くにさくロゴ
2017/03/09 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 農林水産委員会 第2号
姉妹サイト
 
2017/03/09 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 農林水産委員会 第2号

#1
第193回国会 農林水産委員会 第2号
平成二十九年三月九日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         渡辺 猛之君
    理 事
                舞立 昇治君
                山田 修路君
                徳永 エリ君
                紙  智子君
    委 員
                礒崎 陽輔君
                進藤金日子君
                中西 祐介君
                野村 哲郎君
                平野 達男君
                山田 俊男君
                小川 勝也君
                櫻井  充君
                田名部匡代君
                竹谷とし子君
                矢倉 克夫君
                儀間 光男君
                森 ゆうこ君
   国務大臣
       農林水産大臣   山本 有二君
   副大臣
       内閣府副大臣   松本 洋平君
       農林水産副大臣  礒崎 陽輔君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       矢倉 克夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大川 昭隆君
   政府参考人
       内閣府地方創生
       推進事務局次長  川上 尚貴君
       内閣府経済社会
       総合研究所次長  杉原  茂君
       文部科学大臣官
       房審議官     松尾 泰樹君
       農林水産大臣官
       房長       荒川  隆君
       農林水産大臣官
       房総括審議官   山口 英彰君
       農林水産大臣官
       房総括審議官   水田 正和君
       農林水産大臣官
       房政策評価審議
       官        塩川 白良君
       農林水産大臣官
       房統計部長    佐々木康雄君
       農林水産省消費
       ・安全局長    今城 健晴君
       農林水産省食料
       産業局長     井上 宏司君
       農林水産省生産
       局長       枝元 真徹君
       農林水産省経営
       局長       大澤  誠君
       農林水産省農村
       振興局長     佐藤 速水君
       農林水産省政策
       統括官      柄澤  彰君
       林野庁長官    今井  敏君
       水産庁長官    佐藤 一雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農林水産に関する調査
 (平成二十九年度の農林水産行政の基本施策に
 関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(渡辺猛之君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府地方創生推進事務局次長川上尚貴君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(渡辺猛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(渡辺猛之君) 農林水産に関する調査を議題とし、平成二十九年度の農林水産行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○野村哲郎君 おはようございます。自由民主党の野村哲郎でございます。
 久しぶりの質問で、新人の思いで今日は大臣に御質問をさせていただきたいと思います。
 三役の皆さん方には、そしてまた役所の皆さん方には、常日頃から日本の農業、そしてまた地域の発展のために大変御尽力いただいておりますことを心から感謝を申し上げる次第でございます。
 通告はいたしておりませんでしたけれども、実は今朝起きて日本農業新聞を見ましたら、びっくりしました。何をびっくりしたかというと、「信用事業譲渡・代理店化 JAに検討求める」という農林水産大臣の発言があったと。これは昨日の衆議院での委員会での話であります。ついに恐れていた話が大臣の口から出てきたなと、こんな思いでございます。
 私どもは、この農協法改正のときにこの議論もうさんざんいたしました。信用事業の事業譲渡について私は当然反対を言っておりましたけれども、ただ、そのときにいろいろJAの皆さんの話も聞いたところが、全国で二、三か所は事業譲渡、代理店業務をやりたいという農協があるということも伺いまして、それではやっぱりできる規定は入れておいた方がいいのかなと、こんな思いがしたことがありました。
 それはなぜかといいますと、もう御承知のように、信用事業の自己資本比率に基づく言わば農協のいろんな投資に対する制限というのがありました。八%のBISの基準に照らし合わせますと、八%以下の農協というのはやっぱり全国には何農協かあるということも伺っておりましたので、そういう農協はこの自己資本比率によって経済施設への投資ができないと。選果場を造るにも、比率が低いとこれはもうストップを掛けられるということがありましたので、ああ、それならば、やっぱり代理店業務をやらせてもこれはしようがないのかという思いがしておりましたが、一律的に代理店業務をやらせることについての私は相当違和感を感じておりましたので、それは駄目だということもずっと言っておりました。今日見えております山田委員も一緒でありましたけれども、農協というのはやはり経済施設が多いわけでありますので、その稼働率は、選果場だって、果実が出てくる、あるいは野菜が出てくるほんの時期だけですから大変効率の悪い施設であることは間違いないんですが、農家の皆さん方の有利販売につなげるにはやはりそういう選果場も必要なわけでありますから、どうしてもやっぱり造っていかなければならない、こんなことで思っておりましたが、先ほど申し上げましたように、全国には幾つかの農協が、そういう農協があるので代理店も認めた方がいいんじゃないかと、こんな考え方に達しまして、できる規定ということで実はこの規定が入ったわけであります。
 私は、そのときにも役所の皆さんに申し上げたのは、役所というのは、法律を作れば後ろからむちでたたいて、さあ、やれやれという話が出てくる、それは絶対にありませんよねということで、当時の附帯決議にも、野党の皆さんとも一緒になって、そういうことを無理強いをするなということはこれは附帯決議に入っております。これは、大臣、見ていただけりゃ分かるんですが。
 そういう中で、昨日、民進党の小山議員の質問に対して大臣の方から、こうして信用事業譲渡、代理店の検討を進めさせるということが書いてございます。大変これで今朝から電話が鳴りっ放しでありまして、農協の皆さん方は大変不安に思っております。
 ですから、こういうのが、今までは我々、法律の話としてやっておりましたし、また今日は松本副大臣にも来ていただいておりますが、規制改革会議の方からは、さあ代理店に、やれと、三年以内に半分の農協は代理店業務をさせろと、こんなような意見も出てきたことも事実であります。ですから、その上に今度は大臣からそういう話が出てきますと、大変全国の農協の皆さん方が不安に思っている、心配に思っているわけでありまして、事実、現在、農林中金なり、あるいは全国農協中央会の方ではいろんな会議を重ねながら、マイナス金利のこの状況の中でこれから信用事業大変なことになるよということは、これはもう経営シミュレーションをしております。
 それは、私も大変心配になったものですから、今年の正月の挨拶の中でも各農協を回りながらどうなっているんだという話をしております。その中でも、信用事業だけに頼っている農協というのはこれは大変なことになっていくだろうというふうに思いますが、ただ、皆さん方も、また我々党としても進めております経済事業重視の農協経営に展開していこうや、こういうことで今回のプログラムができておりますが、経済事業をやっぱり中心にやっている農協では信用事業なんかにそんなに大きく依存はしていないしという話も出てまいりました。
 ですから、農協によって相当違うんだろうと思います。ですから、全国一律的に信用事業の代理店に行け、あるいは三年以内に、規制改革会議から出たように、半分は信用事業を譲渡しなさい、あるいは代理店にしなさいというような話が、これがまた出ていきますと全国の農協の皆さん方が大変御心配をされると、こんなふうに思っております。
 このことが先ほど申し上げましたように大臣から発せられますと、これは影響力が大きいわけでありますから、その辺のことについて大臣からの御所見をいただきたいと思います。通告をしておりませんで申し訳ありません。よろしくお願いいたします。
#6
○国務大臣(山本有二君) 私も、今朝新聞を見まして驚きました。昨日、小山委員からの御質問に答えたわけでございまして、議事録を見ていただきますと分かりますとおり、このような見出しになるような内容はなかったと、こう思っております。
 昨日は、信用事業における代理店スキームの活用についてでございました。既に二十六年六月の政府・与党取りまとめにおきましてその活用を積極的に進めるとされているところでございますけれども、代理店スキームの活用をするかどうかはあくまでも農協の選択に基づくべきものであるというように、確かに私はそう考えております。そして、今後の農協の信用事業につきましては、人口減少、高齢化、金利の低下及び高度化する金融規制等、これらによって経営環境は厳しくなるというように認識しております。
 こうしたことを踏まえまして、各農協において今後の方向を真剣に検討いただきまして、自主的に方向を進めていただきたいと考えておりまして、判断を急ぐよう求めているということはございません。
 以上でございます。
#7
○野村哲郎君 大臣の御答弁はそういうことになるんだろうと思いますけれども、元々この信用事業の代理店業務について出てまいりましたのが規制改革会議からの意見でありました。ですから、私どもは、何もこういうことを規制改革会議から言われる筋合いはないと、こんなふうには思っておりましたが、しかしながら法律を改正した途端に、さあ急げ急げ。今たしか二農協ぐらい代理業務をやるような農協が全国にあると思います。これは、先ほど申し上げましたように、特殊な事情によって代理店業務をやらざるを得ないと、こういう農協だったと思います。
 ですから、それはそれとして、特殊な事情なり、あるいはこれから、先ほどおっしゃいましたように、金融情勢が非常に厳しいということは、これは農協に限らず一般の市中の金融機関もそうであります。ですから、そういう意味では、各金融機関、いろんな知恵を出しながら、メガバンクも合併をするような状況の世の中であります。農協であっても合併という手段もあります。あるいは、ほかの手段も考えられるんだろうというふうに思っております。
 ですから、余りに農水省の方から、法律を改正したからこれで代理店業務を三年以内に二分の一にしなさいとか、そういったようなことは農協の自主性、自立、そういうものを無視した言い方だと思いますので、これはみんな真剣に今検討を重ねつつありますので、そのことは是非大臣もお考えをいただきたいと、こんなふうに思っておりまして、もう事実、農林中金それから全中が一緒になりまして、どういう方向ならば農協が今後も信用事業をやれるかと、こういうことを検討しているし、各農協でも自らのこととして検討しておりますので、そのことは自己改革に是非とも委ねていただければと。余り強制的なやり方ではこれは大変な混乱を招く、こんなふうに思いますので、どうかよろしくお願いをいたします。(発言する者あり)与党ですから。
 話をがらっと変えまして、実は私の鹿児島では大変沸き上がっております。大変話題性の多い事柄がたくさんございまして、実は来年は明治維新百五十周年であります。明治維新といえば、これはもう当然、我が西郷隆盛がおるわけでありますが、そして来年のNHKの大河ドラマは西郷さん、鹿児島弁ではせごさんと言うんですけれども、それに決まりました。それで大変沸き上がっておるわけでありまして、活気付いております。
 この明治維新を振り返って考えていきますと、やはりこれは維新の三傑と言われる方々三人でありますが、我が鹿児島の先ほど申し上げました西郷隆盛、それから大臣の御出身の坂本龍馬さん、そしてもう一人が山口の出身の、長州出身でございますが桂小五郎さん、こういう方々でございます。まさしく、薩長土肥とよく言っておりまして、維新を遂げたいわゆる三傑でありますが、我が鹿児島、それから山口、高知、この三傑によって明治維新が成し遂げられた、こんなふうに私どもは歴史で習っておるわけでありますが。
 今回政府の方から、農水省の方から競争力強化のプログラムが出てまいりました。私どもはこれを、農政新時代ということで昨年来、昨年の一月から小泉進次郎さんの、農林部会長の下で十二項目を一年掛かりで検討してまいりました。それが言わば今回の農業プログラムの中に入れ込んでいただいたと、こんなふうに思っておるわけでありますが、よくよく考えていきますと、歴代の三人の大臣、一番最初が長州出身、山口出身の林芳正先生でありまして、二番目が我が鹿児島出身の森山裕氏、そして最後の仕上げが土佐出身の、高知県の山本農水大臣で、これも歴史の巡り合わせかなと、こんなふうに思っておりまして、大臣もおっしゃっておりましたように、やはりこれは、元年という言葉を大臣もお使いになっておりましたけれども、やはりこれは歴史の巡り合わせで、明治維新と同じように農政新時代の幕開けなのかなと、こんなふうに思っているところでございます。
 ただ、各先生方も、今回の法案八本出てきていますが、このプログラム法案に基づいていろんな法案の改正もなされていくわけでありますけれども、これらについて、プログラム法案ですから余り中身的なところは、後ほどちょっと確認だけはしたいと思っておりますけれども、皆さん方の、この強化法に対する大臣の決意のほどをお伺いをいたしたいと思います。
#8
○国務大臣(山本有二君) まず、維新百五十周年でございますが、三月五日の日曜日から高知県、土佐維新博というのが始まりまして、また、こうしたことをリードする高知県の知事は、薩長土肥と言われるけれども農業分野では一番後れを取った、だからよその県に学んでいきたいといって、鹿児島や佐賀に、あるいはそのほかに学ぶということを今後はやっていきたいと、こう決意を述べられておりました。
 そんな意味で、これからまた連携を取りながら全国が繁栄する農業にしていくということが大事でございまして、特に北海道開拓は坂本龍馬の夢でありまして、北海道に高知県からたくさんの入植者を得ておるわけでございまして、第五代の農林大臣岩村通俊さんは、札幌円山公園に高知県出身であるにもかかわらず銅像がございます。そんな意味で、ひとつ全国が繁栄する農業ということを期待しておるわけでございます。
 さて、御指摘の農業競争力強化でございますが、我が国の農業は生産者の高齢化や耕作放棄地の増大等課題が山積しておりまして、農業の活性化は待ったなしの課題でございます。農業の成長産業化を図り、農業者の所得向上を実現していくことが重要であるということは言うまでもありません。
 このために、二十七年十一月に取りまとめられました総合的なTPP関連政策大綱におきまして、体質強化対策や経営安定対策の充実と併せて、生産者の努力では対応できない分野の環境の整備を通じた我が国農業の構造的問題の解決が重要であるという認識の下、検討の継続項目が掲げられ、平成二十八年秋を目途に具体的内容を詰めることとされたわけでございます。
 そして、昨年八月閣議決定されました未来への投資を実現する経済対策におきましては、農業者の所得向上を図るためには生産コスト削減と農産物の有利な条件での販売が重要であることから、検討継続項目に掲げられました生産資材価格の引下げあるいは流通加工構造の改革、これなどの施策について、年内を目途に競争力強化プログラムを取りまとめることとなったわけでございます。
 こうしたことを受けまして、昨年九月以降、政府・与党で精力的に検討を行っていただきました結果、十一月に農林水産業・地域の活力創造本部におきまして農業競争力強化プログラムというものがまとまったわけでございます。このプログラムには、生産資材価格の引下げや流通加工構造の改革、生乳流通改革、土地改良制度の見直し、収入保険制度の導入等の施策を盛り込んでおりまして、農林水産省としましては、これらの施策を実行するために今国会に八本の法案を提出させていただいているところでございます。
 従来の施策に加えましてこれらの施策を実行していくことによりまして、農業が将来にわたって持続的に発展し、農業の競争力強化が図られるよう努めてまいりたいというように考えるところでございます。
#9
○野村哲郎君 我が委員会には北海道の先生方が大変たくさんいらっしゃいまして、今大臣もそのことを意識して北海道の話をされたのかなと思いますが、実は私どもの鹿児島もそうでありまして、初代の開発庁長官は黒田清隆でありまして、これも鹿児島出身でありまして、北海道に行きますと、鹿児島のおかげで実は北海道はこれだけ開発が進んだと。ただ最後は、黒田清隆、本当かどうか分かりませんけど、若干悪いことをいたしまして追われることになるわけでありますが。しかしながら、やはり土佐も、そしてまた我が薩摩も、北海道には大変そういう意味では関わり合いが強かったということだけは申し上げておきたいと思います。
 全然話とは別、つながりませんでしたけれども、この農業関係の競争力強化法ができて、そしてプログラム法案でありますけれど、なかなか一般の先生方では、何でこんなのが唐突に出てきたんだろうかという唐突感が否めないのではないかなと、こんなふうに思います。
 先ほども大臣からも御説明がございましたが、私どもの党の方でも本当に一年掛かりで十二項目、中身的には生産資材価格形成の仕組みの見直しだとか、あるいは今回法案として出てまいります土地改良制度の見直し、収入保険制度の創設等々、幅広い議論を実は進めてきて、それが与党とそしてまた政府側でこういった十二本の項目に対する法律が今回出されると、こんなふうに思っております。
 私もこの農林水産委員会に長いこと籍を置かせていただいておりますが、閣法で八本出てきたというのは初めてであります。ですから、そういう意味では、我々議員も、そしてまた政府側も今回のこの通常国会における農林水産委員会の審議は本当に慎重にしていく、これからの農政の方向を決めていく大事な法案がたくさんあると、こんなふうに思っておりますので、真剣な議論をこれからさせていただきたいと思っております。
 そこで、実は、法律の中身はまたそれぞれの審議の段階で御検討いただくということになっていくと思いますが、ただ、ちょっと二、三確認をしたい点がございますので、ひとつ大臣あるいはまた副大臣でも結構でございますが、御答弁をいただきたいと思います。
 今回出されます農業競争力強化支援法であります。これを見まして、どうも農家の皆さん方に、ちょうど一月ぐらい前ですか、全国の農協青年部の大会がありまして、多くの青年部の若い人たちが来ました。そのときにこの法案の概要を実は見せたんですが、彼らが憤慨しておりました。その憤慨した中身というのが第五条でありまして、「農業者は、農業資材の調達を行い、又は農産物の出荷若しくは販売を行うに際し、有利な条件を提示する農業生産関連事業者との取引を通じて、農業経営の改善に取り組むよう努めるものとする。」というこのくだりであります。第五条の問題でありまして、彼らが、我々はそんなことは経営者ですからちゃんとわきまえて農業経営やっていますよ、言われなくてもいいんですと、こういう話が出てきたわけでありまして、まさしく我々がばかじゃないのかなと思われているんじゃないのとか、いろんな不安が出てまいりました。何で当たり前のことをこうして法律で条文化する、その意味が分からぬと。私もまだいまだになかなか分からない。
 役所から、いろんなレクの段階でもそんなことを申し上げてきましたけれども、やはりここはきちっと、議事録に残るわけでありますから、役所の方からどうしてこういう当たり前の努力義務を規定したかというところを明確にお答えいただかないと、私どもの地元に帰って説明が付かない、こんなふうに思いますので、是非御答弁をよろしくお願い申し上げます。
#10
○副大臣(礒崎陽輔君) お答え申し上げます。
 農業競争力強化支援法案を提出させていただいておりますが、その中で、農業資材価格の引下げや農産物流通等の合理化を図るため、農業生産関連事業者や農業者等に対し、それぞれの立場からその実現に資する行動を求めているところでございます。
 このうち、農業生産関連事業者につきましては、我が国農業が将来にわたって持続的に発展することが自らの事業の発展につながることから、農業者からの要望が強い低コストの農業資材の供給や適正な価格での農産物流通等の実現に資するよう取り組むとともに、その取組を持続的に行うように努める旨を定めております。また、農業者については、有利な条件を提示する農業生産関連事業者を利用していくことが低コストの農業資材の供給や適正な価格での農産物流通の実現につながり、自らの農業の発展に寄与することから、農業資材の調達や農産物の出荷、販売に際し有利な条件を提示する農業生産関連事業者との取引を通じて農業経営の改善に努める旨を定めております。
 なお、これらの規定は農業生産関連事業者や農業者の自主的な取組を促すものであり、国が農業生産関連事業者や農業者に何かを強制しようとするものではございません。
 今回の法案は基本法でございますので、ある意味ちょっと当たり前というようなことも入っているわけでございまして、その辺は基本法としての性格という観点から御理解も賜ればと考えるところでございます。
#11
○野村哲郎君 これは、今の答弁は全く私の質問にはお答えいただいていないと思います。これは、多分質問取りに来た役所の皆さんが悪いんだと思いますが、私は農業関連事業者の話をした覚えはありません。農家に対してこういう努力義務を、何でこういうことをしたのかということを質問をしたわけでありまして、もう時間がありませんので多くは申し上げません。
 ただ、やはり農業関連事業者は当然のことだと思いますよ、そういった努力をすることは。だけれども、何で農業者に努力義務が必要なのかというところを聞きたかったんでありますけれども、またこれは後日に、いずれにしましても、この関連法案の質疑の時間にほかの先生方にお願いをしたいと思います。
 ただ、私はこれを見たときに、これはやっぱり農水省あるいは政府の農家に対するあるいは国民に対する叱咤激励とまでは言いませんが、鼓舞する意味で出たのかなという、実はいい方に解釈をしました。
 それはもう大臣も御承知のように、昔、貧乏人は麦を食えという財務大臣がおられました、ここで分かっている人は何人もいないと思いますけれども。それは、当時、やっぱり戦後非常に貧しい時代に米を食えなかった、麦を食っておりました。私の家族なんかもみんなこの話が出たときには頭に来まして、大変な不満が出たわけでありますが、ただ、当時は本当に金がなくて麦しか食えないところも多かったと思います。
 ただ、この大臣、総理になられました、財務大臣を終えて。そして、そのときに打ち出されたのが所得倍増でありました、総理大臣になられましてからですね。それで、その後、十年間で日本人の所得を倍増するという計画を出されました。何と何と、僅か四年間で所得が倍増して、私どもも銀しゃりを食うことができるようになった。
 だから、このときにおっしゃった財務大臣は、やはり日本人、もう少し所得を上げようぜという、そういった叱咤激励の、鼓舞する意味での私はお言葉だったんだろうと、こんなふうに捉えまして、今回のこの強化法の中にあります農家に対する努力義務というか、努力をやっぱりやって所得を上げようぜという、そういう激励の意味を込めた法案だと。まあ与党ですからこういうことも言っておかなきゃならぬと思っております。
 時間がなくなりました。松本副大臣に来ていただきまして、今日は松本副大臣を相当懲らしめようと思ったんですけれども、幸いにというか、不幸にして時間がなくなりました。
 ただ一言だけ、あと二、三分ありますので申し上げたいと思いますが、今の規制改革会議のこの意見というのはちょっとひど過ぎると思いますよ。これは私だけじゃなくて、与党の皆さんもそう思っておりますし、我々与党もそういうふうな思いがあります。素直にやっぱり受け止めなきゃならないし、真摯に受け止めなきゃならないというのも多々あると思います。ただ、あの十一月の前に出された最初の意見書というのは、これは本当にレベルの低さ、あるいは規制改革会議は何を思い上がっているのかという思いがしました。
 それの例を申し上げますと、一つは先ほど申し上げましたような信用事業を三年以内に半分にしろというのが出ました。それから、北海道の先生方はその言葉をよく御存じなんですが、北海道農協で使っております組勘を廃止しろと。この組勘というのはどこの農協でもやっているんです。組勘とは言いません。私どものところでは組合員勘定とは言わないで営農勘定という、そういう名前でどこでも使っております。一般の金融機関も当座貸越し制度ですから、当たり前の話なんです。農家が一年に一作しかできないときに、資材を現金がないとき購入できない。だから、この貸越し制度をつくっておるわけですが、それも北海道の組勘という名前でこれを廃止しろとか、あるいは全農の改革をもう少し加速化しろ、でなければ第二全農をつくれ、こんなことまで出てきたんですよ。
 こんなことを総理大臣の諮問機関たる規制改革会議が議論をするということ自体がどういう権限なのかということを、我々だけじゃなくて全国の農家の皆さん方も、あるいは農協の皆さん方も思っているんです。ですから、余りにものりを越えた意見を出してきているのではないか。
 ですから、自分たちが与えられた使命で規制改革会議が意見をお出しになるのは、これは我々は真摯に受け止めます。でも、ビーンボールばかり投げ続けて、そして我々が受け止められないような高い球で何をやらせようとしているのか、これはおかしいと……(発言する者あり)そうです、おっしゃるとおりです。だから、松本副大臣、我々はこれで物すごく、党の方としては、我が党の皆さん来ておりますけど、もう大変、野党の皆さんもそうですが、これで右往左往しながら議論を進めなきゃいかぬ、時間の浪費なんです。
 ですから、松本副大臣、是非そういったことを改めていただきますように、もうこれは答弁は結構です、時間が参りましたので。是非そのことを内閣府の大臣の方にも、山本大臣にもおつなぎいただいて、是非、意見は意見として素直に受け止めるということだけは、姿勢は変わりませんので、是非このことだけはお伝えをお願いを申し上げたいと思います。
 以上で質問を終わります。
#12
○委員長(渡辺猛之君) 松本副大臣、どうぞ御退出ください。
#13
○平野達男君 どうも、平野達男でございます。自民党の議員としては全くの新人議員でございますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 冒頭、今、野村先生の質問された信用事業について、私からもちょっと要望を申し上げたいというふうに思います。
 御案内のとおり、確かに今銀行業界は非常に大変でして、ネット業界からファンドを通じていわゆる今まで貸出先に入り込まれてきて、アメリカの大手の金融、銀行はこれからの私らの最大の敵はネット業界だというような中でかなりの再編を迫られていると。
 他方、日本では、そういう流れが来るのと併せて今マイナス金利ですから、金融機関全体の運用が非常に厳しいというのは分かります。分かるんですが、と同時に、今そういうネット業界が入ってくることによって、貸出しについても例えば人工知能を活用してやるとか、窓口のやり方も随分変わってくるわけです。
 その一方で、やっぱり、かつてリレーションシップバンキングってありましたね。これ、山本金融大臣のときだったか前だったか分かりませんが、やっぱりフェース・ツー・フェースで要するに貸出しをする、あるいは預金の出し入れをするというのは、やっぱり地域の中での一つの要なんだろうと思います。郵便局もそれで今頑張っていると思うし、それからJAさんも、様々な評価ありますけど、信用事業、共済事業の中で窓口業務ということで、ほかのメガとか何かでは絶対やれないようなシステムを持っているわけです。
 ですから、譲渡をするということについてはそれは個々の経営判断なんですが、それは経営判断だということで農林中金とかそういう、そちらの方から言うのはいいんですが、できれば大臣の言葉としては、農協の窓口というのを大事にしましょうやと、こういうときだからこそ大事にしましょうと。譲渡ということではなくて、もっともっと要するに銀行の窓口としての役割を広げるように努力していって、地域としてのつながりをもっともっと深めましょうという、そういうむしろメッセージをやっぱり出していただいた方が私はいいと思います。
 環境全体としては確かに厳しいですよ、今。厳しいんですけれども、だからこそ、こういうときだからこそ、そのつながりというものを、きっちりとした体系をつくっていくんだということを大臣の言葉として出していただくというのが私はこれ非常に大事ではないかなというふうに思います。これは要望として申し上げておきたいというふうに思います。
 それからあと、野村先生に、薩長土肥の連合の話ありましたけれども、あそこまで話されますと、やっぱり奥羽越列藩同盟をちょっと復活させないかぬのかなという、そんな気にもちょっとなったりしたんですけど、僕らもね。そういう意味で、ただ、大臣は連携してやりましょうというお話ししましたので、そこはよろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。
 それで、予定した質問にちょっと入らせていただきたいと思いますが、お手元に資料を用意させていただきました。
 一番目は、米について質問をさせていただきたいと思います。
