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2017/04/25 第193回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第193回国会 地方創生に関する特別委員会 第8号
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2017/04/25 第193回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第193回国会 地方創生に関する特別委員会 第8号

#1
第193回国会 地方創生に関する特別委員会 第8号
平成二十九年四月二十五日(火曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 木村 太郎君
   理事 池田 道孝君 理事 後藤 茂之君
   理事 新藤 義孝君 理事 田中 英之君
   理事 山口 俊一君 理事 坂本祐之輔君
   理事 宮崎 岳志君 理事 桝屋 敬悟君
      伊藤 達也君    江藤  拓君
      大野敬太郎君    鬼木  誠君
      加藤 寛治君    勝俣 孝明君
      菅家 一郎君    小泉進次郎君
      佐藤ゆかり君    坂井  学君
      菅原 一秀君    谷川 とむ君
      豊田真由子君    中谷 真一君
      長尾  敬君    長坂 康正君
      ふくだ峰之君    福田 達夫君
      牧島かれん君    三ッ林裕巳君
      宮川 典子君    山田 賢司君
      小川 淳也君    緒方林太郎君
      木内 孝胤君    高木 義明君
      武正 公一君    福島 伸享君
      福田 昭夫君    横山 博幸君
      江田 康幸君    吉田 宣弘君
      田村 貴昭君    宮本 岳志君
      椎木  保君    丸山 穂高君
    …………………………………
   国務大臣
   (地方創生担当)
   (まち・ひと・しごと創生担当)          山本 幸三君
   文部科学副大臣      義家 弘介君
   厚生労働副大臣      古屋 範子君
   農林水産副大臣      齋藤  健君
   内閣府大臣政務官     長坂 康正君
   法務大臣政務官      井野 俊郎君
   厚生労働大臣政務官    堀内 詔子君
   国土交通大臣政務官    大野 泰正君
   政府参考人
   (内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長)
   (文部科学省大臣官房審議官)           松尾 泰樹君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官) 木下  茂君
   政府参考人
   (内閣府地方創生推進事務局長)          佐々木 基君
   政府参考人
   (内閣府地方創生推進事務局審議官)        藤原  豊君
   政府参考人
   (内閣府地方創生推進事務局審議官)        青柳 一郎君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 長谷川 豊君
   政府参考人
   (総務省大臣官房審議官) 宮地  毅君
   政府参考人
   (法務省大臣官房審議官) 佐々木聖子君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房サイバーセキュリティ・政策評価審議官)        中川 健朗君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           神山  修君
   政府参考人
   (文化庁文化財部長)   山崎 秀保君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           吉本 明子君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房審議官)           山北 幸泰君
   政府参考人
   (農林水産省政策統括官付参事官)         小川 良介君
   政府参考人
   (観光庁観光地域振興部長)            加藤 庸之君
   衆議院調査局地方創生に関する特別調査室長     塚原 誠一君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十五日
 辞任         補欠選任
  小泉進次郎君     長尾  敬君
  平井たくや君     ふくだ峰之君
  宮川 典子君     豊田真由子君
  高木 義明君     緒方林太郎君
  武正 公一君     福島 伸享君
  渡辺  周君     木内 孝胤君
同日
 辞任         補欠選任
  豊田真由子君     鬼木  誠君
  長尾  敬君     小泉進次郎君
  ふくだ峰之君     平井たくや君
  緒方林太郎君     高木 義明君
  木内 孝胤君     渡辺  周君
  福島 伸享君     武正 公一君
同日
 辞任         補欠選任
  鬼木  誠君     宮川 典子君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案(内閣提出第五四号)
     ――――◇―――――
#2
○木村委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長・文部科学省大臣官房審議官松尾泰樹君、内閣府大臣官房審議官木下茂君、内閣府地方創生推進事務局長佐々木基君、内閣府地方創生推進事務局審議官藤原豊君、内閣府地方創生推進事務局審議官青柳一郎君、警察庁長官官房審議官長谷川豊君、総務省大臣官房審議官宮地毅君、法務省大臣官房審議官佐々木聖子さん、文部科学省大臣官房サイバーセキュリティ・政策評価審議官中川健朗君、文部科学省大臣官房審議官神山修君、文化庁文化財部長山崎秀保君、厚生労働省大臣官房審議官吉本明子さん、農林水産省大臣官房審議官山北幸泰君、農林水産省政策統括官付参事官小川良介君、観光庁観光地域振興部長加藤庸之君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○木村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#4
○木村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。緒方林太郎君。
#5
○緒方委員 民進党、緒方林太郎でございます。よろしくお願い申し上げます。
 記録を見てみますと、前回、この委員会で質問したのは去年の四月十八日、委員長の席には今の山本大臣が座っておられたということで、一年ぶりの質問であります。よろしくお願いいたします。
 きょうは特区法の審議ということでありますが、その前に、公益法人担当大臣として山本大臣に一つお伺いしたいと思います。
 公益法人老人福祉施設協議会が、最近の報道で、会議費から飲食費を三千三百万円支出していた、理事クラスが高級料亭や高級クラブで飲食をしていたという話がございました。これは非常に問題だと思います。場合によっては、私、刑事罰、背任とか特別背任、横領の可能性もあるのではないかと思いますが、山本大臣の見識をお伺いしたいと思います。
#6
○山本(幸)国務大臣 お答え申し上げます。
 委員御指摘の公益社団法人全国老人福祉施設協議会における会議費の不適切な支出等の問題につきましては、現在、公益認定等委員会が、公益認定法に基づく報告徴収等を通じて事実関係の把握を行っているところでございます。その結果を踏まえて、必要に応じて、委員会において適切な監督上の措置がとられるものと認識しております。
 一方、内閣府といたしましても、事実関係次第によっては厳正に対処すべき事案と考えておりまして、委員会の意見を踏まえつつ、適切に対応してまいりたいと思います。
#7
○緒方委員 関係者は、報道に対して、介護サービスの公定価格の報酬改定や課税問題の根回しに使ったと言っているようであります。
 厚生労働省の職員の中で供応を受けた人間がいるのではないかというふうに思われますが、これは内閣府の調査を待っていても、内閣府というのは公益法人の公益認定法との関係で調査をするわけでありまして、そこで誰が絡んだかという話は、場合によっては、内閣府からは出てこない可能性があります。厚生労働省としてしっかりと調査をすべきだと思いますが、副大臣、いかがですか。
#8
○古屋副大臣 全国老人福祉施設協議会が役員や関係者の飲食費を会議費として法人運営費から支出したとされる問題につきましては、内閣府公益認定等委員会の要求に基づいて、不適正経理があったかどうか、法人の調査が今行われておりまして、内閣府に報告されることになっていると承知をいたしております。
 厚生労働省としては、この調査の動向も見ながら、厚生労働職員に対する不適正な接待が疑われるような事実が出てきた場合は、必要な調査をきちんと行い、厳正に対処することとしたいと思っております。
 差し当たり、関係部署において幹部職員に確認をしたところでは、国家公務員倫理規程に抵触するようなことはないとの報告を受けているところでございます。
#9
○緒方委員 よろしくお願いを申し上げます。
 先ほど言いましたけれども、内閣府は公益認定法との関係で調査をするわけでありまして、そこで誰が接待を受けた、供応を受けたみたいな話は出てこない可能性があります。そうすると、今、内閣府の調査を待ってから必要に応じて厚生労働省としても何かするという話でありましたが、厚生労働省、自発的に、自律的にやっていただきたいということをお願いさせていただきたいと思います。
 それでは、法案に入っていきたいと思います。
 まず一つ目、農業分野と技能実習生との関係についてお伺いをいたしたいと思います。
 今回の特区で新たに、農業分野に新たな労働力を可能とするような法律改正が可能となっているわけでありますが、結構政令事項が多くて、これから何が行われるのかよくわからないわけでありますが、そもそも論として、昨年、技能実習生の制度については法改正を行った、そして、例えば受け入れることのできる人の数をふやしたとか期間を延ばしたとか、そういうことがあるわけですよね。
 今回の特区を見て思ったのが、技能実習生の枠組みで対応することができないのであろうかというふうに思ったわけでありますが、これは、では農林水産省にお伺いをいたしたいと思います。
#10
○山北政府参考人 お答えをいたします。
 技能実習の制度でございますけれども、これはあくまでも国際協力の観点から、母国では修得できない技能等を、一つの実習機関で、年間を通した実習計画に基づいて実習しておりまして、例えばその実習の中で農作業の収穫作業などの業務を担うというふうに認識しております。
 今回措置をさせていただきましたのは、経営規模の拡大ですとかあるいは経営の多角化、高度化、そういった強い農業を実現するために、日本の農業現場で即戦力として活躍できる外国人材を労働力として受け入れるということにしたものでございます。
 これは、農業の現場におきましては、例えば定植ですとか収穫等の農繁期を中心とした雇用ニーズが多いといったような実態がございます。そうしたことから、農業の専門知識と経験を有する熟練作業者を複数の農業経営体に派遣をする、そういった枠組みとする方向で検討させていただいているところでございます。
#11
○緒方委員 技能実習生の実態を見れば、そういう答弁にはならないと思いますよ。いろいろなケースを私も見聞きいたしておりますが、実際に技能実習生で実習を受けておられる方は、事実上、単純労働で働いておられることが多い、そういう認識をお持ちではないですか、農林水産省。
#12
○山北政府参考人 技能実習の制度につきましては、委員御指摘のような問題事例もあるというふうに承知しております。
 一方で、我々もいろいろ技能実習生の実際、効果といったようなものもお伺いしているところでございますけれども、例えば、タイからの技能実習生が群馬県内で研修をする、これはむしろ、出てこられるときに母国での経営規模を拡大したいということを目標に出てこられまして、そこで技能実習の経験を積まれまして、現在、耕作面積を、帰国後、経営規模を拡大したりあるいは機械化を進められているというふうな事例を承知しております。
 また、インドネシアの事例におきましては、技能実習を受けて帰国された後、そういう人に対しては国が農業指導員の受験資格を付与するといったような運用をされておりまして、そういった方々が試験に合格をし、農業指導員として地域の農業のリーダーとして活躍されている、そういったような事例も把握しているところでございます。
 しかしながら、一方で、先生御指摘のとおり、問題事案もある。出てくる方も、単なる出稼ぎといったような意識の方もおられる、あるいは過重労働ですとか賃金不払い等の問題も実施機関側にもあるといったような事例を承知しておりまして、先ほど先生御指摘ありました技能実習法、今年十一月に新たに施行されますそういった法律に従いまして、農業者に対しましても法律の趣旨及び内容の周知を図りまして、関係省庁と連携して技能実習制度の適切な運用にも努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#13
○緒方委員 それでは、法務政務官にお伺いをいたしたいと思います。
 技能実習生の法改正というのは、事実上、人手が足らないからやったということではないんですか、法務政務官。
#14
○井野大臣政務官 そういうわけではございません。あくまでも技能実習の適正化、本来の目的たる技能実習生が技術を修得して本国に持ち帰って国際貢献に資するという本来の目的に沿うために改正をしたものでございます。
#15
○緒方委員 しかし、今回改正したものというのは、人数をふやして期間を延ばしてということなので、どう考えたって、日本にいることができる実習生の全体としての数をふやしたいという思惑が当然あったのではないかと思いますが、政務官、いかがですか。
#16
○井野大臣政務官 それは、日本側の思惑というよりも、むしろ海外の方からの思惑というか、ぜひ日本でより多くの方が技術を学んで、本国の発展に尽くしたいというニーズが多いということで、そういう期間と受け入れ対象職種をふやしたという経緯がございます。
#17
○緒方委員 済みません、そうすると、この件、恐らくこの後、私の同僚の福島伸享議員がやられるのではないかと思いますので、またそこに譲りたいと思いますけれども、農業関係者、恐らく現場でやっていることというのはほぼ同じだと思います。実習生でやっているケース、そしてこの特区でやっているケース、そういったことでどんどんとビザとか、この人の枠は実習生です、この人の枠は特区枠ですということでどんどんと、現場で働いている人はみんな同じことをやっているのにその枠組みが違うと複雑化していくということになりますが、その点について懸念を持ちませんか、法務政務官。
#18
○井野大臣政務官 当然、今回の技能実習ビザと新たな特区に基づくビザというのは、そもそもその目的といいましょうか、趣旨が異なりますので、今回の新しい、先ほどの農業人材の分野に関してのビザについては、要件が当然、単純な技能実習ビザでいらっしゃる方とは違って、ある熟練作業者レベルの要件というか、その詳細については当然まだ農林省といろいろ詰めていくところでございます。
 そういった意味で、ビザの要件が全く異なってまいりますので、必ずしも同じということにはならないというふうに考えていますし、そうしなければならない、そういう制度設計に持っていきたいというふうに思っております。
#19
○緒方委員 結局、最後、単純労働者を入れないというその建前を守るために、いろいろなところにぼこぼこぼこぼこ穴をあけていっているわけですよ。けれども、実態として目の前で、現場で何が起こっているかというと、結構同じことをやっているということがあって、ここは入国管理行政からしても非常に問題が、こういうことが続いていくと問題が多いのではないかと思うので、この点は指摘にとめさせていただきたいと思います。
 それでは、質問を移します。
 PFI法に基づくコンセッション方式と指定管理の関係についてお伺いいたします。
 今回の法案の中に、福岡市から提案がありました、PFIにおけるコンセッション方式では民間事業者が運営権に基づいて第三者に使用許可をすることができないということなので、追加的に、例えば港湾で、PFIでコンセッション方式でやっている方が、例えばイベントがあるので第三者にさらにそれを貸すとかいうことについて、新たにそのコンセッションをやっている事業者がさらに指定管理をとらなきゃいけないということで、これが二重の手間になっている。これが例えば福岡市でいうと、インバウンドの展開をするときに非常に問題だということになっていて、これが法改正の中に入ってきています。
 いいことだと思いましたが、中に何が書いてあるかといえば、一年以内に検討するとだけ書いてあるんですね。これは法律じゃないと思うんですよ。単に一年かけて検討しますというのは、そんなのは閣議決定でも別によければ、もっと言うと、役所の中で一年以内にやろうなと思えばそれで足りるわけでありまして、そもそもこれはメニューの一つに上がることがおかしいと思いますし、もっと言うと、福岡市がこれを提案したのは去年の暮れぐらいだったと思いますけれども、これから一年かけて検討するというと、来年のこの委員会で特区が通って、それで実践されるというと、問題を提起してから一年半かかるわけです。
 物事のマグニチュードとしてはそんなに大きくない話だと思うのに、こんなに時間をかけてやらなきゃいけないというのはおかしいと思いますし、もっと言うと、早くやっていただきたいというふうに思いますが、山本大臣、いかがですか。
#20
○山本(幸)国務大臣 御指摘のように、日本版レギュラトリーサンドボックスやコンセッション事業者の自由度向上に係る検討規定は、特区の提案を受けて、特区の枠組みの中で議論、検討を行うとともに、少なくとも特区における実現を目指して一年以内の検討を政府に義務づけるために規定を盛り込んだものでございます。
 これは、政府としてのはっきりとした意思を法律として確定して、必ずやるということを求めるためにやっているわけでありまして、これまでも幾つかの例がございます。こうした形でしっかりとやるという意思を示して、その実現を必ず図るということを取り組んでいくことは大変大事なことだと思っております。
#21
○緒方委員 そうなんです、やる気を見せることはとても重要ですけれども、これが法律事項かというと、私はちょっと怪しいんじゃないかなという気がいたします、単なる意気込みですので。
 ただ、早くやっていただきたいと思いますので、これは今、山本大臣、絶対やるという強い意思を示したんだということでした。これは、本当にお役所手続上、コンセッション方式で受けた事業者がさらに指定管理をとらないと、イベントごとに例えば施設を貸せないとか使わせることができないとかいうことになりますので、この手間。
 ただ、一年半かかるわけです。問題提起してから最後、法律が通るまで、仮に来年の通常国会のときは、それぐらいかかる。ちょっとスピード感に欠けると私は思いますので、ここはよくおわかりだと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
 それでは、国家戦略特区での我が町北九州の話を少しさせていただきたいと思います。
 昨年のこの委員会で、介護ロボットについて質問をさせていただきました。山本大臣も委員長で、覚えておられると思います。
 介護ロボットについて我が町からいろいろな提案をさせていただいて、当初は、特別養護老人ホームで、一人の職員で三人のお世話をすることができるという現在の基準を、一人プラスロボットをつければ四人お世話をしていいというふうにできないかという提案をしまして、これが実は厚生労働省からは現時点では蹴られているというか、受け入れられるところになっていないです。
 私は何度も質問をいたしまして、この件について、昨年、最後に質問いたしましたところ、当時の三ッ林政務官の方から、基準の見直しも含め検討していきたいとか、前向きに検討していきたいとか、そういった答弁がございました。
 この件、一年たちましたので、フォローアップさせていただきたいと思います。現状、いかがでしょうか、古屋副大臣。
#22
○古屋副大臣 緒方委員におかれましては、北九州でロボット産業の振興に取り組んでいらっしゃると伺っております。
 介護ロボットにつきましては、利用者の生活の質の維持向上と介護従事者の負担軽減に資すると考えられますので、実際に負担軽減につながっているかなど、アウトカムの実証評価を行うことが重要であると考えております。
 これを踏まえまして、二十八年度補正予算に基づいて実証事業を行い、介護施設等で介護ロボットを活用したことによる利用者の生活の質の効果、また、さらには介護従事者の業務の効率化や負担軽減の効果について評価を行うことといたしております。
 この実証結果を踏まえまして、介護ロボットのさらなる導入と活用の促進に向けて、平成三十年度介護報酬改定等での評価を検討することとあわせて、開発と普及の好循環を実現させてまいりたいと考えております。
#23
○緒方委員 この件は、山本大臣もよく御存じだと思います。
 我が町へ一回視察に来られたとお伺いしていますが、現在の特区で認められているロボットの活用というのは、必ずしも経済的なインセンティブがないんですね。これをやるからロボットをどんどん導入したくなるという、そのインセンティブがないんです。ただ、経済にお詳しいと思いますので、そういうインセンティブをつけないと、ロボットを導入する、例えば経済的にメリットがあるとかそういうことがないと、多分導入は進んでいかないと思うんですね。
 今、厚生労働省は、調査の結果も踏まえていろいろな検討をされていくということでありましたが、経済的インセンティブをきちっと盛り込むべきだというふうに思いますが、これは山本大臣、いかがでしょうか。
#24
○山本(幸)国務大臣 私はこれは、去年、委員長のときに委員の御質問を聞いておりまして、大変すばらしい指摘だというように思いました。まさにおっしゃるように、本当のインセンティブを持つようにやっていかないと進まないわけであります。
 ただ、先般、実際のところも視察をさせてもらいまして、今データを、ロボットを使わないとき、それからロボットを使ってどれだけ時間が短縮できたか、あるいは人員の労力は減じることができたかというしっかりしたデータ蓄積をやっておりまして、それを踏まえて判断していただけるものと思っておりますが、これはぜひ厚労省でも前向きに検討してもらわなければいけないと思っております。
#25
○緒方委員 そうなんです。実は去年、最後、地方創生特で質問いたしましたが、その前もずっと質問したときに、最初の厚生労働省のリアクションというのは何だったかというと、使いたければどうぞという感じだったんですね。使いたければ、使う分には誰もとめはしないからどうぞという感じだったんですが、それでは利活用は進んでいかないということであります。これはもう、副大臣はうなずいておられますので、これ以上質問いたしませんが、使いたければどうぞ、我々の基準は変えませんけれども、オントップで乗る分に使いたければどうぞでは進んでいかないということ、これをぜひ踏まえていただきたいと思います。
 それと似たような話で、今回の国家戦略特区で我が北九州市が提案しているものの中に、工事現場での点検とかにロボット、ドローンを活用するということ、例えば目視するところをドローンで行って写真を写して、それでやれないかという提案をいたしております。
 これは、点検作業の負担軽減とか、例えば橋梁のすごく高いところのチェックなどは、やぐらを組んでわあっと行くよりも、ドローンで本当に代替できるのであれば、その技術が可能なのであれば、私はそれはとても重要なことだと思っております。負担軽減、コスト削減、作業者の安全性向上を図るという意味からも非常に意味合いが深いというふうに思っておりまして、こういったロボットによる近接目視、さらには音の検査、こういったことについて新たなルールづくりを行うべきではないかと提起をさせていただいております。
 国土交通省、いかがでございますでしょうか。
#26
○大野大臣政務官 お答えさせていただきます。
 委員の御指摘、大変ありがたいことでございますが、やはり責任を持った行政、また笹子トンネルの問題等、本当に人命にかかわることでございます。その点だけはまず踏まえさせていただきたいということがございます。
 その上で、国土交通省といたしましては、生産性の向上を図るため、ロボット等を活用したインフラの維持管理のイノベーションを積極的に今後とも進めていきたいと思っています。
 現在では、橋梁やトンネルの点検については先ほどおっしゃったとおりでありますので、ただ、ここで、打音検査した後で、やはり有識者の意見等を踏まえ、やはり適正な点検、必要な知識及び技術を有する者が近接目視を行うということにはなっております。
