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2017/04/25 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 総務委員会 第11号
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2017/04/25 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 総務委員会 第11号

#1
第193回国会 総務委員会 第11号
平成二十九年四月二十五日(火曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     宮崎  勝君     長沢 広明君
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     長沢 広明君     宮崎  勝君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         横山 信一君
    理 事
                大沼みずほ君
                柘植 芳文君
                森屋  宏君
                江崎  孝君
                山本 博司君
    委 員
                片山さつき君
                こやり隆史君
                古賀友一郎君
                島田 三郎君
                関口 昌一君
                塚田 一郎君
                二之湯 智君
                松下 新平君
                溝手 顕正君
                山崎 正昭君
                伊藤 孝恵君
                杉尾 秀哉君
                那谷屋正義君
                森本 真治君
                吉川 沙織君
                宮崎  勝君
                山下 芳生君
                片山虎之助君
                又市 征治君
   国務大臣
       総務大臣     高市 早苗君
   副大臣
       総務副大臣    あかま二郎君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  金子めぐみ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野  哲君
   政府参考人
       警察庁長官官房
       審議官      高木 勇人君
       総務省情報通信
       国際戦略局長   谷脇 康彦君
       総務省情報流通
       行政局長     南  俊行君
       総務省情報流通
       行政局郵政行政
       部長       安藤 英作君
       総務省総合通信
       基盤局長     富永 昌彦君
       総務省総合通信
       基盤局電波部長  渡辺 克也君
       総務省政策統括
       官        今林 顯一君
       消防庁次長    大庭 誠司君
       法務大臣官房審
       議官       加藤 俊治君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    定塚由美子君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○電波法及び電気通信事業法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(横山信一君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 電波法及び電気通信事業法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、警察庁長官官房審議官高木勇人君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(横山信一君) 電波法及び電気通信事業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○松下新平君 自由民主党の松下新平です。
 電波法及び電気通信事業法の一部を改正する法律案について質問をいたします。
 今日、委員長を始め理事の皆さん、粋な計らいでスタートいたしました。開会前でしたけれども、永年勤続を受賞された片山先生、そして山崎先生、それぞれ、総務大臣、また議長としてこれまで長い間活躍をいただいたわけですけれども、同じ総務委員会のメンバーとして大変誇りに思います。
 長く続けるということは本当に大変なことだというふうに改めて感じているところなんですけれども、総務大臣の在任期間についてちょっと調べてみまして、現在、歴代の総務大臣については、片山虎之助先生が九百八十九日で一番長いということでございました。二番目が高市総務大臣ですね、今日現在で九百六十五日ということです。
 総務省は三つの省庁が一つになったマンモス省庁ですから、ただでさえ大変だと思いますけれども、高市大臣は平成二十六年九月三日に就任されて歴代二位ということですけれども、一位の片山大臣に並ぶのはあと二十四日だそうです。五月二十日で歴代一位に並んで、千日が五月三十日に達成すると。今国会中に達成ということですけれども、地方からも、安定した総務大臣の中で大変仕事がやりやすいという声もたくさんいただいております。また、前回の委員会で、高市大臣は、在任中は自身のパーティーも自粛をされている、いろいろ御苦労もあるということでしたけれども、敬意を表しながら質問をしたいというふうに思います。
 まず、緊迫する朝鮮半島情勢について、これは総務省も消防庁を中心にいろいろ対策を取っていただいておりますので、また、高市大臣も、全体の政治家の立場からも、この心構え、覚悟をお聞かせいただきたいと思います。
 三月六日に北朝鮮がミサイルを発射いたしました。日本海のEEZ内、排他的経済水域に着弾したわけですけれども、このことをもって、安倍総理は、新たな段階の脅威、新たな段階な脅威であると認識をしており、関係機関に的確な指示を出しているところです。
 また、先ほど来日されたペンス米国副大統領も、これまでのオバマ政権は戦略的な忍耐の期間だったけれども、今度のトランプ大統領は全ての選択肢をテーブルにのせて対処するということを明言しておりまして、安倍総理はそのことを全面的に支持するということで、今、日米関係、連携を取っているところです。
 また、昨日、日米のトランプ大統領と安倍総理との電話会談、三十分間に及んだそうですけれども、その中でも、安倍総理は、トランプ大統領の言葉そして行動、これを高く評価するということを記者会見でも述べられております。
 また、戦後最大の危機にあることは間違いないんですけれども、政府も、国民保護ポータルサイト、あるいは昨日はメルマガも発行されました。そして、先週は、先週の金曜日ですけれども、都道府県の危機管理担当者を集めて、このミサイル発射時の、また、その後の対応についてもいろいろ意見交換をしたそうなんですけれども、そこで資料の一番を見ていただきたいと思います。
 Jアラートの概要ということで書いておりますけれども、こういった危機に関してエムネット、これは政府がしかるべく行政機関に指示を出すシステムですけれども、もう一方で、このJアラートというのは一般の国民の皆様にいち早く伝える手段でありますけれども、北朝鮮のミサイルは七分から八分で着弾するとされておりますので一刻を争うわけでございます。
 まず、消防庁の方に、この間の都道府県の担当者会議にも出席をされて説明されたそうですけれども、このJアラートの概要について共有したいと思いますので、よろしくお願いします。
#6
○政府参考人(大庭誠司君) 御提示いただきました資料を見ていただきながらと思いますが、Jアラートにおきましては、北朝鮮から弾道ミサイルが発射され日本に飛来する可能性がある場合、内閣官房が発信するミサイル情報を消防庁の送信システムを通じまして各市町村の受信機に送信いたしまして、市町村防災行政無線のスピーカー、戸別受信機あるいはコミュニティーFMなどの情報伝達手段を自動で起動させることによりまして、人の手を介さずに瞬時に伝達する仕組みとしております。
 また、この図の下の方にございますように、消防庁の送信システムから携帯電話会社を経由して直接携帯電話、スマートフォンにエリアメール、緊急速報メールを発信し、緊急地震速報と同様にミサイル情報を伝達することとしております。
 以上でございます。
#7
○松下新平君 三月には男鹿半島で、小さい規模ですけれども、ミサイルがこの領海に発射された又は着弾したという想定で訓練もされているようです。また、自治体からもその後そういった問合せが来ているということですけれども、消防庁の方でも国としっかり連携を取って対処していただきたいと思います。
 このときの警報システムのアラーム、これを今報道もたくさん流していただいておりますが、国民が共有することが大事だというふうに思います。空襲警報に似ていると、怖いという感想を持っていらっしゃる方もいらっしゃいますけれども、これは、どの世代にも耳から何かこういつもと違うというのを、危険を察知するという工夫した音程になっているそうなんですけれども、そういったところも備えをしていただきたいと思います。
 そこで、高市大臣に、総務省全体として、また政治家としての覚悟をお聞きしたいと思います。
#8
○国務大臣(高市早苗君) 北朝鮮の動向につきましては、総務省、消防庁の職員とともに二十四時間対応可能な体制を取りまして緊張感を持って注視をしております。
 総務省では、先ほど松下委員がおっしゃいましたとおり、三月十七日に秋田県男鹿市で実施したミサイルを想定した住民避難訓練に続きまして各地でも実践的な訓練が実施されますように、四月十九日に都道府県に通知を発出して国との共同訓練の積極的な実施を要請しました。さらに、四月二十日から実施しました都道府県、政令指定都市の危機管理担当幹部を対象としました研修ですとか、二十一日に緊急に開催しました都道府県の国民保護担当課長会議を通じまして、最近の北朝鮮情勢の説明や内閣官房作成の国民向け情報に係る広報実施の要請、ミサイルを想定した共同訓練の働きかけなどを行いました。また、総務省は、Jアラートを通じてミサイル情報を瞬時に国民に提供する役割を担っており、迅速、確実な情報伝達のため、昨日も、北朝鮮の動向を踏まえ、機器点検や連絡体制の徹底を要請しました。来月から全国十一か所で実務者向けの研修を実施するといった取組を進めております。
 国民保護を所管する総務省としましては、関係省庁それから地方公共団体と緊密に連携をしながら緊張感を持って対応してまいります。
#9
○松下新平君 総理もサリン掲載の機能も持ち備えている可能性もあるということも言及されております。また、核を積んだときの対応、これも新たな課題だと思いますが、これまでの消防庁を中心とした知見を集めてしっかり対応をお願いしたいと思います。
 次に、この資料の二枚目を開けていただきたいと思います。資料の一、二、三枚用意しておりますけれども、JICT、株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構でございます。これはちょうど一昨年の十一月にスタートしまして、今年の一月と三月立て続けに、この資料の二枚、三枚目ですけれども、認可されております。
 私もこの法案の、設立の前は自民党の総務部会長として総務省初の官民ファンドということでいろいろ苦労もあったんですけれども、これを法案として日の目が見たわけです。そして、成果として大変期待されている中で立て続けにこの度認可されたということですので、是非そのことを共有したいと思いますので、お披瀝いただきたいと思います。
#10
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構、いわゆるJICTと呼んでおりますが、この組織は平成二十七年の十一月の設立以降、我が国企業による通信、放送、郵便事業の海外展開を支援するため、投資実行に向けた取組を継続しており、現在までの投資実績は二件となっております。
 具体的には、本年一月、第一号の支援案件として、香港―グアム間の光海底ケーブルの敷設、販売を行う事業に対して最大約五十八億円の投資を行うことを決定しております。また、これに続けまして、第二号の支援案件といたしまして、本年三月、アジアを中心に世界各国においてMVNOサービスなどを提供する事業に対して最大十五億円の投資を行うことを決定し、それぞれ総務省としても支援決定の認可を行ったところでございます。
 なお、本年度の機構の予算枠は、産業投資百九十億円及び政府保証二百二十六億円の計四百十六億円となっているところでございます。
 総務省といたしましては、関係国政府に対するトップセールスや現地での実証事業などを通じましてこのJICTの活動を後押ししており、今後とも機構と連携しながら我が国企業を積極的に支援してまいりたいと考えているところでございます。
#11
○松下新平君 これ、社長にみずほ銀行から福田さんが来られて、金融のプロフェッショナル、私も先日お会いしましたけれども、本当に精力的に海外に出向いて働きかけを強めていらっしゃいます。是非今後の、またこのファンドの活用よろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、法案の中身に移りたいと思います。
 この改正案ですけれども、これは平成五年から始まりまして、最近では三年に一回見直すということになっております。一年目はこの懇談会を開いて有識者の皆さんからの意見をまとめて、その翌年に法案として形になる。その翌年がその成果ということで、三年サイクルで今動いているわけですけれども、ちょうど私、昨年、総務副大臣として高市大臣の命を受けてこの懇談会を主宰をさせていただきました。昨年の一月から七月にまとめたわけですけれども、獨協大学の多賀谷先生が中心となって、三十四回にわたるこのワーキンググループの会合等を重ねてこの懇談会の報告まとめてもらったわけですけれども、多賀谷先生はもう週に四回は総務省に来ているぐらい、打合せも含めて取り組んでいただいたわけです。
 その特色としては、やっぱり国際的な競争力を強めるということですね。そして、地デジがほぼ終了して、これからオリンピック・パラリンピックに向けて加速しているわけですけれども、電波もきちっとそれに対応していこうと、そういう主な内容でございました。
 その全体的な特色として、株式会社インフォシティの岩浪社長さんがイラストを提供してくださいまして、これは大変好評でございました。そして、今もいろんなところで使っていただいているそうなんですけれども、資料の三ページ目を見ていただきたいと思います。これからちょっとイラストがずっと続くんですけれども、我々が鉄腕アトムとかに憧れたように、やっぱりこのイラストというのは夢も膨らみますし、大変説明するには良いツールじゃないかなというふうに思います。
 スポーツの楽しみ方が変わる、地方での暮らしが変わる、そして救急医療が変わる、この点についてあかま副大臣からちょっと説明していただきたいと思います。
#12
○副大臣(あかま二郎君) ただいま委員の方から御質問がございました5G、いわゆる5G、第五世代移動通信システムでございますけれども、これは3G、また4Gを発展させ、超高速、それだけじゃなく多数接続、また超低遅延といった特徴を持つ次世代型の移動通信システムでございます。
 この実現は二〇二〇年を目途としておるところでございますが、今資料に沿って御説明申し上げますと、資料三の一にございますとおり、5Gが実現されることで、例えばスポーツ観戦において好きな視点から迫力ある映像をこれまでにない臨場感で楽しむことができるようになるなど、スポーツの楽しみ方が変わるというふうに期待もされておるところでございます。
 また、資料の三の二にございますとおり、交通の分野では、超低遅延の通信、これが必要となる自動運転システムの実現にも寄与し、公共交通機関が利用しにくい地域でも自動運転タクシーが好きなときに好きな場所に出かけることができるようになるというふうにも期待もされます。
 さらに、資料の三の三でございますけれども、医療分野では、どこにいても高精細な映像を用いた遠隔手術、これを受けることができるなど、より多くの方々が先進的な医療サービスを受けれるようになると期待されます。
 このように5Gというものは、我々の生活をより便利で快適なものにするというふうに考えております。
 以上です。
#13
○松下新平君 ありがとうございました。
 続きまして、資料の四を御覧いただきたいと思います。資料の四は、仕事のやり方が変わる、そして買物が変わる、まさに働き方改革、生活の視点からのこのイラストでございますけれども、これについては金子大臣政務官からお願いします。
#14
○大臣政務官(金子めぐみ君) 委員御指摘のとおり、5Gが実現されることでビジネスや働き方も大きく変わるものと考えられます。
 資料四の一のイラストにありますように、超低遅延の無線通信を使えば離れた場所から正確に建設現場の建機を遠隔操作できるようになり、子育てを行う女性が自宅にいながらにして建設現場の施工管理を行うなど、新しいワークスタイルが可能になると期待されております。
 続いて、資料四の二にありますように、店舗内の様々な場所に設置されましたセンサーから収集する情報を分析することで、店舗内の全商品の在庫管理や流通管理を迅速かつ効率的に行うことができたり、また顧客ニーズに応じた新たな商品の提案を行うことができるなど、新しいビジネス手法が実現することも期待されております。
 総務省といたしましては、二〇二〇年には5Gを確実に実現をし、どなたにとっても喜んでいただけるような新しい働き方や新たなビジネスが開花していくようにしたいと考えております。
#15
○松下新平君 ありがとうございました。
 もう一つ、資料の五ですけれども、これ、防災・減災、これは頻発します災害に対してまさに今回の法案に関するいろいろ仕組みを使って変わるということでございますが、これについては政府参考人からお願いします。
#16
○政府参考人(富永昌彦君) 5Gが実現されることで、災害対策の面でも大きな変化が起こると考えられます。委員御提出の資料五を御覧ください。例えば、災害時に被災地に多数設置された高精細な映像センサーにより収集されたデータを活用することで、被災状況を網羅的に把握するとともに、被災者に最適な避難経路情報を迅速に届けることができるようになります。また、超低遅延の通信機能を備えた無人航空機、ドローンを遠隔地から制御することで、緊急車両が進入することができない被災現場にいる要救助者に応急処置を行うための医療器具などを確実に届けることができるようになると期待されます。
 このように、5Gは災害に強い社会の実現にも貢献することができるものと期待されております。
 以上でございます。
#17
○松下新平君 ありがとうございます。
 もう時間が参りまして、最後の質問になりますけれども、説明いただきましたように、5Gは様々な分野で活用が期待されております。二〇二〇オリンピック・パラリンピックももちろんですけれども、その後の成長エンジンとしても期待されているわけでございます。
 最後に、高市大臣からこの5G実現のための取組についての決意、お聞かせいただきたいと思います。
#18
○国務大臣(高市早苗君) 松下副大臣には、この5Gの利活用イメージを含む報告書の取りまとめも大変な時間を使って御苦労をしていただいたこと、改めて感謝申し上げます。
 5Gは、本格的なIoT時代のICT基盤でございます。交通、医療、防災を始め、具体的な利活用が期待される様々な業界と連携をしながら総合的に推進していくということが重要でございます。
