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2017/05/12 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 本会議 第22号
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2017/05/12 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 本会議 第22号

#1
第193回国会 本会議 第22号
平成二十九年五月十二日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二十三号
  平成二十九年五月十二日
   午前十時開議
 第一 福島復興再生特別措置法の一部を改正す
  る法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第二 平成三十一年六月一日から同月十日まで
  の間に任期が満了することとなる地方公共団
  体の議会の議員及び長の任期満了による選挙
  により選出される議会の議員及び長の任期の
  特例に関する法律案(衆議院提出)
 第三 水防法等の一部を改正する法律案(内閣
  提出、衆議院送付)
 第四 農業競争力強化支援法案(内閣提出、衆
  議院送付)
 第五 土壌汚染対策法の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(伊達忠一君) これより会議を開きます。
 日程第一 福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。東日本大震災復興特別委員長櫻井充君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔櫻井充君登壇、拍手〕
#4
○櫻井充君 ただいま議題となりました法律案につきまして、東日本大震災復興特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、福島の復興及び再生を一層推進するため、市町村による特定復興再生拠点区域復興再生計画の作成及びその内閣総理大臣による認定、当該認定を受けた同計画に基づく国による土地改良事業の代行等の措置を講ずるとともに、公益社団法人福島相双復興推進機構への国の職員の派遣に関して必要な事項等を定めようとするものであります。
 委員会におきましては、特定復興再生拠点区域の整備の在り方、避難している児童生徒に対するいじめ対策への取組、避難指示区域外からの避難者に対する支援の在り方、福島イノベーション・コースト構想の今後の取組方針等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党の岩渕委員より反対、民進党・新緑風会の舟山委員より賛成、希望の会(自由・社民)の山本委員より反対の旨の意見がそれぞれ述べられました。
 討論を終了し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し十八項目から成る附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#6
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#7
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十六  
  賛成            二百十五  
  反対             二十一  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#8
○議長(伊達忠一君) 日程第二 平成三十一年六月一日から同月十日までの間に任期が満了することとなる地方公共団体の議会の議員及び長の任期満了による選挙により選出される議会の議員及び長の任期の特例に関する法律案(衆議院提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員長有田芳生君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔有田芳生君登壇、拍手〕
#9
○有田芳生君 ただいま議題となりました法律案につきまして、政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、平成三十一年六月一日から同月十日までの間に任期が満了することとなる地方公共団体の議会の議員及び長の任期満了による選挙により選出される議会の議員及び長について、その任期の特例を定めようとするものであります。
 委員会におきましては、衆議院政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長竹本直一君から趣旨説明を聴取した後、今回の立法措置により任期を短縮させる理由と妥当性等について質疑が行われました。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#10
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#11
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#12
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十八  
  賛成           二百二十四  
  反対              十四  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#13
○議長(伊達忠一君) 日程第三 水防法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長増子輝彦君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔増子輝彦君登壇、拍手〕
#14
○増子輝彦君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、最近における気象条件の変化に対応し、多様な主体が連携して大規模な洪水等に対する防災・減災対策を推進するため、要配慮者利用施設における避難体制の強化、都道府県知事等が管理する河川管理施設の改築等及び災害復旧に係る国土交通大臣などによる権限代行制度の創設等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、中小河川等に係る防災対策の在り方、大規模氾濫減災協議会の役割及び運用方法、要配慮者利用施設における避難確保計画の策定に向けた取組等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#15
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#16
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#17
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十八  
  賛成           二百三十八  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#18
○議長(伊達忠一君) 日程第四 農業競争力強化支援法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長渡辺猛之君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔渡辺猛之君登壇、拍手〕
#19
○渡辺猛之君 ただいま議題となりました法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、農業者による農業の競争力の強化の取組を支援するため、良質かつ低廉な農業資材の供給又は農産物流通等の合理化の実現に関し、国の責務及び国が講ずべき施策等を定め、農業生産関連事業の再編等を促進するための措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、参考人を招致してその意見を聴取するとともに、政府に対し、農業者等の努力義務、本法律案と農協改革との関係、農業所得の向上効果等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、民進党・新緑風会を代表して田名部委員より反対、日本共産党を代表して紙理事より反対、希望の会(自由・社民)を代表して森委員より反対する旨の意見がそれぞれ述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#20
○議長(伊達忠一君) 本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。舟山康江君。
   〔舟山康江君登壇、拍手〕
#21
○舟山康江君 民進党・新緑風会の舟山康江です。
 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました農業競争力強化支援法案に反対の立場から討論を行います。
 本法案の基になった農業競争力強化プログラムは、TPP対策として策定された総合的なTPP関連政策大綱の中で検討項目となっていたものについて、その検討の結果を取りまとめたものです。すなわち、本法案はTPPが発効した状況下での我が国農業を前提にしているものであります。
 しかし、トランプ大統領がTPP離脱の大統領令に署名をしたことにより、アメリカのTPP参加はほぼ絶望的、つまり国会で承認されたTPPは終わりました。つまり、TPPを前提とした本法案は立法事実を既に失ったわけでありまして、取り下げるべきであります。
 ちなみに、この農業競争力強化プログラムに示された内容は、規制改革推進会議農業ワーキング・グループが提案した内容とほぼ同一のものです。つまり、政府の政策に、議員や国会の声よりも、民間委員をメンバーとした会議の提案がそのまま採用されている、民間委員に政策の骨格が決められている、これが現実です。
 このように、経緯、背景からして成立を許すことはできないものでありますが、内容についても具体的な問題点があります。以下指摘します。
 第一に、法案の趣旨、目的とその内容に整合性がないことです。
 そもそも、山本農林水産大臣は、本法案の提案理由として、農業者の努力では解決できない構造的な問題に対処するためと説明されています。しかしながら、第五条において、農業者の努力義務規定を規定されています。農業者は本法案が目指すところの構造改革の直接の対象とはなっていない中で、目的外の農業者の努力義務を規定すること自体、法目的との整合性が取れていません。当然、削除すべきです。
 第二に、農業者団体についても努力義務規定が設けられており、国が農協系統組織に改革を迫る根拠になるのではないかと強く懸念されております。
 本法案の基になった農業競争力強化プログラムにおいては、全農に対し、自己改革のための年次計画や数値目標を公表することを求め、政府はフォローアップを行うとしています。山本大臣は、農協改革はあくまで本法案の枠外と答弁されましたが、第十六条で、農協を含む農業生産関連事業者が行う農業資材の供給や農産物流通の状況について、政府は調査を行った上で必要な措置を講ずるとしています。審議の中では、その必要な措置には規制の見直しも含まれ、その場合には強制力も伴うとのことでした。
 自主自立、現場からの自治を旨とする協同組合である農協組織に上から統治機構が介入する根拠を与えるという意味でも本法案を成立させてはなりません。
 第三に、種子生産の在り方です。
 種子は戦略物資であり、とりわけ米、麦、大豆の主要農産物については、その開発、管理、安定供給に関し、国や都道府県などの公的機関が責任を持って行うべきであり、これまで法律に基づいてその体制を維持してきました。
 ところが、今国会において政府は、種子供給体制を支えてきた主要農作物種子法を廃止する法律案を提出し、成立させてしまいました。さらに、本法案では、都道府県等が有する種子生産に関する知見の民間事業者への提供を促進する施策を規定しています。公的機関を裸にし、アグリビジネスを含めた私企業を優先することで、国内の安定的な種子供給体制の崩壊や優良品種の国外流出を招き、我が国の食料安全保障に悪影響を及ぼすおそれがあります。
 第四に、資材価格を引き下げるために、農業生産関連業界について、事業再編又は事業参入を促進するとしている点です。
 肥料などの農業資材は、農業者のニーズにきめ細かく対応するために多様な銘柄が販売されています。国がこれらを生産性が低いとして安易に切り捨ててよいものでしょうか。また、農業資材事業の再編によって寡占化が進めば、価格はかえって上昇する懸念があります。そもそも、利用者は自らの経営判断で資材を選んでいます。大きなお世話です。そして、これらの措置が本当に農業者の所得向上につながるのか、どのくらい資材価格が下がるのか、審議の過程でも全く明らかにされませんでした。
 第五に、政策決定の在り方についての問題です。
 安倍政権の農政改革は、その内容も問題ですが、決定プロセスにも大きな問題を抱えています。農政改革を行うためには、所管省庁である農林水産省に置かれた審議会等の場において、生産や流通の現場関係者、農業関係団体、地方公共団体、学識経験者など、農業の現状と課題に精通した専門家が参画する中、行政の所管部局を交えて検討が行われるのが本来あるべき姿だと思います。
 ところが、安倍政権においては、規制改革推進会議、未来投資会議、国家戦略特区諮問会議といった、官邸主導の体制の下、市場原理主義を振りかざす、どの会議も同じような顔ぶれの、少数の有識者と呼ばれる人が議論をリードする中、全てが決定されています。ここに、農政を所管する農林水産省は、呼び出されることはあっても主体的に参画することはありません。山本大臣、こんななめられた状況でいいのでしょうか。
 こうした体制下では、農業に関する正確な情報や政策的知見が提供されることもなく、過去の経緯や問題の本質を踏まえた奥行きのある議論を期待することはできません。この点について、農林水産委員会において与党議員からも大変厳しい指摘があったことを付言いたします。
 そして、そこで決められたが最後、結論だけが提示され、各省には有無を言わせず、その実施を要求しています。その上、国会からの資料要求に対しても、政府は非常に後ろ向きです。
 森友学園や加計学園の件に関する疑念がいつまでも晴れないのは、官邸主導の上から目線の政策決定プロセスと情報隠蔽、非公開姿勢に原因があります。とりわけ、国家戦略特区で特例的に加計学園による獣医学部の設置が決められた件については疑問だらけです。
 まず、獣医学部については、学校を所管する文部科学省も、獣医師を所管する農林水産省も、獣医師の需給から学部新設の必要がないと一貫して主張していたにもかかわらず、あっという間に設置が決まったのはなぜか。そして、京都産業大学からも具体的な計画をもって獣医学部の設置の要望が出されていたのに、そのヒアリングの僅か三週間後、京都を外すかのごとく、獣医学部の空白区域に限りと地域限定したのはなぜか。さらに、それらはいつどこで誰が決めたのか。これさえ明らかになっていません。まさか、理事長が総理の腹心の友だったからではないと思いますけれども、プロセスも理由も分からない中での余りに早い対応に、何らかのそんたくや配慮があったのではないかという疑念を持たざるを得ません。
 そもそも、国家戦略特区は、これまでの制度の必要性を無視し、特例でどんどん穴を開けていくというものですが、特例の決め方も、その特例を利用する事業者の選定方法も、不透明極まりないのです。例えば、高額医療機器を導入する際に、ある特区で認められた事業者に限って特別償却の税制特例を受けられる、このようなものまであります。言った者勝ちでしょうか。これまでの現場の議論の積み上げを無視したこのような不透明な制度そのものを見直すべきであります。
 皆さん、そろそろこの国の政策決定の在り方を見直す時期が来ているのではないでしょうか。国会が余りにも軽視されています。与党の皆さんも物が言えない状況に押しやられているのではないでしょうか。ただいま指摘させていただいたように、今、我が国の政策決定は、農政に関する案件のみならず、全てにおいて、官邸直属の、民間人を委員とする会議体が、現場の議論を飛び越えて、今の政策を否定し、一方的な提言を行い、方向性を決めています。
 農業者は、農業生産と併せて、消防団活動やPTA活動などの地域活動を支える担い手であり、伝統や文化の継承者であり、お金に換えられないたくさんの役割を果たしています。効率化を追求する企業にこれらの役割を果たすことは必ずしも期待できません。多面的な役割を含めて地域農業の在り方を考え、支えるための施策を考えるのが現場を知る私たち国会議員の役割です。
 今必要なのは、いたずらに競争をあおるのではなく、再生産を可能にする所得補償制度や、農業、農村の多面的機能を評価する直接支払であり、相互扶助の精神です。誰かが独り勝ちするのではなく、一人が万人のために、万人が一人のために。
 現場や地方の暮らしを理解しない人々の提言から生まれた本法案は……
#22
○議長(伊達忠一君) 時間が経過しています。簡単に願います。
#23
○舟山康江君(続) このような農業、農村の在り方を崩壊させるものであり、決して成立させてはならないことを申し上げ、私の反対討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
#24
○議長(伊達忠一君) 紙智子君。
   〔紙智子君登壇、拍手〕
#25
○紙智子君 私は、日本共産党を代表して、農業競争力強化支援法案に反対する討論を行います。
 初めに、TPP、環太平洋連携協定について一言述べます。
 安倍首相は、アメリカがTPPから離脱した下でも、アメリカ抜きのTPPはあり得ない、アメリカを説得して戻ってもらえるように努力すると繰り返してきました。しかし、最近になって、米国が抜けるわけだから新たにクリエーティブに考えていく必要があるとTPPに固執し、十一か国によるTPP発効を日本が主導すると言っています。
 多くの国民や野党は、日本の経済主権や食料主権を脅かすから反対をしていたのです。その声を受け止めず、全く反省のない行為に断固抗議するものです。
 さて、日本農業新聞のモニター調査において、安倍農政を評価するのは三〇%にとどまり、農家や生産現場の声より経済界の声を重視し評価できないが七五%に達しました。農林水産大臣に見解を求めたところ、やがて不人気も挽回できるのではないか、期待しているなどと現実と乖離した答弁でした。
 今の農政で本当に挽回できるのでしょうか。委員会質疑において与党議員から、農業競争力強化支援法ではなくて脅迫法じゃないかという指摘がありました。国民どころか与党内からも異論が出るのは、その政策決定に問題があるからです。農業者、農村地域よりも経済界や規制改革推進会議の意向に沿う農政に未来はありません。
 以下、農業競争力強化支援法案に反対する理由を述べます。
 反対する第一の理由は、自主的な農業団体の活動に介入するものだからです。
 本法案は、第四条で農業団体に努力義務を課し、第十六条で、政府は五年ごとに施策の在り方を検討、チェックし、追加的な措置を講ずるとしています。また、第十三条は、農業者に協同組合の共同販売よりも直接販売を促進し、誘導しようとしています。
 本法案は、規制改革推進会議が全農をターゲットにして、意に沿わなければ第二全農を求めた農協改革に関する意見に沿って提出されたものであり、自主自立の協同組合への過剰な介入は容認できません。
 第二の理由は、農業者の営農事業に介入するものだからです。
 本法案は、第五条で農業者に努力義務を課しています。農業者の自由な営農事業に、経営改善と称して上から目線で縛りを掛ける必要はありません。農業者からは見下されているようだと意見があり、与党議員からは削除を求める要求が出されています。参考人からは、農業者の努力で解決できない問題があると言いながら法案に農業者の努力義務を書くのはおかしいという指摘がありました。本法案で支援を受けるのは農業生産関連事業者です。支援を受けない農業者への介入は認められません。
 第三の理由は、政府が進める農業生産関連事業の再編が農村地域の経済と雇用を崩壊させかねない危険性があるからです。
 質疑を通じて、政府が策定する農業生産関連事業の再編指針は、規制の改正やEPAやFTAなど貿易ルールに合わせて変更することが明らかになりました。総理が進める岩盤規制の打破や農産物の更なる自由化に合わせたら、農業を基幹産業と位置付ける地方自治体の地域振興計画や地域経済、雇用に重大な影響を与えることは明らかです。
 農業生産関連事業者を再編するのは、生産コスト、流通コストを削減するためだと言います。しかし、業界再編、事業参入を促進すれば農業機械等の独占価格はどの程度下がるのかと聞いたところ、どの程度下がるか見込むことは困難だという答弁でした。農産物価格の買いたたきはなくなるのかと聞いたところ、不公正な取引は公正取引委員会等が監視するという答弁にとどまり、本法案が農産物価格の買いたたきを防止する効果がないことが明らかとなりました。
 競争力を持たない農業者は、大手企業に対抗し農業者の生活を守るために協同組合をつくり、共同購入や共同販売を進めてきたのです。この活動こそ支援すべきです。我が党は、資材価格の引下げを進め、農産物価格の買いたたきを防止するために一貫して是正を求めてきました。実効ある対策が求められています。
 南北に長い日本では、地域の気候や土壌条件を踏まえて、地域に根差した中小メーカーと農業者は協力しながら品質のいい農産物を作り、消費者の利益の増進、地域経済の発展に大きな役割を果たしてきました。参考人からは、地域で日常的に顔が見える、実際に顔を突き合わせて資材を買ったり機械を扱ってもらったり農産物を出すところを相談する、こうした人たちも含めて地域の大事な構成員だと言いました。
 それなのに、本法案の第三十二条は、業界再編によって中小メーカーで働く労働者を解雇、首切りすることもあるから国は就職をあっせんするなどと言います。農業者にとって大切な従業員をなぜ解雇する必要があるのですか。農業を基幹産業と位置付ける自治体にとっては、農業の振興と地域の営農を支えてきた農業関連企業の発展は一体のものです。業界再編と称してリストラを迫れば、地域経済と雇用に大きな影響が出るのは明らかです。
 第四の理由は、国民の共有財産であり戦略物資である種子、種苗の知見が国外に流出する可能性があり、日本の食料主権を脅かすもので、断固認めるわけにはいきません。
 質疑において、政府は、種子、種苗の知見が国外に流出した場合に損害賠償を求めると答えましたが、事後対策であり、流出防止策にはなりません。
 本法案に先立って、主要農作物種子法が廃止されました。その理由は、都道府県が開発した品種は民間企業が開発した品種より安く提供することが可能だから、競争条件が同等でないというものでした。種子法を廃止してから、政府はその後、資料を提出しましたけれども、その中で、小麦は公的機関が育成した品種の三十キロ当たりの価格が七千六百五十円で、これは民間企業の価格と同額だったんです。大豆は、民間企業の価格は出てきませんでした。まともな調査もせず、根拠のない答弁をして国会審議を軽視したことに強く抗議するものです。
 最後に、本法案は、食料自給率の向上や地域における農業振興の拡充とは相入れず、日本の農業の発展につながりません。農業政策の基本は、食料主権を確立し、国民への安定的な食料供給のために、三九%、この今の食料自給率を向上させることをしっかりと柱に据える必要があります。
 参考人からは、農家の戸別所得補償制度の復活や、欧米先進国や韓国では当たり前に行われている直接所得支払政策を求める意見が出されました。
 私たち日本共産党は、持続的な農業経営を実施するための価格保障や所得補償制度を確立をすること、そして、家族経営を維持し、規模の大小を問わず担い手を育成し、農地の保全を図ることなどを提案をしています。国民との協力、共同を発展させ、それを何としても実現をさせるために頑張ることを決意を申し上げ、討論といたします。(拍手)
#26
○議長(伊達忠一君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#27
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#28
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#29
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十八  
  賛成            百六十六  
  反対             七十二  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#30
○議長(伊達忠一君) 日程第五 土壌汚染対策法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。環境委員長森まさこ君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔森まさこ君登壇、拍手〕
#31
○森まさこ君 ただいま議題となりました法律案につきまして、環境委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、土壌汚染に関する適切な管理を推進するため、土壌汚染状況調査の実施契機の拡充を図るとともに、都道府県知事による汚染の除去等の措置命令制度の改善、有害物質使用特定施設設置者による土壌汚染状況調査への協力に係る規定の整備等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、土壌汚染状況調査の実施対象となる土地を拡大する意義、臨海部を念頭に置いた規制の一部合理化により汚染土壌の拡散を招かないことの重要性、改正法施行に向けた地方自治体等に対する支援の必要性等について質疑が行われたほか、参考人からの意見聴取を行いました。その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党の武田委員より本法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#32
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#33
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#34
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十七  
  賛成           二百二十一  
  反対              十六  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#35
○議長(伊達忠一君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時三十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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