くにさくロゴ
2017/05/09 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 農林水産委員会 第11号
姉妹サイト
 
2017/05/09 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 農林水産委員会 第11号

#1
第193回国会 農林水産委員会 第11号
平成二十九年五月九日(火曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         渡辺 猛之君
    理 事
                舞立 昇治君
                山田 修路君
                徳永 エリ君
                紙  智子君
    委 員
                礒崎 陽輔君
                進藤金日子君
                中西 祐介君
                野村 哲郎君
                平野 達男君
                藤木 眞也君
                山田 俊男君
                小川 勝也君
                櫻井  充君
                田名部匡代君
                舟山 康江君
                竹谷とし子君
                矢倉 克夫君
                儀間 光男君
                森 ゆうこ君
   国務大臣
       農林水産大臣   山本 有二君
   副大臣
       内閣府副大臣   松本 洋平君
       農林水産副大臣  礒崎 陽輔君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       矢倉 克夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大川 昭隆君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       澁谷 和久君
       文部科学大臣官
       房審議官     松尾 泰樹君
       農林水産大臣官
       房総括審議官   山口 英彰君
       農林水産大臣官
       房総括審議官   水田 正和君
       農林水産省食料
       産業局長     井上 宏司君
       農林水産省生産
       局長       枝元 真徹君
       農林水産省経営
       局長       大澤  誠君
       農林水産省政策
       統括官      柄澤  彰君
       農林水産省農林
       水産技術会議事
       務局長      西郷 正道君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農業競争力強化支援法案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ─────────────
#2
○委員長(渡辺猛之君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農業競争力強化支援法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官澁谷和久君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(渡辺猛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(渡辺猛之君) 農業競争力強化支援法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○徳永エリ君 皆さん、おはようございます。民進党・新緑風会の徳永エリでございます。
 連休中、私は北海道の農家を回ってまいりました。先日、参考人質疑のときに出席していただいた鈴盛農園の鈴木さん、この鈴木さんと一緒に活動している北海道の農業女子がおられまして、その方に会ってまいりました。いろんなお話をさせていただいて大変参考になったんですけれども、農業の世界では男女共同参画が全く進んでいないと。いろいろ御提案もいただきましたので、また機会がありましたら御質問させていただきたいというふうに思っております。
 さて、今日は、農業競争力強化支援法について質問させていただきます前に、昨日も衆議院の予算委員会でも質問がございましたが、TPPについて少し質問させていただきたいと思います。
 私は、どうもTPP11が既成事実化していることが問題だというふうに思っているんですね。国会で審議をさせていただいたのはあくまでも十二か国で合意した内容でありますから、このままTPP11を進めていいのかどうかというところに大変に問題を感じております。
 そもそも総理大臣は、米国抜きでのTPPは意味がないと、トランプ大統領を自分が説得するんだというふうに言っていたわけであります。そこで、今も政府は米国はTPPに復帰する可能性があると考えているのかどうか、まずはお伺いしたいと思います。
#6
○政府参考人(澁谷和久君) お答え申し上げます。
 アメリカとの関係につきましては、安倍総理が何回か国会でも答弁されているとおり、総理からトランプ大統領に対しまして、総理の訪米時を含め様々な機会に、TPPの経済的、戦略的意義について説明をしてきたところでございます。その結果、二月の日米首脳会談では、日米が主導し、アジア太平洋地域に自由で公正な経済圏をつくる必要性について一致することができたと承知しているところでございます。
 現状は、アメリカがすぐTPPに対する立場を変えるという状況にはなっておりませんが、我が国がTPPを推進するという意図については理解を得るとともに、引き続き説明を行っていくこととしております。
 今後のTPPについての我が国の立場は、あらゆる選択肢を排除しないというものでございます。報道では米国抜きなどとよく書かれてしまうわけでございますが、あらゆる選択肢としてアメリカが戻ってくるという選択肢も排除されないものと考えているところでございます。
#7
○徳永エリ君 そうしますと、TPP11、あるいはTPPの発効に積極的な五か国、TPP5という話も出てきておりますけれども、これは米国の復帰につながる我が国の戦略というふうに受け止めていいんでしょうか。
#8
○政府参考人(澁谷和久君) TPPにつきましては、我が国が持つ求心力を生かしながら、各国と緊密に連携し、あらゆる選択肢を排除せずに、何がベストか、主導的に議論を進めていくというのが我が国の立場でございます。
 今後、ベトナムで、ハノイで閣僚会議が開催される予定でございます。そうした場を通じまして、各国と緊密に意見交換をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#9
○徳永エリ君 あらゆる可能性というふうにおっしゃいましたけれども、もし米国抜き、米国の復帰が可能性がないという状況でTPP11あるいはTPP5を進めるとしたら、まず、総理は米国抜きでは意味がないとかあるいはトランプ大統領を説得するんだと言った、これができなかったことに対してまず国民にきちんと謝罪をして、そしてこれまでのTPP十二か国の合意ではなくてTPP11になるのであれば、その内容の見直しも当然しなければいけないですし、国会でもしっかり審議する必要があるのではないでしょうか。
#10
○政府参考人(澁谷和久君) 今月ベトナムのハノイで閣僚会議が開催される予定でございまして、その準備のために先週カナダのトロントで事務レベルの準備会合が開かれまして、私も行ってまいりましたけれども、各国の置かれている様々な状況、立場について率直な意見交換をすることができました。今御指摘の内容の見直しという話も含めまして、各国、国内で様々な議論がされているということも伺ったところでございます。
 そうした中で、TPPで合意したハイスタンダードなルールを実現するために今後どのようなことができるか、引き続き各国と、ハノイの閣僚会議の場もございますので、議論をしていきたいと考えているところでございます。
#11
○徳永エリ君 今スタート地点に立ったというところで、このイレブン、ファイブに関しては、何も決まっていないということなんだと思いますけれども、今後の動きをしっかり見ていきたいというふうに思っております。
 協定の内容を変えずにもし十一か国で発効すれば、農業分野において米国のいわゆるライバル国であるカナダ、オーストラリア、ニュージーランドからの農畜産物の輸入量が増大することになります。例えば、牛肉のセーフガードなども米国からの輸入実績を踏まえた発動基準数量になっているわけですから、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドからの輸入が増えても、それだけでは発動されない事態も起こり得ます。米国としては、ライバルに先を越されるというか、有利な状況になってしまうわけですから、もし米国がTPPに復帰しないということになれば、これはもう米国としては二国間FTAの中で少しでも自分の国に有利な条件を提示してくることは否めないわけでありまして、ということは、日本にとっては大変に厳しい交渉になるということだと思います。
 TPPのこのイレブンの発効が協定の内容を変えずに行った場合には、結果、日本の農業に大きな被害をもたらすことになるかもしれないという、そういう認識は大臣にありますでしょうか。
#12
○国務大臣(山本有二君) 貿易交渉については、各国それぞれ立場がございますし、日本には日本の立場があります。そんな意味で、TPPの秋の合意内容というのは非常に難しい中で得られた成果だというように思っております。
 特に私ども考えていかなければなりませんのは、日本が十二か国の中でも重要なGDPのシェアを占める国であるということとともに、アジア太平洋地域に自由で公正な経済圏をつくるための合意であったということも併せ考えながら慎重にこれは運んでいくべきものだというように認識しておりまして、いずれにいたしましても、国益、すなわち日本の農業のセンシティブに配慮しながら慎重に考えていくべき話だろうというように考えておるところでございます。
#13
○徳永エリ君 五月の二十日、二十一日にベトナム・ハノイでTPP閣僚会合が行われて今後の方向性を打ち出していくということでありますけれども、これ以上我が国の農業にダメージを受けることがないようにしっかりと交渉していただきたいと思いますし、それから、TPP11あるいはTPP5ということになりましたら日本が主導するということになるわけでありますから、そこはしっかり守るべきものを守る、農業を守るという思いで頑張っていただきたいと、特に農林水産大臣にはよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 それでは、澁谷審議官、退席していただいて結構でございます。ありがとうございます。
#14
○委員長(渡辺猛之君) 澁谷内閣審議官、どうぞ御退席ください。
#15
○徳永エリ君 久しぶりでございました。ありがとうございました。
 それでは、支援法について伺います。
 そもそもこの支援法の作成に至る経緯は、規制改革推進会議の農業ワーキング・グループがまとめた農協改革に関する意見から始まっているわけであります。意見では、生産資材に関しては、全農が行う生産資材の購買事業については、生産資材の農業者への取次規模に応じて手数料を取る仕組みになっており、全農は生産資材メーカー側に立って手数料収入の拡大を目指しているのではないかとの批判がある、あるいは全農の資機材はほかの事業者と比べて高いというところから全てスタートしているわけでありますけれども、その指摘を受けて、三月二十八日に全農が自己改革案を発表して、その取組を進めているわけであります。数値目標、改革のスケジュール、生産資材のメニューなど具体的な目標を示しまして、記者会見を開いて、生産資材事業と販売事業における市場構造を再確認し、かけがえのない存在であり続けるための戦略を作ったとしています。また、この一、二年が勝負と、不断の決意で改革を進めているところであります。そして、この自己改革を政府もそれから与党もフォローアップするということでありますから、私はそもそもこの農業競争力強化支援法は要らないんじゃないかというふうに思っております。
 ほかの事業者は市場の中で少しでも利益を上げるために、あるいは他者に負けないためにみんな努力をしている、競争を常にしているわけでありますから、あえて国が支援をするという意味が全く分かりません。この支援法は必要ないというふうに考えておりますが、必要だという理由が御説明できるのでしたら、改めて御説明をしていただきたいと思います。
#16
○国務大臣(山本有二君) もう十分御理解のことだろうと思いますが、農業の構造改革の取組ということは不断に継続していかなきゃなりませんが、農業者の努力では解決できない農業資材の価格というものがありまして、これをできるだけ引き下げることによって農業所得を上げるというメカニズムが必ず実現できるようにしたい。それから、農産物の流通加工構造の改革という、これまた構造的な問題でございますが、こうした流通加工構造に改革が入ることによって、安い農業資材を得られると同様の効果、すなわち農家の手取りが上がるというようなことを目的としております。
 農業資材について申し上げれば、メーカーの生産設備の稼働率が低い、多くの銘柄が少量ずつ生産されているという非効率な生産構造でございます。また、農産物の流通、加工につきましては、複数の事業者が介在する多段階構造になっているということでございまして、現在の多様化する実需者、消費者のニーズに対応した構造となっていないという問題を抱えているという認識をしております。
 これらの解決をするためには、規制の見直しを始めとする農業生産関連事業者の事業環境の整備というものが不可欠でございますし、事業者の自主的な事業再編等を促すことによりまして、良質で低廉な農業資材の供給、あるいは農産物流通等の合理化、これを実現したいというのがこの法の目的でございまして、是非、この法の目的に沿った我々も実行をすることによりましてこの農家の手取り収入が上がるということに結果を持っていきたいというように思っている次第でございます。
#17
○徳永エリ君 これまでも何度かそういった御答弁をお聞きいたしましたけれども、何度聞いてもまだ納得できません。
 支援法によって農業生産関連事業の統合再編等を促進すること、新たな企業の参入やベンチャー、外資の参入を促進することを国が支援することが資機材価格の引下げにつながるという説明も全くよく分かりません。支援法によって本当に資機材価格が下がるんでしょうか、そして農家の手取りが増えるんでしょうか。下がるとしたら、それぞれどのくらい下げられるのかというような農林水産省として試算はしているんでしょうか。
#18
○国務大臣(山本有二君) どこまで下がるかについて、資材価格につきまして具体的に申し上げるわけには、なかなか数字で申し上げるわけにはまいりませんけれども、肥料について、大手メーカー八社を合わせてシェアが五割でございます。化成肥料メーカーが二百五十社存在するわけでございまして、工場の稼働率も七〇%と低い状況にあることなどから、高コストな生産構造でございます。
 メーカーの自主的な判断に基づく業界再編による早急な体質改善を後押しすることによりまして、それで私どもは適正な競争の下での価格形成がなされるというように考えているわけでございます。その意味におきましては、確実に資材価格は下がっていくというように確信をしておるところでございます。
#19
○徳永エリ君 どのくらい下がるのかということを農林水産省として、何をどのくらい下げていけるのか、このくらいまでは下がるんじゃないかという、そういった試算がされているのかどうかということを伺ったんですが、恐らくしていないんだと思います。
 為替、この間は稲作の生産コストなんですけど、為替の影響もあるでしょうし、それから、むしろ統合再編、新規参入によって資本力の小さな企業は淘汰されていって、買収なんかも進むと、大手企業や外資による独占状態、新たな寡占状態になって、資機材の価格、一時的に下がるかもしれませんけれども、また上がってしまうということも十分に考えられるというふうに思います。
 大臣、北海道の稲作農家の方がこうおっしゃっていました。肥料や農薬の品目が減ることは、それだけ選択肢がなくなるんだと。農家はそれぞれ使い方の技術を持っているんだと。その選択肢がなくなる、作物への影響は計り知れないものがあると。国がそうしろと言うなら仕方がないけれども、国産農作物の生産量は激減し、食料の海外依存度がますます高くなるばかりだろうと。仮に肥料、農薬費が圧縮されても、減収分を経費と販売価格がのみ切れないと多分離農する人が激増するだろうと。農協改革イコール限界集落の増加だと。一体、誰のため、何のための改革なのか、もう今農水省がやっていることは全く分からないと。農家のためだとか農家所得の向上だとかいうのは全くうそっぱちで、もう独り善がりだというふうに言っていました。
 それから、支援法の第五条についてでありますが、全農や農協について特に条文に書かれていることはこれもう明らかなんですね。農業者等の努力、二項、三項で、全農や農協に対して特に努力を促している、これは一体なぜなんでしょうか。そこを伺いたいと思います。
#20
○国務大臣(山本有二君) 様々な事業再編、事業参入を促すことにおきまして良質かつ低廉な農業資材の供給が図られる、あるいは農産物流通の合理化によって流通コストが下がるというようなことを目指すわけでございますが、農家所得に影響があるというのは、そうした安い資材を買っていただく必要があります。
 その意味におきましては、契約、自由でありますけれども、農家の皆様にもそうしたできるだけ安いものを買っていただいて、農業所得が上がるというメカニズムの中に、買っていただくということにおいてひとつ御努力を賜りたいというような意味でございます。
#21
○徳永エリ君 農家は価格決定権がありませんから、だから、生産コスト割れては困るということで日頃から安い資機材を買う努力はしているわけでありまして、今更しろと言われてもこれ以上どうしたらいいんだというような声がよく聞かれました。
 お手元に資料を配らせていただきましたけれども、四月二十五日、この委員会で櫻井委員から資料要求がありました。その資料の内容についてお伺いをしたいと思います。
 第十六条、この二パラ目なんですけれども、必要な措置、この必要な措置とは一体何なんでしょうか。
#22
○国務大臣(山本有二君) 十六条におきます必要な措置でございますが、第八条以下に規定されております事業環境の整備など、国が講じた施策についてまず調査をさせていただきまして、それを踏まえて国の施策の在り方について検討を加えて、その結果に基づいて必要な措置を講ずるという流れになるわけでございます。この必要な措置には、農業資材や農産物物流等に関する規制あるいは支援措置の見直しを行うこととしておりますし、事業者に対する指導が含まれているというように考えております。
 この指導の内容でございますが、変更された制度や支援内容を事業者に対して広く周知をさせていただく、そしてまた、制度によっては事業者に法令違反が生じないようガイドラインを策定したり注意喚起をさせていただく、さらに、事業者が組織する団体に対して傘下の事業者に対する周知を依頼するというようなものを想定しているわけでございます。
#23
○徳永エリ君 農業生産関連事業者に農協が含まれるということもこの資料に書いているんですけど、今大臣がおっしゃった必要な措置ですけれども、これは、個々の事業者ごとに必要な措置、指導されるのか、それとも農業生産関連事業者全体に対して同じ必要な措置をするのか、そこをお答えいただきたいと思います。
#24
○国務大臣(山本有二君) まず、十六条では、規制、支援措置の見直しなど、事業者全体に効果が及ぶものが多いというように考えております。また、変更された制度や支援内容を個々の事業者に対して周知するなどの指導も含まれております。
 したがいまして、個々の事業者を対象に指導を行う場合でありましても、農業生産関連事業を行う農協や全農を含めまして、個別の事業者の経営判断に介入するというような指導は全く考えていないところでございます。
#25
○徳永エリ君 経営判断に介入するような指導はしないということでよろしいんですね。
 この必要な措置なんですけれども、強制力はあるんでしょうか。
#26
○国務大臣(山本有二君) 必要な措置としましては、規制の見直しも想定されております。これにつきましては強制力を伴うわけでございます。
 それ以外の措置でございますが、支援措置の見直しや何らかの指導については強制力がないというように考えております。すなわち、行政指導につきましては、行政手続法三十二条において書かれてありますとおり、任意でございますし、強制にわたってはならないという考え方の下にこれを考えているところでございます。
#27
○徳永エリ君 二パラに書いてありますけれども、「農業資材や農産物流通等に関する規制となるものを除き、農業生産関連事業者に強制するものではないが、」としています。規制に関しては強制力があるということを確認しておきたいと思います。
 それから、政府・与党の全農改革のフォローアップについてお伺いしたいと思います。
 全農改革は、農業競争力強化プログラムに従って、農協改革集中推進期間中に全農が自己改革を進め、政府はその進捗状況について定期的なフォローアップを行うことを進めるのであって、支援法が全農や農協に対してフォローアップを行うということは考えていないと大臣はおっしゃいました。
 しかし、一月三十日に開かれた規制改革推進会議の農業ワーキング・グループで山口総括審議官が支援法について説明をされていますが、この際、規制改革推進会議の委員から、調査及び施策の検討ということで、政府はおおむね五年ごとの調査を行い、かつ五年ごとに施策の在り方について検討するとなっています、五年というのはちょっと長過ぎやしませんかと指摘されています。これに対して山口総括審議官は、個々の施策の検証なり見直しに関しましては、これは毎年度、当省でいえば白書も出していますし、いろいろな見直し、フォローアップの機会はあるかと思いますので、そういった形では個々の施策ごとの見直しはやっていきたいというふうにおっしゃっているんですね。
 フォローアップは支援法の枠の外で行うものではなかったんでしょうか。だとすれば、支援法の説明をしていて、ここで山口総括審議官がフォローアップという言葉を使うのはおかしいと思いますけれども、いかがですか。
#28
○政府参考人(山口英彰君) お答えいたします。
 本法案第十六条の規定につきましては、国の施策の効果について判断を行い、それを踏まえて、良質かつ低廉な農業資材の供給又は農産物流通等の合理化が実現されていない場合に国の施策の在り方を検討するということでございまして、本法案十六条に書いてございますように、ここはフォローアップということよりも、私どもはPDCAサイクルを回すと言っておりますが、こういった対象となるのは国の施策であると考えているところでございます。
 一方、今先生から御指摘のございました農業競争力強化プログラムにおける全農の生産資材の買い方や農産物の売り方の改革につきましては、全農の自己改革として政府と合意の上で取りまとめられたものであるということでございまして、その進捗状況のフォローアップは、合意の実現という観点から本法案の枠外で全農及び政府により行われるものと考えております。
 なお、一月三十日の規制改革推進会議で私が申し述べたところでございますが、これは今も先生からも御指摘ございましたように、委員の方から、五年間施策の見直しを行わないというのは長過ぎやしないかということでそういう指摘がございましたが、私どもとしましては、本法案による調査検討、こういったものは大掛かりな調査を必要とするものでございますので、これについては五年ごとに行うことが適当であると、そういうことを申し述べたところでございます。
 その際、国の施策のフォローアップという点では、これは食料・農業・農村白書、これは毎年、食料、農業等の動向を調査分析するとともに、当該年度に講じた施策を国会に報告しているものでございます。こういった個々の施策の検証としては白書を作成していることを申し述べたものでございますが、白書は、御承知のとおり、農協や全農の個々の活動についてフォローアップすることを目的とするものではございませんので、そういった目的で作成しているものではございません。
 また、当日のこの会議の場で私の方からは、全農改革についてはこの法律では対象としてはおらず、自己改革という形で改革を行っていただくという旨を答弁しているところでございます。
#29
○徳永エリ君 だとしたら、そのフォローアップなのか必要な措置なのか紛らわしくなりますので、そこははっきりしていただきたいと思いますが、つまり、フォローアップは、支援法によるフォローアップ、これ、十六条の必要な措置として、そして全農も対象になっているということであります。そして、農業競争力強化プログラムの全農の自己改革の進捗状態に対する政府・与党によるフォローアップ、そして規制改革推進会議が農協改革に関する意見を実現しようとするためのフォローアップと、いろんな形のフォローアップがあるんだと思うんですよ。とにかく、様々なところから全農の改革に対するプレッシャーが掛かっているんだということを改めて感じております。
 それで、また改めて、この支援は本当に誰のため、何のための支援法なんだろうかということがますます疑問だということであります。
 時間がありませんので最後にお伺いしますけれども、規制改革推進会議の農協改革に関する意見にあった信用事業の半減と組合勘定制度の廃止は強化プログラムには入りませんでした。与党の皆さん、頑張っていただいたんだと思います。しかし、昨年、強化プログラム決定後の民進党の部門会議に出席した内閣府規制改革推進室のS参事官は、私が組勘の廃止も信用事業の半減もこれいずれやるんですよねと言いましたら、はいとおっしゃいました。そこには農林水産省の方々もおられて、恐らくどきっとした方々もおられるんじゃないかと思いますけれども、これ改めてもう一度伺いたいと思います。
 規制改革推進会議としては、あの意見にまとめたものをいずれやろうという方向で動いていくんでしょうか。はいと言ったあの答えはどうだったんでしょうか。
#30
○副大臣(松本洋平君) その民進党さんの部門会議における発言というのは私ちょっと承知をしていないところでありますけれども、昨年二月以降、規制改革推進会議農業ワーキング・グループにおきましては、生産資材の調達、流通加工構造の改革に関する検討を行い、意見を公表してきたところであります。十一月十一日に公表いたしました今委員から御指摘がありました農業ワーキング・グループの意見に関しましては、農協改革につきまして様々な記述が含まれていたのは事実であります。しかしながら、その後の議論を踏まえまして、十一月の二十八日に決定、公表した農協改革に関する意見、これがあくまでも規制改革推進会議としての意見であります。
#31
○徳永エリ君 御説明をいただきましたけれども、今までもそうですけれども、やろうと規制改革推進会議が決めたことは次々と進められているわけでありますので、ここは本当に、私は北海道ですけれども、組合勘定制度がなくなれば本当に農業をやめなければいけないと言っている人たちがたくさんおりますので、またこういう議論が出てきたときにはしっかりと現場の声をお伝えしていきたいというように思っております。
 規制改革推進会議は、TPPにおける日米並行協議に基づく交換書簡の中で、日本政府は、外国投資家の意見、提言を聞き、関係省庁が対応するとともに、規制改革会議に付託して意見を取りまとめ、必要な措置をとることを約束しています。農協、全農の改革、これ、農林水産省も与党の力をもってしても規制改革推進会議の意見実現に向けてのフォローアップはこれ結果的に押し戻すことができないということなんじゃないでしょうか。
#32
○国務大臣(山本有二君) まずは組勘の問題でございますが、現在七割の北海道の農業関係者の皆さんが利用していただいておりまして、これはすぐれて北海道農協系統の組織が改善を目指して、今回、約定書の見直し、あるいは畜産農家が使いやすい資金の創設、こうした努力をしていただいております。それを我々は非常に重要な措置だと思って拝見させていただいておりまして、今後こうした御努力の中で問題は解決されるものだというように期待をしているところでございます。
#33
○徳永エリ君 目的が何なのかということはもう言わずもがなで、ここにいる委員の皆さんは分かっているわけでありまして、総理が、二〇一四年ですか、ダボス会議で、民間企業が障壁なく農業に参入し、需給の人為的コントロール抜きに作りたいものを自由に作れる時代がやってくると。ここに全てがあると思うんですよね。民間企業が参入するための障壁を次から次へと取り除いていっているということであります。
 私も今回、北海道の農家を回ってつくづく思ったんですけれども、本当に今重苦しい空気が漂っています。突然の水田農政の転換、来年からは米の直接払い交付金も廃止になりますし、そして農協の改革、さらにはこの全農にまで踏み込んできたと。一体自分たちに何をしろと国は言っているんだと、どうしたらいいんだ、本当に不安な思いでいっぱいだと。そこにまたTPP11だとかTPP5だとか、そういう話が出てきて、明るい材料が何もない、希望が見出せないという状況であります。せっかく若い農業者も参入してこれから農業を頑張っていこうという人たちもいるわけでありますから、そういう人たちが希望を持てるような政策をしっかりとやっぱり農林水産省としては前面に打ち出して……
