くにさくロゴ
2017/06/06 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 総務委員会 第17号
姉妹サイト
 
2017/06/06 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 総務委員会 第17号

#1
第193回国会 総務委員会 第17号
平成二十九年六月六日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月二日
    辞任         補欠選任
     今井絵理子君     島田 三郎君
 六月五日
    辞任         補欠選任
     杉尾 秀哉君     神本美恵子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         横山 信一君
    理 事
                大沼みずほ君
                柘植 芳文君
                森屋  宏君
                江崎  孝君
                山本 博司君
    委 員
                片山さつき君
                こやり隆史君
                古賀友一郎君
                島田 三郎君
                関口 昌一君
                塚田 一郎君
                二之湯 智君
                松下 新平君
                溝手 顕正君
                山崎 正昭君
                伊藤 孝恵君
                神本美恵子君
                那谷屋正義君
                森本 真治君
                吉川 沙織君
                宮崎  勝君
                山下 芳生君
                片山虎之助君
                又市 征治君
   国務大臣
       総務大臣     高市 早苗君
   副大臣
       内閣府副大臣   松本 洋平君
       総務副大臣
       内閣府副大臣   あかま二郎君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  金子めぐみ君
       国土交通大臣政
       務官       根本 幸典君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野  哲君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       向井 治紀君
       内閣府大臣官房
       審議官      緒方 俊則君
       内閣府地方創生
       推進事務局次長  川上 尚貴君
       個人情報保護委
       員会事務局長   其田 真理君
       消費者庁審議官  小野  稔君
       総務大臣官房長  山田真貴子君
       総務大臣官房地
       域力創造審議官  時澤  忠君
       総務省行政管理
       局長       山下 哲夫君
       総務省自治行政
       局長       安田  充君
       総務省自治財政
       局長       黒田武一郎君
       総務省情報流通
       行政局長     南  俊行君
       総務省政策統括
       官        今林 顯一君
       消防庁次長    大庭 誠司君
       文部科学大臣官
       房審議官     浅田 和伸君
       文部科学大臣官
       房審議官     白間竜一郎君
       厚生労働大臣官
       房審議官     吉本 明子君
       農林水産大臣官
       房参事官     橋本 次郎君
       経済産業大臣官
       房長       高橋 泰三君
       経済産業大臣官
       房審議官     星野 岳穂君
       経済産業大臣官
       房参事官     小澤 典明君
       国土交通大臣官
       房審議官     麦島 健志君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       次長       野村 正史君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○行政制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信
 及び郵政事業等に関する調査
 (消防職員のハラスメント対策に関する件)
 (非常用発電機の点検の在り方に関する件)
 (学校法人誘致の自治体財政に与える影響に関
 する件)
 (ダムの堆砂による危険性と対応策に関する件
 )
 (人口減少下の小規模自治体における議会等の
 在り方に関する件)
 (地方財政の現状及び地方財源の確保の必要性
 に関する件)
○電子委任状の普及の促進に関する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(横山信一君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、今井絵理子君及び杉尾秀哉君が委員を辞任され、その補欠として島田三郎君及び神本美恵子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(横山信一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 行政制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官向井治紀君外二十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(横山信一君) 行政制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○江崎孝君 総務委員会ですけれども、加計学園の話をさせていただきたいと思っております。
 私がいろいろ調べました結果、やはり加計学園の様々な大学の設置は自治体に巨額の補助金が、これが一緒になっているということなので、相当自治体の財政にいろんな意味での影響を与えるということが判明をしてきています。
 前回の地方自治法の改正のときに、自治体のガバナンスの問題あるいは監査基準の問題のときに、銚子の千葉科学大学のお話をさせていただきました。八十億円近い補助金ということで、結果的にその分が、元利償還も含めると平成三十八年まで返していかなきゃいけないと、このトータルが八十億円をはるかに超えるという、こんな状況になっていますので、財政を非常に圧迫をしてきた。その結果、銚子の市民病院の閉鎖の遠因になっているという、こういう現実もあるわけでありまして、その千葉科学大学の件についてお話をさせていただいて、やはり極端な補助金を前提とした学園の開設というのが果たして自治体の経営に対してどうなのかということも含めて、これ、自治体をつかさどっていらっしゃる総務大臣に最後お聞きしたいと思うんですけれども。
 お手元に資料を、これ、野平さんという方がこの四月に銚子の市長選挙に立たれたときに市民に配られた資料で、市民の方からいただいた資料でございますけれども、その右の後ろ、下の方に、右の方に国家戦略特区で地域が稼げるまちづくりと、こういう公約を出されています。そして、ちょっと小さいですけれども、漢数字の二の項に、一、国家戦略特区で水産のまち銚子の全産業に追い風、これはいいんですけれども、国家戦略特区ですね。二番目に、下の方に国家戦略特区で水産・獣医学部を誘致というのが、これ公約になっているんですね。千葉科学大学に銚子の産業に貢献できる水産・獣医学部の新設を目指しますと、国家戦略特区でないと新設できない学部です云々ということなんですね。
 御承知のとおり、このときの千葉科学大学の学長が木曽功さんでございます。木曽さんは、前川前次官のお話によると、昨年の八月ぐらいに国家戦略特区の話をされたやに前川さんが証言を、ニュース報道ですけれども、証言をされた。前川氏は、木曽氏から獣医学部新設についてよろしくなどと言われたと。加計学園という具体名は出なかったが、木曽氏は学園理事なので加計学園の話だと受け止めたというのがこの八月の事実関係としての、前川さんが、前次官が、文部科学省の前次官がお話をされていることです。ここで、よろしくなどと言われたと、獣医学部新設に関して。
 そう考えると、今はこの今治ということになっておりますが、この野平市長候補の公約の、あわせて、千葉科学大学の学長であった木曽さん、それが内閣官房参与になられている、九月に退任されていますけれども、それと一緒に野平市長が、これ岡山県の副知事されておりました。たしか、岡山理科大学の教授もされていたと思うんですけれども、非常に加計学園とは深い方でありまして、実は、この野平さんが最初の市長選挙に立候補されたときにこの千葉科学大学の誘致をされているんです。つまり、銚子に千葉科学大学を誘致されたのがこの野平さんの一期目のときです。
 結果的に、非常に財政が厳しくなったということで、野平市長の一期目のときに銚子の市民病院の廃止というのが俎上に上ってきた。次の再選のときに、反対派の、銚子市民病院の廃止に反対の方が当選をされて、実は野平さん、一期目で終わられるんですね。その後、その次の、廃止反対を公約にされた方が、どうしてもやっぱり財政がうまくいかないということで、公約に反対をして、公約とは反対の銚子市民病院の廃止を決められたんですね。結局、市民からリコールされて任期半ばで退任をされる。その後のリコール後の選挙で再び野平さんが市長になられたという、こういう関係がありますから、すぐれて千葉科学大学の誘致には大きく影響された方。
 そして、千葉科学大学の学長である木曽功さんが当時の内閣官房参与であったというこの脈絡を通じたときに、前川前次官が八月に、木曽さんから獣医学部をよろしく頼むと、新設をよろしく頼むと言ったことの一つにこの銚子における、千葉科学大学における獣医学部の新設も含めておられたのではないか、これは僕の仮説です、あくまでも。その結果、この選挙公約にこれほど堂々と国家戦略特区でというのが、これもう非常に大きな公約に掲げられているわけでありますので、その辺のいきさつについて、まず文部科学省、そして内閣府にそれぞれお聞きしたい、そういう事実関係があったのかどうかをお願いをいたします。
#7
○政府参考人(浅田和伸君) 文部科学省でございます。
 御指摘の千葉科学大学の獣医学部というお話でございますが、全く承知をしておりません。
#8
○政府参考人(川上尚貴君) 内閣府でございます。お答え申し上げます。
 内閣府といたしましても、千葉科学大学からお尋ねの水産・獣医学部の設置に関する提案は何ら受けてございませんし、また、木曽前内閣官房参与から働きかけを受けたこともないということでございます。
#9
○江崎孝君 それは、そうすると、もちろんその辺のお互いの確認というか、確認した中身ではないことで恐らくこういう公約を出されたのではないかというのが今の推測なんですけれども、やはり一人の市長選挙に出られる方がここまで、国が命じて、国の決定権である国家戦略特区の指定とプラス獣医学部の新設、これをここまで明確に公約に掲げられる、それにはやはり何か大きな流れがなければ、やはりこれはとてもじゃないけど、公約ですから、掲げられないと思うんですが、実はこの加計学園問題が今年に入って俎上に上って、この野平市長候補はこの獣医学部創設をマニフェスト、公約から外されるんですね。だから、そんないきさつもあって、本当に銚子の皆さんにとっては非常に混乱をされている市長選挙だったと私は思います。
 そこで、改めて聞きますけれども、今文科省はないとおっしゃったんですが、その後も一切この千葉科学大学獣医学部創設については全くのでたらめというか、全くありませんということでよろしいんですね。
#10
○政府参考人(浅田和伸君) 文部科学省として、そういう話は一切承知をしていないところでございます。
#11
○江崎孝君 それでは質問を変えます。
 加計学園の関係では幾つか大学が全国に展開をされていると思うんですけれども、現在の加計学園の関係の大学の定員の充足率についてお伺いします。
#12
○政府参考人(浅田和伸君) まず、学校法人加計学園が設置をする大学の収容定員の充足率、これは各大学が公表している平成二十八年五月一日現在の数字で申し上げますと、岡山理科大学が一一三・〇%、倉敷芸術科学大学が七七・一%、千葉科学大学が八三・一%でございます。このほかの先生から昨日お話をいただきました、これは別法人でございますが、学校法人順正学園が設置する大学については、吉備国際大学が七〇・九%、九州保健福祉大学が七七・〇%でございます。
#13
○江崎孝君 今言われたとおり、岡山理科大学だけなんですね、充足率が定員超えているのは。いずれにしても、今言われた岡山理科大学含めて、倉敷、千葉、吉備国際、九州保健福祉大学というのは莫大な補助金が自治体から出資されています。
 私が調べた限りによると、やはりこれも、一つの学園でこれだけそれぞれの大学に膨大な補助金が出されているというのは余りないんですね。例えば、最近では、最近十年間で、これ文科省からいただいた資料なんですけれども、国際医療福祉大学医学部、千葉県これも成田市ですけれども、これが八十億円ぐらいで、それ以外はこれほど膨大なやつはないんですね、この十年ぐらいは。そして、いずれももう既に定員割れをしているという、こんな状況です。
 特に、九州保健福祉大学については七七・〇ですけれども、二〇一四年に学部の新設をしていますよね、御存じでしょうか。そのときに新たに延岡市から補助金を出されているんですが、それ、もし、ちょっと通告していないので分からないと思いますけれども、お分かりになったらお答えいただけますか。
#14
○政府参考人(浅田和伸君) 大変申し訳ありません。ちょっと手元にございません。
#15
○江崎孝君 新たに七億円を学部新設で出しているんですね。もっと言えば、この千葉科学大学も、これ加計学園というのは、契約をするときに、学部新設をするときについては補助金の要請をします、お互いが真摯に協議しますという、そういう契約書になっているので、これ千葉科学大学も、学部新設をするときに新たにお金出さなきゃいけないという、こういう話になっていたんですけれども。
 いずれにしても、さて、この問題で事細かくお話しするつもりないんですけれども、これ非常に、これでいくと、各自治体における問題として市民の皆さんたちの反対もありました。この銚子の千葉科学大学も相当の反対があって、当時の野平市長が押し切った形になったんですけれども、結果的に、予想されていた経済的な効果というのは余り生まれずに、定員割れの状況になっていると、こういう状況になっています。
 総務大臣にお聞きしたいんですけれども、もちろんこれはそれぞれ自治体が決めることです。それをとやかく言う筋合いのものではありません。しかし、やはり私は、この学園経営というのはすごく問題があるのではないかと。人口減少社会になっている、若者が流出をしている、大体そういう地方都市にこの加計学園というのは多く進出されていまして、わらをもすがる思いで学園誘致に走る、その結果、膨大な補助金を出さざるを得なくなってくるという、こんな状況がこの加計学園の問題でこれ明らかになってきていると思うんですね。
 ですから、やはりこれは自治体を所管する総務大臣として、このような学園経営の在り方、あるいはこの補助金を膨大に支出してまでも学園を誘致したいという、そういう思いに走る自治体のありよう、その辺についてもう少し何とか制度的にできないのかなという思いが私にはあるんですけれども、そのお考えはございませんでしょうか。
#16
○国務大臣(高市早苗君) 銚子市は、平成十六年四月に開学した千葉科学大学誘致のために、この学校法人に対しまして、平成十六年度及び十七年度に合計で七十七・五億円の補助を行っています。
 私の立場では地方自治法上の手続ということでしか答弁できませんが、学校法人に対する補助に係る予算は、地方自治法第九十六条第一項第二号の「予算を定めること。」として、地方議会の議決事項でございます。住民の皆様の代表である銚子市議会の御議決を経てなされたものであると思っております。
#17
○江崎孝君 制度的には財政的な、財政健全化の問題とか、いろいろ制度上の問題がありますから、それをクリアしていれば別に問題ないわけですけれども、やはり私は、今回、この国家戦略特区で一連の問題である加計学園の話から、改めてこの学園ビジネスの自治体に与える影響というのは相当大きな問題があるということだけは御指摘させていただいて、質問を変えさせていただきたいと思うんですけれども、また、恐らくこれ、銚子の方には相当今マスコミが行っているようです。ですから、ここでお話ししたこと以外のことが恐らくまた報道される可能性もあります。そのときはまたいろいろお話をさせていただきたいと思うんですけれども、非常に今注目されている銚子の千葉科学大学の問題だということだけは指摘をさせていただきたいと思います。
 さて、消防職員のハラスメントの問題について御質問させていただきます。
 消防本部におけるハラスメント等への対応策というのが最近ネット上で公開をされて、ワーキンググループがつくられて議論をされた。その一つの中間報告として、消防本部におけるハラスメント等への対応策というこの案が出されていると思うんです。私も読ませていただきました。非常に有意義なワーキンググループつくっていただいたと思います。そして、すごいです、やっぱり今の消防現場におけるハラスメント、パワハラというのはすさまじいものがあって、もう自殺者も相当出ているということもありますので。
 さて、このワーキンググループに関して、今後のスケジュール、これどうやって動かしていこうと思っていらっしゃるのか、お伺いします。
#18
○政府参考人(大庭誠司君) お答えします。
 御指摘のワーキンググループにつきましては、この二月六日に第一回を開催いたしまして、ハラスメントに関するアンケート調査等の内容について御審議をいただきました。三月二十八日に第二回を開催しまして、その調査結果について御議論を、また、四月二十五日、五月二十二日に第三回、四回を開きまして、ハラスメントへの対応策のたたき台、あるいは消防本部におけるハラスメントの対応策につきましての案について御審議をいただいております。
 現在、これまでの四回の議論を踏まえまして、この対応策の案につきまして委員やオブザーバーの皆様と調整中でございまして、第五回を開催するかどうかにつきましては未定でございます。ただ、六月中の報告書の完成を目指しまして取りまとめを行ってまいりたいと考えております。
#19
○江崎孝君 そうすると、この対応策についてはまだこれから修正、加筆ができるということでよろしいんですか。
#20
○政府参考人(大庭誠司君) 委員の皆様やオブザーバーの皆様の御意見、皆様の合意が得られれば修正はしていきたいと思っております。
#21
○江崎孝君 それでは、まずは、今日総務委員会に参加されている皆様も、消防の現場がどうなっているのかというのは余り熟知されていない方もひょっとしたらいらっしゃるかもしれません。なぜここのワーキンググループを、あえてこのパワハラに関して、ハラスメントに関して消防庁でワーキンググループをつくって議論しなければならなかったかというその問題なんですけれども、パワハラの実態というのが今現在、直近で幾つか事例があると思いますが、その御報告をお願いしたいと思います。
#22
○政府参考人(大庭誠司君) 消防庁では、この今のワーキングの中でアンケート調査を実施いたしました。消防職員のうち無作為に抽出した四千名を対象にしまして、現場における実態を把握するための調査を実施していました。この調査におきまして、最近一年くらい、平成二十八年の一月から十二月ぐらいですけれども、職場でパワーハラスメントの被害に遭った経験があると回答した方は、男性は二千三百八十七人中四百十八人、一七・五%、女性は五百四十七人中七十人の一二・八%でございました。
 また、その類型につきまして複数回答でお尋ねしましたところ、物を投げ付けられるとか胸ぐらをつかまれるなどの身体的攻撃を受けたような方が一七・七%、あるいはみんなの前でささいなミスを大声で叱責されたというような精神的な攻撃を受けた方が男性の四百十七人中二百四十人の五八%などという結果が出ております。
#23
○江崎孝君 自殺された方もいらっしゃると思うんですけれども、その辺の実態とかは把握されていますでしょうか。
#24
○政府参考人(大庭誠司君) 今回の調査では、自殺された方についての調査はいたしておりません。
#25
○江崎孝君 例えば私が、もちろん自殺された方いっぱいいらっしゃいます。例えば、佐世保でも、自害する、自殺された方が出ていらっしゃいますし、直近では、私の地元の福岡県の糸島市で市消防本部の男性職員十三人が数年間にわたって部下に暴行を加えて暴言を吐いたりするパワハラを繰り返していたことが市の取材で分かって、職員が百人中三十人が被害を受けていて、何とこれ、市が、英断ですね、これ懲戒処分しているんですね。その件とか御存じでございますか。
#26
○政府参考人(大庭誠司君) 糸島市の件につきましては、福岡県とともに内容につきましては把握いたしております。
#27
○江崎孝君 つまり、こういうことが、消防職場の現場というのはやっぱり上意下達です。ですから、上司の命令は絶対だということは、やはり命令関係からしたらこれは当たり前の話なんですけれども、それを先輩なり上の方たちが少し、少々勘違いをして相当嫌がらせをするというのがこれは激増を実はしているんですけれども。
 その対策、対応策をされたときに、このハラスメント撲滅の対応策として例えばどういうことを議論して、今後どういうふうにされようとしているのか、お聞かせください。
#28
○政府参考人(大庭誠司君) ハラスメント撲滅の対応策につきましては、ワーキンググループにおきまして、一つとして、ハラスメントを撲滅するという意思を明確にするため、トップである消防長の方針等を明確化しまして本部内でその周知徹底を図ること、また、ハラスメントの事案が発生した場合にその解決を目指す通報制度を確立するとともに、本人を精神的にサポートするための相談窓口を設置すること、あるいは、ハラスメントの発生を未然に食い止めるため懲戒処分の厳格化や研修などを実施することなどが議論されております。
 このワーキンググループでの対応策の取りまとめを踏まえまして、消防庁と各消防本部等が一体となりましてハラスメントの撲滅に向けた対策をしっかりと行ってまいりたいと考えております。
#29
○江崎孝君 先ほど、その対応策での、ワーキンググループでの議論が功を奏したのか、全国消防長会でハラスメント防止宣言がされているやに聞きます。それを例えば各単協といいますか各自治体といいますか、本当に現場の消防長の宣言まで持っていく必要性があると僕は思うんですが、その辺の考え方と動きについて考えがあればお教えください。
#30
○政府参考人(大庭誠司君) 全国消防長会では、先月開催されました消防長の総会、全国の消防本部の長が集まる総会で今御指摘の宣言をされたものと聞いております。
 私どもも、このワーキングの結論を踏まえてしっかりした対応策を各本部にお願いするとともに、全国消防長会とも連携しながら、消防長としての考え方につきましてきちんとしていただきたいということでお願いをしていこうと思っております。
#31
○江崎孝君 それは具体的にどういうふうにされる予定ですか。やっぱり、これはもう全国消防長会の宣言というのは非常に大きなものがあると思いますね。ですから、それが本当に末端の消防長の皆さんのこういう宣言まで結び付いていくということが一番重要だと思いますから、これは是非積極的に具体的にやっていただきたいと思うんですが、その考え方があったらもうちょっと詳しく教えてください。
#32
○政府参考人(大庭誠司君) ワーキングでも議論されているところでございますけれども、ハラスメント防止に対するトップの方針を文書等にして発出すべきじゃないかという議論もされていまして、現在、消防本部に対するアンケート調査では、全体の五割強の団体しかこういうものをまだ出していない、大きな本部では結構出しているんですけれども小さな本部では出していないというようなこと、やはりトップの意思を明確にするということがハラスメントを許さない風土づくりにつながるのかなということを考えております。
 そういう意味では、このワーキングの最終的な御議論の上でございますけれども、ハラスメントを撲滅するための消防長の方針を各本部できちんと作っていただくと、それをその本部内に周知徹底していただくということが非常に重要じゃないかなということを考えております。
 また、消防長に対して研修を行うことも重要と考えておりますので、これらにつきまして、ワーキングの報告も踏まえまして、消防庁において全国消防長会などと協力しながらきちんとした対応策を取ってまいりたいと考えております。
#33
○江崎孝君 それで、消防職員委員会というのが全国の消防署に設置されているんですね。これは一九九五年、村山内閣のときに、問題であった消防職員の団結権、これがなかなか付与されないということもあって、ILOから相当勧告出されて、つい昨年も第十回の勧告出されて、消防職員の団結権何でやらないのかという、こんな話ですが。
 それに合わせて、やっぱり具体的に現場の様々な問題を消防職員と上司の皆さんと一つのテーブルに着いて話し合って問題解決をしていくということがなされて、九六年ぐらいに設置されていくんですね。そして、この間、組合の方から消防職員の団結権、これはILOの方にもそうなんですが、消防職員委員会が具体的に機能しているので、職員の身分あるいは雇用関係、そういう問題については、団結権を付与するまでもなく消防職員の委員会で機能しているので団結権付与に至らないというのが実は日本国政府のILOに対する説明だったわけですが、だとすると、この消防職員委員会が機能しているとすれば、今回のこのようなパワハラとかいうハラスメントが現場ではもう少し軽減されたんではないかというのが現場の声なんですよ。
 実際に、この消防職員委員会というものの設置目的と活動状況というのをちょっと簡単に説明いただけますか。
#34
○政府参考人(大庭誠司君) 御指摘のように、消防職員委員会は、消防組織法十七条におきまして、給与、勤務時間等の勤務条件、福利厚生に関すること、あるいは職員の被服とか装備品に関すること、消防の設備、機械器具その他の施設の事項に関しまして消防職員から提出された意見を審議させ、その結果に基づきまして消防長に対して意見を述べさせ、もって消防本部の事務の円滑な運営に資するため設置されております。
 現在、消防職員委員会の開催状況につきまして、平成二十七年度は全ての消防本部において一回以上開催をされております。審議件数は平成八年度以降毎年五千件程度ありまして、このうち四割の意見が実施が適当と判断されております。また、平成二十六年度において実施が適当と判断された意見千七百六十件のうち六割弱につきましてはその後の一年間ぐらいで実施されるなど、職員の勤務条件の改善に一定の成果を上げているものと考えております。
#35
○江崎孝君 御存じのように、消防職員委員会については、消防職員の給与、勤務時間その他の勤務条件及び厚生福利に関すること、こうあるので、私はこの消防職員委員会がハラスメントを撲滅するための一つのキーポイントに僕はなると思うんですが、今度の対応策の中でこの消防職員委員会をどのように活用するというような考えでいらっしゃるんでしょうか。
#36
○政府参考人(大庭誠司君) 今回のワーキンググループにおきまして、基本、消防職員委員会は、先ほど申し上げましたとおり、法の規定によりまして消防職員から提出された意見を審議するという立て付けになっております。各本部におきまして、消防職員委員会においてハラスメント等の対応策について審議を求められる意見というものが提出された場合につきましては積極的に審議することが重要でございまして、ワーキングにつきましてもそのたたき台におきましてはそういう旨記載しているところでございます。
#37
○江崎孝君 読んでみたら、対応策のその他のところの最後の二行なんですよね。実に何か扱い方が隅の方に追いやられているなと。各消防本部は、消防職員委員会においてハラスメント等の対策について意見が提出された場合には、積極的に審議することが重要である、この二つだけなんですよ。もう少し考え方として膨らませられないんでしょうか。
 これ非常に、せっかくもう二十年以上この消防職員委員会というのはあるわけで、もう現場に根付いているものだと思うんですよね。今言ったように、ほとんどの、全消防本部にあるわけでありますから、そしてここに消防職員と消防の上司の皆さんが一緒になって議論する場がここにあるわけですから、ここをもう少し活用するという考え方はないんでしょうか。
#38
○政府参考人(大庭誠司君) 何度も申し上げて恐縮でございますけれども、組織法の立て付けとして「職員から提出された意見を審議させ、」ということになっておりまして、消防長が例えば全国一律にその特定事項の審議をということは難しいかと思いますが、職員の皆様からそういう意見が出てきた場合にはきちんとそこで審議して、消防本部としての体制を整えていただきたいと考えております。
#39
○江崎孝君 そこで、僕、提案なんですけど、一枚資料を持ってきました。これ、対策の中の一つの資料というか、イメージ図なんですね、これ、相談窓口の。左の下の方に被害者、これはセクハラを受けた方がいらっしゃる。この方が二つ行くところがあって、一つは自治体に設けるハラスメント等通報窓口というのがある。多分これ、人事担当とかされるんでしょう。それともう一つがこの相談窓口ということで、職員から任命されたOB、OGが委託されるということなんですが、これ機能するかどうか僕非常に危惧するんですね。まず一つは、消防職場から自治体である当局に果たして被害者が相談を持っていけるかどうか、外に。これ、非常に勇気が要ることだと思います。
 もう一つ、これ、私も言われて思ったんですけれども、つまり職員の先輩、OB、OG、もっと言えば、今これだけパワハラ、セクハラが問題になっていまして、もう既に退職された方たちは、むしろもっとパワハラが横行していたときの職員の皆さんたちなんですよ。そういうところに相談窓口でその人を充てても果たしてうまくいくかどうかということが、これ、現場から声として出されているんですよ。これは、もし修正する必要があるとすれば、ここに、例えば相談窓口の中に消防職員委員会というのを一つ明確に位置付けるということだって、僕できると思うんですね。
 もう本当にパワハラで苦しんでいる人たちがいっぱいいて、こうやっているときにも命が奪われるかもしれない、それほどやっぱり大変な状況なわけですから、その辺の考え方について、今日はなかなかお答えできないと思いますけれども、今後のワーキンググループの議論の中で是非参考にしていただきたいと思いますけれども、どうでしょうか。
#40
○政府参考人(大庭誠司君) 御指摘のように、こういうパワハラとかセクハラにつきましては複数の窓口を設けておくことが重要であるということをワーキングの中でも議論されておりますので、御指摘の御意見もきちんと受け止めて検討してまいりたいと考えております。
#41
○江崎孝君 是非よろしくお願いします。
 申し訳ございません、個人情報保護法について質問をする予定にしておりましたけれども、時間が参ったようでございます。本当に今日は参加していただいて時間取らせました。おわび申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#42
○伊藤孝恵君 おはようございます。民進党・新緑風会の伊藤孝恵でございます。本日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 冒頭、非常用発電機の点検について、今課題に思っていることから申し述べます。
 東日本大震災の際、震度六以上の地域に設置された自家発電機四千八百十一台のうち、不始動又は異常停止したものが二百三十三台あったそうです。そのうち明らかにメンテナンス不良が原因と思われるものは二十三台。これ、社団法人日本内燃力発電設備協会調べの数字を引用しておりますけれども、整備不良によって作動しないということは、本当にこれ人災なんだというふうに思います。
 しかしながら、この教訓を生かせているとは今言い難い状況でして、今日は、その法定点検の現状を変えなければ、いざというとき、消防法で定めるスプリンクラーもそうですし、屋内消火栓、それから医療機器、非常用エレベーター、そういったものが作動せず命を落とす方が出る事態も大いに考え得ると思います。それとまた、性善説に立ってこういった甘い行政チェックを行っていると、十二年前の耐震強度偽装事件等と同様の事態にならないかと危惧するところでございます。
 そこで、まず政府参考人にお伺いします。現在の非常用発電機の点検実施の把握方法を教えてください。
#43
○政府参考人(大庭誠司君) お答えします。
 消防法十七条第一項におきまして、建築物の用途や規模等に応じまして、屋内消火栓設備、スプリンクラー設備などの消防用設備のまず設置が義務付けられております。同項に基づきます技術上の基準におきましては、これらの消防用設備が停電時にも有効に作動するように非常電源を附置しなければならないとされておりますが、その非常電源の一つとして自家発電設備が位置付けられています。これ以外にも蓄電池等が非常電源として位置付けられております。また、これらの消防用設備におきましては、消防法の規定におきまして、その設備を設置している建築物の所有者等が定期的に点検を行い、その結果を消防長又は消防署長に報告することが義務付けられています。
 したがいまして、消防法に基づき設置が義務付けられております消防用設備、スプリンクラー等ですけれども、につきまして自家発電設備が附置されている建築物につきましては、消防法の規定による点検報告によりまして、各市町村の消防本部につきまして当該消防用設備に附置されている非常電源、それが自家発電設備ということがあるかと思いますが、非常電源の点検結果が報告されると、こういう立て付けになってございます。
#44
○伊藤孝恵君 済みません、確認です。提出するだけですか。
#45
○政府参考人(大庭誠司君) 消防用設備の報告、点検報告につきましては、消防長又は消防署長に提出されまして、それをその消防署の方ではきちんと内容が正しいかということにつきましてはチェックをしていると考えております。
#46
○伊藤孝恵君 直接点検に出向くとか、そういったことはございますでしょうか。
#47
○政府参考人(大庭誠司君) それは、各消防本部におかれまして必要と認めれば、適宜、各所有者等につきましてチェックをしていると考えております。
#48
○伊藤孝恵君 その提出というのは義務化されていると思うんですけれども、それら全部、一〇〇%なんでしょうか。
#49
○政府参考人(大庭誠司君) 消防用設備等につきまして点検報告を各消防本部に出すことになっておりますけれども、ちょっと今定かではございませんが、七〇%強ぐらいの程度で報告されているものと考えております。
#50
○伊藤孝恵君 二〇一五年の報告率は七五・九%でございます。これ一〇〇%じゃないんですよね。
 それで、消防庁はマニュアルの中で提出を呼びかけています。そして、違反を繰り返す事業者は告発も辞さないとアナウンスはしているんですけれども、そういった消防の現場、今必要に応じてというふうにおっしゃいましたけれども、直接出かけていってそういったチェックをしているというのは、私が調べる限りは出てきませんでした。今、江崎委員の方からもありましたけれども、消防の現場はそれどころじゃ今ないんですよね。
 なので、一部報道によると、事業者は、面倒だしお金も掛かるから実施したことにして提出した、虚偽申請をしたら三十万円以下の罰金又は拘留が科せられるが手間を考えたらばれたときに罰金を支払った方がいいと答える事業者もいたそうです。点検費用についても調べてまいりました。以前は二百万円ぐらいするところが、最近ではその十分の一程度になっているそうです。
 この点検は義務化されていて報告ももちろん義務化されているんですけれども、それらが一〇〇%ではない。そういった、点検票を管轄の消防署に提出しなくてもペナルティーというのも徹底されていないので、こういった事態に陥るんだというふうに思います。このままで大丈夫なんでしょうか。
#51
○政府参考人(大庭誠司君) 消防庁としましては、確かにその点検につきまして、まずは正確にやっていくことが大事だと思っております。
 昨年の十二月に消防用設備等点検報告制度に係る留意事項についてという通知を出しまして、この中でも各点検結果等の在り方につきまして消防本部に助言をしているところでございます。
#52
○伊藤孝恵君 私もその報告書拝見いたしました。
 今、この非常用発電機については、施設全館を停電させた上で非常用発電機に切り替えてスプリンクラー等がきちんと作動するかを確認する全館停電というやり方、それから、これが一番いいんですけれども、それができない場合、非常用発電機に三〇%以上の負荷を掛け正常に作動するかを確認する負荷運転、これも認められております。
 ただ、電源を入れただけで点検としては意味が全くない無負荷運転というのもございます。今、私、これ幾つかの事業者のを入手したんですけれども、これ、無負荷運転をしていますというだけの報告書、無負荷運転、丸というふうに書いてあって、電気主任技術者の名前も氏名も資格も何にも書いていない、そんなような報告書ばかり、この今手元にあります。もちろん、消防局からは自家発電設備の負荷運転を実施して報告してくださいというふうには通知しています。しかしながら、実態はしていない、無負荷運転でもこれが通ってしまっている。
 先ほどチェックはしているというふうにおっしゃっていましたけれども、これが今、私が課題と思っている甘い行政チェックだと思うんですけれども、こういった状況を把握されていらっしゃいますでしょうか。
#53
○政府参考人(大庭誠司君) 悉皆的な調査は行っておりませんけれども、個別の団体におきましてその調査票につきまして無負荷となっているというようなことにつきましては把握いたしておりまして、そういうところにつきましては各本部についても留意をしてくださいというお願いはしております。
#54
○伊藤孝恵君 これ、先ほどおっしゃいました、昨年の十二月に出された発出文書ですけれども、ここでも、こういった消防法が創設されて四十年が過ぎて制度の抱える課題も指摘されているというふうに書いてございます。その上で、皆さんに点検をちゃんとしてください、報告をしてくださいというふうに呼びかけてはいるんですけれども、やはりそれがなされないといった以上、本当にシンプルに、いざとなったときにこれが使えるようにしておいてほしいというそれだけなので、この、例えば報告書に、無負荷運転というのははねるという制度ですとか、負荷運転をしただったら、その型番ですとか業者ですとか、その資格を持った方ですとか、そういったものの記名を義務付けるとか、時には抜き打ちチェックとか、出かけていってチェックをするとか、そういったもう一歩踏み込んだ、そういったような行政の指導があってしかるべしなんじゃないかというふうに思うんですが、御所見をお伺いします。
#55
○政府参考人(大庭誠司君) 基本的に、各この点検につきましては消防本部の消防長又は消防署長が報告受けることといたしております。その中で、各本部におきまして点検報告の内容を確認いたしまして、その不備があれば改善を指導するなどによりまして適切に点検が行われるべきだと考えております。
 先ほどお話しございました通知におきましても、点検を行った機器の種別や容量等に係る具体的な内容が記入されることについて留意して確認するようお願いいたしておりまして、今後とも引き続き全国の消防本部に対しまして適切な助言を行ってまいりたいと考えております。
#56
○伊藤孝恵君 助言、何回もしていらっしゃいます。もう何通も何通も助言いっぱいしていらっしゃいます。にもかかわらず、今やはり、無負荷運転、丸、いろんなものが空欄である。それで、いざというときに人命が失われるようなことがあってはならないので、この状況をどうしたら変えていけるでしょうか。みんながちゃんと検査をして、そしてそれを報告して、いざというときにこんな人災で誰の命も失われないようにするにはどうしたらいいでしょうかというふうにお伺いをしております。もう一度御答弁お願いします。
#57
○政府参考人(大庭誠司君) 御指摘のように、このような自家発電がいざという場合に動かないということは大変重大な問題だと考えております。
 まずは、点検制度そのものについて、まず報告が七〇強しか出されていないということも一つ大きな問題だと思いますので、この点検報告制度の在り方あるいはこのチェック票の仕方等につきまして引き続ききちんと検討してまいりたいと考えております。
#58
○伊藤孝恵君 是非、検討の上、しっかりと検査がされるような状態をつくっていただければというふうに思います。
 次、加計学園問題、こちらの方もまた江崎委員に引き続き、お伺いしてまいります。
 これ、総務委員会でやるものなのかというふうにおっしゃる方もいらっしゃいますけれども、私は本当にこの委員会でこそ取り上げるべき議題だと思っています。内閣府主導ですとか、これは農水省のものだとか文科省のものだとか、そういったものではなくて、規制緩和の決定権を国会からもそれから地方議会からも遠ざけて、この規制緩和というものをつかさどる関係省庁の意見も今回聞いておりません。
 それで、規制緩和だけが一方的に進められた結果、今、今治市は揺れております。この自治体の財政を逼迫させるでしょうし、毀損させる可能性もございます。国が地方議会を、地方行政をゆがめたのかもしれないのであれば、まさにこの総務委員会で話し合うべき議題だというふうに思っております。
 大臣、所管外と言わずにお答えいただきたいんですけれども、この国家戦略特区の問題で、学校法人の誘致が地方創生につながるというような意見もございますけれども、それについて大臣の御見解、お聞かせください。
#59
○国務大臣(高市早苗君) 地方創生については山本幸三大臣の所管でありますから、地方創生というものの中で学校の誘致というものがどのように効果をもたらすかという全ての学校を対象にした考え方、基本的な考え方について総務大臣からお答えすることは困難でございます。
 ただ、総務省の施策の中で地方大学に関するものも実施しておりますので、それについての考え方を申し上げさせていただきます。
 地方からの人口流出というのは、大学に進学するとき、それから卒業後の最初の就職時に、その二つの時点で特に顕著でございます。そのような点に着目しまして、総務省では平成二十七年度から、文部科学省と連携して、地方大学が地方団体や地元企業などと協力をして長期のインターンシップや共同研究を実施する取組、それから地方団体と地元産業界が連携して地元企業に就職された学生さんの奨学金返還を支援する基金の造成など、地方大学を核とした若者雇用の創出という取組に対して新たに支援策を講じております。
 この地方大学を核とした取組によって都市から地方への人の流れが創出されるということ、それから地域雇用が増加するということによって地方からの人口流出が抑制されるという効果は考えられると思っております。これは地方創生につながるということを大いに期待しております。
 その上で、今治市への大学誘致についての問題意識をお持ちなんだろうと思いますが、これについては、今治市長が六月一日の会見で地方創生の一環で取り組んできたことだと述べられております。また、愛媛県知事も五月二十四日の会見で、長年にわたる地元の熱心な取組について述べられ、獣医学部の設置に期待感を示されていると承知をしております。
#60
○伊藤孝恵君 今、地方大学の話でいくと、まだこの加計学園はございませんので、今、江崎委員から既に指摘があった加計学園系列の千葉科学大学も、じゃ、学生が二千人近く来るわけですから地方創生につながる、例えば税収も上がる、例えばこういった方たちがお金をここで使うわけですから、そういうような人口が増えるとか、そういったものも含めてあるのではないかというような見立てだと思うんですけれども、これ、銚子市役所にお伺いしたんです、市全体の税収上がったんですか、人口が増えたんですか、開学によって。
 この人口、それから税収、どうなったと思われますか、大臣。
#61
○国務大臣(高市早苗君) 先ほどの私の答弁は、総務省が、私が大臣になって以降のことでございます、平成二十七年度から新たな施策として始めたことでございます。これは個別の大学に対して何かを強制するというものではなくて、地方大学を活用して雇用の場を増やしていく、また、産業界と連携して共同研究を実施していく、そういったことで地域の活性化につなげたり雇用の場を生み出す、そのための政策でございますから、今、伊藤委員がおっしゃったこの千葉の大学、これについての話ではございません。
 それから、人口が増えたのかどうか、それから税収が増えたのかどうかというお尋ねでございますけれども、その点について御通告をいただいていないので、今、申し訳ございませんが、手元に数字がありません。
#62
○伊藤孝恵君 税収は上がっておりません。人口も増えておりません。
 加計学園の千葉科学大学は、七十七億五千万円の費用負担をいたしましたので、今毎年四億円の借金返済をしているそうです。先ほどもありましたけれども、市民病院も一時閉鎖に追い込まれましたし、それから市民生活にも影響が出ていて、ごみ袋が値段が二倍になったとか、市の斎場、火葬場です、の使用料が倍になったとか、市役所の職員とか市長の給与もカットも行われているそうです。無償で土地を提供して、それから七十七億五千万円も出して、どうして市民がこの学園のためにこんな苦労を強いられるのか。住民の皆さんは今、この町が、この故郷が第二の夕張になるんじゃないかというような不安を抱えていらっしゃるというふうに心配されているそうです。
 このまま、このような事例がある中で加計学園が開学した場合、今治市への財政の影響、これは政府参考人にお願いします。
#63
○政府参考人(黒田武一郎君) 今回の事例におきます今治市における直接的な財政負担ということになりますが、この学校法人の誘致のための補助金の支出としまして、九十六億円を限度額とする債務負担行為を含む予算につきまして、平成二十九年三月に市議会の議決を得たと承知しております。
 地方公共団体財政健全化法の中で、財政の健全性を表す指標として四つの指標がございます。この債務負担行為につきましては、四つの指標のうち、公社、三セク等を含みます一般会計の実質的な負担を示す将来負担比率の算定に影響することとなってまいります。
 この債務負担行為を設定する前の平成二十七年度決算における今治市の将来負担比率は二四・二%でございまして、自主的な健全化に取り組まなければならない早期健全化基準であります三五〇%から見ますと相当低い水準にございます。これに九十六億円の債務負担行為を含めても四九%程度と見込まれますので、この点につきましてはこの指標上は問題がないというふうに見られます。
 ただ、全体としましてどういうふうな税収、それから、全体的に中長期的にどういうふうな財政状況を踏まえてということにつきましては、これは今治市の御判断でございます。あらゆる状況を踏まえながら、健全な財政運営に取り組まれるものと承知しております。
#64
○伊藤孝恵君 その数字、私も昨日お伺いしました。市は、この積立金の財調ですか、を取り崩してつくるんだと。それが今百三十七億あるから、九十六億円出しても大丈夫だと。それで、今、参考人のお話ですと、この将来負担率も大丈夫だと、数字上は大丈夫だというふうにおっしゃるんですけれども、物すごく無責任だなというふうに聞いていて思います。
 市は基金を取り崩してと説明今しておりますけれども、住民の多くがその事実を知りませんでした。九十六億円も私たちが出さないといけないんだったら、それはもう話が別だと。バイオセーフティーレベルの2だの3だの、どっちなんだという問題もまだございます。反対の声が地元で日増しに強くなっているというふうに聞いております。九十六億円もの税金を使いますが、税収増は三千億円。これも怪しいものだと思いますけれども、それを回収に三百二十年掛かる。法律上は何も犯していないかもしれませんけれども、これが果たして正しい行政手続と言えるんだろうかというふうに思います。
 今治市は、平成の大合併時に周辺十二町村と合併して、市は合併特例債を見込んで箱物事業を進めてまいりました。今後、借金返済が財政に影響を与えるのは確実でございます。公共施設を更新すると年間百一億円の財源不足に陥ると言われている非常時なんだというふうに地元の方が言っておりました。国政が地方自治まで壊していくのかと。積立金の現在高百三十七億円に対して、九十六億円大丈夫だ、それはやっぱり余りにも無責任な今の御答弁なんだというふうに思います。
 ちょっと関連して、文部科学省の前川前事務次官の記者会見でされたというある新聞社の記者の質問内容に、私、大きな違和感を覚えました。こういったものです。在職中に知り得たものを明かすのは国家公務員法の守秘義務違反に当たらないかという内容です。今日、この委員の中にも報道機関に身を置いていた者がおりますし、私も元報道記者として、この記者が投げかけるこの質問に対する圧倒的な違和感がございます。
 真実を報じることが例えば社会正義につながるというのであれば、子供たちに対して、勇気とか正義とか、そういったものがあるんだと思えば、いろいろな壁にぶち当たっていく、いろいろな壁を乗り越えていく、そういう志を持って報道に取り組むのが記者という職業なんだと私は思っておりましたし、先輩にそうやって教えられてきました。
 オバマ大統領も、最後の記者会見で記者たちを前にこう言ったそうです。強大な権力を持つ者たちに懐疑的で厳しい質問をぶつけ、お世辞を言うのではなく、批判的な目を向けるのがあなた方の役目だ、私たちの民主主義はあなたたちメディアを必要としているというふうにおっしゃったそうです。
 参考人にお伺いします。今回、公益通報者保護法で前川前事務次官のような退職者も加えるべきだというようなワーキンググループの指摘に対する検討状況を教えてください。
#65
○政府参考人(小野稔君) お答え申し上げます。
 消費者庁では、公益通報者保護制度の実効性を向上させるため、平成二十七年六月より、公益通報者保護制度の実効性の向上に関する検討会を開催しております。昨年の十二月に最終報告を取りまとめたところでございます。この最終報告書の提言を踏まえまして、消費者庁は、これまでに民間事業者向けガイドライン及び国の行政機関向けガイドラインを改正いたしまして、その周知広報、推進に努めるなど、制度の運用改善により対応可能なものについては速やかに実施してきているところでございます。
 ただいま御指摘のありました、保護の対象となる通報者の範囲に退職者を含めるということなどについては法改正が必要となります。これについては、各関係団体や国民からの意見を集約した上で、法改正の内容をより具体化するための検討を速やかに行っていくということとしております。
#66
○伊藤孝恵君 必要だと思います。是非進めていきたいというふうに思います。
 皆さんもそういったお仕事をされていますけれども、お気付きかと思いますが、前川前事務次官は野党の取材には応じません。メディアの取材のみです。それはやはり、政局ではなくて真実を知ってもらうために、そういったもののためにあの方は吏道の道を今も歩かれているのではないかというふうに私には見えます。
 こちらは関連です。加計、森友学園など一連の疑惑について、議事録や議事要旨を公表しないことに対する、高市大臣、内閣の一員としての見解をお聞かせください。
#67
○国務大臣(高市早苗君) 総務省は情報公開法を所管しております。この法律は、保存されている行政文書について、開示請求があった場合の手続などを定めております。恐らく、伊藤委員のお尋ねは、内閣府が所管する公文書管理法が規律している行政文書の作成、管理、保存についてのものだと考えられますので、内閣府及び、本件でしたら関係省庁、財務省、文部科学省において対応されるべきと考えます。
#68
○伊藤孝恵君 もちろん公文書管理法違反の罪を、今回の疑義に関しての一連のやり取り、犯しているのではないかというふうに思ったんですけれども、私は、今お伺いしたかったのは、この一連のやり取りを見ていて大臣が政治家としてどういうふうに御覧になっているのかなというふうな御意見を拝聴したかったというところでございます。
 おっしゃるとおり、情報公開法の所管大臣は高市大臣でございますけれども、情報公開法は、国民主権の理念にのっとり、行政文書の開示を請求する権利を定めています。その目的は、情報公開によって行政の諸活動を具体的に示して、情報公開法の第一条にあるように、国民の的確な理解の下、それから批判の下で公正で民主的な行政を推進するに資することというふうにあります。
 市民団体が、五月三十日に、市議会国家戦略特区特別委員会に加計学園の議論の内容を全て公開するように申入れしております。行政とは常に法律に基づいて行うものでございますので、だから公開が原則だというふうに私も思います。こういった一連の疑義に対して、行政文書の不在とか破棄とかそういったものの答弁を繰り返すのは、未来に対する調査ができなくなるわけですから、未来に対する背任行為だというふうに思わざるを得ません。
 さらに、今から取材規制についての見解を政府参考人に求めたいと思いますが、二月二十七日から経済産業省が、四月十日は内閣府の特区担当部署が入る省庁で取材規制状態となっております。経済産業省では全部屋に鍵を掛けて、非公表の取材対応マニュアルを配ったそうです。取材の際はメモを取る職員を同席させ、やり取りを広報室に報告させる、雑談までメモ取りする職員が同席する事例まであると現場の記者に聞きましたが、何でそんなことするんですか。警察庁とか国税庁、それから外務省や防衛省でさえ施錠は一部の部屋にとどまっております。なぜ経済産業省で今、に対してお答えいただけませんでしょうか。
#69
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 経済産業省は、一日に依頼訪問者が二千人から三千人と非常に多い一方で、対外交渉、それから事業再編、下請規制などの機微な情報を多数取り扱うことから、信頼性の高い行政を進めるために庁舎管理の強化を行ったところでございます。
 ただ一方、これに伴って新たな取材ルールを導入したという事実はございません。
 世耕大臣からは、省内に対して取材対応や適切な情報提供に支障が生ずることのないよう、庁舎管理の強化と適切な取材対応を両立させるよう明確に指示がなされております。これに従って省内でも対応をしているところでございます。例えば、広報室がこれまで以上に各部局の取材対応をサポートしたりとか、各部局の事務方とプレスの対話の場を設けるとか、あるいは省内での面談スペースの大幅な拡充などを進めておりまして、取材を含めました外部の方々との必要な情報発信、コミュニケーションをしっかり取っていきたいと考えております。
#70
○伊藤孝恵君 世耕大臣、就任当初から課題に思っていらっしゃったというふうにおっしゃっていましたが、世耕大臣に是非お伝えいただきたいのは、世耕大臣も民間の企業の広報出身でいらっしゃる。民間企業は利益の追求をして、そういった中でその情報をクローズにすることも必要なときもございましょう。ただ、行政はあくまで国民生活に資するべき存在であると、だから大きな違いがあるというふうに思います。是非大臣にお伝えいただければというふうに思います。
 高市大臣、この件に関して、山本農水大臣は会見で、施錠して閉鎖社会をつくるようなイメージであるならば、もう少し検討を加える必要があるのかなと思いますと発言されております。山本環境大臣は、好ましくない、環境省は全く施錠の必要がないというふうに、大臣としての御意見をそれぞれ御自身の言葉で述べられております。総務省も、中央合同庁舎の第二号館も経産省と同規模の一日約三千人の訪問客がありますが、行政管理局の執務室など一部を除いて、原則施錠はしておりません。
 高市大臣は、今後、総務省のそういったこの情報管理、来客に対する対応、取材に対する対応などについて、御自身の言葉で是非いただければ。
#71
○国務大臣(高市早苗君) おっしゃいましたとおり、行政管理局では他省庁のシステムなど大変重要なものをお預かりしておりますので一部施錠しているところがございますが、あとは施錠をしておりません。今後もこの方針を私が変えることはございません。
 また、取材ということでおっしゃっていただくのでしたら、総務省の記者クラブは恐らく霞が関の中で最も開かれた記者クラブでもあると思います。全くフリーの記者の方も幹事社の了解を得て記者会見に自由に入られますので、オープンな環境づくりに心掛けてまいりたいと思います。
 ただ、他省、例えば経済産業省のことにつきましては、それはそれぞれ扱っておられる情報ですとかそういったものが総務省とは違いますので、それについてはコメントはできませんが、御容赦ください。
#72
○伊藤孝恵君 是非、高市大臣の下で総務省に関しては今後も正しく議論の見える化がされていきますことをお願い申し上げて、情報公開に関連して一点ですね、ちょっと話がそれちゃうんですが、保育事故に関する情報公開の問題点について大臣に知っていただきたく申し述べます。
 昨年報告があった保育施設での事故は、十三人もの子供たちが亡くなっております。重大なけがを含めた保育事故は五百八十七件で、前年より一・五倍に増えました。子供を預けて働く者として、もう本当に言葉がありません。そういったこの情報公開、なぜ、なぜこんな事故が起こったのか、じゃ、どうしたら防げるのか、そういったことが、今、子ども・子育て支援新制度によって平成二十七年四月からデータベースができたんですけれども、出てくる資料が本当に黒塗りが増えた、アカデミックな検討、検証もできないというふうな状態だそうです。
 それで、一番大事な検証なんですけれども、現在、検証委員会設置は、認可外は都道府県に、それから認可は基礎自治体にというふうになっております。これって本当に無理があるんではないかというか、自治体に全部検証は任せる、警察などは日本においては、アメリカとかでは違うんですけれども、処罰するかしないかだけの目的だけで、子供の次の命を守るという観点がございません。
 せっかく昔、厚労省にチャイルド・デス・レビューという研究班があったんですけれども、これを拡大、深化させて法制化してくれればよかったんですが、いつの間にか消えてしまっております。しかも、子供、子育ての施策に入っていない認可外とか私立幼稚園というのには報告の義務はございません。報告義務を課す法制度をつくってくれないと、子供たちが息している場所全てで起こった事故をちゃんと把握して、それの原因を認定して、それで次に起こらないようにしたいというふうに本当に思うんですけれども、そういった制度が今ない状態でございます。
 ちょっとこれは課題感を申し述べただけで、最後、大臣に伺いたい件、国連の人権理事会特別報告者デビッド・ケイ氏の報告書又は記者会見に関するお伺いをいたします。
 ケイ氏は、日本はメディアに対し直接的、間接的な圧力があるとした上で、表現の自由について、法律を改正してメディアの独立性を強化すべきとの勧告をしております。例として、昨年二月八日、九日の予算委員会での大臣の御発言、メディアの独立をめぐり、政治的公平性を欠く放送を繰り返した放送局に対し電波停止を命じる可能性を否定しない答弁に対して、ケイ氏はメディアを制限する脅迫として受け取ることができるというふうに述べられております。これ、このまま、ケイ氏は自信を持っているということですので、スイスの、十二日に行われます、ジュネーブで開かれる人権理事会で議論されるということです。
 これ、午後にアップされると聞いておりますが、外務省のホームページにアップされる日本政府のコメントです。そこの一部に、今回こうした政府のコメントとして提供した情報を考慮せずに報告書案が共有されたことは大変遺憾であるというふうに述べられています。大変上から目線ですし、思いどおりの報告書を書かなかったから遺憾なんでしょうか。これ、このデビッド・ケイ氏は、日本政府がお招きして調査をしていただいて、この報告書が書かれています。その報告書が思いどおりじゃなかったからといって遺憾であるとか、そういったものって、何かその姿勢自体をケイ氏は問題視しているんじゃないかというふうに思ったりいたします。
 戦中戦後には放送の自由がありませんでした。それどころか、政府や軍部の宣伝機関に利用された、その反省に立って放送による表現の自由を目的に据えたのが今の放送法であり、それから新聞の持つ社会的責任を果たそうとする新聞倫理綱領でございます。こういったもの、それを、今、国連の人権理事会によって任命された独立した人権問題の専門家がおかしいというふうに警鐘を鳴らしています。それについて大臣の御所見をお伺いします。
#73
○国務大臣(高市早苗君) このデビッド・ケイさん、特別報告者ということで日本政府がお招きしたのにという御指摘でございましたけれども、民主党政権時代の二〇一一年に無期限招待状というものを発出されたということもあって昨年四月に日本が初めての訪問を受けたということでございます。個人としての資格で述べられるものでございまして、国際連合又はその機関である人権理事会としての見解でないということは認識しておりますけれども、それでも、やはり放送法の解釈を含む我が国の状況というのが正しく表現され、また理解されるように外務省を通じて日本国政府の立場を説明してきたわけでございます。それが正確に反映されていないというのは残念に思っております。
#74
○伊藤孝恵君 ケイ氏は、報告書の中身は正確だと自信を持っている、伝聞に基づくものではなく、裏付けを取るなど事実を集めて書いたというふうに反論していらっしゃいます。それがもし遺憾だというふうに思うのであれば、ケイ氏が誰に会ってどんな話をしてという裏付けを取られた、それの更に裏付けというのは取られているんでしょうか。
#75
○国務大臣(高市早苗君) ケイ氏が総務省の副大臣とも会い、また総務省の局長が、私が国会対応の日にアポが入っておりましたので情流局長が対応をしたと記憶をしておりますが、そのほか、昨年の放送法に関する私の答弁に対して批判的な会見をされたジャーナリストの方々などともお会いになったというふうに聞いております。
 ただ、放送法第四条の撤廃などの勧告も含まれるということでございますけれども、この放送法第四条に規定する番組準則については、これは憲法の規定の趣旨を踏まえて、放送法第一条の目的規定にもあるとおり、放送を公共の福祉に適合するように規律するために設けているものであり、必要な規律だと考えております。
 また、私の答弁内容、二月八日、二月九日、昨年の予算委員会でございますけれども、この答弁内容も民主党政権時代の答弁を踏襲したものであると思っておりますし、また、諸外国でも我が国の番組準則と同様の規律がある国が多く、この番組規律違反に対する刑事罰や行政庁による罰金が設けられているところもございますし、そのような措置を発動している例もありますが、日本においては番組規律違反に対するそのような措置はありません。
 このような事柄はケイ氏側にも説明をしておりますけれども、このように撤廃の勧告といった表現になっていることは大変残念に思っております。
#76
○伊藤孝恵君 るる御説明いただきましたけれども、高市大臣におかれましては、日本の民主主義が発展するために、権力をちゃんと監視できるメディアであり続けるために、そういったところのために、メディアとの向き合いを大臣にお願いして、質問を終わらせていただきます。
#77
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 総務省は、様々な社会資本の維持管理等について、行政監察、行政評価・監視を行っています。二〇〇一年には水資源に関する行政評価・監視を行って、その中でダムについても触れています。
 そこで、今日は熊本県を流れる球磨川水系のダムの問題を取り上げたいと思います。
 球磨川水系のダムといいますと、かつて最大の支流であります川辺川に建設が計画されていた川辺川ダムが住民運動の高まりなどによって中止されたことはよく知られております。さらに、今注目されているのは球磨川中流の荒瀬ダムの撤去事業であります。
 荒瀬ダムというのは、熊本県が設置、運営していた発電用のダムですが、洪水の多発、それから水質の悪化などが問題となって撤去を求める住民運動が起こって、二〇一〇年、県が撤去を決断いたしました。二〇一二年から撤去工事が始まって、今年度中に終了することになっております。
 先月、私、現場を見てまいりました。幅百メートルは優に超える河川に、既にダムの姿はありませんでした。もうきれいさっぱりなくなっておりまして、対岸の岩盤に残ったダムの形跡を見て、ここに巨大なコンクリート構造物があったんだなということを想像するしかないぐらい、もうきれいになくなっておりまして、ダムが撤去されたために上流と下流がつながって自然な流れが生まれておりました。こんな大きな構造物を撤去することができるんだなと私感嘆いたしましたが、住民の方の話を聞きますと、洪水の危険が減り清流がよみがえったと、大変うれしそうに、また誇らしく語ってくれました。
 国交省に伺いますが、ダムの撤去というのは全国でも初めてと聞きましたが、荒瀬ダムの撤去について国交省としてどう評価されているんでしょうか。
#78
○大臣政務官(根本幸典君) 荒瀬ダムは、熊本県企業局所有の発電専用のダムであり、河川管理者である当時の建設大臣の許可を受けて昭和三十年に熊本県が設置し、運用してきた施設です。近年、発電の事業継続性などの観点から荒瀬ダムの存続について議論され、最終的には、先ほどありましたように、平成二十二年に熊本県において、水利権の更新に当たり漁協などの関係者の同意を得ることが非常に困難であるなどの理由により用途廃止を行うという判断がなされたところであり、現在、撤去のための工事が行われているものと承知しております。
 なお、河川区域内に許可を受けて設置された許可工作物について、その用途が廃止された場合には、許可を受けた者が撤去の許可申請を行った上で、自らの負担により撤去を行うのが原則であります。
#79
○山下芳生君 ありがとうございました。
 用途が廃止された場合には撤去が原則ということでありましたが、さらっとおっしゃいましたけど、私はこれ非常に重要な原則だと思うんですね。設置者だけではなくて、河川の周辺に住んで河川を利用する住民も参加してダムの存廃を決めていくことが今後非常に大事だと私は感じております。そうしてこそ、ダムによらない治水、あるいは住民参加の河川管理など、新しい河川行政が具体化されていくんだと思っております。
 総務大臣に伺いますが、この熊本県が住民の意見を踏まえて撤去することを決めた荒瀬ダム、もう撤去されたんですけれども、私は住民自治の面からも積極的な意義があると思いますが、大臣の御感想、いかがでしょうか。
#80
○国務大臣(高市早苗君) ダムの設置、管理や撤去については総務省の所管外でございますので、個別の事例に係る評価や適否については私から答弁し難いということについては御理解を賜りたいと存じます。
 一般論としては、地方公共団体において、住民の皆様のお声をよく伺った上で行政運営を行うということは非常に重要な点であると考えております。
#81
○山下芳生君 荒瀬ダム撤去の現場を案内していただいた住民の方が、もう一つ見てほしいダムがあるんだといって案内いただいたのが、荒瀬ダムから十キロ上流にある瀬戸石ダムというダムであります。瀬戸石ダムは一九五八年に造られた、これも発電用のダムでありまして、現在、電源開発、Jパワーが管理をしています。沿川の住民の皆さんから、瀬戸石ダムの上流で洪水被害が起こっている、水質も悪化したなどの声が出ております。聞きますと、瀬戸石ダムは、国交省が二、三年ごとに行う定期検査による評価でA判定が続いているとのことでした。
 伺いますけれども、国交省によるダムの定期検査とはどういう検査か、またA判定とは何か、どういう対応をすることが求められているのか、それぞれ説明してください。
#82
○政府参考人(野村正史君) お答えをいたします。
 国土交通省が行うダムの定期検査は、国及び水資源機構が管理しているダム、それから国が許可した発電事業者等が管理している利水ダムを対象として、ダム検査規程に基づき、河川管理者としての立場から、ダムの維持、操作、その他の管理の状況について定期的に検査を実施するものでございます。
 このダムの定期検査結果において、ダム及び当該河川の安全管理上重要な問題があり、早急な対応を必要とすると判断された場合には、評語としてAを付するとともに、その旨をダムの設置者に対し指摘事項として通知しております。これがすなわちA判定と言われるものでございます。
 なお、指摘事項については、ダム設置者から対応方針につきまして報告を求めることとしておりまして、瀬戸石ダムにつきましても、ダム設置者であります電源開発株式会社から定期検査に係る指摘事項の通知に対して、堆砂除去のための対策を実施する旨、その都度報告を受けているところでございます。
#83
○山下芳生君 瀬戸石ダムについては、今おっしゃったように、ダム及び当該河川の安全管理上重大な問題があり、早急な対応が必要とA判定されておりますが、具体的な問題事項として、計画堆砂形状より堆砂が進んでいる地点があるため洪水被害が発生するおそれがあるというふうに指摘されております。
 堆砂とは何か、洪水被害にどういう影響があるのか等について説明してください。
#84
○政府参考人(野村正史君) ダムの堆砂とは、ダムの貯水池に流入した土砂が堆積することをいいます。ダムは、計画段階において、一定期間に想定される堆砂容量を確保しておりますが、計画堆砂容量を超えることが見込まれる場合や、貯水池の上流部に堆砂が生じて上流の河川に洪水被害が発生するおそれがある場合には堆砂対策が必要となります。
 堆砂対策といたしましては、堆砂量や進行状況に応じて、例えば、貯水池内に堆積した土砂を掘削する対策、あるいは、ダムの上流に貯砂ダムというもう一つのダムを設置して、貯水池に土砂が流入する前にそこに土砂をためて、それを掘削して効率的に排除する対策、あるいは、貯水池を迂回する排砂トンネルの設置により土砂を貯水池に入れずにダム下流に流す対策、あるいは、ダム本体に土砂を吐くゲートを設置する対策などがございます。これらの堆砂対策につきましては、必要な対策をダムの設置者が検討して実施することになります。
 以上でございます。
#85
○山下芳生君 今説明ありましたが、資料一枚目に、この堆砂のイメージについて、これ、瀬戸石ダムを撤去する会の方から提供された資料を掲示しております。これはイメージです。しかし、今御答弁あったように、ダムのない川は堆砂は基本的に発生しません。ダムを造れば、それによって水位が上昇します。それだけではなく、そこに堆砂が生じますと更に水位が上昇して、それが上流部で起きれば、先ほどの御答弁にあったように洪水の危険があるということで、いろいろな対策をしなければならない、それはダムの設置者がしなければならないということでありましたが。
 もう一つ聞きますが、この瀬戸石ダムは、二〇〇二年以来七回連続でA判定、安全管理上早急な対応が必要と、しかも内容は堆砂ということがずっと繰り返し指摘されております。七回連続A判定のダムはほかにどのぐらいあるんですか。
#86
○政府参考人(野村正史君) 今御指摘ございました七回連続でA判定のダム、これは確認できる範囲内ではほかにはございません。瀬戸石ダムだけでございます。
#87
○山下芳生君 今御答弁ありましたように、ほかにはないんですね。全国でここだけが七回連続、もう十数年にわたって指摘されながら、堆砂の除去が進まずに来ているということです。こんなこと許されるんですか。国交省。
#88
○政府参考人(野村正史君) 先ほど御答弁申し上げたとおり、やはり河川管理者の立場として、いわゆる河川管理者以外が設置するいわゆる利水ダム等についても、そこはやはり治水上の観点も含めて適切に維持管理されることが必要であると考えておりまして、そのために、定期検査を行って、そして指摘を行って、そしてその指摘に対してどのように対応するかということの報告を求めておりまして、先ほどお話し申し上げましたとおり、都度、電源開発株式会社からはこのような堆砂対策を実施しますという報告をいただいておりますので、私どもはそれを着実に実施していただくように注視しているところでございますので、決して、そのままたまるに任せるということが私ども許容しているところではございません。
#89
○山下芳生君 資料二枚目に、国交省提出の瀬戸石ダム堆砂状況調査表に基づいて作成した表とグラフを示しています。左側の表を見ていただきたいんですが、例えば二〇〇二年度は堆砂量六十三万三千立米、それから二〇〇九年八十五万八千立米、二〇一六年百二万七千立米となっております。これ、数字間違いありませんね。
#90
○政府参考人(野村正史君) 特に堆砂量につきましては、ダム設置者の方から毎年報告を求めておりますので、今ここに資料としてお示しした数字、基本的には報告のあった数字と一致していると思っています。
#91
○山下芳生君 それで、グラフにしたのが右なんですけれども、見ていただいたら分かるように、もう一貫して増え続けております。堆砂容量というのを囲んで載せておりますが、これは、ダムの計画時に百年経過したらたまっているであろう堆砂の量として堆砂容量が設定されているんですが、七十六万九千立米であります、この瀬戸石ダムの場合はですね。ところが、これを二〇〇九年にもう優に超えちゃいました。五十年しかたっていないのに百年たってたまるはずの堆砂量を超えちゃったと。その後も増え続けておりますから、これ非常に危ないということが言えるわけであります。
 それで、結局、いろいろ先ほどから除去もしているんだということなんですが、計画、対応もしているんだと。確かに除去はされているようです。しかし、住民の方によりますと、少しぐらい除去しても、それ以上にまた土砂が流入して堆砂がたまるので、全然減らずにこういうふうに増え続けてきているんだということでありました。
 資料三枚目に、洪水時の被害を写真で示してあります。この右上は、河床が堆砂で大きく上昇している写真であります。左下は、洪水時、道路が冠水している写真であります。県道や生活道路が冠水すれば、学校や仕事にも行けないという状況が生まれております。瀬戸石ダムの上流で一番洪水が頻発しているのが芦北町というところでありまして、最近だけでも二〇〇八年六月、二〇一〇年六月、二〇一二年七月に洪水被害が起こりました。床上浸水、車の水没、道路の冠水、集落の孤立。二〇一二年の七月では、道路が二日間つかって、葬儀の予定があったけれども、車が使えないので、ひつぎが運び出せずに葬儀ができなかったということも起こったと聞きました。
 住民の生の声を紹介したいと思いますが、十年前に宅地のかさ上げをしてもらったが、最近の増水時はかさ上げした地面から三十センチのところまで水が来ると。近年、各地の集中豪雨を見ると、このかさ上げの高さで大丈夫か心配だ。あるいは、二年に一回程度は球磨川があふれ、道路が冠水する。自分は何度も肥薩線、すぐそばに鉄道が通っているんですが、その線路の上を歩いて帰ったと。急病人が出たらどうするのかとか、堆積土砂、必要なところが手付かずだと、撤去すべきところを確実に撤去するように国交省がダム管理者のJパワーに強く指導してほしいなどの声が出ております。
 国交政務官に伺いますが、住民はJパワーに堆砂の危険を指摘し、除去を要請してきましたけれども、このように堆砂量が増え続けて、このような被害が繰り返し出ております。住民の声、どうお感じでしょうか。
#92
○大臣政務官(根本幸典君) 瀬戸石ダム周辺においては、昭和五十七年に家屋の浸水被害を伴う洪水が発生をいたしました。このため、瀬戸石ダムの設置者である電源開発においては、ダム堆砂の影響により浸水被害が生じるおそれのある地域について、昭和五十七年洪水クラスの洪水が再び発生しても家屋の浸水被害が生じないよう、堆砂除去に加え、平成八年から家屋のかさ上げや移転補償、田畑の浸水地役権の設定などを実施しており、平成二十七年までに完了したところです。
 また、現状においても、瀬戸石ダム上流の県道などの一部区間では、平成二十四年や平成二十八年など近年でも浸水が生じております。
 国土交通省といたしましては、引き続き堆砂対策が必要な状況であると認識しており、堆砂の状況を的確に把握しながら、電源開発において適切に堆砂対策が進められるよう注視しつつ、必要に応じて指導、助言を行ってまいります。
#93
○山下芳生君 必要に応じて指導、助言ということなんですが、こういう状況が残念ながら続いておりまして、グラフで示したように堆砂は減っておりません、増えております。危険がますます増えていると言わなければなりません。
 ですから、私は、国交省としてJパワーに速やかに堆砂の除去を行うよう強く指導すべきではないかと。その際、どこの堆砂が、河道が曲がっているところにたまっているこの堆砂を一番最初にどけなければ、ここから越水するぞということも住民の皆さんが一番よく御存じですから、よく住民の意見を聞いて堆砂を、速やかに実施する、そういうふうに強く指導すべきだと思いますが、いかがですか。
#94
○政府参考人(野村正史君) 先ほどもお答えいたしましたとおり、電源開発におきましては、毎年の掘削量を明示した計画を策定をし、特に平成二十七年には更にそれを強化する形で新たな計画を定めて堆砂の除去を実施しているところでございまして、私どもとしましては、まずはその計画に基づき、電源開発におきまして堆砂対策が適切に実施されるよう、まず状況を的確に確認をしていくということから始めたいと思います。
 そして、今先生御指摘のように、住民の声にもきちんと耳を傾けるということでございますけれども、もちろんこれまでも電源開発におきましては住民の声を聞きながら対策を進めてきたものと承知をしておりますけれども、国交省といたしましても、河川管理者としての立場から引き続き、やはり地元住民のそこの地域に住んでおられる方々が分かっておられるということもありましょうから、そういったことで地元住民など地域の声に耳を傾けながら堆砂対策を進めていくよう、電源開発に対しまして技術的な助言をしっかりと行ってまいりたいと思っています。
#95
○山下芳生君 是非政務官に聞きたいんですけど、こういう状況がずっと続いておりまして、対策するんだ、するんだと言いながら、やっているんだけれども全然追い付いていないというのがもう実態なんですよ。今それを注視するという御答弁でしたが、注視していたらますます大きな被害が続発することにならざるを得ないと思います。
 私は、もうこれ以上対策が滞るならJパワーにダムの管理運営能力ないと言わざるを得ないんですが、そういう厳しい立場から強い指導を、政務官、やるべきじゃありませんか。
#96
○大臣政務官(根本幸典君) 国土交通省においては、定期検査の結果や毎年の堆砂量測定の結果を踏まえ、これまでも電源開発に対して適切な堆砂対策を行うよう指導、助言に努めてきたところです。また、電源開発においても、逐次堆砂対策を強化してきており、近年の堆砂状況を踏まえた対策は講じられてきたものと考えております。
 なお、瀬戸石ダムについては、本年五月に国土交通省において定期検査を実施し、現在その結果を取りまとめているところです。その検査結果や本年電源開発から報告される予定の直近の堆砂量の状況を踏まえ、引き続き電源開発に対し指導、助言を行ってまいります。
#97
○山下芳生君 住民の声を紹介しましたから、それを重く受け止めていただいて、政治のやはり役割が大事だと思いますから、今政務官うなずいておられますので、強い指導を期待したいと思います。
 最後に、経済産業省に伺います。
 私は、Jパワーに対して、発電に係る経費、すなわち人件費だとか維持費だとか、それから堆砂の除去費もこれに含まれると思います。それから、売電先、それによる収益などの情報を住民に提供させて、この瀬戸石ダムの今後の在り方について住民と一緒に考えることができるようにすべきだと思いますが、いかがですか。
#98
○政府参考人(小澤典明君) お答えいたします。
 個別のダムあるいは発電所の設置、運営につきましては、基本的には事業者が判断すべきものと考えてございます。
 その上で、そういった設置、運営に当たっては、これは電気事業法に基づく法令上の義務付けといったことはございませんけれども、地域の住民の皆様の理解を得られるよう取り組むことは非常に大事だというように認識しております。そのために必要な取組につきましては事業者において適切に行われるべきものと考えております。
 実際に、瀬戸石ダム発電所につきましては、事業者である電源開発が、ダムの、発電所の状況に関する情報提供、あるいは住民の皆さんの声をお聞きする、そういった理解活動、さらには、先ほど国交省の方からもございましたが、堆砂の土砂対策など、こういった活動をやってきているところでございます。
 引き続き、こうした努力が継続していくこと、そういったことが大事かというように思っております。
#99
○山下芳生君 終わります。
#100
○片山虎之助君 今日は一般質疑ですから、いろいろとばらばらとお聞かせいただきたいと思いますが、まず最初に町村総会のこと。
 地方自治法九十四条だったかな、には、議会に代えて町村総会を置けるとあるんですね。高知県の大川村というのが今六人だそうですよ、議員が。みんな七十以上で、これから村議会を維持できないから町村総会を検討すると、こういうことなので、これは前から話があるので、私は実は二年前にも町村総会の質問をしたんですよね、そのときも大川村を話題にしたんだけれども。
 ところが、この間の毎日新聞だったかな、なんかを見ると、今の町村で将来、町村総会を考えなきゃいかぬというのが四三%あるというんですよ、約半分の町村は町議会がもう維持できないという。御承知のように、今、市町村の議員さんのなり手がないんですよね、報酬のこともその他も待遇もあるんでしょうけれど。こうなると、議会がない、議会が成立しないような市町村じゃ困りますよね、基礎的自治体。
 そこで、まず、大川村の状況について分かる範囲で教えてくださいよ。
#101
○政府参考人(安田充君) お答えいたします。
 大川村での検討状況でございますけれども、村長から村の担当課に対しまして検討指示が下りている状況であると聞いております。また、村議会議長からは議会運営委員長に諮問書が提出されていると、こういう状況でございまして、総務省といたしましては、今後、御相談があった場合には適切に対応していきたいというふうに考えている次第でございます。
#102
○片山虎之助君 ところが、大川村というのは、条件は悪いんだけど、早明浦ダムがあるところですよね、条件が悪いんだけど元気はいいんだね、元気はいい。割に村民がまとまっているんですよ。だから、あそこは、例えば畜産で、高知県の地鶏、はちきん地鶏というのか、あるいは肉牛、黒牛ですが、そういうことは一生懸命やっているし、これは村の推計だから信用度はともかくとして、これから後、時間は掛かるんだけど人口が五割増しになる、倍になると。今三百九十六人だから、倍になったら八百ですよね。だから、知れていることは知れているんだけど、こういうところは私は大いに励ましてやって、振興させてやるべきだと思うんですよね。
 そこで、話を元に返すんだけれども、その議会の代わりに町村総会を置くといったって、昔、二か所あるんですよ。宇津木村といって、小笠原諸島かな、八丈島か、それと芦之湯ですよね、箱根の。これは三十人なり六十人なんだよ。だから、町村総会なんかすぐできるわね、三十人、六十人。ただ、四百人近い町村総会というのは事実上できないので、まあこれはどう考えるかですけど、御意見があったら、局長でも大臣でもお答えください。
#103
○政府参考人(安田充君) お答えいたします。
 御指摘ございましたように、過去に町村総会があった例といたしましては、芦之湯村、これは大正十四年の時点で人口三十六人であったと。また、宇津木村、これは昭和二十六年時点で人口六十五人であったということでございます。
 町村総会といいますのは、住民が非常に少ない町村において有権者が事実上一堂に会して会議を開くということを想定したものだというふうに私ども考えてございまして、大川村において町村総会を導入する場合に、それはどのような形で実施するのか、また地方自治法上は町村議会の規定を準用するとなっておりますから、それの準用がどういう形になるのかということについては検討が必要だというふうに考えている次第でございます。
#104
○片山虎之助君 今いろんな人が、例えばテレビ会議をやればいいとか遠隔何とかみたいだから。しかし、そんなこと簡単にできないわね。お金も掛かるし、扱うのはみんな年寄りなんだから。
 だから、そういう、まあ検討はいいですよ、それもなかなか大変だし。それじゃ、ほかにどういう形をやるかですよ。制度を、それを変えるかどうかなんですよ。例えば委託ができる、県に委託ができるとか、その町村の仕事がね。あるいは、シティーマネジャーといって、昔盛んに言われたけれども、こういう制度をつくって任せちゃうか、その専門家に、一定期間、どういう任せ方をするか。あるいは、農協みたいに理事会制度にしちゃう、理事、市町村長や議会をやめちゃって。執行機関と議決機関を兼ねたような簡易な仕組みをつくるとか、いろんな選択できる多様な仕組みを考えてやらないと、弱小町村はもう維持できませんよ、二元代表制という今の仕組みではね。
 それについては、まだ検討はされていないと思うけれども、検討の用意がありますか。まず大臣、それから局長、お答えください。
#105
○国務大臣(高市早苗君) 町村総会というのも一つの選択肢とはなり得ますけれども、このほかにも、議会制度を維持しながら、土日、休日、夜間議会を開催していただいて、兼業しやすくするといった方法もあるだろうと思います。
 今、片山委員から御提案のあった例えばシティーマネジャー制度、あとは議員が構成員となる理事会、これは地方公共団体の長の代替として置かれるということになりますが、地方公共団体の長の公選を定めている憲法第九十三条第二項の規定に照らし制約があると思っております。
 多くの町村議会でもう既に担い手不足という課題もあり、町村総会を検討するという自治体が増えているという報道もあり、こういう状況でございますので、総務省としても、町村議会のお声に耳を傾けて、今後の町村総会を含めた町村における議会の在り方ということについて早速検討を開始したいと考えております。
#106
○政府参考人(安田充君) 今大臣の方から御答弁申し上げたとおり、町村総会を含めた町村における議会の在り方について検討を開始したいというふうに、御指示に基づいてしたいというふうに思っておりますが、いずれにしても、憲法上の制約の中で今の町村総会の規定をより弾力化できるのかどうかでございますとか、より兼業が可能なような形で町村議会というのを運営できるのかどうか、町村議会の選出方法をどう考えるべきなのかというような点について検討をしてまいりたいというふうに考えております。
#107
○片山虎之助君 平成の大合併を進めた者として、もう一遍合併をやれといったって現実的じゃないですよね。それで、今の連携都市圏で合併に代わる機能が果たせるかというと、私はなかなかこれは難しいと思う。
 やっぱり新しい仕組みなり、今の言われたように自治体の在り方、議会の在り方、その関係、長とのね、そういうことについて一遍、これからの将来を見据えて、人口減少なんだからね。何とかさんが言ったように、半分以上の市町村はなくなるというんでしょう。そんなばかなことに私はならないと思うけれども、何らかの検討を是非お願いいたしたいと思います。
 それからもう一つ、これは先月か、質問した、経済財政諮問会議で、地方の基金が増えて二十一兆円になっているので地方は豊かなんじゃないかという、経済財政諮問会議ですよ、その議論が報道されましたよね。その後、五月の二十五日に財政審議会という、まあ財務省のお抱えでもないんだけれども、その審議会が答申を出しましたよ。その中に経済財政諮問会議で議論したようなことが書かれている。
 それから、三十一日に地方六団体と、何か総務大臣も御出席なんでしょうけれども、国と地方の協議何とか会、これで知事会の会長から、努力をして、一生懸命苦労して金をためたら豊かだとか無駄があるとかと言われるのはかなわないといって発言したそうですけど、財務省の方は財務省の方で、国が借金して地方に交付税を増やして、それが貯金になるのはこれもおかしいなんという議論が当然あるので。
 そこで、調べるといってこの前言ったわね、今の地方の基金の増加している状況を調べるということを言ったので、まずその状況を教えてくださいよ。
#108
○政府参考人(黒田武一郎君) 御指摘のように地方自治体の基金残高が増加傾向にあることも事実でございますので、各自治体における基金の積立状況等を把握するために、全ての自治体を対象に調査を実施することとしております。調査内容といたしましては、財政調整基金、減債基金、特定目的基金の残高の変動状況及び今後の増減見込み、また財政調整基金の積立ての理由、積立ての考え方、特定目的基金の使途などを調査するものでございます。
 この調査のスケジュールでございますが、五月の二十九日に調査の依頼文書を発出したところでございます。提出期限としましては、毎年行っている決算状況の調査のスケジュールと合わせまして、都道府県分は七月、市町村分は八月としております。その後、決算の全体的な分析作業に合わせまして、この調査項目と、都道府県、市町村別はもとより、人口規模、財政力、合併、非合併等の様々な指標と組み合わせることによりまして精査、分析を行っていくこととしてまいります。
#109
○片山虎之助君 そこで、私は財政審の言うことには余り賛成じゃないんだけど、その地財計画の見える化、地方財政の見える化ということをやったらどうかと彼らは言っているわけですよ。それは具体的に、地方財政計画は作りっ放しなのよ。あれは、年度当初に交付税を幾ら、まあ分捕るかと言ったらいかぬ、交付税を幾らにするかということのための地方財政計画を作っているんです。決算と、見てくださいよ、大変な乖離があるんですよ。そこで財政審が言っているのは、決算との関係を検証しろと。チェックしろと、見える化にしろと、年度間の比較やいろんな比較ができるようにしろと。
 それは私も前からこの総務委員会でそういうことを言った何度も記憶がある。地財計画を作りっ放しにしないで、決算との関係は一遍にいきませんよ、決算との関係をチェックして、見える化というのか何かもっとオープンにして、その結果、地方財政は頑張っているんだから、もっと国が援助しろとか交付税を増やせとか、いろんなことに使ったらいいというの。
 恐らく財務省の方は、それをどうやって削る方向に使いたいと、こういうことなんだけど、それを見える化にして真実を明らかにすることによって、どっちが国民の支持を得るか、そういう、まあけんかと言ったらいかぬが、そういう争いになるので、それは検討してくださいよ。地財計画は作りっ放し、交付税決めればおしまい、あとはいろんな補正や何かがあってもそれは全く関係ないというようなことでいいんだろうかね。それはもう、どんどん財務省側というか国の側は言いますよ。だって、プライマリーバランス見てくださいよ。向こうはどんどん、まあどんどんでもないけど赤字になって、こっちは小康状態で黒字になったりしているんでしょう。
 どうですか、局長。
#110
○政府参考人(黒田武一郎君) 御指摘のとおり、私どもといたしましても、地方財政計画と決算を比較することは重要であると考えております。
 これまでも、計画と決算の計上ベースにつきまして一定の調整を行った上で比較を行い、計画の検討に用いております。最近におきましても、決算と計画の乖離が大きくなった場合には、平成十七年度から十九年度にかけまして単独事業につきまして、ソフト分であります一般行政経費とハード分であります投資的経費について一体的に是正するといった措置も講じております。
 ただ、これらの措置につきましては、これは全て枠として整理をしておりますので、今御指摘のありました単独事業につきまして、もっと詳細な中身を見える化して計画と決算の関係をもっと議論すべきではないかという御指摘もございます。これにつきましては、決算統計のこれからの取り方を検討しまして、どういう形にすれば個別の事業を含めまして決算と計画の対照ができるかということについて検討してまいります。
#111
○片山虎之助君 いやいや、決算統計は決算統計でやってもらえばいいんだよ。だから、地財計画そのものを検証することによって次の地財計画をきちっと根拠のあるしっかりしたものにしろということを言っているんです、私は。決算統計やってくださいよ。これはいろんな意味で大切なことなんで。それは地財計画と決算との関係を言っているんです。それによって地方財政の見える化を言っているんです。そこ、どうですか。大臣、どうですか。
#112
○国務大臣(高市早苗君) 地方財政計画は客観的に推測される標準的な水準における歳入歳出総額の見込額を計上するということで、国が地方団体の標準的行政に必要な財源を保障するために策定をしております。
 この地方財政計画の役割を考えますと、極力地方団体の実態を反映させるべきではございますけれども、地方団体の財政運営の実績をそのまま基礎として策定するということは、かえって地方財政計画の客観性を損なうこととなるんじゃないかという懸念がございます。
 近年でございますが、決算額が計画額をおおむね一兆円程度上回っております。ですから、これをそのまま計画に反映させるようなものでもないと思っております。そして、今の現状ですね、決して地方に余裕があるわけではないということ、今の数字も含めまして、私も経済財政諮問会議でも発言をいたしております。
#113
○政府参考人(黒田武一郎君) 決算統計と申し上げましたが、基本的にその決算統計が官、公という非常に大きな枠取りで決算を取っておりますので、個別の事業について見える化ができていないという指摘がございます。
 そういうことを踏まえまして、どの程度までどういうレベルで事業をつかまえて計画との対比ができるかということについてよく検討をさせていただきたいと考えております。
#114
○片山虎之助君 地方財政計画につないでください、私が言っているのは。それが次の年の構図を決めたりなんかする上に大変役に立つんじゃないかと、役に立たせにゃいかぬなと、こう思っているので。問題意識がそこにも多くあるんです。
 今日は各省の人も来てもらっているのでそっちの方に移りますけれども、今年の三月に総務省で田園回帰という、田園回帰ですよ、そういう研究報告書をまとめたので、その中にいろんなことを書いているんだけれども、今はその田園回帰というか地方回帰の現象ができているというんですよ、大きなうねりになっているかどうか知りませんがね。二十代、三十代が、数はともかくとして世代の中で一番多いのよ。それから、東京の二十三区居住や政令指定市居住の人の三六、七%は農林水産業に従事がしたいという。この数字が正しいかどうかは分かりませんよ。しかし、そういう思考が国民にあるのなら助長すべきなんですよ。今のままでは、私は第一次産業も地方もおかしくなると思っているので。そういう大きなあれを総合的な施策で後押しする必要があるんじゃなかろうかと思うんですが、まず農業だわね。農水省、何かそれについて御所見があれば。
#115
○政府参考人(橋本次郎君) お答えいたします。
 新規就農を促進しまして、次世代に向けて有能な人材を育成、確保していくことは農政新時代を切り開いていくためにも重要な課題であると認識しております。
 農林水産省としましては、従来より就農準備段階、それから経営開始直後の青年就農者を対象とした資金の交付、それから農の雇用事業によります農業法人等における雇用就農者の研修の支援、そして無利子融資等を活用しました機械、施設等の取得の支援等、新規就農促進対策に取り組んでいるところでございます。そして、こうした施策の効果もございまして、平成二十七年には四十九歳以下の新規就農者が平成十九年の調査開始以降で最も多い二万三千人となったところでございます。
 これら事業につきましては現場の課題に応じた見直しを随時行っておりまして、例えば従来の青年就農給付金でございますが、二十九年度から農業次世代人材投資資金というように名称を改めまして、次世代人材への投資としての支援である旨明確にした上で、交付対象者ごとに経営技術、それから資金、そして農地の分野のサポートスタッフを決めまして支援体制を強化いたしますとともに、交付対象者の本格的な経営への移行を促進するため、早期に交付を卒業する場合のインセンティブとなるような一時金の交付など、制度の充実を図ったところでございます。
 今後とも、こうした施策を推進しまして、新規就農者の育成確保に努めてまいりたいと考えております。
#116
○片山虎之助君 民主党政権時代に、私、予算委員会で質問して、青年就農補助金というの、名前は忘れたけど、フランスにあるものをやったらどうかという提案したら、大概、農水省が頑張って予算化されたんですよ。割によく使われているんだけど、補助金をもらっている間はみんなやるのよ。補助金が切れたらやめる人が多いんですよ。
 それはどういうことになるかというと、やっても、物を作っても売れなかったり加工とつながらなかったり、いろんなほかの要因で結局全部が成功していないんですよね。その状況はどうですか。
#117
○政府参考人(橋本次郎君) 新規就農を促進するためには、経営体として、担い手として確立することが必要だということでございますので、農林水産省としては、更に農業の担い手対策というものを実施しているところでございます。
 そして、農業政策の枠を超えて、自治体レベルでの住まい、それから子育て支援等々が連携して行われるといったことが有効な場合があるというふうに考えておりますので、農林水産省としましても、こうした自治体施策を収集してホームページ等で情報提供しておりますので、今後とも自治体と連携を行いながら施策を推進しまして、新規就農者の育成確保、そして担い手の確立に努めてまいりたいと考えているところでございます。
#118
○片山虎之助君 それと、農業だけじゃなくて、農業に取り巻くというか、農業関連でもいいんだけれども、そういうほかの就業のその機会を増やす、そういう支援をするというのが必要なので、経産省来ていますか、それについて、ちょっと。
#119
○政府参考人(星野岳穂君) お答え申し上げます。
 経済産業省といたしましても、過疎地域を始めとしまして、地方に住むことを希望されます若い方々が就職できるように、地域における良質な雇用の創出と併せてマッチングや人材不足の問題に対応することが重要と考えてございまして、こうした中、当省といたしましては、特産品の開発や販路開拓、あるいは観光集客の取組等を支援いたします地域力活用新事業全国展開支援事業、あるいは新商品、新サービスの開発や販路開拓の取組を支援するふるさと名物応援事業などの支援策により、過疎地域を始めとしまして地域における中小企業・小規模事業者の方々の取組を支援しているところでございますし、また、地域内外の若者、女性、高齢者等の多様な人材を対象にしまして、地域の中小企業等の魅力発信や事業者とのマッチングを支援しております。例えば、都市部の若者向けに合同企業説明会や交流会を頻繁に開催しているところでございます。
 引き続き、関係府省庁と連携しながら、地域における若者の方々の就職支援を一体的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
#120
○片山虎之助君 もう時間が来ましたからやめますけど、よろしく頼みますよ。また引き続いてやります。国交省、申し訳ありません、この次やります。
 終わります。
#121
○又市征治君 希望の会、社民党の又市です。
 一つ目に、地方財政問題について伺ってまいりたいと思いますが、先ほど片山先生からもありましたが、先月十一日の経済財政諮問会議では地方財政問題が論議をされたようでありまして、その中で民間議員から、基金は新たな埋蔵金と言われかねない、また、トップランナー方式の成果の活用の在り方、地方財政計画へのフィードバックの在り方を明確化すべきだとか、地方公営企業の改革であるとか、地方交付税制度におけるトップランナー方式の適用拡大を検討すべきなどなどの発言がなされております。
 また、先月の二十五日に公表された財政制度等審議会の建議でも、基金、トップランナー方式が取り上げられて、その成果の地財計画への反映が主張されている、こういう状況にあるのですが、そこで、今日は大臣にまずお伺いしてまいりますが、この経済財政諮問会議あるいは財政制度等審議会は、この間一貫して、国に比較して地方財政は豊かだと、こういう主張のようです。
 私は、各自治体の懸命な歳出抑制努力の結果として財政赤字や債務残高の数値が国と比べると良くなっているにすぎない、こういうふうに受け止めておりますけれども、また、地方は、小さな町村を含めて千七百八十八、それぞれの事情が異なる自治体の集合であります。基礎的な財政収支のみならず、財政収支も足下では黒字になっている、国の長期債務残高が増加している中で地方は横ばいになっているということをもってして地方財政に余裕があるという見解は全く当たらない、このように思いますが、まず大臣はどういう認識をされているのか。
 二つ目に、この自治体の基金は、一般的な民間企業の基金、ファンドなどとは異なって、むしろ会計上の預金といった概念に近いのではないか。年度間の財政調整や特定の事業の複数年度にわたる安定的な運営等のために設けられている、そういう制度だろうと思うんです。基金残高の増減の状況は様々でありまして、それぞれ自主的な判断に基づく財政運営の結果として尊重されなきゃならぬ、このように思います。自治体ごとに異なる状況を踏まえず、基金が増えているから地方の財源を圧縮するような議論というのは適切ではないと考えますが、この点について大臣の見解を伺います。
 そして三点目に、この基金の増加の背景には、巨額の財源不足に対して、一九六六年度以降、ずっと私たちは一貫して申し上げてきたけれども、地方交付税法第六条三の第二項に該当する状況だったにもかかわらず、地方交付税率の引上げではなくて、借入金であるとかあるいは臨時財政対策債で対応してきたということもあるわけです。こうした借金の償還財源をきちんと積んでおかなければならなかったんですが、財源不足への対応を怠ってきた国にも責任があるということは明らかだろうと思うんですが、この点についても伺っておきたいと思います。
#122
○国務大臣(高市早苗君) 三点御質問いただきました。
 まず、地方財政の状況について申し上げます。過去十年程度を見ますと、国の債務残高は約三百兆円増加している一方、地方はほぼ横ばいとなっておりますけれども、そもそも国と地方では金融、経済、税制などの権限が異なりますので、単純に債務残高などの財政状況を比較するということは不適当だと考えております。また、地方の債務残高が近年横ばいとなっているのは、地方の財源不足を補填するための特例的な地方債である臨時財政対策債の発行残高が累増する中で、地方において投資的経費など歳出の抑制に取り組んできた結果でございますので、地方財政に余裕があるという指摘は当たらないと考えております。
 二点目は、基金残高の増加についてでございます。基金につきましては、各地方自治体は、今後の人口減少などによる税収見込みや社会保障、公共施設の老朽化対策などに要する経費の増加、予期しない災害の発生への備えなど、様々な地域の実情を踏まえて歳出抑制努力を行いながら、それぞれの立場に、判断に基づいて基金の積立てを行っておられます。その結果、地方全体として基金が増加しているということのみをもって地方財政に余裕があるとして地方財源を削減するということは妥当でないと考えております。
 三点目、委員が基金増加の背景として指摘された地方の財源不足についてでございますが、近年はアベノミクスの取組の下に税収が回復基調にありますので縮小しつつありますけれども、平成二十九年度においてもなお七・〇兆円もの巨額の財源不足が生じているという状況でございます。地方財政は巨額の財源不足が継続して生じているということで、引き続き厳しい状況にございます。本来的には、特例債に頼らない財務体質を確立するということが重要でございます。歳入歳出両面において最大限努力をするということで財務体質の強化を図ってまいります。
#123
○又市征治君 今御答弁あったように、地方財政の現状については、私たちと総務省、一定の共通の理解に立っているんだろうと思いますし、その意味で、誤った地方財政への風当たりについては、やはり総務省は地方の立場に立って毅然と対応いただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 先ほど述べたように、地方財政締め上げて中央に財源を吐き出させようとする人たちの視線というのは、基金であったりトップランナー方式の拡大、地財計画への反映などなど、こういうことなんですが、更に言えば、地方財政制度審議会の建議では、過剰な行政サービスの拡大競争を抑制をすべく、見える化を通じた地方団体間比較に取り組み、行政経費の抑制、業務改革等を推進していくことが重要であるとまで主張されているわけでありますが、地域に密着しているからこそ自治体は住民の切実な要望に応えようとするのであって、それを過剰な行政サービスの拡大競争と言うのは全く見当違い、このように思います。つまり、財源不足だから歳出削減と言うだけで、何の知恵も働いていない、そんな主張ではないのか、こう申し上げなきゃなりません。
 今後、来年度予算編成に向けて各種検討が行われていくんだろうと思いますけれども、自治体は厳しい財政状況の中、増加が著しい社会保障を含む公共サービスに必要な財源を確保するため、創意と工夫を重ねながら財政運営を努めているんだろうと思うんですね。地方の努力による財政健全化の成果というものを国の財政収支の改善に用いるような考え方は断じて許してはならない、こう思います。
 総務省として、来年度の地方財政の拡充強化に向けての決意を改めて伺います。
#124
○国務大臣(高市早苗君) トップランナー方式の議論もそうでございますが、地方の努力によって生じた財政健全化の効果というものを国の財政再建に用いるといった議論が出ておりますが、これは地方団体の行財政改革意欲を損ねることになりかねず、不適当だと考えております。
 平成三十年度の地方財政対策におきましても、地方団体が必要な行政サービスを提供しながら安定的な財政運営を行っていけますように、地方交付税を始め、地方が自由に使える一般財源総額をしっかりと確保してまいりたいと存じます。
#125
○又市征治君 先ほども述べましたが、一九六六年度以降、言ってみれば、地方交付税率をやっぱり変える、交付率を高めさせるということが必要だった交付税率の抜本的引上げ、これがやっぱりやられてこなかったのが現在に至っているわけでありまして、そういう意味で、総務省としては臨財債の発行を削減するために今努力はされているんでしょうけれども、地方の努力は大変なものがあるということであります。その努力も限界点に達しつつあるように思うのでして、この先、更なる公共サービスの量的、質的な低下もやっぱり懸念されないわけではないということがありますから、交付税率の抜本的な引上げの実現の努力というものを、これは前にも申し上げていますが、この委員会を挙げて与野党問わずに同意見ということだと思いますが、更に努力を求めておきたいと思います。
 二つ目に、個人情報保護法の問題に関して伺ってまいりたいと思います。
 先月三十日に施行された改正個人情報保護法に関連してでありますけれども、我が党はこの個人情報保護法及びマイナンバー法の改正には反対をいたしました。それは、個人情報がマイナンバーを軸に集約され、情報漏えいの危険性があるというだけではなくて、複数の個人情報を組み合わせて個人の人物評価をするプロファイリングが懸念されることが大きな理由でもあるわけです。
 さらに、個人情報保護法がその目的、趣旨から大きく逸脱をして、新たな産業の創出のために個人情報の利活用促進に転換をする、こういうこともあるから、これには反対をいたしました。
 企業等からの個人情報の漏えいが相次いで、サイバー攻撃が世界的に広がる中、このマイナンバーの下に集約された個人情報の漏えいを政府は本当に防げるのか、やはり疑問があります。その担保は何か、改正個人情報保護法の施行を機会に、改めてこの点についてどのように防止できるのかを伺っておきたいと思います。
#126
○副大臣(あかま二郎君) お答えいたします。
 マイナンバー制度では、個人情報保護に対してシステム面、また制度面で様々な措置を講じておるところでございます。
 具体的に申し上げますと、まず、行政機関等の保有する個人情報は、従来どおり、各行政機関等で分散管理することとしております。
 また、情報連携の対象となる個人情報は法律又は条例に基づくものであり、従来から紙等でやり取りされていたものと同様であること、さらに、情報連携の際は、マイナンバーでなく連携する機関ごとに異なる暗号化された符号を利用し、個人情報が芋づる式に抜き出せない仕組みとなっていること、こうしたことから、そもそもマイナンバーによって個人情報が集約され一元的に管理されるシステムとなっておりません。
 また、制度面でございますけれども、マイナンバーを取り扱う者に対する安全管理措置の義務付け、また不正アクセス行為等に対する刑事罰の強化、さらには個人情報保護委員会による必要な指導、助言、勧告、命令の権限や当該命令に背いた場合の罰則、そしてマイナンバーを取り扱う行政機関等における必要なサイバーセキュリティー研修の実施など、マイナンバーの適切な取扱いを法律上担保をしております。
 こうしたシステム面、制度面の対策を通じ、引き続き個人情報の保護に万全を期してまいりたいと思っております。
 以上です。
#127
○又市征治君 一方で、国民は、自分たちの情報が本当に守られるのか、こういうやっぱり強い懸念も広がっていますし、他方で、政府は国民が望む情報は出さないという印象も広がっているわけですね。そこのアンバランスは大変大きいと思いますよ。
 そこで次に、多くの国民が個人情報の利活用に不安を感じている中で個人情報保護法が改正をされて、例えば町内会、学校の同窓会、地域サークルなどの非営利団体も個人情報を取り扱う際には規制の対象ということになりました。その結果、名簿そのものを作成することにちゅうちょする事例が多いという話が聞かれます。また、自治体も個人情報の取扱いに苦慮して、火災であるとか災害時の救出活動にも支障が出ているとの報道もあります。個人情報の取扱いについてはガイドラインがあってインターネットでも公開されていますけれども、膨大であって大変分かりにくい、こういう声が聞かれます。
 先ほども申し上げた、例えばこの同窓会、町内会、サークル等で名簿を作成する際の留意点を簡単に提示する必要があるのではないのか、この点、まず一つ目に伺います。
 また、災害時の行方不明者や避難所の避難者名簿の公表判断が自治体ごとにばらばらであるために、国としてこれはやっぱり統一基準を作るべきではないのか、これ、二点目に伺います。
 それから三点目に、改正個人情報保護法の施行に合わせて、新聞協会、民放連などが声明を発表しました。新聞協会は、表現の自由、取材、報道の自由を守り国民の権利に応える立場から、行政機関、警察当局に社会に伝える情報の開示を強く求めています。民放連も、行政機関等による恣意的な情報の不開示が起こっていると指摘をしています。こういう報道機関の声明についてどのように応えるのか。この点は大臣からということになるかもしれませんが、以上三点、伺います。
#128
○政府参考人(其田真理君) 一点目の同窓会等の名簿についてお答え申し上げます。
 先週、改正個人情報保護法が五月三十日に全面施行されましたけれども、個人情報保護委員会におきましては、様々な場面、主体を想定した広報活動に取り組んでまいりました。
 御指摘の同窓会、町内会、サークル等の名簿につきましては、身の回りで誰しもが直面するところでございますけれども、どのように目的をお伝えするか、名簿を適切に管理することなどをまとめた会員名簿を作るときの注意事項という広報コンテンツを作成いたしまして、委員会のウエブサイトに掲載しておりますほか、関係団体のウエブサイトにも掲載していただいております。
 また、自治会等から研修会の開催の御要望をいただいた場合には講師として委員会の職員を派遣したり、また、相談ダイヤルに自治会の関係者から御相談をいただいた場合には、先ほど御紹介いたしました広報資料を御案内してございます。
 当委員会といたしましては、引き続き、個人情報保護法を正しく御理解いただくために広報活動に力を入れてまいりたいと思います。
#129
○副大臣(松本洋平君) 二点目に御質問をいただきました、災害時の行方不明者や避難所の避難者名簿の公表判断について国として統一基準を作るべきではないかとの御質問にお答えをさせていただきたいと思います。
 まず、原則といたしまして、災害応急対策に当たりまして最も優先すべきは、当然、人命の救助、救出活動であります。したがいまして、行方不明者の氏名につきまして、そのための必要があれば公表を行うべきであると考えております。一方で、災害の状況や被災された方の事情などはその都度異なるものでありまして、また、災害時には行方不明者等の氏名を公表することにつきましては、御家族の心情への配慮など、必要性などの課題も存在をすると認識をしているところであります。
 いずれにいたしましても、行方不明者や避難者の氏名公表につきましては、自治体が個々の災害の状況などに応じまして個人情報保護条例なども踏まえた上で判断すべきものと考えているところでございまして、現時点において統一した基準等を定めることは考えておりませんけれども、国といたしましては、過去の災害事例等も含めた必要な助言などは積極的に行ってまいりたいと考えております。
#130
○国務大臣(高市早苗君) 三点目の行政機関個人情報保護法の件でお答えいたしますが、この法律は、個人の権利利益の保護の観点から、保有個人情報の目的外での利用や第三者提供を原則として禁止しています。一方、同法におきましても、特に高い公益上の必要性がある場合などには第三者への個人情報提供も可能としております。この法の趣旨を踏まえて、各行政機関におかれて適切に対応されるべきものと考えております。
#131
○又市征治君 企業等からの個人情報漏えいが相次いでいるわけでありますが、政府は国民の情報利活用は推進をするという立場を取っておられます。
 他方で、一部省庁では記者の入館規制を行ったり、自分たちの情報を保護しようとしているのではないかという指摘もなされています。すなわち、今問題になっている森友学園や加計学園問題のように、政府の情報は隠すけれども国民の個人情報は利活用する、プライバシーが危険にさらされる、こういう指摘が強まっています。こうした政権に都合のいい情報統制あるいは操作というのはやめるべきだということを強く申し上げておきたいと思います。
 以上で私は終わります。
#132
○委員長(横山信一君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#133
○委員長(横山信一君) 次に、電子委任状の普及の促進に関する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。高市総務大臣。
#134
○国務大臣(高市早苗君) 電子委任状の普及の促進に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 政府では、高度情報通信ネットワーク社会の形成を目指し、ICT利活用基盤を活用しながら一気にICT利活用を加速させるため、対面・書面原則を転換して、情報の電磁的処理及び情報の高度な流通性の確保等を基本原則とし、ICT利活用を最大限に推進できるような制度への見直しを進めてきております。そのような中、情報通信ネットワーク上での契約の申込みその他の手続に関し、当該手続を行おうとする者が正当な権限を有していることを確認するための手段を確立することが課題となっております。
 このような背景を踏まえ、事業者が当該事業者の使用人その他の関係者に代理権を与えた旨を表示する電磁的記録である電子委任状の普及を促進することとし、そのため、電子委任状の普及を促進するための基本的な指針について定めるとともに、電子委任状取扱業務の認定の制度を設ける必要があることから、本法律案を提案することとした次第であります。
 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、主務大臣は、電子委任状の普及を促進するための基本指針を定めることとしております。
 第二に、国は、広報活動等を通じて、電子契約の当事者その他の関係者の電子委任状に関する理解を深めるよう努めるとともに、国及び地方公共団体は、自らが一方の当事者となる電子契約における他方の当事者となる事業者の電子委任状の利用を促進するために必要な施策の推進に努めることとしております。
 第三に、電子委任状取扱業務を営もうとする者は、当該電子委任状取扱業務が基本指針に適合するものであることについて主務大臣の認定を受けることができることとし、その認定に関する要件、認定を受けた者の義務及び表示に関する規定を整備しております。
 以上のほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
 なお、この法律は、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同を賜りますよう、お願い申し上げます。
#135
○委員長(横山信一君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト