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2017/03/10 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 本会議 第8号
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2017/03/10 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 本会議 第8号

#1
第193回国会 本会議 第8号
平成二十九年三月十日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第八号
    ─────────────
  平成二十九年三月十日
   午前十時 本会議
    ─────────────
 第一 国務大臣の報告に関する件(平成二十九
  年度地方財政計画について)
 第二 地方税法及び航空機燃料譲与税法の一部
  を改正する法律案及び地方交付税法等の一部
  を改正する法律案(趣旨説明)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(伊達忠一君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の報告に関する件(平成二十九年度地方財政計画について)
 日程第二 地方税法及び航空機燃料譲与税法の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 以上両件を一括して議題といたします。
 まず、総務大臣の報告及び趣旨説明を求めます。総務大臣高市早苗君。
   〔国務大臣高市早苗君登壇、拍手〕
#4
○国務大臣(高市早苗君) 平成二十九年度地方財政計画の概要並びに地方税法及び航空機燃料譲与税法の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 まず、平成二十九年度地方財政計画の概要について御説明申し上げます。
 本計画の策定に際しては、通常収支分については、極めて厳しい地方財政の現状及び現下の経済情勢等を踏まえ、一億総活躍社会の実現や地方創生、公共施設等の適正管理に対応するために必要な経費を計上するとともに、社会保障関係費の増加を適切に反映した計上を行う一方、国の取組と基調を合わせた歳出改革を行うこととしております。
 あわせて、引き続き生じる財源不足については、適切な補填措置を講じることとして、地方の一般財源総額について、前年度の地方財政計画を上回る額を確保することとしております。
 また、東日本大震災分については、復旧・復興事業について、直轄・補助事業に係る地方負担分等を措置する震災復興特別交付税を確保することとしております。
 以上の方針の下に、平成二十九年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出総額の規模は、通常収支分については、前年度に比べ八千六百五億円増の八十六兆六千百九十八億円、東日本大震災分については、復旧・復興事業が、前年度に比べ四千九百五十七億円減の一兆二千八百四十二億円などとなっております。
 次に、地方税法及び航空機燃料譲与税法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 現下の経済情勢等を踏まえ、就業調整を意識しなくて済む仕組みを構築する観点から、配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しを行うこととしております。
 また、環境への負荷の少ない自動車を対象とした自動車取得税、自動車税及び軽自動車税の税率の軽減等の特例措置について、所要の見直しを行った上、適用期限を延長する等の措置を講ずるほか、居住用超高層建築物に係る固定資産税の新たな税額の算定方法の導入、税負担軽減措置等の整理合理化等を行うこととしております。
 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 地方交付税の総額について、平成二十九年度分の通常収支に係る地方交付税の総額を十六兆三千二百九十八億円確保するとともに、交付税特別会計借入金について各年度の償還額を見直すほか、普通交付税の算定に用いる単位費用等の改正を行うこととしております。また、平成二十九年度分の震災復興特別交付税について、新たに三千四百六十四億円を確保し、総額四千五百三億円とすることとしております。
 何とぞ御審議の上、速やかに御賛同賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(伊達忠一君) ただいまの報告及び趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。森本真治君。
   〔森本真治君登壇、拍手〕
#6
○森本真治君 民進党・新緑風会の森本真治です。
 ただいま議題となりました平成二十九年度地方財政計画及び地方税法等改正案、地方交付税法等改正案につきまして、会派を代表して質問します。
 法案の質問に入る前に、森友学園への国有地売却についてお伺いします。
 豊中市の国有地が森友学園に対し格安の値段で払い下げられたことに多くの疑惑が生じ、政府は国民が納得する説明責任を果たすことが求められています。
 他方、豊中市では、現在、国から購入した土地に学校給食センターを建設することが計画されています。七億七千万円で購入した土地ですが、ここにアスベストを含んだ大量の瓦れきが埋まっていることが判明し、豊中市はその撤去費用十四億三千万円を新年度予算案に計上していると伺っています。また、森友学園が購入した土地の隣にも、豊中市が国から十四億二千三百万円で購入した土地があります。この土地においても、土壌汚染対策費はまず豊中市が負担し、実施後に実費を国が補償するものです。一方、森友学園の土地については、対策を実施する前に評価額から八億円もの対策費を差し引いて売却するダブルスタンダードを財務省は取っています。
 このような異なる対応を財務省が行うことによって、豊中市では、手続の不公平感から、豊中市が払い損をしているのではないかと行政への不満も沸き上がっていると伺っています。国の不公平な対応により、自治体が市民から不信感を持たれるようなことがあれば、自治体の立場に立つ総務大臣としても看過できないと思います。
 高市大臣は、このような市民が理解できないような手続を取る財務省に対して、公平な手続を進めるよう強く是正を求めるべきだと思いますが、お考えをお伺いします。あわせて、森友学園が行う小学校建設工事に伴う産廃処理が適正に行われているか、総務省としても、豊中市と連携を密にし、監視を強化する必要があると思いますが、高市大臣に伺います。
 次に、地方公務員の臨時・非常勤職員をめぐる課題についてお伺いします。
 現在、自治体で働く臨時・非常勤職員は約六十四万人。その中には勤務時間が常勤の職員と同等あるいは四分の三超の職員が約四十一万人もいます。今や自治体の行政サービスは臨時・非常勤職員がいなければ成り立ちません。
 その臨時・非常勤職員の処遇について、昨年総務省に設置された研究会で、任用の在り方や処遇について検討が行われ、年末に報告書が提出されました。この報告書を受け、関連する法律案が今国会で審議される予定となっています。
 具体的な内容については法案審議の際に行うとして、基本的な考え方を高市大臣に伺います。
 地方公務員の臨時・非常勤職員の処遇について、安定した行政サービスを行うための人材確保の観点からも、賃金・労働条件の改善は非常に重要だと考えますが、いかがでしょうか。
 また、賃金・労働条件を改善しても、いつ雇用がなくなるかもしれない不安のある職場では業務に専念することに支障があり、そもそも人が集まりません。賃金・労働条件の改善と同じく、長く職場で働き続けられること、すなわち雇用の確保、安定も大変重要な課題だと考えますが、高市大臣の御所見及びその具体策を伺います。
 次に、地方財政対策についてお伺いします。
 平成二十九年度の地方財政は、交付税特別会計における前年度からの繰越金が見込めなくなり、財源不足額が六兆九千七百十億円と、平成二十二年度以来、七年ぶりに拡大に転じることになりました。
 これに対し、政府は、新年度以降も国と地方の折半ルールを継続させるとともに、公庫債権金利変動準備金の活用や交付税特別会計借入金の償還繰延べなどの財源確保策を駆使し、地方交付税の減少と臨時財政対策債の増加を最小限にとどめたと説明しています。折半ルールは平成十三年度から三年間の特例として導入されましたが、その後も継続が繰り返され、今や臨時財政対策債の残高は約五十二兆円と、地方交付税の約三年分の規模にまで増加しています。これが持続可能で健全な地方財政の姿と言えるのでしょうか。
 平成二十九年度概算要求に当たって、総務省は法定率の引上げを事項要求していましたが、なぜ実現しなかったのでしょうか。折半ルールが継続となった理由とともに、平成二十九年度地方財政対策について、高市大臣の総括的な評価を伺います。
 次に、平成二十九年度の税収見通しと地方財政の展望について質問いたします。
 今年度、国税収入が想定した額を下回る見込みとなり、地方交付税法定率分は減額を余儀なくされ、先般、第三次補正予算で一般会計からの補填と自治体に追加で臨時財政対策債の発行をお願いする事態となりました。
 平成二十九年度においては、税収は今年度当初予算に対して増加を見込むものの、国税も地方税も一%に満たない僅かな伸び率にとどまっています。しかし、今年度税収不足が生じたこと、七年ぶりの地方財源不足の拡大といった状況を踏まえれば、それすらも実現可能か疑わしい状況です。そもそも、政府経済見通しにおける名目二・五%、実質一・五%の経済成長自体がかなり楽観的な前提であると言わざるを得ません。
 近年の地方財政対策は、リーマン・ショック後の危機対応モードから平時モードへの切替えを進めていくこととされてきましたが、平時モードに着地する前に再び危機対応モードに逆戻りするリスクはないのでしょうか。地方税収及び地方交付税の原資となる国税収入の動向を含めた地方財政の中期的な展望について、高市大臣に伺います。
 次に、特例的な財源確保策について質問いたします。
 さきに述べたように、平成二十九年度地方財政対策は、再び拡大に転じた地方財源不足に対応するため、様々な特例的な財源確保策が駆使されました。その中でも、公庫債権金利変動準備金については、平成三十一年度までの三年間で総額九千億円の範囲で活用することとされました。しかしながら、公庫債権金利変動準備金も無尽蔵にあるものではなく、こうした特例的な財源確保策の多用は、参議院総務委員会が毎年決議している自立的かつ持続可能な財政運営を可能とする地方税財政制度の構築の趣旨を体現したものとは到底言えません。
 そこで、公庫債権金利変動準備金にいつまで依存することができるのかという観点から、平成三十二年度以降の活用可能額とともに、地方財源不足に対する今後の恒久的な財源確保策について、高市大臣に伺います。
 次に、持続可能な地方行財政基盤の確立について質問いたします。
 地方財政に関しては、平成三十二年度の国、地方の基礎的財政収支を黒字化する財政健全化目標の実現に向け、歳入歳出両面にわたる改革を進め、持続可能な行財政基盤を確立していくことが求められています。
 こうした中、自治体においては、職員の削減等による行政経費の効率化や投資的経費の抑制に努めてきました。しかしながら、先述した臨時・非常勤職員の増加に伴う諸課題や公共施設の老朽化の問題等も顕在化しており、今までの延長線上の対応は限界に近づいています。
 持続可能な地方行財政基盤の確立に向け、大胆な税源移譲や地方交付税の法定率引上げも含めた対応は、もはや待ったなしです。地方税制の抜本的な改革が進まないことに高市大臣もじくじたる思いだと考えますが、御所見を伺います。
 次に、トップランナー方式についてお伺いします。
 地方交付税の算定に対し、行革努力と実績によって配分されるインセンティブ改革や民間委託等による経費削減に基づいて単位費用を引き下げるトップランナー方式が強化され、限られた財源を自治体間で取り合う構造となっています。これは、より良いサービスをいかに提供できるかよりも、いかに歳出削減できるかに重点を置き、国による財源保障責任を放棄し、客観、中立であるべき地方交付税制度をゆがめることになります。
 高市大臣には、改めて、各自治体に民間委託を押し付けるといった政策誘導に利用するものではないこと、地方交付税は自治体の一般財源であることを確認したいと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、トップランナー方式の対象となった業務の経費水準についてお伺いします。
 平成二十八年度対象となった学校用務員や道路維持補修などの事務は、経費区分を給与費から委託費に移した上で、その水準が引き下げられています。これでは、民間事業者の労働者の人件費にしわ寄せが行っているケースも想定されるのではないでしょうか。
 トップランナー方式の対象とする場合であっても、同一労働同一賃金の観点や、自治体や事業の規模がそれぞれ異なることから考えれば、一律に経費水準の引下げなどの見直し等は行うべきではないと考えますが、高市大臣に伺います。
 関連して、自治体窓口業務の民間委託についてお伺いします。
 窓口業務の民間委託は、トップランナー方式の導入が見送られたものの、引き続き検討とされています。一方、第三十一次地方制度調査会の答申を受け、自治体窓口業務の地方独法化を可能とする関連法案が上程される見込みであり、導入を見送ったものとも思いますが、これには問題があると思います。
 確かに、大都市を中心に窓口の受付等の民間事業者への委託は進んできました。しかし、窓口は住民と向き合う自治体の最前線です。窓口に来庁したことをきっかけに、就労相談や住宅支援給付、多重債務解決などの複合的かつ多様な問題解決につなげる取組も進んでいます。単なる窓口業務ではなく、窓口をアウトリーチのアンテナとし、包括的なサービス体制をつくっていくことも自治体の重要な業務です。窓口業務の独法への包括委託は、そうした取組にマイナスになる危険性をはらんでいます。
 もちろん、独法への委託等は個別自治体の判断ですが、トップランナー方式の拡大や総務省からの助言の強化により、自治体が選択せざるを得なくなるようなことはあってはなりません。あくまでも選択肢の一つであるということでよいか、高市大臣に伺います。
 最後に、車体課税の見直しについて伺います。
 平成二十九年度税制改正においては、不条理で過重な税制を解消し、ユーザーの負担を確実に軽減するため、自動車取得税の廃止などを含む車体課税の抜本的見直しを行うべきでありました。しかし、与党は、そうした改革を行わないどころか、今月末に期限切れを迎える自動車取得税のエコカー減税の適用期限を延期するに当たり、対象を縮小する方向性を打ち出しました。
 自動車産業は非常に裾野が広く、関連産業を含めて全就業人口の約一割である五百万人超の雇用を生み出し、自動車製造業の出荷額が主要製造業の約二割を占める。我が広島でも、県の統計によれば二三・七%を占めており、他産業への生産波及効果も大きい基幹産業です。
 一方、国内の自動車販売台数は、平成二十六年の消費税引上げ、さらには軽自動車税の引上げ以降、前年比割れが続いています。国内販売の低迷が進めば、雇用や生産基盤の維持を困難にし、中小企業、地方経済を含む日本経済全体に大きな影響を与えます。
 また、地方では自動車が生活の足であり、複数台を保有する世帯も多く、税負担が重くなっています。負担を増やすということは、景気や消費の足を引っ張りかねません。今回の改正に当たり、自動車需要の落ち込みや日本経済に悪影響をもたらす懸念をどのように認識しているのか、高市大臣の見解を伺います。
 以上、るる質問いたしましたが、高市大臣の明瞭な御答弁を期待し、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣高市早苗君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(高市早苗君) 森本議員から私には、まず、森友学園への国有地売却についてのダブルスタンダード及び豊中市が行う産廃処理管理に関するフォローについてお尋ねがございました。
 国有財産の売却については、所管省において説明責任が果たされるものと考えております。また、産廃処理については、関係法令を所管される環境省において適切に対応がなされるものと考えております。
 次に、地方公務員の臨時・非常勤職員に係る勤務条件の改善についてお尋ねがございました。
 三月七日に国会に提出した地方公務員法等改正法案は、会計年度任用職員制度を創設することなどにより任用、服務等の適正化を図るとともに、これまで認められていなかった期末手当の支給を可能とするものでございます。
 会計年度任用職員制度は、臨時・非常勤職員に関する重要な制度的基盤となり、ひいては地方公共団体における安定した人材確保にも資するものと考えています。今後も民間における動向や国家公務員に係る制度運用の状況も踏まえながら、適正な任用、勤務条件の確保に向けて必要な取組を行ってまいります。
 次に、会計年度任用職員に係る任用の安定についてお尋ねがありました。
 会計年度任用職員の任期は、採用日の属する会計年度末まで最長で一年としています。ただし、会計年度任用職員の再度の任用は、これまでと同様、平等取扱いの原則や成績主義の下、客観的な能力の実証を経て再度任用されることはあり得ると考えています。
 また、改正法案では、いわゆる空白期間に関して、任期については、職務の遂行に必要かつ十分な期間を定めるべき旨の配慮規定を設けております。任用の安定を図るこれらの取組の趣旨を踏まえ、今後も総務省として助言などを行ってまいります。
 次に、法定率の引上げと平成二十九年度地方財政対策についてお尋ねがありました。
 平成二十九年度地方財政対策は、平成二十三年度以来、地方交付税総額の確保に活用してきた前年度からの繰越金がないなど、近年にない大変厳しい状況の中で地方交付税総額の確保と臨時財政対策債の抑制を図ることが課題となりました。また、引き続き、巨額の財源不足が見込まれ、平成八年度以降、二十二年連続して地方交付税法第六条の三第二項の規定に該当することとなりましたことから、同項に基づく交付税法定率の引上げを事項要求しました。
 しかしながら、国、地方とも巨額の債務残高や財源不足を抱えていることなどから、平成二十九年度地方財政対策においては、法定率の引上げによらず、同項に基づく制度改正として、現行の折半ルールを三年間延長し、国は一般会計からの地方交付税の特例加算、地方は臨時財政対策債の発行により対処することとしました。
 その上で、交付税原資を最大限確保することにより、概算要求時点において十六兆円を下回ると見込まれていた地方交付税総額について十六・三兆円程度を確保するとともに、概算要求時点においては対前年度〇・九兆円の増と見込まれていた臨時財政対策債の発行額も〇・三兆円の増にとどめました。地方の一般財源総額についても、子ども・子育て支援などの社会保障の充実分の確保を含め、前年度を上回る六十二・一兆円程度を確保することができました。国の財政も大変厳しい中にあって、最大限の対応ができたものと考えています。
 次に、平成二十九年度の税収見通しと地方財政の展望についてお尋ねがありました。
 政府としては、雇用・所得環境の改善が続く中、民需を中心とした景気回復を見込んでおり、これを踏まえた平成二十九年度の国の税収は〇・一兆円増の五十七・七兆円、地方の税収は〇・四兆円増の三十九・一兆円と見込んでいます。
 一方で、地方財政においては、平成二十九年度においてもなお七・〇兆円もの巨額の財源不足が生じており、地方財政の健全化の観点から大きな課題でございます。
 このため、今後も、アベノミクスの取組を推進し、地方税収や地方交付税の原資となる国税収入をしっかりと確保し、当面は、国と地方で折半すべき財源不足が解消され、折半分の臨時財政対策債を発行しなかった平成十九年度、平成二十年度の状況をなるべく早く実現することを目指してまいります。
 次に、公庫債権金利変動準備金の活用可能額と今後の財源確保策についてお尋ねがありました。
 平成三十二年度以降の公庫債権金利変動準備金の更なる活用可能額については、今後の金利状況次第で変動し得ることから、現時点において明確なことを申し上げることは困難でございます。
 また、地方財源不足に対しては、今後も、アベノミクスの推進による地方税の増収を含めた地方税源の充実確保、法定率の引上げを含めた交付税原資の安定的な確保などにより、地方の財源確保に努めてまいります。
 次に、地方税制の抜本的な改革についてお尋ねがありました。
 地方行財政基盤の強化に向けた地方税制の抜本的改革としては、平成十九年度には三位一体改革の一環として所得税から個人住民税へ三兆円の税源移譲を行い、また、税制抜本改革法において地方の社会保障の役割に応じ消費税の引上げ分を配分し、平成二十六年度からの消費税率八%段階において一・七%分の地方消費税収を確保しています。平成二十七年度には、地方交付税原資の安定性の向上、充実を図るため、交付税法定率の見直しも実現できました。
 今後も、ローカルアベノミクスによる地域経済の好循環を促し、地方税収の底上げを図るとともに、税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系の構築に努めてまいります。
 次に、トップランナー方式についてお尋ねがありました。
 平成二十八年度から地方交付税の算定においてトップランナー方式を導入し、民間委託等の業務改革に取り組んでいる団体の経費水準を単位費用の積算基礎としております。一方、地方交付税は使途の自由な一般財源であります。業務をどのような手法で実施するかは各地方団体において自主的に判断されるべきものでございます。
 次に、トップランナー方式の経費水準についてお尋ねがありました。
 トップランナー方式においては、既に多くの団体が民間委託等に取り組んでいる業務を対象として経費水準を見直しています。また、導入に当たっては、小規模団体において民間委託等が進んでいない状況を踏まえて算定を行っております。なお、地方団体に対しては、委託先等の事業者における労働法令の遵守や雇用・労働条件への適切な配慮などについて要請をいたしております。
 次に、窓口業務を行う地方独立行政法人についてお尋ねがありました。
 今国会で御審議いただく予定の地方自治法等改正法案に盛り込んだ地方独立行政法人法改正案は、窓口業務を行う地方独立行政法人の設立についてそれぞれの市町村が選択できることとするものであり、御指摘のとおり、市町村の選択肢の一つとして整備するものでございます。
 最後に、車体課税の見直しについてお尋ねがありました。
 今回のエコカー減税の見直しに当たっては、道路等の行政サービスを提供するために必要な税収の確保という視点だけではなく、自動車産業が我が国経済や地域の雇用を支える重要な基幹産業であるとの認識の下、検討を行いました。これらを踏まえまして、燃費性能がより優れた自動車の普及を促進する観点から対象範囲の見直しを行うとともに、その実施に当たっては段階的に基準の引上げを行うこととしており、足下の自動車販売への影響なども考慮した改正案としています。
 以上でございます。(拍手)
    ─────────────
#8
○議長(伊達忠一君) 熊野正士君。
   〔熊野正士君登壇、拍手〕
#9
○熊野正士君 公明党の熊野正士です。
 私は、自民・公明を代表し、ただいま議題となりました平成二十九年度地方財政計画、地方税法改正案、地方交付税法等改正案について、関係大臣に質問いたします。
 まず、質問に先立ち、一言申し上げます。
 この三月十一日で東日本大震災から丸六年となります。犠牲となられた皆様方に哀悼の意を表するとともに、被災された皆様、今なお避難生活を余儀なくされている皆様に心からお見舞いを申し上げます。これからも党を挙げて、被災地に寄り添い、人間の復興、心の復興を進めていくことをお誓い申し上げ、質問に入ります。
 まず、災害に関する税制措置の常設化について伺います。
 昨年一年も多くの災害が発生しました。熊本地震を始め、東北、北海道の台風による水害、鳥取県中部地震、糸魚川の大火災など、大規模な災害が相次ぎ、甚大な被害がもたらされました。被災された皆様に改めて心よりお見舞い申し上げます。
 これまで、災害のたびごとに法改正を行い、固定資産税における被災代替家屋等の特例など、被災者の税負担の軽減を図ってきました。しかし、昨今、災害が頻発する中、災害が発生してから特例法で対応するのでは遅い。そこで、我が党においては、被災者の立場に立って、被災者支援の災害税制の常設化を図るため精力的に議論を重ねてまいりました。災害税制の常設化がなされれば、より一層迅速な被災者支援ができるようになると考えておりますが、総務大臣の見解を求めます。
 次に、地方財政計画に計上されている防災・減災事業について質問します。
 東日本大震災以降、各地方公共団体が災害に強い町づくりや防災力の強化に向けた取組を加速化しています。平成二十三年度より緊急防災・減災事業が創設され、地方公共団体において有効に活用されてきましたが、この事業が平成二十八年度で終了することに伴い、各地で措置の延長を求める声が多数上がっておりました。今回、こうした要請を受け、地方公共団体が引き続き喫緊の課題である防災・減災対策に取り組んでいけるように対象事業を拡充した上で、平成三十二年度まで四年間延長することになりました。この緊急防災・減災事業の延長を行うこととした趣旨と拡充の内容について総務大臣に伺います。
 次に、公共施設等の適正管理の推進について伺います。
 これまで地方財政計画に公共施設等最適化事業費が計上されてきましたが、今般拡充され、公共施設等適正管理推進事業が設けられました。この中に市町村役場機能の緊急保全事業が新設されました。言うまでもなく災害時の救援活動や応急業務の最前線は市町村であり、その拠点となる市町村庁舎の機能を確保することは極めて重要です。市町村役場機能緊急保全事業が新設された意義と対象となる事業について総務大臣に伺います。
 次に、車体課税と燃費試験における不正行為についてお尋ねいたします。
 今回の税制改正により、自動車取得税におけるエコカー減税の見直し並びに自動車税、軽自動車税におけるグリーン化特例の見直しが行われました。エコカー減税を継続しながらも、その減税対象となる燃費基準が見直され、より厳しい基準となっています。ここで重要なのが、減税対象が燃費を基準として決まっているということであり、燃費評価に不正があっては税制の根幹を揺るがしかねません。
 先般、一部の自動車メーカーによって燃費試験において不正行為が行われ、減税対象となった自動車が実際には減税の対象ではなかった事案が発生しました。自動車メーカーに再発防止策を強く求めるのはもちろんのこと、燃費試験を所管する国土交通省においても、こういった不正が行われないように万全の対策を講じるべきです。エコカー減税制度の信頼性の確保に向けた取組について国土交通大臣に答弁を求めます。
 次に、保育の受皿整備促進のための税制上の措置について質問をいたします。
 待機児童の問題は、一億総活躍社会や働き方改革を実現する上で喫緊の課題です。今回の税制改正により、企業主導型保育事業に係る固定資産税等の特例措置が創設されるとともに、事業所内保育事業等に係る特例措置も拡充されております。そこで総務大臣に伺います。今回の改正は、保育の受皿整備を促進する観点からどのような意義があるとお考えなのか、御所見を伺います。
 本法案は、地方財政の健全化に努力を払いながら、地方創生の推進、防災・減災の強化、日本経済の再生、一億総活躍プランの促進といった山積する課題に対応した税制上の措置を実行するものであります。本法案を平成二十九年度予算と併せて早期に成立させる必要があることを訴え、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣高市早苗君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(高市早苗君) 熊野議員から私には、まず、災害税制の常設化についてお尋ねがありました。
 被災された方々の地方税については、地方団体の条例に基づき、申告納付期限の延長や税の減免を行うことにより対応し、加えて、阪神・淡路大震災や東日本大震災などの際には地方税法の改正により追加的な税制上の対応を行いました。
 一方、熊本地震を始め災害が頻発していることを踏まえれば、被災者や被災事業者の皆様の不安を早期に解消し、速やかに復旧・復興につなげていくため、あらかじめ災害時の税制上の措置を講じておくことが適当だと考えております。そのため、今般提出している地方税法等改正法案に、固定資産税の被災代替家屋の特例などの軽減措置の常設化を盛り込んでおります。
 次に、緊急防災・減災事業債を延長する趣旨とその拡充内容についてお尋ねがありました。
 緊急防災・減災事業債については、昨年四月の熊本地震を契機として防災・減災対策の重要性が全国的に改めて強く認識されたため、地方団体が引き続き喫緊の課題である防災・減災対策に取り組んでいけるよう、東日本大震災に係る復興・創生期間である平成三十二年度まで継続することとしています。
 また、現行の対象事業に加え、指定避難所におけるWiFi等の整備、全国瞬時警報システムの新型受信機の導入及び情報伝達手段の多重化、消防の共同化に伴う高機能消防指令センターの整備、改修を新たに追加することとしています。
 次に、市町村役場機能緊急保全事業を新設する意義とその対象事業についてお尋ねがありました。
 市町村行政を運営していく上で基本となる庁舎の建て替え事業は、それぞれの市町村の判断で決定されるものであり、従前は特別な財政措置を講じないことを基本としてきました。しかし、熊本地震により、業務が確実に継続されるためには、行政の中枢拠点である庁舎が発災時も有効に機能しなければならないことが改めて強く認識されたため、未耐震の本庁舎の建て替えなどを緊急に実施できるよう、市町村役場機能緊急保全事業を創設し、地方財政措置を講じることとしました。
 本事業は、昭和五十六年の新耐震基準導入前に建設され、耐震化が未実施の市町村の本庁舎の建て替え事業のほか、業務継続確保の観点から実施する洪水浸水想定区域、土砂災害警戒区域、火山災害警戒区域などからの本庁舎の移転事業が対象となります。未耐震庁舎の建て替えなどを検討しておられる市町村におかれましては、長期的視点に立った財源計画を勘案しつつ、本事業を積極的に御活用いただきたいと考えております。
 最後に、保育の受皿整備のための税制改正の意義についてお尋ねがありました。
 今般提出している地方税法等改正法案には、保育の受皿整備促進のための固定資産税等の特例措置の創設、拡充を盛り込んでおります。企業主導型保育事業に係る特例措置の創設は、企業内保育所等の整備のインセンティブとすることを目的としています。
 また、事業内保育事業等に係る軽減措置の拡充は、地域の実情に応じて軽減率を深掘りできるようにすることで、地域差の大きい待機児童の解消に寄与することを目的としています。待機児童の解消に向けて、平成二十九年度末までの五年間で保育の受皿を五十万人分拡大するなど、政府全体で取組を進めているさなかでございます。法案成立の暁には、これらの税制措置により、保育の受皿整備が更に促進されることを期待しております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣石井啓一君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(石井啓一君) エコカー減税制度の信頼性確保に向けた取組につきましてお尋ねがございました。
 昨年の一部の自動車メーカーによる燃費不正問題は、我が国の自動車業界に対する信頼を傷つけるとともに、ユーザーにも大きな不信感を与えるゆゆしき問題であったと考えております。
 国土交通省といたしましては、不正事案の発覚以降、メーカーが提出するデータについて測定現場に抜き打ちで立ち会うことによるチェックを開始したほか、不正を行ったメーカーに対する審査の厳格化を行う等の各種の対策を講じてきているところであります。
 さらに、自動車メーカーによる不正行為の抑止効果を更に高める観点から、道路運送車両法の一部を改正する法律案を今国会に提出をいたしました。この法案は、不正の手段により型式指定を受けたときは当該指定を取り消し、実質的に工場における自動車の製造を停止させることができることとするとともに、虚偽の報告等に対する罰則の強化の措置を講じるものであります。
 これらの措置を総合的に講ずることによりまして、自動車メーカーによる自動車の燃費等の型式指定審査における不正行為を根絶し、エコカー減税制度に対する国民の信頼の確保を図ってまいります。(拍手)
    ─────────────
#12
○議長(伊達忠一君) 山下芳生君。
   〔山下芳生君登壇、拍手〕
#13
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 地方財政計画及び地方税法、地方交付税法改定案について質問します。
 地方自治に関わって、まずお聞きします。
 安倍政権は、二月六日、沖縄県名護市辺野古で米軍新基地建設の工事を再開し、大浦湾のちゅら海に連日、巨大なコンクリートブロックを投げ込んでいます。断じて許されません。
 沖縄では、二〇一四年の名護市長選挙、県知事選挙、総選挙、そして二〇一六年の参議院選挙と、辺野古が争点となった全ての選挙で新基地建設反対を掲げたオール沖縄が勝利するなど、県民の意思は明白です。この圧倒的な民意を踏みにじり、新基地建設を強行することなど、民主主義と地方自治を掲げる国としてあってはなりません。
 昨日、沖縄県民の民意尊重と基地負担押し付け撤回を求める全国統一署名の国会提出行動が取り組まれ、全国から百二十一万筆もの署名が届けられました。これは沖縄だけの問題ではありません。
 高市総務大臣、今政府が沖縄で進めていることと、地域の在り方は地域に住む住民の意思によって決めるという地方自治の根本との関係について、大臣はどのように考えていますか。沖縄県民と国民が理解できるよう説明してください。
 さて、地方の財源不足が二十二年間も続いています。政府はこの間、財源不足は国と地方の折半で負担するとして、自治体に対し、地方交付税の代替財源として位置付けた臨時財政対策債の発行を認めてきました。しかし、臨時財政対策債は、自治体からすれば新たな借金にほかなりません。この間、臨財債発行の延長が繰り返され、残高は五十二兆円にも膨らんでいます。今や、総務省が認めた発行可能額よりも実際の臨財債発行を抑制する自治体が二割に上るなど、この仕組みが自治体の歳出抑制、住民サービス低下を招いています。
 総務大臣、臨時といいながら十六年も続いてきた、地方に負担を肩代わりさせるやり方はそろそろやめるべきではありませんか。財源不足が続いたときは地方交付税の法定率を引き上げるとしている地方交付税法の原則に従って、今こそ法定率を引き上げるべきではありませんか。
 我が党は、大企業や富裕層に対する優遇税制を改め、能力に応じて負担する公平公正な税制に改革することで、国と地方の財源を確保し、自治体が住民福祉の増進という本来の役割を果たせるよう、地方交付税を拡充することを強く求めます。財務大臣、総務大臣の見解を求めます。
 今年も、保育園落ちたの悲鳴が子育て世代から噴き出しています。一体いつになったら、幼い子供を抱えながら、入園先を幾つも探し回る保活のしんどさや職場復帰を諦めざるを得ない苦しみから解放されるのでしょうか。
 保育需要を見越した大幅な保育所増設が必要にもかかわらず、この五年間に公立保育所が一千二百二十二か所も減らされています。その一方で、保育士配置の基準を二分の一でよしとする企業主導型保育施設など認可外の規制緩和施設に多額の補助金が支出され、こうした施設が急速に増加しています。
 昨年、大阪で、認可保育所に入れず、一歳四か月の子供を認可外の施設で預けた僅か二時間後に失った母親は、なぜあの子が死んでしまったのか、保育の量も質も大事にしてほしいと訴えています。同じく、昨年、東京の企業内保育施設で亡くなった一歳二か月の子供の母親は、保育は子供のためという原点に返り、一人も死なせないように取り組んでほしいと切に望んでいます。
 厚生労働大臣、認可外保育施設で多発する死亡事故をどのように解決するつもりですか。また、公立保育所のみ施設整備と運営費の補助を一般財源化したのはなぜですか。
 その後、施設整備に対する当該自治体への交付税措置は一〇〇%でなく七割に抑えられ、公立保育所が大幅に減少していることをどのようにお考えですか。厚労大臣、総務大臣、お答えください。
 加えて、公共施設等の適正管理の名の下に、財政誘導による公立保育所の統廃合が進められています。総務大臣、この公共施設等最適化事業の三割が保育所の統廃合に活用されている事実をどう受け止めますか。
 我が子が保育施設で亡くなるという悲しい出来事を二度と繰り返さないためにも、地域の保育の質を担保する上で大きな役割を果たしている公立保育所の増設へ、総務、厚労両大臣が緊急対応に乗り出すことを強く求めるものであります。答弁を求めます。
 トップランナー方式と称して、既に十六業務で民間委託された水準によって交付税を算定するやり方で基準財政需要額が削減されています。一七年度からは、新たに青少年教育施設の管理や公立大学の運営が対象にされようとしています。住民サービス低下と人件費抑制、官製ワーキングプアの温床となるトップランナー方式は、地方交付税制度を著しくゆがめるものであり、やめるべきであります。
 一兆円のまち・ひと・しごと創生事業のうち、六千億円になる人口減少等特別対策事業費の配分を、成果を上げた自治体に段階的にシフトすることも、交付税制度をゆがめます。人口減少に悩む中山間地の自治体にとって不利な成果を求めるようなことは本末転倒であり、課題に真剣に取り組もうとしている自治体にこそ厚く支援すべきです。総務大臣の答弁を求めます。
 最後に、明日三月十一日、東日本大震災から六年目を迎えます。いまだ仮設住宅などで避難生活を送っている人は十二万三千人、何年たっても被災者の暮らしの再建には大きな困難が横たわっています。
 とりわけ心が痛むのは、福島の自主避難者とされた方たちへの住宅無償提供がこの三月で打ち切られようとしていることです。避難指示解除区域に戻れと言われても、病院が復活していないので帰ることができないなどの状況もあります。
 自主避難者への住宅支援の打切りは見直すべきではありませんか。
 避難先となっている全国各地の自治体が支援を継続できるように特別の対応を強く求めます。
 防災大臣、復興大臣、総務大臣の答弁を求めて、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣高市早苗君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(高市早苗君) 山下議員から私には、まず、沖縄における米軍基地移設についてお尋ねがございました。
 国と地方公共団体の役割分担の下、国の施策に関して意見が対立する場合には、両者の関係を定めた地方自治法などの各種法令の規定に沿って解決が図られているものと認識をしております。
 次に、臨時財政対策債と地方交付税法定率の引上げについてお尋ねがございました。
 地方財政の健全な運営のためには、本来的には、臨時財政対策債のような特例債による対応ではなく、法定率の引上げにより地方交付税を安定的に確保することが望ましい方向であるというのは、山下議員御指摘のとおりでございます。しかしながら、国、地方とも巨額の債務残高や財源不足を抱えていることなどから、平成二十九年度地方財政対策においては、法定率の引上げによらず、折半ルールを三年間延長した上で、国は一般会計からの地方交付税の特例加算、地方は臨時財政対策債の発行により対処することとしました。
 国、地方とも厳しい財政状況でありますことから、法定率の更なる引上げが容易に実現できるものであるとは考えませんが、でも、今後とも諦めずに、法定率の見直し等による交付税総額の安定的な確保について、政府内で粘り強く主張し、十分に議論もしてまいります。
 次に、税制の在り方と地方交付税の拡充についてお尋ねがございました。
 税制につきましては、グローバル化、少子高齢化の進行等の経済社会構造の変化に対応して、国税、地方税を通じて、各税目が果たすべき役割を見据えながら、その在り方を検討することが重要でございます。特に地方税につきましては、行政サービスの対価を広く公平に分かち合うという応益課税の考え方を重視しつつ、その充実確保を図ることが必要です。
 今後とも、地方団体が地域に必要な行政サービスを確実に提供しながら安定的な財政運営を行えるよう、地方交付税を含む地方の一般財源総額を適切に確保してまいります。
 次に、公立保育所の施設整備に係る地方債の交付税措置についてお尋ねがありました。
 一般財源化された公立保育所の施設整備に対する補助に係る地方財政措置については、全額を地方債の対象とし、その元利償還金について、事業費補正により七〇%、単位費用により三〇%、合わせて一〇〇%の地方交付税措置を講じています。その上で、保育の供給体制整備については、それぞれの地方団体において、地域の実情などを踏まえて適切に判断されているものと認識をしています。
 次に、公立保育所の統廃合についてお尋ねがありました。
 公共施設の老朽化が進む中、計画的な施設管理を行うことで、財政負担の軽減、平準化や施設配置の最適化を図ることが重要でございます。施設の集約化や複合化に当たっては公共施設最適化事業債が活用できますが、これは公立保育所といった特定の施設の廃止や統合を進めようとするものではございません。各団体においては、保育所などの子育て施設をどのように配置することが地域において必要とされる保育サービスの要請にかなうのかということも含めて議会や住民の皆様と議論し、検討をしていただきたいと存じます。
 次に、公立保育所の増設についてお尋ねがありました。
 公立保育所の整備については、一般財源化による影響が生じないよう適切に地方財政措置を講じておりますが、地域において良質な保育サービスが確保されるよう、今後も厚生労働省と連携しながら対応してまいります。
 次に、トップランナー方式についてお尋ねがありました。
 トップランナー方式においては、既に多くの団体が民間委託等に取り組んでいる業務について、その経費水準を基準財政需要額の算定基礎としています。また、導入に当たっては、地方団体への影響等を考慮し、複数年掛けて段階的に反映するとともに、小規模団体において民間委託等が進んでいない状況を踏まえて算定を行っており、地方交付税制度をゆがめるものではございません。
 次に、人口減少等特別対策事業費についてお尋ねがございました。
 人口減少等特別対策事業費においては、地方創生の取組の成果が現れつつあることを踏まえ、段階的に、取組の必要度に応じた算定から取組の成果に応じた算定にシフトすることとしています。また、その際、財政力が低く過疎法などの対象となっている団体について算定額の割増しを行うなど、条件不利地域に配慮した算定を行うこととしています。
 最後に、自主避難者への住宅支援についてお尋ねがございました。
 避難指示区域外からの避難者への応急仮設住宅の供与の取扱いについては、福島県において、災害公営住宅の整備状況などを踏まえ、災害救助法を所管する内閣府と協議の上で決定されたものと承知をしています。また、住宅確保に関しては、福島県において、自主避難者に対する仮設住宅の供与終了後の支援策を策定し、取り組まれることと承知しています。
 総務省では、引き続き、人的、財政面での支援を始めとして、被災自治体が必要な復旧・復興事業を確実に実施できるよう万全を期してまいります。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(麻生太郎君) 山下議員から、公正公平な税制の在り方や地方交付税について一問お尋ねがあっております。
 税制につきましては、所得税の最高税率の引上げ、金融所得課税の見直し、法人税改革におきます大企業を中心とした課税ベースの拡大など、現政権におきましても担税力に応じた税負担となるよう見直しに取り組んできており、大企業や富裕層に対する優遇課税との御指摘は当たらないと存じます。
 地方交付税につきましては、地方による必要な行政サービスの安定的な実施を勘案しながら、毎年度の地方財政対策において、総務省と十分に協議してまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣塩崎恭久君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(塩崎恭久君) 山下芳生議員にお答えを申し上げます。
 認可外保育施設での死亡事故と公立保育園の費用の一般財源化についてのお尋ねがございました。
 認可外保育施設に対しましては、事故防止ガイドラインによる取組の徹底、都道府県等による年一回以上の立入調査に加え、平成二十九年度予算案では新たに指導員による巡回指導を支援することとしており、これにより重大事故の発生を防止していきたいと考えております。
 また、公立保育園につきましては、平成十六年度に運営費が、平成十八年度に施設整備費がそれぞれ一般財源化されました。これは地方六団体の提案による三位一体改革によりなされたものでございます。
 公立保育園の減少に対する見解とその増設についてのお尋ねがございました。
 公立保育園の数は全体では減少しておりますけれども、各市区町村がどのような形で保育の受皿を整備をしていくかということにつきましては、地域が抱える諸事情を踏まえ、各市区町村において適切に判断されているものと考えます。
 各市区町村においては、公立や私立を問わず、質を確保しつつ、地域の保育ニーズに対応した保育園の整備を進めており、厚生労働省としては、こうした市区町村の取組をしっかりと支援をしてまいります。(拍手)
   〔国務大臣松本純君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(松本純君) 山下議員より、いわゆる自主避難者の方への住宅支援の見直しについて御質問をいただきました。
 東日本大震災における応急仮設住宅の提供については、発災当初から災害救助法に基づく応急救助として実施することとしたものであり、地震、津波、原子力災害を別なく一律に取り扱ってきたところでございます。
 福島県におきましては、これまで、避難指示解除、災害公営住宅の整備状況などを勘案し、国の同意を得て、各市町村を一律に六年目まで応急仮設住宅の提供を延長してまいりました。今般の七年目の延長決定に際しては、災害公営住宅の整備等がおおむね完了し、各市町村の復旧・復興状況に応じたきめ細やかな対応が可能であると福島県において判断されたところでございます。そのため、福島県において個々の市町村の状況を確認し、延長の方針を検討、判断され、国に協議し、その同意を得た上で決定されたものでございます。
 具体的に、平成二十九年四月以降については、避難指示区域以外の市町村は、災害公営住宅が十分に整備等されていない市町村を除き、災害救助法に基づく応急仮設住宅の供与から、福島県により策定された帰還・生活再建に向けた総合的な支援策に移行することとなります。
 内閣府としては、引き続き、関係省庁や福島県と連携し、避難者の方々の安心して生活を営むことができるよう努めてまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣今村雅弘君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(今村雅弘君) 福島の自主避難者への住宅支援についてお尋ねがありました。
 この度の応急仮設住宅の供与の取扱いについては、福島県が、復興公営住宅の整備、住居の確保の市町村ごとの状況を踏まえて判断し、災害救助法に基づいて内閣府に協議がなされ、決定されたものでございます。
 応急仮設住宅の供与終了に当たり、福島県においては、自主避難者に対する仮設住宅の供与終了後の支援策を策定し、民間賃貸住宅の家賃補助、公営住宅等の確保、県内帰還時の移転補助を行うものと認識しております。
 復興庁としましては、住宅確保に関して、雇用促進住宅での受入れを関係団体に協力要請し、住宅の一部提供が行われることとなったほか、国土交通省とも連携しながら、公営住宅への入居円滑化の支援を行っているところでございます。また、避難者への相談支援などを通じ、福島県の支援策が円滑に進むように支援してまいりたいと考えております。
 福島県に対しては、個々の避難者の方の事情をよく伺って丁寧に対応していただくようお願いしており、県においてそのように対応されているものと認識しております。(拍手)
    ─────────────
#19
○議長(伊達忠一君) 高木かおり君。
   〔高木かおり君登壇、拍手〕
#20
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりです。
 私は、我が党を代表して、ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案及び地方税法等の一部を改正する法律案について質問させていただきます。
 質問に先立ちまして、あしたの三月十一日で東日本大震災から丸六年がたちます。尊い命を失われた皆様、御遺族の皆様に心よりお悔やみを申し上げ、今なお大変な困難に直面している被災者の皆様には改めてお見舞いを申し上げます。我が党は、現在も十二万人を超える方々が避難されている現実を直視し、自ら身を切る改革を実践し、今後も我が党にできる支援を続けていくことをお誓い申し上げます。
 それでは、質問に移ります。
 我々日本維新の会は、東京一極集中の是正と多極分散型の国家の実現を目指しております。地域の自立のためには、税源と権限の各地域への大幅な移譲が不可欠です。このため、安定財源として消費税を地方財源とし、社会保障や教育に関する事務を地方に移譲するとともに、地方交付税を廃止して国への財政依存を断ち切り、各地方間の格差は水平的な財政調整で行うことも検討すべきと考えております。
 以上のような考え方から質問させていただきます。
 平成二十九年度の地方財政対策を見ますと、地方の財源不足額は六兆九千七百十億円、対前年度約一・四兆円増であり、七年ぶりの拡大となりました。本改正案においては、臨時財政対策債の発行期間を平成三十一年度まで三年間延長することとしています。赤字地方債である臨時財政特例債は、臨時ではなくもはや恒常化しているのが実態です。平成二十九年度地方財政計画において、臨時財政対策債の発行額は二千五百七十二億円増の四兆四百五十二億円となっており、その残高は五十二兆九千百十二億円となっています。
 これまで、我が党の議員は繰り返し、臨財債残高減少のための具体的な期限や計画、必要な施策等につき質問してまいりました。臨財債が減少していた昨年、一昨年の総務大臣の御答弁は、今後ともアベノミクスの成果を全国津々浦々まで行き渡らせ、地方税収の増を図るとともに、めり張りを付けて歳出構造を見直すことで財務体質を強化し、地方財政の健全化を図る必要がございますというものでした。
 では、臨財債の発行が再び増加に転じたことは、アベノミクスの失敗であった、少なくともアベノミクスの成果は全国津々浦々まで行き渡らせることができなかったということでしょうか。総務大臣に御答弁を求めます。
 二宮金治郎を知らない方はいないでしょう。まきを背負いながら本を読んで歩く幼少時の姿は勤勉、勤労の象徴として有名です。大人になった金治郎は、二百年前の江戸時代後期、財政破綻の危機に瀕した藩を立て直し、地方創生を成し遂げた先駆者です。彼の改革は、一、入るを量りて出るを制すという市場経済の原則を財政にも導入し、徹底的に無駄な歳出を削減したこと、二、歳出を削減したことにより生ずる余剰金を利用して将来の歳入増につながる各種政策を打ち出したことです。
 財政規律にのっとった健全な地方財政を取り戻すためには、人件費削減を始めとする大胆な歳出削減が必須です。この課題に対応するため、今年度から地方交付税の算定にトップランナー方式が導入され、地方行政サービスに係る経費削減の努力が始まったことについては一定の評価をいたします。
 しかしながら、人件費の中核となる一般職員の給与に係る単価は、給与実態調査に基づき、また、地方自治体に係る財源保障機能の点から比較的安定的に設定されています。そもそも、この給与実態調査が賃金センサスを用いておらず民間の実態に近い数字とは言えないのに加え、民間給与が伸び悩む中、優秀な人材は給与水準が高く雇用が安定している都道府県庁や市役所に流れてしまい、結果として各地域の活力は失われているというのが一般の国民感情、地域住民の感覚ではないでしょうか。
 来年度の地方公務員の総人件費見込みは二十兆三千億円で、平成二十六年度から変わっておりません。税金で組織運営する以上、高いコスト意識を持ってしかるべきであり、既得権益を守り続けることは断じて許されるものではありません。今後は、職員定数や俸給表の見直し等が不可欠と考えます。
 そこで、財務大臣にお伺いいたします。
 大臣は、現状の地方公務員人件費の水準についていかが御認識でしょうか。財務省の財政制度等審議会での昨年の議論等を見ると、地方財政における給与関係費については、技能労務職に関する民間委託の進捗等には触れておりますが、一般職員についての見直しも行うべきではないでしょうか。
 また、総務大臣にもお伺いいたします。
 平成十八年に行政改革推進法が成立し、平成二十二年四月一日までの間に地方公務員定数が削減されたところでありますが、今後、国主導による定数削減を再度実施するといった検討はされていますでしょうか。地方公務員の総人件費や給与決定方式、地方における官民の給与格差の是正等について踏み込んだ検討を行うべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 トップランナー方式は、ある自治体の歳出削減で他の自治体のモデルとなるものを基準財政需要額に反映する方式で、行革を促す仕組みと理解しております。一方で、行革に向けて努力する先進的で意欲ある自治体を後押しする制度を更に充実させるべきではないでしょうか。例えば、公務員人件費削減等の歳出削減を実現した自治体は、特区として認定されやすくする等のインセンティブとしての制度は考えられないでしょうか。国の財源も不要で、意欲のある自治体を大いに励ますことになると考えますが、総務大臣の御所見をお伺いいたします。
 最後に、公立大学への運営支援のための交付金についてお伺いいたします。
 公立大学に対しては、地方交付税交付金等を財源とし地方自治体から交付金が支出されています。国立大学や私立大学同様、公立大学も少子化という厳しい環境の中、一層効率的、効果的な運営が求められています。
 大学改革と教育無償化はセットで考えるべきものだと先日の予算委員会でも申し上げました。我が党は、昨日、百一本の法案を参議院に提出しましたが、その中には教育無償化法案も含まれています。無償化には財源が必要です。その財源の一部は、大学の効率的、効果的な運営から捻出すべきものと考えます。
 そして、公立大学が大学改革を行うためには、自治体と公立大学が一体となって特色ある大学、地方創生の役割を担う拠点としての大学をつくり上げていく必要があります。そのためには、地方交付金によって自治体が公立大学に運営支援をするという方式ではなく、地方が独自に教育政策を構築することができる財源が必要なのです。税源を大幅に地方に移譲するような大胆な制度を講じることについて、総務大臣の御所見をお伺いします。
 最後に、我が党は、各地域の自立を支える地方財政制度の確立とそのための統治機構改革、そして国税と地方税を通じた合理的で抜本的な税制改革を今後も目指してまいります。
 以上を国民の皆様にお約束して、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣高市早苗君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(高市早苗君) 高木議員から私には、まず、臨時財政対策債の増加とアベノミクスについてお尋ねがございました。
 平成二十九年度地方財政対策においては、前年度からの繰越金がないことなどにより、これまで縮小傾向にあった地方の財源不足額が前年度から増加することとなり、臨時財政対策債の発行額についても前年度に比し〇・三兆円増となりました。
 しかしながら、地方税収は年々増加しており、平成二十九年度の税収見通しにつきましても、企業税収の伸びなどにより前年度より増加し、安倍政権発足前の平成二十四年度と比べて、国、地方合わせて二十二兆円増加する見込みでございます。また、各種統計からも明らかに雇用・所得環境は地方でも改善しており、アベノミクスの失敗だとは考えておりません。さらに、アベノミクスの成果を地域の隅々まで波及させることができるよう、しっかりと努めてまいります。
 次に、地方公務員の人件費削減についてお尋ねがありました。
 地方公務員の人件費については、これまで各地方公共団体におかれまして定員の削減や給与の適正化、減額などに取り組んでこられました。定員管理については、現在、各地方公共団体において行政需要の変化に応じためり張りのある人員配置が行われています。また、地方公務員の給与については、現在、国の取組を踏まえた地域民間給与のより的確な反映などの見直しが行われています。
 地域の実情をしっかり踏まえつつ、各地方公共団体において自主的に適正な定員管理に取り組むとともに、給与の適正化を推進していくことが重要だと考えています。
 次に、地方公務員の人件費削減に対するインセンティブの付与についてお尋ねがありました。
 地方公務員の給与は、地方公務員法第二十四条の給与決定原則に基づき、各地方公共団体が地域の実情を踏まえ、それぞれの判断により定めるべきものでございます。定員管理につきましても、各地方公共団体において自主的に取り組むことが重要でございます。そのため、公務員の人件費削減に対して何らかのインセンティブを与えるような制度を設けるということはなじまないと考えております。
 最後に、公立大学改革に向けた地方への税源移譲についてお尋ねがございました。
 これまで、地方行財政基盤の強化に向けて、平成十九年度には、三位一体改革の一環として所得税から個人住民税へ三兆円の税源移譲を行い、また、税制抜本改革法において地方の社会保障の役割に応じ消費税の引上げ分を配分し、平成二十六年度からの消費税率八%段階において一・七%分の地方消費税収を確保しています。同時に、国と地方の税源配分については、国及び地方の財政健全化や地方団体間の財政力格差などにも配慮するということが必要でございます。
 今後も、各地方団体の仕事量にできる限り見合った税源配分となるよう、そして地方団体が地域の実情に応じた政策を展開できる財源を確保するように地方税財源の充実確保に努めてまいります。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(麻生太郎君) 高木議員から、地方公務員の人件費について一問お尋ねがあっております。
 地方財政計画における人件費につきましては、これは法令上の定数などを踏まえて標準的な費用と考えられるものを計上しているところですが、厳しい財政状況の中、可能な合理化は不断に進めていくことが必要です。
 今後とも、職種に関係なく、地方公務員給与の合理化に向けて一層の努力が求められているものと考えております。(拍手)
#23
○議長(伊達忠一君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時二十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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