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2017/05/30 第193回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第193回国会 総務委員会 第21号
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2017/05/30 第193回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第193回国会 総務委員会 第21号

#1
第193回国会 総務委員会 第21号
平成二十九年五月三十日(火曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 竹内  譲君
   理事 古賀  篤君 理事 左藤  章君
   理事 坂本 哲志君 理事 田所 嘉徳君
   理事 葉梨 康弘君 理事 小川 淳也君
   理事 奥野総一郎君 理事 輿水 恵一君
      青山 周平君    池田 道孝君
      大西 英男君    鬼木  誠君
      金子万寿夫君    金子めぐみ君
      菅家 一郎君    小林 史明君
      新藤 義孝君    鈴木 憲和君
      高木 宏壽君    谷  公一君
      土屋 正忠君    冨樫 博之君
      中谷  元君    武藤 容治君
      宗清 皇一君    山口 俊一君
      山口 泰明君    緒方林太郎君
      逢坂 誠二君    黄川田 徹君
      近藤 昭一君    鈴木 克昌君
      高井 崇志君    武正 公一君
      稲津  久君    梅村さえこ君
      田村 貴昭君    足立 康史君
      吉川  元君
    …………………………………
   総務大臣         高市 早苗君
   総務副大臣        あかま二郎君
   総務大臣政務官      金子めぐみ君
   総務大臣政務官      冨樫 博之君
   財務大臣政務官      三木  亨君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官) 田中愛智朗君
   政府参考人
   (内閣府規制改革推進室次長)           刀禰 俊哉君
   政府参考人
   (内閣府地方創生推進事務局次長)         川上 尚貴君
   政府参考人
   (内閣府知的財産戦略推進事務局長)        井内 摂男君
   政府参考人
   (総務省大臣官房地域力創造審議官)        時澤  忠君
   政府参考人
   (総務省行政管理局長)  山下 哲夫君
   政府参考人
   (総務省自治行政局長)  安田  充君
   政府参考人
   (総務省自治財政局長)  黒田武一郎君
   政府参考人
   (総務省自治税務局長)  林崎  理君
   政府参考人
   (総務省総合通信基盤局長)            富永 昌彦君
   政府参考人
   (消防庁次長)      大庭 誠司君
   政府参考人
   (財務省主計局次長)   藤井 健志君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房総括審議官)         義本 博司君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           瀧本  寛君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           松尾 泰樹君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           吉本 明子君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           谷内  繁君
   政府参考人
   (農林水産省政策統括官付参事官)         小川 良介君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           吉村 忠幸君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房審議官)           早川  治君
   総務委員会専門員     塚原 誠一君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月三十日
 辞任         補欠選任
  小林 史明君     青山 周平君
  逢坂 誠二君     緒方林太郎君
同日
 辞任         補欠選任
  青山 周平君     小林 史明君
  緒方林太郎君     逢坂 誠二君
    ―――――――――――――
五月二十九日
 電子委任状の普及の促進に関する法律案(内閣提出第四六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 電子委任状の普及の促進に関する法律案(内閣提出第四六号)
 行政の基本的制度及び運営並びに恩給、地方自治及び地方税財政、情報通信及び電波、郵政事業並びに消防に関する件
     ――――◇―――――
#2
○竹内委員長 これより会議を開きます。
 行政の基本的制度及び運営並びに恩給に関する件、地方自治及び地方税財政に関する件、情報通信及び電波に関する件、郵政事業に関する件及び消防に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 各件調査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房審議官田中愛智朗君、規制改革推進室次長刀禰俊哉君、地方創生推進事務局次長川上尚貴君、知的財産戦略推進事務局長井内摂男君、総務省大臣官房地域力創造審議官時澤忠君、行政管理局長山下哲夫君、自治行政局長安田充君、自治財政局長黒田武一郎君、自治税務局長林崎理君、総合通信基盤局長富永昌彦君、消防庁次長大庭誠司君、財務省主計局次長藤井健志君、文部科学省大臣官房総括審議官義本博司君、大臣官房審議官瀧本寛君、大臣官房審議官松尾泰樹君、厚生労働省大臣官房審議官吉本明子君、大臣官房審議官谷内繁君、農林水産省政策統括官付参事官小川良介君、経済産業省大臣官房審議官吉村忠幸君及び国土交通省大臣官房審議官早川治君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#4
○竹内委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。金子万寿夫君。
#5
○金子(万)委員 おはようございます。自由民主党の金子でございます。よろしくお願いいたします。
 平成十五年ぐらいがピークでしたでしょうか、三位一体改革、地方交付税ショックみたいなものが起こりました。地方自治体には何か厚い雲が覆っているような時期があったわけですね。
 その前の行け行けどんどんの財政出動の時期もあったわけですが、地方自治体は財政再建の波に、押し寄せてきた波に対応するためにそれぞれの努力をしてまいりました。首長さん、議会議員の報酬の削減、議会の定数削減等々、それに財政出動も随分絞って、財政再建の努力を懸命にしてきた、積み重ねてきた。職員定数も減らしました。
 そういう努力の積み重ねで、さらにそれに、地方交付税交付金がここ数年しっかりと確保されてきた。このことは、高市大臣を初め総務省もしっかり頑張っていただいたと地方六団体は大きな評価、大変高い評価をしているところでありますが、そういう基盤に立って、地方自治、各自治体は、今、地方創生の取り組みでありますとか、あるいは地域の活性化、地方の活性化にあらゆる施策を、みずからの知恵で特色ある施策を展開する、そういう時代になってきたわけであります。
 そういうことにもかかわりませず、今月十一日に開かれました経済財政諮問会議の中で、民間議員から、国、地方を通じた財政資金の効率的配分に向けて地方財政計画への反映等の改善方策を検討、こういう趣旨の提言がなされているわけであります。
 自治体の財政調整基金というのは、災害時の緊急時でありますとか、みずからの、今申し上げたような独自の施策を打っていくための緊急な財政出動でありますとか、そういうものに活用していくために当然必要なんです。
 当時は、首長選挙になると、私は当選したら報酬を何%削減しますよ、議員さんも選挙のときには、議員定数を減らしますよ、議員の報酬を減らしますよというような公約などを並べて選挙をする時代があったんですね。それから非常に空模様も変わってきたなという感じがするわけでありますが。
 そういう備えに対して、地方交付税交付金の配分を抑えるというような、そのような提言と受けとめておりますが、意味合いが違うのではないかと思います。
 そこで、地方交付税の削減にもつながりかねないこの提言の妥当性について、総務省の見解をまずお聞かせいただきたいと思います。
#6
○黒田政府参考人 お答えいたします。
 御指摘の民間議員の提言でございますが、これは、地方団体の基金が近年増嵩していることを踏まえての提言でございます。
 それぞれの地方自治体におきましては、今後の人口減少等によります税収の見込み、あるいは少子高齢化の中での社会保障、公共施設の老朽化対策等に要する経費の増加、また予期しない災害の発生への備えなど、さまざまな地域の実情を踏まえまして、歳出の抑制努力を行いながら、それぞれの判断に基づきまして基金の積み立てを行っております。
 こうしたそれぞれの地方団体の態様によりまして、結果として地方全体として基金が増加していることのみをもちまして、地方財政に余裕がある、これは言えないということでございます。
 そういうことから、地方財源、特に交付税を削減することにつきましては、妥当ではないというふうに私ども考えております。
#7
○金子(万)委員 ついでにお聞きすればよかったんですが、諮問会議では、財政調整基金の積み立ての状況の分析をこれからするということですが、この内容やスケジュールについては何か把握をしていらっしゃるんでしょうか。ちょっとお答えいただきたいと思います。
#8
○黒田政府参考人 地方自治体の基金残高につきましては、増加傾向にあることも事実でございますので、それぞれの自治体における基金の積み立て状況等を把握するために、全ての自治体を対象に調査を実施することとしております。
 その調査内容といたしましては、財政調整基金、減債基金及び特定目的基金の残高の変動状況、また今後の増減の見込み、あわせまして、財政調整基金の積み立ての理由、積み立ての考え方、特定目的基金の使途、これらにつきまして調査し、さまざまな分析を行うこととしております。
 また、そのスケジュールにつきましては、昨日、調査の依頼文書を発出したところでございまして、毎年行っております決算状況の調査のスケジュールとあわせて集計し、さらにその精査、分析を行っていくこととしております。
#9
○金子(万)委員 六団体とともに主張すべきはしっかり主張して、我々も当然主張してまいりますが、しっかりと今申し上げたような地方財政の状況が堅持できて、そして、まさにこれからは地方自治体というか、国づくりの主役です。そういうことを基本にして対応していただきたい、このように思います。
 先日、いつでしたか、新聞等で高知県の大川村が話題となりました。地方自治法に基づきまして、村議会を廃止して町村総会を設置する検討を始めた、こういうような報道がなされました。次の村議選挙では立候補者が定数に達しない可能性があると。また、昨日でしたでしょうか、新聞では、議員定数が十未満の百五十四町村の議会議長のうち四割超が、町村総会に移行することを将来検討する可能性がある、こういう報道がなされております。町村総会というのはどういうものかというシミュレーションもまだなされていないことだと思いますが、大変衝撃的な記事と出会いました。
 議員のなり手不足については、先日、吉川議員が具体的な指摘をされました。私は全くそのとおりだと思っております。まさに、憲法九十三条による二元代表制の危機だと私は思っておりますが、同時に、地方自治というのは、議会が主役だと思っているんです。
 住民の多様な意見を集約して物事を決めるのは、議会でしかあり得ません。その議員の皆さんが、日常活動の中から、最も身近な、住民の身近で日常活動をしておられる議員の皆さんが、住民のお声を聞きながら政策立案機能を果たしていく役割であります。同時に、住民にかわって物事を決めるのは議会でしかあり得ないわけでありますが、そのためにも、多様な人材が多様な意見を反映することのできる議会議員の参加が必要だ、このように思っております。
 そういう議論がある中でありますが、私は、極端な小規模自治体においては、やはり土曜、日曜議会、夜間議会などを活用する柔軟な議会運営の体制整備が必要ではないか、このように思っておりまして、また、議会議員の立候補に伴う休暇でありますとかを保障する制度でありますとか、休職、復職等の制度の創設も必要ですし、やはり最低限の議員年金もそうであります。このことを少し後で触れたいとは思っておりますが。
 この地方議員のなり手不足の解消として、地方制度調査会などでは何か議論があるのか。そのような報道に余り接しないわけでありますが、当然、議会三団体における研究や議論も必要だ、このように思っております。
 そのようなことの中で、また、自民党においては葉梨総務部会長のリーダーシップのもとで、廃止された議員年金、私はちょうどそのときに全国議長会の会長なんですね、冨樫さんもそのときおられたと思っていますが、そういう時代、ときに遭遇しました。その他いろいろ議会改革、政務調査費を活動費に変えるとか、県議会議員の選挙制度の改正であるとか、いろいろなことに出会いました。そういう経験の中から申し上げますと、やはり議員さんが厚生年金に加入していく制度の創設というのは大変重要な部分だと思っておりまして、法案取りまとめの中に、各党協議をして、早い時期の国会提出をぜひ実現したい、私自身もこのように思っております。
 当初予算における地方議会の経費、費用、議会費の割合というのは、現在大体〇・一六%なんですよね。それをもって、やれ議員の数が多い、議員の報酬を削減しろなんという議論は絶対あってはならない。それはみずからの二元代表制の自治の否定であると私は思っております。
 ですから、余りこういう演説をすると、もう時間もありませんからこの辺で終わりますが、そういうことに対する何か検討というのは、私は、今申し上げたように、議会三団体の研究、議論というのは大変大事な部分でありますが、地制調等における議論というのは、どういうふうな議会制度に対する議論が今なされているのか、ちょっと御答弁をいただきたいと思います。
#10
○安田政府参考人 お答えいたします。
 議会制度に関する地方制度調査会の議論でございますが、第三十一次地方制度調査会でも、議会のあり方、議会の活性化ということにつきまして議論がなされておりまして、委員御指摘ございました土日、夜間の議会の開催を活用するといったものでございますとか、立候補に伴う休暇を保障する制度、休職、復職制度の創設等、新しい制度の創設といったものも議論されているところでございます。
 また、議員に対する社会保障の充実という点についてのお尋ねもございましたけれども、これは議員の身分の根幹にかかわるものでございますので、地方議会議員の声などもよく聞いた上で、各党各会派において御議論いただく必要がある、このように考えているところでございます。
#11
○金子(万)委員 ふるさと納税のこともお聞きしたいのでありますが、きょうは冨樫政務官もお見えでございますので、政務官のこの議会制度等に対する見解もちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#12
○冨樫大臣政務官 お答えいたします。
 地方議会は、地方公共団体の行財政運営を担う上で、長とともに車の両輪ともいうべき役割を担っているものと認識をしております。
 今後、人口が一層減少し、地方にとって厳しい選択が迫られることが予想され、議会による団体意思の決定はますます重要性を増すこととなります。
 このような中で、現在深刻化しつつある議員のなり手不足という状況を解消していくことは、総務省としても重要な課題であると認識をしております。
 以上であります。
#13
○金子(万)委員 ふるさと納税、返礼品の割合を三割ということについて通知を出されて、その後の地方の取り組み状況はどういう状況でありますか。ちょっとお教えいただけませんでしょうか。
#14
○林崎政府参考人 お答えいたします。
 先月、今御紹介があったような、地方団体に対しまして通知を発出したところでございまして、多くの団体からは御賛同いただいておりますし、また、返礼割合や返礼品の内容について見直しを行うと公表いただいているところでございます。
 また、全国市長会、全国町村会におきましても、通知や制度の趣旨を踏まえまして良識ある対応を行う旨が表明をされたということで、返礼品競争過熱の現状に対する認識、あるいは今回の通知の趣旨につきまして理解が浸透しつつあるという認識をしているところでございまして、こうした動きをさらに広げるために、先週には、影響の大きい寄附受入額が多い団体に対しまして、改めて理解を深めていただけるように個別にお願いしたりしております。
 ただ、一部の地方団体が当面返礼品の見直しを行わないとの意向を示しているといったようなことも承知しておりまして、今回の通知を出すに至った状況についての御認識、それから対応が必要であることをぜひとも御理解いただきたいと考えているところでございます。
#15
○金子(万)委員 ふるさと納税の評価は非常に高いと思っております。この制度が持続的に進化して定着していくように総務省の取り組みを期待申し上げたい、このように思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。
#16
○竹内委員長 次に、稲津久君。
#17
○稲津委員 おはようございます。公明党の稲津でございます。
 通告に従いまして、順次質問させていただきます。
 まず、昨日五月二十九日午前五時四十分ごろ、北朝鮮は、東部の元山付近から一発の弾道ミサイルを発射しました。既に報道等で御存じのとおりですけれども、ミサイルは約四百五十キロ飛行して、日本の排他的経済水域圏に落下をしました。
 これで三週連続、今月は十四日、二十一日にも発射をしていまして、これで実に、何とことしに入って九回目の発射となります。
 こうしたことを踏まえて、大変強い憤りを覚えますし、断じてこのようなことは許すことがあってはならない、このように思うわけでございますけれども、政府におかれては、情報の収集や分析はもちろんのことですけれども、情報提供、それから、もう既に行っていただいていますけれども北朝鮮に対する厳重な抗議、さらに国際社会と連携してしっかり対応していただきたい、このように思っております。
 きょうは、そのことを踏まえて、この総務委員会で、いわゆる万が一ということについてどう備えるのか、こうしたことを伺っておきたいと思います。
 そこで、Jアラートについてなんですけれども、政府は内閣官房国民保護ポータルサイトというホームページを開設して、北朝鮮から発射された弾道ミサイルが日本に飛来する可能性があった場合における全国瞬時警報システム、Jアラートについて、情報伝達ということで、詳しくはJアラートによる情報伝達手段について記載をされているところでございます。