#34
○委員長(渡辺猛之君) 時間が来ておりますので、質疑をおまとめください。
#35
○徳永エリ君 あくまでも農家の努力をしっかり支えていくということで頑張っていただきたいと思いますが、大臣、最後に一言いただいて、結びたいと思います。
#36
○委員長(渡辺猛之君) 簡潔にお願いいたします。
#37
○国務大臣(山本有二君) 農業者の皆さんが不安のない農業政策、これに徹したいというように考えております。
#38
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。
 農業競争力強化支援法について質問をさせていただきます。
 第八条におきまして、農業機械その他の農業資材の開発について、良質かつ低廉な農業資材の供給の実現に向けた開発目標を設定するとともに、独立行政法人の試験研究機関、大学及び民間事業者の間の連携を促進することとあります。良質かつ低廉な農業資材のニーズ、これは現場では非常に高いと思います。しかし一方で、資材メーカーがそのニーズを十分酌み取っているかどうかということは疑問点がございます。
 韓国と日本での資材価格の比較というものが出ておりましたけれども、韓国の方が大方安くなっている、それは余計な機能を付けていないということが一つの理由であったかと思いますけれども、そうしたことは日本でもニーズがあるはずでございます。
 また、日本では、ほかにない優れた研究機関や民間技術が持つ新技術というものも一方ではあります。それは強みであると思います。ICTやドローン、また人工衛星を利用したセンシング、そうした技術と組み合わせて実証実験も行われていると思いますし、重量野菜の収穫作業、これを多様な動きに対応してロボットで行うということも取り組まれております。
 そうした新技術、ほかにも様々ございます。ビッグデータ、また気象予報の活用、そうしたものも今取り組まれております。そうしたものを活用して農業者が抱えている課題を解決する、そして新たな付加価値を持つ農作物を開発していく、そういったソリューションというものを開発して、それを低廉な価格で生産者に普及、供給していくということが必要であると思います。
 農水省としてもこれに取り組まれており、成果が出始めていると認識をしております。実証を終えて成果が出てくると、これを次は、次の段階で事業化をする、事業化をして、そして農業者が買える価格になるように後押しをしていく、普及を後押しをしていくということを支援していく必要があると思います。
 事業化をする過程でベンチャーが生まれてくる兆しもあるというふうに聞いております。研究を後押しをしていくということをよく国の政策として、農水省だけではなくてほかもやりますけれども、研究を終えて報告書を出してゴールになってしまうと次に予算が続かないということが結構あるかというふうに思っております。実際に農家さんにメリットが出るようになるには、開発がゴールではなく、それを生産者へ届けていく、そして生産者の所得向上に役立つようにしていくということが必要であります。
 意欲を持つベンチャーの支援ということも、間接的に農家へ所得向上のソリューションを届けるためには必要なものであるというふうに思っております。せっかく実証を行ったのに資金がないとか、そういったことで途絶えてしまうというのは余りにももったいないし、これは税金の無駄遣いに、今まで補助してきたものが途絶えてしまいますので、ゴールに行かないで、これは税金の無駄遣いにもなると思います。
 ベンチャーが出てくる、また中小企業などがこれに取り組んで、そして新たに事業化をしていきたいと思うときの支援体制、具体的には会社の設立であるとか事務所の確保であるとか案件を獲得するということ、販路開拓の支援などの相談支援の体制、これは非常に重要なものと考えておりますけれども、いかがでしょうか。
#39
○大臣政務官(矢倉克夫君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、開発の実際のゴールは実際に農家に良質で低廉な資材を提供することでありまして、それをもって開発成果を形にするための支援というのが非常に重要であると思います。
 農業現場では、生産性の向上や農作業の負担の軽減を図るとともに、若者、女性など多様な人材が活躍できる環境を整えるため、ロボットやICTの先端技術を活用した農業資材に関するニーズが高いわけでありますが、これらを、このような現場のニーズを現実に農業現場に着実に普及をさせて生産者の所得向上に役立つようにする仕組みがやはり重要であると思います。
 このような目的の下で、委員からは今、新たに農業資材を開発、製造して、事業化の観点から、そのような動きをしているベンチャー企業に対しての支援の重要性というところが御指摘いただいたところであると思います。その点、まさにおっしゃるとおりであると思います。
 そのような観点から、例えば農研機構が開発、製造に係る技術的な相談、アドバイスを行うとともに、また、農業競争力強化支援法等に基づきましては、開発支援はもちろんのこと、委員からは、会社設立や事業運営、事業所の開発などをおっしゃっていただいたわけでありますが、これらに係る金融面での支援、日本政策金融公庫によります新規開発資金やまたA―FIVEによる支援なども今後具体化をしていく所存でございます。
 また、これに加えましては、例えば農研機構や民間企業、大学やまた農業者等から成るコンソーシアムを形成しまして、そこにベンチャーを組まれる異業種の方々なども入っていただいて、農業者の現場のニーズを的確に踏まえた農業資材の開発を着実に行う体制、これもつくっていくことも必要であるというふうに思っております。
 また、農業者に分かりやすい形での情報発信や、実際に農業者の圃場で実証を行う等により実用化、普及を図ることによりまして、農業現場に迅速にソリューションを提供していくことが重要であると思います。
 以上のような取組を踏まえまして、開発の次のための段階としての、開発の具体化のためのしっかりした支援を後押ししてまいりたいというふうに思います。
#40
○竹谷とし子君 是非、開発の成果を形にして、農業者に届けるための次のステージの支援というものを進めていただきたいというふうに思います。
 続きまして、食品製造業の生産性向上への支援の必要性について伺いたいと思います。
 第十二条で、農産物を原材料として使用する製造又は加工の事業について、適正な競争下で高い生産性が確保されることとなるように事業再編又は事業参入を促進することと定められております。国内の農林水産物の需要の六割が、用途別の仕向けでは食品製造業仕向けが六割であるということでございます。食品製造業の売上げを増やしていくことと生産性を向上させていくこと、これが国内の農林水産物の売上げに直結していると言えると思います。
 この食品製造産業ですが、九八%以上は規模が中小企業また零細企業ということになっております。業界固有の問題も抱えております。それを解消していくことが国内の農林水産物の安定需要を支えることにつながると考えます。
 現在、食の安心、安全の声が高まる中で、製造過程で変質や異物混入がないように対策が様々講じられていますが、そのための労力は食品製造工場では大変なものであるということでございます。一方で、人手不足で、その工場自体の死活問題にもなっていると。製造履歴を、普通だったら大きな企業であれば機械化されているようなものも、小さな工場なので手書きでホワイトボードに書いていく、紙に書いて貼り付けていく、そういったようなこともされているそうであります。
 そういう問題を解決する方策として、IoTを活用した職人ノウハウのデジタル化ですとか継承、また製造品質記録の自動作成、原材料の受入れ、異物の検査の自動化、原材料の情報のビッグデータ管理などの、解決策としてはもう既に存在をしています。しかし、中小企業における成功例がまだない、あるいは少ない状況であるため、小さな企業が投資しようとしても、自分が一番にやるのは嫌だ、一番風呂は嫌だと、失敗するかもしれないし、どんな成果があるのかも保証されていない、そういう中で投資をしようと判断することはできないというのが実態でございます。
 このような状況下で食品製造業は、人手不足、その中で賃金は上げなければならない、そうした中で利益は減っていく、そして設備投資も困難になるという悪循環に入っている傾向が見られます。これを打開するために政策として、例えばIoTの導入の成功モデル、中小や零細企業で使えるような成功モデルをつくって普及の支援を行うということが国内の食品製造業を支えていくためには必要だと考えます。いかがでしょうか。農水省として、この条文に照らして想定する具体例があれば御紹介いただきたいと思います。
#41
○政府参考人(井上宏司君) お答え申し上げます。
 食品製造業でございますけれども、委員から御指摘ございましたように、中小零細企業の比率が非常に高く、九九%が中小零細企業でありますし、また従業員が三人以下の零細企業が全体の三七%と、こういった構造にございまして、こうした食品製造業におきます人手不足の問題が常態化をしておりまして、御指摘のように、IoT等の新たな技術を活用いたしまして生産性の向上を図っていくことが重要と考えてございます。
 これまでも、取組の広がりは限定的ではございますけれども、例えば食品製造分野でのIoT、ITの導入の事例ということで申し上げさせていただきますと、食品工場にカメラを設置をして常時生産ラインを監視をして、その画像データを活用いたしまして設備のトラブルあるいは製品の異常を確認をするといったケースでありますとか、あるいは製造設備からの大量のデータを収集、解析をいたしまして、設備の異常を早期に検出をして、生産を高度に管理するといったような取組が一部では行われているところでございます。
 また、今後につきましては、食品工場におきまして、センサーから収集、蓄積されたデータをAI、人工知能で解析することによりまして、これまで人間では認識ができなかったような故障や事故の予兆を早く捉えて、より安定的な操業を可能としていくような取組も期待されるところでございます。
 しかしながら、先ほど申し上げましたように、この食品製造業、中小零細企業が非常に多いということでございまして、支援策として、IoT等の新たな技術を活用した生産性向上を図る取組については、中小企業への支援措置として活用できるメニューというのはございますけれども、今後、農林水産省といたしましても、食品製造分野での先進的な事例の紹介等も行いまして、こうした新技術を活用した生産性向上に向けた取組の普及を図ってまいりたいと考えております。
#42
○竹谷とし子君 是非よろしくお願いいたします。
 時間の都合上、三番目に質問をしようとしていたものについてちょっと飛ばさせていただきまして、四番目の質問をさせていただきます。
 第十四条で、国は、農産物流通等の合理化を実現するため、農業者又は農業者団体が農産物の出荷又は販売を行うに際し、有利な条件を提示する農業生産関連事業者を選択するための情報を容易に入手することができるようにするための措置を、民間事業者の知見を活用しつつ、講ずるものとするとされております。
 非常に重要な点でございますけれども、個々の農業者の環境によっては販路の開拓の余地が少ない地域というのがございます。幾らインターネット上で様々な情報が得られたとしても、そこで作れるものとマッチしないであるとか様々問題があって、こうした情報提供というものが活用できない人たちというのがいると思います。離島、また農地の多くを占める中山間地域など条件不利地域には、情報提供だけでは不十分であると思います。売ることの支援、販路開拓支援とセットにすることが必要であると考えております。
 高齢の生産者が多い京都のある中山間地域に視察に参りましたけれども、地域で栽培可能なものから販路の開拓者が売れ筋を考えて商品を開発して、生産者と全量買取りの契約をして、おばあちゃんたちは全部買ってくれるとなるとやる気が出るそうです。一生懸命作る、そして意欲を高めて所得向上に貢献をしています。
 どういうものを作ってもらったかというと、トウガラシだそうです。トマトだったら売れるんだけれども、ハウス造っておばあちゃんたちが設備投資してやろうとは、もうこの先何年やるか分からないしということでやらないと。でも、トウガラシだったら比較的設備投資が要らずに作れるからということで、そこで作りやすいということに気が付いて、そして、先日の参考人の方でカラフルなニンジンを作って売ったというのがありましたけど、いろんなトウガラシを作って、カラフルなトウガラシのセットで売ったと。非常にヒットしたと。また、インターネットでも、またテレビでもそういったことが取り上げられて、おばあちゃんの野菜セットということで大変人気が出て、注文がそのときは、行ったときには応じられないぐらいになっていたという。
 そういう売り方の工夫をしてくれるプロデューサー的な方と高齢者の方がセットになってそういうものが可能になったわけでございますけれども、高齢者の方に、はい、インターネットで情報提供しますよと言われても、操作も分からないし、携帯だって持っていない人もいるぐらいでありますので、これは、この条文を有効にしていくためにはどうしても販路開拓のプロデューサー的な役割を持つ人とセットにしていかなければならないのではないかというふうに思います。
 これは一つの売り方のアイデアで、様々民間では考えられております。例えば、中山間地域の売れ筋の商品というものを選んで、消費者の多い都市部のタワーマンションで売っていこうと。都心部でもマルシェという形で、国連大学の前であるとかアークヒルズの中であるとか、そういったところはリピーターが多くて、おしゃれでいいものが売っているという、そういうブランド的なものにももうなってきている。そういった都市部、タワーマンションでの移動型のマルシェというのもいいのではないか、そういうのをやりたいという事業者さんが既にいます。また、高速のサービスエリアで販売すると。これ、国交省と調整が必要だと思いますけれども、そういったことも一つの方策であると思います。こうすれば、購入者が農産物の購入を通じて産地との縁も結んでいける、都市農村交流の強化にもなっていくと思います。そうした販路開拓の支援というものを農水省としてもやっていっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#43
○副大臣(礒崎陽輔君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のように、今回の法案の中では、農産物の出荷等に必要な情報の入手の円滑化を図るということから、農業者が、様々な販路に関する情報とかあるいは全量買取り、契約栽培等の取引条件を比較検討して有利な販売先を選択できるよう、流通の見える化サイトを開発して、有利な販売に向けた環境整備を図ることといたしております。
 しかし、御指摘のように、高齢者がすぐにはインターネットは使えないんじゃないかと、こういうような御指摘もありますが、これまで農林水産省では六次化産業の取組をずっとやっております。その中で、農業者の所得向上を図る観点から、農業者が主体となって加工や直売を行うといったことに対する、これまでのいろんな取組に対するノウハウを持っておりますので、そういうことの中で、農業者が自ら生産した農産物を活用した新商品の開発や商談会への出展、専門家による新商品の企画や販路開拓に関するアドバイス等、こういったものを行ってきておりましたので、こういったこともこれからも続けてまいりたいと思います。
 特に、離島や中山間地においては、見える化サイトもいいけれど、実際の販路を確実に導き出すことがやっぱり大事だと思いますので、委員の御指摘を参考にしつつ、六次産業化の推進のためのこれまでのノウハウも総動員しながら農業者の所得向上のために努力を続けてまいりたいと思います。
#44
○竹谷とし子君 終わります。
#45
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 先日、ようやっと主要農作物の種子法に関する資料が出されました。法律を廃止してからの提出だったわけです。種子法を廃止するのは、都道府県が開発した品種は民間企業が開発した品種よりも安く提供することが可能だと、都道府県と民間企業では競争条件が同等でないという理由だったわけです。小麦は、公的機関が育成した品種の三十キロ当たりの価格が七千六百五十円と、民間企業の価格はというと、これ七千六百五十円ということで、同じなんですよ。大豆は民間企業の価格は出てきませんでした。
 ですから、種子法を廃止してから聞き取りを行ったということだったんですけれども、まともな調査もしていないのに、どうして都道府県が開発した品種は民間企業が開発した品種よりも安く提供することが可能だというふうに断定するのかというふうに思います。非常にこれは国会審議を軽視した態度だというふうに言わざるを得ません。
 競争力強化支援法について今日は質問なんですけれども、先日参考人質疑が行われました。やはり一番問題視されたのは、農業者に対する努力義務の規定です。田代参考人は、農業者の努力で解決できないからというふうに言っているにもかかわらず、法案が農業者の努力を書き込むのはいかがなものかというふうに感じたと指摘されたんですけれども、全く私と同感ですよ。
 この問題は前回質問する予定だったんですけれども、与党議員からも削除を求める意見が出されましたので、今日はコスト削減の問題を質問します。
 農業の所得を増やすためには資材コストと流通コストを下げる必要があるんだと、そのために本法で業界再編を促進するというふうに言われているわけです。農業者は農産物を生産するために農業資材を購入すると、そして農産物の出荷になるわけです。参考人からも指摘があったんですけれども、入口のところで、農業資材や農業機械の価格が高過ぎるんだと。それから、出口のところでいうと、農産物の価格が買いたたかれるということで長い間苦しんできたと。歴史的に見れば、交渉力を付けるために農協が共同の購入をし、共同の販売を行うと。農家の所得を向上させる役割を実は果たしてきているわけですね。
 そこで、農業機械なんですけれども、参考人の方から六条のコンバインは一台一千四百万円だという話がありました。政府は、日本では大手四社による寡占状態にあるから価格が高い、韓国よりも高いと分析をしたと。つまり、これ不当に価格をつり上げているという分析なんでしょうか。端的にお答えください。
#46
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 日本と韓国のトラクター、コンバインにつきまして、それぞれ馬力と条数が全く同じものを比較いたしました。その結果、日本製が韓国製よりも二割から六割程度高いという状況がございました。この要因として、私ども二つあると思っております。
 一つは、日本では主要四メーカーの出荷額が八割を占めてシェアが固定しているということに対して、韓国では、例えば輸入機のシェアが四割を占めるなど、メーカー間での競争が働いていることが要因の一つではないかと思っています。
 また、日本国内の農業機械は自動制御機能等が標準整備されました高機能な農業機械である一方、韓国などで販売されております日本製の農業機械はその国の販売環境に合わせて基本性能のみのシンプルな機械であること、これらも要因ではないかというふうに考えてございます。
#47
○紙智子君 そういうふうに理由言われるんですけれども、この競争力強化プログラムの中で、農業機械について寡占状態になっているのでベンチャー企業を含めた企業の新規参入を推進するとしているんですけれども、参考人が紹介した一台千四百万円するコンバイン、この価格は新規参入でどの程度安くなるんですか。
#48
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 農業機械の価格がどの程度下がるかにつきましては、本法案に基づく取組が個々の事業者の自主的な取組によることから一律に見込むことは困難でございますけれども、農業者が少しでも安い農業機械を調達できるようにするには農業機械メーカー側の取組が不可欠というふうに考えてございます。
 そのためには、一点目としては、今御指摘あった異分野メーカーの新規参入等による競争の促進を図るほか、部品や仕様の共通化ですとか、メーカー間での互換性の確保の促進、あと、最低限必要な機能、装備のみを備えたシンプルな農業機械や高耐久な農業機械の製造販売、あと、農業機械を始めとする価格の見える化の推進、これらを推進していく必要があるというふうに考えております。
 例えば、具体的な事例として申し上げますと、異分野メーカーの取組では、ブルドーザーの耐久稼働時間がトラクターの約二倍以上あること、また、春から夏は農業機械として利用いたしまして、農閑期には建設用の機械として利用するということで、稼働率を高めるというようなことで機械コストを、これはコストでございますが、約三分の一にするということを現在実証中でございます。
 また、シンプルな農業機械の事例でございますが、コンバインについてはアクセルの自動制御機能等を省いたモデルを販売されましたけれども、これで価格が約二割低減しているところでございます。
 今後、新規参入の促進と併せまして、このような取組が実施されるように機械メーカーの団体に設置されております部会に農林省も参画した上で様々検討を行うなど、農業機械の価格の引下げに向けた環境を整備してまいりたいと存じます。
#49
○紙智子君 結局、一千四百万のコンバインが幾らになるのかということについては全然言っていないわけですよ。そういう努力はするという話はするけれども、幾ら安くなるのかということは言われないんですよね。
 韓国は安いと言うんだけれども、確かに六条コンバイン、日本の価格で約一千四百万だと、韓国は九百四十万というふうになっていますよ。賃金もこれあるわけですね。最低賃金でいうと、農水省の資料では、時給で日本は約八百円、韓国は時給約六百円と低いわけです。ですから、これ、金額だけで一概に比較できないという面もあるんですね。
 それから、同時に、農業機械は寡占状態にあるから新規参入を進めるというふうに言っているわけですけれども、肥料は会社が多過ぎて非効率だというわけですよ。企業を増やしたら競争が働くといって、企業が多いと競争が働くはずなのに非効率だと。これ本当に理解に苦しむ、物すごく御都合主義じゃないかなと思うんですね。
 そこで、肥料、飼料、農薬について聞くんですけれども、肥料や配合飼料、農薬を製造するためには多くの原料を海外から調達をしています。ですから、世界的な需給状況や為替などの影響を受けることになると。一ドル百円だったものが円安で百二十円になったと、調達価格が二十円上がったとします。そうしたら、法案では資材コストを引き下げて農業者の所得を増やすんだと言っているんですけれども、これ、調達価格の値上がり分というのはどこが負担することになるんでしょうか。
#50
○国務大臣(山本有二君) 今般の法案でございますけれども、国際競争に対応できる生産性の確保を図るための業界再編の推進、また法規制及びその運用の見直し、さらには農業資材価格の見える化の推進等を通じて肥料や飼料の製造費の低減を推進することにより価格の引下げを図ることとしております。
 他方で、御指摘のように、肥料、飼料はその原材料を海外に依存しております。資材価格は原料価格の動向に影響を受けざるを得ないわけでございますが、肥料につきましては、例えば海外の鉱山の山元との関係強化、あるいは新興国での鉱山開発を通じた輸入相手国の多元化、土壌診断に基づき、輸入依存率の高いリン酸、カリ成分を抑えた肥料の使用の推進を図るとともに、飼料につきましては、原料の輸入相手国の多元化、あるいは飼料増産総合対策事業などの実施による飼料自給率の向上の推進、さらには配合飼料価格安定制度による農業者への補填を引き続き図っていくことを通じて、原料価格の変動による農業者への影響をできる限り緩和するよう努力をさせていただきたいというように思っております。
#51
○紙智子君 もっと単純に、どこが負担するんですかと、上がった分はと聞いたわけですよ。調達価格が上がったら、負担は結局農業者にも転嫁されるんじゃないかと。国際相場や為替動向によって、農業の産出額が増えても、これ、農業所得が減るということはあるわけですよ。
 地域で営農を支えてきた中小の肥料や農薬のメーカーを再編したら農村地域の姿がどうなるかということについてもちょっと質問したいんですけれども、日本は南北に長いわけですね。地域の気候や土壌条件を踏まえて、地域に根差した中小メーカーと協力しながら農産物の品質が保たれて、消費者の利益の増進や農業振興に大きな役割を果たしてきたと思うんです。参考人質疑では、地域で日常的に顔が見える、実際に顔を突き合わせて資材を買ったり機械を扱ってもらったり農産物を出すところを相談すると、こういう人たちも含めて地域の大事な構成員だという話がありました。こういう業界を再編、リストラすると、これは政府が掲げる一億総活躍にも反するんじゃないかと思うんです。
 そこで、本法案の第三十二条ですけれども、業界再編をすれば中小メーカーで働く労働者を解雇、首切りすることもあるから国は就職をあっせんすると、中小企業は新たな経済的な循環への適応の円滑化を進めるとしているわけです。本法で農業関連企業のリストラ、撤退を求めながら、農村地域の工業導入法を改正をして農村地域に一般企業を誘致すると。本当にこれ、ちぐはぐな政策だと思うんですよ。
 農業を基幹産業と位置付ける自治体にとっては、農業の振興と地域の営農を支えてきた農業関連企業の発展とは一体のものですよ。業界再編と称してリストラを迫れば、これ、地域経済と雇用にも大きな影響が出るんじゃありませんか。大臣、お答えください。
#52
○国務大臣(山本有二君) 本法案で考えておりますのは、農業者と共存共栄の関係にある農業生産関連事業者の皆さんが、事業再編の取組に対する支援を通じて生産性の向上など体質強化をまずは図ろうとするものでございます。このように、本法案が農業者を支援する考え方を持つ農業生産関連事業者が生産性を向上して持続的に発展していくための措置をかなえることができるならば、地域経済の将来の発展につながるものというように考えております。
 一時的に労働者の雇用への影響が多少ありましても、長期的に見れば、私ども、農業者と共存共栄の関係の皆さんが体質強化を図られれば、将来の農業の、私は、持続可能性、体質強化そのものを図ることができるというように考えるところでございます。
#53
○紙智子君 共存共栄で体質強化と言うけど、そうならないと思いますよ。もう混乱すると思いますね。なぜ国がこういう地域が混乱するようなことをするのかというふうに思います。
 加えて、十七条なんですけれども、主務大臣は、事業再編又は事業参入の促進に関する指針、実施指針を定めると。実施指針は、経済事情の変動により必要が生じた場合は変更するというふうにあります。衆議院で我が党の畠山議員が質問したわけですけど、これに答えて、経済事情の変動とは、国内の規制の改正、貿易ルールの変更など、農業生産関連事業を取り巻く環境が大きく変わったと認められる場合というふうに答えられました。
 法案が、規制改革推進会議の思惑やEPAとかFTAだとか、貿易ルールの変更に合わせることになったら、これ、農業を基幹産業と位置付ける自治体の地域振興に重大な影響が出るんじゃありませんか、大臣。
#54
○国務大臣(山本有二君) 御指摘の本法案第十七条第三項における実施指針の変更理由とされる経済事情の変動と申しますのは、世界経済の変動により農業資材の原料となる素材の価格や農産物価格の大幅な変動が起こるなど、農業生産関連事業を取り巻く経営環境が大きく変わったと認められる場合を想定しております。
 この実施指針を変更する場合でございますが、業種ごとに関係業界と丁寧に意見交換を行うというようにしておりますし、パブリックコメントで広く意見を募ることによりまして、個々の業界の実態を踏まえたものになるよう、策定作業を進めていく考え方でございます。
 いずれにしましても、こうした実施指針等の規定、あるいは変化に対応できる農業について、我々はフォローアップをしながら、しっかりとした資材価格の低減による所得向上を図っていくという覚悟でございます。
#55
○紙智子君 私は、やっぱり地域の営農計画とか振興計画がFTAやEPAによって大きく変わる危険性があるというふうに思います。TPPのアフターケア法というふうに田代参考人が指摘されたとおりだと思うんです。
 次に、出口の問題ですけれども、農産物の生産物価格についてお聞きします。
 お米はスーパーなどでは目玉商品として安値で販売されることがありますけれども、お米以外でも生産者には量販店などから買いたたきに遭うこともあると言われています。第十二条に、農産物の卸売又は小売業については、適正な競争の下で効率的な農産物の流通が行われることになるよう、事業再編又は事業参入を促進するとあります。農業競争力プログラムには、量販店等による安売り競争の状況から脱却すると、量販店等は農業者の再生産の確保を考慮し、双方がウイン・ウインな関係維持というふうに書いてあります。
 本法でウイン・ウインの関係が確立をされて、買いたたきはなくなるということなんでしょうか。
#56
○国務大臣(山本有二君) 多数の量販店等による安売り競争、こうしたもので価格の引下げ圧力が強い状況にあるというような我が国の小売業界の実情があるとするならば、そこも含めて事業再編や改革の必要があるというように思っております。この法案で流通業者の自主的な事業再編等を後押しする支援措置を講ずることとなっておりますが、多数の量販店等による厳しい競争環境が緩和されることとなるように措置をしていくつもりでございますし、安売り競争からの脱却が進みますれば、消費者の多様なニーズに応えつつ、農産物の品質に応じた適正な価格での販売といったビジネスモデルも構築されていくだろうというように思っております。
 また、農業者が量販店等のバーゲニングパワーに対して交渉力を高める必要がございます。販売先の選択肢を幅広く有していることがそのためには重要でございまして、農業者が様々な販売ルートのサービス内容あるいは取引条件等を比較検討して有利な販売先を選択できるような環境整備に努めることが必要だろうというように考えております。また、量販店等の不公正な取引、優越的地位の濫用、こういったものにつきましてはしっかりと公正取引委員会等と監視をしてまいりたいというように思っております。
#57
○紙智子君 公正取引委員会が監視するのは当然だというように思うんですけれども、公正取引委員会が動き出すところまでいかない、で、泣き寝入り状態という、そして量販店が提示する額をのまざるを得ないという状況なのが現実だと思うんですよ。なぜこの本法で買いたたきがなくなるかというのは、さっぱり分からないですよ。恐らくこれ、そう簡単になくならないと思いますよ、今まで続いてきているわけで。量販店の買いたたきが防止できないのであれば、流通を簡素化することで農家の手取りを増やすことになるんだということなんだけれども、その手段として産直なんかもあると思うんです。今度、その十三条で、国は農産物の直販を促進するための措置を講ずるとなっているんですね。農業者に直接販売を促進したら、農協の共同販売が弱まるんじゃないかと。つまり、これ、農協を通すなということにもなるんじゃないかと。
 逆に充実させるような規定はあるのかということも聞きたいと思いますが、いかがでしょうか。
#58
○政府参考人(井上宏司君) 農産物の流通につきましては、農業者の所得の向上を図るという観点からは、流通マージンを最小限に抑える、あるいは自ら販売価格等の取引条件を設定できるという意味で直接販売を促進することは重要と考えてございますけれども、様々な流通ルートにはそれぞれ特性がございます。
 直接販売を行うというふうにした場合には売れ残りのリスクを生産者が自分で取ることになるとか、産品の品質の管理を自分が責任を最後まで持つといったようなことがございますので、直接販売を促進する取組と併せて、今回の法案でも規定をさせていただいておりますけれども、農業者が自らの判断で販売ルートを選択ができる、有利な販売ができるようなルートを選べるような環境の整備にも取り組むこととしておりますし、また、中間流通におきましてもその機能がより一層効率的に発揮ができるように、今回、事業再編等に対する支援措置も設けさせていただいているところでございます。
#59
○委員長(渡辺猛之君) 時間ですのでおまとめください。
#60
○紙智子君 はい。
 時間なくなりましたけど、農業者は大手から資材価格をつり上げられたり買いたたかれたりしてきたわけです。そういう経験から協同組合をつくって、共同購入、共同販売を進めてきたと。これは取引交渉力を対等に近づける大きな手段だったわけです。参考人からも本法が農協改革に結び付いているんじゃないかという指摘がありましたが、実質的な農協外しじゃないかという懸念はやっぱりますます大きいと、そのことを指摘して、質問を終わります。
#61
○儀間光男君 皆さん、おはようございます。日本維新の会の儀間でございます。
 今日は農業競争力強化支援法案についての審議でございますが、その中で特に、この法案が本会議に上程されたときに質問させていただきましたが、その中の大臣の御答弁も含めて、ちょっと関係した質問をさせていただきたいと思います。
 今日は農業資材における事業の、あるいは農業の、あるいは企業、関連企業の再編と新規参入、ある意味ではこれが主だと思います。このことは、私個人の見解ですが、直接農業生産に携わる農家の支援、間接的になっていて、あとは流通や農家、生産する、環境整備の法案だと認識をしております。したがって、これは極めて、経産省関連も出てくる、だからふわっとした法案になっていると僕はずっと思い続けておるんですが、それも含めて伺いたいと思います。
 今日は、前回行った質問の中で、切り口、機械を少しやって終わったんですが、今日はその農業機械についてちょっと質問させていただきます。
 質問に入る前に、これは月刊誌の資料ですから、自信持ってこうだということではなくて参考にさせていただいておるんですが、機械メーカーの寡占率を少し数字を確認したいと思いますから、お答えいただきたいと思います。
 まず、四メーカーありまして、その他も含めて五つなのかなと思うんですが、まずクボタさんが四七・五%強ですね。それから、二位のヤンマーさんが二六・二%、井関農機さんが一五・四%、三菱さんが三・九%、その他七%とあるんですが、この数字は皆さんが掌握する数字と相違ないかどうかをお聞かせいただきたいと思います。
#62
○政府参考人(枝元真徹君) ほぼ傾向は合っていると思います。ちょっと私ども、今私が持っております総販売台数のシェアで申しますと、クボタが四六%、ヤンマー二五%、井関二一%、三菱マヒンドラが五%でございます。先生のはもしかしたら出荷額の資料かもしれませんが、大体傾向は一緒だと思います。
#63
○儀間光男君 じゃ、これ参考にさせていただきます。当たらずとも遠からずという感じですから、これを参考にさせて議論させていただきますけれど。
 まず、冒頭申し上げたように、先日、登壇させて質問させていただきましたが、当日の山本大臣のお答えが、国内メーカーの上位四社のシェアは八割を超えていて、競争性の欠如が課題であるという内容ですね。したがって、新規参入を支援し、適正な競争環境を整えると御答弁されました。
 新規参入を検討又は実施をし、またその実施予定業者は何社ぐらい、どの程度を見込んでいるのか、また実際にどのような支援により新規参入を促し、競争環境を整えて農家が有利になるような結論を出したいのか、その辺少し御見解を賜りたいと思います。
#64
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 先生がさっきおっしゃったようなシェアの状況でございますので、農業機械だけを主とする企業が今参入してくるという状況ではございません。現在、制度に参入する動きとしては、例えば、農林省の二十八年度の補正予算を活用いたしまして、建設機械メーカーが水稲直播栽培用のICTブルドーザーの開発に取り組んでいる事例、あと、これまではメーカーのみが製造していた中古も含めた部品について、設計会社と町工場が一体となって改造とか修理、製造を請け負うような取組、あと、電機メーカーが野菜の自動収穫ロボットの開発に取り組んでいる事例など、そういう異業種の参入、そういうのが出てきているところでございます。
 あと、それを支援する仕組みでございますけれども、このような他産業の参入、また技術革新によりまして、それらの技術が応用できる可能性が高くなってきておりますので、農業現場のニーズを的確に踏まえた機械の開発に向けまして、農研機構ですとか民間企業、大学等から成るコンソーシアムを形成いたしまして、迅速かつ着実に開発、製造が行われるように支援すること、あと、農研機構が開発ですとか製造に係る技術的な相談、アドバイスを実施すること、あと、本法案等に基づきまして、開発支援はもちろんのこと、事業参入に係る金融面等での支援を措置すること等によりまして新規参入を促進し、寡占状態にある業界の競争環境の整備を図りまして、農業機械の価格の引下げにつなげてまいりたいというふうに考えてございます。
#65
○儀間光男君 聞いていますというと、法律は作ったけど、政府が積極的にフォローアップしていくと、何かフォローアップ法案という話がよく出るんですが、そういう姿勢が余りうかがえないんですね、今局長の話をお伺いしますというと。待ちの、法律を作って待っているというような感じすら受けるんですね。例えば、この四メーカーのほかに、建設機械なんかを使って、あるいは自動車を中心とするメーカーがあったりして、その辺を、ちょっと来てよ、話聞いてよというようなこと等の積極性に欠けるような感じがするんですが。
 法律を作ったから参入するのを待つというだけではこの法律に意味がないと思うんですが、いま一度御見解を賜りたいと思います。
#66
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 例えば、先ほど申し上げました建設機械のは、平成二十八年度の補正予算でお認めいただきました革新的技術開発・緊急展開事業というのを活用してございます。これらの予算を、当然ながら私ども、農業機械のメーカーだけではなくていろんな他産業のメーカーにも情報を提供し、その中から様々な案件が来て、きっかけという面ではこういうのが主でございますけれども、そういう取組をして、いろんな働きかけをしながらそういう形をつくっているところでございます。
 あと、先ほどちょっと御紹介いたしませんでしたけれども、現場の方では、例えば商工会議所が農業者の方々といろんな意見交換をするというような取組も進めておりまして、あるところでは、菊の苗をポットに入れる、これの手作業を機械化するというような取組をしているとか、様々なツールを通じながら支援措置、またこういう促進策等についてアピール、PRしているところでございます。法律が通りましたら、更にそれを加速していきたいというふうに思ってございます。
#67
○儀間光男君 ですから、僕が言っているのは、この法律が通って、予算も付けたと言うんですけれど、法律ができて予算が付けられて、さあおいででは駄目だと私言いたいんですね。例えば、四メーカーに対して、可能性のある他の業界のメーカーに出して、ちょっと来てよと、これに具体的に参入しなさいよというような積極性に、あるいはこれを、政府が介入したなどということを恐れてしていないのかどうか分かりませんが、ちょっと積極性に欠けるような感じがしてならないんですね。
 ですから、例えば、ここでメーカーを言っちゃ変ですけれども、ブルドーザーのメーカーであるコマツさんがいろいろ出ていますね。あるいはヤンマーさんがいろいろなことをやろうとしている。それに具体的に政府がお会いして参入を促進する、新規参入として促進。コマツさんはブルで代かきも、いろいろなことをやって、水平を保って直播したり、直まきして収量を上げるなんということもやっているんですが、そのようなことも含めてもうちょっとやっぱり積極的にいってほしいと、こういうことを要望しておきたいと思います。
 それで、ICTもそうですが、こういう技術が生産性を高め、生産コストを安めていく、そのことによって市場で競争ができる、そういう農家を育成するんだと。流通面もいろんな手当てをして、農家が作ったものを全部売る。先ほど質問の中で、全量買取りあるいは契約栽培あるいは計画栽培、そういうものが効いていくようなことをやっていかないといかぬと思うんです。そうじゃないと、家族経営、このことは家族経営の担い手としてはなかなか、紙先生からお話あったけど、一千四百万という農業機械、高価な農業機械からするとなかなか、購入に至って、それを使って生産して、採算が取れるのに何年掛かるか、その間もつのかどうか。
 その辺の、金利やあるいは融資の手当て等いろいろ方法はあると思うんですが、その辺どうなんですかね。一千四百万、この前、参考人招致で、一千四百万は大き過ぎて、農村、農家の担い手では無理だというお話の内容があったんですが、その辺の気配りは皆さんどうお考えかをお聞かせいただきたいと思います。
#68
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 この前、参考人の方おっしゃいました一千四百万という数字ございます。多分、これは六条刈りということで相当大きいものであると思います。現在、日本のコンバインで出荷割合を見ますと、二条、三条刈りが約三割、四条刈りまでで約八割から九割占めているという状況でございまして、それぞれの価格は当然ながらそれよりは下がってまいります。
 しかしながら、いずれにせよ、韓国等と比較いたしましてもやはり高いという状況がございますので、それらを少しでも安くするために、先ほどから申し上げているような支援をしていきたいということでございますし、他方で、先生も御指摘ございましたけど、単純に高い機械だけとかICTとか、そういうことではなくて、様々な取組が必要だというふうに思っております。
 法律上の世界で申し上げますと、まず八条の方で、国が良質かつ低廉な機械の供給実現に向けた開発目標を設定して、試験研究機関、大学、民間事業者の間の連携を促進するということとなっておりますし、二十一条でも、事業参入計画の認定に当たりましては、良質かつ低廉な機械の供給の実現に資すると見込まれることを要件とするという法律的な仕組みをしてございます。
 また、異分野メーカーの新規参入による競争の促進と併せまして、複数の農業者でシェアするシェアリングですとかレンタルの活用、あと、価格の見える化ですとか、様々な取組を推進する必要があるというふうに考えているところでございます。
#69
○儀間光男君 答弁を聞いて、通してそうなんですが、法律と予算ができたから、はい、どうぞということじゃなしに、作った側は、準備した側は、それが実施される、執行されるように現場行って指導せぬといかぬと思うんですね、さっき言ったように、待ちじゃなしに。現場へ入り込んで、メーカーならメーカーへ行く、農家なら農家へ行く、そういうことをしないと駄目だと思うんですよ。これからの農業、AI農業とかIoT農業などと言うけど、先日の参考人の愛知から来た鈴木さん、お若い方だったですが、必要としない機能が搭載されておって、これが価格を引き上げている要素もある、こういうふうな内容が話があった。だから、手が及ばないんだというような、言葉そのものじゃなかったんですが、私はそういうふうに聞いたんですね、聞こえたんです。したがって、そういうことも含めてやらぬといかぬと思うんですね。
 IoTなんていうのは、土壌の三原則である窒素、リン酸、カリ、これの状態を見ながら、この土、土地には、これは酸性かアルカリ性か中かを見て、pHを見ながら即座にここに施肥する肥料等を決めていく機能を持っているというんですね。だから、そういうのが、例えば北海道、例えば関東、近畿、関西、中国、九州、沖縄、全部土壌違うんですよ、この三要素を含む割合もね。例えば沖縄というと、北部の方で酸性土壌が、酸性が強いですから、パイナップルなどができるんですね。それから、花でいうとウルシ科のイジュの花という、今頃咲くんですが、真っ白な花、これは中部以北しかできない、南部や先島でできないんですね。
 そういうことを思うと、今言うそこの土壌に適しないセンサーが載っていて、これ外して機械が安くできるかどうか、その辺もよく分からない。載ったまま使い殺しにしておって、高い価格の機械を購入せざるを得ない状況などもある。購入すれば生産性は上がるけれど、減価償却に手間暇が掛かって大変だと、経営がうまくいかないという現状がもう来ているんですね。
 そういうところを皆さんどうお思いか、どう対応しようとしているのか、それをちょっと御所見をいただきたいと思います。
#70
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 先生御指摘されましたとおり、多くの農家からやっぱり農業機械高いという声を聞いていて、その一つの理由に、非常に日本の農機の場合、高機能な様々な機能が付いていて、それがなかなか自分で取り外すこともできないし、というかそれが標準化されているという問題ございます。そこは韓国との比較においても、日本の農機を韓国に輸出してございますけど、韓国に輸出している農機というのはそういう機能を外したシンプルな機器になっているということも日本と韓国の差の一つになってございます。その点は非常に重要な課題だというふうに思っておりまして、そういう取組も今始まってはおります。例えばコンバインについて、アクセルの自動制御機能等を省いたモデルを販売始めましたけど、これ、約二割、価格が低減されました。
 ただ、それ以外に、先ほど先生御指摘あった様々な、何というんでしょうか、現場での取組、シェアですとか、そういうことも含めて申しますと、やはり機械メーカー、また我々がどう積極的にいくかということに関しても、私ども、農業機械に関しましては関係団体に設置されている部会に農林水産省も参画をした上で、そういう異分野の参入の問題もそうですし、さっきのシンプルな農機の話もそうですし、それでITCを活用した建設機械なんかも、これは夏は農業機械で冬は建設機械というふうにシェアリングできるとか、あと、そもそものコンバインのシェアリングとしては、県をまたぎますと品種が違うお米なので、これがシェアリングできるとか、様々なことが今進められようとしています。それらは、農業機械のメーカーの方々、また異業種の方々とともかく様々な検討を行う場に参画をいたしまして、そういう環境整備の努力をしていきたいというふうに考えてございます。
#71
○儀間光男君 もっと議論したいんでありますが、もう一つやりたいのがありますから、この議論はまた次に回したいと、こう思います。
 次に、農業生産資材などで肥料と飼料の問題がありますが、これはすぐれて流通側の問題なんですよ。飼料だとアメリカが主なんですが、パナマ運河を越えて太平洋へ旅行してくるわけですね、我が国に、トウモロコシが。だから、その流通と、さらには市場、金融市場の影響も多く受けるんですね。そういうことで極めてこれは外的要因が大きいと、こう思うんですが。
 その中で、先日の答弁を調べてみますというと、メーカーの自主的な判断に基づく事業再編に向けた取組を支援し、生産性の向上を図るといたしますというお答えなんですね。これもさっきから言うように極めて待ちの姿勢なんですね。そうじゃなしに、この辺も積極的に皆さんが、まあ経済、市場、メーカーも流通側もいろいろありますけれど、皆さんやっぱり農家の立場に立って、あるいはイコール消費者の立場と。これ、消費者庁がやると言えばおしまいですが、やっぱり作る側は農林水産ですから、生産者側と消費者側に立って皆さんが具体的に政策の執行をしなければならないと、こう思うんですが、大臣、いかがでしょうか。もう時間ありませんから、大臣の所見を伺って終わりたいと思います。
#72
○国務大臣(山本有二君) 肥料、飼料についてでございますが、メーカーが乱立しているということは既に御承知おきのとおりでございますし、かつまた工場の稼働率が低いという非効率な生産体制、形態というようになっております。その意味で改善をお願いするわけでございますけれども、メーカー任せということのないように政策的に支援を行う必要があるというように私どもも思っております。
 まずは農業資材に関する法規制及びその運用の見直し、あるいは農業資材価格の見える化、これを実施するとともに、肥料、配合飼料メーカーにおいて国際競争に対応できる生産性の確保を図るための業界再編を推進したいと思います。この業界再編に向けまして、関係業界との意見交換を通じて、要望のあった再編に伴う設備投資、あるいは廃棄に係る税制、あるいは金融支援、こういったことを措置しようというように考えております。その支援に当たりまして、再編に取り組もうとする事業者の経営戦略の策定に資するように、事業ごとの今後の事業環境の見通し、あるいは業界の目指すべき発展の方向性といった対象事業の将来の在り方について実施指針を定め、これに即した事業者の取組を支援するというようにしております。
 今後とも、業界再編に向けまして、関係業界との意見交換等を行って、支援策を周知し、業界の早急な体質改善に向けた決断を後押ししてまいりたいというように考えるところでございます。
#73
○委員長(渡辺猛之君) 時間が来ております。
#74
○儀間光男君 はい。
 釈迦に説法ですが、是非とも農家の側に立って、流通は経産省の方ですから、向き合って、手を取り合って、農家が常に良くなって、消費者が喜ぶような、こういう大臣になってほしいと思います。
 ありがとうございました。終わります。
#75
○森ゆうこ君 自由党、希望の会の森ゆうこでございます。
 まず、済みません、順番を変えまして、獣医学部新設について、通告していた内容について質問させていただきます。
 平成二十八年八月二十三日、昨年でございますけれども、山本農水大臣は加計学園理事長の加計孝太郎氏と面談をされたというふうに委員会で答弁がありました。その面談の内容はどのようなものだったのでしょうか。
#76
○国務大臣(山本有二君) 昨年八月二十三日でございます。私が農林水産大臣に就任したために御挨拶をしたいとの趣旨で来られまして、大臣室でお会いさせていただきました。その際に、大臣の就任お喜びの言葉を頂戴した次第でございます。格別の陳情は承っておりません。
#77
○森ゆうこ君 四月二十五日の衆議院地方創生特別委員会では、民進党の宮崎岳志議員への答弁の中で、農水省の方から獣医学部新設についてのお話があったというふうに報告されております。
 確かに大臣就任のお祝いであったというふうに思うんですけれども、加計孝太郎理事長、そして問題の豊田三郎氏も御一緒にお会いになったと。獣医学部新設について話したということを農水省が衆議院の地方創生特別委員会で認めておりますけれども、獣医学部の新設についてどのようなお話があったんでしょうか。
#78
○国務大臣(山本有二君) 短時間でございます。また、就任の御挨拶等をいただいて、ただ、陳情という正式なものではありませんでしたので、私の方といたしましては、今、定かではございません。
#79
○森ゆうこ君 役所が、その話が、獣医学部新設についての話があったのかなかったのか、それだけまず言ってください。
#80
○国務大臣(山本有二君) そのときにその話があったかどうかについての記憶は定かではありません。
#81
○森ゆうこ君 ないんですか。役所の方からそういう話があったと、きちんと四月二十五日の衆議院地方創生特別委員会で答弁あったんですよ。忘れちゃったんですか。あったんでしょう。
#82
○国務大臣(山本有二君) あったかもしれませんが、私としましては、農林水産省の所管の局長を同席させて陳情をいただいたという記憶はございません。(発言する者あり)
#83
○委員長(渡辺猛之君) 森ゆうこ君、質疑を続けてください。
#84
○森ゆうこ君 つまり、獣医学部新設についての話はあったということでよろしいですね。
#85
○国務大臣(山本有二君) くどいようでございますが、八月二十三日、その話の、陳情の書類をいただいたわけでもありませんし、会話の中であったかもしれませんが、記憶にございません。
#86
○森ゆうこ君 困りましたね、安倍内閣の大臣はみんな記憶喪失で。まあ、あったんですね。なかったんですか、じゃ。
#87
○国務大臣(山本有二君) 八月二十三日に、メモを取っているわけでもありませんし、記録をしている日記があるわけでもありませんし、私どもといたしましては、会話の内容を今再現するということはかなり困難でございまして、あったのかもしれませんが、記憶にございません。
#88
○森ゆうこ君 なかったんですか。なかったらなかったとはっきり言ってください。なかったんですか、あったんですか、どっちですか。
#89
○国務大臣(山本有二君) 会話の記録が鮮明に脳裏に焼き付いているわけではございませんので、陳情があったかもしれませんが、定かではございません。(発言する者あり)
#90
○委員長(渡辺猛之君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#91
○委員長(渡辺猛之君) 速記を起こしてください。
#92
○国務大臣(山本有二君) 当時の八月二十三日以降に、私がどういう話があったかという話を局の方に、四国における獣医学部の新設についての話も、会話も出たというように言っているわけでございますので、確実にこの四国における獣医学部の新設についてお話があったということでございました。
#93
○森ゆうこ君 ちょっと時間巻き戻してもらっていいですか。
 じゃ、文科省にお聞きします。
 松野文科大臣と昨年の九月六日に、同じく加計孝太郎理事長、そして豊田三郎氏、面会しておりますけれども、獣医学部新設についての話はあったんでしょうか。
#94
○政府参考人(松尾泰樹君) そのときは大臣就任の挨拶のみでありまして、獣医学部新設の話は上がっていないというふうに聞いております。
#95
○森ゆうこ君 農水省ではその話があったのに、何で文科省ではなかったんですか。誰から聞いてきたんですか、それ。本当なんですか、それは。
#96
○政府参考人(松尾泰樹君) 大臣本人から伺いました。就任の挨拶のみであり、獣医学部新設の話は上がっていないということでございました。
#97
○森ゆうこ君 おかしいですね。何で農水大臣にだけそういう話をして、肝腎の文科大臣にしないんですか。
 とにかくお会いになった、加計学園の理事長と。そして、豊田三郎さんというのは文教協会の専務理事でございますけれども、文教協会は六月三十日をもって解散の予定ということです。
 それで、内閣府副大臣、昨日役所が来て、去年の十一月九日の案文、原案、そしてその合意に至る経緯等々、これ出せないという返事をわざわざしに来たんですけど、出してください。案文、そして合意に至る経緯、どうですか。
#98
○副大臣(松本洋平君) 以前から答弁をさせていただいているとおりで大変恐縮ではありますけれども、検討途中のものでありまして、お出しをすることは差し控えさせていただきたいと思います。
#99
○森ゆうこ君 もう終わった話なので、櫻井委員からもいろいろお話がありますけれども、当然出すべき資料を何で出さないんですか。森友学園問題と一緒じゃないですか。今この意思決定がどう行われたかがずっと問題になっているんだから、そこを全部開示しなきゃ疑い晴れないでしょう。
 それで、この間の何かコントのような答弁があったんですけど、もう一回聞きますが、去年十一月九日、国家戦略特区諮問会議の内容について、事前に安倍総理にいつ誰がどのように説明をしたんでしょうか。しかるべきとか、そういうこの間みたいなふざけた答弁はやめてください。具体的にお答えをいただきたいと思います。
#100
○副大臣(松本洋平君) 昨年十一月九日の特区諮問会議に当たりまして、事前に特区ワーキンググループ、内閣府、文部科学省、農林水産省との間で事務的な調整を十一月二日に終えたわけでありますけれども、山本大臣が最終的に内容を確認した取りまとめ案を、特区諮問会議の当日、十一月九日に段取りの説明とともに事務方から説明を行ったと聞いております。
#101
○森ゆうこ君 事務方から総理に対して説明をしたということですね。
#102
○副大臣(松本洋平君) 先ほどもお答えをさせていただきましたけれども、特区諮問会議の当日、十一月九日に段取りの説明とともに事務方から説明を行ったというふうに聞いております。
#103
○森ゆうこ君 答弁を控える内容でもないのに、何回も私のこの貴重な委員会の質問の時間を取らないでいただきたいと思います。
 農業競争力強化支援法案についてお聞きをしたいと思います。
 各条文の具体的な意味についてお聞きをしたいところがたくさんあって、そして、そのように通告をしておったわけでございます。
 まず第四条、農業生産関連事業者、ほかにも出てくるんですけれども、ここは国籍は問わないと、グローバル企業ということも含めて全ての企業が対象であるというふうにもう一度確認をさせていただきたいと思います、大臣。
#104
○国務大臣(山本有二君) これは、国籍、資本のありよう関係なく、農業生産関連事業を行っている者が含まれます。
#105
○森ゆうこ君 第四条では、「我が国の農業が将来にわたって持続的に発展することが、農業生産関連事業の発展につながることを踏まえ、」等々書いてありますけれども、そういうことを志しているグローバル企業であるとどのように判断するんでしょうか。グローバル企業にとっては利益を得ることが第一の、会社というのはそういうものですけど、だけど、まだ我が国の企業であればそういうことも考えるということもいろいろやり取りする中で分かるかもしれませんけど、そのグローバル企業が参入したいというときに、我が国の農業の発展に資するということを目的としているということをどうやって判断するんでしょうか。具体的に、大臣、お答えください。
#106
○国務大臣(山本有二君) この支援する一つの根拠といたしまして、各企業が参入するその計画認定ということがございます。その意味におきまして、この事業計画を出していただきまして、さらに認定をして支援措置がこれがとられると、措置がとられるというようなスキームになっておりますので、その意味におきまして、しっかりとした計画があるかどうかということで判定させていただくことになっておる次第でございます。
#107
○森ゆうこ君 その事業計画を見て、我が国の農業のために貢献するという意思を持っているということがどうやって確認できるのかが分からないんですけれども、どうやってそれ確認するんですか。その事業計画だけなんですか。
#108
○国務大臣(山本有二君) さらに、事業計画の上に措置されておりますのが日本政策金融公庫の融資でございます。当然、融資担当者のチェックもございます。あるいは農林漁業成長産業化支援機構、A―FIVEの出資もございます。その段におきましては、出資するにふさわしいかどうかについての、事業内容、将来性、そういったものが判断されるものというように考えておるところでございます。
#109
○森ゆうこ君 不十分だというふうに思いますけれども、次へ行きます。
 第八条第四号の問題ですけれども、「種苗の生産に関する知見の民間事業者への提供を促進すること。」と、ここでわざわざ、種子法を廃止して、さらに、せっかく長年積み重ねてきたこの国民の財産である種子の情報、そして栽培の技術等をどんどん提供しろということをここで位置付けているわけで、全く問題だというふうに思いますけれども、この間の答弁の中で、知的財産がみだりに海外に流出しないようにとか知的財産が守られるようにというふうな話がございましたけれども、それは具体的にどうやってそういうことを防止しようと考えているのか、この四号の意味をもっとしっかりと答弁で言っていただかなければ我々は納得することができないんですけれども、いかがでしょうか。
#110
○国務大臣(山本有二君) 四号の知見の提供に関するお話でございますが、農研機構の知見を民間事業者に提供することについて、既に権利化した育成者権や特許権などについては、既存の公開している成果情報を分かりやすい形で整理、公表するということになっております。
 その意味におきまして、都道府県が有する種苗生産に関する知見の民間事業者への提供も同様に、そうした意味での知的財産の保護をしていきたいと思っておりますし、国の方針に基づきましてこうした都道府県への指導をする、あるいは周知徹底をする、指導、助言をするということになっている次第でございます。
#111
○森ゆうこ君 今の答弁、ちょっと分からないんですけど、無償でじゃ提供をする、むやみに提供をするということはないと、この条項をもってということでいいんですか。確認です。
#112
○国務大臣(山本有二君) これは有償で提供することになっておりますので、これまでも有償でございました。将来にわたっても有償でございます。
#113
○森ゆうこ君 次に、第九条について伺います。
 第九条の最後の方、「事業再編又は事業参入を促進することその他の必要な措置を講ずるものとする。」というふうに書いてありますけれども、その他の必要な措置を講ずるというのは具体的に何ですか。
#114
○国務大臣(山本有二君) その他の必要な措置でございますけれども、これは飼料、肥料、こうした業界において寡占状態となることがないように、市場の状況を踏まえた上で事業再編計画の認定、さらには公正取引委員会との連携による競争環境の監視、あるいは新技術や新商品の研究開発のための支援等を想定しているところでございます。
#115
○森ゆうこ君 第十六条について改めて伺います。
 その他の条文では、「国は、」という主語がたくさんございます。この間の答弁では、「国は、」というのは、政府、内閣、各省プラス国会という御答弁でした。政府というものは、主務大臣、農水、経産等を想定しているんだという答弁がございました。
 でも一方で、第十七条以下では、「主務大臣は、」というのが主語になっております。そうすると、第十七条の主務大臣というのと、この間御説明のあった第十六条の政府の意味するところは主務大臣なんだということでは、だったら第十六条も主務大臣はとすればいいじゃないかと思うんですけれども、第十六条の政府、この間の答弁のあった主務大臣ということと第十七条の主務大臣って意味が違うんですか。
#116
○国務大臣(山本有二君) まず、条文における国という主語でございますが、この国と申しますのは、行政府及び立法府も含めて国と。(発言する者あり)はい。十七条におけますこの主務大臣と申しますのは私やあるいは関係大臣のことでございますし、この事業再編、事業参入の促進実施に関する指針に携わる者というようにお考えいただいて、また十六条の政府といいますのは、その関係をする総体としての政府という意味でございますので、内閣というように理解をするところでございます。
#117
○森ゆうこ君 紛らわしいので、その第十六条は主務大臣はということでいいんじゃないんですか。
 主務大臣は、もう一回確認ですけど、その第十六条の政府は、この間の答弁では主務大臣であって、それは農水あるいは経産であるということなんですけれども、その後で、だから「主務大臣は、」という第十七条があるから、じゃ、ここの言っている主務大臣というのは、農水、経産であるのかもしれないけれども、そのほかにわざわざ政府と言っているからには、規制改革推進会議なども入るんじゃないかというふうにみんなが疑っているわけですよ。
 改めて確認しますが、ということは、主務大臣、農水、経産で、そして内閣ということで政府ということであって、いわゆる規制改革推進会議というものは入らないということでよろしいですね。
#118
○国務大臣(山本有二君) 一般に、政府という用語は、内閣及びその統括の下にある行政機関を総括した意味というように用いられております。
 本法第十六条において、国内外の状況を調査したり必要な措置を講ずることができるのは、その権限を有する主務大臣や関係行政機関に限定をされております。したがいまして、内閣総理大臣の諮問機関であります規制改革推進会議というものは、自ら執行権限を有しないものでございますので、第十六条の政府の中には含まれておりません。
#119
○森ゆうこ君 内閣府副大臣に伺いますが、フォローアップの具体的な意味について、フォローアップという言葉を使わずに、日本語で具体的にお答えいただけますか、この間も質問した質問ですけど。
#120
○副大臣(松本洋平君) フォローアップという言葉を使わないというのはなかなか難しいんですが、できる限り分かりやすく私の方から御説明をさせていただきたいと思います。
#121
○委員長(渡辺猛之君) 時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
#122
○副大臣(松本洋平君) はい。
 規制改革推進会議におきましてのフォローアップというのは、規制改革実施計画で閣議決定された個別の改革項目につきまして、農水省等の関係省庁や関係機関などからヒアリングを行うなどによりまして改革の進捗や達成の状況を確認し、必要に応じて更なる提言を行うことであります。
 そして、農業分野における具体的なフォローアップ項目といたしましては、平成二十七年六月の規制改革実施計画に記載をされました農業協同組合改革の確実な実施や、平成二十八年六月の規制改革実施計画に記載をされました生産資材価格形成の見直し及び生産者が有利に取引できる流通・加工の業界構造の確立に係る取組などが挙げられるものと考えております。
#123
○委員長(渡辺猛之君) 時間が来ておりますので、おまとめください。
#124
○森ゆうこ君 先ほど、よく訳の分からない答弁で私の時間を浪費していただいたので、最後まとめだけさせてください。
 今の答弁ですと、結局、何の権限も本来であればない規制改革推進会議が、これからも堂々とこの法律によらず全部口を出してきて、あれこれ指図をするということではないでしょうか。
 大変問題であるというふうに思いますし、私は、産業競争力強化法というのがあるんですよ。それ見てみますと、別にこんな農協を狙い撃ちにしたこの法案を作らなくとも、事業の再編等は十分できるというふうに思いますので、改めてこの法案は要らない、廃案にすべきであるということを申し上げて、質問を終わります。
#125
○平野達男君 平野達男でございます。
 最後の質問になるかと思いますが、この農業競争力強化支援法案、いい面もあると思いますけれども、この施行の仕方によっては、地方のいろんな今まで積み重ねてきた仕組みが一挙に、まあいい意味で変わっていくならいいんですけれども、崩壊しかねないという、そういう可能性もちょっと秘めた法案ではないかなというふうに思っています。
 この法案は、第一条の目的に全部凝縮されているわけですけれども、一つは、良質かつ低廉な農業資材の供給、これをやるんですよと。それからもう一つは、農産物流等の合理化の実現を図ると。この合理化というのが私、ちょっとこれ、なかなか言葉としてはちょっとくせ者だなというふうに思っていますが、これをやるために様々な施策をまず掲げています。そしてまた、もう一つの手段として、事業の再編又は事業参入を促進するというツールを掲げて、それとのバックアップで事業再編と事業参入をやる場合についてはメリット措置をやるという、こんな法律の立て付けになっているわけですね。
 それで、まず一番目の良質かつ低廉な農業資材の供給ということなんですが、片方で、これちょっと通告していない質問になってしまうかもしれませんが、十六条関係で、政府はおおむね五年ごとに国内外における農業資材の供給及び農産物流通の状況に関する調査を行い、これらの結果を公表すると書いてありますね。この公表の内容は、このプログラムに沿った内容をやったという結果を公表してするのか、そしてさらに、事業再編はどれだけこういう形で行ったという数を公表するのか、それとも、さらに、これ低廉なというふうに書いてあるんですから、農業資材の価格というものがどれだけ下がったということまでを念頭にしたことを公表するのか、これをちょっとお答えいただけますか。
#126
○政府参考人(山口英彰君) お答えいたします。
 第十六条の規定では、政府がおおむね五年ごとに国内外における農業資材の供給及び農産物流通等の状況に関する調査を行い、これらの結果を公表するというふうに書いてございます。
 ここで言うこの調査の内容につきましては、これは、いわゆる資材価格等につきまして、日本国内での資材価格の状況、また海外における資材価格の状況、こういったものを調査するということでございますし、また、業界構造という点でいきますと、市場規模や主要企業のシェア等、こういったものについても調査したいというふうに思っております。
 また、流通面では、これは生産から流通、販売というふうにフローが出てきますので、そういった流通経路、こういったものにつきましての実態等についても調査をし、そういったことを行いたいというふうに思っております。その場合、データ等につきましては、いわゆる個々の企業のデータ等を公表するということではなくて、いわゆる価格等の平均値又は統計等によって把握できる、こういったデータを公表したいというふうに思っております。
#127
○平野達男君 この公表の中で、聞きたいのは、いろんな規制改革でありますとか、肥料については銘柄の統一だとか、それから事業再編、事業参入を入れるという一種のプログラムの法になっているわけですよ。その結果のことを公表するときのアウトプットというのは、低廉なというふうに書いてあるわけですから、農業資材の中においてこの結果としてどれだけ下がりましたよということが分かるような形で公表するんですかどうかという単純な質問なんですよ。そこは今どういうふうに考えていますか。そもそも、そういうのができるのかどうかという私もちょっと疑問はあるんですけど、そこをどういうふうに考えているかということです。
#128
○政府参考人(山口英彰君) そういう価格等の調査の中身でございますけれども、これにつきましては、この十六条の調査の中で行うべきことと、あと、ほかの条文で、例えば資材価格の見える化等をやっております。こういった形での比較検討できるような、そういう価格として出すもの等ございます。これを例えば経年、年度ごとにどう比較できるかというようなことにつきましては今後検討してまいりたいというふうに考えております。
#129
○平野達男君 それをこれだけの、これだけというか、こういう形で事業実施プログラムということでこれやっていますから、これをやったことによるアウトプットが何かという形はやっぱり見えるような形をするというのは、これは政府としての、農水省としてのやっぱりこれは責務だと思いますよね。間違ってもこの公表が、ここでやっているプログラムを取りあえず、規制改革についてはこれだけやりました、銘柄についてはこれだけ統合しました、事業参入はこれだけありましたというだけではこれは済まないということだけは、これははっきりちょっと申し上げていきたいというふうに思います。
 その上で、今回の法律の中身については、私どもは今までどちらかというと、私だけかもしれませんけれども、特に米なんかについては、米の価格を、要するに価格をいかに上げるかということにかなり今まで努力を注いできました。ある年では米の価格が、一挙に卸売価格が二千円ぐらいまで下がりまして大騒ぎになったことがありまして、このときに農林水産委員会で何議論したかといったら、市場に出ている米を買って市場隔離しろということを大議論やったわけです。実際にやりました。やって、僅かですけれども価格は戻ったんですね。
 ところが、それでも経年的に見ますと米の価格というのは下がり続けて、一昨年はもう一万二千円、一万三千円を割るぐらいのすごい低い価格になって、今ちょっと戻していますけどね。その背景にあるのは、やっぱり消費はもう年々八万トンずつ減っていくというこの避け難い現実だと思います。もちろん需給調整はこれからも自主的にやっていくんですけれども、このいわゆる供給と需要のバランスの関係から考えていきますと、米の価格そのものについてはやっぱり上げるというのはなかなか難しいというのはこれは現実として捉まえないかぬと思いますね。
 だからこそ今まで余り、やってこなかったというわけじゃないんですけれども、生産構造に切り込むということについては、あと機械経費、それから肥料、それからあと農薬、機械の問題は何か結構いろいろ議論した記憶はありますけれども、肥料とか農薬というのはほとんど余り議論することはなかったようにも思います。そういったところに入っていってこういった形で成果が出てくるということであれば、それはそれで意味のあることではないかなというふうには思います。
 ただ、このプログラムの法の中にもう一つ入っているのは、ITというのが入っているんですね、IT。これは農産物の流通の合理化の方で後でちょっと入りますが、これがちょっと私はくせ者だなというふうには思っていますが、そのことは後でまたちょっとお話をさせていただきます。
 その前に、近年の農業構造の変化ということについて、この法律と直接関係していないかもしれませんけれども、大臣の認識をちょっとお伺いしたいと思いますが、元々、農業協同組合法というのは、もう釈迦に説法になりますけれども、農地改革の後に、それまで少数の大規模地主、大多数の零細小作という状況から、大体、何というんですか、規模では大体同じような少数の自作農がいっぱい出てきたわけです。経営規模が小さいものですから価格交渉力というのは元々ないと。それから、物を買うにしてもやっぱり共同で買った方がいいという趣旨で元々の農業協同組合というのはできたわけですね。だから、その農業協同組合の精神というのは、あくまでも高く売って安く購入するという、それが協同組合の元々の精神だったわけです。
 ところが、最近は、現場歩いていて、正直言って全農さんに対する批判も結構出てきました。全農さんは手数料だけ取って何もしないんじゃないかという、そういう批判も出てくる中で、一方で農業構造もかなり変わってきまして、先ほど言ったような多数の小規模自作ではなくて、今ではもう生産法人もあります、農事組合法人もあります、それから、自作農でも二十ヘクタール、三十ヘクタールぐらいやっている人もいる。それから、兼業農家はもちろんかなり多数ありまして、その中でかなり生産法人とか自作農的に規模が大きくなると、自分で農業資材を買って自分で売りたいというインセンティブが当然出てくるわけですね。
 こういう多様なニーズに農業協同組合がどのように応えていくかということもやっぱりこれからの課題だと思いますけれども、この農業構造の変化と農業団体の在り方ということについて基本的な考え方を大臣にちょっとお伺いしておきたいと思いますけれども。
#130
○国務大臣(山本有二君) 農業環境、社会の変化に応じて変わっているということは確かでございますし、農協の組合員のニーズも多様化しております。そういう中で、農産物販売、生産資材購入における農協の系統シェアというのがやや低下してきつつございます。
 そんな意味で、農業関係の皆さんがこぞって考えていただきたいのは現場の農業生産者の所得向上というところでございまして、農産物の販売については農産物ごとの強みを生かした安定的な取引先を確保する、実需者、消費者に対する直接販売中心にシフトする、さらには銘柄の集約や大口需要者への割引などによる価格引下げに取り組むというようなことが行われているわけでございます。
 私どもの高知県の中央会も、スーパーマーケットと共同いたしまして西日本で一番大きな直販所を経営するという計画を今日持ってきていただきました。言わば高知県はほとんど全て系統出荷と言っても過言ではない品目ばかりでございますが、そうした新たな取組も始まったというわけでございまして、農業環境の変化に応じて経営側も様々な手段を講じて変化に対応しようとしている努力に対して敬意を表している次第でございます。
#131
○平野達男君 この法律は、そういった農業構造の変化ということも捉まえた上で、やっぱり改革するものは改革するという中身は一部入っているという意味においても、私はその部分はやっぱり評価できると思います。
 次に、もう一つの農産物流通等の合理化であります。
 合理化の中には幾つかのやっぱりキーワードがあると思います。このキーワードの中の一つは、まず第十一条関係。農産物流通等について、その業務の効率化に資するため、情報通信技術その他の技術の活用を促進することというのが第十一条であります。
 これに関連して、ちょっとこれも大臣に簡単にですが認識を伺っておきたいと思いますけれども、今、物流の世界では物すごい勢いで仕組みが変わっているというふうに言われています、ロジスティックとか言われてですね。その背景にあるのは、IoT、それから人工知能の活用、それからあとビッグデータ等々による市場調査等々も入れて、とにかく消費者のニーズを直接つかまえて、そしてダイレクトにそこに送るというようなことを、例えばアマゾンなんかは相当強力的にやり始めているということで、アメリカではもうアマゾンが相当のシェアを持ち始めているし、日本でも今その動きが活発化しているというのは御承知のとおりかと思います。
 この状況について今大臣の、これは大臣の御専門かもしれませんけれども、今の流通の変化のスピードということについてどのように考えておられますか。
#132
○国務大臣(山本有二君) アマゾンの例のように、農産物の流通が多様化していることは私が申し上げるまでもありません。特にインターネット販売の量が増えつつございます。その意味において、特に野菜の流通についての変化にはこれから注視していく必要があろうというように思っております。
 さらに、量販店始めスーパーマーケットでの販売につきましても、この段階で依然主流ではございますけれども、コンビニエンスストアでの販売も大きな比重を占めていることになっております。そうしたことに対する対応をしていく必要がございます。
 特にまた、小口多量の、しかもコールドチェーンのクールについての輸送システムや、いわゆるIoTのシステムにおいては、日本が世界で一番発達しておりまして、アジア地域の農産物販売についてこの姿やこの形態を利用するということは、日本の農産物については一つアドバンテージがあるのではないかというように思っております。
 そんな意味で、海外の市場も視野に入れながら、小口多量あるいはクール、そうしたものの活用によって現場生産者の所得が上がる手法はどうなのかということを農林水産省の中でも検討会を開始いただいてしっかりやっていきたいというように思っている次第でございます。
#133
○平野達男君 いずれ、そういった流通の、まあ製造も含めてなんですけど、これからITの活用というのは不可避というか、黙っていても入ってくるんだろうとは思います。
 ただ、この法律の中で、そういうこともあったから法律の中に入れたと思うんですけれども、農産物流通等について、その業務の効率化に資するため、情報通信技術その他の技術の活用を促進することを第十一条にきちっと入れたわけです。そしてその一方で、これは第十三条です、国は、農業者又は農業団体による農産物の消費者への直接の販売を促進するための措置を講ずるものとすることと入れていますね。これはもう中抜きの思想ですよ。今進んでいるというものは、要するに消費者と生産者の段階を直接結び付けるためのそういう仕組みというふうにも読めちゃうわけです。
 先ほど井上局長は、そうではなくて、実は多様な窓口、選択肢も用意しているというふうに言いますけれども、というふうに答えられましたけれども、これは第十四条ですね、答えましたけど、これについても、こういうことをやるためには実はIT化が必要なんですね、これ、どうやって情報をお届けするかということですから。
 この中で、この農産物流通の合理化というのとイコールこれはもうIT化なのかというふうにもちょっと読めてしまうんですよね。しかも、IT化を進めるということは、繰り返しになりますけれども、ここにありますけれども、規則の見直し等々も進めるとありまして、これはちょっと後で卸売市場の話をちょっと聞きますが、この形を進めていきますと、地方の全体の流通の形態もかなり一つの大きな、クラウディングじゃないですよ、クラウドじゃないですけれども、クラウドの下の中で一元的に統一されてしまうという姿をちょっと想像できてしまうわけです。
 特に、ましてや、国は、農業者又は農業者団体による農産物の消費者への直接の販売を促進するための措置を講ずるものとするということははっきり書いていますから、これは、これを悪く取ろうと、取ろうというか、一つのシナリオとして考えますと、全農さんがそういったものを買って、一つのロジスティックじゃないですけれども、ITを活用して、そしていろんなところに直接販売するということもやろうと思ったらできちゃいますね。この流れが、この法律の流れで出てくるわけです。これが本当に地方のためにとっていいのかどうか。こんなのができるのは本当に限られた知識人と集団だけですよ。その集団が全農さんと私は組むと、後でちょっと全農さんの話に触れますけど、組んだときにどういうことが起こるんだろうかということがちょっと懸念されます。
 先ほどから話ありますけど、地方には地方のやり方というのがありますよ。小売店もあれば卸売市場もあります。その小売市場とかそういったものについての記述がなくて、ただここにあるのは、時代に合わなくなった規制は見直すということがぽんと書いてあるだけです。時代に合わなくなった規制というのは、例えば卸売市場の、市場法でいえば第三者販売の禁止というのがありますね。それからあとは、仲卸の直荷引きと言いましたか、直荷引きの禁止。それからあと、商物分離の原則とか。これに対して、一時、卸売市場法の廃止まで出てきた、今回下ろしましたけどね。そういった話まで出てきちゃっているわけです。
 それは何かといいますと、全体の枠組みの方向性の中で、繰り返しになりますけれども、消費者と生産者を、とにかく今までと全く別なルールというのを作っちゃって、結び付けようとしているというふうにも見えてしまうということなんです。これに対しては、私は、時代の流れとして不可避な部分もありますけれども、やっぱりブレーキを、抑制的に見ていかなくちゃならない部分も多々あるというふうに思います。
 ちょっといろいろ長く話しましたけれども、大臣、どう思われますか、今までの話。
#134
○国務大臣(山本有二君) 私も、世の中が変化することによってシステムに人間が支配されてしまうのではないか、特に農産物流通においてはという懸念もありました。
 しかしながら、各地域の卸売市場、市場の在り方等を見ておりますと、その皆さんも時代の変化に応じて様々な対応を変えてきていただいておりますし、そうしたことにおいて私は市場の機能が全てなくなるということはあり得ないというように認識を新たにしております。そして、インターネット販売や通信販売がなくなるのかというと、まだまだ私は、振興しますし、現地における、地域地域における直接販売の道の駅だとかあるいはJAが経営する直販所だとかいうところも増えていくだろうと思います。
 要は、私は、生産者が何を選択し、消費者が何を選択するかに懸かっていくように思っておりまして、一番強いのはやはり消費者、そして次に大事にしなきゃいかぬのは生産者、その間の皆さんも苦労しながら両方の皆さんのニーズに応えていくことによって、すばらしい経営感覚でその事業が進められるというように、一、二、三の優先順位の考え方で私は臨むべきだろうというように思っている次第でございます。
#135
○平野達男君 大臣の考え方は多分正しいと思います。問題は、そのような説明をどうやって地方にしていくかということです。それからあと、その実施のためのスピードなんですよ。
 この問題は、私は、ITとかネット会社というのはやろうと思ったらいろんなことやれますよ、繰り返しになりますけれども。この条文を盾に取って、盾に取るというか、盾に取るなんというのはできないと思いますけれども、この法律を背景に、情報化、情報化とやる可能性もあるわけですよ、それによっていろんなコミッションというか手数料取れますから。
 だけど、同時に、そういうところに地方が付いていくためには、これはまだまだ農産物の流通に関しましても、一般の中小企業、小規模事業者についても、これからITをどうやって活用していこうかということについて今試行錯誤を続けているところなんですよ。それが、この中で通信技術の活用を促進することという条文まで入って、そして十三条のようなこういう条文まで入って、これをどのように活用、動かしていくかということについては非常に私は懸念が生じるということは繰り返し述べさせていただきますけれども。
 大臣はかなり今踏み込んだ、しかし正しい発言をされたと思います。正しい発言をされたんですけど、そのことが、ネット会社のところがそれを真っ正面に捉えて進んでしまいますと、地方がそれに付いていけないんですね。このアクセルとブレーキの関係をどうやって踏んでいくかというのは、これはこれからの農林水産委員会の、私の、国会の役目であると同時に、農水省の私は役目だと思いますよ。そこのところについても大臣の認識をちょっとお伺いしておきたいと思います。
#136
○国務大臣(山本有二君) 私が特に懸念していますのは、海沿いの漁村における市場が閉鎖をしてまいります。しかし、漁業者の皆さんは魚を捕り、またそれが遠くの港へ入港しなきゃならぬという、そういうことになっております。
 そういう問題を含めて、ネット会社がそこで少数の市場が立たない港を救うことができないのかなというようなことを考えてみたりいろいろするわけでございますけれども、要は、様々に一次産業に携わってくださっている方々が生活ができ、かつ収入が向上するということを農林水産省としては措置していくことが今最も大事なことであって、そして、そういう皆さんが生活を日々真面目にしていきながらも社会の変化に応じて廃業を余儀なくされるということがないようにするための私は農林水産省であってほしいというように思っている次第でございます。
#137
○平野達男君 全農さんが、農林水産業・地域の活力創造プランに係る本会の対応ということで、これ出されました。これ、私もよく見たつもりなんですが、輸出に関しては若干抑制的に書いているというよりは、現実的だと思います。あとは、あとの対応もかなり意欲的に書いているところもありますけれども、全体的にやっぱり今の地方の状況というのは大事にしようという思想がかなりにじみ出ているなというふうに私は取りました。
 この全農のプランというものについての大臣の評価と、これから規制改革会議がこれフォローアップするとかなんとかと言っていますけれども、私は、この大臣の評価、農水省としてこのプラン、全農のプランをどのように読んでいるかという評価をまずちょっとお聞きしたいと思います。
#138
○国務大臣(山本有二君) この全農のプランは、今までの経営、今までの現状に満足することなく将来を見据えたものとして私は評価をさせていただいております。
 その上で、なおかつ現実に措置をしていただいているのは、消極的に輸出と言われましたけれども、輸出も積極的にするというように言っていただきまして、イギリスの食品卸の会社を買収したり具体的に措置をしていただいているということでございまして、私どもといたしましては、よりこうした計画や自己改革のメッセージに加えて、現実に何をどうやっていただけるかということのお互いの情報を交換しながら、将来に向けての私は日本農業の発展ということに結び付けたいというように思っております。
#139
○平野達男君 全農さんは今までいろんな、長年のやっぱり取引というか、積み重ね、つながりがありますから、それを例えば一気に変えるとかそういう発想はなかなか出てこないんだろうと思うんです、やっぱりフェース・ツー・フェースでやってきた関係がありますから。その中で出てきた改革なんだということだと思うんです。
 他方、規制改革会議から出てきた提案というのはディスラプションなんですよね。かなり過激なものが出てきて、それを一回党で、自民党の方でもんで駄目なものは駄目というふうに言いましたけれども、まだやっぱりかなり元々の思想というのは残っているわけです。
 私は、やっぱり地方の立場に立ってみますと、先ほど言ったスピード感というのは本当に大事であって、その中で残すものは残す、しばらくこのままの状態のものでいるものはいるんだというその発想も大事だと思うし、全農さんは、このプランの中にその思想はやっぱりにじみ出しているということは是非評価していい話ではないかなというふうに思います。
 あと、最後に規制改革会議の話でちょっと私の意見を申し上げたいと思いますけれども、何か、政府の規制改革会議と与党がごちゃごちゃけんかしているみたいな感じをするというのはちょっと何だろうかなという感じを強く持ちます。
 元々は政府・与党一体ということになっていますから、中でいろいろな議論があるというのはよろしいかと思いますけれども、この議論の中で農水省の姿というのがちょっと見えなかったなという感じがしますね。現場の声が、今の規制改革会議のメンバー見たら、現場の声というのは届けられるようなメンバーというのははっきり言ってちょっといないんじゃないかと私は思いますけど、その役割を果たすといったらもう農水省しかないですよね。そこのところはこれからきちっとやっぱり果たしていくことも大事なことではないかなと思います。
 そのことに対して大臣にちょっとコメントをお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。
#140
○国務大臣(山本有二君) 規制改革が農林省よりも農業者を熟知しているということは私もあり得ないと思っておりますので、私ども、しっかり現場の農業者の皆さんと情報交換しながら、そしてその方々が将来に不安のないようにやっていくべきだということは委員と共通しているというように思っております。
#141
○平野達男君 終わります。
#142
○委員長(渡辺猛之君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト