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2017/04/10 第193回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第193回国会 決算行政監視委員会第三分科会 第1号
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2017/04/10 第193回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第193回国会 決算行政監視委員会第三分科会 第1号

#1
第193回国会 決算行政監視委員会第三分科会 第1号
本分科会は平成二十九年四月三日(月曜日)委員会において、設置することに決した。
四月七日
 本分科員は委員長の指名で、次のとおり選任された。
      赤枝 恒雄君    木村 太郎君
      木村 弥生君    瀬戸 隆一君
      園田 博之君    武田 良太君
      青柳陽一郎君   松木けんこう君
      石田 祝稔君
四月七日
 武田良太君が委員長の指名で、主査に選任された。
平成二十九年四月十日(月曜日)
    午前九時開議
 出席分科員
   主査 武田 良太君
      赤枝 恒雄君    木村 太郎君
      木村 弥生君    瀬戸 隆一君
      園田 博之君    大畠 章宏君
      逢坂 誠二君    高井 崇志君
      松木けんこう君    本村賢太郎君
      石田 祝稔君    大口 善徳君
      佐藤 英道君
   兼務 斉藤 和子君 兼務 本村 伸子君
   兼務 河野 正美君 兼務 吉田 豊史君
    …………………………………
   厚生労働大臣       塩崎 恭久君
   農林水産大臣       山本 有二君
   経済産業大臣       世耕 弘成君
   厚生労働副大臣      橋本  岳君
   農林水産副大臣      礒崎 陽輔君
   厚生労働大臣政務官    堀内 詔子君
   農林水産大臣政務官    矢倉 克夫君
   経済産業大臣政務官    中川 俊直君
   会計検査院事務総局事務総長官房審議官       星野 昌季君
   会計検査院事務総局事務総長官房審議官       臼杵 芳樹君
   会計検査院事務総局第二局長            腰山 謙介君
   会計検査院事務総局第五局長            寺沢  剛君
   政府参考人
   (内閣官房働き方改革実現推進室次長)       下間 康行君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官) 大塚 幸寛君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官) 進藤 秀夫君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官) 山本 哲也君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房年金管理審議官)       伊原 和人君
   政府参考人
   (厚生労働省医政局長)  神田 裕二君
   政府参考人
   (厚生労働省健康局長)  福島 靖正君
   政府参考人
   (厚生労働省医薬・生活衛生局長)         武田 俊彦君
   政府参考人
   (厚生労働省労働基準局長)            山越 敬一君
   政府参考人
   (厚生労働省職業安定局派遣・有期労働対策部長)  鈴木英二郎君
   政府参考人
   (厚生労働省雇用均等・児童家庭局長)       吉田  学君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局長)           定塚由美子君
   政府参考人
   (厚生労働省老健局長)  蒲原 基道君
   政府参考人
   (厚生労働省保険局長)  鈴木 康裕君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房危機管理・政策評価審議官)  塩川 白良君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房審議官)           山北 幸泰君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房審議官)           田中 照久君
   政府参考人
   (農林水産省生産局長)  枝元 真徹君
   政府参考人
   (農林水産省経営局長)  大澤  誠君
   政府参考人
   (農林水産省農村振興局長)            佐藤 速水君
   政府参考人
   (農林水産省農村振興局次長)           室本 隆司君
   政府参考人
   (農林水産省農村振興局農村政策部長)       新井  毅君
   政府参考人
   (農林水産技術会議事務局研究総務官)       菱沼 義久君
   政府参考人
   (林野庁森林整備部長)  織田  央君
   政府参考人
   (水産庁長官)      佐藤 一雄君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房地域経済産業審議官)     鍜治 克彦君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           田中 茂明君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      村瀬 佳史君
   政府参考人
   (中小企業庁次長)    吉野 恭司君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房審議官)           和田 信貴君
   政府参考人
   (国土交通省総合政策局公共交通政策部長)     松本 年弘君
   厚生労働委員会専門員   中村  実君
   農林水産委員会専門員   石上  智君
   経済産業委員会専門員   木下 一吉君
   決算行政監視委員会専門員 安齋 雄一君
    ―――――――――――――
分科員の異動
四月十日
 辞任         補欠選任
  青柳陽一郎君     本村賢太郎君
  松木けんこう君    大畠 章宏君
  石田 祝稔君     輿水 恵一君
同日
 辞任         補欠選任
  大畠 章宏君     緒方林太郎君
  本村賢太郎君     逢坂 誠二君
  輿水 恵一君     佐藤 英道君
同日
 辞任         補欠選任
  緒方林太郎君     高井 崇志君
  逢坂 誠二君     青柳陽一郎君
  佐藤 英道君     吉田 宣弘君
同日
 辞任         補欠選任
  高井 崇志君     松木けんこう君
  吉田 宣弘君     大口 善徳君
同日
 辞任         補欠選任
  大口 善徳君     真山 祐一君
同日
 辞任         補欠選任
  真山 祐一君     石田 祝稔君
同日
 第二分科員斉藤和子君、本村伸子君、河野正美君及び吉田豊史君が本分科兼務となった。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 平成二十六年度一般会計歳入歳出決算
 平成二十六年度特別会計歳入歳出決算
 平成二十六年度国税収納金整理資金受払計算書
 平成二十六年度政府関係機関決算書
 平成二十六年度国有財産増減及び現在額総計算書
 平成二十六年度国有財産無償貸付状況総計算書
 平成二十七年度一般会計歳入歳出決算
 平成二十七年度特別会計歳入歳出決算
 平成二十七年度国税収納金整理資金受払計算書
 平成二十七年度政府関係機関決算書
 平成二十七年度国有財産増減及び現在額総計算書
 平成二十七年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (厚生労働省、農林水産省及び経済産業省所管)
     ――――◇―――――
#2
○武田主査 これより決算行政監視委員会第三分科会を開会いたします。
 私が本分科会の主査を務めることになりました武田良太でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本分科会は、厚生労働省所管、農林水産省所管及び経済産業省所管についての審査を行うことになっております。
 なお、各省庁の審査に当たっては、その冒頭に決算概要説明、会計検査院の検査概要説明及び会計検査院の指摘に基づき講じた措置についての説明を聴取することといたします。
 平成二十六年度決算外二件及び平成二十七年度決算外二件中、厚生労働省所管、農林水産省所管及び経済産業省所管について審査を行います。
 これより厚生労働省所管について審査を行います。
 まず、概要説明を聴取いたします。塩崎厚生労働大臣。
#3
○塩崎国務大臣 平成二十六年度及び平成二十七年度厚生労働省所管一般会計及び特別会計の決算の概要につきまして御説明申し上げます。
 まず、平成二十六年度の決算について申し上げます。
 一般会計につきましては、歳出予算現額三十一兆五千百二億円余に対して、支出済み歳出額三十兆九千九百五億円余、翌年度繰越額千五百八十九億円余、不用額三千六百七億円余で決算をいたしました。
 次に、特別会計の決算につきまして御説明申し上げます。
 第一に、労働保険特別会計につきましては、労災、雇用及び徴収の三勘定を合わせて申し上げますと、収納済み歳入額六兆八千六百二十八億円余、支出済み歳出額六兆二千八十五億円余、翌年度繰越額五十一億円余、未経過保険料相当額二百三十億円余、支払備金相当額一千七百六十五億円余であり、一般会計からの超過受入額を調整し、差し引き四千四百六十八億円余をこの会計の積立金として積み立てるなどして、決算をいたしました。
 第二に、年金特別会計につきましては、基礎年金勘定等の六勘定を合わせて申し上げますと、収納済み歳入額八十兆三千六百二十億円余、支出済み歳出額七十七兆三千百九億円余、翌年度繰越額一億円余であり、差し引き三兆五百九億円余をこの会計の積立金として積み立てるなどして、決算をいたしました。
 最後に、東日本大震災復興特別会計につきましては、歳出予算現額五百九十九億円余に対して、支出済み歳出額三百八十一億円余、翌年度繰越額百七十五億円余、不用額四十二億円余で決算をいたしました。
 次に、平成二十七年度の決算について申し上げます。
 一般会計につきましては、歳出予算現額三十兆七千九百三十億円余に対して、支出済み歳出額二十九兆八千七百億円余、翌年度繰越額六千三百九十五億円余、不用額二千八百三十三億円余で決算をいたしました。
 次に、特別会計の決算につきまして御説明を申し上げます。
 第一に、労働保険特別会計につきましては、労災、雇用及び徴収の三勘定を合わせて申し上げますと、収納済み歳入額六兆八千八百一億円余、支出済み歳出額六兆三千三百三億円余、翌年度繰越額三十八億円余、未経過保険料相当額二百二十二億円余、支払備金相当額一千七百三十五億円余であり、一般会計からの超過受入額を調整し、差し引き三千四百八十億円余をこの会計の積立金として積み立てるなどして、決算をいたしました。
 第二に、年金特別会計につきましては、基礎年金勘定等の六勘定を合わせて申し上げますと、収納済み歳入額八十五兆二千九百二十六億円余、支出済み歳出額八十一兆七千四十八億円余、翌年度繰越額二億円余であり、差し引き三兆五千八百七十五億円余をこの会計の積立金として積み立てるなどして、決算をいたしました。
 最後に、東日本大震災復興特別会計につきましては、歳出予算現額九百五十二億円余に対して、支出済み歳出額七百一億円余、翌年度繰越額百七十四億円余、不用額七十七億円余で決算をいたしました。
 以上をもちまして、厚生労働省所管に属する一般会計及び特別会計の決算の説明を終わります。
 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#4
○武田主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院腰山第二局長。
#5
○腰山会計検査院当局者 平成二十六年度厚生労働省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。
 まず、不当事項でございますが、保険料の徴収が適正でなかったもの、委託費の支払いが過大となっていたものなど計二百七十五件につきまして検査報告に掲記しております。
 次に、意見を表示しまたは処置を要求した事項でございますが、生活保護費に係る返還金等の債権管理に関するもの、国民健康保険に係る国庫負担金の交付額算定に関するものなど計十一件につきまして検査報告に掲記しております。
 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項でございますが、高齢者医療制度円滑運営臨時特例交付金の交付に関するもの、緊急雇用創出事業の実施に必要な機器等に関するものなど計六件につきまして検査報告に掲記しております。
 続きまして、平成二十七年度厚生労働省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。
 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項百七十七件、意見を表示しまたは処置を要求した事項六件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項二件であります。
 まず、不当事項について御説明いたします。
 検査報告番号四四号及び四五号は、保険料の徴収が適正でなかったもの、同四六号から四九号までの四件は、保険の給付が適正でなかったもの、同五〇号は、医療費の支払いが過大となっていたもの、同五一号から二一八号までの百六十八件は、補助事業の実施及び経理が不当なもの、同二一九号及び二二〇号は、介護給付費の支払いが過大となっていたものであります。
 次に、意見を表示しまたは処置を要求した事項について御説明いたします。
 その一は、地域子育て支援拠点事業に係る国庫補助金の算定に関して適宜の処置を要求し、及び是正改善の処置を要求いたしたもの、その二は、日雇労働求職者給付金に係る制度の運用に関して是正改善の処置を要求し、及び意見を表示いたしたもの、その三は、生活福祉資金貸付事業の実施のために保有されている資金の規模等に関して意見を表示いたしたもの、その四は、地域支援事業交付金の交付額の算定に関して意見を表示いたしたもの、その五は、国民健康保険の療養給付費負担金等の交付額の算定における医療機関等に対する加算金の取り扱いに関して改善の処置を要求いたしたもの、その六は、第三者行為災害において取得した求償権の債権管理等に関して改善の処置を要求いたしたものであります。
 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。
 その一は、国立更生援護施設における利用者等の食費等負担額に関するもの、その二は、年金給付の過誤払い等に係る返納金債権の管理に関するものであり、これら二件について指摘したところ、それぞれ改善の処置がとられたものであります。
 以上をもって概要の説明を終わります。
#6
○武田主査 ただいまの会計検査院の指摘に基づき講じた措置について説明を聴取いたします。塩崎厚生労働大臣。
#7
○塩崎国務大臣 平成二十六年度及び平成二十七年度の決算検査報告において掲記されております事項につきましては、会計検査院の御指摘のとおりであり、まことに遺憾であります。
