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2017/04/18 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 法務委員会 第7号
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2017/04/18 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 法務委員会 第7号

#1
第193回国会 法務委員会 第7号
平成二十九年四月十八日(火曜日)
   午前十時三分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十三日
    辞任         補欠選任
     中泉 松司君     森屋  宏君
 四月十四日
    辞任         補欠選任
     森屋  宏君     中泉 松司君
     田村 智子君     仁比 聡平君
 四月十八日
    辞任         補欠選任
     仁比 聡平君     山添  拓君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         秋野 公造君
    理 事
                西田 昌司君
                山下 雄平君
                真山 勇一君
               佐々木さやか君
    委 員
                猪口 邦子君
                中泉 松司君
                古川 俊治君
                牧野たかお君
                丸山 和也君
                元榮太一郎君
                柳本 卓治君
                有田 芳生君
                小川 敏夫君
                山添  拓君
                東   徹君
                糸数 慶子君
                山口 和之君
   国務大臣
       法務大臣     金田 勝年君
   副大臣
       法務副大臣    盛山 正仁君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  井野 俊郎君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局総務局長   中村  愼君
       最高裁判所事務
       総局人事局長   堀田 眞哉君
       最高裁判所事務
       総局経理局長   笠井 之彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        青木勢津子君
   政府参考人
       法務大臣官房司
       法法制部長    小山 太士君
       法務省矯正局長  富山  聡君
       法務省保護局長  畝本 直美君
       文部科学大臣官
       房審議官     浅田 和伸君
   参考人
       弁護士      野口 景子君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○裁判所法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(秋野公造君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに田村智子君が委員を辞任され、その補欠として山添拓君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(秋野公造君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 裁判所法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務大臣官房司法法制部長小山太士君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(秋野公造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(秋野公造君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 裁判所法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として弁護士野口景子君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(秋野公造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(秋野公造君) 裁判所法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○元榮太一郎君 おはようございます。自由民主党の元榮太一郎です。
 本日は、裁判所法の一部を改正する法律案に関して質問させていただきます。金田大臣、盛山副大臣、井野政務官始め最高裁並びに政府参考人の皆様、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 まず、今回の裁判所法の改正について、改正の柱であります修習給付金制度の導入に至った理由と背景事情をお聞かせいただきたいと思います。
#9
○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。
 本法案は、平成二十九年度以降に採用予定の司法修習生に対して修習給付金を支給する制度を創設すること等を内容とするものでございます。
 その理由等でございますが、近年、法曹志望者が大幅に減少しておりまして、新たな時代に対応した質の高い法曹を多数輩出していくためにも、法曹志望者の確保が喫緊の課題となっているところでございます。一昨年六月の法曹養成制度改革推進会議決定におきまして司法修習生に対する経済的支援の在り方を検討するとされましたほか、昨年六月の骨太の方針におきましても法曹人材確保の充実強化を推進することがうたわれたところでございます。
 こうしたことを受けまして、法曹人材確保の充実強化の推進等を図るため、修習給付金制度を創設することとしたものでございます。
#10
○元榮太一郎君 ありがとうございます。
 質の高い法曹の確保というところで、経済面から強力に後押しする今回の修習給付金制度、すばらしい大いなる前進だと考えておりまして、私がずっとテーマとしております司法の強化につながるものだと、政府並びに最高裁の皆様方の御尽力に心から敬意を表したいと思います。
 その一方で、今回予定されている支給額については、以前の給費制と比べると低くなっています。給費制の場合ですと、平成二十三年四月当時で、月額二十万四千二百円のほか、各種手当も支給されていました。今回では、修習給付金のうち、基本給付金が十三万五千円、住居給付金が三万五千円となると、このように聞いております。
 この基本給付金と住居給付金の金額の根拠は何でしょうか。また、以前に見合う金額を支給することはできないのでしょうか。御意見を伺います。
#11
○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。
 修習給付金の額でございますが、これは最終的には最高裁判所の規則で定められることになりますけれども、この根拠でございますが、その制度設計の過程で、法曹人材確保の充実強化の推進等を図るという制度の導入理由をまず踏まえまして、修習中に要する生活費や学資金等、司法修習生の生活実態その他の諸般の事情を総合考慮するなどして、基本給付金として今議員から御指摘ございました月額十三・五万円、住居給付金として月額三・五万円、そのほかに移転給付金を支給する制度設計としたものでございます。
 それから、給費制下の支給額との比較についてのお尋ねがございました。
 今回の修習給付金制度は貸与制、お金を貸し付ける制度と併存するものでございますが、平成二十三年十一月に修習を開始いたしました新第六十五期の司法修習生から貸与制に移行した、これが貸与制への移行時期でございますが、この理由は、司法制度全体に関して合理的な財政負担を図る必要があることや、公務に従事しない者に給与を支給することが異例である、こういった事情を考慮したものでございまして、このような当時貸与制に移行しました前提は現在でも失われていないものと理解しているところでございます。
 今回創設する修習給付金制度はこうした前提をも踏まえて決定されたものでございまして、基本給付金等により不足する場合には今申しましたように引き続き貸与も受けられるものとしているところでございまして、修習給付金の額と給費制下の支給額を単純に比較することはなかなかできないところがあると承知しております。
 以上でございます。
#12
○元榮太一郎君 今回、新たな修習給付金制度は導入されて、なお貸与制も併存させるということになっておりますが、この貸与制を併存させることとした理由というところを改めて伺いたいということと、その制度というのは給付金制度開始後も基本的に現行制度と同じということでよろしいんでしょうか。改めてお願いします。
#13
○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。
 御指摘のとおり、本改正法案におきましては、修習に専念できる環境を確保する観点から修習給付金制度を創設するとともに、貸与制については貸与額を見直した上で併存させることとしております。すなわち、新制度の導入後は、司法修習生には修習給付金が支給されるほか、その申請により無利息で修習専念資金の貸与が可能となってございます。この修習専念資金の性格でございますが、これは司法修習生がその修習に専念することを確保するための資金でございまして、修習給付金の支給を受けてもなお必要な資金というものでございます。
 この新たな、変わった後の貸与制の詳細でございますが、今後、最高裁判所規則によってこれも定めることとされておりますが、貸与額は見直しますが、貸与金の返済開始時期などを含め、基本的に現行の貸与制と同様の仕組みを維持することを予定をしております。
 以上でございます。
#14
○元榮太一郎君 ありがとうございます。
 法案によりますと、今年の十一月に修習を開始する七十一期生から修習給付金を給付する予定とされています。そうしますと、貸与制に移行した後の新六十五期から七十期までの貸与制の利用者は、今八千百六十一人いるということなんですが、この給付の対象外とされてしまって、まさに谷間の世代というふうに言えるかと思います。
 今回の質問に先立ちまして、私は、この谷間世代の修習生に関して、若手の弁護士五人から話を聞きました。彼らは貸与金も入れて漏れなく借金をしておりまして、三百万、三百万、四百万、七百万、七百万という形で、多額の借金をして実務家としてスタートしています。
 そして、更に気になりましたので、もう一つ、私の地元の千葉で修習をしている六十八期の弁護士にも聞いたんですが、彼は高校時代から奨学金を借りていて、苦学してロースクールで弁護士になったわけですが、何と現時点で総額一千百万円を超える借金があるということです。奨学金の返済はもう既にスタートしていまして、月々四・五万円です。そして、四年後からはこの貸与金の返済が開始するわけですが、更に三・五万円の月額の支払が加わる予定となっておりまして、金銭的負担というのは相当大きなものになってくるということです。
 いろいろな業界でいろいろ御苦労されている方いらっしゃる中ではあるんですが、この谷間の世代とも言える新六十五期から七十期の修習生に対する救済措置は何か御検討されていらっしゃるんでしょうか。
#15
○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。
 今委員からも御指摘ございました、修習給付金制度の創設に伴いまして、現行の貸与制下の司法修習生、これは新第六十五期から第七十期でございますが、これらに対しても何らかの救済措置を講ずべきとの御意見があることは当局としても承知をしております。
 ただ、修習給付金制度の趣旨でございますが、これは先ほど来申し上げましたとおり、法曹志望者が大幅に減少している中で、昨年六月の骨太の方針で言及されました法曹人材確保の充実強化の推進等を図る点にございます。この趣旨からいたしますと、修習給付金につきましては、今後、新たに司法修習生として採用される者を対象とすれば足りまして、現行貸与制下の司法修習生をも対象とする必要性には欠けるのではないかと考えているところでございます。
 加えまして、技術的な問題でございますが、仮に何らかの措置を実施するといたしましても、この現行貸与制下において貸与を受けていない者もございまして、こういう者の取扱いをどうするかといった制度設計上の困難な問題がございます。
 それから、そもそも既に修習を終えている者に対しまして事後的な救済措置を実施することにつき国民的理解が得られないのではないかとも考えられているところでございます。
 したがいまして、法務当局といたしましては、この修習給付金制度の導入に伴い現行貸与制下の司法修習生に対する救済措置を設けることは予定していないところでございます。
 以上でございます。
#16
○元榮太一郎君 例えば、貸与制の下で修習を行った新六十五期―七十期の修習生に対して、基本給付金に相当する部分を返済を免除するといったことも考えられるのではないかなというふうに思っております。
 例えば、基本給付金相当額、月十三・五万円、十三か月分支給されるということで合計百七十五・五万円になります。これを十年間で年払いで十回返していくということになるわけですが、毎年十七・五五万円、つまり十七万五千五百円という返済をするわけですね。この基本給付金の相当部分に対する、十七万五千五百円を控除した残額を弁済していくという形も考えられるんじゃないかなというふうに思うんですが、この場合の予算規模というものはどのくらいになるのか、御教示いただきたいと思います。
#17
○最高裁判所長官代理者(笠井之彦君) お答え申し上げます。
 新六十五期から七十期までの司法修習生のうち、貸与金を借り受けた修習生は約八千人となります。したがいまして、借り受けた修習生に対して月額十三万五千円を免除するとした場合の総額はおよそ百四十三億円余りということになります。
#18
○元榮太一郎君 ありがとうございます。
 今回の法改正の趣旨も、質の高い法曹人材の確保の強化拡充ということになりますが、やはり一番近い先輩世代であるこの新六十五期から七十期の、その先輩世代もまた輝いていることもまた新しい法曹志望者を引き付けるその引力の一つになるかと思っております。そういう意味もありまして、この谷間の世代についてもどうか忘れずに何か救済措置というものを御検討いただきたいなというふうに要望をいたします。
 そして、今回の法改正の趣旨であります魅力ある法曹人材確保、拡充強化、この観点では、経済面以外についてもいろいろと観点があるんじゃないかなと思いまして、質問をさせていただきます。
 まず、法曹人材確保のためには、弁護士の就職難というこの問題の解消も必要かと思います。弁護士になると就職難だぞと言われて、多くの人たちが法曹を目指す、そういうようなことは余り考えられないかと思います。新聞報道等でも、就職が決まっていない司法修習生は何人だと毎年のように報道されているわけです。私としては、司法修習中における就職活動を許される範囲で充実できるようにすることが、この解消の一つにつながるんじゃないかなと思っています。
 その一つが、修習中に欠席できる日数ということになります。修習を欠席できる日数が比較的少ないことによって、就職活動が時間的に制約されているという話も若手弁護士からは聞いています。一年のうち十か月ぐらいを実務修習ということで、場合によっては地方、多くの修習生が地方で修習します。そんな中でも、大都市で修習をしたい、こういうような修習生も多いわけですが、修習中に欠席できる日数が五日間というのが原則ということになると聞いております。
 例えば、労働者の場合ですけれども、労働基準法で、六か月間勤務をしてそのうち八割を出勤した場合には十日間の有給休暇が与えられるということになっているわけですが、司法修習生は労働者ではないんですけれども、このような有給休暇の趣旨に照らして、一年の修習期間中、十日程度の欠席の承認を可能とすることはできないのかなというふうなことを思うわけであります。
 皆さんも学生のときに就職活動をした方は想像が付くかと思いますが、一番大事な期間に五日間しか面接を入れられないというのは、これは非常に厳しいことだというのは容易に想像が付くと思います。修習生にとってはこの一年が勝負なわけですから、もっと柔軟な形でこの十日程度の欠席の承認を可能とするように緩和することは御検討いただけないものでしょうか。御意見を伺います。
#19
○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) お答え申し上げます。
 司法修習生が修習を欠席する場合には、事前に承認を受けなければならず、欠席は正当な理由による場合でなければ承認されないということとされているところでございます。
 欠席を承認するかどうかは、個別具体的な事案ごとに欠席の必要性や司法修習に支障を及ぼす程度を考慮いたしまして、司法研修所長又は配属の庁会の長が判断をしているところでございまして、弁護士事務所訪問等のいわゆる就職活動のための欠席につきましては、実務修習中に限り合計五日間まで認めることを一つの目安としているところでございますが、遠方での就職を予定している場合など五日を超える欠席が必要なときは、通じて七日間程度まで認めるなど柔軟な取扱いとしているものと承知しております。
 引き続き、司法修習生の就職活動の実情等を踏まえまして、事案ごとに適切に判断され、運用されるようにしてまいりたいと存じております。
#20
○元榮太一郎君 ありがとうございます。柔軟な御対応を引き続きお願いしたいなと思っております。
 次に、法曹人材確保のためのもう一つのポイントとしては、法曹資格を取得するための期間の最適化、短縮化というものも有益だと思っております。
 現在の仕組みですと、学部、法科大学院、司法修習を含めますと、通常だと大体約九年掛かってきます。医師の場合ですと満六年で研修医として実務に出れるということに対しますと、少し長いのかなというふうに思います。とりわけ女性の場合ですと、法曹資格を取得して実務に出たらもうすぐ出産適齢期になってしまって、一番大事な最初の三年間、実務家として経験を積む期間を途中で出産の方に行きましてという形で、かなり人生設計上も大きな影響を及ぼしているかなと思っております。
 そこで、政府の法曹養成改革推進会議の決定では、平成三十年度までの期間を集中改革期間と位置付けて、時間的負担及び経済的負担の軽減を図ることとされていますが、文科省においてどのような取組を行っているのか、御教示いただければと思います。
#21
○政府参考人(浅田和伸君) 平成二十七年六月の法曹養成制度改革推進会議決定にもあるとおり、法科大学院に要する経済的、時間的負担の軽減は重要な課題と認識しております。経済的負担の軽減については、日本学生支援機構における奨学金事業の充実や、国立大学、私立大学それぞれの授業料減免の充実などを行っています。また、全ての法科大学院で大学独自の給付型奨学金なども設けられております。
 時間的負担の軽減については、公的支援のめり張りある配分などを通じて、優秀な学生が学部に三年間在学した後、早期卒業や飛び入学を利用して法科大学院に進学する仕組みの活用を促しております。さらに、現在、中央教育審議会法科大学院等特別委員会においても、このような観点から法科大学院と法学部等との一層の連携強化について検討しているところです。
 文部科学省としては、法科大学院教育の充実を図りつつ、今後とも法科大学院に要する経済的、時間的負担の軽減などを通じて、法科大学院志願者の確保に最大限努力してまいります。
#22
○元榮太一郎君 ありがとうございます。
 御答弁いただきましたように、政府の取組においては、学部の早期卒業並びに飛び入学という形で短期化を促進される手段を御検討されているかと思います。
 私としては、さらに、可能な限り法曹資格の取得のための時間を短期化することもできるかなと思っておりまして、それがお手元の配付資料のイメージであります。
 一番上の現在の法曹養成制度ですが、司法試験の受験は法科大学院を卒業した後になります。そしてまた、司法試験合格をした後も、実際に司法修習が開始されるまでにも空白期間、ブランクがあるわけです。法科大学院を三月に卒業します。司法修習が開始されるまでの四月から十一月までの約八か月間は、法科大学院も卒業し、そしてまた司法修習生でもないわけですから、奨学金はもちろん、修習給付金も貸与金も支給されない、経済的にも心理的にも非常に厳しい状況に置かれています。ある法科大学院修了者からしますと、この空白の八か月間で携帯を割賦払いで買おうと思ったら与信が通らなかったと、そんな悲しい話も聞いております。
 他方で、先ほども出ました医師のシステムでありますが、医学部生は学部卒業見込みで在学中に医師の国家試験を受けることができており、三月に医学部を卒業するとそのまますぐ実務家として、研修医としてスタートすることができるわけです。私は、この法曹養成課程においても在学中に司法試験を受験できるように工夫できないかというふうに思います。
 一つは、法科大学院の修了者だけが受験資格を持っていると、この点が今の現行法であると思いますが、また、司法試験の論文試験の採点のところで、少数精鋭の先生方で採点しているというところで、夏休みを活用して採点をしているという、そういう実情があって今の空白の八か月間を生む要因になっているかと思うんですが、ここは全力で創意工夫を凝らせば何か解消できる余地があるんじゃないかなと私は思うわけです。
 やはり、二十代の若いときを法曹資格取得するまでの間に費やしてしまうよりかは、なるべく最適な期間で取得できる環境をつくることが司法の強化にもつながるし、魅力ある法曹養成制度になっていくかと思いますので、私は在学中の司法試験の受験というものをもう一度真剣に考えてもいいんじゃないかなというふうに思っております。(発言する者あり)はい、ありがとうございます。
 その法曹の魅力度アップにつながると思うこの観点で御意見を伺いたく思います。
#23
○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。
 今御指摘ございました法科大学院修了から司法試験受験までの空白期間に関するお尋ねでございます。
 御承知とは思いますが、司法試験の受験資格は、司法試験法によりまして法科大学院の課程を修了した者及び司法試験予備試験に合格した者が現状でございます。それに基づきまして、こういう要は修了しないと司法試験が受けられない制度が現状でございます。
 また、だとしますと、これを改めるといたしますとこの受験資格を見直さなければいけないわけでございまして、ただ、一昨年六月の法曹養成制度改革推進会議決定においては、ここまでの御指摘はございませんでしたが、委員御指摘の法曹資格取得までの期間短縮に関しましてはこの推進会議決定にも述べられておりますし、昨年の骨太の方針におきまして、法科大学院に要する時間的負担の縮減の必要性が指摘されたところでございます。
 委員の御指摘、重く受け止めさせていただきまして、文部科学省の取組や検討に必要な協力を行ってまいりたいと考えております。
#24
○元榮太一郎君 大変心強い御答弁をありがとうございます。
 私は、この八か月間の短縮でかなり司法試験を目指そう、法曹を目指そうという方の心強い時間的な短縮効果があるかと思いますので、是非御検討いただきたいなと思います。
 そして、もう一つ、今回の裁判所法改正について導入されますのが懲戒制度の拡充ということになります。そちらについても一問伺いたいなと思います。
 修習給付金と併せて懲戒に関する規定の整備も実施されますが、その中で戒告の制度があります。弁護士会でも、弁護士業界でもこの戒告の制度が同様にあるわけですが、これは公表されることもありまして、そしてまた、戒告を受けると弁護士として長年活動するに当たってかなり悪い方向に影響が働くものですから、改善効果もありますし、なるべくそういう行為を行わないようにしようという抑止効果もあるわけであります。
 一方で、司法修習生の任期というのは一年ということになりますが、この修習期間が一年にすぎない、もうすぐに終了してしまう修習生に対してこの戒告の指導効果は期待できるのか、あわせて、この戒告の公表というものは予定されているのか、御教示いただきたいと思います。
#25
○政府参考人(小山太士君) まず、制度面につきまして法務当局からお答え申し上げます。
 今般の修習給付金制度の創設に伴いまして、司法修習につきましては、一層確実な履行を担保することが求められると考えております。
 こうした観点から考えますと、司法修習生の懲戒的措置につきましては、現在、罷免以外の措置は認められておりません。罷免することが適当とは言い難い非行があった場合には、懲戒的措置を科すことができませんで、司法研修所長らが注意や指導をするにとどまっていたというところでございまして、実効的かつ柔軟に規律確保を行うための方策を講じることが相当と考えられたところでございます。そこで、委員から御指摘がございました、この罷免に加えまして、修習の停止と戒告の処分を新たに設けるものとしたものでございます。
 このうち、その戒告についてのお尋ねでございますが、これは、司法修習生の責任を確認し、将来を戒める処分でございます。この戒告の処分により司法修習生としての身分に不利益が生ずるものではございませんけれども、約一年間という限られた司法修習期間中に法曹にふさわしい品位と能力を備えるという司法修習の目的に鑑みますれば、司法修習の規律確保をより適切に行うという観点から十分な意味があるものと考えて制度設計したところでございます。
#26
○元榮太一郎君 ありがとうございます。
 最後になりますが、やはり司法の強化、それが国力の増強にもつながり、社会の安定にもつながるという観点で、そこを担う法曹人材の育成、そして質の高い法曹の実現というのは、不断の努力で、先ほどのブランク、空白の八か月間の短縮の有無も含めまして、是非とも不断の努力で御検討いただきたいと思っているわけですが、最後に法務大臣からその御決意を伺いたく思います。
#27
○国務大臣(金田勝年君) 元榮委員の御質問にお答えをいたします。
 法曹志望者の大幅な減少というのが深刻な事態であるという認識を持っております。多くの有為な人材が法曹を志望する、そして質の高い法曹が活躍する、そうした状況になることが非常に重要であると、こういうふうに私も考えている次第であります。
 一昨年の法曹養成制度改革推進会議決定におきましては、法曹志望者数の回復に向けた取組として、法曹有資格者の活動領域の拡大、法科大学院の改革、司法試験の在り方の検討といった取組を進めることとされたところでありました。
 我々法務省としましても、文部科学省と連携をして、他の関係機関や団体の協力も得ながら、法曹養成制度改革推進連絡協議会といった機関を通じまして、法曹人材確保に向けてしっかりと取組をなお進めていきたいと、このように改めて考えている次第であります。
#28
○元榮太一郎君 大臣の力強い御答弁、ありがとうございます。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
#29
○有田芳生君 民進党・新緑風会の有田芳生です。
 今大臣が最後に所見を述べられたその方向で進んでいくべきだというふうに私も考えております。何よりも、社会の重要なインフラとしての法曹人材の養成、充実というのは、これから喫緊の課題であろうというふうに思います。
 まず、繰り返しになるかも分かりませんが、今回の裁判所法改正案についての、大臣、この法案の立法目的というのはそもそもどういうことなのか、もう一度お話しいただけますか。
#30
○国務大臣(金田勝年君) 有田委員の御質問にお答えをいたします。
 この度の本法案は、平成二十九年度以降に採用予定の司法修習生に対しまして修習給付金を支給する制度を創設することといった点を内容とするものでございます。
 法曹志望者が大幅に減少している、そして新たな時代に対応した質の高い法曹を多数輩出をしていかなければならないという意味におきましても、法曹志望者の確保というものは喫緊の課題である、このように考えておる次第であります。
 こういう中におきまして、平成二十七年六月の法曹養成制度改革推進会議の決定におきまして司法修習生に対する経済的支援の在り方について検討すると、このようにされたほか、昨年六月の骨太の方針においても法曹人材確保の充実強化を推進することがうたわれたものと承知をいたしております。
 これを受けまして、法曹人材確保の充実強化の推進等を図るために修習給付金制度を創設することとしたものであります。
#31
○有田芳生君 貸与制から給付制になることは私たちも賛成なんですが、今回の裁判所法の一部を改正する法律案の概要、その一番最初、立法の目的のところにこう書かれております。「法曹人材確保の充実・強化の推進等を図るため、司法修習生に対し、修習給付金を支給する制度の創設等を行う必要がある。」。
 これ、このまま素直に読みますと、給付金を支給する制度を創設すれば法曹人材確保の充実強化が図られるとしか読めないわけですけれども、大臣は、貸与制を給付制にしたらば法曹志願者は増えるとお考えですか。
#32
○政府参考人(小山太士君) ちょっと事務当局の方からお答えをさせていただきたいと思います。
 この点でございますが、昨年九月に文部科学省と共同で実施した法学部生に対する法曹志望に関するアンケートというのがございますので、その御紹介をさせていただきたいと考えております。
 現在、法曹を志望、選択肢の一つとして考えている学生が抱えている不安といたしまして、貸与制の下で給与の支給を受けられないということが、司法試験に合格できるか自分の能力に自信がない、要は試験に受からないかもしれないという不安、それから他の進路にも魅力を感じているというような考え方、あるいは大学卒業後法科大学院修了までの経済的な負担が大きいなどに次ぎまして上位に挙げられているという、こういうデータがございます。そういうことがございますので、この修習給付金制度が創設されますと、こういうような法曹志望者等の不安要因の一つを一定程度解消することができ、法曹志望者の増加の一助になるものと考えております。
 もとより委員の御指摘もっともでございまして、法曹志望者確保がこれで完全に実現するというような性質のものではないだろうと考えております。この修習給付金制度の創設ばかりでなく、先ほど来申し上げております法曹養成制度の推進会議決定、こちらに掲げられました法曹有資格者の活動領域の拡大、法科大学院改革、司法試験の在り方の検討等の課題に引き続き取り組む必要があるものと考えているところでございます。
#33
○有田芳生君 だったら、立法の目的をもう少し、今おっしゃったように正確に述べられるべきじゃないですか。
 大臣にお聞きをしたんですけれども、今説明いただいたことは、正しいようで事実がちょっと、あるいはかなり違うんじゃないでしょうか。
 確かに修習給付金が必要だという声は法学部学生のアンケートにはありますけれども、確かに上位だということは言えるでしょうけれども、上位の五位ですよね。それ以上に問題だとされているのは、一番多いのは、司法試験に合格できるか自分の能力に自信がない、これが五〇・七%。二番目に、大学卒業後法科大学院修了までの経済的な負担が大きい、これが三三・六%、二位。三番目に、これまだ給付金、給付制ではないんですね。自分に法曹等としての適性があるか分からない、これが三位。四位は、他の進路にも魅力を感じている、の次に、司法修習の一年間、貸与制の下で給与の支給を受けられない、これ二七・一%、三割弱ですよ。
 だから、これが立法の目的の最大のテーマであるというようになれば、これは実態とは離れているんじゃないですか。
#34
○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。
 重ねてのお答えとなるかもしれませんけれども、委員御指摘のとおり、法曹志望者確保がこの修習給付金制度ができればそれでたちまち特効薬によって一気に増えるという関係にはないだろうと思います。
 ただ、先ほど来申しましたように、委員からも御指摘のありましたように、法曹志望者等の不安要因の一つがこういう経済的負担、もちろん法科大学院における経済的負担というのも挙げられておりますけれども、最終的には、一年間司法修習をしまして、その間は無給であるというと、無給といいますか、経済的にですね、お金は借りられるけれども支給される部分がないというところがあるということは事実でございまして、この法曹志望者確保のための一助にはなる、こういうふうに考えているところでございます。
#35
○有田芳生君 だから、これから質問していきますけれども、やはり抜本的な措置をとっていかないと、この法曹志願者の増加というのは図れないという問題関心から更にお聞きをしていきます。
 まず、法科大学院入学者が減少しておりますけれども、その具体的な数字というものを教えてください。
#36
○政府参考人(浅田和伸君) 法科大学院の入学者数については、ピークであった平成十八年度には五千七百八十四人でありましたが、平成二十八年度は千八百五十七人となっており、率にすると、十八年度と比較すると約六八%の減少となっております。
#37
○有田芳生君 つまり、約三割になっているということですよね。
 じゃ、さらに、司法試験の出願者がどのような傾向をたどっているかを教えていただけますか。
#38
○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。
 新司法試験、これは平成十八年から行われている新司法試験の出願者ということでお答えをさせていただきたいと思います。
 この出願者数でございますが、平成二十三年が一万一千八百九十一人であり、これが最多でございました。以降、減少を続けておりまして、平成二十九年は六千七百十六人でございます。これは、平成二十三年時に比べまして五千百七十五人の減少ということでございます。
 以上でございます。
#39
○有田芳生君 そういう減少傾向にあることを克服しなければいけないんですけれども、そうすれば、法曹志願者が減っている理由というのは、まあ複合的なものがあるでしょうけれども、どのように現実を見て、これから対策取られようとしているんでしょうか。まず、理由についてお示しください。
#40
○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。
 法曹志望者数、これを法科大学院の入学志望者数という観点で見ますと、ピークの平成十六年が七万二千八百人、平成二十八年が八千二百七十四人に減少するなど、大幅に減少していると理解をしております。
 こうした法曹志望者数の減少でございますが、一昨年の法曹養成制度改革推進会議決定におきまして、法科大学院全体としての司法試験合格率や、弁護士を含む法曹有資格者の活動の場の広がりなどが、制度創設当初に期待されていた状況と異なるものとなっているといった事情が指摘されているところでございます。また、昨年の、先ほど御紹介申し上げました法学部生に対するアンケートにおきまして、経済的負担、これは法科大学院司法修習における経済的負担等も掲げられているところでございます。
 法務省といたしましては、委員も御指摘ございました法曹志望者の減少が一つの理由ではないと考えておりまして、こうした複数の要因が影響しているものと考えているところでございます。
#41
○有田芳生君 今の答弁の中で、制度の初めと異なっているという趣旨の発言がありましたけれども、制度の初めはどういうものであり、そしてそれと異なっているという現実はどういう内容なんでしょうか。
#42
○政府参考人(小山太士君) 当初の制度設計のとき、これは司法制度改革審議会意見が当初ございまして、これは平成十三年と理解しておりますけれども、その後に司法制度改革推進計画という閣議決定が平成十四年になされました。
 その当時でございますけれども、その法科大学院、これにつきまして最終的には司法試験の合格者を三千人を目標とするというようなことがうたわれまして、法科大学院としても、そういうところに七、八割程度だったと、ちょっと済みません、正確な今資料ございませんけれども、そこに合格させていくという、そういう理解の下で制度設計が前提としましてなされていた。もちろん、実際そこには留保がございまして、実際の司法試験の合格者数、こういうものは実際の司法試験の受験の結果によって決定されるべきものという留保もなされていたところと理解しております。
 以上でございます。
#43
○有田芳生君 平成二十四年の裁判所法改正のときに、附帯決議でこのように書かれております。「質の高い法曹を養成するための法曹養成制度全体についての検討を加えた結果を一年以内に取りまとめ、政府においては、講ずべき措置の内容及び時期を直ちに明示することとする。」。これは平成二十四年なんですが、もう何年も前の話ですが、一年たって講ずべき措置の内容及び時期を直ちに明示することはなされましたか。
#44
○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。
 今御指摘のありました附帯決議でございますね。こういうような御指摘があったことはもちろん承知しておりますし、最終的には、一昨年の法曹養成制度改革推進会議決定におきまして、いろいろな施策について、法科大学院の抜本的な制度の見直し等、あるいは各種の取組についてうたわれたところでございまして、こういうものが示されていると理解しております。
#45
○有田芳生君 いろいろな改革が示されたというのは、どういう改革が示されたんですか。
#46
○政府参考人(小山太士君) これは、法務当局としてお答えすべきか、文部科学省当局からお答えすべきものかもしれませんけれども、法科大学院の抜本的見直し等がうたわれているという、そういうところでございます。
 以上でございます。
#47
○有田芳生君 それじゃ、文科省にお聞きしましょう。
 法科大学院、そもそもどういう目的でつくられたんでしょうか。
#48
○政府参考人(浅田和伸君) プロセスとしての法曹養成を通じて質の高い法曹人材を養成するということであったと思います。
#49
○有田芳生君 いや、その質の高い法曹養成はできているんですか。
#50
○政府参考人(浅田和伸君) 法科大学院につきましては、これまで法学既修者コースの修了者については累積で約七割の者が司法試験に合格しており、法廷実務を始め民間企業や公務部門といった様々な分野に修了者を送り出すなど一定の成果を上げてきた一方で、法科大学院全体の司法試験合格率は、先ほどのお話にもございましたが、制度創設当初に期待された状況と異なっているという課題が指摘されております。
 したがって、文科省としては、平成三十年度までを法科大学院集中改革期間と位置付けて、公的支援見直し強化・加算プログラムなどを通じた法科大学院の組織見直しの促進や、教育の質の向上、経済的負担、時間的負担の軽減などに取り組んでいるところでございます。また、中央教育審議会の法科大学院等特別委員会でも、法学部と法科大学院の連携強化の方策や法学未修者に対する教育の充実などについての審議を開始しております。
 文科省としては、法科大学院教育の充実を図りつつ、こうした施策を推進していきたいと思っております。
#51
○有田芳生君 もう一度伺います。司法試験の合格率、予備試験合格者と法科大学院修了者との比率というのはどうなっていますか。
#52
○政府参考人(小山太士君) お答えを申し上げます。
 合格率についてのお尋ねでございますね。この法科大学院の修了者と予備試験の合格者によります司法試験の合格率ということでお答えすればよろしいかと思いますが、平成二十八年の司法試験でいいますと、法科大学院の方でございますが、こちらは受験者数が六千五百十七人で合格者数が千三百四十八人でございます。ということで、合格率が二〇・六八%。予備試験の方でございますが、予備試験の受験資格で司法試験を受けた者、これが三百八十二人おりまして、合格者数が二百三十五人、合格率が六一・五二%。全体で見ますと、受験者数六千八百九十九人、合格者数千五百八十三人、合格率二二・九五%でございます。
 以上でございます。
#53
○有田芳生君 つまり、予備試験合格者は六割、法科大学院修了者は二割、これが司法試験の合格率の現実ですよね。そこに法科大学院のどういう問題が現れていると分析されていますか。
#54
○政府参考人(浅田和伸君) お答え申し上げます。
 先ほども申し上げましたけれども、中央教育審議会の法科大学院等特別委員会でも、例えば法学未修者に対する教育の充実、あるいは法学部と法科大学院との連携強化の方策、こういったことについて問題意識を持って審議を進めているところでございます。
#55
○有田芳生君 問題意識を持っていただくのは結構なんですが、やはり抜本的な改革を早急に進めていかなければいけない局面にはもう入っているというふうに思うんですよね。
 そこで、もう一つお聞きをします。司法試験法第五条というのはどういう法律でしょうか。
#56
○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。
 司法試験法第五条、これは司法試験予備試験についての規定でございます。「司法試験予備試験は、司法試験を受けようとする者が前条第一項第一号に掲げる者」、これは法科大学院の修了者でございますが、これと「同等の学識及びその応用能力並びに法律に関する実務の基礎的素養を有するかどうかを判定することを目的とし、短答式及び論文式による筆記並びに口述の方法により行う。」というのがこの第五条第一項でございます。
#57
○有田芳生君 今示されたとおり、司法試験法第五条というのは、「司法試験予備試験は、司法試験を受けようとする者が前条第一項第一号に掲げる者と同等の学識及びその応用能力並びに法律に関する実務の基礎的素養を有するかどうかを判定することを目的とし、」というふうにありますけれども、この「前条第一項第一号に掲げる者」というのは法科大学院を修了した者、これ間違いありませんね。
#58
○政府参考人(小山太士君) さようでございます。
#59
○有田芳生君 そうすると、さっきの合格率を見ても、やはり大きな差が出ている現状を見ますと、この第五条で示されている予備試験、それから法科大学院を修了した者、これが同等の学識及びその応用能力並びに法律に関する実務の基礎的素養を有していないんじゃないですか。五条と現実というのは乖離しているんじゃないでしょうか。どのように分析されていますか。
#60
○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。
 重ねてでございますが、司法試験法第五条は、予備試験は司法試験を受けようとする者が法科大学院修了者と同等の学識及びその応用能力並びに法律に関する実務の基礎的素養を有するかどうかを判定することを目的とすると定めているところでございますので、委員がおっしゃいますように、一般的に申し上げますれば、予備試験の合格者については法科大学院修了者と同等の学識等を有すると、こういう判断がなされるべきものと考えております。
 もっとも、また御指摘ございました法科大学院修了者の司法試験合格率につきましては、予備試験の組と相当な合格率の開差がございますけれども、これは重ねてのお答えになるかもしれませんが、この問題につきましては、一昨年の法曹養成制度改革推進会議決定におきまして、法科大学院全体としての司法試験合格率が先ほど来申し上げております制度創設当初に期待されていた状況と異なっているとの指摘がなされたわけでございまして、こういう司法試験予備試験合格者の司法試験合格率が法科大学院修了者の司法試験合格率を上回っている点というのは、やはりこのような法科大学院の状況が一因になっているものとも考えられているところでございます。
 文部科学省からも御答弁ございました法科大学院の集中改革期間というのがございまして、法科大学院の修了者のうち相当程度が司法試験に合格できるよう充実した教育が行われることを目指すということもやはりこの推進会議決定に記載されているところでございます。また、予備試験制度の在り方につきましても、法務省におきまして、この集中改革の進捗状況に合わせまして必要な制度的措置を検討するとされているところでございます。
 ということでございますので、法務省といたしましては、まずはこれらの施策、特に法科大学院改革の実施状況を見守る必要があると考えているところでございます。
 以上でございます。
#61
○有田芳生君 見守る段階から早く改革を進める段階にあるということをお伝えしたいんですけれども。
 私たちは、平成二十六年の十一月ですけれども、民主党時代に法曹養成制度改革に関する緊急提言というものを出しました。項目からいくと、予備試験改革が必要であるということ、それから法科大学院における教員資格の見直し、さらには、先ほどからるる述べられておりますように法科大学院改革、さらには司法試験合格者数を削減すること、司法修習の改革、修習終了時期の変更、そして、今日テーマになっております経済的困窮状態にある修習生の支援等の検討、そういうことをこれまで緊急提言をしてきたわけですけれども、やはり多くの課題がある中での今回の修習給付金を支給する制度の創設、これは一つだと思うんですよね。
 私たちは早急に制度改革をしなければいけないということで、衆議院のこの法案の議論の中で修正を求めました。本法施行後も法曹志願者が増加しなければ司法試験受験資格を見直すというような趣旨でありました。残念ながら与党との協議調わなかったので今後の課題になっておりますけれども、今後やはり司法改革というのは緊急の課題だ、与野党で一致できる課題だというふうに思いますので、これは衆議院も参議院もそうですけれども、やはり共通認識に基づいて、与野党協議の場を設けて、期限を区切って具体的な方策、そして結論を早く出すべきだというふうに私たちは考えております。それは今後、与党の皆さんとも衆議院も含めて話し合っていく課題だというふうに思いますけれども。
 大臣、繰り返しになるかも分かりませんけれども、最後に、この修習給付金を支給する制度の創設だけではなく、緊急に改革しなければならない課題が多いということを理解していただいたと思いますが、今後の改革への決意というものを最後にお示しいただきたいというふうに思います。
#62
○国務大臣(金田勝年君) ただいまの有田委員の質疑をお聞きしておりまして、私も非常にその分析を踏まえて感じることが多かったわけであります。やっぱり現在のこの課題の中で多くの視点があるということをおっしゃられたわけですけれども、この修習給付金もその課題解決の一助とはなるという私どもの部長の説明もございましたが、たくさんの課題を踏まえて質疑を行われている、そのことに対しましては、私もなるほどなという思いを持ってお聞きしていたのは事実であります。
 私ども法務省の取組としましては、これまでも申し上げましたが、一昨年六月の法曹養成制度改革推進会議決定におきまして、法曹志望者数を回復させたい、そしてまた、質の高い法曹を多数輩出していきたい、こういうことのために法曹有資格者の活動領域を拡大していきたい、それから法科大学院の改革をしたい、そして司法試験の在り方の検討もしたい、こういった取組を進めるということが推進会議の決定で行われているわけでありますから、これにしっかりと取り組んでいくということが大事だというふうに考えております。
 法務省としては、文部科学省、今日、審議官がおいでになっていますが、文部科学省と連携をして、他の関係機関、団体の協力も得て、そして有為な法曹人材確保に向けてしっかりと取組をしていきたい、こういう思いを改めて強くさせていただいた次第であります。
 以上であります。
#63
○有田芳生君 終わります。
#64
○真山勇一君 民進党・新緑風会の真山勇一です。どうぞよろしくお願いします。
 質疑に入る前に、一点ちょっと申し上げたいことがあります。
 組織犯罪処罰法改正案、いわゆる共謀罪ですけれども、この法案の審議が、先日、四月の六日、衆議院本会議で趣旨説明がありました。そして、四月の十四日から法務委員会で審議が始まっています。
 私、国会のルール、基本的なルールですね、これをちょっともう一回考えてみると、やっぱり法案というものは国会に提出された順番に審議をしていくということが基本ルールであるというふうに、この国会の場で働いている我々は、私たちはそう認識をしているというふうに思うんです。
 今回の、そういうことから見ますと、いわゆる共謀罪の審議がちょっとそのルールから外れているんじゃないかなという、そういう思いは今しております。というのは、もう皆さん御存じのように、性犯罪、この厳罰を盛り込んだ法案、刑法改正案、これが出ているわけですね。これは三月、先月の七日に閣議決定されて国会に提出されていると。一方、共謀罪の方ですけれども、この三月の七日よりも二週間遅れの三月の二十一日に閣議決定で国会提出というふうになっています。二週間遅れています。
 やっぱり二週間も先に出している法案、この法案だってすごく大事な法案だと思うんです。被害者の方たちから本当にたくさんの声いただいています。一刻も早くやっぱり性犯罪というものをなくすため、被害者を救済するために成立させてほしいという声が届いてきています。
 当然、先に出されたんだから先に審議が始まるのか、いわゆる国会の用語で言うと先入れ先出しと、この原則を大事にしていかなくちゃいけないと思っていたんですが、現実は、このように刑法改正は後回し、順番に並んでいたところに割り込まれた、共謀罪が割り込まれたみたいな形で入ってきてしまっています。やっぱりおかしいというふうに感じています。
 刑法の改正からやっぱりやっていくべきだなという思いがありますので、これは答弁は求めておりませんので、私の思いを皆さんにも是非これ分かって、共有していただきたいというふうに思います。(発言する者あり)はい、ありがとうございます。
 それでは、今日の審議であります裁判所法一部改正案に入りたいというふうに思います。
 今回の改正というのは、司法修習生に対する給費制が貸与制になって、また、今度は給費制でなくて給付制という新しい制度といいますが、実態としては復活したのかなという、そういうふうな、私、修習生とか法律の方じゃなくて外から見ているとこれは復活したのかなという、そういう感じを持っております。この問題、もういろいろ論点も大分出てきたので重複するところがあったとしたらお許しをいただきたいと思いますが、改めて私の方からもいろいろ伺っていきたいというふうに思っています。
 まず、堅い話なので、ちょっとこんなのを久しぶりに引っ張り出してみました。お手元の資料を見ていただきたいと思います。十三歳のハローワーク公式サイトと書いてありますけれども、これは中高生、もう少し大きい人ですね、中高生が将来どういう仕事になりたいかなという、仕事の人気、職業の人気ランキングという言葉をしてるんですが、将来どんな仕事に就きたいのかなというふうに中高生が思うのかという一つの目安になると思うんです。
 ずっとこれ、かなり長いこと調査しているので、常に上位にあるというものは大体いつも決まっているんですね。プロスポーツの選手ですとか、それからお医者さんというのは高いですね、九位にお医者さんというのは出ていますね。それから、やはり女性の憧れという職業でいうと保育士さんとか看護師さん、今待遇が大変問題になっているけれどもやっぱりなりたいなという、そういう希望は上位に入っている。それから、二十一位には警察官というのもありますね。小学校の教師もその下にあります。話題のパン職人なんというのもここに出てきていますね。
 じゃ、法曹の三つの仕事、裁判官、検察官、弁護士、どうなのか見てください。四十五位、弁護士さんいますね。右側、ずっと五十位から百位まで見ますと、もう出ていません。つまり、弁護士さんという職業が四十五位にあるけれども、裁判官、検察官、これは出てきていません。かなりいろんな職業が出ているんだからそういう選択があってもいいと思うんですが、やっぱり出ていないという。
 弁護士はテレビのドラマでもよく、かなり格好いいドラマになって出てくるんでそういう存在があるんでしょうけど、裁判官、検察官というのは、弁護士さんが活躍する裁判の場面で、法廷が出てきて何か座っているだけというような、そういう印象もあるのかなという気がして、そういうことからのやはり印象度もあるんじゃないかなというふうに思っています。
 二枚目見てください。ちょっとしつこいようですけど、もう一つ、これは今度は中高生じゃなくて小学生なんですね。特に男子と女子に分かれている、男子児童と女子児童に分かれているのでちょっとそれを見ていただきたいんですが、ちょっと小さい子供たちになると、結構出てくるんですね。
 上の男子の方を見てください。一番左側の真ん中辺に弁護士さんというのが出ていますね。黄色いちょっと印が付いているのでお分かりになると思います。それから、検察官、検事、出てきています。それから、裁判官というのも、低いけれども一番右側の少し上のところに出てきています。小学生ぐらいの頃はやっぱりなりたいなという気持ちというのはあるんじゃないかと思うんですが、大きくなると、やっぱり現実的に仕事とするには就職が厳しいとか、それから今言われている、借金しないとなれないよと言われているせいもあるのかもしれませんね。女子を見てみますと、やっぱり弁護士さんというのは二番目の欄の上の方に出ています。それから、検察官、裁判官というのも、低いですけれども右側の方に出てきている。
 だから、小さい頃はやっぱり憧れあるんじゃないかと思うんですよ。だから、こういう子供の夢を、途中で無残にもやっぱりあの仕事辞めようかなとなるよりは、こういうふうに小さいときに持っていた夢、これを実現させてあげるようなやっぱり私たちの社会じゃなくちゃいけないんですけれども、法務大臣、これ、こういう子供たちのこの辺の希望、なりたいなという仕事を見てどんなふうな感想を持たれますでしょうか。
#65
○国務大臣(金田勝年君) ただいま拝見をし、かつ説明をいただいて真山委員の御質問にお答えするわけですが、御指摘のとおり、子供たちが希望する職業の中で法曹関係者の人気が下落ぎみであるという、こういう、下落しているようであるということにつきましては、もしそういうことであるならば非常に残念なことだなと、こういうふうに感じる次第であります。
#66
○真山勇一君 残念なのはいいと思うんですね。だから、残念だなという気持ちで止めないで、やっぱり何とかこれをしていこうというのが今回のこの給付金の復活ではないかというふうに思うんですね。ただ、これまでの委員の皆さんからも出たように、これだけやったからそれじゃ回復しますかというやっぱりまだ今疑問も残っている。それは申し上げたいというふうに思っております。
 今日、私が取り上げたいのは、特にその中で、せっかく給付制度というのができたので、いわゆる谷間の世代、話も出てきていましたけれども、谷間の世代についてやっぱりこれこのままにしていていいんだろうかという、そういう思いが私はしております。
 そこで、まずお伺いしたいのは、司法修習制度が存在する理由というもの、これ義務化されているというふうに言ってもいいわけですよね。これが、この課程を経なければその資格が与えられないわけですから、この修習制度。それで、戦前からもあったと思うんですが、戦後にこうした制度ができたというふうに伺っているんですが、これ、理由をまず伺いたい。それから、義務化されている、それを受けることが義務化されているような形になっていますが、この辺の理由を説明していただきたいと思います。
#67
○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。
 まず、司法修習制度の意義についてのお尋ねがございました。
 司法修習は、司法試験に合格した者を対象に法曹としての実務に必要な能力を身に付けさせることを目的とするものでございまして、現行法につきましては、委員御指摘がございました、裁判官、検察官、弁護士になろうとする者を一元的に同時に養成する統一修習制度が採用されております。これは、法曹三者であります裁判官、検察官、弁護士は、それぞれが司法の担い手でございまして、職業としての法曹は一体であるべきであって、ひとしく高度の一般的教養と法律的素養を身に付けるべきであることからして重要な意義があるものと考えております。そして、司法修習は、実際の事件を通じまして法律実務家からの指導を受けつつ、法曹として必要な能力を体験的に修得するものでございまして、裁判官、検察官、弁護士、いずれになろうとする者についても不可欠なものでございます。
 それから、委員、義務があるというところ、御指摘ございました。これは修習専念義務についてお答えをしたいと思いますけれども、司法修習生は、この修習をする期間、修習に専念しなければいけないのが義務化されております。これを修習専念義務と申しますが、これは、司法修習が司法制度の担い手たる法曹の養成に必須の課程でございまして、一年間という限られた期間内に高度で専門的な内容を身に付けなければならないことなどに鑑みまして、修習生はこの期間中修習に専念すべきものとされたところでございます。
 以上でございます。
#68
○真山勇一君 今おっしゃったように、義務ということよりも不可欠なものであって、専念義務があるということですよね、一年間ね。そうすると、その間やっぱり修習生は拘束されることになるわけですよね。その一方で、収入を得ることができない、仕事、働いてはいけないというか、働く場合は許可を、承認を取らなければいけないというようなこと。
 それから、先ほど何日間か休めないかという話も出ましたけれども、働く場合も承認取らなければ働けないということがあると、やはりその間専念義務で拘束されてしまうわけなんですから、収入がやっぱりないというのはかなり厳しいと思うんですけれども、そこの辺りはどういうふうに考えておられますか。
#69
○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。
 御指摘のとおりでございまして、修習専念義務、これを担保できるような制度が必要だというところでございます。それが元は給費制でございまして、これまで、今現行の制度は貸与制でございます。それから、今般御審議をいただいております、さらに法曹志望者の減少等の状況に鑑みました裁判所法の改正法案、要は修習給付金の支給する制度でございます。
 以上でございます。
#70
○真山勇一君 さっきも出た質問だと思うんですが、もう一回ちょっと伺いたいんですけれども、二〇一一年に司法修習制度が、給費制、そこまでは給費制だったわけですけれども、それが貸与制に移行した。じゃ、その移行した理由、もう一回聞かせてください。
#71
○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。
 給費制から貸与制への移行でございますが、これは平成十六年の裁判所法改正によるものでございまして、貸与制に実際に移行しましたのは、平成二十三年十一月に修習を開始した新第六十五期の司法修習生からの実施でございます。
 その理由でございますが、まず第一に、司法修習生の増加に実効的に対応する必要があったということでございます。当初、司法試験合格者三千人を目標とするというような目標もあったところでございました。それから第二に、司法制度改革の諸施策を進める上で、限りある財政資金をより効率的に活用いたしまして、司法制度全体に関して国民の理解が得られる合理的な財政負担を図る必要があった、これが第二点。それから三点目でございますが、公務員ではなく公務にも従事しない者に国が給与を支給するのは現行法上異例の制度である。こういうことを考慮すれば、給費制を維持することについて国民の理解を得ることは困難であったことを理由とするものでございます。
 以上でございます。
#72
○真山勇一君 法曹界の人材を増やしたいという、その増やしてしまうということによって、当然給費制ですから財源が必要になる、財政が必要になるわけですね、財源が。だからその財政的な負担ができるというのも分かります。
 それから、修習を終えて公務に就くのでない、弁護士さんというのは公務ではないわけですね、確かにね、だから、そういうのに就く人たちに出すということが国民の理解を得られないということなわけですけれども、そういうことにもかかわらず、でも、一年間という期間ですが拘束されてしまう。じゃ、理解得られないんだったらここを何とか修習生の便宜を図ろうというふうなのが普通の考え方ではないかと思うんですね。
 ちょっと単純には比較できませんけど、先ほどの元榮委員の質問にも出ましたけれども、お医者さんの場合って医師国家試験を通ればもう資格取れますよね。ところが、この司法試験というのは通っても資格取れないわけですね。さらに、この一年間の修習終えて、どういうんですか、これ、最終試験というものを受けなければそこで資格が取れないということがあって、つまり、その間拘束されてしまうということになれば、その間何らかのやはり修習生の手当てというのをしてあげなくてはいけない。だから、それが貸与制だというふうにおっしゃるんでしょうけれども、それは金銭的に将来負債として残ってしまう、借金だから、やっぱりそれは負担になるわけですね。
 ですから、この辺り、むしろ逆に言ったら、拘束しないようにする、つまりお医者さんみたいに、司法試験受かったら実際に司法の勉強をするために、それじゃ、司法インターンというのがいいのかどうか分かりませんが、そういうあれで、つまり実際に働きながら勉強して、もう一回、じゃ、最終試験を受けるというような方法もあると思うんですよね。そういう辺りというのは、今回の過程で話というのは、論議の対象というのにはならなかったんでしょうか。
#73
○政府参考人(小山太士君) 委員御指摘ございました、いろいろな考え方があるわけでございます。ですから、委員が御指摘ございました、逆に、公務員でないと給料が払えないのだから公務員化した方がいいというような御意見、そういうようなものがあったというのも承知しております。ただ、司法修習につきましては、重ねて申し上げますけれども、そこで、そこの身分というものをどういうふうに整理するかにつきましては公務ではないという整理でこれまで来、来たところでございまして、そこのところは今回そこまで改めずに、現状の司法修習生の身分を維持した上で経済的支援を行う、こういう制度として整理したものでございます。
 以上でございます。
#74
○真山勇一君 でも、取り残されてしまう世代が出てくるということがあるわけですね。公務員に従事する、しないという問題もあると思うんですけれども、やはり法曹界に優秀な人材、質の高い人材を求める、そして品位もあり能力もある人材を求めるということであれば、やっぱり今回の給付制の復活というのはもうこれは当然私は必要なことだと思いますし、そうなったら、この間抜けた、いわゆる谷間の世代という人たちをどうするかということもやはりこれは考えてあげなければならない。つまり、やはり拘束されて、彼らも同じような形で修習をやっているわけですから、やっぱりそれは何らかの配慮があってしかるべきというふうに私は思うんですね。
 この谷間と呼ばれる世代のちょっと話で、六十五期から七十期までというふうに言われておりますけど、この修習生、どのぐらいいて、その修習費用、実際の貸与の状況というのはどんなふうになっているか、聞かせてください。
#75
○最高裁判所長官代理者(笠井之彦君) お答え申し上げます。
 御指摘の修習生の関係でございますけれども、修習生約一万一千人余り、六十五期から七十期まででございますけれども、修習生約一万一千人余りのうち貸与金を借り受けました修習生の数は約八千人でございます。それぞれの修習生の貸与金の額、これは貸与を希望した期間にもよりますし、貸与金の額も、基本額未満の貸与を希望する場合の月額十八万円から、扶養家族を有し更に住居を借り受けて加算を希望する場合の月額二十八万円まで、修習生により様々でございます。
 いずれにいたしましても、修習期間中の十三か月間借入れが可能ということになっておりまして、基本額は月額二十三万円という状況でございます。
#76
○真山勇一君 借りていない人も、今のお話ですと一万一千人のうち八千人が貸与制を利用されているということですから、三千人は借りていない、この三千人は借りていない、借りなくても、それは個人の理由なので分からないと思いますが、現実的にこの人数は借りていないということですか。確認でございます。
#77
○最高裁判所長官代理者(笠井之彦君) 委員御指摘のとおりでございます。
#78
○真山勇一君 やはり修習生の中にも事情はいろいろあると思うので、もちろん借りなくてもやれるという方も、あるいは我慢して借りないという、歯を食いしばってやっている人もいるのかもしれませんけれども、八千人ということで。
 大体、例えば修習生の実態ということで、このいわゆる谷間の世代、こうした人たちが一体どのぐらい借金があるのかということとか、それから、五年据置きで六年目からですか、返済始めて、十年間で返すということなんですが、繰上げもあるというふうに伺っていますけれども、大体どのぐらいの返済額というふうなことをつかんでおられますか。
#79
○最高裁判所長官代理者(笠井之彦君) お答え申し上げます。
 先ほど御説明させていただきましたとおり、修習生の貸与金の額、これは修習生によって様々ではございますが、修習期間中の十三か月間、基本額である月額二十三万円を借りた場合、貸与総額は二百九十九万円となります。これを十年の年賦で返還することになりますので、年ごとの返済額は約三十万円ということになります。
#80
○真山勇一君 あくまでも、きっと上も下もあるんでしょうけど、平均的に言うと今伺ったようなことになるというふうに思いますね。
 そうすると、就任、弁護士さんになって五年目、まだあれですよね、民間の会社でいえば新人社員ですよね。やっと少しずつ一人前の社員になったかなという辺りであると思うんですけれども、ただ、弁護士さんというのは、伺ってみると、実際には、収入というのは総売上げですけれども、そこからいろんな必要経費を引いたり、それから弁護士会という組織もあって、そうしたところへお金も払わなくちゃいけないとかという、結構お金の掛かることがある。
 この三十万円は、どうなんでしょうね、やっぱり年間で三十万円返す、まあ住宅ローンなんかでもこれよりも返す場合もあるし、これ、更に住宅ローンなんか抱えているとまた返す額もあるんでしょうけれども、この三十万円返さなくちゃいけないということは、やっぱり修習生にとってどのぐらいに負担になるのかなという感じを例えば大臣はお持ちですか。
#81
○国務大臣(金田勝年君) 現行の貸与制下において修習資金の貸与を受けた弁護士にとりまして、貸与金の返済義務の負担が軽いか重いかというふうな点につきましては、やはり個々の弁護士の経済状況等によって様々であろうと、このように考えられます。したがいまして、一概にお答えすることは困難ではないのかなと、こういうふうに感じる次第であります。
#82
○真山勇一君 確かにそうだというふうに思います。
 法務省からいただいた資料をちょっとまた見ていただきたいんですけれども、私の資料の三枚目です。円グラフが書いてあります。円グラフと下の数字というのは同じものです。リンクをしております。具体的なパーセンテージを下へ書いてあるということなんですが、大学と法科大学院在学中で貸与型のお金を借りて、その残っている借金、抱えている借金がどのぐらいかという。
 これ、私も今回のこの問題で弁護士さんにいろいろお話伺っても、やっぱりそれこそ千差万別ですね。弁護士さんによっては、さっきお話も出たように、全く借りなくてもやった人ももちろんいますし、それから、三百万かな、四百万かなという方もおりますし、中には話を聞くと一千万以上の方もいるって聞くんですよと。実態がなかなかよく分からないので、法務省にお願いしたらこういう資料が出てきて、在学中でこれだけの借金抱えているということが分かりました。
 円グラフだとちょっと見にくいので、下の方がはっきり分かりますよね。調査で一番多いのはやっぱり二百万から三百万未満というのが一六・五%、四百万までが八・七%ということで、金額の多い、借金の多い人は少なくはなっていますが、これで見ると、五百万から一千万超というかなりの金額を抱えている、つまり毎年三十万円じゃ済まないというような金額の人が一〇%ほどいるわけですね。やっぱりこの辺が大変だと思うんです。
 これだけの借金を抱えながら社会生活を始めるということで、やっぱり不公平が残ってしまうという感じはもしかするとこの当事者の方たちは持っているでしょうし、私もここは確かに不公平といえば不公平だし、解決できるのならしてほしいというふうに思うんですけれども、この辺り、救済する措置というのを、これも何回も多分委員会で聞かれたと思うんですが、措置というのは考えられないんでしょうか。考えたことはありますでしょうか。
#83
○国務大臣(金田勝年君) 真山委員の御質問にお答えしますが、修習給付金制度の創設に伴いまして、現行の貸与制下の司法修習生に対しても何らかの救済措置を講ずべきという、そういう観点からの御質問だと思いますが、そういう御意見があることはもちろん承知をいたしております。
 修習給付金制度の趣旨は、法曹志望者が大幅に減少している中で、昨年六月の骨太の方針で言及されました法曹人材確保の充実強化の推進等を図るという点にあるわけであります。この趣旨からしますと、修習給付金について今後新たに司法修習生として採用される方を対象とすれば足りると、このように考えられまして、現行貸与制下の司法修習生をも対象とする必要性には欠けるのではないかと、このように考えられるわけであります。
 加えて、仮に何らかの措置を実施するにいたしましても、現行貸与制下において貸与を受けていない方々との取扱いをどうするかといった制度設計上の困難な問題があると考えられますのと、そもそも既に修習を終えている方に対して事後的な救済措置を実施することについて国民的な理解が得られるかどうかという観点からの問題もあるのかなと、こういうふうに考えておりまして、修習給付金制度の導入に伴いまして、現行貸与制下の司法修習生に対します救済措置を設けることは予定をいたしておりません。
 以上であります。
#84
○真山勇一君 考えておりませんと、ちょっと残念な答弁なんですけれども。
 やっぱり今おっしゃったように制度設計だと思うんですよね。物すごい単純な考え方をすれば、給費制、そのまま続けていれば全然問題なかったのに、財政とかそういう理由で突然こういうこと、制度を変えてしまった。で、減ったから今度は慌てて、じゃ、ちょっとその当時の半額だけれども復活しよう、復活じゃなくて新設だと。復活ですよ、これはね。
 こういうふうにやってみて、制度が変わって、これ一番、何というんですかね、法曹界に優秀な人材を集めようと思ったら、やっぱりこんなことをやってたら僕は駄目だと思うんですよ。せっかく夢持って、法曹界へ進もう、裁判官になろう、検事になろう、弁護士になろう、そういう人たちが、だってこんな簡単に変えられちゃうんじゃ、やっぱり困惑するし、混乱すると思うんですよね。まさにそういうことを学生に負わせておいて、それで、あのはざまにいる一万人余りの人をもうそのまま、しようがないみたいなことはちょっと、私はむしろこれも国民的な理解得られない一つになると思うんですね。
 せっかく、改めることはいいことで、これは制度を改めた。だから、こういういい、こういう制度をスタートして、少しでもやっぱり改善、改革につながっている。だから、逆に言ったら、ちょっときつい言い方になるかもしれませんけど、こんな一万人余りを残すみたいな、汚点を残さないようなやっぱり制度設計というのをしていくべきじゃないか。それが、司法改革にとって今大事なのは、先ほども有田委員からの方の質問が出た法科大学院だってどうするか、これ問題、本当に多いと思うんですよ。給付制度が復活したからといってそうなるかどうかは非常に私は疑問に思いますけれども、やはり一つのスタートであるので、是非いろんなことを含めて考えていただきたいと思います。
 済みません、ありがとうございました。
#85
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。
 今回、この法律の改正で修習給付金制度というものが新しく創設されることになります。今日の議論の中でも何度も出てきてはおりますけれども、まず、こうした新たな制度を創設するに至った背景、またこの制度の趣旨について改めて伺いたいと思います。
#86
○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。
 本法案は、平成二十九年度以降に採用予定の司法修習生に対して修習給付金を支給する制度を創設すること等を内容とするものでございます。
 近年、法科大学院の志望者数が平成十六年当時が七万二千八百人であったのが平成二十八年には八千二百七十四人に減少するなど、法曹志望者が大幅に減少しておりまして、新たな時代に対応した質の高い法曹を多数輩出していくためにも法曹志望者の確保は喫緊の課題となっております。
 一昨年六月の法曹養成制度改革推進会議決定におきまして、司法修習生に対する経済的支援の在り方を検討するとされましたほか、昨年六月の骨太の方針におきましても、法曹人材確保の充実強化を推進することがうたわれたところでございます。これを受けまして、法曹人材確保の充実強化の推進等を図るため修習給付金制度を創設することとしたものでございます。
 以上でございます。
#87
○佐々木さやか君 今紹介をしていただきましたけれども、法科大学院という制度、始まったのは平成十六年でございました。その当時は志願者数も七万二千八百人もおりました。それが平成二十八年には八千二百七十四人ということで、大幅に減少をしております。その背景には、法科大学院の数自体が減ったりですとか定員も減っているということもございますけれども、やはり志願倍率を見ましても、当初は十三倍であったのが平成二十八年には三倍ということで、法曹を志望する優秀な人材がたくさん出てきていただくという観点からすると、非常に現在の状況というのは問題があるというふうに思っております。
 法科大学院制度というのは、様々なバックグラウンドを持った法曹を養成するということも制度の目指したところの一つでございまして、スタート当初は社会人入学者という方たちも四八・四%、半分近く社会人経験があって法科大学院に入ってくるという方もいらっしゃいましたけれども、現在は一九・五%ということで、これも大幅に減っていると。また、他学部出身者、これも非常に特徴的な法科大学院制度の目指すところでありますけれども、スタート当初は三四・五%あったのが現在では一四・四%ということで、これも残念ながら大幅に減っております。
 私も法科大学院の一期生であるということ、この委員会でもどこかで申し上げたかなと思いますけれども、やはり私は旧試験の勉強も経験をして、法科大学院にも入って、いろいろ法科大学院で非常によかったなと思っておりますけれども、やはり他学部出身、医師である方だったりとか理系を卒業されて入ってきたりとか、いろんな仕事をされて入ってきたいろんな仲間と一緒に、司法試験、旧試験の制度というのは、仲間で集まって議論をして勉強もしますけれども、より多くの、またいろんな経験をしてきた仲間たちと議論をして勉強を深めていくというのは非常に有意義な経験でございました。
 それから、やっぱり実務家教員の先生たちから実務を踏まえた授業を受けることができると。例えば要件事実教育でありますとか、やはり従来の旧試験制度の下での勉強では受験勉強ということに特化をするわけですけれども、法科大学院では、より広い、法曹になった後のこともイメージをしながら、より法律を学ぶことができたなというふうに個人的には思っております。
 そういった意味で、今いろんな、多彩な、優秀な人材が法科大学院を目指して、また法曹を目指すということを進めていくということが重要でありまして、今日も議論の中にあったとおり、やはり時間とともにお金が掛かるということで、一つは、やはりこのアンケートの中にもありましたとおり、修習期間中に三百万円前後の借入れをしなければならないということも実際に負担として感じている学生の皆さんもいるということで、今回のこの新しい給付金の創設というのはそうした問題の解消法の一つになるのではないかと、このように思っております。
 そういう中で、では、給付金制度というのは今回新しい制度だということで確認をしたいんですけれども、従来ありました給費制、これと一見すると同じような気もいたしますけれども、具体的にどういったところが違うのかということを確認をさせていただきたいと思います。
#88
○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。
 給費制下の司法修習生につきましては、平成十六年改正前の裁判所法第六十七条第二項におきまして「国庫から一定額の給与を受ける」とされておりまして、法律上、給与としての支給がされておりました。他方、本法案は、これまで御説明しておりますけれども、平成二十九年度以降に採用予定の司法修習生に対し修習給付金を支給する制度を創設いたしまして、貸与制につきましては、貸与額を見直した上でこれを併存させること等を内容とするものでございます。修習給付金は、給与として支給されるものではないわけでございます。
 それで、修習生に対して支給される金額につきましても、給費制下におきましては、最終的には月額二十万四千二百円の給与に加えまして、給与として付随するものでございまして、通勤手当、期末手当といいました各種諸手当が支給されておりました。これに対しまして本法案で創設される修習給付金は、司法修習生、これ全員に一律に支給されます月額十三万五千円の基本給付金のほか、住居給付金及び移転給付金から構成されるものでございまして、給与であるのに伴うような各種手当、諸手当は支給されないわけでございます。
 ということでございまして、今回の修習給付金制度は、かつての給費制に復活するものではなく、貸与制度と併存する新たな給付金制度を創設するものでございます。
 以上でございます。
#89
○佐々木さやか君 従来の給費制との違いで、具体的に言うと金額のところが違うということが大きいのかもしれませんけれども、通勤手当ですとか期末手当などはないということで、月額の金額も給費制に比べると少し少ないんですかね、ちょっと具体的な金額把握しておりませんが、そういった違いはあるものの、やっぱり相当程度、修習期間中の一年間の経済的な困難を解決をするという意味では非常に意味があるのではないかと思っております。
 しかしながら、今日も各委員の先生方からも問題提起がありましたけれども、冒頭に申し上げた法曹を目指す人材の確保といいますか、優秀な人材に来ていただくという問題を解決をするために、この給付金制度のみではなかなか難しいというところもあるかと思います。ですので、これは一つ大きなことでありますけれども、それとともに、法科大学院改革ですとか、また司法試験の合格率という問題もありますので、そうした司法試験改革、その全体としての法曹養成制度そのものの検討というものもやっていく必要があると思います。
 また、やはり検察官、裁判官もそうですけれども、主に増えるのは弁護士でありますので、弁護士の仕事というものが非常に魅力的であるというふうに思っていただければ自然と志望者も増えていくのかなと、優秀な人材が集まってくださるのかなと思います。この弁護士の仕事が魅力的で、またやりがいがあって社会的意義も大きいものであるということを、私、弁護士の一員でありますので、何というか、国民の皆さんに分かっていただくように取り組んでいくことが必要なのかなというふうにも思っております。
 こういった観点から申し上げると、やはり国の方でも、こうした弁護士、法曹というものが社会的に非常に重要な役割を果たすんだということを、その前提でこの法曹養成制度できているわけですけれども、それを国民にも分かるように説明をしていく、若しくは法曹の必要なところでの活用といいますか、そういったことにも取り組んでいただきたいと思っております。
 私も時々取り上げますけれども、例えばその活動領域の拡大ということで申し上げると、児童虐待とかですね、これは、今後、児童相談所などにも弁護士が配置をされて、弁護士の知見を活用していくという方向が進んでいくことになります。また、法務省として取り組んでいただいていますけれども、司法ソーシャルワークということで、従来やはり弁護士というのは少し敷居が高いというふうに思われておりましたけれども、福祉関係ですとかまた介護関係、そういう地域の皆さんと弁護士がネットワークをつくって必要な法的サービスを行き渡るように取り組んでいく、こういったことも法務省で後押しをしていただいていますけれども、今後とも是非取り組んでいただきたい。
 例えば、児童虐待ですとかDV、ストーカー被害というものについては、総合法律支援法の改正もありまして、今後、法テラスの相談業務としても位置付けられることになりますけれども、やはりそうした従来余り弁護士の方に相談をしにくかった案件について国民の皆様が相談をしていただけるように、そういった国の制度としての後押しも、これはお願いですけれども、申し上げたいと思います。
 この法曹の活用という観点から質問で申し上げたいのは、国の機関における弁護士の在職者数のことでございます。
 これ、いただいた資料を見ますと、平成十八年当時はこの国の機関における弁護士の在職者数というのは全ての省庁を合計しても四十七名でありましたけれども、これが平成二十八年には三百六十四人ということで、拡大をしてきているとは思います。しかしながら、それぞれ省庁によってもばらつきがございますし、もちろん弁護士が活躍しやすい省庁と、またそうしたニーズの問題もあるとは思いますけれども、よりこうした弁護士の知見を国の省庁の方で活用して国民に還元をしていくと、こういった弁護士の在職というものもより拡大の方向で進めていただきたいと思いますけれども、今後の取組等について伺いたいと思います。
#90
○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。
 委員御指摘のとおりでございまして、法曹有資格者がその法的素養を活用いたしまして国の機関、その他地方自治体、企業など社会の様々な分野で活躍することは、法曹という職業がより魅力的なものとなりまして、より多くの有為な人材が法曹を目指すことにもつながるものだと理解しております。このための取組が重要であるという認識に立っているところでございます。
 これまでの取組でございますけれども、一昨年の法曹養成制度改革推進会議決定におきましても、法務省は引き続き、法曹有資格者の専門性の活用の在り方に関する有益な情報が自治体、福祉機関、企業等の間で共有され、各分野における法曹有資格者の活用に向けた動きが定着するよう、関係機関の協力を得て、そのための環境を整備するとされたところでございます。
 これを受けまして、これまでも法務省といたしましては、文部科学省とともに、最高裁判所、日弁連、日本弁護士連合会の参集を得まして、法曹養成制度改革連絡協議会を開催しております。
 その中で、昨年の三月及び十月には、法曹有資格者の活動領域の拡大に向けた取組の状況、これを主たる議題として取り上げました。この課題に関係の深い関係機関、団体、これは内閣官房内閣人事局、人事院、外務省、消費者庁、あるいは知事会、市長会、町村会、あるいは日本経済団体連合会、経済同友会、経営法友会、日本組織内弁護士協会等にも御出席いただきまして、この取組状況、法曹有資格者の活用の取組状況に関する情報の共有、今後の取組に向けた意見交換をしてございます。
 法務省といたしましては、推進会議決定の内容を踏まえまして、社会の様々な分野におきまして法曹有資格者の専門性を活用する流れが加速されるよう、関係機関の協力を得て、引き続き必要な役割をしっかり果たしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
#91
○佐々木さやか君 是非よろしくお願いいたします。
 次に、貸与金の返還のことについてお聞きしたいと思います。
 今日も何度か委員の先生方から質問がございましたけれども、貸与金制度の下で修習をした六十五期から七十期の修習生の皆さんについては、これから貸与金を返還していかなきゃいけないという立場にあるわけでありますけれども、来年七月から、最初にこの貸与を受けた六十五期だと思いますけれども、その返還が始まるということであります。谷間の世代と、今日もありましたけれども、この皆さんに対する、何というか、配慮をどのようにしていくかというのはやはり問題であるとは思っております。
 しかしながら、今日も大臣からありましたとおり、やはりその六十五期から七十期の皆さんの中でも貸与金を借りた人と借りていない人等もいるわけですので、ほかの世代との比較、また、その六十五期から七十期の中での平等みたいなこととかも、いろいろ様々問題がございます。ですので、どうしていくべきかということは引き続き検討していただきたいと思いますけれども、具体的には、貸与金の返還が始まったときに経済的な困難等で返還が難しいというような場合などに配慮をやはりしていただきたいというふうに思っております。
 そこで、まずお聞きしたいと思いますが、この貸与金の返還において、返還猶予など、経済的に困難な場合にはどのように返還猶予等の措置がとられるのか、この現状についてお聞きをしたいと思います。
#92
○最高裁判所長官代理者(笠井之彦君) お答え申し上げます。
 貸与金の返還が経済的に困難な場合につきましては、裁判所法等の規定によりまして、給与所得者につきましては返還期限前一年間の収入金額が三百万円以下、給与所得者以外については期限前一年間の収入金額から必要経費を控除した残額、すなわち所得金額が二百万円以下である場合には一年間、通算して五年まで返還の猶予が認められることになっております。
#93
○佐々木さやか君 今説明していただいたような配慮がなされているということでありました。例えば、自分で弁護士をやっている方なんかは所得金額で二百万円以下ということであります。また、通算で五年という形で限られているということでありまして、それが十分と言えるかどうかというのは、今後の返還が始まった後の弁護士さんたちの業務の状況とか、そういう事情も今後注視していかなければならないなとは思っております。
 一年間で三百万円程度の貸与金、年賦ということですので一年間で約三十万と考えると、それだけで、必ずしも弁護士さんという職業からすると余り大きく感じないかもしれませんけれども、ほかに奨学金があったりとか、事業の上での借入れなんかもする場合もあるでしょうし、様々なそうした状況をできるだけ丁寧に配慮をしていただきたいなというふうに思っております。
 もう一点確認をしたいのが、今説明していただいたのは経済的に困難な場合ということですけれども、前年の、その前の年の所得によって次の年の返還の猶予が決まるということでありますが、例えば前年は比較的所得があったと、しかしながら、今年に入ってから、例えば病気ですとかけがですとか、それから出産、育児ということで育児休業を取ったりとかですね、また介護が必要になる、家族の介護で業務が難しくなるとか、そういった事情が突然に生じたというような場合に、それによって今年の返還が困難になったというようなこともあるかと思うんですが、そういう場合の配慮というのはどのようにされるような制度になっているんでしょうか。
#94
○最高裁判所長官代理者(笠井之彦君) お答え申し上げます。
 ただいま御説明いたしましたとおり、返還期限前一年間の収入金額を基に返還猶予が認められる場合がございますけれども、仮にその期間の収入金額によれば猶予が認められないという場合でございましても、裁判所法六十七条の二第三項の傷病その他やむを得ない理由といたしまして、病気、育児、介護などのために働けなくなって収入が一時的に減り、これにより修習資金を返還することが困難になったと認められる場合には、同様に一年間、通算して五年まで返還猶予が認められることとなっております。
#95
○佐々木さやか君 今御説明いただきましたけれども、その他やむを得ない理由の解釈の問題になってくるかと思います。
 ですから、所得が、先ほど御説明いただいたような三百万円以下、二百万円以下というところまで例えば下がらなかったとしても、介護で非常に出費が増えたとか、病気とかけがなんかで入院、手術、いろんな医療費が掛かって経済的に厳しくなったとか、そういうこともあるでしょうから、先ほども申し上げましたけれども、できるだけそうした事情の事実関係を丁寧に聞いていただいて、できるだけ無理のない返還ができるように配慮をしていただきたいと思います。
 次に、罷免、また停止、戒告という処分についてお聞きしたいと思いますけれども、今回新しく停止、戒告という制度ができますが、その前提としてこれまでの制度についてお聞きしたいと思うんですけれども、これまでは罷免という制度があって、そこまでに至らない場合には指導、注意ということがなされていたということでありますけれども、こうした罷免ですとか指導、注意の対象になった修習生の件数ですとか、あと、可能な範囲でどのような理由でそうした処分の対象になったのか、この点についてお聞きしたいと思います。
#96
○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、最高裁判所は、司法修習生について、品位を辱める行状、修習の態度の著しい不良その他の理由により修習を継続することが不相当であると認めるときは、司法修習生に関する規則十八条一号に基づき罷免することができると現在されているところでございます。
 これまでに同号に基づき罷免された司法修習生は四名でございまして、その内容はそれぞれ、修習終了式における言動、公然わいせつ行為、非弁類似行為、卑わいな言動となっております。
 また、罷免することが適当とまでは言い難い非違行為があった場合につきましては、これも委員御指摘のとおり、司法研修所長又は配属庁会の長らが注意の措置をとるなどをしているところでございます。
 六十五期から六十九期までの過去五期について申し上げますと、司法研修所長又は配属庁会の長により注意の措置を受けた司法修習生は合計六十五人でございます。非違行為の内容は、例えば模擬記録を紛失したといったものや速度超過等の交通違反をしたといった事案がございます。
 以上でございます。
#97
○佐々木さやか君 残念ながらそうした例があるということで、司法修習生という立場で、これから社会正義の実現のために働いていくという、公益のために活動をしていくという側面もあるわけですので、やはり修習期間中にはしっかりと能力とともにそれにふさわしい品位を身に付けていただきたいと思います。
 今回、従来のこうした制度に加えまして停止、戒告という新たな制度を設けるわけですけれども、これをなぜ設けるのかという理由についてお聞きをしたいと思います。
#98
○政府参考人(小山太士君) お答えいたします。
 今般の修習給付金制度の創設に伴い、司法修習につきましては一層確実な履行を担保することが求められると考えられるところでございます。
 こうした観点から考えますと、委員御指摘のとおり、現在、修習生の懲戒的措置について罷免以外の措置が認められず、罷免が適当とまでは言い難い非行があった場合には司法研修所長らが注意や指導をするにとどまっていたわけでございます。
 そこで、実効的かつ柔軟に規律確保を行うための方策を講じることが相当と考えられまして、今回、罷免に加えまして修習の停止及び戒告の処分を設けることとしたところでございます。
 以上でございます。
#99
○佐々木さやか君 時間が迫ってまいりましたので、一問飛ばしまして、最後に大臣にお伺いしたいと思います。
 こうした修習生にしっかりと修習に励んでいただきたいということに加えまして、法曹になった後について、この貸与制をめぐる過去の議論の中で、弁護士になった後に、例えば公益性が高く、私的利益の追求が制限されるような活動を選択した場合に貸与金の猶予や免除を行うというような議論があったりですとか、また、この給付金制度というものが新しく始まる中で、より法曹となった後に公益的な活動に力を入れていただくべきではないかというような意見もあり得るかなというふうにも思います。
 私自身としては、給付金をもらうかもらわないかにかかわらず、やはり法曹というのは社会正義の実現を使命とするものでありますので、それぞれの立場で公益の実現のために努力をすべきだとは思っているんですけれども、今こうした様々な意見がある中で、最後に大臣に伺いたいのが、こうした法曹となった者に対する社会的な貢献活動についての在り方という点について、この給付金制度が始まるに当たり、どのようにお考えになっているのか、最後に御所見を伺いたいと思います。
#100
○国務大臣(金田勝年君) 佐々木委員から御指摘をいただきました点について、私の思いをお答えをさせていただきます。
 司法修習を終えた者が法曹として修習の成果を、社会正義の実現はもちろんですけれども、社会的に還元をしていくということを通じて社会に貢献していくことは非常に重要であると、このように私も考える次第であります。また、修習給付金制度の創設に伴いまして、その重要性というものはより一層高まっていくのではないのかなと、このようにも考えている次第であります。
 昨年の十二月、法務省としては、最高裁判所、そして日本弁護士連合会との間で修習給付金制度の創設に伴う司法修習を終えた者による修習の成果の社会還元を推進するための手当てを行うことを確認をいたしておる次第であります。
 修習の成果の社会還元を推進するための手当てとしては、日本弁護士連合会が新たに定めるモデルプランといったものにおいて、新たな経済的支援を受けて司法修習を終えた弁護士について、一つには経済的、社会的弱者に対する各種の法的な支援、また一つには司法過疎地域への法的サービス等に従事することを推進する方策を講じることが予定されているものと承知をいたしております。
 申し上げるまでもなく、公務に従事することになります裁判官や検察官以外の弁護士の方々についても、そうして御検討をいただいておるわけでございますから、今後も引き続いて司法修習を終えた方々の社会貢献につながる修習成果の社会還元を推進するための手当てにつきまして、日本弁護士連合会の方ともしっかりと協議をしていきたい、このように考える次第であります。
#101
○佐々木さやか君 終わります。ありがとうございました。
#102
○委員長(秋野公造君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#103
○委員長(秋野公造君) ただいまから法務委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、裁判所法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#104
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
 法務委員会では初めて質問をさせていただきます。よろしくお願いします。
 二〇一一年に司法修習生に対する給費制が廃止され貸与制に移行してから六年がたちまして、経済的支援が必要であるということが実態として浮き彫りになる、この下で、この度、修習給付金の制度を創設することになりました。当事者の団体や、あるいは市民団体の連絡会、日弁連など、粘り強い運動があって、そしてここまで様々な議論の末にようやくこぎ着けたということだと思います。皆さんの御努力に本当に心から敬意を表したいと思いますし、また私も、法曹の一人として大きな一歩だと感じています。
 この立法の目的について、法曹志望者の減少を受けて、法曹人材確保の充実強化の推進のために必要だと、こうされています。
 大臣は、法曹志望者が減少する中で、新たな時代に対応した質の高い法曹を多数輩出していくために法曹志望者の確保が必要だ、こう答弁をされています。質の高い法曹を多数輩出する、これ、何のためにこれが大事だということか、特に法曹の公共的な役割についてどのようにお考えか、御見解を伺いたいと思います。
#105
○国務大臣(金田勝年君) 山添委員の御質問にお答えをいたします。
 国民が安心して暮らしていくためには、社会の様々な場面で幅広い法的なサービスを提供することができる法曹の協力や支援を得ることが必要であろうと、このように考えているわけであります。そのような観点から、法曹は国民の社会生活上極めて重要な役割を果たしているものと認識をいたしております。
 したがいまして、そのような社会的な要請に応えるためには、法曹は、高度の専門的な法的知識を有することはもちろんでありますが、幅広い教養と豊かな人間性を基礎に十分な職業倫理というものを身に付けて、社会の様々な分野において厚い層を成して活躍をされることが期待されるのではないかと、このように考えておる次第であります。そのような観点から見て、今後とも質の高い法曹を輩出していく必要があるんだと、このように考えておる次第であります。
#106
○山添拓君 今、社会で重要な役割を発揮する、果たすことが期待される、そのためには厚い層を成すことが必要だ、こういう御答弁がありました。
 裁判官や検察官の方はもちろんですが、弁護士も公共的な役割を担う存在だと考えます。弁護士法一条には、基本的人権の擁護と社会正義の実現、こういう弁護士の使命が記されておりますが、刑事弁護やあるいは被災地の支援、ほとんど手弁当の仕事を行う弁護士もおります。いや、本来どんな事件でも、対価を得て行う事件であっても、どんな依頼者との関係でも、私は、憲法で保障された権利や利益を正しく実現させる、それが弁護士の仕事でもあると思っています。法曹三者というのは、その意味で、立場は違っても市民の権利と自由を守っていく、そのために仕事をする存在です。
 市民のために働く法律家を育てることが民主主義社会の不可欠な要素である、こういう観点が司法修習制度の根幹にもあると考えますけれども、大臣、この点は同様にお考えでしょうか。
#107
○国務大臣(金田勝年君) 委員御指摘のとおりだと考えております。
#108
○山添拓君 法曹三者が期待される公共的な役割に照らせば、法曹養成は国の責任で行うことが求められます。給費制を廃止して、自己責任で修習をしてください、お金がなければ借金をしてください、法曹資格で利益を得るのはあなたなのだから自らの負担で修習するのは当然だと、こういう受益者負担の考えを司法修習に持ち込んだと。これ、持ち込んではならないというのが我が党一貫して訴えてきたことでもあります。
 そこで、今度の法改正について改めて伺います。
 給費制を廃止したことも一つの要因となって法曹資格を得ることの魅力が低下することになった、そして、法曹志望者の減少に拍車を掛けて、結果として対策を要する事態となった、こういう反省の上に今度の法改正を行うのだと、大臣はこの認識に立っておられるでしょうか。
#109
○国務大臣(金田勝年君) ただいまの御指摘に対しましては、給費制から貸与制への移行が法曹志望者の減少に、拍車が掛かるというか、そういうふうな御指摘だとすれば、それは拍車を掛けるという言葉のその意義の取り方にもよろうというふうに思いますし、その観点からのお答えを申し上げることは難しいかなと、こういうふうに思います。
 でも、法曹志望者数の減少については、一昨年の法曹養成制度改革推進会議決定では、法科大学院全体としての司法試験合格率あるいは弁護士を含む法曹有資格者の活動の場の広がりといったものが制度創設当初に期待されていた状況と異なるものとなっているという指摘がされているところであります。
 昨年、また法務省が文部科学省と共同で実施した法学部の学生に対する法曹志望に関するアンケートというのがございます。それにおいては、法曹志望に当たっての不安として、法科大学院や司法修習における経済的な負担等が挙げられているところでもあるわけであります。
 したがって、法務省としては、法曹志望者の減少ということについては、これら複数の原因、こういったような例を含む複数の要因が影響しているのではないかなというふうに考えているわけであります。
 そういう中で、昨年六月には、骨太の方針で言及されておりますが、法曹志望者が大幅に減少している中で、司法修習生に対する経済的な支援を含む法曹人材確保の充実強化といった推進、その課題の推進は喫緊の課題なんだというふうな指摘がございます。
 そういう観点から、そのために今般、修習給付金を支給する制度を創設する本改正法案を提出することにしたということで私は理解をしているところであります。
#110
○山添拓君 複数の要因の一つではあるという前提で今度の法改正される、これは間違いないと思います。法務省として、政府としての反省が迫られた結果だということを認識すべきです。そして、自己責任、受益者負担に委ねてはならない分野で国の責任を後退させたその結果が現状を招いている、こういうことへの真摯な検討が求められています。
 法務省に伺いますが、かつての給費制の下では給費額月額大体二十万から二十一万円の間、加えて地域手当や寒冷地手当があり、通勤手当もありました。貸与制の下では基本額が二十三万円、住居加算や扶養加算を必要とする場合には更に二万五千円ずつ上乗せをすると、こうして申請するものとなっていました。こうした額は修習専念義務が課された下で修習生が生活していくために必要な額である、この前提で定められた金額だと理解してよいでしょうか。端的にお答えください。
#111
○政府参考人(小山太士君) お答えいたします。
 御指摘のありました給費制下では、国から司法修習生に対し、給与、これは新六十四期では月額二十万四千二百円のほか、国家公務員に準じて諸手当が支給されていたところでございますが、これは、議員御指摘ございました、修習専念義務を負う司法修習生が修習期間中の生活の基盤を確保して修習に専念できるようにし、修習の実効性を確保するための方策の一つとして採用されていたものでございます。
 そして、現行貸与制下における国から司法修習生に対する貸与額は、その申請により、今御指摘のございました基本額、月額二十三万円とされているところでございますが、この金額は給費制下の支給水準との連続性も考慮いたしまして、司法修習生が修習期間中の生活の基盤を確保して修習に専念するために必要な内容として定められたものとして理解しております。
 以上でございます。
#112
○山添拓君 資料の一枚目に配付しておりますが、現に新六十五期から七十期までの修習生では、最も少ない年でも七割近くが貸与金を申請しまして、申請者の九割以上が二十三万円若しくはそれ以上の貸与額を申請しています。必要な額だけにこういう手当てがされてきたと。
 では、今度の修習給付金ですが、これ、基本給付金が十三万五千円、住居給付金が三万五千円となっています。この根拠については午前中の質疑の中でも出てまいりましたので、生活資金やあるいは学資金、こうしたものを総合考慮した結果だということでありました。
 これ、伺いたいんですが、その総合考慮した際の考慮要素の一つには、二〇一五年に日弁連が六十八期の修習生を対象に行ったアンケートもあったと承知しています。そこでの結果も考慮要素の一つとしては考慮されたんだ、こういうことでよろしいでしょうか。
#113
○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。
 今御指摘がありましたのは、委員が今日資料として御用意いただいているものだと思います。日本弁護士連合会が司法修習生に対して行ったアンケートの結果、こういうものも参考の資料としては検討の段階で資料としております。
 以上でございます。
#114
○山添拓君 資料の二ページ目を御覧いただければと思います。
 弁護士会が行ったこのアンケートでは、住居費の支出のない人で十三万四千円、支出ありの方では二十万七千円と。住居費の平均は五万七千円ですが、これに加えて水道光熱費や食費、これも自宅外の修習生の方が支出は当然ですが多くなるわけです。
 ところが、今度の修習給付金では最大でも月十七万円となっています。新たな給付金は、現実に修習生が支出しているとされる額を賄えないものになっていると。なぜ十三万五千円で三万五千円なのかと。これ足りないんじゃないかということを率直に伺いたいんですが、いかがでしょう。
#115
○政府参考人(小山太士君) お答えを申し上げます。
 給付金額につきましては、これまでお答えしておりますけれども、最終的には最高裁判所の規則で定められますが、今御指摘のとおり、基本給付金が十三万五千円、住居給付金が三万五千円等としているわけでございます。
 この給付金額についていろいろな御意見はあろうかと思います。ただ、法曹人材確保の充実強化の推進等を図るという制度の導入理由、それから、委員も御指摘ございました修習中に要する生活費や学資金等、こういうアンケートなんかも見まして、そういう生活実態その他を総合考慮するなどして決定したものでございます。
 また、そもそもこの給付金額につきましては、この前提となります新六十五期からの貸与制への移行についての前提条件というのがございまして、これは司法制度全体に関して合理的な財政負担を図る必要がある、それから公務に従事しない者に給与を支給することは異例であること、こういう前提条件をも考慮しております。こういう前提条件は現在も失われていないという立場に立ちまして今回の給付金額を決定している、そういうことでございます。
 以上でございます。
#116
○山添拓君 総合考慮だということなんですが、例えば一番修習生の多いのは東京ですが、三万五千円で家賃を払うというのは、これは無理なことです。総合考慮の結果がこれだということなら、考慮が足りないと言わざるを得ないと考えます。
 貸与制が併存されるわけです。ここで、貸与額は幾らとすることを想定しているでしょうか。
#117
○政府参考人(小山太士君) 貸与金額につきましては最高裁判所規則によって定めることとしておりまして、現在、最高裁判所当局によって検討中でございます。
 現状は二十三万円でございますけれども、これではちょっと多過ぎますので十万円前後、今最高裁当局いらっしゃいませんが十万円前後の額で考えておられるというふうに承知しているところでございます。
 以上でございます。
#118
○山添拓君 これは、修習給付金だけでは足りなくなる修習生がいるという前提で、更に十万円程度の貸与制度を残すということです。
 これまでは、いろんな事情があっても、かつての給費制の下では一律の支給額で足りたわけです。ところが、給付金の上に更に個別の事情に応じて、まあ例えば恐らく家族がいるとか様々な事情が考えられますが、配慮が必要だということで新たに貸与制を金額を変えて残すと。これは給付金の額が修習生活を送る上で十分でないということを前提としたものだと言わざるを得ません。
 大臣に伺いますが、給付金額だけでは生活できない修習生が生じることについてどのような認識でしょうか。以前の給費制に戻したり、あるいはそれに近い水準の給付金とすることの必要性をどのようにお考えでしょうか。
#119
○国務大臣(金田勝年君) この度の改正法案におきましては、法曹人材確保の充実強化の推進を図るために修習給付金を創設するとともに、貸与制については貸与額を見直した上で併存させることにいたしております。
 司法修習生の生活実態も様々であります。一概に申し述べることはできませんが、制度設計といたしましては、司法修習生が修得に専念することを確保しなければならない、そのために今般新たに設けることとした修習給付金の支給を受けてもなお資金が必要な場合には、引き続き貸与を受けることができる仕組みとなっているものと理解をしているところであります。
#120
○山添拓君 法曹志望者の減少を食い止めるために経済的支援が必要だということでスタートしているんですが、しかし、修習生活をこれだけでは送れない者が生じるんだと。この問題を認識されるのであれば、より充実した制度とするように今後も検討を続けるべきだと考えます。
 今日は、参考人として新六十五期で修習をされた野口景子弁護士においでいただきました。ありがとうございます。私は新六十四期でして、野口さんとは一期しか違わないんですが、給費制が廃止された下で修習生活を送り、弁護士として仕事をされています。今度の法改正が実現したとしても、野口さんを含む新六十五期から七十期までの皆さん、救済を受けられないことになっています。ですので、その世代の実情を是非今日は伺いたいと思っています。
 御自身が給費制廃止の下で修習された経験、また、そこで感じられた思いはどのようなものであったでしょうか。
#121
○参考人(野口景子君) 弁護士の野口と申します。本日はこのような場にお招きいただきましてありがとうございます。また、何より、この改正裁判所法、新しい給付制度ができるということで、本当に皆様には感謝申し上げます。私の直接の知り合いではないんですけれども、ロースクール生や学生、今法曹を目指している若者たちが本当に今回の新制度について、まだ法案成立していないんですけれども、それでも本当に喜んでいるというふうに聞いております。
 それで、御質問の点についてお答えをさせていただきたいと思います。
 まず確認をしたいのが、給費制を廃止された後の修習も大変充実したものでありましたし、意義深いものであったと、このことは間違いがないというふうに考えております。しかし、何分、何もお金の給付がない中での修習ですので、借金をするかあるいは少ない貯蓄を取り崩しての生活というふうにならざるを得ません。
 借金をしている人、これはもちろん貸与金借りている人もいるんですが、親族から借りている人もいるわけです。こういう人たちは将来の返済を考えてできるだけ支出を少なくしますし、また、貯蓄を切り詰めたり、あるいは親からの仕送りで生活をしている人については余りぜいたくは言えませんので、例えば、ひどい人になると、アパートの家賃を含めて月額十二、三万円で生活をするということになります。こうなると、当然なんですが、家賃含めてですので、医療費、食費はろくに払えないばかりか、修習に必要な書籍も十分に買えないという人は決して珍しくありませんでした。
 こうした中で私自身も修習をしておりましたので、せっかく修習をさせてもらっている、それだけでも税金が掛かっているのに、本当にこれで充実した修習ができているんだろうかと、何だかもったいないんじゃないかという、そういった問題意識がありました。
 ところが、他方、横を見てみるとということなんですが、私たち新六十五期のほんの数日前まで修習を受けていた、山添議員もそうですけれども六十四期の方、それから、私ども新六十五期と同時期に修習を受けていた現行六十五期と呼ばれる人たちがいます。この方々はロースクールに進学をせずに受験をすることができる司法試験に合格された方々ですが、この方々と全く同じ建物で修習を受けているんですが、向こうは毎月二十万ぐらいもらっていて私たち何ももらっていない。金額がちょっと違いますとかそういうことではなくて、一〇〇かゼロかという世界を見せ付けられていて、何とも言えない、ちょっと大げさかもしれませんが、虚無感のようなものは今でもよく覚えています。
#122
○山添拓君 ありがとうございます。
 そうして給費制が廃止された下で、いろいろやりくりをしながら修習をされた新六十五期から七十期、いわゆる谷間世代ということで今日も議論になっておりますが、その最初の世代が新六十五期です。修習を終えて今は法曹資格を得た同期の皆さんの中で、どういう現状があるでしょうか。若手弁護士が弁護士会の活動やあるいはいろんな集団訴訟だとか様々な講演活動、無報酬あるいは低い報酬での活動に参加するのが難しいといったような話を聞くこともありますが、何か御見解があるでしょうか。
#123
○参考人(野口景子君) 前提としてなんですが、どれだけ経済的状況が厳しい中でも、今御指摘のありました無報酬あるいは非常に収入の少ない事件活動を頑張っている若手弁護士がいる、そういったことは強調したいと思います。
 しかし、やはり全体的に見ると、本人の意欲、やる気にかかわらず、そうした無報酬、低収入の事件活動に参加できる人が減っている、実際減ってしまっているということは間違いがないというふうに思っています。
 例えば、弁護士会の委員会活動、これは例えば女性、子供、障害者など、そういった方々の人権擁護ですとか被災地支援など様々な分野に及びますが、そうした活動、基本的には収入に直結しません。無報酬です。こうした活動に参加したい、そうした活動をすることで法律家のサポートが必要とされている分野に法律的なサポートをやっていきたいというふうに若手が思っていても、経済的な事情からそれがどうしてもできないんだという人は私の知り合いだけでも本当に何人もいます。
 また、これはある地方の県の弁護士会に所属している同期から聞いたことですが、実際にその県の弁護士会では、若手弁護士、特に新六十五期、つまり給費制が廃止された後の若手に関して委員会への参加率が低いと、そういう指摘がされているというふうにも聞いております。
 また、この弁護士会活動というのは、我々の無報酬、低収入の活動のごく一部にすぎません。実際には、これも知り合いの若手弁護士の話なんですが、例えばですが社会福祉士の資格も弁護士資格と併せて持っている、そういった資格を生かして、子供だとか障害者、虐待されている人たちのサポートをしたい、そう考えている。でも、実際には、そうした分野って今なかなかお金にならないんです。
 新しい分野を初めてやるときって、やっぱりどうしてもお金にならなくて、収入になるようになるにはかなりの時間と金銭的な投資が必要なんですね。でも、今の自分には、借金が八百万ある自分にはその元手がないと。そんなことをしている暇があったら借金を返すために今稼がなきゃいけないんじゃないか、そんなふうな葛藤を抱えながら、でも、それでも頑張っているということなんです。そういった若手、決してこの分野に限らず大勢います。
 そして、強調させていただいたとおり、そうした中でも頑張っている若手いるんです。じゃ、そういう人たち、どういう生活しているか。
 これも私が親しくさせていただいている同期の話ですが、夫婦で弁護士をやっています。奨学金と貸与金合わせて借金一千三百万円です。その中ででも委員会活動は当たり前のように、被災地の支援、それから各種の集団訴訟、これもほとんど無報酬で頑張っている。頑張っている代わりに、じゃ、どうするか。ほとんど、平日はもちろん土日も含めて、朝九時、十時から夜九時、十時まで一日ほとんど休みなく十二時間以上働き続けている、夫婦でそんな生活をしていると言っていました。本当に仲よくさせてもらっていますけど、いつ過労死するんだろうと、そんなことをつい考えざるを得ません。やれない人もやっている人も今こういう状況に置かれているということは、是非認識をしていただければと思います。
#124
○山添拓君 そうした様々な活動への参加が言わば制約されるということ以外でも、六十五期の皆さんの中で業務や生活に関わって給費制の廃止の影響が見られると感じられること、ほかにはどうでしょうか。
#125
○参考人(野口景子君) もちろん、通常業務や生活にも大きな影響が出ております。
 特に、私含む新六十五期というのは、今弁護士になってちょうど五年目に入ったところです。五年目に入るとどういうことになるかというと、結構、いわゆるこれまで所属していた法律事務所を飛び出して独立するなんて人増えるんですね。独立するに当たって融資を受けようというふうに考えるというのは決して珍しいことじゃありません。
 これは実際にあった例ですけれども、大体奨学金と貸与金合わせて借金の額が八百万円。金融機関に融資を申し込んだところ、あなたは借金が多過ぎるので、これでは希望の融資額は通りませんと言われたと。でも、独立はしなきゃいけない。仕方ないから、融資の希望額を下げて、それでようやく審査が通りましたと、そういう同期がいます。
 彼、今どうしているかというと、今の悩み聞いてみました。結局、最初の開業資金が足りなかったから弁護士として本来必要な基本的な書籍を事務所にそろえていることができないと、それによって業務に支障が生じている、依頼者に迷惑を掛けているんじゃないか、そんな悩みがあると言っていました。
 また、これは又聞きの話になって恐縮なんですけれども、やはり同じく若手弁護士、借金の金額は七百万から八百万円。仕事で必要なので携帯電話二台目を契約しようとしたそうです。ところが、真面目に、携帯電話の会社の窓口に行って、借金が合計七、八百万ありますと言ったら、携帯電話の二台目の契約断られたそうです。仕事に必要なものです。
 でも、先ほど、午前中にたしか元榮議員の方がお話ししてくださったと思うんですけれども、今の若手、私たち新六十五期の感覚からいうと、貸与金もありますので、借金が六百万ってする方が当たり前。七百万、八百万よくいます。一千万超えている人、ああ、まあいますねという、そんな感覚なんです。
 別に彼らが特別なわけではないんです。でも、そんな特別ではない彼ら、普通に法曹を目指して、普通に頑張って、普通に仕事をしようとしている人が通常業務においてでさえ支障が出ているというのが今の現状です。
 そして、業務のほかにもプライベートな生活についても言及をさせていただきたいと思います。
 貸与金の金額というのは、先ほど答弁にもございました、おおよそですけれども平均して年間三十万円を十年間で払っていく。しかも、法曹になった後、五年後からの返済だから、まあ大丈夫だろうと、そんな議論もあります。
 でも、それって本当にそうなのかというのは今働いていてすごく感じることです。どういうことか。例えば、自営業者としてやっている弁護士が三十万円を返済する、つまり手元に三十万円残すためにはどれだけの売上げが必要かということです。これ、私、計算しましたけれども、どんなに少なくても倍、六十万、でも、多くの人は経費や税金などを考えると約三倍、八十万から九十万ぐらい年間、より多くの売上げを上げなければなりません。これ、私自身の日頃の売上げなんかも考えてみると、それを一年間で何とか賄えと言われるとちょっとぞっとする思いがします。こんな状況です。
 そして、何より五年目、法曹になって五年目ってどういう時期か。結婚、妊娠、出産そして乳幼児の育児という時期と本当によく重なってしまうという人が多いんですね。私の同期で弁護士になって数年たって、幸い、非常に喜ばしいことですけれども、おなかに赤ちゃんができた。でも、お医者さんも周りの事務所の先輩も止めているにもかかわらず、妊娠初期から出産の数日前までずっと働いていたっていいます。何でか。借金の返済が怖いからです。弁護士としていわゆる出産時、育児期、仕事の量が減る、その後いつ収入が回復されるか分からないという中で、そういうむちゃをする人がいます。でも、その気持ち、私たちに必要な売上げの金額、今のこの業界の状況を考えると決して過剰な反応だとは思いません。
 そして、自分自身の借金の金額が多いからという理由で結婚するのをためらったりだとか、第二子、第三子の出産を諦める、あるいは子供の教育費にお金を掛けるか、それとも先ほど申し上げたような無報酬、低収入の仕事の方に重きを置くか。そういうてんびんに掛けられて、毎日のように悩んでいる、そういう人たちが数多くいるということになります。
#126
○山添拓君 大変多岐にわたって、また豊富な内容でお話しくださって、ありがとうございます。
 もう少しお話を伺いたいと思っていますが、ちょっと時間もありませんので、今の話が谷間世代の置かれた実情だということを是非大臣にも御認識いただきたいと思います。
 法曹人材確保の充実強化のために今度の法改正をするんだと、こういうことなんですが、そうであれば、給費制が廃止された下で苦しみながら修習に励んで、そして法曹となった谷間世代の皆さんにも、今後もその法曹資格を生かして社会で役割を発揮していただく。とりわけ弁護士が基本的人権の擁護と社会正義の実現という使命に応えて存分に仕事ができる条件を整えることが、これは必要ではないでしょうか。その数は現在四万数千人の法曹のうちの一万人にも上るわけです。
 これからの世代で法曹志望者の減少を食い止める、これはもちろん大事なことだと思います。しかし、同様に、谷間世代の皆さんが法曹であり続けることを支援することも必要なんではないでしょうか。大臣、どのような御認識でしょう。
#127
○国務大臣(金田勝年君) ただいま野口弁護士さんのお話を伺いました。非常に貴重なお話だったと思います。谷間世代の置かれた事情、六十四期と六十五期がどう違うかということに始まって、様々な御指摘がございました。拝聴させていただきました。
 ところで、修習給付金制度の創設に伴いまして、現行の貸与制下の司法修習生に対して何らかの救済措置を講ずべきだという御意見は、これまでも御指摘はいただいておりますことを承知をいたしております。
 そういう中で、修習給付金制度の趣旨というのは、法曹志望者が大幅に減少している中で、昨年六月の骨太の方針で言及されました法曹人材確保の充実強化の推進等を図る点にあることも申し上げざるを得ません。この趣旨からすれば、修習給付金について、今後新たに司法修習生として採用される者を対象とすれば足りるものと考えるわけでありますが、現行貸与制下の司法修習生をも対象とする必要性については、この対象として考える対象からは、その必要性の観点からは欠けるのかなという感じをいたしております。
 加えて、先ほども申し上げたんですが、仮に何らかの措置を実施する場合に、現行貸与制下において貸与を受けていない方たちとの取扱いをどうするかといった制度設計上の困難な問題があるという側面もございます。また、そもそも既に修習を終えている方に対して事後的な救済措置を実施することについて、国民的な理解が得られるかどうかといった問題も考えられるわけであります。
 そういう中で、修習給付金制度の導入に伴いまして現行貸与制下の司法修習生に対します救済措置を設けることは予定はしておらないのであります。ということであります。
#128
○山添拓君 一言だけ。
 谷間世代の問題、今日、各党の議員の皆さんから配慮が必要だという話がありました。今日の事態をもたらした政治の責任として是非解決に向かって進むべきだということを強調して、終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#129
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 今日は、裁判所法の一部を改正する法律案ということで朝から審議が行われておりますけれども、今回の裁判所法の一部を改正する法律案、修習給付金の支給をするという内容であります。
 今回の法律案について弁護士会からも要望に来られまして、私もきちんと弁護士会の方とお会いをさせていただいて、きちんとお話を聞かせていただきました。その弁護士会についてお聞きしたいと思います。
 まず、この弁護士会ですけれども、これ強制加入団体というふうに言われておりますけれども、これは間違いないでしょうか。
#130
○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。
 御指摘のとおり、弁護士会は強制加入団体でございまして、弁護士法上、弁護士となるには日本弁護士連合会に備えた弁護士名簿に登録されなければならず、その弁護士名簿に登録された者は当然、入会しようとする弁護士会の会員となるとされております。
 こうした強制加入制度は、国家機関の監督から弁護士の職務を独立させるという弁護士自治を徹底しつつ、弁護士の職務の公共性に照らし、弁護士の職務を規律し、もってその適正を確保するという公共の福祉の要請に基づくものと解釈されているところでございます。
#131
○東徹君 今答弁があったとおり、弁護士法八条にそのことが書かれておるわけでありますけれども、この委員会には弁護士の先生方も何人かおられますが、弁護士会のような強制加入団体には当然ながら様々な思想信条を持つ会員の方もおられるということが予定されておるわけであります。
 最高裁も、南九州税理士会事件では、強制加入団体である税理士会が政治献金のための特別会費の支払を会員に義務付ける決議をしたということについて無効とする判決を出しておるわけですけれども、今回のことでいうならば、弁護士会の話になるんですが、ある弁護士の先生、これはよくテレビにも出ておられる方で、あえて名前を出さなくても想像が付くかと思うんですけれども、ツイッターでこのようなことを書かれております。
 弁護士会に入らないと弁護士になれないので入会した、すると、会や会長の名前で意見書や声明が出される、中には自分の主張と真反対なものがよくある、俺は政党に入ったんじゃないと叫びたくなると自らの考えを表明しており、強制加入団体である弁護士会には様々な意見を持つ弁護士の方が含まれているということを示していると思います。恐らくここの、おられる弁護士の先生方にも一人一人聞いてみたらまたいろいろと違ったこともあるかもしれませんが。
 団体の自治が認められても、強制加入団体は政治的中立性というものが確保することが極めて重要であるというふうに考えますが、この点について金田法務大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
#132
○国務大臣(金田勝年君) 東委員の御質問にお答えします。
 弁護士会の活動の在り方につきましては、弁護士法上、弁護士にはいわゆる弁護士自治が認められております。法務省は、弁護士を監督する立場になくて、弁護士会による活動についてお答えをする立場にはないため、お答えは差し控えたいと思います。
#133
○東徹君 多分そういう答弁だろうなというふうに思っておりましたけれども。
 弁護士会には、先ほど紹介させていただきましたように、会や会長の名前で出される意見書等とは異なる考えを持つ弁護士の方がおられるというふうに思います。しかも、そういった人たちは、弁護士会が強制加入団体であるため、異なる考えを持っていても、弁護士を続けていく以上はその弁護士会を脱退することはできないわけでありますけれども、ある弁護士の方ですけれども、同じ方でありますが、先ほどと、弁護士会の意見書や会長声明が自分の考えと正反対であり、個人の思想、信条が侵害されていると強い苦痛を感じている弁護士は少なくない、私はいつも物すごい苦痛を感じているというふうなことを、これはツイッターで意見を表明されているわけでありますけれども。
 弁護士会では、政治的中立性が適切に確保されるため、どのような対策が行われているのか、それが効果的であるのか、お聞きしたいと思います。
#134
○政府参考人(小山太士君) お答え申し上げます。
 先ほど大臣からもお答え申し上げましたとおり、御質問は弁護士会の活動の在り方に関わるものでございますが、弁護士法上、弁護士にはいわゆる弁護士自治が認められておりまして、法務省は弁護士を監督する立場になく、弁護士会による活動についてお答えをする立場にないので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
#135
○東徹君 ただ、やっぱり弁護士活動を続けていこうと思うと弁護士会に入らないといけない。で、弁護士会に入ると自分の思想、信条と違った意見書とか、そういったことが出されると。そういったことが事実としてあるわけで、俺は政党に入ったんじゃないというふうな意見もしっかりと、法務省としてもこういったことも是非聞いていく必要はあるというふうに思います。
 それでは、次の質問に移らさせていただきます。司法修習生の懲戒処分についてお伺いしたいと思います。
 現在の裁判所法六十八条では、懲戒処分として罷免処分のみを定められております。懲戒処分の例として、今年、平成二十九年の一月十八日に、二十代の男性修習生が司法研修所の寮の談話室で女性修習生に対して下半身を露出するなどとしたことに対して罷免処分を行ったことがありますが、これまでどの程度罷免処分が行われているのか、今日の朝の佐々木委員との質問とかぶる内容となってくるんですけれども、お聞きしたいと思います。
#136
○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の法律の規定に基づきまして、司法修習生に関する規則十八条一号において、最高裁判所は、司法修習生について、品位を辱める行状、修習の態度の著しい不良その他の理由により修習を継続することが不相当であると認めるときはこれを罷免することができるとされているところでございますが、この規定に基づきこれまでに罷免された司法修習生は、委員御指摘の件も含めてこれまで四名でございます。
#137
○東徹君 過去十年間については一件のみで、これまでで四件ということになるわけですよね。
 今日の午前中でも出ておりましたけれども、これまでは罷免処分しかできなかったために、罷免処分をするまでに至らない司法修習生の問題に対して、処分ではなくて、例えば口頭での注意とか、規律違反のための何かしらの対応をしたことがあるというふうにありますが、そういったことが大体六十五名ということでありますけれども、大体これ、主な内容とか、そういったものをちょっと教えていただいてよろしいですか。
#138
○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) お答え申し上げます。
 注意の措置をとった場合の非違行為の内容のお尋ねでございますが、例えば修習の模擬裁判等で使用をいたします模擬記録、これは仮名処理等を済ませたものでございますが、これを紛失した事案でございますとか、自動車を運転して速度超過等の交通違反をした事案等がございます。
#139
○東徹君 罷免したのが過去四件あるということでありますけれども、今回の裁判所法の改正案では、司法修習生に対する懲戒処分として罷免以外の修習停止それから戒告といった処分が可能とする内容となっているわけですけれども、これ、罷免とそれから修習停止、戒告といった処分、この基準というのはどういうふうに定めていくのか、お伺いしたいと思います。
#140
○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) お答え申し上げます。
 修習の停止は、司法修習生の身分は保有いたしますが、最高裁判所が定める一定の期間修習をさせない処分であり、戒告は、司法修習生の責任を確認し、及びその将来を戒める処分であるというふうに承知をしております。こういった処分を行う場合の基準につきましては、こういった趣旨を踏まえ、司法修習生の特性にも配慮をしつつ、個別の事案に応じて判断していくことになろうかと考えているところでございます。
 なお、裁判所の職員につきましては、人事院の定めております「懲戒処分の指針について」という指針も参考にして処分の量定を決めておりますところ、司法修習の一層確実な履践を担保し規律を確保する観点からは、この指針も一つの参考にされるものと思われます。
 他方で、司法修習生は法曹にふさわしい品位と能力を身に付けることが期待されておりまして、修習に専念するという特殊な立場にある者でございますので、修習効果を促進するためにも、措置程度を決める際には、修習生としての地位の特殊性にも配慮していくことが必要であろうというふうに考えているところでございます。
#141
○東徹君 これは、罷免処分については、当然ですけれども、基準があるわけですよね。
#142
○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) 罷免の措置につきましても、その措置の趣旨を踏まえまして、個々の事案について適切に判断をこれまでしてきているところでございます。
#143
○東徹君 ちょっと分かりにくいんですね。罷免するとか、それから今回のように修習の停止とか戒告とか、これはやっぱりある一定、どういったときにそうするのかとか、ある程度の基準というものはやっぱり必要だというふうに思いますが、そういった基準というのはこれからも作らないということですか。
#144
○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) 先ほど引用させていただきました人事院の指針というものがございます。これも多くの事例の積み重ねを経て定められてきたものと認識をしております。
 司法修習生の懲戒的な措置につきましても、まずは個別の判断を適切に重ねるということをしていく必要があろうかと考えておりまして、そういった個別の集積のない現段階では、抽象的な基準を作るのは難しいというふうに考えているところでございます。
#145
○東徹君 これまで、直近五年間で六十五人の注意措置を受けた方がおられるわけですから、そういった人たちをどういうふうに、これはやっぱり停止だったなとか、この人は口頭での注意だなとか戒告だなとか、そういったことを基準としてやっぱり示しておくべきことは必要だというふうに思います。
 続きまして、今回の法案でありますけれども、司法修習生に対する修習給付金を支給する制度をつくるという内容になっておるわけですけれども、その目的は法曹人材確保の充実強化ということでありますけれども、司法過疎地の解消が進み、また弁護士の収入が減ってきておると、これから法曹をどこまで増やす必要があるのかというような議論もあるというふうなことを聞いております。
 なぜ法曹志望者を確保するためにこの制度が必要となるのかということをお伺いしたいと思います。
#146
○国務大臣(金田勝年君) 今後の法曹人口の在り方につきましては様々な御意見があるとも考えておりますが、一昨年の法曹養成制度改革推進会議決定におきましては、新たな法曹を年間千五百人程度は輩出できるように必要な取組を進める、さらには、これにとどまることなく、社会の法的需要に応えるため、より多くの質の高い法曹が輩出される状況を目指すべきとされたところであると認識しております。他方で、近年、法曹志願者が大幅に減少していると。新たな時代に対応した質の高い法曹を多数輩出していくためにも、法曹志望者の確保は喫緊の課題となっているという状況であろうかと思います。
 そこで、一昨年の六月の推進会議決定においても、司法修習生に対する経済的支援の在り方について検討することとされたほか、去年の六月の骨太の方針においても、法曹人材確保の充実強化を推進することがうたわれたところであると受け止めております。これを受けまして、今般、法曹人材確保の充実強化の推進等を図るために、本改正法案によりまして修習給付金制度を創設することとしたものでありまして、このような制度を設ける必要性は高いものと認識をいたしております。
#147
○東徹君 質の高い法曹人材を確保するためということに尽きるんだろうと思いますけれども、一方、現在の貸与制、平成十六年に裁判所法が改正されたことによって貸与制になったわけでありますが、貸与制の導入というのは、法曹人口の拡大を目指して司法試験合格者を年間三千人にするということと、一方、我が国の厳しい財政状況を考えた結果であるというふうに言われておりますけれども、貸与制、これ導入した理由についてお伺いしたいと思います。
#148
○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。
 貸与制の導入理由でございますが、今議員からも御指摘がございました、司法修習生の増加に実効的に対応する必要があったこと、司法制度改革の諸施策を進める上で、限りある財政資金をより効率的に活用し、司法制度全体に関して国民の理解が得られる合理的な財政負担を図る必要があったこと、公務員ではなく公務にも従事しない者に国が給与を支給するのは現行法上異例の制度であること等を考慮すれば、給費制を維持することについて国民の理解を得ることが困難であったことを理由とするものでございます。
 以上でございます。
#149
○東徹君 そういう理由で貸与制が行われたということですけれども、確かに先ほど大臣が言われたとおり、骨太の方針二〇一六においても、司法修習生に対する経済的支援を含む法曹人材確保の充実強化との記載があって、この経済的支援には給付金制度以外にも様々なものが考えられると思います。
 貸与制が導入された理由でもありますが、我が国の厳しい財政状況から考えれば、給付金制度の創設することで、予算の制約から逆に法曹人材の抑制をする方向に働くのではないかというふうなことも考えられたりとかしますけれども、支援策として給付金制度以外には考えられなかったのか、お伺いしたいと思います。
#150
○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。
 平成二十七年六月の法曹養成制度改革推進会議決定に基づきまして、司法修習生に対する経済的支援策の制度設計を法務省が行うということになったわけでございますが、その制度設計の過程で、法曹人材確保の充実強化を図るという制度目的との関連性やその効果のほか、現行の貸与制度の関係等を含め、様々な観点からの検討を行いました。また、最高裁判所や日本弁護士連合会とも必要な協議を行ったわけでございます。
 こうした検討協議の過程におきましては、今、本改正案としてお示ししている案を含めまして様々な案もございました。外部的には、御承知とは思いますが、今委員の御指摘とは逆でございますけれども、給費制を復活するというような意見もあったわけでございます。
 いずれにいたしましても、このお示しいたしましておりますのが我々の制度設計の成果でございまして、個別の、これをどう検討したというようなことを明らかにする場合には、誤解を招きかねない部分がございますので、そういうところのお答えは御容赦をいただきたいと思います。
 以上でございます。
#151
○東徹君 どういうふうな議論があったのかとか、給付金以外にどういったことが挙げられたのかということはこの場では言えないということでありますけれども。
 今回の修習給付制度の創設について、昨年十二月十九日に法務省が発表したとおり、法務省が検討した上で、法務省と最高裁それから日本弁護士連合会の三者において確認されたものということでありますが、平成十三年の司法制度改革審議会の意見書がありまして、この意見書では、司法制度の在り方が従来のようにいやしくも法曹三者の意向のみによって決定されるようなことがあってはならず、また、そうした受け取られ方をされることがないよう十二分な配慮をすべきであるというふうなことが書かれております。
 もう少しその審議会の終わりのところの文章を読みますと、司法制度の利用者の意見、意識を十分に酌み取って、それを制度の改革、改善に適切に反映させていくということであり、利用者の意見を実証的に検証していくために必要な調査等を定期的、継続的に実施し、国民の期待に応える制度改革と改善を行っていくべきであるというふうなことも書かれておるわけでありますが、この司法制度審議会には、佐藤京都大学名誉教授を会長として、連合の副会長とか、それから元高裁長官の弁護士、それから学者、作家なども含まれておりまして、様々な立場でこれ議論してまとめた意見書だと思うんですけれども、このような意見書がある中で、なぜ今回、法曹三者のみだけで確認されることになったのか、お伺いしたいと思います。
#152
○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。
 まず、前提といたしまして、司法修習生に対する経済的支援の在り方を検討する過程におきましては、これまでも、平成二十三年に設置されました法曹の養成に関するフォーラム、これは有識者を中心とする、あるいは関係の政務の方などを中心とするメンバーによる会議、あるいは平成二十四年からは法曹養成制度検討会議、あるいはやはり二十五年には法曹養成制度改革顧問会議というような、有識者の方が加わりました検討の場が数次にわたって設けられまして、その中でもずっと検討がされてきたわけでございます。
 最終的な局面になりまして、一昨年の法曹養成制度改革推進会議決定、これ重ねて申しますけれども、におきまして、この司法修習生に対する経済的支援の在り方を検討するとされましたのが、その責任者が法務省となりました。
 法務省といたしましては、この決定に基づきまして調査をしたわけでございますが、文部科学省と法曹養成制度改革連絡協議会という場も設置しておりまして、これは今現在あるものでございますけれども、そこで、最高裁判所や日本弁護士連合会等の関係機関、そういう方も来ていただいておりますので、連絡協議を行うなどして、この問題の在り方に対する検討を引き続き進めてきたわけでございます。
 その中で、最終的に、昨年六月の骨太の方針なども踏まえまして、この今お諮りしている経済的支援策を創設するということにしたわけでございますが、そのときに、新制度の円滑な実施に当たって、最高裁判所と日本弁護士連合会、これは司法修習の実際の担い手でもございます、これは特に裁判所と弁護士会ですね、こういうところもございますので、そういうところと対応策の内容について確認をした上でこちらとして公表いたしまして、その後、この法律案を作り国会にお諮りしていると、こういう状況にあることを御理解いただきたいと思います。
 以上でございます。
#153
○東徹君 法曹三者以外の、例えばこの改革審議会の前のこともあって、そういった給付制度の創設に反対するということもあるから入れなかったんじゃないのかなというふうに取られてもちょっと仕方がないのかなというふうに感じます。
 司法修習生にだけ特別に給付金制度をつくる理由として修習期間中の修習専念義務があるということが挙げられておりますけれども、修習専念義務があることで原則アルバイトなどはこれ禁止されておりますけれども、例外的にこれ義務が緩和されてアルバイトができるということがありますが、そこでの例外的に認める条件とは何なのか、お伺いしたいと思います。
#154
○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) お答え申し上げます。
 修習生の兼業規制についてでございますが、これにつきましては、第六十七期司法修習生、これは平成二十五年十一月から修習を開始した期でございますが、この期以降、司法修習生の中立性、公平性が守られ、その品位を損なわず、守秘義務に抵触するおそれがなく、また、司法修習生に過大な精神的、肉体的負担を課さないなど司法修習に支障となるおそれがない場合には、修習専念義務が定められた趣旨に反することはないということから、一定の範囲でその運用を例外的に緩和してきているところでございます。
#155
○東徹君 例えばどんなものがあるんですかね。
#156
○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) これまで許可されました兼業の内容といたしましては、法科大学院における教育指導、例えば講義、ゼミの講師でありますとかアシスタントなどのほか、司法試験予備校における答案添削や採点等、それから学習塾における指導等といった事例がございます。
#157
○東徹君 そういったところの例外を、もう少し修習専念義務の緩和というのを進めていくということは考えられないんでしょうかね。
#158
○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) 先ほど御説明申し上げましたとおり、現在の運用につきましては、修習専念義務が定められた趣旨に反しないように一定の範囲で兼業の規制の運用を例外的に緩和してきているものでございまして、今後この兼業規制の運用を更に緩和をすることは考えていないところでございます。
#159
○東徹君 修習制度についてですけれども、ドイツなんかはこれありますけれども、アメリカなんかはありませんよね。
 これ、教育効果の検証というのは、日本ではどのようなことが行われているんでしょうか。
#160
○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) 司法修習の過程における教育効果の検証についてお答え申し上げますと、司法修習生の考試、いわゆる二回試験によりまして、法曹養成課程の最終段階において法曹としての必要最低限の能力を有しているかどうかについて判定をしているところでございまして、それを通じて教育効果の検証を行っているところでございます。
#161
○東徹君 では、もうちょっと時間がありませんので、今回の給付金制度の導入に伴って、司法試験合格者がどの程度を前提としてどのくらいの予算が必要なのかということをお伺いしたいと思います。
#162
○最高裁判所長官代理者(笠井之彦君) お答え申し上げます。
 平成二十九年度予算におきましては、平成二十九年十二月から平成三十年三月までの四か月分ということで約十一・五億円を計上しておりますけれども、これを平年度化いたしまして、合格者数を平成二十七年六月三十日の法曹養成制度改革推進会議決定の方針に沿いまして千五百人程度というふうに見込んで算定いたしますと、総額で三十億円程度が必要になります。
#163
○東徹君 そうしたら、もう一点、別のことになりますが、司法修習期間、二年であったものがロースクールの制度導入によって一年間に短縮されましたけれども、この司法修習のカリキュラムの見直しとか、それから修習期間を見直すとか、そういった司法修習の効率化ということについては今後検討というのもされるんでしょうか。
#164
○政府参考人(小山太士君) 司法修習の期間につきましては、裁判所法によりまして少なくとも一年間とされております。
 このように司法修習の期間が一年以上とされておりますのは、司法修習が司法制度の担い手たる法曹の養成に必須の課程であり、その期間内に法曹にとって必要な高度で専門的な能力を身に付けなければならないことから、司法修習生が修習の課程を通じこれらの能力を十全に修得することが求められているところによります。
 修習給付金制度の創設後もこの修習制度の重要性には変わりはないものと考えておりますので、現時点でその期間を改めることは検討しておりません。
#165
○東徹君 もうちょっと時間となりましたので、これにて質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#166
○糸数慶子君 沖縄の風、糸数慶子です。
 今回の改正案については、司法修習生に対して月額十三万五千円の給付金を支給する制度の新設、一定の要件の下に住居費用や移転の費用の支給、貸与額を見直した上で現行の貸与制の存続など、修習生の負担減となるため、もちろん賛成であります。しかしながら、これまで多くの方が指摘されていますように、法曹養成制度には多くの課題があるということも幾つか指摘をしておきたいというふうに思います。
 まず、配付をいたしました法務委員会調査室作成の資料を御覧いただきたいと思います。
 これは、新制度となった二〇一〇年、それから二〇一六年までの司法修習資金の貸与申請者数と申請額別の内訳及び貸与率の一覧であります。初年度の二〇一〇年ですが、貸与申請後に延期されたため実際には二〇一一年から貸与が行われております。司法修習生の総数のうち申請しなかった方については、この数字だけでは読み取ることができませんが、貸与の必要がなかった方だけではありません。保証人が見付からずに貸与申請ができなかった方、その中には親や親戚あるいは金融機関などから借りる方もいらっしゃるのではないかというふうに思います。
 そこで、最高裁にお伺いいたしますが、この貸与の保証人となるための要件はあるのでしょうか。
#167
○最高裁判所長官代理者(笠井之彦君) お答え申し上げます。
 保証人の要件でございますけれども、原則として年収百五十万円以上又は資産額三百万円以上の方となります。そのような方であれば、どなたでも差し支えないということでございます。
#168
○糸数慶子君 ただいま御答弁がありましたように、これは、借りる側にとっての要件は、つまりこのハードルが低いということだと思います。しかし、この貸与申請率を見ていただくと、八七・四九%となっております。延期されたので実際には二〇一一年ですが、八四・三六%であったものが二〇一六年には六四・七七%と、二〇%も減っておりますが、この要因は把握されているのでしょうか。
#169
○最高裁判所長官代理者(笠井之彦君) お答え申し上げます。
 貸与につきましては、修習生から貸与申請がありました場合に原則として貸与決定をしております。貸与を申請するかどうかは修習生各自の判断に委ねられているということでございまして、最高裁として貸与金の申請率の低下の原因が具体的にどういうものであるかということについては把握はしておりません。
#170
○糸数慶子君 把握されていないということですが、せっかくつくった制度が生かされないということは、貸与制度あるいはほかにも問題があるということだというふうに思います。なぜ貸与率が低くなったのか、その要因を把握しておくべきだというふうに指摘しておきます。
 次に、司法試験の出願者数について伺います。
 今年の司法試験の出願者数は何人でしょうか、法務省に伺います。
#171
○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。
 平成二十九年司法試験の出願者数は六千七百十六人でございます。
#172
○糸数慶子君 余りの少なさに驚くわけですが、それでは、二〇〇六年以降の出願者数の推移を法務省にお尋ねをいたします。
#173
○政府参考人(小山太士君) お答えを申し上げます。
 まず二〇〇六年、平成十八年でございますが、この当時は新旧の司法試験がございまして、新司法試験が二千百三十七人、旧司法試験が三万五千七百八十二人、合計三万七千九百十九人でございました。平成十九年は、新司法試験が五千四百一人、旧司法試験が二万八千十六人、合計三万三千四百十七人でございます。平成二十年は、新司法試験七千八百四十二人、旧司法試験二万一千九百九十四人、合計二万九千八百三十六人でございます。平成二十一年は、新司法試験九千七百三十四人、旧司法試験一万八千六百十一人、合計二万八千三百四十五人でございます。平成二十二年は、新司法試験一万一千百二十七人、旧司法試験一万六千八十八人、合計二万七千二百十五人でございます。平成二十三年は、新司法試験一万一千八百九十一人、旧司法試験六人、合計一万一千八百九十七人。続きまして、平成二十四年は、この以降は新だけでございますが、新司法試験一万一千二百六十五人、平成二十五年は一万三百十五人、平成二十六年は九千二百五十五人、平成二十七年は九千七十二人、平成二十八年は七千七百三十人となっております。
#174
○糸数慶子君 二〇〇三年度は五万人を超えていたというわけですが、今、年々減少し、今年は六千七百十六人ということで、これは大変危機的な状況と言えるのではないでしょうか。
 法曹出願者数の減少の主な要因は過重な経済的な負担と法科大学院の合格率の低さだと指摘されておりますが、法務省はどのように認識されているのでしょうか。
#175
○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。
 法曹志望者数の減少につきましては、一昨年六月の法曹養成制度改革推進会議決定におきまして、法科大学院全体としての司法試験合格率や、弁護士を含む法曹有資格者の活動の場の広がりなどが、制度創設当初に期待されていた状況と異なるものとなっているといった事情が指摘されているところでございます。また、昨年九月に法務省が文部科学省と共同で実施した法学部生に対する法曹志望に関するアンケートにおいては、法曹志望に当たっての不安として、法科大学院や司法修習における経済的負担等が挙げられているところでございます。
 法務省といたしましては、法曹志望者の減少につきましては、これら複数の要因が影響しているものと考えているところでございます。
 以上です。
#176
○糸数慶子君 まず、制度設計をするには、やはりこれは増えることを前提に議論がされていたわけですから、大幅に減少したということは、厳しい言い方をいたしましたならば、これはもう失敗だということだというふうに思います。
 そこで、文科省にお伺いいたします。
 過重な経済的負担と法科大学院の合格率の低さなどで法曹を目指す方が減少し、法科大学院の多くが募集停止となっております。これは様々な取組をなされているということは承知しておりますが、規模の適正化に向けた文科省の取組についてお伺いをいたします。
#177
○政府参考人(浅田和伸君) 文部科学省では、平成二十四年度の予算から、公的支援の見直しを通じて各法科大学院の自主的な組織見直しを促してきたところですが、平成二十七年度予算からは、公的支援見直し強化・加算プログラムとして、組織見直しだけでなく、各法科大学院の先導的な取組の支援による教育力の向上にも取り組んでおります。
 この結果、平成二十九年度の法科大学院全体の入学定員の見込みは二千五百六十六人と、法曹養成制度改革推進会議決定を踏まえて設定した目標である二千五百人をほぼ達成する見込みとなっており、文部科学省としては引き続き公的支援の見直しなどを通じて法科大学院教育の充実に取り組んでまいります。
#178
○糸数慶子君 法曹養成制度改革は、これは二〇〇一年の司法制度改革審議会の提言に基づいて、実働法曹人口五万人規模、そして司法試験の合格者数を二〇一〇年には年間三千人程度とするという方針に基づいて進められてきております。財政制度審議会で給費制が批判され、法曹関係者の反対にもかかわらず、財政面重視で議論した結果、このようになったとも言えるわけです。
 国民の税金で法律家を育てるという視点が大切であり、これは長期的に見て税金を投入することに国民の理解は得られるというふうに思います。
 例えば、今福岡と熊本の弁護士会で熊本地震災害女性電話相談が行われておりますが、今私の手元にこのようなチラシもあるわけでございますが、実際に今各地で貢献をされている弁護士さんもたくさんいらっしゃいます。また、刑事事件では国選弁護人を引き受ける方々も多くいらっしゃるわけです。そういう弁護士の方々は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命として、ほぼ手弁当で頑張っておられます。そして、その職務を誠実に行うことで社会秩序の維持及び法律制度の改善に努力されているわけで、そういう方々の社会貢献というのは計り知れないというふうに思います。
 そこで、日本司法支援センター、いわゆる法テラスですが、この法テラスの常勤弁護士として刑事国選弁護だけを担う弁護士生活を十年以上続けていらっしゃる弁護士の村木一郎さんは、この国の憲法は、公権力による身体拘束を受けるに際し、弁護人依頼権を保障し、刑事被告人についても弁護人依頼権を保障するとともに、自ら信頼できない場合には国が弁護人を付することとしています。そして、刑事訴訟法はそのような弁護人依頼権を実質的に保障するために被疑者について国選弁護人制度を設けています。現実には、身体拘束を受ける市民の多くは自ら費用負担をして私選弁護人を選任することが経済的に難しく、国選弁護人が選任されるケースが多いです。現在、全国の弁護士会に所属する多くの弁護士は、必ずしも十分な報酬を得られないことを承知の上で、被疑者、被告人の国選弁護人に積極的に就任しています。そして、日々、被疑者、被告人の権利擁護に努めています。それは、弁護士法第一条が定める基本的人権の擁護が弁護士の基本的な使命であることを自覚しているからです。つまり、経済的視点より公益的視点を優先していることを意味しています。そのような法曹を養成する段階では十分な国費を投入することがまずもって求められています。村木弁護士はこのように述べていらっしゃいます。
 このような弁護士の活動や国が法律家を育てるという考え方について、金田大臣の御見解をお伺いいたします。
#179
○国務大臣(金田勝年君) 糸数委員の指摘に対しましては、例えば社会貢献や公益的視点の重要性についてお述べになりましたが、私も、非常にそれは国がしっかりと法曹養成に取り組んでいくことが重要だという観点から、同じ思いを持つものであります。
 多くの有為な人材が法曹を志望して質の高い法曹が活躍するようになるというのがよろしいわけですけれども、そのためにも国がしっかりと法曹養成に取り組んでいくということ、これも重要であると、このように認識していることを改めて申し上げます。
 一昨年六月の法曹養成制度改革推進会議決定におきましては、法曹有資格者の活動領域の拡大、それから法科大学院改革、そして司法試験の在り方、それから司法修習生に対する経済的支援について検討することとされたところでありました。法務省としては、この推進会議決定のほかに、昨年の骨太の方針におきましても法曹人材確保の充実強化を推進することがうたわれましたことを受けて、法曹人材確保の充実そして強化の推進等を図るために修習給付金制度を創設することとしたところなのであります。
 法務省としましては、推進会議決定に掲げられました取組について、文部科学省その他の日弁連等の関係機関や団体と協力をしながら、有為な法曹人材の確保に向けた取組を今後とも進めてまいりたいと、このように考えている次第であります。
#180
○糸数慶子君 次に、先ほどから何度も出ておりましたけれども、改めてお伺いしたいと思いますが、この制度のはざまで給付を受けられない方について何らかの配慮が必要ではないでしょうか。改めてお伺いいたします。
#181
○国務大臣(金田勝年君) 先ほどから何度も出ていますがという御指摘の谷間の問題ですね。これにつきましては、修習給付金制度の趣旨というのは、法曹志望者が大幅に減少している中で、昨年六月の骨太の方針で言及されました法曹人材確保の充実強化の推進等を図るという点にあるわけであります。この趣旨からいたしますと、修習給付金について、今後新たに司法修習生として採用される方を対象とすれば足りるものと考えておりまして、現行貸与制下の司法修習生をも対象とする必要性という点ではどうかと考えるわけであります。
 加えて、仮に何らかの措置を実施するといたしました場合にも、現行貸与制下において貸与を受けていない方々との取扱いをどうするかという制度設計上の困難な問題がありますほか、そもそも既に修習を終えている者に対して事後的な救済措置を実施することについて国民的理解が得られるかどうかという、そういう問題もあろうかと思うわけであります。
 したがいまして、修習給付金制度の導入に伴いまして、現行貸与制下の司法修習生に対します救済措置を設けることは予定をいたしておりません。
#182
○糸数慶子君 この点については、政府が進めてきた結果ですから、もう少し当事者に寄り添っていただきたいというふうに思います。
 授業料だけで百万円、そして法学未修者の方は三年、既修者であれば二年掛かるわけですが、これで授業料が三百万円、そのほかに生活費等で、これ終了時には数百万円の借金を抱えることになるわけです。やはり、公正でそして公平な社会を目指していく、そういう職務を遂行する法律家の皆さんが法曹養成制度改革の失敗で不公平な取扱いを受けるというのは、余りにも酷ではないでしょうか。多くの借金を抱えている方がいらっしゃる一方でこの給付金制度を創設することに、立法府にいる議員の一人として大変申し訳なく、じくじたる思いをいたしております。
 これまで司法試験に合格した後の話をしてきたわけですが、合格できなかった方のことについてもお話をさせていただきたいと思います。
 法科大学院に行けば七、八割が合格できるということで、政策秘書だった方が退職をして法科大学院に行かれたケースです。司法試験に三度不合格となり、当時、更に受験するには再度法科大学院に行かなければならないということで法律家を断念された方がいらっしゃいます。合格できなかった方は本人の力量という、そういう見方もありますけれども、その方は政策秘書試験に合格し、すばらしい仕事をされてきた方であるわけですから、国による詐欺に遭ったみたいだとその方がおっしゃっていらっしゃることがとても印象的でした。
 受験者が減ったのは、仕事を辞めて収入が途絶えるリスクを背負ってまで合格率の低い法科大学院に行くことを選択しなくなったということではないかというふうに思います。支援を求めると、法務省は国民の理解が得られないなどというふうにおっしゃるわけですけど、これは支援のために税金を投入することに国民の理解が得られないのではなく、むしろ法曹養成制度改革の失敗で国の制度の見直しによる税金の無駄遣いこそ国民の理解が得られないということを申し上げまして、ちょっと時間はありますけれども、私の質問は終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#183
○山口和之君 無所属の山口和之でございます。
 裁判所法の一部を改正する法律案について質問いたしますが、その前に、先日、八王子医療刑務所、それから府中刑務所を視察してまいりましたので、その件についてちょっと少し質問させていただきたいなと思います。
 平成二十七年度の矯正統計年報によると、再犯をして刑務所に戻った人の多くは無職の方が七一・九%、職業を持っている方が二八・一%ということで、無職であるということがやはり再犯率を大きく上げているということだと思います。視察の府中刑務所では、二十八年度に出所された方千百名のうち就労に就けた方が十名いらっしゃるそうです。その後、就労に就いた方もいらっしゃるとは思いますが、出所後すぐに就労に就けた方が十人いらっしゃるということで、これは高い数字だということだそうです。
 そこで、法務省では、出所者の就労促進策として、昨年十一月から矯正就労支援情報センター、コレワークの運用を始めたと聞いておりますが、まだ開業してから日にちが浅いところですが、どのような目的でセンターをつくったのか、また、まだ日が浅いですけれども、どのような効果が上がっているのかを伺いたいと思います。
#184
○政府参考人(富山聡君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、受刑者が出所して真面目に社会で働いていくためには、何といっても住むところと仕事、これが絶対に必要でございます。その意味では、従前から私どもは受刑者がきちんと仕事に就いて働けるように様々なことを考えてまいったわけなんですが、何分一番難しいのが、やはりまず受刑者であったということだけでなかなか雇ってくれる方がそんなにはいないんだということがございます。そんな中で、どうやって本人に合った仕事を見付けさせてやれることができるのか、そういったことに大変苦労をしてまいりました。
 最近では、ハローワーク等にも御協力をいただきまして、受刑者専用求人というような制度も作っていただきまして、受刑者であってもといいますか、受刑者を雇ってもいいという方がハローワークに申込みができるという仕組みができております。
 ただ、この仕組みの欠点といいますか弱いところは、一般に受刑者というのは施設が所在している場所で出所して、そこで生活をするというわけではございませんで、例えば東京の府中の刑務所を出所しても、東北地方に帰ったり九州に帰ったり、人によって生活をする場所というのが全然違う場所になってしまうわけです。そうなりますと、施設の所在地にあるハローワークの求人情報を幾らいただいても、その周辺の企業の情報しか手に入らないということで、なかなかマッチングをさせることが難しいという状況がございました。
 今回、矯正就労支援情報センター、通称コレワークにつきましては、全国の受刑者あるいは少年院の在院者の職歴ですとか資格、帰住予定地などの情報を一括管理しておりまして、企業の方から問合せがあって、例えば介護福祉の資格を持っている受刑者を雇いたい、その方を福岡で雇いたいので、今どこの施設にいても福岡の方に帰ってくる人を探してほしいんだというような調査依頼がありますと、これを検索をいたしまして、どこそこの刑務所にこういう資格を持った方がいます、あるいは、どこそこの少年院にこういう資格を持った少年がいますといったような情報を提供するということをすることによって、本人が帰る地における仕事を見付けやすくする、そういうことを目的としてつくった制度でございます。
 現在、東京と大阪、二か所に設置をしておるところでございますが、まだ稼働してから五か月余りでございますが、これまで企業からの相談を受けて情報提供を行い、在所中に内定に至ったというケースも若干ながら出てきております。この五か月間、平成二十八年十一月から二十九年三月までの間に、企業からの相談受付件数が二百五十五件、この相談に対しまして千二百九十二の施設に在所している者の情報を提供してございます。
 現在のところ、その結果、在所中、施設にいる間に就職が内定した者の数はまだ十三人にとどまっておりますが、今後、よりこういった活動を続けて就労の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
#185
○山口和之君 出所、再犯を繰り返す方が働いていない方が多いということなので、働く場所が見付かるというのは非常に大きなことだと思いますし、この情報センターというのは非常にちょっと期待できるかなというふうに自分は感じております。
 ですから、今後一層、出所者の円滑な就労支援、始まって半年で確認するのは難しいかもしれませんけれども、就労支援、社会復帰への促進へ、コレワークの運用に関してどのような努力をもって更に加速的に進むことができるか、もしあればお答え願いたいと思います。
#186
○政府参考人(富山聡君) お答えいたします。
 このコレワーク、稼働を始めてから順調に相談件数等も増えてはきているところですが、まだ残念ながら内定に至る件数は先ほど申し上げましたとおり決して多くはございません。
 今後、このマッチングを、可能性を高めていくためには、一つは企業の方のニーズをより把握して、それに見合った矯正施設内での職業訓練のプログラムなどについてきちんと整えていくと、あるいは処遇のプログラムを考えていくといったことが一つあると思います。それから、もう一つは、やはりこの制度がまだまだ周知し切れていないのではないかというふうに考えておりまして、現在法務省のウエブサイトでもそういった広報活動はさせていただいておるんですが、今後業界の機関紙などについても載せていただくなど、様々な方法で広報に努めてまいりたいというふうに考えております。
 それから、さらに、ハローワークとの関係なんですが、厚生労働省の機関と法務省の機関ということで、より連携を密にして、例えば企業の方からコレワークの方に求人の照会があった場合にはハローワークの方に、もちろん企業の方の了承を得てなんですが、こういう企業の方からそちらに求人申込みが行くと思いますのでよろしくお願いしますといったような連絡をするなど、できるだけ行き違いがないようにきちんと情報のやり取りをして連携を密にしてやっていくと、そういったことに努めてまいりたいと考えております。
#187
○山口和之君 ありがとうございます。
 職業プログラムと社会の中でニーズとしてあるものがマッチングできれば、就労というのは非常に上がってくる、就労率は上がってくる可能性があると思いますので、是非努力していただきたいと思います。
 関連してもう一つなんですが、出所者の円滑な社会復帰のための自立更生促進センターというものが法務省直轄で全国に四か所運営されているということですが、平成二十六年の総務省行政評価・監視で受入れが不十分との勧告も受けているそうです。その後、現在までにどのような改善されているのかを伺いたいと思います。
#188
○政府参考人(畝本直美君) 自立更生促進センターは国が運営する施設でありまして、全国に四か所設置されておりますけれども、委員御指摘のとおり、平成二十六年に総務省の方から受入れが不十分であるとの勧告を受けているところであります。
 この勧告を受ける以前は、保護観察所が受刑者等の希望に基づいて出所後の帰住先を調整したものの、親族が引受けを拒否するなど帰住が困難であると判断した場合には、その旨を矯正施設を通じて本人に通知し、本人が次の帰住先の調整の希望を申し出るように促すにとどまるのが一般的でございました。
 この勧告を受けた後は、保護観察所は、受刑者等からの希望に基づいて調整するだけではなくて、帰住先が決まらない者について自立更生促進センターを含めて本人にとって適当な帰住予定地などに関する情報を積極的に集めて、これを矯正施設に提供した上で受刑者等への助言などの協力を求め、矯正施設において受刑者等へ帰住予定地の変更について助言、指導を行うなどの働きかけを行ってまいりました。
 また、仮釈放の事務を取り扱っている地方更生保護委員会におきましては、帰住予定地の確保が難しい、難航している受刑者について、このセンターを帰住予定地とできないかどうかといった観点から面接を行って、その情報を保護観察所に提供するなど、いわゆるセンターへの帰住がふさわしい者についての掘り起こしなども行ってまいりました。
 さらに、ここのセンターでの受入れ向上のためには、ここでどんな処遇が行われているかということを知っていただくということが不可欠でございますので、センターにおいて矯正施設などに周知活動を行ってきたところであります。
 こうした取組によって全国の四センターでの年間の収容保護率の平均は、平成二十四年度は三三・七%でしたけれども、平成二十八年度は四六・七%へと上昇しております。
 この自立更生促進センターは、ほかでは受入れ困難な出所者等を受け入れて濃密な処遇を行う、あるいは手厚い就労支援を行うという再犯防止を図る上では重要な役割を果たしているところでございますので、今後とも更なる収容保護率の向上に努めてまいりたいと考えております。
#189
○山口和之君 ありがとうございます。
 再犯を繰り返すことから違う道を歩ける社会に、そして再チャレンジできる社会にと、今朝のNHKのニュースでも高齢者の再犯される方のニュースが流れておりましたけれども、居場所と出番ができることによって再犯を繰り返すことがないというふうにも言われておりました。そこを是非強化していただきたいなと思います。
 その高齢者の話もありますので、少し、ちょっともう一つだけ伺いたいんですが、八王子も府中もエアコンはごく一部にしか設置されていなくて、一昨年、受刑者が熱中症で亡くなったという報道もありますが、刑務所へのエアコン設置について法務省としてはどう考えているのか、少し伺いたいなと思います。
#190
○政府参考人(富山聡君) お答えいたします。
 刑事施設に収容されている者が熱中症等で病気になってしまうというようなことはもちろんあってはならないことでございまして、エアコンの設備ということが唯一の方策ではございませんけれども、いずれにいたしましても、そういった収容されていることで病気になってしまうというようなことにならないようにすることは私どもの責務であるというふうに考えておるところでございます。
 エアコン等の空調設備の整備につきましては、例えば建物が高層化していて通気が悪いような構造になっているところ、そういったところについては設置をするように考えておりますし、そのほか、地域の気候ですとか、あるいは、施設の全体ではなくて、病人などを収容する、体調管理が難しい方を収容するエリアなどにエアコンを設置するというような方針で臨みたいと考えているところでございます。
 しかしながら、今ある施設に全て一気にエアコンを取り付けるというようなことはなかなか難しゅうございまして、そういった意味では、施設の建て替えあるいは大規模リノベーションといったような機会を捉えて、今申し上げたような観点でエアコンの整備を考えたいというふうに思っております。
 ただ、難しいのは、やはり一般国民の方の御意見等もございまして、余りすべからくエアコンを付けてしまうというようなことは国民の理解が得られないということもございまして、その辺はやはり一般社会の生活水準等を見ながら考えていきたいというふうに思っております。
#191
○山口和之君 中で勤務している方もいるわけですから是非検討していただきたいと思いますし、そのことによって、自由を奪っているわけですから、別にそんなに大きな影響はないような気はしますが、是非検討していただきたいと思います。
 それでは、裁判所法に、質問に入ります。
 懲戒に関する規定の整備について伺いたいと思います。
 現在、司法修習生の懲戒処分は罷免のみでありますが、本法律案による改正で修習の停止及び戒告も加わることになるということです。この改正の趣旨は何か、そして修習の停止及び戒告が具体的にどのような効果を持つ処分になるのかを踏まえて御説明をお願いします。
#192
○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。
 今般の修習給付金制度の創設に伴い、司法修習については一層確実な履行を担保することが求められると考えております。
 こうした観点から考えますと、司法修習生の懲戒的措置につきましては、委員御指摘のとおり、今罷免以外の措置は認めていないところでございますけれども、罷免することが適当とまでは言い難い非行があった場合、この懲戒的措置は科すことができない、司法研修所長らが注意や指導をすることにとどまっているというわけでございます。
 そこで、こうしたところで実効的かつ柔軟に規律確保を行うための方策として、司法修習生に対する懲戒的措置につきまして、罷免に加えまして修習の停止及び戒告の処分を設けることといたしました。
 修習の停止とはどういうものかと申しますと、司法修習生の身分は保有するが、最高裁判所が定める一定期間修習をさせない処分をいいます。修習停止期間中は修習給付金は支給しないことを予定しているところでございます。
 また、戒告でございますが、これは、司法修習生の責任を確認し、及びその将来を戒める処分をいうものとしているところでございます。
 以上でございます。
#193
○山口和之君 現在、司法修習生が罷免されるのは最高裁判所の定める事由があると認めるときというふうになっておりますが、その中に破産者で復権を得ない者が必要的罷免事由として定められておりますが、その理由は何かを伺いたいと思います。
#194
○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) お答え申し上げます。
 破産者であって復権を得ない者は、弁護士の欠格事由ともされているところでございます。
 司法修習生の多くは、修習を終了いたしました後、弁護士になるのが実情でございまして、弁護士になる資格のない者に対して国費を用いて司法修習を受けさせることは相当ではないというふうに考えられるところから、破産者で復権を得ない者については司法修習生としての罷免事由とされているものと理解しているところでございます。
#195
○山口和之君 しかし、裁判所法では裁判官の欠格事由にはなっていないということや、また検察庁法及び国家公務員法でも検察官の欠格事由にはなっていないということだとすれば、裁判官、検察官になった後に破産しても地位を失うことがないのに、司法修習中に破産すると罷免されて法曹への道が完全に閉ざされてしまうというのは整合性が取れないのではないでしょうか。
 会社法になって取締役の欠格事由から破産者が削除されたこともあります。修習生の罷免事由に破産者が入っているということの見直しも検討していいのではないでしょうかと思いますが。
#196
○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) お答え申し上げます。
 司法修習生について、破産者で復権を得ない者が罷免事由とされている趣旨につきましては、先ほど申し上げましたとおり、弁護士の欠格事由との関係というふうに理解しているところでございます。
 なお、裁判官、検察官及び弁護士の各欠格事由との整合性ということになってまいりますと、法曹三者の欠格事由をそれぞれどのようなものにするかという制度に関する事項ということになってまいりまして、裁判所としてお答えする立場にないと存じております。
#197
○山口和之君 続きまして、法曹教育について伺いたいと思います。
 司法修習はどういう制度なのかということを伺いたいと思いますが、アメリカなどではロースクールを卒業して司法試験に合格すれば法曹資格が得られるというふうにも聞いております。
 そもそも司法修習にはどのような効果があるのか、伺いたいと思います。
#198
○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。
 司法修習は、司法試験に合格した者を対象といたしまして法曹としての実務に必要な能力を身に付けさせることを目的とするものでございまして、現行法におきましては、裁判官、検察官、弁護士になろうとする者を一元的に養成する統一修習制度が採用されております。これは、法曹三者である裁判官、検察官、弁護士はそれぞれ司法の担い手であり、職業としての法曹は一体であるべきであって、ひとしく高度の一般的教養と法律的素養を身に付けるべきであることからして重要な意義があるものと理解しております。
 そして、司法修習は、実際の事件を通じて法律実務家からの指導を受けつつ、法曹として必要な能力を体験的に修得するものでございまして、裁判官、検察官、弁護士のいずれになろうとする者についても不可欠であると考えております。
#199
○山口和之君 司法修習を終了せずに法曹となるルートがあるという話を聞いております。どのようなルートがあるのか。また、そのようなルートでは裁判修習、検察修習、弁護士修習を経なくても法曹になれると聞いていますが、司法修習を終了せずに法曹となった者と終了して法曹となった者について何か違いがあるのかと、そもそも例外があっていいのかという、今の話からすると司法修習は非常にいい制度であるということからいくと、この点についてお伺いしたいと思います。
#200
○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。
 今御指摘ございました司法修習を経ずに弁護士資格が得られる制度、これは例外的制度ではございますけれども、弁護士法第五条に基づく弁護士資格認定制度というのが存在いたします。
 この制度の趣旨でございますが、国民に多様な法的サービスを提供できるよう、公務でございますね、公務員としての仕事や企業法務など、社会の様々な分野、場面で法律に関する実務経験を経て高度な専門的能力を備えた者に対しても一定の要件の下で法務大臣の認定により弁護士資格が与えられるものでございます。弁護士資格でございます。
 そして、一定の要件と申しましたが、これは現状では法務大臣が指定する法人、これは日本弁護士連合会を指定しておりまして、日本弁護士連合会が研修を実施して、その研修を受けていただいて法務大臣が最終的に認定しているということで弁護士資格が与えられるようになってございます。
 そして、司法修習を経て弁護士となった者との相違について御説明いたしますと、弁護士資格認定制度により弁護士資格が与えられた者と司法修習を経て弁護士資格を得た者で、その資格には違いはございません。
#201
○山口和之君 そもそも例外があっていいのかなという思いもありますが、聞くところによると、かつては新司法試験組よりも旧司法試験組の方が就職に有利というふうに言われているそうです。今では予備試験組の方が就職に有利と言われているとのことです。
 法科大学院制度ができて以降、常に他のルートを通って法曹になった者の方が高い評価を受けているようであるということも聞いております。法科大学院への評価が低い傾向にあるのかなというふうにも感じられるんですが、この原因はどこにあると考えていらっしゃるか、伺いたいと思います。
#202
○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。
 新司法試験組と旧司法試験組、あるいは法科大学院組と予備試験組との間における弁護士としての就職の有利不利等に関しましては、法務省においてそれぞれの属性別の弁護士の就職状況等を把握してございませんのでこの御質問の前提をちょっと明らかにできないところでございまして、お答えすることは困難でございます。
 もっとも、法科大学院の修了者と予備試験の合格者を比較した場合に、予備試験合格者の司法試験合格率が法科大学院修了者の司法試験合格率を上回っている状況にあることは確かでございまして、この点に関しましては、法科大学院につきまして、一昨年六月の法曹養成制度改革推進会議決定におきまして、法科大学院全体としての司法試験合格率が制度創設当初に期待されていた状況と異なるものとなっているというなどの多くの課題が指摘されていることでございまして、こういうところが司法試験合格率における差異になっているのではないかと把握しているところでございます。
 法科大学院につきましては、この推進会議決定で平成三十年度までを集中改革期間とされておりまして、文部科学省において、法科大学院の抜本的な組織見直し及び教育の質の向上を図ることにより、各法科大学院において修了者のうち相当程度が司法試験に合格できるよう充実した教育が行われることを目指すとされているところでございますので、法務省といたしましても、文部科学省と連携し、推進会議決定に掲げられた各種の取組を進めてまいりたいと考えているところでございます。
#203
○山口和之君 最後に大臣にお伺いしたいんですが、現在の法曹養成制度については厳しい意見があると承知しております、今日もたくさん出ていたところだと思いますが。今後、法科大学院を含む法曹養成改革をどうしていくべきか、法務大臣の見解を伺いたいと思います。
#204
○国務大臣(金田勝年君) 山口委員にお答えをいたします。
 法科大学院につきましては、法科大学院全体としての司法試験合格率が制度創設当初に期待されておりました状況とは異なるものとなりまして、法曹志望者の減少を招来する事態を生じさせる一因ともなっておることなど、多くの課題が指摘されているところであります。
 一昨年の六月の法曹養成制度改革推進会議決定におきまして、平成三十年度までの期間を法科大学院の集中改革期間と位置付けまして、法科大学院の抜本的な組織見直し及び教育の質の向上を図ることによりまして、各法科大学院において修了者のうち相当程度が司法試験に合格できるように充実した教育が行われることを目指すとされたところであります。
 文部科学省においては法科大学院の公的支援の見直し強化やあるいは認証評価の厳格化といった必要な取組に取り組んでおられるというふうに承知をいたしておりますが、法務省といたしましても、推進会議決定に掲げられた取組について、文科省と連携をし、しっかりと取組を進めてまいりたい、このように考えている次第であります。
#205
○山口和之君 ありがとうございます。
 聞くところによると、法科大学院では弁護士資格を取るための授業というよりも実践に即したものという話を聞いておりますが、実践に即したものが試験に出なければ整合性がないわけなので、この辺のバランスがどうなっているのかちょっと自分はよく分かりませんけれども、おかしな話だなというふうにも思うところがあります。
 いずれにしても、大学院を出られた方、先ほど佐々木委員からもお話伺いましたし、司法修習を受けて非常に良かったという話も聞いておりますし、そういったことから、大変な思いをせずにも法曹になれるように改革をしていただければと思います。
 以上で終わります。
#206
○委員長(秋野公造君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 裁判所法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#207
○委員長(秋野公造君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#208
○委員長(秋野公造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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