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2017/04/04 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 農林水産委員会 第5号
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2017/04/04 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 農林水産委員会 第5号

#1
第193回国会 農林水産委員会 第5号
平成二十九年四月四日(火曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         渡辺 猛之君
    理 事
                舞立 昇治君
                山田 修路君
                徳永 エリ君
                紙  智子君
    委 員
                礒崎 陽輔君
                進藤金日子君
                中西 祐介君
                野村 哲郎君
                平野 達男君
                藤木 眞也君
                山田 俊男君
                小川 勝也君
                櫻井  充君
                田名部匡代君
                舟山 康江君
                竹谷とし子君
                矢倉 克夫君
                儀間 光男君
                森 ゆうこ君
   国務大臣
       農林水産大臣   山本 有二君
   副大臣
       内閣府副大臣   松本 洋平君
       文部科学副大臣  義家 弘介君
       農林水産副大臣  礒崎 陽輔君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       矢倉 克夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大川 昭隆君
   政府参考人
       消費者庁審議官  吉井  巧君
       厚生労働大臣官
       房審議官     椎葉 茂樹君
       農林水産大臣官
       房総括審議官   山口 英彰君
       農林水産省消費
       ・安全局長    今城 健晴君
       農林水産省食料
       産業局長     井上 宏司君
       農林水産省生産
       局長       枝元 真徹君
       環境大臣官房審
       議官       正田  寛君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農林物資の規格化等に関する法律及び独立行政
 法人農林水産消費安全技術センター法の一部を
 改正する法律案(内閣提出)
    ─────────────
#2
○委員長(渡辺猛之君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林物資の規格化等に関する法律及び独立行政法人農林水産消費安全技術センター法の一部を改正する法律案の審査ため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、消費者庁審議官吉井巧君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(渡辺猛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(渡辺猛之君) 農林物資の規格化等に関する法律及び独立行政法人農林水産消費安全技術センター法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○藤木眞也君 ありがとうございます。自由民主党全国比例区の藤木眞也でございます。
 これは昨日の新聞の記事ということで通告はいたしておりませんけれども、もう本当に昨日午前中から、いろいろな方から電話が殺到いたしました。日本農業新聞の一面に、優良農地の転用が可能にということで、経済産業省が進められている法律が今回出てくるということでございます。全く初耳でありまして、これに関して大臣がどのような情報をお持ちであるのか、また、どのような感度でこれに対して取組を進めていかれるおつもりなのかをお聞かせいただければと思います。
#6
○国務大臣(山本有二君) 優良農地を守るということは国の農業の基本でございます。したがいまして、その意味におきましては、守るべき場所は守らなきゃなりませんが、ただ、工場誘致あるいは今までの物流センター誘致等という古い地域振興モデルが、これが変化をいたしております。
 特に、例えばでございますが、道の駅事業等々、そうしたサービス関連産業というのも、言わば農業の盛んな地域、農村においてむしろあるべき姿ではないかというようなことを考えたときに、ひとつ農地転用でもって農業者の利益が得られるというところであるならば、そうしたこともおもんぱかって、そして地域の振興あるいは地方創生、こういった目的を達したいと、こういう所存でございます。
#7
○藤木眞也君 一種農地が今回転用ができる可能性が出てくるということで、非常に私も心配をいたします。特に、条件のいい平場の農地を使って担い手の方が大規模化を計画をされている中で、本当にその皆さん方の経営の計画が崩れていくんじゃないかという心配をいたします。是非ともこの辺はしっかりと議論を重ねてもらえればというふうにお願いをしておきます。
 一昨年のTPP大筋合意後に自民党では、今後の見通しを踏まえて農政新時代という方針を策定し、日本農業の構造改革を進めるという旗印の下、検討課題とされてきた生産資材、流通加工などの十二項目について検討を進めました。一方、政府が設置する規制改革推進会議では、昨年六月に規制改革実施計画を決定し、生乳流通改革について昨年秋までに検討、結論を得るとしました。
 こうした検討項目を抱合した形で、昨年末に農業競争力強化プログラムとして十三項目にわたり今後の農業政策における基本方向が決まったと認識しています。日本農業を強くするため、農業者が一円でも高く農産物を売り、一円でも安く資材を仕入れることができる、このような環境整備を進めるといったことや輸出促進といったことが声高に主張されております。
 こうした構造改革と農協改革は車の両輪と論調されることもあります。地域農業のみならず、地域住民の暮らしを支えてきた農協がまるで悪者のような扱いを受けるようなことがあり、現場の生産者の仲間は大変な疑問を持っているということも忘れてほしくないというふうに思います。
 さて、農業競争力強化プログラムの内容を踏まえた関連法案が今回国会で提出、審議されることになりましたが、農業者の所得向上を図るために、農業者の努力だけでは解決できない課題について立法で対処していくものと認識をしております。今後の法案審議がとりわけ農業者の所得向上に資するものかどうかという観点から質問させていただきたいと思います。
 まずはJAS法の改正のことについてお聞きをしたいと思いますが、まず、今回のJAS法の改正の目的についてお伺いをしたいと思います。
#8
○国務大臣(山本有二君) まずは農業の国内市場が縮小傾向にございます。そういう中で、農林水産業の輸出力の強化を図るということは喫緊の課題でございます。他方で、海外市場では食文化あるいは商慣行、これは国や地域によって大変差がございます。産品、取組の内容については、客観的で説得力のある説明や証明、こういったことが必要となってきておりまして、その意味で規格・認証の活用が重要な要因となっている昨今でございます。このために、輸出力強化というものについては、規格・認証をきちっと整備するということが戦略的でもございまして、また、産品、取組の強みを海外の取引先等に訴求していくことができるというような有意義な面もございます。
 そうした意味でJAS法の改正をしたわけでございますが、しかしながら現行のJAS規格の対象というものは産品の成分等の品質に限定しておりまして、例えば産品の製法や保管、輸送の方法について、これは含まれておりません。そういう意味では改正をすべきところでございます。
 こういう背景をもちまして、今回の改正は、例えばでございますが、抹茶、伝統的な製法がございます、こうしたものも規格・認証していくべきではないかと、あるいは鮮度保持の保管・管理方法、優れたコールドチェーンの展開というようなこともアピールできるのではないか、我が国の強みのアピールにつながる多様な規格ができれば、むしろ海外への輸出について戦略的な有効な手段になるのではないかということでございますので、繰り返しになりますが、輸出力強化につながるというように思っている次第でございます。
 以上でございます。
#9
○藤木眞也君 ありがとうございました。
 一方で、食品表示制度については、従来、JAS法、食品衛生法、健康増進法やその他の関連法令でいろいろと規定をされています。食品表示法により包括的で一元的な制度にしたと認識しておりますけれども、しかしながら食品の供給側からすれば、表示ルールが大変複雑化をしているというふうに思います。消費者の側から考えてみても、表示内容が容易に理解し難いような状況にあると思いますが、このような現状を役所としてはどのようにお考えなんでしょうか。
#10
○政府参考人(吉井巧君) お答えをいたします。
 これまで食品の表示につきましては、一般的なルールを定めておりました食品衛生法、JAS法、健康増進法の三つの法律の食品表示に関する規定を統合いたしまして、平成二十七年四月に新たに食品表示法に基づく包括的かつ一元的な食品表示制度を施行したところでございます。
 それまで、食品表示法制定以前は、目的の異なる三法それぞれに表示のルールが定められておりまして、制度が複雑で分かりにくいものであったという御指摘も受けておりました。このため、それぞれの法律の下に定められておりました生鮮食品、加工食品、あるいは遺伝子組換え食品等々の五十八本の表示基準、これを新たな法律に基づく食品表示基準といたしまして一本化したところでございます。
 さらに、消費者、事業者双方にとって分かりやすい表示となりますよう、従来の食品表示制度の改善等も行ったところでございます。具体的に申し上げますと、これまで任意表示でありました加工食品に係る熱量、たんぱく質、脂質等の栄養成分表示につきまして義務化をいたしますこと、また、科学的根拠に基づき、事業者などの責任におきまして食品に機能性を表示できる機能性表示食品制度を新たに創設をしたこと、さらには、個々の原材料ごとにその中に含まれるアレルゲン等が明確となるような個別表示を行うなどのアレルギー表示に係るルール改善を行ったこと等々の措置を講じたところでございます。
#11
○藤木眞也君 ありがとうございます。
 適正な食品表示というのは基本であります。流通の変化や実需者、消費者の要望により改善し拡充する中で複雑化していくことはやむを得ないと思いますが、もう一つ取組に工夫が必要ではないかというふうに思ってございます。
 JAS法規格への理解もそうですが、食品表示そのものへの理解を含めて、消費者への普及啓発という観点からどのような取組をなさっていくおつもりなのか、お聞かせいただければと思います。
#12
○政府参考人(吉井巧君) お答えいたします。
 食品表示に関する制度の内容につきましては、消費者の理解増進を図っていくこと、これが消費者の自主的かつ合理的な商品選択を確保する上で非常に重要なことであるというふうに考えております。このため、平成二十七年三月に閣議決定をされました消費者基本計画におきましても、その旨が明記されているところでございます。
 これまでも消費者庁といたしましては、新たな食品表示制度に関わるパンフレット等の普及啓発用資料の作成や全国説明会の開催等を行ってきたところでございます。今後は、消費者と接する機会も多く、食品に関する幅広い知識を有している管理栄養士や消費生活相談員など、これらの方々を重点的な対象といたしまして、食品表示制度に関する理解を一層深めてもらうことによりまして、その方々を通じた一般の消費者に食品表示制度を更に浸透するよう普及啓発に取り組んでまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#13
○藤木眞也君 ありがとうございます。
 確かに、現行の、現行といいますか、消費者の方々に分かりやすくしていく一つの方法かとは思いますけれども、今後のこれからの消費者にしっかりと認識をしていただくという意味では、私は、義務教育課程での食の教育をしっかり強化をし、国民理解を形成していくという方法も一つの方法ではないかというふうに思ってございます。是非検討をいただければと思います。
 今回のJAS法の改正については、国際的に通用する認証を目指した環境整備も行われるということで大変期待をしております。一方で、先ほど質問させていただきましたが、表示に関するルールや規格が複雑化していますので、マークが意味する内容などを含め、しっかりとした国民理解をつくっていくことも重要なことだと思いますので、これから関係省庁含めて連携しながら是非取り組んでいただければというふうにお願いをいたします。
 続きまして、これまでの規格から農業生産の工程に関するGAPの取組についてのお伺いをしたいというふうに思います。
 農業生産工程管理、GAPの取組について伺いますが、先日決定されたオリンピック・パラリンピックの食材調達基準でも関心が高まっております。こうしたGAPの認証の取得に関しまして伺いたいと思います。政府としてGAP導入の効果をどのようにお考えなのか、お聞きしたいと思います。
#14
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 GAPは安全でより良い農業生産を目指していく取組でございますけれども、国際的に通用するGAP認証の取得によりまして、最近増加している食品安全への意識が高い海外、また国内の小売業者、食品メーカーへの要求に対応できるというものになってございます。
 また、オリパラ東京大会の調達基準を満たすものといたしまして位置付けられてございますので、自らの生産物を選手村、競技会場などの食材として提供できるようになる、GAP認証を要求する国内小売業者、海外市場への販路開拓も可能になるなど、新たな販路の拡大につながるメリットがあるというふうに考えてございます。
 また、国際水準のGAPの認証を取得した生産者に対するアンケート調査の結果によりますと、販路の拡大以外に、販売先の信頼の改善、資材の不良在庫の削減、従業員の責任感や自主性の向上などといった点を経営上のメリットとして挙げる方が多いというふうに承知してございます。
#15
○藤木眞也君 東京オリンピック・パラリンピックを見据え、食材調達の基準に照らしていくと、どのようなGAP認証の普及を図っていくのか、また、GAP認証の普及に係る現行の推進体制はどのようになっているのかという点をお伺いできればと思います。
#16
○副大臣(礒崎陽輔君) お答え申し上げます。
 まず、GAPの推進、一つの目標は東京オリンピック・パラリンピック大会ということがあると考えておりますが、こうした調達基準を満たす国産農作物の供給だけではなく、農作物の輸出拡大や農業人材の育成など、我が国の農業の競争力を図る観点から、国際的に通用するGAP認証、具体的にはグローバルGAP、JGAPなどの取得の推進が極めて重要であると考えておるところでございます。
 そのために何を行うかということでございますが、一つはやはり生産者への働きかけが重要であると考えておりまして、そのために、GAPの認証取得に対する様々な補助等の具体的な支援をやっていきたいというのがございます。それからさらに、GAPにまとまって取り組む産地へ対しましては、強い農業づくり交付金等でやはり加算ポイントとして考えて優先的な採択をしていくと、そういうことも考えてまいりたいと思います。
 また、関係団体への働きかけも極めて重要でございまして、都道府県、JA、それから農業法人協会、こうしたものに対しても認証取得に対した取組をお願いをするとともに、農林水産省としてもそれに対する、関係団体に対する支援を行っていきたいと思います。
 さらに、こういう取組を通じまして、オリンピック・パラリンピック東京大会においては、日本の国産品、国産食材の魅力をアピールすることによって、必ずしもオリンピックで終わるものではなくて、オリンピック後も見据えてしっかりとした国際的な広報宣伝にも取り組んでまいりたいと思います。
#17
○藤木眞也君 ありがとうございます。
 過去五年のGAP認証取得数の推移を御報告いただければというふうに思います。また、GAP認証の有効期間はおおむね一年とお聞きをしておりますが、年間認証数のうち、どの程度が継続認証、歩留り率等々が分かるのであればお教え願えればと思っておりますが、直近の新規認証取得の件数を把握しておられれば教えていただければというふうに思います。
#18
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 グローバルGAP、またJGAPは一年ごとの審査ということになってございます。申し訳ございませんけれども、これらの規格を運営する民間団体は、年間認証件数全体に占める継続、新規の内訳は公表してございません。ただ、過去五年間の年間の認証の取得件数を平均いたしますと、グローバルGAPにつきましては平均約七十件、JGAPについては平均約五百件ずつ毎年増加している状況でございます。
#19
○藤木眞也君 参考資料にまとめてありますとおり、我が国のグローバルGAPの認証農場は現在約四百件、JGAPの認証農場は約四千件となっております。これは、全体の農業経営体数からすれば、ほんの数%、二、三%という比率になっております。
 近年、GAP認証を取得する農家が増加をしているということでありますけれども、我が国全体として認証取得が低調だというふうに私は思いますが、要因として考えられるのは何なんでしょうか。
#20
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 こういう国際的に通用いたしますGAP認証の取得が進んでこなかった主な理由といたしまして、一点目としては、国産農産物の大半が国内向けに流通する中で、国内の流通関係者からこういうGAP認証の取得が特に求められてこなかったこと、二点目といたしまして、欧米を除きます日本の農産物輸出相手国、例えば香港ですとか台湾、東南アジア等におきましては、GAPの普及が進んでおらず、輸出に際しましてGAP認証を求められることが少なかったことから、GAP認証のコストに見合ったメリットを生産者が認識しなかったことが考えられるというふうに考えてございます。
#21
○藤木眞也君 私は、一番の要因は、認証取得のメリットが何なのか、実感として農家の方が分かっていらっしゃらないという点ではないかと思います。政府がメリットとして主張する販路拡大や取得向上に直結するかという点に疑問がございます。私の知り合いにも、ここ最近、このグローバルGAPの取得に向けて取り組んでいる方、また取得をされた方、たくさんいらっしゃいますけれども、反面、もう継続認証、これには取り組まないと言われる農家の方も非常に多くいらっしゃるのが現実かというふうに思います。できれば、しっかりとした出口対策、これを確立した上で現場に落としていただければというふうに思います。
 次に、輸出促進のためには、GAP認証の取得により農産物の輸出実績や販路が拡大したという事例はよく紹介をされるところでありますが、費用対効果の面から個々の農家では取り組むメリットが低いとの指摘があるのが実態だというふうに思っております。役所としてどのように認識をしていらっしゃるのか、お伺いをしたいと思います。
#22
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 こういう国際水準のGAPの認証によりまして、輸出も含めました販路の拡大、販売先の信頼の改善などのメリットがございます。
 このように安全でより良い農業生産を目指す取組、すなわち、GAP自体は個々の農家で行うものでございますけど、その認証というのは基本的には販売する単位で取得することが合理的だろうというふうに考えてございます。また、GAPの認証の取得には、審査の費用ですとか場合によってはコンサルタント費用など一定程度の費用が掛かりますので、小規模な生産者が費用を掛けて個々に取得するのではなく、具体的な例もございますけれども、例えばJAの生産部会など販売する単位で団体認証を取得することを推進すべきだというふうに考えてございます。
 このため、生産者の費用負担の軽減を図るために団体認証の取得を推進するとともに、県、都道府県の普及指導員、またJAの営農指導員の方々による指導の実施を推進いたしますとともに、生産者の方々に対しまして認証取得後の具体的なメリットや取組の内容を丁寧に説明してまいりたいというふうに考えております。
#23
○藤木眞也君 今お話にあったように、審査費のほかにもコンサルタントの費用であるとかいろいろとお金が掛かるようであります。非常に認証のコストが高いというのが農業者の皆さん方の実感のようであります。
 例を挙げれば、最近よく、個人で取得をすると結構なお金が掛かるので組織で取ったらどうかというようなお話もございますけれども、JAのある部会でこのグローバルGAPに取り組まれた方がいらっしゃいます。十三名の部会員さんで取得に向けて、認証に掛かる費用だけでも五百四十万だったというお話でありますし、これに関しては、個々の農家は個々の農家で農業現場の改善をしなくてはいけないという別の費用が別途加算をされるという点で、特にお金の掛かられた方というのは、トイレを新設をしたり倉庫を、何か収穫物を置く倉庫と、肥料、農薬を置く倉庫を、同じ倉庫に置いたら駄目だというところで新たな倉庫の取得までしなくてはいけなかったということで、本当にこれだけのお金を掛けて取り組んで、そのお金が取り戻せるだけのメリットがあるんだろうかというのを本当に現場の方は心配をしていらっしゃいます。
 こういう意欲的にお金を掛けて取り組まれている農家の方もいらっしゃるんですけれども、そういう反面、指摘といいますか、そういうお話も出てまいります。実際として、このような点、役所としてはどのようなお考えをお持ちなんでしょうか。
#24
○政府参考人(枝元真徹君) 今御指摘いただきました審査費、コンサルタント費、このようなものが、物によりますけれども非常に高いということは承知をしてございます。そういう意味では、団体認証を進めていくというのも一つのあれでございますし、営農指導員さん、また普及指導員、改良普及員、そういう方々が指導できるとすればコンサルタントが必要ないと、そのようなことはまた進めていきたいというふうに思ってございます。
 また、御指摘がございました、例えば農薬の保管庫等々でございますけど、これはGAPの認証の有無というよりは、GAPを実践する過程で改善点が確認されて、例えば農薬を分別する、保管する場所がないだとか、小さい話だと救急箱がないとか、そういうことの場合にはこれらを用意するために一時的に費用が発生いたしますけど、これ自体は認証の有無にかかわらず改善のために必要なものでございますけれども、この費用についても補助の対象にしているところでございます。
#25
○藤木眞也君 ありがとうございます。
 補助というお話ですけれども、やはり私は、しっかりと農家の方がこれに取り組んでメリットを感じていただける、しっかりとした出口対策を国の方で進めていただく話じゃないかなというふうに思います。その辺にしっかりと力を入れていただければなというふうに要望をいたします。
 視点を変えてみたいと思います。
 今回、GAP認証の議論の中で、青森県の五所川原農林高校の取組がクローズアップをされました。すばらしい取組だと思います。この点について、先日の衆議院の農林水産委員会で政府より重要な答弁がありましたので、確認させていただきたいと思います。こうした動きについて、政府は、農業関係の学科を設置する三百六校の全ての農業高校についてグローバルGAPに取り組んでいけるように努めると答弁をされました。
 農業高校にグローバルGAP認証を取得させる目的をどう考えていらっしゃるのか、また、農業大学校や農学部を有する高等教育機関についても同様のお考えをお持ちなのかということをお伺いしたいと思います。
#26
○大臣政務官(矢倉克夫君) お答えをいたします。
 目的ということでありますが、将来の日本農業を担う若者のこれは育成であるというふうに考えております。持続性のある強い農業をつくるためには、やはり生産技術に加えまして、経営マインドや国際感覚を兼ね備えた農業人材として育成していくことが非常に重要であるというふうに考えております。先ほど挙げていただいた例などは、まさにそういった人材が育っている例であるというふうに考えております。
 国際的に通用するGAPの認証取得を経験する、このプロセス等も含めて経験するということは、こういった人材を育てる上で非常に効果が高いと考えているところであります。また、農業高校や農業大学校、さらに大学の農学部等もグローバルGAPの認証をこれ取得するように推進することは、同じような観点から重要であるというふうに考えております。
#27
○藤木眞也君 ありがとうございます。農業高校へのGAP認証の取得に関する政府の考え方としては分かりました。
 私も、三年前まで熊本県のある農業高校のPTAの会長をやっておりました。昨年の五月までは熊本の農業大学校の後援会の会長も務めてまいりました。そういう中で、やはり農業高校の生徒さんというか、農業高校の学校自体にこのGAPの取得というのはかなり私はハードルが高いんじゃないかなというふうに思います。
 一番私が懸念をするのは、今農業高校の現場で、予算が非常に厳しい中で農業機械の更新すらままならないというような現象が現れております。私は、できることでしたら、農業高校に通われる生徒さん方は、最新の機械で最新の農業環境の中で、農業経営というのはこういうものなんだよというような教育をまずは行っていただくことが先決ではないかなというふうに思いますし、そういう環境整備ができて次にそのような次の手というのは考えていただく必要があるんじゃないかなというのは本当に現場の切実な思いだというふうに思ってございます。
 特に、多くの農業高校、今定員割れをして、生徒さんをどのように集めていこうかというような、非常に別の意味で重たい課題も抱えられている中で、このような新たな取組を国の方から提案をされるというのがどれほど先生たちにとって重荷になるのかという点も同時に考えていただきながら今後進めていただければなというふうに思います。当然、そのGAPを取っていくということの必要性辺りは学科の方ででも教えていただければ生徒さん方も理解はしていただけるんじゃないかなというふうに思います。余力のある学校は、当然、その五所川原農林のように取得に向けて取組をされる学校もあってもいいのかもしれませんけれども、一律にというのはなかなか私は問題があるんじゃないかなというふうに思ってございます。
 今回の法改正によるJAS規格の拡充や国内のJGAP認証を国際規格として進化させていくため、齋藤副大臣より、国際交渉と同様の体制ということで、国内部局と国際部局が連携して強い体制で臨んでいくという力強い発言がございました。私もそのとおりだと思います。
 できれば、民間のいろいろな小さいGAPをそれぞれ取得をしていくというような話ではなくて、できれば日本からの提案で国際的に統一のルールの中でこういう認証制度が生まれていければなというふうに思いますし、できれば民間の団体でこういう認証をしていくのではなくて公的機関で行っていただくことによって取得の費用辺りも相当低減されていくんじゃないかなというふうに思います。
 この辺について国としてどのような今後のお考えをお持ちなのか、お聞きをしたいと思います。
#28
○副大臣(礒崎陽輔君) お答えいたします。
 衆議院の委員会の方で齋藤副大臣から、JGAPアドバンスの国際規格化について国際交渉と同様の体制で臨むという答弁をさせていただきました。私も全く同じように考えておりまして、このJGAPアドバンスの国際規格化をやっぱり徹底的に頑張っていくことが私は必要だと思います。
 そのためには、二月下旬にGFSIの新審査基準というものに対応したJGAPアドバンスの規格の改定と、それから早期のGFSI承認申請に向けた日本GAP協会への支援というのをまずやっていきたいと思います。
 それから、東南アジアでは我が国がかなりの力を持っておりますから、東南アジアのデファクトスタンダードということで、特にアジアでの日本のJGAP、GAPの宣伝をしっかりとやっていかなければならないということを思います。
 それからさらに、国内でも、先ほどから御指摘ありますように、まだまだ浸透していませんので、JGAPアドバンスの認証取得の拡大ということに頑張って、こういうところに取り組んでいかなければなりませんが、GFSIと日本との関係強化を行っていきたいと思います。平成二十九年にはGFSIの日本食品安全会議が、三十年には世界の食品安全会議が日本で開かれることになっておりまして、こういうところでその開催の協力をするとともに、我が国のJGAPのアドバンスの宣伝、広報にも努めてまいりたいと思っております。
