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2017/01/20 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 本会議 第1号
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2017/01/20 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 本会議 第1号

#1
第193回国会 本会議 第1号
平成二十九年一月二十日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第一号
  平成二十九年一月二十日
   午前十時開議
 第一 議席の指定
 第二 国務大臣の演説に関する件
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一
 一、特別委員会設置の件
 一、日程第二
     ─────・─────
#3
○議長(伊達忠一君) 第百九十三回国会は本日をもって召集されました。
 これより会議を開きます。
 日程第一 議席の指定
 議長は、本院規則第十四条の規定により、諸君の議席をただいまの仮議席のとおりに指定いたします。
     ─────・─────
#4
○議長(伊達忠一君) この際、特別委員会の設置についてお諮りいたします。
 災害に関する諸問題を調査し、その対策樹立に資するため、委員二十名から成る災害対策特別委員会を、
 沖縄及び北方問題に関する対策樹立に資するため、委員二十名から成る沖縄及び北方問題に関する特別委員会を、
 政治倫理の確立及び選挙制度に関する調査のため、委員三十五名から成る政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会を、
 北朝鮮による拉致等に関する諸問題を調査し、その対策樹立に資するため、委員二十名から成る北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会を、
 政府開発援助を始めとする国際援助・協力に関する諸問題を調査するため、委員三十名から成る政府開発援助等に関する特別委員会を、
 消費者の利益の擁護及び増進等に関する総合的な対策を樹立するため、委員二十五名から成る消費者問題に関する特別委員会を、
 また、東日本大震災からの復興に当たり、その総合的な対策樹立に資するため、委員四十名から成る東日本大震災復興特別委員会を、
それぞれ設置いたしたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。
 よって、災害対策特別委員会外六特別委員会を設置することに決しました。
 本院規則第三十条の規定により、議長は、議席に配付いたしました氏名表のとおり特別委員を指名いたします。
    ─────────────

    ─────────────
#6
○議長(伊達忠一君) これにて休憩いたします。
   午前十時三分休憩
     ─────・─────
   午後三時三十六分開議
#7
○議長(伊達忠一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第二 国務大臣の演説に関する件
 内閣総理大臣から施政方針に関し、外務大臣から外交に関し、財務大臣から財政に関し、石原国務大臣から経済に関し、それぞれ発言を求められております。これより順次発言を許します。内閣総理大臣安倍晋三君。
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
#8
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず冒頭、天皇陛下の御公務の負担軽減等について申し上げます。
 現在、有識者会議で検討を進めており、近々論点整理が行われる予定です。静かな環境の中で、国民的な理解の下に成案を得る考えであります。
 昨年末、オバマ大統領とともに真珠湾の地に立ち、さきの大戦で犠牲となった全ての御霊に哀悼の誠をささげました。
 我が国では、三百万余の同胞が失われました。あまたの若者たちが命を落とし、人々の暮らし、インフラ、産業はことごとく破壊されました。
 明治維新から七十年余りたった当時の日本は、見渡す限りの焼け野原、そこからの再スタートを余儀なくされました。
 しかし、先人たちは決して諦めなかった。廃墟と窮乏の中から敢然と立ち上がり、次の時代を切り開きました。世界第三位の経済大国、世界に誇る自由で民主的な国を未来を生きる世代のためつくり上げてくれました。
 戦後七十年余り、今を生きる私たちもまた、立ち上がらなければならない。戦後の、その先の時代を開くため、新しいスタートを切るときです。
 少子高齢化、デフレからの脱却と新しい成長、厳しさを増す安全保障環境、困難な課題に真正面から立ち向かい、未来を生きる世代のため、新しい国づくりに挑戦する。今こそ未来への責任を果たすべきときであります。
 私たちの子や孫、その先の未来、次なる七十年を見据えながら、皆さん、もう一度スタートラインに立って、共に新しい国づくりを進めていこうではありませんか。
 かつて敵として熾烈に戦った日本と米国は、和解の力により、強いきずなで結ばれた同盟国となりました。
 世界では今なお争いが絶えません。憎しみの連鎖に多くの人々が苦しんでいます。その中で、日米両国は、寛容の大切さと和解の力を示し、世界の平和と繁栄のため共に力を尽くす責任があります。
 これまでも、今も、そしてこれからも、日米同盟こそが我が国の外交・安全保障政策の基軸である。これは不変の原則です。できる限り早期に訪米し、トランプ新大統領と同盟のきずなを更に強化する考えであります。
 先月、北部訓練場、四千ヘクタールの返還が二十年越しで実現しました。沖縄県内の米軍施設の約二割、本土復帰後、最大の返還であります。地位協定についても、半世紀の時を経て初めて軍属の扱いを見直す補足協定が実現しました。
 さらに、学校や住宅に囲まれ、市街地の真ん中にあり、世界で最も危険と言われる普天間飛行場の全面返還を何としても成し遂げる。最高裁判所の判決に従い、名護市辺野古沖への移設工事を進めてまいります。
 かつて、最低でもと言ったことすら実現せず、失望だけが残りました。威勢のよい言葉だけを並べても、現実は一ミリも変わりません。必要なことは実行です。結果を出すことであります。
 安倍内閣は、米国との信頼関係の下、抑止力を維持しながら、沖縄の基地負担軽減に一つ一つ結果を出していく決意であります。
 本年は、様々な国のリーダーが交代し、大きな変化が予想されます。先の見えない時代において最も大切なこと、それは、しっかりと軸を打ち立て、そして、ぶれないことであります。
 自由、民主主義、人権、法の支配といった基本的価値を共有する国々と連携する。ASEAN、豪州、インドといった諸国と手を携え、アジア環太平洋地域からインド洋に及ぶこの地域の平和と繁栄を確固たるものとしてまいります。
 自由貿易の旗手として、公正なルールに基づいた二十一世紀型の経済体制を構築する。TPP協定の合意は、そのスタンダードであり、今後の経済連携の礎となるものであります。日EU・EPAのできる限り早期の合意を目指すとともに、RCEPなどの枠組みが野心的な協定となるよう交渉をリードし、自由で公正な経済圏を世界へと広げます。
 継続こそ力。就任から五年目を迎え、G7諸国のリーダーの中でも在職期間が長くなります。五百回以上の首脳会談の積み重ねの上に、地球儀を大きく俯瞰しながら、ダイナミックな平和外交、経済外交を展開し、世界の真ん中でその責任を果たしてまいります。
 日本海から東シナ海、南シナ海に至る地域では緊張が高まり、我が国を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しています。地域の平和と安定のため、近隣諸国との関係改善を積極的に進めてまいります。
 ロシアとの関係改善は、北東アジアの安全保障上も極めて重要です。しかし、戦後七十年以上たっても平和条約が締結されていない異常な状況にあります。
 先月、訪日したプーチン大統領と問題解決への真摯な決意を共有しました。元島民の皆さんのふるさとへの自由な訪問やお墓参り、北方四島全てにおける特別な制度の下での共同経済活動について、交渉開始で合意し、新たなアプローチの下、平和条約の締結に向けて重要な一歩を踏み出しました。
 この機運に弾みを付けるため、本年の早い時期にロシアを訪問します。七十年以上動かなかった領土問題の解決は容易なことではありませんが、高齢である島民の皆さんの切実な思いを胸に刻み、平和条約締結に向け、一歩でも二歩でも着実に前進していきます。
 本年、日中韓サミットを我が国で開催し、経済、環境、防災など幅広い分野で地域レベルの協力を強化します。
 韓国は、戦略的利益を共有する最も重要な隣国です。これまでの両国間の国際約束、相互の信頼の積み重ねの上に、未来志向で新しい時代の協力関係を深化させてまいります。
 中国の平和的発展を歓迎します。地域の平和と繁栄に大きな責任を有することを共に自覚し、本年の日中国交正常化四十五周年、来年の日中平和友好条約締結四十周年という節目を迎えるこの機を捉え、戦略的互恵関係の原則の下、大局的な観点から、共に努力を重ね、関係改善を進めます。
 北朝鮮が昨年、二度にわたる核実験、二十発以上の弾道ミサイル発射を強行したことは、断じて容認できません。安保理決議に基づく制裁に加え、関係国と協調し、我が国独自の措置も実施しました。対話と圧力、行動対行動の一貫した方針の下、核、ミサイル、そして、引き続き最重要課題であり、発生から長い年月がたつ拉致問題の包括的な解決に向け、北朝鮮が具体的な行動を取るよう強く求めます。
 真新しい国旗を手に、誇らしげに入場行進する選手たち。南スーダン独立後初めての全国スポーツ大会は、異なる地域から異なる民族の選手たちが一堂に会しました。
 その会場の一つとなる穴だらけだったグラウンドに一千個を超えるコンクリートブロックを一つ一つ手作業で埋め込んだのは、日本の自衛隊員たちです。
 最終日、サッカー決勝は、くしくも政治的に対立する民族同士の戦い。しかし、選手も観客もフェアプレーを貫きました。終了後には、勝利した側の選手が負けた側の選手の肩を抱き、互いの健闘をたたえ合う光景がそこにはありました。
 幼い息子さんを連れて観戦に来ていたジュバ市民の一人は、その姿に感動し、こう語っています。毎日スポーツが行われるような平和な国になってほしい。
 隊員たちが造ったのは単なるグラウンドではありません。平和を生み出すグラウンドであります。自衛隊の活動一つ一つが間違いなく南スーダンの自立と平和な国づくりにつながっている。
 灼熱のアデン湾では、今このときも、海賊対処に当たる隊員諸君がいます。三千八百隻を上回る世界の船舶を護衛してきました。
 平和のため黙々と汗を流す自衛隊の姿を世界が称賛し、感謝し、頼りにしています。与えられた任務を全力で全うする彼らは日本国民の誇りであります。
 テロ、難民、貧困、感染症、世界的な課題は深刻さを増しています。こうした現実から我が国だけが目を背けるようなことはあってはなりません。今こそ、積極的平和主義の旗を高く掲げ、世界の平和と繁栄のため、皆さん、あたう限りの貢献をしていこうではありませんか。
 昨年、大隅良典栄誉教授がノーベル医学・生理学賞を受賞し、三年連続で日本人がノーベル賞を獲得。世界の真ん中で輝く姿に、やればできる、日本全体が大きな自信と勇気をもらいました。
 未来は予言できない、しかし、つくることはできる。ノーベル賞物理学者、デニス・ガボールの言葉です。
 五年前、日本には根拠なき未来の予言があふれていました。人口が減少する日本はもう成長できない。日本はたそがれを迎えている。不安をあおる悲観論が蔓延していました。まさにデフレマインド、諦めという名の壁が立ちはだかり、政権交代後も、アベノミクスで成長なんかできない、私たちの経済政策には批判ばかりでありました。
 しかし、日本はまだまだ成長できる。その未来をつくるため、安倍内閣は、この四年間、三本の矢を放ち、壁への挑戦を続けてきました。
 その結果、名目GDPは四十四兆円増加、九%成長しました。中小・小規模事業者の倒産は二十六年ぶりの低水準となり、政権交代前と比べ三割減らすことに成功しました。
 長らく言葉すら忘れられていたベースアップが三年連続で実現しました。史上初めて四十七全ての都道府県で有効求人倍率が一倍を超えました。全国津々浦々で確実に経済の好循環が生まれています。
 格差を示す指標である相対的貧困率が足下で減少しています。特に子供の相対的貧困率は二%減少し、七・九%。十五年前の調査開始以来一貫して増加していましたが、安倍内閣の下、初めて減少に転じました。
 できないと思われていたことが次々と実現できた。かつての悲観論は完全に間違っていた。そのことを私たち自公政権は証明しました。
 その経済の好循環を更に進めていく。今後も、安定した政治基盤の下、力を合わせ、私たちの前に立ちはだかる壁を次々と打ち破っていこうではありませんか。
 景気回復の風を、更に全国津々浦々、中小・小規模事業者の皆さんにお届けする。
 先月、五十年ぶりに、下請代金の支払について通達を見直しました。これまで下請事業者の資金繰りを苦しめてきた手形払の慣行を断ち切り、現金払を原則とします。近年の下請いじめの実態を踏まえ、下請法の運用基準を十三年ぶりに抜本改定しました。今後、厳格に運用し、下請取引の条件改善を進めます。
 四月から、成長の果実を生かし、雇用保険料率を引き下げます。これにより、中小・小規模事業者の負担を軽減し、働く皆さんの手取りアップを実現します。さらに、賃上げに積極的な事業者を税額控除の拡充により後押しします。
 生産性向上のため、今後二年間の設備投資には、固定資産税を三年間半減する。この仕組みを、製造業だけでなく、小売・サービス業にも拡大することで、商店街などにおいても攻めの投資を促します。
 一日平均二十人。人影が消え、シャッター通りとなった岡山の味野商店街は、その壁に挑戦しました。
 地場の繊維産業を核に、商店街、自治体、商工会議所が一体で、児島ジーンズストリートを立ち上げました。三十店を超えるジーンズ店が軒を並べ、ジーンズ柄で構内がラッピングされた駅からは、ジーンズバスやジーンズタクシーが走ります。
 まさにジーンズの聖地。今や、年間十五万人を超える観光客が集まる商店街へ生まれ変わりました。評判は海外にも広がり、アジアからの外国人観光客も増えています。
 地方には、それぞれの魅力、観光資源、ふるさと名物があります。それを最大限生かすことで、過疎化という壁も必ずや打ち破ることができるはずです。
 自分たちの未来を、自らの創意工夫と努力で切り開く。地方の意欲的なチャレンジを、自由度の高い地方創生交付金によって後押しします。
 地方の発意による、地方のための分権改革を進めます。空き家や遊休地の活用に関する制限を緩和し、自治体による有効利用を可能とします。
 ふるさとへの情熱を持って地方創生にチャレンジする。そうした地方の皆さんを、安倍内閣は全力で応援します。
 一千万人の壁。政権交代前、外国人観光客は年間八百万人余りで頭打ちとなっていました。
 安倍内閣は、その壁を僅か一年で突破しました。四年連続で過去最高を更新し、昨年は、三倍の二千四百万人を超えました。
 日本を訪れる外国クルーズ船は、僅か三年で四倍に増加。秋田港で竿燈祭り、青森港でねぶた祭り、徳島小松島港で阿波踊り、各地自慢の祭りを巡る外国のクルーズツアーが企画されるなど、地方に大きなチャンスが生まれています。
 民間資金を活用し、国際クルーズ拠点の整備を加速します。港湾法を改正し、投資を行う事業者に岸壁の優先使用などを認める新しい仕組みを創設します。
 沖縄はアジアとの懸け橋、我が国の観光や物流のゲートウエーです。新石垣空港では、昨年、香港からの定期便の運航が始まり、外国人観光客の増加に沸いています。機材の大型化に対応するための施設整備を支援します。
 全国の地方空港で、国際定期便の就航を支援するため、着陸料の割引、入国管理等のインフラ整備を行います。羽田、成田両空港の二〇二〇年四万回の容量拡大に向け、羽田空港では新しい国際線ターミナルビルの建設に着手します。
 いわゆる民泊の成長を促すため、規制を改革します。衛生管理などを条件に、旅館業法の適用を除外することで民泊サービスの拡大を図ります。
 あらゆる政策を総動員して、次なる四千万人の高みを目指し、観光立国を推し進めてまいります。
 地方経済の核である農業では、高齢化という壁が立ちはだかってきました。平均年齢は六十六歳を超えています。
 しかし、攻めの農政の下、四十代以下の新規就農者は二年連続で増加し、足下では、統計開始以来最多の二万三千人を超えました。生産農業所得も、直近で年間三兆三千億円、過去十一年間で最も高い水準まで伸びています。
 更なる弾みを付けるため、八本に及ぶ農政改革関連法案を今国会に提出し、改革を一気に加速します。
 農業版の競争力強化法を制定します。肥料や飼料を一円でも安く仕入れ、農産物を一円でも高く買ってもらう。そうした農家の皆さんの努力を後押しするため、生産資材や流通の分野で事業再編、新規参入を促します。委託販売から買取り販売への転換など、農家のための全農改革を進めます。数値目標の達成状況を始め、その進捗をしっかりと管理してまいります。
 牛乳や乳製品の流通を事実上農協経由に限定している現行の補給金制度を抜本的に見直し、生産者の自由な経営を可能とします。
 農地バンクの下、農地の大規模化を進めます。世界のマーケットを目指し、生産行程や流通管理の規格化、ジェトロの世界ネットワークを活用したブランド化を展開し、競争力を強化します。
 農政改革を同時並行で一気呵成に進め、若者が農林水産業に自分たちの夢や未来を託することができる農政新時代を、皆さん、共に切り開いていこうではありませんか。
 チャレンジを阻むあらゆる壁を打ち破ります。イノベーションを次々と生み出すため、研究開発投資、そして規制改革、安倍内閣は三本目の矢を次々と打ち続けます。
 医療情報について、匿名化を前提に利用可能とする新しい仕組みを創設します。ビッグデータを活用し、世界に先駆けた新しい創薬や治療法の開発を加速します。
 人工知能を活用した自動運転、その未来に向かって、本年、各地で実証実験が計画されています。国家戦略特区などを活用して、自動運転の早期実用化に向けた民間の挑戦を後押しします。
 民間の視点に立った行政改革も進めます。長年手付かずであった各種の政府統計について、一体的かつ抜本的な改革を行います。
 本年四月からガスの小売を完全に自由化します。昨年の電力自由化と併せ、多様なサービスのダイナミックな展開とエネルギーコストの低廉化を実現します。
 水素エネルギーは、エネルギー安全保障と温暖化対策の切り札です。これまでの規制改革により、ここ日本で未来の水素社会がいよいよ幕を開けます。三月、東京で、世界で初めて大容量の燃料電池を備えたバスが運行を始めます。来年春には、全国で百か所の水素ステーションが整備され、神戸で水素発電による世界初の電力供給が行われます。
 二〇二〇年には、現在の四十倍、四万台規模で燃料電池自動車の普及を目指します。世界初の液化水素船による大量水素輸送にも挑戦します。生産から輸送、消費まで、世界に先駆け、国際的な水素サプライチェーンを構築します。その目標の下、各省庁にまたがる様々な規制を全て洗い出し、改革を進めます。
 再生可能エネルギーから大規模に水素を製造する。最先端の実証プロジェクトが福島で動き出しました。
 南相馬では、町工場の若い後継者たちが力を合わせ、災害時に水中調査を行うロボットを開発しました。その一人、金型工場の二代目、渡邉光貴さんが強い決意を私に語ってくれました。南相馬がロボットの町と言われるよう、若い力で頑張る。
 原発事故により大きな被害を受けた浜通り地域は、今、世界最先端の技術が生まれる場所になろうとしています。
 福島復興特措法を改正し、イノベーション・コースト構想を推し進めます。官民合同チームの体制を強化し、なりわいの復興を加速します。
 今年度中に、帰還困難区域を除き、除染が完了します。廃炉、賠償等を安定的に実施することと併せ、二〇二〇年には身近な場所から仮置場をなくせるよう、中間貯蔵施設の建設を急ぎます。帰還困難区域でも、復興拠点を設け、五年を目途に避難指示解除を目指し、国の負担により除染やインフラ整備を一体的に進めます。
 東北三県では、来年春までに、九五%を超える災害公営住宅が完成し、高台移転も九割で工事が完了する見込みです。農業、水産業、観光業など、なりわいの復興を力強く支援します。
 熊本地震以来通行止めとなっていた俵山トンネルを含む熊本高森線が先月開通し、日本が誇る観光地、阿蘇へのアクセスが大きく改善しました。今後、熊本空港ターミナルビルの再建、さらには復興のシンボルである熊本城天守閣の早期復旧を国として全力で支援してまいります。
 昨年の台風十号では、岩手の岩泉町で、避難が遅れ、九名の高齢者の方々が川の氾濫の犠牲となりました。現場に足を運び、御冥福をお祈りするとともに、再発防止への決意を新たにしました。
 水防法を抜本的に改正します。介護施設、学校、病院など避難に配慮が必要な方々がいらっしゃる施設では、避難計画の作成、訓練の実施を義務化します。中小河川も含め、地域住民に水災リスクが確実に周知されるようにします。
 治水対策のほか、水害や土砂災害への備え、最先端技術を活用した老朽インフラの維持管理など、事前防災・減災対策に徹底して取り組み、国土強靱化を進めます。
 糸魚川の大規模火災で被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。一日も早い生活再建、事業再開に向け、国も全力で支援してまいります。
 お年寄りなどを狙った悪質業者が後を絶ちません。被害者の救済を消費者団体が代わって求める新しい訴訟制度が昨年スタートしました。これを国民生活センターがバックアップする仕組みを整え、より迅速な救済を目指します。
 三年後に迫ったオリンピック・パラリンピックを必ず成功させる。サイバーセキュリティー対策、テロなど組織犯罪への対策を強化します。受動喫煙対策の徹底、ユニバーサルデザインの推進、多様な食文化への対応など、この機を生かし、誰もが共生できる町づくりを進めます。
 昨年七月、障害者施設で何の罪もない多くの方々の命が奪われました。決してあってはならない事件であり、断じて許せません。精神保健福祉法を改正し、措置入院患者に対して退院後も支援を継続する仕組みを設けるなど、再発防止対策をしっかりと講じてまいります。
 障害や難病のある方も、女性も男性も、お年寄りも若者も、一度失敗を経験した方も、誰もが生きがいを持ってその能力を存分に発揮できる社会をつくる。一億総活躍の未来を切り開くことができれば、少子高齢化という課題も必ずや克服できるはずです。
 しかし、家庭環境や事情は人それぞれ異なります。何かをやりたいと願っても、画一的な労働制度、保育や介護との両立など様々な壁が立ちはだかります。こうした壁を一つ一つ取り除く、これが一億総活躍の国づくりであります。
 最大のチャレンジは、一人一人の事情に応じた多様で柔軟な働き方を可能とする労働制度の大胆な改革、働き方改革です。
 アベノミクスによって、有効求人倍率は、現在、二十五年ぶりの高い水準、この三年間ずっと一倍を上回っています。正規雇用も、一昨年、増加に転じ、二十四か月連続で前年を上回る勢いです。雇用環境が改善する中、民間企業でも、定年延長や定年後も給与水準を維持するなど、前向きな動きが生まれています。
 雇用情勢が好転している今こそ、働き方改革を一気に進める大きなチャンスです。三月に実行計画を決定し、改革を加速します。
 同一労働同一賃金を実現します。昇給の扱いが違う、通勤などの各種手当が支給されない、福利厚生や研修において扱いが異なるなど、不合理な待遇差を個別具体的に是正するため、詳細なガイドライン案を策定しました。今後、その根拠となる法改正について、早期の国会提出を目指し立案作業を進めます。
 一年余り前、入社一年目の女性が、長時間労働による過酷な状況の中、自ら命を絶ちました。御冥福を改めてお祈りするとともに、二度と悲劇を繰り返さないとの強い決意で長時間労働の是正に取り組みます。いわゆる三六協定でも超えることができない、罰則付きの時間外労働の限度を定める法改正に向けて作業を加速します。
 抽象的なスローガンを叫ぶだけでは世の中は変わりません。重要なことは、何が不合理な待遇差なのか、時間外労働の限度は何時間なのか、具体的に定めることです。言葉だけのパフォーマンスではなく、しっかりと結果を生み出す働き方改革を、皆さん、共に進めていこうではありませんか。
 人は幾つからでもどんな状況からでも再出発できる。十六年間子育てに専念した後、リカレント教育を受け再就職を果たした島千佳さんの言葉です。役職にも就き、仕事に大変やりがいを感じているそうです。島さんは、笑顔で私にこう語ってくれました。子育ての経験をしたからこそ、今の職場で生かせることがたくさんある。子育てや介護など多様な経験を持つ人たちの存在は、企業にとって大きなメリットを生み出すはずです。
 百三万円の壁を打ち破ります。パートで働く皆さんが就業調整を意識せずに働くことができるよう、配偶者特別控除の収入制限を大幅に引き上げます。
 出産などを機に離職した皆さんの再就職、学び直しへの支援を抜本的に拡充します。復職に積極的な企業を支援する助成金を創設します。雇用保険法を改正し、教育訓練給付の給付率、上限額を引き上げます。子供を託児所に預けながら職業訓練が受けられる、また、土日、夜間にも必要な講座を受講できるなど、きめ細かく再就職支援の充実を図ります。
 保育や介護と仕事の両立を図る。
 子育てを理由に仕事を辞めずに済むよう、育休給付の支給期間を最大二歳まで延長します。地方と連携し、子育て世帯に対する住宅ローン金利を引き下げ、三世代の近居や同居を支援します。
 待機児童ゼロ、介護離職ゼロ、その大きな目標に向かって、保育、介護の受皿整備を加速します。国家戦略特区で実施してきた都市公園に保育園や介護施設の建設を認める規制緩和を全国展開します。
 人材を確保するため、来年度予算でも処遇改善に取り組みます。介護職員の皆さんには、経験などに応じて昇給する仕組みをつくり、月額平均一万円相当の改善を行います。保育士の方々には、おおむね経験三年以上で月五千円、七年以上で月四万円の加算を行います。
 加えて、全ての保育士の皆さんに二%の処遇改善を実施します。これにより、政権交代後、合計で一〇%の改善が実現いたします。他方で、あの三年三か月、保育士の方々の処遇は、改善するどころか引き下げられていた。重要なことは、言葉を重ねることではありません。責任を持って財源を確保し、結果を出すことであります。安倍内閣は、言葉ではなく結果で国民の負託に応えてまいります。
 年金受給資格期間を二十五年から十年に短縮します。消費税率引上げを延期した中でも、十月から新しく六十四万人の方々に年金支給を開始します。自治体による国保の安定的な運営のため、財政支援を拡充します。最低賃金が大きく上昇を続ける中、失業給付について、若い世代への支給期間を延長するなど改善を実施します。
 来年度予算では、政府交代前と比べ、国の税収は十五兆円増加し、新規の公債発行額は十兆円減らすことができました。こうしたアベノミクスの果実も生かし、成長と分配の好循環をつくり上げてまいります。同時に、将来にわたり持続可能な社会保障制度を構築するため、改革の手も決して緩めません。
 薬価制度の抜本改革を断行します。二年に一回の薬価改定を毎年実施することとし、国民負担の軽減と医療の質の向上の両立を図ります。医療保険で、高齢者の皆さんが現役世代より優遇される特例に関し、一定の所得がある方については見直しを実施します。
 累次の改革が実を結び、かつて毎年一兆円ずつ増えていた社会保障費の伸びは、今年度予算に続き来年度予算においても五千億円以下に抑えることができました。引き続き、経済再生と財政再建、社会保障改革の三つを同時に実現しながら、一億総活躍の未来を切り開いてまいります。
 我が国の未来、それは、子供たちであります。子供たち一人一人の個性を大切にする教育再生を進めます。
 先般成立した教育機会確保法を踏まえ、フリースクールの子供たちへの支援を拡充し、いじめや発達障害など様々な事情で不登校となっている子供たちが自信を持って学んでいける環境を整えます。
 実践的な職業教育を行う専門職大学を創設します。選択肢を広げることで、これまでの単線的、画一的な教育制度を変革します。
 邑に不学の戸なく、家に不学の人なからしめん。明治日本が学制を定め、国民教育の理想を掲げたのは、今から百四十年余り前のことでした。それから七十年余り、日本国憲法が普通教育の無償化を定め、小中学校九年間の義務教育制度がスタートしました。
 本年は、その憲法施行から七十年の節目であります。この七十年間、経済も社会も大きく変化しました。子供たちがそれぞれの夢を追いかけるためには、高等教育もまた、全ての国民に真に開かれたものでなければなりません。
 学制の序文には、こう記されています。学問は身を立るの財本ともいふべきもの。どんなに貧しい家庭で育っても、夢をかなえることができる。そのためにも、誰もが希望すれば高校にも専修学校、大学にも進学できる環境を整えなければなりません。
 高校生への奨学給付金を更に拡充します。本年春から、その成績にかかわらず、必要とする全ての学生が無利子の奨学金を受けられるようにします。返還についても、卒業後の所得に応じて変える制度を導入することで負担を軽減します。
 さらに、返還不要、給付型の奨学金制度を新しく創設いたします。本年から、児童養護施設や里親の下で育った子供たちなど、経済的に特に厳しい学生を対象に先行的にスタートします。来年以降、一学年二万人規模で、月二万円から四万円の奨学金を給付します。
 幼児教育についても、所得の低い世帯では第三子以降に加え第二子も無償とするなど、無償化の範囲を更に拡大します。
 全ての子供たちが、家庭の経済事情にかかわらず、未来に希望を持ち、それぞれの夢に向かって頑張ることができる。そうした日本の未来を、皆さん、共に切り開いていこうではありませんか。
 子や孫のため、未来を開く。
 土佐湾でハマグリの養殖を始めたのは、江戸時代、土佐藩の重臣、野中兼山だったと言われています。こうした言い伝えがあります。おいしいハマグリを江戸から土産に持ち帰る。兼山の知らせを受け、港では大勢の人が待ち構えていました。しかし、到着するや否や、兼山は船いっぱいのハマグリを全部海に投げ入れてしまった。ハマグリを口にできず文句を言う人たちを前に、兼山はこう語ったと言います。このハマグリは末代までの土産である、子たち、孫たちにも味わってもらいたい。兼山のハマグリは、土佐の海に定着しました。そして、三百五十年の時を経た今も、高知の人々に大きな恵みをもたらしている。まさに未来を開く行動でありました。
 未来は変えられる。全ては私たちの行動に懸かっています。
 ただ批判に明け暮れたり、言論の府である国会の中でプラカードを掲げても何も生まれません。意見の違いはあっても、真摯かつ建設的な議論を闘わせ、結果を出していこうではありませんか。
 自らの未来を自らの手で切り開く。その気概が今こそ求められています。
 憲法施行七十年の節目に当たり、私たちの子や孫、未来を生きる世代のため、次なる七十年に向かって、日本をどのような国にしていくのか。その案を国民に提示するため、憲法審査会で具体的な議論を深めようではありませんか。
 未来を開く。これは、国民の負託を受け、この議場にいる全ての国会議員の責任であります。
 世界の真ん中で輝く日本を、一億総活躍の日本を、そして子供たちの誰もが夢に向かって頑張ることができる、そういう日本の未来を、共にここから切り開いていこうではありませんか。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
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#9
○議長(伊達忠一君) 外務大臣岸田文雄君。
   〔国務大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(岸田文雄君) 第百九十三回国会に当たり、外交の基本方針について所信を申し述べます。
 本年、二〇一七年は、様々な変化の可能性を秘めた年です。現在、世界各地では、保護主義や内向きの傾向が強まり、また法の支配に基づく国際秩序が挑戦にさらされています。こうした中、同盟国米国では、まさに本日、トランプ新大統領が就任し、八年ぶりに政権が交代します。フランス、イラン、韓国では大統領選挙が行われ、ドイツ、オランダでは議会選挙が行われます。中国でも五年に一度の共産党大会が開催される予定です。さらに、英国のEU離脱交渉も開始される予定です。国際社会において不透明感が増大しています。
 その中で日本は、これまで四年間にわたり安定した政治、外交を実現し、国際社会における存在感を高めてきました。昨年はG7議長国として国際社会の議論をリードするなど、日本は、世界の安定と繁栄を主導する国として多くの国から期待される存在です。日本は、国際社会の安定勢力として、基本的価値を共有する国々と連携し、変化の可能性を秘めたこの一年が日本の国益を増進し、世界の平和と繁栄につながる一年となるよう、国際社会をリードしていかなければなりません。
 本年も、引き続き、日米同盟の強化、近隣諸国との関係強化、日本経済の成長を後押しする経済外交の推進という三本柱を中心に、日本外交を力強く推し進めてまいります。
 第一の柱は日米同盟の強化です。
 日米同盟が日本外交の基軸という方針は不変です。世界経済の原動力であるアジア太平洋地域の安定は日米両国の共通の利益です。昨年末、安倍総理の真珠湾訪問において日米の和解の価値を国際社会に示しました。戦後七十一年の日米協力の積み重ねに基づく日米同盟の強化こそが地域の平和と繁栄の鍵であるとの認識の下、トランプ新政権とも緊密な関係を構築しつつ、日米同盟を一層強化するとともに、地域及び世界の平和と繁栄に貢献します。
 日米同盟の抑止力を一層強化すべく、新たな日米物品役務相互提供協定、日米ACSAについて国会で御承認いただけるよう丁寧に説明するとともに、新ガイドライン及び平和安全法制の下での具体的な協力を更に進めていきます。在日米軍の安定的駐留には地元の御理解が不可欠です。北部訓練場の過半の返還が実現し、日米地位協定の軍属に関する補足協定を署名しました。普天間飛行場の一日も早い辺野古への移設を始め、引き続き沖縄の負担軽減に全力で取り組みます。
 また、米国を中心とした同盟ネットワークの強化に向け、日米豪、日米印、日豪印の協力も強化していきます。
 第二の柱は、近隣諸国との関係強化です。
 日中関係は最も重要な二国間関係の一つです。戦略的互恵関係の下、両国が地域や国際社会における協力関係を築いていくことが重要です。昨年春の私の訪中や累次の首脳会談を経て、日中関係の肯定的な側面を拡充強化し、懸案を適切に処理しながら、本年の日中国交正常化四十五周年という節目の年に日中関係を全面的に改善させていくよう双方が努力することで一致しています。引き続き、様々な分野での対話、協力、交流を強化し、安定的に関係を発展させていくべく、私自身も引き続き努力してまいります。
 東シナ海では、中国による尖閣諸島周辺における領海侵入や一方的な資源開発などが継続しています。日本として主張すべきことは主張し、引き続き毅然かつ冷静に対応します。
 韓国は戦略的利益を共有する最も重要な隣国です。一方、昨年末に、在釜山総領事館に面する歩道に新たに慰安婦像が設置された事態は極めて遺憾です。一昨年末の慰安婦問題に関する合意を双方が責任を持って実施することを引き続き韓国側に強く求めていきます。
 日本固有の領土である竹島については、引き続き日本の主張をしっかり伝え、粘り強く対応します。
 安全保障を含む幅広い分野において様々なレベルで意思疎通を図り、相互の信頼の下、日韓関係を未来志向の新時代へと発展させていくことが重要です。
 日中韓三か国による協力プロセスは重要な意義を有しています。議長国として、昨年八月に日中韓外相会議を開催したのに続き、本年のしかるべき時期に日本において日中韓サミットを開催するよう調整します。
 北朝鮮による核実験や度重なる弾道ミサイルの発射は、新たな段階の脅威であり、断じて容認できません。日本は、米国、韓国及び関係国と緊密に連携しながら、北朝鮮への人、物、金の流れを更に厳しく規制する安保理決議の実効性を確保し、独自の措置を着実に実施するなど、断固たる対応を取っていきます。さらに、北朝鮮の脅威に対処するため、日米韓の連携を主導し、日米及び日米韓の安全保障協力など、これまでの取組を更に前進させていきます。
 拉致問題は政権の最重要課題です。対話と圧力、行動対行動の原則の下、ストックホルム合意の履行を引き続き求めつつ、一日も早い全ての拉致被害者の帰国を実現し、御家族の皆様との再会という積年の思いを遂げるため、引き続きあらゆる努力を傾注する決意です。
 昨年十二月のプーチン大統領の訪日は平和条約の締結に向けた重要な一歩となりました。今後も、政治対話を積み重ねながら、日本の国益に資するよう日ロ関係を更に発展させていきたいと考えています。
 最大の懸案である北方領土問題について、先般の首脳会談では、北方四島における特別な制度の下での共同経済活動に関する協議を開始し、また、元島民の方々がより自由にふるさとを訪問するために手続を改善することでも一致したところです。引き続き、北方四島の帰属問題を解決して平和条約を締結すべく、新しいアプローチに基づき粘り強く交渉を続けます。
 また、ウクライナ情勢の平和的解決に向け、G7等との連帯を重視しつつ、引き続き建設的な役割を果たしていきます。
 ASEANは、本年、設立五十周年を迎えます。ASEANの更なる統合、繁栄及び安定は、地域の平和と安定にとり極めて重要です。ASEANの中心性及び一体性を支持しつつ、ASEAN及びASEAN各国との関係を一層強化します。
 先般の総理訪豪の成果に基づき、豪州との特別な戦略的パートナーシップを一層深化します。インドとは、日印新時代を更に大きく飛躍させるべく、モディ首相訪日の成果に基づき関係を深化させます。太平洋・島サミットプロセスを通じ、太平洋島嶼国との関係を一層強化します。
 また、EUやNATOといった地域的枠組みも活用しつつ、欧州との関係を重層的に強化します。特に、英国、フランス、ドイツ、イタリアとの間で安全保障、防衛分野における協力も推進していきます。中央アジア・コーカサス諸国はユーラシアの安定に重要な戦略的要衝であり、様々な分野での協力関係の拡大を推進します。また、中南米諸国等との協力関係を拡大します。
 第三の柱は、日本経済の成長を後押しする経済外交の推進です。
 自由貿易は世界経済成長の源泉であり、TPPを含め、日本が先頭に立ってこれを牽引していきます。
 日EU・EPA交渉は、可能な限り早期に大枠合意が実現できるよう最大限努力します。また、東アジア地域包括的経済連携、RCEP、日中韓FTA等、他の経済連携協定の交渉も質の高い協定を目指して推進していきます。
 企業の海外展開支援を在外公館と一体となって支援します。質の高いインフラの輸出、訪日観光客、対日投資の拡大などを官民一体で精力的に進めます。
 英国のEU離脱については、世界経済や日系企業の活動に対する離脱による影響を最小限にすべく、引き続き英国及びEUに対し働きかけを行っていきます。
 日本は国連安保理非常任理事国として二年目を迎えます。南スーダンPKOへの要員派遣を含め、国際社会の平和と安定のため、一層貢献してまいります。
 また、包括的な安保理改革を推進するため、G4の一員として、改革推進派諸国と緊密に連携し、早期改革に向けた努力を続けます。
 昨年五月のオバマ大統領の被爆地広島訪問は、核兵器のない世界に向けた国際的機運を再び盛り上げることにつながりましたが、引き続き、核兵器のない世界の実現に向け、唯一の戦争被爆国として、核兵器国と非核兵器国との間の協力を促し、現実的かつ実践的な取組を重ねることで、NPTを始めとする軍縮・不拡散の国際的な取組をリードしていきます。
 なお、核兵器禁止条約交渉については、ただいま申し上げた考えの下、主張すべきは主張していくことが重要であると考えます。いずれにせよ、政府全体で検討していく考えです。
 開発協力大綱の下、国際社会の平和と安定及び繁栄と、それを通じた日本の国益確保に官民一体で取り組むべく、積極的かつ戦略的なODAの活用に努めます。
 人間の安全保障の考えの下、実施指針に基づき、持続可能な開発のための二〇三〇アジェンダを着実に実施していきます。
 TICADYの成果を踏まえ、官民が連携した取組を通じてアフリカ諸国を支援していきます。
 気候変動に関するパリ協定については、全ての国による実効的な排出削減が達成されるよう、各国の排出削減の透明性がより高まるルール作りに貢献していきます。
 女性の活躍推進に向けた日本の積極的取組の発信、難民・避難民問題への取組、科学技術の外交への一層の活用を引き続き推進します。
 鯨類を含む海洋生物資源の持続可能な利用については、日本の政策に対する国際社会の理解と支持を得るべく一層努力します。
 アジア太平洋地域の安全保障環境は一層厳しさを増しています。国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、平和安全法制の下で、地域と国際社会の平和と安定及び繁栄にこれまで以上に積極的に貢献していくとともに、いかなる事態に際しても国民の命と平和な暮らしを守り抜きます。
 南シナ海における一方的な現状変更は国際社会共通の懸念事項です。引き続き、関係国と連携し、南シナ海をめぐる問題の全ての当事国が国際法に基づく紛争の平和的解決に向け努力することの重要性を訴えてまいります。海における法の支配の三原則に基づき、開かれ安定した海洋の維持発展に取り組みます。
 中東地域の安定に向け問題の根本的な原因に対処するとともに、地域各国に安定の実現に向けた建設的役割を働きかけていきます。
 拡大するテロ、暴力的過激主義の脅威に対し、特にアジアにおける水際対策や穏健な社会の構築など、国際連携を強化し、国際テロ情報収集ユニットを通じた情報収集を含め、総合的なテロ及び暴力的過激主義対策に取り組んでいきます。
 昨年七月のダッカ襲撃テロ事件を受けて作成した報告書に沿って、国際協力事業関係者の安全対策の強化を進めるとともに、中堅・中小企業を含む海外進出企業、留学生など在外邦人の安全対策を更に強化していきます。
 宇宙空間及びサイバー空間における法の支配の強化のための国際的なルール作りや北極をめぐる国際社会の努力に積極的に参加するとともに、各国との協力をより一層強化します。
 主要国並みの外交実施体制の実現を含む総合的な外交力を引き続き強化します。日本の正しい姿や多様な魅力を、本年、世界三か所に開設するジャパン・ハウスも活用しつつ、戦略的に対外発信するとともに、親日派、知日派の育成を引き続き強力に推進していきます。日本の魅力は地方にこそあふれています。地方から世界へ地方の魅力を発信し、世界から地方へ多くの外国人観光客、対内投資などを誘致できるよう私自身が先頭に立って取り組んでいきます。
 政府は、これまで四年間、日本を取り巻く厳しい安全保障環境を冷静に認識し、平和安全法制や特定秘密保護法を制定するなど、安全保障面での備えを整備する取組を進めてきました。同時に、オバマ大統領の広島訪問や安倍総理の真珠湾訪問、韓国との一昨年の慰安婦問題に関する日韓合意といった和解の取組、また、軍縮、防災、女性の活躍推進などのグローバルな課題への積極的な取組を続けるなど、外交におけるバランスを重視してきました。こうしたバランスの取れた外交こそ外交に対する国民の理解を得る上で重要であり、今後も丁寧に説明の努力を続けながら外交を進めていきたいと考えています。
 議員各位そして国民の皆様の御理解と御協力を心からお願い申し上げます。(拍手)
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#11
○議長(伊達忠一君) 財務大臣麻生太郎君。
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(麻生太郎君) 平成二十九年度予算及び平成二十八年度第三次補正予算の御審議に当たり、財政政策等の基本的な考え方について所信を申し述べますとともに、予算の大要を御説明させていただきたいと存じます。
 日本経済につきましては、安倍内閣のこれまでの取組によって、雇用・所得環境が着実に改善するなど、経済の好循環が生まれてきております。この好循環をより確かなものにするため、今後とも、金融政策、財政政策、構造改革を総動員してアベノミクスを一層加速してまいります。
 一億総活躍社会の実現に向けては、未来への投資の拡大に向けた成長戦略を推進するとともに、子育て、介護の環境整備等の取組を進め、少子高齢化社会を乗り越えるための潜在成長率を向上させてまいります。
 また、厳しい環境にある財政につきましても、その持続可能性を維持するため、二〇二〇年度の基礎的財政収支の黒字化目標の達成に向け、経済・財政再生計画及び改革工程表に沿って、これまでの歳出歳入改革の取組を強化してまいります。
 次に、平成二十九年度予算及び税制改正の大要を御説明申し上げます。
 平成二十九年度予算は、経済・財政再生計画の二年目に当たる予算でもあり、現下の重要な課題に的確に対応しつつ、経済再生と財政健全化の両立を実現するものといたしております。
 具体的には、一億総活躍社会の実現に向け、保育士及び介護人材等の処遇改善や給付型奨学金の創設などの主要な取組を確実に行ってまいります。科学技術振興費を伸ばすとともに、公共事業関係費の成長分野への重点化など経済再生に直結する取組を推進しております。また、国民生活の安全、安心を確保する観点から、海上保安体制の強化やテロに備えた情報収集・対処能力の強化などを行ってまいります。
 一般歳出につきましては約五十八兆三千六百億円であり、これに地方交付税交付金等約十五兆五千七百億円及び国債費約二十三兆五千三百億円を加えた一般会計総額は九十七兆四千五百億円となっております。
 一方、歳入につきましては、租税等の収入は約五十七兆七千百億円、その他収入は約五兆三千七百億円を見込んでおります。また、公債金は約三十四兆三千七百億円であり、前年度当初予算に対し約六百億円の減額を行っております。
 次に、主要な経費について申し述べます。
 社会保障関係費につきましては、一億総活躍社会の実現に向けて、保育士及び介護人材などの処遇改善を行うこととしているほか、保育の受皿拡大、年金受給資格期間の短縮など社会保障の充実を図ることといたしております。一方、持続可能な社会保障制度を構築する観点から、社会保障に係る改革工程表に沿った医療・介護制度改革の着実な実行等に取り組むことといたしております。
 文教及び科学振興費につきましては、給付型奨学金の創設や無利子奨学金の拡充など一億総活躍社会の実現に向けた取組の充実を図るほか、大学改革、教育環境の整備などを推進することといたしております。また、民間投資を引き出し日本経済の成長を高めるような研究開発を重点的に推進することといたしております。
 地方財政につきましては、歳出特別枠を減額するなど地方歳出を見直す一方、地方の一般財源総額を適切に確保するため地方交付税交付金等を増額し、地方に最大限配慮いたしております。
 防衛関係費につきましては、中期防衛力整備計画に基づき所要の取組を講じるとともに、沖縄の基地負担軽減等のための在日米軍再編事業を着実に推進することとしております。
 公共事業関係費につきましては、豪雨・台風災害等を踏まえた防災・減災対策や、民間投資を誘発し日本の成長力を高める事業などへの重点化、効率化を推進することといたしております。
 経済協力費につきましては、難民対策等のグローバルな課題への対応に重点化をいたしつつ、ODAは予算、事業量とも必要な額を確保いたしております。
 中小企業対策費につきましては、事業承継支援及び下請取引対策を充実するほか、生産性の向上や資金繰り対策にも万全を期すことといたしております。
 エネルギー対策費につきましては、省エネルギーの推進支援に重点を置きつつ、国内資源の開発や海外資源の権益確保等を推進するほか、原子力防災対策に取り組むことといたしております。
 農林水産関係予算につきましては、農林水産業の成長産業化等を図るため、輸出力の強化や農業基盤整備の充実等に取り組むことといたしております。
 国家公務員の人件費につきましては、給与改定や給与制度の総合的見直し、定員純減などを的確に予算に反映いたしております。
 東日本大震災からの復興につきましても、復興のステージに応じた課題に対応するため、平成二十九年度東日本大震災復興特別会計の総額を約二兆六千九百億円といたしております。
 平成二十九年度財政投融資計画につきましては、現下の超低金利環境を生かし、リニア中央新幹線の全線開業前倒しを図るほか、成長戦略の実行や地域活性化に向け長期のリスクマネーを積極的に供給するなど、真に必要な資金需要に適切に対応し、総額約十五兆一千三百億円といたしております。
 借換債などを含みます国債発行総額につきましては、約百五十四兆円と依然として極めて高い水準にあり、市場との緊密な対話に基づき国債管理政策を適切に運営してまいります。
 平成二十九年度税制改正におきましては、日本経済の成長力の底上げのため、就業調整を意識しなくて済むよう配偶者控除等の見直しを行うとともに、経済の好循環を促す観点から研究開発税制や所得拡大促進税制の見直しなどを行うことといたしております。
 あわせて、酒類間の税負担の公平性を回復するなどの観点から酒税改革を行います。また、日本企業の海外展開を阻害することなく、国際的な租税回避に効果的に対応するため、外国子会社合算課税を見直すことといたしております。
 このほか、災害に関する特例の整備等を行うことといたしております。
 続いて、平成二十八年度第三次補正予算の大要について御説明申し上げます。
 一般会計において、災害対策費、国際分担金及び拠出金、自衛隊の安定的な運用態勢の確保など、総額約六千二百億円の歳出の追加を行うことといたしております。これらにつきましては、既定経費を約四千二百億円減額するとともに、税外収入で約一千億円の増収を見込むほか、建設公債を約一千億円発行することで対応することといたしております。
 他方、税収は、最近までの収入実績等を勘案して、約一兆七千四百億円の減収を見込んでおります。また、地方法人税の税収減に伴う地方交付税原資の減額の補填のため、地方交付税交付金を計上いたしております。これらにつきましては、特例公債を約一兆七千五百億円発行することで対応することといたしております。
 この結果、平成二十八年度一般会計第三次補正後予算の総額は、一般会計第二次補正後予算に対して歳入歳出共に約二千百億円増加し、百兆二千二百億円となります。
 また、特別会計予算につきましては、所要の補正を行っております。
 以上、財政政策等の基本的な考え方と平成二十九年度予算及び税制改正並びに平成二十八年度第三次補正予算の大要について御説明申し上げました。
 経済再生と財政健全化を両立させる中で、成長と分配の好循環を確立し、日本経済全体の持続的拡大均衡を目指すには、本予算及び関連法案の一刻も早い成立が必要であり、それが最大の経済対策であると考えております。
 何とぞ御審議の上、速やかに御賛同いただきますとともに、財政政策等について、国民の皆様及び与野党の議員各位の御理解と御協力を切にお願い申し上げます。(拍手)
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#13
○議長(伊達忠一君) 国務大臣石原伸晃君。
   〔国務大臣石原伸晃君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(石原伸晃君) 経済財政政策を担当する内閣府特命担当大臣として、我が国経済の課題と政策運営の基本的考え方について所信を述べます。
 第二次安倍内閣発足後、我が国の名目GDPは四十四兆円、実質GDPは二十五兆円増加し、デフレではないという状況をつくり出しました。雇用者数は二百万人近く増加、失業率は四%程度から三%程度まで低下いたしました。また、賃上げについても三年連続で二%以上となるなど、国民生活にとって最も大切な雇用・所得環境は大きく改善し、景気は緩やかな回復基調が続いています。
 ただし、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響等への注意を怠ってはなりません。また、アベノミクスの効果を地域の隅々まで、中小企業・小規模事業者の方々まで波及させていく必要があります。このようなリスクや諸課題に的確に対応していくためにも、生まれ始めた好循環を腰折れさせることなく、成長と分配の好循環につなげてまいります。
 当面の経済財政運営に当たっては、引き続き、経済再生なくして財政健全化なしを基本とし、名目GDP六百兆円経済の実現と二〇二〇年度の財政健全化目標の達成の双方の実現を目指します。
 まずは、未来への投資を実現する経済対策を円滑かつ着実に実施し内需を下支えするとともに、民需主導の持続的な経済成長と一億総活躍社会の着実な実現につなげていかなければなりません。
 名目GDP六百兆円経済の実現に向けては、働き方改革、地方創生、国土強靱化、女性の活躍も含め、あらゆる政策を総動員するとともに、科学技術イノベーション等を通じて潜在成長率を向上させることにより、デフレ脱却を確実なものとしつつ、経済の好循環をより確かなものとしてまいります。
 日本銀行には、経済・物価情勢を踏まえつつ、二%の物価安定目標を実現することを引き続き期待いたします。
 これらを踏まえ、本日閣議決定した政府経済見通しでは、来年度の日本経済について、雇用・所得環境が引き続き改善し、経済の好循環が進展する中で、民需を中心とした景気回復が見込まれ、経済成長率は実質で一・五%程度、名目で二・五%程度になると見込んでおります。
 また、景気判断や経済構造の把握等々の基盤となる経済統計について、経済財政諮問会議で取りまとめた統計改革の基本方針に基づき、政府一体となって改革をしてまいります。
 世界的に技術革新がかつてない速さで進んでいる中で、成長戦略を更に加速させていく必要があります。
 そのための鍵は二つあります。一つ目は、人工知能、IoT、ビッグデータ、ロボットといった分野で新しい付加価値を生み出すイノベーション。二つ目は、それを企業や個々人が活用してその恩恵を享受するとともに、社会問題の解決に大いに活用すること、いわゆる社会実装です。この二つを更に強力に実行し、あらゆる場面で快適に豊かに生活できる超スマート社会、ソサエティー五・〇を実現していく。このため、成長戦略の司令塔である未来投資会議において、人材不足を解消するための建設現場での生産性革命、健康寿命を延ばすための予防、健康管理と自立支援に軸足を置いた医療・介護システムの本格稼働、新たな有望市場を創出するための国や自治体の有するインフラデータの民間開放などについて議論しています。
 今後も、構造改革の総ざらいを行うとともに、民間部門の活動の本格化には何が足りていないのか、イノベーションの社会実装にとっては何が障害かについて徹底的に議論し、その成果を年央に公表する成長戦略で具体的にお示ししたいと思います。
 健康・医療戦略の観点からは、日本医療研究開発機構による研究支援などに加えまして、新しい医療・介護システムの基盤整備や健康、医療、介護産業の国際展開についても、官民一体となって取り組んでまいります。
 空港等の成長分野や上下水道等の生活関連分野における公共施設を整備、運営するに当たっては、コンセッション方式を始めとするPPP、PFIを着実に推進し、公的負担の抑制を図りつつ、民間投資やビジネス機会の拡大を図ります。
 世界的に保護主義の台頭への危機感が高まる中で、保護主義の蔓延を食い止めるために、自由貿易の下で経済成長を遂げた我が国こそが、さきの国会で御承認をいただいたTPP協定の発効、そして自由で公正な共通ルールに基づく自由貿易を主導していかなければなりません。このため、政府としても、今後も様々な機会を通じて、各国に対して自由貿易の重要性に対する共通の土台の構築、経済連携の推進などに向けて粘り強く取り組んでまいります。
 経済再生なくして財政健全化なし。引き続き経済再生との両立を図りながら、経済・財政再生計画及び経済・財政再生アクション・プログラム二〇一六にのっとって、歳出全般にわたり聖域なく徹底した見直しを推進していきます。改革の二年目に当たる二〇一七年度においても、見える化を徹底、拡大し、改革の具体化や改革工程表に沿った取組を引き続き着実に進めます。また、改革の点検、評価、政策効果の分析を強化し、取組のPDCAサイクルをしっかりと定着させます。
 少子高齢化が進展する中で、社会保障の安定財源確保と財政健全化を同時に達成する観点から、引き続き社会保障と税の一体改革に取り組みます。世界に誇るべき社会保障制度を次世代に引き渡していく責任を果たすため、社会保障の充実、安定化に取り組むなど、改革を推進してまいります。さらに、医療・介護情報の見える化を進め、各地域の状況を比較した結果も踏まえて支出の効率化、適正化を図ります。
 この四年間の取組により、雇用・所得環境が大幅に改善し、デフレではないという状況をつくり出すことができました。昨年後半から世界経済は全体として上向きつつあり、日本経済についても、先月でございますが、二十一か月ぶりに政府の景気判断を引き上げました。
 日本経済をデフレから脱却させ、持続的に力強く成長させるためには、賃金の上昇を可処分所得の向上に、そして消費の拡大に結び付け、企業の投資を喚起していくことが不可欠です。経済の成長が賃金の上昇などを通じて所得として分配され、それが更なる成長を促し、更なる分配の原資にもなっていくという成長と分配の好循環を力強く回していくため、全力を尽くしてまいります。
 国民の皆様と議員各位の御理解と御協力を心よりお願い申し上げます。(拍手)
#15
○議長(伊達忠一君) ただいまの演説に対する質疑は次会に譲りたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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