 しかしながら、国土交通省といたしましても、平成二十六年度より、ロボットを用いた橋梁、トンネルの維持管理技術について民間から技術を公募し、実際の現場での評価、検証をしているところであります。
 しかしながら、まだまだ、有識者の検証、評価の結果、打音検査による点検にかわる可能性が評価されるロボット技術があらわれていないのが現状であります。
 北九州からいただいている提案も踏まえ、私どもとしましても、今年度から、点検をより一層効率化するため、打音検査が必要な箇所を事前にスクリーニングする目的で、ドローンなどの先端技術を活用した点検技術を試行的に導入してまいります。これらの試行も踏まえつつ、引き続き責任の持てる技術の確立に向け取り組んでまいります。どうぞ御指導のほどよろしくお願いいたします。
#27
○緒方委員 事前のレクよりはかなり答弁が前向きだったことは評価させていただきたいと思います。事前のレクのときはもうほぼゼロ回答に近かったんですけれども、ありがとうございます。
 今、打音検査については確かに、ドローンとかで上がっていってコンコンとたたいて、その音をどう評価するかというんですけれども、こういうマイクを経由すると、いま一歩、プロが音を聞くときとちょっと違うというのがありますが、目視の検査であればもっとやりやすいのかなというふうに思うんですね。目視の検査をして、ひび割れをしているとかそういった話。
 この件、少なくとも、打音検査はともかくとして、目視の検査のところだけでも導入できることを考えられないかなと思いますが、大野政務官、いかがですか。
#28
○大野大臣政務官 目視の検査につきましても、先ほど申し上げましたが、スクリーニングをことしからやるということであります。やはり人の目で見るものと撮るものでは大分違いますし、そのひびがどういうものなのかという、最終的に判断するのもやはりこれは相当な知識が必要であります。やはり近くまで行ってしっかりとそのひび一つ一つを見ることが大切でありますが、できるだけ、委員おっしゃったとおりで、スクリーニングとかにつきまして、しっかりと新技術が導入できるよう努力してまいります。
#29
○緒方委員 ありがとうございました。
 これは、山本大臣、我が町の提案でありまして、これも実は考えようによっては、今ある基準は何も変わらないけれども使いたければどうぞという、オントップで乗ってくるような規制緩和に、仮に実現するとしても、そうなる可能性があるんですけれども、そんなもの誰もやらないんですよね。
 なので、この件、同じ北九州市の提案ということでもありますので、山本大臣、少し思いを答弁いただければと思います。
#30
○山本(幸)国務大臣 私も北九州市で視察したときに、ドローン、あるいは、何というんですか、音を、壁に当てて運転する機械の実験を拝見いたしました。まだまだ効能は完璧じゃないかもしれませんが、今やAIを使えば囲碁の世界でも人間よりも上になるというような時代ですからね。必ず将来はそういうふうにしていかなきゃいけないし、これは、インフラの老朽化が進む一方で、点検を担う技術者の高齢化も進んでいきますから、こういう技術の開発というのは、近未来においてはなくてはならない。そして、それをしっかりと、人手不足対策としても代替可能にするというようなことはぜひやらなきゃいけないと思っております。
 内閣府としても、提案内容の実現に向けて、引き続き規制担当省庁との間で積極的に議論、調整を進めてまいりたいと思います。
#31
○緒方委員 ここは、本当に経済的なインセンティブを持たせるということはとても重要だと思います。オントップで乗ってくることを、大体役所の方はよく言うんです。こういう規制改革をしようとすると、いや、今我々は一歩も動きませんけれども、その上でやっていただく分にはどうぞというふうに言われてしまうと、特区に対する熱意が冷めていくということにもなりますので、よろしくお願いを申し上げます。
 もう一つ、スポーツ選手を招聘するときの要件の明確化、緩和ということについてお伺いをいたしたいと思います。
 スポーツ選手を招聘するときに、やはり我が町も、いろいろなスポーツ大会とかそういうときに招聘をするときに、どうも要件がよくわからない。一応決まってはいるんだ、オリンピック大会、世界選手権大会その他の国際的な競技会の出場経験があることや、月収二十五万円などの報酬を受けることなどということが公の基準にはなっているようでありますが、これがよくわからなくて、適用関係が、緩和もしてほしいし、明確化もしてほしいという要望を、我が北九州市は特区で提案をいたしております。
 必ずしもこれは、現時点まで余り、というか十分に最後まで行き着いていないようでありますが、現状の検討状況、法務政務官、いかがですか。
#32
○井野大臣政務官 先生御指摘のとおり、在留資格の決定に係る要件、運用ですか、の明確化及び透明性の向上については、当然こちらも重視していかなければならないし、申請される方の予見可能性を高め、円滑な外国人の受け入れを促進していくことは、特区等の枠組み有無にかかわらず、当然重要であるというふうに認識をしております。
 これまで北九州市とは、去年八月から提案内容の確認等を行ってきておりまして、引き続き、関係省庁等の連携を図りながら、対応については検討を進めていきたいというふうに考えております。
#33
○緒方委員 検討を進めていきたいということですが、明確化をして、そしてできるだけ、例えば選手間の交流とかネットワークの構築とか、そういうものにも資すると思うんですね。なので、これは特区でやるのか、全国展開でやるのかというのはいろいろな可能性があると思います。基本的にやっていただける方向で考えているということでよろしいですね、政務官。
#34
○井野大臣政務官 やっていただくというのがどういう趣旨なのか、ちょっと私もお答えしかねるところでありますけれども、いずれにしても、より運用の明確化と透明性の向上という点では、これからも取り組んでいくというところで御理解いただければと思います。
#35
○緒方委員 最後に、一つだけ。
 地元の地方創生関係で、山本大臣と、あと文化庁にお伺いをいたしたいと思います。
 我が町に、国指定重要無形文化財、戸畑祇園大山笠がございます。ユネスコの無形文化遺産にもなりました。今、山笠の周りに巻く祭礼幕の新調、復元をやっております。
 山本大臣御存じのとおりでありまして、東、西、中原、天籟寺と、四つの山笠があるわけでありますが、祭礼幕の新調については、現在、西の大山笠と中原の大山笠が終わったところです。これから東の大山笠、そして天籟寺の大山笠とやるわけでありますが、ことしと来年で東の大山笠、そして三十一年、三十二年で天籟寺の大山笠ということであります。
 このスケジュールに基づいて、国庫補助についてはやっていただけるということでよろしいですか、文化庁。
#36
○山崎政府参考人 お答え申し上げます。
 重要無形民俗文化財に指定されております戸畑祇園大山笠行事につきましては、四基ある大山笠のうち、平成二十七年度から二十八年度にかけて西大山笠及び中原大山笠の幕類の復元、新調等に続きまして、二十九年度からは東大山笠の幕類の復元、新調等を、民俗文化財伝承・活用等事業による国庫補助を行っているところでございます。
 各地域において文化財を大切に考え、保護、継承していくことは極めて重要でございます。戸畑祇園大山笠の祭礼幕の復元、新調につきましても、地元自治体と保護団体の取り組みに対し、文化庁として引き続き最大限協力してまいりたいと考えております。
#37
○緒方委員 大臣の御地元からもすぐのところでありまして、大臣、この件、しっかり頑張っていただきたいと思いますので、大臣の意気込みを最後に聞かせていただきまして、質問を終えたいと思います。山本大臣。
#38
○山本(幸)国務大臣 委員御指摘の戸畑祇園大山笠行事は、昨年十一月三十日にユネスコの無形文化遺産に、山・鉾・屋台行事を構成する行事の一つとして正式登録されました。豪華けんらんな大山笠を若者たちが担いで巡行しつつ、大山笠が昼夜で姿を変えるなど、大規模かつ特色豊かな我が国の祭礼行事の代表例の一つとして大変意義のあるものと考えております。
 文化庁からも説明がありましたけれども、行事で使われる大山笠の新調、復元につきましては、福岡県選出などとは関係なしに、大臣としても、この行事が地域の風土の中で生まれた無形の伝承であり、世代から世代へと繰り返し伝えるものとして極めて重要だろうと考えております。
 政府としては、今後とも、福岡県にとどまらず、各地域における文化財による地方創生を推進してまいりたいと思います。
#39
○緒方委員 ありがとうございました。質問を終わります。
#40
○木村委員長 次に、田中英之君。
#41
○田中(英)委員 おはようございます。自由民主党の田中英之でございます。
 きょうは、特区に関しての質疑の機会をお与えいただきまして、本当にありがとうございます。
 今の緒方先生の質疑の中で、文化財でありますけれども、お祭りの話が少し出たと思います。実は、この日曜日に私も、地域の祭りというのは地方創生にとって大事だなというふうに思いました。だから、顔が今真っ赤なわけでありまして、数日後には皮がめくれてくるんだろうなというふうに思いますけれども。
 人の集まり、集いというところにはやはり活力がありますので、そういった文化、文化財を含めて、私自身も、ああいったお祭りにまつわるものというものはしっかりと地方創生の中の一つとしてあるんだということを認識しながら、さまざまな地域の活動に取り組ませていただければなというふうに思いましたので、先ほどの緒方先生の質疑に関しては同感するところがあるわけでございます。
 それでは、特区法に関してでございます。
 今回の国家戦略特区法の中で、私自身がきょうお伺いしたいのは、小規模の認定保育所の件でございます。
 そこの話に至る前に、この特区法とするというところに関しては、やはりいろいろな岩盤の規制があると思います。そういったことをスピード感を持って実は対処していくということ、そしてそれが日本の経済活動に好影響を与える、ひいてはそれが国際社会の中で、国際経済の中でも日本がしっかりと、ある意味では稼いでいけるような力を築いていくんだということであろうというふうに思います。それが日本の経済を再生させる一つということであろうかと思っています。
 そんな中で、日本の労働人口というのも徐々に徐々に、人口減少がありますので減っていくという傾向にあります。しかし、その中で、女性の方々の活躍というものが実は大きな期待をされているというところも一方であります。しかし、女性の皆さんに活躍をしていただこうとすると、結婚をされ、子供のおられる御家庭なんかでは、やはり、預けることができる環境が実は整っていないことにはなかなか活躍をしたくてもできないというのが恐らく実態であろうかと思います。
 そんな中で、今回、小規模認可保育所における年齢対象の拡大ということでありますけれども、まず大きく、この特例を定める意義について御答弁をお願いしたいと思います。
#42
○吉本政府参考人 お答え申し上げます。
 現行の小規模保育事業につきましては、待機児童の八〇%以上がゼロから二歳児であるということを踏まえまして、事業の対象年齢を原則ゼロから二歳児に限定をいたしまして、市区町村が認めた場合に限りまして三歳以上を保育できるという仕組みになっているところでございます。
 しかしながら、特に都市部におきましては、三歳以降の受け皿となる保育園等の連携施設の設定が困難であるとの指摘もあること、また、三歳以降につきましても十分な受け皿が確保されていないといった実態も見られることから、今般、待機児童の多い国家戦略特区内に限りまして、ゼロから五歳を対象とする小規模保育事業を認めるということにしたことでございます。
#43
○田中(英)委員 意義というか、そういう形にすることによって解消していこうという御答弁だったと思うんですが、そもそも、やはりゼロ歳―二歳、この部分での待機児童、特に、ゼロ歳で入園、入所すると一歳の枠がないということもあったので、この小規模の保育所というものができたという部分であろうかと思いますので、そのことを考えたときに、今回の意義というものは、私自身はよくよく理解をしているところでございますけれども、実は、この小規模の認定保育所ができたそもそもの趣旨とかそういったものが少し変わってしまうんじゃないかという心配な点が一点。
 それから、六人から十九人というのは、これは基本の数でありますけれども、この年齢構成が変わることによって、今度、今御答弁いただきましたとおり、乳児さんのゼロ歳、一歳、二歳の枠が減ってしまうんじゃないかという、ちょっとそういう心配をされている点が二点目。
 もしそういうことが起こり得るのであれば、例えば、そういう年齢構成の制限なんかというものをどのように考えておられるのかなということが実は心配される点であるんですけれども、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
#44
○吉本政府参考人 ただいま御答弁申し上げましたとおりの仕組みではございますが、現状におきましては、市区町村が認めた場合に限って三歳以上が保育できるといった仕組みになっておりますことから、小規模保育を利用する保護者の方が、三歳以降になって転園先を見つけられないのではないかといったような不安を感じているというような問題も指摘されておりまして、今回の特例措置におきましては、原則ゼロから五ということによりまして、保護者の方々のニーズにきめ細かく対応できるようにしていきたいといった趣旨でございます。
 もう一つ、一方で、それが、本来のこの事業の趣旨でございましたゼロから二歳の待機児童対策を損なうものになるんじゃないかといったような御懸念につきましては、やはり各自治体が、きちんとその足元のゼロから二歳児の待機児童も含めた潜在的な保育ニーズも含めて幅広く把握して、それに応えるような受け皿整備を引き続き並行して行っていくということが何より必要だというふうに考えているところでございます。
 ですので、本事業を実施する自治体におかれましては、小規模保育事業の対象年齢を拡大することも考慮に入れた上で、ゼロから二歳児も含めた待機児童の解消に向けた受け皿整備、これを進めていく必要があるというふうに考えているところでございます。
#45
○田中(英)委員 ありがとうございます。
 やはり心配されるのは、そもそも、ゼロ歳から二歳という施設であったのが、三歳の壁という言葉がありますので、その先、入所することができない枠をどのようにつくるかということで拡大ということでありますが、一定、その偏りであったり、そもそもの小規模認可保育所の趣旨というもの、そういう部分に関しては、自治体の方がしっかりとその潜在的な保育ニーズというものを把握しながら、それに合わせて、しっかりと、その事業をしてもいいという認可をするということが担保できているという意味では、一定、そのもともとの趣旨と、それから、これから三歳の壁と言われる部分に対しての手だてといいますか、そういったものが両立できているということでありますので、私自身は、それはそれでいいことだろうというふうに思っております。
 その受け皿に対しては、そのようなしっかりとした部分をつくっていただくわけでありますけれども、やはりもう一つ心配なのは、先般も質疑がございました安全面の確保の部分についてでありますけれども、どのようなお考えを持っておられるか、お伺いしたいと思います。
#46
○吉本政府参考人 今回の改正によりまして、特区において三歳以上の児童を預かる小規模保育事業におきましては、一つは、異なる年齢の児童に対しまして、それぞれの発達過程に応じた適切な支援ができるように配慮するということを保育事業者に求めてまいりたいというふうに考えております。
 保育事業者におかれては、その具体的な取り組み内容を自治体に報告していただきまして、これを自治体が公表するといった仕組みを新たにとることを考えているところでございます。
 また、三歳以上児が小規模事業を利用する場合におきましても、保育者一人当たりが保育することができる乳幼児の数、また、一人当たりの面積、設備、構造等につきましては、現行と同様に、国が定める基準に従い、または基準を参酌するということで、条例で定める基準を遵守していただくということになってまいります。
 具体的な配慮の内容というのは、これからさらに精査をいたしまして、施行通知などにおいてお示しをしていきたいというふうに考えているところでございます。
#47
○田中(英)委員 安全の確保という部分では、三歳から五歳に関しては、そもそも、もともと小規模の認定保育所なんかでは、通っていただくことがなかったところでありますので、そういった意味では、施設の広さとかまた施設の中にあるさまざまな備品であったりそういったものに関しては、ぴったりと合うかどうかということはまだ何とも言えないわけであります。
 ただ、今御答弁をいただいたとおり、それぞれの発達の段階においてそれなりそれぞれの取り組みをしていただくということを事業者の方にはしっかりと自治体の方にも報告をいただく、そして自治体はそれを保護者の方々に、こんな実は保育をされるんだということも知ってもらえるように公表をするということでもあります。
 その施設がもともとは小規模ということで、ゼロ歳―二歳という子供たちの部分の保育施設でありますけれども、三歳から五歳の子供たちにもしっかりと育んでいただけるような環境も間違いなく整備をこれはしていただかなければならないですし、してもらえるようにするというところが恐らく報告と公表という部分につながってくるというふうに思いますので、そういった部分での安全ということは、一定、担保がとれる部分なのかなというふうに思っております。
 面積の部分も先ほど少しお触れいただいたわけでありますけれども、恐らく、九十人定員や百二十人定員という地方にある保育所と、またこの小規模の部分の保育所の施設であったり、施設の大きさというのは全くこれは違うところもありますので、そういった意味では、どうしても、ビルのフロア一角を借りたりされるところと比較をすると、本当に大丈夫なのというふうに思うようなところはあるとは思うんです。
 ただ、そこをどのように担保するかということは、事業者さんとそれから自治体の方々と連携をしていただいて、子供を預けたいなと思われる御家庭にしっかりと安心感を与えていただけるような、そんな形をつくっていただきたいというふうに思いますので、そこはよろしくお願いしたいと思います。
 待機児童の解消をさせるということには、一足飛びにこれをやれば一〇〇%なんだということは、私自身はないと思っています。だから、いろいろな制度の改正をしたり法律を改正したりすることによって、パズルのピースみたいなものを一つ一つはめていくことによって、将来的には待機児童を解消していくんだ、ゼロにするんだというその行動につながっていると思います。恐らく、前回の特区法なんかであった都市公園の施設を一部、保育施設等に使っていこう、これもその一つだと思います。
 そういった一つ一つのことにしっかりと取り組むことによって、待機児童の解消、ひいては、我々が申しております、女性の皆さんにも活躍をしてほしい、一億総活躍をしていくんだということ、そしてGDPをやはり六百兆に目指すんだ、そういった目標に向かっての実は一つの政策であろうかというふうに思っておりますので、強く私たちもそれを推進させていただきたいと思います。
 実は、保育の話につきものなのは、やはり先ほどの安全性の確保の部分で、最低基準の問題というのがよくよく取り扱いをされると思います。
 少しここでお伺いしたいのは、最低基準の面積の方の問題です。
 いろいろと制度がある中で、特に地方分権一括法で児童福祉法の改正によって、特例で、自治体からの要望なんかがあって、面積基準の緩和といいますか、待機児童がいる地域なんかでは、その基準を、少し狭いところでも保育ができるようにしてほしいという要望があったやに聞いております。大阪市なんかが実はその取り組みをされているということでありますけれども。
 そもそも、面積の基準、最低基準の基準というのはどこでどう決まったのかなということを改めて考えてみると、実は、私自身もわからない部分がございました。ですから、まず、この基準というもの、面積の最低基準というものをどのように決められたのか、どのような形で定められたのか、このことについてお伺いします。
#48
○吉本政府参考人 保育所の面積の最低基準につきましては、昭和二十二年になりますが、日本社会事業協会が、アメリカのワシントン州の遊戯場の基準、それが幼児一人につき三・二五平米ということでございましたが、これを参考といたしまして、児童福祉施設の最低基準案を作成したところでございます。これを原案としつつ、当時の保育施設の実際の実態を勘案いたしまして、児童福祉施設最低基準によりまして現行の基準が制定、公布をされたといった経過でございます。
#49
○田中(英)委員 今からほぼほぼ七十年前だということですね。七十年前に、アメリカのワシントン州の遊戯場、この基準というものを一定参考にして、保育所のそれぞれの年齢の最低基準の面積を定められたと。
 ただ、翌年に再度そういった調査をして、恐らく、余り広い面積であると施設自体が確保できないということもあったので、今の基準になったというふうに思っております。恐らく、初めにこの基準を設定されたときというのは、安全面の確保というものがどこまで含まれていたかなというふうに思うと、私自身、疑問に思うところはやはり正直ございます。
 そういった意味では、七十年前もしくは六十九年前にこの最低基準という数字を、根拠としてはアメリカの遊戯施設というものが一つの根拠でありますけれども、そういったものでつくられたというふうに考えると、今、時代が流れてきて、施設面でもいろいろと、やはり今の時代、子供たちがけがをしないようにしようとすればとか、安全な施設というものをつくることも可能になってきているんじゃないかなというふうに思ったりもすると、この面積の基準というものが果たして適切なのかどうか、適正なのかどうかということも実は考えなければならないんじゃないかと思います。
 そういった最低基準の面積の基準についての研究や調査というものを、この間どのようにされてきたのかなということと、七十年前の話ですので、一番最近でも、どの時点でこういった調査研究をされたのかということがわかれば、お伺いしたいと思います。
#50
○吉本政府参考人 面積基準につきましては、最近のところにおきましては、平成二十年度に、独立行政法人福祉医療機構長寿・子育て・障害者基金の助成金事業を活用いたしまして、機能面に着目した保育所の環境・空間に係る研究事業というものを実施したところでございます。
 この調査は、実際の観察調査によりまして、食事の介助あるいは配膳などの保育実践の行為や活動範囲を実際どのぐらいやるのかといったことを計測いたしまして、それに基づきまして必要となる面積基準などを算出しているものでございます。
#51
○田中(英)委員 今、近いところでは、数年前に社会福祉法人の中の部門で新たに協議をしていただいたということであります。
 ただ、先般もこのことでいろいろと御説明いただいた際に、もともとこの最低基準をつくられたときの一つの基準と、今回いろいろと考えていただいた部分は、保育をするスペース、遊ぶところと、また寝るところとか、また食事をするところとか、全てをひっくるめてという中での面積の基準はこのぐらいがふさわしいんじゃないかということだと思うんですね。そういう意味では、一定、同じような条件で、これからの保育施設の最低基準の面積については、再度、同じような基準でもう一度考えてもらう必要があるなということが一点。
 それと、なぜこの質問をきょうはさせていただいたかといいますと、特例によって、待機児童がいる場合は、少し狭い空間で保育をしてもやっていけるというようなルールが一方でありながら、でも、実は、今回の調査では、少し広いところが要りますよという結果が出ているということ。
 実は、既存の保育施設は、最低基準以上のものをたくさん持っているところはあると思います。私の京都でもそうでありますし、先般お聞きすると、東京なんかでも実は最低基準以上の面積を充てて保育をしているというところはたくさんあるわけであります。
 しっかりと、実は、安全な面積の基準というのを出すのは大変だと思います、難しいと思います。だけれども、この基準を再度設定することによって、特例では実は狭く保育ができる環境を持っておられるようなところがあると考えますと、やはり、もしそれが可能であれば、待機児童の数が減るということと、何よりも、保活という新たな言葉が生まれたわけでありますが、その保活というものも、二十回という話も聞きましたけれども、その回数は十五回になったり、この回数が減るということによって、女性の皆さんが活躍をしていただけるその機会というものをしっかりとつくっていけることだと思うんです。
 そういった意味では、この面積のこともしっかりと考えていただいて、そういった保育園のニーズというものにしっかりと応えていただけるように、このことをも私自身は考えていただくこと、それがひいては、今回の小規模保育所、この部分の年齢制限を拡充していくということが、三歳の壁を含め、保育園入所がしやすい環境、ひいては女性が活躍をしていただけるような環境をつくるということにつながってこようかと思いますので、総合的にこのことには取り組んでいただきたいということ、このことを最後に要望して、質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございます。
