかねないような事態だと思いますが、その危機感は共有いただけますか。
#216
○国務大臣(鶴保庸介君) 私も、あちこちの研究機関、そしてまた大学等も訪問させていただき、先生が御指摘のようなお話はたくさん伺ってまいりました。
 なお、その意味においては、こうしたことについてしっかりとした手だてを打っていかなければならない、先ほど申しました科学技術イノベーション官民投資拡大イニシアティブをつくらせていただいたのも、そうした危機感を背景にしておるものであると理解をしていただければと思います。
 ただ、若手研究者については、多様な研究経験等を積み重ねて能力の向上を図ることもまたこれ重要なことでありまして、こうしたキャリアパスを明確化するとともに、キャリアの段階に応じて高い能力と意欲を最大限引き出せる環境を整備することを目的にしております。そのため、科学技術イノベーション総合戦略二〇一六に基づいて、テニュアトラック制や卓越研究員制度のように、優れた若手研究者が安定したポストに就きながら独立した自由な研究環境の下で活躍することができる制度の導入を推進しております。
 また、シニア研究者については、年俸制の導入や外部資金による任期付雇用への転換など取組を進めることとしており、若手の常勤ポストの拡充を期待をしておるところであります。
#217
○田村智子君 今言ったテニュアトラックが雇用の安定に結び付けるということだったんですけど、今日皆さんのところにお配りされている会計検査院の国立研究開発法人における研究開発の実施状況、これの四十八ページ見ますと、テニュアトラックでどれだけ任期なし、安定的なそういう雇用になったか。これ、二十七年度末で百五人と、二十三年度との増加率は僅か一・九%なんですよ。
 これ、基礎的研究経費を削減してきた下ではこういう小手先のことをやっても若手研究者の安定雇用には全く結び付いていない、このことを直視すべきだと思いますし、この間このことがノーベル賞を取ったような方々からずっと言われ続けているんですよ。
 同じこの会計検査院の報告の四十四ページ見ますと、例えばここに、研究者の中で任期なしのいわゆる無期雇用の研究者の割合というのも出ているんですね。理化学研究所を見てみますと、研究者の数が二千六十一人、そのうちの八四%がこれ任期のある、つまり有期の雇用になっているということなんですよ。やっぱりこの改善は本当に急がれるというふうに思います。
 特に、この問題では、こういう有期雇用の皆さんが実は今年度中に雇い止めに遭ってしまうんじゃないかという、こういう危惧が出てきています。労働契約法が、有期契約五年を超えた場合、本人の申出で無期契約に転換するということを使用者に義務付けています。ただし、研究職の場合は特例で十年というふうにされてはいるんですけれども、研究を支える方というのは、研究者だけではなくて、それを支える職員という方もいらっしゃるんですね。この職員の方の首切りというのが今年中に行われる危険性、非常にあります。東北大学は既に三千人の教職員を今年度で雇い止めするというふうに宣言をしているわけです。
 今日は労働基準局長にも来ていただきました。
 今年二月、消防試験研究センターが、つまり、これまでは契約に上限設けてこなかったんだけれども、いきなり契約の上限というのを持ち出してきての雇い止め、こういうことをやろうとしたんですね。そのことについて、ある非常勤の職員が東京労働局に申立てをしました。
 東京労働局長は、助言、指導で、雇用契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があり、労働契約法十九条第二号に該当する可能性が高く、事後的に無期転換を防止するために雇用回数に上限を設けたことについて、客観的に合理的な理由を欠き、違法とされる可能性は否定できないと、こういうふうに助言、指導を行っているわけです。
 一般論としてお聞きをいたします。
 これまで上限設けてこなかった、ところがいきなり上限持ち出してきた、これ、今後も契約が繰り返されるであろうということが期待されていた。このような場合には労働契約法十九条に違反する可能性が高いというふうに私は思いますし、労働者から労働局に相談があった場合には助言、指導など厳正な対応が求められると思いますが、いかがでしょうか。
#218
○政府参考人(山越敬一君) お答え申し上げます。
 一般論としてお答え申し上げたいと思いますけれども、御指摘の個別労働紛争の解決促進の関係の法律でございますけれども、こうした紛争につきまして、当事者間の話合いによる解決を促すために紛争の解決につきまして援助を求められました場合には、都道府県労働局長が必要な助言あるいは指導をすることができると定められておりますので、こうした援助を求められた場合には、法律の規定に従いまして、必要な助言や指導に努めてまいる所存でございます。
#219
○田村智子君 では、加藤大臣にもお聞きしたいんです、働き方改革という観点から。やはり無期転換を進めていって、不本意な非正規をなくすという方針を政府は取っているわけです。ところが、足下の独立行政法人で、資料でお配りした最後のを見ていただきたいんですけれども、労働契約法が適用される八十一の独法のうち、じゃ契約に上限設けませんよと言っているのは七法人にすぎないわけですよ。どんどん雇い止めが起こる危険性が今増しているわけです。
 これは足下ですから、政府の、しっかりと無期転換が促されるようなやり方、これを促していくことが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
#220
○国務大臣(加藤勝信君) 委員、科学技術分野における非正規のことに関しての御議論だというふうに思いますけれども、特に不本意で非正規の職に就く方々の正規化を支援していくというのは、これは働き方改革の中にも盛り込ませていただいておりますし、当然、科学技術分野においても必要な対応だというふうに考えております。
 先般決定いたしました働き方改革実行計画においても、キャリアアップ助成金を活用していく、あるいは、今委員御指摘のありました有期雇用契約の無期転換が二〇一八年から本格的に行われることを踏まえて、周知徹底、導入支援、相談支援を実施するということにしているわけであります。
 このような一般的な施策も適宜活用していただきながら、科学技術分野の実情を踏まえて適切な対応がなされるべきと考えております。
#221
○田村智子君 これ、労働契約法というのは、最終的には裁判に訴えて闘うというようなことになっちゃうんですね、不本意に首を切られた場合に。そうしたら、もう何年も何年も掛けて裁判やらなきゃいけないということになるわけですよ。それを防ぐためにも、やはり今年度のことが非常に重要なんです。
 今年度中にやはりちゃんと無期転換が独立行政法人の中でもやられるように是非とも政府で取り組んでいただきたいと、このことを申し上げて、質問を終わります。
#222
○福島みずほ君 希望の会(自由・社民)を代表して質問いたします。福島みずほです。
 安倍昭恵さんが去年七月、選挙の応援に行ったときに、秘書官は随行していましたか。
#223
○国務大臣(菅義偉君) 選挙の応援って、どこに行ったんでしょう。
#224
○福島みずほ君 去年七月の参議院議員選挙で、例えば朝日健太郎さんや岡山の候補者などに関して安倍昭恵さんは選挙の応援に行っていらっしゃいますが、沖縄など、そのときに官邸に二人いる常設の秘書官はそれぞれ随行していましたか。
#225
○政府参考人(土生栄二君) お答えいたします。
 安倍総理夫人が個々の選挙応援を行っていたかということにつきましては、政府としては確認することはできませんし、またお答えする立場でもないということでございます。
 また、職員の同行につきましても、大変恐縮ですが、過去につきましては旅行命令手続もなかったということでございますので、確認することは難しいということでございます。
#226
○福島みずほ君 とんでもないですよ。安倍昭恵さんがどこに選挙に行ったかではなく、ということもありますが、私が聞いているのは、国の税金使っている国家公務員が、官邸に部屋を持ってそこに勤めている国家公務員が選挙に随行したかという客観的事実を聞いているんです。本人が総務官室にいるわけですから、青田優子さん、そして堀口恵美さん、聞けば分かるじゃないですか。一秒で分かりますよ。なぜやらない。
#227
○政府参考人(土生栄二君) お答えいたします。
 様々な委員会で御答弁させていただいておりますけれども、いわゆる総理夫人付きでございますけれども、公務遂行を補助する活動を支援するための連絡調整ということで職員が同行しているということでございます。その場合には、総理夫人の用務が私的な行為でありましても、常時の連絡調整をするために同行しているという場合はあるわけでございます。
 選挙期間中におきましても、夫人は選挙の応援あるいはそれ以外の様々な私的な行為も行っておられますので、そうした場合に公務遂行補助活動を支援する連絡調整のために同行するということはあり得るわけでございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、大変恐縮でございますけれども、過去のものにつきましては明確な記録もないということでございまして、全てについてお答えするということは現時点では難しいということを御理解賜りたいと存じます。
#228
○福島みずほ君 とんでもないですよ。先週から聞いております。だって、現にその秘書官がいるわけですから、総務官室に。そして、森友学園に随行したことは認めたじゃないですか。どうして客観的事実を認めないんですか。
 今のは一般的にあり得ると言っているだけで、じゃ、去年七月の参議院選挙に秘書官は随行したか否か、どうですか。
#229
○政府参考人(土生栄二君) お答えいたします。
 塚本幼稚園等の件につきましては、様々な御指摘を国会等から受ける中で、私どもも時間を掛けて調べる中で、当時の職員からの記憶に頼りまして同行の有無ということについて答弁をさせていただいたわけでございますけれども、現在、議員のお尋ねにつきましては、金曜日の夜に御指摘をいただきまして、私ども、仮に確認をするとすれば様々な調査ということが必要になるわけでございます。そうした中で、現時点では確認はできていないということでございます。
#230
○福島みずほ君 全く理解ができません。
 今日も電話をしていますよ、私は。電話すればいいじゃないですか。総務官室にその二人はいるんですよ。だったら、電話掛ければ一秒で分かるじゃないですか。確認できないという答弁、理解できません。答えてください。
#231
○政府参考人(土生栄二君) 繰り返しで恐縮でございますけれども、選挙期間中におきましても、選挙の応援あるいはそのほかの私的な行為、様々な日程の中で職員は同行している場合があるわけでございますけれども、特定の選挙期間、選挙の日程につきまして、総理夫人が応援をされていたかということも私ども承知いたしておりませんし、正確に現時点で把握してお答えすることは困難ということを申し上げているところでございます。
#232
○福島みずほ君 公務員の行為を聞いているんです。土生さん、答えてくださいよ。確認しているでしょう。
 一般論も答えていただきましたが、金曜日、そして今日も連絡しています。その人たち、連絡取れる場所にいるじゃないですか。選挙の応援に随行したかどうか、答えてください。
#233
○政府参考人(土生栄二君) 一般論として申し上げますと、選挙の応援ということもある意味総理夫人の公務遂行補助以外の活動ということでございますので、そうした期間中に連絡調整を必要とする場合には職員が同行している場合はあるというふうに聞いております。
#234
○福島みずほ君 とんでもないですよ。確認をしてださい。確認をしてください。どうですか。
#235
○政府参考人(土生栄二君) 選挙の応援というところは難しいと思いますけれども、特定の日付を絞っていただければ、私ども、当該職員に十分に確認した上で正確な情報を提供するということは可能と思いますけれども、またそれについては非常に時間も掛かりますし、そのことについては御理解をいただきたいと存じます。
#236
○福島みずほ君 去年七月のことですよ。本人たちにこの期間、この期間の間で随行したかと聞けば済む話じゃないですか。そんな、何を言っているんですか。
 日にちは特定できますが、全体として随行したかどうかを聞いているんです。沖縄に行ったとき、岡山に行ったとき、東京、どうですか。
#237
○政府参考人(土生栄二君) 繰り返しになりますけれども、御指摘のありました全ての期間について正確に把握してお答えすることはできないと存じますけれども、特定の日付を絞って御質問いただければ、その点につきましては可能な限りお調べをいたしまして報告をさせていただきたいと存じます。
#238
○福島みずほ君 では、日にちを絞ってまたお聞きを。
 そうしたら、これ実は、全部動画と写真が残っているんです。残っているんです。どう見ても同一人物としか思えない。ただ、その動画や写真で私が決める、これは同一人物だと言う方もいらっしゃいますが、私自身が役所に確認をしたくてこの質問をしているわけです。一般論として可能だと言って、しかも行ったかどうかを言わないというのはひどいですよ。
 というのは、もう皆さん御存じのとおり、政党の応援に行くときは党の職員と行きます。国会議員だったら自分の秘書と行くこともあるかもしれません。でも、政務は政務じゃないですか。政務三役が選挙に行くときに秘書官連れていくなんてあり得ないですよ。だから、このことの問題点は、選挙の応援、自民党の選挙の応援に安倍昭恵さんが国家公務員を随行しているということですよ。これ、場合によっては国家公務員法違反であったり、問題じゃないですか。何で選挙の応援に政府が協力するんですか。あり得ないですよ。こんな使い方はあり得ない。どうですか。
#239
○政府参考人(土生栄二君) 当該職員の同行でございますけれども、あくまでも総理夫人の私的な活動でございますとか政治的活動をサポートしているものではございません。公務遂行補助のための活動に関する連絡調整の必要性から職員は同行しているところでございます。
