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2017/04/24 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 決算委員会 第6号
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2017/04/24 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 決算委員会 第6号

#1
第193回国会 決算委員会 第6号
平成二十九年四月二十四日(月曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十七日
    辞任         補欠選任
     熊野 正士君     里見 隆治君
     宮崎  勝君     新妻 秀規君
     木戸口英司君     又市 征治君
 四月十八日
    辞任         補欠選任
     小野田紀美君     進藤金日子君
     宮島 喜文君     古川 俊治君
     武田 良介君     吉良よし子君
 四月二十一日
    辞任         補欠選任
     斎藤 嘉隆君     風間 直樹君
     石井 苗子君     東   徹君
     又市 征治君     山本 太郎君
     行田 邦子君    薬師寺みちよ君
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     藤井 基之君     中西  哲君
     風間 直樹君     斎藤 嘉隆君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岡田  広君
    理 事
                二之湯武史君
                松下 新平君
                山田 俊男君
                大島九州男君
                河野 義博君
                田村 智子君
    委 員
                阿達 雅志君
                片山さつき君
                進藤金日子君
                そのだ修光君
                中西  哲君
                西田 昌司君
                藤井 基之君
                古川 俊治君
                松川 るい君
                丸山 和也君
                宮本 周司君
                森屋  宏君
                石上 俊雄君
                礒崎 哲史君
                風間 直樹君
                古賀 之士君
                斎藤 嘉隆君
                平山佐知子君
                里見 隆治君
                新妻 秀規君
                吉良よし子君
                東   徹君
                片山 大介君
                山本 太郎君
               薬師寺みちよ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
       環境大臣     山本 公一君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  野上浩太郎君
   副大臣
       財務副大臣    大塚  拓君
       厚生労働副大臣  橋本  岳君
       農林水産副大臣  礒崎 陽輔君
       国土交通副大臣  末松 信介君
   大臣政務官
       外務大臣政務官  武井 俊輔君
       厚生労働大臣政
       務官       馬場 成志君
       経済産業大臣政
       務官       井原  巧君
        ─────
       会計検査院長   河戸 光彦君
        ─────
   事務局側
       事務総長     郷原  悟君
       常任委員会専門
       員        秋谷 薫司君
   裁判官弾劾裁判所事務局側
       事務局長     松本 智和君
   裁判官訴追委員会事務局側
       事務局長     藤井 宏治君
   国立国会図書館側
       館長       羽入佐和子君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       土生 栄二君
       人事院事務総局
       職員福祉局長   千葉 恭裕君
       外務大臣官房審
       議官       水嶋 光一君
       財務大臣官房審
       議官       矢野 康治君
       文部科学大臣官
       房審議官     松尾 泰樹君
       厚生労働大臣官
       房総括審議官   宮川  晃君
       厚生労働大臣官
       房技術・国際保
       健総括審議官   福田 祐典君
       厚生労働省医政
       局長       神田 裕二君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局長  武田 俊彦君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局生
       活衛生・食品安
       全部長      北島 智子君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       田中 誠二君
       厚生労働省職業
       安定局長     生田 正之君
       厚生労働省職業
       安定局雇用開発
       部長       坂根 工博君
       厚生労働省職業
       能力開発局長   宮野 甚一君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       吉田  学君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    定塚由美子君
       厚生労働省老健
       局長       蒲原 基道君
       厚生労働省保険
       局長       鈴木 康裕君
       農林水産大臣官
       房生産振興審議
       官        鈴木 良典君
       農林水産大臣官
       房統計部長    佐々木康雄君
       国土交通大臣官
       房審議官     木原亜紀生君
       国土交通大臣官
       房審議官     早川  治君
   説明員
       会計検査院事務
       総局次長     岡村  肇君
       会計検査院事務
       総局第一局長   鈴土  靖君
       会計検査院事務
       総局第二局長   腰山 謙介君
       会計検査院事務
       総局第三局長   戸田 直行君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成二十七年度一般会計歳入歳出決算、平成二
 十七年度特別会計歳入歳出決算、平成二十七年
 度国税収納金整理資金受払計算書、平成二十七
 年度政府関係機関決算書(第百九十二回国会内
 閣提出)(継続案件)
○平成二十七年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第百九十二回国会内閣提出)(継続案件)
○平成二十七年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第百九十二回国会内閣提出)(継続案件)
 (国会、会計検査院、厚生労働省及び環境省の
 部)
    ─────────────
#2
○委員長(岡田広君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十一日までに、宮崎勝君、熊野正士君、木戸口英司君、武田良介君、宮島喜文君、小野田紀美さん、行田邦子さん、斎藤嘉隆君及び石井苗子さんが委員を辞任され、その補欠として新妻秀規君、里見隆治君、吉良よし子さん、古川俊治君、進藤金日子君、薬師寺みちよさん、山本太郎君、風間直樹君及び東徹君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(岡田広君) 平成二十七年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、国会、会計検査院、厚生労働省及び環境省の決算について審査を行います。
    ─────────────
#4
○委員長(岡田広君) この際、お諮りいたします。
 議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれも省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(岡田広君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#6
○委員長(岡田広君) 速記を起こしてください。
    ─────────────
#7
○委員長(岡田広君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○藤井基之君 自由民主党の藤井基之でございます。
 私は、今国会で沖縄及び北方問題に関する特別委員会の委員長を拝命しておりまして、本日の質問に際しましては、決算委員会の委員長及び与野党理事の先生方の御理解をいただきましてこのような機会を頂戴しました。心より感謝申し上げたいと存じます。
 それでは、早速質問に移らせていただきたいと存じます。
 まず、医療提供体制について大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
 もう釈迦に説法でございますけれども、今月の十日に発表されました将来人口推計、これは平成二十七年の国勢調査の結果を基に算出されたものでございますが、五年前の推計値と比べて、人口減少の速度やあるいは高齢化の進行度合い、これ若干緩和したと言えるかもしれませんが、五十年後の二〇六五年には、総人口は八千八百八万人、高齢化率は三八・四%に上昇するとされております。こうした急速な高齢化に対応した医療・介護提供体制の整備、これは急務であることは今更申し上げることもございません。
 医療の面にちょっと目を向けますと、医師等の医療専門職について、これは年々増加してきております。今年の春の国家試験の合格者数を見ましても、医師が約八千五百名、薬剤師が約九千五百名、看護師さんが約五万五千四百名、理学療法士さんが約一万二千四百名等と、多くの方々が資格を有されまして、そして、その多くの方は実際医療の現場で現在活躍をしていただいているものと理解しております。
 資料をお配りさせていただきたいと思っておりますが、この医療分野における国際比較と題しました表は、これはOECDのヘルスデータ二〇一四をベースにして、厚生労働省のホームページに入っているものから抜粋してここに用意させていただきました。
 OECD諸国と比較しますと、ここにあるとおりでございます。一番右が日本でございますが、日本の特徴はどこかというと、一番上のところの人口当たりの病床数が多いというところに尽きているのかもしれません。このことが、結果として、実は病床数当たりの、例えて言いますと、臨床医師数であるとか臨床看護職員数を出しますと、ほかの国と極端に低いという数字になります。ですから、このことだけでどうこうと言うべきではないと思いますが、ただ、絶対数としても、上から二列目のところにありますように、千人当たり臨床医師数は決して高いわけではないのも事実でございます。
 四月の六日ですか、新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会が報告書を公表なさいました。そして、将来の医療職における女性の比率に関する一つの予測数字の根拠になるかもしれません。それは、文部科学省の学校基本調査、このデータによりますと、昨年の春、保健関係の学部に入学して、そして去年の五月一日時点でその学部に在籍した学生数というのがトータルで六万八千七百三人というふうに記録されておりまして、そのうち女性の割合は六三・九三%となっております。ちなみに、医学部医学科で申し上げますとその数字は三三・七五%、つまり三分の一をもう超えたという数字でございます。また、歯学部の歯学科で申し上げますと四八・四八%とほぼ半数に近くなっているという。ですから、これから将来にわたって医療専門職のジャンルに女性の進出というのは間違いなく増えてくる、そのように見込まれると考えます。
 大臣に一つお伺いしたいと思います。医療専門職の過酷な労働環境が問題視されて、さらに女性の進出が著しい状況におきましては、例えば出産、育児等を考慮しなければなりません。医療提供体制の充実には医師等の医療専門職の人材確保とその働き方改革が急務と考えますが、御見解をお伺いしたいと存じます。
#9
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘の医療従事者でございますけれども、確かに勤務環境は大変厳しい状況にございまして、これから医療機関の勤務環境を改善するというのは非常に大事なテーマだというふうに考えております。
 都道府県ごとに医療勤務環境改善支援センターが設置をされておりまして、勤務環境改善に取り組む医療機関を社会保険労務士等が総合的、専門的に支援をする体制、これが準備をされているわけであります。
 さらに、医師、看護師等の働き方をより良いものとしていくために、今月、今御指摘をいただいた新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会、ここで報告書がまとめられて、その中で、例えば女性医師支援の重点的な強化、あるいは医療勤務環境改善支援センター、この抜本的な強化、さらには、医療のいろいろな役割があるわけでありますけれども、そのタスクシフティング、タスクシェアリング、この推進といったような新たな提案を頂戴をいたしました。
 また、この検討会におきまして約十万人の医師を対象として初めて大規模な調査を全国規模で行いまして、医師の過酷な勤務実態などに関するエビデンスについても初めて示されて、十万人規模の医師を対象にしたアンケート調査というのは今までなかった、戻ってきたのは一万六千弱でございますけれども、その母数でもかなり大きいということでございます。
 そういう中で、個人の希望やあるいは事情、そしてまた、今女性の役割のウエートの拡大の話がございましたけれども、そういった中で、働き方の新たな在り方、この実現に向けた取組を医療界も含めて進めていく必要があるというふうに考えておりまして、今後とも、医療従事者の勤務環境の改善には新たな医療の在り方の下でどういう働き方があり得るか考えていきたいと思っております。
#10
○藤井基之君 ありがとうございました。
 大臣が簡潔に御答弁いただきましたので、本当にありがとうございます。本来でしたら、その中に機械化とか、いろいろな人的要素をサポートするような体制をつくっていくというようなこと、先ほどの働き方の在り方とともに、業務そのものについてもこれからある一定の方向性というものをまた示していただきたいと存じます。
 時間が限られておりますので、次の質問に移らさせていただきたいと思います。
 毎回質問させていただいている薬物乱用問題についてでございます。今回は、まず大麻の問題について伺いたいと存じます。
 大麻というのは、御案内のとおり、今世界で乱用されている薬物の中で最も多いその対象は大麻であるというふうに言われております。
 南米のウルグアイでは、二〇一三年に、いわゆるレクリエーショナルユースというんでしょうか、娯楽といいましょうか、そういったものを目的として大麻の使用を合法化をいたしております。また、最近では、カナダにおきまして娯楽目的での大麻の使用を合法化しようとする動きがあるとも報告がございます。アメリカにおきましては、連邦法の規定には反しますが、実は州法で、コロラド州とかカリフォルニア州等九つの州では娯楽目的での大麻の使用が合法化されたというふうに伺っております。
 外務省にお伺いしたいと存じますが、このような国際的な大麻に対する規制の流れというものについてどのように認識されているか、お伺いしたいと存じます。
#11
○政府参考人(水嶋光一君) お答え申し上げます。
 近年、委員御指摘のように、一部の国におきまして大麻の合法化の動きがあるということは承知をしております。しかしながら、そもそも今日の国際社会では、麻薬に関する単一条約、向精神薬に関する条約、麻薬及び向精神薬の不正取引の防止に関する国際連合条約のいわゆる麻薬三条約に基づきまして、大麻、ヘロイン、コカイン、覚醒剤といった様々な薬物が国際的に規制をされております。特に、一九六一年の麻薬単一条約では、大麻を規制物質に指定するとともに、締約国に対しまして大麻の生産、輸出入、取引、使用、所持等を医療上及び学術上の目的のみに制限をしております。
 したがいまして、大麻合法化の動きはこうした国際的な薬物規制の取組には相入れないものと認識をしております。
#12
○藤井基之君 ありがとうございました。
 私も今外務省が答弁されたように思っておりまして、これは少なくとも一九六一年の国連の麻薬単一条約に反するものだというふうに理解しております。
 それで、それを踏まえてお伺いしたいと思いますが、この麻薬の対応につきましては、今年もたしか三月にもう実施されたと思いますが、CND、国連の麻薬委員会が毎年開催されておりまして、そのときそのときのいろいろ問題点についての国際的な議論がされております。
 日本も当然このCNDの、麻薬委員会のメンバー国でございまして、毎年日本も参加していると思いますが、例えば国連の麻薬委員会等でこの種の、世界の、本来の条約の基準には反するような流れがあることに対してどのような対応をなさっているのか。あるいは、これについて、薬物乱用対策ではある意味で優等生とも言われております日本の立場としてどのような発言をされて、どのように国際社会を動かそうというふうに動かれているのか、その辺についても御披露いただきたいと思います。
#13
○政府参考人(水嶋光一君) お答え申し上げます。
 二〇一三年の十二月に、先ほど委員の御指摘ございましたウルグアイにおきましていわゆる大麻合法化法が成立をいたしました。その後、我が国といたしましては、薬物対策等について協議を行います麻薬委員会、また地域会合等の場において、このような大麻合法化の動きに対しては深刻な懸念を表明しております。
 例えば、二〇一四年三月に開催をされました第五十七会期の麻薬委員会におきましては、我が国がイニシアチブを取った結果、我が国を含むアジアグループ全体として大麻合法化への懸念を表明するステートメントを行うことにつながりました。
 また、我が国として行っております取組の中には、やはりこのような薬物の取締り等をしっかりと国際社会で強化していかなければいけないという考え方の下で諸外国の薬物取締りにも貢献をしておりまして、国連薬物犯罪事務所、UNODCを通じましてアジアや中東、アフリカにおけます薬物の取締り、あるいは乱用防止のための支援を実施しているところでございます。
#14
○藤井基之君 この大麻の問題というのは海外だけの問題ではございません。昨年の十月から、国内でも大麻の乱用に関わる問題、事犯が発生して、それが報道をされました。
 昨年の十月、鳥取県の智頭町ですか、いわゆる過疎対策としての町おこしということで、事もあろうか大麻の栽培によって町おこしをするんだという、そういうことで、大麻栽培免許を知事から受けた方が大麻の乱用をして実は逮捕されたという事件がございました。同じ十月には、沖縄の石垣島では、ナチュラリストと称されている活動をしている方々が同じように大麻の問題で大麻法違反の疑いで逮捕されております。十一月には、長野県の大町市や池田町等のいわゆる限界集落に移住して、そこに移住者による大麻コミュニティーといいましょうか、大麻村をつくるんだと、そういうようなことが起こりまして、ここは移住者の方々たしか二十二名が逮捕されるというような事案も発生をいたしております。
 先ほど申し上げましたけど、国連の麻薬統制委員会は、世界人口の十五歳から六十四歳のうちの薬物使用者の比率というのは約五%だと言っているわけですね。そして、その数字は実は良くなる方向にはない、もうずっと同じぐらいの乱用者といいますか、使用者がいるんだと言っている。そして、その多くは実は大麻だと言われている。その数は、推計によりますが、世界では約二億人ぐらいの方が大麻を乱用しているのではないかとも言われております。
 大麻に限られた話ではありません。日本においては非常に対策がうまくいきまして、今日、例えば危険ドラッグがどうかという話というのはもう新聞にも出てこない状況になりました。数年前まではこれによって多くの方々が御努力をいただいたわけでございます。ただし、世界を見ますと、現時点におきましても、合成カンナビノイド系とか合成カチノン系といういわゆる危険ドラッグの主流派に加えまして、カルフェンタニルなどという、いわゆる麻薬であるモルヒネとかフェンタニルというものと作用が類似した危険ドラッグ、国際的にはNPSという用語で言われておりますが、このようなものが乱用されております。
 二〇一四年のそのNPSの押収量、合成カンナビノイド系のNPSのいわゆる押収量が、北米域だけで三十二トンの多さに達したというふうに言われております。国内におきましては、これ以外にも、我が国ではずっと覚醒剤の問題が一番大きな薬物乱用対策でございましたが、平成二十八年、密輸入した覚醒剤の押収量が千四百二十八キログラムを超えた、これは平成十四年から統計を取り始めて以来、過去最大のものになっているんだと、こういうことが言われております。
 このようなことを考えますと、特に世界のそういった薬物乱用の動きが、世界で最初に乱用が始まったものが日本に持ち込まれて、日本の国民がそれによって被害を被る、あるいはそうやって手を出してしまう、そういったことは過去ずっとございました。ですから、これから先も、私どもとしてはそういった国際的な動きに対しても目を配らなければいけないと考えております。
 こうした国内外での薬物乱用動向を踏まえまして、政府の薬物乱用対策推進会議の議長をお務めになっております厚生労働大臣に、薬物乱用防止対策への御見解、そして御決意を伺いたいと存じます。
#15
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘をいただいたように、国内外で覚醒剤あるいは大麻などの様々な薬物の乱用が深刻な問題になっておりまして、我が国でも大麻事犯による検挙者数は、昨年、五年ぶりに二千人を超える、こういう状況になっているわけでありまして、我が国においても薬物乱用対策というのは引き続き重要な課題というふうに認識をしておりまして、新たな乱用薬物につきましては、我が国では、医薬品医療機器法の改正によって指定薬物として迅速に規制することが可能となったことによって、危険ドラッグの乱用はそれなりに鎮静化はしてきておるわけで、御指摘のとおりであります。
 一方で、今も指摘を申し上げました大麻の乱用、これは特に若者に多い傾向が見られるために、若者向けの薬物乱用防止の啓発に更に注力をしていかなければいけない、そして大麻に対する徹底した取締りを強めていかなければならないというふうに考えております。
 今御指摘をいただいたこの薬物乱用対策推進会議、私が議長を担っているわけでございますけれども、それがこの四月からでございました。ということで、リーダーシップを持って、これまで以上に関係省庁としっかり連携をして、協力をし合って、危険ドラッグを含めて薬物乱用対策にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
#16
○藤井基之君 ありがとうございました。
 ちょうど危険ドラッグが国内で乱用されて問題にされたときは、政府は補正予算も組んだりとかしまして、それに対する予算措置等もとられたわけですが、その後、危険ドラッグの話が聞かれなくなるときれいに昔の同じ金額にもう戻っておりまして、別に予算の多寡でどうこうと言うつもりはありませんけれども、やはり社会問題が大きくなっているかなっていないかによって、そのような対応、動くべきじゃないと考えております。是非、大臣には今お述べいただいたような対応をこれからも引き続いてお願いをしたいと存じます。
 次に、偽薬の話についてテーマを移したいと思います。
 お配りしました資料の二枚目の方に少し色刷りの資料を用意させていただきました。ここにありますハーボニーというのは商品の名前でございまして、御案内の方も大勢いるかもしれませんが、その高いウイルスの除菌効果、高い有効性、しかもそれが飲み薬で、一定の期間飲んだことによってウイルスが完全に消えてしまうんだという、画期的な新薬と称されたものの一つにC型肝炎の治療薬のこのハーボニーいわゆる配合錠というものがございまして、これが、この図でいうと一番下になるんですが、今年の一月の六日になりまして、奈良県で、チェーン調剤薬局から処方を受けた患者さんの手元にどうも偽薬だという話、これが発覚をいたしました。
 関係者、都道府県また行政庁等も努力していただきまして、その後、この偽薬はどういった流れをたどったのかということを調べていただいておりまして、その図がこの資料にも出ておるわけでございまして、関西メディコという奈良県を中心に大きなチェーン調剤薬局をやっていた薬局チェーンで、そこで見付かった四本の偽薬と患者さんに渡った一本、それらのどこから入ったかということを調べますと、上の方に流れて赤い線で書いてあるように、大阪―東京、東京―東京という流通業、卸売販売業ですね、これは都道府県知事の許可を取っている正規の業態でございます。ここから流れたということが分かりました。
 そして、その根っこはどこから来たかというと、一番上のところになりますが、昨年の十一月以降から、どうも個人からというふうに言われておるんですが、東京のエール薬品というところがトータルで十五本のボトルを購入をされたんでしょうか、そしてそれを同業三社にお配りをしたようでございます。ここにあります大興薬品と東京のあと二つの会社でございます。
 この資料は下にありますように四月十三日付けのものでございます。といいますのは、四月の十二日に、東京都が左上にありますエール薬品と大興薬品に対して業務停止処分を科しました。その情報を受けて毎日新聞の記事に載ったのがこの資料でございます。
 これについて、新聞報道から見ますと、この大興薬品は、今年の一月に、許可を確認せずに偽造品二本を大阪府内の無許可業者に売り渡し、和歌山県内の病院に納入された、そして偽造品情報を知った大興薬品がすぐに返品を求めたんだと、こういう記事がございました。
 まず、厚生労働省にお伺いしたいんですが、この記事の内容はどのように皆さん方は認識されているんでしょうか。
#17
○政府参考人(武田俊彦君) お答えをいたします。
 四月十二日付けで東京都はハーボニー配合錠の偽造品の販売などで都内の卸売販売業者二社を処分したところでございますが、そのうちの一社からお尋ねの大阪府内の事業者に対して偽造品が流通していることが明らかになったため、東京都からの連絡によりまして大阪府が二月十六日に立入調査を行い、この事業者がハーボニー配合錠の偽造品二本を和歌山県内の病院に納品したことを確認したと承知をしております。さらに、和歌山県は、大阪府から連絡を受けて二月十六日に県内の病院に立入調査を行い、病院に納品された二本の偽造品が既に元の東京都の卸売販売業者に返品されていたことを確認したと承知をしております。
 私ども厚生労働省といたしましては、二月一日に偽造品が十五本流通されていたことを公表しておりますけれども、このうち、今、大阪―和歌山と流れました二本につきましては、この十五本の内数といたしまして、東京の卸売業者に返品をされて在庫をされていた三本のうちの二本、トータルとしての十五本の内数であることを確認をしているところでございます。
 なお、この大阪府の事業者につきましては、医薬品医療機器法に基づく卸売販売業の許可を受けておりませんでしたので、同法に基づく許可の取消しや業務停止などの行政処分を行うことはできないわけでございますけれども、既に大阪府が医薬品の販売を行わないよう指導し、現在は医薬品を取り扱っていない、このように承知をしております。
#18
○藤井基之君 今回のケースは、本当に幸運にもと言った方がいいと思いますけれど、実は健康被害が発生しなかったというふうに伝えられておりまして、そういったことですから、余り目くじら立てる必要はないのかもしれません。しかし、今のお話でも、許可を持っていないから大阪府が指導して今後薬を取り扱わないからそれで結構ですと、それでいいんですか。じゃ、和歌山の病院は、そもそもえたいの知れない無許可の業者の方からそれを購入されて、これ返したからそれで済むんですか。少なくとも、関西メディコの薬局は、これ許可があったからかもしれませんけれど、奈良県及び奈良市から業務停止五日間の処分を受けております。
 あるいは、これ、そういうことじゃなくて、法的に処分ができないんだったら刑事告発されたらどうなんですか。いかがですか。
#19
○政府参考人(武田俊彦君) 刑事告発の必要性につきましては、実際に事業者に対して立入調査等を行い、法律上の指導権限を有する大阪府がまず判断すべきものと考えており、厚生労働省といたしましては、大阪府から法の適用の考え方などについて相談があった際には十分に連携を保ってまいりたいというふうに考えております。
#20
○藤井基之君 和歌山県の病院についてはどうですか。
#21
○政府参考人(武田俊彦君) 和歌山県につきましても、処分権限を有する和歌山県が一義的に指導並びに処分の必要性について検討されるものと承知をしておりますけれども、現時点におきましては、和歌山県による調査の結果、その病院における法に触れる事実はなく、偽造品に関連した健康被害も生じておりませんでしたので、病院の名称も公表していない、こういう状況にあるというふうに承知をしております。
#22
○藤井基之君 行政庁がそれで十分だとお考えならそれで結構ですけれど、ただ、国民の方々は、そんな、何か、ああごめんなさいで済んじゃったというんで済むんでしょうかという感じがします。少なくとも、こういった無許可の業者がなぜ、じゃ例えば製品を納入した相手先に、大興薬品から言われた話を受けて、返品までお付き合いしているんですかね。これかなり付き合いが高いから、一見さんじゃないから、返品とか頼まれたときにそういったところまで付き合ったんじゃないかという感じがしてなりませんですね。私は、建前的な話も結構ですけど、この種の問題、これから先も行政はいろいろな対応を取っていただくんだと思いますけど、その際の足かせとならないような対応にしておいていただきたいと思います。
 このような、適正な供給を責務とすると考える医薬品の卸売企業は、一般社団法人の日本医薬品卸売業連合会というものを組織しております。この会は、本社数として七十二社が入っているというふうに理解をしております。そして、ここでは、一九七六年にスタートして、医薬品の適正流通のための自主基準をずっと設けていて、傘下の自分たちの会員に対してはその指導をして適正流通をやらせるようにということを頑張ってやってきた。現在は、二〇一二年に改訂された、これは彼らの用語ですとJGSP、ジャパン・グッド・サプライイング・プラクティスという、こういう自主規範を使って会員を指導して、そして品質管理に、そして適正供給に努力をしているというふうに言っております。
 今回、この資料でありましたように、東京の五社、そして大阪の一社、これは許可を取っておりますけれど、この六社は全て医薬品卸売業連合会には入っていない、ある意味でアウトサイダーに近い。もちろん、業態のないところはもってのほかですけれど、そういったことを考えますと、既に大臣がおっしゃられているように、これから先のいろいろな対応を取るときに、やはり自主規範だけでは不十分だと考えるべきだと思うんですね。
 偽薬というのは、先ほども申しましたけれど、これ、国民は本当にひょっとしたら直接的な健康被害を受けたかもしれないんですよ。国民は医療とかお薬に対して信頼感をなくすことになっているかもしれないんですよ。それを取り戻さなきゃいけない。そのためには、国としてちゃんとした対応を取らなきゃいけないんだろうと思っております。
 大臣は、今までも何度もお述べになっていただいておりまして、できるだけ早く関連する制度改革等についても取り組んでいきたいんだということを発言なさっております。改めまして、大臣のお考えをお伺いしたいと存じます。
#23
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回発覚したこの偽薬につきましては、たまたま服用した人がいなかったという不幸中の幸いはございましたけれども、そしてまた違法と言えないまでもやっぱり適切ではないというものが随所に見られると、こういうことだろうと思います。今回、国内で流通をして、偽薬が最終的に薬局から患者まで渡った、このことはやっぱり重たいことであって、医薬品に対する国民の信頼をやはり損ないかねない重大な事案だということをまず基本に据えなきゃいけないと思います。
 このため、厚労省では、偽造品流通の再発防止を徹底することを目的として、現在、有識者や医療関係団体などによる検討会におきまして、医薬品等の取引相手の適格性をいかに評価するなどの課題に対応するために、国際的な動向も踏まえて、製造から販売に至る一貫した施策の在り方について検討して、このようなことが二度と起きないようにしていこうということでございます。偽造品流通防止のために優先して取り組むべき事項につきましては、夏頃までに取りまとめを行って、関係する制度改正等に迅速に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
#24
○藤井基之君 ありがとうございました。終わります。
#25
○古川俊治君 続きまして、自由民主党、古川俊治から質問をさせていただきます。
 先日のディオバンの事件に関しますノバルティスファーマ社の裁判でありますけれども、故意のデータ改ざんということは認められたんですけれども、旧薬事法の虚偽・誇大広告には当たらないということで、一応地裁レベルでは無罪判決ということになりました。
 検察は、これにつきまして控訴をしたようではありますけれども、まだ刑事事件続くわけですが、私、弁護士として見た場合には、旧薬事法、現行の医薬品医療機器等法でありますけれども、その虚偽・誇大広告に該当して問うというのはなかなか難しいんじゃないかなというふうに思っております。
 今般、臨床研究法がようやく成立をいたしましたけれども、そこで監査、モニタリング体制というのもちゃんと法律上取られるという措置が出されましたけれども、ただ、そうはいっても限界があるんで、やっぱりああいう事件というのは完全になくすことは非常に難しいと思うんですよね。
 そうすると、やっぱり今回の無罪判決が、もしこれが確定するようなことがあった場合には、同様の事件が起きた場合に刑事制裁をしっかり科すことができるように、医薬品医療機器等法を改正する必要があるんじゃないかというふうに考えているんですけれども、いかがでしょうか。
#26
○政府参考人(武田俊彦君) 御指摘のいわゆるディオバン事案でございますけれども、製薬企業の元社員が医薬品の臨床研究データを改ざんしていたことが発覚をし、国民の臨床研究に対する信頼を大きく揺るがす厚生労働省として看過できない重大な事案であったことから、旧薬事法、現行の医薬品医療機器法違反の疑いで東京地検に告発し、これが受理をされたものでございます。
 本事案につきましては、ただいま御指摘もございましたが、東京地裁の判決におきましては、元社員によるデータの改ざんそのものについては認めた上で、学術論文が医薬品医療機器法の規制対象となる広告に該当しないとの解釈の下で無罪との判断が示されたものでございます。現在、判決に不服あるものとして検察庁が控訴をしてございます。
 私どもといたしましては、このように、今後、控訴審において検察による主張、立証が尽くされるものと承知をしておりますので、検察庁の要請に対して協力を行ってまいりたいと思っております。
 なお、判決の内容につきまして、想定の上で考え方を述べることについては控えさせていただきたいというふうに思います。
#27
○古川俊治君 分かりました。じゃ、一応、無罪が確定することに仮になったとしたら、これはまだやっているわけですから、そうしたらこれを考えなきゃいけないと、それだけは申し上げさせていただきたいと思っております。
 平成二十五年十月八日の高血圧治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会、要はこのディオバン事件の検討委員会ですけれども、そこで中間取りまとめをしまして、当該臨床研究の結果に基づくノバルティス社の広告及び関係学会のガイドラインにより、高血圧治療に当たる医師の処方行動が変更されたとの指摘もあると。ガイドラインが書き換えられましたから医師の処方行動は当然変わったと思うんですけれども、それは当たり前の話であって、今回の事案に係る臨床研究による医療保険財政への影響について、中央社会保険医療協議会において検討すべきと考えるとされているんですけれども、今は平成二十七年度の決算の審査なんですけれども、このディオバンに関して、薬価というのは当然この平成二十七年度の決算にも影響しているわけでございますから、その後、中医協においてどのような検討を行ったのかあるいは行っていないのか、その点について御答弁をお願いしたいと思います。
#28
○政府参考人(鈴木康裕君) ディオバン事案に係ります医療保険財政への影響の評価についてお尋ねがございました。
 本件につきましては、平成二十六年九月十日の中医協の薬価専門部会におきまして、ディオバンとその類似薬の薬価の推移等の事実関係を基に議論が行われました。しかしながら、本剤に係る御指摘の臨床研究による医療保険財政への影響を具体的に明らかにすることはできなかったところでございます。
 厚生労働省としては、中医協における議論を踏まえつつ、平成十九年四月に、ディオバンに係る一連の臨床研究のうち、最初に実施された臨床研究の結果が論文発表されて以降、一つは、薬価については単調に下がり続けていること、二つ目は、販売額については薬価収載された平成十二年から平成二十三年まで単調に増加をしており、論文発表によって増加傾向が拡大したとまでは認められないことなどから、特段の措置をとっておらないところでございます。
 中医協でも指摘がありましたように、本事案は、患者の医療に対する信頼性、それから医療保険制度の信頼性に関わる極めて重要な問題であるため、係争中の刑事裁判の状況を注視しつつ、今後も必要に応じて議論を深めてまいりたいというふうに思います。
#29
○古川俊治君 今の御答弁、それは見方によると。この図一をちょっと見ていただきたいんですが、これはいわゆるARB、ディオバンを含む、配合剤を含むARBの売上げを示しています。これは、アンジオテンシンUという物質のレセプターの拮抗薬なんですけれども、それはディオバンだけじゃなくていろんなのが伸びているんですね。
 これを見て、やっぱりその論文の前後、論文発表をしてガイドラインに載って、削除されたということによって売上げがかなり影響を受けているというのが読み取れると思うんですが、どれだけ医療保険財政に影響を与えたかはちょっと計算難しいというお話でしたけれども、ただ、これ、少なくとも弁護士として考えますと、最低限このぐらいの額というのは、やっぱり明らかに改ざんがあったわけですから、故意、過失が成り立つわけですよ。そうすると、不法行為という民法の規定が、当然それによって損害を国に与えているわけですから十分成り立つと思うんですね。その場合、確かに刑事責任ということになると難しいと。ただ、刑事責任が確定するか確定しないか、それは関係なくて、民事責任を問うことは十分可能なんですね。
 こういう事件に対して、やっぱり一番国民が心配しているのは、そんなお金掛かっちゃったじゃないかということで、ここら辺をしっかり、そうやってうそついてもうけようとしたんだから、それはしっかり売り上げた分を戻してくれと、これは数千億の話ですからね、それは思うと思うんですが、このやっぱり民事賠償というのを行うべきじゃないかと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
#30
○国務大臣(塩崎恭久君) 一般に医薬品の販売額というのは類薬の上市とかあるいは医療現場への浸透度などの様々な要因によって影響を受けるということになっていますが、販売額の増加などにつきまして一概に因果関係を説明するというのはなかなか難しいところではないかというふうに考えております。
 そもそも、ディオバンの販売額につきましては、薬価収載された平成十二年から二十三年まで単調に増加をしておりました。そして、平成十九年四月に本剤に係る一連の臨床研究のうち、最初に実施された臨床研究の結果が論文発表されて以降、それによって増加傾向が拡大したとまでは認められないと、こういうふうに概観されるわけでございます。
 本事案につきましては、刑事裁判が係争中であるということで、そのことを踏まえますと、引き続き状況を注視するということで、損害賠償請求のお話を頂戴いたしましたが、当面、引き続き注視をしてまいりたいというふうに思っております。
#31
○古川俊治君 ガイドラインが書き換えられるというと、医師のやっぱり治療方針というのは物すごく変わるんですね。これから見ると、私は、影響は必ずあったというふうに事実上は思っているんです。これ、なかなか立証するのが難しいというお話です。それはそうかもしれないけれども、必ずあったことは間違いないんですね。
 そうすると、やっぱりこれ、うそついて、制裁を社会的にも受けましたけど、結局目的は全部達成されているんですよ。それは、売上げ全部上げて、それを持っていっちゃっているわけですね。これで無罪だったら何にも問われないわけですね、結局。
 やっぱりあれだけの大きな事件が起こって、それで日本も恥をかいたわけですね。それについて、結果論としては彼らは逃げ得になっちゃったということですと、やっぱりこれは何らか考えなきゃいけないというふうに私は思っておりまして、今後、臨床研究法ができてこれを防止できるということなんですけれども、本当にこれでよかったのか、また自後、この無罪が確定するかしないか分かりませんけれども、そうしたら考えさせていただきたいと思っています。
 じゃ、次の質問に入りますけれども、平成二十六年度の会計検査院の指摘事項で、レセプト情報・特定健診等情報データベース、いわゆるナショナルデータベースでありますけれども、そのシステムにおける収集・保存データで、システムの問題のために多数の保険者の特定健診等データをレセプトデータと突合できない事態が見受けられたというように指摘がございました。
 その後の会計検査院の実地調査では、平成二十七年度には、特定健診データとレセプトデータの不突合の原因を踏まえて、今後、NDBシステムに収集され保存される両データ及び既にNDBシステムに収集され保存されている両データについて、被保険者の個人情報の入力形式等が異なるなどとしている場合であっても突合できるようにするために、匿名化・提供システムの改修を行うなどの措置を講じていたというふうにされているんですね。
 このNDBシステムでレセプトデータと特定健診等のデータを突合することで何をされようとしているんでしょうか。
#32
○政府参考人(鈴木康裕君) ナショナルデータベースについて御質問ございました。
 御指摘のナショナルデータベースは、高齢者の医療の確保に関する法律に基づきまして、厚生労働省で国保と健保両方のレセプトデータと特定健診、保健指導のデータを収集し格納しているものでございます。
 このレセプトデータと特定健診、保健指導のデータを突合することによりまして、例えば特定保健指導を受けた人と受けていない人の医療費に差があるのかどうかといった分析が可能になるというふうに考えております。
#33
○古川俊治君 システムの改修って幾ら掛かりましたか。
#34
○政府参考人(鈴木康裕君) 突合のシステムの改善でございますが、これは平成二十七年度において九千七百二十万円を掛けております。
#35
○古川俊治君 そのぐらいで済んでいればまあいいんですけれども、これから突合してやっていく、それから、恐らく生活習慣病予防ということに役立てる基礎のデータベースにすると思われますけれども、今全国的にそれを厚生労働省の方も方針として打ち出しておりますので、自治体なんかかなりやっているんですよね。埼玉県なんかでもよく知事が自慢していますけれども、そういう生活習慣病対策をやって医療費削減に役立ったという事例を幾つか紹介していただきたいんですが、いかがでしょうか。
#36
○政府参考人(鈴木康裕君) 生活習慣病対策の効果についてお尋ねがございました。
 内臓脂肪の蓄積に起因するいわゆる生活習慣病の発症、重度化の予防により、医療費の適正化を目指して保険者が共通に取り組む保健事業である特定健診、保健指導を推進していくことは極めて重要であると思っております。
 この特定保健指導等による医療費適正化との関係につきましては、専門家の協力の下、レセプトデータと特定健診、保健指導データを突合いたしまして、特定保健指導を受けた者とそうでない者について五年間の経年データを分析をいたしました。この結果、二つのことが分かっております。
 一つは、腹囲、おなかの周りです、腹囲、体重、血糖、血圧、脂質の検査値の改善効果が受けた者については継続をしている。例えば、腹囲が二、三センチ減少した者が継続しているということでございます。それから、外来医療費でございますけれども、特定保健指導を受けた者は受けていない者に比べて平均で年約六千円、三年間で約一万八千円でございますけれども、低いということが確認をされております。
 こういうことが会計検査院の御指摘の不突合の解消によってより精緻に実施できるというふうに思っております。
#37
○古川俊治君 ありがとうございます。似たようなデータが幾つかの県でも出ているというふうに思っておりますけれども。
 ちょっとこの図二を見ていただきたいんですが、これは私がよく講演なんかでいつも使う図なんですけれども、現在の状況で、健康な期間の後、一定の不健康な期間があった後、人間は死ぬわけですけれども、これから実は、寿命って毎年毎年延びていますね。それで、そのパターンとして、これから高齢化ずっと続きますから、二〇四〇年、六〇年と続いていきますけれども、そのパターンとして、Aというのは不健康な期間が延びちゃうパターンですね。Bというのは不健康な期間が変わらない、そういうパターンなんですね。Cというのは寿命は延びるんだけれども不健康な期間が短くなる。すなわち、いわゆる平均寿命と健康寿命の差の問題ですね。この三パターンが考えられるんですが、このBというやつ、Aは全然駄目なんですけれども、Bを達成しただけじゃ、実は年金が出ていますから、社会保障って楽にならないんですね。我々は、Cを実現して初めて生活習慣病予防というのは意味が出てくるというふうに理解しているんですけれども。
 そして、ただ、今おっしゃっていただいたような短期のデータというのは確かに幾つかある、五年とさっきもおっしゃいましたよね。あるんですが、ただ、全体、歴史的に見て、アメリカなんかずっと前からディジーズ・マネジメントやっていますから、ああいうものを見た場合に、生活習慣病予防というのが医療や介護の費用を減少させているという明確なエビデンスはないんですよね、ここまで。
 もう一つは、医療や介護費というのは不健康な期間の長さだけじゃなくて、そのときの医療や介護の密度によっても規定されますから、そこでも申し上げれば、例えば認知症の治療薬なんかが開発されれば、恐らく重症度の重い人が軽くなりますから、それはそれでいい、恐らく重要なことだろうというふうに考えているんですね。
 図三なんですけれども、ちょっと見ていただきたいんですが。図の三は、これは去年の厚生労働白書から抜いてきた図です、そのまま。実は、二〇〇〇年から健康日本21でメタボ、メタボリックシンドロームの認知度を上げていこうという取組はもうされているんですね、実は二〇〇〇年から。ということは、二〇〇一年から二〇一三年、これを長期で見てみますと、実はもう生活習慣病の予防、特定健診はもっと途中からですけれども、一応の意識は出てきているという状況において、実は男性も女性も、これは比べれば明らかですけれども、平均寿命はずっと延びている。それとともに、健康寿命も必ず延びているんですね。
 ところが、その差というのは開いちゃっているんですよ、一三年を見ますと。最後のところ、これ二〇一〇年から一三年だけ見ると、両方縮まっているから、そこだけ出してくるって最近厚労省それやるんですけれども、縮んでいると言って。実はそれは偶然で、長期で見るとやっぱり延びているんですね。それを見ると、やっぱり非常に不安になるんですね、今後、長期で見た場合。
 もう一つちょっと見ていただきたいのが図の四でありまして、これは非常に世界的に有名な論文です。九七年にニューイングランド・ジャーナル・メディスンに載った論文で、これは医学界で物すごい権威のある雑誌で、臨床データなんかが非常に正確でないと載せてくれない、そういう有名な雑誌です。
 ここで何を言われているかというと、茶色がスモーカーの一人当たりの医療費です。そして、緑はノンスモーカーの一人当たりの医療費なんですね。このように、スモーカーの方が高いんですよ、一人当たりは。ところが、赤は人口の全部、オランダの人ですけど、それをスモーカーと置き換えた場合のポピュレーションコストなんですね。医療費です、これは。そして、青は全部をノンスモーカーにした場合のこれは医療費なんですね。
 要は、不健康な人は確かに早く死んじゃうんですね。健康な人は生き残るんですよ。十五年ぐらいで要するに逆転しているわけですね、このコストは。これは有名な話で、禁煙対策を進めると医療費のコストが増すという話で、すごいエビデンスなんですけど。
 前半、これ見ていただくと分かるように、最初の十五年は減った減ったと喜ぶんですよ、赤の方が高いですから。今、減っている減っていると言っているうちに、だんだんだんだん青に追い越されていくということになるわけですね。
 それで、例えば赤で、十五年間のうちに何らかの、今の現在価値から見て後者のプラス分というのを補えるようなほかの投資ができればいい。ただ、今金利ってゼロ%で張り付いていますから、そういう前半の効果というのはほとんどないわけですよね。それから言うと、これ実を言うと、今の生活習慣病予防というのが長期的に見ると医療費をやっぱり上げていくだろうという論者も結構少なくないんで、ちょっとそれが気になっているんですね。
 現在、政府でも二〇二五年度を一応のめどとして医療・介護体制の整備を進めていっていますけれども、それだけじゃなくて、二〇二五年だけじゃなくて、やっぱり四〇年、六〇年というところを見ていかないといけないと。そのときになったときに、ICTを使った生活習慣病対策を大きく打ち出していますけれども、長期的なそういったビジョンで見た場合の医療や介護費用についてどうお考えになっているのかと。ちょっと長期の話になりますけれども、大臣にもしお答えいただければ有り難いというふうに思います。
#38
○国務大臣(塩崎恭久君) 医療費、介護費の最近の動きを見ますと、医療費の伸びの要因のうちの約半分が人口の高齢化であります。一方で、介護費につきましては伸びの大部分が高齢化によるものであることが分かっているわけでありまして、今年の四月の将来推計人口、これによりますと、六十五歳以上の高齢者数は二〇四〇年頃まで増加を続けていくと見込まれている。当面は医療費、介護費は増加をしていくというふうに考えています。
 一方で、我が国が世界に先駆けて超高齢社会に直面をする中では、医療費、介護費の効率化だけではなくて、一人一人の健康寿命の延伸という今御指摘をいただいたような課題に取り組んでいくことも重要であって、このためには最先端のICT技術をフルに活用することが重要であることから、今年の一月に省内にデータヘルス改革推進本部、これを立ち上げました。
 この中で、健康、医療、介護、つまり予防、健診、そして医療、そして介護、このビッグデータを一貫させてビッグデータを活用する、そして医療連携のための基盤整備などの改革を進めることとしておりまして、医療保険者によるデータヘルス計画に沿った取組、糖尿病重症化予防事業などの先進的な取組の横展開などと併せて、国民自らによる健康管理の推進やかかりつけ医を始めとする医療関係者による効率的な医療の提供など、個人的に最適な健康管理あるいは診療ケアを実現していこうと思っておりますが、ビッグデータを集めることで、一つは、それを分析して関連性をどう分析して何をすることがいいのか、あるいは個人の歴史を一貫して見ることによって何をやることが健康寿命を延ばすことにつながるのか等々の分析をこれからビッグデータを活用しながらやっていくことによって、健康な人生を長くしていくというその目的を達成し、なおかつ医療費をどうコントロールしていくかということも同時に考えていきたいというふうに思います。
#39
○古川俊治君 ありがとうございます。
 さっきから申し上げているように、平均寿命と健康寿命の差を縮めていくこと、それができれば非常にいいわけでありまして、二〇一〇年から一三年はその傾向が出ていますから、是非取組を更に短くなるようにやっていただきたい。
 ただ、もっと重要なのは、実は、ICTと生活習慣病対策というのが仮に医療や介護費というのを伸ばすということがあっても、その分インカムが増えればいいわけですよね。ということは、やっぱり働いてもらえばいいんですね、元気なんだから。これは元気だということはとてもいいことで、その分社会でやっぱり活躍していただいて税も納めてもらうということになれば、何ら医療や介護費の持ち出しが多くなったって構わないわけですよ。
 それと、やっぱり高齢者の就業支援ということが非常に重要だと思っておりまして、この間政府で取りまとめました働き方改革実行計画という中でも、高齢者の七割が六十五歳を超えても働きたいと願っているということなんですね。六十五歳以上の労働です。ただ、二割しか働けていないという状況になって、日本老年学会なんかでも、二〇〇〇年から二〇一〇年の間に年が十年若返ったというんですね。今の七十五歳というのは当時の六十五歳、十年前の六十五歳の知力あるいは体力があるということですから、当然十年前は六十五歳で働いていましたから、今の七十五歳は働いていいわけですよ。
 それはやっぱり、ただ、なかなか雇用者の方も七十五歳を雇用するというのは抵抗があると思いますから、助成金を六十五歳以上の就労支援には付ける必要があると思うんですけれども、現在、政府では高年齢者雇用開発特別奨励金、高齢・障害・求職者支援機構、いわゆるJEEDですね、そこでは高年齢者雇用安定助成金等を措置していますけれども、助成額も執行割合も余り高いとは言えない状況になっています。
 今後の六十五歳以上の雇用を進めていくためには助成措置にどういった工夫をしなきゃいけないと考えていらっしゃるか、その点についてお願いします。
#40
○政府参考人(坂根工博君) お答えいたします。
 少子高齢化が進む中で、意欲をお持ちの高齢者の方がその年齢に関わりなく活躍することができる生涯現役社会を実現することが重要と考えております。このことは、労働力人口が減っていく中で我が国の成長力を確保していくためにも重要です。
 厚生労働省におきましては、委員御指摘の助成金を活用しながら高年齢者の就業施策に取り組んできたところでございますが、特に、我が国の高齢者の高い就業意欲などを踏まえますと、六十五歳を超えても現役で活躍していただくことは重要と考えております。
 このため、昨年六月のニッポン一億総活躍プランを踏まえまして、平成二十八年度の補正予算におきまして六十五歳超雇用推進助成金、新しいものですが、これをつくりました。この中で、六十五歳以上への定年の引上げや定年の廃止などを行った事業主への支援を積極的に行うこととしております。
 また、全国の主要なハローワークに設置しております生涯現役窓口がございますが、この窓口におきまして高齢者の求人開拓を積極的に行うとともに、リーフレットなどを用いまして助成金の周知、広報を積極的に行っております。
 高齢者雇用を推進するための助成金につきましては、事業主の方々に十分に御理解いただいた上で積極的に活用していくため、こういった対応と併せまして、ホームページやメールマガジンなど様々な媒体を活用しまして幅広い周知に努めていきたいと考えております。
#41
○古川俊治君 残余の質問については、ちょっと時間が限られて、やめますけれども、もう一つ、高齢者の雇用とともに、やっぱり起業というのも大事だと思うんですよね。今は五年で上場もできる時代ですから、起業の支援といっても、そんなちっぽけな何百万だけじゃなくて、ほかの省庁でもやっていると思いますけれども、是非そうした他の省庁と連携して高齢者の起業を支援して、六十五になってもこれから上場して一部上場の社長になるぞという、そういう夢をやっぱり与えてあげたいと。そういう助成を是非お願いをしたい、いろんな支援をお願いしたいと思うんですけれども。
 やっぱり高齢者、これから大臣にお願いしたいのは、一つは、生活習慣病対策とかやるのと、それと長生きして働けというところまで是非一緒にセットで言っていただきたいというふうに思っておりまして、それがあれば、やっぱりどんなに健康寿命が延びてもちゃんと税金を納めてくれるという社会になればいいというふうに思って、今日はこれが言いたくてこの質問したんですが、ただ、私は、禁煙対策というか受動喫煙対策はやっぱり絶対進めなきゃいけないと思っていますから、一応、ちょっとたばこの話が出たのでそれだけは申し上げて、大臣、頑張りましょう。
#42
○宮本周司君 自由民主党・こころの宮本周司でございます。
 お二人の先輩からそれぞれ専門的な見地から、本当にすばらしい質問の後でございますが、私からは、今政府の方で進めております生産性の向上、そしてもう一方で働き方改革、これ、先ほど古川先生からもございましたが、この両者を進めていく中で、どうしてもこのはざまで苦しんでいる中小企業、特に小規模企業の存在があると認識をしております。このことに関して最後に大臣の方にお伺いをさせていただきたいわけでございますが、まず、雇用保険二事業を中心に本日質問をさせていただきたいと思います。
 雇用保険二事業は、国庫負担なしで、事業主負担のみで保険料を原資として行っている事業でございまして、大きくは雇用安定事業と能力開発事業、この二本柱になっております。そして、この雇用保険の二事業を推進する上において、毎年全ての事業に関してPDCAを回していると。例えば、本年度、平成二十九年度は全部で八十事業を実施する予定と確認をしておりますが、このPDCAを回していく一環として、使用者団体である各団体の代表と、あと厚生労働省の方で意見交換をする場を設けている、これが雇用保険二事業に関する懇談会であると。
 ここには、経団連、そして日商、中小企業団体中央会、そして厚生労働省、この四者で構成をされていると聞いておりますし、昨年は、六月に目標設定、目標の評価に関する会議を一回、そして十月には実施状況に関する確認の会議が一回、計年間二回しか行われていないんですね。昨年に関しましては、大企業二社が参考人という形なのかこの会議に出ていたというふうに確認はしているわけでございますが、この程度の内容で、大企業のみならず中小企業、特に小規模企業の意見まで十分に確認若しくは反映した形で雇用保険二事業がしっかりとPDCAが回されているのか、まずこの点についてお聞きしたいと思います。
#43
○副大臣(橋本岳君) お答えをいたします。
 今委員御指摘をいただきましたように、雇用保険二事業に関しては、中小企業や小規模企業も含めた企業を代表する団体、すなわち全国中小企業団体中央会さんとか日商さんとか、そうした方々にも入っていただいて、雇用保険二事業に関する懇談会を設け、施策の評価や在り方について御意見をいただいた上でPDCAサイクルによる事業管理をしております。
 今お話をいただきましたように、二回去年開催をしておるわけでございますし、それで大丈夫なのかというお気持ちもあるのかなというふうに伺ったわけでございますが、この懇談会の開催に当たっては、当然、事前に個別の事業ごとの評価などを記載した資料を各御出席の方にはお渡しをして御説明をしております。御覧をいただいた上で、意見等を整理をしていただいて懇談会に出ていただくという形にしておりますので、当然ながら、二回だからといって、一回一回きちんと丁寧にさせていただくということで、しっかり御出席をいただいている皆様の御意見というのは私たちとしては踏まえて、しっかりお伺いできるように取り組んでいるというところでございますし、また、個別の事業についても、新しい事業を始めようという場合などには、個別に経済の各団体の御意見なども伺うなど、様々な機会を捉えて中小企業や小規模事業者の方々も含めた企業の声を把握して反映に努めているところでございます。
 また、雇用保険二事業の企画立案に当たっては、必要に応じて統計やアンケート調査を参考にするとともに、地域の商工会等の御意見を伺ったり、また中小企業庁や経産省と意見交換をした上で、中小企業や小規模事業を含めた企業のニーズを把握することとしておりまして、先ほどの懇談会と併せて、様々な場面でそうした皆様方の声もしっかり伺って取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
#44
○宮本周司君 ありがとうございます。
 今御説明いただきましたが、私の中で、今回もこの質問に際しましていろいろな御質問を厚生労働省の方に問いかけをしました。また、データを求めましたが、例えば、雇用保険に加盟している適用事業所数が従業員規模、被保険者の数の規模ごとにどういうふうな配分になっているのか、そういった部分とかもお聞きしたんですが、回答いただくのに四日も一週間も実は掛かっていたんですね。
 皆様のお手元に資料を一枚配らせていただいております。これは、中小企業庁、中小企業基本法に基づく、法の方で制定された中小企業の定義になっております。これは昭和三十八年に制定されました中小企業基本法で定義されている内容でございまして、今から三年前の平成二十六年六月には、経済産業分野では戦後二本目の閣法となる小規模企業振興基本法というのができまして、新たに小規模企業の中でも従業員五名以下のところを小企業とするという規定まで加わったものでございます。
 中小企業庁の方では、例えば、この法の根拠に基づいた区割りごとに、毎年、中小企業白書、小規模企業白書という白書を出すまでに綿密なデータを取って、そしていろいろな中小企業政策の中に反映をしてきている、このように認識しているわけでございますが、このPDCA以外に何か調査とかを定期的にしているのかということをお問合せしましたところ、それはちょっと余り実施はしていないというような回答であったんですね。
 このことについては次にお聞きしますが、まずこの区分ですね、雇用保険適用事業所数、これを従業員規模別で確認したところ、一人から四人まで、そして五人から二十九人まで、そして三十人から九十九人まで、百人から四百九十九人まで、そして残りは五百人以上、こういう区分の中で数字をお示しいただきました。
 まず、この適用事業所数のデータの区分ですね、従業員数といいますか被保険者数での区分、これには何らかの根拠があるんでしょうか。
#45
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
 先日先生にお渡しいたしました雇用保険適用事業所数の事業所の区分、規模別区分につきましては、適用事業所に係る統計データといたしまして雇用保険事業年報という年報を毎年出しておりますけれども、そこに掲載している区分を基に区分をしたものでございます。
 雇用保険につきましては、中小・小規模企業だけではなくて、全ての事業所を対象にした制度であるということもございまして、また、中小企業基本法の中小企業の定義に資本金が入ってございますけれども、雇用保険の適用につきましては資本金等の情報が必要じゃないということもございまして、現在のところ、適用事業所につきまして、中小企業基本法の定義と一致したような区分で把握はしていないところでございます。
 ただ、一方で、今先生御指摘いただきましたけれども、企業に対する支援の中では、中小企業あるいは小規模企業に対する支援は非常に大事だというふうに考えてございまして、雇用保険二事業の制度の運用に当たりましても、中小企業基本法の定義を使いまして、そこで中小企業だとか小規模企業に当たるところにつきましては支援を厚くするといったような工夫をいたしておりまして、対応しているところでございます。
#46
○宮本周司君 今御答弁いただいた内容にまたちょっと関わってくるんですが、実は、お伺いした、要は雇用保険に加盟している適用事業所数全体とすれば、こちらの方が二百十三万九千三百八十事業所と聞いています。この中で、従業員数、加盟者数ですかね、四名までのところが百二十八万九千八百七十六所、全体の六〇・三%なんですね。次の五名から二十九名、ここまでの区分で六十四万八千四百五十五所、これで三〇・三%、ここまでで全体の九〇%を占めるわけなんです。
 これ以外で何か参考にしている調査とかデータはないんですかということをお聞きしましたら、能力開発基本調査というものを実施している、これを参考にもしているという回答もありましたが、実際、この調査というのは三十人以上の常用労働者を雇用する企業、事業所を対象にして行っているということですので、今の適用事業所の割合からいったら、残りの一割の方を対象にして声を聞いているというふうにやっぱり理解できるんですね。
 実際、本当にどうやって、中小企業庁とも例えば連携をするという御答弁もありましたけれども、この比較対象となる従業員数とか区割りが全くばらばらのところでどうデータが整合性が取れてくるのか、いろいろとやっぱりちょっと不思議に思うところがございます。実際にどうやって小規模企業の実態、声を把握しているのか。
 また、逆に、いろいろな雇用保険二事業の中で、それを利活用した企業の声は聞かれていると思います。いろいろなアンケートであったり調査という形で聞かれていると思いますが、実際に全体のどれだけの適用事業所でこういった雇用保険二事業が活用されていないのか、全く使ったことがない中小若しくは小規模企業の声を聞こうとしたことはあるのか、この点、ちょっと教えていただけますでしょうか。
#47
○政府参考人(宮野甚一君) お答えいたします。
 まず、先生から御指摘がございました能力開発基本調査の関係でございます。
 先生御指摘のとおり、能力開発施策の実施に当たりましては、小規模企業の実態や声を施策に反映をしていくということは重要であるというふうに考えております。他方、御指摘ございましたように、能力開発基本調査につきましては、これは三十人以上の常用労働者を雇用する企業というものが対象でございます。
 こうした状況を踏まえまして、私どもにおきましても、現在、独立行政法人労働政策研究・研修機構におきまして、従業員五人以上の企業を対象として、雇用保険二事業を利用していない事業所も含めまして、人材育成と能力開発の現状と課題に関する調査を実施をしているところでございます。
 このほか、個別事業の実施に当たりましても、助成金の支給を受けた事業所に対するアンケート調査の実施などによりまして、小規模企業を含めまして現場の実態や声を把握をしております。
 今後とも、こうした取組によりまして、私どもの支援策がより使い勝手の良いものとなりますよう見直しをしてまいりたいというふうに考えております。
#48
○宮本周司君 ありがとうございました。
 ではなおさらに、例えば厚生労働省だけで、その担当部局でそういった調査をするとすれば、やはり労力も掛かりますし、当然お金、費用も掛かると思います。ただ、中小企業庁の方では、例えば、先ほどのお示しした定義に基づいて白書を作るためのいろいろなデータ収集をされているわけでございますから、これこそ省庁連携をするようなところじゃないんでしょうかね。やっぱり、いろいろな意味で、同じベースでデータを比較することの方が生きたデータになると思います。
 例えば、先ほどちょっと中小企業基本法による定義では資本金もあるというお話がありましたが、小規模企業に関しましては資本金の定義一切関係ないですからね、関係ないですから。中小企業の分野も資本金の定義又は従業員数の定義ということで、特に二十名以下の小規模企業に関しては全くもって資本金の定義も関係ない、人数だけのところでございます。
 なおさらに、生きたデータ、それこそ費用もコストも削減できるわけですし、より充実したデータを取って、いわゆる攻めに行く方の支援、そして、守るというか、雇用環境をしっかりと拡充、充実していく上での支援、双方向に対してこれは効果的になると思うんですが、今後、更に省庁連携を強めて、こういったデータの把握であったり、特に従業員数による企業の区分、こういったものもどちらかに合わすことによって、より整合性もあり、より効果的なデータを取得し、そして、より現場の実態に即した改善も図られると私は考えるんですが、それに関してはどのようにお考えでしょうか。
#49
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
 副大臣からのお答えにもございましたけれども、雇用保険二事業の企画立案につきましては、必要に応じて統計やアンケート調査を参考にしますけれども、中小企業庁あるいは経産省との意見交換をした上で中小企業や小規模企業も含めた企業のニーズの把握をしておりますけれども、こういった中小企業などのニーズの把握につきましては、更に工夫していくべきだというふうに私どもとしても考えてございます。
 こういった雇用保険二事業につきましては、中小・小規模事業所の皆様に使い勝手のいいものにしていく必要があるというふうに考えてございまして、今、宮本先生から御指摘がございましたけれども、そういった御指摘も踏まえつつ、関係省庁とも一層連携をして、事業者の方の御意見あるいはニーズを把握してまいりたいと考えてございます。
#50
○宮本周司君 ありがとうございます。
 なぜここまでにしつこくしつこく言うのかと申しますと、実は私も地元石川県で小さな造り酒屋を経営している小規模企業の経営者でございます。私は、全国にあります商工政治連盟という、中小企業というよりはもう九割以上が小規模企業の集まりの団体の比例代表としてこの場に来ておりますので、先般うちの組織の方で実はアンケート調査をしました、この雇用保険二事業に関しまして。
 今全国には千六百を超える商工会組織がありまして、経営指導員、経営を指導する経営指導員が四千百名超、四千百四名おります。一商工会当たり大体会員事業所が四百三十四事業者で、一経営指導員当たりで換算すると平均百七十六事業者、これがちょっとベースであると思っていただきたいんですが、この四千百人の経営指導員のうち二百四十の経営指導員に無作為でございますがアンケートを取りました。
 そして、先ほどの雇用保険二事業、八十事業この二十九年にやっておりますが、これに関しては、今からお話しする内容は厚生労働省の方にも事前に確認を取りましたが、実際、事業者向けが八十のうちの十七事業、そして事業者が活用可能な事業が二十三事業です。そして調査研究とかのいわゆる制度運用、これが二事業、あと、ちょっとレベルの高いモデル事業、これが三事業です。そして、求職者向け、お仕事を求める求職者向けが二十七事業、あと、業種とか地域に限定されたものが合わせて六事業、そして平成二十九年度の新規の事業が二事業なんです。ですから、事業者向け若しくは事業者が活用可能だというものに関したら合計で二分類で四十事業と認識しているんですね。
 この四十事業に対してアンケート調査を行いましたら、最初に事業者向けの、ここに関しましては、それぞれやはり有益な補助金、助成金の事業もございますので、例えばトライアル雇用であったりとか雇用調整助成金であったりとか、この辺りはやはり広く活用がされております。ただ、一方で、この二百四十人の経営指導員がそれぞれ百何十社の商工会員の事業所を抱えながら、四割の九十七名が、自分が支援する小規模事業者において雇用保険二事業の活用事例は全くなしと答えているのが実は四割の九十七人の指導員がいらっしゃったんですね。
 もう一つの、事業者が活用可能な方の事業、こちらはどちらかというとセミナーであったり相談窓口であったり、こういった内容のものが多うございます。共済制度等もございますが、一番断トツで多かったのは中退共ですね、中小企業退職金共済。うちの会社も入っておりますので、これは大変有り難い制度だと思っております。全体の六割以上やはり活用しております。ただし、この中退共を除くと、事業者が活用可能な分野の二十三事業に関したら、二百十一人の経営指導員、全体の八八%の経営指導員が活用事例なしという答えが出たんですね。
 あくまでも商工会の組織内の調べですので、今日はあえて資料等は出しておりませんが、この実態を把握したときに、やはり地方の隅々まで、小規模企業の、小規模事業者の経営者まで本当にこれらの有益な雇用保険二事業が届いているのかな、このことが非常に心配になったわけでございます。
 同じく、配付した資料の中で労働分配率の推移に関する資料もございますが、これ見てもお分かりのように、当然皆様方もこれまで御承知おきいただいていると思いますが、事業規模がやはり小さくなればなるほど労働分配率が大きくなる。そして、例えば雇用保険二事業における事業主負担というのは、大企業も中小企業も小規模事業者も同じ割合なんですね。だから、労働分配率でこれだけ企業規模によって格差がありながらも同じ料率を負担するということは、その負担感というのは明らかに実態の経営の中においてはかなりの格差が生じている、こういうことを指摘せざるを得ません。
 安直に、だから小規模企業の、中小企業の料率を下げろとか、そういう話をするつもりはございません。ただ、せっかくこれだけ有益ないろいろな雇用保険二事業があるのであれば、実態の声をしっかりと把握した上で、活用しやすい、そういった事業の在り方若しくは運用面での改善を図るべきなのではないかなと、私はここに意見をしたいわけなんです。
 実際、キャリアアップ助成金がございます。こちらの方は、非正規雇用の労働者の処遇改善で、賃金規定等の改定を実施した事業主に対しまして助成をするという制度です。昨年の夏、ちょうど参議院選挙が終わった後に我が党の政務調査会でこれらも含めて意見をする場がございまして、実は私、この事業を指摘させていただきました。実際、平成二十六年度は毎月の新規の認定が、この事業活用が百件程度だったんですね。平成二十七年度に入りましても百六十件程度、平均で、なかなか伸びてこなかった。そして、このことに対しましては、実際申請書を出せるのは本人、事業主か、若しくは事業主が依頼をした社会保険労務士、どちらかなんですよね。サポートする唯一の存在である社会保険労務士の現場の声からも、このキャリアアップ助成金、ちょっとなかなか難しくて申請しにくいという声が上がっておりました。
 このことを指摘させていただきましたところ、ちょうど最賃の三%に上げていくという動きもありまして、厚生労働省の方でも素早く対応が進んでおったということを後で認識しましたが、八月上旬から制度の見直しがありまして、そこで緩和措置がされました。
 その後どうなったか。新規認定で一気に九月に六百件オーバーしたんですね。メニューを追加した変更案件でも三百件オーバーして、九月だけでも両方合わせて九百三十五件、これが動いたんです。ということは、いかに現場の仕事を抱えながら経営もしなければいけない小規模企業の経営者の、現場を理解した運用面に改善するだけでもこれだけ効果が伸びる、これが実際に厚生労働省のこの働きの中で実証されているわけなんです。
 ですから、私は、今後、本当に深刻な人手不足に直面している中小企業、小規模企業において、働き方改革に関してもしっかりと対応していかなければいけない。我が国雇用の七割を保有しているのが中小企業であり、またそのうちの約三割、これが小規模企業の中でも雇用されているわけでございます。でも、実際、なかなか体制が取れない、人もぎりぎりのところでやっている、こういった中小・小規模がこの働き方改革の中でしっかりと対応していくことが本当にできるんだろうか、この部分も不安視するところでございます。
 ですから、先ほど例として挙げましたキャリアアップ助成金のように、本当に現場の実態を捉える、それを捉えた上で人手不足や働き方改革に関してもしっかりと雇用面、また雇用の環境、労働の環境を拡充していく面でお力添えをいただけないか、このように考えるところでございます。
 例えば、大臣、職場定着支援助成金という、人材の定着であったり確保、また魅力ある職場を創出していく、こういったことを目的とした助成金もあります。こういったものも小規模企業の経営者、その経営の実態にしっかりと配慮をした形で要件緩和をすることによって、中小企業、小規模企業も広く多く申請しやすくなると思いますし、その支援の内容を抜本強化していく、このことも今後の働き方改革を実現する上では非常に大切なんじゃないかと思います。
 どうかこのことに関しまして、私の意見も含めて、大臣の見解をお聞かせいただけたらと思います。
#51
○国務大臣(塩崎恭久君) 宮本委員からは、自らの経営に根差したお考えをるる頂戴をいたしましたし、また提案をいただいて、どうやったら助成金をしっかりと活用して企業経営に役立っていくようにするか。とりわけ、中小企業、中でも個人事業主にも役立つように、個人事業主というか小規模事業主ですね、に対してどういうふうに改善をすべきかということについての刺激的な御意見を頂戴をいたしました。
 私も、今、厚生労働大臣三年目をやっておりますが、この利用率の低いということについての御批判はもう随分前からいただいておりまして、やはりせっかく拠出をしていただいている、特に事業主だけの二事業についてもそうですし、働く人の拠出の使い方ももちろんあるわけでありますが、いずれにしても、これをどう有効に活用して更に雇用が良くなるのか、そしてまた企業も生産性を上げながら強い企業になっていくかということが達成できる制度としなければいけないということで、一年ほど前から助成金改革をやろうということで総棚卸しをやって、助成金というものを全部整理をしてやり直そうということで、今その途上でございます。
 やはり、今お話があったように、例えばキャリアアップ助成金は利用率がぐっと上がったというお話をいただきましたが、まさにそうやって使い勝手が良ければ、皆さんも、ああ、こんなものがあるんだといって使っていただける。
 ということは、他に、十分魅力的ではないがゆえに使っていない、そして使われないからみんなも知らない、そのまま本当は活用できるのに使えないお金がいっぱい残っているのかなということを感じるわけでありますので、今回生産性の要件というものも足しながら、企業が強くなり、そして働く人も強くなり、そしてそのことが雇用の数的にも増やしていくということに役立つようにしていくためには、やはり使い勝手の良さ、今御指摘のとおり、それを良くしていくことが大事であり、もちろん使い勝手が良くても企業が弱くなる方向で使われたら意味がないわけでありますから、企業も強くなり、働く人も強くなり、そして使い勝手も良くなるように、これから総棚卸しで助成金をしっかりと見直してまいりたいというふうに思います。
 そのためには、多くの中小企業で、あるいは小規模企業で働いていらっしゃる皆さん方の生の声を聞かせていただくということが大事であり、それをPDCAサイクルで生かすようなことを絶えずやり続けることにしてまいりたいというふうに思います。
#52
○宮本周司君 ありがとうございます。
 力強い御発言もいただきましたし、そのお考え、私も少し安心いたしました。
 それで、その流れでもう一つだけお願いがございます。働き方改革、こちらに関しましては、既に働き方改革実現会議におきまして働き方改革実行計画、これが先般決定したところです。二十八ページに及ぶ文章のところを全部読みましたが、実は中小企業という単語が五か所、小規模企業一か所のみだったんですね。
 私は、経営者側を守れという話をするつもりはありません。働いていただいている方々、労働者の方々、これは会社にとってのコストではなくて、経営資源、投資の対象だと思っています。だから、投資をするためには経営が安定していなければいけない、そういう面におきましては、やはりこの働き方改革のこれからの実行計画を実際に設計していく、この段階において、中小企業・小規模事業者へもしっかりとした配慮が必要なのではないかと思っています。
 実際、この実行計画の策定に当たっては、厚生労働省の労働政策審議会において制度設計の具体的な検討を実施する、そのように承知をしております。是非、この労政審の運営に際しまして、中小企業また小規模事業者の意見をしっかりとお聞きいただく場、実際、各分科会の方に小規模事業者の代表もいない分科会も幾つか、コアなところでございます。ですから、そういった実態をしっかりと把握するんだということも踏まえた検討を行っていただきたいと思いますが、この部分に関しまして大臣の方からも御指導いただけないでしょうか。
#53
○国務大臣(塩崎恭久君) 中小企業、約三千三百万人働いていらっしゃるわけでありますけれども、その中で小規模事業者が約一千百三十万人、このくらいたくさんの方々が小規模事業者として働いておられるわけでありまして、そこはまさに今御指摘のとおり、決してそう強いところではないわけですけれども、大事な地域の経済を支えているのはまさにこの人たちであると思っています。
 働き方改革でありますけれども、我々は、働き方は暮らし方そのものであって、まさに地域地域での働き方というのはその地域地域での暮らし方を決めることでもあり、また、言ってみればその文化を決める、ライフスタイルを決める、そういう極めて大事な問題に今回切り込むということになりました。
 したがって、小規模事業者を含めて中小企業の皆さん方の声が生きなければ、日本の文化が変わるわけもないし地方が変わることもないということでありますので、労働政策審議会の中で今回基本問題を扱う新たな部会もつくることにしていますが、そういうところも含めて、あらゆるところで小規模事業者を含めた中小企業の皆さん方の声が反映をされるように、特に意を払ってまいりたいというふうに思っております。そのことが本当に日本が地方から強くなるということにつながるのではないかと、そんなふうに思っております。
#54
○宮本周司君 大臣、ありがとうございました。
 今の御答弁のように御理解ある御指導、引き続きよろしくお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございます。
#55
○風間直樹君 よろしくお願いいたします。
 今年も、恒例となりました会計検査院退職者の再就職問題、天下り疑惑問題を質疑いたします。
 お手元の配付資料をお配りいたしました。一枚目と二枚目が平成二十八年一月一日から同年十二月三十一日までの会計検査院退職者の再就職先の状況です。政府の公表資料であります。毎年、私、これをホームページで見て、前年からの変化あるいは過去との変化を確認していますが、今年は随分変化がありました。
 まず、検査院にお尋ねをしますが、この掲載の再就職者のうち、過去に検査院OBが再就職した先と同一の再就職先はありますか。また、ある場合は、延べ人数と、そして先に再就職した方の人数を併せて教えてください。
#56
○会計検査院長(河戸光彦君) 平成二十八年一月一日から二十八年十二月三十一日の再就職のうち、過去に検査院OBが再就職した先と同一の再就職先はございます。九件でございます。
#57
○風間直樹君 今言いましたように、個別の再就職先の名称と、いつそこに何人が再就職したかを教えてください。
#58
○会計検査院長(河戸光彦君) 失礼いたしました。
 学校法人専修大学、内閣府、成田国際空港株式会社、日本オイルターミナル株式会社、みらいコンサルティング株式会社、株式会社東京設計事務所、学校法人愛国学園、神奈川県庁、以上でございます。(発言する者あり)
#59
○委員長(岡田広君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#60
○委員長(岡田広君) 速記を起こしてください。
#61
○会計検査院長(河戸光彦君) 失礼いたしました。
 内閣府が二十八年四月一日、一名でございます。それから、日本オイルターミナル株式会社が二十八年六月十日でございます。学校法人愛国学園が二十八年十二月五日でございます。成田国際空港株式会社が二十八年六月一日でございます。学校法人専修大学が二十八年四月一日でございます。(発言する者あり)
#62
○委員長(岡田広君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#63
○委員長(岡田広君) 速記を起こしてください。
#64
○会計検査院長(河戸光彦君) 大変失礼いたしました。
 学校法人専修大学、これが二十八年四月一日でございます。内閣府が二名ございます。内閣府が二名でございまして、二十八年四月一日が二名おります。それから、成田国際空港株式会社が一名おりまして、二十八年六月一日でございます。それから、日本オイルターミナル株式会社が二十八年六月十日でございます。(発言する者あり)
#65
○委員長(岡田広君) 河戸院長、結構です。
#66
○風間直樹君 聞いていることと違いますので、こちらで答えを言います。
 配付資料の三枚目を御覧ください。これは、平成二十年以降、つまり、法改正があって現在のように再就職先が公表されるようになってからの資料ですが、配付資料の一枚目、二枚目、つまり、昨年の一月一日から昨年十二月末までに再就職をされた方と同一の再就職先に平成二十年十二月三十日から平成二十八年十二月三十一日までに再就職した方が、学校法人専修大学が二名、成田国際空港株式会社が三名、日本オイルターミナル株式会社が二名、株式会社東京設計事務所が二名、学校法人愛国学園が四名、そして、みらいコンサルティング株式会社が二名と。内閣府と神奈川県庁については当事務所で確認をしておりません。このように、過去に複数の再就職をした先に今年も何人ものOBが再就職をされています。
 素朴な疑問なんですが、河戸院長、これ、こういった度々検査院OBが再就職している先には会計検査院の指定ポストがやっぱりあるんじゃないですか。
#67
○会計検査院長(河戸光彦君) 営利企業等に対する再就職あっせんの禁止などを定めました改正国家公務員法が施行されました平成二十年十二月三十一日以降は、会計検査院では職員の営利企業等への再就職あっせんは一切行っていないところでございまして、御質問のようなことはございません。
#68
○風間直樹君 そうすると、素朴な疑問として、会計検査院を辞めた方が、院長のおっしゃるとおりだとすると、自分で全部、いろんな企業やら独法やら、あるいは内閣府やら県庁を回って、私、再就職したいんだけど、いかがですかと、こう尋ねながら再就職活動をするという公式見解ですよね。
 ただ、例えば専修大学には検査院OB、過去の再就職者がいる。学校法人愛国学園にもいる。そういった検査院のOBの先輩と新たに検査院を退職する予定の方が連絡を取り、情報交換をして、例えば専修大学ではいつこの検査院OBがいたポストが空くから、そこに、あんた、例えば来年、じゃ、検査院辞めるんだったら再就職したらどうかと、こういう情報交換というのは当然あるわけですよね、院長。
#69
○会計検査院長(河戸光彦君) 会計検査院OBによる再就職あっせんを受けた退職者については、承知しておりません。
#70
○風間直樹君 私も、最初の年にこの質問をしたときには、院長のお言葉を信じていました。その後、独自にいろいろ調査をしてみました。検査院OBにも随分当たりました。そうすると、院長の答弁とは全く異なる事実が浮かび上がってくるんですね。
 これは、一言で言うと官官癒着の事実です。先日問題になった文科省の天下りのあっせん、あれは文科省が所管の各学校法人に文科省OBや他省のOBを再就職あっせんしていたという問題ですが、これは文科省と学校法人ですから、官と民ですね。この会計検査院の場合は、私は官官だと思っています。つまり、検査院OBが再就職するときに他省の世話になっている、他省のOBあるいは現役のあっせん、私は手配師と呼んでいますが、この手配師の世話になっている。だから官官癒着ではないかということです。
 そこで、一件一件お尋ねをしていきます。
 まず、配付資料一枚目の番号三番の方を御覧ください。離職時の官職、この方は検査院の第五局長、キャリアの方ですね。離職日が平成二十六年十二月三十一日、再就職日が平成二十八年四月一日、再就職先が独立行政法人情報処理推進機構です。同じく二枚目にこの同じ人物が出てきます。十二番、検査院の第五局長、離職日は一緒で、再就職日が平成二十八年七月一日、再就職先がみらいコンサルティング株式会社。
 これ、河戸院長、久しぶりに見るいわゆる掛け持ち天下りの例なんですね。私がこの質疑を最初にしたのが四、五年前だと記憶しているんですが、このときは猛者がいまして、キャリアの方です、何と一人で五か所を掛け持ち天下りしていた。それをこの場で指摘をしたら、そこから数年間なくなったんです、こういう例が。
 今年初めてこの掛け持ちが登場しました。この方、河戸さん、これ、あっせん受けているんじゃないですか。
#71
○会計検査院長(河戸光彦君) 国家公務員の再就職につきましては、予算や権限を背景とした押し付け的なあっせんへの国民の強い批判があったことなどを受けまして、平成十九年に国家公務員法が改正され、職員の退職管理に関し、離職後の就職に関する規制として、各省等職員が職員又は職員であった者について営利企業等に対して離職後の就職のあっせんを行うことが禁止されたほか、職員が自らの職務と利害関係を有する一定の営利企業等に対し就職活動を行うことなどが規制されたものと承知しております。
 会計検査院の職員は、一般職の国家公務員として国家公務員法の適用を受けており、会計検査院としては、当然のことではありますが、職員の再就職について、この国家公務員法の退職管理の諸規定を遵守して、職員の営利企業等への再就職あっせんは一切行っていないところでございます。
#72
○風間直樹君 これは与党とか野党とかじゃなくて、政権交代が将来起き得るかもしれない中で、我々国会議員は事実を今知らされていません、役人側から。ですので、共にこうした場で事実を共有し、そして、じゃ、どうすれば改善できるのかという視点からやりたいと思っているんですけれども。
 私はこれは非常に闇が深いと思うのは、実は、この国家公務員の人事を統括する人事院も事実上この問題には口を閉ざしちゃっているんですね。我々国会議員が国会で日頃質疑をしたり政務を行っていましても、ほとんどこういう国家公務員の退職に関する事実、情報というのは耳に入ってきません。この間あの文科省の事件があった、ああいう形で表面化して初めて、ああ、こういう実態があったのかと知るわけです。
 それで、私、この配付資料の一枚目と二枚目、何年にもわたって見てきましたが、今日ここにお出ししたのは、これ当然検査院退職者の資料だけです、去年一年分の。これと同じ資料が全役所にわたって当然あります、出ています。財務省、国交省、外務省、農水省ほか全省庁に関してこの資料が毎年政府から公表しています。
 これを見て思うんですけれども、これだけ毎年膨大な国家公務員が再就職をされている。今、河戸さんがおっしゃったように、公式答弁では、一切政府あるいは政府OBのあっせん手配師による世話にならずに、自分の独力で再就職先を探しましたということになっているんです。ただ、私は、この配付資料の何倍もある全省庁の退職者の再就職先のリストを見て、本当にそうかと、そんなことが可能なのかと愕然とします、毎年。それだけ数多くの公務員OBが数多くの先に再就職をされています。
 ですので、この問題、恐らくもう近々全貌が明らかになるでしょう。検査院のOBもそうですし、それから、政府の役所にいらっしゃったかなり高官のOBからも、実はこういう実態があるという話を聞いています。それが国民の目の前に公になる日がもうすぐ来ると思います。
 ですので、河戸さん、私は検査院だけを追及する気持ちはありませんから、皆さんと一緒に、公務員の方々の退職後の生活をどう再設計したらいいのか、その制度設計をそろそろ与野党超えて一緒にやらなきゃいけないという、そういう立場で質問していますので、今年でも来年でも結構ですが、そろそろ真理を、真実をお答えいただければと思います。
 次のお尋ねですが、この配付資料の八番の方、会計検査院の事務総長だった方で、離職日が平成二十八年三月三十一日、そして再就職日が同年六月十七日。この方はルクセンブルクの特命全権大使になられています。公職が出ていますのでお名前申し上げますが、この方、鈴木繁治さんという方です。
 私、非常にこの方は印象に残っていまして、三年前の五月の十九日、この決算委員会で同じ質疑をさせていただいたとき、当時、鈴木さんは検査院の事務総局次長という立場で今の河戸さんと同じような答弁をされました。実は、私、この鈴木さんが退職後どういう再就職をされるのかということを極めて関心を持って見ていました。なぜかというと、全くあっせんはないということを答弁された御本人が、それから間もなく退職をされた方であります。
 幸い鈴木さんはルクセンブルクの大使になられたわけですが、私、外務省の政務官をしていたんですけれども、河戸さん、これ、外務省の大使ポストにはやっぱり検査院OBの指定ポストというのがあるんでしょうか。これは検査院と外務省とで何かやり取りをされているんですか。
#73
○会計検査院長(河戸光彦君) 当該元職員は、平成二十八年六月十七日の閣議により特命全権大使に任命され、ルクセンブルク駐箚を命ぜられているものと承知しております。そして、本人から、このことにつきまして国家公務員法第百六条の二十四の規定に基づく届出が提出されております。人選につきましては、外務省及び内閣において検討がなされたものと承知しております。
#74
○風間直樹君 今度ヨーロッパに行きますので、ちょっとルクセンブルクに寄って、鈴木大使にお目にかかっていろいろ当時の委員会の様子などを歓談してきたいと思います。
 河戸さん、これ、検査院の定年というのは何歳なんでしょう。
#75
○会計検査院長(河戸光彦君) お答え申し上げます。
 一般の国家公務員と同様でございます。一般職につきましては六十歳、事務総長、事務総局次長につきましては若干、六十二歳までという規定でございます。
#76
○風間直樹君 そうしますと、定年の六十歳で大方ここに載っている皆さんは退職をされて再就職をされているという、こういうことですね。
 この間、文科委員会で天下り問題の集中質疑、参考人審議がありまして、手配師の方、嶋貫さんがお見えになりましたので質疑をいたしました。
