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2017/05/26 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 本会議 第26号
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2017/05/26 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 本会議 第26号

#1
第193回国会 本会議 第26号
平成二十九年五月二十六日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二十七号
  平成二十九年五月二十六日
   午前十時開議
 第一 独立行政法人国民生活センター法等の一
  部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付
  )
 第二 防衛省設置法等の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 第三 通訳案内士法及び旅行業法の一部を改正
  する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第四 銀行法等の一部を改正する法律案(内閣
  提出、衆議院送付)
 第五 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保
  存に関する法律の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
 第六 企業立地の促進等による地域における産
  業集積の形成及び活性化に関する法律の一部
  を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第七 地域包括ケアシステムの強化のための介
  護保険法等の一部を改正する法律案(内閣提
  出、衆議院送付)
 第八 民法の一部を改正する法律案(第百八十
  九回国会内閣提出、第百九十三回国会衆議院
  送付)
 第九 民法の一部を改正する法律の施行に伴う
  関係法律の整備等に関する法律案(第百八十
  九回国会内閣提出、第百九十三回国会衆議院
  送付)
 第一〇 農村地域工業等導入促進法の一部を改
  正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、特別委員会設置の件
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(伊達忠一君) これより会議を開きます。
 この際、特別委員会の設置についてお諮りいたします。
 天皇の退位等に関する皇室典範特例法案を審査するため、委員二十五名から成る天皇の退位等に関する皇室典範特例法案特別委員会を設置いたしたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。
 よって、本特別委員会を設置することに決しました。
 本院規則第三十条の規定により、議長は、議席に配付いたしました氏名表のとおり特別委員を指名いたします。
    ─────────────

     ─────・─────
#5
○議長(伊達忠一君) 日程第一 独立行政法人国民生活センター法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。消費者問題に関する特別委員長石井みどり君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔石井みどり君登壇、拍手〕
#6
○石井みどり君 ただいま議題となりました法律案につきまして、消費者問題に関する特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力の格差に鑑み、消費者の被害の発生又は拡大を防止するとともにその被害を回復するため、独立行政法人国民生活センターの業務として、消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律における特定適格消費者団体のする仮差押えに係る担保を立てる業務を追加する等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、国民生活センターが担保を立てる際の要件、担保が実行された場合の特定適格消費者団体に対する求償の在り方、適格消費者団体及び特定適格消費者団体への支援の在り方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#7
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#8
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#9
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十四  
  賛成           二百三十四  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#10
○議長(伊達忠一君) 日程第二 防衛省設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長宇都隆史君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔宇都隆史君登壇、拍手〕
#11
○宇都隆史君 ただいま議題となりました法律案につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、自衛隊の任務の円滑な遂行を図るため、自衛官定数の変更、陸上自衛隊及び航空自衛隊の組織の改編、豪州及び英国との物品役務相互提供協定の実施に係る規定の整備等の措置を講ずるものであります。