 御案内のとおり、米の消費はどんどん減っています。一ページ目のグラフにありますように、もう皆様方御承知のように、毎年八万トンずつ減っています。去年も八万トン減りまして、おととしも八万トン減りまして、多分この趨勢は当分続くだろうというふうに思います。人口減少がありますし、それから高齢化の進展があって、高齢者の方々の必要なカロリー数というのは若い人たちに比べれば半分ぐらいでいいということもあったりして、様々なことがあって米の消費が減っていくんだろうと思いますが、同時に、ちょっとここの中ではデータとして提示しませんでしたけれども、傾向として米の卸売価格というのはずっと下がっているわけです。価格が下がっても消費は戻らない。下に一人当たりの消費量が書いてありますが、消費が全然価格が減っても戻らないという、消費の、需給の価格弾力性というのは一体どうなってしまったのかなというぐらいに今非常に奇妙な状況にあります。
 背景にはやっぱり炊事に時間が掛かるということはあるんだろうと思います。こんな、御飯といで、それで炊飯器で米炊くのに一合炊いても二合炊いても一時間は掛かりますから、今の炊飯器では。その後にそれを、食べた後、洗ってやるというのにかなり結構時間が掛かるということで、それが一つのネックになっているんではないかなというふうに思いますが、基本的な認識として、この米ということについて、これから消費ということに対して大臣はどのように方向で取り組んでいかれようとして考えておられるのか、簡単で結構でございますから、御見解をちょっと聞かせていただければ有り難いと思います。
#14
○政府参考人(柄澤彰君) 御案内のとおり、今お示しいただきましたように、大変残念なことでございますが、米の需要量、大体トレンドとして毎年八万トン程度減少しているところでございます。そういった中で、農水省としましては、国内外におけます米の消費拡大、何としても進めていきたいということで、いろんな取組をしているところでございます。
 例えば、次世代の消費の担い手でございます児童を対象とした米飯学校給食の推進ですとか、あるいは専門家による健康面からの御飯食の効用発信、食品関係企業等と連携した朝食欠食の改善や米を中心とした日本型食生活の推進、さらには主食用米の消費の約三分の一を占めますいわゆる業務用米の安定取引、さらには輸出の促進というようなことにいろいろ取り組んでいるところでございます。
#15
○平野達男君 そういう政策ずっとやってきて今まだこの傾向が続いているということですから、この問題はなお真剣にまず取り組んでいただきたいというふうに思います。
 二枚目の図、先ほど質問するときにセットで申し上げればよかったんですけれども、他方で、小麦の消費量はほとんど変わっていないんですね。小麦の消費量、大体ここで四百万トンぐらいずつの推移で動いているということであります。
 それで、ここから次の話に移るんですけれども、米の消費が八万トンずつ減っていくというのは、米の作付面積としては大体一万三千ヘクタールから四千ヘクタールぐらい主食用の米を植え付けなくてもいいと、要らなくなるということです、毎年毎年。まだこの趨勢が多分今のままでは続くでしょうから、そうしますと、一万三千から一万四千ヘクタールの中に何を植えるか。最近では餌米だとか様々なこと言われていますが、餌米については今の単価体系でいくと、八万円を基本にして最大十二万円までお支払ができるという体系にはなっています。なっていますけれども、仮に餌米でも何でもいいんですが、主食用の米の転作面積が増えれば増えるほど、これ、ありていに言えば、財政負担が増えていくということにもなっていくということでありますね。
 それからあともう一つは、じゃ、米の代わりに何を作るかという問題に関して言えば、先ほど言いましたように、もう一つの問題として小麦の消費量が全然減っていないという中で、国内の小麦の産出量もそんなに変わっていないんですよね。だから、餌米餌米というふうにこれ言うのがいいのかどうかということと併せて、やっぱり麦のことに対してもうちょっと力を入れてもいいのではないかなというふうに思います。
 県レベルではまだまだ育種の技術というのは米に集中しているんですね。毎年毎年どこかの県で新しい品種ができて、花火みたいに上がってきて、これが定着すればいいんですけれども、大体一年か二年ぐらいすると忘れ去られてしまうという構図にならないようにしたいなと。
 実は岩手県も銀河のしずくというのを去年出しまして、金色の風というのも出して、だけど、地元の人も大体最近しゃべらなくなっちゃったので、これは駄目だよと言っているんですが。もうちょっと麦ということについても、忘れ去られていますけれども、先ほど貧乏人は麦を食えと言われたというふうに池田、あっ、名前を出しちゃいけませんね、さっきの話がありましたが、今これだけの消費がありますね、小麦、麦については。ここをもう少しやっぱり大事にしていくというのが一つと、それからあともう一つは、米の消費が減っていくことによって代わりに何を植えていくかという戦略をどういうふうに立てるかというのがやっぱり大事になってくるわけですが、財政の問題として、セットとしてもやっぱり考えていかなくちゃならないということだろうと思います。
 いろいろなことを今一気に言っていまして、何を言いたいのか分からなくなっちゃっていますけれども、大臣、何か一言コメントしてください、何か。お願いします。
#16
○国務大臣(山本有二君) 現在、水稲作付面積は二十七年で百六十二万ヘクタールなんです。おっしゃられた主食用米以外のお米、全部合わせましてもさほどないわけでありまして、百四十一万ヘクタールは主食用米なんです。
 ということは、我が国の耕地をどう生かしていくかということにおいて、水田フル活用あるいは大豆、麦、そうしたものを駆使しましても、まだまだこれから先に考えなきゃならぬことがいっぱい出てくるということでございますので、委員の御指摘のように、何を作るか、どう作付けをしっかり無駄にせずにこの耕地をやっていくかということは、鋭意、常に我々が念頭に置いてイノベーションを重ねていかなきゃならぬというように思っております。
#17
○平野達男君 今財政の話しましたけれども、今度は質問の仕方がちょっと逆というか、別の角度で質問させていただきますけれども、来年産から生産調整については、元々生産調整は自主生産調整ということになっていたんですが、国の関与は、関わらないという方向になっていくというふうに理解しています。それがうまくいくかどうかというのは、米の代わりに何を作るかというときに、米以外の作物に対してどれだけの助成をするかというのがこれまた大きなテーマに、テーマというか大きな鍵になってくるんだろうと思います。
 そのときに、現場で今非常に不安になっているのは、例えば今の小麦、四万ですかね、餌米だったら八万から十万ということなんですけれども、これがいつまで続くかというのが非常に大きな不安の材料になっています。毎年毎年変わっていくんじゃないかということが、これが将来の見通しが立てられないという材料になっているわけです。私的にはもう三年か四年ぐらい本当固定するというふうに宣言してもらった方が非常にいいかなと。その後、三年、四年したら、恐らくこんな単価いつまでも高いやつは個人的には維持できるのは難しいかなと思いますから、下げることはあったとしても、ある程度の年限においての単価の固定というのはやっぱりやった方がいいんじゃないかなというふうに私的には思いますが、これは是非検討していただきたいというふうに思います。
 これ、今までも何回かいろいろなところで質問しながら、やっぱり財政当局との問題があって、なかなか簡単に答えは出せないことでありますが、生産者目線に立ってみれば、とにかく三年、四年、できれば五年ぐらいこういう形で単価が固定されるということであれば、高かろうが低かろうが、その中での一つの経営計画が立てられやすくなりますので、そういう点も併せて考えていただきたいというふうに思います。
 次の質問に入りますけれども、今度は牛の話に入ります。
 牛につきましては、もう御案内のとおり、今かなり子牛価格も牛肉価格も高いということでありまして、特に子牛価格につきましては空前の高値を今付けています。特に、黒毛の和牛に関して言えば、一頭当たり百万ぐらいで取引されるのも今ちょっと珍しくなくなっていまして、牛肉価格も去年辺りは史上高値を、最高値をちょっと記録したというふうに理解しています。
 そして、話があっちこっち行ったりしますけれども、農業総産出額というのが毎年農水省から出ますけれども、去年、一番新しいやつでは肉用牛が八千を超えて、これまた史上高値になりましたですね。一方で、米が、かつては一番高いときで四兆弱あったんですが、今は一・五兆ぐらいしかないです。だけど、畜産がもう相対的に伸びていて、今、肉用牛の価格だけが上がっていて、ぐっと伸びているという、そういう状況の中にありまして、今繁殖農家も肥育をやっている農家も経営は非常にいいです。いいんですが、なぜこういう状況になったかというのをやっぱり冷静に考えていかなくちゃならないんだろうというふうに思います。
 例えば岩手県に関して言えば、特に繁殖農家というのは今から二十年ぐらい前というのはすごい多かったんです。今統計も私もいろいろ追っていますけれども、この二十年間ぐらいで繁殖農家というのは半分以下、場合によっては三分の一ぐらいに減っています。恐らくこれは全国的な傾向なんだろうと思います。価格が上がってきても、今、繁殖用雌牛の数が二十八年から二十九年でちょこっと、十年間下がっていたのがちょっと増加しましたけれども、全体的に基盤がやっぱり弱っているんじゃないかなというふうに思います。
 いいものを安くというのは一つの産業としての役割だろうと思いますが、その中で、この繁殖基盤、それからあと担い手というのがない、肥育もそうなんですけれども、数が減っていっているということに関しましては現状をよく踏まえて対応していく必要があるのではないかと思いますが、今の段階で農水省としては、この肉用牛の供給基盤というか生産基盤、どのように認識しておられるのか、そしてまた、これからどのような対策を取られようとしているのかということについての考え方をお聞かせいただきたいと思います。
#18
○国務大臣(山本有二君) 今後の肉用牛の生産振興、これについてのお尋ねでございます。
 御指摘のとおり、肉用牛の飼養戸数、飼養頭数、年々減少傾向でございます。その背景を申し上げますと、繁殖経営では十頭未満の小規模層が全体の七割を占めておられます。労働収益性が低いわけでありまして、後継者が確保しにくいという事情がございます。多くの繁殖経営が中山間地域に立地しておるものですから、高齢化と相まって規模拡大がなかなか困難だという事情もございます。繁殖経営の減少に伴いまして、肥育の牛の供給が十分確保されておりませんので、肥育経営にも影響を与えているということが背景にございます。
 このような状況に対処するために何があるかということをしっかり考えていく必要がございまして、このため、まず繁殖経営におきましては、各経営の労働負担の軽減を目的として子牛の育成部門を外部化するというキャトルステーションの整備、あるいは肉用牛のヘルパーの活用、そうしたことによりまして中小規模の経営を含めた地域全体での規模拡大が進められるのではないかと、こう考えております。
 次に、肥育経営についてでございますが、自ら繁殖から肥育まで一貫して経営を行うような大規模法人経営、これの育成が必要ではないかというように考えております。繁殖雌牛の飼養頭数につきましては、平成二十八年に五十八万九千頭、六年ぶりに増加、九千頭、したわけでございますし、生産基盤の回復の兆しというのが見え始めたところでもございまして、こうした動きが確固たるものになるように、肉用牛の生産基盤の強化、引き続き取り組んでまいりたいというように考えているところでございます。
#19
○平野達男君 大臣おっしゃったように、繁殖というのは、今でも一戸当たり三頭、四頭の親牛を飼って、それで繁殖するという農家というのは決して少なくないんですね、元々。それと、岩手県なんかでは、東北地方は特にそうなんですけれども、それと田んぼでやるという耕畜連携みたいな形でスタートした面もあります。
 三ページ目にちょっともう一枚図を用意させていただいたんですけれども、これ、肉用牛繁殖農家の年齢構成及び後継者のいる割合ということで、これ農林業センサスに基づいて作っていただいた表なんですけれども、一次産業が大体全てこの傾向にあるんですが、繁殖農家に関して言えば、六十五歳から七十五歳以上の方もまだ頑張っておられるということで、しかも農業後継者がいる割合は、二〇一〇年、二〇一五年に比べて若干ですけれども下がっているということです。
 特に、七十五歳以上に関して言うと、今から四、五年前は七十歳ぐらいだったんですけど、そろそろやめようと思ったときに子牛価格がどんどん上がってきたわけです。子牛価格が上がってきたから、この価格だったら少しやってみようかなといって、それでやっている農家もかなり多い。多いんですが、先ほど言ったように、後継者がいないです。いないと同時に、四、五年前は七十だった人が今七十五歳になってきて、そろそろしんどくなってきているということで、最終的に大きな繁殖農家、規模を拡大していくというのは大事だと思いますけれども、もう一つは、この六十五歳から七十五歳以上の方々が当面担い手としてやっていかなくちゃなりませんから、こういった方々の労力軽減策というのもやっぱり大事ではないかなというふうに思います。枝元局長のところではいろいろなところを考えておられるようですから、それはしっかりやっていただきたいと思いますが、中期的な話とやっぱり、中期的というか、足下の話と長期的な話というのはセットでやって対策をしっかり講じていただきたいというふうに思います。
 特に、肉用牛については輸出産品だというふうに言っていますけれども、こんなに高い牛肉だと、やっぱり輸出ということに対しても本当にこれで大丈夫かなということになりますから、産業全体の基盤を強化するというのは、繰り返しになりますけれども、供給体制をしっかりすると、それでいいものを安くというのがやっぱり基盤でありますから、そういう形、そういう方向に向けて肉用牛の部分については頑張っていただきたいと思います。
 そして、今のこの牛に関してもうちょっと話を続けますと、和牛の子牛価格が高くなっているということで、繁殖農家が少なくなってきているという中で、ホルスタインをどんどん使っていますから、ホルスタインを使ったことによって何が影響で出てくるかというと、今度は乳用牛の数が伸びなくなってきてそちらの価格も上がってきているという中で、今全体、現場の中で起こっているというのは、牛の価格のバブルみたいなことを言われておるわけです。スタートは全部、全部というか、基本的には今の和牛の子牛価格の値上がりというところに行っているのではないかと思いますが、そういうところにも影響していますので、是非ここの部分は、牛関係の産業の基盤強化ということはしっかりやっていただきたいと思います。
 枝元局長、何か答弁したいような顔をされていますので、是非立って答弁してください。枝元局長。
#20
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 いろいろおっしゃられましたけど、最後におっしゃられた、じゃ、乳用牛に関するところにつきまして御答弁申し上げますと、御指摘いただきましたとおり、乳用牛に和牛を付けることによって、交雑種の生産ですとか和牛の受精卵移植で和牛をということが増えておりまして、それは御指摘いただいたとおり非常に価格が高いということでございます。こういう傾向は、価格の高水準ということでございますけど、酪農家がそれぞれの経営の所得の向上を図る上での選択肢となっているところであり、乳用牛、肉用牛の増産にも資するものとなっております。
 ただ一方で、交雑種生産等の増加によりまして乳用後継牛の生産が減少しておりますので、その確保に向けた生産者の自発的な取組を促していくことが重要というふうに考えてございます。
 農林省といたしましては、乳用種の雌の性判別精液の利用によります乳用後継牛の計画的な確保、受胎率の向上ですとか子牛の事故率の軽減などの取組、公共牧場の利用によります乳用後継牛の育成の外部化などを支援しているところでございまして、引き続き酪農家自らが乳用後継牛の生産に取り組むよう支援してまいりたいと存じます。
#21
○平野達男君 是非お願いします。
 もう一つ紹介だけ申し上げますと、去年、岩手県は交雑牛が物すごい増えたんですね、数が。それは何でかといいますと、やっぱりホルスタインからホルスを出すんじゃなくて、交雑を出してやった方がもうけるということで急遽増えました。これはこれとして農家の現金収入を増やすということではいいんですけれども、やっぱり産業全体として見たときに、これから微妙なひずみが出てくるということもあるんだろうと思います。そういったこともよく見ながら基盤強化というのを進めていただきたいというふうに思います。
 最後に、今度はJA改革の話にちょっと入らせていただきますけれども、先ほど野村委員から様々なお話がございまして、今回、十本近くの法案が出る中で農業団体の改革というのも大きなテーマになっています。
 確かに、農協をめぐる状況、農協、全農さんをめぐる状況というのは発足当時から比べれば随分もう大きく変わっているわけでありまして、今はもう担い手も多様化していますし、それから何よりも流通制度が様々なもの、ネットの進出によって流通制度も大きく変わっているという中で、JA自身もあるいは全農自身も大きく変わっていかなくちゃならないというのはあるんだろうと思います。あるんだろうと思いますが、しかし同時に、やっぱりJAさんと農家のつながりというのはまだまだ深いものがあって、先ほど野村委員からも出ましたけれども、政府・規制改革会議からああいう案が出たというのは私にとってもかなりびっくりでした。
 その中で、山本大臣は、基本的に農協改革、全農改革というのを、その改革の方向性というのを、何を大事にして何を変えていかなくちゃならないのかということについての基本的な認識をちょっとお聞かせいただきたいというふうに思います。
#22
○国務大臣(山本有二君) 昭和二十二年に農協法が制定されておりますが、その当時は小規模で多数の農業者によって協同組合として組織されたわけでございます。大きな二つの機能を持っていただいて、市場出荷を中心とした農産物の共同販売、小口ニーズに対応できる品ぞろえを重視した生産資材の共同購買、こうした非常に重要な機能を備えていただいて、地域ニーズに応えてきていただいたと。
 しかしながら、御指摘のように、経営環境が大分変わりました。農業者が大規模な担い手農業と小規模な兼業農家、階層分化をしているわけでございます。そして、組合員ニーズが多様化をしている中でございまして、農産物販売あるいは資材購入、農協系統のシェアが低下をしつつございます。
 農業者は、特に担い手農業者のニーズに十分応えられているかどうかという疑いもございまして、このために今回の農協改革では二つ。農産物の販売について安定的な取引先を確保して、実需者、消費者に対する直接販売中心にシフトいただければと。さらには、生産資材の供給につきましては、銘柄の集約あるいは大口需要者への割引、こういったことによって価格の引下げに取り組むというようにされておられます。こうしたことによって担い手農業者ニーズにも応えることができ、その意味で所得向上につながるものだというふうに認識しております。
 現在、各農協におきまして自己改革の取組が鋭意行われております。農林省としましては、こうした改革を着実に進め、成果を上げるよう促してまいる所存でございます。
#23
○平野達男君 大臣おっしゃるように、発足当時というのは農地改革の結果として均質な、一ヘクタール未満の、今、最近余り零細規模なんていう言葉は使いませんけれども、そういう農家がたくさん出てきて、安い資材を買うにしても価格交渉能力はない、作ったものを売るにしてもその価格交渉能力もない、だからまとまって安いものをみんなで大量で共同して買って安く買いましょうねと、作ったものはみんなで共同して売って高く売りましょうねというのが精神だったわけですね。それが最近ちょっとやっぱり忘れかけている面はあったかもしれません。かなり農家の中ではそういうことをおっしゃる方もいます。
 あともう一つは、担い手が多様化してきまして、生産法人とか規模の大きな農家が出てきて、経営マインドが随分変わってきて、やっぱり自分で安いものを、資材も購入しようという、そういう芽が出てきている中で、私が全農さんなんかに特に期待したいのは、やっぱりロジスティックの世界で、農協さんというのは、いついつどこで何月にこういう肥料あるいは資材が必要だというデータを集めようと思ったら集められるはずなんですね。そういったものを全部データとして集めながらやって在庫管理をしていきますと、効率的にこれを、全国連携する必要がありますけれども、もっと安く資材を集めて効率よく販売できるというネットワークをつくる可能性を秘めるというか、それをできる一番近いポジションにいるんじゃないかなと思います。
 そういうことも是非、今回の法律の中では国がというのを前面に入れていますので、別に国がこうやれ、あれやれというふうに指導する、命令する必要はありませんけれども、一つの中での物流が大きく変わっている中で、全農がこれだけのネットワークを持っているということを生かすということで、最終的には経営マインドに富んだ各生産者のニーズにも応えるような仕組みができるんだよというようなことで、是非、進められる改革というのは進めていただきたいというふうに思います。
 それからあと、一方で、中山間地域ではまだしばらくあと十年か十五年ぐらいは、もっと続くと思いますけれども、高齢者の方を中心とした小規模な農家の方が頑張っていますので、この方はもう絶対農協がいないと営農が続けられない、地域農業が続けられないという意味で農協の役割というのは引き続き重要でありますので、その点も含めて申し上げさせていただきまして、三十五分でちょっと時間を残しましたけれども、あとは進藤さんに時間を譲りたいと思います。
 ありがとうございました。
#24
○進藤金日子君 自由民主党の進藤金日子でございます。
 本委員会で二回目の質問になります。この質問の機会を与えていただきました先輩の議員の皆様方に感謝を申し上げたいというふうに思います。
 先ほど来、明治維新百五十年の話が出ておりますけれども、実は私は秋田県の出身でございまして、秋田藩は当初、奥羽越列藩同盟に入っていたわけでございますが、政府軍の方に移りまして、そういって明治維新を迎えたんですが、もうどちらの気持ちも分かるという中で、是非とも、この農林水産業、農山漁村の振興に向けて両者の気持ちの橋渡しをするような気持ちで、是非和合をもって進めてまいりたいというふうに考えております。
 先ほど来またJAの話が出ております。野村委員、平野委員からもあったんですけれども、私も全国を回る中にありまして、JA、各地域で本当に多様なんです。なおかつ、平野先生からも少しありましたが、JA自体はやはり地域をしっかりと支えて守っている、まさに制度資本の役割を担っているということもやはりこれしっかりと踏まえないといけない。そういった中で、信用事業のところだけ捉えて、まさに平均的な議論、平均値の議論をしていくのは極めて危険じゃないかなという気がいたします。まさに角を矯めて牛を殺すと、JA改革があって地域が駄目になるみたいなことになるとこれ本末転倒ですから、そういった地域を守っているJAという視点でも是非しっかり見ていく必要があるんじゃないかなというふうに思っております。
 それでは、予定した質問につきまして移らさせていただきたいというふうに思います。我が国の主食であります米についてでございます。
 農家所得の向上を議論する際に、米価の上昇がその至上命題という捉え方があるわけでありますが、一方で、やはり米価が上がっていくということになりますと、消費が減退していくという懸念もあるわけであります。私は、生産者と消費者双方がメリットを得るということが重要であるというふうに考えているわけであります。
 私なりに、農家所得の向上を図るということにつきましては、やはり生産コストと販売価格の差分を最大化していくということでないかなと理解しているわけであります。このためには需要に応じた生産が必要になるわけでありますけれども、まさにここも平均値の議論ではなくて、個別の需要に応じた具体的な生産の在り方を現場で検討するということが重要ではないかなというふうに考えているわけであります。
 この際、まず消費者のニーズがありまして、そのニーズに応えるための生産があると。そのコスト見合いで再生産可能な価格の設定がなされるべきだというふうに思います。例えば、無農薬米を食べたい消費者には生き物ブランド米というのがございます。トキだとかコウノトリだとかいろいろあるわけでございますが、そういった生産があるわけでありますし、とにかく、でも安い米がやっぱり欲しいんだというような消費者には、やはりここは徹底的なコスト削減をした米の生産というのが考えられるんではないかというふうに思うわけであります。
 こうした中で、農林水産省の米に関する情報、これ概要版としては、こういった米をめぐる状況についてといったものだとかあるいは米に関する関係資料という、米をめぐる関係資料というのもございます、それ非常に詳細な資料。また、今日はちょっとお持ちしているんですが、これマンスリーレポートという、これ毎月出しております。これも極めてしっかりとした資料でありまして、私自身はすばらしい資料ではないかなと評価している次第であります。まさに更なる充実を期待しているわけであります。
 こうした中で、例えば米に関する消費者ニーズ、これは食味だとか価格帯、安全性との関係でどうなのかなということについては、現在一定程度の情報、この中にも入っています。入っておりますけれども、やはり実態として、一概に消費者といっても、子育て世代もいるわけですし、高齢者の方々もおられる、そういった中で、またあるいは外食、中食というのもあるわけであります。そういった中においてこういった分類というのも今後必要になってくるのかなと、情報提供に当たってですね、そういうのも必要になってくるのかなというふうに思うわけですけれども、やっぱり実態として、需要に応じた生産を促進するにはこうした情報の整理収集、そして発信ということが極めて重要であるという反面、これ極めてまた煩雑なものになるのかなということを想定されるわけであります。
 こうしたことも踏まえまして、農林水産省として米の需要に関する情報提供等を行うに当たりまして従来以上の工夫が不可欠だというふうに考えるわけでございますが、官と民との役割分担も含めまして、この平成三十年度に向けた具体的な方針をお聞かせ願いたいというふうに思います。
#25
○国務大臣(山本有二君) おっしゃるとおり、米農家の所得を向上させるためには、需要に応じた戦略、特に情報を正確に勝ち取るということが何より大事でございます。そのため、各産地協議会等におきまして、主食用米等の作付けを的確に判断できますように、現在、御指摘がありましたマンスリーレポート、こういったもので契約、販売進捗、あるいは在庫動向等に関する情報提供を行わさせていただいております。
 昨年十二月以降、新たに、まず産地銘柄別の近年の需要実績、また産地ごとの事前契約比率や在庫比率、さらには卸売業者から中食、外食ユーザーへ販売された価格及び産地品種銘柄別の動向等を掲載いたしまして、各産地が自らの販売戦略を考える上で有益な情報提供になるものを開始させていただきました。
 また、作付け動向でございますけれども、二十七年産から五月に県段階の動向を公表するということにしておりますけれども、二十九年産からは新たに三月に県段階の作付け動向を公表するということにさせていただき、さらに五月に地域再生協議会ごとの動向も公表するということにさせていただきました。
 今後も、産地の要望等も踏まえながら、きめ細かく情報提供を行いまして、生産者や生産者団体、主体的に需要に応じた生産、販売が行われる環境づくりに懸命に努めてまいりたいというように考えておるところでございます。
#26
○進藤金日子君 ありがとうございました。是非ともしっかりとした情報提供をお願い申し上げたいというふうに思います。
 今日、配付資料をお手元にお届けしておりますけれども、これを御覧いただきたいと思います。
 上の方が、米の流通経路別の流通量の状況ということであります。これをずっと眺めているといろいろなことが浮かんでくるわけでございますけれども、この一番右側の消費者にはやっぱり多様なルートを通じて米が供給されるということであります。
 一方で、需要に応じた生産についてという資料、下側にあるわけであります。これは農水省のホームページから取ってきた資料でございますけれども、これはやはり低価格帯を志向する、好む業務用米の需要が多いということにもかかわらず、その供給が不足していて、高価格帯米の供給が過剰だと。まさにこの両者の需給のミスマッチが現実になっていると。一部これ、百三十万トンぐらいのミスマッチあるんじゃないかということも言われているわけでございますけれども、やっぱりこれをそのままにしておくと、低価格帯のニーズが外国産米の方に移っていってしまったり、あるいは米以外の食料に移っていく、そういうことも考えられるわけであります。私自身はこれはもうゆゆしき事態であるというふうに捉えております。
 そこで、低価格帯米の需要に応じた供給を拡大するための具体的な対策についてお聞かせ願いたいと思います。
#27
○国務大臣(山本有二君) 平成二十八年産の主食用米の生産は七百五十万トンでございますが、主食用米全体の需要に比して不足することはないわけでございますが、主に御指摘の低価格帯米を求める業務用ユーザーからは、希望する価格での調達が難しいという声が出されていることは承知しております。業務用需要は主食米の三割というように言われておるわけでございますが、そうした需要に対して的確に供給することができるような体制が必要だと私も認識しております。
 そこで、まず外食、中食等の実需者と産地とのマッチングの支援が必要であろうと思います。そして、各産地に対して、業務用米にも米を適切に販売するような、全国キャラバン等の機会を捉えて説明を重ねていきたいと思っております。需要に応じた生産を推進しなければならないと、なお努力したいと思います。
 そしてまた、農業競争力強化プログラムにありますとおり、流通加工の構造改革と併せて、全農の農産物の売り方見直し、あるいは安定的な取引先を確保する手段として、実需者、消費者への直接販売を中心にしてシフトするようにお考えいただいておりまして、米の流通分野におきましても需要に応じた販売体制の構築がこれで推進されるものというように期待しておるところでございます。
#28
○進藤金日子君 ありがとうございました。
 新聞報道等によりますと、複数年契約を結びながらやっているところとかいろいろあるわけでございますが、是非とも今大臣答弁いただいた方向でスピーディーに取組を進めていただきたいというふうに思います。
 やはり低価格で米を供給していくということになりますと、供給サイドで流通、生産の改革ということがやはり必要なのかなというふうに思うわけですが、その大前提としては、生産コストをまずしっかりと徹底的に削減していくということが重要ではなかろうかというふうに考えております。そして、やはりこの低価格帯へしっかりと対応していくということが私はこの米の輸出拡大というところにつながっていくんじゃないかなというふうに思うわけです。ですから、この取組、極めて重要だというふうに思っております。
