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2017/04/21 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 本会議 第19号
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2017/04/21 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 本会議 第19号

#1
第193回国会 本会議 第19号
平成二十九年四月二十一日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十九号
  平成二十九年四月二十一日
   午前十時開議
 第一 千九百九十四年の関税及び貿易に関する
  一般協定の譲許表第三十八表(日本国の譲許
  表)の修正及び訂正に関する確認書の締結に
  ついて承認を求めるの件(衆議院送付)
 第二 万国郵便連合憲章の第九追加議定書、万
  国郵便連合一般規則の第一追加議定書及び万
  国郵便条約の締結について承認を求めるの件
  (衆議院送付)
 第三 郵便送金業務に関する約定の締結につい
  て承認を求めるの件(衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、永年在職議員表彰の件
 一、農業競争力強化支援法案(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(伊達忠一君) これより会議を開きます。
 この際、永年在職議員表彰の件についてお諮りいたします。
 議員片山虎之助君及び山崎正昭君は、国会議員として在職すること二十五年に達せられました。
 つきましては、院議をもって両君の永年の功労を表彰することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。
 両君に対する表彰文を朗読いたします。
   〔片山虎之助君起立〕
 議員片山虎之助君 君は国会議員としてその職にあること二十五年に及び常に憲政のために力を尽くされました
 参議院は君の永年の功労に対しここに院議をもって表彰します
   〔拍手〕
   〔山崎正昭君起立〕
 議員山崎正昭君 君は国会議員としてその職にあること二十五年に及び常に憲政のために力を尽くされました
 参議院は君の永年の功労に対しここに院議をもって表彰します
   〔拍手〕
    ─────────────
#5
○議長(伊達忠一君) 橋本聖子君から発言を求められました。発言を許します。橋本聖子君。
   〔橋本聖子君登壇、拍手〕
#6
○橋本聖子君 私は、皆様のお許しをいただき、本院議員一同を代表して、ただいま永年在職のゆえをもって表彰されました片山虎之助先生並びに山崎正昭先生に対しまして、一言お祝いの言葉を申し述べさせていただきます。
 片山先生は、平成元年の第十五回参議院議員通常選挙において初当選をされて以来、五たびの当選を重ねられ、この度、国会議員として在職二十五年に達せられました。
 この間、片山先生は、大蔵委員長、予算委員長等の重責を担われ、また、宮澤改造内閣の大蔵政務次官、第二次森改造内閣の郵政大臣、自治大臣、総務庁長官に続き、省庁再編を経て、第一次小泉第一次改造内閣に至るまで総務大臣として国政の中枢に参画され、その卓越した政治手腕を遺憾なく発揮されてこられました。
 山崎先生は、平成四年の第十六回参議院議員通常選挙において初当選をされて以来、連続して五回の当選を重ねられ、この度、国会議員として在職二十五年に達せられました。
 この間、山崎先生は、議院運営委員長、武力攻撃事態への対処に関する特別委員長、政府開発援助等に関する特別委員長、参議院副議長及び参議院議長等の重責を担われ、また、第一次橋本内閣の大蔵政務次官、第一次小泉第二次改造内閣から第三次小泉内閣に至るまで内閣官房副長官として国政の中枢に参画され、その卓越した政治手腕を遺憾なく発揮されてこられました。
 このように、両先生は、高い見識と豊かな政治経験に基づき、我が国の議会政治発展のため多大の貢献をされました。
 ここに、我々議員一同は、両先生の二十五年間の御功績に対しまして深甚なる敬意を表しますとともに、本日、栄えある表彰を受けられましたことに対し、心から祝意を表する次第でございます。
 現在、我が国を取り巻く内外の諸情勢は誠に厳しく、克服すべき諸課題が山積する中にあって、国民の負託を受けた国会の責務は重く、参議院が果たすべき役割に対する関心と期待は高まるばかりでございます。
 両先生におかれましては、どうか、今後とも御健康に留意され、国民のため、参議院のため、そして我が国議会制民主主義の発展のため、なお一層の御尽力を賜りますよう切にお願いを申し上げまして、お祝いの言葉といたします。
 誠におめでとうございました。(拍手)
#7
○議長(伊達忠一君) 片山虎之助君及び山崎正昭君から、それぞれ発言を求められました。順次発言を許します。片山虎之助君。
   〔片山虎之助君登壇、拍手〕
#8
○片山虎之助君 ただいま、院議をもちまして在職二十五年の永年在職議員として栄えある表彰を敬愛する山崎正昭先生とともに賜りますことを大変光栄に存じ、心からお礼申し上げます。
 また、橋本聖子先生より丁重なる御祝辞をいただき、誠にありがとうございました。皆様に厚くお礼を申し上げます。
 私は、平成元年七月に自民党から参議院岡山県選挙区に出馬し、初当選をしました。この年は、昭和天皇が崩御され、昭和から平成へと元号が変わった年で、消費税の導入やリクルート事件、農産物の自由化など大問題が相次いで起こり、それが与党自民党に大逆風となって議席が激減した中、私は地元の皆様を中心に熱心な御支援により首位で当選させていただき、感激いたしました。改めて感謝申し上げる次第です。
 振り返れば、私は、大学を卒業して旧自治省に入り、地方自治の確立と地方の活性化をライフワークとして歩み、諸先輩のお勧めもあって、国政の場でそれを実現すべく、政治の道を選びました。
 平成の時代に入り、国内外の政治、経済情勢は大きくかつ目まぐるしく変転し、湾岸戦争、政治改革、政権交代による細川内閣、村山内閣の成立と、まさに激動の時代を迎えました。そうした中、参議院自民党国会対策委員長として、橋本内閣から小渕内閣へと替わり、自民・公明連立政権へと移行する過程にも関わらせていただきました。
 平成十二年に森内閣で入閣、最後の郵政大臣兼自治大臣兼総務庁長官から、翌十三年、三省庁合併による初代総務大臣に就任しました。引き続き小泉内閣で留任し、二年十か月間にわたり、総務大臣として郵政事業改革、平成の大合併、三位一体の改革、情報公開と個人情報保護等に取り組み、私なりに全力を尽くしましたものの、その評価は様々で今後にまたなければならないと存じます。
 その後、参議院予算委員長を経て、小泉内閣及び第一次安倍内閣で自民党参議院幹事長として三年間務め、郵政民営化、情報通信の自由化、公務員制度改革、地方税財政の強化など、懸案解決に努力いたしました。特に郵政民営化は国論を二分する大議論となり、法案の衆議院提出から修正協議、参議院での否決、衆議院解散・総選挙を経て成立するまでの一連の大嵐の渦中で党執行部の一員として厳しい試練を受け、また多くの犠牲も出しましたが、この大改革の一翼を担ったことに今も深い感慨があります。
 平成十九年の選挙では、私の至らなさから苦杯をなめました。しかし、大勢の支援者、友人の皆様に復活へのお励ましをいただき、平成二十二年の選挙でたちあがれ日本から立候補、比例代表で当選しました。以降の政党再編の中で、平成二十七年末から日本維新の会の共同代表兼国会議員団代表を務めております。
 我が党は、国会では健全な第三極として政府・与党に対し是々非々の立場にあります。良いことには賛成、悪いことには反対、反対の場合にはできるだけ建設的な対案を提案いたします。我が党は、この国会にも前国会に続き議員立法百二本を提案いたしました。憲法改正については、現在、国民の皆様が切実にその解決を求める教育の無償化、地方分権改革、憲法裁判所の設置の規定の新設を主張しています。今後とも、身を切る改革・徹底行革と地方分権・統治機構改革の党として、近い将来政権を競えるよう頑張ってまいる決意であります。
 顧みれば、長いような短いような激動の二十五年間でありました。私は、本日表彰の栄に浴したことの意味を重く受け止め、我が国の発展と参議院の地位向上のため、一層精進努力をしてまいります。これも、長きにわたって私を育てていただき、御指導、御鞭撻を賜った先輩、同僚議員の皆様、また、良いときも悪いときも終始私をお支えいただいた地元岡山及び全国のファンの皆様、さらには事務所のスタッフ、妻を始めとする家族、親族の皆様にも衷心より感謝申し上げまして、お礼の言葉といたします。
 本日は誠にありがとうございました。(拍手)
#9
○議長(伊達忠一君) 山崎正昭君。
   〔山崎正昭君登壇、拍手〕
#10
○山崎正昭君 一言お礼の御挨拶を申し上げます。
 ただいま永年在職議員の表彰を賜りました。この神聖な議場において院議をもって表彰いただきますことは、参議院議員として最高の名誉でございます。身に余る光栄であり、心より厚く御礼を申し上げます。
 加えて、尊敬する大先輩の片山虎之助先生とともに表彰を賜りますことは望外の喜びであり、心からうれしく思っております。片山先生、本日は誠におめでとうございます。
 また、先ほどは、敬愛する橋本聖子先生より御丁重なる御祝辞を頂戴いたしました。ここに深甚なる感謝の意を表する次第であります。
 私が政治の道を志したきっかけは、昭和四十年九月にふるさと福井県大野郡西谷村を襲った豪雨災害でございました。総雨量千四十四ミリを超える未曽有の集中豪雨により、村全体が壊滅的な被害を受けました。翌年には西谷村に真名川ダムが建設されることとなり、村は廃村、全住民が離村を余儀なくされたのであります。そのときから私は、ふるさとの発展なくして国の繁栄はないと考え、愛郷無限を信条として政治活動に邁進してまいりました。
 昭和五十年の大野市議会議員初当選を皮切りに、市議会一期、福井県議会四期を経て、今は亡き熊谷太三郎先生の後継として、平成四年の第十六回参議院議員通常選挙で初当選させていただきました。
 その後、政府では大蔵政務次官、内閣官房副長官、参議院では議院運営委員長、参議院自民党幹事長などを務める機会を頂戴いたしました。
 また、皆様方の御推挙を得て、平成二十四年には第二十九代参議院副議長、平成二十五年には第三十代参議院議長に就任させていただきました。その間、公正中立を旨として、本院の円滑な運営に力を尽くしたところであります。非力ながらも議長としての職責を大過なく果たすことができましたのは、ひとえに、昨年引退をされました輿石東前副議長を始め、皆様方の御厚情、御鞭撻のたまものでございます。ここに改めて衷心より感謝を申し上げます。
 それぞれの役職におきまして与えられた職責を懸命に果たしてまいりましたが、取り組むべき課題は今も多くございます。人口減少や東京一極集中に歯止めを掛け、豊かなふるさとをつくる地方創生には一層力を尽くす必要がございますし、誰もが生きがいを感じられる社会を実現するため、子育て、医療、介護、年金などへの不安を解消しなければなりません。
 また、北朝鮮による拉致被害者の御家族が帰国される際には内閣官房副長官として同行させていただきましたが、全ての被害者の御帰国はいまだに実現しておりませんし、北朝鮮の核、ミサイルは北東アジアのみならず世界全体にとって大きな脅威となっております。
 もとより私一人になし得ることは限られておりますが、山積する内外の諸課題に対処するため、これからも、一参議院議員として、皆様方とともに更なる努力を続けてまいる所存でございます。
 さて、議会人としての四十二年、参議院議員としての二十五年を振り返ったときに、思い起こすのはすばらしい人々との御縁であります。今日私がありますのも、市議会議員時代から熱心に支援してくださった後援会を始め地元福井の皆様方、厳しくも温かく御指導いただいた先輩、同僚議員の方々、そして私の議員活動を最も近くで補佐してくれた秘書の皆さんのおかげであります。改めまして厚く御礼を申し上げます。
 また、家族にも感謝の気持ちを伝えなければなりません。今から八年ほど前、私は重い病を患いました。病院に向かう途中、もう帰れないかもしれない、もし帰れても政治の世界から身を引くことになるかもしれないと覚悟したこともございました。そのとき、私を支え、励まし、命を救ってくれたのは、妻と三人の子供たちであります。あのときほど家族の存在に助けられたことはございません。みんな、本当にありがとう。
 今の私にとりまして一番の楽しみは、地元で大勢の孫たちと食卓を囲むことであります。この若い世代に平和で豊かな日本を引き継いでいかなければならない、それこそが国会議員に課せられた最も大切な使命であると確信し、報恩感謝の心を持って皆さんとともに政治活動を続けてまいりたいと存じます。
 結びに、皆様方の変わらぬ御指導、御交誼のほどよろしくお願いを申し上げまして、お礼の御挨拶とさせていただきます。
 本日は誠にありがとうございました。(拍手)
     ─────・─────
#11
○議長(伊達忠一君) この際、日程に追加して、
 農業競争力強化支援法案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。農林水産大臣山本有二君。
   〔国務大臣山本有二君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(山本有二君) 農業競争力強化支援法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 政府においては、これまで、我が国農業を将来にわたって持続的に発展させるため、その構造改革を推進してまいりました。
 一方で、農業の更なる成長を目指すためには、農業者に良質で低廉な農業資材が供給されることや、農産物の品質等が適切に評価された上で効率的に流通、加工が行われることなど、農業者の努力では解決できない構造的な問題に対処することが必要不可欠であります。
 このため、平成二十八年十一月に改訂された農林水産業・地域の活力創造プラン等に基づき、国の責務や国が講ずべき施策等を明確化し、良質かつ低廉な農業資材の供給と農産物流通等の合理化の実現を図ることによって、農業の競争力の強化の取組を支援していくため、この法律案を提出した次第でございます。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、国の責務等でございます。
 国は、国内外における農業資材の供給及び農産物流通等の状況を踏まえ、良質かつ低廉な農業資材の供給及び農産物流通等の合理化を実現するための施策を総合的に策定し、これを着実に実施する責務を有することとしております。
 さらに、これらの施策が円滑かつ効果的に実施されるよう、主務大臣及び関係行政機関の長は相互に連携を図りながら協力するものとしております。
 第二に、国が講ずべき施策についてでございます。
 国は、農業資材事業及び農産物流通等事業について、良質かつ低廉な農業資材の供給又は農産物流通等の合理化を実現するため、規制や規格の見直しを始めとする事業環境の整備、適正な競争の下で高い生産性を確保するための事業再編又は事業参入の促進、さらには、農業資材の調達先や農産物の出荷先を比較して選択する際の価格等の情報を入手しやすくする措置等を講ずることとしております。
 また、政府はおおむね五年ごとに国内外における農業資材の供給及び農産物流通等の状況に関する調査を行い、施策の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとしております。
 第三に、事業再編又は事業参入を促進するための措置についてでございます。
 良質かつ低廉な農業資材の供給又は農産物流通等の合理化を目的として行う事業再編又は事業参入を促進するため、主務大臣は、実施指針を策定するとともに、事業者が策定した計画の認定を行うことができることとしております。
 その上で、主務大臣から認定を受けた事業者は、その計画の実施に当たり、農林漁業成長産業化支援機構による出資、日本政策金融公庫による融資、中小企業基盤整備機構による債務保証等の支援措置を受けることができることとしております。
 以上が、本法律案の趣旨であります。(拍手)
    ─────────────
#14
○議長(伊達忠一君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。山田修路君。
   〔山田修路君登壇、拍手〕
#15
○山田修路君 自由民主党の山田修路です。
 私は、自民・公明を代表し、ただいま議題となりました農業競争力強化支援法案について質問いたします。
 本法案は、昨年一月以降、与党で検討を続け、政府において昨年十一月に決定された農業競争力強化プログラムに基づくものであります。私も、自民党のプロジェクトチームの一員としてこの農業競争力強化プログラムの検討に関わってきました。
 この検討においては、二つの視点を前提としていました。一番目は、農業者の手取りを増やすためには、農業者の努力では解決できない課題、すなわち、農業資材価格の引下げや加工・流通経費の引下げについて政府として取り組むこと。そして、二番目は、人口が減少し、これに伴い食料の需要も徐々に減少していく国内市場だけでなく、人口や食料需要が増加する海外市場にも目を向ける必要があることです。
 このような視点に関連して、本法案について質問いたします。
 国内市場、海外市場を通じて我が国農業の競争力強化を図っていこうとする場合、我が国の農産物をめぐる貿易環境がどのようになっていくのか、極めて重要であります。
 日米関係では、トランプ大統領は二国間交渉を重視する立場を表明しています。去る十八日に麻生副総理とペンス副大統領の間で行われた日米経済対話では、二国間交渉に関する協議そのものは行われなかったものの、ペンス副大統領は将来の二国間の貿易交渉に意欲を示しています。
 一方で、米国を除く十一か国でTPP協定を発効させようとする動きもあります。TPP11を推進することは米国への牽制にもなります。我が国として、今後、TPP協定の発効に向けてどのように取り組むのか、石原経済再生担当大臣にお伺いします。
 次に、我が国の優れた農産物や食品の輸出促進についてお伺いいたします。
 最近、我が国の農産物や食品を輸出しようとする動きが目立つようになっています。私の地元石川県でも、オーガニック米のみつひかりやあきだわら、特別栽培米のコシヒカリ、米加工品としての有機純米酒などを米国、香港、EUなどへ輸出し、高い評価を受けていると伺っています。二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック大会に向けて、我が国を訪れる外国人観光客はますます増えていくことが期待されており、これからの数年間は、質が高く安心できる日本の農産物・食品への理解を世界に広げていく絶好のチャンスと考えています。
 そして、このような輸出を支援する機関として、フランスの食品振興会も参考に、四月一日に日本食品海外プロモーションセンター、JFOODOを設置し、体制を整備しつつあると聞いております。今後、農産物や食品の輸出にどのように取り組んでいくのか、山本農林水産大臣に伺います。
 次に、肥料や農薬、農業機械、飼料などの生産資材に関してお伺いいたします。
 これらの資材は農業生産に欠かせないものであり、農業の持続的な発展を図る上で今後も安定的に供給されなければなりません。資材ごとに状況は異なるものの、例えば、政府の公表によれば、肥料では約二万、配合飼料でも約一万六千もの多くの銘柄があり、これを少量ずつ生産しているなど、生産資材業界は様々な課題を抱えています。
 本法案により、生産資材業界の事業再編を促進し、業界全体の生産性を向上させていくことが急務であります。その一方、価格競争が優先され、安かろう悪かろうの農業資材が出回ることのないようにすることも重要です。本法案に掲げる良質かつ低廉な農業資材の供給をどのように実現しようとしているのか、山本農林水産大臣にお伺いします。
 次に、農産物や食品に係る流通・加工構造の改革について伺います。
 農業競争力強化プログラムにおいては、効率的、機能的で農業者と消費者双方がメリットを受けられる流通・加工構造を確立するとして、農産物を直接販売するルートの拡大や、農業者団体と食品製造業者等との連携の一層の促進などを提言しています。これに対して、卸売市場関係者や米卸業者など流通、加工に関係する方々は、自分たちの将来の姿を真剣に検討し始めています。
 流通・加工構造の合理化は、単に無駄をなくすということではなく、バリューチェーンの中で流通・加工業界の果たすべき役割をしっかりと位置付けることが重要であると思います。流通・加工分野の構造改革にどのように取り組むのか、山本農林水産大臣に伺います。
 最後に、全農の自主改革について伺います。
 全国農業協同組合連合会、JA全農が三月二十八日に発表した新たな事業戦略では、米や野菜、肥料の売買方式を抜本的に変更するなど、踏み込んだ内容となっています。例えば、米穀事業でも、これまでの誰かに売ってもらう体制から自ら売る体制に転換することとし、直接販売割合を平成二十八年度見込みの三七%から平成三十六年度には九〇%へ引き上げるという具体的な目標を掲げた意欲的なものとなっています。
 農業協同組合は、あくまで農業者が組織する民間団体であり、国としては、農業者の発展のためにJAの自己改革を促していくことが重要です。どのような自己改革を国として期待しているのか、山本農林水産大臣にお伺いします。
 以上、五点について質問しました。
 意欲のある農業者が創意工夫を発揮することにより、我が国農業が飛躍的に成長することができる、そういった環境を整えることが国の責務だと思います。本法案の下、農業者が誇りを持って活躍することができる農政新時代に向けて、国、地方公共団体、そして農業関係者が一丸となって取り組んでいくことを期待して、私の代表質問といたします。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣山本有二君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(山本有二君) 山田議員の御質問にお答え申し上げます。
 農林水産物・食品の輸出についてのお尋ねがありました。
 平成三十一年の輸出額一兆円目標を達成するため、農林水産業の輸出力強化戦略等に基づき、海外市場のニーズ把握や需要の掘り起こし、販路開拓のための相談体制の強化や商談会出展等への支援、コールドチェーンの整備など物流の高度化への支援、輸出先国・地域の輸入規制の撤廃、緩和に向けた交渉などの輸出環境の整備等の取組を行っているところでございます。
 また、こうした取組を更に強化するために、御質問のありました、四月一日に設置いたしました日本食品海外プロモーションセンター、JFOODOにおきまして、現地の詳細なニーズ把握や卸、小売、外食事業者等の情報の徹底調査、日本産品のプロモーション、ブランディング戦略の立案、実行、事業者への継続的な商談支援等の取組を行うこととしております。
 今後、これらの取組を通じ、農林水産物・食品の輸出に全力で取り組んでまいります。
 次に、良質かつ低廉な農業資材の供給についてのお尋ねがありました。
 農業者の所得向上を図っていくためには、生産コストの削減が重要でございます。農業競争力強化プログラムにおいて、農業資材価格の引下げ等を図ることとしたところでございます。
 これを受けて本法案では、農業資材メーカーについて、国際競争に対応できる生産性の向上を図るための業界再編、農業資材に関する法規制及びその運用の見直し、農業資材価格の見える化等の取組を進めていくこととしております。その際、例えば、支援対象とする業界再編は、良質な農業資材を供給するものであることを確認するなど、農業資材の品質が損なわれないよう十分に配慮してまいります。
 これらの施策を着実に実施することにより、農業者の経営の改善に資する良質かつ低廉な農業資材の供給を実現してまいります。
 流通・加工分野の構造改革の取組についてのお尋ねがありました。
 農産物の流通等については、例えば卸売市場は、各地の生鮮食料品等を品ぞろえすることとともに、需給や品質に応じた価格を形成しており、食料の安定供給を通じて国民生活の安定に貢献してきたところでございます。他方、生産者の所得の向上、多様化する実需者、消費者のニーズへの対応といった観点から、改革が必要と考えております。
 このため、農産物流通等について、国としての規制の見直しを始めとする事業者の事業環境の整備を行うとともに、事業者の自主的な事業再編等を促すことにより、効率的、機能的で農業者と消費者双方がメリットを受けられる流通・加工構造の確立に取り組んでまいります。
 次に、全農の改革についてのお尋ねがありました。
 本年三月、全農は、農業競争力強化プログラムを踏まえて、農業生産資材の価格引下げや農産物の有利販売に向けて、数値目標等を含めた年次計画を作られたものと承知しております。農林水産省としては、今後は、この計画をベースに、真に農業者の立場に立つことが明らかな事業スキームとなるよう明確化を図っていくことが重要であると考えております。
 具体的には、競争入札などにより農業者にとって有利な生産資材メーカーから購入するスキーム、中間流通を通すのではなく、消費者、実需者への農産物の直接販売を拡大していくスキーム等を明確にし、これを実践することにより、農業者が成果を実感できるようにしていく必要がございます。
 こうしたことを実現するためには、農業者の立場に立つという役職員の意識改革、新たな事業スキームを実行し得る外部からの人材の登用、新たな事業スキームに対応したスリムな組織体制の整備が不可欠であり、これにつきましても具体的な取組を期待しているところでございます。
 農林水産省としては、こうした農業者のための全農の自己改革が着実に進むよう、適切にフォローアップしていく考えでございます。(拍手)
   〔国務大臣石原伸晃君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(石原伸晃君) 山田議員にお答えいたします。
 TPPの発効に向けた今後の取組についてのお尋ねがございました。
 TPPにつきましては、我が国が持つ求心力を生かしながら、各国と緊密に連携して、あらゆる選択肢を排除せず、何がベストか主導的に議論を進めていくのが我が国の立場でございます。この立場は、先月チリで開催されましたTPP閣僚会議などの場で明確にしてきたところでございます。
 チリでのTPP閣僚会議では、出席した十一か国が結束が確認されたところではございます。今後、五月のAPEC貿易担当大臣会合に合わせまして、TPP関係閣僚が再度会合を持ち、今後の方向性について議論をする予定であります。
 その準備のために、事前に事務レベル会合を行い、協議することとしております。今後、そのような場を通じまして、TPPで合意したハイスタンダードなルールを実現するためにどのようなことができるかを日本が主導して各国と議論をしていく考えでございます。(拍手)
    ─────────────
#18
○議長(伊達忠一君) 田名部匡代君。
   〔田名部匡代君登壇、拍手〕
#19
○田名部匡代君 民進党・新緑風会の田名部匡代です。
 私は、会派を代表し、ただいま議題となりました農業競争力強化支援法案につきまして質問をいたします。
 冒頭、十八日に経済産業大臣政務官を一身上の都合で辞任された中川俊直衆議院議員について触れざるを得ません。報道されている内容が事実とするならば、国会議員として以前に、人としてあるまじき行為であります。一人の女性として、一議員として、このような行為を認めるわけにはいきません。
 また、中川議員はフェイスブック上で報道内容の一部を否定していますが、国会議員は国民の負託を受けており、どこかの御夫人のように、フェイスブックで見解を表明して逃げるということは許されません。国会議員は、国民の前で自らの言葉によって説明をする責任があります。説明責任を果たそうとしないその姿勢も認めるわけにはいきません。このような人物を経済産業大臣政務官にふさわしい人物であると考えた安倍総理の任命責任はもちろん、国会議員としてふさわしいと考えていた鑑識眼を疑わざるを得ないことを冒頭訴えさせていただきます。
 本年三月、東日本大震災の被災地を訪問した際に出会った女性は、この六年、仕事で気を紛らわせながら一日一日を過ごしてきましたとおっしゃっておられました。人々は、今なお笑顔の裏に悲しみや苦しみを抱えながら過ごしておられるのです。私たちは、その目に見えないことに対しても心を砕き、希望を一つ一つ積み上げていかなければなりません。
 しかし、復興を担当する今村大臣は、自主避難者の方々に対し、自己責任だとおっしゃいました。心にないことは口から出ません。裁判でも何でもすればいいという言葉から伝わってくるのは、不満ならば訴えればいいという大臣の本音です。抱える苦しみがあるときでも、それを全身で受け止めてくれる人がいるとき、人は時に救われた気持ちになり、頑張る力が湧いてくることもあるのではないでしょうか。しかし、今村大臣の言葉は被災者を傷つけるものでしかありません。しかも、そうした心ない言葉に子供たちは敏感に反応し、更なるいじめにつながっていくことすら想像もできていないのだと思います。被災者の気持ちが少しでもお分かりになるなら、大臣の取るべき行動は一つ、辞任であります。
 このように安倍政権では、失言、暴言、うそか本当か記憶を消したり書類を消したりと、全てが国民を愚弄するものであり、許すことはできません。
 また、森友学園も疑惑を残したまま、新たに加計学園の問題も浮上しました。獣医師は家畜伝染病への対応を担う畜産業の安定的な発展には欠くことのできない存在であり、この加計学園の獣医学部新設の件は、経営の維持発展に努めておられる畜産や酪農を営む方々にも深く関係する重要なことでありますので、お伺いします。
 国家戦略特区の議事録を見ても、いつ誰がどこで決めたのか、全く不透明であります。なぜ加計学園に決まったのか、いつ誰が獣医学部設置を一校と定めたのかも非常に不明確です。
 我が党の櫻井議員から、過去に国家戦略特区で設置を決めた医学部と同様の、関係省庁から成る合意文書はあるのかという確認をしたところ、あるとかないとか言いながら、後に提出をされたわけですけれども、作成日は確認できません。委員会質疑で作成日を確認できるデータの提出を求められたことに対し、松本内閣府副大臣は、プロパティーデータも含めて提出する準備をすると御答弁されていました。しかし、その後の委員会では、出せないという答弁に変わりました。
 山本地方創生大臣、経緯を明確にするために御提出をしていただけないでしょうか。出せないというのであれば、その理由をお伺いいたします。
 獣医師に関する所掌事務は農林水産省でありますから、山本農林水産大臣にもお伺いをいたします。
 農林水産省は、これまでも獣医師の確保、地域偏在などに取り組んでこられたはずです。そして、偏在はあるものの、獣医師は不足をしていないとの認識を示されてこられました。そうした現場の状況を国家戦略特区諮問会議で伝えてこられたのでしょうか。
 また、ここにはもう一つの問題があります。加計学園の理事長は安倍総理にとって心の奥でつながっている友人であると報じられていることです。非常に不透明な決定に対し、その個人的な関係が国家戦略特区の認定に影響したのではないかということも懸念いたしますが、その点も含めて、どういう経緯だったのか、御説明をください。
 それでは、今回提出された法案について順次お伺いしてまいります。
 本法案は、事業再編又は事業参入を促進するための措置を講じ、農業者による農業の競争力強化の取組を支援することで、農業及び農業生産関連事業の健全な発展に寄与するということが目的とされています。しかしながら、事業再編等の取組が本当に農業者の所得向上につながるのか、全く見えてきません。
 農業資材のコストを下げて農業所得を向上させることには反対はいたしません。ただ、その方法として肥料や配合飼料を念頭に銘柄を集約することが規定されており、政府は、生産性の低い工場が乱立し、多品種少量生産となっていることで生産資材価格の高止まりが起きており、これを引き下げる必要があると主張されておられます。
 本当にそうでしょうか。業界の再編や事業者数の整理で数が減少すれば、寡占状態となり、競争原理が働かず、逆に価格の高騰を招くことになるのではないでしょうか。市場原理からしてもそれが常識的な考え方なのではないかと思いますが、農林水産大臣の御所見を伺います。
 また、銘柄が著しく多数であるため、生産規模が小さく、事業者の生産性が低いものについて基準の見直しや集約の取組を促進する旨の規定が設けられています。生産性が低いと一くくりにしていますけれども、生産性が低いとはどのような基準によって定義されるのでしょうか。例えば肥料など多品種かつ少量生産となっているものについては、それぞれの土壌に合わせたきめ細やかなニーズがあるからこそ、多様な銘柄が販売され使用されているのです。
 そもそも、農業者のニーズと合致しなければ、商品として成り立たないのではないでしょうか。それを一概に生産性が低いものと切り捨てることはいかがなものかと思われますが、この点について山本農林水産大臣の見解をお尋ねします。
 農業者の所得向上のために農業生産関連事業者の努力義務が定められていますが、関連事業者は民間企業であり、当然競争原理の中で努力をしておられます。しかしながら、あえて努力規定を設けたということは、関連事業者はこれまで良質かつ低廉な資材供給や流通の合理化を行ってこなかったという意味なのでしょうか。この努力規定でどういう取組が期待できるのか、山本農林水産大臣、御答弁ください。
 次に、農業者は、有利な条件を提示する農業生産関連事業者との取引を通じ、農業経営の改善に取り組むよう努めよと、農業者の努力規定も設けられています。この一文に対しては、農家の方々から、農家を見下しているのかという声が上がっていることを大臣は御存じでしょうか。農業者は、これまでも、必要な農業資材を選択し、良質な農産物を提供する努力をされてこられました。農家の努力が足りないということなのでしょうか。具体的にどのような努力をすればいいのか、併せてお答えください。
 また、農業者の組織する団体は農業者の所得の増大に最大限の配慮をするよう努めるということについてですが、ここでいうところの農業者の組織する団体というのは主に農業協同組合のことを指していると思われますが、その解釈で間違いないでしょうか。そうであるならば、農協については、既に農業協同組合法第七条二項において、「事業を行うに当たつては、農業所得の増大に最大限の配慮をしなければならない。」と定められており、改めて法定化する必要性はないと思われます。
 本法案の根拠となっている農業競争力強化プログラムにおいては、農協に対し、組織体制や人事の在り方にまで口を出し、数値目標や計画の策定を半ば強制的に求め、そのフォローアップを行うことが決められました。この第五条に記された努力義務によって、国による農協への過剰介入にお墨付きを与えるものにならないかと危惧しています。協同組合原則に基づき相互扶助と共助の精神に基づく活動をしている農協に対し、過剰な介入は厳に慎むべきだと考えますが、農林水産大臣の見解を求めます。
 農業機械の分野について、政府は、国内出荷額全体の八割を大手四社が占めており、寡占状態にあることで価格が高くなっていると説明され、本法案には、事業の再編や事業参入の規定が設けられています。しかも、価格を韓国とのみ比較し、日本は海外メーカーとの競争がないことで高いのだということも指摘をされておられました。国際的にビジネスを展開する海外企業を参入させたいとの意図があるのではないかと感じます。
 そこで、どのように事業参入を進め、どの程度の参入を見込んでいるのか、また、農業機械業界において海外資本企業が一定のシェアを占めるようなことも想定されているのか、農林水産大臣にお伺いをいたします。
 次に、卸売や小売事業、また、農産物を原材料として使用する製造や加工事業に対し、効率化や生産性の確保のために、適正な競争の下で事業再編、事業参入を促進するとの規定について伺います。
 一体、適正な競争とはどういうものでしょうか。民間企業に対し、法律で事業再編や事業参入について促進させようとしているわけですが、これに国はどう関与をしていくのか、そして、そのことによって農業所得がどう向上していくのか、山本農林水産大臣、御答弁願います。
 あわせて、農業競争力強化プログラムでは卸売市場を抜本的に見直すとされておりますが、卸売市場の果たす役割は非常に大きいと感じています。政府として、流通に係る卸売市場の抜本的見直しということについてどうお考えなのか、また、流通等事業に係る環境整備に対する必要な措置とは一体どういうものなのか、山本農林水産大臣、お答えください。
 現在、自給率向上を旨とした食料の安定供給の確保という農政の重要課題への対応は危機的な状況にあります。今生じている危機に対して、政府は有効な手だてを講じているでしょうか。農林水産業には、一産業として以外の大きな役割もあります。しかし、競争だ、経済だと、家族経営を切り捨てるような政策を推し進めているようにしか思えません。
 過去の民主党政権が導入した農業者戸別所得補償制度は、農業の衰退に一定の歯止めを掛ける役割を果たしてきました。しかし、安倍内閣はこれを平成三十年には廃止をする予定です。こんなことで、我が国の食料安全保障や自給率の向上、また、食の安全、安心を求める全国の消費者の期待に応えることができるでしょうか。
 民進党は、全ての販売農家を対象とする農業者戸別所得補償制度を法制化する議員立法を衆議院に提出しています。我が国の農業を再生し、持続可能なものとし、競争力を付けるためにも必要だと考えています。農業競争力強化と言うのであれば、まずこの法案こそ国会で論じられるべきだと考えていますが、政府・与党は全く議論の対象にすらしようとしていません。なぜ議論すらしないのか、山本農林水産大臣の見解を尋ねます。
 私の地元青森県でも、農業、漁業に多くの方が携わって生活をしています。地方にとって、一次産業は地方経済そのものを左右し、衰退すればドミノ式に地域全体を崩壊させていくことになります。しかしながら、地方創生を担当する山本特命大臣は、今年二月、規制改革推進会議農業ワーキング・グループの会合で、農地規制が地方創生の最大の障害だ、稼ぐための施設をやるにも規制があって一番いいところが使えないとおっしゃっています。文化学芸員の方々の活動についても御理解をされていないようですけれども、全く地方のことも御理解いただいていないと思います。この発言について、山本地方創生大臣の真意をお伺いをしたいと思います。
 最後に申し上げます。私たち国会議員は、それぞれ地域において地元の声を聞き、そして現場の声を聞き、その人たちの生活が少しでも豊かになるようにと活動をしていかなければなりません。しかしながら、今の政治の在り方はどうでしょうか。その分野の専門家ではない有識者と言われる人たちにより、大臣も関係省庁も飛び越え、さらには与党の議員の皆さんも飛び越え、現場の声を全く無視した政策がつくられているような気がしてなりません。本当にそれで私たちに託されたその役割を果たすことができるのでしょうか。このように全く現場を無視した政策が次々とつくられていくのであれば、私たち議員の存在意義はありません。
 私たち民進党こそ、地方の声を大切にし、そして現場の声を大切にし、本当の意味で未来を生きる子供たちのためになるいい政策をしっかりと堂々と提言をしてまいりますことを申し上げ、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣山本有二君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(山本有二君) 田名部議員の御質問にお答え申し上げます。
 獣医師の需給に関する認識及び特区認定の経緯についてのお尋ねがございました。
 獣医師の需給につきましては、近年、家畜やペットの飼養頭数がいずれも減少傾向にあるという状況の下で、一概には言えないものの、獣医師の数自体が全体的に不足しているという状況にはないと考えております。このような中で、産業動物獣医師につきましては、地域によってはその確保が困難なところがあるという状況と認識しております。こうした認識は基本的に従来から変わっておらず、国家戦略特区ワーキンググループのヒアリングの場におきましても事務方からその旨発言してきており、昨年十一月九日の国家戦略特区諮問会議では、私が、近年、家畜やペットの数は減少しているけれども、産業動物獣医師の確保が困難な地域が現実にあると申し上げたところでございます。
 また、国家戦略特区の認定経緯についてのお尋ねがございました。
 本件につきましては内閣府の所管事項でございますが、今治市は平成十九年から八年近く唯一の提案者として獣医学部新設の提案を続けておりまして、安倍政権が昨年十一月の規制改革の決定、今年一月の制度化に結実させたものであり、また安倍総理が認定に影響を与えたことは一切ないものと承知しております。
 農業資材業界の再編についてのお尋ねがございました。
 本法案におきましては、農業資材価格の引下げなど、農業者の努力では解決できない構造的な問題に対処し、農業者の所得の向上を図ることとしております。具体的に言えば、例えば肥料につきましては、大手メーカー八社を合わせましてもシェアは五割に満たず、化成肥料メーカーが約二百五十社も存在し、工場の稼働率も約七〇%と低い状況にあるなどにより高コストな生産構造となっていることから、メーカーの自主的な判断に基づく業界再編による早急な体質改善を後押しすることとしております。
 その際、本法案第九条で示しているとおり、国は、良質かつ低廉な農業資材の供給を実現するため、適正な競争の下で高い生産性が確保されることとなるよう、必要な措置を講ずることとしており、寡占状態となって資材価格が上がるようなことは想定しておりません。
 次に、肥料製造などにおける低生産性についてのお尋ねがありました。
 本法案における生産性が低いとは、一律の基準はないものの、例えば肥料では、銘柄が約二万も存在するなどにより化成肥料メーカー工場の平均稼働率が七〇%と低水準に止まっていることなどが改善すべき状況と考えております。
 肥料の銘柄数が多いのは、メーカーの販売戦略に加えて、各地の気候や栽培体系の違いに応じて、産地のブランド化や高品質な農産物の生産を可能とする肥料を開発していることなどによるものと考えております。一方、原料の配合割合の細かい調整を行うことや資材を入れる袋を細かく分ける等、コストを掛けている状況にもございます。
 このため、農林水産省としましては、農業者や産地の御意見をよく聞きながら、同一成分の銘柄は可能な限り集約するとともに、施肥基準等の見直しに向けた都道府県や農業団体との検討等によりまして、銘柄の集約を促進し、肥料製造の生産性の向上を図ってまいります。
 次に、農業生産関連事業者の努力規定についてのお尋ねがありました。
 農業と農業生産関連事業は、農業の持続的発展が最終的に農業生産関連事業の発展につながるという共存共栄の関係にございます。このため、農業生産関連事業者には、農業の持続的発展が最終的に自らの事業の発展につながることを認識しつつ、農業者にメリットが及ぶような事業活動を持続的に行うことが求められることから、その旨を努力規定で明記したところでございます。
 したがいまして、農業生産関連事業者の方々がこれまでこれらの取組を行ってこなかったということではなく、今後も農業資材について、安全性や耐久性の向上の取組や農産物流通におけるコスト削減の取組などを持続的に行っていただくことを期待しているものでございます。
 次に、農業者の努力規定についてのお尋ねがありました。
 本法案における農業者の努力規定は、農業者を見下したり、農業者の努力が足りないとの考えに基づくものではありません。
 本法案では、農業生産関連事業者に対して、良質で低廉な農業資材の供給や農産物流通等の合理化の実現に資する取組を持続的に行うよう努めることを求めておりますが、取引相手である農業者がこのような努力を行う事業者を利用していただかなければ、その実現につながってまいりません。このため、農業者に対しても、このような努力を行う事業者との取引を通じて、農業経営の改善に努めることを求めることとしたものでございます。
 次に、農業者の組織する団体の努力規定についてのお尋ねがございました。
 本法案第五条三項の「農業者の組織する団体であって農業生産関連事業を行うもの」は、農協だけを指すのではなく、事業協同組合など、農業資材事業や農産物流通等事業を行う農業者団体一般を指すものでございます。同項の規定は、このような農業者団体一般に対して、努力規定として一定の行為を行うことを求めているものでございまして、行為そのものを強制したり、義務付けたりするものではございません。
 一方、農業競争力強化プログラムにおける全農の自己改革は、政府と全農が合意の上で取りまとめられたものでございまして、その進捗状況のフォローアップにつきましては、合意の実現という観点から、本法案の枠外で行われるものと考えております。
 農業機械業界の事業再編についてのお尋ねがございました。
 農業機械業界については、メーカーの上位四社のシェアが八割を超え、各社のシェアに大きな変動がないなど、寡占状態による競争性の欠如が課題と考えております。一方、農業現場からは農業機械の価格が高いといった声が寄せられているほか、高齢化等による労働力不足が深刻となっている中、ロボットやICT等の新技術の導入が期待をされております。
 このような状況を受け、現在、建設機械メーカーが水稲直播栽培用のICTブルドーザーを開発、あるいは電機メーカーが野菜の自動収穫ロボットを開発するなど、異分野の企業が研究開発に取り組み始めておりまして、このような取組を後押ししてまいります。なお、外国資本企業を排除するものではありませんが、まずは、異分野の企業の新規参入により、寡占状態にある業界に競争環境の整備を図ることとしております。
 次に、農産物流通等についてのお尋ねがありました。
 本法案第十二条の「適正な競争」とは、流通等事業者がコストの削減や農産物の付加価値の向上等を目指し、創意工夫により切磋琢磨する環境であると考えております。
 農産物の流通等について、コストが過大に掛かる構造では、農業者の手取り収入が抑制されることとなるため、農林漁業成長産業化支援機構による出資、日本政策金融公庫による融資、税制上の特例等の支援措置を講じ、事業再編等を促進することとしております。
 また、多様化する実需者、消費者のニーズへの対応からも、農産物の流通等の改革が必要でございます。このため、経済社会情勢の変化を踏まえた規制の見直しを行うとともに、国が定めた規格の見直しや民間事業者が定めた規格の見直しの取組を促し、その事業環境を整備することとしております。
 さらに、卸売市場法については、市場関係者の意見も丁寧に聞きながら、今後抜本的な見直しを行ってまいります。
 次に、農業者戸別所得補償法案についてのお尋ねがありました。
 まず、国会における法案審議の扱いにつきましては、国会がお決めになることだと考えております。その上で、農業者戸別所得補償法案は、米について全ての販売農家を対象に補助金を交付するというものでございますが、農地の流動化ペースを遅らせるという面がある等の政策的な問題があると考えております。
 このような観点から、米の直接支払交付金は、平成二十六年産から単価を削減し、平成二十九年産までの措置とした上で、その間、強い農業の実現に向け、農地中間管理機構による担い手への農地集積や、需要のある麦、大豆、飼料用米の生産振興を図ることによる農地のフル活用など、前向きな政策を強化したところでございます。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣山本幸三君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(山本幸三君) 田名部議員から獣医学部新設に関する経緯についてお尋ねがありました。
 まず、獣医学部新設の十年の歴史を御説明いたします。
 今治市は、平成十九年から八年近く、唯一の提案者として獣医学部新設の提案を続けております。鳩山政権がこれに応え、対応不可から実現に向けた検討に格上げし、安倍政権が更に前進させ、昨年十一月の規制改革の決定、今年一月の共同告示に結実させております。
 制度設計の段階で、地域を限る、一校に限るとしたのは、獣医師会などからの慎重な意見に耳を傾けつつ、新たな分野と切迫する需要に対応した獣医学部の新設をまずはいち早く実現するためであり、加計学園や今治市ありきではありません。
 獣医学部の新設を可能とする共同告示を制定した後の制度活用の段階で今治市としたのは、市の提案が事業の早期実現性の観点で熟度が高いことを踏まえ、最終的に私が判断し、告示制定直後の本年一月四日から区域会議で公募を開始することを決定しました。加計学園は公募に応募した唯一の事業者で、他からの追加申出もなかったため、文部科学大臣も含めた厳格な審査を経て選定に至ったものであります。このように、規制改革項目の追加、事業者選定はいずれも法令に従い適切に実施されております。
 三大臣の合意文書は、一校に限ることを本年一月の共同告示に明記する方針を農水大臣、文科大臣、私の三大臣で内部的に確認するため、昨年十二月二十二日に各省間の調整を経て作成したものです。その作成日を確認できるデータの提出につきましては、去る四月六日の参議院農林水産委員会において松本内閣府副大臣が既に発言したとおり、行政文書の真正性については法令等により制度的に担保されていること、その真正性を証明するため逐一個別の電子ファイルのプロパティーデータ等に遡って確認することまで求められるとすれば、今後の行政遂行に著しい支障が生じることとなるため、対応困難と考えております。
 次に、今年二月十四日に開催された規制改革推進会議農業ワーキング・グループでの私の発言についてお尋ねがありました。
 この日の農業ワーキング・グループでは、農地転用利益の地域還元に関する検討状況等についての議題の下、農林水産省から検討状況について報告があり、議論がなされました。その中で、農地転用規制に関連して、地方創生担当大臣として日頃感じていることについてお話ししたものであります。
 私がこれまで各地域を回る中で、市町村から、地方経済を活性化するために、時代や環境の変化を踏まえながら、農地として維持するか農地以外の用途とするべきかしっかり考え決断したいとの声をしばしば耳にしました。例えば、高速道路のインターチェンジが設置された周辺の農地を転用し、流通団地など、その土地に立地して初めて大きな効果が発揮できる施設の建設を求める考えは理解できます。
 私は、地方の平均所得を上げていくことが地方創生を進める上で必要であると考えており、このような観点から、真に必要な場合には、地域の判断により、農地を含めた土地の有効活用ができる仕組みが重要ではないかという趣旨で発言をしたものであります。(拍手)
    ─────────────
#22
○議長(伊達忠一君) 紙智子君。
   〔紙智子君登壇、拍手〕
#23
○紙智子君 日本共産党の紙智子です。
 会派を代表して、農業競争力強化支援法案について質問いたします。
 初めに、日米経済対話と日米自由貿易協定、FTAについてお聞きします。
 麻生副総理とアメリカのペンス副大統領との初会合が十八日に行われ、共同声明では、貿易・投資ルールなど三つの柱で具体的な議論を進展させていくことで一致しました。
 ペンス副大統領は、記者会見で、TPPは過去のものだ、アメリカの利益は二国間の貿易交渉を行うことだ、経済対話が日米FTAに行き着く可能性があると述べました。その最大の目標が更なる日本の農業開放であることは明らかです。
 安倍総理も麻生副総理も、今後は対話を通じ日米がウイン・ウインの経済関係を深めていくと発言をされていますが、日米農業交渉の歴史を振り返れば、牛肉、オレンジなどの輸入拡大を始め、日本がアメリカに一方的に譲歩を迫られてきたのが実態ではないでしょうか。この経過を踏まえれば、これから一体何を根拠にウイン・ウイン、すなわち対等の関係に進展すると言えるのか。官房長官、明確な答弁を求めます。
 以下、山本農水大臣に伺います。
 アメリカ食肉業界団体は、TPPが発効すれば日本の牛肉の関税が最終的には九%まで下がるはずだったが、TPP離脱で関税が三八・五%のまま高止まりし、オーストラリア牛肉との競争に勝てないと危機感を募らせ、日米FTAを結ぶことで日本に牛肉の関税引下げを迫るようトランプ政権に強く要求、今回の日米経済対話に際し、ペンス副大統領と一緒に食肉業界団体の会長も来日しました。
 共同声明では、高い水準の二国間枠組みで協議することを確認していますが、TPPの合意水準を前提にした二国間交渉では、アメリカの要求どおり牛肉の関税引下げは避けられなくなるのではありませんか。
 アメリカの要求は牛肉だけにとどまりません。次は米の輸入枠の拡大です。日本農業をこれ以上犠牲にしてはなりません。日米FTAは断固拒否すべきです。答弁を求めます。
 安倍内閣は、農業の成長産業化、輸出産業化、企業化を進めるため、農協改革を柱に据えています。施政方針演説で、総理は、八本の農政改革関連法案を提出し、改革を一気に加速しますと述べています。しかし、農業関係者からは、事業や経営にまで口を挟み、農業者の自主性や協同組合の自主自立の理念を根底から揺るがしかねないと激しい怒りの声が上がり、安倍内閣の農政への不信が広がっています。
 四月一日の日本農業新聞のモニター調査でも、特に厳しい目が向けられているのは、中央会制度の廃止や単位JAの信用事業の代理店化、全農の購買事業の見直しといった一連の農協改革であり、安倍政権の農政を評価するは三割にも届かない状態です。さらに、やり方においても、現場の声に聞く耳を傾けず、官邸や規制改革推進会議が主導する政策決定の在り方自体にも強い不信感が広がっており、農家や生産現場の声より経済界の声を重視し評価できないが七五%と圧倒的に多くを占めています。こうした怒りや批判をどう思われますか。
 政府の規制改革推進会議が昨年、第二全農の設立を含む農協に関する意見を出した際に、安倍総理は、全農改革は農業の構造改革の試金石であり、新しい組織に全農が生まれ変わるつもりで、その事業方式、組織体制を刷新していただきたい、私が責任を持って実行してまいりますと述べました。なぜ第二全農なのですか。何のための、誰のための改革なのですか。要するに、全農が安倍内閣の進める農業構造改革にとって阻害要因になっているから改革を強要するのではありませんか。
 政府は農業競争力強化プログラムを閣議決定し、全農の生産資材の買い方、全農の農産物の売り方を与党と政府が進行状況を定期的にフォローアップすることを決めました。山本大臣は、全農は現行スキームを点検、反省し、改めてもらうと言っています。農協法の改革以来、政府は、全農改革はもちろん、生乳の需給調整機能に風穴を空ける指定生乳生産者団体制度の見直し、信用事業を営む地域農協の代理店化など、協同組合そのものへの介入を強めています。国際協同組合同盟、ICA理事会が日本の農協改革の動きに懸念を示し、協同組合は公共、公益のための活動が求められているんだと表明していました。日本の政府は極めて異常です。自主自立が基本である農協や全農への過剰な介入はやめるべきです。明確な答弁を求めます。
 本法案の農業者や農業団体の努力義務についてお聞きします。
 農業者に、有利な条件を提示する農業生産関連事業者との取引を通じて農業経営の改善に取り組むように努めると定め、農業者の組織する団体であって農業生産関連事業を行うものは、農業者の農業所得の増大に最大限の配慮をするように努めると定めていますが、なぜ自主的な農業者の営農や農業団体の事業活動に努力義務を課すのですか。答弁を求めます。
 また、農業競争力強化プログラムでは、国は、国際競争力の強化を図るため、生産資材の価格を引き下げると言います。しかし、政府の言う競争力が単なるコストダウン、効率化であれば、更なる大規模化への誘導や法人化、企業参入などとなり、日本政府自身が原点としてきた多様な農業の共存という理念にも反し、日本農業の基本である家族経営を壊すことになるのではありませんか。答弁を求めます。
 民間企業の参入を阻害しているとして主要農作物種子法が廃止されました。まともな資料の提出も、十分な審議もないままに採決されたことに、国民の大きな怒りと批判が広がっています。種子、種苗は農業において欠かせない基礎的な生産資材です。政府は、農業競争力強化支援法で都道府県が有する知見を民間企業に開放するとしています。民間事業者には外資系企業が排除されていないため、国民の共有財産であり戦略物資である種子、種苗の知見が国外に流出する可能性があります。巨大多国籍企業による種子独占を許せば、日本の食料主権が脅かされかねません。見解を求めます。
 国民が求めているのは、食料自給率の向上、命、環境、地域、国土を守り安全な食料と農業を確保することです。TPPが発効しないにもかかわらず、TPP水準に固執し、更なる市場開放を行って農業を国際市場で競争させることを前提に、競争力を強める対策、成長戦略に固執する安倍政権の農政は、国民の願いとは全く相入れず、日本農業を危うくする道であり、我が党は、根本的転換を目指し、国民とともに闘う決意を表明して、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣山本有二君登壇、拍手〕
#24
○国務大臣(山本有二君) 紙議員の御質問にお答え申し上げます。
 日米経済対話と日米FTAについてのお尋ねがありました。
 先日の日米経済対話において日米FTAへの具体的な言及はなかったと聞いており、仮定の質問に対して予断を持ってお答えすることは差し控えさせていただきます。いずれにせよ、農林水産省としましては、我が国の農林水産業をしっかりと守っていくとの決意の下、今後の日米経済対話に関する議論にしっかり対応してまいります。
 次に、農協改革、農政改革についてのお尋ねがありました。
 農政の推進に当たりましては、各地の農業者や農協を始めとする農業関連業界等からの意見も伺いながら、農業者の所得向上のために取組を進めてきたところでございます。今後とも、関係者の御理解を得ながら、農政改革を着実に推進してまいりたいと考えております。
 農協改革は、農協が農業者の協同組織としての原点に立ち返って、農業者の所得向上に向けて、地域の農業者と力を合わせて農産物の有利販売などに取り組んでいただくものでございまして、農業者のメリットになるものでございます。そして、これは自己改革が基本であると考えております。
 また、農業競争力強化プログラムに盛り込まれました全農改革の内容は、農業生産資材の価格の引下げや農産物の有利販売に向けて全農とも合意の上で定められたものでございまして、全農がこれを実現できれば農業者のメリットになるものでございます。
 政府といたしましては、このような自己改革を促す立場でフォローアップを行うこととしておりまして、改革を強制するものではございません。
 次に、農業者や農業団体の努力規定についてのお尋ねがありました。
 本法案では、農業生産関連事業者に対して、良質で低廉な農業資材の供給や農産物流通等の合理化の実現に資する取組を持続的に行うよう努めることを求めておりますが、取引相手でございます農業者がこのような努力を行う事業者を利用しなければ、その実現につながりません。
 このため、農業者に対しても、このような努力を行う事業者との取引を通じて農業経営の改善に努めることを求める旨の規定を置くこととしたものでございます。また、農業者の組織する団体は、農業経営の改善に取り組む農業者に対して積極的に支援を行うべき立場であることから、農業所得の増大に最大限の配慮をするよう求める旨の規定を置くこととしたものでございます。このように、本規定は本法案の目的を実現するために必要なものでございます。
 次に、競争力と多様な農業の共存の理念についてのお尋ねがございました。
 農業競争力強化プログラム及び本法案における競争力とは、農業の生産性を高め、高い収益力を確保することにより、持続的な農業発展ができる力であると考えております。
 また、競争力については、価格競争力のみを指すものではなく、品質の高さや安全といった点も重要な要素であると考えております。その競争力を強化する農業者とは、大規模経営だけでなく、耕地面積が小さくても、農産物の高付加価値化や六次産業化に取り組む経営など多様な担い手が該当するものと考えております。したがって、多様な農業の共存といった理念や家族経営を壊していくことを指しているわけではありません。
 次に、都道府県が有する種子、種苗の知見の提供についてのお尋ねがございました。
 種子、種苗は重要な戦略物資であり、都道府県が育成した品種を民間事業者に提供する際には、その知見がみだりに国外に流出し、国内農業に悪影響を及ぼすことがないようにすることが重要と考えております。
 このため、都道府県が育成者権を有する品種などを民間事業者に提供する際には、都道府県と民間事業者との間で知的財産に係る契約を締結し、その中で知的財産権等が海外に流出することを防止するための措置を設ける等により、国内農業の発展に悪影響を及ぼすことがないよう都道府県に対して指導、助言をしてまいります。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣菅義偉君登壇、拍手〕
#25
○国務大臣(菅義偉君) 日米経済対話の在り方についてお尋ねがありました。
 牛肉・オレンジ交渉についても、粘り強く長期間交渉した結果として必要な国境措置を確保しており、過去の日米農業交渉で日本が一方的に譲歩を重ねたとの指摘は当たりません。
 日米経済対話では、日本の国益をしっかり守った上で、日米がウイン・ウインの経済関係を一層深めていくという観点から、貿易及び投資のルールと課題に関する共通戦略を始め、建設的な議論を進めてまいります。(拍手)
    ─────────────
#26
○議長(伊達忠一君) 儀間光男君。
   〔儀間光男君登壇、拍手〕
#27
○儀間光男君 日本維新の会の儀間光男です。
 私は、日本維新の会を代表し、ただいま議題となりました農業競争力強化支援法案に関して質問をいたします。
 東京への一極集中が止まらない一方で、各地域の経済は衰退し、人口減少が続いております。そうした中で、農業分野の競争力の強化は持続的な地域を築く重要な柱であります。
 我が党は、自立する個人、自立する地域の理念の下、農業についても既得権打破による競争促進を進めるべきだと考えております。具体的には、株式会社の農地所有を解禁、あわせて、農地のゾーニングと転用規制強化、農協への独占禁止法の適用除外規定の廃止、戸別所得補償制度の主業農家への限定等、農業改革の断行を主張してまいっております。
 このような我が党の立場と政府の進めようとする農業改革は、今国会に提出された八本の農業改革関連法案を見ても、基本的な方向性は共通するものがあると考えております。例えば、畜産経営安定法改正案においては、酪農家が指定団体の農協以外に製品を販売しても補給金が交付されるようにするものであり、生乳流通での競争力を促進するというものであります。また、本法案については、農薬の登録やその他の農業資材に関わる規制、また農産物の流通に関わる規制や規格につき、安全性、国際標準との調和、科学的合理性から見直すとしている点は、規制改革の観点から評価ができます。
 問題は、資材市場での取引と農産物の流通全体について、本法案でどの程度改革が進んで農業の高コスト構造が改まるのか、疑問を呈します。重要なのは、やはりJA全農の購買事業の見直しです。
 昨年の規制改革会議及び自民党内での議論を契機に、JA全農の購買事業について多くの問題点が国民の前に明らかになりました。全農は、肥料などを仕入れて農家に販売し、取引額に応じて手数料を取っているため、仕入価格が高く、取引額が増えるほど手数料を稼げます。したがって、全農には仕入価格を下げるインセンティブが働きにくくなっています。価格リスクを負うのは常に農業者や消費者であり、全農は手数料を取っているだけだと言われるゆえんはここにあるのであります。
 農林水産大臣にお伺いいたします。以上のような問題点を早急に解消すべきとの御認識はお持ちでしょうか。
 また、この問題につき、規制改革会議の農業ワーキング・グループが、資材の購買事業の一年以内の縮小や、農産物の委託販売を一年以内に廃止し、全量買取り販売に転換すること等を提言しております。こうした内容が本法案には盛り込まれず、全農の自主改革を農林水産省がチェックするだけとなったのはなぜか、理由をお示しいただきます。
 また、全農による自主改革の進捗次第では、五年間の農協改革集中推進期間の後、さきに述べたような全農改革についても本法案に盛り込まれる可能性はあるのか、農林水産大臣に御認識を伺います。
 続けて、農林水産大臣にお伺いします。農協は独占禁止法の適用を除外されております。協同組合は、零細事業者が大企業に対抗するため、共同購入、共同販売で価格交渉力を付けるための制度だからです。しかし、現在の農協は、資材等の販売で高い市場占有率を維持し、農家に対してかえって不利な条件での取引を余儀なくさせている面がないでしょうか。我が党の主張するように、農協にも独占禁止法を適用すべきであると考えるが、御認識をお示しください。
 また、独禁法のうち、不当な対価引上げや不公正な取引の禁止に関する規定は、例外的に全農にも適用されますが、高値で資材を買わされているという農家の不満が絶えない現状を見れば、法の執行が不十分な可能性は否めないが、農林水産大臣、あなたの御認識をお示しください。
 次に、本法案が進めようとする農業資材における事業再編と事業参入について、農林水産大臣に伺います。
 規模の経済が働くようにするためには、企業数を減らす再編が必要となる一方、競争環境を確保するためには新規参入を促す必要があります。農業資材市場の産業構造は、資材ごとに企業数や寡占度が異なるので、それぞれに対応が必要となります。規模の経済の発揮と競争による価格低下という二つの要請について、農業、肥料、飼料、農業機械それぞれにつきどのような方向で再編又は参入を進めていく方針かを伺います。
 本法案では、農産物流通事業についても再編と参入の両方を促しております。多段階で複雑な流通構造の高コスト体質を改善しようという方向は理解できますが、既に農産物の流通形態は民間主導で多様化しており、卸売市場を経由した流通は年々減少をしております。
 こうした現実を踏まえ、さきに述べた規制改革推進会議の農業ワーキング・グループは、卸売市場は食料不足時代の公平分配機能が小さくなっているとした上で、卸売市場法という特別の法制度に基づく時代遅れの規制は廃止すべきと提言しております。
 そこで、農林水産大臣にお伺いいたします。農産物流通について、本法案の目指す再編や参入と卸売市場に関わる規制の抜本的改革との関係につきどのようにお考えか、御認識を伺います。
 最後に、私ども日本維新の会は、地域経済にとって極めて重要な農業について、競争を促進し、既得権を打破することを通じて、より良い農産物を作る努力をした農家の所得向上を実現し、我が国の農業と各地域経済の持続的な発展を目指してまいることをここに申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
 御清聴、誠にもってありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣山本有二君登壇、拍手〕
#28
○国務大臣(山本有二君) 儀間議員の御質問にお答え申し上げます。
 全農改革についてのお尋ねがありました。
 農業の成長産業化に向けて生産資材価格を引き下げていくためには、全農の生産資材の買い方の見直しが極めて重要だと考えております。このような考え方は、昨年十一月の農業競争力強化プログラムに盛り込まれ、また、全農はこれを受けて、本年三月に年次計画を公表いただきました。農林水産省としましては、全農が本計画をベースに、競争入札などにより農業者にとって有利な生産資材メーカーから購入するスキーム等を早期に明確化し、これを実践することによりまして、農業者が成果を実感できるようにしていただく必要があると考えております。
 農協は、農業者によって自主的に設立された民間組織でございます。その改革は、法律をもって強制するのではなく、自己改革が基本と考えております。このため、農林水産省としましては、全農の自己改革を適切にフォローアップしていくこととしたところでございます。
 次に、全農改革が法案へ盛り込まれる可能性があるのかについてのお尋ねがありました。
 本法案におきましては、国が講じる施策について、おおむね五年ごとに調査と必要な措置の検討を行うこととしております。これは、資材や流通の実態に即して国がPDCAサイクルを回していくための規定でございまして、個々の事業者の行為を検討の対象としてはおりません。全農改革は、全農が民間団体として自主的に取り組むものであり、本法の国の施策としてこれを強制することはありません。
 次に、農協への独占禁止法の適用についてのお尋ねがありました。
 農協は、小規模の事業者による組織である等の実態から、他の協同組合と同様に、組合による共同販売や共同購入といった行為について独占禁止法の適用除外とされております。これは、単独では大企業に対抗できない中小企業者は、協同組合を組織することにより有効な競争単位となり得るとして、農協を含めた協同組織につきましては独占禁止法の適用除外が認められているものと認識しております。
 なお、公正取引委員会は、平成二十三年に、農業者は依然として大企業に伍して競争又は大企業と対等に取引を行うことのできる状況にはないこと、農業者や単位組合は農畜産物販売及び生産資材購入について自らの判断で取引先を選択できること、適用除外制度があるために規制できない農協等の問題行為は特段認められなかったことなどから、農協等の適用除外制度を直ちに廃止する必要はないとの結論に至ったと承知しております。
 次に、独占禁止法の執行についてのお尋ねがございました。
 全農が組合員や会員に対して肥料、農薬の購入を強制するなどの不公正な取引方法を用いるようなことはあってはならないと考えております。
 農林水産省としましては、これまでも、平成二十七年の農協法改正におきまして、農協が組合員に事業利用を強制してはならないことを明記したほか、農協系統における独占禁止法遵守の徹底を図るため、公正取引委員会と連携して全国各地で説明会を開催してきたところでございます。引き続き、農協等の行う事業活動について、独占禁止法に抵触する疑いが生じた場合には、公正取引委員会とも連携して厳正に対処してまいりたいと考えております。
 次に、各農業資材における事業の再編と参入の進め方についてのお尋ねがありました。
 本法案は、農業資材価格の引下げなど、農業者の努力では解決できない構造的な問題に対処するものであり、各資材の業界ごとに課題は異なると考えております。
 具体的には、肥料や飼料につきましてはメーカーや銘柄が多い、農薬につきましては製剤メーカーが多いなど、生産性が低い構造となっておりますことから、メーカーの自主的な判断に基づく事業再編に向けた取組等を支援することにより生産性の向上を図ることとしております。また、農業機械につきましては、メーカーの上位四社のシェアが八割を超え、各社のシェアに大きな変動がないなど、寡占状態になる競争性の欠如が課題であることから、新規参入を支援することにより適正な競争環境を整えることとしております。これらの取組を通じて、農業資材価格を引き下げ、農業者の所得向上を図ってまいります。
 次に、本法案と卸売市場に係る規制改革との関係についてのお尋ねがありました。
 農産物の流通につきましては、生産者の所得の向上、多様化する実需者、消費者のニーズへの対応といった観点から、改革が必要と考えております。このため、農産物流通につきまして、国として規制の見直しを始めとする事業者の事業環境の整備を行うとともに、事業者の自主的な事業再編等を促すことにより、その合理化を実現するために本法案を提出しているところでございます。
 また、本法案における農産物流通に係る規制の見直し規定を踏まえ、市場関係者の意見も丁寧に聞きながら、今後、合理的な理由がなくなっている規制を慎重に見極めて廃止するなど、卸売市場法の抜本的な見直しを行ってまいります。
 以上でございます。(拍手)
#29
○議長(伊達忠一君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#30
○議長(伊達忠一君) 日程第一 千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協定の譲許表第三十八表(日本国の譲許表)の修正及び訂正に関する確認書の締結について承認を求めるの件
 日程第二 万国郵便連合憲章の第九追加議定書、万国郵便連合一般規則の第一追加議定書及び万国郵便条約の締結について承認を求めるの件
 日程第三 郵便送金業務に関する約定の締結について承認を求めるの件
  (いずれも衆議院送付)
 以上三件を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長宇都隆史君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔宇都隆史君登壇、拍手〕
#31
○宇都隆史君 ただいま議題となりました条約三件につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、千九百九十四年の関税貿易一般協定の譲許表第三十八表の修正及び訂正に関する確認書は、世界貿易機関設立協定に含まれている我が国の譲許表に関し、情報技術製品の関税撤廃の対象産品の見直しに伴う修正及び訂正を確認するものであります。
 次に、万国郵便連合憲章の第九追加議定書、万国郵便連合一般規則の第一追加議定書及び万国郵便条約は、万国郵便連合の運営等及び国際郵便業務に関する事項についての所要の変更を加えるため、憲章及び一般規則を改正し、現行の万国郵便条約を更新するものであります。
 次に、郵便送金業務約定は、郵便送金業務に関する事項についての所要の変更を加えるため、現行の約定を更新するものであります。
 委員会におきましては、三件を一括して議題とし、情報技術製品の関税撤廃品目の拡大による経済効果、郵便送金業務約定において金融包摂概念が設けられた意義と今後の我が国の取組、今回の万国郵便連合関連文書の作成と国際郵便サービスの向上、電子メール等IT技術の進展に伴う今後の国際郵便の方向性等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、順次採決の結果、三件はいずれも全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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#32
○議長(伊達忠一君) これより三件を一括して採決いたします。
 三件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#33
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#34
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十四  
  賛成           二百三十四  
  反対               〇  
 よって、三件は全会一致をもって承認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#35
○議長(伊達忠一君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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