 そのとき印象に残りましたのは、私が苦しくなかったですかとお尋ねしたときの嶋貫さんの答弁なんですが、私が聞いたのは、この検査院の場合も当てはまるかどうか分かりませんが、政府職員、国家公務員の場合、いわゆる早期勧奨退職制度というのがありますね。一般の役所の場合、同期から一人事務次官が出ると残りの同期入省の方が早期退職をするという慣習ですけれども、そうすると、定年より早く辞める方が結構多くいらっしゃる。その場合、何が公務員OBの皆さんの悩みになるかというと、現在年金の支給開始年齢が六十五歳ですから、そこまでの間の五年間をどう食べていったらいいか。中には学齢期のお子さんがいる方もいらっしゃるでしょうし、御家族も養わなきゃいけないということで、嶋貫さんにその辺を率直にお尋ねしてみました。そうしたら、嶋貫さんがおっしゃるには、できれば六十五歳までの間働けるような何らかの制度設計をしてもらえると本当に有り難いと、まあ本音をおっしゃったんだろうと思います。
 河戸さんに同じことをお尋ねしますが、ここ四、五年、この質疑を決算委員会でさせていただいて、河戸さんも多分私に対する答弁には相当気を遣われたと思います。いかがでしょう、検査院OBの皆さんのお立場を院長としてお察しになって、現行の国家公務員制度の中に退職後のOBが生活をしていく上で難しい点があるのかどうか、不都合な点があるのかどうか、もしあれば、それを率直に教えてください。
#77
○会計検査院長(河戸光彦君) 突然のお尋ねではございますけれども、委員の御指摘は、法律の改正を含めた今後の再就職の制度設計に係る事項かと存じます。再就職の制度設計につきましては所管外の事項であり、答弁を差し控えさせていただきたいと存じます。
 いずれにしても、会計検査院といたしましては、退職管理について国家公務員法の規定を遵守し、国民の信頼を損なうことのないよう、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
#78
○風間直樹君 失礼ですが、河戸さんは今お幾つで、制度上定年退職されるのはいつになられますか。
#79
○会計検査院長(河戸光彦君) お答え申し上げます。
 私自身につきましては、一般職の公務員を四年前に退職いたしております。その後、国会の同意を得まして検査官に就任いたしました。それが平成二十五年三月でございます。
 検査官の定年につきましては、六十五歳という定年が法律に定められてございます。
#80
○風間直樹君 私的なことを伺いまして、失礼しました。
 今年も、この資料では十五人、重複を省くと十五人の方が検査院を二十八年度末で退職をされ、そして再就職をされています。今年の特徴としては、過去のOBの再就職先と同一の先に行かれる方の数がぐっと増えたということを確認をしておきたいと思います。
 同時に、特命全権大使になられる方があるように、やはり各省によるポストのあっせんがあるのではないかという疑いが今年も出たというふうに感じています。先般の文科委員会で嶋貫さんに私がお尋ねしたときに、嶋貫さんに、文科省の事件だけたまたま今年表面化したけれども、ほかの役所にも嶋貫さんと同じようなノンキャリの手配師あるいはキャリアの手配師がいらっしゃるんじゃないですかと聞きました。そうしたら、嶋貫さん、一瞬たじろいで、ありませんと答弁されました。恐らく真実を知っていらっしゃるんだろうと思います。この質疑、また後日もさせていただきたいと思います。
 続いて、検査院にお尋ねします。
 森友問題に関わる財務省に対する検査院の調査ですが、既に着手をされたかどうか教えてください。
#81
○会計検査院長(河戸光彦君) 会計検査院は、去る三月六日に参議院予算委員会から、国会法の規定により、学校法人森友学園に対する国有地の売却等について検査の御要請をいただいたところでございます。具体的な検査の内容としては、大阪府豊中市の国有地の貸付け及び売却の経緯、貸付価格及び売却価格並びに価格算定手続の適正性、当該国有地の貸付け及び売却に関する行政文書の管理状況の三事項とされたところでございます。御要請を受けまして、会計検査院は、三月七日に、会計検査院法の規定に基づき当該検査を実施する旨を参議院議長宛てに通知申し上げたところでございます。
 現在、財務省及び国土交通省を対象として検査を実施しておりますが、実施中の検査の状況につきましては今この場でお答えできないことを御理解いただきたいと存じます。
 いずれにしても、検査及びその結果の取りまとめができ次第、速やかに報告することとしたいと考えております。
#82
○風間直樹君 分かりました。検査を始めたということは、関連文書の閲覧も始められたんだろうというふうに思います。
 次のお尋ねに移ります。
 総理夫人付きの外務省による費用負担についてお尋ねをいたします。
 安倍昭恵総理夫人の夫人付き外務省職員が昭恵農場に同行した際、その費用を、交通費を外務省が負担したということですが、この事実関係について教えてください。
#83
○大臣政務官(武井俊輔君) お答えいたします。
 これは、二〇一五年の六月の十四日でございますが、安倍総理夫人が山口県下関市で行った田植の活動につきましてでございます。これはケネディ駐日米大使、当時でございますが、が参加をされたということで、これ日米関係上大変重要な行事であるという判断から、総理夫人による総理公務の補助活動を支援するということで外務省の職員が公務で出張をしたところでございます。
 この出張につきましては、外務省が旅費法に基づく適正な手続を経まして、適正に費用を支給したところでございます。
#84
○風間直樹君 この昭恵農場には夫人付きの政府職員が計三回同行していると、そのうちの一回が外務省による交通費負担があったという報道なんですが、ほかの二回に関してはどうなんでしょう。これは官房副長官、お願いします。あっ、内閣府。
#85
○政府参考人(土生栄二君) お答えさせていただきます。
 ただいま外務大臣政務官から御答弁がありました以外の件ということでございますけれども、私ども確認しているところでございますと三回同行しているところでございまして、それにつきましては常駐をしております経産省の職員が同行したということでございます。
#86
○風間直樹君 そうすると、その経産省職員の交通費等は昭恵夫人御自身が負担されたという理解でよろしいんですか。
#87
○政府参考人(土生栄二君) お答えいたします。
 私が今お答えした件につきましては、総理夫人の私的な費用によりまして旅費、交通費等が負担されたというふうに承知をいたしております。
#88
○風間直樹君 総理夫人をめぐるこの夫人付きの費用負担につきましては、今の昭恵農場への同行のほか、参議院選挙の応援への同行も指摘をされたところでありますが、そこで、今日は検査院と人事院に見解を聞いておきたいんですが、検査院は、この夫人付きの夫人への同行、そこに費用が今回のように外務省から拠出されたり総理夫人のポケットマネーで出されたりといろいろあるんですけど、これについてはどういう見解を持っていらっしゃいますか。
#89
○説明員(鈴土靖君) お答えいたします。
 国家公務員に対する旅費の支給につきましては、国家公務員等の旅費に関する法律など法令の規定に従って実施されることが重要であると考えております。
 いずれにいたしましても、今御議論のありましたような旅費の支給につきましては、まず、我々としては事実関係の説明を聴取するなどして適切に検査を実施してまいりたいと考えております。
#90
○風間直樹君 そうすると、去年の参議院選挙への同行について伺いますが、検査院としてはこの件に関しては事実関係を確認、調査されるという理解でよろしいんですね。
#91
○説明員(鈴土靖君) 我々は会計検査を実施しているという立場でございます。国の会計経理が伴うということであれば、我々がしっかりと検査していくことになるかと思います。
#92
○風間直樹君 分かりました。当時、去年の参院選のときに同行された夫人付きがどこの役所の方なのか、経産省なのか、私、現在では把握していませんが、検査院による調査を待ちたいと思います。
 同じお尋ねを人事院にいたします。昨年の参院選へのこの夫人付きの同行について、人事院は国家公務員法の観点からどのように判断をされていますか。
#93
○政府参考人(千葉恭裕君) お答え申し上げます。
 内閣総理大臣夫人による内閣総理大臣の公務の遂行を補助することを支援する職員ということでのお尋ねかと思います。職務として行っているということが国会答弁及び質問主意書に対する答弁書等において行われていると承知をしております。
#94
○風間直樹君 国家公務員法上、これ人事院が所管する法律でもありますが、人事院はこの選挙への夫人付きの同行を問題があると思っているのか、ないと思っているのか、それをお答えください。
#95
○政府参考人(千葉恭裕君) お答え申し上げます。
 人事院は、政治的行為の制限の対象となる範囲を明確に示すことによりまして、これに基づいて各府省の任命権者が的確な判断ができるよう、様々な制度面、運用面での施策を講じております。
 具体的に、国家公務員法百二条の委任に基づき、人事院規則で制限の対象となる政治的目的及び政治的行為の内容を明確に定めるということを示しておりまして、これに従って各省に運用いただくということにしております。
#96
○風間直樹君 いつも人事院こうやって逃げちゃうんですよ。皆さん分かりますか、今の答弁、逃げですよ。
 国家公務員法の百二条、「政治的行為の制限」、そこにありますね。「職員は、政党又は政治的目的のために、」、中略しますが、「これらの行為に関与し、あるいは選挙権の行使を除く外、人事院規則で定める政治的行為をしてはならない。」と、こう決まっているんだけれども、この百二条の判断は各省で全部やってくれという答弁なんです。人事院、それでいいんですか。
 局長に伺いますが、人事院は内閣から独立していますか、しませんか。
#97
○政府参考人(千葉恭裕君) 人事院は、中立第三者機関として、人事行政の公正性を確保するために、あるいは代償機能の措置を、労働基本権制約の代償措置として適切にその仕事を行うようにと、そういう役割を持っていると考えております。
#98
○風間直樹君 国家公務員法三条の一項にありますが、「人事院」、「内閣の所轄の下に人事院を置く。」と。これ、所轄というのは、あれでしょう、独立性を表している言葉ですよね、法律用語で。内閣から独立しているんですよ、人事院。それが、この百二条の解釈についてはもう各省庁でやってくださいと、そこまで我々は口を出しませんというのが今の答弁です。本当に独立しているんでしょうか。最近、人事院、本当に要るのかという声が世論から出てきています。私は当然だと思います。
 局長、念のため伺いますが、局長は人事院のプロパーでいらっしゃいますか、それとも出身省庁はどこか別のところですか。
#99
○政府参考人(千葉恭裕君) 人事院で採用されております。
#100
○風間直樹君 人事院の独立性とそれから内閣に対する国会によるチェック・アンド・バランスを有効なものにならしめるために、人事院が国家公務員法で与えられた権限をしっかり活用してください。何度も言いましたが、第十七条、人事院の調査の権限、強力な権限が付与されています。局長、いかがですか。
#101
○政府参考人(千葉恭裕君) お答え申し上げます。
 政治的行為の制限につきまして、人事院がその範囲を明確に示しておりまして、これに基づき、所属職員の服務を統督するとともに事実関係を十分に承知し得る立場にある任命権者において事実関係に照らして適切に御判断されるものであり、こういったお話についても同様に承知をしております。
 質問主意書におきまして、安倍内閣総理大臣夫人による内閣総理大臣の公務の遂行を補助することを支援する職員は、安倍内閣総理大臣夫人の私的な行為に関する支援を行ったものではなく、国家公務員法第百二条の規定に十分留意したものと承知していると答弁書が所定の手続を経て内閣から提出されたものと承知をしておりまして、人事院として、内閣による決定として受け止めております。
#102
○風間直樹君 人事院が法で与えられた自身の権限をしっかり行使して、そしてこの国家公務員法に定められた国民に対する誠実な公務を果たすように求めまして、質疑を終わります。
 ありがとうございました。
#103
○平山佐知子君 民進党・新緑風会の平山佐知子です。よろしくお願いいたします。
 まず初めに、今月十二日の衆議院の厚生労働委員会で、介護保険関連法改正案の審議中に、我が党の柚木議員が、冒頭、森友学園の問題について質問したところ、これ法案審議の内容とは違うということで、与党は介護保険法改正案を強行採決されました。私は、これは議員の質問権の侵害だと思います。
 私は昨年当選したばかりの一期生議員でございますけれども、ここにいらっしゃる委員の皆様方は恐らく、国民の声を代弁するんだと、国政に届けるんだという思いでここにいらっしゃると思います。私はまだ総理に直接質問をさせてもらう機会はございませんけれども、総理に直接質問できる機会が大変貴重であるということは分かります。その貴重な機会に、今でも国民の多くの皆様が納得をしていない、そして一日も早い真相の究明を望んでいる問題をお伺いするということは、これ自然なことではないかと思います。
 塩崎大臣、十二日もその場に居合わせたと思われますけれども、これどのように、国民もまだまだ納得していないという問題を質問したということで、その立場にいられて、その場にいられてどういうふうなお考えであったか、その思いをまずはお聞かせ願えますでしょうか。
#104
○国務大臣(塩崎恭久君) 今委員から質問の中身のお話、あるいは委員会運営のお話を頂戴をいたしました。
 これは、国会の運営は国会がお決めになることでございますので、私ども政府の立場からは国会の運営についてどうのこうのということを申し上げる立場にはございませんので、国会にお任せをしていることでございますので、御理解を賜れればというふうに思います。
#105
○平山佐知子君 私たちも何もやりたくてずっとこの森友問題について追及をしているわけではありませんで、先ほども申し上げましたとおり、国民の多くがまだまだ納得をしていない、一日も早い真相の究明を願っているという中で、やはり国会議員としてはこうした質問をするというのは当然の責務だと私は考えています。
 なぜ、私たち国民の貴重な財産である国有地、この売却に係る経緯のデータ、復帰させようとしないのか。政府にもしもやましいところが全くないというならば、例えばデータのサルベージ、復帰をやるだけやってみようということをしてみればいいんじゃないかなと私は考えますし、あと、森友問題に関しては、保育園の補助金の不正受給の問題など厚生労働省の所管するところの問題もありますので、恐らくよくお調べのことと推察をいたします。
 是非、塩崎大臣からも、総理それから財務大臣にこういったことをやってくださいというようにお伝えいただくことを心から期待をしたいと思いますが、その件に関してはいかがでしょうか。
#106
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、委員会運営でございますので、委員会、特に理事会がお決めになることだというふうに理解をしております。
#107
○平山佐知子君 なかなかデータの復帰もしていただけない、それは委員会にお任せするというそれだけだと、やっぱり私たちも質問してもいい回答が返ってこない、国民の納得がいかない状態がずっと続くというのが続いてしまいますので、しっかりと政府には真摯な対応をこれからも望んでいきたいというふうに思います。
 それでは、次に移らせていただきます。
 女性活躍推進、それから人口減少問題、こういうような問題を考える際に、今の社会が本当に子供を産んで育てやすい環境になっているかどうか、これを真剣に問わなければいけないというふうに私は思います。
 私は、議員になる前はフリーアナウンサーとか、あと番組契約キャスターを務めておりました。いわゆる正規雇用ではなくて非正規雇用という不安定な立場で仕事をしてまいりましたが、そんな中で私は夕方のレギュラー番組を月曜日から金曜日まで持たせていただいていたんですけれども、例えばそんな状態の中で子供を一旦産んで休んで、産休を取って、そしてまたそのレギュラー番組に戻れるかどうかといいますと、事実上これは不可能に近い状態でありました。いろんな御意見はあるし、賛否は分かれると思うんですけれども、私にとっても大変厳しい選択ではありましたが、私は子供を産むというよりも仕事を選んでこれまで生きてきました。
 そんな中、私は以前から一人親の皆さんのグループ、地元の静岡県母子寡婦福祉連合会の皆様方と交流をさせていただいておりまして、何度かお話もさせていただいております。一人親家庭、特に母子家庭におきまして経済的に大変厳しい中、子育てをしている現状、それから子供の貧困問題にも直面をして、なかなかその方々に話を伺っても、要望を出しても何も変わらないと、進まないという声もありましたので、今日は、ここからは特にその一人親家庭の問題にスポットを当てて質問をさせていただきたいと思います。
 まず初めに、寡婦控除について財務省に伺いたいと思います。
 所得税のうち特別な人的控除において、現在の控除額、死別した寡婦、それから離別した寡婦とは控除の要件が違うということです。もっと言えば、未婚の一人親、いわゆるシングルマザーなどは控除の適用対象外にもなっているということです。これ、控除の額、一律にならないものなんでしょうか。もしならないということでしたら、その理由もお伺いしたいと思います。
#108
○政府参考人(矢野康治君) お答え申し上げます。
 御指摘の寡婦控除でございますけれども、家計の支え手となっている一方の配偶者との死別あるいは離別などによりまして、もう一方の方の配偶者が生計を支えていかなければならないといった事情を踏まえて税制上の配慮を行っているというのが寡婦控除でございます。
 こうした寡婦控除につきましては、昨年末、平成二十九年度与党税制改正大綱におきまして、家族の在り方にも関わる事柄であることや他の控除、それは配偶者控除とか扶養控除といったものですが、それらとの関係にも留意しながら、制度の趣旨を踏まえて所得税の諸控除の在り方の議論の中で検討を行うということになっております。
 こういった与党における検討も注視しながら、必要な検討を行ってまいりたいと考えております。
#109
○平山佐知子君 認識をされて検討もされているということですけれども、やはりいろんな離別、死別、そしてシングルマザー、どの方も、一人親で厳しい中頑張って子育てをしているという現状はどの家庭も同じでありますので、しっかりとこの辺り、そういう声を踏まえて前に進めていただきたいと思います。
 それでは、続いて厚生労働省に伺います。
 現在、日本に暮らす一人親の数、そして現状を教えていただきたいと思います。
#110
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 私ども、平成二十三年度の全国母子世帯等調査、これ五年に一度の調査ですのでこれが直近になりますけれども、によりますと、母子世帯数は百二十三万八千世帯、父子家庭は二十二万三千世帯、合計いたしまして、いわゆる一人親につきましては百四十六万一千世帯という状況にございます。
#111
○平山佐知子君 ありがとうございます。
 それでは、皆さん、お配りした資料一を御覧いただきたいと思います。
 これは、平成二十八年賃金構造基本統計調査の結果が厚生労働省から今年の二月の二十二日にプレスリリースされたものでございます。それによりますと、女性の賃金は過去最高となっており、男女間賃金格差は過去最小となっていると、やや自慢げにタイトルにも書かれていますけれども、私の感覚からいくと、まだまだこれ格差があり過ぎなんじゃないかと思います。
 続いて、資料二を御覧いただきたいんですが、先ほど御答弁いただきました一人親家庭の内訳です。先ほどもお答えいただきましたけれども、母子世帯が百二十三・八万世帯と、父子世帯二十二・三万世帯を大きく上回る中、女性の平均給与額は男性のおよそ七割ということなんですね。この賃金格差を、大きく開いたままというこの現状、もちろん徐々にこの差が縮まっているというのは認めつつなんですが、更にこれはスピードを上げて格差を狭めていかなくてはいけない問題だと思います。
 同一労働同一賃金などのスローガンは目に付きますけれども、この男女間格差の問題です。実際にはどういう対応で、どうやってこれから実行していくおつもりなのか、大臣に伺いたいと思います。
#112
○国務大臣(塩崎恭久君) これにつきましては、男女間の賃金格差の要因が何だろうかということで議論がなされてまいりました。まず第一に勤続年数、これが一つ、もう一つは管理職比率、これがもう一つで、これが大きく異なっているというところが男女間賃金格差の要因として、その背景としてあるというふうに思われています。
 このため、出産、子育てと仕事をいかに両立しやすくするかということによって、女性の勤続年数を延ばし、そして女性の管理職への登用が、勤続年数が延びることによっても管理職への登用の可能性は高まりますから、そういうことが進むと男女間の賃金格差は相当程度解消されるというふうに考えられるわけであります。
 したがって、じゃ、どうやってこの勤続年数を延ばし、そして管理職比率を高めていくかということでありますけれども、これは、女性活躍推進法が成立をいたしまして、各企業に対して、勤続年数の男女差、あるいは管理職の女性比率など、自分の会社の女性の活躍状況というのを把握、分析した上で女性活躍に向けて具体的に取り組むことをこの法律は求めているわけでございます。
 先日取りまとめました働き方改革実行計画においては、個別の企業の情報が確実に公表をされる、天日にさらされるという制度改正を検討して、一層の女性活躍に向けた企業の取組を促進するということにいたしました。
 また、育児休業制度、あるいは育児のための短時間の勤務、この制度などを定めた育児・介護休業法の改正がもう既に行われておりますが、この周知徹底などによって、働く方が育児を理由に離職をすることがないように、働き続けられるように職場環境の整備を努めていかなければならないと思っておりますので、こうしたことで女性の活躍を促進して、男女間の賃金格差の解消を目指していかなければならないというふうに思います。
#113
○平山佐知子君 ありがとうございます。
 是非、目標はというふうに伺ったら、まだ目標は設定していないというお話もありましたので、しっかりとこの格差の問題、目標も設定して進めていただけたらというふうに強く思います。
 子供の貧困は六人に一人でございます。中でも一人親世帯の子供の貧困率は五〇%を超えて、OECD加盟三十か国の中でも最悪の状態でございます。また、非正規労働者の平均給与所得は年間百七十一万円。教育や子育てにお金の掛かる日本では、この保護者の経済状況が直接子供の成績それから進学に結び付いてしまうという。結果、この貧困の連鎖が生じてしまいます。
 私は、生まれてきた環境、それから災害など、様々な状況で子供たちの将来の夢や希望が左右されてしまうということは絶対にあってはならない、貧困の連鎖を断ち切らなくてはいけないというふうに思っています。
 しかし、一人親の多くの皆さんは、仕事が決まっても保育所に子供を預けることができないいわゆる待機児童の問題で就職の機会を逃している状況にあります。現在、結果、正規社員になれず、短期のパート労働を低い賃金でダブル、トリプルワークと働いて大変厳しい状況、働いても働いても生活は厳しいという状態から抜け出せずにいる方々がたくさんいらっしゃいます。
 そこで、一人親の方々も安心して正社員として働けるように、保育所の問題を見てまいりたいと思います。
 厚生労働省は、多様な働き方に対応しようと、企業が社内につくる保育園に対し助成がなされています。事業所内保育施設設置・運営等支援助成金として平成二十一年から行われ、平成二十七年度は、五十一億三千九百万円の予算措置に対して決算額が二十二億三千万円と、執行率が四三%でした。せっかく、私、これいい事業だなというふうに思うんですが、余りこの執行率がよくないと思います。
 この予算措置、それから決算実績などを踏まえた評価を大臣にお伺いしたいと思います。
#114
○国務大臣(塩崎恭久君) この助成金、今御指摘ありましたが、育児を理由とする離職を防止するために、事業主が自社の社員が利用できる事業所内保育施設を設置、運営する場合にこれを支援をするというためのものでございまして、一人親の支援にも当然資するものというふうに考えております。この助成金の平成二十七年度の予算額は五十一億四千万円、執行実績は二十二億三千万円となっております。
 なお、二十八年度から、内閣府において同様の目的を有する助成制度でございます企業主導型保育事業というのが始まりました。これによりまして、この助成金の新規の受付は停止をしていると、こういう状況でございます。
#115
○平山佐知子君 一人親の皆さんにとっては、事業所内で近くに子供さんを置いて仕事ができるというのは安心にもつながると思いますので、是非進めていただきたい。そしてまた、二十八年度からは内閣府に移管されて行っていくということで、是非省庁間をまたいでこうした取組進めていただきたいなというふうに思います。
 また、この企業主導型保育事業ですけれども、認可外保育施設でありますので、人員の配置などの面で認可保育所よりも基準が緩和されています。そうなると、心配なのが保育の質の面でございます。
 平成二十七年度の調査では、年に一回の実施が定められている事業所内保育施設に対する自治体の立入調査の実施率、四一%にとどまっています。特に、東京都の認可外保育施設への立入調査の実施率は、平成二十六年で一三%、事業所内保育施設に至っては一%と最も低く、この指導が十分に行き渡っていないのではないかというふうに考えられます。
 大切なお子さんを預ける御両親、心配されている方も多いというふうに思いますけれども、大臣、これ今後どういうふうな対応をなされるおつもりでしょうか。
#116
○国務大臣(塩崎恭久君) 認可外の保育施設に対する立入調査でございますけれども、もちろん、これは適正な保育内容などを確保する観点から、原則はやっぱり一年に一遍、必ず一回以上行うということで通知を私どもから送っているわけでありまして、適切な指導監督が実施されるように都道府県などに促しているところであります。
 一方で、立入調査の実施率が低調となっている自治体も今御指摘のように見受けられるわけでありますので、改めて、先月、三月に通知を発出しまして指導監督の徹底を促したところでございます。
 二十九年度の予算では、睡眠中などの重大事故が発生しやすい場面での指導を行う巡回支援指導員というのの配置を新たに支援をしておりまして、この巡回支援指導員との連携、これによりまして実効性のある指導監督の実施につなげていただきたいというふうに考えているところでございます。
 東京都のお話がございましたけれども、順次、人員体制の強化を進めることによって、東京都においても認可外保育施設への巡回指導を行って、少なくとも年一回は各施設の状況を把握できるような体制を構築する旨を伺っているところであります。
 国としては、適切な指導監督が行われるように、引き続き東京都への働きかけを行うとともに、その取組について支援を行ってまいりたいと考えております。
#117
○平山佐知子君 ありがとうございます。先月、自治体に通知をして、巡回支援指導員も置くということでお話がありましたけれども、やはり、これ自治体間格差、自治体によっては手厚いところとしっかりしていないところと格差が出てしまっては仕方がないというふうに思いますので、やっぱりお母さんたちが安心して子供さんを預けられるような形に是非進めていただきたいというふうに思います。
 続きまして、一人親の就業支援について伺ってまいります。
 安定した生活を送るためには、正規社員として働けることがやはり一番だと思います。ただ、実際に時間的に制約がある一人親の皆さんは就職には不利だということも分かります。
 こうした中、高齢者、障害者、母子家庭の母などの就職困難者を継続して雇用する労働者として雇い入れる事業主に対して助成金を支給する特定求職者雇用開発助成金の施策があります。全体のうち、一人親家庭への支給に特化して見てみますと、平成二十七年度支給は三万三千六百二十七件、支給額が百二十三億円でございました。こちらはある程度の結果を出されているというふうに思います。
 一方で、トライアル雇用奨励金、これは、求人者と母子家庭の母など求職者とが相互に理解を深めるために、最長三か月間、月額最大五万円を事業主に支給、試しに雇ってもらって、その結果、早期に就職してもらえるように促進するものでございます。
 資料三を御覧ください。
 平成二十七年度の雇用開始人数は百十七人、前年度が四十四人でしたので、増えてはいるものの、一人親家庭が全国でおよそ百四十六万世帯ありますから、その全てが就職に困っているというふうには思いませんけれども、相当苦労されているというふうに伺っているのに、国が取り組む施策で実績が全国で百十七人というのは、どうしてもこれ首をかしげてしまいます。実際に現場の声、一人親家庭の方々にお話を聞きますと、こういう制度がありますよというふうに一人親側から企業側に紹介するなどしたとしても、なお正規雇用につながらないという現実があるそうです。
 実績が百十七人、非常に少ないと思いますが、このうち本採用に至ったのは一体何人いらっしゃるのか。また、正規採用につながらないというこうした生の声を実際に国は聞いているのか、その声に対してはどのように応えるのか。障害者雇用のように優先的に雇用につながるような制度をつくったらどうかという声もありますけれども、その御意見についても大臣に伺いたいと思います。
#118
○政府参考人(吉田学君) トライアル雇用奨励金を始めとする一人親の皆さん方の雇用の問題について、数点御質問をいただいたかと思います。
 まず、トライアル雇用奨励金の実績につきまして、先ほど委員からも御質問の中で触れられましたように、私ども手元で把握をしております平成二十七年度の数字といたしましては、トライアル雇用の開始をされた方が百十七人で、このうち一人親等が七十九人でありました。それが結果的にどういう形でその一定期間の試行期間から実績になったかという点については、大変恐縮でございますが、今手元に数字がございませんので、私どもとしては引き続きこの実績をもって注視していきたいというふうに思っております。
 また、このトライアル雇用、先ほど御紹介いただきましたように、別にございます特定求職者雇用開発助成金、これも委員御質問の中で触れられましたように、一人親に限るものではなくて、いろいろと他の分野も含めた、非常に雇用につなげることに困難を現場において抱える方々を対象にした幅広い制度でございますが、これに比べてトライアル雇用というのの数がどうだろうかと、少ないのではないかという御指摘でございます。
 私ども、地域の実情などをもう少し丁寧に把握をさせていただきたいとは思っておりますが、これまで私ども、いろいろと入ってくる情報といたしましては、この間、委員の資料の中で年次推移も見せていただいておりますけれども、雇用情勢などの改善もございまして、このトライアル雇用奨励金、一定期間試行をした上で本採用ということになっております。その一定期間の試行ではなくて、もう当初から雇用という形でなされる場合もあるという要素もあって、いろいろな数字、時によって動いているという話がございます。私ども、引き続きこの辺りの状況についてはきちっと丁寧に見てまいりたいと思います。
 また、中で法定雇用率についての御言及もございました。
 私ども、一人親の方々の就職を支援する、これ大事なことだと思いまして、政府挙げて取り組んでございますけれども、いわゆる障害者の方々のような法定雇用率という形で取り組むに当たりましては、一人親の方々自身は、職業能力という意味で何か一般の方に比べて違いがあるというわけではないという点が、障害者の方々のようにいろいろと個々困難を抱えるのとは違うのではないかとか、あるいは、ほかにもいろいろと、再婚とか子供の成長により一人親家庭でなくなるというような状況の変化などもほかの障害者などの分野とは違うのかなという問題意識を持ってこの問題についてこれまで議論をしております。
 ただ、法定雇用率という形でないにしても、企業の方々がこの一人親の家庭の方々の就職を取り組んでいただくということは非常に我々としても大事なことですし、推進したいと思っておりまして、これは平成十八年度からではございますが、こういう積極的に雇用されている企業について表彰というものを年一回行ってございます。
 こういう好事例についても、横展開をすることによって企業の方々の一人親家庭の採用というものを促してまいりたいというふうに思っております。
#119
○平山佐知子君 当初から雇い入れる場合もあってなかなかニーズとマッチしないという話もありましたけれども、これ事業主側から見たら、最長三か月間、月額最大で五万円支給してもらえるというのは本当に魅力的だと思います。それにもかかわらず、その前年を見ても、四十三人、四十人、四十四人と、このように少ない中で推移しています。
 この状況を見ても、やはり途中で何か改善点を探さなくてはいけなかったんじゃないかなと私は思いますけれども、全国でこの四十人というのは、もう本当に素朴に見てもおかしいなというふうに、少な過ぎるなというふうに首をかしげますので、その辺りもうちょっと何か方法はなかったのか、途中で審議しなかったのかというところも踏まえて大臣にもお伺いしたいと思います。
#120
○国務大臣(塩崎恭久君) 百十七人というのは少ないじゃないか。確かに、少ないといえば少ないわけで、トライアル雇用で取りあえず有期で働いてみて、ここから正社員ですから、正社員になる人は当然もっと少ないわけであります。そもそも、今回、第二次安倍内閣が始まって雇用が改善をしている中で、最初に増えてくるのはやっぱり非正規が増えてくるわけですね。ですから、それはまあ、もちろん一番多いのは多分パート、そしてアルバイト、さらには有期、こういう順番で増えてきて、そういう意味で、女性に働くチャンスが出てくるということは出てきていると。
 しかし、正社員にまで行くためにはなかなかハードルがあるという状況でございますので、私どもとしては、このこと自体が少ないという御評価はそれはそれで真摯に私たちも受け止めて、せっかくつくった制度ですから、生かしてもらって、有期で働き始め、そして正社員になっていただくというチャンスをつくっていくことはもっとやらなきゃいけないなというふうに思います。
 しかし、一番大事なのは、いろいろな方々と総理との車座などで聞いてみても、やはり職業能力を付けるということが一番女性が責任ある仕事に就く可能性を高めるなと。
 つまり、例えばリカレント教育もそうですが、例えば資格を取る、看護師さんとかですね、そういう資格を取って働き始めるということはやっぱりかなり有効な手だてで、このために私どもは資格取得を促進するための給付金の充実とか貸付事業を創設するとかいうこともやっています。もう一つは、今リカレントのことも申し上げましたけれども、そこまでいかないでも、医療事務とか簿記とか教育訓練講座を受講する際の受講経費の補助金を引き上げると、補助率を引き上げるということもやってまいりました。
 こういうことによって、やっぱりキャパシティービルディングをして働く能力を付けることが、必ずしも正社員とは限りませんが、それはまた働く方の事情によって、まだ週三日とか四日で、しかし報酬をちゃんと上げたいということで、能力を付けていくということが極めて有効だろうというふうに思います。
 それと、求職者支援訓練における、一人親が利用しやすいために、やっぱり子供がいれば託児サービスが付いてなおかつ教育訓練が受けられるかどうかという、そういうことをちゃんとやるということで、そういう託児サービス付きの訓練コースというものも私ども力を入れてきております。
 それと、ハローワークのマザーズハローワークがありますが、ここでやはり一人親支援の体制というのを、充実をしつつありますけれども、こういったことを更に総合的にやっぱり取り組んでいくことが大事ではないかというふうに思います。
#121
○平山佐知子君 確かに手に職を付けるというのも大切なんですけれども、やっぱり今すぐ正社員になりたい、非正規雇用のままだと本当に大変厳しい状況が続くから今すぐなりたい、そんなときにトライアル雇用というのは非常にいい制度だと思いますので、是非その生の声、現場で本当に就職したくても就職できないんだというその声を聞いていただきたいというふうに思います。
 先ほど大臣もおっしゃっていただきました手に職を付けるという、必要な資格の取得を促進するための給付金、高等職業訓練促進給付金というのがあります。これも私、すごくいい制度だなというふうに思います。
 資料四を御覧いただきたいと思うんですが、平成二十七年度支給実績が載っています。全国八百五十六か所、総支給件数が五千七百六十八件、資格取得者数が二千二百五十六人と、そのうち就業者数が千七百八十五人。一定の評価がこれできると思います。
 ただ、明日の生活が厳しいという本当に困っている人が月額十万円程度の支給で学ぶことに本当に集中できるのか、それから、対象となる資格は都道府県知事などが地域の実情に応じて定めることというふうになっていますが、果たしてこれ企業のニーズとのマッチング、それからハローワークによる職業紹介など、ほかの就業支援施策との連携はうまくいっているのか、こうしたことも見ていく必要があるのではないかと思うんですが、厚生労働省にお尋ねいたします。
#122
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 今委員御指摘いただきました高等職業訓練促進給付金につきましては、就職に有利な資格の取得を促進する、ひいては収入増につなげ、一人親家庭への経済的な支援を行うというコンセプトでございますけれども、今御指摘いただきました二十七年度までの実績を踏まえて、現場の声なども伺った上で、私ども二十八年度から一定の改善をさせていただいております。
 例えば、支給期間につきましては、二年間でございましたけれども、三年間という形でこの給付金の期間を延長しまして、特に看護師さんの資格などは三年行かなきゃいけないというケースもございまして、途中で切れちゃうという御指摘もありましたので、延ばさせていただきました。また、修学期間に関する要件、逆に、二年以上という形になっておりましたのを一年以上という形でこれは逆に短くいたしまして、調理師さんとかお菓子の製菓衛生師さんなどの資格を学ぶ際にも対象にするなどさせていただいております。
 この辺りのメニューにつきまして現場とマッチングしているかどうかということにつきましては、これまでも都道府県の方々とも意見交換をしておりますが、問題意識としては委員と共有させていただいております。
 我々、従来から、看護師さん、准看護師、保育士、介護福祉士、理学療法士、作業療法士、調理師、製菓衛生師など、いろいろと幅広く実際には認定をさせていただいておりますが、よくよく現場の声を聞いて、これからも改善する余地があるかどうか検討してまいりたいと思っております。
#123
○平山佐知子君 ありがとうございます。
 看護師などは大変厳しい勉強、それから実務経験も必要となってくると思いますので、もっともっといろんな、例えば簡単に取れるような様々な職業も、資格もあると思いますので、その辺も考慮していただきたいと思います。親族などのフォローが望めない、本当に厳しい、一人で子育てしている環境に置かれている方々もいらっしゃいますので、しっかりと現場の声を引き続き聞いていただく、そのような制度設計にしていただきたいというふうに私からも、最後、御要望をさせていただいて、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
    ─────────────
#124
○委員長(岡田広君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、藤井基之君が委員を辞任され、その補欠として中西哲君が選任されました。
    ─────────────
#125
○里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。
 本日は質問の機会をいただきまして、本当にありがとうございます。
 まず、参議院における障害者の皆様への対応についてお伺いをいたします。
 昨年四月、障害者差別解消法が施行されました。また、本年二月にはユニバーサルデザイン二〇二〇関係閣僚会議で行動計画を策定し、全国において、ユニバーサルデザインの街づくりと心のバリアフリーを政府一丸になって、しかも民間企業を巻き込んで取り組んでいくということが取り決められております。私ども公明党といたしましても、オリンピック・パラリンピックに向けて、東京を始めとして、鉄道の駅のホームドア、エレベーターの増設など、バリアフリー化を強力に推進しております。
 こうした中で、参議院においては、平成二十八年の四月の障害者差別解消法の施行に合わせて障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領を決定して、障害者の差別解消に取り組まれております。参議院事務局としての障害者の差別解消の推進に関する考え方についてお伺いいたします。
#126
○事務総長(郷原悟君) お答えいたします。
 昨年四月に施行されました障害者差別解消法では、行政機関に対し、職員が障害者に対し適切に対応するための対応要領を策定することを規定いたしております。
 参議院事務局についてはこの法律に基づく対応要領策定の義務はございませんが、障害を理由とする差別解消の推進は参議院事務局においても積極的に取り組むことが望ましいことから、同法の施行に合わせ、同法の趣旨を踏まえた対応要領を策定いたしました。昨年四月の策定以来、研修を行うなど、対応要領の内容を職員に周知させるための取組を行っております。
 障害を理由とする差別解消のため、参議院事務局といたしましては、今後も不断の見直し、改善を図ってまいりたいと思っております。
#127
○里見隆治君 私もこの対応要領、拝見いたしまして、この中には障害者の方への国会の参観また傍聴の案内の取組が紹介をされておりまして、特に耳の不自由な方には、事前に申し出れば、参議院事務局が費用を負担し、手話通訳者又は要約筆記者を派遣しますという記載がございます。相当な手厚い体制が取られていることが分かります。
 しかしながら、その利用実態、実績については、過去五年間で聴覚障害者の方からの手話通訳者また要約筆記者の要請は、委員会傍聴で僅か三件、傍聴人合計にして十人であり、本会議の傍聴に至っては過去五年間でゼロ回ということでございました。十年前にこの制度ができてからも、本会議での手話通訳依頼は一件ということでございました。
 一方、こうした耳の不自由な方にとって、本会議、委員会審議は参議院のインターネットでも配信をされているわけですけれども、字幕などがない限り全く理解ができないという事態になっております。全国の約四十万の聴覚障害者、さらに高齢化の進行によりまして増え続けている聞こえに不便を感じている多くの皆様からは、この国会中継はないものと同然の扱いを受けることになってしまうのが実態でございます。憲法五十七条においては「両議院の会議は、公開とする。」と定められております。こうした実態、状況の中で、果たしてこの憲法の精神に応えられているのかということについて考えさせられるわけでございます。
 去る三月二十三日に参議院また衆議院の予算委員会で証人喚問の中継が行われました。NHKの国会の委員会中継放送としては初めて完全な生の字幕放送が行われました。今後、NHKの国会中継の字幕放送の予定をお伺いしたところ、予定はないということでございました。そういたしますと、本院のインターネット中継、これを字幕放送を行うという選択肢も考えられます。現に、佐賀県武雄市のように、市議会のインターネット中継において生の、ライブの字幕中継を行っているという市もございます。
 そこで、伺いますけれども、参議院の審議の傍聴やインターネット審議中継における聴覚障害者への配慮について、例えば字幕放送や手話通訳の活用など現状がどうなっているか、また今後どのように対応されるか、お伺いをいたします。
#128
○事務総長(郷原悟君) お答え申し上げます。
 現在の参議院インターネット審議中継では、字幕や手話通訳は付与されておりません。しかしながら、字幕や手話通訳者を付与することは、聴覚障害者の方にとってリアルタイムに国会審議の情報を得るための手段の一つとして有用であることは認識しております。
 ただし、字幕を付与する中継映像を一般公開する場合には、誤変換や公式な記録である会議録との関係が問題となり得ると考えています。また、手話通訳を付与する場合には、手話通訳の正確性をどう考えるかという問題もあろうかと存じます。さらに、音声認識システムを利用した字幕表示システムを導入したり、全ての国会審議に手話通訳者を確保し手話通訳を付与するには多額の費用が必要となります。
 いずれにいたしましても、インターネット審議中継における聴覚障害者への配慮につきましては、更なる検討を重ねつつ、各会派の御協議を踏まえて対応してまいりたいと考えております。
#129
○里見隆治君 最終的には議運等、院としての判断に懸かると思いますけれども、事務局としてその手法、選択肢の可能性、また費用対便益などをしっかり調査をして、その判断に資するような準備をお願いしたいと思います。
 次に、働き方改革、特に建設業、自動車運送事業における労働条件の改善についてお伺いをいたします。
 先月末には政府において働き方改革実行計画が決定されました。私ども公明党も、働き方改革実現推進本部として積極的に関わらせていただきました。実行計画においては、罰則付き時間外労働の上限規制の導入等による長時間労働の是正など大きな前進がございますが、一部の業務、事業、すなわち自動車の運転の業務や建設事業については、その施行時期をその他の事業の五年後とすることとなっております。これは施行を先延ばししたということではなく、この五年間を掛けて自動車運転、建設の分野で取引条件の改善を通じて労働条件の改善を着実に進めていくと、そのための取組を速やかに始めるという意味と受け止めております。
 加えまして、こうした働き方改革の文脈とは別に、国土交通省では、かねてより平成二十九年度に向けて建設業における社会保険未加入対策に取り組まれてきたと承知をしております。この点、毎年度の会計検査院の検査において、社会保険の保険料徴収額の不足、加入すべき労働者が加入されていないといった点が不当とされておりまして、その改善が求められてまいりました。
 そこで、まず、建設業における社会保険未加入対策について、国土交通省における取組状況についてお伺いいたします。
#130
○副大臣(末松信介君) この問題は完全に解決をしないと建設業の人気が高まらないということで、先生御指摘のこの問題、大変重要な問題であると認識をいたしてございます。
 国土交通省では、建設業の持続的な発展に必要な人材の確保と公平な競争環境構築のため、先生御指摘のとおり、平成二十九年度までに許可業者の加入率を一〇〇%とすること等を目標に掲げまして、社会保険の加入促進に取り組んできたところでございます。建設業許可更新の際の保険加入の指導であるとか、公共工事での未加入業者への対策を始め、関係する業界団体等との連携をしながら取組を進めました結果、社会保険の加入率は着実に上昇はしております。平成二十三年、企業別では二十三年八四%でした。平成二十八年、昨年度でありますが、九六%まで上がってきております。労働者別では、平成二十三年五七%でしたが、平成二十八年七六%まで上昇しております。
 また、社会保険の加入を進めるには元請企業から下請企業に対しまして必要な法定福利費が適切に支払われることが重要であることから、法定福利費を内訳明示しました見積書の活用促進に取り組んでおり、その活用が進んできているところでございます。目標年次を迎える本年度からは、国土交通省発注の工事におきまして、二次下請以下の建設会社を含めまして社会保険加入企業に限定する措置を講じております。社会保険加入の実情を踏まえつつ、必要と考えられる対策につきまして、順次実施をしてまいりたいと考えております。
 建設業における社会保険の加入を徹底いたしまして、建設業で働く労働者の皆さんの処遇向上が図られますように引き続きしっかりと取り組んでまいりますので、よろしくお願い申し上げます。
#131
○里見隆治君 是非その推進、更に強力にお願いをいたします。
 あわせまして、建設業、自動車運送事業につきましては、働き方改革の実行計画において、労働条件の改善のための環境整備、そのための支援を行うとされておりますけれども、国交省としてどのように取り組んでいかれるか、国交省よりお願いいたします。
#132
○副大臣(末松信介君) お答え申し上げます。
 先日取りまとめられました働き方改革実行計画では、建設業、自動車運送業につきまして、時間外労働の上限規制の適用対象とすることになりました。上限規制を実効性あるものとしまして長時間労働を是正していくためには、両業界の生産性の向上や事業環境の改善などを今後速やかに進めていかなければなりません。
 例えば、国土交通省としましては、建設業について、建設現場における適正な工期の設定、そして週休二日の推進等に取り組みます。トラック運送業につきましては、荷主と連携しました荷待ち時間等の削減に取り組みます。また、共通の課題であります下請取引の改善なども積極的に進めてまいらなければなりません。こうした取組を通じまして、両業界における働き方改革をしっかり後押しをしてまいりたいと思います。
 このような取組に際しまして、発注者、荷主、そして利用者の理解と協力と関係制度の見直しが必要であります。このため、実行計画に基づきまして、関係者が参画する協議会を速やかに立ち上げる準備等を進めているところでございます。
 なお、我々は、当たり前のことをよく立ち止まって留意しなければならないと思うんですけれども、例えば雨の日は建設業は仕事がなかなかはかどりません、できない日もあるわけであります。そうしたらどうなるかといいましたら、工期が設定されていれば、これはどうしてもその遅れは残業で対応しなきゃならない、しわ寄せが行くわけであります。極めて当たり前のことをしっかり国交省も受け止めていかなければならないと考えております。
 今後とも、建設業や自動車運送事業が社会経済を支える重要な役割をしっかり果たしていけるように、関係省庁や産業界ともよく連携を図りながら、両業界で働いている方々の労働環境の整備に努めてまいりたいと思います。
 よろしくお願いします。
#133
○里見隆治君 よろしくお願いいたします。
 今御答弁をいただきました国土交通省の取組と連携をして、建設業、自動車運送事業について、厚生労働省としても労働条件の改善に取り組むべきと考えます。
 先ほど申し上げましたとおり、環境整備は今から速やかに、着実に進める必要があると考えますけれども、厚生労働大臣の御認識と今後の対応についてお伺いをいたします。
#134
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、働き方改革、特に長時間労働に関して、この自動車の運転、そして建設、そして医師、これらは大変難しい問題でございましたが、これまで、自動車の運転業務、それから建設事業につきましては大臣告示の適用除外ということになっておりまして、一般とは異なる取扱いをしてまいりました。今回の働き方改革実行計画では、これらの業種についても長年の慣行を破って罰則付きの規制を適用するということを決めたことは、これ自体大きな前進でございます。
 一方で、自動車の運転業務につきましては、月六十時間を超えて働く方、すなわち月の時間外労働に換算をいたしますと、おおむね八十時間以上の方が雇用者の約四割をも占めると、こういう実態なんですね。そして、この背景には、取引慣行の問題など、個々の事業主の努力だけでは解決ができないということで、そういう問題があるわけでございます。建設事業についても、天候不順とかあるいは自然的な条件で作業日程が圧迫されて、施主から工期を厳格に守ることが求められてしまうと。
 業務の特性や取引慣行の上から課題がたくさんあるわけでありまして、こうした課題を解決して、時間外労働の上限規制を実効性あるものとして長時間労働を是正をしていくというためには、荷主、そして発注者も含めた業界ごとの対策が必要であるということでございまして、今、国土交通省から御説明のあったとおりでありますが、今回の実行計画では、自動車運送事業については、荷主を含めた関係者で構成する協議会、ここで労働時間の短縮策を検討するとともに、関係省庁横断的な検討の場を設けて、長時間労働を是正する環境整備のための制度の見直し、それから支援措置を行う。建設事業についても、発注者を含めた関係者で構成する協議会で、しっかりと必要な環境整備を進める業界等の取組に対して私どもとしても支援措置を実施をしていこうということで、国土交通省と我々が連携をしながらこの問題に解決を見出していかなきゃいけないというふうに思います。
#135
○里見隆治君 この建設事業、また自動車の運転、運送業、いずれも日本の基幹産業でございます。それに従事する労働者の皆様の働き方改革、労働時間の短縮について、是非とも強力な推進をお願いいたします。
 国土交通副大臣におかれては、委員長の御了解がいただければ、御退席いただいて結構でございます。
#136
○委員長(岡田広君) 末松副大臣は御退席いただいて結構です。
#137
○里見隆治君 続きまして、我が国の健康長寿社会実現のため、また健康増進により国民医療費を適正化していくという観点から、全身の健康増進にもつながる歯の健康、口の中の健康についてお伺いをいたします。
 八〇二〇運動、八十歳になっても二十本以上の歯を保つことを目標に、生涯を通じた歯の健康づくりを推進する運動でございます。本日、資料も配付しておりまして、一ページ目で右上の図にございますように、年々この目標達成者が増加をしているところでございます。
 実は、この八〇二〇運動は、平成元年に私の地元愛知県において提唱され、八〇二〇表彰を始めとした事業を行ったルーツでございます。加えて、愛知県名古屋市では、歯科一二〇運動、すなわち十二歳で虫歯ゼロの運動を展開しております。愛知県は、学校歯科医師の積極的な協力を得まして、十二歳児の虫歯の少なさを示すいわゆるDMF指数が昨年の調査で全国第四位でございます。御参考までに、第一位は新潟県、第二位は静岡県と岐阜県、第四位は同列で六県がランクインをしております。
 こうした形で、この表でいいますと左上にございますように、子供の虫歯は減少する一方で、少子高齢化の中で、歯科保健を取り巻く状況、また今後の歯科治療の需要についても変化が考えられます。私も、厚生労働省から様々説明をいただきまして、その際提出があった資料を本日皆様とも共有したく配付をさせていただいております。この取り巻く状況、また今後の需要の変化について厚労省から説明をお願いいたします。
#138
○政府参考人(神田裕二君) 歯科保健医療を取り巻く状況についての御質問でございますけれども、先生今御指摘のように、小児の齲蝕の減少でございますとか八〇二〇の達成者の増加、また、それに伴いまして、歯周病の罹患率の増加など、疾病構造の変化が見られるところであります。また、高齢者の受診患者も増加しているなど、大きく変化しているところであります。
 このことから、先生の資料の二ページ目にございますように、従前のように齲蝕の治療といった歯の形態の回復を主体とした歯科治療の需要は減少する一方で、そしゃく機能の改善でございますとか摂食嚥下機能の回復など、口腔機能の回復を主体とした歯科治療の需要が増加するものと予測しているところでございます。
#139
○里見隆治君 今御答弁をいただきましたそうした状況を踏まえて、資料で申し上げますと三ページでございますけれども、これまでの医療サービス提供体制、そして今後の展望という点におきましては、従来の歯科医療機関の中で治療を完結させる体制から、今後は、医科医療機関や地域包括支援センターなど、地域の医療や介護関係機関との連携を含む地域完結型医療の中で歯科医療の提供体制を構築する必要性が出てまいります。こうした歯科医療との連携の関係で注目をされますのが、平成三十年度から、特定健診の検査項目にかんで食べるときの状態という項目が追加をされ、歯科口腔保健の取組のきっかけになることが期待をされております。
 この点も含めまして、まず総論的に、歯の健康づくり、また口の健康づくりが健康長寿の延伸、ひいては医療費の適正化につながるものというふうに認識しておりますけれども、厚生労働大臣のこの点についての御認識をお伺いいたします。
#140
○国務大臣(塩崎恭久君) 御指摘のように、口腔ケア、歯科医療というのは大変重要であり、また、その重要性が高齢化とともに増しているというふうに言えるんではないかと思っております。
 近年、口腔ケアがいわゆる誤嚥性肺炎、この発症予防になることに加えて、歯の本数が多いほど何でもかんで食べることができるということで回答していただいている方が多いという調査結果もございます。入れ歯の治療によって栄養状態が改善するという報告など、口腔と全身の健康の関係、これについて広く指摘をされておりまして、口腔の健康は全身の健康にもつながる重要なものだというふうに認識をしつつ、今後とも、口腔の健康と全身の健康の関係に着目をしながら、総合的な歯科口腔保健の施策についてより一層推進をしてまいりたいというふうに思っております。
#141
○里見隆治君 ありがとうございます。
 こうした点、全国の統計においても更に正確な、より詳細な分析をして、的確な医療体制が整備されるよう対応いただく必要があると考えておりますので、お願いをいたします。
 その上で、先ほど、お配りしております三ページの資料で御覧いただいて触れましたとおり、高齢化に応じて歯科医療の提供体制も変化を求められ、歯科医師と地域包括ケアシステムとの連携などが重要となってくると考えます。例えば、在宅や入院患者に対して、口から食べることの維持、摂食嚥下機能の回復、口腔ケアなど、口腔と全身との関係に着目して、地域において他の医療、介護スタッフとの連携の中で歯科医師、歯科衛生士の果たす役割はもっと様々重要になってくると考えますけれども、改めて、この点、厚生労働大臣の御認識をお伺いしたいと思います。
#142
○国務大臣(塩崎恭久君) 高齢者の受診患者の増加などによって、この歯科保健医療の状況というのは随分大きく変わってきております。
 地域の要介護者などに対する取組におきまして、歯科医師の果たす役割というものが極めて重要になってきていると私どもは見ておりまして、特に、いわゆる地域包括ケアシステムの構築を目指して今鋭意努力をしておりますけれども、今後、医科医療機関との連携をした歯科訪問診療の実施であったり、医療、介護の多職種によります研修あるいは会議への歯科医師の参画などを通じて、地域における取組を進めていくことが重要だというふうに思っております。
 また、今月取りまとめが行われました新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会報告書というのがありますが、ここにおいても、医科歯科連携、この更なる推進というものの必要性について強く提言をいただいておりまして、今後、こういった医科歯科連携についても具体化に向けてしっかり検討してまいりたいと思っております。
 いずれにしても、高齢化が進む中で、地域で歯科医療の果たす役割はこれから更に大きくなるというふうに思います。
#143
○里見隆治君 よろしくお願いいたします。
 その中でも、今後需要が増大すると見込まれます在宅歯科医療、これを支援していくために、訪問診療や訪問のための医療機械の整備など、現在も地域医療介護総合確保基金の事業で在宅歯科医療を実施するための設備整備による支援のメニューがあることは承知しておりますけれども、さらに、診療報酬の上でもこういった措置を評価するべきと考えますけれども、厚労省、いかに認識をしておられますでしょうか。
#144
○政府参考人(鈴木康裕君) 在宅歯科医療に対する診療報酬上の評価について御質問がございました。
 いわゆる団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五に向けまして、在宅歯科医療の推進は大変重要であるというふうに認識をしております。
 御指摘の歯科の訪問診療についてでございますけれども、一回一回の訪問診療料に加えまして、必要となる携帯型の歯科医療機器を持っていっていただいた場合に診療報酬に一部加算の評価をしております。具体的には、歯科訪問診療を行うに当たりまして、予定外の急な歯の痛み、それから入れ歯が合わないなどの症状に対しましてすぐに対応できるように、歯や入れ歯を削るための器具など歯科医療機器を携行していることを評価する在宅患者等急性歯科疾患対応加算というのを設けているところでございます。
 今後とも、在宅歯科医療を推進する観点から、歯科診療報酬の在り方につきましては、平成三十年度の診療報酬改定に向けまして、関係者の御意見をよく伺いながら、中医協において検討してまいりたいというふうに思います。
#145
○里見隆治君 来年度の改定に向けて積極的な御検討をお願いいたします。
 高齢者に関しての環境整備が急がれる観点として、認知症への対応がございます。厚生労働省においては、平成二十八年度から、新オレンジプランによって歯科医の認知症対応力向上研修を開始されているというふうに承知をされております。この現在の進捗状況についてお伺いをいたします。
#146
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。
 平成二十七年一月に関係省庁が共同して省庁横断的な総合戦略といたしまして新オレンジプランを策定し、その柱の一つとして、認知症の容体に応じた適宜適切な医療介護サービス等の提供というのを盛り込んでいるわけでございます。
 先生御指摘の歯科医師認知症対応力向上研修はこの一つの柱の一環として位置付けられていると、こういうものでございますけれども、具体的には、歯科医師の方々が高齢者等と接する中で、認知症の疑いがある人に早期に気が付いて、かかりつけ医の方々と連携しながら対応することができるようにするための研修でありますし、あわせて、認知症の方の状態に応じて口腔機能の管理ができるようにするための研修でもあるということでございます。お話ございましたとおり、昨年度から、地域介護総合確保基金の対象事業として、歯科医師会などの関係団体の協力を得て新しく開始をしたというものでございます。
 その進捗状況でございます。まさに開始がされました昨年度でございますけれども、四十三都道府県等で約六千人の定員で実施見込みという状況を聞いておりまして、こうした研修がきちっと活用できるように今後とも支援をしてまいりたいというふうに思っております。
#147
○里見隆治君 そうした研修の充実、是非ともよろしくお願いいたします。
 こうした研修の充実と併せて、そもそもこれだけの、もう十年前、二十年前から分かっている高齢化、そういう意味では、大学での在学中からの歯科医師に関する教育、このレベルから取り組んでいくことが重要であると考えます。
 例えば、私の地元愛知県では、愛知学院大学歯学部で、地元歯科医師会の協力を得て寄附講座として在宅療養支援歯科医養成推進事業が開設をされ、高齢者の評価、生活支援について、実習等による学生、研修医の教育支援を積極的に行っているというふうに伺っております。こうした取組は全ての歯科教育において必要と考えます。
 文部科学省におかれては、大学等での歯学教育の内容について、高齢化に対応してどのように行っておられるか、教えてください。
#148
○政府参考人(松尾泰樹君) お答えいたします。
 高齢化に対応するために、歯学部教育におきまして在宅歯科医療や認知症等について学ぶこと、これ、先生御指摘のとおり極めて重要であると考えてございます。
 特に、在宅歯科診療についてでございますけれども、これは、歯学教育のモデル・コア・カリキュラム、これは学生が卒業時までに身に付けておくべき必須の実践的診療能力の学修目標を提示したものでございますが、この中におきまして、歯科訪問診療について説明できることということ等が盛り込まれております。これに基づきまして、各歯学部において高齢者等に対する在宅歯科診療についての教育が実施されているというふうに承知しております。
 また、認知症等でございますけれども、これも、歯学教育モデル・コア・カリキュラム、これは平成二十九年、今年の三月に改訂をしてございますが、新たに医師と連携するための必要な医学的知識等の項目を盛り込みました。その中で、例えば認知症等の疾患に係る全身的症候・病態を説明できること等を目標として設定しております。
 さらに、文科省では、大学を対象とした補助事業で課題解決型高度医療人材養成プログラムというのがございますが、この中でも、認知症など全身疾患との関わりも踏まえて歯科医療を提供できる人材育成に係る取組を支援しているところでございます。
 こういった取組を通じまして、質の高い歯科医師の養成に引き続き取り組んでまいりたいと思っております。
#149
○里見隆治君 最近改訂をいただいたということでございますが、これも、時代に即して更なる見直しを適時適切にお願いをいたします。
 こうした大学での教育、また大学卒業後の研修というものも重要でございます。高齢化に対応しての歯科医師に対する研修、これは、厚生労働省においてはどのように対応されていますでしょうか。
#150
○政府参考人(神田裕二君) 先ほど大臣からもお答え申し上げましたけれども、高齢化の進展に伴いまして、高齢者等に対する在宅歯科医療、また口腔ケアの重要性が増しておりまして、これに対応できる歯科医師の人材育成は非常に重要であるというふうに認識いたしております。
 このため、卒業直後の歯科医師に対しましては、歯科医師臨床研修の到達目標といたしまして、チーム医療を実践する、あるいは歯科訪問診療を体験するといった到達目標を掲げているところでございます。
 また、臨床研修修了後に一定の臨床経験を経た歯科医師に対しましても、先ほど先生御指摘ございました地域医療介護総合確保基金を活用いたしました在宅歯科医療に係る研修事業、また、八〇二〇運動口腔保健推進事業における要介護高齢者のそれぞれの状態に応じた診療上の知識や技術を有する歯科専門職の養成事業などを実施しているところでございます。
 こうした取組を通じまして、引き続き、関係団体と連携を図りながら、高齢化の進展に伴い変化する歯科医療にしっかりと対応できる歯科医師の育成に努めてまいりたいと考えております。
#151
○里見隆治君 よろしくお願いいたします。
 次に、大災害時における歯科医療の果たす役割についてお伺いをいたします。
 昨年四月の熊本地震では、鹿児島のJMAT、日本医師会災害医療チームには愛知県からも歯科医師、歯科衛生士が初めて参加をいたしました。避難所において歯科医師や歯科衛生士が行う口腔ケア、これは大変重要でございます。厚生労働大臣のこうした取組に対する御認識をお伺いいたします。
#152
○国務大臣(塩崎恭久君) 昨年は災害が大変多い年でございました。災害時におきましては、通常よりも口腔内の清潔の保持が厳しくなるわけですね、困難になってまいりますので、避難所における歯科医師等による口腔ケアというのは、誤嚥性肺炎の予防等々の観点から極めて重要になってくるわけでございます。
 このため、例えば昨年の熊本地震におきましては、厚生労働省より日本歯科医師会に対して歯科医師等の派遣を要請をして、被災地の歯科医師会と連携をしていただいて派遣調整が行われるなど、避難所における口腔ケアが広く実施をしていただきました。私も、現場で実際にケアをされている歯科医師の先生方の活動をつぶさに拝見をさせていただきました。
 今後とも、関係団体と連携をしっかりと常日頃から図っておいて、避難所における被災者の口腔内の環境が適切に管理ができるように努めてまいりたいと思っております。
#153
○里見隆治君 大臣今おっしゃったとおり、まさにこの大災害、いつ来るか分かりません。その意味で、常に体制が整備されていると、そういった状況をつくっていただきますようにお願いをいたします。
 さらに、もう六年経過をいたしましたが、東日本大震災におきまして、ここでも歯科医師の皆さん、また関係者の皆さん、身元確認という点でこの歯科情報が大変有効であった、その点で御貢献をいただいたということは記憶に新しいところでございます。歯科医が亡くなった方のレントゲンや歯型、また歯科治療痕などから身元確認をされたことについて大変評価をされております。公的にどのようにサポートをされていかれることになるでしょうか。
 津波による歯科医療機関の被災により情報の収集が困難であったという点と、歯科診療情報の統一化が図られていないというために情報の照合に相当な手間と時間を要したというふうに伺っております。その後、歯科診療情報の標準データの保存、また標準化を目的として、平成二十五年度から歯科診療情報の標準化事業が開始されたと伺っております。この事業の概要と、そして現在の進捗状況について厚労省から御説明をお願いいたします。
#154
○政府参考人(神田裕二君) 先生御指摘のとおり、東日本大震災におきましては、津波等の影響によって身元確認作業が非常に長期化いたしましたため、人相や指掌紋によって身元確認を行うことが非常に難しいという中で、物理的、化学的な影響に強い歯科所見による身元確認というものは、DNA検査の約七倍確認が可能であったということから、その有効性が高いことが示されたところでございます。
 先生御指摘のように、歯科医療機関が保有する歯科診療情報の形式が統一されていないことから照合が速やかに行えていなかったという問題がございましたことから、平成二十五年度から、歯科の治療歴や歯の状態などの情報の統一化を行う歯科診療情報の標準化に関する実証事業を開始いたしまして、昨年度末におきまして、日本歯科医師会や民間企業等の協力の下に、レセプトコンピューターに表示をする歯の治療歴でございますとか歯の状態などの情報の形式を統一化するための口腔診査情報コード仕様というものを完成させたところでございます。
 今後、歯科医療機関のレセプトコンピューターを開発する民間企業に対しまして口腔診査情報コード仕様を提供した上で、レセプトコンピューターを改修し身元確認に活用できるかどうかという検証を進めていくこととしているところでございます。
#155
○里見隆治君 こうした日本が高齢化をしている中、また災害時における歯科医師の役割、大変重要でございます。政府としても、しっかりとこうした歯科医師の役割、また歯科衛生士の役割、これを支援いただくことをお願いをしまして、私からの質問を終わります。
 ありがとうございました。
#156
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 まず、日米経済対話について一問、塩崎大臣にお聞きします。
 四月十八日の日米経済対話に合わせて来日したロス商務長官が厚労大臣と会って新薬の価格引下げをしないように求めたと日経新聞二十一日付けで報じられました。大臣は記者会見で、これは表敬訪問だけなんだ、皆保険制度の維持やイノベーションの重要性について私はお話をしただけだというふうにお話をされています。しかし、単なる表敬訪問なのかは私は大変懐疑的です。
 トランプ政権の下で出されましたアメリカ通商代表部、USTRの二〇一七年外国障壁報告書では、二〇一六年の特定の医薬品の緊急的な価格改定を障壁として挙げています。これは、高薬価が問題となったオプジーボ、ソバルディ、ハーボニーについて日本が特例の特例で薬価を引き下げたことに米国が重大な関心を持っていることを表したものとしか思えません。今回の日米対話においても医薬品が重要な分野の一つになることは間違いないでしょう。
 大臣は、大いに意見を言ってもらって協議するのは結構だ、最終的には日本政府が責任を持って判断するというふうに言われますが、私は、医薬品価格決定の制度について分野別協議の対象にすべきではない、日本の公的薬価決定の在り方に米国の介入を許さないという立場を明確にすべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#157
○国務大臣(塩崎恭久君) まず第一に、表敬訪問という言葉を私は使っていないと思いますが、ロスさんとは、かねてより金融のシンポジウムを日米でやってきて、私は事務局役をやっていたものですから、彼は何度もこのシンポジウムに参加をしてよくお話をしていたので、久しぶりにお目にかかったと、こういうことでございました。
 それで、十九日にお目にかかりまして、国際的な貿易投資の拡大とかあるいはイノベーションの重要性、こういったことについて両国の協力関係をしっかりとやっていこうということは幅広く意見交換の中で言ってまいりましたけれども、特に薬価制度の個別の要求があったということはございません。
 我が国としては、この医薬品あるいは医療機器の価格の問題、償還価格の問題というのはすぐれて内政問題でございます。したがって二国間交渉の対象ではないというふうに考えているところでありまして、一方で、薬価制度の見直しにつきましては、現在、昨年の十二月の薬価制度の抜本改革に向けた基本方針に基づいて、国民皆保険の持続性、そしてイノベーションの推進、これを両立しながら、国民が恩恵を受ける国民負担の軽減と医療の質の向上、この四大原則を守りながら、我が国の独自の制度として自ら日本が改革をするということを今進めつつあるわけでございまして、今後、関係者の御意見をしっかりと聞きながら、中医協において議論して、主体的に制度改革に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
#158
○田村智子君 今大臣から、二国間の対象にはしないということ、しないというか、ではないと思うという見解が述べられましたが、これ、明確にそうすべきじゃないという姿勢を私は取るべきだと思うんですね。
 というのは、やっぱり、TPPの特別委員会で指摘しましたけれども、アメリカがTPPから離脱した大きな要因は、米国製薬企業が自分たちの要求が通らなかった、高薬価維持の仕組みがちゃんとできていない、これがTPP離脱の大きな要因だと、これ、米国内でいっぱい報道されているわけですよ。
 TPPは、アジアの国々、特に発展途上の国々が猛烈にアメリカの主張に対して反発をした。今度は二国間ですからね。これまでもさんざん薬価制度に対して米国は物を言ってきたわけですから、絶対二国間協議のテーマにはしない、これは厚労大臣が明確に態度を取るべきだということは強く要求しておきたいと思います。
 今日まず質問でお聞きをしたいのは、在宅医療の医療連携についてお聞きいたします。
 慢性期の患者さんの入院医療を削減していって、また強引に病床削減を進めると、こういうやり方では多くの高齢者が行き場を失うことになるので、これ自体には私たち反対です。これを大前提とした上で、しかし、住み慣れた家で治療を受けながら生活をしたいという方がおられるのも事実で、安心して在宅医療を受けられるよう、より良い制度にするということが求められていると思います。
 そこで、在宅医療の基本的な考え方でまず大臣に確認をしたいのは、今、厚労省はかかりつけ医ということも強調しているんですね。これは、一人のお医者さんが患者さんの全ての疾患に対応せよということではなくて、適切に専門医と連携をするということが原則だと思います。これは在宅医療においても同様だと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
#159
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、かかりつけ医の問題についてお話がありましたが、団塊の世代が七十五歳以上になるのが二〇二五年ということで、そちらに向けて、複数の疾患を持つことが多い高齢者増えてくるわけでありますから、医療ニーズは今後ますます増加をして多様化もしてくるということだと思います。このため、日常診療を担うかかりつけ医と必要に応じて特別な医学管理を行える専門医が連携をしないといけない、そして効率的に質の高い医療が提供できる体制を確保するということが大事なんだということだと思います。
 御指摘今いただいたとおり、かかりつけ医と専門医の連携というのは在宅医療においても重要でございまして、例えば、かかりつけ医が日常的な療養指導のために定期的に訪問診療を行う中で対応できない合併症などが生じた場合には、専門医との連携の下でその合併症に対する適切な治療を行うといった役割と連携を進める必要があると思います。
 今後、平成三十年度の診療報酬改定に向けて、こういうような観点も含めて、中医協において議論を進めてまいりたいと思います。
#160
○田村智子君 在宅医療の診療報酬は、基礎的な点数として在宅訪問診療料というのがあります。これは、計画的に行われる訪問診療について、訪問の手間の部分を点数にしたものなんですね。算定は一医療機関のみという規定になっています。
 ただ、実際には、今お話のあったように、医療連携というのが非常に行われていますので、柔軟な運用が行われているというふうにも聞いていますが、実は、大阪府で最近、これまでとは違う対応がなされて、現場の医師から問題視する声が上がっています。
 例えば、泌尿器科の医師、内科の医師からの依頼で訪問医療を行うことが多いとお聞きします。特に、カテーテルが詰まってしまうとか外れやすいとか、こういう症状が起きた場合、連携を求められ、しかも、こういう難しい症状のある患者さんは、発熱があった場合も、それが肺炎なのか尿路感染症なのか、これもなかなか見極めが難しくて、内科医の医師と泌尿科医の医師共に計画的な診療が必要になるということも起こり得るわけです。
 実際、お聞きしますと、発熱などがない場合でも、排尿管理のみの診療でも、大体、泌尿科医の先生、三か月くらい訪問診療を行うことは一般的によくあるんだと。あるいはバルーンカテーテルというちょっと特殊なカテーテルを使った場合には、もっと長期管理が必要となって、数年にわたって定期的に管理をしたというケースもあるということもお聞きをしています。
 今までは、こういう泌尿器科の医師も在宅訪問診療料が診療報酬で認められていた、大阪でも。ところが、最近になって突然、診療報酬支払基金から、算定は一医療機関のみだから元々かかっている内科医さんしか認められませんよという連絡が入って、これ、波紋が広がっているんですね。
 大阪保険医協会が医療機関にアンケートを行ったところ、四百二十九の医療機関が回答しました。在宅訪問診療が一医療機関しか認められないことになればどうしますかと対応をお聞きしたところ、泌尿器科の医療機関が回答したうち七割が、在宅医療から撤退するとか患者数を減らすというふうに回答しているんです。これでは、医療連携後退させかねませんし、訪問医療はできないから来院してほしいと言われて患者さんが無理して通院するという状況も生まれかねないわけです。
 こうしたしゃくし定規な厳密化は問題だと考えますし、同時に、この厳密化の根拠になっている一医療機関限定要件、これについては中医協でも議論になっている、大臣も中医協で今後議論していくということでお話がありました。是非見直しの方向を進めていただきたいと思いますが、保険局長、お願いします。
#161
○政府参考人(鈴木康裕君) 在宅医療におけるかかりつけ医と専門医の連携に対する診療報酬の評価についてお尋ねがございました。
 在宅患者訪問診療料につきましては、医師の指導の、管理の下で継続的に行われる訪問診療を評価した診療報酬でありまして、原則として一人の患者に対して一つの医療機関が算定をすることになっております。
 在宅医療におけるかかりつけ医と専門医の連携は、先ほど大臣の方から答弁させていただいたとおり極めて重要でございまして、御指摘の点につきましては、四月十二日の中医協でも具体的な議題として取り上げたところでございます。
 引き続き、関係者の御意見も伺いながら、平成三十年度の診療報酬改定に向けて適切に検討してまいりたいというふうに思います。
#162
○田村智子君 原則がもうそれしかないというルールにならないようにいろいろお願いしたいと思いますし、是非前向きな、医療連携進む方向での見直しを求めたいと思います。
 次に、介護保険についてお聞きします。
 介護保険料、これ一号被保険者、つまり六十五歳以上の高齢者ですね、この方は九割近くが特別徴収、年金から天引きがされています。ですから、当然、一〇〇%の収納率になっています。これも、年金の支給額が減額をされる一方で介護保険料が上がり続けるということで、保険料の負担の重さとか、何で天引きするんだという怒りの声も多数お聞きをするんですけれども、今日取り上げたいのは、天引きではない約一割の普通徴収の方のことなんです。
 資料一を見てください。この普通徴収の方、未収納額の割合が直近二〇一四年で一二・八五%になっています。二〇〇〇年の制度発足時から見てみますと約六%上昇しています。普通徴収の高齢者の方というのは、その人数で見るならば二〇〇六年は約五百十八万人でした。それが二〇一五年には約三百八十六万人と、これ人数としては減少しているんです。ところが、滞納額も率も増え続けているわけです。
 そもそも、普通徴収というのは、年金が年十八万円以下で、年金額が少ないから天引きをしない、あるいはできないと、こういう低年金、無年金の低所得の方がほとんどだというふうに思います。ここで滞納額、滞納率が増加しているということはどういうことなのか、大臣に見解をお聞きしたいと思います。
#163
○国務大臣(塩崎恭久君) この介護保険制度につきましては、国民の共同連帯の理念に基づいて、相互に保険料を負担し合うという社会保険方式でスタートした制度でございます。全ての被保険者に保険料を納めていただくということが制度の根幹であるわけでありますが、このため、介護保険料の確実な収納につきましては、介護保険財政の安定的な運営を確保すること、それから未納の場合には被保険者御自身の受けることとなる給付が減額となることなどから、この問題は極めて重要だというふうに思っております。
 普通徴収の収納率については、平成十二年度に九三・二%だったものが平成二十二年度に八四・八%に低下をいたしましたが、その後、平成二十六年度には八七・一%にまた上昇をしてきているところでございます。
 収納率の向上につきましては、口座振替を勧奨すること、収納事務をコンビニなどへも委託をすることなどの対策の推進を自治体へお願いをしているところでございまして、引き続き、被保険者相互の負担の公平を図る観点から、収納率の向上を図ってまいりたいと考えております。
#164
○田村智子君 ここでもう一点確認したいんですけど、介護保険事務調査、二〇一二年からこの滞納について、滞納処分、つまり差押えの件数と差押えによって保険料に充てた件数、これ調査しています。直近の数字をそれぞれお願いします。
#165
○政府参考人(蒲原基道君) 滞納処分についての直近の状況でございます。
 厚生労働省が各市町村に対して実施いたしました介護保険事務に関する調査でございますけれども、直近平成二十六年度の介護保険料の滞納処分につきまして、まず人数でございます。財産の差押決定を行った人数は一万百十八人でございます。そのうち滞納保険料に充当した人数、こちらは六千三百五人でございます。
 以上でございます。
#166
○田村智子君 これ、滞納処分、差押えをしたけれども保険料に充てられたというのは差押えのうちの六三%なんですね。つまり、四割近くは保険料に充てられていない。
 これ、レクでどういうことなのかとお聞きしましたら、税金の滞納分が優先されるので介護保険料まで充当できなかったんじゃないだろうかということをお答えいただきました。これ、相当部分はつまり十分な財産も収入もない低所得世帯で、介護保険だけ意図的に滞納しているわけじゃない、税金や保険料の負担の重さから滞納になっているんじゃないのかと考えられるわけです。
 そもそも、年十八万円以下の年金だと一か月にすれば一万五千円以下ですよ。介護保険料はといえば、国基準で見ると、たとえ無収入だろうと一番低いのが約二千五百円なわけで、これが負担できるのかということを考えないといけないんですね。
 自治体も何とかしようと思う。ところが、国は、減額は認めるけれども保険制度だから免除は駄目だと、しかも、減額も保険料財源の範囲で行えというふうに指導しています。これでは、低所得だから払いたくとも払えずに滞納になっている、こういう方救われないと思いますが、大臣、いかがですか。
#167
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたように、社会保険方式でスタートして今運営をされている介護保険制度というのは、全ての人たちの助け合いの仕組みということであることがまず基本だということだと思います。
 介護保険料につきましては、所得の状況に応じて段階的に設定をしていることがまず第一、そして、平成二十七年の四月からは、所得の低い方について消費税引上げによる公費を投入をして保険料軽減を拡充をしてまいりました。負担能力に応じた負担というのが基本だということだと思います。
 さらに、今後は、収入面では、平成三十一年の十月までに年金生活者支援給付金、これを創設をするということになっておりまして、こういったことを含めて、低所得、低年金の方については社会保障全体を通じた対策を講ずるということとしているわけでございます。
 高齢化が進展する中で制度をどう持続可能なものにしていくのか、そして次世代に引き渡していくのかということが大事な課題でもございまして、低所得者にはしっかりと配慮をしながら、引き続き適切な保険料の負担を全体としてお願いをしてまいりたいというふうに思っております。
#168
○田村智子君 そもそも、高齢者で収入がないという方にも二千五百円という、そういう、国基準でですよ、保険料を課すということ自体をやっぱり見直さなければ問題の解決にならないと思いますよ。
 問題は、こういう滞納が起こると何が起きるかなんです。介護保険制度は滞納者に厳しいペナルティーを科しています。災害、失業などの特別の事情がない限り、滞納から一年後には、介護サービスの利用料は、償還払いとはいえ一旦十割負担を強制されます。一年六か月後には、保険給付、つまり介護サービスの全部又は一部を差し止めてしまう。二年を超えて保険料滞納分が時効消滅すると、今度は一定の期間三割負担となってしまうわけです。あるいは高額介護のサービスは支給停止と、まさに容赦のないペナルティーですよ。
 厚労省は、二〇一二年からペナルティーの件数、この調査も行っています。償還払い、支給の全部又は一部停止、支給割合の変更について、それぞれ年度ごとに示してください。
#169
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。
 厚生労働省が各市町村に対して実施いたしました介護保険事務に関する調査におきまして、保険料を滞納した者につきましての幾つかの対応について数字を整理しております。
 まず、話がございました一点目。保険給付の償還払いを開始した件数、数でございますけれども、平成二十四年度が三千九百十四件、平成二十五年度が二千四百二十八人、平成二十六年度が二千四百五十九人でございます。
 二つ目でございます。保険給付の支払の一時差止めを開始した数でございます。平成二十四年度が七十五件、平成二十五年度が八十六人、平成二十六年度が四十六人でございます。
 三点目でございます。先生がお話にございました保険給付の減額等を開始した数でございます。平成二十四年度が九千七百二十件、平成二十五年度が一万三百三十五人、平成二十六年度が一万七百四十七人でございました。
 なお、大変恐縮でありますけれども、委員の配付した資料の中で、厚生労働省の公表した数字に基づいて本日の配付資料が作成されたというふうに承知しておりますけれども、直近の平成二十六年度、二〇一四年度の数値につきましては、厚生労働省による公表後に一部の自治体の提出した数値に誤りがあったことが判明したため、先ほど私が答弁したものは訂正後の数値で答弁させていただきました。このため、配付資料の数値とはちょっと異なっていると、こういう状況でございます。
#170
○田村智子君 資料二に、今御説明あったとおり、数字を一応皆さんにもお伝えしたいので、御用意をいたしましたので見ていただきたいんですね。
 この調査は、現に介護サービスを利用している方を対象にしたものなんです。年間延べ一万三千人超える方が介護が必要と認定をされながら給付の制限を受けています。その多くは、どう考えても低所得の高齢者だと思われます。大臣、これをどう受け止められますか。
#171
○国務大臣(塩崎恭久君) 介護保険料の未納対策でございますけれども、滞納者については保険給付の支払の一時差止めあるいは給付の減額などが行われているわけでありますけど、これは、市町村が介護保険財政を安定的に運営すること、そして保険料負担の公平性を図るといった観点から、保険料を確実に徴収する必要があって、保険料の納付を促すために実施をしているというものだというふうに理解をしております。
 一方で、介護保険料につきましては、所得の状況に応じて段階的に設定をしているとともに、平成二十七年の四月から、先ほど申し上げたように、低所得者の方々の第一号保険料の軽減強化、これを行ってまいりましたが、低所得者の方にこういった配慮をしてきているわけでございます。
 また、市町村は、条例で定めるところによって、災害とかあるいは失業などによって収入の著しい減少などの個別の事情に応じて保険料の減免も行うことが可能となっているわけでございます。
 今後とも、低所得の方の保険料負担に配慮をしながら収納率の向上を図ってまいりたいと思っております。
#172
○田村智子君 なかなか冷たい御答弁だなと思うんですね。
 幾つか具体的な事例を紹介します。
 Aさんとします、七十代の女性。食欲の低下や軽い脳梗塞等で介護を必要とする状態になり、状態悪化して入院をする、そしてリハビリも受ける。二〇一四年、退院に当たって病院が介護調整を行ったところ、過去二〇〇七年から二〇〇九年にかけて介護保険料の滞納が判明をするんです。これ、ですから、普通徴収の方だけじゃないんですね、滞納の問題。六十五歳の前に自営業だった方など、給料天引きでない方が何らかの理由で滞納になっているというケースもあるわけですよ。Aさん、恐らくそういうパターンではないかと思うんですね。この滞納分というのは既に欠損扱いで時効になっていて、それは、介護保険法では二年以上の滞納はその後全て納入したとしてもペナルティーを科すことになってしまって、自己負担三割のペナルティー九か月受けるようにと、これ自治体から言い渡されてしまったんですね。施設入所が必要だと病院は考え検討した、しかし三割負担はとても払えないと。自治体に掛け合っても、低所得者対象の限度額認定証の発行もできないと。
 次、Bさん、八十代の女性、無年金です。国保を払っていたので介護保険料も払っていると思い込んでいたという未納なんですね。体調悪くなって要介護二の判定。ホームヘルプサービスと月二回のデイサービスでお風呂にも入れてもらっている。これは、要介護二ですから、私、もっと利用が必要だと思いますよ。だけど、三割負担で、これだけでも利用料は月約六万円。息子さんが一生懸命面倒を見ていた。その息子さんも病気で倒れて働けなくなって、息子さん自身ももう年金だけ、これではとても負担できない。
 また、Cさん。体調を崩していたが、医療費が不安でなかなか病院へ行かれなかった。医療機関を受診したときには脳梗塞発症しての体調不良だと診断され、入院することになった。この方は、奥さん、認知症の妻が滞納があったんです。その方を、自分が入院するから入所させたいけれども、とても費用が払えないと。
 これ、大臣、いずれも丁寧な対応をすべきそういう対象者であって、ペナルティーを科すようなそういう事例ではないと思いますが、いかがですか。
#173
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。
 先生、個別の事例を幾つか御指摘いただきました。一方で、冒頭大臣が申し上げましたけれども、介護保険制度というのは、国民の共同連帯の理念に基づきまして相互に保険料を負担し合うという形で社会保険制度として構築しているということでございますので、こうしたお互いの助け合いということを十分頭に置いた上で、全ての被保険者に保険料を納めていただくというのが制度の基本だというふうに思っております。
 そうした中で、保険料については、できるだけ低所得者の方に負担がしやすいように段階制になっておりますし、さらには、大臣から御答弁申しましたとおり、いろんな消費税財源によることもやっておるということでございます。
 そうした中で、できるだけそういう納めやすい環境というのをつくるのが一つでございましょうし、今の給付の制限のところも、これは、やっぱり社会保険制度としての一定の保険料負担というのをできるだけやってもらうという観点からそうした仕組みになっているところでございますけれども、やはり保険料というのをきちっと負担してもらえるように、関係の方々に説明していくといったことを丁寧にやっていくことが必要ではないかというふうに考えております。
#174
○田村智子君 保険屋じゃないんですから、社会保障なんですから。しかも、既に滞納になっている分というのはどうしようもないんですよ。例えば、子供さんとか親族がお金かき集めて、これ入所させなきゃいけないからと過去の滞納分を払おうと思っても、時効になっていたら駄目なんですよ。ペナルティー科せられちゃうんですよ。
 私、このペナルティー自体、これやめるべきだと思いますよ。だけれども、せめてですよ、せめて自治体に対して、これ個別の丁寧な対応をしなきゃ駄目だ、対応しなかったら御本人も家族も追い詰められるとこれ分かったときに、自治体の裁量を私認めるべきだというように思いますが、これ、大臣、いかがですか。
#175
○国務大臣(塩崎恭久君) 介護保険制度というのは、元々、自立と重度化の防止ということで、元々は家族でやっていた介護を社会化をしようということで社会保険方式にしたわけでございまして、いろんな議論がありました。
 したがって、この財源は、保険料と税と、そして自己負担と、この三つをどう組み合わせていくかということが、財源の三つの限られた中で、一方で、今申し上げたような理念としての自立と重度化防止をどうきめ細かくそれぞれのニーズに合った形でやっていくかということが大変大事なことであると思っております。したがって、今、田村先生がおっしゃったように、きめ細かい配慮をしていくということは現場で当然図られなければならない、そうしていただかなければならないことだと思っております。
 ただ、この財源をどこから持ってくるのかということについては、お互いの助け合いの仕組みの中で、精いっぱいこれは負担能力の範囲内で負担をしていただくという原則であり、ですから、保険料にしてもあるいは給付にしても、そしてまた税の負担能力にしても、しっかりとそれぞれの事情に合った形でやっていくことが大事だろうというふうに思いますので、一体改革はそもそもこういう形で、消費税を上げる下で、その財源を元に更なる保険料の負担軽減というものを低所得者に対して行う予定になっているわけでもございますので、そういったことをどうバランス取ってやっていくかという問題だというふうに理解をしております。
#176
○田村智子君 今、きめ細かな対応が必要だとおっしゃったので確認したいんですけれども、今、このペナルティーの解除というのは国が定める特別な事情しか認められないんですよ。災害とか主たる生計者が死亡しちゃったとか家計急変のとき、自治体の裁量はこれ認められていないわけですよ。
 今後、自治体裁量をきめ細かくできるような、そういう仕組みにしていくということでよろしいですか。そうでなかったら、きめ細かい対応はできないです。もう時間ないから大臣でいいです。今後そういう検討をするとお約束いただけますか。
#177
