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2017/06/07 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 本会議 第30号
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2017/06/07 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 本会議 第30号

#1
第193回国会 本会議 第30号
平成二十九年六月七日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第三十一号
  平成二十九年六月七日
   午前十時開議
 第一 平成二十七年度一般会計歳入歳出決算、
  平成二十七年度特別会計歳入歳出決算、平成
  二十七年度国税収納金整理資金受払計算書、
  平成二十七年度政府関係機関決算書
 第二 平成二十七年度国有財産増減及び現在額
  総計算書
 第三 平成二十七年度国有財産無償貸付状況総
  計算書
 第四 原子力の平和的利用における協力のため
  の日本国政府とインド共和国政府との間の協
  定の締結について承認を求めるの件(衆議院
  送付)
 第五 医療法等の一部を改正する法律案(内閣
  提出、衆議院送付)
 第六 中小企業の経営の改善発達を促進するた
  めの中小企業信用保険法等の一部を改正する
  法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、法務委員長秋野公造君解任決議案(真山勇
  一君外一名発議)(委員会審査省略要求)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(伊達忠一君) これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 真山勇一君外一名発議に係る法務委員長秋野公造君解任決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。
 よって、本決議案を議題といたします。
 まず、発議者の趣旨説明を求めます。真山勇一君。
    ─────────────
   〔議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔真山勇一君登壇、拍手〕
#5
○真山勇一君 民進党・新緑風会の真山勇一です。
 ただいま議題となりました法務委員長秋野公造君の解任決議案について、提案の趣旨を述べさせていただきます。
 まず、決議案を朗読いたします。
  本院は、法務委員長秋野公造君を委員長の職より解任する。
   右決議する。
 私としては、このような決議案を提出せざるを得ないのは大変残念でなりません。秋野委員長は、昨年九月に就任以来、その穏やかで円満な人柄と明晰な頭脳をもって法務委員会を円滑かつ公平に運営してこられました。私は、法務委員会の野党筆頭理事として、与党筆頭であります自民党の西田理事とともに、意見の相違を超え、党派の立場を超えて、望ましい法務行政のために徹底した充実審議を目指し、実現してきたものと自負しております。こうしたことができたのも、日頃からきめ細かい心配りを欠かさない秋野委員長の御配慮のたまものと感謝してまいりました。
 しかし、先月二十九日、参議院で共謀罪法案が審議入りするや、秋野委員長の態度は一変してしまいました。一体何があったんでしょうか。私は戸惑うばかりです。
 秋野委員長、法務委員会は、国民一人一人を大事にする、人権に最も密接した問題を扱う委員会です。だからこそ、委員会運営については与野党の理事が全会一致で合意することが大前提とされてきたのは、委員長ももちろん御承知のことと思います。実際、私たち法務委員会のメンバーは、そうやって委員会を運営してきたではありませんか。新しい犯罪をつくり出し、無実の人にまで刑事罰を科すおそれがある法案であるならば、なおさら慎重な上にも慎重に、全ての会派が一致をもって審議を進めるべきでしょう。
 にもかかわらず、秋野委員長は、先月三十日の法務委員会の開催に当たり、共謀罪について、全ての審議日程に法務省林眞琴刑事局長が常に政府参考人として登録され答弁をするという包括議決を強行に採決してしまったのです。(発言する者あり)
#6
○議長(伊達忠一君) 静粛に願います。
#7
○真山勇一君(続) これは憲政史上例を見ない暴挙です。この決定は参議院規則にも違反するものであり、その根拠を申し上げます。
 参議院規則第四十二条の二には、政府に対する委員の質疑は、国務大臣又は内閣官房副長官、副大臣若しくは大臣政務官に対して行うと書かれています。質問者は、官僚ではなく、大臣、副大臣、政務官に対して質疑をすることが大原則です。
 また、四十二条の三には、行政に関する細目的又は技術的事項について審査又は調査を行う場合において、必要があると認めたときには、政府参考人の出席を求め、その説明を聴くと明記されているんです。仮に政府参考人の出席を求めるにしても、それが許されるのは細目的又は技術的事項についてのみであり、法案提出の理由や法案の意義などを官僚が答弁するのは明白な越権行為ではないでしょうか。
 そもそも、憲法第六十三条には、答弁又は説明のため国務大臣の出席が求められたときは、出席しなければならないという義務が明記されています。憲法が採用する議院内閣制の下では、内閣の構成員である国務大臣が提出法案について国会で説明することは当然の職務であり、義務です。
 また、平成十一年の国会審議活性化法で政府委員制度が廃止されたのは、直接国民に対して責任を負うべき国務大臣と議員との政策的な議論を主とするためであり、国会審議の形骸化を防ぐためなんです。
 こうしたことを考えるにつけ、共謀罪法案の中身について答弁し説明すべきは、林刑事局長ではなく、金田法務大臣でなければならないのは当然のことです。
 にもかかわらず、林刑事局長は政府参考人として常時出席するよう強行的に登録されました。そして、金田法務大臣が挙手をし、答弁しようとしているのを、事もあろうに、安倍総理大臣と盛山副大臣が、金田大臣を両側から押さえてまで林刑事局長に答弁させるという姿がテレビで繰り返し放映された場面は、まだ目新しく、多くの国民の皆さんの失笑を買う事態を招いたのではないかと思います。このようなことが秋野委員長の本意であったとは、私には信じられません。しかし、こうして厳正であるべき参議院法務委員会の審議が委員長の強行的な運営によって本来あるべき姿から懸け離れてしまったことは、紛れもない事実なのです。
 もちろん、私たちも林刑事局長に質問すべき細目的、技術的事項があれば、きちんと林刑事局長の出席を求めて、答弁を要求しています。先月、民法改正案の審議の最終盤、覚えておられると思います、私たちの会派の小川敏夫議員は、法務省の小川民事局長の出席を求めた上で、細目的、技術的事項を含む多岐にわたる質問を連続二時間半にわたって徹底的に小川局長に対して行いました。
 私たちは、林刑事局長にも同様に、質問すべき事柄があれば、その都度、政府参考人として出席を求めて、きちんと答弁を求めるつもりです。しかし、その必要があるかどうかは質問者が考え、要求することであり、委員長ではありません。共謀罪の第一回目の審議が始まる前に、なぜ林刑事局長の常時登録が必要だと判断できるんでしょうか。
 秋野委員長は医師でもあります。ある日のこと、委員会が始まる前のひととき、こんな場面があったのを私は覚えています。腰痛や高血圧など、国会議員の皆さんにもありがちな病気の悩みの話になったときのことです。委員長は、いつもの穏やかな表情で、とても分かりやすく明快に的確な治療法や対応策の仕方を話してくださいました。このとき以来、実のところ私は、秋野委員長は名医だと思っています。
 しかし、委員長、よくお考えください。共謀罪法案の最初の委員会審議の冒頭で政府参考人の常時登録を議決したことは、あたかも診察もせずに処方箋をいきなり出すようなものではないでしょうか。委員長、こんなやぶ医者みたいなことをやってはいけません。
 私は、再三にわたってこの包括議決を撤回していただきたいと秋野委員長に申し入れてきましたが、受け入れられることはありませんでした。徹底審議を行うこと、これが会期末を控えた今、私たちがやらなければならないことです。
 委員長、一体何があったんでしょうか。もし仮に、秋野委員長ですら政権の意向をそんたくせざるを得ないような圧力が働いているのだとしたら、日本国民としてはこれほど腹立たしく悲しいことはありません。
 参議院における共謀罪の審議をめぐっては論点がようやく明確になってきているのに、政権側の横暴さはむしろ加速し始めています。安倍総理は、ラジオ番組で、国会における私たちの法案審議について、不安を広げる議論を延々しているなどと、まるで言いがかりのような許し難い発言をしました。そんなことはありません。逆に、今回の法案には一般の方々が不安に思われても仕方がないような条文が多々あるからこそ、それを一つ一つ問いただしているのです。法案の中身について広く国民に知ってもらい、国民の理解を深めていくことが国会の役割であり、それに応じるのが内閣の義務、安倍総理の務めではないでしょうか。
