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2017/03/30 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 農林水産委員会 第4号
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2017/03/30 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 農林水産委員会 第4号

#1
第193回国会 農林水産委員会 第4号
平成二十九年三月三十日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十四日
    辞任         補欠選任
     進藤金日子君     鶴保 庸介君
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     鶴保 庸介君     進藤金日子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         渡辺 猛之君
    理 事
                舞立 昇治君
                山田 修路君
                徳永 エリ君
                紙  智子君
    委 員
                礒崎 陽輔君
                進藤金日子君
                中西 祐介君
                野村 哲郎君
                平野 達男君
                藤木 眞也君
                山田 俊男君
                小川 勝也君
                櫻井  充君
                田名部匡代君
                舟山 康江君
                竹谷とし子君
                矢倉 克夫君
                儀間 光男君
                森 ゆうこ君
   衆議院議員
       農林水産委員長  北村 茂男君
   国務大臣
       農林水産大臣   山本 有二君
   副大臣
       内閣府副大臣   松本 洋平君
       農林水産副大臣  礒崎 陽輔君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       樋口 尚也君
       農林水産大臣政
       務官       矢倉 克夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大川 昭隆君
   政府参考人
       内閣府地方創生
       推進事務局次長  川上 尚貴君
       外務大臣官房審
       議官       飯田 圭哉君
       文部科学大臣官
       房審議官     松尾 泰樹君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局生
       活衛生・食品安
       全部長      北島 智子君
       農林水産大臣官
       房総括審議官   山口 英彰君
       農林水産省消費
       ・安全局長    今城 健晴君
       農林水産省生産
       局長       枝元 真徹君
       農林水産省経営
       局長       大澤  誠君
       農林水産省農村
       振興局長     佐藤 速水君
       農林水産省政策
       統括官      柄澤  彰君
       水産庁長官    佐藤 一雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農林水産に関する調査
 (農業の競争力強化と農村への影響に関する件
 )
 (日米経済対話等の通商交渉の在り方に関する
 件)
 (国家戦略特別区域における獣医学部の新設に
 関する件)
 (二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピッ
 ク競技大会における農畜水産物の調達基準に関
 する件)
 (漁業の国際交渉の在り方に関する件)
○特殊土壌地帯災害防除及び振興臨時措置法の一
 部を改正する法律案(衆議院提出)
○農林物資の規格化等に関する法律及び独立行政
 法人農林水産消費安全技術センター法の一部を
 改正する法律案(内閣提出)
    ─────────────
#2
○委員長(渡辺猛之君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府地方創生推進事務局次長川上尚貴君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(渡辺猛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(渡辺猛之君) 農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○中西祐介君 おはようございます。自民党の中西祐介でございます。農林水産委員会では、今日、初めての質問をさせていただくということで、機会をいただきましたことに関しまして感謝を申し上げたいと思います。
 昨年、私は、元々徳島県という選挙区でございましたが、高知という隣の選挙区も一緒になりまして、憲政史上初めての合区という選挙を戦わせていただきました。高知県に初めて入りましたときに、山本大臣にも、当然選挙区の一つでありますので、大変御指導いただいたところでございますが、まさにこの水産に関わる大変重要な地域だなということも地域を回りながら痛感をする次第でございます。
 おとといでございますが、二十八日には、これ五年ぶりとなりますけれども、漁港漁場の長期計画、これを無事閣議決定をいただいたところでございましたけれども、去年から私自身も自民党の水産部会長を拝命をしておりまして、この長期計画に加えまして、さらに、年度明けには早々にも水産基本計画の五年ぶりの策定に向けまして今適宜議論をさせていただいているところでございまして、政府の皆さんとも十分に議論を重ねていきたいと思っております。
 まず、今日は時間が限られていますので、足下のテーマについて幾つか質問させていただきたいと思っておりますが、私の地元でもあり、また長い間大臣の地元でもございますこの高知県の今の話題から触れさせていただきたいと思っております。
 いよいよ、今朝も何か春のような陽気になってまいりましたけれども、昔から目に青葉山ホトトギス初ガツオという言葉があるように、言わば春先の旬物といえばまさにカツオの季節になってくるわけであります。
 高知県では、つい先月の二月九日にある準備拡大委員会というものが開催をされまして、私も出席をさせていただきました。いよいよこの四月の十日に新しく発足をされる委員会がございまして、それは何かというと、高知県カツオ県民会議というものが県を挙げて発足されるということになったそうであります。これ、高知県知事を会長にいたしまして、経済界の皆さんあるいは仲卸の方々、調理人の皆さん、さらには一本釣りの漁師の皆さん、私もこの準備会合に出席をさせていただいたんですが、県も含めて、県を挙げてこの一つの水産資源を守るということの動きというのは非常に画期的だと思いました。
 そのことにつきまして、まず山本大臣から所見を伺いたいと思います。
#6
○国務大臣(山本有二君) 御指摘のとおり、沿岸のカツオが捕れなくなってしまいました。様々な原因があるんでしょうが、その前に、日本のカツオの消費の観点から申し上げますと、一世帯当たり年間カツオ購入数量という数字がございまして、一位が高知市でございまして、約四千グラム、四キロ買います。二位が福島市で二千でございます。全国平均はほぼ一キロでございますので、四倍高知市の皆さんはカツオを食べるということになるわけでございます。
 その中で、世界のカツオ・マグロ漁の漁獲の推移は、一九八三年に二百一・七万トンでございましたが、現在では、三十年たって二・五倍、五百七・二万トン世界中でカツオ・マグロ類を捕って食べているということになるわけでございます。それだけに、私の沿岸の高知県黒潮町佐賀の港では、私がいつも買っているのは千円以下のカツオでございましたが、それを求めようとすると余り少なくて、価格が上がって一万円近いときもございます。そんなふうなことでございまして、物すごい高知県にとっての、産業的にもあるいは一般家庭のカツオ食という意味でも、大変変化に対して戸惑いを覚えております。
 そして、高知県知事がこの会長になりまして高知カツオ県民会議というのを発足させて、資源の確保あるいは沿岸漁業の維持というようなことを図ろうとしているわけでございますが、今般、このような状況を受けまして、知事を会長にした高知カツオ県民会議が立ち上げられたわけでございますけれども、農林水産省としては、同会議におけるカツオに関わる現場の皆様の様々な御意見を踏まえまして、その強い危機感を反映させて国際交渉に臨んでいきたいというように思っております。
#7
○中西祐介君 ありがとうございます。
 今まだ発足前でありますけれども、非常な危機感を大臣から伺えたということは有り難いことだと思っております。
 お話のとおり、八四年頃には大体六万二千トンぐらい捕れた高知のカツオでありますけれども、一番直近の一四年のデータですと二万トンということで三分の一以下に減っているということでございまして、私がその準備拡大会合に伺ったときに一番感じたのは、非常に危機感が強い。とりわけ漁業者の方々がもう二十年来にわたってこの資源の危機感ということを再三にわたって行政に対しても申し上げてきたと、しかしなかなかこれが改善されていないことに対する危機感が強いなということが大きな印象でありました。
 私は、この会議の意味について自分なりに解釈をいたしますと、大臣が今おっしゃっていただいたように、まず一点目は、水産庁がやっていただいている国際交渉について大きな後押しになる動きだなと、言わば高知の危機感を世界の危機感にいかにしていけるかという一つ目の意義があると思っております。二つ目は、魚食意識の向上ということで、高知で食べるカツオの中にもいろんな種類が僕はあると思っていまして、本当に鮮度が良くておいしい調理をしたカツオの味とスーパーで売っているカツオの味というのは明らかに違うわけでして、こうした食文化への一般の方々への意識の向上というものも啓蒙を十分図られるんだろうと思っています。
 熱帯域における大型巻き網漁船で乱獲があって、そして激減をしていると、これはもう日本の多くの方々が認識をしていることでありますけれども、当然国によって利害関係が違うわけで、東南アジア諸国の方々はそうは認めていないというのが現状でございます。そこに対してどんな外交がしていけるかということに対する水産外交の不信感が、高知の沿岸部だけではなくて僕は全国的に漁業者の方々を中心にあるのではないかなと、そんな感じが現場を視察をさせていただく中で感じるところでございます。
 もう一つ、WCPFC、この中西部太平洋まぐろ委員会のお話をしていただきましたので、徳島の地元の話題にも触れさせていただきたいと思いますが、昨年来、これまた先般いろいろ報道がございました無承認、無報告のマグロ、クロマグロの漁獲につきまして、その結果として今期漁の漁獲枠の消化が大分進んでしまったというふうな認識がございます。徳島なんかのエリアにしますと、ほかのエリアで捕ってしまわれたので、自分たちが捕れる量がほっておいても入ってくる量も含めてかなり厳しい状況にあるという危機感がございまして、まず、現状の小型魚の漁獲量の枠の消化や、あるいは積み上がりがどれだけ進んでいるのかということと、今期の漁の漁獲状況と管理の状況、この客観的な事実をまず簡潔に伺いたいと思います。
#8
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。
 今、中西先生の方からお話ございましたこの太平洋クロマグロでございますけど、これは資源状況が低位でありまして、その回復を早急に図る必要があるということで、WCPFCのそういった国際合意に基づきまして、平成二十七年一月から三十キロ未満の小型魚の漁獲量を年間で四千七トンと、従来の半分以内にするといった管理措置に取り組んできているところでございます。
 しかしながら、今年の漁期の小型魚の漁獲状況でございますが、三月二十一日時点でございますが、四千七トンの枠に対しまして三千八百七十七トンとなっておりまして、今年は昨年に比べまして沿岸漁場への来遊が良好な状況となったことが大きな要因ではないかというふうに考えられるところでございます。
 このような状況を踏まえまして、私どもといたしましては、操業自粛要請等を行いまして各地で漁業者が休漁、あるいは生きたクロマグロの再放流といったような漁獲抑制に取り組んでいただいているところでございます。
 太平洋クロマグロ資源の回復を図るために、沿岸漁業の今期の管理期間が終了する本年六月までこうした漁業者の取組を徹底し、引き続き関係者の理解と御協力を得ながら漁獲管理を進めていきたいというふうに考えております。
 なお、今先生の方からお話ございました、昨年、沿岸漁業におきまして、広域漁業調整委員会の承認を得ずに操業した者、あるいは漁獲量の未報告分が合計百十八・五トンあったところでございますが、この数字については今申し上げました三千八百七十七トンの中に入っているところでございます。
#9
○中西祐介君 ありがとうございます。
 残りの枠で言うと百五十トン余りを切ったという状況でありますので、九五%以上超過しているという状況でありますから、例えば定置網に入ってくるような量も含めると、自然とこのまま行ったら超過をしてしまうという状況が考えられる中で、この四千七トン、小型魚の漁獲枠を超過、自然としてしまった場合、当然自粛的に休漁も含めてやるんですけれども、それでも超えてしまった場合、原則的にどういう対応が考えられるのか、伺いたいというふうに思います。
#10
○政府参考人(佐藤一雄君) WCPFCの国際ルール、保存管理措置におきましては、ある国が小型魚の漁獲上限を超過した場合には、この超過した分につきまして翌年の漁獲上限から差し引かれると、こういうことになっておるところでございまして、やはりこのルールに従って対応していく必要があると、このように考えておるところでございます。
#11
○中西祐介君 多分エリアごとのいろんな調整というものがこれから大事になってくるんだろうと思います。とりわけ沿岸の細々と零細でも漁をされている皆さん、こうした方々への理解を十分取っていただいて、コミュニケーション豊かにお願いを申し上げたいと思います。
 次に、水産漁業の交渉について御質問させていただきたいと思いますが、今二つ質問させていただいたとおり、カツオの現場では非常に捕れなくなっている、枯渇をしている反面、国際的な調査ではまだまだ良好な水準にあるというふうな言われ方がされています。一方で、マグロは、今長官おっしゃったように、非常に日本の近海では今年、去年と湧きがいい状況になってきていますけれども、世界的には量が非常に危機的な水準にあるというふうな状況にあって、私は、正しくこの客観事実、そしてWCPFCを始めとして国際的な交渉の交渉過程、そしてもう一つは終わった後の交渉結果を正しく認識をしてもらう、共有をしてもらう必要があると思っております。
 まず冒頭お伺いしますけれども、この一年間、もう三月末になりますのでちょうど一年度になりますが、この一年間の国際交渉件数、そしてその交渉結果の報告の仕方について伺いたいというふうに思います。
#12
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。
 国際的な資源管理あるいは海外漁場の確保のための国際交渉ということで、例えば、先ほど出ておりましたWCPFCといったことで、太平洋のクロマグロ関係の国が集まってつくります地域漁業管理機関といったものがございますが、その年次会合といったもの、それと中国あるいは韓国といったような近隣の国との二国間協議といったものがあるわけでございますが、今先生の方からお尋ねありました、昨年四月からの、この一年間に行われました主な交渉回数、会合の数でございますが、先ほど申し上げました年次会合などが十一、二国間協議などが七つというふうになっているところでございます。
#13
○中西祐介君 部会長になって初めて痛感をしましたが、水産庁という管轄だけでこれほど多くの国際交渉があるんだというふうな驚いた印象を持ちました。庁でやっておりますので、当然人員的にも限られているところだと思っておりますけれども、余りに私は結果の報道が現場の方々の感想と、あるいはメディアの報じ方さらには消費者の方々の印象が共に正しく捉えていないんじゃないかなということを痛感をします。
 例えばカツオの漁業者におきましては、同じWCPFCの交渉なので、マグロの交渉とどうバーターになってしまうんだと、そういうふうな危機感をすごく持っていらっしゃいますし、あるいは一本釣り業界対大手の水産業界との構図を描くような方々もいらっしゃいます。間違った構図で批判をされているわけでありますけれども、大手のメディアも、去年の十二月のWCPFCの交渉では日本水産外交完敗だというふうな報じ方をしているのもたくさんございましたので、まさに実際の事実と認識との大きなギャップがあるんだろうと。
 私は、こういう中で、しっかりとしたPDCAサイクル、言わば事前準備をどうして、どういう交渉をした結果こうなったと、次はどうするんだというふうなことを、数が多いからこそやっていかなきゃいけない。できれば、これは政務の立場の方からしっかり交渉結果を周知をするという努力が大事だと思っていまして、ペーパー一枚で各漁協に通知をするという形式では足りていないんじゃないかなと、そんな思いがしておりますけれども、この国際交渉のPDCAサイクルを改善していくということにつきましてお答えをお願いしたいと思います。
#14
○副大臣(礒崎陽輔君) お答え申し上げます。
 先ほどからお話しになっていますように、WCPFCとか、あるいは二国間協議、それからIWC、ワシントン条約締結会合という様々な国際会議、国際交渉が水産関係であるわけでございまして、今後二、三年を考えますと相当に困難な局面があると思います。その中で、今委員から御指摘のように、もう少し戦略をしっかり練って、関係者でよく相談して、また国民に分かるような形でその交渉を進めるべきではないかという御指摘でございます。まさに私もそのように思うところでございます。
 特に、国民への広報とか、浜の漁師の皆さんに対するここまで足らないところがやはりあったんだと思いますので、例えば、今お話しになっていますのは、太平洋クロマグロにつきましては八月に広く募集をいたしまして、漁師の皆さんも募集いたしまして説明会を開く、そういう努力もやっておるわけでございますけど、こういうことをもう少し、マグロだけじゃなくてカツオというお話もありましたので、そういうところも含めまして、もっともっと、マスコミとか専門家だけじゃなくて、多くの国民の皆さんにこの漁業交渉がどのような戦略でどのように行われているのかということを広めていく必要があると思いますので、今後、政務がという御指摘でございますので、私も一層努力してまいりたいと思います。
#15
○中西祐介君 礒崎副大臣から丁寧な御答弁いただきましたが、是非お願いを申し上げたいと思います。
 次に、オリパラ、東京オリンピック・パラリンピックの食料の調達基準につきまして伺いたいと思っております。
 去る三月二十四日に東京オリパラの組織委員会、第十九回の理事会がございましたけれども、そこで農畜水産物の食料調達基準が決定をされたところでございます。大きくは四要件というものが示されたわけでございまして、国連食糧農業機関、FAOの行動規範で定めた適切な漁獲ということに加えて、天然魚、養殖魚それぞれ科学的なあるいは計画的な資源管理、生態系保全に配慮をしているかどうか、また作業者の労働安全確保をしているかどうか、そういうことに加えて、国産のものを優先的に使うようにというふうな基準をこの理事会で決定をされたところでございます。
 この充足要件をどうするかということにつきましては、MELといいまして日本のマリン・エコラベル・ジャパンに入っているか、あるいはMSCという海洋管理協議会に入っているか、あるいはAELやASCなどの取得をする。さらに、今回少し、余りクローズアップされませんでしたけれども、各都道府県で行われている現状の資源管理計画や、あるいは漁場環境維持・改善計画など、行政機関の確認があればこの基準に含まれるというふうな指針がされたところでございますが、今回このオリパラの組織委員会の理事会で示された基準、調達基準を満たす国内の水産物というのはどれぐらいあるのか、試算で結構ですのでお伺いしたいと思います。
#16
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。
 今、中西先生の方からお話ございましたMEL、MSC等のこの水産エコラベル認証を受けたもの、それと資源管理計画や漁場改善計画に基づき、かつ労働安全が確保されているものについて認められるものと承知しておるわけでございますが、この二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックにおきまして求められる水産物がどの程度の数量となるかについては現時点ではまだ明らかでございませんが、現状において、先ほど申し上げました資源管理計画等に基づくものも含めますと、国内生産量の約九割がこれらの要件を満たすものと認識しておりまして、国産水産物で十分な供給ができるのではないかと、このように考えているところでございます。
#17
○中西祐介君 この基準で現状九割カバーされるというふうな認識であるならば、去年の五月頃、党の水産政策の小委員会でオリパラに向けた環境整備がどうしても必要だという共有認識の下でマリン・エコラベル・ジャパンの協議会が設立をされたというふうに私は認識をしています。
 言わば、去年の段階では、今のままでは国産の水産物がほとんど基準に達しないだろうという認識の下で協議会をつくって、新しく認証制度をつくろうというふうな下でここに来たと思っているんですが、理事会が示した基準が言わば今のままでもほとんど大丈夫だというふうな方向性で示されたと、私は今そういうふうな印象を取ったわけでありますけれども、オリパラのためだけということを考えれば、MELの取得は積極的にしなくても国内水産物の調達が可能だと、裏を返せばそういう認識でも大丈夫なんでしょうか。
#18
○政府参考人(佐藤一雄君) 今先生の方からお話あったわけですが、調達基準を満たす国産水産物が十分供給するだけではなくして、やはり今後の我が国の水産物の輸出拡大といったもの、あるいは資源管理に対する漁業者の意識を高めるためにも、やはりこのMEL認証の取得の推進というものが極めて重要じゃないかというふうに考えているところでございます。
 このため、私どもといたしましては、生産者あるいは加工流通業者の方がMELの取得をする、取得が促進されるようにするとともに、あるいはMELがやはり国際取引において広く活用されますようMELの国際標準化を推進し、輸出拡大につながるよう環境整備に今取り組んでいるところでございまして、東京オリンピック・パラリンピックを契機といたしましてこのMELが普及し、輸出の拡大や資源管理の取組の高度化につながるよう取り組んでいきたいと、このように考えているところでございます。
#19
○中西祐介君 先日、このマリン・エコラベル・ジャパンの理事長とも意見交換をさせていただいたんですが、MSCの資格取得に比べて、当然いろんなコストの面はMELの方が安くできるというふうな今進め方をされておりますけれども、いずれにしてもこの資格を取るためにはコストは掛かるわけで、どんなに安いコストでも、やはり漁業者の理解と、当然何で取らなきゃいけないのかという考えがないと、積極的に取るわけがないと思っています。そういう中で、現場の方々が大義を持って進めていけるように、その辺の整理をしていただいた上で周知をお願いを申し上げたいというふうに思っております。
 時間がだんだん過ぎてきましたので次の項目に伺いたいと思っておりますが、今日は厚労省にもお越しをいただいております。
 それで、この水産の問題を取り上げるときに、私はどうしても水産業の構造的な課題というものを考えなきゃいけないなと、これは原点ではないかなと思っておりますけれども、今、日本の水産業の置かれた状況というのは、限りなく可能性がある環境にあるのではないかと思っています。あと四十年ぐらいすれば世界の水産の消費量が四割ぐらい需要が広がるというふうな見立てもある中で、国内の担い手の方々は十六万七千人今いるとおっしゃっておりますけれども、そのうち六万人以上はもう既に六十五歳を超えていると。そして、十六万七千人のうち実働で頑張って漁師専業で頑張っている方々は二万二千人程度ではないかと、そういうふうな見立てもされている中であります。
 まず、水産業、水産生産者にどれぐらい例えば千円のものを売ればキャッシュバックがあるのか、青果物、農産の生産者と比べてどれぐらいの状況になっているのか、簡潔にお答えをいただきたいと思います。
#20
○政府参考人(佐藤一雄君) 平成二十六年度の食品流通段階別価格形成調査というものがございますが、これによりますと、小売価格に占める生産者受取額の割合は、水産物は二八・九%であります。青果物は四五・一%でございますので、仮に小売価格を千円とした場合の生産者の受取額は、水産業は二百八十九円、農業は四百五十一円と相なるところでございます。
#21
○中西祐介君 今お示しいただいたとおり、農業生産者と比べて一五%ぐらいまだ水産の方が低い傾向にあるわけです。
 直近のデータを実は団体の方からいただいたんですが、二十六年ベースで千分の大体三十一円ぐらいまで上昇をしておるということでありまして、二十年ベースで考えるとプラスの数字になっております。この内訳を見てみると、小売の方々が努力をしていて、例えば販売をするところで、どういう生産者がどういうものを捕ったと、どういう食べ方したらいいぞというふうに、高く売れたものを漁業者にバックするような形で、小売の方々と仲卸の方々、また漁業者の方々の取り分をうまく調整をしている傾向にあるわけでありますけれども、生産者の所得向上に向けての取組というのは極めてこれからを考える上で私は重要だと思っております。
 漁業者の所得増に対するバックアップ政策を、水産庁全体の話を伺うともう時間が余りありませんので、去年、自民党の部会の中で水産物輸出拡大に向けた緊急提言というのをさせていただきました。この中で、輸出を増やす、言わば輸出を増やすことによって生産者への実入りが増える、こういうサイクルをつくるために輸出を増やす。その中ではマーケットをつくっていかなきゃいけない。その前段階として、輸出を出すときにいろんなコストが掛かってくるわけでして、手数料であるとか、あるいは衛生証明書の申請が必要であるとか、その回数を低減をしていく、あるいはモニタリング費用なんかをできるだけコストが少ないようにしていく。
 こういうふうな緊急提言を去年させていただいたわけでありますが、おおよそ一年間たって、このフォロー状況、まず厚生労働分野についてのフォロー状況についてお伺いをしたいというふうに思います。
#22
○政府参考人(北島智子君) お答えいたします。
 議員御指摘の点、大変重要な課題であると認識をしておりまして、御指摘の自由民主党水産部会の緊急提言等も踏まえまして、輸出手続の改善を進めております。具体的には、生鮮品の輸出手続の迅速化を図るため、輸出入・港湾関連情報処理システム等により、衛生証明書の発行申請手続を電子化するとともに、EU向け輸出申請に伴う検査回数の削減を図りました。また、経費の負担軽減を図るため、中国向け輸出水産食品に係る自主検査の廃止やEU向け輸出水産食品に係るモニタリング検査体制の見直しなどを行っております。
 今後も、この環境整備にしっかりと取り組んでまいります。
#23
○中西祐介君 ありがとうございました。
 本来ならば水産庁で取り組んでいただいている分野もお伺いしたいと思っておりますが、もう時間が限られていますので、次の機会に譲りたいと思います。
 このまさに水産分野は、これからの日本の成長分野をつかさどっていく大変重要な一角になるんだろうと私自身は認識しています。そんな中で、また次回チャンスがあれば、水産業全体の構造的な課題について、あるいは、先ほど少し触れましたけれども、漁業者の所得向上につきましては、民間の企業の方々あるいは漁連や大日本水産会等、業界の皆さんも大変努力をされて、実際結果が出ている今状況にあります。さらに、厚労分野で触れていただいた輸出コストの低減等、取組課題がたくさんございますが、それらをしっかり取り組むこと、今国内の環境を整え、そして海外のマーケットをいかにつくるかということで大きな成長産業化が見込める分野だと考えておりますので、また次回以降、取組をさせていただきたいというふうに思います。
 ありがとうございました。
#24
○舟山康江君 舟山康江でございます。
 今日は、まず最初に、いわゆる加計学園グループによる獣医学部の新設ということがどうも国家戦略特区で認められましたけれども、これに絡んで、獣医学部の新設についてのまず基本的な手続、現状認識からお聞きしたいと思います。
 まず、文科省にお聞きしますけれども、副大臣にお聞きしますけれども、大学設置に当たって認可というものが必要になると思いますけれども、この理由をお聞かせいただけますでしょうか。
#25
○大臣政務官(樋口尚也君) お答えいたします。
 大学は、学校教育法第一条に規定する学校として公共性が求められるものでございます。その教育の質を保証し、学位の国際通用性の確保、そして学習者保護を図ることが必要であることから、学校教育法第四条の規定に基づき、その設置に当たっては文部科学大臣の許可を受けなければならないものとされているものでございます。
#26
○舟山康江君 教育機関なわけですから、やはりしっかりと質を確保するということで、これ大学設置審議会にもかけられると聞いておりますけれども、かなり厳格にこの大学の設置に当たっては手続が必要だということ、これ法律に規定されております。
 そのような中で、獣医師、これ医師も同じかもしれませんけれども、獣医師に関しては何か特別な基準等があるんでしょうか。
#27
○大臣政務官(樋口尚也君) 獣医学部の新設につきましては、農林水産省の調査等を踏まえまして、需給等の観点から、昭和五十九年以降、大学設置審議会の決定や文部科学省の告示に基づいて抑制をしてまいりました。
#28
○舟山康江君 つまり、こういった一般的な設置の認可に加えまして特別な基準があって、仮に認可に値するとなってもこの獣医学部に関しては何か規定があるかって、そこを聞いているんですけれども。
#29
○大臣政務官(樋口尚也君) 失礼いたしました。
 二つの基準というか、二つ申し上げますと、一つは、昭和五十九年に私立大学の設置等に係る取扱方針というものを出しておりまして、もう一つは、平成十五年に大学、大学院、短期大学及び高等専門学校の設置等に係る許可基準というものを出しております。この中に、済みません、失礼しました、認可基準というものを出しております。この中に記載がございます。
#30
○舟山康江君 ちょっとお答えになかったんですけれども、この中に、獣医師に関しては収容定員増にならないようにということになっております。つまり、農水省等の調査によって、現在、これは昭和五十九年からかもしれませんけれども、需給はしっかりと均衡しているということで、現段階では収容定員増にならないように、つまり、定員がどこかがなくなれば新設できるかもしれませんけれども、全体として増員は認めないという方向で来ているんだと思っております。
 そういう中で、もう一度お聞きしますけれども、ここ数年、まあ十年程度で結構ですけれども、獣医師養成大学の設置要望は文科省の方に出されているんでしょうか。
#31
○大臣政務官(樋口尚也君) 獣医学部の新設につきまして、国家戦略特区や構造改革特区における提案以外では、四国知事会、愛媛県、京都府などから要望があったものと承知をしております。
#32
○舟山康江君 愛媛と京都ということで要望はあったということですけれども、今のところ、いわゆるこの学校設置に当たる基準の中で、収容定員増にならないようにという中で、なかなかこれは要望が認められていないということなのかなと思います。
 そういう中で、構造改革特区とか国家戦略特区という制度を使ってつくっていこうという要望があったと思いますけれども、国家戦略特区において獣医学部の新設の要望というのはどれくらいあったんでしょうか。
#33
○政府参考人(川上尚貴君) お答え申し上げます。
 特区における獣医学部新設の要望についてでございます、お尋ねでございますけれども、この獣医学部の新設につきましては、平成十九年から平成二十六年までの間、計十五回にわたり、今治市、愛媛県が連名で構造改革特区での提案を行ってきております。また、同じくこの今治市、愛媛県は、平成二十七年六月、国家戦略特区の提案も行っております。さらに、この国家戦略特区の提案といたしましては、今治市のみならず、平成二十六年七月には新潟市、平成二十八年三月には京都府も提案を行っているところでございます。
 以上でございます。
#34
○舟山康江君 そういった要望が要は三か所からですね、三か所からあったということですけれども、改めて農水大臣にお聞きしますけれども、現在の獣医師の需給の状況はどうなっていますでしょうか。
#35
○国務大臣(山本有二君) 家畜、ペットの、犬、猫の飼養頭数は減少傾向にございます。また、獣医師の就業先は家畜、ペットの診療には限らず、動物一頭当たりの診療回数も必ずしも一定ではありません。家畜やペットの頭数が減少しているわけではございますけれども、産業動物医、これにつきましては非常に逼迫感がございます。特に、その数字を申し上げますと、平成四年に二万八千二百五十二人おられた獣医さんが平成二十六年には三万九千九十八人という、一万人以上増えていますけれども、産業動物医は平成四年に五千三百六十四人でありましたものが平成二十六年には四千三百十七人、つまり、随分、一千人ぐらい減っておるわけでございまして、需給バランスからいいますと、産業動物医の診療の機会が大変少なくなっているという状況でございます。
#36
○舟山康江君 私は全体として需給がどうなっているのかということをお聞きしているんですけれども、全体、獣医師全体としてどうなっているんでしょうか。
#37
○国務大臣(山本有二君) 獣医師全体としては需給はバランスが取れ、全体としては過不足ない状況にあるというように思っています。
#38
○舟山康江君 恐らく現在もそういった状況なのかなと思います。