 御指摘を受けた事項につきましては、その是正措置を講じているところでありますが、今後このような御指摘を受けることのないよう、指導監督の強化を図り、より一層予算の適正な執行に努めてまいる所存でございます。
#8
○武田主査 この際、お諮りいたします。
 お手元に配付いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○武田主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#10
○武田主査 以上をもちまして厚生労働省所管についての説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#11
○武田主査 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。本村賢太郎君。
#12
○本村(賢)分科員 民進党の本村賢太郎です。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 まず、予算委員会でも、受動喫煙防止対策について、塩崎厚生労働大臣初め麻生財務大臣、そして高市総務大臣にも問うてまいりましたが、改めて、WHOの幹部が先日来日をされまして、七日の午後に塩崎大臣と面会されたというふうに伺っております。バー事務局次長から、国レベルでの屋内完全禁煙を要請され、そしてダグラス・ベッチャー生活習慣病予防部長は、日本の受動喫煙対策は時代おくれなどという大変厳しい指摘もございました。大臣の受けとめをまずお伺いしたいと思います。
#13
○塩崎国務大臣 ちょうど四月七日は世界保健デーでございました。その日にWHOのバー事務局次長とベッチャー部長が厚生労働大臣室に来られまして、その際、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催に当たって、長い伝統であるたばこフリーという政策の堅持と建物内全面禁煙を全国レベルで実施をする要請がございました。その上で、ベッチャー部長は、その後の記者会見で、日本の受動喫煙防止対策がおくれている旨の御発言をされたというふうに承知をしております。
 WHOとIOCは、御案内のように、二〇一〇年にたばこのないオリンピックについて合意をしているわけでありますが、同じ日の午前中には丸川オリパラ担当大臣にも表敬をされまして、同様のお話をされたというふうに聞いております。
 お二人は、WHOという国際機関のトップでありますマーガレット・チャン事務局長、この事務局長からの書簡を携えて来訪をされました。この書簡では、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、全国レベルでの屋内の公共の場の喫煙の完全禁止、この完全禁止が要請をされておりました。
 私としては、厚生労働省の、いわゆる私どもがお示しをしている基本的な考え方の案というのを下回らないような水準で対策を少なくとも行うようにという意味合いのものではないかというふうに受けとめたところでございます。
 お二人は、たばこがもたらす経済的な影響についての、WHOとNIHの一部門でありますNCI、ナショナル・キャンサー・インスティチュート、米国がん研究所の共同研究の報告書の概要も持参をされました。その中には、高所得国でも低中所得国でも、たばこフリーという政策は、レストラン、バー等にマイナスの影響がないという内容が記載をされておりまして、その点について、事務局長からの書簡でも言及をされております。
 WHOのお二人とお会いをいたしまして、また事務局長からの正式な書簡をいただきまして、これは、総理が一月の施政方針演説で述べられております受動喫煙対策の徹底、これの重要性を改めて認識をいたしたところでございます。
 私を含めて、厚生労働省一丸となって受動喫煙防止対策の重要性について徹底的に説明を尽くして、党内でも理解を広げて、関係省庁とも協力をして、また国会の議員の皆様方の御協力も頂戴をいたして、今国会での法案提出に向けて全力で取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#14
○本村(賢)分科員 私も、この受動喫煙防止の対策の方向性には否定はいたしません。
 しかし、今回、厚生労働省案が出てまいりましたが、私の実家も飲食店を営んでおるんですが、本来ならば、各店にやはり自主的に決めさせていただいて、そしてお客様が、例えば、喫煙店がいい、禁煙店がいい、分煙店がいいということを選べるような形の方がいいんじゃないかなと思っておりますし、予算委員会でも質疑した際に、麻生財務大臣そして高市総務大臣からも、たばこ税は国税、地方税を合わせて二兆円を超えるわけでありますが、この税収減を心配されているお声もありました。
 もちろん、大臣のお立場から、受動喫煙によって年間一万五千人の皆さんががん等でお亡くなりになるという心配もありますので、これからまた、受動喫煙の防止の議論に関しては、各党内でもさまざまな御意見がありますので、しっかりと議論してまいりたいと思っております。
 次の質問に入りますが、次は、地域を歩いておりますと、放課後児童クラブについて、今小学校に児童を通わせているお父さん方やお母さん方から多くのさまざまな声をいただいておりまして、放課後児童クラブを利用する児童の数は平成二十八年五月時点で百九万三千八十五人と過去最多を更新したというふうに伺っておりますが、待機児童数もそれに合わせて一万七千二百三人と過去最多となっております。利用者、待機児童数がふえていく理由について厚生労働省はどのようにお考えなのか、お伺いいたします。
#15
○塩崎国務大臣 御指摘のように、放課後児童クラブについては、私どもの地元なんかでも大変心配をされて、よりよい児童クラブをより多くふやしてくれという御意見がたくさん出ております。
 近年、利用者、待機児童数ともにふえております。いずれも平成二十八年には過去最多となっておりまして、この原因についてのお尋ねでございましたが、子育て世代の二十五歳から四十四歳の女性の就業率は確実に上昇をしております。こういったことによって放課後児童クラブの利用割合が高まっているということがまず第一。
 そして、平成二十七年度からは子ども・子育て支援新制度、この導入がありました。それに伴って、利用対象年齢が小学校三年生までだったのが小学校全体に拡大をされたということから、特に四年生以上の児童の利用申し込みが増加をしたということなどの背景があってこのようなことになっているのではないかというふうに思っております。
 一方で、放課後児童クラブの整備を進めることにより受け皿確保を行うことで、平成二十八年五月時点の一、二、三年の低学年の待機児童は、前年に比べて七百四十三人減っておりまして、四年ぶりの減少に、低学年に関しては転じているということでございます。
 厚労省としては、さらに受け皿確保を加速すべく、放課後子ども総合プラン、これによって約百二十二万人分の受け皿確保の目標年度を一年前倒しをして平成三十年度末としまして、整備費への国庫補助のかさ上げ、これは三分の一から三分の二に引き上げることでありますが、こういうことで取り組みの強化を図っているところでございます。
#16
○本村(賢)分科員 午後六時以降も開所している施設が半分程度ということでありますけれども、保育所の場合は午後六時半までに終わるのは全体の約二割でありまして、時短勤務ができるのは子供が小学生になるまでという企業も多く、フルタイムで働くのが困難になっているという親御さんの声も聞いておりまして、働きづらくなる小一の壁という言葉もあるようでありまして、その辺をぜひ御理解いただきながら、前倒しに関しては私も賛成でありますし、鋭意進めてもらいたいんです。
 また、全国学童保育連絡協議会によりますと、市町村などが把握していない潜在的な待機児童は四十万人以上というお声も聞いておりまして、先ほどは待機児童数が一万七千二百三人と過去最多という話もありますが、潜在的な待機児童が四十万人を超えているという声もあるものですから、その辺も十分理解しながら対応を進めていただきたいと思います。
 次に、子供の面倒を見る放課後児童支援員の不足も課題となっておりまして、支援員の皆さんからも今回お声を聞いてまいりました。支援員をどのように確保していくのか、厚労省のお考えをお伺いいたします。
#17
○塩崎国務大臣 放課後児童クラブにつきましては、現在、平成三十年度末までに約百二十二万人の受け皿を準備するということを、先ほど申し上げたとおりでありますが、その際にやはり、今御指摘のとおり、職員の確保というのが非常に重要であります。
 そういうことで、今年度の予算では、放課後児童クラブに従事する職員の人件費の積算を見直しました。運営費補助基準額を一支援単位当たり三百七十万から四百三十万円へ増額をいたしまして、さらに、放課後児童支援員の勤続年数あるいは研修実績等に応じた新たな処遇改善の仕組みを導入したところでございます。
 こうした処遇改善の取り組みに加えて、職員の専門性を高める研修の実施を自治体に私どもから働きかけることなどを通じて、放課後児童クラブの職員の確保と同時に資質の向上、これを図ってまいりたいと考えております。
#18
○本村(賢)分科員 この支援員の皆さん、年収が少ないという問題がありまして、勤務年数による昇給はないと答えたのが六〇・三%ということでありまして、非常にここが問題ではないかなと思っております。また、三人に二人が保育士や教諭の資格を持っていらっしゃいますが、正規職員は少なく、大多数が非常勤や嘱託、パートということでありまして、こういった支援員の皆さんの働く環境も今後よくお考えいただきたいと思います。
 次に、文部科学省が進めている放課後子供教室との連携など、放課後対策を包括的に協議していくことも重要ではないかと思いますが、厚労省のお考えをお伺いいたします。
#19
○塩崎国務大臣 私ども厚労省としましては、文部科学省とも一緒に、平成二十六年度に放課後子ども総合プラン、先ほど申し上げましたが、これを策定いたしました。全ての就学児童が放課後等を安全、安心に過ごすことができ、多様な体験、活動ができるように、一体型を中心にいたしました放課後児童クラブ、放課後子供教室、この計画的な整備を進めているところでございます。
 この放課後子ども総合プランにおきましては、市町村の教育委員会と福祉部局が連携を深めて、学校施設の使用等に係る十分な協議を図ることなど、適切な体制づくりに努めることがまず第一点、そして、学校施設を利用する場合の責任体制の明確化、さらには学校の余裕教室の活用促進など、現場レベルでの連携を促しておりまして、放課後児童クラブと放課後子供教室の一体型として、平成二十八年三月末で三千五百四十九カ所の整備が図られているところであります。
 いずれにしても、今後とも、あらゆる機会を活用して自治体に対してこういった趣旨をしっかりと伝えて、現場での連携がそれぞれ図られるようにしたいというふうに思います。
#20
○本村(賢)分科員 厚生労働省の平成二十八年の調査によると、約二万三千六百カ所ある放課後児童クラブのうち、同じ校内にある放課後子供教室に参加する学童は約三千八百カ所、今少し数がふえていたのも答弁でいただきましたが、こういった中で、放課後子供教室と放課後児童クラブの連携がうまくいくには、放課後対策に対する各学校長の理解がとても大きいんじゃないかと思います。関係機関に所属する人たちが境界を取り払い、地域の子供を一緒に育てる専門職として連携していくことが大事だと思いますので、ぜひとも文科省とも連携してこの待機児童対策を進めていただきたいと思っております。
 次の質問に入りますが、次は、昨年の予算委員会分科会でも触れさせていただきましたが、在宅医療についてお伺いいたします。
 平成二十八年度診療報酬改定において医学管理料が引き下げられたわけでありますが、その理由をまずお伺いしたいのと、今後見直しを行う予定はあるのか、お伺いいたします。
#21
○塩崎国務大臣 平成二十八年度の診療報酬改定におきまして、当時、高い診療報酬を算定するために、集合住宅に入居する複数の患者を一人ずつ別々の日に訪問診療するという非効率な実態が見られたことを踏まえまして、効率的な在宅医療を推進する観点から、集合住宅の患者数に応じて診療報酬をきめ細かく設定する見直しを行ったわけでございます。
 その結果、今御指摘のあったとおり、診療報酬が適正化されたケースも生じておりますけれども、一方で、重症患者への訪問診療に対する診療報酬はむしろ充実をされております。一律に引き下げを行ったということではないということも御理解を賜れればというふうに思うところでございます。
 こういう診療報酬改定の影響につきましては、現在、調査、検証を行っております。この結果を踏まえて、今後、質の高い在宅医療の確保について、平成三十年度の診療報酬改定に向けて、中医協でしっかりと検討をお願いしてまいりたいというふうに思っております。
#22
○本村(賢)分科員 私も、昨年も御指摘しましたが、二十四年度とか過去の診療報酬改定を見ていますと、在宅医療は点数が高くて、これは確かに、厚労省も御心配している声や、朝日新聞等々でも取り上げられた問題でもございましたので、問題が大きいなと思う反面、今大臣がお話あったように、重度の皆さんへの点数のアップや、あとは休日や夜間の、夜間並みの点数にしていただいたり、御努力もいただいている点は承知をしておりますが、ただ、重度の患者さんというのは、恐らく、五十人の施設があれば多分一人、二人といった、余り大きな人数じゃないということも、私は地元を歩いて伺ってまいりました。
 ですから、確かに重度の方々に点数を上げたというのは評価をしたいと思いますが、ただ、人数が本当に全体的から見るとまだ少ないわけでありまして、総体的に、二十四時間体制で例えば在宅医療を行っていくことが、今後、在宅医療の皆さんは使命感を持って仕事されておりますけれども、この二十四時間体制を維持していくには、臨時のドクターを雇ったりすることも必要だったり、ドライバーがいたり、看護師さんがついていったり、さまざまな、きょうの参考資料一を見ていただければ記載がございますが、ドクターは時給一万円以上でないとなかなか集まらないといったお声も地域で伺ってまいりました。
 また、医学管理料は、こうした費用など、二十四時間体制を維持するために必要だったわけでありまして、夜間について増額しているというが、待機中、もしお声がかからなければ、二十四時間体制で待機しているクリニックにとっては出の方が多くなってしまうという実態もございます。
 十年前の調査になりますが、開業医の平均年齢は六十歳近くになっているというふうに伺っておりまして、確かに、二十八年度から在宅医療専門クリニックなども生まれてまいりまして、若手、若い皆さんが、ドクターが、在宅医療を専門にやろうという声も、うちの地元にもそういった活動をしているお医者さんもいらっしゃいますが、ただ、平均年齢六十歳の中で、かなり高齢なドクターも在宅医療を続けられている方もいらっしゃるわけであります。
 ことしの二月に日本医師会が発表した調査によれば、二十四時間体制の維持を負担だと思っている医師の数は半数を超えておりまして、かかりつけ医師確保のため、地域包括診療料とか加算の算定要件を現実的にすべきだという御指摘も医師会の方からございます。
 また、開業医、いわゆるクリニックで頑張っているドクターの皆さん、ただ、二十四時間体制を構築するには、これこそ長時間労働になり得るわけでありまして、今、働き方改革、まさに現場で大臣中心となって進めていただいているわけでありますが、やはり医療業界においてもこの働き方改革が、ここも考えていかなければ、お一人のドクターでは二十四時間体制に応じることがなかなか困難であるということは指摘をしてまいりたいと思っております。
 平成三十年度改定のため、二十八年度改定の影響を今調査しているということでありますので、ぜひとも現場の声に大臣も耳を傾けていただいて、中医協に対しても大臣としての応援をお願いしてまいりたいと思っております。