 大切な議論を小ばかにするような総理の言葉は、国会軽視、いや国会無視も甚だしいことです。人々が不安にならざるを得ない欠陥法案を出したのは安倍内閣ではないですか。たとえ野党から求められなくたって、法案に対する疑問や懸念を明快な言葉で解消していくのが安倍政権の義務ではありませんか。議論を求めている野党が悪いなどという印象操作は、国会議員の質問権を妨害する大変な弾圧行為です。
 疑念や懸念を抱いているのは日本国民だけではありません。国連特別報告者のカンナタチ氏は重大な疑念と懸念を公開の場で提起しています。政府は、TOC条約締結を共謀罪法案の立法事実、法律を作る根拠に挙げています。国連の権威を利用して法案の成立を図ろうというなら、この法案の疑念や懸念について、まず国連に対して誠実かつ丁寧に説明してこれを解消すべきでしょう。
 また、政府は、法案への懸念を表明したカンナタチ氏に対して回答すると委員会で明言しています。それならば、回答の期限を明確にし、そしてその回答の内容を踏まえて審議をしない限り採決は行わないというのが当たり前の話ではないでしょうか。こうした当たり前のことを私たち野党は再三にわたって求めてきましたが、今に至るも誠実な答えは何一ついただいておりません。
 私たちはこの共謀罪法案の徹底的な審議を求めています。衆議院では三十時間の審議時間でしたが、良識の府たる参議院では三十時間をはるかに超えた審議でもよいくらいだと私は個人的に考えています。この法案は、憲法十九条に規定する思想及び良心の自由、つまり内心の自由を侵害する違憲無効の疑いが濃い大変重要な法案です。だからこそ、通り一遍の審議で成立させてしまっては、国民の皆さんに対して私たちは申し訳が立ちません。
 政府・与党も、この法案が合憲で安全なものと自信があるのなら、どうぞ徹底した審議に応じてください。そして、これだけ重要な法案であるからこそ、その審議は議会のルールにのっとり、賛成派も反対派も納得できる形で慎重に行うことが大原則ではないでしょうか。
 しかし、秋野委員長は、初回の委員会審議の冒頭で包括議決をやってしまい、昨日六日の委員会をも職権で強行に開催しようとしました。
 このところの世論調査では、共謀罪に対する反対が賛成を上回りつつあり、八割近い方が政府の説明は不十分と言っているんです。また、森友学園疑惑、加計学園疑惑の問題についても国民の不信と不満が広がり、こちらも国民の七割以上の方が政府の説明は十分ではないと言っています。それなのに、とにもかくにも強引に委員会を開催してしまい、政府・与党が勝手に決めた審議時間が消化できたからといって、はい、これでおしまいとばかり国会を閉会するつもりなんでしょうか。そんな国民軽視、国会無視の姿勢は断じて許し難いことです。
 こうしたことがまかり通ってしまうのは、安倍政権はやはり常軌を逸しているとしか言いようがありません。そして、そんな政権の手先となり言いなりになってしまったかのような秋野委員長に私たちは失望し、じくじたる思いでこの解任決議案を提出しました。与党、特に公明党の皆さんの中には、日本の立憲主義、民主主義の未来を憂える方も数多くおられること、承知しております。
 果たして国会は、とりわけ良識の府である参議院の在り方はこれでいいのかと、いま一度、真剣熟慮の上で、この解任決議案への賛否を決めようではありませんか。
 ありがとうございました。(拍手)
    ─────────────
#8
○議長(伊達忠一君) 本決議案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。山下雄平君。
   〔山下雄平君登壇、拍手〕
#9
○山下雄平君 自由民主党の山下雄平です。
 私は、自民・公明を代表して、ただいま議題となりました法務委員長秋野公造君解任決議案に対し、怒りを持って断固反対の立場から討論いたします。
 私が今抱いている怒りは、民進党の法務委員会のメンバーに対してではなく、温厚、沈着、懐深い秋野委員長の下、与野党で建設的な理事会、委員会が行われていたにもかかわらず、現場の実態を知らないどなたかが唐突に解任決議案を提出すると判断されたことに対してです。
 以下、この解任決議案がいかに理にかなっていないかを具体的に説明してまいります。
 法務委員会で審議している組織的犯罪処罰法改正案は、国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約、いわゆるTOC条約の締結に不可欠な国内の担保法案です。TOC条約に参加している国々が合意罪又は参加罪を国内で立法化していることは、法案に反対の立場の参考人の方々の質疑でも明らかになりました。日本がTOC条約加盟国と共同した取組ができていないことは、我が国が国際組織犯罪対策の抜け穴となってしまうということです。丁寧かつ充実した審議を重ね、一日も早くこの法案を成立させるべきです。
 充実した審議の観点から見れば、捜査、公判の実務や法令の解釈に精通した法務省刑事局長に出席を求め、答弁させることは当然です。しかし、一部野党の方々は、これを暴挙と言います。丁寧かつ分かりやすい審議をし、また、細目的、技術的事項について人権保障の観点から刑事罰の厳格な適用の要件を明らかにする必要があります。その必要性を解任決議案の提出の方々に理解されないことは残念です。
 また、委員会運営手続上も瑕疵はありません。先ほど、真山理事も触れられましたが、参議院規則第四十二条の三に、委員会は、必要があるときは、政府参考人の出席を求めることができるとあり、参議院委員会先例二四九に、出席要求は、委員会において議決し、委員長からこれを行うとあることに基づき、議決したものです。
 秋野委員長は、政治家になられる前から、医師として、行政マンとして、弱い立場の方、困っている方に寄り添い、汗をかいてこられました。法務委員長としても、少数会派の方々の主張に耳を傾け、野党の審議時間を十分確保し、中立公正な運営に尽力されてきました。さきの民法改正案の委員会採決が整然と行われたのは、秋野委員長の丁寧な運営のたまものだと思います。
 本法律案の審議でも、秋野委員長は、理事会、委員会を丁寧に運営されてこられました。昨日の委員会立てをめぐっても、月曜日の理事会で一時間にわたり与野党の意見を聞かれました。野党の方から、参議院は審議を深めるべきだといった発言があったため、私が、意見の相違点は残っているが、野党の皆さんも審議は必要との立場なので定例日に審議をしないことはおかしい、委員長におまとめいただきたいと、委員長に判断を仰ぎました。私が委員長に水を向けた際、どなたからも反論はありませんでした。
 委員長の判断後に民進党の理事の方が退席されたのは非常に唐突でした。にもかかわらず、秋野委員長は退席した理事にも配慮し、委員会の質問時間の配分を決められ、野党の方からも感謝されていました。議論の必要性を理解しておきながら、定例日の委員会開催を決めた委員長に対して解任決議案を出すことは、暴挙以外の何物でもありません。秋野委員長は、尊敬されこそすれ、批判されるいわれは全くありません。
 ラジオでの安倍総理の発言が問題だから審議に応じないともおっしゃいました。しかし、共産党の先生は、総理発言を決算委員会で追及されました。問題だと考えるのであれば、審議拒否するのではなく、委員会で堂々とその主張をされるべきではないでしょうか。なぜ共産党の先生がやっておられるのに、民進党の方々はできないのでしょうか。
 私は、法務委員会の民進党の方々が解任決議案の提出を主導されたとは思っていません。理事会、委員会のメンバーは、立場の違いこそあれ、建設的な審議、運営に尽力してきました。だからこそ、唐突極まりない理事会での退席、解任決議案の提出は、現場のことをよく分かっていない方が案を練られたのではないかと思っています。現場の空気を感じ取られていない判断に民進党の委員会メンバーも戸惑いを隠せていないというのが私の率直な印象です。
 秋野委員長の運営、判断は、法案の審議を充実させるため、その職責を全うすべく適正に行われたものであり、委員長解任に値するという主張は断じて退けるべきです。野党の皆さんは、充実した審議、政府の丁寧な説明を求めておられます。この解任決議案が否決された場合は、明日の定例日から充実した審議に臨もうではありませんか。
 万が一にも、報道で取り沙汰されているような問責決議案の提出などで更に審議を止めることはないとは思いますが、仮にそのようなことをした場合、充実した審議を求めているのは形だけで、本音は日程闘争しているだけということを自ら示すことになると申し上げ、私の反対討論とします。
 ありがとうございました。(拍手)
#10
○議長(伊達忠一君) 小西洋之君。
   〔小西洋之君登壇、拍手〕
#11
○小西洋之君 民進党・新緑風会の小西洋之でございます。
 私は、会派を代表して、本解任決議案に対し、断固賛成の立場から討論を行います。
 冒頭、秋野委員長におかれましては、社会保障の専門家として、この良識の府を舞台に、憲法の生存権の具現化のため格別の取組をなされてきたそのお姿に、私も一後輩議員として深い尊敬の念を抱くものでございます。
 しかし、憲法と国会法が定める法務委員長のこの上なく重大な職責に照らし、首相官邸及び自民党に言われるがままの職権濫用の有様は、立法府の存立そのものを否定し、国民の自由と尊厳を著しく侵害する違憲立法を主導する暴挙として、以下、心を鬼にして、断固厳しく問責を申し上げます。
 秋野委員長が解任されるべき理由の第一は、委員長がそんたくを通り越した首相官邸の指示、すなわち総理の御意向に従って、憲法及び国会法令に違反する政府参考人出席を強行したことであります。
 衆議院ですら、当初は開催日ごとの強行採決の暴挙であったのに、秋野委員長は、あろうことか、この良識の府において、我々国会議員の大臣質問権をなきものにする刑事局長の常時出席を法案審議の初日の会議の冒頭から、いきなり強行採決したのであります。
 これは、秋野委員長による安倍総理という絶対権力者へのそんたくによるものだったのでしょうか。いいえ、答えは明白でございます。加計学園や森友学園問題、さらには、強行採決の前日に被害者の告発会見がなされた総理のお友達記者の犯罪捜査への介入疑惑など、安倍政権をめぐる重大極まりない違法行為疑惑への国民の怒りが一層大きく燃え盛る前に、会期中に何が何でも共謀罪法案を強行採決しろ、そのためには最初から刑事局長を答弁者として審議を強行しろという強固なる安倍総理の御意向に従ったものであります。
 これには明確な理由があるのであります。仮に、ある総理大臣が、自分が全責任を持って任命した大臣が、法案審議が一秒もなされていない段階で、法務委員長から、この大臣は答弁能力がない、刑事局長に答弁させるとの本音に基づく無礼千万なる扱いを受けた場合に、これをおとなしく受け入れるわけがないのであります。
 さらに、憲法六十六条では、内閣の各大臣は国会に対し連帯して責任を負うとされています。要するに、国会から答弁能力がないとされた法務大臣を擁する内閣は、それ自体で内閣として無能かつ失格なのであります。
 このように、自分が任命した大臣が無能と断罪され、さらには、自分の内閣そのものが失格と烙印を押される屈辱を、常日頃レッテル貼りや印象操作にすら人一倍敏感な安倍総理が何の異議も唱えない、例えば、総理大臣の座席から秋野委員長に対し必死になってやじの一つも飛ばさないことは、安倍総理のふだんの委員会室での異常なる振る舞いに照らし、到底理解できないのであります。
 そして、この断固とした総理の御意向が国民の目の前でまざまざと示された瞬間がございました。
 それは、やはり審議の初日、民進党の有田委員の質問に対し、勢いよく手を挙げ、我こそはと答弁しようとした金田大臣を、安倍総理が怒りの表情で力ずくで押さえ付け答弁阻止した前代未聞の事件でございます。申し上げるまでもなく、答弁者の指名は委員長の職権でございます。ところが、安倍総理が答弁者を刑事局長に強行指定する暴挙に対し、秋野委員長は何らの議事整理権を行使することもなく、まさに総理の御意向に従ってしまったのであります。
 解任の第二の賛成理由は、委員長が強行採決へと推し進める共謀罪が、かつての治安維持法が宗教団体やその教祖をも弾圧した悲劇の史実が示すとおり、希代の違憲立法であり、悪法であることであります。
 共謀罪法案は、憲法三十一条が求める構成要件の明確性や厳格性において、組織的犯罪集団、実行準備行為、共謀、計画等々の中核概念についてすら、下見と花見の違い答弁が象徴するように、いまだに何が何であるのか国会も国民もさっぱり分からない状態にあります。
 そもそも、委員長が行うべき職権行使とは、こうした共謀罪法案の憲法違反の問題、その濫用の危険や一億総監視社会を生み出す危険の解明のために適正審議を実現することにこそあるのであります。
 例えば、本法案は、共謀罪の適用犯罪である二百七十七の犯罪のそれぞれについて、その必要性と合理性を詳細に立証した立法事実に値する政府資料が存在せず、この意味でも審議の前提を欠く違憲立法でありますが、立法事実が提出されない限り審議せずと理事会の討議を主導するのが憲法及び国会法に基づく本来の委員長の職責なのであります。
 さて、安倍総理は、こうした違憲立法の真相を国民に隠蔽するため、今や安倍総理の代名詞である禁じ手を連発しています。それは、加計学園事件ですっかりおなじみとなりました印象操作でございます。
 政府によるこの法案の名称はテロ等準備罪ですが、しかし、二百七十七の犯罪の中でテロ等準備罪との罪名の犯罪は一つもありません。テロという文言すら当初の政府原案には存在しなかったのであります。また、そもそもTOC条約はテロ対策目的ではなく、加盟のために共謀罪を創設した国は二か国しかなく、しかも我が国だけが包括的な共謀罪の創設という究極の逸脱に及んでいるのであります。要するに、東京オリンピックのためにテロ等準備罪が必要だ、なければ開催できないと、国民に対し不当な印象操作を必死に行っているのが安倍総理本人なのであります。
 なお、一昨年の空前絶後の違憲立法である安保法制審議においても、平和安全法制という自衛隊員や国民の尊厳をじゅうりんする印象操作が強行されました。
 しかし、法務委員長は、こうした不法ともいうべき安倍内閣の印象操作を正すどころか、安倍総理のラジオ番組における野党が不安を広げる議論を延々としているとの旨の法務委員会の存立そのものを否定するレッテル貼り、印象操作の暴言について、野党理事の抗議を放置し、委員会の職権開催を強行したのであります。
 最後に、この法案の濫用の危険について申し上げます。
 共謀罪は安倍政権の下で必ず濫用される、それは火を見るより明らかな真実であります。
 安倍総理は五日の決算委員会で、加計学園の獣医学部新設について、総理は関与できない仕組みになっている、国家戦略特区諮問会議でしっかりと議論がなされ、そこで決まる、介入する余地はないとの旨を述べています。しかし、この諮問会議の議長はほかならぬ安倍総理であり、そして、五十二年ぶりに解禁した学部新設を事実上加計学園のみに独占させた内閣府、文科省の共同告示を発出した担当大臣は、内閣府所管大臣たる安倍総理本人なのであります。要するに、加計学園の獣医学部新設は、法制的には安倍総理ただ一人のみが独占する内閣総理大臣の職務権限に基づき行われたものなのであります。
 さらに、安倍内閣は、自らの責任で任命した文科省前事務次官が本物であると証言する総理の御意向等を示した文書について、誰かが勝手に作ったもの、行政文書にも当たらない怪文書だとの旨を主張しています。
 このような、まさに黒を白と言いくるめる類いの法制度の濫用解釈を乱発する行政府に対し、何ゆえに委員長は法案審議を強行されるのでしょうか。ひょっとして、首相官邸においては、早速この共謀罪を使った言論封殺の意図があるのではないでしょうか。
 実は、民進党や報道機関が入手した官邸の最高レベルとの文書の配信メール、すなわちメールの送受信欄と同姓同名の職員が現に在籍することが確認されているメールですが、もしこれが安倍内閣の主張どおり出所不明等の文書、すなわち文科省の職員の作成した文書でもなく行政文書でもないとされるのであれば、何と、その民進党への提供などが、共謀罪法案に明記された偽造公文書行使等の犯罪に該当すると解されるのであります。
 とすると、前事務次官の告発にあるように、公平公正であるべき行政の在り方がゆがめられた、すなわち違法行為による法の支配の破壊に対して、憲法十五条に定める全体の奉仕者たる公務員の良心に照らし信念を持って立ち上がった文科省の現職員や前事務次官に対し、これまでは総理の御意向に粛々と従って獣医学部新設に励んでいたお役所たる団体、あるいはその粛々たる担当職員などの集団たる団体であったのに、突如その団体の性質が一変したとして、これを違法な組織的犯罪集団であるとレッテルを貼り付け共謀罪を適用する、あるいはその適用を威嚇することもできるのであります。
 共謀罪は必ず濫用される。
 国家権力最大の発動である戦争を禁止した憲法九条すら、法論理も何もない昭和四十七年政府見解の恣意的な読替えという非科学的不正行為で解釈変更を強行し、そして他の憲法や法律の条文を濫用解釈し、さらには森友、加計学園問題等々を引き起こしている組織的憲法違反集団であり組織的法令濫用集団である安倍内閣が、自らの権力を何が何でも維持するため手に入れた共謀罪を濫用しないわけがない。
 その危険を国民に訴え、断固共謀罪を廃案に追い込むために会派を挙げて全力で闘う決意を申し上げ、法務委員長解任の賛成討論とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
#12
○議長(伊達忠一君) 東徹君。
   〔東徹君登壇、拍手〕
#13
○東徹君 日本維新の会の東徹です。
 会派を代表して、法務委員長秋野公造君解任決議案について、反対の立場から討論を行います。
 私は、今の国会運営の在り方そのものに問題があると考えます。
 現在の国会運営の在り方は、野党になればとにかく審議を遅らせる、遅らせることこそが野党の仕事になっており、これは自民党の野党時代もそうであったと聞いております。この点は自民党にも反省してほしいところです。また、民進党の国会運営の在り方は、日程闘争ありきで、審議を遅らせることが目的となっており、これでは重要な法案を審議することができません。
 ましてや、何でも全会一致、全会一致と言っていると物事は何も決まりません。もちろん、全会一致が望ましいことは分かりますが、国会議員が議論すべき重要な課題には、賛成、反対共に様々な意見があることはほとんどであり、このように全会一致が難しい場合は多数決で決めていかなくてはなりません。これは民主主義の原則です。多数決で物事を決めるという民主主義の原則がある以上、自らの意思が通らないことが嫌であれば、選挙で過半数を取るしかありません。
