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2017/06/02 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 本会議 第29号
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2017/06/02 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 本会議 第29号

#1
第193回国会 本会議 第29号
平成二十九年六月二日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第三十号
  平成二十九年六月二日
   午前十時開議
 第一 港湾法の一部を改正する法律案(内閣提
  出、衆議院送付)
 第二 地方自治法等の一部を改正する法律案(
  内閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、住宅宿泊事業法案(趣旨説明)
 一、日程第一及び第二
 一、国際経済・外交に関する調査の中間報告
 一、国民生活・経済に関する調査の中間報告
 一、原子力等エネルギー・資源に関する調査の
  中間報告
     ─────・─────
#3
○議長(伊達忠一君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 住宅宿泊事業法案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。国土交通大臣石井啓一君。
   〔国務大臣石井啓一君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(石井啓一君) 住宅宿泊事業法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 近年、住宅を活用して宿泊サービスを提供するいわゆる民泊について、空き室を一時的に提供しようとする者と旅行者をインターネット上でマッチングするビジネスが世界各国で展開されており、我が国でも急速に普及しております。この民泊については、観光先進国の実現を図る上で、急増する訪日外国人旅行者のニーズや宿泊需給の逼迫状況への対応のために、その活用を図ることが求められております。
 一方、民泊については、感染症蔓延防止等の公衆衛生の確保や、地域住民等とのトラブル防止に留意したルールづくりはもとより、旅館業法の許可が必要な旅館業に該当するにもかかわらず、無許可で実施されているものもあることから、その是正を図ることも急務となっております。
 このような趣旨から、この度この法律案を提案することとした次第です。
 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 第一に、住宅に人を百八十日を超えない範囲で宿泊させる事業を住宅宿泊事業とし、当該事業を営む者に係る届出制度を設けるとともに、事業実施に当たって、宿泊者の衛生の確保等を義務付けることとしております。また、地域の実情を反映して住宅宿泊事業の実施を制限する仕組みも導入することとしております。
 第二に、家主が不在である住宅を住宅宿泊事業に用いる場合に、住宅宿泊事業を営む者からの委託を受け、宿泊者の衛生の確保等の業務を行う事業を住宅宿泊管理業とし、当該事業を営む者に係る登録制度を設けるとともに、事業実施に当たって、住宅宿泊事業の適正な遂行のための措置の代行等を義務付けることとしております。
 第三に、宿泊者と住宅宿泊事業者との宿泊サービス提供についての媒介等を行う事業を住宅宿泊仲介業とし、海外のみに事務所が所在する者も含め、当該事業を営む者に係る登録制度を設けるとともに、事業実施に当たって、利用者への契約内容の説明等を義務付けることとしております。
 これらの措置を講じ、それぞれの事業を営む者の業務の適正な運営を確保することにより、健全な民泊の普及を図ることとしております。
 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(伊達忠一君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。酒井庸行君。
   〔酒井庸行君登壇、拍手〕
#7
○酒井庸行君 自由民主党の酒井庸行です。
 私は、自民・公明を代表し、ただいま議題となりました住宅宿泊事業法案について質問をしてまいります。
 以前から、ホームステイや農家民宿という形で、ふだん住宅として使用している部屋を活用する宿泊形態は存在をしておりました。しかし、ここ数年、インターネットを介して、個人が有する遊休住宅等を観光客等の宿泊に供する、いわゆる民泊が急速に拡大をしております。
 近年、我が国を訪問する外国人観光客は急増し、二千四百万人となりました。三年後に迫った東京オリンピック・パラリンピックに向けて、ますます宿泊施設が不足するのではないかという懸念もございます。その対応の一つとして、民泊への期待が高まっております。貸主との触れ合いや我が国の生活、文化の直接的な体験を通じて、日本をより深く知って楽しんでもらうといった効果も期待をされております。
 一方、民泊という新しい仕組みの導入に当たっては、様々な不安や問題点が指摘をされております。たくさんの宿泊客が共同住宅に頻繁に出入りすることで、治安面での不安がないか、近隣住民とのトラブルが発生するのではないかという懸念であります。
 このような観点から、本日は、本法案の意義や効果、本法案の制定による民泊への不安の軽減などについて質問をしてまいります。
 初めに、民泊の先行事例についてお尋ねをいたします。
 昨年から、国家戦略特区の枠組みを活用して、一定の要件を満たす外国人旅客の滞在に適した施設を賃貸借契約に基づいて条例で定めた期間以上使用させ、滞在に必要なサービスを提供する事業を行う場合には、旅館業法の適用除外となりました。これを受けて、東京都大田区や大阪市等で特区民泊が認定をされました。この特区民泊により二百十八の居室が認定をされ、八百人弱の方が滞在をいたしました。国内外の旅行者やビジネス等の多様な宿泊ニーズに対応することができたと伺っております。
 そこで、特区民泊の成果や問題点をどのように把握あるいは分析し、今回の法律案に生かしているのでしょうか。石井国土交通大臣にお伺いをしたいと存じます。
 次に、民泊に対する懸念の一つである治安の確保についてお尋ねをいたします。
 民泊には、貸主たるホストと寝食を共にするホームステイ的な家主居住型民泊はもちろんのこと、貸主が近隣に不在の家主不在型があります。
 この家主不在型については、近隣でトラブルが生じても、そこに家主がいないので適正な対応が取れないなど適切な管理ができないのではないかという懸念があるので、本法案では住宅宿泊管理業者に委託することが義務付けられていると理解をしております。
 民泊を行う場合には標示の掲示が義務付けられ、そこに住宅宿泊管理業者の連絡先も明示されますので、トラブルが生じた際には、そこに連絡することでできるだけ早い解決が図られるものと期待はできます。しかし、家主の不在型民泊は、宿泊者名簿備付けの義務はあるものの、家主居住型のように宿泊者の顔を確実に見ることができないことから、身元の申告を逃れたい犯罪者の潜在先になるのではないかという心配する声もございます。
 そこで、住宅宿泊管理業者の管理が甘くなれば、振り込め詐欺組織のアジトとして悪用されたり、不法滞在の外国人の住みかにされたりすることも想定をされますが、このような状況に陥ることを避けるためには、例えばパスポートのコピーを名簿に添付させるなどの対応が必要ではないか、あるいはインターネットカメラなどを通じて宿泊者の顔を確認するといったことも必要ではないかというふうに考えます。具体的にはどのような対応や運用を講ずるつもりなのでしょうか。さらに、不適切な民泊を防ぐためには、宿泊日数等を住宅宿泊事業者に報告させる必要があると思いますが、どのように確実な定期報告を担保するのでしょうか。国土交通大臣にお伺いをいたします。
 次に、地域の実情に応じた民泊の導入のための配慮についてお尋ねをいたします。
 旅館、ホテルについては、都市計画法と建築基準法における用途制限があり、住居専用地域では原則として営業できないこととなっております。一方、本法案による民泊では、百八十日を上限としているほか、治安の悪化や公共交通の混雑の激化など生活環境の悪化等を招く場合には、区域を定めて百八十日以内で民泊事業を実施する期間を制限することができることとなっています。
 文教施設が立地しているなど一定の閑静な住宅街での制限が想定をされますが、民泊の趣旨が事実上無効化されることがないようにするとともに、住民の方々が抱く民泊への懸念が解消され、トラブルがないようにするためには、地域の実情に応じた条例となる必要があります。
 そこで、期間の制限や区域に関しては、地方自治を尊重する観点から地方自治体の自主性に任せるべきだと考えますが、いかがでしょうか。国土交通大臣にお伺いをいたします。
 次に、ホテル、旅館と併せた地域の観光客受入れ能力の向上についてお伺いをいたします。
 本法律案の背景の一つには、大都市部での宿泊需給の逼迫状況があると伺っております。確かに、東京や大阪のホテルの稼働率は近年極めて高く推移をしております。一方、特に地方では、ホテル、旅館を経営されている方々を中心に、大都市部と同じような高い稼働率にあるわけではないという声もございます。