 このJアラートですけれども、ミサイルの発射、津波、緊急地震速報など対処に時間的な余裕がない事態に関する情報を、国から自治体に送信する、市町村の防災行政無線等を自動起動させることによりまして、地方公共団体職員の手を介さずに国から住民まで緊急情報を直接伝達するシステムである、このように承知をしております。
 消防庁は、昨年の十一月二十九日に、このJアラートの全国一斉情報伝達訓練を実施しました。日ごろから、いざというときのためにどうするのかといったことをしっかり訓練を行っていくということは非常に大事なことである、このように思っております。
 その上で、Jアラート受信機を運用する四十七都道府県と約千七百四十でしたかの市町村で行われた訓練だ、このように聞いておりますが、情報伝達できなかった等のトラブルが二十四市町村で発生したという発表がありました。
 そこでお聞きしたいのが、こういったトラブルの原因は何だったのか。また、この訓練から約半年もう既に経過をしておりまして、現在は改善されている、このように思っておりますが、そういう認識でよいのか。それから、今後この訓練は定期的に行っていく予定なのか。総務省にお伺いしたいと思います。
#18
○大庭政府参考人 お答えします。
 御指摘の昨年十一月二十九日の訓練で、情報をきちんと自動起動で伝達できた団体が千五百五十三団体ある一方で、情報伝達できなかったのは御指摘のとおり二十四団体でございました。そのふぐあいの原因は、機器の故障が十三団体、機器の設定ミスが十一団体であったところでございます。
 確認されたふぐあいにつきましては、該当団体に対しまして直ちに原因究明と再発防止策を求めるとともに、同じような問題がほかの団体でも生じないよう、ふぐあいの実例と再発防止策を全団体に提供することで、再発防止への指導及び改善を図っているところでございます。
 実際のJアラートによる情報伝達と同様の方式で行いますこの訓練は、地方公共団体にとりまして、防災行政無線等の機器や設定を点検するため、重要な機会の一つとなっております。
 今後も、本訓練の実施などを通じまして、Jアラートによるミサイル情報等を確実に伝達する体制を確保してまいりたいと考えております。
 以上です。
#19
○稲津委員 ありがとうございました。
 それで、今度は少し具体的にお聞きしたいと思うんですけれども、Jアラートによる情報が住民に伝わった段階で、では、住民はどういう行動をとればいいのか。こういうことについて、内閣官房のポータルサイトに、弾道ミサイル落下時の行動に関するQ&Aというものを公表しております。そこには、ミサイル着弾時の暴風、破片などの被害を避けるために近くの頑丈な建物ですとか地下施設に避難をと推奨しています。
 ただ、こうした頑丈な建物、特に地下施設というのは、都市部はいいんですけれども、地方に行くとなかなかそういうものもないという場合もありますし、それから、頑丈な建物かどうかということをどう判断するのかという非常に難しい問題もあります。
 地震、台風などの自然災害における避難訓練、こういうものと明らかに違う対処が必要である、このように思いますけれども、そうしたことを踏まえると、日ごろから、現下の状況を踏まえると、ミサイル落下に特化した避難訓練を行う必要があるのではないか、こういうことも一方で考えられる。既に秋田県の男鹿市で行ったということも聞いていますし、どういう訓練を行ったのか。それから、山形県、新潟県も弾道ミサイルに特化した訓練が行われる、こういう発表もありましたが、ほかの自治体でも訓練を行えるように国からも何らかのアプローチが必要ではないか、このように考えますが、総務省の見解をお伺いしたいと思います。
#20
○冨樫大臣政務官 お答えをいたします。
 弾道ミサイルを想定した住民避難訓練の実施については、四月十九日に全国の都道府県に対して通知をするとともに、国民保護に関する都道府県説明会を開催いたしました。これを受け、五月十一日に青森県むつ市が市単独で訓練を実施し、六月には山口県のほか山形県、新潟県が国との共同訓練を実施する予定となっております。
 そのほかにも幾つかの地方団体から訓練実施について相談を受けているところであり、引き続き積極的な訓練実施を働きかけてまいりたいと考えております。
 先ほどありました秋田県、私の地元であります、男鹿半島で実際訓練をされましたし、その節には地域住民の協力のもとで、その訓練の成果を今分析しながら今後の成果に役立てたいというようなことが漏れ伝わっております。
 以上です。
#21
○稲津委員 本来、こういう特別な訓練はない方がいいんですけれども、しかし、現下の状況を踏まえると、大変国民また多くの方々が不安要素が拭い切れないわけでございまして、万全の対応をお願いしたいと思います。
 次に、地方議員のなり手不足の問題ということでお伺いしたいと思います。
 きょうも金子委員、それから先般は吉川委員からもほぼ同様の認識に基づく御質問等ございました。一部重複するかもしれませんけれども、やはり非常にこの総務委員会でも関心が高まっているという議題ですので、取り上げさせていただきたいと思います。
 それで、一つ目は、町村総会の設置をどう考えるかということなんです。
 議員のなり手不足に悩む自治体というのは大変多いということで、二〇一五年の統一地方選挙、全国三百七十三町村議会議員選挙が告示されましたけれども、二三・九%で無投票。それから、二〇一二年から二〇一五年の統一外も含めた全国の町村千百十八選挙区中二百五十六選挙区、全体の二二・九%が無投票で選挙を終えている。
 こうした現状に一石を投じる話として、先般から、きょうもお話がありました、人口約四百人の高知県の大川村で、いわゆる議会を廃止して村総会の設置を検討するとの報道がありました。
 今後、さらに議員のなり手がいなくなるというおそれを想定しますと、直接民主制ということも、この総会設置ということも一つの選択肢として提案した、このように認識しております。
 この町村総会ですけれども、戦前の町村制の名残で、地方自治法に、町村限定で、議会のかわりに総会を設置することができる、このようにありまして、まず、この町村総会、地方自治法施行後は、一九五〇年代に東京都の旧宇津木村で総会が設置された、その例がたった一例だけある、このように認識をしておりますが、現代において、この町村総会設置の動きを総務省としては現段階でどのように考えているのか、見解をお伺いしたいと思います。
#22
○安田政府参考人 お答えいたします。
 地方自治法第九十四条に規定しております町村総会でございますが、これは、住民が非常に少ない町村において、有権者が事実上一堂に会して会議を開くことを想定したものでございますけれども、過去に設置された事例は御指摘のようにございますものの、現在設置している地方公共団体はないところでございます。
 今後、人口減少や議員のなり手不足などの深刻化が見込まれる中で、人口が著しく減少した団体において、この町村総会も選択肢の一つとなり得ると考えているところではございますが、いずれにせよ、町村総会を設置するか否かは各町村において条例で定めることとされておりまして、総務省といたしましては、各町村の判断を尊重しつつ、御相談があった場合には適切に助言を行うなど、対応してまいりたいと考えているところでございます。
#23
○稲津委員 これは最後の質問になりますけれども、議員のなり手不足の解消ですとか、議会の活性化ということについてお伺いしておきたいと思います。
 今まさに、地方分権ということがずっとうたわれて、この総務委員会でもずっと議論してまいりました。それから、特別委員会も設置されて、地方創生ということも議論されております。
 ここにおいてやはり大事なことは、地方においては、二元代表制というこの体制をつくって、直接有権者から、地方の場合は首長と、それから議員というのが選出されているということで、その議会の持っている、いわゆる調査権とか質問権とか、あるいは政策を立案していくという権限、機能というものが発揮されなければいけないということなんですけれども、まさにその逆の方向に向かっているような気がしてなりません。大変危惧を感じています。
 きょうも御指摘がありましたけれども、例えば議員報酬の問題ですとか、それから、議員年金がなくなった後の議員の年金をどうするかということについても、もう議論がいろいろとあちこちで出てきております。
 先ほど、夜間議会の導入もありました。もちろん、仕事を持っていながら議員をしているということについては、その支障を払うためには夜間の議会ということも当然必要だと思っていますし、若干、負担の軽減といったものも、解消していかなければならないだろう、このように考えます。その意味で、国が後押し、支援できることは決して少なくない、私はこのように思っております。
 小規模自治体の行政事務というのは、市町村合併とか、それから、近隣自治体との広域的な自治ですとか都道府県のフォローとか、いろいろ方法はあるんですけれども、議会の方はなかなかそういうふうにならないということで、最後に、総務大臣に、こうした課題、地方議会の活性化ということについてどのようにお考えになるのか、お伺いをしておきたいと思います。
#24
○高市国務大臣 議会が団体意思を多様な民意を集約しながら決定していくということのためには、住民の皆様の中から、多種多様な方々から議員が選出されて議会を構成するということが重要だと考えております。
 これまでも総務省では、柔軟な議会運営を可能にするということで、通年会期制を創設するなどの環境の整備に努めてまいりました。それぞれの議会におかれましても、幅広い層の住民の皆様に議会への関心を持っていただくということのために、女性模擬議会の開催ですとか、若い方々と議員をつなげる取り組みなどを進めていただいております。
 今委員から御指摘がありました議員報酬のあり方でございますが、報酬という一定の役務の対価として与えられる反対給付でございますから、その額及び支給方法につきましては、議会に期待される役割、議員活動や議員のあり方などを踏まえて、各議会で住民の方々に対する説明責任を果たしながら決定されるべきものだと思っております。
 総務省としましては、好事例の横展開に取り組むことに力を入れてまいりたいと思っております。
#25
○稲津委員 時間になりましたので、きょうは終わりますけれども、このことは、これからもぜひ総務委員会等で質疑をさせていただきながら論点整理をして、できる限り委員の皆さんにも、ぜひ御関心を持っていただいて、この議論に加わっていただきたい、このように強く思っているところでございます。
 ありがとうございました。
#26
○竹内委員長 次に、高井崇志君。
#27
○高井委員 岡山から参りました高井崇志でございます。
 きょうも質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 きょうは、主に、ICTの規制改革について質問してまいりたいと思います。
 先般、五月の二十三日に、規制改革推進会議が規制改革推進に関する第一次答申という、結構分厚い、きょう原本を持ってきましたけれども、こういったものを取りまとめておられます。
 その中で、幾つか質問してまいりたいと思いますが、まずは、これまでこの委員会で私かなりこだわって質問してまいりました、個人情報保護の二千個問題というものです。
 個人情報保護法は、今月末、まさにきょうかあすかから施行される。これは非常に大きな改正でありますが、もちろん個人情報保護を守ると同時に、ビッグデータ、オープンデータ、こういったものの利活用が飛躍的に進むんじゃないかというふうに大きく期待をされる法改正であります。
 一方で、地方自治体。地方自治体は個人情報保護法ではなく個人情報保護条例という、それぞれの自治体が条例を定めている。これが実は自治体によってばらばら。自治体、千七百幾つあって、さらにほかのいろいろなものを含めると約二千ぐらい同じような条例があって、これが国の法律とそごを来すと、国では認められるけれども地方自治体ではできなくなるとか、あるいは自治体同士で対応が異なるとか、そういったいろいろな問題が生じるんじゃないかということを私は何度か取り上げてまいりました。
 私の意見は、それぞれの条例の改正を自治体がするんですけれども、それを待っていたのでは時間もかかるし、また自治体ごとにばらつきができてもいけないということで、これはもう法律で一括してやってはどうかということを提案してまいりました。
 今回も、この規制改革会議の一次答申にこういった記載があります。「総務省では、これまで、検討会等を通じて地方自治体から条例整備に関する意見を聴取してきたが、上記のような可能性を前提として、条例整備以外の具体的な措置を含めて意見交換を行ってきたとは評価できない。」と厳し目のコメントになっていて、さらに言うと、これでも随分やわらかくなった方でありまして、もともと規制改革会議の投資等ワーキング・グループというところでは、その一カ月前の四月二十五日、官民データ活用の推進に関する意見というのを出しておりますが、ここでは、「総務省においては、これまで、こうした個人データの活用に係るルール整備の在り方について、地方公共団体との間で十分な意見交換を行ってきたとは評価できない。」
 要するに、地方自治体からも、個人情報保護条例、一個一個変えるのは大変だし、またばらつきも生じるから、国で一括で、法律でやったらどうかという意見がかなり出ているわけでありますが、こういった自治体との意見交換というのは、一定程度やったというのはわかりますけれども、十分に行ってきたというふうに言えるんでしょうか。
#28
○時澤政府参考人 お答えいたします。
 行政機関個人情報保護法等の改正を受けまして、総務省といたしましては、個人情報の保護に関する基本方針などに基づきまして、地方公共団体における個人情報保護条例の見直しの検討が円滑に進みますよう、法律や政令の改正内容、ガイドライン等につきまして、地方公共団体に対し、その制定の都度、情報提供を行ってまいりました。
 また、委員も御案内のとおり、昨年の九月から私ども検討会を開催しておりまして、法改正を踏まえた条例改正の方向性等について議論を進めてきたところでございます。
 この検討会には、地方三団体のそれぞれの推薦を受けた職員も委員として参加をいただきまして、また、三団体の担当者にも傍聴をいただいたところでございます。
 さらに、この検討会の開催状況等につきましては、当省のグループの施策を地方公共団体に紹介するブロック会議というのがございます、この会議を通じても説明をさせていただいたところでございまして、引き続き、国の取り組み方針につきましては、地方公共団体に対しても丁寧に説明していきたいと考えております。
#29
○高井委員 一定程度やっているということは存じ上げているんですけれども、それでは足りないのではないかということを、政府の規制改革推進会議からも正式な答申の中で言われている。
 また、これは公にはなっていないんですが、このことを推進している、熱心に取り組んでいるある自治体の市長さんからいただいたんですけれども、九州の市長会でもこういう決議をしている。マイナンバーの本格活用に係る個人情報保護については、各自治体ごとの条例で対応するのではなく、全国に二千も存在する個人情報保護条例を統括した新たな法令、括弧、自治体個人情報保護法または地方公共団体個人データ保護活用法を定めることというのを九州の市長会が決議をしている。
 さらに、六月に全国の市長会が開かれますが、そこでも同じような決議がされるのではないか、に向けて動いているという話を聞きました。
 これは大臣にぜひ、何度も私はこの委員会で取り上げていますので、改めて、同じ答えかもしれませんけれども、これだけ地方自治体から、もちろん違う地方自治体の意見があることも承知していますが、私はやはりこの問題は、実際に個人情報保護条例で任せる、それぞれの自治体に任せるという対応ではいずれ必ずそごが生じたり問題が生じて、後からではもう遅いということになりかねないと考えておりまして、国の法律で一括してやるということがあるべき姿ではないかと考えますが、大臣、いかがですか。
#30
○高市国務大臣 今、高井委員が御紹介くださいました九州市長会の決議ということですが、これは現在非公表扱いということでありますので、それについてのコメントは差し控えさせていただきたいと存じます。
 ただ、条例ではなく法律によってルール整備を行うべきだという高井委員がおっしゃるような御意見があることも承知しております。
 地方公共団体が保有する個人情報については、現在の個人情報保護法制の体系上は条例によって規律することとされておりますので、今般の法改正を踏まえた対応も条例の見直しによって取り組む必要があると考えております。
 総務省として、まずは、地方公共団体において非識別加工情報の定義や加工の基準などが国、民間と同等のルールで導入されますように、条例改正のイメージをお示しするなどの技術的助言を行いました。
 また、地方公共団体共通の提案受付窓口ですとか、非識別加工情報作成を委託する仕組みについて、総務省が開催した有識者検討会から御指摘をいただいております。地方公共団体の御意見も十分にお伺いしながら速やかに検討を行うことで、民間事業者の方々も非識別加工情報を利用しやすい環境を整えたいと思っております。
 さらに、規制改革推進会議の答申において、非識別加工情報の加工やその活用に関して、「当面は先進的な地方自治体における条例整備を推進しつつ、立法措置による解決という可能性についても、地方自治体の意向を十分に踏まえて検討する。」という指摘がなされておりますので、総務省としましては、この答申も踏まえまして、地方公共団体ですとか有識者の御意見を十分に伺って、必要な検討を進めてまいります。
#31
○高井委員 何度か質問した中では一番前向きに答弁いただいたのではないかな。立法措置を含めて検討ということでございますので、これから少し時間をかけて、いろいろな御意見を聞きながら検討していくんだろうと思います。
 私も総務省で働いていたことがあるのでわかりますけれども、地方分権、地方自治の推進とICTの推進、両方やる役所でありますが、時にこれがぶつかることもあるんですね。私は、しかし、このICTの分野はやはり、ボトムアップの地方自治体、千七百八十ある、本当に小さな村までICTをみずから自発的にやってくださいと言ってもそれは無理だと思いますから、ある程度国が方針を決めてそういった自治体を引っ張っていく、そういう国のリーダーシップがとりわけ必要な分野だと思っておりますので、ぜひ、そういった観点からもこの立法措置を御検討いただきたいと思います。
 それでは、同じく規制改革会議の中にあるんですが、その前に、五月六日の読売新聞なんですが、こういった新聞記事が出ました。「「ネット授業」中学に必要?」というクエスチョンマークです。
 「政府の「規制改革推進会議」がインターネットで授業を中継する「遠隔教育」の中学校への導入を検討し、文部科学省が反発している。遠隔教育は高校ですでに一部実施されており、地方と都市の教育格差解消に効果があるとされる一方、「きめ細かい指導が困難になる」との指摘もある。」ということで、規制改革会議では、今高校ではやっているんですけれども、中学校でも一定の上限を設けて導入するべきだとの声が強い、しかし、「文科省は「地方での教員育成がおろそかになり、かえって地方の教育の質の低下を招く」と反対している。」「同会議は五月の答申には盛り込みたい考えだが、文科省の反対を押し切れるかどうかが焦点となる。」こうなっています。
 五月二十三日の答申にどう書かれるかを私も大変注目していたわけですが、残念ながら、中学校へのインターネット授業は盛り込まれませんでした。
 これは、きょう文科省来ていただいていますが、なぜ中学校はだめなんですか。
#32
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 ICTを効果的に使い、遠隔地の学校同士の合同授業やさまざまな専門人材の授業への活用を進めるなど、ICTを活用した教育は、文部科学省として、中学校を含め、積極的に推進をしているところでございます。
 このうち、特に遠隔教育について、規制改革推進会議との間でさまざまな観点から議論を行ってきたところでございますが、議論の過程におきまして、規制改革推進会議の投資等ワーキング・グループの原座長より、受信側の教室には担当教科以外の職員の配置でもよいとするなどの措置を検討してはどうかという問題意識が提示をされました。このことは、受信側の教室には当該教科の免許を保有する教員は必要ではないというものであります。
 しかしながら、文部科学省としては、中学校を初めとする義務教育は、単なる知識の伝達ではなく、発達段階を考慮いたしますれば、教員と子供の触れ合いの中で生きる力を育むことが不可欠であり、授業を行う教室に適切な免許を保有する教員がいる中で遠隔教育を推進すべきであると考えております。
 既に、文部科学省としては、遠隔地間におきます双方向型の合同授業を行う実証事業を中学校を含めて七つのモデル地域で進めているところでありますが、今後とも、教育の質の向上を図るため、中学校も含め、遠隔教育を初めとするICTを活用した教育を積極的に推進してまいりたいと考えております。
 以上です。
#33
○高井委員 これは、内閣府、規制改革推進会議を担当されている方にも来ていただいていると思いますけれども、内閣府の見解はいかがですか。
#34
○刀禰政府参考人 お答えいたします。
 規制改革推進会議の投資等ワーキング・グループにおきまして、ICTを活用した教育の質の向上などの観点から、遠隔教育の中学校への展開についても、先ほどお話ございましたように座長の問題意識の一つとして提示され、議論が行われたところでございます。
 この点につきまして、先ほど文部科学省からもございましたが、義務教育は、単なる知識の伝達ではなく、教員と子供との触れ合いの中で生きる力を育むことが不可欠であり、授業を行う教室に適切な免許を保有する教員が必要である旨の見解が示されたところでございます。
 こうした文部科学省の見解も踏まえつつ、規制改革推進会議におきまして引き続き検討が行われたところでございますが、遠隔教育については、現状において、その本格的推進のための施策方針が確立されていないことが問題であることから、まずは幅広い視点から施策方針の取りまとめを行い、学校関係者等への周知を図っていくことなどを五月二十三日に取りまとめた答申に盛り込むこととなったという経緯と承知をしております。
 なお、遠隔教育の中学校への展開について、規制改革推進会議において、現時点で何らかの結論を出したというわけではございません。
#35
○高井委員 結論は出していないということですから、引き続き検討ということなんだと思いますが、私は、やはりこのICT、もっともっと使っていただきたいと思いますね。
 文科省の主張ももちろんわかります。わかりますが、しかし、それで、世界各国見てもこれだけインターネットでの教育が広がっている中で、今のような理屈で、日本だけ、では何十年やらないんだ、インターネット、ICTを教育に導入しないんだということになりはしないかと思います。
 今、私たちは議員立法を準備しています。これは超党派で、与党の皆さんもかかわられて、学校教育における情報化の推進に関する法律という議員立法をできれば今国会に出したいというペースで準備しております。この法律の中には今のような問題はあえて入れていませんけれども、しかし、それは別に法律にしなくたって当然進んでいくだろうということで入れていないわけで、そういう意味では、文科省がそんな後ろ向きだと、この法律の中に新たに入れなきゃいけないんじゃないかなということをちょっと議論していかなきゃいけないな、そんな気持ちになりました。
 総務大臣、ちょっと離席されてしまいましたけれども、後で議事録を見てください。私から見ると文科省がインターネット遠隔授業について非常に後ろ向きな、私だけじゃなくて規制改革会議の中でもそういう意見が出ています。
 きょうは総務省にも聞きたかったんですが、ちょっと直接の担当ではないし答えにくいということだったので質問は遠慮しますけれども、しかし、ICT教育というのは総務省の重要な仕事の一つで、予算もとって、課もあるわけですから、この問題は文科省とよく、内閣府の規制改革会議がやっているんですけれども、ぜひ総務省からも、総務大臣からも後押しをしていただきたいと思います。もう答弁は求めませんけれども、後で議事録を見ていただいて、あるいは金子政務官から聞いていただいて、御検討をお願いいたします。
 それでは、続きまして、また同じようなインターネットを活用した、今度は厚生労働省に対しての提案でありますけれども、実は、この委員会で何度か取り上げましたシェアリングエコノミーというのを私は注目しています。
 我が党でシェアリングエコノミー研究会議員連盟というのを立ち上げて、毎週いろいろな会社さんからヒアリングをしているんですけれども、この間、キッズラインという会社の経沢社長という女性の社長さん、テレビなどでもよく出ている有名な方ですが、このキッズラインの取り組みをお聞きしました。
 要は、ベビーシッターの、インターネットによる仲介のサービスであります。ベビーシッター数百人を登録する。これはきちんとこのキッズライン社が責任を持って、かなり詳細な面接とか、スキルとかもしっかり面接をする。潜在保育士さんと言われる、要するに保育士だった方がかなり登録されていると聞いていますが、その登録されている方に、ふだんは御家庭でお子さんを面倒見ているけれども、ちょっときょうは出かけなきゃならない日があるとか、あるいは、保育園に申し込んだけれども入れない、どうしようというような方も含めて、このインターネットのキッズラインというサービスで、実は、創業して二年間でもう五万六千件マッチングをしているそうです。この間、二年間で一件も事故は起こっていないということであります。
 私は、ぜひ、こういったインターネット、ICTを活用して、今我が国で大きな問題になっている待機児童の問題、あるいは女性の働き方改革、活躍の場をもっとふやそう、そういった問題にこれは大きく資するサービスではないかなと思って、応援したいと思っていますが、残念ながら、この経沢社長によりますと、なかなか政府による支援といったものは、今のところ何もないということであります。
 例えば、補助金とかそういったものもあるでしょうし、それともう一つ、これは大事だなと思ったのは、この経沢社長は、むしろ私たちは規制してほしいと。つまり、規制、登録とか許可とか認可とかを受けて、それによって安全なサービスだということをきちんと保証していただいたら、もっと利用者の皆さんは安心して使えるようになるんじゃないか、もう有象無象、たくさんあって、安心が保たれないということではやはりサービスが進まないので、むしろ、規制もあわせてやってほしいと厚生労働省にお願いしているけれども、なかなか実現しないということでありました。
 きょう厚生労働省来ていただいていますが、このインターネットによるベビーシッターの仲介サービスについて、これを普及促進させていくという、そのための方策、何か検討されていますか。
#36
○吉本政府参考人 お答え申し上げます。
 インターネットの仲介サービスを活用してベビーシッターを利用される場合につきましても、まず、安全、安心に御利用いただけるような環境整備が必要だというふうに考えております。
 このため、厚生労働省といたしましては、インターネット上の仲介サービスでありますマッチングサイトを運営する事業者に対しまして、遵守すべきガイドラインというのを作成いたしまして、そこには、例えば、ベビーシッターの登録に際しましては、児童福祉法上の届け出をきちんとされている方に限るといったようなことなどを定め、周知をしております。
 あわせまして、そうした事業者がガイドラインに適合しているかどうかの調査をいたしまして、公表するといったような事業もいたしております。
 さらに、平成二十八年度からは、認可外のベビーシッター事業者に対しましては、預かる子供の数にかかわらず、都道府県等への事業開始時の届け出、また年一回の運営状況の報告を義務づけておりまして、その際に、設置者及び職員に対する研修の状況、また、利用されているマッチングサービスがある場合はそのサイトのURL、これらをきちんと届け出、報告していただくということをし、適切に把握できる環境をつくっているところでございます。
 こうした取り組みをしながら、安心して御利用いただけるようにしてまいりたいというふうに考えております。
#37
○高井委員 まさに規制というか、安全を守る、よからぬ事業者を排除しようという取り組みはそれでいいのかもしれませんけれども、先ほど申し上げたとおり、私は、規制の中には、なるほど、こういう目的というか活用もあるんだなと思ったのは、規制を受けている、登録されているとか許可を受けているということをPRして、他社との違いで、きちんと安全なところがサービスをどんどん広めていける、宣伝できる、そういう効果もあるので、今のこのガイドラインでは、私もガイドラインを読みましたけれども、やはりそういう目的には使えないですよね。
 現に、このキッズラインという最大手の経沢社長は、やはりこれでは、何かそういったものの差別化というか、宣伝に、安心だということのPRになかなかならないので、そこはぜひ、なかなか規制をつくってくれという要望は少ないと思いますけれども、私は、これは理にかなったことであり、ICTの普及にとっては非常に必要なことだと思いますので、検討いただきたいです。
 また、補助金とか助成金とかの話は一切出ませんでした。そういった制度がないからこそ、今、経沢さんは大変頑張って、そういった要望もしている。
 実は、自治体ではあるんですね。幾つかの自治体で、渋谷区とか品川区とか福岡市とか、大都市が多いですけれども。しかし、これも、自治体で補助があっても、申請が非常に手間がかかって、一回何千円というものの何割かもらうために、申請書が非常に面倒くさくて、結局はほとんどの方が使っていないというのが実態だそうです。
 これなんかは、自治体と組んで、一人一人の利用者が一回一回申請を出さなくても補助金が受けられるような仕組みをぜひ自治体とつくるべきだということを経沢社長には私の方からも提案いたしました。
 きょう、金子政務官にたしか通告していたと思うんですけれども、このインターネットによるベビーシッターの仲介サービス、これは、シェアリングエコノミーを所掌する、所掌はしていないんですけれども、ICTという観点から総務省もぜひ積極的にかかわり、また、厚生労働省とよく話をしていただいて、こういったサービスが普及されるように私はしていくべきだと。金子政務官もお子さんがいらっしゃって、同じお母さんたちの気持ちがよくわかると思いますので、ぜひそういったことをリーダーシップを持ってやっていただきたいと思いますけれども、いかがですか。
#38
○金子大臣政務官 委員御指摘、また御関心の高いシェアリングエコノミーでありますが、それによって、個人のスキルも含めまして、地域に埋もれていたさまざまな資源を有効活用することが可能になりますが、近年普及しつつありますシェアリングエコノミーの中には、育児スキルを持った方の空き時間を仲介するサービスもあると承知しておりまして、こうしたサービスが子育て支援に寄与すると期待をしております。
 自治体との連携という意味で、先行的な取り組みとしましては、秋田県の湯沢市などでは、シェアリングエコノミー事業者と協定を締結し、子供の預かりや送迎にシェアリングエコノミーの仕組みを取り入れ、町ぐるみでの子育て支援に活用している事例もございます。
 このような先行事例も踏まえまして、総務省としましては、シェアリングエコノミーの活用が少子高齢化などの地域の課題解決に有効と考えておりまして、他府省とも連携しつつ、シェアリングエコノミーの推進に力を入れているところであります。
 具体的には、IoTの地域への普及促進の道筋を示す地域IoT実装推進に向けたロードマップにシェアリングエコノミーを推進分野の一つとして位置づけまして、自治体として、シェアリングエコノミー事業者のマッチングの場の創設でありますとか、シェアリングエコノミーの活用について知見を持つアドバイザーの派遣などの支援策を展開していく予定であります。
 今後も、シェアリングエコノミーの活用によって、子育て支援にとどまらず、多様な地域課題の解決に取り組んでまいりたいと考えております。
#39
○高井委員 金子政務官は経沢社長に会ったことはありますか。(金子大臣政務官「いえ、ありません」と呼ぶ)ないですか。そうですか。
 同世代というか、多分彼女の方がちょっと上だと思いますけれども、非常に頑張っている社長さんですので、ぜひ一度会って話を聞いてみていただけないかなと思います。総務大臣もたくさん所掌して忙しいですから、ぜひシェアリングエコノミーは金子政務官が先頭に立って、なかなか総務省も、各省に、内閣官房が中心にやっているんですけれども、私は、総務省がもっとやるべきだ、一つぐらい課をつくるべきだと常々言っています。
 ICTというのは、時代の流れが速くて、例えば教育の情報化を一生懸命やって、総務省に教育の情報化の課が一個あります。ですけれども、やはり、ではずっとこのまま何年も教育情報化だけをやっていればいいかというと、実は、本当に一年、二年でどんどん主要なテーマは変わっていって、私は、フィンテックとかシェアリングエコノミーとか、そっちにどんどん比重が移っていくと思うんですね。
 そういう総務省の組織や人員を機動的に変えていく、これはやはり大臣や政務官、副大臣しかできないことだと思います。それぞれの官僚の皆さんは自分の与えられた職場を一生懸命やっていますけれども、では、自分の仕事よりもあっちの方が大事だと言っても、それはやはりできないわけです。それを決めるのは大臣だと思いますから、このシェアリングエコノミーは一つの課をつくるということが私はまず第一歩だと思っていますので、ぜひ考慮していただきたいと思います。
 それでは、次の質問に行きますが、今度はデジタルアーカイブについて質問いたします。
 これは二〇一七年の知的財産推進計画という中に書き込まれて、これは本当に分厚いのでちょっときょう私は抜粋しか持ってきませんでしたけれども。
 デジタルアーカイブ、これは、先般、科学技術・イノベーション特別委員会で私は質問をしたんですけれども、いろいろな映像とかデジタルの情報を保存、保管しておこうという取り組みで、実は、ヨーロッパ、EUはヨーロピアーナというポータルサイトがあって、そこに三千万点のデジタルが所蔵されている、三千万点。ところが、日本は一番大きいのが国立国会図書館で、四十八万点です。桁が二桁違いますね。予算は、ヨーロピアーナに約一千億円投じてつくった。日本は、国立国会図書館は二千万円です。桁が何桁違うのかというぐらい違う。
 ところが、このヨーロピアーナという巨大なポータルサイトで、何と検索ワードはジャパンという言葉が第四位なんですね。つまり、世界の人、ヨーロッパの人はジャパンというのに興味があるんですよ。興味があって検索しても、ほとんど貯蔵されていない、アーカイブされていないから全然ひっかからなくて、結局、ほとんどの情報が見られていない、こういうことが起こるわけです。
 私は、いろいろな情報をデジタル化して残しておく、このデジタルアーカイブというのは極めて大事だと考えています。
 特に、きょうは総務委員会、地方が持っている、地方自治体が持っているこのアーカイブの取り組み、これも、この知財計画二〇一七で記載があって、「地方におけるアーカイブ連携の促進」という項目があって、総務省と、内閣府、国立国会図書館、関係府省というふうにそれぞれ書いてありますが、それぞれ総務省と内閣府から、ここに書いていることじゃなくて、これは二行しか書いていませんから、具体的に何をやるのか教えてください。
#40
○時澤政府参考人 お答えいたします。
 地方におけるアーカイブ連携の促進としまして、総務省で二つのサイトを構築しております。
 一つが、公共クラウドシステムでございまして、各地方公共団体が保有するデータを登録し、機械判読及び二次利用可能な形で公開するサイトでございます。平成二十七年三月から観光情報において運用を開始してございます。
 もう一つが、ふるさとデジタル図書館というものでございまして、各地方公共団体が、地域のイベントの動画や名所旧跡などの写真など、それぞれの地域の歴史、文化等にまつわるデジタルコンテンツを登録して公開するサイトでございまして、平成二十八年三月から運用を開始してございます。
 これらの取り組みを通じて、地方ゆかりの文化情報などのコンテンツの収集や利活用を促進するということでございます。
#41
○井内政府参考人 お答え申し上げます。
 分野や地域を超えまして日本の知識を集約するデジタルアーカイブを構築することによりまして、教育、防災、ビジネスなどへの利活用に加えまして、海外への発信機能を付加、強化することによりまして、インバウンドの促進や地方創生などに資することが期待できるところでございます。
 他方、地方におきましては、アーカイブを構築するために、技術や法務などの専門知識を有するスタッフが不足しているとか、相談する相手も近くにいないといった課題が指摘されているところでございます。
 このため、五月十六日に決定されました知的財産推進計画二〇一七におきましては、地方におけるアーカイブの整備を支援していくことの重要性を踏まえまして、地方におけるアーカイブ連携の促進についての項目を盛り込んでいるところでございます。
 具体的には、関係機関とともに今年度開催する予定の産学官の関係者が集うフォーラムにおきまして、地方におけるアーカイブの構築や連携に向けて、各機関の協力や連携のあり方に関する情報共有や意見交換を行うこととしております。
 こうした取り組みを含めまして、今後とも、関係機関と連携しながら、分野や地域を横断した国の統合ポータルの構築を目指した取り組みを推進してまいりたいと考えているところでございます。
#42
○高井委員 今お答えいただきましたが、総務省は自治行政局がお答えだったんですよね。
 私、やはりアーカイブというのはICTの肝だと思っています。実は総務省も、かなり昔は力を入れていた、だんだん力を入れなくなっているんじゃないかなと私は思っていまして、大臣、非常に私もこだわって何度か質問していますけれども、今林政策統括官のところが所掌されていると思いますので、このデジタルアーカイブ、さっき言ったようにヨーロッパと比べると余りにも貧弱、ですけれども、これから日本がICTで存在感を示すためには非常に重要な分野だと思っていますので、ぜひお取り組みをお願いいたします。
 時間になりました。ちょっとほかにも質問したかったことがあって、来ていただいた方には申しわけありませんが、以上で終わりにしたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#43
○竹内委員長 次に、緒方林太郎君。
#44
○緒方委員 民進党、緒方林太郎でございます。
 きょうは、ふだんは委員ではございませんが、三十五分間、よろしくお願いを申し上げます。
 きょうは、地方財政に関する質疑ということで、高市大臣と実りのあるやりとりをさせていただければと思っております。
 まず最初のテーマは、交付税特別会計における借入金の問題について質疑をさせていただきます。
 もともとは、地方交付税というのは、交付税特会で借金をしながらお渡しをしていたけれども、これが耐えられなくなったということで、現在、臨時財政対策債の制度を設けている。交付税特会で借り入れをしているときに五十一兆円ぐらいまで借入金がたまり、これで耐えられなくなったということで、平成十何年だったか忘れましたけれども、大体二対一で折半をして、一の部分については国の一般会計で受けるということで整理をつけたもので、現在、たしか残高は三十二、三兆ぐらいではないかと記憶をいたしております。
 まず、高市大臣にお伺いをいたします。
 この交付税特会に残っている借入金三十数兆円、これは国の借金ですか、地方の借金ですか。
#45
○高市国務大臣 地方の財源不足に対しましては、平成十二年度までは交付税特別会計借入金によって対応して、その償還金を国と地方で折半して負担するということにしてまいりました。
 平成十九年度に、特別会計借入金のうち国負担分が一般会計に承継されたところでございます。
 現在の交付税特別会計の借入金残高ですが、おおむね委員がおっしゃっていただいたとおり、三十二・四兆円でございます。この三十二・四兆円につきましては、その全額を地方の負担によって返済していく必要がございます。
#46
○緒方委員 そうなんですね。この三十二兆円については、地方の借入金であり、地方がその責任において償還をしていくことが求められているものでありますが、このうち、ことしの通常予算、一般会計予算におきまして、これから二〇二四年度まで返済すべき一・八兆円につきまして、今年度の予算におきまして二〇五〇年度以降に先送りをしたということがございました。理由をお伺いしたいと思います。大臣。
#47
○冨樫大臣政務官 お答えをいたします。
 交付税特別会計借入金の償還については、財政規律の維持や将来の金利上昇リスクへの対処の観点から、平成二十三年に作成した償還計画に基づき、これまで着実に償還してまいりました。
 一方、平成二十九年度地方財政対策においては、平成二十三年度以来、地方交付税総額の確保に活用してきた前年度からの繰越金がないこと、国税、地方税の税収は高水準にあるものの伸びが鈍化していること、消費税率引き上げの延期に伴い、予定されていた引き上げ分の地方交付税原資等が得られなくなること、地方団体からは臨時財政対策債ではなく地方交付税の確保について強い要望があったことなどを踏まえ、償還計画を見直すこととしたところであります。
 以上です。
#48
○緒方委員 着実に償還してきた、しかし、繰越金がもうなくなってしまった、そして、税収が伸びてはいるけれどもかなり不十分であったと。つまり、財源が足らなくなったので、真水分を渡すことができなくなったので、借金を、二〇五〇年度以降であります、二〇五〇年度以降というのは、私でももう七十七歳であります、はるか先の話です。私、これは典型的なモラルハザードだと思うんですね。
 結局、基準財政需要額のところに乗せるわけでありますが、それを乗せてしまうと真水分を渡す分が減ってしまうから、だから後世にツケ回しをして、今、真水で渡す分をふやそうとしている。これ、物すごいことをやっていると私は思うんですよね。
 これは典型的なモラルハザードでありまして、問題だというふうに思われませんか。総務省。
#49
○黒田政府参考人 お答えいたします。
 この交付税特別会計借入金につきましては、巨額であることから、その解消を第一に考える立場からは、もっと各年度の償還額をふやして、償還期間を短縮すべきであるとの指摘がございます。
 しかし、現実に、巨額の財源不足が生じている中で、安定的な財政運営を維持するため、毎年度の交付税総額を確保することも極めて重要な課題でございます。
 一方、交付税総額の確保を第一と考える立場からは、少なくとも財源不足が発生している間は償還を繰り延べるべき、あるいは償還期間をさらに延長すべきであるとの指摘も考えられますが、財政規律の維持や将来の金利上昇リスクを考えると、できる範囲での償還努力も必要と考えております。
 今回の償還計画の見直しにつきましては、この地方財政の規律を保持する観点からの交付税特別会計借入金の着実な償還と交付税総額の確保の両立を図ったものと考えております。
 なお、国債につきましては六十年償還ですが、地方の負担であります交付税特会につきましては三十年償還という形で整理しておりますので、一概にモラルハザードという観点で整理しているものではないと私どもは認識しております。
#50
○緒方委員 尊敬する黒田局長の言葉ではありますが、これは典型的な返すのギブアップ宣言ですよ、もう返さないと。だって、ここから七年間ぐらい返さないのに、その後の政権が、二〇五五年、二〇六〇年に償還をさらにおくらせることについて言いわけができないじゃないですか。
 これは問題だというふうに思いませんか。高市大臣。
#51
○高市国務大臣 交付税特別会計借入金の償還につきましては、財政規律の維持やそれから将来の金利上昇リスクの対処という観点から、平成二十三年度に作成した償還計画に基づいて、これまでは着実に償還してまいりました。
 平成二十九年度の地方財政対策においては、地方財政の規律を保持する観点からの交付税特別会計借入金の着実な償還と地方交付税総額の確保の両立を図るという観点から、この償還計画を見直すことといたしました。
 交付税特別会計借入金を見直し後の償還計画に基づいて着実に償還していくということは、何より大事だと思っております。これはもう財務体質の強化が重要でございますので、私ども、歳入面では、やはりアベノミクスの成果を全国に行き渡らせて地方税収の増を図るということ、それから歳出面では、国の取り組みと基調を合わせて、めり張りをつけて歳出構造を見直す必要があると考えております。
#52
○緒方委員 しかし、規律と総額の確保、わかりますけれども、将来の人たちにそれを面と向かって言えないんだと思うんですよね。
 実は、先ほどモラルハザードという言葉を使いましたが、なぜ私がそう思うかというと、財務省は別にこれはこれでいいわけです、一般会計は痛まないから、特別会計に押し込んであるから誰も痛まない。そして、総務省と地方自治体は借金を特別会計に押し込んだまま交付税の真水部分をふやせる、そして、その結果、苦しむのは次の世代ということになります。
 よく特別会計の埋蔵金という言葉がありましたが、これは逆埋蔵金だと思うんですね。特別会計に押し込んでいる限りにおいては誰も苦しまない、当面。それは、典型的なモラルハザードでないとさっき黒田局長は言われました。しかしながら、特別会計で置いていること自体が私は問題なのではないかと思います。
 さらに問題なのは何かというと、先ほどこれは地方の借金だというお話でありましたが、しかし、では、地方の方はこれを地方の借金だと思っているだろうかというと、頭の中では、それはそうだ、そういう仕切りになっていると思っていると思いますが、ただ、国の特別会計の中にある、そして国債で立てているこの借金を地方の借金だと思うこと、これは難しいんだと思うんですよね。
 私、制度を変えた上で、こういうモラルハザードが生じないようにすべきだというふうに思いますが、総務省、いかがですか。
#53
○黒田政府参考人 御指摘いただきました特別会計の負担が地方負担であるということを明確にするということにつきましては、なかなか、どういう形でという議論はあると思いますけれども、現在の体系といたしましては、国、地方折半による財源不足ではなくて、全額を地方負担の財源不足と整理して、最終的にそれが臨時財政対策債の総額でありますとか交付税総額に反映されるという形で法律で認めていただいている、そういう形をとっております。
 それ以外の形というものがどういうものかということについて、なかなかちょっと今は具体的なイメージが出てこないところがございますけれども、いずれにしましても、昨年度四千億の償還をいたしましたが、来年度以降、決して償還をストップするわけでございませんで、四千億円を三年間続けて、一千億円ずつふやしていって、将来見込まれる税収増とかも含めまして一兆円ずつ返していく、そういう形で、いろいろと御議論いただきましたが、法律としても認めていただいている、そういう状況でございます。
#54
○緒方委員 いや、地方の方々が、これは自分が返さなきゃいけないものだというふうに本当に思うかというと、思っていないと思いますよ。
 しかも、国の差配によって、返すときが、この年はこれぐらい返します、けれども、予算の事情によってはこれが減りますとか、こういうことをやっていては、私は、この交付税特別会計の借入金については、二〇五〇年度以降の数字とかを見ていると、二〇五〇年度以降に一兆円とかいう数字が乗ってきたりして、本当にこんなことをやれるのかというふうに思いますので、これは問題だということを指摘させていただいた上で、次の質問に移りたいと思います。
 次は、地方自治体が持っております基金の問題。
 これは何度も恐らくこの総務委員会でも取り上げられたと思いますが、財政審の方から、地方自治体の基金残高が二十一兆円、厳しく指摘されておりますね。この基金の二十一兆円の現状について、それぞれ、総務大臣そして財務省、お伺いできればと思います。
#55
○高市国務大臣 各地方自治体におきましては、今後の人口減少などによる税収見込みですとか、社会保障そして公共施設の老朽化対策などに要する経費の増加、また予期しない災害の発生への備え、こういったさまざまな地域の実情を踏まえて、かなりの歳出抑制努力を行いながら、それぞれの判断に基づいて基金の積み立てを行っておられると承知しています。
 ですから、地方全体として基金が増加しているということのみをもって、地方財政に余裕があるということは言えないと思っております。
 しかしながら、近年、基金残高が増加しているということは事実でございますから、個別団体ごとの詳細な状況を把握するために、全地方団体に対しまして、どのような考え方で基金の積み立てを行っているのかについて調査を実施して、分析をさせていただきます。
#56
○三木大臣政務官 お答えいたします。
 先日の経済諮問会議において、民間議員からも、近年の地方の基金の増加についても言及がございました。また、財政制度審議会が五月二十五日に公表いたしました「「経済・財政再生計画」の着実な実施に向けた建議」におきましても、基金残高の増加に対する対応などについての言及がございました。
 毎年度赤字国債を発行して地方交付税を措置している現状を踏まえますと、各地方団体の基金残高の増加要因等を分析、検証し、国、地方を通じた財政資金の効率的配分につなげていく必要があると考えております。
 先ほど大臣からお答えございましたように、今後、総務省において、全地方団体を対象に、どのような事情また考え方で基金の積み立てを行っているのか、調査、分析を行うこととされておりますので、その結果も踏まえまして、今後の取り扱いについて、総務省とよく相談してまいりたいと思います。
#57
○緒方委員 私も、基金に二十一兆円がたまっていることが、これが全て悪いとか、そういうことを言うつもりは毛頭ございません。
 その一方で、では、三十兆、四十兆、百兆、基金がたまったと仮定しましょう。そうなると、やはりどこかで、これはおかしいんじゃないかというたまり方というのがあるんだと思いますね。
 そうすると、余り基金が積み上がり過ぎると、例えば財政審であったり経済財政諮問会議で、これは大臣おわかりだと思いますけれども、つまり、これは何の議論かというと、その部分は交付税の過剰計上ではないかということで、交付税の削減の議論につなげたいという思いが恐らくあるんだろうというふうに思います。そうすると、単に必要ですとかそういう情緒的なコメントをしても、多分全然こたえないんだと思うんですね。
 今、これから各地方自治体の分をいろいろ調べるということでございましたが、私は、基金がどういう基金であれば、ある意味、過剰計上と言われないような基金であるかという基準みたいなものをしっかり設けて、正当化されるという言い方がいいかどうかわかりませんが、これは正当化される基金であり、これはちょっと余り必要ないんじゃないかなと思うような基金である、そういうような仕分けを基準を設けた上でやるべきではないかと思いますが、総務省、いかがですか。
#58
○冨樫大臣政務官 各地方自治体が財政運営において考慮すべき事項は地域の実情に応じてさまざまであるため、国において、地方自治体の基金残高の限度について一律の基準は設けていないところであります。
 以上です。
#59
○緒方委員 いや、私は別に、上限がどうだとかそういうことではなくて、性質として、こういうものはいい、例えば、将来的にプロジェクト性がはっきり決まっているものとか、そういうものに積み立てていくというのは長期的な地方財政の観点からあっていいと思います。当然です。しかし、そうでなくて、何となく将来に対する漠然とした不安でためているものについては、やはりこれは財務省の方から厳しくやられると思うんですね。
 別に、額がどうだとかいうことを言っているんじゃないんです。そういう仕分けをすべきではないかというふうに言っているんです。総務省。
#60
○黒田政府参考人 ただいま政務官の答弁がございましたように、一律の基準は設けておりませんが、今回の調査の中で、特に今御指摘いただいたのは財政調整基金にかかわる問題だと思っております。ですから、例えば、それぞれの団体におきまして、標準財政規模であるとか、予算であるとか、それから決算規模であるとか、あるいは過去の取り崩し額であるとか、何か基準を持ってやっているかどうかということもあわせて確認いたしまして、その中で、どういうふうな考え方で整理されているか、あるいは、将来、中期的にこれから基金を積み立てる予定があるか、あるいは取り崩していく予定になっているのか、そういうことも含めて対応させていただきたいと考えております。
#61
○緒方委員 この基金の話をすると、結構報道とかを見ておりますと、またあの三位一体改革のときのように交付税をがさっと切られるんじゃないか、そういう不安があるみたいなコメントが報道で出てくるんですね。
 つまり、基金をためるというのは、その要因の一つとして、地方交付税制度の将来について不安があるからではないか。またどこかでやられてしまったときに、ある程度持っておかないとやばいことになるというふうに思っているからではないかと思うんですね。
 地方交付税制度の信頼性をしっかりと総務省の方で確保していけば、こういうことはなくなっていくんじゃないかと思いますけれども、大臣、いかがですか。
#62
○高市国務大臣 地方交付税を含めました地方の一般財源総額につきましては、一定期間は実質的に同水準を確保するという方針を閣議決定しております。これは明確にしています。
 今後とも、一般財源総額に対する予見可能性というものは高めて、地方自治体が計画的かつ安定的に財政運営ができるように取り組んでまいります。
#63
○緒方委員 それでは、質疑を移していきたいと思います。
 次は、都道府県の減債基金についてお伺いをいたします。
 きょうは、私が二年前に提出して戻ってきた質問主意書答弁がございますが、これは、地方交付税のうち臨時財政対策債の償還額と減債基金を含む元利償還額の関係について質問したものであります。
 交付税の中で借金返しのためにこれを使ってくださいねという、それぐらいの額、そういう目的で割り振った額よりも、実際に積み立てているもの、償還に充てたものの額が、そっちの方が少ない。事実上、交付税、普通財源ですので、もうかっている地方自治体がどういう自治体ですかということで質問をしたら、結構な地方自治体がその中に書いてあると思いますが、出てきています。
 こういう差額が出ることについては、それ自体は問題ないということでよろしいんですか。黒田局長。
#64
○黒田政府参考人 臨時財政対策債の償還条件につきましては地方団体ごとにさまざまでありますが、地方交付税における基準財政需要額への償還費の算入につきましては、これはできるだけ地方債の元利償還金の算定を簡素化したいという地方団体の意見もございまして、平均的な償還条件をもとにした理論値で行っております。
 このため、ある時点における実際の元利償還額と交付税の基準財政需要額への算入額とを比べましたら差が生じるものでございますが、トータルとしてはほぼ均衡するものでございますので、計画的に減債基金の積み立てを行い適切に償還財源が確保されていれば、問題ないというふうに考えております。
#65
○緒方委員 全体として均衡しているんですね。それは今初めてお伺いをいたしました。
 地方自治体によっては、地方交付税の基準財政需要額に入れるときの基準というのは、二十年債対三十年債の割合が一対一であることを条件に、この簡素なモデルというものができ上がっています。
 そうすると、二十年債よりも三十年債の方の割合が多い自治体になればなるほど、二十年債の場合は減債基金に積み立てる額が毎年五%であります、五掛ける二十で一〇〇ですので。三十年債になると三・三%であります。三十年債の比率が高まれば高まるほどこういう差額ができて、いわば、もらっている額よりも実際に積み立てる額の方が少ないという自治体が出てくるわけでありますが、こういう自治体が生じることは問題ないということでよろしいですか。黒田局長。
#66
○黒田政府参考人 お答えいたします。
 繰り返しになりますが、ある時点における実際の償還額と理論値で算定したものについては差額が生じるものでございますが、計画的に減債基金の積み立てを行い適切に償還財源が確保されていれば、問題がないというふうに考えております。
#67
○緒方委員 そうすると、まさにさっき言った二十年債と三十年債の割合が各自治体によって違うわけでありますが、全国一律のモデルで一対一としているものが、地方自治体によっては、結構、もらっている額に余りが出るところが出るわけでありまして、逆に、そうでない、仮に多分二十年債が多い自治体になると、実際にもらっている額よりも減債基金に積み立てている額の方が多いということになるわけであります。
 やはり地方交付税、全体、一括でもらっているので、そこは余りミシン目を切り分けることはよくないと言えばよくないのかもしれませんが、ただ、例えば、差額が出て、もうかっているという表現がいいかどうかわかりませんけれども、差額が出ている自治体なんかは、その差額が出た分は望むらくは早期償還に充てるべきだという考えでは、それですらないということですか。黒田局長。
#68
○黒田政府参考人 差額につきましてどのように扱うかにつきましては、それはそれぞれの自治体の御判断という面があると思います。
 ですから、ある程度決算上の剰余金が発生する見込みになるとなれば、それは当然繰り上げ償還に使う財源に使うというのも、それぞれの団体の判断ではあるというふうに考えます。
#69
○緒方委員 地方自治体の要望によって、できるだけ簡素な基準によってやっているというのは、これはわかります。ただ、地方債の構成の仕方によって、差額が出るところ、逆差額が出るところ、結構出るわけですよね。
 そうやって考えていくと、正しくこの件を基準財政需要額とかなんとかに計上し、そして地方に正しく償還する分をお渡しするということからすると、これは先ほど言われた地方自治体の要望とは反するかもしれませんけれども、もう少し各自治体ごとの状況を見きわめた上でこの配分の比率を考えた方がいいというふうには考えられませんか。黒田局長。
#70
○黒田政府参考人 御指摘のように、できるだけ実際の償還額に近づけるという方法をとろうと思いましたら、例えば災害復旧事業債のように、現実の償還額を追っかけて、それに九五%算入する、そういうやり方があろうかと思います。
 ただ、これをやりますと、それぞれの地方団体、その台帳管理、非常に手間がかかりますので、発行額の理論値でやってもらいたいということを踏まえてやっております。
 二十年債、三十年債でございますが、長い目で見ますと、最終的な元利償還額の合計につきましてはほぼ均衡いたしますので、トータルしますと、そこは問題が発生しないというふうに考えております。
#71
○緒方委員 ちょっとこの件は、今、答弁をもう一度精査させていただいて、またどこかで質疑をさせていただければと思います。
 そして最後、これは高市大臣もよく御存じのお話だと思いますが、地方消費税の清算基準の話について質疑をさせていただきたいと思います。
 地方消費税というのは偏在性が少ないというのは、これはほかの地方の法人税等々に比べれば偏在性が少ないわけでありますが、ただ、その一方で、よく見ていくと、それなりに偏在性があるなと思うこともございます。
 特に、一人当たりの税収額の指数が悪いのは、私、見てみましたら、茨城、埼玉、千葉、神奈川、三重、滋賀、兵庫、奈良、これらの県であります。今、皆様方、聞かれてわかったと思いますが、大都市圏の周辺にある自治体であります。
 これらの自治体の税収額の指数が悪いというか低いのは、恐らく、例えば東京の周辺の自治体であれば、東京で購入をして、自分の住んでいるところに戻って消費をしている。その消費の分はどこに計上されているかというと、東京に計上されるわけです。その消費に基づいて地方消費税が割り振られていくので、結果として、東京に厚く地方消費税の額が割り振られるというようなことが生じる。これは、大阪の周辺であっても、例えば滋賀、兵庫、御地元の奈良も含めて低いというのは、恐らく、大阪、京都での消費が多いということ。
 この清算基準が、結果として、本来消費をしている、消費税ですから、自分の住んでいるところで消費しているんだけれども、その消費したものはどこで乗っているかというと、大都市圏で乗っている。例えば、アマゾン・コムで物を買えば、アマゾン・コムの本社のところで消費が乗る。けれども、消費しているのは、例えば私であれば福岡県北九州市であり、大臣であれば奈良だと思います。
 これを見直すということも、これまでもやってこられたことはよくよく存じております。平成二十七年、二十九年とそれぞれ、ことしも見直してこられたことはよく知っておりますが、本質的な地方創生だと私は思うんですね、これを見直すということは。
 まさに、本来落ちるべきところに落ちる消費税が現在落ちていないということを見直すということは、これはとても重要なことではないかというふうに思いますが、まず総論として、大臣、いかがですか。
#72
○高市国務大臣 消費の分布をより正しくあらわすように見直していくということは、御指摘のとおり、とても重要な課題だと考えております。例えば、大都市周辺部での家庭用品などの持ち帰り消費についても、これは小売分野に係る一つの論点として、今年度設置しました検討会において、検討の対象になると考えております。
 しっかり地方の御意見も伺いながら、清算基準のあり方を検討してまいります。
#73
○緒方委員 それで、平成二十七年度には、情報通信、旅行業等については除外をした。人口とか従業員の比率でこれまで割り振っていたのを、人口、従業員の比率を見直したとか、今年度については、通信、カタログ、インターネット販売等を除外したとか、いろいろな見直しを行っていますが、根本的な疑問として、この清算基準を見直すときのデータが、実は商業統計等の供給サイドのデータを使ってやっているということであります。
 供給サイドのデータを使うから、だから、東京とかそういったところで購入したものがそこで計上され、消費税を最後に清算するときに東京に乗ってしまうということがあるんですが、何で家計調査等の需要サイドのデータを使ってやらないんですか。総務省。
#74
○林崎政府参考人 お答えいたします。
 地方消費税の清算基準として用いる統計は、地方消費税は多額の税収でございますので、その帰属を決定するということになりますので、関係者が合理的であると納得できるものであることが必要でございます。
 こういったことから、現行制度では、都道府県別の消費を的確に捉えるために、全数調査である、今御指摘ありました供給側、売り上げ側の統計を利用しているところでございます。
 ただ、この統計につきましても、先ほども御指摘にあったアマゾンのような話がありますけれども、やはりそのまま使ってはどうもまずかろうといったような、統計データが消費地とずれるようなことになるようなものにつきまして、これは、その業種等を除外して清算基準を算定するという対応を行ってきております。
 御指摘の需要サイドの統計データでございますけれども、確かに、需要サイドできちっととれればいいんですけれども、例えば、需要サイド統計につきましてサンプル調査を用いますと、サンプル数が少ないような場合は、抽出されたサンプルの消費動向に偏りがあると影響が大きいですし、あるいは、調査時期が限られていますと、その時期によりまして消費動向に偏りが生じたりする、そういったおそれがありまして、それが、先ほど申し上げたような、大きな税収を左右してしまうという課題がございます。
 それから、消費者側の統計は住所地に数値が計上されるため、今度は通勤先とか旅行先などの住所地外で実際に行った消費の額が反映されなくなるといった課題もありますので、現在は、先ほど申し上げたとおり、全数調査であります供給側、売り上げ側の統計を利用しているところでございます。
#75
○緒方委員 例えば商業統計とかは全数調査であるという話がございましたが、これは経済産業省にお伺いをいたしたいと思います。
 今、統計改革の中で商業統計等の見直しをしていて、これから全数調査ではなくてサンプル調査の方に切りかえていくというふうに理解をいたしておりますが、経済産業省、いかがですか。
#76
○吉村政府参考人 お答え申し上げます。
 本年一月に設置されました統計改革推進会議におきまして、GDP統計の精度向上に向けた検討等がなされ、今月十九日に最終取りまとめが行われたところでございます。
 その中で、GDP統計の精度向上に資するため、GDP年次推計のための一次統計に主として用いられております商業統計につきましては、商業マージンなどを毎年把握できますよう、調査項目を重点化した上で、現行の実質五年に二回の調査頻度から、平成三十一年度からになりますが、毎年実施に変更することとしております。
 より詳細な調査計画につきましては、今後、有識者等をメンバーとする研究会を開催しまして、具体化を図っていくこととしておりますが、調査頻度が増加することを踏まえまして、調査対象者の負担の軽減に配慮するとともに、調査の効率化あるいは早期公表の観点から、御指摘がございました点につきまして、調査対象数について、これまでの全数調査から標本調査に変更し、また、調査経路につきましても、国直轄による民間事業者を活用した調査の実施を念頭にしているところでございます。
#77
○緒方委員 今言ったとおりです。サンプル調査だから精度が低いとかなんとか言われましたけれども、今使っているデータだって、これからサンプル調査に変わっていくんです。
 なので、私は、これは指摘にとめさせていただきますけれども、需要側のデータに基づいてやるべきだということ、これを強く申し述べたいと思います。
 実は、今の清算基準のところでちょっと疑問があるのが、従業員の数というものが清算基準の中に入ってきているんですね、比率はどんどん下がっていっていますけれども。なぜ従業員の数を地方消費税の清算基準の中に入れているんですか。これは総務省。
#78
○林崎政府参考人 お答えいたします。
 現行の基準は、各都道府県ごとの小売とサービスに係ります統計データを基本としつつ、その統計で把握し切れない部分につきましては、人口と従業者数を用いて補完する仕組みとなっております。
 人口と従業者数を用いておりますのは、一つは、最終消費の場所を把握する上で、消費者側と供給者側の双方からのアプローチを組み合わせるという考え方に基づいておりまして、人口は小売の分布と、それから今まさに御指摘があった従業者数につきましてはサービスの分布とおのおの相関度が高いと考えているところでございまして、こうした制度の経緯から現状のような形になっているところでございます。
#79
○緒方委員 余りぴんとこなかったんですけれども、また後で答弁を精査させていただきたいと思います。
 もう一つ疑問なのが、清算基準の中で、例えば、商業統計とか、あと経済センサスのサービス業対個人事業収入額とかそういったものの経済指標が全体の七五パーなんですね。それ以外のところで、人口が現在一七・五%、そして従業員七・五%ということになっていますが、実は人口と従業員のところは、ずっと比率を、最近人口の方に寄せるようにやってきていますが、全体の、経済指標のところ七五%、残りのところ二五%というのは、全然、全く動きがないんですね。何で七五%に固定されているのかというのが、まずこれが一つ問い。
 もう質問時間もないので、あとまとめてやらせていただきます。
 何をもって最終消費というかというのは、経済の統計を用いていても、最後は物すごいミクロのところに落ちていくんだと思います。スライス・バイ・スライスの議論になると思います。そうすると、今、人口の比率というのは全体の中の一七・五%ですが、地方団体から、この人口の比率をぐっと伸ばしてほしいという要望は結構上がってきているはずであります。
 一番平等なのは、実は人口をベースとした基準で地方消費税の清算を行っていくことが方向性としては正しいのではないかと思いますが、最後の質問であります。総務省。
#80
○林崎政府参考人 お答えいたします。
 まず最初に、七五%の件でございますけれども、地方消費税の制度創設時におきまして、消費税の課税対象取引の総額、これは消費税の額から逆算していくと数字がつかめるわけですけれども、課税対象取引総額が二百六十兆から二百七十兆程度と見込まれた一方で、先ほど来お話に出ている小売とサービスの売上統計の方の総額が二百兆程度であったということで、その割合に従って、地方消費税総額の七五%、これは売り上げの統計データを用いて、そして、つかみ切れない残りの二五%につきまして、それを補完する形で、人口と従業者数によって清算を行う、こうしたところであります。
 実は、これは直近の平成二十六年度の商業統計データで更新した後で同じように計算しましても、依然として七五%程度となっておりますので、七五対二五という構造が変更されてきていないということがございます。
 そういった中で、残り二五につきまして、人口と従業者数というところのシェアが変わってきているわけですけれども、これは、それぞれ先ほど申し上げたような相関が深い、そういったいわゆる小売とサービス、こちらの方が、つかめている商業統計の中でシェアが変わってきていますので、補完する側の方でそちらの方をカバーした、こういうことで二五%部分のシェアが変わってきているということでございます。
 それから、公平性という意味では人口が一番いいんじゃないかという御指摘でございまして、御指摘のとおりで、最終消費の地域分布をあらわすものとして、人口が重要な要素であるというふうには当然考えているわけでございますけれども、消費ということになりますと、人口数のほかにも、所得の水準とか、あるいは来訪者の地域内消費の多寡などによって影響されるということも考えられますので、適切な基準として、人口のみでなく、今のような形で定めてきているところであります。
 先ほど御指摘があったように、与党の税制改正大綱あるいは知事会の提言などで人口をより重視する方向性が述べられているということも踏まえまして、先ほど大臣から答弁ございました検討会におきましても、理論面、実務面を含めて丁寧に検討を進めていきたいと考えているところでございます。
#81
○緒方委員 終わります。
#82
○竹内委員長 次に、田村貴昭君。
#83
○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。
 この間、財政制度審議会や経済財政諮問会議において、地方財政が審議されています。この六月にはいわゆる骨太の方針も示され、そして、集中改革期間後の経済・財政再生計画においても地方財政の行方が定められていく等々のこうした議論についても、私、重大な関心を持って今見ているところでございます。
 きょう、金子議員からも今の緒方議員からも基金の問題がありましたけれども、私も、基金の問題、それから地方交付税のトップランナー方式について質問をしたいと思います。
 今月十日に開かれた財政制度審議会における地方財政の提出資料では、自治体の基金現在高が上昇していることを挙げて、次の指摘をしています。「毎年度、赤字国債を発行して地方交付税を措置している現状を踏まえれば、各団体の基金残高の増加要因等を分析・検証し、国・地方を通じた財政資金の効率的配分に向け、地方財政計画への反映等につなげていく必要。」。
 そして、十一日には経済財政諮問会議が開かれました。エコノミストの高橋議員は、積立基金残高二十一兆円というのは、新たな埋蔵金と言われかねない状況ではないかと述べ、経団連会長の榊原議員は、国から地方交付税を受け取りながら基金をため込むのはおかしい、必要額よりも多く交付税を受け取っているのではないかと述べました。
 そこで、財務省にお尋ねします。
 財政制度審議会と論旨の流れは軌を一にしているように見られるわけでありますけれども、この民間議員の主張、指摘と、財務省は意見を同じ立場にしますか。
#84
○藤井政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、先日、五月十一日の経済財政諮問会議におきまして、民間議員の提出資料においては、近年著しく増加している地方の基金について、その背景、要因を把握、分析し、説明責任を果たすべきこと、国、地方を通じた財政資金の効率的配分に向けて改善方策を検討すべきことの旨の提案がなされていると承知しております。
 また、財政制度等審議会が五月二十五日に公表いたしました「「経済・財政再生計画」の着実な実施に向けた建議」においては、毎年度、赤字国債を発行して地方交付税を措置している現状を踏まえれば、各団体の基金残高の増加要因等を分析、検証し、国、地方を通じた財政資金の効率的配分につなげていく必要がある旨、記載されているところでございます。
 このように、経済財政諮問会議民間議員の提案においても、財政制度等審議会の建議においても、まずは、基金残高の増加要因等を分析、検証することが必要としている点について共通点はあるものと考えております。
 ただ、基金増加の要因やそれへの対応策について、現在、特段の方針が決定されているものではないと承知しております。
 いずれにせよ、今後、総務省において、基金についての調査、分析を行われるというふうに聞いておりまして、その結果も踏まえて、今後の取り扱いについて総務省とよく相談してまいりたいと考えているところでございます。
#85
○田村(貴)委員 ちょっと聞きたいこともあるんですけれども、総務大臣にお伺いします。
 大臣もこの経済財政諮問会議に議員として出席されていて、民間議員の発言はお聞きになったというふうに思いますけれども、全体として基金がふえているのは地方交付税を余計に受け取っているという、この指摘についてはどういうお考えでしょうか。
#86
○高市国務大臣 経済財政諮問会議の場でも反論させていただいておりますので、また追って議事録が出たときにもごらんをいただけたらありがたいと思うのですが。
 地方交付税総額は、所得税、法人税、酒税、消費税の一定割合及び地方法人税の全額を基本としながら、地方財政計画における地方財政全体の標準的な歳入歳出の見積もりに基づき決定されております。
 この地方財政計画は、地方団体が法令で義務づけられた事務事業やその他地域住民の福祉を増進させるための行政を国が期待する水準で実施できるようにということで、地方財源を保障することの役割を持つものでございます。
 地方財政計画の今申し上げましたような役割を踏まえて、客観的に推測される標準的な水準における歳入歳出総額の見込み額を計上するということによって、地方交付税総額は決定されております。よって、地方交付税総額が過大であるということは考えておりません。
#87
○田村(貴)委員 私もそう思います。それで、まさに基金の現在高をもってして地方交付税を取り過ぎているというのは、これまた筋違いな議論だと言わざるを得ません。
 そこで、総務省にお尋ねしますけれども、地方自治体の基金の現在高が増加傾向にある、この傾向についてはどのように見ておられますか。
#88
○黒田政府参考人 お答えいたします。
 現段階では、まだ抽出した団体からの内容でございますけれども、それぞれの自治体におきましては、今後の人口減少等による税収見込み、あるいは社会保障、公共施設の老朽化対策等に要する経費の増加、また予期しない災害の発生への備えなど、さまざまな地域の実情を踏まえて、歳出抑制努力を行いながら、それぞれの判断に基づき基金の積み立てを行って、その結果として、全体として基金が増加している、そういう状況であると認識しております。
#89
○田村(貴)委員 基金の積み増しにはそれなりの事情がある、理由があるということであります。
 再度お尋ねしますけれども、その自治体の基金について、地方自治法上それから地方財政法上に、国が指図をしたり、あるいはその額について指導をしたりするような規定はあるんでしょうか。また、そうした行為を総務省はとられたことがありますか。
#90
○黒田政府参考人 地方自治法上あるいは地方財政法上、今御指摘いただきましたように、地方自治体に指図をするような規定はございません。
 ただ、一般的な財政運営の一環といたしまして、総務省におきましても、これまで、それぞれの地方自治体の基金につきましては、その規模や管理などについて十分検討を行った上で、それぞれの基金の設置の趣旨に即して、適正な管理運営に努めるよう通知しております。これはあくまでも、地方自治法第二百四十五条の四第一項に基づく技術的な助言に基づいて行っているものでございます。
#91
○田村(貴)委員 その自治体が基金を備えて、また積み増しするには、黒田局長の先ほどの回答、いろいろな事情ですね、税収不足、災害対応、それからインフラの老朽化等々あるんですけれども、それに加えて、歴史的には三位一体の改革というのもあるわけです。
 三位一体の行財政改革によって地方交付税が大幅に減少し、そして自治体は苦境に至ったという痛苦の経験があります。また、合併したところでは、合併特例債の算定がえの期限を迎えて負担がふえている。そうしたところから、住民サービスを維持向上させるために基金を確保しているところもあるわけであります。
 財務省、総務省からるる説明があったと思うんですけれども、こうした自治体にとっての事情や必要性を理解した上で、交付税のあり方について言及されている、そういう主張をされているんでしょうか。
#92
○藤井政府参考人 お答え申し上げます。
 私どもも、地方団体の基金につきましては、社会保障関係や公共施設の老朽化対策等に対して今後見込まれる財政需要の増加、それから合併による特例措置の終了による交付税の減少への備え、あるいは行財政改革による節減など、積み立ての理由には団体ごとにさまざまな事情がある、このように認識しているところでございます。
 ただし、個別の自治体がどのような考え方で基金の積み立てを行っているのか、全般的な調査は行われないと承知しており、今般、総務省において調査、分析を行うこととされていると聞いております。
 この総務省が行われます調査、分析の結果も踏まえまして、今後の取り扱いについては総務省とよく相談してまいりたいと考えているところでございます。
#93
○田村(貴)委員 もう一点お伺いしますけれども、財務省。
 その民間議員は、基金は埋蔵金であるとか、それから必要額よりも多く地方交付税を受け取っている、こういう御認識なんですけれども、財務省、先ほどは基本的には同じ立場と言いましたけれども、この発言においても同じ立場をとられますか。交付税を必要よりも多く取っていると。
#94
○藤井政府参考人 お答え申し上げます。
 交付税総額につきましては、毎年度、財務省、総務省の間で地方財政の折衝を行いまして、最終的に地方財政計画として適切な額を計上しているところでございます。そういう意味で、総額について過大となっているというふうに認識はしてございません。
 ただし、基金の積み上がり方につきましては、それぞれ、各団体区々でございます。大きく積み上がっている団体もあれば、そうでない団体もあるということで、その区々の状況をよく分析して、効率的な財政資金の配分になっているかということについては不断の見直しが必要なのではないか、かように認識しているところでございます。
#95
○田村(貴)委員 災害対応で自治体の基金が存在し、積み増ししているというところがあるんですけれども、その典型が去年四月に起こった熊本地震であります。
 災害発生後、熊本県の基金はゼロになった時点もあります。震災による緊急の支出で使い果たして、そして、県としては今積み増しをしている最中だというふうにも伺っています。
 百六億円、去年年度当初にあった基金は、応急仮設住宅の建設、被災した中小企業の施設への支援、道路や河川などの復旧整備に充てられたということであります。発災直後、国の支援スキームが不透明な中で、基金は復旧とそれから被災者の支援に重要な役割を果たしたと思うわけであります。
 こうした経験から、やはり不測の事態に備えて、災害が多発している、だから財政を工面して基金を確保するというのは、これは自治体としては当然の成り行きのことだと思います。見解を求めたいんですけれども、時間がないので次に進みます。
 そして、この当然の流れの中において、総務省も、それから高市大臣も、全国の基金の調査をされるというふうに言われました。
 そこで、提案をさせていただきたいと思います。
 例えば、被災自治体における基金がどのように流れていたのか。一つ目、被災自治体の基金が、先ほど言いましたように、どのような役割を果たしたのか。二つ目、基金が枯渇するような状況からどうやって回復をしていっているのか。三番目、国が補正予算を組んで、復興基金を熊本県に創設しました。この復興基金が熊本県の自治体の基金にとってどういう作用を及ぼしたのか。
 こうしたところはぜひ調査をしていただきたいなというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
#96
○黒田政府参考人 今御指摘いただきましたが、今回の調査といたしましては、財政調整基金、減債基金及び特定目的基金の残高の推移、それから、それぞれの今後の増減見込み、財政調整基金の積み立ての理由、積み立ての考え方、特定目的基金の使途等を調査するものでございます。
 御指摘のとおり、地方自治体は災害に備えて基金を積み立てる場合もあることから、調査におきましては、財政調整基金につきまして、積み立ての理由として災害を念頭に置いているかどうか、また、積み立ての規模の考え方や目安としまして、災害等に際しての過去の取り崩し実績から必要と考えられる額を勘案しているかどうかを選択肢に入れております。
 また、特定目的基金で防災対策や災害対応のための基金が設けられているかどうかにつきましても、調査項目に入れて、全体として調査を行いたいと思っております。
 その中で、必要がございましたら、先ほどの個別の団体の状況につきましても調査をさせていただきたいと考えます。
#97
○田村(貴)委員 この項で、最後、高市大臣にお伺いします。
 基金のあり方とかそれから基金の使途については、これは自治体が決めることであります。そして、その現在高等々を含めて適正があるかどうかについての判断は、まさにその地方の議会が決めること、判断することであり、住民がまた判断することであると思います。違うでしょうか。
 その現在高が多いと断定し、だから交付税を減らせと言わんばかりの主張は、これは極めて乱暴な議論だと言わざるを得ないと思います。
 大臣、反証すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
#98
○高市国務大臣 地方自治体の基金について、どのように積み立てて、どのように取り崩すかということは、議会において、予算審議の中で議論が行われ、また年度終了後の決算について審議されるものでございます。こうしたプロセスを通じて、議会や住民の皆様に対する説明責任が果たされています。
 各地方自治体におきましては、議会や住民の皆様に対する説明責任を果たしながら、それぞれの御判断に基づいて基金の積み立てを行っておられます。ですから、地方全体として基金が増加していることをもって地方財源を削減することは妥当でないと考えておりまして、五月十一日の経済財政諮問会議においてもしっかりと主張させていただきました。
#99
○田村(貴)委員 自治体の実情とそれから基金の意義をわきまえない、そうした議論にはしっかり対峙をしていただきたい。そして、地方自治体の自立性、自主性を尊重することを強く要求したいというふうに思います。
 引き続き、トップランナー方式の導入について質問をします。
 財政制度審議会に資料が提出されたんですけれども、トップランナー方式の検討とされていない業務の一例として、また新たに十業務が挙げられています。
 総務省に伺います。
 総務省は、これらを対象にしてトップランナー方式の事業を拡大していく立場にあるんでしょうか。
#100
○黒田政府参考人 トップランナー方式につきましては、多くの地方団体で民間委託等の業務改革に取り組んでいるものについて導入してきたところでございまして、平成二十八年度は、本庁舎の清掃、情報システムの運用等の十六業務に導入しました。
 今後は、現在作業中の平成二十九年度普通交付税の算定におきまして、新たに、青少年教育施設管理及び公立大学運営の二業務につきまして導入を行いますとともに、窓口業務について、業務改革の進捗状況等を踏まえて、引き続き検討を行っていくこととしてまいります。
 このことにつきましては、今月十一日に開催されました経済財政諮問会議における総務大臣の提出資料でも明確に記しているところでございます。
 また、財政制度等審議会の建議におきましては、トップランナー方式の対象業務の基準財政需要額に占める割合がわずかであることを理由としまして対象を拡大すべきとされておりますが、交付税法において算定方法が定められております基準財政需要額は、法令等で国が基準を定めている経費や産業振興、地域振興に係る経費等、トップランナー方式になじまないと考えられる経費が多くを占めておりまして、そのような議論につきましては、現行の交付税法の趣旨からもいろいろと精査をする必要があると思っております。
 十業務につきましては、その内容等につきましてよく精査をした上での判断になると思っておりまして、現段階でトップランナーの検討ということは考えておりません。
#101
○田村(貴)委員 拡大の検討はないということですよね。
 それから、今なじまないとされている図書館、博物館、公民館、児童クラブ、学童館等についても、まだ導入されていない業務として財務省からは資料が提出されています。
 この四業務の判断については変わりはありませんよね。確認です、大臣。
#102
○高市国務大臣 田村委員がおっしゃっていただいた四業務については、業務の性格、地方団体の御意見、業務改革の進捗などを踏まえ、トップランナー方式の導入を見送ることとしております。
 現時点においても、トップランナー方式をすぐに導入できる状況にはないと考えております。
#103
○田村(貴)委員 はい、わかりました。
 財務省からの新たに十個ぐらいの提案の中に、見て驚いたんですけれども、児童相談所とか婦人相談所施設管理までも入っているわけであります。これは、子供の虐待とかネグレクトから子供たちを保護する児童相談所、それからドメスティック・バイオレンスなどから女性や母子等々を保護する施設、こうした深刻な相談とか事案に対応する施設さえも効率性を求め、アウトソーシング化につなげていこうという議論は、私は本当にひどい提案だというふうに思うわけであります。
 トップランナー方式は、自治体業務を民間委託などして削減した経費水準を標準として、単位費用に反映させるものであります。その単位費用が縮減されれば、地方交付税が減らされるということになるわけであります。対象の拡大などは論外であります。トップランナー方式はやめるべきであります。そのことを指摘して、きょうの質問を終わります。
 以上です。
#104
○竹内委員長 次に、梅村さえこ君。
#105
○梅村委員 日本共産党の梅村さえこです。
 きょうは、スタートまで一年を切った来年四月からの国保の広域化、都道府県単位化について質問いたします。
 何が変わるのか、国保税額はどうなるのか、住民の皆さんの不安は大きく、頭を抱える自治体も少なくありません。それは、国保税を住民から集めるのはこれまでどおり市町村ですが、今後は国保財政の運営は都道府県となり、都道府県が市町村に納付金の額を提示して、市町村はその納付を求められると同時に、参考値として各市町村ごとの標準保険料率が示され、それに基づき国保税額を決めるという新しい仕組みになっていくからです。
 その納付金、標準保険料率の試算が昨年秋からことしにかけ各都道府県で行われ、北海道、埼玉、三重、滋賀、大阪府などでは結果が公表もされましたが、私の地元の埼玉では大きな衝撃が走っています。
 試算結果が資料一にあります。
 埼玉ではこの間二回の試算が行われ、いずれも現行の国保税より大幅な値上げ、しかも、一回目より二回目にはさらに高額となりました。この資料の表のBのところ、つまり、保険税軽減適用後が現在の一人当たりの国保税額です。そして、Dの新制度一人当たりの保険税が広域化後の国保税額です。この差がつまり住民の皆さんにとっては引き上げの額となるわけです。
 埼玉において、六十三市町村ありますが、多い順に少し御紹介しますと、小鹿野町が、現在一人当たり六万一千二百九円から十三万四千六百三十三円へと二二〇%の引き上げ。私が住んでおります蕨市ですが、七万一千五百八十九円から十四万一千八百六円へと一九八%の値上げ。お隣の戸田市も、八万七千百四十六円から十六万九千七百九十四円へと一九五%など、引き上げで二倍前後になっています。また、さいたま市や川口市なども一・四倍で、この表を見ていただいてもわかりますように、多くのところで値上げというふうになっているわけです。
 埼玉以外も、例えば大阪府も、試算額のトップは豊能町で、現在の十三万六千八百九十一円から十五万九千八百一円になり、府全体の平均でも、十二万二千五百十六円から十三万二千六百八十七円への増加となる試算となっています。住民の皆さんお一人お一人にとっては大変大きな影響額になる可能性があります。
 そこで、まず厚労省に確認しますが、そもそも国保の広域化は、こうした国保税の大幅な値上げを住民に強いていくものになっていくのかどうか。
 塩崎大臣は、二〇一五年四月十七日の厚労委員会を初め、繰り返し、我が党の議員の質問に対し、国保の広域化は、国保の財政基盤を強化し、そして国保の保険料水準を抑制していくということで、国保料を納めやすい環境を整えていくというふうに考えていくと答弁されてきたと思います。
 納めやすい環境を整えていくというふうに導入の際繰り返し御答弁されていたのに、こういう試算結果が出ているのを見ると、本当に大丈夫なのかという不安の声が上がっても当然だと思いますが、この点、答弁との関係でどういうふうにお考えでしょうか。
    〔委員長退席、坂本(哲)委員長代理着席〕
#106
○谷内政府参考人 お答えいたします。
 平成三十年度に予定されております市町村国保の都道府県化でございますけれども、先ほど議員がおっしゃいましたように、都道府県が財政運営の責任を市町村とともにきちっと見る、さらに、市町村国保そのものは財政基盤が弱いということで、さらに公費を拡大して財政基盤を強化するために行ったものでございます。
 先ほど議員がおっしゃいました、埼玉県の保険料についての試算結果の御紹介がございましたけれども、三十年度以降の市町村ごとの保険料水準のあり方につきましては、各都道府県が市町村と協議を進めた上で決定するものになっております。
 御指摘の試算につきましては、保険料水準のあり方の検討に向けまして各都道府県が実施しているものでございますけれども、例えば、平成三十年度に新たに投入される千七百億円の財政支援の効果が反映されていないとか、さらには収納率も厳し目に見ている、そういったことでかなり厳し目に試算されておりますので、現段階では数字は未確定のものであって、幅を持って受けとめる必要があるというふうに考えております。
 今後、各都道府県におきまして、試算結果も踏まえて市町村と十分に協議を行いまして、激変緩和措置も幾つか用意されておりますので、保険料水準の大きな変動が生じないような措置も講じつつ、地域の実情に応じて適切な保険料水準のあり方が決定されていくものだというふうに考えております。
#107
○梅村委員 私は、塩崎大臣の国保料を納めやすい環境を整えていくために広域化するんだという答弁との関係で聞いているので、改めてここの点についてしっかり答えていただきたいと思いますし、各都道府県の試算についても、勝手にやっているわけじゃないと思うんですね。
 昨年十月に、厚労省から各都道府県に対し事業費納付金標準保険料率簡易計算システムが送付をされ、昨年十一月末に第一回目、一月末に第二回目の試算が厚労省に提出されることになった。そういう経過もあり、各県は別に勝手に試算しているのではなくて、そういうシステムなんかも利用しながらやっているわけで、他人事みたいに試算を言うのは間違っているというふうに私は思います。
 再度確認したいんですけれども、さっき、埼玉の場合は平成三十年から入る一千七百億円が入っていないというようなこともありました。そういうことも踏まえつつ、そういうのが入れば、そして、塩崎大臣の答弁にあるように国保料を納めやすい環境に整えていくということになりますと、今後、さまざまなそういう投入も含めてこの値上げというのは、住民から見たら納めやすいものに保たれていくのか、こんな負担増というのは起こりっこないというふうに厚労省として考えているのか、その点を御答弁いただきたいと思います。
    〔坂本(哲)委員長代理退席、委員長着席〕
#108
○谷内政府参考人 お答えいたします。
 平成三十年の市町村国保の改革でございますけれども、まず、保険料につきましては、先ほど議員がおっしゃいましたように、都道府県が標準的な率を示した上で、それを参考にして市町村が各市町村ごとの保険料率を決めるということで、従来よりもきちっと見える化をした上で、例えば、医療費水準が多い場合はもう少し医療費の削減のインセンティブがきく、そういったことも期待できるのではないかという改革でございます。
 今、議員がおっしゃいました、平成三十年度になれば本当に保険料はどうなるかという御質問でございますけれども、先ほどの繰り返しになりますけれども、平成三十年度に新たに投入される千七百億円の財政支援の効果は今後の保険料の計算の中にまた組み込まれてまいりますし、また、さまざまな激変緩和措置も用意されておりますので、そういったものを勘案しながら、今後、各都道府県が市町村とも協議して標準保険料率を決め、その上で各市町村が平成三十年度の実際の保険料率を決定していくものというふうに認識しております。
#109
○梅村委員 そうしますと、今後、激変緩和策なども考えている、公費の投入も一千七百億円するということで、住民の皆さんには、塩崎大臣がおっしゃったように、納めやすい環境を整えていくという考えは維持されていくということでよろしいかどうかということだと思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。
#110
○谷内政府参考人 お答えいたします。
 塩崎大臣からそういった答弁をさせていただいておりますけれども、当然、保険局といたしましても、平成三十年度からの保険料につきましては、そういった環境を整えてしっかりと皆さんに、国保につきまして、支払えるような水準に各市町村ごとにさまざまな配慮をしてなされるものだというふうに認識しておりますので、大臣のおっしゃったことになっていくというふうに我々としても確信しているところでございます。
#111
○梅村委員 確認したいと思います。払えないような大幅な値上げというのは、本当に自治体財政も破壊しますし、地域経済も破壊していくし、何よりもその方々の命と健康にかかわる事態が今あると思いますので、しっかりその御答弁の趣旨を生かしていただいて、やっていただきたいというふうに思います。
 それで、そういうことをしていくためにも、やはり低所得者の皆さんへの配慮を行っていくことがとりわけ大事だというふうに思います。この間の我が党の質問の中で既に確認しておりますように、これだけ試算しただけで、収納率もきつ目にやっているものだという話もあったんですけれども、やはり各自治体から現在行っている繰り入れは禁止しないということが必要不可欠な実態にも、試算に基づけばますますなってきているのではないかなというふうに思います。
 そこで、次に、総務省に伺っていきたいと思います。
 資料三のところにありますが、国保というのは、ほかの保険に比べて非常に低所得の方々が加入していらっしゃる、平均所得百四十四万円というふうになっています。それに対し保険料の負担率は九・九%ということで、一番高い負担率になっているということだと思います。
 資料を一枚戻っていただいて二にありますように、例えば、埼玉県のさいたま市や川口市、三百五十万円の給与収入、四人家族、子供さん二人の場合は、国保税だけで、さいたま市が三十八万三千円、川口市が三十九万二千円。ほかの市の例も挙げていますけれども、ほぼ実収入の一割、合計所得にすると二割を超えた国保税の負担となっています。
 この家庭の皆さんというのは、別に国保税だけを払っているわけじゃないんですね。特に大きいのが年金保険料だと思います。また値上げをされて、ことしでいうと、大人二人が払えば年間三十九万五千七百六十円が年金保険料で取られていく。そして、ほかの所得税、住民税を合わせて引くと、年二百五十万。このような保険料や税金がこの年収三百五十万円の四人家族を襲っていくということです。そうしますと、月にすると二十万に行くか行かない額で二人の子供さんの教育費や家賃や食費を賄っていらっしゃる。
 これはすごく特異な例ではなくて、国保税の家族の皆さんというのは、こういうケースないしはもっと所得が低い方々で占められているわけですね。ですから、誰か一人が病気になったり職がなくなれば途端に立ち行かなくなる、そういう生活実態が広くあるのが国保税、国保をめぐる状況だと思います。
 そこで、総務省に聞きたいと思いますが、先ほど、埼玉の上げ率というのは収納率を厳しく見た結果もあるというようなお話がありましたが、今度の国保の広域化では、収納率上位の自治体に交付金を加算する内容があり、市町村に徴収率を競わせ、差し押さえに追い立てられるようになるというような声も強く出ております。このような声に対し、総務省はどのように考えるか。
 例えば、国税徴収法では、滞納処分の停止要件を、生活を著しく窮迫するおそれがあるときには、停止要件としてそういうことを決めています。決めているだけではなくて、その基礎となる金額を十万円、その他の親族一人につき四・五万円というふうに、基準も示しているというふうに思います。
 先ほど御紹介したさいたま市の四人家族、二人子供がいる例なんかも、換算していくと、これと匹敵するような生活実態だと思いますが、広域化によって、しっかりとこういう皆さんの生活実態を踏まえた徴収になっていくのか、それとも、徴収率を競わせるようなことが起こっていかないようになるのか。その点、総務省に確認したいと思います。
#112
○林崎政府参考人 お答えいたします。
 今御紹介ありましたように、地方税法におきましては、滞納処分をすることによって滞納者の生活を著しく窮迫させるおそれがあるときは、その執行を停止することができることとされておりまして、各地方団体におきまして、滞納者の個別具体的な実情を十分に把握した上で、適正な執行に努めていると考えているところでございます。
 私ども総務省としても、この点につきまして、税務行政の運営に当たっての留意事項を示した通知におきまして、滞納者の個別具体的な実情を十分に把握した上で適正な執行に努めるようお示しをしているところでございまして、今後とも、関係法令や通知に沿って、適切に地方団体に対応いただけるよう助言をしてまいりたいと考えているところでございます。
#113
○梅村委員 しっかりとそこら辺は広域化のもとでもやっていただきたいというふうに思いますし、現状でも、なかなか生活実態を見ていないんじゃないかというお声も上がっていますので、しっかりとお一人お一人のそういう生活や命を守るような、実態を見ていただきたいというふうに思います。
 さて、さきのさいたま市の夫婦二人子供二人の四人家族の場合ですけれども、とりわけ高い国保税の大きな矛盾となっている、そして、地方団体が解決を求めているのが子供の均等割だと思います。住民税の均等割と違って、国保料、国保税の均等割は世帯員の一人一人にかかる。しかも、生まれたばかりの赤ちゃんも大人も同じ額となっているわけです。
 例えば、さいたま市だと、子供一人に加算される均等割は三万六千六百円。子供が二人になると七万三千二百円。三人だと十万九千八百円。まさに均等割になっているわけですね、国保税のもとでは。やはり子育て支援、少子化対策にも甚だしい逆行になっていると思います。
 今般、国保改革における国と地方の協議では、自治体の子供医療費助成に対する地単カットのペナルティーとあわせ、この子供の均等割の問題についても解決方向を探ることが合意をされていると思います。このうち、既に、医療費の助成をめぐっては、就学前児童の助成にかかわる部分については地単カットをやめることを厚労省が決めました。そこに至る上では、総務省がこの間粘り強く概算要求にこの要望を入れてきたということで、本当にこの努力には感謝申し上げたいというふうに思います。
 そこで、総務大臣に伺いたいと思いますが、子供の均等割についても、こうした地方団体の要望を踏まえ、やはり赤ちゃんと大人がまるっきり同じ均等割で、生まれたばかり、すぐにこういう負担になるというのは少子化対策に非常に逆行すると思います。ぜひ、この見直しを強く提言されることをお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#114
○高市国務大臣 子供に係る均等割保険料の軽減措置の導入でございますが、現在、厚生労働省で、子供の多い保険者に着目した財政支援を実施する予定だというふうに伺っておりますので、結果的には、子供さんの多い方の保険料の伸びの抑制につながるということが期待できると思っております。
 総務省から、平成三十年度から、都道府県が国民健康保険の財政運営の責任主体となる新制度に円滑に移行できますように、制度及び運用並びに財政支援の詳細について、地方と十分に協議を行っていただくように、厚生労働省に対して要請を行っております。
#115
○梅村委員 最後の質問になります。
 四月に財政諮問会議の民間議員から、国保の普通調整交付金の配分方法が、自治体の医療費適正化の努力に反し、モラルハザードを起こしているとの発言が出され、財務省の財政制度審議会からも、配分を各市町村の性別、年齢構成の違いを調整した標準医療費に基づくものに変えるという案が示されています。
 年齢や性別の違いを補整しただけで自治体の医療費を単純比較し、低い方に合わせろというのは、余りにも乱暴で機械的な発想だと思います。
 こうしたもとで、五月十七日、地方三団体は、財務、厚労、内閣府とともに、総務省にも、国保制度の抱える構造的問題を解消するためには、普通調整交付金が担う自治体間の所得調整機能は大変重要であり、見直しは容認できないと強く要望したと聞きます。当然、正論だと考えます。
 三団体とともに、総務省としても断固反対の声を上げるべきだと考えますが、どのように考えますでしょうか。
#116
○黒田政府参考人 お答えいたします。
 先ほど大臣が御答弁させていただきましたように、基本的には、運用主体であります地方自治体の意見を十分に踏まえて対応していただくことが基本だと考えておりますので、私ども総務省としましては、その方針に沿って十分に検討させていただきたいと考えております。
#117
○梅村委員 そのように力を尽くしていただきたいと思います。
 重い国保税の負担は、消費を冷え込ませ、地域経済を疲弊させる一因ともなっています。広域化によって保険料の増加をしないことを強く求めて、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
#118
○竹内委員長 次に、足立康史君。
#119
○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。
 加計学園は余りやるつもりもなかったんですが、実は、きのう民進党野田幹事長が、ボトムアップ、トップダウンという議論をされました。民主党政権のときはボトムアップだったんだ、安倍官邸、安倍政権はトップダウンだからけしからぬ、こういう話だったと承知していますが、要すれば、国家戦略特区というのはトップダウン、すなわち国主導なんだ、こういうことは事実かどうか、内閣府から御答弁をください。
#120
○川上政府参考人 お答え申し上げます。
 国家戦略特区でございますけれども、これは、長年にわたり実現できなかった岩盤規制の改革に突破口をあけることにより、経済社会の構造改革を推進しようとするものでございますけれども、国の制度を変えてまで事業を実現したいとする意欲にあふれた自治体や事業者の具体的提案を実現するため、これまで多くの分野で数々の規制・制度改革を実現してきたところでございまして、主体は、意欲にあふれた自治体や事業者の具体的提案を実現するための制度ということでございます。
#121
○足立委員 そうなんですよね。
 だから、野田幹事長が、いや、構造改革特区と国家戦略特区は違うから、民主党政権はよくて安倍政権はだめだと言うのが、実はよくわからないんですね。本当は野田幹事長に質問したいんですが、そういう機会が国会にはありませんので、大変苦慮しております。ぜひ、この質疑をごらんになられた民進党の議員の先生方はまた教えていただければと思います。
 実際、私は別に、与党を何かそんたくして質疑するつもりは全くなくて、国民の皆様の間にもこの加計学園の問題については必ずしも十分な理解がなされていないので、しっかり与党批判もしてくれよなというふうに党からも言われていまして、ここ二、三日ずっとこの加計学園を検討してまいりましたが、何か問題が見つからないんですね。困っていまして、どうやって政府批判をしようかなと思って、困っています。
 内閣府、通告でいうと四つ目に飛びますが、総理の意向だ何だということが議論されていますが、文書はどうでもいいですよ、あんな文書は私にとってはどうでもいいんですが、ただ、そもそも安倍総理は国家戦略特区諮問会議の議長ですよね。違いましたっけ。であれば、議長の政治意思みたいなものはこの政策全体にみなぎっていくのが当然だと思いますが、そういう意味での議長の意向というのはあっていいと思うんですけれども、それはあっていいと私は思いますが、そう思いますか、そう考えていますか。あるいは、いや、そういうものはないべきなんだということか。どっちですか。
#122
○川上政府参考人 お答え申し上げます。
 国家戦略特区におきましては、諮問会議あるいは区域会議と、それぞれのレベルでの会議がございまして、最終的にその諮問会議の議長は内閣総理大臣ということでございますけれども、その間のプロセスにおきまして、関係省庁の大臣等も入りまして調整した結果を最終的に諮問会議で決定するという段取りでございます。
 その中で、今いろいろ御議論ございます総理の御意向等の文書についてでございますけれども、私ども内閣府としては、そのプロセスにおいて、この獣医学部の新設に関しましても、関係省庁と事務的な議論は鋭意行ってきたところでございますけれども、その中で、官邸の最高レベルが言っているとか、総理の御意向というようなことを申し上げたことは全くございませんし、今回のプロセスに関して、総理からもそうした御指示は一切いただいていないというところでございます。
#123
○足立委員 川上次長、そういう答弁をしているから民進党が暴れるんですよ。
 私が聞いているのは、文書のことじゃないと言っているんですよ。文書のことじゃなくて、議長の意向というのは当然あるだろうし。だって、内閣なんでしょう。内閣総理大臣なんでしょう。国家戦略特区という法律があって、それを執行しているわけでしょう。担当大臣もいるが、それは総理大臣のもとでやっているんでしょう、みんな。内閣でやっているんでしょう、内閣で。
 それから、国家戦略特区については、特に総理が議長なんですよ。総理の意向というのは、いや、議長の意向というのは、総理じゃなくていいですよ、総理、総裁、議長と使い分けたらいいですよ。でも、国家戦略特区の議長の意向というのはあるんじゃないんですか。
#124
○川上政府参考人 お答え申し上げます。
 総理からは、この国家戦略特区が一つの岩盤規制を打破するドリルとして、スピード感を持って規制改革を進めるようにという全体の御指示はいつもいただいてございますけれども、この獣医学部の新設、個別の話につきまして、総理から特に御指示をいただいたということはございません。
#125
○足立委員 それはそうでしょう。そんなことはしないよ、普通。私もそれはしていないと思うよ。
 ただ、国家戦略特区のいろいろなアイテムが、しかるべきアイテムが、しかるべきというのは、それが空振って、結局この法律は何も実現できませんでしたということではいかぬわね。ちゃんと案件を拾い上げて、しかるべき時期の、しかるべきタイミングの範囲内でそれを実現していくというのは、それは議長のリーダーシップじゃないんですか。
 だから、加計学園の問題じゃないんですよ。国家戦略特区全体について、総理の意向、国家戦略特区という制度全体の推進力を生み出すのは議長の意向で、それで間違いないですね。
#126
○川上政府参考人 お答え申し上げます。
 若干繰り返しになりまして恐縮でございますけれども、規制改革全体についてスピード感を持って進めるようにという御指示はいただいてございますけれども、今回のこの獣医学部の関係、具体的には昨年十一月の諮問会議の取りまとめということになってまいりますけれども、これにつきましては、山本幸三担当大臣が、特区ワーキンググループでの文科省、農水省との議論、あるいは獣医師会などから提出された慎重な意見などを総合的に判断いたしまして原案を作成し、特区ワーキンググループの委員や文科省、農水省との事務的な調整が整ったものを最終的に山本大臣が内容を確認、作成したものということでございます。
#127
○足立委員 川上次長、おっしゃるとおりですよ。それでいいんですよ。そのとおりなんだ。
 そうであれば、個々の案件を内閣府の審議官たちが各省と折衝しているわけでしょう、調整を。その調整のプロセスの各いろいろな場で、内閣府の職員が、スタッフが、あるいは幹部が、文科省なり農水省なりいろいろな省庁に、これは国家戦略特区としてやるんだ、それは議長である安倍総理もそれを進めるべきだと。さっき川上次長が御答弁したとおりですよ。
 そういう意味での総理の意向というのを、私は、そんたくというよりは、これはかさに着てやっていると思いますよ、みんな。そんたくの問題じゃないんですよ、今回の問題は。だって、法律に書いてあるんだから。そんたくしなくたって、国家戦略特区をやりましょうというのは閣議決定しているんでしょう。そんたくする必要はないじゃないですか。
 違うんですよ。今回の本質はそんたくの問題じゃないんですよ。審議官初め内閣府の職員が、国家戦略特区諮問会議の議長である安倍総理の意向を、かさに着て、各省を押し倒したんですよ。いいじゃないですか、それで、政治主導で。
 問題ないね、こういうことは。問題ないし、それはやっていますね、そういうことは。
#128
○川上政府参考人 お答え申し上げます。
 かさに着てというようなことは一切ございません。
 規制制度を所管する各省庁と、それを改革しようとする内閣府、立場は異なってございまして、いろいろと見解が対立する、とりわけ岩盤規制の改革においては厳しい折衝になるということは当然でございますけれども、そのプロセスにおきまして、総理の御意向云々というようなことを申し上げたことは一切ないということでございます。
#129
○足立委員 かさに着ると言うと、何かないものを、虎はいないんだけれども、虎の威をかりるみたいなイメージの私の問いだとすると、今おっしゃったように、そんなことはないと。
 でも、虎がいるんですよ、議長として。そうでしょう。政治主導なんだから、いるでしょう。藤原審議官が一人でやっているんじゃないんですよ。皆さんの後ろには虎がいるんですよ。それは政治主導の、政治というのはそういうものなんですよ。それは民主主義なんですよ。いいじゃないですか、それで。
 虎の威をかりる、実際に存在している虎の威をかりたことはありますね。
#130
○川上政府参考人 若干繰り返しになって恐縮でございますけれども、私ども、このプロセスについて、総理からの御意向、あるいは総理からこうした御指示は一切いただいていないところでございます。
 その上で、総理からは、特区における規制改革全般についてスピード感を持ってしっかりやれということは常日ごろ御指示をいただいているところでございます。
#131
○足立委員 だから、個別の折衝において、全般に関する議長の指示、総理の指示に言及したことはないんですか、各論のときに。あるでしょう。絶対ないんですか。総論の指示、総体の総理指示は、各論のときには一切封印して交渉するんですか。そんなことないでしょう。認めた方がいいよ。これを認めないと、毎回やりますよ。
 だって、当たり前じゃないですか。私は、悪いと言っているんじゃなくて、当たり前のことをやっているんだろうと言っているんですよ。
#132
○川上政府参考人 お答え申し上げます。
 繰り返しになって恐縮でございますけれども、個別事案、特に今回の獣医学部の新設について、総理からそのような御指示をいただいたことは一切ないわけでございます。
 全体として、総論として、特区における規制改革についてスピード感を持って取り組めということは日ごろ御指示をいただいているところでございます。
#133
○足立委員 だから、各論の折衝の場で総論に言及することはないんですかと言っているんですよ。各論の場で総論に言及したことはないんですかと言っているんです。
#134
○川上政府参考人 何度も繰り返しになって恐縮でございますけれども、私どもは、総理のいわば総論と申しますか、スピード感を持って全体の規制改革を進めるべしというその御指示のもとに、個別について関係省庁と厳しい折衝を行い、規制改革を実現してきているというところでございます。
#135
○足立委員 では、ないとはっきり言ってくださいよ。
#136
○川上政府参考人 お答え申し上げます。
 いろいろな議論の文脈において、全体としてスピード感を持って規制改革をやるべしということで、そういうことを前提に御議論させていただくことはございますけれども、個別のことについて、これが総理の御指示だからというふうなことで調整をしているわけではございません。
#137
○足立委員 大事なところだからもう一回聞くよ。
 だから、個別の折衝をやっているんでしょう、皆さんは。内閣府が各省と個別案件の折衝をやっているんですよ。その場で、総論についての総理の意向、前提にしているのは今おっしゃったとおり、それに言及したことはないんですかと言っているんですよ。
#138
○川上政府参考人 お答え申し上げます。
 私ども事務方の上にいらっしゃるのは山本幸三国家戦略特区の担当大臣でございますので、総理からそれは特命として山本幸三大臣が請け負っていらっしゃるわけでございます。私どもは、山本幸三大臣の御指示のもとに、個別に関係省庁と調整をさせていただいているということでございます。
#139
○足立委員 大体この総務委員会でやるのが無理があるので、また予算委員会で総理に聞いた方がいいかもしれませんが、小川筆頭がそうだそうだと言って、もっとやれとおっしゃっていますけれども、僕は別に民進党のためにやっているんじゃなくて、大体これは、民進党がこんなしようもないことをあおるからこういう答弁しかできないんでしょう。(発言する者あり)違うんです。これはしようもない話なんです。
 坂本筆頭、これは僕はおかしいと思うんですよ、この話。総務委員会はちょっと、いや、僕はボトムアップ、トップダウンという話があったからこの総務委員会でやっているんですよ。これは両方ともボトムアップなんです。
 実際、この加計学園の問題というのは、もう一部出ていますが、これは民進党の鳩山政権のときに愛媛県と今治市が提案してきたんでしょう、ボトムアップで。それを、自民党政権のときは却下していたんだけれども、民主党が政権交代して、高井先生のお働きもあって、これが検討するというふうに格上げされたんですよ。これは鳩山政権のときですよ。提案実現に向けて検討する。そのときの資料に、ちゃんともう加計学園と書いてあるんですよ。大学設置母体は学校法人加計学園、岡山理科大学と書いてあるじゃないですか。
 まず、その地元からの提案を引き上げたのは民主党政権なんですよ。安倍総理が総理になったのはその後でしょう。何で後から総理になった人が問題になるんですか。これは、引き上げたのは民主党政権なんですよ。
 それから、平成二十三年の二月二十五日の衆議院の予算委員会第四分科会では、例の需給の話が、よく、農水省ちゃんと検討したのかという議論がありますが、当時の鈴木寛文科副大臣がこう言っています。これはもう出ているかな。ほかの委員会で出ているかもしれませんが、これは獣医師で検索したらすぐ出てきますよ。昨今、口蹄疫や鳥インフルエンザの問題があり、産業動物獣医師や公務員獣医師の役割は重要になっており、その獣医師の確保について懸念があるというのは文科省も承知していると。
 民主党政権ですよ、これ。ね、高井さん。民主党政権がやってきたものを引き継いでやり遂げているんでしょう、今、安倍政権が。何で悪いの、それが。おかしいな。
 最後に、高市大臣、せっかく総務委員会なので。
 何で私がきょうこうやって取り上げたかというと、野田幹事長がおかしなことを言っていますよ。何がトップダウンだ。ボトムアップでずっと来たものを実現しているんですよ。
 そこで、五月二十四日の愛媛県知事の定例会見で、変な風評が広がるのは残念だ、こういうふうに、民進党という野党第一党がしようもないことを振りまくので、愛媛県は迷惑しているんだ、風評が広がって大変残念だ、こう言っています。
 総務大臣としても残念ですよね。
#140
○高市国務大臣 足立委員から昨日質問通告をいただきましたから、私も中村愛媛県知事の会見録を拝読いたしました。
 会見録によりますと、中村知事は、獣医師の確保は重要なテーマで、鳥インフルや口蹄疫などニーズがあるにもかかわらず、養成機関が西日本になく、苦慮している、獣医学部はほとんど定員オーバーの状態であり、十分ニーズがあるということを述べられた上で、今治市からの要請に基づいて、愛媛県が一緒になって、平成十九年から二十六年までの間に十五回、国に対して構造改革特区の提案を行ってこられた経緯を説明されたということがわかりました。
 このとき、中村知事は、十数年にわたる実現への思い、きのうきょう思い立ったわけではないということで、西日本に拠点がなく、各大学の実態が、定員オーバーしている現実があるのであれば、絶対にやれるのではないかという思いで出してきた経緯と、これまでの地元の熱心なお取り組みを踏まえた上で、変な風評が広がるのは残念と、痛切な思いを述べられたと感じました。
 この国家戦略特区制度については、制度を所管する内閣府からきちっと必要な説明が行われるべきですし、今治市からの提案内容については、その提案を行った今治市からまた必要な説明が行われるべきだと考えております。
#141
○足立委員 時間が来ましたので終わります。
 本当に加計学園はもうこれで終わりにしましょう。もし民進党、共産党がこれからもこれを続けるのであれば、私も続けることを申し上げて、質問を終わります。ありがとうございます。
#142
○竹内委員長 次に、吉川元君。
#143
○吉川(元)委員 社会民主党の吉川元です。
 本日は、海上輸送されたフレキシブルバッグを陸上輸送する際の安全性について質問いたします。
 消防庁にも来ていただいておりますし、また、これは結構多岐の省庁にわたる案件のようであります。関係省庁からもお越しいただいておりますので、順次お話を聞いていきたいと思います。
 さて、フレキシブルバッグというのは、かなり大きなポリエチレンバッグに、液体の飲料やあるいは動植物の油類を収納するもので、通常は二十トンコンテナに積載され、港からコンテナセミトレーラーで目的地まで陸上輸送されるものと伺っております。
 強度の高いタンクローリー輸送に比べますと、タンクローリーを用意するコストが必要なくなりますし、片道配送しかできないタンクローリーと比べると、往復配送も可能となることから、経費削減が可能というふうに言われております。
 このフレキシブルバッグの陸上輸送中、バッグに収納されていた米油が漏れ、それを原因とした交通事故が、二〇一四年八月、大阪府の南部と和歌山県北部を結ぶ道路上で発生をしております。
 最初に国土交通省に伺いますが、この事故について承知をしていらっしゃいますでしょうか。また、何件ぐらいの交通事故が発生をしたのでしょうか。
#144
○早川政府参考人 お答えいたします。
 御指摘の事案につきましては、平成二十六年八月二十三日、トレーラーが大阪府内から和歌山方面へ走行中、搭載しておりました国際海上コンテナ内のフレキシブルバッグから米油約七千リットルが道路上に漏えいするという事故が発生したと承知をいたしております。
 また、この米油の漏えいの影響と見られる交通事故及び汚損被害といたしまして、大阪府内及び和歌山県内におきまして、人身事故二十一件、物損事故四十九件、汚損被害十四件が発生をしたと認識いたしております。
#145
○吉川(元)委員 フレキシブルバッグから米油が道路上に漏れて、その後ろを走っていた車がスリップあるいは横転事故を起こしたというふうに聞いております。
 不幸中の幸いといいますか、死亡事故は発生していないわけですけれども、これは、今お話を伺った数字と若干違うんですが、和歌山県警、大阪府警から保険会社に報告された事故件数、対物それから人身合わせますと百三十五件に及んだというふうに承知をしております。
 これは一般道での事故ですけれども、仮にこれが、高速道路でもし同じようなことが発生した場合には、本当に大規模な、大惨事につながる可能性も十分あったのではないかというふうに思います。
 そこで、続けて質問いたしますが、この事故を受けて、公益財団法人交通事故総合分析センターの事故調査委員会が被害の原因を調査しております。かいつまんで、この原因は何にあったとされているのか、尋ねます。
#146
○早川政府参考人 お答えいたします。
 今委員から御紹介ございましたように、御指摘の事故につきましては、各分野の専門家から構成されております事業用自動車事故調査委員会が調査を行っておりまして、平成二十七年十月に報告書を取りまとめ、公表をしております。
 この報告書によりますと、漏えいの原因は、運転者が急ブレーキをかけた際にフレキシブルバッグ内の米油が前方に移動してバッグの上面、上側でございますが、に大きな力がかかったことにより、バッグが破損をした可能性が考えられるとしております。
 なお、この報告書の中では、このような現象は、急ブレーキによる減速度や車両の運動特性に限らず、さらに内容物の液体の積載量、性状など、幾つかの条件が競合した場合に発生するものであるという分析もいたしておりまして、運転者の急ブレーキが漏えいの原因と断定しているものではございません。
#147
○吉川(元)委員 関係者にお話を聞きますと、運転手が急ブレーキをかけたその理由は、猫が道路上に突然飛び出してきたと。これは、車を運転している人であれば誰しも実際に経験をすることであります。当然、急ハンドルとか急ブレーキ、急発進等々は安全運転上できるだけ避けた方がいいですけれども、急発進はどうかわかりませんが、急ブレーキ、急ハンドルというのは、危機を回避する際にやむを得ず行うことは、当然、我々が普通の運転をしていても、例えば子供が飛び出したときに急ブレーキを踏むということはあり得るわけであります。
 今回、急ブレーキのみが原因ではないというようなお話でありましたけれども、この調査結果を受けてどのような再発防止策を講じられているのでしょうか。
#148
○早川政府参考人 お答えいたします。
 事故調査報告書の中におきましては、本事故に関する再発防止策といたしまして、運送事業者につきまして、一つは、国際海上コンテナを輸送する場合、コンテナの重量、品目名などの情報を収集し、運転者に対し、点呼時等にこれら運行に必要な事項を指示すること、また、漏えい事故等が発生した場合の対応方法や連絡体制を定めて、運転者に対し、適切に対応するよう指導すること、また、運転者に対して、漏えい事故等が発生した場合、車両を安全な場所に停止させ、連絡体制に基づき運行管理者へ報告し、指示を受けるよう指導することなどが提言をされているところでございます。
 これを受けまして、国土交通省といたしましては、運送事業者等の関係者に対しまして、本事故を教訓としてこれら再発防止策に積極的に取り組むよう、通達をしているところでございます。
#149
○吉川(元)委員 ちょっと確認させていただきますけれども、今回の事故、さまざまな原因が複合的に競合して起こったということでありますが、急ブレーキをかけたことによって中の米油が前方に移動して、どういうふうになったのかわかりませんけれども、恐らく上面のところに圧がかかって、そこが破損して漏れたということであります。
 急ブレーキをかけないようにしろとか、そういうことについては今後の事故対策としては考えていないということでよろしいんでしょうか。
#150
○早川政府参考人 委員御指摘の、急ブレーキに注意する、積載物の特性にも注意をして運転するということはある意味当然ということもございまして、この事故調査委員会の報告書におきましては、先ほど申し上げましたような、コンテナ内の輸送物に関する運行指示を徹底することでありますとか、漏えい事故が発生した際の対処方法、本事故におきましては、漏えいを運転者が認識した後も相当距離走行したために被害が拡大したという状況もございますので、そうした場合の対処方法等について徹底するようにというような形での再発防止策が提言をされているところでございます。
#151
○吉川(元)委員 事故後の対応についてはいろいろと改善すべき点はあろうかと思いますが、米油の漏えいそのものについては、やはり、運転上危機回避をするために急ブレーキをかけるというのは今後も当然起こり得るわけで、その都度その都度、油が例えば漏れて事故が起こるというようなことがあってはいけませんし、急ブレーキをかけたドライバーあるいは事業者に対して責任を問うようなことがあると、これは全くもってひどい話になるのではないかというふうに思います。
 コンテナ安全輸送ガイドラインにおいて、積み荷やこん包の内容について今お話ありましたが、荷主による輸送事業者への情報提供、これは実は義務ではなくて努力義務にとどまっているというふうに思います。コンテナの中身がフレキシブルバッグなのかどうか、多くの場合、ドライバーには知らされません。さらに、コンテナは目的地に輸送を終えるまであけることはできませんから、フレキシブルバッグがどのような状態で積まれているのか、ドライバーはこれを知る由もないわけであります。
 関係者に聞いたお話なんですが、多くの場合、ドライバーは、運転を始めて、運転をしてからようやく中身が実はフレキシブルバッグだというふうに理解をする場合が多々あるそうです。信号でブレーキをかければ、当然バッグに入った液体はバッグごと前方に移動してきますから、その体感で、感覚でわかるというお話です。通称、これは水枕というふうに呼ばれているそうですけれども、このフレキシブルバッグ、運行中はバッグの中の液体が当然、ブレーキをかければ前方に、発進すれば後方に、右、左に曲がれば左右に移動していくわけですから、ドライバーにとっては、バッグが破裂するのではないかと大変気を使うというような話も聞いております。
 そういう面でいいますと、急ブレーキをかけなくてよければそれにこしたことはないんですが、どうしてもかけなければいけないという場面に出くわすことは多々あるわけで、そう考えますと、壊れる可能性、裂ける可能性のあるフレキシブルバッグではなくて、タンクローリーというものを原則とした方が安全輸送のためにも適切だというふうに思います。
 そこで尋ねますが、事故調査委員会では、米油が漏れ出したフレキシブルバッグの強度あるいは劣化の状態等々について問題があるかどうか、そうした点についての調査はされたでしょうか。また、その結果というのはどういうものでしょうか。
#152
○早川政府参考人 お答えいたします。
 事業用自動車事故調査委員会による調査におきまして、本事故を起こしたトレーラーで使用しておりましたフレキシブルバッグ、これの製造国あるいは破損状況等につきまして、事故を起こした運送事業者への聞き取り調査などは行っているところでございますけれども、御指摘のフレキシブルバッグの強度などにつきましては、バッグ自体の規格なども定められていないというところでもございまして、委員会の方で調査は行っていないところでございます。
#153
○吉川(元)委員 いや、よくわからない。運送事業者にフレキシブルバッグについて聞き取りをしても、それは、先ほど言ったとおり、何が積まれているのか、フレキシブルバッグが積まれているのかどうかも、知らされる場合もありますけれども、ほとんどの場合、知らされない。それで運送事業者にフレキシブルバッグを聞いたとしても、それは答えようがないというふうに私は思います。
 今、フレキシブルバッグについての安全基準というもの、今でも、今この瞬間にもフレキシブルバッグで運行しているのはあると思いますけれども、何らかの安全基準がなければこれからも同様の事故が起こるのではないかと思いますが、フレキシブルバッグ利用時の安全基準というふうなものはどういうふうになっているんでしょうか。
#154
○早川政府参考人 お答えいたします。
 液体物の輸送ということにつきまして、輸送される液体物の性質や用途に応じまして、所管する省庁がその液体物を輸送する容器に関する規定を設けているというふうに承知をいたしておりまして、国土交通省においては、輸送容器に関する安全基準というものは設けていないところでございます。
#155
○吉川(元)委員 ちょっと驚いたんですけれども、損傷する可能性を持つ、先ほどのお話でいいますと、いろいろな条件が競合すれば破損をする、また、油等々が漏れた場合には大変大きな事故を誘発するような、そういうフレキシブルバッグの使用に当たって安全基準が明確に存在をしない。これはきのうレクの際にも聞いたんですけれども、それぞれ、例えば食用に使う場合には、厚生労働省や農水省やあるいは消費者庁やさまざまな省庁にまたがっていまして、統一した安全基準というのが存在しないというのは、やはり私は問題なのではないかというふうにも思います。
 そこで、消防庁にちょっとお尋ねをいたします。
 この事故のとき、フレキシブルバッグの中身は米油。米油の引火点というのは三百十二度から三百十六度ということで、消防法上の危険物、引火点が二百五十度未満には該当はしないものの、貯蔵及び取り扱いの基準が市町村条例で定める指定可燃物に相当するものだというふうに承知をしております。
 まず、消防庁にお聞きしますけれども、動植物油をフレキシブルバッグで輸送できる根拠をお示しください。
#156
○大庭政府参考人 お答えします。
 消防法令上の危険物に該当するもの、いわゆる物自体が発火あるいは引火しやすいような危険性等を有するようなものの運搬に当たりましては、消防法令の規定する運搬容器や積載方法、運搬方法の技術上の基準に従って行う必要がございます。
 このような危険物の中で、第四類危険物、いわゆる引火性液体のうち、比較的引火の危険性の低い潤滑油や動植物油など、引火点が百三十度以上の引火性が低いものにつきましては、消防法令の規定により、ゴム、そのほかの合成樹脂製のフレキシブルバッグを用いることができることとしております。
 この場合におきまして、フレキシブルバッグは、腐食、摩耗等により容易に劣化せず、かつ、収納する危険物の内圧や取扱時、運搬時の荷重によって容器に生じる応力に対し安全なものであることとともに、鋼製のコンテナに収納されていることが必要となるとしております。
#157
○吉川(元)委員 続けてお聞きいたします。
 二〇〇七年に危険物の規制に関する技術上の細目を定める告示を改定する際に、日本危険物倉庫協会から消防庁宛てに意見書が提出されているというふうに思います。どういったことが指摘をされているのか、また、それについてどのような検討をされているのか。余り時間がありませんので、端的にお答えください。
#158
○大庭政府参考人 お答えします。
 二〇〇七年の告示の改正につきましては、フレキシブルバッグを用いて運搬できる危険物に、これまで第四類の動植物油と規定したものにつけ加えまして、第三石油類あるいは第四石油類の一部を加えたものでございます。
 改正に当たりまして、日本危険物倉庫協会から、フレキシブルバッグにつきましては、明確な安全基準がなく、国際的にはこれによる危険物の運搬は認められていないというような意見を伺いました。
 この意見書ではそうでございましたが、国連においては、引火点が六十度を超える、引火点が高くて危険性が比較的低い危険物の輸送については、そもそも特に規定がございませんで、容器の制限が設けられておりません。
 一方、我が国では、火災予防の観点から、引火点が六十度を超える、危険性が比較的低い危険物につきましても、運搬の基準を定め、安全の確保を図っているところでございます。
 二〇〇七年の改正におきましては、フレキシブルバッグにつきまして、一定の基準に該当するものを動植物油類の運搬に認めてきたところでありまして、それに加えまして、それまでの実績も加えまして、百三十度以上の第三石油類あるいは第四石油類の危険物の運搬に用いることを可能にした改正としたものでございます。
#159
○吉川(元)委員 やはり、現場の声をしっかり聞いていただいて、私は、これはフレキシブルバッグではなくて、タンクローリーでしっかりと安全を確保した上で運搬すべきだというふうに思います。ただ、なかなかそうはいかないというようなお話も伺っております。
 これはちょっと大臣に伺いたいんです。
 実は、きのう、いろいろな省庁のお話を聞いたんですけれども、先ほど、統一した安全基準というのは存在しない、安全基準らしきものは、総務省の中の消防庁が唯一そういうものを持っているということであります。
 やはりこれは何らかの、それぞれの省庁に本当に散らばっていますから、どこかが何かイニシアチブをとらないと、なかなかこのフレキシブルバッグの安全性、確保できないというふうに思いますし、できないと、先ほど言いましたとおり、高速道路でもし油をまき散らした場合にはとんでもない事故が発生をしてしまうということでありますので、ぜひ、ちょっと大臣、最後に一言、お話を伺いたいんです。
 関係省庁等々と連携しながら、やはりこのフレキシブルバッグの利用、私はもうやめるべきだとは思いますが、その安全性あるいは利用のあり方等々について、ぜひ検討を大臣のイニシアチブでやっていただきたいというふうに思います。いかがでしょうか。
#160
○高市国務大臣 フレキシブルバッグにつきましては、国土交通省で、運送業界の協力を得て液体の漏えい事例の収集を行い、その上で、液体輸送のより一層の安全確保のための取り組みについて、関係省庁連携で検討されるというふうに聞いております。
 消防庁としても、危険物の運搬の安全確保という観点から、この検討に積極的に参加をしてまいります。
#161
○吉川(元)委員 ぜひ、よろしくお願いします。
 以上で終わります。
     ――――◇―――――
#162
○竹内委員長 次に、内閣提出、電子委任状の普及の促進に関する法律案を議題といたします。
 これより趣旨の説明を聴取いたします。高市総務大臣。
    ―――――――――――――
 電子委任状の普及の促進に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#163
○高市国務大臣 電子委任状の普及の促進に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 政府では、高度情報通信ネットワーク社会の形成を目指し、ICT利活用基盤を活用しながら一気にICT利活用を加速させるため、対面、書面原則を転換して、情報の電磁的処理及び情報の高度な流通性の確保等を基本原則とし、ICT利活用を最大限に推進できるような制度への見直しを進めてきております。そのような中、情報通信ネットワーク上での契約の申し込みその他の手続に関し、当該手続を行おうとする者が正当な権限を有していることを確認するための手段を確立することが課題となっております。
 このような背景を踏まえ、事業者が当該事業者の使用人その他の関係者に代理権を与えた旨を表示する電磁的記録である電子委任状の普及を促進することとし、そのため、電子委任状の普及を促進するための基本的な指針について定めるとともに、電子委任状取扱業務の認定の制度を設ける必要があることから、本法律案を提案することとした次第であります。
 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、主務大臣は、電子委任状の普及を促進するための基本指針を定めることとしております。
 第二に、国は、広報活動等を通じて、電子契約の当事者その他の関係者の電子委任状に関する理解を深めるよう努めるとともに、国及び地方公共団体は、みずからが一方の当事者となる電子契約における他方の当事者となる事業者の電子委任状の利用を促進するために必要な施策の推進に努めることとしております。
 第三に、電子委任状取扱業務を営もうとする者は、当該電子委任状取扱業務が基本指針に適合するものであることについて主務大臣の認定を受けることができることとし、その認定に関する要件、認定を受けた者の義務及び表示に関する規定を整備しております。
 以上のほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
 なお、この法律は、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
#164
○竹内委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 次回は、来る六月一日木曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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