 一方、世界各国の米の輸入量を見てみますと、これ精米ベースでございますが、これも農水省公表しておりますが、中国五百万トン輸入しているわけです、精米ベースで。なおかつ、フィリピンが二百万トン、インドネシアが百万トン輸入しているわけであります。特に中国におきましてはどれぐらい消費しているかというと、一億四千四百万トンなんです。もう膨大な消費量なんですね。
 この中で、消費ある中で、安全、安心でおいしい米を求める高所得者の層のニーズが大きいということも言われているわけでありますから、もちろん中国に関しては植物検疫の課題があるわけですけれども、そういった克服と並行して、これ一部取組があるというふうに聞いているんですが、炊飯済みのパックライス、ああいったことで輸出をしっかりしながら、日本の米はおいしいんだということをしっかり認識いただくなど、そういった多様な手法でチャレンジしていくということが重要ではなかろうかなというふうに考えております。
 こういった中で、やはり輸出の話をさせていただきますけれども、輸出、輸出ということはあるんですが、農家の方々、現実的に何かすごい遠い話じゃないかなと思っている方々も多いわけであります。そういった中で、是非とも今後の米の輸出に向けた具体的な戦略についてお聞かせ願いたいというふうに思います。
#29
○政府参考人(柄澤彰君) 御指摘のとおりだと思っております。
 我が国の国内におけます主食用米の需要が減少する中におきまして、主食用米以外の作物への転換と併せまして、やはり海外における日本産米の需要を拡大していくということが大変重要なポイントだと思っております。実績を見てみますと、我が国からの米の輸出量は平成二十八年におきまして九千九百八十六トンということで、前年から三一%増ということで堅調に伸びているところでございます。
 今後、更なる輸出の拡大に向けまして、日本産の米の受入れの余地がある海外のマーケットに対しまして、現地ニーズに応じたプロモーションを行う。また、今も御指摘ございましたように、炊飯器がなくても日本で食べるのと同じように食べられる、いわゆるパック御飯などの加工形態での売り方、それから、国内におきます担い手への農地集積ですとか資材費の低減による生産コストの削減、こういったことをいろんな角度でやっていくということが重要だと思っております。
 昨年五月に農林水産業の輸出力強化戦略を策定いたしましたが、この中で米の輸出力強化に向けた対応方向を盛り込んだところでございます。具体的には、我が国にいらっしゃる中国人の旅行客の方々にパック御飯をPRする、あるいはシンガポールですとか北米等における外食事業者と連携したセミナー、マッチングなどの取組を進めております。
 今、私ども、米、米加工品含めまして六百億円の輸出目標を掲げておりますので、これは可能な限り達成できるように全力で取り組んでまいりたいと存じます。
#30
○進藤金日子君 ありがとうございます。
 是非とも、一般農家の方々が輸出が遠い存在ではないと、コストを下げてしっかりやっていくと輸出につながっていって収益が上がっていくということが実感できるような、そういった今の取組、進めていただきたいというふうに思います。
 こうした中で、コスト削減の話が出ているわけでありますけれども、やっぱり生産コストの削減というのは基本的な課題として緊急でかつ重要な課題だというふうに思っているわけでございます。
 先ほど申し上げた中食、外食の低価格帯米を志向する方々、あるいは、この生き物ブランド米のように安全、安心な米、少し高くても欲しいんだというような、いろんな多様な需要があるわけであります。私はその基本は、でもやっぱり生産コスト削減するということが大前提にあるのかなというふうに思うわけでございますけれども、今答弁いただいた、さらに米の輸出拡大ということもこれはあるわけですから、そういったことを踏まえた、そういうことを展望した中でのやっぱりこの農地だとか水利施設などの生産基盤の在り方、これ一様じゃないんだと思うんです。
 その在り方についてお聞かせ願いたいというふうに思います。
#31
○政府参考人(佐藤速水君) お尋ねの農業生産基盤の整備でございますが、農地の大区画化、汎用化を行いますと、大型機械の導入ですとか担い手への農地集積が図られます。生産コストの削減など、生産性を大幅に向上させることが可能になると考えております。こうした基盤整備された農地におきましては、作業の効率化を図るGPSガイダンスシステム搭載のトラクターが導入できるようになりますし、いわゆるIT農業の取組が進みます。また、地下水位制御システムによる水管理の省力化等も図られるという結果になろうかと思います。
 今申し上げたような農作業の省力化によりまして捻出された労働力を活用することによりまして、先生御指摘の、例えば生き物ブランド米による高付加価値化ですとか輸出促進の取組、こういったものが進むものではないかと考えております。
 農林水産省といたしましては、こうした取組を始めとして、農業者が自由に経営展開できる環境を整備して更なる競争力の強化を実現していくためには、委員御指摘のとおり、基盤である農地を現場のニーズを踏まえながら適切に整備をしていくことが重要だというふうに考えております。
#32
○進藤金日子君 ありがとうございます。
 是非とも、現場のニーズ、しっかりと捉える中にいろんな多様なニーズがありますので、そこにマッチングするような生産基盤の整備をお願い申し上げたいというふうに思います。
 今、生産者側からの質問をしたわけでございますが、私はやっぱり消費者側に対する、国民一般側に対する情報提供というのもこれは極めて重要だというふうに考えているわけであります。
 配付資料の二ページをお開き願いたいんですが、これ、御記憶の方もおられると思いますし、忘れた方もおられるかもしれません、初めて見る方もおられるかもしれませんが、食料の未来を描く戦略会議というのがこれありまして、平成二十年の五月七日に、当時、福田総理の方に答申をしたということがございました。
 そういった中で、下の方に食料の未来を描く戦略会議資料集というのがあるんですが、この資料がよくできているんです。極めてよくできている資料でして、この三ページを見ていただくと、ちょっとピックアップしていますが、世界の食料需給を決める要因、基礎的な要因、近年大きな影響を与えている要因みたいなことを分析して、それぞれについてしっかりこれ分析しているんですね。
 下には、人口と所得の増加によって食料需要がどう拡大しているのか、あるいは四ページ見ていただきますと、畜産物の生産には多くの穀物が必要、十一キロ、畜産物ですね、牛肉一キロを生産するのに穀物十一キロを消費するというわけですから、この絵なんかは、中学生、高校生に言うとびっくりするんですね。非常にここ分かりやすい資料なんです。
 一方で、飽食と飢餓が併存する現在の世界の食料需給、ここも子供たち見ると本当にびっくりするんです。下の方の飢餓のところ、当時、世界で約八・五億人栄養不足と言っているんですが、今、最新のデータだと七億九千五百万人というふうに言われております。このうち約九六%が途上国、今はもう九八%ぐらいにウエートは上がっているんですけれども、栄養不足なんだということなんです。下の方を見ていくと、世界で毎日約二万四千人が餓死している、五秒ごとに子供が一人餓死しているということ。これは約十年前の資料ではございますが、こういったことが現実としてまだ起きているということなわけです。
 やはり、こういったことの資料、これ私も今も積極的に活用しているんですけれども、今、実は農水省の方でも、国際的な食料需給の動向と我が国の食料供給への影響ということで、この流れの中でしっかりと分析はしていただき、更にバージョンアップをしているところではあります。しかしながら、ここを、単なる資料をリバイスするということではなくて、やはり国民的な議論の中で世界と我が国の食料事情を俯瞰していく、そうした中で、国民全体で課題を共有しながらやっぱり食料に対する未来を展望していくということは極めて重要だというふうに私は考えているわけであります。
 この点につきまして見解をお聞かせ願いたいと思います。
#33
○政府参考人(山口英彰君) 委員から御紹介のございました食料の未来を描く戦略会議は、平成十九年に、オーストラリアにおける干ばつなどにより穀物価格が高騰する中で、食料に関する世界の状況を正確に把握した上で食料問題に関する認識を国民全体で共有するため開催されたものでございます。平成二十年五月に「食料の未来を確かなものにするために」と題する国民へのメッセージを福田総理に報告しているものでございます。
 こういった食に関するメッセージやこういう資料集、こういったものを広くかつ分かりやすく提供していくことは、国民に対しまして国内外の食料事情に関心を持ってもらい、食料の未来を展望していく上で重要だと考えておるところでございます。
 農林水産省では、食の未来を描く戦略会議で取りまとめた資料も活用しまして、世界の穀物需給の状況など食料をめぐる事情や、食料自給率、食料自給力の向上に向けた取組、不測時における対応、こういったものにつきましてパンフレットを作成、配布するとともに、ホームページでの掲示などを通じて情報発信を継続して行ってきているところでございます。
 今回、先生の方から御提案がございましたので、これまで以上に分かりやすい資料となるよう点検、見直しを行いまして、広く国民に発信して、食に関する国民的な議論を喚起していけるよう努めてまいりたいと考えております。
#34
○進藤金日子君 前向きな答弁いただきまして、本当にありがとうございます。
 是非とも、こうした資料を継続してフォローアップしていくことは重要なんですが、単にフォローアップにとどまることなく、今御答弁いただいたように、国民に積極的に発信して理解をしていただくということが重要だと思いますので、是非ともよろしくお願い申し上げたいというふうに思います。
 じゃ、次に、ちょっと話題を変えまして、山本農林水産大臣、所信の中で、魅力的な農家住宅などの生活環境整備の重要性ということを強調されました。私自身、全国回っていて、本当にまさに同感でございます。
 実は平成三年度に、今日は平野議員おられますが、平野先生が、私、先輩でございまして、平野先生、これ創設に関わっているんですが、農村活性化住環境整備事業というのがございました。やっぱりこういった過去の事業の知見ということをしっかりと整理をして、これをこれからの成果、この成果もですね、知見と成果踏まえて、多分、当時の制度ですから、今大臣思い描いているようなことにはなかなか制度的に対応できない部分もあったんだろうと思います。しかしながら、今の時点でしっかりと積極的にこの知見なり成果を活用していくということが極めて重要だというふうに私自身考えているわけであります。
 そこで、昔の話で恐縮なんですが、平成三年度創設の農村活性化住環境整備事業の成果と、今後の農家住宅などの生活環境整備に向けた具体的な取組についてお聞かせ願いたいと思います。
#35
○政府参考人(佐藤速水君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の農村活性化住環境整備事業でございますけれども、この事業は、都市住民のUターン、Iターンニーズが高い地域等におきまして圃場整備による住宅のための非農用地創出と、それと農業集落道等の生活環境整備を行う事業として平成三年度に創設されたものでございます。
 この事業を実施した地区、百十八地区ございますが、多くの都市住民、非農家の方でございますが、都市住民が他の地域から転入をしていらっしゃいまして、農家、非農家の間に連携が生じて、新たなイベントの開催ですとか伝統文化の保存といった地域の活性化が図られたというふうに評価をしております。
 他方、今般、山本大臣が発表いたしました農家住宅につきましては、農業の成長産業化に向けて、若者や女性を中心とした次世代を担う農業後継者が整備された圃場で先進的な営農を行うだけではなくて、農村で誇りと自信を持って暮らしていただけるような、そういう生活環境を実現しようというものでございます。
 今後は、この魅力的な農家住宅の整備に向けまして、国土交通省や都市再生機構等の協力を得て、農家住宅実践支援チームというものを創設いたしました。このチームを中心に支援を行っていくこととしております。具体的には、今年度中を目途にモデル地区を選定いたしまして、平成二十九年度の農山漁村振興交付金のソフト事業を活用いたしまして地域の構想づくりを支援していくこととしておりますし、また構想に基づく農家住宅などの整備に当たりましては、圃場整備による非農用地の創出ですとか関係省庁の事業の活用によりしっかりと支援してまいりたいというふうに考えてございます。
#36
○進藤金日子君 ありがとうございます。
 この住環境整備事業、平成三年当時は日米構造協議を踏まえた生活大国五か年計画ということもある中で、どんどんどんどん生活環境整備していこうという流れでございました。是非とも、今百十八地区ということを答弁いただきました、こういった知見をしっかりと活用していきながら前向きな方向で、是非とも、農村に意欲とやる気のあるそういった若い方とか女性の方々も誇りを持ってしっかりと居住できるような、そういった農家住宅の整備に向けて、生産基盤の整備と併せてしっかりと進めていっていただきたいというふうに思います。
 次に、では林業についてお伺いしたいというふうに思います。
 平成二十九年度税制改正大綱で、森林環境税、これ仮称でございますけれども、創設につきまして平成三十年度税制改正において結論を得るとされたところであります。我が国の地球温暖化対策につきましては、二酸化炭素吸収源となる森林が担う役割、これはもう極めて大きいというのは御承知のとおりでございます。
 森林は、御承知のとおり、植林、間伐、それから伐採と、この連続して途切れのない施業の連続によって維持されて、二酸化炭素吸収源としての役割を持続的に担うということになるわけであります。この途切れのない施業の連続には、やっぱり安定的な財源の確保ということが必要だというふうに思います。そういった中で、やはりこの森林環境税(仮称)の創設、これは極めて重要ですから、しっかりとこれやっていかないといけないと強く要請を申し上げたいというふうに思います。こうした中で、森林環境税の創設に向けまして、やはり国民各位の御理解はもとより、都道府県の御理解、そして市町村の役割、これ大きくなっていくということになると思いますので、その市町村の役割の明確化ということが重要ではないかというふうに考えております。
 そこで、この森林環境税創設に向けて、市町村の役割の明確化に当たって、現時点での具体的なロードマップみたいなところをお聞かせ願いたいというふうに思います。
#37
○国務大臣(山本有二君) 平成二十九年の与党税制改正大綱、年末に決定されましたんですが、そこの中に、市町村が主体となって実施する森林整備等に必要な財源に充てる森林環境税(仮称)の創設に向けて、平成三十年度税制改正において結論を得るという文言が入っております。
 森林環境税の創設に向けては、関係省との連携を図らなければなりません。特に、森林関連法令の見直し、あるいは市町村が主体となった森林整備を進めるための施策の具体化、さらには納税者あるいは地方自治体に納得いただけるような森林整備の意義等について分かりやすく丁寧な説明などに取り組むことが必要であると考えております。
 このため、今月には都道府県や市町村に対し市町村主体の森林整備の仕組み等を説明することとしておりまして、これに対する意見も十分踏まえながら更に検討を進め、夏の税制改正要望や年末の税制改正大綱の決定に向けまして全力で取り組んでまいりたいというように思っております。
#38
○進藤金日子君 御答弁ありがとうございます。
 やはり与党、この税制改正大綱の中には極めてこれ明確に書かれているんですが、森林の持っている公益的機能ということをしっかりこれ国民の皆さん方に御説明をして御理解いただかないといけないと。そういった中で、森林環境税を税金として取っていくんですけれども、二酸化炭素の吸収も含めていろんな面の多面的機能があるんだということについてもしっかりと御説明をして御理解いただくことが必要だし、なおかつ今、市町村、市町村合併等におきまして相当行政の力というものが私は相対的に落ちてきているんじゃないかと、業務量多くなってきていますから。そういった中で、本当に市町村もこういった税を使いながらいろんな森林整備をやっていく、いろんな取組をやっていくということについては不安を持っているんだろうというふうに思います。
 今大臣お答えいただいたように、しっかりとまた御説明をし、市町村の意見もしっかり聞いていただきながら、この森林環境税というのを有効に活用し、やはり自分たちが納めたこの税金がこんなにちゃんと使われてすばらしい森林になっていると、そしてまた森林にもどんどん行っていただいて、そしてまた森林の公益的な効果を享受していただくと、こういうことも重要ではなかろうかなというふうに考えているところでございます。是非ともよろしくお願い申し上げたいというふうに思います。
 また、林業の成長産業化を図るということを言われているわけでございますが、この中で新たな木材需要の創出と原木の安定供給体制の構築と、これやっぱり重要だろうというふうに思います。
 こうした中で、いわゆるクリーンウッド法というのがございますが、これ本年五月の二十日だったと思いますけれども、法律とか施行規則が施行されていくというふうに認識しているんですが、このクリーンウッド法の運用に当たりまして、海外で違法伐採された輸入木材の規制が極めて重要だということの一方で、自ら伐採をする自伐の林業者など国内の零細な原木生産者からは、クリーンウッド法の運用によって何か影響があるんじゃないかと、自分たちに影響があるんじゃないかという懸念する声が各地で聞かれるわけであります。
 こうした中で、クリーンウッド法の運用により懸念される国内の零細な原木生産者への影響というものとその対応策、是非ともお聞かせ願いたいと思います。
#39
○政府参考人(今井敏君) お答えいたします。
 御指摘がありましたように、昨年の五月、合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律が成立いたしました。この法律は、木材関連事業者に対しましてその取り扱う木材等の合法性の確認を求めるという、そういう法律でございます。
 その際ですけれども、まずこの木材関連事業者の範囲ですけれども、それは、木材等の製造、加工、輸入、輸出又は販売に関連する事業者ということですので、御指摘がありました自ら伐採した丸太を販売するいわゆる原木生産者などは本法の木材関連事業者には該当せず、本法における登録の対象にはならない。一方で、原木生産者には、この法律の対象となります木材関連事業者の求めにより、伐採した丸太の情報提供をお願いするようなケースも出てくるわけですけれども、その際にも従来からの伐採届の写しで対応が可能であるといったように、新たな制度の創設に当たりましては過度な負担なく取り組めるようにしていくというのを基本姿勢としております。
 本年五月に法施行を控えておりまして、現在、運用細則となります省令等のパブリックコメントを今実施中ですけれども、法律の内容や運用方針を関係者に丁寧に説明することを通じまして、関係者が抱いております心配や不安、そういったものを払拭し、円滑な法施行の準備を進めていきたいと考えております。
#40
○進藤金日子君 ありがとうございます。
 木材関連事業者の登録手続だとか、やはり法令遵守に要するコスト、加えてまたグリーン購入法ということもございますので、そういったことで原木の生産コストの増加だとか管理規制の強化につながる懸念というのは、生産者、まだ拭い切れていないのかなという気がするわけであります。
 今回、明確な御答弁いただきましたので、是非とも今答弁いただいた内容を周知していただくとともに、原木価格が低迷する中で、この中山間地域の維持と振興を担っているのは、やはり森林所有者の方々おられますので、そういった方々に更なる打撃を与えないように万全の配慮をお願い申し上げたいというふうに思います。
 次に、水産業についてでございますが、現在、次期水産基本計画の策定が検討されております。この基本計画の策定に当たりまして、海洋環境の変化だとか、外国船による乱獲、不法操業の問題、さらには国内沿岸域での密漁問題というのが顕在化する中にありまして、今後の水産資源評価の精度の向上だとか、あるいは海洋環境の変化に対応した操業転換、さらには新たな養殖業の展開など、その環境変化に柔軟に対応した操業体制の再構築を支援する取組、こういったことも重要ではなかろうかというふうに考えるわけであります。
 次期水産基本計画の策定に当たりまして、海洋の変化に柔軟に対応した操業体制の再構築の重要性に鑑みまして、これらに係る国の取組方針についてお聞かせ願いたいと思います。
#41
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。
 今先生の方から御指摘がありましたような海洋環境の変化ということを踏まえまして、水産庁といたしましては、海洋環境の調査を、これをやはり継続しまして、海洋環境の変化等による水産資源への影響の把握に努めているところでございますが、漁業者がより効率的にこのような環境の中で操業できるよう、漁場予測についてできるだけ短期的な予報の提供を行うことや、あるいは高精度化に取り組むといったようなことが大事になっているところでございまして、こうした取組をしっかりやっていきたいというふうに考えております。
 また、養殖におきましては、例えば温暖化によりますノリ養殖業の生産量の減少といったことへの対応が求められておるわけでございますが、これにつきましては、高水温に対して耐性を持つノリの育種素材の開発を進めているところでございまして、この成果を関係県の水産試験場に提供しましてノリ養殖業への普及を促進していきたいと、このように考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、引き続き、この成果を随時養殖業者に伝えるとともに、現場の事情を十分聴取いたしまして、更にどのような対応が可能か検討していきたいと、このように考えているところでございます。
#42
○進藤金日子君 ありがとうございます。
 また、新規漁業就業者を始めとした後継者の確保育成対策が極めて重要になってきております。新規漁業就業者総合支援事業とともに、漁船リース事業、これすごい大きな期待あるわけであります。補正予算等での対応で御努力いただいているわけでございますけれども、まだまだ現場では不足感が強いというのが実情でございます。
 こうした中にありまして、各県では漁業塾などによって重点的、集中的に後継者の育成を図っている事例も見受けられるんですけれども、これは是非とも、ここは要望でございますけれども、漁船リース事業について、これ新規漁業就業者の就業後の自立促進に極めて大きな役割果たすものであります。本事業の、もしなくなるとすれば、私は新規漁業就業者の次なるステップと将来展望を奪うことになるんじゃないかなというふうに思うわけです。是非とも、新規漁業就業者の総合支援対策の重要なツールとして、漁船リース事業、この継続を強く要望させていただきたいというふうに思います。
 そろそろ時間になってまいりました。私、我が国の食料供給力を維持増進していく中において、やはり農地と水が持っている機能、これを維持増進しないといけない、これはまさに土地改良ということでございますので、土地改良は日本の命綱だと。なおかつ、農山漁村の維持なくして国土の維持はないんです。ですから、農山漁村も日本の命綱と。この二つの命綱を守るために、また今日、与野党問わず委員の先生方と是非協力してまいりたいと思います。よろしくお願い申し上げたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#43
○櫻井充君 民進党・新緑風会の櫻井充です。
 ちょっと、大臣、通告していなくて大変恐縮ですが、大臣、御地元で農業関係者の大臣を支援してくださる方、もちろんいらっしゃいますよね。
#44
○国務大臣(山本有二君) ほとんどが一次産業でございますので、親しい人はかなりいると思っております。
#45
○櫻井充君 その中で米農家の方が今どういう不安を抱えていらっしゃるか、お分かりでしょうか。
#46
○国務大臣(山本有二君) 米農家の皆さんの全てを一律に捉えるというのは最近非常に難しいなと思っているんですが、大規模経営されている方々は、特に高知県のような非常に耕地面積の少ないところで大規模化するという努力をされ、かつまた酒米の勉強会だとか非常にきめ細かな努力を重ねておられるなという、そういう印象を持っております。
#47
○櫻井充君 済みません、そうじゃなくて、何か根本的に困っていることがないのかとお伺いしているんですが。
 私が地元を歩くと、二つ言われます。一つは、何かというと、減反政策です。この減反政策が一体どうなっていくのかがよく分からないから、米作り、本当にできるんだろうかということと、それから、戸別所得補償政策が廃止されたら我々の収入はどうなっていくんだろうかと、この二点だけですよ、米農家から私が言われているのは。
 大臣、地元を歩かれて、地元の親しい方々がいらっしゃって、そういう話は出ませんか。
#48
○国務大臣(山本有二君) 何人かの方々からは、減反、減反というか、米の所得補償についてやめるのは、廃止するのは少し残念な気もするというような反応をいただいたことはございます。
#49
○櫻井充君 いや、少し残念じゃないんです。経営できなくなるかもしれないぐらいせっぱ詰まっているんですよ、大臣。そのぐらいの認識を持って農水大臣やっていただかないと、私は農家の方々、本当、これから大変だと思いますね。
 例えば、大規模化しなさいと言っていますが、結局、十アール当たり七千五百円が来年から廃止されます。もう百町歩やっている方も当たり前のようにいらっしゃって、この方々、七百五十万ですよ、単純に計算すると、減収になるんですよ。七百五十万というと、多分三人ぐらい田舎であれば雇用できるぐらいの額だと思っていますが。
 この七百五十万、例えばの話ですけれども、これが廃止されたら、こういう大規模農家の方々はどうやってその米作りをやっていけるんでしょうか。
#50
○国務大臣(山本有二君) なかなか的確な答弁にはなりませんが、我が国の農業については、農業者の平均年齢が六十六歳を超えるというような構造的な問題が顕在化しております。農業の活性化は待ったなしの課題でございます。このため、安倍内閣では農業の成長産業化に向けまして農政全般にわたる改革を進めているわけでございます。この中で、旧戸別所得補償制度につきましては、全ての販売農家を対象に交付金を支払うものでございまして、農地の集積ベースを遅らせるなど問題が多いことでございますことで、二十九年産までで時限措置といたしました。
 他方で、強い農業の実現に向けまして、農地中間管理機構による担い手への農地集積や需要のある麦、大豆、飼料用米の生産振興を図ることによりまして、農地のフル活用を図るなど前向きな政策を強化しているところでございます。さらに、平成三十年産を目途に米の生産調整を見直すこととしておりまして、農業者がマーケットを見ながら自らの経営判断で作物を作れるようになるわけでございます。
 引き続き、農業の成長産業化を実現するための政策を力強く推進することによりまして、農家の所得の向上を図っていく所存でございます。
#51
○櫻井充君 済みません、答弁になっていませんので、もう一度だけ質問をいたします。これ、ちゃんと答えていただかなかったら委員会止まりますのでね。私は、委員会止まろうが何しようが全然関係ありませんから、礼儀正しくやろうと思ったんですが、なかなか難しいようでして、もう一度申し上げておきます。
 大規模農家であればあるほど減収額は大きいんです。兼業農家の方は、例えば自治体職員であったりとか、それから農協職員であったりとか、そういう方々は、例えば一町歩やっていたとして、七万五千円なくなったって余り大きな影響はないんですよ。専業でやっている人たちの方が大きいんですよ。
 そして、今政府で進めているのは、大規模化をしなさいと。そして、専業農家を育てることなんでしょう。だから、繰り返しになりますが、この戸別所得補償が廃止されて、七百五十万の収入が減るような方々はどうやったらお金を稼げるようになるんですか。これについて、ちゃんと明確に答弁してくださいよ。
#52
○国務大臣(山本有二君) 米政策について基本的に考えておりますのは、主食用米の需要が減っております。したがいまして、この主食用米を生産いただくということになりますと、市場価格が、需給バランスで供給が多くなるということにおきまして、低迷いたします。その意味において心配をするわけでございますので、米政策はできれば非主食用米、水田フル活用、これを利用いただいて、需要がございます麦、大豆、飼料用米の生産振興、こういったことで今まで獲得しておりました収入を是非そこで補ってもらいたい。
 このような取組の結果、二十七年産米、二十八年産米におきましては、二年連続で全国の過剰作付けが解消されることによりまして、米の需給が安定いたしまして、かつまた取引価格も上昇しておるわけでございます。さらに、三十年産を目途に米の生産調整を見直すことでございまして、農業者がマーケットを見ながら自らの経営判断で作物が作れるというようになるわけでございます。
 こうした施策で米農家の所得向上、これが図られるというように考えているところでございます。
#53
○櫻井充君 幾ら米の値段が上がるんですか。そして、今のその需給問題のところで、本当に供給サイドが減らしたら、米の値段はどのぐらい上がるんですか。
 一方で、米の供給が減るということは農家の生産量が減ることですから、幾ら単価が上がったって、農家の収入は掛け算ですからね。そういう意味では、米の値段が上がって、そして生産量減らして、農家の収入変わらなくて、誰が苦労するかといったら、米の値段が上がって消費者が苦労するだけじゃないですか。
 繰り返しになりますが、どうやって本当に農家の収入が増えるんですか。具体的に全くその道筋が見えていないからみんなで苦労しているんですよ、大臣。
 これ、済みませんが、資料要求しておきたいと思いますけど、今のことが本当に、個別具体として、例えば大規模化して、百町歩やっているようなところが一体どのぐらいの収入増になると農林水産省が考えているのか、この委員会に資料の提出を求めたいと思います。
#54
○委員長(渡辺猛之君) 後刻理事会で協議いたします。
#55
○櫻井充君 済みませんが、大臣、地元の農家の人たちは、ここで農業やめるかどうかという本当に瀬戸際なんですよ。兼業農家の方々は、それはほかに所得があるからいいかもしれませんけど、先ほど申し上げたとおり、兼業農家の方々の方がダメージは小さいんですよ。大規模化しているところの方が、繰り返しになりますが、専業農家の方が大きいんです。こんなことやっていったら、専業農家を殺しますよ。農業やる人たちがいなくなりますよ。