 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて増加することが期待される外国人観光客に対応していくためには、これまで地域の観光を支えてきたホテルや旅館を更に活用しつつ、民泊という新しい形態の宿泊スタイルを上乗せするというウイン・ウインの体制を構築することが大切だというふうに考えます。
 そこで、特に外国人観光客に対して、これまでのホテル、旅館と新たな民泊をどのように組み合わせて、あるいはすみ分けをさせる形で我が国の外国人観光客誘致を進めていくおつもりでしょうか。国土交通大臣にお伺いをいたします。
 最後に、民泊による遊休住宅の活用についてお伺いをいたします。
 フランスの例などを見ると、これまでの居住用賃貸不動産が民泊に転用され、その結果、賃貸不動産の供給が少なくなり、賃貸料が急騰しているといった話を聞くことがございます。これも確かに民泊がもたらす懸念の一つでもあり、仮に民泊が不動産賃貸市場にネガティブな影響を与えるのであれば、対策を講ずる必要があると考えます。
 しかし、我が国は、少子高齢社会の進展等の影響で空き家や空き室の数は増加傾向にあり、現在、約八百二十万戸となっております。これらの遊休住宅をそのままにしておけば、町並み景観の劣悪化や治安の悪化等が心配をされます。一方、これまでも、古民家を活用し、会員制の農家民宿とすることで観光資源化、ひいては地域への移住にまでつなげている成功事例があり、見習うべきだというふうにも考えます。
 そこで、遊休住宅を民泊に活用し、更に地域の活性化等につなげるためにどのような工夫をしていくおつもりなのか、また、遊休住宅の活用という観点では、民泊用に新たな住宅を新築することは法の趣旨から外れるのではないかと思いますが、この点についてはどうお考えでしょうか。国土交通大臣にお尋ねをして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣石井啓一君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(石井啓一君) 酒井庸行議員から御質問をいただきました。
 まず、特区民泊の成果や問題点の本法案への反映についてお尋ねがありました。
 特区民泊の制度は、国家戦略特別区域内に限り、条例で定めた要件等を満たす場合に、旅館業の許可を受けなくとも民泊サービスの提供を可能とするものと承知をしております。
 特区民泊につきましては、現在、東京都大田区、大阪府、大阪市等において実施されているところですが、安全面、衛生面の確保や生活環境の悪化の防止について一定のルールを定め、適正に運用することで、特段の問題は生じていないものと考えております。一方、全国的な状況といたしまして、民泊は実態が先行し、安全面、衛生面の確保がなされていない、騒音やごみ出しなどによる近隣トラブルが生じているなどの問題が発生しているところであります。
 本法案におきましては、こうした民泊に関する全国的な問題を踏まえ、一定の成果が得られている特区民泊におけるルールも参考に、健全な民泊の普及を図るための制度設計を行ったところであります。
 家主不在型民泊における犯罪や不法滞在等への悪用を避けるための対応策と宿泊日数等の定期報告の担保についてお尋ねがございました。
 本法案におきましては、家主不在型の住宅宿泊事業では、住宅宿泊管理業者に対して宿泊者名簿の備付けを義務付けることとしております。このため、宿泊者に対し宿泊時に旅券の提示等を求めることにより本人確認をすることとしており、また、それを対面ないしはICT等を活用した対面と同等の手段で行うこととしております。これにより、本人確認が行われることをしっかりと担保してまいります。
 また、年間提供日数の確認につきましては、住宅宿泊事業者に対し宿泊実績の定期報告義務を課しており、報告をしなかった場合や虚偽の報告をした場合には罰則を科すこととしております。
 さらに、住宅宿泊事業者を監督する都道府県等において、報告の内容について定期的に確認を行うことを求め、その際に、住宅宿泊仲介業者の保有する宿泊仲介履歴と照合し、内容が正しいものであるかを確認できるようにすることも検討しておりまして、実効性のある報告の確認体制を構築する予定であります。
 条例によって住宅宿泊事業の実施期間を制限する際の地方自治体の自主性の尊重についてお尋ねがございました。
 本法案は、一定の規制の下に健全な民泊サービスを普及させるための全国統一的なルールとして定めるものでありますが、地域の実情にも配慮することが必要であると考えております。
 このため、生活環境の悪化を防止するために必要がある場合に、そうした地域の実情を踏まえ、合理的に必要と認められる限度において、都道府県等が条例で区域を定めて住宅宿泊事業を実施する期間を制限することができることとしているところでございます。
 ホテル、旅館と新たな民泊の関係、これら宿泊施設を活用した外国人観光客誘致の進め方についてお尋ねがございました。
 これまでのホテル、旅館は、プロによる高品質の宿泊サービスを求める客層に対応するものでありますが、民泊は、日本人と交流し、その生活を体験したいというニーズや、できるだけシンプルでリーズナブル、あるいは中長期の滞在に適した宿泊サービスを求めるニーズに対応するもので、新たな宿泊モデルとして期待されるところであります。これまでのホテル、旅館に民泊という選択肢が加わることで、旅行者の多様化する宿泊ニーズに幅広く対応できるようになると考えております。
 政府といたしましては、日本政府観光局のホームページ等を活用し、我が国の多様な宿泊施設を分かりやすく紹介していくことで外国人観光客誘致を進めていくこととしております。
 遊休住宅の民泊への活用についてお尋ねがございました。
 本法案は、住宅を用いた宿泊事業を可能とするものであり、空き家等でありましても、人の居住の用に供されていると認められるものに該当する場合には、民泊として利用することが可能になります。これにより、例えば住宅街にある空き家が民泊として利用されることで、空き家が単に放置されるのではなく、適切に維持管理が行われる効果が期待をされます。さらに、その民泊を利用する観光客が地域に集まることで、地域の活性化に寄与することも見込まれるところでありまして、本法案に基づく適正な運営を確保してまいります。
 一方、御指摘の専ら民泊のために用いる新築住宅につきましては、入居者の募集が行われているものではなく、人の居住の用に供されていると認められるものではないことから、本法案における住宅の要件に該当しないため、本法案の対象にならないものと考えているところでございます。(拍手)
    ─────────────
#9
○議長(伊達忠一君) 野田国義君。
   〔野田国義君登壇、拍手〕
#10
○野田国義君 民進党・新緑風会の野田国義です。
 私は、会派を代表いたしまして、ただいま議題となりました住宅宿泊事業法案、すなわち民泊法案について質問をさせていただきます。
 まず、本法案に対する質問に先立ち、森友学園、加計学園の二つの学園の疑惑についてお伺いいたします。
 この二つの学園疑惑の中にいるのは、この国のトップである安倍総理御本人ではないでしょうか。しかし、これまで総理も与党も、関係者の証人喚問には応じず、参考人招致さえ阻んでいるというのが現状です。国民の疑念はますます増えるばかりです。約八〇%の国民がまだ納得はしておりません。
 総理は、森友学園問題で昭恵夫人の関与を否定していますが、疑惑の当事者である総理の主張を信じる国民は少数にすぎないでしょう。出てくる証拠は、昭恵夫人の関与を裏付けるものばかりではないですか。昭恵夫人を隠し続けるのは、呼ばないのではなく、呼べないのではないでしょうか。
 加計学園の問題に至っては、今年の一月まで文部科学省の事務方を掌握していた前川前事務次官が、総理の御意向、官邸の最高レベルが言っているなどと記された文書の存在を認めているにもかかわらず、政府・与党を挙げて、徹底してこれを黙殺している状況です。前川前次官に関しては、その証言を黙殺するにとどまらず、人格攻撃をする始末ではないですか。これでは恐怖政治と言われかねません。
 これまでの特定秘密保護法、集団的自衛権の行使容認、安全保障法制、そして共謀罪法案、どれもこれも国民の半数以上が反対若しくは慎重姿勢を示してきた政策課題ですが、政府・与党は数の力で強行突破してまいりました。議論を避け、反対意見は許さないという傲慢な姿勢も顕著であります。正々堂々と議論しようではありませんか。
 言うまでもないことですが、この国の主権者は国民です。決して安倍総理ではないのです。しかし、実態は安倍主権ではありませんか。総理が黒を白と言えば、真っ黒も白になってしまうというのが実情なのでしょうか。だからこそ、行政がゆがめられた可能性が疑われているのです。
 教育は国にとって最も大切な分野ですが、森友学園問題では、戦前の遺物である教育勅語を幼児に暗唱させるような学校法人が小学校の認可を受け、評価額十億円余りの国有地をただ同然に払い下げられたのです。教育をゆがめたのは確かでしょう。