 当然のことながら、国家公務員法に基づく国家公務員の政治的行為の制限ということを踏まえまして適切に対応しているものと承知いたしております。
#240
○福島みずほ君 答弁は全く納得いきません。国家公務員をそういう政党の応援に使うというのは国家公務員法違反の疑いがありますし、それは政務と党務をぐじゃぐじゃにしている、私的な行為と公的な行為を、安倍昭恵さん、ぐちゃぐちゃにしていますよ。
 最大の問題は、これを止める人間が官邸にいなかったということですよ。そこのけそこのけ安倍夫妻が通る、そこのけそこのけ安倍夫妻が通る、何でも許容されると思ったら大間違いですよ。こんな形で秘書官使った人はいないと思いますよ。大問題ですよ。しかも答えないというのは問題です。
 事務所の方から何日、何日、何日と全部通知をしますので、それについて伝えてくださるよう要求します。よろしいですね。
#241
○政府参考人(土生栄二君) 先ほど申し上げましたとおり、全てを正確にお答えすることは困難と思いますし、また相当の時間を要するものと思いますけれども、できる限りの確認をさせていただきたいと存じます。
#242
○福島みずほ君 フェイスブック上で安倍昭恵さんが、秘書に確認しました、人払いなんてありませんでしたとかいろいろ書いてあったのは一瞬にして出てきたじゃないですか。その場にいる人に聞けばいいんですよ。どうしてそんなに時間が掛かる。どうして真実を言わない。
 しかも、選挙に、選挙に国家公務員を随行させていた点は問題ですよ。何が公で何が私か分かっていない、ぐじゃぐじゃにしている。政党の選挙の応援に国家公務員を連れていったら駄目ですよ。利用しているじゃないですか。こんなことをこの政権は許容しているんですか。
 そして、安倍昭恵さんのところの秘書官が使っている封筒、内閣総理大臣官邸という封筒です。この封筒を使って、配付資料がありますが、仕事をしていた。この封筒が使えるのは内閣総理大臣と内閣総理大臣秘書官だということでよろしいですか。
#243
○政府参考人(土生栄二君) 本日議員から配付されました封筒のコピーでございますけれども、これは、私ども官邸に勤務する者が通常の業務の中で使用しているものでございますので、官邸の職員であれば日常使っているものでございます。
#244
○福島みずほ君 でも、これ内閣総理大臣官邸という封筒を使っているわけですから、その秘書官の上司は内閣総理大臣秘書官あるいは内閣総理大臣ということになりませんか。
#245
○政府参考人(土生栄二君) ただいま申し上げましたとおり、この封筒につきましては官邸で日常使用されているものでございます。
 また、上司というお尋ねでございますけれども、当該職員は内閣事務官(内閣官房内閣総務官室)という発令を受けているところでございますので、内閣総務官室に配属をされているということでございます。
#246
○福島みずほ君 じゃ、上司は誰ですか。
#247
○政府参考人(土生栄二君) ただいま申し上げましたとおり、内閣官房内閣総務官室に配属されているところでございまして、関係規則に基づきまして、例えば、超過勤務命令等につきましては官邸事務所長、旅行命令につきましては内閣総務官の管理を受けることとされております。
#248
○福島みずほ君 官邸の中に部屋があって、官邸の封筒を使ってやっているわけで、それについてこんなでたらめ、選挙のときに行くとかそういうでたらめが許されていたということが本当に問題です。
 安倍昭恵さんが、というか内閣総理大臣夫人付きというところがどのような陳情をさばいてきたか、どのような要望を受けてきたか、そのメモ、一年間、出してください。どうですか。
#249
○政府参考人(土生栄二君) 先ほど申し上げましたとおり、御指摘の職員は総理夫人による総理の公務の遂行を補助する活動を支援するということを職務としているわけでございます。本件の籠池氏側の問合せに回答する行為は直接の職務ではございませんけれども、公務に携わる者として照会者に対して丁寧に対応したものでございます。そうしたことで、職員個人として対応しているということでございますので、いわゆる陳情に対する記録というものは残っていないということでございます。
#250
○福島みずほ君 陳情に対する記録が残っていないという説明を私は受けたんですが、そんなのあり得ないですよ。本当にそんなのあり得ないですよ。だって、役所の側はちゃんと記録を残す、メモを残す、国会議員との陳情やいろんな要請のときも全部記録を残す、それは情報公開の対象になるということになっているじゃないですか。何でメモが一切ないんですか。
#251
○政府参考人(土生栄二君) ただいま申し上げましたとおり、この回答につきましてはいわゆる職務命令に係る職務として対応したものではございませんので、行政文書ではございませんし、そうした記録もないということでございます。
#252
○福島みずほ君 でも、首相官邸の中に部屋を構えて、国家公務員が秘書官で業務をさばいているわけですから、文書残さないと駄目でしょう。
#253
○政府参考人(土生栄二君) いわゆる行政文書でございますけれども、これは職員が職務の上で作成をしまして、組織的に用いて保管をするというものでございます。今回のようなファクスでございますけれども、これは職務上作成したものではございませんので、そうした公文書管理法等の適用はないものと理解をいたしております。
#254
○福島みずほ君 私の質問は、今回のファクスではなくて、ファクス以外の点の要請書や要望です。
 これは、先ほど答弁されているように、内閣総理大臣の職務の補助として行っているわけでしょう。そうしたら、公権力の行使、公文書じゃないですか。だとしたら、だって、内閣総理大臣の補助を夫人がする、そしてそれを補助するわけですから、そこの部屋で受けた要望ややったことはメモで全部残っているはずじゃないですか。どうですか。
#255
○政府参考人(土生栄二君) このような職員個人に対する照会に対する回答ということにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、総理の公務の遂行を補助する活動を支援する職務の範囲外のことでございますので、仮に何か照会があったとしても、公文書として記録を残すような性格のものではないということでございます。
#256
○福島みずほ君 とんでもないですよ。大きなことをやっていたり、内閣総理大臣夫人という権限を利用していろいろやっているじゃないですか。そして、これは内閣総理大臣の補助としてやっているということの説明でしょう。だとしたら、それ、公権力の行使じゃないですか。これが一切メモがない。
 ということは、土生さん、一通、ファクス用紙だけ残っていたということなんですか。
#257
○政府参考人(土生栄二君) 先ほど申し上げましたとおり、このファクスは職務以外の行為といたしまして国民からの照会に対して丁寧に対応したものでございますので、職務外のことであるということでございます。
#258
○福島みずほ君 何でこのファクスだけ残っているかも全く分かりません。