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、先ほど答弁がございましたように、保険料滞納者に対する給付制限等については、災害によって住宅等の財産について著しく損害を受けたこと、あるいは保険料滞納者の属する世帯の生計を主として維持する者が死亡したこと又はその者の収入が著しく減少したことなどの特別の事情がある場合には行わないこととされているわけでありまして、滞納者の様々な事情に配慮する仕組みというのは今申し上げたような先ほどの答弁のとおりの範囲内でのことだということで、言わば、ひどい段階になる前の早い段階で納付を促進をしていくということをしっかりやっていかなければならないというふうに思います。
#178
○田村智子君 目の前に介護が必要だという人がいるわけですよ。だけど救うことができないわけですよ。これでは、介護保険は本当に社会保障の制度として余りに欠陥がある、非道なそういう制度だと言わなければなりません。
 見直しを強く求めて、質問を終わります。
#179
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 まずは、委員長手当についてお伺いをしたいと思います。
 委員長というのは本当に大役であるということはよく理解しておりまして、中立公正で、人格、識見伴っていないとこの委員長という職務はなかなか務まらないということは、もう岡田委員長を見ていてもよく分かるなというふうに思っております。
 その上で質問させていただくわけでありますが、この委員長手当ですけれども、平成二十七年度、委員長手当は議事雑費というところに出てくるわけですが、幾ら支払ったのか、お伺いをさせていただきます。
#180
○事務総長(郷原悟君) お答えいたします。
 お尋ねのございました委員長手当は、議会雑費についての御質問だと思います。この議会雑費の二十七年度決算額は五千百八十七万円でございます。
#181
○東徹君 二十七年度の実績額で五千百八十七万円、何だ、小さいじゃないかというふうに思われる方もおられるかもしれませんが、ただ、私の知る限りでは、都道府県議会でも廃止しているところ、政令市でも廃止しているところ、結構多いわけであります。
 特に、国会におきましては、これ土日祝日も委員長手当が支給されるというふうに思うんですが、これ、土日祝日に当たる部分、幾らかお伺いしたいと思います。
#182
○事務総長(郷原悟君) お答えいたします。
 平成二十七年度の開会中における土日祝日は八十七日ございまして、これに伴う議会雑費の支出は一千六百八十一万八千円でございました。
#183
○東徹君 我々、これ、委員長手当はもう廃止した方がいいんじゃないですかということで、法案も出させていただいております。
 これは、参議院だけではなくて衆議院と合わせると恐らくその倍以上の金額が掛かってくるというふうに思いまして、この委員長手当については廃止すべきというふうに思いますが、いかがですか。
#184
○事務総長(郷原悟君) 議会雑費につきましては、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律第八条の二に定められており、国会開会中に、国会役員、特別委員長、参議院の調査会長、憲法審査会の会長及び情報監視審査会の会長に日額六千円を支給するものでございます。
 これは国会役員等の役割に基づくもので、衆参両院に共通の制度であり、その在り方については先生方の御議論によるものと思っております。
#185
○東徹君 事務総長に聞いても仕方がないというのは百も承知の上で聞かせていただきました。
 続きまして、法案資料等の印刷費についてお伺いをしたいと思うわけですけれども、平成二十七年度、参議院で法案資料等の印刷費、どれぐらいあったのか、お伺いいたします。
#186
○事務総長(郷原悟君) お答えいたします。
 法案資料等の印刷費は、目、議案類印刷費から支出しております。この目、議案類印刷費の平成二十七年度決算額は約四億二千四百万円となっております。
#187
○東徹君 参議院での法案の資料等ということで四億二千四百万ですけれども、これも、恐らく衆議院の方も合わせると相当大きな金額になるのではないかと思いますが、これ、貴重な税金を使ってやっておるわけでありまして、できる限りやっぱりコスト削減、そういった観点をやっていく、時代とともに、時代の進化と伴ってペーパーレス化、こういったことをやっていくべきというふうに考えますが、どのようにお考えでしょうか。
#188
○事務総長(郷原悟君) お答え申し上げます。
 ペーパーレス化につきましては、本院におきましても、これまで、平成二十二年七月の官報配付の選択制の導入など、随時取り組んでいるところでございます。
 他方、現在行っております会議録や公報などの印刷、配付について見直しを行うには、国会法や参議院規則などの法規の改正が必要となります。そのため、事務局といたしましては、先生方の御議論を踏まえつつ適切に対応してまいりたいと思っております。
#189
○東徹君 事務総長に聞いても、なかなか削減しますとは答えられないかもしれませんが、私の事務所におきましても、結構、見ずにそのまま廃棄していくというものもたくさんあると思います。恐らく、ここにおられる方もそういったことを常々感じておられるかと思います。是非、努力でもってそういったものは削減していくべきと思います。
 続きまして、北朝鮮の対応についてお伺いをしたいと思います。
 最近の北朝鮮めぐる状況でありますけれども、大変これ緊迫した状況になっておりまして、いよいよアメリカの原子力空母と日本の自衛艦も一緒に共同訓練するというような状況になってきております。武力衝突の可能性も考えて、国民の生命と財産、これをどのようにして守っていくのかということは、十分に想定してやっぱり準備をしていくということが大変必要であるというふうに思います。
 四月十七日の衆議院の決算行政監視委員会においてでしたけれども、安倍総理も、北朝鮮の化学兵器について、複数の生産施設を維持し、相当量保有していると見られ、既に弾道ミサイルにサリンなどの化学兵器を搭載できる能力を保有している可能性もあるというふうに答弁をされております。
 北朝鮮によるサリンなどの化学兵器を用いた攻撃に対して厚生労働省はどのような対策を行っているのか、お伺いしたいと思います。
#190
○国務大臣(塩崎恭久君) この化学兵器によります攻撃につきましては、事態をいかに迅速かつ的確に把握をして、国民への健康被害を防止する観点から適切な措置を講ずることが重要だというふうに考えております。
 したがって、厚生労働省としては、平時の体制として、化学剤に対応した医薬品の国家備蓄、治療方法に関するマニュアルの提供、救命救急センター等の医療関係者への知識、そして技能の向上を目的とした研修、こういったことを行っておりまして、不測の事態に備えているわけでございます。また、有事のときの体制につきましては、専門家チームの現地派遣、それから医師などで構成をされる救護班による医療機関の支援、さらには国家備蓄の医薬品の供給、こういったことを行うなど、迅速かつ的確に、適切に対応をしてまいりたいというふうに考えております。
 なお、医薬品の国家備蓄などにつきましては、危機管理上の理由から、種類、量、備蓄場所などの公表を差し控えておりますので、御理解を賜りたいと思っております。
 いずれにしても、今後とも、関係省庁、地方自治体、関係機関と一体となって、国民の生命、安全確保のために最善を尽くしてまいりたいと思っております。
#191
○東徹君 大臣の方から、治療薬の国家備蓄についてはどの程度あるのか示すことは困難であるというふうなことでありますけれども、化学兵器に対する国民の不安に対処していくためにも、厚生労働省として国民にどのような情報を提供していくべきとお考えなのか、お伺いしたいと思います。
#192
○国務大臣(塩崎恭久君) それは今お答え申し上げたように、平時の体制とそれから有事の体制として、今申し上げたような国家備蓄を含めて、万が一のときのために体制はふだんからしっかりと準備をしているということを申し上げているわけでございますので、今申し上げたように、種類とか量とか備蓄場所とか、そういうようなことは、これは公表を差し控えるべきことということでありますが、危機管理上の体制はしっかりと組んでいるということでございます。
#193
○東徹君 化学兵器を使用された場合、どんな物質なのか、これ検証するのは警察が検証する、その結果に基づいて、厚生労働省が必要な治療薬の提供を行っていくんだというふうに聞いております。迅速に早く治療薬の提供なんかもできるように、是非お願いをしたいと思います。
 続きまして、再生医療の研究についてお伺いをしたいと思います。
 我が国の再生医療ですけれども、これはもう京都大学の山中教授とかによるiPS細胞の研究、そして世界をリードする状況にあるわけでありまして、今後も国際競争に勝ち抜いていくために、研究段階から実用化、産業化、こういったものをスピーディーに実現していく必要があるわけでありますけれども、現在、我が国でどの程度の予算を掛けてどのような取組を行っているのか、まずお伺いしたいと思います。
#194
○政府参考人(神田裕二君) 再生医療についてでございますけれども、日本再興戦略等に基づきまして、我が国の基礎研究の有効な成果を日本発の革新的な医薬品等につなげるために文部科学省、経済産業省とともに立ち上げました再生医療実現化ハイウェイ構想というプロジェクトを通じまして、iPS細胞を用いた臨床研究等に研究助成を行っているところでございます。
 三省による研究助成は日本医療研究開発機構を通じて行っているところでございますが、平成二十九年度予算では百四十七億円を計上しているところでございます。このうち、厚生労働省といたしましては、基礎研究で成果が得られ臨床研究に移行する研究や、iPS細胞を利用した創薬研究に対して研究助成を行っておりまして、平成二十九年度予算としては二十六億円を計上しているところでございます。また、再生医療を推進する研究機関を支援するために、日本再生医療学会を中心に大学病院、企業団体なども参画する研究開発のためのナショナルコンソーシアムを構築しておりまして、これについては平成二十九年度予算で約二億六千万円を計上しているところでございます。
 このような取組によりまして、再生医療の実用化に向けた取組を更に推進してまいりたいと考えております。
#195
○東徹君 この再生医療、我が国が世界をリードできる非常に大事な医療技術だというふうに思うわけですけれども、先ほど答弁がありました日本再生医療学会、こういったところにというわけですが、協議会を設置して、大阪なんかに再生医療の国際拠点をつくるというふうな検討を行っているというふうにも聞いております。
 このコンセプトとしては、再生医療の人への応用から実用化、グローバル展開まで一貫して産業化推進する拠点でもあって、我が国の競争力の向上はもとより、再生医療による国際貢献も実現していこうというものであります。まだ検討段階でありますが、このような取組について国としても進めるべきというふうに考えますが、いかがでしょうか。
#196
○国務大臣(塩崎恭久君) 御指摘のように、日本の再生医療技術を世界に向けて発信していくという取組は、科学技術立国である私ども日本としては、当然非常に重要な課題であり、大きな期待が抱ける分野ではないかというふうに思っております。
 現在、iPS細胞の研究開発などで我が国は最先端の再生医療の技術を持っているわけでありまして、これまで治療法がなかった心不全、これは阪大が中心でありますが、それから脊髄損傷、これは慶応でしょうか、それからパーキンソン病、これは京都大学などで治療について再生医療技術を用いる研究開発が進んでいるというふうに理解をしております。
 厚労省においては、これらの再生医療を推進する研究機関を支援をするために、日本再生医療学会を中心に、大学病院や企業団体なども参画する研究開発のための連合体、いわゆるナショナルコンソーシアム、これを構築しているわけでありまして、厚労省としては、まずは産官学の強力な連合体を構築することによってそれぞれの研究機関の再生医療の技術開発を推進をして、実用化に向けた支援をしっかりと行ってまいりたいと考えております。
#197
○東徹君 ノーベル賞を受賞した山中伸弥教授が進めるiPS細胞なんかもあるわけでして、これを是非実用化していくためにしっかりと支援を行っていっていただきたいと思います。
 続きまして、生活保護の医療扶助についてお伺いをさせていただきます。
 三月二十七日の日本経済新聞の報道にありました。国が全国五か所程度の自治体を対象に生活保護受給者の利用する薬局を一か所に限定するモデル事業を始めるというふうに言われております。生活保護受給者につきましては、重複処方、同じ病気で複数の医療機関を受診して、それぞれの医療機関で薬を処方してもらうということが問題になっているというわけでありまして、厚生労働省の調査でも、向精神薬、全国で六千二十六人が重複処方を受けておって、うち四千六百五十人は本来必要のない複数の医療機関を訪れるなどして不適切な受診をしていたというふうにされております。
 このモデル事業の狙いや効果、まずここについてお聞きしたいと思います。
#198
○政府参考人(定塚由美子君) お答え申し上げます。
 患者が複数の医療機関に通院している場合に、御指摘のとおり、複数の薬局から調剤を受けて同じ薬剤が重複して投薬される場合がありますし、また併用することが禁じられている薬剤が同時期に投薬されるという可能性もございます。特に重複投薬が多いとの指摘を受けています生活保護受給者については、より丁寧な指導が求められているところでございます。
 このため、今回のモデル事業におきましては、福祉事務所のケースワーカーの指導の下で、受給者が調剤を受ける薬局を一か所にすることにより、重複投薬や併用禁忌薬の投薬を防ぐ効果を見込んでおりまして、その効果を検証するために、地方自治体にモデル的に実施してもらう予算を計上しているところでございます。
#199
○東徹君 狙いや効果について、よく分かりました。
 いつから実施されるんでしょうか。
#200
○政府参考人(定塚由美子君) 今年度からのモデル事業ということでございまして、現在このモデル事業に実施する自治体を募っているところでございます。
#201
○東徹君 モデル事業を実施したいという市町村、ありますか。
#202
○政府参考人(定塚由美子君) 現在、明確に実施したいという市町村が一か所ございまして、ほかの自治体にも引き続き働きかけているところでございます。
#203
○東徹君 その自治体はどこですか。
#204
○政府参考人(定塚由美子君) まだ自治体の方で正式に申請に至っているわけではないので、ここで申し上げることは控えさせていただきたいと考えております。
#205
○東徹君 希望しているところぐらい別に言っても大丈夫なんじゃないですか。何か問題になりますでしょうかね。
#206
○政府参考人(定塚由美子君) 希望しているところということで、まだ正式な手続ではございませんが、大阪市が申請をする見込みでございます。
#207
○東徹君 大阪市はもう全国一生活保護率の高いところでございますから、是非、実施すれば大きな効果があるんではないのかなというふうに思います。
 ただ、やはりこういうことをしないといけないというのは、かかりつけ医というものはなかなかこれ一つにというのがなっていないということの表れだろうというふうに思いますね。なかなかかかりつけ薬局というのは現実的には難しいんだろうなというふうに思うんですが、私の認識と同じですか。
#208
○政府参考人(定塚由美子君) あちこちの市町村にお伺いをいたしましても、幾つかの医療機関にかかっている場合に、必ずしもその医療機関が処方する薬剤がどの薬局にもあるとは限らないため、なかなか一か所にまとめ切れるかなというような御意見も伺っております。そうしたことも含めて、モデル事業の中でしっかり把握をしてまいりたいと考えております。
#209
○東徹君 モデル事業、全国五か所程度ということですから、是非実施をしていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 さらに、生活保護受給者は自己負担がこれないわけでありまして、受給者側にも、そしてまた医療機関にもモラルハザードというものが生じやすいというふうに言われております。特に、頻回受診者と言われる同一疾病で月十五日以上の通院が三か月以上にわたって継続している者の数というのが平成二十六年度で一万五千四百六十二人おられるということで、そのうち三千八百九人が指導対象として指導を受けておられます。しかし、この頻回受診者の定義自体が相当これは絞り込まれたものでありますから、この定義に当てはまらない受給者、過剰な医療を受けている例もたくさんあるというふうにも思われます。
 例えば複数疾病であっても合わせて月二十日以上通院している者は頻回受診者に含めるなど、この定義自体見直してはどうかというふうに考えますが、いかがですか。
   〔委員長退席、理事松下新平君着席〕
#210
○政府参考人(定塚由美子君) 生活保護受給者に適正な受診をしていただくようにすることは、やはり生活保護制度に対する国民の信頼を確保する上でも大変重要なことであると認識をしております。
 その上ででございますが、今御紹介いただきましたとおり、診療日数が過度に多い受給者、現行であれば三か月以上月十五日以上の通院が同一疾病で続いているところということでございますけれども、こうした受給者については、嘱託医との協議や主治医訪問により個々の状況を把握した上で、その多い受診行動が不適切なのかどうかということを判断をして、不適切と判断された頻回受診者に対して適正受診の指導を行っているという手続をいたしております。
 この適正受診指導の対象を抽出する範囲につきましては、先ほどの対象は、効果的に指導できるようにまずは絞り込みの対象を決めているということでございますが、これを例えば御指摘のような複数疾病、例えば複数疾病であっても合わせて月二十日以上というような範囲に拡大をするということについては、この対象者の絞り込み、つまり最初の抽出者に対してそれぞれ福祉事務所が嘱託医との協議あるいは主治医訪問を行って不適切かどうかということを更に絞り込むわけでございますけれども、こうした絞り込みの事務負担ということはもとよりといたしまして、複数の病を抱えてやむを得ず医療機関を受診する方など指導対象とならない方についても主治医訪問などを福祉事務所が行うというケースが増えていくという可能性がございまして、効果的、効率的に事業を実施するという観点からは慎重な検討が必要であろうかなと思っております。
 ただ、いずれにしましても、適正受診指導の対象者をいかに効率的、効果的に把握して指導につなげていけるか、その改善方策については検討してまいりたいと考えております。
#211
○東徹君 医療扶助、非常に大事であることは、これは当然なわけでありますが、ただ、今の我が国の財政状況、そしてまた高齢社会による医療費がどんどんどんどんと年々やっぱり上がっていく、そしてまた生活保護者も、今は若干減ってきておりますけれども、これから恐らく高齢者がどんどんと増えてくれば、また更に増えていくのではないかというふうな危惧をいたしておりますし、平成二十六年度の実績を見ましても、事業費ベースで一兆七千二百四十億円が生活保護の医療扶助ということになるわけですね。全体の四六・九%、約半分をこの医療扶助が占めるわけでありまして、生活保護費の中で一番大きく占めているのがこの医療扶助であります。
 この中で今後ますます増えていくというふうに予想されるわけですが、頻回受診者への指導は続けていく必要がありますけれども、医療機関側のモラルハザードを解消するためというか、例えば医療扶助に関する診療報酬、それ以外の八〇%程度、一点十円のところを例えば一点八円にする仕組みを導入するというようなことはいかがなものでしょうか。
#212
○国務大臣(塩崎恭久君) 生活保護の基準については、法律によって、最低限度の生活の需要を満たすのに十分なものであって、かつ、これを超えないものでなければならないと、こう書いてあります。
 医療扶助における診療報酬のお話が今出ましたが、これはやはり法律の第五十二条に、国民健康保険の例によることを原則としていると、こういうふうになっておりまして、今御提起をいただいたのは、言ってみれば診療報酬を二つ体系を持って、生活保護用の診療報酬体系をつくったらどうだと、こういう御提案かなというふうに思いましたが、そうなりますと、同一の診療行為に対して異なった価格設定をするということになりますから、その理由が医療という面で明らかではなくなるということ、それから、医療機関が生活保護制度の指定医療機関となることを言ってみれば自己抑制をするということが発生しかねない、受給者の利用できる医療機関がその結果減少するおそれがあるなど、医療を受ける機会の確保の観点から課題があるのではないかということで、なかなか難しい問題かなというふうに思います。
 いずれにせよ、医療扶助の頻回受診の適正化、これは必ず進めなければならない重要な問題でありますので、頻回受診を行っている者を効果的に把握をして、これを是正する方策について検討したいと思いますし、今データヘルス改革をやっておりますけれども、まさに今、重複投与を行っている人がどれだけいるかというようなことがそう簡単には出ないということでありますので、そういうものはすぐに出るようにデータヘルス改革を進めていきたいと思っております。
#213
○東徹君 社会福祉法人である済生会病院なんかは、ホームレスとかDVで被害を受けた方を対象に無料低額診療事業というのを実施しているわけですね。昔はお医者さんも、お金のない人からはお金取らないよというお医者さんがおられたというふうに聞いておりますが、そういったことの名残なのかなというふうに思いますが、そういったものがあります。
 生活保護においても、この事業を参考に、全ての医療機関で生活保護を受給していなければ負担するはずの自己負担部分を免除する仕組み、こういったものを導入してはどうかというふうに考えますが、いかがでしょうか。
#214
○国務大臣(塩崎恭久君) この医療扶助費の適正化そのものは重要な問題だと思っておりますが、生活保護制度はさっき申し上げたとおりの目的で、最低限度の生活を保障するということでありまして、生活保護受給者が受ける医療扶助については、現物給付を行うための指定医療機関を指定をして必要な医療を行っていただいているということでございます。
 こういう中で、御提案のように、生活保護受給者の医療に係る費用のうち自己負担相当額を全ての指定医療機関に負担をしていただくことについては、診療行為を行っている医療機関に負担を求める理由がこれもなかなか明らかではないと、それから、生活保護受給者にとっても利用できる医療機関が減少するおそれが先ほど申し上げたようなことであるということで、医療を受ける機会の確保が問題になるのではないかということで、なかなか難しい問題ではないかというふうに思うところでございます。
#215
○東徹君 ただ、何かやっぱり考えていかなかったら駄目だと思いますので、是非御検討をよろしくお願いしたいと思います。
 ちょっと時間がなくなってきましたので、水道事業についてお伺いをしたいと思います。
 水道管路、法定耐用年数四十年ですけれども、これはだんだん老朽化が進んでいっておるわけでして、この水道管路、どんどん老朽化していって、この管路の更新率が〇・七四%しかないということで、これ単純に計算すると、全ての管路を更新するのに百三十年以上掛かるそうなんです。この間、日経新聞でしたかね、出ておりましたけれども、水道料金、三十年後には一・六倍になってしまうというふうな報道もありました。
 本来、水道管路の更新は水道料金で賄われるべきでありますが、経営をより効率化していかなければならず、実現できません。水道事業の民営化についてどのように考えているのか、厚生労働大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#216
○国務大臣(塩崎恭久君) この水道予算というのは民主党政権時代に大分カットをされまして、戻すのに今、大変難儀をしているというのが実態であります。だから百三十年も掛かるなんということになっているわけでありまして、水道事業につきましては、近年、施設の老朽化、そして人口減少に伴う料金収入の減少などの深刻な課題に直面をしております。
 こうした中で、将来にわたり安全な水の安定供給を維持していくためには水道の基盤強化を図ることが喫緊の課題であり、これは、熊本の地震でも老朽化しているがゆえに大変なことになったというのはよく記憶をしているところでございます。
 官民の連携の下で民間事業者の技術や経営ノウハウなどを活用することが有効な基盤強化の一つであると考えておりまして、このため厚生労働省では、多様な官民連携の選択肢を更に広げる、こういう観点から、地方公共団体が水道事業者としての位置付けを維持しながら水道事業の運営を民間企業に任せることを可能とするいわゆるコンセッション方式、これを導入することなどを内容とする水道法の改正案をこの国会に提出を既にしているわけでありまして、是非、この法改正について早期成立に向けて御審議を願いたいというふうに思っております。
#217
○東徹君 是非、水道の民営化、やっていくべきことでありますし、そしてまたもう一つは広域化、都道府県や市町村もそうなんですけれども、市町村での水道もやっぱり広域化していく、より効率化していくということが大変大事ですということを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
    ─────────────
#218
○理事(松下新平君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、風間直樹君が委員を辞任され、その補欠として斎藤嘉隆君が選任されました。
    ─────────────
#219
○山本太郎君 ありがとうございます。自由党共同代表、山本太郎でございます。自由・社民の会派、希望の会を代表いたしまして質問をいたします。
 その前に一言だけ。
 昨日は皆様どのような時間を過ごされたでしょうか。地元に帰られた方もいらっしゃるかと思います。私は、新宿で行われましたデモといいますかウオーキングに参加をいたしました。そのウオーキングの名前は、トカゲの尻尾切りでは終わらせない、アッキード、祈りのウオーキングという名前のウオーキングに参加いたしました。
 要は何なのか。もう名前そのままです。昭恵さんを国会の証人喚問に呼べという市民の皆様が開催をされた。迫田さんを呼んでくれよと、どうして政治は勝手に蓋だけして、その先追及しないんだという話をウオーキングで表すようなものだったんですけれども、意外だったのが、意外だったというのはおかしいですけれども、町中の人たちが、その歩く人々を見ると手を振るんですよね。いかにこの国にいらっしゃる方々がこの件に関して不完全燃焼といいますか、事実を政治が伝えようとしていないという姿に憤りを持っているかということが非常に分かりやすい形で見えたなという感想を持ちました。
 まあそれはそうですよね。人生を懸けて証人喚問に来ていただいた籠池さんは負債を何十億も抱えるような形になった。その一方で、神風を吹かせたと言われる関与が疑われる御夫人はフェイスブックも再開なされて、桜を見る会ではハイテンション、これは余りにも不公平だろうと。片方だけ出て、もう片方は呼ばないのかというのはあり得ない話だと。
 我が会派でもずっとお願いをしております。森友学園の国有地格安払下げ問題、これは国有財産の管理に関する問題ですから、まさにこの決算委員会こそがやらなきゃならない課題である、大きな任務があると。参考人招致どころか、もう証人喚問ですよね。どちらでもいいですから、とにかく呼んでください、話を聞かせてください。当委員会での集中審議、証人喚問も含めて、まずは要請をさせてください。
#220
○理事(松下新平君) 後刻理事会で協議いたします。
#221
○山本太郎君 ありがとうございます。
 それでは、本題に入っていきたいと思います。
 東電原発事故により広い範囲にばらまかれた放射性物質、この影響から人々の健康を守ることは国の責務です。食の安全、生産者の安全は守られているのか。
 原発事故後、食品の放射性物質の暫定規制値、一キロ当たり五百ベクレルからスタート、野菜、穀物、肉、魚など、現在は一キロ当たり百ベクレルです。この基準値で人体への影響がないということは言い切れません。なぜなら、その基準値以下の農作物を何年も食べ続けたグループとそうでないグループを何年にもわたり比較し、人体にどのような影響があったかを分析した医学的、科学的臨床データはそもそも存在しないからです。つまり、科学的判断に基づくものではなく、政治的判断が色濃い数値を基準にし、安全と採用したものがこの数値です。
 お聞きします。生産段階で放射性物質が農産物に移行するのを防ぐため、どのような取組を行っていますか。
#222
○政府参考人(鈴木良典君) お答えをいたします。
 土壌中の放射性物質の農産物への移行防止には、土壌中のカリウム含量を高めることが効果的なことが明らかになっております。このため、農林水産省では、福島県営農再開支援事業などによりカリ質肥料の施用への支援を実施しているところであり、避難指示等により作付けが制限されている地域や山間部で水稲などの作付けがない地域を除き、全市町村でカリ質肥料を施用しているところであります。
 これらの対策や時間経過による放射能の減少などにより、例えば米については、平成二十七年産及び二十八年産では基準値を超過するものは一袋もありませんでした。
 今後とも、こうした支援を通じて、福島県産農産物の安全性の確保に努めてまいりたいと考えております。
#223
○山本太郎君 打合せでは、カリウム、カリということだけで結構ですと、その後は私が説明しますということをお伝えしたんですけれども、丁寧に説明していただいたことを感謝したいと思います。
 今お答えがあったカリ、つまりカリウムは、セシウムと近い性質で、カリウムを畑にまくことにより、農作物が根っこからセシウムを吸収するよりも先にカリウムを吸収すると。ですから、今おっしゃったように、ほとんど検出されない状況であったよということをお伝えいただいたと思います。セシウムが農作物に移行するのを軽減すると。ほかにもゼオライト、空洞の多い天然鉱物の粒子で、この空洞の中にセシウムを吸着することができ、農作物が根っこからセシウムを吸収するのを妨げたり、土壌の回復に役立つと、以前農水省から説明を受けました。
 放射性物質の吸収抑制対策分として、これらの取組、福島県では二十四年度から二十九年度まで約七十七億二千三百八十三万円、こういう事業になっていると。カリウムやゼオライトによって放射性物質が農作物に移行することを低減させる取組は確かに行われています。
 その一方で、食物に移行しなかった放射性物質はどこに行くんでしょうか。依然、畑や田んぼ、いわゆる圃場に存在したままなんですよね。カリウムやゼオライトにより食物に放射性物質が入ることを軽減できても、生産者が働く土壌には依然放射性物質が存在し、生産者が日々その職場である圃場で被曝を続ける。
 農家の皆さんが汚染にさらされている事実に政治は無視を決め込むんでしょうか。元々問題ない程度の汚染だろう、生産者には関係ないよなど、間違ってもおっしゃらないでください。だったら、元々カリウムもゼオライトもまく必要ありませんから。
 本日のテーマ、東電原発事故によりばらまかれた放射性物質による農業生産者の被曝についてです。
 厚労大臣、放射線を扱う労働者を電離則で守られるよう事業者に対してルールがあるのはどうしてでしょうか。三十秒以内でまとめていただけると助かります。
#224
○国務大臣(塩崎恭久君) 電離放射線障害防止規則、いわゆる電離則では、電離放射線を受けた労働者が白血病などのがんや皮膚障害などを発症するおそれがあることから、これらの健康障害を防止するため、事業者に対して被曝管理や健康診断などの措置を義務付けているところでございます。
#225
○山本太郎君 ありがとうございます。事業者が働く人々を守るという規則を厚労省が所管されているということでよろしいですよね。
 厚労省、もう一つお聞きします。一平方メートル当たり四万ベクレルの汚染は、電離則や原子炉等規制法で言う何に分類されますか。
#226
○政府参考人(田中誠二君) お答えいたします。
 放射性物質の表面密度が一平方メートル当たり四万ベクレルを超えるおそれのある区域で放射線業務を行う場合には、当該区域は電離放射線障害防止規則に基づく管理区域ということになります。
#227
○山本太郎君 ありがとうございます。一平方メートル当たり四万ベクレル、これは放射線管理区域だよというお話でした。
 事業者は、電離則により、放射線管理区域などで働く労働者を守らなくてはなりません。その内容が十分であるかはおいておいて、電離則とは一般的に、事業者が放射線管理区域で働く人々の被曝を管理し、健康状態などもチェックするという規則。一平方メートル当たりで四万ベクレル、これは放射線管理区域。これを超える汚染の中で農家に作業をさせているのが国の実態です。
 農水副大臣にお聞きします。福島県内の営農再開、農業を再開していい基準、何なんでしょうか。
#228
○副大臣(礒崎陽輔君) 山本委員にお答えいたします。
 避難指示区域における営農再開については、内閣府において考え方が示されており、避難指示解除準備区域等において営農活動ができることとされております。
 また、営農活動を行うに当たっては、農業者の安全を確保するため、厚生労働省の除染等業務に従事する労働者の放射線障害防止のためのガイドライン等に基づいて行うこととされております。
 なお、品目によっては出荷制限や作付け制限等が掛けられており、まず試験栽培により農作物の安全確認を行う必要があることから、福島県営農再開支援事業により試験栽培の支援を行っているところでございます。
#229
○山本太郎君 ありがとうございます。
 避難区域などの解除のみがほぼ営農再開のオーケーのサインだと。もちろん、ほかにもおっしゃいました。例えば五千ベクレル・パー・キロ以上であれば作付けができないとかというようなルールもありました。
 でも、基本的には、避難区域などの解除をもてば営農の再開は可能であるというお話だと思います。航空機モニタリングで測定を行っていますからね、その後、地上の三百八十四地点も測定したんですよ、最近、みたいな。避難指示区域にあったのがそのうち百二十、このうち四月で解除になったのが百十二。かなり広い範囲で再開が可能になったという話だと思います。でも、これ、航空機により二キロメッシュの測定、二キロのメッシュですよ。その後、地上を幾つか測るといったかなりざっくりした話なんですよね。これ大丈夫なんだ、問題ない、内閣府、政府が決めたからと農水省は言うんですけれども。
 資料の六、済みません、前後して資料が。資料の六、福島県農民連の方々が実際に土壌の測定をした結果のデータがございます。農民連です、福島県。
   〔理事松下新平君退席、委員長着席〕
 これは、二〇一六年四月と五月、百六十二か所の果樹園を測ったところ、一か所を除いた全て、一平方メートル当たり四万ベクレルを超える放射線量だったそうです。表の真ん中、黄色い部分、これは一平方メートル当たりの汚染を表しています。一番右、薄緑の部分が空間線量です。例えば一番上を御覧ください。伊達郡国見町を御覧いただくと、空間線量が〇・二一マイクロシーベルト毎時、そんな場所でも実際土壌を測ると十七万六千三百ベクレル・パー平米の汚染だと。
 この資料のほかの場所を見てみても、たとえ空間線量が低くても、放射線管理区域の一平方メートル当たり四万ベクレル、大きく上回る桁違いの汚染、数多く存在することが確認できるんですよね。空間線量だけでは安全の要件にはなり得ないこと、空間線量とともに土壌汚染も調べなければ意味がないことがはっきりとお分かりいただける資料だと思います。
 ごめんなさい、農水副大臣、このデータを御覧になって、短く感想いただけますか、どう思われました。
#230
○副大臣(礒崎陽輔君) お答え申し上げます。
 この土壌放射能、真ん中の黄色いところは、先ほど御質問にありました管理区域、すなわち放射線源が一定の場所に管理された状態で存在する場所とか屋内の作業場に適用される基準でございまして、我々、農地につきましては除染電離則の方が適用され、放射線源が点在しており、管理不能な場所と主に屋外作業に適用される基準によりますと、その右のところでございますが、一万ベクレル・パー・キログラム超の土壌等の取扱いであるとか、あるいは空間線量が二・五マイクロシーベルト・パー・アワーを超える場所という基準でやっておりまして、御指摘のその右の二つの基準で今適用しておって、我々は作業ができるというふうに考えてございますので、その管理区域の話と除染電離則が適用されるところで場所が違うということは申し上げておきたいと思います。
#231
○山本太郎君 全然答弁になっていないんですよ。何を言っているか分からない。キログラムと平米が違うからというお話ですか。私たちは、一万ベクレル、ほかに空間線量の二・五マイクロということで除染の電離則を適用しているからという話ですか。まず、農業者が除染の電離則でというここのカテゴリーがおかしいということに、まず農水省が言わなきゃおかしいでしょうって。それを準用しているということ自体がおかしいじゃないですか。短くと言ったのに、時間を返していただきたい。
 この先行きます。
 ちなみに、この調査結果で、百六十二か所中百六十一か所が放射線管理区域以上、つまりは一平方メートル当たり四万ベクレルを超えていたって。しかも、これが調査された地域のほとんどが福島県の中通りなんですよ。福島県の中通りって、ほとんど避難区域とかに指定されなかった場所ですよね。中通りでの調査なんですよ、農民連による。この百六十二の場所の選定は、わざわざ高く出そうな場所を狙ったわけではなくて、単純に農民連の会員の圃場、果樹園を、福島市、伊達市、伊達郡国見町、桑折町でランダムにやったと。
 このデータを提供していただいた農民連の会員の方、この四万ベクレル・パー平米を超えるところ、どういうエリアなんだよ、何度も環境省や厚労省に聞いても、放射線管理区域などは原発やレントゲン室、研究室など特定の限られた区域の中だけで想定されていますので、たとえ数値がそうであったとしても、皆さんのいらっしゃるところは放射線管理区域とは呼ばないんですというやり取りをこの間ずっと繰り返しやっているって。いいかげんにしてください、うんうんじゃないんですよ。そういうやり取りをさせていること自体がおかしいじゃないかって。
 結局、空間線量が低くてもやっぱりベクレルで見ないと本当の汚染はなかなか分からない、そうおっしゃるんです。四万ベクレル超えると移住の権利を与える国もあると、なのに、何の防護もせず、何の権利もなく、ただ放置されているというのはいかがなものか、これは権利侵害にもなるんだろうと我々思っているわけです、そのように淡々とお話しくださいました。
 果樹園というのは、表面では計測する線量高く出るそうですね。これが田んぼや畑になると、耕うん、耕起する、土をこう混ぜることによって、十五センチから二十センチくらいの深い土と表面とを混ぜ込んでしまうと。要は、果樹園にも田んぼにも同じように放射性物質が降り注いだとしても、表面で計測できる線量だったりベクレルというのはどうしても低くなるのが田んぼや畑だと。要は、表面の汚染としては田んぼや畑では深い土と混ざり合い汚染が薄まるということですよね。
 今回のデータは果樹園中心なんですけれども、農民連の皆さんは水田についても福島県の全域をやっていると。そのデータには個人名や住所まで全部入っちゃっているので、今回は、ごめんなさい、送れないんですけれども、中身を紹介すると、浜通りを抜かして九百三十五か所、計測のデータがあると。うち、七百六十三か所が四万ベクレル超え、放射線管理区域以上だって。水田は先ほどお伝えしたとおり耕起していますから、上と下、土は混ざっているんだけれども、中通りは調査したほとんどの地区の水田が四万ベクレルを超えるエリアだと。これ、ほっといていいんですかね。そんなものなんですかという話ですよね。
 これ、はっきり言って、こういう地域で働かれている、農業されている方々、逆に言えば、原発の施設内とかで働いた方が安全だという話ですよ、事業者にもちゃんと健康管理してもらえるし。自己責任でやらせているんですよ、国はこういうことを。農水省、どうして変えようとしないんですか。使い捨てなんですか、農家の方も。
 お聞きします。放射線管理区域と同等又はそれ以上で営農する農業生産者はどのような規則、法律で守られていますか。もう既に先ほど副大臣の方からお答えいただきました、ここは私が言いますね。ごめんなさい、今のこの問いに対しては答えてください。先ほど除染の電離則がありましたけど、それとは別です。どのような規則、法律で放射線管理区域同等又はそれ以上で営農する農業生産者は守られますか。
#232
○政府参考人(田中誠二君) まず、労働者について申し上げます。
 農業に従事する労働者については、事故由来の放射性物質が拡散した地域において、一万ベクレル毎キログラムを超える土壌であれば除染等業務、それから、一万ベクレル毎キログラムを超えない業務でも平均空間線量率が二・五マイクロシーベルト毎時を超える場合であれば特定線量下業務として除染電離則を適用しております。
#233
○山本太郎君 副大臣言ったじゃないですか、今の話。もう自分で言ったじゃないですか。何でそんな訳の分からないこと答えるんですか。
 農業法人で働く人々はいわゆる電離則、除染電離則で守られる可能性がある、そういう話ですよね。それ以外の人たちというのは特にないと。じゃ、法人で農業をやっている方、そこで雇われている方、農業法人で働く人々というのは守られる可能性あるけど、個人経営で農業をやられている方々は守られようないんです。
 これ聞く予定でしたけど、もう時間がないんで自分で答えますね。個人でやられている方、圧倒的に多いんですよ。法人化していない家族経営は九八・四%、福島県で。それぐらいですよね。法人化していない組織経営は〇・四%。合算したら九九%近くの農家の皆さん、法人じゃないんだって、個人で農業を営んでいるって。これ言っている意味分かりますよね。事業者からも守られない。自己責任でやらせているじゃないですかって。いいんですか、こんなことやらせていてって。国で犯罪みたいなことをやっているじゃないですか。
 一方の法律では放射線管理区域でしっかりと管理されなきゃいけないというルールの下に原発とかいろんなところでは守られていながら、農業者はほったらかしですか。本当に何て言えばいいのか分からない、こんなの。こんなの国ないのと一緒ですよ。無政府状態って言いませんか、こういうの。
 先に進みます、もう時間がなくなってきたので。
 厚労大臣、お願いしたいんですよ。電離則で労働者を守っているじゃないですか。事業者に守りなさいということを言っているじゃないですか。このような形で農業者の方々がそのままにされておくなんてあり得ない話だと思うんですよ。電離則を所管する大臣として、これは大臣が勧告するということを他省庁に対してもしていただきたいんです。
 その中で何を込めていただきたいかということなんですけどね、一枚一枚の圃場を丁寧に調べる。航空機モニタリングとかそういう話じゃない、一つ一つを、それを是非勧告していただいて、それだけじゃなく、中山間地域のような条件が不利な場所と同じような形で、賠償といったら難しいかもしれないので、そういう形をもって、そういう話合いをいかにこの人たちに対して賠償していくのかということを、そういう裏ルートを使いながらみんなで考えていただきたいんですよ。是非勧告していただけませんか、関係省庁に対して。お願いします。
#234
○委員長(岡田広君) 塩崎大臣、時間が来ていますので、簡潔にお願いします。
#235
○国務大臣(塩崎恭久君) はい。
 勧告権があるとは思いませんが、これは、私どもは、働く人たち、雇用者、まあ被雇用者といいましょうか、たちの放射能に対する安全を所管をしております。したがって、他の省庁とも連携をしっかりしてやってまいりたいというふうに思います。
#236
○山本太郎君 済みません、まとめます。
 連携できていないから今のような状況があると思うので、是非連携をしていただきたい。そして、今日来ていただいた各省庁のというか各大臣、副大臣にお願いしたいんですけど、四月の二十六日にこの農民連の方々が東京にいらっしゃいます、都道府県会館四階で。是非、政務三役のどなたかを出していただきたいんです。よろしくお願いします。じかに聞いてください。よろしくお願いします。
 ありがとうございました。
#237
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。
 塩崎大臣、最後のバッターでございますけど、済みません、百本ノックになってしまいますので、対応をお願いしたいと思っております。
 皆様方にも資料をお配りいたしておりますけれども、本委員会で審査をいたします平成二十七年度分で見れば、四十一・五兆円という、これ大変大きな医療費が使われているわけでございます。これ、よく見てみますと、じゃ、高齢者の七十五歳以上だけが増えているかというと、そうではありません。七十五歳未満も増えている、全体的に底上げになっているということが分かると思います。
 しっかりとこれ予防に力を入れていただかなければ、これからますますこれが増えていく、もう本当に日本の国家を根底から揺るがすことになってしまうと思いますけれども、大臣のお考えをまずはお聞かせいただけますでしょうか。
#238
○国務大臣(塩崎恭久君) 医療費が増える要因としてよく言われるのは、高齢化の影響と医療の高度化、この二つでありますが、そのほかにももちろん要因があるということを今御指摘をいただいて、私もそのとおりだというふうに思います。
 直近の二十七年度の医療費、今、四十一・五兆円というお話でありましたが、十年前の平成十七年度の医療費三十二・四兆円と比べると三割程度伸びてしまっていると、こういうことでございます。
 医療費については、今後も、今申し上げた高齢化の進展あるいは医療の高度化などなどによって増加していくと考えられるわけでありますので、医療保険制度の持続可能性も高めていかなきゃいけない。そういう観点から、引き続き、今御指摘があった予防、健康づくりの取組あるいは後発医薬品の使用促進など幅広く対応をしてまいりたいというふうに思います。
#239
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 しっかりその予防に力を入れると言ってくださったんですけれども、実は、昨年度の行政評価局の資料、皆様方に資料二にお配りをさせていただいておりますけれども、がん対策に関する行政評価・監視の勧告におきましても、まだまだ厚労省の施策は甘いぞということが言われております。予算を的確に配ることはもちろんのこと、しっかりとその政策というものを高めながら有効に使っていくということにおきましては、コール・リコール、個別勧奨、再勧奨によって、がん検診、もっともっと皆様方に受けていただけるような制度をつくってくださいねというふうになっております。
 しかし、これをやっても上がってこない層がございます。それが子宮頸がん検診です。子宮頸がん検診、実は二十歳からでございます。まさか二十歳から自分たちが、女の子が受けなきゃいけないがん検診なんて思わないんですよね。
 だからこそ、私ども、今までも若い女性の声を聞いてくれとお願いいたしましたところ、がん対策推進協議会にももちろん女性が含まれています、がん経験者もいますというふうにおっしゃるんですけれども、やっぱりそういう中で男性に、たくさんおじさんに囲まれながら、なかなか自分のがん体験であったりこの検診の受けづらさというものを手を挙げて発言するだけ勇気はございません。
 だからこそ、この協議会でしたりがん検診のあり方に関する検討会の下、是非、女性のがん検診受診を向上するワーキンググループを立ち上げていただきたい。それも、二十歳、そして二十五歳、三十歳、本当にこれからもっともっとがんに興味を持って、特に子宮頸がん検診の二十歳から受けなきゃいけないよ、その広告塔にもなるような方々をそのワーキンググループで招集していただきたいんですけれども、大臣のお考え、お聞かせいただけますでしょうか。
#240
○国務大臣(塩崎恭久君) がん検診については、これは当然、早期発見、早期治療のために必要な大事なことであるわけでありますが、特に、女性については乳がん、そして子宮頸がんなどの女性特有のがんが罹患に占める割合が大きいことから、乳がん検診等、今の子宮頸がん検診もそうですが、受診率を高めていくということが大事で、次期がん対策推進基本計画、しっかりと位置付けなければならないということは我々も当然思っています。
 乳がん検診などの受診率向上に向けた具体策について、当事者としての女性の御意見を聞く、聞きながら検討を進めていくことが重要であって、がん検診のあり方に関する検討会、それからがん対策推進協議会の中にもちろん女性が多くおられますが、女性特有のがん経験者に御参加もいただいて議論をいただいていますが、協議会の方は二十人のうちの九人が女性、一方で、がん検診のあり方に関する検討会の方は九人のうちの三人ということでありますから、少し少ないなというふうに私も思いました。
 さらに、女性のがん検診の受診率向上に向けては、検討会や協議会の委員の方々以外の若い女性や当事者である女性の方々からの御意見も更に伺わなければならない、そして、がん検診へのアクセスの向上などについて議論を進めていかなければならないと考えております。
#241
○薬師寺みちよ君 残念ながら明確なお答えはいただけませんけれども、是非若い女性の声を聞いてください。まさか自分たちが二十一、二十二でがん検診の対象になっている、そんなことも思いもしない年代ですけれども、これからしっかりと子供を産み育てるためにも、自分の体を守らなければならない、その知識を学んでもらう機会を更に増やしていっていただきたいと思います。これは、また委員会の方でもやらせていただきたいと思います。
 ところで、こういうふうにこのがんというものの治療が進めば進むほど困った問題が起こっているということは、なかなか私ども医療界でも認識できなかったところでございます。五歳から九歳、十歳から十四歳、この死亡原因の一番が実はがんでございます。このがんというもの、やはりお薬が良くなれば良くなるほど長く生きることができるようになってきました。しかし、その小さな間に放射線療法を受けたり、本当にもう毒性が強い抗がん剤をいっぱい受けるわけです。そうしましたら、思わぬ副作用というものが十年、二十年たって出てくるということが分かってまいりました。
 これは本当に、私どもが、まだまだ本当に研究対象とするには少ない人数かもしれませんけれども、しっかりこれから、小児がん拠点病院もできまして長期フォロー外来なども出てまいりましたので研究も進めていただきたいところでございますけれども、馬場政務官、御意見いただけますでしょうか。更なる充実、必要ですよね。
#242
○大臣政務官(馬場成志君) お答えします。
 小児がんの長期フォローアップ体制についてのお尋ねであろうかというふうに思いますが、平成二十五年に開始されました小児がん拠点病院の整備においては、成人後も含めて長期にわたり診療を提供できる体制を構築していることを指定要件とすることで、その体制整備を行ってまいりました。
 また、現在、小児がんの長期フォローアップの質の維持向上のために、具体的な長期フォローアップの方法についての研究や、小児がん拠点病院における多職種協働チームを育成するための研修を行っているところであります。
 また、厚生労働省としては、長期フォローアップ体制の充実のために、ガイドライン等の活用や晩期合併症が少なくなるような研究についても推進していけるよう、現在、がん対策推進協議会で議論している次期がん対策推進基本計画に盛り込み、取組を進めてまいりたいと存じます。
#243
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 進んだからこその新しい問題でございます。実際に、男の子が治療を受けて成長して、何でこんなに力がないんだ、何でこんなに成長しないんだ、実は、男性ホルモンが全く出ていなかったり、今度は抗がん剤を受けたがために二次的ながんになってしまうというような例も発生しておりますので、しっかりここは、これからまさに新しい研究開発として厚労省にも注目をしていただきたいところでございます。
 ところで、資料三にも付けさせていただいておりますけれども、成育医療センターのもみじの家、大臣は御見学になったことございますでしょうか。
#244
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、平成二十八年四月に、在宅で医療的ケアが必要な子供たち、それから御家族のための短期滞在ケアを提供するために国立成育医療研究センターに設置をされたのがこの今御指摘のもみじの家であるわけでありますが、私も、開所式に誘われましたが、残念ながら国会対応のために参加ができませんで、まだ行けていないので大変残念な思いをしております。
#245
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 是非、閉会をしたら視察してきていただきたいと思います。
 もう本当にこれは、日本で初めての公的な医療機関での短期滞在医療施設でございます。ホスピスというような言葉を皆様方耳にしたことがあるかと思いますけれども、このもみじの家というのは、イギリスの子供ホスピスというものを模倣したものでございます。ここをいろいろ御覧いただけたら、いろんな資料が出ておりますけれども、資料三に付けております。
 実は、ここの子供ホスピスというのは大人のホスピスと違うんですね。大人のホスピスというとHIVとがんのみとりというところがコンセプトとして挙げられるかと思いますけれども、子供ホスピスというのは、この終末期ケアには限りません。一時的に身体と心のケアというものが必要な重い病気を持った子供たちに提供する場というふうに定義が付けられております。
 文科省の調査によりましても、公立の特別支援学校には日常的に医療的ケアが必要な子供たちが約八千人いることが分かっています。これ、年々増えているんですね。医療技術が進めば進むほど医療的ケアが必要な子供たちが増えるということは、更にニーズが増えるということも考えられます。
 小児がん拠点病院でも緩和医療の充実というものが図られていることを私存じ上げておりますけれども、さらに、この子供ホスピスというものを更に全国に拡大をしていく、充実を図るべきだと思いますけれども、大臣の御意見をいただけますでしょうか。
#246
○国務大臣(塩崎恭久君) 医療的ケアの必要な子供さんたちが増えているということはそのとおりでございまして、自民党でもその検討チームが、野田聖子さんをヘッドに検討を行っていただいて、私どもの方にも提言をいただいております。
 がんなどの重い病気を持った子供さんたちとその家族は、療養面のみならず教育とか、お話があったとおり、就業等を含めて心身両面で様々な不安などをお持ちでありますから、その特性を踏まえた総合的な支援が必要だというふうに考えております。
 厚労省においては、小児の緩和医療の充実の観点から、小児がん拠点病院、これ十五か所ございますが、その指定の際に、小児の緩和ケアチームを整備することなどを要件とするなど取組を行っております。
 また、障害福祉サービスにおいても、御指摘のもみじの家のように、医療的ケアが必要な障害児などに介護そして医療的ケアなどのサービスを提供して、さらに、その家族に対するレスパイト、これを提供するという医療型の短期入所サービスを提供しているわけでありまして、関係省庁とも連携しながら、重い病気を持った子供さんたちとその家族がそれぞれの状況に合った適切な支援を受けられるように心掛けてまいりたいというふうに思います。
#247
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 是非前進をさせていただきたいんですけれども、実は、このもみじの家、一〇〇%民間の方々の寄附で設立をしているというものなんですね。
 私、最近、スポーツ庁と関係を持つことが大変多うございまして、障害者スポーツを推進するために何とかスポーツ団体にもしっかりとした基盤をつくってほしい、そのためには財政的な支援が必要なんですけれども、国の補助だけでは到底賄えません。だからこそ、今スポーツ庁が始めた事業がございます。スポーツ庁が中に入りまして、企業とその障害者スポーツ団体をつなぐという事業でございます。私、これ、すごくいいアイデアだと思うんですね。
 多くの病院も、もちろん、様々こういう施設を造りたい、こういう機材を作りたい。でも、個々にやっぱり企業だったり個々人の皆様方に寄附をお願いして回るってこれ大変な労力でございます。だからこそ、厚労省におきましても、この文科省の事業のように、厚労省が中に入ってしっかりつないでいくような事業を展開なさってはいかがかなと思っておりますけれども、大臣の御意見をいただけますでしょうか。
#248
○国務大臣(塩崎恭久君) このもみじの家は、今御指摘あったように、整備費用とかを全額寄附によって賄ったわけでありまして、運用費用についても、利用者からの利用料や補助金などだけではなくて寄附金によって賄っているというのが大きな特徴でございます。
 現在、寄附やボランティアについては、受け入れる法人などが自ら募集する形もございますが、病院や社会福祉施設でボランティアを行いたい企業とボランティアを受け入れたい施設のマッチングについては、各地域の社会福祉協議会に設置をされているボランティアセンターにおいて実施をされてきておりますけれども、社会福祉施設に寄附を行いたい企業については、赤い羽根共同募金への寄附を通じて施設に配分する取組がございまして、寄附の使途を明確にしたテーマ型募金の取組も進めておるところでございますし、また、民間ベースでもクラウドファンディングやマッチングサイトなどのプラットフォームが多数存在していると承知をしておりますが、厚労省として何ができるのか、更に考えたいというふうに思います。
#249
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 その障害者スポーツ団体もそうなんですけれども、やっぱり個々人、すごく小さなところで大きなことをやろうと思っても、なかなか資金が集まりません。クラウドファンディングをしても、本当に微々たるものになってまいります。ですから、これからこの寄附文化というものが大切になってくるんじゃないでしょうか。しっかりとこういう目的に使って、ここに自分の財産をという方も出てくるかもしれません。そういうときに司令塔となってしっかりと厚労省が導いてくだされば、スポーツ庁などは政務官、副大臣がその企業に行って一緒に写真を撮って、自分たちがしっかりと守っていきますねというような体制も取ってくださっていますので、是非、大臣や副大臣、政務官などもそういった試みにチャレンジしていっていただきたいと思っております。
 最後に、チャイルド・ライフ・スペシャリストにつきまして質問をさせていただきたいと思います。
 今まで子供の医療というものに取り組んでまいりまして、とても私、感動したことがございます。前にも一度大臣とは議論したことがありますけれども、アメリカではチャイルド・ライフ・スペシャリスト、イギリスではホスピタル・プレー・スペシャリストというふうに呼びます。そういう方々は、実は看護師でもなく保育士でもなく、しっかりと社会的な医学の側面から、心理的な側面から子供たちを支える役割をしています。
 実は、こういうチャイルド・ライフ・スペシャリストの必要性というのは、アメリカの小児学会ではしっかりと宣言をされているものでございます。子供たちが治療を受ける、検査を受ける、怖いだろうと、当たり前の話です。親から引き離されて一人でMRIに行く。でも、MRIってどんなものなの、それを説明しながら、実際に小さなおもちゃで、MRIのおもちゃで遊びながら、こんなことがあるんだよ、こんな音がするんだよと一つ一つ説明をするんです。
 例えば、手術を受ける。手術を受ける前に小さなお人形を与えられます、真っ白なお人形です。そのお人形に対して、ここをあなたはこういうふうにちょっとメスを入れられるんだよと言ったらその子がそこにメスを入れる、こういうふうに縫われるんだよと言ったらその子が実際に糸で縫う、そうすることによって自分がどんな治療を受け、どんなことをやれるかというのを一つ一つ説明をしながら恐怖感をなくしていく。それがまた、彼女たちですし、その家族にとっても、それを一つ一つ説明しながら、親御さん、そして兄弟に対しても同じような形でケアをしていく。これは本当に子供ならではの特殊な職種なんですね。
 私も、小児がん拠点病院におけるいろいろな要件を見ましたら、まだまだ努力義務にすぎません。しかし、これから子供たちのためを考えれば、こういう職種というものを日本にどんどん生み出していかなければならないんですけど、日本ではその資格が取れません。だからこそ、多くの看護師が海外に行って資格を取っているんですね。しっかりとこれから義務化して、そういう必要性というものを厚労省が訴えてくだされば、もっともっと行き場がある、そしてこういう資格も更に日本でつくっていこうじゃないかという機運も高まってくると思いますが、最後に大臣、御意見をいただけますか。
#250
○国務大臣(塩崎恭久君) いずれにしても、日本の医療で、私も児童福祉法の改正の際に聞いたのは、児童精神医学を勉強されるお医者さんは日本はかなり少ない、米国がすごく多いというふうに聞いておりますが、いずれにしても、今がんの話が出ましたが、小児がん患者、医療面だけではなくて心理面、教育面、いろいろな面でサポートが必要だということで、そういう中で、今チャイルド・ライフ・スペシャリストの話が出ましたが、厚労省は、小児がん拠点病院に、さっき申し上げたように、専門的な知識及び技能を持つコメディカルスタッフの配置が重要だと考えております。
 今、メディカルだけではないという話がありましたが、小児がん拠点病院の指定要件として、御指摘のチャイルド・ライフ・スペシャリストあるいは小児科領域に関する専門的知識を有する臨床心理士又は社会福祉士、こういった配置が望ましいというふうに考えています。
 チャイルド・ライフ・スペシャリストについては、その資格取得に当たって、米国の協会の認証を受けた監督者の直接指導の下で最低四百八十時間、指定をされた内容のインターンシップを受ける必要があるなど資格取得が難しく、国内では人材が限られているという指摘がございまして、厚労省としては、チャイルド・ライフ・スペシャリストのような療養を支援するコメディカルスタッフの配置の必要性は十分認識をしておりますので、小児がん患者とその家族が安心してそれぞれに適した医療と支援を受けられるように、引き続き何が更にやれることなのか考えていきたいというふうに思います。
#251
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 子供は小さな大人ではございません。そこだけはしっかりと認識をして、小児医療に取り組んでいただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#252
○委員長(岡田広君) 他に御発言もないようですから、国会、会計検査院、厚生労働省及び環境省の決算についての審査はこの程度といたします。
 次回は来る五月八日午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後六時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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