 国家戦略特区を使った獣医学部新設では、総理の腹心の友が理事長を務める加計学園に認可が下され、その結果、評価額三十六億七千五百万円の広大な公有地と九十六億という膨大な補助金が加計学園側に渡ることになりました。獣医学部新設は、日本獣医師会も学会も反対してきており、文部科学省も農林水産省も、獣医師は充足しているとの判断から新設を認めてきませんでした。これを岩盤規制に穴を開けるなどと称して話をすり替え、加計学園に便宜供与したのがこの問題の構図なのではないでしょうか。
 政府・与党に申し上げます。森友学園問題については昭恵夫人の、加計学園問題については前川前事務次官の証人喚問を行い、国会で疑惑を解明し、国民の疑念を晴らそうではありませんか。官房長官、お答えください。正々堂々と、国民に対してうそをついているのはどちらなのか、はっきりさせようではありませんか。
 さて、民泊は、本来であれば、日本の住宅に泊まることによって我が国の文化に触れ、旅館やホテルでの宿泊では触れることが難しい日本の日常生活の魅力を見出すことができる貴重なツールであると言えます。そういった体験を楽しみに日本を訪れる観光客も今後増えていくことが期待されています。民泊は、インターネットでも手軽に手配でき、宿泊料も手頃で利用しやすいツールであり、民泊サービスの提供があることによって新たな訪日旅行客を呼び込む効果は十分にあると考えます。
 急速に普及するこの民泊ですが、現状においては、旅館業法の営業許可を取得して行う必要がありますが、実際には無許可で営業する実態が広がっております。
 民泊新法は、民泊を家主居住型と家主不在型と区別した上で、住宅の提供者、管理者、仲介業者に対して適切な規制を課すことにより、適正な管理や安全面、衛生面を確保しつつ、行政が住宅を提供し実施する民泊を把握できる仕組みを構築するものとされております。
 こうした違法状態を解消し、行政が実態を把握できる仕組みをつくろうとする点は一定の評価をしております。また、家主居住型についても、管理も十分に行き届き、さきに挙げた民泊の利点を十分に生かせる制度として進めていくことが大切です。
 その一方で、家主の不在型の民泊については、管理者が常駐していない中、十分な管理が行き届かないのではないかと不安です。また、民泊新法の検討に先行して、さらに、特区民泊が幾つかの自治体において実施されていますが、まだ施設数、利用者数の推移を見ても、それほど利用が進んでいる現状ではありません。
 まずは、特区民泊等で浮上した課題を十分に検証し、運用面も含め、安全、安心が適切に確保できることを明らかにした上で、丁寧に制度設計を進めていく必要があるのではないでしょうか。
 以上の現状認識の下、以下質問をさせていただきます。
 まず、公衆衛生に関する安全、安心の確保についてお伺いいたします。
 旅館業法では、新たな感染症の拡大防止のため、厚生労働省の通知や自治体の条例に基づき宿泊手続を原則対面で行い、旅客の健康状態を確認することができるようになっております。
 民泊の場合、例えば感染症が流行している地域から来日し、発病が懸念される旅客等が滞在しても、通報等が適切に行われず、対策の遅れが生じる可能性が否定できないと考えます。感染症等の公衆衛生の管理について、民泊において適切な措置が講じられるのか、国土交通大臣及び厚生労働大臣にお伺いをいたします。
 次に、治安維持に関する安全、安心の確保についてお伺いいたします。
 二〇一五年十一月に発生したパリ同時多発テロでは、その主犯格が潜伏先として民泊を利用していたと報じられました。また、二〇一六年三月十七日、都内で開かれたフォーラム、「民泊の真実」において、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会の招聘により、フランスのホテル、レストランの事業団体GNIが来日し、その際、シュネ会長より、アパート等の所有者がこぞって民泊営業に乗り出したためパリの家賃相場が急上昇した、賃貸契約の二五%が更新されないなど住宅不足が深刻化し、とりわけ観光客の人気スポット周辺では住民が減った結果、学級閉鎖といった事態も起きている、日本が対策を打つのはまだ遅くないと、同業者にエールを送り、日本には同じ轍を踏まないでほしいと警鐘を鳴らしました。
 私はこれらの言葉を忘れることができません。政府は、その声は届いていますか。また、民泊先進国、世界一の観光立国であるフランスの教訓を我が国がどう生かすのか、国土交通大臣にお伺いいたします。
 政府において、組織犯罪処罰法によりテロ犯罪を未然に防止するため取締りを強化しようとする動きがある中、管理状態の曖昧な家主不在型の民泊の実施を可能とすることは、犯罪集団に格好の拠点を提供し、施設の悪用に拍車を掛けるようなことにならないでしょうか。そうであったとすれば、双方の制度は相矛盾することになるのではないですか、どうでしょうか。国土交通大臣及び法務大臣にお伺いをいたします。
 次に、民泊施設の周辺地域における住民の生活、居住環境の保全についてお伺いいたします。
 民泊は、旅館やホテルが立地しない居住専用地域でも実施することが可能とされております。一般の住宅地において、近隣の家屋が本来の持ち主と異なる不特定多数の宿泊者が次々に滞在するだけでも居住者にとって大きな不安材料であります。加えて、深夜の話し声やドアの開閉等の生活騒音、ごみの出し方や喫煙に関するルール違反、住民への威嚇的な態度など不穏な対応も多く聞かれます。共同住宅の場合、共有スペースの備品の盗難や破損などの実質的な物損も生じております。
 このような事態を放置すると、住民の間に、民泊ひいては訪日旅客全体に対する忌避感が生まれ、観光振興にマイナスになりかねないと考えます。とりわけ問題なのは、日本の地域社会を知り、日常生活を体験するという民泊本来の意義を損ない、新たなビジネスの芽を摘むおそれがあるということではないでしょうか。このような周辺住民の懸念の声に対してきちんと応えることができるでしょうか。国土交通大臣にお伺いいたします。
 こうした課題が多岐にわたる中、民泊施設の提供者となる住宅宿泊事業者、家主が不在となる場合に住宅宿泊事業者からその管理の委託を受ける住宅宿泊管理業者、宿泊者と住宅宿泊事業者の間の宿泊サービス提供について仲介する住宅宿泊仲介業者と、関係主体ごとに監督する行政庁が異なっており、それぞれで適切な人員体制等が確保されるのでしょうか。また、事業者も含めた各主体の連携がなければ規制の実効性そのものが担保できないと考えますが、監督体制の実効性確保に向けた考え方を国土交通大臣にお伺いいたします。
 民泊の活用をめぐっては、大都市部と地方部でその需要そのものが一様ではありません。大都市部では、ホテルの稼働率が逼迫状態にあり、その需要の受皿として民泊が有効活用されているものと理解できます。しかし、地方部では、地域の実情にもよりますが、民泊に対する需要があるのでしょうか。
 例えば、古くから地域産業の中心となっている温泉街を維持したい地域も存在するなど、地域の実情は多様です。こうした地域の特性に応じた様々な実情に配慮し、独自で地域の実情に見合った形で営業日数の制限を決めることができないとすれば、地元の産業に深刻な影響があるとの不安の声も聞いております。
#11
○議長(伊達忠一君) 野田君、時間が経過しております。簡単に願います。
#12
○野田国義君(続) 本法律案において、地域の実情を反映する仕組みとして生活環境の悪化を防ぐため、都道府県の判断で、地域を定め、民泊の年間提供日数を制限することが可能とされておりますが、具体的には生活環境の悪化として許容される範囲、条例による日数制限の及ぶ範囲が不明確なままとなっております。
#13
○議長(伊達忠一君) 野田君、簡単にお願いいたします。
#14
○野田国義君(続) 市町村から寄せられる個々の地域事情に対して、国として寄り添った配慮ができるよう、弾力的に制度設計していくべきと考えますが、政府の現時点の方針としていかがお考えか、国土交通大臣にお伺いします。
#15
○議長(伊達忠一君) 時間です。
#16
○野田国義君(続) 以上、民泊は住宅の提供方法によってメリットも見込める一方で、運用面での課題は数多く存在し、これを不安視する声も多くあります。
 政府には、正々堂々と……
#17
○議長(伊達忠一君) 時間を経過しています。
#18
○野田国義君(続) 運用面での不断の検討を強く求めるとともに、国会審議を通じても検討状況を明らかにしていただくよう求め、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣石井啓一君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(石井啓一君) 野田国義議員から御質問をいただきました。
 まず、公衆衛生の管理についてお尋ねがございました。
 本法案では、公衆衛生の確保の観点から、感染症が発生した場合の追跡調査等を可能とするため、住宅宿泊事業者又は住宅宿泊管理事業者に宿泊者名簿の備付けの義務を課すこととしております。このほか、本法案では、宿泊者一人当たりの床面積を三・三平米以上確保することや定期的な清掃等を義務付けることとしており、公衆衛生の確保に万全を期すこととしております。
 フランスの民泊についての教訓をどう生かすかについてお尋ねがありました。
 フランスのホテル、レストランの事業団体の会長から御指摘のような発言があったことは、担当部局より報告を受けております。しかしながら、フランスと我が国では住宅の需給状況などの環境が異なることから、これらの指摘が必ずしもそのまま当てはまるとは考えておりません。一方で、フランスにおきましては、行政の監督が不十分な状態にあり、匿名性の高さや近隣住民の生活との調和などが課題となっているものと承知をしております。
 本法案におきましては、これらの教訓も踏まえ、住宅宿泊事業者等に対し、氏名や住所の届出、標識の掲示等を求めることにより匿名性を排除するとともに、近隣トラブルの防止などの措置を義務付けることとしております。また、情報共有のためのシステムの構築やワンストップの苦情窓口の設置等を通じ、関係行政機関としっかり連携して、住宅宿泊事業を適正に指導監督していくこととしております。
 家主不在型の民泊施設の管理状態に係る懸念についてお尋ねがございました。
 本法案におきましては、家主不在型の住宅宿泊事業の場合、住宅宿泊事業者に対し住宅の管理を住宅宿泊管理業者に委託する義務を課し、住宅が適切に管理されることを担保することとしております。また、住宅宿泊事業者から委託を受けた住宅宿泊管理業者に対し、宿泊者名簿を備え付ける義務を課すこととしております。
 このため、宿泊者に対し宿泊時に旅券の提示等を求めることにより本人確認をすることとしており、また、それを対面ないしはICT等を活用した対面と同等の手段で行うこととしております。家主不在型の民泊におきましても、本人確認の徹底によりまして、施設の悪用等を防ぎ、住宅宿泊事業の適正な運用を確保していくこととしております。
 民泊が実施される周辺地域における住民の生活、居住環境の保全についてお尋ねがございました。
 本法案におきましては、住宅宿泊事業者等に対し、周辺地域における生活環境の悪影響の防止についての宿泊者への説明、周辺住民からの苦情への対応等の義務を課すこととしております。
 その上で、観光庁におきましても、都道府県等関係機関と連携をいたしましてワンストップの苦情窓口を設置することを検討しており、当該苦情窓口で受け付けた苦情等につきましては、関係行政機関や都道府県等に通知して、必要な対応を求めることとしております。このような取組により、住民の生活環境を守りつつ観光の振興を図ってまいります。
 民泊に係る行政事務の実施に関する適切な人員体制の確保と監督体制の実効性確保についてお尋ねがございました。
 行政庁の体制の確保に関しましては、本法案の円滑な施行のため、インターネットによる行政手続に係るシステムを構築の上、関係行政機関において情報を共有し、監督主体間の連携を図ることとしておりますが、関係地方公共団体におきましても、このシステムを活用することを通じ、住宅宿泊事業に対する指導監督を効率的、効果的に実施できるものと考えております。
 さらに、本法案の施行に当たり、十分な指導監督を都道府県等が行えるよう、人員の確保、体制の構築に対し、関係省庁とともに必要な措置を検討しているところであります。
 また、本法案では、住宅宿泊事業の適正な取締りを行うため、玄関等への標識の掲示を義務付け、違法なものを峻別するとともに、今後、都道府県等と連携してワンストップの苦情窓口を設置することを検討しており、違法民泊のおそれがある情報等が寄せられた場合には、関係行政機関等と連携の上、適切に対処していくこととしております。
 地域の実情を反映させる仕組みについてお尋ねがございました。
 本法案は、一定の規制の下に健全な民泊サービスを普及させるための全国統一的なルールとして定めるものですが、地域の事情にも配慮することが必要であると考えております。
 このため、本法案におきましては、都道府県等は、住宅宿泊事業に起因する騒音の発生その他の事象による生活環境の悪化を防止するために必要があるときは、合理的に必要と認められる限度において、条例で定めるところにより、区域を定めて、住宅宿泊事業を実施する期間を制限することができることを規定しているところでございます。(拍手)
   〔国務大臣菅義偉君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(菅義偉君) 森友学園への土地売却、国家戦略特区における獣医学部新設に係る証人喚問についてお尋ねがありました。
 森友学園への土地売却及び獣医学部の新設については、いずれのプロセスにおいても、関係法令に基づき適切に実施されております。
 政府としては、これまでの国会審議においてできる限り丁寧な説明を行ってきたところであります。関係者の証人喚問については、国会においてお決めいただくことと認識をしております。(拍手)
   〔国務大臣塩崎恭久君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(塩崎恭久君) 野田国義議員にお答えを申し上げます。
 民泊における公衆衛生の確保についてのお尋ねがございました。
 本法案では、旅館業と同様に、住宅宿泊事業者に宿泊者名簿の備付けの義務を課すこととしております。この宿泊者名簿を記載する際には、宿泊者の氏名、住所、職業等が虚偽ではないことを担保するため、対面又はそれと同等の手段で旅券の確認を行うことなどにより本人確認を行う必要があると考えております。このほか、定期的な清掃等を義務付けること等により、公衆衛生の管理に万全を期してまいります。(拍手)
   〔国務大臣金田勝年君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(金田勝年君) 野田国義議員にお答えを申し上げます。
 テロ等準備罪処罰法案と住宅宿泊事業法案との関係に関するお尋ねがございました。
 テロ等準備罪を新設するなどいたしまして国際組織犯罪防止条約を締結することは、テロを始めとする組織犯罪を未然に防止をし、これと闘うための国際協力を可能とするものであり、極めて重要なものであると考えております。
 住宅宿泊事業法案につきましては、先ほど国土交通大臣が答弁をしましたとおり、住宅宿泊事業等を営む者の業務の適正な運営を確保するものであると承知をしており、テロ等準備罪処罰法案の趣旨と矛盾するものではないものと考えております。(拍手)
    ─────────────
#23
○議長(伊達忠一君) 辰巳孝太郎君。
   〔辰巳孝太郎君登壇、拍手〕
#24
○辰巳孝太郎君 私は、日本共産党を代表して、住宅宿泊事業法案について質問をいたします。
 民泊サービスとは、住宅を活用して人を宿泊させる事業のことです。
 旅館業法の許可を得て宿泊業を営業している方もたくさんおられる一方、この間、旅館業法の許可を得ない違法民泊は広がり続け、その数は五万件に上ると言われています。本法案は、それら違法民泊を解禁、合法化するものであります。
 昨年末の厚生労働省の調査によると、対象とした一万五千件のうち、無許可は四千六百二十四件に上り、物件の特定ができないものは七千九百九十八件と、合わせて八三・五%に上り、東京二十三区と政令指定都市に限ると九八・一%に達しますが、ほとんどが放置された状態です。
 政府に伺います。
 この間、無許可で指導、検挙された件数は一体幾つになるのですか。今政府が取り組むべきは、これらの違法物件の取締りの徹底ではありませんか。結局、取り締まるべき違法民泊を放置し続けた挙げ句に、本法案の成立で、違法なものを合法化しようということではありませんか。
 民泊の最大の問題は、安全の確保です。
 宿泊料を受け人を宿泊させる営業は、全て旅館業法の規制を受けています。これら施設には、保健所を始め、消防や警察、建築指導課などが定期的に立ち入り、安全、衛生、治安の維持のための指導が行われています。ところが、本法案において、民泊とされる事業はそれらの規制を受けず、旅館業法における営業許可のために必要な建築確認検査済証や消防法適合通知書も必要ありません。
 大臣、旅館業法上の安全基準を果たさずに、届出だけで民泊事業を認めるのはなぜですか。許可制になぜしなかったのですか。
 民泊事業者に対する指導監督は保健所や都道府県の職員が担うことになります。合法化されれば爆発的に増えると見込まれるのが民泊です。今でも自治体の職場は職員が減らされ多忙を極めています。安全や衛生の確保のため、どれほどの職員の増員が必要になることを想定しているのですか。
 民泊には、ホテルや旅館に課せられているフロント設置や二十四時間常駐義務はありません。家主不在型の場合、民泊事業者の委託を受けた管理業者はどのように本人確認をするのですか。管理業者とも対面せずにチェックインすることも可能なのではありませんか。
 衆議院での参考人質疑で参考人は、昨年パリで起こったテロも匿名性の高い民泊を利用していたことを取り上げ、懸念を示しました。宿泊予定者以上の人数で宿泊することや、宿泊予定者以外の人が宿泊することが容易になることは、治安上の重大な問題が起こり得るという認識はありますか。
 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会会長の北原理事長は、一日であってもお客様の命と財産を預かってお泊めするのが宿泊サービス、だからこそ、消防法や建築基準法、衛生の規制は当然、コストは掛かるが万が一の事故が起きないように旅館業法を守ってきたと述べています。大臣はこの声にどう応えますか。
 ホテル、旅館は住宅専用地域には建てられませんが、本法案では民泊サービスの実施が可能となります。
 住居専用地域は、住居環境に悪影響を与えるおそれのある用途の建物を制限し、良好な住居環境を保護するために設けられています。民泊が行われている地域からは、ごみ出しルールが守られない、夜間の騒音がひどいなどと訴える人が後を絶たず、地域社会とコミュニティーに深刻なトラブルを招いています。
 本法案では、住宅宿泊事業者や管理業者が苦情等に対応することを義務付けていますが、そもそも、このような条文を法律で書き込まざるを得ないこと自体、民泊事業が平穏な日常生活を脅かすことを証明しているではありませんか。
 本法案では、住宅専用地域での民泊サービスを可能にするため、民泊を旅館やホテルとは異なる住宅として扱い得るよう、事業者が行えるサービスは年間提供日数上限を半年未満、百八十日以下とし、一泊二日での利用の場合では一宿泊日とカウントされます。しかし、日にちが重ならない場合百八十泊三百六十日となり、一年のほぼ全てを民泊事業として営むことが可能となります。これでは住宅として扱う合理性がないではありませんか。住宅ではないものを住宅専用地域に認めることは、用途地域指定を形骸化させるものではありませんか。
 世界の主要都市は、民泊から生じる様々なトラブルを回避するため、規制を強めています。民泊発祥の地、サンフランシスコは、年間日数制限を当初の九十日から六十日に制限、ロンドンは九十日、アムステルダムは六十日までとし、ニューヨークは三十日未満の短期貸し、ベルリンは短期賃貸を全面的に禁止しています。民泊の広がりにより賃貸物件が高騰し、地域住民が追い出されているとの報告もあります。各国の教訓に倣えば、本法案のような全面解禁の規制緩和を認めるわけには絶対にまいりません。
 現在、国家戦略特区によって、大阪府や東京都大田区などでは民泊が例外的に認められています。特区制度は、特区地域以外での事業実現も視野に入れるもので、事業の検証が不可欠です。厚生労働大臣、これらの地域で民泊を認めたことで、違法民泊の数は減少したのでしょうか。特区で実施してもうまくいかないものを、どうして全国に広げることができるんでしょうか。
 特区民泊認定に当たっては、事前に周辺住民に適切な説明を行うことが要件とされています。ところが、新法では、事前の説明は要件とされていません。周辺住民は、ある日突然、民泊の標識が出て初めて、近隣あるいは隣の部屋で民泊事業が行われていることを知ることになるのではありませんか。大臣、地域住民等のトラブル防止のためには、事前に自治会や周辺住民に説明を行い、同意を得ることを必要とするべきではありませんか。
 政府は、二〇二〇年に四千万人、二〇三〇年に六千万人という訪日観光客数の目標を定めています。しかし、今、京都の宿泊客は、二〇一五年、外国人が百三十万人増加する一方、日本人客は百十万人減少しました。京都観光総合調査によると、その一番の理由は、人が多く、ゆっくり見物できないでした。経済のためだと観光客の数だけを増やせばよいという政策の限界が来ているのです。長期的視点に立てば、観光資源の保護や文化財の保護のためにも、飽和状態にある都市部へのこれ以上の観光客誘致を節度あるものにする必要があるのではないでしょうか。
 観光立国推進基本法は、地域の住民が誇りと愛着を持つことのできる活力に満ちた地域社会の持続可能な発展を通じて国内外からの観光旅行を促進することが、将来にわたる豊かな国民生活の実現につながるとしています。地域に混乱と困惑をもたらす民泊を解禁、合法化しては、誇りと愛着を持つことはできません。
 住んでよし、訪れてよし、そこに暮らしている国民の生活が豊かになってこそ、観光地としての魅力も輝きます。これこそ日本の観光政策の目指すべき指針であるということを述べて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣石井啓一君登壇、拍手〕
#25
○国務大臣(石井啓一君) 辰巳孝太郎議員から御質問をいただきました。
 まず、本法案は違法なものを合法化するのではないかとのお尋ねがありました。
 近年、住宅を活用して宿泊サービスを提供するいわゆる民泊が我が国でも急速に拡大をしております。この民泊につきまして、現状では、安全面、衛生面の確保がなされていないほか、騒音やごみ出しなどによる近隣トラブルが生じているなどの問題が発生をしているところであります。一方、訪日外国人旅行者が急増する中、多様化する宿泊ニーズに対応するため、この民泊の活用を図ることが求められております。これらの課題を踏まえ、民泊に関する一定のルールを定めて健全な民泊の普及を図るため、本法案を今国会に提出したものであります。
 住宅宿泊事業を届出制とすることについてお尋ねがありました。
 いわゆる民泊について、現状では、旅館業法の規制が必ずしも遵守されないまま実態が先行しており、本法案においては、まずは匿名性を排除するため、住宅宿泊事業を行おうとする者に対して届出をしなければならないとしたところであります。また、安全確保につきましては、住宅宿泊事業者に非常用照明器具の設置、避難経路の表示等の措置を義務付けるとともに、居室の床面積の基準を設けるなど、許可制の旅館業と同等の安全基準を設けているところであります。住宅宿泊事業については、届出制としつつも、必要な指導監督をしっかり行うことで安全性が確保されるよう、その適正な運用を図ってまいります。
 安全衛生の確保のための都道府県等の体制強化についてお尋ねがありました。
 本法案の施行に伴い、都道府県等の地方公共団体は、自治事務として、住宅宿泊事業の届出受理、公衆衛生の確保等に関する指導監督などの事務を行うこととなります。これらの事務は、都道府県等の関係部局が連携してその執行を担っていくことを想定をしております。
 こうした事務を実施するために必要となる体制については、各都道府県等によって異なるところでありますが、国土交通省といたしましては、都道府県等が十分な指導監督等を行えるよう、人員確保、体制の構築に対し、関係省庁と連携をしながら必要な措置を検討してまいります。
 住宅宿泊管理業者による宿泊者の本人確認についてお尋ねがありました。
 本法案におきましては、家主不在型の住宅宿泊事業では、住宅宿泊管理業者に対して宿泊者名簿の備付けを義務付けることとしております。このため、宿泊者に対し宿泊時に旅券の提示等を求めることにより本人確認をすることとしており、また、それを対面ないしはICT等を活用した対面と同等の手段で行うこととしております。これにより、本人確認が行われることをしっかりと担保してまいります。
 宿泊予定者以外の者が宿泊すること等による治安上の懸念についてお尋ねがありました。
 本法案においては、家主不在型の住宅宿泊事業では、住宅宿泊管理業者に対して宿泊者名簿の備付けを義務付けることとしております。このため、宿泊者に対し個別に宿泊時に旅券の提示等を求めることにより本人確認をすることとしており、また、それを対面ないしはICT等を活用した対面と同等の手段で行うこととしております。これらによりまして、宿泊予定者以上の人数で宿泊することや宿泊予定者以外の者が宿泊することの防止に努めてまいります。
 民泊の導入を懸念する宿泊業界の声についてお尋ねがありました。
 本法案については、宿泊業界や有識者などの幅広い関係者で構成する民泊サービスのあり方に関する検討会での議論を十分に踏まえた内容としております。
 具体的には、住宅宿泊事業者に対し、旅館業法同様、宿泊者の衛生の確保や宿泊者名簿の備付けなどの義務を課すとともに、防火、避難上の安全基準についても旅館、ホテルと同程度のものを求めることとしております。一方、旅館、ホテルについても、現在、厚生労働省において、施設要件等について一定の規制緩和を行う方向で検討が進められていると承知をしております。これらによりまして、旅館、ホテルとのイコールフッティングを図りつつ、宿泊者の安全性を確保した上で健全な民泊サービスの普及を進めてまいる所存であります。
 民泊事業による日常生活への影響についてお尋ねがありました。
 現状において、民泊サービスは無秩序に拡大をしておりまして、安全面、衛生面のほか、騒音やごみ出しなどにより近隣トラブルが社会問題になっていると承知をしております。こうした課題に対処し、適正な規制の下に健全な民泊サービスの普及を図ることを目的として本法案を提出したものであります。
 民泊を住宅として扱う合理性がないのではないかとのお尋ねがありました。
 本法案における住宅宿泊事業は、実際に宿泊サービスを提供している時間を日数に換算したものが一年間で百八十日を超えないものとすることとしており、通常の宿泊サービスを一回提供する機会を一日と捉えたものであります。この場合、既存の旅館、ホテル等は一年で三百六十五回通常の宿泊サービスを行うことが可能である一方、住宅宿泊事業ではこれが百八十回までと半分未満しかできないことということになります。このような制限の下で、住宅が多く立地する住宅専用地域を含め、住宅に人を宿泊させる事業を住宅宿泊事業として実施可能としております。こうしたことから、都市計画に基づく用途地域制度との整合性も確保されていると考えております。
 周辺地域の住民への説明と同意の必要性についてお尋ねがありました。
 住宅宿泊事業につきましては、旅館業や特区民泊では課されていない標識の掲示の義務を課すとともに、住宅宿泊事業者又は住宅宿泊管理業者に対し、宿泊者への周辺地域における生活環境の悪影響の防止についての説明義務や苦情処理の義務を課すことにより、周辺地域への悪影響を抑制する仕組みとなっているため、周辺地域の住民への事前説明や同意取得までを課す必要まではないと考えております。
 都市部への観光客誘致の抑制についてお尋ねがありました。
 昨年三月に政府全体で取りまとめました明日の日本を支える観光ビジョンにおいて設定されました訪日外国人旅行者数、二〇二〇年までに四千万人、二〇三〇年までに六千万人という目標は非常に意欲的な数字であり、都市部も含め全国において、観光ビジョンに盛り込まれた総合的な施策を国を挙げて着実に実施して達成すべきものであると考えております。