 そして、先ほど農家の方々が自主的な判断でやるんだとおっしゃっています。しかし、私は農水省の資料を見せていただくと、これから食料用の米の需要が減っていく、これはそのとおりだと思います。ですから、その分を減らすところについては異論はございません。一方で、飼料用米をその分増やして、農地の有効活用はそのまま継続すると、もう農水省の方針はこうなっているんですよ。だったら、どうしてそこで農水省が、生産調整というか、それをやめるんですか。
 もっと言うと、もう少し申し上げれば、飼料用米にシフトしてくださいと、結局、生産転換をしてくださいというのは農水省の方針じゃないですか。ここで一方でこういうことを言っておきながら、あとは自主的に任せるというのは話がおかしくないですか。
#56
○政府参考人(柄澤彰君) 今御指摘ございましたように、全体のマクロの見通しの中で、主食用米の減少が続いている一方で、今委員御指摘のように、麦、大豆あるいは飼料用米などに転換をして、それによりまして水田のフル活用を進めていくと、そういう方針は明確にしているわけでございます。そして、その中で、飼料米につきましては、食料・農業・農村基本計画におきまして、平成二十五年度の生産量十一万トンを平成三十七年度に百十万トンとするという努力目標を掲げているのは事実でございます。
 一方、米政策の見直しの趣旨でございますけれども、これは、そういった全体の状況の中で、これまでのように行政が生産数量目標を生産者に配分するというやり方を変えようということでございまして、国が三十年産以降もマクロの需給動向等は引き続き示すわけでございます。そういったマクロの需給動向、需要動向を踏まえまして、各産地、生産者が自らの判断で需要に応じた生産を進めると。
 すなわち、三十年産以降、生産者が需要と無関係に好き勝手に何かを生産するということではなくて、全体の需要動向を見極めて生産するということでございますので、そういった長期的な主食用米の需要減少の中での飼料米の生産拡大と今般の米政策の見直しは矛盾しないというふうに考えております。
#57
○櫻井充君 矛盾していると私は思います。
 それが可能なんですか。本当にそうやって国が生産調整をしないで、あとは自主的に任せて、国が思っているような将来の数字がありますけれども、その目標値に、それは自主的な判断でやれるとお考えですか。
#58
○政府参考人(柄澤彰君) この数年間、まさに需要に応じた生産の予行演習をしようというようなことでずっと各地で働きかけをしてまいりました。その結果、二十七年産、二十八年産の状況を見ますと、私どもが示してきました生産数量目標をマクロで見て二年連続で下回る、全国で二年連続で過剰作付けが解消するというようなことで、そのことによりまして米の需給、価格が安定してきているというふうに判断しているところでございます。
 この状況を三十年産以降も引き続き続けていくということで、需給、価格の安定を引き続き図っていくというふうに考えております。
#59
○櫻井充君 では、この政策が成功することを祈っていますが、もし失敗したら、私は失敗する確率の方が高いと思っていますけれども、その場合はどなたが責任を取るんですか。大臣、どなたが責任を取るんですか。
#60
○国務大臣(山本有二君) いや、これはすぐれて失敗することのないように進めていかなきゃなりませんし、そうした時期、時代に応じた必要な政策を打つことによって必ず成功するものというように考えております。
#61
○櫻井充君 誰も失敗しようと思ってやる人はいないんですよ。だけど、それが成功する確率が高いかどうかということをちゃんと検討した上でやっていただかないと困るわけですよ。繰り返しになりますが、農業で大規模化しているところの方が収入は大きく減りますからね。そうやってやっていって本当に農業が継続できるのかどうか、改めてちゃんと考えていただきたいと思います。
 僕は農水省の若手の方々と話をしたときに愕然としましたが、農業が市場原理の中でやっていくことが大事なんだみたいな話になったんですよ。しかし、本当にそうでしょうか。今、我々は米を主食としています。もちろんパンを主食としている人たちもいるかもしれませんが、少なくとも何でも農産品食べなきゃ我々は生きていけないわけですよ。そのときに、本当にここに市場原理を入れるといいことになるんですか。米の価格が先ほど申し上げたとおり上がっていったら、低所得者の方々、苦労しませんか。何を食べて生きていけばよくなるんでしょうか。
 そのときに私が申し上げたのは、じゃ、医療制度で、これ医療で、今公定価格になっていますけれど、国が決めていますが、これ自由診療にしたら本当にいい医療になるとお思いですか。A病院に行って、風邪を引いて行ったら、ある病院は千円でした、あるところに行ったら二千円でした、別なところに行ったら一万円なんですと。あとは病院間で競争して適当に値段を決めてくださいとやったら、本当にいい医療が提供できるとお思いですか。
 つまり、医療は国民の皆さんにとって必要なものなんです。必要なものに対して国が適切な値段を付けているわけですよ。アメリカのように自由診療にしていたら、医療費は物すごい勢いで上がってきていますよね。医療費そのもの自体がすごく増えています。そのために国民の皆さんが医療にアクセスできなくなっているんですよ。無保険者が約五千万人います。これと同じことじゃないですか。
 農業だけを見ているから、何となく自由化すれば良くなっていくような感じがしてくる。要するに、市場原理を導入すれば良くなってくるんだと、私の大嫌いな竹中平蔵さんのやり方ですけどね。こんな無責任な人たちがいろんなことを決めてくるから、私はろくなことにならないと思っているんですよ。
 お願いですから、ここのところはお願いですから、今本当に大規模化してこの農業で、専業農家で食べていこうとしている人たちが大きな悩みを抱えているんですよ。そのことがちゃんと払拭できるようにしてくださいね。御決意をお願いします。
#62
○国務大臣(山本有二君) そうした不安が解消されるべく、県の方々やあるいは地域を担う産地間別の情報提供等、こうしたいろんな施策でもって、生産者の皆さんが、特に将来子供が自分の農家を継いでほしいということを自信持って言える、そういう農家になる、しかもそういう米農家になるようにまずは考えていかなきゃなりません。
 一つは、現在の米政策というのは、主食用米を作れないという悔しさがあることは私の田舎でも同様でございます。非主食用米を作ることにおいて随分私の田舎でも抵抗がありました。どうして人が食べられるものを作らずに家畜が食べるものを作るかと随分抵抗がございました。しかし、やがて米の需給や、そして市場価格、そして世界における今の日本の現状等々を考えて、今非主食用米を私の田舎では作ることに納得感をいただいているわけでございまして、将来もし、ひょっとするとではございますが、家族で米を、お茶わん今三杯でございますが、五杯食べようというようなおいしい米がいっぱいできて、かつ輸出が、例えば五百万トン、そのうちの百万トンを日本産の米で輸出ができるというようなことになりますれば、私は状況は一変するだろうというように思っております。
 今現在の苦労、これを糧として将来何らか新しい方向付けができるような農政に取り組んでまいりたいというように思っております。
#63
○櫻井充君 答弁長かったんですけど、多分中身はなくて、これを聞いて、また農家の方々はがっかりしているんじゃないかなと、正直なところはそう思います。
 私は、方向性が間違っているとは申し上げておりません。やり方は本当にこれでいいのかと、ただ、そのことを問うているだけですから。
 その上で、ちょっと違うところに移りますが、今度、JAS規格、これ今度法案出てくるらしいんですけど、JAS規格を取らせましょうということはそれは別に否定はいたしませんが、これJAS規格を取って、大臣の所信表明の中には輸出を増やしていくためにJAS規格だと、そう所信で述べられていますが、このJAS規格というのは国際標準なんですか。
#64
○国務大臣(山本有二君) これは国内の規格でございます。
#65
○櫻井充君 国内の規格で、どうしてこの国内の規格を取ると輸出が増えるんですか。
#66
○国務大臣(山本有二君) これはまず、現在も海外の事業者との商談において活用されているという事実でございます。さらに、産品や取組の内容を説明、証明するコストを低減して、取引の円滑化や販路の開拓に貢献しておるわけでございます。実際に事業者から、輸出を目指す食品についてJAS規格を整備すべきというような要望が出ているわけでございます。
 こうした中で、JAS法の改正で求めますのは、例えば伝統的な抹茶の生産方法、あるいは鮮度を維持する保管・輸送方式、こうしたことによって我が国の強みのアピールにつながる多様な規格を定めるようにしているわけでございまして、こうした新たなJAS規格が定められることになれば、海外になじみのない産品や事業者の取組をアピールする手段として活用されることを通じまして国際的な影響力も徐々に高まってくるだろうというように考えております。
 今後、アジア諸国等との連携協力、それを強化することでJAS規格の内容を浸透させる、こうした国々の理解、協力を得ながらJAS規格を足掛かりとして国際規格を制定していくということを想定しております。また、GAP等の認証取得と併せて、JAS規格の戦略的な活用の促進を通じて我が国産品が事業者の強みのアピールを容易にして輸出拡大につなげるということになることを期待しておるわけでございます。
#67
○櫻井充君 繰り返しになりますが、これをやったからといって輸出強化にならないと私は思っているんです。なぜかというと、輸出するためにまず最低限、農産品であればGAPを取らないといけないし、水産物であればHACCP取らないといけないわけですよね。まず先にその整備をやることの方が大事なことであって、その次に国内についての認証制度を設けるということであれば、つまり、GAPやHACCPを超えた上でのJAS規格だったら分かるんですが、そうでなければ、JAS規格取るために多分いろんな書類書かなきゃいけないし、お金出さなきゃいけないし、相当な無駄な時間や無駄な労力を必要とするわけですよ。であったとすれば、例えば東京オリンピックの際に間に合わせるのであれば、農産品だってGAP取らないとなかなか食べていただけないわけでしょう、出せないわけでしょう。であったらそちらの方を先にすべきで、これは所信の中に述べられているんです。
 だから、私、順番逆だと思うし、それから、例えば日本酒で申し上げれば、日本酒のコンクールがありますが、そこで金賞を取ったからといって世界でどこまで評価されるんでしょうか。私が知り得る範囲で申し上げれば、今、ロバート・パーカーさんというワインの格付をやっている方がついに日本酒の格付を始めました。この日本酒の格付をやって地元の勝山というところのお酒は九十五点になりまして、この瞬間から世界からの取引、物すごく来ております。ちなみに、一番は「夏子の酒」のモデルになった新潟県の酒蔵ですが、ここは九十八点ですけど、九十点以上を取ると世界でも大きな評価を受けると。
 ですから、世界で評価されるシステムと国内で評価されるシステムは全く違っていて、今のままのJASのことだと、繰り返しになりますが、国内ではそれなりに通用するのかもしれないけれど、海外でそこまで通用するものに僕はならないと思っています。是非、これはもうここで止めますが、これからこの法案が出てくるやに聞いておりますので、法案審査のときにきちんとやらせていただきたいと思いますが、国際的に信頼される制度にならない限り、それとGAPやHACCPを超えた形で認証していかない限り、世界に相手にされないということだけは理解しておいていただきたいと、そう思います。
 それから、水産資源のことについてお伺いしておきたいと思いますが、地元の気仙沼の組合長にお話をお伺いすると、メバチマグロ、カツオ、サンマ、この漁獲量が減って本当に大変だと。調べてみたら、確かに相当減ってきていて、例えばサンマなどはほかの国々が随分捕っていますよね。
 ところが、今回の大臣の所信の中でいうと、クロマグロなどは国内で漁獲量を調整するような、資源管理と言っていますが、この資源管理は、はっきり申し上げて国内でやってもしようがないことであって、世界全体で取り組まなければいけないことだと思うんですが、これについて一体どの程度話合いが進んでいて、どれだけの効果があったんでしょうか。
#68
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。
 今先生の方からお話ございましたように、メバチあるいはカツオ、サンマといった高度な回遊魚につきましては、やはり一国でなくして世界全体で見ていく必要があると、このように私ども承知しているところでございます。
 それで、具体的な関係で申し上げますれば、例えば今お話ありましたメバチ、カツオの漁獲量が減少しておりますが、これはやはり熱帯水域における大型巻き網漁船の漁獲量の増加が主な原因ではないかというふうに考えております。
 このため、我が国といたしましては、中西部太平洋まぐろ類委員会ということで、我が国始め中国、あるいは南洋諸国、こういったところが加盟しておりますこのまぐろ類の委員会におきまして資源管理措置の強化を提唱いたしまして、平成二十五年に熱帯水域の大型巻き網漁船の隻数凍結を決定するなどといったような資源管理を行っているところでございます。
 また、サンマにつきましては、この減少については、資源量の減少や、あるいは水温あるいは海流の変化によりまして漁場の位置の変化などの原因に加えまして、外国船による漁獲量の増加による影響もあるのではないかというふうに考えておるわけでございますが、これにつきましては、平成二十七年に我が国の主導で設立されましたNPFC、北太平洋漁業委員会というのがございまして、この場におきまして、北太平洋公海で漁獲を行う許可漁船の隻数の増加を抑制させる旨の措置を決定しているところでございます。
 我が国といたしましては、これらの地域漁業管理機関における議論を主導するためにはやはりデータが必要でございますので、国際水産資源調査・評価推進事業という事業におきまして、平成二十九年度予算案では増額いたしまして十五億円を計上するといったようなことをしておりまして、議論に必要となる科学的根拠の充実に今後とも努めていきたいと、このように考えているところでございます。
#69
○櫻井充君 そんな生易しいことで本当に済むんですか。これ、資源枯渇してからじゃ遅くないですか。
 私なりに調べてみると、例えばサンマは台湾とそれから中国が物すごい勢いで増やしているわけですよね。台湾は今、日本と、済みません、私の資料が若干古いので二〇一四年までしか資料がありませんが、今や漁獲量は日本と、この時点で日本と台湾は一緒でした。中国はずっとデータがないんですが、その後、急に物すごい勢いで増えてきています。ですから、原因は分かっているんですよ。ここの国がもうこうやって捕っているから、だから減っているんですよ。さっさと措置しなきゃいけないんじゃないんですか。今更その資源がどうのこうのということとは僕は違うと思いますよ。
 港の水揚げ見ても、この間、塩釜からデータいただきましたが、サンマは本当に激減していますよね。ですから、これ、こういうことになっていったら地元で苦労すること当たり前じゃないですか、サンマを加工しているような業者さんたちたくさんいますから。そうすると、結局どうなるかというと、輸入せざるを得なくなってくるんですよね、捕れなければですよ。加工品を輸出しましょうといったって、自分の国で捕るべきものを、相手国が捕ったものを輸入して、そして加工して輸出したら、利益率は下がるだけじゃなくて、加工業者はそれで成り立つかもしれないけれど、残念ながら漁業者はそれじゃ生活成り立たなくなるんですよ。
 そういう意味では、原因ははっきりしているんです。原因ははっきりしていて、乱獲なんですよ、ほかの国の。もう少し厳しい対応をしていただかなきゃいけないと思いますが、大臣、御決意を。
#70
○国務大臣(山本有二君) 私も委員と同じように、この高度回遊魚が、例えばカツオは一九九五年に日本以外の国で百三十八万トン捕られておったのが、現在、二〇一四年では二百八十三万トンでありますから、漁獲が急激に日本以外で伸びているということにおける日本における資源の枯渇というものが影響しているというように思っております。
 国際交渉でございます。相手がございますので、しかし、それにめげずにしっかりと交渉を力強く推進していきたいというように思っております。
#71
○櫻井充君 よろしくお願いします。相手があろうがなかろうが、まあこの点はトランプさんを見習った方が僕はいいと思いますけれども、自国の利益をちゃんと追求できるように頑張っていただきたいなと、そう思います。
 ほかの国々どうしているのかというと、これ後で数字もう一回調べ直さなきゃいけないんですが、結構ペットフードとかそういうところに回っているらしく、ペットにこういうの食べるなとは言いませんが、できれば人様が食べるやつはそんなにそんなに無駄に回さないでほしいなと、ちょっとペットの愛好家に怒られるかもしれませんけど。そういうようなことなので是非頑張っていただきたいと思います。
 もう一つ、最後に大きなテーマで、獣医師の問題について質問させていただきたいと思いますが、獣医師は需給問題でいうとこれは不足しているんでしょうか、足りているんでしょうか。
#72
○国務大臣(山本有二君) 近年、家畜、ペットでございます犬あるいは猫の飼養頭数はいずれも減少傾向でございます。一方、獣医師の就職先、就業先は、家畜やペットの診療には限らない、また動物一頭当たりの診療回数も必ずしも一定ではありませんので、家畜やペットの頭数が減少していることのみをもって獣医師の需要が減少しているとは一概には言えませんけれども、獣医師の数自体が全体的に不足しているという状況にはないというように考えております。しかしながら、産業動物獣医師についてだけに限れば地域によっては確保が困難なところがございまして、こういう過不足があるという認識でございます。
#73
○櫻井充君 基本的には足りているんですよ。基本的には足りているんですが、足りているからこそ文部科学省はこれまで獣医師の学校を設立したいといったときに認可を下ろしていないはずなんですが、文部科学省、いかがですか。
#74
○政府参考人(松尾泰樹君) お答えいたします。
 獣医学部の新設についてでございますけれども、昭和五十九年より獣医師の需給等の観点から抑制をしてございます。
#75
○櫻井充君 そうなんですよ。それなのに何で今回は特区で簡単に通ちゃったんでしょう。たったしかも公募期間一週間です。一週間でこうやって通っていきまして、これを第二の森友学園だとおっしゃる方がいらっしゃいますが、根本的に違っていて、一番先は国際医療福祉大学です。特区を使って、今まで医者の数はもうはっきり申し上げてこの後十分になってきて、これは自公政権のときにも、それから我々の政権のときにもどうやって対応したのかというと、定数を増やして、もう十四校分増やしました。それでもということで、結果的に国際医療福祉大学はでき上がりましたが、特区を悪用して認可をさせてくると。この特区を悪用して認可させているのは、まさしく今回のこの加計学園というんですか、そこも同じことです。
 それで、非常に不思議なことなんですが、これは平成二十七年十二月十日、国家戦略特区のワーキンググループのヒアリングを今治市から行っております。今治市が広島と一緒になって特区として認められるようになるんですが、苦しい言い訳でして、しまなみ海道でつながっているからと。広島は広島であるのは分かるんですが、なぜかそこにぽつっと今治が来るわけです。
 しかも、そのときに八代委員が何と言っているのかというと、医学部の新設も非常に難しいと。いや、これは今治市の課長がいろいろ報告をしたときにこういうふうに八代委員が言っているんですが、医学部の新設というのも非常に難しい、だから今回、成田では非常に特殊な医学部だからといって認めてもらったことがあるわけで、これも同じように非常に特殊な獣医学部だから既存の獣医さんとコンフリクトがないという形に持っていくとつくりやすいと思うのです。だから、その点をちょっと、なぜここがこんなに特殊なのかということを御説明いただければいいと思いますと、こういうアドバイスを送っているんですね。
 ここで言われた後に、今度は僅か五日後の平成二十七年十二月十五日の第十八回国家戦略特区の諮問会議の中でこれが認められていくということになっていきます。
 私は、民間委員の人たちは何も考えずにこれを通せばいいんだといってこういうアドバイスを送っていること自体がすごく問題で、要するに通すためには何でもありなんだと、こういうことをやっているんですよ。
 私は、この八代尚宏さんをこの委員会に参考人として招致したいと思いますが、委員長、取り計らいをよろしくお願いいたします。
#76
○委員長(渡辺猛之君) 後刻理事会で協議いたします。
#77
○櫻井充君 さらに、この十八回目のときに私の大嫌いな竹中平蔵さんという方がいらっしゃいまして、この方をなぜ今までもずっと有識者として認めているのか私は本当に不思議でなりませんが、また竹中議員が何と言っているかというと、この獣医学部について高く評価すべきだと。それは何かというと、医学部は三十八年ぶりに医学部ができたけど、獣医学部については四十七年ぶりにできたんだからこれは立派なことなんだと。こんなことで評価しているわけですよ。こんな人が本当に有識者として呼べるんでしょうか。
 私は竹中さんって有識者とは全然程遠い人間だと思っているんですが、大臣、いかがですか。
#78
○国務大臣(山本有二君) 竹中さんについては何もコメントする立場にありませんので、御容赦いただきたいと思います。
#79
○櫻井充君 さて、こういう形で認可されていったことについて、獣医師の需給問題を預かっている農水省として、農水大臣としてこのやり方が適切だったとお思いですか。
#80
○国務大臣(山本有二君) 大学設置についてはすぐれて文科省の所管でございます。また、特区についてはまた山本幸三大臣の所管でございますので、私の立場からは、何とも言えない立場でございます。
#81
○櫻井充君 いや、それは違いますよ。需給問題を、需給問題のところについては、それは責任省庁ですよ、担当大臣ですよ。
 だから、これ、本当大事な問題なんですが、なぜかというと、大学を卒業したけれど、職がなかったら獣医師になれないんですよ。この間、授業料を払って、もしかすると奨学金を借り入れて卒業している人たちも今いっぱいいるんですよ。だから、歯学部大変じゃないですか、今。歯医者さんになりました、だけど職がありませんと。なかなか給料も高くないから苦労されていると。これだって需給問題じゃないですか。同じことですよ。大臣は物すごく関係していますよ。これについてどう思いますか。
#82
○国務大臣(山本有二君) まず、先ほど申し上げましたとおり、産業動物獣医師についての認識でございます。
 家畜診療あるいは飼養衛生管理、こういったことに中心的な役割を果たすわけでございまして、特に畜産農家にとっては極めて大事な方であろうというように思います。そして、現在、口蹄疫とか鳥インフルエンザという家畜伝染病に対する防疫対策を取っておりまして、その意味におきましても重要な知見を有する人材であろうというように重要視しております。
 そういう観点から見ました場合、四国における獣医師の過不足というのは、産業動物獣医師においては不足感が私の地元では現実にありますので、そうした意味での、私は需給という意味では、これは四国にあるというのは一つの考え方かなというようには思っております。
#83
○櫻井充君 そう考えるんであれば、特区使わないでつくったらよかったじゃないですか。どうして今まで下りていないんですか。
 ある日突然下りるようになっていって、これは多分、国際医療福祉大学をまねてここがやって、今度は加計学園を、これを学園をまねて森友学園がこういうやり方をしてきているんだろうと思っていて、これ相当根が深いんですよ。
 国家戦略特区って、よく使えば本当にいいものなのかもしれないけれど、ある種、ある一つのところにだけ利権を与えることになってくるとなると、結局政治家の利権につながっていくんじゃないのかと、そういうふうに感じています。
 これは違うかどうか分かりませんが、この加計学園の理事長とそれから安倍総理というのはかなり近いんだと。千葉科学大学というところが十周年を迎えたときに、総理が腹心の友をと祝辞を述べられていますが、一大学のこういう十周年記念で総理が出席して祝辞を述べられるというのは異例中の異例です。このぐらいの関係があったから結果的には変わっていったんではないかと。
 先ほど申し上げたとおり、公募をかけているのは僅か一週間、八日間かもしれませんが、それの間に決まっていっています。この方と食事も何回もされているしゴルフもやられていて、結果的に安倍政権になってからこうやって変わっていくことを考えてくると、何らかの政治的圧力が働いたんではないのかなと考えざるを得ないんですが、改めて文部科学省にお伺いしておきますが、こういう形で認可されることについて文部科学省はどうお考えでしょう。
#84
○政府参考人(松尾泰樹君) お答えいたします。
 文部科学省におきましては、しっかりと設置、大学設置認可に係る基準に基づきまして適切に審査を行うということでございますので、適切に対応していきたいと思ってございます。
#85
○櫻井充君 それは、文部科学省、これまでは適切にやってきたんですよ、医学部も全部適切にやってきたんですよ。それを特区でこうやってねじ曲げて、文部科学省の今までの方針と違うことになったことについてどう思いますか。
#86
○政府参考人(松尾泰樹君) 今回、特区で認められた件につきましても同様に、今月末、これに沿った形で設置認可の申請が行われた場合には、その認可に係る基準に基づきまして適切に対応していきたいと思っております。
#87
○櫻井充君 まあ、しようがないですね、それしか答弁できませんから。まあ、そこはそれで仕方がないと思いますが。
 繰り返しになりますが、国家戦略特区は、私は相当悪用されていると思います。こうやって、今までのことについて岩盤規制をこじ開けるんだと、竹中さんはそうおっしゃっていますが、私は本当に間違っていることだと思っていて、先ほど申し上げたかどうか忘れました、竹中平蔵さんも是非この委員会で参考人招致をしていただきたいなと、そう思っています。
 いずれにしろ、大臣、最後にもう一度だけ申し上げておきたいと思いますが、これも大臣の所管です。それから、農業の方々に対して、水産業の方々に対しても責任を負っているのは大臣です。先ほどからの御答弁聞いていると、何となく人ごとのような感じがして、これじゃ本当に一次産業やっていけるのかなという、私は正直申し上げて心配になりました。是非これから頑張っていただきたいということだけお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#88
○委員長(渡辺猛之君) 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二十一分休憩
     ─────・─────
   午後一時二十分開会
#89
○委員長(渡辺猛之君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、農林水産に関する調査を議題とし、平成二十九年度の農林水産行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#90
○徳永エリ君 皆さん、大変お疲れさまでございます。民進党・新緑風会の徳永でございます。
 午前中は諸先輩方にいかに北海道が皆さんにお世話になったかというお話をしていただきまして、改めて感謝の気持ちでいっぱいでございます。
 さて、私も通告をしておりませんので恐縮でございますけれども、一つだけどうしても大臣にお伺いしたいことがありまして、御質問させていただきたいと思います。先日、鴻池参議院議員が中華料理屋みたいだと言った、森友学園の建設中の、あの瑞穂の国小学院の校舎の問題についてちょっとお伺いをしたいと思います。
 実は三月五日に入学説明会がありました。その説明会の中で、学園側の説明として、全ての教室でこの伊勢、松阪ですね、三重県の松阪の木を使っております、外側に赤く見える、外側から見たら建物が赤かったと思うんですけれども、これは元々の松阪の木の色です、全く上から色を塗っておりませんし、今、人工的に造られているのかと思われておりますが、一切ありません、自然のことですと、こういう説明がありました。自然であんなに赤いはずはないと思いまして林業関係者の方に聞いてみましたら、いや、それはあり得ないと皆さんおっしゃったんですね。
 そこで、この建設に関係している業者の方々に電話をさせていただきました。そうしましたら、用件を伝えていないのに、名前を言っただけで、うちには関係ありません、知りませんと電話を切られてしまいまして、これ大分箝口令がしかれているなという感じがいたしましたが、あるところから情報をいただきまして、この建設に関係している企業の中に木材会社があるんですけれども、ここが生産している加工木材を使っているのではないかという話なんです。
 大臣、サーモウッドって聞いたことありますか。
#91
○国務大臣(山本有二君) 風化しづらい木のことじゃないかなというように思っておりますが、違ったら恐縮です。
#92
○徳永エリ君 そうなんですけれども、フィンランドで開発された木材熱処理技術だそうで、百八十度から二百度の高温で熱処理をすることによって木の組織が変性して、高い防腐性と寸法安定性を持つ優れた木材となるそうなんです。ヨーロッパで活用が増えておりまして、日本でも輸入販売という形で普及してきているんですけれども、湿度の高い日本向けに改良した技術で、国内生産もしているというのがそのKという実は木材企業なんですね。
 それで、木材を、薬剤を使わずに熱処理だけで色を出せるということもありまして、外壁や屋根、それから壁の合板に使うと、ヒートアイランド現象の低減を目指すという上でも大変に効果があるということなんです。ただ、このサーモウッド、ネットでいろいろ写真を見てみますと、きれいな茶色なんですけれども、赤ではないんですね。だから、本当に色を塗っているのかどうかというのは甚だ疑問なんですが、そこを確認することはできませんでした。
 もしサーモウッドだとすれば、高い技術を使って、そして国産の木材を大量に使って、そして補助金もたくさん入れてあの校舎を造っているわけでありまして、もしかすると農林水産委員会で視察に行かなければいけないような、そんな校舎になったかもしれないわけです。ところが、このまま様々な疑惑が晴れないでいると、もしかすると、この校舎も壊さなければいけない、更地に戻して国がもう一度この国有地を買い戻さなければいけないということにもなりかねません。