 それから、公務だったら、公務だったら残さなくちゃいけないでしょう。だって、内閣総理大臣の補助をやっているということになって、内閣総理大臣官邸の封筒を使って仕事をしているわけですから、残さなかったら駄目でしょう。それが今このファクス以外一切ないなんということを誰も信じる人はいませんよ。
 官房長官、今日、配付資料で、手紙についても配付資料とさせていただきました。これの中で、やはり五十年定借として早い時期に買い取るという形に契約変更したいのですというふうになっております。これ、籠池さんの手紙ですね。結局、籠池さんは、半年後、田村室長が、ごみがあるということで、そしてこれは八億円以上引かれて格安の売却となりました。満額回答だと私も思います。籠池さんやりたいようにこれかなえたのが安倍内閣総理大臣夫人室じゃないですか。まさにそこがかなえたんですよ。そこが神風だったんですよ。
 しかも、総理大臣の補助をやってきたと先ほどから繰り返し繰り返し言います。ということは、内閣総理大臣の仕事ですよ、これは。内閣総理大臣の仕事ですよ。
 私は思うのですが、満額回答かゼロ回答かは官房長官と見解の相違があるかもしれません。私はまさに満額回答だと思います。この回答があったからこそ進んだのだと思います。実際、籠池さんはそれで格安でこの土地を入手するわけじゃないですか。
 内閣総理大臣安倍晋三さんは、私か妻がこの土地の売却に関与していたら総理大臣と国会議員を辞めますと言いました。関与しているじゃないですか。関与というのは関わるという日本語ですよ。関与しているじゃないですか。していたら内閣総理大臣と国会議員辞めなくちゃいけない。どうですか。
#259
○国務大臣(菅義偉君) 是非御理解をいただきたいのでありますけれども、籠池氏側の手紙の内容は、二〇一五年秋の時点における国との間の貸付契約に対する籠池氏側の要望を示しているんじゃないでしょうか。そして、これに対して、夫人付きのファクスによる返答は、御希望に沿うことはできないと記載されており、また、その内容についても法令や契約に基づく一般的な対応を示したものであり、まさにゼロ回答であったと思いますよ。
 いずれにしろ、満額回答との御指摘は土地売払いが行われた後の状況を述べたものであるというふうに考えておりますので、その主張の根拠の詳細は承知しておりませんが、御指摘は当たらない。二〇一六年三月、埋設物が出てきた後からのことではないでしょうか。
#260
○福島みずほ君 これは私は満額回答ですし、そして、官房長官は私の質問に答えていらっしゃらないですよ。
 関与しているじゃないですか。関与していますよ。関与しているじゃないですか。単なる名誉校長ではなくて、具体的にこの土地の有益費や売却に関して要望を受け、それを伝えたりやっている、その意味ではまさしく関与している。内閣総理大臣安倍晋三さんは辞めなければなりません。そして、安倍昭恵さんの証人喚問が必要です。
 今日も質問いたしましたが、百万円と十万円の件などについても様々議論があります。また、今日、選挙に随行することもあり得るという一般論でしたが、選挙に国家公務員が、秘書官が随行することは国家公務員法違反であり、公私混同であり、極めて問題で、そういうことをやる人はいないというふうにも思います。日時ですが、二〇一六年六月二十八日、小野田紀美さんへの応援、それからあと、朝日健太郎さんと、それから沖縄のところに秘書官の写真が、一緒に写っていると思われる写真がありますので、これについてしっかり回答してくれるようにお願いいたします。
 でも、この公私混同、そこのけそこのけ安倍夫妻が通るということを生み出したのはまさに官邸であり、周りの人たちですよ。これすら止めなかったということも極めて問題であり、安倍総理は辞職をしなければならないということを申し上げ、私の質問を終わります。
#261
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。よろしくお願い申し上げます。
 まず、官房長官にお願いを申し上げます。
 私、この質問をいたしますのに会計検査院の二十七年度の決算検査の報告書を読んでおりましたら、ちょっとかなり大きな金額で疑問に思うことがございました。皆様方の手元にも資料をお配りいたしておりますけれども、内閣、内閣府の現物が確認できていないなどの重要物資の価格、これ、実は総額で六十四億円にも上っていて、重要物品二百一個というふうにカウントがなされております。
 これ、私でなくても、これ国民が見たらこの六十四億円というこの巨額な額、疑問に思うかと思いますけれども、これはどのようなもので、今後どのような対応をなさるのか、教えていただけますでしょうか。
#262
○政府参考人(河内隆君) お答え申し上げます。
 お尋ねのありました、内閣府関係の物品管理官で、かつ現物が確認できないと指摘を受けた重要物品二百個のうち、ほぼ九割が中央防災無線網関係の機器であり、残り一割が情報システムに係る機器や事務用機器という状況でございます。
 会計検査院から現物が確認できないとの御指摘を受けた物品のほとんどは、機器更新に伴い高機能機器への入替えにより不用となったもの、執務室の移転により規格が合わなくなったことにより不用となったもの、経年変化により不用となったものではございますが、法令に定める所要の手続を経ることなく廃棄され、物品管理等の記録が残されたままとなっていたものと判明したところでございます。廃棄に当たって業者に不用物品を引き取らせるための契約事務は適正になされていましたものの、当該物品が引き取られた際、担当職員から物品供用官に情報が伝わらず、物品管理簿に記載するという事務の基本ができていなかったものでございます。
 今回のこのような事態を招いたことについては重く受け止めております。この原因としては、何よりも物品を適正に管理する重要性に対する認識が欠如していたことが挙げられます。また、頻繁な組織の新設、統廃合に伴い執務室が移転している状況や直接管理する建物以外で物品が設置されている状況に即しまして物品を適切に管理する連絡体制が整備されていなかったこと、物品検査が適切に行われていなかったことが考えられます。これらを踏まえまして、今後再発防止に努めてまいりたいと考えているところでございます。
#263
○国務大臣(菅義偉君) 今、このような事態になった経緯、説明ありましたけれども、いずれにしろ、誠に遺憾なことであり、私自身、責任者として心からおわびを申し上げると同時に、二度と再びこうしたことが起きないように、原因もしっかり究明をして対応していきたいというふうに思っております。
#264
○薬師寺みちよ君 官房長官、ありがとうございます。やはり国民の皆様方からの税金で成り立っているものでございますので、疑いが一円たりとも掛けられないような事務手続をお願い申し上げます。
 官房長官、これにて御退席いただいてもよろしゅうございますので、どうもありがとうございました。
#265
○委員長(岡田広君) 菅官房長官、御退席いただいて結構です。
#266
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 実は、この金曜日に私ども質問通告をしているわけでございますけれども、プレミアムフライデーでございました。大変申し訳ないなと思いながら私も質問を出したところでございましたんですけれども、やはりこのプレミアムフライデー、大変私は面白い試みだと思っております。
