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2017/06/08 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 総務委員会 第18号
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2017/06/08 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 総務委員会 第18号

#1
第193回国会 総務委員会 第18号
平成二十九年六月八日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月六日
    辞任         補欠選任
     大沼みずほ君     有村 治子君
     神本美恵子君     杉尾 秀哉君
 六月七日
    辞任         補欠選任
     有村 治子君     大沼みずほ君
     関口 昌一君     佐藤  啓君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         横山 信一君
    理 事
                大沼みずほ君
                柘植 芳文君
                森屋  宏君
                江崎  孝君
                山本 博司君
    委 員
                片山さつき君
                こやり隆史君
                古賀友一郎君
                佐藤  啓君
                島田 三郎君
                塚田 一郎君
                二之湯 智君
                松下 新平君
                溝手 顕正君
                山崎 正昭君
                伊藤 孝恵君
                杉尾 秀哉君
                那谷屋正義君
                森本 真治君
                吉川 沙織君
                宮崎  勝君
                山下 芳生君
                片山虎之助君
                又市 征治君
   国務大臣
       総務大臣     高市 早苗君
   副大臣
       総務副大臣    あかま二郎君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  金子めぐみ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野  哲君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       向井 治紀君
       内閣官房内閣人
       事局内閣審議官  古澤 ゆり君
       人事院事務総局
       職員福祉局次長  中山 隆志君
       人事院事務総局
       人材局審議官   西  浩明君
       内閣府地方創生
       推進室次長    川合 靖洋君
       警察庁長官官房
       審議官      高木 勇人君
       総務大臣官房総
       括審議官     稲山 博司君
       総務省行政管理
       局長       山下 哲夫君
       総務省自治財政
       局長       黒田武一郎君
       総務省情報通信
       国際戦略局長   谷脇 康彦君
       総務省情報流通
       行政局長     南  俊行君
       総務省政策統括
       官        今林 顯一君
       消防庁次長    大庭 誠司君
       文部科学大臣官
       房総括審議官   義本 博司君
       厚生労働大臣官
       房サイバーセキ
       ュリティ・情報
       化審議官     大橋 秀行君
       農林水産省農林
       水産技術会議事
       務局研究総務官  菱沼 義久君
       経済産業大臣官
       房審議官     前田 泰宏君
       国土交通大臣官
       房審議官     麦島 健志君
       国土交通省航空
       局安全部長    高野  滋君
       運輸安全委員会
       事務局審議官   菅井 雅昭君
   参考人
       日本放送協会専
       務理事      木田 幸紀君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○電子委任状の普及の促進に関する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(横山信一君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、神本美恵子君及び関口昌一君が委員を辞任され、その補欠として杉尾秀哉君及び佐藤啓君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(横山信一君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(横山信一君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に大沼みずほ君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(横山信一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 電子委任状の普及の促進に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官向井治紀君外十九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(横山信一君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 電子委任状の普及の促進に関する法律案の審査のため、本日の委員会に日本放送協会専務理事木田幸紀君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#9
○委員長(横山信一君) 電子委任状の普及の促進に関する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○佐藤啓君 おはようございます。自由民主党の佐藤啓でございます。
 総務委員会での質問は初めてとなります。(発言する者あり)ありがとうございます。質問の機会をいただきまして、委員長を始め与野党の理事の皆様、そしてまた関係各位に感謝を申し上げます。ありがとうございます。
 それでは、早速質問に入りたいと思います。
 まず、議題となっております電子委任状の普及の促進に関する法律案についてであります。
 さきの通常国会におきまして、超党派の議員立法として官民データ活用推進基本法が成立をいたしました。この官民データ活用推進基本法では、官民の様々な手続について、従来の対面・書面原則を改め、原則IT化を目指すとされております。こうしたデジタルファーストの実現は、国民の利便の向上や行政の簡素化、効率化、そして企業の競争力強化に資するものであり、私としても大いに進めるべきであると考えております。
 様々な手続の電子化を進め、デジタルファーストを実現するため、どうして電子委任状の普及が必要とされるのか、今回の法案を提出する意義と、そして期待される効果についてお伺いをいたします。
#11
○副大臣(あかま二郎君) お答えいたします。
 企業が紙の契約書や証明書を発行する場合、社員が代表者の印鑑を押すことでその書類が作成責任者によって作成された正式なものであることが証明ができます。これに対して、企業が電子的な契約書や証明書を発行する場合、社員が電子的に署名しただけではその電子書類が作成責任者によって作成されたものかどうかが分かりません。
 そこで、企業の社員が代表者から書類の作成に必要な権限を委任されていることを電子的に証明する電子委任状を円滑に利用できる環境を整備する必要があることから、本法案を提出させていただきました。
 本法案に基づき、主務大臣の認定を受けた事業者を介して信頼性の高い電子委任状が流通するようになれば、電子書類に電子的に署名した社員の権限を簡易かつ確実に証明することが可能となり、様々な手続がオンラインで完結する、まさにデジタルファーストが実現すると期待がされるところでございます。
 以上です。
#12
○佐藤啓君 ありがとうございました。
 また、今回の法案では、企業の委託を受けまして電子委任状を保管をし、送信する事業者を国が認定するという仕組みになっております。この制度の円滑な運用のためには、認定事業者のセキュリティー水準を確保するということが重要になってくると考えます。
 認定事業者に対しどのようなセキュリティー対策を求めていくのか、また、認定事業者が実際に定められたセキュリティー対策を行っているということをどのようにチェックし、また担保するのか、この点についてお伺いをいたします。
#13
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 電子委任状取扱事業者は企業の代表者が作成した電子委任状を自社のサーバー上に保管することから、保管中の電子委任状につきましては、不正アクセスによって電子委任状の内容が改ざんされると不適正な内容の取引が行われる可能性がございます。また、電子委任状の内容は企業の取引上の機密を含み得ることから、漏えいをいたしますと金銭的な損害が発生する可能性がございます。加えて、災害時などに電子委任状の内容が失われますと円滑な取引が妨げられる可能性がございます。
 こうしたリスクに備えるため、電子委任状取扱事業者のセキュリティー水準を確保することが、委員御指摘のとおり、極めて重要でございます。このため、電子委任状取扱事業者の認定に当たりまして、認定の要件として、一定水準以上のセキュリティー対策を講ずることを求める予定としております。
 具体的な対策の内容は基本指針の中で定めることとしておりますが、例えば通信回線経由での不正アクセスの防止、権限を有しない者による操作の防止、システムの動作記録の取得、責任体制の明確化と規程類の整備といった点について必要な対策を講じることを求めるということを想定しております。
 その上で、以上のようなセキュリティー対策が実際に行われていることをチェックするため、認定要件の一つといたしまして、定期的に外部機関の監査を受けることを求めることを想定しております。さらに、何か問題があった場合には認定事業者に対して報告徴収や立入検査を行うことや、問題が是正されない場合には認定事業者の認定を取り消すことも可能となっており、これらの手段を段階的に用いることで電子委任状取扱事業者のセキュリティー確保を図ることとしているところでございます。
#14
○佐藤啓君 ありがとうございました。
 このデジタルファーストの実現ということで、総務省の果たす役割、大変に大きいと思っております。どうか、この今回の法案を含めて、全体としてこのデジタルファーストの実現に御尽力をいただきたいと思っているところでございます。
 少し話題を変えまして、国と地方公共団体の間の人事交流についてお伺いをしたいと思います。
 人事交流には、国から地方公共団体への出向という形と地方自治体から国への受入れ、この双方がありまして、近年、数字を見ますと増加傾向にございます。このような国と地方公共団体との間の人事交流が近年増加している要因と、また人事交流の意義について、内閣人事局にお伺いをいたします。
#15
○政府参考人(古澤ゆり君) お答え申し上げます。
 国と地方公共団体との人事交流は、相互理解の促進ですとか、また人材育成などの面において双方に意義があるものと考えております。
 内閣人事局が調査いたしました国と地方公共団体との人事交流の実施状況では、平成二十八年十月一日現在におきまして、国から地方公共団体への出向者は千七百九十人、地方公共団体から国への受入れ者は二千六百六十八人となっておりまして、平成十一年に調査を開始して以降、いずれも過去最高となっております。
 また、今回調査での前年からの増加要因について見てみますと、国から地方公共団体への出向者につきましては、平成二十七年度から開始されました地方創生人材支援制度による各省庁からの出向者の増加、それから、地方公共団体から国への出向者につきましては、オールジャパンでの外交力強化のための在外公館への職員配置に伴う外務省の増加ですとか、被災地で震災復興関連業務を担当する職員配置に伴います環境省の増加などとなっていると承知をしております。
#16
○佐藤啓君 ありがとうございます。
 国と地方公共団体の間の人事交流、相互に意義があるということで、重要性を改めて確認ができました。また、数字も挙げていただきました。ありがとうございます。
 しかしながら、人事交流の状況を都道府県と市町村という観点で区別をしてみますと、昨年の数字挙げていただいたんですが、昨年時点の数字ですけれども、国から都道府県への出向は約千二百人、一方で、国から市町村への出向者は、地方創生人材支援制度の活用にもかかわらず、その半分の約六百人しかいないという状況であります。
 また、国の受入れの方なんですが、都道府県からの受入れ、これ国の受入れ、これ二千二百人いるんですけれども、市町村からの受入れはその約五分の一の四百人ということになっています。
 地方創生を推進するという観点、そしてまた人口減少対策に的確に対応する地方行政体制の整備と、地制調の答申でも挙げられておりますが、こういう観点からは、行政体制が比較的充実している都道府県よりも、むしろ市町村の行政体制の整備を国がもっと後押しをするべきなんではないかというふうに私は考えております。
 あわせて、国の職員が、地方行政の最前線である市町村の現場とそこでの住民の生活というものをよく理解した上で、その経験を今後の国の政策立案に生かしていくということも促していくということも必要であると考えますし、そして、国の受入れということでも市町村職員の能力向上支援の観点がより求められているのではないかなと考えています。
 このような認識の下、都道府県よりも市町村との相互交流を政府全体としてより重視すべきではないかと考えますが、見解をお伺いをいたします。
#17
○政府参考人(川合靖洋君) 地方創生を担当いたします内閣府といたしましては、基礎自治体であります市町村において地方創生を推進する役割を担う人材の確保やその育成は重要な課題であると認識をしておるところでございます。
 このため、地方創生における人材面の支援といたしましては、まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定、推進等に当たって、これまで人材が不足しがちであった市町村、それも特に比較的規模の小さな市町村に対し、知見や能力を有した国家公務員等を市町村長等の補佐役として派遣する地方創生人材支援制度を平成二十七年度から実施しているところでございます。本制度によりまして延べ百七十三市町村に人材を派遣しており、派遣者は、そのノウハウや知見、ネットワークを市町村長や職員、住民等と共有し、地域の自立的な行政体制の整備に貢献をしているところでございます。
 また、中長期的な人材面の支援といたしまして、昨年十二月に地方創生カレッジを開講したところでございます。地方創生カレッジにおきましては、地方創生に真に必要かつ実践的なカリキュラムをe―ラーニングという形式で幅広く提供し、地域における地方人材の育成につなげているところでございます。
 地方創生人材支援制度につきましては、派遣先の市町村長や関係者から様々な機会を通じて派遣者に対する強い期待と高い評価の声を伺っており、内閣府といたしましてもなるべく多くの市町村に人材を派遣できるよう、関係府省等の協力を得つつ、引き続き本制度の充実に努めてまいりたいと考えております。
#18
○佐藤啓君 ありがとうございました。
 既存の制度として地方創生人材支援制度を積極的に活用していただいており、有り難いと思っておりますが、現状、全ての市町村の要望に応えられている状況ではないということを御指摘しておきたいと思います。
 内閣官房としては、積極的にリーダーシップを取っていただきまして、政府全体としてもっと市町村に、特に小規模な市町村に国の人材が派遣されるよう促していただきたいと思っております。もちろん、内閣官房の方から各府省にいろいろお願いをするということの難しさも十分に承知をしているところでございます。基本的に地方自治体との人事交流は各府省がそれぞれ判断をしているということですけれども、政府全体としての取組を後押しをお願いしたいということでございます。
 この点に関しまして、地方行政を所管する総務省では、やはりこの点に関して積極的な対応が必要ではないかなと考えているところでございます。
 実は総務省におきましても、人事交流は都道府県ですとか政令市などの人口規模の大きな地方自治体との交流がメーンとなっていまして、一般市ですとか町村との人事交流は少ない状況にあります。総務省ですら一般市や町村に勤務したことがある職員が少数にとどまっておりますし、また、一般市や町村から派遣されて総務省で働くと、こういう方々も実はかなり少ないという状況でございます。
 また、これはあくまで国家公務員の総合職の話になりますが、近年の総務省の新卒採用者の多くが三大都市圏の出身であると私は認識しています。人生においていわゆる地方での生活を一度も経験せずに採用された方々が増えてきています。これは時代の趨勢ですので仕方のないことですし、非難すべきことではありませんが、しかしながら、人事交流制度を今のまま都道府県や大都市中心にしておきますと、地方行政を所管する総務省で働く職員の多くが地方での生活がどのようなものなのかということを実体験としてはほとんど知らずに地方行政制度を企画立案するということになりはしないだろうかという懸念をしております。
 このような認識の下、特に地方行政を所管する総務省においては、他の省庁よりも積極的に市町村、特に一般市と町村の派遣と受入れを行うべきではないかと考えますが、見解をお伺いをいたします。
#19
○政府参考人(稲山博司君) お答えをいたします。
 総務省といたしましては、地方自治体との人事交流につきまして、相互理解の促進や組織の活性化等にも留意しつつ、各地方自治体からの御要請に基づき、従来より積極的に派遣と受入れを実施してきたところでございます。
 特に御指摘のございました市町村につきましては、総務省では従来から頑張る地方応援プログラム等による派遣を行ってきたところでございます。また、平成二十七年度からの地方創生人材支援制度による派遣や、その他個別の要請に基づく派遣についてもできる限り御要請に応えるべく対応をしてまいったところでございます。
 御指摘ございましたように、市町村を取り巻く環境変化もございますし、その役割や権限の変化といったこともございます。こういったことも踏まえながら、今後も御要請があれば、自治体の課題や実情等をよくお聞きしながらできる限りの対応をしてまいりたいというふうに考えております。
#20
○佐藤啓君 ありがとうございます。積極的な答弁をいただきました。
 ただ、一つの問題点としては、総務省に人を派遣をしたい、若しくは総務省から人が欲しいといったときに、その要望を伝える窓口が実は存在しないということが私は問題点であるというふうに思っています。こういう窓口をしっかりつくっていただくということに関して御検討いただきたいと思いますが、お考えをお伺いいたします。
#21
○政府参考人(稲山博司君) 従来より、いろんな派遣の御要請につきましては、各自治体多様でございますので、個々のケースに応じて御要請を受け止めておるところでございます。今御指摘ございましたような何か窓口的なものということについてはよく検討をしてまいりたいというふうに思います。
#22
○佐藤啓君 ありがとうございました。大変ありがとうございます。
 次の質問に移りたいと思います。
 この人事交流を進めていくということで、国から市町村への赴任の場合、特別職ですとかまた部長級とか非常にハイレベルな管理職として働くことが想定されます。小規模な市町村では一人の管理職の役割非常に重くて、例えば災害対応なんかはその方の判断が住民の方の生命、財産に非常に大きな影響を与えるということもございます。
 このような管理職として働くのに必要なトレーニングが十分に行われているのかどうか、これ、内閣人事局、それから人事院にお伺いをいたします。
#23
○政府参考人(古澤ゆり君) お答え申し上げます。
 内閣人事局は、国家公務員法及び国家公務員の研修に関する基本方針に基づきまして、全府省職員を対象に、政府全体を通じた成果向上、それから人材育成を狙いとした研修を実施しているところでございます。
 これらの研修の中では、国の組織において新たに管理職員となった者や将来の幹部候補として育成対象となっている各府省の若手、中堅職員を対象に、管理職員として必要とされるマネジメント能力や政策の企画立案に係る能力の向上を図る研修を実施しているところでございます。
 ただ、今委員御指摘になったような地方自治体への赴任予定者のみを対象とした研修というのは、現状、内閣人事局では実施していないという状況でございます。
#24
○政府参考人(西浩明君) お答え申し上げます。
 人事院は、国家公務員法に基づき、国民全体の奉仕者としての使命の自覚及び多角的な視点等を有する職員の育成等を目的とした府省合同研修を実施いたしております。
 御指摘のございました地方自治体への管理職への派遣予定者につきましては、求められる職責、役割等が派遣先によって異なっておりますので、これらの職員を対象とした人事院による府省横断型の研修は実施いたしておりませんが、行政の複雑多様化や組織構成の変化等により研修の担う役割が増加する中で、人事院が行う役職段階別の府省合同研修等におきましては各役職段階の職員に求められるマネジメント能力の向上等に資する科目を盛り込んでいるところでございまして、引き続きこれらの充実に取り組んでまいりたいと考えております。
#25
○佐藤啓君 ありがとうございます。
 現実、そういう研修、トレーニングは今存在しないということでありまして、そういうトレーニングを是非お願いをしたいと思います。国から地方自治体に行っている人、年間二千人いるということなので、一般的なトレーニング、必要ではないかなというふうに考えます。
 国家公務員全体の話ですが、やはりOJTよりもオフJTの研修、なかなか国家公務員、学ぶ場が意外に少ないこともありまして、もっとそういう場を提供していただけたら大変有り難いなと思っているところでございます。
 それから、最後の質問になります。
 国と地方自治体の人事交流を促進するに当たりまして、人事交流の対象となる職員が配偶者の方も共働きの場合がありますが、こういう場合に十分配慮しなければならないというふうに考えています。
 例えば、国家公務員同士のカップルですとか地方公務員同士のカップル、それから国家公務員、地方公務員のカップルって多くいらっしゃるんですが、外国での勤務の場合は配偶者同行休業制度というのがありまして、外国で勤務する配偶者と海外で生活するために休業ができるというものがありますが、国と地方公共団体の人事交流など国内のものにもこういう制度が必要ではないかと。
 既にこういう検討をされているということは私も承知しておりますが、やはりまず国がこれを先駆けてやっていくべきということで、私は社会の理解は得られるというふうに考えておりまして、この点についてまた改めて検討をお願いしたいと思いますが、人事院に御答弁をお願い申し上げます。
#26
○政府参考人(中山隆志君) お答え申し上げます。
 御指摘の配偶者同行休業制度は、配偶者の転勤などに同行する国家公務員に三年を限度としまして休業を認めるものでございまして、有為な国家公務員の継続的な勤務を促進するために平成二十六年から施行されたものでございます。
 御指摘のとおり、この制度の対象は海外への同行に限定されておりますが、これは幾つかの事情を考慮したことによるものでございまして、まず、海外の場合、交通事情や経済面から頻繁に往来することが容易ではないこと、それから、海外では言葉や生活習慣などが異なるため、精神面も含めた負担が相対的に大きく、同行の必要性が高いと考えられること、それから、各府省から人事院に寄せられていた要望も、配偶者の海外への転勤に伴い退職せざるを得ない事例が生じていたということを踏まえたものであったことという、これらの事情を考慮して海外に対象を限定したという経緯でございます。
 本制度が施行されてから三年余り経過した現在においてもこれらの事情に大きな変更はないものと理解しておりますけれども、御指摘ございましたので、各府省のニーズなど、人事院としてもきちんと注意を払って見てまいりたいというふうに考えております。
#27
○佐藤啓君 ありがとうございます。
 ニーズの把握、是非お願いをしたいと思うんですけれども、国内の場合はかなり無理をしても何とか辞めずに何とかなっているというパターンもありまして、結構皆さん御苦労されている方々はいらっしゃると私は認識しています。私の周りにもやっぱりいらっしゃいます。なかなか大変です、地方赴任というのは。私も総務省に十三年弱いまして、十一のポストをやりまして、引っ越しも六回か七回ぐらいしましたけれども、なかなか大変じゃないかなと思っています。それが国家公務員のカップルの場合は特に大変ではないかなと思っているところでございます。
 働き方改革ということもありますし、是非とも積極的な御検討をまた改めてお願いをしたいと思っているところでございます。
 時間も参りましたので、以上とさせていただきます。
 終わります。ありがとうございます。
#28
○森本真治君 民進党・新緑風会の森本真治です。
 私からは、前回に続いて加計学園の獣医学部新設をめぐる問題についてお伺いをまずしたいと思います。
 この問題の中でも特に、私も先週取り上げました文部科学省内の行政文書が存在するのかということですね。調査もしない文科省の姿勢について、先週の質問以降も、これはもう文科省内の職員さんからも、それはおかしいと言わんばかりに次々と存在を認める証言が、各社報道をしております。国民の関心がますます高まっているということでございます。この問題は、まさに安倍政権の国民への説明責任、国民とどう向き合っているのか、その正当性までが問われる問題となってきています。
 実は、参議院の文科委員会、前川前次官の発言以降開会をされていないというふうにも伺っております。まだ審議をしなければならない法案も残っているということでございますけれども、これは与党の方が開会に応じないというふうにも聞いております。
 総務委員会ですけれども、総務省は、行政運営の効率化、質の向上、行政のオープン化、行政運営の信頼性の確保のために各施策を行っていくという、そういう役割も担っております。情報公開も当然所管でございますので、しっかりとこの今の政権の姿勢についてただしていただかないと、実際にその提案者である政権の姿勢というものを確認しないと法案の審議にも入れないという思いで、まずはこのことについてお伺いをしたいと思います。
 まず、文科省、今日は総括審議官お越しいただいておりますけれども、一連の加計学園に関する文書、先週の質問においては確認できないという答弁をされたと思いますけれども、先ほども申しましたように、今日も資料の一、二、付けさせていただいております。昨日も今朝も、各社が独自の取材で職員が存在を認めているという報道が次々に出ております。
 これまで、調査をしない理由として、出どころがはっきしていないからということを理由にされておりましたけれども、もうこれ、出どころはっきりしていますね。文科省内ということで出どころはっきりしていますので、しっかりとこの文書の存在について確認をしてお認めいただきたいと思いますけれども、まず御答弁お願いします。
#29
○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。
 この文書につきましては、民進党から御提示いただきましたものにつきまして、行政文書であるかどうかということにかかわらず、いわゆる担当した部局の職員からのヒアリング、それから共有の専門教育課のファイル等を通じまして確認できなかったということについての結論を出したところでございます。
 それ以降、一連の報道については承知しておりますけれども、依然その出所あるいは入手経緯等については不明でありますし、また、コメントいたしました者が文部科学省の職員かどうかも依然不明ということでございますので、状況の変化がなかったものと認識しております。
#30
○森本真治君 ちょっとこの資料一、これはまさに義本総括審議官のこれコメントの字幕が付いておりますけれども、「対応はいま検討している」ということでこれ書いてありますけれども、新たにこういう存在を認める発言が出たので、それに対しての対応を検討しているという理解でよろしいんでしょうか。
#31
○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。
 この報道につきましては、たしか金曜日の深夜、夜だったと思いますけれども、その時点の報道であったものについての話でございますけれども、私どもとしましては、今週の決算行政監視委員会等でお答えさせていただきましたように、出所あるいは入手経路等について不明であるという点については変わりません。しかしながら、その文書につきましての事実関係ということであれば、ファイルに記載された内容につきまして、官邸の関与等の事実がなかったこと、それから開学時期についてあくまでも国家戦略特区としての目標設定であるなど、関係大臣が既に事実関係について答弁しているところでございますので、改めて調査する必要がないというふうに考えておるところでございます。
#32
○森本真治君 昨日、衆議院の内閣委員会が開かれておりまして、これは総括審議官の答弁があります。この文書について、省内外の政策の意思決定過程のプロセスの中の文書と考えられますけどというふうに、ちょっと文書の存在を認めているような答弁をされておりますけれども、これについてのちょっと真意をもう一遍確認させてください。
#33
○政府参考人(義本博司君) 御提示いただきました文書につきましては、いわゆる内閣府と文科省のやり取り、あるいは大臣、ある意味での報告等々につきましてのいわゆる行政部内での、あるいは関係省庁間のやり取りということについての形状が見えますので、その点については、その中身としてはいわゆる政策の形成過程の途上であるというふうな認識でそういう答弁をさせていただいたところでございます。
#34
○森本真治君 ちょっと答弁変わってきたような気がするんですけれども、いわゆる公文書、行政文書が存在するかどうかは別にしても、意思決定のプロセスをまとめた文書はあるという、あるのではないかという認識は持たれているということでいいんですね。
#35
○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。
 特区の形成につきましては、いわゆる内閣府、文科省、農水省、三省庁が関係省庁としていろんな協議、調整をしたところでございます。その中で、規制改革の追加事項等、あるいはその内容についての文書をまとめたりとか、あるいは対応をしていますので、その点においては文書としては、いわゆる意思決定の過程での文書ということについてはございます。
#36
○森本真治君 ちょっと今大事な答弁をされていると思いますね。これまではそもそも文書の存在自体も認めていない、確認できていないというところから、若干トーンが変わってきたようにも思うんです。そうすると、行政文書かどうかというようなところも一つの、公開の対象になるかというようなところも一つこれ重要なポイントになってくると思うんですけれども。
 もう一つ、昨日、ちょっと確認させてください、衆議院の内閣委員会でのこれは義家文科副大臣の答弁、ちょっと気になるところがあります。自分が確認していない文書は、副大臣が確認していない文書がどうして行政文書になるのか私には理解できないと答弁しています。逆にこの答弁が私全く理解できません。行政文書の定義としてこれは誤った認識ではないですか。文科省、訂正した方がいいと思いますけれども、どうでしょうか。
#37
○政府参考人(義本博司君) 義家副大臣の昨日の発言は、副大臣が見ていない文書は全て行政文書に当たらないというような趣旨で発言したものではございませんで、副大臣の発言とされている記述がその文書の中に含まれているということがありますので、何ら副大臣が確認されていないものということについての文書であれば主観によって書かれた個人のメモの類いであるというふうに推認されますので、それは行政文書ではないかということについて申し上げた趣旨でございます。
#38
○森本真治君 ちょっとよく分からない。
 もう一度、要は副大臣のことが書かれてある内容がそこにあるけれども、それは副大臣が確認をしていないからこれは行政文書ではないというふうに副大臣は認識をされているんですか。先ほどの、もう一度。
#39
○政府参考人(義本博司君) お答えさせていただきます。
 委員御指摘のとおり、副大臣の発言とされている記述がその提示いただいた文書の中に見られます。その部分については副大臣が確認していないというものでございますので、それであれば個人メモの類いというふうに推認されますので、行政文書ではないのではないかというふうに申し上げたところでございます。
#40
○森本真治君 今の文科省の判断、ちょっと疑問があります。
 総務省の行政管理局の方に確認をしたいと思います。ちょっと通告をしていないんですけれども、もし後ろにでもあれば確認したいんですが、総務省行政管理局が作成した情報公開法逐条解説、後ろにありますか、局長、分かります。
 逐条解説の二十二ページ。これ、実は行政文書かどうかを争われた事案というのが情報公開・個人情報保護審査会で争われたケース、これ皆さんも御記憶だと思いますけれども、今年の一月十七日に答申が出された集団的自衛権の行使を容認する閣議決定をめぐり作成した想定問答の不開示決定、要は、内閣法制局は行政文書ではないという判断をしたものが、審査会によってこの判断が覆されたという事案があります。その中の審査会の判断の一つとしてこの行政管理局の逐条解説、このことが述べられています。行政文書の範囲ということでございますけれども、これ二十二ページ参照ということで出ていますけれども、もし局長、御説明いただければ、その行政文書の範囲としてそこの部分、お答えいただけますか。
#41
○政府参考人(山下哲夫君) お答えいたします。
 情報公開法上の行政文書といたしましては、行政機関の職員が職務上作成し又は取得した文書、図画、電磁的記録であって、当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして当該行政機関が保有しているものとされております。
#42
○森本真治君 ごめんなさい、ちょっと通告をしていなかったので、ちょっときちんと御答弁いただけなかったんですけれども、この情報公開・個人情報保護審査会の答申の中で、行政文書の範囲について答申で書かれているんですね。この中で、決裁、供覧等の行政機関内部における手続を要件とすることが適切ではないというふうに審査会の方では述べられているんです。要は、今回のケースでいえば、副大臣などの決裁が行政文書のこの定義の範囲には入らないということなんですね。これは情報公開法逐条解説の中でも述べられているんです。
 ですから、文科省、ちょっとこの後も聞きますけれども、行政文書の管理としての文科省としての判断には多くの疑問点があります。今回の副大臣の判断についても、これは正しくないという、認識を改めていただかなければなりませんが、文科省の方、いかがでしょうか。
#43
○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。
 文部科学省においては、先生御指摘のとおり、情報公開法の趣旨あるいは公文書の管理の法律に基づきまして、ガイドラインに基づいて、文部科学省としての文書管理規則を設けてその文書の管理について取り扱われているところでございます。
 その中で、私どもとしては、先ほど申しましたように、個々の文書が行政文書に該当するか否かについては、先ほど行政管理局長から御答弁がありましたように、文書の作成あるいは取得の状況、あるいは利用の状況、保存あるいは廃棄の状況などを総合的に考慮して実質的に判断するもので、各行政機関において適切に判断すべきものということでございますので、その趣旨で私どもとしては対応しておりますけれども、引き続き文書の管理の適正には努めてまいりたいと思っております。
#44
○森本真治君 文科省、繰り返しになりますけど、文科省としての今のその判断が適切ではないのではないかという質問をさせていただいておるんです。決裁とか供覧等の手続を要件としてはいけないと、適切ではないという判断がこれは逐条解説や審議会の答申としてもあるわけですから、もう一度この行政文書の定義ですね、文科省内で、これは各省庁で定義をされるんだと思いますけれども、もう一度検討し直していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#45
○政府参考人(義本博司君) 繰り返しになりますけれども、国全体の方針あるいはガイドラインに基づきまして、文科省としては文書管理規則というものを設けて文書の管理の、適正に行っているところでございますけれども、その方針については引き続き対応してまいりたいと思っております。
 なお、政策の形成の過程の問題については、委員の御指摘の点はございますけれども、文書を、いただきました形状を見れば、いわゆる部内でのやり取り、あるいはその状況を記したものというふうに形状から判断されますので、それはいわゆる決裁の手続とか、あるいは先ほど申しましたように追加の規制改革事項として例えば正式な諮問会議で決めたものではなくて、その途中段階というものでございますので、そういう点というのを答弁をさせていただいたところでございます。
#46
○森本真治君 相当これは大臣なり局長、文科省の認識って、私非常に問題だと思いますよ。そもそも、意思決定過程も行政文書に含まれるというのは、これ公文書管理法の中にも書かれているわけですよね。国のガイドラインに基づいてというような今お話をされていますけれども、かなりその具体的な判断の部分は各省庁に任されている。
 もう一つだけ、ちょっと、今文科省の判断としてちょっと疑問に思う点を局長の方にお伺いしたいんですけれども、行政管理局長の方に。
 これまでの説明などを伺っても、文科省としては、行政文書の定義として組織で共有されているものというのがあるんだけれども、その共有方法は共有フォルダにあるものだということで、そこにないから、確認したけれどもないので行政文書の存在はないという答弁を繰り返されるんだけれども、その後のいろんな報道などによれば、例えば我が党としても独自にいろいろ情報を集める中でも、メールで一斉送信された情報というものもあるということで、これも報道でも大きく取り上げられています。
 ある意味、これって情報を組織共有されているというふうに私は認識をして、公文書の定義、行政文書の定義としてこれはしっかりと行政文書だというふうに思うんですけれども、この組織共有の仕方について、共有フォルダにあるものが行政文書、そしてメールなどで一斉に送信されてみんなで共有しているものは行政文書ではないというような、この文科省の定義って適切ですか。局長、どう思われますか。
#47
○政府参考人(山下哲夫君) 文科省の御判断について直接どうかということではございませんけれども、情報公開法の定義、整理といたしましては、行政文書というものについては、職員が職務上作成し又は取得したものであるか、当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして当該行政機関が保有しているものであるかといった観点から判断されるものでございまして、それが紙であるか電子媒体であるか、それからそれがどこにあるかということから決まるものではございません。
#48
○森本真治君 文科省、今の答弁を聞いて、共有フォルダにあるものが行政文書というような今までの説明、メールで一斉送信された情報、これは行政文書だと思いますけれども、情報共有されて。どうですか。
#49
○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。
 一般論でいえば、個々の文書が行政文書に該当するか否かにつきましては、当該文書の作成、取得の状況、利用の状況、あるいは保存又は廃棄の状況などを総合的に考慮して実質的に判断するものというふうに理解しておるところでございます。
 それから、共有フォルダあるいは共有ファイルということについては、職員間で文書を共有している一つの有力なものだというふうに理解しておりますけれども、具体的に行政文書に当たるかどうかについての判断は、先ほどからお話しさせていただいていますように、個々のケースを見た上で実質的に判断するものと理解しております。
#50
○森本真治君 質問に答えてもらっておりません。メールで一斉送信された情報は組織共有されていて、これは行政文書の要件の一つにはなりますね。もう一度。
#51
○政府参考人(義本博司君) これは総務省の方の御見解ということがあるかもしれませんけれども、いわゆる文書自身がメールという形で、その送信した人と相手の一対一の関係でのものということでございますので、それ自身が一斉送信されたということであっても個人と個人のものというふうに理解しておりますので、それ自身が行政文書として当たるかどうかについては、その文書の保存あるいは共有の状況によるというふうに理解しております。
#52
○森本真治君 行政文書に当たるかどうか、また、その中身について確認するというところを聞いているんではないんです。組織で共有されるという、そこの要件を満たすかどうかというところだけ確認したいんです。一斉送信されて共有されているものは、行政文書の、この組織で共有されているものの要件の一つは満たしますねということを聞いているんです。
#53
○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。
 繰り返しになりますけれども、行政文書であるかの判断につきましては、当該文書の作成、取得の状況、利用の状況、あるいは保存あるいは廃棄の状況などを総合的に考慮して実質的に判断するものというふうに理解しているところでございます。
 その中で、メールの問題については、そのいわゆる共有のされ方あるいは保存の状況において実質的に個別に判断するものと理解しております。(発言する者あり)
#54
○委員長(横山信一君) 速記止めてください。
   〔速記中止〕
#55
○委員長(横山信一君) 速記を起こしてください。
 森本真治君、もう一度質問の内容を整理して質問してください。
#56
○森本真治君 行政文書の要件の一つとして組織で共有されたものという要件があるんですね、一つとして。これまでは、共有フォルダにあるものがその要件の一つという説明を私も聞いてきました。では、メールで一斉送信された情報、これは組織共有されているということに当たるのかどうかというところだけ聞いているんです。もう一度。
#57
○政府参考人(義本博司君) 繰り返しになりますけど、メールそのものについては、一斉送信されていても個人と個人との間のものということで理解しております。それが行政文書に当たるかどうかについては、添付ファイルも含めて、打ち出した紙媒体で共有ファイルとして保存するか、あるいは電子フォルダとして保存されていなければ、これまで行政文書として整理されたという判断はないというふうに理解しております。
#58
○森本真治君 文科省の正式な私は答弁として、これは中身正しいかどうかは別にしても、正式答弁として受け止めますけれども、この後の電磁記録の保存とか、この後に質問をしなければいけないような内容にも大きく関わってくる問題ですよ、これは、保存の管理の問題というのはね。行政文書の判断として、大変私は今回、文科省は非常に問題のある判断をしてきていると思います。
 これは、是非大臣にお伺いしたいと思う。
 先ほどちょっと御紹介した集団的自衛権の行使を容認する閣議決定の、一度内閣法制局が行政文書ではないというふうに判断したものが行政文書として覆った中でも、審査会が調査に入ったんですね。そのときに行政文書が存在していないというふうに言ってきていた内閣法制局の中に、再調査をすれば見付かって、それでこれが行政文書だというようなことがあったというような、この答申の中でも確認をしているんです。
 つまり、やはりこれガイドラインを、国として統一的にガイドラインは示しているけれども、それぞれの具体的な運用については各省庁の方で判断をしているというようなところで、非常に恣意的に行政文書を、都合が悪くなればこれは個人のメモだというふうに、いかようにでも判断ができるようになっているんですよ。やはり制度としてのここの部分をもう一度再検証していく必要が私はあるというふうに思います。厳格な統一ルールをやはりここは定めるべきだというふうに考えるんですけれども、大臣のお考えをお伺いします。
#59
○国務大臣(高市早苗君) 総務省で所管しているのは情報公開法でございます。この保存されている行政文書について開示請求があった場合の手続など定めているものでございまして、一義的には内閣府が所管する公文書管理法が規律する行政文書の作成、保存、廃棄のルールに関わるものであると考えております。
 情報公開法を所管する立場からは、開示請求があった場合の各行政機関における対応について、法の趣旨、解釈、それから先ほど例に挙げられました件も含めて、情報公開・個人情報保護審査会の答申例というものを周知徹底するということで法の適切な運用に努めてまいりたいと存じます。
#60
○森本真治君 周知徹底という、そういう部分の観点からいったときにも、もう一度各省庁に対しての行政文書についての在り方についてのやはり意識徹底は、これは情報公開などを所管する総務省としても徹底していただかなければならない、行政のいろんな運営について、国民の信頼を得る行政を進めていくための所管である総務省が、やはりもうちょっと徹底していただかなければならないと思っております。
 もう一点だけ、文科省に。ちょっとこれも気になる大臣の発言がありました。六日の記者会見、加計学園をめぐる文書について、先ほど来ありますけれども、出所が明確にならなければ今調査しないけれども、明確になれば調査に関して対応を検討したいというような報道がなされて、資料にも付けさせていただいております。
 これはちょっと文科省にお伺いしたいんですけど、文科省として、これ公益通報保護制度というものがございますけれども、この制度の趣旨などについても大きくこれは関わってくるような発言を私、大臣していると思いますよ。公益通報保護制度の意義についてどのように考えていますか。
#61
○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。
 公益通報者保護法においては、公務員を含む労働者が、労務提供先について、法の定める通報対象事実が生じ又は生じようとする旨を所定の要件を満たして通報した場合に、これを公益通報者として保護する旨が規定されていると理解しております。
#62
○森本真治君 もう一度。文科省として、公益通報保護制度の意義について、なぜこのような制度があるのかというところについてはどのような認識の下で制度を運用されているんですか。
#63
○政府参考人(義本博司君) 特にこの制度自身の運用につきましては、国の行政機関が内部の職員等から通報があった場合について適切に対応する仕組みとして整備してこれを運用するというふうな観点から、ガイドライン等についての制定があるというふうに理解しておるところでございます。
#64
○森本真治君 公益通報保護法を踏まえた国の行政機関の通報対応に関するガイドラインというのがあります。そこでは、組織の自浄作用の向上に寄与するであるとか、公務に対する国民の信頼の確保並びに国民生活の安定及び社会経済の健全な発展に資するためにこの公益通報保護制度というものをしっかりと整備して対応しなければならない、まさに、例えばその通報者の様々な保護というようなことも確保しながら、この制度を運用して国民の信頼に応える行政をつくっていくという目的があるわけです。
 それが、匿名であっては出どころが不明な情報であるとか、これはきっちりと名のり上げてもらわないとこんな情報は信用できませんよというような大臣の姿勢、全くこの保護制度に対する趣旨を理解していない、私は大変問題のある文科省、まさにトップの姿勢と、今の文科省の姿勢だというふうに感じます。そのことについてどのように思われますか。
#65
○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。
 公益通報保護制度につきましては、私どもとしては今委員御指摘の趣旨で対応する必要があると思っていますし、また逆に、これはもう仮定の話でございますけれども、内部の職員からこの法律にのっとって公益通報がございました場合については、その所定の手続にのっとってしっかり対応させていただくということであると思っております。
 一方、大臣が答弁させていただきましたのは、行政の機関の判断として、その文書の所在あるいは内容について調査するかどうかについての判断でございまして、それにつきましては、先ほど来申し上げていますように、出所あるいは入手経路が不明等の場合については、いわゆる違法性が具体的に指摘された場合とか、あるいは法定の調査でない限りにおいては、原則としまして調査は行わないということについての答弁をさせていただいたものでございます。
#66
○森本真治君 前川前事務次官にしても、今回勇気を持ってマスコミなどで証言をしている職員の皆さんにしても、まさに今真実がゆがめられているのではないか、行政がゆがめられているのではないかという危機感の中でそれぞれの皆さんが勇気を持って今発言をされているわけですよ。
 そういう中で、まさに今大臣を始めとして、大臣また幹部の皆さんがこれまで繰り返しされているような答弁なり、またこの公益通報保護制度を否定するような、まさにこれは匿名ででも名のり上げた者は信用しないというような種々の対応を取っていることについて、私は今、本当に今の文科省が組織としても非常に大きな岐路に立たされていると私自身は思っておりますよ。
 実際に、外部での通報窓口などの整備なども、これはガイドラインの中でも取るようにというふうに示されています。文科省も外部の通報窓口も整備をしていると思いますけれども、例えばこれがマスコミであったとしても、勇気を持ってそういうふうに中から発言をする皆さんの部分については、これ匿名であっても、しっかりと名前を名のり上げた通報であっても、同等に対応しなければいけないということもこれガイドラインに出ているじゃないですか。しっかりとその辺りについてはもう一度省内で皆さんで話し合っていただいて、対応について再検証もしていただかなければならないと思いますが、お伺いしたいと思います。
#67
○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。
 一連の報道におけます文部科学省職員と名のる者の行為につきましては、この公益通報者保護法にのっとった手続等に基づいて、文部科学省への内部の職員からの公益通報ではございませんので、それについては、もし仮にでございますけれども、公益通報保護法の手続にのっとった形でのものがございましたら私どもとしては適切に対応させていただきたいと思っておりますし、また、情報公開法の請求があれば法の趣旨にのっとりまして適切に対応してまいりたいと思っております。
#68
○森本真治君 ちょっとごめんなさい、私の持ち時間がやってまいりましたので、ちょっと法案の質問は杉尾委員の方に譲りたいと思いますけれども、まさに今、この政権の正当性が問われる私は重大な局面に来ていると思いますので、機会がありましたら引き続き取り上げたいと思います。
 終わります。
#69
○杉尾秀哉君 民進党・新緑風会の杉尾秀哉でございます。
 私は、電子委任状についてまず伺います。
 この制度、何分にも未知数でありまして、不透明な点も数多くあります。まず、早速伺いたいのは、この電子委任状のメリットとデメリット、これを端的に教えてください。
#70
○副大臣(あかま二郎君) お答えいたします。
 電子委任状は、電子書類に電子的に署名した企業の社員がその電子書類の作成責任者であることを電子的に証明するものでございます。企業から電子書類の提出を受けた者は、電子委任状があれば、企業の正当な作成責任者によって作成された電子書類として安心して受け取ることができるというものでございます。
 本法案に基づき、主務大臣の認定を受けた事業者を介して信頼性の高い電子委任状が流通するようになれば、電子書類に電子的に署名した社員の権限を簡易かつ確実に証明することが可能となり、様々な手続がオンラインで完結するようになるというふうに期待をされております。
 その一方で、本法案の電子委任状はこれまでにない新しい仕組みであるために、電子委任状を活用した手続のオンライン化が進むためには、電子委任状の仕組みや使い方を国民の皆様によく理解をしていただくことが必要でございます。
 以上でございます。
#71
○杉尾秀哉君 この制度が広く普及するためには、資金的に余裕がある大企業だけではなくて、中小企業とか個人事業主とか小規模な業者でも導入できる制度であるということが必須であるというふうに思います。
 そこで伺います。この電子委任状の導入にはどれだけのコストが掛かるんでしょうか、企業の側として。
#72
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 電子委任状取扱事業者は、システムの運営に要する費用などを電子委任状取扱業務を利用する企業から料金として徴収することになると想定しております。具体的な利用料金につきましては、各電子委任状取扱事業者がそれぞれ設定することとなります。
 政府といたしましては、複数の事業者を認定し、電子委任状取扱事業者間の健全な競争を促すことを通じて料金水準の適正化を図ってまいりたいと思っております。
 なお、電子委任状取扱業務に関連する可能性の高い現行の電子署名法の認定認証業務の場合、おおむね利用者一人当たり年間一万数千円程度の料金となっているところでございます。
#73
○杉尾秀哉君 この法案の第三条には、基本的な指針を主務大臣は定めることとするというふうになっておりまして、二項に普及の意義及び目標に関する事項というのがあります。具体的にどれぐらいのペースで普及させることを目標としているんでしょうか。
#74
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、普及の目標等につきましては基本指針の中で定めていくことを想定しております。その具体的な内容につきましては、本法案をお認めいただいた後、有識者や外部の関係者の御意見も伺いながら定めてまいりたいと思っております。
 考え方といたしまして、目標の明確性の観点からは数値目標を定めるということも考えられますが、他方、電子委任状の普及は企業の自主的な取組により進むものであることから、定性的な目標設定を行うこともあり得るというふうに考えております。
#75
○杉尾秀哉君 今のに関連して、具体的な数値目標というのを、例えばどういう想定をされているんでしょうか。
#76
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 繰り返しになりますけれども、具体的な目標、電子委任状の普及の目標ということにつきまして、定量的な目標を基本指針の中で設定するのか、あるいは、企業の自主的な取組の部分もございますので、定性的な部分も盛り込むのか、この点については、基本指針の策定の過程で検討をしてまいりたいと考えております。
#77
○杉尾秀哉君 まだそういう基本的なことも決まっていないということなんですけれども。
 今日、資料として皆様にお配りしているものがございます、この電子委任状取扱業務のイメージ図ということなんですが。ちょっと細かいことなんですけれども、これ、法人Aの代表者ですね、委任者は法人Aの担当者、例えば営業なんかの者だと思いますけれども、受任者に対して代理権を授与して、それとともに電子委任状取扱事業者に電子委任状の登録をすると、こういうふうになっているわけですね。
 よくよく考えてみますと、この法人Aの担当者、この担当者というのは必ずしも一人ではない、例えば何々課というようなことで組織で担当していることがある、しかも、その中で人事異動もあるというふうに思われます。
 そこで伺いたいんですけれども、これ、電子委任状、この代理権の授与をするに当たっては、これ担当者全員について登録する必要があるのか、それとも管理職など代表的な人間だけでいいのか、そして、異動した際にはそのたびごとに登録し直す必要があるのか。また、登録し直した場合にそのたびごとに、先ほど一万数千円という話もありましたけれども、料金が発生するような、そういうビジネスモデルというのが想定されているんでしょうか、いかがでしょうか。
#78
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 電子委任状サービスを企業が利用する場合の手順ということでお話を申し上げますと、企業が電子委任状サービスを利用するためには、まず、電子委任状取扱事業者に対しましてまず委任者となる代表者、この図ですと法人Aの社長ということになりますが、この代表者を登録をしていただく必要がございます。この際、電子委任状取扱事業者は、登記事項証明書や法人代表社員の印鑑証明書を提出するなどにより、確かに代表者であるということを確認をいたします。その上で、企業は自社の各担当者の委任事項、この図ですと法人Aの社員等に当たりますけれども、この担当者の委任事項を一括して電子委任状取扱事業者に登録をいたします。これによりまして、企業は多数の取引先に対しまして自社の各担当者についての電子委任状をその都度ごとに発行する必要がなくなりまして、事務負担の軽減が図られることになるわけでございます。
 また、委員御指摘の人事異動などによりまして担当者の委任事項が変更された場合でございますけれども、企業はその変更の内容を速やかに認定事業者に通知をいたします。通知を受けた認定事業者は、電子委任状を保管したデータベースを直ちに更新をし、現行化を図るという手続になってまいります。
#79
○杉尾秀哉君 一点だけ漏れていましたけれども、そのたびごとに料金掛かるんですか。
#80
○政府参考人(谷脇康彦君) 実際のところの認定事業者がどのような料金設定を行うかというのは各認定事業者の判断ということでございますけれども、先ほど例として申し上げました電子署名法の認定認証業務の場合ですと、一たび電子署名に必要な秘密鍵と公開鍵が発行されますと、大体二、三年の有効期間内であれば何回でも電子署名が使われるということでございますので、そういった料金設定というものもあり得るんだろうというふうに考えております。
#81
○杉尾秀哉君 今、企業の場合について話をしてきたわけですけれども、一般市民においても利用をされるものだというふうに理解しております。
 具体的にどういうような場合に利用されるのか、例をお示しください。
#82
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、企業間の契約のみならず、一般の市民の方が利用されるといったようなケースが想定されます。電子委任状が普及をいたしますと企業が発行する様々な書類の電子化が進みまして、企業が発行する書類を添付書類として提出する必要のある行政手続のオンライン化も進むと想定されます。
 少し具体的に申し上げますと、例えば保育所への入所申請手続に当たりましては、子育て中の住民が保育の必要性を証明するため、勤務先企業が発行する雇用証明書を添付する必要がございます。そして、電子委任状の普及によりこの雇用証明書の電子化が進めば、保育所の入所申請手続のオンライン化も進むものと期待されると考えております。
#83
○杉尾秀哉君 今、保育所の入所の手続の話がありましたけれども、ちょっとそれだけでは寂しいと。もっとほかにも使うような用途というのは想定されていないんでしょうか、いかがでしょう。
#84
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 例えば保険料の控除証明書というものが、これ年間紙で二・六億枚発行されておりますけれども、電子化が進むことによりまして、いわゆる還付申請を行う際に、この保険料控除証明書も電子化がされますと、電子的な手続でこうしたものもオンラインで行うということが可能になってまいります。
 あるいは、医療費控除証明書、これも、現在紙で配付されておりますけれども、これなども電子化されることによって、添付書類が電子化されることによって一括でオンラインで還付申請を行う、こういったことも想定されるところでございます。
#85
○杉尾秀哉君 先ほど例としてお示しいただきました保育所のサービス、これについて、これサービスを受けられる前提には、手続を受け付ける自治体側の事情もあるというふうに思うんですね。これ、実際にサービスの利用というのはいつ頃からが想定されているんでしょうか。
#86
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 本法案につきましては、公布の日から九月以内に施行するということにしておりますので、それに従いまして実際の施行に向けた準備を行っていくことになります。
#87
○杉尾秀哉君 これ、一斉に全ての自治体で利用可能になる、これはいつ頃なんですかね。
#88
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 地方自治体において様々な申請手続等がございますけれども、これを一気にあるタイミングで全て電子申請のみに切り替えるということになりますと、やはり地域住民の皆様方に対する御負担というものもあり得ると思いますし、また、地域住民の皆様方の御理解を得ながら進めていく必要もあるんだろうというふうに思っております。
 そういった意味では、例えば先ほど申し上げました保育所の入所申請につきましても、紙の形で、従来どおりの形で申請される方も引き続きいらっしゃると思いますし、あるいはオンラインで申請をされたいという場合にはそれに対応ができるような形にしていく、つまり併存という形が当分の間続くものだろうというふうに想定をしております。
#89
○杉尾秀哉君 今、併存という話だったんですけれども、これ自治体側もそれぞれその対応がばらばらと。そして、委任状を取得する企業の側も、取得するところもあれば取得しないところもあるでしょう。そういう意味では、対応がばらばらになって、これ紙と電子がしばらく併存することになって、余計コストが掛かるんじゃないでしょうか、どうでしょう。
#90
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、本法案は、紙の委任状による従来ベースの手続に加えまして、選択肢の一つとして電子委任状を用いたオンラインの手続も行えるようにするものでございまして、現時点で一定の期限を設けて紙の委任状から電子委任状に移行させるということは考えておりません。
 ただ、その一方で、政府といたしましては、当然オンラインでの手続が原則となるように、自治体や企業に対する情報提供などを行いましてオンライン化の方向に進めていきたいと思っております。
 具体的には、国の電子調達システムの仕様の自治体への提供ですとか、先進的な導入事例の自治体間での共有ですとか、調達に参加する企業向けの説明会の開催、マニュアルやパンフレットの配布などの措置を講ずることによりまして、自治体や企業の取組を私どもとしても支援をしてまいりたいと考えております。
#91
○杉尾秀哉君 これ、衆議院の方でも議論になったと思うんですけれども、マイナンバーカードの普及率、五月末現在で九%ほどという、たしかやり取りがあったというふうに思いますけれども、まだまだですね、一割にも満たない状況。しかも、聞くところによりますと、申請が頭打ち傾向というふうに聞いているんですけれども。
 これ、電子委任状の取得にはマイナンバーカード、これが必要なわけですが、正直に言って、今回の電子委任状制度というのはマイナンバーカードの普及促進、これが目的なんですか、どうですか。
#92
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 今回の電子委任状の制度でございますけれども、基本的には電子申請ですとかあるいはオンラインでのワンストップでの申請手続、こういったものを普及促進させることを目標としているところでございますけれども、当然のことながら、その一つのツールとしてマイナンバーカードに格納されております電子署名を使うということでございますから、電子委任状が普及をするということとマイナンバーカードの普及という点は当然目標としては一体のものというふうに考えているところでございます。
#93
○杉尾秀哉君 これ、カードの普及が進まないと電子委任状の普及も進まない。電子政府というのが大きな目標としてあるわけですけれども、今の進展の状況を見ていると、やっぱり絵に描いた餅に終わるんじゃないかという可能性が私は否定できないと思うんですね。電子政府なんて無理じゃないかという、そういう非常に厳しい見方もありますけれども、いかがでしょう。
#94
○国務大臣(高市早苗君) 例えば現在でも、法人の代表者の方がオンライン上で書類に電子署名を行うための主な手段としては、マイナンバーカード搭載の署名用の電子証明書を用いる方法もございますし、電子署名法に基づく認定認証事業者が発行する電子証明書を用いる方法もございますし、また商業登記制度に基づいて法務省が発行する電子証明書を用いる方法もございます。
 でも、今、杉尾委員が言ってくださいましたように、やはりマイナンバーカード、しっかり普及させていくというためには、まずは国民の皆様に持ちたいと思っていただけるカードにしていくということが急がれると考えております。マイナンバー法上、マイナンバーカードというのは申請主義でございますので、皆さんに絶対取得してくださいと言うことはできません。
 この利便性を高める取組が大事だという考え方から、今年の三月にマイナンバーカード利活用推進ロードマップというものを新たに策定して公表しました。このロードマップにも、本法案の電子委任状とマイナンバーカードを活用して政府調達の手続や証明書、契約書の作成がオンラインで容易に行えるようにするということで、マイナンバーカードの普及促進も期待できると考えております。
 それから、やはり土日や時間外でも証明書が取得可能なコンビニ交付の利用促進、それから健康保険証としての利用ですとかインターネットバンキングへのログイン、それから公的個人認証サービスの民間開放に伴って新たな民間サービスを展開していただくこと、そして最もニーズがあると思うのは子育てワンストップサービスの導入といったマイナポータルの利便性向上だと考えております。
 このロードマップをまず定期的に進捗状況も点検しながら、必要に応じて見直しも行い、関係省庁多うございますので、しっかりと連携しながら取り組んでまいります。
#95
○杉尾秀哉君 電子委任状についてはこれぐらいにしまして、ちょっと次の話なんですけれども。
 先般、国連特別報告者のデービッド・ケイ氏が訪日しました。そして、私もちょっと記者会見聞いてまいりましたけれども、ここにこの報告書があるんですけれども、単刀直入に伺います。高市大臣はこれを読まれたでしょうか。読まれたなら、感想を聞かせてください。
#96
○国務大臣(高市早苗君) 報告書案という状況で、私が拝見したのは事前の未編集版ということでございますが、これはケイ氏の方から事前に確認を求める趣旨で御送付をいただいておりましたので、私自身も読んで内容を確認させていただきました。
 それで、内容については、日本政府として説明文書を送るという形でこれまでも機会を捉えて放送法の解釈などについて丁寧に説明をしてきておりますけれども、正確な理解に基づかない内容の部分もありまして、案ではありますけれども、公表されたことについては大変残念に思いました。
#97
○杉尾秀哉君 この報告書なんですけれども、放送法並びに電波法の規定によって総務大臣にテレビ局やラジオ局の事業停止をする権限を与えている、こういった日本の状況について、メディアの自由と独立に対して不当な制約を与えていると、こういう制度的な問題を指摘しているわけですね。
 この報告書は、放送法四条の廃止ないし見直し、それから独立した規制機関の創設というのを求めておりますけれども、高市大臣はこうした指摘をどういうふうに受け止めていらっしゃいますでしょうか。
#98
○政府参考人(南俊行君) 済みません、デビッド・ケイ氏と事務的に対応させていただいている立場からコメントをさせていただきたいというふうに思っております。
 このデビッド・ケイさんの報告書案の中で、放送法四条及び関連する規定が解釈も含めまして脅威として受け取られるという御指摘があるのは私どもも承知をしているところでございます。
 大臣の方から昨年二月以降、予算委員会等で繰り返し御答弁いただいている内容は、私どもが長年にわたり積み重ねてきてまいりました解釈というものを行政の継続性の観点からお述べをいただいているところでございます。
 放送法四条を撤廃せよという勧告の内容でございますけれども、御案内のとおり、四条というものは、放送、言わば公共の電波を限られたプレーヤーで独占的にお使いになられているという以上、守っていただくべき基本原則というものを公共の福祉に適合するように規律するために設けられたものでございますので、この規律は必要であると、引き続き必要であると私どもは考えてございます。
 諸外国におきましても、我が国だけがこういう特異な規定を設けているわけではございませんで、アメリカ、欧州、その他、みんなこの放送メディア、放送法制に係る法制の中ではこのような規定を必ず設けられているというふうに承知しておりますし、諸外国におきましては、こういった番組準則を規定することに加えまして、その規律違反に対する厳しい刑事罰でありますとか罰金でありますとか、そういう規定が設けられていることが多うございますので、我が国はそういうような規定もございませんので、そういう意味では自由度は非常に高い仕組みになっているというふうに思ってございますので、その四条が放送メディアに対する威嚇ですとか脅威とかいうふうに受け取られるというのは私どもとしては理解に苦しむところでございます。
 それから、そういったことにつきまして一年近くにわたりましてデビッド・ケイさんとは丁寧に対話を積み重ねてきているところでございまして、このような結論が出されましたのは私どもとしては大変残念だというふうに思ってございますけれども、引き続き丁寧に対話を続けてまいりたいと思っているところでございます。
#99
○杉尾秀哉君 本当は今の答弁、大臣にお願いしたかったんですけど。
 大臣は先ほど事実誤認に基づくものがあるというふうにおっしゃいましたけど、具体的に言ってください、どこがどう事実誤認があるんですか。
#100
○政府参考人(南俊行君) 報告書の内容で私どもが指摘させていただいている点が幾つかございます。
 具体例で申し上げますと、例えば、事実誤認だったということでこれは途中で改められましたけれども、NHKに対しても民放と同様の圧力が及んでいるという記述の中で、NHKの経営委員を国会が指名するというような規定ぶりにつきましては、これは国会の同意を得て内閣総理大臣が任命するという仕組みになっているということを訂正をさせていただいたところでございますし、あるいはNHKの内部に圧力の影響について内部調査を実施したというような書きぶりがございましたけれども、NHKに確認しましたところそういう事実はないということをデビッド・ケイさんにもお伝えした。こういった点を多々御指摘をさせていただいているところでございます。
#101
○杉尾秀哉君 確かにそういう事実誤認、一部あったかと思いますけど、私は根幹ではそんなに大きく外れていないというふうに思っております。デービッド・ケイ氏もその点については自信があるというふうに記者会見でおっしゃっていました。
 例えば、私もこの委員会で指摘しましたけれども、二〇一四年の総選挙報道をめぐる自民党のテレビ局への要請、それから菅官房長官のオフレコ発言、こういったものを引いて、政府の圧力に対してメディア関係者の不安が増してきていると、こういうふうな指摘がされているんですね。私はこの指摘はまさに正しいというふうに思いますけれども、大臣、お答えください、いかがでしょう。
#102
○国務大臣(高市早苗君) 例えば、これは井上日本民放連盟会長の記者会見ですが、私の答弁につきましては、高市大臣は一種の法解釈を述べただけということ、かつても国会でそのような答弁が行われたケースがあると聞いている、現実問題として少なくとも民放連として放送局がそれによって脅威を感じているとかそのようなことについては報告を受けていないというものがございます。
 先ほど、杉尾委員が私を御指名くださいまして、挙手をしたんですが、済みません、委員長、局長に当ててくださいましたもので、局長が申し上げたことに加えて、私自身がちょっと事実じゃないんじゃないかと考えている点について話させてください。
 現在の政府職員が多くの放送メディアに脅迫と認知される手段を繰り返し取ってきて、ジャーナリストが圧力を感じているといったことを考慮し、それらのことを考慮し、先ほど放送法第四条の見直し及び撤廃、そして、加えて、放送メディアに関する独立規制機関の枠組みを構築するよう強く要請するとされています。
 私は、特にこの点につきまして、我が国において放送分野を所管する独立規制機関を設置するということについては、過去にも放送事業者を代表していただいております民放連の代表者御自身が、米国やフランスの例を見ても政治的な干渉を受けない組織をつくることが難しいこと、独立規制機関の設置によりかえって規制が強化されるおそれがあることなどを理由として、明確に反対する意見を表明しておられます。
 そしてまた、デビッド・ケイさん側にも、我が国側から説明をしてきたのは、日本は議院内閣制に基づいて各省の大臣が責任を持ってそれぞれ所管する分野の行政を執行するということにしていること、それから、我が国においても、戦後、行政委員会が広く導入された時期がありましたけれども、責任の所在が不明確だということから、昭和二十七年以降、その多くが廃止されたという経緯があるということも説明をしております。
 特に情報通信分野は技術革新と国際競争が激しくて国家戦略的対応が求められる分野ですから、大臣が責任を持って迅速かつ総合的に行政を執行することが適当であると考えております。デビッド・ケイさんにも詳しい説明をさせていただいております。
 放送法四条につきましては、過去の答弁も含め、現在の解釈、継続的なものでございますし、その運用は極めて慎重にしなければいけないということで、放送法第四条を理由に電波法七十六条や放送法百七十四条が適用された例はないということについても説明をさせていただいております。
#103
○杉尾秀哉君 その点につきましては報告書も正しい認識をしておりますので、それについて議論するつもりじゃないんですけれども。
 先ほどNHKについての言及があったんですが、報告書の中ではこういうふうに書かれているんですね。経営委員会の人事や予算、さらに国会が連立政権によって統制されていることなどを挙げて、政府からの圧力がNHKの番組や報道への選択に影響を及ぼしている懸念というのを表明しているわけですけれども、今日はNHKにも来ていただいておりますので、今回の報告書の指摘をどういうふうに受け止めているんでしょうか。
#104
○参考人(木田幸紀君) NHKは、放送法にのっとり、事実に基づいて公平公正、不偏不党、何人からも規律されることなく、自らを律して放送に当たってまいりました。今後もこの姿勢に変わりはありません。
 この自主自律の堅持は信頼される公共放送の生命線と考えておりまして、独立性を欠いているなどというような指摘は当たらないと考えております。
#105
○杉尾秀哉君 私は、それはあくまで建前であって実態は違うというふうに思っているんですが、これ、私だけの考え方じゃなくて、最近、新聞の投書欄を私、丹念にいつも読んでいるんですけれども、新聞の投書欄とかそれからメディア研究者なんかの寄稿なんかを読むと、例えば先ほど来話が出ております加計問題もそうです、それから共謀罪をめぐる報道もそうです、非常に消極的であったり、触れなかったり、時間が短かったり、政権へのそんたくというふうな、そういう指摘を新聞の投書欄で見たこともございます。
 NHKはもっとまともなジャーナリズムを実践せよという、そういった厳しい意見もありますけれども、そういった意見に対して真摯に向き合うつもりはございますでしょうか。
#106
○参考人(木田幸紀君) 番組やニュースにつきましては、報道機関として自主的な編集判断に基づいて放送しております。個別の編集判断や取材の過程などについてはお答えを差し控えさせていただきますけれども、御指摘のあったようなニュースに関しては、NHKの独自取材によるものも含めて随時お伝えしております。
 今後も、公共放送として、視聴者・国民の興味、関心に十分に応えることのできる報道に努めていく所存でございます。
#107
○杉尾秀哉君 これぐらいでやめますけれども、前川前次官のインタビューをNHKさんは撮って放送していないんですね。どういう判断か分かりません。これはその編集権の範囲かも分かりませんけれども、国民の知る権利に本当に応えているのかというのは真摯に内部で議論していただきたいんですね。
 そういうことも含めて、ちょっとケイさんの報告書についてはこれぐらいにしまして、残り十分でございますので、私の地元でもあります、ちょっと節目を迎えました長野県の防災ヘリ「アルプス」の事故について、残り十分間伺いたいというふうに思っております。
 今月の五日でちょうど発生から三か月たちました。九人の尊い命が奪われた本当に痛ましい事故でございます。先月三十日に松本市でこの隊員九名の方の合同追悼式が行われました。
 そこで、以前、予算委員会でもこのヘリ事故について、これ事故発生直後に質疑があったんですけれども、改めて当委員会でも伺いたいんですが、まず事故原因の調査なんですけれども、今日は国交省の運輸安全委員会にも来ていただいております、それから警察庁の方にも来ていただいておりますので、この原因究明の進捗状況、それから警察は刑事責任の追及ということになりますけれども、どういうふうになっていますでしょうか。
#108
○政府参考人(菅井雅昭君) 運輸安全委員会におきましては、事故発生の翌日から事故調査官を現地に派遣しまして、現在までに事故現場での機体等の調査、運航管理担当者等関係者からの口述聴取などを行ってまいりました。今般機体が回収されましたので、現在機体の詳細な調査を行っているところでございます。
 引き続き、必要な調査を実施し、早急な原因究明を図ってまいります。
#109
○政府参考人(高木勇人君) お尋ねの事故につきましては、長野県警察におきまして三月七日に捜査本部を設置し、墜落現場の検証、関係者からの聴取等の捜査を推進してきたところでございます。
 引き続き、関係機関と連携しつつ、事故原因の解明に向けて所要の捜査を実施していくものと承知をしております。
#110
○杉尾秀哉君 私も報道記者時代に、日航機の羽田沖の墜落事故、それから御巣鷹山のジャンボ機の墜落事故、大体の大きな飛行機事故は現場で取材をしておりました。いつも思うんですけれども、確かに刑事責任の追及というのも、これは御遺族の気持ちなんかを考えればよく分かるんですが、やはり再発防止、事故原因の究明というのが、これがまず第一だというふうに思っておりますので、ここは慎重にやっていただきたいんですけれども。
 ちょっと一つ伺いたいことがあるんですが、一部の報道で事故機の低空飛行を指摘する報道がございます。こうした報道を把握しているのかということと、それから、そもそも、飛行機には搭載されていますフライトレコーダー、このヘリコプター、当該ヘリコプターには搭載されていたかどうかということも含めて教えてください。
#111
○政府参考人(高野滋君) お答えいたします。
 御指摘の報道、事故直前まで許可を受けていない区域で飛行していたのではないかとか、そのような報道については承知をしております。ただ、当該防災ヘリが低空飛行を行っていたかどうかを含めて、事故発生時の状況につきましては運輸安全委員会が今調査をまさにしていただいているところなので、航空局としては承知をしておりません。
 ただ、事実関係として申し上げると、当該防災ヘリにつきましては、救助とか消火訓練のために低空飛行を計画した地域がございまして、その地域については必要な航空法上の許可を取得していたということでございます。ただし、墜落現場周辺におきましては当該許可を受けておりませんでした。
 さらに、委員御指摘のCVR、FDR、コックピット・ボイス・レコーダー及びフライトレコーダーでございますが、長野県防災ヘリにつきましては両方とも搭載をしていなかったというふうに承知しています。
#112
○杉尾秀哉君 三月の予算委員会の答弁では、過去の事例なんかを引きまして、調査結果まとまるまでには一年半程度掛かると、こういう答弁がされています。しかし、よくよく考えてみますとあともう半年ほどで冬山シーズンを迎えるわけで、これだけの重大な事故ですから、一年半というふうな期限を区切らずに、できればある程度分かった段階、例えば中間報告みたいな形で事故原因について早めの発表ができないかというふうに思うんですけれども、これ、運輸安全委員会としてはどういうふうにお考えでしょうか、いかがでしょう。
#113
○政府参考人(菅井雅昭君) 過去の答弁で一年半ということを申し上げておりますが、平均しまして一年半程度掛かっているということでございます。
 いろいろ難しい調査があって掛かったというものもあるわけでございますが、本件について、やはり再発防止、同じような事故を再発防止するという観点から、いつまでというのはなかなか現在申し上げられる段階にはございませんが、可能な限り早く報告書を出せるように最大限努めてまいりたいと考えております。
#114
○杉尾秀哉君 済みません、本当にこれはできるだけ早く調査結果を出していただきたいというふうに思います。
 この原因究明とともに重要なのが防災ヘリの再構築の問題だと思うんですけれども、長野県で消防防災航空体制のあり方検討会というのが設置されておりまして、ここで検討を始めていると。当面の課題と中長期の課題というのを分けて、当面は隣接する、現在がそうですけれども、隣接する県の協力を仰ぎながら二、三年をめどに新しい機種の選定、発注をする、こういう方向で議論しているというふうに伺っております。
 そこで聞きたいんですが、新しい操縦士の確保と育成、それから新型ヘリの導入に当たって、国から長野県への財政支援、これはどういうふうになっていますでしょうか。
#115
○政府参考人(大庭誠司君) 御指摘のとおり、長野県におきましては消防防災航空体制のあり方検討会を設置いたしまして、民間委託を視野に入れた当面の運航体制や中長期的な方向性について検討すると聞いております。
 今後、長野県が機体を整備する場合には、緊急防災・減災事業債の活用等が可能でございます。また、ヘリコプターの操縦士の確保に係る経費につきましては、従来から交付税措置を講じているところでございます。
#116
○杉尾秀哉君 今パイロットの話がありましたけれども、今回、パイロット、隊員合わせて九人の方の非常に貴重な命が失われたと。
 とりわけパイロットの育成というのは喫緊の課題だというふうに思いますけれども、これは飛行機ではもう有名になりました、LCCの普及でパイロット不足というのが言われているんですが、やはりヘリコプターについても同じような状況だそうで、パイロットがちょうど退職期間を迎えてどんどん辞めていっていると、定年を迎えていると、こういう状況で、民間と自治体の間もそうですし自治体間でもそうですけれども、パイロットの取り合いの状況になっているんだそうです。
 先般、長野県の知事と話をしておりまして、やっぱりここのリクエストというのが非常に強くて、パイロットの確保に、これ長野県は自前で養成しているわけですけれども、民間委託している自治体の方が多いようですが、いずれの形にしても、パイロットの養成というのは、今のような自治体、消防任せではなくて、これオールジャパンの体制で取り組んでもらえないかという、そういう非常に強い要望が県の方からも来ているんですね。
 こういった面で国はどういうリーダーシップを取っていらっしゃるんでしょうか。それから、どういうおつもりなんでしょう。
#117
○政府参考人(大庭誠司君) お答えします。
 消防庁では、消防防災ヘリコプターの操縦士の養成、確保は重要な課題と認識しておりまして、平成二十七年度に検討会を開催し、報告書を取りまとめてございます。
 その報告書におきましては、養成、確保に関する対応策として、全国の消防防災ヘリコプターを保有する団体等を構成員とする協議会などを中心として、消防防災ヘリコプター操縦士の養成、確保に関する情報共有の場を開催していくこと、操縦士の必要な資格取得に係る経費につきまして国が財政支援を進めていくなどといった短期的に対応していく策や、経験の浅い操縦士を同乗させるなど二人操縦体制による養成の推進などの中長期的に対応していく方策が提言されてございます。これらの対応策のうち、操縦士の特定の資格取得に要する経費につきまして、二十九年度より普通交付税措置を講じることとしております。
 今後とも、地方公共団体の皆様の御意見を踏まえつつ、ヘリ操縦士の養成、確保にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
#118
○杉尾秀哉君 今回の事故の背景というのはいろいろあると思いますけど、一つには、元々防災ヘリというのは救急とかそちらの出動の方が多かったわけですけれども、ドクターヘリも導入されて救急の出動が次第に減ってきている、逆にこういった今回訓練をやっていたような山岳救助が年々増えていると、こういう状況ですね。
 埼玉県で今年の三月にこういう条例が可決されたらしいんですけれども、登山者を救助した場合に五万円程度の手数料を徴収すると、こういう条例ができたんだそうです。こうした県によって対応がばらばらなのではなくて、例えば全国一律で有料化するとか、そういったことというのは実際に検討課題としてあるんでしょうか、どうでしょうか。
#119
○政府参考人(大庭誠司君) ヘリコプターの山岳救助の有料化につきましてでございますが、埼玉県の有料化につきましては、平成二十二年に埼玉県の防災ヘリコプターの墜落事故を契機に検討が重ねられまして、この三月に改正条例が成立したものでございます。
 都道府県の防災ヘリコプターの活動につきましては、まさに都道府県固有の事務であるとともに、消防組織法上、市町村の消防を支援するために行うものと位置付けられております。このため、有料化につきましては、住民や消防本部などの関係者の御理解を得ながら、各都道府県におきまして十分議論し、判断されるべきものと考えております。
#120
○杉尾秀哉君 時間が参りまして、最後に一問だけ。
 防災ヘリの役目が変わってきているというのはこれは事実でございまして、警察のヘリとの役割分担を含めてこの安全管理を抜本的に考えてもいいというふうに今回の事故の大きな教訓として思うんですけれども、いかがでしょうか。それだけ最後に聞かせてください。
#121
○国務大臣(高市早苗君) 本当に三月五日に発生した事故は、九名もの県職員、消防隊員が亡くなられた大規模な事故でございましたので、もうこの再発防止というのは重要な課題だと思っております。
 三月八日に、これは事故発生直後でございましたが、消防庁から全国の地方公共団体に対して安全確保再徹底の緊急要請を行いました。加えて、消防庁が消防防災ヘリコプターを保有する全団体に対しまして安全確保の再徹底状況の調査を行うとともに、現在ヒアリングも実施しております。
 今後、このヒアリング結果を踏まえて、消防防災ヘリコプターを保有する団体、それから運航の受託事業者、有識者などによって、このヘリコプターの安全性の向上策などについて検討を行う予定です。余り時間を掛けられませんので、中間取りまとめも行いながら、今年度末までにしっかりと取りまとめ、対応してまいります。
#122
○杉尾秀哉君 時間が来ましたので終わります。ありがとうございました。
#123
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 本日は、電子委任状の普及の促進に関する法律案に関しましてお伺いをしたいと思います。
 この法案は、昨年議員立法で成立をし施行されました官民データ活用推進基本法第十条の三に規定された制度の整備を図るものでございまして、この電子委任状の仕組みが確立されますと、事業者との間でやり取りをされます証明書類や契約書類の電子化の促進に向けて大きな一歩となる大変重要な法案であると考えます。
 そこで、まず初めにこの法律について、必要な意義、また理由、その効果はどのような分野に及ぶものと想定しているのか、御説明をいただきたいと思います。
#124
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 企業が紙の契約書や証明書を発行する場合、社員が代表者の印鑑を押すことでその書類が作成責任者によって作成された正式なものであるということが証明できるところでございます。これに対しまして、企業が電子的な契約書や証明書を発行する場合、社員が自分のマイナンバーカードなどを用いて電子的に署名しただけでは、その電子書類が作成責任者によって作成されたものかどうかが分からないという課題がございます。
 そこで、企業の社員が代表者から書類の作成に必要な権限を委任されているということを電子的に証明できる電子委任状を円滑に利用できる環境を整備する必要があることから、本法案を提出したところでございます。
 具体的には、主務大臣が電子委任状の普及を促進するための基本的な指針を策定するとともに、電子委任状の信頼性を保証する事業者を主務大臣が認定する制度を創設することとしております。
 本法案に基づきまして、主務大臣の認定を受けた事業者を介して信頼性の高い電子委任状が流通するようになれば、マイナンバーカードなどを用いて電子書類に電子的に署名した社員の権限を簡易で確実に証明することが可能となり、様々な手続がオンラインで完結するようになると期待をしているところでございます。
#125
○山本博司君 様々な効果が期待をされるわけでございますけれども、人口減少、少子高齢化の中におきましても地方自治体が質の高いサービスの提供を維持していくためにも、こうした行政の効率化というのは欠かせないと思います。先日もこの委員会におきまして地方自治法等の議論がございましたけれども、人口が減少するに伴いまして、行政事務の民間委託、また地方独立行政法人への業務拡大についての論点にもなった次第でございます。
 これまで紙で行ってまいりましたこの手続、オンライン上の電子化による手続に変わっていきますと、行政機関でも事務作業の効率化が大きく進展することが期待できると思います。
 政府におきましても、この電子政府、電子行政の推進というのは大きなテーマでございまして、業務の進め方を見直して、効率的で効果的な行政運営を進めることで公共サービス全体を向上させることが可能となって、さらには経済成長にも大きく貢献をすることが期待されるわけでございます。
 そこで、今回の法律が成立した場合、地方自治体の事務作業の効率化、どのくらい寄与するのか、説明いただきたいと思います。
#126
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 政府では、国や地方の業務や手続全般について、対面・書面原則を廃し、原則電子化を進めることによりまして、行政の簡素化、効率化と国民の利便性向上を図ることとしているところでございます。本法案はその一環として提出をさせていただいているものでございます。
 具体的には、本法案により自治体の行う調達手続の電子化が進み、紙の入札書類や契約書類を確認、整理する手間がなくなり、自治体の事務作業の大幅な効率化が実現されると期待されるところでございます。このため、本法案におきましては、第四条第三項におきまして、自治体に対し調達手続における電子委任状の利用を促進する努力義務を課しているところでございます。
 また、本法案によりまして保育所の入所申請などの手続をオンラインで行うことが可能となりますと、自治体における郵送事務や窓口事務の大幅な効率化も期待できるところでございます。
 本法案が地方自治体における事務作業の一層の効率化に資するものとなるよう、本法案の仕組みや効果につきまして自治体にも今後十分な周知を図ってまいりたいと考えております。
#127
○山本博司君 ありがとうございます。
 先月十九日でございますけれども、菅官房長官に対しまして、公明党のICT社会推進本部として提言を手渡してきた次第でございます。その提言の中に、ICTの社会実装と官民データの利活用に関しましては、我が国の経済成長、地方創生を牽引するとともに、全ての国民にとって安心、安全で持続可能な社会を実現するために不可欠なものと、こう考えております。その中で、行政手続のワンストップ化の実現、また地域情報プラットフォームの普及についても提言をしてまいった次第でございます。特に、多忙な子育て世代の支援に係るこの子育てワンストップサービスで対応するメニューを拡充するよう、強く求めたところでもございます。
 そこで、お聞きをしたいと思いますけれども、この法案におきまして電子委任状が普及しますと子育て世代へどのようなメリットが実現をしていくのか、分かりやすく御説明いただきたいと思います。
#128
○大臣政務官(金子めぐみ君) 現在、保育所への入所申請をするためには、勤務先に依頼して雇用証明書を発行してもらった上で、その雇用証明書を保育所の入所申請書に添付し、自治体に提出する必要がございます。今後、電子委任状や電子私書箱を活用し、オンラインで手続を行うことが可能となった場合には、自治体への入所申請書や雇用証明書の提出を在宅のままオンラインで一括して行うことが可能となります。
 子育て世代の住民にとってのメリットとしては、わざわざ自治体の窓口に出向く必要や書類を郵送する必要がなくなりまして、ワンストップサービスが実現すると考えております。
#129
○山本博司君 今、年間四百九十二万件この雇用証明書が発行されているということを考えますと、大変メリットが具体的に出てくるかと思います。
 次に法案の具体的な内容に関して伺いたいと思います。
 法案の第三条におきまして「主務大臣は、電子委任状の普及を促進するための基本的な指針を定めるものとする。」と、こうしておりまして、その二項におきまして目標に関する事項について定めることとしております。
 この目標というのは普及促進に向けた数値的な目標なのかどうか、どのような形を目標としているのか、この目標値に関する設定に関しまして伺いたいと思います。
#130
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 普及目標の具体的な内容につきましては、本法案をお認めいただいた後、有識者や外部の関係者の御意見も伺いながら、委員御指摘の基本指針の中で定めていくこととしております。
 目標の明確性の観点からは数値目標を定めるということも考えられますが、他方、電子委任状の普及は企業の自主的な取組により進むものであることから、定性的な目標設定を行うこともあり得ると考えているところでございます。
#131
○山本博司君 定性的な目標設定もあるということでございます。
 また、法案の第四条で、国の責務として、「広報活動等を通じて、電子契約の当事者その他の関係者の電子委任状に関する理解を深めるよう努めなければならない。」とございまして、二項では情報の提供などの努力義務もなっております。
 この電子委任状の仕組みが、法人だけでなくて個人に対しても普及が促進されなくてはならないと考えます。具体的に、理解を深める周知、どのように行っていくのか、御説明いただきたいと思います。
#132
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、この電子委任状を活用した手続の電子化が広がっていく、普及していくというためには、電子委任状の使い方ですとかメリットということを関係者の皆様方によく理解していただくことが必要だと考えております。このため、本法案におきましては、第四条第一項におきまして、国は広報活動等を通じて関係者の電子委任状に関する理解を深めるよう努めなければならないと規定しております。
 総務省といたしましては、この規定に基づきまして、関係省庁や地方公共団体あるいは関係団体とも協力しながら、セミナーや講習会の開催、マニュアルやパンフレットの配布などの周知活動を行ってまいりたいと考えております。
#133
○山本博司君 しっかりと理解を深める周知をお願いをしたいと思います。
 周知の件で経済産業省にお伺いをしたいと思います。
 この法案では、総務大臣だけでなくて経産大臣も主務大臣となっております。電子商取引の推進にはあらゆる事業所がIT化を進めるということが前提でございまして、特に、これまでIT化になかなか取り組まなかった中小企業経営者に対しましてIT化の必要性また有効性について理解を進めていくとともに、ハード面の設備投資、またソフト面での支援ということが大変重要であると考えます。
 そこで、経産省に、こうした中小企業の方々に対する周知に関して御説明いただきたいと思います。
#134
○政府参考人(前田泰宏君) お答えいたします。
 中小企業のIT利活用は、業務効率化あるいは販路の開拓あるいは顧客の管理上、非常に有効だと考えております。
 経済産業省といたしましては、二十八年度の予算でございますけれども、ITツールなどの導入をする際にその費用の一部を補助するという制度、それから、ITツールの最新のものを実際に手に取って使えるという体験型の展示会、それから、全国百か所でございますけれども、ITリテラシーを高めるためのセミナー、さらには、ITコーディネーターや情報処理技術者などのIT専門家を実際に中小企業に派遣するなどの支援策をやってきております。こういうようなものを更に拡充しながら、この電子委任状制度についての理解も深めていきたいというふうに考えております。
#135
○山本博司君 いわゆる中小企業の経営者、担当の専任もいない状況ですから、しっかりこうした周知を含めた支援をお願いをしたいと思います。
 次に、第五条に規定をしております取扱業務に関して伺いたいと思います。
 この五条におきまして、委託を受けて電子委任状を保管し、必要に応じ第三者に送信する電子委任状取扱業務を営む者に対しまして主務大臣が認定できる制度の創設、これが定められております。この電子委任状取扱事業者が今後代理業務も行うということを想定するのであれば、信頼性の高く、セキュリティーも含めてしっかりしていないといけないと思います。
 そこで、この電子委任状取扱事業者の認定要件、どのようなものになっていくのか、また、公布の日から起算をして九か月以内に施行されることを考えますと、今後どのようなスケジュールで認定要件を決めてこれをしていくのか、説明いただきたいと思います。
#136
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 電子委任状取扱事業者が本法案の認定を受けるためには、その取り扱う電子委任状が基本指針などに適合した適正なものであって、その業務の実施の方法が基本指針に適合した適正なものである必要がございます。
 具体的な認定基準でございますけれども、基本指針の中で定めていくことになるわけでございますけれども、電子委任状が法人代表者などの意思に基づき作成されたものであることを所定の方法により確認をすること、また、電子委任状の改ざん、漏えい、滅失などを防ぐため十分なセキュリティー対策が講じられていること、加えて、電子委任状の記録項目や記録方法を標準に適合したものとすることなどを認定基準として定めることを予定をしているところでございます。
 また、本法案は、委員御指摘のとおり、公布の日から九月以内に施行することとなっておりますけれども、施行日の時点から認定申請を円滑に受け付けることができるよう、本法案をお認めいただいた後、速やかに基本指針の策定作業に入りたいと考えております。
#137
○山本博司君 さらに、第十一条で、取扱事業者の認定を受けている旨の表示を付することができることにもなっております。特定電磁的記録上に表示をするということですから客観的に誰もが分かる表示をするということだと思いますけれども、どのようにしていくのか、この認定の表示についての考え方、説明いただきたいと思います。
#138
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 本法案の認定事業者を介して流通する電子委任状、法案の中では特定電子委任状というふうに呼んでおりますが、これは、確かに法人代表者などの意思に基づき作成されたものであることを認定事業者があらかじめ確認している点や第三者による改ざんなどを防止するためのセキュリティー上の措置が講じられている点において、一般の電子委任状よりも信頼性の高いものとなっております。この点を電子委任状を受け取る側が容易に認識できるようにするため、本法案におきましては、認定事業者が認定を受けている旨の表示を付すことができることとしており、あわせて、認定を受けていない者が同様の表示を付すことを禁止をしているところでございます。
 認定を受けている旨の表示を付すその具体的な方法でございますけれども、詳細は省令において定めることとしておりますけれども、例えば認定事業者から電子メールの添付ファイルとして電子委任状を受け取る場合にその電子メール上に表示を付す方法ですとか、認定事業者のウエブサイト上において電子委任状を閲覧する場合、その当該ウエブサイト上に表示を付す方法などを想定をしているところでございます。
#139
○山本博司君 さらに、この法律に違反した場合、例えば認定されていない事業者が不正に取扱業務を行った場合の罰則、これはどのようになっているのでしょうか。また、認定されている事業者に対しまして、認定を取った後にも定期的に検査や研修を行うことなど信頼性を維持して高めていくための仕組み、これが必要ではないかと思いますけれども、この点いかがでしょうか。
#140
○副大臣(あかま二郎君) お答えいたします。
 本法案では、認定事業者でない者が認定を受けている旨の表示を付した場合などの罰則を五十万円以下の罰金と定めております。また、認定事業者が変更認定の手続を経ずに認定に関わる事項を変更した場合、報告徴収に対して虚偽の報告をしたり立入検査を拒否したりした場合などの罰則を三十万円以下の罰金と定めております。
 このほか、認定事業者については、その業務の実施方法が基本指針に適合した適正なものであることを認定時及び認定更新時に主務大臣が審査することによって、その信頼性を担保することとしております。
 また、認定事業者については、基本指針で定める認定要件の一つとして、定期的に外部機関の監査を受けることを義務付けることを想定をしております。加えて、認定事業者については、何か問題があった場合には報告徴収や立入検査を行うことや、問題が是正されない場合には認定事業者の認定を取り消すことも可能となっており、これらの手段を段階的に用いることで認定事業者に対する信頼の確保に万全を期すこととしたいと思っております。
 以上です。
#141
○山本博司君 成立した後、九か月間の間での準備だと思いますので、しっかりした対応をお願いをしたいと思います。
 次に、官民データの活用に関して内閣府にお伺いをしたいと思います。
 先月三十日に発表されました世界最先端IT国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画におきましては、医療や介護や観光、物づくりなどと並びまして、重点八分野の一つとして電子行政の分野、これも位置付けられております。これまでも長年取り組んでまいりましたこのIT戦略がいよいよ新たな段階になってきたと考えます。行政手続などで具体的に目に見える形でのメリットが提示されることが大変重要であると考えます。
 先ほど、子育てワンストップサービスについてお聞きをいたしましたけれども、これに限らず、今後は、特に手続件数の増加が見込まれる例えば介護等の高齢者福祉、今、二〇一四年現在でも要介護者数は約六百六万人でございます。また、死亡に伴う相続手続、二〇一五年度でも死亡者は約百三十万人ということで、相続の手続も大変複雑でございます。こうした各種手続もオンライン上で可能となるよう整備が必要であると考えます。
 我が党の提言におきましても、将来的に、出生から死亡まで、こうした行政手続のワンストップ化が実現できるよう求めているところでございますけれども、そこで、この電子行政分野の推進、今後どのように進めていくつもりなんでしょうか。
#142
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、電子行政分野の推進というのは極めて重要だと考えております。特に、手続といたしますと、国に対するもの、あるいは自治体に対するもの、いろいろございます。
 国に対する手続につきましては原則オンライン化されていることになっておりますが、ただし、必ずしも使い勝手の良いものになってございません、紙がたくさん要ったり。こういうことをまず、国あるいは自治体も含めまして、そういう行政手続を全て棚卸しいたしまして、どういうふうな要件の下にどういうふうな書類を取っているのか等々につきまして細かく洗い出しをしたいと思っております。その上で、できるだけ必要な書類は残していく、あるいは電子化できるものは電子化していくということで、最終的には全てオンラインでできるような形に持っていけるように取り組んでまいりたいと考えております。
 また、先生御指摘の介護あるいは相続等におきましても、できるものからワンストップ化してまいりたいということで、早急にマイナポータル等、あるいはマイナンバーカードを利用いたしまして取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#143
○山本博司君 大変これは大事な分野でございますので、一つ一つ前に進めていっていただきたいと思います。
 最後に、大臣にお伺いをしたいと思います。
 ワンストップサービスの推進に向けましては、このマイナンバーカードの普及とともにマイナポータルの利活用、これが、先ほどもお話もありましたように大きな鍵になると考えます。マイナンバー制度の担当大臣でもございます高市大臣、先ほどもお話ございました、三月十七日、マイナンバー利活用推進ロードマップ、これを発表した際に、利用者目線にこだわって、住民にとってより使い勝手が良い形でサービスを提供できるよう、こういうふうに言及をされたと伺いました。大変これは重要な視点であると思います。本来有用なサービスであっても、使い勝手の悪さが原因で利用が低迷して、限られた数の利用者しか利用していないということでサービスが停止をするというようなこともあってはならないと思いますので、これはしっかりと取り組んでいっていただきたいと思います。
 大臣に、このマイナンバーの利活用の推進、今後どのように進めていくのかという決意をお聞きをしたいと思います。
#144
○国務大臣(高市早苗君) 非常に多くの府省庁が関係する、これは非常にこれから長い年月にわたって国民に活用される一つの社会基盤でございます。そんな中で、昨年八月三日の内閣改造でマイナンバー制度全体を担当する大臣を併任することになりました。国民の皆様に対してしっかりと責任を持てる、そして、詳しく書き込んだ利活用のロードマップのようなものが存在していないということで、そこから検討を始めまして、ロードマップを三月に仕上げたということでございます。
 あくまでもやはり利用者目線だと思いました。委員がおっしゃっていただいたマイナポータルにしましても、アカウントの設定などは既に始まっていますが、例えば、私でも簡単にできる、取説不要、三分以内という感じで、簡単にまずできる、作業ができるということが大切であり、そして、当初は今年の夏からマイナポータルを含めて本格的なサービス運用ということを予定していたんですけれども、パソコンで使うということになりますとカードリーダーを別途御購入いただかなきゃなりません。今年の秋にはスマホでも活用できるようになるという見通しが立ちましたので、それなら混乱が起きないようにパソコン、スマホでも使えるようにしていこうと。
 最終的には、やはりテレビ、御自宅のテレビでも、もちろんスマホでもということなんですが、マイナンバーカードが利用できるようにアクセス手段を多様化していくということを目指しております。もう先ほど来申し上げましたような様々な身近なサービスに安心して使っていただけるような体制を取ってまいります。そして、進捗管理もしっかりと行ってまいります。
#145
○山本博司君 是非、大臣、大変大事な分野でございますので、今回の電子委任状の普及の促進に関する法律も大変大事でございますので、この後、成立後もしっかりと対応していただきたいと思います。
 ちょっと時間が早いですけれども、終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
#146
○委員長(横山信一君) 午後一時四十分に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時四十分開会
#147
○委員長(横山信一君) ただいまから総務委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、電子委任状の普及の促進に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#148
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 おさらいになりますけれども、インターネット等を利用した電子商取引が急速に拡大する中、契約に関わる電子文書の作成者が確かに本人であること、契約内容が送信中に改ざんされていないことを証明する制度が必要となり、二〇〇〇年、電子署名法によって電子署名制度が構築されました。
 さらに、法人間の電子商取引において、社長から契約の締結を委任された社員が確かに社長から権限を委任されていることを証明する制度が必要となってきました。そこで、法人の代表者が作成する電子委任状を保管し、必要に応じて電子商取引の相手方に送信する業務を行う電子委任状取扱事業者を公的に認定しようというのが本法案であります。
 私は、この電子委任状制度の要は電子委任状取扱事業者の信頼性にあると思います。総務大臣が認定することになるこの事業者の信頼性、どう確保するんでしょうか。
#149
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、認定事業者の信頼性が確保されることは、電子委任状を活用した手続の電子化を進めるため不可欠の前提であると考えております。このため、本法案におきましては、認定事業者が満たすべきセキュリティーの水準などを定めた基本指針を策定し、認定事業者の業務がこの基本指針に適合しているということを認定時及び認定の更新時に主務大臣が審査する仕組みを採用しております。
 また、認定事業者につきましては、基本指針で定める認定要件の一つといたしまして、定期的に外部機関の監査を受けることを義務付けることを想定をしております。さらに、認定事業者につきまして何か問題があった場合には報告徴収や立入検査を行うことや、問題が是正されない場合には認定事業者の認定を取り消すことも可能となっており、これらの手段を段階的に用いることで認定事業者に対する信頼の確保に万全を期してまいりたいと考えております。
#150
○山下芳生君 そこで、総務省としてどのぐらいの数の電子委任状取扱事業者を認定するつもりなのか、既に電子委任状取扱事業に関心を示している事業者はあるのか、あるとすればそれはどのような事業者か、お答えいただけますか。
#151
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 現在、本法案の認定事業者になることに関心を持っておられる事業者といたしましては、電子署名法に基づく認定認証事業者、あるいは機密性の高い電子書類をセキュアに送受信するサービスを提供している事業者などが挙げられます。認定事業者の数といたしましては、当面でございますが、数社程度を見込んでいるところでございます。
#152
○山下芳生君 電子委任状制度を信頼できるものとするためには、私は利用者の側の不正行為を防止することも重要となると思います。
 電子署名法では、認定認証事業者等に対し虚偽の申込みをして不実の証明をさせた者は三年以下の懲役又は二百万円の罰金に処すると規定されております。しかし、本法案では、認定電子委任状取扱事業者に対し虚偽の申込みをした者に対する罰則規定がありません。大丈夫なのかと。
 そこで、想定される二つのケースの対応について聞きます。
 一つは、法人の代表者と偽った者が電子委任状取扱事業者に登録し、虚偽の電子委任状を保存させた場合の対応。例えば、有名会社の社長をかたって偽物の電子委任状を作成し、相手をだまそうとするケース。二つ目に、法人の正当な代表者が委任の事実がないにもかかわらず虚偽の電子委任状を保存させた場合の対応。例えば、社長から委任されたはずの社員と契約を交わしたのに、後から社長が委任した覚えはないなどとして契約無効を主張するケースなどがあると思われますが、それぞれどう対応されますでしょうか。
#153
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 今委員から二つの事例についてお尋ねがございました。そのうち、法人の代表者と偽った者が認定電子委任状取扱事業者に虚偽の登録をし、虚偽の委任状を保存させた場合でございますけれども、事案の具体的な内容にもよりますけれども、基本的には刑法第百六十一条の二に規定をいたします電磁的記録不正作出罪の適用があり得ると考えております。
 また、お尋ねの第二の事案でございますが、正当な代表者が委任の事実がないにもかかわらず虚偽の委任状を認定電子委任状取扱事業者に保存させた場合につきましては、これも事案の具体的な内容によりますけれども、民法第百九条に定めます表見代理の規定の適用によりまして民事的に解決が図られる場合があると考えております。
#154
○山下芳生君 次に、電子委任状制度が広く利用されるためには利用コストが重要となってくると思います。総務省としてどの程度の利用料金を想定しているでしょうか。
#155
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 電子委任状を利用する場合、利用者の方は認定事業者に対し所定の利用料金を支払うこととなります。この認定事業者の利用料金につきましては、システムの運営に要する費用などを勘案し、それぞれの認定事業者が個別に設定することとなるため、一概には申し上げることはできないところでございます。
 また、実際に電子委任状の利用には電子署名のそのものの利用も必要となることから、電子委任状の利用者は電子署名に必要なコストも併せて負担をすることとなります。この電子署名の手段として民間認証事業者の電子証明書を用いる場合、おおむね利用者一人当たり年間一万数千円程度の料金が発生いたします。
 政府といたしましては、認証業務と電子委任状取扱業務、このいずれにつきましても複数の事業者を認定し、事業者間の競争を促すことを通じて料金水準の適正化を図ってまいりたいと考えております。
#156
○山下芳生君 確定的なことは今言えないということだったんですが、私は、これ紙の委任状なら、たとえ遠隔地であっても郵送すれば委任状としての効力は発揮できるので、郵送料と紙代ぐらいで済むわけですね。ですから、それよりも低額な利用料でなければこの電子委任状制度というものがなかなか普及できないのではないかと思っております。
 電子委任状取扱事業に手を挙げている事業者に直接聞いてみました。既に実施している電子契約書保存サービスというサービスの利用料は、初期料金二十万円、月額料金四万円だそうでして、この電子契約書保存サービスのオプションとして電子委任状サービスの導入が予定されているということでありました。つまり、電子契約書保存サービスの利用料、初期二十万円、月額四万円の上に、新たに電子委任状サービスの利用料が掛かることが想定されます。
 となりますと、それなりの規模の企業なら利用メリットはあると思います。例えば大企業でしたら、年間数千から数万の契約を締結するでしょうし、この電子契約書保存サービスを利用することによって、紙の契約だと掛かってくる印紙税あるいは契約書保管コストなど、かなりの額を節約することができます。先ほどの利用料金を支払っても十分お釣りが来ると思われるんですが、しかし小規模事業者や個人にとっては、初期二十万、月額四万プラスアルファの料金を払っても、それほどコスト的なメリットはないと思われます。
 そう考えると、私は、小規模事業者や個人は電子委任状制度を利用しなくてもいいと、今までどおり紙の委任状を郵送すればいいという制度設計なのかと思わざるを得ないんですが、いかがでしょうか。
#157
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、認定事業者の利用料金につきましては、システムの運営に要する費用などを勘案してそれぞれの事業者が設定することとなるわけでございます。
 現行、例えば電子商取引につきましてはまだ二十数%の普及でございます。これが普及していくことによってシステムの共通的な経費の言わば割り勘をしていただく利用者の方が増えてまいりますので、私どもといたしましては、電子商取引の普及ということを通じてより裾野を拡大することによって電子委任状の利用の料金についても可能な限り引下げを図っていくという方針で臨みたいと思っております。
#158
○山下芳生君 それは推移を見ていきたいと思います。
 次に、電子委任状の利用には電子署名が必要となります。そのために、電子署名を格納しているマイナンバーカードの活用が促進されると思われます。そこで、マイナンバーカードに関わって質問します。
 アメリカでは、日本のマイナンバーに当たる社会保障番号、SSN、ソーシャルセキュリティーナンバーを、福祉の補助金や税金の納税申告及び還付などの行政手続、あるいは進学、就職、銀行口座の開設、クレジットカードの取得の際の身分証明としても使用してきました。現在、そのSSNの漏えいによる成り済まし被害が深刻になっております。二〇一四年には、アメリカの十六歳以上の人口の七%に当たる延べ千七百六十万人がSSNに関する被害に遭いました。最も多いのは、他人に成り済ましてクレジットカードを発行し、買物をするケースであります。成り済ましによる銀行口座開設も起きているとのことであります。
 ここには、私はアメリカのSSN固有の問題にとどまらない重要な教訓があると思います。第一に、共通番号はその用途が拡大すればするほど被害も大きくなるということであります。SSNも、創立当初の福祉から、先ほど述べたように用途が次々と拡大されてきました。そのことが、漏えいしたときの被害を多方面に拡大することになっております。利便性の増大がリスクの増大を招いている。
 高市大臣、共通番号制度にとって私これは重要な教訓だと思いますが、大臣の御認識いかがでしょうか。大臣どうぞ。
#159
○国務大臣(高市早苗君) アメリカでは、従来、ソーシャルセキュリティー番号が利用制限なく、官民問わず幅広く利用されてきました。そして、厳格な本人確認がなされずソーシャルセキュリティー番号だけで事務処理が行われてきたということなどが、漏えいや成り済ましなど御指摘のような事例の発生に影響したんじゃないかと考えております。
 我が国のマイナンバー法では、アメリカなど諸外国の教訓も踏まえまして、マイナンバーの利用や提供の範囲を法律又は地方公共団体の条例に限定的に規定しています。そして、マイナンバーの取扱者には安全管理措置義務を課しています。本人からマイナンバーの提供を受けるに当たっては、マイナンバーカードなどで本人確認を行います。こういった情報漏えいや成り済まし被害の防止に必要な様々な措置を講じており、アメリカとは状況が異なると考えています。
 また、マイナンバーカードの利活用につきましては、マイナンバーそのものを利用するのではなくて、マイナンバーカードの電子証明機能などを本人確認、本人認証の手段として利用するものですから、むしろ厳格に本人確認が行われるようになるということで、それほど先生がおっしゃるような御懸念には当たらないと考えております。
#160
○山下芳生君 アメリカのSSNと日本のマイナンバーあるいはマイナンバーカードの違いはもちろん承知しております。ただ、そういうことを聞いているんじゃないんですね。一つの番号でその用途をどんどん広げていけば、落とすことだってあるわけですよ、その場合の被害はどんどんどんどん拡大する、盗まれたり紛失したりした場合ですね。ですから、共通番号の用途が拡大すればするほど被害も大きくなるということを、私はこれは他山の石として日本でも教訓としなければならないと思うわけですが。
 日本でもマイナンバーカードの普及促進のために、先ほどの質疑でもありましたロードマップでこれからいろいろな用途が拡大されようとしておりますので、そのリスクをしっかり考える必要があるんじゃないかということを、私はアメリカのこの今の事例からつかむ必要があるんじゃないかということを提起しているわけであります。
 それから、このアメリカのSSN、ソーシャルセキュリティーナンバーの漏えいでは、税金の還付金をだまし取る成り済まし犯罪が非常に目に余る形で広がっているようです。アラバマ州では、以前勤めていた雇用主のデータベースから多数の氏名とSSNを入手し、不正な納税申告書を提出し、税金の還付金をだまし取った事例があります。テネシー州の事例では、インターネットの地下ウエブサイトからSSNなどの身分確認情報を多人数分得て、多額の税の還付金を詐取する事件も起こりました。
 ここからが大事なんですけれども、こういうことが続発して、対応に苦慮したアメリカの内国歳入庁、IRSは、二〇一一年、不正申告の被害者向けに別途、身元保護個人納税者番号を交付し、その利用に踏み切っております。それから、国防総省も、二〇一二年、共通番号として長く使用してきたSSNの使用をやめて、新たに国防総省本人確認番号を使用することを決めました。アメリカでは共通番号をやめて分野別番号への転換が始まった、ここに私は第二の教訓があると考えますが、大臣の認識いかがでしょうか。
#161
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 我が国のマイナンバー法では、マイナンバーは法律又は条例に規定する社会保障、税、災害対策の各分野の事務に利用を限定してございます。また、先ほど大臣から御答弁がありましたとおり、厳格な本人確認措置を実施するなど、すなわちマイナンバーそのものは本人確認としては使っていないということでございます。米国とは制度と運用が異なるといった状況でございます。
 我が国のマイナンバー制度は、より公平公正な社会保障制度や税制の基盤であり、また、情報社会のインフラとして国民の皆さんの利便性の向上、行政の効率化に資するものとして導入されたものでございます。
 政府といたしましては、この理念に沿って、制度の適切な運用と充実に努めてまいりたいと考えております。
#162
○山下芳生君 もう何回聞いても、日本のマイナンバーは大丈夫だ、カードも大丈夫だという答えしか返ってこないんですが、私、日本年金機構から百二十五万人分の個人情報が流出した問題を内閣委員会で取り上げた際に、内外の個人情報大量流出事件から共通して酌み出すべき四つの教訓ということを提起させていただきました。
 一つは、個人情報の漏えいを一〇〇%防ぐシステムの構築は不可能だと。これ、どんなシステムをつくっても必ず破ってくる勢力があるということです。それから二つ目に、組織の内部に意図的に情報を盗み、売る人間が一人でもいれば、そこから大量の個人情報が流出する危険があるということ。そして第三に、一度漏れた情報は取り返しが付かない、流通し、売買されると。これは日本でも起こりました。教育関係の個人情報が大量に流出したことが教育関係のダイレクトメールなんかに利用された例があります。それから、四つ目に、情報は集まれば集まるほど利用価値が高くなって逆に攻撃されやすいということでありまして、この四点は菅官房長官も全部それは同意されました、そういうリスクはどんどんどんどん高まってくるであろうと。
 紹介したアメリカの例もこの四つの教訓に当てはまる部分がかなりあると思っております。そこで、アメリカは教訓を踏まえて共通番号から分野別番号へと転換を始めたわけです。
 高市大臣に伺いますが、私はマイナンバーとマイナンバーカードを所管する高市大臣には、こうした教訓を、今日挙げたアメリカの例だけではありません、もう世界中で個人情報の大量流出が起こっておりますから、やはりそういう教訓を踏まえた対応が求められると思いますが、いかがでしょうか。
#163
○国務大臣(高市早苗君) まず、マイナンバーカードについての説明をしたいんですけれども、まず、個人情報が一元管理されるわけじゃございません。分散管理をしています。それから、マイナンバーを直接用いるというのではなくて、符号を用いた情報連携を実施するということになっています。また、アクセス制御でアクセスできる人の制限管理も実施します。それから、通信の暗号化も実施いたします。そして、カードそのものはもう相当工夫されており、偽造などができない、こういうカードになっております。それから、番号そのものだけが漏れたからといって芋づる式に個人情報が引き出されるということにはなっておりません。
 アメリカが分散的なものにしていくということですが、そもそものソーシャルセキュリティー番号で起きた様々な事象を捉えて、同じ轍を踏まぬように十分議論をして今のマイナンバー制度及びマイナンバーカードというものの制度設計をいたしております。
#164
○山下芳生君 次々と起こっている個人情報の大量流出からしっかり教訓を酌み取る必要があるということを提起したわけで、今のマイナンバーカードそのものがアメリカのSSNと違うというのはもう承知した上で言っているわけですね。
 ですから、これは、これからどんどんどんどん利用拡大し、普及し、用途も拡大しようとしているときだけに、こういう問題が、リスクが高まる危険性ありますよということもしっかり受け止めなければならないということをあえて申し上げて、時間が参りましたので、終わります。
#165
○片山虎之助君 それでは、質問いたします。
 まず、この法案は難しいですね。よく分からないんだけど、私なんかはペーパー世代ですからね、観念的には分かったような気がしているんですが、本当は分かっていないと思うんですが、法案には賛成します。
 そこで、今までも質問がいろいろあったんですが、この電子委任状はあった方がいいに決まっているんですよ、いろんな契約を結ぶ上でも、いろんな手続の面でも。しかし、なかなかこれ入るの難しいんですよね。
 そこで、今までの質問にもありましたが、どういうニーズがある、どういう具体的なメリットがある、それを個人と会社に分けて分かりやすく説明してください。局長はちょっと早口だよ。もっと大きい声でゆっくり言ってください。
#166
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 企業が契約書あるいは証明書を発行いたします場合に、企業の代表者が自分で発行するということではなくて、代表者から委任を受けた社員が代表者の代わりに発行するというのが一般的でございます。
 紙の場合ですと、社員が紙の契約書ですとか証明書を発行する場合に、その社員の方が代表者の印鑑を押すことでその書類は代表者の委任をきちんと受けて作成された正式なものであるということが証明できるわけでございます。これに対しまして、電子的に社員が契約書や証明書を発行する場合には、社員が自分で電子署名をしただけではその電子書類が果たして本当に代表者の委任を受けて作成されたものかどうかというのが分からないという課題がございます。
 そこで、企業の社員の方が代表者から書類の作成に必要な権限をきちんと委任されているということを電子的にも証明できる電子委任状を円滑に利用できる環境を整備しようということで、今回この法案を提出をさせていただいているところでございます。
 この法案につきましては、様々な書類の発行が、紙の発行が事務処理上の大きな負担となっており、電子化を促進する観点からも、代表者の電子的な署名がなくても会社としての電子書類を正式に発行できる仕組みを是非創設をしてほしいという御要望も産業界から寄せられてきたところでございます。こうした御要望も踏まえながら、総務省の下で検討グループを設置し、検討を重ねてきた結果、今回この法案の提出に至っているということでございます。
#167
○片山虎之助君 あなたの説明分からないわね。今までと同じだわ。
 それじゃ、ここに、ある家庭があって、主婦の人が働きたいと、働くと。子供を保育所に入れたいと、待機児童ですよね、一種の。雇用証明書か何か要ると、こういう例を非常によくされるんですよ、皆さんは。雇用証明書が要ると、待機児童を保育所に入れるために。そこでこの電子委任システムがどう動きますか。どういう便利さがある。
 それから、企業の場合でいうと調達ですよ。政府や地方自治体がやるものに、入札に参加する、物を買うとか工事に参加するとか、そういう場合にこの電子委任システムがどういうふうに機能するか。
 その例を挙げて分かりやすく言わないと。分かった人が大部分かもしれぬけど、私は分からない方に入っている。どうぞ。
#168
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の保育所の入所申請の手続の事例で申し上げますと、まず、子育て中の親御さんは、御自分の勤務先にお願いをしていただいて雇用証明書を発行してもらう必要がございます。この雇用証明書を役所に対する入所申請書に添付をいたしまして、自ら自治体に提出をするということでございます。
 そして、今度は勤務先の今の企業の担当者の方、親御さんがお勤めのその企業の担当者の方でございますけれども、その社員の方から御依頼があった場合に、その都度その都度内部で決裁をして、代表者印を、判こを押した雇用証明書を発行する必要がございます。
 それから、自治体の担当者の方ですけれども、住民からの申請に、窓口で申請対応をしたり、あるいは郵送という形で住民からの申請に対応すると、これが今までのやり方ということでございます。
 これが電子委任状を活用した場合にどういうふうなことになるのかということでございますけれども、もう一度子育て中の親御さんの点から申し上げますと、先ほど申し上げました勤務先からいただく雇用証明書の取得ですとか、あるいは自治体への入所申請書、あるいはそれに添付する雇用証明書の提出を、これ電子版で、オンラインで御自宅にいながらにして行うということが可能となりますので、役所に赴く必要がまずないということが一つございます。
 それから、雇用証明書を発行する勤務先の企業の担当者の方でございますけれども、その都度その都度この雇用証明書を発行する場合の決裁手続というものを社内で行うことなく、信頼性の高い雇用証明書をオンラインで電子化、電子媒体という形で発行することが可能となります。
 また、申請を受け付ける自治体の担当者の方でございますけれども、この雇用証明書が添付された入所申請書をオンラインで受け取ることが可能となりますので、今申し上げました申請をされる住民の方、それからその住民の方がお勤め先の企業の担当者の方、それから申請を実際に受け取る自治体の担当者の方、それぞれ大幅な事務負担の軽減というものが図られるものと考えております。
#169
○片山虎之助君 大幅なというのは、どのくらいの事務負担の軽減になる。
 それから、あなた方はいつも今の雇用証明書と、その次に大きいのは保険料の控除の証明書か、それから医療費でしょう、これも証明書がある。それ以外どれだけあるのかもついでに言ってください。
#170
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 まず、先ほどの御質問でお答えしていなかった政府調達の部分をまずお答えをさせていただこうと思いますけれども、現在、政府調達の入札手続を行います場合に、まず、各企業の、調達に申し込む企業の担当者が入札の登録をしてくるわけでございます。その際に、代表者が本当に実存をしている方なのかどうかという確認を、実はその担当者の登録をいただいた後、個別にメールなどで行っております。そこで確認をし、正しい内容が登録された上でその入札の担当者の方が入札に参画をするということが可能でございます。
 今回の電子委任状というものを使いますと、もう既に法人の代表者の方からその調達に参加する方がきちんと委任を受けているということが分かりますので、入札参加の手続に入った段階で逐一その企業の代表者に本当に委任をしているかということを確認する手間が省かれることになります。これによって調達の手続というものが大幅に簡素化されるものと考えております。
 それから、今お尋ねの点でございますが、雇用証明書を保育所の入所申請に使うということ以外にも様々な行政手続が考えられるところでございまして、例えば、今、紙で発行されております保険料控除証明書、これは年間、紙で二・六億枚発行されております。それから、医療費控除の証明書、これも年間二千八百万件、紙で発行されております。この証明書がございますと、いわゆる還付申請の手続に使うことができるわけでございますけれども、この紙を一切電子媒体でなくしてしまうということによりまして、紙の発行コストですとか郵送コストですとか、こうしたものが大幅に削減することができるだろうというふうに考えております。
#171
○片山虎之助君 粗っぽくていいから、手間と金目が定量的にいってどのくらい減るのか、これが全部フルに今言ったような二億六千万や二千八百万枚が電子委任の仕組みになると。大ざっぱなことで言っていいから。イメージなんですよ。
#172
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 経団連が試算をしている例がございまして、例えば従業員が七万人規模の会社で電子手続が一定程度進みますと、年間五千万円のコスト削減効果があるという試算がございます。
 一般的に広く経済全体でどれくらいコストが削減されるのかという試算は残念ながらございませんが、例えば今のような事例がございます。
#173
○片山虎之助君 分からぬな、そのくらいでは。
 外国はどうなっていますか。
#174
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 まず、EUでございますけれども、EUは加盟国がたくさんあるわけでございますが、この加盟国をまたぐオンラインの取引あるいは手続における認証というものを円滑に行うための規則というものが定められておりまして、その中では、電子署名に用いる電子証明書の中に権限、今申し上げておりますような、例えば委任を受けているといったような属性情報を含めてもよいというふうになっております。これを受ける形で、ドイツの電子署名法におきましては、電子証明書の中に権限などの属性情報を入れるということが既に制度化をされております。
 また、韓国におきましても、政府調達の手続におきまして、民間企業の担当者の方がいわゆる法人の電子証明書とともにその担当者の方の個人の属性情報を送付をして、そして電子的に調達手続を行う、まさに今私どもが目指している世界でございますけれども、こういった仕組みが行われております。
 国によって具体的な実現方法は異なる部分もございますけれども、日本以外の国々におきましても個人の属性情報を電子的に証明できるようにするための制度の整備が進んでいる、進みつつあるというふうに認識をしております。
#175
○片山虎之助君 あなたは先ほどの質問の答弁で、認定事業者に手を挙げかけているのは数社と言ったね。数社というのは少ないんじゃないの。この認定事業者というのは、まあこういうことを端的に言うのはおかしいけど、それは利益は出るの、出ないの。その料金設定というのはあなた方が基準かなんか決めるんですか。
#176
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 今回想定しております認定事業者でございますけど、先ほど数社というふうに申し上げました。電子署名を扱っております民間の事業者が現在八社存在しております。したがいまして、この電子署名の実際に行っている事業者の幾つかが今回の認定事業者になる可能性が高いというふうに思っておりますので、数社というふうに申し上げたところでございます。
#177
○片山虎之助君 その電子署名の八社はもうかっていますか、利益を出していますか。それ、料金はどうなるの、料金水準は。
#178
○政府参考人(谷脇康彦君) 失礼いたしました。
 料金でございますけれども、今回の認定を行います業務、電子委任状の業務でございますけれども、これは規制はございませんで、各社が個別にそれぞれの料金設定を行うということを想定しております。
 ちなみに、先ほど申し上げました電子署名法に基づく認定業務の場合ですと、二、三年使うことを想定して、大体利用者一人当たり一万円強の利用料金が現在掛かっているというふうにお聞きしております。
#179
○片山虎之助君 こちらに判断基準がないのよ、高いのかどうか。どれだけ加入するか、普及するかというのは、私なかなか分からないと思うよ。
 だから、これは一種の促進法なんだから。皆さん方は促進したいんで。大きな目では促進した方がプラスですよ、プラス。で、個別の会社にとっては得か損か。それから、個々の個人にとっても得か損か、まあ個人というのはなかなか難しいけれども。そういう意味で、なかなか大変な制度だと思いますよ。結局分かるのは、国民の理解と全体の雰囲気でやろうということなんだよね。そこが、国民が私はまだまだ理解が進んでいないと思いますが、大臣、どういうお覚悟ですか。
#180
○国務大臣(高市早苗君) この電子委任状を活用した手続の電子化が広がっていくためには、片山委員御指摘のとおり、やはりどのような手続を電子化してどのように便利になるのかということを国民の皆様によく御理解いただくことが必要だと思います。
 このため、本法案では、第四条第一項に「国は、広報活動等を通じて、電子契約の当事者その他の関係者の電子委任状に関する理解を深めるよう努めなければならない。」と規定しています。
 この規定に基づきまして、この法律案成立させていただきました暁には、経済産業省や地方公共団体、関係団体とも協力しながら、セミナーや講習会を開催し、またマニュアル、パンフレットの配布などの取組を行ってまいります。特に、各地域の商工会や商工会議所などの経済団体、それから行政書士会や税理士会などの士業団体などの御協力をいただくことも重要だと思っております。
#181
○片山虎之助君 済みません、時間がなくなってまいりましたので。
 積み残しのインフラの老朽化対策、国は計画を作っているようですね。簡潔にその状況を説明してください。
#182
○政府参考人(麦島健志君) お答え申し上げます。
 国土交通省でございますが、国土交通省におきましては、平成二十六年度に予防保全の考え方を導入いたしましたインフラの長寿命化計画、行動計画を策定をいたしますとともに、維持管理の統一的な基準、マニュアルの策定を順次進めてきているという状況でございます。
 現在、これらにのっとりまして、各施設の管理者がインフラの点検や修繕の実施、個別施設ごとの長寿命化計画、個別施設計画の策定等、計画的な維持管理、更新に取り組んでいるという状況でございます。
#183
○片山虎之助君 老朽化したものを直したり更新したりしていると、だんだんだんだん新規投資との割合が変わってくるんじゃないの。そうなると、今の公共事業費の中で処理できるんですか、できないんですか。老朽化というのは元に直すぐらい、ちゃんと機能を維持するということなんだから。
#184
○政府参考人(麦島健志君) お答え申し上げます。
 国土交通省所管の社会資本の将来のメンテナンスコストにつきまして、平成二十五年の社会資本整備審議会、交通政策審議会における審議の中で、その時点の技術で維持管理、更新を行うことなどを前提としまして将来の推計を行っているところでございます。この推計によりますと、国と地方合わせまして事業費ベースで平成二十五年度には三・六兆円というものであったものが、十年後には年間四・三兆円から五・一兆円、また二十年後には四・六兆円から五・五兆円程度になるというふうに推計をしているところでございます。委員御指摘のように、このままでは相当な額をインフラの維持管理、更新に充てなければならないという事態が想定をされるところでございます。
 このようなことから先ほどのインフラの長寿命化計画作っているところでございますが、この際に非常に重要なのは、維持管理、更新に係る費用の縮減、それと平準化ということを図ることであろうと思っております。このために、予防保全の考え方というのを導入して計画的な維持管理を行うとともに、新しい技術の開発とか導入ということによる効率化というものを推進しているというところでございます。
 大変厳しい財政状況ではございますが、老朽化の諸課題に対応できるように、引き続き必要な公共事業予算の確保に努めてまいりたいと思ってございます。
#185
○片山虎之助君 インフラの老朽化対策をちゃんとやらないと、安全、安心に関わるんです、国民の。橋が落ちたりトンネルが落ちたりね。で、それがどんどんどんどんまた増えていって新規の投資が減っていくというのも困るんだよね、バランスがあるんで。今、六兆円でしょう、公共事業費は。その中で賄えるんですか。私はそれが前からおかしいと思っているのよ。いかがですか、その辺の見通しは。
 あなたもうまいこと言って、いろんなことをちゃんとやるんだって、やれないんですよ。
#186
○政府参考人(麦島健志君) お答え申し上げます。
 ちなみに、先ほど申し上げました数字は、国、地方合わせての事業費ベースでございますので、今委員御指摘の国費の公共事業関係費と単純に比較は難しいわけでございますが、いずれにいたしましても、今後、高度経済成長期以降に整備をいたしましたインフラが一斉に老朽化するというのの中で、我々まずは、先ほども申し上げましたように、今後、点検等々のインフラのメンテナンス、計画的に実施をすることで、できるだけ維持管理、更新に係るコストを平準化をするということと、あわせて、新しい技術等々を導入しながらコストを下げるという取組を進めてまいりたいというふうに思ってございます。
#187
○片山虎之助君 そこで、今、地方の話が出たんだけど、総務省の方は何か公共施設総合管理計画というの、何かそういうのを今、地方団体に作らせているんですよね。もう全体が終わって、今度個別を作るのかどうか知りませんが、それは今の地財計画その他で財源手当てをするということに結び付けて考えているんですか、いかがですか。
#188
○政府参考人(黒田武一郎君) 公共施設等の老朽化対策が全国的な課題となる中にありまして、地方公共団体におきましても、厳しい財政状況とのバランスを図りながら、公共施設等の総合的かつ計画的、効率的な管理を行うことが重要でございます。
 今御指摘いただきましたように、ほぼ全ての地方公共団体で公共施設等総合管理計画の策定が完了いたしまして、さらに現在、点検なり診断を実施しまして、個別施設ごとの具体の対応方針や経費の見通しを織り込んだ個別施設計画も平成三十二年度までに策定を要請しております。
 総務省におきましては、こういう公共施設等の適正管理の取組を一層推進するために、平成二十八年度までは施設の集約化、複合化、転用などに講じておりました地方財政措置につきまして、関係省庁とも連携しまして、平成二十九年度からは施設の長寿命化あるいはコンパクトシティーの形成に向けての立地適正化事業を追加しますとともに、熊本地震の被害状況も踏まえ、市町村役場の緊急保全事業を追加するとともに、地財計画上の事業枠も二千億円から三千五百億円に拡充いたしました。
 今後も、この必要な経費を確保しますとともに、関係省庁と十分に連携しましてこうした取組を推進してまいりたいと考えております。
#189
○片山虎之助君 もう時間ないんですが、三千六百億措置したわけ、地財計画で。そういう意味ですか。
#190
○政府参考人(黒田武一郎君) 三千五百億円でございます。
 ただ、これはあくまでも適正化計画という一つの枠の中でやっておりますので、地財計画では、投資的経費につきましては、補助、単独合わせまして十一兆円の枠取りをしております。その中でこれも枠取りをしているというものでございます。
#191
○片山虎之助君 時間来ましたから、またあれします。
 ありがとうございました。終わります。
#192
○又市征治君 希望の会、社民党の又市です。
 本法案には基本的には賛成をいたしますけれども、若干懸念が残るというか、そうした点を何点か伺いたいと思います。この種の法案、ここまで回ってきますと幾つかどうしてもダブらざるを得ないんですが、再確認の意味で質問をしてまいります。
 この法案は、二〇一三年、あるいは二〇一五年及び二〇一六年の日本再興戦略などで触れられている電子契約の推進を通じて電子商取引その他の高度情報通信ネットワークを利用した経済活動の促進を図るための一環として提案をされているというふうに認識をいたします。その中で、本法案は電子委任状等の普及を目的としているようですけれども、そこで、最初に基本的なことから伺いますけれども、電子委任状制度の確立は具体的にどのように日本経済の成長に貢献するというふうにお考えなのか、少し具体的に伺いたい。例えば、法人間、国、自治体の調達事務の電子化率が向上して契約のスピードアップが図られることによって日本経済の成長につながるということなのか、あるいは認証業務、電子委任状取扱業務自体の成長、発展が考えられているのかなど、幾つかあると思うんですが、お答えいただきたいと思うんです。
 それと関連して、現在電子証明書の発行枚数は一年間で約三十三万枚ということですけれども、電子商取引の現在の割合は全体の何割ぐらいになっているのか。また、電子署名法に基づく認定認証業務を行う事業者は先ほどの話では八社存在をするそうですけれども、今回の法案が成立すると更にこの認証業務企業というのが増大をしていくのかどうか、そこらの見通しはどうなのか。
 基本的な点は大臣からお伺いし、その他、局長から答弁を願いたいと思います。
#193
○国務大臣(高市早苗君) この法案に基づきまして、主務大臣の認定を受けた事業者を介して信頼性の高い電子委任状が流通するようになりましたら、電子書類に電子的に署名した社員の権限を簡易かつ確実に証明することが可能となります。様々な手続がオンラインで完結するということが期待されます。そうなりますと、国民の皆様の利便性向上、また行政の効率化、そして企業の生産性向上というものにつながり、日本経済の成長に貢献すると考えております。本法案につきましては、日本再興戦略二〇一六においても、可能な限り早期に国会に法案を提出することが明記されております。
 あと、数字については局長から答えさせます。
#194
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 まず一点目でございますが、現在の商取引における電子取引の割合でございますけれども、経済産業省の調査によりますと、平成二十八年度時点で我が国の企業間取引の電子化率は、取引金額ベースで約二八%となっております。
 それから次に、電子署名法に基づく認証業務の認定を受けている事業者でございますけれども、事業者数でいうと八社ということでございます。具体的にどのような事業者かというお尋ねもございましたけれども、具体的には、株式会社エヌ・ティ・ティネオメイト、株式会社コンストラクション・イーシー・ドットコム、株式会社帝国データバンク、株式会社日本電子公証機構、ジャパンネット株式会社、セコムトラストシステムズ株式会社、東北インフォメーション・システムズ株式会社、日本電子認証株式会社、以上の八社ということでございます。
 さらに、今回の法律案が成立をすることで今後認定認証事業者の数が増加するのかどうかということでございますが、あくまで事業を行うのが民間事業者の発意ということでございますので具体的な数値をお答えすることは難しい面がございますけれども、少なくとも本法案によりまして企業が発行する様々な書類の電子化が促進をされまして電子署名が利用される場面も増えると想定されますので、認証業務に対する需要が増大をし、また認定事業者の数も増加することがあり得るというふうに考えております。
#195
○又市征治君 事業者、今現在、名前挙げていただきましたが、八社ということですが、やってみましたわ、この八社だけの売上高が伸びましたなどというふうにならないようにこれはしなけりゃ、それこそ再興戦略で何を言っていたのかということにもなるんだろうと思いますから、是非その点は御留意をいただきたいと、こう思います。
 そこで、答弁がありましたように、現在でも電子商取引が行われているわけですけれども、そういう状況の中で今回の法案が提案されているわけで、今回の法案によって、法人の役員又は使用人が電子署名を行った電子文書等の受信者に対して、当該法人の代表者が当該役員又は使用人に与えている権限の範囲を証明する等の業務の認定制度が整備されるということですよね。
 資料によれば、主務省令で定める基準に適合していない認証事業者が、個人としての存在の証明のほか、いわゆる属性認証も可能だということであります。ただし、裁判での取扱いについては、真正に成立したものと推定されるかどうか不明確ということでもあります。
 そこでお尋ねをしますが、実際に前述した認証事業者による属性認証というのはそれなりに普及しているのかどうか。また、その真正について問題になったことがあるのかどうかですね。加えて、新たに法を整備するのではなく、この電子署名法の改正によって属性認証を可能とすることができたんではないのかなという感じが私持ったんですが、実際この法整備の過程ではそのような意見もあったように聞いていますけれども、そうならなかった理由というのは何だったのか。
 以上について担当局長から伺います。
#196
○政府参考人(谷脇康彦君) 今委員御指摘のように、現在の認証業務におきましても属性認証というものを行っている企業というものがあるということでございますけれども、実際にこの属性認証に関しまして裁判になった事例というものがあるということは承知をしてございません。
 しかしながら、現在の電子署名法における認証業務の範囲が専ら署名者の本人性、本人であるかどうかという認証に関する業務に限られておりますので、署名者の属性の認証を行う業務を法的に位置付けること、これについての御要望というものが認定認証事業者からもかねてより寄せられてきたところでございまして、こうした御要望なども踏まえて今般法案の提出に至ったところでございます。
 それから、もう一点、委員の御指摘として、電子署名法の改正が選択肢としてなかったのかという御指摘でございます。
 実は、委員御指摘のとおり、電子署名法の改正による対応も確かに選択肢の一つではございました。しかしながら、少し技術的になりますけれども、電子署名法における特定認証業務が個人の本人性を証明するというものであるのに対しまして、今回の電子委任状取扱業務というのは個人の属性の証明に係るものであって性質が異なることなど、様々な法制上のあくまで一つの整理といたしまして、電子署名法とは別の法律として対応を図るというふうにしたところでございます。
#197
○又市征治君 冒頭指摘をしましたように、この電子取引の普及は今後の日本経済の再興戦略として位置付けられているようでありますけれども、日本再興戦略二〇一五では、個人番号カード及び法人番号を活用した官民の政府調達事務の効率化のための施策として、国、地方自治体の調達事務の完全電子化を位置付けているということですね。要するに、今回の電子委任法の成立によって促進される電子取引の普及は、制度的には個人番号、法人番号の利用拡大と一体のものと考えられていると思いますが、そういう理解でいいのかどうか。
 それから、もしそうなると、今後、国、自治体と契約を結ぼうとする企業あるいはこの入札に参加したい企業は電子委任状の利用が必須となって、それを利用できないあるいはしない企業は入札に参加すること自体が近い将来できなくなるおそれがあるのではないのかと、こういう懸念もあるようであります。仮にそうでない場合、電子委任状を利用する企業と利用しない企業は対等の条件で入札に参加できるのかどうか、この点も伺っておきたいと思うんです。
 また、この電子委任状を利用して法人間あるいは国、自治体の入札に参加する場合、企業代表者から委任を受けて電子文書を作成する職員は、自ら個人番号カードを所持しないと電子委任状を発行してもらうことができなくなるのではないのかという点が懸念をされています。これは、個人番号カードを所持するかどうかというのは任意だということで言われてきたわけですが、この原則が事実上骨抜きにすることになってしまうのではないかという、こういう懸念もあるようです。
 以上について見解を伺います。
#198
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。三点の御指摘、お尋ねをいただいたところでございます。
 まず、一点目でございますけれども、電子商取引の普及とそれからマイナンバーカードの普及との関係、あくまでマイナンバーそのものではございませんで、マイナンバーカードの普及との関係ということでございます。
 電子商取引の更なる普及のためには、法人の代表者から委任を受けた者が、対面あるいは書面なく、電子的に契約書などの作成、提出を可能にすることが重要でございます。マイナンバーカードと電子委任状を組み合わせて利用することはそのための一つの有力な手段となると考えております。
 政府といたしましては、本法案で創設する電子委任状制度を活用しながら、電子商取引の更なる普及とマイナンバーカードの更なる利用拡大も一体的に進めてまいりたいというふうに考えております。
 それから、二点目のお尋ねでございますけれども、この法案は、政府調達を含む様々な手続の電子化をあくまで促進するために電子委任状を活用した手続をあくまで選択肢の一つとして御用意をするものでございます。実際に政府調達の場面で電子委任状を実際に利用するかどうかという点につきましては、調達に参加する個々の企業の御判断に委ねられておりまして、電子委任状を利用しないということをもって不利益が発生することはないものでございます。
 次に、三点目として、マイナンバーカードの利用は必須なのか否かという点でございます。
 作成した例えば電子文書に電子署名を付する場合には、マイナンバーカードや民間認定認証事業者が発行したカードに格納されたいわゆる電子証明書を用いる必要がございますけれども、本法案は、電子委任状の普及を通じまして様々な種類の電子化を進展させるとともに、マイナンバーカードの利活用の選択肢を広げようとするものでございまして、マイナンバーカードの利用を強制するというものではございません。
 電子的に書類を作成する場面において本人確認の方法が限定されるわけではなくて、マイナンバーカードの取得を必須とすると、こういった強制をするというものではないというふうに考えております。
#199
○又市征治君 紙ベースからデータ化へというのは時代の流れだということだと思うんですが、それはまたいろんな意味で企業、とりわけ小零細業者の人々に新たな設備投資というものを迫られる、こういうことでもあろうかと思うんですね。
 ICT利活用の促進というのは、これは総務省というだけではなくて政府の大方針のようですけれども、それが企業のこうした小零細企業などの淘汰にならないように、ここらのところは留意をいただき、そういう意味での配慮というものをしていく必要は是非求めておきたいと思うんです。
 最後に、この電子委任状取扱業務を営む事業者は国から認定を受ける必要があると思うのですけれども、この認定基準についてまず伺います。
 それから、この事業者の下には法人、個人、また契約書等の膨大な電子情報が集積されることになると思いますけれども、こういう情報が漏えいすることのないように、先ほどからも出ていますけれども、国は認定基準を考える必要があるんだろうと思うわけで、国としてはセキュリティー対策として事業者には具体的にどのようなことを求めていこうとされているのか、この点ですね。技術が日進月歩の今日、セキュリティー対策というものも当然まさに日進月歩で更新されていく必要があるわけでありまして、その点については今日現在どのようにお考えになっているのか、伺っておきます。
#200
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、この電子委任状取扱事業者のセキュリティーの確保というのは非常に重要なことだというふうに考えております。
 こうした事業者が企業の代表者の作成した電子委任状を自社のサーバー上に保管をすることになるわけでございますけれども、保管をしている電子委任状につきまして、例えば不正アクセスによって電子委任状の内容が改ざんをされるということになりますと不適正な内容の取引が行われる可能性がございます。こうした電子委任状の改ざんのリスク、それから二点目といたしまして、電子委任状の内容は企業の取引上の機密を含み得ることから、漏えいすると金銭的な損害が発生する可能性、こうした電子委任状の漏えいのリスク、それから三点目といたしまして、災害発生時などに電子委任状の内容が失われますと円滑な取引が妨げられる可能性といった電子委任状の滅失のリスク、こういったリスクが存在をしているところでございます。こうしたリスクに備えるために、電子委任状取扱事業者のセキュリティー水準を一定以上確保することが極めて重要でございます。
 このため、電子委任状取扱事業者の認定に当たりましては、認定の要件として、一定水準以上のセキュリティー対策を講ずることを求めることとしております。
 具体的な対策の内容につきましては基本指針の中で定めることとしておりますけれども、例えば通信回線経由での不正アクセスの防止、権限を有しない者による操作の防止、システムの動作記録、いわゆるログの取得、保存、責任体制の明確化と規程類の整備などの点につきまして必要な対策を講ずることを求めるということを想定しております。
 そして、こうしたセキュリティー対策が実際に行われているという実効性の担保ということが更に重要になってまいりますので、認定要件の一つといたしまして、定期的に外部機関の監査を受けるということを求めることとしております。また、さらに、何か問題があった場合には認定事業者に対して報告徴収や立入検査を行うこと、また、こうした問題が是正されない場合には認定事業者の認定を取り消すことも今回の法案上可能となっておりまして、こうした手段を段階的に用いることで電子委任状取扱事業者のセキュリティー確保に万全を期してまいりたいと考えております。
#201
○又市征治君 今ほど答弁もありましたように、情報の集中化が進むほど漏えいによる被害というものも極めて甚大になるわけですし、そういう懸念というのは国民の中にもいろいろと高まっているわけであります。
 そんなことは百も承知の上で情報の集中化を進められているわけでありますけれども、先日も国交省の関連サイトからアンケートの回答であるとか登記情報が外部へ流出した可能性があることが発覚をしたことはもう既に御存じだろうと思いますけれども、やはり情報を集中することが本当にいいのかどうか。ずっと、やっぱりこれは問答みたいなものですけれども、そういう意味で必ずしもいいとも言えない、だとすれば、もう徹底して本当に漏えいなどがないようにこの管理というものを徹底してやっていく、もう何重にもそのことの努力を進めていくということがやられていかないといけないのだろう、このことを強く改めて申し上げて、今日の私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#202
○委員長(横山信一君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 電子委任状の普及の促進に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#203
○委員長(横山信一君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#204
○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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