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2017/06/08 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 農林水産委員会 第19号
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2017/06/08 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 農林水産委員会 第19号

#1
第193回国会 農林水産委員会 第19号
平成二十九年六月八日(木曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月七日
    辞任         補欠選任
     櫻井  充君     矢田わか子君
 六月八日
    辞任         補欠選任
     矢田わか子君     浜口  誠君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         渡辺 猛之君
    理 事
                舞立 昇治君
                山田 修路君
                徳永 エリ君
                紙  智子君
    委 員
                礒崎 陽輔君
                進藤金日子君
                中西 祐介君
                野村 哲郎君
                平野 達男君
                藤木 眞也君
                山田 俊男君
                小川 勝也君
                田名部匡代君
                浜口  誠君
                舟山 康江君
                矢田わか子君
                竹谷とし子君
                矢倉 克夫君
                儀間 光男君
                森 ゆうこ君
   国務大臣
       農林水産大臣   山本 有二君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  萩生田光一君
   副大臣
       内閣府副大臣   松本 洋平君
       文部科学副大臣  義家 弘介君
       農林水産副大臣  礒崎 陽輔君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       矢倉 克夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大川 昭隆君
   政府参考人
       内閣府地方創生
       推進事務局長   佐々木 基君
       内閣府地方創生
       推進事務局審議
       官        藤原  豊君
       内閣府地方創生
       推進事務局審議
       官        青柳 一郎君
       文部科学省高等
       教育局長     常盤  豊君
       農林水産大臣官
       房総括審議官   水田 正和君
       農林水産大臣官
       房統計部長    佐々木康雄君
       農林水産省消費
       ・安全局長    今城 健晴君
       農林水産省生産
       局長       枝元 真徹君
       農林水産省生産
       局畜産部長    大野 高志君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○畜産経営の安定に関する法律及び独立行政法人
 農畜産業振興機構法の一部を改正する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(渡辺猛之君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、櫻井充君が委員を辞任され、その補欠として矢田わか子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(渡辺猛之君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 畜産経営の安定に関する法律及び独立行政法人農畜産業振興機構法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府地方創生推進事務局長佐々木基君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(渡辺猛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(渡辺猛之君) 畜産経営の安定に関する法律及び独立行政法人農畜産業振興機構法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○平野達男君 どうも、平野達男でございます。時間が三十分でありますから、早速質問に入らせていただきたいと思います。
 お手元に資料をちょっと用意させていただきました。今回の畜安法の改正、これはやっぱり大改正だと思います。今までの酪農家の今の制度の捉え方、基本的には一元集荷多元販売、そういったものの原則が、後でちょっと出てきますけれども、制度上はこれはなくなると。それに代わって幾つかの選択肢が出てくるということ。それに伴って、補給金制度も二つの制度に分かれてこれ組み立てされると。
 それからあと、補給金制度は、御案内のとおり元々これは暫定法で、北海道の酪農家が遠隔地であるということで条件が非常に厳しいと。生乳として運ぶときに距離があって、それこそ昭和三十年代ぐらいの話だったと思いますけど、厳しいので、加工乳に対しては安く買う代わりに補給金を出すということで、これは暫定措置ということで、暫定暫定暫定と来たんですが、今回これを恒久措置にしたということでありまして、これ自体は私は非常に、これからの酪農を考えていく上での制度の法定化というのはこれは大変ないい進歩と、進歩というか見直しだと思います。
 そこで、一方、一元集荷多元販売というのがどうなるかということについて、この法律を一生懸命になって上から読んだり下から読んだり斜めに読んだりして書いたのがこの図であります。この上の図が指定生乳生産者団体、指定団体で、右側が指定団体以外ということで、いわゆるアウトさんと言われるやつですね。
 今までは、基本的には、酪農家はこの指定団体に出して、指定団体が乳業メーカーと価格競争して、それから一種の需給調整に基づいて生乳と加工の方に振り分けるということでありました。指定団体のアウトさんは、これはクーリングステーション持っていませんから、基本的にはスポット買いみたいな形にして、需給の、何というんでしょうかね、生乳が足りない、足りないというか欲しいという小規模乳業メーカーなんかに、そこに供給するということでアウトさんは成り立っていたということでありまして、アウトさんの悪口を言うわけではありませんけれども、アウトサイダーというのは、この指定生産者制度、指定団体制度があって乳価を安定させていたという、ある意味では、言葉は悪いんですが、フリーライダー的な位置付けなんですね。フリーライダーというのはどんな制度でも必ずいますから。ただ、これでもって小さな地方の乳業メーカーさんは、何か欲しいといったときに大手メーカーばかりに先に取られてなかなか来ないのに救われているというメリットもあるようであります。だからといってアウトさんを推奨するというわけではもちろんありません。
 今回、これが下のような図になるわけであります。まず、指定生産者団体は、これ数えてみたら、形態としては法律上は五つの形態に分かれます。この第一番目が第一号対象事業、これがまた更に分かれまして、この中で指定事業者となるものと指定団体というのがあります。それからもう一つ、第二号対象事業と第三号対象事業というふうに、今回法律ではこういうふうに分かれるわけですね。
 それで、第一号対象事業というのは、生乳受託販売、生乳買取り販売をやるものということで、事実上、今の指定団体販売に似たものでありますが、今回、これをやるものに別なものが入るということを許容するという、法律上はそういう仕組みになっているということであります。
 それで、第二号対象事業、これ、自ら生産した生乳の乳業者に対する販売、つまり、今までは、乳を搾ったらそれは指定団体に出すんですけれども、今回は、明治乳業さんとか雪印さんとかグリコさんとか、それに直接販売することを認めましょうというのが第二号でありますね。
 それから、第三号は自ら生産した生乳の加工及び販売ということで、これは今まで三トンを上限として認められていたんですけれども、今回、これは自由にしましょうということでありまして、これぐらいの選択肢ができるということであります。
 そこで、質問なんでありますけれども、この第三号対象事業者、対象事業になる方というのは、これは、この制度があれば、今指定団体に出している方がこれから指定団体を経ないで自ら加工に回すとか生乳に回すということになるわけですけれども、これはどういう動機のとき、どういう状況のときに第三号事業者になるというふうにお考えなんでしょうか。
 ちなみに、今までの考え方、今までの中では、生乳メーカー、乳を搾って生乳加工するというのをダイレクトにやりますと、プール乳価で価格受け取れませんから、むしろ指定団体を通してやった方が有利だったわけですね。今回、第三号という形で直接ダイレクトになりますと、これ、補給金は受けられますけれども集乳経費は受けられないという、そういう制度上の差が出てくるんですが、この第三号対象事業者というのはどういう方がなるというふうに一応考えておられますか。
#7
○政府参考人(大野高志君) お答え申し上げます。
 第三号対象事業者は、自ら生産した生乳を加工して自ら乳製品の販売を行う事業者でございます。代表的には、消費者の方々の多様なニーズに応えて、自ら生産した生乳を用いて自ら有する加工施設で乳製品を製造し販売する生産者が想定されるところでございます。
#8
○平野達男君 じゃ、例えば大きな乳業メーカーが、今まで酪農も一緒に経営しているところはもう大体第三号対象事業者になるという、そういう理解でよろしいですか。今まで乳業メーカーで、なおかつ牧場を持って酪農を経営しているところは大体第三号対象事業者になり得るというふうに理解していいですか。
#9
○政府参考人(大野高志君) 指定団体を経ずに直接その農場から自らの工場で加工される、そして販売されるということであれば、第三号事業者ということだと思います。
#10
○平野達男君 私がお聞きしているのは、この制度をつくったときに、どういう条件でどういう方がなるかといったときに、これ、制度をつくっているわけですから、制度設計するときには、現場のニーズがあるはずですから、要するに、考え方をやるときに、それをつくったときには、私は、もう一回確認ですけれども、牧場を持って自ら加工している、チーズを作っている、牛乳をしている会社というのはあるわけですよ。それはもうほとんど第三号対象事業者になるんでしょうかというふうにお聞きしているわけです。
#11
○政府参考人(枝元真徹君) 小さい方、工房なんかでなさっている方もいらっしゃいますし、もう少し大きい単位で、農協単位等でなさっているところもございますが、そういう方がなるというふうに考えてございます。
#12
○平野達男君 いずれ、これになれということではないですから、あくまでも選択肢としては。だから、可能性としては、そういう方々が第三号対象事業者になるという可能性があるということでありますね。
 次に、これ第二号対象事業なんです。これは、生乳を絞って、直接、団体を経ないで今度はダイレクトに、ネット販売じゃないですけど、ダイレクトに生乳を牛乳メーカーあるいは加工業界に売るということなんでありますが、これは今までと違って、補給金じゃなくて、今度は生産者補給金は受けられるということになるわけですが、集送乳調整金というのはこれは受けられません、これは相対ですから。
 これは、どういう状況のときにどういう方がこれに、第二号者になるというふうに制度上は想定していますか。
#13
○政府参考人(大野高志君) お答え申し上げます。
 第二号対象事業者、これは自ら生産した生乳を乳業者に対し自ら販売する事業者でございます。代表的には、自らは加工施設を有しないので、乳業者に生乳を販売し、消費者の多様なニーズに応えて乳業者が乳製品に加工し販売するといった取組を行う生産者が想定されます。
#14
○平野達男君 ここで、これ選択肢用意するのはいいんですけど、もう平たく言ってしまいますと、酪農家は第一号対象事業者になることもできるし第二号対象事業者になることもできるわけですよ。単純に言えば、どっちが有利だろうかということで判断するわけですね、この場合は。
 第二号対象事業の場合は、その補給金の中に集送乳調整金は入りませんが、この集送乳調整金がどれだけになるかによって第二号対象事業者がどうなるかというのも何かかなり影響してくるような感じがしますが、これはまた後でちょっといろいろ触れさせていただきたいと思います。
 それから、じゃ、次の質問ですけれども、第一号対象事業で指定事業者でない者というのはどういうものに想定されますか。この図で言うところのこの隙間ですね。
#15
○政府参考人(大野高志君) お答え申し上げます。
 指定事業者として指定を受けるには、正当な理由なく一又は二以上の都道府県の区域において生乳の委託又は売渡しの申出を拒んではならない旨を定款等において定める必要がございます。
 一又は二以上の都道府県の区域においてあまねく集乳することなく、都道府県内の一定の地域のみで、あるいはその特定の生産者を対象に活動する事業者の方が生乳の受託あるいは買取りを行うことも想定されまして、このような事業者は第一号対象事業者であっても指定事業者としての指定を受けないものであり、生産者補給交付金のみが交付されると、こういうことになると思います。
#16
○平野達男君 ちょっと概念的に、法律上はそうなっているわけですけど、現実問題としてイメージというのは、どういう人がどういう形でできるのかなというちょっとイメージが私もよくつかめないんですよ、ここのところ。だから、ひょっとしてここのところは空振りになるのかなという、概念上はこういう図を作っていますけど、第一号対象事業者で指定事業者にならない団体というのは実際問題でできにくいかなという感じはちょっとします。
 じゃ、最後にもう一つ、指定事業者であって指定団体でない、これは、例えば今アウトと言われる方々が、作っている方がこの指定事業者になり得るということはあるとは思うんですけれども、そういうことを想定しているということでしょうか。
#17
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 集送乳調整金は、例えば、酪農家の牧場の所在地が乳業工場から距離が遠いこと等によりまして、相対的に高い集送乳経費を要する地域を含めてあまねく地域から集送乳を行うことを確保するために交付するものでございます。
 本法案におきまして、第一号対象事業者のうち、定款等で、正当な理由なく一又は二以上の都道府県の区域において生乳の委託又は売渡しの申出を拒んではならない旨が定められていること、業務規程において、集送乳に係る経費の算定方法等が基準に基づき定められていること等の要件を満たす場合には、申請によりその事業者を指定事業者として指定した上で、加工原料乳を対象に補給金と併せて集送乳調整金を交付することとしております。
 この要件を踏まえれば、現行の指定生乳生産者団体は新たな制度においても引き続き指定生乳生産者団体として指定されるものと期待されます。一方で、この要件を満たす限り、現在の指定生乳生産者団体以外の新たな事業者であっても指定を受けることは可能でございますので、法案においてこのように規定しているものでございます。
#18
○平野達男君 実際にそういう団体として手を挙げつつあるようなもの、あるいは、この制度を設計するときにこういうことをやりたいと言ったところはやっぱりありましたか。
#19
○政府参考人(枝元真徹君) 今法案の御審議いただいてございますので、この法案が通って、幅広い方々に周知をしていきたいというふうに思います。特にこれまでは聞いてございません。
#20
○平野達男君 選択肢を広げるということでこういう選択肢をつくったということだというふうに理解しますけれども、一般的には、こういうものにやりたいという人が手挙げて、それを踏まえて大体制度設計をするというのが普通ですよね。だから、本当に現場でも、私らもこうやってやるときに説明しづらいんですよ、今回の法律改正。だから、そこのところはもうちょっと具体的に説明する努力を是非やっていただきたいと思います。
 私は、指定団体がこういうふうに一元的にやっているというのは、やっぱり制度的にはここまできて、これまでずっとやっていっていいかどうかというのはちょっと私も疑問ありますし、酪農家も、かつてみたいに十頭、二十頭じゃなくて、数百頭あるいは千頭単位でやっているものもあれば、また家族経営で数十頭でやっている方もいます。彼らの経営意識も大分変わってきていますから、そういうのに対応していく制度にするというのは、これはもうそのとおりでいいと思うんですが、ちょっと今の説明聞いていてもぴんとこないかなというのが正直言った感想です。それで……(発言する者あり)まず静かにして。
 それで、こういうふうに選択肢が増えるということは、ある意味においては各事業者の中でのいろんな切磋琢磨ということも出てきますから、そこでの所得向上というのはあり得るということなのかなと思いますけれども、改めて山本大臣にちょっとお伺いしますけれども、こういう制度にするということの趣旨をもう一度ちょっとお聞かせいただけますでしょうか。
#21
○国務大臣(山本有二君) 今回の補給金制度改革と申しますのは、指定団体にのみ補給金を交付するという現行の方式を見直して、出荷先等を自由に選べる環境の下で生産者による創意工夫を促させていただきまして、所得を増大させるということを目的としてございます。
 具体的には、改正法案によりまして、生産者の生乳の仕向け先の選択肢が広がり、自ら生産した生乳をブランド化し加工販売する取組など、創意工夫による所得向上の機会を創出しやすくすること、現在の指定団体である農協、農協連におきましても、生産者の選択に応えるため流通コストの削減や乳価交渉の努力を促すこととすること、また、これまで補給金をもらえないため飲用向け一辺倒だった方々を乳製品向けにも計画的に販売する方向に誘導することをもって、これによって冬場等の飲用牛乳の不需要期の廉価販売に歯止めを掛けることができるというように考えております。加えて、新たに導入される年間販売計画におきまして乳製品仕向けの経営戦略を明確にすることで、より消費者ニーズの高い用途や付加価値の高い国産乳製品の製造が促進される結果、乳業メーカーが得られる利益を基とした乳価の形成が期待されるものというように考えるところでございます。
#22
○平野達男君 私は、この制度の中で一番気になるのは、北海道というよりはやっぱり内地なんですよね。この図、北海道は大変有り難いことにいまだに七割以上が加工乳に向けていただいていますから、今回の補給金制度も、暫定法でなくなりまして二つに分かれましたけれども、その額が確保されるということであれば、北海道の酪農家さんは今までどおり比較的安心してやれるんじゃないかなと思うんです。
 内地は、例えば、第三号対象事業でこれは外れますと、それから第二号対象事業者がまた指定団体から外れますということがこれ起こり得るんですよね。じゃ、何でかといいますと、加工乳の補給金は元々少ないですから、プール乳価の全体に与える影響度が少ないですから、そうしますと何が起こってくるか。指定団体の構成員が細る可能性があるわけですよ。そこで、私は、農水省はだから補給金制度を見直したんだろうというふうに理解します。そこで出てくるのは集乳調整金なんですね。集乳調整金の額というものを、ある程度これを……(発言する者あり)集送乳調整金ですね、これをある程度額を確保することで指定生産者団体に、まあこんなことを言ったら制度を否定することになっちゃいますからなんですけど、ある程度有利な条件もつくることができるはずなんです。で、細るということは条件の悪い仕事しか残りませんから、そのままだったら集乳経費がまた上がることも想定されるわけです。
 だから、ここは、私、本当にお世辞抜きで、ここを二つに分けたというのは必然だったと思いますけれども、制度としては間違っていないと思うし、これからこのような集送乳調整金を、言わばどちらかというと、酪農のマルキンとは言いませんけれども、緩衝材みたいな形での役割というのはあり得るのかなとは思います。
 それで、特に東北の場合、二十頭、三十頭、岩手県なんかまだまだ規模拡大遅れていまして、二十頭、三十頭ぐらいで家族経営でやっている人がたくさんいるわけです。そういう中で、もし中堅クラスの人が第二号対象事業者になったりして、ようなことがもし進むというようなことがあると、本当に条件不利地域だけでなく、集送乳経費がかさんでしまうということが何となく、何となくというか、心配されますから。いや、そこは、そういうところで、そのためにこの集送乳調整金についての弾力的運用というか、まあこれは一番いいのは、これをどっと膨らませてもらえれば一番いいんですけれども、予算の制約もあってなかなかこれは言えないとは思うんですが、まあそういう考え方でこれ運用して是非やっていただきたいと思いますけれども、大臣、どうでしょうか。
#23
○国務大臣(山本有二君) 近年、我が国の生乳生産量、減少傾向でございます。また、飲用牛乳需要が減少傾向にある一方で、生クリーム、チーズなどの乳製品の消費は今後も増加が見込まれているところでございます。消費者ニーズに対応すれば、酪農経営は発展の可能性を十分含んでいるわけでございます。そのためにも、特色ある牛乳、乳製品の生産による付加価値の向上など、酪農家が創意工夫を生かせる環境の整備が重要な課題となるわけでございます。
 こうしたことを踏まえまして、今回の改正法案によりまして、補給金の交付対象を拡大すること等によって生産者の生乳の仕向け先の選択肢が広がり、多様な消費者ニーズへの対応や創意工夫による個性的な牛乳、乳製品の開発、販売する取組など、新しい考え方をする意欲ある農業者の取組による所得向上の機会を創出しやすくするものと考えております。
 同時に、これまでの経緯から見ましても、今後も指定団体が生乳流通の中核を担うものと考えておりまして、指定団体におきましても、例えば岩手県の岩泉乳業の高付加価値のヨーグルト等、消費者ニーズに対応した乳製品を製造する乳業者への生乳販売等、乳製品向けの経営戦略を明確にするとともに、流通コストの削減や乳価交渉の努力を更に行うことで出荷する酪農家の所得向上につながることになり、北海道あるいはそれ以外によらず、多くの酪農家の皆様方から支持を受けることとなるものと考えております。
 委員御指摘の懸念ということにならないように、指定団体の有する役割の更なる向上、ひいては生産者の所得の向上、これに努めてまいりたいというように考えております。
#24
○平野達男君 先ほど言ったことの若干の繰り返しになりますけれども、この集送乳調整金というのは、元々は加工原料乳生産者補給金、補給金の姿形変えたことになるんですが、私これを拡大解釈しまして、あまねく集乳ですから、これ、全ての生乳をやるということに対する補給金というふうに理解したいと思います。
 そうすることによってこういう、中では二号対象事業者になりたいと、あるいは第三号になって、結果的にやっぱり指定生産者団体に構成員が若干減る可能性があるわけです。減って、それが大きな規模でありますと、繰り返しになっちゃうと、中での経費がかさんでしまうという中で、あまねく集乳ということの意義をそこに見出して、そこにちょっと注目しまして、この集送乳調整金ということの使い方はこれから是非工夫をしていただきたいと思いますし、それは、この二号対象事業者、三号対象事業者がどれだけ増えてくるかによっても変わってくるかと思いますが、そこのところは繰り返しちょっと要望をしておきたいというふうに思います。
 枝元局長、どうでしょうか。
#25
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 集送乳調整金の額につきましては、法案の二十二条の二項で、「農林水産大臣が、指定事業者が集送乳に通常要する経費の額から効率的に集送乳が行われる場合の経費の額を控除して得た額を基礎として定める」ということでございます。
 具体的には、来年度の予算編成過程、具体的には畜産物価格の決定に合わせて検討することになりますので、また御指導いただきながら検討していきたいと思います。
#26
○平野達男君 一昨日もちょっと参考人質疑の中で北海道の生産者がおっしゃられていましたけど、私らは乳搾るのに一生懸命で、いいものを作ってやるのに一生懸命です、あと、販売がどうなるかというのは指定生産者団体にお願いしていて、それでずっとやってきましたと。それで十分ですという方もいます。岩手県なんかの本当に中小のあれというのは大体そうなんですよね。
 だけど、今回の制度の中では、何回も繰り返しますけど、こういうルートをつくったことによって、これはいいんです、選択肢を広げるから、だけど、結局その構成員が少なくなっていく。特に、一戸当たり二百頭とか三百頭飼っている農家が第二号対象事業になったりしますと、それだけで一遍で手数料そのものの収入が減りますから。
 だから、そういう中での緩衝材としてのこれに是非期待をしたいというふうに思いますし、今のお話では、やっぱり指定団体がこれからの中心になるというのは私もそのとおりだと思います、大多数の人はもうそれを希望していますから。だけど、数戸が、規模の大きい人が抜けただけで、これ結構大きいですよ、集乳量が減りますから。そういう中での対策、それがまさに条件不利地域だと思います。
 昨日、私、この規制改革会議の中に、ちょっと話それますけれども、この規制改革会議の政府のペーパーの中に条件不利地域への対応ということでこの文章があるんですが、「新たな事業者の参画を可能としつつ、」というふうに。これは、法律はそのとおりなんです、今回の法律は新たな事業者の参画を可能としつつということで道開いていますから。だけど、こういうものをやっぱり私は裸で出す前に、制度の全体、例えばこういう中でこういったいろんな様々な選択肢ができるんですよということを丁寧に説明してもらっているならいいんだけれども、突然こういう中で、突然というか、事業者の参画を可能としつつというふうなのをここに、しかも、これ文脈からいいますと、ここに入れなくてもいいような言葉なんですよね、ここは。これ、新たな事業者の参画を可能としつつというのは、これだけじゃないですから。ここで言いたいのは、条件不利地域対策だけを言っておけばいいだけの話ですからね。
 そこで、ちょっとここは外してもらいたいということを言ったんですが、趣旨は、本当に今のような全体の制度の仕組みというのがかなり複雑で、地元の方がなかなか理解しにくい面がまだ複雑に多々あるということなので、是非とも、冒頭申し上げましたけど、丁寧な説明をお願いをしたいと思います。
 時間が三十三分なんですが、あと一問やりますと中途半端になりますので、ここで終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#27
○徳永エリ君 皆さん、おはようございます。民進党・新緑風会の徳永エリでございます。
 早速質問に入らせていただきたいと思いますけれども、お手元に資料をお配りいたしておりますので、御覧をいただきたいと思います。
 今回の生乳流通改革、そもそもは規制改革ホットラインへの提言に始まっているわけですね。二〇一五年の六月四日であります。提案の具体的内容、提案主体、全国生乳自主販売協議会。現状では、酪農家、乳業者とも、補助金や学校給食乳の関係で指定団体出荷以外選択することが困難な状況だと。それから、加工用途を指定団体に支配されることなく、経営判断での製造と自由な販路開拓をできるようにすることで、弾力的な対応が可能になり、昨年のようなバターが店頭から消える等の事態も防止できるのですというふうになっているわけですね。
 そして、所管省庁である農林水産省、制度の現状ということで、酪農家は、指定団体への販売委託を義務付けられておらず、経営判断により多様な販売が可能です、乳業者は、学校給食用牛乳等の原料について、指定団体以外からの調達は可能です、指定団体と乳業者との交渉結果として、バター等向けの販売数量が決定されていますが、指定団体が乳業者に対してバター等の製造を許可するものではありませんと。措置の分類、事実誤認。措置の適用、既に酪農家自らの経営判断により、多様な出荷方法を選択することは可能になっているなど、提案内容は事実誤認ですというふうに言っているわけであります。
 このときの農林水産省の検討結果、見解は変わっていないですよね。
#28
○国務大臣(山本有二君) 我が国の農業につきまして、その成長産業化を図って農業者の所得向上を実現していくという、そういう観点に立ちまして、農業者が自由に経営展開できる環境を整備する、また農業者の努力では解決できない構造的な問題を解決すると。昨年十一月に、政府の農林水産業・地域の活力創造本部におきまして、農業競争力強化プログラムがそういう意味で決定されたところでございます。
 このプログラムにおきまして、酪農につきましては、近年の生乳需給の変化を踏まえまして、指定団体は、農業協同組合法に基づいて、スリム化、効率化や共同販売の実を上げる乳価交渉の強化を図りつつ、今後ともその機能を適正に発揮することが極めて重要であるという点、その上で、現行の補給金の方式は見直して、生産者が出荷先等を自由に選べる環境の下で、経営マインドを持って創意工夫しつつ所得を増大させていく必要があるというように決定したところでございます。この決定を実行するために、本法案を国会に提出し、御審議いただいているというように考えるところでございます。
 このように、本法案が農政改革の一環として提出したものであって、規制改革推進会議からの指摘で提出したというそういう考え方は私どもは取っていないというように考えております。
#29
○徳永エリ君 今の御答弁だと、結果的に見解は変わったという理解でよろしいんでしょうか。
 このホットラインへの提案以降、規制改革会議で十二回ほど会合をいたしておりまして、その会合の中で様々関係者にヒアリングを行っております。それを見ていますと、農林水産省は一貫しているんですね。一貫しているにもかかわらず、どうして今回の改革につながっていったのかということがよく分からないんですね。
 十二回の会合の後、二〇一六年の三月三十一日に規制改革会議が提言をまとめたわけでありますけれども、その提言が、全ての生産者が生産数量、販売ルートを自らの経営判断で選択できるよう、補給金交付を含めた制度面の制約、ハンディキャップをなくすとともに、指定生乳生産者団体を通じた販売と他の販売ルートとの間のイコールフッティング確保を前提とした競争条件を整備するため、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法に基づく現行の指定生乳生産者団体制度を廃止するというふうになっているわけであります。
 これ、ずっと十二回の会合のヒアリングを見ていると、本当にごく一部のいわゆる指定団体や、それから農業に対して不安を抱いている方々の意見を基にこの三月三十一日、二〇一六年ですね、規制改革会議が提言をまとめたということであります。
 大臣は、英国のMMB、ミルク・マーケティング・ボード、これ、六十年続いていたいわゆる指定団体、これが一九九四年に解体したと。その解体した後に何が起きたかということは御案内だと思います。英国では、任意組織である酪農協が設立されましたけれども、大手スーパーと提携した多国籍乳業メーカーとの直接契約が増加して、価格交渉力が低下し、混乱をしたと。二〇〇八年の食料危機、世界食料危機の際にも、世界的乳価が上昇したときも英国の乳価は上げ渋りの状況が続いて、値上げ幅はEU平均を下回っているということであります。このMMBの解体も、実は一部の、ごく一部の不満を持っている酪農家の意見で行われたということなんですね。
 しかも、今回は、バター不足の背景、その理由が指定団体制度にあるかのような印象操作をしていって、バター不足が原因ではないと、先日、五月二十三日の規制改革推進会議の答申にもバター不足などという文字は一つもなかったわけですよね。そういう形で、そして多くの人たちは、現場は誰もこの改革を望んでいない中で、なぜ指定団体制度、この従来の制度を、これ廃止ですよね、しなければいけなかったのか、その理由について改めて大臣にお伺いいたします。
#30
○国務大臣(山本有二君) まず、農水省がこの対応不可としていたものを何で今回の法改正に至ったのかという点でございますけれども、御指摘いただきました二十七年六月四日の規制改革ホットラインへの提案に対しましては、六月三十日に対応は困難と回答しております。その後も内部で検討いたしまして、二十八年の三月九日の規制改革ホットラインへの補給金の交付対象者拡大の提案に対しましては、六月十五日に、指定団体制度の是非、現行の補給金交付対象の在り方を含めた抜本改革について秋までに検討、結論を得ると回答しております。
 そして、昨年の十一月に、農業競争力プログラムにおきまして、近年の生乳需給の変化、これに着目したところでございまして、さらにはMMBのイギリスの失敗例、さらにはバター不足等の誤った認識等、そういったものも踏まえた形で今回のこの指定生乳制度改革に至ったということでございまして、補給金の交付対象を拡大するということに加えて、年間の販売計画や集送乳の調整の仕組みを新たに追加いたしました。そして、暫定措置法に基づく制度を恒久措置というようにさせていただいた次第でございます。
#31
○徳永エリ君 今の大臣の説明を聞いて、ますますなぜこの制度改正を行ったのかが分からなくなりました。MMBの解体の失敗を踏まえて、普通は同じ轍を踏まないようにするんじゃないでしょうか。大変に驚きの答弁であります。
 先日の参考人質疑に、北海道の厚岸で酪農業を営んでいる石沢さんという方が来ていただきました。指定団体に生乳を出荷している、指定団体制度を評価している酪農家の方々であります。北海道のほとんどの酪農家の方々は、多少農協やホクレンに不安を持っていても、やはりこの指定団体という制度は評価しているんだと思います。
 この石沢さんは、基本的に大変にいい仕組みだと思っています。一つは、一元集荷多元販売、北海道全域の牛乳のほとんど全量を、北海道の指定団体はホクレンですが、ホクレンが一手に全て集める、それを希望する乳業メーカーに届けるということであります。私のところは、運送業者のミルクローリーが朝七時半に集荷に来ます。バルククーラーで三度まで冷やした牛乳を吸い取り、乳製品工場まで届けてくれます。一元集荷多元販売、このことはメーカーとの価格交渉でも有利に働くと思っています。
 指定団体のもう一つの柱は、プール乳価です。御承知のとおり、用途別乳価といって生乳には幾つもの価格があります。飲用乳は百十七円ですが、バターや脱脂粉乳は七十五円というふうに細かく分かれています。様々な乳代を全部一つの財布に入れる、ここから乳製品工場まで運ぶ送乳運賃を始めとした共計経費を差し引いた残りを全部の乳量で割って単価を決めて払うという仕組みでありますと。その支払える精算の内容は、ちゃんと指定団体の情報として酪農家に知らされるということなんですね。
 この共計経費に関して、実はMMJに出荷をしている一部酪農家の方々は大変に不満を持っているんですね。手数料、これが何だかよく分からないと。でも、例えば生乳の需要の拡大とか消費の拡大とか、こういうところにもちゃんと使われているわけでありますし、それから、きちんと丁寧に説明を受ければ納得ができる内容ばかりなんですね。だから、これまでやはりコミュニケーションが足りなかったと。最近は、農協や、それからホクレンの自主改革、これがだんだん目に見えるようになってきて、この情報も前よりも随分詳細になったという評価が高まっていて、酪農家の皆さんとそのホクレン、農協との信頼関係が北海道ではどんどん高まってきているんですね。
 御案内のように、補給金の単価も一本化されましたし、単価十円五十六銭というのも大変評価されています。プール乳価も平成二十年から引き上げられて更に上がっているという状況ですし、七年ぐらい乳価もずっと上がっていますし、それから、これ府県と違うところで申し訳ないんですけれども、北海道はやっぱり個体販売価格、これが酪農家の収入を上げているということで、今すごくみんな、何というんですか、安心して酪農経営を行っているというか、いや、この安定という状態を何とか維持したいというふうに思っているので、そういう中では、改革は必要ないと、やっぱり指定団体制度なんだという、そういう思いが今一つに固まりつつあるんですよ。
 そういう中でこの改革をして、指定団体から果たして出ていく人たちがいるんだろうかと、北海道の結束は私は変わらないと思いますけれども、そうなると、ますます現場が何も求めていない改革をなぜやるんだろうと強く強く思うわけでありますが、大臣、もう一度いかがですか。
#32
○国務大臣(山本有二君) 昭和四十一年に結成されました現在の指定団体制度によりまして、日本の酪農は一挙に安定感を増しました。酪農の農家の皆さんの所得も上がりましたし、また生乳生産量も飛躍的に増大することができました。
 しかしながら、平成八年から言わば生乳生産量はやがて落ちるようになりまして、ピーク時に八百六十五万トンありました生乳生産量は現在七百三十四万トンに減っております。また、酪農家の皆さんの戸数も三分の二に減ってしまいました。というようなことから、酪農業に変化が起こりつつございます。
 特に、平成十二年に至りますと、言わば清涼飲料の中で牛乳というのが一番でございましたが、茶飲料に抜かれてしまいました、いわゆる飲用乳というものが。ですから、さらに現在に至りましてもどんどんこの飲用の需要というのは減っております。そして、大体今年はミネラルウオーターと牛乳が同じぐらいの販売になりつつございます。というように、飲用の市場、マーケットの中で消費者は牛乳を選ばなくなったということでございます。
 しかし、消費者の牛乳志向というのは大体一千二百万トンございまして、この一千二百万トンというのは、先ほど申し上げました七百三十四万トンしか国内生産がないわけですから、あとを全部輸入で埋めているわけでございます。
 というような、こういう需給見通しからすると、飲用に向けられるよりも乳製品に向けていただくという大きな転換をどこかでしなければならないわけでございまして、その意味で、今回思い切った改革をすることによって、酪農家の皆さんが乳製品を高く売るというような創意工夫を目指して頑張っていただけるという環境づくりをさせていただければと、こういうことでございます。
#33
○徳永エリ君 何か途中までの説明と後半がかみ合っていないというか、よく分からなかったんですけれども、生乳の需要はあるわけですよね。その中でなかなか需要に追い付かないという現状があって、それはなぜかというと、やっぱり生産基盤の弱体化、脆弱化だと思うんですね。
 これ、今回の生乳流通改革がその生産基盤の弱体化解消につながるのかどうかという問題なんですけど、北海道でもやはり酪農家の戸数はどんどん減っているんです。この十年間で約千六百七十一戸も減っているんですね。多い年は年間二百戸ぐらい減っていっているわけです。何でこんなに減ったのかということで酪農家の皆さんに聞いてみますと、やはり平成十七年の生乳の廃棄、あのときのやっぱり悔しさ、これが忘れられないと。もうこれは、後継者、後継ぎは要らないなと、もう自分の代でやめてしまおうと思った人がちょうどそれなりに御高齢になられたのでやめていってしまうということのようなんですよね。だから、若い人たちにつないでいくと、そのつないでいく支援をどうするかということも必要だと思いますし、それから、府県の場合には、先日も藤木先生からもお話がありましたけれども、やはりホルスタインの雌が足りないとか、それから子牛の価格が高いとか、そういうことが問題なんだというふうに思います。
 こういう酪農の生産基盤の強化こそが大事であって、今回の生乳流通改革はその次というか、いや、要らないんじゃないかという気がするんですけれども、この生産基盤の強化に関しては、実態を把握されて、そしてどのように対応していくというふうにお考えになっておられるんでしょうか。
#34
○国務大臣(山本有二君) 生産基盤の強化の一番は、酪農家の農家の所得向上ができているという環境整備が最も私どもは重要だというように思っております。
 例えば、北海道の例ではありませんが、岩手県の岩泉乳業は、岩泉地区の酪農生産者の方々の生乳でヨーグルトを作るわけでありますが、平成二十二年の最初の売上げが二億、ところが、二十七年、僅か五、六年でほぼ十億に売上げが上がっております。こういうような新しい試みをすること。そして、最近の、去年の岩手の集中豪雨……(発言する者あり)
#35
○委員長(渡辺猛之君) 御静粛にお願いします。
#36
○国務大臣(山本有二君) 集中豪雨によりまして生産基盤が全部失われたわけでございますが、今しっかり新しい工場を建設して、その生産基盤を岩泉乳業は確立して、そして酪農家の皆さんにこうして……(発言する者あり)
#37
○委員長(渡辺猛之君) 不規則発言はお控えください。
#38
○国務大臣(山本有二君) しっかり集乳をするということによってまた新たな歩みをされていられるわけでございまして、そういった例を見ますと、我々にとりましてはこうした例が一つの大きな見本になるというように思っております。
 さらには、畜産クラスター事業、あるいは酪農ヘルパー、TMRセンター、さらには乳用後継牛の確保、こういったものを進めさせていただきたいというように思っております。
#39
○徳永エリ君 大臣がこういったものもとおっしゃった後半が大事なんです。高く売ればいいということではありません。やっぱり酪農家の方々が安定的にきちんと経営を続けていけるような支援というのが大変大事だと思いますので、後半の部分をしっかりやっていただきたいというふうに思います。
 先ほど平野先生もちょっと御懸念なさっていた点なんですけれども、今回の改正で加工原料乳生産者補給金、昭和四十一年にいわゆる不足払い法として施行されてから五十年間、暫定措置法だったものが恒久的な制度として位置付けられました。この恒久的な制度になるということには評価している人も多いと思うんですけれども、しかし、この補給金の交付対象が拡大されて、これまでアウトサイダーと言われていた指定団体以外の事業者もここに含まれてくるわけです。しかも、外資も含めた指定事業者の新規参入も拡大されかねないという懸念があるわけであります。
 一昨日の参考人質疑で小林参考人おっしゃっておりましたけれども、北海道においてはMMJなどのアウトサイダーと言われる指定事業者に出荷する酪農家が増える、また、新たな事業者が参画するということになり、集乳量が増えることになれば、ホクレンが本州への生乳移送を強化して道内のプール乳価を引き上げることによってMMJなどとの競争力を強化しようとするでしょうと、そうなればまた南北戦争が再燃するかもしれないということを懸念しておられます。
 さらに、今後、都府県の、先ほど何百頭も何千頭も飼っているというお話がありましたけれども、メガ・ギガファームがどうなるのかということであります。県の生乳生産全体の三割以上を占めるというギガファームが都府県にはありますけれども、そういうところがメーカーと直接販売、直接取引をするということになれば、都府県の九つある指定団体、この指定団体自体の力が弱まるということは否めないのではないでしょうか。結果的には、乳価交渉力の低下につながって、乳価が下がって酪農家所得が減少するということになるのではないですか、大臣。
#40
○国務大臣(山本有二君) 現行制度下でも、指定団体に販売委託をせず、他の事業者に生乳を販売する酪農家が近年増加をいたしております。そのような中で、現在の指定団体以外に出荷する者も補給金の対象とすることによりまして、飲用向け一辺倒でなく、乳製品向けにも販売する方向に誘導することができると考えております。また同時に、本法案におきましては、補給金の交付に際して年間販売計画を提出していただくこととしているなど、需給調整の実効性が担保されるような仕組みとしているところでございます。
 なお、補給金は飲用向けには交付されず、また、需要が拡大する可能性があるのは飲用牛乳ではなく乳製品であることから、今回の制度改正によりまして、北海道から都府県への生乳移出量が急増するということは考えるところではありません。
#41
○徳永エリ君 何だか全然よく分からないんですけど。
 今、年間の計画、これを国が確認するというお話がありましたけれども、先日、やはり参考人質疑で、北海道庁の前農政部長の土屋参考人、冒頭、意見というよりは北海道の酪農家の方々やそれから生産者団体の方々の思いを代弁した要望がありましたので、ちょっと私が政府に確認をさせていただきたいと思います。
 今のその年間計画ですけれども、生乳の生産量については、猛暑になれば落ちる一方で、飲用の需要は逆に上がるといった気象状況による変動、そればかりではなく、夏休みとかゴールデンウイークあるいは年末年始には、飲用需要の約一割を占めております学校給食がなくなります、そういうことで生乳需給というのは常に変動するんですと。最近では、年末年始のテレビ番組が飲用乳の効果というのを放映したならば、飲用乳の急激な需要の増加もあったということで、先ほどの大臣の御答弁とは違うと思いますよ。
 そういう中で、新制度の確認に当たっては、飲用の不需要期にあった生乳を加工用に処理をするといった場当たり的な対応を排除していくためにも、できればゴールデンウイークとか年末年始とかということで、月ごとというよりは月の旬別、上旬とか中旬、そういったところで計画及び実績を確認してはどうかという御提案でありますが、この点についてはいかがでしょうか。
#42
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 本法案におきましては、飲用向けと乳製品向けの調整の実効性を担保することができるようにするために、事業者に対しまして、月別、用途別の販売予定数量等を記載した年間販売計画の提出を義務付けまして、省令で定める基準に適合するものであると認められる場合に交付対象数量を通知することとしております。具体的な基準としては、先生も御指摘ございました年間を通じた用途別の需要に基づく安定取引であること、あと、補給金の交付業務を適正に行えること、用途別の取引を行っていることを定めることと考えているところでございます。
 また、実績の確認につきましては、毎月、事業者から乳業工場に搬入された生乳の実績、乳業工場における用途別の使用実績、出荷された乳製品の製造実績などについて報告を徴収した上で、整合性があるかどうかを検証、突合した上で確認をするということにしてございます。
 旬別の実績確認については、その報告の頻度を増やすことによる事業者、乳業工場の負担等々を考えると、なかなか困難ではないかというふうに考えておるところでございます。
#43
○徳永エリ君 負担が大きくても、ここは私はしっかりやるべきだと思います。是非とも御検討をお願いしたいと思います。
 それから、指定団体はこれまで不正にこの補給金を得た、受給したということは恐らくなかったんだと思います。仮に不正な受給が発覚した場合なんですけれども、それについては補助金を戻すというだけではなくて、発覚後の一定期間についてはその事業者について補給金の対象にはしないといった、そういった厳しい措置も講ずるべきだというふうにもおっしゃっていました。
 それから、こういった確認、国の事務というのも増えてくるんだと思います。どうもALICを通じながら受託等をしている部分がありますけれども、それに係る受託の予算とか人の対応も含めて、国にしっかりと対応していただきたいということもおっしゃっておりました。
 それからもう一つは、先ほどもお話がありましたけれども、指定団体等が取引を拒否できる場合の規定ということなんですが、これ、五つほど条件を考えているというふうに聞いています。短期間の生乳取引を求められた場合、生乳生産のうち売れ残ったものを持ち込むような取引、こういったものを恐らく拒否するということになるんだと思いますけれども、取引相手の契約に際してその判断というのが人によってぶれることのないように、具体的な受託規程とか契約を例示したような事例集といったことを作成して配布するなどして丁寧に対応するべきだという御指摘もありました。
 私も、ここは丁寧にやらないと、また指定団体に拒否されたとか、良からぬうわさが広がりかねませんので、ここはしっかりと丁寧に対応していただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#44
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 指定事業者が生乳取引を拒むことができる正当な理由というのを省令で定めることとしてございまして、今おっしゃいましたとおり、具体的には、夏場に減少し冬場に増加するという生乳生産の季節変動を超えて委託又は買取りの申出の数量が変動する取引である場合、例えば年末年始のみに指定事業者へ委託等を行うような短期間の取引である場合、自分の生乳は飲用向けに売ってほしいというような特定の用途仕向けの販売を条件とする場合、生乳の品質が指定事業者の定める統一基準を満たさないものである場合、生産した生乳のうち売れ残ったものを持ち込むような取引を求める場合というようなことを拒否することができるということとして考えてございまして、今後、関係者の意見を聞きながら速やかに定めていきたいというふうに考えてございます。
 ここの部分というのはいわゆる部分委託に関わる部分でございまして、様々な事例が出てくるというのは御指摘のとおりでございます。我々も、それによりまして、どういう状況になっているかというのはきちっと見させていただいて、先ほどおっしゃった事例集とかそういうことも含めて、混乱が生じないように努めていきたいというふうに思います。
#45
○徳永エリ君 是非ともよろしくお願い申し上げます。
 確認したいことがまだ幾つかあるんですけれども、どうしてもこれだけ今日申し上げたいので、最後に。
 ニュージーランドと北海道の酪農協力プロジェクトというのが二〇一四年の八月からスタートしています。北海道から四軒の放牧酪農家を選出して、放牧による牧草の有効活用の効率向上と放牧酪農家の採算性の向上を目的に二年掛けて分析し、今後のアドバイスを提供するために必要な資料の作成と、収集したデータを基に北海道の放牧酪農家のベンチマークを作成する予定ですと。それで、調査費用に関してはプロジェクトで負担します、酪農家の方には費用は発生しません、御協力いただく日本の研究機関で発生する費用はニュージーランド側で負担しますと。これ、ニュージーランドの国家プロジェクトとして、ニュージーランド型の放牧酪農を北海道に広げようとしているんですね。
 理由は、生産コストの削減なんですね。それで、牛も配合飼料をばくばく食べるような大きなホルスタインではなくて、冷凍精子を輸入いたしまして、そしてちょっと小型の、牧草地帯とか丘陵地帯に対応できる足腰の強い牛が今どんどん増えているそうであります。これ、生産コストが劇的に減っているということで、大変に取り組んでいる方々からは評価を受けているんですが。
 私は、なぜニュージーランドが国家戦略として北海道でこんなことをしているのかと。農林水産省の方に聞いてみたら、特別例えば工場を造って、そこで北海道の生乳を何か製品化して中国に売るとか、そういうことではないだろうと。このプロジェクトに関わっている方にも聞いてみたら、どうもニュージーランドは、TPPでも大変にお世話になったし、これまでも、フォンテラの生乳、加工の原料として輸入をしてもらっているし、だから恩返しとしてニュージーランドの技術提供をしているんだというふうに言っているんですけど、本当にそうなんだろうかと、国費を投じて。
 今回の生乳流通改革によって外資も参入しやすくなっているわけであります。工場を建てないまでも、放牧酪農家、元気な牛から搾った生乳、これをフォンテラが集める、そして乳業メーカーに販売する、で、いずれそこを買収すると。そんな流れもあるんじゃないかということを大変に私は懸念をいたしておりますけれども、こういった懸念に対しては、大臣、どのようにお考えになりますでしょうか。
#46
○国務大臣(山本有二君) ニュージーランド政府と北海道庁あるいはホクレンの皆さんが技術セミナーを開催したり等、協力し合っておいでることは承知しております。
 今回の畜安法改正におきまして、年間販売計画を提出し、要件を満たす事業者であれば外資であっても制度の対象となるということになっております。あと、その補給金というのは、事業者を経由して最終的には生産者へ全額交付されるという仕組みでございますので、制度の対象となる事業者の事業活動そのものを支援するものではありません。
 こうしたため、御指摘のような懸念は当たらないというように考えておりますけれども、なお、新規参入者であっても、既存の農協、農協連であっても、生産者から生乳を高く仕入れた上で、需要が見込まれ、競争力のある乳製品を製造する取組を行うことは我が国の酪農家の所得向上に資するものと考えております。
 また、外資の脅威という点でございますが、外資に負けない国内生産体制をつくるということが我々の任務でございます。
#47
○徳永エリ君 いずれにしても、酪農家の方々も、これからこの改革によって何が起きるんだろうと、全くまた先が見えない不安の中にいるわけであります。いろんなことを心配しなければいけないと思いますけれども、心配が心配で終わるように、現実のものとならないように、私たちもまたしっかりと状況を見ながらこの委員会でも議論していきたいと思いますので、農林水産省としても、今頑張っている、特に家族経営の酪農家の方々が安心して酪農を続けていけるようにしっかりと必要な支援をしていただきたいということを申し上げまして、終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#48
○舟山康江君 民進党・新緑風会の舟山康江でございます。
 今日は、まず加計学園についてお聞きしたいと思います。ただ、今日は畜安法の法案審議ですので、是非答弁は簡潔に短くお願いしたいと思います。
 これまで何度か、何度もですね、いろんな方がこの問題について、非常にこの手続の不透明性等を中心として質問をしてまいりました。改めて、この特区、国家戦略特区を使った、言わば区域指定ですとか事業認定についての、この至る手順についてお聞きしたいと思います。
 今治市は、平成二十七年六月四日に提案、この獣医学部の新設ですね、これを提案して、早いもので翌日にワーキンググループでヒアリング、そして年を明けて二十八年三月三十日に広島県・今治市区域会議で改めて提案説明、そして九月二十一日には今治市分科会が開催されているという形です。ちなみに、これまでの段階で、これは、市の担当者は来ておりましたけれども、学校関係者は出席しておりません。
 一方の、同じようにこの獣医学部の新設を求めていました京都府に関しましては、平成二十八年三月二十四日に関西圏区域会議でこの獣医学部設置のための規制解除の提案をしております。そして、約半年空けた十月十七日にワーキンググループのヒアリングをしております。その席には、府の担当者に加えまして、大学からも副学長、教授が参加をし、まあ何度も言われておりますけれども、かなり詳細、具体的な提案をしております。
 こういった形で非常に、一方の今治市は、最初に提案があって、ワーキンググループヒアリング、そして区域会議、分科会とかなり細かく意見を聞いているんですけれども、もう片方の京都府は、区域会議での提案の後、ワーキンググループヒアリングで、手元確認できる限りではここで終わっております。その後、京都では何か手続をしていたのかが一点。
 そしてもう一点は、一般的なやっぱり手続というのがあると思うんですよね、ひな形というか。総理も含めて、きちんと手順にのっとって手続を進めたんだ、何のやましいこともないと言っているわけですから、このあるべき手続というのがどういうものなのか、その二点、併せてお伺いしたいと思います。
#49
○副大臣(松本洋平君) 今治と京都におきまして、まずもって、提案以降の手続で差を付ける、また優遇するということは一切ないということはまず最初に申し上げておきたいと思います。
 このワーキンググループでのヒアリングでありますけれども、その目的は、どこの地域とかということではなくて、そもそもの制度論をどのように考えるかということを議論するのがこのワーキンググループでの議論になっているところであります。
 京都府におきましては、提案時点で既に国家戦略特区としての指定はもう受けていたところでありまして、区域会議での提案を受けましてワーキンググループでヒアリングを行ったところでありまして、これはあくまでも制度論として京都さんからのヒアリングをいただきまして、制度としてどうするべきなのかということも議論を行ったということであります。
 一方、今治市は、特区指定前に提案があったところでありまして、まずワーキンググループでヒアリングを行ったということでありまして、そして特区指定後の区域会議でも改めて提案を受けたということでもあります。
 以上のように、それぞれの経緯というものが違いますので、その後の手続というものが若干違うわけでありますけれども、そこはルールにのっとってこれらの議論というものが進められたものと認識をしております。
#50
○舟山康江君 そういった意味では、もう京都の方は区域の指定もされていて、ある意味一歩進んでいたわけですよね。その上で、じゃ具体的な中身、この獣医学部の新設ということを提案をし、そしてヒアリングをしたわけですけれども、なぜその後に手続が進んでいないのか。十月十七日、要は、物事ががたがたと動き出す直前なんですけれども、ヒアリングをして、もう担当の、その設置を希望する大学の副学長と教授まで来て、かなり詳細な説明をして、中身のこの議事録を見ましても、相当評価も高かったと私はそんな印象なんですけれども、そうなると、その後の例えば区域会議なりでもっと詳細に詰めていって、この案件を認めるべきなのかどうなのかという議論になっていくと思いますけれども、なぜその次の段階に進まなかったのか。その詳細を教えてください。
#51
○副大臣(松本洋平君) まずもって、これまでも山本大臣を始めといたしまして累次にわたって答弁をさせていただいておりますとおり、京都を落としたとかそういう認識というものはまずもってないわけでありますけれども、一方で、この国家戦略特区の意味合いからいたしましても、スピード感を持って進めていかなければならないというそうした経緯の中におきまして、京都、今治といった区域の話とは全く別に、この十一月九日の諮問会議取りまとめ決定において、広域的に獣医師系養成大学の存在しない地域に限るとした、そうした決定をさせていただいたりというような形で、この制度自体を前に進めていくためのそうした議論というものが行われていったということであります。
#52
○舟山康江君 今、京都を落としたという認識はないというお話でしたけれども、もう一点確認したいんですけれども、結果的には、十一月九日の諮問会議取りまとめにおいて、広域的に獣医師養成大学の存在しない地域に限りと限定を付けたことによって、結果的に京都はこの段階でもう外されてしまったということになるかと思います。なぜかといえば、大阪に獣医学部があるということで、広域的に見ると関西圏には獣医学部があるということで、残念ながらもうここで断念せざるを得なかった、もうここで外されてしまったわけですよね。元々、意図したわけではないとおっしゃいつつ、そういう形になったということであります。
 そういう中で、おとといの農水委におきまして、小川委員の質問に対して松本副大臣は、十月下旬頃、山本大臣と八田座長とで非公式に意見交換を行って、そこで座長から、地域的に限定することも一つの方策との趣旨の意見があったと御答弁されました。十月下旬頃というとかなりちょっと幅広いんですけれども、具体的にいつどのような経緯で決めたんでしょうか。
#53
○副大臣(松本洋平君) 先日、私が答弁させていただいたことでありますけれども、この地域の限定をした経緯につきましてということでありますが、先日の答弁もさせていただきましたとおり、十一月九日の諮問会議取りまとめにおきまして、広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限るとしたわけでありますけれども、これに先立つ十月下旬頃、ちょっと通告をいただいていないものですから……(発言する者あり)この具体的な日時、具体的な日時に関してですね、こちらの方では把握をしていないところでありますけれども、十月の下旬頃、八田座長との間で非公式に意見交換を行い、産業獣医師の不足への対応と規制改革の早期実現のためには地域的に限定することも一つの方策との趣旨の御説明があったところであります。(発言する者あり)
#54
○委員長(渡辺猛之君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#55
○委員長(渡辺猛之君) 速記を起こしてください。
#56
○副大臣(松本洋平君) 大変申し訳ありませんでした。
 八田座長と非公式に意見交換を行ったこの十月下旬の具体的な日時についてでありますけれども、記録が確認できないということで、具体的な日時に関しましてのお答えは控えさせていただきます。
#57
○舟山康江君 これ、大変大事な決定なわけですよ。
 同じく一昨日、内閣委員会で、これは共産党の田村委員が質問して山本幸三大臣が答えていますけれども、もうこの十一月九日に広域的に獣医系大学がないということを決めた段階で京都が入らないという認識があったということなわけですよ。そうなると、十月十七日にヒアリングをしておいて、そして十月下旬ですから、長くても二週間ですね、たったこの二週間のどこかの時点でもう京都は外そうという決断をしたということですから、それがいつか分からない、どういう経緯か分からない、確認できないというのは余りにも無責任ではないでしょうか。これは決定に大きな影響を及ぼしたわけですから、しっかりと確認して、だってきちんと会議で決めたと言いながら水面下で決めているわけでしょう。ここ明らかにならないと、この手続にのっとってしっかりとやりましたということにならないと思いますけれども。
#58
○副大臣(松本洋平君) 十月下旬頃に特区ワーキンググループでの文科省、農水省との議論、また獣医師会などから提出された慎重な意見などから総合的に判断をいたしまして、まずは地域を限定することで意見に十分配慮することが適当であると山本幸三大臣が決断をされたところであります。
 ただ、これは山本大臣だけの決断でできるものではありませんで、その上で、内閣府の事務方に取りまとめの原案作成を指示し、昨年十月二十八日に内閣府の事務方が、文科省の高等教育局、十月三十一日に農水省の消費・安全局に原案を提示し、農水省からはコメントは特にありませんでしたが、文科省からは昨年十月三十一日に内閣府に対し意見の提出があったところであります。翌十一月一日、内閣府から文科省に最終調整案を提示をいたしまして、十一月二日、文科省から内閣府に意見なしの回答がありまして、特区ワーキンググループ委員、関係省庁間での事務的な調整を終えたところでありまして、最終的に山本幸三担当大臣が内容を確認いたしまして、十一月九日の諮問会議取りまとめに至ったわけであります。
 そうした意味におきましては、文科省や農水省とは十分な調整を行っているということであります。
#59
○舟山康江君 本当に私、京都産業大学には気の毒だと思いますよ。要は、もう九月の下旬ぐらいから、その前からかもしれませんけれども、記録がある、内部文書がある、確認できる範囲で見ても、九月の下旬からは、少なくともワーキンググループで京都のヒアリングをする前から、もう加計学園ありき、今治市ありきで進んでいる。だから、十月十七日のワーキンググループのヒアリングの後、京都に関しては何の手続もしていない、それこそ区域会議も開かない、分科会等も何もしない、そういった形になっているわけですよ。もうこの段階で加計学園ありきだということが決まっているからだったわけですよね。違いますか。
#60
○副大臣(松本洋平君) 加計学園ありきという話ではないと認識をしております。
#61
○舟山康江君 だって少なくとも今の、もう十月二十八日には取りまとめて、それこそ京都のヒアリングからたった十日ですよ。たった十日のうちに何があったのか。たった十日のうちに京都は外そうという決断をしたわけですよ。本当にその十日なのか、前から議論していたのか、分かりませんけれども、ただ、ここはもう加計学園しか手が挙げられないようになってしまった、追い込んでいたということでしょう。これは、手続に従ってきちんとやったということにはなりませんよ。それは自分たちが幾らそう強弁したところで、やはりそういったもう結果があって、内部でいろんな動きがあって決めたとしか思えないじゃないですか。
 もう一点お聞きしますけど、私、これもおとといの小川委員に対する答弁で、ちょっと意味が分からなかったんですけれども、ちょっとその部分を読み上げます。
 松本副大臣は、最終的には京都府より今治市の方が事業の早期実現性という観点から熟度が高いなどということを踏まえまして、山本大臣の判断で区域会議を行い、事業者募集を行うことを決定とおっしゃいましたけれども、これ、どういう意味なんですか。だって、もう事業者募集の段階では京都は外されたわけじゃないですか。熟度云々関係ないでしょう、これ。どういう意味だったんでしょうか。
#62
○副大臣(松本洋平君) 十一月九日の決定というのは、広域的に獣医師系大学の存在しない地域に限るということが決まったところでありまして、実際にどの地域におきまして新設を認めていくのか、その前には、十二月の二十二日に、文科省、農水省とも一校に限るということを内々には確認をさせていただいて、一月四日に至るわけでありますけれども、一月四日に、一校に限るとした上で、どこの地域でその公募者の公募をしていくかということを決めていくということでありますので、ですので……(発言する者あり)
#63
○委員長(渡辺猛之君) 御静粛にお願いします。
#64
○副大臣(松本洋平君) その十一月九日の段階で、既に今治、加計が決まっていたという話ではないと考えております。
#65
○舟山康江君 いや、そうじゃなくて、だって、もう京都府は十一月九日の段階で、残念ながら、要は手を挙げる資格を失ってしまったんですよ。そういう中で、京都府より今治市の方が早期実現性という観点から熟度が高いから事業者募集を行うと。何か本当に意味が分からないんだけど、どういうことでしょう。何か、何となく、門戸を開いて募集を掛けましたよというような、それこそ印象操作のためにこういう発言をしたのかよく分からないんですけれども。だって手が挙げられないわけだから、その熟度関係ないじゃないですか。まあ熟度の観点からいえば、どう考えたって、もう本人も出てきて説明しているわけだから、そこはもうへ理屈としか聞こえませんけれども、まあ熟度はおいておくにしても、でも、そもそも手が挙げられない状況で、何かあたかもオープンに門戸を広げたかのような言い方はおかしいんじゃないでしょうか。
 これ、もう一度、本当に、前回の副大臣御本人の発言ですから、ちょっと意味をかみ砕いて教えてください。
#66
○副大臣(松本洋平君) 先ほども申し上げましたけれども、あくまでもどの地域で公募を行うのかということは一月四日の時点で決まったものでありまして、そこまでは誰も手を挙げることは当然できないわけでありますので、一月四日にそうした判断がされたということであります。
#67
○舟山康江君 だから、じゃ、京都より今治市の方が事業の早期実現性という観点から熟度が高いことを踏まえて募集を行うってどういうことですか。
#68
○副大臣(松本洋平君) 山本大臣は、この一月四日、今治で募集をするということを決めるに当たりまして、様々な地域を議論の俎上に上げて検討されたということだと考えております。
#69
○舟山康江君 本当にもうやめてくださいよ、だって京都は落とされているんだから。どんなに熟度が高くても、明日にでも開学できる準備をされていたって、手が挙げられなかったじゃないですか。こんなのね、こういう何か言い訳みたいなことをやめていただきたいと思いますよ。そしてもう一つ、もう時間がないから次に行きますけれども、でも、これはもう絶対不透明なままですからね。
 そしてもう一つ、ここもよく分からないんですね。いわゆる四条件の中で、新たなニーズ、獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要があった場合にはという条件が付いて、それを一応クリアしたという前提で進んでいるわけですけれども、もう一回確認します。
 新たな獣医学部を設置する理由は、その新たに対応すべき分野における具体的需要があるからなのか、若しくは、現在、地域偏在があって獣医師の足りない地域があるからなのか、どちらなんでしょうか。
#70
○副大臣(松本洋平君) 今回、獣医学部の新設を五十二年ぶりに認めることといたしましたけれども、これは鳥インフルエンザなどの人獣共通感染症が家畜などを通じまして国際的に拡大していく中で、地域での水際対策の強化、新薬の開発など先端ライフサイエンス研究の推進など、獣医師が新たに取り組むべき分野の具体的需要が高まっていることから、これに対応する特例措置として獣医学部の設置を国家戦略特区のメニューとして追加することにしたものであります。
 一方で、農水大臣が繰り返し御発言をされておりますとおり、産業動物獣医師の確保には困難な地域が現実にあります。こうしたことも配慮をいたしましたし、また獣医師会等の慎重な議論に応えるものとして山本幸三大臣が判断したものであります。
 なお、不足が見られる地域の獣医師を養成することは、獣医学部新設を認める直接的な目的ではありません。ただし、水際対策を担う獣医師の養成を拡大することにより、結果として隣接領域である産業動物獣医師の不足問題の緩和につながることが期待されているところでもありまして、そのように農林水産大臣からも御発言があったところと承知をしております。
#71
○舟山康江君 まあ大体、その四条件クリアも矛盾していますね。山本農林水産大臣は、本当間違った認識の下でオーケー出しちゃったと思うんですよ。だって、十一月九日には、産業動物獣医師の確保が困難な地域が現実にある、その地域的課題の解決につながる仕組みとなることを大いに期待すると、ここを期待して認めちゃったんですね。
 でも、本来、新しく獣医学部が設置されるというのは、今御説明ありましたけれども、新たなニーズがあると、そこに対応する人材をつくりたいということですから、もう大臣のその期待は恐らく裏切られますから。本当に、間違った認識でうっかりオーケーをしてしまったという意味では、私はこれ、農林水産省、既存の獣医師、今の獣医師さんに対しても大変大きな問題を残してしまったんではないかというふうに思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
#72
○国務大臣(山本有二君) 再三繰り返しになりますけれども、獣医療法、また獣医師法に基づいてしっかりと酪農産業としての人材、基礎的人材である獣医師さんを確保しなきゃならぬ、その地域地域のニーズにまだ政府として応え切っていない。ですから、その意味においてどうやって応えていくのが最も適切なのか。今後、私は、それは単に農林省の責任、単に内閣府の責任、単に文科省の責任ではなくて、もっと様々な見地から議論を尽くしてそうした偏在をなくすというところに政府は努力を重ねていきたいというように思っております。
#73
○舟山康江君 是非、大臣、さっきの徳永委員の質問、そして資料にもありましたけれども、いろんな要求をされて、いや、それは事実認識が違いますよ、事実誤認ですよということを言っても、でも最終的にのまされてしまった。今回も同じですよ。需給は全体的に十分足りていると言っている、地域偏在をなくす努力もしていた、でも押し切られた。私は、やっぱり本当に闘うところはきちんと闘っていただきたい。恐らく規制緩和をする側は、必ずそれを抵抗勢力というふうに言い換えるわけですよ。でも、そんな言葉にだまされずに、おかしいものはおかしいと言い続けることが私はやっぱり必要なことではないのかなと思っています。
 そして、畜安法についてお聞きしますけれども、指定団体制度がこれから変わるということですけれども、これまでの経緯についてお聞きしたいと思います。
 私の記憶では、元々ばらばらに存在していたものを昭和四十一年に要は指定団体制度をつくって、そして、そのときも都道府県ごとにあった、でもそれでは効率が悪い、効率化を進めるということで平成十三年にブロックごと十団体に統合したわけですね。こういったことだと思っていますけれども、改めて、これまでの指定団体制度の動きの背景と成果を教えてください。
#74
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 指定団体が設立された昭和四十一年当時でございますけれども、牛乳、乳製品の需要が将来にわたって増加する、特に飲用向けの消費が大幅に増加すると想定される一方で、小規模な生産者団体が乱立をし、乳価交渉力が弱く、生産者と乳業者との間の乳価紛争が多発をしてございました。
 こういう中で、暫定措置といたしまして、乳価の低い加工原料に限って指定団体を通じて生産者補給金を交付することを内容とする加工原料乳補給金等暫定措置法を制定いたしまして、この時点では各県に一つ、都道府県に一つの指定団体ができまして、同法に基づく指定団体制度を適切に運用すること等によりまして我が国酪農は着実に発展を遂げてきたというふうに思ってございます。
 その後でございますけれども、酪農生産は地域的に特化をしていって、県によっては生産量が減少していったという状況、あと、他方、流通の方は、生乳の流通は広域化する中で、県単位の集乳、販売体制では集送乳の合理化が進まなくなっていったこと、あと、平成十三年以前でございますが、加工原料乳乳価は国が決めてございましたが、民民で決定することになったこと等から、集送乳の合理化と乳価交渉力の強化を図るために指定団体を広域化して、現在十団体となっているという流れでございます。
#75
○舟山康江君 ありがとうございます。
 要は、個々ばらばらでは価格交渉力も効率化も悪いから統合していきましょうということで、さらに、平成に入って各都道府県ごとにあったものを更に統合して、コストの削減をしていく、合理化を図っていく、交渉力を高めていくと、そういった方向だったと思います。
 さて、そういう中で、今回また、いわゆる先ほどの平野さんの図が非常に分かりやすいんですけれども、要は、いろいろ事業者の数が増えていくということですよね。確かに指定団体は残るにしても、そのほかのものも増えていくということで、ある意味この数を減らして合理化をしていくという方向がまた戻るという見方もできるんではないかなと思っています。
 そういう中で、今回、法案の目的に、需給の安定等を通じた経営の安定、そして関連産業の健全な発展を促進と明記されております。一般的に、いわゆる団体の対象事業者が増えれば、需給調整というのも難しくなる。要は、あとは、販売を行う業者が増える、いろんな選択肢が増えていくわけですよね。選択肢が増えていくとなると、需給調整は非常に難しくなる、そして価格交渉力も下がってしまうんではないかと一般的に思うんですけれども、こういった懸念に対してどのように対応していくんでしょうか。
#76
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 現行制度におきまして、補給金の交付に当たっては、需給の変動も含めた生乳全体の需給を見込んだ上で、加工原料乳の需要量である交付対象数量を示すことで、その数量が飲用、加工用の仕向け及び生乳全体の増減産に係る目安となっておりまして、これは新制度においても同様というふうに考えてございます。その上で、本法案におきましては、現在の指定団体以外に出荷する者も補給金の対象とすることによりまして、飲用向け一辺倒ではなく、乳製品向けにも販売する方向に誘導することができるというふうに考えてございます。
 具体的には、補給金の交付を受けようとする事業者に対しまして、月別、用途別の販売予定数量等を記載した年間販売計画の提出を義務付けまして、当該計画が農林水産省令で定める基準に適合するものであると認める場合には農林水産大臣が事業者ごとに交付対象数量を通知すること、当該年度に加工向けに仕向けられた実績を四半期ごとに確認をいたしまして、提出された計画に比べ実績が大幅に減少している場合には当該事業者の交付対象数量を削減すること等により需給調整が行われる仕組みとしているところでございます。
 このため、今回の法改正におきまして、法案の目的として畜産物の需給の安定等を通じた畜産経営の安定を図るという旨を明記いたしまして、政府といたしましては、制度の適切な運用を通じまして生乳の需給の安定を通じた酪農経営の安定を図ってまいりたいと存じます。
#77
○舟山康江君 繰り返しになりますけれども、やっぱり今極めて限定的な団体の数、数が少なかったからこそ内部の自発的な需給調整が利いていたと思いますけれども、たくさん増えれば増えるほどそのコントロールは数量を割り当てるにしても難しいんではないかと思います。そういう中で、法律に需給の安定ということを明記した以上、やはりこれは国が責任を持ってやるんだという理解でよろしいんでしょうか。
#78
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げました新しい法律の仕組み、年間販売計画の義務付けですとか、それに伴う確認等々で需給調整が行われる仕組みとしてございます。この法律の目的を明記したわけでございますので、この法律の目的を達成するように我々としては生乳の需給の安定を通じて酪農経営の安定を図ってまいるつもりでございます。
#79
○舟山康江君 国の全面的な関与を是非お願いしたいと思います。
 そして、元々今回の見直しの発端は、先ほども出ましたけれども、バター不足なわけですよね。そして、これ規制改革会議から出されたんですけれども、ある意味当初の提案は至極ごもっともなんですよ。要は、今不足の原因にあるのは、所得が低い、その所得が低い中で離農や生産減少があると、だからこれを何とかしなきゃいけないという問題意識だったと思いますけれども、今回の法改正でこの問題を解決することにつながるんでしょうか。大臣、お願いします。
#80
○国務大臣(山本有二君) バター不足の解消になるかという問いだと思いますけれども、平成二十六年に、平成二十五年、前年の猛暑の影響で生乳生産量が大きく減少いたしました。通常、生乳の仕向け先として優先度が低いバターの生産量、在庫量がこのおかげで減少したことは事実でございます。このような供給不安を背景といたしまして、通常は業務用バターを調達する洋菓子店等が家庭用バターを購入したということも重なって、スーパー等のバターが品薄となるという結果を招いたことがございます。
 平成二十八年度のバターの供給量は、国産バター六万四千トン、輸入バターが一万二千トン、計七万五千トンでございまして、バター不足を招かないためには、国産、輸入バターについてそれぞれ対応することが必要でございます。
 まず、輸入バターでございますが、国家貿易については、輸入したバターの流通状況を把握するため、落札者に対し最終消費までの流通計画の提出を求め、その計画が不明確な場合は売渡しをしないなどの措置を実施することとしております。加えて、バター生産、流通等に係る関係者による情報交換会を開催しまして、国家貿易輸入予定数量、これを決定することとしておるなど、運用面の改善を行ってございます。
 次に、国産バターについて、そもそも原料となる生乳生産量を確保する必要があるため、畜産クラスター事業等により、生乳生産基盤の確保、強化を推進するとともに、暑熱対策、暑い対策に対しまして技術指導通知を発出し、適切な飼養管理の徹底を図り、畜産業振興事業により……(発言する者あり)
#81
○委員長(渡辺猛之君) 御静粛にお願いします。
#82
○国務大臣(山本有二君) 暑熱ストレス軽減への支援を行っております。
#83
○委員長(渡辺猛之君) 時間が参りましたので、答弁、簡潔にお願いします。
#84
○国務大臣(山本有二君) さらに、この本法案によりまして、バターを含む乳製品の需要見込みから乳製品向けに必要となる生乳供給量を総交付対象数量として算出しまして、その情報を事業者に提出することで需給に応じた年間販売計画を作成しております。また、これまで補給金をもらえないため飲用向け一辺倒だったものを、計画的にバター等の乳製品向けに販売する方向に誘導することとしております。
#85
○委員長(渡辺猛之君) 時間が来ておりますので、答弁をおまとめいただきたいと思います。
#86
○国務大臣(山本有二君) 国産、輸入バターの対策を総合的に行うことにより、今後バター不足が生じないように対応できるというように考えております。
#87
○委員長(渡辺猛之君) 時間が来ておりますので、おまとめください。
#88
○舟山康江君 時間となりましたので質問をやめますけれども。だって元々この法案を見直す発端がバター不足なわけですよ。ということは、この法案を見直す、改正すればこのようなバター不足はなくなるんだと、そしてバター不足の背景には所得が低いことだと言っているんですよね。
 ですから、この法案で是非酪農家の所得が上がるようにしてもらいたい、もしそれができないんだったらこんな法案改正の必要がないんだということを私は強く申し上げて、質問を終わります。
#89
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。
 前回に引き続き、畜産安定化法案について質問をさせていただきます。前にも申し上げましたけれども、私が生まれ育った地域は、北海道でも有数の酪農地帯、根釧パイロットファームを擁する地域で育ちました。酪農は地域になくてはならない産業であり、その恩恵も間接的に受けながら私自身が生きてきたと感じておりますけれども、その酪農家を支える制度として指定団体制度があり、また生産者補給金制度、これは酪農家の収入を支える上で不可欠なものであります。
 先ほど平野委員から、本州は余り恩恵は受けていないんだという、そういうお話を伺いまして、ああ、本当に北海道のためにあった制度なのかなということをまた改めて感じた次第でありますけれども、今回の改正で暫定法から恒久的な制度にこの生産者補給金制度が位置付けられるということについて評価をしたいと思っております。
 一方で、今回の生産者補給金制度の交付対象が生クリームにも拡大をされる、総枠も今年度の予算では増えているわけでございますけれども、そもそも生乳が足りないということを何とかしなければならないというふうに感じております。
 加工乳に供給をした場合に生産費を下回ってしまうような乳価である、だからこそチーズの需要、また生クリームの需要も上がっているわけではありますが、チーズに関して言えば、昭和五十年に一人当たりの消費量が年間〇・五キロだったものが、直近では一年間で二・四キロにも増えているにもかかわらず、増えた分はほとんど輸入のチーズによって供給が賄われているという、このような状況を考えたときに、生乳のコストを下げていくということについてしっかりと農林水産省に後押しをしていっていただきたいと思います。
 六月六日の参考人質疑で、石沢参考人も根釧パイロットファームの方でありましたが、主にコストが高いというふうに言われると、一般的に飼料が高いからだという、そういう分析をされているわけですが、主に牧草で石沢参考人は育てておられますということでありました。
 私の友人にも電話をして、あなたのところは輸入飼料使っていますかというふうに聞いたんですけど、九十頭ぐらいの牛を飼っているんですけど、牧草で全部やっているということでございました。牧草飼育で生産量はその分少し少なくなるけれども、施設整備にそんなに多くを投資しなくてもいいんですというお話が石沢参考人からありました。
 また、牧草飼育だと牛の体に負担を掛けないので多産になると。三産とか言われますけれども、五産、六産、石沢参考人は七産というふうにもおっしゃられていましたでしょうか。やはり私の友人にも聞いたら、五産、六産ぐらいでやっているという、それぞれの経営の仕方だから一概にそれがいいというふうには言えないかもしれないけれども、そういうことでございました。
 一頭当たりの生産量を増やさなくても生涯の牛の減価償却費が下がる、また、子牛が売れるということで、今は子牛の価格がいいから乳価もいいし、何とか回っているという話も聞いておりますけれども、そういう経営の仕方を行うことによって生産性を向上させるということが可能なのだなということをまた改めて私も勉強させていただいたところでございます。
 単に頭数を増やすとか、あるいは輸入飼料を食べさせてでも搾乳量を増やすとか、そういった方策ではないコストを下げる方法もあるなというふうに気が付いたところでございます。
 農水省はそうした方法についてどのように評価をされていますでしょうか。
#90
○副大臣(礒崎陽輔君) 今委員御指摘のように、現在、やっぱり一頭当たりの乳量を向上させるために濃厚飼料を与えているんでありますけど、濃厚飼料の過度な給与は逆に体調不良を起こさせて、乳用牛の供用期間が逆に短縮してしまうと、こういうのはもう御指摘のとおりでございます。したがって、濃厚飼料の給与の水準や供用期間はそれぞれ経営戦略の中で判断される事項ではございますけれど、乳用牛を長く健康に活用するためには良質な粗飼料をバランスよく給与することが必要であり、それがまた全体的なコストの低減に結び付くものだと考えております。
 農林水産省では、このため、飼料の給与バランスの改善のための健康診断の事業や良質な牧草を作るための優良品種の普及や草地の生産性向上等の支援を行っており、引き続き乳用牛の供用期間の延長に向けた取組を推進してまいりたいと考えております。
#91
○竹谷とし子君 牧草のみで飼育する場合、どれぐらいの広さが必要かということで、大体一頭で一ヘクタールというふうに言われているようでございます。
 友人に聞いたところでは、九十頭飼っていて四十四ヘクタールであるということでありましたので、一ヘクタール当たりどれぐらいの牧草ができるかということによっても違うのであるなというふうに思ったところでございますけれども、例えば北海道の平均的な牧草地で植生の改善によって草地が最高レベルに生育する、そういう状況になった場合、生乳生産単位当たりの輸入飼料というのはどれぐらい減らすことができるというふうに試算されますでしょうか。
#92
○政府参考人(大野高志君) 北海道の牧草地の平均的な単収は一反当たり四百TDNキログラムということですけれども、草地改良によって百TDNキログラム増やすことができると、こういう結果が出ております。
 こういう前提に立って試算いたしますと、搾乳牛一頭当たりの購入飼料を約二割、輸入を主体とするとですね、購入飼料を二割削減できると、こういうふうに試算できるかと思います。
#93
○竹谷とし子君 輸入飼料二割削減というのは幾らぐらいに換算されますでしょうか。もしお手元にあったら、なければ結構ですが。
#94
○政府参考人(大野高志君) 今ちょっと調べた上で、後ほど御回答申し上げます。
#95
○竹谷とし子君 今、北海道の例で伺いましたけれども、この草地改善はどのような方法によって行われるものでしょうか。それは、私の地元であります東京都の八丈島や大島、小規模ではありますけれども、地域振興のために、また食育のためにも、非常に島で酪農を行うということは重要なことであると思っております。
 そうした離島でも草地改善というのは有効な方法でしょうか。お聞きしたいと思います。
#96
○政府参考人(大野高志君) お答え申し上げます。
 草地改良の方法としましては、雑草の侵入の状況に応じた除草剤の散布、それから土壌分析結果に基づきます肥料等の散布、それから耕起、砕土、整地を行った上で播種を行うということが一般的でございます。
 八丈島や大島につきましては特有の火山性の土壌と、このために牧草の定着が難しいという課題がございまして、草地改良に当たりましては、土壌分析等の十分な調査を踏まえて実施する必要があると、こういうふうに考えております。
 このために、具体的な個別の草地改良に関します技術等につきましては、町や東京都の担当の課に御相談いただくとともに、国としましても必要に応じて技術的な支援を行ってまいりたいと、こう考えております。
#97
○竹谷とし子君 国としても必要な技術支援を行っていただけるということでございましたが、八丈島や大島、またほかの離島でもそうだと思いますけれども、そこに牛がいる、そしてそこで育った牛から新鮮な牛乳が飲めるということは、その地域に暮らす子供たち、また大人も含めて大きな食育にもつながっていくことだと思いますので、産業の規模としては小さいかもしれませんけれども、是非その振興を後押しをしていっていただきたいというふうに思います。
 続きまして、同じく石沢参考人から、七年ごとに土を掘り返す指導をされているが、それは余り良くないという御発言が参考人質疑のときにありました。これは農水省が行っている指導なのでしょうか。
#98
○政府参考人(大野高志君) 一般に、牧草地は、適正な管理を行っても雑草が侵入するといったことによりまして、七年から十年で生産性が低下することから定期的に更新を行うことが望ましいと、こういうふうに考えております。
 ただ、国として一律に何年で更新を行うべきといったような指導は行っておりません。これは、土壌条件ですとか管理の状況等によりましてその草地改良の方法も異なるためでございまして、それぞれの経営に応じた適切な方法を採用することが重要だと、こういうふうに考えているところでございます。
#99
○竹谷とし子君 また、同じ日に参考人として御意見を伺いました土屋参考人からは、草地の植生改善で良質の牧草を多く育てる取組が紹介をされました。先ほども具体的に事例として草地改良はできるという御答弁はありましたけれども、農水省の補助事業でも行われていると思います。具体的な成果が出ているかどうかということについて伺いたいと思います。
#100
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 良質な牧草を生産し、自給飼料中心の飼養管理を行うことは、反すう動物でございます乳牛の生理に合致いたしますとともに、濃厚飼料給与量の減少によります飼料コストの低減にもつながります。
 このため、農林省といたしましては、飼料増産総合対策事業等によりまして、優良品種の普及、草地の生産性の向上、コントラクター、TMRセンター等の飼料生産に係る外部支援組織の機能強化、放牧の推進等の支援を実施してございます。
 その成果についてでございますが、例えば、二十七年度に北海道の二十四地区で実施いたしました優良種子の導入等によります草地改良への支援によりまして、十アール当たりの草地の単収が二・七トンから四・七トン、七四%増する等の効果が出ているところでございます。
#101
○竹谷とし子君 ありがとうございます。具体的に成果が出ているということでございました。
 また、同様に、小林参考人からは、耕作放棄地を草地にして酪農に生かしていくことという御提案がございました。そうした事例はありますでしょうか。
#102
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 例えば、北海道の興部町でございますけど、平成十八年度から二十二年度に国の事業を活用いたしまして、地区内の未利用地や離農跡地を生産性の高い草地に整備しまして、規模拡大を志向する酪農家に集積する取組を行ってございます。この結果、事業参加農家一戸当たりの飼料作付面積が約六十ヘクタールから約八十ヘクタールに拡大をいたしました。
 このように、未利用地ですとか離農跡地も活用しながら土地の基盤を確保して自給飼料の生産拡大を図ることは、酪農のコスト低減を図る上でも有効と考えてございます。
 北海道全体では、一戸当たりの飼料作付面積が平成十八年の五十四ヘクタールから平成二十八年六十七ヘクタールになるなど、現在、飼料生産の拡大が図られているところでございます。また、都府県の中山間地域におきましては、これは酪農ではございませんけれども、肉用牛の繁殖経営が耕作放棄地を活用して放牧等による規模拡大を図っている取組も多く出てきてございます。
 今後とも、草地基盤整備事業、また農地中間管理機構を通じました耕作放棄地等の集積等によりまして、飼料生産基盤に立脚いたしました酪農経営の確立を支援してまいりたいと存じます。
#103
○竹谷とし子君 今、未利用地を利用した酪農、また畜産の規模拡大という事例を御紹介をいただきましたが、全国で酪農の耕作放棄地というのは今どれぐらいあるのでしょうか。また、その土地は現在どのような状況になっているか、伺いたいと思います。
#104
○政府参考人(佐々木康雄君) お答え申し上げます。
 耕作放棄地の面積につきましては、五年ごとに行っております農林業センサスで把握をしているものでございますけれども、これは調査対象者であります農家の自己申告による主観的な数値というものでございます。
 平成二十七年におきます耕作放棄地の全国の面積は四十二万三千ヘクタールというふうになっておりますけれども、恐縮でございますが、酪農などの営農類型別の数値については把握をしていないのが実態でございます。
#105
○竹谷とし子君 この農地の未利用地、耕作放棄地について、私、非常に強い関心を持って、何度か質疑でも取り上げさせていただいておりますが、もう農地として使えない土地も多いという調査結果、農水省から出ております。それで、それをどうするんですかというふうに伺いましたら、林地として活用しますということも伺ったわけでありますけれども、この酪農や畜産に生かす事例というのがもう既に出ていますので、近くに酪農家や畜産家がいなければ活用は難しいかもしれませんけれども、この大事な日本の国土を活用していくという視点から、放棄をされている土地についてどんどん活用をしていっていただけるように、酪農、畜産も含めて、農林水産省としてしっかりと取り組んでいっていただきたいと思います。
 また、農家の酪農の負担を、労働の負担を軽減するために、今、様々国としてもお取組がされていると認識をしております。機械化を進めることですとか、あとはクラスター事業も非常に現場からも要請が強いものでございますが、かえって過剰投資にならないか危惧を示しておられる、そういう御意見もございます。
 酪農家の負債を増やして、よくないという指摘もありますが、その指摘は当たっているのでしょうか。私は生産性が向上して利益の増大分から投資が回収できるようなものに対して支援するべきであるというふうに考えておりますが、いかがでしょうか。
#106
○大臣政務官(矢倉克夫君) お答えいたします。
 畜産クラスター事業は、元々収益性の向上のための事業であります。仮にそのような御意見があったとしたら、例えば、政府が無計画な事業をあおるようなことがあり、仮にバブルがはじけたら負債が残るとか、そういったことを御懸念されるような向きがあったことかもしれませんが、であれば、やはりちゃんとした計画に基づいて安定的な事業を行っていくような形を取っていくことが重要であるというふうに思います。
 今委員からも御指摘ありましたが、可能な限り少ない投資額で必要な施設整備ができること、さらには投資後の経営が安定的に行われることが重要であり、そのための計画性を図っていくことが重要であると思います。このため、事業実施主体による、政府といたしましては、農水省といたしましては、費用対効果分析の実施や、都道府県や農政局のヒアリングを通じて評価を行いまして、より多く確実に投資の回収が見込まれる計画が採択しているようにしております。また、事業の実施に当たりましては、投資額が過大となることがないように、施設整備に要する費用、平米当たりの基準単価を設定いたします。また、一般競争入札を基本とした適切な入札実施の指導なども行っております。
 これらによりまして、畜産クラスター事業の目的である地域の関係者の連携により収益向上が図られるよう、更に農水省としてもしっかり行ってまいりたいというふうに思います。
#107
○竹谷とし子君 クラスター事業に対しては、現場から、手続が時間が掛かっているので早く進めてくださいという、一方ではそういうお声もありまして、中身をきちんと見ながら迅速に手続を進めていっていただきたいというふうに思います。
 続いて、酪農ヘルパーについて質問をさせていただきたいと思います。
 酪農は、御承知のとおり、もう本当に休みがない仕事であります。その中で、酪農家の方々が休みを取るためにヘルパーさんに来てもらって酪農の作業をやってもらうということが非常に有用であるというふうに考えております。
 また、私が小学校、中学校のときに、よく東京の方から、本州の方から、大学生の方々が男性も女性も農家に泊まり込みで仕事の手伝いに来られておりました。よく当時、汽車が走っていましたけれども、汽車に乗っているとそういう方が前に座ったりして、東京から来たんだよねとか、そういう交流をしておりましたけれども、そういう方が北海道に、酪農に魅力を感じて移住をされたりとか、そういうことにもつながったとも思いますし、農家出身ではない人が酪農ヘルパーの仕事を通じて酪農家と交流をする中で酪農業に就労していくというきっかけにもなるものであります。
 今、国として酪農経営支援総合対策事業というものをされているというふうに思いますけれども、学生のインターンシップとか育成、研修への支援もされているというふうに認識をしておりますが、非常にこれは大事な事業だと思います。この酪農ヘルパーに対して国はどのように支援をされているか、改めて確認をさせていただきたいと思います。
#108
○大臣政務官(矢倉克夫君) お答えいたします。
 酪農ヘルパーの方々、今委員からも農家でない方がまた就農していくきっかけにもなり得るというような視点からも御指摘がありました。いかに技能習得等に向けて支援をしていくのかが大事であると思っております。政府、農水省といたしましても、今申し上げたように、新規就農者等のニーズや、知識、技術の習得度合いに応じた研修の機会を提供していくことが重要であるというふうに認識をしております。
 このため、農水省では、新規就農者等が酪農経営や飼養管理技術に関する知識、技能を習得できるよう、酪農情勢や飼料生産、また畜産環境対策等に係る基礎から最新までを体系的に学べる研修の開催を行う、また経営力向上のためのセミナーの開催、さらにはヘルパー業務を通じた実践的な知識、技能の習得を図る取組等、多様な支援を展開しているところであります。
 また、ヘルパー要員に対する支援につきましては、従来から実施しております雇用直前や雇用後における酪農の知識、技能を学ぶための研修会の開催に加えまして、平成二十九年度から学生インターンシップを創設し、地域人材にとどまらず、都市部も含めて要員確保が図られるよう、人材の裾野を広げながら就業前に業務を体験することでミスマッチの少ない雇用を図るほか、ヘルパー要員の育成に対する支援についても、非農家出身者の増加や、多様化、高度化する飼養形態に対応できるよう、研修の支援期間を従来一年であったものを二年にいたしまして、補助の上限も引き上げて支援内容を拡充したところであります。
 今後とも、酪農人材の確保、育成がしっかりと図られるよう、効果的な対策の実施に努めてまいります。
#109
○竹谷とし子君 今、教育に関しても触れていただきましたけれども、北海道の地域で酪農家に育って、札幌や東京の学校に行ってまた戻ってくるという人も少なくないんですね。
 大学を出て、また酪農に親の後を継いで就農するという方がおっしゃられていたそうなんですけれども、余りにも教育内容が、レベルが期待していたほど高くなかったというそういう、必ずしも全部がそうではないかもしれませんけれども、学びたいものというのはそのお立場お立場で違うというふうに思います。お金を出してでも学びたいと思うようなものを是非提供していっていただきたいなというふうに要望させていただきたいと思います。
 受講者のニーズに今教育支援合っているか、また受講者は満足をしているか、農水省の見解を伺いたいと思います。
#110
○政府参考人(枝元真徹君) そのような声があるということは承知してございまして、やっぱり新規就農者のステージに応じた研修内容というのをどうしていくかというのは一つの課題だというふうに認識してございます。
 なお、各研修の満足度でございますけれども、主要な研修でございます中央技術研修会の酪農関係講座ですとか酪農ヘルパー専門技術養成研修等については、満足度調査では九割以上となっているところでございます。
#111
○竹谷とし子君 続きまして、チーズについて伺いたいと思います。
 チーズの生産に向く生乳が今足りないということで、そうした生産量を増やしていく、そしてコストを下げていくという質問を冒頭させていただきましたけれども、今、道東、北海道の東地域でもチーズ工房が随分と、以前に比べてここ数年で増えてきたなというふうに感じております。中標津町では、東北海道のチーズ工房から製品を出していただいてチーズフェスティバルというものも開催をされて、オーガニックワインとともに試飲、試食をするとか、そういうイベントなどもされておられます。
 このチーズの生産について、今回加工乳の補給金が対象を増やしたことで、チーズ向けの生乳というのが取引価格が安いので、むしろチーズ向けの生乳の供給が減ってしまうのではないかという、そういう懸念が小林参考人から示されましたが、いかがでしょうか。
#112
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 小林参考人のお話、聞かせていただきました。幾つかちょっと論点があるようでございまして、まず一つ、法案の中では、生産者自ら生産した生乳をブランド化してチーズ等に加工、販売する取組についても新たに補給金の交付対象としてございますので、新たなそういうチーズに取り組むという方々は増えていくというふうに考えてございます。また、補給金については、本年度から生クリームを対象に追加いたして単価を一本化いたしましたけれども、それで、これまではチーズと脱バと単価が違うということで参考人おっしゃっておられましたけど、生産者に対してはこれまでもいわゆるプール単価でやってございますので、一律の補給金という意味では去年今年で変わるものではございません。
 また、生乳の用途ごとの仕向け量については、用途ごとの需給の状況ですとか、これを反映した取引単価の水準に応じて決まるものでございます。実際には、チーズへの生乳仕向け量の推移を見ますと、その単価水準は輸入チーズとの競合等によりまして他の用途に比べて低い水準でございますが、特に、直接消費用のナチュラルチーズにつきましては、消費者ニーズに応じた販売を実施していることによる堅調な需要を背景に増加傾向で推移しているところでございます。
 これらを総合的に考えますと、取引単価の高いものに単純に仕向けが集中してしまって、単価の低いチーズ向けに仕向けがされなくなるのではないかという御懸念は当たらないんではないかというふうに考えてございます。
#113
○竹谷とし子君 今、国産チーズについて質問させていただきましたが、非常に魅力的なチーズの加工が今行われておりますので、国産チーズの振興へ是非農林水産省も更に後押しをしていっていただきたいということを要望を申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
#114
○委員長(渡辺猛之君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時四分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十五分開会
#115
○委員長(渡辺猛之君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、畜産経営の安定に関する法律及び独立行政法人農畜産業振興機構法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#116
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 六月六日に参考人質疑を行いましたけれども、加工原料乳暫定措置法を廃止して畜安法を改正することで酪農家の所得が増えるのかどうかということ、論点になりました。
 それで、生乳の生産コストと酪農家の所得がどうなっているのかということを調べてみました。生産費は、実搾乳、これ百キログラム当たりの全算入生産費ということですけれども、北海道は、二〇〇五年、平成十七年ですけど、七千五百八十円、二〇一五年、平成二十七年は七千七百四円ですから、十年間で百二十四円増えていると。都府県はということで見ると、八千九百四十七円が九千七百八十九円になって八百四十二円増えているということなんです。それで、酪農の生産コストは、輸入飼料に依存するということが強い、そういう傾向が強いので、為替相場の影響を受けやすい。ですから、生産コスト、この削減といっても簡単じゃないということだと思うんです。
 一方、酪農家の所得なんですけれども、私、JA北海道からも毎年要請を受けるんですけど、JAグループ北海道の目指す姿とあるんですね。その目指す姿として、最低限の所得目標ということでは、実搾乳量キログラム当たりで三十円、ここを目指しているわけですよ。現状は、二〇〇六年度、平成十八年以降でいうと十円台の後半で推移しているという状況です。
 それで、大臣に伺いますけれども、酪農は生産コストの削減といっても簡単じゃないわけですけれども、畜安法を改正して所得を上げることが本当にできるんでしょうか。
#117
○国務大臣(山本有二君) そう簡単ではないわけでございますが、今回の補給金制度改革というのは、指定団体のみ補給金を交付するという現行の方式を見直し、出荷先等を自由に選べる環境の下で生産者による創意工夫を促し、所得を増大させるということを目的としております。具体的に申し上げれば、改正法案で、生産者の生乳の仕向け先の選択肢が広がること、自ら生産した生乳をブランド化することによる、また加工販売する取組、そうした創意工夫による所得向上の機会を創出しやすくしたということでございます。
 また、現在の指定団体である農協、農協連につきましても、生産者の選択に応えるため、流通コストの削減や乳価交渉の努力を促すことになるわけでございます。
 また、これまで補給金をもらえないため飲用向け一辺倒だったものを乳製品向けにも計画的に販売する方向に誘導することができ、これにより冬場等の飲用牛乳の不需要期の廉価販売に歯止めを掛けることができると考えております。
 加えて、新たに導入される年間販売計画におきまして、乳製品仕向けの経営戦略を明確にすることで、より消費者ニーズの高い用途や付加価値の高い国産乳製品の製造が促進される結果、乳業メーカーが得られる利益を基とした乳価の形成が期待されるものというように考えております。
 以上のように、改正法案により酪農家の所得向上につながると考えているところでございます。
#118
○紙智子君 一昨日、参考人質疑があって、石沢参考人も小林参考人も酪農バブルという話が出ました。個体販売価格、子牛が高く売れていると、今。しかし、子牛の価格バブルがはじけたらおっかないというふうに北海道弁で言っていました。石沢さん、おっかないと言っていました。それから、小林参考人は、二〇〇〇年以降、生乳一キログラム当たりの所得は下がっているというふうに言われました。
 大臣は、消費者ニーズに応えていろいろとブランド物を手掛けるとか、そういう商品を作れば所得は上がるというふうに言われるんですけれども、確かに野菜なんかでいったら、今パクチーブームですよね。だから、パクチーをそのブームに乗って作ったらそれは確かに売れるかもしれないけれども、じゃ、ずっと売れるのかといったら、そうとも限らないわけですよね。しかし、求められている農政というのは、やっぱり一部の方の所得を増やすということではないと思うんですよ。酪農家全体の所得を上げるということだと思うんですね。
 畜安法の改正で、酪農家の所得が全体として上がるんでしょうか、いかがですか。
#119
○国務大臣(山本有二君) プロセスは経なければならないと思いますが、やがてはしっかりと上がっていただきたいと念願しております。特に、千二百万トンの消費者需要に対して七百三十六万トンという国内生産量でございますので、そうした意味でも、また乳製品への消費者のニーズが上昇しているところでもございますので、酪農経営というのは発展の可能性としては十分あるわけでございます。そのためにも、特色ある牛乳、乳製品の生産による付加価値の向上、酪農家が創意工夫を生かせる環境の整備、重要だと思っております。
 生産者の生乳の仕向け先の選択が広がることも申し上げましたし、また、多様な消費者ニーズへの対応や創意工夫による個性的な牛乳、乳製品の開発、販売、こうしたことによって、新しい考え方をする意欲ある農業者の取組による所得向上は必ず私はできてくるというように確信をいたしております。より消費者ニーズの高い用途、付加価値の高い国産乳製品の製造が促進される結果、乳業メーカーが得られる利益が生産者にも、乳価、すなわち所得として還元されていくものというように思っております。
#120
○紙智子君 希望はそうなってほしいということだと思うんですけれども、やっぱり消費者ニーズに応えれば、何かすごく聞こえはいいんですけれども、それで全てうまくいくのかといったら、既にもういろいろ努力をされてきているわけですよね。
 それで、私はやっぱり基本となる生乳の生産で所得を上げることが必要だというふうに思います。そして、参考人質疑で出されていましたけれども、指定団体を通さないで全てを飲用向けに出荷する酪農家、プール乳価よりも高い乳代を受けるわけですよね。一部の人の所得は増えるんだけれども、ほかの人の所得は減ると。第二、第三のホクレンができれば収入や所得は増えないというふうに言われたわけですけれども、畜安法の改正でそういう事態が生まれないというふうにはっきり言えますでしょうか。
#121
○政府参考人(枝元真徹君) 今回、二つあろうかと思います。
 一つは、事業者の単位で参りますと、指定団体以外、指定団体を通さずにいろいろ加工される方に補給金を渡すということでございますが、ここ数年の傾向でございますけれども、今は部分委託も非常に限定的でございますので、指定団体の中から指定団体以外に完全にゼロ、一〇〇で飲用だけに行かれる方というのが増えているのはもう先生も御案内のとおりだろうと思います。
 今回のそういう補給金制度の改革、また部分委託の取組によりまして、様々な指定団体と共存しながら創意工夫をされていく方々、そういう方々が増えていくというふうに考えてございますので、そういう意味からいたしますと、補給金制度の改革によって全体としてのいろんな取組が進み、所得が上がっていくというふうに思ってございます。
 また、指定事業者の方に関しましては、午前中も申し上げましたけれども、今回二つの要件に合致する場合に申請があれば指定するわけでございますが、今現在の指定団体は、その要件から見て、指定団体として今後も、申請があればの話ではございますが、になっていただけるんだろうというふうに考えてございます。
 また、それ以外の方についてもイコールフッティングでございますので、可能性として、そういう事業者の方々が指定事業者としてなり得るということではございますが、現時点においてどの程度そういうのが可能性があるかということについてはちょっとまだよく分かっていない状況でございます。
#122
○紙智子君 現時点ではまだよく分からないと。私は、そんな自信持って絶対そういうふうにはなりませんと、全体で上がりますというふうに自信持って本当に言えるのかなというふうに思うわけですよ。酪農家の所得が全体として上がらなかったら、これは地域全体の発展にはつながらないんですね。やっぱり全体が上がらないといけないと。
 それで、今、部分委託の話も出ましたけれども、前回の質問に続いて、部分委託がこの需給調整、需給状況にどういう影響を与えるのかということについても聞きたいと思うんです。今は、生乳生産者と指定団体との取引は全量無条件委託というのが原則になっています。参考人から、全量無条件委託が効果的だという意見がありました、これ土屋参考人から出たんですけれどもね。
 そこで、全量委託原則ということについて聞きたいと思うんです。
 平成十三年の二〇〇一年、指定生乳生産者団体の受託規程についてという、これ生産局長の通知が出ています。第二条においては委託の原則、第三条においては生乳受託契約の締結を定めて、その契約は全量委託というふうにしています。そこで、この全量委託を原則にしている理由を説明してください。
#123
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 まず、今先生おっしゃったのは、改正された、改正といいますか、改正のときの通知だろうと思いますが、この全量無条件委託を規程例に入れましたのは、昭和四十一年、この暫定措置法を作ったときでございます。その昭和四十一年の暫定措置法施行以前は小規模な生産者団体が乱立をいたしまして、乳価交渉力が弱くて、生産者と乳業者との乳価紛争が多発しておりました。
 それで、何回も答弁申し上げておりますが、この暫定措置法を作り、指定団体を通すものに対する加工の補給金を支給するということを通じて、生乳の一元集荷というのをやろうといたしました。その際に、当時の乳価紛争の状況から見ますと、その生乳の一元集荷に伴う交渉力を実質的に行使する必要がございました。
 これには、その団体に対して全量が、全量委託されるというのは非常に有効な手段というふうに考えられました。ただ、組合にこれを強制することはできませんので、昭和四十年十月、暫定措置法の施行令及び施行規則の公布に合わせて、模範受託の規程例と、例という形でお示しをいたしまして、これを参考に、当事者間、指定団体と組合の方で双方合意の上、生乳取引契約が締結されており、実態上は全量委託が原則といいますか、になっているという状況でございます。
#124
○紙智子君 だから、指定団体にまとまって量を集めてそういう全量委託にして、価格交渉力もそれで付けていくということだったと思うんですよ。
 それで、この生産局通知は、これを廃止するんでしょうか。廃止されるということになると、全量委託の原則がなくなるということになるんでしょうか。
#125
○政府参考人(枝元真徹君) この生乳受託規程例等の生産局長通知については、今回の法律改正の趣旨でございます、酪農家が生乳の仕向け先の選択肢を広げるという観点から見直すということにしております。
 形式を廃止して新しく出すのか改正かは別といたしまして、見直す必要がございます。その際に、部分委託を今回きちっとあれするという観点からすると、その全量無条件委託というものを原則にするというつもりはございません。ただ、もちろん生乳の取引契約につきましては当事者間の協議により締結いたしますので、契約当事者間の合意があれば全量委託についても可能でございます。
 こういうことも明確になるように、改正法の施行に合わせまして、例えば廃止して新たな生産局長通知を発出して広く周知していく必要があるというふうに考えてございます。
#126
○紙智子君 午前中も議論になっていましたけど、生乳の生産量は気温や季節や牛の体調などで左右されるわけですね。乳牛の体力が落ちる夏場というのは生産量が落ち込むと。冬から春にかけては伸びる傾向にあって、需要については、飲用牛乳のピークというのは夏場で、学校給食がない夏休みを挟んで再び伸びて、冬場が減少するというのが一般的だというふうに言われているわけですね。
 そこで、部分委託が導入されるとどうなるのかと。需要の多い夏場は乳価が高い飲用向けに独自に販売をする、売れ残った生乳を加工原料乳に充てる、飲用の需要が落ちる冬場は加工原料乳に充てて補給金を受けようというふうに経営者は考えると思います。この全量委託の原則がなくなって部分委託を行う経営者が増えれば、これ、生乳の需給調整が機能しなくなるんじゃありませんか。
#127
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 御指摘のようなこともございますので、今回、改正法案におきまして、その指定事業者が生乳取引を拒むことができる正当な理由を省令で定めるということにしてございます。改正法案の十条の一項二号で、委託又は売渡しが年間を通じて安定的に行われる見込みがない場合というのを法律上例示として、具体的には省令に定めることとしてございます。
 省令の中身はこれからの検討でございますが、現在考えておりますのが、夏場に減少して冬場に増加するという生乳生産の季節変動を超えまして委託又は買取りの申出の数量が変動する取引である場合、例えば年末年始のみに指定事業者へ委託等を行うような短期間の取引である場合、自分の生乳は飲用向けだけに売ってほしいというような特定の用途仕向けへの販売を条件とする場合、生乳の品質が指定事業者の定める統一基準を満たさないものである場合、生産した生乳のうち売れ残ったものを持ち込むような取引を求められる場合には生乳受託販売を拒否する、指定団体の方が拒否することができるというふうにしたいというふうに考えてございまして、法案成立後、関係者の御意見も聞きながらできるだけ早く定めたいというふうに考えてございます。
#128
○紙智子君 拒める中身を省令で決めていくんだと、これからなんだという話があるんだけど、衆議院の議論の中でも、担保できる保証がないということが出されていました。
 全量委託の原則がなくなれば、生乳取引や酪農間の公平性を確保して生乳需給を安定させる機能というのは明らかに弱体化をするんですね。部分委託の割合が増えれば、生乳の需給調整の機能が弱まるということの懸念はやっぱり晴れないというふうに思うんです。
 それから、北海道と都府県の間の需給調整についてもお聞きします。
 現在、生乳の流通は、全国十の指定団体が管内の乳業メーカーの需要量を把握をして、年間計画、月別計画に基づいて毎日の需給調整を行っています。そこで、北海道と都府県の関係ですけれども、北海道の酪農は、生産条件としては大消費地から遠いと、そういう立地条件を踏まえて保存性が高い乳製品向けが中心になっているということだと思うんですね。大規模な乳製品の工場が各地に立地をされて、地域経済を支える重要産業として発展をしてきました。他方、都府県は、大消費地に近いという立地条件があって、飲用向けの生乳が主力になるわけです。そして、都府県で生乳が不足した場合には北海道から送ると。北海道の生乳は、都府県との需給調整の役割も果たしているわけです。
 この都府県の調整がどうなるんでしょうか、これから。
#129
○政府参考人(枝元真徹君) 北海道と都府県のみならず、現在、指定団体がほかの指定団体の地域にあります乳業者へ生乳を販売するような場合に、今先生おっしゃいましたとおり、それぞれの需要、供給、そういうことをやるために、円滑にそこの取引を行うために、例えば全農などの全国連に販売を委託して、全国連が当該乳業へ生乳を販売するというような取引を行っております。これはもうまさに指定団体といいますか、農協、農協連相互間に取引をしておりまして、これに国が関与するものではございませんけど、今回の法律が仮に通ったとして、施行された後もこういうことは必要ですし、今後も行われるんだろうというふうに考えてございます。
 なお、制度論で、ちょっと技術的でございますけれども、こういう取引を行った場合に、それが仮に加工に仕向けられたとすると、その全農に販売を委託しますと、何も規定がないと、全農に対してまず補給交付金を支払って、全農から農家に払うという仕組みになるので、現行の法律もそうでございますし、改正法案もそうでございますけど、そういう場合は委託元の指定団体、例えば全農に委託したとしても、ホクレンに対して補給金を交付するという規定を改正法案の二条四項一号で設けているところでございます。
#130
○紙智子君 だから、生産者団体が全体として行っていく、非常に大事な役割担っているんですけど、北海道と都府県の需給調整が可能になるのは、やっぱり生乳の無条件の販売委託、一元的な集荷があるからだというふうに思うんですね。
 次に、EPA等の通商交渉と畜安法の関係についてお聞きします。
 畜安法改正案の趣旨には、我が国の生乳生産量及び飲用牛乳需要が減少する傾向にあると書かれています。今、日本では人口が減少しつつありますけれども、この飲用の需要が伸びないということなんでしょうか。
#131
○政府参考人(大野高志君) お答え申し上げます。
 飲用牛乳等向けの生乳処理量につきましては、平成六年の年間五百二十六万トンをピークとしまして近年減少傾向で推移しておりまして、平成二十八年度は三百九十八万トンとなっております。
 このような牛乳等の消費量の減少につきましては、茶系飲料やミネラルウオーターといった他飲料との競合が激しいこと、また、少子化による学校給食用牛乳の供給量の減少等によりまして消費量の大幅な伸びが見込み難いこと、こういった要因によるものでありますことから、今後とも基本的には減少傾向で推移するものと考えております。
#132
○紙智子君 加えて、概要には、今後需要の増加が見込まれる乳製品に生乳を仕向けるとあります。牛乳・乳製品の生産・流通等の改革という農水省の資料がありますけれども、そこには、生クリーム等の液状乳製品向けやチーズ向け生乳処理量が順調に増加をし、消費の増加が見込まれるというふうに書かれています。そして、飲用向けは、平成二十七年、二〇一五年の三百九十五万トンが十年後、平成三十七年には約三十六万トン減って三百五十九万トンになると、乳製品向けは、約三百四十万トンですけれども、これ十年後には約四十六万トン増えて三百八十五万トンに増えると予測しているわけですね。つまり、生乳の処理量は、五年後、平成三十四年頃には飲用向けと乳製品向けが逆転するというふうに予想しているんですよね。
 この乳製品向けが伸びているのは分かるんですけれども、飲用と逆転するということになるんでしょうか。
#133
○政府参考人(大野高志君) お答え申し上げます。
 近年、生乳の使用量につきましては、牛乳等向け、御指摘のとおり減少傾向で推移しておりまして、乳製品向けにつきましては、脱脂粉乳、バター向けが低下する一方で、生クリーム等の液状乳製品向けやチーズ向け、順調に拡大しているところでございます。
 今後の見通しとしましては、牛乳等向け、引き続き減少傾向で推移する一方で、液状乳製品やチーズの消費量が引き続き増加することが見込まれまして、乳製品向けの生乳処理量は増加していくものと考えております。このため、将来的には、乳製品向けの生乳処理量、飲用牛乳等向けを上回っていくものと考えておりまして、酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針における長期見通しにおきましては、現状からその平成三十七年度まで一定の割合で推移すると仮定した場合に、平成三十五年度にその乳製品向け需要が飲用牛乳向けを上回ると見込んでいるところでございます。
#134
○紙智子君 日本国内では今後乳製品の需要が伸びると想定されているということなんですね。
 それで、乳製品は、TPPや今交渉が行われている日欧のEPAで焦点になっている分野だと思います。TPPでは、脱脂粉乳やバターでTPP枠が設定されると、チェダー、ゴーダ等の熟成チーズ、それからクリームチーズの関税はいずれ撤廃されるわけですね。日欧のEPAでは、TPP以上の譲歩が迫られるという報道もあるわけです。乳製品は、日欧のEPAにとどまらず、日本の今後の通商交渉の重要な焦点になるんだと、そういう認識でしょうか、大臣。
#135
○国務大臣(山本有二君) 国民生活にとって最も基本的な物資でございます食料供給という、このことにおいて私どもしっかりと国内生産を確保していかなきゃなりません。また、このチーズや乳製品等、脱脂粉乳、バター等でTPP合意もございましたが、そういうような意味も含めて、今後しっかりと対応していく決意でございます。
 特に、農林水産業の重要性に鑑みて、我が国の農林水産業を守っていくために、貿易、生産、流通実態等を一つ一つ勘案して、そのセンシティビティーに十分配慮しながら今後こうした貿易交渉に臨んでいきたいというように思っております。
#136
○紙智子君 聞いていることにちゃんと答えになっていない答弁なんです。だけど、ちょっとこれでまた繰り返し聞くと同じような答弁になると思うので。
 日豪のEPA、こっちの方は、プロセスチーズやシュレッドチーズの原料用のナチュラルチーズなど、一定量の国産品の使用を条件に無税枠を設定しました。TPP等でこの乳製品の輸入が増える可能性があると。一方、国内では生乳を乳製品に仕向けると。つまり、供給量が国産でも輸入でも増える。人口が減少傾向を続けている中で供給過剰になる可能性もあるんじゃないかと思うんですけれども、一体これはどこが需給調整するんでしょうか。
#137
○政府参考人(枝元真徹君) 需給調整と申しますか、通商交渉の問題だろうと思いますが、乳製品が無秩序に輸入されますと、乳製品のみならず牛乳を含めた牛乳全体の国内需要に影響を及ぼすことから、バター、脱粉等について現在国家貿易の対象とするなど、その無秩序な輸入を防止しているところでございます。
 我が国の酪農をしっかり守っていくために、国際交渉に当たりまして、引き続き、貿易、生産、流通実態等を一つ一つ勘案して、そのセンシティビティーに十分配慮しながらしっかり交渉に取り組んでまいりたいと存じます。
#138
○紙智子君 需給調整するのどこですかと聞いたんだけど、できないんでしょう。結局、市場に任せることになるから、できないんですよ。
 それで、EPAでは国内価格よりも安い価格で乳製品が入ってくる可能性があるわけです。北海道の酪農は加工原料乳が中心になっています。輸入で打撃を受けて、この畜安法の改正で指定団体が持つ需給調整機能が弱まれば、生産基盤が更に弱体化する可能性があるんですね。
 北海道では離農に歯止めが掛かっていない。先ほど、午前中、徳永さんもどれだけ離農しているかというのを示しましたけれども、この改正で新規就農者が増えて離農に歯止めが掛かるというふうに言えるんですか。
#139
○政府参考人(枝元真徹君) この法律の改正によりまして、乳製品の需要に対して様々な創意工夫を持った意欲のある生産者に対していろんな支援ができるというふうに思ってございます。
 当然ながら、この法律だけでということではなくて、様々な生産基盤の対策、労働環境の問題、様々な課題がございますので、それを総合的にやっていくということだろうと思っております。
#140
○紙智子君 本当に心もとないなと思うんですよ。日本の酪農経営を支援をして支えるためには、この日欧のEPA交渉においても、日本の酪農をしっかり守る、そういう立場でやらなきゃいけないということですよね。そして、酪農経営の自由な選択肢という言い方で暫定措置法を廃止するのをやめるべきだと思いますよ。指定団体が持つ需給調整機能、これむしろ強化しなきゃいけない、これが酪農を支援する最も近い道だと思います。
 これ、国がやるということで、大臣、いかがですか。見解を求めたいと思います。
#141
○国務大臣(山本有二君) 今現在ある制度のままで消費者需要に対応したり、あるいは酪農家の経営の所得を上げたりという考え方も、努力で一つはあり得るとは思いますけれども、新しい考え方の下に、特色ある商品あるいは販売先、こういったものを開拓していただくことによって全体としての牽引力を付けて、言わば特色、付加価値あるそういう製品が出てくることによる刺激というようなことが一つ今の状況の中で求められているテーマではないかというように思っております。
 したがいまして、この日EUの合意等がありましても、国産の優れた品質のチーズ、乳製品が言わば安定的な価格で供給されるということになれば、私は、どのようなものが入ってこようが国内の酪農家の皆さんが頑張っていけるというように思っておりますので、そうしたことの一つのきっかけになりたい、なれればというように思っておる次第でございます。
#142
○紙智子君 繰り返し希望的な話はされるんですけど、実際に外から入ってくること考えたときに、ちゃんと需給調整を行うという機能を持たないと壊れていくことになると思うんですよ。
 ちゃんと、もう一回きちっと答えてもらえますか。
#143
○国務大臣(山本有二君) この法案の目的の中に、畜産物の需給の安定等を通じた畜産経営の安定を図ることを明記をさせていただいております。さらに、制度を適切に運用することによって、生乳の需給の安定を通じた酪農経営の安定も図っていくということを政府の責任とするわけでございます。
 また、乳製品が無秩序に輸入されると、乳製品のみならず、牛乳を含めた生乳全体の国内需要に影響を及ぼすわけでございますので、バターや脱脂粉乳について国家貿易の対象とするなどして乳製品の無秩序な輸入は防止させていただくというように考えるところでございます。
#144
○委員長(渡辺猛之君) 時間が参りましたので、おまとめください。
#145
○紙智子君 はい。時間が来ましたので。
 本当に国内生産重視するんだったら、EPAなども含めて、経済交渉でしっかりと日本の農業を守るということでやらなきゃいけないということと同時に、指定団体が担ってきた一元集荷多元販売、これを壊すんじゃなくて強化をする、支援をすることこそが求められていると思います。農協解体の一環である改革をもうやめるべきだということを強く求めて、質問を終わります。
#146
○儀間光男君 日本維新の会の儀間でございます。
 畜安改正法に対する質問をいたしますが、そもそもこの改定法案は、昭和四十一年に都道府県別に指定された指定の団体、暫定法でありましたが、それをスタートに平成十三年度では全国を十ブロックに分けて指定をやってきたということで、今回の改正では、私が理解するところですが、改正後は、独立行政法人農畜産業振興機構、生乳受託販売、生乳買取り販売を行う事業者又は自ら生産した生乳の業者に対する販売等を行う業者に対し、当該事業者が取り扱う加工原料乳につき生産者補給交付金又は生産者補給を交付することができるとする、指定団体以外にも門戸を広げて補給金の交付を拡大していく、もって農家の所得を向上すると、おおむねこういうような位置付けで理解しているんですが、おおむねそのとおりでいいでしょうか。
#147
○政府参考人(枝元真徹君) おおむねそういうことではないかと思います。
#148
○儀間光男君 それでは質問をさせていただきますが、農家戸数は、この前からもずっと言い続けておるんですが、これは何も畜産、酪農家だけじゃなしに農業全般にわたって農家が減少しつつあると、こう言いましたが、この前の就農数字を見ますというと、六万余り増えているというような状況で、うれしいこともあるんですが、なかんずくこの酪農家数は年々減少の傾向にある、いわゆる右肩下がりであると。中には経営をもうやめて酪農を離れていくというような方々もおられて、歯止めがどうも掛からない状況にあると私は認識するのでありますが、酪農の振興を図る上から現状をどう認識されているか、まずお聞かせいただきたいと思います。
#149
○国務大臣(山本有二君) 酪農経営体数は、高齢化あるいは後継者不足により年率四%程度減少傾向で推移をしております。平成十九年から二十八年の十年間で八千四百戸が減少しております。また一方、一戸当たりの飼養頭数は、規模拡大が徐々に進んでおりまして、十九年から二十八年の十年間で三割増加しておりまして、現在三十九・八頭から五十一・二頭というように増加でございます。
 御指摘の、そういう傾向でございまして、また、こうしたいわゆる農家戸数が減っているということに対しましては、特に、いわゆる農業系の中でも特に労働負担が大きい分野でございますので、酪農家の労働負担の軽減を早急に進めていくことが課題だという認識をしております。
 したがいまして、新しい試みとしまして、労働負担の軽減や生産コストを低減するTMRセンターの作業の外部化、あるいは搾乳ロボット等の省力化機械装置の導入、畜産クラスター事業による法人経営等が新規就農希望者を積極的に雇用する等を通じて規模拡大を図る取組、あるいは、酪農家に代わって飼養管理作業を行う酪農ヘルパーの業務を通じて、後継者や酪農ヘルパーが就農に必要な知識、技術を習得する取組等を支援をしてまいりたいと考えております。
 いずれにしましても、酪農経営の担い手確保、育成にしっかり取り組んでいきたいというように思っております。
#150
○儀間光男君 ありがとうございました。
 是非とも、大臣、今おっしゃったこと、ヘルパー制度も含めて、相当な覚悟でこれをやらぬというと、酪農家が消え、生乳を含めて乳製品も全部海外から入り込んでくるというような危険さえ、警鐘されているような気がしてなりませんね。是非、そういうふうにして頑張ってもらいたいと思います。
 ここで、一般農家との比較じゃありませんが、一般農家では中間土地管理機構がありまして、耕作放棄地などは管理機構が地主から借りたり買ったりして大規模にまとめて担い手へ渡す方式を取っておりますが、酪農家が離農した後の施設や、あるいは牛そのもの、それから、その放棄されるであろう草地などを含めて、その後どのような活用方法が取られているのか、それについてどのような方法で後継者につないでいっているのか、それについて北海道も含めて全国の状況を明らかにしていただきたいと思います。
#151
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 酪農への新規参入ですとか規模拡大に要するコストの軽減等を図る上で、離農された酪農家の方の農場ですとか搾乳牛を継承、また利用することは非常に有用でございますけど、まだ十分利用が図られているとは言えない状況であると認識をしてございます。
 農林省として行っている事業の状況でございますけど、農協等が離農した農家から畜舎を取得いたしまして、補改修等を行った上で新規就農者へ貸し付ける取組への支援については、平成二十七年の当初予算が八件、二十七年の補正予算で十七件、二十八年の補正予算では五件でございます。あと、離農する酪農家から搾乳牛を継承する酪農家への支援、一頭当たり三万二千円出してございますけど、平成二十六年度が二千六百四十三頭、平成二十七年度が三千六十五頭という状況でございます。
 これらの施策を更に推進してまいりたいと考えてございます。
#152
○儀間光男君 ありがとうございます。
 一般農業の土地管理機構がやっている役目を果たすその機構は、酪農関係には持っておられないと、畜産関係にはない、国がやっていくと、こういうふうな認識でいいんですか。
#153
○政府参考人(枝元真徹君) ちょっと二つに分けて申し上げますと、例えば中間管理機構が耕作放棄地とかを集めて、それを放牧とかに使うという、そういう意味では、中間管理機構の土地を農業に使うのか畜産に使うのかというのは別にございませんので、畜産に使っている場合もございます。
 今申し上げたのは、農協ですか、公社ですね、公社が離農した農家さんの畜舎を一回取得をして、それを直して、それをまた新しく入ってこられる方に貸し付けると。初期投資が大分減りますのでいい取組だろうと思うんですけど、そこの事業主体というのは農協若しくは農業公社ですね、そこを事業主体として実施してございます。
#154
○儀間光男君 つまり、言うならば、希望があれば、機構を通じて、あるいは公社を通じて、一般農作物、例えば北海道というとジャガイモやスイートコーンやいろいろ畑作が大々的にあるわけですが、そこへ持っていくにもそれは差し障りはないというような今の話の理解でいいんですか。
#155
○政府参考人(枝元真徹君) 済みません、ちょっと説明が良くないかもしれません。
 中間管理機構については、土地を、離農された方集めてということ……(発言する者あり)土地については、離農された農家の未利用地の上に建っている畜舎とか、そういうのを一回農協ですとか公社が取得をして、改修をして新規就農ですとか規模拡大したい方に貸し付けるということをやっております。これは酪農の世界でございますので、ちょっとジャガイモとかにはこれは使えないものでございます。
#156
○儀間光男君 どうも僕の質問力に問題があるみたいですが、要するに牛舎とかそういう建物、施設じゃなしに、草地に使ったものを、農耕地をですね、草地に使ったものをジャガイモや普通の一般農作物の畑として継いでいくことは、例があるのかないのか、やらないのかやっちゃならぬのか、その辺を聞いたわけですが、いま一度お願いします。
#157
○政府参考人(大野高志君) 正確かどうか分かりませんけれども、今委員の御指摘は、草地として整備したものをジャガイモとかそういうやつに変えていいのかと、こういう御質問だと、御指摘だと思います。
 私ども、草地畜産基盤整備事業とか草地整備関係の公共事業等で整備した土地を、それを、何というんですか、ジャガイモとかそういうやつに転用するというのはこれは認められないというふうに考えています。
#158
○儀間光男君 要するに、今まで行ってきた事業が違うので、それはまかりならぬということですよね、平たく言えば。はい、ありがとうございます。どうも時間費やし過ぎました。それでは、よく分かりました。
 次に、ずっと午前中から話題になってまいりましたけれども、乳製品の自給率について少しお尋ねをしていきたいと思います。
 酪農の振興上、牛乳、乳製品の自給率の向上は非常に大事でありまして、乳用牛の飼育頭数の減少は、あるいは離農者も含めて、さっきとやや似た、かぶる話でもあるんですが、なかなか、ああ、そうですかと、特に行政を担当する、農政を担当する、酪農、畜産を担当する皆さんは、ただなすがままに歯止めを掛けることもなくおることではないと思うんですが、ここで、この乳製品の自給率向上のために、飼養頭数、搾乳牛をもっともっと増やす。あるいは、皆さん、二十六年度の資料を見ますというと、熱量ベースで四五%、それから生産額ベースで六四%を示しているんですが、二十七年あるいは二十八年、この熱量と生産額の数字が出ているんだったら示していただきたいと思います。
#159
○政府参考人(枝元真徹君) ちょっと今手元にございませんので、すぐ調べさせていただきます。
#160
○儀間光男君 なぜそれを聞くかというと、頭数の減っていくことを止めるのも非常に大事なこと、これが根本だと思うんですね。思うんですが、同時に、技術の改良も相まって、一頭当たりの搾乳量を高めていくこともまた大事かと思うんです。かといって、一頭で搾乳量を増やしても今までの一〇%上げるなんということはとてもじゃないけどできない話でありますから、それでもって需給バランスを取っていくということはなかなか難しいんですが、要するに頭数を減らさぬで頭数を上げる中で、搾乳牛の一頭当たりの量も上げる中で、総合的にこういうものを対策していくというような施策の下でないとなかなか実効上がらないと思うんですね。そういう意味でどうなんでしょうか、含めて。
#161
○政府参考人(大野高志君) お答え申し上げます。
 生乳生産量を増加させるためには、飼養頭数の減少に歯止めを掛ける取組と併せまして、乳量が多く、また長く健康に利用できる乳用牛目指して家畜改良による能力の向上を図っていくことが重要であると、こういうふうに考えております。
 このため、農林水産省としましては、独立行政法人家畜改良センター、あるいは大学等の研究機関、都道府県、民間、連携して、遺伝子レベルでの能力の解析といったような新たな手法も活用しながら、高能力の家畜を生み出すための家畜改良を推進いたしますとともに、優良な初妊牛等の導入支援による普及などによりまして引き続き家畜の能力向上を進めますとともに、あわせて、家畜の高い能力を十分に引き出せるような高度な飼養管理の普及、こういうものに努めてまいりたいと、こう考えているところでございます。
#162
○儀間光男君 今おっしゃったような、いろんな科学的な手法も使って、遺伝子の組換え、組換えと言ったらちょっと語弊、忌み嫌っている部分があるんですが、優良品種を交配して優良牛をつくっていく、そういう科学面からも大変大事なことでありますから、どうぞしっかりとこれも進めていただきたいと、こう思うんですね。
 それから、乳製品の海外依存でありますけれども、その飼育頭数が減耗する、経産牛も減る、生乳生産も減る、これが減っていって、どんどんどんどん海外への依存が高くなっていく。資料を見ますと、二十七年現在ですか、四百六十三万トンとなっておるんですが、私が思うに、今海外から入れている、国間貿易で入れている四百六十三万トン、これを国内の生乳業者が生産量を上げてこれを減らしていくというようなことにも主眼を置いていかなければならない。つまり、生乳が不足した分、あるいは加工品としてチーズやバターやということでしょうけれど、それに充てるために、不足するときに海外から入れているようでありますが、これをもっともっと生乳生産を上げて、この自給率も高めていくことが非常に大事なことだと思うんですが、そういうことへの御見解をいただければ有り難いと思います。
#163
○副大臣(礒崎陽輔君) 先ほど来御議論もありますように、現在の牛乳、乳製品に関する需要動向は、飲用牛乳需要が減少の一方で、生クリーム、チーズなどの乳製品の消費は今後も増加が見込まれております。あくまで試算ではありますけど、平成三十五年に逆転するのではないかと言われておりますので、当然のことながら、消費者のニーズを踏まえた需要動向に的確に対応するため、そうしたところに力を入れていくことによって酪農経営の発展の可能性はあると思います。
 そのために、今御指摘いただいた頭数を増やすとか、あるいは乳量を増やすとかいうようなことも必要でございますが、畜産クラスター事業等により生乳生産基盤の強化というようなことで、原料となる生乳生産量をまずきちんと確保していくことが重要であると思います。
 また、今回の改正法案におきましては、生産者の生乳仕向け先の選択肢が広がり、自ら生産した生乳をブランド化し加工販売する取組などにより消費者の多様なニーズに応えることがよりできやすくなるものと考えております。
 そのほかに、予算措置といたしましては、乳業工場の機能強化を図り、今後の需要の伸びが見込まれる品目、すなわち生クリームなり発酵乳、ソフト系チーズ等の製造ラインへの転換の支援であるとか、特色ある新商品の開発のための技術開発等について支援を行うとともに、二十九年度予算においては、国産チーズ生産者等の技術研修や販路拡大等の取組を支援しているところではございます。
 こういうことを通じまして、乳製品の製造あるいはそのための生乳の投入についても農林水産省としても努力してまいりたいと考えております。
#164
○儀間光男君 生乳あるいは加工品も含めて季節変動がいろいろあるわけですから、これの需給調整、バランスを取るのもなかなか難しいことではあるんですが、ただ、端的に言えることは、生乳の生産量を増やせば十分加工品へ展開していって、外国から入れるようなものをブロックをしていくというような機能が果たせると思うんですが、ただ、問題が一つあるんですね。この国産のバターや海外産品の内外の価格差が私は大きな壁だろうと思うんですね。
 統計を見ますというと、海外産は日本産の三分の一、日本産の三分の一。海外産の三倍の価格が設定されるというようなことがあれば、これは現状のままではもう完全に自給率の向上なんて望めない話ですね。また、そういうことをやっていくというと、政府の相当の政策手当てがないと、これを消費者がかぶってしまうと。消費者は安い方に行きますから、ここでも国内生乳業者が危機的状態に陥るというようなことが容易に予想されると思うんですね。
 それについての、生産コスト、いつも言うんですが、その三倍もする、外国産に対して皆さんはどのような対抗策を持って国内を育成していこうとしているのか、それをお聞かせいただきたいと思います。
#165
○大臣政務官(矢倉克夫君) お答えいたします。
 国産を増やす、輸入よりも今高いと言われているものでありますが、それをやりつつ、所得の向上も図り、さらには消費者の負担も軽減するというためには、当然、今先生がおっしゃった生産コストの削減というのが非常に重要であるというふうに農水省も認識をしております。
 御案内のとおり、今生産コストの約五割を飼料費が占めております。これをいかに低減していくのかが重要であるというふうに考えております。そのためにも、何といいましてもやはり国内で飼料を生産する、その基盤を強化して、それに立脚をした畜産経営を目指していくことが重要であるというふうに認識をしておりまして、例えば北海道におきましては、豊富な草資源を更に有効活用するために草地の生産性を向上する、優良な種子を導入する等で、また都府県におきましては、草地基盤の制約を補うために二毛作や二期作、またデントコーン等の高栄養飼料の生産、利用拡大、これを図る。さらには、酪農の規模拡大はするわけでありますが、一方で、家族経営における労働負担が非常に高くなっている。これにおきましては、飼料生産受託組織、いわゆるコントラクターやTMRセンターによる飼料生産の外部化、これを図りまして、労働負担を低減することで地域の実態に応じた飼料生産の拡大を推進していくことは重要であると思います。
 今後とも、これらの取組を通じて国産飼料の生産、利用の拡大を進め、飼料費の低下を通じた生乳生産コストの低減と、これにより我が国の酪農及び国産乳製品の競争力強化を図ってまいりたいと思います。
#166
○儀間光男君 それは、生産コストはそのとおりですが、私はもっと別にちょっとやれることがあるような気がしてならないんですね。今申し上げた話、私が言った話、お答えいただいた話では、外国産の三倍も市場で我が国の製品が回るというような状態では、消費者は付かないわけですよ、当然ながら。だから、これ今までやってきたと思うんですが、やってきてなおこうですから、別の政策を打たなければならないと思うんですね。
 例えば、今、中身もう言ったと思うんですが、現状のこういう状態の中では、TPPが今頓挫して、ないんですが、TPP11、これが仮に発効されるようになりますと、ニュージーランドやオーストラリア、これ大変な国ですから、ここと我が国が今の状態で太刀打ちしろなんて、農民よ、酪農よ、死ねと言うようなものですよ。だから、それは抜本的な手を打たなきゃならぬ。
 例えば、ここもTPPで頓挫しましたけど、牛マルキン、豚マルキンなどというのがあった。それを、あれはTPP法だったんですが、ああいうものを、TPP関係なしに政策を打っていくということ等も考えないとじり貧になってしまうような気がしてならない。政策を打った、法律を変えた意味がどこにあるだろうかというような感じがしますので、この辺ひとつ決意のほどをお聞きしたいですね。
#167
○政府参考人(枝元真徹君) TPPに関しましては、その発効を前提とはいたしませんけど、体質の強化策ということで、畜産クラスター等々体質の強化策を講じているところでございますし、特に酪農については、非常に労働時間の問題があるので、本年度予算でいわゆる楽酪事業という、搾乳ロボット等をこれは家族経営の方々も含めて導入する六十億の予算も措置いたしました。また、経営安定対策といたしまして、今年度から生クリームも追加した補給金単価の一本化、そういうこともやってきてございますので、これらを総合的に対応してまいりたいと存じます。
#168
○儀間光男君 ですから、それはおっしゃることは分かるんですが、クラスターも含めておっしゃることをやってきたけど、なおかつこういう状態にある、なおこういう状態にある。農家だけで頑張れよといったって、あるいはヘルパー付けたって、クラスターやったって、こうなっているんですからね。これを生産農家が離農しないで頑張っていけるような施策を新たに検討していかぬといかぬと思うんです。
 クラスターも、あれ借入事業ですから借金になるんですよ。借り方の負債になっていくわけですよ。だから、それを農家が返せる、生乳を生産を上げて減価償却をして返せる状態に持っていかぬというと、政策の手当ての持ち腐れになってしまうというようなことさえ容易に案じられるわけでありますから、その辺もう一つないんですかと、あるいはその辺を探っていく必要があるんではないかというようなことを申し上げているんです。新たな施策の展開は考えられませんか。
#169
○政府参考人(枝元真徹君) ちょっとなかなかぱっと考えられませんけれども、クラスターを始めて、今効果も出始めるというところでございます。確かに設備投資でございますのでそういう側面はございますけど、ちゃんと費用対効果も見ながら事業の採択もしてございますし、また、今回、生クリームを含めた補給金制度の一本化、これについては非常に酪農経営にとっては大きな意味があったんじゃないかというふうに思ってございます。今年度から始めている施策でもございますので、まずそれを一生懸命やりたいと存じます。
#170
○儀間光男君 この改正法が狙いとするところは、基本的に私はオーケーだと思うんですね。何とか抜けて、何とか危機を脱してやっていきたい、手を替え品を替えという感じで努力をされているこの姿、政策を打とうとする、打ってくる姿、これについては異議を挟むものじゃありません。是非頑張っていかなきゃならぬ、これからも頑張ってくださいと、こういう支援を送るわけですが。
 次に、生産者の補給金制度。平成十三年度の改正により、いわゆる不足払いを今固定払いに変えてきたわけですね。この効果はどういうふうに皆さん期待して、どういうふうに展開、酪農生産の持続的な発展に効果が生まれるのか、その辺をお示しをいただきたいと思います。
#171
○国務大臣(山本有二君) 加工原料乳生産者補給金等暫定措置法に基づいて、生産者補給金制度につきまして、平成十三年度から、政府が決定する生産費を基礎とする保証価格と乳業者の支払可能代金でございます基準取引価格との差に基づいて補給金単価を決定する不足払い方式がそれまでございました。この十三年の改正で、補給金単価を生産費の変動で毎年補正するいわゆる固定払い方式、これへ移行したわけでございます。この変更が、政府が基準取引価格を決定することが乳製品や加工原料乳価格の硬直化、固定化を招いて合理的な価格形成に支障が生じるというように捉えてきました。それで、市場実勢を反映して取引価格が形成されますように、民民の乳価交渉への移行を目的として行わせていただきました。
 この変更に当たりましては、生乳の再生産を確保するという補給金の位置付けにつきましては何ら変更を加えておりませんが、加工原料乳価格が下落した場合の影響緩和対策、いわゆるナラシも措置をさせていただくことができました。酪農経営の安定にこれは効果がございましたし、酪農生産の持続的な発展に寄与できたものというように考えております。
 また同時に、指定団体につきまして、従来の一県一団体から都道府県の区域を越えた広域化を行い、集送乳の合理化や民民に移行した乳価交渉における交渉力の強化にも効果があったものというように考えているところでございます。
#172
○委員長(渡辺猛之君) 時間が参りましたので、質疑をおまとめください。
#173
○儀間光男君 はい。
 大臣、改正、改革を試みるのは非常にいいことです。現状の閉塞感を突破していくということでいいことですが、この改革、改正が、これはまた同時に痛みも伴います、コストも増えます。そういうものが解消されないままだとすると、変える意味ないんですね。大臣は、もう時間なくて恐縮ですが、この痛みを、コストを軽減することへの強い決意をお伺いして、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#174
○委員長(渡辺猛之君) 簡潔にお願いいたします。
#175
○国務大臣(山本有二君) コストを軽減し、農家所得を上げるということに向かっていきたいと思っております。
#176
○儀間光男君 ありがとうございました。
#177
○森ゆうこ君 希望の会、森ゆうこでございます。
 前回に引き続き、加計学園問題、獣医学部の新設について質問をさせていただきます。
 皆様に資料をお配りしております。先日の委員会で御紹介をいたしました今治市の行政文書、情報公開請求によって提出された資料でございます。
 萩生田官房副長官、調べていただいたと思います。平成二十七年四月二日、首相官邸で今治市担当者は誰と協議を行ったのでしょうか。
#178
○内閣官房副長官(萩生田光一君) 平成二十七年四月二日に今治市の職員が総理大臣官邸を訪問したかは、訪問者の記録が保存されていないために確認できませんでした。
#179
○森ゆうこ君 先ほど内閣委員会で櫻井委員も同じ資料を使って質問をされました。すごい、何だろう、セキュリティー管理というか、ただ、佐々木事務局長に質問があり、そして今治市当局に確認したところ、この記録、当然、行政文書を開示した資料ですから、今治の担当者が官邸に行ったことは事実であるということであります。
 なぜ確認できないんですか。なぜ確認できないんですか。行ったんでしょう。誰と会ったんですか。きちんと答えてください。
#180
○内閣官房副長官(萩生田光一君) 官邸の入邸につきましては、事前に訪問予定者に訪問先への訪問予約届の提出を求め、入邸時に記載内容と訪問予定者の身分証の照合をして、本人確認を行った上で入邸が許されるという仕組みになっております。この訪問予約届につきましては、こうした一連の手続終了後、その使用目的を終えることから、公文書管理法等の規定に基づきまして遅滞なく廃棄をする取扱いとしているところであり、御指摘の日の訪問者や訪問先を確認することは困難でありました。
#181
○森ゆうこ君 官邸の中に国家戦略特区の関係者はお一人しかいないと思うんですけれども、それは誰ですか。
#182
○委員長(渡辺猛之君) どなたがお答えになりますか。(発言する者あり)
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#183
○委員長(渡辺猛之君) 速記を起こしてください。
#184
○内閣官房副長官(萩生田光一君) 政府全体の担当ということであれば、官邸の中の、例えば秘書官であるとか補佐官であるとか、複数いらっしゃると思いますけど。
#185
○森ゆうこ君 国家戦略特区の関係者は一人しかいませんよ。安倍内閣総理大臣、議長じゃないですか。
 国家戦略特区の提案者、佐々木事務局長、もう一回確認しますけれども、この間と同じ質問ですが、国家戦略特区提案者が官邸に行くことはないんですよね、普通。
#186
○政府参考人(佐々木基君) 私がこの前答弁申し上げましたのは、私は承知していないということで申し上げたわけでございます。
#187
○森ゆうこ君 じゃ、あるんですか。ほかにあるんだったら答えてください。
#188
○政府参考人(佐々木基君) 今先生がおっしゃったようなことも含めまして私は承知していないということを申し上げたわけでございます。
#189
○森ゆうこ君 ないんでしょう。そういうでたらめな答弁しないでください。
 国家戦略特区の提案者が何で官邸に行かなきゃいけないんですか。官邸に行く必要ないでしょう。官邸に行くことがあるということなんですか、じゃ。必要があるんですか。行くことがあるんですか。行かなきゃいけないんですか。きちんと答えてください。
#190
○政府参考人(佐々木基君) 繰り返しで大変恐縮でございますけれども、私どもについて、私どもはそれを全く承知しておりません。(発言する者あり)
#191
○委員長(渡辺猛之君) 森ゆうこ君、質疑を続けてください。
#192
○森ゆうこ君 そんな答弁駄目ですよ。
 国家戦略特区の提案者が官邸に行く必要があるんですか。じゃ、必要があるんですね。ほかの提案者も官邸に行くんですね、佐々木事務局長。
#193
○政府参考人(佐々木基君) 私ども、どなたがどういう理由で官邸へ行って誰と話をするかということについては全く承知していないということを申し上げたわけでございます。
#194
○森ゆうこ君 いや、逃げないでください。そんなこと言っていないじゃないですか。
 国家戦略特区の提案者が官邸に行く必要があるんですか。関係ないじゃないですか、官邸は。あるならあると言ってください。ないならないと言ってください。どっちなんですか。曖昧な答弁はもうやめてください。
#195
○政府参考人(佐々木基君) 繰り返しになって恐縮でございますけれども、曖昧ということでおっしゃいますけれども、私どもはどなたがどういう用務で官邸に行かれるかということについては全く知り得る立場にございません。
#196
○森ゆうこ君 まあ、すごい答弁ですね。
 でも、その前に、同じ、平成二十七年四月二日、内閣府に行ったことは確かですよね。ここでお会いになったのはどなたですか、藤原審議官。
#197
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 平成二十七年四月二日、今治市の職員が内閣府を訪問したか、誰が対応したか等々、訪問者の記録もなく、確認できておりません。(発言する者あり)
#198
○委員長(渡辺猛之君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#199
○委員長(渡辺猛之君) 速記を起こしてください。
#200
○森ゆうこ君 藤原さん、あなたが会ったんでしょう。誰に確認する必要もありませんよ。正直に答えてください。会いましたか。平成二十七年四月二日、内閣府で今治市の企画課長、そして課長補佐にお会いになりましたね。
#201
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 四月の上旬ということでありますけれども、いろいろな自治体から御挨拶も多いと思いますけれども、自分がこの今治市の方々にお会いしたかどうかも含めて、この今治市との面談を確認できておりません。
#202
○森ゆうこ君 確認できていないじゃなくて、あなたは会ったんでしょう。会っていないんですか。イエスかノーかですよ。うそつかないでください。会ったんですか、会わなかったんですか、イエスかノーで答えてください。
#203
○政府参考人(藤原豊君) 繰り返しになりますけれども、自分がお会いしたかどうかも含めて、今治市との面談は確認できておりません。(発言する者あり)
#204
○委員長(渡辺猛之君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#205
○委員長(渡辺猛之君) 速記を起こしてください。
#206
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 当時の獣医学部新設の事務局での担当者、何名かおりますけれども、私につきましては記憶がございません。それから、スタッフ、担当者、何人かおりましたが、既に異動している者も多く、特定の日時の面談の有無などにつきましては確認が難しい状況でございます。
#207
○森ゆうこ君 萩生田官房副長官、平成二十七年四月二日、首相官邸で、下村文科大臣と、まあ加計学園とすごく仲のいい方だそうですけど、山中事務次官と総理の会談に今治担当者が参加したのではありませんか。
#208
○内閣官房副長官(萩生田光一君) 先ほども御答弁しましたとおり、今治市の職員が官邸を訪問したかにつきましては、訪問者の記録が保存されていないため確認できませんでした。
 なお、先生の御関心はその時間に文科大臣等が同席をしているので、そこに一緒にいたのではないかということだったので、念のため総理の面会記録を確認しましたけれども、今治市の職員との面会はございませんでした、この日は。
#209
○森ゆうこ君 総理に直接確認してくださいましたか。
#210
○内閣官房副長官(萩生田光一君) 総理に直接確認しましたところ、その四月二日という日にちを言われても分からないということだったので、事務方に確認をしまして面会記録の確認をしてきたところでございます。
#211
○森ゆうこ君 いや、そうじゃなくて、下村さんと、それから山中元事務次官と、そして今治の関係者と会うということはこれしかないと思うんだけど、官邸でね、しかも。そういうことがあったかどうかということですよ。
#212
○内閣官房副長官(萩生田光一君) そのような事実はございません。
#213
○森ゆうこ君 総理がそう言ったんですか。
#214
○内閣官房副長官(萩生田光一君) その日の面会記録に今治市の職員の存在はございませんでした。
#215
○森ゆうこ君 そんなことを聞いていないって。本人にそう確かめてくれたのか聞いているんですよ。全然答えになっていませんよ。
#216
○内閣官房副長官(萩生田光一君) 四月二日の日程につきましては確認をしましたけれども、それ以上のことは分かりませんでした。
#217
○森ゆうこ君 いや、じゃ、もう一回お願いしておきますけど、総理に今治の担当者とそこで会ったかどうか。それは記録のことじゃないですからね。そういうことめったにないと思いますので、会ったかどうか、直接確認してください。
 文科省、この間もお聞きしました。調べてきてくださるということでしたけど、どうでしたか、文科省。
#218
○政府参考人(常盤豊君) お答え申し上げます。
 内閣総理大臣が開催いたします教育再生実行会議の前には、当日の進行等の説明を行うため、大臣と事務次官で官邸に伺っております。また、平成二十七年四月七日には第二十九回の教育再生実行会議が開催されたところでございます。
#219
○森ゆうこ君 そういう用事で行ったんでしょうね。でも、配付した資料を見ていただければお分かりのように、四月一日に急遽官邸に来るように言われて予定を変更して、したがって、飛行機をキャンセルして遅らせたんですね。そのキャンセル料を認めていただきたいという支出負担行為決定書、その変更願なんです、お配りした資料は。
 言われて急遽行くことになった。だから、四月二日にそういう用で下村さんとそして山中さんが来る、総理とお会いになると。そこに今治の人たちを呼んだんじゃないんですか。だから、その用件はあったと思いますよ、そういう用件で、この間も副大臣おっしゃっていましたから。でも、そこに今治の関係者行ったんじゃないんですか。それは確認されましたか。
#220
○政府参考人(常盤豊君) お答え申し上げます。
 私どもの担当部局、専門教育課でございますけれども、そもそも担当部局においては、二十七年の四月二日に下村元大臣及び山中元次官が総理と面会されたこと自体を担当部局では聞いたことがないということを確認してございます。
#221
○森ゆうこ君 それで、局長、お願いがあるんですけどね、伝言を聞かれたと思いますよ、審議官から。聞きましたか。
 この先般来問題になっておりますメール、そしてそこに添付された内閣府のごり押し、総理の御意向、官邸の最高レベルが言っている等々、様々な文書がございました。そのことについて現職の文科省の官僚たちが、命懸けですよ、これは命懸けですよ。後ろに並んでいる農水省の皆さんも内閣府の皆さんも文科省の皆さんも分かるでしょう。命懸けで告白しているんですよ、みんなが。このままではいけないと上司に報告した。でも、上司が取り扱ってくれない。上司って常盤さんですよ。見捨てるんですか、部下を。勇気を持って、このままじゃおかしいと、法治国家じゃなくなると前文科事務次官が告発した。それ受けて、このままじゃいけないと命懸けで部下たちが告発しているんですよ。放置するんですか。自分だけ良ければいいんですか、自分だけ出世できれば。
 私は、文科省にお世話になったから、職員の皆さんの気持ち、どんなに一生懸命ふだんやっているか、分かるから言っているんですよ。このままじゃいけない、そう思ってみんな告発しているのに。真実言ってください。あのメールは本物でしょう。あの添付資料は本物でしょう。局長、部下を見捨てるんですか。真実だとここで述べてください。そういう報告を受けているでしょう。
#222
○政府参考人(常盤豊君) お答え申し上げます。
 今ここで話題になっております、議論になっておりますのは、獣医学分野での大学の設置についてでございます。これについては、現在、私どもの方で抑制をしております。ただ、この経緯を申し上げますと、獣医師の需給という観点から抑制をしてきているところでございます。
 したがいまして、獣医学部の設置構想については、この獣医師の需給という観点から見て問題があるのかないのか。影響がないということであれば、ある意味私どもが規制をいたします前提自体がないということになりますので、この点の検討について獣医師行政の所管省庁である農水省さんが参画していただく必要があるということであるとか、その調整を国家戦略特区の担当である内閣府さんにお願いをしたと、このことを我々一貫して申し上げているところでございます。
 その中で、特区認定の経緯について、これは内閣府さんが御説明されることだと思いますが、その後、先生も御承知のとおり、三大臣で合意がなされ、また内閣府が中心となって農水大臣も同席をされた場で構想が認定をされたわけでございますので、文部科学省といたしましては、この規制に関して、その前提としての需給の観点がありますので、一貫して必要な考え方は述べてきたというふうに考えてございます。この旨は既に文部科学委員会でも答弁をしているところでございます。その上で、出所が明らかでないコメントについて調査する考えはございませんということを申し上げているところでございます。
#223
○森ゆうこ君 残念ですね。今の答弁、多分省内で見ていらっしゃると思いますよ、皆さん。自分たちが勇気を持って告発しているのに、上司は握り潰した。まあ、義家さんにそもそも期待する方が間違いですけどね。真実を明らかにするおつもりはありますか、義家さん。
#224
○副大臣(義家弘介君) 委員の文部科学省職員の頑張りに対してのお言葉、大変重く受け止めさせていただきます。
 その上で、この獣医学部新設については、高等教育専門課が担当部局となり、課長補佐級以上の職員で内閣府と折衝してきました。このため、これら以外の者については直接情報を得る立場になかったわけであります。しかし、今、委員御指摘のとおり、様々な情報が国会でもマスコミでも飛び交っている中で、今、直接事情を知らなかった者たちの多くの困惑が文部科学省中に広がっているというふうに思っております。それに対してしっかりと向き合っていきたいと思いますし、また、マスコミに対してではなく、私のところにきちっと届けていただければというふうに思っております。
#225
○森ゆうこ君 信用されてないから届けないんですよ。握り潰すと思っているから届けないんですよ。何言っているんですか。情けないですね。
 いろいろ言っていますけどね、内閣府に前からもう通告しているんですけど、相当お会いになっていますよね、協議、今治市担当局と、決まるまでですよ。何回、どこで、誰がお会いになっていますか。
#226
○政府参考人(佐々木基君) 今先生おっしゃいましたように、いろんなレベルで会っていまして、打合せのようなことはよくある話でございまして、私ども、一々それにつきまして記録を取っているわけではないものですから、誰が誰と何回会ったかということについて確認はできません。
#227
○森ゆうこ君 この答弁は許せません。そういうのは行政と言いません。ここにある風呂敷包み、これ一部ですよ、情報開示した。今治市はきちんと、いつどこへ行ってどうしたか、誰と会って何があったか、そのときにもらった資料は何か、全部取ってありますよ。そして、きちんと公開していますよ。それが行政ですね。これ、言っても水掛け論だけど、こんなの許していいんですか、与党の皆さん。こんなの行政じゃないですよ。
 藤原さん、平成二十七年八月六日、内閣府は今治市で大学用地現地視察をやっております。行かれましたか。
#228
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 平成二十六年六月に今治市の特区提案がございまして、その後、六月三十日にそれを基に、成長戦略でございますけれども、獣医師養成系大学・学部の新設に関する検討という項目が記載されたわけでございます。当時、上司の政務三役、事務局長とも相談の上、成長戦略のフォローアップを行うためでございますが、約一か月後の八月六日でございますが、今治市を訪問いたしました。成長戦略で本年度内に検討を行うことになっているため、今治市がかねてから提案されているプロジェクトの状況を今治市から直接お聞きし、プロジェクトの現場が実際どうなっているかを拝見するために伺った次第でございます。
#229
○森ゆうこ君 いや、詳しく答えていただいてありがとうございます。
 まあ何回も会っていらっしゃいますけれども、そうやって記憶もあるし、記録もありますよね。だけど、都合の悪いところはお答えにならないということなんですね。
 ところで、十一月八日、昨年ですけれども、十一月九日は御存じのとおりですけれども、あっ、そうだ、その前だ、いっぱいあるのでね。すごい、しょっちゅう会っているんですよ。こんなにみんなと何回も協議するんでしょうかね。
 それで、いろいろあるんですが、あり過ぎてまだ整理できていないのでまた次回やりますが、去年の十月二十八日金曜日十六時から十七時十分まで合同庁舎七階特別会議室、今後のスケジュールということで、医学部新設に係る内閣府協議ということで、今治市の課長、当時は課長と推進室長になっていますね、内閣府お会いになっておりますけれども、これはこれでいいですよね。
#230
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 今お話しいただきました、昨年十月十六日でございますか、大変申し訳ございません、ちょっと初めてお聞きしたので、スケジュールの確認ができておりません。
#231
○森ゆうこ君 いやいやいやいや、ちょっとそれはおかしいですよ。今治の関係者といつ、何回会ったか、いつ会ったか、どこで会ったか、誰と会ったか、中身が何だったか。先週からペーパーで通告しているじゃないですか。会いましたよね、十月二十八日金曜日午後四時から五時十分。ここにきちんと、こういうのが行政文書というんですよ、稟議書ですよ。報告されていますけど、会いましたね。先週から通告しています。
#232
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 担当者を含めて、先ほどから申し上げてございますけれども、何名もおって、いろんな組合せで仕事をしていることもございます。また、面談もあれば、あるいは電話等々のやり取りもございまして、その一つ一つについて、委員御指摘の特定の日時についての状況についてはただいま確認できない状況でございます。
#233
○森ゆうこ君 都合のいいところは答えるんだけれども、きちんとペーパーで通告しているのに、都合の悪いところは確認できないと。記録の残っていない役所なんてありませんよ。
 で、ここ、私、さっき見付けたんです、この風呂敷の中から。それで、いや、面白いんですね、これ。協議の内容は残念ながら黒塗りなんですけれども、今後のスケジュール案、新設する獣医学部の概要イメージ。十月二十八日ですよ、これ、去年。どういう時期だったかな、十一月九日の文案を内閣府から提示した日だったと思います。で、そこに、さらにはこれは別紙となって、これ番号付いていますので、これ内閣府が明らかに今治に渡した資料だと思いますけれども、まず、九月二十一日の今治部会の議事要旨といいますか資料、例のMERSというのが入っているやつと、それからその次が、自由民主党獣医師問題議員連盟会長麻生太郎、森英介、北村誠吾、そして公益社団法人日本獣医師会、蔵内勇夫、北村直人、日本獣医師政治連盟、北村直人という資料が付いている。その次、その次は、これは成田ですね、成田の告示の改正の文書が付いております。それで、何枚か付いております。
 ということで、十月二十八日に内閣府の方からこういう資料を提示して、今治と、もう今治に決定ということで、成田と同様にこういう告示改正をすると。そして、論点まで整理してあるんですよ、論点ね。そういう、そしてスケジュールです、そしてイメージ。
 どうですか、藤原さん。スケジュールはこうやってもう十月二十八日、また、もうそれ以前にスケジュール共有、今日お付けしたメール、内閣府が今治とか広島に送ったメールには、スケジュール共有するから出してくださいとわざわざ言ってきているのでこれは間違いないことだと思いますけれども、これは十月二十八日、通告していますからね、通告していますからね、もう今治に決定したイコール加計に決定したということで、いろいろ論点も整理し、こういうふうにやるんだよという、そういう打合せを十月二十八日にやったんですよね、十一月九日を前にして。いかがですか。
#234
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の十月二十八日等の打合せの有無などにつきましても確認が取れておりません。また、現時点で初めてお聞きしたこともあって、大変申し訳ございませんけれども、当方からそういったスケジュールあるいは論点、様々な議論があったかもしれませんけれども、少なくともそういった資料等につきまして当方から御提供したということはないと思います。(発言する者あり)
#235
○委員長(渡辺猛之君) 不規則発言は控えてください。
 森ゆうこ君、質疑を続けてください。森ゆうこ君、質疑を続けてください。質疑を続けてください。質疑を続けてください。森ゆうこ君。
#236
○森ゆうこ君 委員長、こんな答弁許すんですか。こんなの行政じゃないですよ。何で都合の悪いところは答えないんですか、さっきべらべらしゃべったくせに。どういうことなんですか。これで、何の瑕疵もない、公正に加計学園が選ばれたなんて、国民が納得するんですか。
 大臣、農水大臣、あなただって関係あるんですからね。今日の何か新潮か何かによると、勝手に捏造されたという農水省の怒りの声か何かが出ているようですけど。どうなんですか、これで公正に選ばれたなんということが言えるんですか。何の記録も残っていないと言うんですよ、都合の悪いところは。
#237
○委員長(渡辺猛之君) 時間が参りましたので、質疑をおまとめください。
#238
○森ゆうこ君 委員長、きちんと答えさせてください。
#239
○委員長(渡辺猛之君) 時間が参りましたので、質疑をおまとめください。おまとめください。
#240
○森ゆうこ君 委員長の責務果たしていないでしょう、それじゃ。答えてください。記録の残っていない行政なんてありませんよ。見せましょうか、今治の資料、全部。これ、ほんの一部ですよ。稟議書を回し、決裁を押し、細かく全部記録しているのが行政なんですよ。
#241
○委員長(渡辺猛之君) 時間が過ぎておりますので、質疑をおまとめください。(発言する者あり)
#242
○森ゆうこ君 今日終わりって、一体何言っているんですか。いつになったら答えるんですか。三か月前からやっているんですよ。国権の最高機関、国民の負託を受けて、国民の大多数の人たちが持っているその疑念を晴らすためにここまで調べて動かぬ証拠を突き付けているのに、まだ答えないんですか、まだ答えさせないんですか。
#243
○委員長(渡辺猛之君) 森ゆうこ君、時間が過ぎておりますので、質疑をおまとめください。
#244
○森ゆうこ君 まとめられませんよ、委員長、答えさせてください。これでいいんだね、自民党は。この問題、解決する気持ちがないんだね。
#245
○委員長(渡辺猛之君) 質疑をおまとめください。
#246
○森ゆうこ君 委員長、答えさせてください。
#247
○委員長(渡辺猛之君) 時間が参りました。質疑をおまとめください。
#248
○森ゆうこ君 時間なんてどうでもいいよ。答えさせることが大事でしょう。(発言する者あり)ちゃんと運営させなさいよ、それなら。じゃ、今日答えなかったらいつ答えるんですか。嫌です、答えさせてください。
#249
○委員長(渡辺猛之君) 時間が参りましたので、質疑をおまとめください。
#250
○森ゆうこ君 冗談じゃないですよ。こんなの答えないの認められるわけないでしょう。そうじゃない、これだけ資料を出していて、答えない方がおかしいでしょう。
#251
○委員長(渡辺猛之君) 時間が来ております。質疑をおまとめください。
#252
○森ゆうこ君 何で答えさせないんですか、自民党。お開きだよ、こんなの。(発言する者あり)
#253
○委員長(渡辺猛之君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#254
○委員長(渡辺猛之君) 速記を起こしてください。
 暫時休憩いたします。
   午後三時二十分休憩
     ─────・─────
   午後三時三十九分開会
#255
○委員長(渡辺猛之君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、畜産経営の安定に関する法律及び独立行政法人農畜産業振興機構法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 理事会で合意した時間が参りましたので、質疑は終局したものと認めます。
    ─────────────
#256
○委員長(渡辺猛之君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、矢田わか子君が委員を辞任され、その補欠として浜口誠君が選任されました。
    ─────────────
#257
○委員長(渡辺猛之君) これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#258
○田名部匡代君 私は、民進党・新緑風会を代表し、畜産経営の安定に関する法律及び独立行政法人農畜産業振興機構法の一部を改正する法律案に対し、反対の立場から討論いたします。
 政府が今国会に提出した農業競争力強化プログラムに基づく一連の法案については、我が党が幾度も立案過程における客観性や透明性の欠如の問題を指摘してまいりましたが、本法律案はまさにその典型であり、規制改革推進会議において限られた有識者と言われる人のみで議論し、骨格を取りまとめ、法案化されたものです。バター不足問題の解決を理由に議論を始めていますが、いつの間にか議論がすり替わり、バター不足と今回の法案がどう関連するのか、山本大臣からは納得できる答弁はありませんでした。
 酪農家である参考人からは、指定団体制度には何の問題もなく、近年乳価も上昇しており、今は酪農経営にとって大変良い状態にある、改正の要望もしておらず、法改正の必要性が理解できないとの意見もあったように、またしても現場軽視の、意思決定が不要な政策を生もうとしています。
 問題はそれだけではありません。生乳は腐敗しやすく長期保存が困難であることから、取引においては売手である生産者が不利です。このため、安定した需給の下、計画的な生産が行われることが乳製品の供給や酪農経営の安定には必要とされます。従来の指定団体制度は、地域内からあまねく集乳し、一元集荷多元販売により需給を安定させ、条件不利地域も含めた酪農経営の安定に大きな役割を果たしてきました。
 ところが、本法律案では、補給金の交付対象をいわゆるアウトサイダーにも拡大することで、部分委託やいいとこ取りの委託を拡大させ、指定団体が果たしている需給調整や集乳等の機能を弱めることが危惧されます。そうならないためには、いいとこ取りの防止や条件不利地域の集乳確保も重要ですが、肝腎の具体的仕組みは省令等で規定することとされていて、政府は何も明らかにしておらず、蚊帳の外に置かれている酪農家は不安になるばかりです。
 需給調整についても、国は責任を持って実行するとしていますが、具体的にどのように行うのかも明確ではありません。土屋参考人からも御提案があったように、旬別の計画及び実績を確認し、需給に基づく安定取引への国の責任を明確にすべきであります。
 我が国の生乳の五割が北海道で生産されており、本法律案の施策対象である加工原料乳は北海道が主要供給地です。北海道の酪農家は、都府県と比較して経営規模は大きいものの、飼料高騰の経営環境の悪化を受けて生産をやめる酪農家が相次ぎ、生乳生産基盤は弱体化しています。本法律案は、指定団体の機能を弱め、ただでさえ弱っている北海道の酪農経営を更に追い込むことになります。バター不足の問題も基本的には生産基盤の弱体化が原因ですから、バター不足解消を名目に検討が始められた本法律案がバター不足問題を拡大させるという皮肉な結果を招くことになりかねません。
 生乳の共販体制を解体する話は、我が国が最初ではありません。英国やオーストラリアでは、生乳の一元集荷販売の仕組みの解体など新自由主義的な改革を行った結果、乳価が下落し、酪農経営が不安定化し、乳業メーカーや小売サイドの更なる値下げ圧力にさらされることになっています。この点について参考人から強く指摘されました。我が国は、これを反面教師として学ぶべきであって、同じ轍を踏むべきではありません。
 問題点を申し上げてまいりましたが、そもそも本法律案は大臣が御説明されている提案理由に応えるものになっていないのです。本法律案が厳しい酪農経営の改善や所得向上につながる根拠は不明瞭であり、畜産経営の安定を図るという畜安法の目的に逆行しかねません。小林参考人の御指摘にもあったように、この法律は、生産者団体の力を弱め、所得の低下や変動を大きくし、結果的に家族経営を中心とする酪農経営を更に窮地に追い込むことになりかねない内容であり、本法案の成立には断固反対であります。
 最後に、改めて申し上げます。
 現場無視で進める規制改革推進会議言いなりの農政は、更なる離農者の増加や自給率の低下を招きかねません。誰の立場に立ち、誰のために政治はあるのか。与野党を超えて、立法府に身を置く者の責任の重さをしっかりと受け止めるべきだということを申し添え、私の反対討論といたします。
#259
○紙智子君 私は、日本共産党を代表して、畜産経営の安定に関する法律及び独立行政法人農畜産業振興機構法の一部改正案に対する反対討論を行います。
 指定生乳生産者団体制度ができてから約五十年がたちました。当時は、小規模な酪農生産者が多く、乳業メーカーによる集乳合戦が繰り返され、生産者側の乳価交渉力が弱かったため乳価が乱高下し、酪農家の所得が安定しない状況が続きました。
 こうした状況を打開するために、一、輸送コストの削減、二、条件不利地域の集乳、三、乳価交渉力の確保、四、飲用向けと乳製品向けの調整機能を有する指定団体制度をつくり、さらには、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法でその機能を強化してきたのです。その下で、一元集荷多元販売、プール乳価と共同計算が確立され、有利な農産物の販売、価格交渉力を強化する役割を果たしてきました。
 今回、岩盤規制を打破するという安倍政権は、規制改革会議を力に、乱暴な形で、現場の実態を踏まえず、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の廃止と畜安法の一部改正などを国会に押し付けました。こうした強引なやり方に抗議します。
 以下、反対討論を述べます。
 第一の理由は、複数の指定事業者が参入することで生産者の所得が低下するおそれがあるからです。
 本法案は、農林水産大臣や都道府県知事が、対象事業者のうち受託販売等の要件を満たせば指定事業者とすることができます。この指定事業者には外資や株式会社などの民間事業者がなることもできます。複数の事業者間の競争になれば、価格交渉力が弱まることは明らかです。資本力のある事業者が低価格競争に持ち込めば、更なる生産者の所得低下につながりかねません。
 第二の理由は、部分委託の拡大も生産者の所得が低下するおそれがあるからです。
 これまで部分委託は日量三トンという上限がありました。量的上限を撤廃され、部分委託が際限なく認められれば、高く売れる飲用向けが過剰になり、乳価が低下し、逆に所得低下につながりかねません。
 第三の理由は、酪農家のよりどころになってきた指定生乳生産者団体の役割を弱体化させるからです。
 酪農を中心とした生産基盤の弱体化が指摘されています。指定団体が持つ需給調整機能が弱まれば、生産基盤が更に弱体化する危険性があります。
 安倍政権が進める一連の農協解体と一体の改悪案は断じて容認できないことを強調して、反対討論とします。
#260
○委員長(渡辺猛之君) この際、申し上げます。
 森委員の出席が得られませんので、理事をして出席を要請いたしたいと存じます。しばらくお待ちください。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#261
○委員長(渡辺猛之君) 速記を起こしてください。
 森委員に対し出席を要請いたしましたが、出席を得ることができませんでしたので、やむを得ず議事を進めます。
 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 畜産経営の安定に関する法律及び独立行政法人農畜産業振興機構法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#262
○委員長(渡辺猛之君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、徳永君から発言を求められておりますので、これを許します。徳永エリ君。
#263
○徳永エリ君 私は、ただいま可決されました畜産経営の安定に関する法律及び独立行政法人農畜産業振興機構法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・こころ、民進党・新緑風会、公明党及び日本維新の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    畜産経営の安定に関する法律及び独立行政法人農畜産業振興機構法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  我が国の酪農は、生産者の努力の積重ねにより、先進的な経営を実現させてきた。しかしながら、担い手の高齢化や後継者不足を背景に飼養戸数、飼養頭数ともに減少しており、生産基盤の強化に向けて、生産現場では総力を挙げての取組が懸命に続けられている。こうした状況を踏まえ、補給金制度の改革は、生産現場における不安や混乱を払拭し、経営意欲の維持向上が図られるよう、消費者への国産牛乳・乳製品の安定供給と生産者の所得の増大を旨として進める必要がある。
  よって政府は、本法の施行に当たり、生産者が将来に明るい展望を描けるよう、次の事項の実現に万全を期すべきである。
 一 新たな補給金制度の運用に当たっては、制度の目的を踏まえ、現行の指定生乳生産者団体に出荷する生産者が不公平感を感じないようにするとともに、事業者が乱立した結果、乳価交渉力強化・用途別安定供給・共同販売体制の強化などの現行の指定生乳生産者団体の機能が損なわれないよう、万全の措置を講ずるとともに、その機能強化に向けた取組を後押しすべく、万全の措置を講ずること。
 二 補給金交付の要件となる年間販売計画は、飲用向けと乳製品向けへの調整の実効性が担保されるものとすること。
 三 補給金の算定に当たっては、牛乳・乳製品の需給の安定等を通じた酪農経営の安定を図り、国民消費生活の安定に寄与するため、生乳の再生産が確保されるよう、その単価を適切に設定すること。
 四 集送乳調整金については、生乳の安定供給を支え地域の酪農の維持発展に寄与するため、条件不利地を含む広域的な地域から、あまねく集乳し、かつ、正当な理由なく集乳を拒まない事業者にのみ交付する仕組みとし、例えば、生乳の輸送体制を十分に有しているかなど、事業者の能力を確認する等により、その実効性を担保するとともに、その単価を適切に設定すること。
 五 部分委託については、場当たり的な利用を確実に排除し、年間を通じた用途別の需要に応じた安定的な取引が確保され、生産者間の不公平が生じないよう、厳格な基準を設定し、その適切な運用を図ること。
 六 現行の指定生乳生産者団体が新制度における指定生乳生産者団体に円滑に移行できるよう、関係者の意向や実態を十分踏まえた適切な措置を講ずること。
 七 対象事業者に対する指導及び助言に当たっては、生産者の公平な取引であるかなど、必要に応じて国が調査し、実効性ある改善指導を行うこと。
 八 政令及び農林水産省令並びに関連通知については、年間を通じた用途別の需要に応じた安定的な取引が行われ、用途別安定供給に支障をきたすことがないよう、適切に制定すること。
 九 酪農家は農業者の中でもとりわけ過酷な労働条件にあることから、その改善を図るため、酪農ヘルパーの充実や公共牧場等を活用した育成の外部化を支援するとともに、搾乳ロボットやミルキングパーラーをはじめとする省力化機器や施設の整備に対して集中的に支援を行うこと。
   こうした生産基盤対策等の支援は、地域を支える中小規模の家族経営体が十分活用できるよう配慮すること。
 十 規制改革推進会議等の意見については、参考とするにとどめ、現場実態を踏まえ、酪農生産基盤の強化に資するものとなることを第一義とし、制度の運用を行うこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
#264
○委員長(渡辺猛之君) ただいま徳永君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#265
○委員長(渡辺猛之君) 全会一致と認めます。よって、徳永君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、山本農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。山本農林水産大臣。
#266
○国務大臣(山本有二君) ただいまは法案を可決いただき、ありがとうございました。
 附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
 以上でございます。
#267
○委員長(渡辺猛之君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#268
○委員長(渡辺猛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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