 前回のこの委員会でも少しお話ありましたけれども、平成二十八年、昨年五月十二日の儀間委員の質問に対して当時の森山大臣が、獣医師の数としては十分に足りているというような発言をされておりますし、昨年十月の関西圏国家戦略特区のヒアリング、このときにも農水省からはもう足りているんだと言われたと、その要望をしていた、それは京都府の担当者ですけれども、そんな発言がございましたので、これは昨年から今年にかけて状況は特に変わっていないんだと思います。
 今回、愛媛県からこういった要望が出されておりますけれども、愛媛県は獣医師、本当に足りないという状況、そういった認識ですか。
#39
○国務大臣(山本有二君) 愛媛県の獣医師についてでございますけれども、まずは入学金を含む修学資金を貸与する事業がございまして、愛媛県から平成二十八年に新たに二人の貸与枠の申請がございました。その意味におきましては、現在も産業動物医の確保が困難になっているというように農林省では認識しておりますが、詳しくは愛媛県庁に聞いていただければと思います。
#40
○舟山康江君 恐らく、地域偏在というのは、これはいろいろなところから指摘されておりますので、存在するんだと思います。そういう中で、農林水産省とすると、今大臣のお話にもありましたように、修学資金というものを出して何とか我が県にということでいろんな努力をしていると思うんですね。ただ、それは愛媛県だけが特殊ではなくて、もう恒常的にやはり地方は足りないということで、修学資金のこの実績を見ますと、北海道、それから東北、中国、四国、九州、もう全国的にやはりそういった修学資金を利用しながら何とか獣医師の確保をしようと努力をしている県がたくさんあるということで、愛媛県だけが取り立てて足りないという現状ではないと私は思っております。
 しかも、この獣医療法、これ農水省所管の法律ですけれども、この中に都道府県で獣医師の確保に関する目標というものを立てておりますけれども、愛媛県の目標を見ると、現状に比べて、これは二十二年十二月現在から三十二年ということで、この十年後の確保目標となっておりますけれども、人数は横ばいということで、新たに確保すべき人数は必要ないというような目標を立てているということですから、やはりこういった観点からも、とりわけ足りなくて何としても欲しいということではないんだと思います。
 本来、今冒頭なぜ文科省さんにも聞いたかというと、全体としてやはり需給を見ながら、これは農水省ともいろいろ連携をしながら全体の需給を見て、新たな獣医師の養成が必要か否か、こういう観点で今までも取決めがされておりましたし、やはりそれは今後も変わらないんだと思います。これは、医師だとか教員も同じだと思いますけれども、なりたいなりたいということでやみくもに増やしてしまえば最終的に行き場がなくなってしまうということで、そこで需給を調整しながら新たな学部の設置、学校の認可というものを行っていると思いますけれども、なぜ全体の需給を見て決めるべきそのような今回では獣医学部の設置が、特区だからといって、国家戦略特区だからといってなぜ認められるんでしょうか。全体の需給を壊すことにならないんでしょうか。
#41
○副大臣(松本洋平君) 全体の需給状況を見て決められるべき獣医学部の設置がなぜ特区だから認められるのかという御質問がございました。
 昨年十一月九日の特区諮問会議などにおけます農林水産大臣、また、ただいまも大臣から御答弁がございましたけれども、感染症に対する水際対策を担う産業動物獣医師につきましては、地域ごとに偏在がある、四国地域など確保が困難なところもあるというふうに認識をしているところであります。さらに、新薬の開発などの先端ライフサイエンスといった獣医師が新たに取り組むべき分野の具体的需要が高まっているという、こうした事情というものもあります。
 これに対応する特例措置といたしまして、獣医学部の設置に関する制度改正を行うこととさせていただきました。その際、全体の獣医師の需要も踏まえ、また長年実現できていなかった岩盤規制の改革に対し慎重な議論もあったことから、平成二十七年に新設が認められた医学部と同様、一校に限る制度とさせていただいたところであります。
#42
○舟山康江君 ちょっと幾つか改めて確認したいんですけれども、この国家戦略特区を使って様々な、今回でいえば新たな獣医学部の新設の要望があった際に、こういったことは直ちに関係省庁である文科省そして農林水産省にこの情報は上がるものなんでしょうか。
#43
○政府参考人(川上尚貴君) それぞれ御提案の熟度によりますけれども、まずは国家戦略特区のワーキング等で議論をいたしまして、熟度が増してまいりましたら関係省庁にも検討要請をするということでございます。
#44
○舟山康江君 私、昨日、文科省の担当者にお聞きしたんですけれども、構造改革特区の場合は、各省、これは利害関係のある各省に直ちにこういった要望があったという情報は行くけれども、国家戦略特区に関してはそのような規定がないから、残念ながら、例えば岡山理科大、それはもう平成十九年から、構造改革特区の段階から要望があったということで文科省は認識していたけれども、国家戦略特区を通じて要望があった新たな京都それから新潟に関しては情報を得ていないと、こういった回答でありました。
 いかがでしょうか、きちんとそういった情報を関係の省庁に共有をして、議論に付しているんでしょうか。
#45
○政府参考人(川上尚貴君) お答え申し上げます。
 事務的な検討要請はそれぞれについて行っております。
#46
○舟山康江君 いや、きちんと確認していただきたいんですけれども、これ、国家戦略特区というのはもう何でもありなんですよ。普通は、いろんな要望があったら、例えば医学部であれば恐らく当然厚生労働省にいって、こういった要望があった、本当どうなんだろうか、需給のバランスからどうだろうかという相談がいって当たり前なんですよ。しかし、国家戦略特区は、そういったもう全体の需給とか今までの法律とか規制とか基準とか全く無視して、要求されればそれを受け止めて議論をして、そしていろんな力の中で、よく分からない中で決まっていくという、ここが私はそもそもの国家戦略特区の在り方の問題だと思います。非常にプロセスが不透明なわけですよ。
 そして、先ほど産業動物獣医師の数が足りない、それに寄与するようにというお答えがありましたけれども、じゃ、新たにつくる大学での獣医師は産業動物獣医師にならなければいけないとか、そういった規定を設けるつもりなんですか。
#47
○政府参考人(川上尚貴君) 今回の獣医学部の新設は、もろもろ感染症水際対策でございますとか先端ライフサイエンス研究、あるいはアドバンス教育等々新たなニーズにも対応できるような、新しいニーズに対応できる獣医学部にするということでございまして、そういう新たなニーズに対応するような養成をするということでございます。
#48
○舟山康江君 それで、新たなニーズだけに限定する、就職先はそういうような規定になるんですか。
#49
○政府参考人(川上尚貴君) これは、就職の自由というのはございますから、厳密にそこを限定することはできませんけれども、そういう進路になるような新たなカリキュラム等の工夫をするということで聞いております。
#50
○舟山康江君 だからおかしいんですよ。じゃ、何で学校教育法があって、こういった、先ほど文科省からお答えいただきましたけれども、様々な設置の基準があって、そして需給をきちんと、需給バランスを考えたそういった基準があったんですか。必要だからでしょう。私は、国家戦略特区で特別扱いしていい案件とよくない案件があると思いますよ。こういった学校関係に関しては、ここで穴を空けるべきじゃないんじゃないですか。
 そしてもう一つ、先ほどのお話の中で、この愛媛県今治市に加えて、新潟から、そして京都から要望があったと聞きました。なぜ、その二つが落ちてこちらが選ばれたんですか。明確にお答えください。
#51
○政府参考人(川上尚貴君) 今回、今治市が選ばれておりますのは、提案の実現性あるいは熟度ということで判断をされたというふうに承知をしてございます。
#52
○舟山康江君 本当にそうでしょうか。
 私は、京都産業大学の構想のペーパー、いわゆるヒアリングに出されたペーパーを見せていただきましたし、ヒアリングの議事内容を見ました。かなり進んでいますよ。今治市から出されたこんなぺらぺらの三ページ、四ページぐらいの紙に比べて、こちらはもう二十数ページ、かなり具体的に書いているんですよ。そして、このヒアリングの中でも相当深い議論をしていて、そしてこの中でいわゆるワーキンググループの委員は、役所は固いからとかそういったことで、いや、我々も大いに賛成ですと言っているのに、これが十月です。十月でこういった議論がされているにもかかわらず、だからかなり先行しているんですよ、なぜ、この薄っぺらい構想しか出していない今治市が先にそれを越して、しかも一校だけという、そういう規定の中で潜り込むことができたんでしょうか。
 こういった国家戦略特区、例外の規定なわけですから、より一層透明性を持って、理屈を持って認めていかなければ、これ、多くの皆さんは納得しないと思いますよ。そこを納得できるように説明してください。
#53
○政府参考人(川上尚貴君) お答え申し上げます。
 まず、この選定につきましては、オープンな国家戦略特区の諮問会議、区域会あるいはワーキングの場で公正な議論をいただいているということでございます。その中で、この空白地域の関係につきましては、二十八年十一月の九日の諮問会におきましても、各府省大臣も入られての御議論の末、広域的に獣医師養成大学の存在しない地域に限りというような決定がされているところでございます。
 こういう点も踏まえまして、今回の選定では、まず空白地域にある今治市を優先したということ、それから、具体的に今治市の提案と京都市の提案と比べましても、例えば、空白地域である今治市の方が京都府よりも感染症等の水際対策により重点を置いているというような点、あるいは計画の具体性において今治市の方がアドバンス科目や必要教員数を明確に示す具体的なものとなっている点、あるいは自治体との関わりの強さ等々において実現性が優れているという判断をしたものでございます。
 それから、提案書のページ数の話がございましたけれども、これは平成二十七年六月に提案いただいた資料は三ページということでございますけれども、その以前、平成十九年から累次同様の提案を行っていただいておりまして、二十一年十一月には二十ページ、二十六年二月には三十四ページの資料を既に政府に提出いただいているというようなこともございまして、提案書の分量だけでもって事業の熟度が判断されるものではないというふうに承知をしているところでございます。
 以上でございます。
#54
○舟山康江君 二十八年十一月九日に決まったことというのは、一校に限りというのはどうも出ているみたいですけれども、空白地域に限りと、そこも限定して十一月九日にきちんと決めているんですか。
#55
○政府参考人(川上尚貴君) お答え申し上げます。
 十一月九日の諮問会議の決定におきまして、広域的に獣医師養成大学等の存在しない地域に限りと、早急に制度改正を進めるという決定になってございます。
#56
○舟山康江君 もう一回確認ですけど、空白地域ということに限定したわけですね、ここで。その理由は何でしょう。
#57
○政府参考人(川上尚貴君) お答え申し上げます。
 先ほどから農水大臣の方からも御発言いただいておりますけれども、地域における産業動物医の偏在等の御議論も、この諮問会議において関係大臣が集まられた中でお話がございましてこういう決定になったというふうに承知をしてございます。
#58
○舟山康江君 全く理由になっていませんよ。だって、先ほどのやり取りの中で産業動物医が少ないということは分かりましたけれども、じゃ、新たにつくったところ、産業動物医に行くんですか。その保証もないんでしょう、職業選択の自由があるということで。そういう中で、今だってそういう比較的地域偏在があって、それはそういった状況の中で農水省も努力をして、空白地域に何とか産業動物医を確保するように都道府県ごとの計画を作り、そして必要があれば修学資金を出して確保に努めているわけですよ。新たなライフサイエンスと言いますけれども、それに関しても、何ですか、新しいニーズができたときに古い大学が全部駄目だとなれば、全部大学つくり替えですか、新設ですか。全く理屈が立っていないんですよ。
 しかも、本当、気の毒ですよね、十月十七日にしっかりと京都産業大学は説明しているのに、その一か月もたたないうちに、京都には獣医学部があるからもう駄目よと。最初から言ってあげればいいじゃない、そうしたら。何で後付けでこうやって急にそんな一校のみに限ってと決まるんですか。本当にプロセスが不透明なんですよ、やっていることが。そして、これ、需給が崩れたらどうするんですか。
 こういったことに対して、学校を担当する文部科学省、そして農林水産省、しっかりと議論をして了解を得ているんですか。
#59
○政府参考人(川上尚貴君) お答え申し上げます。
 今申し上げました平成二十八年十一月九日の諮問会議におきましては、関係各大臣も御出席の上、こういう決定がなされたというふうに承知をしてございます。
#60
○舟山康江君 じゃ、山本農水大臣にお聞きしますけれども、大臣は、その十一月九日、一校、空白地域に限って新たな獣医学部の設置を認めるということを了解されたという認識でよろしいですか。
#61
○国務大臣(山本有二君) 私どもは、あくまで獣医師の全体としての定員は足りている、しかし地域的偏在がある、そして産業動物医について非常に逼迫感があるということの意見を文科省及び内閣府の担当大臣に申し上げてきたという経過だけでございます。
#62
○舟山康江君 じゃ、了解をしたという認識ではないということですね。
#63
○国務大臣(山本有二君) 両大臣から一校にするという御発言を頂戴したという認識でございます。
#64
○舟山康江君 その一校にすると言われたときに、大臣は了解をしたんですか。
#65
○国務大臣(山本有二君) 私はその向きの権限を所管するものではありませんので、そういう御判断をされるならそのとおりであるというように思っているだけでございます。
#66
○舟山康江君 そうしたら、国家戦略特区の話は違うんじゃないんですか。了解はもらったと今言いましたよね。大臣は了解していないと言うんですよ。おかしいですね。
#67
○国務大臣(山本有二君) 誤解を受けてはなりませんが、産業動物医の需給に対して貢献をいただける、あるいは地域的偏在に対して貢献をいただける、その趣旨であるというような話であると認識をしておりまして、その意味におきましては了解というつもりでございます。
#68
○舟山康江君 じゃ、分かりました、昨年の五月段階の森山前大臣のお考えと今の山本大臣のお考えは変わったわけですね。昨年は、十分足りていると、新たな大学云々ということは考えていないようでしたけれども、もうやっぱりそれは産業獣医師が確保されるという前提かもしれませんけれども、新たな獣医学部の設置は認めるというお墨付きを大臣は与えてしまったということですね。
#69
○国務大臣(山本有二君) 私が決めさせていただける権限や責任の所在はありません。むしろ、そういう現状を踏まえたそうした行政的な判断というのは、私としては好ましいと思うだけでございます。
#70
○舟山康江君 獣医師、獣医療を扱う農林水産省は、この獣医師の需給の調整に当たって責任を持っているわけじゃないんですか。
#71
○国務大臣(山本有二君) 職業選択の自由というものがしっかり確保された上で、大都市に集中する獣医さんについて、地域的偏在を是正する措置について権限とかはございませんが、各畜産協会、都道府県にあります畜産協会の御意見を聞きながら、できる限り獣医師会と相談をさせていただくという方法によりまして偏在を是正していきたいというような方向付けで今まで対処してきたということでございます。
#72
○舟山康江君 ちょっとそれ、役割を放棄しているとしか思えないんですよ。だって、これ法律があって、ちゃんと国も計画を立てる、都道府県にも計画を立てる、そしてしっかりと必要な人員を確保するといういわゆる需給調整の権限というのは農水省に与えられていると思うんですよ。
 逆に、そういう権限がないと言うんだったら、じゃ、今までの数量規制は間違っていたということですか。
#73
○国務大臣(山本有二君) その意味で、我々としては偏在を是正する責任は当然ございます。
 しかしながら、職業選択や居住についての自由を持った方々の御判断を何らか強制するという意味では、我々にとりましてそういう手段がないという意味で、私ども推移を見守るというようなことと、さらに、獣医師会と協力をしたり畜産協会と協力して先生方に大都会から地方へ移転をいただけるというように勧奨をさせていただくということに限られているわけでございますので、これを何か特別な方法があるならば、また我々もそうしたことに耳を傾けていきたいというように思っております。
#74
○舟山康江君 そうしたら、全体の需給を踏まえて新たな獣医学部の設置を認めてこなかった今までのやり方は間違っていたということですよね。
 そして、文部科学省さんにもお聞きしたいんですけれども、今回の国家戦略特区において一校に限って新設を認めるということの了承を、大臣若しくは文部科学省として、その十一月九日ですね、了承を与えているんでしょうか。分かったら教えてください。
#75
○大臣政務官(樋口尚也君) お答えいたします。
 先ほど来お話が出ておりますけれども、先端ライフサイエンス研究や感染症など水際対策が必要があるという点と、加えて、農水省様からお話がありますように、これまでの経緯ということでありまして、その二点を踏まえて内閣府及び農林水産省と検討を重ねて、全体の獣医師の需給も踏まえて一校限り新設をするということで合意をしたということでございます。そして、発表しているところでございます。
#76
○舟山康江君 本当にこの特区というのは、今まで合理的な理由があっていろんな規制を掛けてきた、それに穴を空けると。例えば規制が古くなったときにはその規制をなくしていくという方向は必要だと思いますけれども、今回、状況も変わっていない、その獣医師の確保に関して、需給の観点から見ると過不足がないという状況の中で、穴を空けた、ねじ曲げたということ、そしてそれを認めてしまったということ、これは、まさに今ある規制が邪魔だった、時代遅れだった、もうなくしていいんだということにつながってしまいますけど、それでいいんですか。
#77
○大臣政務官(樋口尚也君) 今回は、国家戦略特区諮問会議において、獣医師が新たに取り組むべき具体的な需要に対する必要があるという追加規制改革事項がまとめられたことでございまして、例外的に新設を可能としたというものでございます。
#78
○舟山康江君 じゃ、元々のその設置の手順、認可基準、それから取扱基準は変えるつもりはないんですか。
#79
○大臣政務官(樋口尚也君) 獣医学部の新設につきましては、行政を所管する農林水産省とも連携をし、そして獣医師の需給の観点から告示において抑制してきたものでありまして、その原則に変更はございません。
#80
○舟山康江君 今のお答えにあるように、農林水産省は極めてこの獣医師の確保に関しては責任を持っているんですよ、権限を持っているんですよ。それを特区で穴を空けられて黙って従うというのは、今後どんどんと政策がゆがめられていくと思いますよ。
 もう一度、国家戦略特区にお聞きしますけれども、仮に今後また獣医学部の新設要請があったら認めるんですか。
#81
○副大臣(松本洋平君) 今回、獣医学部の新設は、獣医師会などの要請も受けまして、広域的に獣医学部がない地域に限って一校とさせていただいたところであります。しかしながら、この国家戦略特区の意義から考えますと、規制改革の突破口であり、今後、特段の問題が生じなければ更なる規制改革として認めていくことも検討に値すると考えてはおりますけれども、各省庁と十分に相談をしながら進めさせていただきたいと思います。
#82
○舟山康江君 各省庁と、だって相談していないじゃないですか。構造改革特区はそういう立て付けになっていないんですよ。(発言する者あり)ごめんなさい、国家戦略特区はそういう立て付けになっていないんですよ。構造改革特区はちゃんと議論することになっていますけれども、全然違うんですよ。
 そこの、じゃ、問題をやっぱりきちっと洗い直して、関係省庁、関係者、利害関係者、きちんと入れて議論するような仕組みに改めていただきたいと思いますけれども、検討いただけますか。
#83
○副大臣(松本洋平君) 今回のこの検討に際しましても、当然、農林水産省並びに文部科学省とはいろいろと相談をしながら行ってきたところであります。また、昨年の十二月八日でありますけれども、日本獣医師会の蔵内会長からも、山本国家戦略担当大臣宛てに、広域的に獣医学部が存在地域として一か所かつ一校とするように要請があったことも踏まえて今回このような形とさせていただいたところでもありまして、これまでも、そうした関係省庁や関係団体との連携といいますか、そういった話合いというものがなかったかというわけではなくて、そこはきちんとやらせていただいていると思います。
 その上で、きちんとこれからも関係省庁や関係団体とも連携をしながら進めてまいりたいと思います。
#84
○舟山康江君 じゃ、確認ですけれども、構造改革特区と国家戦略特区と各省庁とのその情報共有の在り方は全く同じだという立て付けになっているという理解でよろしいですか。
#85
○政府参考人(川上尚貴君) お答え申し上げます。
 構造改革特区と国家戦略特区で若干の決定の仕組みは違ってございますけれども、両方とも議論は非常にオープンに、議事録等の公開もしっかりやりながらオープンに、あるいは関係省庁ともしっかり連携をして進めているということでは同一と認識をしてございます。
#86
○舟山康江君 そうしたら、京都産業大学からの特区申請を当初文部科学省が御存じなかったというのは、これは文部科学省のミスだとかいう、そういったことなんですか。
#87
○政府参考人(川上尚貴君) お答え申し上げます。
 ちょっと、今お尋ねの事実関係、直ちに把握してございませんので、恐縮でございます。
#88
○舟山康江君 これ、多分そうなっていないんですよ。ちょっと確認してください。確認して後で教えてください。
 委員会にその立て付けの違いを報告していただきたいと思いますけど、委員長、お取り計らい願います。
#89
○委員長(渡辺猛之君) 後刻理事会で協議いたします。
#90
○舟山康江君 また、獣医学部を特区で新設したいという要望が上がっているやに聞いて、具体的かどうかはともかく、この銚子市ですね、銚子市長選挙で、これ選挙公約だから何を言ってもいいとはいえ、千葉科学大学に獣医学部を誘致したいというようなことを公約に掲げてどうも選挙を戦っているそうなんですね。
 じゃ、これは検討の土俵にのれるということなんですね。一校に限りということで来たと思いますけれども、新たに申請されたときにはこの限りではないというふうになるんですか。
#91
○副大臣(松本洋平君) 現時点におきましてはこの一校に限りという形でありますので、それに従って検討を進めるということであります。
#92
○舟山康江君 非常にこれ、獣医学部の新設をめぐって手続とかその決まり方とか不透明なことが多過ぎますので、私は一度この農林水産委員会で集中審議をお願いしたいと思いますけれども、委員長、お取り計らいお願いします。
#93
○委員長(渡辺猛之君) 後刻理事会で協議いたします。
#94
○舟山康江君 次に、今後の農政の姿をどのように考えているのかという質問をさせていただきたいと思います。
 今国会に八本の法案が提出されておりますけれども、それぞれ個別にお答えいただく必要はないですけれども、なぜこの八本が出てきたのか、これはどういう思いの結果この八本になったのか、背景を教えていただきたいと思いますけれども。
#95
○国務大臣(山本有二君) 我が国の農業について、その成長産業化を図りたいと思っております。農業者の所得向上を実現していくということが背景の理由にございます。
 農地中間管理機構による担い手への農地集積、集約化の促進、米政策の見直し、六次産業化や輸出促進などといった各種施策を現在進めているところでございます。
 さらに、農業者の自由に経営展開できる環境を整備するとともに、農業者の努力では解決できない構造的な問題を解決するために、昨年十一月、農業競争力強化プログラムを決定いたしました。生産資材価格の引下げ、流通加工構造の改革、生乳流通の改革、土地改良制度の見直し、収入保険制度の導入等の施策を盛り込んだところでございます。今国会に提出いたしました農業競争力強化支援法案等の八本の法案は、いずれもこのプログラムに盛り込まれた施策を実現するためのものでございます。
 こうした施策の実行のために、農業が将来にわたって持続的に発展して農業の競争力強化が図られるよう努めるという位置付けでございます。
#96
○舟山康江君 今お答えいただきましたとおり、農業競争力、あっ、ちょっとこれ済みません、字が間違っています、農業競争力強化プログラム、お手元の資料にありますけれども、その十三の骨子、これに沿っているということなんですけれども、この背景を見ますと、この下に書きました規制改革会議、規制改革推進会議、産業競争力会議、未来投資会議、このような農業の現場からは懸け離れた、例えば官邸に設置された日本経済再生本部の下に設置された規制をなくしていこうという声、それから内閣府に設置されたこういった競争促進の声、こういったところからの声を受けて、それを受けて受け身で進めてきたんじゃないんでしょうか。
 本来、私は、農村の現状、農業の現場、そのような現場の声を踏まえて、それこそ政策集団のプロである農林水産省がもっともっと率先して、政策の骨子、今の問題を分析してそれを決めるべきだと思いますけれども。
 最近本当に気になっているんですけれども、こういった官邸主導ですね、官邸主導の会議からの声を受けて、それを真に捉えてその方向に従っているということではないんですか。
#97
○国務大臣(山本有二君) いや、農政の政策の基本は、委員おっしゃるように、現場の声が一番大事だろうというように思います。
 この規制改革会議等で決められているのではないかという御批判でございますが、現在の農業というのは、生産者の高齢化とかあるいは耕作放棄地の増大、こういうことが現実になってきておりまして、この問題は待ったなしになりつつございます。そのような意味で、農業者から、生産資材の価格を引き下げるなど生産コストを下げたいという要望、あるいは自分たちの作った農産物をもっと付加価値のある適正な価格で販売してほしいという要望、さらには新たな品目への転換とか販路開拓など自由な経営にチャレンジしやすいような、そうしたセーフティーネットを整備してほしいという声が上がっているのは事実でございまして、農業、農家所得向上、こうしたことに構造改革的問題解決というものを目指してこれを、八本をお願いしているところでございます。
 また、生産現場等々についてちゃんと現実に聞いたのかという御質問も加えて申し上げますと、十一月のこの農業競争力プログラムを取りまとめるまでの間に、農業者、農業関係業界の方々からヒアリングを行っております。与党においてもキャラバンを行っておりますし、プログラム策定後には、農業者の方々に御出席を頂戴して全国説明会あるいはサテライト説明会、こういったことを重ねさせていただいたという経過がございます。
#98
○舟山康江君 しかし、今回でき上がった法案を見ると、本当にこの官邸主導の声をもう全て受けて、下請のように法案化しているようにしか見えないんですよ。
 大臣、今の農村の現状をどのように捉えていますか。成長産業化といいますけれども、今農村からは人が消えようとしているんですよ。規模拡大、集約化路線を私は否定するものではありません。ただ、規模拡大と集約化路線、それと農村人口の確保をどのように両立させようと思っているんでしょうか。
#99
○国務大臣(山本有二君) 農村は、豊かな地域資源に恵まれ、国民への食料安定供給、あるいは多面的機能の発揮の場というように思っております。
 我が国が直面する高齢化あるいは人口減少が都市部に先駆けて進行しておりまして、地域によりましては、集約機能あるいは地域資源維持あるいは農産物の生産、販売等の活動にも大きな影響がございます。
 こうした現状を踏まえまして様々な考え方を整理しておりますが、まずは、まち・ひと・しごと創生総合戦略というものにおきまして、農業の成長産業化に加えて、人口減少あるいは高齢化が著しい中山間地域等での仕事、収入の確保の必要性が位置付けられました。さらに、食料・農業・農村基本計画の閣議決定と併せまして策定した魅力ある農山漁村づくりに向けたビジョンにおきましても、地域資源を生かした雇用の創出と所得の向上が位置付けられております。
 地域内発型の産業の創出や誘致というのは、農村の活性化を図る上で大変重要な課題だと認識しておるところでございます。
#100
○舟山康江君 本当、大臣、是非自分のお言葉でしゃべってもらいたいなと思います。
 私、今の農村の現状の認識が違うんじゃないかと思うんですよね。今、農村の現状は、本当に人がいなくなっているんです。そして、今回法律で農工導入法を改正して全ての産業が立地できるようにするといいますけれども、私の町もそうです、県内のもっと大きなところでもそうです、募集をしても人がいないんですよ。なぜでしょうか。今の政策が農村人口を減らす方向にいっているからですよ。集約化して規模拡大したら、小さい農家は要らなくなるんですよ。そして、小さい農家はやっていけないような状況に追い込んでいるじゃないですか。そして、新たにまた産業を導入する、工業を導入する、全く間違っていると思いますね。
 農工導入法が制定された昭和四十六年当時の背景と今、全然違いますよ。昭和四十六年は余剰労働力がいっぱいあったんです。だから、その受皿が必要だったんですよ。今、いないんです。何でいないんですか。住めない状況になっているからですよ。
 規模拡大、集約化、私は一定程度その方向も必要だと思いますけれども、小さい農家とか兼業農家がいられない状況に追い込んでいるのは今の政策なんです。そこをもう一回本当に再認識していただいて、小さい農家が生き残れるような、そういう政策を本当に考えてもらいたいと思います。
 ちょっと時間がないので、もう一つだけお聞きしますけれども、今回驚きました。農林水産省で、農村地域工業等導入促進法の改正法出しておりますけれども、地域未来投資促進法案というもの、これが経済産業省から出されております。これと農水省提案の法案の関係を教えてください。
#101
○政府参考人(佐藤速水君) お答え申し上げます。
 農工法は、農村地域におきまして、農業と導入される産業との均衡ある発展を図ろうとするものでございます。
 今般、農村地域での立地ニーズが高いと見込まれる産業の導入ですとか、農村にございます様々な地域資源を活用した地域内発型産業の創出を促進するために農工法を改正することとしております。
 また、お尋ねの地域未来投資促進法案でございますが、これは、産業の中でも地域の特性を生かしまして地域内取引の拡大等を通じて地域経済を牽引する事業に対しまして政策資源を集中投入するというものでございまして、具体的には、土地利用調整のほか、設備投資減税、固定資産税等の減免に伴う減収補填措置などの支援を行うものと承知をしております。
 このように、この二つの制度は目的、対象等が異なるものではございますけれども、対象とする産業あるいは事業に応じて両制度を活用することによりまして、農村地域における産業の導入や地域内発型産業の創出、それらの振興の促進が可能であるというふうに考えてございます。
#102
○舟山康江君 基本的に、だって、企業の誘致とか、もっと農地を転用しやすくするという方向は同じじゃないんですか。
 地域未来投資促進法は、これ農地転用について何か優遇措置はあるんですか。
#103
○政府参考人(佐藤速水君) お答え申し上げます。
 この地域未来投資促進法案でございますけれども、地域経済の発展を図る上で重要な法案と認識をしております。また一方で、農業の体質強化を図るためには、集団的にまとまった農地ですとか農業に対する公共投資がなされた農地などの優良農地の確保が極めて重要であるということは論をまたないと思います。
 このため、今般の地域未来投資促進法の検討に当たりましては、農水省も協力をいたしまして、農業上の土地利用との調整のための仕組みを導入するといったことをしております。そういった調整のための仕組みを導入することによりまして、優良農地の確保が図られるようにしたということでございます。
 そのような仕組みが設けられることを前提に、農地等につきましての配慮規定を地域未来投資促進法案に置くこととしたところでございまして、今後、政令等の改正によりまして、この法案に基づく取組につきましては第一種農地につきましても転用許可できる方向で措置をするという考えでございます。
#104
○舟山康江君 もう驚きですよ。第一種農地が転用できるんですよ。そして、これがしれっと経済産業委員会だけで議論されようとしている。大いにこれ農業にも関係すると思いますから、委員長、是非、私はこの地域未来投資促進法案、連合審査を求めたいと思いますけれども、御検討いただけますでしょうか。
#105
○委員長(渡辺猛之君) 後刻理事会で協議いたします。
#106
○舟山康江君 このように、土地もどんどん切り売りするような、そういう方向になっております。
 そして、今現場に行きますと、非常に不安が広がっているのがやはり米の生産数量目標配分の廃止ということになっておりますし、また米の直接支払交付金もなくなるということなんですね。これで、ますます小さな農家は生き残りづらくなると思います。
 私は、国による主要農産物、とりわけ米、麦、大豆ですね、主要農産物の需給調整は国の責任だと考えておりますけれども、国の責任はこの食料の安定供給にないんですか、大臣。なぜこれを放棄するんでしょう。
#107
○国務大臣(山本有二君) 御指摘の主要食糧でございます米及び麦につきましては、食糧法におきまして、政府は生産調整の円滑な推進や備蓄運営等を通じて需給及び価格の安定を図るというように明記されております。
 一方、米政策の見直しというものでございますが、三十年産から行政による生産数量目標の配分に頼らなくても、生産者自らが経営判断で需要に応じた生産が行われることになるように国は米の需給及び価格の安定を図ることになるわけでございます。
 実際に、二十七年、二十八年産の状況を見ますと、各産地で行政による生産数量目標の配分に頼らない自主的な取組が進むことができました。二年連続で全国の過剰作付けが解消されました。また、需要に応じた生産が進んだ結果、米の需給及び価格は安定してきております。こうした二十七年産、二十八年産の取組が三十年産以降の姿になるわけでございまして、三十年産以降におきましてもこれを継続させていただいて米の需給及び価格の安定を図りたいというように思っております。
 また、三十年産以降におきまして、引き続きまして情報提供にしっかり取り組み、さらに水田フル活用の支援等を行いまして、農業の安心して需要に応じた生産に取り組んでいただけるよう努めていくというような所存でございます。
#108
○委員長(渡辺猛之君) 時間が来ておりますので、質疑をおまとめください。
#109
○舟山康江君 はい。
 大臣、本当にもっと血の通った説明をしていただきたいと思いますよ。本当にね、皆さんね、もう農村なくなりますよ。地域で米なんかもう作れなくなるんですよ。人が住めなくなるんですよ。そういう現状をもっと理解した上で、本当に必要な政策を取っていただきたいと思います。
 どこの国もやっている直接支払、なぜなくしたのか、この辺の問題もしっかりと今後聞いていきたいと思いますけれども、是非、本当、委員会の全ての皆さんでこの農村の現状の問題にきちんと耳を傾け、目を向けて正しい政策をつくっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 ありがとうございました。
#110
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。ありがとうございます。
 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック選手村の食材について質問をさせていただきたいと思います。先ほど中西委員の質問でも触れられましたが、中西委員は水産物について触れられました。大会組織委員会は二十四日に理事会を開いて、選手村などで提供する食事に使われる農産物で条件を決めたということでございます。私は、農産物について質問をさせていただきたいと思います。
 国産品を優先的に選ぶということでございますが、農業生産工程管理、GAPというものを、認証ですね、これを条件にするということを決めたということでございます。GAPと言われても、なかなかぴんとくるところまで農業生産工程管理のGAPというものが認知されているとは思えません。GAPというと、有名な洋服のブランドの方が先に頭に浮かんでくるというのが現状ではないかと思います。そもそも、何の略かということも分からないと思います。
 そこでまず、GAPとは何かということを農水省に伺いたいと思います。
#111
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 農産物の生産に当たりまして最も大事なことは、やっぱり食品としての安全を確保していくということだろうと思います。
 GAPにつきまして、先生が御配付されました資料ございますけれども、生産者の方々が日々の活動の中で行っておられます農産物の安全性を確保するための生産履歴の記帳ですとか衛生管理のための取組状況、環境保全ですとか労働安全を確保するための点検状況などの記録簿、また掲示物による見える化など、安全でより良い農業生産を目指していく取組のことでございます。
 御配付されました資料であれいたしますと、例えば包装資材のそばに灯油は置かないとか、農薬の空き容器は分別しようとか、危険なところには、スイッチを止めようとか、そういう日頃農家の方々が行っていらっしゃることをきちっとチェック、確認していくということなので、非常に高度なことを求めているものではございませんけれど、確かにGAPという言葉含めてまだまだ十分浸透していないのは事実でございまして、そういうことも含めて農家の方々に御理解をいただきたいというふうに、頑張りたいと思います。
#112
○竹谷とし子君 お手元に、GAPとはという資料を配付させていただきました。これは、農水省の説明で私がいただきました資料でございます。
 生産者の皆様が、生産物の安全を確保するため、生産履歴の記帳を中心に環境の保全、労働の安全を確保するための点検など、日頃より行っている、決して難しいことではない日頃から行っている取組状況を記録等や掲示物によって見える化して、より良い農業生産を目指していく取組ということであります。
 このGAPの認証でございますけれども、一種類じゃないというふうに伺いました。複数の種類があるようです。どんな種類のGAPがあるのか、それぞれの違いは何か、農水省に伺います。
#113
○政府参考人(枝元真徹君) GAP自体は昔から取り組んできてございました。そういう意味では、認証が必要なグローバルGAPですとかJGAPというような民間団体が認証するGAPというのがございます。それ以外に、都道府県ですとか農協さんですとか、そういうところがそれぞれ策定したGAPみたいなものもございます。
 そういう中で、今先生から御指摘あった認証という観点でいいますと、グローバルGAPとJGAP、これが国際的に通用する水準のGAPでもございますし、最初に御指摘がございましたオリパラの調達基準でもこの二つのGAPが記載されてございます。
 これらの国際的に通用する水準のGAPにつきましては、例えば輸出の拡大、農業人材の育成を通じた競争力の強化に向けまして、オリパラの東京大会を契機として大幅に拡大すべく、農林水産省といたしましても、生産者による認証取得の支援等を行っているところでございます。
 この二つのGAPの内容でございますけれども、食品安全、環境の保全、労働安全等に関する取組を見える化するものとなっており、内容ですとか水準に大きな違いはございませんけれども、グローバルGAPはドイツの民間団体が運営してございまして、生産過程において例えば厳しい水管理が求められる等、欧州向けの輸出などには有利だろうかと思います。一方、JGAPは日本の民間団体が運営してございまして、我が国の生産にとっては取り組みやすいGAPであろうと、そのような特徴がございます。
#114
○竹谷とし子君 グローバルGAPとJGAP以外にも、農水省のGAPの共通基盤に関するガイドラインに準拠したGAPに基づいて生産をして、都道府県などの確認を得た農産物も認めるというふうに大会の組織委員会でなっているようでございますが、これは確かでしょうか。
#115
○政府参考人(枝元真徹君) そのとおりでございます。
#116
○竹谷とし子君 グローバルのGAPというのはドイツの民間団体がつくっているということでございますが、GAPには複数あり、流通、小売などの需要側によって求める認証が異なる場合があるということだと思います。ヨーロッパの大手流通などに輸出しようというふうに思うと、そこがグローバルGAPを求めているとそれに対応しなければならない、また日本の大手の流通や飲料メーカーのある銘柄では日本のJGAPを求めているということもあるようです。
 力のある需要者が求めていることに応じて今は生産者が認証を取得しているという状況ではないかと思いますが、今のところ、GAP認証を取得している農家は何軒ぐらいでしょうか。
#117
○政府参考人(枝元真徹君) まず、グローバルGAPの運営会社によりますと、我が国におきまして、グローバルGAPを取得している経営体は約四百経営体でございます。また、JGAPの運営団体によりますと、JGAPの取得経営体数は約四千百経営体となってございます。
#118
○竹谷とし子君 専業農家が四十四万軒くらいでしょうか、その中で取得している数ということを考えると、まだまだ進んでいないというのが現状ではないかというふうに思います。
 二〇一二年のロンドン大会、そして一六年のリオデジャネイロ大会では国際認証であるグローバルGAPが基準に採用されたということで、日本では複数のGAP認証が認められているということで、多様な安全、安心への取組が考慮された形になっているのではないかと思いますが、とはいえ、認証の取得には手間が掛かる面もあると思います。
 農家の方々にとってのGAPの認証を得ることのメリットは何かということについて、改めて農水省に伺いたいと思います。
#119
○政府参考人(枝元真徹君) 先生最初おっしゃったとおり、最近、増加しております食品安全への意識が高い海外ですとか国内の小売業者、また食品メーカーの要求に対応して、今GAPというのが進んでいるという状況でございます。
 今後、オリパラの東京大会の調達基準を満たすものとして位置付けられましたので、このGAPの認証によりまして、自らの生産物を選手村ですとか競技会場などの食材として提供できるようになる、また、GAPの認証を要求する国内の小売また海外市場への販路開拓も可能になるなど、新たな販路の拡大につながる様々なメリットがございます。また、今現在、そういうGAPを取っていらっしゃる生産者に対するアンケート調査の結果によりますと、そういう販路の拡大に加えまして、従業員の責任感ですとか自主性の向上、また販売先への信頼、資材の不良在庫の削減などといった点を経営上のメリットとして挙げる方が多くなってございます。
#120
○竹谷とし子君 メリットがあるということがアンケートの結果としても出ているということだと思いますが、私の知っている農家の方々には、すばらしい高品質で安全な農作物を作る技術、経験が豊富で得意だけれども、複雑な申請手続とか書類作成、これが苦痛だという方々も少なくないです。コンピューターを余り使わない高齢者の方々にはハードルが高いのではないかというふうに思います。また、取得の手間、費用負担で、やる気があっていい農作物を作っている方々が排除をされないようにしなければならないと思います。
 オリンピック・パラリンピック大会組織委員会も、GAPを取得している農家が少ないということは承知をされているということです。大会までの三年間で、国の支援などを活用して基準を満たす者が増えることを期待するというふうに言われているようであります。国としてしっかりと支援をして、世界の注目が二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックには集まります、質の高い日本産品をアピールできる絶好の機会ですので、日本産品が選ばれるように国がしっかりと支援をしていっていただきたいと思います。
 そして、新たな販路など、その後にもつなげていっていただけるようにしたいと思いますが、このGAP取得のために費用と期間はどれぐらい掛かるのか、また、それに対する今の国の支援というのがどのようなものがあるか、伺いたいと思います。
#121
○政府参考人(枝元真徹君) GAPの認証の取得に当たりましては、通常といいますか、審査会社の審査を受ける必要がございますので、そこで、さっき先生がおっしゃった申請という行為がございます。また、その審査の前にコンサルタント会社から技術的な指導を受けるというようなのが一般的になってございます。そういう意味からいたしますと、取得に当たっては、その審査の費用、またそのコンサルに掛かる費用、そういうのが掛かるのが一般的になっております。
 現状で申し上げますと、日頃の営農活動の状況等により異なりますけれども、半年から一年程度がまず標準的な期間でございます。あと、費用につきましては、GAPの種類、審査会社等によりまして異なりますけれども、コンサルも含めて申し上げますと、個人の場合には審査費用が十万から五十万程度、技術的なコンサルが二十五万から五十五万程度になってございます。
 そういう観点から、このコストを低減していくということと、さっき先生も御指摘のあった高齢の農家の方も含めてどうやって取っていくのかということでございますけど、二つございまして、一つは、コンサルの費用を低減していくという観点からいきますと、例えば都道府県の普及指導員さんですとかJAの営農指導員さん、そういう方々がある意味いつもやっていることの指導でございますので、そういう方々がGAPとしての技術も習得した上で指導に当たるということでコンサル費用が低減できます。
 また、認証の仕方も、個人で取られる場合がございますけど、例えば今よくありますのは農協さんの生産部会みたいな単位で、これ団体認証というふうに言ってございますけど、そういう形で取ると、当然一人一人のそこに入っていらっしゃる農家の方の費用は低減されます。そういうことで、そういう方々も含めた団体認証というのはこれから進めていかぬといかぬというふうに思ってございます。
 農林省としても、審査費用またコンサル費用等、認証に要する費用につきまして、現在定額、実質上、十分の十の支援の予算を補正予算でいただきまして、それに基づいて今そういう支援を行っているとともに、この審査費用の低減に向けたインセンティブを働かせるという意味からも助成額の上限を定めて、そういう低減に向けたインセンティブになればいいなということでやっております。
 いずれにいたしましても、こういう支援、また都道府県、JA等の御努力等々も含めまして、東京大会におきまして日本食、国産食材の魅力をアピールするとともに、東京大会のレガシーとしてつながるように努力してまいりたいと存じます。
#122
○竹谷とし子君 しっかり後押しをしていっていただきたいというふうに思います。
 続きまして、食品ロスの削減に関して伺います。
 規格外の野菜を福祉に役立てようという動きがあります。食品ロス削減と食育のために、農家や流通、市場などで出る規格外農産物をフードバンク等へ提供することを促進するべきではないかと考えます。農水省、いかがでしょうか。
#123
○大臣政務官(矢倉克夫君) 委員御指摘の規格外農産物、直売所での販売やまた加工用などにも使われますが、御指摘のとおり、フードバンク等への提供ということも非常に大事であるというふうに認識をいたしております。
 平成二十八年度に実施したフードバンクの活動実態調査によりますと、フードバンク活動団体の約七割が農家の方から農作物の提供を受けていただいている。ここから推測すると、多くの規格外農作物が有効活用につながっているというふうにも考えられるところでありますが、この流れを更に加速していくことが重要であると考えております。
 農林水産省におきましては、食品ロス削減対策の一環としてフードバンク活動に対する支援を行い、フードバンク活動の推進に向けた研修会の開催や未利用食品を保管するための倉庫の賃貸等への支援を行っているところでありますが、食品ロスの削減が委員御指摘のとおり更に進むように、今後更にこうした農産物の活用が進むよう関係部局間の連携を密にして、農家等へのフードバンク活動の周知や参加の呼びかけを行ってまいりたいと思います。
 例えば、とあるJAは民間企業と連携もいたしまして、この規格外農産物の定期的寄附のスキームを確立するなどもしております。そういった取組を紹介するなどの取組も行ってまいりたいというふうに思います。
#124
○竹谷とし子君 市場でも大量に毎日、大きかったり小さかったり傷が付いていたりということで選別をされて、廃棄をされているということでございます。農家や流通過程で出てくるそうした貴重な生鮮食品というのは大事な栄養源でもありますので、農水省、食品ロス削減に向けてフードバンク支援をされていますが、是非提供してくださる側とフードバンクとを橋渡し、マッチングをさせられるように取り組んでいっていただきたいというふうに思います。
 最後に、動物看護師に関して伺います。
 犬、猫といったペットを飼育する家庭が増加しています。ペットは家族の重要な一員として認識されるようになりましたが、小動物に係る獣医学も急速に進展しているということで、飼い主からの要求も高まっているというふうに聞いております。
 一人の獣医師さんが全ての臨床活動を行うことは難しく、飼い主さんから真に信頼される獣医療を行うために、それをサポートする動物看護師等の獣医療専門職が必要だと言われております。しかし、動物看護師さんは、多くの動物病院に勤務しておられますが、飼い主や獣医師さんからその役割が評価されていたものの待遇は必ずしも十分と言えないと思います。
 そこで、今業界からも検討要望が上がっております動物看護師の国家資格化ということについて、農水省の検討状況、また今後の見通しを教えていただきたいと思います。
#125
○政府参考人(今城健晴君) お答え申し上げます。
 いわゆる動物看護師、動物看護職とも申しますけれども、この方々につきましては、かつては獣医師の団体や民間の教育機関等が独自に資格を認定してまいりましたが、まず平成二十三年九月に日本獣医師会等が中心になって動物看護師統一認定機構というものが設立され、主要五団体の認定ということに統一され、平成二十五年二月からは動物看護師統一認定試験が実施されているというふうに承知しております。そういうことで、動物看護師の知識や技術レベルを高位平準化すべく、民間による主体的な取組が行われているというところでございます。
 また、これに対しまして、現時点でも獣医師の団体や民間の教育機関等の間でこの動物看護師の位置付け等をどうしていくかという考え方につきまして、こうあるべしということでまとまっている状況にはまだないということでありますし、また、犬猫等飼育者からも、国家資格化そのものに対しては、アンケート調査でございますけれども、一七%ぐらいということと伺っておりますので、そういう状況であるというふうに承知しております。
 したがいまして、農林水産省としては、適切な獣医療を提供するという観点から、現在行われております民間団体における認定資格の取組というものをよく注視しながら、今後どのような対応が適切であるか考えてまいりたいと考えております。
#126
○竹谷とし子君 しっかりと検討していっていただきたいと思います。
 終わります。
#127
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 最初に、この後出されると思いますけれども、特殊土壌の、ちょっと長いので略して臨時措置法についてなんですが、昭和二十七年にこれ議員立法として策定されてから十三回延長され、六十五年間実施されてきました。対象地域が五県、一部指定県は九県ということで、国、地方公共団体が事業を続けていますけれども、この事業が果たしている役割、どのような効果があったのかということをまずお聞きしたいと思います。
#128
○政府参考人(佐藤速水君) お答え申し上げます。
 特殊土壌地帯災害防除及び振興臨時措置法、いわゆる特土法でございますが、特殊土壌地帯の保全と農業生産力の向上を図ることを目的としてございます。特土計画に基づきまして、治山治水などの災害防除対策事業、かんがい排水や畑地の整備などの農地改良対策事業、これらを昭和二十七年から継続して実施してきているところでございます。
 この災害防除対策事業が実施された地域におきまして、例えば治山事業や砂防事業によって谷止め工ですとか砂防堰堤が整備されたことによりまして、流出の土砂が捕捉されまして被害が軽減されたといった効果が確認されております。
 また、農地改良対策事業が実施された地域について見ますと、例えば畑地かんがいの整備ですとか土壌改良などによりまして、作物の生産量ですとか品質の向上、品種の多様化が図られるなどの効果が確認をされております。
 しかしながら、依然として特殊土壌地帯におきまして大きな被害が発生しておりますし、高収益作物への転換による畑作の振興が求められておりますことから、今後とも対策事業を進めていくことが必要だというふうに考えてございます。
#129
○紙智子君 関係県からも切実な要請が上がっていて、必要な法律として我が党も賛成してまいりました。前回、五年延長のときに、やっぱり法律に基づいてこの対策の結果の検証を行って、その上に立って必要な事業の内容を確認をしながら進める必要があるんじゃないかということも提起をさせていただいて、議員連盟の皆さんで検証の場を設けたこともありましたけれども、やっぱり今後もそれが重要だというふうに思いますので、是非、検証し、必要な法整備や、充実するところはするというふうにしていただきたいと思います。
 次に、TPP協定が発効の見通しがなくなった下で、通商交渉について議論をしたいと思います。
 安倍総理は施政方針演説で、自由貿易の旗手として、公正なルールに基づいた二十一世紀型の経済体制を構築する、TPP協定の合意は、そのスタンダードであり、今後の経済連携協定の礎となると言われました。
 そこで、山本農水大臣に伺いますけれども、スタンダードになればTPPで合意をした農林水産物の重要五品目などが出発点になるんではありませんか。
#130
○国務大臣(山本有二君) TPPにつきましては、御指摘のとおり、一月三十日に米国通商代表部がTPPの締約国となる意図がない旨の通知を行ったというように承知しております。こうした中、我が国としては引き続き米国に対して、TPP協定の戦略的、経済的意義について腰を据えて理解を求めるという方針でございます。また、米国以外のTPP署名国に対しましては、我が国が持っている求心力を生かしながら、今後どのようなことができるかを議論していきたいというように思っております。農林水産省としましても、内閣官房や関係府省と連携して、しっかり対応してまいりたいと思っております。
 なお、先日の日米首脳会談における一連の会談を含め、米国政府から二国間FTAについての要請はまだありませんでした。TPPにつきましての水準とこの日米二国間、まだ我々としては方針を決めているわけではございません。
#131
○紙智子君 スタンダードになるということは、標準になるという話なわけですよ。そうすると、日米関係だけでなく、いろんな分野で非常に心配なことが出てくるわけです。
 今ちょっと触れられました日米の経済対話がこれから始まるんだけれども、お聞きしたいと思いますが、米国のUSTRの代表であるロバート・ライトハイザー氏は、三月十四日に議会上院指名公聴会に臨んで、農業分野の通商交渉で日本は第一の標的になると強調したことが報じられました。日本など環太平洋経済連携協定、TPPの参加国と二国間交渉を推進するんだと言っていると、TPPを上回る合意を目指すというふうに言っているわけですね。ライトハイザー氏は、日本に対して、農産物の開放の要求はとても優先度が高いんだと、農産物の貿易に関して多くの障壁を残したままでいるのは理解できないというふうに述べているわけです。
 政府は、このTPP交渉で例外を確保したと言って胸を張りました。その例外措置も白紙に戻されることになるんじゃありませんか。
#132
○国務大臣(山本有二君) 米国の閣僚人事の議会承認の手続でございます公聴会、これにおきまして、ライトハイザー次期USTR候補の発言については承知をしております。しかし、この発言がUSTRの代表になってからの発言ではないという認識でございまして、先日の日米首脳会談における一連の会談を含めまして、米国政府から二国間交渉についていまだ正式に具体的な要請はなかったというように承知しております。
 いずれにいたしましても、日米間の経済関係につきましては、今後の日米経済対話において議論されていくことになると、こう考えておりますので、外務省と連携しつつ、しっかり対応していきたいというように思っております。
#133
○紙智子君 これからなんだという話をされるんだろうなと思いましたけれども、やっぱり非常に懸念がたくさんあるわけです。
 TPP交渉で、牛肉については米国とは関税を九%まで下げる、豚肉については低価格品の従量税は五十円まで下げると、こういうふうに合意しているわけですよ。TPP交渉において政府は、国会決議があると、国会決議を盾にして、これがあるからのめないんだというふうに交渉できたんだと言ってきたわけです。しかしながら、今度日米対話では、国会決議があるわけじゃないと、あるのはTPP合意だけなんですよ。
 アメリカの要求を拒否する理屈立てというのは、大臣、持っているんでしょうか。
#134
○国務大臣(山本有二君) 繰り返しになりますけれども、日米経済対話はまさにこれからでございまして、特に分野申し上げますと、経済政策、そしてインフラ投資、エネルギー分野の協力、さらに貿易・投資ルール、この三つの分野について議論をするということになっております。具体的な構成、内容につきましては、引き続き両国間で調整をしているものでございます。
 また、今月上旬に外務省の次官級が訪米し米国と行った日米経済対話の事務レベル会談におきましては、農林水産省の関係する分野については議論がなかったというように聞いておりますので、まさしくこれからの展開によるものだというように考えております。
#135
○紙智子君 非常にのんびりした答えなんですよね。それで、私は、非常に懸念がある中で説得できる、拒否できる理屈立てというのがあるんですかと聞いたんだけど、それにはお答えになっていない、これからだということで答えておられないわけですよ。もう拒否するかどうか分からないという話もあるんですけれども。
 それで、米国の牛肉、豚肉協会は既にトランプ大統領に書簡を送っていますね。それから、お米についても、米国のライス協会は、日本が別枠で五万トンから七万トンで受入れを決めたTPPが発効しなかったことを歓迎していると。新たな大量の米輸入の枠を日本に受け入れさせるように求めているわけですよ。まさにTPP水準以上のこれは開放が求められる危機があるというふうに踏んで掛からなきゃいけないわけですよね。非常に私はこれ危険だと思っています。
 それから、TPP水準の通商交渉というのは日米の二国間だけじゃないです。ほかの国々との通商交渉についても、これ懸念が大きいんですね。日本とEUの通商交渉について、安倍総理は、三月二十一日に行われた日EUの首脳会談で、早期に大枠合意をするように働きかけをしています。日本とEUのEPA交渉分野というのは、これ農産品を扱う物品市場アクセスを含めると二十七分野もあるわけですよね。TPP協定の対象分野というのは二十九分野あったわけですけれども、ほぼ同じぐらいのこれ交渉分野になると、重なっているところとそうじゃないところもありますけれども。
 しかし、これ自体も実は国民にはほとんど知られていないわけですよ。知られていない状況について、大臣はどのように思われますか。
#136
○国務大臣(山本有二君) 何事においても情報開示というのは適切に行っていかなければならないというように思っております。また、EUとEPA交渉につきましてできる限り早期の大枠合意を目指して交渉を進めているところでございます。政府といたしましては、交渉状況について公開できるものは、交渉の進展に応じて可能な限り開示していく方針でございます。
 他方、外交交渉の経緯を開示するということにおきましては、累次の交渉において我が国の手のうちをさらしてしまう、あるいは相手方との信頼関係を損なってしまうというような危険がございますので、制約があることは致し方ないところでございます。
 農林水産分野が関係する主な交渉分野といたしましては、まず第一に、鉱工業製品や農林水産品の物品貿易に関し関税撤廃、削減等を議論する物品市場アクセス分野、そして第二に、食品の安全、動植物の検疫衛生に係る措置等のルールを議論する衛生植物検疫措置、SPS分野、第三に、農産品及び酒類に係る地理的表示の保護等を議論する地理的表示、GI分野等がございます。
 その意味で、これは緊張感を持って対処していくところでございますが、日EU・EPA交渉に当たりまして、我が国の農産水産業をしっかり守っていくということが何より大事だと考えておりまして、農林水産品につきましては、今後ともしっかりと交渉に取り組む覚悟で準備をさせていただきたいと思っております。
#137
○紙智子君 なかなか聞いたことにかみ合っていないんですけれども、私は国民に知られていないことをどう思うのかというふうに聞いたわけです。そういうふうに今おっしゃるけれども、ほとんど分からないですよ。国民の皆さんに知られていないと。非常に重大だと思うんです。TPP交渉を経験をして、国民、市民の意識というのは大きく変わりました。
 EUはチーズなどの乳製品や豚肉や木材やワインなどの重要品目でTPP以上の市場開放を要求してくるというふうに言われているわけですけど、ほとんどこれも説明されていないと。自動車の輸出を進めることと引換えに農業分野を差し出すことになれば、これチーズやヨーグルトなど乳製品の輸入が増えるわけです。TPP水準を通商交渉にすれば、これ日本とEUでもTPPプラスを認める、そういう可能性があるというふうに思うんですね。
 それから、RCEP、東アジア地域包括的経済連携についてもお聞きしますけれども、ASEAN十か国、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムとプラス六か国、日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、インド、この十六か国が参加国なわけですけれども、RCEPの原則の中に、参加国の異なる発展段階を考慮に入れて、特別のかつ異なる待遇及びASEAN加盟国の後発開発途上国に対する追加的な柔軟性についての規定を含め適切な形の柔軟性を有すると。各国に配慮して交渉を進めるという立場が書かれていて、これ注目をしているわけですけれども、ここに今、TPP水準を取り込もうとする動きに対しての懸念が広がっているわけです。
 日本は既に、この十六か国中、ASEANの十か国とインド、オーストラリアとは二国間EPAを結んでいます。そこで聞きたいのは、日本がEPAを結んでいる国々との間に除外規定があるわけですよ。米、麦、牛肉、豚肉、砂糖、でん粉、除外して今まではいたわけだけれども、日本がRCEPをTPP水準に高めるとなれば、この除外規定を外すのか、それとも維持するのか、どちらなんでしょうか。
#138
○政府参考人(飯田圭哉君) お答えいたします。
 委員御指摘のように、RCEPでは今交渉中でございまして、いずれにしましても、各分野、包括的で質の高い、バランスの取れた協定の早期妥結を目指しているところでございます。
 我が国の関税のオファーについては、交渉中の内容であり、詳細に述べることは差し控えたいと思っておりますけれども、委員御指摘の農林水産品でございますけれども、これは大変重要な分野だと思っておりまして、貿易、生産、流通実態を一つ一つ勘案しながら、そのセンシティビティーに十分配慮しながらしっかりと交渉してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#139
○紙智子君 除外するのか、これをこれからも維持するのか、それともやめていく方向になるんですかと聞いたんですよ。はっきり言ってください。
#140
○政府参考人(飯田圭哉君) いずれにしましても、交渉の過程でありますオファーでありますとか、その取扱いについてちょっと詳細に述べることは差し控えたいと思いますけれども、農林水産品については、そのセンシティビティーを十分に勘案して、農林水産省とも連携をしてしっかり対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#141
○紙智子君 全然答えになっていない、全く不満ですけれども。ニュージーランドとはEPAがありませんけれども、これTPPでは合意しているわけですよ。TPPで合意した国は、ほかにオーストラリアもあります。RCEPがTPP化される危険性があると思うんですね。
 もう一つ、情報公開について外務省に聞きたいんですけれども、日EU・EPAで、このRCEP交渉の協議内容や交渉日程も含めて、情報公開や国民への説明が極めて遅れていると思うんです。事実上秘密裏に進められていると言われても仕方がない状況だと。
 二月二十七日にRCEPの事務レベル会合が神戸で行われました。今回で十七回目だと。早い段階で日本が開催国だということが決まっていたと思いますけれども、その開催日の公表というのは五日前ですよ。神戸市は昨年の十一月に開催されることを公表していたのに、何で国は公表しなかったのかというふうに思うわけですよ。これ、どうですか。簡単に一言で答えてください、なぜなのか。
#142
○政府参考人(飯田圭哉君) 協議の日程につきましては、相手国との調整とかいろいろありますし、具体的な期間等はいろいろな調整の過程もございます。通常、大体それぐらいの範囲で公開をしてホームページ等に掲載するという慣習を持っておりまして、それに従ってRCEPについても取扱いをさせていただいたということで、特段RCEPについて遅らせようとか情報開示をしようとしないとか、そういうことでこういうことになったわけではございません。
#143
○紙智子君 神戸市は、だって去年の十一月に開催することを公表しているんですから、何で政府はこんなに遅くやるのかということですよ。
 通商交渉は、グローバリゼーションが進む中で、我が国の産業や国民の命や暮らしに大きな影響があるわけです。今回、初めて市民団体との意見交換会が市民団体の要求で、強い要求で実現したと。私もそこに行きました。市民団体が要求して実現やっとできたということだったんだけれども、ビジネス界の利害関係者は会合に招かれているという話もありました。しかし、余りにも国民には説明されていないというふうに思うんですね。
 私、外交というのは決定事項だけが重要なんじゃなくて、どのような過程を経てその結果に至ったのかということを知ることが必要だと思うんですよ。それを含めて、やっぱり交渉の在り方としては後世に引き継ぐべきだと思うんです。今後の交渉の在り方をそういう点では見直すべきだと。そして、関係者に、交渉の途上であっても、政府は必要に応じて、また求めに応じて適切な説明の機会を持つべきじゃないかと思うんです。これ、関係閣僚でもある農水大臣、やっぱり適切に、その時々、ちゃんと説明の機会を持つべきだと思いますけれども、いかがですか。
#144
○国務大臣(山本有二君) 外務省もお答えしたとおり、交渉状況について公開できるものは交渉の進展に応じて可能な限り開示していくというきちっとした方針を立て、他方で、外交交渉の経緯を開示するときには、相手方との信頼関係を損なわない、我が国の手のうちをさらしてしまうことにならない、累次の交渉に悪影響を与えないというような、そういう危険性も含めながらこの開示の姿勢は守っていかなきゃならぬというように思っております。
#145
○紙智子君 そう言いながら、全然開示されていないと思うんですよ。いろいろな通商交渉がありますけど、保秘義務もないのに交渉開示されていないと。
 欧州委員会と米国の自由貿易協定であるTTIPは、市民や各国の議員の秘密主義の批判が高まる中で、二〇一五年の一月七日には、欧州側が提案している内容を初めて公表したわけですね。欧州委員会の通商政策の担当者の方は……
#146
○委員長(渡辺猛之君) 時間が参りましたので、質疑をおまとめください。
#147
○紙智子君 重要なことは、我々がTTIPの中で何を提案しているのか、全ての人が読んで理解できることが大事だといって、公表文書の中に法的な条文とともに難しい言葉を使わない説明を加えているわけですね。
 やっぱり各国の経済主権や食料主権や国民の暮らしを相互に尊重する平等互恵の貿易と投資のルールを作るということが非常に大事だし、そういう方向に是非交渉の立場というか転換を求めて、質問を終わりたいと思います。
#148
○儀間光男君 日本維新の会の儀間でございます。
 質問をさせていただきますけれど、去る二十二日にもいたしましたが、獣医師に関連して再度質問をさせていただきます。
 もとより私は、獣医師の東西の偏在があって、東が多くて西が少なくてということで、西の営農、畜産農家からいろんな意見を聞いてこの問題を取り上げたんですが、展開してみるというと、今日に至るまで全く予想外の、あずかり知らない闇の部分でこれができて、流れてきたような気がして、大変驚いておるところであります。
 獣医学部の新設に当たっては、先日の大臣答弁において、先端ライフサイエンス研究が大きな特徴である、獣医が新たに取り組むべき分野における具体的な需要に対応することとし、地域課題につながる仕組みを期待するとされました。
 環境の変化などにおいて、農林水産業の置かれる立場は日々これは変化を遂げていくのは当たり前の状況です。緊急事案における対応によって甚大な被害を招くおそれがあるのは周知のことで、そのために特に西日本一帯に獣医師が増員されることについては理解しないものではございません。その方向です。
 二〇〇〇年に確認された口蹄疫は、実に九十二年ぶりだと言われております。その後、二〇一〇年に起こった口蹄疫の流行の際、検査機関の仕組みや獣医師の人員の不足等が問題視されたのも、これまた記憶に新しいところです。これを受け、口蹄疫対策特別措置法が施行され、検査機関の見直しや殺処分への対応が見直されてきました。
 また、近年猛威を振るう高病原性鳥インフルエンザにおいても、二〇〇五年以前については小規模な発生が起こっていたが、現場の迅速な対応によって大事に至らずにいたのでありますが、二〇〇五年の関東地方におけるウイルスの検出以降、二〇〇六年には人への感染も確認され、緊急事態が感じられるところであります。こういった事実に対する対応は何よりも優先すべき事項であることも認識をいたしております。
 そこで、質問ですが、二〇〇〇年に入り、家畜伝染病が新たに確認されてから十数年たつが、今日に至るまで防疫体制は農林水産省として十分であったとの認識でよいのかどうか。
 私の過去の質疑に対する答弁においては、獣医師の数は十分に足りていて、現状の体制強化配置は、配置の努力、いわゆるバランスを取るための配置の努力でやっていくとの答弁であったが、それには変わりがないのか、今でもその認識でよいのかを伺いたいと思います。
#149
○政府参考人(今城健晴君) お答えいたします。
 儀間先生おっしゃるとおり、平成十六年に七十九年ぶりに高病原性鳥インフルエンザが出てくる、あるいは平成二十二年に宮崎で口蹄疫が発生するというようなことがございまして、そのときにはやはり即時の対応と殺処分ということが求められますので、非常に現場の産業動物獣医師というものに掛かる負担は多く、隣県あるいは我々政府機関の方から獣医師あるいはそれに関連する人員というものを対応に出すというようなことで対応して回ったということでございます。そういう認識の下に、もちろん御承知のとおり、鳥及び動物の病気につきましては、発生すると大変な需要が必要ということになります。
 ただ、全体の傾向、普通の場合の傾向ということでございますと、近年家畜やペットの飼育頭数というものはいずれも減少傾向にあるということでございます。そのことのみをもって獣医師全体の需給というものが、需給の中で需要が減少していると一概には言えないところでございますけれども、全国的に数自体で申し上げれば、不足しているという状況にはないということでございます。
 しかしながら、先ほど来申し上げましたとおり、産業動物獣医師については、これはやはり地域によってはその確保が困難な地域があるという認識でございます。そういう意味で、十一月九日のこの特区のお話というのは、そういう新たな需要と、獣医師が活動すべき求められる分野ということが紹介され、その中で特に地域での感染症に係る水際対策という部分では、産業動物獣医師が従来から関わっている分野の延長線上でもございますので、そういう意味で産業動物獣医師の偏在にも役立つようなという仕組みになってほしいということを期待しているということの立場でございます。
#150
○儀間光男君 獣医師は、産業動物のみを診るということはあり得ないんですよ。ペットへ行く先生方も産業動物を見なければ本来ならないんですね。ところが、そこに行かないんです。だから、偏在しているからって私、前の質問で増員する必要があるだろうと言ったら、それはないと。ないと。あるとするならば、内部努力を、獣医師会とも相談してバランスを取る努力をもってよしとするということだったわけですよ。
 そのことを、私は文科省にも確認し、自民党の農林部会の畜産、獣医関係者にも友人がおりますから確認してみたんですよ。自民党でもこれは駄目だよということで、すっかり私、しょげて帰ったんですね。そして、地域へ帰って、皆さんの要求はそうだったけど当分駄目な様子だというようなことで渋々ながら説得したんですが、開けてみるとさにあらずですよ。ここがびっくりなんですよね。
 だから、しかも、そうおっしゃりながらこんなことをやっておるんですが、この畜産に対する病原菌のその多くは大陸から入ってくるんですね、鳥が持ってきたり、あるいは輸入する物資の中にあったり。ということで、そういう意味では西日本は大陸に、まあ日本列島全部大陸に近いんですが、特に病原菌の発生しやすい南の方向は九州から近いわけで、病気の発生率も多いわけですよ。そういうことを見ますというと、東に比べると西の方が感染率の確率が高いように思いますね。
 そこでお尋ねするのですが、前の大臣の発言とはいえ、西側の獣医不足の指摘に努力で応えると言った。努力で応えると言ったが、今何ですかと聞きたいんですよ。
#151
○政府参考人(今城健晴君) お答えいたします。
 ただいま儀間先生からございました昨年五月十二日のこの委員会での森山大臣の答弁ということでございますが、これ議事録によりますと、獣医師の数としては十分に足りているわけではありますが、大動物を中心にやっていただくか、大動物も診るし小動物も診るとやっていただく獣医師さんもおられますが、小動物しか診ない獣医師さんもおられますものですから、このバランスをどうするかということが大事なことだというふうに御答弁されているというふうに承知しております。
 このようなことでございますので、基本的に全体の獣医師の数というものではなくて、産業動物獣医師の偏在について、まさに獣医師会等と連携しながら、不足している地域にきちんと産業動物獣医師が確保されるということを努力してまいりたいというお話を大臣がされているというふうに理解しております。
 したがいまして、そういう理解の上に立って、十一月九日のいわゆる特区の、お決めになられた新たな需要というものの中に水際対策の部分というものが言及されております。そこのところの部分については、産業動物獣医師が従来から担っている分野及びそこの需要が拡大していくことがあるというようなお話でございますので、そこのことを主に担っている産業動物獣医師の偏在にも資するものとなるように期待していると、そういうように山本、今の現大臣がその場でお話しされている、こういう次第でございます。
#152
○儀間光男君 そんな事実を曲げて物を言わぬでもいいですよ。森山大臣が言ったこと、それから五か月後で急変してくるわけですが、その間、皆さんそういう努力はしたの。あるいは、皆さんがそう言ったのであれば、諮問委員会や文科省から来ると、いや、我々が努力をするから、配分を偏在をなくすように努力をするからちょっと待ったと言うべきではなかったかと思うんですが、その辺どうですか。
#153
○政府参考人(今城健晴君) お答え申し上げます。
 産業動物獣医師の問題、それは農林水産省の問題でございます。それをどういうふうに適切に地域に確保していくかということでございます。
 ただ、十一月九日の際のお話は、いわゆる獣医学部を新設するかどうかというお話、そこの話で、そのお話自体は文科省さんの、従来は文科省でしたし、特区という問題でございますので内閣府の御判断ということになるわけでございます。
 そこで、そういう新たな需要があるというようなお話で、そこでお決めになるという場で私どもが申し上げるのは、そういう産業動物獣医師の偏在に役立つような仕組みとしていただきたいということを申し上げたという次第でございます。
#154
○儀間光男君 努力をされたかということに答えていない。もういいですよ、また同じことですから。時間もったいない。していないんだから。
 それで、この加計学園の新設に当たって、先週の委員会で議論になりましたけれど、特徴としてライフサイエンス研究の推進とありますね。獣医師に新たに取り組むべき分野における具体的な需要に対応する、農林水産省として地域的な課題につながる仕組みになればと期待すると山本大臣はおっしゃいました。
 昨年の森山大臣の発言とは方向性が変わってきたんですね。その段階で、たとえ閉会中であっても何らかの形でこの委員会に知らしめる方策はあったと思う、取るべきだったと思うんですね。委員会がないがしろにされて今日に至っているわけです。この辺に、僕は、もっと農林水産省頑張っていただかなければ、我々のこの委員会だってその存在価値がなくなってしまうんですよ。皆さんが内閣の言いなりになるのはいいけれど、我々はそういうわけにいかぬのですよ。だから、そういうこともしっかりとしていただきたい。
 ここで聞きたいんですが、獣医師は制度上全般を診なければならないと先ほど指摘しました。それで、数も充足をしていると言いました。足りない点は努力で補うとも指摘してきました。一転して、獣医師が新たに取り組む分野の需要の高まりを受け学園設立との見解に至ったのは、今さっき言ったんですが、その経緯は経緯として、国家戦略特別区域諮問会議、そこの決定に、トップダウンで来て、皆さんが経緯を曲げてしまったというふうにしか、私、聞こえていないんですね。
 そういうことにしか考えていないんですが、聞こえていないんですが、防疫体制への対応も十分であったと取れるんですが、今なぜかと聞いたら、いわゆる大型産業動物医に偏重があるのでそれをやると、ところが全体は足りていると。獣医師は大型産業動物だけを診るわけにいきません。裏を返せば、全獣医師が全般を診ないといかぬじゃないですか。それも、職業の選択、居住権の選択権があるからなかなかできない、これも指摘しましたよ。そんな中で増やすべきだと言ったけど、頑としてはねのけられた。
 もう一度聞きたいと思うけど、文科省、いませんか、そこに至ったいきさつ。内閣府でもいい。内閣府、来ていませんか。
#155
○政府参考人(川上尚貴君) お答えいたします。
 この国家戦略特区で今回獣医学部を新設した経緯ということで私どもは承知してございますけれども、先ほど来お話も出ておりました鳥インフルエンザを始めとする国際感染症への水際対策に加えまして、創薬などのライフサイエンス研究にも社会的関心が高まっていることを受けての昨年十一月の特区諮問会議での御決定というふうに承知しているところでございます。
#156
○儀間光男君 それと、何とも不思議なのは、要員拡大、獣医師を増員しようということはもういいとして、そんなことを言いながら、加計学園に関しては、六年制で獣医学科は入学定員が百六十人、四年制の獣医保健看護学科六十人で構成すると。ここが、この次が、獣医学科には、卒業生の四国での就職を条件に三十人の四国出身者向けの地域入学枠を設けている。
 これと今までの答弁、矛盾しませんか。今まで、偏在はあるけれど、調整して増やさないと。ところが、大型産業動物を診る人がいないからやる。就職の自由が、選択の自由があったりして、なかなか首根っこを押さえては配分できないのでと言いながら、地域に限ったものをつくっていく。ならば、地域に向けてこれまでやるべきじゃなかったですか。五十数年、全然それに対する配慮がなかった。その辺を伺いたいと思います。この辺、農林水産大臣、御所見を賜りたいと思います。
#157
○国務大臣(山本有二君) 地域的偏在、そして産業動物医のバランスあるいはその減少及びニーズの高まりとのマッチングができていないこと、ミスマッチ、こういうことに対してもっと早く対処をする必要があると言われればそのとおりでございますが、大学をそのために設置するという意味におきましては所管外の事項でございましたので、こうした遅れが出てしまったというように認識しております。
 また、農林水産委員会に対して、我々としましては、特に陳情あるいは問題提起がありました皆さんに、あるいは農林水産委員会で御関心のある方々には早急に説明をすべきだったということは反省しております。
#158
○儀間光男君 今の話も含めて、四国に新設するというこの整合性について全く説得力をこれは持たないと思っているんです。理由は、九州全体あるいは西日本全体からすると、九州、鹿児島や宮崎県が圧倒的な畜産県ですよ、それらに配慮はなくて、加計にあった配慮、西日本、九州に対する不作為、加計に対する作為が感じられてならない。それにはどうお答えしますか。
#159
○国務大臣(山本有二君) まず、過不足についての判断の一つの材料に、修学資金の貸与事業についてでございますが、その意味で新規に獣医学生向けに枠を設けている畜産協会、この数で申し上げれば、おっしゃるとおり、宮崎県が四、熊本県が四、あるいは群馬県が四というように、秋田県も四というように、それぞれ皆さん逼迫感の中で危機を感じて貸与事業に移っていらっしゃるというように思っております。また、四国は四国で、それぞれの、徳島、愛媛、高知も貸与事業に申込みが増えているところは同じでございます。
 しかしながら、おっしゃるとおり、その大学定員の問題でこれに対処しようという、そのことにおきましては、繰り返しになりますが、大学についての所管が農林省にはないものですから、あくまで希望的にそうしたことをお願いするという立場でございます。
#160
○儀間光男君 ちなみに、皆さんの統計を見るというと、畜産農家は宮崎県一万一千五百六十四軒あるんです。それに対し獣医さんは四十七名ですよ。一人で二百四十六戸、農家をカバーするんですね。どだい無理な話なんですよ。
 そういうことを思えば……
#161
○委員長(渡辺猛之君) 時間が参りましたので、質疑をおまとめください。
#162
○儀間光男君 はい。今治市と加計さんと戦略特区の諮問委員会と文科省は連絡は密にされて、ただ農林水産省のみ蚊帳の外ではなかったかと思って心配なんですよ。
 そんな消極的な姿勢じゃなしに、自分たちの施策を展開される学校ですから、もっと積極的にやっていくべきだということを要求して、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#163
○森ゆうこ君 希望の会(自由・社民)、自由党の森ゆうこでございます。
 今、るる獣医学部の新設についての質問がございました。ということで、私も、通告しているんですけれども、若干省いて質問をさせていただきたいと思います。
 まず、獣医学部でございますけれども、今のいろんな御説明聞いていまして非常に不思議に思ったんですが、農林水産省におかれましては、獣医療法に基づく、これは第十条に基づく、獣医療を提供する体制の整備を図るための基本方針を変更されたんでしょうか。新たな基本方針、発表されたんでしょうか。
#164
○政府参考人(今城健晴君) お答えいたします。
 現行の基本方針につきましては、平成二十二年に策定して十年間の計画期間ということでございますので、改定しておりません。
#165
○森ゆうこ君 獣医療法第十条の三項ですね、「農林水産大臣は、情勢の推移により必要が生じたときは、基本方針を変更するものとする。」となっております。
 ということは、この獣医療を提供する体制の整備を図るための基本方針は変わっていない、変更する情勢の変化がなかったということでよろしいですね。
#166
○政府参考人(今城健晴君) 現時点においては、改定しておりませんので、そういうことでございます。
#167
○森ゆうこ君 この法律に基づきまして基本方針があり、その基本方針に基づいて各都道府県が基本計画を作成しております。
 先ほど来、獣医師の偏在、地域的偏在という話がございました。愛媛県における、特に今治におけるこの平成三十二年までの獣医師の確保に関する目標の数値につきまして、この三十二年までに何か不足するという報告、目標の中にそういう報告はあるんでしょうか。ないかは分からないね。ある、分かる。分からない。
 いや、さっきから、偏在があって、愛媛、今治不足しているんだということで、大臣はその根拠として貸与事業の数字挙げられましたけど、全く見当外れですよ。
 今申し上げました獣医療法十条に基づく基本方針、その基本方針に基づく基本計画、愛媛県どうなっていますか。今治、マイナス二となっていますよ。そして、じゃ、愛媛県全体ではどうか。ゼロです。どこに必要があるんですか。
#168
○政府参考人(今城健晴君) お答えいたします。
 先ほど来申し上げておりますとおり、平成二十二年当時の策定ということなので、当時のベースになっておりますのは平成二十一年とか、届出数でいいますと、偶数年ですので平成二十年の数字ということになると思います。
 そういう意味で、当時は、私どもの食料・農業・農村基本法等に基づきまして家畜飼養頭数を伸ばしていくというような前提で獣医師のところも考えていたんですが、現実問題としては家畜頭数は減少しているというようなこともあります。
 そういうことで、実際にその当時とは基礎となっているベースがちょっと違うということは残念ながらあるということでございます。
#169
○森ゆうこ君 御自分の言った先ほどの答弁と矛盾しているの、お分かりになりませんか。
 情勢の変化はない、だから変えてない、この基本方針はそのままだと、そして、この基本方針に基づく基本計画、各都道府県の、獣医師確保に関する基本計画そのままだと認めておきながら、何ですか、その矛盾する答弁は。おかしいじゃないですか。
 大臣、今の答弁、矛盾していますよ。そして、大臣が先ほど新設の理由とした地域の偏在、その根拠にされた貸与事業の採用、全然根拠になっていませんよ。この国は法治国家でしょう。どうなんですか、大臣の責任できちんとした見解示してください。
#170
○政府参考人(今城健晴君) お答えいたします。
 私どもの確かに基本方針を見直していないという事実ございますけど、現時点において、現場からその貸与の、奨学金を貸与してほしいということの声が上がっているという事実として先ほど来申し上げておりますので、そういうことの現状を踏まえた、愛媛県は現在、そういう地元に戻ってきてほしいという、就職してほしいということがございますので、その事業に実際に計画申請が上がってきていると、こういうふうに理解しております。
#171
○森ゆうこ君 じゃ、何ですか、農林水産省は、この獣医療法に基づく基本方針、そして基本計画、何の意味もないと、この方針、計画は何の意味もないんだ、これに従わなくていいのだと、この計画は何の意味もないのだと、そういうことを今おっしゃっているんですか。大臣、どうですか。
#172
○政府参考人(今城健晴君) 済みません、先ほど申し上げたのは、現時点で見直していないということでございます。
 確かに、現状の現場の情勢ということについては、先生が御指摘なようないろんな変化があるということを前提に考えなければいけないのかもしれませんが、残念ながら、私どもの行政としての計画策定ということの改変をいたしておりませんので、そういうことを申し上げた次第でございます。そこのところは、おっしゃるとおり、今後どうしていかなければいけないかということは検討してまいりたいというふうに考えております。(発言する者あり)
#173
○委員長(渡辺猛之君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#174
○委員長(渡辺猛之君) 速記を起こしてください。
#175
○森ゆうこ君 ちなみに、新潟は不足しておりますよ、この基本計画で。だから、全然説得力というか根拠がないんですよ。
 大臣に伺いたいんですけど、この国は法治国家じゃないんですか、山本大臣。農林水産省はそれぞれの根拠法を自分たちで決めて、その法律に基づいて計画を作り、方針を作り、そして農林水産行政を行っているんじゃないんですか。さっきの答弁は、皆さんの作ったこの法律、そして基本方針、その法律に基づく計画、それを否定するとんでもない答弁ですよ。大臣の責任で修正してください。
#176
○国務大臣(山本有二君) 森委員の御指摘は大変重要でございますので、愛媛県の現在の計画の在り方をしっかり確認させていただきまして、全体としての計画の検討に入りたいというように思います。
#177
○森ゆうこ君 いや、計画はここにありますよ。そして、法律上、情勢が変わったら基本方針を変えなきゃいけないということになっているんですよ。今ある基本方針にはどこにも、獣医師が足りないから獣医師を増やさなきゃいけない、獣医学部の新設等も検討してほしいとか、文部科学省のあれですけど、全体を増やすなんていうそんな方針になっていませんよ。どこでねじ曲げたんですか、政策を。どこで意思決定したんですか、最終的に。おかしいでしょう。
 櫻井先生の予算委員会の質問に答えて、山本幸三内閣府担当大臣が、農水大臣、文科大臣、山本幸三担当大臣、三人で会って、そして協議をしてその意思決定をしたというふうに答弁していました。
 山本大臣はそこにいた人ですから、当事者ですのでお答えいただきたいと思います。いつ、どこで、どんなふうに三者で協議して、これまでの、獣医学部の新設は必要ない、足りている、その方針を変え、そして新設をするという意思決定をされたんですか。
#178
○国務大臣(山本有二君) 獣医免許の付与等、獣医師及び獣医療に関することを担当していることから、内閣府の求めに応じて農林水産大臣として二十八年十一月九日の諮問会議に出席し、そして先ほど申し上げたとおりの現在の獣医師についての意見を申し上げ、そしてこの会議において獣医学部の新設が決定されたというように認識しております。
#179
○森ゆうこ君 それ、ちょっと違いますよ、山本大臣の答弁と。
 要するに、三者で会って、これまでの方針と全然違うことをやるわけですから、そういうオフィシャルな場ではなく、三者で会談をして、協議をして新設ということを合意したんだというふうに答弁をされていましたよ。
 あのね、大臣、大臣、御自分が出席した、御自分が三者で会ったわけでしょう。(発言する者あり)いや、あなたに聞いていませんよ。山本大臣、もう一人の山本大臣、そして松野さんでしたっけ、三者で会って協議をして、全然今までの方針と違うけど、でも、三者で合意したんだと、そういうふうに言っていましたよ。御自分が出席されているんでしょう。そういうのがないんですか。その国家戦略特区諮問会議、その十一月九日の席上しかないんですか。きちんとした合意形成はなかったということでよろしいですか。
#180
○国務大臣(山本有二君) この山本幸三大臣の答弁を見ますと、はっきりと日時は特定できませんけれども、二十日前後から、その段階で、十二月二十日前後に私が決断をし、その上で農水大臣と文科大臣に御相談を申し上げ、最終的に十二月の終わりに、十二月二十二日に、文科省及び農水省相談の上、三府省間の合意を取り付け、そして一月四日の告示ということになったわけですと、こう書いてありますので、私としても正式な会合で、先ほど申し上げました獣医師についての実情を申し上げ、しかも、この形にして意見を発表したというように思っておりまして、格別、幸三大臣及び文科大臣と正式な席で合意を手続をしたという記憶は余り、余りというか、ございません。
#181
○森ゆうこ君 ということで、それは櫻井委員に対する先日の予算委員会への山本幸三担当大臣の虚偽答弁ではないかと思いますので、民進党さんの方でしかるべき対応をしていただきたいと思います。
 ということで……(発言する者あり)
#182
○委員長(渡辺猛之君) ちょっと、速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#183
○委員長(渡辺猛之君) 速記を起こしてください。
 ただいまの発言につきましては、事実関係を含めて、後刻理事会で協議をさせていただきたいと思います。
#184
○森ゆうこ君 本当に政策がねじ曲げられている。
 何が問題かというと、要は、皆さん法律に基づいて、法治国家ですから、そして我々は選挙で選ばれた国民の代表としてこの法律を審議をする、最終的に賛否を投じる、そして決定する。皆さんは、その法律に基づいて基本方針を作り、基本計画を作り、そしてその政策の遂行を果たしていく。法律で決められているこういうものを全部すっ飛ばして、関係ないところが勝手に決めるからこういうことになるんですよ、内閣府は。
 そして、この質問をすると、もう答えていただきたいことは別にないので、どちらかがうそをついている。でも、私の記憶に基づいてと言えば全部オッケーになっちゃうのかなというばかなことはやめてほしいと思いますけれども、いいです。
 いずれにせよ、とにかく問題は、こういうふうに勝手に政策がねじ曲げられている。
 そして、もう一つ付け加えれば、私は、安倍昭恵夫人、ちゃんと証人喚問に応じるべきだと思いますよ。どうも我々選挙で選ばれた国会議員よりも多い五人もの公務員の秘書を付けてもらって、どうもシステマチックに陳情を処理していたのではないかという疑念が持たれているわけですよ。
 我々は、まあいい悪いは別として、議員として私がすごくいい議員だとか言うつもりもないですけど、少なくとも選挙によって選ばれた国民の代表です。そして、農林水産行政については、参議院はここで審議をする、法律に基づいて皆さんにやってもらう、そういう根拠を全部無視して勝手に始める。おかしい。絶対認めることはできない。
 私も、この獣医学部についての集中審議を求めたいと思います。
#185
○委員長(渡辺猛之君) 後刻理事会で協議いたします。
#186
○森ゆうこ君 それで、種子法の廃止がもうすぐ来ると思うんですけれども、食料自給率に極めて重大な影響があるというふうに思います。前回も食料自給力について質問を通告しながらなかなかできていないんですけれども、これはまた次回に回させていただいて、この日米二国間交渉について先ほど何かすごく適当なことをおっしゃっていたんですけれども、この間ちょっと質問を飛ばし過ぎてしまったんですが、日米二国間交渉、そして米国の、農業が第一のターゲットだと言っているわけですが、それは、そういうものやいろいろなものをこの間のことを鑑みて、農林水産省は米国の通商方針を特に日本の農業分野との関係でどのようにまず分析しているのか、これをお聞きしたい。
#187
○国務大臣(山本有二君) まず、ライトハイザー次期USTR候補の発言でございます。これは公聴会での発言。しかしながら、アメリカ政府、米国政府から二国間交渉について具体的要請はいまだございません。そういう段階でございます。
 その意味で、今後どう展開するかについては、緊張感を持って、しっかりと国益を守る体制で、特に農林水産品につきましては、貿易、生産、流通実態等を一つ一つ勘案して、そのセンシティビティーに配慮して対応していくという方針でございます。
#188
○森ゆうこ君 お答えになっていらっしゃらないんですけれども、当然、ああいう発言があったわけですから、これからどういうことを求めてくるのか。先ほども、先生方からいろいろな心配、御懸念の声が、本当に、舟山議員の訴えだって、我々、地域の農村、住んでいる者としては、本当に切なる願いですよ。
 分析どうなっているんですか。きちんと答えてください。どういうふうに分析しているんですか。
#189
○国務大臣(山本有二君) 四月にペンス副大統領と麻生大臣との会談がございます。そのときには、三分野、経済政策、インフラ投資、エネルギー分野での協力、貿易・投資ルールについて議論、これが詰めてなされるというように思います。そうしたこの交渉経過も注視しつつ、農林水産分野につきましての方針をしっかりと見極め、分析し、対処したいというように思っております。
#190
○森ゆうこ君 まだ分析していないということですか。
#191
○国務大臣(山本有二君) 要求が那辺にあるかというようなことも関係するわけでございますし、強い農業をしっかり守りつつ頑張りたいと思っております。
#192
○森ゆうこ君 分析、そのどういうふうな要求をしてくるのかというのをあらかじめ分析をして、そして、声が掛かるのを待っているのじゃなくて、農林水産分野が第一の標的だと言っているんだから、日本が、その対処方針をあらかじめ農林水産省の方から麻生大臣に対して、呼ばれなくても押しかけていって、こういうふうにしてください……
#193
○委員長(渡辺猛之君) 時間が参りましたので、質疑をおまとめください。
#194
○森ゆうこ君 もし出たらこういうふうにしてくださいというふうに言わなきゃ駄目だと思いますよ。
 ということを強く申し上げ、そして、獣医学部の問題、余りにもひど過ぎますよ。そのことを申し上げて、質問を終わります。
#195
○委員長(渡辺猛之君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#196
○委員長(渡辺猛之君) 次に、特殊土壌地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 提出者衆議院農林水産委員長北村茂男君から趣旨説明を聴取いたします。北村衆議院農林水産委員長。
#197
○衆議院議員(北村茂男君) ただいま議題となりました法律案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。
 特殊土壌地帯災害防除及び振興臨時措置法は、特殊土壌地帯の保全と農業生産力の向上を図ることを目的として、昭和二十七年四月、議員立法により五年間の時限法として制定され、以後十二度にわたり期限延長のための一部改正が行われました。これにより、今日まで六十五年間にわたり、特殊土壌地帯における治山、河川改修、砂防、かんがい排水、農道整備、畑作振興などの事業が実施されてまいりました。
 これらの事業により、特殊土壌地帯における災害防除と農業振興の両面において改善がなされ、本法に基づく対策は地域住民の生活向上に貢献してきたところであります。
 しかしながら、台風の来襲に伴う集中豪雨等の回数が増加する中、依然として、特殊土壌地帯において大きな被害が発生していること、農業上不利な土壌や地形条件を有している中、地域の特色を生かした競争力のある農業振興を図る必要があることなど、今なお対応すべき多くの課題に直面をいたしております。
 これらの課題に対応し、特殊土壌地帯の振興を図っていくためには、引き続き本法に基づく対策を強力に推進していく必要があります。
 こうした観点から、本案は、所期の目的を達成するため、本年三月三十一日をもって期限切れとなる現行法の有効期限を更に五年間延長して、平成三十四年三月三十一日までとするものであります。
 以上が、本案の趣旨及び主な内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いを申し上げます。
#198
○委員長(渡辺猛之君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 特殊土壌地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#199
○委員長(渡辺猛之君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#200
○委員長(渡辺猛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#201
○委員長(渡辺猛之君) 速記を起こしてください。
    ─────────────
#202
○委員長(渡辺猛之君) 次に、農林物資の規格化等に関する法律及び独立行政法人農林水産消費安全技術センター法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。山本農林水産大臣。
#203
○国務大臣(山本有二君) 農林物資の規格化等に関する法律及び独立行政法人農林水産消費安全技術センター法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 日本農林規格制度につきましては、これまで農林物資の品質基準を内容とする規格を制定し、その普及を図ることによって、品質の改善のほか、取引における供給者の説明、証明や需要者の選択を容易にするなど、円滑な取引に寄与してきたところでございます。他方、海外市場におきましては、文化や商慣行が異なる者同士の円滑な取引にとって、規格・認証が重要な役割を果たしてきております。
 現在、我が国が農林水産業、食品産業の輸出力強化に取り組む中、日本農林規格を戦略的に制定、活用すれば、海外になじみのない日本の産品や事業者の取組のすばらしさを分かりやすく訴求できるなど、その説明、証明や信頼の獲得が容易になり、輸出力強化に大きく寄与するとともに、日本農林規格を足掛かりとした国際規格化への道が開かれることも期待されるところでございます。
 こうした観点から、昨年十一月改訂の農林水産業・地域の活力創造プランも踏まえ、日本農林規格制度を見直すこととし、この法律案を提出した次第でございます。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明を申し上げます。
 まず、農林物資の規格化等に関する法律の一部改正であります。
 第一に、日本農林規格の制定範囲の拡大でございます。
 農林物資の品質基準を内容とする現行の日本農林規格に加え、新たに農林物資の取扱方法や試験方法についての基準を内容とする日本農林規格を制定することができることとしております。あわせて、産地や事業者による日本農林規格の制定の申出を促進するため、申し出ることができる原案の水準を緩和することとしております。
 第二に、新たな農林規格に対応した適合性評価及びその表示の枠組みの整備でございます。
 認証機関の認証対象を農林物資の取扱方法に拡大し、認証を受けた事業者は、その取扱方法が日本農林規格に適合することを示す適合の表示を広告等に付することができるよう措置するとともに、試験業者の登録制度を創設し、登録を受けた試験業者は、登録標章を付した証明書を交付することができるよう措置することとしております。あわせて、これらの表示、標章の保護に関する規定のほか、日本農林規格への適合性について事実に相違している不適正な表明に対する監督の規定を整備することとしております。
 第三に、目的規定の整備及び題名の改正であります。
 これらの見直しにより、日本農林規格の果たす機能が拡大することに対応し、目的規定につきましても、農林物資に関する取引の円滑化、一般消費者の合理的な選択の機会に拡大並びに農林水産業及び関連産業の健全な発展を明確に位置付けるとともに、規格化の対象が農林物資の品質以外の事項にも拡大したことが明らかになるよう、題名を日本農林規格等に関する法律に改めることとしております。
 次に、独立行政法人農林水産消費安全技術センター法の一部改正であります。
 日本農林規格を足掛かりとする国際規格の認証、試験の結果が国際的に通用するものとなるよう、独立行政法人農林水産消費安全技術センターが、認証機関や試験所を国際標準化機構の定める基準を満たしているものと認定を行うことができること等とし、その業務規定を整備することとしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容でございます。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようよろしくお願い申し上げます。
 以上でございます。
#204
○委員長(渡辺猛之君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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