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2017/06/13 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 農林水産委員会 第20号
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2017/06/13 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 農林水産委員会 第20号

#1
第193回国会 農林水産委員会 第20号
平成二十九年六月十三日(火曜日)
   午前十時六分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月九日
    辞任         補欠選任
     浜口  誠君     櫻井  充君
 六月十二日
    辞任         補欠選任
     櫻井  充君     神本美恵子君
     舟山 康江君     柳田  稔君
     森 ゆうこ君     山本 太郎君
 六月十三日
    辞任         補欠選任
     柳田  稔君     古賀 之士君
     儀間 光男君     浅田  均君
     山本 太郎君     森 ゆうこ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         渡辺 猛之君
    理 事
                舞立 昇治君
                山田 修路君
                徳永 エリ君
                紙  智子君
    委 員
                礒崎 陽輔君
                進藤金日子君
                中西 祐介君
                野村 哲郎君
                平野 達男君
                藤木 眞也君
                山田 俊男君
                小川 勝也君
                神本美恵子君
                古賀 之士君
                田名部匡代君
                柳田  稔君
                竹谷とし子君
                矢倉 克夫君
                浅田  均君
                儀間 光男君
                森 ゆうこ君
                山本 太郎君
       発議者      徳永 エリ君
       発議者      山田 修路君
       発議者      中西 祐介君
       発議者      竹谷とし子君
       発議者      紙  智子君
       発議者      儀間 光男君
   衆議院議員
       修正案提出者   岸本 周平君
   国務大臣
       農林水産大臣   山本 有二君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  萩生田光一君
   副大臣
       内閣府副大臣   松本 洋平君
       文部科学副大臣  義家 弘介君
       農林水産副大臣  礒崎 陽輔君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       矢倉 克夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大川 昭隆君
   政府参考人
       内閣府地方創生
       推進事務局審議
       官        藤原  豊君
       内閣府地方創生
       推進事務局審議
       官        青柳 一郎君
       文部科学大臣官
       房総括審議官   義本 博司君
       文部科学大臣官
       房審議官     松尾 泰樹君
       文部科学省高等
       教育局長     常盤  豊君
       文化庁文化財部
       長        山崎 秀保君
       農林水産大臣官
       房統計部長    佐々木康雄君
       農林水産省消費
       ・安全局長    今城 健晴君
       農林水産省生産
       局長       枝元 真徹君
       農林水産省経営
       局長       大澤  誠君
       農林水産省農村
       振興局長     佐藤 速水君
       農林水産省政策
       統括官      柄澤  彰君
       水産庁長官    佐藤 一雄君
   参考人
       公益社団法人全
       国農業共済協会
       会長       高橋  博君
       北海道農民連盟
       書記長      中原 浩一君
       農民運動北海道
       連合会委員長   山川 秀正君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○商業捕鯨の実施等のための鯨類科学調査の実施
 に関する法律案(徳永エリ君外六名発議)
○参考人の出席要求に関する件
○農業災害補償法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(渡辺猛之君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、浜口誠君、森ゆうこ君及び舟山康江君が委員を辞任され、その補欠として神本美恵子君、山本太郎君及び柳田稔君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(渡辺猛之君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 商業捕鯨の実施等のための鯨類科学調査の実施に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、文化庁文化財部長山崎秀保君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(渡辺猛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(渡辺猛之君) 商業捕鯨の実施等のための鯨類科学調査の実施に関する法律案を議題といたします。
 まず、発議者徳永エリ君から趣旨説明を聴取いたします。徳永エリ君。
#6
○徳永エリ君 皆さん、お疲れさまでございます。
 ただいま議題となりました商業捕鯨の実施等のための鯨類科学調査の実施に関する法律案につきまして、その趣旨及び主な内容について御説明申し上げます。
 我が国の伝統と文化である捕鯨に関しては、国際捕鯨委員会における商業捕鯨の一時停止の決定以降、商業捕鯨の再開のために必要な科学的知見を収集するため、国際捕鯨取締条約に基づく鯨類捕獲調査が実施されてきました。
 しかしながら、近年、反捕鯨団体による過激な妨害活動により調査の実施に支障が生じ、また、国際司法裁判所の南極における捕鯨訴訟において我が国にとって厳しい判決が出されました。
 現在、新たな計画に基づく調査が開始されておりますが、平成二十六年四月の衆議院農林水産委員会及び本委員会の調査捕鯨実施等に関する決議を踏まえ、鯨類に関する科学的調査を国の責務として位置付け、安定的かつ継続的に実施するための法律の制定が必要とされています。
 本法律案は、このような状況を踏まえ、商業捕鯨の実施等のための鯨類科学調査を安定的かつ継続的に実施するために必要な事項について定めることにより、商業捕鯨の実施による水産業等の発展を図るとともに、海洋生物資源の持続的な利用に寄与しようとするものであります。
 以下、本法律案の主な内容を御説明申し上げます。
 第一に、鯨類科学調査の基本原則として、主として商業捕鯨の実施のための科学的知見を得ること、条約及び科学的知見に基づくこと等の基準を全て満たし、かつ、原則として捕獲を伴うことを定めております。
 第二に、鯨類科学調査を国の責務として位置付ける観点から、基本方針及び鯨類科学調査計画の策定を政府に義務付け、指定鯨類科学調査法人等により調査を実施することとしております。
 第三に、鯨類科学調査の費用の補助について定めるとともに、調査研究を行う人材の養成、調査用船舶の確保等の実施体制の整備に必要な措置を講ずることとしております。
 第四に、妨害行為の防止及び妨害行為への対応のための施策として、調査実施主体に対する支援、調査実施海域への政府職員及び船舶の派遣、関係行政機関による情報共有等について規定しております。
 第五に、科学的知見の国内外における普及活用、鯨類文化等についての広報活動の充実、捕獲した鯨類の調査終了後における有効かつ合理的な利用及び学校給食における利用の促進等について必要な措置を講ずることとするほか、財政上の措置等について規定しております。
 第六に、鯨類科学調査以外に地域で取り組まれている鯨類の科学的な調査についても、必要な措置を講ずることとしております。
 なお、この法律は、公布の日から施行することとしております。
 以上が、この法律案の趣旨及び主な内容であります。
 本法案の今国会での成立を目指し、何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同をお願いを申し上げます。
 鯨類科学調査の実施、商業捕鯨の再開について様々な御意見があることは承知いたしております。平成二十六年四月の衆参農林水産委員会で、国の責務として調査捕鯨を位置付けることという国会決議を行っております。国会の意思によって南極海と北西太平洋において調査捕鯨は実施されています。また、反捕鯨団体が新型船を建造し、調査捕鯨船への妨害活動もますます激しくなることも予想され、今年十一月にも予定されている南極海における鯨類科学調査、NEWREPへの実施に向けて、御家族も大変に心配されております。乗組員の安全を確保するための対策が急がれます。
#7
○委員長(渡辺猛之君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○山本太郎君 発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。自由党共同代表、山本太郎です。
 私は、日本の文化としての捕鯨を否定するつもりはございません。問題は捕鯨の在り方ではないかという視点でお聞きします。
 まずは、本委員会御出席の皆様、今年に入って何度鯨肉を食べられましたでしょうか。年間で合計何グラムほど食べましたか。去年はどうだったでしょうか。
 大手水産会社が捕鯨部門を本体と分離してつくった共同船舶株式会社、この採算が合わず、二〇〇六年、全ての株式を農水所管五つの財団法人に売却。この大手水産会社三社の企業名のみ教えてください。
#9
○政府参考人(佐藤一雄君) お答え申し上げます。
 かつて捕鯨を行っていた大手の水産会社は、当時の社名でございますが、株式会社極洋、日本水産株式会社、マルハ株式会社となっておるところでございます。
#10
○山本太郎君 資料の一、二〇〇八年六月十四日、朝日新聞、ラインが引かれた部分、撤退する水産会社の方々のコメント、日水、昔食べた人は懐かしいだろうが、ほかの肉の方がおいしいのでは、極洋、若い人は鯨肉を食べない、マルハニチロ、捕鯨船は数十億円の投資が掛かり、収支が合わない。捕鯨は採算が合わない、商売にならないと撤退された。共同船舶は事実上の国策企業に。
 当初は、調査捕鯨で獲得した肉の販売、これで調査費用を賄うつもりであったけれども、国内の消費は既にほかのものに奪われてしまっていると。鯨肉よりもおいしいたんぱく源と言われる牛肉、豚肉、鶏肉などの供給が既に十分ある中で、南極海などにまでわざわざ捕りに行っても食べる人は多くなく、肉もだぶつき、採算も合いません。
 日本鯨類研究所、共同船舶への負債穴埋めに復興予算の横流し、海外漁業協力財団から借入れ、もうかる漁業創設支援事業補助金導入、さらに今年度は民間金融機関から借入れしているという話も聞きます。結局、税金を五十億円とか七十億円つぎ込まないと全く成り立っていかないのが現状。商業として成り立つものではないということがもうはっきりしています。
 なのに、なぜわざわざ南極海などでの捕鯨にこだわるのか。捕鯨は日本の文化である、よその国がうちの文化にとやかく言うなでは、筋が全く通りません。なぜなら、日本が南極海などで行う捕鯨は、文化とは筋の違うものだからです。
 人と鯨との関わりの変化。元々は、寄り鯨、流れ鯨といい、座礁したり漂着して動けなくなった鯨を捕まえていました。江戸時代から網捕り式捕鯨が始まり、鯨組などの地域共同体が発達。瀬戸内海のスナメリ網代と呼ばれる漁法や、鯨を信仰の対象とするような生きている鯨との文化的関わりが地域によっては生まれました。これこそが文化とされるものですよね。無形、有形文化財の保存であり、所管官庁として文化庁がこういうことを管轄するべきだと思います。
 日本古来の捕鯨を歴史的、文化的に保存する動きというのは現在文化庁内にはあるんでしょうか。
#11
○政府参考人(山崎秀保君) 委員お尋ねの捕鯨に関しましてでございますが、明治時代までは網を用いて鯨を拘束してからもりで仕留める網捕り式と呼ばれる技術が存在しておりましたが、現在ではこうした伝統的な技術による捕鯨は行われておりませんので、捕鯨という行為自体は文化財として保護の対象とはなっておりません。
 なお、捕鯨に関わる文化としまして、和歌山県の熊野灘沿岸地域……(発言する者あり)
 はい。
 今現在ございません。
#12
○山本太郎君 十分しか質問時間がない中で、削るのやめていただけますか。あるかないかでお願いします。ないということでした。
 これ、文化としてというふうな主張をするのであれば、このような取り組み方も考えなければならないというふうに思うんですね。それが一切されていないという話なんですよ。
 戦後は、食糧難解決のために南極海の捕鯨が再開され、これにより一時的に鯨肉の割合増加と鯨肉食が一時的に全国的な日常に変化をしたと。同時に、沿岸捕鯨衰退、南極海における乱獲へとつながっていくと。
 現代の地球の裏側まで行く捕鯨というのは、伝統文化ではなく、戦後、食糧難の一時期に局所的に生まれたもの。南氷洋での捕鯨が代々日本で培われてきた文化、先住民における文化というのには余りにも無理があります。古来から続く捕鯨に関しては文化として認められる部分と言えると思いますけれども、戦後、食糧難の時期に南極海まで出かけていって乱獲をしまくった行為というのは文化とは言えません。日本が行うべき捕鯨は生存捕鯨として認められる沿岸捕鯨であり、政治が求めるべき捕鯨はその実現とそれに関わる方々に対する支援ではないでしょうか。
 世界からは、南極海ではなく、沿岸捕鯨であれば認めるよという譲歩、これ、少なくとも過去三回はあったんですね。しかし、日本側、ことごとく拒否しています。一回目、一九八八年九月、東京、日米非公式漁業協議の席上、米国エバンス商務省海洋大気局長が田中宏尚水産庁長官に対して、南極海での調査捕鯨をやめれば沿岸捕鯨の再開をIWCで支援してもよいと提案したが、日本側は応じず。二回目、九七年、モナコ、第四十九回IWC年次会議にて提案を受けるが、応じず。三回目、二〇一〇年、議長を務めるチリ代表のマキエラ氏からの妥協案にも応じず。捕鯨は文化と主張しながら、沿岸捕鯨のチャンスを自ら拒否する姿、これ、余りにも不可解じゃないですか。南極海にほかの狙いがあるんですか。エネルギーとか調査するために行っているんですかと言ったら、いや、違いますとはっきり言うんですよね。じゃ、何なんだよって話なんです。
 日本の調査捕鯨には国際的な非難、もちろんあります。どうしてでしょうか。
 資料の二。南極海、南大洋の鯨類サンクチュアリーが薄い青色の線の中、一九九四年、国際捕鯨委員会により決議されたものです。ピンク色の部分、ここが日本が捕鯨を行っているところ。サンクチュアリーって何ですか。聖域ですよ、自然保護区ですよ。例えば、野生生物保護区、鳥獣保護区など、野生生物にとっての聖域であると、野生生物を絶滅から回避するための保護区です。つまり、サンクチュアリーで捕鯨しその肉を流通させるということは、野鳥のサンクチュアリー、例えば、鳥獣保護区などで鳥を捕獲し焼き鳥にして販売するような行為と同じなんですよ。公的機関の指定する鳥獣保護区は当然狩猟禁止です。
 先ほどの南大洋鯨類サンクチュアリーで、日本は捕鯨調査と称して捕鯨を行っていると。捕鯨を行っているほかの国々も確かに存在します。でも、その国々でさえも、このサンクチュアリーでは一九八八年以降、調査名目であっても捕鯨は行っていません。つまり、日本以外の捕鯨国は沿岸捕鯨という枠組み守っているわけです。そんな中、南極海などでの捕鯨を世界に認めろというのはかなり恥ずかしい要求という認識が日本の政治の中にないということに危機感を感じます。
 一方で、その代わりとして沿岸捕鯨を認めると提案されても日本側はそれに応じない。そんなスタンスを見ていると、捕鯨は文化、地域で捕鯨に関わる漁業者を守るという言葉も薄っぺらに聞こえるのは私だけでしょうか。
 水産庁、二〇〇五年、南氷洋のザトウクジラに関して何頭捕獲すると宣言しましたか。頭数のみでお答えください。(発言する者あり)
#13
○委員長(渡辺猛之君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#14
○委員長(渡辺猛之君) 速記を起こしてください。
#15
○政府参考人(佐藤一雄君) 済みません。お答えいたします。
 ミンクが八百五十プラスマイナス一〇、あとザトウが五十となっております。
#16
○山本太郎君 わざわざこれ、五十頭のザトウクジラ、ナガスクジラ五十頭捕りますよということを定めちゃったんです、宣言しちゃったんですよ。このことが反捕鯨運動を燃え上がらせることになった。シーシェパードを育てているのは水産庁じゃないんですかというような事態を招いたということなんですね。
 水産庁による二〇〇七年から南氷洋ザトウクジラ五十頭を捕獲する宣言により、水産庁自ら、南半球の反捕鯨運動、火に油を大量に注ぐことになりました。豪州、ニュージーランドのホエールウオッチング愛好家は、南氷洋のザトウクジラを個体識別し、名前を付けてまなでているほどなんですね。誰が、どの子が日本の捕鯨船に殺されるのということで大パニックになったとも聞きます。
 それまで日本が調査捕鯨で捕っていたミンククジラ、資源も豊富なんですよ。ホエールウオッチングの対象でもない。ミンククジラを守れではお金が集まらなかったところに、日本側がザトウクジラ五十頭捕るという宣言のおかげで、これ、反捕鯨団体に寄附金が幾らでも集まるようになっちゃったといって、これマッチポンプわざとやっているんじゃないですかという話なんですよ。
 余りにもあり得ないというような話が続くんですけど、時間がないのでちょっとまとめていきたいと思うんですけどね。
 税金使ってわざわざ南極まで行くことをやめたらどうですかって。やるべきことは沿岸捕鯨の権利を勝ち取ることじゃないのかって。で、南極に掛かるお金を沿岸の漁業振興に財源を振り分けた方がよほど漁業者の方々も助かりますよ。
 本法案は、捕鯨文化を守ることとは全く関係のないものだと私は思います。ただ、南極海などに出向くことをやめたくない、維持したいと。これ、はっきり言って時代遅れの提案ですよ。だぶついた肉を学校給食などにも出すというようなことを提案していますよ、この法案の中で。これ、消費量が増えたように見せる提案でしょう。どうしてわざわざそんなことしなくちゃいけないんですかって。採算合わないんですよ。消費されないんですよ。でも、そうはいいながらも、文化もあり、食べたい人たちもいる。だったら沿岸漁業でしっかりと権利を勝ち取っていくというのが筋じゃないですか。
#17
○委員長(渡辺猛之君) 申合せの時間が参りましたので、質疑をおまとめください。
#18
○山本太郎君 分かりました。はい。
 ゆがんだ捕鯨を続行するもので、本法案には到底賛成できるものではありません。もう一度国会議員の方々に考えていただきたいんです。世界における日本の立場、そして本当に文化としての捕鯨を、そして漁業者の皆さんに本当の意味で何がバックアップになるかということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#19
○委員長(渡辺猛之君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
    ─────────────
#20
○委員長(渡辺猛之君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、山本太郎君が委員を辞任され、その補欠として森ゆうこ君が選任されました。
    ─────────────
#21
○委員長(渡辺猛之君) これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 商業捕鯨の実施等のための鯨類科学調査の実施に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#22
○委員長(渡辺猛之君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○委員長(渡辺猛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#24
○委員長(渡辺猛之君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農業災害補償法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府地方創生推進事務局審議官藤原豊君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○委員長(渡辺猛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#26
○委員長(渡辺猛之君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農業災害補償法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として公益社団法人全国農業共済協会会長高橋博君、北海道農民連盟書記長中原浩一君及び農民運動北海道連合会委員長山川秀正君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#27
○委員長(渡辺猛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#28
○委員長(渡辺猛之君) 農業災害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。山本農林水産大臣。
#29
○国務大臣(山本有二君) 農業災害補償法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 農業災害補償制度につきましては、昭和二十二年の制度創設以来、七十年以上にわたり、災害によって農業者が被る損失を補填することにより、農業経営の安定に大きく貢献してまいりました。
 しかしながら、現行の農業災害補償制度は、自然災害による収量減少を対象とし、価格低下等が対象となっていないほか、対象品目も限定されているといった課題がございます。
 また、農業者へ提供するサービスの向上を図りつつ、効率的な事業運営が求められております。
 このため、平成二十八年十一月に改訂されました農林水産業・地域の活力創造プラン等に基づき、自由な経営判断に基づき経営の発展に取り組む農業経営者のセーフティーネットとして、農業収入全体を対象に総合的に対応し得る新たな保険事業を創設するとともに、農業共済事業についてその実施方法の改善を図るため、この法律案を提出した次第でございます。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、農業経営収入保険事業の創設についてであります。
 農業経営収入保険は、青色申告を行い、経営管理を適切に行っている農業者を対象に、その農業収入の減少について保険金を交付する事業としております。
 この農業経営収入保険は、特約により、保険料に基づく保険金のほか、農業者の積立てに基づく補填を受け取ることができる仕組みとしております。
 さらに、農業者の保険料及び積立てに係る国庫負担のほか、農業経営収入保険に係る保険責任につきまして政府の再保険を措置することとしております。
 第二に、農業共済事業の見直しについてであります。
 農作物共済の対象となる米麦を取り巻く状況の変化を踏まえ、農作物共済の当然加入制を廃止し、他の共済事業と同様の任意加入制に移行することとしております。
 また、家畜共済を死亡廃用共済と疾病傷害共済に分離し、農業者の経営事情に応じて別々に加入できるようにするとともに、農業者の被害率に応じて共済掛金率を設定する仕組みを全ての農業共済組合に導入することとしております。
 第三に、全国連合会の設立についてであります。
 農業共済団体は、全国を区域とする農業共済組合連合会を設立し、農業経営収入保険事業のほか、農業共済団体事業を補完するための共済事業等を行うことができることとしております。
 また、農業共済事業の効率化を図るため、農業共済組合の合併等に関する規定を整備することとしております。
 以上の見直しに伴い、法律の題名を農業保険法に改めることとしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようにお願いを申し上げます。
 以上でございます。
#30
○委員長(渡辺猛之君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員岸本周平君から説明を聴取いたします。岸本周平君。
#31
○衆議院議員(岸本周平君) 農業災害補償法の一部を改正する法律案に対する衆議院の修正について、その趣旨を御説明申し上げます。
 第一に、国は、農業者の農業保険への加入が促進されるよう、農業者の適切な選択に資する情報の提供等に努めるものとする規定を追加することとしております。
 第二に、行政庁は、農業共済事業や農業経営収入保険事業の実施主体に対し、それらの事業の効率的かつ円滑な実施に関し必要な情報の提供又は指導若しくは助言を行うよう努めるものとする規定を追加することとしております。
 第三に、全国を区域とする農業共済組合連合会が、農業経営収入保険事業の効率的かつ円滑な実施を図るため連携及び技術的な協力の確保に努めることとされる相手方に、農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律第四条第一項の交付金を交付する事業、いわゆるナラシ対策、その他の農業収入の減少について補填を行う事業を行う者が含まれることを明記することとしております。
 第四に、政府が農業経営収入保険事業その他の農業保険の制度の在り方等について検討を加える時期の目途を、施行後五年から施行後四年とすることとしております。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#32
○委員長(渡辺猛之君) 以上で本案の趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#33
○山田俊男君 自由民主党・こころの山田俊男であります。
 本日は満を持してこの収入保険の質疑に登場させていただいた次第でありまして、関係の皆さんに御配慮いただいたことを本当に御礼を申し上げる次第であります。
 何せ農業共済の仕組みは、それこそ私がちゃんと物心が付いた以降も、農業共済が地域の農業経営、とりわけ水田経営の場において大変大きな役割をそれぞれ果たしてきたということをよく承知しております。防除にしましても、村総出で防除するという取組をやってきたわけですね。そして、一筆調査ということもそれは前提としてやる、全戸加入という仕組みであるという中で、農村の農業経営に対する共同の取組というのを間違いなく側面から支えてきたところが私はあると、こんなふうに思います。
 ところで、この度、それを大きく改正しまして、そして収入保険の事業に取り組むということに相なったわけであります。
 収入保険は、御案内のとおり全戸加入ということではありませんし、強制加入ということでもありません。それぞれが自由に選択できるということでありますが、一方で、青色申告を前提にしているということになりますから、青色申告を含めましてきちっとした記帳能力がある、能力があるという言い方はおかしいですが、記帳できる、それからそういう収入の体制をちゃんと取っておられる、そうした農業経営、そんなに多いというふうには言えないわけでありますが、現在も青色申告はありますので、これをどんなふうに拡大しつつ、より収入をきちっと把握できる経営を、そして作物選択を行っていくということとお聞きしておりますので、そういう面では私はその仕組みを高く評価しているところであります。
 ただし、そうはいいましても、それぞれいろんな課題が出てくるわけでありまして、私は、どうもあの規制改革推進会議というのはもう本当に気に入らない組織でありまして、委員会の場で気に入らないなんというふうに明言すると、なかなか、いろいろ反発も出てくるところがあるかというふうに思いますけれど……(発言する者あり)そこは、激しいのは小川先生に任せて。
 私は、どうもここ一連の農協改革、全農改革、それから酪農制度の見直しに続いて、今度のこの収入保険の仕組みも、おいおい、まさか、もしかしたら、より自由な生産、流通、販売と、そして新しい挑戦ということを念頭に置きながら、そして、それは規制改革推進会議の一つの思想といえば思想なんですが、それに基づく自由な生産、流通、販売の世界をつくり上げていく、それも農業者の競争の中で、新しい挑戦の中でつくり上げていくということがあるんじゃないかと思うんです。それを評価しないわけではないんです。現にそういう担い手は地域でもちゃんと育ってきておりますから、それはそれでいいんですが、しかし、農業生産が持つ共同の取組のベースを壊してしまうことにならないのかという、これまた心配も抱えているところであります。
 とりわけ、後ほど、本日もまた議論させてもらいますけれども、御案内のとおり、我が国の農業生産の大宗を占めております米につきましては、生産調整の取組がどうしても求められるわけでありますから、だから、その生産調整の取組はやはり村を挙げてというかな、共同の取組の中で目標達成しながらやっていこうよということをもう定着させてきましたし、今また、よりそれをしっかりやっていかないと駄目だぞということになっているわけですが、その生産調整についても数量目標の配分を国としてはやらないという環境が出てくるわけで、その環境の中での収入保険が持っている意味、これも本当によく考えて対処しなきゃいかぬと、こんなふうに思っているところであります。
 そこで、まず、これは経営局長にお尋ねした方がいいですかね、今回の収入保険が持っております意義を率直におっしゃっていただきたいと、こんなふうに思います。
#34
○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。
 趣旨、この収入保険事業の意義と目的ということでございますが、今後、農業の成長産業を図るということが必要だと思っております。そのためには、自由な経営判断に基づいて経営の発展に取り組む農業経営者、こういうのを育成していくことが必要だと考えております。
 こうした中で、その現行の農業災害補償制度を見てみますと、まず、自然災害による収量減少というのが対象でございまして、価格低下等は対象外となっております。次に、対象品目が限定的でございまして、農業経営全体をカバーしていないといった課題もございます。このため、品目の枠にとらわれずに、農業経営者ごとに収入全体を見て総合的に対応し得る収入保険制度を導入することによりまして、新規作物の生産あるいは新たな販路の開拓などの様々なチャレンジを促進しまして農業の成長産業化を図りたい、これが収入保険事業の意義、目的と考えてございます。
#35
○山田俊男君 時間がありますから、また局長にはこの意義をちゃんとお聞きしたいというふうに思います。
 それで、この収入保険を導入しようじゃないかという議論が起こったときに、御案内のとおり、民間の保険会社を参入させるかという議論もあったようで、その際、事前の調査といいますか、最初の取っかかりの中でその調査に参画させたということがあったように思いますが、民間の業者の扱いについては、今ここの、収入保険の今後の展開に当たってはどんな位置付けになっているんですか、お聞きします。
#36
○政府参考人(大澤誠君) 御指摘のとおり、この収入保険事業を御提案申し上げるに際しまして、三年間、事業化調査事業を行ってございます。その中で、一度、民間事業体が事業化調査の実施主体になったことはございます。その検討も踏まえて、我々としては、まず収入保険事業の実施主体につきましては四つの要件が適当ではないかと考えた次第でございます。順に申しますと、一つは全国をカバーできる事業エリアを有していること、二番目に中立的な立場で事業を実施することができること、三番目に保険業務に関するノウハウを有していること、四番目に農業に関する知識を有していること、この四要件を考えたわけでございます。
 様々な検討を加えました結果、実際に事業実施主体になろうとする方々の意向、こういうことも踏まえますと、農業共済団体がやはり新たに全国連合会を設立して実施主体がなることが適当だというふうに検討をしたわけでございまして、民間事業体もこの検討の中では、むしろ実施主体になるよりは協力する役割にしたいというようなことも表明したわけでございます。そういうことを踏まえまして、この提案している法律の百七十五条に収入保険事業の実施主体は全国連合会ということが法律で明記されてございます、という経緯でございます。
#37
○山田俊男君 アメリカの収入保険の例、そんなに多くあるというわけじゃないし、加入がそんなに多いというわけではありませんが、品目ごとに各種の収入保険の仕組みがあるということは承知しています。それは、民間の保険会社が展開している例が多いわけですね。
 私は、局長の今答弁のありましたその方向でいいんだろうというふうに思いますが、先ほど私が懸念で申し上げましたが、より一層自由な生産、流通、販売という世界をつくっていくときに、民間の会社が設計して運営していくという形が念頭にあったのかというふうに思ったものですから改めて聞かせてもらったわけでありますが、今の要件で全国エリアにして、それから、御案内のとおり、これまで農業共済事業との連携が必ず地域ではあるというふうに思いますから、とりわけ、対象となる農業者はそこに張り付いて、地域に張り付いてそこに存在しているわけですから、だから、それらの要求もきちっと聞いて事業対応していくという姿勢であれば、今おっしゃった形でしっかりやっていただきたいと、こんなふうに思います。
 ところで、私は、先ほど若干申し上げたこととも関連しますが、五年前に、これは平成二十五年ですかね、産業競争力会議の農業分科会の座長でありました方が、唐突と言えば唐突でもありますが、一方で、ずうっとこれは長い議論をしてきた内容かというふうに思いますけれど、提案の仕方が、規制改革推進会議の前身の組織であります産業競争力会議、その農業分科会、その座長が行うということで、国による生産調整の目標配分の廃止という方向を打ち出したことに相なったわけであります。
 当初三年とおっしゃっていたのを、党内の議論もこれありで、五年後というふうにして、その期限が来年もう到達するわけであります。収入保険のこの取組と、それと生産調整の生産数量目標との設定、連動せざるを得ないわけでありますが、この設定をやめるわけですから、より自由な生産、流通、販売の世界に日本の農業は入っていくということに相なるわけであります。
 もちろん、今農林水産省は、それこそもう本当に全精力を挙げてというふうに思いますが、各都道府県、市町村にも働きかけて、そして市町村、さらにはJA、それから協議会等々とも連携しながら推進に全力を挙げていると、その努力は多とするんですが、収入保険を入れられた取組と、それと生産数量目標配分の廃止ということがどんなふうな相関関係を持って推移していくのかということについて、受け止めをお聞きしますし、それから、当然対策が必要になるというふうに思います。一生懸命やっておられるその対策の狙いをおっしゃっていただきたいというふうに思います。これ、政策統括官でよろしゅうございますかね。
#38
○政府参考人(柄澤彰君) 今委員から御指摘がございましたように、今般の米政策の見直しにつきましては、政府・与党として平成二十五年の暮れに決定をして、それ以来今日に至るまで、この方向に沿っていろんな推進をしてまいりました。
 今委員からも御指摘のとおり、全国の現地に出向きましていろいろな推進活動もし、いろいろな各地での御努力をしていただいた結果、例えば二十七年産、二十八年産振り返りますと、現行制度始まって以来初めて二年連続、全国ベースでの過剰作付けが解消いたしましたし、また、現在田植がもう済んでいるところも多いわけですが、二十九年産の作付けにつきましても多くの県で生産数量目標の達成が見込まれているという、こういう状況でございます。
 この方向に沿いまして、今後とも、農業者あるいは集荷業者・団体がマーケットを見ながら、自らの経営判断や販売戦略に基づいて需要に応じた生産、販売ができるような環境整備に引き続き取り組んでまいりたいと存じます。
 今申し上げましたこの米の政策の見直しにつきましては決められた方針どおり進めておりまして、それと別途の考え方によりまして、収入保険、今回導入がされているというふうに理解しております。
#39
○山田俊男君 政策統括官を始めとする農林省の努力を多といたしますが、収入保険で自由な生産、流通、販売の世界に入っていくんだぞと、まさに、そういう世界の中で、一方で、これは従来の生産調整、米はその課題を抱えておりますので、そうせざるを得ないという側面は私はもう分からぬわけじゃないんですが、そこはちゃんと、何ですか、気持ちは合っているんですか。政策の流れとしてもちゃんと合っていますか。はい、経営局長。
#40
○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。
 収入保険制度、これは先ほど総合的に対応し得る収入全体を見たセーフティーネットとして導入するんだというお話をいたしました。そうなりますと、我々考えておりますのは、やはり需要に応じて農業者の方々が、ここに需要がありそうだぞ、ここが所得が上がりそうだぞといろいろなチャレンジを促進するようになると、こういうことも申しました。具体的には、農業者の新規作物の生産あるいは新たな販路の開拓、こういうことを促進していく効果があるのではないかというふうに考えております。
 収入保険制度の導入自体は、需要とは無関係に作物の生産をしたいということでは、そういう意味ですので、全くございません。むしろ、そういうことでありますと、高付加価値な作物への転換ということでありますとか、むしろ需要に応じた生産に向けた農業者の前向きな取組を促進する効果があるのではないかという意味で整合性が取れているのではないかというふうに考えてございます。
#41
○山田俊男君 そうすると、大澤さん、お聞きしますが、自由な生産、流通、販売の世界に入っていきますよということです。それは否定しません。力になるという側面もあります。一方で、その大宗、生産の大宗を占める地域の米の生産について、それで、そこの目標達成も極めて重要だということは今お聞きしたところであります。とすると、何でこの二つ連動できないんですか。連動するような仕組みというのは、考えましたか、それとも全く想定外ですか、お聞きします。
#42
○政府参考人(大澤誠君) 収入保険制度は、個人の収入全体を見て総合的に対応するということで、品目横断的な考え方で制度設計が行われております。ですので、個々の政策、需要に応じた生産を促進するための政策が品目ごとで行われていることは前提といたしておりますけれども、それがちゃんとなっていることを前提に導入してはおりますが、それ以上、個々の品目ごとの状況を全てリンクさせるとなりますといたずらに制度が複雑になるというふうに考えてございまして、そういう形でのリンクということは考えておりません。
#43
○山田俊男君 もう一つ、これ、御案内のとおり、今、これも米だけというわけじゃないんですよ、麦があったり、大豆があったり、作物、水田、とりわけ水田地域におきます複合的な経営を定着させる、伸ばしていくという観点でナラシという制度があります。読みやすいから、また覚えやすいからナラシという言い方させてもらいますけれども、このナラシの仕組みは、御案内のとおり、生産調整の数量目標達成を条件にしながらやってきたんですね。今度、それもどうも来年からこれ、なくなりますね。そうすると、ナラシの場合も需給調整のその観点が制度としての仕組みとしてなくなってしまう、収入保険もその仕組みをつくりません、だから今、柄澤さんがもう汗かいている生産調整の目標達成、これは独自設定した目標達成に全力を挙げましょうという設定になっている。
 ちょっと、原理違いませんか。制度、仕組みはそれなしを前提にして、何度も言うよ、自由な生産、流通、販売の世界に入っていくというんだよ。そして、収入も補填するというんだよ。米価が低落したらそのナラシの仕組みをちゃんと支えるという仕組みもあるんだよ。それに、需給調整の観点がそこで絡んでいなかったら、一体これどこの世界へ転がり込んでいきます。生産者自身の、農家自身の責任だと、農家自身がそれを判断しろと。いやいや、悪くないかもしらぬ、悪くないかもしらぬ。だったら、それをしっかり判断できる農業者に対して、それでちゃんと判断しながら自分がそれを選択するよという農業者に対して手だて講じなかったらどうするんですか。手だて講じましょうよ。
 歩いて、知事さんにもお会いする、市長さんにもお会いする、団体の皆さんにもお会いする、みんな声を掛けて歩いておられる。分かるよ。分かるけど、こっちの方の原理とそっちの方でこうしてお願いする原理が違うじゃない。これ、何年もちますか。何年もつと思う。私は三年だと思うんだよ。だから、ここに絵を描かなかったら、どうしようという絵を描かなかったら、これはもう本当に混乱の極みだというふうに思います。
 ましてや、一番狙っているのは誰か。規制改革推進会議。これは必ずナラシの制度をやめろというふうに言ってきますよ。そうでしょう。これ、私が何か誘導したんじゃないかと思わないでくださいよ。私は、明確にそれはもう絶対駄目だよというふうに言っているんです。だから、言われる前にここの二つの仕組みを一体どんなふうに力強いものにしていくか、地域の中で受け入れられるものにしていくか。担い手が必要なんだから、どんどん育成しなきゃいかぬのだから、そのために担い手対策になるナラシの制度というのは私は欠かせない大事な仕組みだというふうに思います。
 とすると、こっちで挑戦する、こっちでやっぱり担い手が育っていく、そして地域の農業生産を両輪相まって支えていくという仕組みのつなぎをちゃんと考えるべきではないですか。その点について、議論したのか議論していなかったのか、どうですか。ここは、収入保険検討してきた、じゃもう一回、経営局長に聞きますか。
#44
○政府参考人(大澤誠君) まず、事実関係で申しますと、今回の収入保険の検討に当たって、規制改革会議から何か意見を言われたり、何かあったということは全くございません。これは、あくまで平成二十六年の担い手経営安定法の審議の際に、衆議院において、全会一致で附則に、収入変動に関する総合的な施策について検討を加え、必要な法制上の措置を講ずると、こういう規定が加えられましたので、それを受けまして、農業者等の意見を十分聞きながら、また三年間の事業化調査を行いながらやってきたわけでございまして、規制改革会議から意見を受けたということは事実としてございません。
 その上で、先ほども、ちょっと繰り返しになるかもしれませんけれども、この附則におきましては農災法の見直しと併せて検討するということにされておりましたので、農災法の関係、先ほどお話ししたような、品目がいろいろ限定されていたり、その補填の対象が限定されていたということ等、まずその検討をいたしまして、それから関連制度との関係も検討いたしましたけれども、やはり一長一短ございます。
 例えば、ナラシ対策ですとその地域全体の価格を見て補填をしていくと、こちらの場合には個人の収入で見ていくと。制度を、せっかく収入保険つくりましても、やはり収入をちゃんと把握しなきゃいけないということで青色申告に限るという点もございますし、それぞれの制度をむしろ生かして、農家にとって選択肢を広げていくということがやはり今の農業の現場には非常にふさわしいんじゃないかということで全体像をつくりまして、こういう提案をさせていただいているわけでございます。
 それから、繰り返しになりますけれども、需要に応じた生産との関係では、特に米につきましては、正確ないろいろな見通しを、需要に関する見通しを国が提供するとか、それから米以外の水田の利活用の方策を推進するとか、そういうような品目ごとの政策が行われておりますので、それを前提とした形でこの収入保険を導入しているというわけでございますので、自由な生産、流通といっても、そのいろいろな既存の施策を否定する形で自由と言っているわけでは毛頭ございません。
#45
○山田俊男君 もう一つ、これも規制改革会議と関連する、今、国家戦略特区とも関係するから、なかなか問題を広げたくないわけでありますが、農地所有適格法人というのがありますね、養父の国家戦略特区で設定されました。要件付けながら、かなり制約を付けながら設定されたわけであります。それからさらには、農地中間管理機構の運営の中で、借り手がいなかったら県外からでもいいから手を挙げて、農業者でなくても、農外企業であってもオーケーだというのあるわね、一定の要素は付きますけれど。そうした農外企業が、これは農地所有適格法人なんですよ、こうした農外企業が、どうですか、収入保険事業に加入できますか、お聞きします。
#46
○政府参考人(大澤誠君) 加入できます。
#47
○山田俊男君 そうすると、その中には、これまた例を挙げて言うと、名前は余り言いたくないわけですが、大きなコンビニの企業が農地所有適格法人になって、ないしは借地で農業経営をおやりになっていますね。とりわけ野菜等を収穫して、悪くないんですよ、非常に立派にやっておられますから、さらに、それの農産物を自分の関連、自分の会社じゃないんだろうけど、自分の関連会社の大スーパーで売りますわね。そこへ多くの農家、それからJA等が集めた農産物を供給しますね。一体、自分の圃場で作ったのは、特色あるうまいものを作るんでしょうな、コストも安く作るかもしらぬから安めに設定してやります。安めに価格出して、俺のところはこれだけで供給できているんだよと、どうして持ってこれないのという話になりかねない側面もあるわけですよね。収入で加入できるんだから、農地所有適格法人も収入減少したら補填してもらえるんだから、何ら心配ないですよね。
 これ、こういう構図が出てこないとも限らないという心配をしているんですが、何か歯止め策は、ないしは議論した経緯はありますか。
#48
○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。
 収入保険制度、まず足切り水準最大でも一割、まあ一割、最低でも一割ということでございます。ですから、その一割を超えるような価格低下ということがまず問題になると思いますけれども、非常に、これは、今回の提案申し上げている法律で百八十七条というのがございます。これは準用規定ですが、百八十七条において保険法の十七条というのを準用いたしております。十七条に何が書いてあるかといいますと、「保険者は、保険契約者又は被保険者の故意又は重大な過失によって生じた損害をてん補する責任を負わない。」ということが書いてございます。
 説明の中でも意図的な安売りというものはここに該当して補填は出ませんよということを申し上げているわけでございますけれども、そういうふうな形で、通常のほかでやっているものと明らかに違うような大幅な意図的な価格低下ということを生じた場合には、これは収入保険上は免責ということで、保険金の全部又は一部を支払わないと、あるいは重大な不正があった場合は翌年以降の加入を禁止するようなことも考えておりまして、このような措置を講ずることによりまして制度の適正な運用を確保してまいりたいというふうに考えてございます。
#49
○山田俊男君 もう私の時間が参りましたので、ここでやめます。質問は三分の一しかできなかったので、三分の二残っていますが、許されるならどこかでまた質疑のチャンスをいただけたら有り難いと、こんなふうに思います。いずれにしても、大臣にもちゃんと質問事項を用意していたんですが、この次いただけたらこの次に回させていただきますので、お許し願いたいというふうに思います。
 いずれにしても、いろんなことと関係してくるんです、大きな仕事をおやりになろうと思うときはね。だから、いろんなことに手打っていかなきゃいかぬのですよ。どうぞ、早急に、数時間でというか、党内の議論も比較的短くて、ほわんと転げて進んできましたってみたいな話でやられた日には農業者は大変ですから、どうぞ、検討に検討に検討を重ねていい仕組みに仕上げていこうじゃないですか。どうぞよろしくお願いします。
 以上で終わります。ありがとうございました。
#50
○小川勝也君 民進党・新緑風会の小川勝也です。
 山田委員の質問の中にいろんな思いや葛藤が含まれておりました。私どもも実はあります。山田先生は与党審査の中でもほわんとした議論しましたけれども、我々は今趣旨説明を聞いたばかりでありますので、大変な審議であります。
 この農林水産委員会というところ、私は長年在籍をしておりまして、委員長席を挟んで両隣も経験をさせていただきました。国会でいう仲よし委員会の一つでありました。それは、農林水産省の農業を大切に思っておられる皆さんが農家のため、農業のための法律案を作ってくる、それを後押しするのは与党委員も野党委員も同じ思いだったからであります。ずっと賛成をし続けてきた歴史であります。
 しかし、この国会、八本の法案が出てまいりましたけれども、力強く反対する法案を含め、納得のいく法案は僅かでありました。まだましと言われたこの収入保険の法案でありますけれども、本当は反対したい気持ちもやまやまでありましたけれども、衆議院で、聞くところによると、反対法案が続いたので、何とか修正するので賛成してほしいということで、衆議院の我がメンバーが与党の皆さんと議論をして送られてきて、我々はこれ賛成をすることになっているようであります。
 なぜ我々が反対法案を多くここで直面することになったか、山田先生からも苦しい披瀝がありましたけれども、何とかかんとか会議というところが茶々を入れて法案を作ってくるからであります。すなわち、官邸主導のいわゆる審議会政治、そしてもう一つは、TPPの準備の法案があったからであります。TPPが来るので前もってこの法律を通しておこうというような中身が幾つかありました。今回はどうなんでしょうか。
 私は、この収入保険の成り立ちについて、いろんな思惑を私も持っていますけれども、まず、ちょっとだけ確認をさせていただきます。TPPとの関係はどうでしょうか。
#51
○政府参考人(大澤誠君) 収入保険制度につきましては、平成二十六年の、先ほどもお話しいたしましたが、担い手経営安定法の審議の際、衆議院におきまして全会一致で、附則に、収入変動に関する総合的な施策について検討を加え、必要な法制上の措置を講ずる、こういう規定が加えられました。これを受けまして調査検討を開始したものでございます。
 TPPとの関係でございますが、収入保険制度については、総合的なTPP関連政策大綱におけるいわゆる検討継続項目の一つとして位置付けられております。ただし、その前から、大綱が決まる前からこの検討は行われておりましたので、その大綱の中では、「従前から行っている収入保険制度の導入に向けた検討の継続」というふうな記載がされております。したがいまして、TPP大筋合意を契機として調査検討が開始されたとか、そういうことではございません。
#52
○小川勝也君 それでは、農業競争力強化プログラムの中では、この収入保険はどう位置付けられていましたでしょうか。
#53
○政府参考人(大澤誠君) 農業競争力強化プログラム、十三の項目がございますが、その一つとして位置付けられております。その経緯は、先ほど申しました総合的なTPP関連政策大綱の検討継続項目に位置付けられているからでございます。
#54
○小川勝也君 先日の畜安法の審議のときに、北海道厚岸太田の酪農家の方が、今、乳価も比較的安定しているしいい価格だし、生クリームも入ったし副産物もいいので、このままの制度の中で何とか頑張れるかな、政府に何かを要望したことはないと、こういうふうにおっしゃっていました。実は今、農業全般それに近い部分があるのではないかと思っています。収入保険がなくても、いわゆる共済とナラシがあるわけでありますので。
 なぜ今回この収入保険制度になったのかなといいますと、やはり、一にも二にも不安がある農作物は米だと私は拝察しております。一万五千円のいわゆる農業者戸別所得補償政策から七千五百円になり、そして生産調整なしの、七千五百円、今度ゼロになるというわけでありますので、いわゆる主食米の農家の方々は大変不安におののいているわけであります。ですから、私は、米価が下落する、そのことを前提にこの収入保険をつくったんだと勘ぐっていますけれども、関係性はいかがでしょうか。
#55
○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。
 米政策の見直しに関しましては、平成三十年産から、行政による生産数量配分に頼らずとも農業者自らの経営判断により需要に応じた生産が行われるように、行政、生産者団体、現場が一体となって取り組んでいるところでございます。
 国としては、そのための環境整備として、全国の需要見通しに加えまして、各産地における販売、在庫状況などに関するきめ細かな情報提供、それから麦、大豆、飼料用米等の戦略作物の生産に対する支援等を行っているところでございます。
 収入保険制度は、こうした米についても含むいろいろな品目ごとの枠組みの下で、この主食用米について需要に応じた生産が行われる中で導入しようということでございまして、米政策の見直しと併せて導入するということではございませんし、まず、米政策改革は米価を下落させるというまず意図もないというところでございまして、趣旨としては、先ほどもお話ししましたとおり、例えば農業共済制度について品目に限定があるとか、それからナラシ対策等の価格低下対策についても品目の限定があると、そういういろいろな品目の限定があるところから、どんな品目でも個人の収入に着目してセーフティーネットを措置いたしまして、それによって農業者がいろいろなチャレンジをしやすくしようと、それが意図でございます。
#56
○小川勝也君 今日午後から北海道の生産者も来て、現場の意見も申し述べていただくことになっているかと思います。いわゆる共済もあり、ナラシもあり、新しい制度が出てきて、生産者がいい方を選べるということであれば目くじらを立てて反対をしないわけでありますけれども、与党審査に参画した山田先生から三年もつかなという話もありましたので、穏やかではありません。
 生産者の気持ちはどうなのかというふうに昨日お伺いをいたしましたら、様子見だろう、こう言っておりました。特に米を主力にしている稲作農家は、いわゆるナラシと共済の方が、自分のところの気象条件やいわゆる収入激減の頻度にもよりますけれども、既存の制度を選ぶ生産者の方が多いのではないかという意見が述べられました。
 この制度には幾つかの重大な問題点があります。それを順次お伺いをしたいと思います。
 北海道は、未曽有の台風被害で大変な目に遭いました。それで、農地そのものが流されるといった地域も発生をいたしました。それで、本来台風が来ない地域としての北海道の生産地があったわけでありますけれども、激甚な災害に遭う北海道になったわけであります。
 例えば、基準収入一千万円、四年間続けていて、そして五年目に激甚なる台風被害で例えば収入が二百万円になった。そうしますと、これからの収入保険のいわゆる算定が四千二百万円割る五が基準収入になります。ですから、大規模な災害、あるいは収入が激減になったとき、五中五の取り方を変えてもらわないと穏やかな気持ちで加入できない、これが生産者の声であります。
 台風以外にもいろんな要因で激減をしたときには、それを何らかの形で上に押し上げるという、あるいは五中五ががっつり下がらないような工夫がないと、これは収入保険に皆さんが入っていただけないような状況になるのではないかと私は心配しています。その辺の工夫の余地はどうでしょうか。
#57
○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。
 これ、収入保険制度といいますのは、個々人の農業者のデータを、税の仕組みを用いまして、客観的な収入として、それを基本として制度を設計しているわけでございます。個々人の農業者のデータを用いておりますので、例えば五中三とかそういう形にいたしますと、一年だけ収入をもう今日は、もう今年は働かないということで意図的に下げるとなっても、逆に基準収入は変わらないということになってしまいます。そうなりますとモラルハザードの問題も起きておりますので、五中五という形で今考えているところでございます。
#58
○小川勝也君 それは制度設計をしている人の言い訳ですよ。
 基準収入の取り方がナラシの九割に比べてきゅうきゅうになって、本当に生産者にとっては不利だというふうにまず印象を持たれます。そのときに経営局長は、今言ったようにモラルハザードをやっぱり回避するために五中五なんだと、こう言います。だったら、先ほど私が申し上げましたように、一回がっつりと災害があって、あるいはほかの要因でも収入が激減をして基準収入が下がってしまうなら保険に入る意味がないという生産者の声には全く応えられないことになります。
 もう一点あります。それは、先ほど山田先生が、企業の参入、これで、企業の参入で市場価格を下落させるもし力が働いたとする、そのほかにも、私は、例えばTPPのような国際的な協約によっていわゆる海外から農産物が入ってくる場合、農家のいわゆる手取りとなる農産物価格が緩やかに微減を続ける場合、ちょっとずつちょっとずつ下がっていく場合、すなわち、経済成長がゼロから一、いわゆる物価はそのままなのに、農家の手取りだけがどんどんどんどん、ちょっとずつちょっとずつ下がっていくときに、この収入保険は、例えば一千万円なら一千万円のレベルの収入を確保する制度になっていないんです。どんどんどんどん収入が下がっていく、経済成長、物価はそのままなのに、農家の収入だけがどんどんどんどん下がっていくということを否定できない制度であります。その結果についてはどうお答えになりますか。
#59
○政府参考人(大澤誠君) 収入保険制度だけが農政ということでは、そういう形での提案はさせていただいていないところでございます。例えば、その品目ごとの継続的な価格低下、これについては米が典型的な分野かもしれませんけれども、こちらにつきましては様々な品目ごとの政策によって対処しているわけでございます。
 ですので、収入保険制度は、あくまでもいろいろな制度の中の選択肢の一つとして収入全体に着目した制度でございますので、むしろいろいろな作物にチャレンジしてみよう、それによって新しい局面を切り開いていこうというときに、万が一、いろいろ作物新しくやりましてなかなかうまく見込みどおりいかなかったという場合でも、少なくとも、従来行っていた生産に基づく所得の一定部分は確保されるということが今回のこの収入保険の肝ではないかというふうに考えております。いろんな施策の中で選択していただくということを強調しているわけでございます。
#60
○小川勝也君 それは、だから、あくまでも制度設計した人の言い訳ですよ。
 せっかく衆議院で修正で農業保険の加入促進に関する規定、みんな、やっぱりせっかくいいのをつくったんだから入ってもらおうと言っているのに、生産者の不安に全然応えていないじゃないですか。
 もっと言います。これ大変なんですよ。というのは、一つは個々の生産者に着目をしてということであります。収入保険と先ほど言った共済、ナラシのセットと微妙に各個別農家によって違うんです。ここは本当に周知とアドバイスができる体制が取れるんでしょうか。私は人手不足もあって大変なことになると思いますけれども、自信はあるんですか。
#61
○政府参考人(大澤誠君) これはしっかりやっていかなければいけないというふうに考えてございます。
 まず、共済組合の職員が非常に多くを担っていただくわけでございますけれども、農業災害、農業共済の制度自体も、家畜共済などいろいろなその事務の軽減措置を図っております。そうやって、全体の中でその収入保険をしっかりやっていく体制をまずつくりたいということが一つでございます。
 それから、一部はホームページ等にも公開しておりますけれども、どの制度を取ったらどういう負担があって、それからどういうふうな万が一のときの共済金なり保険金がもらえるのかと、この関係をやはり数字で分かりたいというのが非常に大きな要望だと思います。これを、その新しい制度ということもあって、全てにわたって制度をすぐには精通できない職員の方々がしっかりと説明ができるように、例えば、この二十九年度予算の中で、タブレット等を活用して簡単に掛金や補償金のシミュレーションができるようなシステム、こういうのをしっかりと整備してまいりますので、加入申請時に、そういう通常の保険のように、パターン一、パターン二、パターン三でこうなりますということがすぐに分かるようなシステムを設計いたしまして、それで、あっ、こういうふうになるのかということがしっかりと分かるように普及宣伝に努めてまいりたいというように考えてございます。
#62
○小川勝也君 ここはやっぱり山田さんが言ったように、懸念は払拭できませんね。設計図はいいんですよ、一つ一つ、一人一人の農家に向き合って、おたくの経営形態でしたらこういう組合せがいいですよというところまで考えてくださっていますけれども、そこまでの客観的なプログラミングは不可能です。今、三年もつかどうかと。衆議院も心配して、施行後五年から施行後四年に検討を前倒ししてくれました。
 ここから大臣に聞きますよ。私はこれ不測の事態が起こるんじゃないかと思う。いろんな、一年、二年の間にデータが出てくる。そして、ここの個別農家はこうだったけど、こっちの農家はこうだったということで、誰が得した、誰が損した、ここの状況がおかしいじゃないかと、ここ仕組みおかしいぞというのが必ず出てくるんですよ、これ。
 私は、農家のためを思った仕組みをつくってくれるという農林水産省の意気込みと思いは多としますけれども、物すごい心配です。うまく機能しなくて、それこそナラシがなくなっちゃったら元も子もないし。同じ共済の中で、やっぱり労力は限られているので、理想はいいけれども相当困難が付きまとうというふうに思います。
 だから、いろんな情報が集まってきます。いろんな見直しや検討が必要だと思いますけれども、ここに、法律事項でありますので、附則の第十四条は、これ当然変えられない。けれども、大臣、大臣か次の大臣かは分かりませんけれども、もしいろんな情報が集まって、これはちょっといろいろ検討を加えて、省令で、あるいはいろんな通達で変えなきゃいけないということが出たら、私は柔軟に対応してほしいと思いますけれども、大臣の御発言をお願いします。
#63
○国務大臣(山本有二君) 収入保険制度は我が国初めての制度であります。制度実施後もデータの蓄積を進めるということが必要でございますし、農業者のニーズを把握しながら、農業者にとってより良い制度になるように改廃が必要だというように思います。制度の実施状況等、検証が必要でございます。
 法施行後の見直しでございますが、一定のデータ蓄積が必要でありますことから、四年後を一つのめどとしているわけでございますけれども、制度実施後、改善すべき事項が出てくれば必ずしも四年後にこだわらずに見直していくという態度で臨みたいというように思います。
#64
○小川勝也君 ありがとうございました。
 時間も少なくなってきましたので、ちょっとお客様にも質問をしたいと思います。
 文科省は、今新たに再調査をしてくれておりますけれども、いつこの調査結果を発表することになっていますか。
#65
○政府参考人(義本博司君) 文科省におきましては、総理の指示の下、文科省として国民の声に真摯に向き合い、改めて徹底した再調査を行いたいというふうに思っておりまして、具体的には、前回調査におきましては、専門教育課の関係する共有ファイル、あるいはその電子フォルダのみを対象としておりましたけれども、今回の調査においては専門教育課以外の設置認可の担当部局である部局、それから特区窓口の担当部局の共有ファイル、共有フォルダまでも確認対象とすることと拡大したいと思っておりますし、ヒアリングも行いましたけれども、前回の調査におきましては課長補佐以上の職員七名を対象にしておりましたけれども、今回の追加調査では前回の七名に加えまして、メールで文書を共有したとされる職員約二十名おりますけれども、この人たち自身も対象にしてヒアリングを実施することとしたいと思っております。
 いずれにせよ、今回の追加調査は国民の声に真摯に向き合いたいということでございますので、いたずらに時間を掛けて調査を行うものではございませんで、速やかに調査を行いまして、結果がまとまり次第、可能な限り速やかに発表したいと思っているところでございます。(発言する者あり)
#66
○小川勝也君 これは、今、舟山さんが言った思いは共通ですけれども、ここで言ってもしようがないということも私はよく分かっています。あなたにも上司や上に立つ人がいるのも分かっています。ただし、国会は会期を迎えるんです。定例日は今日と木曜日と二回しかないんです。国会が終わってから出されたって、たまったものではありません。そのことは強く申し上げるんですが、ここからが私が申し上げたいことです。
 怪文書だったものが再調査になりました。そして、今回のこのやり取りは、内閣府から文部科学省、そして農林水産省、三省三府で共有をしていなきゃおかしいんです。この人とこの人が会いました、それぞれ両側でメモを取る、これが当たり前の姿でありますので、この文科省の再調査を受けて、内閣府と農林水産省も同様の調査をしないと意味がない、そのことを申し上げたいわけでありますので、内閣府と農林水産省にお伺いをいたします。
#67
○政府参考人(藤原豊君) お答えを申し上げます。
 六月九日に山本大臣が記者会見で回答しております。内閣府では、報道されている文書の内容につきまして、事務局において関係職員への聴取を行い、総理や官邸の指示などと文科省に伝えた事実はないことなどを確認しているということでございます。
 文部科学省が実施する追加調査は内閣府ではなく文部科学省が作成されている文書等に関するものであるため、内閣府において追加調査を行う考えはないということで、山本大臣から記者会見で御発言をさせていただいているところでございます。
#68
○政府参考人(今城健晴君) お答えいたします。
 内閣府と同様でございます。加計学園の獣医学部新設に関する一連の文書ということで、文科省さんで調査されているということでございます。
 いずれにせよ、私どもとしては、直接内閣府とコンタクトを取ったという場面がほとんどないわけでございまして、そういうことで、具体的なそういう文書も当然存在しないということでございます。
#69
○小川勝也君 数少ない接触の中に三大臣合意というのがあります。三大臣合意に至る、それは、打合せなしに大臣だけが合意するということはあり得ない。それは、事務方がどういう打合せをして大臣にどう伝えたのか、それは文部科学省、内閣府、そして農林水産省、必ずあるはずだ。これは会期内に必ず出してください。いいですか。文科省、内閣府、併せて出してください。
 委員長、お願いします。
#70
○委員長(渡辺猛之君) 後刻理事会で協議いたします。
#71
○小川勝也君 最後に、この収入保険のことでどうしても確認をしておかなければならないことだけ二、三確認をさせていただきたいと思います。
 先ほど企業参入ということがありました。当然、外国から資本を受けた企業もこの収入保険の対象になるということでよろしいでしょうか。
#72
○政府参考人(大澤誠君) どういう形態の農業をやるかによって、農地を持つような形態は事実上難しいのではないかと思いますけれども、収入保険上は外国の資本かどうかということは特に要件としておりません。
#73
○小川勝也君 保険の支払を受けられる方はすぐにでも保険を支払ってもらいたいわけでありますけれども、それがすぐ受けられない場合は、つなぎ融資、それが金利ゼロということでよろしいですね。
#74
○政府参考人(大澤誠君) その方向を含め、検討しているところでございます。
#75
○小川勝也君 確定ではないんですか。
#76
○政府参考人(大澤誠君) その方向で検討しているところでございます。
#77
○小川勝也君 ここは大臣のリーダーシップで、そういうふうに説明を受けていますので、断言してください。
#78
○国務大臣(山本有二君) 関係者がそれぞれおいでなわけでございます。また、無利子ということになりますと財政的手当てが必要でございますので、そんな意味も含めて、無利子の方向で積極的に対応していきたいというように思います。
#79
○小川勝也君 これ、保険が払われるということでいうと、担保ががっちり共済の金庫に入っているんですよ。だからゼロ金利なんです。そこはもう答弁要りませんので、よろしくお願いを申し上げ、質問を終わります。
#80
○森ゆうこ君 希望の会の森ゆうこでございます。
 今日は、政府参考人の出席の関係がありまして、田名部委員が質問の順番を変わっていただきました。ありがとうございました。
 農業災害補償法の一部を改正する法律案について伺います。
 これで八本になります。先ほどお話がございました。農災法で八本目となりますけど、これら八本の法案が全て成立すると農業者の所得はどれぐらい上がるんでしょうか。
#81
○国務大臣(山本有二君) 八本の法律は、それぞれ、資材・流通コストを下げること、あるいは土地改良法を改正しまして農地を集積、集約化すること、あるいはJAS規格によって輸出を促進すること、で、今回、収入保険を導入するというようなことでございますが、それぞれ経営規模、生産する品目が様々でございます。所得向上の程度につきましても農業者によって異なるというように思っております。
 今般八法案に盛り込んだ施策は、国から強制するものではありません。農業者や農業生産関連事業者が自主的な取組を行うということにおいて農業者の所得向上を目指すということでございます。国が一定の数値を掲げることは、これは適当ではないというように考えております。それぞれの農業者の所得が向上につながるものというように確信をしながら、この法案を施行してまいりたいというように思っております。
#82
○森ゆうこ君 八本の法案を最初に提案するときと何か随分言い方変わっているんじゃないんですか。もうかる農業、何か、さもこの法案全部成立したら、いかにも農家の人たちがもうかって所得が安定するかのような錯覚を与え続けているというふうに思います。
 立法事実がないというお話が先ほど小川委員からもありました。地元、地域のその現場の方たちから、法改正の必要性、そんなものがなくて、立法事実がないということじゃないですか。
 ちょっとその立法事実の質問飛ばしますけれども、収入保険は所得補償なんでしょうか、端的にお答えください。
#83
○政府参考人(大澤誠君) これは、その所得補償の意味にもよりますが、例えば、農業者が経営努力をしなくても常に一定の所得を保障すると、こういう仕組みではございません。これは、そういうふうに仕組みをやりますとモラルハザードが生じます、それから農業者が新たな取組にチャレンジしようとするインセンティブも働かないことになるということで、今回提案している収入保険では採用していないところでございます。
#84
○森ゆうこ君 いや、そういうことじゃないですよ。いわゆる戸別所得補償制度という中で、その所得補償という意味、ある意味定義ができているというふうに思います。そういう意味での、本当に再生産可能となるようなきちんとした所得補償という考え方入っていないでしょう、収入保険は。そうじゃないとはっきりおっしゃったらどうですか。みんな誤解しますよ。所得補償じゃないと、収入保険はね。
#85
○政府参考人(大澤誠君) これは戸別所得補償制度ではございませんし、収入保険ですので、保険の制度でございます。
#86
○森ゆうこ君 先ほど来、与党の方からも三年で駄目になるというような法案を審議していることのむなしさを私は感じますし、政策の決定の仕方がおかしいんですよ、ずっと言っていますけど。政策の決定の仕方がおかしい。
 それは、内閣府、そして国家戦略特区、規制改革推進会議、いや、官僚の皆さんが悪いと言っているわけじゃないんですよ、藤原さん。藤原さんが悪いと言っているわけじゃないんですよ。トップダウンだと。だけどその実、総理のお仲間の、全くこの分野、農業に関係ない人たちが、いや自己責任だということでどんどん変な方に変えていく、この政策決定をねじ曲げている、行政をねじ曲げている、このことが問題なんですよ。
 で、結果として、たった一人、たった一校、この獣医学部の新設でいえば、総理の腹心の友、そのただ一人、ただ一校だけを優遇すると、こんな政治、政治じゃないですよ、民主主義じゃないですよということでいろいろ伺っていきます。
 萩生田官房副長官、平成二十七年四月二日、今治市課長、そして課長補佐、官邸を訪れたということが事実だということは既に分かっております。なぜ、その事実、官邸では確認できないんでしょうか。
#87
○内閣官房副長官(萩生田光一君) 前回もお答えしましたが、総理大臣官邸の入邸につきましては、通行証を貸与し、厳格に管理を行っております。通行証の貸与に当たり、訪問予定者に対し、訪問先への訪問予約届の事前提出を求め、入邸時にこれに記載されている内容と訪問予定者の身分証を照合し、本人確認を行っています。
 このため、訪問者の入邸確認後、訪問予約届はその使用目的を終えることから、公文書管理法や関係規則等に基づき遅滞なく破棄する扱いとしているところであり、適切に取り扱っているものと承知をしております。
#88
○森ゆうこ君 別途記録あると思いますけれど、ないんですか。
#89
○内閣官房副長官(萩生田光一君) ございません。
#90
○森ゆうこ君 いや、何を隠したいのか分かりませんけど、そういう答弁、もし事実だとしたら、セキュリティーの問題ですよ。二年前に官邸を確実に訪問したという一方の行政の記録があるのに、官邸には何もない。誰が来たか分からない。本当ですか。本当なんですか、これ。本当だったら大変ですよ、逆に。
 参議院の会館の記録、訪問者の記録、一応、規則いただきました。参議院事務局文書管理規程に基づいてきちんと管理されておりまして、三年間保管してあります。
 で、内閣官房行政文書管理規則いただきましたけれども、どこに該当するんですか、これ。
#91
○内閣官房副長官(萩生田光一君) 保存期間一年以上の行政文書の類型とその保存期間については、公文書管理法に基づく内閣官房行政文書管理規則において定められております。
 官邸への訪問予定届については、当該規則で定める保存期間一年以上の行政文書の類型に該当せず、歴史公文書等にも当たらないことから、保存期間一年未満の行政文書として、使用目的終了後、遅滞なく廃棄する扱いとなっております。
#92
○森ゆうこ君 信じられません。隠したいことは分かりました。
 要するに、一地方都市の課長と課長補佐が官邸を訪れることはないと、先日出演したNHK「日曜討論」でも下村元文科大臣がおっしゃっていました。でも、訪れたんですよ。どなたに会ったんですか。
#93
○内閣官房副長官(萩生田光一君) その下村先生の発言はちょっと私承知しませんけれど、どなたに会ったかという確認は取れておりません。
#94
○森ゆうこ君 答弁に気を付けられた方がいいと思いますよ。今まではそういう、もう理解不能な、国民をばかにしたような、国民の代表をばかにしたような答弁でもそれで通ったかもしれませんけど、もうみんな、皆さん、ほらカメラ回っていますよ。みんな注目しているんですよ。おかしいでしょう、その答弁。誰も分からないんですか、官邸で、今治の課長と課長補佐が。そんな官邸の危機管理で、それでいいんですか、萩生田さん。
#95
○内閣官房副長官(萩生田光一君) 私の方に事前にいただいた質問の趣意につきましては、その時間帯に総理に会ったかということを前回もお聞きをされましたので、総理はお会いをしていないということは確認をしております。
#96
○森ゆうこ君 通告ペーパーでは、平成二十七年四月二日、首相官邸で今治市担当者は誰と協議を行ったのか。誰と行ったんですか。
#97
○内閣官房副長官(萩生田光一君) 私は承知しておりません。
#98
○森ゆうこ君 何で分からないんですか。
 藤原さんは思い出しましたか。先週お聞きしましたからね。
#99
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 森委員から前回御指摘をいただきまして、当時の担当者、これ既に外部の機関に異動しているため確認が遅れたのでございますが、改めて詳細を確認させていただきました。
 平成二十七年四月初頭に、これ、大変多くの自治体の来訪がございまして日付の特定までできないのでございますけれども、今治市職員が私どもの事務局を来訪された、私と名刺交換をした後に、当該担当者が、今治市から、これまで行ってきた獣医学部の新設の提案の経緯等につきまして話を伺ったということが確認できました。
 その後かどうか、これ四月二日かどうかは分からないんですが、官邸に関して、私どものスタッフないし私でございますが、紹介ないし同行したということはございません。
#100
○森ゆうこ君 藤原さん、お会いになったということをようやく認められましたね。思い出していただいてありがとうございます。私は、今、藤原さんのことをすごく心配しているんですよ。
 その前に、義家さん、あの文書、あったでしょう。メール、あったんですよね。イエスかノーか。調査が終わったか終わっていないか、私聞いていませんよ、あらかじめ言っておきますけど。文書はありましたね。
#101
○副大臣(義家弘介君) あの文書の意味が定かではないので、改めて質問してください。
#102
○森ゆうこ君 どういうことですか。あなたたちが再調査すると言っていた文書とメールですよ。ありましたね。なかったんですか。あったかないかぐらい今もう分かるでしょう。ちゃんと答えてください。
#103
○副大臣(義家弘介君) 現在調査をしておりまして、ヒアリング、それから三課を超えたヒアリングも現在行っているところでございます。
#104
○森ゆうこ君 そうじゃないですよ。
 あったかないかぐらいすぐ分かるでしょう。一分で分かりますよ。一分で分かりますよ。あったかないか聞いているんですよ。調査が終わったか終わっていないか聞いていません。ちゃんと答えてください。
#105
○政府参考人(常盤豊君) 森委員から今お話がございましたのは、文部科学省の中で現在内部文書に関する再調査を行っていることに関してだというふうに理解をしてございます。
 その点につきましては、現在、前回調査を行いました国家戦略特区における獣医学部設置の担当でございます専門教育課の関係する共有電子フォルダだけではございませんで、設置認可や国家戦略特区の窓口となる関係課といたしまして、高等教育局企画課の大学設置室であるとか、あるいは私学行政課の法人係、あるいは行政改革推進室、こういう関係課室がございますので、こういうところの共有電子フォルダ等まで範囲を拡大します。また、ヒアリングの対象についても拡大をいたしまして、その詳細を今精査をしているところでございます。
 速やかに調査を行いまして、結果がまとまり次第御報告をさせていただきたいというふうに思ってございます。
#106
○森ゆうこ君 まあ、あったんですね、今の答弁は。あったということですね。ありましたね。それだけ答えてください。
#107
○政府参考人(常盤豊君) 現在、追加調査を行っているところでございます。追加調査につきましては、速やかに調査を行いまして、結果がまとまり次第御報告をさせていただきたいと考えております。
#108
○森ゆうこ君 メールも文書も一分で分かりますよ。あったかなかったかも今日答えられないんですか。
 この問題は、私、金土日、土日、特に、地元、それから渋谷で街頭もありました。驚きました。今まで加計って多分読めない人がほとんどだったと思いますよ。だけど、もう皆さんから、老若男女、悔しいと、悔しいと言うんですよ、私の質疑が報道されたのを見て。私たち国民がばかにされている、あなたたちの答弁ですよ、そういうふうに言われました。そして、何か子供たちからも、そういえば森友学園のときに、安倍首相頑張れ、安倍首相頑張れ、安保法制通ってよかったですという、あれ、宣誓が学校の中ではやったんですってね。最近は加計学園の問題も子供たちが学校での話題にしているそうですよ。そういう問題になってきているんですよ。
 松尾さん、あなたなら答えていただけるでしょう。ありましたね、文書は。そんなのすぐ分かるじゃないですか。せめてそう答えてくださいよ。あったに決まっているじゃないですか。
#109
○政府参考人(松尾泰樹君) 今局長からも御答弁させていただいたとおりでございまして……(発言する者あり)ええ、追加調査をしているところでございますので、速やかに調査を行い、結果がまとまり次第公表させていただきたいと思っております。
#110
○森ゆうこ君 まあ、あったんですね。その内容を今精査しているとさっき局長おっしゃいましたから、あったということなんだけど、どうしても答えたくないという、いや、本当に何か残念で仕方がありませんけれども。
 藤原さん、心配しているのは、あの文書の中身、総理の御意向とかそういうことを言って内閣府から文科省に圧力を掛けたのは、これ無理筋だったんですよ、この獣医学部の話は。藤原さんも最初は無理だと、藤原さん自身が反対だったっていう話聞いていますよ。だけど、それは職務ですから。いいよ、竹内さん、そんな後ろからペーパー出さなくたって。あなた一人責任取らされますよ、総理、何としても関わっていないという話にしたいらしいから。だって、総理官邸行ったことを認めないんですからね。ということは、どう考えても、藤原さん、あなた、あなたが虎の威を借るキツネ、総理の御意向、勝手に言ったということで責任取らされることになるんじゃないかと私は思っているんですよ。
 だから、いつまでも安倍総理が続くわけでもないし、あなたは、国家国民のために働く、そのために霞が関にいる官僚ですよ。だからきちんと答えた方がいいと思います、国民のためにね。お認めになったらいかがですか。四月二日、会ったことは認めたでしょう。相談をして、今治に対して、前の日に、直前に、総理官邸に行って直接どなたとお会いするのか指示をしたのは藤原さんでしょう。
#111
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、内閣府で、これは四月二日かどうか分かりません、四月の上旬でございますけれども、私どものスタッフとともに事務所の方でこれまでの経緯などにつきまして今治市の職員からお話を伺ったということは確認できたわけでございますけれども、総理官邸での打合せ等々につきましては私どもは全く存じ上げません。特区の担当者、私が、部下もそうでございますけれども、官邸に紹介ないし同行したという事実はございません。
 私ども、これは別の委員会で事務局長からも御答弁させていただいておりますけれども、こういった自治体や事業者の方々をやはり官邸にお連れするということは、内閣府全体ではどうか分かりませんけれども、事務局の中では基本的にはそういったことはないというふうに申し上げたいと思います。
#112
○森ゆうこ君 いや、すごいね。誰が書いた。竹内さん書いたの、そのばかばかしい答弁を。そんなことあるわけないでしょう。誰も信用しませんよ。そういう答弁している間に、あなたが責任取らされることになるんですよ。
 義家さん、文科省の文書の再調査は、犯人捜し、罰を与えるためにやっているんじゃないかというふうな話も出ているんですよね。これは公益通報者に当たると思うんですけれども、その調査の結果、まあすぐ分かると思いますけど、いろいろ今回の件で告発した方たちとか、どなたか特定するために今いろいろやっていると思いますけど、これは公益通報者ですからね。きちんとその方の権利を守るという意識はおありですか。
#113
○副大臣(義家弘介君) まず、文部科学省の現職職員が公益通報保護制度の対象となるためには、その通報の内容として、国民の生命、身体、財産その他利益の保護に関わる特定の法律に規定する刑罰規定違反に関する事実が含まれていること、若しくは職務内の法令違反行為の事実が含まれていることが求められていることでございまして、当該の告発の内容が具体的にどのような法令違反に該当するのかを明らかにすることがまずは必要となります。
#114
○森ゆうこ君 守るって言えないんですか。まあ、あなたがそういう答弁でもいいですよ。私たちは、今回、誰だか分かりますから、みんな。その人たちがこの大事な告白をしたわけです、告発を。行政がゆがめられている、国会でうその答弁をやらなきゃいけない、国民の代表である国会議員にうその説明に毎回来ていた、明らかに国家公務員法違反ですよ。そういうことにもう耐えられなくなって、そして、この行政をねじ曲げる、このことをもう許しちゃいけないということで勇気を持って、全ての国民のために働いているからこそ告発したんですよ。
 いろんな理屈いいですから、そういう人たちの権利は守ると言っていただけますか。一言だけお願いします。
#115
○副大臣(義家弘介君) 一般論として、当該告発の内容が法令違反に該当しない場合、非公知の行政運営上のプロセスを上司の許可なく外部に流出されることは国家公務員法になる可能性があるというふうに認識しております。
#116
○森ゆうこ君 いや、私は政治家としての義家副大臣の発言を期待していたんですけど、残念ですね。
 官房副長官、あなた、内閣人事局の局長なんですかね。権力を濫用しないでください。この件に関して報復をしようというような動きがあったら、私たちは許しません。いや、私たちというか私は許しませんよ。この件に関して、国民のために働こうとした国家公務員、文部科学省の職員、守るために闘いますよ。不当な扱いを受けるということがないか監視していきますから。本当はそう言わなきゃいけないんですよ、副大臣が。
 文科省は被害者なんですよね、松尾さん。無理やり言われて、そして、その文書をちゃんと取ってあるのに文書がないということにされそうになった。でも、本当は今調べるべき、文書を明らかにするべきは内閣府ですよ。そして官邸ですよ、萩生田さん。何で隠しているんですか。
 これ、今治市の行政文書情報開示請求、四分の一というか、この四倍あります。全部は持ってこれませんでした。私も全部は詳しくは見れていません。これだけの行政文書があるんですよ。内閣府は、何でメールもなければ、記録もなければ、何で書類がないんですか。農水省は何で決裁文書がないんですか、三大臣合意の。どうなっているんですか。書類を出すべきは内閣府であり農水省でしょう。
 大臣、どうですか。
#117
○国務大臣(山本有二君) 十二月二十二日の三大臣合意の決裁につきましては、今城局長から私の方に、決裁文書が内閣府から届いたということでございまして、そして口頭でそうした内容を確認の上に合意文書にサインをしたと、こういう経過でございまして、あえてそこに決裁を多数でする必要は感じませんでしたし、私自身はそれで責任を持ってこの決裁を、決裁というか合意を責任を持ってすることができたということでございます。
#118
○委員長(渡辺猛之君) 時間が参りましたので、質疑をおまとめください。
#119
○森ゆうこ君 今日もう一回お配りしましたというか、これパネルです。(資料提示)これ、閣議決定しています。国家戦略特区法の第五条第一項に基づいた基本方針です。ここには、萩生田さん、あなたは利害関係者だから関わっちゃいけなかったんですよ、利害関係者を排除する規定、情報公開の徹底、そして明らかにされていませんが、石破四条件に対する具体的な数値も盛り込んで……
#120
○委員長(渡辺猛之君) 時間が参りましたので、質疑をおまとめください。
#121
○森ゆうこ君 ということで、内閣法第六条違反の疑いがあるということを指摘させていただきます。こんな答弁、本当に許していたら、この参議院農林水産委員会、国会の意義は全くありませんよということを申し上げて、終わります。
#122
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。
 今回創設をされる収入保険制度について、これまでの制度で不足していた何がカバーされるのか、端的に御答弁をお願いいたします。
#123
○国務大臣(山本有二君) 今までセーフティーネットとしましては、数量減少に対する農業共済や品目別の収入や価格の低下対策としてのナラシ対策、野菜価格安定制度などがございました。農業共済は、収量減少が外見で確認できるものに限定されております。また、ナラシ対策や野菜価格安定制度は、地域のデータがそろっているものに限定されております。
 今回の収入保険制度の創設によりまして、初めて全品目につきまして個々の農業者の収入に着目したセーフティーネットが張られることになったところでございます。また、既存の制度と選択加入ということになりまして、個々の農業者のニーズあるいは実情に応じた対応も可能となっているわけでございます。
#124
○竹谷とし子君 この制度では、保険金及び特約補填金は収入減が発生した翌年に支払われるわけでございますが、保険期間の翌年の税負担に影響を及ぼさないように、税務上は保険期間の総収入に算入されるようにすべきであると考えますが、いかがでしょうか。
#125
○副大臣(礒崎陽輔君) 収入保険制度の保険金は保険期間の翌年に支払われることになりますが、制度のメリットを十分発揮させるためには、農業者の翌年の税負担に影響を及ぼさないようにすることが必要であると考えております。
 この点につきましては、収入保険制度同様に翌年に共済金を支払う仕組みとなっている現行の果樹共済については、共済金を災害を受けた果実の収穫年の総収入金額に算入するものとされているところでございます。
 収入保険につきましても、これと同様に、税務上、保険金等は保険期間の総収入金額に算入されるよう、今後税務当局と調整を進めてまいりたいと考えております。
#126
○竹谷とし子君 今回の制度では青色申告が条件となっております。収入に着目をすれば白色申告でもできるのではないかという御意見もございますが、白色申告では捕捉できない点は何でしょうか。
#127
○大臣政務官(矢倉克夫君) お答えいたします。
 収入保険は、幅広い事象に基づく個々の収入減少を国費を投入して補填をする制度でありまして、他産業にはない制度でありますため、収入把握の正確性が国民の理解を得るためには非常に肝であるというふうに考えておりますところ、青色申告は、日々の取引を残高まで記帳する義務があり、在庫等と帳簿の照合ができる点が白色申告とは違います。これがあることで、例えば不正が起こりにくくなる、手元に置いておいて売上げが減少したというような言い方ができなくなるようなことも言えると思います。白色申告ではそこまでの義務がないということが違いであると思います。
 なお、青色申告への切替えを促進する観点から、収入保険制度では、青色申告の実績が一年あれば加入でき、簡易な方式による青色申告も対象としてスタートすることといたしております。
#128
○竹谷とし子君 農業者の方々の青色申告は過去に比べて増えてきていますでしょうか。青色申告を促すために、これまで農水省として農業者の方々にどのような支援を行ってきたか、お答えください。
#129
○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。
 青色申告を実施している農業者数は毎年徐々に増えておりまして、平成二十六年からデータの最新年であります平成二十七年にかけては約一万人増加して、現在は約四十四万人というふうになっております。
 青色申告につきましては、この農業経営管理能力を高めるためにも非常に有効だと思っておりまして、従来から、その関係団体、全国農業会議所等の関係団体と連携して推進してきているわけでございますが、特に昨年十一月の農業競争力強化プログラムがまとまって以降は、共済団体、JAグループ、農業会議所等の協力を得まして、各機関それぞれのパンフレットの作成、配布等を行っているところでございます。
#130
○竹谷とし子君 JAや、これまでサービスを提供して支援をしてきた団体の役割はこれからも重要になってくると思います。また、いわゆるフィンテック企業、クラウド利用で小規模の個人も青色申告をしやすいサービスが今展開をされております。
 そうした中で、法改正後、青色申告を促していくように農水省も支援を行っていくべきであるというふうに考えておりますが、いかに支援をしていただけますでしょうか。
#131
○政府参考人(大澤誠君) 法案成立後は、平成二十九年度予算において措置しております農業者に対する収入保険制度の内容の周知、あるいは青色申告書や帳簿の書き方に関する相談対応、こういうことを予算で支援することにいたしてございますので、先生の御指摘のいろいろな事業者を含めまして支援を推進してまいりたいというふうに考えてございます。
#132
○竹谷とし子君 できるだけ農業者の負担を減らす方向での支援を、ハードルを低くする方向での支援をお願いを申し上げたいと思います。
 続きまして、多様な農業、多様な担い手の参画を促す農業経営基盤強化の観点から質問させていただきたいと思います。
 東京都の町田市、厳しい税制上の環境でありますが、都市農業も盛んです。一方、地域の異業種の企業や大学の技術、ノウハウを結集して、まちだシルクメロンのプロジェクトに取り組んで、通常、一株、メロンというのは一個から五個ぐらい収穫をされるというふうに聞いておりますが、こちらのプロジェクトでは、一株から六十個程度、しかも高い糖度のメロンを栽培できる生産性向上技術と設備を有しております。
 メロン以外にもこの技術は適用可能ということですが、粘り強い試行錯誤の末、従来、水耕栽培ではメロンは製品化は不可能と言われていたところを、水槽内の養液の流れを制御をする、そして隅々まで酸素や養分が行き渡るようにする町田式農法というものを開発をされました。
 当該水耕栽培の施設の普及に関して、建築基準法及び農地法上の課題を農水省は把握されていますでしょうか。
#133
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 まず、水耕栽培施設に関わります建築基準法の取扱いでございますけれども、整備しようとする温室が建築物に該当し、建築確認が必要かどうかを都道府県又は市町村の建築主事が建築基準法の定義に照らして判断をしてございます。一般的には、温室の被覆資材が取り外し容易なビニール等の場合には、建築確認は不要と判断される場合が多いと承知をしてございます。
 また、農地法上の取扱いでございますが、水耕栽培施設の敷地をコンクリートで地固めをし農地に形質変更を加える場合には、現行農地法上は原則として農地転用に当たり、転用許可を受ける必要がございます。
 一方、農地に形質変更を加えずに、棚の設置やシートの敷設など、いつでも農地を耕作できる状態を保ったままでその棚やシートの上で農作物を栽培する場合には、引き続き農地法上の農地として取り扱って差し支えないこととされているところでございます。
#134
○竹谷とし子君 町田市のこのまちだシルクメロンプロジェクトの場合は、基本的にビニールで覆うということで屋根がないというふうに考えられますので、建物ではないというふうに言われれば確認は不要ということになりますが、現場ではそうしたことが曖昧であるために普及がなかなか進まないのではないかという懸念等もあるようでございますので、しっかりと説明をしていっていただきたいというふうに思います。
 全国の荒廃農地、耕作放棄地について度々質問に取り上げさせていただいております。
 今、年間何ヘクタールぐらい増えていますでしょうか。また、累計はどれぐらいになりますでしょうか。農地としてもう再生利用できない土地はどれぐらいありますでしょうか。
#135
○政府参考人(佐藤速水君) 荒廃農地のお尋ねでございますが、平成二十年以降、市町村と農業委員会による調査が実施されております。荒廃農地の位置、面積、再生利用の可能性などを把握しているところでございます。
 それによりますと、全国の荒廃農地面積は平成二十年以降横ばいで推移をしておりまして、平成二十七年には二十八万四千ヘクタールとなっております。このうち、森林の様相を呈しているといった、農地に復元するための物理的な条件整備が著しく困難なものといったような再生利用が困難と見込まれる荒廃農地でございますが、平成二十年には十三万五千ヘクタールでございましたが、直近の平成二十七年には十六万ヘクタールというふうに増加をいたしております。
#136
○竹谷とし子君 荒廃農地が二十八万ヘクタールを超えており、森林化している、もう再生利用が不可能であると思われる農地が増えている、十六万ヘクタールに上るということでございます。
 この委員会でも、私、土壌を活性化して微生物の力を生かして農作物を作る点についても質問をさせていただいております。露地栽培についても非常に重要だというふうに思っておりますし、それを全く否定するつもりはありませんけれども、こうした未利用地、放っておけば東京などでは宅地化も進んでしまうようなそういう状況下にある中で、荒廃農地あるいは宅地化されてしまいそうな都市農地、そうしたことを防いで農業振興を図っていく上で、水耕栽培施設など施設園芸を行って農業をそこでやっていくということは非常に重要であるというふうに考えますが、いかがでしょうか。
#137
○政府参考人(佐藤速水君) 限られた資源でございます農地を有効活用して食料の安定供給を図る上で、荒廃農地の再生利用の取組を進めること、これは農水省としても重要であると認識をしております。
 このために、荒廃農地のうち再生利用可能な荒廃農地につきましては、農業者の取組を支援する荒廃農地等利活用促進交付金のほかに、耕作放棄地の解消にも資するような農地耕作条件改善事業などを活用いたしまして、この農地としての再生利用の取組を進めているところでございます。
 それで、再生した農地におきまして施設園芸に取り組むことは、高収益、高付加価値型の農業経営実現を図る上で効果的であると考えております。今答弁申し上げました交付金ですとかあるいは強い農業づくり交付金等におきましても、栽培施設等を補助対象としているところでございます。
 さらに、再生利用が困難と見込まれる荒廃農地につきましても、周囲の状況から見てその土地を農地として復元しても継続して利用することができないと見込まれる、これが再生利用困難な農地でございますが、委員御指摘の施設園芸用地として利用することも十分考えられると認識しているところでございます。
 いずれにいたしましても、今後とも地域の実情に応じて荒廃農地の再生利用や有効活用を推進してまいりたいというふうに考えてございます。
#138
○竹谷とし子君 高齢者の方、また女性、さらに若者、多様な担い手の農業への参画や農福連携を進めていく上でも、生産者の肉体的負担が少ない町田式農法による水耕栽培というのは有望ではないかというふうに思います。
 車椅子で作業ができるように設備の幅を取ったり、また床をコンクリート張りにする方がいいという場合もあります。コンクリート張りにすると農地転用となり、できないというふうに現場では聞きましたけれども、それは事実でしょうか。
#139
○政府参考人(大澤誠君) 農地にコンクリートを張ることにつきましては、原則として農地に該当しなくなりまして転用が必要になります。
 ただし、作業用通路や温室の加温設備の設置場所など、農作物の栽培に通常必要不可欠でありまして、その農地から独立して他用途への利用又は取引の対象となり得ると認められるものでないときは、当該部分も含めて全体を農地法上の農地として取り扱って差し支えないと、これが現行の扱いでございます。
 したがいまして、例えば農業用施設の敷地をコンクリート張りにした場合には、現行農地法上は農地転用に当たり、転用許可を受ける必要があります。なお、これにつきましては農業者から改善を求める声がありまして、今後この取扱いをどうするか、検討を進めていくこととしております。
#140
○竹谷とし子君 水耕栽培施設を農地ではない土地に設置をすると農水省の補助が受けられないのではないかという御意見がございました。町田市の場合は調整区域に建てておりますけれども、いかがでしょうか。
#141
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 まず、農業者が利用いたします水耕栽培施設等の施設整備に対する支援策でございます強い農業づくり交付金におきましては、主たる受益地が原則として農用地区域又は生産緑地地区にあることが要件となってございますけれども、施設を整備する土地が農地でなくても補助対象とはなり得ることとなっております。
 さらに、高度な環境制御によりまして野菜等の周年・計画生産が可能な植物工場につきましては、例外的に農用地区域又は生産緑地地区外であっても補助対象としているところでございます。
#142
○竹谷とし子君 町田のシルクメロン栽培施設、メロン以外も栽培可能ということでございますので、そのような生産性の高い水耕栽培施設の普及、これに是非取り組んでいっていただきたいというふうに思いますけれども、建築基準法及び農地法の課題解決に向けて、農水省、いかに取り組んでいっていただけますでしょうか。
#143
○政府参考人(枝元真徹君) 委員から今御紹介ございましたまちだシルクメロンの取組でございますけれども、中小企業の技術を生かしまして、技術的に難しいと言われていたメロンの水耕栽培を実現いたしました。今後の我が国の施設園芸の一つのヒントになるというふうに思ってございます。
 建築基準法につきましては、都道府県又は市町村の建築主事によりまして、個々の建築物の状況に応じて、基準法の定義に照らして適切に運用されるべきものと承知をしてございます。農林省としては、近年、大規模な温室が増えてございますので、大規模な温室の使用ですとか建築基準法の取扱いなどをまとめました事例集を作成いたしまして、情報発信を行っているところでございます。
 また、農地法上の取扱いにつきましては、先ほど大澤局長からも御答弁申し上げましたけれども、農業者から改善を求める声もあり、今後こうした温室等の農地法上の取扱いをどうするか、検討を進めてまいりたいと考えております。
#144
○竹谷とし子君 こうした新しい技術というのはほかにもあると思います。例えば、LLCほっかいどう新エネルギー事業組合というのが北海道の中標津町にございます。元々は、酪農の生乳の温度管理のためにヒートポンプ技術を使って低炭素化、低コスト化をする、そういう装置を地元で開発をされておられたわけですが、組合員の技術を結集して、複層エアハウスとヒートポンプシステムを取り入れた水耕栽培に取り組んでおられます。実際に、ヒートポンプを入れる場合と入れない場合の比較をするために、どっちも装置を造って比較を行った結果、ランニングコストを半分程度に削減するということも実現をしておられます。
 北海道、マイナス二十度以下ですね、気温が、そのような状況下にあって、なかなか冬の農業というのは難しいんですけれども、ここでは真冬にもリーフレタスやコマツナ、ホウレンソウなど、そうしたものを一棟当たり三百株程度収穫をしているということでございまして、将来的には高齢者や障害者の方の雇用、また精神的な病気を抱えておられる方々も参画をして、地元の方々と交流を通じてケアに取り組んでもらう、そういったことも行い地域に貢献したいというふうに考えておられます。また、地元の近隣のJAの御婦人たちが視察に行って、水耕栽培、興味があるという感想も持たれておりました。こうした多様な農業、多様な担い手の参画を促す農業経営基盤の強化というものに是非取り組んでいっていただきたいと思います。
 続きまして、草地改良について前回も質問をさせていただきましたが、続いて行わせていただきます。
 生乳生産に関して、四十年前とコストがどのように変わっているか、牛一頭当たりの費用で比較をお願いいたします。
#145
○政府参考人(佐々木康雄君) お答え申し上げます。
 北海道のデータで御報告をいたしますけれども、搾乳牛一頭当たりの牛乳生産費でございますが、主な費用について、四十年前の昭和五十年と直近の平成二十七年の金額、それから費用合計に占める構成比で御報告を申し上げます。
 まず、流通飼料費でございますけれども、昭和五十年が八万四千八百四十四円で、費用合計に占める構成比は二六%でございました。平成二十七年ではそれが二十二万九千八百九十四円、三一%となっております。
 次に、牧草費でございますけれども、昭和五十年が九万四百八十七円で、構成比が二八%、これが平成二十七年では十万五千百八十円、構成比が一四%となっております。
 次に、労働費でございますけれども、昭和五十年が七万五千百九十八円で二三%でありましたものが、平成二十七年では十四万二千二百五十一円で一九%となっております。
 その他の物財費につきましては、昭和五十年が七万三千四百五十八円で二三%、平成二十七年では二十六万五千二百四十五円で三六%と相なっております。
#146
○竹谷とし子君 流通飼料費が、昭和五十年、八万五千円ぐらいだったものが今は約二十三万円と三倍近くになっております。何割が輸入に依存していますでしょうか。
#147
○政府参考人(枝元真徹君) 北海道の酪農経営におきます飼料利用でございますけれども、主に経営内で生産いたします自給飼料が五六%、経営外から購入する流通飼料が四四%となってございます。流通飼料のほとんどはトウモロコシ等の輸入穀物を原料とする配合飼料、輸入された乾牧草でございますので、輸入に依存しているというふうに考えてございます。
#148
○竹谷とし子君 輸入に依存しているものを減らしていくという取組が食料自給率を高める上でも重要であると思います。
 平均的な草地改良による生乳単位当たりのコスト減少の試算を教えてください。
#149
○政府参考人(枝元真徹君) 先日の本委員会におきまして、草地改良によりまして牧草収量を増加させる場合、二五%増加させるということでお答えをし、容量ベースで約二割削減するという御答弁を申し上げました。この二割を金額に換算いたしますと、搾乳牛一頭当たり約三万五千円に相当いたします。一頭当たりの年間の搾乳量が約八千キログラムでございまして、生乳一キログラムでは四円程度削減できるということになります。
 他方、草地改良には生乳一キログラム当たり一円程度のコストが掛かりますので、差引き生乳一キログラム当たり削減額約三円というふうに試算されているところでございます。
#150
○竹谷とし子君 非常に大きな効果があると思います。
 草地改良のために掛かる平均的な投資額というのは幾らでしょうか。また、労働費は増減しますでしょうか。
#151
○政府参考人(枝元真徹君) 草地改良に係る費用でございますけれども、改良の方法により異なりますが、平成二十七年度、北海道で草地生産性向上対策事業を実施いたしました二十四地区の事業実績から見ますと、十アール当たり二万円から三万円程度となってございます。
 また、牧草の生産費のうちの労働費は約一割でございますけれども、草地改良で収量が増加いたしましても、面積が変わらなければ労働時間はさほど変わらないというふうに見込んでおります。
#152
○竹谷とし子君 百頭規模になりますと、年間所得はこれによってどれぐらい増えると試算されますでしょうか。
#153
○政府参考人(枝元真徹君) 先ほど、草地改良によりまして三円のコスト削減ができるというふうにお答えを申し上げました。搾乳牛一頭当たりの生乳生産量は八千キログラムで、百頭規模の経営におきましては年間約二百四十万円の所得増になろうかと思います。
 ただ、前回も御説明いたしましたとおり、草地改良いたしまして、年を経るごとにその草地の生産性が低下いたしますので、約十年後に草地改良前の水準に戻るというふうに仮定して、それを考慮いたしますと、改良後十年間の所得増は約八百六十万円、一年間で平均八十六万円というふうに試算をされます。
#154
○委員長(渡辺猛之君) 時間ですのでおまとめください。
#155
○竹谷とし子君 はい。
 農業者の収入を向上させ、そして安定化をさせる取組という意味ではこの収入保険制度も重要でございますし、多面的な支援が必要であると思いますので、今後もお取組をお願い申し上げたいと思います。
 終わります。
#156
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 冒頭、加計学園の問題ですけれども、これ、獣医学部、獣医師自身が、獣医師は全体としては足りていると、一部偏在があるということは言われていて、そのことが今治に新たにつくることによって解決するわけではないと、したがって必要ないということをずっと再三言われていたわけですけれども、これが結局、戦略特区という中で決まった、その背景に総理の意向が働いているんじゃないかと。この疑惑というのは、今本当に国民の中では大変な大きな疑惑になって広がっております。
 したがって、いろいろ様々議論ありましたけれども、やっぱり、この国会、閉会前にして、早くその求められている再調査についても結果を出していただきたいということを私の方からも改めて強く申し上げておきたいと思います。
 さて、今回の改正案の大きな目玉ですけれども、これ、収入保険制度を創設するものです。その理由として、農業共済制度は価格低下を対象にしていない、収量が確認できるものに限定されている、そして農業経営全体を一括してカバーできていないからだというふうに言っているわけですね。農業共済制度は自然災害による収穫量の減少を対象にしていますから、これ当然のことなんですけれども、当然のことを何か問題あるかのように何で強調するんだろうかというふうに思うわけです。今の農業共済で不十分なことがあれば、これは拡充すべきだと思うんですけれども、改正案は、拡充するのではなくて、当然加入制の廃止など農業共済制度を縮小させるものになっています。そして、農業共済の縮小とセットで収入保険制度を創設するというふうに言っているわけですね。
 基幹産業である米麦は、これは当然加入があったからこそ米の再生産を確保をして農業生産力の維持発展を図ることができたというふうに言えると思うんです。来年度から基幹作物である米の生産調整や減反政策は廃止をされるわけです。米の直接支払交付金もなくなるわけです。
 そう考えますと、今回の改正というのは、自然災害への対応よりも需給変動による価格低下を重視する方向を向いている改正ではないのかと思うんですけれども、いかがでしょうか、大臣。
#157
○国務大臣(山本有二君) 御指摘の観点も含まれますけれども、今後農業が成長産業化を図るということになりますと経営判断に基づく農業経営が必要でございますので、そうした意味での選択肢が増えるという考え方に立っているわけでございます。
 現行の農業災害補償制度というのは、御指摘のとおりでございまして、自然災害による収量減少が対象でございます。また、対象品目が限定的でございます。このため、品目の枠にとらわれず新しい農業経営に取り組もうとする人には、こうした今までの制度はこれは使い勝手が悪いということになるわけでございまして、今回の収入保険制度は、個々の農家の収入それ自体に着目するわけでございますので、農業におけるチャレンジを促進することにつながっていくのではないかというように期待をしているところでございます。
#158
○紙智子君 農業共済制度は、自然災害で被害を受けた農業者の損失を補填して再び農業生産力を高めるということが目的なわけですけれども、なぜこの共済制度そのものを拡充しないんでしょうか。
#159
○政府参考人(大澤誠君) 共済制度についてはその品目について一定の制約がございますが、これは共済の仕組みからくるものでございまして、やはり目で見て、あるいは、何というんですか、一定の品目の重要性とかそういうふうなデータがあるもの、こういうものが共済の対象になっておりまして、実際上は、例えば葉物の野菜なり土の中に埋まっているようなもの、こういうものについてはやはり技術的にもなかなか対象にできないわけでございます。
 それからあと、じゃ、価格低下については万全なのか、それを同じ方向で拡充すべきなのかという点も検討の対象にはなりましたけれども、今のナラシ対策、それから野菜供給安定基金、それにつきましてはやはり地域の統計データを基に使うということでありますので、地域にデータがないものについてはそもそも対象のしようがありません。
 そうなりますと、これからいろいろな、農業者の方が苦労されて新しい作物を導入しようというときに、それが新しければ新しいほどその政策の手は伸びないということになります。そうなりますと、やはりこれは、どちらかというとむしろ発想を逆転させて、個々人の収入を一体として捉えた方が、どんな作物をやっても原則的に対象になるというところがこの新しい収入保険制度の独自のメリットとして考えて御提案を申し上げているところでございます。
#160
○紙智子君 共済制度をどうして拡充しないのかということについては余り答えられていないんですけれども、米の場合でいうと一筆方式、これは事務的なコスト掛かるというふうに言われていまして、人手も掛かるし、そのための人件費も掛かるということなんだけれども、こういうものを言わば効率化するための改正なのかもしれないというふうにも思うわけですよ。
 それで、日本は台風や大雪や冷害など年間を通じて自然災害に見舞われることが多いわけで、農業は大きな影響を受けやすいわけですね。だから共済制度は拡充されてきたんだと、これまで、思います。今回の改正は共済制度の縮小とセットで収入保険制度を導入すると、言わばこれ制度発足以来の最大の改正ということなんですけれども、農政の大きな転換になるというふうに思うんですね。
 農産物の価格というのは、これ需給動向が影響するわけです。自然災害などで農産物の供給量が減れば、これは販売価格は上がるわけです。米のように、過剰になれば価格は低下すると。一方で、国内生産だけではなくて、農産物の輸入が需給動向に影響を与えることもあるわけですよね。需給動向による価格低下に対応するための収入保険だというのであれば、農産物の自由化の需給にどう影響を与えているのか、価格にどういう影響を与えているのか、こういうことを分析するべきだと思うんですけれども、これは分析されたんでしょうか。
#161
○国務大臣(山本有二君) 農産物の価格は、おっしゃるように基本的に品質と需給で決まるわけでございます。需要に応じた生産を推進していくということが農産物の需給及び価格の安定を図る上で重要な要素であるというように思います。
 需要に応じた生産の推進のために、需要の内容、すなわち消費者が求める量、価格、品質を的確に把握をしなければなりません。生産者がそれに見合った生産、供給を行う。その際、特に品質の面で需要に見合った生産となるように、新商品の開発などによる高付加価値化や作物の転換を進めることなんかが重要であるというように考えておるところでございます。
 品目の枠にとらわれず、農業経営者ごとに収入全体を見て総合的に対応し得る制度、これを収入保険制度と考えておりまして、このような高付加価値な作物への転換等、需要に応じた生産に向けた農業者の前向きなチャレンジを促進するために、セーフティーネットとしても有効と考えております。
 お尋ねの調査というものの精緻な需給バランスについて品目ごとにやっているわけではありません。
#162
○紙智子君 農産物の自由化が需給にどういう影響を与えているのかということを聞いているんですけど、それについては調査していないという今の答弁ですよね。ちょっともう一度。
#163
○政府参考人(大澤誠君) 例えば、TPPの大筋合意等々につきましては、それぞれについてその影響がどうかと、こういうことを個々にはやっておりますけれども、この収入保険制度は、そういういろいろな、国際的な関係でありますとか、あるいは品目ごとの需給でありますとか、それに対応した政策が行われていることを前提として導入しておりますので、この収入保険の導入を契機として改めてそういう需給の調査をやっているということではございません。
#164
○紙智子君 全然その調査していないと。だから、需給の、需要と供給のバランスと言いながら、入ってくるものの影響というのは分析していないということだと思うんですよ。
 それで、お米でいえばミニマムアクセス米が国内市場に与える影響が懸念されていますし、去年はSBS米、これが、輸入米が国産の業務用米の価格を押し下げているんじゃないかという問題も問題になったわけですよね。政府の政策が農産物の需給に影響を与える、そして価格が低下するということがあるわけで、こういう農業者の経営努力で避けられないような収入減少も収入保険で対応するんでしょうか。
#165
○政府参考人(大澤誠君) 収入保険制度は、繰り返しになりますけれども、ある意味では単純な制度でございまして、農業者の収入が、過去五年間の基準収入、あるいはそれを一定程度当年の営農形態で補正したその基準収入、これに比べて当年の収入が下がった場合に補填する制度でございますので、その原因については、何というんでしょうか、今までの個別の政策よりも幅広く、単に収入減少があればモラルハザードが起きない範囲で補填はしていくというのが基本的な考え方でございます。
#166
○紙智子君 為替相場とか自由化という中で、政策判断で農作物の価格が低下することがあると思うんですよ。輸入自由化を進めるための対応なんじゃないかというふうな懸念も拭えないわけですね。主要農作物というのは保護することが重要だというふうに思っているわけです。
 収入保険の保障内容についてなんですけれども、収入保険の基準収入、これは農業者ごとの過去五年間の平均収入で算定するというふうに言われているわけですよね。価格が毎年下落した場合に、この基準収入も減額していくわけです。それで、収入減少というのが結局歯止めなく続くということになるんじゃありませんか。大臣、いかがですか。
#167
○国務大臣(山本有二君) 前向きな六次産業化に取り組む方や、担い手の農地の集積、高付加価値化というような、そうしたチャレンジ精神のある方々にとっては、この収入保険というのは非常に的確に対応できるわけでございます。収入保険制度はこうした中で実施されるものでございまして、価格の恒常的な低下局面を想定して導入しているわけではございません。
 なお、収入保険は価格が上がれば上がる局面で基準収入が伸びていくわけでございまして、単純に個々の生産者の収入に着目する、そして減少すれば補填するという制度でございますので、また、その減少局面において、様々な営農における支援措置を講ずることによってその収入が回復できるというような制度、仕組み、トータルで行っていきたいというように思っております。
#168
○紙智子君 制度の説明されたんですけれども、聞いたことは、価格が毎年下落した場合に基準収入も減額していくと、収入減少は歯止めなく続くんじゃないかと聞いたんですよ。上がることもあると言うんですけれども、大体、余り上がることって想定されていなくて、下がっていくことになったら歯止めなくこれ下がるんじゃないですかと聞いたんです。
#169
○政府参考人(大澤誠君) 補足してお答えいたしますけれども、何も収入保険だけが唯一の農政ではないわけでございます。ですから、先ほどの例えば国際的な自由化ということであれば、例えばTPPであればその影響を予測して必要な対策を打つ、それによって需給のバランスを取っていくと、こういうことが別途行われているわけでございます。価格の恒常的な低下、これについても、米を始めとして様々な需給を安定化させるための対策を打っているわけです。
 収入保険制度というのは、そのようないろいろな政策が行われていることを前提として導入していると。そういう意味で、価格低下の補償でありますとか価格の恒常的な低下局面を想定して導入したとか、そういうことではないということを申し上げている次第でございます。
#170
○紙智子君 農林水産省が米の相対取引価格の公表を始めたのが平成十八年、二〇〇六年からだと思うんですけれども、主食用一等米の六十キロ当たりの相対取引価格とそれから六十キロ当たりの米の生産費を調べてみたんですね。そうしたら、二〇一二年を除いては生産費が相対取引価格を上回っているんですよ。この二〇一二年というのは震災の翌年で、そのときだけは逆転していたんですけれども、つまり採算割れというのが慢性的になっているということなんです。例えば、二〇一〇年の米の生産に掛かった費用というのは一万六千五百九十四円なんですね。売った価格というのは一万二千七百十一円ですから、三千八百八十三円の赤字になっているわけですよ。これ毎年のように米の生産というのは赤字なんです。
 収入保険の導入で経営が改善されるんでしょうか、いかがですか。
#171
○政府参考人(大澤誠君) 繰り返しになりますけれども、恐縮ですが、米の米価の問題、米の需給をどうやってバランスさせていくかと、こういう問題につきましては、様々な情報提供でありますとか、それから麦、大豆、飼料作物、飼料米、そういうものを水田で新しく作付けしていくとか、そういうような政策におきまして近年成果も上がっているというふうに認識してございます。ですので、まずそういう政策が一つあるということでございます。
 収入保険は、加えまして、どんな品目でも原則として対象にする制度でございますので、意欲ある農業者の方々が前向きにチャレンジをしていくと、で、成功すればそれは新しい高付加価値な作物の生産につながるんだと思いますけれども、万が一そこが初めの年なりしばらくうまくいかなかったときでも、それは一定の補償があるということで、また新しいチャレンジをしていこうと、こういうような前向きな努力を促すということによって所得の向上にもつながっていく効果があるのではないかというふうに考えてございます。
#172
○紙智子君 これは調査室の資料に書いてあったんですけど、当年の収入が過去平均よりも低くなる場合の基準収入について、営農計画で収入減少が見込まれ得る要素があれば過去の平均よりも下方修正されると言われているんですね。これでは所得の下支えにもならないんじゃありませんか。
#173
○政府参考人(大澤誠君) これは、やっぱりそういうような仕組みになってございまして、収入保険制度における基準収入は過去の平均収入を基本としながら当年の営農計画を考慮して設定するということでございます。例えば、この経営規模を半分にするというときに、これは自発的に決められたことでございます。そういうときに、半分に自発的に決めても今までの経営規模に即した収入が得られる、こういうことになりますとなかなか国民理解を得る点でも非常に問題があると思いますし、これは保険の世界でいえば損失以上の補填を行うといったモラルハザードが生じるということになるのではないかと思いまして、この下方修正ということで経営の実態に合った基準収入が設定されるような仕組みとしている次第でございます。
#174
○紙智子君 そのモラルハザードというのは物すごく気になるんですけれども、あくまで農業収入の変動を緩和するための制度であって、これ農業収入の水準を保証するための制度ではないと。結局は生産費が考慮されない底なしの調整に、制度になりかねないというふうに思います。
 ナラシ対策などの類似制度についてもお聞きします。
 百七十六条において、農業共済の加入者その他省令で定める農業収入の減少補填を行う事業の加入者は収入保険に加入できないというふうになっていますね。農業共済、収入減少影響緩和対策、いわゆるナラシ対策と、それから野菜価格安定制度、それから加工原料乳生産者経営安定対策などがそれに入ると思います。
 なぜこれらを対象にしないのか。衆議院で我が党の斉藤和子議員が聞いたところ、ナラシ対策などは国費が投入される類似の制度だと、税金の二重取りになるんだというふうに答えられているわけです。
 そこで、ナラシ対策と収入保険とを比較した場合にどちらが農業者にメリットがあるのか、農水省が行った有識者会議に資料が出されております。ナラシ対策が有利なケースを紹介していただきたいと思います。
#175
○政府参考人(大澤誠君) いろんな違いが収入保険といわゆるナラシ対策についてはございますが、ナラシ対策の場合には収入が、地域のデータを使うということは前提ですけれども、その地域の価格水準よりも少しでも下がればその九割が補填されるという仕組みでございます。収入保険につきましては、それこそ全部、収入が全然出なかったときも補填はされますけれども、一割の足切りがございます。ですから、その点だけでいえば、少ない収入減の場合にはナラシの方が補填が出るというようなことになるかと思います。
 ただ、これは非常に複雑でございまして、先ほどもお話ししましたけれども、いわゆるナラシ対策は地域の統計データを使って地域平均の収入減少を補填することになりますので、地域全体としてはむしろ価格は上がっていたり同じであったりしても、その方の農家がいろいろな理由で収入減になった場合には、それは収入保険の方が出るということになりまして……(発言する者あり)
 初めにお話ししたようなケースが一般的にいいますと有利なケースでございますが、ケース・バイ・ケースでありまして、必ずしも全てにわたってナラシが有利だとまでは言えないというふうにお話をしております。
#176
○紙智子君 農水省の資料を見ますと、米の複合経営では、収入保険の補償額百九十五万円に対して、ナラシ対策は二百五万円になっているんですよね。それから、米の単作経営でいうと、収入保険の補償額は三百二十九万円で、ナラシ対策は四百八十七万円ということで、ナラシの方がメリットがあることが分かるんですね。米の比重が大きい農業経営者はナラシの方がメリットがある、畑作はほぼ同程度というふうに試算していますけれども、この経営形態によって変わってくると思うんです。
 それで、ナラシ対策の方がメリットがあるということになれば、これ、収入保険に移行しようとする農業者のインセンティブは働かないんじゃないでしょうか、大臣。
#177
○国務大臣(山本有二君) そういう米単独の農家と比較すればそうであるわけでございますけれども、最近の傾向といたしましては、新しい品目に挑戦しようという意欲が若者の間にあるわけでございまして、そんな意味で複合経営の方向に農家があると、こういうように認識しておりますので、その点においては収入保険が適切ではないかというように思っております。
 いずれにいたしましても、既存制度と並行加入が可能でございますので、並行的に制度、仕組みが存置されるというように考えているところでございます。
#178
○紙智子君 衆議院の参考人の質疑の中で、収入保険制度への十分な加入者を確保するために米の大幅な下落が必要になると。逆の言い方をすれば、米価の大幅な下落を見越しているからこそ、青色申告者を救うために収入保険制度を生産調整廃止に合わせて導入するという指摘がありました。そういうことなんでしょうか。
#179
○政府参考人(大澤誠君) まず、先生御指摘のこの農林省資料というものにつきましては、その資料に明記してございますけれども、事業化調査の事例からみた作物類型別の試算ということで、実際にその経営類型はその事業化調査に参加していただいた農家の経営内容をそのまま書いてございます。ですので、ここで米単作でありますとか米の複合経営という方は、あくまでこの特定の地域にいらっしゃって、この特定の制度を使えるとしたらどうだということですので、なかなか一般化するのは難しいところがございます。我々は、別途ホームページ上に収入保険制度と既存の類似制度の比較のポイントというのを出しておりまして、そのときにはもう少し一般的な説明をしております。
 なお、米価の下落を想定してこの制度を導入したということは、前にもお答えしておりますけれども、そういうことではありませんで、個別の需給安定のためのいろいろな品目別の施策を前提としてこの収入保険制度を導入したわけでございます。
#180
○委員長(渡辺猛之君) 時間が参りましたので、おまとめください。
#181
○紙智子君 はい。
 まだいろいろあるんですけれども、まだ残りは次回やらせていただきますけれども、保険者の資格などを含めて疑問がたくさんありますので、次回に質問を回したいと思います。
 ありがとうございます。
#182
○儀間光男君 日本維新の会の儀間でございます。
 今日は農業災害補償法が議題ですから、関連して質問をさせていただきたいと思います。
 まず、いろいろ議論になってまいりましたけれど、この保険の資格の問題で少し聞きたいと思っております。法案を見てみますというと、収入保険の対象者が青色申告を行っている農業者に限定されていると私理解しておるんですね。ある意味、例えば、不正受給を防止する方策としてはやむを得ない一面もあるのかなという思いもするんですが、政府の資料によると、平成二十七年度の農業経営者全体は百三十七万七千名、二十八年度が百三十一万八千経営体というふうになっております。
 そのうち内訳を少し見ますというと、青色申告をしている方々を見ますというと、今、先ほど、竹谷委員の質問に、二十八年度が、七年度ですか、四十四万になって、対前年度一万人増えていると。対前年度、二十六年度は四十三万ですから、四十四万だと一万増えている。二十六年度の個人、法人の内訳は、そのうち個人が四十一万五千事業体、法人が一万五千というふうになっているんですが、二十八年度の四十四万分から、個人、法人、どういう内訳になっているか、お示しいただきたいと思います。
#183
○政府参考人(大澤誠君) 平成二十七年で農業者が青色申告している方四十四万人のうち、個人が四十二万一千人、法人が一万九千でございます。
#184
○儀間光男君 確かに、これは経年で見ておってみても、少しは上がって、上回ってきていますね、個人も法人も。非常にいいことではないかと思うんですが。
   〔委員長退席、理事山田修路君着席〕
 ここに見るように、青色申告者の数を見ても分かるように、申告を行っている農業経営体数、経営者は全体の三割強ぐらいかな、三割強ぐらいしかない現状で、対象を青色申告者に限定するこの収入保険は、我が国の農業全体を支えていくという意味では少し疑問が残るんですね。
 それについて伺いたいと思うのと同時に、一般的な事業者において、所得が増えるに従って、個人ですよ、従って、恐らく青色申告は多くなっていくと推定できますね、これ見るというと。例えば、水田作などの平均収入が非常に低い農家が青色申告やるとはちょっと思えないんですね、思えない。別の手だてで救済事業やるんでしょうけれど、この収入が低くて白色申告しか行っていない農業者への是正措置などお考えあるのかどうか、この二点、これについて伺いたいと思います。
#185
○政府参考人(大澤誠君) 青色申告についてはやっぱり制度の肝だと考えておりまして、やはり収入を、ある意味では収入だけを着目して制度を導入している以上は、やっぱり収入が正確に把握できること、これが非常に大事なことだと思っております。ということで、我々も青色申告を推進しているわけでございますけれども、やはり青色申告さえ行えば、逆に規模の要件なく誰でも加入できるという面もあろうかと思います。現に、各地の農協でその青色申告の促進なり、比較的安い値段で申告の代行も行っているところでございますので、小規模な農家もそのような制度を活用するなりで加入の資格を得ることもできるのではないかというふうに考えてございます。
 それから、全体として四十四万人では農業者全体をカバーできていないのではないかということは、それはそのとおりでございますけれども、ほかの既存の制度、農業共済、いわゆるナラシ対策、野菜の対策などとは、もう並立、並立といいますか選択制にしてございますし、それから牛、豚のマルキン対策等は、これは別建てということで、そちらの方で入っていくということもありますので、全体として見ればその農業者の実情に応じて様々なセーフティーネットができたと。特に、この収入保険が導入されれば品目を原則として全てカバーするセーフティーネットが完成した、できたというふうに考えております。
#186
○儀間光男君 なぜそういう懸念するかといいますと、青色申告をするには複式簿記が必要ですね。国の会計もそうだと思うんですが、白色だと単式簿記ですから、行政簿記と一緒で歳入と歳出でゼロであればオーケーなんですね。一足す一は二である。それから、一円、一厘余っても一厘不足しても過不足でペナルティーを受ける可能性があるんですね。実際、私、それ経験したんですが、一円探すのにスタッフ五名で三日間掛かったという事例が、私経験しておるんですけれど。
   〔理事山田修路君退席、委員長着席〕
 そういうことで、その青色申告は、つまり、農家のストックしている資産、これ、貸借対照表、借方、貸方作るわけですから、ちゃんと付加価値も含み資産として評価していくんですね。棚卸資産であるとか含み資産であるということで、付加価値を展開していって貸借対照表でいくわけですから、これには基礎データを集めるという煩雑な作業があるわけですよ。これ、農家で、特に稲農家でこういうことはなかなか難しいと思うんですね。日報が必要になっている。白色だと大体月報で十二か月掛けるやっていけば割と簡単にいけるんですが。これ、いろんな棚卸資産、含み資産等も付加価値に上げて貸借対照表を作って申入れしなければ通りませんから、非常に煩雑を極める。そういうのが収入が割と低い農家で果たしてやっていけるかという心配がある。
 今、代理業務をやる人がおるから、安い手数料でできるから使いたい人は使えばいいと、こうおっしゃっているわけですけど、恐らくこの四十四万人中個人の四十二万というのは、私は畜産業界だと思うんですね。肥育業が物すごい高値を張って非常に好調である。ああいうところは恐らく青色でいけると思うんですが、畑作とか水田作とか、そういうところは、あるいは林業とか山林なんかも、日々日報でそういう動きを準備をして年末の確定申告のときに青色申請するというのは、なかなかこれ手の込んだことで難しいと思うんです。そういうものに皆さんどう対応するんでしょうね。
#187
○政府参考人(大澤誠君) まず、青色申告、全体農業者四十四万人の中、品目別どうなっているかというのは残念ながら資料はないんですけれども、ただ、畜産農家の数を考えますと、この四十四万人のかなりの部分が畜産だとまでは言えないのではないかと思っておりますし、まさに農協の代行等がかなり行われていることを鑑みますと、耕種作物が、むしろ四十四万人の中に耕種作物の方の方がかなり多いのではないかというふうに考えております。これは推測ですので、今後更にこの制度運用の中で調べていく課題だとは思っております。
 なお、青色申告につきましては、この検討の際の議論でも、やはり複式簿記まではなかなか難しいのではないかと、特に制度を始めるに当たって早期に加入者数を、その加入を促進していくためにも何らかの措置が必要ではないかということを議論がございまして、正規の簿記、複式簿記が必要とされる正規の簿記だけではなくて、簡易な方式というのがあるんですけれども、これについては、白色申告との違いは、現金出納帳、売り掛け帳、買い掛け帳、固定資産台帳ということを整備しておきなさいということでございます。
 日々の請求書、領収書等については今では白色でも義務になっておりますが、先生御指摘のように、やはり在庫的なところもしっかり見ていかないと全体収入を把握するという面では困難を伴いますので、白色では難しいにしても、この簡易な方式も含めることとして、しかも一年分あれば加入できることにして、制度を円滑にスタートさせたいというふうに考えている次第でございます。
#188
○儀間光男君 このことは、さっき言ったように、農家の歴史を見ても、これまで対応なかなかやってこられなかった、また、さっき言ったように、畜産がそのほぼだろうということは思っていませんで、畜産が占める割合が他の作物より大きいんじゃないかというような、これもデータなくて私も推測で言っているから、議論はする必要は何もないんですが、そういうことであろうということを見通しとして見ているわけであります。
 それで、なぜこんなことを聞くかというと、私、本委員会で、今議会、農業の競争力強化プログラム法案、これが出たときに、どうも、何というかな、ふわっとした感じで、全然かみ切れぬと言ったんですよ。全然、かんで喉元に落として、腹でそしゃくをしてということになっていないんですね。ふわっと、ぶわっとしたような感じ。それが、その関連でできた後の法案も、かみ切れたのは土地改良事業ぐらいなんですね。あとは、畜安法にしても、何ですか、一元集荷多元販売などを見ても、農業者側が自由選択になりましたよと、今まで必然であったのが、任意でもって自由で選択できますよというところは非常にいいんですね、競争力を持っていく意味では非常にいいと思うんですが。
 政策マターが、例えば、これも先ほど竹谷委員が言っていましたけど、水耕栽培なんて、これも私、実際やってきたんですけれど、水耕栽培なんて、私はこれは一・五次産業だとまで言ったんです。工場から農産物が出る、一・五次産業に産業登録のそれを増やさなきゃならぬというようなことも思ったんですが、事ほどさように、こういうことでどうもぶわっとした感じで法案が進んできて、これとて農家のための収入保険制度、あるいは共済制度も残しながら、そうではあるんですが、どっちかというと、農家が良くなるという直接よりは、周辺環境を整えるというような感じの法案になるんですよね。省庁横串で刺して、それはいいとも思いますけれど、これがTPPの名残を惜しみながら法律が作られてきているというところに、少しぼやっとした、ふわっとした感じがしてならないんですが、皆さん、そういう感じしませんか。
 例えば、これ、経産省マターであったり、あるいは金融マターであったりするわけですよ、保険金ね。そういうこともあるんですが、私は、だから、そうなるというと、関係する大臣が皆そろった方がいいと、共通の当事者になった方がいいと思うんですね。だから、事が生じたら関係大臣がそろっていろんな議論をしてやっていくと、そういうことをしないというと、縦割りでいって、先ほど出た三年以内でおかしくなるなんというようなことがあってはならないわけでありますから、そういう感じしませんか。どうでしょうか。
#189
○国務大臣(山本有二君) 当初、私も、白色申告の農家の大勢の皆さんがおられて、青色への変換について抵抗感を示されておりました。私としましても、それを経営局長とも議論をさせていただいたわけでございますけれども、結果的には青色で大勢の、全てのとは言いませんけれども、ほぼ全ての皆さんが納得をいただくことになりました。特に地元の農済の団体の皆さんとも、最初抵抗感がございましたことは否めない事実でございます。
 しかし、結果として私が考えたことは、やはり農業も経営でございます。特に最近における農業については、新規参入者の若者たちは経営感覚に優れているというように、逆に私の方は認識をしております。つまり、今後、農業が更に飛躍、発展するためには、新しい経営感覚や創意工夫という、あるいはチャレンジということがキーワードになってくるだろうということを思っておりまして、特に、先に変わりますけれども、白色の方々が青色にすることによる事務負担あるいは金銭的負担、これがどうなるかというと、団体の代理というのもありますけれども、私の地域のニラ農家の生産の若者たちは、税理士を一人雇ってみんなでそれを学習しながら既にやっておるという方々がおられました。また、インターネットで確定申告をするということを既にやっておられる若い方々もおられました。
 言わば、私は慣れによってこの問題は解決することができる、申告制度について。そして、経営感覚を持って自分自身で帳面を付けて、そして日々の棚卸しができて、そして将来の農業についてどうしようかという計画をすることができるというように確信を得ることができました。
 そんな意味で、今後、青色申告に移行するのは困難があるかもしれませんが、一度乗り越えることができるならば、私は新しい農業の分野に夢開かれるというように確信をするところでございます。
#190
○儀間光男君 ありがとうございました。
 今の話よく理解できますし、またそのとおりであります。青色申告者が農家において増えることを期待するんですね。決して否定するものじゃない。青色申告に変えさす方法はこれいかにという感じです。なぜなら、青色を使うことによって節税もできるわけですからね。白色は節税できませんね、何の恩恵も税制上受けないわけですね。
 青色申告して節税するわけですが、最小限度は幾らぐらいまであるんですか。白はその代わりゼロでしょうね。
#191
○政府参考人(大澤誠君) 青色申告の場合は六十五万円の特別控除の対象になります。
#192
○儀間光男君 簡易はどうなんです。簡易もこれ、青色と一緒ですか。
#193
○政府参考人(大澤誠君) 簡易な方式の場合には十万円の特別控除の対象になります。
#194
○儀間光男君 次いで、白色はゼロとおっしゃればいいのに。確認しましょうか。白色はゼロですね。そういうことだと思うんです。ですから、一農家でも多く青色へ変わっていくように、皆さん、これには制度の徹底が必要だと思われるんですね、後でちょっと聞きますけれど。
 それで、この農業収入が対象となるわけですから、農家が作った農産物、これの額や所得によってこれに資格は得るわけですけど、例えば農家でもって自分たちのレストランがあって、今は農家レストランというのがよくはやっているんですが、自分たちで作った農産物を加工して出していく。この加工部分、つまり、この付加価値部分は農業収入に入らない、どうなんですか。
#195
○政府参考人(大澤誠君) 今後、細部は実態を踏まえて詳細詰めてまいらなければならないんですが、この基本的な考え方だけ申し上げます。
 この収入保険制度は、税の仕組みを活用して農業者ごとの販売収入を把握するということにしております。所得税法上の農業所得として申告されているものは、農産物の販売収入に含める考えでございます。
 加工でございますけれども、精米、荒茶、梅干し、畳表などの加工品でありましても、農業者が自ら生産した農産物を加工して販売しているような場合には、その収入も対象に含まれるというふうに考えております。その方向で検討したいと思います。
#196
○儀間光男君 例えば漬物、梅干しなんかそうですね。沖縄でいうとシマラッキョウ、農家が取って自ら一夜漬けにしたり、あるいは自分の農家レストランでフライにして出したりして、ここは農家収入に入るわけですね。
#197
○政府参考人(大澤誠君) シマラッキョウの加工品につきましては、農業者が自ら生産したシマラッキョウを酢漬け、塩漬けなどにして販売するような場合に対象になり得ると考えております。今後、実態を踏まえて検討していきたいというふうに考えてございます。
#198
○儀間光男君 ありがとうございます。
 それでは、農業者には、制度が変わってくるといろいろリスクが伴ってきますね。考えられるリスクはたくさんあります。今までも共済制度であった、価格低減したとき、つまり価格のリスクや量産減少のリスク、人的リスク、これはエビデンスやあるいはJGAPに出てくるんですけれど、この農家の人的リスク、最近農業が大型化する中で大型機械が導入されて、機械のオペレーションによる農業事故がたくさん発生しているんですね。ちょっと見てみたら、他の産業よりは発生率が高いと、ここまで言われているんですね。
 例えば、木を剪定するときに、ずっと三メーターぐらい立ち上がって剪定作業いろいろやるわけですが、それが落ちたり、土手が弱いところにコンバインが入っていってひっくり返ったりというような人的リスクもありますし、多くのリスクがあるんですが、この軽減はもちろん農家自身が自覚をし、責任を持っていかなければなりませんけれど、この農業者に対してのリスクの回避、これについて政府は今まで指導されたことがあるのか、注意喚起も含めて、どのような対応をしていらっしゃるのか、お聞かせください。
#199
○政府参考人(大澤誠君) 農業者に対するリスクという観点から議員にいろいろな分類をお示しいただきまして非常にありがとうございます。
 価格リスク、それから収量減少リスクというお話がございました。この二つにつきましては、既に御説明申し上げているとおり、価格リスクについては今までナラシ対策や野菜価格安定制度、収量減少リスクについては農業共済が担っておりましたが、いずれも品目が限定的だという課題がございまして、今回の収入保険制度の創設によりまして、原則として全ての農産物を対象にこの価格、収量減少の各リスクが補償の対象になったと考えておりますので、その点は周知してまいりたいと思います。
 また、先ほど機械で事故を起こすとか、そういうところにつきましてもこれは人的リスクというお話がありましたが、この一定のものにつきましては、営農を継続するための通常行う努力をしていたかどうかなど、個別の事情を確認する必要はあると思いますけれども、一般的にはこの補償の対象となり得ると考えておりまして、今後、客観的かつ具体的な判断基準について検討してまいりたいというふうに考えてございます。
#200
○儀間光男君 法律作って勝手にしなさいじゃ駄目なんで、航空機が事故起きたら調査委員会が国交省から派遣されると、ああいうのと似たようなものですよね。
 例えば、東京オリンピック・パラリンピックがやってきますけれど、ここに多くの外国の方々が入国されると思うんです。その人たちに国産の何というんですか食料資材、これを提供する必要がある。国産で賄うぐらいの勢いを持って迎えぬといけないんですが、そうするには、エビデンスの基準の中に百五十項目ぐらいあるんですが、その中に、安全な食料を確保するための幾つかの条件の中で人的リスクが入ってくるんですよ。病気を持った方が農産物を手入れされて、それが媒体となって、不健全というか安全じゃない農産物ができては……
#201
○委員長(渡辺猛之君) 時間が参りましたので、質疑をおまとめください。
#202
○儀間光男君 はい。いけませんから、それをハードルをつくっていろいろチェックしてやっているんですが、それに向けて、その結果が海外展開になると思いますから、その辺の指導、人的リスクも含めて指導していただきたいんですが、いかがですか。
#203
○委員長(渡辺猛之君) 時間ですので、簡潔にお願いします。
#204
○政府参考人(大澤誠君) 収入保険の制度の幅を超える問題ではございますけれども、グローバルGAPの推進なり、非常に安全性、先生の言われる人的リスクも含めた対策をどうしていくか、今後の検討課題として検討してまいりたいというふうに考えてございます。
#205
○儀間光男君 ありがとうございました。
 いや、保険に関係してくるんですよ。次にやります。ありがとうございました。
#206
○田名部匡代君 民進党・新緑風会の田名部匡代でございます。
 早速、今日は、収入保険制度についてと、また加計の問題もどうしても取り上げていかなければならないと思っていますけれども、もう早く調査をして結果を出していただければ、いつまでも、こんなことを何か月もやっていなくていいわけですよ。皆さんだってそんな苦しい思いしなくていいんだと思うんですけど、ぐちぐち言っていても時間が過ぎるので、加計は後でやらせていただきます。
 先ほど来、皆さんの御質問聞かせていただいておりまして、実は私、この収入保険制度、最初にこういう制度をつくりますというときに、また何か怪しいんじゃないかなとちょっと疑っていたんですね。でも、制度の骨格ができていろいろ御説明を聞いているうちに、何というか、今まで出されたほかの法案とは違って、まさに先ほどの山田先生の御発言じゃないですけど、規制改革推進会議とやらが主導して一部の有識者なる人たちが何か言ってきたのと違って、一生懸命皆さんがこの制度設計されたんだなということをすごく感じますし、今までの制度とは違うまたメリットも出てくるのかなというふうに、素直にそう感じました。
 どこが政権取っても、何というか、いろんな制度が変わっていくというのは農業者の方にとっていいことではないと思うので、やはりしっかりとした安定した制度をつくっていく必要はあると思っているんです。多分、大澤局長のお顔を拝見して、少しひいき目なところもあるかもしれません。
 ただ、でも、先ほど紙委員もおっしゃっておりましたけれども、私は、この収入というところに特化をした制度ではやっぱり不十分で、掛かったコストに対してしっかりと支援をする仕組みもこれからつくっていく必要がある。私たちでいえばやっぱり戸別所得補償制度のようなああいう仕組みということになるんですけれども、やはりその部分が少し足りないのかなというふうには思っています。
 そのことをちょっと申し上げながら、今日は、青森県は、皆さん御存じのとおり果樹、リンゴの産地でありまして、少し果樹に特化してこの制度の設計について伺っていきたいなというふうに思うんですけど、果樹共済加入率、これ全国的にも非常に低いわけですけれども、この新たな制度のことも、しっかりとそのメリットというものを情報提供していかなければならないし、農家の皆さんに丁寧な御説明をしていく必要があると思っています。どの制度を選択するのがそれぞれの農家にとってメリットが高いのかということ。
 この間、ちょっと農家さんとお話をしたときに、もういろいろ考えるのも面倒くさいし、青色申告とか言われたって、そんなことももう手間だし、資料を見たって分からないし、後継者もいないし、もういいよと、こういうふうな方もいらっしゃったんです。ですから、是非そこは丁寧に情報を発信していただきたいと思うんですが。
 質問の順番、ちょっと後の方から行きますが、この加入促進に係る予算、この間御説明では、ちゃんと予算も確保していますと、またシステム開発の経費なんかも含まれているということだったんですが、システム開発も大事なんですけれども、やっぱり人員をしっかり確保をして、直接農家の皆さんに御説明をしていくことが大事だと思うんですが、そういう人員に対する手だてにも使えるような予算がしっかりと確保されているんでしょうか。まずその点からお聞かせください。
#207
○政府参考人(大澤誠君) 平成二十九年度予算、これはもちろん法律成立することを前提に執行させていただきたいと考えておりますけれども、二十九年度予算におきましては、農業者に対する収入保険制度の内容の周知、青色申告書や帳簿の書き方等に関する相談対応の取組の支援としまして、通常の共済に対する事務費に加えて一億円を措置してございます。
 それから、システム開発の経費は一億五千万措置してございますが、この中で、先ほど来申し上げております、例えばタブレットの開発等も含めまして、農家の方々に共済の職員の方々等が数字を見せて、個々人の経営状況に合わせて、どういうような保険金が受け取れるのか、どういう掛金等になるのかということをお示しできるようなものを開発することを考えてございます。
#208
○田名部匡代君 是非、関係機関と連携しながらしっかり取り組んでいただきたいと思います。大体役所のやる仕事というか、ほかの補助金なんかもそうですが、いろいろ手続しようと思ったら、その制度を使ってほしいのか使ってほしくないのか分からないような膨大な量の手続なんかをやらなきゃいけないとか、なかなかぱっと見では分かりにくい、本当に伝えたいと思っているのか、余り分かってもらわない方がいいなと思っているのか分からないようなやり方、これまでもあったわけですから、是非、農家の方々は高齢者も多いですし、そういうことをしっかり考えながら丁寧な取組を進めていただきたいと思います。
 果樹というのは、まさにほかの作物と違って、その年に種を植えてその年に取る単年度のものではないですし、青森のリンゴも、五十年の老木又は百年を超えた老木から、それを大事に育ててリンゴを収穫をされている、こういう方々もいるんです。まさに、一本の木を何年も何十年も育てながら、その中で農業生産活動をされているわけです。
 ただ、リンゴもまさに三十年から五十年たつと枝だとか木が弱ってくる、病気になりやすいということもありますし、樹齢によってはその収穫量というものに変化が出てくるわけであります。そういう特性のある果樹農家でありますけれども、農家の方々の物すごい高い技術であるとか徹底した栽培管理、また主体的なリスク分散など、独自の経営努力というものがまさに果樹産業を守り、青森でいったらリンゴ産業を発展させてきたということだと思っています。
 このように、一本一本の木を見ながら全体の中で需給バランスを取ったり、大きく収量が減ったりしないように考えながら優良品種への転換などもやってきているわけなんですけれども、こういう果樹農家の実態だとか特性というものを踏まえて、この新たな制度で経営安定を図っていく必要があるというふうに思っています。
 そこで、まず、今申し上げたように、樹齢によって果樹は収量に変化が出てきます。まさに、こうした収量の変化だとか品質の変化というものが今回の新たな制度で基準収入の算定に何か影響があるのか、また、農家の方々がそういうことも考えて基準算定、何か農家の側がやる作業が出てくるのか、そこを教えていただきたいと思います。
#209
○政府参考人(大澤誠君) 先ほど、収入保険制度の補填の基準となる基準収入につきましては、原則として過去の平均収入を基本としながら、当年の営農計画を考慮して設定するという形にいたしているというふうにお話ししました。
 ですので、先ほどは規模拡大の例で御説明をいたしましたけれども、もし仮に農家の方が樹齢に応じて収穫量が減少するということ、そういうことだということであれば、それに応じた縮小の営農計画を立てていただくということになるわけですけれども、青森県も特にそうだと思いますが、様々な技術、たくみの技術も含めて、いろいろそういう収穫が極端に落ちないような仕組みを取られていると思います。
 我々は、この収入保険はまさに収入全体を把握するわけでございますので、個々の木というよりも収入全体が営農計画上どうなっているかということを見るということになります。ですので、そういうような実態をよく見ながら、現場で混乱が生じないような客観的な算定ルールというのを考えていきたいというふうに考えてございます。
#210
○田名部匡代君 ありがとうございます。
 まさに全体を見ながら農家の皆さん生産活動をされているんですが、そうした老木が、何年もたつと木が増える、一方で、また上手に収量が減らないように改植の作業もしていくと。ただ、改植をすれば一定期間未収益の期間がありますから、そこはそこで、今の国の制度の中でも改植であるとか未収益の期間に対する支援策というものはあるわけなんですけれども、そういう新たな意欲を持って優良品種に変えたり改植をしたりということによって一定期間収入が減るということを、じゃ、基準収入の算定でどのように見ていけばいいのか。また、これ国の補助金が出るわけですけれども、この収入保険の対象の収入にこれは含まれるのか含まれないのか、農家の皆さんにも分かるように、分かりやすく御答弁願いたいと思います。
#211
○政府参考人(大澤誠君) まず、この収入保険制度につきましては、先ほどもお話出ているとおり、過去五年の平均収入を基本としながら当年の営農計画を考慮して設定するということになりますので、ある意味でそのように単純に割り切っているからこそ事務経費も安くて済むという面がありまして、それは農家のメリットになるわけでございます。ですので、極めて単純でございまして、収入が改植等により落ちるということであれば、それを考慮した営農計画を作っていただくということが結果的には事務費を上げなくて済む、いろんなチェックをしなくて済むということにもなるわけでございます。
 改植については、農林水産省として、特に、名前としては果樹農業好循環形成総合対策事業ということになると思いますが、改植の費用あるいは改植後の未収益期間における管理費用を支援する補助金がありまして、多く利用されているというふうに考えてございます。
 補助金につきまして、収入保険の収入に入れるかどうかという点については、ごく一般的に申しますと、これ、例えば補助金が、ある財政上等々のいろんな理由で減額されると、これを収入に含めてしまう、収入保険の収入に含めてしまいますと、政策判断で補助金が減額された部分が収入保険で、国の補助と農家の掛金で補填されてしまうということになりますので、それは少しおかしな話ですので、それは一般的には補助金は対象収入には入れないことにしております。数量払いのような、価格と一体となっているような補助金だけ限定的に、例外的に含めることとしているところでございます。
 ですので、改植費用については、恐らくこれは一般的な補助金の方に該当して、収入保険の対象となる収入には入らないというふうに考えてございます。
#212
○田名部匡代君 ありがとうございます。
 果樹に限ったことではないですけれども、優良品種など新たな栽培への転換であるとか、規模拡大もそうだと思いますけれども、農家の方々が積極的な経営展開を図る、その意欲がそがれないような、まさに簡単に、意欲を持って、規模拡大しよう、新たな品種に変えてみようと思っても、すぐに結果が出ないのも農業だと思いますし、何年かたってそれがうまく軌道に乗る場合もある。やってみたけれども、やっぱり合わなかったという場合もある。そういういろんなそれぞれの地域ごとの、またそれぞれの努力に対するものもきっちり見ていただきながら、経営の安定にしっかりと資する制度として柔軟な対応をしていただきたいというふうに思うんですけれども、意欲ということで言うと、先ほど儀間先生もお取り上げになっていました加工品、これも、六次産業推進といって農水省としても国としても一生懸命取り組んでこられたわけですから、余り厳しく線引きしないで、私は、せめて一次加工品ぐらいのところまではしっかり幅広に対象として、更なる六次産業化の推進につなげていくべきじゃないかなと思うんですね。
 いただいた資料も、何かジャムの説明あったじゃないですか、何か砂糖だとか瓶代が掛かっているとか、元々の原材料以外の部分が幾らでどのぐらい入っているか分からないから、それは難しいとか。そんなこと言わないで、いろいろ事情もあるし、どこで線引きするのかというのは難しいと思うけれども、やっぱりそうやって農家の皆さん、特にリンゴなんかで言うと、出し過ぎない、需給バランスを考えて安い加工品に回すとか、裾物をリンゴジュースにして出すとか。それだって、今、リンゴ果汁、輸入が増えていて売り先が見付からないとか、なかなか安くて利益にはならない、それでも何とか、そのままにしていてもしようがないから、自分たちで努力をしてジャム作ったりリンゴジュース作ったりして頑張っているわけです。そういうこともしっかりと、どういう判断や線引きをされるのか分からないですけれども、もう少し国として、六次産業の推進という意味も含めて、こういう制度の中で見ていくべきじゃないかなと思うんですけど、いかがですか。
#213
○政府参考人(大澤誠君) 先ほども御答弁申し上げたとおり、この六次産業化の趣旨にも沿うと思うんですが、農業者が自ら生産した農産物を加工して販売しているような場合には、もうその加工品の収入、係る収入も対象に含まれるという方向で、今後、実態を踏まえて検討してまいりたいというふうに考えてございます。
 一般的に加工品は対象外ということにつきましては、これはやはり、農業を行わないで加工のみを行っている事業者との公平性もありますし、原材料のウエートが大きいとかいう場合もあるわけでございまして、そちらはそちらとして一つの原則として考えておりますけれども、あくまで農業者が自ら生産した農産物の加工については、税務上も農業所得として申告されているようでございますので、そこは前向きに検討してまいりたいというふうに考えてございます。
#214
○田名部匡代君 前向きに検討をよろしくお願いしたいと思います。
 だんだん、ちょっと時間もあれなんですけど、どの制度に加入するかというのは個々の判断になってくるわけですけど、先ほどもちょっとどなたか質問で取り上げていらっしゃいました、例えば野菜の価格安定制度、米のケースも別のケースもありますけれども。
 これまでは、その需給バランスを、国全体の需給バランスを見てきた。例えば青森で言ったら、東北なら東北で需給調整会議などを開いて、いつどこにどのぐらい出すのか、逆に東北にはいつどの時期にどのぐらいのものが入ってくるのか、こういうことを予測を、物すごい丁寧な細かい会議を通してそのことを予測をしながら、農家の皆さんの作っている農作物に、その価格に影響が出ないようにしっかりとバランスを取ってきたというふうに思うんですけれども、今後、この経営安定制度から収入保険制度へ多くの人がぐっと移行した場合、その需給調整というそのバランスが崩れてしまうのではないか。
 例えば、一定の高く買ってくれる地域に物が集まって、そうじゃないところでは品薄になるような場合があるのかどうかとか、そういうことが起こらないのか、市場の流通バランスというのは今後どこでどうやって見ていくのか、その必要はないのか、こうしたことまで御検討されたのかどうか、教えていただきたいと思います。
#215
○大臣政務官(矢倉克夫君) お答えいたします。
 先ほども局長からも答弁があったかと思うんですが、これは個々の需給調整のための制度を前提とした、存在していることを前提とした上で収入保険を今設計をしております。品目ごとの需給調整、これとリンクをした形であると複雑になりますので、そこはまた切り離した上で考えるべきところであるかと思いますが、先生御指摘の野菜なんですけど、野菜については、緊急需給調整事業という形であります。こちらは、野菜の需給や価格の安定を図るため、野菜価格安定制度の関連対策として、価格が大幅に下落又は高騰した際、実施をしているところであります。
 現在は野菜価格安定制度の参加者のみを対象にしておりますが、先生今おっしゃったように、野菜価格安定制度から収入保険に移行する農業者が増えるというようなことも予想される中で、今後ですが、野菜の需給変動に的確に対応する観点から、収入保険制度に加入した者につきましても緊急需給調整制度への参加の在り方については検討してまいりたいというふうに思います。
#216
○田名部匡代君 ありがとうございます。
 ちょっと加計のこともあるんですけど……(発言する者あり)はい、時間はないんですけれども。
 いろいろまだ課題はあって、さっき言ったように、年々農家の方の所得が減っていけば、やっぱりそれは幾らこの収入保険があったとしたって農家にとっての安定経営にはならないし、大臣が今回八本の法案、その都度、農家の皆さんの経営安定だと、所得の向上につなげていくんだ、力強くいろいろお話をされてこられたわけなんですけれども、それはそちら側の勝手な言い分で、農家にとっては決してそれが安心にはつながらない。つまりは、安心や安定があってこそまた後継者の育成にもつながっていくと思うし、今回、先ほど冒頭もお話しさせていただいたんですけれども、まだ果樹、六十代の方ですよ、それでも、もう後継者も見付けられないし、いつまでできるか分からないから、新しいことをいろいろやられてももう面倒くさいし、いいよなんていう声が出てきているんですね。
 でも、私は、是非そういう方々にもせっかくつくるこの制度のメリットをよく知っていただいて、安定や安心をつくり出すことで若い人たちにもまた意欲を持って農業に参入をしていただきたい、そういうことをしっかりと進めていくのが農林水産省の役目だろうと、そんなふうに思っているので、是非、申し上げたように、そのコストの部分もしっかり対応できるような仕組みもまた今後御検討をいただいていきたいと、そのことを申し上げて、加計に移らせていただきたいというふうに思います。
 昨日、民進党の加計調査チームの集まりがあったわけですけれども、そこに来られた内閣府の塩見さんは、今もいろいろ答弁聞いていると、記憶にないわ、メモは取っていないわ、メモ取っていたものはすぐ捨てるわ、こんな状態で本当にこれで大丈夫か、この国と。じゃ、どれだけ記憶力が良くてメモを取っていないのかと思ったら、聞いたら記憶にないというわけですから、本当にどうしようもない答弁が返ってきているんですね。
 事務方同士のやり取りはメモに残さない、そういうこともあるとか、残さないみたいなことをおっしゃっていたんです。でも、相手は審議官、文科省は審議官が来られた、そういう中での事務同士のやり取りで、そういう会議は必ず大臣なりに報告しているはずですよ。それをメモも取っていないなんてことはもう考えられない、白々しいにも程があるというか、よく平気な顔してこんなことが言えるなと思って本当にあきれているんです。
 何聞いたって答えにならないわけですけれども、その場でもお尋ねが、今日、神本先生からもお尋ねありました、九月の二十六日、藤原審議官が文科省のこれ浅野さんですか、に会いたいというメール、これ相当急いでいたんでしょうね、こうしたメールのやり取りが私たちの手元にあるわけですけど、それについての確認をしましたかと。文科省さんは、これらも含めて一定の内容は今確認されているんでしょう。それにしたって、前回の調査は半日で終わったんですか。そんなもの、すぐにできますよ。早くやってほしい。内閣府さんに聞いたら何て答えたか。それは文科省のことだからとか、知らぬ存ぜぬ、俺たち関係ないみたいな話していますけれども、私は内閣府としてもしっかりと調査をするべきだというふうに思っているんです。
 総理が何もやましいことは言っていないと、これ正々堂々とやったんだ、竹中平蔵さんも五月二十二日の会議でおっしゃっていますけど、一点の曇りもない真っ当な議論をしたとおっしゃっています。そう言うんであれば、これだけの疑惑が出てきていることにきちんと答えるのは、私は政府の側の役目だと思っていますよ。これだけ、やっぱりこのままでは駄目だと、正義が曲がっている、何とかせねばならぬという官僚の中から声が上がっている中で、私は、総理が何でもないと言うなら、それを証明してほしいと思いますし、調査もしないでそんなことはないとか怪文書だなんて、本当にいいかげんにしてほしいと思っていますよ、国民納得しませんよ。
 内閣府としてもちゃんと調査をしていただきたいと思いますが、どうですか。
#217
○副大臣(松本洋平君) 六月九日に山本幸三大臣が記者会見で回答したとおりでありますけれども、内閣府では、報道されている文書の内容につきまして、事務局において関係職員への聴取を行い、総理や官邸の指示など、文部科学省に伝えた事実はないことなどは既に確認をしているところであります。
 文部科学省が実施する追加調査とは、内閣府ではなく文部科学省が作成したとされる文書等に関するものであるため、内閣府において追加調査を行う考えはございません。
#218
○委員長(渡辺猛之君) 時間が参りましたので、おまとめください。
#219
○田名部匡代君 終わります。
#220
○委員長(渡辺猛之君) 午後二時十五分に再開することとし、休憩いたします。
   午後一時三十六分休憩
     ─────・─────
   午後二時十五分開会
#221
○委員長(渡辺猛之君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、儀間光男君及び柳田稔君が委員を辞任され、その補欠として浅田均君及び古賀之士君が選任されました。
    ─────────────
#222
○委員長(渡辺猛之君) 休憩前に引き続き、農業災害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、参考人として公益社団法人全国農業共済協会会長高橋博君、北海道農民連盟書記長中原浩一君及び農民運動北海道連合会委員長山川秀正君に御出席いただいております。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙のところ本委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。
 ただいま議題となっております法律案につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見を賜りたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 本日の議事の進め方について御説明いたします。
 まず、高橋参考人、中原参考人、山川参考人の順序でお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答え願いたいと存じます。
 なお、意見の陳述、質疑及び答弁のいずれも着席のままで結構でございますが、御発言の際は、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、高橋参考人からお願いいたします。高橋参考人。
#223
○参考人(高橋博君) 全国農業共済協会の高橋でございます。
 この度は、農業災害補償法の一部を改正する法律案の御審議に当たりまして、参考人としてお招きをいただきまして意見を申し述べる貴重な機会をいただきましたことについて、大変恐縮に存ずる次第でございます。また、日頃より参議院農林水産委員会の諸先生方におかれましては、農業共済事業及び組織につきまして御指導、御支援をいただいておりますことについて、改めて厚く御礼を申し上げさせていただきます。
 本日でございますけれども、農業共済事業並びに今回新たに創設が予定されております……
#224
○委員長(渡辺猛之君) どうぞ座って。
#225
○参考人(高橋博君) はい、じゃ失礼して、座らさせて陳述させていただきます。
 今回の新たに創設が予定されております収入保険事業、この両事業の実施者としての立場から本日は意見を申し述べさせていただきたいと存じます。
 最初に、これまで農業共済制度が果たしてまいりました機能、役割並びにその実績について簡単に触れさせていただきたいと存じます。
 農業共済制度は、昭和二十二年の制度発足以来、本年で七十周年を迎えるわけでありますけれども、この間、我が国の農業災害対策の基幹的セーフティーネットとして、災害による損失を補填し、農業の再生産が阻害されることを防止する、これを目的といたしまして、長きにわたり幾多の自然災害に対して被災農家への支援並びにこれを通じた地域経済の安定に貢献をしてまいったところでございます。
 御承知のとおり、広域的災害として大冷害のありました平成五年には、水稲を中心に五千四百八十七億円の共済金を支払い、また、同じく冷害年の平成十五年でも千八百七十一億円の共済金の支払いをしているところであります。
 近年におきましても、東日本大震災を始め、地震、大型台風、豪雪、集中豪雨、竜巻、ひょう害など、全国各地で過去に経験したことがないというような表現そのものが陳腐化するほどに頻発をしております甚大な自然災害などに対しまして、農業共済団体といたしましては迅速な損害評価と共済金の早期支払に努力してまいっているところでございます。
 また、共済金という金銭的な給付だけではなく、家畜について見ますと、農業共済団体の家畜診療所の獣医師などによります常日頃からの診療はもとより、さらには、口蹄疫や鳥インフルエンザなど大規模伝染病が発生いたしました際には、これら農業共済団体の獣医師あるいは職員が防疫措置の一翼を担うなど、地域の家畜衛生にも大きな役割を果たしてまいったところでございます。
 このような中で、平成二十七年の農業共済事業の引受戸数は延べ百八十九万戸、その内訳を見ますと、当然加入制ということもあり、水稲、麦の加入率は九割を超える大きな高位となっております。また、乳用牛なども九割以上でございます。畑作物については七割、園芸施設は五割ということになっておりますが、果樹については残念ながら二四%と、他の作目に比べますと低くなっております。
 次に、農業共済制度を運営いたします農業共済団体につきましては、従来は、地域レベルでの農業共済組合又は市町村が農家との間で共済関係を結び、その共済責任を保険する都道府県単位の農業共済組合連合会、さらにはこの保険責任を更に再保険する政府という三段階制で運営してまいったわけでありますけれども、近年では、組織及び業務の効率的な運営を目的といたしまして、合併による組織整備を強力に推進しております。現時点におきまして、三十の都府県で連合会も吸収しましたいわゆる一県一組合を実現し、政府との二段階制に移行しております。さらに、今後におきましてもこのような動きを加速することといたしております。
 次に、今回の改正法案についてでありますが、冒頭に申し上げましたとおり、農業共済制度は、今年、制度施行七十周年となるわけでありますが、この制度は、これまでも農業をめぐる諸事情の変化に対応いたしまして、その時々の農業、農業生産の実態に応じた法律改正が行われてまいりました。しかし、前回の法律改正は平成十五年でありますので、今回の改正までに十四年が経過をいたしました。この間、農業、農村の変化は著しく、その中で、農業経営のセーフティーネットに対する農業者のニーズなども大きく変化をしております。また、農業政策全体を見ましても大きく変化をし、新たな施策が展開されてきており、このような状況を踏まえ、今回の改正に至ったものと認識しております。
 すなわち、昨年十一月に農業競争力強化プログラムを新たに加えるなどの農林水産業・地域の活力創造プランが改訂され、その一環として収入保険制度の導入及び農業共済制度の見直しが位置付けられたのでありますけれども、今回の改正は、法律の題名自体が変わるということに端的に表れておりますように、制度発足以来最大の改正となったと認識をしております。
 このように、改正内容が膨大かつ多岐にわたるため、ここでその全てにつきましてお話しすることは発言時間の制約もあり難しいため、制度実施者の立場からの意見ということで述べさせていただきますことをあらかじめ御容赦をいただきたいと存じます。
 最初に、今回新たに設けられます農業経営収入保険事業、いわゆる収入保険についてであります。これにつきましては、今回の法案の中で、私ども農業共済団体が実施することとされております。過去三年間にわたり国から収入保険制度検討調査事業を受託し実施してきたという実績を重ねまして、かつ、収入保険の実施主体として国から御提示されました中立的な立場で事業を実施することができることなどの四条件を充足し得る唯一の組織としての責任と自覚を持って、組織を挙げてこの収入保険の実施の準備を進めようとしているところであります。
 具体的には、収入保険の実施主体として法案に規定されました全国連合会を新たに立ち上げるなどの組織体制の整備や、保険に不可欠な電算処理システムの開発、また農家への説明推進に必要なタブレットなど端末機材の整備などについて、法案成立後、本格的に取り組んでまいることとなります。
 しかしながら、平成三十一年産からの事業実施が予定されているわけでございますが、農家の加入申請はその前年、すなわち来年の秋から冬になるわけであります。それまでに万全の体制を整えておく必要があります。今申し上げたような組織、事務処理体制の整備、さらには、後ほど申し上げますが、農家への丁寧な説明の実施ということを考えますと、時間的に余裕があるとはとてもは言えない状況であります。
 是非とも、本法案につきまして早期に成立をいただき、政省令を始めといたしました制度の詳細を早く御決定をいただいた上で、今申し上げたような準備あるいは農家への説明に取りかかれますよう、よろしく御審議のほどお願いをいたしたいと存じます。
 次に、今申し上げましたような農家、農業者に対する丁寧な説明ということについてでありますが、今回の収入保険の導入により、農家は、収入保険に新たに加入をするのか、あるいは従来どおり農業共済と米などのナラシ対策、あるいは野菜価格安定制度などに引き続き加入をするか、そういったものを自ら判断し、選択する形となっております。農家が自己の経営に適した政策を選択できるということになるわけで、従来のように一つの政策が全ての農家に一律に適用されるという形とは異なります。その意味では、画期的な仕組みの創設とも言えます。
 もちろん、一方で、どちらに加入すればよいのか分からない、どう判断したらよいのか分からないといったような農業者の声も数多くございます。このような声に対しましては丁寧に対応しなければなりません。そこで、先ほども少し触れましたけれども、各制度の比較が庭先で簡便にできるようなタブレット端末機材など説明ツールの整備も必要ではありますが、何よりも、この推進を図る私ども農業共済組織の役職員の意識改革が極めて重要であり、その徹底を図ってまいりたいと考えているところであります。
 それはどういうことかと申し上げますと、これまで私ども農業共済組織は、災害対策の基幹的セーフティーネットとして、言わば縁の下の力持ちとしての役割を担ってきたわけでありますけれども、今回の収入保険の導入により、これからはそこにとどまらず、農家の経営の発展をどのように支えていくのか、損害の補填だけではなく、農家が経営改善を進める方向を選択する際に、その手助けをしていくということが求められることになります。
 このような新たな業務を円滑かつ適切に進めるためには、これまで以上に農業の現場に入り、その実務に日頃から携わり、知識を蓄えつつ農家の方々に対応していくということが必須であると考えております。また、JAや農業委員会など他の農業団体や都道府県、市町村とのお付き合いについても、従来の災害担当部局にとどまらず、農政一般の担当部局との連携も一層深くしてまいりたいと考えているところでございます。先生方には、これらの点につきまして、なお一層の御指導をお願い申し上げたいと存じます。
 なお、今回、収入保険の対象者は青色申告者となります。青色申告の普及については、JAなど関係団体とともに、これを集中的に進めることとしております。また、あわせまして、職員の資質向上を図るため、全国で税務署の職員の方などを講師にお招きしての税務に関する研修も開催しているところでございます。
 次に、農業共済制度の見直しについてであります。
 今回の農業共済制度の見直しの中で私ども実施主体として一番気掛かりなのは、やはり米、麦の当然加入制の廃止、あるいは、経過期間はございますが、一筆方式などが廃止されることであります。
 米、麦におきまして高い引受率を維持してきましたのは、当然加入制であるということはもとより、圧倒的多数を占める一筆方式など、地域の要望に応じた引受方式の提供あるいは損害防止事業の実施など、様々な工夫が講じられてきたということも大きな理由であります。
 これらが今回廃止されるというようなことになるわけでございまして、今後の農家の加入率の低下が懸念されます。実施団体といたしましては、これまで以上に加入推進に力を入れていかなければならないと考えております。そのためには、先ほどの繰り返しになりますが、私どもとしては、これまで以上に農業の現場に出かけ、実務に関わり、農家との信頼のきずなを高めるとともに、備えあれば憂いなしという自助、すなわち自ら助けるということに対する農家の一層の理解を求めてまいりたいと考えております。
 この点に関しましては、国におかれても、様々な農業政策を展開する際におきましては、このような自助の仕組みである農業共済あるいは収入保険への加入を前提とするという、いわゆるクロスコンプライアンスの考え方を採用していただきたいと強く希望するものであります。
 農家が経営改善を図るにしましても、災害対策を含めたリスクヘッジについて一定の措置を自分なりに講ずるというのは、経営体としては当然の考え方でございます。この自助を前提とした上で、共に助ける共助、そして公が助ける公助があるんだと考えます。
 このような考え方の下、全国の組織を挙げて、農家が無保険になることのないよう、農業共済あるいは収入保険への加入の維持推進に全力を尽くしてまいりたいと考えております。そもそも農業共済は、その事業運営に農家自らが、全国で十四万人の損害評価員として、また、同じく十七万人の共済部長として積極的に関わっている組織であり、自分たちの組織としての意識を大事に農家の理解を得てまいりたいと考えております。
 なお、家畜共済の見直しについて触れさせていただきます。
 今回の家畜共済の見直しは、畜産・酪農農家の制度改善の要望が相当程度反映したものとなっておりますし、また、事務の効率化、合理化の点で大幅な改善が図られております。家畜の異動の都度農業者が申告する仕組みから、期首に年間の飼養計画を申告し、期末に掛金を調整するなど簡素化をする、あるいは、共済事故一件ごとに国が再保険金を支払う仕組みから、年間の共済金支払額が一定の水準を超えた場合に国が再保険金を支払う方式に変更するなど、私どもが従来から要請してきた事項であり、高く評価しております。
 最後になりますが、制度改正後のフォローアップについて申し上げたいと存じます。
 今回の法律改正は、冒頭申し上げましたとおり、収入保険の新たな実施並びに農業共済制度の大変革となります。このような大きな制度改正の場合、過去におきましては、例えば果樹共済あるいは畑作物共済、園芸施設共済を新規に実施する場合には、五年間の試験・試行期間を経た上で本格実施へ移行してまいりましたが、今回はこのような試行期間は設けられておりません。現状の農業、農村の変化の速さを見れば、過去のように試行期間を設けるというようなスピード感では対応が難しいということは理解できます。
 ただし、このような全く新しい保険制度の創設あるいは既存制度の大変革であれば、実際に施行した段階で初めて認識できるような課題も出てこざるを得ないのではないかと考えております。今回、法律案では、当初の法案では五年後、その後、衆議院段階で四年後となりましたが、見直しを行うことが明記されておりますけれども、実際に施行された段階でいろいろな課題が生じた場合、今回、政省令で定めるとされた範囲も拡大されていることでもあります、四年を待たずに臨機応変に弾力的あるいは柔軟な対応を取っていただきたいと要望をいたします。
 農業共済制度、収入保険共に国が制度設計を行う公的な保険であります。その安定的かつ適切な実施を担う私どもといたしまして、改めて、今申し上げましたような弾力的な対応も含め、国による適切な御指導と制度の企画運用をお願いしたいと存じます。
 以上、本日は農業共済事業並びに予定されております収入保険事業の実施者としての立場から意見を申し述べさせていただきました。
 御清聴ありがとうございました。
#226
○委員長(渡辺猛之君) ありがとうございました。
 次に、中原参考人にお願いいたします。中原参考人。
#227
○参考人(中原浩一君) まずもって、こういう機会を与えていただき、ありがとうございます。また、私たち農業者のために、日夜、日本の農業の発展のために委員の皆さんにおかれましては御尽力を賜っていることを、この場を借りてお礼を申し上げたいというふうに思います。ありがとうございます。
 私は、いろんな立場で今ここに来させていただいているわけなんですけれども、自己紹介ということで、五十五歳であります。そして、北海道和寒町で農業法人として約五十ヘクタールの農地で農業を営んでおります。社員、そして研修生、また外国人技能実習制度も活用して、大体十名から十二名も含めながら、構成しながら農業をやっているという形の中でございます。また、地元では地方議員をやらせていただき、また上川管内の農業法人会の会長、そして今日は、北海道農民連盟の書記長として、全道約二万二千人の農業者の構成している代表として今日は来させていただきました。
 本日は、農業者として、また経営者として、そして組織している立場から、農業災害補償法の一部改正について、要望と一部考えていただきたいという内容に対して意見を述べさせていただきます。
 まず、収入保険制度の導入についてということで、この制度の導入に当たっては、平成二十七年に、事業化調査前から、農水省の担当、保険課の皆さんとは何度も説明を受けて、私たちも農業者の立場で、この収入保険が加入してよかったという制度にしてほしいという議論を重ねてきた経過にあります。そういう点では、今までにはない制度の導入ということで、担当職員の方々には多大な事務作業、それから御苦労もあったんじゃないかというふうに思っております。私たち農業者の経営安定に資するセーフティーネットの構築のために御尽力をいただいていることも、併せてお礼を申し上げたいと思います。
 その議論を重ねてきた内容なんですけれども、四つの点でございます。
 一つ目は加入要件について、二つ目は手続の簡素化について、三つ目はやはり掛金の負担それから仕組みについて、四番目としては支払基準と支払時期についてと、この四つを議論してきました。
 まず、加入要件についてということでございます。
 これもいろいろ計画はあったんですけれども、青色申告、複式簿記記帳から十万控除の簡易な青色申告までこの加入要件となったという形の中でございます。ただ、北海道でも、畑作地帯は八割以上が青色申告なんですけれども、空知、上川を中心とした米地帯は約五〇、六〇%のやっぱり青色申告といったような形の中、今回の内容であれば、記帳義務として各作物ごとの面積と収入額を白色も申告するということになっているんで、収入に着目した本当は保険であれば、白色のそういった収入の部分をきちっとやっぱり申告しているということでは認めていただきたいなというふうには思ったんですけれども、説明上、税務上の信用性という観点から一定の理解をしたといったような経過があります。
 これから、お願いなんですけれども、今後において、農業災害補償法としての農業者への配慮から、やはり現行の共済制度と収入影響緩和対策、ナラシですね、今後も、収入保険に入れないという人たちのために今までどおりの制度内容と予算の確保をお願いしたいというふうに思っています。また、現行の共済加入者が掛金などが収入保険への移行によって影響を与えない制度の構築を要望します。
 また、先ほども高橋参考人の方からお話ありましたけれども、やはり、我々も内容、制度がなかなか理解できない部分があります。そういった中では、担当職員が丁寧な説明と加入の可否も含めて、やはりその作物ごとだとか、それによって、今までの現行の共済プラス、ナラシの方がやっぱり考えたら経営にはメリットがあるという場合もありますので、その辺も含めて、制度設計、その他農家個々の経営をきちっと勘案した中の説明と加入をしていただきたいといったのが一点目でございます。
 二点目、手続の簡素化についてということで、当初の加入時の事務作業量がかさむことは、私たちも過去五年の直近の収入を出さなきゃいけないということで、これは理解はしています。ただ、少ない品目を、作物を中心として作っている農業経営体は比較的簡単に基礎資料は多分できると思います。ただ、複数の作物等の作付け経営をしている方、その中でも直売所等を含む野菜経営は、複数の作物と面積もその都度混在しているといった形の中から、収入額と作付面積を例えば葉物系でくくるだとか、そういった形の中で簡素化していただければなというふうに思っております。
 申告時と算定の簡素化ができる申請用紙となるよう要望をいたします。また、申告用紙等について担当職員はかなり苦労されていると思いますけど、記入例も含めて、分かりやすい内容の、記入できるような内容にしていただきたいというのが二点でございます。
 三点目、掛金の負担についてと仕組みなんですけれども、新たな保険についての掛金などは、現状の共済制度プラス、ナラシの積立て等々、それのやはり支出よりメリットがなければ加入率も上がらないというふうに思っております。
 そういう点を考慮しながら制度設計を求めてきたといった形の中で、今回は国と同様の一%の収入額ベースでの掛金ということで、提示している積立割合についても、当初独り歩きしていた数字から見ても私たちは妥当だなというふうに思っております。
 あと、基準収入から減収を補填する仕組みの改善です。
 収入保険制度については、補填割合、基準収入の九割をまず限度額として、更に支払率の九割に設定をしている、現行のナラシ対策等に比べてもやっぱりメリット性がそこでは薄れるのではないかというふうに思っております。現行のナラシ対策の補填割合は、過去五年中の三年平均という部分ですけれども、基準的収入から下がった額の九割を補填しています。今回の収入保険制度の補填については、委員の皆さん御存じのとおり、経営努力を怠ることの防止策として、限度額から更に支払率九割までという設定になっていますので、そういったことを勘案すると、その辺を改善していただきたいなというふうに思っております。現行のナラシにおいても、制度の補填をもらうために農業経営を怠るような農業者は私たちはいないというふうに思っていますので、その辺を考慮していただきたいなと思います。
 また、収入保険の制度の仕組みについては、当初よりアメリカの保険も参考にしながら進めていくといったような内容でございます。その中で、アメリカの保険制度も、不足払いという生産コストに見合う差額を補填するという部分と、その中にやっぱり岩盤政策というのも入っているというふうに聞いております。経営のきちっとしたセーフティーネットをする上では、下支えになるような岩盤政策をきちっと入れた中で収入保険の導入ということをやはり私たちは望んでいるといったことでございます。
 皆さん御存じかもしれませんけど、アメリカの保険制度のスタート時は、それこそ今言われたような一割足切りの中の、自己責任分の一割という支払から九割といった形だったんでしょうけれども、その後、やはり生産者の要望だとか、あとはやっぱり加入率とかという形の中では、今の現行のアメリカの保険制度は、作物別ということもありますけれども、九割を、足切りした中での補填率になっているというふうに聞いておりますので、その辺も含めて、我々はやはりナラシ対策と同じような形の中でそういった制度に改正していただきたいというふうに思っております。
 いろんなパターンの経営があるんですけれども、その中でも、やはり我々収入を一つとしてやっていくという形のこの導入なんですけれども、私たちとしては、本当を言えば、米なら米、大豆なら大豆、そういった個別のきちっとしたセーフティーネットを確立した中で私たちが選択できるような、そういったのがやっぱり一番いいなというふうに思っております。
 あと、四番目の支払基準と支払時期についてということでございます。
 基準収入は過去五年の直近となっていることから、右肩下がりに毎年下がり続けた場合、セーフティーネット機能が失われかねない仕組みになるかもしれません。そういった部分でいくと、先ほども言ったように、きちっとした下支えのある制度の中でやはりこれを導入していただきたいということがまず一点。
 それと、昨年、北海道は特に災害年ということで、四つの大きな台風の中で大きな被害を受けました。そういう中では、ここにいる委員の皆様方のお力を借りながら、今やっと八割強復旧しました。ただ、あと、まだ次年度になってもそこに作付けできないという方もいらっしゃいます。そういった意味では、災害年をどうするのかということでございます。
 でも、収入保険の基礎的なものというのは、該当になるときって、何というか、やっぱりあるというのは我々も分かっているんですね。一つはやっぱり災害年。それとか、もう一つはやはり市場が暴落したときですね、価格が。もう一つは、やはり契約していた相手方、それが倒産するだとかいって入らないだとか、いろんなパターンが多分考えられます。その中の一つの災害なんですけれども、ただ、私たち農家にしてみれば、例えばその災害年というのは大きく下がります。だけれども、また次の年も、先ほど言ったように、農地を全部持っていかれて、復旧するまでには、元に戻すまでには私たちは五年掛かるというふうに思っています。やっぱりそういう形の中では、そこの減収分をどう見るのかということも含めて、災害年についてはきちっとした考えの中で、直近の五年からはやはり省いていただきたいというのが私たちの考えでございます。
 また、先ほどから言っている経営の下支えということで、七千五百円の直接支払交付金の廃止ということについては一定の理解はしましたけれども、ただ、地域にとってはその七千五百円というのがすごくやっぱり効果があったと。というのは、やはり地域政策として、そのお金によって土地を購入したり、また機械の更新、新規に買ったりといったところの中で、やっぱりお金が還流した中で地域はすごくある程度潤ったという形でございますので、やはりそういった機能を発揮していただきたいということと、米は特にそうなんですけれども、私たちの試算では、共済プラス、ナラシと、あわせて収入保険、単作の場合はどうなのかという計算をしました。三割下がらなかったら多分収入保険の方がメリットがないという試算が出ましたので、いや、今、米の部分でいくと三割も下がったら大変なんですけれども、そこまで下がるのかなと。それによって、収入保険のメリットがどうなのかなということもやはり今疑問視しているところでございます。
 最後に、高橋参考人もお話ありましたけれども、やっぱりこれ初めての制度なので、いろんな多分問題も出るかなというふうに思っております。全段階においていろんなお話もしました。問題点もお話をしました。そういう中で、やはり生産者のための保険であるのであれば、加入促進、また改善点や、制度のスタート後のいろんなやはり不都合な問題点が発生したときには、毎年でも見直しできるような形の中でやっていただきたいなと、やはり臨機応変に対応するといったようなことを求めたいというふうに思います。
 本日は、このような意見を述べる機会を与えていただき、誠にありがとうございます。この改正されるであろう農業災害補償改革法案が農業者にとって経営の安定に大きく役割を果たすような、そういった制度になることを望みまして、私の意見陳述といたします。
 ありがとうございます。
#228
○委員長(渡辺猛之君) ありがとうございました。
 次に、山川参考人にお願いいたします。山川参考人。
#229
○参考人(山川秀正君) ただいま御紹介を受けました農民運動北海道連合会の委員長をしております山川秀正といいます。
 まず、自分の農業経営の話から始めたいと思いますけれども、私自身は、一九七一年ですから四十六年前に就農をいたしまして農業経営をやってまいりました。私の住んでいるところは十勝管内の音更町、北海道の畑作地帯の中心地ということで、そこで畑作経営と野菜の複合経営をやっていると、そういうことであります。
 共済制度については、私自身、先ほど高橋参考人のお話を聞きますと、当然加入の米麦が始まったのは昭和二十二年、私どもは畑作の中心地ですから、私が農業を始めたときには畑作共済制度はありませんでした。昭和四十九年、一九七四年に畑作共済制度がスタートして、そのスタートといいますか、一九七四年には試験共済でありました。五年間試験段階を経て本格実施と、その試験段階から畑作共済に加入をして、当然、今お二人からお話がありましたとおり、制度の内容の改善等々をそれこそ農民として求めながら農業を続けてきたと、そういう状況でございます。
 去年は非常に、何といいますか、今お話ありましたとおり、相次ぐ台風の襲来、それから天候不順ということで大変な年でした。この大変な年を乗り切れたのは、取りも直さず共済制度、農作物共済と畑作共済、そしてナラシ対策があったからであります。
 それで、私の、自分の経営を基に収入保険とどんな状況になるのかということをちょっと比較してみたいなと思って、付け焼き刃で比較をいたしました。去年、先ほど言いましたとおり、被害を大きく受けたということもありまして、共済金等々の支払のない時点での収入は三千三万二千円と、約四十ヘクタールの経営ですから十アール当たり八万円を切ってしまったと。しかし、畑作共済、麦の共済、ナラシ対策、それぞれ、畑作共済が六十五万四千円、麦共済が三百四十七万六千円、ナラシ対策百七十万七千円、これを合計しますと三千五百八十六万九千円ということで、下にこの五年間、昨年を含まない、五中五の平均数字も含めてということでここに載せてあります。二〇一五年が四千五百二十三万円、ここは史上最高の大豊作ということでありました。それで、五年前が、二〇一一年が三千五百三十五万円という形で、これを今収入保険制度で言われている五中五で平均しますと、三千七百六十六万四千円なんですよね。
 それで、ちょっと収入保険と比較をしようということで、今言われているように、私ちょっとここで大きな計算の間違いをしたというか、収入保険を過大評価したと言ったら怒られるんですけれども、収入保険はその五中五の平均収入の九〇%を引き受けるということですから、収入保険で引き受けるのは三千三百八十九万七千円、それでその九〇%引き受けたうちの九〇%支払をすると。九九の掛け算の一番最後、九、九、八十一ですから、そうすると三千五十万七千円にしかならない。去年みたいな大災害を受けて単純に比較させていただきました。去年、現行制度では三千五百八十六万九千円、収入保険、今の制度設計でスタートしたとしても三千五十万七千円ということで、その差額は五百三十六万二千円ということですね。非常に、何といいますか、現行の共済制度の方が収入保険よりも私の経営には合っている、畑作地帯にも合っているというふうに率直に申し上げておきたいと思います。
 そうした点から、三つの点について、私は意見を述べたいと思っています。
 一つは、収入保険制度、農家の減収をカバーできないと。
 昨年、北海道への四つの台風の襲来で、十勝でも甚大な被害を受け、畑作物も大幅な収量が減少しました。しかし、この被害で離農に追い込まれる農家はほとんどいませんでした。これは、現在の農業共済制度が発動され、減収分の九割を補填するナラシ対策があったからであります。その面では現行制度に感謝をしております。
 現在の共済制度は、小麦、バレイショ、ビート、大豆など作物ごとに基準が決められ、その基準よりも減収となった場合、作物ごとに発動されます。例えば、小麦とバレイショは平年並みだったがビートと大豆が被害を受けた場合、小麦やバレイショの収量に関係なく、ビートと大豆の分については共済金が出ることになっております。そして、ナラシ対策は収入全体の減収分の九割を補填しますので、最大九九%を補填することになりますので、近年天候不順が続く中で、畑作農家を営む上でセーフティーネットの役割を果たしています。
 しかし、今審議されている収入保険制度は、九割補填といいながら、実際には九割の補填をカバーする制度設計ではありません。最大で八九%、多くは八一%にしかなりません。現在の農業共済制度とナラシ対策よりも補填が下がる仕組みをなぜ導入しなければならないのか、私たち農業者も農協も、そして地元の共済組合も、誰も望んでいないのではないか、こう考えます。
 十勝や北見・網走地域の多くの畑作農家は、収入保険に加入するよりも現行の農業共済制度とナラシ対策の方がいいと言っております。網走地域の小清水農協のシミュレーションでは、どの農家も収入保険に入らない方がいいということになったそうであります。しかも、補填基準は五年の平均となっていますので、これまでの上と下を除いたものではないために、損害や価格下落で減収となった場合、どんどんと基準価格が下がることになってまいります。
 二点目、負担が増えること。
 ナラシ対策があることで、北海道は、昨年、小麦が減収となりましたが、補填が発動され、今年に入ってからの入金でしたが、大変助かっています。
 このナラシ対策は、私ども農業者の負担が二五%、残りを国が持っていただいております。ところが、収入保険制度では、積立分には二五%ですが、保険分、いわゆる掛金での負担は五〇%となりますので、掛金は増えて補填は減少されることになるので、二重の減収となるということであります。今、稲作や畑作農家にとって全く安心できる制度ではないと思います。
 ただ、農業共済制度やナラシ対策の対象外となっている果樹や価格安定対策に加入できない野菜などにとっては、新たな制度ができるので助かると思います。したがって、現行の制度対象外の農家が入れる制度として一定の安心感をつくることにはなると考えております。
 ですから、現行の農業共済制度とナラシ対策はそのまま維持して、その対象外になっている農業者に限定した収入保険制度にすべきではないかと考えております。
 三点目は、加入者を限定すべきでない。
 収入保険制度の加入要件は、青色申告に限定されています。その理由は、帳簿の信頼度が高いというものですが、白色申告も現在記帳が義務化されており、帳簿の信頼度という曖昧な根拠では、白色で申告している農業者を脱税しているかのような印象を与え、国が言うべき発言ではないと考えます。農業者を差別するような政策はすべきでないと考えます。
 農水省は、収入保険は二割から三割の農家が加入すれば十分だと私どもが三月にレクチャーを受けたときに述べておりましたが、国は、農業所得向上ということで、これまで七本の農業競争力関連法案を提案し、可決してきました。所得向上につながらない農業保険法、収入保険制度をあえて導入する意味が全く分かりません。近い将来、国内の農業者は、現在の農家戸数の二割から三割まで減少しても構わない、そういう視点での発言なのでしょうか。
 現行の農業共済制度とナラシ対策を維持すべきだと考えます。収入保険制度が導入されたら、共済金の掛金が増え、補填は減少され、農済制度が後退するのではないかという多くの農業者の不安に率直に応えていただきたいと思います。現に、農作物共済の当然加入や無事戻しの廃止などが既に提案されております。現行制度よりも事実上所得が減少する制度が必要だということができるのか、甚だ疑問であります。
 したがいまして、現行制度対象外の農業者が安心して営農できる制度に限定すべき、収入保険についてはこういう意見を述べさせていただきます。
 大変どうもありがとうございました。
#230
○委員長(渡辺猛之君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#231
○山田俊男君 座ってやらせていただきます。
 大変、お三方共に、新しい、私にとりましては発見といいますか、びっくりさせていただいたということであります。それぞれありました、とりわけ中原さん、山川さんありました、これらのことについて、農業共済の仕組みとナラシの仕組みで、それはもう相当程度ちゃんとカバーできているぞと。
 一方、それで収入保険を入れてみたって、というのは、共済入っていてナラシ入っていたら、収入保険入れないんですよ。ですから、そう考えてみますと、御両所にとりましては、収入保険の値がないぞというふうに今日は聞かせていただいたかというふうに思うんですけれども、明後日また質疑の時間がありますので、それはそれで、これらのことを率直に意見交換させてもらおうと、こんなふうに思っております。
 ところで、いいですかね、簡潔にします。高橋さんに、ありがとうございました、これまでも、農林水産行政なり、それから、さらにまた、この大事な農業共済の仕組みをずっと見てきていただいた次第であります。そういう面からすると、大変仕組みも含めてよく御存じだというふうに思います。ですから、高橋さんから見ると、余計、本日の中原さんなり山川さんの御意見は驚かれたんではないかという気がするんですね。
 一方、高橋さんのところの、これからの、全国連合会含めまして、一県一組合へ合併する、さらには、全国連合会はいろんな形で機械化も含めた体制刷新なり仕事の仕方を変えていくというふうにおっしゃっているわけですが、そしてその一方で、これまでの、農業共済、災害対応にとどまらず、農政を担う組織として発展していくことも述べていただいた次第であります。
 そういうことなんだろうというふうに思うんですが、心配は、やはり農業共済が果たしていた地域に根差した取組と、もう一つは、多分間違いなく収入把握、全体の収入把握を中心にしながら、それこそパソコンや電子的取引で場合によったら物事が決まっていきかねないみたいなこととの間のギャップをどんなふうに埋めていかれるのか。今御案内のとおり、農協や全農も含めて大変な改編が求められてきた。農協は、農業共済組合とずっと連携しながら地域に存在する組織として活動してきたというふうに思うんですけれども、どうぞ、両方の組織が共に今後ともどんな形で発展して、地域や農業者に役割を果たせるのかということを是非きちっと描いた上で仕事を展開していただけたらと、こんなふうに思いますので、感想をいただけたらと思います。
#232
○参考人(高橋博君) 今、山田先生の御指摘ですけれども、やはり今回の制度改革に伴いまして、私ども農業共済団体としては、自然災害に対する対応だけではなくて、価格低下も含めましたセーフティーネット、どちらかを提供する立場になるわけでありますので、当然のことながら、単に農業共済だけの仕組みではなく、個別の作目ごとの様々な行政施策も含めてきちんと把握をした上で農家に対してどちらを選んでいただくかを推進をする形になります。
 その際、JAあるいは農業委員会、そうですけれども、この方々は、積極的に農産物の販売支援を更に自分たちがまた主役となってやっていく、より一歩前に進んでいく、そういう役割でサービスをしていく農業団体であったり、農業構造改革を推進する推進委員としての役割をされていくわけで、そこのところの下支えのセーフティーネットということで、基本のところは押さえますが、やはり全体の政策を今回は更に私ども農業共済団体としては把握をしていくということで、より良い意見交換ができるんじゃないかというふうに思っています。これは青申の問題も含めてでございます。
#233
○山田俊男君 大変ありがとうございました。
 中原さん、さすが活動家の中原さん、そしてまた、農民組織の役割も持っておられて、議会もやっておられる、大規模経営もやっておられると、直売所なんかも運営されたりして、やっておられるんじゃないかというふうに思いますから、事業家としても大変な存在であるというふうに思います。
 そして、ましてや、私は本当にうれしいことは、今日のことがあったというだけじゃなくて、仲間の多くの皆さんと一緒にちゃんと議論していただいて、その上で加入要件や手続や掛金や支払基準なんかについてもこうして的確におっしゃっていただいたというのは本当に有り難いというふうに思います。
 ただ、中原さん、現行の共済制度とナラシの維持は必要だと、こうおっしゃっていただいた。これ、維持したら、維持したらと言うんだけど、維持いいんだけど、収入保険に入る人いなくなっちゃうわけよね、要は一緒に入れないから。どうぞ間違いなく、現行のナラシに比べてメリットが少ないとおっしゃっている収入保険、先ほどもおっしゃっていただきましたが、どうぞ、内容をどんなふうに改善したらいいのか、今日も一、二ありましたらお聞きしたいし、今日だけにとどまらずに、今後の展開、地域での活動や事業展開の中で、ここの改革と良いものを実現していくという、それを是非是非御提案いただいたらということで、お願いします。
#234
○参考人(中原浩一君) 山田先生、どうもありがとうございます、本当にいいお言葉をいただきまして。
 私も、やはり農業経営者として、十二名の社員だとか、研修生も含めて、その人たちの生活がやっぱり懸かっています。そういった意味では、一生懸命やはり農業について勉強しながら、経営も含めて頑張っていかなきゃいけないなというふうに思っています。
 その中で、今回、収入保険の関係なんですけれども、今お話あったように、いろんな方の意見を聞きながら今日発言をさせていただきました。そういう中で、私だけの経営を少し、先ほど山川参考人もありましたけれども、少し試算をしたんですけれども、実は私は、よく農水省の方々から言われているように、リスクを回避する経営をしないさいよと、特に法人ならというふうに言われています。
 そこで、私の経営というのは、米あり、飼料米あり、小麦あり、バレイショあり、てん菜あり、大豆ありと。そのほかに、和寒町で作付けの一番多いという、全国で一番多いというカボチャ、十四ヘクタール。それから、北海道は冬が、通年雇用では大変なので、越冬キャベツという冬出しのキャベツ、雪の中から掘っていくキャベツも五ヘクタール作っています。そういう中で、十二名の仕事が確保でき、きちっとした雇用につながっているのかなというふうに思っています。
 その部分の共済の試算をしてみました。それぞれの面積によって、引受単収だとか、それによってのいろんな計算あるんですけれども、実際に私、二十九年度、共済の掛金プラス賦課金等々でいくと、今の品目で六十万四千円ほどお支払いしています。なおかつ、ナラシの部分なんですけれども、積立てなんですけれども、これも三十五万ほど積立てしながら、これは積立てということですから置いてあります。私の経営ですけれども、なかなか言いづらいんですけれども、九十万ほど、一%だったら支払しなきゃいけないかなというふうに思っています。
 だから、先ほど山川参考人が言われたように、プラスアルファは、私は直売所の中で、二十品目ぐらい作っています。だから、私としては、米だとか麦だとか、そういうものについては共済に入りたいです、今までの現行の。ただ、野菜ですね、今作っているのはトマト、ミニトマト、ピーマン、ナンバン、シシトウ、ナスだとかという、本当に二十種類ぐらい作って直売所の中で売上げを上げて頑張っていますけど、そちらの方がやはり市場動向が大きいので、そっちの方が入りたいんですよね。だから、やっぱり我々農業者としては、選択制を持って、品目ごとも含めてそういう仕組みにしていただきたいというのが一番ベストだと思います。
 そんなことも含めて、私は、収入保険は反対じゃないです。ただ、今言ったいろんな問題、先ほど言った災害の問題だとかいろんな問題を一つ一つやはり丁寧に説明しながら、またそこに対して現場の意見を聞いていただいて、そこで一つずつ修正しながら、すばらしいやはり経営のセーフティーネットとなり得る、礎となるような保険にしていただきたいなということをお願いして、私の答弁にさせていただきます。ありがとうございます。
#235
○山田俊男君 ありがとうございます。
 中原さんがやっていけなくなったら、全国どこでもみんなやっていけないから、だから、是非やっていける仕組み、どんなふうにするかというのは、どうぞ提言いただいたり、我々もまた頑張ります。
 山川さん、ありがとうございます。時間がもうないので、恐縮です。山川さんからいただいたこの意見をあさっての農水省に対してきちっと質問して、今後の対応をやっぱり迫りたいというふうに思います。
 どうもありがとうございました。
#236
○徳永エリ君 民進党の徳永エリでございます。
 三名の参考人の方々、それぞれのお立場から御意見、また収入保険、それから類似の制度について御要望もいただきましたことに感謝を申し上げたいと思います。
 衆議院の審議の中でも、今国会で審議された八法案の中でこの収入保険だけは規制改革推進会議主導ではないという話がありましたし、今日もそんな話がありましたけれども、私は、農協法の改正のときを思い出すんですね。あのときに在日米国商工会議所からの要望というのがありまして、郵便局の次は、それこそ信用事業だ、農協の共済だ、共済事業だという話がありまして、果たして、そういうことを考えると、これからどうなっていくんだろうという不安な気持ちもありますし、そして、やはり非常に現場の皆さんから評価も高いということで、共済事業を縮小させるようなことがあってはいけないと、むしろ充実させなければいけないんじゃないかということを改めて感じておりまして、民進党は今回、修正案を出して、この収入保険には賛成しているんですけれども、ちょっとどうかなという気持ちになってまいりました。
 山川参考人から先ほどお話がございました。収入保険、類似の制度を比較されて、メリットがないと、自分の経営には合わないというお話でございました。今審議されている収入保険制度は、九割補填といいながら実際には九割の補填をカバーするような制度ではない、最大で八九%、多くは八一%にしかなりません、現在の農業共済制度とナラシ対策よりも補填が下がる仕組みをなぜ導入しなければならないのか、私たち農業者も農協も共済組合も、誰も望んでいない制度ですというお話がありました。そしてさらに、現行の制度対象外の農家が入れる制度としては、一定の安心感を与えることになるだろう、ですから、現行の農業共済制度とナラシ対策はそのままにしておいて、その対象外になっている農業者に限定した方がいいと思いますと。そのとおりと、私も実はお話を聞いていて思いました。
 いわゆる現場の声なんだと思います。相当この収入保険には、いろいろ自由貿易の問題もありますし、米なんかはこれから価格が下がったらどうしようというような不安もありまして、農家の皆さん、期待をしていたんだと思うんですね。期待外れというような声だったと思いますが、中原参考人や山川参考人のお話を受けて、高橋参考人、今どのようにお感じになっているか、お伺いしたいと思います。
#237
○参考人(高橋博君) 中原参考人あるいは山川参考人の農業の互恵、やはり北海道におけます大規模畑作地帯における典型的な農業経営だろうというふうに私は解釈しております。
 私どもが実施しております畑作共済、これは先ほどもちょっと経緯ございましたけれども、昭和四十九年ですけれども試行を行いまして、五年間の試行期間の後、本格実施しております。そのときの基本的なモデルというのは、やはり北海道の大規模畑作ということを相当程度勘案したモデルで設計をしております。
 したがって、現行の農業共済の中で、この畑作共済というのは、北海道における、何といいましょうか、農業経営の中を想定をした、もちろん九州、沖縄のキビとか、そういった意味での府県の畑作もあるわけでありますけれども、やはりこういうようなものを想定をしてきた現実があろうかと思います。
 さはさりながら、逆に、それではほかの府県はどうか、あるいは道南ではどうかということになりますと、畑作はビートや何かもやっているかもしれませんけれども、そこに野菜が入ってきていると。あるいは、さらに、空知、上川の一部の米の状況と、それから、いわゆる水田の畑作、水田大豆、水田ビートみたいなところ、そういうような転作のところの農家の状況は、今申し上げたような十勝とかあるいは網走とか、そういったところとはまた違ってくるんじゃないか。
 今回の制度は、あくまでも畑作共済はきちんと残しますし、それからナラシも残る、その中で当該農家にとってこの収入保険がいいのか選んでいただくというわけで、それで、典型的に、畑作共済プラス、ナラシの方がよければ、引き続き私どももそちらを推進をするという形になるわけだと思っておりますので、私どもといたしましては、農業共済として新しい農家に対するセーフティーネットのツールができたと、手段ができた。そこはやはり、例えば、先ほどもございましたけれども、従来この共済の災害対策のネットワークから外れてしまっている農家さんもおられるわけですから、そういったような人たちは今まで対象外だったと、これが生産額で四十何%もあるとするならば、そういった人たちに私どもはきちんと提供をしてまいりたい。そこは農家にきちんと説明した上でお選びいただく。
 これ、今度の収入保険が導入されたからといって既存のものがなくなってしまうということではないというふうに思っておりますので、そこをきっちりやってまいりたい、そういうふうに思っております。
#238
○徳永エリ君 それぞれ農家、経営形態も違いますし作っているものも違うと。そして新しいチャレンジという話も出てきておりますので、何を選択することが自分の経営にとって一番いいことなのかということ、この選択は本当に難しいと思いますので、正しい選択ができるようにしっかり説明なりいろんなシステム設計なりしていただきたいということを改めてお願い申し上げたいと思います。
 そして、この農業共済でありますけれども、これまでは米、麦が当然加入だった、これが任意加入になるわけでありまして、これで加入する人が相当減るんじゃないか、そういう部分からも本当に共済大丈夫なんだろうかという声があるんですが、その辺りをどうお考えなのかということと、それと、これまでの制度も試行期間というのが五年間というお話がありましたけれども、今回は事業化調査から二年ですよね、僅か。最初は民間の会社がやろうとしていて、何度か報道されて、えっ、ここがやるのかという話もありましたけれども、それがやっぱり民間は難しいということで共済でという話になったわけでありますよね。
 ですから、本当にこの制度設計に時間もなかったし、そして試行期間もなかった、こういう部分のやっぱり問題を私はすごく強く感じるんですが、その辺りは高橋参考人、どうお考えでしょうか。
#239
○参考人(高橋博君) 加入率の減少につきましては、冒頭申し上げさせていただきましたとおり、やはり私どももこれについては相当心配しています。ただ、今回、前回の法律改正の際にも既にこの当然加入制の是非ということが御議論をされた上で、その後の様々な情勢変化の中で今回は任意になったということだろうと思っています。
 ただ一方で、当然加入制とは申しましても、当然加入制の適用対象農家というのは一定の作付け規模、これ都道府県によってちょっと基準違いますけれども、それ以上の作付け規模をしている農家が当然加入ですが、それ未満の農家は実はもう既に任意加入です。
 全国で見てみますと、今の農作の共済契約の中の四分の一はこのような任意で入っていただいている方です。このような方々は当然加入で入っているわけでも何でもないわけですから、そういう人たちに対して、今まで共済としていろいろと農家と一緒に取り組んできた、そういうことを、当然加入がなくなってもそういった農家と一緒にこれはそれだけの実績を持ってきたということを進めてまいりたいということで、何とかこの当然加入に対する懸念を払拭したいと思っています。
 それとあと一点、国にもやはりクロスコンプライアンス、冒頭申し上げたようなもの、やはり自助ということに対する一つの備えというものをクロスコンプライアンスの形で更に促していただきたいというのが一点であります。
 それからもう一点、事業化調査の関係で申し上げました。確かに、過去五年、私今申し上げましたけれども、五年の試行期間で園芸とか果樹あるいは畑作は行いましたけれども、あれはやはり対象品目がある程度決まっていたということだったと思います。今回の場合には、その対象品目がもうありとあらゆる作目まで、畜産の一部を除きまして拡大をいたしました。そういたしますと、典型的な、試行調査をやったときのように、先ほどの畑作じゃないんですが、ここで集中的にやれば全体像が分かるみたいなところもなかなかできなかったのではないかなというふうに思っておりますことと、やはり五年ということを制度までの間に掛けられるお時間があったのかなというところは、ちょっと私としても現在の状況が大変だなと思っております。
#240
○徳永エリ君 これから施行された後にいろんな問題点が出てくるかもしれないということでございますので、しっかり現場の声を受け止めて対応していっていただきたいということを改めてお願いしたいと思います。
 今日の日農新聞の「論説」にも書かれておりましたけれども、衆院での審議で幾つかの問題点が浮き彫りになった、最大の論点は下支え効果が十分かどうかだ、過去五年の平均収入を基準とすることから、価格下落で収入が下がり続けると基準も下落すると、衆院の参考人質疑では底なし沼になることを懸念して岩盤対策の必要性が指摘されたということであります。やはりその岩盤対策というのは非常に重要だと思います。
 私たちは、やはり戸別所得補償制度、これが非常に重要だと思っています。民主党時代に戸別所得補償制度がつくられた目的は、販売価格が生産費を恒常的に下回っている作物を対象に、その差額を交付することによって農業経営の安定と国内生産力の確保を図り、もって食料自給率の向上と農業の多面的な機能を維持するというものでありました。当時、自民党の皆さんにはばらまきだ、ばらまきだとやゆされましたけれども、その後、現場からは大変評価が高かったということは皆さんも御案内だというふうに思います。
 米の直接払い交付金、今年度で廃止されるということでありますけれども、中原参考人にお伺いいたしますが、改めてこの戸別所得補償制度、これに対する評価、それから十アール七千五百円、これがなくなることによる今後の懸念、お伺いしたいと思います。
#241
○参考人(中原浩一君) ありがとうございます。
 今言われた戸別所得補償ということで、当時一万五千円、それから七千五百円という期間、その間、やはり先ほどもちょっとお話ししましたけれども、米に対する岩盤的なものの差額補填ということについては、本当に我々、経営として考える部分ではすごくやっぱり役立っていたという形の考えが一点。
 それと、先ほどお話ししたように、地域にとってはやはりすごい地域政策として役立っていたと。先ほどもお話ししましたけど、この部分の財源というのを、やはり担い手などは土地の購入、また、地域は本当に今皆さん御存じのとおり高齢化でなかなか土地に関しての借り手がいない中で、頑張るんだぞという担い手がその財源を確保しながら次の投資をしていったという、そういった部分では本当に地域政策としては役立っていたなというふうに思っています。
 三十年から国も生産配分をやっぱりしていかないと、それを地域の再生協なりに任せた中で、私たち米農家としてもすごくやはり不安があります。ここ二年、国が言っている生産数量を下回ったんだと、これからそういう傾向へ行くんだという意見もありますけれども、実際に生産調整の配分をしなくなったときにどっちに転ぶのかというのが本当に不安です。
 そういった中で、こういったような直接支払みたいな下支えをきちっとやっぱり取った中で今回の収入保険の導入に当たっていただきたいなというふうに思っております。
#242
○徳永エリ君 この米の直接払い交付金が廃止されることによって農家の皆さん今後どうなるのかと、いろいろと不安な思いがあると思います。
 今年度の予算で七百十四億円ということでありますけれども、この七百十四億円をどこに仕向けるかという議論がいろいろされておりまして、収入保険という話もちょっと聞こえてきたりしておりますけれども、稲作農家の方々にとってはどういうふうにこれから対応していってもらいたいというふうにお考えなのか、お伺いしたいと思います。中原参考人。
#243
○参考人(中原浩一君) 今、徳永委員から言われたように、やはり水田を一つの経営体としてやっている農家の方々は、今その七百十四億の財源がなくなることによって、先ほど私がお話ししたような地域政策も含めてやっぱりいろんなこれから不安が起きてくるという形の中で、やはりその七百十四億の財源を、私たちも汗をかいてきちっとその地域の特色を生かしたそういった作物体系の中でやっていくと。米には付けないという形ですけども、実際には地域として、その地域の作物も含めて戦略的にそのお金を地域再生協議会などに裁量を持たせてやっていくという、そういったやはり形がいいんじゃないかなというふうに私たちは思っております。
#244
○徳永エリ君 じゃ、時間がないので、最後に山川参考人にお伺いいたします。
 やはり農家の皆さんにとっては、安心して経営を維持していくと、安定ということが何よりだと思います。この収入保険にもそういう期待があったんだと思いますけれども、改めてこの制度を見ておられて、どの点が問題で、どういうところをもう少し意識してもらいたいという御意見があれば最後に伺いたいと思います。
#245
○委員長(渡辺猛之君) 山川参考人、申し訳ありませんが、時間が来ておりますので、簡潔にお願いをいたします。
#246
○参考人(山川秀正君) はい。
 収入保険、一番やっぱり私は、さっき皆さんから発言あったとおり、岩盤という部分で生産費を償うというところをどう担保するかだと思っています。
 お米の場合、過去二十六年間で生産費調整をやって販売価格が上回ったのは僅か八年だけと、まさしくそういう逆転現象。だから、先ほどから皆さんから指摘があったとおり、どんどんどんどん価格が下がって売上げが落ちていって、収入保険、それではセーフティーネットにならないというのは私は率直に思っていますし、もう一点は、やっぱり差別を持ち込まない。先ほど、是非、今の畑作共済や農作物共済でカバーできないところを重点に対象にするんだというふうなお考えもありましたけれども、これは取りも直さず、青色申告をやっていない人たちなんですよ。ですから、そういう意味では、やっぱり白色申告をやっている人も当然今記帳の義務がスタートして、もう二十年近くたとうとしているわけですから、そういった点では、そこに差別を持ち込まないで、農業者だったら加入できるんだという制度にきちっとすべきだというふうに考えます。
 以上です。
#247
○徳永エリ君 ありがとうございました。終わります。
#248
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。
 三人の参考人の方々には、貴重な御意見をいただきまして、本当にありがとうございます。
   〔委員長退席、理事山田修路君着席〕
 同僚議員が質問をさせていただきまして、更に議論が深まってきたというふうに感じておりますけれども、まず山川参考人に、今の徳永委員の質問に重なるところでございますけれども、白色申告も対象にするべきであるという御意見がございました。ここは私も午前中の対政府の質疑の中でもなぜ駄目なのかということについて質問させていただいたんですが、ほかの農協の方々に伺いましたときにも、収入だけ見るのであれば白色でいいじゃないかということでありましたが、在庫に持っていったときにそこが恣意的になってしまってはいけないというのが農水省の答弁であったわけでありますけれども、この青色申告というのも、また簡易なやり方といっても結構な作業になるというふうに感じております。
 山川参考人、これ、青色申告、皆さんにやっていただくに当たってはどんなことをしたら支援になるんでしょうか。今、白色やっている人はもう諦めてしまうようなものでしょうか。ちょっと現場の御意見伺いたいなというふうに思います。
#249
○参考人(山川秀正君) 率直に私のそうしたら感じていることを述べたいと思います。
 税金、私自身も農民運動に高校卒業以来関わって、当初から税金申告、皆さんと一緒にやってまいりました。圧倒的に長い期間は白色での申告でした。今現在は青色申告ですけれども、白色申告が、何といいますか、在庫というか、要するに取れた分で販売していないものを、何というの、きちっと把握できないんだ、だから駄目だということなんですけれども、逆に言えば、簡易な青色、現金主義でやっている場合については、在庫まできちっとといいますか、その年その年の売上げで計算をすると。ですから、昨年取れたものを今年売った場合には今年の申告に計算をするという形での簡易な現金主義での青色申告は今現在行われていると思うんですよね。
   〔理事山田修路君退席、委員長着席〕
 当然、だから、白色申告の部分でも記帳の義務化がされて収支内訳書の提出があるわけですから、在庫で抱えていた農産物をそのままどこかに隠してしまうなんということはあり得ない。当然、それは販売して現金化して農業経営の役に立てる、生活の役に立てるわけですから、そういった点でいえば、現金主義を取って、その年その年の収入をきちっと把握するということが担保できれば、青色と白色と差別する必要は私は率直に言ってないと思いますし、今現時点でも青色申告じゃなくて白色申告で頑張っている人も大勢いらっしゃいますし、私自身も、青色申告は今のところ専従者給与を支払うというメリットがあるから青色申告を選択していますけれども、その必要がなくなれば、例えば自分のところで一緒に農業をしている人間が減ったりして、例えば私一人が農業経営者になったら青色申告をやっているメリットがきっとなくなると。ですから、そのときには白色に戻ろうと思っていますけれども。
 ですから、そういった点では、税金の申告の仕方は青色と白色と両方あって、それを選択することを今の税制度が認めているんですから、そこに差別を持ち込むこと自体やっぱり断じてやめるべきだということを私は考えています。
 以上です。
#250
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 山川参考人にもう一点。今回の収入保険制度について、現行の農業共済制度とナラシ対策はそのままということで高橋参考人からも先ほどありましたけれども、そうであれば、その対象外になっている農業者が利用できるのであればそれはそれでいいのではないかという御意見ということで合っていますでしょうか。
#251
○参考人(山川秀正君) 全くそのとおりでございます。現行でやっぱりセーフティーネットに加入できていない農業者の皆さんを救う、そういう制度として収入保険を活用する、そのことは私は可能だと思いますし、ただ、一番懸念しているのは、今、中原参考人も発言しておりましたけれども、収入保険制度と選択制になって、結果的に収入保険の方に重点を置きたいということになれば、そっちには国の支援を厚くするけれども、現行の農済制度の支援についてはだんだん薄くなっていく、そういう懸念が私一番心配しています。そのスタートがどうも当然加入だったり無事戻しの廃止だったりというふうに思えてならないんですけれども、そういった点でいえば、二つの制度を両立するように、手厚く両方とも守り続けるんだという、そこが私は是非担保してほしいなと思います、収入保険制度をスタートさせる上では。
 以上です。
#252
○竹谷とし子君 貴重な御意見ありがとうございました。
 中原参考人と高橋参考人に伺いたいんですけれども、先ほど中原参考人から、今農業共済やナラシに入っている部分についてはそれはそれで助かっているのでいいんだけれども、その対象にならないものがあるので、そこがもし何らか対象になるのであれば助かるというような御意見であったかというふうに思うんですけれども、今、割合的には売上げベースでどれぐらいが対象になっていないのでしょうか。まず中原参考人に伺いたいと思います。
#253
○参考人(中原浩一君) ありがとうございます。
 率直にお話をすると、多分該当にならないのがやっぱり四割強あります。先ほどお話ししましたように、私もリスク回避という意味で、やっぱりいろんな作物を作ることによってリスク回避ができると。一作物がやはりその時期によっても雨に当たったりいろんな部分で駄目になってもほかのものがあるという、そういった中でやはり経営をきちっと安定的なものにさせたいということですから、だから、逆にいえば、そういうことをやっている経営体の人たちは、多分、申し訳ないけど収入保険に入りづらいかなと。ただ、先ほど言ったように、品目ごとにきちっと選べるのであればそれはすごくメリットがあるので、現行の共済、ナラシの対象外の作物については収入保険に入りたいなというふうに思うと思います。
#254
○参考人(高橋博君) 中原参考人が言われたベースだと思います。たしか農林水産省の推計の中で、農業の全体の粗生産額の中の五十何%が農業共済の対象作目の生産額というようなことだったと思います。ただ、個々の農家にとっては、特に複合経営農家はいろんな作目やっておられますので、当該農家の一部は共済入っているけど、今の中原さんじゃないですけど、同じ農業経営の中で入っていない作目というのがどの程度のあれかちょっと私どももよく把握はできておりません。
 ただ、いずれにしましても、今回の収入保険の場合に、既存の、ともかくこれまでの価格対策なり収入変動対策と共済の仕組みをするのか、今度の収入保険という前提の中で、掛金がまだちょっと最終のところ出ておりませんけれども、そういう中で収支、どういうふうに見るのかというのをやはり個々の農家にきちんとこれはもう説明して選んでいただくということだと思っています。
 あともう一点、山川参考人が言われた中でちょっと気になっておりましたのは、今の収入保険よりも共済がいいということであれば、当然のことながら共済の方を今後とも選ばれるだろうと思います。そうすると、じゃ、共済の母集団が減るということではなくて、逆に言えば、収入保険の母集団は、今申し上げたように、これまで対象になっておられなかったような方々にどんどんまたきちんと説明して入っていただくようなことをやって、これはこれで四十何%も入っておられない方がおられるわけですから、そこでまた母集団をつくっていくということも非常に重要ではないかというふうに思っております。
#255
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 高橋参考人に続いて伺いたいんですけれども、今おっしゃられたような、農業者に対してシミュレーションをしてコンサルティングを行っていくような、そういう役割がこれから農業共済連合会さんの方にもなお今まで以上に求められてくるのだというふうに思っておりますけれども、それについてどのようにお取組をされていかれるのか、伺いたいと思います。
#256
○参考人(高橋博君) 先ほども申し上げましたとおり、今回、収入保険が導入されますと、当該農家の個々の本当の経営にとって、既存の政策のパッケージがいいのか、収入保険という新しい政策がいいのかを最終的に選んでいただきます。これを両方とも、農業共済にしましても収入保険にいたしましても、農業共済団体としてきちんと説明をしていく、農家のアドバイスをきちんと行っていくということが大事だと思っています。これは、実際に契約関係結ぶのが私どもですから、これは当然のことだと思います。
 ただし、その際、先ほどちょっと幾つか山川参考人からもお話ありましたように、例えばもう既に一部のJAでは、傘下の組合員が収入保険に入った方がいいのかどうかというようなこと、農協によっては、JAによってはそういったことも既に始められておられるということもあるわけでありますから、それはこれまでの関係団体の、JAならJA、青申だと農業委員会もあるわけでありますし、さらには行政組織だと思います。例えば普及の組織、都道府県の改良普及組織でありますとか農家の経営相談をやるようなところともきちんと連携をしながら、基本的に農家の選択に資していくと、そういうふうにしてまいりたいというふうに思っています。
#257
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 続いて、また高橋参考人に伺いたいんですけれども、事前調査も担われてきたということで、事前にいただいた資料の中で、青色申告のデータを農家さんから提供していただいて、民間の保険会社も一時調査事業を行っていたけれども、いろいろ踏み込んだ話を聞くので、よほど信頼関係がないと難しいようですというようなコメントをされておられまして、全国農業共済協会だからこそ安心して農業者さんが託せるという点があるのかなというふうに理解をしたところでございますけれども、農業者さんと全国農業共済協会さんとの関係性、いい面について、地域のきずなといいますか連携といいますか、そういったつながりをつくってきたというふうに理解をしておりますけれども、その点について是非教えていただきたいというふうに思います。
#258
○参考人(高橋博君) 農業共済組合組織、先ほど申し上げましたように、組合であります。したがって、組合員は農家です。組合員の農家のための共済制度という形になるわけですけれども、でも、それと同時に、その利益を受ける立場と同時に、自分たちがその事業実施を担っている、その一翼を担っています。損害評価員の立場であれ、共済連絡員、共済部長さんの立場であれ、やっぱり、今はそれぞれ十数万のオーダーになっておりましたけど、これまでの間では更に二十万、三十万という人たちがそういうような形で、組織の受益者であると同時に組織の運営者の立場で、自分たちの組合だということで信頼関係があったと思っています。
 かてて加えて、今回の事業化調査は、青色申告書をはっきり言えば農家が他人に見せるわけですね。農家が自分の青色申告書、なかなかこれ人に見せるようなものでは私ないと思いますけど、それをやはりきちんと見せてくれるというのはそれなりの信頼関係がないと、今まで見たこともないような人に自分の青色申告書をはいどうぞというのはなかなか抵抗感があったというふうに伺っております。
#259
○竹谷とし子君 ありがとうございました。
 以上です。
#260
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 三人の参考人の皆さん、本当に今日はありがとうございます。
 それで、今日は、北海道から、生産活動に取り組んでおられる農業経営者が二人そろって来られているという、ちょっとなかなか珍しいことなんですけれども、それで、中原参考人は上川の地域で農業法人を立ち上げて大規模にやっておられるし、山川参考人は十勝の畑作を中心にしながらやっぱり頑張っておられて、お二人とも本当に頑張ってこられたと思うんですけれども、それで、これまでお二人とも様々な自然災害や気候変動やいろんなことに遭遇をし、そしてそれらと向き合いながら乗り越えてこられたんだろうと思うんですけれども、そこで二つ、二点お聞きしたいと思うんですね。
 農業共済制度の目的というのは、自然災害で被害を受けた農業者の損失を補填をし、再び農業生産力を高めるというところにあるわけです。この目的が今回の改正で削除されるということになります。
 そこで、一つなんですけど、一つは、農業共済制度の役割をどのようにお考えでしょうかと。あわせて、改善すべきことがあれば、今までの共済制度、どういう改善が必要なのかというところを一つ目にお聞かせいただきたいのと、二つ目は、今回の改正についてなんですが、当然加入制それから一筆方式の廃止、無事戻し制度の廃止ということがあります。それから、家畜共済は診療費の自己負担制度が導入をされると。こうした改正についてどのように思われるかということで、それぞれからお聞かせいただきたいと思います。
#261
○委員長(渡辺猛之君) それでは、中原参考人からお願いいたします。
#262
○参考人(中原浩一君) ありがとうございます。
 先ほど紙先生からお話がありましたように、私も初めて参考人が北海道同士なんだなというふうには思ったんですけれども、経営は全く多分違うと思います。私どものところはもう米作でずっと頑張ってきた地域で、と言いながらも、国のそういったいろんな施策に翻弄もされてきました。ただ、逆を言えば、やはり農家、農業者のための農水省だというふうに思っていましたし、またそこから、いろんなお話をすると、農業者がその都度その都度困ったときに対策、政策を打っていくのが農水省なんだよといったようなお話もずっと私も青年部時代から聞いてきました。ここに来て、そういったことが少しやっぱり変わってきたのかなという思いもありますけれども。
 今質問のあった、農業共済制度の本質の目的も含めてお話をいただきましたけれども、私は、現行の共済制度については、やはり収入に着目するのか、また災害のときの減収を補うのかという、そういった部分は違いますけれども、私はやっぱり大きな役割を果たしてきたのかなというふうに思っております。そういった中で、個々の努力も含めながら、やはりその努力に報われない災害と、それに対して、私はセーフティーネットの役割を十分果たしてきたんじゃないかと。
 ただ、入れない作物もやっぱりいっぱいあったというのは事実ですし、高橋参考人が言われたように、それをクリアできていない部分も四〇%以上あるんだといった形の中で、収入保険についてはそこを補うような仕組みにしていただきたいなというふうに思っておりますけれども、ただ、経営全体を捉えると、私も先ほど言ったように、野菜も作り、米も作り、畑作四品も作りという形の中で、先ほど言ったように、そこに該当になっていないものだけを収入保険というわけには今回はいかないので、その辺はやはりちょっと、私としては、加入するかしないかも含めて経営としてどう考えていくかというのをやはり勘案しながら進めていかなきゃいけないのかなというふうに思っております。
 それと、改正の部分の無事戻しも含めて、そういったいろんな部分はありましたけど、私はちょっとそちらの方の関係については余りよく分かっていません、済みません。その辺については、また勉強させていただきながら、紙先生の方にまたお話をさせていただければというふうに思っております。
#263
○委員長(渡辺猛之君) 続いて、じゃ、山川参考人、お願いいたします。
#264
○参考人(山川秀正君) 共済制度の必要性については、特に十勝の畑作、歴史を見ると、以前は四年に一回冷害が訪れる、そういう歴史の中でずっと悪戦苦闘してきたのが十勝の畑作の歴史なんですよね。この間、農業の基盤整備だとか品種改良だとか、そういった農業に関わる技術の向上、取組の向上の中で一定程度物が取れるようになってきたと。しかし、自然災害、これはもう間違いなくやってくると。そういう状況の中で共済制度が果たしてきた役割は私は大きいと思いますし、ですから、畑作共済のそれこそ、試験段階と先ほど話しましたけれども、モデル町村になったのはきっとうちの町だったと思います。
 うちの町は全体で試験共済をやって、モデルの町になって畑作共済制度の根幹をつくっていったと。そういう中で、いろいろ制度改正、先ほど詳しくは触れませんでしたけれども、足切りを減らす。今でも、例えば小豆はまだ三割足切り、要するに半相殺、一筆ごとで、そういう評価しかできないと。今、圧倒的に畑作共済も全相殺、出荷量による調査が可能な作物については出荷量で調査するわけですから、そういった部分でいえば、何といいますか、人的な部分で人の確保、共済部長なり損害評価員なり、そこを確保するのが難しいという話ありましたけれども、そういう今の現代の文明の機器が発達している中で、出荷量で調査できるものはどんどん出荷量で調査することは私は全然問題ないというふうに思っています。
 それで、今後、共済に望むという点でいえば、今、私の去年の共済掛金賦課金払込通知書というのを持ってきたんですけれども、やはりその中で、やっぱり一番、先ほど、岩盤をつくるんだと、生産費を下支えしてほしいという話しましたけれども、要は、キログラム当たり共済金額、ここを何ぼで引き受けるかということが一つ大きな鍵だと思うんですよね。
 今、例えば小豆の場合はキログラム二百九十九円、三百円に一円切れるだけということですから、六十キロ一俵換算すると一万八千円と。今の相場、去年辺りですと、小豆一俵なかなか一万八千円は取れなくて、一万五千円前後という世界なんですけれども、まさしくそこの部分できちっと再生産ができるような、引受けの単価を、生産費を償えるような、そこを担保できたら今の共済制度は私はもっともっと逆に言えば充実すると思うし、安心して加入できるようになるんではないかなというふうに率直に思っています。そういった点が一点です。
 それから、無事戻しというのも、これもなかなか、私に言わせたら、制度が後退してきたと言うんですけれども、今まで無事戻しというのは、最初始まった頃の無事戻しは二分の一だったんですよね。共済事故が発生しない場合は掛金の二分の一を三年に一遍戻すと。それが三分の一になったんですよね、無事戻しが。だから、そういった点でいえば、そういう後退はされてきているんですけれども、やっぱり無事戻しの制度というのは、一定程度やっぱり被害が発生していないわけですし、共済組合に行ってお金が積み上がっているというような状況であれば、やっぱりそれを組合員に還元するというのは当たり前のことでないかなというふうに率直に思っています。
 そういった点で、当然加入の維持だとか一筆ごとの評価、ここはなかなか、一筆ごとの評価を残すか残さないか、特に水田が難しいのかと思うんですけれども。だから、水田地帯でも、北海道でいっても、カントリーエレベーターがあって、そういうところについては全相殺でやっている水田の調査もあるということを考えると、やっぱりケース・バイ・ケースの中で臨機応変に対応していく必要があるというふうに率直に思っていますけれども、そういう部分での合理化も図りながら、是非、今の農済制度を後退させることなく維持してほしいということを望んでおきたいと思います。
 以上です。
#265
○紙智子君 もう一点、山川参考人にお聞きしたいんですけれども、先ほど、御自身の収入を基にして、現行制度と新たに創設される収入保険制度の比較がありました。収入保険では農家の減収分をカバーできず、補填が下がる仕組みであって、しかも農家の負担が増えるという話あったんですけど、この辺もうちょっと、どうして負担が増えていくのかという辺りも話をしていただければと思います。
#266
○参考人(山川秀正君) 先ほど説明しましたとおり、収入保険は五中五、今の畑作の専業地帯にとって、五中五という評価の中で計算されると。共済事業、共済の引受単収等々については七中五、要するに、七年のうち一番上位の数字と一番下位の数字を捨てて、その平均の五年間で引受単収を決めますよということなんですけれども、収入保険の部分での収入の評価の仕方といいますか、算出の仕方もそういう、先ほど中原委員から発言もありましたとおり、天変地異、当然発生するわけですから、五中五ということになっていくと、どんどんどんどんやっぱり数字が下がっていく懸念は率直に感じています。
 そういったことの中で、私は、単純に比較をしたということで、ナラシ対策というのは実際に現金収入になったのは年明けといいますか、私どもの口座に振り込まれるのは今月なんですけれども、いずれにしても、これも二十八年度収入というふうに考えると三千五百八十六万九千円の収入になると、去年、災害年であってもですね。これはまさしく、共済制度があって、ナラシ対策があったからなんですけれども。これが収入保険になると、この数字は収入そのまんまといいますか、五中五の平均三千七百何がしをそのまんま九割補填されるというふうに計算して三千三百と書きましたけれども、九割の九〇%ということになれば、八一%になると、さっきも言いましたとおり、五百万も収入が変わってしまうと、去年みたいな年でも。それがやっぱり私の経営の中では現実としてあるので、やっぱりそこは是非、そういう状態の中ではなかなか、私は、収入保険に今の畑作地帯は必要がないんじゃないかと率直に思っています。
 それで、去年といいますか、今年年明け、三月十五日までに税金の申告するわけですけれども、そういう部分で多くの方から声を掛けられました。収入保険がスタートするので、青色申告やっていないと収入保険に加入できないから、青色申告をするという手続をする必要があるかないかという相談がたくさんありました。そのときにどう答えたかといったら、今の現行の収入保険制度では畑作経営ではメリットないんじゃないのという話をしました。だから、今すぐ自分の、何といいますか、農業経営をやっていく上で青色申告がメリットあるなら青色申告やめろとは言わないけれども、収入保険のためだけに青色申告に飛び付く必要はないぞという話をしたんですけれども、まさしく私は今そういう評価をしています。
 それから、負担が増えるという部分では、問題は掛金ですよね。掛金を、先ほど一%で落ち着くのか二%かという、いろいろな話がありますけれども、例えば、一千万の収入保険に入るには約三十万円の保険料だというような数字が出ているようにお聞きをしているんですけれども、その数字がちょっと間違っていたら指摘もしてほしいと思いますけれども、一千万で三十万であったら、三千五百万あったら百万超えるという、まさしくそういう掛金になってしまうわけですから、そういった点では、現行より掛金は上がって補填が少ないという点でやっぱり私はそういう意見を持っております。
 以上です。
#267
○紙智子君 ありがとうございます。
 ちょっと時間が詰まってきたんですけど、高橋参考人のお話を聞いて、やっぱり今回の改正が制度発足以来最大の改正となったという御認識をお話しされていて、これまででいうと試行期間が結構な時間を取ってやってきたと思うんですけど、それがやっぱり十分持っているわけではないので、この後いろいろ予測される問題に柔軟に対応する必要があるという話をされたんですけれども、その点では、本音としては、やっぱりちゃんと、じっくり本当だったら試験の期間設けてやるべきだというふうに思われているんじゃないのかなと思ったんですけど、その本当のお気持ちと、それから、やっぱり最大と言われる部分のその最大というのは何をもって最大と思われているのかということをお聞きしたいと思います。
#268
○委員長(渡辺猛之君) 高橋参考人、申し訳ありませんが、時間が来ておりますので、簡潔にお願いいたします。
#269
○参考人(高橋博君) はい。
 やはり試行期間、これまでの三つの大きな共済のときありました。ただ、今回は制度設計をするために調査事業だけで既に三年間掛かっております。かてて加えて、そこから試行ということになると、制度設計を二十六年の法附則の御決議いただいたときからやってくると一体いつ始まるのかというようなこともありましょうし、水田の問題もいろいろあります。ですから、それでそこまでは多分できなかったのではないかなと。理論的とか万全を期せればそうですが、やはり実態を考えればやむを得ないと、私は、残念とは思いますが、やむを得ないと思っています。
 それから、最大と申し上げましたのは、農業保険法になったということを端的に言いましたけれども、やはり先ほど言いましたように、対象作物が無限定のそういうセーフティーネットと、これは今までとは違った、保険数理では同じでありますけれども、今までの共済制度とは違います。
 それからもう一つは、全国一律の制度であるということであります。これまでの共済事業はそれぞれの地区で決められることが相当数多かったんですけれども、今回は全国一本で行う。ただし、これを支えているのは、先ほど言いましたように、農業共済でないとこれはなかなかできないでしょう、信頼関係の間でもということで、支える組織は農業共済制度でありますが、こういう全国一本、しかも全農業収入ということで、最大の改革であったというふうに評価をさせていただいています。
#270
○紙智子君 終わります。
#271
○浅田均君 日本維新の会の浅田均と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 三人の参考人の方々には、今日は貴重な意見を聞かせていただきまして、本当にありがとうございました。御礼を申し上げます。
 それで、まず高橋参考人からお伺いしていきたいと思うんですが、私は選択肢ができるというのは良いことだと基本的には思います。保険という性格上、加入者というか、母数がある規模以上ないと成立しないというふうに思います。今、国民健康保険なんかを見ましても、保険者である市町村によって保険料がいろいろばらつきがあるということで広域化の流れがあります。同じように、この共済の一県一組合へ移行されているというのもそういう流れの上に立ってのことだと思うんですが、今回、青色申告農家に限定するということでありますが、そういう青色申告をされております農家の大体何割が参加したらこの制度は成立するというふうに事業者としてお考えになっておられるか、お尋ねいたします。
#272
○参考人(高橋博君) 保険事業として母集団がどの程度なければならないかというのは、これはやっぱりリスク量とそれからその給付量のところをどのように設計をするかによって多分違ってくると思っています。もちろん、母集団は大きければ大きいほど内部におけますリスクが分散されますので一定程度の安定性というのは持つわけでありますけれども、リスクが、いわゆる事故率が低いところの場合の安定度と事故率が高いところの安定度との場合ではちょっと異なってまいります。
 この辺については私どももそれなりに勉強はさせていただきましたけれども、今回農林水産省において、これまでの事業化調査の中でデータの収集というのを過去もう十年ぐらいの分も多分収集をされた上で計算をされて、今後、多分保険料率や何かも全部決まってくると思いますけれども、その中で今の青申の中から、幾らとは分かりませんけれども、それなりの方が移行というかこの収入保険に入っていただければ保険としては成り立つという前提の下に今回の制度設計をされたというふうに伺っております。ただ、幾らかというのはちょっと私どもとしてもそこはよく分かりません。
#273
○浅田均君 幾らかというのは、おっしゃったとおり、加入者によってリスク量と給付量が決まりますので、その辺りにならないと望ましい数字というのはちょっと言えないと思うんですが、それなりの加入者ということで、六割ぐらいですよね。
#274
○参考人(高橋博君) 私も余り数理の専門家ではないんですけれども、民間の保険商品でもその保険商品ごとにある程度のものが成り立っている。ただし、それが何万のオーダーの保険商品ばかりではないというふうに私は承知しておりますので、ですから、やはり多い方がいいとは私も思いますけれども、本当に保険として成り立つかどうかというのは、ある意味、先ほど来申し上げたような要素の中で決まってくる。四十四万人という中の、それなりの、四十幾つというのは大きな数字でありますので、私どもの家畜共済の対象人数はもっと少ないわけでありますから、そういった意味で、ほかの共済との関係から見てもそこから一定程度が入っていただければと思っております。
#275
○浅田均君 先ほど、中原参考人の方からも山川参考人の方からも白色申告も入れてほしかったというようなお考えを披瀝されておりましたけれども、加入率を上げるためにそういった白色申告者まで枠を広げるという考えは、事業者さんとしてはどういうふうなお立場になるんでしょうか。
#276
○参考人(高橋博君) これは保険の場合に、先ほど言いましたように、保険として成り立つかどうかということと、もう一つは、この保険について、申告制でありますから、その保険に対しての事実関係の把握、どんな保険であっても、損害がどの程度であったのか、これは損害保険の一種でありますので、それのきちんとした査定がないとその制度に対する信頼感が薄れてしまうと思っております。
 ですから、今回、仕組みの中で、青色申告が必要だと言われているのは収入プラス在庫の変動というようなことが言われているわけでありますけれども、我々は与えられた必要な書類においてその申告がきちんとチェックできるか。これは、信頼度が高い書類であればチェック度は薄くなります。どんな信頼度高くてもきちんとしたチェックは要るんですけれども、だけども、ここのところに幅広に、少し考慮の要素が大きいような資料ですと、それに対して投下する事務量ですが、これは膨大なものにならざるを得ないと思っております。
 この辺は、余りにも綿密なものをつくれば今度は申告する方も大変、それは簡素化が要りますけれども、簡素化をし過ぎますと今度は保険としてきちんとした形で査定をするということができなくなってしまう。ですから、その辺の微妙なバランスじゃないかなと思っております。
#277
○浅田均君 そこでもう一つお伺いしたいんですが、査定でかなりの人が要ると思うんです。あとまた、新たな電算システムを導入されるというお話も先ほどされておりましたので、かなりの人が要るようになると思うんですけれども、そういう人的投資しても保険事業は成り立っていくというふうなもちろん前提に立っていないと事業者なれないわけですけれども、これは確認させていただけないんですけれども、大丈夫ですよね。
#278
○参考人(高橋博君) 実は私ども、既に共済事業におきましても、この電算システムというもの、国の再保険まで含めたシステムをきちんと構築しておりますし、それなりの制度改正、小さいものも含めて制度改正ごとにそれきちんと対応しております。したがって、収入保険についても、制度の詳細がきちんと決まればこのシステム設計自体は滞りなくできると思っています。ただ、ちょっと時間的に詰まってくるとその検証や何かが大変なんですけれども。
 あと、人員の問題に関しましては、先ほど申し述べましたように、チェックに、あるいは加入申請の書類の審査に手間が掛かれば掛かるほどそこには膨大な人員が要る。ですから、いかに片一方で簡素化をしつつ保険に無駄のないようなことができるかということをある意味国の方に制度企画の段階でお願いをしたいと思っています。
 ただ、実際には全国団体が、全国の連合会が元請をいたしますけれども、実際に農家と接触をして農家と相談に応じて申込みを受け付けるのは既存の農業共済組合の役職員の方にお願いをしたいということでございます。
#279
○浅田均君 続きまして、中原参考人にお伺いいたします。
 先ほどの御発言の中で、やっぱり現状の共済とナラシよりもメリットが多くなければ加入率は上がらないという御発言がありまして、そのメリットの一つとして、品目ごとに入れるということを一つ先ほど例示されましたけれども、そのほかにインセンティブを与えるようなメリットとはどういうことであるのか、ちょっともう少し具体的に教えていただきたいんですが。
#280
○参考人(中原浩一君) ありがとうございます。
 今御質問があったように、やはり、先ほど、多分大変だろうと思うんですけれども、普及率という、収入保険の、部分をやっぱり頑張ってもらわなきゃいけないのかなというふうに思いますけれども、そもそも入口の段階で、加入の段階でやはりそういうふうな条件を付けてしまったという、先ほど言った白色と青と、そういった意味の中では、多分担当する職員は、今言ったように、制度設計という、経営の制度設計も含めて、シミュレーションをつくって、どちらの方が得ですよみたいなことになれば、これ大変じゃないかなというふうにまず私は思っているんです。
 だから、簡易な、青も認めたのであれば、先ほど言ったように白色も記帳義務、まして、先ほど言っていた棚卸資産というのもきちっとやっぱり出している方もいらっしゃるので、白色でも。そういったところで行くと、そこでまず分けてしまったということに対してのやはりその事務作業量のリスクは私はあるんじゃないかなというふうに思っています。それが、行く行くは掛金だとかに反映されるというのをちょっと懸念はしています。ただ、今の現行の職員は、やっぱりある程度のその農家農家のいろんな意味での把握はできている部分もあるので、そこに任せたのはよかったのかなというふうに思っています。
 それで、あとメリット的なものも含めてなんですけれども、やはりその手続、その最初の五年間の収入を出すときに、入れるときに、これ一番最初にやっぱり大変な作業量だと私たちは思っていますので、その辺を、先ほど適正かつ査定も含めてきちっと出さなきゃいけない部分もありますけれども、そこのやはり簡素化というのも必要ですし、先ほど紙先生からお話のあった、無事戻しの改正の内容は私、分かりませんけれども、無事戻し、私も米なんかはもらっています。そういった意味では、そういう部分で、一般の保険に関しても何年後は二十万戻ってくるだとかという部分についてはすごく加入しやすいかなというふうに思いますので、無事戻しもあれば、それは一つのメリットとしていいのかなというふうに私は思っております。
 それともう一点、ごめんなさい。
 先ほど時間なくて、その支払時期なんですけれども、それについては、今、一般の個人事業者については三月十五日に申告して、それを踏まえて多分六月、七月じゃないかなというふうに聞いています。でも、それについては、やはり当該年度の売上げというか、収入にしなければ、その翌年度にそれも入ってき、今までの現状の収入も入ってきたら、これやっぱり申告時にはかなりきつい部分があるので、当該年に戻せるような仕組み、それは、前段いろんなお話のある、つなぎ資金であり、なおかつ仮払いにしても、そこら辺については当該年にきちっとそれが反映できるような、申告して反映できるような仕組みにしていただきたい、そこも併せてお願いします。
 以上です。済みません。
#281
○浅田均君 次は、山川参考人にお伺いいたします。
 今、共済、ナラシよりメリットがなければ加入率が上がらないということで、中原参考人にいろいろ例を挙げていただきました。白色申告も含めて、無事戻しとか支払月のことについて御提案がありましたけれども、今の中原参考人がおっしゃいましたことを全部、例えば高橋参考人がお認めになられた場合、ここに書いておられるような御主張は若干変わる可能性はあるんでしょうか。
#282
○参考人(山川秀正君) 制度が改善されればどうなんだということですけれども、根本はやっぱり、何といいますか、自分の農業経営にとって、先ほどから発言ありましたとおり、どの制度に加入するのが一番自分の農業経営にプラスになるのかというのがやっぱり判断基準だというふうに率直に思っています。そういった点でいえば、収入保険はやはり、率直に言って、生産費を償うという担保がない限り、今の畑作経営にとっては今の農済制度の方がセーフティーネットになり得るというふうに率直に思っています。そういった点でいえば、やはり収入保険の岩盤をどこかに設けないといけない。
 今盛んに、農業関連改革七法案が通ってしまって、国際競争力だ、農業を輸出産業だと言っている世界ですから、農産物の低下というのは、私は国際競争力ということは農産物が安くなっていくというふうに率直に受け止めていますから、そういった点で、やはりセーフティーネットがない限り、岩盤がない限りは私は加入できないと、私自身はそう思っています。
#283
○浅田均君 ありがとうございました。これで終わらせていただきます。
#284
○森ゆうこ君 希望の会(自由・社民)、自由党の森ゆうこでございます。
 今日はお三方の参考人の皆様、大変ありがとうございます。
 私は米どころ新潟でございます。今回いろいろお話ございましたけれども、農業関連の八本の法案、もう既に七本は成立をして、今八本目のこの収入保険ということで、農業をやっていらっしゃる方、農家の方、農業関係者の方というのはもう大変政策に詳しくて、うかつに新しい法案の話はできないなとかというふうに今までは思っていたんですが、私が、初めて農水委員になったんですけれども、農林水産委員になって本格的にこの法案いろいろ知ることができたという部分もあると思うんですけれども、何か、どの法案に関しても、地元に帰って話題にしても、皆さんがよく分からないんですね。これはすごく不思議で、特に種子法の廃止は、えっ、何で廃止することになったのとかね。
 要するに、現場の農家の人たち、そして農業関係者の人たちがよく理解しない、今まですごく要求してきて、それがやっと法律が出てきて成立をしますというような法案ではこの間なかったというふうに思います。今ほどいろいろお話ありましたけれども、やはりその収入保険という考え方と所得補償というのは基本的に考え方が違うんじゃないかなというふうに思うんですね。
 まず、高橋参考人に伺いたいんですけれども、いろいろ農業共済の改善点というお話は私も理解できるんですが、であれば、今回はその農業共済を抜本的に改正し、今まで足りないといった部分を充実させるというふうなことの方が制度の安定性という意味からしても私はよかったんじゃないかなと思ったんですけれども、なぜ、まあそれは政府じゃないですから、参考人は。ただ、事業者として、共済のこれまでのいろいろな足りない部分というのをむしろ補った方が農業者のためにもよかったんじゃないかなと私は思うんですけれども、高橋参考人はいかがお考えですか。
#285
○参考人(高橋博君) 農業共済七十年の中で、度々制度改善を行ってきております。先ほど言いましたように、当初発足時は米麦、家畜、そして蚕さんだけであったものが、今のように園芸ですとか畑作とか、それから果樹とかというところまで拡大をしてきたわけであります。したがって、制度改善については、毎年毎年、私どもの内部でもいろいろ検討しているんですが、やはり最後行き詰まる点は何かと申し上げますと、保険の事業で共済は運営しておりますから、保険として単品ごとに作れるものにやはり限度があるということであります。
 例えば、新しい西洋の野菜、新しい洋野菜を、新品種のものを導入しようとする、それは保険として直ちに、過去の事故実績も何もない、それから確認手段もないというような形で、四割強の生産額についてはこの保険でカバーできないような状態になってきているということだろうと思います。ですから、これまでの制度改善の中にこの単品の作目ごとの保険というシステムで相当詰めてきましたけれども、やはりそこの段階でとどまっているものが今の状況ではないか。更にそれを一歩進めるということでは、この収入保険、いろいろな御議論あろうかと思いますけれども、全てをカバーし得るということが大きなことではなかったかと思っております。
#286
○森ゆうこ君 参考までに伺いたいんですけれども、先ほどの御説明の中で果樹の加入率が一番低いというふうな御説明があったと思うんですけれども、それは理由は何なんでしょうか。
#287
○参考人(高橋博君) 果樹の問題につきましては、私よりも非常に精通されている方おられると思うんですが、先ほど来お話がありました、例えば畑作です。畑作は、畑作共済とナラシの制度というようなお答えが北海道の参考人お二方からありました。お米も同じです。お米の農作の共済、さらにはナラシの制度がある。じゃ、果樹はどうかと申し上げますと、基本、今、果樹共済ございます、自然災害に対応する果樹共済がございますけれども、そのほかの部分で、お米のナラシでありますとかあるいは畑作のナラシ、そういったものに匹敵するというもの、治山対策として改植や何かを行っているというのはあるとは思いますけれども、その部分、なかなか果樹というものには政策的な議論がない。ですから、そういった意味で、果樹共済について単独で共済制度だけで支え切れているのかどうかという議論が一つあろうかと思います。
 それからもう一つは、果樹はお米というくくりに比べても、そもそも品目、それから品種がもう本当に多岐にわたっております。かんきつだけでも、温州だけではなくて指定かんきつとか、そういった形で今果樹共済がつくられているわけでございまして、それぞれごとに本当に、じゃ、つくり切れるのかというような議論もあろうかと思っています。
#288
○森ゆうこ君 ありがとうございます。
 この間、八本の法案に、これちょっとこだわりますけれども、この改正案あるいは廃止法案というようなものを議論してきて、もちろん農業競争力強化ということを否定するつもりはないんです、担い手もしっかり育っていただかなきゃいけませんし。でもやっぱり、何かこの間の議論の中で、農業の持つ多面的機能であるとか、産業政策ではなく社会政策、つまり地域の農業が駄目になってしまえばその地域そのものが成り立たなくなるとか、何かその視点が物すごく欠けているというのを本当に痛感してきました。
 昨年、皆さんから御支援いただいた糸魚川、大火に見舞われた地域ですけれども、実は私、去年の春、その糸魚川地域の支援者の方が、オオエサラゲに来いやということで、何だろうと思いながら、前の晩から泊まり込んで、早朝より、地区の農家の方も農家じゃない方も総出で、農業用水路、そしてもうその農村に住宅街がありますから、そこの側溝とか全部、川上からずっと皆さんが地区総出で、オオエサラゲと言うんですけどね、そういうことを地域の中でやっていると。そういう、何というかな、お互いに助け合っていく共済、そして共同という、そういうものがやっぱり非常に重要なんだなというふうに改めて思いました。
 そういう観点から考えますと、収入保険もいいんですけれども、やっぱり再生産可能な、そして多面的機能にも配慮した直接支払制度、そして戸別所得補償制度の復活、充実というのが私は何よりも求められると思うんですけれども、その点に関して中原参考人と山川参考人のお考えを是非お願いいたします。
#289
○委員長(渡辺猛之君) では、中原参考人からお願いいたします。
#290
○参考人(中原浩一君) ありがとうございます。まさにそのとおりだと私も思っています。
 今回、農業経営のセーフティーネットとして収入保険を導入するんだということに対しては私は反対ではないし、この内容が、私が先ほど言ったようなことも含めて、改正、内容を変えていっていただけるということであれば、この保険もやはり一つの収入という、収入というか、所得という意味では一つのやっぱり一助になるのかなというふうに思っています。
 ただ、根本的なことを言うと、今、森先生が言われたように、昔なんか価格は市場で、所得は政策でというようなお話がありましたけれども、やはり米も今、国が生産調整をしないといった中で先ほど言ったように心配な部分もあります。
 例えば、畑作だったら経営所得安定対策の支払、それから酪農だったら補給金制度だとか、肉関係だったらマルキンだとか、品目に限定されますけど、野菜価格安定対策だったら、市場のここまで下がったときには発動になりますよという、国と地方と生産者が一対一の積立てをしながらやっている、これは互助の精神の中で助け合っているという、この今言った加入の保険も私はそうだと思うんですよ。それがイコール所得補償につながるかといったら、私はつながらないと思っています。
 ただ、これは、今の議論としては、収入保険の内容をどうするかということに対しては、私、先ほど言ったようなことですけれども、根本、そもそも的に、岩盤政策がきちっと成り立っていなかったら農家の所得の確保というのはできないので、米が上がったときは要らないけれども、やはりその時々の状況だとか、先ほど言った災害なんかで下がったときは、それをきちっと補える所得補償制度的なものをきちっとやっぱり確立していただきたいというのは私たちの願いだというふうに思っています。
#291
○委員長(渡辺猛之君) では次に、山川参考人、お願いします。
#292
○参考人(山川秀正君) 私も中原委員同様、森先生の御指摘のとおりだというふうに率直に思っています。
 今回の七法案、既に成立してしまった。さっき種子法の話もありましたけれども、現行の、何といいますか、種子法のどこが悪くて新しい種子法を作ったのかと。誰に門戸を開くのかというところが、私は率直に言って非常に大きな疑問を持っています。昔から種を制する者は世界を制すると言っていますから、そういった点ではやっぱり非常に大きな危惧を抱いているというのが率直なところです。
 確かに、いろんな、例えば経営所得安定対策で菜種という品種が新たに対象になりました。だけど、それで、私自身も実は菜種作って、七年、八年作っているんです、交付金がなかったときから作っているんですけれども、その菜種が今非常に大変な目に遭っています。経営所得安定対策で支援の対象になったから、作りたい農家はたくさんいる。北海道でいえば、小麦の病気の関係だとか芋の病気の関係だとか、そういう対応として菜種を導入したいと考えている方がたくさんいる。だから、生産は伸びています。全国的に見ても面積が伸びているのは北海道だけでないかなと思っていますけれども、その菜種を、実は国産菜種の消費が進まないから来年はちょっと作るのを遠慮してくれという搾油業者が出てきています。菜種の自給率は一%行っていないんですよ。統計数字見ると〇・〇何ぼなんですよ。その菜種、せっかく経営所得安定対策に国の制度として乗っけたのに、実際には来年は作付けできないんじゃないかと心配しているんですけれども。
 まさしく、何といいますか、一品ごとの経営安定対策なんというのは、そういった点ではやっぱり総合的な支援にはなっていない。大豆でさえ、せっかく一万一千六百六十円という去年までの支援が、経営安定所得対策の数量支払の支援があったのが、今年から三年間は九千四十円ですよ。二千六百二十円も下がる。二三%も下がる。大豆の自給率何ぼあるのというような世界ですよね。
 だから、そういうふうに考えたときには、やっぱり本当に国内で取れるものは国内で取ろうやと。そのために、国は生産も支援するけれども消費も支援しようと、そういう総合的なやっぱり食料政策、農政においては、当然、だから経営所得安定対策でなくて戸別所得補償と、これを組み合わせて所得補償もやるということが私は必要だと思いますし、そういった点では、森先生の地元、新潟の米山知事が県の予算を使って試験をやると、所得補償の試験をやるんだという、まさしくそういう取組を今度地方からも発信して、やっぱり国に広げていくという取組を是非やっていけたらいいなというふうに思っています。
 以上です。
#293
○森ゆうこ君 ありがとうございました。
 本当に、農林水産省がやることは農家を本当に全面的に応援することだということで、今朝、小川委員の方から御指摘があったんですけど、ここはずっと仲よし委員会だったんだというふうなお話があって、あれ、私が来たから駄目になったのかなとちょっと思ったりしたんですけれども、やっぱり本当に、食料安全保障、そして社会政策として、皆さんが安心して生産し、そして地域をつくっていけるというふうに、まあ収入保険の方はちょっと改善点あるような気もいたしますけれども、改めて頑張っていきたいと思います。
 今日は本当にありがとうございました。
#294
○委員長(渡辺猛之君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。
 本日は、長時間にわたり御出席をいただき、また、貴重な御意見を賜ることができました。委員会を代表いたしまして心より厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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