 こうしたことを含めまして、民間団体ともしっかり連携をしながら、JGAPアドバンスの国際規格化に一生懸命取り組んでまいりたいと思います。
#29
○藤木眞也君 ありがとうございます。是非、日本提案の世界基準につながるような取組を行っていただければと思います。
 また、既に多くの産地でGAPに取り組んでおられます。オリンピック・パラリンピックは日本の農畜産物を売り出すチャンスでありますが、それには農業現場レベルでGAP認証に適合した形で生産体系を変えていかなければなりません。現時点で、大会終了後にどうなるか分からない、出口が見通せないという声が相当あるのも事実でございます。
 食の安全基準について厳しい欧州では、農業生産の現場だけでなく、外食産業を巻き込んだ取組が図られていると耳にしたことがございます。消費者も、レストランでどんな食材を使っているのかに非常に関心が高いと聞いております。日本は、生鮮食品にのみこうした関心の対象が向けられているような気がいたします。我が国においても、農業サイドだけではなく、外食産業を含めて食品産業全体の取組として進める必要があるのではないかと思います。
 グローバルGAPがまだ十数万件、十五万件という数、取得認証の農家数でありますけれども、果たして本当の世界的なスタンダードなのかという点も検討の余地があると思います。こうした点を踏まえ、生産現場の実態に配慮した形で普及に努めていただきたいというふうに思ってございます。
 続きまして、輸出促進についてお伺いをしたいと思います。農林水産物の輸出促進対策についてお伺いをいたします。
 海外に打って出るとのことで、政府は平成三十一年に農林水産物・食品の輸出額を一兆円にするという目標を掲げておられます。そのために、輸出体制の整備を進めるとともに、日本版SOPEXAを創設するとしています。こうした政府の輸出促進戦略はどのような方に対するメッセージなのでしょうか。具体的には、食品関係の会社であったり農業法人であったり個々の農家であったりという点がよく分からないというふうに思います。三十一年の目標値について是非ともお伺いができればというふうに思います。
#30
○国務大臣(山本有二君) 御指摘の昨年五月に取りまとめられました農林水産業の輸出力強化戦略、この強化戦略と申しますのは、輸出を実行していく主体でございます農林漁業者の方々あるいは食品事業者の方々、そういう方々のチャレンジの意欲、これを一層引き出しまして、取組が更に進むようにという考え方で、政府の支援、国・地域別の課題、取組、そういうものをまとめて発表したところでございます。
 このため、この戦略に基づく取組の推進に当たりましては、多くの農林漁業者等にこの戦略を知ってもらう必要がございまして、御指摘のとおりでございますし、輸出の意義あるいは戦略の理解、これを深めていくことが何より重要でございます。その意味で、農林漁業者等を対象として説明をする必要がございますので、全国の地域地域で説明会の開催をさせていただいておりまして、地方九ブロックの説明会、道府県単位で三十五か所での説明会、今までで約四千人の方々に御説明を申し上げました。また、情報誌で、農林水産物等の輸出促進のメールマガジン、登録者数は約一万でございますが、情報発信をさせていただいております。
 こういうように周知に努めているわけでございますが、何より、やはりその輸出力強化戦略、これが着実に実行する、そして農林漁業者の所得が向上するというところまで達するには緒に就いたばかりでございまして、今後努力を重ねていきたいというように思っている次第でございます。
#31
○藤木眞也君 ありがとうございます。
 特に、農家の所得向上に直結するという観点でいうと、野菜、果樹や畜産物の輸出額を現行水準からどのように引上げをしていこうというふうに考えていらっしゃるのか、お伺いをしたいというふうに思います。
#32
○政府参考人(井上宏司君) 平成三十一年の一兆円という目標の内訳といたしまして、それぞれの主要な品目ごとの目標の数字があるわけでございますけれども、例えば青果物で申し上げますと、一兆円の中の青果物についての目標額が二百五十億円ということになっておりますけれども、これにつきましては、既に昨年二百五十五億円ということで当初の目標を超えているといったようなものもございます。また、例えば牛肉につきましては、目標額が二百五十億円でございますけれども、実績は百三十六億円ということで、今の時点では目標の五四%にとどまっておりますけれども、近年伸びてきているといったように、品目ごとに目標を達成しているものもあれば更に努力を要するものもございまして、現在、品目ごとのこれまでの状況を踏まえながら、今後の目標も含めた対応方針について検討をしているところでございます。
#33
○藤木眞也君 ありがとうございます。
 農家の皆さんは、政府が言われる輸出促進という言葉に余りぴんときていらっしゃらないのではないかというふうに思います。自分の作った農産物を誰が輸出して、実際に手取りがどれくらい増加するのか、現時点では全く分からないというような声も聞こえてまいります。国からの掛け声だけで、現場が非常に混乱をしているというようなところも感じるところがございます。是非、その辺しっかりと対応を取っていただければというふうに思います。
 もう少しハラールの部分まで質問したかったんですけれども、時間になりましたので今日の質問は終わりにさせていただきますけれども、是非とも、輸出に関しては、やはり農家の皆さん、また流通業者の皆さんだけではどうしてもクリアのできない部分ございます。検疫部門であったり関税の部分、しっかり国の方でも対応を取っていただきながら、全ての皆さんが同じ方向を向いて取り組んでいけるような環境整備を今後とも役所には取り組んでいただければというふうにお願いをいたしまして、私の質問を閉じさせていただきます。
 ありがとうございました。
#34
○進藤金日子君 自由民主党の進藤金日子です。
 本日は、質問の機会を与えていただきました理事始め先輩議員の皆様方に感謝を申し上げたいというふうに思います。
 本日は、農林物資の規格化等に関する法律等の一部改正案、いわゆる改正JAS法の審議を行うわけでございます。その審議を行うに当たりまして、私の質疑、十分な時間を頂戴いたしましたので、現行JAS法の制定経緯やこれまで果たしてきた役割等の評価をお伺いし、こうした評価が改正JAS法案にどのように反映されているのか、そして今回の改正法案が我が国の農林水産物や食品の輸出を促進していく上でどのように機能するのかについて、改正法案の細部の確認も行いながら質疑を進めてまいりたいというふうに思います。
 JAS規格制度は、JAS規格を満たしていることを確認した製品にJASマークを付けることができる制度であります。JASマークが付けられている製品は一定の品質や特色を持っていることから、消費者が買物で商品を選んだり事業者間で取引をする際に、JASマークが付いていることを目印にすれば便利だというふうに言われております。
 お手元に配付した資料を御覧いただきたいというふうに思います。
 一概にJAS規格といっても各種規格があるわけでございます。最も認知度が高いと思われるのが一般JAS規格でありまして、これは、成分、品位、使用される原材料など一定の品質を満たす農林物資であることを示すもので、例えば、下に例がありますけど、しょうゆ、こういったものに付けられているものがあるということです。また、食料缶詰だとか、これは即席麺に結構付いているんですね、即席麺などにも表示されている例、これ多く見られるわけであります。
 また、有機JASと特定JAS規格というものもあるわけですけれども、これは、熟成、有機など、特色があり、品質が高まる方法により生産され、又は流通する農林物資であることを示すものでありまして、有機JASについては、ここには例二の方に挙げておりますけど、こういった例がありますし、特定JAS規格については、これ今、地鶏の肉の例がありますけど、こういったものに付けられているということがあるわけであります。
 そこで、こうしたJAS規格、今も運用されているわけでございますが、このJAS規格の根拠法であります現行JAS法制定の経緯と、これまでも改正されたと思いますけれども、改正の内容についてお聞かせ願いたいというふうに思います。
#35
○国務大臣(山本有二君) JAS法でございますが、まず、戦後の混乱期、昭和二十五年にまがいものが横行したことが背景にございます。農林物資の品質の改善あるいは取引の公正、こういうことを図るために、JAS規格制度を内容とする農林物資規格法というものが制定されました。
 その後、消費者保護基本法が成立したわけでございますが、消費者保護の観点というのが大事になりましたので、昭和四十五年に、一般消費者が品質を識別するために必要な表示を事業者に義務付ける品質表示基準制度を導入いたしました。したがって、このJAS法は題名を農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律というように改変されたわけでございます。
 さらに、時代は進みまして、食生活や消費者ニーズの変化というものが著しかったわけでございますが、平成五年及び十七年に、JAS規格として定め得る品質の基準の範囲を農林物資の成分等以外にも拡大するというような制度改正を行ったわけでございます。
 また、認証の枠組みにつきましても、平成十七年には、国、都道府県等による格付制度が廃止されまして、登録認定機関制度に一元化をされております。そして、平成二十五年、これに、食品表示の一元化というものの社会のニーズがございまして、食品表示法の制定がございました。そこで、このJAS法にある飲食料品の品質表示基準制度、これを、同法、つまり食品表示法、これに移管したものですから、JAS法にはこの表示法の機能はなくなり、農林物資の規格化等に関する法律というように改称されたわけでございます。そして、今に至っているわけでございます。
 以上でございます。
#36
○進藤金日子君 大臣、分かりやすくて御丁寧な御答弁、本当にありがとうございました。
 現行JAS法は昭和二十五年に制定された法律でございますが、大臣言われたように、当時は戦後の食料難の時代であって、まがいものという、いわゆる粗悪品を排除していくといった側面もこの法律制定の背景にあったんじゃないかというふうに思います。また、御答弁いただいたように、特に昭和四十五年の改正、品質表示といったように、時代の要請に応えながら累次の改正を行い、今まさに大改正に至ったということのように思っております。
 次に、現行JAS法の果たした役割といったことにつきまして、どのように評価されているのか、お聞かせ願いたいと思います。
#37
○政府参考人(井上宏司君) 現行JAS法でございますけれども、戦後間もなくの、まさにまがいものが流通をしていた時代以降、品質に関する規格を制定をしましてこの認証を行うということで、農林物資の品質の改善に貢献をしてきたと思いますし、また消費者の合理的な選択あるいは取引の円滑化に寄与してきたものと評価をしておりまして、この役割は引き続き重要だと考えております。
 一方で、近年の国内外のニーズを見ますと多様化をしておりまして、品質が必要最低限のものならばいいというよりは、ほかとどう違う管理がされているのかとか、あるいは鮮度はどうなっているのかとか、あるいは試験のデータというのは本当に正しい試験に基づいて出されたデータが表示されているのかといったような、より消費者等が見る目というのが多様化をしている中では、これまでのようなJAS規格で定め得るようなものについての成分であるとか原材料等だけでしか基準が作れないという規格の限界も現れてきているというふうに考えてございます。
#38
○進藤金日子君 ありがとうございます。
 まさに現行JAS法の目的規定にあるように、農林物資について、品質の改善、生産の合理化、取引の公正化、今局長からお答えいただきました使用や消費の合理化、こういったことに大きく貢献して、やはり一般消費者の農林物資の選択にも役割を果たしたということではないかと思います。総じて見れば、やはり生産者と消費者双方にとって一定の効果があったということだろうというふうに思います。
 また、今御答弁いただいたように、国内外のいわゆるニーズが多様化していて、特に消費者の目というものが多様化し、ある意味厳格化しているということも踏まえて今回の改正に至ったということだというふうに思うわけでございますが、この現行JAS法の評価を踏まえまして、改正JAS法案に何を反映しているのか、具体的な内容をお聞かせ願いたいと思います。
#39
○政府参考人(井上宏司君) 今回の改正案におきましては、農林物資の品質以外にも、生産の方法、管理の方法、試験の方法といったような新たなJAS規格の類型を創設をすることとしておりまして、これを活用して我が国の強みのアピールにつながるような多様な規格を定めることとしてございます。
 また、国内外の多様なニーズを的確に捉えまして、効果的に強みのアピールにつながるような規格を作るためには、民間あるいは生産者の方等からの提案を受けて規格を検討するということが重要になってくるわけでございますけれども、現在のJAS法におきましては民間からの提案が行われにくい仕組みになっておりますので、これについて、JAS規格に提案ができる原案の水準を緩和するといったことも今回の改正案の中に入れさせていただいてございます。
#40
○進藤金日子君 ありがとうございました。
 そこで、今国会には農業関係の法案八本提出されているわけでございます。どの法案も農林水産業・地域の活力創造プランを実現していく上で重要な法案であるというふうに理解しておりますけれども、この時期に現行JAS法を大改正する理由、これ、もう今累次お答えいただいておりますが、また整理する意味で、この時期になぜ大改正するのかという理由、これ、あえて確認させていただきたいと。
 また、今回、改正JAS法案と今回提出の他の農業関係法案はほか七本あるわけですけれども、それとの関連についてお聞かせ願いたいと思います。
#41
○副大臣(礒崎陽輔君) お答え申し上げたいと思います。
 もちろん、法律の改正には複数の目的があるわけでございますが、ただ、一番大事なのが、今回、やはり国際的に日本の農産品を打ち出していくということは一番の重要点でないかと考えております。特に、国内市場が縮小傾向にある中で、我が国の農林水産物・食品の需要拡大に向けまして農林水産物の輸出拡大を図っていくことが国全体としての大きな目標でないかと思っております。
 国際的には、価値観、文化、商慣行が異なる中で、様々な情報や信頼を担保するための規格であるとか認証の方法が発達いたしております。そうした中で、我が国の輸出力を向上するためにも、これらの規格を戦略的に用いるような環境の整備をすることがあるわけであります。その中で、今回、単なる品質だけではなくして、製造方法であるとかあるいは輸送・管理方法、そういったものも含めた新しい規格を設けているわけでございます。
 特に、昨年十一月に決定された農業競争力強化プログラムの中で、戦略的輸出体制の整備の一環としてJAS法に基づく制度の在り方を見直すことを位置付けておりまして、こうした我が国の産品を国際的にもアピールできるJAS規格を戦略的に用いることができるよう、今回の法改正をお願いをいたしているところでございます。
 これらの改革は、これらの農業競争力強化プログラムに基づく今回多くの法律を国会に提出させていただいておりますけど、最大の目的はやはり農業所得の向上にあるということはもう何といっても重要なことでありまして、JAS規格、そのままですぐに所得に直結するわけではありませんけれども、今言ったような国際戦略の中で重要な役割をこのJAS規格も担っていただいて、究極的には農業所得の向上につながるように努力していかなければならないものと考えております。
#42
○進藤金日子君 ありがとうございました。
 これまで、現行JAS法の制定経緯やこれまで果たしてきた役割等の評価をお伺いいたしました。そして、こうした評価が改正JAS法案にどのように反映されているかについて確認させていただきました。
 ここで、法案の細部に入りたいというふうに思います。
 現行法にも改正法案にも日本農林規格による格付が規定されているわけであります。まずは、現行JAS法における登録認定機関の国内、外国別の業態別機関数と被認定事業者の数がどれくらいあるのか、お聞かせ願いたいと思います。
#43
○政府参考人(井上宏司君) 現行のJAS法の下におきます登録認定機関でございますけれども、これは農林物資の別に五つの区分が存在をしております。飲食料品、畳表、林産物、生産情報公表牛肉等、それから最後に有機食品及び地鶏肉等という五区分がございますけれども、この五区分に即して国内の登録認定機関の数について申し上げさせていただきますと、飲食料品の関係が十四機関、畳表が三機関、林産物が三機関、生産情報公表牛肉等が十三機関、有機食品、地鶏肉等が五十七機関の、国内の登録認定機関は合計九十機関でございます。
 また、外国の登録認定機関でございますけれども、こちらは、林産物が十機関、有機食品、地鶏肉等が十三機関の合計二十三機関でございます。
#44
○進藤金日子君 ありがとうございます。
 やはり今、五区分の中で有機の部分が相当多いということが分かったわけであります。また、やっぱり外国のところは林産物のところがちょっと特徴的だということが分かりました。
 次に、改正JAS法案におきます登録認証機関、これ、今回の法改正では認定を認証機関というふうに改めておりますけれども、この登録認証機関の、同じように国内、外国別の業態別機関と被認証事業者、これ今回の改正においてどのようになっていくのか、なかなか難しいところはあるかもしれませんが、その動向の見込みをもしよろしければお聞かせ願いたいというふうに思います。
#45
○政府参考人(井上宏司君) 今回のJAS法改正によりまして、先ほども申し上げましたとおり、農林物資の品質についての規格のみならず、生産方法や管理方法などの多様な規格が制定できるようになります。
 したがいまして、これで今回の改正がなされましたならば、その規格について認証を受けられる事業者の方、被認証事業者につきましては、これまでは食品製造業者が比較的このJAS規格の認証を取られている事業者の方として多かったわけでございますけれども、これまでJAS規格の認証事業者となりにくかったような農林漁業者の方でありますとか、あるいは農林水産業に関連する輸送・保管業者といったような方も国内を中心に広く対象になってくる、増加をしてくるというふうに考えてございます。
 また、今申し上げましたのは認証を取られる事業者の方でございますけれども、認証を出す方の登録認証機関につきましても、対象の規格が今回広がることに伴いまして、現在登録認定機関になっている機関に加えまして、例えばISO規格についての認証業務を行っているような国内の機関であったり、あるいは今回試験の方法についての規格等も整備することになってございますけれども、それとの関係で、食品成分の分析を行っているような機関、こういったところが新たに登録の認証機関に入ってくる可能性があるというふうに考えてございます。
#46
○進藤金日子君 ありがとうございます。
 今御答弁いただいたように、相当数の登録認定機関なり被認定事業者が存在するわけでございますけれども、今回の改正によりまして、両者ともこれ、相当幅も広がっていくということでありますから、増えていくんじゃないかということで、やはりそういった見込みがある中で、今回の改正という中では、実務を担っているその関係機関だとか事業者の実際の声がどうなっているかということ、これはしっかりお聞きすることが大切ではないかなというふうに思うわけでございます。
 これはしっかりと多分お聞きしているということの前提で恐縮でございますけれども、今回の改正作業に当たりまして、登録認定機関、被認定事業者、あるいは一般の事業者の方々の意見聴取を行ったというふうに思いますけれども、こうした方々の実感としての御意見、この具体的な内容をお聞かせ願いたいというふうに思います。
#47
○政府参考人(井上宏司君) 今回の改正内容の検討に当たりましては、まず原案を作る段階で、登録認定機関あるいは現在認定を受けられている被認定事業者の方々を含む約五十の事業者の方から、あるいは機関の方からヒアリングを行った上で原案を作りまして、さらに、この原案から成案を作っていく過程では約五十回にわたりまして、業界団体、個別企業、試験研究機関、自治体、消費者団体に説明を行い、御意見を伺って、今御提案を申し上げているような案を作ってきたという経緯がございます。
 その過程で出された主な意見でございますけれども、例えば輸出を目指す食品については全てJAS規格を整備すべきだといった意見、あるいは日本産品を特徴付けるJAS規格を作って海外にアピールすべきといった意見、あるいは機能性食品の認知度が海外で今後高まってくればその試験方法の規格が必要となるのではないかといった等、様々な御意見をいただいたものでございます。
#48
○進藤金日子君 ありがとうございます。
 もう原案段階で五十の事業者の方の御意見を聞き、成案に至るまで五十回、これは幅広に、個別事業者から消費者団体あるいは地方公共団体まで幅広に御意見を聞いたということですので、相当丁寧に意見をくみ上げ、またキャッチボールしながら今回の改正案に至ったのではないかというふうに推察するわけでございますけれども、やはり今お聞きしますと、意識の高い事業者というのは、日本の農林水産物とか食品を輸出拡大するには、やっぱり自らの産品だとか自分たちがしっかり特徴的に行っている取組をアピールしたいんだという思い、要は、輸出業者の方々含めて他国の産品と競争する際に、やっぱり日本産品、この差別化を明確にしないといけないんだと、日本産の良さを客観的な規格として表示したいという意向があったということが表れていたのかなと、そういったことを踏まえて今回の改正に至ったのかなということが私なりに今理解できたところでございます。
 こうした中にありまして、改正JAS法案に今度、今も試験の話があったわけですけれども、新たに日本農林規格による試験等というところ、これ追加規定されております。この理由をお聞かせ願いたいというふうに思います。
#49
○政府参考人(井上宏司君) 我が国の産品の優れた点を海外の市場で効果的にアピールをしていくためには、その強みを客観的に裏付ける科学的な根拠を示すということが重要と考えられます。したがいまして、今回の改正案におきましては、農林物資の品質に加えまして、新たに農林物資に関する試験、分析、測定などの試験等の方法についてのJAS規格を定められるということにしておりまして、これによりまして、標準化された試験方法によって共通の物差しで産品の優劣が比較可能になるようにすることとしているものでございます。
#50
○進藤金日子君 ありがとうございます。
 今キーワードを、客観性あるいは科学的知見ということ、ここをしっかりと客観的に訴えていくということ、この必要性の中からこのような追加規定があったということだろうというふうに思います。
 やはり規格の試験ということになってきますと、私の専攻は農業土木、土地改良なわけでございますけれども、学生時代に土質試験というのがあるわけです。これは、土粒子の密度だとか土の透水性を測る透水試験とか、あるいは土がどれだけ支持力があるのかという一軸圧縮試験とか、そういうのがあるわけなんです。これは、試験ごとに細かく日本工業規格、JIS規格の中で定められているんですね。極めて厳格で、誰がしっかりやってもこの手順にのっとってやれば結果が同じ、評価できるというような、そういったことになっているわけであります。
 そういうことを思い出しながら、今回の改正JAS法案の試験業者は、これ、あらかじめ農林水産大臣の登録を受けることになっておりますけれども、まずは何を試験項目として、そしてそれらの項目についての具体的な試験の手順をいわゆる科学的知見に基づいて標準化していくという作業、これ出てくるんだろうというふうに思います。多分専門家による審議会等での審査も必要になってくるんでしょうし、そこでオーソライズされていくということも必要になってくるんだと思います。これは大変な作業になると思いますけれども、是非ともスピーディーかつ的確に運用できるようにお願い申し上げたいというふうに思います。
 さて、本法案につきまして、山本農林水産大臣から提案理由を説明いただいた際に、我が国が農林水産業、食品産業の輸出力強化に取り組む中、日本農林規格を戦略的に制定、活用すれば、輸出力強化に大きく貢献するとともに、日本農林規格を足掛かりとした国際規格化への道が開かれるといった力強いお言葉を述べられたわけでございます。
 昨年十一月に農林水産業・地域の活力創造本部により取りまとめられました農林水産物輸出インフラ整備プログラムにおきましては、ハード面の施設整備と一体的に行うソフト面の対策が重要であり、特に輸出サポート体制の整備、いわゆるソフト面のインフラ整備としてこれは二点挙げられております。一つが事業者等へのサポート体制の整備、そして二点目が制度・手続面の整備、改善。これは二点を当面の具体的な整備案件として位置付けられております。
 今回の改正JAS法案の取組は、私なりにはこの制度・手続面の整備、改善の一環であると理解しておりますけれども、事業者等へのサポート体制の整備をどのように進めていくかということ、これも非常に大きな課題であるというふうに考えているわけであります。
 生産者の所得向上につながる日本産農林水産物や食品のブランディングだとかプロモーション、そして輸出業者へのサポートを早急に強化するということで、これは先ほど藤木委員からも少し質問あったんですけれども、質問の中で触れられましたけれども、フランスのSOPEXAをモデルにした日本版のSOPEXAを早期に創設するということにこれなっていたわけでございます。
 この日本版SOPEXAでございますけれども、つい最近、四月一日に、日本食品海外プロモーションセンター、これJFOODOというふうに言われるそうなんですけども、これ創設されたということをお聞きしているわけでございますが、このJFOODOのプロモーション活動と今回の改正JAS法案との関係、これ是非お聞きしたいというふうに思います。
#51
○国務大臣(山本有二君) 御指摘のように、ジェトロに四月一日から一つの組織として新設をさせていただきまして、JFOODO、フードに加えて道という、食の道という意味でフードーということでございます。
 これは日本食品の海外プロモーションセンターという機能を備えておりまして、詳しく申し上げますと、海外市場の詳細なニーズ把握、あるいは現地の卸、小売、外食事業者の情報の徹底調査、そして、どの国に何を売り込むかといった日本産品のプロモーション、ブランディング戦略の立案と実行、さらには、事業者への相談対応あるいは継続的な商談というような取組をしていただくわけでございますし、今まで以上に農林水産物ということに特化していただいて、更に具体的に売っていただくというようなことをお願いをして、そして、このセンター長には、小林さんという商社の方でございまして、日本貿易会の会長さんということでございますし、またその部下の方も外部から、商社的な海外の市場に慣れた方という人たちを、人材を得たいというように思っております。
 また、このJFOODOのプロモーション活動の具体的内容を見てまいりますと、今回の法改正で、JAS規格の対象品が我が国の国産品の農産品のアピールになるような生産方法あるいは管理方法に拡大されております。その意味で、このプロモーション活動においても、JAS規格を意識しながら、そしてそれを効果的に活用するという前提に立ってこの仕事をやっていただきたいというような関連を付けておる次第でございます。
#52
○進藤金日子君 大臣、ありがとうございました。
 このJFOODO、何かJフードだと思ったら、フードプラス、今大臣言われているように、道、ドーということなのでJFOODOと、こう今お聞きしたわけでございますけれども、是非とも、今JAS規格というものを意識した中での取組をされるということでございますので、機動性と実効性のある組織となりますように、これはもちろん、今、小林さんという日本貿易会の会長がセンター長ということを今言われましたので、これはまさに民間組織ということだと思いますが、民間組織としての自主性だとか自由度、これはもうしっかりと確保していく中にも、やはり適時適切な国の支援ということも必要なんだろうというふうに思います。その辺につきましてもよろしくお願い申し上げたいというふうに思います。
 JFOODOもできまして、今度は本格的に日本産の農林水産物や食品の輸出促進が図られていく、これはまさにこの体制が整いつつあるということだというふうに思うわけでございますが、そうした中で、日本産なんだという強み、ここを、今までやっぱり日本国内の中では、いや、これは日本産なんだから、日本で作ったんだからいいものに決まっているんだと、何となくこの雰囲気だとかそういった言葉で説明していたところを、今度はもう科学的知見に基づいて客観的な規格として表示していくということになるわけですので、これは本当にますます重要なことになるんだろうというふうに思っております。
 そこで、新たなこのJAS規格を国際規格化していくということが極めて重要になってくるわけでございますけれども、そのためには、国際規格化にするという強い意思が必要なんじゃないかというふうに思います。そういった中で、この緻密な戦略とロードマップが私は不可欠というふうに考えるわけでございますが、農水省のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#53
○国務大臣(山本有二君) もうおっしゃるとおりでございまして、まず品目ごと、また技術担当部局がJAS規格の担当者等と官民連携の体制を取らなければなりません。また、国際規格化に向けた目標とかロードマップという基本戦略を他者に分かるようにしながら全体で進めていく必要がございます。さらに、日英の二つの言葉による規格を作成するという大事なこともしなきゃいけませんし、特にアジアなど海外の支持層が増えている中にJASを、これを認めていただく支持層を更に増やしていくという戦略が必要でございます。
 こうしたことの上に立って平素からまた次のことをしなきゃならぬと思っております。内外における規格・認証に関する情報の収集、蓄積、アジアを始めとする海外諸国、国際機関などの海外との関係の構築強化、次に、規格化のニーズ、シーズを顕在化させて、国際規格化への体制をつくりやすくするための国内関係者のネットワークの強化、さらには、規格・認証に精通した国際的に活動できる人材を継続的に確保するための人材育成、こうしたことを平素は行っていく必要があろうと思います。
 いずれにしましても、JAS規格が国際規格化を戦略的に進めることが可能となるならば、輸出は相当私は伸びてくるものというように期待しておるところでございます。
#54
○進藤金日子君 大臣、ありがとうございます。
 私は、この国際規格化ということでいいますと、ISOが日本にどんどん入ってきた頃を思い出すわけであります。あの当時、デファクトスタンダードということでどんどんどんどん事実化されていきながらそれが標準化されていく、そういった議論の中で、よく一般論として記憶しているのが、例えばオリンピックで金メダルを取るために何をすればいいのかという質問をすると、日本人はトレーニングをするんだというふうに答えるんだそうです。ところが、欧米はルールを変えることだと答えるというわけであります。やはり国際の中で勝っていくということになってくると、ルールを変えるというのは、これは意図的にということではなく戦略性を持ってということなんだろうと思います。
 今大臣言われたように、やはり国際規格化するためには、日本人特有の、とにかくもうみんなで努力して訓練をしてやっていくんだという、これ気合は重要なんですけれども、やっぱりこの緻密な戦略、今大臣言われたような戦略に基づいて進み、評価し、改善し、そして広めていくということが極めて重要ではなかろうかというふうに思っていますので、ここは大きなポイントだと思いますので、是非この戦略を持って取り組んでいただければというふうに思っております。
 今申し上げたこの国際規格化ということ、これはある意味高い目標をということになるわけです。これに向かって我々邁進していかなければならないんですが、一方で、足下をちょっと見たときに、JASについての国民の認知度、これは、存在自体の認知度は私は比較的高いものだというふうに思っております。しかしながら、この必要性だとか役割といった理解度は必ずしも高いとは言えないんじゃないかというふうに思うわけであります。
 その辺につきまして、農水省の御見解をお聞かせ願いたいと思います。
#55
○政府参考人(井上宏司君) JASにつきましては、事業者のレベルでは、物等を納めるサプライヤーの側の企業等では品質管理の基準として使われたり、また物を調達をされるバイヤーの側の調達基準として使われたりということで、取引においての説明、証明の手段として活用されておりまして、一定程度の認知がされているということかと思います。
 他方、一般の消費者の方につきましては、昨年農林水産省で実施をいたしましたアンケート調査によりますと、JASマークについては八割以上の方が知っていると。ただ、このJASマークが何を意味しているのかということまで知っている方は約四割にとどまっているということがございます。これはほかの民間会社等による調査におきましても同じような傾向が出てございます。
 こういう状況を踏まえまして、今回のJAS制度の見直しに併せまして、一般の消費者の方にとっても一見してそのJASマークが一体何を証明している、何を示しているのかというのが分かりやすくなるようなJASマークの標語の付け方といいますか、といったような見直しを行ってまいりたいと考えてございます。
#56
○進藤金日子君 ありがとうございます。
 この食品表示の問題、先ほど藤木委員の方からも質問ありました。やはり、藤木委員言われた義務教育での食の教育の中でしっかりやっていくということも含めて、これ重要なことだなというふうに思います。今御答弁いただいたように、事業者は八割認知しているけれども、一般の人は理解としては四割ぐらいということですから、そこをやはり広めていく中において、国内においてもJASの差別化ということができてくると思いますので、そこがあって海外ということであろうという気もしますので、是非ともその辺につきましてもよろしくお願い申し上げたいと思います。
 その関連に当たりまして、輸出促進だとか国際規格化を図るに当たりまして新たなJASの活用施策が極めて重要というふうに認識するわけであります。制度の普及とともに規格に関する啓発普及、人材育成、国際的枠組みへの参画等につきまして、改正JAS法案、これ今、七十一条だと思いますが、その中に新設して規定しております。これに関する具体的取組方策をお聞かせ願いたいと思います。
#57
○副大臣(礒崎陽輔君) お答えをいたします。
 今委員御指摘のように、法制的なものを今回御提案していますけれども、やっぱりそれだけではなくて、JASの普及啓発、それから人材の育成、国際的枠組みへの参加と、こういったものがもう不可欠であって、こういう環境整備もしないと、法律だけで動くような仕組みではないと思います。
 まず、国内的には、今局長から御答弁しましたように、八割の人が知っているけれども、意味が分かっている人は四割しかいないと、だから意味が分からなければ知っていることにはならないんだと思います。そういうまだまだ認知度が本当に足らないわけでありまして、まず国民の皆さん向けの啓発を努めていく必要があると思いますので、規格の重要性についての理解の増進を図るとか、効果的にJAS規格を活用する機運の醸成を行うためのやはり説明会であるとか、あらゆる機会を通じた啓発活動をまず行っていく必要が基本的にあると思います。
 その上でまた、JAS規格を国際的に使いこなしていくプロの養成が必要でありますから、それは官民、公務員であれ民間のそういう輸出関係の団体であれ、そういう人を対象とした研修プログラムの充実であるとかいうことを通じまして、このJAS規格を海外に向けて打ち出していくやっぱりプロ、ノウハウをしっかり持ったプロフェッショナルを育てていく、これも重要なことではないかと考えております。
 そして、先ほどGAPでも同じような御答弁を申しましたけれども、国際的な認証、これをやはり強めていくということが必要でございまして、こういった国際機関の中にJASの規格を使ってもらえるように働きかけていくことも必要ですし、基本的には日本の規格であるわけでありますけれども、例えば国によっては相互認証するというようなことも可能であります。
 そういったことも必要だと思いますので、今言いましたように、まず国民レベルの認知度を高めること、それからJASを使いこなす我が国のプロを育てること、それから国際機関との連携であるとか国際規格としての認証を得ていくこと、そういうことがいずれも大事なわけでございまして、こういうことを通じましてJAS規格の一層の活用に努めてまいりたいと思います。
#58
○進藤金日子君 ありがとうございます。
 是非とも、新たなJAS制度の普及、そしてJAS規格の啓発普及、そうした制度や規格を支える、今副大臣が言われましたプロの人材も含めてしっかりと人材育成をしていっていただく、そういったことを含めて取り組んでいただきたいというふうに思います。
 また、JASの国際規格化に向けましていろいろな局面で国際的な枠組みへの参画を図っていく必要があると、これは法律の中にも書かれている。今副大臣が言われましたように、法律に書いたからということで収まる話じゃなくて、中身が重要ということになってくるわけですけれども、やはりいろんな面で国際的な枠組みへの参画を図っていくこと、これは必要だというふうに思います。
 平成二十八年の訪日外国人の数を見てみますと、これ二千四百万人を超えております。そして、今年に入って、平成二十九年一月、二月の合計のこの訪日外国人の数、これは昨年の同時期と比べて一一五・七%伸びているんですね。これ、非常に伸びている状況だと思います。ということになれば、やはりこのインバウンド効果というのは相当大きくなってきているというふうに考えるわけであります。
 こうしたことを勘案しますと、新たなJASを国際規格化していくに当たって、増加するインバウンド需要に対する効果的な取組もこれ必要かつ重要じゃないかなというふうに考えるわけでございますが、こうしたことに対する見解をお聞かせ願いたいと思います。
#59
○大臣政務官(矢倉克夫君) お答えいたします。
 今、先生、新たなJASの国際規格化を図るためには増加するインバウンド需要に対する効果的な取組が必要だという御指摘でありました。全くそのとおりであると思います。彼らに日本の食の文化の良さをしっかり伝えるとともに、彼らを通じて、彼らから発信してもらうことでそれらの認知度を高めていく、それが新たなJASの信認度を高めることにもなるかと思います。
 先ほどJASの国際規格化ということで戦略的にという話もありましたが、EUなどは、EU規格のような地域規格をISOを通じて国際規格にするなどの戦略も非常にたけているところである。その戦略を日本も取り入れるためにも、インバウンドに対する効果というのも非常に重要であるかというふうに思っております。
 そのために、日本食、食文化への関心の高まりや農林水産物・食品の輸出増大をインバウンド需要の増大にこれつなげるとともに、日本での体験を通じまして、更に日本の食、食材の評価を高めるといった好循環、こちらを構築することがまず重要であるというふうに考えております。
 加えまして、この新たなJAS制度そのものも産地や事業者の創意工夫を生かした日本の魅力あふれる多様な規格をこれ制作するものでありまして、これを客観的にお伝えするツールとして非常に有効であります。こういったものが製品やサービスへの活用にこれ進めましたら、こういった訪日外国人の方に対しましても、我が国の食の魅力や、それらを効果的に発信することが非常に可能となり、資するものであると考えています。
 先生御指摘のインバウンド需要に対する効果的な取組のためには、これらのような取組を行いましてJAS規格の国際的な評価を高め、ひいては我が国発の国際規格化の推進にもしっかり進めてまいりたい、このように思っております。
#60
○進藤金日子君 ありがとうございます。
 日本産の農林水産物や食品の輸出を促進していくに当たりまして、やはりその強力なエンジンとして新たなJAS規格の国際規格化というものを図っていく。これは今政務官御答弁いただいたようないろんな面のことをやっていきながら、いわゆる可能性のあるあらゆる手段を駆使してこれは行うべきだというふうに私自身考えているところでありますので、是非ともよろしくお願い申し上げたいというふうに思います。
 ところで、先ほどの質疑で藤木委員の方からGAPに関する質問がございました。やはり一般的に、JASとGAP、HACCPの違いを明確に区分できている方は必ずしも多くないんじゃないかなというふうなことは私の実感でございます。
 そこで、今日は配付資料をお配りしております。このJAS、HACCP、GAP、GIと、これ地理的表示でございますけれども、これの定義と目的、種類、対象となり得る者をちょっと整理したところでございます。
 私なりに改正JAS法でのJAS規格とGAPというものを比較すると、決定的な違いは、この表を見ていただけるとあれなんですが、改正JAS規格というのは主としてこれ、加工、流通、小売業者を対象、しかし先ほど井上局長から御答弁ありましたように、これはちょっと今回の改正で生産者の方も広がってくるということだろうと思いますが、やはりこのウエートは、加工、流通、小売業者ということがウエートは高いんじゃないかなという気がいたします。そして、品質の確保ということを主目的にしている。しかしながら、今回改正の中で、食品安全だとか持続可能性のところにも広がっていきますよということなんだろうというふうに私自身理解しているわけであります。
 一方で、このGAPを見ていただきますと、これは対象者が生産者なんですね、生産者であると。そして、この食品安全と持続可能性というところが相当ここウエートがあるということで、GAPの中には、品質を認証していく、品質のところというところが少しないのかなというふうに理解しているわけであります。まさにここは、GAPは生産者が対象で、食品安全、持続可能性の確保を主目的にした生産工程管理システムだということであろうというふうに認識しているわけであります。
 これはあくまで私の表を整理した上での認識でございますけれども、食品安全、環境保全等の持続可能性、品質等に関する規格・認証につきまして、我が国では、ここにありますように、JAS規格のほかにHACCP、GAP等が実態として運用されているわけであります。新たにこのJAS規格とGAPの違い、これ何なのかということを是非明確に教えていただければというふうに思います。
#61
○政府参考人(井上宏司君) GAPは、ただいま委員からも御指摘がありましたように、食品安全、環境保全等の確保に必要な生産の工程管理についての手法で、これを規格化したものとしてグローバルGAPであるとかJGAP等の民間の規格があるということでございます。
 これらのGAPにつきましては、グローバルに展開をしている流通・小売企業が、それぞれの企業の調達に当たってそれを取得しているかどうかというのをチェックをして調達する傾向にあるものですから、こういった特に欧米の大手の小売に物を納めたいと思っている方にとってはこういう認証の取得を取っていくということが重要になっているところでございます。
 他方、JAS規格でございますけれども、これは、取引先の要求に応えるというよりは、むしろ自らの強みを積極的にアピールする選択肢を広げる手段として御活用いただくことを想定をしておりまして、また、その対象も、生産者だけではなく、食品の製造加工業者あるいは輸送・保管業者までも広く対象になり得るということでございます。
 少しこなれていない言葉で申し上げれば、例えばお茶の生産というのを取った場合に、しっかりと安全を確保しながら、環境への負荷を小さくしながらしっかりとした工程で生産をするということの関係がGAPで、ただし、例えば、日本独特の生産の方法で作った抹茶というのを例えば欧米の市場で売り込みたいときに、ほかの国で作ったお茶とは違う生産の方法で生産されたものであるという差別化を図るような場合、こういう場合には、例えば今回改正案が成立しましたならば、この新しい生産の方法の規格として強みをアピールしていくと。
 したがいまして、やはりそれぞれの事業者の方々の戦略に応じて、まずはしっかりと作りましたということを示すためにGAPを取りながら、自らの産品の差別化を図るためにJAS規格を併せて取るような方もいらっしゃれば、どちらかだけを取られる方もいると、こういう関係にあろうかと思います。
#62
○進藤金日子君 ありがとうございます。よく分かったところであります。
 実はこれ、今日、藤木委員の配付資料にありますけれども、GAPの中にもいろいろ種類があるわけです。グローバルGAPありJGAPあり、実はこのJGAPの中にもJGAPアドバンスというのもあるわけです。そして、JAのGAPがあり都道府県のGAPがあり、そしてまたこの適正農業規範の農産物の品質認証システムみたいなこともこれあるわけであります。やはりこれ、コストの問題、取得のコストの問題もこれありなんですが、一体この生産者から見れば、何を取得するべきなんだと。これはやっぱり混乱しているのが実情じゃないかなというふうに思うわけであります。
 私自身は、多くの外国人訪問客に安全、安心な日本食を食べていただくということと、日本産の農林水産物や食品を徹底的に輸出拡大していくためには、これは基本的に全生産農家が、少し乱暴かもしれませんが、全生産農家が国際的に通用するグローバルGAPあるいはJGAPアドバンスを取得することを私は政策の基本方針としてそれを政策目標に掲げるべきなんじゃないかなというふうに思います。そして、早期にGAPに関する国の方針を明確にして、皆さん、自由だからどうぞどうぞというんじゃなくて、国としてはこうなんだという方針を明確にして私はこの現場の混乱ということを収めていくべきなんじゃないかなというふうに思います。
 そのためにも、やはりこの既存の農業振興政策とGAP取得、いわゆる交差要件、クロスコンプライアンスみたいなことをして、これ一部、礒崎副大臣からの御答弁でございました。強い農業づくり交付金の中で、GAPに取り組んでいるとポイントが上がるということがございました。それにちょっと類するんですが、もう少し交差要件として、クロスコンプライアンスを設けて継続してGAPを取得していけるような政策的支援を充実させるというのもこれ一案ではなかろうかなというふうに思うわけであります。
 やはり中長期的に見まして、これ、大臣先ほども言われました、我が国の国内の食料市場というのは、これ縮小していくというのは余儀なくされていくということだろうというふうに思います。そういった中で、あらゆる手法を総動員して農家の所得向上を図るということが重要であります。そういった文脈の中で、改正JAS法に基づくこの規格がいかに具体的に貢献できるのか、ここはやはり今回の法改正のポイントではなかろうかというふうに思うわけであります。
 そうした意味におきまして、確実にPDCAサイクルを回していく必要があるというふうに思うわけでございますが、改正JAS法案に基づく各種取組の評価と改善が重要になってくるというふうに思います。今後のフォローアップの具体的取組方策をお聞かせ願いたいと思います。
#63
○政府参考人(井上宏司君) 改正後のJAS制度の運用に当たりましては、まずは規格化の対象となる品目、技術に応じて官民の連携体制を組んでロードマップも策定をして、どういうスケジュールでどういう規格を作っていくのかと、さらに、JAS規格にとどまらず、その後それを国際規格化を目指していくべきものにつきましてはどういった手順で進めていくのかといったような、目標といいますかロードマップを作りながら、それの進捗管理をしながら行ってまいりますし、また、一度作った規格についてどれだけ効果があったのか、あるのかということにつきましては、これは現行のJAS法の中にも規定がございますけれども、少なくとも五年に一度規格の改廃について検証を行うということになっております。
 こうした個別案件ごとの取組を相互に比較、点検をすることによって、低調な取組の改善でありますとか、あるいは優れた事例、取組の横展開といったようなことも行いながら、今委員からPDCAとございましたけれども、そこをしっかり回しながら進めてまいりたいと考えております。
#64
○進藤金日子君 ありがとうございました。
 そういった面では今回の法改正というのはまさに新たな時代に向けたスタートであって、本当にこれから是非ともフォローアップをしっかりやっていただきながら、必要な改善措置があれば早急に実施して、実効性あるものにしていかないといけないというふうに思います。
 さて、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の組織委員会、これ三月二十四日だと思いますけれども、選手村などで提供される食材について、例えば農産物についてはグローバルGAP、JGAPアドバンス又は農林水産省のGAPガイドラインに準拠した取組、これは要件化することを決定されたわけであります。先般の答弁だと、大体九割ぐらいはちゃんとしっかりと生産できるんだというような前回の農林水産委員会での御答弁あったように記憶しているんですが、実はこれ、やはり私も現場の中から声聞くと、兵庫の方からこういった声があるんです。
 神戸牛、これ、いわゆるUSA向けは不可能なんですが、タイ、マカオ、ロシア、ベトナム等は常時輸出しているんだと。神戸ポークは香港向けに始めているんだそうです。ところが、イスラム教徒向けのハラール肉を国内外に提供していくんですけれども、この二〇二〇年の東京オリパラまでに供給量を増やしていかないといけない、こういうようなことの中で非常に苦労されていると。アラブ首長国連邦、これはUAEですかね、ここにも黒毛和種の輸出を継続的に始めているんですけれども、今後はイスラム圏、特に東南アジアのインドネシア、マレーシアを視野に入れて輸出したいんだみたいなことを言っておられました。
 しかしながら、やっぱりここは農水省のみならず厚労省の大きなバックアップがないと全くできないんだということありまして、この東京オリパラの局面を契機にして、このハラールの取組につきましても是非、農水省、厚労省連携して支援をしていただきたいというふうに思います。
 こういった中で、GAPの東京オリパラに対する採用については賛否両論いろいろございました。でも、私は今回の決定、否定的に捉えるんじゃなくて、むしろGAPへの農家の参加機会の公平性をしっかり確保した上で、基本的に全農家が国際的に通用するグローバルGAP、あるいはJGAPアドバンスを取得することを政策目標に掲げるべき、ここはちょっと重ねて主張させていただきたいなというふうに思います。
 そのためには、くどいようですけれども、やっぱり既存の農業振興政策とGAPの継続的取得を、クロスコンプライアンスみたいなところをちょっとしてやっていくのも一つの手法なんじゃないかなということを提案申し上げたいというふうに思います。そして、GAPを基本にして、私の表にありますようなJASとGI、地理的表示を必要に応じて組み合わせることによって付加価値を更に高めていくということも必要になってくるのではないかというふうに思うわけであります。GAP、JAS、GIのハイブリッドなパッケージみたいな規格あってもよいのかなという気がします。もちろん、こうしたことは生産者、事業者の自由な選択によるべきなんですが、国としての方針は私はやっぱり基本方針明確に定めるべきじゃないかなというふうに思うわけであります。
 私は、農業の競争力強化について、これは価格と品質の両面の競争力があるんじゃないかなというふうに思うわけです。両者とも、コスト低減、これは基本なんですが、持続可能性ということが私は重要なんだろうというふうに思います。持続可能性というのは、経営自体の持続可能性とともに、やはり環境の持続可能性というところ、ここも極めて重要だというふうに考えるわけであります。
 そうした中で、私自身は、我が国の進むべき農政の方向性は、環境に負荷を与えて効率一辺倒を追求しているかのように見える米国型ではなくて、国土保全と国民の健康を重視しながら農村環境を維持して安全、安心な食料生産を行う欧米型の方向ではないかなと、どちらかというとそっちの方向じゃないかなというふうに思うわけであります。
 こうした方向性の中で、現在、日本型直接支払制度の中で、環境保全型農業直接支払交付金制度というのがあるんです。この制度は、農業者が組織する団体が実施する化学肥料や化学合成農薬を原則五割以上低減する取組とクロスして、地球温暖化防止だとか生物多様性保全に効果の高い営農活動を支援する、まさにこれ、ある意味コンプライアンスを掛けている制度なんです。平成二十九年度予算では二十四億一千万円が計上されていて、実はこの制度、平成十九年に創設されていますから、もう十年を超えているんです。取組事例も公表されていますが、これ私、すばらしい取組多いと思っているんです。
 平成二十八年四月に公表された全国二十四事例、これ精査しますと、取組面積が一・三ヘクタールから一千五百七十二ヘクタールと非常に多様なんです。小規模な農家もこれ共同で参画しています。これら先進事例の共通点を整理すると、これはほとんどの地区が水田、畑地とも生産基盤整備終わっているんですね、おおむね整備やっています。ところが、全ての地区に共通するのはグローバルGAPどこも取っていない。一つの地区だけJGAP取得しているというのが辛うじてあるわけであります。
 農水省の先進事例には、私、これから是非配慮していただきたいんですが、こういった生産基盤の情報と生産の工程管理に関する情報も是非入れていただく必要があるんだろうというふうに思います。どのような条件の生産基盤の下でどのような営農を行って、どのような経営を行って、どういう生産工程管理を経てどれぐらいの付加価値ができて、どこに、あるいは誰に売っていて、その結果として経営の持続性が確保されているのか、その過程において、個人の努力のみでは解決できないもの、環境保全等の国家として努めるべきものについては責任を持って支援していくと。私は、こうした中に小規模な農家でも存続できる日本の農政の展望があるんじゃないかなと個人的に考えております。
#65
○委員長(渡辺猛之君) 時間が参りましたので、質疑をおまとめください。
#66
○進藤金日子君 まだまだ不勉強でございますが、是非ともこういった中で私も頑張ってまいりたいというふうに思います。
 今回、JAS法改正が将来の農政の、農家にとっても地域にとっても国民全体にとっても望ましい方向に転換していく契機になることを確信しまして、私の質問を終えたいと思います。
 長時間どうもありがとうございました。
#67
○櫻井充君 民進党・新緑風会の櫻井充です。
 今、進藤委員の議論をお伺いしていて、やはりJAS規格を取ることのメリットって果たしてどのぐらいあるんだろうかと。特に、この法案の趣旨説明のときにどういうことが言われたのかというと、海外進出するためにこのJASを、何というんでしょうか、高度化すると言ったらいいのかどうか分かりませんが、そのことによって海外進出においてメリットがあるんですと、そういう趣旨説明でございました。しかし、国際標準でないJASを取ったって世界から信用されるはずもなく、ほかにGAPやHACCPという制度があるわけですから、こちらを取った方がはるかにメリットがあるんではないのかと、私はそう感じています。
 この関係が一体どうなのかということについて、法案の説明に役所から来ていただいた際にその場で質問したら、後で、持ち帰ってお答えしますと言われた後、全く音沙汰ございませんで今日に至っています。野党の議員だから多分どうでもいいんだろうなと、農水省ってそういうところなんだと、非常に冷たい役所なんだなということが、私はそう感じました。
 今日はその質問の前に、もっとひどいのは、国会議員がほとんど発言できない制度になっているのが国家戦略特区なんだと思いますね。関係省庁だけじゃないんですよ。与党の議員の人たちもほとんど発言権がないんですね、この国家戦略特区というのは。
 今日は内閣府の副大臣来られていますが、内閣府の副大臣は、これ例えば特区の諮問会議などを見るとメンバーの中に入っていませんよね。そうすると、いろんな意味で、この決定をしていく中に、副大臣として、副大臣として発言できる機会というのはあるんでしょうか。通告していませんが、これは御自身の政治生活、政治活動を行っていく中で感じていらっしゃることだと思うので、それについて御答弁いただけますか。
#68
○副大臣(松本洋平君) 特区諮問会議におきましての私も含めた政務の立場というようなお話だと思います。
 ちょっと通告がないものですから私自身の個人的な見解になるわけでありますけれども、当然、会議には出席をさせていただいて発言をすることは可能であるというふうに理解をしておりますけれども、できる限り民間委員の皆様方の意思というものを尊重させていただくということだと考えております。
#69
○櫻井充君 済みませんが、民間の委員の方々がその分野の専門家だったら私はいいんですよ。ずぶの素人が来て勝手なことを言って、竹中平蔵なんて関係ないですよ。この人がどうしてその獣医とか医学部の新設のことについて、専門家でもない人の発言を重要視しなきゃいけないのか、私には全く理解できないんですよ。
 国会議員というのは選挙で選ばれた国民の代表者ですよ。国会議員の人が意見が言えないような制度になっていることそのものが私はおかしいと思いますよ。構造改革特区のときには、与党の方々は相当意見言えたでしょう。それから、これは各省庁も相当意見言えたでしょう。そして、しかも予算は伴わないんです。だから暴走しなかったんですよ。しかし、今回の国家戦略特区に関していえば、民間委員が勝手なことをワーキンググループで言って、最後は総理が、トップの会議になりますが、そこで決められていくということになっているんです。
 非常に決定が不透明なので、私は、これについてちゃんと出してくださいとお願いしているんですよ。ずっとお願いしていますが、昨日はまとまりましたからと言われたんですが、一枚紙の紙にちゃんと時系列にしてくださいねとお願いしていたにもかかわらず、出してもらっていません。それから、私はこれ金曜日のもう昼間に通告していますからね、役所の方々に迷惑掛けないようにするために。今日はちゃんと答えていただきたいと思います。
 それで、国家戦略特区ワーキンググループのヒアリング、これは今治に関してです。獣医学部に関してですが、十二月十日木曜日にワーキンググループのヒアリングが行われています。そして十二月十五日火曜日、僅か五日後にですよ、僅か五日後にここの議題に上がっています。この議事に上げるために誰がどういう議論をしてここに議事に上げるということを決めたんでしょうか。(発言する者あり)
#70
○委員長(渡辺猛之君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#71
○委員長(渡辺猛之君) 速記を起こしてください。
#72
○副大臣(松本洋平君) 誰が議題に上げるのを決めたのかという御質問だと思いますけれども、こちらに関しましては、その特区の責任者の方で決めたというふうに理解をしております。
#73
○櫻井充君 済みませんけれども、いつどこで誰がどういうふうに決めたんですかと何回も聞いていますよ、このことについては。要するに、そうやって曖昧にして全部ごまかそうとしているんでしょう。僅か五日間でどうやって決まるんですか。
 しかも、例えば新潟なら新潟、それよりも、京都の場合の獣医学部と、京産大の獣医学部の方は、ワーキンググループのヒアリングがあった後には議題に上っていないんです。要するに、議題にするかしないかはどこかで決めているはずなんですよ。
 だから、誰がどこでいつ決めたのかと聞いているんです。ちゃんと明確に答えてください。(発言する者あり)
#74
○委員長(渡辺猛之君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#75
○委員長(渡辺猛之君) 速記を起こしてください。
#76
○副大臣(松本洋平君) あくまでも、この事務局というかは内閣府で務めておりますので、内閣府の事務局の方で大臣の責任の下に決めているということであります。
#77
○櫻井充君 済みませんが、いつどこで誰がと聞いています。いつですか。どこで決めたんですか。
#78
○副大臣(松本洋平君) そこまで、済みません、細かい御通告をいただいていないものですから、手元にそれが分かるものがございませんので、お答えがちょっとできません。
#79
○櫻井充君 私は、いつどこで誰がどういうふうにしたか明確にしてくださいと何回も申し上げています。(発言する者あり)
#80
○委員長(渡辺猛之君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#81
○委員長(渡辺猛之君) 速記を起こしてください。
#82
○副大臣(松本洋平君) 一校に限ったということに関しましてどういう経緯だったかということに関しましては御通告をいただいたというふうに我々としては認識をしていたところでありますけれども、今おっしゃられたようなことに関しましては、我々としては、本日それにお答えをする正確な資料というものを持ち合わせていないということでありますので、持ち帰らせていただきたいと思います。
#83
○櫻井充君 済みませんが、この経緯はずっと、一校に限るところは、今治もあったし、それから京産大もあったんです、新潟もあったんですよ。そういう中でどうしてここが決まっていくのかという経緯がすごく大事なことなんです。余りに不透明で、誰かの話に対してまた役所がそんたくしたんじゃないかとか、そういうことになっているんですよ。いいですか。
 ですから、誰がどこでどういうふうにしたのかということをちゃんと答えていただかなきゃいけないんですが、これ、じゃ、済みませんが、いつ答えていただけるんですか。私は毎回聞いているんですよ。毎回聞いているんですが、いつまでに出してくれるんですか。
#84
○副大臣(松本洋平君) 時系列で分かる一覧性のある資料をということで委員の方から資料要求があったということは理解をしているところでありますが、こちらに関しましては、その一校に限るということに関してそうした資料を出していただきたいということで御依頼があったというふうに認識をし、また、その取扱いにつきましては理事会の方で今御協議をいただいているというふうに承知をしております。
#85
○櫻井充君 済みませんけど、理事会で協議していようがしていまいが関係ないんですよ。それは国会議員の発言権なんです。
 発言権についてどうお考えですか、副大臣。
#86
○副大臣(松本洋平君) 当然、国会の先生方の質問権に対しまして我々行政は真摯にお答えをしなければならないものと考えております。
#87
○櫻井充君 済みませんが、そういうことじゃないです。理事会協議中だから我々はこのことについて質問しちゃいけないということですか。
#88
○副大臣(松本洋平君) そうではありません。もちろん、御質問をいただくのは当然でありますけれども、その資料ということに関しましてのお話をさせていただいたところであります。
#89
○櫻井充君 そうは答えていませんからね、今の発言は。要するに、理事会協議中だからと、後で森さんもそういう発言されるかもしれませんが、彼女も、結局はそれで、ここのところは質問してもらってもしようがないみたいなことを言われているんですよ。
 ですからね、もういいです、ですから、国会議員の発言権とは一体何なのかと、これ非常に大事なことなんですよ。そんなことで妨げられるようになっちゃったら何も聞けなくなるでしょう。そして、十分資料もできませんと、そのまま押し切ったらこれでおしまいじゃないですか。
 繰り返しになりますが、この案件は相当な税金使われているんですよ。相当な税金が使われていく中で経過を明確にしてもらいたいと思っているからこうやってやっているわけですよ。
 そうであれば、じゃ、もう一つ。京産大が、実は、経緯を申し上げれば、これは平成二十七年の十二月の十五日に決まっていますよ。ワーキンググループからの今度は京産大のヒアリングが二十八年、翌年の十月の十七日に行われました。内容は非常にすばらしいです。私もこの議事録全部読ませていただきましたが、大変すばらしい。ところが、この議事録のアップは非常に遅かったですね。しかも、ある新聞社がどうしてこの議事録を上げないんですかと聞いてから慌てて上げているような案件なんです。そして、ここの中で、十月十七日に京産大からヒアリングを受けた後で、今度は十一月の九日に、結局のところは不足地域にしてしまいますと、つまり、もうここで京産大は駄目ですと言われているようなものになっちゃったんです。
 つまり、それじゃ、お伺いしておきましょう。ここの部分で京産大のことについては結局取り上げられなくなっている、これは取り上げられていないんですよ。じゃ、何でこれは取り上げられなくなったんですか。誰がいつどこで決めたんですか。
#90
○副大臣(松本洋平君) 今回の獣医学部の設置に関しまして、京都府からも御提案をいただいて、これに関しましても検討を行ってきたところでありますけれども、しかしながら、京都府、京都産業大学からの提案に関しましては、ヒアリング等々を行いながらその内容というものを我々としても検討させていただいたところであります。しかしながら、京都府などの提案は必ずしも準備が整っていて事業が具体化しているとは言えなかった。また、これに比べて今治市の提案は事業の早期実現性という観点から熟度が高いと判断をし、これを優先することとしたというようなことであります。
 具体的には、今治市は専任教員の確保の面で京都府と比べ優れていた。水際対策につきましては、今治市は、四国知事会等が要望するなど、広域的な対策を強化する具体的なアクションを起こしている。他方で、京都府などは獣医学部のある大阪府との連携が必ずしも確保されていないなど、不十分と評価せざるを得なかった。また、獣医学部の設置は地域の活性化に大きく貢献する必要がある。京都府等の提案にその具体性がない反面、今治市は、まち・ひと・しごと総合戦略などに位置付けをした上で、卒業生を地元の産業動物分野に就職させるための奨学金の仕組みなどの工夫を凝らしている等々、また、京都府等はライフサイエンス研究を提案しているわけでありますけれども、水際対策に関する部分が薄い、他方、今治市は現場体験学習などを通じて卒業後に産業動物を扱う分野に進むよう誘導するとともに、畜産業のみならず、地元の水産資源を対象とした感染症対策など、地元固有の資源に着目したより具体的な内容になっているというような評価をさせていただいたところであります。
 このような比較をさせていただいた上で、事業の早期実現が見込まれるというふうに判断をさせていただいて、結果に至ったということであります。
#91
○櫻井充君 いつどこで誰が議論して決めたんですか。
#92
○副大臣(松本洋平君) 議論に関しましては、先ほど委員からもお話がありましたとおり、京都府からもその内容につきましてはヒアリングを受けさせていただいたところであります。そうした内容というものを総合的に勘案をさせていただいて、決定をさせていただいたということであります。(発言する者あり)
#93
○委員長(渡辺猛之君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#94
○委員長(渡辺猛之君) 速記を起こしてください。
#95
○副大臣(松本洋平君) 済みません、具体的にどういう日付で議論をされたのかというのは、ちょっと手元に資料がありませんので、ちょっとお答えは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、内閣府におきまして、大臣の責任の下に決めさせていただいたということであります。
#96
○櫻井充君 京都産業大学では、二〇〇四年に北近畿で大きな鳥インフルエンザの事案が発生して、京都府と解決に向けて動いた、そのときに、大槻先生を中心とした本学の研究陣と鳥インフルエンザ研究センターの機能としての貢献があったという実績があると、こういうこともあります。そして、総合生命科学部を二〇一〇年に設立し、動物医学研究科と併せて生命システム研究科、生命資源研究科ということで、ライフサイエンスに向けて総合的な研究活動を進めてきていると。
 しかも、ここの中で、この昨年一年間のネーチャーで論文掲載、私立ナンバーワンなんですよ。ネーチャーというのは世界でナンバーワンの雑誌ですよ。こんなの、加計学園グループでネーチャーに投稿して通った論文ありますか。ないはずですよ。こうやってきちんとやっているんです。こうやってきちんとやっているところがなぜ落とされるんですか。そこが不透明だから私は聞いているんです。
 いつどこで誰がどういう議論をして今のような結論を得たのか、もう一度答弁してください。
#97
○副大臣(松本洋平君) 今回のこの特区の新設に関しましては様々な観点から検討がなされ、そしてそれを選任をするに当たっての基準というものを作ってきたところであります。
 その十一月九日におきまして、広域的に獣医学部が設置していないところというようなそうした基準というものを作らせていただいて、そしてその上で、京都府等々からも様々な提案というものをいただいた上で判断をさせていただいたということであります。(発言する者あり)
#98
○委員長(渡辺猛之君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#99
○委員長(渡辺猛之君) 速記を起こしてください。
#100
○副大臣(松本洋平君) ちょっと御質問の趣旨に合っているかどうかあれですけれども、京都、また同時に、当然、今治等々からも獣医学部をつくりたいということでお話というものはいただいて、そしてヒアリングをしてきたところであります。様々な状況というものを勘案をしながら、十一月九日には広域的に存在をしないところに獣医学部を設置するということを今回のこの国家戦略特区の枠組みの中で決めさせていただいたところであります。そして、その後、様々な検討というものを進めてまいりましたし、またパブリックコメント等もやる中で、実際に獣医師会の方からも、例えば広域的に存在をせず、そして一校に限るということを条件に認めるというような、そうした様々な御意見というものもいただく中で、我々としては最終的に山本大臣の判断によって、この一校に限るということを決めさせていただいて、そして今治という形で決めさせていただいたということであります。
#101
○櫻井充君 済みませんが、答えになっていません。
 ですから、いつどこでそういうことを決めたんですかと。十一月九日の議題のところには、関係省庁との話合いをしてと、もうたしか山本大臣が発言されていたかに、私が先ほど読んだときには、確認したとき、そう書かれているはずであって、繰り返しになりますが、これはすごく大事なことなんです。大事なことなんですよ。
 京産大から真面目な提案が上がってきていて、それがどうして蹴られていくのか、私には全く理解ができません。私の熟度の判断は、京産大の方がはるかに上です。
 もう一度お伺いしますが、熟度が高い低いということも先ほどお話しされました。熟度が高い低いは、いつどこで誰がどういう形で議論をされたんですか。そして、どういう論文を検証されたんですか。私は、どの論文があるかということまでちゃんと通告していますからね。じゃ、誰がこの論文を読み、そして、その上でどちらがすばらしいというふうに判断されたのか、もう一度明確に御答弁ください。
#102
○副大臣(松本洋平君) 国家戦略特区という観点から、今回の御提案の趣旨というものを我々としては拝見をした上で今治ということに決めさせていただいたということであります。(発言する者あり)
#103
○委員長(渡辺猛之君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#104
○委員長(渡辺猛之君) 速記を起こしてください。
#105
○副大臣(松本洋平君) 内閣府におきましては、規制改革の推進役であり、規制改革を実現する観点から、個別の事業が特区基本方針や区域方針と整合的か、あるいはスケジュールが明確かを確認をさせていただいているところでありますが、専門的立場からは法令への適合性を審査する立場にないというふうに考えております。(発言する者あり)
#106
○委員長(渡辺猛之君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#107
○委員長(渡辺猛之君) 速記を起こしてください。
 暫時休憩いたします。
   午後零時十分休憩
     ─────・─────
   午後零時三十一分開会
#108
○委員長(渡辺猛之君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 農林物資の規格化等に関する法律及び独立行政法人農林水産消費安全技術センター法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、申し上げます。
 政府におかれましては、櫻井君の質問の趣旨を踏まえ、答弁を整理し、後日報告いただくようお願いをいたします。
 休憩前に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#109
○田名部匡代君 民進党・新緑風会の田名部匡代でございます。よろしくお願いいたします。
 今日は、JAS法改正の議論をさせていただきたいというふうに思っておりますけれども、しかしながら今の櫻井委員からの質問に対する政府の答弁は非常にひどいものだなというふうに思っています。やはり政治家というものがいかに国民のために公平公正にしっかりと仕事を、責任を果たしていくのかという中で、こんな不透明なやり取りに何にも疑問を持たず、それを正そうともしない、確認をしようともしないというその無責任な姿勢にあきれるばかりであります。
 先ほど自民党の藤木委員の方からも、農地の問題について驚いたというお話ありました。実は、先日の農林水産委員会で、我が党の舟山さんからそのことについて取り上げたわけでありますけれども、驚いたと言われることに驚いちゃうんですね。
 先ほど櫻井委員が冷たい役所だなと農水省さんのことをおっしゃっていました。私はそうは思っていないんです。農水省の皆さん、一緒に仕事をさせていただいたときは、本当にこの国の一次産業の未来、そういうものを一生懸命考えておられたし、今のように議事録を何でも捨てちゃう、メモを捨てちゃう、そんな役所じゃなかった。しっかりメモし、連絡し、報告し、責任を果たすために一生懸命やっておられたんじゃないでしょうか。なぜ今冷たい役所だと言われるようになっているのか。
 今取り上げられた特区のことに私はやっぱり大きな問題があるんだろうと思うんです。みんな蚊帳の外、何か世界一ビジネスをしやすい国にするのか、目指すのか知りませんけれども、そんな中で、有識者と呼ばれる国会議員ではない人たちが集まり、農業のことはこれから勉強しますとか、農業のことはよく分からないと言われる人たちが農業の未来に対して提案をしていく、それがそのまま法案となって出てくる。与野党超えてこの委員会では真剣に農業のことを考えているにもかかわらず、与党の皆さんにさえ、未来投資促進法の農地、第一種農地を出す話を説明もされていなかったんでしょうか。
 いろいろ、規制と呼ばれるものが、何というか、守ってはならない、それを壊さなければならないような感覚で改革だ改革だと言っているけれども、実は農林水産省だって、別に既得権益を守りたいんじゃなくて、本当に守らなければならないから守るんだと言っているような規制だってあると思うんです。今まで与党の皆さんだって、族議員と言われようとも、体張って地域のため、農業のために声を上げてきたんじゃないでしょうか。しかし、なかなかその声が上げられなくなっている。
 そういう中で、是非、与野党超えて、みんなでこの国の未来の一次産業をどうしていくのかと、何を守り、何をつなげ、どう発展させていくのか、真剣に声を上げて、まさに体を張って守り抜いていきたいと、そんなふうに思っていますので、どうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。拍手をいただいてありがとうございます。
 それで、すぐにJAS法の話に移りたいと思いますが、ちょっと一点だけ森友のことについて大臣のお考えをお聞かせをいただきたいと思います。
 やっぱり組織のトップとして、役所の中で何かがあったり大臣にお仕えをしている中に何かミスがあったとき、それでもやっぱり責任を取るのは私はトップの立場だというふうに思っているんです。しかしながら、ここ最近のいろんな議論を聞いていますと、何か総理夫人付きの一官僚に責任を押し付けて、みんなが、政府もまたその方の上司も、みんなそっぽを向いてしまっている。何てかわいそうなんだろうという思いであの議論を見ていました。
 大臣、議論をすればするほど、今この森友問題、疑惑が深まるばかりであります。大臣、なぜ、議論すればするほどこんなに疑惑が深まっている、どうすべきだと、大臣はお考えでしょうか。
#110
○国務大臣(山本有二君) 森友学園問題について私からコメントすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、政府としては一つ一つ丁寧に説明をしていくという説明責任があるということはもう当然のことだというように思っております。
#111
○田名部匡代君 政府の責任として一つ一つ丁寧に説明をする、そのとおりなんですけれども、記憶が間違っていたとか、言った答弁すぐ次のときにはひっくり返すだとか、その議事録、文書をみんな捨ててしまっているだとか、誰が本当のことを言っているか分からない、全く説明が食い違っているだとか、こういう状況にあるんですね。
 私も、週末、地元に帰っていろいろと地域の人たちにも言われました。もちろん農業政策のことについての話もありましたけれども、一体政治は何やっているんだと、一部の人だけがいい思いをするような、また、こういう政治が行われているのかという非常に政治に対する不信感を持つ声が多かったわけであります。
 これは、政府は政府としてしっかりと対応していただきたいと思いますし、大臣も随分ここ最近の答弁慎重になられているようでありますけれども、私は大臣はやっぱり大臣の心の声をもっと伝えてほしいなというふうに思っていますし、ただ一方で、やはりしっかりと責任を果たすために襟を正し、取り組んでいっていただきたいということだけを申し上げて、JAS法の審議に入らせていただきます。
 大臣、四月一日の日本農業新聞、御覧になっておりますでしょうか。ここには、農政評価三割止まり。ここだけ読むのもちょっとあれですので、内閣支持率は四八%に上昇ということも一応付け加えておきたいと思います。そういう意味では、私たち野党もしっかりしなければならないんですけれども、この高い支持率の中で、農政評価、これ三割止まりということに対して、大臣、どんな御感想をお持ちでしょうか。
#112
○国務大臣(山本有二君) 日本農業新聞が行った今回の農政モニター調査に関する報道については承知をしております。
 特定の報道機関が独自に行った調査に対する具体的なコメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、安倍内閣におきまして、農業者の所得向上と農業の成長産業化の実現を図るために農地中間管理機構の創設とかあるいは日本型直接支払の創設とか、輸出促進あるいは六次産業化などの農政改革を進めてきているわけでございます。
 具体的成果といたしましては、担い手への農地集積率が五二・三%と過去最高でありますし、四十代以下の新規就農者が二万三千人と統計開始以来最多となりましたし、輸出は七千五百億円を超え、四年連続で過去最高額でございます。
 こういった成果もぼつぼつ出てきているわけでございますが、農業者を含めた関係者に理解をまだまだ得られていないという現実には、率直、謙虚に受け止めて、更にその努力を重ねていきたいというように思っております。
#113
○田名部匡代君 何か本当に、大臣、お分かりになっているのかちょっと分からないんですけれども、多分、現場の皆さんは、誰の声を聞いて政策つくっているんだということだと思うんです。自分たちの額に汗して努力をしていることを、そこをしっかり見てくれているのかと、その声が政治に届いていないんじゃないのかということだと思うんですね。自分たちの声ではなくて、この国の大企業の経済界の声聞いて、実は小さな農村であるとかいうところがたとえ消えていこうとも大規模や大企業が残っていればいいというような方向に進んでいってしまうのではないか、町や村という小さなところが壊れていくのではないかという不安や不満を持たれているんだろうというふうに思うんです。ですから、やはり大臣、大臣の発信も含めて、今、これから真摯に受け止めてとおっしゃっていました。やっぱり現場にもっと目を向けていただきたいんです、声を聞いていただきたいんです。
 そういう意味において、このJAS法の改正、ごめんなさい、いろいろ通告していますけれども、進藤委員と重なるところもあるので、足したり引いたりしますのでよろしくお願いします。
 このJAS法改正、一体これが輸出の拡大につながるという発想がいつ頃出てきたのか、また、どこかの団体だとか組織から、この法律の改正、こういうところを改正してほしいというような要望があったのか、少しこれまでの経緯について教えていただけますでしょうか。
#114
○国務大臣(山本有二君) 今回の法改正の経緯でございますが、海外市場において文化、商慣行が異なるわけでございまして、その文化、商慣行が異なる海外の方々と取引をしなければいけません。そのためには、規格・認証の活用というのが海外でも一般化されつつございます。その意味におきまして、輸出力強化という命題には、規格を戦略的に制定、活用していくということが必要であるということに迫られてまいりました。
 そこで、昨年十一月に農業競争力強化プログラム、ここに、JAS法に基づく制度の在り方を見直すということが農業競争力強化プログラムの一環の戦略的輸出体制の整備というところで位置付けられたわけでございます。また、一連の検討におきましては、登録認定機関や認定事業者を含む約五十の認証機関、事業者からのヒアリングを実施してみての上で原案を作り、その後、成案を作るということでございまして、約五十にわたり、業界団体、個別企業、試験研究機関、自治体、消費者団体、そういった方々と意見交換をしてきたわけでございます。
 その中で、輸出を目指す食品については全てJAS規格を整備すべきだという意見とか、あるいは日本産品を特徴付けるJAS規格を作って海外にアピールすべきというような御意見、あるいは機能性食品の認知度が海外で高まれば試験方法の規格が必要となってくるのではないかという御意見を頂戴したところでございます。
 こうした御意見の上に立って、今回、JAS法を改正させていただき、そして戦略的に輸出を促進するという立場に立ったわけでございます。
 以上でございます。
#115
○田名部匡代君 私、結構農林水産省さんの説明をいつも素直に聞いているんですけれど、しかし、この法案だけは、何かこう、すとんと心に落ちないというか、違和感を感じていたんですね。多分、いろいろヒアリングされたというのは、この方向性を決めて、いろんな業界団体に後付けで話を聞いたんじゃないかと思うんです。
 じゃ、ちょっとお聞きしますけれども、今日まで、先ほど自民党さんからの質問でどういう役割を果たしてきたかということをお答えになられていましたので、いろいろ役割はあったんでしょう。しかし、今現在のJAS、また有機JASの格付率、認定事業者の認定の廃止及び取消し件数等、これらの推移というものはどうなっているでしょうか。
#116
○政府参考人(井上宏司君) まず、飲食料品のJAS規格の格付率、いわゆる飲食料品の生産量に占めるJASの格付がなされている数量の割合でございますけれども、これにつきましては、平成十年度には格付率が八割以上の規格が全体の二三%を占めておりました。一方、格付率が四割未満の規格も二三%あったというのが平成十年のことでございます。その後、平成二十五年度には、格付率が八割以上の規格は全体の九%に減少する一方で、格付率が四割未満の規格は五五%に増加をしてございます。
 また、認証の事業所数についてもお尋ねございましたけれども、これにつきましては、平成十年度においては飲食料品の認証事業所数は三千六百八十件ございましたけれども、平成二十五年度においては千五百五十七事業者と半分程度に減少してございまして、この背景について認定事業者に対するアンケート調査結果等を踏まえますと、規格を定めているその物の対象であるとか内容の充実が足りないのではないかという声、またJASマークの訴求力が弱いのではないかといったような点が指摘をされておったところでございます。
#117
○田名部匡代君 そうなんです。あるときには一定の役割を果たしたのかもしれないけれども、これだけ減少してきた。今御説明にあったように、いろいろな考え方、捉え方あると思います。また、JASマークそのものの、何というか、価値を見出せていないだとか非常にその内容を含めて分かりにくくなっているだとか、こういうこともあるのかな、だんだん社会情勢が変わってきてニーズも変わってきた、そこに内容が追い付いていないというようなこともあるのではないかというふうに感じています。
 特に、事業者等からの申出による制定は三十年来皆無というふうに御説明でお聞きをしているんですけれども、例えば、じゃ、こういったことについてはどういう理由で三十年来皆無という状況になっているのか、また今回の改正で何らかの改善策というものを持たれているのか、教えていただけますでしょうか。
#118
○政府参考人(井上宏司君) 現行のJAS法の下におきましても、農林水産省の発意に基づいてJAS規格を定める仕組みのほか、民間等の方からの申出を踏まえて検討するという仕組みはあったわけでございますけれども、委員から今お話がございましたように、最近の三十年間、申出を踏まえて検討がなされた規格はないという状況がございます。
 この理由でございますけれども、様々考えられますが、一つは、これまでの農林水産物・食品が国内のマーケットを念頭に置いていたということで、国内であれば、日本産のものというのはいいんではないかということがある程度抽象的に伝えられればそれで受け入れられるところがあるわけでございますけれども、海外の初めての取引先に訴求をしていくような場合には規格・認証というのが国際的にはかなり普及をしているわけでございますけれども、日本の場合には国内のマーケットを主として念頭に置いていたということで、こういう規格・認証についての意識が現場に必ずしも浸透していなかったということがあろうかと思います。また、そういうことがあるものですから、国内での取引においてこういう規格・認証を取ることが実際上のメリットになるということが感じられないということがあったかと思います。
 それに加えまして、今回改正案の中に入れさせていただいておりますけれども、現行のJAS法におきます民間等からの提案については最終的な案のようなものしか出せないような仕組みになっておりまして、その意味では、ある程度アイデアとしてこういうものがあるんだけれどもというようなものを出せるような仕組みになっていなかったというのも一つの要因かと思います。
#119
○田名部匡代君 今御説明いただいたようなところがもっと提案しやすくなるような改正になっているということだと思います。
 ただ、やはりその申出を受けたときにしっかりと速やかに対応していくということが重要だと思っているんですけど、いかがでしょうか。
#120
○政府参考人(井上宏司君) 御指摘のとおりかと思います。できる限り早く、出された申出、提案については検討を進めるということが重要かと考えております。
#121
○田名部匡代君 それで、国内で理解をしてもらう、また普及をさせていくということは、これ非常に重要だというふうにも思うんですけれども、そうじゃなければ国際的には到底認められるところまでは行けないというふうに思うので。
 ただ、そういう状況にもかかわらず、今回の改正案の目的規定から普及という文言が削除されているんですけれども、その理由について教えていただきたいというふうに思います。
#122
○政府参考人(井上宏司君) 現行のJAS法におきまして目的規定の中に定められております普及でございますけれども、これはJAS規格の認証を行い、規格に適合していることを示すJASマークの付された製品が取引されることを通じてJAS規格の普及が図られるということを意味していたわけでございます。
 今回提案をさせていただいております改正案におきましては、物の規格のほかに試験の方法の規格を設けるといった点がありますので、これについては、JAS規格を普及するツールが、今までの認証、それからその認証を受けたものについてマークを付けて普及、取引がされるということ以外に、試験といったようなものも今回入ってまいりますので、そこについて、普及という一般的な文言に換えて、認証及び試験等ということで、より具体的にこの普及の中身を、今回の改正案で拡充した中身も含めて読める形で書かせていただいているということでございます。
#123
○田名部匡代君 ありがとうございました。
 このJAS法を改正していろいろと拡大をしていくことが輸出の促進につながるんだということを毎回御説明でおっしゃるわけですけれども、であるならば、逆に目的規定の中に輸出の促進なんだというものを入れ込んでもよかったんじゃないかと思うんですけど、それはいかがでしょうか。
#124
○政府参考人(井上宏司君) 今回のJAS法の改正、幅広くメリットを及ぼすということで、農林水産業の発展というところで読ませていただいているということでございます。
#125
○田名部匡代君 輸出の促進につなげていくんだという何か余り意気込みが伝わってこないんですけれど。逆に言うと、私は、本当にこれが輸出の促進なのかなということは、以前の委員会で櫻井委員も話しておられましたけれども、やっぱり何となくそこがぴんとこないんですね。
 今までも農林水産省さん、物すごい輸出戦略、いいもの作っておられるんですよ。いろんな取組をされているんです。この中のどこにJASの話があるのか、ちょっと私見付けられなかったんですけれども、まさにこれまで取り組んでこられた輸出戦略のように、相手国が求める認証だとか基準、それにいかに対応していくかというようなこと。先ほど来質問があるように、HACCPだとかGIだとかいろいろあると思うんですね。世界的なことにどう、何というか、提案をしたり取り組んでいくのかということが非常に大事だと思うんです、グローバルGAPも含めて。そういうものがあるにもかかわらず、なぜ国内でしか認知をされていないJAS法なのかということは、やっぱり何となく、何があるんだろうと、ここにというふうに思っちゃうんですよ。
 とはいえ、いろいろ目標を立てて取り組んでいくわけでありますから、それはそれとして応援はしなければならないと思うんですが、今までも、中身が複雑で消費者の皆さんは非常にこのことを分からない、マークはよく知っているけれども中身の理解はしていないというのが消費者の認識だったわけですね。
 加えて、輸出なのか何なのか、国内で貼られているマークって物すごいいっぱいあるんですよ。これ、農水省さんで作られているのも、輸出促進ロゴマーク、おいしいと書いてあるんですね、いろんな国用の。これは、日本、和のイメージを力強く印象付けるもの、デザインになっていて、品質の高い日本の農、林、水の各産物及び加工食品が世界に向けて勢いよく輸出をされることを表現していますとかいうのがある一方で、今度は何かまた、日農新聞に、日本食品売り込みへ新組織、ここでまた、日本食品海外プロモーションセンターでまたロゴマークとか作っちゃっているんです。
 和牛マークもあれば、何だか本当にいろんなものが広がり過ぎちゃって、逆に言うと、HACCPとJASマークもそうですけれども、対応する業者さんが費用の負担も増えたり作業の負担も増えたりと、何をやっていいのか、より分かりにくくなるんじゃないかなということが懸念されるんですけれども、そういう心配はないでしょうか。
#126
○政府参考人(井上宏司君) まず、マークに関しましては、現在のJASマークというのは幾つかのものがありますことと、もう一つは、JASマークの中身が何を示しているのかが分かりにくいということがございますので、今回の法改正と併せまして、このJASマークにつきましては、ある程度数を減らすといいますか、統合していくとともに、中身として何を示しているのかという標語を併せて付けること、また外国語表記も認めることといったような形で見直しを行いたいというふうに考えております。
 また、海外との関係でございますけれども、四月一日に発足をいたしました日本食品海外プロモーションセンター、JFOODOと称しておりますけれども、ここはまさに相手の国の、どこかの国の具体的な、どこに売り込むのか、レストランに売り込むのか、スーパーに売り込むのか、何を売り込むのかという戦略を、相手国のマーケットを徹底的に把握をした上でプロモーションを行っている組織でありまして、相手によってどういう認証を取っていることを重視するかというのは違います。それに応じながら、JASマークにつきましては、東南アジア等におきましてはそれを見た上で取引をされているバイヤーの方いらっしゃいますけれども、相手に応じて必要な規格・認証というのが取られるように私どもとしても相談等に応じてまいりたいというふうに考えております。
#127
○田名部匡代君 是非そこは今後議論していただいて、そのマークを利用する側も、また消費者側も、やっぱり国内できちんとそういうものが認識をされていくことが大事だというふうに思っていますし、より海外に発信したときに海外でもすぐにそれが理解されるような取組が必要だというふうに思うので、そこは否定しませんので、是非そこを整理をしていただいて分かりやすいようにしていただきたいなというふうに思います。
 これがまた、このJASの認証を受けることがコストの削減にもなるんだと以前大臣が御答弁をされていたんですけれども、現時点で認証を受けるのにどのぐらいの費用が掛かっているのかということと、どういう意味でコスト削減になるのかということについて教えてください。
#128
○政府参考人(井上宏司君) 現行のJASについて認証を取る場合の手数料でございますけれども、これは認証機関ごとに異なっておりますが、その金額の相場感で申し上げさせていただきますと、例えば飲食料品につきましては二十五万円前後ということでございます。また、有機農産物については十万円前後というのが認証機関による認証手数料の相場となってございます。
 また、大臣からの、認証を取得することによりコスト削減につながるというふうに申し上げた趣旨は、海外の事業者との取引等の際にJAS規格を活用することで、産品や取組の内容について客観的で説得力のある説明、証明が必要になるということで、各生産者、事業者の方が自分のものの良さであるとか取組を自ら説明をする時間や手間のコストが低減できるという趣旨で申し上げたものというふうに考えてございます。
#129
○田名部匡代君 今費用の御説明もいただきましたけれども、実際、業者さんの声として、この方は有機JASについて話されているんですけれども、できるだけ消費者の皆さんに安全でおいしいものを安く提供したいという気持ちの中で、マークを付けるに当たって、申請受付料、書類審査料、本審査料、判定料、認定証交付料、移動料、年間研修料、小分け工場の検査をするための交通費、宿泊費、日当とかいろいろあって、やっぱりちょっと負担になっているんだなというようなことを話されているんですね。
 是非その辺も、これ、認定事業者によって費用もというか料金もばらばらだというふうにお聞きをしているんですけれども、それは選ぶのは事業者さんだと言われればそれまでですが、やっぱり余りそういうことが、書類の提出も含めて、利用する側の負担にならないようにちょっと考えて取り組んでいただきたいなというふうに思いますが、いかがでしょう。
#130
○政府参考人(井上宏司君) 認証機関同士の競争が働くことによって、利用者の方が選ぶということで、よりコストの掛からない方を選べるといったことはございますということと、もう一つは、いろんな認証を取らなきゃいけないときに、これにもお金が掛かり、これにもお金が掛かるのかということがあろうかと思います。したがいまして、JAS規格の認証料につきましては、例えばほかの民間の規格みたいなものを取られているような方について、共通の審査項目があるようなときにはその審査を省略をするようなことによってコストを削減するようなことができないかということも検討してまいりたいと考えております。
#131
○田名部匡代君 是非その点はよろしくお願いをしたいというふうに思います。
 また、認証とか試験検査みたいなものがしっかりと、技術であるとか知見であるとかそういうものをしっかり持った人材を確保して、その体制をつくっていく必要があるというふうに思っているんですね。というのは、いいかげんなことをして一度信頼を失うと、せっかく日本の食品というのは安全で安心で信頼できるというものをつくり上げようとしたものが一気に全てにおいて崩れ去るからです。だから、そこはしっかりやっていかなければならないというふうに思っています。
 その点についてはいかがでしょうか。
#132
○政府参考人(井上宏司君) 御指摘のとおりかと思います。
 まず、現行法では登録認定機関、今回の改正法案では登録認証機関ということになりますけれども、農林水産大臣に登録をする際には、国際機関であるISOの基準にも合致をするような、そういう機関であれば登録ができるという形にしてまいりますし、また登録認証機関を監督をしっかりしてまいります。
 また、この制度の信頼性という意味では、認証を取っていないにもかかわらずJASマークを付すというような行為については、これについても今回罰則の見直しとしてございますけれども、しっかりと監督をしてまいりたいと考えております。
#133
○田名部匡代君 お願いしたいと思います。
 そして、登録試験業者が創設される。これ、どういう業者さんが想定されているのか、現段階で何か決まっているんでしょうか。
#134
○政府参考人(井上宏司君) 登録の試験業者につきましても、国際標準化機構、ISOのルールにのっとって、それに合致する機関が登録ができるような形にしたいというふうに考えておりますけれども、具体的にどういうことかというのは申請が出てきた時点でということになりますけれども、例えば、食品についての分析とか研究を行っていて、それに必要な検査機器や人員体制を持っているような機関などが申請をされてくるということが想定されます。
#135
○田名部匡代君 そういう意味では、ちょっと繰り返しになりますけれども、今回の改正でいろいろと拡大される中で、検査だとか分析だとか調査という専門的な知見を持った方々を育てていく、確保していくということも大事ですし、加えて、独立行政法人農林水産消費安全技術センター、FAMICの検査・指導体制というものの強化というようなことも必要なのではないかなというふうに思っています。
 やっぱり中長期的な視点から、食品認証の検査の知見だとか、そういうことというのは非常に日本のブランドを確立していくためにも重要だというふうに思っているんです。必要であれば、今申し上げたFAMICの組織だとか体制の強化だとかいうこともあるのではないかと思うんですが、その点についてはいかがでしょうか。
#136
○政府参考人(井上宏司君) FAMICにつきましては、これまでもJAS規格の運用に関して農林水産大臣を技術的にサポートするという役割を負ってきたわけでございまして、例えば、これまでですと登録認定機関、これからは登録認証機関でございますけど、この登録を農林水産大臣が受け付けるときには、その機関がその能力があるかどうかという技術的な調査等についてはこれまでもFAMICが行ってきたわけでございまして、その延長線上で今回の業務についても行えるものとは考えてございますけれども、ただし、規格の種類、内容が増えるといったこと、また、今後、国際規格化を目指していくといったような新しい部分もありますので、法案を成立いただきましたならば、計画的にFAMICの人員の育成も含めた整備を行っていきたいと考えてございます。
#137
○田名部匡代君 別に私、FAMICから頼まれたわけじゃないですけど、そのためには予算もしっかり取ってというのはもう何度も、ごめんなさい、繰り返しですけれど、やっぱり信頼を確立していくということが非常に重要だと思っているので申し上げているわけですので、それについても御検討いただきたいというふうに思いますし、いろいろと調べていたら、実は、いいかげんな認証というか、きちんとした規格にのっとった認証をしていなかった認証業者というんでしょうか、がいたりとか、ある裁判沙汰になっている件では、実は使っている肥料に化学合成された原料が含まれていて、それを知らずにその肥料を使ってお米を作って有機JASのマークを付けて販売していた。実は、その途中で検査があるんですけれども、検査項目の中に、その肥料を作っていた人が使っている、そのとき、それは尿素だったんですけど、それが検査項目に入っていなかったので分からなかったというようなちょっと記事を見たんですけれど。
 このことについて御存じかどうか分かりませんけれども、やっぱりその検査の内容も含めて考えていく必要があるのではないかなと思いますが、いかがでしょうか。
#138
○政府参考人(井上宏司君) その点につきましては、今回も罰則の見直し等で監視の強化を導入してございますけれども、実際の運用に当たっても、しっかりと運用できるように努めてまいりたいと考えます。
#139
○田名部匡代君 これ、ちょっと通告していないので、もし分かればでいいんですけれど、これも日本農業新聞に載っていました、一日の。海外での模造品、GIの不正利用が横行しているという記事が掲載されていたんですけれども、大臣、これについて御存じでしょうか。
#140
○政府参考人(井上宏司君) 御指摘の記事でございますけれども、特に海外での模倣品の排除が重要ということで、特に地理的表示についてそれをしっかりと保護していくという観点から、海外にどう模倣品が出回っているかということを調査を昨年度行ったわけでございますけれども、その中で、海外で生産された産品に日本の地名等が付されていた事例というのが多数発見をされておりまして、例えば、タイにおきましてタイ産の夕張日本メロンというのが発見をされまして、それを受けて、タイの事業者に名称の不正使用を停止するよう警告状を送付をして、産品の名称を変更させたというような事例もございます。
#141
○田名部匡代君 こういうこと、しっかり対応していく必要があると思うんですね、やっぱり日本のものを守っていく。
 実は、これはいろんな要因があるのではないかなと勝手に思うわけですけれども、日本の持つ種が外に出るだとか、日本のものを海外で作る方々が増えてきただとか、そういう中で日本の技術だとかいうものが知られていく。いいものなのでみんながそれをまねようという、そこの点は悪いことではないけれど、でも、その不正な表示をして出しているものはしっかり取り締まっていかなければならないし、今回の御説明でも、このJAS法は、日本の例えば文化であるとか、日本ならではの独特の製法で作られている、よく出てくるのは抹茶、こういったものを守るんだというような御説明をいただくんですけれども、これ、どうしたら守ることにつながるんでしょうか。
#142
○政府参考人(井上宏司君) 抹茶は、最近ではアメリカの市場等にかなり輸出が相当伸びているという状況でございますけれども、例えばアメリカの市場なんかで見ますと、日本で作られた抹茶とは違うわけですけれども、その類似品という、称してですね、粉末状にしたような他国産のお茶が出回ったりしているというところがあります。今回、生産の方法についての規格ができますと、日本産のその生産の方法の規格にのっとって生産されたお茶についてはJASマークが付された形で流通をするということになるわけでございます。
 ただ、このJASマークが勝手に作られて海外で貼られていたということでは権利を保護するということが難しくなりますので、このJASマークそのものについて海外における商標登録を今順次進めていこうとしているところでございます。
#143
○田名部匡代君 現時点で、今の抹茶のように、本来日本のものなんだけれども、我が国のとか我が地域のというようなブランド化をして出しているような商品、食品とかというのはあるんでしょうか。
#144
○政府参考人(井上宏司君) 今回、規格の対象を拡大することに伴う具体的なものというのを今聞いているわけではございません、いろんなアイデアございますけれども。
 お答えになるのかどうかあれでございますけど、例えば、今、日本でGI、地理的表示を取っているようなものについて、これは地名とその品物の名称が一体となった知的財産権であるわけですけれども、こういうものの中にも、場合によってはその生産の方法等についてJAS規格を取りたいというような提案が出てくる可能性というのはあるかと思います。
#145
○田名部匡代君 お聞きしたかったのは、例えば、JAS法で作られる行程が、何か新聞には、抹茶は昔ながらの石臼でひいたものが抹茶として認証されるんだというような記事もあったんですが、そこは事実かどうか分かりませんけれども、そういうものを国として認定したとしても、他国で、いやいや、これぞ抹茶なんですというようなものを作って、どんどん国内生産して輸出なんかで取り組んでそれが広まったら、結局、幾らJAS法でこれが抹茶なんですと言い張っても、競り負けるんじゃないかなというふうに思うんですね。
 だから、JAS法だけで守れないし、JAS法だけで輸出の拡大ということにやっぱりならないので、そこはしっかり踏まえた上で、何かこれがあるから守られるんですという話では、私はそういう捉え方では間違うのではないかなと思っているので、その点についてちょっと、今ほかの国でもそういうことが起こっているんですかという事実関係を聞かせていただきました。
 何か一言ありますか。いいですか。お願いします。
#146
○政府参考人(井上宏司君) 今の点について申し上げますと、日本の強みをアピールするための規格を作る、規格を作ってしまうと、ほかの国の人もその規格の認証を取れば追い付いてきてしまうじゃないかという考え方もあろうかと思いますが、実際には、それぞれの国の風土や伝統に応じてその国特有のものというのがあって、それをベースに規格を作っていくと。その場合に、ほかの国の事業者等がそう簡単には追い付いてこれないというケースは実際には多くて、工業なんかの分野でも、ISOの規格を、例えばヨーロッパの規格をベースに先に作られて、それが国際規格になったときに日本がすぐ追い付けるかというと、かなりの追加の投資をしたりして追い付くということで、規格を先に作る、それも自分の強みを生かせるような規格を作るというメリットの方が追い付かれるデメリットよりは大きいというふうに考えております。
#147
○田名部匡代君 強みをどう訴求していくのかというのは、まだちょっと今日のやり取りでは分かりにくいところもあるんですけれど、でも、しっかりと取組をして輸出が増える、所得の向上につながるというようなことになっていくことは望ましいというふうに思っていますので。
 まだちょっと時間があるので、確認なんですけれども、例えば、一つの作り方が、これがJAS法、その規格にのっとって作られた抹茶なんです、ほかの製法で作られたものは、例えば先にJAS法の規格取っちゃったものがあったとして、ほかの製法で作ったものが、じゃ、それは違いますよねというようなことには当然ならないと思いますし、それぞれ同じような商品、製品を作っていても、それぞれの地域によって文化の違いであるとかも含めてやはり作り方が違う、でも同じようにそれぞれの特徴や特性を生かして販売をしているというようなものもあると思うんですが、この法律が通ることによってそういう、何か先に取っちゃった方が決まりで、それ以外は何か駄目よみたいなことには当然ならないですよね。
#148
○政府参考人(井上宏司君) そのようなことにはなりませんし、また、最初に規格を作るときに、どういう広がりの規格を作っていくかというところについては、関係の業界の方々とも相談をしながら作っていくということになります。
 いずれにしましても、それが排他的なもので、あとの人が別の場所でほかのやり方というのができないということにはなりません。
#149
○田名部匡代君 ありがとうございました。
 それぞれの個々の日本ブランドというものを生かしていくことも必要ですし、まさに、これまで農水省さんでもいろいろ取り組んでこられたように、オールジャパンとしてどう日本ブランドを確立していくか、輸出を促進していくのかということも大事だろうというふうに思います。余りにも手を広げ過ぎて、何をやっていいのか分からない、全てが中途半端になるなんということにはならないように、HACCPもある、ほかのもある、これもある、資料も増えた、手数料も増えた、もう何やっていいか分からないというようなことにならないようにしていただきたいんですが。
 大臣、今日は余り大臣から御答弁を私、まだいただいておりませんで、私は前回、舟山委員の質問の最後の熱い思いを聞いて、隣で聞いていて本当に胸が熱くなりました。涙が出そうでした。実は、その前に舟山委員質問されたときには、御地元から来られていた傍聴席にいたお客様が、大きな体をした男性がハンカチ出して涙を拭いていたのを私は見ていました。
 大臣にとって私たちはいつも厳しいことを言う、うるさいなという存在かもしれません。でも、私たち、委員会以外でもよく話をしているんです。本当に守っていかなければならないことが何かということを真剣に考えているから、時には厳しいことも言うし、立場に立って言うべきことは言っていかなければならないと思っているんですね。
 大臣が、大臣はどう考えているのかと聞きたいときに、ずっと下を向いて答弁されると、本当に大臣の気持ちにあるんだろうかと、農水省の皆さんの先頭に立ってこの国の未来の農業をどうしていくかという覚悟というものがあるんだろうか、これから日米や他国とのいろんな交渉の中で本気で大臣戦ってくれるだろうかと、やっぱりそこには不安を持つんですね。
 大臣、私の顔を見て大臣の思いを教えていただけますか。
#150
○国務大臣(山本有二君) 大変示唆に富む御指摘でございました。また、前回の舟山委員の御質問の奥底にある気持ちがすごく熱くて、非常に相手を説得する力があるというようにも思っております。
 私が下を見るというところは、私もいろいろ考えましたけど、組織を率いているという、そして各部署それぞれ一生懸命立場立場の考え方があるわけでございまして、その積み上げが答弁書になっているという意識もございます。勝手なことはいつでも言えるのかもしれませんが、しっかりしたことをお伝えするという意味では、間違ったことを言わないようにするということも大事だろうと思っておりますので、下を向くことは多少御容赦いただきまして、できる限り顔を見て答弁したいというように心掛けたいと思っております。
 以上です。
#151
○田名部匡代君 こんなに大臣と見詰め合ったのは初めてであります。
 ありがとうございました。終わります。
#152
○委員長(渡辺猛之君) 午後二時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後一時二十三分休憩
     ─────・─────
   午後二時三十分開会
#153
○委員長(渡辺猛之君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、農林物資の規格化等に関する法律及び独立行政法人農林水産消費安全技術センター法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#154
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。
 今回のJAS法改正の目的に関してまずは伺いたいと思います。
 農林物資に関する粗悪品やまがいものを排して品質改善等を図るために昭和二十五年に農林物資規格法として制定されたJAS法ですが、これまで品質表示の基準制度導入や、生産方法また流通方法の特色の規格化など五回の改正を重ねてきたと理解をしております。
 今回の改正では、これまでの、消費者に安全、安心を届けて、より良い選択をしていただくためのJAS表示という位置付けから、日本産品の品質、特色を担保して、農林水産業の輸出強化に役立てるための改正というふうに理解をしておりますが、改めてJAS法改正の目的、そして農水省が取り組んでいる戦略的輸出体制の整備の中で、今回の改正、またJASがどのような位置付けになるのか、農水省に伺います。
#155
○国務大臣(山本有二君) 御指摘のように、農林水産業の輸出力強化というのは喫緊の課題でございます。その上で、海外市場の特徴を見てまいりますと、食文化、商慣行が国・地域で様々でございます。そうしたことを踏まえまして、現在、規格・認証の活用が広がっております。そんな意味で、このJAS法が規格・認証の重要な要因となればというつもりでございます。輸出力強化に当たりましては、規格・認証を戦略的に活用することによって、商品、取組の強みを海外の取引先等に訴求していくことができるだろうというように考えております。
 しかしながら、現行のJAS規格の対象は産品の成分等の品質に限定されておりまして、例えば産品の製法あるいは保管、輸送の方法等についてアピールするというような意味は持ち合わせておりません。このような背景から、今回の改正では、生産方法あるいは保管・管理方法、これは抹茶を更に普及させる、あるいは鮮度を維持しているというようなアピールにつながる、大変重要な規格につながるというように考えておりまして、我が国輸出力強化になるというように考えるところでございます。
#156
○竹谷とし子君 今回の法改正、輸出力の強化につながるということを想定されておりますが、事業者にとって特に良い点は何でしょうか。
#157
○大臣政務官(矢倉克夫君) お答えいたします。
 最大のメリットは、JAS規格活用による差別化の幅が格段に広がることであると考えております。今回のJAS法改正によりまして、先ほど大臣からもありましたが、規格の対象が産品の品質から製法や保管・管理方法にまで拡大されることになります。これによりまして、例えば我が国伝統の製法で製造された抹茶のJAS規格を定めてこれ活用することによりまして、抹茶の人気の高い海外市場、米国などに類似品と差別化して売り込むことが可能となります。また、青果物等の鮮度管理方式のJAS規格を定めて活用をいたしますれば、日本産の青果物等の鮮度の高いことを、これJAS規格ということを根拠にして、これを根拠を持ってアピールすることが可能となり、ほかのものとの差別化が図られることになります。
 このようにJAS規格の活用の幅が格段に広がることが法改正の最大のメリットでありますが、これによりまして、これまでよりも多岐にわたる産品や取組の内容について客観的で説得力ある説明、証明が容易となり、取引の円滑化や販路の開拓につながるものと考えております。従来は個々の取引ごとにこの製法はこういうものであるということを説明しなければいけなかったんですが、JAS規格であるということ、JAS規格が信用されることを前提にして、それのみで説明がし得る、それがまた客観的に担保されているということが今後の販路の開拓にもつながるというふうに理解をいたしております。
#158
○竹谷とし子君 今の農水省が考える事業者にとってのメリット、差別化ができていいだとか、また活用の幅を今回改正によって広げるですとか、そういったことを事業者の方も実際に感じていただけるようになるにはまだまだこれからの取組が必要なのではないかと、これができたから手放しに喜ぶ人はほとんどいないのではないかというふうに思います。これからの取組が非常に貴重で、今回制定したからそれで終わりということではなく、それがスタートであるというふうに私は思っております。
 現行法において、先ほど来の質問にも出てきておりましたが、三十年間、JAS規格の申出、事業者からできるということを、あるにもかかわらず、なかった、できなかったということについて理由をお伺いしようと思いましたが、既にもう答弁がなされました。
 二つ挙げられておりましたけれども、国内マーケットに向いていたので、輸出に目が向けてこられなかった状況ではメリットというのはJASについては出てこなかったのであろうということが一つ。そして二つ目は、アイデアベースで申請することができず、最終案じゃなければ受け入れられなかったので、手続が非常に厳格、煩雑であったということを理由として農水省は踏まえておられるというふうに理解をしておりますけれども、そうした反省を踏まえてこれからの施行を進める必要があると思いますが、アイデアベースでも申請ができて相談に乗ってもらえるような形になるということですが、そのことによってJAS規格の制定が今後どの程度促進をされていくと期待されているのか、伺いたいと思います。
#159
○政府参考人(井上宏司君) 新たな制度の下では、創意工夫を生かした多様な規格の申出、提案がなされるように、今委員からもございましたように、原案の完成度が必ずしも高くないものについても申出ができるように法的な手当てをしているところでございます。
 また、これに併せまして、事業者あるいは産地から規格の提案がしやすくなるように、今後、相談窓口の設置やサポート体制の充実を図ってまいりたいと考えておりますし、また平成二十九年度予算では、事業者団体による規格の素案の作成、業界の調整への支援を行うこととしておりまして、こういった方策によりましてJAS規格の制定を促進をしてまいりたいと考えてございます。
 今後どのくらい出てくるのかというところについての定量的な見通しというのは難しいわけでございますけれども、平成三十二年度までに二十規格程度は新たな規格を制定すべく取り組んでまいりたいと考えております。
#160
○竹谷とし子君 今、平成三十二年までに二十規格ぐらいはやりたいということでおっしゃられました。それはあくまでプロセスにすぎず、その規格を生かして輸出の増加そして事業者の所得の増加に結果として結び付いていかなければ全く意味を成さないことになると思います。
 今回の改正によって輸出の増加、期待できるのでしょうか。
#161
○政府参考人(井上宏司君) 新たな制度の下でどの程度輸出額が増加するかということについては、輸出の額というのは、マーケットのニーズでありますとか販売の価格など様々な要因が関係しますので定量的に示すことは難しいわけでございますけれども、平成三十一年度までに一兆円という目標を掲げて輸出拡大を図っている中で重点的な品目というのがございます。こういう品目もにらみながら、実際の輸出の拡大の実現に向けてどういう規格を優先的に制定していくのかという際に、ある程度優先度を付けながら進めてまいりたいと考えております。
#162
○竹谷とし子君 輸出の増加というのは、今おっしゃられましたように、マーケットの状況ですとか、また為替にも影響を受けると思いますし、様々な要因がありますので、必ずしも今回の改正JAS法の政策の効果というのを直結して測るというのは大変難しいというふうには思いますけれども、少なくともJASの規格を通ったものがどれぐらい売れるのかということはすぐに追えるはずでありますので、しっかりとこの政策の測定評価、施策の測定評価ということもやりながら、どうしていったらもっともっと良くなっていくのかということを毎次毎次検討を重ねていっていただきたいというふうに思います。
 また、今回の事業者の申出によるJAS制定、事業展開の活力につながることを期待するといっても、一番大切なことは中小企業の方々がこれをしっかりと活用していけるようにすることではないかというふうに思っております。
 既にこれまでのJAS、様々課題が出てきている一つの要因としては、ほかにも、大手のメーカーや流通などでは独自にブランディング、マーケティングをして、JASに頼らなくても達成できている面があるのでこれに頼っていないという、そういう側面があると思うんです。これはこれからも変わらない要因ではないかというふうに思うんです。むしろ、税金を使ってこうした制度をつくるのであれば、自力では資力がなくてできない中小企業者の方々がこれを活用して輸出を増やしていくことができるようにということにしっかりと目を向けていくべきであると私は思います。
 今回の改正、中小も含めて事業者にとって使いやすい制度になっているでしょうか。
#163
○政府参考人(井上宏司君) 委員からただいま御指摘がありましたように、まさに規格とは、必ずしも有名でないような事業者の方がその信頼性を取引先等に訴求していくための重要な手段でありまして、その意味では、この規格というのは中小の事業者の方に是非積極的に活用していただきたいと思っております。
 そのための方策といたしまして、繰り返しになりますけれども、今回の法案の中で原案の水準を緩和するということで、完成形に近いものを自ら作れないような方からの申出についても農林水産省で規格化を検討するということにいたしますし、また、これも先ほど申し上げましたけれども、相談窓口の設置、サポート体制というのはこれから整備をしてまいりますし、また、事業者の方における規格素案の作成に対する御支援についての予算措置も講じさせていただいているところでございます。
#164
○竹谷とし子君 相談サポート体制をしっかり取ると、そこに必要な予算を確保するということも非常に重要なことだと思いますが、待ちの姿勢では予算を単に消化をするだけということになってしまうと思いますので、こちら側から積極的に、どうぞこういうことを活用してくださいという活動を様々なチャンネルを通じてお知らせをしていくということにも意識を持っていただきたいというふうに思います。
 申請手続につきましては、相談体制がしっかりできたということで、そこに行けば丁寧に教えてくれるのであろうというふうに思いますが、費用面はどうなりますでしょうか。JASの認定をしていただくように、認証をしていただくように申請をするということと、それに対して、一つ一つの製品、商品を格付するという二段階あるというふうに理解をしておりますが、それぞれで事業者の負担する手数料というのはどれぐらいになると想定をされているか、教えてください。
#165
○政府参考人(井上宏司君) JAS法の下でJAS規格ができた後に、そのJAS規格に合致していることを各事業者の方が認証を受けていただくという手続が必要になって、認証を受けますと、その認証を受けたものについては、それに従ってその事業者の方が、格付といいますか、要はJASマークを付けられるということになるわけでございますけれども、この認証を受けるのに必要な金額でございますけれども、これはどこの認証機関で認証を受けるかによって金額は変わってまいりますけれども、相場として申し上げますと、飲食料品、林産物について認証を取る際にはおおむね三十万円前後の認証手数料が必要になりますし、有機農産物の場合には十万円前後ということになっております。このほか、実地調査が必要な場合には、これに必要な旅費がこれに加算をされるということになります。
#166
○竹谷とし子君 こういうことをJAS化してくださいというふうに相談をして、それをJASとして規格化するということについては特に事業者側に費用は掛からないという認識で合っていますでしょうか。
#167
○政府参考人(井上宏司君) JAS規格を提案するに当たっていろんな調査分析をされるような場合に、その費用が掛かるということはあるかもしれませんけれども、何か手続上定められたどこかの機関にお金を払わなければいけないというようなものはございません。
#168
○竹谷とし子君 これまでのJASについての反省、平成二十八年に実施された食料品の海外展開とJASの現状等に関するアンケートによりますと、JASについて九割を超える事業者が課題を認識しているとあります。また、消費者の認知度高いけれどもマークの中身の理解度が低いという、これも午前中にも質問の中で出てきたことでございますが、そういう実態があります。
 今回の改正でこれらの課題をいかに解決をしていこうと考えておられますでしょうか。また、普及と理解促進というのがこれは国の重大な責任であるというふうに思っておりますけれども、これはどのように後押しをしていくか、教えてください。
#169
○政府参考人(井上宏司君) ただいま御指摘のございました食料品の海外展開とJASの現状等に関するアンケート、これは平成二十八年に農林水産省が実施したアンケート調査でございます。ここでは、主として事業者の方から、JASについて規格の対象や内容を充実するべきという声、それからJASマークの訴求力の向上が必要という声が多く出されております。
 また、同じく昨年、農林水産省が実施をいたしました別のアンケート調査におきましては、一般消費者の方々において、農林物資の品質に関するJASマークについて、マークの意味まで理解をしている消費者の方は約四割にとどまるということが明らかになったところでございます。
 こうした課題に応えまして、今回のJAS法の改正案におきましては、これまでの成分等の品質の規格だけではなく、多様なJAS規格を定められるように措置をしておりますとともに、それと併せて、一般消費者の方が見ても一見して認証されている中身の識別ができるようなJASマークの見直しを検討をしているところでございます。
 また、普及についてのお尋ねございましたけれども、まずは市場で高く評価をされるような意味のある規格を早期に制定を進めてまいりたいと思いますけれども、こうした規格の制定、活用についての優良事例をほかの品目でありますとかほかの分野にも横展開をしていきたいと考えておりますし、また説明会の開催、メールマガジンの発信などを通じまして様々な普及啓発を進めてまいりたいと考えております。
#170
○竹谷とし子君 好事例をまずしっかりとつくり上げて、それを横展開をしていくということは非常に具体的な方策であるかというふうに思いますが、とにかく、今回、制度をつくって単に認証するという受け身の仕事だけではこれ全く意味を成さないというふうに思っております。これまでの課題というものが全く変わらないのではないか、それだけではというふうに思います。輸出がしっかり増えていくこと、またインバウンドにも対応して国内の中でも売上げが伸びていく、そうしたことをしっかりと念頭に入れた上で戦略をつくって実行していっていただきたいというふうに思います。
 JAS法に関してもう一点伺いたいと思いますけれども、先ほども話題に取り上げられました偽物の日本産品について伺いたいと思います。
 せっかくブランド化した日本産品が海外で次々と偽物を作られて売られております。先ほども農水省の二〇一六年度の調査で、中国などアジアの六都市の調査だけでも偽装品が九百二十七点確認をされたという調査、触れられていたと思いますけれども、その中で夕張メロンと書かれたものが堂々と売られていると。また、讃岐うどんとか信州みそとか、庶民的な食品でも偽装が横行していたということでございます。
 今回、改正JAS法でその偽物への対抗にすぐになるというふうには思っておりませんけれども、まずこのJAS法を一生懸命これから普及をさせ、国際的に認知されるように努力を恐らくしていただけるんだと思うんですけれども、認知されると今度はそのJASというマークがまねをされると。まず、まねされるぐらい有名になることが第一だと思うんですけど、そこまで行ったら一つの到達点ではあるかもしれませんが、そのときに、先ほど商標登録のお話がありました。それ動いていきますというふうにお話がありましたけれども、既にこのJASに関して海外で何か商標登録しようとか動きというのはあるんでしょうか。
#171
○政府参考人(井上宏司君) JASマークが海外において保護されるように、特に我が国の産品の輸出が見込まれるような国・地域から優先をしてJASマークの商標登録を行うこととしておりますけれども、近日中に日本を除いて三か国、それから二十九年度以降に更に七か国、輸出の特に重要な相手国を優先的に出願をしてまいりたいと考えております。
#172
○竹谷とし子君 これは先々のことを考えてやっておく必要があるものだというふうに実感をしたことがございまして、日本のお茶屋さんで大変質の高さでブランド力を持っているところが、インバウンドで台湾や中国からお客様が来て、ああ、いいなというふうにそれを認識していかれるので、今度台湾でそれを商標登録されちゃっているという問題があったんですね。
 それを当然ジェトロ等を通じて特許庁にも御相談して何とかしようとしても、もう既にそれが定着をしてしまっていると大変難しい状況になるなということを実感したことがございまして、まだ心配しなくてもいいというときから、ここの国ではいけそうだからということで、全ての国でやる必要はないと思うんですけれども、特定の国において準備をしていくというのは非常に重要だなというふうに思っております。
 続いて、海外での和食振興について質問させていただきます。
 海外の日本食レストランが二〇一五年七月までの二年間で一・六倍に増えて約八万九千店になっているという調査を拝見いたしましたが、海外に日本の食、また食を通じた日本の文化を発信していくために、農水省は海外の日本料理店の認定や日本産の食材を使うお店の認定をされているというふうに理解していますが、今の認定件数と地域というのはどのようになっていますでしょうか。
#173
○政府参考人(井上宏司君) 海外の日本食レストランのうち、日本産の食材を積極的に使用するレストラン等を日本産食材サポーター店として民間団体が認定する制度を昨年度から農林水産省で推進をしているところでございまして、三月末までの実績でございますけれども、タイ、アメリカ、韓国、ベトナム、マレーシアで約百三十店舗が認定をされているところでございます。
#174
○竹谷とし子君 結構、百三十店舗やっているというのは普及しつつあるのかなという可能性を感じるんですけれども、今後、拡大のためにどのように取り組んでいくのかということを伺いたいと思います。
 日本料理、非常に奥が深い、家庭で作っているものも日本料理ですし、一流の料理店で扱う日本料理というものもありますし、非常に幅が広いというふうに思いますが、単に料理にとどまらずに日本文化への理解も必要であるというふうに感じております。そのためには、一定期間、日本国内の料理店等で修行を料理人に重ねていただく必要があるのではないかというふうに、和食のお店が海外でたくさん増えたとしても、ちょっと不思議な和食店になっていることが、たまに日本で食べたことのない和食というものが出てきて驚くことがありますけれども、和食、日本の和食というふうにブランド化していくのならば、本物を知っていただく、そして広めていただくということが必要だと思うんです。
 フレンチだったら本場フランスの何とかという店で何年修行しましたとかというのはすごく箔が付きますし、イタリア料理もそうだと思います。そうした本場で修行したということが重要だと思いますので、日本の料理も、各国から修行に来られた方々がまたその経験を通じて海外で、和食の良さ、日本文化を普及していただけるようにその流れをつくっていくべきであるというふうに思います。
 農水省としてどのように取り組むのか伺いたいと思います。
#175
○大臣政務官(矢倉克夫君) 和食は、ユネスコの無形文化遺産登録をされた、まさに文化そのもののところでもあると思います。それを海外展開するためには、文化への理解というふうにも委員おっしゃいましたが、非常に重要な視点であるかなと。そのためにも、委員おっしゃったように、海外の料理人に日本料理の知識、技能を学んでもらって日本食の魅力を海外で発信していただくということは効果的であるというふうに農水省としても考えております。
 こうした観点から、日本食、食文化を海外に普及する外国人の料理人の育成に取り組んでいるところであります。具体的には、平成二十六年に在留資格要件を緩和し、我が国の調理師学校を卒業した外国人につきましては、卒業後更に二年間日本料理店において就労しながら学ぶこと、これを認められております。また、平成二十八年度から、日本料理に関する知識、調理技能を修得度合いに応じて民間団体が認定する制度を創設いたしました。外国人料理人の技能向上を促進するとともに、外国人料理人を我が国に招聘いたしまして、日本料理の研修を行う事業等を支援しているところであります。
 今後とも、こうした取組を通じまして、日本料理に関して適切な知識、技術を有する外国人の日本食料理人を育成し、日本食、食文化の海外普及を推進してまいりたいというふうに思います。
#176
○竹谷とし子君 最近、外食業界においても、人手不足ということも相まって、一流のホテルであっても海外からの研修生、研修というか、日本料理学びたいという人を受け入れたいというお声を受けておりますので、在留資格についてどのような形であればそういったニーズとマッチングさせていくことができるのかということも是非御検討をいただきたいと思います。
 終わります。
#177
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 ちょっと題名が長いので、短くJAS法の改正についての質問をいたします。
 それで、JAS法は一九五〇年に制定をされて、農林物資の規格を制定、普及させることによって品質の改善や生産の合理化などを図っていくということで、農林水産大臣が指定をして規格をして、それを進めることによって農業生産の振興を図っていく、そして消費者の利益の保護に寄与するという目的で作られたわけです。
 そこで、まずお聞きしますけれども、目的規定についてです。
 新旧の目的のところも法案の新旧の比較で見たわけですけれども、この新旧の比較で見て、現行法のところで目的の第一条では、「消費者の需要に即した農業生産等の振興並びに消費者の利益の保護に寄与することを目的とする。」というふうに書いてありますけれども、この消費者の需要に即した農業生産の振興等というのはどういう意味でしょうか。
#178
○政府参考人(井上宏司君) ただいま御指摘の部分は、平成二十一年の改正によって原産地の偽装表示を行った者に対する直罰規定を設けた際に、偽装表示によって生産現場に風評被害が発生をしている実態に鑑みてこのような規定が設けられたものと承知しております。
#179
○紙智子君 質問に答えていないと思うんですけど。目的の第一条のところで書いているところの、「消費者の需要に即した」というふうに書いてありますよね。消費者の需要に即した農業生産等の振興等ということの意味です。
#180
○政府参考人(井上宏司君) これについては、消費者のニーズを踏まえた農業生産を振興していくということかと思います。
#181
○紙智子君 今回の改正案の中で、「消費者の需要に即した農業生産等の振興」というところが削除されているんですよね。現行法ではあるんだけれども今回は削除されているんですけど、それはなぜなんですか。
#182
○政府参考人(井上宏司君) 今回、目的規定について、物資の規格を作るというところから取扱いの方法等の規格を作るという対象拡大をすることに伴いまして目的規定の改正が必要になったわけでございますけれども、その機会に、これまでの規定の文言の整理をしていく中で、ただいま御指摘の「消費者の需要に即した農業生産等の振興」という点につきましては、「農林水産業及びその関連産業の健全な発展」という中に包含をされているというふうに整理をさせていただいたものでございます。
#183
○紙智子君 規定の文言の整理をしたんだ、それで包含されていると言うんですけれども、包含されているように読めないわけですよね。これやっぱり、その言葉自身が削除されるということになると意味が変わるんじゃないかというふうに思うんですよ。
 元々、先ほどちょっと言いかけましたけど、二〇〇九年の法改正で、それまで書かれていた、作ってから書かれていた「公共の福祉の増進」という文言を「農林物資の生産及び流通の円滑化、消費者の需要に即した農業生産等の振興並びに消費者の利益の保護」というふうに改めているわけですけれども、その公共の福祉の増進という意味を明確化するために「消費者の需要に即した農業生産等の振興」が書き込まれたということですよね、当時。それによって規格制度と表示制度が共に果たしてきた生産者と消費者をつなぐ役割が法文上特に明確になったということが当時の法解釈で書かれているんですけれども、それはそういうことですよね。ちょっと確認します。
#184
○政府参考人(井上宏司君) 今の点はちょっと通告をいただいておりませんので、当時の法解釈についてはここではお答えできません。
#185
○紙智子君 ちょっとお答えできないというのも変なんですよね。当時の、通告をいただいていないと言うけれども、この実際に目的のところを変えるに至っている、そこの部分を聞きますよと言っていたわけですから。それで、今回それを削ったということはなぜなのかということを聞きたいんです。
#186
○政府参考人(井上宏司君) 申し訳ございませんが、現行法の中には既に公共の福祉の増進という規定は改正されてございませんので、その当時の改正の経緯については今ここではちょっとお答えを申し上げることはできません。
#187
○紙智子君 それはおかしいですよ。
 現行法には書かれていないからと言うんだけれども、その今までの経緯からいって、元々は書かれていた「公共の福祉の増進」という文言が二〇〇九年のときに実は改まっていると。その公共の福祉の増進という言い方をより鮮明にするために、当時、「消費者の需要に即した農業生産等の振興並びに消費者の利益の保護」というふうに変えたわけですよ。すごく大事な意味が込められているわけですけれどもね。
 それは、さらに、規格制度と表示制度が共に果たしてきた生産者と消費者をつなぐ役割ということが法文上特に明確にされたんだと、こういうふうに当時の法解釈の中では言われているんですけれども、それをなぜ今回削除することになったのかと。もう一度お答えください。
#188
○政府参考人(井上宏司君) 今回の目的規定の文言整理において、その点について、何か今後は重要視しないとか、そういう特段の意図を持って今回の新たな目的規定にしているわけではございません。
#189
○紙智子君 いや、そのことをもって何か変わるわけじゃないという話されるんです。大きく変わるんじゃないですか。
 元々の原点となってきたところが、途中いろいろ変わるんですけれども、その変わったけれども趣旨をより明確にしてきたと。しかも、消費者と生産者をつなぐ役割、ここのところが法文上明確になったんだというふうになったものが今回削除されているわけですよ。これは大きな変更だと思うんですけれども、いかがですか。
#190
○政府参考人(井上宏司君) その点につきましては、繰り返しになりますけれども、「消費者の需要に即した農業生産等の振興」も「農林水産業及びその関連産業の健全な発展」の中に包含をされているものという考え方の下に、新たな目的規定にさせていただいているところでございます。
#191
○紙智子君 それは、受取方によっては違うんじゃないですか、書いていないわけだから。その他の文章はありますけれども、それはちょっと納得できないということがあります。
 それからもう一つ、「食品表示法による措置と相まつて、」という文章も現行のところからは削除されているんですよ。これ、食品表示法に移したとしても、食品表示法ができたというのはあるんだけれども、それを移した上で現行の文章の中には、「食品表示法による措置と相まつて、一般消費者の選択に資し、もつて農林物資の生産及び流通の円滑化、消費者の需要に即した農業生産等の振興並びに消費者の利益の保護に寄与することを目的とする。」と。「相まつて、」という条文があるということは、これ引き続き、相まってというのは互いに作用し合ってということですから、食品表示法はできているけれども、それと互いに作用し合いながら相まって進めていくんだということが条文にあるわけですよ。
 だから、それ大事なことだと思うのに、今回なぜ削除しているんでしょうか。
#192
○政府参考人(井上宏司君) 今回、この「食品表示法による措置と相まつて、」という部分を削除した理由でございますけれども、一つは、JAS法自体が、今回の改正によりまして、これまでの農林物資の成分等の品質のみならず、これらの取扱い方法、試験方法等の規格も定め得ることとなることによって、消費者の選択に資する機能をJAS法自体がより一層有することになったという点が一つと、もう一つは、農林物資に係る消費者の選択に資する法律としては、食品表示法のほかに、例えば平成二十七年に施行されました地理的表示法、いわゆるGI法でありますとか、そのほかにも米トレーサビリティー法等もありまして、食品表示法だけに限られないということで、むしろ特記をしない方がいいだろうという考え方の下に、今回はこういう規定ぶりにさせていただいたものでございます。
#193
○紙智子君 消費者の選択の幅が広がるとか、新しいそういうものが含まれるからということで必要ないというように考えたという話だったと思うんですけど、なぜ勝手にそういうことを判断できるんですか。
 これは、二〇〇九年の法改正のときに衆議院の農水委員会委員長の提案で全会一致で送られてきたものですよ、参議院に。これ、議員立法で作られた条文で書かれたものですよ。議員立法でやっぱり出されているというのは重いものだと思うんですね。重いと思うんですよ。なぜかというと、議員立法というのは、やっぱり国民の皆さんから上がる切実なそういう要求に基づいて、必要だということである場合には超党派で作ったりするわけですよ。それを、何で農水省は議員立法で作った条文を簡単に変えるのかと。
 当時は、二〇〇九年のときというのは、ミートホープ事件だとか、それから船場吉兆事件だとか、それから中国産の毒入りギョーザ問題とか、もう多々、いろんなやっぱり偽装事件だとか安全を損なう、信頼を損なう、そういうことが相次いだわけですね。そういう中で、議員立法でこれは必要だということで出されてきたと思うんですよ。それをどうして変えなきゃいけないんですか。
#194
○政府参考人(井上宏司君) JAS法自体は、従来から閣法で提出をさせていただき、御審議をいただいたということで、今回も、内容の変更に伴ってこの目的規定の改正を閣法として御提案をさせていただき、御審議をしていただいているというところでございます。
#195
○紙智子君 全然分かりませんよ、今の説明では。
 大臣、大臣にもお聞きしますけれども、今このやり取り聞いていたと思いますけれども、大臣はどのように思われますか。
#196
○国務大臣(山本有二君) 農林水産業及びその関連産業の健全な発展、ここまでは従来も変わりませんし、この規格、JAS法を作る意味があり、さらに、一般消費者の利益の保護というところで、この現行法にある目的を、全て消費者に関するものを読み込んだというように理解をさせていただいているところでございます。
#197
○紙智子君 その言葉はどっちにもあるんですよ。ないことが、削除された意味があるんじゃないかというように思うわけですよ。
 私、やっぱり議員立法って重いと思うんですよ。この間、つい先日は特殊土壌のところの特別法というか、これを延長しましたけれども、これだってやっぱり現場の本当に切実な声があるからそうやって超党派でもやってきたわけじゃないですか。違うところでいっても、例えば、東日本大震災があって、それで子ども・被災者支援法というのを、それこそ自民党から共産党まで含めて超党派で、やっぱり救われない人たちのために何とかしようということで、健康被害も含めてそういうものを作ってきたわけですよ。そういう議員立法が勝手に変えられるなんということは、ちょっとこれ許せないことなんですよね。
 ちょっとこれ、今の答弁では全然納得できないんです。農水大臣、もう一度ちょっとお答えください。
#198
○国務大臣(山本有二君) これ以前の法改正の段階で、消費者基本法、消費者保護基本法というのが制定され、かつまた消費者庁ができ、かつ食品表示法が独立して消費者行政の中に組み込まれたというような変化もありまして、かなりの消費者保護のツールが増えたということにおいて、この目的規定の中に、消費者に関する表示等のウエートが少し軽減されてきたということは、私はあり得るというようなふうに考えるところでございます。
#199
○紙智子君 いろいろほかにもできてきたからその分が軽くなったという言い方なんだけど、それがあったとしても消す必要ないじゃないですか。ここに書かれているように、「食品表示法による措置と相まつて」と、引き続き大事なんだということが書かれているのに、今回の改正案では削られている、それも議員立法で盛り込まれたものが削られていると。全然、私、これ納得できないんですよね。ちょっと、ちゃんと答弁を、納得いく答弁をしていただきたいと思いますが。
#200
○政府参考人(井上宏司君) 御指摘のとおり、委員が議員立法とおっしゃっている部分は、食品の偽装の問題が起こった後に、この偽装表示に対する罰則規定の新設という改正を行う際、議員立法が行われ、それに合わせて、それに関連する部分の目的規定の一部が改正をされたというふうに承知をしてございます。その後、御案内のように、食品の表示につきましては、このJAS法の中から規定が削除され、食品表示法に移ったということでございます。
 ただ、先ほども申し上げましたように、したがって、その食品表示法と相まってということを全く無視するということではなく、ほかの法律も消費者の選択に資するものであるという意味では、この食品表示法だけではないということで、今回はその食品表示法だけを特記するというところについては削除をさせていただいたということでございます。
#201
○紙智子君 これは削除する必要ないということですよ。これ、私、議員立法でそうやって書き込まれたものをいろいろ解釈をして勝手に削るって、これは国会無視だと、軽視だと思いますよ。先ほど来いろいろ議論を聞いていましたけど、本当に国会議員がいろんなことを出して、そして議論をしていく、審議をしていく、そういうことに対して必要な調査もするとか資料も出すというようなことも含めてあるわけだけど、本当にこれは国会軽視も甚だしいというふうに言わなければならないと思います。
 次に、第二節の適合の表示のところについて聞きます。第十三条ですね。今回新設された条文ですね。まず、この意味について説明してください。
#202
○政府参考人(井上宏司君) 今の御質問は、改正法の十三条の表示のところでございましょうか。
 この点につきましては……(発言する者あり)はい、十三条。よろしいですか。取扱いの方法等につきまして適合の確認を得た場合には広告等にマークが付せるということになるわけでございまして、この十三条では、「広告その他の農林水産省令で定めるもの」というふうに書かれておりまして、この適合の表示ができる場所といいますか、として、この広告等として、チラシ、ポスターといった広告のほか、パンフレット、契約書といった取引に用いる書類、あるいは事業者のホームページ、あるいは事業者の事務所、工場の外壁、看板等を想定しているところでございます。
#203
○紙智子君 それで、なぜ新設をすることにしたんですか。
#204
○政府参考人(井上宏司君) これまでは物資の品質についての規格だけがあったわけでございまして、これについては格付の表示という条文が立っておりますけれども、今回新たな規格の類型ができたことに伴いまして、それに適合していることを確認の上、表示ができるという仕組みを創設をしたものでございます。
#205
○紙智子君 ここで言っている広告というのにはどういうものがあるんでしょうか。
#206
○政府参考人(井上宏司君) 先ほどと繰り返しになりますけれども、改正法案の十三条におきましては、「広告その他の農林水産省令で定めるもの」とさせていただいておりますけれども、農林水産省令で定めるものとして想定しているものを含めて申し上げさせていただきますと、一つは、チラシ、ポスターといったいわゆる狭義の広告、それ以外にパンフレット、契約書のような取引に用いる書類、あるいは事業者のホームページ、あるいは事業者の事務所、工場、この場合には外壁であったり看板ということになりますけれども、こういったものを想定しているところでございます。
#207
○紙智子君 インターネットとかテレビコマーシャルなんかはどうですか。
#208
○政府参考人(井上宏司君) それについても掲示ができるということになります。
#209
○紙智子君 それで、だから相当いろいろできるわけですけれども、これまでのJAS法というのは、規格内容を表示で示して消費者が品質の確認をできるようにしていたわけですね。これは、消費者の権利としてのやっぱり表示という問題を体現したものだと思います。しかし、今回、差別化して規格内容を宣伝できるようになるということは、売りに出す側は販売を促進できることになるかもしれませんけれども、消費者にとっての品質を保証するための表示JAS法から、商品を売るための広告のJAS法に変わってしまうんじゃありませんか。
#210
○政府参考人(井上宏司君) 物自体についての規格についての格付の表示、いわゆるJASマークをどこに表示できるかということでございますけれども、これについては、今回の改正によりまして、物の規格に適合していることの表示は、その物自体又はその物を広告しているものにしか掲載ができないということにさせていただいております。
 他方で、今回新たに規格の類型として拡大をいたします取扱方法等についての適合の表示につきましては、物や物自体の広告には付せない、これは国際標準化機構、ISOのルールでもそのようになっているわけでございますけれども、そういう国際ルールに従って、物や物の広告には付せず、会社のホームページであるとか会社案内等、先ほど申し上げましたようないわゆる広告等でございますけれども、にのみ付せるという区別をしているわけでございます。
#211
○紙智子君 私は、何となく受ける感覚として見ても、やっぱり品質を保証するための表示、消費者のために品質を保証するための表示というJASの性格だったんだけど、売っちゃ悪いとは言いませんよ、だけど、売るための広告というふうにこの性格がちょっと変わっていくんじゃないかというふうに思うわけですよ。
 それで、今回の改正の趣旨についてもお聞きしたいんですけれども、我が国農林水産業の国際競争力の強化を図るため、JAS規格に農林物資の取扱法等についての基準を追加するとしているわけですけれども、この国際競争力の強化というのはどういうこと、何をもって競争力があるということになるんでしょうか。
#212
○政府参考人(井上宏司君) ここで特に言っております国際競争力という意味では、農林水産の食品について海外のマーケットでも競争できる力ということかと思います。
#213
○紙智子君 海外でも競争できると、その中身は何なのかというのは今語らなかったんですけど、昨年十一月に、農林水産業・地域の活力創造本部というのがあって、そこで農業競争力強化プログラムを決定しました。全体で十三項目あるわけですけど、その一つに戦略輸出体制の整備という項目があります。JAS規格がそこではどういうふうに書かれているでしょうか。
#214
○国務大臣(山本有二君) JAS法に基づく制度の在り方を見直すというふうに位置付けております。
#215
○紙智子君 済みません、もう一回お願いします。
#216
○国務大臣(山本有二君) この十一月に決定されました農業競争力強化プログラムにおきまして、戦略的輸出体制の整備の一環としまして、JAS法に基づく制度の在り方を見直すというようにここで位置付けられたものでございます。
#217
○紙智子君 JAS規格がどういうふうに書かれていますかというふうに聞いたんですけど、今のところでよろしいんでしょうか。
#218
○政府参考人(井上宏司君) 昨年の十一月に創造本部で決定をされましたプランに、一つは農業競争力強化プログラムが付いているわけでございますけれども、この中におきましては、今後の具体的な取組として、日本産品の品質や特色のアピールにつなげるため、国際標準化を見据えたJAS規格の活用といったことがありますし、さらに、同じくそのプログラムの中で、この一環として、JAS法に基づく制度の在り方を見直し、生産行程や生産・流通管理の方法等といった多様な規格の制定、国際的に通用する認証や表示により、海外事業者への訴求に向けて戦略的にJASを活用するとございます。
 さらに、同じ日に決定されましたプランにこれも付いております、農林水産物インフラ整備プログラムの中で、JAS法に基づく制度の在り方を見直し、以降、先ほどと同じような文言ですけれども、さらにこのインフラ整備プログラムの中では、JAS法に基づくこれまでの制度の在り方を見直すこととし、関係法案の次期通常国会提出を検討するというふうに書かれております。
#219
○紙智子君 JAS法の規格は、規格・認証や知的財産制度の活用促進と規制の緩和・撤廃の中で、国際標準化を見据えたJAS規格というふうに書かれていると思うんですけれども、国際標準化を見据えるというふうにあるんですけれども、この国際標準化をする展望、そして段取りということについてどのように考えているのか、教えてください。
#220
○政府参考人(井上宏司君) 農林水産・食品分野の国際競争力、先ほど申し上げましたけれども、海外のマーケットに輸出ができるというためにはJAS規格を、JAS規格そのものとしてもアジアの国では取引先等に訴求力が一定程度ございますけれども、さらに欧米のマーケットを考えた場合には、できればこの日本発の国際規格というものも制定をしていきたいということで、これが重要な課題だと考えております。
 これに向けまして、今後、個別の案件ごとに、関係事業者団体、農林水産省の品目等担当部局、JAS担当部局から成る官民連携の体制で、具体的な案件を念頭に置いた国際規格化に向けた目標、ロードマップを作りながら、またアジア諸国などを始めとした海外諸国の支持層づくりといいますか、協力できる国づくりといったようなことを進めていきたいと考えておりますし、また、こうした個別の規格の国際規格化を成功に導くためには平素からの協力関係というものが重要でございますので、規格・認証に関する情報交換等の協力関係をアジアを始めとする海外諸国、国際機関と今後構築をいたしたいと思っておりますし、また国際的に活動できる人材を育成していくといったことも進めてまいりたいと考えております。
#221
○紙智子君 今、できれば日本発のでいきたいという話もあったんですけど、そこのところが、現在、国際的な取引で認知されている農林水産物・食品分野の標準・認証制度、コーデックスもあるし、ISOもあるし、ベンチマークの規格などもあります。これらの国際的な認証制度を使えば現在も輸出できることになっていると思うんですけれども、それでは十分ではないから今このJAS法を改正するということなんでしょうけれども、だとすれば、何が十分じゃないのか、果たして本当に、輸出拡大に結び付けたいという話があるんだけれども、どれだけ拡大につながるのかということについての見通しというのはどのように考えているんでしょうか。
#222
○政府参考人(井上宏司君) 規格を作ることによって具体的に幾ら輸出額が増えるというのは、マーケットの状況であるとか為替とか価格とか、いろんな要因がありますので定量的にお示しすることは難しいわけでございますけれども、一兆円の輸出目標に向けた、重点品目を中心にその規格をある程度優先的に作っていく。その際に、委員御指摘のように、いきなり国際規格に提案していくというやり方も道としてはございますけれども、例えばISOであれば、三分の二の多数決が得られなければ国際規格にならないわけで、そのときに、JAS規格も何もなく、ただアジアの国を始めとする国とアライアンスを組んで三分の二を取るようなことができるかというと、根っこになるようなJAS規格というのをある程度認知度を高めながら国際規格を目指していく道というのも有効な道だろうというふうに考えておりまして、こういう取組を精力的にやっていきたいと考えております。
#223
○委員長(渡辺猛之君) 時間が来ておりますので。
#224
○紙智子君 時間がなくなってしまいましたけれども、ちょっとやっぱり非常に不確かというか、果たしてこれで本当にできるのかということを思いますし、やっぱり新しい規格ができても、これでどれだけ輸出が伸びるのかということも不確かだし、明確なビジョンもあるわけじゃないと。
 ですから、やっぱりこれ、本来、もっと国内市場を中心にしっかりしなきゃいけないというふうに思うんですけれども、幻想的なことを、そのことにお金をたくさん使うというよりは、本当に確実なところをしっかりと支えるということをやるべきだということを申し上げておきたいと思います。
 終わります。
#225
○儀間光男君 日本維新の会の儀間でございます。
 今日は、改正JAS法について少しく質問をしていきたいと思います。
 まず、午前中も聞きましたけれど、おさらいの意味から、いま一度聞きたいと思います。
 登録認定機関があって登録認証申請をするわけですけれど、その仕組みあるいは手数料、これをいま一度ちょっと聞かせていただきたいと思います。
#226
○政府参考人(井上宏司君) まず、仕組みでございますけれども、規格ができますと、その規格に適合していることを証明してもらいたい事業者の方は、農林水産大臣に登録がされている登録認定機関、現行法では登録認定機関、改正法では登録認証機関でございますけれども、その登録認証機関に行って認証してもらうということになります。
 その際の認証に掛かる金額については、これは登録認証機関ごとに異なりますけれども、相場として申し上げさせていただくと、飲食料品等の規格については三十万円前後、林産品についても同様でございます。有機の産品については十万円前後ということでございます。
 さらに、登録認証機関が認証機関として農林水産大臣に登録をするときの手数料というのが必要になりますけれども、これにつきましては政令で定められておりまして、認証機関が農林水産大臣、国に登録をする際の手数料は、飲食料品、林産物につきましては十二万八千六百円、それ以外の有機農産物等につきましては十万五千七百円と定められてございます。
#227
○儀間光男君 認証を受けて、有効期間何年ですか。
#228
○政府参考人(井上宏司君) 認証自体には有効期間というのは特にございませんけれども、認証を受けた後、これは国際標準化機構が定めているISOの国際ルールがそうなっておりますけれども、それにまた日本も準拠しておりますが、認証を一旦受けた後、おおむね一年ごとに、定期的に、最初に確認を受けたとおりに生産等が行われているかのチェックを受けるということになっております。
#229
○儀間光男君 一方、認証機関は四年であるということの資料も出ておりまして、さらに、この四年のうちに、今おっしゃった、毎年一回は検査を受ける必要があるというふうに理解をいたしております。
 それで、質問したいんですが、正直申し上げて、これ消費者の立場からのJASに見えてしようがないんですね。何か表は、我々が感じた、直感したところは、これは生産者の立場で生産者が利益を得るような、そういうような法律であったのかなと思ったんですが、よくよく見るというと、これ消費者の立場から、あるいは消費者が安全で安心で食料、食品を得るということは至極当たり前の話でありますが。
 一方、今お答えがあったような、これ認証を受けるにはいろんなコストが掛かる。そのコストは、認証を申請する農家なら農家側が持たなければなりませんね。一方、そういうことも見ないといけないんですが、それを見ているというと、巡り巡って農家のところに返ってくるとは思うんですが、どうもこれは、農家としては生産コストがかさむというような感じがするんですが、その辺ちょっと説明していただけませんか。
#230
○政府参考人(井上宏司君) JASの認証を取られる方は、これを取ることによって自分のビジネス上メリットがあるということで取られるということになりますので、認証手数料の負担をしてでもこの規格を取る意味があると考えられる方は取るということだと思いますし、また、今回、その規格の類型を拡大する改正案を御提案申し上げておりますけれども、どういう規格を作るかというときに、やはり効果の大きいような規格を作っていくということが大事だというふうに考えております。
#231
○儀間光男君 これは食品、つまり農林水産物でありますから、当然、生産者は農林水産業者です。あとは、JASが生きてくるのは、もちろん農林水産生産者にもそうかも分かりませんが、ほとんどマーケットで勝負を懸ける、つまり輸出ですから、海外マーケットでISOやその他の国際基準に恥じないような、そういうような日本の保証というか安全保障というか、こういうものを持ったのがJASだと思っておりまして、例えて言うなら、オリンピックの選手が、アスリートたちが日の丸を背負って行くようなもので、JASを背負うことによって海外マーケットでバイヤーたちが安心して信頼を受けて取引ができる、したがって多くマーケットを確保できるんだと、そういうような発想になっているように思いますが、いかがですか。
#232
○政府参考人(井上宏司君) 恐らく、海外の取引先と商談をされるのは初めてのケースであるような国内の事業者の方、また、その事業者の方も、海外の人でも知っているような大きなメーカー等ではなく、生産者、小さな生産者であったり小さな産地であると、そういうところであっても、こういう規格に合致した認証を取っていることで信用力を増すということで海外のマーケットに出ていきやすいという、こういう規格の活用を促進してまいりたいと考えております。
#233
○儀間光男君 おっしゃること理解はしているんですが、要するに、農家還元、生産者還元となると一体どういうふうな、回り回って農家へ還元、生産者へ還元して生産者が有利になるようにいくんだろうか。例えば、大きな農家ならいいんです、生産者ならいいんですが、零細生産者であればこのJASの登録を取ることだけでも大変なことで、それは任意だから取らぬでいいよなんというと、大きいのがずっと行っていって小さいのは置いてきぼりにされてしまうと、自然淘汰して消えていくというようなこと等もあったりすると不公平感が感じてならないんですが、その辺はどうですか。
#234
○政府参考人(井上宏司君) いろんなケースあろうかと思いますけれども、一つのケースとして、今回、対象を拡大するところの規格の関連で申し上げさせていただきますと、鮮度を高いまま維持して輸送する方法の規格化というのがされる場合には、その規格を最初制定をし、取得する方というのは恐らく輸送会社であったりするということかと思います。ただし、その運び方によって運ばれる、これはイチゴでも桃でも結構ですけど、鮮度の維持が比較的難しく傷みやすいようなもの、こういうものを生産されているような方が、そういう、ほかのメーカーが取ったような、あるいは制定に係ったような規格に基づく輸送方法によって鮮度が高く相手の国の消費者あるいはバイヤーのところに届けられるということで、生産者の方の物が売れやすくなるといったようなことはあろうかと思います。
#235
○儀間光男君 要するに、直接というよりは海外マーケットでシェアすることによって産物が多く外国へ行くので、量産して多くを出せば還元として返ってくるというようなことだと思いますけれど、その海外マーケット、午前中から議論があったように、ここ、ISOもちゃんとあって、JASじゃなくてもISOでやっていけるよなどということもあると思うんです。
 そこでお尋ねしたいのは、JAS規格を推進する場合に、ISOとの連携あるいは関係、あるいは違い、こういうものはどういうものか、ちょっと答えていただきたいと思います。
#236
○政府参考人(井上宏司君) 今回の改正案の中でも、国際的な枠組みへの参画というのに努める旨、国とFAMICがでございますけれども、という規定を設けておりますけれども、国際規格化をしようとすればそれに向けた取組が必要になってくるということで、JAS規格に定められていれば当然にして国際規格になるというものではございませんので、JAS規格をベースにしながらどう国際規格を取っていくかというときには、アジア諸国を始めとする国との連携関係というのを相当密に取りながら、国際規格を実現するための多数が取れるような取組というのをやっていく必要があるということでありますし、また、やっていく旨を込めて、先ほど申し上げました、国とFAMICは国際的な枠組みの参画に努めるという条文を今回新設をさせていただき、また実際上もそういう取組をこれから進めさせていただきたいと考えております。
#237
○儀間光男君 例えば日本のJAS、改正JASも含めて、並みの制度を持っている国々ならこれでいいんですよ。例えばアメリカやヨーロッパや、あるいはアルゼンチン、オーストラリア、ニュージーランドなどという国々は、それはJAS程度のレベルはありますから単独でいくこともあるんでしょうけど、例えば中東やアフリカ、アジアの国々、そういうところはまだ日本のJASほどのレベルじゃないマーケットもたくさんあるわけですね。というところに、こういうところは恐らく、ISOでいくのかどうか分かりませんが、これ日本の品物だけど、日本のJASがまだ認知されていないから、市場で、ISOでいくよというようなことをおやりになると思うんですが、ここはやっぱり、午前中も質問があったように、日本発というものを、なかんずくアジアでは、あるいは中東、アフリカ辺りではやっていただきたいと思うんですね。もちろん、ISOもありますよ。あるけれど、それ並みにレベルを日本のJASも上げて、それ並みにマーケットへ入っていくんだということをすべきだと思うんですが、どうなんでしょうか。
#238
○政府参考人(井上宏司君) アジア諸国につきましては、現在でもJAS規格を相手の国の事業者の方が見た上で取引を開始されているようなケースというのはございますけれども、御指摘いただきました中近東についてはまだJAS規格について浸透しているとは言えない状況だと思います。
 その際にいろんなアプローチあろうかと思いますけれども、一つは、これはアジアの中でも比較的、規格・認証制度が整備されていない国についてはそうでございますけれども、まずはやはり日本と同じような規格・認証制度をつくろうじゃないかといったような形で協力をしていくことによって国際規格を日本発で作りやすくなるというところもありますし、また日本の規格自身が普及、浸透していくといったようなこともあろうかと思いますので、そういう協力関係についても様々な国と構築をしていきたいと考えております。
#239
○儀間光男君 先ほども少し聞いたんですが、具体的な答弁はありませんでしたが、ISOと日本の改正JASとの違い、あるいはどういうところで違って乖離があるのか、その辺を少し明確にしていただけませんか。
#240
○政府参考人(井上宏司君) まず、改正JAS法とISOとの接点ということで申し上げさせていただきますと、今回の改正で新たに追加をさせていただいている中に、独立行政法人のFAMICが国内の認証機関を評価、認定できるような業務を行えるようにしております。これは、今でもこのFAMICは、JASについては登録認証機関の登録を農林水産大臣が受けるときに、その機関がそれだけの能力、体制を備えているかという技術的な調査については行っているわけでございますけれども、将来、日本発のISO規格ができたときに、その規格に適合していることを日本の生産者、事業者の方が認証を受けようとするときにわざわざ海外まで行かないといけないということでは迅速、円滑に認証の取得ができないということで、国内に国際規格についての認証を行うことができる機関をこの農林水産物・食品の分野でもこれから増やしていきたいと。
 そういう機関は、自分が勝手に私はISOに適合していることを認証できる機関ですよというわけではなく、そういう機関を認定する機関というのがまた欧米の主要国に既にあるわけでございますけれど、日本の場合には非常に限られているということで、そういう国際規格に認証していることを認証できる機関を認定できる機関として、今回、このFAMICがそういう業務を行えるように規定を置かせていただいているというのが接点でございます。
#241
○儀間光男君 よく分かりました。
 それで、例えばこの中で、有機農産物、有機農産物が中心となっていろいろ認証を受けたりやったりしておるんですが、資料をよく見ているというと、登録までいろんなことを経ていくんですが、この登録の区分の中で、この資料からすると六区分あるんですが、まず、答弁いただいたように、飲食料品のほか、畳表、あるいは最後の六つ目は定温管理流通加工等とあるんですが、今語られているのは有機農産物が対象で、なぜ有機畜産物はないんだろうかというふうな思いがあるんですね。今ないですよね。どうなんですか、この辺。確認させてください。
#242
○国務大臣(山本有二君) そのとおりでございまして、農産物の指定農林物資として指定されるものの中に有機畜産物というのはないわけであります。私も不思議だなとは思っておりましたら、消費者が混乱しているというような市場状況に、いまだこの畜産物が、ではないと。ですから、有機畜産物を有機畜産物として売ることによるまだ被害状況が散見されていないという意味で、有機畜産物という表示をして販売するということで相当程度高く評価をされた有機畜産物の価格設定、あるいは付加価値が高いというような状況が現在はございます。
 そのまま、今、通用していただいて、まだこのJASの出番がこれからであるというような認識の下に、これが対象になっていないというように考えておるところでございます。
#243
○儀間光男君 ここも、同じ生産者、農林水産業という立場から見ると、非常に不公平を感じてならないんですね。有機農産物はJASを得て海外マーケットへ打って出ようというのに、畜産物はなかなか出ていけない。あるいは仮に、任意でやりなさいとおっしゃるかもしれぬけど、任意でやったからといって誰がこれを担保するか。非常に不思議なところあるんですね。
 大臣、今なければ、これを、有機の畜産物がJASを取れて、堂々と日の丸を背負って海外マーケットへ乗り込んでいくというような条件整備を僕は急ぎしなければならぬと思うんですよ。今は農産物はオーケーだけど、いろんな都合があってまだ畜産は駄目だよなんて悠長なことを言っておれないんですね。その辺ちょっと御決意をいただけませんか。
#244
○政府参考人(井上宏司君) 畜産物につきましても、有機畜産物のJAS規格というのはございます。その上で、農産物と異なりますのは、指定農林物資として指定をされているかいないかということでありまして、これは何が違うかと申し上げますと、このJAS規格を取っていなければ有機を名のってはならないといった規制がこの畜産物については掛かっていないということでありまして、なぜ農産物と畜産物とで違うかといえば、畜産物については、有機としていろんなものが市場にあふれて混乱を来しているという状況がなく、農産物とは状況が相当程度違ったということで、この指定農林物資に農産物については指定をされていて、有機農産物についてはですね、畜産物についてはされていないというのが現状でございます。
#245
○儀間光男君 有機農産物はJAS規格があって、それを認証を受けたときに、これに違反することがあれば縛りがちゃんとあるんですよね。罰金制とかいろいろ罰則があり縛りがある。ここも違うところで、有機畜産物にはこの縛りが利いていないわけですよ、縛りが。
 それで、例えば、有機飼料を与えた牛ですよ、ホルスタインですよ、お乳を取りましたよと、これは有機飼料を与えて有機飼育した牛の牛乳ですよと。あるいは、そうじゃないと、そういうことはないけれど、これも有機飼料をあげた牛の牛乳ですよと言ったって分かりゃせぬのですよ。日本の農家はそういうふらちな人はいらっしゃらないとは思うんですが、なきにしもあらず、外国のマーケットが外国から入ってきますからね。そういうことがあったりするので、やはり畜産関係でもここをきちっと決めておかぬと僕は駄目じゃないのかなと思うんです。いかがですか。
#246
○国務大臣(山本有二君) おっしゃるとおり、私も、相互認証がある以上、やはり有機畜産物についても早急に検討すべきものだというように思っておりますので、なお関係部署と相談しながら、意向を踏まえてこれを認める方向で頑張りたいと思っております。
#247
○儀間光男君 大臣、ありがとうございます。前向きな御答弁で感謝を申し上げます。
 これ、もっと心配するのは、例えば日本のブランド、メード・イン・ジャパンのブランドで、黒毛和牛、これもう世界中どこ行っても黒毛、黒毛ですよ。ところが、今、黒毛つくっているのは、アメリカもオーストラリアも中国も、アメリカ、オーストラリアなんてもう完璧な血統の和牛をつくっているんですね。
 それで、アジア辺りのマーケットへ行ってみるというと、香港、マレーシア、インドネシア、シンガポール、あの辺行くと、黒毛WAGYUと横文字で書いた肉があるわけですよ。これ、どんな人が見たって日本産だという誤解があるんです。ところが内実は、調べると、メード・イン・オーストラリア、メード・イン・アメリカ、メード・イン・チャイナ、こういうふうなのがあるんですよ。ただ、中国の場合、調べてみたらまだ量産していないので、あそこは国民があれだけいらっしゃるので国外へは回らぬということで国内で収まっているけど、ニュージーランド、オーストラリア、アメリカは日本を狙うわけですよ。
 逆にこっちは、海外マーケット、牛肉も出していかなければなりませんから、ここにJASをきちっと付けて、日本の本物はJASが付いていますよと。ただの英語で、黒毛WAGYU、メード・イン・オーストラリア、アメリカは日本のものじゃないですよというようなことを差別化するためにできた法律だと思いますから、そこまでやって模倣品を排除していかぬというと、生産農家、肥育農家、なかなか飛躍していけないというふうに思うんです。
 それについての実態、どう御認識されるか、お願いいたします。
#248
○政府参考人(井上宏司君) 今回、規格の類型として増やさせていただく生産の方法と取扱いの方法等について、例示をさせていただきますようなお茶の例等については、私どももある程度現場にニーズがあるというふうに承知をしているものをお話をさせていただいているわけでございますけれども、御指摘の和牛について私ども今までのところこの具体的なニーズというのを聞いているわけではございませんけれども、特別な飼育、生産の方法とかですね、といったようなことで差別化が図られる、効果が得られるようなものであれば、関係の方々とも議論をして検討してまいりたいと思います。
#249
○儀間光男君 いや、局長ね、効果が得られるって変な言い方しないでください。今大臣は前向きにやると。効果があるからお願いするんですよ。シンガポールのマーケットへ行って見てください。日本の客いっぱいおるので、わあ、国産の和牛こっちで食べられるなんて言っているんですよね。ところが、実はしっかり見たら違うんですよ。しかも、アメリカもオーストラリアもニュージーランドももうA4とか5とか狙わないんです。日本の市場を、マーケットを狙ってA3を中心にやるんですよね。そのようなことを思うと、そんなにのんびりしてはおれませんよ。効果はあるんですから、効果は出せるんですから。
 例えば、今、牛言いましたが、イクラを考えてみましょう。北欧でイクラ捕ります、ロシア捕ります、カナダ捕ります、日本捕ります。ここを、日本産だよと言うのと、そうじゃない国々と言っちゃ失礼ですが、とにかく日本産は、食品ならメード・イン・ジャパンは今でもブランドとして世界で信用ありますよ。
 そういうことを明確にしていく、差別化していくという意味でこの改正JAS法が僕はできているという認識ですが、その辺いま一度聞かせてください。
#250
○政府参考人(井上宏司君) 今回の改正の対象としてそのようなものは含まれ得るということだと思います。
 効果と申し上げましたのは、そのときにどういう形の規格を作ると差別化が図れるのかというところについて検討していく必要があるだろうということでございます。
#251
○儀間光男君 もう最後に、大臣、広い意味での、大きい意味でのこれを少し語っていただけませんか、農政を。
#252
○国務大臣(山本有二君) 言語が違い、文化が違い、そして食生活が完全に違うという相手国に対して、即座、一覧性で信用を得るというのは、規格があるということは私は必要なことだろうというように思っております。
 したがって、JASというのは日本発の規格でございまして、これがやがて将来国際規格になるという希望を持って出発していくべき話だろうというように思っております。日本食品がとにかく味が良くて衛生管理もいい、そういうように誇らしげに我々は語っているわけでございますから、このJASと一体になって、私は、世界に通用する日本食品イコールJASというところに持っていく、それが強みだろうというように思っております。
 以上です。
#253
○儀間光男君 どうもありがとうございました。
 ちょっと時間残しますが、終わりたいと思います。ありがとうございました。
#254
○森ゆうこ君 希望の会(自由・社民)、自由党の森ゆうこでございます。
 JAS法の改正について、四月一日から日本食品海外プロモーションセンターも発足し、その輸出戦略ということで後ほどお聞きしたいというふうに思いますけれども、まずは、先ほど民進党の櫻井委員からも質問がありましたけれども、獣医学部の新設について経緯を詳しくもう一度お聞きをしたいと思います。
 まず、配付資料を御覧いただきたいと思います。説明をさせていただきたいと思いますが、最初の三ページは、これは成田に医学部が国家戦略特区によって新設をされるということが平成二十七年七月三十一日に決定をし、当日、ホームページで発表されたものでございます。三省の合意の内容がここに書かれてあります。そして、最終ページには予定も書いてあるところでございます。
 そして、最後のページは、今治市から昨日頂戴をいたしました、今治市議会に提出をされた資料でございます。この場をお借りして今治市当局に感謝を申し上げたいと思います。昨日急にお願いをいたしましたけれども、すぐに送っていただきまして、できるだけ説明責任を果たそうという、これが真っ当な姿ではないかというふうに思います。
 しかるに、この間、他の委員もお聞きをしておりますけれども、この獣医学部、国家戦略特区における獣医学部の新設についての経緯、この詳細について文書等々要望してまいりましたけれども、なかなかお出しをいただけなかったということでございます。
 それで、昨日の段階で、各省に対しまして、これは岩盤規制を突破すると、そして五十二年ぶりの獣医学部の新設なんだというふうに総理も高らかに宣言されたように、大変な規制を突破した内容でございまして、まず文科省にお聞きしたいんですけれども、文科省におきましては、農水、文科、内閣府の三省の合意について実は昨日の夕方ファクスを頂戴しておりますけれども、ちょっと資料の添付には間に合いませんでしたけれども、三省の合意について、このお送りいただいたファクスを基にどのようなことを合意されたのか、いつ合意されたのか、御説明いただけますか。
#255
○副大臣(義家弘介君) お答えいたします。
 国家戦略特区の検討のプロセスにおいて、内閣府を中心として農林水産省及び文部科学省との調整が行われ、最終的には一校に限るという合意になったわけでございますが、松野文科大臣からは、一校に限ることについての検討の打診については昨年十二月七日にお話があったと伺っております。三大臣での合意に関する相談については、事務方を通じて昨年十二月二十二日前に山本内閣特命大臣からお話があったと聞いております。
#256
○森ゆうこ君 そうしますと、文科省として、いただいたこれ、三省の合意文書に当たるものというのは、この平成二十八年十一月九日、国家戦略特別区域諮問会議、この資料三というものでよろしいですね。
#257
○副大臣(義家弘介君) そのとおりでございます。
#258
○森ゆうこ君 ありがとうございます。
 皆様にはお配りしておりませんけれども、これは度々問題になっております、昨年、平成二十八年十一月九日の国家戦略特別区域諮問会議において資料三ということで添付資料で作られております。国家戦略特区における追加の規制改革事項について(案)というような状況のものが昨日五時、十七時四十六分に文科省から、私の本日の質問に対して、文書も提出せよという要求に対しまして送られてきたものでございます。三省合意の内容でございます。
 それでは、農水省に伺います。農水省は、この質問、私、ペーパーでいたしておりますけれども、農水省からは、いろいろ櫻井先生の御質問に対する回答を協議中だと、理事会の協議中だということもあり、その合意文書があるかないかもお答えできないということで、いただいておりませんけれども、それでよろしいですよね。
#259
○国務大臣(山本有二君) 正確な合意の確認文書は、十二月二十二日にさせていただきました。
#260
○森ゆうこ君 農水省から頂戴しておりませんけれども、昨年の十二月二十二日に最終的に三者で合意をし、そして合意文書を作ったということでよろしいですか。ただ、それは、昨日、私には農水省は送ってこなかったということでよろしいでしょうか。
#261
○国務大臣(山本有二君) そのとおりでございまして、十二月二十二日、三大臣の合意の確認という文書を確認を私もしておるところでございます。
#262
○森ゆうこ君 いつ確認されましたか。
#263
○国務大臣(山本有二君) これ、十二月二十二日にこのペーパーの確認をいたしました。
#264
○森ゆうこ君 そうしますと、先般の御答弁と若干違うというふうに思っておりますけれども、それは訂正されるんでしょうか。
#265
○国務大臣(山本有二君) 先般の山本幸三国務大臣の予算委員会の発言のくだりの、その上で農水大臣と文科大臣に御相談を申し上げというくだりでございますが、この相談を受けた上で、それで事務方が鋭意三省で検討し、そして十二月二十二日に我々三大臣の合意の確認に至ったと、こう理解しているところでございます。矛盾はございません。
#266
○森ゆうこ君 ちょっと時間の関係で全部は読み上げませんけれども、この山本幸三大臣の答弁を見ますと、はっきりと日時は特定できませんけれども云々ということで、三府省間の合意を取り付け、そして一月四日の告示ということになったわけですと、こう書いてありますので、私としても正式な会合で、先ほど申し上げました獣医師についての実情を申し上げ、しかも、この形にして意見を発表したというように思っておりまして、格別、幸三大臣及び文科大臣と正式な席で合意を手続したという記憶は余り、余りというか、ございませんというふうに御答弁をされていますけれども、これ先ほどの、じゃ、ここの答弁は、やっていないということではなく、十二月二十二日に三人でお会いになって、そして合意文書を確認したということでよろしいですか。いや、ほかの、役所の人、何も言わないでくださいよ、だって御本人なんだから。
#267
○国務大臣(山本有二君) 山本幸三大臣の御発言も議事録をしっかり読みますと、御相談を申し上げというように、御相談をいただいた段階と、最終的に十二月の終わりに、十二月二十二日というようにはっきりと日付を答弁されておられまして、そして三府省間の合意を取り付けと、こういうくだりでございますので、これは山本大臣のこの発言に相違はありません。私もその認識で、十二月二十二日、三大臣の合意の確認をしたというように認識しておるわけでございます。そして、三大臣が直接どこか正式に会って署名をしたかというようなことはなく、三大臣が確認をそれぞれ持ち回りでしたというところでございます。
#268
○森ゆうこ君 内閣府からは昨日夕方、今、山本大臣が御答弁くださった、ずっと出してほしい、出してほしいと言っていたのに、ないというふうに説明をされてきた、今の、平成二十八年十二月二十二日、山本幸三、松野博一ですか、山本有二、三大臣の名前が連名で記された文書が送られてまいりました。
 内閣府副大臣、伺いますけれども、この文書はいつお作りになったんでしょうか。
#269
○副大臣(松本洋平君) この十二月二十二日の合意でありますけれども、簡単に経緯を申し上げさせていただきますと、山本幸三大臣が、パブリックコメント等で慎重な意見が多かったこと、また、日本獣医師会から一校に限る旨を明記してほしい、こういう要望を受けまして、十二月二十日前後に一校に限る旨を告示に明記することを決断をしたところであります。その後、事務方を通じまして、農水大臣及び文科大臣に一校に限る旨を告示に明記することについて御相談差し上げました。各省の事務方から各大臣に報告、相談をいただきまして、二十二日に了解をいただいたということであります。
 具体的には、十二月二十日前後に、他の業務と同様に山本大臣が内閣府の事務方に三大臣名の文書の原案作成の指示をいたしました。十二月二十二日に事務方が作成した原案を山本大臣が目を通し、これを事務方から文科省及び農水省の事務方に提示をさせていただいたところであります。通常の各省調整と同じく事務方同士で必要な文言調整を行ったと聞いておりますけれども、調整後の文案を同日中に各府省の事務方からそれぞれ各大臣に報告し、各大臣とも異議はなかったため、これをもって三大臣合意とさせていただいているところであります。
#270
○森ゆうこ君 じゃ、なぜ櫻井委員の要請に対して、あるいは私の要請に対してすぐお出しにならなかったんでしょうか。
#271
○副大臣(松本洋平君) この資料要請というものに関しては……(発言する者あり)ちょっとお待ちいただけますか。
#272
○委員長(渡辺猛之君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#273
○委員長(渡辺猛之君) 速記を起こしてください。
#274
○副大臣(松本洋平君) この間の経緯に関して御説明をさせていただきますと、二十二日のそのペーパーに関しましては、櫻井委員からの資料要求に基づきましてお出しをさせていただいたところではありますけれども、まだまだ不十分であるというような御指摘をいただいたところでもありまして、今そうした御指摘をいただいて、内閣府としてはお出しができるような改めての調整というものをさせていただいているというような状態であるということであります。
#275
○森ゆうこ君 そうしますと、この平成二十八年十二月二十二日付けではありますけれども、つい最近作ったと、つい最近完成したということですよね、今の御説明は。
#276
○副大臣(松本洋平君) 先ほども答弁を申し上げましたとおり、この合意文書自体は十二月二十日に原案作成の指示があり、そして十二月二十二日に事務方から文科省及び農水省の事務方に提示をさせていただいているところであります。
#277
○森ゆうこ君 この文書は作ったんですか、十二月二十二日に。じゃ、すぐ出してくれればよかったじゃないですか、櫻井委員と私に。
#278
○副大臣(松本洋平君) こちらの方に関しましては、時系列で分かるような一覧表等々を出してほしいというような御要望をいただいたということもありまして、そちらの方を今鋭意整理をして準備を進めているところであります。
#279
○森ゆうこ君 当初、説明では、櫻井委員には、この文書はないと、文科省が私にファクスで送ってきたこの資料三、十一月九日に出した資料しかないというふうに説明をしておったわけでございます。与党の理事からは、鋭意今作業中であると、作っている最中であるというふうにお聞きをしていたところでした。
 しかし、出てきたのは十二月二十二日付け。これ、本当に十二月二十二日に作ったんですか。
#280
○副大臣(松本洋平君) 先ほど来答弁をさせていただいておりますけれども、十二月二十二日に作成をさせていただいております。
#281
○森ゆうこ君 それで、なぜホームページで公開しなかったんですか。
#282
○副大臣(松本洋平君) ホームページに載せる必要性というものを認識していなかったためであります。
#283
○森ゆうこ君 冒頭お配りした資料、これは成田の医学部の新設でございますが、これは、先ほど御説明したとおり、すぐさまホームページで公表をされております。
 五十二年ぶりの獣医学部の新設、しかも、パブコメで反対意見が七割、最大の関連団体であります獣医師会の方からも強い反対意見があったという中で、なぜすぐ公表しなかったんですか。本当にこれ、十二月二十二日に作ったんですか。ないないと言っていたんですよね。
 ちょっと今の御答弁、この間のいろんな御答弁総合しますと、それから与党の理事のいろんなお話を聞きますと、私はそれをちょっと信用することができませんので、元の文書ファイル、それからサーバーの記録、それから作成の日付が分かるプロパティー、全て提出していただけますか。
#284
○副大臣(松本洋平君) まずは委員会の方で御検討をいただきたいと思います。
#285
○森ゆうこ君 理事会協議にすると、理事会の協議事項になっていることを理由にすぐ出せる資料を出さないんですよ。この資料だって出てくるのにどれぐらい掛かったか分かりますか。すぐ出してください。
 この、何といったらいいのかな、ファイルってやっぱり変更できたりするので、すぐ出すことが、今の私のこんなに膨らんだ疑念を、また皆さんのところにも膨らんでいると思いますけど、それを晴らす唯一の方法だと思いますよ。
 関係者には、私が仄聞した話ですのでどなたというふうには申し上げられませんけど、この会議の関係者からのお話ですと、この獣医学部の新設については、成田の医学部の新設で発表したような三大臣合意文書というのはそもそもなかった、作らなかったという話も仄聞しているところでございますので、この間の経緯を見ますと、我々とのやり取りですよ、到底十二月二十二日にこれがあったというふうには信じることができませんので、証拠を出してください。(発言する者あり)
#286
○委員長(渡辺猛之君) じゃ、松本副大臣、もう一度御答弁を。
#287
○副大臣(松本洋平君) 委員会の方で整理をしていただければと思います。
#288
○森ゆうこ君 だから、さっきから言っているでしょう。委員会、理事会協議にすると、それを理由にして出してこないんですよ。内閣府副大臣の責任で出してきてください。出せばいいじゃないですか。十二月二十二日に作ったんでしょう。作ったんなら、その証拠をすぐ出せばいいじゃないですか。何で出せないんですか。
#289
○副大臣(松本洋平君) ですので、この十二月二十二日の資料に関しましては、先ほどもお話をさせていただきましたとおり、櫻井委員のところにはお持ちをさせていただいたところでありますし、また、それらの様々な時系列にまとめた資料というものを今作れというような、そういうお話もあり、また委員会の方からもそうしたお話がある関係で、こちらの方としてはそうした準備というものを進めさせていただいているということであります。
#290
○森ゆうこ君 櫻井委員の事務所から先ほどいただきましたけれども、櫻井委員のところからこれしかないですよということで内閣府から持ってこられた文書は、今おっしゃった三大臣連名のものではございませんでした。私が先ほど文科省副大臣に確認をさせていただいた十一月九日の資料三、これしかないという話でした。義家さん、そうですよね。
#291
○委員長(渡辺猛之君) 義家副大臣、答弁できますか。(発言する者あり)
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#292
○委員長(渡辺猛之君) 速記を起こしてください。
 義家文部科学副大臣。
#293
○副大臣(義家弘介君) そのとおりです。
#294
○森ゆうこ君 今の、義家さんはこの資料三しかないと。で、内閣府はそれしか、三大臣連名のがあるというふうに、何か違いますね。だから、ちょっと確認していただきたいんで、一旦速記を止めて確認させてもらっていいですか。(発言する者あり)
#295
○委員長(渡辺猛之君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#296
○委員長(渡辺猛之君) 速記を起こしてください。
 義家副大臣、まず御答弁をお願いします。
#297
○副大臣(義家弘介君) どこを聞かれているのかちょっと分からないんですけれども、十一月九日の新たなニーズに対する獣医学部の設置、それから国家戦略特区における獣医学部の設置について、これ十二月二十二日、ペーパーですけれども、両方ございます。
#298
○森ゆうこ君 当初、十二月二十二日、要するに成田の医学部と同様の、三省合意と同様の文書はないという御説明でございました。それで、関係者もそのように言っておりますので、いつ作ったのか、これは簡単ですよ、大臣、きちんとこれが本当に十二月二十二日に作られたものなのかどうか、それはデータを見れば分かるはずですので、すぐそれを証明していただきたいと思いますので、再度要求をさせていただきます。理事会協議事項にすると、それを盾にして出してこないという、もうよく分からない状態がずっと続いておりますので、是非すぐ出してください。
#299
○副大臣(松本洋平君) 先ほど来お話をしておりますとおり、委員会において整理をしていただきたいと思いますが、内閣府としては、そのプロパティーデータも含めまして、御提出をする準備をさせていただきたいと思います。
#300
○森ゆうこ君 それにしても、なぜすぐホームページ上で公開しなかったのか、あれだけ質問されているのになぜすぐに回答が出なかったのか、これが極めて不思議でございます。
 そして、またあさって、この質問をさせていただきますけれども、安倍総理及び秘書官、又は安倍総理夫人及び総理夫人付き秘書官等からこの件についての問合せはありましたか。
#301
○副大臣(松本洋平君) 一切ございません。
#302
○森ゆうこ君 まあ総理の方はそれはないとしても、議長として指示を会議の中で直接出しているわけですから、それの前段で質問があったか、問合せがあったか、これはどうなっているということで公の会議の場所以前のところで何か御指示がなかったかということについてもまた次回聞かせていただきますので、よくお調べをいただきたいというふうに思います。
 それで、JAS法についても私も幾つか通告をしておりましたけれども、先生方とかぶっておりますので。
 輸入戦略、先ほど紹介をいたしました日本食品海外プロモーションセンターの設置も含め、このJAS規格は国際規格ではありません。これを国際規格にし、そしてこのプロモーションセンターとも相まって本当に輸出を強化していくということがあるのであれば、その戦略、そしてロードマップ等があると思いますし、あわせて、この機構の法案の改正、そしてこれだけ新たなJAS法に期待されるものが増えているわけですから、機構の役員配置についてもこの法改正に対応した見直しが必要ではないかと思いますので、併せてお答えいただきたいと思います。
#303
○国務大臣(山本有二君) 御指摘のとおり、四月一日に日本貿易振興機構に設置されました日本食品海外プロモーションセンター、いわゆるJFOODOは、海外市場の詳細なニーズ把握、あるいは現地の卸、小売、外食事業者等の情報の徹底調査をすることになっております。どの国に何を売り込むかといった日本産品のプロモーション、ブランディング戦略の立案、そして実行、ここも責任、仕事になっております。そして、事業者への相談対応、継続的な相談、ここが今のところ一番重要なところでございまして、これの仕事を担っていただけるというように期待をしております。
 そして、JFOODOのプロモーション活動の具体的内容につきまして、今後更に検討しなければなりませんが、今回の法改正でのJAS規格の対象が我が国の産品のアピールにつながる生産方法や管理方法に拡大されるわけでございまして、この本プロモーション活動におきましても、JAS規格がより効果的に活用されるということが期待されております。こんな意味でこのような取組が行われまして、農林水産省はこうしたJFOODOに対する支援をしてまいりたいと思っております。
 また、体制の問題でございますが、もう今までのような、いわゆるジェトロにお任せではなくて、具体的に貿易に当たってこられました伊藤忠商事、日本貿易会の会長さんにセンター長をお願いすることができました。そして、事務局長も常勤で外部登用を考えるところでございます。そして、事務次長、そして東京本部、海外拠点、国内地域拠点、こういったものを配置することによって、地域農産物、これが海外にスムーズに展開できる、そしてJAS規格と併せて戦略的に海外に輸出量を伸ばしていくというような考え方の下にこれを設置させていただきました。
#304
○森ゆうこ君 何度も言って申し訳ないんですけれども、JAS規格は残念ながら国際規格ではありません。
 そして、一方、農水省の資料によりますと、食品関係規格に関するコーデックスの部会やISOの委員会でも日本は議長国や幹事国を務めておらず、また、規格策定の提案も近年では一件のみということで大変に後れを取っている。
 先ほど来出ておりますお茶、抹茶、この製法とか規格についても、逆にほかの国がそういうところに、国際的な機関に製法や、何といったらいいんでしょうかね、そういうものを、これがお抹茶なんだといって出して登録が通ってしまえばもう後の祭りになってしまいますから、とにかくこのJAS法の改正を機会に後れを取らないようにしっかりとやっていただきたいというふうに思います。
 あと、JAS法について通告をいたしましたのはほかの先生方とかぶっておりますけれども、次回委員会、一般質疑でございますけれども、質問した、通告した、しない、そういうふうないろいろなお話がございますので、あらかじめ今、ほかにもお聞きしますけれども、今のうちに言っておいた方がいいかなというふうに思いますのは、午前中に櫻井先生のところで問題になったのは、つまり、最初は、平成二十七年の六月五日のヒアリングで農水省と文科省は大反対と言っていたんですよ。それが金曜日、それで、明けて月曜日のワーキンググループのところではもう黙っちゃっている。一体何があったのかなと思いました。その後、何にも公の議事録は残っておりませんが、六月三十日の日本再興戦略二〇一五改訂の閣議決定で、全国的見地から検討するというふうに一歩進んだわけです。その次に、九月二十一日に今治の部会で今治市がプレゼンを行い、さらには十月十七日、京都産業大学がすばらしいプレゼンテーションを行ったことは先ほど櫻井委員から御紹介があったということでございます。
 しかし、この京都産業大学のプレゼンテーション、このヒアリングだけがいつまでたっても公表されなかった。ホームページ上に公表されたのは、副大臣、御存じですか、三月十六日ですよ、ついこの間の。なぜなんでしょうか。そして、それについても聞きますので、答え、考えておいてください。
 そして、その京都産業大学で十月十七日にプレゼンを行い、そして十一月九日、問題の諮問会議になるわけでございます。しかし、そこまで来る間のこの意思決定の過程が全く見えません。せっかく京都産業大学にプレゼンをさせておいて、そしてそれがいいかどうかというのが検討されたという議事録はございません。
#305
○委員長(渡辺猛之君) 時間が参りましたので、質疑をおまとめください。
#306
○森ゆうこ君 そして、急に十一月九日に、これで事実上決まっちゃうわけですよ、一つに。要するに、獣医師の空白地帯だけに限るという決定が十一月九日になされます。
 したがって、十月十七日から十一月九日、あるいはその前から十一月九日までのこの決定に至るその記録がきちんと残っているはずですので、それを御提出いただきたいと思います。できれば、あした提出してください、あしたまでにというふうに、よろしくお願いをいたします。
 以上でございます。
#307
○委員長(渡辺猛之君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本案の修正について徳永君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。徳永エリ君。
#308
○徳永エリ君 ただいま議題となっております農林物資の規格化等に関する法律及び独立行政法人農林水産消費安全技術センター法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・こころ、民進党・新緑風会、公明党、日本維新の会及び希望の会(自由・社民)を代表して、修正の動議を提出いたします。
 その内容は、お手元に配付されております案文のとおりであります。
 これより、その趣旨について御説明申し上げます。
 今回の改正は、日本農林規格の制定範囲を、現行の農林物資の品質基準から取扱方法や試験方法等に拡大することを主な内容としております。これらの規格の制定を促進するためには、現場において創意工夫に取り組む事業者等からの申出を規格制定に結び付けていく必要があります。
 現行制度においても、事業者等から申出を受けて日本農林規格を制定することはできますが、農産物に関して事業者等からの申出により規格が制定された例は、三十年来皆無となっております。これは、事業者等が申出の際に具する原案が、そのまま審議会に付議されるため、完成度の高さが要求されるなど、厳しい要件が課されていることも一因と考えられます。
 こうした現状を踏まえ、本改正案におきましては、農林水産大臣は、日本農林規格の制定に係る申出を受けた場合に、制定すべきものと認めるときは、日本農林規格の案を審議会に付議することに改めることにより、申出の際に事業者等が作成する原案の水準を緩和することとしております。
 しかしながら、同大臣が日本農林規格の案の作成主体であることは、本改正案では必ずしも明確になっておりません。
 以上の観点から、本修正案におきましては、農林水産大臣は、都道府県又は利害関係人から日本農林規格の制定に係る申出を受けたときは、速やかにその申出について検討を加えなければならないものとするとともに、その申出に係る日本農林規格を制定すべきものと認める場合における日本農林規格の案の作成主体が農林水産大臣であることを明確化することとしております。
 以上が、修正案の提案の理由及び内容であります。
 何とぞ、委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
#309
○委員長(渡辺猛之君) これより原案及び修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#310
○紙智子君 私は、日本共産党を代表して、農林物資の規格化等に関する法律及び独立行政法人農林水産消費安全技術センター法の一部を改正する法律案について反対の討論を行います。
 第一の反対の理由は、消費者のためのJAS法の目的が大きく後退することになるものだからです。
 JAS法の目的は、制度当初から公共の福祉の増進に寄与することにあると定められていましたが、二〇〇〇年代に入り、飲食料品の原産地等について悪質な偽装表示事件が多発したのを受けて、二〇〇九年、衆議院農林水産委員長提案で、生産者と消費者をつなぐ役割を明文化する趣旨で、公共の福祉の増進を消費者の需要に即した農業生産等の振興並びに消費者の利益の保護に改正しました。本改正案は、この消費者の需要に即したとの文言を削除するもので、議員立法で明確化したJAS法の目的が後退することになります。
 また、農林物資の規格化と併せて、食品表示の適正化も担ってきた食品表示法による措置と相まっての文言が削除されました。食品表示に関する規定が食品表示法に移管されたという理由ですが、JAS規格は表示と密接な関わりあるものであり、削除する必要はありません。
 第二の反対の理由は、品質保証のための表示のJAS法から、商品を売るための広告のJAS法へと変質させるものであるからです。
 本改正案では、認証を受けた事業者はJASマークを広告等に付する規定を新設します。JASマークを広告等に付することにより、新たな規格を得た商品をテレビCMなどを含む様々な媒体で宣伝ができるようになります。
 これまでJAS法は規格内容を表示で示し、消費者が品質の確認をできるようにしてきました。これは、消費者の権利としての表示を体現できるものです。JAS規格という公的な仕組みは、資本力のない中小企業にとってはお墨付きを与える制度としての役割を果たしていることを指摘しておきます。
 なお、修正案は、消費者のためのJAS法の目的が大きく後退するという原案の問題点を改めるものではないので、賛成できません。
 以上です。
#311
○委員長(渡辺猛之君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより農林物資の規格化等に関する法律及び独立行政法人農林水産消費安全技術センター法の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、徳永君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#312
○委員長(渡辺猛之君) 多数と認めます。よって、徳永君提出の修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部の採決を行います。
 修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#313
○委員長(渡辺猛之君) 多数と認めます。よって、修正部分を除いた原案は可決されました。
 以上の結果、本案は多数をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#314
○委員長(渡辺猛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十分散会
ソース: 国立国会図書館
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