 そこで、私は、西田参議院議員もおっしゃっておりましたけれども、この森友学園問題はフェイクニュースだと、冤罪だというふうに断言しておられるぐらいですから、やはり私はこの疑惑はきちんと晴らした方がいいと思います。大変に厳しい状況ではありますけれども、疑惑が晴れれば小学校の開校もできるかもしれませんし、この校舎も残るかもしれませんから、疑惑は晴らすべきだと思いますが、林業を所管する農林水産大臣の立場としていかがお考えか、お伺いしたいと思います。
#93
○国務大臣(山本有二君) 利用期に入りました国産木材の利用を大いにしていただきたいというように熱望しております。
 ただ、森友学園さんの問題につきましては、すぐれて予算委員会の話でございますから、そこできっちりとした手続を踏んで疑惑が晴れればと期待しておるところでございます。
#94
○徳永エリ君 大阪の知事も調査に入るということでございますし、やはり籠池理事長を参考人として国会にしっかり招致をして、そして真実を追求をした方がいいと私は思っております。どうも与党の先生方の中には反対の声が多いということも聞いておりますけれども、やはり国民に対してこの問題は今一番の関心事になっておりますから、誠実に対応した方がいいのではないかということを申し上げさせていただきたいと思います。
 続きまして、家畜衛生対策についてお伺いをしたいと思います。
 今年度は全国で七道県十農場で高病原性鳥インフルエンザが発生をいたしました。直近では二月四日に佐賀県で発生し、二十八日に移動制限区域解除となったわけでございますけれども、今後の発生の可能性はどうなのか。いわゆるシーズンというんですか、それはもう終わりつつあるのかどうか、その辺りを確認をさせていただきたいと思います。
#95
○政府参考人(今城健晴君) お答えいたします。
 鳥インフルエンザ、高病原性でございますけれども、委員おっしゃるとおり、佐賀県において二月四日に発生したものの、移動制限区域も二月二十八日、先月末で解除になったという状況で、今、日本の中には移動制限区域はないという状況でございます。
 その中で、ちょっとまだリスクがあるというお話をさせていただきますが、まず、国内でも野鳥においては引き続き本病のウイルス、これは検出されております。それから、韓国では一回発生状況が下火になっていたんですけれども、二月に入りまして、また再び少し発生が出ておりまして、そういう状況にあると。あと、渡り鳥が来る可能性として台湾もございますが、台湾においても継続して本病の発生が確認されているというような状況でございますので、依然として本病の発生リスクにやはり備えていなければならないという状況ではないかというふうに考えております。
 いずれにしましても、こうした状況を踏まえまして、今月三日にはまた再度、都道府県に対し、改めて家禽飼養者に対する異状の早期発見、早期通報を含めた鶏舎の厳重な警戒と、それから体制整備ということについて要請させていただいたという状況でございます。
#96
○徳永エリ君 そして、農林水産省の高病原性鳥インフルエンザ発生時の防疫措置の指針、発生農場等における防疫措置について改めて確認をさせていただきたいと思います。
#97
○政府参考人(今城健晴君) この高病原性鳥インフルエンザ等に関する特定家畜伝染病防疫方針というものを策定しております。
 これは、やはり家禽における対策ということで、発生を確認した場合には周辺農場への感染拡大、これを防止することが何よりも大切でございますので、殺処分、埋却、消毒等の防疫の初動体制、これを迅速に行うということでございます。
 この観点から、平成二十七年九月九日に改定して公表しております特定家畜伝染病防疫指針、これにおきまして、患畜又は疑似患畜は当該農場で原則として患畜又は疑似患畜であると判定された二十四時間以内に殺処分を完了するということ、それと、この死体については、これも原則としてでございますが、判定された後に七十二時間以内に焼却し、又は発生農場若しくはその周辺において埋却すると、こういうような防疫方針になっております。
#98
○徳永エリ君 この指針に関してなんですけれども、二十四時間以内に屠殺を完了するということと、七十二時間以内に焼却をし埋却をすると、これが指針として私たちの中にこびりついているというか、これが基準になっていると思うんですね。
 皆さんに資料をお配りしたんですけれども、@番の資料ですけれども、今年度発生したこの高病原性鳥インフルエンザの状況を見てみると、措置の完了までに二十四時間、七十二時間、ここで終わっているケースはほとんどないんですよね。殺処分の飼養羽数というんですか、これが少ないところは比較的早いですけれども、例えば北海道の清水町などは二十八万羽ですから、これは大変時間が掛かるんですね。
 それで、改めて農林水産省の消費・安全局長からの通知を見てみますと、二十四時間及び七十二時間以内という一定の目安を示しており、当該目安については、防疫作業に特段の支障が生じない環境下の農場において、肉用鶏平飼いで五から十万羽の飼養規模、そして採卵鶏ケージ飼いで三から六万羽の飼養規模を想定しているというふうに書いていますから、かなり少ない数だと思うんですよ。
 そこで、お付けした資料の二枚目を見ていただきたいと思うんですけれども、実は、北海道の清水町で発生した鳥インフルエンザ、これは対応が非常に遅いということで実は各新聞で相当道がたたかれました、七十二時間以内に終わらないということで。これ、終わらなくて当たり前なんですね。とにかく数が多いですし、それから非常に寒い時期ということもありましたし、この対応に掛かった人数が延べで六千人ということでありますから、大変に時間が掛かって当たり前だというような状況でありました。
 そこで、この指針が二十四時間、七十二時間というのが、必ずこの中でやらなければいけないんだというふうに理解をメディアはしているようでありますから、ここをもう一度きちんと分かりやすく伝えなければいけないんではないかというふうに思いますが、この辺りはいかがでしょうか。
#99
○政府参考人(今城健晴君) お答えいたします。
 ただいま委員おっしゃられたとおり、先ほどのその殺処分二十四時間、それから埋却まで七十二時間というのはあくまでもこれは原則としての目安でございまして、消費・安全局長通知におかれましても、委員おっしゃられたとおり、発生農場の飼養規模について、いわゆるブロイラー、肉用鶏ですと平飼いで五万羽から十万羽、採卵鶏ケージで三から六万羽ということを前提にしている目安であるということでございますので、その点について、やはり現場やメディア等への周知というものはしてまいりたいというふうに考えております。
 その前提で、北海道の清水町の件、これはおっしゃるとおり発生農場が三十万羽弱、二十八万羽規模であった採卵鶏農場でありまして、かつ現地の気温が氷点下十五度というような非常に積雪もある過酷な環境下で夜から作業しなければならなかったというような非常に厳しい条件であったということでございますが、その中で関係者の皆様御努力いただいて、発生鶏舎での殺処分の優先実施、それから農場周辺における消毒ポイントでの消毒の徹底ということで、その厳しい条件の中で発生農場のみにおいて封じ込めることができたというふうに考えております。
 いずれにしましても、今シーズンは飼養羽数の多い養鶏農場における発生というものが多数ございましたので、したがいまして、時間の目安も当然あるんですけれども、やはり家禽飼養農場ごとに防疫計画書を事前に作っていただく等の入念な準備というものが迅速な対応には必要であるというふうに考えておりますから、そういうことも踏まえて、しっかりとこうした経験を現場の方と共有させていただいて、的確な対応に努めてまいりたいというふうに考えております。
#100
○徳永エリ君 よろしくお願いいたします。
 ちなみに、北海道の清水町のケースは殺処分までに七十時間三十分掛かりました。そして、埋却は八十時間三十分掛かりました。想定していなかった問題もいろいろ起きまして、例えば殺処分した鶏を埋却しようとして、鶏舎の近くに穴を掘って埋めるわけですけれども、掘ってみたら水が出てきた、代替地を探さなきゃいけないと。それが相当遠いところで、今度はトラックにそれを載せて運ばなければいけないと。そういうことも起きましたし、それからいわゆる防護服ですか、それも足りないということも起きましたし、とにかくいろんなケースが起きましたので、今回起きたケースをきちんと把握をしていただいて、今後またシーズンになったら高病原性鳥インフルエンザが発生する可能性はあるわけですから、まだ経験をしたことがない方々もしっかりと参考にできるような通達を農水省の方からしていただきたいということを改めてお願いをしたいと思います。
 それでは、続きまして、大臣所信の中で、農業の担い手育成、そして労働力の確保について、これ触れておられませんでした。農業競争力強化プログラムにも記載されている外国人材の活用を促進するためのスキームの導入についてお伺いをしたいと思います。
 農業の現場や水産加工の現場から人手が足りないという声は皆さんもよく聞かれると思います。最近は、どんな形でもいいから労働者を確保しなければ死活問題だという本当に深刻な声も聞きます。これ、高齢化ですとか、それから賃金が安い、それから若い人たちがなかなかきつい仕事をやりたがらないとか、いろんな理由はあるんですけれども、様々な理由で日本人の労働者が、労働力が確保しづらいという中で、これまでは外国人技能実習制度に現場は大きく依存してきました。全国平均で見ますと、在留外国人の約一五%が技能実習制度による在留だということであります。
 愛媛県では在留外国人四五・八七%が技能実習制度、徳島県では四一・九七%、香川県では三九・二三%と、割合が非常に高いです。私の地元北海道でも、およそ四人に一人、二五・五二%が外国人技能実習制度による在留外国人ということであります。それだけの実習生がいてもまだまだ人手が足りないという状況ですし、それから、せっかく仕事を覚えてくれたのに、三年たったら帰らなければいけないと。だから、本人が希望するんだったら、もっと長い間働くことができるような制度に変えてくれないだろうかという声もこれまで随分と聞いてまいりました。
 そういう状況でありますから、国家戦略特区における外国人の農業就労を認める新しい制度には実際には期待する声が大変に多いということはよく分かります。しかし、特区とはいえども、外国人就労が解禁される分野がどんどん広がっていけば、日本の国の在り方そのものが大きく変わりかねない重要な問題でありますから、ここは慎重に対応していただきたいというふうに思います。
 明日閣議決定する予定の国家戦略特区法改正法案の外国人の農業就労のスキームの詳細については、国家戦略特区での外国人家事支援人材のやり方を参考にするというふうに聞いております。今与党の中で議論している最中だと思いますので、皆さんのところにはたたき台になるようなペーパーが配られているのかもしれませんが、私たちは要求しても何も出してもらえませんでしたので、皆さんにお配りした外国人家事支援人材の活用について、このポンチ絵を使って御説明をいただきたいと思います。
#101
○政府参考人(大澤誠君) 先生御指摘のとおり、農業現場で非常に外国人についてニーズ、必要性があるという声をもう幾つか伺っております。そういうこともありまして、今回複数の自治体から、特区で、地域限定のやり方で外国人の人材受入れについて検討いただきたいという提案をいただきました。
 それを踏まえて、地域限定の事業として、御指摘のとおり、この家事支援外国人受入れ事業、これが国家戦略特区で現在行われておりますけれども、このスキームを参考にするような形で、一定の適切な管理の下で、技能等を有する農業分野の専門外国人材の就労を可能とする制度というのを今検討し、政府として国会提出を予定しているところでございます。
 どこが家事人材スキーム等を参考にしたかといいますと、まず二点ほどございます。一つは、一定の要件を満たす外国人の方に、これ特定活動という在留資格を、これは活動を限定するという意味でございますが、特定活動という在留資格で入国を認めていくということを法律上規定するというところがまず参考にした第一点目でございます。
 それから、第二点といたしましては、このお配りいただきました資料の中の上の方に、そこで第三者管理協議会という、同じ名前を使うわけではございませんけれども、一種、管理体制の核として、関係する自治体や国の行政機関が参加する一定の協議会の方式を採用すると、こういうことにつきましてはこの家事人材のスキームを参考にいたすということを考えております。
 なお、ここで契約については、この特定機関から請負契約の形で利用世帯との関係をつなぐということが家事人材では行われておりますけれども、農業の場合には、農業者が現場で、請負ではなくて、請負というのは基本的に指揮命令系統ではなくて請け負った内容に応じて内容のとおり作業を行っていただくということですので、そうではなくて、農業者が一定の指揮命令系統を持つという形を使おうということで、今回につきましては労働者派遣契約に基づいて農業経営体等に派遣するという形で行うことを考えているところでございます。
#102
○徳永エリ君 大きく違うところは、請負ではなくて派遣だというところだと思うんですが、農業支援活動を行う外国人の要件についてもお伺いしたいと思います。
#103
○政府参考人(大澤誠君) 先ほどの答弁の中では主に法律で記載される事項について御答弁申し上げたところでございまして、具体的な細かな要件につきましては政令なり内閣総理大臣が決定する指針なりで決まってまいります。
 というところで、外国人の要件の詳細につきましてもその一つでございまして、外国人の要件の詳細につきましては現在関係府省で調整中でございますが、方向といたしましては、これは即戦力となり得る農業に関する一定の知識、経験、これをどういうふうに測るかというのはまだ調整中でございますけれども、こういう一定の知識、経験を有する者というふうな方向で考えているところでございます。
#104
○徳永エリ君 在留期間はどのくらいですか。
#105
○政府参考人(大澤誠君) 在留期間につきましては、現在、これも現在関係府省で調整中のところでございますが、方向性として一つ出ておりますのは、在留期間、どういう年限にするにせよ、在留可能な期間を超えない範囲内で帰国、再入国は可能とするという方向で考えております。例えば、半年働いて一旦帰国していただいてまた再入国したりするということも可能にするような方向で検討しておるところでございます。
#106
○徳永エリ君 特区間での移動は可能ですか。
#107
○政府参考人(大澤誠君) この点につきましては、これもまだ現在関係府省でこれは方向性も含めて検討中でございます。ちなみに、家事支援の外国人受入れ事業では特区に指定された区域間の移動は制度上可能とされているところでございますけれども、これに従うかどうか、倣うかどうかということは今まさに関係府省で検討しているところでございます。
#108
○徳永エリ君 この在留期間と特区間で移動ができるというのは、私は大変問題だと思っているんですよ。通算で三年であれば行ったり来たりできるということですよね。そうすると、季節労働者になりかねませんよね。必要なときだけやってきて働く、必要がなくなったら自分の国に帰っていく。あるいは、地域でもそうですよね。特区間で移動が可能であれば、例えば北海道で働いていたと、冬の農閑期は仕事がないので、じゃ、沖縄に移動するとか、特区に指定されればそういうことも可能だということですよね。
#109
○政府参考人(大澤誠君) 今回、そういう御指摘も一部の方から伺っておりますので、まさに外国人の要件をどうするかということが非常に大事になってくると思っております。
 先ほど即戦力という形で申し上げましたけれども、やはり現在、農業者の農業作業もいろいろ多様化しておりまして、経営者に加えて、ある意味で単純労働をする方もいらっしゃいますけれども、その間に作業を現場監督する方とか、それから今回、農業活動だけではなくて六次産業化されている方も視野に入れながら、いろいろな販売の作業、販売の実務に従事される方、いろんな作業ございます。いろいろなところでのむしろしっかりとした即戦力になる方というのを選んでいただくということが大事だというふうに、そういう要件にしていくことが大事だと思っておりますし、先ほどお話ししました管理体制もしっかりやっていきたいというふうに考えてございます。
#110
○徳永エリ君 伺っているポイントがちょっと違うんですけれども、季節労働者のような形で外国人労働者を活用といいますか、働いてもらっていいのかどうかという点はすごく大きな問題だと思うんですね。今回の法改正によっていわゆるもう農業に関連することだったら何でもできてしまいかねないわけですから、必要なところに必要な労働力を移転させるということに多分なるんだと思うんですよ。それが本当にいいのかどうかというのは甚だ疑問だと思いますけれども、その点いかがでしょうか。
#111
○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。
 農業界の中では、他方で、農作業が集中している期間というのが非常に限定的だということで、何というんですか、単純作業に複数のところでやるというよりも、本当に農業活動で人手が欲しいときにいろいろなところでやった方が、季節も違いますので、一番外国人の方にもいいことになるんじゃないかと、そういう意見もございます。
 そういう意見といろいろな問題を引き起こす可能性というのを両方測りながら検討してまいりたいというふうに考えてございます。
#112
○徳永エリ君 派遣会社に登録をするわけでありますから、本人の好むと好まざるとにかかわらず、あそこへ行け、ここへ行ってくれ、ここにニーズがあるんだということにもなりかねないわけですよ。そこを私は大変心配しているということを申し上げておきたいと思います。
 それから、技能実習では、農業関係は、耕種農業として施設園芸と畑作・野菜の二作業、畜産農業では養豚、養鶏、酪農、二職種五作業だったわけですけれども、これが特区の場合には、先ほどもお話がありましたけれども、対象をぐっと広げることになるわけですよね。
 国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案のこの第十六条の五のところを見てみますと、国家戦略特別区域内において農業支援活動、農作業に従事し、又は農作業及び農畜産物を原料若しくは材料として使用する製造若しくは加工の作業その他農業に付随する作業であって政令で定めるものに従事することによりとなっているわけですから、これ大変に広い仕事の範囲になっていくというふうに思うんですよ。
 規制改革推進会議でのいろいろと要望を見ておりますと、北海道の日高から軽種馬に従事してもらえないかという要求があったと思うんですけれども、この特区では、もし北海道が特区に指定されるということになれば軽種馬にも従事できるということになるんでしょうか。
#113
○政府参考人(大澤誠君) 先ほど冒頭に申し上げたとおり、幾つかの自治体からの要望に基づいて今回の制度を考えているわけでございますが、御指摘のとおり、北海道は今戦略特区に指定されておりません。
 ですので、一般論として、今議論しておりますのは、外国人の活動内容は、お話しのとおり、農業支援活動ということで、農作業及び農業に付随する加工又は製造の作業等ということで、そういう形で今検討しておりますけれども、御質問の軽種馬が入るようになるかどうかということについては今まで関係府省の中でも議論されていなかったところでございます。今後また議論を深めてまいりたいというふうに考えております。
#114
○徳永エリ君 農業は決して単純作業ではないと思うんですよ。大変に専門的な技術を要する作業だというふうに思っております。そして、農業でいわゆる対象となる職種が広がっていくと、危険性も高まるということであります。
 農林水産省の皆さん御案内だと思いますけれども、農業従事者、年間何名命を落としておられますか。
#115
○政府参考人(大澤誠君) 申し訳ございませんけれども、現在手元に資料がございませんので、また後日お答えいたしたいと思っております。
#116
○徳永エリ君 このところずっと三百名ぐらいの方々が命を落としている大変に危険な作業であります。そういうところに外国人労働者を労働力として使っていく。これは相当に高い技術を持っていないと危険だということも申し上げておきたいと思いますし、働いていただく方々への健康保険の加入、これが任意か義務か、あるいは労災への対応をどうするのか、こういったところもしっかり検討していただきたいと思いますが、いかがですか。
#117
○政府参考人(大澤誠君) しっかり検討していきたいというふうに思います。
 なお、労災につきましては、これは国内の法制度上、一名でも従業員を雇用する企業は適用されるということになっておりますので、外国人であっても日本国内で働いている限り労災保険の給付が受けられるものというふうに理解しております。
#118
○徳永エリ君 法律が通った後に政令そして指針、しっかり決めていくということでありますけれども、なるべく現場の皆さんの声もしっかり聞きながら、問題が起きないように対応していただきたいというふうに思いますし、それから、毎年やはりこの不法就労の問題とか不法滞在の問題が大変に深刻な問題としてクローズアップされますけれども、いろんな形で外国人労働者が受け入れられるというような形になっていくと、こういった問題もますます深刻化していきかねませんし、それから、思った方向にはなかなか行かないということも現場では起きかねませんので、しっかりと対応していただきたいと。
 そして、どうしても外国人労働者というと、低賃金の労働者というふうに受け止めている方も多いようでございますけれども、今現場の声を聞きますと、本当に外国人の方でも来ていただければしっかりと賃金を払うと、今もうお金払っても日本人の労働者は来てくれないんだと。だから、しっかりと日本の農業従事者、出面さんとかですね、そういう方々と同じだけの賃金をきちんと支払っていただくということと、それと、やはり保険や労災の問題もこれも重要だと思いますので、しっかりこれから議論をしていただいて、問題がないようにしていただきたいということを改めてお願いを申し上げたいと思います。
 それから、この外国人の農業就労の新しいスキーム、まずは特区からということでありますけれども、これ、特区はいわゆる農作業の範囲も広くなりますし、それから一か所にいてくださいということではありませんし、入国も出国も自由だということでもありますし、ある意味、必要なときに必要な労働力を使えるということもあって、いろんなところから特区に指定してもらいたいという声がこれからどんどん上がってくると思うんですね。
 規制緩和を提案した秋田県の大潟村、茨城県、そして愛知県、群馬県の昭和村、長崎県なども手を挙げているわけでありますけれども、特区は現在十区域ですよね、指定されているの。先日、安倍総理大臣も特区の諮問会議で、今年中をめどに特区の第四次指定を行いたいというふうにおっしゃっているようですけれども、特区だらけになってしまったら、これ規制や法律、何の意味もなくなってしまうと思うんですよ。特区はそもそも規制改革の実験場ですから、そこでうまくいったという形ができれば、これ一気に全国に広げていくということになりかねないと思うんですね。
 ですから、本当に慎重にやっていただかないと、本当に、再度繰り返しになりますけれども、日本の国の在り方そのものが大きく変わるということですから、是非とも与党の皆さんにも慎重な対応をお願いしたいということを申し上げておきたいと思います。
 続いて、水産政策についてお伺いをしたいと思います。
 大臣所信の中で、水産政策の改革について、国内外の資源管理や漁業交渉において、捕鯨をめぐる議論を含め、二年から三年先を見据えた戦略的な全体方針の下、主導権を確保しつつ効果的に対応してまいりますとなっています。
 この二年から三年先を見据えた戦略的な全体方針、これ具体的にはどういうことをおっしゃっているんでしょうか。
#119
○政府参考人(佐藤一雄君) 徳永先生の御質問にお答えいたします。
 今先生の方から御質問があったこの国際的な資源管理や漁業交渉を進めるに当たりましては、これまでも科学的根拠に基づく水産資源の持続的な利用を促進しつつ、海外漁場等が確保できるよう、一つといたしましては、地域漁業管理機関における協議あるいは二国間交渉などを相互に連携させてきているところでございます。また、持続的な利用を支持する国の拡大や連携の強化に努めてきておるところでございまして、これらの交渉にメリットがある案件に絞り込んだ海外漁業協力という形でやってきているところでございます。
 他方、昨今では、科学的根拠に基づかない環境保護の議論がなされたり、あるいは無秩序な操業が行われたりする傾向が今後更に強まり、我が国にとって極めて厳しい状況になるものと考えているところでございます。
 このため、この地域漁業管理機関、これは大体年次会合で毎年やっておるわけでございますが、こうした年次会合に加えまして、ワシントン条約締結会合、いわゆるCITESあるいはIWC総会等といった大きな国際会議が予定されております二年あるいは三年後を見据えまして、それぞれの交渉や海外漁業協力などを更に連携を取りつつ進めていく考えでありまして、このことにつきまして大臣が所信としてその旨を述べられたものでございます。
#120
○徳永エリ君 いろいろとお話をいただきましたけれども、IWCというお話が出ました。山本大臣は、鯨の海、土佐湾を抱える高知県の御出身であられます。大臣御自身は、この我が国の捕鯨問題についてはどのようにお考えになっておられますでしょうか。
#121
○国務大臣(山本有二君) かつて江戸時代に土佐藩は二つの町だけに捕鯨を許しました。室戸と足摺だけでございました。それで、一年間に捕れる頭数は五百頭、それぞれ決めておりました。しかし、そうした管理というものがやがてはなくなってきたわけでございまして、そんな意味でやはり資源管理というのは古今東西を問わず大切な考え方であるというように私も思っております。
 御質問のIWCでございますけれども、一九八二年に商業捕鯨の一時停止というものがございました。いわゆる商業捕鯨モラトリアムが決定されたわけでございます。三十年以上それが経過してしまいました。その後、現在に至るまでIWCでは持続的利用支持国とそれから反捕鯨国というものが対立したままでございます。国際法及び科学的根拠に基づいた議論が必ずしも行われていない状況を日本としては憂慮しているところでございます。
 このような状況を打開するために、まず南極海と北西太平洋で鯨類科学調査を実施して、商業捕鯨再開の科学的正当性を強化するということが一つ。もう一つは、持続的利用を支持する国との連携を強化するということでございます。三番目に、IWCの機能を回復すべく、国際法及び科学的根拠に基づく建設的な議論を主導していく。こういう三点の方針を持って打開していきたいというように思っております。
#122
○徳永エリ君 後でお答えいただくところまでお答えいただきました。時間もないので、確認しておきたいことだけ御質問させていただきたいと思います。
 南極海の調査の安全の確保というのは非常に重要な問題だと思っています。海洋環境保護団体とは名ばかりで、私は海賊行為だと思っているシーシェパードによる妨害活動への対応なんですけれども、シーシェパードが、資料をお付けいたしましたけれども、新造した妨害専門船、これ非常に能力が高いということなんですね。この安全、捕鯨船の乗組員や船体の安全の確保ということをしっかりやっていかなければならないというふうに思っております。
 我が国は、妨害船を阻止するような船も新造しなければならないと思いますし、また調査に使用される調査母船日新丸、これも私も乗せていただきましたけれども、一九八七年にトロール漁船として建造された船を改造して調査捕鯨の母船として調査捕鯨に従事してきました。船体年齢は三十年に達しようとしているわけであります。乗組員の今の時代に即した生活環境や安全性にも配慮しなければなりませんし、調査捕鯨に対する我が国の取り組む姿勢を内外に明確に示すためにも、新しい母船を新造する必要もあるのではないかというふうに思っております。
 これ、新しい船の建造には検討期間も含めて四、五年ぐらいは掛かるんではないかというふうに言われているんですね。私もいろいろと乗船して乗組員の方と意見交換をさせていただきましたけれども、是非とも関係者の方とのまずは検討会を設置していただいて、妨害船を阻止するような船に関して、あるいは新しい母船の建造に向けての検討作業に是非とも着手をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#123
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。
 今御指摘ありました日新丸につきましては、平成二十四年、二十五年に大規模な改修工事を実施いたしまして、平成三十四年頃までは鯨類捕獲調査の実施に使用できると、このように考えておるところでございます。他方、日新丸の船齢が三十年近くになることや更なる改修の要望もありますことなどから、代船の建造も含めまして検討をしていかなければならない問題と、このように考えておるところでございます。
 その上で、検討に当たりましては、本年五月のIWC科学委員会の意見を踏まえ、最終化する北西太平洋の新たな調査計画も含めた今後の調査計画に鑑みながら、船の大きさや性能あるいは資金計画、さらには造船会社など、多くの事項を詰めていく必要があると考えておるところでございます。難しい問題ではございますが、まずは私ども水産庁内でしっかりと研究を進めていきたいと、このように考えているところでございます。
#124
○徳永エリ君 捕鯨関係者の方々の悲願は、あくまでも商業捕鯨の再開であります。この反捕鯨国に対して、日本が一つになって何としてでもこの商業捕鯨を再開させたいんだと、そういう強い意思を持っているということをやっぱり見える化していかなければいけないと思うんですね。そのためには、新造船の建造ということもしっかりと考えていかなければいけないと思いますので、是非とも、繰り返しになりますが、検討会を開いていただきたいということをお願いしたいと思いますが、大臣、最後にいかがでしょうか。
#125
○委員長(渡辺猛之君) 時間が来ておりますので、簡潔な御答弁をお願いします。
#126
○国務大臣(山本有二君) 先ほど水産庁長官が答弁しましたように、平成三十四年頃まで調査実施ができるわけでございますので、それを見据えて、できるだけ早い時期に検討に入りたいというように思います。
#127
○徳永エリ君 ありがとうございました。
#128
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 まず初めに、本年一月の大雪被害についてお聞きをいたします。