 世耕大臣、どのような狙いで、本当にこの効果が上がっているのかどうか、教えていただけますでしょうか。
#267
○国務大臣(世耕弘成君) 確かにこの委員会に対応するに当たってこの間の金曜日は結構大変だったわけでありますが、薬師寺委員は前日に要旨を通告していただいて、午前中にはほぼ内容を確定していただきましたので、うまくテレワークなんかを使って、きちっと職員はそれなりにプレミアムフライデーを楽しむことができたのかなというふうに思っています。
 このプレミアムフライデーは狙いが二つありまして、まず一つは、やっぱり停滞する消費を活性化しようということ、そして、三時という決まった時間に月に一回早く帰るということで、働き方改革につなげていこうということが狙いになっております。
 先月、二月二十四日に第一回をやりましたけれども、企業によっては売上げが一割から二割、デパートではやっぱり、あるデパートでは一七%対前年同期比で増えたというところがあります。そして、先月は百三十の企業が従業員への早期退社の呼びかけを実施をいたしました。メディアでも相当取り上げていただきまして、この取組に対する理解、参加がだんだん広がってきているというふうに思います。
 この間の金曜日がどうだったかというのを取りまとめろというと週末働くことになるので、これはまだやっていませんけれども、現時点で把握できていることとしては、ロゴマークの使用の申請が六千社以上、そして従業員への早期退社を呼びかけた企業は三百十六社というふうに把握をしております。
#268
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 参議院改革協議会も実は第四金曜日に行っていたんですけれども、来月はちゃんと第三にしようということになりまして、なるべく私どもは公務員の皆様方にも御利用いただきたいと思っております。
 と申しますのも、皆様方、資料二を御覧いただきたいと思います。国家公務員のこれは超過勤務の時間でございます。これ、一年間でこれだけということで調べが付いているというふうに私報告を受けましたけれども、これ実は厚労委員会でも取り上げまして、これ本当の数字なのかなと疑問に思っております。
 資料三に準備いたしましたのが、これは霞が関で働く女性有志の会が作った資料でございます。やはりこのぐらい女性が働きやすい改革をしていかなければ、とてもではないですけど自分たち生活もしていけないという実態の中で、どうもこの数字、そして私どもが帰りに見て官庁の光がこうこうと八時でも九時でも付いているこの現状から見ると、この数字自体が疑わしいのではないかと私は思っております。
 山本大臣、もう少し正確にしっかりと、どのぐらいの残業時間があるのかということを私は把握すべきだと思いますけれども、御意見いただけますでしょうか。
#269
○国務大臣(山本幸三君) 国家公務員の超過勤務は、公務のために臨時又は緊急の必要がある場合において正規の勤務時間以外の時間において勤務することを命ぜられたとき、この超過勤務命令に従って行われるものであります。超過勤務の状況については、これに従って各府省において適切に把握されているものと承知しております。
 国家公務員の長時間労働の是正に向けては、平成二十六年十月に取りまとめた国家公務員の女性活躍とワークライフバランス推進のための取組指針等に基づいて、政府一丸となって、ゆう活などを通じた超過勤務の縮減、国会関係業務の効率化等に取り組んでいるところであります。
 今後とも、超過勤務を縮減する前提として、超過勤務を実施する際に、その理由、見込み時間等を上司が把握するなど、勤務時間の適切な管理を更に徹底してまいりたいと思います。
#270
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 省庁を辞められた後の方の暴露本などを見ますと、これは一か月に三百時間働いたぞという記入があったりですとか、本当に激務であるということも私は国民も認知するべきだと思うんです。残業代が出ないから付けなくていいだろうと、そういうことではなく、やはり私ども、これだけブレーンとしていろんなことで協力いただいている皆様方も働きやすい改革というものを行っていかなければならないと思います。
 その中で、働き方改革実行計画の中におきましても国家公務員の長時間労働対策というものが盛り込まれていることが分かりまして、私、大変うれしゅうございました。着実に計画を実行して、国家公務員の皆様方がやっぱり国民に対しても率先的にそういう姿勢を見せていくことというものが大事かと思いますけれども、働き方担当大臣として加藤大臣、一言いただけますでしょうか。
#271
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員御指摘がありましたけれども、長時間労働を前提とした働き方を改めて、限られた時間内で成果を上げ、生産性の高い働き方へ変えていく、これはもう官民共通の重要な課題だというふうに考えております。
 国家公務員においては、国家公務員の女性活躍とワークライフバランス推進のための取組指針などに基づき、政府として一丸となって業務そのものの削減、合理化、またゆう活の実施など様々な形で働き方改革を推進してきたところでありますし、また、先般決定いたしました働き方改革実行計画においては、国家公務員については、民間の制度改正を踏まえ、適切な公務運営の確保に配慮しつつ、より実効性ある対策を検討する、また、超過勤務を縮減する前提として、超過勤務を実施する際に、その理由、見込み時間などを上司が把握するなど、勤務時間の適切な管理を更に徹底する、さらに、年次休暇の取得促進に向けた取組を徹底するとされたところであります。
 今後、この働き方改革実行計画を踏まえ、国家公務員について、山本国家公務員担当大臣とも連携をしながら、一体となって働き方改革、また長時間労働の是正に取り組んでいきたいと考えております。
#272
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 資料四にも準備をさせていただきました。これは、公務員にも長時間労働が見られるというふうに書いてございますし、その中にもプレミアムフライデーをしっかり活用しようじゃないかということもうたわれております。このような形でしっかりとその改革を行っていくに当たりまして、厚労省のスタッフにも聞きましたら、やっぱり夜仕事をする習慣が何となく付いてしまったというようなことも聞きました。ですので、正規の時間帯でしっかり効率化を目指すということにつきましては、今回もいろいろなところで入っておりますので、公務員の皆様方にも御協力をいただきたいと思っているところでございます。
 そこで、私も面白い記事も見付けまして、実はそれをするためにも、経産省では人工知能、AIといったようなものを国会答弁を作成するのに使ってみようかという試みをしていらっしゃる、若しくはもうこれからしていこうという段階だと伺っておりますけれども、世耕大臣、どのような経過なのか、教えていただけますでしょうか。
#273
○国務大臣(世耕弘成君) 私も、国会答弁作成過程というのは本当にほっておくと朝の四時、五時まで掛かってやっているという状況なんですね。これを改革しなきゃいけない。私も、いろいろ状況を見ますと、ほとんどがまず待ち時間であります。どこかの課で考えていて、次の課へ行って、それをずっとみんなで待っているわけです。
 だから、まずは私が一番最初大臣になって始めたのが、テレワークでやろう、もう全部自宅へ帰ればいいじゃないかと。そこで自分の出番が来たときだけ参加をして、答弁作りに参画をするというやり方に今経産省は変えています。だから、プレミアムフライデーも、一部の部署を除いて無事、今日決算委員会があるけれども、みんな大体三時に退庁して楽しむことができました。
 また、私自身もテレワークやっています。私は、もう基本的には、夜、できたらできたよというメールを秘書官からもらって、自分が経産省のサーバーにアクセスして答弁を勉強しています。今日のやつももうほとんど昨日のうちに全部勉強は済ませて、普通、国会のある日の大臣というのはすごく早朝に来て勉強会というのをやるんですが、私はもう全部自宅でやって、今日は、今日もたくさん当たっていましたけど、二問だけちょっとこれ分からないというのと、これもうちょっとデータ整理してくれと、二問だけをもう本当に五分、十分で確認をしてこの場に臨ませている、こういう改革をやっています。
 さらに、人工知能を使えないかということで、もうこれ今既にチャレンジしています。こういうことを言うとあれですけど、でき上がってくる答弁ってすごくイノベーティブなやつじゃないんですね。何となく、手堅く過去の答弁をうまく……(発言する者あり)済みません、いや、本当そうなんです。これは役人の仕事としては当然だと、過去との整合というのが重要ですから。それであれば、国会議事録はもうデータベースになっているわけですから、今やっていますのは、想定問の質問を入力するとその言葉とマッチングする国会議事録の部分が出てきて、それをベースにして答弁を作れば時間がぐっと短縮できるんじゃないかということで今試験的にやっています。
 ただ、ちょっといっぱい出てき過ぎなんですね。だから、この辺をもう少し精度を上げるとか、そういうことを改善をすれば、私は、人工知能を使ってある程度、最後はやっぱり人間がそれぞれの議員の関心事とかをよく見極めてきちっと完成させなきゃいけないと思いますが、その準備段階は、過去との整合とかそういうところはある程度人工知能でできるんではないかというふうに考えています。
#274
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 その有益な使い方というものをしっかりとほかの省庁にも広げていただきたいと思っておりますし、私、この決算委員会、もちろん数値を追うことも重要だと思うんですけど、どういうやっぱりみんなが働き方をしてきたのかというものを見直すのもすごく重要ではないかと思っております。
 第四次産業革命においてこのAI、いわゆる人工知能というものは欠かせない存在だということで、私も今回の世耕大臣のものを読みまして、その後いろいろ調べてまいりました。日本の物づくりというものの強みをしっかり生かすためにこのAIをどのように利用するか。実は、物づくりの中心というのは中小企業の皆様方ではないですか。ですから、中小企業の皆様方もAIを更に安価に利用できるような仕組みというものを早期に、私は経産省でも構築していただきたいんですけれども、御意見いただけますでしょうか。
#275
○国務大臣(世耕弘成君) 私も、経産大臣になってから、この第四次産業革命で日本の勝ち筋はどこなんだろうかということをずっと考えてまいりました。
 先日、総理と一緒にドイツのCeBITというイベントにも参加してきてだんだん見えてきたのが、やっぱり製造業とITを組み合わせる、あるいは製造業が持っているいろんな製造に関わるデータを、これを人工知能に学習させて工作機械とかに反映をしていく。ここが、私は日本の第四次産業革命での非常に可能性の高い勝ち筋ではないかというふうに思っています。
 ただ、今、現状は、例えばいろんな製造機械の持っている細かいデータ、これがまさにビッグデータなんです。これ、はっきり言って企業の縦割りで全然共有をされていません。これを、中小企業も含めて、実は日本の物づくりで物すごく正確ないい物づくりをしているのは中小企業の現場でありますから、中小企業も含めてそこのデータのフォーマットを統一をして、そしてどこまでがみんなの共有データにして、どこまでは企業のノウハウということで置いておくかということをある程度きちっとデータ化をして、そしてそれを工作機械メーカーが例えば工作機械を据え付けた段階でもうネットにつながっていて、使い始めたらみんなで共有するデータはどんどんどんどんビッグデータとして蓄積して吸い上げていく、それを人工知能にディープラーニングをさせて、もっと精度の高い、もっとすごい物づくりをしていくということを考えていく。
 その際には、当然、中小企業がその動きの中に参加をしてもらうというのは非常に重要だと思います。私は、これをコネクテッドインダストリーズという呼び方で、インダストリーがつながっていく、これは企業と企業がつながる、その中にある機械と機械がつながる、あるいは大企業と中小企業がつながる、あるいは人間が世代を超えてつながっていって技術が伝承されていく、コネクテッドインダストリーズというのを一つキーワードに日本の第四次産業革命、特に製造業とITの融合ということを進めていきたいなというふうに考えています。
#276
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 やはりそういったオールジャパンの考え方というものをしっかりとこれから定着させていかなければならないと思っております。やはりドイツなどはそのようなもう本当に先進的な取組などを行っていらっしゃいますけれども、やはり日本は日本の、大臣おっしゃったように勝ち筋というのがございます。やっぱり選択と集中でしっかりと、私どもがどこに財政を投入していかなければならないのか、しっかりと図っていただきたいんですが、実はそれを調べておりましたら、日本再興戦略二〇一六、皆様方にも資料をお配りいたしておりますけれども、この中で既にもう第四次産業革命、成長戦略の柱に位置付けられておりますが、やはり個々の省庁ばらばらに、また縦割りの弊害といったようなものが見られておりまして、やはりここは、先ほどももうオールジャパンということが上がってまいりましたように、経済財政の政策として有機的に結び付けた上で、日本の物づくりが、強みが発揮できるようなめり張りが付いた予算というものが大切になってくると思いますけれども、石原大臣、しっかりとまとめていただく束ね役として機能していただけますでしょうか、お願い申し上げます。
#277
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま世耕大臣の方から御答弁させていただきましたとおり、産業の現場というものを経産省が預からせていただいております。そして、その現場を他の分野と有機的にどうくっつけていくのか。世耕さんのところでつくられた新しいテクノロジーというものを例えば建設現場にくっつける、あるいは教育の現場にくっつける、こういうことを未来投資会議が司令塔となりまして取りまとめさせていただいているところでございます。
 一つだけ例を出させていただきますと、医療・介護システムの構築ですね。やはりビッグデータ、これも世耕大臣の答弁の中にありましたように、これをどれだけ多くの方々が共有して社会のために役立たせることができるのかということが肝要だと思います。そして、それによって稼ぐ力を強化していく、こういうことを実際に我々の社会のいろいろな場面で国民の皆さんが見ていただくことによって、また国民の皆さん方もそこから勇気を得て力を得て更に進んでいく、こういうことをやっていかないといけないと思っております。
 予算の方も、縦割りという御指摘がございましたけれども、例えばロボット、AI、自動走行関連予算は、各省庁に分かれて前の年よりも四十億円ぐらい増やしておりますし、この厳しい財政事情の中でも必要な分野にはしっかりと予算を付けていく。やはりイノベーションが実際に私たちの生活の中にどういうふうに役に立っているのか、この国にどういうふうにプラスになっているのかということをしっかりと国民の皆様方にこの年央までに成長戦略としてお示しさせていただき、また薬師寺委員の御議論をお待ちさせていただきたいと考えております。
#278
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 これで質疑は終わらせていただきますけれども、やっぱり少子化の日本で生き残る道はどこなのかと真剣に考えていかなければ、私はもう十年待てないと思っておりますので、ここのところをよろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
#279
○委員長(岡田広君) 他に御発言もないようですから、皇室費、内閣、内閣府本府、経済産業省、消費者庁及び沖縄振興開発金融公庫の決算についての審査はこの程度といたします。
 全大臣、退席いただいて結構です。
    ─────────────
#280
○委員長(岡田広君) 国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のうち、国会法第百五条の規定に基づく本委員会からの会計検査の要請に対する結果報告に関する件及び会計検査院法第三十条の二の規定に基づく報告に関する件を議題といたします。
 会計検査院から説明を聴取いたします。河戸会計検査院長。
#281
○会計検査院長(河戸光彦君) 会計検査院は、国会法第百五条の規定に基づき平成二十八年五月二十三日付けで参議院議長から会計検査及びその結果の報告の要請がありました「日本放送協会における関連団体の事業運営の状況」につきまして、日本放送協会を対象に検査を行い、会計検査院法第三十条の三の規定に基づき二十九年三月二十九日にその結果の報告書を提出いたしました。その報告書の概要を御説明いたします。
 検査しましたところ、業務委託額の妥当性を検証する実績原価調査の結果が業務委託費の積算等の見直しに結び付いていなかったり、子会社による明確な投資計画が示されないまま特例配当の要請を行わない判断が行われていたり、関連団体における不適正経理の再発防止に向けた日本放送協会の取組にもかかわらず不適正経理が依然として生じていたりなどしていました。
 検査の結果を踏まえた会計検査院の所見といたしましては、日本放送協会において、実績原価の確認の結果を適切に反映し業務委託額の削減等に努めること、適切な特例配当の要請を行うことを検討し、子会社の利益剰余金額を適切な規模とするための指導監督を適切に実施していくこと、経理適正化策について関連団体の事業全般を対象として関連団体に対する指導監督を更に徹底していくことなどに留意して、関連団体の事業運営に対する指導監督を適切に実施する必要があると考えております。
 会計検査院としては、日本放送協会における関連団体の事業運営に対する指導監督が適切に行われているかについて、今後も引き続き検査していくこととしております。
 これをもって報告書の概要の説明を終わります。
 次に、会計検査院は、会計検査院法第三十条の二の規定により国会及び内閣に対して、平成二十八年十二月二日、十六日、二十九年一月二十七日、三月十五日及び二十九日に計七件の報告書を提出いたしました。その報告書の概要を御説明いたします。
 最初に、「租税特別措置(所得税関係)の適用状況等について」を御説明いたします。
 所得税関係特別措置の適用状況並びに関係省庁及び財務省による検証状況等について検査しましたところ、平成二十二年度から二十七年度までの間に、政策評価及び税制改正要望の際の検証を行っていないものが見受けられました。また、減収見込額が多額に上っている措置について見ると、申告不要配当特例等については、事業参加的側面が強いことから大口株主等は適用できないこととされており、その要件は少数株主権の制度との整合性等の観点から定められていますが、少数株主権を行使できる者である一方で、その措置を適用している者が見受けられたり、年金控除特例については、課税総所得金額が高額な階層区分の納税者も他の階層区分の納税者と同様にこの措置を適用している状況となっていたりしておりました。
 検査の状況を踏まえた会計検査院の所見といたしましては、関係省庁において、政策評価や税制改正要望の際の検証を行い国民に対する説明責任を果たしていくこと、財務省において、今後とも十分に検証していくことが望ましいと考えております。
 会計検査院としては、今後とも、所得税関係特別措置の適用状況並びに関係省庁及び財務省による検証状況について、引き続き注視していくこととしております。
 次に、「年金個人情報に関する情報セキュリティ対策の実施状況及び年金個人情報の流出が日本年金機構の業務に及ぼした影響等について」を御説明いたします。
 検査しましたところ、厚生労働省及び日本年金機構において、情報セキュリティーポリシーの改正に向けた連携等が十分とは認め難い状況となっていたり、同機構の情報セキュリティーに関する体制整備が十分でないことについて、厚生労働省の同機構に対する監査及び同機構の内部監査で指摘したことはないなどの状況となっていたりしておりました。また、流出事案の発生を踏まえて国民年金保険料の納付督励業務の一部を中止したことにより、国民年金保険料の債権に係る消滅時効期間が経過するなどの影響等が見受けられました。
 検査の状況を踏まえた会計検査院の所見といたしましては、厚生労働省及び日本年金機構において、年金個人情報に関する情報セキュリティー対策を適切に行うこと、監査を一層実効性のあるものとすること、再発防止の取組を一層着実に実施することなどに留意して、年金個人情報の管理に関する一層の体制の整備を図るなどの必要があると考えております。
 会計検査院としては、日本年金機構の情報セキュリティー対策が適切に実施されているかなどについて、引き続き検査していくこととしております。
 次に、「各府省等における職員の研修の実施状況等について」を御説明いたします。
 検査しましたところ、一般職の国家公務員に対する研修において、研修計画等で対象者の範囲が明確になっていない事態、他府省等の職員も対象としている研修について、他府省等への研修実施の周知が十分でない事態、研修施設の年間使用計画等の情報を関係各庁間で共有できていない事態等が見受けられ、特別職の国家公務員に対する研修においても同様の事態等が見受けられました。
 検査の状況を踏まえた会計検査院の所見といたしましては、各府省等は、研修計画の策定に当たり研修の対象者を可能な限り明示すること、他府省等の職員も対象としている研修において情報提供を十分に行うなどして相互に連携、協力を図ること、内閣人事局は、必要に応じて研修施設についての情報を関係各庁間で共有できるよう働きかけを行うこと、人事院は、内閣人事局と連携して、関係各庁の研修の計画策定及び実施に関し、必要に応じて監視の前提となる調査の充実を図ることなどに留意して研修の実施等を行う必要があると考えております。
 会計検査院としては、今後とも各府省等における職員の研修の実施状況等について、引き続き注視していくこととしております。
 次に、「地方公共団体における社会保障・税番号制度の導入に係る補助事業の実施状況等について」を御説明いたします。
 検査しましたところ、総務省及び厚生労働省から補助金の交付を受けて整備を行った情報システムのうち、作業項目ごとに作業工数の記載がなく、かつ、人件費単価の記載がない見積書により予定価格を算定していたものがありました。また、平成二十八年三月末時点において、住民票記載事項の確認や調査を実施していないため受取人に交付等ができないまま市町村に保管されている通知カードがありました。
 検査の状況を踏まえた会計検査院の所見といたしましては、総務省及び厚生労働省において、業者から適正な見積書を徴することなどの必要性等を地方公共団体に示すとともに、内閣官房において、地方公共団体の求めに応じて協力していくことについてなお一層の取組を行うこと、また、通知カードについては、総務省において、今後も返戻された通知カードに関する調査等に関して、市町村に対して必要な助言を行うことに留意して地方公共団体における社会保障・税番号制度に係る補助事業の実施等に取り組んでいく必要があると考えております。
 会計検査院としては、社会保障・税番号制度の実施状況等について、引き続き多角的な観点から検査していくこととしております。
 次に、「地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金(地域消費喚起・生活支援型)による事業の実施状況について」を御説明いたします。
 検査しましたところ、プレミアム付き商品券が新規の消費喚起を推進することを目的とした交付金の趣旨に沿っていないものと考えられる自動車の車検費用、プロパンガスの使用料等の支払に利用されていた事態等がありました。
 検査の状況を踏まえた会計検査院の所見といたしましては、内閣府において、今後同種の事業を実施する地方公共団体に対して支援を行う場合には、プレミアム付き商品券等の利用対象となる商品やサービスの範囲、利用条件、販売方法等について、新規の消費喚起効果を高めるものとなるようにすることなどについて、より具体的な方策を地方公共団体に対して示すなどして地域における消費喚起等の推進に向けた事業が適切かつ効率的、効果的に実施されるよう、的確に支援を実施していくことが重要であると考えております。
 会計検査院としては、今後、消費喚起や生活支援を目的とする事業に要する費用に対して国が交付金を交付する際には、その実施状況について注視していくこととしております。
 次に、「各府省等における研究開発事業の実施状況等について」を御説明いたします。
 検査しましたところ、科学技術政策の司令塔である総合科学技術・イノベーション会議が、大部分の研究開発事業について経費の執行状況に係る情報を把握していない状況、府省共通研究開発管理システムが過度の集中を排除することを支援するという本来の機能を十分発揮していない状況、国の資金により研究開発を行う委託契約の条項に基づいて資金配分先が行うこととされている資金配分機関への報告が適切に行われていない状況等が見受けられました。
 検査の状況を踏まえた会計検査院の所見といたしましては、総合科学技術・イノベーション会議において、科学技術関係予算の適切な配分の検討に資するために経費の執行状況に係る情報を収集して把握することを検討すること、文部科学省において、科学研究費助成事業の研究開発課題に関する情報を府省共通研究開発管理システムに登録する際に研究者の時間の配分割合を確認できるようにすること、委託事業を行う資金配分機関において、資金配分先に対して報告等の義務があることを委託契約の終了時にも周知することを検討することなどに留意して研究開発事業の実施等を行う必要があると考えております。
 会計検査院としては、今後とも各府省等における研究開発事業の実施状況等について、引き続き注視していくこととしております。
 最後に、「国立研究開発法人における研究開発の実施状況について」を御説明いたします。
 国立研究開発法人三十一法人における研究開発の実施状況について検査しましたところ、評価手法の一つとして研究開発に係る成果と投入された金額や人員との対比を行うなどにより評価の実効性を確保するとされておりますが、研究開発評価項目と一定の事業等のまとまりごとの区分に基づく財務会計上のセグメントとが適切に対応していない法人が見受けられました。また、研究開発力強化法に基づく人材活用等に関する方針を作成していない法人や、国立研究開発法人にとって重要な成果である特許権を貸借対照表に資産計上していない法人などが見受けられました。
 検査の状況を踏まえた会計検査院の所見といたしましては、各法人において、セグメントを研究開発評価項目と適切に対応させること、人材活用等に関する方針を速やかに作成して遅滞なく公表すること、特許権を貸借対照表に計上することによりその保有の状況を明らかにすることについて改めて検討すること、各法人及び主務府省において、評価の実施に当たり評価の実効性の確保に努めることなどの点に留意することが必要であると考えております。
 会計検査院としては、国立研究開発法人における研究開発の実施状況について、今後とも多角的な観点から引き続き注視していくこととしております。
 これをもって報告書の概要の説明を終わります。
#282
○委員長(岡田広君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 次回は来る十日午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後六時二十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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