#52
○木村委員長 次に、宮本岳志君。
#53
○宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。
 きょうは、大臣の文化と文化財に対する認識を問いたいと思います。
 大臣が、去る四月十六日、滋賀県大津市での地方創生セミナーにおいて、一番のガンは学芸員だ、この連中を一掃しなければならないなどと発言したことに、学芸員の皆さんはもちろん、博物館、美術館関係者や、広く国民からも大きな批判が寄せられております。
 大臣は、当委員会でも、この国家戦略特区法等改正案の提案理由説明の冒頭、真意が伝わらない不適切なものであったと反省しているとして、謝罪と撤回を行いました。
 だが、あなたが大津市で行った発言は、配付資料の一に赤線を引いておきましたけれども、この連中は「観光マインドは全くないですから、こんなものはプロの自分たちだけわかっていればいいんだ、他の人たちがわからなくてもいいよというのが大体の意見の総意ではないかと思いますけどね。文化学芸員の連中でありまして、この連中を一掃しないといけないんですね。」というものであり、全く誤解の余地なく、学芸員を連中と見下すあなたの真意をはっきりと示していると言わなければなりません。
 まず聞きますけれども、この発言のどこがどう不適切だと反省しておられますか。
#54
○山本(幸)国務大臣 お答え申し上げます。
 四月十六日の滋賀県大津市の地方創生セミナーにおきます私の発言について、私の真意としては、文化財を保護することだけではなくて、観光立国の観点からも文化財は地域資源として活用していくことが重要であり、学芸員の方々にもより一層観光マインドを持っていただきたいという思いから発言したところであります。
 しかしながら、当日の学芸員に関する発言は、この真意が伝わらない不適切なものであったと反省しておりまして、十八日の本会議並びに十九日及び二十一日の地方創生特別委員会等においても、発言の撤回とおわびを申し上げたところでございます。
 引き続き、昨年十二月に閣議決定したまち・ひと・しごと創生総合戦略二〇一六改訂版を踏まえ、今後、地域の宝である文化財を、適切な保存を図りつつ、観光資源として活用することにより地域活性化を図ることができるよう、政府全体として取り組んでまいりたいと思っております。
#55
○宮本(岳)委員 もう一つ聞いておかなければなりません。
 このセミナーでの発言では、それに続けて、大英博物館は、オリンピックが終わった後に、大英博物館に来てもらわないといけないと、大改造をやった、一番反対したのが学芸員たち、そういう連中をみんな首にして、入れかえた、こう発言をいたしました。
 大英博物館の広報担当者は、大英博物館は、観光のためにスタッフを解雇したことも、根本的な建物の改装をしたことも決してありませんと、はっきり否定をしております。
 その後、大臣は、若干の時系列で記憶違いがあったと、これも撤回したようでありますけれども、これは一体何を根拠にこんな発言をしたのか。大英博物館に確認すらしなかったんですか。
#56
○山本(幸)国務大臣 大英博物館について私が申し上げたことは、私の二十年来の友人であり、文化財や観光に造詣が深い英国の知人から、我が党の調査会等で伺ったところを申し上げたところであります。
 しかしながら、今回改めて同氏に確認いたしましたところ、建物の改装については、時系列的な点で私の記憶違いがあったようであります。私はオリンピック後と申し上げたんですが、オリンピック後ではなくて前であったということであります。
 大英博物館では、来館者の快適性を高めるための多言語対応や展示物解説の充実等の改革を進めてきましたが、その改革の中で、入館者がテーマごとの展示室の移動をより容易に行うための動線確保や、来館者が快適に過ごすための空間の確保という観点から、建物改装を二〇〇〇年に実施して、グレートコートを整備したということであります。オリンピック後ではなかったということであります。その後も、大英博物館では、多くの若い人に来ていただき、大英博物館に親しんでいくための進化を続けているということでありました。
 また、学芸員につきましてのところは、今回改めて同氏に確認いたしましたところ、大英博物館では、三十年ほど前から、来館者の増加のために、学芸員は研究のほか来館者に説明するなど、改革を進めてまいりました。その際、一部の学芸員がその改革の方針に反対しておりました。しかしながら、自分たちの考えと同館の方針が異なるため、いづらくなり、定年前に退職していったということであります。その結果、オリンピック終了後も含め、同館の方針と異なる考えの学芸員が退職し、全体として同館の方針に従う学芸員に入れかわっていったということでありました。
 このように、事実を確認すると異なる部分がありまして、この点については訂正し、おわび申し上げたいと思います。
#57
○宮本(岳)委員 友人からの伝聞に基づいて、事実に異なることを発言する。冒頭の話でも、学芸員に、より一層観光マインドを持っていただきたいということを語るために、この連中を一掃しなければならないと語ったというんですから、もはや謝罪や撤回で済むような話ではありません。
 前回の質疑で我が党の田村貴昭議員が指摘したように、潔く出処進退を明らかにすべきではありませんか。
#58
○山本(幸)国務大臣 当日の発言につきましては、私の真意が伝わらない不適切なものであったことから、深く反省しており、これまでも撤回とおわびを申し上げてまいりました。反省するべきところは反省して、しっかりと職務に当たってまいりたいと考えております。
#59
○宮本(岳)委員 大臣、あなたの発言は、あなたの、文化財の価値と学芸員の役割への無知を示すとともに、実は本当の観光マインドというものも持ち合わせていないことを示していると私は思います。
 まず、文化庁に聞きます。
 文化財保護法は、一九五〇年、昭和二十五年、第七回国会において制定されました。これは閣法でありましたか、議員立法でありましたか。
#60
○山崎政府参考人 お答え申し上げます。
 文化財保護法は、昭和二十四年に起きました法隆寺金堂壁画焼失を契機として、国会議員が中心となって制定された議員立法、議法でございます。
#61
○宮本(岳)委員 おっしゃるとおり、法隆寺金堂の壁画が焼損したことに衝撃を受けて、議員立法として制定されました。
 重ねて聞きますけれども、文化財保護法第一条には、この法律の目的はどのように定められておりますか。
#62
○山崎政府参考人 文化財保護法第一条では、「この法律は、文化財を保存し、且つ、その活用を図り、もつて国民の文化的向上に資するとともに、世界文化の進歩に貢献することを目的とする。」と規定されております。
#63
○宮本(岳)委員 このとき、議員立法の制定過程にかかわった当時の参議院文部専門員竹内敏夫氏と参議院法制局第二部長岸田実氏が同法制定の詳細を解説した「文化財保護法詳説」の序文には、次のように書かれております。およそ国家が自国民の優秀な文化的資産の保護に遺憾なきを期することは、決して偏狭な民族主義に基づくものではなく、後々の世代に対し、また世界全人類に対し負担する崇高な義務と言わなければならない。
 文化財を保護するということは、我が国の文化の向上にとって不可欠であるだけでなく、世界的意義を持つものであります。
 二〇一五年十一月二十日、パリにおいて、ユネスコの提言、ミュージアムとコレクションの保存活用に関する提言が発表されておりますけれども、その中でも、「文化及び自然の多様性の保護と振興は、二十一世紀における主要な課題である。この観点から、ミュージアムとコレクションは、自然と人類の文化の有形無形の証拠を安全に守るための、最も重要な機関である。」、こう世界的にも高らかに宣言されているわけですね。
 そして、博物館及び学芸員は、以前私がこの委員会で取り上げた図書館や図書館司書と同様に、一九四七年制定の教育基本法、一九四九年制定の社会教育法に続いて、一九五一年に制定された博物館法によって設置されております。我が国の一連の教育法秩序の中にしっかりと位置づけられた存在であります。
 文科省に確認いたします。博物館法では、学芸員をどのように位置づけておりますか。
#64
○神山政府参考人 お答えいたします。
 学芸員につきましては、博物館法第四条によりまして、博物館資料の収集、保管、展示及び調査研究や関連する事業についての専門的事項をつかさどるとされているところでございます。
#65
○宮本(岳)委員 博物館法は、第四条の三で、「博物館に、専門的職員として学芸員を置く。」と定めるとともに、四では、「学芸員は、博物館資料の収集、保管、展示及び調査研究その他これと関連する事業についての専門的事項をつかさどる。」として、第五条でその資格要件を定めているわけです。
 大臣に基本的認識を問いますけれども、火災による法隆寺壁画の焼損や高松塚古墳の壁画の損傷などを見ても、文化財が一たび毀損されるならば、それは、我が国と国民、また世界文化にとって、はかり知れない損失となります。そして、学芸員が、これらの文化財の収集や保存、保管に何よりも大きな専門的役割を担っている、こういう認識が大臣にはおありになりますか。
#66
○山本(幸)国務大臣 その点については、委員御指摘のとおりだと存じます。
 御指摘のように、学芸員は、博物館法に基づいて、博物館資料の収集、保存、展示及び調査研究や関連する事業についての専門的事項をつかさどる専門的な職員とされております。一方、博物館は、資料を収集、保管、展示し、来館者の学習やレクリエーション等に資するために必要な事業を行う施設とされておりまして、観光客を含む来館者のニーズに応える環境づくりという視点からも、学芸員の職務に取り組んでいくことも重要であると考えております。
#67
○宮本(岳)委員 ところで、大臣は、大津市のセミナーの中で、文化財について、日本では重要文化財に指定されると火や水を使えないなどと発言し、これを批判的に報じた記事についても事実誤認だなどと語っておられます。
 文化庁に確認いたしますけれども、文化財保護法は、国宝や重要文化財について火や水を使うことを明文で禁止しておりますか。
#68
○山崎政府参考人 お答え申し上げます。
 文化財保護法において、明文上、火や水の使用を禁止している規定はございません。
#69
○宮本(岳)委員 一律に禁止などできるわけがありません。
 法隆寺は、金堂を初め、その建造物のほとんどが国宝及び重要文化財でありますし、奈良東大寺の大仏も宇治の平等院鳳凰堂も国宝であります。しかし、これらは仏閣でありますので、ろうそくも線香も使用しないというわけにはいかないんです。
 だからといって、法隆寺でバーベキューをしていいか、そんなことが許されるわけではありません。水はどうか。安芸の宮島、厳島神社は、本殿から回廊まで、一件六棟が国宝であります。しかし、海の上に建っているわけでありますから、水を禁じることなど、できようもありません。
 こういうものは法律で一律に決めるわけにいかない、当たり前なんですね。だからこそ、専門の学芸員が、その学術的な知見と判断で、その文化財の性質と状況に応じて、保存や保管、展示のあり方を決めているわけです。そういう専門家の判断の重要性を、大臣は本当に認識しておられるんですか。
#70
○山本(幸)国務大臣 私が当日申し上げたのは、二条城を例にとって申し上げて、これは個人的な経験もあったことから、そういうことを申し上げたことであります。
 私の理解では、国宝に指定しております二の丸御殿の箇所については、昨年十月までは、火や水の使用が許可されておらなかった。それから、重要文化財であります二の丸御殿の台所ですけれども、実は一昨年の九月に、私が所属しております書道教室の展示会があったんですが、その際に、先生がそこでパフォーマンスをして書道を書きたいという意向を示したところ、水の使用は一切禁止であるからだめだと断られたことがありまして、私は、そこでも水の使用が許可されていないというように理解していたわけであります。
 ただ、二条城においては、国宝と重要文化財は一緒にしてしまって話したところがございますけれども、この点については、国宝ではやっていなかったけれども、重要文化財の部分で、つまり台所ですね、年に一、二度、生け花展示が行われていたということでありまして、そういう意味で、その点のことについては、私の認識違いであったということであります。
#71
○宮本(岳)委員 大臣のその観光マインドというものについても、少し私は理解に苦しむんですね。
 安倍内閣は、昨年三月三十日、総理が議長を務める明日の日本を支える観光ビジョン構想会議において、新たな観光ビジョンを策定いたしました。きょうは資料二につけておきました。これは観光庁が出しております明日の日本を支える観光ビジョンというものの説明資料であります。
 右側に、「二、文化財」として、「「文化財」を、「保存優先」から観光客目線での「理解促進」、そして「活用」へ」とございます。大臣がこの間、観光マインドというふうにおっしゃっているのは、このことでございましょうか。
#72
○山本(幸)国務大臣 学芸員の重要な任務については、先ほど申し上げたとおりでございます。加えて、博物館は、資料を収集、保管、展示して、来館者の学習やレクリエーション等に資するために必要な事業を行う施設とされておりまして、観光客を含む来館者のニーズに応える施設づくりという視点からも、学芸員の職務に取り組んでいただいていると認識しております。
 観光立国や地方創生の観点から、文化財を地域資源として活用していくことは重要であり、明日の日本を支える観光ビジョンの実現のためにも、引き続き、学芸員の方々とともに仕事をしていきたいものだと考えております。
#73
○宮本(岳)委員 念のために、改めて観光庁に確認をしておきたい。この保存優先から活用へというのは、保存は二の次でよいということを言っておるわけでありますか。
#74
○加藤政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘の部分でございますけれども、これは、我が国の重要な観光資源であります文化財が良好な状態で保存されていることを前提としまして、外国人観光客などにも興味、関心を持っていただけるよう、効果的な情報発信でありますとか、わかりやすい多言語解説、こういったことを進めることによりまして、文化財の観光資源としての魅力を最大限に開花させるという趣旨であるというふうに考えてございます。
#75
○宮本(岳)委員 ここで言われているのは、観光客目線での理解促進ということでありまして、理解を促進しようと思えば、その文化財に対する不断の研究と深い識見が必要であります。そのためにも学芸員の果たす役割はますます重要なのであって、文化財保護はほどほどにして火でも水でも自由にさせろなどというのは、不見識も甚だしいと言わなければなりません。
 大体、貴重な観光資源である文化財が万が一にも毀損すれば、観光資源としての魅力も失われてしまいます。文化財を核とする観光拠点、こう言いましても、その核に万が一のことがあったら台なしなんですね。だから、文化財保護と観光活用が、まるで二律背反で、どこかで折り合いをつけるというような考え方自身が浅薄だと言わなければなりません。
 文化財保護を徹底してこそ、また、それに対する学術研究を進めてこそ、観光資源としての安全で合理的な活用もできる、こういうことじゃないですか、大臣。
#76
○山本(幸)国務大臣 観光立国の観点から文化財を地域資源として活用していくことは重要でございますが、そのためにも文化財が適切に保護、保全されていることは必要だろうということは認識しております。
 昨年十二月に閣議決定したまち・ひと・しごと創生総合戦略二〇一六改訂版においても、「地域の宝である文化財を、適切な保存を図りつつ、観光資源として活用する」とされておりまして、私としても、文化財の適切な保護、保全に配慮した上で、地方創生の観点から観光資源として積極的に活用されるよう取り組んでまいりたいと思っております。
 また、もう一つ、私も考えておりますのは、そうした保護、保全をやるためにも財源の確保が必要であります。その意味では、観光客に来てもらってそうした財源を確保するということは、これは私は非常に大事なことだと思っております。
#77
○宮本(岳)委員 そうなんですね。財政は非常に大事な問題なんですけれども、むしろ問題はそこにあります。
 大臣は、今日の博物館や学芸員の現状をどれだけ御存じなのか、きょうはそのことも言わなければなりません。
 公益財団法人日本博物館協会は、国立、公立、私立の設置者のいかんを問わず、また、館の規模や館の種類を問わず、全ての博物館関係者が集い、協力して、博物館の振興を図る中核的な組織として活動しております。
 日本博物館協会は、この月刊誌「博物館研究」というものを発行しておりますが、二〇一三年一月号で、「今、改めて問う博物館の役割」という特集を行っております。
 この特集で、国立国際美術館の山梨俊夫館長は、「いま美術館は、いくつもの困難に行き当たっている。長引く不況を原因とする財政の逼迫、指定管理者制度等の運営制度の軋み、雇用の悪化による人材の欠乏、現場と行政の視点の落差など、数え上げていくと問題点は切りもない。」と語り、千葉県立中央博物館の森田利仁企画調整課長は、地方の公立博物館は慢性的な経営危機にあると言えるだろう、予算も人も、増加や補充のめどさえ立たない、そしてこの現状を打開する展望も糸口さえも見えない、今、博物館の現場には、自分たちの力ではどうにもならないこの現状に絶望感すら漂っているとまで、この誌上で述べておられます。
 大臣、こういう博物館の、あるいは学芸員の現状というものを把握しておられますか。
#78
○山本(幸)国務大臣 文部科学省が調査したところによりますと、各地方公共団体における博物館費は、平成十六年度に二千百三十六億円だったのが、平成二十六年度には一千三百四十二億円となっていると承知しております。
 地方公共団体の厳しい財政事情の中、学芸員におかれては、博物館資料の収集、保管、展示等の重要な業務を行っていただいていると考えております。そうした意味におきましても、いろいろな形で財源を確保するという努力が必要だと思っております。
#79
○宮本(岳)委員 こういう状況がわずかでも改善されているのかということでありますけれども、ことしの予算を見てみたいと思うんですね。
 文化庁、平成二十九年度予算で、博物館関係予算は幾らで、平成二十八年度予算は幾らだったか、そして、昨年比で博物館関係予算は幾らの増減になっておりますか。
#80
○山崎政府参考人 お答え申し上げます。
 平成二十九年度予算における文化庁と文部科学省の博物館関係予算は、約二百七十八億円となっております。
 平成二十八年度予算額の約三百三十二億円と比較すると、約五十四億五千万円の減となっているところでございます。
#81
○宮本(岳)委員 一気に一六・四%の減ですね。博物館の現場、学芸員の現状は、予算が減らされ、危機的状況で絶望感すら漂っているときに、こういう状況が広く広がっている。そういうときに、大臣が、学芸員はガンだと悪罵を投げつけ、この連中を一掃しなければならないと語る、こんなむごい仕打ちがありますか。
 日本博物館協会の専務理事でもあり、自身も学芸員の資格を持つ半田昌之氏は、学芸員をがんに例えた言葉の使い方を含め、ショッキングなコメントだった、全国の博物館関係者からも、正しい理解の上に立った発言ではないという多くの声が寄せられたと話しておられます。
 大臣、この声にどう応えられますか。
#82
○山本(幸)国務大臣 私も、文化財保護予算が削減されていることについては大変危機感を持っております。
 その意味で、大臣になる前は自民党の観光立国調査会長をやっておったんですけれども、その当時、文化財保護の予算をふやすために補正予算でとろうという努力をいたしまして、たしか初めて補正予算でつけることができたというふうに思っております。
 しかしながら、厳しい財政事情でもございます。そういう厳しい財政状況の中で、文化庁、文部科学省において、美術館や博物館が果たす役割の重要性等を勘案して、削られているということについては、これは大変残念なことであるというふうに思っております。
 一方で、美術館、博物館は、人類にとって大変な資料を取り扱い、人々の新しい知識の創造と普及に役立っているとともに、観光立国や地方創生の観点からも、文化財を地域資源として活用していく観点から極めて重要でありまして、限られた予算の中で学芸員の方々が日々奮闘されている姿には頭が下がるところであります。
 私としても、地域の人の知の拠点として博物館や美術館を活用した取り組みも含め、今後とも、意欲と熱意のある地方公共団体に対して、情報支援、人材支援、財政支援の地方版三本の矢で支援をしてまいりたいと思います。
 そしてまた、博物館、美術館においても、いろいろな形で財源を確保するという努力もしていかなければいけないと思いますし、ぜひ今後とも、個人的にも文化財保護の予算の獲得については努力したいと思っております。
#83
○宮本(岳)委員 さて、そこで、国立国際美術館の山梨館長も危機感を口にしておられた、指定管理者制度等の運営制度のきしみの問題であります。
 文部科学省に聞きますけれども、類似施設を含む博物館で指定管理者制度を導入している施設の割合は、平成十七年度、二十年度、二十三年度、二十七年度でそれぞれどのように推移しておりますか。
#84
○神山政府参考人 お答えいたします。
 博物館における指定管理者の割合につきましては、文部科学省の社会教育調査によりますと、平成十七年度で一六・二%、平成二十年度は二六・三%、平成二十三年度二八・五%、平成二十七年度におきましては二九・八%となっているところでございます。
#85
○宮本(岳)委員 配付資料三を見ていただきたい。
 文部科学省の調査、博物館(類似含む)への指定管理者制度の導入率であります。二〇〇五年の一六・二%から、二〇一五年度は約三割へとほぼ倍加をしております。
 二〇〇八年の社会教育法等の一部改正の国会審議では、「社会教育施設における人材確保及びその在り方について、指定管理者制度の導入による弊害についても十分配慮し、検討すること。」という附帯決議がつけられたにもかかわらず、こういう状況であります。
 しかし、図書館もそうでありますけれども、博物館という非常に専門的な人材によって支えられている社会教育施設に指定管理者制度がなじまないのは当然のことでありまして、昨年三月二十五日に公表された総務省の、地方行政サービス改革の取組状況等に関する調査でも、長野県千曲市では、平成二十四年度まで六カ所の博物館を指定管理者による運営としておりましたが、直営に戻し、今後も直営での運営を考えていると答えております。
 きょうは総務省にも来ていただいておりますが、千曲市はその理由をどのように回答しておりますか。
#86
○宮地政府参考人 お答え申し上げます。
 地方行政サービス改革の取組状況等に関する調査におきまして、千曲市からは、博物館への指定管理者制度の導入について、経費削減が図れなかったとともに、文化財等の保護、活用を推進する観点から、今後も直営での運営を考えているとの回答を得ているところでございます。
#87
○宮本(岳)委員 やってみたけれども、こういうものに指定管理者を入れても経費削減が図れなかった、また、文化財等を保護、活用を推進する観点でいえば、今後も直営での運営が望ましい、こう回答しているわけですね。
 この地域は、稲荷山重要伝統的建造物群保存地区や森将軍塚古墳など、重要な文化財がございます。こうした文化財を大切にしながら地域の活性化を図っていこうという検討がされているとお聞きをいたしました。
 地域振興でも大きな役割を担っている博物館や図書館などは、指定管理者制度はなじまないということがここにもはっきりと示されているということを申し上げておきたいと思います。
 それでは最後に、かつて私が当委員会で行った質問に関連して、内閣府に確認しておきたいと思います。
 私は、昨年三月十七日、当委員会での地域再生法改正案の質疑で、私の地元阪南市における地域再生計画である「阪南 こども子育て みらい計画」というものを取り上げて、石破大臣と議論をいたしました。
 この計画は、現在市内七カ所に分散している公立幼稚園四園と公立保育所三園を認定こども園として一カ所に集め、市内六百三十人の子供たちを、大手家電量販店が撤退した空き店舗に詰め込もうとする計画でありました。
 私は、昨年の質疑で、この計画が市民への説明も全くなされないまま進められてきたこと、保護者への説明すら地域再生計画の認定後であったこと、この撤退した大手家電量販店を買い取ることを賛成多数で可決した市議会でさえ、「余りに拙速であり、市民、関係者への説明や意見聴取が充分なされていないように考える。」との附帯決議が付されたこと等々を示して、市民合意もないような計画を拙速に進めるのは余りにもおかしいと指摘をいたしました。
 私の国会質問を受けて、お母さん、お父さんたちを初めとする市民の運動も粘り強く続けられ、ついに昨年の市長選挙で推進派の市長が敗れ、計画を原点に戻し、改めて市内の子育て拠点を再構築することを公約に掲げた新しい市長が誕生いたしました。今、阪南市では、新市長とともに、では、この地域再生計画をどうするか、地域の子育て拠点の再構築をどう進めるか、市民的な議論が続けられております。
 内閣府に確認いたしますけれども、この阪南市の計画はその後どのようになっておりますか。
#88
○青柳政府参考人 お答えいたします。
 阪南市の子育て支援施設に係ります地域再生計画の関係でございますけれども、昨年の十二月以降、阪南市において、プロジェクトチームによる議論をこれまで十九回ほど重ねられているということで、地域再生計画の見直しについてもあわせて検討を進めているというふうに承知をしております。
#89
○宮本(岳)委員 昨年の質疑で私が、市民的な議論が積み重なってこの地域再生計画をぜひ変更したいということになれば、所要の手続を経て変更することは可能だなと確認をしたのに対して、当時の麦島地方創生推進室次長は、可能でございますとはっきり答弁をされました。これは間違いないですね。
#90
○青柳政府参考人 お答えいたします。
 昨年、麦島の方から答弁いたしましたとおり、既に内閣総理大臣の認定を受けた地域再生計画であっても、地方公共団体が見直しを行う旨の判断をした場合、変更を行うことは可能でございます。
#91
○宮本(岳)委員 現在も市民的な議論が続けられております。それは、阪南市の子育て施策をもっともっとよくしたいという、住民自身の自治の息吹であることは間違いないと私は思います。
 ところが、市民的な議論がやっと始まったばかりだというのに、またぞろ今度は、ことし七月までに結論を出さなければ、家電量販店の建物購入に当たって国から交付された地域再生戦略交付金二億円弱を返還せよと国から求められているという話がまことしやかに伝わってまいりました。
 内閣府に確認いたしますけれども、内閣府は、期限を切って阪南市に交付金の返金を迫っているんですか。
#92
○青柳政府参考人 お答えいたします。
 大阪府阪南市の子育て支援施設の整備に係ります地域再生計画あるいは地域再生戦略交付金事業の見直しに関しまして、当方から、七月までに実施しなければ交付金を返還させるといった期限を区切ったことはございません。
 関係者間の議論を経て、阪南市が今後の見直し方針に関する結論を整理した段階で、地域再生計画の変更等について速やかに当方に御相談いただきたいと考えております。
#93
○宮本(岳)委員 大臣、出られましたか。聞こうと思いましたが、おられないので。
 私は、国が上からあれこれ指図するというようなことではだめだと思うんですね。やはり、しっかり市民的な議論を見守っていく、そしてそういう市民的な議論の結論に国もしっかりと支援をしていくということが非常に大事だと思っております。
 阪南市にももちろん、行政にももちろん丁寧な助言をお願いしたいし、また、そういう議論の中で、直接、住民の皆さんが国に市民の声も聞いてほしいということになれば、住民の皆さんの声にも耳を傾けていただきたいと思います。
 大臣、お戻りになりました。
 今、阪南市の子ども・子育て計画のことを議論していたんですが、やはり、市民の声に基づいてまちづくりを進めていくというのが地方自治、地方創生の基本だと思うんですね。しっかり住民の声に耳を傾ける、この点についての大臣の御所見をひとつお伺いしたいと思います。
#94
○山本(幸)国務大臣 失礼いたしました。
 まさに委員御指摘のとおりだというように思います。
 一度決まった計画であっても、その住民の意思を反映して、変更するときにはしっかり変更するということもやらなければいけないと思っております。
#95
○宮本(岳)委員 地方創生も、また地域再生も、住民自身の取り組みとしてしか成功いたしません。それは、新たな住民自治をつくり上げる運動だと言っても過言ではないと思います。
 では、そのような自治を担う住民、真の地方創生を担う住民の力は一体どこから生まれてくるのでしょうか。住民自身の地域のネットワークであり、住民自身がみずから知識を得て地方自治の担い手に育つことができる知の拠点がぜひとも必要であります。
 先日私が取り上げた公共図書館や、きょう大臣と議論した博物館はそのような地域の知の拠点となり得るものであり、そのような役割を果たす上で、図書館司書や学芸員など専門家の果たす役割は極めて大きいものがあると言わなければなりません。
 そのような知の拠点を財政的にもしっかり支えることこそ国の責務だということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
#96
○木村委員長 次に、丸山穂高君。
#97
○丸山委員 日本維新の会の丸山穂高でございます。
 私からも三十分間、この法案について質疑させていただきたいと思います。
 過去二回、いわゆる外国人の労働者の問題、また難民申請の問題、お話しさせていただきました。決して、この法案全体の趣旨としては、我々は反対というわけではなくて、しっかりこの特区の制度、地方の声も聞きながら進めてほしいというのはまず大前提にあるというのを改めて申し上げたいと思います。
 一方で、特に、今回の特区法でいえば、農業分野に対して外国人の方を受け入れる枠をつくるという部分に関して、全体の外国人労働者受け入れの問題の中でのたてつけも含めて、少し、今後の将来的な不安を禁じ得ないというところから質疑させていただいておるんです。
 まず、この特区での就労の解禁について。
 現に今、日本では農業の従事者に外国の方はいらっしゃるわけで、この間の質疑でも、二・二万人ぐらいですか、二万人以上の方が既にもう従事しているわけですよ。そのほとんどは技能実習制度ということで、海外から日本に農業の技能を学ぶためにというたてつけで来られているというのが今の現状なんです。
 一方で、今回の特区法も、地方からの要望を聞いていますと、お答えでも、農業従事者の減少、高齢化とか、そういった部分の対応として外国人を受け入れたいのだというのが地方からの要望なんですけれども、この要望だと、今申し上げた技能実習制度と何が違うんですかという部分になりかねないと思うんです。
 少し緒方委員よりも御質問がありましたが、もう少し詳し目に聞いていきたいので、この点、お答えいただけますでしょうか。
    〔委員長退席、池田(道)委員長代理着席〕
#98
○山北政府参考人 お答えをいたします。
 本法案で手当てされています農業支援外国人受け入れ事業につきましては、経営規模の拡大ですとか、あるいは経営の多角化、高度化を図っていく、そういった形で強い農業を実現していく、そういう目的のことでございます。我が国の農業の現場で即戦力として活躍できる熟練作業者レベルの外国人材を労働力として受け入れるということを目的としているものでございます。
 現場では、受け入れ農業者は、必ずしも年間を通じた作業があるわけではないということでございます。定植ですとかあるいは収穫等の農繁期を中心とした雇用ニーズが多いということもございますので、農業の専門知識と経験を有する熟練作業者を複数の農業者に派遣する枠組みとしたところでございます。
 一方で、外国人技能実習制度につきましては、あくまでも国際協力の観点から、母国では修得できない技能等を一つの実習機関のもとで、年間を通した実習計画に従って農業の現場で実習、作業をしていただくということでございまして、目的が違うものというふうに認識しているところでございます。
#99
○丸山委員 今回の特区法で、以前、この答弁でも、どれぐらいの規模の受け入れを今想定しているんですかというときに、三百人ぐらいが今の想定だというお話で、今のお答えに対して、では三百人で果たしてそのニーズに応えられるのかというと、私は、今聞いていて疑問だなと素直に感じました。
 また同時に、つまり何をおっしゃったかというと、これまで来られている二万人以上の技能実習生の方は、基本的に学びに来られている方なんですね。一方で、今回の特区のものは、もう既に一定水準以上の技術を持った方に来てもらって、逆に助けてもらおうというのが基本的な趣旨だというのが今の答弁だと思うんです。
 では、逆にお伺いしたいんですけれども、今回、農業分野で一定水準以上の技能等を有する外国人材を受け入れる、この一定水準の技能というのはどういうものを想定しているんですかね。この想定されている知識や技術の水準について、基準についてお伺いしたいんです。
#100
○山北政府参考人 受け入れる外国人の要件につきましては、現在、政府部内で、農業の実情等を踏まえた適切な内容となるよう検討しているところでございます。
 農林水産省といたしましては、本法案で受け入れる外国人は農業の専門知識と経験を有する熟練作業者ということでございますので、派遣先の農業経営者の与えた裁量の範囲内で、現場の状況に応じて作業手順をみずから考え、また、施肥ですとかあるいは農薬散布等の栽培管理や、収穫、出荷調製等の作業が行えるレベルの者とする方向で考えているところでございます。
 この場合、専門知識ですとかあるいは経験につきましては、農業機械の操作ですとかあるいは農薬の取り扱い、施肥設計といった具体的に不可欠な項目について、試験により、一定以上のレベルであることを評価、確認する方向で検討しているところでございます。
#101
○丸山委員 その試験についてお伺いしたいんですけれども、ペーパー試験ということになるんですか。
 例えば、今のお話だと、必ずしも学位が必要だとか経験年数がどれぐらい必要だということではなさそうだと思うんですが、ペーパー試験でそれを見るのか、それとも、向こうからの申請の母体がそうだと言うなら、それをそういうふうに認めるのか、そのあたりはどのように想定されているんですか。
#102
○山北政府参考人 お答えをいたします。
 具体的な方法についてはまだ今後の検討ということでございますけれども、例えば、技能実習の三年間を終了した方というのに、言ってみれば終了したことを証するような試験というような制度もございます。そういった人であれば一定の技能は確認をされているということでございますが、そういったことも参考にしながら今後検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#103
○丸山委員 技能実習を日本で終えられて、三年なり、今度五年に延びますけれども、これを終えられて帰った人を受け入れると、そもそもの趣旨と私は違うと思うんです。
 そもそも技能実習制度は、趣旨として、実習生の技能の、日本の一応高いと位置づけられる技能の移転を図って、それをその国の経済発展を担う人材に移転することで、その国のそういった人材を育成するのを助けるんだというのが目的の趣旨なので、その人がまた日本に来てもらったら、この趣旨と大きくずれると思うんですけれども、そこはちょっと後ほど伺いたいんです。
 そうすると、聞きたいんですけれども、実際に農業の現場がありますよね。その農業経営体において、この特区での事業と同時に、もちろん今の申し上げているような技能実習制度は日本全国適用ですから、特区で適用されていても、もちろん技能実習生の方もいらっしゃる。
 その農業の経営体において、今回適用しようとする特区法での外国人労働者と、そして今もいらっしゃる技能実習生、こちらはどちらかというと専門家という意味では区別を今つけているわけで、明らかに差がないとおかしいと思うんですけれども、これは同じような作業をすることはない、してはいけないということでよろしいんでしょうか。
 その場合、両者の作業は明らかに異ならないといけないと思うんですけれども、この区分けについてどう考えていらっしゃるのか、お答えいただけますか。
#104
○山北政府参考人 お答えをいたします。
 本事業の適用を受けた外国人材と技能実習生が同一の農業経営体でともに農作業に従事することというのは、それぞれ受け入れる制度が異なりますから、あり得ることだというふうには考えております。
 両者が同一の農業経営体で農作業に従事する場合には、農業経営体の経営者が、制度の目的を踏まえて、両者の役割を決めていくことになると思います。
 具体的には、技能実習については、年間の実習計画に従った工程の中でその作業に当たっていただくということになりますし、本法案によります外国人につきましては、経営者の指示に基づいて、その裁量の範囲内でその作業に当たっていただくことになるということでございます。
 そういう意味では位置づけが違うというふうに思いますが、仮に何らかの問題が生じた場合には、本法におきましては、適正受け入れ管理協議会をつくりまして、派遣先農業経営体に現地調査が必要ならば現地調査を行って指導を行っていくといったようなことになりますし、技能実習がその目的に従っていないということであるならば、今回新たに十一月に施行されます法律に基づきまして、適正な運営に向けた指導を行っていくということになろうかというふうに考えているところでございます。
#105
○丸山委員 そうすると、違いが全然見えないんですけれども。
 つまり、同じ作業をすることはできるけれども、では、技能実習生ではできない作業があるわけですね。そうしないと、今の特区で受け入れる方と技能実習で受け入れる方は能力が違うわけで、学んでもらうために来てもらう人が、結局こちらの特区と、専門的な技術を持っていると言っている特区の人と同じことができるんだったら何ら変わらないと思うんですけれども、その違いはどこにあるんですか。
 ベン図的にはできないところがあるということでいいんですよね。技能実習生にはできないものがあるから、特区として来てもらうんだということでいいんでしょうか。
#106
○山北政府参考人 お答えをいたします。
 技能実習につきましては、先ほど申し上げましたとおり、年間の、言ってみれば実習計画に基づいて作業に当たるということですから、たまたま収穫というときにその作業をするということはあろうかというふうに思います。
 また、今回の外国人につきましては、言ってみれば、収穫作業というようなときに、ある程度その圃場の収穫作業を任せられるような人材を今回、派遣という形で受け入れますので、それに基づいて経営者がそういった形で指示、派遣を受けた外国人に対して指示を置き、その中で例えば収穫作業に当たるということになろうかというふうに思います。そういう差があるということです。
 作業そのものは、その時期において同じ作業をするということはあり得ると思いますけれども、実習計画に基づいて行う作業、当然ながら、その研修計画に基づいてということになりますけれども、そういった違いがあるというふうに考えているところでございます。
#107
○丸山委員 聞いていらっしゃる皆さんも何のこっちゃと思っていらっしゃるかもしれませんが、お聞きしたいのは、何かだめだというよりは、細かく確認しておきたいんです。
 技能実習生は、やはりまだ専門的になっていない技術の人たちなので、学びに来ているわけですよね。一方で、特区の方々は専門的な技術を持って来ているということなんですけれども、例えば今挙げられた収穫という作業がありますね。収穫という作業に関してはどちらもできるんだというのが今の御答弁だと思うんです。
 でも、資格的にも、そして能力的にも違いがあるわけですから、こちらの専門的な方しかできないものがあるんじゃないんですか。それがどういうものをイメージされているのか、あるのかどうかも含めて、お伺いしたいということなんですが。
#108
○山北政府参考人 お答えをいたします。
 そういう意味では、範囲内というのは今回受け入れる外国人の方が広い。立場は同じ収穫作業にしても、例えば圃場の中のどこから優先的に収穫していくのかとか、そういったような判断もしながらしていくという意味では、作業を行える範囲は広いであろうと。
 外国人の技能実習生においては、当然ながら、その実習計画の中でということですから、言ってみれば一定の指導を受けながらということになろうというふうに思いますので、そういった意味での違いはあろうかというふうに考えているところでございます。
#109
○丸山委員 非常に線引きが曖昧で、恐らく現場でどうなっているかというのはよりわかりにくいので、いわゆる今まで言われているような、どういうふうに労働者の方々が働いているかわからないというところも踏まえて、この特区制度も非常にちゃんとチェックしていかないと、結局、では今申し上げたような技能実習制度と一緒じゃないかとか、もっといけば、労働者自体の待遇が悪化してえらいことになっているんじゃないかという危惧がますます広がりかねないと思います。
 この問題ばかり詰めてもしようがないので、まずは注意喚起にとどめますけれども、この委員会でもしっかり見ていきますし、農水委員会でも見ていきますので、これは農水省さんも制度を創設する限りはしっかりと見ていく責任があると思いますので、必ずちゃんとチェックをよろしくお願い申し上げたいと思います。
 それで、先ほど少し話題に上がっていきかけたんですけれども、何を問題に考えているかというと、技能実習制度を使った人たちが特区で来るのなら、結局、技能実習制度の趣旨と違うんじゃないかなというところは誰しも思うと思うんですね。簡単に言えば、技能実習制度の法のたてつけと現場のニーズが違うわけですよ。現場のニーズは、労働力が欲しいわけです。先ほどニーズがあるという話もしましたし、これまでの質疑でもそういう話ですね。
 一方で、やはり入管法上もしくは制度上、一応きっちり、何のために呼ぶんですかというのを決めなきゃいけないので、さすがに労働力の確保のためということはできないので、基本的には学んでもらうためにと。人材として来てもらって学んでもらって、三年、五年、学んでもらって、学び終えたらその国に戻って、その国の経済発展のために、農業なら農業の発展のためにその人材を育成するんだというたてつけなのが、この技能実習制度です。
 一方で、今の御答弁、少しありましたけれども、この帰ったはずの技能実習制度で学ばれた方が、今回特区でまた来られた、これは非常に、現場としてはニーズが恐らくあると思います。技能実習制度、これまでお聞きしていたら、三年とか、今度五年になる、この期限ぎりぎりで失踪される方とか、要は、まだ働きたい、もっと高いお給料で働きたいというニーズがある中で、結局、現場としてはそのままいてほしいというのが、労働者側も雇用者側も、雇っている側もそう思っていると思うんです。
 一方で、特区で戻してしまったら、そもそもの技能実習制度の趣旨から大きく乖離しているじゃないかと言われてもしようがなくなると思うんですけれども、これが可能であるという理由は、どのように論理的にお話しされるのでしょうか。お答えいただけますでしょうか。
#110
○山北政府参考人 お答えをいたします。
 外国人の要件につきましては、現在鋭意検討しているところでございますけれども、農林水産省としては、即戦力となり得る、農業に関する一定の知識経験を有する者としたいと考えております。この中には、技能実習を終了して帰国した者も含まれ得るというふうに考えているところでございます。
 ただし、御指摘のとおり、技能実習制度は、我が国で開発された技能、技術等を開発途上地域に移転することによって国際協力を推進することを目的としておりますので、技能実習生は、実習の終了後、まずは帰国して、その国の経済発展に寄与していただくものというふうに考えているところでございます。
 このため、技能実習生が実習の終了後、直ちに本制度における外国人農業支援人材となることは考えていないところでございます。
#111
○丸山委員 今の御答弁だと、技能実習制度で帰ると。今も、三年から五年になったとき、三年でも一回帰らなきゃいけないという話なので、それも大変だというのは聞いているんです。いずれにしても、期限が切れようが延長しようが、一回帰るんですけれども、帰って、直ちにそれが次、特区制度でまたすぐ来るということはないという、今の明確な御答弁なんです。
 技能実習制度を使って国に帰って、その国でその国の経済発展のために貢献したと言えた後、来てもらう分には恐らくいいというのが多分認識だと思うんですけれども、では、それはどれぐらいのイメージをしているんですか。直ちにというのはどういうものをイメージしているんですか。直ちに来ることはないというのは、どういうものをイメージしていますか。
#112
○山北政府参考人 お答えをいたします。
 あくまでも技能実習ですから、国際協力を推進ということで、帰国してその国の経済発展に寄与していただくということですので、期間によってそれを一律にということではないかなというふうに思っております。
 例えば、帰ってみずから農業経営をやっていただく、段階的に規模を拡大していくというようなことがありますし、また、そういう中で新たな、言ってみれば、さらに技能を上げたいとか、規模拡大のために必要な、習得したいというようなこととあわせて入ってこられるケースもあろうと思います。
 それから、例えば、みずからの農業経営が農閑期に入るといったようなケースを活用してこの国に入ってくるというようなケース、そうすることによってみずからの経営も発展していくといったようなこともあろうかと思いますので、一律に何年だから大丈夫ということではないかというふうにも考えているところでございます。
#113
○丸山委員 うまくそこにずれがあれば、確かに、その国の農閑期に関して、日本の国が人材が欲しいというときには、確かにその趣旨と合っているかもしれませんね。
 いずれにしても、今具体例を述べていただきましたので、具体的な年数ではないけれども、それぞれの事例に即してということですから、しっかり、それは制度の趣旨と乖離がないように見ていただいて、一人一人、三百人程度ということなので、しっかり見られると思いますので、間違いないようにお願いしたいと思います。
 その三百人程度の受け入れの想定について少し詳し目にお伺いしておきたいんですけれども、在留期間はどれぐらいになるということなんでしょうか。今だと、農閑期のときだけ来られる場合もあるというので、非常に短期なイメージでよろしいんでしょうかね。
 また、その三百人というのは、家族の滞在も入っているのかどうか。そういった家族滞在ができるような制度なのかどうかというのとともに、この三百人という数自体に家族が入っているのかどうか。非常に大事なカウントの仕方だと思うんですけれども、これについてお伺いできますか。
#114
○山北政府参考人 受け入れる外国人の在留期間につきましては、通算で三年または五年とする方向で現在関係府省で調整しているところでございます。この期間を超えない範囲内で、帰国、再度の入国は可能とする方向にしているところでございます。
 また、家族の滞在につきましては、外国人材が一定期間後は帰国することを前提とする制度でございますので、認めない方向としているところでございます。
 なお、先ほど御質問ございました三百人の中には、家族は含まれておりません。
#115
○丸山委員 明快にお答えいただいてありがとうございます。
 だから、三年から五年の間、いろいろな人がいますね。ずっと恐らく来られる方もいれば、先ほどの御答弁だと、農閑期だけ来られて、また戻ってというのを繰り返して、長期的になりますけれども、しかし合計の年数が三年、五年になるという方もいらっしゃるのかもしれませんね。
 そういった意味で受け入れていくということなんですが、少し長く、るるお伺いしてきましたけれども、何を言いたいのかというと、結局、安易に、安価な労働力として、現場ではニーズで欲しいと言っている中で、何とか制度の、抜け穴とまで言ったら失礼かもしれませんが、少したてつけが違うのに、実質的に農業の労働者として受け入れているわけです、これは農業だけじゃありませんけれども。
 技能実習制度そして今回の特区制度、これから特区制度は、例のメードさん、家政婦さんのものも受け入れるということですから、非常にこれが今ふえていくことを危惧しているのはなぜかというと、結局、多くの方が失踪されているわけです。受け入れている中でも、日本人の失踪者の割合と比べても二十五倍以上。人口比で考えたときに、明らかに多い失踪者でして、毎年五千人失踪、全体で二万人、制度ができてから二万人前後の方がどこに行ったかわからないというのが今の現状です。
 これに対してはやはりしっかりと、制度の趣旨とずれますから、そして何より、最初の質疑よりさせていただいたように、難民の問題というのは世界じゅうで今くすぶっているという状況ですから、しっかりこれは対応しなきゃいけないと思うんですけれども、この失踪者や、もしくはその失踪者を雇う雇用者、これに対してしっかりと厳しい対応をとっていくというのは絶対に必要だと思います。これはますます増加が予想されますね、もっともっとふやしていくわけですから。
 そうした中で、この取り締まり機関、外事警察、取り締まり機関の予算増とか人員の配備が私は必要だというふうに思うんですよ。今、テロ等準備罪の議論をしていますけれども、そもそも、組織的犯罪集団に、恐らくこうやって失踪された方は、きちんとした仕事につけなくなって、そうすると、そういう闇の、幾つかある薬物の犯罪だとか、また、マフィアみたいな形で、そういう下働きからとか、そういうのもふえると思いますので、こういったそもそものリスクを減らしていくためにも、この部分に対する人員と予算の増というのは非常に重要だと思うんですけれども、これについてどのように考えられているか、お答えいただけますでしょうか。
#116
○佐々木(聖)政府参考人 法務省からお答えを申し上げます。
 これまでも御答弁申し上げておりますように、この技能実習生の失踪問題につきましては、法務省としましても大変深刻に受けとめておりまして、ですからこそ、今般の抜本的な技能実習の適正化のための新法の創設ということをさせていただいた次第です。
 もちろん、今先生に御指摘をいただきましたように、例えば摘発に行く入国警備官をふやすというような方策も考えられるのでありますけれども、まず入国管理局といたしましては、今後施行されますこの新たな技能実習制度におきまして、例えば、送り出し国との政府間取り決めにより、送り出し国や送り出し機関による技能実習生に対する制度趣旨の周知徹底を求めるほか、高額な手数料等を徴収する送り出し機関を排除してまいりますし、また、技能実習法とともに成立した改正入管法におきましては、技能実習生の逃亡にも対応できる新たな在留資格取り消し事由を創設しております。
 これらの施策を駆使することによりまして、技能実習生の失踪対策を実施し、この五千という数が確実に減少することを目指して新制度を運用してまいります。
#117
○丸山委員 しっかりやっていただきたいと思います。
 他国に対して言うのと、そして今お話があったような制度改正というのは、前回の質問を聞いていて、しっかりやっていただきたいと思うんですけれども、私はそれでも足らないと思っていて、今申し上げたような取り締まりの人員とか予算の確保、これをしっかりやっていかないと、結局、五千減らすという今決意を述べていただきましたけれども、しかし、人数がふえるわけですから必然的にふえやすくなるのは見えていますからね。これに対して手を打てないんじゃないかなというふうに思うんです。
 だから、そう言われないように、まずはしっかり現行制度をやっていただく。必要あらば、予算と人員の確保をもっとしっかりやってください。その場合は、我々も、野党ですけれどもバックアップして、やりましょうよと言っていきますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 最後は、難民制度の問題をお聞きして終わりたいと思うんですけれども、難民の申請も、これまで質疑させていただいたように、ふえているんですよ。
 五年前、二千五百人だったのが、一万人を超えて、技能実習だけでも四十三人だったのが、五年間で、平成二十八年には千百六人の方が、技能実習で来たのに難民申請をしている。しかもそれは、恐らくほとんどの方は、本当に困っているような、チベットやシリアといった、ああいった難民の方が起こり得るだろうというところじゃなくて、明らかに就労目的で来ているだろうという方も多いのが、難民申請の今の一番の問題だと思うんです。
 聞くところで、記事とか、いろいろな専門家に聞いていますと、留学生なら週二十八時間以下の労働時間なんですけれども、制限があるんですけれども、実習生は、先ほど来の三年、五年で働ける、しかし転職はできないという縛りがあるんですが、難民申請をしただけで、これが半年後からフルタイムで働けるビザに変更できて、職場も自由に選べる状況だと。
 そして、難民申請の審査期間が大体八カ月ぐらいだというふうに聞きました、平均すると。大体半年から一年ぐらいで出るそうなんですけれども、それが不認定になっても、再審査みたいな形で異議申し立てを何度かできて、しかも、それを合計すれば数年かかるような人もいる。そうすると、再審査中に就職先が見つかれば就労ビザもとれる可能性もあるみたいな記事が出ているわけですよ。
 専門家の方も、おおむね事実だというふうな見解をされているんですけれども、これは、そもそもそういう現状になっているんでしょうか。どうでしょう。
#118
○佐々木(聖)政府参考人 ただいま御紹介いただきました記事につきまして、事実関係を御説明申し上げます。
 まず、難民認定申請者の在留資格に関する現在の取り扱いについてですが、正規の在留資格を有する外国人から難民認定申請があった場合は、原則として特定活動の在留資格への変更を認め、さらに六カ月の経過後には、難民認定申請中の生活の安定を図るという趣旨から、原則、我が国での就労を認めるという運用を行っています。
 次に、平均処理期間についてですが、平成二十八年における難民認定申請に係る平均処理期間は約八・五カ月でありまして、その後の不服申し立てに係る平均処理期間は約二十二・七カ月となっています。
 なお、今御紹介いただきました記事のうち、不認定となっても異議申し立てが何度でも可能という点でございますけれども、難民不認定処分に対する不服申し立ては一回しかできませんが、その不服申し立ての手続を経て認定されなかった場合であっても、再び一から難民認定申請ができることとなっておりまして、恐らく、報道はその趣旨ではないかと思われます。
 それからもう一点、いわゆる就労ビザが取得できるという、就労資格への変更についてですが、難民認定申請中や不服申し立て中であっても、特定活動の在留資格を有する外国人から在留資格の変更許可申請がなされた場合は、行おうとする活動が在留資格に該当することや法務省令で定める上陸許可基準等に適合していること等について審査をし、在留資格の変更を適当と認めるに足りる相当の理由がある場合には在留資格の変更を許可しております。
#119
○丸山委員 これは非常に問題だと思いますよ。
 例えば、技能実習制度もそうですけれども、先ほど特区もおっしゃいましたけれども、大体三年から五年、正規にいられるわけですよ。で、期限が切れそうになったら難民申請をする。難民申請すれば半年後には働けるわけで、そして、今の話だと、標準処理期間を考えたら、まず一回目が八カ月前後、そして、その後、再審査なり、もう一回、一から出せばまだまだ延びるということは、もっともっと働きたい人にとっては、合法的に難民という形でビザをとってしまえば就労が可能になっていく。しかも、それを支援するような、もちろん、難民で本当に困っている方を助けるというのが本来の趣旨であるはずなのに、一方で、そんなに政治的な難民とは言えないような状況なのに、働きに来るためだけにこれを利用されているような現状を変えないと、どんどんどんどんふえちゃいますよ。
 ぜひ、この問題、就労の抜け道になっている現状について対策をお願いしたいんですが、どのようにお考えになっていますか。
#120
○佐々木(聖)政府参考人 御指摘のとおり、近年急増する難民認定申請の中には、明らかに難民とは認められないような申し立て、あるいは同一の申し立て内容に乗って申請を何回も繰り返すケースが相当数存在しておりまして、この一定の条件を満たした難民認定申請者に我が国での就労を認めるというこれまでの運用が、今委員御指摘のように、就労するための抜け道として濫用、誤用されているものと私どもといたしましても認識をしています。また、このような事態は、真に庇護を求める方の迅速な保護に支障を生じかねないものであるとも認識しております。
 そこで、入国管理局では、こうした濫用、誤用的な申請に対処するため、そうした申請につきましては、まず迅速に処理をするとともに、我が国での就労や定住を目的として難民認定申請を繰り返すような申請に関しましては就労を認めない措置、さらには、在留自体を認めない措置をとっております。
 入国管理局といたしましては、こうした措置を確実にとっていくとともに、その効果も検証しつつ、さらなる対策についても検討してまいります。
#121
○丸山委員 言える範囲で最大限言っていただいたと思います。ただ、結果が出なければ、国民の皆さんは、何やっているんだと皆さん思われると思いますので、しっかりお願い申し上げたいということを申し上げまして、私の質疑を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
    〔池田(道)委員長代理退席、委員長着席〕
#122
○木村委員長 次に、木内孝胤君。
#123
○木内(孝)委員 民進党、木内孝胤でございます。
 本日は、質問の機会をいただきまして、委員長、理事、関係各位の皆様、ありがとうございます。
 三月三十日に、本委員会におきまして、加計学園グループの獣医学部新設の質問をさせていただきました。そのときも若干、幾つか御答弁で違和感がある内容がありまして、そのときも指摘はさせていただいておりますが、関連して質問をさせていただきたいと存じます。
 今治市の獣医学部で、補助金が約百三十三億円です。土地が三十七億円、そして、今治市と愛媛県合わせて最大で九十六億円ということになっております。
 率直に申し上げて、割合と大きい金額だなという印象を持っておりますが、ほかにも、千葉とかいろいろなところにグループの学園がありまして、総額で、これは文部科学省さんにお伺いしますけれども、過去に、補助金、土地の提供、無償であったり貸与であったり、どの程度、合計、拠出しているのか、あと、それぞれに一体幾ら、拠出、補助金をしているのか、これをお伺いいたします。
#124
○松尾政府参考人 お答えいたします。
 平成十三年以降、二〇〇一年以降でございますけれども、いわゆる加計学園グループが大学や学部を設置する際、地方自治体からの補助金、土地の無償譲渡、貸与についての現状、実績でございます。
 まず、加計学園におきましては、平成十六年度開設の千葉科学大学の設置計画におきまして、銚子市から土地の無償貸与九・八ヘクタール、銚子市から補助金九十二億円、また、平成二十六年度開設の千葉科学大学看護学部の設置計画につきましては、銚子市から土地の無償貸与〇・九ヘクタール、千葉県から補助金四億円となってございます。
 また、順正学園におきましては、平成十五年度開設の九州保健福祉大学薬学部の設置計画におきまして、宮崎県延岡市から補助金二十億円、平成十六年度開設の吉備国際大学政策マネジメント学部の設置計画におきましては、岡山県高梁市から補助金五億円、平成二十五年度開設の吉備国際大学地域創成農学部の設置計画におきましては、南あわじ市から土地の無償貸与五・六ヘクタール、南あわじ市から補助金八億円といった事例になってございます。
#125
○木内(孝)委員 全部合わせますと二百億円を超える金額です。千葉の土地の価格は一体幾らか、ちょっとよくわかりませんけれども、数十億あっても不思議ではない大きさだというふうに理解をしております。
 こうした補助金は各地方自治体が決定していることもあり、必ずしも国がどうこう言うべき問題でないケースもあろうかと思いますけれども、こうして学校法人に対して、これだけの規模の補助金を出している事例というのがどの程度あるのか。いわゆる私学助成等で、マンモス大学等には一定程度、毎年出していたりということは承知しておりますけれども、こうした規模の学園に対して、過去の事例で、九十億とか、それを超えるような補助金の事例はあるのか、あるいは最大級、どれぐらいの事例があるのかということをお伺いいたします。
#126
○松尾政府参考人 今、先生御指摘の土地の貸与等だと思いますけれども、一般的に、地方自治体が大学に対しまして補助金や土地の無償譲渡等の支援を行うかどうか、これは、学校法人と協議のもとに、各自治体が独自に判断、決定されるものだと思ってございます。
 なお、私どもとしましては、地方自治体からの補助金や土地の無償譲渡につきましては、最近、大学の経営環境が厳しさを増す中で、財源の多様化ということでも重要なものだと思っております。過去にも、例えば平成十三年度開設の東北公益文科大学、あるいは同じく十三年度開設の鳥取環境大学というところが土地の無償譲渡、補助金の受けということをしてございます。
 また、先生御指摘の私学助成等でございますけれども、各年度、最も多く交付した、受けた大学の交付額、平成十三年度から二十八年度の私学助成でございますが、約九十億円から百三十億円程度で推移をしてございます、これは私学助成の方でございますけれども。
#127
○木内(孝)委員 その九十億から百三十億、個別の大学名を教えてください。
#128
○松尾政府参考人 私学助成の上位十校でございますが、最新のデータでいいますと平成二十八年度の交付額でございますが、上位十校を上から申し上げます。
 早稲田大学、東海大学、慶応義塾大学、日本大学、立命館大学、順天堂大学、昭和大学、明治大学、北里大学、近畿大学でございます。
 一番多い早稲田大学が九十・五億円ということになってございます。
#129
○木内(孝)委員 こうした人数の多い大学が九十億円というのは違和感がないですし、私は、私学助成も積極的にやるべきだという認識はありますけれども、正直、全く違う規模のこうした学園、大学に対して九十億円が二回もというのはかなり異例な感じがするんですが、もう少し同規模の学園等で五十億円程度を超える補助金が出た事例というのはないんでしょうか。
#130
○松尾政府参考人 恐縮でございます、今手元にデータがございませんので、これは確認させていただきたいと思います。
#131
○木内(孝)委員 何が申し上げたいかというと、かなり異例な形でこの規模の学園に対して九十億円を超える補助金が二回も出ているというのは申し上げておかなければいけない事項だと思っております。
 山本大臣に一つお伺いしたいんですが、レントシーキング、公共選択論のブキャナンとか、経済学部でいらっしゃるので御存じかもしれませんけれども、レントシーキングという言葉を御存じでしょうか。
#132
○山本(幸)国務大臣 正確な理解かどうかわかりませんが、表示的な利益になっていないんですけれども、しかし隠れた利益、そういうものを追求する、そういうことだと思っております。
#133
○木内(孝)委員 いろいろな解釈があると思うんですが、民間企業などが政府や官僚組織へ働きかけを行い、法制度や政策の変更を行うことで、みずからに都合よく規制を設定したり、また都合よく規制を緩和させるなどして、超過利潤、これをレントと言いますけれども、を得るための活動を指します。これによる支出は、生産と結びつかないために、社会的には資源の浪費とみなされます。
 何が言いたいかというと、今回のこの一連の補助金の出し方は、公正な政策決定のプロセスを経ないで、非常に近い人、あるいは政治に働きかけ、あるいは官僚に働きかけ、そしてこの百三十三億円もの補助金を支出させているというふうに見えるわけですけれども、いわゆるレントシーキングの事例としては非常にわかりやすい典型的な事例だと思っております。これによって公益が阻害されています。
 日本が二十年間成長がないのは、山本大臣は、デフレ脱却ができていないから、そうおっしゃっています。私は、それも一つ大きな原因だとは思っておりますけれども、もう一方で、こうした不公正な政策決定が恒常的に続いていることが私は大きな原因だと思っております。
 続いて、加計学園、獣医学部の件について質問したいと思います。
 お手元の参考資料に、十一月九日の国家戦略特区諮問会議の取りまとめの資料を添付させていただいております。これは、前回の委員会でも同じ資料を添付させていただきました。
 この資料によれば、「広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り獣医学部の新設を可能とするための関係制度の改正を、直ちに行う。」となっております。
 十月十七日時点で、京都産業大学から獣医学部新設の提案をワーキンググループで受けていると理解しております。私もその際の議事録等も見ておりますけれども、十月十七日の時点では、こういう方針は打ち出されていなかったのでしょうか。これは、内閣府にお伺いいたします。
#134
○佐々木(基)政府参考人 十一月九日の特区諮問会議の取りまとめで、今おっしゃったような記述がなされたわけでございますが、それに至るまでの経緯を簡単に御説明させていただきたいと思います。
 事務的に、私どもと文部科学省、農林水産省と調整をしたわけでございますけれども、昨年の十月の下旬に、山本大臣の指示のもとで、特区ワーキンググループの委員の方々の御意見も踏まえつつ、内閣府の事務方が特区諮問会議の取りまとめ原案を作成いたしました。
 十月の末に、私ども内閣府の事務方が、文科省の高等教育局、農水省の消費・安全局に提示し、省庁間調整を行いました。
 十一月初めに、特区ワーキンググループ委員及び関係府省間で事務的な調整を終えまして、最終的には、山本大臣が内容を確認し、十一月九日の諮問会議の取りまとめ案とした、こういう経緯でございます。
#135
○木内(孝)委員 前回の委員会質問の前に、文部科学省さんと農林水産省さんにお伺いをいたしました。
 私から見ると、京都産業大学の提案の方が全然よく見えますという話をして、なぜ文部科学省さんは、京都産業大学が手を挙げられないような、十一月九日の、政策決定のルールを変更したのかという話をしたところ、そもそも、この所管は内閣府であって、京都産業大学の提案内容をその時点では一切見てもいなかったというふうに承知をしております。そして、さらに言えば、意見も聞かれていないというふうに御答弁をいただいているというふうに承知をしております。
 前回と、ちょっと今回の答弁は微妙に食い違っているように思いますけれども、どちらが正しいんでしょうか。
#136
○佐々木(基)政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど申しましたように、十一月九日の諮問会議取りまとめの案文をつくるに際しましてどういう調整をしたかということでございますと、先ほど申し上げましたとおり、この文言につきましては、文部科学省、農林水産省と十分調整の上、合意に至ったという経緯でございます。
#137
○木内(孝)委員 では、私が前回の委員会で質問したときの関係なかったというのは、文部科学省さんにお伺いしますけれども、関係なかったというふうに、私、はっきり言われましたけれども、それについてどういう見解か、お聞かせをお願いします。
#138
○松尾政府参考人 先ほど内閣府からもございましたとおり、十一月九日の諮問会議における追加規制改革事項でございますけれども、これについては、昨年の十月の下旬、二十八日に内閣府から文科省の方に対し原案が来て、それにつきましても、私どもも意見を申し上げたところでございます。そして、十一月二日に最終的に了解する旨の回答をし、そして国家戦略特区の十一月九日の決定ということだと思います。
 一方で、京都産業大学、京都の方でございますけれども、これについては、私どもは、特段その会議にも呼ばれておらない状況でございまして、その資料自身、存じておりません。というか、協議をかけられておりませんので、それについて、京都の方と今治の方との比較ということについては、私どもの承知するところではなく、比較する立場にはないというふうに申し上げた次第でございます。
#139
○木内(孝)委員 前回の委員会と今回の委員会、あるいはその前の事務方との質疑の中での答弁内容が違うと思いますけれども、同じ質問を農林水産省さんにもさせていただきたいと思います。
 京都産業大学の提案内容を比較検討なさったのか、それと、地域限定、空白区等々にルールが変更されたことについてどのような形で関与なさったのか、お聞かせいただければと思います。
#140
○小川政府参考人 お答えいたします。
 まず、加計学園と京都産業大学の比較の点についてでございます。
 三月三十日のこの委員会におきまして御質問いただきまして、加計学園、京都産業大学の二校の提案内容の比較を行ったかという点、それから、内閣府と農林水産省とこのことについて協議を行ったのかということにつきまして御質問いただきました。
 私の方から、提案の比較検討を行ったという事実はないということ、それから内閣府から両者の比較検討を求められた事実もないということにつきまして答弁させていただきました。
 さらに、十一月九日の国家戦略特別区域諮問会議の開催に当たりましては、内閣府が作成いたしました獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り新設を認める旨の取りまとめ文書案が十月三十一日に農林水産省に対し提示されたところでございます。
 獣医学部の設置は農林水産省が所管していることではないこと、また記載されていた獣医師の新たな需要等については特に異議がなかったことから、翌日の十一月一日にコメントなしと回答させていただいたところでございます。
#141
○木内(孝)委員 山本大臣にお伺いしたいんですが、今の三省間の調整をお伺いしまして、大臣としては、本来であれば、京都産業大学の案、これはいろいろメリット、デメリットはあると思うんです。地域偏在と前におっしゃいましたし、早期に工事が実現できるというようなこともおっしゃいました。そういう論点はあるんだと思います。それはそれで構いませんけれども、選考の対象からそもそも完全に外れてしまうというような意思決定をするときに、なぜ、知見のある農林水産省さんや文部科学省さんに、きちんとした形でそれを打診するなり、京都産業大学の内容を比較させることなどをしなかったのか。
 自分は両方見たというふうにおっしゃっていますけれども、これはどう見ても、地域偏在ということをおっしゃるのであれば農林水産省の知見が必要なことですし、あるいは需給の問題を含めて、文部科学省さんの知見も必要だと思うんです。
 何か事実上もう決定した後に、こういうことをやるからよろしくといって、何ら調整にすらなっていない。実際問題、こういうペーパーがあったのか、そういう打診があったのか知りませんけれども、私が三月三十日の前に聞いたときは、そもそも、全然、自分たちはそれに関与していないというような答弁だったんです。
 いろいろちょっと意思決定のプロセスに問題があり過ぎるというふうに考えておりますけれども、これで問題ないというふうにお考えでしょうか。
#142
○山本(幸)国務大臣 私は全く問題がないと思っております。
 京都産業大学の提案を聞いたのは、ワーキンググループで聞いたわけであります。したがって、その際にどの役所を入れるかはワーキンググループの判断だと思いますけれども、その中の議論を踏まえて十一月九日の諮問会議取りまとめ案の作成に行くわけですが、ただ、最初に申し上げたいのは、京都府の提案を落としたということはないと認識しておりまして、今後も引き続き検討していく所存であり、その具体化も期待されるところであると考えております。
 昨年十一月九日の諮問会議取りまとめで空白域に限るとしたのは、感染症に対する水際対策を担う産業動物獣医師に地域ごとの偏在があり、確保が困難な地域もあるという認識のもとに、獣医師会などからの慎重論に耳を傾けつつ、産業動物獣医師の地域偏在への対応や、獣医師が新たに取り組むべき分野に対応し得る獣医学部をいち早く実現するために、まず地域を限ったものであります。
 その際には、その原案のときには、当然、両省と協議をして、案ということになったわけであります。
#143
○木内(孝)委員 京都産業大学を落としたつもりはないとおっしゃいますけれども、添付資料二と資料三、これを見たら、事実上、手を挙げられないということは明白でありまして、京都産業大学を狙い撃ちにしたルールの変更と言わざるを得ません。
 これで落としたわけではないとおっしゃっている意図を、もう一度お聞かせいただきたいんです。これで京都産業大学が手を挙げることができたんでしょうか。
#144
○山本(幸)国務大臣 地域を空白域に限るということにいたしました。それは、先ほど御説明しましたように、地域偏在の問題、それから獣医師会等の慎重論に耳を傾けて、そういう空白域にまず限って、いち早く実現するためにそういうことが適当であると判断したわけであります。
 京都産業大学がその際に手を挙げるということは、当然、可能だと思っております。
#145
○木内(孝)委員 明らかに支離滅裂な答弁だと思いますけれども。
 この間の委員会でも質問した件ですが、十月三十一日に、獣医学部はボーリング調査を開始しています。その件はわからないけれども調査をして報告するというふうに承っておりますけれども、調査した結果を教えてください。
#146
○佐々木(基)政府参考人 お答えします。
 今おっしゃいましたとおり、ボーリング調査をしたということについては確認がとれましたけれども、国は全く、これに一切関与しておりませんので、今治市の責任で加計学園からの要請に応じてやったものというふうに理解しております。
#147
○木内(孝)委員 十月十七日、京都産業大学の提案を受けました。十一月九日にこういうメモが出ております。そのどこかの間で、多分、加計でいくよ、大丈夫だよ、京都産業大学がライバルでいるけれども、もうこういう条件をつけたから、除外しておいたからと、そういう耳打ちがあったとしか到底思えないような話じゃないですか。だって、ボーリング調査をするということは、事実上、おたくの学園に決定するよと耳打ちされずにボーリング調査など普通しますか。
 しかも、加計学園を選んでいる理由の一つが、早期に開校を実現できるからというふうにおっしゃっています。それは、片方にだけ、おたくに多分なるよというふうに耳打ちしておいて、しかも、この間、宮崎委員の山本大臣への質問の中で、十月二十四日、安倍総理と山本大臣は面談をなさっています。
 この日に、加計学園のこの件、少しでも話題に出ましたでしょうか。
#148
○山本(幸)国務大臣 全くありません。
 その日は、行政レビューについての打ち合わせをしたわけであります。事務方も一緒についております。
#149
○木内(孝)委員 こんな異例な形で政策が、五十二年ぶりの獣医学部の新設。しかも、麻生副総理は、この諮問会議のメンバーでいらっしゃいます。十一月九日の議事録を見ても、かなり明確に慎重な態度。石破大臣は、過去の議事録等も見ましたけれども、かなり慎重な態度。それが、ある日突然ひっくり返って、百三十三億円の補助金が出ますと言われても、自然な政策決定のプロセスとは私は到底思えないんです。
 もう一つお伺いしたいんですが、今治市の情報開示についてお伺いいたします。
 これは今治市の問題ではありますけれども、国もこの政策決定に関与していることから、今治市に確認をしてほしいというふうに申し上げました。
 加計学園のビジネスモデルは、簡単に言うと、国から土地をただでもらう、その後、補助金をもらうというビジネスモデルになっておりますけれども、補助金の額の根拠が、建設費百九十二億円の半分ということのようでございますが、建設費百九十二億円の積算根拠、経済波及効果の建設分の効果、税収効果をその一方で三千万円と算出しております。今治市が六十四億円拠出して三千万円の税収増効果があるようでございます。
 ここら辺の根拠について、今、市議会等でも今治市に対していろいろ情報公開を求めているようですけれども、その情報公開が十分になされていないというふうに伺っております。
 ここの状況について、内閣府さん、調査をお願いしましたので、どういう状況か教えてください。
#150
○佐々木(基)政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘いただきまして、今治市からお聞きしたところでございますけれども、全体事業費については、今お話ありましたように約百九十二億円ということで、これは文部科学省への学部の新設認可申請における設置経費を対象としたものだそうでございまして、例えば校舎建設費百三十六億、外構工事十四億、機器備品三十九億等々となっております。
 それから、経済波及効果につきましては、現段階で想定される大学のハード、ソフト面での規模を参照して一定の前提条件のもとに算定しており、平成二十三年愛媛県産業連関表に基づく経済波及効果測定システムを用いているということ、同様に、税収効果についても三千万ということで今治市からお聞きしているところでございます。
#151
○木内(孝)委員 今治市は、ちょっと言い方は失礼になりますけれども、第二の夕張市と言われるぐらい財政状況が厳しくなっているわけであります。その中で、税収効果が三千万円のプロジェクトを、六十四億円を拠出してやるということ。
 あと、この一連の情報開示のあり方に関連してなんですが、前回、三月十六日まで京都産業大学の提案内容をホームページに載せていなかった、それは八田座長に任せているという山本大臣の答弁でしたが、私が事務方に確認した際は、現場にも一応了解がとれているというようなこと、現場の八田さん、あるいは京都産業大学、京都大学は、いつ出してもいいということを言っていると。
 だから、答弁がちょっと食い違っていると思うんですけれども、なぜ三月十六日まで半年間も隠していたのか、お聞かせいただければと思います。
#152
○佐々木(基)政府参考人 お答えします。
 ヒアリング資料の公表の件でございます。
 今先生お話ありましたように、座長の御判断で当面公表を見送るということにしたものでございますけれども、それはなぜかといいますと、今治市の提案資料や議事要旨については、これは非公表としておりました。そういった中で、京都府だけの提案を公表すれば不公平な取り扱いとなるおそれがあるということで、公平性を重視したということで、座長が御判断されたというふうに伺っているところでございます。
#153
○木内(孝)委員 八田座長は、これが公表されていないということすら知らなかったんです。だから、公表しないという判断をしたというのは私はちょっと違うと思いますよ。
 それは誰にどう確認したのか、教えてください。
#154
○佐々木(基)政府参考人 お答え申し上げます。
 今お話し申し上げたことにつきましては、私どもは八田座長に確認をとらせていただいたところでございます。
#155
○木内(孝)委員 言った言わないではもう、しようがないので、最後に、天下りの件についてお伺いします。
 文部科学省さん、天下りの問題で、今いろいろ問題となっておりますけれども、木曽功さんは、内閣官房参与の立場でありながら、千葉科学大学の学長、そして加計学園の理事に就任なさいました。その後しばらくしてから、この百三十三億円相当の補助金が認められている。そこに因果関係があるということを証明することもなかなか難しいとは思いますけれども、なぜそもそも天下りを禁止しているのか。やはり、お役所の先輩からこうしてほしいと依頼があったら、どうしてもそれに沿うような形になってしまうから、そうした人事で公正な政策決定がなされない、公益を阻害する、そういうことで天下りは禁止されていると思います。
 木曽功氏が千葉科学大学の学長をやっているというこの事実、制度に問題があるのか、それとも、これは道義的にも全く問題ないとお考えなのか、山本大臣に最後にお伺いして、質問を終わりたいと思います。
 山本大臣、お願いします。
#156
○山本(幸)国務大臣 天下りの問題については、おっしゃるように、予算や権限を背景として、不公正な取り扱いがなされるようなことは断じてならない、その意味であっせんを禁じているわけであります。そういう意味で、そうしたあっせんというようなことは断じてならないと思っておりますが、一方で、適法に再就職をして、そして知見を活用するということも、これも非常に重要でありますので、その点が適法になされている限りは問題ないと思っております。
#157
○木内(孝)委員 法律に触れていなければ何をしてもいいというふうに聞こえましたので、非常に残念な答弁でございますけれども、文部科学省さんではありませんけれども、天下りの反省も大いにしていただいて、私の質問を終わりとさせていただきます。
 ありがとうございました。
#158
○木村委員長 次に、福島伸享君。
#159
○福島委員 民進党の福島伸享でございます。
 三月三十日の一般質疑に続きまして、特区のことを質問させていただきたいと思います。
 まず冒頭に、ちょっと記事の紹介なんです。
 資料の一から三というのは、二〇〇三年三月二十四日の日経ビジネス、「特区を作った三人の若手」ということで、この左側のパラグラフの真ん中ぐらいに、変革は辺境から生まれるとするならば霞が関も例外ではない、実際、特区構想自体が霞が関の辺境から生まれているという事実があるのだと。
 この記事がありまして、下の方に、霞が関の人事の常識からすればエリートぞろいというわけじゃないと、その官僚たちは。
 三十代半ばの一番年長の補佐は、経産省で事務次官に決してなれない技術官僚、これは石川和男さんという、今はやめて、エネルギー関係でさまざまな政策提言をしている方です。一番年下の官僚は、事務官ながら東京大学農学部出身という変わり種、これは私です。入省年次で真ん中の官僚だけが、霞が関で言うエリートに属する、これは後藤祐一のことです。そういう組み合わせであるといって、特区の創設の経緯がいろいろ書いてあるので、ぜひ後で読んでいただきたいんですよ。
 どういう思いで特区をやったかという経緯があって、幸か不幸か、三人とも役所を飛び出してやめてしまったんですけれども、しかし、小泉政権の中で相当なエネルギーをかけて、この特区制度というのを創設したんですね。
 ある意味、みずから言うわけじゃないですけれども、かなりそのときは注目をされて、霞が関や永田町の一筋の爽やかな風のように扱われていたんですけれども、一方、国家戦略特区は、先ほどの木内委員の質問にもあるように、どうも何かいかがわしく思えてしまう。爽やかじゃないんですよ。それは何かといったら、この国家戦略特区自体の仕組みにあるんだと思うんですね。
 資料の四というものをごらんになっていただきたいんですけれども、国家戦略特区というのは法律上定義がございまして、そこに、高度な技術に関する研究開発もしくはその成果を活用した製品の開発、生産、役務の提供、開発に関する事業とか、国際的な経済活動に関連する居住者、来訪者、滞在者を増加させるための市街地の整備に関する事業などをやるところを政令で指定、つまり、一方的に閣議で決めるということになっております。
 一方、構造改革特区は、どこをエリアにするかというのは地方公共団体が自発的に設定して、内閣が認定する。そうすれば、地域の特性に応じたさまざまな規制の特例措置が実施できるという仕組みになって、ボトムアップなわけですね。トップダウンであればあるほど、私は、国がしっかりと説明責任を負うべきだと思うんです。
 どうやって特区が政令で指定されるかというのは、国家戦略特区基本方針に掲げられておりまして、まず最初に、総理が諮問会議の意見を聴取します。諮問会議が、指定基準に従って調査審議を実施して、国家戦略特区として指定すべき区域案について意見具申をします。ここまで一方的に国がやるんですよ。次にやっと自治体が出てくるんですけれども、諮問会議から意見具申があった区域案をもとに、関係地方公共団体の意見を聴取。つまり、最初に国が諮問会議も含めて決めちゃった後に、ある程度の案をつくった後に地方公共団体の意見を聴取、そして国家戦略特区を政令で定めるという、四段階のプロセスを経ているんですね。
 これは、大臣、特区と言うには余りにも上からの目線過ぎると思いませんか。
#160
○山本(幸)国務大臣 国家戦略特区法は、岩盤規制をまさに突破するという観点からやるわけでありまして、その意味では、構造改革特区も規制改革をやるんですけれども、もっと岩盤のような規制をやる場合には、そうしたやり方で、とりあえず、よそにまだ広くできないけれどもまずやってみよう、その上で、よければこれを展開していくし、だめな場合にはそこで打ちどめというようなことをできるようにしているわけであります。
 このために、目的としては、いずれも規制改革によって経済社会の構造改革を推進しようという点で共通しておりますけれども、国家戦略特区の場合は、そういう意味で、政令で決めるわけでありますけれども、しかし、その場合も、やはり地域からの提案をいただいて決めていくということであります。
 いずれにしても、この日本の経済社会を活力あるものにしていくためには、やはりいろいろな既得権益がございますから、それを突破する、そういう意味で、スピーディーにやれるという意味で、この国家戦略特区の制度があるということであります。
#161
○福島委員 何で、岩盤規制を突破するときに地域からの提案だと実現できなくて、国から政令で指定するとできるんですか。合理的に御説明ください。
#162
○山本(幸)国務大臣 これは当然、地域からの要望も聞いていくわけであります。しかし、それをやるときに、国の方から特区として指定して、そこが提案してくることができるようにということであります。
 当然、国家戦略特区に指定するときも、その地域がどういうことをやりたいかということはまず聞いてやるわけでありまして、全く最初から地域の提案を無視してやるというようなことではありません。
#163
○福島委員 いや、私が聞いているのはそういうことじゃなくて、地域からの提案があった方が岩盤規制は突破できるんじゃないですか、一方的に国がやるよりも。今まで国が突破できなかったから、地域からの声を集めているんです。国が一方的にできるんだったら、そもそも提案なんて必要ないんですよ。
 なぜ国が指定した方が、地域から提案を上げる構造改革特区の仕組みより岩盤規制を突破できるのか、もう一度わかりやすく説明してください。
#164
○山本(幸)国務大臣 これは、規制改革をやるときにやはり大変な抵抗もあるわけでありまして、それをいわゆる岩盤規制と私どもは言っておりますけれども、それを突破するためには、まず一部の地域から試験的にやっていくということが適当である、そういう意味で、国がそういう地域を指定するということがあるわけであります。
#165
○福島委員 いや、まだ答えになっていませんね。一部の地域から規制を変えるというのは、構造改革特区も同じ仕組みです。違うのは、地域の提案に基づいて地域がやりたいと言ったことを国が認めてやらせるか、初めからエリアを国が指定するかの違いです。
 なぜ国が初めから地域を指定しないと岩盤規制は突破できないんですか。もう一度お答えください。
#166
○山本(幸)国務大臣 先ほどもお話し申し上げましたように、国家戦略特区と構造改革特区は、いずれも規制改革によって経済社会の構造改革を推進しようという点で、手段と目的は共通しているというように思います。
 そのために、平成二十七年度からは、国家戦略特区の提案募集と構造改革特区の提案募集とを一体的に行って、提案内容の実現に向けた検討も、特区ワーキンググループにおいて、所管省庁との折衝など、両者を一体的に行っております。
 その結果、規制の特例を活用できる自治体をより限定することによって合意が得られるものについては国家戦略特区で実現する、また、より多くの自治体で活用することに合意できたものについては構造改革特区で規制改革を実現するという形にしておるわけであります。
 その意味で、規制改革の効果をより早く実現するためには地域を限定してやった方がその可能性が高いという場合には国家戦略特区でやるわけであります。
#167
○福島委員 全く理解できませんね。それは、構造改革特区の場合、総理が認定するわけですよ。その認定のときに絞ればいいだけの話であって、初めから政令で区域を指定するというやり方じゃなきゃできないなんてことは、私は全く思いませんね。
 規制改革を進めるんだから、どんどん区域指定を広げればいいはずなのに、国家戦略特区基本方針では、国家戦略特区の指定数については厳選すると書いてあるんですね。厳選しないで、どんどんやってもらった方がいいんじゃないですか。その方が、規制改革は広がっていくんじゃないですか。なぜ厳選する必要があるんですか。
#168
○山本(幸)国務大臣 これは、国家戦略特区が始まったときに、いわゆる岩盤規制を突破するときに、すぐに全国に適用できるわけじゃないというような、本当にコアの規制についてこれを改革するわけであります。その意味で、厳選してやらなければ、なかなかそう簡単にはできないということで、そういうことになっております。
 ただ、これは、私どもも評価をきちっとやって、当然、追加も考えていくということでありまして、ことしじゅうには追加も考えたいというように思っております。
#169
○福島委員 なぜこのことを聞くかというと、国家戦略特区ですと、幾ら規制改革の提案をやったとしても、その地域が国家戦略特区の指定を受けていなければ、規制の特例措置、せっかく提案していても、受けることはできないんですよ。
 構造改革特区であれば、ある自治体が提案をして、それが構造改革特区法上の特例措置になれば、手を挙げて、総理大臣が認められればできるんです。門戸が開かれるんですよ。国家戦略特区は、指定されていなければ、その権利すらない。しかも、全国で指定されているのは十しかないんですよ。そのうちの大部分が大都市。地方でやっているのは養父市とか幾つかしかない。こんな極めて不公平な制度はないと思うんですよ。
 先ほど来、大臣は岩盤規制を突破すると言っていますけれども、では、今回の国家戦略特区法改正案で幾つの規制の改革、規制の特例措置が出ているかというと、資料六というのをごらんいただくと、九の法案を束ねております。九の法律改正事項が出ていると思います。
 この九の法律改正事項のうち、今回、この法案を通さなければ、今まで法律で例えば禁止されていたものが解除されるとか、対象が限定されていたものが変わるとか、そういうような、法律を改正しなければ絶対にできないというものは、このうち幾つですか。
#170
○佐々木(基)政府参考人 お答え申し上げます。
 今お話がありましたように、改正事項九項目のうち、法改正をしなければ実現できない規制改革は、焼酎特区の創設、これは構造改革特区でございますけれども、それからクールジャパン・インバウンド外国専門人材の就労促進、農業外国人の就労解禁、小規模保育所の対象年齢の拡大、地域限定保育士試験の実施主体の拡大の五項目でございます。
#171
○福島委員 大臣、ほかの四つは法律を改正しなくてもできることなんですよ。これは何で岩盤規制なんですか。わざわざ国家戦略特区に限ることはないじゃないですか。
 例えば、革新的医薬品の開発迅速化、何でこれを特区に限る必要があるんですか。日本全国の研究開発機関がこの適用を受けられれば、これほど日本にとって国益になることはないのに、あえて大阪府だけに絞って、しかも法律を改正しなくてもできることなんですよ。私は全く理解できません。
 あと、さっきの四番のクールジャパン・インバウンドの外国専門人材の就労促進というのも、法律の条文を読んでみると、何か今まで禁止されることがこれでできるようにするというものじゃなくて、運用の明確化を法律で担保するだけであって、いわゆる何かの規制が新しく解禁されたものじゃないんですね。見てみれば、五番、七番、八番、これが、構造改革特区を除いて唯一規制改革に類するものだと思うんですけれども、余りにも、岩盤規制の突破という割にはシャビー過ぎるんだと思いますよ。
 今回の法案の中で、国家戦略特区じゃなければできなかった岩盤規制の突破というのは一体、大臣、どれですか。
#172
○佐々木(基)政府参考人 お答え申し上げます。
 今のお話にありました、法改正しなければ実現できない規制改革のうち……(福島委員「岩盤規制は何ですか」と呼ぶ)はい、法改正しなければ実現できない規制改革の中で、今まで非常に規制緩和が難しかったものということでいいますと、農業外国人の就労解禁でございますとか、今おっしゃいましたけれども、クールジャパン・インバウンド外国専門人材の就労促進、この話なども、今までの扱いではなかなか難しいものであったというふうに理解しております。
#173
○福島委員 私が見ると、農業外国人の就労解禁は私は確かに大きいと思います。この問題については、後ほど時間があればきっちり議論しようと思いますけれども、これは確かに岩盤規制だと思います。あとは岩盤規制かわからないですね。
 例えば、この八番目の地域限定保育士試験の実施主体の拡大ということで、地域限定保育士というのが国家戦略特区であって、これをやった結果、今まで年に一回しか試験がなかったのが二回行われるようになった。特区でやったおかげで全国的に二回試験ができるようになったのを、今回三回に広げるということなんですけれども、なぜ三回に広げるために指定試験機関を今回株式会社に広げるんですか。今まで一般社団法人、一般財団法人で、一回だったのが二回にできたわけですよね。二回から三回にふやすのに、何で株式会社に広げればできるようになるんですか。
#174
○吉本政府参考人 お答え申し上げます。
 保育士試験の実施機関の実施主体につきましては、公正、適正かつ確実な実施を担保する必要があるということで、一般社団法人または一般財団法人に限定するということになっているところでございます。
 それで、ただいまお話がございましたように、平成二十七年度から特区制度を活用いたしまして、地域限定保育士試験ということで二回が実施されたわけでございます。それまでずっと一回でやってきたところが二回になったということで、三回を実施するに当たりましては、適正かつ確実に実施できるその主体を、ただいま申し上げました一般社団法人または一般財団法人に限らず可能とするということが求められてきたところでございます。
#175
○福島委員 いや、私が聞いているのは、一回を二回にするという倍にふやすことができたのに、何で二回を三回にふやせないんですか、一般社団法人では。
#176
○吉本政府参考人 児童福祉法上、その試験は年一回以上やるということでございますので、それを二回あるいは三回実施するということは、そういう意味ではできるわけですけれども、その試験を実施するに当たって、都道府県は指定試験機関にその一部または全部を行わせることができるとされておりまして、その実施主体の拡大を今回目的とするものでございます。
#177
○福島委員 いや、全然答えになっていなくて、一回から二回は、株式会社を参入させないで一般社団法人で倍の回数できたわけですよ、一回から二回だから。なぜ二回から三回に上げるときには株式会社が参入しなきゃできないんですか。その社団法人がきちんと人員を確保して予算を確保すれば、二回から三回にできるんじゃないですか。神奈川県の提案は三回やりたいということだったわけですよね。なぜそれを、二回目から三回になるときに株式会社に開放しなければならなかったんですか。
#178
○吉本政府参考人 保育士試験を実施するに当たりましては、現在は、一般社団法人の全国保育士養成協議会といったところが、全ての都道府県からの指定を受けて実施をしているところでございます。
 その試験の実施につきましては、協議会におきましては、事務職員十名、また試験の作成は五十九人の試験委員、そういう体制で執行しているところでございますけれども、近年、一回から二回に拡大したばかりでございまして、三回目の試験の実施に当たりましては、数千人規模の受験申請者の全ての事務処理がまた新たに発生するといったようなこと、さらには、試験の実施につきましては、試験問題作成の事務、それから試験実施に至るさまざまな、申請の受け付けから会場の設定、試験の実施といった、そういう事務があるところでございまして、同法人による三回目試験の実施は困難だという現状があるところでございます。
#179
○福島委員 つまり、こんなのは規制でも何でもないんですよ。社団法人の能力の問題であって、そこの予算をふやしたりするように指導するか、もしくはそういう能力がないところは外せばいいだけですよね、それは。
 今までなぜ株式会社を入れてこなかったかというのは、公正、適正かつ確実な実施を担保する必要があるとおっしゃってきたわけですよね。株式会社、今度入りますけれども、公正、適正かつ確実な実施を担保できるんですか。
#180
○吉本政府参考人 今回の特区制度の枠組みの中で、一般社団法人、一般財団法人以外の法人を実施するに当たりましては、設備、経理的、技術的な基礎、あるいは役員の構成、試験委員の十分な人数を確保することなどの、今申し上げました公正、適正かつ確実といったことがきちんと担保できるような、そういう条件をきちんと付しまして実施に移していきたいというふうに考えています。
#181
○福島委員 公正な担保がなされる株式会社を入れるんですよね。私は、今まで株式会社の参入をそもそも入れてこなかったこと自体がおかしいと思いますよ。一般社団法人なら公正かつ適正で確実な実施ができるけれども、株式会社であれば公正、適正かつ確実な実施ができないなんというのは、そもそも理由がなかったと思います。
 そして、今までは、全国全ての県の試験は一つの一般社団法人がやっていたわけですよね。今度新しく入ってくる株式会社が公正、適正かつ確実な実施ができるのだとすれば、なぜその株式会社を使って試験をやることが神奈川県以外の県じゃできないんですか。
#182
○吉本政府参考人 今回、一般社団法人、財団法人以外の実施を可能とするに当たりましては、ただいま申し上げましたような条件を付してということを考えておりまして、それ以上に全国的に拡大するということにつきましては、今般、神奈川県からの要望があって実施するわけでございますが、その実施状況、あるいは他の都道府県における三回目の試験の実施の意向等を踏まえて考えるべきことかというふうに考えております。
#183
○福島委員 いや、全く理解できません。
 今までも、一つの一般社団法人が四十七都道府県の試験の問題をつくったり、試験を行っていたわけですよ。今度それに民間が入って、今まで一つだったんだから、そこを四十七都道府県が使えたっていいわけですよね。なぜ神奈川に区切るわけですか。全く意味がわかりません。
 これこそ、だから、この国家戦略特区と構造改革特区の違いを言っているんですけれども、そもそもこんなのは岩盤規制でも何でもないですよ。一般社団法人の能力がないということを特区で突破するのが岩盤規制だとするならば、私はその岩盤は豆腐みたいなものだと思いますよ。岩盤でも何でもない。しかも、せっかく新しく株式会社の参入を認めたのに、利用ができるのが神奈川県しかない。全く合理的な理由がないじゃないですか。何が国家戦略特区なんですか。
 大臣、この規制は、もうこれはすぐ改正すればいいと思いますけれども、全国の都道府県がこの株式会社が新しくやる試験を実施できるようにすればいいじゃないですか。それに何の問題があるんですか。すぐおやりになったらいかがですか。
#184
○山本(幸)国務大臣 指定試験機関となり得る法人の対象拡大につきましては、平成十六年度に保育士試験を指定試験機関が初めて実施して以来、十年以上にわたって維持されてきた規制を改革するものであり、これも岩盤規制改革と言えるものではないかと考えております。
 本特例措置におきましては、試験の適正性、公正性、確実性を担保することを条件として実施主体を拡大することとしておりますが、こうした条件のもとで、まずは特区において実証的に対象を拡大して、特段の弊害があるかどうか、これをきちっと見きわめた上で、全国展開について検討することになるものと考えております。
#185
○福島委員 全く理解ができないですね。
 だって、公正、適正かつ確実な実施を担保してやるわけでしょう。しかも、この規定上は一つとどこにも決まっていないんですよ。だめだったら、別の公正、適正かつ確実な実施を担保する会社なり法人にやらせればいいだけであって、なぜこの手の話を特区で実験までして、今、岩盤規制と言ったけれども、長い間実現しなかったのが岩盤ですか。私はそうは思いませんよ。政治の意思なり、ちゃんとした意思がないから、この手の規制改革すら実現してこなかったのであって、それを岩盤規制を突破したと胸を張って言うのは、恐らく、聞いている人みんなにとって滑稽だと思いますよ。
 私は、非常にこのような規制の特例措置とも言えないようなものを特区として行うというのは恥ずかしいし、それをわざわざ国家戦略特区だと大風呂敷を広げてやるのは本当に恥ずかしい話だなというふうに思います。
 ちょっと時間がなくなったので、最後、農業外国人の就労解禁について。
 丸山議員も質問されておりましたけれども、結局、大臣、この制度の導入というのは、高度な能力を持った人を導入するというよりは、農業に外国人労働者を導入するという目的で行う制度と考えてよろしいでしょうか、どうでしょうか。
#186
○山本(幸)国務大臣 これは、農業分野において人材が必要であるというような要請もあり、その中で、単に単純労働者として入れるのではなくて、一定の能力のある農業者に、必要とされている農業現場で活躍していただこう、そういう趣旨であります。
 ただ一方で、技能研修制度のところで問題がありましたように、失踪事件等もございます。そうしたことを含めて、まずは特区でやってみて、そして弊害がないかどうか確認した上で、なければ全国展開ということも当然考えていくべきだと思っております。
#187
○福島委員 今、大臣は、単純労働力じゃないとおっしゃいましたけれども、私は農学部で農業実習などをずっとやっておりましたけれども、あらゆる仕事は単純労働じゃないと思うんですよ。何かを単純労働と言うのは失礼だと思うんですけれども、一体いかなる技能、能力を持った人、先ほど丸山議員との議論でもありましたけれども、具体的に一体どういうことをやる人を入れようとしているんでしょうか、農林水産省。
#188
○山北政府参考人 お答えをいたします。
 今回の事業で受け入れる外国人につきましては、農業の専門知識と経験を有する熟練作業者といたしまして、派遣先の農業経営者の与えられた裁量の範囲内で、現場の状況に応じて作業手順をみずから考え、施肥ですとかあるいは農薬散布等の栽培管理、あるいは収穫、出荷調製等の作業を行える者ということで考えているところでございます。
#189
○福島委員 ですから、それは特別な高い能力ではないと思うんですよね。ちょっとトレーニングすればできる、普通の、今、技能実習生がやっていることと同じことをやるんだと私は思うんですよ。
 ちょっとこの議論は、また次回、機会をいただければ深く議論したいと思うんですけれども、これは私の地元の茨城県からも提案が出されているんですが、茨城県は国家戦略特区の指定を受けていないですから、この特例を受けることができません。ぜひ指定していただきたいと思うんですが、しかし、我が茨城県は、技能実習等で来ている人の不法就労が一番多い県なんですね。二千三十八人、全国で一番多い県です。そのうちの農業が大部分で、千四百四十三人。
 そもそも、農業分野は不法就労したり逃げちゃったりする人が非常に多いというレポートを法務省は出しております。新たに外国人の就労をやるときに、こうした不法行為が起きないようなどういう取り締まりのルールをつくっていくのか、その点について法務省にお伺いしたいと思います。
#190
○井野大臣政務官 どのように不法就労をふやさないようにするかということでございますけれども、現在、具体的なそのような対策については、各関係府省、農水省を含めて検討中ではございますけれども、例えば、国と自治体が合同で適正受け入れ管理協議会を設置して、国、自治体みずから受け入れ企業を直接管理することで、労働時間や賃金等の労働条件を適切に管理する仕組みを導入する予定でございます。また、同協議会が、外国人を雇用する機関、受け入れ先を巡回する巡回指導を行うなど、そういったことも考えているところでございます。
 いずれにしても、農業人材の受け入れに当たっては、適切な管理監督体制の構築に努めてまいります。
#191
○福島委員 私は全く甘いと思いますね。ちゃんとした制度をつくって、特区の制度をつくらなきゃならないんですよ。これは、岩盤規制を突破するというのは、いずれ全国措置にすることを国家戦略特区が目指しているわけですよね。ということは、技能実習とは全く違う、労働者として外国人を入れるという制度を今回特区で試して、うまくいけばそれは全国措置して、単純労働かどうか定義は別にして、労働力を外国から流入させるその実験だと考えて、大臣、よろしいですね、この政策は。
#192
○山本(幸)国務大臣 これは、まさに農業分野、強い農業をつくるために必要とされる人材をいかにして獲得するかということでやるわけであります。その意味で、まず、特区で一定の技能を持った農業人材に農業の現場で働いていただいて、そして、その成果を見て、問題がなければ全国的に展開するということもあり得ると考えております。
#193
○福島委員 最後にします。
 これは、明確な、技能実習生という、学びに来て帰るという制度と違うんですよ。外国人労働者を受け入れるという、戦後のあらゆる制度の根本を変える、そうした実験なんですよ、この農業への外国人材の導入というのは。だからこそ、農業分野でさまざまな不法行為が行われる例が多いからこそ、こんな条文じゃだめで、どうちゃんと入国管理をするかというのを考えた上でやらなければならないと思いますよ。
 この点、もう一度質問する機会がいただければ細かく議論させていただきますけれども、いずれにしても、国家戦略特区という割には、どれもこれも国家戦略特区の名前に値しない、岩盤ではない、豆腐の規制、豆腐を破っている程度の話。岩盤規制と認められ得る農業への労働者の導入というのは、これは国論を二分するぐらいの話を今やろうとしているわけですよ。ですから、もっときちんとした制度を検討した方がいい、そうしたことを最後に申し上げさせていただきまして、私の質問とさせていただきます。
 以上です。
#194
○木村委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時二分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
#195
○木村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。小川淳也君。
#196
○小川委員 民進党の小川淳也でございます。
 大臣、のっけから大変厳しいお尋ねで恐縮ですが、週末の世論調査、ある報道機関ですが、山本大臣は閣僚として適任だと思いますかという問いに対して、適任だと思わない八〇・五%、大変厳しい数字が出ております。この受けとめと、なぜそうなのか、理由について、大臣、御見解をお聞きします。
#197
○山本(幸)国務大臣 個別の世論調査については、お答えを差し控えたいと思います。
#198
○小川委員 この世論調査の数字は御存じだったと思いますが、いかがですか。
#199
○山本(幸)国務大臣 いや、存じておりませんでした。
#200
○小川委員 いや、それは甚だアンテナ不足ではありませんか。週末の世論調査の、大臣御自身の資質にかかわる回答であります。
 改めてお聞きしますが、適任だと思わない八〇・五%、どう受けとめ、その理由は何だとお考えになりますか。
#201
○山本(幸)国務大臣 個別の世論調査の件については、お答えを差し控えたいと思います。
#202
○小川委員 個別ではありません。大臣の資質に関する国民の声であります。
 これは、法案審議に当たって、もう少し謙虚な御答弁がむしろあった方がいいと私は思いますよ。これは、厳しく受けとめているという一言があってしかるべきだと思います。
 では、重ねてお聞きします。
 この間、さまざま大臣も御答弁を修正されているようですが、ちょっと文部科学省の側に事実を確認させてください。
 二条城には英語の表記がないんですか。何の歴史的説明もないんですか。
 二条城でイギリス人の抗議によって状況を改善した事実はあるんですか。
 大英博物館では改造に反対する学芸員を全員入れかえた事実はあるんですか。
 文化財に指定されると火も水も使えず、生け花やお茶もできないという事実はあるんですか。
 ちょっと四点、簡潔に。
#203
○義家副大臣 お答えいたします。
 まず、二条城での英語の表記についてでありますが、所有者である京都市に確認したところ、英語解説を最初に設置した時期は不明だが十年から二十年ほど前には存在していたとの回答がございました。
 また、イギリス人の抗議によって状況を改善した事実があるかという御質問ですが、京都市では、イギリス人委員を含む有識者会議、二条城の価値を活かし未来を創造する会を設置し、わかりやすい多言語発信などのあり方についても議論されてきたと承知しております。平成二十八年九月に出された提言では、案内板の充実など、歴史や文化財をわかりやすく説明する機能の強化などについても触れられており、京都市において取り組み強化が進んでいると承知しております。
 大英博物館の学芸員の入れかえの事実でございますが、大英博物館では、三十年ほど前から、来館者の増加のため、学芸員は研究のほか来館者に説明するなどの改革を進めてきたと承知しております。その際、一部の学芸員がその改革の方針に反対しておりました。しかしながら、自分たちの考えと同館の方針が異なるため、定年退職前に退職していったとのことでございます。
 その結果、オリンピック終了後も含め、同館の方針と異なる考えの学芸員が退職し、全体として同館の方針に従う学芸員に入れかわっていったという、山本大臣より御発言もございましたが、これはおおむね沿っているものだ、まず、山本大臣は訂正し、おわびがあったと承知しておりますけれども、という発言に対しておわびがあったというふうに承知している次第であります。(小川委員「文化財の火と水」と呼ぶ)
 文化財に指定されると、火も水も、生け花もお茶もできないのか等々の話ですが、我が国の文化財は文化財保護法において保護が図られておりますが、法の中で火や水の使用を禁止しているという事実はございません。
 文化財保護法四条第二項には、文化財の所有者が文化財を大切に保存するとともに、できるだけこれを公開する等その文化的活用に努めなければならないという趣旨の規定がありますが、文化庁としては、法の趣旨の適正な運用が図られるよう取り組んでおるところでございます。
#204
○小川委員 事実関係はお聞きのとおりでありますが、大臣、御発言を撤回して謝罪をされるということは大事だと思います、不適切だと思えばですね。
 しかし、今の事実関係、お聞きのとおりでありまして、私は謝罪と撤回はひとまず受けとめたいと思うんですが、なぜそういう発言に至ったのか、その理由なり反省について、大臣、ここでちょっと一言掘り下げていただけませんか。なぜ軽率にも、あるいは表現方法も含めてだと思いますが、なぜあのような発言に至ったのか、ちょっと大臣なりの反省の弁をお願いします。
#205
○山本(幸)国務大臣 十六日の講演におきましては、不適切なものだったと反省しておりまして、発言の撤回とおわびを申し上げたところであります。
 講演においては、私の二十年来の友人であり、文化財や観光に造詣が深い英国の知人から伺った、彼が初めて日本を訪れた数十年前の話を申し上げたところでありまして、今はがらっと変わり、英語の案内も入っているというのは、当日の講演でも申し上げたとおりであります。
 私の真意としては、文化財は保護することだけではなくて、観光立国の観点からも、文化財は地域資源として活用していくことが重要であり、学芸員の方々にもより一層観光マインドを持ってやっていただきたいという思いから発言させていただいたところであります。
 また、文化財を観光資源として活用していくことは、入場料等にもつながり、貴重な文化財の保護の財源にも資するというように考えているところであります。
 しかし、当日の発言はこの真意が伝わらない不適切なものであったと反省しておりまして、十八日の本会議並びに十九日及び二十一日の当委員会等におきましても、発言の撤回とおわびを申し上げたところでございます。
#206
○小川委員 大臣、ここはぜひ、読まずに、大臣のお言葉でお聞きしたい部分なんですね。
 事実関係が不確かであった。恐らく、この類いの話を過去に聞かれていたわけでしょう。今回、御発言されるに当たって、その事実確認は必要だったと思います。それから、過去の記憶でしょうから、今どうなっているだろうかということに対する一定の注意深さといいますか、警戒心が必要だったのではありませんか。さらに、表現についても、ガンという言葉をお使いになられたことは、いかにも配慮の足りない、直截な表現であったということ。この二点、三点、これぞまさに、謝罪して撤回したことは受けとめたいと思っておりますが、なお大臣の資質に関して大きく反省を要する点ではなかろうかと思います。
 通り一遍の書かれたものではなくて、やはり内心の反省といいますか、内心の大臣なりの解釈をぜひともお聞きしたい場面でありました。
 法案の中身についても、まず、保育の関係をお聞きします。
 せんだって分権一括法の際にもお聞きしましたが、今回、小規模保育事業の対象年齢を拡大されますね。午前中の質疑でもありました。
 それで、三歳以上五歳までを新たに小規模保育で受け入れるとなりますと、前回、分権関連法の質疑で指摘したとおり、待機児童がふえているのはゼロ―二歳児です。待機児童が減っているのが三歳から五歳児です。新たに小規模保育所で三歳から五歳を受け入れるようにするということは、これはゼロ―二歳児が追い出される可能性はありませんか、堀内政務官。
#207
○堀内大臣政務官 小川委員の御質問に答えさせていただきます。
 本事業を実施する自治体におきましては、小規模保育事業の対象年齢を拡大することを考慮に入れた上で、ゼロ―二歳児自身も含めた待機児童の解消に向けた受け皿整備を整えていただく必要があると思っております。
 国としてもその取り組みをしっかりと支えるために、待機児童解消加速化プランに基づき、平成二十九年度までの五年間で五十万人分の保育の受け皿を整備しているところであり、保育園などの整備への支援、保育士などの人材確保に全力を尽くしてまいる所存でございます。
#208
○小川委員 お聞きしたことに直接答えてください。
 三歳から五歳を受け入れるということは、今ですら待機児童がふえ続けているゼロから二歳児を結果的に追い出すことになりませんかとお聞きしています。
#209
○堀内大臣政務官 いわゆる、先ほど御指摘のゼロから二歳児の待機児童も含め、将来に向けた潜在的な保育ニーズを幅広く把握して、それに応えられるような受け皿整備を行うこととなっておりまして、そのために、いわゆる待機児童解消加速化プランに基づいて、しっかりと整備に全力を尽くしてまいる所存でございます。
#210
○小川委員 仮に受けとめるとして、前回指摘しましたが、要するに、三歳の壁というのは確かにあるんでしょうね。三歳になるときにほかを探さなきゃいけない、これは何とかしてやりたい、それはそのとおりだと思います。しかし、現実に待機児童が増加の一途をたどっているのはゼロから二歳児ですから。三歳から五歳は半分ぐらいに減っているわけですよね、この十年で。ということは、受け入れの設備面からいうと、これは、そういうおそれを抱きながら政策遂行に当たる必然性、責任があると思いますよ。
 その上で、前回指摘しました保育所の定員管理に関して、年齢別に把握していないということでありました。あれから何週間かたちますので、その必要性については理解していただけたと思います。今後どうされるか、その後の検討状況についてお聞きします。
#211
○堀内大臣政務官 先ほど小川先生がおっしゃいましたように、その把握、保育の定員数をきちっと把握していくことを年齢別にすることは大事であるということは、こちらも認識しているところでございます。
 このため、今後、各自治体の事務負担等を考慮しながら、年齢ごとの保育所の定員の状況について調査を実施してまいりたいと思っております。
    〔委員長退席、池田(道)委員長代理着席〕
#212
○小川委員 いつまでですか。きのう事務的に少し聞き取っていますが、いつまでにですか。
#213
○堀内大臣政務官 今年度中に調査を実施してまいりたいと存じております。
#214
○小川委員 今年度といいますと、最長約一年ありますから、決して早いとは言えませんけれども、さりとて一刻を争うことでもないとすれば、さまざまな事務負担なり、あるいはいろいろな調査の兼ね合いの中で、ぜひとも正確に状況を把握していただきたい、改めてお願いを申し上げたいと思います。
 堀内政務官、どうぞ御退室いただいて結構です。
 それでは、改めて、この法案に関連して、かねてから問題になっております獣医学部の新設についてお聞きしたいと思います。
 山本大臣、まず、山本大臣の口から、あるいは側から、なぜ私たち野党側がこれを問題視していると思われているか。いろいろ政府側には政府側の御見解なり解釈はあろうかと思います。しかし、なぜ野党の私たちがこれを問題視していると大臣はお考えになるか、そこをちょっとお聞かせいただきたい。
#215
○山本(幸)国務大臣 これまでの審議等を通じまして、加計学園の理事長と安倍総理が親友だったというようなことがもとにあるのではないかと思っております。
#216
○小川委員 まさにそれは一つの重要な要素であります。やはり政権トップあるいは政権幹部に距離の近しい方々が、何らかの、それは法的であれ、あるいは予算措置であれ、特別の恩典に浴するということであってはならないわけでありまして、非常に今回、この学園の責任者と政権の責任者たる安倍総理との距離が近しいということは一つ重要な点であります。
 しかし、ここで求めたいのは、そうであってもなお、合理的で客観的で具体的な説明が政府側からあれば、そういう疑念は払拭できるはずなんです。それが伴わないから、と私たちは受けとめているわけですね。それが伴わないから、政権と距離が近いということだけをもって、こうした恩恵、恩典に浴しているのではないかという疑いを持っているわけです。
 いや、それは、政権に近いと何も、制度的な、あるいは予算的な配慮を受けられないというのも逆に不平等だと思いますよ。逆不公平だと思いますよ。
 だからこそ、政権に近い、今回たまたまそうなんですが、それをもってなお、これだけの具体的、客観的な検証の結果として、今回の認定なり、あるいは予算措置に至っているという説得力のある説明が欲しいわけです。
 それを前提に、お聞きしたいと思います。
 まず、農林省にお聞きしたいと思いますが、齋藤副大臣、ありがとうございました。
 今回の獣医学部の創設は、獣医師会、獣医師業界を所管する農林省として、どのように受けとめているんですか。必要なことですか、これは。
#217
○齋藤副大臣 まず、私どもは、産業動物獣医師の需給ということについて、きちんとした対応をしていかなくてはいけないというふうに思っております。
 それで、今回の件につきましては、産業動物獣医師という観点の需給で申し上げれば一概には言えないところが確かにありますけれども、獣医師の数自体が全体的に不足をしているということではないというふうに考えております。
 ただ、産業獣医師以外にもいろいろな獣医師の需要があるのは事実でございます。今回のケースで申し上げますと、創薬プロセスにおける多様な実験動物を用いた先端ライフサイエンス研究の推進ですとか、それから地域での感染症に係る水際対策ですとか、そういう部分での具体的な需要があるということでありましたので、私どもとしては、そういうことであるならばということで受けとめたということでございます。
#218
○小川委員 その御説明が、にわかには信じがたいわけですよね。
 いただいた資料によりますと、例えば家畜、二十年前ですか、豚一千万頭が現在九百五十万。肉用牛が二百九十万から二百五十万。乳用牛は二百二万から百四十万。ペット、犬はかつて、十年前の一千三百万から現在九百九十万。猫が一千三十七万から九百八十七万。
 いずれも相当減っています、家畜もペットも。これは、今後どうなるんですか。
#219
○齋藤副大臣 今、委員御指摘のように、家畜もペットも、これまでは飼養頭数というのは減少傾向にあります。ただ一方で、ペット一頭当たりの診療回数は増加しているというような現実もございます。
 今後のことについては、なかなか推移を申し上げることができませんが、ただ、農林水産省としては、畜産についてはもっと振興をしていきたいというふうに思っているところでございます。
#220
○小川委員 改めて、では、もしそういうデータがあるのであれば、それをぜひ委員会にも提出していただいて、よく検証させてください。とにかく冒頭申し上げたように、合理的かつ客観的な説得力があれば、今回の疑念は払拭できるわけでありますから。
 もし、仮に、申し上げたとおり、ペットも家畜も、恐らくこの先、日本の人口減少たるや、物すごい勢いで進んでいきますから。そして、どうも、事務的に聞き取ったところによると、飼い主も高齢の方がふえているようですね。そうすると、御自身の余命を考えると、仮にペットが死亡しても、飼いかえにちゅうちょされる方も多い。ですから、人口減少に加えて、余命とかいう観点からも、恐らくこれはもっと下り坂を下っていくのではないかと想像します。
 なおかつ、そういう中にあって、今回の加計の定員なんですが、今、百六十名で申請が上がっているとお聞きしています。
 これは、全部で、現在、日本じゅうに幾つの大学で、幾らの獣医学部の定員があるのか、おわかりになればお答えいただきたいと思います。
#221
○松尾政府参考人 お答えいたします。
 定数で申し上げますと、九百三十名でございます。大学で申し上げますと、十六でございます。
#222
○小川委員 そうすると、齋藤副大臣、今、全国の獣医学部が、九百三十しかいないんですね。それで、恐らく大きいと予想される、例えば北海道大学で四十人ですよ。あるいは、酪農学園大学、これが最大規模ですかね、百二十人。青森の北里大学で百二十人。
 百六十人、新たにつくるということは、九百三十人の全国総定員に対して一七%、二割ふやすことになるんですね、もしこの状況で認可すれば。
 そうすると、齋藤副大臣、今おっしゃったペットや家畜の全体傾向と、今もってなお不足はないとおっしゃったその獣医学部の定員を二割近くふやすこととの政策的な整合性なり関連性、いま一度、ちょっと御答弁いただけませんか。
#223
○齋藤副大臣 まずお断りしておかなくちゃいけないのは、我が省は、獣医学部の設置に関して、新設される獣医学部の定員の妥当性について所管をしておりませんので、その面での適切な判断というのは我が方からはできません。
 その上で申し上げますと、今回の獣医学部の新設というのは、我々が聞いているところによりますと、先端ライフサイエンス研究、繰り返しになって申しわけありませんが、の推進で新たな需要があると。それから、獣医師を含む、さっき申し上げた水際対策での新たな需要がある。これは恐らく、自治体や市町村の公務員として勤務されるケースもあろうかと思いますので、現場の獣医師ということではないのかもしれませんけれども、そういう新たな需要が我が省の所管分野以外にもあるということで聞いておりまして、そして学部の設置は一校に限られるということでもありましたので、全体の需給に大きな影響を及ぼすものではないという判断をしたということでございます。
    〔池田(道)委員長代理退席、委員長着席〕
#224
○小川委員 それはちょっとおかしいんじゃないですか、副大臣。
 義家副大臣、今のでいいんですか。文部科学省が確かに形式的にあらゆる大学のあらゆる学部の定員を管理しておられるのでしょう。そこに当たって、例えば医師の需給、例えば獣医師の需給を、厚労省や農林省の意見、意向を踏まえずに判断、判定するということはあり得ることですか。
#225
○義家副大臣 獣医師の、獣医学部の新設については、文部科学省としては、昭和五十九年より、獣医師の需給等の観点から抑制してまいりました。
 これに対して、平成二十七年六月に今治市より国家戦略特区の提案がございまして、国家戦略特区を所管する内閣府を中心として、獣医療行政を所管する農林水産省、大学行政を所管する文部科学省との間でも調整が累次に行われ、平成二十八年十一月に国家戦略特区諮問会議において、獣医師が新たに取り組むべき分野における具体的な需要に対応するため関係制度の改正を行うとする追加規制改革事項がまとめられたところでございます。
#226
○小川委員 ということは、農林省の意向を踏まえて、少なくとも合意を得て、定員を二割ふやしたということですね。
#227
○義家副大臣 内閣府を中心にして、文部科学省そして農林水産省と累次の折衝を重ねた上で、そのような判断になったということでございます。
#228
○小川委員 ということは、齋藤副大臣、何をもって二割の定員増、今、義家副大臣は具体的なニーズとおっしゃった、御答弁の中で。何が具体的なニーズなんですか。二割ですよ、定員をふやすのは。
#229
○齋藤副大臣 繰り返しになりますけれども、ライフサイエンス等の我々の所管する分野以外での新たな需要があるということでありましたので、従来の獣医師の需給には大きな影響がないという判断をさせていただいたというところでございます。
#230
○小川委員 今の御説明を本当に具体化する資料提出を求めたいと思います。何をもって二割も、具体的なニーズとおっしゃったわけですから、何に何人必要なのか、委員長、資料提出を求めたいと思います、委員会に。
#231
○木村委員長 具体的に何の資料ですか。
#232
○小川委員 獣医学部の定員を二割ふやすわけですから、具体的なニーズがあると、今、両副大臣はおっしゃっているわけですから、それが何なのかということに関する具体的な資料です。
#233
○木村委員長 後刻、理事会で協議いたします。
#234
○小川委員 いや、委員長、そんな首をかしげるような話ですか、これは。当たり前のことじゃないですか。
#235
○木村委員長 いやいや、行政的に、あらかじめ、ふだんからあるような資料だったらわかるんだけれども、実際にあるのかどうかもちょっと私、確認しなきゃいけないようなものでしたので、それで。
#236
○小川委員 委員長、お言葉ですが、委員長と質疑する場面ではありませんが、政策判断の妥当性を聞いているわけですから。説得力ある説明をしてくださいとお願いしているわけですから。
#237
○木村委員長 後刻、理事会で協議いたします。
#238
○小川委員 総量に関しては、では、具体的な資料要求をしました、今。お願いします。
 それともう一つ、空白区に限るという今回の判断の根拠なんですが、確かに、四国には獣医学部はありませんよね。確かにない。
 では、恐らくこれは諮問会議の方で議論されたはずだと思いますが、地域ごとに、家畜なりペットと、獣医師、そして、その獣医師の恐らく出身大学、出身学部が近隣に散らばるということであれば、その獣医学部の存在。
 ですから、潜在的なニーズたる家畜、ペット、そして、そこをカバーしているであろう獣医師数、そして、その根拠となり得る獣医学部の存在、この三つの相関関係はよく検証した上で、白紙地域なら、特区制度まで講じて認めるに値するという御判断をされたと思うんですが、その検証した具体的なデータなり説得力ある説明は、どなたが行うことができるんですか。山本大臣でも結構です。
#239
○山本(幸)国務大臣 十一月九日の諮問会議取りまとめは、特定の地域だけを念頭に置いたものではなくて、四国地域に限定することだけを決定したということではありません。広域的に獣医系大学の存在しない地域に限り認めるということを決めたものであります。
 この十一月九日の諮問会議取りまとめで空白域に限るとしたのは、獣医師会などの慎重論に耳を傾けつつ、産業動物獣医師の地域偏在への対応や、感染症対策、水際対策、あるいは獣医師が新たに取り組むべき分野に対応し得る獣医学部の新設をいち早く実現するために、まずは、地域を限ってやろうとしたものであります。
 国家戦略特区は、規制改革の突破口でありまして、獣医学部の新設について、今後、特段の問題がなければ、さらなる規制改革として、二校目、三校目もあり得るというように考えております。
#240
○小川委員 総量に関して、二割ふやす、その具体的な説明を先ほど求めましたし、今の御説明も、大臣、やはり具体的で説得的な説明にはなっていないと思うんですよね。空白地域に獣医学部を置くということですから、そこに家畜やペットのニーズがあって、獣医師がどのぐらいいて、その拠点となる獣医学部がどう点在しているのかということの分析は、地域ごとに、少なくとも必要じゃないですか。
 その検証内容なり検証資料も、委員長、委員会に提出していただくことを求めたいと思いますが。
#241
○木村委員長 後刻、理事会で協議いたします。
#242
○小川委員 はい、お願いします。
 もう一点、一六年の十月に、関係する、京都ですかね、からヒアリングを行って、十一月に空白地域に限るという、いわば後出しじゃんけんのような形で条件を変更した、これもさらに疑念を深めています。そんな事例がほかにもあるのかどうか。歴史の長いこの国家戦略特区等で、これは、申請者側にすると、本当にはしごを外されたもいいところだと思いますが、この点。
 それから、もう時間ですからやめますけれども、きょう藤原審議官に御出席をいただいております。加計学園の理事である木曽さんと面談されたということが報じられておりますが、その面談記録等についても、あわせて委員会に御提出をいただきたい。
 その二点、委員長にお願いをして、質問を終えたいと思います。
#243
○木村委員長 後刻、理事会で協議いたしますが、大変恐縮ですけれども、質問の中で、その質問にこの時点で答えられないとかいろいろある中で、後で与野党の理事の皆さんとも相談しますので。
 ただ、私の、委員長として、この委員会で答えができない、あるいは間に合わない、あるいは、あるのかどうかも含めて、そこもやはりちゃんと協議させていただきたいと思いますので、後刻、理事会で協議いたします。
#244
○小川委員 では、ひとまず終わります。
#245
○木村委員長 次に、宮崎岳志君。
#246
○宮崎(岳)委員 宮崎岳志でございます。
 本日、最後の質疑者ということでございます。よろしくお願いいたします。
 まず、この国家戦略特区制度の根幹を揺るがしている加計学園問題について伺いたいと思うんですが、以前、質疑の中で、文部科学省から加計学園に二名の天下りの理事がいるというような御答弁がいろいろなところであったと思います。
 その中で、お一人は、先ほど話にも出ました木曽功さんという方で、この方は、内閣官房参与を務めつつ、加計学園の理事、また千葉科学大の学長を行っておられ、今はもう参与の方は昨年やめたわけですが、そして、参与であり加計学園の理事であるという立場のままに、この国家戦略特区制度の事務方トップである内閣府藤原豊審議官に面会を求め、そして獣医学部の新設を含む特区制度についての説明を求めた、こういう状況だということがわかっております。
 さて、もう一方、いわゆる天下りで理事を務めていた方がいらっしゃると思うんですが、この方がどなたかということは、山本幸三大臣、御存じでしょうか。
#247
○山本(幸)国務大臣 いや、全く存じません。
#248
○宮崎(岳)委員 存じていただいた方がいいと思うんですけれども。
 では、この方がどなたであるか、どういう方であるか、内閣府に伺います。どなたかお願いできますか。
#249
○佐々木(基)政府参考人 私どもも全く承知しておりません。
#250
○宮崎(岳)委員 それでは、文部科学省に伺います。この方はどなたでしょうか。
#251
○中川政府参考人 お答え申し上げます。
 今、委員の御質問が、文部科学省のOBで加計学園に再就職しているということで以前御答弁申し上げたものだとすれば、豊田三郎という者でございます。
#252
○宮崎(岳)委員 この方がいつからいつまで加計学園の理事に在職をされていたか、また、この方が過去どういう経歴であり、今どういうお立場にあるか、あわせてお伺いいたします。
#253
○中川政府参考人 お答え申し上げます。
 豊田三郎氏は、昭和四十一年四月に埼玉大学に採用後、昭和五十一年七月に文部省に転任、その後、課長補佐、室長を経て、平成十五年十一月に文化庁文化部宗務課長、平成十七年四月に国立大学法人名古屋大学理事兼事務局長を歴任した後に、平成十九年三月に退職しております。
 豊田三郎氏については、私立学校法施行規則に基づく学校法人の役員の変更の届け出により、それによりますと、平成二十八年五月三十日から平成二十九年一月二十五日まで、学校法人加計学園理事に就任していたものと承知しております。
#254
○宮崎(岳)委員 昨年の五月三十日からことしの一月二十五日ということでよろしいんでしょうか。
 今現在、どういうお立場の方でしょうか。
#255
○中川政府参考人 今、私どもの把握している過去のものでは、豊田三郎氏、公表情報によりますと、公益財団法人文教協会に確認をしたところ、平成二十四年九月より同協会の常務理事。これは、現在、勤務していると承知しております。
#256
○宮崎(岳)委員 内閣府の皆さん、大臣を含めて、私、別に、無名の人について聞いたわけじゃないんです。
 一連の、ことしの特に前半で大きな問題となった文科省天下り問題。この、一種、総本山であった文教フォーラム。その文教フォーラムと表裏一体の存在であった公益財団法人文教協会、ここの常務理事。そして、文教フォーラムの家賃はこの文教協会が負担をし、このたびの一連の問題を受けて解散をするということになった。そこの、理事長が最高責任者かもしれませんが、最高実力者、実務のトップと言ってもいいでしょう、これがいわゆる豊田三郎氏なんですよ。
 その方が加計学園に理事に入られていて、だからこそ、御存じですかというふうに伺ったので、私は、名前ぐらいは恐らく、テレビなんかにもインタビューで映ったりした方ですから、当然されているんじゃないかと思いますけれども、この公益財団の文教協会について、豊田三郎常務理事は、今どのような報酬、勤務状況等の待遇にあるか、また、この文教協会は二月の時点で解散をするというお話でありましたが、どういう形で今行われているのかということをお伺いできますか。
#257
○中川政府参考人 お答えを申し上げます。
 文教協会に確認したところによりますと、豊田三郎氏につきましては、平成二十四年九月一日より、文教協会の常務理事として、週三日以上で有償で勤務していると承知しております。
 報酬額については、具体的な金額につきましては個人のプライバシーの保護の観点からお答えを差し控えさせていただきますが、公益財団法人文教協会の内規によりますと、常務理事の報酬月額につきましては、五十万円までの範囲内で会長が理事会の承認を得て決めることとされているものと承知しております。
 また、この文教協会でございますが、ただいま委員御指摘のとおり、公益財団法人文教協会につきましては、これも財団に確認をしましたところ、本年三月二十四日に開催されました評議員会におきまして、本年六月三十日をもちまして解散する、これが了承されたと承知しております。
#258
○宮崎(岳)委員 本年六月三十日をもって解散をすると。
 二月に実質上の解散の表明があって、それはまさに、この豊田三郎常務理事であり、当時、加計学園の理事をやめた直後。この一月二十五日という加計学園の理事をやめた日付を見てみますと、まさにこの天下り問題が内部的に発覚をした後ということになると思いました。ここら辺に退任との関係が、どういう関係があるかわかりませんが、少なくとも、この天下りの問題が浮上したことを受けておやめになったんだと思いますけれども、そういう状況にあると。
 では、豊田氏が、昨年の五月三十日からことしの一月二十五日までですか、理事をやっていらっしゃったということでございますので、それ以降、豊田氏と面談とか接触ですね、接触というのは電話とかファクスとかメールとかそういうことでありますが、そういうことがあったかどうかということを、一応御確認をさせていただきたい。
 まず、山本大臣、いかがでしょうか。
#259
○山本(幸)国務大臣 私は、全く面識もありませんし、面会した記憶もありません。
#260
○宮崎(岳)委員 続いて、内閣府地方創生推進事務局長、地方創生推進事務局の特区担当である藤原審議官、いかがでしょうか。
#261
○佐々木(基)政府参考人 私も、全く面識もございませんし、面談等の事実もございません。
#262
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 豊田氏との面談やメールのやりとり等はございません。
#263
○宮崎(岳)委員 それでは、文部科学省、松野大臣についても一応御確認を事前にしていただいていると思います。松野文科大臣、それから高等教育局担当の審議官、それから高等教育局長、専門教育課長、この縦のラインの方々、木曽氏と面会の記録等、ありますでしょうか。
#264
○松尾政府参考人 お答えいたします。
 昨年以降、豊田氏が学校法人加計学園理事に就任しておりました期間において、大臣につきましては、昨年の平成二十八年九月六日に、一般的な挨拶に来られた豊田氏とお会いしたというふうに聞いてございます。
 それ以外の者につきましては、文書保存期間中の日程表を調べてみましたけれども、豊田氏との面会は確認できませんでした。
#265
○宮崎(岳)委員 一応伺います。
 文書保存期間中の日程ということですが、文書保存期間はいつまででしょうか。
#266
○松尾政府参考人 ただいま御指摘いただきました高等教育局長、それから高等教育局担当審議官、専門教育課長でございますが、大臣官房におきましての文書保存期間は、日程表につきましては六カ月、高等局につきましては保存期間一年ということになってございます。
#267
○宮崎(岳)委員 官房で六カ月、高等教育局あるいはその課においては一年ということですね。
 これは一応確認ですが、文教協会の方に出かけていってお話をしたということもないということでよろしいですね。
#268
○松尾政府参考人 日程表上は確認できませんでした。そこまで詳しくはわかりません。
#269
○宮崎(岳)委員 これは、それぞれ個人が特定されていることですから、大臣が行かれるということはまずないと思いますが、ほかの審議官、局長、課長さんについては確認をいただけますか。
#270
○松尾政府参考人 それは、引き続きまして、持ち帰りまして検討させていただきたいと思います。
#271
○宮崎(岳)委員 では委員長、そういうことですので、確認をいただきまして、理事会に御提出をいただくということでお願いいたします。
 続きまして、農水省の方に伺いますが、山本農水大臣、それから消費・安全局担当審議官、消費・安全局長、畜水産安全管理課長については、この豊田三郎氏との面会、接触の記録はありますでしょうか。
#272
○小川政府参考人 お答えします。
 豊田三郎氏が加計学園理事として在籍しておりましたのは、平成二十八年五月三十日から平成二十九年一月二十五日とお聞きいたしました。この間、山本農林水産大臣が、平成二十八年八月二十三日にお会いしたと伺っております。
 また、消費・安全局長、それから消費・安全局担当の大臣官房審議官及び畜水産安全管理課長が同氏にお会いしたことはございません。
#273
○宮崎(岳)委員 八月二十三日の御用件はいかなるものなのでしょうか。
#274
○小川政府参考人 お答え申し上げます。
 八月二十三日でございますが、農林水産大臣に就任したことについての御挨拶というふうに伺っております。
#275
○宮崎(岳)委員 それは、つまり、文教フォーラムの理事長そのほかといらっしゃったという意味ですか、この御挨拶というのは。文教フォーラムの理事長等と一緒に文教協会としていらっしゃった、個人的にいらっしゃった、どっちでしょうか。
#276
○小川政府参考人 お答え申し上げます。
 八月二十三日の山本農林水産大臣との面会でございますが、豊田三郎氏と加計孝太郎理事長との面談でございます。
#277
○宮崎(岳)委員 では、豊田三郎さんが、加計学園の加計孝太郎理事長と一緒に八月二十三日に山本有二農水大臣に面談に来て、就任おめでとうございますというふうな御挨拶をされたということでございますと、その御要件というのは、我々、特区で獣医学部の新設を御提案しています、どうぞよろしく、こういったお話も出たんでしょうか。いかがでしょうか。
#278
○小川政府参考人 お答え申し上げます。
 八月二十三日の農林水産大臣との面談でございますが、まず、農林水産大臣に就任したことについての御挨拶、そしてその中で、獣医学部を四国において新設することを検討しているという話もあったように伺っております。
#279
○宮崎(岳)委員 では、八月二十三日には、そういう獣医学部の新設についての話があったんですね。
 そうしますと、もう一つ聞いておかなければなりませんのが、九月六日の松野大臣が会ったときがありますね。九月六日に、豊田三郎氏が松野文科大臣と会われています。これは、先ほど一般的な挨拶だったということですが、このときは、加計孝太郎理事長と同席ということではないということでよろしいんでしょうか。
#280
○松尾政府参考人 昨年、二十八年九月六日には、豊田氏とともに加計理事長が挨拶に行ったと聞いてございます。これは、大臣の就任の挨拶ということで伺っております。
#281
○宮崎(岳)委員 獣医学部の新設の話、農水省ではそういう話も出たということでしたが、文科省においてはいかがですか。
#282
○松尾政府参考人 それは承知しておりません。就任の挨拶のみというふうには聞いておりますが、そこまで承知しておりません。
#283
○宮崎(岳)委員 御確認をして、御返事をいただけますか。
#284
○松尾政府参考人 持ち帰って検討したいと思います。
#285
○宮崎(岳)委員 委員長、それでは、この件についても委員会への提出をお願いしたいと思いますが、よろしいですか。
#286
○木村委員長 はい。
#287
○宮崎(岳)委員 ありがとうございます。
#288
○木村委員長 後刻理事会で。提出というか、確認のことでいいんですね。
#289
○宮崎(岳)委員 そうです、今の。
#290
○木村委員長 提出というと何かペーパーのような感じで。まずはここを確認してもらうことの答えを理事会で聞いていいですか。
#291
○宮崎(岳)委員 そうです。理事会に答えを欲しいということです。
#292
○木村委員長 はい。
#293
○宮崎(岳)委員 先ほどのことと今のこと、二点ですけれども。
 続きまして、そうしますと、これは、八月二十三日に、農水大臣、加計孝太郎氏と豊田三郎氏が挨拶、九月六日には加計孝太郎氏と豊田三郎氏が松野文科大臣のところに挨拶、翌日、九月七日、加計孝太郎理事長が山本大臣にやはり、挨拶というよりは、こっちは、特区提案をしていますのでよろしくという陳情だったと聞いていますが、このときは豊田三郎さんは同席されているんでしょうか。
#294
○山本(幸)国務大臣 ちょっと私の記憶にありませんが、そのときは、加計理事長と息子さん、それから秘書の方と思われますけれども、何人か連れてきていたように思いますが、ちょっと確認できません。
#295
○宮崎(岳)委員 一応その点についても、御確認可能だと思いますので、御確認を願えればと思います。
 いずれにせよ、まあまあ豊田氏というのは、過去にも、その天下り問題で国会質疑にも三回ぐらい登場している方で、非常に有名な官僚と言ってもいいと思います。
 先ほど、いわゆるトップエリートのキャリアという話ではないのかもしれません、採用の経緯から見ると、ないのかもしれませんが、遠山敦子文部科学大臣のときには、官僚でありながら政務の秘書官をお務めになったこともある。そしてその後、名古屋大学の理事から、公立学校共済組合ですか、こちらの方に天下りをされたというようなことで、過去にも、三年ぐらいに分けて三回ぐらい、残念ながら今では自民党の方に入ってしまいましたが、山口壯氏が当時民主党におりまして、非常に厳しく追及をされたという経過もある。
 その人物が加計学園にいて、しかも、この天下り問題が勃発した瞬間に理事を辞任されているということも含めて、私たちは、この氏の動きにやはり注目をしなければいけないと思っております。
 それでは、内閣府、文科省、農水省、それぞれに伺いたいんですが、昨年一月以降で、獣医学部の新設または国家戦略特区に関連する御用件で、木曽さんと豊田三郎さんについては今お話がありましたが、それ以外の加計学園関係者、こういう方々から問い合わせを受けたり接触を受けたりということがあれば、いわゆる面談とか電話、ファクス、メール等でありますが、全てお示しを願いたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
 内閣府からお願いいたします。
#296
○佐々木(基)政府参考人 昨年の九月十二日に国家戦略特区シンポジウムがございまして、これは今治市長が説明者だったんですけれども、その席に加計学園の人が三者ほど聴衆として来られていらっしゃいまして、挨拶を受けたという記憶はございます。
 それから、ことしの一月十二日、これは第二回の今治市分科会でございますので、当然のことながら、加計学園が構成員の候補者として、学長と準備室長と常務理事が出席しておりまして、吉川準備室長から、計画の内容についての御説明がありました。
 それから、一月二十日には、第三回の広島県と今治市の区域会議がございまして、ここには加計孝太郎理事長が来られまして、挨拶というか発言をされました。
#297
○宮崎(岳)委員 続いて、では文科省、お願いします。
#298
○松尾政府参考人 お答えいたします。
 今御指摘の木曽氏、豊田氏以外の学校法人加計学園の役職員が、文科省職員に問い合わせ、そしてまた相談等の接触を行ったことについてでございますけれども、これは網羅的に把握することは困難でございますが、例えば設置認可の申請に係る手続等に関しましては、事務的な問い合わせはあったというふうに承知してございます。
#299
○宮崎(岳)委員 では農水省、お願いいたします。
#300
○小川政府参考人 お答えします。
 まず、山本農林水産大臣でございますが、先ほど申し上げました昨年の八月二十三日の面談、それから、ことしの二月十三日に、加計孝太郎理事長それから加計役副理事長及び渡辺法人本部事務局長とお会いしたと伺っております。
 それ以外、消費・安全局長、局担当大臣官房審議官及び畜水産安全管理課長が、獣医学部新設に関し、加計学園関係者と接触したことはございません。
#301
○宮崎(岳)委員 ちょっと時間がないので先に急ぎますが、山本大臣、昨年九月七日に加計理事長と面談をされています。確かに特区の申請をしているとはいえ、市長や、例えば商工会議所の会頭みたいな人と、みんなで一緒に陳情に来るというのはよくある風景かと思うんですが、なかなか、一学校法人の理事長さんが新任の大臣にお会いをするというのも、幾ら提案をしているといっても、簡単なことではないのかなというふうにも思います。
 これは、お会いになった紹介とか、きっかけとか、何かあったんでしょうか。
#302
○山本(幸)国務大臣 紹介とかそういうことはありませんでした。ただ、私への面会の要望が事務局を通じてあったということで、国家戦略特区に関係するものであったことから、事務的に面会がセットされたと聞いております。
#303
○宮崎(岳)委員 これは、山本農水大臣と松野文科大臣についてはどうですか。どなたかからの紹介とかお願いということで会われたんでしょうか。済みません、松野文科大臣と山本農水大臣について、文科省と農水省から伺います。
#304
○松尾政府参考人 済みません。事務的には承知しておりません。
 以上でございます。
#305
○小川政府参考人 お答えします。
 同様に、事務的には承知しておりません。
#306
○宮崎(岳)委員 あと、ちょっとこれは確認なんですが、文科省の方から、木曽氏が加計学園の理事として在職していた期間、また、千葉科学大学の学長として在職していた期間、これは把握されていると思います。どういうことになりますか。
#307
○松尾政府参考人 文科省におきましては、文科大臣所管の学校法人、すなわち大学等の高等教育機関を設置する学校法人につきましては、役員に変更があった際には、その役員の変更の届け出を受けるということになってございます。これによりますと、木曽氏は、平成二十八年四月一日から現在に至るまで、学校法人加計学園理事に就任をしていると承知しております。
 また、私立学校等の学長を決定したときに文科大臣に届け出をするということになっておりまして、これによりますと、木曽氏は、平成二十八年四月一日から現在に至るまで、千葉科学大学長に就任していると承知しております。
#308
○宮崎(岳)委員 それから、これは確認しますが、木曽功内閣官房参与と藤原内閣府審議官が昨年二回お会いになった、四月と五月のあたりに一回、それから九月に一回ということでしたが、詳しい日程はつまびらかではございません。これは、木曽参与の関係の事務局といいますか、どこになるかわかりませんが、あるいは藤原審議官の方から接触の日時を含めた記録をお教えいただきたいという要望を出しております。
 これについて、では、官房になるんですか、どこになるんだかちょっとわからないんですけれども。地方創生事務局で、では、お答えいただけますか。
#309
○佐々木(基)政府参考人 お答えいたします。
 前回の質疑のときに、木曽参与の面談記録については質問通告がなかったものですから、承知していないということでお答えさせていただきましたけれども、改めて確認いたしましたところ、木曽参与につきまして面談記録は作成されていないということでございました。
 また、私どもの地方創生推進事務局分でございますけれども、昨年の春、四月ないし五月、あるいは秋、九月の二回ほど、藤原審議官が当時の木曽参与からの求めに応じて、部下とともに参与室を訪問させていただきました。これにつきましても記録はございません。
#310
○宮崎(岳)委員 面談の記録はないということなので、私ども、ぜひ、木曽元参与については参考人としてお呼びをして、直接どのようなお話をされたのか、お伺いをしたいと思っております。委員長のお取り計らいをお願いいたします。
#311
○木村委員長 後刻、理事会で協議いたします。
#312
○宮崎(岳)委員 話が多少かわりまして、農業外国人の就労問題について……
#313
○木村委員長 時間が過ぎていますので、質疑は。
#314
○宮崎(岳)委員 時間が過ぎていますね。わかりました。
 では、済みません、ちょっと時間の終了に気づきませんでした。その話は次回の質問に持ち越すことといたしまして、本日の質問は終了いたします。
 ありがとうございました。
#315
○木村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後一時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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