 以上は当たり前のことでありますが、国会運営の在り方に対し、まずは一言申し上げさせていただきました。
 二〇〇一年に米国で起きた九・一一テロ以降、テロの脅威は日に日に増しており、最近でも、マンチェスターでのテロに続き、今月に入ってロンドンやメルボルンなど、世界各地でテロリストによる悲惨な事件が続いています。国家の最大の責務は国民の生命を守ることであり、そのために必要な対策を迅速に行っていくことが求められています。
 現在、法務委員会で審議している組織的犯罪処罰法改正案は、テロ等準備罪の創設など我が国がTOC条約を締結するために不可欠なものであり、テロを始め重大な組織犯罪を未然に防止するために必要なものと考えます。また、我が党は、衆議院において自民党、公明党と、取調べの可視化など重大な組織犯罪の抑止を図りつつ人権の保護を図るための法案修正を行いました。これは、冤罪や自白偏重の捜査の防止につながり、国民の不安を払拭するものであると考えています。
 しかしながら、議論すべき点はまだまだあります。一般人が対象になるかどうかという専ら一般人の定義の仕方に関わる表現上の問題ではなく、真にテロ等準備罪の対象となる人の範囲などテロ等準備罪自体に関わる論点や、還付金詐欺などの組織犯罪対策の在り方、ドイツを始め海外法制との比較など、この法案についての議論すべき点はまだまだ残っています。
 昨日のように委員長解任決議案を委員会審議の前に出せば、その日は全く審議されないまま無駄に時間が費やされてしまいます。このやり方は、審議拒否そのものであるとしか言いようがありません。審議拒否は許されません。この法案の後には、刑法の改正案という性犯罪に対する罰則を強化する重要な法案の審議も待ち構えており、審議を遅らせることはできません。
 会期末が近づけば、委員長の解任決議案や大臣の問責決議案が出されます。これは既に恒例行事になっており、もはや誰も驚きはしませんし、ただあきれるばかりであります。もういいかげんこの手法には国民も飽きがきておりますので、やり方を検討することをお勧めします。またこの次に法務大臣の問責決議案が出される場合には、同じ討論になりますので、時間が無駄になりますから、次回は討論もしたくありません。
 国会の会期も、残すところあと十日ほどしかありません。法案への賛否は別として、しっかりと審議を行う必要があります。テロ等準備罪も遅らせることなく、そして性犯罪の罰則強化など刑法改正案も早期に成立させるべき重要な法案であることを申し上げて、法務委員長解任決議案の反対討論とさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
#14
○議長(伊達忠一君) 仁比聡平君。
   〔仁比聡平君登壇、拍手〕
#15
○仁比聡平君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました法務委員長秋野公造君解任決議案に賛成の討論を行います。
 その最大の理由は、安倍政権が憲法違反の共謀罪法案を何が何でも押し通そうとする下で、法務委員長が、徹底審議に求められる重要問題を脇に置いて、結局、政府・与党言いなりにその職権を行使しているからであります。
 先週の北海道新聞の世論調査で、共謀罪反対の声は前月から一四ポイント増えて五九%と、賛成三四%を大きく上回り、特に四十代、三十代以下の若い世代で急増していることがはっきりしました。内閣支持率は一二ポイント急落し、四一%です。説明不十分との声は八五%に達し、自民党支持層でも六八%、公明党支持層の八六%が今国会にこだわらず慎重に議論すべきとの声を上げているのです。
 その後の全国調査でもいよいよ広がっているこうした国民の不安や批判に正面から応えて、法案の持つ重大な危険性、それをごまかそうとする政府答弁の矛盾や詭弁を徹底してはっきりさせることが法務委員会の任務であり、政府さえ説明できない法案を断じて通してはならないのであります。共謀罪法案は廃案にするほかありません。
 法務委員長が、国会法と参議院規則に反し、質問者の要求なしに法務省刑事局長を常時出席させ、憲法上の大臣の答弁責任を踏みにじる包括議決を強行し、総理ラジオ発言の撤回、国連特別報告者書簡への回答と提出、徹底審議の上で重要な野党、とりわけ反対会派、少数会派の質問時間の十分な確保を求める野党の反対を押し切って委員会の職権開催を決めた責任は、極めて重いと言うべきであります。
 当の政府の責任者である総理は、六月四日放送のラジオ番組で、法案の国会審議について、野党の議論はまさに攻撃をするために不安をあおっているにすぎない、不安を広げるための議論を延々としているんだろうと思いますねなどと、口を極めて議員の質問と国会審議の意味を否定する重大発言を行いました。不安を広げるばかりの答弁を繰り返してきたのは政府の方ではありませんか。
 それは、法案の正体が、何を考え、合意、計画したか、内心に限りなく踏み込んで捜査、処罰しようとする、紛れもない憲法違反の共謀罪だからであります。丁寧な説明どころか、既に破綻した答弁をぐるぐる繰り返すばかりで、ごまかし押し通そうとする恥を知らない強権ぶりに国民の不信と怒りが募っています。
 総理が不安を広げるための議論と切り捨てた、一つ、内心に踏み込む捜査や処罰が行われるのではないか、二つ、一般人が捜査や処罰の対象となるのではないか、三つ、民主主義の根幹に重大な萎縮をもたらす監視社会になるのではないかという大問題は、国民の不安、専門家の指摘の焦点です。先週始まったばかりの参議院審議、二回の定例日だけでも、新たな重大問題が次々と明らかになっています。
 金田法務大臣は、先週の本会議で初めて、環境保護団体や人権保護団体が隠れみのなら共謀罪と答弁しました。衆議院では全く述べてこなかった重大問題です。委員会で政府は、その団体の活動実態、組織構造を解明していくと言い、○○マンション建設を考える会とか米軍基地強化反対の○○住民の会も共謀罪で処罰され得ることを否定していません。隠れみのかどうか、どうやって見極めるのか。
 現に大問題になっている岐阜県警大垣署事件では、住民は中部電力子会社の風力発電施設建設をめぐる勉強会を開いただけなのに、警察は、その住民の機微なプライバシーをひそかに収集し、事業者にこっそり提供して、住民運動をどう潰すかと相談し、それを一貫して通常業務の一環だと正当化してきました。警察は、戦後も、犯罪の未然防止や任意捜査の名で、犯罪と無縁の市民の人権、プライバシーを秘密裏に深く侵害する活動を行い続け、それに今も全く無反省なのです。その警察組織が、住民運動は隠れみのではないかと情報収集を行い、その中で共謀罪の嫌疑を抱けば捜査に移行する、公安情報収集活動と犯罪捜査を連続して行うことが僅かな審議でもはっきりしました。一変にせよ隠れみのにせよ、労働組合や市民団体も処罰対象にされ得るのです。
 大垣事件で監視された四人の方々はなぜ情報収集の対象にされたのか。国家公安委員長は、今後の警察活動に支障を及ぼすおそれがあることから答弁は差し控えると答弁しています。極めて重大です。犯罪と無縁の国民が、警察のさじ加減一つでプライバシーをひそかに侵害され、なぜ調査対象になったかも分からないまま深く傷つけられる重大な危険があります。法案のどこにそうはならないという明確な保証がありますか。どこにもありません。政府が一点の曇りもなく答弁できない限り、到底審議は尽くされないのです。
 政府は、主体を組織的犯罪集団に限定したから一般人が対象となることはあり得ないと繰り返します。しかし、法文上、組織的犯罪集団の構成員でなくとも共謀罪、計画罪は成立することが参考人の松宮孝明教授によって明らかとなり、民進党小川議員の質問に、法務省もこれを認めています。
 共謀罪の主体は、組織的犯罪集団の構成員には限定されません。これまでの政府の説明は全てごまかしだったのです。それをまだ言い繕おうと、法務大臣は、今度は組織的犯罪集団と関わり合いがある周辺者と言い始め、一層支離滅裂を深めています。しかも、政府は、自民党古川法務部会長の、組織的犯罪処罰法にいう団体の定義と法案にいう組織的犯罪集団の定義の関係を問う質問にさえ答弁できないでいます。
 同僚議員の皆さん、これは、法案そのものが憲法で求められる刑法としての明確性を決定的に欠いていることのあかしです。松宮教授は、言葉自体からは何とでも取れるような法律を作れば、それは濫用の危険がある、濫用の懸念があるものを立法段階でチェックせずにそのまま通してしまったら、それは必ず濫用がされますと厳しく批判しましたが、そのとおりであります。そんな立法をしては絶対にならない、その重責を法務委員長は深く肝に銘じなければなりません。
 法案の不明確性が法執行機関の前近代的な秘密体質と結び付いて深刻なプライバシー侵害が引き起こされる、そのことをケナタッチ国連特別報告者の公開書簡は指摘しています。国連TOC条約の締結のためと言いながら、国際社会から批判されたら、独立した専門家としての特別報告者の権限もわきまえず、日本が国連人権理事会理事国になるに当たっての特別報告者との建設的な対話の実現のために今後もしっかりと協力していくという誓約も投げ捨てて、感情的に非難する安倍政権の姿は異様です。
 自分の意に沿わない真実の証言や道理に立った批判は、国内においても、そして国際社会に対しても、敵視し、けなし、封殺しようとする、そのような態度が通用するはずもありません。
 政府・与党は、国際ペン会長の、私たちは日本国民の基本的な自由を深く侵害することとなる立法に反対するよう国会に対し強く求めると異例の警鐘を鳴らした声明を深く受け止めるべきであります。
 ケナタッチ公開書簡に回答しなければならないことは、政府も認めています。速やかに回答し、それを法務委員会に示させることは、審議の土台にほかなりません。
 西田自民党筆頭理事は、昨日、記者団に対して、参院の委員数は衆院の半分だから、衆院と同じ時間審議すれば参院では衆院の倍やったことになると述べましたが、参院ではその半分で審議時間は十分確保したことになると言わんばかりの態度は、言語道断と言うべきです。衆議院では、法案自体が持つ重大問題が解明されないまま、極めて乱暴な強行採決が行われました。その審議時間が目安になるはずもありません。この参議院でこそ徹底審議を尽くし、法案を廃案にすべきであります。
 共謀罪法案は断固廃案、加計学園疑惑にも問答無用で逃げ切ろうとする安倍政権退陣に全力を尽くす決意を表明して、解任決議に賛成の討論を終わります。(拍手)
#16
○議長(伊達忠一君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#17
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 足立信也君外四十九名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。
 現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。
 よって、表決は記名投票をもって行います。本決議案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#18
○議長(伊達忠一君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#19
○議長(伊達忠一君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#20
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百四十票  
  白色票           七十三票  
  青色票          百六十七票  
 よって、本決議案は否決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#21
○議長(伊達忠一君) 日程第一 平成二十七年度一般会計歳入歳出決算、平成二十七年度特別会計歳入歳出決算、平成二十七年度国税収納金整理資金受払計算書、平成二十七年度政府関係機関決算書
 日程第二 平成二十七年度国有財産増減及び現在額総計算書
 日程第三 平成二十七年度国有財産無償貸付状況総計算書
 以上三件を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。決算委員長岡田広君。
    ─────────────
   〔審査報告書は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔岡田広君登壇、拍手〕
#22
○岡田広君 ただいま議題となりました平成二十七年度決算外二件につきまして、決算委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 平成二十七年度決算外二件は、昨年十一月二十八日の本会議において、財務大臣から概要の報告を聴取いたしておりますので、その内容につきましては、これを省略させていただきます。
 委員会におきましては、国会が議決した予算及び関係法律が適正かつ効率的に執行されたかどうかを精査するとともに、政府施策の全般について国民的視野から実績評価を行い、その結果を将来の予算編成及びその執行に反映させるとの観点に立って審査を行ってまいりました。
 まず、内閣総理大臣を始め全閣僚出席の下での全般質疑を行った後、全六回に及ぶ省庁別の審査など、合計九回の審査を行い、基礎的財政収支の黒字化の見通しと債務残高の縮減に向けた取組、各府省等が保有する研修施設の低調な利用状況、復興関連基金等における余剰金の有効活用の必要性、政府共通プラットフォームへの政府情報システムの不十分な移行状況、森友学園に係る国有地売却や公文書管理の在り方、認可外保育施設に対する不十分な立入調査の現状、漁港施設における不適切な維持管理の改善、会計検査院による指摘事項の他省庁への水平展開の必要性など、行財政全般について熱心な論議が交わされましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 なお、本年二月十六日から十七日にかけて、国家財政の経理及び国有財産の管理に関する実情を調査し、もって平成二十七年度決算外二件の審査に資するため、宮崎県、鹿児島県及び熊本県に委員派遣を行いました。
 六月五日、質疑を終局し、委員長より、平成二十七年度決算について本会議で議決すべき議決案及び十項目から成る内閣及び最高裁判所に対する措置要求決議案を提出いたしました。
 以下、議決案の内容を申し上げます。
    一、本件決算は、これを是認する。
    二、内閣に対し、次のとおり警告する。
      内閣は、適切な措置を講じ、その結果を本院に報告すべきである。
 1 内閣官房及び内閣府本府において、組織の新設・統廃合に伴う物品検査が適切に行われておらず、五十万円以上の機械等の重要物品が物品管理簿等に記録されているにもかかわらず、現物が確認できない事態などにより、平成二十六年度末の重要物品二百八十四個六十九億円分の管理が不適切な状態になっていたことが、会計検査院に指摘されたことは、遺憾である。
   政府は、物品を適切に管理する連絡体制を整備するなど再発防止を徹底するとともに、電子タグの導入について検討を行うなど、物品を適正かつ効率的に管理するよう万全を期すべきである。
 2 東日本大震災に係る復旧工事等に関し、東日本高速道路株式会社が平成二十三年七月以降に発注した複数の舗装災害復旧工事において、入札参加業者に対する排除措置命令等が採られ、関係者が刑事責任を問われる事態となったほか、地方公共団体等が発注した施設園芸用施設の建設工事においても、工事業者に対する排除措置命令等が採られる事態となったことは、遺憾である。
   政府は、談合が繰り返し行われている事態を重く受け止め、関係機関における綱紀粛正と事業の適正な執行を一層図るとともに、監督体制を強化するなど再発防止に万全を期すべきである。
 3 政府開発援助(ODA)事業については、平成二十年の贈収賄事件を始めとする不正事案が相次ぎ、二十六年六月に本院が警告決議により是正を促し、不正腐敗防止対策が講じられたにもかかわらず、その後も、バングラデシュ、ペルー等において、受注企業による過大請求など、不正行為が繰り返されていることは、極めて遺憾である。
   政府は、再発防止策を講じた後も不正事案が後を絶たないことを重く受け止め、執行監視体制の厳格化や不正に関与した企業に対する罰則強化、相手国政府との連携強化を行うことなどにより、更なる再発防止策を講ずべきである。
 4 文部科学省職員の再就職に関して、歴代事務次官等の幹部職員や人事課職員が関与した組織的な再就職のあっせん等が行われ、六十二件の国家公務員法に違反する行為が確認されたことは、極めて遺憾である。
   政府は、組織的な規制違反により国民の信頼を著しく損ねたことを重く受け止め、文部科学省において硬直化した人事慣行や組織体制を見直すなど抜本的な再発防止策を検討するとともに、全府省において同様の事案がないか徹底的な調査を行い、再就職等規制の実効性を確保すべきである。
 5 独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)及びスポーツ団体の不適正な会計経理に関し、本院が警告決議等により是正改善を促してきたにもかかわらず、その後も、JSC、日本オリンピック委員会及び日本パラリンピック委員会にそれぞれ加盟するスポーツ団体において、不適正な会計経理が相次いでいることは、遺憾である。
   政府は、JSC及び複数のスポーツ団体において依然として不適正な会計経理が行われていることを重く受け止め、JSCの業務体制を改善させるとともに、スポーツ団体における不正防止体制の整備状況を調査し、ガバナンス強化を一層促すなど、不適正な会計経理の防止に万全を期すべきである。
 6 株式会社商工組合中央金庫(商工中金)の危機対応業務において、顧客から受領した資料の改ざん等により、全国三十五支店で百九十八億円に上る不正な融資が行われていたこと、内部監査で不正の一部が発覚したにもかかわらず、隠蔽されていたことは、極めて遺憾である。
   政府は、危機対応業務における不正行為が、過去数年にわたり組織的に行われていた事態を重く受け止め、全容解明を早急に行わせ、商工中金に対する指導監督の強化など再発防止を徹底し、融資を適切に実行させるべきである。
 7 福島県内において実施された放射性物質の除染事業をめぐり、環境省福島環境再生事務所の職員が下請受注の便宜を図った疑いにより収賄罪で起訴されたこと、除染廃棄物の不法埋設事案等が明らかになったことは、極めて遺憾である。
   政府は、復旧・復興事業において違法行為が行われたことを重く受け止め、事態の発生要因の解明を十分に行うとともに、職員への倫理指導の徹底、組織管理体制の見直し、共同企業体等への監督強化を図ることなどにより、再発を防止し、除染事業を適切に実施すべきである。
 以上が議決案の内容であります。
 討論の後、採決の結果、平成二十七年度決算は多数をもって是認すべきものと、内閣に対する警告案は全会一致をもって委員長提出案のとおり警告すべきものと議決され、また、措置要求決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 次に、平成二十七年度国有財産増減及び現在額総計算書は多数をもって是認すべきものと決定し、次いで、平成二十七年度国有財産無償貸付状況総計算書は多数をもって是認すべきものと決定いたしました。
 なお、同日、国会法第百五条の規定に基づく会計検査院に対する検査要請を行いました。検査項目は、中心市街地の活性化に関する施策の実施状況等について及び東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組状況等についてであります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#23
○議長(伊達忠一君) 討論の通告がございます。順次発言を許します。礒崎哲史君。
   〔礒崎哲史君登壇、拍手〕
#24
○礒崎哲史君 民進党・新緑風会の礒崎哲史です。
 会派を代表して、平成二十七年度決算に反対、平成二十七年度国有財産増減及び現在額総計算書に反対、無償貸付状況総計算書に反対、内閣に対する警告案等に賛成の立場から討論を行います。
 まず、本題に入る前に、文部科学省における天下り問題、内閣府及び財務省等における不適切な国有財産の売却、いわゆる森友学園問題や、国家戦略特区における獣医学部開設に係る不適切な手続、いわゆる加計学園問題について一言申し上げます。
 我々民進党は、今国会において、文部科学省において組織的に行われていた天下りのあっせんについて厳しく指摘をし、また、大阪府豊中市における国有財産の売却や、愛媛県今治市における国家戦略特区制度に基づく獣医学部新設の認可に関して、事実の究明を政府に強く求めてまいりました。
 共通するのは、決してスキャンダルなどではなく、税金の使われ方や行政組織の在り方、公文書の取扱いの問題であります。行政に対する国民の信頼を得るためには、事実関係を明らかにし、問題点を見直し、次年度以降の政策に反映させることにより効率的、効果的な行政運営を行うこと、そして何より公正であることであります。
 しかし、安倍内閣は、自らの都合により真実を明らかにしようとしません。総理は、疑惑の証明責任は野党にある旨の発言を繰り返され、我々はそれを証明するために関係者の証人喚問や関係文書、メールの真贋調査を求め続けているにもかかわらず、政府・与党は拒否し続けています。すぐに実行できることです。何を恐れているのでしょうか。そのような態度を直ちに改めることを強く求めます。
 それでは、以下、平成二十七年度決算に反対する理由を申し述べます。
 第一の反対理由は、長期債務増加の抑制に対して何ら有効な手だてを講じることができていない点についてであります。
 平成二十七年度一般会計予算においては、将来の租税を償還財源とする普通国債が前年度末に比べ三十一・三兆円増加し八百兆円を上回っており、その増加に全く歯止めが掛かっておりません。
 安倍内閣は、本年に入り、財政健全化計画を見直し、平成三十二年度におけるプライマリーバランスの対GDP比黒字化目標の一方で、公債等残高の対GDP比の削減も重視すべきとの考え方を示し始めています。
 内閣府が本年一月に公表した中長期の経済財政に関する試算によると、非常に楽観的な前提に基づいた経済再生ケースであっても、平成三十二年度のプライマリーバランスの対GDP比の黒字化達成は不可能とされています。これは、安倍内閣による財政健全化の取組が全く不十分であることの証左と言えます。
 第二の反対理由は、歳出項目の硬直化により、弾力的な政策運営ができていない点についてです。
 我が国は、世界でも類を見ない少子高齢化の進展と膨れ上がる長期債務という二つの大きな危機に直面しており、それに伴い、社会保障関係費と国債費が歳出及び予算に占める割合も年を追うごとに増加し、行政需要に応じた弾力的な予算配分が困難なものとなっています。
 しかし、安倍内閣は、我が国が抱える抜本的な問題に正面から取り組むことを避け、例えば文教及び科学振興費を前年度から二年連続で三千億円削減してきました。安倍内閣が、歳出項目の硬直化により、弾力的な行財政運営が困難となっている状況から目を背け、本来優先的に配分すべき予算を大幅に削減している点は問題であり、そのような平成二十七年度決算を是認することはできません。
 第三の反対理由は、安倍内閣による経済政策、いわゆるアベノミクスの失敗が明らかとなった点についてです。
 消費税一〇%への引上げ延期を発表した平成二十六年十一月二十一日の記者会見で、安倍総理は、三年で景気を良くすると宣言しました。しかし、平成二十七年度以降、実質経済成長率はマイナス〇・二%からプラス〇・五%の間で推移しています。消費者物価上昇率二%目標の未達成は言わずもがなで、実質賃金の伸び悩みにより個人消費も低迷したままです。総理の誇る失業率も、景気の好循環というよりは、団塊世代の一斉退職に伴う人手不足が後押しをしているというのが実態に近いのではないでしょうか。総理、アベノミクスで税収増二十一兆円というのも、消費税増税分を除けば十一・二兆円、年平均で見れば、民主党政権下での税収増ペースと大差ありません。
 このままでは、平成三十一年十月に予定されている消費税引上げがまた延期されるのではないか、それにより、本来重点的に措置されるべき社会保障や教育への投資がおろそかになるのではないか、財政健全化に向けた取組が遅れ、後世へのツケが更に大きくなるのではないかと危惧せざるを得ません。
 現政権に求められていることは、自らの政策に過ちがあることを素直に認め、速やかに政権の方針を見直し、国家国民のための政策を実践することです。
 以上が、平成二十七年度決算に反対する理由です。
 次に、内閣に対する警告案と措置要求決議案に賛成する理由を述べます。
 内閣官房及び内閣府本府においては、組織の新設、統廃合に伴う物品検査が適切に行われていなかったことなどにより、重要物品二百八十四個六十九億円分の管理が不適切な状態になっており、会計検査院から指摘される事態となりました。また、商工中金における危機対応業務においては、全国三十五支店で百九十八億円に上る不正な融資が行われていたこと、内部監査で不正の一部が発覚していたにもかかわらず隠蔽されていたことなどが明らかになりました。
 これら不適切な事態を招いた政府に対して遺憾の意を表明するとともに、内閣に対して抜本的な改善措置の実施を強く求める今回の七項目の警告決議案については賛成いたします。
 また、措置要求決議の国家戦略特区制度の運用等についての項目で指摘された事業主体の選定理由や経緯等の透明性、公正性を確保するため、これまで具現化した事業の検証を行うとともに、今後認定される事業についても常時点検を促すこと等の十項目の措置要求決議案についても賛成いたします。
 なお、本日、民進党は、国家戦略特区の問題点を見直し、公正な制度運用への改善を目的とした国家戦略特別区域法の適用の停止等に関する法律案を提出いたしますので、速やかな審議を求めます。
 さらに、東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組状況等についてなど二項目について、国会法第百五条に基づいて会計検査院に対して会計検査を要請することについても賛成いたしますが、野党から要求のあった「もんじゅ」の廃炉についての会計検査の要求について、与党の了承が得られなかったことは誠に残念であります。長期にわたり国民の大切な税金を投入した研究開発の成果をしっかりと検証するため、会計検査院による検査を行うことは大切なことだと指摘させていただきます。
 以上がそれぞれの理由となりますが、最後に、警告決議案でも取り上げられた商工中金不正問題における第三者委員会の調査報告から、その内容を引用し、紹介をさせていただきます。
 誰か一人が、このような処理はおかしい、ステークホルダーに説明が付かない、正直に事実に向き合った上で不祥事に立ち向かおうと声を上げていれば、事態は変わった可能性がある。しかし、そのような声を上げる異分子は存在しなかった。その結果、商工中金は、越えてはならない一線を、組織としての明確な決断のないまま、無自覚に踏み越えることとなったとあります。また、報告書は、同質性の空気による組織の無自覚な暴走がどこにでも起こり得る危険性をも指摘しています。
 今後も、決算重視の参議院として審議を尽くしていく上で、こうしたリスクが現に存在することを認識し、真摯な論議を積み重ねていくことが何より重要であることを改めて訴えさせていただき、討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
#25
○議長(伊達忠一君) 吉良よし子君。
   〔吉良よし子君登壇、拍手〕
#26
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
 私は、日本共産党を代表し、二〇一五年度決算と国有財産増減及び現在額総計算書の是認に反対する討論を行います。
 本決算には、森友学園の小学校建設国有地取得の不明朗な経過に関わる国と森友学園の賃貸契約書、売買契約の交渉記録や補助金交付などが含まれます。
 財務省などが安倍総理と夫人の意向をそんたくして、国有地を破格の安値で売却したとしたら重大問題です。政府は、自ら事実関係を明らかにし、疑惑の真相を解明すべきです。しかし、財務省は資料がないの一点張り、与党も総理夫人への証人喚問を現在に至るまで拒否し続けています。このような状況の下で、本決算の是認などあり得ません。これが、反対の第一の理由です。
 森友学園だけではありません。加計学園の獣医学部新設計画をめぐる疑惑に対する政府・与党の対応も重大です。総理の意向という圧力により、加計学園にだけ獣医学部の新設を認めるようにしたのではないかという疑惑に関して、文部科学省、政府や与党は、この間、明らかになった文書、メールについて怪文書呼ばわりし、確認できない、再調査もしないと言います。そして、文書が本物だと発言した前川前文部科学事務次官に対しては個人攻撃を行いながら、証人喚問には一貫して背を向け続けています。
 公平公正であるべき国の行政が総理の意向によってゆがめられている、総理による行政の私物化という重大な疑惑が問われているのです。事は総理の進退にも関わる問題です。政府による隠蔽、幕引きは許すわけにはいきません。関係者の証人喚問並びに資料提出、文書の再調査など、全ての疑惑についての国会と国民に対する説明責任を果たすよう強く求めるものです。
 反対の第二の理由は、本決算は、空前の利益を上げ続ける大企業に対して大減税などの優遇策を進める一方で、国民には次々と痛みを押し付けたものだからです。
 二〇一五年度予算は、大企業への法人実効税率を二年間で三・二九%引き下げる一・六兆円もの大減税と、研究開発減税などの優遇税制を進めました。その結果、資本金十億円以上の大企業の内部留保は四百兆円を超え、史上最高額となっています。政府は、大企業に減税すれば、賃金や雇用、設備投資などが増え、消費や景気も改善すると繰り返し説明してきました。しかし、大企業がもうけた利益を賃金にも雇用にも回さず、内部留保としてため込み続けていることは明らかです。
 一方、国民の暮らしはどうでしょう。二〇一四年に社会保障のためと消費税増税が強行されてから一年後となる二〇一五年度予算では、国と地方を合わせた消費税増税分の大部分は所得税や法人税の減収の穴埋めとされたのみならず、社会保障予算の自然増をばっさり削減しています。
 介護報酬の引下げ、介護施設での食費や部屋代の負担増、介護保険利用料の二割負担導入、年金のマクロ経済スライドの発動、七十歳以上の医療費の窓口負担の二倍化、生活保護の生活扶養の基準引下げなど、国民に対して余りに冷酷な仕打ちです。さらに、今国会でも、介護保険利用料を三割負担にするなどの介護保険法改正案が通されました。
 このような負担増、給付減の社会保障改悪のオンパレードこそ、消費税の税収分は全て社会保障の充実、安定化に向けるという政府の看板が偽りであったことを示すものではありませんか。再来年の二〇一九年十月からは消費税を一〇%に増税すると言いますが、もはや社会保障の充実のためなどという言い訳は通用しません。企業の利益を優遇し、国民の命や暮らしを切り捨てる決算は、到底是認できません。
 反対の第三の理由は、本決算が、史上最大の五兆円もの軍事費により、憲法違反の戦争法の強行とその具体化を推し進めるものになっていることです。
 二〇一五年秋、政府は憲法違反の安保法制、戦争法を強行成立させました。その間、軍事費は増え続け、二〇一五年度予算では、二〇一四年度補正予算と合わせると五兆円を超えています。それによって、ステルス戦闘機や水陸両用車、イージス艦を購入し、オスプレイの配備を進め、自衛隊を実質的に海外で戦争できる部隊へと変質させています。さらに、南スーダンへの自衛隊派遣費用も、二〇一五年度予備費で手当てされています。
 政府は、南スーダンでは武力衝突が継続していたにもかかわらず、停戦合意がある、紛争当事者はおらず、派遣五原則が維持されているとして、自衛隊をPKOに派遣してきました。その上、防衛省は、昨年七月の首都ジュバでの大規模な戦闘などの実態を生々しく報告した日報を隠蔽した上、国会で防衛大臣は戦闘を衝突と言い換えて、派遣を継続。昨年十一月には、南スーダンPKOに派遣した自衛隊に、戦争法に基づいて、新たに宿営地の共同防護や駆け付け警護の任務を付与し、武器使用を拡大しました。
 今年、国民の厳しい批判の中で、ついに撤収を決めましたが、危険な実態を隠蔽し、派遣五原則が崩れているにもかかわらずPKOを派遣し続けてきた政府の責任は重大です。こうした自衛隊派遣費用を含み、戦争できる国づくりを進める決算は認めることはできません。
 憲法違反の戦争法は即刻廃止を求めます。
 最後に、安倍総理は、憲法記念日である五月三日に、憲法九条に自衛隊を明記する改憲を行い、二〇二〇年に施行することを明言しました。これは、憲法尊重擁護義務を課されている総理大臣がしてはならない憲法違反の宣言です。
 憲法九条一項、二項とは別に、自衛隊を明記するということは、二項の空文化につながり、戦力不保持、交戦権否認をうたう九条を九条でなくしてしまうことになるでしょう。
 しかし、国民はそのような改憲を望んでいません。NHKの世論調査でも、九条の改憲は必要ないという声が五七%に上ります。一方、この間の各世論調査では、内閣支持率が軒並み下落しています。日経電子版では二六・七%と、前回から二五・四ポイントもの大幅下落です。この数字は、森友学園や加計学園などの疑惑には蓋をする一方で、国民監視を強める共謀罪は国連からの懸念を無視して押し通そうとする。果ては、違憲の改憲宣言まで行って海外で戦争する国づくりを進める安倍政権に対する国民の痛烈な怒りの声の表れです。
 私たち日本共産党は、強権、横暴極まりない安倍政権打倒のために、市民と野党と力を合わせる決意を申し上げ、討論といたします。(拍手)
#27
○議長(伊達忠一君) これにて討論は終局いたしました。
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#28
○議長(伊達忠一君) 日程第一の平成二十七年度決算の委員長報告は、本件決算を是認すること及び内閣に対し警告することから成っております。
 これより採決をいたします。
 まず、本件決算を委員長報告のとおり是認することについて採決をいたします。
 本件決算を委員長報告のとおり是認することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#29
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#30
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百四十  
  賛成            百五十一  
  反対             八十九  
 よって、本件決算は委員長報告のとおり是認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#31
○議長(伊達忠一君) 次に、委員長報告のとおり内閣に対し警告することについて採決をいたします。
 委員長報告のとおり内閣に対し警告することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#32
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#33
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百四十  
  賛成            二百四十  
  反対               〇  
 よって、全会一致をもって委員長報告のとおり内閣に対し警告することに決しました。(拍手)
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   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#34
○議長(伊達忠一君) 次に、日程第二の国有財産増減及び現在額総計算書について採決をいたします。
 本件を委員長報告のとおり是認することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#35
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#36
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百四十  
  賛成            百五十一  
  反対             八十九  
 よって、本件は委員長報告のとおり是認することに決しました。(拍手)
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   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#37
○議長(伊達忠一君) 次に、日程第三の国有財産無償貸付状況総計算書について採決をいたします。
 本件を委員長報告のとおり是認することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#38
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#39
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百四十  
  賛成            百六十九  
  反対             七十一  
 よって、本件は委員長報告のとおり是認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#40
○議長(伊達忠一君) 先ほど議決されました内閣に対する警告に関し、内閣総理大臣から発言を求められました。内閣総理大臣安倍晋三君。
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
#41
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいまの御決議に対しまして所信を申し述べます。
 政府としては、従来から国の諸施策の推進に当たって、適正かつ効率的に執行するよう最善の努力を行っているところでありますが、今般七項目にわたる御指摘を受けましたことは、誠に遺憾であります。
 これらの御決議の内容は、いずれも政府として重く受け止めるべきものと考えており、御決議の趣旨を十分に踏まえ、今後このような御指摘を受けることのないよう改善、指導してまいります。(拍手)
     ─────・─────
#42
○議長(伊達忠一君) 日程第四 原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とインド共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長宇都隆史君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔宇都隆史君登壇、拍手〕
#43
○宇都隆史君 ただいま議題となりました日・インド原子力協定につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 この協定は、原子力の平和的利用に関する我が国とインドとの間の協力のための法的枠組みを提供するものであり、核物質等の平和的非爆発目的利用、国際原子力機関による保障措置の適用、核物質防護措置の実施、インドにおける再処理等について定めるものであります。
 委員会におきましては、四名の参考人から意見を聴取した後、岸田外務大臣に対して質疑を行いました。
 質疑の主な内容は、本協定の交渉経緯と締結の意義、NPT体制の枠外にあるインドと原子力協定を締結することの問題性、インドが核実験を行った場合に我が国が協定終了の権利を行使することの確認、インドがいわゆる未臨界実験を行った場合の対応、インドによって濃縮、再処理された核物質等が軍事転用されないことの確認、本協定の締結がパキスタン、北朝鮮等他国に与える影響等でありますが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、討論に入りましたところ、日本共産党の井上委員、沖縄の風の伊波委員より、それぞれ本協定に反対する旨の意見が述べられました。
 次いで、採決の結果、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、本協定の締結に当たり、インドが未臨界実験を行ったことが判明する場合には、我が国が本協定を終了させる権利を含む本協定第十四条に規定する権利を行使することとし、もってインドに対し、国際の平和と核兵器のない世界の実現に貢献するよう求めること等を政府に要請する決議が行われたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#44
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#45
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#46
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十八  
  賛成            百五十一  
  反対             八十七  
 よって、本件は承認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#47
○議長(伊達忠一君) 日程第五 医療法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。厚生労働委員長羽生田俊君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔羽生田俊君登壇、拍手〕
#48
○羽生田俊君 ただいま議題となりました法律案につきまして、厚生労働委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、安全で適切な医療提供の確保を推進するため、検体検査の精度の確保、特定機能病院の管理及び運営に関する体制の強化、医療に関する広告規制の見直し、持分の定めのない医療法人への移行計画認定制度の延長等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、検体検査の精度管理に係る基準、特定機能病院のガバナンス改革の実効性、医療機関のウエブサイトに対する規制の在り方等について質疑を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#49
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#50
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#51
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百四十  
  賛成            二百四十  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
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   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#52
○議長(伊達忠一君) 日程第六 中小企業の経営の改善発達を促進するための中小企業信用保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。経済産業委員長小林正夫君。
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   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔小林正夫君登壇、拍手〕
#53
○小林正夫君 ただいま議題となりました法律案につきまして、経済産業委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、中小企業の経営の改善発達を促進するため、著しい信用の収縮に対処するための危機関連保証の創設及び特別小口保険等の付保限度額の拡充を行うとともに、信用保証協会と金融機関の連携による中小企業に対する経営の改善発達の支援の強化等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、参考人から意見を聴取するとともに、信用保証協会と金融機関の連携により、中小企業支援の実効性を高めるための方策、セーフティーネット保証五号の保証割合見直しによる影響と政府の対応、危機関連保証の実効性を確保する必要性、創業関連保証の付保限度額引上げに期待される効果等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して岩渕委員より反対する旨の意見が述べられました。
 次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#54
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#55
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#56
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十九  
  賛成           二百二十一  
  反対              十八  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#57
○議長(伊達忠一君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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