 鳥取、兵庫、京都、長野県などで、果樹や農業用ハウス、倒木など大きな被害が発生しました。樹木の被害は約五百八十ヘクタール、そして一・六億円の被害、五千百三十七棟以上の農業用ハウスで被害が発生をし、約三十二億円の被害額になるということです。新規に就農した方は、ハウスが倒壊し、展望を失っている、このままだったら春の作付けができないという話も聞いております。再建できなければ離農しかねないという状況も生まれていると聞いています。
 既に被害を受けてから二か月たちました。被害の実態把握も進んでいると思いますので、是非、早期に支援策を出して、安心して営農が続けられるように支援すべきではないかと思います。農水大臣の答弁をお願いします。
#129
○国務大臣(山本有二君) 平成二十九年一月中下旬から大雪がございました。二月も再び大雪でございます。
 こうした大雪による農林水産業の関係被害というのは、三月八日現在で二十九府県から寄せられているものを合計いたしますと、農作物等で四百四十一ヘクタール、果樹の樹体で五百七十九ヘクタール、農業用ハウス、畜舎等で五千四百七十一件、森林被害で三十四ヘクタール、漁船で四十二隻などでございます。合計いたしますと、五十一億四千万円の被害が発生しております。現在調査中ではございますが、全容ではまだございませんので、鋭意しっかりと調べていきたいというように思っております。
 農林水産省といたしましては、関係自治体と連携して、被害状況の全容が把握できましたならば、被害への迅速かつ的確な対応を図ってまいりたいというように思っているところでございます。
#130
○紙智子君 三年前に関東地方を襲った大雪被害、このときに、被災農業者向け経営体育成支援事業というのを発動して支援をしたということでした。同時に、園芸施設の共済の補償制度も拡充したわけですけれども、共済への加入者が増えていないということも聞いています。ここ近年に、気象変動で、夏に局地的なゲリラ豪雨が発生するとかあるいは冬場は経験したこともないような大雪がいきなり来るとか、こういうことが続いております。営農の継続を支援するためにも今ある制度を柔軟に運用するように強く求めておきたいと思います。
 次に、農政について質問します。
 安倍総理が施政方針演説でこうおっしゃいました。農業では高齢化という壁が立ちはだかってきた、平均年齢は六十六歳を超えている、しかし攻めの農政の下、四十代以下の新規就農者は二年連続で増加し、統計開始以来二万三千人を超えた、生産農業所得も直近で年間三兆三千億円、過去十一年間で最も高い水準まで伸びた、更なる弾みを付けるため、八本の農政改革関連法を国会に提出し、改革を一気に加速します、農業版競争力強化法を制定しますと、こう言われました。
 それで、新規就農者は統計開始以来というふうにおっしゃったわけですけれども、この統計はいつから始まったのか、まず統計部にお聞きしたいと思います。
#131
○政府参考人(佐々木康雄君) お答えいたします。
 委員御指摘の新規就農者調査につきましては、平成十八年から実施しております。この中で、四十九歳以下という年齢区分で調査を実施したのは平成十九年からということになっております。
#132
○紙智子君 それで、数字の結果だけが述べられたわけなんですけれども、農水省の統計を基にして資料を作りました。
 そこでまず、統計部にお聞きするんですけれども、二枚資料ありますが、一枚目の資料を見てください。まず、四十九歳以下の新規就農者ですけれども、二〇一〇年が一万七千九百七十人、二〇一二年には一万九千二百八十人に増えているわけですね。それで、これ増えた要因はどういうことでしょうか。
#133
○政府参考人(佐々木康雄君) お答えいたします。
 二〇一〇年から二〇一一年にかけての増加要因といたしましては、農業法人数が増加してきたことでありますとか、あるいは一般法人の農業参入が盛んになってきたことなどによりまして雇用就農者が増加してきたといったことなどが考えられるところでございます。
#134
○紙智子君 青年就農給付金というのは支給されるようになったんじゃなかったでしたっけ。
#135
○政府参考人(佐々木康雄君) 新規就農者に対する支援対策といたしましては、二〇一一年度の補正予算から農の雇用の充実が図られましたほか、今委員から御紹介がございました青年就農者に対する給付金が二〇一二年度から予算措置されて実行されてきているところでございます。
#136
○紙智子君 今お話があったように、二〇一二年ということは前政権のときから始まっているということだと思うんですね。それで、総理の施政方針では、生産農業所得、これが過去十一年で最も高くなったと言われたわけですけれども、その理由については説明がされませんでしたので、過去に遡ってどうだったんだろうと、農業総産出額と生産農業所得のグラフをちょっと作ってみました。二枚目の資料を見てください。
 それで、十一年前というと二〇〇五年なんですけれども、当時は約三兆二千億円、これは二〇一五年とほぼ同じなんですけれども、その前の二〇〇〇年というところまで遡ってみますと、農業総産出額も生産農業所得ももっと高かったということが分かるわけですけれども、それがどんどん下がってきたということが分かります。
 それで、その表の中の、四角で枠を作ってあるんですけれども、@の枠を見てほしいと思います。青い線のところが農業総産出額ですけれども、二〇〇七年から二〇〇八年で約八兆二千億円から八兆五千億円に、青いところですね、増えたわけですけれども、赤い線の生産農業所得、これが約三兆円から二兆七千億に下がっているんです。ここはなぜ下がっているのかということなんですけれども。
#137
○政府参考人(佐々木康雄君) 今御指摘がございました二〇〇七年から二〇〇八年にかけての動きでございますけれども、まず農業総産出額につきましては、米と生乳につきまして需給事情等を反映して価格が上昇したことなどから産出額が増加したわけでございます。一方で、生産農業所得につきましては、そういう産出額の動向に加えまして経費がどういうふうな動きをしたかといったことなどが作用をいたします。この年間における動きといたしましては、燃油高騰の影響などから光熱動力費でありますとか肥料価格、飼料価格などが上昇したといったことなどによりましたこと、さらに加えまして、農機具、建物の償却費につきまして税制改正に伴いまして増加したといったことなどが要因となりまして生産農業所得が減少したというふうに見ているところでございます。
#138
○紙智子君 それでは次、Aの枠のところを見てほしいんですけれども、二〇〇九年から二〇一〇年、農業総産出額が下がっているわけですけれども、生産農業所得は約二兆六千億円から約二兆八千億円に増えているんですね。この赤と青が交差しているんですけれども、これはなぜでしょうか。
#139
○政府参考人(佐々木康雄君) お答えいたします。
 二〇〇九年から二〇一〇年にかけての動きでございますけれども、まず、農業総産出額につきましては、かなりのウエートを占めております米につきまして需給事情等から価格が低下したことによりまして減少をしているものでございます。一方で、生産農業所得につきましては、産出額の動きから経費を引くということと加えまして、経常補助金が加えられた額となっておりまして、この年につきましては、経常補助金が増加したことが要因となりまして増加したというふうに見ております。
#140
○紙智子君 じゃ、続いてBの枠なんですけれども、二〇一二年から二〇一四年、あっ、その前に、二〇一〇年からというのは戸別所得補償のモデル事業が始まっているというのもありますよね。それ確認します。
#141
○政府参考人(佐々木康雄君) 平成二十二年から戸別所得補償のモデル事業が始まっております。
#142
○紙智子君 Bの枠ですけれども、二〇一二年から二〇一四年、農業総産出額は約八兆五千億円から八兆三千億円に下がっているんですけれども、生産農業所得も二兆九千五百億円から二兆八千億に下がっているんですけれども、両方下がっているんですけれども、これはどうしてですか。
#143
○政府参考人(佐々木康雄君) お答えいたします。
 二〇一二年から二〇一四年にかけましては、農業総産出額につきましては、この間もやはり主要な品目であります米につきまして需給事情等から価格が低下したことなどによりまして金額が減少しております。また、生産農業所得につきましては、今申し上げました農業総産出額の動きに加えまして、飼料でありますとか光熱動力などの資材費が価格の上昇により増加したといったことなどがダブルで利きまして減少しているという状況でございます。
#144
○紙智子君 国際相場も、今いろいろな理由を言われたので、相場も影響しているというふうに思うんです。
 それで、こうしてずっと見てきますと、農業総産出額と生産農業所得の関係というのは決して比例しているわけではないと。その理由は様々あるということが今の御答弁の中からも言われたわけですよね。やっぱり国際相場の影響も非常に受けやすいと。
 それから、二〇一五年にかけてはどちらもこれ上がっているんですけれども、やっぱり一番の要因というのは直近の肉牛、子牛の価格が高騰したということが影響したんじゃないかというふうに聞いているわけですね。安倍総理は、攻めの農政の下伸びたんだというふうに言われたんですが、具体的に、これは農水大臣にお聞きするんですけれども、攻めの農政のどういう政策で生産農業所得が上がったんでしょうか。お聞きしたいと思います。
#145
○国務大臣(山本有二君) 安倍内閣で農業の成長産業化を推し進めております。所得向上を実現するために様々な施策を打っておるわけでございますが、まず一つは、農地中間管理機構による担い手への農地集積、集約、この促進を図っております。二番目に、米政策の見直しがございます。三番目に、六次産業化や輸出促進がございます。四番目に、青年就農給付金の拡充をやっております。五番目に、日本型直接支払制度の創設などを推進してきているところでございます。
 総理の施政方針演説において言及されました、一つは、四十代以下の新規就農者が二年連続で増加し、統計開始以来最多の二万三千人を超えたということ、第二に、生産農業所得が直近で年間三兆三千億円になり、過去十一年で最も高い水準まで伸びたと、こういった実績を挙げられました。これまでの農政改革における諸施策が総合的にこれが講じられることによりまして、その効果がやや見られることが原因だというように思っております。
 引き続き、こうした農政の下に農業の競争力が更に強化され、農業所得が向上し、かつ若者が夢を持って取り組める農業、そして新規農業者が増えるというようなことに努めてまいりたいというように思っております。
#146
○紙智子君 今いろいろおっしゃったんだけれども、因果関係というか、この政策でどうして、どういうふうに作用して上がってきたのかというところはちょっとよく見えなかったんですけれども、総合的な様々な施策のやった結果としてややそういうのが表れているんじゃないかというお話をされたと思うんですけれども。
 私は、やっぱり新規就農者が増えてきたというのは、新規就農給付金を出して以降、意欲を持てるような政策を行ったことというのがあるんだと思うんですよ。それは必ずしも安倍政権の下でというよりは、二〇一二年の民主党政権の下で出された新規就農給付金制度の導入や戸別所得補償政策による効果の表れということがあるんじゃないのかと、それがずっと効果というか続いてきたんじゃないのかと。それから、生産農業所得も十一年で最も高くなったというんですけれども、これは私は、一番は、直近の子牛の価格高騰というのは大きく影響しているんじゃないかというように思うわけです。
 ですから、攻めの農政の下でというふうに言われると、これはちょっと誇大広告ではないのかなというふうに思うわけですね。それから、米の直接支払をやめる攻めの農政で農業所得が増えるのかということも定かではないというふうに思います。そういうふうにやっぱり見なきゃいけないだろうと。黙って総理の所信表明だけ聞いていると、そうかなというふうに思っている方多いと思うんですけれども、決してそうじゃなくて、やっぱり背景があるということを私たち正確に見ておかなきゃいけないというように思います。
 次に、農業競争力強化プログラムについてお聞きします。
 昨年十一月に規制改革会議は突如として農協改革、生乳改革を柱とする方針を取りまとめて、安倍総理は私が責任を持って実行するというふうに言われました。農業競争力強化プログラムを公表したわけですけれども、当時から批判や不安が出されて、年が明けても農業者の自主性や農協の自主自立の理念を根底から揺るがしかねないというような声が上がっていて、農業者、関係者の不安は収まっていないと思うんですけれども、なぜだと思われますか、大臣。
#147
○国務大臣(山本有二君) 農業者の所得向上は我々の政策目的でございます。そのためには、生産コストの削減、農産物の付加価値の向上、こういったことが重要になってくるわけでございますが、それを農業競争力強化プログラムにおいて幾つか対策を書いていただいておりまして、まずは、生産コストの削減に寄与するものといたしましては、農業生産資材の価格引下げや農産物の流通加工構造の改革を推進すること、次に、農地バンクが借りた農地での土地改良事業の農家負担をなくす土地改良制度の見直しという施策を打つこと、次には、農産物の付加価値向上に寄与するものといたしまして、日本産品のブランディングプロモーションなどを行う新たな輸出サポート機関を創設する戦略的輸出体制の整備を行う、そして、農業経営者が新たな品目などにチャレンジしやすくなるように収入保険制度を導入するというような施策を講じていくことにしております。
 農林水産省としましては、これらの施策を実行に移すことで、夢と希望の持てる農業、未来に挑戦する方々を全力で応援できる体制を取っていきたいというように思っておりまして、農業競争力プログラムについて農業者から大変御不満をいただいておるわけでございますが、不安、不満に対してこうしたメニューを推進することによって払拭できればというように思っております。
#148
○紙智子君 今の答弁は全然聞いたことに答えておられなくて、いろいろ不満だとか不安があるわけだけれども、なぜそういうふうに続いていると。いろいろお話しされてきたんだろうけれども、とどまっていないわけです、ずっと続いているわけですよ。これ、農村を歩けば今でも批判の声が出てくるわけですけど、なぜだと思いますか。
#149
○国務大臣(山本有二君) このプログラムでございますが、担当局長自らがその内容を分かりやすく説明する動画、これを農林水産省のホームページにアップロードしておったり、あるいは農業者の理解を得られるように現場に行って御説明させていただいたり、あるいは地方農政局の地方参事官などを通じて個別、直接の対応を行っておるわけでございまして、できれば、もう少し御理解いただくべき時間を頂戴して、しっかりとした説明ができた後、この不安、不満、これが解消できるというようなことにしていきたいというように思っております。
#150
○紙智子君 やっぱりちゃんと説明できていないし、分かるようにしていないということが問題だと思うんですよ。分かれば、じゃ、理解して進むのかというと、そうじゃなくて、そもそも無理があるんですよ。
 競争力強化プログラムの二のところには、生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通、加工の業界構造の確立ということが書いてあるんですけれども、その最後のところに、全農は年次計画やそれに含まれる数値目標を公表し、与党及び政府はその進捗状況について定期的にフォローアップを行うというようにあるわけですね。
 なぜ与党がフォローアップするのか、なぜ政府がフォローアップするんでしょうか、自主的なところに対して。
#151
○政府参考人(山口英彰君) 農業競争力強化プログラムの中におきましては、国として実施すべき施策についていろいろな記載をさせていただいているところでございます。国としては、そういったものに責任を持って施策を実施していくということで記載しているところでございますが、一方で、全農を始めとする農業団体の方に対しましても、自主的な取組として、農業者の所得向上のために、また競争力強化のために実施していただきたいことにつきまして書いてございますが、その内容につきましては、これは農業団体とも合意の上、書かせていただいているところでございます。
 また、その施策を進めていく上では、フォローアップ、PDCAによるサイクルで検証していくということが重要でございますので、そういったことにつきましては政府及び、これは与党もこのプログラムの策定に当たってかなり関与していただいたということもございますので、そういった趣旨を記載したというものでございます。
#152
○紙智子君 私は農水大臣に聞いたのに、どうして勝手に立ち上がるんですか。指名していませんよ。
 フォローアップというのは効果を確認するためにその後の進展などを継続的に調査するというふうに言われていますけれども、自主的な組織である全農が決めたことを与党と政府が調整するということになると、まるでこれ管理の下に置こうとするようなものですよ。全くこれ協同組合の自主性に介入するものにほかならないというふうに言わざるを得ません。
 それから、競争力強化法についてお聞きするんですが、新聞報道によりますと、農業競争力支援法の農水省の当初案で、農業者個人の判断まで踏み込んだものじゃないか、あるいは農業者の一人としてばかにされたようだ、あるいは農業者に対して上から目線だと、こういった批判が出されているようなんですけど、これ事実ですか、大臣。
#153
○国務大臣(山本有二君) 先ほど野村委員から御指摘がありましたように、そうしたことに対して現場から大変お怒りの声を聞かせていただいておりまして、私どももできるだけこうした誤解のないように進めていきたいというように思っております。
 特に、生産資材における改革につきましては、これは一つは契約ということでございまして、契約内容についての言わば改革、改善のときでございます。契約というのは当事者同士の合意というのが基本でございますので、一方当事者だけが何かして何かなるものではございませんので、合意を中心として考えれば、生産資材を買い取っていただける農家の方々にもまた御努力をいただけないかなと、こういう意味で記載したものだというように理解しておるところでございます。
#154
○紙智子君 いろいろなことが出ているというのはお認めになったと思うんですけれども、更に言えば、農水省は法制局から農業者の努力義務を記載するように指示を受けたと、努力義務は訓示規定だと、罰則は設けないというふうに回答したというんですけど、これ事実なんですか。
#155
○委員長(渡辺猛之君) 山口総括審議官。
#156
○紙智子君 あっ、ちょっと大臣に聞いてもらいたいんですが。
#157
○委員長(渡辺猛之君) いや、指名しました。
#158
○政府参考人(山口英彰君) 本法案におきましては、農業者による農業の競争力の強化の取組を支援することを目的としておりますけれども、農業生産関連事業者に対しましては、良質かつ低廉な農業資材の供給や農産物流通等の合理化を実現するための措置について規定をしているところでございます。
 この関係から、その恩恵を受ける立場でございます農業者自身につきましても、農業の競争力の強化に資する取組を行う必要があると考えまして、これは内閣法制局の審査を受けてその時点の条文を作成したものでございますが、この新聞の報道による条文につきましては、これを国会、検討段階のものでございまして、国会に提出されている法律案とは内容が異なることに御留意いただきたいと思います。
#159
○紙智子君 訓示というのは、上の者が下の者に教えを示すということですよね、意味は。いろいろ議論の末に、農業者の努力という規定についてもこれ法案に残ったわけですよ。営農の自由とかといいながら、農家の自主性ではなくて、これ、上から枠をはめる方向に向かうんじゃないかという疑念を持たざるを得ません。
 農業競争力強化プログラムは日本の農業の在り方を大きく変えてしまいかねない内容だと思います。苦労している農民の声にまともに耳を傾けないで官邸主導で進めるやり方では、到底これはうまくいかないというふうに思います。今、日本の農業に、農政に求められていることは、やはり大規模化とか競争力強化一辺倒をやめて、多様な農業、家族経営が続けられて、農村地域が維持できる農政に転換することだと。そのためにも、価格保障、所得補償で農業の担い手を支えることや、総合農協の解体につながることはやめるべきだと。何より自給率を向上させていく方向にきちっとそれを国政の柱に据えることが大事だというふうに改めて申し上げておきたいと思います。
 最後に、昨日、朝日新聞が諫早湾干拓事業をめぐって、和解協議で開門派説得、農水省が指南と報道しました。和解協議で堤防を開門しない案で決着を目指し、開門を求める漁業者を説得するための想定問答を作っていたというふうに報道されています。
 報道は事実なんでしょうか。農水省は想定問答を作成したのでしょうか。作成したのだったら提出していただきたいと思いますが、この三つ、お答えください、農水大臣。
#160
○国務大臣(山本有二君) まず、そのような報道があったことは承知しております。諫早湾干拓開門問題につきましては複数の訴訟が提起されておりまして、現在、長崎地裁の訴訟指揮の下で和解に向けた関係者の協議が行われているところでございます。このような和解協議の下での漁業団体との交渉に係る内容を申し上げますことは、漁業団体との交渉に支障を及ぼしかねない、あるいは交渉当事者としての相手方の地位を不当に害するおそれもございます。そういった意味で、このことについての問合せについてはお答えし難いところでございます。
#161
○紙智子君 係争中でいろいろ協議に影響を与えかねないんだと、だから答えられないという話なんですけれども、係争中だからといいながら、係争の当事者でない人たちに、漁協などにですね、農水省は想定問答を組合員への説明に使ってほしいというふうに渡しているのに、なぜこれ国会に出せないんでしょうか。
#162
○国務大臣(山本有二君) 御指摘のとおりでございますけれども、この漁業団体というのは、おっしゃるとおり、訴訟当事者ではございません。けれども、長崎地裁の和解協議の下で国が提案した基金と申しますものは、漁業団体がその管理運営を担うというようにされておりまして、同地裁、裁判所からは、漁業団体に対しても基金の受入れの可否について求意見がなされておるという関係がございます。
 その意味では和解協議に係る重要な関連する者でございますので、コメントを差し控えさせていただければというように思います。
#163
○紙智子君 何か第三者的な物言いをされるんですけれども、これ、直接いろいろやって関係あるところということを問題にしているのではなくて、農水省自身がそのための想定問答を作っていたということが私は非常に問題だし、それに答えられないということ自身が納得できないわけですよ。
 それで、これ二〇一〇年、福岡の高裁判決は開門ということで確定したわけですよ。だから、国はその履行義務を負っているわけですよね。それなのに、国は履行義務を負っているのにもかかわらず開門しない案で想定問答を作成をして、係争当事者でない団体に渡して、新聞報道によると、他言しないでほしいと言ったと報道されているわけですよ。
 これ、農水省自身が元々この問題の混乱の原因をつくり出した当事者なわけです。そういう当事者としての自覚も責任もない発言には私は本当に納得できないし、驚きです。この農水省の行為自体が極めて重大だし、公平性を損なうものだと、そういう行為だと思いませんか。いかがですか。
#164
○委員長(渡辺猛之君) 時間が来ておりますので簡潔にお願いします。
#165
○国務大臣(山本有二君) すぐれてこれは長崎地裁の訴訟指揮の下にありますので、お答えを控えさせていただきます。
#166
○委員長(渡辺猛之君) 時間が来ております。
#167
○紙智子君 全く納得できません。納得できませんけれども、是非、資料については、私はその想定問答については資料として提出するように委員長に求めたいと思います。
#168
○委員長(渡辺猛之君) 後刻理事会で協議いたします。
#169
○紙智子君 終わります。
#170
○儀間光男君 日本維新の会の儀間でございます。
 通常国会が始まって初めての委員会での質問でございますので、おさらいも含めましていろいろお聞きさせていただきたいと思います。
 午前中にも話題になりましたが、日本の排他的水域内での外国船の操業の状況、日本海、東シナ海、太平洋側も含めて。なかんずく中国漁船によるイカ漁が最近非常に活発化しておって、何か関係があるのかどうか分かりませんが、スルメイカが揚がってこないというような状況等報道にあるんですが、現況をお知らせいただきたいと思います。
#171
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。
 日本と中国の間におきましては、日中漁業協定に基づきまして操業ルールが定められております。
 我が国の排他的経済水域、EEZ内におきましてイカの漁獲が行われているわけでございますが、その場合、例示で申し上げますと、釣り網漁業について十月から十二月の三か月間に限り四十七隻の操業を認めておるところでございますが、我が国のEEZ内で釣り以外の漁法でイカを漁獲する中国漁船が確認された場合には、これは違法操業の疑いがあることになるところでございます。
 このため、日中間の協議では中国漁船の違法操業についても議論しておりまして、昨年十月に開催された日中取締実務者会議や、昨年十一月に開催されました日中漁業共同委員会の中でも、中国政府に対しまして、中国国内での徹底した指導、取締りを要請しているところでございます。中国当局からは、日本のEEZ内で日本の許可を得ず操業している中国漁船について即時撤去するよう指導を行ったとの報告を受けておりまして、また、引き続き厳しく取り締まるとの発言もあったところでございます。
 結果といたしまして、適切な資源管理に向けまして連携協力を強化するために両国の取締実務者による協議を開催することや、違法操業を根絶し再発を防止するため、断固とした取締りや厳しい措置など、あらゆる必要な措置をとることについて合意しているところでございます。
 先生御指摘のありました中国漁船による違法操業でございますが、これはやはり厳正にその取締りを実施していく必要があると考えておりまして、今年の二月二十七日、そして三月三日には中国漁船を東シナ海で二件拿捕しているところでございます。
#172
○儀間光男君 日中漁業協定があるのはよく知っています。取決めも知っています。ところが、かの国の人はどういうわけか約束を守らないんですね。取決めどおりにしてくれないから問題があるんです。カツオ漁、私ずっと指摘しましてね、ベニサンゴ、それからカツオ、サンマ、マグロ、こういう魚介類の話をずっとやってきて、取決めはあるんですが、表取決め文もあるんですけど、むしろ違法で操業している収穫の方が大きい、こうさえ漁民から報告があるんですね、言われるんです。
 いつだったか、先月だったと思うんですが、テレビで大々的に日本海の違法操業が放映されていましたよ。なるほど、漁民の報告のとおり間違いないなというふうに見たんですが、その映像を見ていませんか。
#173
○政府参考人(佐藤一雄君) 私も映像、全てではございませんが、拝見させていただいております。
#174
○儀間光男君 拝見されて、どういう感想ですか。
#175
○政府参考人(佐藤一雄君) 先生が御指摘していただきましたように、しっかりこれについては厳正な対応をしていかなきゃいかぬかというふうに痛感しているところでございます。
#176
○儀間光男君 これ日台もありましてね、日台の方はそんなに違法操業見えないんですよ。日中の方がすごいんですね、東シナ海の南西海域においても。
 だから、それは、捕ってしまわれたら一網打尽ですから枯渇するんですよ、資源は。昨年サンマがいなくなったですよね。これは恐らく三陸沖の公海ではあっても、台湾船、中国船、韓国船、違法じゃないけれど、どんどん操業するわけですよ。そうすると、日本は沿岸漁業ですから、三陸沖からオホーツク辺りへ行って、戻って南下して沿岸に来る魚を捕まえて日本の漁業は、サンマ漁は成り立っているんですね。それを沖合でやられると日本の沿岸に来るのは希薄になる。当たり前だと思うんですね。
 しかも、サンマ漁に至っては、日本はある時期八十数万トン捕っていて断然トップだったんです。それが二十数年前から落ち込んでまいりまして、今、台湾が四十数万トン揚げているわけです。日本は去年二十万トン切ったんじゃないでしょうか。台湾は四十万トン揚がっています。それが今、海洋国は日本から台湾にサンマが移っているんですね。そういう状況、そういう状況がサンマだけじゃなしに他の魚介類にも見受けられるということは非常に心配で心配でなりませんね。だから、申入れした、向こうがこうしたというんじゃなしに徹底してやってもらわぬと、決まりだけやっては駄目ですね。
 例えばサンゴだと、中国側に行ったらサンゴ船だといって帰港するけれど、チェックしてみたらサンゴ載っていないよ。当たり前ですよ、海上で渡すんだから。載って中国へ帰港するはずない。だから、そういうことをやられていて手をこまねくことは大変よろしくないので、もっともっと厳しく対応する、あるいは夜間でもそういうのが情報入ったら巡視船を回していって拿捕したりいろんなことをやる。強行にやらぬと駄目なんですよ。
 例えば、小笠原のサンゴがあれ三倍か四倍ぐらいの罰金になりましてね、ぱたっと来なくなったんですよ。行ったって、罰金払えば何のもうけもないから、行かぬ方がいいと。尖閣辺りは中国政府の方が、どの政府か分かりませんが、地方政府だと思うんですが、政府の方が燃費を補助してあの海域へ行かすんですよ。そういう状況の中、我々だけ、違法操業しなさいとは言わぬけれども、一方的に違法な行為をされていて、それを申入れだけしていてはらちが明かぬと思いますから、思い切ったことをやっていただきたいと思います。
 次に、日台、日中漁業協定について伺いますが、沖縄の漁業関係者から、組合連合会辺りから農林水産省に陳情要請があったと思います。日台、日中漁業協定の見直しということであるんですが、今日はここは日台だけ扱っていきたいと思います。
 日台が始まったのは、平成八年から日台交渉が始まるんですね。国際海洋法の批准に伴って周辺国といろいろ取決めをやろうということでずっとやってきて、平成二十五年の四月に財団法人交流協会と亜東関係協会両方において、台北市においてこの協定が取決めがされるんですね。台湾と国交がないので民間レベルの方でやって、それを国が追認をするというような形でやっておるのが現状です。
 なかなか、この日台問題の背景に尖閣諸島の領有権をめぐる日台の連携を排除するという政治的な問題が内在しているというふうに報道もあったんですが、それもいずれにいたしまして、平成二十五年に協定は発効したんです。