 委員会におきましては、自衛官定数の充足率向上に向けた取組の必要性、サイバー防衛隊の主要装備品の現状と人員拡充の必要性、陸上総隊新編後の統合運用体制の強化、陸上自衛隊教育訓練研究本部を設置する目的と教育訓練及び研究の内容、予備自衛官等の使用者への情報提供に関する規定を整備する背景と提供情報の内容、不用となった装備品等の開発途上地域への譲与等と憲法の平和主義との関係、本法律案と南西地域の防衛態勢の強化との関係等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党の井上委員より反対、沖縄の風の伊波委員より反対する旨の意見がそれぞれ述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#12
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#13
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#14
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十四  
  賛成            百六十一  
  反対             七十三  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#15
○議長(伊達忠一君) 日程第三 通訳案内士法及び旅行業法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長増子輝彦君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔増子輝彦君登壇、拍手〕
#16
○増子輝彦君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、外国人観光客の急増等に対応した受入れ環境の整備を図るため、通訳案内士ではない者に対する業務の制限の廃止その他の通訳案内士制度に係る規制の見直し等を行うとともに、旅行業務に関する取引の公正及び旅行の安全の一層の確保を図るため、旅行サービス手配業の登録制度を創設する等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、通訳案内士の質及び量の向上と活用の促進、業務独占規制の廃止、無資格ガイドによる悪質行為等の実態と政府による対応方策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して山添拓委員、希望の会(自由・社民)を代表して青木愛委員より、本法律案にそれぞれ反対する旨の意見が述べられました。
 次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#17
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#18
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#19
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十四  
  賛成            二百十二  
  反対             二十二  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#20
○議長(伊達忠一君) 日程第四 銀行法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。財政金融委員長藤川政人君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔藤川政人君登壇、拍手〕
#21
○藤川政人君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、情報通信技術の進展等、我が国の金融サービスをめぐる環境変化に対応し、金融機関と金融関連IT企業等との適切な連携、協働を推進するとともに、利用者保護を確保するため、電子決済等代行業者に関する法制の整備等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、オープンAPIの導入に向けた課題、電子決済等代行業者制度における利用者保護の在り方、フィンテックの推進に向けた体制整備の必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#22
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#23
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#24
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十五  
  賛成           二百三十五  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#25
○議長(伊達忠一君) 日程第五 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。環境委員長森まさこ君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔森まさこ君登壇、拍手〕
#26
○森まさこ君 ただいま議題となりました法律案につきまして、環境委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、絶滅のおそれのある野生動植物の種の適切な保存を図るため、国内希少野生動植物種に関する新たな類型の創設、希少野生動植物種の保全に取り組む動植物園等の認定制度の創設、国際希少野生動植物種に係る登録制度の強化等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、特定第二種国内希少野生動植物種制度の具体的な内容、認定希少種保全動植物園等の認定の在り方、国内象牙市場における厳格な管理の必要性等について質疑が行われたほか、参考人からの意見聴取を行いました。その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#27
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#28
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#29
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十五  
  賛成           二百三十五  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#30
○議長(伊達忠一君) 日程第六 企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。経済産業委員長小林正夫君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔小林正夫君登壇、拍手〕
#31
○小林正夫君 ただいま議題となりました法律案につきまして、経済産業委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、地域の成長発展の基盤強化を図るため、地域の特性を生かして高い付加価値を創出し、地域の事業者に対する経済的波及効果を及ぼすことにより地域経済を牽引する事業に係る計画を承認する制度を創設するとともに、当該計画に係る事業を支援するための措置等を講じようとするものであります。
 なお、衆議院におきまして、附則に、政府は、土地利用調整の状況について検討を加え、優良農地が十分に確保できないと認めるときは、所要の措置を講ずる旨の規定を追加する修正が行われております。
 委員会におきましては、地域経済の中核となっている埼玉県の事業者を視察するとともに、現行法の評価及び改正により地域経済牽引事業を支援する制度を設ける意義、多様な事業分野の支援に向けた関連施策との連携の在り方、地域の支援機関による連携支援に期待される役割等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して辰巳委員より反対する旨の意見が述べられました。
 次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#32
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#33
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#34
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十六  
  賛成             二百四  
  反対             三十二  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#35
○議長(伊達忠一君) 日程第七 地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。厚生労働委員長羽生田俊君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔羽生田俊君登壇、拍手〕
#36
○羽生田俊君 ただいま議題となりました法律案につきまして、厚生労働委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、地域包括ケアシステムを強化するため、市町村介護保険事業計画の記載事項に被保険者の地域における自立支援等施策などを追加し、この実施に関する都道府県及び国による支援を強化するとともに、介護医療院の創設、利用者負担の見直し、被用者保険等保険者に係る介護納付金の額の算定に係る総報酬割の導入等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、市町村等による自立支援等施策に関する財政的インセンティブの在り方、地域共生社会の実現に向けた取組、利用者負担の見直しの目的とその影響、介護医療院の創設に至った経緯、総報酬割導入の必要性等について質疑を行うとともに、参考人より意見を聴取いたしましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して倉林明子委員より反対、希望の会(自由・社民)を代表して福島みずほ委員より反対の旨の意見がそれぞれ述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#37
○議長(伊達忠一君) 本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。牧山ひろえ君。
   〔牧山ひろえ君登壇、拍手〕
#38
○牧山ひろえ君 民進党・新緑風会の牧山ひろえです。
 私は、会派を代表して、地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案に関して、反対の立場から討論をさせていただきます。
 本法律案は、地域包括ケアシステムの強化のためという名目の下、介護保険法を中心に、社会福祉法、老人福祉法、障害者総合支援法、児童福祉法など、本来は別々に提出されて審議されるべき三十一本もの法案が一括されて国会に提出されました。また、この法案は、政令への委任事項が三十三か所、省令への委任事項が百八十九か所に上るなど、重要事項の決定の多くが先送りされております。これでは責任ある審議は不可能です。最近の政府提出法案に共通する国会軽視の悪弊でありますが、国民誰もが無関係ではない老後の生活に直結する重要法案であるだけに、国民軽視の極みであると言えます。
 また、法案の立案過程においても、当事者の参画が極めて形式的にして不十分なものにとどまったとの批判があります。内容的にも当事者が喜ばない法案となっており、多くの当事者団体が廃案を主張しています。この悲痛な叫びに耳を塞ぐことは、国民の代弁者として許されません。
 ちなみに、安倍総理の友人が理事長を務める学校法人加計学園の獣医学部新設計画をめぐる疑惑についても、真相の究明が国民の願いです。総理の御意向などと書かれた一連の文書についての存在を認める旨の前川喜平前文部科学事務次官による証言は、怪文書などとして、該当する文書の存在は確認できなかったとする今までの政府の説明とは根本的に食い違います。政府・与党が前次官の国会招致をかたくなに拒否するのは、国民の願いである真相の究明どころか真相の隠蔽を図っているとしか思えません。政府・与党の猛省を求めます。
 それでは、本法案に反対する主な理由を具体的に申し述べます。
 まず第一に、介護保険サービスの利用者負担割合について、前回の二割への引上げ影響について十分な検証、分析を行うことなく、拙速に三割負担を導入しようとしていることです。
 前回、一定以上の所得の人への負担を二割に引き上げたのは平成二十七年八月のことであり、まだ二年も経過しておりません。厚生労働省は、国全体の調査で、一割負担及び二割負担について、受給者の対前月比の伸び率、一割負担者と二割負担者のサービスの利用回数に顕著な差は見られなかった、複数の自治体で二割負担の導入前後におけるサービス利用回数などの比較を行ったが、これも顕著な差が見られなかったことなどを導入の理由付けとして挙げています。
 ですが、複数の自治体で調査を行ったとしながら、実は三つの自治体のみでの調査であったなど、十分な調査を行わず、利用者負担を引き上げることに都合のいいデータのみを用いておりました。三割への引上げのエビデンスが乏しいと言わざるを得ません。少なくとも、負担が二割に上がった方のうち、約十六万七千人がサービスの利用回数を前月より減らし、千六百三十四人が介護保険施設を退所していたことが明らかになっています。これをもって顕著な差ではないとすれば、どれだけの方が負担増に苦しめば顕著な差として認められるというのでしょうか。
 三割負担とする理由につきましても、医療保険で既に現役並み所得を有する方については三割負担が求められているとの答弁がありました。ですが、疾患が治癒すれば負担はなくなる医療と異なり、介護サービスの利用期間は長期にわたるという特性が考慮されておりません。
 また、利用者負担三割の対象者について、その具体的な基準は政令事項とされており、今後、国会審議を経ることなく、その対象者を拡大することが可能となっております。今回、極めて短期間での拙速な負担増加が繰り返されました。それによって、今後も財政的な問題が生じるたびに場当たり的に利用者負担割合が引き上げられるのではないかなど、国民の不安は募るばかりです。いつ社会保障負担が上がるか分からないという状況の中では、将来不安が根強いために国民の消費活動を鈍らせる結果となり、経済状況にも悪影響を及ぼします。政府は、介護制度における給付と負担について長期的視野に立ったビジョンを提示すべきです。
 さらに、度重なる負担増により介護サービスの利用抑制が進むことは、介護保険制度の本来の目的である高齢者の自立支援や重度化防止をかえって阻害する要因となります。その結果、利用者の要介護度が上がれば、介護保険財政にも悪影響を与えかねず、制度の持続可能性を大きく揺るがすことになります。加えて、介護サービスの利用抑制は、介護を行う家族への負担が増加することにもつながるため、安倍内閣がうたう一億総活躍社会や介護離職ゼロに逆行することは明らかです。
 第二に、本法案が、市町村における自立支援などの取組について全国一律の指標で実績評価を実施し、要介護状態の改善などの結果を出した自治体に財政的インセンティブを交付するなどとしている保険者機能の強化について、懸念される課題が払拭されていないことです。
 まず、法案の説明資料にあるとおり、認定率の低下が財政的インセンティブの指標となった場合、保険者である市区町村が被保険者の認定を受け付けない状況や、実情に合わない介護度認定の引下げが生じないかという懸念が指摘されています。
 また、要介護度を改善する取組といっても、特別養護老人ホームには要介護度三以上でしか入所できないため、要介護度が改善されないように要介護認定の調査を受ける利用者もおられるのが現状です。本法案による財政的インセンティブの導入では、利用者目線ではなく、単に自治体間の要介護認定率の引下げなどの数字の競争といった本人不在の事態に陥ることを危惧しています。
 そもそも、自治体の中でも人的、物的、地理的条件が大きく異なり、それぞれの地域事情や自治体のキャパシティーにも差があります。にもかかわらず、データ分析や自治体の自立支援の取組などを実施するための財政措置も含めた基盤整備はいまだ不十分です。そのような現状の下、全国一律の評価基準で自立支援に向けた取組等について判定することは困難と言わざるを得ません。
 このほか、委員会での審議では、この法案について数多くの問題、懸念が指摘されております。
 本法案の説明に際し、厚生労働省は好んで地域共生社会や我が事・丸ごとといった聞き心地の良いキャッチコピーを羅列しました。ですが、その実態は、十分な検証、調査を行わない、拙速な利用者負担割合の引上げを始めとした場当たり的な改正となっています。
 また、三十一本の法案を改正するにもかかわらず、肝腎の介護人材の確保や処遇改善に係る対策については法案に盛り込まれておりません。利用者や介護職員の立場から懸け離れた、我が事ではなく、まるで他人事、よそ事の法改正ではないでしょうか。
 本法案の本質は、拙速な財政抑制政策です。そのために、介護保険サービスをなるべく利用しないことを自立とみなしています。この流れの延長線上には、要支援切りに引き続く軽度者向けサービス切り、そして来年度の介護報酬改定における引下げが想定されます。
 ちなみに、我が党は、介護報酬、障害福祉サービス等報酬の改定について配慮しなければならない項目を盛り込み、次回の報酬改定での引上げを想定した対案を提出しました。ですが、政府・与党は、これに対する議論を深めることなく、衆議院において否決しています。
 このままでは、介護保険制度のみが持続可能となっても、介護サービスを利用する要介護者やその家族が必要なサービスを利用できなくなる、保険あって介護なしの状態が深刻化します。
 介護崩壊がすぐ間近に迫っているという警鐘を鳴らさせていただき、私の反対討論とさせていただきます。
 ありがとうございます。(拍手)
#39
○議長(伊達忠一君) 倉林明子君。
   〔倉林明子君登壇、拍手〕
#40
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 私は、日本共産党を代表し、地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案に断固反対の立場で討論を行います。
 本法案は、介護保険の三割負担にとどまらず、介護保険の負担と給付、地域福祉の在り方を大きく変え、高齢者、障害者、障害児、その家族など、国民の生活と権利に多大な影響を与えるものとなっています。
 こうした重大法案を、衆議院では二十二時間の審議で地方公聴会も開かないまま強行採決されたのです。本院での審議時間はこれを下回る僅か十六時間足らずであり、参考人質疑も一回のみとなっており、徹底した審議が尽くされたとは到底言えないことを厳しく指摘するものです。
 反対理由の第一は、介護サービスの利用者に重い負担増を押し付けるものだからです。
 一昨年八月の利用料二割負担の導入に続き、三割負担を導入する本法案の改正には、広範な国民から不安と懸念の声が上がっています。
 衆議院の議論を通じて、二割負担の影響調査の必要性を政府自身も認めていながら、その結果が出る前に三割負担に踏み切るなど、論外だと言わなければなりません。要介護一から三の平均的な居宅サービスの利用者で、一割負担から三割負担への負担増額は年間二十から三十万円となるもので、僅か三年間の間に三倍化という負担増が要介護者や家族の生活を圧迫し、サービスの利用抑制を引き起こすことは明らかです。
 しかも、委員会での審議を通じ、今回の三割負担の対象には、前年まで働いて給与収入があった人が、今は要介護となって仕事を辞め、所得も激減しているケースなど、高所得とは到底言えない人が少なくなく含まれること、その一方で、株式配当で多額の収入を得ている人が、税の優遇措置を活用することで負担増とならないケースも出てくることなどが明らかとなりました。負担増となるのは一部の高所得者、収入に応じた負担などという政府の論拠は破綻しているのではないでしょうか。要介護者や家族の苦しみに追い打ちを掛けるだけの根拠なき三割負担は、断じて容認できません。
 反対理由の第二は、喫緊の課題となっている介護職員の人材不足解消策が全く不十分だからです。
 介護現場では職員の離職が後を絶たず、事業所では人材確保に困難を極めています。このまま放置すれば、事業所存続の危機にあると言っても過言ではありません。人材確保を困難にしている最大の要因は、介護現場の低い職員配置基準を見直すことなく、介護報酬の評価も効果的にされてこなかったことにあり、政府の責任は重大です。
 この間、政府は、一連の処遇改善策による職員の賃上げは月額四万三千円だと説明してきました。しかし、基本給で見れば、その効果は僅か一万三千円にすぎず、この十年間、他産業との賃金格差は月額十万円、その格差を埋めるには至っていないのです。
 本気で賃上げというのであれば、事業所が安心して賃上げに踏み切れるよう配置基準を見直し、それを保証するために思い切った国庫負担の引上げを行うこと、介護報酬全体を引き上げる方向への転換が求められています。人材不足の悪循環を断ち切る改革こそ喫緊の課題ではないでしょうか。
 第三は、本法案が導入する財政的インセンティブが自治体による強引な介護サービスの取上げを更に拡大する危険は極めて高く、介護保険の本質をゆがめかねない重大な問題があるからです。
 自治体の給付適正化の取組を国が評価し、認定率の低下や給付費抑制で成果を上げる自治体に予算を加算するこの制度を既存の調整交付金の枠組みで実施した場合、適正化が遅れている自治体に対するペナルティーの仕組みとなることは政府も認めています。
 この間、厚労省が自立支援の先行事例として推奨する自治体では、自立支援と卒業の名による介護サービスの打切り、基本チェックリストを使った水際作戦、地域ケア会議を門番とする申請、更新のはねのけなどが横行していることが明らかになりました。参考人質疑では、自治体に公的サービスを止められた要介護者が状態悪化や重度化に至るケースや、自費サービスの購入を余儀なくされている実態が生々しく紹介されました。要介護度の低下と給付費の抑制を自治体に競わせるインセンティブとペナルティーの導入がこうした介護切りの拡大と過熱化をもたらすことは、火を見るよりも明らかではありませんか。
 年金天引きと過酷な滞納制裁で保険料を取り立てる一方、制度を改正するたびに給付が後退していく介護保険の現状には、有識者からも、このままでは介護保険は国家的詐欺になるという批判の声が上がっているんです。本法案による負担増と給付の切捨ては、介護が必要な人に対するサービス利用を阻害するものにほかならず、公的介護制度に対する国民の信頼を土台から突き崩すことにつながることは明らかです。
 第四は、我が事・丸ごと地域共生社会の名の下に、高齢、障害、子供などの福祉に対する公的責任が大幅に後退しかねないことです。
 法案は、改革の一環として、障害児者と高齢者への支援を同一事業所で行う共生型サービスを創設するとしています。この新サービスの施設・人員基準が低い方に合わせられ、サービスの質が低下するのではないかという現場の懸念に対し、政府からは、今後審議会で検討するというのみで、具体的な答弁はありませんでした。
 また、このサービスの導入が介護保険と障害福祉の統合への突破口となるのではないかという多くの当事者、関係団体の危惧についても、統合しようとするものではないというだけで、不安を払拭するまともな説明はありませんでした。
 政府は介護離職ゼロを掲げながら、本法案の中身は更に介護離職を拡大し、介護難民を拡大する危険を増大するものとなっています。
 今求められるのは、社会保障費の自然増削減という方針を転換し、国民の生存権と社会保障増進に対する国の責務を定めた憲法二十五条に基づき、公的制度を抜本的に拡充することであります。日本共産党は、介護、福祉の際限なき改悪路線と断固闘う決意を申し上げ、反対討論といたします。(拍手)
#41
○議長(伊達忠一君) これにて討論は終局いたしました。
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#42
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#43
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#44
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十六  
  賛成            百六十三  
  反対             七十三  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#45
○議長(伊達忠一君) 日程第八 民法の一部を改正する法律案
 日程第九 民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案
  (いずれも第百八十九回国会内閣提出、第百九十三回国会衆議院送付)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長秋野公造君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
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   〔秋野公造君登壇、拍手〕
#46
○秋野公造君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、民法の一部を改正する法律案は、社会経済情勢の変化に鑑み、消滅時効の期間の統一化等の時効に関する規定の整備、法定利率を変動させる規定の新設、保証人の保護を図るための保証債務に関する規定の整備、定型約款に関する規定の新設等を行おうとするものであります。
 次に、民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案は、民法の一部を改正する法律の施行に伴い、商法ほか二百十五の関係法律に所要の整備を加えるとともに、所要の経過措置を定めようとするものであります。
 なお、衆議院において、これらの法律の法律番号中の年号を平成二十九年に改める等の修正が行われております。
 委員会におきましては、両法律案を一括して審査を行い、民法制定後初めて債権法が大改正される理由、暴利行為に関する規定を設けなかった理由、短期消滅時効を廃止した趣旨、法定利率を三%に引き下げる理由及び法定利率の変動制の仕組み、配偶者を保証意思宣明公正証書作成の例外とした理由、公証人の任命基準及び選考基準、定型約款に関する規定を創設した理由、消費貸借を繰上げ返済する場合における弁済期までの利息相当額の請求の可否等について質疑を行うとともに、参考人から意見を聴取いたしましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、民進党・新緑風会を代表して小川委員より両法律案に反対、日本維新の会を代表して東委員より両法律案に賛成する旨の意見がそれぞれ述べられました。
 討論を終局し、順次採決の結果、両法律案はいずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、民法の一部を改正する法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#47
○議長(伊達忠一君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#48
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#49
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十二  
  賛成            百八十一  
  反対             五十一  
 よって、両案は可決されました。(拍手)
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   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#50
○議長(伊達忠一君) 日程第一〇 農村地域工業等導入促進法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長渡辺猛之君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
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   〔渡辺猛之君登壇、拍手〕
#51
○渡辺猛之君 ただいま議題となりました法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、最近における農業、農村をめぐる社会経済情勢の変化に鑑み、農村地域への導入を促進する産業の業種を全業種に拡大する等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、導入対象業種を拡大する趣旨、就業機会を提供する対象者、優良農地を確保する必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、民進党・新緑風会を代表して舟山委員より反対、日本共産党を代表して紙理事より反対、希望の会(自由・社民)を代表して森委員より反対する旨の意見がそれぞれ述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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#52
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#53
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#54
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十六  
  賛成            百六十三  
  反対             七十三  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#55
○議長(伊達忠一君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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