 その上で、その目標を達成するためには、訪日外国人旅行者の増加の効果を地域に波及させ、いわゆるゴールデンルートに集中している訪日外国人旅行者を全国各地へ呼び込んでいくことが重要であります。このため、国土交通省では、広域観光周遊ルート形成促進事業を始めといたしまして、観光資源の磨き上げ、受入れ環境の整備及び海外へのプロモーションなどの取組によりまして、地方への誘客を促進をしてまいります。(拍手)
   〔国務大臣塩崎恭久君登壇、拍手〕
#26
○国務大臣(塩崎恭久君) 辰巳孝太郎議員にお答えを申し上げます。
 無許可営業に対する指導件数等、違法民泊についてのお尋ねがございました。
 旅館業の許可を受けていない無許可営業については、毎年都道府県等に対し調査を行っており、直近の状況としては、平成二十七年度調査において無許可営業とされた一千四百十三件のうち、何らかの指導を実施し又は指導を継続中であるものが九百八十三件となっております。また、警察では、旅館業法の無許可営業違反について、直近では平成二十八年に五事件が検挙されているものと承知をしております。
 なお、厚生労働省においては、現行法の遵守や悪質な民泊を対象とした取締りの強化等について、これまでも自治体等に対して要請を行ってきており、違法民泊を放置し続けたとの御指摘は当たらないところでございます。
 特区民泊の認定に伴う違法民泊の状況についてのお尋ねがございました。
 御指摘の特区民泊については、いずれの地域も事業開始は平成二十八年以降でありますが、平成二十八年度における旅館業の許可を受けていない営業者の件数については、現在都道府県等に対する調査を取りまとめ中であり、特区民泊による無許可営業の増減についてお答えをすることは困難であります。
 また、特区民泊については、三月二十七日時点で八十五施設で実施をされ、七百八十七人が滞在をしており、一定の成果を上げているものと認識をしております。
 なお、本法案は、住宅宿泊事業者の届出制や仲介事業者の登録制を始めとする民泊サービスに関する一定のルールを定め、その実態把握と適切な指導監督を行い得るよう措置するものであり、特区民泊をそのまま全国展開するものではないと認識をしております。(拍手)
    ─────────────
#27
○議長(伊達忠一君) 室井邦彦君。
   〔室井邦彦君登壇、拍手〕
#28
○室井邦彦君 日本維新の会の室井邦彦です。
 私は、日本維新の会を代表し、ただいま議題となりました住宅宿泊事業法案に関して質問をいたします。
 我が国への訪日外国人旅行者数は、円安の影響などもあり急増しており、二〇一六年においては前年比二一・八%増の二千四百三万九千人と、過去最多となりました。観光立国推進基本計画に基づき、積極的なインバウンド政策が推進されており、二〇一九年のラグビーワールドカップ、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック東京大会に向け、訪日外国旅行者数四千万人という新たな目標も設定されたところであります。
 一方、大都市では、民泊によって騒音等による近隣とのトラブルが生じることもありますが、自治体が実態を把握できない状態となっていました。その意味で、今回、民泊に関するルールが整備され、関連する旅館業法等に所要の改正が行われることは高く評価をいたします。届出制の導入による要件緩和で、特区以外でも全国で民泊ができるようになり、衛生、防災面での一定の規制の下に、自治体の監督権限についても定められています。今後、訪日インバウンドを一気に増やして経済を活性化させるという要請に応えるとともに、騒音等のトラブルの減少につながるよう、実効性を持たせた取組が急務であります。
 まず、自治体による実態の把握について大臣にお尋ねします。
 昨年、厚生労働省において実施された民泊に対する全国実態調査によると、無許可若しくは物件特定不可等の割合が実に八三・五%に上っているという実態が明らかになりました。大都市圏中心市においては、許可民泊は僅か一・八%という結果が出ており、いわゆる闇民泊が大都市圏を中心に乱入している実態を示しております。
 本法案の施行により届出制が導入されれば、逆にほとんどの事案を自治体が把握できるということが期待されるでしょうか。御認識をお伺いをいたします。
 次に、民泊における営業日数の規制についてお尋ねします。
 今回の法案において、年間提供日数の上限が百八十日とされており、各地域における事情を反映するとされています。こうした上限規制について、新規参入を希望する不動産賃貸業界等が強く反対し、逆にホテル・旅館業が導入を強く主張したとのことであります。今回の規制は両者の主張の間を取った形なのでしょうか。この日数規制にはユーザー側の視点はどのように反映されているのでしょうか。大臣の御認識をお伺いをいたします。
 重ねて大臣にお伺いします。
 条例による制限では、民泊日数をゼロ日とする過度な規制は許されないと考えますが、いかがでしょうか。さらに、都道府県全域にわたる日数制限を設けることは許されず、特定の地域のみで日数制限をすることとなるのでしょうか。御認識をお伺いをいたします。
 本法案では日数の上限規制となった一方で、特区民泊においては宿泊日数の下限が設定されています。本法案では日数についての上限規制、特区では下限規制となっております。そもそもこうした日数規制が妥当か否かも含め、どのような考え方で、なぜ上限又は下限について日数に関する規制が必要なのか、大臣の御所見をお伺いをいたします。
 旅館業法の規定の適用除外として、既に大阪府、大阪市、東京都大田区、そして北九州市では、国家戦略特区として民泊条例を制定し、事業が開始されているところであります。大阪府の例を見ますと、旅館業許可施設一覧と民泊の特定認定施設一覧が公開されており、無許可民泊への立入検査等により摘発を行うことで適正に運用されている民泊を増やす取組が行われています。
 条例の制定はもちろん各自治体の判断によるものですが、既存のこうした条例の良い部分について横展開できないのか否か、大臣の御認識をお伺いをいたします。
 民泊サービスのあり方に関する検討会報告書において、新たな民泊制度の実施に当たり、保健所その他関係機関における体制強化について、民間への事業委託の積極活用を含め検討すべきとあります。
 旅館業法に基づいて立入検査等を行っている保健所では、食品衛生法に基づく飲食店への立入検査も抱えており、保健所が担っている業務量は年々増加をしております。民間への外部委託を積極的に活用すべきとのことですが、今後、都道府県等にはどのような事務が追加され、そのうちどの部分が民間委託できると御認識でしょうか。また、制度導入に必要な人員や予算について、現状ではどのようにお考えでしょうか。大臣の御認識をお伺いをいたします。
 次に、家主不在型民泊についてお尋ねをいたします。
 特区民泊を始めとする新たな民泊サービスのほとんどが家主不在型との指摘があります。不動産関連企業や旅行関連企業等が民泊ビジネスに参入している背景には、空き家、空き室等を有効活用した短期賃貸のニーズの高まりがあります。欧米における民泊の多くがホームステイ型であるという点と比較すると、日本における民泊サービスは不特定多数の個人間の取引、CツーC、いわゆるシェアリングエコノミーというよりも、BツーC、ビジネスの性格が強く残るのではないでしょうか。
 こうした点から、今後は民泊ビジネスに参入した企業を中心に競争と淘汰が進むと思われますが、日本における民泊ビジネスの在り方について、大臣のお考えと今後の見通しについてお聞かせをください。
 最後に、私ども日本維新の会は、日本が海外の観光客にとって魅力あふれる国であり続けることによって、我が国経済にとって極めて重要な観光産業が地域経済の持続的な発展につなげることを目指して取組を深化させていくべきと申し上げ、質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣石井啓一君登壇、拍手〕
#29
○国務大臣(石井啓一君) 室井邦彦議員から御質問をいただきました。
 まず、届出制の導入を通じた自治体による民泊の実態把握についてお尋ねがございました。
 いわゆる民泊について、現状では旅館業法の規制が必ずしも遵守されないまま実態が先行しておりまして、本法案におきましては、まずは匿名性を排除するため、住宅宿泊事業を行おうとする者に対して届出をしなければならないこととしたところであります。
 届出制を導入し、住宅宿泊事業者や住宅の所在地について把握可能とするとともに、届出をした住宅の玄関等への標識の掲示を義務付けることとしており、違法民泊との峻別を図ることとしております。また、届出に係る情報を関係行政機関において共有するためのシステムを構築をし、関係省庁や都道府県等地方公共団体、警察等とが連携をして住宅宿泊事業の適正な運営を確保していくこととしております。このような取組によりまして、民泊の実態把握の徹底を図ってまいりたいと考えております。
 年間提供日数の上限についてお尋ねがございました。
 本法案におきましては、不動産賃貸業界、またホテル・旅館業界、両業界を始め様々な関係者からの意見を参考にした上で、住宅宿泊事業は年間提供日数が百八十日を超えないものとすることとしております。
 住宅宿泊事業につきましては、住宅の空きストックを有効活用して宿泊サービスを提供することにより、ユーザー側の多様化し増大する宿泊ニーズに対応しようとするものであります。このため、住宅に人を宿泊させる事業であるという性格上、一年の過半を宿泊事業として使用する場合には、住宅本来の性格である人の居住の用に供されているものとは言い難いと考えられることから、百八十日という年間提供日数の上限を設けているものであります。
 住宅宿泊事業の実施を制限する条例の運用基準についてお尋ねがございました。
 本法案は、住宅宿泊事業を適切な規制の下、振興するという側面を持つものであります。このため、本法案に基づく条例によって年間全ての期間において住宅宿泊事業の実施を制限をし、ゼロ日とすることは、本法案の目的を逸脱するものであり、適切ではないと考えております。また、都道府県の全域を一体として一律に制限することも適当ではなく、各地域ごとの特性に応じて合理的な範囲内で区域を設定し、その区域において住宅宿泊事業の実施を制限すべきものと考えております。
 民泊サービスに日数制限を導入する必要性についてお尋ねがありました。
 本法案において、住宅宿泊事業は、年間提供日数が百八十日を超えないものとすることとされております。これは、住宅を用いて宿泊サービスを提供するという本件の性格上、一年の過半を宿泊事業として使用する場合には住宅本来の性格である人の居住の用に供されているものとは言い難いと考えられることから、百八十日という年間提供日数の上限を設けているものであります。
 なお、特区民泊についてはこのような上限はなく、年間を通じて宿泊サービスを提供することが可能である一方、一定期間以上の滞在を促進するという特区民泊の特性から、それぞれの特区の宿泊需要に応じた宿泊日数の下限が設けられているものと承知をしております。
 特区民泊における自治体の取組の好事例について横展開できないかお尋ねがございました。
 大阪府が特区民泊の実施に当たって特定認定施設一覧を公開するとともに、無許可民泊への立入検査を行い、健全な民泊の普及を図っていることは承知をしております。本法におきましては、違法民泊との峻別を容易にするために、住宅宿泊事業者に対して標識の掲示を義務付け、大阪府の取組なども参考に、違法民泊に対する適正な指導を行い、健全な民泊の普及に努めてまいりたいと考えております。
 民泊サービス実施に伴う都道府県の体制強化についてお尋ねがありました。
 本法案の施行に伴い、都道府県等の地方公共団体は、自治事務として住宅宿泊事業の届出の受理、公衆衛生の確保等に関する指導監督等の事務を行うこととなります。これらの事務は、都道府県等の関係部局が連携してその執行を担っていくことを想定をしております。
 国土交通省におきましては、都道府県等が十分な指導監督等を行えるよう、人員確保、体制の構築に対し、関係省庁と連携しながら必要な措置を検討してまいります。また、都道府県から一部の監督事務を民間団体等に委託する提案もいただいておりまして、今後、どの範囲で民間委託が可能か検討してまいります。
 我が国の民泊ビジネスの在り方と今後の見通しについてお尋ねがございました。
 住宅宿泊事業は住宅を用いて宿泊サービスを提供するものであり、御指摘のとおり、自己の所有する空き室等を有効利用したいというニーズが一定程度存在するのではないかと考えております。一方、訪日外国人旅行者が急増する中、住宅宿泊事業には、多様化する宿泊ニーズに対応し、宿泊者が満足できるサービスを提供することが求められていると考えております。
 このため、今後、住宅宿泊事業者については、利用者からの評価などを通じて事業者間の競争が進み、健全かつ優良なものが選択をされ、生き残っていくものと考えております。(拍手)
#30
○議長(伊達忠一君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#31
○議長(伊達忠一君) 日程第一 港湾法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長増子輝彦君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔増子輝彦君登壇、拍手〕
#32
○増子輝彦君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、我が国の観光の国際競争力の強化等に資するよう、国土交通大臣が指定した国際旅客船拠点形成港湾において、官民の連携による国際クルーズ船の受入れの促進を図るための協定制度を創設するとともに、非常災害が発生した場合において港湾の機能の維持を図るため、港湾管理者からの要請に基づき、国が港湾施設の管理を自ら行うことができることとする等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、クルーズ船の受入れ環境の整備に向けた取組、官民の協定及び民間事業者による係留施設の優先使用の在り方、非常災害時における国土交通大臣による港湾管理の必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して大門実紀史委員より本法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#33
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#34
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#35
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十六  
  賛成           二百二十二  
  反対              十四  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#36
○議長(伊達忠一君) 日程第二 地方自治法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。総務委員長横山信一君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔横山信一君登壇、拍手〕
#37
○横山信一君 ただいま議題となりました法律案につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、地方制度調査会の答申を踏まえ、地方公共団体の財務に関する事務等の適正な管理及び執行を確保するための方針の策定等、監査制度の充実強化、地方公共団体の長等の損害賠償責任の見直し等を行うとともに、地方独立行政法人の業務への市町村の申請等関係事務の処理業務の追加等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、参考人から意見を聴取するとともに、内部統制に関する方針策定等の趣旨と市町村への支援策、監査基準策定に係る指針の内容、損害賠償責任額の限定内容及び請求権等の放棄に関する議決条項の妥当性、窓口業務に地方独立行政法人を活用することの是非及び業務の具体的内容等について質疑が行われました。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して山下芳生委員、希望の会(自由・社民)を代表して又市征治委員より、それぞれ反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#38
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#39
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#40
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十五  
  賛成            百六十二  
  反対             七十三  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#41
○議長(伊達忠一君) この際、国際経済・外交に関する調査会長から、国際経済・外交に関する調査の中間報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#42
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。国際経済・外交に関する調査会理事酒井庸行君。
    ─────────────
   〔調査報告書は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔酒井庸行君登壇、拍手〕
#43
○酒井庸行君 国際経済・外交に関する調査会における中間報告について御報告申し上げます。
 本調査会は、国際経済・外交に関し、長期的かつ総合的な調査を行うため、第百九十二回国会の平成二十八年九月二十六日に設置されました。
 本調査会は、三年間の調査テーマを「アジア太平洋における平和の実現、地域協力及び日本外交の在り方」と決定し、五つの調査項目のうち、一年目は、「外交能力及び戦略を向上させるための取組の課題」と「信頼醸成と永続的平和の実現に向けた取組と課題」について計十九名の参考人から意見を聴取し、質疑を行ったほか、委員間の意見交換を行いました。この度、論点整理を含む中間報告書を取りまとめ、去る五月三十一日、議長に提出をいたしました。
 以下、論点整理の部分を中心に、その主な内容を御報告いたします。
 まず、三年間の調査テーマ全般に関しましては、アジアにおける地域協力の在り方と我が国独自の取組の必要性、TPP、RCEPの今後の在り方等が論点として挙げられました。
 次に、「外交能力及び戦略を向上させるための取組の課題」のうち、「政府の外交実施体制、発信力強化の取組」に関し、外務省の能力向上や在外公館の増設と小規模公館の体制の在り方など外務省の在り方、国連外交やODAの在り方など外交手段の多様性、日本の安全、安心に関する発信の在り方など発信力強化の取組等が論点として挙げられました。
 また、「NGOなど多様な主体との連携」に関し、NGOの地位の低さや脆弱さが我が国の弱点になる懸念などNGOの現状と課題、予算、税制面などでの支援強化の必要性などNGOの支援の在り方、議会や政党との対話も含むNGO等との連携等が論点として挙げられました。
 さらに、「外交と議会の役割」に関し、参議院が海外渡航承認ルールを柔軟にする必要性など外交に関する議会の取組の現状と課題、議会や政党と関係する財団の意義など外交の多様化に向けた新たな仕組み等が論点として挙げられました。
 次に、「信頼醸成と永続的平和の実現に向けた取組と課題」のうち、「日中・日米関係」に関し、AIIBの創設や一帯一路構想の狙いなど中国に対する現状認識と今後の見通し、日中関係の改善に向けたパブリックディプロマシーの強化など日中関係の現状と課題、トランプ政権の予測困難性など米国に対する現状認識と今後の見通し、対米関係の在り方が他国との信頼醸成に及ぼす影響など日米関係の現状と課題等が論点として挙げられました。
 また、「日韓・日朝関係」に関し、韓国社会での道徳志向的メンタリティーの高まりなど韓国に対する現状認識と今後の見通し、日韓両国の考え方が異なることを前提に、両国関係の重要性を問い続ける必要性など日韓関係の現状と課題、北朝鮮問題解決への日本の積極的関与の必要性など東アジアの安全保障と北朝鮮、北朝鮮危機の拉致問題への影響など日朝関係の現状の課題等が論点として挙げられました。
 以上が、中間報告において今後議論を深めていくべきものとして取り上げた主な論点でございます。
 本調査会といたしましては、二年目以降、更に調査を進めてまいる所存でございます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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#44
○議長(伊達忠一君) この際、国民生活・経済に関する調査会長から、国民生活・経済に関する調査の中間報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#45
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。国民生活・経済に関する調査会長川田龍平君。
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   〔調査報告書は本号(その二)に掲載〕
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   〔川田龍平君登壇、拍手〕
#46
○川田龍平君 国民生活・経済に関する調査会における中間報告について御報告申し上げます。
 本調査会は、国民生活・経済に関し、長期的かつ総合的な調査を行うため、第百九十二回国会の平成二十八年九月二十六日に設置され、三年間の調査テーマを「あらゆる立場の人々が参画できる社会の構築」と決定し、調査を開始いたしました。
 一年目は、調査テーマのうち、「経済・生活不安の解消」について調査を行うこととし、世界経済、金融等の情勢及び国民生活における格差の現状と課題等、社会保障分野における格差の現状と課題等、労働分野における格差の現状と課題等、地域活性化の取組及び地域間格差の現状と課題等及び教育分野における格差の現状と課題、文化芸術・スポーツを通じた社会参加の在り方等について参考人から意見を聴取し、質疑を行いました。その後、委員間の意見交換を行い、今般、参考人の意見を基にした主要論点の整理を含む報告書を取りまとめ、去る五月三十一日、これを議長に提出いたしました。
 以下、主要論点を中心に御報告申し上げます。
 まず、格差の現状と課題等については、日本における格差拡大の要因として、低所得層の貧困化が考えられることから、それに対応するセーフティーネットの整備などについて意見がありました。
 社会保障分野では、年金の実質価値低下を防ぐための方策、防貧制度として住宅政策を位置付けることなどについて意見がありました。
 労働分野では、長時間労働の解消、生産性の向上と、誰もが意欲と能力を発揮できる環境づくりなどが指摘されました。
 地域活性化の取組については、地域が腰を据えて取り組むことができるよう、長期的な観点からの国による財政支援、人材支援、規制緩和の必要性などが指摘されました。
 教育分野、文化芸術・スポーツについては、高等教育における給付型奨学金の対象の拡大、所得連動返還型奨学金制度の拡充などについて意見がありました。
 また、障害者の文化芸術活動の推進のため、障害者を表現者と捉え、その作品を社会に発信する人材の育成や、障害の有無にかかわらず地域において誰もがスポーツができる環境の整備や指導者の育成等、障害者の社会参加に関する国及び地方自治体の支援の在り方などについて意見がありました。
 本調査会といたしましては、今後とも、「あらゆる立場の人々が参画できる社会の構築」に向けて、更に議論を深めていきたいと考えております。
 以上、御報告申し上げます。
 ありがとうございました。(拍手)
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#47
○議長(伊達忠一君) この際、資源エネルギーに関する調査会長から、原子力等エネルギー・資源に関する調査の中間報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#48
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。資源エネルギーに関する調査会長金子原二郎君。
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   〔調査報告書は本号(その二)に掲載〕
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   〔金子原二郎君登壇、拍手〕
#49
○金子原二郎君 資源エネルギーに関する調査会の中間報告書につきまして、その概要を御報告申し上げます。
 エネルギー政策は、いかなる国においても国民生活に大きな影響を与えるものであり、その安定供給は国が担うべき最重要政策課題と位置付けられます。
 世界有数のエネルギー消費大国である我が国は、その供給の大半を海外に依存しております。特に東日本大震災以降、天然ガスなどの化石燃料に大きく依存しており、バランスの取れたエネルギー供給への転換と安定的な供給確保が求められます。
 また、地球温暖化が一刻の猶予もない人類共通の課題とされており、国際的にも温室効果ガスの排出削減に向けた取組が進められております。今後はその動向を見守るとともに、我が国も着実に実行していく必要があり、再生可能エネルギーの普及促進や省エネの推進が求められます。
 鉱物資源につきましては、国民生活の必需品にレアアースが用いられるなど、その安定供給が求められております。開発途上国における資源ナショナリズムの動きや、資源国が外交カードとして利用する動きもあり、我が国産業の健全な発展と国民生活の安定向上のためにも、資源の安定確保は至上命題と言えます。
 以上のような問題意識から、本調査会は、調査テーマを「新たな時代に向けた我が国の資源エネルギー像」とし、一年目においては「資源エネルギー情勢と我が国の対応」について調査を行ってまいりました。
 去る五月三十一日、これまでの調査結果を踏まえ、議長に中間報告書を提出いたしました。
 その内容は、参考人質疑、政府に対する質疑、委員間の意見交換、そしてこれらの議論を論点別に整理したものでございます。
 各論点の主な内容は、次のとおりです。
 第一に、世界の資源エネルギー情勢については、その決定要因、世界の電源構成の将来予測等を取り上げております。
 第二に、我が国の資源エネルギー情勢については、エネルギー安全保障の必要性、我が国の電源構成の在り方等を取りまとめております。
 第三に、資源の安定確保については、国産資源の開発と活用、リサイクルなど資源循環の社会的仕組みの構築等を取り上げております。
 このほか、原子力発電、再生可能エネルギー、省エネルギーについても論点として取り上げております。
 本調査会といたしましては、この一年間の成果を踏まえ、二年目以降も、引き続き調査を進めてまいりたいと考えております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#50
○議長(伊達忠一君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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