 それで、それからずっと毎年見直しの協議が行われてまいるんですが、今年も三月三日、東京都内で日台漁業委員会の最終会議ありまして、現行、二〇一六年のままそれを継続するという確認ができたんですね。その前に、これは三月三日ですが、その前に二月に沖縄県の漁業協同組合連合会や漁業協同組合長会、この辺から見直しを言ってきておるんです。ところが、どういうわけかそれがされていないんですが、概要が全然伝わってきていないんですが、その状況はどうだったかをちょっとお知らせいただきたいと思います。
#177
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。
 今、儀間先生からお話のございました日台民間漁業取決めでございますが、平成二十五年に署名されまして、毎年沖縄県などの漁業関係者も参加していただきながら日台漁業委員会といったものを開催して、取決めの適用水域におけますところの双方の漁船がトラブルがなく安心して操業できるよう、そうした操業ルールを決定してきているところでございます。
 御指摘のように、今年は三月一日から三日にかけまして同委員会とその関連会合を開催しまして、本年四月から始まる漁期における操業ルールについて、沖縄県などの漁業者の方にも議論に積極的に参加していただきながら台湾側と協議を進めてきたところでございます。
 この協議の場では、沖縄の漁業者の方から強く要望が出されておりますところのいわゆる八重山北方三角水域でございますが、ここで現在、昼夜交代ではえ縄の操業を台湾と日本がやっているわけでございますが、日本の漁業者、沖縄の漁業者の皆さんにおきましては、この北方三角水域に、全部の区域で昼夜ではなくして一週間ごとの交代制といったことを取るようにという強い要望が出されたところでございまして、この要望に沿った形で協議を進めてきたところでございます。
 残念ながら今回のこの交渉の中で妥結には至っておりませんが、沖縄の皆さんの強い要望を踏まえまして、安易な妥協はせずに、実質的に現状維持としながらも、来年の、三十年の操業ルールの作成に向けまして、双方の担当者によります専門会議を遅くとも本年九月までに開催して、引き続き日台での公平利用の実現を目指して徹底的に議論をしていくことになったところでございます。
 水産庁といたしましても、相手のある交渉事ではありますが、引き続き沖縄県などの漁業者と緊密に連携しながら、速やかにしっかりと準備を行い、来年の操業ルールの確立に向けまして、我が国漁業者が安心して操業できるよう全力を尽くしてまいりたいと、このように考えているところでございます。
#178
○儀間光男君 沖縄県の漁業者の心配の中に、新たなる見直し、新たなる見直しの議案が提案されるのではないかというような心配もあるんですね。
 例えばこれを見ますというと、御承知だと思いますが、要請の(1)に、適用水域から次の水域を撤廃すること。どういうことかというと、東経百二十五度三十分より東側、北緯は二十七度です、これから東側、つまり東シナ海から東側、ここは絶対妥協しちゃ駄目ですよという要求なんですね、御承知だと思うんですが。
 それから、台湾が主張する暫定執法線がありますが、この南側、ここは絶対駄目ですよということなんです。なぜかというと、今協定内にある東経百二十五度三十分以西と北緯二十七度以南、この範囲が、今漁業を一緒にやっているんですが、これでも台湾側が、あるいは中国側が、船も大きいし圧倒的に船も多いということで、一週間ごとに入替えをするんですが、絶対量を絶対台湾が取っていくんですね。
 馬英九総統がこの提携した平成二十五年の翌年、日本のおかげで台湾のマグロ漁が五倍になったとか四倍になったとわざわざ記者会見するんですよ。ということは、ここの取り分を減らしたということになるんです、行けないからなかなか。その後に一週間ごとにということになったんですが、週ごとにとなったんですが、これ以上増やしてはいけませんよ、今、向こうから排除された分は、執法線の南、あるいは百二十五・三十度東、ここへ出かけてやっているからこれは駄目ですよと言っているんですね。
 まとめて数点言いますから、後で答弁いただきたいと思います。
 三つ目に、先島諸島の南側及び沖ノ鳥島周辺水域等について、今後一切協議の対象にしないこととあるんですね。これは恐らく、今後その海域を対象に漁業協定の協議会に議案が出されて要求されるかも分からぬと、そういうことを恐れて先々の手を漁民は打ってきたということですから、政府におかれては強い意思でこれを守っていただきたいと、こう思います。
 それから、要求の五番目に、日台漁業協定ができた後に沖縄漁業基金などという基金をつくってありますが、これを平成三十年度以降も継続的に予算措置をして認めてほしい、こういうことがなされているんですが、これについて、長官、どういうお考えをお持ちか。
#179
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。
 先生の方から三つのお話あったかと思っております。
 一つは、現在の日台漁業取決めのところのこの適用水域から、先ほどの東経百二十五度三十分より東側の水域等を、これを撤廃するといった御要望があったわけでございますが、この見直しの要望につきましては私どもとしても重く受け止めているわけでございますが、やはりまずは操業ルールの必要な見直しと適切な実施の確保により、沖縄県を始めとする関係の漁業者の皆さんが台湾漁船とのトラブルがなく安心して操業できるよう全力を尽くしていきたいと、このように考えているところでございます。
 また、先島諸島の南側及び沖ノ鳥島周辺水域等について今後一切協議の対象としないといったことにつきまして、先島諸島の南側については従来から日台漁業委員会で協議することは考えていないと申し上げているところでございます。
 なお、沖ノ鳥島周辺水域につきましては、台湾側が我が国排他的経済水域における自由操業を求めておりますが、当該水域における外国漁船の自由操業は認められないという我が国の立場は一貫しておりまして、日台海洋協力対話においてもその旨明確に台湾側に伝えているところでございます。
 また、三つ目の基金でございますが、この基金については従来から要望ございまして、二十九年度も延長するといったことになっておりますが、三十年度以降の取扱いにつきまして、この事業期間の延長、事業メニューにつきましても、漁獲情報システムの開発、運用等への支援ができるよう二十九年度に予算の中で概算決定しておりますが、三十年度以降につきましては漁業関係者の皆様と事務方でよく議論をさせていただいた上で検討していきたいと、このように考えているところでございます。
#180
○儀間光男君 ありがとうございます。
 是非ともやっていただかぬと、沖縄の特に宮古、八重山の漁民は、せっかく自分の領土にいわゆる飯の糧となる、陸でいえば田んぼや山や畑があるのに、台湾と一緒になされて、ほぼ勢力的に追い出されてしまったという被害意識あるんですね、また事実ですから、あるんです。
 それができる以前は、両方の漁民同士、船を付き合っていろんな漁場の情報交換をしたり国情の交換をしたりということで非常に仲よしだったんです。これがラインできたからけんか腰ですよ。国の施策で漁民同士をけんかさせてどうするんですと僕は言ったの。今では、合法であるとか違法じゃないとかいって海上でけんかばかりしておる。だから、非常に不幸な状況があるんですね。そういうことが今後ないようにしっかりとやっていただきたいと、こういうように思います。
 次に、また時間あれば戻ってきますから、時間に追われていて行くんですが、次にTPP、ちょっと少しやっぱり政府もまとめた方がいいでしょう。
 アメリカがこけてしまって、それ以後、何のコメントもない、何の方針も示されない、そういうことなんですが、一体これどう後始末するんですか。二年間で当初予算二回、補正二回で一兆三千億、予算入れておりますよ。それをアメリカがこけたからといって、そこから何の成果も出ないで、あるいは成果を出して、例えば日本を含めて残った十一か国でやるのかどうか、そういうことも示されていないんですね。その辺どうするんですかね、農産品五品目について。
#181
○国務大臣(山本有二君) 御指摘のTPP協定でございます。
 その戦略的、経済的意義というものに対しては今後も米国に対して腰を据えて理解を求めていくものでございまして、安倍総理も、首脳会談で何度もTPPの話題を持ち出し、かつトランプ大統領にTPPの合意の重要性を説いたと、こう言っておられます。そして、米国以外のTPP関係各国との緊密な意思疎通はもとより図っていかなければならないというように考えているところでございます。
 さらには、我が国として、RCEPの交渉につきまして包括的で質の高いバランスの取れた協定の早期妥結を目指すなど、EPA交渉に精力的に取り組んでいっております。
 いずれにいたしましても、農林水産省としましては、引き続き、これらのEPA交渉において、我が国の農林水産業をしっかり守っていくために、農林水産品について貿易、生産、流通実態を一つ一つ勘案して、そのセンシティビティーに十分配慮しながら交渉に臨んでいきたいというように思っておるところでございます。
#182
○儀間光男君 そうなんですが、さっきから言うように、それは分かっていますよ。ところが、それに結末を付けぬでほっかぶりして、一兆三千億どうなったか分からぬじゃたまりませんよという話なんですね。
 だから、それを生かしてどう展開しているか。今大臣がおっしゃったそのRCEPやあるいはEPAやその他のものに、FTAやその他のものに展開していくのかですね。RCEPは、何か情報によると十五品目がそうであって、その中に農産品が入っているかどうか、どうなんですか、確認できていますか。
#183
○国務大臣(山本有二君) RCEP交渉につきまして、二〇一三年五月に開始したわけでございますが、六回の閣僚協議、十七回の交渉会合、これを開催してきております。次の十八回の交渉会合は五月にフィリピンで行われます。
 この交渉について、政府としては、包括的で質の高いバランスの取れた協定の早期妥結を図るというようにこれを目指しているところでございまして、農林水産省としては、この交渉の推移を見守っているというところでございまして、しっかりと背後から農林水産物のセンシティビティーに配慮をさせていただきたいというように思っております。
#184
○儀間光男君 確認したいんですが、今、報道によると、RCEPは十五品目にわたってしかやっていないということなんですね。これ事実なのか、事実とするとその中に農産品はあるのか、あるとすると幾つなのか、どういうものがあるのか、それを確認させてください。
#185
○国務大臣(山本有二君) 現在、高級実務者レベルの貿易交渉委員会の会合等で行っておりますテーマは、物品貿易、サービス貿易、投資、原産地規則、知的財産等でございまして、幅広い分野での議論がございます。
 農林水産品につきまして、これについては具体的に今取り組んでおられるというように報告はございません。
#186
○儀間光男君 TPPではあったけど、RCEPでないとなると、ますますこのTPP何だったかというふうに思うんですね。そういう交渉の在り方ってあるのかなと思ったりするんですが、本当はあっちゃいけないと思うんですね。
 だから、日本の輸出状況を見ると、RCEPのやはり、TPPに入ったアジア地域がその過半を占めているんですね。過半を超えていませんが、四八・六%、ちょっと数字古いんですが。そういう状況の中でありまして、ここに農産品が入らぬというのは全くもって信じ難い話ですから、強いアクションで、大臣のリーダーシップでもってこれをきちっとやっぱり農産品も入れていくように頑張っていただきたいと思います。
 それから、余り時間ないので、これも時間あればもう一回戻りますが、恐らく戻れないと思うから、また続きは次のときにやります。
 ニッポン一億総活躍プランというのが昨年六月二日に閣議決定されております。そのプランの中の十六ページ、十七ページにかけて、戦後最大の名目GDP六百兆と総理高らかに宣言したんですよ。その方向性がここにあるんですが、それに基づいて六百兆の中でOの攻めの農林水産業の展開と輸出力の強化、その一、その二とあるんですが、ちょっと説明していただけませんか。
#187
○国務大臣(山本有二君) 我が国の農林水産業のGDPは約五・六兆円でございます。日本全体のGDPの約一%、平成二十七年でございますが、我が国の経済活動全体に占める割合は決して大きなものとは言えません。
 しかしながら、農林水産業は、地域における主要な産業でございまして、この農業の活性化に向けて、まず、農地中間管理機構による担い手への農地集積、集約の促進、六次産業化や輸出促進、こういったことに取り組んでいるわけでございます。中でも、農林水産物・食品の輸出においては、平成二十八年の輸出額は前年対比〇・七%増となりまして、四年連続増加しておるわけでございます。今後、三十一年の時期には輸出額一兆円というものを目指して制度設計しておるわけでございまして、輸出力強化戦略、輸出インフラ整備プログラムに基づいてハード面とソフト面のインフラ整備等を進めているところでございます。
 昨年十一月に取りまとめました農業競争力強化プログラムにおいて、生産資材価格の引下げや流通加工構造の改革、生乳流通改革、土地改良制度の見直し、収入保険制度の導入、戦略的輸出体制の整備等の施策を盛り込んでいるところでもございます。こうした施策を着実に実行していくことによりまして、攻めの農林水産業の展開と輸出力の強化を図ってまいりたいというように考えるところでございます。
#188
○儀間光男君 この中で僕がちょっと知りたい、びっくりしたんですけど、この六百兆って、どういう算式の下でどういう数字を押さえて出てきたか分かりませんが、この六百兆の中に農林水産物が一体どれぐらい占めている、今、昨年の一%程度が見込まれるのかどうか。その辺、何か数字はじいたことありますか。
#189
○国務大臣(山本有二君) GDPの一%というものは、ほぼ先進国に、G7の諸国におきましてもだんだんに共通化してきている数字でございますので、私どもとしましてはできる限りこれを一%以上にしていきたいというように思うところでございまして、この数字が低いか高いかということについてはマクロ経済の面で様々な御議論があるというように承知しておるところでございます。
#190
○儀間光男君 ただ、このRCEPを見ているというと、RCEPであると人口が大体四十五億ですか、というぐらいになって、貿易に占める範囲、割合が非常に高いということが言われておって、相当やっぱり期待しているわけですが、FTAやその他のもの等含めてやっていかなければならないと思うんです。
 この前、一月九日から十五日までの間、伊達参議院議長のミッションでお供して、スペイン、モロッコ、ドバイへ行ってきましたよ。行きましたら、もちろんスペインもモロッコも農業国で、ドバイが経済大国なんですが、その中で、ドバイとモロッコで大使館員や領事館の皆さん、あるいは産業界の皆さん、ジェトロの皆さんと会ってみたら、こういうことを言いました、僕。モロッコやドバイにおける日本の農林水産物のシェアは幾らぐらいあるんですかと。非常に薄いと言う。それは、皆さん、国外において、やはり日本の人として、日本の農林水産物をどんどん市場展開してほしいと思うけどどうですかと聞いたら、すかさずこういうことを言われます。もっと多く量を作ってくださいと言いました。産量が足りないんですと。あれば、回してくれたら、アフリカ大陸これからですから、我々は幾らでもマーケットを確保する自信があると。量産してください……
#191
○委員長(渡辺猛之君) 申合せの時間が参りましたので、今すぐ質疑をおまとめください。
#192
○儀間光男君 大変失礼いたしました。
 以上をもって終わりたいと思います。ありがとうございました。(発言する者あり)どうぞ一言。
#193
○国務大臣(山本有二君) 先ほどの答弁で、お許しいただきまして、RCEP交渉で農産物が入っていないというより、正確に申し上げますと、物品貿易交渉全体に関わっているというようにお答えを申し上げるべきところでございました。
 以上でございます。
#194
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。
 本日は、まず、私の地元、東京の重要課題でございます都市農業の振興について伺います。
 都市農業は、新鮮で安全な野菜や果物、花、また植木などの農産物、特に野菜の四割は都市的地域で生産されているわけでございますが、そのような農産物の供給のみならず、緑あふれる景観の維持、また雨水の保水による環境の保全、子供たちの環境教育や食育、さらには災害時の避難場所など多面的な機能を備えています。長年にわたり、都市部の農地は宅地化すべきものと位置付けられ、減少の一途をたどってまいりましたが、二〇一五年の都市農業振興基本法により初めてあるべきものとして法的に位置付けられ、さらに二〇一六年には都市農業振興基本計画が閣議決定され、都市農業振興の最も大きな課題である担い手の確保、農地の確保、本格的振興施策が積極的に展開されることになっています。
 そのような都市農業振興のために、農家にとって最大の壁になっているのが、一つは、現在、五百平方メートル以上と規定されている生産緑地の面積要件といわゆる道連れ解除の結果、農家にとって不可抗力であるにもかかわらず利子税を含む高額な支払を余儀なくされる場合があるということでございます。これについては、国土交通省が法改正をして、小規模農地も保全できるよう、市区町村が条例で生産緑地の面積要件を緩和できるようにすること、及び一団の農地という考え方についても運用改善をされる方向性が決まっていると伺っております。
 もう一つ大きな課題として残っておりますのが、農業者の方々が強く要望されております生産緑地の貸借の問題でございます。
 生産緑地については相続税の納税猶予を受けられることになっていますが、相続後に貸借をすると納税猶予が打ち切られ、先ほどの道連れ解除のときのように利子税を含む高額な支払を余儀なくされることになります。都市部では、一般の方が農業に親しんだり、また子供たちの体験学習の場として市民農園の設置や障害者の方々との農福連携、さらに農業規模を拡大したいと考える農家からの農地貸借への需要も増えていますが、生産緑地の貸借が認められない、転用が制限されているということが都市農地の有効活用を阻害し、農家にとっても大きな負担となっております。
 昨年末の与党税制改正大綱では、生産緑地が貸借された場合の相続税の納税猶予制度の適用など、税制上の措置について早期に結論を得るとしているところでございますが、都市農家と都市農地を守るために一日も早く進めていただきたいと思います。農水省の具体的な取組についてお伺いをいたします。
#195
○大臣政務官(矢倉克夫君) 竹谷委員におかれましては、都市農業の問題について引き続き強い御関心をいただいていることを改めて感謝申し上げます。
 委員御指摘のように、生産緑地、都市農業の中の生産緑地の利用ではありますが、これは市民農園であったり、また農福連携とおっしゃっていただきましたが、学童農園やまた福祉農園としての利用の多様なニーズがあるところであります。それをしっかりニーズを満たすためにはどうすればよいのか。それは、所有者以外の方による有効利用というのが非常に重要であり、その意味でも、委員御指摘の農地の貸借というのは重要なところであるかと思います。
 これがなかなか支障になっているところの意味というのは、今委員が御指摘いただいた、まず相続納税、相続税の納税猶予の適用を受ける生産緑地を、こちらを貸借した場合には、その適用が営農困難時等を除いて打ち切られてしまうというところがあります。これによりまして、貸す側の方がなかなか生産緑地を貸そうとされることに妨げになってしまうというのがまず一点。
 それと、加えまして、生産緑地につきましては、現在所有者の方が賃借により活用を図ろうといたしましても、農地法上、法定更新の際には農地の借り手の権利が強く保護されている。具体的には、農地の更新をしないというような通知がない限りはそのまま同一条件で更新されるわけですが、その通知も都道府県知事等の許可を得なければいけないというような指定がございます。これによりまして、農地の貸し手である所有者が農地を貸借をためらう状況にあるというのが問題であると思います。
 このため、生産緑地の貸借を促進する、検討に当たりましては、生産緑地ということに関しましては、この法定更新の規定の適用の除外、こちらとともに、相続税の納税猶予が打ち切られることなく継続して適用されるように検討を今いたしているところであります。これに関しましては、関係者の方との調整も非常に必要でありますが、委員の御指摘もございましたので、最大限早期にしっかりとこの調整を図り、実現に向けて努力してまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。
#196
○竹谷とし子君 矢倉政務官も埼玉の選出ということで、同じ課題を共有を、よく理解をしていただいているというふうに認識をしております。
 相続というのは、これは待ったなしの問題でございますので、一刻も早くというのが農業者の方々の思いであり、一旦農地が失われてしまった後にそれを復活するということは東京ではもう本当に不可能でございます。年々少なくなっていく農地を守っていくということは、農家の方のみならず都市部に住む方々の利益にもつながるものでございますので、必要なら新しい立法もして、矢倉政務官は弁護士でもございますので、今の問題解決をいかにしてやっていけるのかということに是非御尽力をいただきたいということをお願い申し上げたいと思います。
 続きまして、コールドチェーンシステムの確立、この必要性について伺いたいと思います。
 先日、私は最新の冷凍技術を視察をいたしました。リキッドフリーザーというものでございます。新しい急速凍結技術でございます。従来の冷たい空気で食品を凍結させるのに対して、これは空気ではなく、マイナス七十度の液体で凍結される技術でございました。大きなメリットとして、凍結するまでの時間が非常に短い。
 私が視察した際、水を氷にするというのを見せていただきましたが、これぐらいの量ですけれども、二分ぐらいでかちかちに凍ってしまうというのを目の前で確認をいたしました。もちろん、肉も魚も短時間で凍結が可能でございます。あっという間に牛肉も凍結をするというのを見ました。そこでまた解凍して、そして再び凍結をするというのももう短時間でできる。
 そして、このメリットというのが、細胞が破壊される前に凍結をするので、水分が分離して固まってしまうということがない。ですので、解凍したときに肉も魚もドリップはほとんど出ないというものでございました。その場でマグロまた牛肉解凍して、マグロは刺身にして食べさせていただきました。おいしいです。生ですと言われても、冷凍物ですということが分からないぐらいの品質であると感じました。また、肉も、冷凍、解凍、冷凍、解凍と繰り返したものを焼いて食べさせていただきましたけれども、品質が非常に、おいしいんですね、一言で言うと。それは国産牛だったので、国産牛だからでしょうというふうに言う人もいるのでということで、海外のお肉もそこで焼いて食べさせていただきましたけれども、それももう変わらない、品質が非常にいいということがよく分かりました。
 また、気になるコスト面でございますけれども、初期投資額も電気代も、冷凍する時間が短くなりますので、従来品と比較して安いということでございました。
 既に普及が始まっているということで、私も以前、鹿児島のトカラ列島というところを視察したんですけれども、そこでトビウオなど海産物を冷凍して、島からすると輸出をするということに取り組むのにそれを使われているのを見たことがございました。実際に見てみて、これは大きなイノベーションであると。冷凍とは違うんですね。生と比較して品質がどうかというふうに見られるぐらいの品質保持力があるということなんです。
 これは、多くの生鮮食品、これを航空輸送ではなくて貨物輸送によって輸出をすることが可能になってくると。生のものというのは足が短いので、時間が短くて済む航空貨物、航空輸送を選ばざるを得ないわけでありますけれども、品質が長く冷凍していても解凍したときに生と変わらない品質を保てるということでありますので、海上輸送、長い時間が掛かる海上輸送を選ぶことができるというわけでございます。
 当然、海上輸送の方が航空輸送よりもずっと料金が下がってきますので、これまで採算が合わなかったような、物流費の関係で採算が合わなかったような日本産食品の輸出品目が増える可能性があるということでございます。また、肉や魚だけではなくて、果物もできます。
 驚いたことには、農水委員会では牛乳が出るので私は大変うれしいんですけれども、飲まさせていただいております。おいしい牛乳、普通は生であるわけでございますけれども、牛乳も冷凍できるんです。その場で、これは半年前に冷凍した牛乳ですといって、あるメーカーの三社ぐらいの比較をされていたわけでございますけれども、一つを飲ませていただきましたが、冷凍した牛乳と言われても分からないぐらいの状況でございましたので、牛乳も輸出がしやすくなりますし、販売するときまでの鮮度保持の悩みというのも大きく改善をされてくる。また、酪農で、冬たくさん牛は牛乳を出すわけでございますけれども、そういう季節変動にも対応する一つの技術なのではないかと感じたところでございます。
 また、最近では、すし、職人さんが握ったすしとか機械で握ったすしもあるでしょうけれども、海外で人気であるわけなんですが、すし職人がいないとこれがなかなか作って販売するということができないわけでありますが、日本で作ったすしをこの技術を利用して急速冷凍してシンガポールに持っていって試食会をやったということでございます。大変好評だったと、冷凍したすしなんてぱさぱさで食べられないんじゃないかというふうに普通は考えるわけでございますけれども、ネタはもう生と遜色はない。ただ、御飯部分、しゃりの部分は少し改善の余地があるというアンケート結果だったようでございますけれども、おおむね好評であったということで、これは和食の輸出拡大ということにもつながってくると思いました。
 大臣所信の中で、平成三十一年、輸出額一兆円の目標実現を後押しする強力な技術、これ既にあるということでございます。これをもっと政策として後押しをしていくべきであると感じました。
 平成二十八年度補正予算の中でも、生産から消費までのコールドチェーン等の流通経路確立実証というものが予算が取られて取り組んでいると認識をしておりますけれども、この成果、冷凍して運んで、そしておいしく消費者の方に提供するという一連のコールドチェーンシステム、これについて、この実証をしっかりと日本の生産者や関連の事業者の方が役立つようにまとめていただいて、より良い技術ソリューション、多くの方々が活用できるように進めていただきたいと思っております。
 日本食や国産食材振興のための高品質のコールドチェーンシステム確立の必要性について、農水省に伺いたいと思います。
#197
○国務大臣(山本有二君) 御指摘のとおり、農林水産物の鮮度は命でございますし、輸出について、生鮮食料品は鮮度との戦いでございます。そんな意味で、大変興味深い新しい取組について御紹介いただきましたことを御礼申し上げます。
 日本の農林水産物、特に青果物、畜産物、水産物、高い品質を維持して国内外の消費者に届けるためにはコールドチェーンの整備が重要な課題でございます。昨年五月に策定いたしました農林水産業の輸出力強化戦略におきましてもコールドチェーンの整備を重要な課題の一つとして位置付けておりまして、関係省庁が連携して取組を進めさせていただいております。例えば、先進的な冷凍技術を用いたものなど様々な鮮度保持輸送技術を活用した実証的な取組への支援を行わさせていただいております。
 鮮度保持輸送技術を普及するための物流の手引書の作成もいたしております。農林水産物輸出インフラ整備プログラムに基づくコールドチェーンの確保に向けた卸売市場、漁港等の荷さばき所や一時保管庫等の拠点整備、さらに輸出先国での冷凍冷蔵施設を備えた倉庫の整備等への官民ファンドを活用した出資支援等を行っておるわけでございます。また、国内流通におきましても、生産物の流通加工施設や卸売市場の冷凍庫、冷蔵庫や低温卸売場の整備等を支援しておりまして、御指摘のコールドチェーンの確立を進めさせていただいております。
 今後とも、各省庁とも連携しつつ、国内外のコールドチェーンの整備、これを進めてまいりたいというように思っております。
#198
○竹谷とし子君 離島におきましても、東京にも伊豆・小笠原諸島がございますが、海産物非常に豊富なのでございますけれども、船便が天候によって着かないということがよくありまして、水産業者の方々、漁師さんたちがせっかく燃料代掛けて捕ってきた魚を捨てざるを得ないと、送ることができなくて。そういう悩みがあり、こうした凍結技術について大きく期待を寄せられているところでございます。
 輸出、また条件が不利な日本の農業、漁村地域でも非常にこの技術、コールドチェーンシステムの確立というのは重要なものでございますので、是非お取組を進めていただきたいと思います。
 次に、農家の担い手不足対策について伺いたいと思います。
 北海道の道東地域に標津町という町があります。私が生まれ育った町でございますが、その地域一帯パイロットファームとも呼ばれておりまして、酪農地帯でございます。その地域で例外なく過疎が進んでおります。今は人口五千人ぐらいになっておりますが、町の行政が新規就農の促進に取り組んでいます。
 農業分野における取組だけではなくて、町独自に住宅取得支援政策や、保育費の無料化また負担軽減、高校までの医療費無料化や、あるいは出産祝い金として三人目は五十万円給付しますとか、そういう子育て支援策、もうこれ以上ないというぐらい、全道一だというふうに町長はおっしゃっておりましたけれども、パッケージとしてしっかり行うことによって子育て世帯が町に移転しやすい取組、また流出しにくい取組というものをやっているところでございますが、昨年は新規就農で二世帯転入をされてきたということでございます。大人が四人、そしてお子さんたちが六人で十人、五千人の町に入ってきたというのは非常に大きいんですね。これは農業だけではなくて、住環境や子育ての環境、そういったこともセットなのだなということをこの事例から学ばせていただきました。
 こうした自治体の取組も踏まえながら、新規就農支援策というのを切れ目なく進めていけるように後押しをしていただきたいと思いますが、農水省の担い手不足対策としての新規就農支援策について伺いたいと思います。
#199
○政府参考人(大澤誠君) 先生大変重要な御指摘いただいたというふうに考えてございます。
 切れ目なくというのは我々もキーワードにしているところでございまして、農林水産省としては、まず新規就農の促進というのが役割だと思っておりますけれども、その際にも、教育段階、就農準備段階から農業次世代人材投資事業という形での資金の交付、あるいは経営開始直後の青年就農者を対象とした資金の交付というのも行っておりますし、今後は農業経営塾という形で学び直しの場という、経営者になった方々が更に農業経営を本格的に学ぶ場というものも整備しようとしております。さらに、農の雇用事業、無利子融資等を行っております。
 ただ、何分にも人の確保ということになりますと、人ですのでいろいろなニーズが御指摘のようにございます。そうなりますと、やはり農業の担い手政策と農業政策の枠を超えた自治体レベル、あるいは他省庁もあるかと思いますが、のいろいろな住まいの対策、子育ての対策と連携して行われるということも非常に大事なことだと思っております。
 我々としては、そういうこともありまして、ホームページで各自治体の農業政策あるいは人の確保政策というのを紹介する一種のデータベースを作っております。県別、市町村別に飛べるようになっておりまして、そういうところもなるべく優良な事例を横展開できますように、いろいろな機会を捉えて紹介していきたいというふうに考えてございます。
#200
○竹谷とし子君 酪農について引き続き質問させていただきたいと思うんですけれども、酪農は三百六十五日搾乳が必要で、農業従事者の中でも、とりわけ酪農に携わる方は過酷な労働条件下にあると思っております。今、ヘルパーさんが来ていただいて休めるようになったりとか、環境改善は進んでおりますけれども、海外では機械化が非常に進んでいるという映像を見ます。そういう最先端の機械化、またICT化を進めて過酷な作業から農業従事者を解放するということが魅力ある農業、酪農を実現する、そして生産性を高めていく上で重要と思います。
 この分野、酪農の機械化進めるに当たって、大臣所信の中でも酪農経営体生産性向上緊急対策事業というものに触れていただきました。私は、前回も質問で取り上げましたが、これが予算に計上されたこと、非常に大きな期待を寄せております。
 この分野は海外製品が今は多いというふうに認識をしておりますが、日本でも酪農の機械化、IT化を広く進めることによって市場をつくっていく、そして日本製のものを開発、販売する環境を整えることで新しい農業機械の産業、雇用を生んでいく効果も期待できると思っております。働き方改革、酪農の農家の仕事は楽になる、そして、そういう酪農、仕事をやってみたいという魅力の向上にもつながる。今でも若い人に酪農って魅力あるんですね。更にそれを魅力的なものにしていくことができると思います。そして、機械を造る新しい産業、雇用の創出、一石三鳥のこれは取組であると私は思っております。
 一億総活躍、地方創生、そして景気回復を進める、好循環を進めていく上でも重要な政策でございます。これについて農水省の取組を伺いたいと思います。
#201
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 先生、今御指摘いただきましたとおり、酪農、畜産の中でも他の畜種と比べて労働時間が長くて非常に過酷な労働条件にございます。この労働負担の軽減を図るということは生乳生産基盤の強化を図る上で大変重要と考えております。二十八年の十一月に決定されました農業競争力強化プログラムでも、酪農における労働条件を大きく改善する施設投資を始めとする労働支援を短期集中的に支援するという旨が取りまとめられてございます。
 これも踏まえまして、二十九年度の予算案で酪農家の労働負担の軽減、省力化に資する機器、例えば搾乳作業を自動化できる搾乳ロボット、ただ、このロボットは先生御指摘のとおり全て外国製、今入っているのはそうでございます。あと、家族経営では今手作業で行っております給餌を自動化できる自動給餌機ですとか、あと分娩の監視の負担を軽減できるような発情発見装置ですとか、これはICT関係でございますが、そういうことの導入を支援する新規事業を計上しているところでございます。
 今後は、酪農ヘルパーですとかコントラクター、TMRセンターなどの利用普及など、酪農の外部化と併せまして本事業を推進いたしまして、酪農家の労働条件の改善に加えまして、国内メーカーによります機器開発の活性化なども図られると考えておりまして、酪農をより魅力のある産業といたしまして新規就農の促進にもつなげてまいりたいと存じます。
#202
○竹谷とし子君 是非、今回の緊急対策事業を大きく将来につなげていくことができるように工夫をして取り組んでいただきたいと思います。
 次に、話題を変えまして、備蓄米の福祉活用について伺いたいと思います。
 日本政府は、十年に一度の不作や通常程度の不作が二年連続した事態にも国産米で対処できるように、備蓄米として百万トン程度運用をしています。毎年二十万トン程度買い入れて、通常五年持ち越したものは飼料用などとして売却をしているということでございます。飼料用として販売するのは、主食用米の需給緩和を招き、米価下落の道を開かないようにという理由と認識をしております。
 一方で、日本国内で経済的に困窮して十分に食べ物にアクセスすることができない人たちがいます。フードバンクなどは炊き出しをしたり、そうした現実に対応しておられます。必要とする御家庭に食品を届けたり送ったりすることもやっておられます。日本の中に食料へのアクセスを保障されない人たちがいるということでございます。それは福祉の仕事、厚生労働省の仕事、農水省とは関係ないと割り切るべきではないと私は思っております。農水省の大きな仕事の一つは、日本の食料安全保障を守ること、国民、住民を守ることであると思います。
 フードバンクなどが国民の税金を使って買い入れた重要な備蓄米、家畜の餌になる前に人が食べる、福祉に活用させてもらいたいと希望をしておられます。どの程度だったら需給緩和につながらないか、それを検討していただきたいと思います。その上で少しでも、生活が困窮して食べ物が足りない方々、またフードバンクや福祉に回していただきたいと思うんです。米は人がまずは食べるべきものであると私は思います。いかがでしょうか。
#203
○政府参考人(柄澤彰君) お答えいたします。
 今御指摘がございました政府備蓄米に関しては、米の生産量の減少によりましてその供給が不足するような事態に備えて、必要な数量の国産米を在庫として保有するものでございます。今御指摘ございましたように、その適正備蓄水準は百万トン程度として運営しているところでございます。
 その具体的な運営に当たりましては、平時におきましては、主食用米の需給及び価格へ影響を及ぼさないようにするために、一定期間の備蓄後に飼料用、海外援助などの非主食用途に販売する、いわゆる棚上げ備蓄制度という形で運営しているところでございます。
 このような中で、今御提案ございましたが、平時におきましては市場に出回っている主食用米の供給量が需要量を十分に満たしているという状況でございます。そういう状況の中で、棚上げされた備蓄米を福祉や貧困対策という今御指摘ございましたような、言ってみれば経済的な理由によって主食用として供給するということになりますと、やはり棚上げ備蓄制度の本来の目的に沿わず、主食用米の需給緩和、ひいては米価下落にもつながりかねないということで、大変恐縮でございますが、それは困難だというように考えております。
 一方で、生産、流通、消費などの過程で発生する未利用食品を食品企業や生産現場などからの提供を受けて必要としている施設や人に提供するフードバンク、今御指摘ございましたこのフードバンクにつきましては、農水省として食品ロス削減を図る一つの手段として支援をしているところでもございます。米も含めまして、多くの食品についてこのような活動が広がるようにもちろん取り組んでまいりたいと存じます。
#204
○竹谷とし子君 終わります。
#205
○森ゆうこ君 自由党の森ゆうこでございます。
 まず、獣医学部の新設について、先ほど午前中に櫻井委員の方からも質問がございましたけれども、私の方からも質問をさせていただきます。
 まず、内閣府に対して伺います。
 皆様のところに資料を付けております。この経緯につきましては、文部科学省から提出していただきました二枚の資料がございます。さらには、地図がございます。これは、文部科学省制作の獣医学関係大学設置状況ということで、その青字の部分は、今回問題になっております学校法人加計学園が獣医学部設置の認可を受けた上で愛媛県今治市において獣医学部を新設する予定であると、これは私どもの方で書き加えさせていただきました。
 まず、内閣府に伺いますけれども、国家戦略特区と構造改革特区、違いは何なんでしたっけ。
#206
○政府参考人(川上尚貴君) お答え申し上げます。
 二つの特区についての違いのお尋ねでございます。二つの特区、両方とも自治体の提案に基づく規制改革の枠組みということでは共通してございますけれども、構造改革特区が全国どの地域でも活用できる規制改革を措置する制度であるのに対しまして、国家戦略特区は指定をされた区域におきまして過去何年にもわたってなかなか手を付けられなかったいわゆる岩盤規制改革に突破口を開くことを目指す制度ということの違いがございます。
 以上でございます。
#207
○森ゆうこ君 じゃ、ちょっと確認ですけれども、それだけトップダウンといいますか、総理を始めとするこの国家戦略特区のトップダウンの方針決定というものが威力を発揮するということでよろしいですか。確認です。
#208
○政府参考人(川上尚貴君) お答え申し上げます。
 まさにそのようないわゆる岩盤規制改革を突破するという趣旨でつくられた制度ということでございます。
#209
○森ゆうこ君 ありがとうございます。
 日本の社会を活性化するための規制改革、これは私も別に反対するものではございませんが、しかし今御説明のありましたように、トップダウン、強い力でやるわけですから、それだけこれは、何というのかな、特定の人のために行ったと誤解されるようなことは避けなければならないのではないかということを、これは当たり前のことですけれども、まずは最初に申し上げておきたいというふうに思います。
 国家戦略特区からの獣医学部新設規制緩和の要請は何回あったんでしょうか。国家戦略特区、そして構造改革特区、両方お答えをいただきたいと思います。
#210
○政府参考人(川上尚貴君) お答え申し上げます。
 構造改革特区につきましては、今治市から獣医学部の新設について平成十九年以降十五回にわたり愛媛県と共同で獣医学部設置について提案をいただいてございます。他方、国家戦略特区でございますが、これは今治市には限りませんで、平成二十六年七月には新潟市から、平成二十七年六月はこれは今治市からでございますけれども、平成二十七年の春の提案では宮崎県、あるいは二十八年の三月には京都府等からも獣医学部設置の提案をいただいているところでございます。
 以上でございます。
#211
○森ゆうこ君 文部科学省から資料をいただきました。説明は、私ちょっと昨日、森友学園の工事現場に視察に行っておりましたので直接説明は受けていないんですけれども、いただきました資料等、報告によりますと、相当、先ほども何回も何回も要請があったということなんですけれども、文部科学省はなぜその規制緩和の要請に応えることができなかったんでしょうか。
#212
○政府参考人(松尾泰樹君) お答えいたします。
 愛媛県今治市からの特区の提案でございますが、構造改革特区の方に当初提案がございました。先ほども答弁ございましたように、構造改革特区でございますけれども、当該地域の特性に応じた規制の特例措置を講じるということでございます。そして、地域の活性化を図るということで、当初の今治市の提案は四国地域における獣医師の需給や大学を核とした地域再生などの地域活性化を主眼としたものでございました。
 これに対しまして、文科省といたしましては、農水省の報告書においての獣医師全体としての明確な供給不足の見解はないこと、そしてまた、入学定員は特区ではなく獣医師養成大学全体の課題として対応すべきことであるということで、特区としての対応不可というふうに回答していたところでございます。
 その後半でございますが、やはり構造改革特区への提案でございますが、平成二十一年からの提案は、それまでの提案に加えまして、世界水準の高度な獣医学教育を行う大学の設置等、あとライフイノベーション拠点の形成等、より戦略的な提案となったと承知してございます。この提案につきまして、文科省といたしましては、平成二十二年六月の新成長戦略におきましてライフイノベーションによる健康大国戦略等が示されたことを受けまして、提案の実現に向けて検討を対応ということにしたわけでございます。
 このような中、今治市からは、平成二十七年六月に国家戦略特区の方に御提案があったというふうに承知をしてございます。
#213
○森ゆうこ君 私も、この間の国家戦略特区におけるワーキンググループのヒアリング、それから今治市分科会、最終的に決まるこの議事録、読ませていただきました。非常に興味深いなというふうに思いました。
 当初、この座長の八田さんですか、座長は、私は獣医学部の新設はそれなりの意味があると思うけれども、その理由、今治という理由付けは何なのでしょうかと。途中略しますけれども、このような国際的な感染症対策をしたいし、専門家が欲しいということであれば、大体一人当たり八百六十万円のお金を何らかの形で全国の獣医学部卒業生を募るときに出せばそれで済むはずで、こんなにいろいろとコストを掛けて手間を掛けてやるよりは、そこで人材を整えた方がよほどいいのではないかという意見があると思うんですけれどもというふうなことをおっしゃっていました。
 そしてまた、その次のヒアリングにおきましては、文科省、そして農水省共に、何というんでしょうか、新たなそういう感染症対策の人材でありますとか、高度なそういう今日的な課題に対応する人材が必要ではないかという、各委員のどうしても設置した方がいいという推進する意見に対して、農水省も文科省も、既にそれは現在ある各大学で行われていると、そういうカリキュラムに基づいてそういう人材を養成しているということですし、需給については何も、もちろん、例えば産業医等々にもう少し卒業生が行ってくれればいいなということはあったとしても、全体として需給は、先ほどの櫻井委員に対する答弁でもそうですけれども、需給は別に逼迫していないということで、何というんでしょうかね、論理的に反論をいたしております。
 でも、その二回、平成二十七年の六月に二回続けて間を置かずやった後ですね、その後の議論がちょっと分からないんですね。その次になると、もうこれが国家戦略特区として指定される方向にいきなり飛んでしまって、もう既定の事実として、次のヒアリングの議事要旨、議事録には、そこから先はもうどんどん行け行けというふうな議事録になっているんですけれども、この六月の最初の、六月八日、そしてその後、この二回の後、どんな意見の調整があって、そして六月三十日の日本再興戦略の改訂版二〇一五閣議決定というところに至って、これが国家戦略特区として設定される、その結論に百八十度転換していったんでしょうか。御説明いただけますでしょうか。
#214
○政府参考人(川上尚貴君) お答え申し上げます。
 今の先生が御紹介いただいたところは、検討のプロセスの前段の部分だろうと思ってございますけれども、その後の御議論の中で、例えば鳥インフルエンザなどの人獣共通感染症が国際的に拡大をして我が国でも侵入リスクが高まっていることから、水際対策などを担う獣医師の必要が高まっているというようなこと、あるいは創薬の開発などの先端ライフサイエンス研究の進展など、獣医師が新たに取り組むべき分野の具体的需要が高まっていること、それから、午前中、農水大臣からも御発言ございましたけれども、例えば獣医師の地域偏在、地域的には存在しているというようなこと、それから既存の獣医学部では基本科目の対応が優先されておって、創薬関連科目等のアドバンス科目の充実が困難であることというようなことから、獣医学部の新設ニーズが高まっているという御議論がございまして、最終的に新たな分野を担う獣医学部のニーズが近年高まりを見せているということで、特に広域的に獣医学部が存在しない地域に限り獣医学部の新設を可能とすることというような結論になったというふうに承知をしているところでございます。
#215
○森ゆうこ君 今の御説明をこの議事録から具体的に反論ペーパーとして私もまとめることができるんですけれども、ちょっとそういう時間がありませんでしたけれども、その御議論に関しては明確に当初農水省もそして文科省も反論しております。そういうのが既にありますけれども、あとは卒業生がどう進路を選ぶのかというところが問題で、そのための支援の対策も講じているというふうに言っていたわけです。
 この地図、御覧になっていただきたいと思います。確かにやはり北海道はありますし、それから本州幾つか場所が分かれておりますので、この地図全体で見れば全国的にあるというふうに、確かに四国にはないわけですけれども、そういうふうに見れるのではないかなと思います。
 一方で、定員なんですけれども、現在は九百三十名、それが一気に二つの学科を合わせますと二百二十名になるということなんですけれども、文部科学省はこれでいいんですかね。
#216
○政府参考人(松尾泰樹君) そこは需給の、定員につきましては農水省の方とも提案を受けながらしかるべく適切に対応してまいりたいと思います。
#217
○森ゆうこ君 じゃ、農水省、農水大臣でもいいんですけれども、先ほどは別に需給が逼迫していないというお答えだったと思うんですけれども、一気に二百二十名も増えるんですけれども、定員が、これは大丈夫なんでしょうか。
#218
○政府参考人(今城健晴君) お答えいたします。
 先ほど来御議論出ておりますとおり、獣医師全体の数、これについての状況ということについては、家畜それからペット共に減っているということもあり、獣医師の数自体が不足しているという状況にはないというのが前提でございます。
 しかしながら、産業動物獣医師、要するに農村でいわゆる家畜診療に携わっておられる方々、これがやはり地域によっては非常に採用に問題があったり、なかなか来てくれないというようなところがあるという状況でありますので、そういうことも踏まえながら、よくこの定員というものについて、直接我々権限があるわけではないですけれども、注視してまいりたいというふうに考えております。
#219
○森ゆうこ君 注視してまいりたいとか、需給については文科省は農水省だと言うし、どちらも何か責任持たない感じなんですけれども、私も文科副大臣やらせていただきましたので、これ学部の新設というのはとても難しいんですよ。麻生大臣がこの最後の方の会議で言っていらっしゃいますけれども、例えば法科大学院、鳴り物入りでつくったけれども、結果的に法科大学院を出ても弁護士になれない場合もあるとか、いろんな問題が出てきて、この少子化の中ですから、よほどこういう新しい学部をつくってやらないと人材が提供できないというような本当に特別な事情がない限り新設というのは私は極めて慎重に行うべきだと思いますし、これまで難しかった、それは必要な規制であったのではないかというふうに思っております。
 内閣府に伺いたいんですけれども、いずれにせよ、特区における獣医学部を設置することが決まりました。それで、事業者募集の期間、そして日数はどれだけでしたか。
#220
○政府参考人(川上尚貴君) お答え申し上げます。
 国家戦略特区における構成員の公募でございますけれども、おおむね一週間程度で、ほかの府省もそうでございますけれども、実施してございまして、本件も本年一月の四日から十一日までの八日間の公募ということを行ってございます。さらに、追加の申出という手続も別途法律上ございまして、これについても、大体これまでと同様でございますが、六日間の受付を行ったところでございます。
 全体としてこれが短いんじゃないかという御指摘かと思いますけれども、どのような場合に獣医学部の新設を認めるかということにつきましては、御案内のとおり、昨年の十一月の九日に既に特区の諮問会議の決定においてコンセプトを明示してございまして、さらに告示案のパブリックコメントというものも一か月間、かなりの時間を掛けて実施するなど広く公表をしてきているところでございます。
 こうしたことから、応募しようとされる方にとっては必要な準備期間は確保されてきたものというふうに考えているところでございます。
#221
○森ゆうこ君 一週間、約一週間で大学のその手を挙げられるのか、挙げられるだけの準備ができるのか。それはちょっとどう考えても加計学園ありきで進んできたのではないかというふうに思います。多分答えられないと思うので、今日はいいです。私、この問題まだまだやらせていただきますので。報道によれば、この加計学園運営の御影インターナショナルこども園の名誉園長は安倍昭恵内閣総理大臣夫人であるということでございますので。最初に申し上げました国家戦略特区、これは別に私反対しておりません。しかし、先ほど説明があったように、より強力な力でトップダウンで決める。それは、特別な人の、自分の仲のいい人のためだけにその権力を使うということがあってはならないのでありまして、この問題、非常に森友学園の問題と同じ、根本的に問題でございます。今後も追及をさせていただきたいと思います。
 それでは、SBS米問題について移ります。
 SBS米輸入の、あっ、文科省、どうぞ。
#222
○委員長(渡辺猛之君) 内閣府もいいですか。
#223
○森ゆうこ君 内閣府もいいです。
#224
○委員長(渡辺猛之君) じゃ、松尾審議官、川上次長、どうぞ御退席ください。
#225
○森ゆうこ君 SBS米ですけれども、調整金を禁止して、入札が再開されましたけれども、その結果をどう評価して、その原因をどう分析しているでしょうか、伺います。
#226
○政府参考人(柄澤彰君) お答えいたします。
 SBS米の入札につきましては、昨年九月七日に第一回の入札を行った後に金銭のやり取りの禁止措置を講じました。その後、昨年十二月十六日に入札を再開いたしまして、再開以降計五回入札を行ったところでございます。計五回で六万二千八百九十八トン、一回目も含めた二十八年度の累計落札数量で見ますと、全体の枠十万トンに対しまして七万三千三百十四トン落札したところでございます。
 一方、その落札した政府売渡価格について見てみますと、入札再開前の第一回の一般米の平均は一キログラム当たり百八十二円でございましたが、その後、再開後五回の平均で見てみますと百六十七円ということでございます。入札再開前と再開後を比較いたしますと、一般米全体の平均で見ますと十五円低下しておりますが、品種ごとに見ますと、例えば米国産の短粒種は二十五円上昇しております。また、タイ産の長粒種は四十九円上昇しているというようなことで、上がったものもあれば下がったものもあると。いろんな要因がございますので、この価格変動の要因は一概には言えないというふうに考えているところでございます。
 今年度、二十八年度のSBS入札は終了したところでございますが、今後ともSBS制度の適切な運営に努めてまいりたいと存じます。
#227
○森ゆうこ君 原因は特定できないという御答弁でしたけれども、でも事実として再開後は安値更新という、これが事実でございます。結果的に、同じ米国産の米の昨年の平均売渡価格は一キログラム当たり百八十五円ですので、それと比較いたしますと四十五円安くなっている、二割以上の低下となっております。また、年間の落札数量はSBS米全体で七・三万トンとなっておりまして、入札の実施回数が少なかったにもかかわらず、昨年実績の二・九万トンの二・五倍に増加をいたしております。
 このような入札結果となった原因は、やっぱり価格については調整金の禁止が大きく影響しているというふうに考えるのが自然ではないかというふうに思いますけれども、そもそも調整金の禁止ということをやったということであれば、その見直しの趣旨が徹底されているのか、調整金の受渡しはもう存在していないのか、調整金の禁止によって業者の入札が、入札ごとがどう変わったのか、これは調査をされているんでしょうか。
#228
○政府参考人(柄澤彰君) 昨年十二月にSBS契約の内容の改善を行ったところであります。その後、締結された全てのSBS契約書の契約項目におきまして、個々のSBS取引に係る三者契約に関連して、輸入業者及び買受け業者との間で金銭のやり取りを行ってはならないということを明記いたしました。したがいまして、これに違反した場合には、SBSにつきまして資格の停止又は取消し等の措置を講じることとなるわけであります。
 この見直しによりまして、個々のSBS契約に関連した形で実質的に買受け業者のSBS米の入手単価を引き下げる目的で行う金銭のやり取りは違約となるわけでございますので、行われなくなると考えております。
 一方、今回改定した契約内容で締結されたSBS米につきましては、今日現在ほとんどがまだ本邦に到着しておりません。また、国との代金の決済もこれからの段階でございますので、今後この新しい契約の内容が適切に履行されるようにしっかり対応してまいりたいと存じます。
#229
○森ゆうこ君 山本大臣に伺いたいんですけれども、記者会見で調整金禁止の影響はなかったというふうにお述べになっていますけれども、売渡価格の低下の原因まだ分からないということなんですけれども、その調整金禁止についての影響がなかったということであれば、じゃ、何のために禁止したんですか。
#230
○国務大臣(山本有二君) まず、SBS米の価格低下でございますが、著しい低下は米国産中粒種という品種でございます。この品種については特性がございまして、硬い、ぱさつく、冷めたときの食感が良くない、それで国産米と混ぜて使用されまして、丼物とかチャーハンの用途に限定されるわけでございます。この中粒種の原産地でありますアメリカで豊作になっておりまして、現地価格が極めて低くなっています。その影響でどうも下がっているということでございます。
 また、国産米に調整金が影響するのではないかということでございまして、調整金を外すと価格は下がるのではないかという通常の予想でございますが、実は国産米の価格は一割程度上昇しているわけでございますので、したがって、私としましては、判断といたしましては、SBS米の入札経緯とそれから国内産の市場の動向から、調整金については影響がないのではないかと、こういうように答弁させていただいたところでございます。
#231
○森ゆうこ君 資料に付けさせていただきましたけれども、専門家によっては国産米への影響について研究をし、そして提言をしている方がいらっしゃる。鈴木先生だけではなく、様々な方が同様の影響を提言されております。
 これだけSBS米の価格が低下すれば、国産米価格にも影響が及ぶと考える方が私は自然だと思います。SBS米の価格が業務用の国産米の価格を低下させる関係を指摘されております。具体的には、SBS米価格が一%低下すると業務用の国産米価格が〇・五三六%低下する関係にあって、さらに、業務用国産米価格が一%低下すると家庭用国産米価格は〇・四七六%低下する、そういう関係にあるとの研究結果でございます。これらの関係性を用いてSBS米価格が一キログラム当たり六十円低下したと仮定した場合に、我が国の米の生産額が三千四百億円減少するとの試算を行っておられます。SBS米価格の低下が国産米価格に大きな影響を与える可能性を示していると考えます。
 農水省もSBS米価格の低下が国産米価格に影響を与えることを認めていただいたらいいんじゃないかと私は思いますよ、その方が自然ですから。対応策をやっぱり講じていかなきゃいけないと思いますけれども、いかがでしょうか。
#232
○政府参考人(柄澤彰君) まず、今委員御指摘のいろいろな学者の先生方の試算につきましては、その根拠や論拠は我々明確に分かりませんのでコメントのしようがないわけでありますが、ただ、事実関係として、先ほど大臣が申し上げました事実、もう一度補足させていただきますと、今回のSBS入札の前後におきます国産米の全銘柄平均価格を見ますと、入札を再開した昨年十二月とその翌月の本年一月を比較しますと、六十キログラム当たり五十一円上昇しているというようなことでございますので、事実としてSBS米は国産米に影響しているということは考えられないところでございます。
#233
○森ゆうこ君 調整金による価格偽装というふうにやはり国民というか農家の方は受け止めていますし、そう受け止めるのが自然だと思いますし、だからこそ調整金を禁止したということだと思います。この調整金による価格の偽装は本当に大きな影響があったと思いますし、やはりこの安値更新、SBS米の安値更新というのは現実的な脅威でありますので、対応を是非検討をいただきたいと思います。
 同じく米政策についてなんですけれども、先ほど来御指摘がありますように、いよいよ戸別所得補償制度、もうとにかく農家の方たちから一番支持をされたこの戸別所得補償制度、半額になっておりまして、今度はいよいよゼロになるということでございます。
 予算でいきますと七百十四億円、これがなくなるということで、つまり、それだけ農家の人たちの所得が減るということだというふうに思うんですけれども、やっぱり攻めの農業もいいんですけど、まず守る、所得をしっかり確保するというのが何よりも重要だと思うんですけれども、この使われなくなる予算を最大限利用して、まずは農家の所得を補償する、本当の意味で補償する、安定させるべきではないかと思いますけれども、大臣の御所見をお願いいたします。
#234
○国務大臣(山本有二君) 農林水産予算でございます。毎年度、その時々の行政ニーズに応じまして、各施策の予算額を増減するなどして全体の編成を行ってまいりました。米の直接支払交付金は三十年度から廃止するということでございます。そして、三十年度の農林水産予算の編成過程におきまして、この予算の廃止も踏まえて、全体としてどのように予算を措置していくべきか検討させていただければというように思っております。
 そして、この予算の財源が二十九年度で七百十四億円でございますけれども、この財源を何か特定の施策に充当するということを想定しているものではございませんで、これからしっかりと農政の必要なところを過不足なく、満遍なく予算化するということに使わせていただければというように思っております。
#235
○森ゆうこ君 済みません、一問飛ばしてしまいました。食料自給率についてお答えいただこうと思っておりました。
 やはり食料自給率、自給力と自給率と二つ分けて質問しようと思ったんですけど、時間が来ておりますので、最後に大臣にお答えいただきたいんですけれども、やっぱり何といっても私は、一〇〇%自給率、これは確保しなければならない。これを最大の目標にして、安倍政権で下げたわけですね、自給率の目標を。それじゃ駄目だと思うんですよね。やっぱりしっかりと食料安全保障という観点から、自給率、高い自給率、一〇〇%目指すという方向性を示すということが重要だと思いますけれども、大臣の御所見を伺います。
#236
○国務大臣(山本有二君) 平成二十五年度で、大体カロリーベースで三九%、生産額ベースで六五%でございます。したがいまして、現実的な取組といたしましては、平成三十七年に目標のカロリーベースで四五、そして生産額ベースで七三という現実的な数字を記載させていただいたということでございます。
#237
○委員長(渡辺猛之君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時五分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト