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2017/06/06 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 農林水産委員会 第18号
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2017/06/06 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 農林水産委員会 第18号

#1
第193回国会 農林水産委員会 第18号
平成二十九年六月六日(火曜日)
   午前十時十二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月一日
    辞任         補欠選任
     矢田わか子君     櫻井  充君
 六月五日
    辞任         補欠選任
     櫻井  充君     矢田わか子君
 六月六日
    辞任         補欠選任
     矢田わか子君     櫻井  充君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         渡辺 猛之君
    理 事
                舞立 昇治君
                山田 修路君
                徳永 エリ君
                紙  智子君
    委 員
                礒崎 陽輔君
                進藤金日子君
                中西 祐介君
                野村 哲郎君
                平野 達男君
                藤木 眞也君
                山田 俊男君
                小川 勝也君
                櫻井  充君
                田名部匡代君
                舟山 康江君
                矢田わか子君
                竹谷とし子君
                矢倉 克夫君
                儀間 光男君
                森 ゆうこ君
   国務大臣
       農林水産大臣   山本 有二君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  萩生田光一君
   副大臣
       内閣府副大臣   松本 洋平君
       文部科学副大臣  義家 弘介君
       農林水産副大臣  礒崎 陽輔君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       矢倉 克夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大川 昭隆君
   政府参考人
       内閣府地方創生
       推進事務局長   佐々木 基君
       内閣府地方創生
       推進事務局審議
       官        藤原  豊君
       文部科学大臣官
       房総括審議官   義本 博司君
       文部科学大臣官
       房審議官     松尾 泰樹君
       文部科学省高等
       教育局長     常盤  豊君
       農林水産省消費
       ・安全局長    今城 健晴君
       農林水産省生産
       局長       枝元 真徹君
       農林水産省生産
       局畜産部長    大野 高志君
   参考人
       前北海道農政部
       長        土屋 俊亮君
       日本大学生物資
       源科学部教授   小林 信一君
       農民運動北海道
       連合会副委員長  石沢 元勝君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○畜産経営の安定に関する法律及び独立行政法人
 農畜産業振興機構法の一部を改正する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(渡辺猛之君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 畜産経営の安定に関する法律及び独立行政法人農畜産業振興機構法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府地方創生推進事務局長佐々木基君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(渡辺猛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(渡辺猛之君) 畜産経営の安定に関する法律及び独立行政法人農畜産業振興機構法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○藤木眞也君 自由民主党・こころの藤木眞也でございます。これまで畜産業をなりわいとして行ってきた私に質問の機会をいただきましたこと、大変理事の皆さんまた先輩の先生方に感謝を申し上げます。
 唐突に昨日、日本農業新聞の記事に、政府が今月九日に閣議決定をする予定の規制改革実施計画の原案に、条件不利地域での集乳に新たな事業者の参画を可能とするというような原案が盛り込まれたという報道がございました。本当に目を疑うような記事が載ってございました。昨年の十一月、党内の議論の中でしっかりと押し出しをした形であった内容が、今回また規制改革推進会議によって与党の議論もないままにこの原案の中に織り込まれたという点、私たち政治家が何なのかというのをもう本当に私は腹立たしく疑問に感じます。
 この一連の流れ、これを山本大臣はどのように受け止めておられるか、御見解をお聞きしたいと思います。
#6
○国務大臣(山本有二君) この記事を拝見しました。
 また、今回のこの畜安法の改正法案におきまして、定款等で、一又は二以上の都道府県の区域において、正当な理由なく生乳の委託又は売渡しの申出を拒んではならない旨が定めていること等の要件を満たす事業者を、その申請により、指定事業者として指定し、加工原料乳を対象に補給金と併せて集送乳調整金を交付するということにしております。
 先ほど述べました要件を満たす限り、現在の指定生乳生産者団体以外の新たな事業者の指定を法制度上排除しているわけではございません。このことが規制改革実施計画においても、表現されているというように理解しております。特に新たなことを決めるものではございません。なお、このような要件を踏まえれば、現行の指定生乳生産者団体は、新たな制度におきましても引き続き指定生乳生産者団体として指定されるというように考えているところでございます。
 農業競争力強化プログラムにおきましても、公正な基準を定め、これに該当する農協等に集乳経費を補助するというように規定されておりまして、指定生乳生産者団体に対象を限定しているわけではございません。
 以上でございます。
#7
○藤木眞也君 ありがとうございます。
 是非、この規制改革推進会議、この方たちの意見というのは参考程度にとどめていただいて、大臣がしっかりと農林水産省並びに日本の農業現場、お導きいただきますようによろしくお願いをいたします。
 そもそも、今回のこの一連の畜安法の改定に及んだそもそもの発端は、日本国内におけるバター不足、ここにあったかなというふうに思います。ルール上、カレントアクセスでしっかり輸入ができるという形がある中で、先行きを見通さずにそのままにしてあった状態の中でバター不足が発生をして、この原因があたかも指定団体にあるんだというような規制改革推進会議からの発言によって私はこのような問題につながってきたなというような気持ちでおりますけれども、この指定団体、私は、五十年間、本当に農家の皆さん方自らが努力をし、我慢をし、続けてこられた結果が今の酪農経営の安定につながっているものだというふうに思ってございます。
 できれば、しっかりとこの団体を中心に、今後も酪農経営進んでいくようなことでお願いをしたいなと思いますけれども、今回、新たに補給金の交付対象者が増えるということでございます。交付対象者が増えるということは、数量配分の面で新制度が設けられるということでございますけれども、この辺がどのように変わっていくのかということをまずお聞きしたいと思います。
#8
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 現在の交付対象数量でございますけれども、生乳生産の見込み、また前年度の指定団体の実績等を勘案いたしまして、指定団体に対して配分をしてございます。
 改正法案におきましては、補給金の交付に当たって、事業者に対しまして月別、用途別の販売予定数量等を記載した年間販売計画の提出を義務付けた上で、農林水産省令で定める基準に適合するのか、併せて提出される乳業者との契約書の写し等とそごがないか等々を確認いたしまして、各事業者ごとに交付対象数量を通知することを考えてございます。
#9
○藤木眞也君 ありがとうございます。
 この加工に仕向ける割合等々が、需給調整という全体の視野に立てば、個別の事業者ごとに販売計画において決定するのではなく、地域的なまとまりがある中で面的に取り組んでいく必要があるというふうに思います。
 一定の地域内で同一となる加工比率を設定するなどの工夫が必要だと思ってございます。特に、今おっしゃられたように、用途別の割合であるとか季節ごとの変動などを考えますと、交付要件に反映をしていく必要があろうかというふうに思いますし、月別の販売計画と実績の乖離について、誰がどのタイミングでその辺を判断されるのかという点をしっかりと今回の判断基準に織り込んでいく必要があるというふうに思いますが、果たしてその辺ができるのかという点をお伺いしたいと思います。
#10
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 まず、一定地域内の加工比率との関係でございますけれども、本法案におきましては、補給金の交付に当たりまして、農林水産大臣が提出された年間販売計画を確認することとしてございます。その際に、この計画が年間を通じた用途別の需要に基づく安定取引であるといった省令で定める基準に適合するものであると認める場合に、年間販売計画に記載のあった数量を参考といたしまして対象事業者ごとの交付対象数量を算出し、通知することとしてございます。このことによりまして乳製品の需要に応じた供給が確認されますので、一律の乳製品への仕向け比率を設定する必要はないというふうに考えてございます。
 また、様々な創意工夫を行います事業者が想定される中で、地域ごとに一律の乳製品仕向け比率を要件とすることは、消費者ニーズ等需要に応じた仕向けを支援する点からも適当ではないというふうに考えてございます。このような考え方を念頭に、関係者の意見を聞きながら、法案の成立後、政省令、通知等におきましてできるだけ速やかに定めたいというふうに考えてございます。
 また、実績の確認でございますけれども、各事業者ごとにきちんと実績を確認いたしまして、飲用牛乳ですとか乳製品の需要動向に応じて、実際の加工原料乳に仕向けている量を、計画より少ないのであれば交付対象数量を削減する、計画より多いのであれば交付対象数量を増加するということを考えておるところでございます。
#11
○藤木眞也君 そうなると、北海道は生乳と加工向けとの比率が大体二対八と言われる中で、都府県でその逆のようなパターンがございますけれども、北海道の今回新たにその対象になろうとされる方、この方たちは全量委託を行わずに恐らく牛乳を出荷してこられる方だろうというふうに思いますが、この方たちの割合というのは自分たちで選択をしていいということなんでしょうか。
#12
○政府参考人(枝元真徹君) 自分たちで選択といいますか、年間の販売計画におきまして年間どの程度を加工用に仕向けるのか、そこが安定的な条件である等々につきましては確認をいたしますけれども、そこは事業者の方で判断をいただくということでございます。
#13
○藤木眞也君 いや、大変私は危ないなというふうに思います。是非地域ごとぐらいの同一のルールの中で配分というのを行っていかないと、本当にこれ不公平感が生まれてくるんじゃないかなというふうに思います。いいとこ取りが行われることのないようにしっかりと政省令でうたっていただかないと、本当に酪農家の皆さん、安心して経営を続けることはできないんじゃないかなと思います。是非その辺を認識いただいて、できれば周りの、まあブロックごとぐらいの割合配分の中で行っていただけるように今後御検討いただきたいというふうに思います。
 続けて、集送乳の方に移りますけれども、今回、先ほど質問をしましたが、新たな対象者、この辺も何か交付の対象になるんじゃないかというような捉え方ができるような記事になっておりました。実際、これ、MMJの方々が今回、集送乳の補填の対象になるんですか、ならないんですか、お聞きしたいと思います。
#14
○政府参考人(大野高志君) お答え申し上げます。
 集送乳調整金につきましては、例えば、その酪農家の方の牧場所在地が乳業工場から距離が遠いこと等によりまして相対的に高い集送乳経費を要する地域を含め、あまねく地域から集送乳を行うことを確保するために交付するものであります。
 この法案におきまして、事業者からの申請によりまして、定款等で、正当な理由なく一又は二以上の都道府県の区域において、生乳の委託又は売渡しの申出を拒んではならない旨が定められていること、また、業務規程において、集送乳に係る経費の算定方法等が基準に基づき定められていること、こういった要件を満たす事業者を指定事業者として指定した上で、加工原料乳を対象に、補給金と併せて集送乳調整金、交付することとしております。非常に厳しい要件でございますが。
 このため、生産者補給金、生産者補給交付金の交付を受ける事業者であって、申請があり、要件を満たしていることが確認された者であれば指定を受けることができると、こういうことでございます。
#15
○藤木眞也君 ありがとうございます。是非、先ほど言われた条件不利地域も含め、あまねく集乳をするということを前提に、要件としてしっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。
 今回のこの法案の中で、相当な数の省令という言葉が出てまいります。省令、通知の作成について、国会審議を踏まえて関係者の意見を聞きながら継続的に検討していくというようなことがうたわれておりますが、ここで、その検討をするというところで想定をされている関係者というのはどのような方々のことを指しているのか、お聞きしたいと思います。
#16
○政府参考人(大野高志君) お答え申し上げます。
 農林水産省令及び関連通知につきましては、その制度の執行上、密接に関わる酪農乳業関係者、関係団体等の御意見賜りながら、法案の成立後できるだけ速やかに定めたいと考えているところでございます。
#17
○藤木眞也君 是非、本当に、関係のある方々、こういう方々の意見を聞いて進めていっていただきたいというふうに思います。
 これまでのいろいろな法案等々を考えてみましても、せっかく農林水産省の中に食料・農業・農村基本計画に基づく審議会というのがあろうかと思いますが、どうもこの審議委員の方々の声といいますか意見というのが反映されているのかなというような場面が多々ございます。どうも、何か一定の、天の声といいますか、そういう方々の意見によって全てが進められているような感がございます。是非、農業現場、理解をいただいているそういう審議会の委員の皆さん方の意見を基に今後進めていただくようによろしくお願いをいたします。
 そして、何より私は、今、畜産経営、酪農経営をやられている方々の一番の不安は、そういう問題ではなくて、やはり生産基盤の弱体化、これに尽きているというふうに思います。これだけ子牛の値段が高騰をし搾乳素牛が減少する中で、是非国には早急にこの対策に乗り出していただきたいという思いがございます。
 特に、最近、キャトルセンターとか、集中的な育成をやられる農家の方等々出てきてございますけれども、最近のホルスタインの雌牛は、生涯でよくて三産というような時代背景があろうかと思います。せめて一回はホルスタインの雌牛を産んでいただかないと、この後継牛の不足というのが発生をいたします。
 そういった意味でいきますと、この雌雄判別というのが最近ございますが、この雌雄判別の精液を是非受胎率の高い初生牛、ここに重点的に付けていただくような政策等々を是非つくっていただければというふうに思います。今、ないことはないわけですけれども、やはり農家の皆さんがそれよりも高い子牛というような判断をされている面を考えますと、もう少し金額面であと一ひねり必要なのかなというふうに思います。
 是非そのようなことを国の方で進めていただくようなお考え等々ございましたら、意見を聞きたいと思います。
#18
○国務大臣(山本有二君) 酪農経営におきまして、交雑種生産の増加によりまして乳用後継牛の生産が減少しております。その確保は大変重要な問題であると私も認識しております。
 一方、乳用牛の初産においては、難産による事故を回避するため、乳用牛と比べ体型の小さい黒毛和種の精液や受精卵を用いた交配が広く行われているところでございます。このような中、乳用後継牛の確保に向けて、雌の性判別精液・受精卵を用いた優良な乳用後継牛の生産、あるいは分娩監視装置の導入による難産などの事故低減の取組を支援してきているところでございます。
 こうした技術の組合せによりまして、経産牛に比べ一般的に受胎率の高いとされる初産におきましても積極的に乳用後継牛の生産に取り組むよう、これからも指導してまいりたいというように思っております。
#19
○藤木眞也君 是非積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 ただ、今大臣が言われましたけれども、最近の和牛の子牛、この改良というのも相当進んでおります。我が家でも二割から三割は生まれたときの体重で四十キロを超える和牛が生まれるということもございます。昔の、一昔前のホルスタインとほとんど変わらないような体型の子牛が今生まれているということを考えると、やはり初生牛でないと、雌雄判別の精液というのはなかなか受胎率が悪いです。
 是非その辺をお願いできればと思いますし、今月の和牛の子牛の相場、全国的に約五万円ほど下落をいたしました。恐らく今年の年末ぐらいからは離農を始める繁殖農家の方がいらっしゃるんじゃないかなというふうに思います。生産現場には、酪農も肥育も繁殖も生産意欲は非常に高い農家の方々がたくさんいらっしゃいます。是非、この和牛においても、廃業される農家の皆さん方の繁殖雌牛、やっとの思いで増頭に転じ出した繁殖雌牛でございます。しっかりとその担い手の方々にすんなり引き継いでいただけるような制度、これを早急におつくりいただいて、限られた、本当に限られた生産基盤、これを崩さないようなお取組、農水省を挙げてお願いしたいというふうに思います。
 時間になりましたので、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
#20
○小川勝也君 民進党・新緑風会の小川勝也です。委員の皆様、久しぶりの質問ですので、よろしくお見守りください。
 今日は、恒例の櫻井充委員がお隣の内閣委員会に出稼ぎに行っておりますので、私が代わりを務めさせていただきたいというふうに思っています。
 昨日は、衆参でテレビ入りの審議が行われました。衆議院は決算行政監視委員会、参議院は決算委員会でありました。総理は、相変わらず、印象操作という言葉を多用しながら、多く国民に語りかけるように答弁をしておりましたけれども、私に言わせれば、農林水産委員会の議事録をしっかり読んでいないんじゃないかというふうに私は思っています。すなわち、ここにおられる皆さんは櫻井委員の質疑や森ゆうこ委員の質疑を聞いて、総理の答弁がいかにうつろなものだったかということをみんな知っているわけであります。私は、そのことも踏まえながら、私の気付いた点を質疑をさせていただきたいと思います。
 自慢をするわけではありませんけれども、私は、この問題に接する時期が非常に早い議員の一人でありました。昨年の九月二日、旭川市、アートホテルズ旭川、北海道獣医師会第六十七回大会、地区学会のパーティーで、私はこの加計学園と獣医学部新設の問題に接したわけであります。
 度々この委員会でも名前が出ております北村直人日本獣医師会顧問が、壇上、スピーチをする中で、いきなりハイテンションでこの問題に対する怒りを会場の獣医師さんにぶちまけたわけであります。当然、自由民主党の衆議院議員出身の北村顧問でありますので、私は大きな違和感を覚えました。この加計学園をめぐる、獣医学部新設をめぐる問題の中にいわゆる特区という問題があって、暴走をしているのではないかというふうに気付いたわけであります。そして、この通常国会がスタートして、いわゆる森友学園の問題が大きく議論される中、次は加計学園の問題が必ず大きな話題になるぞというふうに推移を見守っておりました。
 まあ、五十数年ぶりに獣医学部の新設ということであります。それまでは、農林水産省が獣医師のいわゆる需給をしっかり見る、そして文部科学省がいわゆる大学の設置、定員増、学部増設を審議する、これが我が国の行政のスタンダードだったわけであります。そして、総理は、あるいは国民に向かって、そういう既得権を打ち破るために私が岩盤規制をドリルを使って打ち破るんですと、こう言います。本当にその岩盤は国民にとって打ち破らなければならない岩盤なのかどうか、私は疑問を持たざるを得ないわけであります。
 まずは、そのいわゆる獣医師の需給を担当していたとされる農林水産省の現農林水産大臣の御認識をお伺いしたいと思います。
#21
○国務大臣(山本有二君) まず、獣医学部の定員管理や設置につきまして、文部科学省が学校教育法等に基づきまして実施してきたところでございます。五十年以上にわたって獣医学部の新設がなかったことをもって岩盤規制と呼ばれているのかもしれません。また、長らく定員が九百三十名として変更されなかった規制という意味でも用いられているのではないかというように推測しているところでございます。
 いずれにしましても、農林水産省としましては、獣医療を提供する体制を整備するため、地域によっては確保が困難なところがある産業動物診療獣医師や農林水産分野の公務員獣医師について、しっかりその確保に努めてまいりたいという認識でございます。
#22
○小川勝也君 まあ、逃げを含めただらしない答弁です。
 第二十五回の国家戦略特区諮問会議の議事録の抜粋、報告をさせていただきます。これは、この委員会に所属する皆さんはもう日時を言っただけで分かるわけでありますが、平成二十八年の十一月九日であります。
 文科省は、後でお話をいたしますけれども、この決定に向かう中で、問題があるということを省内で認識をし、激しく抵抗するわけであります。ところが、山本委員は、大臣はこういうふうに言うわけであります。口蹄疫や鳥インフルエンザといった家畜伝染病に対する防疫対策を担っており、その確保は大変重要です。近年、家畜やペットの数は減少しておりますけれど、産業動物獣医師の確保が困難な地域が現実にございます。農林水産省といたしましては、こうした地域的課題の解決につながる仕組みとなることを大いに期待しているところでございます。まあ、役人が作った逃げの答弁です。
 ここで立派な委員がおられます。財務大臣です。財務大臣は何とおっしゃったか。松野大臣に一つだけお願いがある。法科大学院を鳴り物入りでつくったが、結果的に法科大学院を出ても弁護士になれない場合もあるのが実態ではないか。だから、いろいろと評価は分かれるところ。似たような話が柔道整復師でもあった。あれはたしか厚生労働省の所管だが、規制緩和の結果として、技術が十分に身に付かないケースが出てきた例。ほかにも同じような例があるのではないか。規制緩和はとても良いことであり、大いにやるべきことだと思う。しかし、うまくいかなかったときの結果責任を誰が取るのかという問題がある。この種の学校についても、方向としては間違っていないと思うが、結果、うまくいかなかったときにどうするかをきちっと決めておかないと、そこに携わった学生やそこに関わった関係者はいい迷惑をしてしまう、そういったところまで考えておかねばならないというところだけはよろしくお願いしますと。これは、麻生大臣が松野大臣にお願いをしたことであります。松野大臣おられませんので副大臣にお伺いしてもいいんですけれども、これは通告しておりませんので、聞きません。
 文科省は努力してきたんですよ。私は、義家副大臣は政治家として余り好きな政治家ではありませんでしたけれども、物すごく努力をしてきたことはこの委員会でも明らかになっております。農林水産省の努力が全然見えてないんですよ。何やっていたんだと。
 で、結果的にどういうことが起きるのか。毎日新聞にいい記事が出ていました。犬、猫減なのに獣医師が増えるのと、こう書いてあります。今、全国に約三万九千人の獣医師さんがおられて、犬、猫などのペット獣医師は約一万五千二百人、牛などの産業動物が四千三百人、食肉検査などを行う公務員獣医師が九千五百人、そして製薬企業勤務や研究職などもおられると、こういうことであります。
 そこで、もし三十年に開学しても、獣医師さんが誕生するのは六年後であります。六年後、世の中どういうふうに変わっていくのかというふうに考えてみたわけであります。当然のことながらペットは減少します。それから、少し工夫はなされていますけれども、高齢社会がますます進んでいく中で、寂しいからペットにアクセスしたいという高齢者がどんどん増えていきます。しかし、新たなペットを購入する、飼育するということになりますと、最終年齢というのがあるわけであります。すなわち、ペットをみとれないという年齢になると、ペットを飼いにくいという現状があります。
 それから、後に触れますけれども、牛、豚の飼育頭数は現状維持か微減であります。しかし、戸数がどんどん減っておりますので、獣医師さんの出張の手間というのはどんどん小さくなっていくわけであります。
 それから、関係者にお伺いをしたところ、製薬メーカーが今合併を繰り返していますので、例えばA製薬、B製薬と獣医師さんを二人雇っていたその製薬の研究職は、合併したことによって一人で済むようになるわけです。すなわち、獣医師の需給はどんどん細っていくというのが私は現状なのではないかというふうに思っています。
 そして、新たな獣医学部の新設となると、ただでさえ獣医学の専門的知識を持つ、教える能力のある先生方は限られているわけであります。これを今加計学園が集めると、ほかの大学にも支障が来されるわけであります。こういうことを文科省はどう把握しているんですか。どう答弁されますか。
#23
○副大臣(義家弘介君) 文部科学省としてそのような事実は承知しておりません。
#24
○小川勝也君 だって、獣医学部限られていて学生が九百三十人しかいなくて、それに過不足なく教員が配置されているわけであります。後で言いますけれども、新たに百六十人の定員ができたら、教員は何人要るんですか。そんなことを全国で取り合って、全国の獣医学のいわゆる教育レベルを下げて誰が幸せになるんだ。何でこんなばかなことをやるんですか。
 そして、経営のことを考えてみたって分かるんですよ。学部が増えれば、それまで獣医学部は大人気で、受験料収入というのは大学の大きなドル箱です。それが分散することによって、ただでさえ私立大学の獣医学系の経営はかすかすなのに、総体的にみんな苦しくなるじゃありませんか。その結果、どの学校とは言いませんけれども、学生のレベルが低下する、国家試験の合格率が低下する、あるいは、もしかさ上げして合格者を増やせば獣医師の能力が低下すると、もう悪いことばっかりなんですよ。
 もし、獣医師を本当に増やそうと思えば、私は、少なくとも来年開学なんというそんな無理、むちゃなことは絶対あり得ないと思う。もし本当に国家戦略でやるならば、開学までの間に三年あるいは五年しっかりと教員養成から考えるべきだと思うんです。これは私は正論であります。
 農林水産大臣、麻生財務大臣は、誰かに責任取ってもらわなきゃ困るぞ、こんな問題はというふうに言いました。松野大臣は、今日おりません。あのときに判こついた農林水産大臣、もしこういう事態を招いたら、農林水産大臣はどう責任取るんですか。
#25
○国務大臣(山本有二君) 百六十人の定員が多いか少ないかということに対しては、私としてはなかなかコメントしづらいわけでございますが、こうした中に地域枠というのがございまして、地域枠は四国の方々を優先的に合格させていただけるという認識をしております。そういうような柔軟な判断をもし文科省が取っていただくならば、いわゆる自治医科大学、それぞれのお医者さんが少ない過疎地等に配分する大学ができたわけでございますしというようなセンスで考えていきますと、産業動物医や公務員獣医師、畜産業が盛んなところに必要でございます。そうした配転を需給に合わせてできていくというそういう路線に文科省もしていただけるならば、私はこの考え方というのは必ず成功していくのではないかというように期待をしておるわけでございまして、そんな意味で、誰が責任を取るという問題よりも、この現状の課題に対して的確な政策を打てるかどうかということが重要であろうというように思っておりますので、なお、産業動物医や公務員獣医師の不足しているところに充足するような手だては農林水産省としてはできるだけやっていただきたいということを文科省に申し上げていきたいというように思っております。
#26
○小川勝也君 この件は主題ではありませんので、大きな議論はいたしません。しかし、もし今大臣がおっしゃったことを文科省と一緒にやろうとすれば、新しい大学を新設する必要はないんですよ。四国にいわゆる産業動物の獣医師さんが欲しいと仮定すれば、新しい制度を構築して、高知県なら高知県、愛媛県なら愛媛県から学生を募って、獣医学部に行ったら戻ってくださいねというシステムをつくればいいだけの話じゃないですか。
 それから、後でお話をいたしますけれども、たまたま昨日、大阪府立大学が我々も定員二十人欲しかったというテレビ番組を偶然拝見をいたしました。すなわち、新しいニーズに対応するならば、地元に戻る獣医師さんの育成あるいはライフサイエンスに対応する学部の定員増だとか、文科省にお願いをすれば、愛媛県今治市に百六十人の定員を増設するよりももっともっと有効な手だては私は打てたのではないかと確信をする次第であります。
 そして、職業選択の自由というのがあります。大動物の方に行ってほしいけれども、ペットの獣医師さんになる人が多い、これも仕方ないことであります。しかし、ドクター、お医者さんがいわゆる先端の医療に携わりたいのと同じように、いわゆる牛に触れ合う獣医師さんにもいろんな希望があるでしょう。
 北海道には帯広畜産大学、北海道大学、酪農学園大学と三つ獣医学部がありますけれども、北海道は、後で触れますけれども、酪農にとっては王国でありますので、そこで活躍する産業動物医にとっては一番すばらしいステージであります。しかし、三つ獣医学部があって、北海道にはたくさんの牛があって、最高水準のいわゆる現場を持っているにもかかわらず、北海道でさえ獣医師足りないんですよ。それから、青森県、お隣、田名部匡代さんの青森県には北里大学の獣医学部がありますけれども、それでもまだ青森県も足りない。そうしますと、いわゆる愛媛県に獣医学部ができたから四国に獣医師が増えるというのはただの幻想と言わざるを得ません。
 質問を変えます。
 新たな獣医学部の設置、これは先ほども申し上げましたけれども、業界にとっては青天のへきれきであります。限られた教員、取り合いや分捕り合戦は大変だというふうに思いますけれども、文部科学省として、全国にどういう先生がどの大学におられるかというのを一番把握しているのは文部科学省であります。文部科学省のOB等が加計学園の先生をいわゆる引き抜いたり募集したりした、手伝ったりしたという例を見聞きしておりますでしょうか。
#27
○副大臣(義家弘介君) 文部科学省として、そのような事実は承知しておりません。
#28
○小川勝也君 文部科学省に御答弁をいただくか内閣府に御答弁をいただくか、どちらでも結構です。
 木曽功さんという内閣官房参与がおられます。この方は文部科学省のOBで、関係ありませんけれども、前川さんの三期先輩に当たる方であります。内閣官房参与でユネスコの担当であったというふうに総理は答弁しておりますけれども、その後、加計学園の理事、それで千葉科学大学の学長を務められました。
 どちらでも結構です。内閣官房参与と加計学園理事及び千葉科学大学の学長を兼務していた時期はありますか。
#29
○政府参考人(松尾泰樹君) 今詳細に日時持っておりませんけれども、木曽内閣参与でございますが、内閣参与としては平成二十六年四月一日から二十八年九月三十日まで、そしてまた、学校法人加計学園理事、千葉科学大学学長としては二十八年四月からということでございますので、兼務していたことはあると思います。
#30
○小川勝也君 そうしましたら、政府の服を着て、加計学園を中にまとって後輩の事務次官室に行くわけです、よろしく。
 これは個人的にお答えにくいことだと思いますけれども、文部科学省の役人の方にお伺いをいたします。政府の内閣参与で、役所の先輩が来られた圧力というのはどのぐらい感じるものでしょうか。
#31
○政府参考人(松尾泰樹君) 個人的な答弁は差し控えさせていただきたいと思いますが、特段感じることはないと思います。
#32
○小川勝也君 私は、別に印象操作をするつもりは全くありません。冒頭申し上げましたとおり、あの総理の開き直った答弁は国民にどう映るかは分からないけれども、いわゆる我々はここまでずっと議論を聞いてきて、みんな不可思議に思っている。開き直って答弁できるような立場に総理がいるわけないじゃないですか。自分の内閣の参与を加計学園の学長にしておいて、それで文部科学省に圧力を掛けたんでしょう。で、今、メール問題で文部科学省はひどい目に遭っているんだろう。前川さんがうそをついたとか本当だとか言うつもりはありません。昨日の答弁も大変苦しい、同姓同名の人はいますという本当に苦しい答弁でした。
 しかし、子供たちを教育する役所の方々が省を挙げてうそをつくということは私は許せない。義家副大臣、松野大臣はしどろもどろで、当を得ないよ。副大臣は、さっき申し上げたけど、この問題は、農林水産省も全く働いていないのに、しっかり頑張ってきたじゃないですか。役人をうそつきにしちゃ駄目だ。副大臣、しっかりとこの問題打開してくださいよ。少なくとも、役人にうそをつかせないという行政をしないと文部科学省は終わっちゃうじゃないか。副大臣。
#33
○副大臣(義家弘介君) まず、前段の先輩あるいは学園関係者が来たときに圧力がという話ですが、文部科学行政は法律と手続に基づいてきちっと行われていかなければならないので、誰がどのような発言があったかでねじ曲げられる性質のものではないというふうに考えております。
 その上で、基本的には、メールを含む文書の出どころや入手経緯が明らかにされていない文書については、その存在や内容などの確認調査を行う必要はないというふうに考えております。
#34
○小川勝也君 少し声を荒らげて聞きましたけど、これ以上の答弁できないのはほぼ予定の範囲内でした。
 それで、少し角度を変えてお伺いしたいと思います。
 冒頭申し上げましたとおり、私は北村顧問のボルテージの高い大演説を聞きました。で、松本副大臣にお伺いをいたしましたけれども、日本獣医師会が一校にしてくれと言ってきたのでそのとおりにしたと言いました。これを受けた日時と決定をした時系列について御答弁をいただきたいと思います。
#35
○副大臣(松本洋平君) 日本獣医師会から一校にしてほしいという要望をいただいたわけでありますけれども、その前後の関係並びに経緯についてということでお答えをさせていただきたいと思います。
 昨年十一月九日の諮問会議取りまとめにおきまして、広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限るといたしました。
 これに先立ちまして、十月の下旬頃になりますけれども、山本大臣と特区ワーキンググループの八田座長とで非公式に意見交換を行ったところであります。八田座長からは、産業動物獣医師の不足への対応と規制改革の早期実現のためには地域的に限定することも一つの方策との趣旨の御意見があったところであります。
 その上で、昨年十二月八日、日本獣医師会から一校とするよう要請があったこと、十二月十七日に締切りのパブリックコメントで約八割が慎重な御意見であったことを踏まえまして、十二月二十日前後に、山本大臣が一校に限ることを最終決断し、通常と同様に事務方に指示をいたしました。
 十二月二十二日に事務方の原案に山本大臣が目を通しました後、内閣府から文科省、農水省に提示をいたしまして、十二月二十二日夕方までに事務方で文言調整後の案を両省の局長などから大臣に報告し、異議はなかったため、三大臣合意となったものであります。
 本年一月四日、一校に限る旨を明示した告示を制定し、その上で、最終的には京都府より今治市の方が事業の早期実現性という観点から熟度が高いなどということを踏まえまして、山本大臣の判断で今治市で区域会議を行い、事業者募集を行うことを決定したというような経緯であります。
#36
○小川勝也君 ここは内閣府から、日本獣医師会が一校にしてくれと言ってきたということを大変デフォルメして答弁があります。
 私は、事実確認をしたわけではありませんけれども、日本獣医師会や北村顧問の名誉のために発言をさせていただきたいと思いますけれども、政府というのは非常に強い立場であります。関係団体は、所管の省庁に対しては逆らえない団体であります。そんな中で、例えは非常に申し訳ないんですけれども、力の強い者と力の弱い者との関係であります。三校がいいか一校がいいか、一校がいいに決まっています。もっと下劣な例えをすると、いじめっ子が下級生からカツアゲをするときに、おまえ五万円持っているか、持っていません、じゃ一万円か五千円かどっちか出せ、じゃ、五千円出した、五千円カンパをいただきましたと言っているのと同じです。
 獣医師会は、ゼロが希望だったんですよ。ずっとゼロが希望。だから、ゼロが希望であって、一にしてくれというのは、脅しで、あるいは脅しに近い形で仕方なく、ほかの整数よりも一がベターだから一と言わざるを得なかったということだけは私が付言をさせていただきたいと思います。
 それで、この後、獣医学部の設置がどれだけ困難かは私は承知をしております。で、お尋ねをいたしますけれども、これからスケジュールにのっとって、いわゆる加計学園が今治市に開設しようとしている獣医学部が本当に理にかなっているのか、条件を満たしているのかをいわゆる政府として精査をするものと私は把握をしておりますけれども、まず内閣府にその審査をする能力はありますか。
#37
○副大臣(松本洋平君) 内閣府におきましては、本年一月四日から行った事業者公募に対しまして、学校法人加計学園から応募がございましたので、本年一月十二日開催の第二回今治分科会におきまして要件適合性の確認を行いました。
 同分科会におきましては、内閣府、今治市、特区ワーキンググループの民間有識者委員のほかに、文科省から推薦をいただきました獣医学教育に係る専門家二名が審査に加わって審査を行ったところであります。二名の有識者からは、自らが所属する大学のカリキュラムに照らしまして、ライフサイエンス等に特化した充実したアドバンスト科目を高く評価する、卒業後の進路として、偏在する獣医師の分野、ライフサイエンスなどを選ぶように工夫しているとの評価があったところであります。
 分科会は文科省、農水省ともオブザーバーでありますけれども、加計学園を区域計画上の事業者に位置付けをいたします区域会議におきましては、文科大臣、農林水産大臣を正式な構成員に任命して、適切に意思決定を行わせていただいたところであります。
 なお、内閣府といたしましては、事業者公募の手続に入る前の年末年始の段階におきまして、専任教員の数、地元との連携、教育内容の各点から、京都府の提案よりも今治市の提案の方が優れていると判断をいたしまして、今治市において構成員公募を行うこととしたところであります。
 実際に、内閣府において審査はこのような形で行わせていただいたところでありますけれども、あくまでも国家戦略特区におきまして我々がお認めをしているその特例といいますのは、それはあくまでも大学設置の申請を行うということでありまして、その後、実際にこれが申請どおりに認可されるのかどうかということは文部科学省において適切に議論がされているものと承知しております。
#38
○小川勝也君 長々と御答弁をいただきましたけれども、ここからの審査は文部科学省が行うということでよろしいですか。
#39
○政府参考人(松尾泰樹君) 今、松本副大臣からございましたとおり、現在、文部科学省の方で申請を受付をし、審査を審議会の方でしているところでございます。
#40
○小川勝也君 審査の仕組みとあらあらのスケジュール感について御答弁をお願いします。
#41
○政府参考人(松尾泰樹君) 獣医学部の新設でございますけれども、平成二十九年三月三十一日付けで学校法人加計学園から申請がございました。それを受けまして、四月の十日に文部科学大臣から大学設置・学校法人審議会に諮問をし、現在、同審議会で審査が行われているところでございます。
 同審議会でございますけれども、これは学校運営に関します有識者、そして各学問分野の専門家により構成されておりますが、申請された設置計画を実現するために必要な教育課程、教員組織、施設設備、そして財務状況などが学校教育法及び大学設置基準等の法令に適合しているかについて学問的、専門的な観点から審査を行ってございます。
 スケジュールでございますけれども、標準的なスケジュールを申し上げますと、同審議会における約五か月間の審査の後、八月に審査結果を答申するということになっており、これを踏まえて八月末に文部科学大臣が認可の判断を行うというスケジュールになってございます。
#42
○小川勝也君 重ねてお伺いしますけれども、いわゆる石破四条件というのは今回のいわゆる審査の中に加味されるということでよろしいでしょうか。
#43
○政府参考人(松尾泰樹君) 先ほど松本副大臣からございましたが、特区においてクリアされた申請がなされているということが前提でございます。したがいまして、本設置の審議会における審査においては、申請された計画が日本再興戦略改訂の二〇一五で掲げられた要件を満たしているかどうかについては、それは審議会においての審査項目ではございません。
#44
○小川勝也君 そうしますと、四条件に満たない大学がいわゆる設置が許可されることはあり得るということでよろしいですか。
#45
○政府参考人(松尾泰樹君) そこをクリアされたものが今審議会の方で審査をしているというのが前提でございます。
#46
○小川勝也君 じゃ、もう終わっていて、スルーしたということですか。もう四条件は満たされているということで、いわゆるこれからの五か月間のスケジュールの中ではこの四条件については審査しないということですか。
#47
○政府参考人(松尾泰樹君) 審議会におきましては、先ほど申し上げましたように、その申請された設置計画が教育課程、教員組織、施設設備、財務状況などが法令に適合しているかどうかについて学問的、専門的な観点から審査を行うということでございます。
#48
○小川勝也君 これは重大な話だと思いますよ。これ四条件なんか、誰が考えたって認められていないじゃないですか。この委員会にいる人はみんな分かっているよ。この委員会にいる人はみんな分かっているよ。何でこんな四条件にクリアしない大学が設置されるんだよ。法治国家はどこに行ったんだ。
 文科省、それでいいのか。義家副大臣、どうだ。
#49
○副大臣(義家弘介君) まず、設置認可に当たっては、この国家戦略特区構想に沿ったものであるかについて、内閣及び農林水産省ともしっかりと連携しながら適切に対応してまいりたいと思っております。
#50
○小川勝也君 積極的に連携したい農林水産省は全く何もしてこなかったんだよ。文科省だけ頑張って傷を負っているんだよ。
 別な観点からで言いますよ。北村直人さんが加計理事長と会ったときに、大学、今回百六十人の定員が認められたようでありますけれども、あなた、大学つくるの幾らぐらい掛かると思いますかと言ったら、加計理事長は二十億か三十億ぐらいですかねというふうに言ったと。北村顧問は、ゼロが一つ違いますよと、五百億は掛かりますよ、こう言ったというふうに書かれています。
 とりわけ、百六十人の規模の獣医大学は今までないんです。それで、私なんかは文系ですけれども、大きな講堂に一人の教授が、何百人も聞いていたのが僕らの大学だった。しかし、獣医師系大学なんというのはそうはいかない。本当に細やかに一つ一つの実技まで教えなきゃいけないんです。だから、人数が多ければそれまでの教員が要るし設備投資が要る。そして、ライフサイエンスなど獣医師が新たに対応すべき分野の具体的需要が明らか。こういう教授を集めたり引き抜いたり、あるいは実験装置や、この委員会でも議論のありましたいわゆるセキュリティーレベル、これを設備投資すれば幾ら掛かるんだと。私は知見がありませんので、文部科学省、知見があれば幾らぐらい掛かるか教えてください。
#51
○政府参考人(松尾泰樹君) 学部を新設する際の初期費用でございますけれども、どの程度掛かるかにつきましては、個別の設置計画に必要な費用、これは個別の状況に応じてまちまちでございますので一概にはお答えできないところでございますが、学部新設の際の認可に当たって必要となる施設及び設備の整備に要する費用でございますが、これは大学等の種類の別に応じまして、文科省として最低限必要な額の基準を設けているところでございます。
 これによりますれば、認可の申請に際しましてはこれを上回る額を計上することをお願いし、求めているところでございまして、入学定員百六十人の自然科学関係の学部の場合でございますが、これは最低限必要な額は、施設といたしまして十六億六千五百万円、設備といたしまして十七億四千五百万円、合計三十四億一千万円でございます。このほかに必要となる人件費、教育研究経費等の経常費、これは個別の計画に応じて計上されるということでございます。
#52
○小川勝也君 週刊誌の記事をそのまま委員会で言うのははばかられることでありますけれども、加計学園はいわゆる学校運営ビジネスであります。すなわち、投資する額が少なければ少ないほど利益が上がるわけであります。それは学生の利益にも、あるいは国民の利益にもならないという二律背反。それで、もう既にこの四条件がクリアされているということだったらもう出来レースじゃないか。
 既に、私は一つの知見を持っています。こういう設備投資を掛けて採算が取れるかどうか分からないというような事業は国立大学法人にやってもらったら一番いいんじゃないかと思っていますよ。そのためにあるんですよ、国立大学法人。東京大学や北海道大学で先端ライフサイエンス、人畜共通感染症、そういう設備投資が必要で、すぐさま、いわゆる利潤に関わらないという研究はそういうところでやってもらうのが私は筋だと思いますけれども、新設の法人がやる理由は文部科学省としてどう考えていますか。
#53
○政府参考人(松尾泰樹君) これは、国家戦略特区の中でこれまで認可をしてこなかったものにつきましてやるべきということでございますので、そういう判断の下で認可申請が行われているものというふうに承知しております。
#54
○小川勝也君 いいですか、ここが大事なところです。農林水産政策を農林水産省と農林水産委員会と自由民主党農林水産部会が決めるのが正しい、規制改革推進会議とか産業競争力会議が決めるからおかしいのと同じように、大学設置は、農林水産省が需給を調整をしながら、文部科学省がしっかり審査して大学を設置する、これが正しいんですよ。よこしまな、後ろから変な人たちが、岩盤だ、ドリルだ、利権だ、お金だというふうに群がってくるから変なことになっちゃうんですよ。この国をねじ曲げちゃいけないんですよ。
 麻生さんが心配したことについて、農林水産大臣から答えをいただいておりません。法科大学院でそうだったように、巨額の授業料を払って法科大学院に行って弁護士になれなかった人たちがごまんといます。それから、今、歯科大学出身で、やっと国家試験を通ったはいいけれども、歯医者さんが多くて大変だと言う人がいます。それから、歯科大学に六年行っても、いわゆる国家試験通らない。私が勝手に申し上げるのも変だけれども、法科大学院に行って弁護士になれない人は、これはまだいい。歯科大学六年行って歯科医師になれない人は悲惨です。
 獣医師系大学に六年通って獣医師になれない人が今後たくさん出てくるとすれば、その人たちの人生に農林水産大臣はどうやって責任を取るんですか。農林水産大臣、責任ある御答弁をお願いします。
#55
○国務大臣(山本有二君) まず、獣医師さんの大学を出た方々の約六割が獣医療現場に携わっておられまして、四割の方々は研究職だとかあるいは製薬メーカーだとか、そうした獣医師の知見を使ってその職務、仕事に当たっておられて、必ずしも動物の診療には当たっておられません。
 そんな意味で、産業動物医と公務員獣医師の需給については強い関心がありますものの、需給を誰が担当しているかといえば、獣医療法、獣医師法を見ましても、農林水産省は関心があるものの、基本計画を作らせていただいているものの、現実には、大学の定員で需給は大体、関係が深く、調整ができているものというようになっております。
 特に、国家試験については、獣医師法で私ども監督をしておりますけれども、あくまで概括的な監督でございまして、何人を合格させるかどうかということに対してはその権限がないわけでございますので、今後、そうしたものに権限を与えて我々が需給について深く関係するという手だては今後の検討事項だろうというように思っております。
 答えになりませんけれども、需給について農林省の所管ではないというように位置付けているわけでございます。(発言する者あり)
#56
○小川勝也君 いや、実は、関わりの度合いからいうと、今の大臣の答弁が適切なんですよ。もう義家さん、同情しますよ。義家副大臣は正義だったんです。こんなことになったら大変だと思って、いわゆる副長官にも相談する、農林水産省にも相談する。そして、省内もわたわたとするわけですよ。一斉メールを送って、いわゆる、今日来ておられるかどうか分かりませんけれども、大変な圧力が掛かっているよと、急いでやれと、ノーという選択肢はないというふうにうごめいた。
 ところが、この結果、どういうことになるかというと、私と同じように麻生大臣も心配したと。したら、ある国家戦略特区諮問会議の委員はこう言ったんですよ。実は新規参入ではなくて、恐らく従来あるものにまずい獣医学部があるのだと思います。そこがきちんと退出していけるようなメカニズムが必要で、新しいところが入ってきて、そこが競争して、古い、余り競争力がないところが出ていく、そういうシステムを、この特区とはまた別にシステムとして考えていくべきではないかと思っています。これはある議員の発言です。すなわち、大学も競争なんだと。そして、もう人気のない学部はどんどん撤退をしていくんだと。
 実は、新しい学部をつくらなくても、これからもう皆さん御案内のとおり、人口減少で子供が少ないですから大学も専門学校もこれから熾烈な競争社会。なのに、この特区の議員はそう言っています。
 私は、獣医学部もそういう競争の範囲で落ちていく大学は出ていけばいいんだと、大臣、一言でいいです、この思いに賛同ですか。
#57
○国務大臣(山本有二君) 大学が淘汰されるということに対しては、私は、手前手前に文部行政として指導監督、そういったものがあり得べきだろうというように思いますので、自発的な撤退以外にそうしたことがあり得るようには考えておりませんが、物の考え方としては、あしきものが排除され良きものが導入されるという、そうしたセンスは大事だと思いますけれども、事具体的な大学については、私は手前手前に業務改善命令があり得べきだろうというように思っております。
#58
○小川勝也君 それでは、法案についてお伺いいたします、時間限られていますが。
 まず、藤木委員からもありました日本農業新聞の件であります。
 私は、多分私の前の質問者がいわゆる資料として提出するということを把握をしておりましたので、資料として出しませんでした。これ、自分でマークを付けて持ってまいりました。これは、一言で言うと、与党の部門会議、すなわち自民党の農林水産部会がなめられているんです。何やってるんですか、これ、山田俊男さん。何やってるんですか、これ。与党の皆さんは審査が事前にあるからいいですよ。野党はないんですよ。衆議院の我々のメンバーどうしてくれるんだ、これ。この情報に接しないで議論し終わっているんだよ。私は、修正をして、衆議院にこの畜安法戻すべきだと思う。
 時間がないので、はしょります。
 畜安法って、僕は硫安を畑にまいたことはありますけれども、余りいいフレーズじゃないんですよ。暫定措置法であっても、加工原料乳、乳という言葉があって、私たちは北海道ですので、我々の法律だという愛着がずっとありました。皆さんは畜酪と言う方がおられるかもしれませんけれども、我々は酪畜と言うんですね。大野さんいますけれども、牛の心が分かるというふうに言われていますけれども、最近はホルスタインの力が弱くなっているんですよ、農林水産省の中で。黒毛和種ばっかり大事にして、ホルスタイン大事にしてほしいんだよ。昔は赤組、白組といって、酪農強かったんですよ。今、酪農の陳情に行くと、おまえらぶちのことは知らぬと言われる。大概にしてほしいよ。大事にしてほしい。
 酪農は、北海道は離農に次ぐ離農で毎年数百戸いなくなります。酪農家がいなくなると、集落がなくなります。国土の維持ができなくなります。そこに下手すれば外国の方が集落を形成する可能性もあります。ですので、酪農政策は全ての政策が全部集合していると言っても過言ではない。だから、いわゆる成長戦略とか、もうかるとか、輸出とか、そういうこととは無縁のいわゆるベースメントだということを御理解をいただきたいと思います。
 ですので、私が望む政策は、一軒も酪農家が離農しなくていい政策であります。ですから、要望しているのは、今、頭数を増やし、乳量を増やし、近代的なといういわゆるワンベクトルの酪農政策だけれども、乳量は少なくてもいい、餌に掛かる経費を少なくしたい、そういった酪農経営者も残っていけるような酪農をお願いをしたいと思います。
 それから、時間がありませんので、二問だけ。今回の畜安法の改正で、指定団体の問題が大きく変わりました。北海道は、午後の参考人からもお話があろうかと思いますけれども、今やっとこ酪農家がいい局面に入りました。子牛価格のお話もありましたけれども、副産物の価格がいいのもいい状況です。何を隠そう、トーナメントに勝ち抜いた優秀な経営者しか今残っていないんです。だから、今、酪農家は、与えられた政策の中でしっかり頑張っていこうというふうに思っている。なので、一番心配なのは府県の酪農であります。府県の酪農もいろいろ支えていくことも含めて、家畜ふん尿のバイオマス発電システムやエネルギーに変えていくシステムについて御努力お願いをしたいということも、これ答弁する時間なくなりました。
 最後二点、今後、補給金単価がどうなっていくというふうに考えられるのかということと、あと、この後審議する収入保険との関係において、特に北海道の酪農家について、あるいは都府県の酪農家についてどういうメッセージを発出できるのか、御答弁をお願いしたいと思います。
#59
○政府参考人(大野高志君) お答えを申し上げます。
 生産者補給金の単価につきましては、改正法案第八条第一項におきまして、生乳の生産費その他の生産条件、生乳及び乳製品の需給事情並びに物価その他の経済事情を考慮し、生産される生乳の相当部分が加工原料乳であると認められる地域における生乳の再生産を確保することを旨として定めることとしておりまして、これは現行の加工原料乳生産者補給金等暫定措置法と同様の規定であります。
 具体的な算定につきましては、法案成立後、来年度予算編成過程におけます畜産物価格決定の際に、食料・農業・農村政策審議会の御意見聞いた上で決定することになりますが、基本的には生産費の変動率に基づき算定するとしているところでございまして、今後の生産費の詳細明らかとなっていない現時点で、単価の具体的な今後の推移について予断を持って申し上げることはできないことは御理解賜りたいと思います。
 また、補給金の単価と収入保険制度の関係でございますけれども、今申し上げましたように、補給金の単価につきましてはその生産費の変動率等に基づき算定いたしますことから、収入保険制度の導入によってこの単価が影響を受けることはないと、こういうふうに考えているところでございます。
#60
○小川勝也君 最後、時間がありませんので、簡潔に御答弁をいただきたいと思います。
 酪農は南北問題と夏冬問題だと思います。夏のいわゆる需要が伸びるときにいわゆる生乳生産が少なくなり、冬、逆に伸びるということであります。冬対策について御答弁をお願いをしたいと思います。
#61
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 改正法案におきまして、補給金の交付に当たりましては、月別、用途別の予定数量等を記載した販売計画の提出を義務付け、農林水産省令で定める基準に適合する、具体的には、年間を通じた用途別の需要に基づく安定取引であること等を基準とすることを考えてございます。また、この事前確認だけではなく、各事業者ごとに実績を確認した上で対応するということにしてございます。
 夏冬の需給ギャップにつきましては、個別の事業者の方々が自らの利益を最大化するために、不需要期、要は冬場に極端に多く乳製品向けに仕向けるような場合でも交付対象として認めることは、多数の事業者の同様の行動を誘発し、結果として全体に影響を与えかねないことから、適切ではないというふうに考えてございます。このような考え方を念頭に、具体的な基準については、関係者の意見を聞きながら、法案の成立後できるだけ速やかに定めたいと考えてございます。
#62
○小川勝也君 終わります。
#63
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。
 畜産経営の安定に関する法律及び独立行政法人農畜産業振興機構法の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。
 本法律案の趣旨は、我が国の生乳生産量及び飲用牛乳需要が減少傾向にある中で、今後需要の増加が見込まれる乳製品に生乳を仕向けやすい環境を整備し、需給状況に応じた乳製品の安定供給の確保等を図る必要性から、生産者補給金等の交付に関する措置について、畜産経営の安定に関する法律に恒久的な制度として位置付けるとともに、生産者補給金の交付対象を拡大して、指定を受けた事業者に集送乳調整金を交付する等の措置を講じ、生乳等の需給の安定や酪農経営の安定を図るというものであると理解をしております。
 私が生まれ育った北海道の道東地域、釧路・根室地域でございますが、根釧パイロットファームというふうに学校の教科書にも書いておりましたけれども、私たちの祖父の世代が開墾をして、そして今一大酪農地域となっている、そういう地域で私は生まれ育ちました。今、東京の議員をさせていただいておりますけれども、北海道の田舎から出てきましたという自己紹介をして、牛の数の方が人間より多いんですという、そういうふうに言わせていただいておりまして、酪農と漁業の町なんです。
 今、私の友人も、一旦札幌とか東京に出た人も酪農の実家に戻って家を継ぐという人たちも少なくありませんし、そのまま地元に残って酪農経営に携わっているという人たちも少なくありません。とても魅力的な仕事が酪農であると私は思っております。
 また、新規に就農をされる方もいらっしゃる。一方で、離農する方もいるので、どんどん規模が大きくなって、家族の経営になっておりますので重労働ということで、酪農の作業負担のためにICT化やロボット化を進めてくださいということをさきの委員会でも要請をさせていただきましたけれども、そのような状況にあって、可能性がある、希望がある、そういう仕事が酪農であるというふうに私は思っております。そうした中で、やはり収入の安定というのが何よりも大切なものでございます。
 今回の生産者補給交付金に関して大きな制度の改正になるわけでございますけれども、現行の加工原料乳生産者補給金等暫定措置法におきましては、生産者補給交付金の交付対象というのは指定を受けた生乳生産者団体に限られております。大部分の生乳生産者は、この補給金を受け取るために指定団体を通じて委託販売をしております。現在、生産された生乳のうち、指定団体を経由して取引される割合は九六%に達しており、指定団体を経由しない取引は生産者の自家消費に区分される一%を除いて三%にすぎないということでございます。
 現行の指定団体制度というのは、生乳の一括的な集荷、複数の乳業者への販売を行うことによって、輸送コストの削減、条件不利地域の集乳、乳価交渉力の確保、そして飲用向けと乳製品向けの調整の役割を果たしてきた大事な、重要な制度であったというふうに思っております。
 今回の改正では、法律事項ではない運用部分において、全量委託の原則が撤廃されると理解をしております。部分委託が認められることになるということでございます。私のふるさとの地域でも、大変濃い、おいしい、牧草にも飼料にもこだわっておいしい牛乳を作っているので、一部は例えば都内の方にも出してきて非常に高い単価でも売れるような、そういう牛乳を作っておられる牧場もありますけれども、そうしたところもありながら、全部全量委託をしていると混ざってしまうと、ほかの牛乳も混ぜ合わせてしまうので、すごくいいものを作っていてもそれが認められないという、それでいいものを作ろうというインセンティブが働かないという、そういう問題点も指摘されており、今回、部分委託が可能となることによって、一部は直販をしよう、一部は委託をしようという選択ができるということでございますが、そこで質問させていただきます。
 指定団体が部分委託を拒めなくなるということによって、仮に部分委託を行う生産者の割合が高まりますと生乳の需給調整が機能しなくなるのではないかという懸念が聞かれます。先ほど小川委員からも夏冬問題について言われましたけれども、乳牛は暑さに弱い、生乳の生産量は夏に落ち込む傾向があり、一方で、飲む、飲用の牛乳に対する需要は夏に高くなると、そして冬は落ち込むという傾向があると聞いております。このため、仮に補給金の交付に条件がない場合に、生乳の需給が引き締まる、つまり生乳の価格が高くなる夏に乳製品の加工向けよりも高い取引で売ることができる飲用乳に販売をする、そして需給が緩くなってしまう冬には加工乳の方に販売をするという、そういういいとこ取りをするインセンティブというのが当然出てくるわけでございますが、全体でいいとこ取りをするのはいいんですけれども、ある生産者だけがいいとこ取りをするということになりますと、生産者間に不公平感が生じてしまうことになると思います。こうしたことを出ないようにする工夫も必要ではないかというふうに思っているところでございますが、最初に質問させていただきます。
 部分委託、どの程度になると見込んでおられますでしょうか。
#64
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 生乳の委託及び販売につきましては、生乳取引契約において当事者間の合意の上で決めていただくものでございまして、今回の制度改正後に部分委託がどの程度増加するか、なかなか予断を持って申し上げることはできないことは御理解賜りたいと思います。
 現在も一部部分委託という仕組みがございますけれども、現在、約、件数が二百件強ございます。今回の法改正においては、生産者の生乳の仕向け先の選択肢を広げることを趣旨の一つとしてございますので、現状より部分委託が志向されるものというふうに考えてございます。
#65
○竹谷とし子君 確かに、どの程度というのは言えないということも理解ができるところではございますけれども、需給調整に影響が出て農家の収入に不安定が生じないようにするということは非常に重要なことであると思います。
 部分委託を認めることによって需給調整に影響が出ることはありませんでしょうか。
#66
○副大臣(礒崎陽輔君) お答えいたします。
 部分委託につきましては、生乳取引契約において当事者間の合意で決めていただくのが基本でございますけれど、今御指摘のあるように、現場の生産者が不公平感を抱かないようにしてもらうことが非常に重要でございまして、そのためには、場当たり的な利用を認めないようにする観点から、本法案においては、指定事業者が生乳取引を拒むことができる正当な理由を省令で定めることとしているところであります。
 また、補給金の交付に際しては、一番重要な点はやっぱり年間を通じた販売計画をきちんと提出していただくということでございまして、需給調整がそういう年間販売契約という約束の下で実効性が担保できるようにしてまいりたいと考えております。さらに、現在の指定団体以外の者にも、補給金の対象とすることによって、飲用向け一辺倒ではなく、乳製品向けにも販売する方向に誘導ができるということもあると考えております。
 以上のことにより需給調整への影響といった懸念は回避できるものと考えておりますけれど、この部分委託を認めるという新しい制度は初めてのことでございますので、農林水産省としても、今後の部分委託の動向には慎重に注視をしてまいりたいと考えているところでございます。
#67
○竹谷とし子君 続きまして、今回の改正で、島、離島など、また山の中とか山間地、条件が余りにも違い過ぎて集送乳の対象となっていなかったような地域、当然補給金も受け取っていなかったような地域、この地域にとってどのように影響があるかということをお伺いしたいと思います。
 今、ふるさとの地域は北海道で酪農が盛んな地域というふうに申し上げましたが、今は東京の議員をさせていただいておりまして、東京の中にも酪農があります。島の伊豆諸島の八丈島や大島にも牛乳があります。今、八丈島では、八丈島ジャージー牛乳ということでブランド化をしておりまして、本当に地方創生の取組だと思うんですけれども、ソフトクリームを作ったり、またモッツァレラチーズも、私も試食をさせていただきましたが、単価は高いんですけれども、店に並ぶとすぐ売り切れてしまうぐらいの人気になって、地元の方にも観光客にも非常に好まれている、そういう取組をされておられます。
 また、大島でも同じように大島牛乳というものを作っているんですけれども、これまで島では、八丈島や大島を例にして、生乳の流通状況がどのようなものであったかということを農林水産省では把握をされていますでしょうか。
#68
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 今先生御指摘いただきました大島でございますけれども、平成十六年度まで、また八丈の方では平成二十五年度まで、地域の指定団体でございます関東生乳販売農業協同組合連合会を通じて生乳の委託販売をしてございましたけれども、それ以降は直接乳業に販売されているのが現状でございます。
 そういうことからいたしますと、最初先生おっしゃったように、現在は補給金の対象にはなっていない状況でございます。
#69
○竹谷とし子君 そうなんですね。補給金の対象になっていなかったということでございます。
 今回の制度改正では、この八丈島や大島のように、いわゆる自家消費に分類されるようなところについてはどのように変わるのでしょうか。
#70
○大臣政務官(矢倉克夫君) お答えいたします。
 今回の法改正によりましてどうなるかということでありますが、法改正により、特に生産者補給金につきましては、これまで指定団体に限られていた補給金の交付対象を拡大いたしまして、生乳受託販売又は生乳買取り販売の事業を行う者、さらには、自ら生産した生乳を乳業者に対し自ら販売する者、自ら生産した生乳を加工して自ら販売を行う者とすることから、先生が今具体的に挙げていただいた八丈島や大島の生産者の方々も、当該地域の生産者といたしまして今申し上げた要件を満たせば補給金の交付対象となり得ると考えております。
 このような方々がどのような事務手続で補給金を受けることができるかというところですが、法に基づきまして、地域別の用途別の販売予定数量等を記載した年間販売計画を作成して、裏付けとなる乳業者との契約書の写し等を添えて農林水産大臣に提出していただき、補給金の交付を受けることができる、このような形になる、そのように思っております。
#71
○竹谷とし子君 今、申請手続についても明確に答弁をいただきました。生産者に求める事務手続ですが、できるだけ簡素にするべきであると考えますが、いかがでしょうか。
#72
○政府参考人(枝元真徹君) 御指摘のとおりかと思います。
 現在、指定団体に生乳を出荷している方に関しましては、生産者補給金の交付を受けている生産者は新しい制度でも指定団体と生乳取引契約を締結する限りにおいては補給金の交付を受けることができますので、新たな手続を必要とするものではございません。
 先ほどおっしゃった大島なり八丈島の方々が、自ら乳業者に生乳を販売したり乳製品の加工販売を行う場合には、先ほど政務官から申し上げたような手続が必要でございますけど、そこはそういう個人の方が行うような場合の手続が過度な負担とならないように、法案の成立後、できるだけ速やかに周知するなど、きめ細やかに対応してまいりたいと存じます。
#73
○竹谷とし子君 どうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、国産のチーズについて質問させていただきます。
 チーズの需要が高まっております。昭和五十年に一人当たりのチーズの消費量は年間〇・五キログラムだったものが、平成二十七年度には年間二・四キログラム、五倍近くになっているようでございます。一方で、国産のチーズの消費というのは一人年間〇・四キログラムにとどまっており、海外製の割合というものが大幅に増えているというふうに認識をしております。
 一般に、チーズ一キログラム生産するために生乳は何キログラム使用するものでしょうか。
#74
○政府参考人(大野高志君) お答え申し上げます。
 チーズの種類によって幅ございますけれども、平均すると、チーズ一キログラム生産するためには約十キロの生乳が使用されております。
#75
○竹谷とし子君 今、チーズの需要も高まっていて、チーズを含めた乳製品の加工用の方に牛乳を仕向けていこうとしているわけでありますが、そちらに行く単価が低過ぎるので補給金を出しているということでございますけれども、もっともっと牛乳の生産量を増やしていただいて、そしてコストを下げる努力をしていただいて、国産のチーズも増やしていくという方向にしていっていただきたいというふうに思っておりますが。
 今、海外のチーズに日本のチーズが負けている原因というのは、そもそも生乳の生産が追い付いていないからだということが一つの原因であるとは思いますけれども、製品というものを見たときに、やっぱり同じぐらいのものがあったときに海外のものを買っているという状況もあると思います。この海外のチーズに比べて日本製品が負けている原因、価格なのか品質なのか、農水省はどのように分析をされておられますでしょうか。
#76
○政府参考人(大野高志君) お答え申し上げます。
 国産チーズ、輸入チーズと価格面での競争力は劣っております。御指摘のとおりでございます。ただ、品質面におきましては、乳業メーカーにおきます日本人の好み、嗜好に合った商品開発等によりまして、一般に消費されるものにつきましては、海外産チーズと比較して全ての商品が劣っているわけではないと、こういうふうに考えております。
 ただ、価格面におきまして、その価格競争力が弱い原因としましては、我が国の生乳生産、輸入飼料に大きく依存しておりますことから、EU諸国やオセアニアといった飼料を自給できる酪農国に比べて原料乳の生産コストが高くならざるを得ない状況にあることと、それから乳業メーカーにおきます製造コストの面では、工場規模が小さく、その稼働率が低い、こういったことによりましてEU諸国等に比較し高くなる傾向があると、こういうふうに考えております。
#77
○竹谷とし子君 海外に負けない国産チーズの開発、生産、普及を後押ししてもらいたいと思います。
 ふるさとの方に帰りますと、以前はチーズといっても、大手の乳業メーカーが作っているとか、あとは公社が作っているものしかチーズなかったんですけど、今はいろんなチーズが小規模なところで作られてきているなというのを感じております。
 このチーズの自給率、高めるべきと考えますが、農水省はそのためにいかなる取組をするのか、最後にお聞きしたいと思います。
#78
○国務大臣(山本有二君) 国産チーズの振興につきまして、今後ともチーズ需要の伸びが見込まれている中で重要であるという認識をさせていただいております。
 農林水産省としましては、平成二十八年度補正予算におきまして、乳業工場の機能強化を図り、今後の需要の伸びが見込まれる品目、生クリーム、発酵乳等への製造ライン転換の支援、特色のある新商品の開発のための技術開発等についての支援、それを行うとともに、二十九年度予算におきましては、国産チーズ生産者等の技術研修、販路拡大、商品開発の取組を支援しているところでございます。
 また、輸出に関する諸課題を解決し、更なる輸出拡大を図るために、平成二十八年度補正予算におきまして、乳業に対する輸出への理解醸成や意欲ある乳業者が取り組む商談会、マーケティング活動等を支援し、香港、台湾を始めとするアジア諸国・地域を中心に浸透を目指しているところでございます。
 これらの諸施策の実施を通じまして、今後も引き続き国産チーズの生産を推進させていただきたいというように思っております。
#79
○竹谷とし子君 終わります。
#80
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 農業競争力強化プログラムと今度のこの畜安法改正案についてお聞きします。
 プログラムの牛乳、乳製品の生産、流通等の改革というのがありますけれども、加工原料乳生産者補給金制度の改革、それから乳価交渉の改革、酪農関連産業の構造改革、国家貿易の運営方式の改革、酪農家の働き方改革というふうに五つ改革が挙げられています。この改革というのが生産者の所得を向上させる、所得を上げる改革なんでしょうか、まずお聞きします、大臣。
#81
○国務大臣(山本有二君) 今回の補給金制度改革は、指定団体のみ補給金を交付するという現状の方式を見直させていただきます。出荷先等を自由に選べる環境の下で、生産者による創意工夫を促して所得を増大させることを目的としたものでございます。
 具体的には、改正法案によりまして、生産者の生乳の仕向け先の選択肢が広がり、自ら生産した生乳をブランド化することができますし、加工販売する取組など、創意工夫による所得向上の機会が創出しやすくなるというように考えております。現在の指定団体である農協、農協連につきましても、生産者の選択に応えるために流通コストの削減や乳価交渉の努力を促すというような方向付けもできるのではないかというように思っております。また、これまで補給金をもらえないため、飲用向け一辺倒だった方々を乳製品向けにも計画的に販売する方向に誘導することができ、これによりまして、冬場等の飲用牛乳の不需要期の廉価販売に歯止めを掛けることができるのではないかというように考えております。
 加えて、新たに導入される年間販売計画におきまして乳製品仕向けの経営戦略を明確にすることによって、より消費者ニーズの高い用途や付加価値の高い国産乳製品の製造が促進される結果、乳業メーカーが得られる利益を基とした乳価の形成が期待されるものというように考えるところでございます。
#82
○紙智子君 いろいろとお答えいただいたんですけれども、所得向上の機会を創出しやすくするというお話だったと思います。それで、五つの改革の中で生産者の所得向上という言葉が直接出てくるのは、二つ目の乳価交渉の改革の部分です。
 プログラムには、農協等は自らの合理化を含め、中間流通コストや物流コストの削減を進め、生産者の所得がより向上するように対応するというふうに言っていて、所得を上げるのは農協等に任せるものになっているわけですね。
 JA、農協関係者は、乳業メーカーと量販店の取引価格の決定においては、量販店の価格交渉力は強くなっているというふうに言われているわけです。畜安法を改正することで、乳価の交渉力というのは強くなるんでしょうか、お答えください。
#83
○国務大臣(山本有二君) 近年、我が国の飲用牛乳需要が減少傾向にある一方で、生クリームやチーズなどの乳製品の消費は今後も増加が見込まれております。消費者ニーズに対応すれば酪農経営は発展の可能性を秘めているわけでございまして、そのためにも、特色ある牛乳、乳製品の生産による付加価値の向上など、酪農家が創意工夫を生かせる環境の整備が重要であるというように思っております。こうしたことを踏まえて、本法案により、補給金の交付対象を拡大するとともに、現在の暫定措置法に基づく制度を恒久措置として位置付け直すこととさせていただきました。
 また、本法案において、生乳の受託販売や買取り販売を行う事業者につきまして、新規参入者であっても、既存の農協、農協連であっても、生産者の選択に応えるための乳価交渉の努力を促すことになるというように考えるところでございます。
 こうしたことを担保するために、生産者に対しまして価格や数量といった販売実績や販売コスト等の報告を義務付けさせていただいているところでございまして、加えて、新たに導入されます年間販売計画において、乳製品仕向けの経営戦略を明確にすることによって、より消費者ニーズの高い用途や付加価値の高い国産乳製品の製造が促進される結果、乳業メーカーが得られる利益を基とした乳価交渉に結び付くものというように考えているところでございます。
#84
○紙智子君 乳価交渉力は強くなりますかって聞いているんですけど、今のお話聞いているとよく分からないですね、これは。
 この間、農業競争力強化支援法の議論をしてきたわけですけれども、業界再編が農業機械等の独占価格やあるいは農産物価格の買いたたきを防止するのかというと、そういう効果がないことが明らかになったと思います。牛乳や乳製品の生産や流通等の改革についても、酪農関連産業の構造改革として量販店等の不公平な取引は公正取引委員会が監視するんだというようなことが書かれているだけなわけです。
 畜安法の改正で、今回の改正で、酪農家の所得を上げるためにこの価格競争力が強くなるんでしょうかね、そこが一貫した疑問なんですけれども。例えば、北海道の札幌市は、大消費地なわけですから飲用乳が売れるわけですよ。一方、釧路や天北の方は飲用よりも加工向けが多くなっていると。指定生乳生産者団体は、共販を通じて生産者の結集を高めて、交渉力を持ってきたわけです。この改正によって、飲用乳をもっと増やしたい酪農家が指定団体から抜けて自由にやりたいんだと、創造力を発揮して特色ある乳製品も作りたいということが起こり得るんだと思いますよ。
 それから、場合によっては第二の指定団体のような団体も生まれることになるかもしれないと。そういう団体が増えてくると、乳価交渉力は逆に弱まることになるんじゃないんでしょうか。衆議院の参考人質疑の中で清水池参考人は、制度の改正によって生乳販売の環境がより競争的になると思う、一般的には販売競争が強まればこれ生産者の乳価というのはむしろ低下するんだ、所得は下がるんじゃないかということを指摘されているわけですよ。
 この改正案、本改正案で指定生乳生産者団体を廃止して酪農家の所得というのは上がるんでしょうか。
#85
○国務大臣(山本有二君) 全量を買い入れるいわゆる一元集荷多元販売という考え方は、確かに小さな酪農家の価格交渉力を上げてくることができました。
 しかし、現在、消費者ニーズが多様化しておりまして、それに全量買取りが応えていくことができるかというと、先ほど御指摘もございましたが、一つのタンクに自分のかけがえのない牛乳を全部一緒にしてしまうということを嫌がる生産者、そして自らの生乳の加工品を高く売りたいという創意工夫がある生産者、こういった人たちが消費者のニーズに応えて付加価値の高い、とんでもない高い価格を付けたとして、それがまた売れるという新しい市場の在り方になりますれば、私は、一般的に考えれば、そうした工夫をする余地がある分野での価格というのは自然に私は上昇基調になってくるというように、消費者は考えていくだろうというように思っております。その意味において、世界の傾向からすれば、消費者ニーズに合う生産システムというようなことがひいては強い農業に関連してきているという農業環境でございます。
 そんな意味で、今回の指定生乳制度の補給金の改革案、畜安法の改正案、こういったものは所得を向上させる大いに私は環境整備になるだろうというように思っておるところでございます。
#86
○紙智子君 まあ、市場の要請というかニーズが変わってきているからそれに応えられるのだという話をされているんだけれども、果たしてそうなのかと。私は一貫して、酪農家の所得がこれで上がるのかどうかというところが今回本当に問われていると思うんです。
 それで、今、最初のところのお話にあったように、小さな酪農家の収入を上げていくことにこれまでの一元集荷多元販売、ここが機能を果たしてきたという話もされたと思うんですね。メーカーとの交渉をやっていく上では大きなやっぱり意味を持っているというふうに思うんですよ。
 それで、なぜ、加工原料乳の生産者補給金暫定措置法、いわゆる暫定措置法を廃止するんでしょうか。指定団体制度には四つ、今まで言われてきましたけれども、一つは輸送コストの削減、それから二つ目に条件不利地域の集乳、三つ目に乳価交渉力の確保、四つ目に飲用向けと乳製品向けの調整という機能を持ってきたわけですよね。この機能を強化しているのが暫定措置法だったというふうに思うんですよ。
 暫定措置法の第七条第二号、第三号、同法の施行規則の第五条の意味について、政府参考人に説明していただきたいと思います。
#87
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 今御指摘ございましたとおり、現行の加工原料乳の暫定措置法では、生産者は指定団体を通じまして補給金の交付を受けることとされておりまして、この仕組みに、農協、農協連合会の販売事業の機能を活用強化した輸送コストの削減、条件不利地域の集乳、乳価交渉力の確保を図る、また補給金を通じまして飲用向けと乳製品向けの仕向けの調整の実効を担保するという機能がございます。
 暫定措置法の施行規則五条でございますけど、これは、指定団体の要件といたしまして、取り扱う生乳量が地域内で生産される生乳の二分の一超を占めていること、こういうことを要件といたしまして集乳力の確保を図ってきたところでございます。
#88
○紙智子君 今お話しされたんですけれども、暫定措置法の第七条第二、第三というのは集乳シェアについて定めていると思うんですね。
 それで、農林法規の解説集があるんですけれども、この中では、指定要件というのは販売生乳の五割以上、今二分の一と言いましたけれども、集乳するというふうにされているために、一地域に一団体というふうになるわけですよね。それで、このことが各地域に一つの指定生乳生産者団体を設けて、これに生産者補給金の交付を行われることによって生産者補給金の適正な交付が行われるようにするとともに、一元集荷による生乳共販体制を整備をして用途別の適正な価格形成を行わせるということを狙いとするというふうに解説で書いてあるわけですよ。
 つまり、指定団体による一元集荷多元販売があるから、酪農家の価格競争力の強化や集送乳の合理化や効率的な需給調整につながるんだというふうに思うんですね。
 それから、暫定措置法の施行規則第七条の第一項の意味についても説明をお願いします。
#89
○政府参考人(枝元真徹君) 暫定措置法の施行規則の方の第七条第一号でございますけれども、これは、いわゆるプール乳価の義務付けということで、背景といたしましては、この暫定措置法ができた当時に混合乳価ということで非常に混乱が生じてございました。これを用途別の価格に変えるということを徹底するといいますか、そちらの方向に仕向けるためにこのプール乳価を指定要件としているというところでございます。
#90
○紙智子君 この規定はプール乳価を定めたと、そのとおりだと思うんですけれども。
 これも解説によると、指定団体は一元集荷多元販売を行うものであり、その販売先の多数の乳業メーカーから受け取った乳代を一括してプールし、それを委託者に対して、委託者ごとの生乳の数量や規格のみを基準として分配すると。これは、一つは、共販事業というのが、共同による経済的な力をバックにして、より有利に農産物を販売しようというもので、当然、代金の共同計算を前提にしていると。二つ目に、酪農家の相互間の公平を期すために、用途別や搬入工場別に勘案してプール計算をせざるを得ないということによるものであるというふうに解説をしているわけです。
 つまり、指定団体の共販率を高めることを通じて、生乳の共販機能、例えばプール乳価と共同計算、有利な農産物との販売、価格交渉力を強めることになるんだというふうに思うんですよ。
 だから、暫定措置法が廃止されるということになると、指定団体が持っているこういう機能が発揮できなくなるんじゃないですか、大臣。
#91
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 改正法案では、生乳を加工向けに仕向けやすい環境を整備するということから、対象を農協に限定せずに、指定団体以外に出荷した生産者にも補給金を交付することとしてございます。
 先生が先ほどおっしゃった機能のうち、輸送コストの削減、乳価交渉力の強化につきましては、指定団体も含めて各々の対象事業者がその行う販売事業の一環として当然に行うべきものというふうに考えてございますし、条件不利地域の集乳につきましては、指定事業者に対して集送乳調整金の交付をこの法案で措置してございます。また、飲用向けと乳製品向けの仕向けの調整の実効性につきましては、引き続き加工仕向けのこの補給金を通じて担保することということとしてございます。
 このため、農協に限った法制上の機能強化を行ってございませんけれども、現在の指定団体は、新制度におきましても、指定生乳生産者団体として申請による指定を受けまして、補給金及び集送乳調整金の交付を受けて、その機能を発揮していくものというふうに考えてございます。
#92
○紙智子君 余り変わらないんじゃないかというようなお話なんだけど、私はそんなことないんじゃないかと思いますよ。
 平成二十八年の四月八日の規制改革会議で、全量委託、一括集乳で共同販売等を基本とする指定団体を核とした流通構造の下では、生産者による品質向上、ブランド化へのインセンティブ等が湧きにくいというようにしているわけですね。品質を向上させるために、これ既に生産者は衛生管理を含めて懸命に努力をしていますよ。物すごく、現場に行って話聞くと、厳しいですよ、衛生管理含めて。いい品質のものをということで既にもう努力をされてきているわけですよ。だから、インセンティブとか湧きにくいというのは、これ現場の努力を知らない人の意見じゃないかと思うんですね。
 そして、規制改革会議は、補給金の交付条件として、販売を行う農協等については、生産者に対しその意に反して全量委託や全量販売を求めないことを補給金交付の条件とすると。全量委託はやめろと、まあ言ってみれば要求しているわけですよ。つまり、実質的には、これ指定団体が発揮した機能に風穴を空けるというところが改正案の目的なんじゃないんでしょうか、大臣。
#93
○政府参考人(枝元真徹君) 今全量委託の関係ございましたので、私の方から御説明させていただきます。
 まず、全量委託といいますか、まず、指定団体と農家との関係は個々の契約で決まっているということになりますけれども、ただ、受託の規定等については、これまで生産局長の通知で模範的な受託規程例というものを定めて、先生がさっきおっしゃったとおり、委託者が出荷し、またその取り扱う生乳を特別の条件を付さずに団体に出してくる場合でなければ、原則として団体は委託を引き受けないことを規定するとともに、契約例におきまして、委託者は団体の受託規程を承認の上、生乳の全量を特別の条件を付さずに委託する旨を規定してございます。これはあくまでも規定の例で、今でも強制をすれば多分独禁法違反ということになろうかと思いますけれども、こういう生産局長通知の規程例を参考に、当事者間で双方合意の上、生乳取引契約を締結しているというのが現状でございます。
 今回は、そこの部分委託を認めていくといいますか、全量無条件委託という原則を外すということでございますので、より生産者が創意工夫に応じた様々な所得向上の機会が創出しやすくなると、そういうふうに考えているところでございます。
#94
○委員長(渡辺猛之君) 紙智子君、時間が参りましたので、質疑をまとめてください。
#95
○紙智子君 はい。
 部分委託の需給調整にどういう影響が出るかということを含めてもっと質問したいわけですけど、時間来ましたので、暫定措置法を畜安法の母屋に移すという話がこの間説明されているんだけれども、暫定措置法の肝腎な骨格というのは移すのではなくて廃止するわけですよ。農協が果たしてきた四つの機能を強化する法的位置付けが弱まると思うんですね。指定団体が担ってきた一元集荷多元販売が崩れると生乳の需給調整が崩れるというふうに思います。この改革というのは、一連の農協改革、私たちは農協解体と呼んでいますけれども、その一環だということを指摘をして、次にまた質問したいと思います。
 終わります。
#96
○儀間光男君 日本維新の会の儀間です。
 今日は、畜産経営安定に関する法律及び独立行政法人農畜産業振興機構法の一部を改正する法律案でございますが、それに関連して質問をさせていただきたいと思います。
 まず、消費生活を見ているというと、原料があり、製造があり、卸小売業があり、消費者に届くわけです。ここは、価格、コストの最終保障の場所になるわけですね。
 そういう意味で、北海道と指定しますけれど、北海道での飼料の自給率、なぜ飼料かというと、生産コストはやっぱり飼料の自給によって決まってきますから、これが消費者まで届くという前提でやっておりますと、飼料の生産コスト、この削減をしなければなりませんが、知るところによりますと、北海道は自給率が非常に高い、飼料の、というようなことで、酪農における北海道と他府県の自給飼料及び購入飼料の割合、少し教えていただきたいと思います。
#97
○政府参考人(枝元真徹君) お答えを申し上げます。
 酪農経営におきます自給飼料及び購入飼料の利用の割合でございますが、餌の場合は栄養量ベースではじきますので栄養量ベースで申し上げますと、北海道では自給飼料が五六%、購入飼料が四四%、都府県では自給飼料が一六%、購入飼料が八四%となっておりまして、北海道におきましては自給飼料の利用割合が都府県を大きく上回ってございます。
 あと、先生からございましたコストでございますけど、北海道におきましては、こういう豊富な草資源を活用いたしました自給飼料主体の経営が行われている結果、生乳百キログラム当たりの飼料費は都府県の五千二百二円に対しまして四千五十五円と約二割低くなっているところでございます。
#98
○儀間光男君 北海道は、やはり草地を造成するにも耕地面積が大変広いですから、そういう意味では自家製の飼料が多く投入されるということからすれば当然だと思うけど、統計資料をここで見てみますというと、北海道ではおおむね五〇%超を、飼料を自家飼料で賄っているというような状況が読み取れるんですが、そうしますというと、このコストの影響がずうっとやってまいりますから、生乳にしろ乳製品にしろ、それが工場に入って出ていくにしろ、大変な安価で高級な、他の都府県と違って、高級な乳製品が加工できるということになると思うんです。
 ただ、生乳は、それは県域を越えて本州へ来たり沖縄へ行ったりは、それは無理でしょうけれど、その証拠に加工品が多く生産されているというような状況ですから、是非とも、全体的に、いつも毎回毎回言っているんですが、飼料の占める、生産に占める割合、コストを全体的に下げることをひとつこれからも農業の生命線として頑張っていただきたいなと、こんなような思いをしておるところであります。
 さて、酪農に関してでございますが、農業全体で、新規の就農者が大変増えているんですね。非常にうれしいことです。前回も時間間際に少し言いましたけれど、これを見ているというと、農業全体で大変多く就農者が増えていると。二十七年の就農者は、二十二年に比べますというと、実に六万五千余が増えておるというようなことで、六万人を超えて、そのうち四十九歳以下が二万三千人というようなこととなって、非常に先行き、これからすると担い手は明るいというように思えるのでありますが、考えるところですけれど、この農業就農者全体は大変多くなってうれしいことですが、内容に少し気になります。
 雇用農業者、つまり、法人へ給料を得て就業する人たちの方はどうなっているか。それ、分析データがあるんでしたらお示しをいただきたいと思います。
#99
○政府参考人(枝元真徹君) まず、農業全体でございますけど、二〇一五年、平成二十七年の新規就農者数が約六万五千人ということで、さっき先生がおっしゃった数字でございます。
 今先生がおっしゃった法人等の新規雇用就農者数はそのうちの約一万四百人。逆に申し上げますと、新規自営の農業者数は約五万一千人というのが農畜産業全体の数字でございます。
#100
○儀間光男君 雇用就農者が一万人ですね。あと、残りは担い手として主農家で増えているという理解でいいですね。家計をつないだり家業を継いだりしてやっていることに理解していいですか。
#101
○政府参考人(枝元真徹君) 新規雇用就農者数というのは、要は法人等で雇用をされて農業に入られる方でございます。あと、新規の自営農業者数というのは、例えば御自分のうちを継ぐだとか自分で新しく農業を始めるとか、そういう自営としてやられると、そういう概念でございます。
#102
○儀間光男君 この方々が五万も増えたということですね。そうしますというと、担い手、そんな心配要らないんじゃないですか。酪農、衰退しないんじゃないですか。農家戸数が減って、就農人口も減って先行き不安だと。不安ばっかり仰いで、不安ばっかり仰いでいるとは言いませんが、私もそういう方向で認識あったんですよ。
 ところが、いろいろ資料を見たりしていると、今局長の答弁のとおり、雇用就農者が一万、跡取り就農者が五万余りということで、そんなに、どこが心配なのか、その辺、ちょっと指摘していただけませんか。
#103
○政府参考人(枝元真徹君) 先生、申し訳ございません、ちょっと質問を間違ったかもしれませんけど、さっき申し上げた数字は農業全部の話でございまして、酪農というちょっと統計がないんですけれども、新規就農者の六万五千人のうち、法人等に新規雇用されているのが一万四百人ですが、このうち約三千人が酪農を含む畜産でございます。それで、新規の自営農業者の約五万一千人のうち約二千人が酪農を含む畜産分野でございます。
 そういうことからしますと、一つ分かりますのは、酪農を含む畜産分野の新規就農者は自営よりも雇用でまず就農されるという方が多いということと、酪農だけの数値は統計上区分されてございませんけど、酪農は畜産の中でも、ほかの分野と比べても法人化の割合が高いので、畜産分野のうちでも酪農に入られる方というのは法人経営に就農される方が多くなっているというふうに分析しているところでございます。
#104
○儀間光男君 さっき質問をしたのは、酪農のデータが分析されてあるんだったらお示しいただきたいと言ったので、ああいう答弁になりましたからびっくりしたんですよ。今の答弁で修正が利いていて分かりました。ありがとうございました。
 それで、酪農も含めてそうなんですが、農林水産全体の就農者が今おっしゃるように跡取りとして約五万余り増えてきたと。あと、雇用就農者が一万ということでありますけれど、この雇用就農者、これは法人に月給、いわゆるサラリーマンの形でお入りいただいて就農するわけですが、ここの法人経営の中で、人材として将来、農業の人材、酪農も含めて、農林水産業、農業の人材の育成として法人経営者で受皿となっていただいて、技術を習得してのれん分けをするとか、あるいは主農家に転出していくというようなことを私は政府の政策で促進していっていいんではないかと思うんですが、その辺、御見解をいただきたいと思います。
#105
○国務大臣(山本有二君) 酪農経営における新規就農者や後継者の確保、育成を図る上で、経営に対する知識や高度化する飼養技術の習得が重要な課題であるというように私も認識しております。
 このため、農林水産省では、新規就農者等が酪農経営や飼養管理技術に関する知識を習得できますように、酪農情勢、飼料生産、畜産環境対策等に係る基礎から最新の情報まで体系的に学べる研修の開催をする、あるいは新規就農希望者の経営力向上のためのセミナーの開催をする、牛の能力を最大限に引き出すための飼養管理技術の実践に関する講習会の開催をするなどの取組を現在しております。
 また、酪農現場での飼養技術の習得のため、畜産クラスター事業により、法人経営等が新規就農希望者を積極的に雇用する等を通じて規模拡大を図る取組、酪農ヘルパー事業により、後継者や酪農ヘルパーが法人経営など多様な酪農経営の取組を経験して、就農や経営発展に必要な知識、技術を習得する取組等、実地で技術を身に付けた上で独立していく取組を支援をしております。
 今後とも、新規就農者や後継者のキャリアアップにつながるよう、新規就農者等のニーズや知識、技術の習得度合いに応じた支援策を効果的、総合的に展開してまいりたいというように考えておるところでございます。
#106
○儀間光男君 ありがとうございました。
 是非、そういう側面、酪農も含めてですが、農業全体で法人経営者が増えている、今言う就農者も増えている、しかも法人経営のシェアが、この資料を見るというと、若手の受皿となって、販売全体に対するシェアが非常に高まっているんですね。皆さんが出したこの資料によるというと、二十七年現在、これが実に二七・三%までアップをしていると、十年前からですね。
 そういうようなことを見ますというと、どんどんどんどんこれからもう右肩上がりで行くだろうと思いますから、酪農も他の農業部門も水産も含めまして、林産も含めまして、こういう法人化に、人材の受皿、しかも、さっき言ったように技術の習得の受皿として政策強化をしていっていただきたいと思います。
 そこで、少し視点変えますけれど、今、加計学園で問題になっておりますが、ここへ来て北海道の産業医と公務員、あるいは国公立、私立の獣医学部の教授等の数があると思うんですが、北海道では、医師の需要、そういう現場のサイドで、産業動物診療医師及びさっき言った公務員や医師の充足率状況はどのような状況になっているか、ちょっと数字を示していただきたいと思います。
#107
○政府参考人(今城健晴君) お答えいたします。
 北海道で産業動物獣医師、それからいわゆる公務員獣医師、家畜衛生を担当している公務員獣医師という数でございますけど、平成二十六年の届出では、家畜衛生を担当している産業動物獣医師が二百十七名、公務員獣医師がですね、それから産業動物獣医師のいわゆる民間で開業されている方が千七十六名ということで、ほかの県に比べれば数自体は多いということでございます。
 ただ、先生御指摘のほかの県と比べてということではないかというふうに推察しますけれども、ちょっと民間の産業動物獣医師のデータ自体はないんですけれども、かつて平成二十二年に口蹄疫対策検証委員会報告書というところが出しました、いわゆる家畜保健衛生所ですね、そこの獣医師がどれぐらいの農家を、畜産農家を見ているかというようなデータがございまして、実はその当時のデータですと、宮崎県が全国で最も負担の重い二百四十六戸を見ていると。一方、酪農主産地の北海道では六十一戸を見ているというような、数自体はそういうデータでございまして、これを最新の二十六年のデータに直しますと、宮崎県では一人当たりの家畜保健衛生所の獣医師は百二十四戸を見ている、北海道では五十戸を見ているということで、いずれも数字は改善しております。
 なお、その家畜保健衛生所の獣医師自体は、宮崎県では四十七人から六十三人に増え、北海道では百八十三人から百八十八人に増えていると、かような状況でございます。
#108
○儀間光男君 ありがとうございました。
 いつも言うように東に偏って偏在しておるんですけれど、さっき聞きましたように、データ、数字は今出てきたからいいんですが、これは北海道の現場、各農家、生産農家ですね、畜産も肉牛も乳牛も含めて、豚も入れて鶏も入れて、要するに農家がこれで十分と、現場が十分というようなぐらいの普及にはなっている、充足にはなっているのかどうか聞かせてください。
#109
○政府参考人(今城健晴君) 具体的なデータ自体ということでなかなかお示ししにくいんですけれども、実際問題としては、北海道でもいわゆる修学資金の計画というものがなされております。それで、なかなかやはり公務員獣医師の方も採用の充足が完全にはできていないというふうに伺っております。
 いずれにしましても、北海道は、先ほど担当している畜産農家の数は申し上げましたけれども、やはり距離が長いとか、そういうような特殊な事情もございますので、そういう意味で、やはり今後とも、産業動物獣医師、それから畜産分野の公務員獣医師、充足をしっかり図るよう努めてまいりたいということでございます。
#110
○儀間光男君 そのとおりだと思うんですね。今、仮に宮崎県を、仮にですよ、一〇〇とすると、北海道、面積が全然違うわけですから、それを平均して北海道が増えたら、それでよしとはしないんですね。担当戸数がうんと減るのが北海道の現状だと思うんです。そういう意味では、その辺も配慮しながら獣医師の配置をしていただきたいと、こういうふうに考えております。
 もう時間もありませんから、これは最後の質問になるかも分かりません。
 六次産業化への推進の状況を少し伺いたいと思いますが、酪農経営においても、大規模化経営のシェアがどんどんどんどん拡大されていく中で、生産者の行動やニーズもどんどん変化するわけですよ。自分の牧場の生乳を、産地限定の生乳のみを使用して製造販売したいとのニーズもそれは高まっていると聞きますね。
 そういう中で、酪農、北海道における酪農の六次産業、あるいは全国にある六次産業の進捗というか、そういうもの、どういう状況か聞かせていただきたいと思います。
#111
○大臣政務官(矢倉克夫君) お答えいたします。
 酪農における六次産業化の件でございます。
 先ほど大臣からも消費者ニーズの多様化という言葉があったわけでありますが、まさに市場のニーズに適応して創意工夫をして付加価値を高めていく取組、重要でありまして、取組状況ですけど、現行制度におきましても、御案内のとおり、指定団体に生乳を出荷しつつ、一部については自ら処理をして牛乳、乳製品を製造販売する、また特色ある生乳を乳業者に直接販売をする、また特色ある生乳をプレミアム乳価で取引するといった生乳受託販売の弾力化を順次実施をしてきたところでありまして、結果、平成二十八年四月末時点では、取組件数としては三百三件に今なっております。
 まさに、今回の法改正によりまして、現在の指定団体以外のものも補給金の対象とし、全量委託ではなくて、補給金の対象とすることで部分委託に関する公正なルールを設けることといたしまして、六次産業化を進めることにしております。これによりまして、生乳者の生乳の仕向け先の選択肢が広がり、自ら補給金の対象となる乳製品の生産を拡大したり、乳製品生産を拡大しようとする乳業メーカー、指定団体等への生乳販売を拡大することが可能となりまして、消費者の多様なニーズに応えた乳製品の生産を拡大することができ、六次産業化に資するものと考えております。
#112
○委員長(渡辺猛之君) 時間ですので、おまとめください。
#113
○儀間光男君 はい。
 ありがとうございます。終わります。
#114
○森ゆうこ君 希望の会、森ゆうこでございます。
 まず、畜産経営の安定に関する法律及び独立行政法人農畜産業振興機構法の一部を改正する法律案について、そもそもの発端となりましたバター不足の問題、以前にもこの委員会で質疑をさせていただきましたけれども、このバター不足の問題について伺いたいと思います。
 資料をお配りしております。一枚目、これは日本農業新聞、五月二十四日のものでございます。バター不足解消と関係なしと規制会議が認めたという記事でございます。
 質問させていただきたいんですが、一問目ちょっと飛ばしていただいて、そもそもバター不足の原因というのは、指定団体制度ではなく、酪農関係者の様々な今の基盤が揺らいでいるところにあるのではないか。また、私も当初、農林水産省からそのような説明を受けたところでございました。
 ということで、大臣に端的に伺いたいんですけれども、山本農水大臣は、本法案による補給金制度の改革がバター不足を回収することに資するのか、それとも関係ないのか、規制改革推進会議におけるこのような決定過程をどのように考えておられるのか、併せて伺いたいと思います。
#115
○国務大臣(山本有二君) バター不足の解消につきまして、そもそも原料となる生乳生産量を確保する必要がありますために、畜産クラスター事業等により生乳生産基盤の確保、強化を推進することが大事でございます。また、暑熱対策、暑さに対する対策ですが、技術指導通知を発出し、適切な使用、管理の徹底を図り、畜産振興事業により暑熱ストレス軽減への支援を行っているところでもございます。
 また、国家貿易につきまして、輸入したバターの流通状況を把握するため、落札者に対し最終消費までの流通計画の提出を求め、その計画が不明確な場合は売渡しをしないなどの措置を実施することができることとしました。加えて、バター生産、流通等に係る関係者による情報交換会議を開催し、国家貿易による輸入予定数量を決定することなど、本法案に先立ちまして運用面の改善を図ってきたところでございます。
 さらに、この法案によりまして、バターを含む乳製品の需要見込みから乳製品向けに必要となる生乳供給数量を総交付対象数量として算出し、その情報を事業者に提供することで需給に応じた年間販売計画の作成を促すことができることとしました。
 また、これまで補給金をもらえないため飲用向け一辺倒だったものが、計画的にバター等の乳製品向けに販売する方向に誘導することができるというように考えておりまして、こうしたことによりまして総合的に対応できるという体制ができたというように考えているところでございます。
#116
○森ゆうこ君 端的に、この法案が改正されたら、この法律の改正によってバター不足は解消されるという御答弁でしたか、今のは。どちらですか。
#117
○国務大臣(山本有二君) 端的に短く言いますと、そのとおりでございます。
#118
○森ゆうこ君 本当ですか。ちゃんとその辺、根拠に乏しいと思いますけれども、また改めて伺いたいと思います。
 そもそも、平成二十七年の九月十一日に規制改革会議の農業ワーキング・グループが、バター不足問題を契機としてバターの需給に関する議論を開始、そして翌二十八年四月八日に規制改革会議は、指定団体を廃止し、補給金を含めた制度の制約をなくすこと、指定団体を通じた販売とそれ以外の販売とのイコールフッティングを図ることを提言いたしました。
 これに対して、このときには与党の方で相当反発をして若干直ったわけですけれども、また、先ほど藤木議員が御指摘をされましたように、与党の中での議論もなく、規制改革会議、規制改革推進会議が提言したものをそのまま丸のみするという、とんでもない政策決定が行われているわけですよ。政策の決定の仕方がおかしい。この国は法治国家であり、ここは国権の最高機関であります。農水委員会、そしてその前段として与党のそういう議論もなく、全く関係ない人たちの集まりである規制改革推進会議あるいは国家戦略特区で物事が決められていく、これが政策をねじ曲げているんですよ。
 それで、加計学園問題についてお聞きしますけれども、まず、三十年四月開学のスケジュール、これが唐突に出てきたということを先般指摘をいたしました。昨年十一月九日の国家戦略特区諮問会議でも出ていない話であります。そして、いきなり、パブコメをするときに三十年四月開学、これが前提になりました。このことによって、事実上、京都産業大学は手を挙げられなくなったわけですよ。加計学園しか残れない、加計学園しか手を挙げられないという話になったわけなんです。
 それで、この三十年四月開学のスケジュールはいつどこでどのように決まったのか、この間から聞いておりますけれども、明確な答えはありません。三十年四月開学のスケジュールは共有していたのではありませんか、当初から、内閣府。
#119
○政府参考人(佐々木基君) お答え申し上げます。
 まず、共同告示のパブリックコメントで平成三十年度開設と規定した理由でございますけれども、これは、いち早く具体的な事業を実現する、これは特区でございますので、いち早く具体的な事業を実現させまして効果を検証することが重要であるとの観点から、効果が発現することとなる開設の時期を共同告示に規定し、早期開設を制度上担保しようとしたためでございます。
 経緯を申し上げますと、昨年十一月九日の諮問会議で取りまとめた後、パブリックコメントを開始、これは昨年の十一月十八日でございましたが、これまでに、パブリックコメントの概要案に平成三十年度開設を盛り込むことにつきまして共同告示を共管する文科省と事務的に調整を行い、最終的に山本幸三大臣が御判断になったものでございます。農水省にも十一月二十一日にこの旨を通知しているところでございます。
#120
○森ゆうこ君 全く説明になっていませんけれども、今日の資料二枚目、実は先日もお配りしたんですが、これは質問できなかったんですけれども、これは、今治市には二つ会議が、この国家戦略特区に関する会議がありまして、どちらも非公開なんですが、さらに、完全な秘密会で議事録等も公開されない会議がございます。それが今治市国家戦略特区特別委員協議会というものでございます。その資料を情報公開請求で入手したものでございまして、これは昨年の四月二十一日、その今治市国家戦略特区特別委員協議会の資料でございます。
 これを御覧ください。右側は、例の成田で行われました国家戦略特区による医学部の新設、そのスケジュールでございます。そして、左側は大学獣医学部の設置に向けてのスケジュールでございます。最後、最速で平成三十年四月開学(予定)というふうになってあります。
 これは、内閣府が今治市に提示した資料ですよね。
#121
○政府参考人(佐々木基君) ただいま先生からお示しされた資料でございますけれども、我々内閣府といたしましては、今治市議会で配付された資料については承知しておりません。今治市議会で最速で平成三十年四月の開学といった説明がされていることについて、内閣府は関知する立場にございません。
#122
○森ゆうこ君 そうおっしゃいますけれども、ここまで詳しく、この霞が関での手続、しかも三府省にまたがる手続を今治市が勝手につくれるわけないんですよ。
 そして、私、この間、この紫の参議院の風呂敷包み持ってきたんだけれども、なかなかね。それで、私も、これも情報公開資料なんですが、これをなかなか詳しく精査する時間がなくて、でも、いいのあったんですよ。内閣府が今治市の担当者に送ったメールなんですけど、これは八月三日なんですね。これよりは後なんですけれども、タイトルは各事業のスケジュール表について、スケジュールの共有についてということなんです。
 中身詳しく述べると時間がありませんけれども、要は、内閣府側と特区の提案者側とでスケジュールを共有しておかないといろいろ問題が起きる、そして、事業実施間際に情報提供されることが多く、当事務局としても大変困っています、とある区域では大事故になりかけています、いや、大事故になっていますという、何か面白いメールなんですけど、そういうことで、スケジュールを共有しましょうということで内閣府から今治に対してお願いしているんですよね。
 そういうお願いをしていましたでしょう、内閣府。
#123
○政府参考人(佐々木基君) 先ほども御答弁申し上げましたけれども、そういったメールあるいは文書については一切我々は関知しておりません。
#124
○森ゆうこ君 ちょっとそれで佐々木事務局長に伺いたいんですけれども、国家戦略特区の提案者が首相官邸に行くことはあるんでしょうか。
#125
○政府参考人(佐々木基君) 私ども、承知しておりません。
#126
○森ゆうこ君 萩生田官房副長官、特区提案者が首相官邸に行ったことはありますか。首相官邸にいつもいらっしゃるでしょうから、そういうことがあったらお分かりだと思うんですけど、ありますか。
#127
○内閣官房副長官(萩生田光一君) 本件でその関係者が官邸にお見えになったという事実関係、私は承知していません。
#128
○森ゆうこ君 この紫の包みがいろいろなのが次々に出てくるんですけど、先ほどちょっと私、面白いのを見付けたんですよ。これは今治市の、これ稟議書、これが行政ですよ。皆さん、内閣府も文科省も農水省も、この問題に関する稟議書もなければ意思決定をした決裁文書がないとずっと答えていて、そんなの行政かというふうにずっと言ってきたんですけれども、今治市はさすがに稟議書はありました。
 それで、ここに平成二十七年四月二日、どういう時期かといいますと、平成二十七年の六月五日までに特区の申請をしなきゃいけなくて、六月四日ぎりぎりに、締切りの日と言ったらいいのかな、今治市が改めて、それまでは構造改革特区に提案していたんですが、改めて国家戦略特区にこの獣医学部の新設を提案したと、その直前なんです。ちょっとこれ、いろいろ資料見ますと、相当何回もあの内閣府に呼ばれて、今治と内閣府が何回も打合せをしているという、それもありますが、私が今さっき見付けたのはそうではなくて、平成二十七年四月二日木曜日、十一時半から十二時半まで、平河町、都道府県会館東京事務所にまず今治市の役所の人たちが行って、その次に、永田町一丁目六の一、内閣府に十三時から十四時まで行っているんですね。
 そして、追加の日程がありました。それは、四月二日に急遽言われて日程が追加され、そしてこの後ろに、その急遽された日程のための航空券のキャンセルのことまで全部書類が添付されているんですね。どこへ行ったかといいますと、平成二十七年四月二日木曜日十五時から十六時三十分、獣医師養成系大学の設置に関する協議、その下、参加者が黒塗りされていて残念なんですけれども、場所、東京都千代田区永田町一丁目六の一、首相官邸です、首相官邸です。
 萩生田官房副長官、今治市、この獣医学部のことについて首相官邸に行ったこと、あるんじゃないんですか。
#129
○内閣官房副長官(萩生田光一君) 私が承知している限りでは今治市の関係者の方と接触したこと、官邸内ではございませんので、分かりません。
#130
○森ゆうこ君 それで、先ほど、昨年、ああ、二年前ですね、二〇一五年四月二日の首相動静、ちょっと取り寄せましたところ、ちょうどその時間帯は、総理は朝からずっと官邸にいらっしゃいました。そして次々に訪問者がいるんですけれども、三時五分、午後、十五時五分は河村建夫自民党衆議院議員、御存じのように河村さんは文教族と言ったらいいのかな、で、三十五分、下村博文文部科学大臣、山中伸一文部科学事務次官。ちょうどその時間帯に文科関係の方たちが首相官邸に行っている、そして今治の関係者も急に呼ばれて首相官邸に行った。
 義家副大臣、このことは御存じでしたか。
#131
○副大臣(義家弘介君) それは存じ上げておりませんが、例えば官邸で行う教育再生実行会議等々の前には、大臣、次官、同席で様々な話をしているので、定期的にそういうことはあるというふうに認識しております。
#132
○森ゆうこ君 調べていただきたいと思いますし、常盤局長、山中さんが事務次官だったときに局長はどういう立場だったか分からないんですけれども、首相官邸に呼ばれて、そして今治の関係者が来て、国家戦略特区、いよいよ今度は国家戦略特区で獣医学部の新設を提案するからよろしくというようなお話があったということを、下村大臣あるいは山中当時の事務次官から、帰ってきてからお話がありましたか。
#133
○政府参考人(常盤豊君) 承知しておりません。
#134
○森ゆうこ君 内閣府副大臣はいかがでしょうか。
#135
○副大臣(松本洋平君) そういった話は承知しておりません。
#136
○森ゆうこ君 ここに、一方の当事者である今治市のきちっとした行政文書がここにあるわけです。情報公開請求によって得たものでございます。まだ私、全部点検できておりません。これ、さすがに、役所にあるいろんな部署に頼むんだけど、なかなか手伝ってもらえないので、自分で順番にチェックしていくしかないんですけれども、これは明らかに、当初の行程に加え、十五時から首相官邸に来なさい、ここは黒塗りなんですけど、が四月一日に急遽決まったため、復路便を十七時十五分発から十九時十五分発に変更するものであるというふうになっているわけでございます。用務は獣医学養成系大学の設置に関する協議ということです。
 ここに動かぬ証拠があるんですから、二〇一五年四月二日に首相官邸で、首相官邸ですよ、総理がいたときですよ、今治の関係者が獣医学部新設の協議に行っております。首相に直接お話ししたんじゃないんですか。どうなんですか。各省とも調べていただけると約束していただけますか。文科省、どうですか。
#137
○副大臣(義家弘介君) 持ち帰って検討いたします。
#138
○森ゆうこ君 萩生田官房副長官、いかがですか。
#139
○内閣官房副長官(萩生田光一君) 二〇一五年、私まだ副長官じゃなかったんですけど、しかしながら、そういう御指摘でしたら持ち帰って検討したいと思います。
#140
○森ゆうこ君 農水省は何かこの件には余り関係ないですけれども、いずれにせよ、決裁文書がない、関係の議事録、メモ等もないというふうにずっと答えているんですけど、それじゃこの問題全然明らかになりませんよ。政策の決定の手順がおかしいと言っているわけですよ。他者を排除して、もっといい提案したところを排除して、加計学園しか手を挙げられないようにしたんですよ。
#141
○委員長(渡辺猛之君) 時間が参りましたので、質疑をおまとめください。
#142
○森ゆうこ君 大臣に一言だけお願いします。この問題をきちっと解明してください。獣医師の養成に関しては、獣医師の需給そして獣医療提供体制に関しては農水省が責任あるんですから。きちっと閣内で総理にも提案して、文書を全部出す、調査すべきは調査すると約束していただきたい。一言お願いします。
#143
○委員長(渡辺猛之君) 簡潔にお願いいたします。
#144
○国務大臣(山本有二君) 獣医療法、獣医師法に基づきまして責任を果たしていきたいと思っております。
#145
○委員長(渡辺猛之君) 以上で森ゆうこ君の質疑は終了いたしました。
 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時四十六分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
#146
○委員長(渡辺猛之君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、矢田わか子君が委員を辞任され、その補欠として櫻井充君が選任されました。
    ─────────────
#147
○委員長(渡辺猛之君) 休憩前に引き続き、畜産経営の安定に関する法律及び独立行政法人農畜産業振興機構法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、参考人として前北海道農政部長土屋俊亮君、日本大学生物資源科学部教授小林信一君及び農民運動北海道連合会副委員長石沢元勝君に御出席いただいております。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございました。
 ただいま議題となっております法律案につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見を賜りたいと存じますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 本日の議事の進め方について御説明いたします。
 まず、土屋参考人、小林参考人、石沢参考人の順序でお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答え願いたいと存じます。
 なお、意見の陳述、質疑及び答弁のいずれも着席のままで結構でございますが、御発言の際は、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、土屋参考人からお願いいたします。土屋参考人。
#148
○参考人(土屋俊亮君) 土屋でございます。
 私、北海道庁で長く農政に携わりまして、この三月末まで農政部長として酪農、畜産に携わってまいりました。昨年来、国におきまして生乳流通に関する議論がなされてまいりましたことから、北海道庁といたしまして道内の関係の皆様の御意見も伺いながら国に要請等を行ってまいりましたけれども、本日は、そうした要請も踏まえまして、この度の改正案に対する意見を申し上げます。
 資料を用意してございますけれども、まず、現行制度に対します基本的な認識についてでございますけれども、御承知のとおり、この制度は、輸送コストの削減とか条件不利地域の集乳、あるいは乳価交渉力の確保、飲用向けと乳製品向けの調整といった機能を発揮してございます。
 北海道では、東側の釧路や根室あるいは北部の稚内などでは冷涼な気候で、米はもとより畑作物も栽培はできないわけでございますけれども、一方で、草やデントコーン、飼料作物は作付けが可能ということで、道東あるいは道北など条件不利な地域を主体に全道で酪農が営まれております。その酪農は現行制度が発揮しておりますこうした機能を通じて健全な発展を遂げておりまして、全国の皆様に品質の高い乳製品を安定供給しているところでございます。
 そうした中、北海道の農業の粗生産額は平成二十七年で約一兆二千億円ございますけれども、都道府県別では第一位ですが、中でも酪農の産出額はその北海道の農業全体の約四割を占めてございます。部門別の首位でございます。また、生乳の生産量も国内の五三%を担っておりまして、年々そのシェアは高くなってございますけれども、その加工を行うために乳業の大手四社だけで道内に二十一の工場が立地してございます。
 また、酪農は、そうした乳業のほかに餌の製造販売、あるいは畜舎や搾乳機などの機械施設、さらには輸送など裾野の広い関連産業を持っておりまして、雇用や経済も含めて、北海道にあって酪農はまさしく地域そして人を支える北海道の基幹産業であるということでございます。
 そのために、この度の畜安法の改正に当たりましては、その酪農を基幹産業たらしめております現行のこうした機能というのが引き続き適正に発揮されておりまして、今後とも地域と人を守るものとしていくということが大事であるというふうに考えてございます。
 次に、具体的な意見としまして、まずお手元の資料の@でございますけれども、私が大学を卒業して畜産職という職種で北海道庁に入りましたけれども、それは一九八〇年、昭和五十五年でございました。当時は、昭和四十一年に施行されたいわゆる暫定措置法に基づく不足払い制度が講じられてから十数年が経過して、その前の時代を知る職場の先輩とか地域の酪農家の方々からお話をお聞きすると、一昔前までは乳業による酪農家の獲得競争、あるいは囲い込んだ酪農家に対して今度は乳価を値切りするとか、地域も含めた混乱が続いて大変だったんだわとよく聞かされたものでございます。このことは、ある乳業会社が取りまとめた「酪農風雲録」という本があるんですけれども、そこで北海道編、府県編ということで、国を取り合うまるで戦国時代のような様子というのが生々しく記されてございます。
 こうした混乱の経験を経て、多くの先人の皆様が御苦労されて、暫定措置法に基づいて指定団体制度というのが創設されたわけでございますが、制度の果たす機能の発揮ということで、酪農の発展、そして乳製品の安定供給が図られてきた。特に、前段申し上げた北海道にあっては酪農が大きな産業に成長したということでございます。
 こうした措置が、この度、暫定措置と名の付く法律から畜産物の需給、そして経営安定を目的とする畜安法に恒久的制度として位置付けられるということは、まずもって私ども評価をしたいというふうに考えてございます。
 一方で、今回の改正には、生産現場から、生乳需給への影響とか、正直者が損するような不公平な仕組みにならないのかというような不安や懸念の声も多くあるというのも事実でございます。ここを踏まえて整理していかなくちゃいけないということで、各論について意見を述べさせていただきます。
 まず、Aについてでございますが、今回の法案では、補給金の交付を受ける基準として、年間を通じた用途別の需要に基づく安定取引であるかどうかを国が確認するとしております。生乳の生産量については、猛暑になれば落ちる一方で、飲用の需要は逆に上がるといった気象条件による変動、そればかりではなく、夏休みとかゴールデンウイークあるいは年末年始には、飲用需要の約一割を占めております学校給食がなくなります。そういうことで、生乳需給というのは常に変動いたします。また、最近では、年末年始のテレビ番組が飲用乳の効果というのを放映したらば、飲用乳の急激な需要増加もあったところでございます。
 そういう中で、新制度の確認に当たりましては、飲用の不需要期に余った生乳を加工用に処理するといったような場当たり的な対応を排除していくためにも、できればゴールデンウイークとか年末年始とかということで、月ごとというよりは月の旬別、上旬とか中旬とかということで、そこの計画及び実績を確認してはどうかというふうに考えてございます。
 また、その際、計画と実績についてぴったりという形にはならないでしょうから、その差の許容範囲、アローアンスについては、補助金の適化法上の計画変更の基準値などを参考にしながら基準を設定した上で確認し、無責任な計画は認めることのないように、また、場当たり的な生産の実績には補給金が交付されることのないような条件付け、それを国でしっかり対応していただきたいというふうに考えてございます。
 さらに、一般的な補助金と同様に、仮に不適正な受給が発覚した場合、それについては補助金を戻すというだけじゃなくて、発覚後の一定期間についてはその事業者について補給金の対象にはしないといった措置も講ずるべきだというふうに考えています。
 また、こういった確認に伴いまして国の事務というのも増えてくるんだと思います。どうも現在もALICを通じながら受託等をしている部分がございますけれども、それに係る受託の予算とか人の対応等含めて、国にしっかり対応していただきたいというふうに考えてございます。
 Bについてでございます。生乳の取引というのは民間対民間の契約ということで、酪農家と取引の相手、そして両者の合意が最優先されるというふうに理解をしてございまして、全量無条件委託であっても部分委託であっても、両者が合意をすれば問題ないものと思ってございます。
 ただ、生乳は、栄養豊富であり腐りやすいとか、商品化するためには必ず乳業工場等で加工される必要があるとか、そういった特性がございますことから、基本的には全量無条件委託とした方が効率的ではありますけれども、一方で、酪農家の選択肢を増やすというところは所得の向上につながる可能性もあろうかというふうに思ってございます。
 例えば、ほかの農産物、米なんかでは、何割を農協に出荷する、残りの何割については自ら消費者の方々に直接販売をする、そして何割を外食等に販売するというような形で、農家あるいは地域ぐるみで、その御意思に基づいて出荷、販売が行われてございます。そして、それぞれの取引相手と関係構築をしながら、そこを切磋琢磨しているわけでございますけれども、酪農の世界でもそうした緊張感も持ちながら切磋琢磨できる環境を用意してよいというふうに思ってございます。
 ただ、その際、二ページ目になりますけれども、いわゆるいいとこ取りを排除するために、指定団体等が取引を拒否できる場合の規定、今農水省の方でも五つほど条件等を考えられているというふうに聞いてございますけれども、例えば酪農家と農協など、取引相手の契約に際してその判断というのが人によってぶれることのないように、具体的な例えば受託規程とかあるいは契約を例示したような事例集というようなことを作成、配布するなどして丁寧な対応をすべきというふうに考えています。
 また、酪農家と取引相手の契約については、場当たり的な対応を防ぐためにも、少なくてもやっぱり基本は一年以上、年間契約という形で、事業者の方々が計画実績を判断する以上、一年以上あるいは米等で見られるような複数年契約というものも必要なのかなというふうに考えてございます。
 なお、北海道の現行の指定団体、まあテレビ番組でも取り上げられたこともございますけれども、ただ、全ての酪農家の方々に詳細な指定団体情報を毎月配布したり、プール乳価の下でも、例えば乳脂肪など固形成分が高い生乳とか、体細胞、細菌数が低い衛生的な生乳等は高い値段を設定するということで、プール乳価でも上下比べるとキログラム当たり十円以上の差があるということで、農家の方々の経営改善努力、乳質改善努力を促すような仕組みになってございます。また、乳量に対しては、高値販売をしていく努力とか自ら手数料の低減をしていくというような努力を続けております。
 しかしながら、一方で、最近、団体がそういった詳細な情報を毎月送っても、受け手の酪農家側が、えっ、そんなの知らなかったというようなこと含めてそういった事案も発生をして、それが問題になったということもございました。改めてコミュニケーションの大切さというのが課題になってございます。私としては、酪農家の皆さんとの、団体との不断の対話など、指定団体として努力を積み重ねていく、また、団体としての力を最大限発揮をして、酪農家にそれをメリットとして還元していくということで、今は全量無条件委託というのは制度をもって酪農家に義務付けているわけですけれども、そうではなくて、選択権を持った酪農家が自らの意思であんたのところにやるということを選ばれるということを期待しておりまして、また、そうしたことはそうした努力を積み重ねるということで必ずできるんではないかというふうに信じてございます。
 また、同様の努力の積み重ねということで、各府県にあっては、県ごとの歴史的な経過もございましょうが、多層構造の解消あるいは効率化の進展ということで、将来的には、現行全国で今十あるわけでございますけれども、更なる広域化ということにつながっていくことを併せて期待しております。
 さらに、ちょっと資料には書きませんでしたけれども、現行の暫定措置法では、生産者の積立金契約を結んだということが補給金の受給条件になってございます。その発動が平成十六、十七、十八と三か年間ございましたが、それは乳価が下がったときなんですけれども、最近ではここ十年以上発動してございません。これが、今回の法案では触れてございませんけれども、需給が緩んで価格低下になった場合のセーフティーネットとして、この取扱いというのは今回の改正法には書いていませんけれども、早く整理していく必要があるというふうに考えてございます。
 それから、Cでございます。集送乳調整金ですが、今回の改正法では二段階となります補助金のうち、集送乳調整金に関しては、業務を適正かつ確実に実施できる、あるいは定款等で一部地域の酪農家からあまねく集乳を行う旨が記載されている者のみに交付されるとなってございます。
 北海道では、道東とか道北、酪農の盛んな地域では消費地から遠いわけでございますけれども、新たな制度がより良いものになるためには、そういった地域からもあまねく集乳するということが、定款等で確認するのみならず、遠隔地とか例えば小規模な酪農家に対しては、不当に安い乳価を提示をしたり貯乳タンクなど新たな設備投資を条件とするなどして、定款ではちゃんとやるよと書いていても実質的には農家の方から断らせるような、そんな形でやる者は指定されないような仕組みの整理というのが必要じゃないかと思ってございます。
 また、あまねく集乳ができる能力あるいは実行力ということで、例えば十分なローリーを所持しているとか、運送業者との契約を結んでいるかなど、業務を適正かつ円滑、確実に実施できる者のみが指定されるような整理を併せてお願いしたいというふうに考えてございます。
 以上が大きな点ですが、最後にそのほか三つ申し上げます。
 昨年十一月の農業競争力強化プログラムにおきましては、公取は、不当廉売など不公正取引について徹底した監視を行うとございます。
 今回の改正には、牛乳を廉価販売することで生乳を処理していたものをなるたけ乳製品向けにするというようなことの意図があると思いますし、指定団体あるいは乳業が切磋琢磨できるような環境を維持するように、公取には量販店等への適切な対応をお願いしたいというふうに考えてございます。
 また、北海道は昨年夏、三つの台風が直撃をいたしました。また、その直後の四つ目の台風十号については、直撃はしませんでしたけれども、北海道の南側をかすめて河川の氾濫あるいは農地の流亡など、全道で甚大な被害が生じました。この被害は飼料作物にも及びまして、その収量、品質低下などから、それまで順調に回復していた生乳生産、これも去年の八月以降停滞をして今に至っております。
 こうした中、現在、関係者一丸となって復旧復興に努力しておりますが、搾乳ロボットの導入とか放牧酪農の推進あるいは草地の植生の改善そして乳牛の長命連産化ということで、そうした低コスト化、生産性の向上にも努力しているところでございます。
 今、TPP11なども検討されている中で、産地の努力の後押しのためにも、いわゆる畜産クラスター事業とか酪農の働き方改革予算そして草地の基盤整備など、生産基盤の強化に向けた力強い施策をお願いしたいというふうに考えてございます。
 最後でありますが、改正法が成立した場合についてその施行期日は来年の四月一日を予定しているというふうに聞いてございますが、施行まで時間が限られるという中で、酪農家の皆さん、取引相手と契約する必要がございます。このため、国におかれましては、成立した場合には、全国の各地域で関係者への説明会を開催する、あるいは先ほど申し上げた具体的な事例集などを作成、配布などしていただくことで現場の不安そして懸念を払拭をして、生産者の皆さんが、よし、あしたに向けて頑張っていこうというような形で意欲の向上につながる丁寧な対応をよろしくお願いをし、私からの意見とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#149
○委員長(渡辺猛之君) ありがとうございました。
 次に、小林参考人にお願いいたします。小林参考人。
#150
○参考人(小林信一君) ただいま御紹介いただきました日本大学の小林と申します。
 私は、資料として二つ配付させていただきました。一枚は畜産経営安定法等の一部改訂に関する意見というA4判のものと、それから日本酪農危機打開のための緊急提言という全国酪農協会が発行した、平成二十五年八月に発行したものです。
 これについてちょっと一言御説明いたしますと、私たち、そうですね、この十年ぐらいにわたって酪農が非常に危機であると、特に生産基盤が非常に脆弱化しているということ、特に都府県においてはそうだということで、これは何とかしなければいけないということで、酪農家あるいは酪農団体の力、自らの力として、そして行政なりの力をお願いしてということで緊急あるいは提言を三回にわたって行ってきました。これの第三次提言というものを今回皆様のお手元に配付させていただきました。
 これは、後で時間があれば少し詳しくお話しさせていただきたいと思うんですけれども、一つは、農地の荒廃を食い止め、そして自給飼料に基づいた足腰のしっかりした酪農経営を展開するために農地に対する直接支払、農地を活用している酪農家に対しては直接支払というものをしたらいいんではないかという提案、それから、セーフティーネットとしての一種の酪農版マルキンといったものを導入されたらどうなのかといったこと、その辺が中心的な提案ということになっております。
 そうした我々の提案ということから見ますと、今回の畜産経営安定法等の一部改定につきまして、暫定措置法を恒久法にするというようなこと、あるいは、その内容は別にして、名称が畜産経営安定法というのはすばらしいと思うんですが、その内容がやはり我々が求めたものとかなり違っていたということで非常に残念に思っております。特に、私が今回の改定案で問題としたい点は二つあります。このA4のレジュメに書いてあるとおりですけれども、一つは脆弱化が進行している酪農生産基盤、特に都府県酪農を維持発展させるという内容になっていないのではないかというのが一点です。二番目は、指定生乳生産者団体による一元集荷多元販売体制を壊す、そういう可能性があるということが問題ではないかという、二つについて指摘させていただきたいと思います。
 五十年前にできましたいわゆる不足払い法、それの制度の三本柱は、私はこういうふうに考えております。一つは、加工原料乳地帯の生産者の所得補填と乳業者への安価な基準乳価での売渡しによる適正な利益の確保、その差額を国が不足払いとして支払うということ。二番目は、国による需給調整ですね。当時は輸入を抑えるですとか、あるいは輸入を促進するというようなことでございましたけれども。それから三点目は、指定生乳生産者団体の設立による一元集荷多元販売体制の確立と、それによる生産者の乳価交渉力の強化といったことがあったと思います。
 ところが、これまで、例えば平成十二年に行われた酪農・乳業対策大綱の中での制度変更などで、既に一、二、つまり、不足払い、実質的な不足払い、それから二番目の国による需給調整というのは既に機能として失われてしまっていたと。その結果、いわゆる無理な生産者による自主的な生産調整、あるいは平成二十年前後の飼料価格高騰などによる酪農所得急減によって酪農生産基盤は脆弱化してしまったというふうに言えると思います。平成二十一年の国の白書では、酪農家の一時間当たり所得が僅か七百六十六円、これは学生のアルバイトよりも安いというふうな賃金になってしまったということ。これでは生産者が安心して、あるいは後継者が安心して継ぐというふうにはならない、そして一回やめてしまったら、それを再開するというのは非常に難しいという状況、そういうことが、これまで乳牛頭数が減少し、そして酪農家戸数がどんどん減っていく、そういった原因であったのではないかというふうに私は考えております。
 今回の畜安法改正によって、不足払い法の言わば最後の柱である指定生乳生産者団体による一元集荷多元販売体制が崩壊する可能性があると、これを非常に恐れております。その結果、五十年前の不足払い制度以前の乳価の乱高下時代に戻るということもあるのではないかというふうに思っております。
 第一に、今回の改定案は、繰り返しですけれども、脆弱化する酪農生産基盤、特に都府県酪農を強化、発展する内容になっていない、むしろ家族酪農を中心とする生産基盤を壊すおそれがあるのではないかと。
 一つは、今回も補給金は加工原料乳にのみで、飲用乳は対象にされておりません。つまり、ほとんどを飲用乳として出荷している都府県酪農にとっては全くメリットがないということではないかと思います。つまり、都府県酪農にとってのセーフティーネットにはならないというのが一つあります。
 二番目は、補給金は加工原料乳全てが対象になるということで一歩前進というふうに見えるんですが、この結果、国がこれまで強く推進してきた国産チーズの生産というのが頓挫するというおそれがあるのではないかと。多くは御説明しませんが、チーズ乳価というのが別にあって安く購入できたということですが、それができなくなるということで、逆にチーズ生産というのが頓挫するのではないかと。メーカー、四大メーカーは多額の投資をして一生懸命今やっていった、それが言わば一種の朝令暮改といったようなことでやめてしまうというのはいかがなものかというふうに思います。法案の目的の一つとして、乳製品に生乳を仕向けやすくするということがあったんですけれども、これでは全く反対の結果を生むのではないかというふうに考えております。
 三番目は、補給金の算定方法は今後省令などで決めるというふうになっているようですけれども、従来の固定的な支払のままであれば所得補償機能は小さいというふうに思います。実際に、先ほど指摘しましたように、平成二十年前後の餌高のときや乳価の低迷が再び起きたということであれば、再度また酪農所得が七百六十六円といったようなところに急激に減少してしまうということも起こり得るのではないかということです。
 二点目は、今回の改定案によって指定生乳生産者団体が弱体化するということで、一元集荷多元販売体制が崩壊し、結果として生乳の流通とかあるいは需給調整に混乱を来して乳価が乱高下するおそれがあるのではないかということです。
 二ページ目ですけれども、かつての暫定措置法の中では指定団体というものが定義されていて、その要件として、地域の販売乳量の相当量、実質的には五割以上というふうになっておりますが、そういうものを販売している者が指定団体というふうに指定されるわけですけれども、今回の法の中ではその要件がなくなります。国のお墨付きがなくなるということでありまして、その結果、生産者の結集力が弱まり、生産者の乳価交渉力が低下する、あるいは、現在でも格段の力の差があるメーカーや量販店の優越的な地位が更に強まって、生産者が不利な立場に追いやられるということで、更に生産基盤が弱体化するのではないかということを非常に危惧しております。
 二番目については、問題となっている部分委託についてでありますけれども、いいとこ取りをさせないようにするということでありますけれども、例えば、ある生産者が一定部分を飲用向けに指定団体以外に出荷し、それ以外の生乳を年間を通して一定割合を指定団体に出荷すれば、その分は指定団体からプール乳価で受け取ることができます。しかし、その生産者は指定団体に全量を委託販売している他の生産者の一種の犠牲の上に立って高い乳価を享受するというわけで、指定団体の競争力や収益性は低下してしまうのではないかと、その結果、指定団体への結集力は確実に弱まるというふうに思っております。
 この点につきましては、生産者の販売に対する自由度が高まるというふうなことが言われているんですが、現在でも部分委託というのが例外的に一日三トンであれば認められております。三トンというのは年間にすると一千トンでありますから一種のメガファームで、日本の平均乳量四百トンに比べると非常に多い量でありまして、実質的に今それを利用している方が約三百件弱、二百八十四ですか、あるというふうに聞いております。そのうち、自家製造販売されている方が一番多い、次には乳業者へ直接販売している、そしてプレミアムで取引をしているというふうなことでありますが、その全てがその三トン、全く到達していないという状況ですので、柔軟化するといってもその三トン要件を何とかするというふうなことで十分対応できるのではないかというふうに思います。
 五月二十五日の衆議院の農水委員会の中での質疑応答の中で、山本大臣は、今後も全量委託というのが軸である、部分委託はあくまでも例外だというふうに述べられたというふうに聞いております。であれば、なぜあえてこの法律の中でこれを自由化するというふうな形にする必要があるのかどうかと、これ非常によく分かりません。従来のままで全く問題がないんではないかというふうに思います。
 三番目は、国は需給調整を責任を持って行うというふうに言っているんですが、具体的にどういうふうに行うのか、やはりなかなか明確になっておりません。日々の需給調整まで国が責任を持って行えるのか。これは、今はその指定団体がやっておる機能でありますけれども、その指定団体が弱くなる、競争にさらされるということになると、そこが本当にできるのかどうかということで。
 また、畜安法に規定されている価格安定措置等は、まあ旧畜安法で規定されている価格安定措置は廃止して機構法で対処するということですけれども、本当に実効のある対応ができるのか。発動要件の明確化ということも言われているんですが、これについてどうもはっきりとした答弁がないということが我々にとって非常に不安な面であります。アメリカは二〇一四年の農業法で所得補償的な要素を入れ、乳価もきちっと国が決め、さらに余乳については国が買い入れるというような制度をきっちりつくっております。保護は少ないというふうに言われているかどうか分かりませんけれども、アメリカが日本に数倍上回るようなそうしたセーフティーネットをつくっているということに対して、日本は余りにも裸になってしまうのではないかというふうに思います。
 今回の改定内容は、規制改革会議、推進会議の答申に沿ったものということで、答申では酪農所得を向上するということが目的としてうたわれているんですが、その道筋は全く見えてきません。むしろ、生産者団体の力を弱めるということで、酪農所得の低下ですとか変動を大きくし、結果として家族経営を中心とする酪農経営を更に窮地に追い込むということになるのではないかと。
 私は、今回は北海道の参考人多うございますけれども、北海道が中心になるということは否定しませんし、そうだと思いますが、ただ、酪農は全国津々浦々に家族経営があるということが北海道の酪農にとっても非常に重要であると。じゃ、都府県の家族酪農をどういうふうに存続するのかということを是非考えていただきたいというふうに思います。
 もう時間がなくなりましたけれども、最後に、この提言の中で述べている酪農マルキンの導入、あるいは農地に対する直接支払問題等について是非今後も御検討いただきたいということと、それから、先ほど土屋参考人がおっしゃったように、自由化するのであれば、十に分かれている指定団体というものがもっと広域的に、一つか二つか三つか分かりませんけれども、それが一緒になるということについて、ややもすると、これまでは公取の問題があるというふうなことも言われているんですが、そうじゃない、それは自由だということを明確にしていただきたいということがございます。
 大体時間になりましたので、私からの意見開陳とさせていただきます。ありがとうございました。
#151
○委員長(渡辺猛之君) ありがとうございました。
 次に、石沢参考人にお願いいたします。石沢参考人。
#152
○参考人(石沢元勝君) 私は、北海道東部、厚岸町で酪農をしています石沢元勝といいます。
 一九七一年に親の後を継ぎました。現在は、妻と息子夫婦の四人で牛を飼い、牛乳を出荷して生計を立てています。酪農歴は四十六年です。
 私が酪農を営む根室、釧路地域、いわゆる根釧地域は、北海道の東部の中でもとりわけ農業をやるには厳しい自然条件の地域であります。冬は半年間の土壌凍結があり、夏の気温は上がらず、曇りや雨の日が多い、日照時間も大変短く、したがって、畑作ができる地域は限られています。十勝や北見のようなわけにはいきません。取れるものは草しかないということで、草を育て、その草で牛を飼い、牛乳を搾るという酪農が発展をしてきました。国も、根釧パイロットファーム事業や新酪農村事業など大きな補助事業を国策として進めてきた地域であります。
 私が就農する五年前、一九六六年、昭和四十一年ですが、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法、いわゆる不足払い法ができています。
 さて、この度の畜安法改定法案ですが、これまでの指定生乳生産者団体、いわゆる指定団体以外の販売事業者にも補給金を支給するということです。このことにはとても不安を感じています。周りでも、一体どうなるんだろう、そういう声を聞きます。
 私は、この制度は基本的には大変いい仕組みだと思っています。一つは、一元集荷多元販売、北海道全域の牛乳のほとんど全量を、北海道の指定団体はホクレンですが、ホクレンが一手に全て集める、それを希望する乳業メーカーに届けるということです。
 私のところには運送業者のミルクローリーが朝七時半に集荷に来ます。バルククーラーで三度まで冷やした牛乳を吸い取り、乳製品工場まで届けてくれます。生もので保存が利かない生乳を最も近い工場に届けます。根釧には幾つかの乳業メーカーの乳製品工場がたくさんあります。私の生乳がどこに行くのかは私は分かりません。これが一元集荷多元販売です。このことはメーカーとの価格交渉でも有利に働くと思っています。
 指定団体のもう一つの柱はプール乳価です。御承知のとおり、用途別乳価といって生乳には幾つもの価格があります。飲用乳は百十七円ですが、バターや脱脂粉乳は七十五円というふうに細かく分かれております。様々な乳代を全部一つの財布に入れる、ここから乳製品工場まで運ぶ送乳運賃を始めとした共計経費を差し引いて、残りを全部の乳量で割って単価を決めて支払うという仕組みです。
 飲用に使われる牛乳は百十七円で売れるが、加工用原料乳は安くしか売れない。それをプールして支払う。国から交付される補給金、今年はキログラム当たり十円五十六銭ですが、支払われる実質単価は八円十銭と下がります。その精算の内容は指定団体情報として、これですが、毎月酪農家に知らされます。中は、その月の、メーカーにどのくらいの量を売ったか、これは三月分ですが、四月に発行されたものですが、十七社に、用途別に量、全部明細書かれています。そして、それを計算して単価は幾らになるのか、共計経費が幾らかということも含めてガラス張りで明らかにしています。これが生産者に配られる、毎月きちんと配られています。
 以上のように、これまでの指定団体制度によって私どもの酪農経営が行われてきたのですが、この度の畜安法改定法案によってどうなるのでしょう。法改定によって私たちの経営がどう改善されるのか、さっぱり分かりません。
 第一に、酪農家の所得向上にはならないと思います。説明によれば、酪農家の選択肢を増やして自由に生乳を販売できれば有利な価格を得ることができるとされています。指定団体を通さないで全てを飲用向けに出荷すれば、我々が受けているプール乳価よりは当然多い乳代を受け取ることができるでしょう。
 昨年から、私たちの釧路や根室地域でもMMJという群馬県にある会社に出荷する酪農家が出てきています。昨日の新聞では、釧路地域でまた一戸MMJに出荷する農家が出たようです。しかし、みんながMMJのような会社に出荷できるのでしょうか。出荷したらどうなるのかという問題が出てきます。そもそも、飲用乳の需要はMMJに出荷した分が増えるわけではないと思います。はみ出した飲用乳はほかの加工用の用途に向けざるを得ないんじゃないでしょうか。結果として指定団体を通した人の受取乳代の低下となるでしょう。一部の人の所得は増えるけれど、他の人は減ることになるでしょう。第二ホクレン、第三ホクレンができるだけで、酪農家の収入や所得が増加することにはならないと思います。
 第二に、指定団体が担ってきた需給調整機能はどうなるのか。かつては牛乳が過剰で売れないとして、牛乳を捨てたり、食紅を入れたり、いわゆる赤い牛乳ですね、酪農家や農協職員、役場の職員でバターの買取りも行ってきました。牛の頭数を減らすとして、元気な乳牛を屠殺処分することもありました。保存の利くバターや脱脂粉乳は不十分ながらも需給調整の役割を果たし、その調整を指定団体が行ってきたと思います。当時は、畜産事業団、畜産振興事業団ですが、調整保管の機能を持っていたにもかかわらず、ほとんどその機能を果たしたことはなく、生産者と指定団体がその任を果たしてきました。需給調整機能をなくして需要だけに任せてしまうことに非常に危険性を感じていることを申し上げて、私の意見といたします。
#153
○委員長(渡辺猛之君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#154
○藤木眞也君 ありがとうございます。
 三人の参考人の方、貴重な御意見をいただきましてありがとうございました。三人の参考人の方々も共通して、やはり今回のこの畜安法、これに対しては心配だという点、また、非常に不思議に思われている点があったなというふうに思います。
 私も、熊本県の熊本乳牛農協という専門農協に所属をしております。おやじの代は搾乳をしておりましたけれども、このやはり生産調整が始まった段階で、水田酪農では今後の規模拡大が厳しいという判断の中で肥育に転向をしていった農家でありますが、まだその当時の二十八万キロという乳量枠を維持したままの休業状態の農家であります。たまたま乳牛農協にいたがために、酪農家の皆さん方のホルスタインであったりホル・黒のF1であったりという子牛が容易に取得できた関係で肥育に転向をしていったわけですが、やはり一緒に皆さん方とこれまで経営をする中で、本当に酪農家の皆さん方が苦労をして我慢をしてこの指定団体の中で現在の経営まで頑張ってこられたという気持ちを持っております。
 そういったところで、今回突如として、バター不足、これに端を発して指定団体が悪いんだというような何か違った目的からこのような法律改正になってきたわけですけれども、三人の参考人の方々それぞれに心配があるというようなお話でありました。今回の畜安法の中で、それぞれの参考人の方、ここが最も大事なところだと、心配の一番、最も大きいところだという点をお聞かせいただければというふうに思います。
#155
○委員長(渡辺猛之君) それでは、順次、土屋参考人からお伺いしていきたいと思います。土屋参考人。
#156
○参考人(土屋俊亮君) 需給調整がうまくいくかということで、そこがうまくいかないと飲用も含めて価格が低下する可能性があるということで、そこのところは今回、国が計画、そして実績をチェックするというような形になってございますけれども、一元集荷多元販売を行っている十の指定団体のほかに、ほかのところがどの程度のシェアになっていくのかということで、そこのところがシェアの取り方によって違ってくると思いますけれども、そことそこの、仮に乳価全体が需給がうまくいかなくなったときに低下した場合、今は足りないから結構高くなっていますけれども、そこのところが、仮に余ってしまったときのそのセーフティーネットの構築をどうするのかというところが一番心配なところだと思ってございます。
#157
○委員長(渡辺猛之君) 続いて、じゃ、小林参考人、お願いいたします。
#158
○参考人(小林信一君) 先ほども述べましたとおり、指定団体制度が崩壊するというおそれがあるということで、個々の生産者がばらばらにされてしまうと、そのことによってより生産にとって不利な状況が現出する、結果としては酪農がどんどん消えていくというような状況になるということで、この法案というのは、我々が望んでいたことと全く逆というか、現状を良くするんじゃなくて悪くするという法案であるというふうに思います。ですから、与党の先生もそういうふうに思っていらっしゃるのであれば、是非廃案か、あるいは変えていただきたいというふうに本当に思います。本当に畜産経営安定ができるような法律にしていただきたいというふうにお願いいたします。
#159
○委員長(渡辺猛之君) 石沢参考人、お願いします。
#160
○参考人(石沢元勝君) 私も小林先生と同じですが、指定団体が崩壊してしまうんじゃないかと。
 これは協同組合ならではだと思うんですが、札幌の牛乳は、大都会ですからほとんど市乳になる。私たちや天北、宗谷地方の牛乳は、人がいないですから加工に回るということですよね。だけど、札幌の酪農家の人は、俺の牛乳は百十七円で売れているんだからたくさんよこせとは言わない。北海道全部で、みんなでよくなっていこうという。ですから、そのプール乳価が成立して、誰も文句は言わない。
 これが、これから起こるであろうことは、今だけ金だけ自分だけと。今のその悪い社会風潮が、自分だけが、自分だけがよければほかはどうでもいいということで、自分だけが高く売るという、そのことが結果としてどういうことを生み出すかと。みんなに迷惑を掛けるということですね。小林先生、皆さんが犠牲になると言いましたけど。
 そういう犠牲の上に成り立つような仕組みというのは、協同組合組織そのものも大変なことになると思います。同じ仲間で、隣の酪農家は高い乳価で売っているということになるわけですよ。これは、地域のコミュニティーにとっても非常によくないことになるような気がします。
 以上です。
#161
○藤木眞也君 ありがとうございました。
 私、今日午前中も政府に対しての質問をさせていただいたわけですが、やはり今回新たな交付対象者ができてくるという中で、今、石沢参考人が言われましたけれども、同じ地域内にいらっしゃって部分委託を認めるということであります。特に、北海道の加工割合が八割と非常に高い地域の中で、いいとこ取りが当然発生をするんじゃないかなという懸念をいたします。
 酪農地域にいらっしゃって、今後、農水省は政省令でしっかり落とし込んでいきますという答弁をされますが、今酪農現場にいらっしゃって、ほかの、周りの農家の皆さん方がこのいいとこ取りに対してどう考え、感じていらっしゃるのかということと、今後、もう指定団体じゃ、指定団体にそのまま、今のまま出荷をしてももうばからしいんじゃないかというような考えをお持ちの方々がいらっしゃるのかどうかという点をお伺いしたいと思います。
#162
○参考人(石沢元勝君) どうなるのかという心配ですよね。
 指定団体、やっぱりちょっと規模の大きな人は自分も飛び出して売ろうかと考えている人もいますし、小さい人は、昨日の阿寒農協の記事に、昨日、一人飛び出して、MMJに四日の日から、おとといから出荷している人がいた。その記事の中では、その人がMMJに売ろうとしたけれども、一日十トンの集荷を、いわゆるタンクローリー一台ですね、タンクローリー一台の出荷量がなければ受け付けないということを言われたと。それで、二年掛かって、政策金融公庫ですか、そこから五億円を借りて、貸してくれたので、それで大きな牛舎を三つぐらい建てて、そして従業員も雇って、そして一日十トンの基準を満たして、それでようやっと成立したと。で、四日から出荷が始まったという記事でした。つまり、私のように年間三百トンしか搾っていない、今ちょっと青草が付いて、一日千九百キロ、いわゆる二トン未満なんですが、一日の集荷ですから、二日間で二トンですから、そのぐらいの量は相手にしないんですよね。
 つまり、大きな規模の人は生きていけるかもしれないけれども、うちらの農家は四軒も五軒もぐっと順番にタンクローリーが回ってそれから工場に走るんですが、大きい人しか残れなくなっちゃう。そうすると、人がいなくなっちゃって、私は、小さい農家がたくさんあって地域が成り立つと思っています。農協の事業も人がたくさんいなきゃうまくいかないですよね。だから、千トンとか二千トンとかいう人しか地域にいないとなれば、農家の人口も減る。その人方は今度経済的力があるから、農協がなくても銀行取引とかでやっていけるというふうになってくると、これはもう大変だと。だから、牛乳の生産量を確保すればそれでいいのか。生産量は、大きい人が十軒いれば一万トン、千トンの人が十軒いれば一万トンできるけれども、五百トンの人は二十軒いなきゃ一万トン搾れないんですよね。そういうことだと思います。
#163
○藤木眞也君 ありがとうございます。
 あわせて、私は今日の質問の中で、酪農の生産基盤、これはもう酪農だけに限らず畜産全体に言えるわけですけれども、結局、素牛不足が相当発生をしているなというのを感じます。北海道は意外とホルスの生産量は多い県であります。我が家も二百五十頭ほどホルスの育成をやっておりますけれども、毎月十頭以上のやはり北海道からの導入をしながら、九州の方で搾乳素牛を出荷しているというような経営をやっております。
 全体的に考えてみまして、私はこういう問題よりも、本当だったらその生産、搾るための素牛の生産をもっと力を入れていくべきだというふうな思いを持っておりますけれども、なかなか今のような子牛相場でいきますと、やはり場当たり的に高い和牛を付けてしまわれる農家の方が多いという中で、安定したホルスタインの雌牛の生産に向けての国としての支援としてどういうことを行っていった方がいいのかなという点を、是非、石沢参考人にお聞きしたいと思います。
#164
○参考人(石沢元勝君) 私は、特に和牛を付けなきゃならぬとは思っていないのですが、多いようですね、数字を見ると。
 それで、私が和牛を付けるのは、最初の、初産にだけは和牛を付けるんです。これ理由があって、お産が軽いということなんです、子牛が小さいので。難産をして子牛を死なすとか、あるいは極端な場合は親牛を駄目にするとかということがありますから、そういうことのないために和牛を付けているだけの話で、二産目以降は全部ホルスタインを付けています。そして、それで自分の経営の中の後継牛は確保できています。
 やはり乳価がきちっと保証されていれば、だから、でもお金に、取りあえず当面お金にしたいということで、二産目以降の経産牛にも和牛を付けて、和牛を付けると高く売れるという、三倍も四倍も高く売れるわけですから、そういう傾向で、じゃ、そのときにどんな政策をすれば雌が多くなるかというのは、農協はやっています。受精卵に助成をするとか、それから性判別精液、これに助成をするとかしていますが、それでもなかなか実態はやっぱり余りそれに乗る人は少ないようです。ちょっと答えになりませんが、私もよく分かりません。
#165
○藤木眞也君 ありがとうございました。
 まさに、安定した搾乳素牛の生産、これが私は酪農を今後続けていく上で最も大事な問題だというふうに思ってございますし、この法案も今後省令という形でいろいろな細部にわたってピン留めがされていくことだというふうに思っております。
 今日の三名の参考人の方々の貴重な意見を、しっかり私たちも発言をしながら、その省令に向けて、省令の落とし込みに対しては頑張ってまいりたいと思います。
 今日は、大変ありがとうございました。以上で終わります。
#166
○徳永エリ君 民進党・新緑風会の徳永エリでございます。
 三名の参考人の皆さん、それぞれのお立場で貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。
 今回の生乳流通改革なんですけれども、バター不足の原因を探るという形で、現場の声というよりは、規制改革推進会議の中で、いわゆる指定団体あるいは農協、こういったところに不満を持っているごくごくごく一部の人たちの声を基に進んできたんだというふうに思っております。
 私も北海道で、酪農家の方々や、それからいわゆるMMJに出荷をしている方々にもお会いをして、じっくりとお話をしてまいりました。そうしましたら、皆さんおっしゃるのは、やっぱり平成十七年度の生乳の廃棄、あれが本当につらかったと、もう悲しくて悔しくて本当に腹が立ったと、そのことをずっと覚えておられて、指定団体に出している方々も、あのときにはもう酪農をやめてしまおうと、五年、十年たって自分の代でやめてしまおうと決心したんだという方もおられますし、それから、MMJに出している方々も、やはりあのとき、自分たちは本当に借金も背負って大変な思いをしたけれども、農協やホクレンは経営に大きな影響がなかったんじゃないかというようなことを言っておられるんですけれども、いろんな誤解もありますし、そもそもこの指定団体制度の問題なのかというところもありますから、先ほど土屋参考人からもお話がありましたけれども、やはりコミュニケーション、丁寧に説明をし、お互いに理解していくということがすごく大事だと思います。
 やはりMMJはハイリスク・ハイリターンです。指定団体という制度がある中で、一部の人たちがそういったチャレンジをするのはいいかもしれませんけれども、これがしっかりその法律に位置付けられて、どんどんみんながそこに出荷していくような流れをつくっていくというのは大変に問題があると思いますし、それから加工原料乳補給金、この対象者が広がったということ、それから集送乳調整金、こういった問題で、MMJだけじゃなくて新たな事業者の参入、さっきもちょっと話題になったんですけれども、日本の企業だけじゃなくて外資ということも考えられますので、本当にこれからどうなっていくのかというのが大変に心配です。
 石沢参考人にお伺いしたいんですけれども、現場の声というのを改めて伺いたいんですが、私も改めていろいろと聞いてみますと、農協改革とかそれから今回のこの生乳流通改革の流れの中で、非常にホクレンさんにしても丁寧な対応をしてくれるようになったと。先ほどの情報誌見せていただきましたけれども、今まで以上に丁寧な説明がされているということで、だんだんと信頼関係、要するに自己改革の努力が目に見える形になってきたというふうに評価がすごく高まっているんですね。
 しかも、今、北海道の酪農家の方々は、府県とちょっと違いますけれども、副産物価格が高いから個体販売で酪農家の収入が上がっている、所得が上がっているとか、それからプール乳価も平成二十年からずっと上がり続けているわけですよね。補給金の一本化というのも大変に評価が高い。そういういろんな意味で、ある意味今何の不満もないんですよ。そういう中で何で改革をしなきゃいけないんだと、むしろ改革なんか駄目だというふうにマインドが固まってきたというか、結束力が高まってきたという声を聞いているんですが、石沢参考人はその点、どのようにお受け止めになっておられますでしょうか。
#167
○参考人(石沢元勝君) 私も同じだと思います。おととし、去年と、これにも、先ほどの情報誌にも、七年連続乳価が上がったということです。乳価も上がっているし、それから個体販売が、これは、酪農バブルと言われていますけど、いつはじけるか分からないけれども、とにかく個体販売がいいということで、ここしばらくにない安定した経営になっているんですね。だから、これがずっと続いてほしい。今、何のために流通改革、指定団体の問題に手を付けなきゃならないのかなという、そういう声が強いですね。
 理由が分からない。農協、組合長さん方もそうだし、僕らもそうですが、一度も要求したことないですよ、政府に。それがどこか突如として出てきて、指定団体が悪いんだみたいな話になっているのがよく分からないし、政府はきちっと説明してほしいと、納得いくようなことを説明してほしいという空気が強いです。
#168
○徳永エリ君 今、石沢参考人のお話を聞きまして、現場の声ではないんだということがよく分かりました。
 そういう中で、これまで指定団体に出してきた、生乳を出荷してきた酪農家の方々が、今回の法改正によって、じゃ、そのいわゆる今までアウトサイダーと言われた指定事業者に果たして出すようになるのかどうか、あるいは、この指定事業者というところが本当にこれからどんどん増えていくのかどうか、まあそこちょっと難しいですけれども、酪農家の方々は今回のこの法改正を受けてどのように対応するというふうに思われますか、今不満がないという中で。
#169
○参考人(石沢元勝君) これは個々に聞いてはいませんが、私はずっとこの間、協同組合というその精神の中で指定団体を守ってきた、守ってきたという表現は悪いけど、その中で生活してきたわけですから、よほどのことがない限り、その指定団体を飛び出して、MMJのような、いわゆる仲買卸業者に移っていくということはないと思います、ないと思います。
 ただ、昨日のニュースもあったりするから、結構そういう人も、あの人も三十二歳と言いましたけれども、結構若い人は協同組合ということが、農協組織も悪いんだけれども、僕らのときは、青年部の段階でも協同組合とは何たるかというのを集まりあるごとに教育されて、そうですよね、教え込まれたんです。だけど、最近の若い経営者は協同組合は何かということを知らないんですよね。だから、私たちが悪いんだろうけど、きちっと教育してこなかったということがあって、取引業者の一つでしかない。だから、全農の資材が高いとかなんとかという、あの話のときも、きちっと反論ができないというかね、そういうことがあるんですよね。
 ただ、牛乳の取引はかなり難しいですよね。地域の中で、ちょっと村八分といいますか、一人だけがいいことをするというのは、田舎って特にあるでしょう、おまえだけが何なんだという、それはよほど勇気がないとできない。あるいは、聞いたら、農協に随分意地悪をされて、反発心があって、農協を困らせてやろうというのでそっちに行ったというのもあるみたいです。
 だから、いろんな要素があるんですが、徳永さんおっしゃるように、こう一遍にだだっと、高いからといって、雪崩のように行くということは考えられないと思います。
#170
○徳永エリ君 今、飲用乳の需要が非常に多いですから、だからそのハイリターンのところだけ多分経験しているんだと思いますけれども、これから状況によってはハイリスク、大きなリスクを負わなければいけないということもありますから、私も、指定団体に出荷している人たちが新たな事業者に移っていく可能性というのはそう高くないのではないかというふうに実は思っているんです。
 そこで、その考えは間違っていないかどうか、小林参考人にお伺いしたいんですけれども、加工原料乳補給金の対象者が広がった、あるいは集送乳調整金が交付される。で、さっきも、午前中の審議でも問題になったんですけれども、五月二十三日の規制改革推進会議の答申、これ、九日に閣議決定するということですけれども、規制改革実施計画の原案に規制改革推進会議が提出した答申の内容がそのまま書かれているということで、新たな事業者の参画を可能としつつというのが、これ、農業競争力強化プログラムには書かれていなかったものが書かれて閣議決定されるということなんですけれども、そうなると、今まで考えていなかったような事業者が参入してくる、私は特に外資を心配しているんですが、この辺りはどのようにお考えでしょうか。
#171
○参考人(小林信一君) 一つ、まず、北海道の状況と都府県は少し違うのかなと思っております。都府県は今、そうですね、指定団体が北海道を除くと九あるわけですけれども、基本的には家族経営でやっていますが、飛び抜けて大きないわゆるメガ・ギガファームというのが結構あります。そういう方たちがどういう動きをするかということが都府県の酪農というものの方向を決めていくのではないかと。例えば、大きな経営が直接取引をする、メーカーとですね、というふうなことを始める、農協を通さない、指定団体を通さないというふうになると、指定団体自体の力はそこで弱まるということがあります。
 もう一つは、北海道の中で、ホクレンが例えばMMJとの競争の中でより高いプール乳価を目指すということで、都府県への生乳、牛乳の移送を増やすというふうなことをやるということがもしもあるとすると、いわゆるかつて言われた牛乳の南北戦争ということがどのくらい再現されるのかということも一つポイントとしてあると思うんですね。そうなりますと、やはり圧倒的に北海道というのが生産性高いわけですから、都府県がますます、やはり特に家族経営が参ってしまうというふうな面もあるのではないかというふうに思っております。
 徳永先生が御指摘の外資の参入というふうなこと、これもどういう形であるのか。例えば全農の株式会社化というようなことがあって、これが取り沙汰されていて、それに対して外資が、例えばカーギルなりなんなりが、そういうメジャー、穀物メジャーが買収するというようなこともあるのではないかというふうなことも言われているんですが。
 私、オーストラリアとニュージーランドの畜産の研究をしておりまして、オーストラリアの酪農というのも二〇〇〇年に改革を行いまして、それまでは日本のお米以上に非常に手厚い保護をしていた部門だったんですが、二〇〇〇年を機に全く保護をやめてしまいました。
 その結果として何が起こったかというと、一つは、今言った南北戦争というものが実はオーストラリアにもありまして、ビクトリア州というメルボルンを抱えるところと、シドニーという、それが都府県なんですが、ビクトリア州が五割以上を抱えていたのが、今は六割、七割というふうにどんどん増えています。規模も四百頭、五百頭規模になっておりまして、まさにこれから日本で起こるんじゃないかというふうなことが既にオーストラリアに起こっていると。
 それからもう一つ、協同組合関係でいうと、酪農協同組合会社が競争、あそこのスーパーというのは、スーパーマーケットが二つで食料品の八割を握っているという、すばらしいというか独占的な状況がありまして、それへの対抗ということで、規模を拡大しなくちゃいけないということで投資をする、そのために上場会社になったんですね。
 結果的には、いわゆるプロの経営者を雇ったんですが、そのプロが失敗しましてその企業が買収されてしまったと。どこに買収されたかというと、一つはフォンテラです。ニュージーランドの酪農協同組合会社がオーストラリアの酪農協同組合会社を買い取った。もう一つはキリンですね、日本のキリンの系列会社ですけれども、そこが買い取ったというふうなことで、オーストラリアの酪農家というのは、自分の協同組合がなくなってしまって、例えばニュージーランドの協同組合にただ生乳を出荷するだけというような存在になってしまったということがあります。
 一方、ニュージーランドは、デイリーボードという、イギリスにもありましたけれども、非常に強い制度を持っている。これは、オーストラリアは解体してしまったんですが、ニュージーランドは、ニュージーランドにとって酪農しかある意味では産業がないと言っても過言ではないので絶対死守するということで、大きな二つの協同組合とそれからマーケティングボードが一緒になってフォンテラという協同組合を、言わば民間という意味で協同組合をつくって、それが当初は九五%の生乳のシェアを持っていたと。実質的には独占というふうな形で、今もニュージーランドというのは非常に競争力が強いという、そういうものを形作っているんですね。
 これはもう国が、ボードが一緒になったということは、国が協同組合を一緒に巻き込んで一つの大きな組織にしたということで、オーストラリアとニュージーランド、全く違う行き方をしてしまって、それが今、ニュージーランドとオーストラリアの酪農の違い。
 オーストラリアは今、スーパーに行くと、一リットル一ドル、百円以下、八十円、九十円で売っているんですね。それが五年、十年続いているんです。これは、全くスーパーに力に及ばなくなって、生産者が安い牛乳を売らざるを得ないという状況に落とし込められていると。これが日本にあってはならないということが私の偽らざる感想でございます。もちろん、イギリスのマーケティングボードの問題というのも当然あるんですが。
 以上です。
#172
○委員長(渡辺猛之君) 時間ですので。
#173
○徳永エリ君 時間が来てしまったので。
 私は、土屋参考人に、まさに今の小林参考人のお話に関連して最後に伺いたかったんですけれども。
 ニュージーランド、国家戦略として北海道で今酪農家の育成を行っています。放牧酪農がどんどん広がっているということでありまして、牛もこれまでのホルスタインと違って、F1の小型の牛の冷凍精液を林元農林水産大臣の時代に導入して、頭数もどんどん増えています。放牧型の酪農を増やしていくということですけれども、やっぱり生産コストがどんどん下がっていくということで、大変に経営状態がいいということで、酪農家の方、喜んでおられるんですね。
 このフォンテラがなぜ国家戦略としてこういうことをしているのかと。今も大手の乳業メーカーに……
#174
○委員長(渡辺猛之君) 時間が過ぎておりますので、おまとめください。
#175
○徳永エリ君 はい。
 加工の原料を輸入しているということでありますけれども、そういった自分たちが育てた酪農家とその乳業メーカーをつなぐという役割をもしフォンテラがするとしたらどうなるんだろうかということを実は大変危惧をいたしておりまして、もう時間がありませんのでお答えいただけませんけれども、この点についてもまたいろいろとこれからも勉強して、この委員会でも議論していきたいというふうに思っております。
 ありがとうございました。
#176
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。
 今日は三人の参考人の方々に貴重なお話を伺うことができました。心から感謝を申し上げます。
 私、今、東京の議員をさせていただいておりますけれども、出身は、先ほど石沢参考人にも申し上げましたけれども、北海道の道東地域の標津町でございます。根釧台地のパイロットファームで、知人、友人、また親戚にも酪農経営者がたくさんいる中で幼少期を過ごしました。
 そういう意味で、今回の法案について、酪農経営の安定性、これは非常に重要なもので、特に収入が安定をしなければもうやっていかれない、そういう状況にあると思いますので、しっかり守っていかなければいけないというふうに思っているところなんですけれども、一方で、今、小林先生の方からもニュージーランドのお話も伺うことができて大変参考になったんですけれども、海外に対して競争力を持っていかなければ、これから、輸入が今増えているわけですけれども、そうしたことに対抗していくためには日本のコスト削減ということも考えていかなければいけないというふうに思うんですけれども、どのようにすれば下がるのかということについて御意見を伺いたいと思います。
 ニュージーランドの平均の乳価が大体キロ六十円ぐらいというふうに聞いております。日本は九十七・三円キロ当たりということで農水省の資料にあるわけなんですけれども、そもそも環境が違うので致し方ない面はあるとは思うんですけれども、今後何か努力をすることによって日本の生産コストというのを下げていく可能性があるのかどうかということについて、お三方に伺いたいと思います。
#177
○委員長(渡辺猛之君) それでは、お三方、順番に伺いたいと思いますが、小林参考人、石沢参考人、土屋参考人の順番で今回お伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。小林参考人。
#178
○参考人(小林信一君) コストの削減というポイントでございますね。もちろんニュージーランドと日本というのは生産構造ですとか全く違います。ニュージーランドは一年中昼夜放牧、牛舎がないというふうな状況でやっておりますので、当然コストも低いですし乳価も低いと。
 それが、六十円という時代は彼らにとっては相当高い乳価で、その結果、外資、中国を含め日本のある商社もあそこに投資をするというふうなことがあって、一種の投資ブームというものが、特に南の島ですね。北島、南島と二つありますけれども、従来、北島というのは非常に季候が良くて冬も牧草が伸びるということですから、北海道なんかに比べて全然、まあ何というんですかね、自然の環境が全く違います。その点のハンディがやはり日本はあるということで、そういう面からいって、なかなか、ニュージーランド並みにじゃコストを削減できるかと、これはちょっと難しい。これはヨーロッパも当然高いですし、アメリカもまた高いという中でやっているわけで。
 ただ、日本の中でコストをどういうふうに下げていくかというポイントでいいますと、当然、餌の問題というのが一番ポイントとしてあると思うんですね。それを、自給飼料を生産するということが一つのポイントですけれども、自給飼料を生産すればじゃ必ず安くなるのか、まあなかなかそうもいかないというようなことがあります。
 私たちが一つ言っているのは、都府県なんかも、昔は農地がないと言っているんですが、今はあるんですよね。使えない農地じゃなくて、使える農地もたくさんある。それを使っていないということがあるので、それをどういうふうに使いやすくするのかというのがやはり政策、国の力ではないかと思うんですね。
 例えば、中山間地の直接支払というのがあります。これを、水田機能だからということで、水田に対しては二万幾ら出ているんですが、それを畑にしてしまうと半分になってしまいます、それを放牧して野草にしてしまうと何百円ベースになってしまうというようなことで、あぜを切るということについて非常に抵抗があるんですね。ですから、いわゆる今使っているあるいは使われていない農地をもっともっと畜産の目線で、これは一つは放牧ということもありますし、あるいは今言われている水田の飼料稲ですとかホールクロップサイレージ、これをもっともっと活用できるように畜産の目線で是非政策を変えていただきたいと。そうすればもっと国産の飼料に根差した、ある意味ではコストが安い、そして足腰の強い酪農なり畜産が展開できるのではないかというふうに私は思っております。
 一つの方法としては、農地の直接支払というヨーロッパ並みの展開というものが一つ考えられるポイントではないかというふうに思います。
 ちょっと長くなりました。済みません。
#179
○委員長(渡辺猛之君) では、続いて石沢参考人、お願いいたします。
#180
○参考人(石沢元勝君) コストということですが、目的と手段、酪農する目的は何なのかということですね。僕らは酪農で家族を養えればいいと思っているんですよ。そのために酪農をやっているという。女房、家族食わせて、子供たちを大きくして自立させていければいいということで、そのためにどうするかということなんです。例えば、北海道で三百七十万トン搾らなきゃならないとか、全国で八百万トン搾らなきゃならないとかということの目的のために乳を搾っているのではなくて、私は自分の経営で、経営が成り立ってきて、赤字を出さないで毎年経営ができて、家族みんなで暮らせればそれでいいなと思っているんです。
 そのために私は周りの人にも訴えているんですが、北海道と内地府県は条件が全然違うんです。僕が先ほど言いましたように、草しか育たないと言いましたけれども、草は育つ、これを生かして牛を飼って、放牧をして、ニュージーランドと同じような昼夜放牧。小林先生、ニュージーランドは夏も冬もですよね。北海道は雪がある、氷があるので夏だけですが、放牧をするとかして、コスト、餌代も掛からない。そして、冬の餌だけを用意すればいいわけですからそんなに掛からないし、ふん尿を処分するといっても冬の分だけですから大した量ではない。それを草地に還元することによって草を伸ばせば肥料もそんなにやらなくていいと。
 そういうふうにして、確かに草地がたくさん要るので、僕らは一ヘクタール一頭と言っているんですが、そういう適正規模の頭数にすると物質循環がうまくいって、生産量は少ない、もちろん配合飼料もほとんどやらないので一頭当たり乳量も六千キロぐらいしか出ないんです。今、北海道九千キロ以上出ているんですよね。だから、九千キロ搾るためには輸入穀物をいっぱい食わせんきゃならない、だけど牛は四つ胃のある反すう動物で草が主食だから、草を、しかも夏の間は自分の足で食べてもらう。そうすると、収穫する大きな機械も要らないしということでいくとコストも安くなる、そして、もちろん大規模にはできないので人を雇ったりすることはできない、家族だけでやる。だけど、頭数、僕ら今、ちょっと済みません、自分のこと言って悪いけど、経産牛四十三頭しかいないんだ。若牛入れて七十頭いないんだ。六十八頭、若牛二十五頭ですから六十八頭しかいないんだけど、それでちゃんと生活できるということなんですよ。
 国は、規模拡大を、頭数を増やしたり一頭当たり乳量も増やさないと経営はやっていけないよ、だからそのためには幾らでも補助金は出すよというクラスター事業だとかコントラ事業に補助金を出す、ロボットには五割補助をするというようなことを大規模にやっていますけれども、僕らはその恩恵は全然受けられない、家族経営なので。
 規模拡大の計画がないと、だから頭数増やしますとか牛を倍にしますとかという計画を出せば牛舎建てるときも五割補助をもらえる。税金ですからね、だから不公平だなと思うんですけれども、まあしようがないということで。しようがないし、僕らも牛舎建てるつもりもない。そんな立派な牛舎がなくたって牛は飼えるから。コストダウンというのはそういうことでないかなと私は思っているんです。
 これ内地府県とは違う、僕らの根釧の話をしていますので、土地が十分にあるところとないところでは。そうすれば、地域でも、今僕ら、ずっと毎年離農があって、今年……
#181
○委員長(渡辺猛之君) 石沢参考人、そろそろおまとめをいただけますか。
#182
○参考人(石沢元勝君) はい。
 八十五人ぐらいしかいないんですが、どんどん減っていくような気がしますが、それが減らないで済むんでないかなというふうに思っています。
 済みません、長くなって。
#183
○委員長(渡辺猛之君) ありがとうございました。
 それでは最後に、土屋参考人、お願いいたします。
#184
○参考人(土屋俊亮君) 北海道の生乳生産コストというのは一キロ大体七十七円ぐらいなんですよね。そのうちの半分が餌代なんです。やっぱりこの餌を、北海道は百二十万ヘクタールの耕地がある中で草で搾る、デントコーンで搾るというふうにしていかないといけない。ですから、穀物を輸入したんじゃなくて、そこの草でいかに搾っていくのか。今、草の生産性というのがもう三十年ぐらい、十アール当たり三トンから三・三トンぐらいで伸びていないんですよ。米とか麦の収量はどんどん伸びているんですけど。
 そこを調べていくと、イネ科の、一見緑に見えるんですけど、強害雑草といって、根を伸ばしていきながらそこでずっと育っていくような雑草とか裸地が草地の今半分を占めているんですよね。一見緑なんですけれども、おいしくなくて、牛も余り食べたがらない、収量も上がらないと。そこを今、農業団体なり民間の方なり試験場なりと協力をしながら植生を改善していこうということをなるたけお金も掛けないでやっていこうと。土をかっちゃいて、そこの部分をやりながら生かしていって、簡単に草地を更新して収量を高めていく。そして、牛がおいしいというような甘いおいしい草を五トンも六トンも取れるような技術というのを開発をしながら今やっていこうということで、なるたけ餌の部分を、その五割のコストの部分を低減をさせていくということがまず一つです。
 それと、残りのコストのうちの大きいのが、二割占めるのが牛の償却費なんです。今の牛は大体三産を取るという、三回子供を産む、子供を産まないと乳出しませんけれども、三回切っているんですよね。篤農家に行くとそれが平均だと四産なり五産なり六産なり、長く使っていくと償却費がどんどん下がっていきますから、そこを健康に長くしていく。そのためには、濃厚飼料で攻めていくと胃がおかしくなったり消化器がおかしくなったり、ひづめがおかしくなったりということでなかなか長もちがしないんで、余り負荷を掛けないで搾っていって長く使っていこう、施設もそういうような形でやっていこうということで、そこの部分をどんなふうに着目をしていくのかというのがすごく大切だと思っています。
 それは今、いろんな関係の団体と併せて、それから国の事業も使いながら、長く使っていくことでトータルのコストをどういうふうに低減していくのか。だから、規模拡大しなくても、石沢さんの言うように、三百トンでもしっかりと暮らしていけるような、そういう人たちがいないと地域が駄目になってしまいますから。大きいのもいていいんだけど、ちっちゃい人たちも増やしていこうというようなことで、新規参入の施策と併せてそういうことを進めていきたいということでやっているところです。
 以上です。
#185
○竹谷とし子君 三人の参考人の方々に本当にそれぞれ貴重な御意見を伺うことができました。今日は本当にありがとうございます。
#186
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 今日は参考人の皆さんの本当に貴重な御意見、ありがとうございます。
 それで、私は最初に石沢参考人からお聞きしたいんですけれども、私、最初に当選したのが二〇〇一年なんですけど、その直後に起きたのが日本初のBSEということで、もう大騒ぎで、あのときに本当にいろいろ議論が起こったというふうに思います。やっぱり、改めて牛の飼い方なんかも含めて当時議論になったし、本当に経済効率最優先ということだけでやっていいのかということも含めて、そういう根本的なことが議論になったことでもあってすごく印象に残っているんですけれども。
 今日最初にお聞きしたいのは、先ほどの石沢参考人の話の中で、一九七一年からお父さんの後を受け継いで四十六年以上やってきたと。いろいろ厳しい自然条件があったり、いろんな例えば病気の発生だとかあったと思うんですけれども、そういう中で乗り越えてやってくることができたというのはどうしてなのかということと、それから、今ちょっと紹介もありましたけれども、やっぱり、どんな酪農目指して、やりがいといいますか、どういう描く酪農の姿なのかなということを最初にちょっとお聞きしたいと思います。
#187
○参考人(石沢元勝君) 農業というのは自然の恵みをいただくということだと思うんですよ。牛にも土にも優しい酪農というのを目指していて、太陽や水や空気があれば草が育ってくれて、その草で牛が健康に育ってくれれば、今、土屋参考人からもありましたけれども、輸入穀物で牛を飼う、乳量を攻めると長もちしないということは間違いないことで、今二産、二・七産とか言われています。僕らは草中心で、輸入作物で攻めないので、四産、五産、六産、今一番、私のところにいるのは七産というのがいますけれども。そうすると、牛の、さっき償却費って、土屋さんでしたっけ、言われましたけれども、二十四か月掛けてようやっとお産できるような牛にまで育てる、その間ずっとお金が掛かるんだけど、せっかく二十四か月掛けてももう二回しかお産しないで駄目になっちゃうのよりは、五産、六産、牛に働いてもらった方が、子牛もそれだけ取れるわけだし、先ほど雌子牛の話もありましたけれども、牛乳もたくさん搾れるということで、無理を掛けないというのがいいことでないのかなと思います。
 あと、草は人間の食料になりません。これを牛に食べてもらって、牛の役に立つ、牛乳だとか牛肉にしてもらうという。今世界中で九億とか十億とか、いわゆる飢餓人口というのがあるそうですけれども、トウモロコシなんかはちゃんと人間の食料になるんですよ。これを牛に食べさせる。これ、僕らは肉牛やっている肉牛農家の人方に言ったら怒られるかもしれないんだけど、乳牛の場合は、やっぱり北海道、根釧や天北の場合は特に、せっかく草地があるのに、草中心の飼い方をすればいいと思うんですよ。
 今、草地更新なんか僕らしないんですよ。草地更新の国の補助事業というのも毎年あるんですが、一度つくった草地はずっともう、だから三十年も四十年も使っているんですが、別に問題はない。わざわざ、せっかく、その表面三センチの表土というのがすごい微生物の塊で、それをちゃんとしていれば毎年春になると草伸びてくれるんだけど、それを草地更新という事業でわざわざ三十五センチ、四十センチ、ブルでひっくり返して、一番下の痩せた土地が表面に出てきて、それを繰り返すとどんどんどんどん土が痩せていくのに、だから更新しない方がいいんではないかなと私は思っています。お金が掛からないということもありますし。指導機関っていうんですか、そういうふうに七、八年に一度は更新をして種をまき直ししなさいと、その方が栄養のある牧草が取れますよという指導がされているんです。ふん尿もちゃんと切り返しをして堆肥にして、そして、生ふんじゃなくて、ちゃんと土に受け入れやすい状態にして土に返してやる、そういうことによって土も肥えていくし、肥料代も掛からないという。
 結局、労働時間も短いし、体のゆとり、それから精神的にも、がつがつ追っかけられないのでゆとりがある、何よりも経済的ゆとりがある、そのゆとりですね。このことによって、夫婦も円満に、けんかしないで済むし、子供たちもちゃんと育つし、一家団らんの時間も取れるし、今、八時、九時までみんな牛舎にいるというのはちょっと異常なので、そして、生活優先の生活ができるなというふうに考えています。
 ちょっと長くなって済みませんでした。
#188
○紙智子君 人にも牛にも優しいと、効率も循環もあるという感じかなと思って今聞いていたんですけど。
 それで、今日、実は午前中に畜安法の改正ということで審議がありました。政府は今回、加工原料乳の生産者補給金等の暫定措置法、これについては廃止をすると、母屋に移すんだというふうな言い方があるんですけれども、母屋に移すから余り変わらないかのような話なんだけれども、でも、実際上は暫定措置法がなくなるということでありまして、それで、石沢参考人の資料の中に書いてあることを見ると、生産者が出荷先を自由に選べるようにすると言うけれども、本当にそうなったら日本の酪農は打撃を受けるんじゃないのかと。自分で自由に売りなさいとなったら、安売り競争になってしまって、農家の所得は増えるどころか、小さな農家は立ち行かなくなってしまうんじゃないかという意見が書かれておりました、疑問というかですね。
 今まで五十年間、言わば指定団体制度が続いてきたわけで、その役割をどんなふうに受け止めているか。特に、指定団体は一元集荷多元販売ということでやってきたんですけれども、この制度は生産者にとってどういうメリットがあるかというところを、ちょっと改めてお話しいただければと思います。
#189
○参考人(石沢元勝君) 仕事に、僕らは牛を飼うのはプロですけれども、牛を飼って牛乳を搾るという、このことだけで手いっぱいでありまして、それをどこに売るとか、そういう、何というか経済的なことというのは、そこまで頭も回らないですね。百姓ですから、百姓しかできないと。
 だから、そういうことは、今まで僕、営農に就いてから、ずっと農協やホクレンに、ホクレンがちゃんと考えてくれたし、やってくれたということなんですよ。だから、そういう意味で、毎年、乳価交渉もきちっとやってくれるし、価格もまあまあ、いろいろ僕らが不満なときもたくさんあったけれども、続いてきたと。
 そういうことで、やっぱり指定団体がなかったら、あとは自分で売りなさい、勝手に売りなさいと、有利なところに自分で考えて売りなさいということではないですから、売ることは任せなさい、だから、あんた方はちゃんと健康に牛を飼うために力を注ぎなさいと、いい草を作るために力を注ぎなさいというふうに思ってもらってやってもらっているというふうに考えています。
 だから、指定団体がなかったら、きっとこういうこと、こういう安定した北海道の酪農経営というのは成り立たなかったんでないかなと。離農とか、いろいろありますけれども、曲がりなりにもまだまだ北海道の酪農は健全でないかなと思っています。
#190
○紙智子君 ありがとうございました。
 小林参考人に伺います。
 ちょっと今のこととも重なるんですけれども、ずっと長く大学の生物資源科ということで教えられてきたということなんですけれども、畜産経営経済研究会の会長もされているということで、五十年掛かって築き上げてきた今の家族経営を中心とした指定団体制度なんですけど、これを廃止するというのは、生産者の所得向上を掲げながら真逆の方向を今回の改正でやろうとしているんじゃないのかと、その廃止するということになるとね、ということを書かれていて、私も同感だなと思って読んでいたんですけれども。
 やっぱり所得向上を掲げながら真逆というその中身について、もうとりわけ、ここのところというのは本当に逆になるんじゃないかというところをお話しいただけたらなということと、もう一つは、生産者の所得を向上させるためにはどうするべきなのかというところを、二点お話しいただければと思います。
#191
○参考人(小林信一君) 一つは、所得の向上になっていないという点ですけれども、これは私が触れましたけれども、生産者が自由に出荷先を選べるという、ある意味では非常にいい言葉なんですが、結果的には生産者がばらばらになるということで、生産者は一人一人では非常に小さい、弱い、メガ、ギガでさえもメーカーなんかに比べれば小さい存在ですから、それが個々に対応していたらやはり太刀打ちはできない、乳価交渉においても。
 これもメガの方々にも言っているんですけれども、そういう意味で、畜安法が改定されるということになると、不足払い制度が入る前の、あのときは、先ほど土屋参考人の方からも御説明ありましたけれども、乳価が乱高下する、集乳合戦があったりあるいは集乳拒否があったりというふうな、そういった状況があって、それで、酪農家が何十万人動員、一致して反対集会なんか開いたという、そういった時代がありましたよね。そういうことにまた、まあ何十万はいないですけれども、なってしまうのではないかと。乳価の乱高下というふうな形があって結果的には所得が安定しないと、それがやはり大きな問題であろうと。
 今回、競争力強化支援法関連八法の中に収入保険制度というのがあって、それが導入されるということですけれども、それが、畜産関係では酪農だけなんですよね。ですけれども、我々は収入をピン留めしてほしいというわけではなくて、先ほど石沢さんがおっしゃったように、所得なんですよね。
 一番やはり問題なのは、先ほど来問題にされているように、コストが非常に高くなっていると。私は生乳一キログラム当たりの所得をずっと追っかけているんですけれども、二〇〇〇年以降、平成十二年の改革以降、確実に一キログラム当たり所得は下がっています。最近は乳価が高くなっているんですが、コストが高くなっているので結果的に所得が下がるということで、最近は、先ほど来お話があったように、個体販売価格があるいはバブルということで良くなっているんですが、これは非常に危ない、おっかないというふうに私は思っています。あと二年ぐらいしたら、それがはじけたときに一体どういうふうになるのか。
 これは肉牛経営もそうですけれども、肉牛が、九十万、百万の子牛を買って、二年半後に百五十万で売れるのか、そういう問題が当然あるんですけれども、それに対する対策があるのだろうかと。新マルキンが法制化されるといって、TPP絡みでそれが流れてしまったというふうに聞くんですけれども、本当に是非考えていただきたいんですよね。今日は酪農の話ですけれども、酪農も、個体販売がここまで高くなって、いっときはいいんですが、それがバブルになる、はじけたときにどうなるのかということが大きな危惧としてあります。
 それからもう一つは、クラスター事業も私当初は非常にいいと思ったんですが、これは地域が全体を支えるということで、これは、ある意味ではソフト事業だったはずだったのが、今は融資事業になってしまって、金借りろ、大規模化しろ、これもある意味では罪つくりだと思います。借りて、結果的には固定化負債、これは、一九八〇年代に北海道の三分の一の農家が固定化負債でもう駄目だというふうになって、農協さんがもう引導を渡すというか、そういうふうなこともありました。そういうことがまた起こってしまうんではないかという、そういう危惧があります。
 それに対してのセーフティーネットがないということで、ちょっと外れてしまいましたけれども、所得の安定ということでいうと、しっかりとした指定団体があって、それが支えているということと、それから、コストを、今のような配合飼料価格基金ではなくて、自給飼料をもっと促進して、安く飼料が手に入るというふうなことをやるとか、そういった仕組みにしていただくということが一つの方法ではないかというふうに思っております。
 ちょっと長くなったので、これぐらいにします。
#192
○紙智子君 ちょっと時間になって、土屋参考人、申し訳ありません、本当は、TPPのときに部長を務められていたので、その影響と、それから生産基盤を強めるということに今回の法改正はなるかということを聞きたかったんですけど、ちょっと時間がないですよね。済みません、また何かの機会のときによろしく。ごめんなさい。
 終わります。
#193
○儀間光男君 日本維新の会の儀間でございます。
 今日は、三名の参考人の先生方のすばらしい御意見を御拝聴することができて、大変うれしく思っております。ありがとうございました。
 なぜなら、恐らくこの場で一番酪農に対する知見は私がないと思っているんですね。したがって、使う専門用語等も戸惑ったりいたしておりますが、何せ学校を出て五十数年、久しぶりに大学講座へ戻ったような雰囲気で、感じで話をお伺いさせていただきました。そんなようなことで、三名の先生方に共通な質問を一つ先にしたいと思います。くしくも僕がやろうと準備したのが紙先生が残してくれたので大変有り難いなと、こう思っているんですが。
 このTPP、頓挫はしておるんですが、これがクリントンさんが当選していればそのままいわゆる実行されるような状況下にあったんですが、TPP反対のトランプさんが当選したおかげで頓挫しました。しかし、それはいいことも悪いこともあるんでしょうけど、我が国総理、安倍総理はTPP11でもやっていくんだというような強い決意で昨日なんかも答弁されておりましたが、TPP、頓挫したとはいえ、これからも可能性としてはないわけではないわけでありますから、三名の先生方々から、このTPPについての御懸念やあるいは希望等があったりするかとは思うんですが、ちょっと御見識を拝聴できればと思っております。
#194
○委員長(渡辺猛之君) それでは、土屋参考人、小林参考人、石沢参考人の順番でお答えをいただきたいと思います。
 まず、土屋参考人、お願いします。
#195
○参考人(土屋俊亮君) TPPについては、その影響というのが、非常に関税をずっと削減していくというのも長い期間で設定をされて、最長のものについては二十年近いということもあって、その影響が最初は見極められないけれどもだんだん進化していくおそれもあるということで、特に乳製品に関しましては、ホエーとか脱脂粉乳が怖い、それからチーズについても、プロセスチーズについては日本のナチュラルチーズと輸入物とが抱き合わせで使われる比率が低くなるということも含めて、今申し上げた長さというのとどの程度の影響になるのかというので、非常に私どもも対応、どういうことをしていけばいいのかという検討してきたところです。
 ただ、セーフティーネットとしてのセーフガードとかいろんな対策は国の方でも検討しながらということで、TPPが発効したらば措置をしていくということの対策も含めて、こういった内容であればある程度乗り越えられるんじゃないかと。
 私、日米の牛肉、オレンジの自由化交渉のときにちょうど牛肉の担当をしていたり、それからガットのウルグアイ・ラウンドのときにも担当していましたけれども、あのときにも日本の農産物は駄目になるなんて言われましたけれども、対策とそれから農家、現地の努力も含めて乗り越えてきた経過もあるということで、TPPについては、いろいろ心配事はありますけれども、ちゃんとウオッチをしながら適時適切な対応を取っていけば決して日本の農産物は負けないだろうということで、これからまたTPP11がどうなっていくか分かりませんけれども、ちゃんと国会の場で審議をしていただきながら、必要な対策については臨機応変に取っていただくということは前提ですけれども、乗り越えていけると思ってございます。
#196
○委員長(渡辺猛之君) ありがとうございました。
 続いて、小林参考人、お願いいたします。
#197
○参考人(小林信一君) TPPの特に乳製品関係の影響というのは、今、土屋参考人がおっしゃったように、やはり懸念というのは、一つはチーズですね。特にプロ原というプロセスチーズ原料のチーズ、これは、くしくも今回の畜安法の中でその辺がまた影響を及ぼす、及ぶんじゃないかというふうに危惧しておりますけれども、それと、あとホエーですとかそういったことが、長期といっても大体十年ぐらいで国産チーズというのはかなり影響が出てくるんじゃないかと我々は思っておりました。そういう意味では、決して乳製品といえどもそれほど軽くはないんではないかというふうに思っております。
 ただ、そういった一種のメッセージだと思うんですね、酪農なり農村に対して、TPPで自由化するということで。じゃ、後継者ですとかあるいは新規参入者がこれから酪農をやりたいかというふうに、そういうふうに思うかどうかということでいうと、そうならないようなメッセージが送られてきているんじゃないかと私は受け止めております。
 私の卒業生なんかも北海道に新規就農というのが結構おりました。女性の方が多いんですけど、実はですね。自分で牧場をやっているというのが何人もいるんですけれども、最近はぴたりとなくなってしまいました、残念ながら。それはやはり、学生に聞くと、なかなか夢を描けないという状況になってきているということなんですね。だから、そこが問題であるということと、北海道なんですけれども、都府県は非常に少ない、北海道はまだそういう余地があるんですけれどもなかなかそこまでいかないというメッセージがあるんじゃないかと思うんですね。
 TPPについて言えば、私はもちろん反対でありまして、これは農業だけじゃなくて国の形を変えるものであって、一種、新自由主義に基づいて企業が、独占企業といいましょうか、が農村の隅々まで行き渡ってしまうと。先ほどの石沢参考人がおっしゃったような、今だけ自分だけ金だけですか、そういう風潮が隅々まで行き渡ってしまうようなことを後押しするようなものであるんじゃないかということで、反対はしております。
 以上です。
#198
○委員長(渡辺猛之君) ありがとうございました。
 それでは最後に、石沢参考人、お願いいたします。
#199
○参考人(石沢元勝君) 私は、TPP11も日欧EPAも反対です。
 農業というのは食料を確保するということで、その国の安全というか、食料主権というのがあって、食料の問題はその国の主権に関わることだし、それから、食料がなければ、その国の安全、外国に、海外に依存してということは国の独立を危うくするわけですから、だからそのためにも、関税をゼロにして安いから海外から持ってくるという考え方には反対です。
 多少高くても国内で生産するべきだし、国内の農業者を守って、農業者に尊敬を持って、日本の大地で農産物を生産してほしいと、そういうようなメッセージを国も政府も掲げてもらって、今日皆さんだって今朝から食べているものはきっと農産物と、漁業と農業の人が作ったものであって、決して工場で作られたものではないと思います、今晩のおかずはトヨタにしようか日産にしようかということにはならないわけですから。そういう意味でも、この関税をなくすということには絶対反対です。
#200
○儀間光男君 ありがとうございました。
 三名の参考人の皆さん、ありがとうございました。
 今、石沢参考人が非常に面白いことをおっしゃってくれて、我々の体は有機質ですから、有機質を食べて細胞を作って健康でおられると。そういう意味では、国産で全自給が、供給ができる、需要が供給できるんであればそれでもって何よりでありますが、世界はそういう状況にない。競争力をいやが応でも、幾らか市場を開けてやっていかなければならない状況に直面していると思うんです。
 そういうことで、石沢参考人、北海道、酪農をされていて、飲料乳というか、それと、いわゆる乳酸の加工製品があると思うんですが、飲料類は季節変動指数も非常に明確にやっていかなければなかなか大変だと思うし、また域外へ出すにもなかなか難しいと、そういう状況もあったりして、なかなか域外へ出ないと思うんですが、国外にも行きづらいと思うんですが、乳製品、これについてはいろいろできると思いますから、これはやはり、少子高齢化で国民が減っていく、減っていく中で市場が小さくなっていく、そういうことで、特定の、北海道の道北辺りだと加工品が多いわけですから、これをどうしてもやっぱり国内市場だけじゃなしに海外市場への展開も必要になってくると、それを思うんですが、その辺はどう指摘されますか。
#201
○参考人(石沢元勝君) 今でも飲用と加工を含めて自給率は五〇%ぐらいですかね。だから、国産で一〇〇%は行っていないわけですよ。国産で一〇〇%にするというのはちょっと無理なぐらいで、輸入のチーズだとか脱粉、バターもそうですが、輸入で需要を穴埋めしているということがありますよね。だから、海外へ売らなきゃならないという状況ではないような気がするんですが。
#202
○儀間光男君 ありがとうございました。
 次に、小林参考人に聞きたいんですが、一般的にマーケットあるいは販売ルート、販売戦略などというのは、取引手が複数おった方がいろんな交渉上、交渉カードを持つと思うんですね。指定団体で今やっていること、決して悪いということではありません、ないんですが、改革するにはやはりある程度の痛み、それぞれがリスクとして持たないといけません。したがって、その痛みを取っていく、改革することによって痛みを取っていくということがなされなければ、改革は意味を成さぬと思うんですね。
 そういう意味では、私は販売ルートを確立するために、指定団体とそうじゃない団体、そうじゃない、個人か企業か分かりませんが、あって、農家が選択肢を広げたという意味ではいいこともあるのではないかと思うんですが、その辺ちょっと御指南をいただきたいと、こう思います。
 また、時間が余りありませんから、もう一つ、小林先生に聞かせていただきたいんですが、都道府県組織を全国十ブロックに再編しておりますが、この十ブロックに再編した狙いは何だったのか、また、これの効果はどういう形で現れてきているのか、その辺ちょっとお教えいただければと思います。この二つ。
#203
○参考人(小林信一君) 改革はもちろんいいです、良い改革ならば。残念ながら、今回、悪い改革だと思います。だから、改革ではないというふうに思っております。
 先ほど来、販売先の多様化ということなんですが、現在は全量委託ですので、販売先ではございません。それを販売先にするということも一つの考えだと思うんですが、今でも部分委託ということが一日三トンありますし、あるいはアウトサイダーという形で、三%程度ですけれども、そういう形で、自分たちが有利な販売をできるルートがあればそちらに行くということも可能です。ですから、全く選択肢がないということではないんですね。
 ただ、繰り返しですけれども、生産者は弱い立場です。これは、我々働く者も弱い立場だから団結して労働組合に結集するとか、そういう形になるわけですけれども、生産者も個々では弱いから一緒になって協同組合をつくってやりましょうというのが基本的で、その中でいろいろ問題はあるかもしれませんが、それはその中で解決していくというのが、幻想論かもしれませんが、そうだと思います。それがお答えだということです。
 十ブロックの再編ということについては、私は必ずしも賛成ではありませんでした。都道府県別の指定生乳生産者団体制度というのを十のブロックにするということ、これはある意味では少し力が強くなるということで、乳価交渉力が強くなるということですが、実質的には、まあホクレンは別にして、都府県では関東が一番集乳量が多いということで、そこが一歩前に出てメーカーと交渉するというふうなことだと思うんですが、それでも、一地域の団体ですから、なかなか全国のメーカーに対しては十分な乳価交渉力を発揮できていないというふうに聞いております。
 そういう意味では、あのときに、二〇〇〇年のときに、十ではなくて一とか二とかという選択肢もあったのではないかと、あるいは協同組合がフォンテラのような形で一つになってやる、全農、全酪連が一緒になってやるというふうなことも一つあったんではないかと私は提案していたんですけれども、そうはならなかった。結果的には、屋上屋を重ねるというような批判もあって、コストがどうなんだという議論もあったり、いろんな議論がありました。ただ、そのときの改革というのはやはり生産者の力を強めようということであったということは私は認めます。そういう意味ではよかったんですが、今回はばらばらにするということで、弱めようということではないかというところが私の危惧するところであります。
#204
○儀間光男君 ありがとうございます。
#205
○委員長(渡辺猛之君) 時間が来ておりますので、おまとめください。
#206
○儀間光男君 済みません、土屋参考人に聞こうと思ったんですが、時間で聞けないんですが、参考人には、旬別、つまり季節変動指数による生産計画、販売計画をどういう具体的にお作りになられるのかを聞こうと思ったんですが、またいずれの機会で。
 ありがとうございました。
#207
○森ゆうこ君 希望の会、自由党の森ゆうこでございます。
 今日は、三人の参考人の方々、大変貴重な御意見ありがとうございました。
 私は米どころ新潟県選出でございまして、ふだんは毎日三食新潟コシヒカリなんですけれども、今日はたまたま、朝、地元でめいっ子が作ったパンと、そして佐渡バター、佐渡チーズのサンドイッチということで、この法案の審議のためにそれを食べてきたわけじゃないんですけれども、佐渡でもそういうものを作っているということでございます。
 ちょっと失礼にならないように物の言い方を気を付けなきゃいけないんですが、土屋参考人に最初に質問の前提としてちょっと伺いたいんですけれども、前北海道農政部長でいらっしゃるということで、現職はどういう、何かの団体の顧問をしていらっしゃるとか、そういうことなのか。というのは、いろんな参考人の先生方にいろいろお話聞くんですけれども、前北海道農政部長という、こういう感じの方に参考人としてお話を聞いたことが余りないものですから、与党の御推薦ということなんですけれども、現職はどういうお立場なのか、ごめんなさい、失礼なことを聞くつもりはないんですけれども、ちょっと前提として伺いたい。
#208
○参考人(土屋俊亮君) 私の父も新潟県の佐渡島出身で、それで、現職は私、職というのか、酪農学園大学の理事というのをやっていますけれども、それは報酬もらっていませんので、この七月から道内の某銀行に勤める予定で、その待機期間といいますか、そういった形で、お話があったので前という肩書で出てまいりますけど、今は無職でございます。
#209
○森ゆうこ君 済みません、大変失礼しました。
 というのは、やはりこの法案に対して、酪農に関わっている中で、どういう責任でというのも変なんですけれども、そういうことで、立場で話されているのかというのは実はすごく重要な点だったものですから、大変失礼かと思いましたけど確認をさせていただきました。
 それで、土屋参考人に続けて伺いたいんですけれども、小林参考人あるいは石沢参考人からは提言に対して反論というか、全く反対の意見があったと思いますし、ここは重要な点だと思うんですけれども、今、儀間委員の方からも同様のお話がありましたが、選択肢を広げることは所得向上につながる、まあ可能性ということになっておりますけれども、私、政府と、要するに農水省と話をしていても、ここのメカニズムがよく理解できないんです。農業競争力強化法もそうだったんですけれども、選択肢をたくさんにすることが所得向上につながるんだというそのメカニズムがいろいろ説明いただいてもどうも理解できないものですから、もし具体的に理解できるような何かありましたら是非お願いいたします。
#210
○参考人(土屋俊亮君) 私も、今回選択肢を広げることがすぐ所得向上につながるとは思ってございません。
 ただ、先ほど議論あった中で、北海道の中でも、例えば札幌市は二百五十万人、都市部を含めて人口ありますけれども、そこを中心としたアウトサイダーというのが長く続いているんですけれども、じゃ、そこの手取り乳価は現行の指定団体乳価と比べてどうなのかというと、逆に今、指定団体の方が高いんですよね。アウトサイダーが、もちろん一生懸命頑張っているんですけれども、やっぱり飲用を主体でやっていても、スーパーに棚取りをするときには高くは売れないということもあって、結果として指定団体の方が高いんです。
 同じように、先ほどから名前が出ているような仲卸のところも、今日も新しい農家が入ったと言いましたが、やっぱり集めれば集めるほど飲用だけじゃなくて加工用にも作っていかなくちゃいけないし、飲用も高く売れているわけじゃないので、トータルとしてはそんなに高くなくなるし、これから時間を置いていくと、力の差というのは出てくると思っているんです。
 そういった意味では、その選択を条件付けも含めて明らかにしていく、それから結果も、先ほど指定団体情報見せていましたけれども、ああいった形で酪農家の方々の信頼を勝ち得ていくことで、乳業に対しても力がありますし、そういった力をまとめていくことでの最終的ないろんな可能性というのを含めて、農家の方々がやっぱり選んで良かった、それが所得向上にもつながると、安定にもつながるということで、最終的にはそこに収れんしていくべきじゃないのか、きっとしていくだろうということで、先ほど申し上げたような形です。
#211
○森ゆうこ君 ありがとうございます。
 ただ一方、去年の十二月でしたでしょうか、この委員会で私、農水大臣等に指摘させていただいたんですが、やはり他国の例を見ますと、イギリスのMMBの解体でありますとか、EUにおけるクオータ制度の廃止でその需給の調整をするところがなくなったということで、結果として、やはり乳価が下がって酪農家の所得に影響を与えているんじゃないかという、やはりそういう厳しい批判があるわけですので、そういうことを見ていくと、そういう轍はやっぱり踏んじゃいけないというふうに思いますので、やはりこの今回の法案にはかなり疑問を感じざるを得ないということでございます。
 それで、次に、小林参考人にお聞きしたいんですけれども、先ほどのペーパーの中でもありましたけれども、今朝、佐渡のバター、佐渡チーズを食べてきたせいもないんですが、国が強く推進してきた国産チーズの生産が頓挫するおそれがあるという、ここをもう少し詳しくかみ砕いて教えていただきたいんですけど。
#212
○参考人(小林信一君) 多分、土屋参考人の方がずっと詳しいんじゃないかと思うんですけれども、北海道はチーズ乳価というのがございますね。それは、特定乳製品、脱脂粉乳だとかバターなんかに対する乳価のずっと安い、四十、五十と、ちょっとハードとソフトとかいろいろ違いますけれども、非常に安いということで、例えば、主に北海道なんですが、北海道の中で自分でチーズを製造し販売したいという方は、プール乳価で自分のお乳を販売して、安いチーズ乳価で買い取ってそれをチーズにして販売するということができていたわけですね。
 そういう意味では、原料の価格が非常に安く、そしてそれに基づいてチーズを作るわけですから、一種コストが安く競争力があるという状況なのが、今度は一本になってしまうわけですから、安いチーズ乳価というものがなくなってしまう、高い乳価になってしまう、チーズを作る方が、ということにならないかということですね。それは多分ホクレンの戦略ということもあるのかもしれませんけれども、そこがポイントだと思います。
 いかがでしょうか。
#213
○森ゆうこ君 ありがとうございます。
 土屋参考人、何か今の反論ありますか。ずっとついこの間まであれして。
#214
○参考人(土屋俊亮君) 加工の補給金は、生クリームもチーズも、それから脱粉、バターも一本になるんですけれども、物の価格、乳価はチーズが安くて、そしてという形で、価格が一緒になることはございません。
 ですから、チーズは今、六十五円から六十八円、種類によって違いますけれども、きっとその金額ぐらいのままとは言いませんけれども、今はそんな形でございます。
#215
○森ゆうこ君 小林参考人、じゃ、短くお願いして、その反論があったら。
#216
○参考人(小林信一君) いや、従来は、ですから補給金自体がチーズはたくさんあったわけですから、その乳価、チーズ乳価で販売できたわけですよね。それがもうできなくなるんではないかという意味で、言わばホクレンがチーズをチーズ乳価として安く提供するということはできなくなるということですからね。ということです。
#217
○森ゆうこ君 ありがとうございました。
 次に、石沢参考人に伺いたいと思います。
 私も、最初に参議院初当選は紙智子委員と一緒でしたので、当選してすぐBSEの問題が発生し、結局、肉骨粉、本来、草食動物であるのに、何というんだろうか、キャニバリズムというか、共食いをさせていた、結果的にはね。そうした肉骨粉を飼料に交ぜていた。要するに、自然の摂理を全て無視したこういう生産のやり方が、結局は問題を引き起こしたというふうに私は思っているところなんです。
 だから今、今日、石沢参考人の、何といったらいいんでしょうか、自然にも人にも優しい、そして牛にも優しいという酪農の姿勢というのをかいま見て非常に感動しておりますし、結局、そのことがコストを、無理をしないことがコストを下げ、そして再生産可能になっていくということを改めて感じたところでございます。
 それで、今回、この法案に関して、私も地元の酪農家あるいは団体に、私ちょっと戻れなかったものですから事務所に頼んで、各地にヒアリングしてもらっているんですが、どうもぴんときていないんですね、現場の人たちが。何でなのかなと。何か、特段意見がないというか、何かよく分からないというような反応しかないものですから、それは結局、先ほど石沢参考人のお話にありました、別に現場から何かやってもらいたいという声を上げたことがないということで、恐らく誰も現場が望んでいないのにやったので、余計分かっていないんじゃないかなと思うんですけれども、どんな感じなんでしょうか。その点について、更に。
#218
○参考人(石沢元勝君) そうですよね。先ほども言いましたけれども、現場からもう何年も要求があったわけでもない、指定団体が特別問題を起こしたわけでもない、指定団体の恩恵がどうのこうの、不満があるということではないですよね、酪農家から見ると。何か、どこか降って湧いたように指定団体が悪いんだということですから、きっと関心が、何で出てきたのかというのがよく分からない。
 ただ、国が言っているんだから、農家を良くしてくれるんだろうなというふうに思っているんじゃないでしょうかね。という気がします。
#219
○森ゆうこ君 ありがとうございます。
 午前中の審議でも、与党の方からも問題提起があったんですが、要はこの農政の政策の決定のプロセスが余りにもおかしいと、今。国家戦略特区、そして、規制改革推進会議。私の主張は、その象徴が加計学園の問題だというふうに言っているんです。この問題について、もし何か一言ずつございますれば、それぞれの参考人、石沢参考人の方から順次、一言ずつお願いしたいと思います。
#220
○委員長(渡辺猛之君) それでは、石沢参考人。
#221
○参考人(石沢元勝君) 行政がああいうふうに一人の人で左右されるというのはおかしいと思うし、やっぱり国民がみんな疑問に思っているんですから、やっぱりはっきりと説明してもらいたいというのが率直な意見です。
#222
○参考人(小林信一君) 非常に恐ろしいことが起こっているんじゃないかということで、共謀罪のことも含めてですね、もう北朝鮮を笑えなくなってくるという状況であります。
 ですから、やはり一つは公務員法の改定があって、不足払い制成立のときは大臣反対してでも通したんですよね、農水省、農林省がですね。そういうことができなくなるような、首根っこを押さえられてしまうようなことが今起こっているわけです。そこは、やはり非常に危ない、危うい。以前の政権党だったら、いろいろな意見があって、その中で調整していくということがあったんですが、余りにも一強になってしまうということは非常に危険だと思います。日本の国のこれからの行く末としても非常におっかないというふうに恐れております。
#223
○委員長(渡辺猛之君) 土屋参考人、お願いいたします。
#224
○参考人(土屋俊亮君) 北海道には十四の家保というのがあるんですけれども、そこで百九十人の獣医師が必要なんですが、今獣医師大学を出た人というのはペット獣医を志望するような方が多くて、なかなか公務員獣医になる人がいなかったり、それから、共済組合でも大動物をやる人がいなくて、今は獣医師不足になっているというのが北海道の実態なんですよね。
 そういった中では、加計学園の話は報道以上のことは存じ上げないのでしゃべれませんけれども、獣医師の対応についてはトータルでは足りているのかもしれませんけれども、今、公務員獣医なり共済獣医なりというのは非常に不足しているというような実態でございます。
 以上です。
#225
○委員長(渡辺猛之君) 時間ですのでおまとめください。
#226
○森ゆうこ君 ありがとうございました。
 おっしゃるとおり、やはり公務員獣医師、私のお隣のお隣が公務員獣医師なんです。きちっとしたやはり待遇改善、処遇改善をしないと、幾ら五十二年ぶりの獣医学部をつくったとしても、本当に必要な獣医師、そして公務員獣医師、いろいろな研究所に重要な仕事をする獣医師を確保することには私はならないんじゃないかなというふうに思いますし、この安倍一強というか、独裁というか、安倍の王国を象徴する……
#227
○委員長(渡辺猛之君) 時間が来ておりますので、質疑をおまとめください。
#228
○森ゆうこ君 国家戦略特区等、危ないということは、私もそうだということを申し上げて、質問を終わります。
 大変ありがとうございました。
#229
○委員長(渡辺猛之君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の皆様に一言お礼を申し上げます。
 本日は、長時間にわたり御出席をいただき、三名の参考人の皆様方からそれぞれに貴重な御意見を賜ることができました。委員会を代表いたしまして、厚くお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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