 総務省では、現在、5Gの実現に向けまして、要素技術を確立するための研究開発や具体的な利活用を想定した実証試験の推進、それから国際的な標準化を進めるという観点からの国際連携の強化、5G用に割り当てる周波数の確保に取り組んでおります。
 二〇二〇年の5G実現を目指し、そしてまた二〇二〇年以降の5Gの更なる活用ですね、利活用というものをしっかりと見据えながら取組を加速化してまいります。
#19
○松下新平君 ありがとうございます。
 御説明をいただきましたけれども、今回予算で残念なのは、シーリングの対象になっているということでございました。前政権からの負の遺産ですけれども、お話があったとおり成長エンジンとして非常に大事なので、これは従来どおり、このシーリングから外して堂々と予算を計上して使うことが大事だというふうに改めて指摘をします。
 昨年、これも二十数年ぶりでしたけれども、G7の情報通信大臣会合、これが日本で開催されました。AIの開発原則と高市イニシアチブをこの場でも発信をしていただきました。そのように、海外展開もさることながら、この情報通信に関して日本が世界をリードしていくという意気込みを発表されたわけでございますけれども、今回の法案を通じても、高市大臣が特に力を入れていらっしゃる海外展開、これはもう物というよりもシステムですね、あるいはこういったノウハウ、そういったのを是非展開していただきたいというふうに思います。
 これも、私もその後各国回りましたけれども、日本に対する大きな期待が寄せられておりますので、JICTのファンドの使い方も含めて、更なる総務省のまた存在感、お願いしたいというふうに思います。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
#20
○吉川沙織君 民進党の吉川沙織です。
 今回は、電波法改正案の内容に重点を置きつつも、今回の改正内容は三年に一度の電波利用料額の改定等の小幅な内容にとどまっておりますことから、これまで継続的に質疑を行ってきた防災行政無線やJアラート等消防防災の観点、並びに、先月三月十五日、最高裁大法廷でGPS捜査の判決が出ました。これに関しても少し伺っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 電波利用料は、三年を一期間として、その期間に必要と見込まれる電波利用共益費用を同期間中に見込まれる無線局で負担するものとして三年ごとに見直しが行われており、今年度が改正時期に当たっております。
 電波利用料制度は平成五年に創設されていますが、この間、歳入と歳出の差額について、平成二十年五月、平成二十五年五月の電波法質疑の際にも確認をしてまいりました。現在における歳入歳出の差額について総務省に伺います。
#21
○政府参考人(富永昌彦君) お答え申し上げます。
 平成五年度の電波利用料制度の創設時から決算が出ております平成二十七年度までにつきまして電波利用料の収入決算額から電波利用共益費用の決算額を控除いたしました累積の歳入歳出差額は約七百二十八億円となっております。
 以上でございます。
#22
○吉川沙織君 平成二十年五月時点で累積黒字が二百十七億円、平成二十五年五月時点での累積黒字が約三百五十六億円と答弁があって、今局長から七百二十八億円という、こういう答弁でございました。
 今年度の電波利用料予算額が約六百二十億円であることに鑑みれば、およそですが、約一年度分の電波利用料予算に匹敵する累積黒字が存在することになり、これを勘案すると、料額を下げる、若しくは無線局全体の受益に資するための有効活用をするしかないと思われます。電波利用料は一般会計の中の特定財源とされていることから、総務省が、これ使いたいんです、余った分使いたいんですと財務省に要求しなければ、電波利用料財源はほかの一般財源として費消されることになる仕組みとなっているからです。
 これだけ累積黒字が発生している中、総務省が財務省に対してこれまで余った分をこの政策に使いたいと言って要求した例というのは、平成二十一年度における約二百四十四億円の例のほかにあるか否かだけで結構です、総務省に伺います。
#23
○政府参考人(富永昌彦君) 歳入歳出差額につきましては電波法にその取扱いが明記されておりまして、その差額につきましては予算で定めるところにより電波利用共益費用の財源に充てることができるとされております。
 今委員御指摘のとおり、平成二十一年度には地上デジタル放送への移行支援、それから携帯電話等エリア整備事業ということで、約二百四十四億円という大規模な補正予算を計上しております。
 そのほか、これぐらいの大きな規模ではございませんが、過去に累積差額のうちから支出を行ったものがございます。
#24
○吉川沙織君 過去に累積差額から支出を行った例というのは何年度ですか。
#25
○政府参考人(富永昌彦君) 今ちょっと手元に年度を持っておりませんので、至急調べさせていただきます。
#26
○吉川沙織君 平成二十一年度以外にあるかないかだけ伺いましたので、後で教えていただければ結構でございます。
 電波法第百三条の三第二項の規定は、将来必要になった場合に財務省が責任を持って余った分はこれ返してくださいよと言って手当てすることであって、単年度で見た場合、歳入超過分は一般会計の中でほかの施策に使われてしまうということですので、一般財源が電波利用料から無利子で借金しているようなものです。電波利用料制度というのは受益者負担の制度であり、累積黒字が増大するということは負担が受益を上回っているということになりますので、受益と負担のバランスが適正である必要があると思っています。
 ここで、昨年まとめられました電波政策二〇二〇懇談会報告書百六十九ページの「歳入と歳出の一致についての考え方」で、「電波利用料は三年間に必要な電波利用共益事務にかかる費用を同期間中に見込まれる無線局で負担するものとして料額を決定しているが、」、中略をして、「歳入と歳出の乖離が生じている。 このような状況に対して、意見募集やヒアリングにおいて、放送事業者、通信事業者の無線局免許人から、「乖離が生じないよう歳入と歳出の総額を一致させるべき」との意見が多数提出された。」とあります。
 これらの意見を踏まえるならば、今年度以降の三年間において歳入と歳出の一致に向けてどのように取り組まれるのか、総務省に伺います。
#27
○政府参考人(富永昌彦君) お答え申し上げます。
 電波利用料は、無線局全体の受益を直接の目的として行う事務の費用をその受益者である無線局の免許人に広く御負担いただくというものでございまして、各年度の歳入と歳出を一致させることが適当と考えております。
 今般の電波利用料制度の見直しに当たっては、平成二十九年度から三十一年度までの三年間の歳出規模として年間平均約六百二十億円を想定しております。この支出を賄うために同額の歳入が確保できるよう新たな料額を算定することとなりますが、前回の料額算定時に携帯電話等の端末についてその数が上限を超えても負担を増やさない措置を導入しましたことから、無線局数が三年間で大きくは変動しないことを想定いたしまして料額を算定しております。その結果、平成二十九年度予算につきましては、歳入と歳出を一致させた約六百二十億円としております。三十年度、三十一年度の予算につきましても、各年度の歳入と歳出の関係は一致させるとの考え方の下で適切に対応したいと考えております。
 以上でございます。
#28
○吉川沙織君 じゃ、仮にスマホが増えたとしても、これ、前回、平成二十五年五月三十日の当委員会での局長答弁は、「差額が発生している主な理由としましては、スマートフォンを初めといたしまして、無線局の急速な普及等によりまして歳入が想定以上に増加したというようなことが挙げられるわけでございます。」と答弁がございました。このときは、上がるに従ってどんどこ入ってくると。でも、今の答弁ですと、ある程度で区切ってしまうのでそれほど差額は発生しない、それが歳入と歳出の一致につながるという、こういうことでよろしいですか。
#29
○政府参考人(富永昌彦君) 私どもとしては、三年前に導入いただきました負担額を抑えるという措置でございまして、それがあるために、今後三年間につきましては余り無線局数が大きな変動を起こさないと考えておりまして、そういう意味では、想定がかなり今までよりもより確度が高いという想定でございます。したがって、その想定の下で歳出をしっかり予算化していくということで考えております。
#30
○吉川沙織君 他方、歳入歳出の差額、先ほど局長から御答弁いただきましたとおり、七百二十八億円程度あるからといってなし崩し的に、電波利用料、平成五年にできてから改正のたびに大体使途の追加がなされてきています。だから、余っているからといってなし崩し的に電波利用料の使途の追加をするべきではないと思います。無線局全体の受益になる使途の追加であれば、もちろん法の趣旨にかなうことですのでいいかと思うんですが、国民全体の受益に資するということであればこれは一般財源を充てるべきだと思います。
 一般財源と電波利用料財源で行う施策の区分というか基準の違いについて、改めて教えてください。
#31
○政府参考人(富永昌彦君) 電波利用料は、広く免許人に費用負担を求める共益費用でございます。その使途として、例えば電波の混信、ふくそうを防止するなど、電波の適正な利用を確保する上で不可欠なものであること、それから一部の無線局や個別の免許人ではなく無線局全体の受益を目的とすること、これを要件としております。具体的な使途につきましては電波法で限定列挙する形で明確に規定されておりまして、この規定に合致しないものを電波利用料財源の対象とはしてはございません。
 以上でございます。
#32
○吉川沙織君 無線局の全体の受益につながらないものは対象ではないということだったと思います。
 その平成二十五年改正のときに使途が追加されたものとして、防災行政無線、消防救急無線のデジタル化に要する費用の補助が追加されました。消防救急無線のデジタル化は、これは平成二十年当時からずっと質問してきましたけれども、平成二十八年五月末日をその期限として明確に定められていたということもあり、完了していることは承知しております。が、もう一つの対象だった移動系防災行政無線のデジタル化について、平成二十五年に使途の追加をして、実際どの程度進んで、現在の整備率はどうなのか。整備率だけで結構です。
#33
○政府参考人(富永昌彦君) お答え申し上げます。
 周波数有効利用促進事業につきましては、消防救急無線と移動系防災行政無線、両方を対象としておりました。御指摘のとおり、消防救急無線につきましては、もう既に平成二十八年三月末にデジタル化が完了しております。一方、移動系防災行政無線の方につきましては、二十五年三月末では約一三%でございましたが、二十八年三月末では約二〇%というところまで行っております。
 以上でございます。
#34
○吉川沙織君 多分トータルだと一〇〇だと思いますので、二〇だとまだまだだなという思いがありますのでどうかと思うんですが、平成二十五年改正において防災行政無線と消防救急無線のデジタル化に要する費用の補助を追加したことに伴って、平成二十五年改正のとき、電波法第百三条の二第四項第八号、これを書き込みました。これを根拠としていた、今二〇%という答弁いただきましたけれども、防災行政無線のデジタル化を含む周波数有効利用促進事業は今年三月末で終了しました。
 ただ、この第百三条の二第四項第八号は、事業は終了したのに削除されずに残ったままです。同号に基づく事業としてほかに何か想定されて残しているのかどうかを伺います。
#35
○政府参考人(富永昌彦君) お答え申し上げます。
 電波法第百三条の二第四項第八号の規定でございますけれども、周波数有効利用促進事業について規定したものでございます。この規定の下で、消防救急無線及び移動系防災行政無線のデジタル化を対象として平成二十八年度まで事業を実施してまいりました。この事業による支援でございますが、人命又は財産の保護の用に供する無線設備を広く恒久的に対象とする事業でございます。
 今後、このような無線設備であって、電波の能率的な利用に資する技術の利用の推進を図るため必要があると認められる場合には支援を行っていくことも想定されるということで、今特定のものを想定しているわけではございませんけれども、電波利用共益事務の定義規定を維持しているということでございます。
#36
○吉川沙織君 平成二十五年に追加された消防救急無線は一〇〇%です。移動系の防災行政無線の整備率は、先ほど御答弁いただいたように二〇%です。
 そのときに対象になったのは消防救急無線と移動系防災行政無線のデジタル化だけであって、当時、私も質問しましたけれども、同報系防災行政無線は事業の対象の追加とされませんでした。これは自治事務だから自治体の努力でやりなさいという答弁が当時の消防庁長官と総務大臣からあったところでございます。ですので、この同報系防災行政無線のデジタル化もまだ道半ばというふうに聞いておりますので、こういったことに使うこともあるのかなという感想だけ申し上げて、次の質問に行きたいと思います。
 九年前から継続的に確認をしてきた防災行政無線そのものの整備率について消防庁に伺います。
 地震や津波等の災害発生時、ミサイル発射等の武力攻撃事態における情報伝達手段の一つとして、防災行政無線は、スピーカーから流れる音で住民への避難を呼びかける大事な手段の一つであることに違いありません。しかし、その防災行政無線は、整備率、ずっと九年前から問い続けてまいりましたけれども、これもまた途上であります。
 まず、防災行政無線、同報系で結構でございます、最新の整備率について消防庁に伺います。
#37
○政府参考人(大庭誠司君) 市町村の防災行政無線、同報系の整備状況につきましては、平成二十八年三月末現在、千四百二十八の市町村、全市町村の八二%が整備をしているところでございます。
#38
○吉川沙織君 では、もう一つ。今のは、今の市町村数での割合が八二%だということだと思います。ただ、平成は平成の大合併がありました。それまでA市とB市があって、A市が整備済み団体でB市になくても、合併したら一応同じ市になりますから両方とも整備済み団体とみなされます。そうなると、市町村合併効果を含んで見かけ上の整備率は上がるということになりますので、その市町村合併効果分を抜いたいわゆる実質の防災行政無線の現在の整備率、最新の整備率について伺います。
#39
○政府参考人(大庭誠司君) お答えします。
 多くの市町村合併が行われる前の平成十六年三月末での市町村数三千百五十五を基に平成二十八年三月末時点の整備率を個別に確認し、改めて算出したところ、整備率が七九・四%となっておりまして、平成十六年三月末の整備率六七・八%より一一・六%の増となっております。
#40
○吉川沙織君 約九年前に実質の整備率はいかがですかとお伺いしたときは七〇・九%から始まりましたので、少しずつではありますけれども整備は進んでいるということだと思います。ただ、実質の整備率は七九・四%という答弁でございました。
 先ほども出ましたけれども、これも運用が平成十九年に始まって、その後からずっと聞いてまいりました。Jアラートの自動起動機は、私、質問し始めた頃はまだこれ全然整備進んでいませんでしたが、今は自動起動機自体は一〇〇%整備をされています。市町村にある自動起動機が自動起動したとしても、その先に避難の情報を伝える情報が住民に届くためには、やはり防災行政無線のスピーカーというのは一番効率がいい。もちろん、先ほどありましたように、ケーブルテレビ、コミュニティーFMだとか携帯とか戸別受信機だとかといったものもありますが、東日本大震災やあらゆる災害でのアンケート結果を見ますと、防災行政無線のスピーカーから流れてくる音を頼りに逃げた、助かったという声が多うございました。
 ですので、いまだ防災行政無線の実質の整備率が七九・四%であるということは、残り二〇%の国民の皆さんにはその情報が届く手段が限られるということになりますが、そのことに対する消防庁の見解を伺います。
#41
○政府参考人(大庭誠司君) 私どもも市町村防災行政無線の整備促進は大きな課題だと思っております。これまで、財政措置として、緊急防災・減災事業債の対象といたしまして防災行政無線の整備を促進してきたところでございますが、市町村の地形や面積によりましては多額の経費が必要な場合もありまして、整備に時間を要しております。
 それ以外の方にどう伝えるかという観点でございますけれども、平成二十八年度から、屋外スピーカーや屋内受信機により住民に直接情報を伝達できるコミュニティーFMなどを防災行政無線の代替として整備する場合においても財政措置を講じておりまして、こういう制度なども活用しながら、より市町村の取組を支援してまいりたいと考えております。
#42
○吉川沙織君 同報系の防災行政無線の整備率は、多分アナログのものでお答えいただいたかと思います。デジタル化についてはあえてこの場では問いはしませんけれども、それも物すごい整備率が低い。いろんな手段を講じてということではございますが、同報系が一番住民、国民の皆さんにとっては身近で、それがまだ一〇〇%には残念ながら到達していないという現状がある中で、もちろん防災は自治事務であり、国民保護という観点に立てば法定受託事務という事務の性格の違いがあろうかと思います。
 ただ、災害の情報にしても、武力攻撃事態の情報にしても、国民の生命、身体、財産を守るという目的に変わりはありません。ですので、防災に重点を置いて考えるならば、はい、自治体頑張ってねということになりますが、国民保護事案、今ほどクローズアップされたこと、この九年間この関係の質疑してきて、なかったと承知しています。
 国民保護に重点を置いて考えるならば法定受託事務となり、ある程度国が思い切って支援することも考えられるのではないかと考えますが、消防庁の見解、一言で構いません。
#43
○政府参考人(大庭誠司君) 今申し上げましたとおり、市町村に対しまして、緊急防災・減災事業債を活用するなど、その整備に積極的に取り組んでいただきたいと思います。また、これらの未整備の市町村につきましては、緊急速報メール、登録制メール、IP告知システムなど、多様な情報伝達手段を組み合わせて活用することによりまして住民に災害情報伝達がきちんとできるように助言してまいりたいと考えております。
#44
○吉川沙織君 引き続き、この問題については経過を経年で確認をしていきたいと思います。
 次に、携帯という面で関連してお伺いしたいと思います。
 先月、三月十五日、最高裁大法廷は、車両等にGPS端末を取り付けて位置情報を捜査する際に令状を取得するか否かの適法性について、令状なしのGPS捜査は違法判決、さらには、令状をもってしてもGPS捜査には疑義があり立法化が望ましいという判決を出しました。
 携帯電話のGPS捜査については、電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン第二十六条三項にその記載がありますが、そもそもこの第三項の項目は平成二十三年までは存在しませんでした。当時は、どこにいるかを常に監視されるのではないかとの利用者の不安に配慮し、裁判官の発付した令状だけでなく、携帯電話の利用者本人に対して音やメッセージで位置情報の取得を知らせることを条件として、捜査に使えるためにこの項目を追加しました。しかし、これでは、事前にその捜査の対象者にこれから捜査します、位置情報を追跡しますよというのを画面として出すものですから、捜査には使いづらいです。
 平成二十五年十二月十日、犯罪対策閣僚会議は、「世界一安全な日本」創造戦略五十一ページ、「携帯電話のGPS位置情報に係る捜査の実効性の確保」を閣議決定しました。これを受けた総務省は、平成二十七年六月、位置情報の取得を利用者本人に知らせる箇所を削除するガイドラインの改正を行ったものです。
 個人がどこでどれだけ滞在したかということは極めて高度なプライバシーであり、携帯のGPS情報を取得することによって、捜査対象の範囲を超えた行動までもが把握されることになりかねません。こんな重大な改正が、国会で全く議論されることもなく、また法律改正を伴うわけでもなく、当該位置情報を取得されていることを利用者が知らないまま携帯電話のGPS位置情報が取得できるような改正が行われていることについて、先月の最高裁大法廷判決も踏まえて伺います。
 最初に、警察庁、法務省に伺います。
 平成二十七年六月のガイドライン改正後以降、先月、三月十五日の最高裁判決が出るまでの間、捜査機関が携帯のGPS位置情報を取得するための法的根拠は何だったかを伺います。
#45
○政府参考人(高木勇人君) 警察におきましては、携帯電話のGPS位置情報を取得しようとする場合には、裁判官から刑事訴訟法第二百十八条の検証許可状の発付を受け、同令状を電気通信事業者に提示した上で、同事業者が取得した携帯電話のGPS位置情報を取得することを予定したところでございます。
#46
○政府参考人(加藤俊治君) お答えを申し上げます。
 ただいまの警察庁からの答弁と同旨でございますが、捜査機関が携帯電話の位置情報をリアルタイムに収集する捜査については、検証許可状に基づいて行うことが想定されていたものと承知しております。
#47
○吉川沙織君 法務省、検証許可状とおっしゃいましたが、刑事訴訟法第二百十八条で合っていますね。
#48
○政府参考人(加藤俊治君) そのとおりでございます。
#49
○吉川沙織君 では、実際に、平成二十七年六月のガイドライン改正後、裁判官から令状を取得して携帯電話のGPS位置情報を取得したことがあるのか否かを警察庁に伺います。
#50
○政府参考人(高木勇人君) これまで、都道府県警察において、検証許可状の発付を受け携帯電話のGPS位置情報を取得した事例はないものと承知をしております。
#51
○吉川沙織君 実際、ない可能性が高いという蓋然性はありました。なぜならば、このガイドラインの改正は平成二十七年六月です。この平成二十七年六月時点での携帯電話はどうだったかというと、もちろん通信の秘密とか個人情報保護のプライバシーの観点から、位置情報を取得されるときは事前に音が鳴るとか画面にこれから位置情報を取得しますよというのを出す仕様になっていましたから、まずもって、その携帯端末の仕様を変更しなければなりません。一部報道によりますと、その一部仕様が変更された携帯端末の販売は昨年夏以降であり、また機種も、いろいろ載っているOSによって追跡できるものとできないものがあるという報道もありましたので、今現在でも実際に捜査に使える段階にあるかどうかということは分からないところであります。
 ちなみに、更問いで伺いますが、先ほど、ガイドライン改正後から先月の最高裁大法廷判決が出るまでの間の法的根拠は刑事訴訟法第二百十八条一項ということを伺いましたが、現時点において、仮に令状を取得しようとすれば、法的根拠というのは何になりますか。どちらでも構いません。
#52
○政府参考人(加藤俊治君) お答えを申し上げます。
 現時点においても、仮に令状を取得しようとすれば、その行おうとしている携帯電話の位置情報のリアルタイム取得というのは性質としては検証に当たるであろうと考えられますので、検証許可状を得るということが考えられますが、もとより今御指摘の最高裁大法廷判決の理解、分析との関係がございますので、その点を含めて検討を要すべき事柄であると考えております。
#53
○吉川沙織君 最高裁大法廷判決を読みますと、「「検証」では捉えきれない性質を有することも否定し難い。」。つまり、今まで警察庁や法務省は、例えば、法務省は平成十五年五月九日衆議院法務委員会での刑事局長答弁でも検証令状を取れば位置情報を取得できる旨答弁されていますが、今回の最高裁大法廷判決では検証令状を発付してもGPS捜査に疑義が残るとする判決が出ており、携帯位置情報についてのGPS捜査についても、これは車両にくっつけるGPS端末ともちろん携帯電話のGPSの位置情報は性質は異なるところは何点もありますけれども、同じ検証令状でやることに違いはありませんし、刑事訴訟法第二百十八条一項にその法的根拠があるならば立法化した方がいいんではないかと思うんですが、いかがでしょう。
#54
○政府参考人(加藤俊治君) お答えを申し上げます。
 まず、御指摘がありましたように、当該御指摘の大法廷の判決は、自動車にいわゆるGPS装置を付けて位置情報を取得するという、いわゆるGPS捜査に関するものでございまして、事実関係が異なりますので、これが直ちに携帯電話の位置情報をリアルタイムに取得する捜査手法に及ぶかどうか、この点は事案を異にしているので直ちに適用が及ぶということにはならないわけであります。
 ただ、もとより、その最高裁の判決の趣旨が携帯電話の位置情報取得に関しても及ぶかどうかということについては、この判決の理解、分析を通しまして検討すべき事柄でございます。
 それらの分析でありますとか、さらに携帯電話の位置情報取得というのが、実際に位置情報を収集する仕組みとして具体的にどのようなものであるのか、その在り方などを踏まえて立法の要否については検討されるべき事柄であると考えております。
#55
○吉川沙織君 総務省ガイドラインの第二十六条三項、「裁判官の発付した令状に従うときに限り、当該位置情報を取得する」とした規定は、今いろいろ答弁いただきましたけど、GPS捜査に関する具体的な立法なしに令状請求の審査を担当する個々の裁判官の判断に委ねることを相当としない今回の最高裁大法廷判決の趣旨とは整合は必ずしもしないのではないかと考えます。
 ガイドライン第二十六条三項がGPS捜査の抜け道になってはならないと考えますが、その点について、警察庁でも法務省でも構いませんが、いずれか答弁をお願いします。
#56
○政府参考人(加藤俊治君) お答えを申し上げます。
 まず、ガイドラインが抜け道になってはならないかどうかという点に関しましては、このガイドラインは総務省におかれて電気通信事業者に対して主に発せられているものと承知しておりますので、これに関しまして申し上げる立場にはございません。
 ただ、もとより捜査につきましては、刑事訴訟法等の規定に基づいて適正に行われるべきものであるというふうに認識しております。
#57
○吉川沙織君 今回、もちろん、携帯GPSと車両GPSを、端末を装着するケースでは、例えば車両に勝手にくっつけられていれば、令状がなくて本人に通知の仕組みもなければ、対象者に発信している意思なんてありません。
 携帯電話の場合はもちろん機能をGPSにオンにしていないといけませんし、様々な違いは何点かあるのは承知しておりますが、ただ、同じGPSの位置情報を取得して捜査を行うという観点でいえば、このガイドラインを変えるときのワーキンググループの議論では刑事訴訟法第二百十八条一項が法的根拠であるとされていること、それから、先般の最高裁大法廷の判決を踏まえるならば、ほかの項目は構いませんが、第二十六条三項を運用して令状を取得して捜査するという運用は、少なくとも、今法務省でこれから検討をされるという答弁がございましたので、その検討がある程度、立法が必要だとか、このままやっぱり捜査手段は多い方がいいから置いておけというのであれば、検討はされるのかもしれませんが、今の段階では少なくとも第二十六条三項においては運用を見合わせる、若しくは、それを根拠に令状を取得するというのは見合わせるべきではないかと考えますが、そのことに対する見解を伺います。
#58
○政府参考人(加藤俊治君) お答えを申し上げます。
 お尋ねは個々の個別具体的な事件における法の適用ということになりますので、この場で一概にお答えを申し上げることは困難でございます。
#59
○吉川沙織君 では、困難ということでしたので、問いを変えたいと思います。
 例えば、このガイドライン第二十六条三項で「裁判官の発付した令状に従うときに限り、」、この法的根拠は警察庁と法務省から刑事訴訟法第二百十八条と伺いましたが、この令状は例えばどの罪名によって罪状が取れるのかとか、検証令状であることは分かりますけれども、どれだけの期間、例えば位置情報を取得できると運用で決めていたのか。
 もちろん、こうやってガイドラインを改正させた以上は、ある程度の運用ルール、GPSの端末を車両に取っ付けるのだって警察庁は運用ルールを定めていたぐらいですから、ある程度捜査方針定めた上でこうやってガイドライン改正させていると思うんですが、そういったものも全く今の時点ではなかったということでしょうか。
#60
○政府参考人(高木勇人君) 携帯電話のGPS位置情報の取得についての捜査の運用要領についてのガイドラインといったものは定めていないところでございます。
#61
○吉川沙織君 いずれにしても、先月、あれだけ大きなインパクト、最高裁大法廷で十五人全員が違法判決を出して、検証令状をもってしてもGPSの捜査手法には疑義が残る、もちろん全てを否定するものではないがという補足意見も付いてはいましたけれども、やはり高度なプライバシーを有する情報が含まれる、捜査の対象範囲を大幅に超える私的な範囲にまで踏み込むのがGPS捜査、位置情報だと思いますので、そこはしっかり見ていきたいと思います。
 最高裁大法廷判決でも、実施可能期間の限定、第三者の立会い、事後の通告等を立法化に当たって求めていますので、このガイドラインの内容も立法化をすべき内容であるということを申し上げておきたいと思います。
 最後に、不法電波監視と携帯電話通信機能抑止について少し伺いたいと思います。
 先ほどは捜査の観点から取り上げたGPSですが、近年その性能はどんどん上がり、今までは範囲が広い位置情報しか特定できませんでしたけれども、今GPSで追尾すればその誤差は数メートルとも言われています。
 一方で、外国波を含め様々な電波を発射して重要無線通信を妨害する事例も増えています。今回の電波利用料の予算を見ても、不法電波の監視については前回改正時と比べ約一・五倍となっており、必要性に迫られる対策であると言えます。不法電波の監視は無線局の適切な運用を確保する上で重要だと考えますが、現状、どのような取組を行っているのか、総務省電波部長に伺います。
#62
○政府参考人(渡辺克也君) お答え申し上げます。
 電波は、スマートフォン、無線LANなど様々な形で国民の皆様に利用されており、また消防防災無線、航空・海上無線などの重要無線は、御指摘のとおり、国民生活の安心、安全を支えるインフラとなっております。
 このような電波利用において、混信、妨害を迅速に排除し、良好な電波利用環境を維持するため、総務省では電波監視に取り組んでいるところでございます。
 具体的には、消防防災無線、航空・海上無線などへの電波妨害に対応するための全国規模の電波監視設備、二つ目としましては、航空管制などに用いられる短波帯通信への国内外からの電波妨害に対応するための短波監視設備、さらに、国内外の人工衛星などから電波妨害に対応するための宇宙の電波監視設備の整備を行いまして、二十四時間三百六十五日体制で重要無線通信妨害に対応している状況でございます。
 平成二十九年度からは、さらに、第四世代携帯電話など、より高い周波数帯を利用する無線システムに対応する電波監視体制の整備、また、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けまして、競技会場ですとかその周辺における電波監視体制の充実強化を行うため、電波監視設備の拡充強化を図る予定としているところでございます。
 今後とも電波監視体制の充実強化を図り、安全、安心な国民生活の維持に貢献してまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
#63
○吉川沙織君 今度は、その電波を抑止、通信を抑止する環境について伺いたいと思います。
 平成十年六月十日、郵政省、発着信による迷惑防止のための電波利用の在り方に関する研究会報告書で、電波を利用した携帯電話等通信抑止装置の利用について、コンサートホール等、公共の福祉の増進に必要と認められる一定の条件に適合する場合、同年十二月から携帯電話等通信抑止装置の設置を認めています。通信を抑止する場合は、携帯電話と同じ周波数の電波を発射することで電波を妨げるものであるため、無線局の免許人となる必要はあります。
 まず、携帯電話等通信抑止装置の運用に当たってどのような要件があるのか、総務省電波部長に伺います。
#64
○政府参考人(渡辺克也君) お答え申し上げます。
 お尋ねの携帯電話等抑止装置につきましては、携帯電話等の普及により着信音が周囲に迷惑を掛ける事例が増加したことを受けまして、御指摘のとおり、平成十年に導入されたものでございます。劇場ですとかコンサートホールとかにおきまして静ひつの確保のために利用されている状況にございます。
 この電波監視等抑止装置でございますが、携帯電話等と同じ周波数の電波を発射することで周囲の携帯電話等の一切の通信を抑止するものであることから、その運用に当たりましては、通信の抑止が社会的に容認される場合であること、二つ目としまして、携帯電話等の利用が制限されていることを利用者が十分認識し承諾しているといった点が要件になっております。さらに、無関係な第三者の通信を阻害することのないよう、携帯電話等抑止装置の電波が外部へ漏えいしないように運用することも要件としているところでございます。
 総務省としましては、携帯電話等抑止装置の免許に当たりましては、こういった社会的なニーズも踏まえながら対応しているところでございます。
#65
○吉川沙織君 社会的な要請を踏まえて対応されたとしても、現実問題それが難しい場合もあろうかと思いますが、どのような場合がそれが困難だと考えておられますか。
#66
○政府参考人(渡辺克也君) お答え申し上げます。
 例えば、駅舎、道路、公園といいました不特定の人々が自由に出入り可能な空間では、先ほど御説明しました要件を満たすことは困難ということから、抑止装置の運用は現在行われていない状況にございます。
 また、技術的な観点から一般論として申し上げれば、屋内でありましても、例えば大きな窓がある、あるいはごく近隣に携帯電話等の基地局があるといった、所によりまして屋内の通信環境が非常に良好である場合、抑止装置による抑止が困難になる、そういったケースもあるというふうに考えております。
#67
○吉川沙織君 今答弁いただいた大きな窓があって低下させるのが難しいという場合のときに、通信環境をあえて低下させるような措置を講じれば抑止が可能となるのか、その場合、携帯電話等通信抑止装置を使用するときのみこういう措置を講ずればいいのかという疑問点があります。
 例えば、周辺の携帯基地局の出力を下げることによって、つまり通信環境をあえて落とす環境をつくった上で、通信環境を落とした上で、電波の通信抑止が可能になって免許が下りた例があるとします。そのような環境で免許が下りた場合、免許を出したときの環境を常に保持する必要があるのかどうか、電波部長の見解を伺います。
#68
○政府参考人(渡辺克也君) お答え申し上げます。
 通信環境が非常に良好な屋内空間においても、例えば窓に電磁波のシールドを張る、さらに状況によりましては、今御指摘ございましたように、施設管理者からの要請に基づきまして携帯電話事業者において施設内の基地局のアンテナの調整ですとかパワーを下げる、そういったことを講じることにより携帯電話等抑止装置による抑止が可能となる、そういったケースはあり得るとは考えられます。
 また、総務省では、抑止装置を免許するに当たりましては、抑止装置単体の性能だけではなく、こうした周辺の電波利用環境といったものを総合的に勘案した上で抑止が適切に行われるか、抑止装置の電波が外部へ漏えいしていないかといったことについて個別に確認を行っている状況でございます。
 こうした免許時の条件を踏まえますと、抑止装置を使用するときに限定して通信環境をあえて低下するような、そういった措置をその都度講じることは運用上非常に難しいのではないかというふうに考えております。
#69
○吉川沙織君 今日は、電波法の改正案そのものの内容、改正内容が小幅ということもありましたので、電波利用料総額の歳入歳出の差額、それからその累積額の確認、その累積額をいかにして活用していくかということ、それから防災行政無線の整備率、先月の最高裁大法廷判決に基づく、携帯電話の位置情報の取得ですので、今般の大法廷判決とはもちろん異なりますけれども、同じ個人のプライバシーに関わる、しかもそのガイドラインができたときは、個人の携帯、当該利用者の携帯を鳴動させる、メッセージを表示して位置情報を取得されていることを利用者が知ることができるときという文言があったのを削って今は運用がなされている。警察庁からは、それで令状を取得したことはないという答弁でございましたけれども、片や車両にGPSくっつけて捜査するときは立法化が望ましいという判決が出ている以上、こちらのガイドラインについてもしっかり立法化に向けた措置をするべきだという思いであります。
 ですので、これからも消防防災、電波行政全般について立法府の立場からしっかり見ていきたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#70
○杉尾秀哉君 民進党・新緑風会、長野県選出の杉尾秀哉でございます。吉川委員に引き続いて質問させていただきます。
 本日は、電波法等の改正案の審議なんですけど、その前にどうしても高市総務大臣に伺いたいことがございます。
 先週、中川経産政務官が週刊誌報道を契機に辞任されました。それがきっかけになって経産委員会止まっておりました。その後、週末に中川政務官は自民党を離党されました。週刊誌報道が事実であるとするならば、これは議員辞職に値する行動だと思いますけれども、そこで高市大臣に伺います。
 女性閣僚として、また安倍政権の主要閣僚として、離党で済む問題だとお考えなのか、議員辞職に値するとは思われないか、いかがでしょう。
#71
○国務大臣(高市早苗君) 中川前大臣政務官についての御質問でございますが、私自身も報道を通じて知るのみでございます。また、内閣を代表してコメントをする立場にもございません。政治家御本人の出処進退というのは、自らお決めになることであろうと考えております。
#72
○杉尾秀哉君 このところ政務三役等の問題発言、行動が相次いで問題になっております。例えば、今村復興大臣、山本地方創生大臣、しかも、地方や現場への無理解が私は目立つというふうに思うんですけれども、これ、安倍政権の閣僚として一連の問題行動、これ個人のことだというふうにおっしゃるかもしれませんけれども、これ閣僚の一員としてどういうふうに思っていらっしゃるのか、率直なお考えを聞かせていただきたい。
 それからもう一つ、安倍一強と言われる今の状況の中で何を言っても許されるんだ、更迭されることもないんだ、そういうおごりとか緩みが目立つんじゃないでしょうか。事実、この週末の共同通信の世論調査で七三%の人が緩みが出ていると、こういうふうに答えておりますけれども、大臣、いかがでしょう。
#73
○国務大臣(高市早苗君) 他の閣僚の御発言について、また内閣を代表してコメントをするような立場にもございません。
 緩み、おごりが出ているのではないかという厳しいお声があるということは承知いたしております。私自身は、総務大臣として辞令をいただいたときの初心を忘れずに謙虚に誠実に仕事をしてまいりたいなと、このように考えております。
#74
○杉尾秀哉君 それでは、本題の電波法改正案等について伺います。
 資料一ですね、これ基本的なことなんですけれども、これ右のグラフが平成二十九年からの三年間の予算、これまでの三年間、左の円グラフになりますけれども、予算規模が七百億から六百二十億円に圧縮されております。最大のポイントは地デジの対策費、これまで二百九十八億円、ほぼ三百億円近かったのが平成二十九年度から十三億円に減っております。地デジ対策はほぼ終了したということでございますけれども、先ほど吉川委員の方からもお話がありました。この電波利用料予算、多額の累積黒字があるということなんですが、これそもそも考えてみますと、三百億円近くの規模の事業がなくなったらそれに相当する分だけ予算を減らすのが当たり前じゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#75
○政府参考人(富永昌彦君) お答え申し上げます。
 電波利用料の使途として、これまで複数年度にわたり毎年度約三百億円規模を充当してきた地上デジタル放送関係の費用でございますけれども、昨年度でほぼ終了しております。
 一方、周波数が逼迫する中で、今後ますます高度化、多様化していく電波利用ニーズに対処していくため、周波数の有効利用につながる研究開発ですとか携帯電話エリアや公衆無線LAN環境の整備、こういったことを推進していくことが必要となっております。これらの必要な予算として約二百億円を増額しております。
 こういった歳出構造の変化ということで、平成二十九年度予算は約六百二十億円となり、前期の予算規模である約七百億円から約八十億円減少したものでございます。
 以上でございます。
#76
○杉尾秀哉君 総務省の電波政策二〇二〇懇談会、この報告では、使途の対象となる事業は電波の利用を通じた社会課題の解決に資するもの、こういうふうになっております。
 具体的に、今幾つか例挙げられましたけれども、今回の予算の中で社会課題の解決に資する事業というのはどういった事業があるのでしょうか。
#77
○政府参考人(富永昌彦君) お答え申し上げます。
 昨年開催いたしました電波利用料の見直しを検討する懇談会では、電波の公平かつ能率的な利用を推進することを目的としつつ、電波の利用を通じて、地域活性化、医療、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の成功などの社会への貢献や社会的課題の解決に有用な施策を電波利用料の使途として積極的に取り上げていくこととされました。
 その結果、例えば、過疎地、離島などにおける携帯電話エリアや公衆無線LAN環境の整備、新幹線トンネル全区間における携帯電話の電波遮蔽対策、こういった地域活性化に貢献する施策が電波利用料の使途として適当とされております。このような社会的課題の解決に有用な施策を始めとする電波利用料予算約六百二十億円につきまして今次国会においてお認めいただいたということでございます。
 以上でございます。
#78
○杉尾秀哉君 地方創生に資する、そういう内容が含まれているということなんですけれども、具体的にはこれから伺ってまいりますけれども、この二〇二〇懇談会の提言の中でこういうくだりがございます。電波利用共益事務としての適合性の担保、効率化、必要性の検証を徹底するとともに、これまでの歳出規模を踏まえて次期の歳出規模を検討することが適当だと、こういうふうなくだりがございます。
 特に問題になりますのが、効率化、必要性の検証を徹底するというふうになっているんですけれども、一部に非効率な予算が付いているのではないかと、こういうふうな指摘もあります。この効率性、必要性の検証というのは本当に徹底してできているんでしょうか。いかがでしょう。
#79
○政府参考人(富永昌彦君) 私どもでは、予算編成過程における政府部内での協議も徹底しておりますし、また予算の実行段階において効率化を図るということでも努力しております。それから、実際にどういった電波利用共益事務として施策を実施したかということにつきましても、可能な限りウエブ等で公表することにしております。こういったことを通しまして、予算消化の、予算執行の効率化といったことを図っております。
 以上でございます。
#80
○杉尾秀哉君 先ほど吉川委員の質問の中にもありました。電波利用料を払っている事業者の側にも、私も具体的に聞きましたけれども、支払った額に見合うだけの受益がない、こういった声もございます。そうした声にこれからどういうふうに応えていくおつもりなんでしょうか。いかがでしょう。
#81
○副大臣(あかま二郎君) お答えいたします。
 電波利用料で実施する事務は、電波法に基づき、無線局全体の受益に資するものであることが前提とされております。その事務の対象の検討に当たっては、有識者による懇談会を開催し、電波利用料を負担いただく免許人からのヒアリングや意見公募を実施するなどした関係者の理解も得ながら検討を進めてまいったところでございます。
 電波利用料で実施する事務は電波法に限定列挙され、それ以外の事務には流用できないこととされており、無線局全体の受益を適切に実現しているものと考えております。
#82
○杉尾秀哉君 それでは、具体的に使途について伺います。
 先ほども少し触れられておりましたけれども、この右の円グラフの、ちょっと汚い字で申し訳ないんですが、私がAと書いた部分なんですけど、電波遮蔽対策事業七十一億円が付いております。新幹線のトンネル対策という話がありました。私、選挙区が冒頭申し上げましたように長野県で、北陸新幹線、本当は長野新幹線のはずだったんですけれども、北陸新幹線になっちゃって長野経由という表現になっておりますが、これ頻繁に利用させていただいております。群馬から長野に入ると電波が通じないんですね。非常に不便しております。こういう区間はたくさんあります。
 今回の対策事業によってこれが全面的に解消されるということでよろしいのか。具体的にいつをめどにどういう事業が行われるのか。また、新幹線という話がありましたけれども、新幹線以外にもトンネルたくさんございます。道路のトンネルもそうです、最近物すごく長いですね。それから、在来線のトンネルもございます。その辺について伺わせてください。
#83
○政府参考人(富永昌彦君) 携帯電話が国民の生活インフラとして広く普及している中、新幹線での移動時においても携帯電話が利用できるようにすることは重要と認識しております。総務省では、鉄道トンネルなど電波が遮蔽される場所でも携帯電話が利用できるようにするため、委員御指摘の電波遮蔽対策事業により対策を実施しております。
 今後、東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される二〇二〇年には多数の観光客が見込まれておりまして、総務省としては、それまでに新幹線の携帯電話の不感区間を解消することが重要であると認識しております。このため、新幹線トンネルの不感対策を大幅に前倒しして実施することとし、平成二十九年度予算は前年度予算の二倍以上となる七十・五億円としたところでございます。総務省といたしましては、二〇二〇年までに、それもなるべく早い時期までに新幹線の全区間の不感対策が完了できるよう、JRや携帯電話事業者などと調整しつつ取り組んでいきたいと考えております。
 それから、委員御指摘の道路トンネルにつきましても、現在既に高速道路等を中心といたしましてかなり推進しておりますので、引き続きしっかりやってまいりたいと思っております。
 以上でございます。
#84
○杉尾秀哉君 山形新幹線の方も、拍手が出ておりましたので、ひとつよろしくお願いいたします。
 その一方で、公衆無線LANの環境整備なんですけれども、この右の円グラフの@ということになりますけれども、整備支援事業、三十二億円の予算が付いております。大分この公衆無線LANの環境整備はここに来て進んでいるとは思います。ただ、観光庁が実施したアンケート、今日資料を持ってまいりました、資料の二なんですけれども、旅行中最も困ったこと、施設等のスタッフとのコミュニケーションが取れない、これが一番多いんですけれども、やっぱり二番目に無線公衆LAN環境というのが二〇%近くあります。
 観光庁がその前に行った、恐らく二〇一五年だと思うんですが、一五年の資料を見ると四六%か七%が、この無線LAN環境に困っているというのが非常に多かったので、大分改善されているというふうには思いますけれども、今回のこの無線LANの環境整備事業にこうしたインバウンド観光客を意識した施策というのは含まれているんでしょうか。
#85
○政府参考人(富永昌彦君) お答え申し上げます。
 総務省では、観光庁と連携いたしまして、関係事業者や地方自治体等で構成する無料公衆無線LAN整備促進協議会を平成二十六年八月に立ち上げまして、無料公衆無線LAN環境の整備促進や周知、広報等に官民一体となって取り組んでおります。
 それで、今回の電波利用料予算でございますけれども、地方自治体が指定する避難所などの防災拠点約三万か所におきまして、公衆無線LAN環境の整備を平成三十一年度までに完了することを目標に支援措置を拡充するということにしております。
 以上でございます。
#86
○杉尾秀哉君 皆さんも海外旅行に行かれて痛感すると思うんですけれども、本当に日本はまだまだこの分野で私は遅れていると思います。無線LAN後進国だとまでは言いませんけれども、まだ遅れているということを、海外の特に旅行に行ったり仕事に行ってもそうなんですけど、痛感いたします。
 総務省として、こうした現状をどういうふうに考えていらっしゃるのかという基本的な認識をお聞かせください。
#87
○政府参考人(富永昌彦君) 無線LANでございますけれども、携帯電話と並んで非常に日常生活で不可欠なものとなってきていると認識しております。したがって、インバウンドの訪日される方々を含めまして、いろんなところで無線LANが使用できる環境の構築が極めて重大だと思っております。
 私どもといたしましては、これからも観光庁等と連携いたしまして、しっかりとこのエリア整備、推進してまいりたいと思っております。
 以上でございます。
#88
○杉尾秀哉君 先ほどお配りした資料の三のところで、やはり遅れているのが美術館、博物館、それから城郭、神社仏閣、公園、それから鉄道の車内、バス、タクシーと、こういった交通機関、それから観光地、文化施設がどうもやっぱり遅れているというのがこの観光庁のを見るとよく分かります。確かに、イギリスなんかで列車に乗るとどこも無線LANが入っていてこれは完璧にできているわけですけれども、そういう意味じゃ、まだまだ日本は遅れているというふうに思います。先ほどの新幹線の電波対策もございますけれども、これはインバウンド、観光客だけじゃなくて一般国民のためにも、この環境整備というのは更に進めていただきたいというふうに思っております。
 さらに、先ほどの円グラフにもう一度戻りますけれども、右の円グラフのBの衛星放送受信環境整備支援事業、これについてなんですが、これ聞きますと、4K、8K実用放送の開始は来年になりますけれども、この開始に伴って一部の衛星放送の受信設備で電波が漏えいするものがあって、そのための対策費だというふうに伺っております。
 そこで、そもそも4K、8K放送についてお尋ねいたします。
 4K・8K推進ロードマップ、資料四でございますね、これによりますと、来年二〇一八年からBS、CSで実用放送が始まるというふうになっております。十二月というふうに聞いております。
 私も先頃、家電量販店に行って、最近ちょっとテレビ売場に行っていなかったので、改めて行ってみたんですが、本当にもうほとんど4Kテレビに置き換わっておりまして、五十型でも十五万円前後と極めて安くなっている。もう2Kテレビはほとんど存在していない。もう2Kのテレビも4Kのテレビも値段がほとんど一緒ということですね。
 ところが、今日いらっしゃる委員の皆さんはNHKにも視察に行かれたのでよく御存じだと思いますけれども、今販売されている4Kテレビは、正確に業界でいえば4K対応テレビという呼び方だそうで、来年始まる4K実用放送は見られないということでございます。本物の4Kテレビはいつ発売されるか分からない、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに、それに間に合うようにということになっているんですが、こういう基本的な事実を、これは高市大臣に伺います、一般の方はどれぐらい御存じだとお思いでしょうか。
#89
○国務大臣(高市早苗君) どの程度の方が正しく御承知いただいているかというのを今お答えすることは困難でございますが、私自身も去年から非常に強い問題意識を持っておりました。
 実は去年、うちのテレビがある日壊れました。しかも二月だったので、うちだけ電波を止められたんじゃないかと主人に言われたようなことだったんですが。それで、新しいテレビを買いに行かなきゃいけなくて、そのとき私が夫に言ったのは、なんちゃって4Kテレビの段階で買ってしまうのもどうかと思うのでと言ったんだけれども、そんなテレビ付かないものは仕方ないだろうということで、我が家にも4Kテレビが参りました。
 おっしゃるとおり、現在の4Kテレビでは追加的にチューナー、場合によってはアンテナなどが必要になります。また、ケーブルテレビによって視聴する場合には対応のセットトップボックスが必要になります。これはやはり、新たな4K、8K放送の受信に必要な機器、それから視聴方法について十分な周知、広報を行っていかなきゃいけないということで、昨年職員に指示をしました。
 また、我が家のテレビが壊れたときにもたくさん、買う前にパンフレットを取り寄せましたので、どういった記述がなされているかも見ましたが、ちっちゃな字で書いてある、量販店のポップなんかにも本当にちっちゃな字で書いてあるということを確認いたしました。
 総務省では、昨年の六月三十日に、現在市販されている4Kテレビ・4K対応テレビによるBS等4K・8K放送の視聴に関するお知らせというのを取りまとめて、関係業界と連携して製作したリーフレットをまず家電量販店などに配布しました。それでもまだ不十分だと考えましたので、今年三月一日にもBS等4K・8K放送の視聴に関するお知らせを発表して、さらに、製作したリーフレットは市中の電気店約一万六千店及び家電量販店に配布して、現在活用していただいています。さらに、それでも不十分だと感じておりますので、説明動画も制作して家電量販店の販売しておられる方々の研修用として活用していただいています。これからもっと多くの皆様に御覧いただくために、間もなく総務省のホームページにもこの動画を掲載いたします。今字幕を付ける作業をしています。それから、昨年八月からは全国の消費生活センターの相談員の方々が消費者からの相談に適切に対応できるように説明会を実施しております。
 まだまだ十分じゃないと思いますので、放送事業者、メーカー、家電販売店など、業界団体、事業者と連携して取り組むための新たな枠組みとして4K・8K放送推進連絡協議会を去る十四日に設置いたしましたので、この連絡協議会もしっかりと活用しながら、皆様に対する周知、広報に更に積極的に取り組んでまいります。
#90
○杉尾秀哉君 るる説明いただきましてありがとうございます。
 私も販売員の人に聞いたんですけれども、ビックカメラというところなんですけれども、大体十人中十人が、やっぱり来る方、知らないということだそうです。そもそも、この販売員の方もテレビ売場の担当になるまで知らなかったそうです。
 私、総務省のパンフレットが置いてあるんじゃないかと思って、パンフレット置いてありますかと聞いたら、ありませんと言っていた。それが実は現場なんですね。ですから、全ての量販店がそうだとは言いませんけれども、今具体名挙げたのは別に他意はなくて、全くございません、全くないんですけれども、それだけやっぱり行き渡っていないということだと思いますので、そこは徹底していただきたい。
 それから、今大臣がおっしゃいました三月のリーフレット、私も見させていただきましたけれども、これ読んでもやっぱり分からないですよ。だって、見られないということ自体が、Qがいっぱい書いてあってそのうちの一つにちっちゃく書いてあるだけです。ごちゃごちゃごちゃごちゃってさっきおっしゃいましたけど、これもごちゃごちゃしていて余り変わらないですね。
 私はテレビの仕事をしてきて、視聴者の人にどうやって伝えるのかというそればっかり考えてきたものですから、これはほとんど、一般の視聴者、利用者に理解してもらおうと思って書いている文章には私は見えないということなので、それだけを申し上げておきます。
 そして、このロードマップなんですけれども、資料四なんですが、二〇二〇年の段階ですね、東京オリンピック・パラリンピック、こういう記述がございます。多くの視聴者が市販のテレビで4K、8K放送を楽しんでいるのが目指す姿と、こういうふうになっております。具体的に、二〇二〇年の段階でどの程度の普及率、できれば五〇%とか数字も示していただきたいんですけど、目指していらっしゃるんでしょうか。
#91
○政府参考人(南俊行君) お答え申し上げます。
 国家戦略の中で、二〇二〇年の目指す姿としまして、全国の世帯の五〇%で実際に4K、8K衛星放送を視聴していただくということを目指すということは目標として明記をされているところでございます。
#92
○杉尾秀哉君 五〇%と私も聞いておりました。今答弁いただいたとおりですけれども、ただ、今も申し上げたように、一般にはほとんど知られておりません。これから実際に本当の4Kテレビが、なんちゃってじゃなくて、これがいつ発売されるのかも分かりません。アンテナとチューナーも必要です。そういう状況の中で、本当に目標が達成できるとお思いなんでしょうか。
#93
○政府参考人(南俊行君) お答え申し上げます。
 先ほど先生から御指摘いただいたとおり、今、市販に、店頭に並べられている大型のテレビはもうほぼ4K対応テレビにはなってございます。したがいまして、受信機そのものの出荷ということでは、二〇二〇年時点で五〇%というのは達成可能な数字であろうというふうに思っております。
 その上で、実際に4K放送を視聴していただくために、新しい4K、8K放送を受信できるチューナー、今これメーカーさん一生懸命開発を進めておられまして、来年の夏ぐらいから市場に搭載した受信機というものが出てくるであろうというふうに私ども期待をしておるところでございますけれども、実際に視聴していただくためには、やはり4K、8Kならではの魅力的な迫力あるコンテンツというものをいかにジャンルを多く、そして数多く制作して視聴者の皆さんに提供していくかということは非常に大事であろうというふうに思っております。
 先ほど大臣の方から御答弁いただきました、地デジのときと同様に私ども協議会というものをつくらせていただきまして、放送事業者さんのみならず、メーカーさん、工事事業者さん、あるいは量販店さんの方々にもお入りをいただいて、この中で、先ほど周知、広報のやり方がまだ稚拙であるという御指摘もいただきましたので、どういう形で視聴者の皆さんに正しくその魅力をお伝えするかということは更に工夫を積み重ねてまいりまして、とにかく二〇二〇年の目標の確実な達成に向けて関係者と心を一つにして連携をしてしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
#94
○杉尾秀哉君 今コンテンツというふうな話があったんですけれども、やっぱりこの4K、8K放送というのは民放にとって非常に負担が大きくて、簡単に4K放送にしたから広告料を上げさせてくださいというようなことは到底言えないわけですね。しかも、仮にその4Kが普及するということになりますと、これができない。現在では地上デジタルでできませんから、ローカル局の経営に今度はまた更に大きなダメージを与える。これ、民放も国策だから付き合わざるを得ないということなんですけれども、御承知のように、魅力的なコンテンツがやっぱりそろってこないと、これ普及というのは絵に描いた餅になるんですね。受像機の価格もあると思いますけれども。こうした民放の負担について、どういうふうに総務省としてはお考えなんでしょうか。
#95
○政府参考人(南俊行君) お答え申し上げます。
 過去の衛星放送の歩みの歴史を振り返りましても、衛星放送の事業化というのは、大体サービス開始してから七年ぐらい、黒字化するのに七年程度掛かっているということから、非常に事業化が難しいという面はあろうというふうに思っております。
 そうした中にありまして、4K、8Kが立ち上がる前、サービス開始される前でございますけれども、4K、8Kのコンテンツのノウハウがまだない段階でその制作ノウハウを試行的に取り組まれるような取組に対して私どもも支援をしてまいったつもりでございますし、その技術基準ですとか規格ができるプロセスの中で、研究開発の費用も一部支援をさせていただいたところでございます。
 サービスが開始された後、今後の話でございますけれども、放送事業者さんの自主的な御努力ということになろうと思いますけれども、衛星と地上の放送が言わば一体となって2Kと4Kを一体制作するような機運も盛り上がってきているところでございますし、4K制作の裾野がケーブル局あるいはローカル局の方にも広がることによって関連する機器のコストも下がってくるというふうに期待をしているところでございます。
 いずれにしましても、4K、8Kの魅力をやっぱり正しく視聴者の皆さんに御理解をいただいて浸透させるための、先ほどの協議会の仕組みを活用しながら周知、広報にはこれからも引き続き徹底して取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#96
○杉尾秀哉君 残りの五分しかございませんので、最後、電波の見える化について伺います。
 これ、我々も電波法の対案を提出させていただいております。衆議院の方でも議論がありました。今年の三月、内閣府のワーキンググループ、周波数の官民共用を進めるために政府部門における周波数の割当て状況を開示することが不可欠だと、こういう提言が出されています。そのワーキンググループで示された資料が、例えば一つ、五なんですけれども、これを見ますと、確かにアメリカ、イギリスと比較しても、日本は政府部門の大部分が不開示となっていて、ここにも書かれておりますけれども、ブラックボックス化していると、こういう指摘がございます。
 総務省として、この指摘をどういうふうに受け止めていらっしゃいますでしょうか。
#97
○副大臣(あかま二郎君) お答えいたします。
 総務省では、従来から電波法に基づいて無線局情報等をインターネットで公表をしてきております。しかしながら、国の安全、外交、犯罪の予防等の理由から、一部の公共業務の無線局情報を公表してはございません。
 今般、内閣府の規制改革推進会議において、米国、英国に比べて公表する内容が少ないのではないかとの御指摘があることを踏まえ、公共業務の無線局情報の公開の在り方について検討を開始いたしております。
 一方で、公共業務の無線局については、その業務の性格上、情報の公開に向けた検討に関して、関係府省庁、防衛省であるとか警察庁などでございますけれども、から様々な意見があることも事実でございます。
 総務省といたしましては、欧米等諸外国の取組状況等も参考にしながら、どのような形で公表が可能なのか、関係府省庁とも協力して検討をしてまいりたいと思っております。
#98
○杉尾秀哉君 もう一つ、資料六がございます。この資料六を見ても、例えば、今例に挙がっておりますアメリカ、イギリスなんかですが、これ目標値をはっきり定めて、そこに向かってどういう達成状況になっているかということがこれ情報として公開されているということですね。
 こういうアメリカ、イギリスのやり方に倣って、例えばどういうふうに進めるかという話でしたけれども、目標値を決めて民間への周波数の開放や共用を進める、こういった考え方もあると思うんですけれども、いかがでしょう。
#99
○政府参考人(富永昌彦君) お答え申し上げます。
 我が国では、周波数割当て計画上、国などの公共業務の無線局の多くは従来から民間の無線局と周波数帯を共用することとしておりまして、周波数帯を専用的に使用することとしているものは限定的でございます。
 総務省では、これまで公共業務用周波数を割り当てられた無線局の再編や共用の取組を行っておりまして、具体的には、公共業務が使用していた一・七ギガヘルツ帯の電波を再編して携帯電話に割り当てる、それから、九百メガヘルツ帯の既存無線局を公共業務と共用させる形で一・二ギガヘルツ帯に移行し、空き周波数を携帯電話に割り当てるなど実施してきております。
 需要の増大が続く携帯電話、それからWiFiなどの移動通信用の周波数の確保に向けましては、二〇二〇年までに六ギガヘルツ以下の周波数で合計二千七百メガヘルツ幅程度を移動通信用の周波数ということで確保する目標値を挙げて取り組んでおります。この二千七百メガヘルツ幅の目標値のうち約半分が公共業務用に割当てが可能な周波数帯域でございまして、広く官と民が使用する周波数で共用等を推進し、最適化を図ることで必要な周波数を確保していきたいということでございます。
#100
○杉尾秀哉君 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック、膨大な通信量が必要になると、こういうふうな指摘がございます。是非、今おっしゃった施策を着実に進めていっていただきたいというふうに思います。
 時間になりましたので、私の質問を終わります。ありがとうございました。
#101
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 本日は、電波法及び電気通信事業法の改正案に関しましてお伺いをしたいと思います。
 電波は我が国の社会経済活動になくてはならないインフラの一つであり、国民生活の利便性向上や経済社会の活性化のために重要な役割を担っております。
 特に、電波利用料は、電波の適正な利用の確保のために必要な共益費用を無線局などの電波利用事業者等に負担してもらう制度でございまして、電波法におきましては、これまで電波利用料の使途を電波監視の実施や電波の安全性に関する調査、地上デジタル放送対策などに限っておりました。
 今回の法案では、電波利用料の料額を見直すとともに、使途の追加をすることで支援の拡充を行うということでございまして、これまで以上に電波の利用を通じて社会的課題の解決に役立てることが必要であると考えます。
 電波利用料予算につきましては、年間三百億円という平成十三年度から歳出の大部分を占めておりました地上デジタル放送への対策が昨年度でほぼ終了したため、歳出構造の変化に伴い七百億円規模の予算が約六百二十億円に縮小となりました。
 そうした中で、電波利用料の使途を追加をしておりますけれども、まず、今回の法案で使途を追加した理由に関して御報告いただきたいと思います。
#102
○政府参考人(南俊行君) お答え申し上げます。
 4K、8Kの実は実用衛星放送が来年十二月からスタートをいたします。その4K、8Kの衛星放送というのは、従来の右旋と言われる回転方向とは違う左旋と言われる回転方向のアンテナが必要になる場合がございます。この左旋のアンテナを設置して衛星放送を直接受信されるケースであって、かつ御自宅の中の、宅内の配線部分が非常に古い設備で構成されております場合に電波が漏えいをいたしまして、既存の無線局、例えばWiFiといったような無線局に混信を与えることが懸念されるところでございます。
 したがいまして、電波が漏えいすることによって他の無線局に妨害を与えない、そのための受信環境の整備が必要であるという観点から、この漏えいの実態を正しく把握しまして技術基準を策定をする、そのための調査、あるいは、先ほど来から御議論ありますとおり、受信環境整備に向けた周知、啓蒙活動というものが必要になってまいります。
 それプラス、電波の漏えいに対応するために、宅内配線部分を新しい技術基準に適合したものとなるように改修する工事というものが必要になってまいりますので、それに対する一定の支援というものを可能になるために、今回電波利用の共益費用の使途を一部拡大をさせていただきたいということでお願いしているところでございます。
#103
○山本博司君 今回の電波利用の料額の改定に関しましては、電波法附則の第十四項の規定におきまして、平成二十九年から三か年に及ぶものとして定められておりますけれども、この料額は今後も継続されるということでいいのかどうか。今後も、これからIoTの進展など電波利用の需要が増えることが予測されておりますけれども、この六百二十億円という予算規模、これが急激に増加して、次回の改定時に電波利用料が大幅に引き上げられるようなことがないのかどうか、この点、確認をしたいと思います。
#104
○政府参考人(富永昌彦君) 今回の電波利用料の見直しでは、今後三年間において必要となる電波利用共益事務の費用を見積もった上で、三年間を通じてその費用を賄えるよう料額を算定しております。具体的には、必要となる費用をそれぞれの無線局の使用周波数、設置場所、出力や無線局数等を勘案いたしまして、無線局の免許人に公平に負担いただくことになるようにしております。
 今後本格的なIoT時代の到来により増加すると想定される携帯電話等の端末でございますけれども、使用する周波数幅に応じて上限を設定し、端末数が上限を超えても負担が増えない措置を前回の料額改定時と同様に今回も適用しております。それから、免許人の負担が急激に変化しないよう、算定額の料額が従来の料額と比較して二割を超えて増加しないようにする激変緩和措置につきましても、前回の料額改定時と同様に適用しております。
 こういった電波利用料の見直しの考え方につきましては、有識者における懇談会において、免許人からの意見、それからパブリックコメントの結果も踏まえながら検討してまいりました。今後の電波利用料の見直しでございますけれども、実施すべき事務ですとか料額算定の在り方につきましては、これまでと同様に、電波利用料を負担する免許人の意見を踏まえながら各免許人の負担が適切になるよう検討してまいります。
 以上でございます。
#105
○山本博司君 大幅な形の引上げはないということでございますけれども、この使途の追加の中に、4K、8Kの普及促進のための衛星放送受信環境整備に関する支援、これが含まれております。4K、8K放送は、超高精微な画質による放送でございまして、立体感また臨場感ある映像を楽しめることから、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた普及促進、これが期待をされております。
 4K、8Kにつきましては、平成二十七年からケーブルテレビ等による実用放送が開始し、昨年からはNHKなどでは試験放送がスタートしております。一昨年七月に総務省が公表したロードマップによりますと、二〇二〇年の目指す姿として、先ほども御指摘ありましたけれども、4K、8K放送が普及し、多くの視聴者が市販のテレビで4K、8Kの番組を楽しんでいると、こう記されております。
 二〇二〇年に向けて着実な推進ということが大切でございますけれども、ただ、現在市販されている4Kテレビは、平成三十年開始予定の4K、8K実用放送の受信機能は搭載されておりません。これを視聴するには今後発売が見込まれるチューナー等の機器が別途必要になるなど、こうした課題解決を進めなくてはならない点でございます。
 官民が連携した取組が求められていると思いますけれども、この4K、8K放送の普及促進に向けて今後どのように進めていくのか、お聞きしたいと思います。
#106
○政府参考人(南俊行君) お答え申し上げます。
 関係事業者と一緒に4K・8K推進のためのロードマップというものを作りまして、それに沿って今取組を進めているところでございまして、先般、十一社の事業者の十九チャンネルが来年十二月以降実用放送をスタートするというめどが立ったところでございます。
 普及に当たりましては、御案内のとおり、視聴者の皆さんにその良さをきちんと選択をしていただく必要がございます。したがいまして、4K、8Kならではの魅力的なコンテンツをいかに多く提供するかということが重要になってまいります。
 また一方、先生御指摘のとおり、今市販されている4Kテレビでは当然には新しい衛星放送は受信できませんので、別途チューナーが必要であるというところの視聴方法に関する十分な周知、啓蒙が必要であると。先ほど来、まだまだ不足しているという御指摘をいただいているところでございます。
 現在、周知・広報戦略というものを取りまとめて、まずは総務省の努力として、リーフレットやPR動画を作って家電量販店に配布させていただいていますが、まだまだ数も足りていないというふうに思っております。これからは総務省だけの努力ではなく、放送事業者の皆さん、あるいはメーカー、家電量販店の皆さんにもお加わりいただいて、もう少しこの周知、広報を徹底するという観点から、先般連絡協議会というものを発足させていただいたところでございますので、これからは連携を強化しまして、この秋口ぐらいにはこの戦略を更にブレークダウンして肉付けしたような具体的なアクションプランというものをこれから作ってまいりたいと。今年の十二月一日が来年放送開始のちょうど一年前でございますので、それに向けてギアアップをしてまいりたいというふうに考えてございます。
#107
○山本博司君 しっかりこの4K、8Kの普及促進に向けて取り組んでいただきたいと思います。
 また、この電波利用料の使途の中で、電波資源拡大のための研究開発等の予算が、昨年までの百七億円から今年度の予算では百九十二億円とほぼ倍増に近い形となっております。
 近年、無線局の急激な増加によりまして周波数の逼迫状況が生じておりますけれども、こうした状況を緩和して、新たな周波数需要に的確に対応するための電波の有効利用を図る必要がございます。そのための研究開発、これは大変重要でございまして、この増額をした研究開発予算、今後どのように活用していくのか、お聞きをしたいと思います。
#108
○副大臣(あかま二郎君) ただいま委員御指摘ございましたように、周波数の逼迫状況を緩和する等のために、電波資源の拡大のための研究開発、これを実施しなければならないという話の中で、具体的にでございますけれども、本格的なIoT時代を支えるICT基盤として、超高速に加え、多数のものが同時にネットワークにつながる多数接続、遠隔地においてもロボット等の操作をスムーズに行うことができる超低遅延といった特徴を有する5Gを導入するための技術、さらには、4K、8K等の導入に当たり、超高精細の映像を周波数の利用効率を高めつつ伝送する技術、また、増大するIoTの需要に的確に応えるため、周波数の共同利用を促進する技術などの研究開発を推進するとともに、東京オリンピック・パラリンピック大会に必要となる電波の確保のための周波数共用の技術試験に取り組むこととしております。
 加えて、5G等の実現のために、国際的に調和の取れた周波数を確保するとともに、周波数の利用効率の高い無線技術の国際標準化、これを推進していくこととしております。さらに、我が国が強みを有する無線技術や無線システムが海外においても活用されるようにするため、現地での共同実証試験や技術導入に関する政府間対話などを推進することとしております。
 総務省といたしましては、我が国の電波産業の更なる発展も念頭に置きつつ、より一層電波の有効利用を推進するため、引き続き電波資源拡大のための研究開発等にしっかりと取り組んでいく所存でございます。
 以上です。
#109
○山本博司君 今お話がございました周波数の有効利用に資する第五世代移動通信システム、5Gの実現に向けて、この研究開発、大変重要でございます。
 現在我が国では、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、世界に先駆けて現在の一千倍、十ギガbps以上の高速度の5Gの実現を目指して産学官が連携して今オールジャパンでの取組を強力に推進をしていると思います。5Gは超高速だけではなくて多数同時接続や低遅延といった特徴を有しておりまして、我が国の経済成長に不可欠な今後のIoT時代のICT基盤として早期実現が期待をされております。
 しかし、この5G実現に向けた大きな課題として周波数帯の確保があります。5G用の周波数につきましては、今世界各国で戦略的な検討が進んでおりまして、我が国のニーズに十分に応えることができる5G用周波数をしっかり確保できるように、ITU、国際電気通信連合でございますけれども、その国際標準化の議論におきましては国際間の連携を密にして、日本の、我が国の提案が反映できるように尽力をいただきたいと思います。
 現在様々な形で取組が進められておると思いますけれども、この5Gの国際標準化に向けた取組状況について御報告いただきたいと思います。
#110
○政府参考人(富永昌彦君) 5Gの国際標準化につきましては、委員御指摘のとおり、ITU、国際電気通信連合におきまして、先進的な国ですとか地域の参加の下に、5Gの早期実現を目指しまして周波数それから技術の標準化に関する議論、活発に行われております。
 私ども、我が国においては、5G用周波数確保に向けた検討を情報通信審議会において進めておりまして、また、5Gを実現するために必要となる要素技術の研究開発などに積極的に取り組んでおります。
 5Gは本格的なIoT時代のICT基盤ということで、グローバルに展開されることが期待されております。総務省といたしましても、我が国における取組の成果ができる限り多く国際標準に反映されるようしっかりと取り組んでまいります。
 以上でございます。
#111
○山本博司君 ありがとうございます。
 これは国際協調が大変重要であると思います。昨年の十月ですけれども、スイス・ジュネーブで行われましたIPUの国際会議に参加した際に、このITU、国際電気通信連合本部を訪問をいたしました。その際に邦人職員の方々と懇談をさせていただき、ITUの歴史や概要とか活動状況をお伺いをさせていただきまして、施設の中も見学をさせていただきました。
 ITUは、国際的な周波数の分配や電気通信の標準化、また開発途上国に対する技術援助などを行う国連の専門機関でございまして、我が国は一八七九年に加入し、全職員今約七百十名のうち邦人職員は七名が勤務しているということでございました。
 先ほどの5Gの課題だけではなくて、IoTの新たなICTが生み出すイノベーションや経済成長、これを支える情報の自由な流通やサイバーセキュリティーの確保、またICTを活用した様々な地球規模課題の解決やデジタル連携の実現など、国際社会と協調して取り組む上で日本が果たすべき役割というのは大変大きいということも痛感をしてまいった次第でございます。
 このITUに対しましては、日本は加盟国中最高水準の分担金を負担しておりますけれども、今後の国際的な意見交換、また情報収集を行うことを考えますと、存在感をもっと示すべきと思います。総務省からも職員が派遣されているということでございますけれども、七名というのは少ないのではないかと思います。
 大臣にお伺いしますけれども、更に邦人職員を増やすべきと考えますけれども、御見解を伺いたいと思います。
#112
○国務大臣(高市早苗君) ITUの事務局職員でございますが、最新の数字で六百九十名でございます。うち七名が日本人で、その中の四名が総務省の出身者でございます。この国際標準化の議論及び決定につきましてはITU内の十九の研究委員会で行われていまして、この議論を主導する上では、事務局の職員を増やすということも大事でありますし、併せて研究委員会の議長、副議長ポストを獲得するということも重要でございます。現在十二名の日本人が議長、副議長を務めておられます。
 総務省では、邦人職員の増加に向けては公募情報の共有や候補者の推薦、議長、副議長の増加に向けては民間企業の知見を持った方々への立候補の要請ですとか立候補後の他国への支援要請などを行っております。引き続き力を入れて取り組んでまいります。
#113
○山本博司君 是非とも大臣、この支援、お願いをしたいと思います。
 次に、ユニバーサルサービス料に関しまして伺いたいと思います。
 現行のユニバーサルサービス制度では、電気通信事業法第七条に基づきまして国民生活に不可欠な通信サービスとして全国あまねくサービスを提供することが義務付けられておるNTT東西の固定電話について、その赤字の一部を補填するために使われております。しかし、携帯電話の普及が進み、ワイヤレスサービスの進展を考慮すると、固定電話の維持に特化したこのユニバーサルサービス制度をいかにつくり変えていくかということが大きな課題になっていると考えます。
 経済合理性が低い山間部や離島などの条件不利地域における一定のICTインフラの整備、維持、これは確保した上で、制度の見直しの際は広く国民的な同意を得ることが必要でございまして、利用者に過度な負担を強いることにならないように検討すべき時期に来ているのではないか、こういう意見もあると伺っております。
 これまでの情報通信審議会の答申も踏まえまして、このユニバーサルサービス料の見直しについてどのように考えているのか、認識を伺いたいと思います。
#114
○副大臣(あかま二郎君) お答えをいたします。
 現在の電気通信のユニバーサルサービスは、固定電話、第一種公衆電話、それらからの発信される緊急通報が対象となっております。固定電話は、現在、地域や高齢者のライフラインとしても、また災害等の非常時の通信手段としても重要であり、全国あまねく安価な料金で公平に安定的に提供されることが求められるサービスと認識をいたしております。
 将来におけるユニバーサルサービスの在り方については、技術革新の動向を見つつ、今後どのようなサービスが最低限度のサービスとして利用者から求められるのか見極めながら適宜適切に検討をしてまいりたいと思っております。
 以上です。
#115
○山本博司君 今ユニバーサル料金は二円からこの七月には三円に上がるということも言われております。やはり、しっかりこの検討、大変大事でございますので、こうしたことに関しまして進めていただきたいと思います。
 次に、このユニバーサルサービス制度に関連いたしまして、電話リレーサービスに関して伺いたいと思います。
 電話リレーサービスといいますのは、聴覚障害者と電話の相手先である健聴者との通話の際に、通訳オペレーターが手話や文字と音声を仲介また通訳することによりまして電話で即時に双方向につなぐことが可能となるサービスでございます。ファクスやメールでは何度もやり取りを繰り返すことがございますけれども、電話リレーサービスを活用すれば一回で済む場合が多いため、迅速で効率的であるということから、聴覚障害者の方にとりましては便利なサービスとなっております。
 電話リレーサービスは先進国二十か国以上で既に導入をされております。公共サービスとして提供されておりますけれども、我が国は残念ながら実現をされておりません。日本では民間団体による支援で実施されておりまして、東日本大震災や昨年の熊本地震などの災害時でも大いに利用されました。
 導入している諸外国では、この費用はユニバーサルサービス料金から賄われておりまして、二十四時間三百六十五日対応の通訳料に充てておりますので、聴覚障害者がこの通訳料金を負担することはありません。
 国連の障害者権利条約第九条及び我が国の障害者基本法第二十二条では、障害者が電気通信を利用できるための施策を講ずることを国と地方公共団体に求めております。聴覚障害者の電話利用の機会を確保することは社会参加に欠くことのできないものでございまして、国民生活に不可欠な公共サービスとして提供すべきではないかと考えております。
 是非この電話リレーサービスへの何らかの支援を検討していただきたいと思いますけれども、この聴覚障害者への情報アクセシビリティーに対しまして総務省、また厚労省に認識を伺いたいと思います。
#116
○政府参考人(富永昌彦君) お答え申し上げます。
 情報アクセスの格差を解消し、聴覚障害者のコミュニケーションを確保することは、我が国においても重要な課題と認識しております。昨今の情報通信分野の技術革新やブロードバンド環境の拡大により、御指摘の電話リレーサービスに加え、様々なコミュニケーションツールが登場してきております。
 例えば、情報通信研究機構では、スマートフォン同士の通話で音声と文字をリアルタイムに変換する「こえとら」と申します聴覚障害者支援アプリを開発いたしました。このアプリにつきましては、主要電気通信事業者の協力を得て、平成二十七年二月から無償提供が行われております。それから、携帯電話事業者におきましては、通信相手の会話が聴覚障害者のスマートフォンの画面にリアルタイムに文字で表示されるシステムを開発し、無償提供を開始しております。
 総務省といたしましては、聴覚障害者のコミュニケーション環境が向上するよう、電気通信事業者等とも協力しながら今後も取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
#117
○政府参考人(定塚由美子君) お答え申し上げます。
 聴覚障害者の方が一人で電話を掛けられるように支援をする電話リレーサービスでございますが、聴覚障害者の地域生活における自立のためにも大変重要な取組であると認識をいたしております。
 厚生労働省におきましては、平成二十九年度から新たに事業を予算化しているところでございます。具体的には、聴覚障害者情報提供施設に対しまして、手話通訳や文字通訳に対応するオペレーターを配置して、電話リレーサービスの提供体制を確保するという事業を予算化しているところでございます。
 また、平成二十九年三月二十八日に決定されております働き方改革実行計画の工程表におきましても、電話リレーサービスの実施体制の構築に取り組むということを明記をしておりまして、引き続き聴覚障害者の支援に努めてまいりたいと考えております。
#118
○山本博司君 これは今回、平成二十九年度から厚労省が、千百五十二万円、実施は四か所ということで、本来はもっと大幅な予算を想定されていたわけですけれども、削られてしまったという経緯がございます。これは、やはり総務省も含めてしっかりとこの点に関しましては検討いただきたいなと。大臣のところに日本財団の笹川会長からもそうした申入れがあったというふうに聞いておりますけれども、しっかりこの点に関しましてはお願いを申し上げたいと、政府としてこのことに関しまして更に充実ができる環境をお願いしたいということを申し上げたいと思います。
 最後に、災害時の通信手段の確保についてお伺いをしたいと思います。
 東日本大震災におきましては安否確認への利用など、被災地では携帯電話の通信規制や停電によりまして基地局の機能停止が続きました。通信手段の確保が大きな課題であり、ICTの重要性が改めて認識される一方、通信インフラの脆弱性が浮き彫りになり、そこで、災害時には電話以外の通信手段の確保が重要となっております。
 そういう意味で、災害時におきまして医療救護活動などの災害応急活動が円滑に進むように、携帯電話が使えないことを想定しました非常用通信手段の確保を推進すべきと考えますけれども、この認識をお聞きしたいと思います。
#119
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 総務省におきましては、大規模災害時の非常用通信手段の在り方に関する研究会を開催いたしまして、昨年六月に取りまとめを行いました。災害時に医療救護活動を行う関係機関ごとに確保すべき衛星携帯電話等の非常用通信手段、それから推奨される性能、設置、操作における注意点などに関するガイドラインを策定いたしまして各都道府県宛てに周知を行ったところでございます。
 また、この研究会の検討を受けまして、医療救護活動などにおいて非常用通信手段の適正な利用を促進するため、全国十一か所で研修、訓練などを実施し、非常時に通信機器を操作、運用できる人材の育成を推進する取組を本年度から開始することとしております。
 また、このほか、地方公共団体のWiFi環境の整備なども進めているところでございまして、総務省として、引き続き、災害時に通信手段を有効に活用するための取組を積極的に推進してまいりたいと考えております。
#120
○山本博司君 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
#121
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 法案に先立って、日本郵政の巨額損失問題について質問をいたします。
 日本郵政が六千二百億円もの巨額を投じて買収したオーストラリアの物流企業トール社の業績不振で、数千億円に上る巨額の損失を計上すると報道されております。日本郵政は、本日夕方、記者会見を行うと聞いておりますが、日本郵政がトール社を買収したのは二〇一五年であります。当時の総務大臣は高市大臣でありました。
 大臣、当時この買収についてお認めになったんですか。
#122
○国務大臣(高市早苗君) 買収につきましては私が認可するものではございません。
#123
○山下芳生君 日本郵政の経営判断だということだと思うんですが、しかし、日本郵政の監督官庁は総務省であります。加えて、民営化、当時もされていたとはいえ、一〇〇%政府が株式を保有しておりました。監督官庁としても一〇〇%株主としても、政府そして総務大臣には重い責任があると思います。
 今回の件について、高市大臣、責任お感じになりませんか。
#124
○国務大臣(高市早苗君) 平成二十七年、私の記者会見の記録もございますけれども、私も発表になるまで十分承知はいたしておりませんでしたが、しっかりとした対応を期待したいと、それから、うまくいかなかったらこれは大変なことであると、しっかりと日本郵政グループのグローバル化と収益力の多角化、強化、そして、当然、法定されておりますユニバーサルサービスの確保、これを両立させていただきたいと考えています、このように記者会見で、これは日本郵便から発表があった数日後の記者会見でお答えしたところでございます。
 今、山下委員がおっしゃいましたトール社に係るのれんの扱いについては、今日現在、今の時点では日本郵政から現在検討中とのコメントが出されているのみでございます。さらにまた、日本郵政の経営判断によることですから、今の時点で総務省としてコメントをすることは差し控えたいと存じます。
 平成二十九年度事業計画の認可においては、私から日本郵便に対しては、国際物流業務の状況等に留意しつつ、引き続き、収益力の多角化、強化、経営の効率化の更なる推進、ガバナンスの強化などを着実に進めることということを要請いたしております。しっかりと取り組んでいただきたいと存じます。
#125
○山下芳生君 今、会見のことが紹介されましたので、私もその会見を議事録を読みました。二〇一五年の二月十八日に日本郵政がトール社の買収を発表しているんですね。買収は、その後数か月掛けてトール社の全株式を取得する予定でありました。この二月十八日の発表された二日後に高市総務大臣は記者会見で野心的な挑戦だというふうに評価をされていたわけで、事実上これはこのトール社の買収について追認されたと言っていい状況だったと思います。ですから、知らなかった、日本郵政がやったことだということでは私は済まない。
 ユニバーサルサービスの維持ができるのか、郵政で真面目に働く人たちへの影響はないのかが懸念されておりますので、委員長に提案したいと思いますが、この件について、買収当時の社長だった西室泰三氏、現社長の長門正貢氏ら関係者に参考人として出席していただいて、集中審議を行うことを提案したいと思います。
#126
○委員長(横山信一君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。
#127
○山下芳生君 それでは、法案の質疑に入ります。
 法案の航空機の無線設備に関する検査制度の見直しについて聞きます。
 航空機にはたくさんの無線設備が搭載されておりますが、まず、どのようなものがあるのか、紹介してください。
#128
○政府参考人(富永昌彦君) 航空機に搭載される無線設備には、管制所と交信するための航空機用無線電話、質問信号を受信すると自機の識別信号を送信するATCトランスポンダー、前方の雨などの気象情報を表示させる気象レーダー、航空機の対地高度を測定する電波高度計、不時着時に救命信号を発信する航空機用救命無線機、質問信号を送信して周辺のATCトランスポンダーの情報を収集する衝突防止装置などがございます。
#129
○山下芳生君 いずれも航空機の安全運航にとって不可欠な機器でありまして、こういう機器が正常に機能しなければ大変なことになります。
 人命にも関わることになると思いますが、実際に航空機の無線設備の不具合が原因で乗員乗客が死亡した事故はありますか。
#130
○政府参考人(富永昌彦君) お答え申し上げます。
 平成二十四年八月の航空機に搭載する無線局の検査の在り方に関する研究会の開催に当たり調査いたしましたところ、平成二十一年に電波高度計の異常に関係する死亡事故が海外で一件発生しております。これは、搭載されている二台の電波高度計のうち一台が原因不明のトラブルで異常な値を示し、警報が鳴ったにもかかわらず、そのまま降下を続けた結果墜落し、乗員乗客九名が死亡したものでございます。
 本件は、警報が鳴ったにもかかわらずそのまま降下を続けたという航空機の運航上の問題と、トラブルを起こした電波高度計が事故発生前の二十五時間以内に同じトラブルを二度発生させており、かつ以前より百回以上のトラブルが発生していたことにもかかわらず取り外し等の措置をとらなかった整備体制の問題と捉えられております。
 こうしたことも勘案しまして、今回、日常的な点検体制、点検方法について総務大臣の認定を受けることができる制度を導入することとしたものでございます。
#131
○山下芳生君 電波高度計の不具合が理由で墜落事故で死んじゃったということでありますが、じゃ、日本は大丈夫かということなんですが、資料一に、お配りしてありますけれども、これは総務省の航空機に搭載する無線局の検査の在り方に関する検討会が無線設備の不具合により発生したトラブルの例を国土交通省に聞き取って作ったものであります。
 ここに紹介してあるのは二〇一一年中に発生したもののみの抜粋ですが、それを見ても、例えば気象レーダーとか電波高度計とか航空無線電話などで不具合が発生し、飛行中目的地を変更したとか、離陸直後引き返したなどのトラブルとなっております。いずれも日本の航空会社であります。下のピンク色の箱の中に、国土交通省に報告されている案件だけでも過去十年間に百件超の無線設備不具合によるトラブルが発生している模様だとされております。
 資料二に、そこで、この検討会を受け継いだ総務省の航空機局の定期検査等に関する評価会が、今度は各航空会社に対して、トラブルに至らないまでも不具合がどれだけあったのかということを調査しております。無線機器の定期検査及び通常運航時の不具合データ調査です。要するに、引き返すとか目的変更まで至らなかったけれども不具合が見付かったものはどれだけあるかを調査したんですが、結果、現状は無視できないほどの不具合があることが明確になったと結論付けられております。
 A社からJ社まで個別の航空会社の結果が載っておりますけれども、一番大きいと思われる下のJ社、これは無線機器の保有台数が四千九十台です。定期検査のときに不具合が見付かった件数が、レベルワン、レベルワンというのは下のちっちゃい字ですけれども、通信不能や他の通信に影響を及ぼす事象に直接つながった不具合でして、これが二十六件。レベルツー、継続して使用するとレベルワンの事象になる可能性のある不具合、これが十七件。レベルスリー、そこまではいかないけれども電波法の技術基準を満たさない不具合、これが五百九十一件あったと。その他の航空会社でもかなりの件数報告されております。日本の航空会社でもこういう無線機器の不具合、それを原因とするトラブルは結構起こっているということであります。
 ところが、今回総務省が導入しようとしている航空機の無線設備の新たな検査制度というのは、これまで年一回、国の検査官が直接合格、不合格の合否判定してきたのをやめて、航空会社自身に点検も検査も任せてしまう規制緩和であります。これは、航空機運航の安全、安心に対する国の責任を後退させるものではありませんか。
#132
○副大臣(あかま二郎君) お答えいたします。
 航空機に搭載される無線設備に係る電波の質の維持は、航空機の安全運航の確保の観点から極めて重要と考えております。
 今回の認定制度でございますけれども、まず、点検の手法及びその間隔並びにその体制について規程を定めさせた上、総務省の認定を受ける。そして、点検その他保守に係る報告を義務付けることにより、これまでの年一回の定期検査と同等以上の電波の質を維持させようとするものでございます。認定の基準の策定及び個々の認定でございますけれども、電波監理審議会への諮問、答申を経て行うこととしております。
 また、毎年義務付けている免許人からの保守点検実施状況の報告内容に疑義がある場合や、免許人の業務の不適切な実施に関する疑い、又は外部からの情報があった場合には、その事実関係を確認するために立入検査を実施し、必要に応じて認定を取り消して、国が直接検査をすることとしております。
 こうしたことにより、日常の点検、整備が適切かつ確実に実施されるよう、国の責任を果たしてまいりたいと考えております。
#133
○山下芳生君 私、説明受けたんですが、航空会社の自主点検、整備にPDCAサイクルを取り入れるんだということなんですが、その新たなスキームで本当にトラブルや不具合を減らすことができるのか。これからその具体的な基準を決めるということなんで、じゃ、その検査の方法とか、検査の頻度とか体制とか、どういうふうにするんですか。
#134
○政府参考人(富永昌彦君) お答え申し上げます。
 今回の制度における保守規程につきましては、その認定の基準として、保守を行う体制、能力の観点から、電波の質を維持するために十分な点検、整備能力を有していること、点検、整備に携わる組織、人員、資格の要件が定められていること、それから二つ目といたしましては、点検手法の観点から、無線設備の点検、整備手順が明確であること、無線設備に関する品質、信頼性、技術管理の方法が定められていること、それから三つ目は、そのほか、無線局の基準適合性を確保するために必要な事項が定められていること、こういったことを定めることとしております。
 今後、法律の施行までの間に専門家の御意見なども聴取しながら、具体的な認定の要件をまとめていく予定としております。
 無線局の基準適合性の確認の頻度につきましては、現在の定期検査の頻度、それから航空法に定められる整備間隔などを勘案いたしまして、電波の質が維持されるように具体的な頻度を検討してまいります。
 以上でございます。
#135
○山下芳生君 だから、これから検討なんですよね。
 具体的に聞きますけれども、年一回の定期検査、これどうなるんですか、やめるんですか。
#136
○政府参考人(富永昌彦君) 年一回の定期検査を選択される場合と、それから今回の認定制度を選択される場合ということで、二つのコースを今回設定させていただいております。
 それから、認定制度におきましても、毎年報告を受けて、私どもがしっかりそれを見るということにしております。
 以上でございます。
#137
○山下芳生君 ベンチチェックというのはどうなりますか。ベンチチェックというのは、積んで飛んでいるとき、フライトチェックじゃなくて、航空機が着陸して機器を降ろしてチェックする検査ですが、これ定期検査のときにはこれまで全部やっていましたけれども、このベンチチェックどうなるんですか、やめるんですか。
#138
○政府参考人(富永昌彦君) ベンチチェックにつきましては、どういった形で実際に点検をしていただくかということを含めまして、これからの検討課題とさせていただいております。
 以上でございます。
#139
○山下芳生君 結局、これから決めるということなんですよ。どうなるか分からない。定期検査が年一回やられていたときよりも良くなるのか悪くなるのか、私は今の段階で判断できない、白紙だと言わなければなりません。何も決まっていないんですからね。これではトラブルや不具合を減らせるのかどうかは分からないと思います。
 そこで、そもそも論聞きたいんですけれども、航空機の無線設備で、先ほど紹介したように、これだけの日本の国内でもトラブルがあったり不具合があったということが分かったわけです。しかも、これは二〇一三年、二〇一四年にこの検討会や評価会が国交省や各航空会社に問合せをして初めてこれだけたくさんあるんだということが分かった。専門家の先生方もたくさんあるじゃないかと驚いておられたわけですが、だとすればですよ、まずは国が主導して、緊急に事故や不具合発生の原因を分析、究明して、今すぐ可能な取れる対策を打つことが当然だと思うんですが、それやらないで、なぜ航空会社のPDCAサイクルに委ねるようなことをするんですか。なぜまず国が主導して、直ちにやれることをやらないんですか。
#140
○政府参考人(富永昌彦君) 航空機局の定期検査等に関する評価会におきましては、航空機局に搭載される無線設備につきまして、過去数年にわたる不具合の技術的データを分析した結果、定期検査時だけではなく通常運航時、この通常運航時と申しますのは、航行中に限らず運航前点検中ですとか整備期間中という期間も含みます、こういった運航時にも不具合が一定程度発生していること、それから、不具合を予防するための系統的な信頼性管理は行われていないことが判明いたしまして、不具合を減少させる方策につきまして検討を進めるとの中間的な取りまとめが平成二十七年六月に行われました。
 この取りまとめを受けまして、不具合の原因分析及び信頼性向上のための具体的な方策について検討を進めた結果、PDCAサイクルなど予防的な整備管理体制を構築し、恒常的に無線機器の基準適合性、適合性確認を行うスキームを導入するとの方向性が平成二十八年三月に示されたところでございます。今回の制度改正はこれを踏まえて行うものでございます。
 以上でございます。
#141
○山下芳生君 予防的整備、PDCAサイクルというんですが、私、それがうまく回ることを前提に今お答えになっていると思いますけれども、必ずしもそういくとは限らないということを指摘しなければなりません。
 二〇〇四年の日本航空のMD87型機、これが、義務付けられた左主脚部の点検をしないで四十一回離着陸を繰り返していた事件があります。しかも、この未検査が発覚した後の検査も、必要な二つの検査のうち一つを行わずに手抜き検査のままだったと。それで十二回、また後、離着陸を行ったということがありました。このとき報道では、検査を担当した整備士は、翌日のフライトに影響を与えることが気になった、早く検査を終えたかったこともあると、こう答えているわけでありまして、二〇一一年、航空機を製造する三菱重工でも部品の手抜き検査があって、八九年から二〇一一年までの間、四十六万個の航空部品で規程の検査手順を守らなかったということもありました。
 何が言いたいかといいますと、民間会社では、こうして運航に支障を来すなどの理由で検査、点検が正常に行われないことがあり得ると、こういうところにPDCAを委ねても正常に機能しないことが起こり得ると。違いますか。
#142
○政府参考人(富永昌彦君) 今回の制度整備は、専門家にお集まりいただきました評価会等の検討を受けて、やはりPDCAサイクルを実際に点検等を行う会社がやることを前提に制度整備ということでつくらさせていただきたいということでございます。
 私どもとしては、この制度創設を契機にいたしまして、しっかりと民間事業者におきまして、点検整備、PDCAサイクルを回すようなことをやっていただくようにしっかりと周知啓発を図っていきたいと思っておりますし、実際にこの認定制度を運用していく段階で報告を求めることになっております。その報告の中で、しっかりしたものがやられていない場合は立入検査もいたしますし、また、必要によっては認定を取り消す、あるいは、更に申しますと無線局の免許を取り消すといったことも可能でございますので、しっかりと総務省として対応していきたいと考えております。
#143
○山下芳生君 事故が起こってからでは遅いんですね、命に関わるわけですから。ですから、さっき言ったような民間会社における手抜きがなぜ起こるのかといいますと、やはり背景に利益至上主義があると思います。今回の航空機の無線機器の検査制度の見直しの出発点も、航空機会社、とりわけ格安航空会社と言われるところから二〇一二年に年一回の定期検査の免除を求める規制緩和要求が出された、費用も手間も掛かる定期検査を三年に一回にしてくれとか、検査項目を減らしてくれとか、ベンチチェックを見直してくれとかいうことが出たことがきっかけですから。
 私は、そういう規制緩和、検査のコスト削減と安全というものをてんびんに掛けるわけには絶対にいかないと、航空機の安全というのは絶対優先されなければならないと思いますが、まだそういうPDCAサイクルに委ねるのは私は時期尚早だと。まず国が、これだけのトラブル、不具合があることが分かったんですから、やるべきことをまずやらせるということをやるのが先決だと思っております。
 国の責任を後退させることはまかりならないということを申し上げて、終わります。
#144
○片山虎之助君 片山虎之助です。
 先ほどは、どうも、委員長始め皆さん、ありがとうございました。また、松下先生、質問でお触れいただきましてありがとうございました。
 それでは、質問に入ります。
 今回の法律、我が党は最初は反対しようかと、こういう意見も大分あったんです。賛成に今まとまったんですけれども、それは何でかといいますと、周波数のオークションというのが我が党の昔からの政策なんですね、オークション制度の導入。前の臨時国会でも、我が党は議員立法で出しているんです。この通常国会にも百二本も出しているんですけれども、その中にこのオークション制度というものを入れているわけで。
 そこで、今の電波法の改正案にはオークション制度ありませんわね。これはもう長い議論でね、オークションをやるかやらないかは。民主党政権時代には内閣でも法案作ったんですよね。しかし、作っただけで終わっちゃっている。
 電波の有効利用だとか手続の透明化だとか、ある意味では国民の財産である電波で見返りのお金が入るんですから、諸外国はほとんどやっているんですよ。まあ全部やっているわけじゃない、ある程度種目を限ってやっているわけですけれども。ところが、我が国ではなかなかそういう、民間の意見も、是非やれという意見は少ないですよね。そういう意味での需要もないんじゃないかと、こう思うんですが、その辺が私はよく分からない。私個人は、部分的にやってみたら面白いと私は思っているんです。
 だから、今の政府は、これは駄目だと言っているんじゃないと。採用しようと言っているんじゃないんでしょう。しかし、これは採用しないと言っているんでもないんでね、継続課題なんだと。だから、これは研究をしてもらって、良ければ入れてもらうと、こういうことで我が党はこの法案の賛成に変わったわけですから、そこはよく考えてください。
 そこで、外国ではこれだけ入っているのに、なぜ我が国では入らないのか、局長、理由を教えてください。
#145
○政府参考人(富永昌彦君) お答え申し上げます。
 周波数オークションでございますけれども、現在採用している比較審査方式と比べまして、落札した事業者が落札金回収のために一層の周波数有効利用を図るものではないかという考え方があります。一方で、落札額が高騰し設備投資が遅れる等事業運営に支障が発生するおそれですとか、資金力がある事業者によります公正競争上の問題が生じる可能性、こういったものが指摘されております。
 周波数オークションを導入している米国の例でございますけれども、近年では二〇一四年に行われたAWS周波数のオークションにおきまして、落札総額は日本円にしまして五兆円程度となりまして、大手事業者でございますAT&T、ベライゾン、ディッシュの三社が落札総額の約九四%を占めるという事例も見られます。
 総務省といたしましては、周波数オークションを含む周波数の割当てにつきまして、これまでも有識者を交えて検討を行ってきておりますけれども、例えば平成二十四年には電波政策ビジョン懇談会を開催いたしました。そこでは、現在の比較審査方式による周波数の割当てはバランスの良い制度であるとの意見が出されております。それから、昨年、二十八年の電波政策二〇二〇懇談会では、構成員から周波数オークションに関する諸外国の状況等について紹介が行われましたが、特段の議論はございません。それから、意見募集におきましても、論点明示して行いましたけれども、周波数オークションに関する意見提出はございませんでした。そういう状況でございます。
 我が国では……(発言する者あり)はい。以上でございます。
#146
○片山虎之助君 あなたの答弁の周波数が私にはなかなか合わないからよく聞こえないところあるんだけど、あなたが言うような弊害は外国だって同じやないか。だからそれ、何で我が国ではそれが駄目なの、外国は良くて。
#147
○政府参考人(富永昌彦君) 確かに、委員御指摘のとおり、オークションは私どもは完全否定したわけではございません。確かに、オークションのいい面もあり、それから懸念される面もありというのが私ども現在のスタンスでございます。
 今、じゃ、どうするかということでございますけれども、これまで比較審査方式による周波数割当てをやってきておりまして、例えば新技術の早期導入ですとか、それから全国展開が非常に健全な事業者間競争の中でできていると、促進できているという実態がございますものですから、現時点では周波数オークションを直ちに導入するという考え方はしておりません。
 以上でございます。
#148
○片山虎之助君 いわゆる比較審査方式というんでしょう、どこに割り当てるかというのを。それはオークションの方がずっと分かりやすいのよ、ある意味では。ただ、弊害がないような仕組みにしたらいいんで、検討してくださいよ。
 大臣、どうですか、今後の課題としてオークション制度の、検討する。
#149
○国務大臣(高市早苗君) まずは、片山元大臣、おめでとうございます。山崎先生もおめでとうございます。
 日本維新の会で提出をされていますオークションの法律案、対象免許も限定なしということは、非常に思い切った内容であると承知をしております。
 様々な課題ですとか海外で起きたことにつきましては、今、富永局長が機関銃のように答弁をしたので私が申し上げることはほとんどなくなってしまいましたが、まず、電波は有限希少な国民共有の資源であり、有効利用されることが重要ですから、海外における動向も参考としながら、電波の効率的な利用に資する周波数割当てですとか周波数移行、再編といったことについて引き続き検討してまいりたいと思っております。
 現時点ですぐさま周波数オークションを導入するということは残念ながら考えておりません。
#150
○片山虎之助君 私も総務大臣のときに大分検討してもらったんだけど、すぐ入れろと、ぱっとやれというところまではなかなかいきませんわね。ただ、アメリカもヨーロッパも、主要国は全部やっている。韓国もやっているんですよ。タイもやっているんです。オーストラリアもやっているんです。そういうことをよく研究して、日本に合ったようなオークション制度をつくったらいい。しかも、全部やらないで選択にしたらいいんですよ。そういうことの検討を是非お願いして、次の質問に入りますがね。
 今回の見直しで、今までの電波利用料の使い方、取り方、それをどういうふうに変えたかというのはありますか。取り方をこう変えたと、減らしたところ、増やしたところ。それから、使い方をどう変えるか。今法律で書いていますよね、一応、電波利用料の使い方。私、それにこだわることはないと思うんですよ。電波のために、あるいは日本の地域社会のためにいいことがあったら、地域の活性化なんてあなた言われたけど、地域創生か、午前中、あれはいいと思いますよ。だから、どういうところを変えたか、取り方、使い方で、それを言ってください。
#151
○政府参考人(富永昌彦君) 片山委員の御質問、電波利用料の取り方、それから使い方でございますが、先ほどの私の答弁の中で一点間違った答弁をいたしておりました。ビジョン懇談会の開催年次でございますが、二十六年でございました。訂正させていただきます。
 先ほどの委員の御質問に戻りまして、まず取り方でございます。
 電波利用料の料額でございますが、今後三年間に必要となる電波利用共益事務の費用を見積もった上で、その費用を三年間に見込まれる無線局の開設状況を勘案して算定しております。具体的には、費用を電波の利用価値の向上につながる事務に要する費用と電波の適正な利用を確保するために必要な恒常的に事務に要する費用に分けまして、前者の費用につきましては、周波数の混雑状況ですとか使用幅、設置場所や電波出力等に応じて配分しております。それから後者の費用につきましては、原則、無線局数で均等割しまして、その結果、両者を合わせた額を個々の無線局の料額ということで、まあちょっとややこしい計算の仕方をしています。
 それから、先ほどの答弁にもございましたが、負担が急激に変化しないようということで激変緩和措置も現在取り入れてございます。
 こういった電波利用料の見直しの考え方につきましては、懇談会ですとかパブコメの結果も踏まえておりまして、免許人の理解を得ながら検討してきたものでございます。
 それから、委員御指摘のこれからの使い方でございますが、懇談会の中で指摘されておりますのは、電波の公平かつ能率的な利用を推進することを目的としつつ、社会への貢献や社会的課題の解決にも有用な施策を電波利用料の使途として積極的に取り上げるべきだというようなことでございました。この懇談会の検討結果を踏まえまして、新しい施策、予算の拡充を行った施策を挙げてみますと、例えば5G、4K、8K、IoT等のイノベーティブな無線技術の研究開発、技術実証、それから新幹線トンネル全区間における携帯電話の電波遮蔽対策の二〇二〇年までの前倒し、それから自治体による防災拠点における公衆無線LAN環境整備に対する支援、それから東京オリンピック・パラリンピック競技大会の円滑な運営に資するための電波監視の強化、それから4K、8K実用衛星放送開始に伴い発生するおそれのある混信を防止するための衛星放送受信環境整備支援、こういったことを本年度の六百二十億円の中に盛り込んでございます。
 以上でございます。
#152
○片山虎之助君 まけたのは携帯電話と放送局だよね。それから無形固定回線というの、それだとか衛星通信は上げたんでしょう。それはバランス取れているんですね。
 それから、新しく増やすというのは、4K、8Kや、それから無線LANの話があったけれども、WiFiや、それからオリンピックでしょう、簡単に言うと。それは今までの法律の中で読めるわけですか。その上げ方、下げ方の幅というのはちゃんとルールがあるんだわね。ルールあったよね、前。そのルールのとおりやったのか、ちょっと説明してください。
#153
○政府参考人(富永昌彦君) まず、徴収の方法でございますけれども、基本的に総額といたしまして、今回七百億円規模が六百二十億円規模になりますので、簡単に申しますと全体的に下がるわけでございますが、無線局の周波数、利用する周波数幅ですとか様々なパラメーターを考慮して計算いたすものですから、個々の無線局ごとに見ますと下がるものと増えるものがございます。
 増えるものの主要要因といたしましては、より周波数幅をたくさん使うようになった場合ですとか、あるいは三年前の料額算定のときに当時の激変緩和措置として、本来ならばもっと上がるべきものを二割増に抑えて、抑えられなかった部分が残っていて、三年後の今回、その部分を激変緩和のぎりぎりまで、そこまで上げるといったものもございます。したがって、全体として下がるものが多うございますけれども、上がるものもございます。
 それから、使途の方でございますけれども、使途、御承知のように、平成二十年の法改正で限定列挙ということになりました。以降は、こちら、国会において御審議いただいて、列挙させていただいているということでございますけれども、今回既存の使途でできるものがほとんどでございまして、一点、新しい使途追加として御審議いただかないといけませんのが、今回の4K、8Kの環境整備、その一件だけでございます。
 以上でございます。
#154
○片山虎之助君 あのね、お話あったように、地デジがずっと大口で、これに金掛けてきたから、これが終わったら今大きいものないんですよ。それで今、七百億というのは今六百二、三十億ですよね。これ、使い方をもっと考えたらいいと思うよ、余り固定的に考えなくて。
 そこで、今の新幹線やなんかの聞こえないやつを聞こえるようにするという。今新幹線で聞こえるのは東海道・山陽新幹線と東北と、あとは前橋までですか。どういう状況になって、どういうふうにやるの。
#155
○政府参考人(富永昌彦君) 新幹線のトンネル対策で完了しておりますのが東海道新幹線でございます。それから、山陽新幹線につきましては、どんどん西の方に対策が進んでおりまして、私の記憶ですと、ほぼ完了できるかできないかというところまで来ております。山口県辺りが行っているか行っていないかということでございます。それから、東北新幹線につきましては、今岩手県を北上しておりまして、岩手県を完了できるかできないかと、そういった段階にあると理解しております。あとの新幹線につきましては、おおむねまだこれからというところがほとんどでございます。
 以上でございます。
#156
○片山虎之助君 トンネルというと、あなた、道路もあるよ。それから、今、一つ負担の関係がいろいろ問題があったのが医療施設じゃないの。
 そこで、今の医療施設でどういう持ち方をするのかという、国がどう持つか、業者である例えばNTTその他がどう持つか、それから例えばJRがどう持つか。そういうことは何かルールがあるんですか。
#157
○政府参考人(富永昌彦君) 私どもの支援措置を適用する対象ごとにそれぞれやはり実情を考えながらこれまでやってきております。
 例えば、道路トンネルでございますと、私どもが二分の一支援するということにしております。それから、鉄道の場合ですと、以前はJRからの負担はございませんでしたけれども、これ、いろんな議論がございまして、現在は六分の一を負担していただいているという状況でございます。
 統一的にルールがあるかということになりますと、やっぱりそれぞれの支援対象の実情に基づきながら考えているというのが実態でございます。
#158
○片山虎之助君 JRから取れなかったというのはどういうこと。今六分の一取っているじゃない。それはどういう理屈ですか。
#159
○政府参考人(富永昌彦君) JRにつきましては、かなり以前はJRからの御負担はなかったわけでございますが、現在は、先生御指摘のとおり、六分の一いただいております。
 これは、実は平成二十一年頃に、平成二十一年の十一月に行政刷新会議の事業仕分がございまして、その中でこの事業について予算要求の縮減という評価がなされまして、それを契機にいろんな議論が出まして、JRの負担に関する議論もその後行われました。さらに、予算編成過程を経て現在、昔はなかったわけですけれども、六分の一JRが負担するということにされたわけでございます。
#160
○片山虎之助君 是非それは、今の新幹線や道路のトンネルの障害は除去してくださいよ、是非。
 それ以外に、東京オリンピック・パラリンピックでこの電波利用料を掛けてやるのはどういう仕事がありますか。
#161
○政府参考人(富永昌彦君) 特に重要と認識しておりますのは、電波の監視でございます。東京オリンピック・パラリンピックが開催されますと、競技場及びその周辺において物すごく多くの無線局が、国内の皆様方もお使いになりますし、海外から来られる方々もお使いになります。そういったところでちゃんとした無線通信ができるようにということで、しっかりとした電波監視をやらないといけないと思ってございます。
 以上でございます。
#162
○片山虎之助君 オリンピックに四千万人来るというんでしょう、今の計算では。そこで、今のWiFiというのか無線LANというのか、それはどういう計画でどういうふうに整備していくんですか。
 それから、地方なのよ、もう一つは。これからは、去年が二千四百万か、これ四千万なら、地方に回さないとそれはもたないよ、重立ったところも。それからまた、地方に回してもらわぬと地方活性化にならないんですよ。そういう意味では、そういう意味での環境整備が是非必要なんです、地方に。それはどういう計画でどう進めますか。
#163
○政府参考人(今林顯一君) 先生御指摘のとおり、総務省の方では無料WiFi環境実現が大変重要だということで、十二月に整備計画を策定いたしました。その中では、一九年度までに全国の指定避難所などの防災拠点三万か所のWiFi環境の整備を完了するということを目標といたしまして、整備済み一万四千か所を除く一万六千か所について、官民で連携しながら整備を推進していくということにしております。総務省といたしましては、二十九年度予算、先ほど富永局長からお話ありましたように、電波利用料で平成二十九年度三十一億九千万円を確保して地方を支援していくということにしております。
 現在、各地方の方には、計画の必要性ですとか、防災面だけでなくて、先生おっしゃったオリンピック・パラリンピックのときの観光面の重要性、こういったことについて、支援策も含めまして地方公共団体、地域の関係者に周知、働きかけを行っておりまして、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けまして整備計画の着実な達成に努めてまいりたいと存じます。
#164
○片山虎之助君 4K、8Kになると電波が左巻きになるんだって、そういう説明だわね。そうなるとその電波が漏れるというんだな。そのための対策をやるんでしょう、これから。それ間に合うの、そんなこと。4K、8Kを実用化するというのは、もうあと何年よ、オリンピックまで。どういうあれになるんですか。
#165
○政府参考人(南俊行君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、二〇二〇年に全世帯の五〇%を超える方々が4K、8Kの衛星放送を御視聴いただきたいという目標を掲げてございますので、私どもとしてはその工事を前倒しで進めていかなければいけないと。
 先生御指摘のとおり、この左旋という、右旋ももちろんあるんですけれども、左旋を加えることによりまして、その左旋の周波数が加わることによって、今までは漏えいしていなかった設備もそれによって電波が漏れて、WiFiだとか機器に混信を与えるおそれが出てまいります。そういたしますと、その混信を防ぐためには、古い設備、宅内配線部分の古い設備を新しいものに取り替える必要があるということでございます。
 したがいまして、周知、広報だとかに加えまして実態把握だとか調査だとかも進めてまいりますが、その電波の漏えいに対応するためには、アンテナで受けて受信機に伝えるまでの宅内配線部分につきまして、古い設備、もう心線がむき出しになっているような設備を新しいものと取り替えるという工事改修が必要になってまいりますので、新しい技術基準に適合したものとなるような改修工事というものを電波利用料の使途を拡大させていただいて対象に加えさせていただきたいということでございます。
#166
○片山虎之助君 もう一つ、我が国のテレビの半分は、ケーブルテレビを見ている、ケーブルテレビで。ケーブルテレビの近代化、光化というのがないと、4K、8Kの普及はないんですよ。これを大々的にこれからやってもらわにゃいかぬのですが、どういう構想、どういう計画ですか。
#167
○政府参考人(南俊行君) 先ほど、五〇%の目標達成のために、実は、三分の二はケーブル経由で御覧になられるだろうということでございますが、実は、古い同軸ケーブルのままでございますと4K、8Kの大容量の多数の番組が見れなくなるというおそれもございますし、非常に同軸ケーブルが古くなっていると、これを更新をしていくという必要性もございます。そんなことから、伝送路の光化というものを全国レベルで推進していきたいということでございまして、今年度初めて補助金の制度を新設をさせていただきまして、条件不利地域の自治体さんあるいは第三セクターのケーブル事業者に対しまして整備費用の一部を補助する仕組みを始めさせていただいたところでございまして、今後とも、二〇二〇年あるいはその前後して計画的に光化を進められるように努力してまいりたいと思っております。
#168
○片山虎之助君 大臣にもっと質問しようと思ったんですが、もう時間なくなりましたので、この次いたします。
 終わります。
#169
○又市征治君 希望の会、社民党の又市です。
 本法案については基本的には賛成したいと思いますが、幾つかまだ納得できていない面もありますので見解を伺っておきたいと、このように思います。
 三年ごとの見直しということでありまして、三年前も電波利用料が変更されました。その際、単に利用料の引下げだけではなくて、電波利用料の算定における軽減措置の見直しも行われたわけでありますが、具体的には、携帯電話、移動受信用地上基幹放送に新たな軽減係数が適用され、関係事業者の負担の軽減が図られるということでもありました。その結果、携帯電話事業の電波利用料は、当時の約五百五十六億七千万円から、二〇一四年から一六年度までの三年間の平均でいうと四百四十四億五千万円に、およそ百十二億円の減額ということになったというようにお聞きしています。
 そこで、私は、当時、新藤大臣でありましたが、現在でもそれほど事情は変わっていないんじゃないかなという印象を今持っていますけれども、安売り合戦を繰り広げる携帯電話事業者に百十二億円もの利益を与えるのはいかがなものかと、こういうふうに申し上げたんですが、これに対して大臣は、これを純利益として与えるのではなくて、次なる新たなサービス、消費者の利用料金の低額化、こういったものに活用することを期待もし、総務省も提案していくんだ、こういうふうに新藤大臣はお答えになった。
 では、この三年間、携帯電話事業者は電波利用料の低額化によって得た資金というものをどのように利用者にサービス強化に向けて利用してきたのかということをまずお聞きしておきたいと思うんですね。
 さらに、この携帯電話事業者の利用者に対するサービスに関連してお尋ねをしますけれども、総務省は昨年三月にスマホの端末購入補助の適正化に関するガイドラインを公表された。そして、昨年十月にこのガイドラインに沿って端末購入補助の適正化に係る携帯電話事業者への行政指導、報告徴求を大手携帯電話事業者に出されたわけですね。ガイドラインを提示した理由、そして、その後、この行政指導、報告徴求を出した経過というものをちょっと伺っておきたいと思うんです。
 つまり、三年前、総務省は携帯電話事業者に随分と期待もされたんだけれども、期待に沿うことになったのかどうか、ここのところをしっかり聞いておきたいと思うんですが、基本的な点は大臣から、そして他は局長からお答えいただきたいと思います。
#170
○国務大臣(高市早苗君) まず、平成二十六年の電波法改正のときにも、もう御指摘のとおり、災害時における携帯電話の重要性というものを踏まえて、携帯電話の電波利用料の負担軽減が図られました。その後のことでございますが、総務省では、スマートフォンの通信料金の低廉化を促すために、大手三グループによる寡占状態となっている携帯電話市場においてMVNOを含めた競争を加速することが重要と考えておりまして、そのための取組を進めてきました。
 私自身が就任したのは平成二十六年九月のことでしたが、その年の十二月にSIMロックの解除を進めるためのガイドラインを整備し、今年一月にまたその見直しを行いました。それから、一昨年、平成二十七年の十二月でございますが、大手携帯電話事業者各社に対して利用者の多様なニーズに対応した料金プランの導入を要請しました。昨年、平成二十八年の四月からは端末購入補助の適正化のためのガイドラインを運用して、今年の一月にはその見直しを行っています。
 これまでの取組によって、大手携帯電話事業者では、ライトユーザーや長期利用者、それからヘビーユーザー向けの新たな料金プランが導入されました。また、MVNOも急速に拡大したということで、利用者の通信料金の負担軽減については一定の進展があったと思っております。
 ただ、まだ大手携帯電話事業者にはこれからも努力をしていただく余地があると考えておりますので、引き続き、競争を加速させて更なる料金低廉化を促してまいります。
#171
○政府参考人(富永昌彦君) 従来、大手携帯電話事業者各社は、主に事業者を乗り換えて端末を購入する一部の利用者に対して高額な端末購入補助を行っていたため、これが長期利用者等の通信料金の高止まりですとか利用者間の不公平につながり、また、MVNOの新規参入、成長の阻害を招くおそれもありました。
 総務省といたしましては、こうした一部の利用者に対する行き過ぎた端末購入補助を適正化いたしまして、より多くの利用者にとって分かりやすく納得感のある料金、サービスを実現することを目指しまして、昨年三月にスマートフォンの端末購入補助の適正化に関するガイドラインを策定いたしました。
 御指摘の行政指導、報告徴求でございますが、このガイドラインの執行の一環として行ったものでございます。当時、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、沖縄セルラーにおきまして、端末の購入を条件としてキャッシュバックなどを行うためのクーポンを送付する手法を用いて、端末の販売を実質約ゼロ円又はゼロ円以下で行わせる不適正な端末購入補助が行われておりまして、端末購入補助の適正化に関するガイドラインに沿わないものと認められたことから、昨年十月七日付けで速やかな是正と再発防止策等の報告を各社に求めたものでございます。
 こういったガイドラインの運用等により、大手携帯電話事業者では従来より低廉な料金プランが導入され、また大手携帯電話事業者の半額以下の料金で利用できるMVNOも急速に拡大するなど、利用者の料金負担軽減について一定の進展があったものと考えております。
 総務省といたしましては、引き続き、MVNOを含めた競争を加速させ、通信サービスと端末をより自由に選択できる環境を整備し、更なる料金低廉化を促していきたいと考えております。
 以上でございます。
#172
○又市征治君 携帯電話なりスマホの料金が高いという声は現在もあるわけですね。安けりゃいいということでもないですけれども、かといって競争させれば何だろうといいということでもない。問題なのは、やっぱり独占的な地位を利用して利用料金を高止まりさせることは、これは許されない。先ほど大臣からありましたように、やはりしっかりと適切な指導を更に強めていただく、業者にお任せではこれは困るという、そういう問題なんだろうと思います。
 次に、この携帯電話事業者の負担軽減に当たっては、事業者が東日本大震災からの復旧に当たり多額の費用負担を負ったことであるとか、国民の生命、財産の保護に著しく寄与することなども指摘をされておりました。そういう観点から見た場合、携帯電話事業者等が東日本大震災での被害をどのように教訓化をしたかというのは、これは大事なことだというふうには思うんですね。そして、この教訓が生かされたかどうか、その試金石が実は熊本地震だったのではないかと私は思います。
 東日本大震災に際して、携帯では最大で九割の通信が規制を受けた、二万九千局が機能停止に追い込まれたとのことでありましたが、東北では三か月にわたって不通のままという地域があった、こういう状況が報告されました。携帯基地機能が停止した大きな理由は、この地震、倒壊、津波によるということよりも電源喪失というふうに聞きました。
 通信事業者には、天災等の非常事態において通信手段の確保が義務付けられていたにもかかわらず、長期にわたってその義務が遂行されなかったことは誠に残念なことだと思いますけれども、総務省としては、当然、東日本大震災の被害を教訓化をし、携帯電話事業者等への指導を行ってきたんだろう、このように思うわけですが、そこで、お聞きをしますけれども、東日本大震災の被害、その原因を総務省はどのように総括をし、それを基にどのように事業者に対して指導を行ってこられたのか。そしてまた、その結果、熊本地震における通信障害の発生状況はどうだったのか、その状況についての評価も伺っておきたい。これは金子さんかな。
#173
○大臣政務官(金子めぐみ君) お答えいたします。
 東日本大震災では、御指摘のあったとおり、大規模な停電や伝送路断等により、電気通信サービスの提供に多大な支障が発生いたしました。このときの教訓を踏まえまして、総務省では、通信インフラの耐災害性を高めるために、発電機に使用する十分な燃料の備蓄でありますとか、補給手段の確保による停電対策の長時間化、また、たとえ一つが切れたとしても即バックアップできるように通信回線の複数経路化などの対策強化を電気通信事業者に対して義務付けたところでございます。
 また、携帯電話事業者につきましても、車載型基地局の増配備を行ったり、停波した基地局のカバーエリアを隣接する基地局でカバーするためのアンテナ制御機能の整備などを実施していただいたところでございます。
 続いて、熊本地震でありますが、まず被害状況というところでございますけれども、携帯電話につきましては最大で約四百局の基地局が停波し、固定回線につきましては最大で約二千百回線が被災をいたしました。
 その後、復旧状況でありますが、携帯電話につきましては、発災から数日で役所や避難所のエリアでの疎通を確保しまして、約二週間で震災前のサービスエリアを回復いたしました。また、固定回線につきましては、加入者回線部分を除き三日間で復旧いたしました。
 このような復旧状況につきましては、電気通信事業者の応急復旧対策が充実をしたこと、基地局の停電対策やエリアカバー対策が図られたことなどが一定の効果を上げたというふうに我々は考えております。引き続き、電気通信事業者と連携を図りまして、通信ネットワークの安全、信頼性の確保に努めてまいりたいと考えております。
#174
○又市征治君 東日本大震災と比較して規模は熊本とは違ったとはいえ、比較的迅速に、今御報告あったように、通信機能が回復したことは大変良かったなというふうに思います。その間の、教訓化をして業者に指導されてきた総務省の努力もあったんだろうと、このように評価もしておきたいと思います。しかし、この後、南海トラフ地震だとか大地震の可能性がやっぱり高いと言われる昨今でありますから、気を抜くことなく、この通信障害などの被害を最小限に抑えていくように、引き続きの努力というものを是非お願いをしておきたい、このように思います。
 次の質問に移りますが、今回の改正案には電波利用料の使途の追加があります。先ほど片山委員からも幾つか御指摘がありました。
 具体的な中身は、衛星基幹放送による4K、8Kの実用衛星放送が開始されるのに当たり、一部の衛星放送の受信設備、テレビということになるのでしょうか、その中には旧式のものや配線等の不適切な施工により電波が漏えいしやすいものがあり、他の無線通信に対する混信や妨害を引き起こすおそれがある、先ほど南局長からもそのことの御指摘がありました。電波利用料の共益費用の使途の追加によって、4K、8Kに対応した受信環境整備に向けた支援も行うと、こういうお話でもありました。
 電波利用料は本来、無線局全体のための共益的な行政事務の費用について、受益者である無線局の免許人等に負担を求めるものということでありますけれども、4K、8Kに対応した受信環境整備自体は確かに共益的な行政事務ですけれども、今回の提示されている具体的な課題を達成するための施策は、一体、各家庭ごとに個別的に行われる、こういうふうに理解していいのかどうか、これが一つ。
 それからまた、是正が必要と思われる旧式の設備であるとか、あるいは不適切な工事というのかな、施工というのか、というのはどの程度、一体何万戸、あるいは何世帯存在をするというふうに見ておられるのか。そして、その是正のために、各家庭に補助金を支払うという、そういう方法を取ろうと考えておられるのか、あるいはそれ以外の方法を想定されているのか、この点も伺っておきたいと思います。
 あわせて、まあ全部一挙に聞いてしまいますが、受信環境整備というのは大変広い概念というか施策ですけれども、今回の改正では想定されていないと思いますが、将来的には4Kあるいは8Kを受信できるための装置の購入に対する補助といったものも何か考えられているのかどうか。さっき大臣からはチューナーだとかなんとかという問題もいろいろとあるなというお話がありましたけれども、そこらの点についてもお伺いしておきたいと思います。
#175
○政府参考人(南俊行君) お答え申し上げます。
 来年十二月から4K、8Kを使いました新しい衛星放送がスタートしてまいります。右旋の周波数と左旋両方使うんですけれども、問題が生じますのは左旋に対応するアンテナを用いて衛星放送を受信されるケースであって、かつ旧式の、先ほど先生から御指摘のブースターですとか分配器といった非常に古い設備を御使用になられている場合に電波が漏えいするおそれがあると。その場合、新しい基準に適合することとなるように工事を、改修をしていただく必要が生じます。
 まず、支援の対象規模でございますが、今後、電波の漏えいの実際の実態を全国的に調査をした上で最終的に精査をしてまいりたいというふうに思っておりますが、現時点におきましては、大体衛星放送を直接受信されるケース自体が全体の三分の一ぐらいであろうというふうに思っておりまして、そのうち左旋の衛星放送までサービスを受信したいと思われる御世帯は大体全体で二百万から四百万程度の世帯になるだろうと。このうち、先ほど申し上げました旧式の設備のままであるというケースになると更に数字が絞られてまいりますので、現時点では、平成三十年、三十一年の二か年にわたりまして集中的に対策、支援をしてまいりたいと思っておりますが、それぞれ金額ベースで大体十二億円程度の規模というものを現段階では見込んでいるところでございます。
 具体的な支援のやり方でございますけれども、各御家庭、特に一戸建ての御家庭の場合で旧式の設備かどうか一般の視聴者には分かりにくうございますので、地デジのときにはデジサポと言われる組織をつくって、この間接補助事業者を介して一般の視聴者の皆さんの申請を代行していただくというスタイルを取ってございましたので、工事事業者ですとか施設管理者の皆さんと連携して、効率的な支援を行われる方法をこれから検討してまいりたいと思っております。
 支援の対象となる設備の範囲でございますけれども、これは、4K、8K放送というのは地デジのときと異なりまして言わば2Kにアドオンして新しく加えられるサービスでございますので、基本は、アンテナ部分につきましても受信機につきましても、やはり視聴を希望される方が御負担いただくというのが基本であろうというふうに思ってございます。
 したがいまして、アンテナと受信機本体を除きます宅内配線、問題となり得る宅内配線部分の増幅器でございますとか配線分配器、そういったものの改修工事費用の一部を私どもで支援をしてまいりたいと思ってございますので、現段階で受信機購入される方あるいはチューナーを購入される方への直接補助というのは考えていないというところでございます。
#176
○又市征治君 今ありましたように、来年から4K、8Kの実用放送が開始されるということでありますけれども、確かに、三年前大臣室で、この間は総務委員会の皆さんでNHKの視察をやって、8K見ました。大変精密で大変美しい、大変いいことなんですが、一斉に切り替えるわけじゃない、地デジに全部切り替えたのと訳が違うわけでありますから、余り急ぐ必要もないんじゃないかなという気がいたしますけど、まず拙速になって混乱が起きるようなことだけはないように、その対策はしっかりと準備を進めていってもらいたいということを強く申し上げておきたいと思います。
 この件については、通告してありませんが、大臣の方から改めてこの準備についての決意のほどをお伺いしておきたいと思います。
#177
○国務大臣(高市早苗君) 先ほど局長から支援の規模ですとかそういったことについて速やかに調査してという話がございましたが、その内容も踏まえて概算要求にも反映させていきたいと思います。皆さんに安心していただけるように、しっかりと取り組んでまいります。
#178
○又市征治君 終わります。
#179
○委員長(横山信一君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#180
○山下芳生君 私は、日本共産党を代表して、電波法及び電気通信事業法の一部を改正する法律案に対する反対討論を行います。
 航空機の無線設備等の検査制度に創設される総務大臣による認定制度は、航空機に搭載される無線機レーダー、衝突防止レーダー、電波高度計等の安全性チェックを航空会社に任せ、国による検査、合否判定を省略する規制緩和です。航空会社に技術的にチェックする能力があったとしても、自社の航空機搭載無線設備に対して厳正なチェックができるかは疑問です。航空機運航の安心、安全に対する国の責任の後退であり、反対です。
 そもそも、今回の検査制度の見直しは、年一回の定期検査の省略や費用負担の軽減を求める航空事業者の規制緩和要望が出発点です。しかし、専門家らの検討過程において、過去十年間で百件を超えるトラブル、重大事故につながりかねない多くの不具合事象が発生していることが明らかになりました。
 今、国、総務省がやるべきことは、航空会社任せの括弧付改善の取組や定期検査を省略する新たなスキームの導入ではなく、現在報告されている不具合事象について、国が主導して原因を分析、究明し、可能な対策を直ちに打つことです。安全性と競争力はバランスを取るものではなく、安全性確保は何よりも優先されなくてはなりません。
 国民の願いは航空機の安全運航の確保です。総務省の姿勢は、航空会社の要望ありきで国民の願いに逆行するものであることを指摘して、討論を終わります。
#181
○委員長(横山信一君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 電波法及び電気通信事業法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#182
○委員長(横山信一君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#183
○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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