 次の質問に入りますが、今触れましたが、在宅医療の専門クリニックが平成二十八年度から認められるようになりまして、これは歓迎すべき点だなと思います。やはり、恐らく皆さん、最期は自分の家でみとられたいという方が多くいらっしゃる中で、在宅医療の役割というのも非常に多くございますから、あとは、クリニックに行けない、病院に行けない、そういった方々を、ドクターみずからが御自身の体を使って各お宅に行くというのは、非常に大事な部分だなと思っているんです。
 ただ、この在宅医療専門クリニックが認められるようになったわけでありますが、外来患者が五%以上いないと二〇%の減額がされるというふうに伺いました。なぜそのような制度にしたのか、お伺いいたします。
#23
○塩崎国務大臣 いわゆる団塊の世代が七十五歳以上になるのが二〇二五年、こう言われているわけでございまして、そこに向けて、今、いろいろな医療の供給体制を整備させていただいておりますが、在宅医療の推進というのは極めて重要な課題であります。
 二十八年度の診療報酬改定で、在宅医療を専門とする医療機関の保険医療機関の指定についての取り扱いをより明確化いたしました。本来、在宅医療専門の意味というのは、在宅患者の割合が一〇〇%で外来患者は診療しないということと受けとめられるわけでありますが、診療報酬上は、外来患者が五%を超えない場合をいわゆる在宅医療専門の医療機関として、その他の医療機関とは別の診療報酬の算定ルールを設定しております。
 この理由でありますが、従来、我が国が公的医療保険制度、皆保険制度を推進するに当たって、患者のフリーアクセスというのを確保することが大事だということを言ってまいりました。医療機関に対して、外来患者に対応できる体制を整えておくことを求めてきたのが、フリーアクセスを確保する、こういう意味だったわけでありますが、いわゆる在宅医療専門医療機関に対しては、そのような対応を求めないかわりに、外来対応でかかるコストが不要となる分を勘案いたしまして、診療報酬を原則二〇%減算するという仕組みにさせていただいているわけでございます。
 こういうような対応については、現在、その影響を調査、検証中でございますので、次期診療報酬改定に向けて、どうするかということは、この調査を待って、適切な在宅医療が提供できるという、そのために、中医協において中身を詰めていただきたいと考えておるところでございます。
#24
○本村(賢)分科員 在宅医療の皆さんは、呼び出しがあればいつでも応じなければならないわけでありまして、外来を維持しようとすると、ドクターが複数人必要ではないかと思っております。
 そういうような中で、医療は信頼の上に成り立っているわけでありまして、いつでも来てくれるドクターに在宅医療を頼みたいし、また、外来も、決まっていてくれる先生の方に頼みたいという患者さんの声もあるわけでありまして、ぜひとも、これから検討中ということではございますが、こういった声も地域から私も聞いてまいりましたので、また御検討の材料にしていただければというふうに思います。
 次に、介護人材不足についてお伺いいたします。
 今、医療そして介護という話をしてきたわけでありますが、実は、私の母も、四月八日他界をいたしまして、医療現場の皆さんや介護現場の皆さんに大変お世話になりました。
 その母をみとる中で、介護の現場で働く皆さんから、外国人労働者の問題などもちょっとお話を聞いてまいりまして、EPAの制度を利用した場合、せっかく介護施設や病院で就労、研修しても、国家試験に合格しなければ帰国せねばならず、意欲がある人材の場合は惜しまれる声が現場から聞こえてまいりました。
 引き続き就労できるような対策はないのか、お伺いいたします。
#25
○定塚政府参考人 EPAに基づく介護福祉士候補者の受け入れでございますが、二国間の経済活動の連携の強化の観点から、公的な枠組みで特例的に行っているものでございます。この候補者の方は、介護福祉士資格取得を目指して我が国で研修、就労を実施して、資格取得後は引き続き日本に滞在することを目指しております。
 このため、こうした候補者の国家試験合格に向けて、政府としても、これまでも、訪日前に日本語研修をする、あるいは国家試験に向けた候補者に対しての通信添削指導などの学習支援をする、さらには国際厚生事業団を通じた受け入れ機関への巡回訪問をするなどの支援をしてきております。
 また、仮に試験に不合格となった場合でも、御本人が翌年度の試験合格に向けて精励するという意思を表明している、また、試験の得点が一定以上であるなど一定の要件を満たす場合は、外交上の配慮から、特例的に一回に限り一年間の追加的な滞在期間の延長を認めてきたところでございます。
 またさらに、これでも不合格という場合は、帰国後に再受験目的での来日を認めて、こうした方について支援、相談などを行っているところでございます。
 こうした支援を進めてきているところでございまして、引き続き、我が国の介護現場で働くという意思のある方に対して活躍いただけるように、円滑な受け入れ支援を行ってまいりたいと考えております。
#26
○本村(賢)分科員 インドネシア、フィリピン、ベトナム三国から二千七百七十名を受け入れているという話も承知をしているわけでありますが、今お話あったように、一度落ちてももう一度受験できるという話や、例えば帰国後も短期滞在で再入国して試験を受けられるという話もありますが、現場の皆さんから聞きますと、介護福祉士でなくても介護現場で働けるという実態もあるわけでありますから、その辺も緩和して、ぜひとも、お互い、我が日本もそうでありますが、このインドネシア、フィリピン、ベトナムから来る皆さんにとってもウイン・ウインになるような環境をつくっていただきたいと思います。
 介護人材の不足は深刻であり、ベッドがあいていてもスタッフが不足しているために引き受けられないという声も聞いておりまして、介護人材不足について厚生労働省はどのように対策を行っていくのか、簡潔に御答弁をお願いします。
#27
○塩崎国務大臣 介護人材の確保に当たりましては、処遇改善のほかに、就業促進とか離職の防止とか、さまざま、総合的に取り組まなければならないということでやらせていただいておりますが、本年四月から、月額一万円相当の処遇改善のほかに、一旦仕事を離れた人が再び仕事につく場合の再就職準備金、あるいは介護福祉士を目指す学生への返済免除つきの奨学金制度、さらにはICTや介護ロボットを活用いたしました生産性向上の推進による現場の負担軽減、そして職場環境の改善というようなことを総合的に取り組んでいるところでございます。
 今後、さらに、今までやってきた政策の検証あるいは介護職員の労働実態の調査などを行って、これらの結果を踏まえて、必要な介護人材の確保策をとっていきたいというふうに思います。
#28
○本村(賢)分科員 ぜひとも、大臣、私も地元の相模原の介護現場を幾つか伺ってまいりましたが、例えば、施設はつくったんだけれども、スタッフが集まらなくて実際にオープンができないという声も伺っておりますので、今、介護人材不足というのは非常に大きな問題でありますので、この点にもしっかり目を向けていただきたいと思います。
 時間的に最後の質問になりますが、花粉症対策についてお伺いいたします。
 先般、環境大臣にもお伺いしてまいりましたが、国民の三割が罹患していて、年間個人消費が七千五百億円も縮小するという試算が出ているわけでありますが、花粉症は今や国民病とも言われております。
 厚生労働省では舌下免疫治療の開発なども取り組んでいらっしゃるというふうに伺っておりますが、まだまだ浸透していないように思っております。舌下免疫治療の普及啓発を含め、厚生労働省として花粉症対策にどのように取り組んでいくのか、また、その重要性について、大臣のお考えをお伺いいたします。
#29
○塩崎国務大臣 花粉症は有病率が上昇しております。かく言う私もそうでありますが。患者の生活の質を損なう場合が大変多いということもあって、国民の生活に多大な影響を及ぼしているわけでありますから、その対策は極めて重要。
 花粉症を含むアレルギー疾患に対して総合的な対策を行うために、平成二十七年十二月にアレルギー疾患対策基本法が施行をされました。それに基づいて、本年三月にアレルギー疾患対策基本指針というのを告示いたしまして、舌下免疫療法について、この基本指針においては、アレルゲン免疫療法などの根治療法の発展及び新規開発を目指すとなっておりまして、さらなる研究を推進するとともに、ホームページなどを通じて国民の皆様方に周知徹底を図っていきたいと思います。
 さらに、厚労省としては、今後、基本指針に基づいて、花粉症を含むアレルギー疾患対策の質の向上のために、国民が適切な情報を入手できる体制あるいは医療の提供体制の整備を行う、そして、原因究明とか、あるいは予防、診断、治療、こういったさまざまな面からの対策をしっかりと、関係省庁とも連携しながらやっていきたいと思っております。
#30
○本村(賢)分科員 時間になりましたので、これで質問を終わりにします。
 ありがとうございました。
#31
○武田主査 これにて本村賢太郎君の質疑は終了いたしました。
 次に、本村伸子君。
#32
○本村(伸)分科員 日本共産党の本村伸子でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 女性労働者が、妊娠、出産、育児の中でも、安心して働き続けることができる環境をつくる立場で質問をさせていただきたいと思います。
 愛知県に住む女性労働者のAさんは妊娠をされました。大変喜ばしいことだというふうに思います。生まれてくる子供さんの将来のこと、子供の貧困を防ぐためにも安定した雇用が大切なわけですけれども、妊娠したことを会社に告げると、二カ月の有期雇用契約で、産前産後の休暇、あるいは育児休暇もない、出産手当金もない、もう会社をやめてもらうしかないというふうに言われたというお話でした。
 雇用契約は有期雇用で二カ月だったわけですけれども、三年も同じ工場に働いておられました。それなのに、なぜ産前産後の休暇や育児休暇がとれないのか、出産手当金がもらえないのかと大変疑問に思いました。
 お話をお伺いしますと、資料をお配りしていると思いますけれども、この図ですけれども、このAさんは、自動車部品を製造する、愛知県の東浦町にあります東海理機製作所相生工場内のアーバンアート事業所を就業場所として三年間働き続けておられました。
 雇用契約書を見てみますと、株式会社アーバンアートに雇用されているときもあるんですけれども、それだけではなくて、二カ月間の有期雇用契約で、更新してほぼ四カ月ごとに雇用契約先がかわっているという状況でした。就業場所はずっとかわらないんですけれども、そうやって四カ月ごとに会社がかわっていくということでした。有限会社アイシーエス、株式会社東海オーエス、株式会社アーバンアート、こうやって順繰りに雇用契約先がかわっていくという形態でございました。
 この三社の雇用契約書をそれぞれ見てみますと、同じように、契約期間の更新がないことによる二カ月間の期間限定のため社会保険に加入することはできないという記載がございました。しかし、実際には二カ月以上の雇用になっているわけです。
 指揮命令系統について聞いてみますと、雇用契約先の会社はかわっても、アーバンアートが指揮命令をずっとやってその方々は作業をしている、担当者と言われるお世話役の方もずっとかわらないままだったそうです。
 この有限会社アイシーエス、株式会社東海オーエス、株式会社アーバンアートの三社の代表取締役は同一人物でございます。この三社について、派遣会社なのかということで調べてみますと、労働者派遣事業の許可はありませんでした。派遣会社でないということは、違法な無許可の派遣の可能性があるわけです。
 大臣、やはりこういう働かせ方というのは脱法的だと思いますし、異常だというふうに思います。ぜひ、この三社に入って、無許可派遣なのか、そういうことも含めて調査をしていただきたいと思いますけれども、お願いをしたいと思います。
#33
○塩崎国務大臣 今御指摘をいただいたのは個別の具体的な案件でもございますので、具体的なことについては直接お答えするというわけにはまいりませんが、一般論として申し上げますと、労働者派遣事業を無許可で行っている場合は、労働者派遣法に当然抵触をするわけです。
 こういうようなおそれのある事案を把握した場合には、都道府県労働局において、必要な調査を行った上で、無許可の派遣事業主に対しては違法な労働者派遣を中止すること、さらに、当該事業主から派遣で働く方を受け入れた者に対しては違法な労働者派遣の受け入れを中止すること、とめることを指導して、是正を図るということになるのが一般的な対応でございます。
 無許可の派遣事業主の情報を派遣で働こうとする方などにお知らせする観点からは、こういうような事業主の名称を、違法状態が是正されるまでの間、ホームページで公表するということにしているところでございます。
#34
○本村(伸)分科員 雇用契約先の会社がかわっても、ずっとアーバンアートの指揮命令のもとで作業をして、担当者もずっとかわらないということなわけですから、もし違法な無許可派遣であった場合にみなし雇用ということにもなるというふうに思いますけれども、労働者派遣法上、法文でどうなるか、教えていただきたいというふうに思います。
#35
○鈴木(英)政府参考人 お答え申し上げます。
 一般論でございますけれども、労働者派遣法におきましては、派遣先が、労働者派遣の禁止業務に従事させた場合、それから無許可の事業主から労働者派遣を受け入れた場合、また期間制限に違反して労働者派遣を受け入れた場合、さらにはいわゆる偽装請負の場合につきましては、当該違法派遣を受け入れた時点で、派遣先が派遣労働者に対しまして、労働契約の申し込みをしたものとみなされる制度がございます。
 したがいまして、無許可の事業主から派遣を受け入れた場合につきましては、労働契約申し込みみなし制度が適用されるということでございます。
#36
○本村(伸)分科員 ありがとうございます。
 無許可の派遣ということであれば、労働者派遣を受け入れた事業所、この場合は東海理機製作所相生工場内のアーバンアートが労働契約を申し込んだものとなるわけです。このことは確認をしたいというふうに思います。
 三年間、東海理機製作所相生工場内アーバンアートで働いてきたのに、社会保険もない、厚生年金、健康保険の適用もないというのは物すごく理不尽な思いがいたします。こういう脱法的なことがこの日本社会でまかり通っていけば、日本社会全体が本当におかしいことになるというふうに思います。
 この三社の労働者について、本来入るべき社会保険に労働者が入らずにいる場合がないかどうか。社会保険、年金の観点から、この点もぜひ調査に入っていただきたいというふうに思いますけれども、答弁をお願いしたいと思います。
#37
○伊原政府参考人 お答え申し上げます。
 個別具体の事案についての対応について申し上げることは差し控えさせていただきますけれども、一般論として申し上げまして、事業主の方から被保険者の資格取得届が出されていない場合でありましても、厚生年金保険法第三十一条に基づきまして、従業員の方は、厚生年金の被保険者の資格について疑義があるという場合には、日本年金機構に対しまして、資格の確認請求ということができることになっております。
 仮に、従業員の方から、このような資格の確認請求がなされれば、年金事務所において、該当する事業所に対しまして適切に調査を行うことになる、このように考えております。
#38
○本村(伸)分科員 ありがとうございます。
 そもそも二カ月の契約で、ほぼ四カ月ごとに有限会社アイシーエス、株式会社東海オーエス、株式会社アーバンアートと順繰りに雇用契約先がかわっているわけです。
 Aさんはこうやって三年間働いているわけですけれども、この三社の働かせ方というのは労働契約法の第十七条第二項に反しているのではないかというふうに思いますけれども、労働契約法第十七条第二項はどのように書かれているのか、お示しをいただきたいと思います。
#39
○山越政府参考人 お答え申し上げます。
 労働契約法の第十七条第二項でございますけれども、これは労働者と使用者の間の紛争を防止する観点から、有期労働契約につきまして、労働者を使用する目的に照らして必要以上に短い契約期間を設定することのないよう使用者は配慮しなければならないことを規定しているものでございます。
 この規定は契約期間について特定の長さ以上の期間とすることまでは求めているものではございません。
#40
○本村(伸)分科員 必要以上に短い期間を定めることにより、この有期労働契約を反復して更新していたのが、このアーバンアート、アイシーエス、東海オーエスのやり方だというふうに思います。
 同じ代表取締役のもとで、同じ工場に三年間働いているのに、産前産後の休暇、出産手当金、育児休業、育児休業給付金ももらえない、こういうやり方もおかしいというふうに思います。
 有期雇用契約であっても、産前産後の休暇、出産手当金、育児休業、育児休業給付金などとれるケースがあると思いますけれども、どういうケースなのかお示しをいただきたいと思います。
#41
○吉田政府参考人 お答えいたします。
 これも一般論として申し上げれば、今お示しいただきましたように、それぞれの仕組みにおいて、育児休業あるいは育児休業給付金、年次有給休暇については要件がございます。それぞれの要件に対しまして、法の適用を免れる目的で、実態と異なる雇用形態、あるいは請負形態を偽装しているようなケースが仮にあったとした場合においては、それは先ほど来申しておりますように、まずはしっかり指導監督が行われるということかと思います。
 その上でということでございますが、雇用する者が形式上短期間でかわっていたという場合であっても、実態として特定の事業主による雇用が継続してつながっているというふうに判断できる場合におきましては、先ほど御指摘がありましたような各制度の要件に基づきまして、対象となるかどうかを判断させていただくということになってございます。
#42
○本村(伸)分科員 さらにおかしいことがございまして、この三社の雇用契約書には、Aさんには、二カ月の有期雇用契約、更新なしのため、有給休暇は付与しないと三社とも同じように記載がございます。三年も同じ工場で働いて、二カ月の有期雇用契約だからということで年次有給休暇はないというものでございます。
 しかし、実際には、実態を見て、年次有給休暇はとれるというふうに思いますけれども、お示しをいただきたいと思います。
#43
○山越政府参考人 年次有給休暇でございますけれども、これは、一の企業のもとで労働者が雇い入れられた日から起算して六カ月以上継続勤務し、全労働日の八割以上出勤した場合に付与されるものでございまして、こういったものについては、一般論でございますけれども、必要な監督指導を労働基準監督署で必要に応じやっていくことになるというふうに思います。
#44
○本村(伸)分科員 先ほど言いましたように、二カ月契約で、ほぼ四カ月ごとに順繰りに雇用契約先がかわっていても大丈夫だということで、有給休暇がとれるということで確認をしたいと思います。
#45
○山越政府参考人 一般論として申し上げさせていただきたいと思いますけれども、これは、一の企業のもとということが要件であります。その上で、その企業のもとで六カ月以上継続勤務することが要件だというふうに考えます。
#46
○本村(伸)分科員 ですから、アイシーエス、東海オーエス、アーバンアート、アイシーエスということになったら、四カ月ごとですから、一回、一巡した場合にとれるということなんでしょうか。
#47
○山越政府参考人 繰り返しになりますけれども、年次有給休暇につきましては、一の企業で継続勤務していることが必要でございますので、そういった実態にあると認められる場合に限って付与の義務があるということになろうかと思います。
 いずれにいたしましても、その具体的な事案につきましてのお答えは差し控えたいと思います。
#48
○本村(伸)分科員 ぜひ実態を見て、年次有給休暇は本来とれるというふうに思いますので、指導をしていただきたいというふうに思います。
 大臣にお伺いをしたいというふうに思いますけれども、二カ月の有期雇用契約でぐるぐると四カ月ごとに三社を回して働かせ、そして二カ月の有期雇用だからといって産休も育休も出産手当金ももらえない、こういうことを許容する、許されるということであれば、こういう雇用が広がっていけば、子供さんを妊娠し、出産する女性は働き続けることができないということになってしまいます。女性は非正規雇用が多いわけです。そして、女性は有期雇用が多いわけです。こういうことを絶対に許してはいけないというふうに思います。
 このAさんの事例は、職業安定局、保険局、年金局、雇用均等・児童家庭局、労働基準局にまたがる話です。無許可の派遣、みなし雇用の問題、年金、健康保険の加入の問題、出産手当金、産休、育休、育休の給付金、年次有給休暇がとれるように、Aさん以外の働く人も同じ問題を抱えておりますので、この三社のことを総合的に調査していただいて、Aさんが労働者として当然の権利を保障されるように、そしてAさん以外の皆さんも当然の権利が保障されるように、是正をしていただきたいと思いますけれども、大臣、お願いしたいと思います。
#49
○塩崎国務大臣 一般論でございますが、法の適用を逃れるということを目的として、実態と異なる雇用形態、あるいは請負形態を偽装するというようなケースに対しては、これは当然しっかりと指導監督をしないといけないと思っています。
 その上で、男性、女性にかかわらず、非正規雇用で働く方の処遇改善を図っていくことは重要でありまして、例えば、昨年の育児・介護休業法の改正で、有期労働契約で働く方が育児休業を取得しやすくなるように、要件は三つあったのを二つにしたというような緩和も行ってまいっているわけでございます。
 あわせて、正規雇用を希望する方の正社員転換というものも同時に支援するようにしておりまして、非正規雇用で働く方が安心して働き続けられる環境整備に取り組まなければならないと思っております。
 今回、働き方改革で、同一労働同一賃金というものを実現するということでガイドライン案をつくり、またこれから法改正も行っていくということでございますので、非正規の働き方で仮にあったとしても、ちゃんとした働き方ができるようにしていかなければいけないし、同時に、子育ても両立ができるようにすることは大変重要だと思っております。
#50
○本村(伸)分科員 ありがとうございます。
 先ほども申し上げましたけれども、職業安定局、保険局、年金局、雇用均等・児童家庭局、労働基準局にまたがる話です。相談する、申告するにしても、働く方が、今の段階では有給休暇もない中で、相談、申告にこれだけいろいろなところに行かなければいけないというのは大変酷な話だというふうに思います。
 例えば、予約をして愛知労働局などへ行けば全ての相談、申告ができるなど、ワンストップで取り扱っていただけないかというふうに思うわけです。愛知労働局に行ったときに、全ての部署の方が来ていただくか、あるいは、ある職員の方が聞いて、それを申告として受けとめて、各部署に調査、是正を指示していただくなど、コーディネートしていただくなど、そういう柔軟なワンストップの対応をしていただきたいと思いますけれども、大臣、お願いしたいと思います。
#51
○山越政府参考人 お答え申し上げます。
 都道府県の労働局に設置をされております総合労働相談コーナーにおきましては、個別労働紛争に関するさまざまな労働相談、これをワンストップで受け付けております。そうした内容が、例えば労基法などに違反する場合には、それは労働基準監督署で扱うことになりますので、労働基準監督署に取り次ぐことになります。あるいは、保険関係でございますと、それぞれハローワークでございますとか担当の部署で御相談をしていただく必要がありますので、そういったことを紹介あるいは教示するというような対応をしてまいりたいというふうに考えます。
#52
○本村(伸)分科員 それはワンストップじゃない。行かないといけないということでしょうか。ワンストップで柔軟に、年次有給休暇が今のところないわけですから、ぜひワンストップで、愛知労働局に行けば申告もできる、もちろん労働基準関係と、例えば需給調整の関係だけかもしれませんけれども、どこかでそうやって柔軟にしていただけないでしょうか。
#53
○山越政府参考人 年次有給休暇につきまして、例えば、今申しました都道府県労働局の総合労働相談コーナーで受け付けました場合には、文書などをしっかり担当の監督署の方に取り次ぎまして、そこで必要な法令に基づくような対応をするようにしてまいりたいというふうに思います。
#54
○本村(伸)分科員 ぜひ、働く人たちが、こういう劣悪な労働状況にある方々が、苦労せずに相談できて申告できる体制をとっていただきたいというふうに思います。
 先ほど来申し上げておりますように、女性は非正規雇用が多い。有期雇用契約も女性は多いわけでございます。今言ったような、三社を順次ぐるぐると回して、二カ月の有期雇用契約でぐるぐると回して、年休も育休も産休もとれないというようなことを絶対に認めさせてはならないというふうに思います。女性が安心して働き続け、子供さんを産みたいと思う方が安心して出産、育児ができる、仕事と家庭の両立ができる、そういう労働環境を一刻も早くつくっていただくことを強く求めて、次の質問に移りたいというふうに思います。
 次は、保育の問題ですけれども、国立病院の院内保育所の問題について伺いたいというふうに思います。
 国立病院で働く皆さんの子供さんが通う院内保育所は、二〇〇四年度からピジョン株式会社に保育を全面的に民間委託していたと思いますけれども、そのピジョン株式会社が今年度末で国立病院の院内保育所から全面撤退するということを発表いたしました。全国百十五園をピジョンが受けていたというふうに聞いておりますけれども、この撤退で、全国で何人の子供さん、何人の看護師の皆さん、医師の皆さん、職員の皆さん、保育士の皆さんに影響があるのか、それぞれお示しをいただきたいと思います。なぜこんなことになったのか、原因をお示しいただきたいと思います。
#55
○神田政府参考人 お答え申し上げます。
 独立行政法人国立病院機構におきましては、院内保育所につきまして、サービスの向上のために事業者の専門性を活用する観点から、平成二十八年度までは全国百十五の院内保育所について、平成二十九年度では、百十一の院内保育所について事業者への一括委託によって運営をしているところでございます。
 今般、事業者側から、保育士の確保が困難であること、各病院のニーズが多様化しており個別的な対応が困難であるということなどを理由として、全国一括での受託を終了したいとの申し出があったところでございます。
 影響を受ける児童数等についてでございますけれども、平成二十九年三月一日現在、これらの院内保育所における預かり児童数は三千六百三十四人、保育士等の職員は千二百三十八名というふうになってございます。
 厚生労働省としても、引き続き国立病院機構の院内保育所における児童の預かり体制の確保に万全を期すよう、国立病院機構の対応をしっかりと注視してまいりたいと考えております。
#56
○本村(伸)分科員 ありがとうございます。
 大臣にお伺いしたいんですけれども、国立病院機構を支えてくださっている看護師の皆さんや医師の皆さんやスタッフの皆さんの子供さんの保育の危機であり、そして全国で、先ほど言われましたように、千二百三十八人の保育士の皆さんの雇用の危機でもございます。それは医療体制を構築する上でも重大な事態だというふうに思いますけれども、大臣はそうした認識がございますでしょうか。
 そもそも、国立病院の院内保育所が二〇〇四年度にピジョンに委託をされたわけですけれども、そのときも大混乱をもたらしたわけです。そのとき、もともと国立病院の院内保育所で働いていた保育士の皆さん、賃金職員の方は泣く泣く退職をして、賃金など労働条件が下がっても、そこの保育を維持しようということで、ピジョンで働いて子供たちの保育と病院の体制を守ってきました。それでまた、今回こういう大混乱を起こしているというのは許されないことだというふうに思いますけれども、大臣の認識を伺いたいと思います。
#57
○塩崎国務大臣 平成二十九年度末、来年の三月末に独立行政法人国立病院機構の院内保育所の運営受託事業者が、今お話がありましたように、契約終了となるわけでありますが、その際には、各病院において、引き続き、児童の預かり体制が確保をされ、翌年度においても、職員が安心して子供さんを預けることができる、そういう体制をしっかり確保しなければならないというふうに思っております。
 国立病院機構におきましては、関係者の意向も丁寧に把握しながら、現在の事業者から次の事業者へどうスムーズに引き継ぎが行われるのかということを見るとともに、今後とも、各病院の院内保育所の運営がしっかりと行われ続けていくように、厚生労働省としても注視をしなければならないというふうに考えております。
 現在、院内保育所に勤務されている保育士さんにつきましては、現在の事業者から、まずは次の事業者に雇用を継承することによって、引き続き、同じ職場で勤務が継続できるようにすることを第一として、仮にそれができない場合には、現在の事業者が、自身のグループ会社に紹介することなどによって対応をする意向であるというふうに私どもは聞いているわけでございますので、万全を尽くして、子供さんのためにも、保育士さんのためにも、スムーズな移行ができるようにしてまいりたいと思っております。
#58
○本村(伸)分科員 この件では、営利企業への民間委託の不安定さということが明らかになったというふうに思うんですけれども、本来、継続的な事業であり、これを継続的に公的に責任を持ってやることが必要だというふうに思います。
 先ほども、大臣は厚生労働省としてもしっかりとやっていくんだということを御答弁していただいたんですけれども、子供さんの保育の継続、保育士の皆さんの雇用の継続、医療体制がしっかりととれる保障をしていただきたいというふうに思っております。
 今、医師も看護師も不足しているという中で、現場で子育てをしながら本当に必死に頑張っている保育士の方々、あるいは看護師の方々、こういう方々を不安な思いにさせては絶対にいけないというふうに思うんです。現場で悲鳴を上げながら、それでも頑張っている働いている人たちが働き続けられなくなるような、そういうことが絶対にあってはならないというふうに思います。
 安心して子供さんが過ごせる、質の高い認可保育所を国が責任を持ってやれるようにするべきだというふうに思いますし、機構直営で保育所を継続してほしいという声も届いております。
 保育士が今不足をしているという中で、保育士さんを社会の中で大事にしていくということは、子供たちに質の高い保育をしていくという点でも欠かせないというふうに思います。
 国立病院の院内保育所で働いている保育士の皆さんが、そこで働き続けたいと希望される方は全員しっかりと労働条件を保って、その保育園で働き続けられるようにするべきということ、そして、保育士の皆さんや病院職員の皆さんの声をしっかりと聞いて対応していただきたいと思います。決して一方的なやり方は絶対にやってはならない、一方的なやり方ではなく、現場の皆さんの声をよく聞いてやっていただきたいと思いますけれども、大臣の答弁をお願いしたいと思います。
#59
○塩崎国務大臣 先ほど申し上げたとおり、一番大事なことは、保育士さんについても、引き続き同じ職場で勤務が続けられるということが第一であります。
 そういうことをよく見ながら、私どもとしても、病院機構が対応を一義的にやるわけでありますから、そういった点をよく見て、そして、何よりも子供さんが困らないようにということは、お母さん方も困らないようにということでありますので、そういうような対応を機構がするように、私どももしっかり見てまいりたいというふうに思います。
#60
○本村(伸)分科員 どうもありがとうございました。よろしくお願いいたします。
 ありがとうございます。
#61
○武田主査 これにて本村伸子君の質疑は終了いたしました。
 次に、吉田豊史君。
#62
○吉田(豊)分科員 日本維新の会、吉田です。
 きょうは、武田主査、また委員の皆様の御指導をいただきながら進めていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 また、国会に参りまして三年になりますけれども、塩崎大臣に質問させていただくのは初めてでございまして、平生から大臣の冷静沈着な答弁に私は学ぶことだらけだなと思っておりますので、きょうもよろしくお願いいたします。
 初めて、きょう、厚生労働関係の質問なんですけれども、きょうの大臣の全体像の御説明をお聞きしながら、出てくる数字の桁が本当に大きいんですね。何十兆、兆という数字が当たり前のように出てくる。
 私自身は、日本という国は、一億二千万の国民がいて、そして、生まれ、ここで働き、稼いで、それを国に納めて、そして何かを得ていくという、当たり前のことかもしれませんけれども、そういうことの大きな集大成が社会保障というところにかかわってくるんだろう、こう思うわけです。
 我が国は、少子化そして高齢化というところが並行して進んでいく、世界に類を見ない、国家としての構造が今大きく動いているわけですけれども、この中でのこの分野における政策ということを考えていくと、やはり働き方、どう働くのかというところ、これをどのように捉えていくかということは一番本質的な問題であろう、こう考えるわけです。
 いろいろな問題がありますけれども、女性の方々それから高齢者の方々にどう働くことについての新しい展開をお願いしていくのか、また、それから、それぞれの労働生産性というものを上げていくこと、この重要性、一方で、長時間労働というものについての是正を行わなくてはいけないという、さまざまな問題があるんですけれども、要は、働き方の改革ということをどう行っていくかということになると思うわけです。
 改めて、働き方改革ということを掲げていらっしゃるわけですけれども、ここで何が変わっていき、そしてどのような社会の姿があるのかということについて、お考えをお聞きしたいと思います。
#63
○塩崎国務大臣 私がよく申し上げているのは、働き方というのは暮らし方そのものだというふうに申し上げておりますが、安倍内閣としては、この働き方改革について、一億総活躍社会の実現に向けた最大のチャレンジだということを総理もみずから言ってまいりました。いわば日本の文化とかあるいはライフスタイルを全体として変えていくということですから、極めて大きなテーマであるというふうに思います。
 人口減少が進んでいる、大変厳しい高齢化、そして人口減少、働く人口も減っています、そこに加えて少子化という、四つの人口問題が一遍に来ているという、先進七カ国の中では唯一日本がそういう状況になっておるわけであります。そういう中で、多様な人材が活躍できる、これはすなわち、男性でも女性でも、高齢者でも若い人でも、障害があってもなくても、難病を持っても持っていなくても、あらゆる立場の方々がそれぞれの能力いっぱいいっぱいに働けるということが実現できる社会にどうしていくのかということだというふうに思います。
 今回、特に注目をされたのは、長時間労働の問題が電通の問題もあって大きくクローズアップされましたが、それにあわせて我々は考えなきゃいけないのは、大事なことは、時間当たりの生産性を上げて、その結果として、企業も適正な利益を上げられるようになり、さらに働く人たちの賃金もそれなりのものが、納得できるものが得られるという状況をつくっていくことが大事なんじゃないか、それが私どもとしても大きなまた目標の一つだと思っております。
 では、そのために何をするのか。同一労働同一賃金のガイドライン案の前文に明確に書かせていただきましたけれども、やはり職務の明確化、つまり、何の仕事をやるのかということを明確にして、それに必要な能力というのは何かということもはっきりさせた上で、それを実際に働く中でよく見てもらう、公正な評価を受ける。評価というのはやはり賃金につながるわけでありますから、そういう意味で、公正な評価をされるということは頑張れば結果が出るということですので、頑張る人へのインセンティブというものをしっかりと提供するということで、魅力ある働き方というものを実現していくということが大事なんだろうなというふうに思います。
 今、日本の生産性というのは世界の中でも大分劣位にあるわけでありますし、競争力もかつてほどでは全くないということなので、これからは、一人一人の働くことが喜びとなる一方で、地域の経済も、あるいは日本経済全体も再生をしていく、成長の実現ということで、私は、働く喜びと成長の好循環、こう言っているわけでありますが、こういうことを実現するためには、やはり、今まではなかったような働き方も含めて、広く、多様で、柔軟な働き方を受け入れられる日本に変えていくことが大事だというふうに思います。
#64
○吉田(豊)分科員 本当におっしゃるとおりで、今大臣の言葉の中に職務の明確化をしていくという、これはとても大事なことだと思うんです。
 私ごとでもないですけれども、私は今どのような状況かといいますと、富山県富山市出身でございまして、富山の方は御存じのように政治不正で非常に揺れている町で、その市議会の選挙がきのうから始まっております。
 我が党の日本維新の会は、とにかく身を切る改革、こういう言葉で言っていますけれども、具体的に言うと、本当は、身を切るということの意味は、自分が何をしているかということを明確に見ていただくということだろうなと私は理解しているんです。
 今ほどの大臣の言葉の中の職務の明確化ということからすると、政治家も一つの仕事として何をするものなのか明確にしなくちゃいけないということだと思って、それが明確になれば公正な評価ということにつながる、本当におっしゃるとおりだなと。済みません、ちょっと頭の中が実は選挙のことでいっぱいのところもあるものですから、そんなふうにもお聞きしたんです。
 この職務の明確化というのは、やはり働きがい、それは、おっしゃった、改革は何が改革かといったら、働くことは暮らし方を変えることだ、もう一つ言うと生き方そのものだということになると思うんですね。
 大事なのは、私たちの、先ほど私が申し上げた、生まれて、育って、働いて、そして稼いでという、これはサイクルのように見えますけれども、一人一人にとっては一方通行の、不可逆の、一回しかない、そういう人生そのものだというところからすると、このような働き方改革ということを行うというのは、それぞれの世代にとって、環境というのは自分では変えられない部分ですから、その中でどういうふうにして、今最初におっしゃった働く喜び、それは生きる喜びということでしょうけれども、そこにつなげていくのかということだと思うと、この働き方改革、一億総活躍ということは本当に大きなテーマである。
 そして、我が国は、長く、言葉がいいかわかりませんけれども、受け身的な部分が結構あったと思うんですね、一人一人の生き方として。でも、これをどう主体的に変えていくのかという本当は考え方自身のシフト、チェンジになっていかなくては、このさまざまな改革というのは進まないだろう、こう思うわけです。
 今政府の方は働き方改革実現会議ということを行っていらっしゃるわけですけれども、具体的に、働き方改革実行計画というものがあるとお聞きしましたが、ここにどのように今ほど大臣がおっしゃった考え方が反映されて、それからどう取り組んでいくかということについて、お聞きしたいと思います。
#65
○下間政府参考人 お答え申し上げます。
 働き方改革実現会議におきましては、そのテーマとして、賃金引き上げと労働生産性の向上、それから雇用吸収力の高い産業への転職、再就職支援、人材育成、格差を固定化させない教育の問題を含む、全体で九つの分野について具体的な方向性を示すための議論が行われまして、その成果として、三月二十八日の第十回の実現会議におきまして、働き方改革実行計画を取りまとめたところでございます。
 実行計画におきましては、単線型の日本のキャリアパスを変え、再チャレンジが可能な社会としていくためには、転職、再就職など新卒以外の多様な採用機会の拡大が課題であり、雇用吸収力や付加価値の高い産業への転職、再就職を支援することは、国全体の労働参加率や生産性の向上につながるということとしてございます。
 このため、今後の取り組みといたしまして、転職、再就職の拡大に向けた職業能力、職場情報の見える化として、AI等の成長分野も含めたさまざまな仕事の内容、求められる知識、能力、技術、平均年収といった職業情報につきまして総合的に提供するサイト、日本版O―NETを創設することや、また、これまでそれぞれ縦割りとなっていた、女性が働きやすい企業の職場情報と若者が働きやすい企業の職場情報をワンストップで閲覧できるサイトを創設すること、あるいは、転職者の受け入れ企業支援といたしまして、成長企業が転職者を受け入れて行う能力開発や賃金アップに対する助成の拡大でございますとか、産業雇用安定センターについて、中小企業団体等と連携してマッチング機能を強化すること、年齢にかかわりない多様な選考、採用機会の拡大に向けまして、転職者の受け入れ促進のための指針策定や経済界への要請、転職、再就職向けのインターンシップのガイドブックを作成することなどに取り組むということをしているところでございます。
 以上でございます。
#66
○吉田(豊)分科員 今ほどの御説明の中で、やはり雇用の流動化というところをどう支えて、そしてそれを推進していくのかということになるかなと思うんですけれども、産業とすれば、当然、成熟産業、あるいはこれからなくなっていくだろう産業、新しく生まれてくる成長産業、いろいろあるんですが、我が国の場合は、基本的には、一つの会社に入ってそこにずっと勤めていくという、終身雇用という言葉もありますけれども、そういう流れの中でずっと大きく拡大してきた。こういう状況がある中で、一つ手前の本村委員の方からも質問がありましたが、なかなか雇う側の方も、こういう状況について、雇用というもの、それからそれぞれの仕事が流動化していくんだよということを理解できていない部分というのがあると思うんですね。
 ですから、重要なことは、そういう仕組みに変わっていくんだという意味で、例えば、労働一つとっても契約してやるんですけれども、契約を終了するということがハードルが高いわけです、精神的にも、いろいろな意味においても。そういうことも、そうではなくて、当たり前のようにそれができるようにしていくという仕組みとして政府がサポートしていく、それをやはり考えていかなくちゃいけないだろうと思います。
 いろいろな意味で、雇用を一回切れるということについては当たり前のように簡単にできる、そういうルールを明確にしていく。それから、当然、雇用関係という契約を結ぶわけですから、それ自身がそこにおいてどのような、重たいことは重たい話なので、これを、解雇という言葉が合うかわかりませんけれども、こういうものがきちんと話し合いがまとまらなかった場合についてもどういうふうにしていくかという、さまざまなことの対応がスムーズに進んでいくという。こういう環境を私は整備していくことが必要だろうと思うんですけれども、改めて、このことについての政府の考え方を確認させていただきたいと思います。
#67
○山越政府参考人 お答え申し上げます。
 雇用終了をめぐる紛争解決のあり方についての御質問でございますけれども、この問題につきましては、現在、御指摘がございました解雇無効時の金銭救済の問題も含めまして、労働紛争解決システムをどうしていくかということにつきまして、労使を含めた有識者の検討会で検討を進めているところでございます。
 検討会では、さまざまな論点につきまして幅の広い観点から議論を深めていただいているところでございますけれども、その中では、今申しましたような金銭救済制度の問題も議論をいただいているところでございます。
 この検討会の出発点となりました日本再興戦略の中では、雇用終了をめぐる紛争処理の時間的、金銭的な予見可能性を高めることでございますとか、御指摘がございました人材有効活用でございますとか、個人の能力発揮に資するような観点からこういったことを検討するということが盛られているわけでございまして、こうした視点を踏まえまして、今後、鋭意検討を進めてまいりたいというふうに思います。
#68
○吉田(豊)分科員 それでは、少し具体的な分野、現場ということで考えてみたいと思うんですけれども、私が今住まいしているところは、富山の県立中央病院というのが富山で一番大きな、県道にあるんですけれども、そこから五十メーターぐらいのところで、富山県の方はドクターヘリというのを導入したんですね。そのおかげといえばいいか、毎日私の家の真上をヘリが通っていって、ドクターヘリというものの存在自身は、非常に多くの方々の命を救っているという意味で、すばらしいなと思っています。ただ、その通る回数が本当に多いので、それだけやはり需要といえばいいか、あるんだなというふうにも感じているわけです。
 この医療のこと一つをとっても、よく医師不足ということを言われますけれども、それはそれで、確かにそうなのかもしれません。人口が当然若年層が減ってきていますから、それはそうかもしれませんけれども、医療に対して私たちが消費者として、言葉がいいかわかりませんけれども、求める部分もどんどんどんどんやはり大きくなっていて、そのこと自身が根本的に、まあ医師不足という話になってしまうんですけれども、そうではない全体像からすると、医療分野一つをとっても、何をどれだけ私たちは求めるべきなのかということについてもそろそろ考えていかないと、求めることばかりで、応えていこうとすると、それは明らかに、構造的にもたないわけです。こういうこともぜひ、もちろん政府とすればお考えの上だろうとは思います。
 ただ、今ここでお聞きしようと思いますのは、具体的に、医師という一つの仕事に対して、それがどのような今ニーズがあって、例えば偏在している、この日本という国の中で、当然、都市と地方、そういう大きな人口移動が進んでいるところ、とまらない状況ですから、この中でも医師の偏在という問題も当然あるでしょうし、それから、医師の担当分野においては、子供は少なくなっているけれども、それ以上に、例えば産科医それから小児科医、こういう方々が不足しているという声はよく聞きます。
 こういう部分についても、医師不足の対策、それから、これに今どのように取り組んでいこうとしているかということについて確認させていただきたいと思います。
#69
○神田政府参考人 お答えいたします。
 医師の確保につきましては、先生御指摘のとおり、地域的な偏在でございますとか、診療科ごとの偏在が指摘されているところでございます。
 平成二十年度から、文部科学省と連携いたしまして医学部入学定員を千七百九十五人増員いたしまして、平成二十九年度には過去最大の九千四百二十人としているところでございます。そのうち、特に、特定の地域でございますとか産婦人科、小児科などの医師不足の診療科などでの勤務を条件とした、平成二十二年度以降の地域医療再生計画等に位置づけられた地域枠による増員というのが六百十人というふうになってございまして、医師の地方への定着を推進しているところでございます。
 また、各都道府県に地域医療支援センターというものを設置いたしまして、医療機関における医師確保の状況の分析を行いまして、この地域枠の医師等を医師不足の病院に対して派遣調整を行うということをいたしております。平成二十三年四月から二十八年七月までに、全国で合計四千五百三十人の派遣、あっせんを行ってきたところでございます。
 さらに、地域医療介護総合確保基金を活用いたしまして、産科医等に対する手当の支給でございますとか、産科、小児科等に占める割合の多い女性医師の復職支援などの支援を行っているところでございます。
 新しく、先週、四月の六日に、新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会というところで報告書が取りまとめられておりますけれども、その中で、医師の勤務実態でございますとか働き方の意向、キャリアの意識を把握するということで約一万六千人の医師の方々の実態を調査いたしましたが、それによりますと、地方の勤務の意思があるという医師の回答は約四四%、それから二十代では六〇%ある一方で、その障壁となる要因といたしましては、労働環境への不安でございますとか、希望する内容の仕事ができないなどのキャリア形成の不安であるということが明らかになっております。
 こうしたことから、多くの医師は地方での勤務に魅力を感じておりますので、キャリア形成や生活の支障を来す要素が取り除かれれば、地方で従事する可能性が高いということが示されております。
 これを受けまして、この報告の中では、地域医療支援センターが大学医局等と協力して、キャリア形成プログラムの作成等を通じて若手医師のキャリア形成の支援を行うということですとか、地域医療支援センターと医療勤務環境改善支援センターが協力して、僻地で従事する医師に対しまして、休日代替医師の派遣ですとかグループ診療の調整など、医師の勤務負担の軽減を図ることなどの内容が提言されております。
 厚生労働省としては、この報告書の内容を踏まえ、具体化の検討を行うなど、地域における医師確保に向けてさらに検討を進めてまいりたいと考えております。
#70
○吉田(豊)分科員 非常に丁寧な、そして具体的に今現場で取り組みをなさっているという例を聞いて、心強く思いました。特に、四四%それから六〇%という、当初の、医師になってできたてほやほやの方々の考え方が、やはりやってみたいという思いを持っていらっしゃるということは心強いことです。
 少しさかのぼりますと、結局は、我が国の雇用というものは医師の業界においても終身雇用的な要素があって、一回そこに勤めたらそこから離れないというようなことは、本質的に、歴史が、そうつくり上げてきたわけですね。
 よくお聞きするのは、医師の世界というのは、それこそ学閥で、派閥とかじゃないけれども、そういうのがきちっとあって、そこから外れてしまうといろいろな可能性がなくなってしまう、こういうことも現実にあるんだろうと思いますし、今も残っているんだろうとは思うわけです。
 こういうことは、これから働き方改革ということは、まさに医師、医療の方々の世界においても実現していくために、今入り口のところをこうやって改革されたということは非常にすばらしいと思いますし、それに試みで、ではそこで頑張ってみようかという方々が、地域、地方、さまざまなところで経験をなさって、そのことがより高いキャリアとして評価されて、そしてそれを次のところにつなげていくことが可能になるためにはその後のサポートこそ一番大事な部分になると思いますので、ぜひその部分についての考え方を推し進めていただく。
 そのときの障害になるのは、今ほど申し上げた、今までのヒエラルキーでやってきた仕組みというそのもの、あるいは実際の権限を持っている方々だろうと思うわけですね。そこの部分について、改革していくということはそこを集中的に変えていくということだというふうな、もちろん御認識は持っていらっしゃると思いますけれども、それについては私たち自身も応援していかなくちゃいけないことだろうと思いますので、ぜひ積極的に進めていただきたい、こう思います。
 あわせて、医師のみならず、看護師等の医療従事者の方々、この方々も今まさに、現場とすれば一番人手が足りない、そしてさまざまな状況に困っていらっしゃる部分があるということをお聞きするわけです。
 検討会等でも、平成二十七年から義務化されている看護師の、例えば働くこと、離職において次のチャンスを考えていくという意味での届け出、こういうものについていろいろな試みがあるとお聞きしていますが、現状これはどうなっているのかということをお聞きしたいと思います。
#71
○神田政府参考人 御指摘の看護師等が医療機関を離職した際の届け出制度についてでございますが、これは平成二十六年の法律改正によりまして制度化されたものでございますけれども、離職の際に連絡先ですとか復職の意向などを都道府県ナースセンターに届け出るということで、二十七年十月に施行されております。
 この施行から一年六カ月の間におけます届け出件数でございますけれども、累計で四万四千人というふうになってございまして、都道府県ナースセンターによる復職支援などを通じて実際に就職に結びついた方は、この三月までに約三千人というふうになっているところでございます。
#72
○吉田(豊)分科員 ぜひその仕組み自身を当たり前のように使える状況に持っていっていただきたい、こういうふうに思います。
 もう少し医療のところへ入りますけれども、私、先ほど富山県と申し上げましたが、富山県出身ですと言うと、必ず皆さん、ああ、薬の富山ね、必ずこの言葉が返ってくるんですけれども、富山県の方でも、薬の富山にふさわしい県として、今、なりますようにということで改めて頑張っておるんですが、ことしになって、全国都道府県の中で富山県が薬関係の生産高が全国一だという立場を初めて頂戴いたしました。
 これは、富山として薬の富山を頑張っていこうということの一つのあらわれとして、私たち県民としても喜んでおるところでございますけれども、富山のみならず、さまざまな薬の部分、医療の財政、そこについて一番大きいのはやはり薬についての価格の問題もあると思いますが、後発薬の使用とか、それからそれぞれのセルフメディケーションの推進とか、そういう状況をどう生み出すのかということによって、公的医療保険に関する負担、これをどう引き下げていくかということは大事だろうと思うんです。
 最初に私、富山県の薬の販売が上がってうれしいと言ったけれども、実は、本当は、全体として薬にかかわる部分というものがなくなっていくことの方が、自分たちで健康でということからすると矛盾する部分もあるなとは思っておりますけれども、この部分について、取り組み、それから現在の評価について確認させていただきたいと思います。
#73
○鈴木(康)政府参考人 後発医薬品の使用促進、それからセルフメディケーションについてお尋ねがございました。
 後発医薬品の使用促進につきましては、医療資源を有効活用し、医療保険制度を持続可能なものにするためには非常に重要なものだというふうに考えております。
 現在、平成三十二年度末までのなるべく早い時期に後発医薬品の数量シェアを八〇%にするという目標を掲げておりまして、安定供給、品質に対する信頼性の向上、診療報酬や薬価上の促進策など、さまざまな施策を講じております。
 その結果、現在の数量シェアは、薬局調剤分のデータでございますけれども、平成二十七年から二十八年にかけまして七ポイント伸びまして、六七・五%に達しております。また、使用促進による医療費の適正化効果でございますけれども、平成二十五年度の薬価調査の結果では五千五百億円程度ということになっております。
 次に、セルフメディケーションでございますけれども、医療需要の増大を抑えつつ国民の健康を促進する観点から、非常に重要と思っております。
 これについては、医療用の医薬品から一般用に転換するスイッチOTCを促進すること、それから、平成二十八年十月より健康サポート薬局というものの届け出、公表を開始していること、それから、本年一月から医療費控除の特例としてセルフメディケーション推進のためのスイッチOTC薬の控除の施行をしていることなどの措置を講じております。
 我が省といたしましては、皆保険を維持していくために、質が高く効率的な医療の提供、それから医療費適正化に向けて引き続き取り組んでいきたいというふうに思っております。
#74
○吉田(豊)分科員 続いて薬のことですけれども、薬価制度というものがあるということですけれども、普通の人は知りませんわね。消費者として薬を買う人は薬価制度と言われても何のことかという話だと思いますが、これを抜本改革を進められているということで、私も、ここに来まして、オプジーボという薬があって、この薬価改定が非常に大きな注目を集めているということなんですが、これは本質的にどのような意味があって、そしてどのような取り組みかということについて、改めて確認させていただきたいと思います。
#75
○鈴木(康)政府参考人 まず、御指摘のオプジーボでございますけれども、これは、悪性黒色腫を対象にまず平成二十六年に保険収載をされましたが、その後、非小細胞の肺がんが効能に追加されたことによって大幅に市場が拡大をいたしまして販売額が急増したために、昨年、価格を五〇%引き下げました。
 このように、近年、革新的かつ高額な医薬品が登場して医療保険財政への影響が懸念されていることから、昨年末に薬価制度の抜本改革に向けた基本方針というものを政府で取りまとめまして、これに基づいて、国民皆保険の持続性それからイノベーションの推進を両立しながら、国民が恩恵を受ける国民負担の軽減と医療の質の向上を図るということにしております。
 具体的には、負担を軽減するという観点から、効能追加等に基づく市場拡大に対して、新薬収載の機会を最大限活用して年四回薬価を見直す、それから、診療報酬改定の中間年においても価格乖離の大きな品目について薬価改定を行うということとしております。
 他方、イノベーションは非常に大事でございますので、ゼロベースで新薬創出加算を見直す、それから、費用対効果の高い医薬品には価格の引き上げも検討するということとしております。
 こうしたことで、具体策については、先ほど大臣から申し上げましたように、中医協において検討したいというふうに思っております。
#76
○吉田(豊)分科員 短い時間ですけれども、いろいろお聞きしてまいりまして、やはり最初に申し上げましたように、せっかくこの国に生まれて、そして一生懸命働いて、稼いで、税を納めて、そして最終的に得るものは何かという、社会保障制度というところの中で具体的に何を本当に求めることが大事なのかということは、改めて私たち一人一人の側の方が考えないと、あれもこれも求めていくということは、もう明らかに破綻するわけですね。
 こういう状況の中で、今、社会保障制度、我が国のこの問題について支えていただく、どういう仕組みをつくっていくかということについて先頭に立って頑張っていただいている大臣に、改めてここの部分、医療制度、それから持続可能という観点においてどのようにお考えかということを確認させていただきたいと思います。
#77
○塩崎国務大臣 先ほど申し上げたように、人口問題に直面をしている、それも深刻な人口問題と考えるべきだろうと思います。早晩どの国も高齢化をするわけでありますから、日本がどうこの高齢化を中心とする人口問題を乗り越えて、社会保障をちゃんと持続可能なものとして、また皆さんが納得できるものとして続けられるかというのを、皆さん、世界から注目をしていただいているんだろうと思います。したがって、これはどうしても成功して、みんなに日本と同じことをやればうまくいくんだというふうに言っていただけるように、頑張らないかぬと思っております。
 団塊の世代がたちまち七十五歳以上となるのは二〇二五年。制度の持続性を確保する、そして我々は国民皆保険というのを持っているわけですが、それを堅持しながら、あらゆる世代の国民一人一人が、みずからの状況、状態に応じた、安心で質が高い効率的な医療を受けられるようにするということが大事だ、医療に関しては特にそう思います。
 我が国が世界に先駆けて超高齢社会に直面する中で、医療費の効率化、一人一人の健康寿命の延伸ということを課題に取り組むことが必要で、そのためには、やはり最先端のITなどの技術もフル活用する、AIとかいろいろ最近言われていますが、そういうことが大事だというので、ことし一月に省内にデータヘルス改革推進本部というのを立ち上げました。
 この中で、健康、医療、介護のビッグデータ活用や、それから医療連携のための基盤整備などの改革を進めることにしておりまして、医療保険者によるデータヘルス計画に沿った取り組み、あるいは糖尿病重症化予防事業等の先進的な取り組みの横展開などとあわせて、国民みずからによる、自分で健康管理をしていくという、先ほどの富山方式でしょうか、それから、かかりつけ医を初めとする医療関係者による効率的な医療の提供など、個人に最適な健康管理や診療、ケアも実現をしていくということで、もちろんビッグデータの分析にもたえられるようにということであろうと思います。
 いずれにしても、中長期的に医療費はふえ続けるかもわかりませんので、そうなると、その賄う財源として、保険料、自己負担、そして公費、この三つしかありませんから、それをどうやって賄っていって、なおかつ、財政状況や関係者の意見などを踏まえて、これは持続可能だなというところまで持っていくために不断の努力をしていかなければならないというふうに思います。
#78
○吉田(豊)分科員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 終わります。
#79
○武田主査 これにて吉田豊史君の質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#80
○武田主査 これより農林水産省所管について審査を行います。
 まず、概要説明を聴取いたします。山本農林水産大臣。
#81
○山本(有)国務大臣 平成二十六年度及び平成二十七年度における農林水産省の決算の概要を御説明申し上げます。
 最初に、平成二十六年度について申し上げます。
 まず、一般会計の歳入につきましては、歳入予算額五千五百十五億円余に対しまして、収納済み歳入額は五千九百五十三億円余であります。差し引きますと、四百三十八億円余の増加となっております。
 次に、一般会計の歳出につきましては、歳出予算現額三兆千八百十八億円余に対しまして、支出済み歳出額は二兆六千三百二十七億円余、翌年度繰越額は四千六十四億円余、不用額は千四百二十六億円余となっております。
 次に、特別会計の決算について御説明申し上げます。
 食料安定供給特別会計等の三会計を合わせて申し上げますと、収納済み歳入額は一兆五千六十七億円余、支出済み歳出額は一兆二千九百十六億円余でありまして、歳入歳出差し引き二千百五十一億円余のうち、食料安定供給特別会計等の二会計において翌年度に支払いが予定されている額二百八億円余を控除した結果、千九百四十三億円余の剰余を生じました。この剰余金は、翌年度の歳入に繰り入れること等といたしました。
 以上をもちまして、平成二十六年度における農林水産省の決算の概要に関する説明を終わります。
 引き続きまして、平成二十七年度における農林水産省の決算の概要を御説明申し上げます。
 最初に、一般会計について申し上げます。
 まず、一般会計の歳入につきましては、歳入予算額四千四百一億円余に対しまして、収納済み歳入額は五千二百九億円余であり、差し引きをいたしますと、八百七億円余の増加となっております。
 次に、一般会計の歳出につきましては、歳出予算現額三兆千三百三十二億円余に対しまして、支出済み歳出額は二兆七千三百六十三億円余、翌年度繰越額は三千三億円余、不用額は九百六十四億円余となっております。
 次に、特別会計の決算について御説明申し上げます。
 食料安定供給特別会計等の二会計を合わせて申し上げますと、収納済み歳入額は一兆四千百六十億円余、支出済み歳出額は一兆二千九百六十二億円余でありまして、歳入歳出差し引き千百九十八億円余のうち、食料安定供給特別会計において翌年度に支払いが予定されている額百五十五億円余を控除した結果、千四十三億円余の剰余を生じました。この剰余金は、翌年度の歳入に繰り入れること等といたしました。
 以上をもちまして、平成二十七年度における農林水産省の決算の概要に関する説明を終わります。
 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#82
○武田主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院臼杵審議官。
#83
○臼杵会計検査院当局者 平成二十六年度農林水産省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。
 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項二十五件、意見を表示しまたは処置を要求した事項三件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項六件であります。
 まず、不当事項について御説明いたします。
 検査報告番号三一二号から三一六号までの五件は、会計経理が適正を欠いていたもの、同三一七号は、設計が適切でなかったもの、同三一八号から三三五号までの十八件は、補助事業の実施及び経理が不当なもの、同三三六号は、交付金の交付が過大となっていたものであります。
 次に、意見を表示しまたは処置を要求した事項について御説明いたします。
 その一は、森林環境保全整備事業における鳥獣害防止施設等整備の標準単価の設定に関して是正改善の処置を要求いたしたもの、その二は、研究に関する委託事業により取得した物品の管理に関して適宜の処置を要求し、及び是正改善の処置を要求し、並びに改善の処置を要求いたしたもの、その三は、農業・食品産業強化対策整備交付金事業における成果目標の達成状況の評価等に関して改善の処置を要求いたしたものであります。
 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。
 その一は、配合飼料価格安定対策事業の実施に関するもの、その二は、耕作放棄地再生利用緊急対策交付金事業の実施に関するもの、その三は、暗渠排水工事の実施に関するもの、その四は、調査用自動車の取得台数の算定に関するもの、その五は、除塩事業の実施に関するもの、その六は、インターネット上からの通信が可能なサーバー上で利用していたサポート期間が終了しているソフトウエアの更新等に関するものであり、これら六件について指摘したところ、それぞれ改善の処置がとられたものであります。
 続きまして、平成二十七年度農林水産省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。
 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項二十八件、意見を表示しまたは処置を要求した事項八件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項四件であります。
 まず、不当事項について御説明いたします。
 検査報告番号二二一号は、設計が適切でなかったもの、同二二二号及び二二三号の二件は、委託費の支払いが過大となっていたもの並びに補助事業の実施及び経理が不当なもの、同二二四号から二四六号までの二十三件は、補助事業の実施及び経理が不当なもの、同二四七号及び二四八号の二件は、補償費の算定が過大となっていたものであります。
 次に、意見を表示しまたは処置を要求した事項について御説明いたします。
 その一は、農業農村整備事業の実施における既存公共施設等の移設補償費の算定に関して適宜の処置を要求し、及び是正改善の処置を要求いたしたもの、その二は、国有林野事業における立木販売に係る造材作業及び集材作業に係る経費の積算に関して是正改善の処置を要求いたしたもの、その三は、森林病害虫等防除事業等における樹幹注入の補助単価の設定に関して是正改善の処置を要求いたしたもの、その四は、木造公共施設等の整備事業における補助対象とする工事の範囲及び事業の採択基準に関して意見を表示いたしたもの、その五は、強い農業づくり交付金事業等によるTMRセンターの整備に係る事業効果に関して改善の処置を要求いたしたもの、その六は、経営体育成支援事業における経営改善目標の設定及びその達成状況の確認等に関して改善の処置を要求いたしたもの、その七は、都市農村共生・対流総合対策事業の実施に関して改善の処置を要求いたしたもの、その八は、機能保全計画に基づく漁港施設の維持管理に関して改善の処置を要求いたしたものであります。
 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。
 その一は、森林における除染等実証事業の実施に要した費用の関係原子力事業者に対する求償に関するもの、その二は、農業基盤整備促進事業等の実施に関するもの、その三は、農業水利施設としての揚排水機場に関するもの、その四は、六次産業化ネットワーク活動交付金等により実施する農林水産物等の加工等のために必要な施設の整備に関するものであり、これら四件について指摘したところ、それぞれ改善の処置がとられたものであります。
 以上をもって概要の説明を終わります。
#84
○武田主査 ただいまの会計検査院の指摘に基づき講じた措置について説明を聴取いたします。山本農林水産大臣。
#85
○山本(有)国務大臣 会計検査院から御報告のありました平成二十六年度及び平成二十七年度決算検査報告に対しまして、農林水産省が講じた措置を御説明申し上げます。
 予算の執行に当たりましては、常に効率的かつ厳正な処理に努力してまいりましたが、不当事項等として指摘を受けるような事態が生じましたことは、まことに遺憾であります。
 指摘を受けた事項につきましては、不当事項について、指摘に基づき直ちに是正や改善措置、補助金の返還、手直し工事を実施するとともに、それ以外の処置要求事項等につきましても、指摘に基づき是正や再発防止のための改善措置を講じているところでございます。
 今後、このような事例の発生を未然に防止するため、指導監督の強化を図り、事業等の厳正かつ効率的な実施に万全を期すとともに、予算の適切な執行をより一層徹底してまいる所存であります。
#86
○武田主査 この際、お諮りいたします。
 お手元に配付いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#87
○武田主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#88
○武田主査 以上をもちまして農林水産省所管についての説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#89
○武田主査 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。佐藤英道君。
#90
○佐藤(英)分科員 おはようございます。公明党の佐藤英道でございます。
 きょうは、六つのテーマでお話をさせていただきたいと思います。
 まずは、「世界盆栽大会inさいたま」についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 いよいよ今月の四月二十七日木曜日から、世界盆栽大会がさいたまスーパーアリーナで開催をされます。世界盆栽大会は今回で八回目の開催、一九八九年の第一回大会の開催以来、二十八年ぶりの日本での開催となりました。今大会は、盆栽発祥の日本で開催されることもありまして、世界じゅうの盆栽関係者や愛好家が多数来場される熱い大会になるのではないかと予想されるところでございます。
 会場となります埼玉県さいたま市の北区には盆栽町という町名があるとおり、世界から注目を集める盆栽のメッカでもございます。私も農水の政務官のときに現地を訪問させていただきました。大宮の盆栽美術館にもお伺いさせていただきましたけれども、当時は地元の議員の代表として矢倉政務官も一緒に見学をさせていただいたことが、今でも私は脳裏に焼きついております。
 それこそ、小さな鉢の中に壮大な自然の景色をつくり出す芸術作品、静的な絵画や彫刻などとは違い、四季を通して、自然が織りなす美しい変化や生命の鼓動を感じることができる盆栽、私はやはり、ぜひ世界に広めていかなければならないのではないかと強く痛感をいたしました。
 また、海外の方にも非常に多くの盆栽ファンがおり、アニメや和食などと同じく、日本の魅力を象徴するコンテンツの一つとしてもよく知られているところであります。盆栽は、メジャーな英英辞典でもローマ字でbonsaiの項目があるなど、世界の共通語としても認知されており、その評価は大変に高い。欧米などにも数万部を発行する専門誌もあり、国によっては盆栽の大学や美術館まであるとも伺っているところであります。
 そこでお伺いをいたしますが、今回の世界大会の開催に向けまして、農林水産省も後援しておりますけれども、しっかりと応援をしていただきたいと思います。応援の体制並びに、盆栽の輸出額もかなり伸びていると聞いておりますけれども、現在の状況はどうなっているのか、御質問させていただきたいと思います。
#91
○矢倉大臣政務官 ありがとうございます。
 佐藤委員が農林水産大臣政務官時、大宮の盆栽美術館を御視察いただきまして、私も同行させていただいたのですが、世界盆栽大会の成功に向けての機運を大いに盛り上げていただいたところであります。私もきょうはPRのバッジをつけさせていただいておりますが、清水さいたま市長以下も、本当に意を強くしたと感銘を受けて、感謝をされておりました。
 引き続きの御関心を賜り、改めて御礼を申し上げたいというふうに思います。
 御案内のとおり、四年に一回開催されます世界盆栽大会、盆栽の国際化に向けて大きく寄与しておりました。今回は二十八年ぶりにこの日本で開催されるということでもありまして、農林水産省といたしましても、我が国の盆栽の魅力を国内外に広く発信する重要な機会であると捉えて、応援をしているところであります。
 まずは、農林水産省といたしまして、この大会を後援いたしております。その上で、今回の大会に向けて、外国から来場される方が盆栽を持ち帰って、その魅力を帰国後に伝えてくださるように、会場内に検査ブースを設置いたしました。植物防疫官を常駐させて、その場で植物検疫証明書を発行するようにいたした体制をとっております。
 また、多くの方に御来場いただけるよう、これまでさまざまなPRを行ってまいりました。花卉関係者によるセミナーをさいたまで開催いたしまして、私も参加させていただいたんですが、テレビ等でも有名な山田香織先生にもデモンストレーションをしていただいて、全国で応援をする機運を盛り上げたところであります。
 また、農林水産省内に、消費者の部屋という展示の会場があります。こちらは、ID等がなくてもどなたでも入られる、外国人を含めた観光客の方も省内に入られるような場でありますが、そこでもPRもして、さらには広報誌等を活用した世界盆栽大会のPRに積極的に努めて、力強く応援の体制をとっているところでございます。
 また、委員から、輸出というところをお話ございました。
 我が国の盆栽は、その美しさが、委員も、小さな空間に自然が凝縮されているというふうにもおっしゃってくださいましたが、まさに芸術品として世界の方々に今高く評価をされており、それは、若い世代も含めて、世代を超えて広く今評価をされているところであります。
 この盆栽の輸出額ですけれども、平成二十八年は植木と合わせて八十億円となっており、花卉輸出の有力な柱となっております。
 特に、検疫の問題があるわけですが、EU向けでは、例えば五葉松のみがこれまで可能でありましたが、委員が昨年の三月六日に大宮に来られたその数日後に、クロマツの輸出を認めるようにEUに要請をいたしました。昨年の十月の会合において、EU側でのリスク評価の結果、検疫が必要な病害が明らかになりまして、今後、その病害に関する検疫条件等を提示し、検疫条件の協議を行う予定であり、輸出に向けて、委員の御指導も賜って、積極的に今拡大が広がっている、着実に進んでいるところでございます。
 今後、これらの活動を通じて大会の大成功を後押しするとともに、さらなる輸出拡大に努めてまいりたいと思います。引き続き御指導いただければと思います。
#92
○佐藤(英)分科員 本当に農林水産省を挙げて取り組まれていることを伺いました。ぜひ、大成功に向けて今後もよろしくお願いをしたいと思います。
 次に、昨年の台風による北海道の農業被害等についてお伺いをしてまいりたいと思います。
 昨年は、熊本の地震を初め全国で大きな被害が頻発し、農業も大変な被害をこうむりました。私の地元北海道でも、台風による大雨被害が発生し、多くの河川が氾濫をいたしました。余りにも甚大な被害のために、鉄道や橋梁、道路など、土台から崩落し、いまだに復旧できない箇所もございます。
 こうした中、山本大臣におかれましても、また矢倉政務官におかれましても、いち早く北海道の現地にお伺いをして現地を見ていただいたことは、本当に地元の農家の人たちも喜んで、また勇気をいただいたと思っているところでございます。
 北海道の中でも、農業の一大食料生産基地とも言える特に十勝地方においては、広大な農地が土ごと流されるという極めて甚大な被害でございました。
 改めて被害の大きさを確認するという意味も含めて、昨年の北海道の農業が受けた被害の実態について、どのようになっているのか、お伺いをしたいと思います。
#93
○塩川政府参考人 我が国最大の食料基地であります北海道におきまして、昨年八月に、台風七号、十一号、九号、十号と、短期間のうちに四つの台風が襲来をしたところでございます。この一連の台風による河川の決壊等によりまして、土砂の流出や堆積など、約四千七百ヘクタールの農地に被害が発生するとともに、農作物の冠水、流出、農業ハウスや畜舎の損壊、共同利用施設への浸水などによりまして、農業関係で五百四十億円を超える甚大な被害が発生したところでございます。
#94
○佐藤(英)分科員 被害を受けた面積が四万ヘクタール、農業被害額五百四十億円、今改めて聞くと、その被害の大きさに言葉を失ってしまうところでございます。
 昨年の台風被害は収穫期に差しかかっている中で発生したために、それまでの苦労が一度に水泡に帰してしまうというダブルのショックでありました。また、ライフラインが途絶したことにより、酪農家や畜産農家が家畜のへい死に見舞われたり、生乳の廃棄を余儀なくされたり、大変な御苦労でありました。
 そうした甚大な被害でありましたけれども、農林水産省を初め関係機関、関係者の努力で、大変なスピード感を持って復旧が進められたと私は感謝をしております。
 また、さまざまな支援を受けて、営農再開に向けて進んでいる農家の方もふえているとは聞いておりますけれども、北海道は積雪寒冷のために、冬場は復旧も進めることは困難でありました。しかし、十勝管内では、先週六日から再び河川の掘削土を畑に入れる作業が再開されており、雪解けとともに、復旧と営農再開への動きが始まっております。
 そこで、まず、昨年のうちにどこまで復旧復興が進んだのか、また、ことしの営農再開のめどについて、現在の状況についてお伺いしたいと思います。
#95
○塩川政府参考人 お答え申し上げます。
 今申し上げましたように、土砂の流出、堆積などの被害が生じた農地面積というのは約四千七百ヘクタールでございますが、このうち、自力復旧が可能な農地を除きまして、被害が甚大な約五百ヘクタールにつきまして、災害復旧事業で復旧を進めているところでございます。これによりまして、本年秋までに、自力復旧が可能な農地と合わせまして、約四千六百ヘクタールで営農再開が可能となる見込みでございます。
 また、被害が生じた選果場などの共同利用施設のうち、十二施設につきましては、災害復旧事業で復旧を進めているところでございます。これによりまして、既に十一施設で稼働が開始をされております。また、残りの一施設、これは牧柵でございますが、これも雪解けを待ちまして工事に着手をし、本年の八月までに復旧が終わる見込みでございます。
 農林水産省といたしましては、被災された農家の皆様が希望を持って営農を継続できるように、引き続き全力で支援をしてまいりたいと思っております。
#96
○佐藤(英)分科員 今後ともよろしくお願いをしたいと思います。
 今回、決算委員会の分科会ということを踏まえまして、平成二十六年度、二十七年度の決算書を見せていただきました。特に、金額の多い不用額について、私も理由を確認させていただいたところであります。不用額と聞くと、直ちに税金の無駄遣いとか、ばらまきなどという批判の声がありがちでありますけれども、私は、実際に必要な予算をしっかりつけているということを認識もしなければならないのではないかとも思っているところであります。
 先ほど、北海道での台風被害で伺った北海道は、大雪の被害も毎年のように起こっております。また、こうした災害からの復旧や復興の対応について、十分な予算というものもきちっと取り組んでおかなければ、やはり被災をされた方々も大変に心もとないような状況になることもあるわけであります。
 特に、そうした視点で見ますと、平成二十七年度の不用額で、いわゆる、農業経営対策地方公共団体事業費補助金などがその例だと思いますけれども、百四十六億五千八百万と非常に大きな数字であります。この不用額が生じた理由について確認をさせていただきたいと思います。
#97
○大澤政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、平成二十七年度決算におきまして、農業経営対策地方公共団体事業費補助金では約百四十七億円の不用を計上いたしておりますけれども、このうちの大部分に当たります約百三十一億円が被災農業者向け経営体育成支援事業、いわゆる災害対策によるものでございますので、その経緯について御説明をいたします。
 まず、これは、平成二十六年二月を中心に関東地域等で降った大雪によりまして、農業用ハウス、畜舎などで一千四百億円を超える極めて甚大な被害が生じました。そういうことで、予算等精査した上で、被災した農業用ハウス等の復旧を支援するということで、平成二十五年度あるいは平成二十六年度に総額六百七十八億円を予算措置いたしたところでございます。
 この予算措置の執行に当たりまして、非常に大きな額でございます資材や人材の不足が生じましたため、平成二十六年度内での完了が困難になりましたので、予算の一部、約四百億円を平成二十七年度に繰り越したところでございます。
 平成二十七年度におきましては、その後、事情がいろいろございまして、まずは、ハウス栽培から露地栽培への転換それから離農ということによりまして、事業申請の取り下げが幾つかございました。それから、施設の規模の縮小、自力施工への切りかえ等による計画内容の見直しもございました。あと、入札残も若干ございまして、その三つを主な理由といたしまして、百三十一億円の不用が生じたところでございます。
#98
○佐藤(英)分科員 よく理解をいたしたところでございます。
 次に、GAPについて何点かお伺いをさせていただきます。
 近年、我が国におきましても、関係者の努力で、JGAPを中心に、経営体のGAP取得への取り組みが着々と進展していると認識をしておりますけれども、残念ながら、欧米諸国などと比較すると、まだ立ちおくれている感も否めないと思うところであります。今後ますます力を入れていくべき課題であると思います。
 私もかつて、茨城県や千葉県、静岡県、また北海道の石狩市、恵庭市、安平町、洞爺湖町など、GAPを既に取得している生産農場を視察したわけでありますけれども、やはり本当に、このGAPの取り組みというものは大きな価値があるなということを痛感いたしたところでございます。
 ただ、我が国の主力であるJGAPは、いまだ国際水準のGFSIの承認には至っていないわけでありまして、今、JGAPアドバンスという、従来のJGAPよりも高い規格を満たすGAPが、GFSIの承認を得られるよう準備を進めているわけでありますけれども、この承認を得ることができれば、我が国にも国際水準のGAPが誕生することになるとも伺っております。
 JGAPアドバンスのGFSI承認の見通しについて、まずお伺いをさせていただきたいと思います。
#99
○枝元政府参考人 お答え申し上げます。
 農業競争力の強化また輸出の促進を図る観点から、日本発のGAP認証規格でございますJGAPアドバンスの国際規格化を戦略的に推進することが重要であるというふうに考えてございます。
 具体的な進め方といたしましては、二月の下旬に公表されましたGFSIの新審査基準に対応いたしましたJGAPアドバンス規格の改定と、早期のGFSI承認申請に向けました日本GAP協会への支援、事実上の国際規格化を視野に入れた、海外、特にアジアでの規格利用拡大に向けたPR活動等の推進、日本国内におきますJGAPアドバンス認証取得の拡大支援等に取り組んでいるところでございます。
 今年度は、GFSIと日本との関係強化を目的といたしまして、GFSI主催の主要会議が日本で開催される予定と聞いてございまして、農林水産省といたしましても必要な協力を行っていく考えでございます。
 今後とも、民間団体との協力や連携を強化しつつ、JGAPアドバンスの国際規格化の実現に向けて取り組みを総合的に推進してまいりたいと存じます。
#100
○佐藤(英)分科員 二〇二〇年に開催される東京オリンピック・パラリンピックでは、提供される食材についての規格が定められております。出荷が認められるのは、JGAP、グローバルGAPの取得農場のほか、都道府県GAPでも、国が示したガイドラインに準拠しているなどの要件を満たした生産農場に限られます。
 現在、この体制が整っているのは島根県と徳島県の二県しかないとも伺っているところでありますけれども、現在、四十一の都府県がガイドライン完全準拠の確認申請中であり、県などによる確認体制の整備も進めば、オリンピック・パラリンピックに向けて出荷ができる可能性は高いとも伺っております。
 現在の取り組みが進み、比較的安い費用で取得できる都道府県GAPを取得すれば、自分のつくった農作物がオリンピック・パラリンピックに出荷できるとなれば、積極的になる農家もふえるのではないかと思います。
 今後、全ての都道府県が国のガイドライン完全準拠に取り組むよう、農林水産省からの一層の働きかけを求めたいと思いますとともに、東京オリンピック・パラリンピックに向けての取り組みについて御決意を伺いたいと思います。
#101
○山本(有)国務大臣 GAPの推進につきましては、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会における調達基準を満たす国産農産物の供給、そういうことだけではなくて、農産物の輸出の拡大や農業人材の育成など、我が国の農業競争力の強化を図る観点から、国際的に通用するGAP認証、具体的に申し上げれば、グローバルGAP、JGAPの取得を進めることが基本的な歩みだというように思っております。
 ただし、東京大会までにこれらの取得が困難な農家がいるというのは、委員御指摘のとおりでございます。都道府県等公的機関による第三者確認によるGAPにつきましても、食材を提供できることになったわけでございます。
 このため、GAPになれてもらう観点も含めまして、都道府県が取り組む認証体制を導入するための検討会の開催、指導員の育成のための研修の実施などを支援してまいりたいと存じます。
 農林水産省としましては、公的機関による第三者確認によるGAPの取り組みを国際的に通用するGAPへのステップとして位置づけまして、引き続きこれを推進して、東京大会において日本食、国産食材の魅力をアピールするとともに、東京大会のレガシーとして農林水産物の輸出の拡大や農業人材の育成につながるよう、取り組んでまいりたいというように決意するところでございます。
#102
○佐藤(英)分科員 力強いお言葉であると思います。
 さて、米や青果の生産農場ではGAPの取得が進んでいる一方で、品目によってはほとんど進んでいないものがあると聞きます。ジャガイモの取得が進んでいないとも聞きますけれども、北海道はジャガイモの一大産地であり、例えば十勝地方などでGAP取得を推進すれば、課題解決につながるのではないかとも思っている一人であります。
 平成二十八年度補正予算では、GAP取得支援事業のうち、二億円を投じて農家のGAP取得を支援しておりますけれども、今後、事業継続をする場合には、ジャガイモのようなGAP取得が進んでいない農産品にフォーカスを当てて、生産品目に傾斜的な配分が行われてもいいのではないかと思いますが、御見解を伺いたいと思います。
#103
○枝元政府参考人 お答え申し上げます。
 現在、平成二十八年度補正予算で措置いたしました国際水準GAP認証取得支援事業によりまして、集中的にGAP認証の取得を進めているところでございます。
 GAPの認証取得に関しましては、品目による難易度の差異はないものの、御指摘のとおり、品目ごとの認証取得件数のばらつきがあるというふうに認識をしてございます。
 しかしながら、全体的にはまだJGAP、グローバルGAPともに認証件数は少ないことから、GAPの認証取得の拡大に向けまして切れ目のない支援に努めるとともに、品目ごとの要因を分析いたしまして、きめ細やかな推進を図ってまいりたいと存じます。
#104
○佐藤(英)分科員 よろしくお願いしたいと思います。
 次に、日本農業遺産についてお伺いをしたいと思います。
 FAOが認定している農業遺産は、社会や環境に適応しながら何世代にもわたって形成された伝統的な農林水産業と、それとともに、その文化、景観、生物多様性などの豊かな自然環境そのものを、改めて貴重な価値を持つものだと位置づけるものであります。世界で十六カ国三十七地域選ばれているうち、既に日本からは八地域が認定をされているわけであります。
 言うまでもなく、日本には、漁業や農業、林業によって栄えてきた風景と地域文化がたくさん残されているからだと思いますけれども、そうしたことも踏まえて日本農業遺産をつくられたということは、やはり非常に意義があることであると思います。
 今回、日本農業遺産に選ばれた八件も、そこに住む人たちの知恵と労苦が結晶化された極めて美しい景観と文化を持つ地域であります。まさに遺産と呼ぶにふさわしいこうした文化や農林水産業を基とした地域、集落をいかにして守っていくかは、大変に重要な課題であるとも思っているところであります。
 まだ選定されておりませんけれども、日本農業遺産や世界農業遺産にふさわしい地域や農林水産業がたくさんあります。今後も永続的に、こうした農ある風景、浜とともに生きていく集落の価値を再発見し直す機会というものを随時提供していくべきと考えますけれども、御所見を伺いたいと思います。
#105
○佐藤(速)政府参考人 日本農業遺産についてでございますが、委員御指摘のとおり、今年度、初の認定地域といたしまして八つの地域を認定したところでございます。いずれも地域の独自色を有するものでございまして、この認定を機に地域の人々が地域の価値を再発見し、自信と誇りを醸成するとともに、今回の認定を活用した農林水産物のブランド化ですとか、農泊を通じた観光客の誘致、企業との連携、そういったものを通じまして地域振興につなげる効果が期待されるところでございます。
 農林水産省といたしましても、今後とも、日本農業遺産制度ですとか認定地域の魅力につきまして積極的に情報発信を行いまして、知名度の向上を図るとともに、既存事業の効果的な活用を実施して、認定地域の振興を支援してまいりたいというふうに考えてございます。
#106
○佐藤(英)分科員 御答弁をいただきました。
 山本農林水産大臣におかれましては、会合などでお話を伺うと、攻めの農業だけではなく、攻めの水産業、攻めの林業ということで、本当に意欲的な姿勢で臨まれていらっしゃることを、私も大変に共感をしている一人でもございます。ぜひ、日本農業遺産についてもしっかりと応援をしていただければなと思っているところでございます。
 最後に、日ロ共同経済活動についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 昨年の日ロ首脳会談を受けまして、日ロ共同経済活動について取り組みが行われるということにつきましては、私は、平和条約の締結と領土問題解決への一里塚になるものではないかと高く高く評価をしている一人であります。北方領土隣接地域を初め元島民の皆様方も、大きな期待を持ってその成り行きを見守っているところでございます。
 去る四月四日、私は公明党の北方領土問題特別委員会の一員として、きょうもいらっしゃっておりますけれども、石田政務調査会長とともに、菅官房長官に対して、この共同経済活動についての要望をお持ちさせていただきました。具体的には、日ロ共同での四島周辺の水産資源調査の実施、沿岸から沖合までの水産資源の持続的利用を図られるようにすることや、国産畜産物、乳製品の販売等の農業分野での経済活動に取り組むことなどを盛り込んでおりますけれども、漁業、海面養殖の分野での進展も大いに私は期待をしているところでございます。
 水産庁を初め官民の漁業関係者の方々も、これまで、日ソ、日ロ間での地先交渉などを通じて、四島海域周辺における漁業協定や調査活動などを実施してきました。そうしたことから、漁業や海面養殖の分野が共同経済活動の突破口になり得るのではないかという感触を持つのは私一人ではないと思います。こうした合意形成をつくり上げてきた歴史と経験が生かされるように、私は切に望みたいと思います。
 そこでお伺いをいたしますけれども、まず、交渉の前段階としての分析や、分析の前段階である情報収集が何よりも大変に重要であると思います。共同経済活動についての具体的な話が議論され出したときに、こうした漁業分野で具体的な提案ができるよう、私は、情報収集を初め、さらにしっかりとした準備を進めるべきと考えますけれども、いかがでしょうか。御見解を伺いたいと思います。
#107
○山本(有)国務大臣 共同経済活動につきましては、政府といたしまして、岸田外務大臣が座長を務める共同経済活動関連協議会におきまして、具体的案件の形成に向けた検討を現在進めているところでございます。この協議会では、地元関係者等の意見や要望も踏まえつつ、我が国の法的立場を害さない形で検討していくこととしております。
 農林水産省としましては、委員御指摘のように、情報の収集を初めといたしまして、十分な準備を行ってまいりたいという決意でございます。
#108
○佐藤(英)分科員 ぜひ、地元の、また北海道の水産業の関係者の方々も大いに期待されているところでありますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 質問を終わります。ありがとうございました。
#109
○武田主査 これにて佐藤英道君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして農林水産省所管についての質疑は終了いたしました。
 午後一時から本分科会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前十一時二十二分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
#110
○武田主査 休憩前に引き続き会議を開きます。
 厚生労働省所管について審査を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大畠章宏君。
#111
○大畠分科員 民進党の大畠章宏でございます。
 決算行政監視委員会、この分科会に質問の時間をいただきましたので、地域の実態等を踏まえながら、厚生労働関係、今回は、特に認知症対策を中心に質問させていただきます。
 この問題については、もう大臣も御承知のとおり、高齢化社会の現状の中で、五人に一人が認知症患者、認知症を患っているという統計もございます。私も調べさせていただきましたが、二〇一二年には四百六十二万人と言われていましたが、二〇二五年には一・五倍の七百万人を超えるだろう、よくこの数値が指摘をされているところでありますが、認知症というのが地域社会に対して大変大きな影響を与え始めております。
 私の知人で、前回もちょっと御紹介申し上げましたが、非常に優秀な小児科のお医者さんだったんですが、今、若年認知症ということで入院しておりまして、彼が経営していた病院は閉院をいたしました。それから、定年退職して、奥さんとゆっくりこれから人生を楽しもうと言っていた方がおられましたが、奥さんが認知症になりまして、結局、家庭内で生活することが難しくなったというので施設を探して入院措置になりましたが、月十七万円の措置費がかかるということで、生活が非常に厳しくなったという指摘をいただいております。そういうことから、この認知症というのが地域社会の中に、大変大きな影響を与えているものの一つになってまいりました。
 そこで、認知症患者数の推移と今後の予測、それから厚生労働省としてどのような対応をこれまでしてこられたのか、このことについて、最初にお伺いしたいと思います。
#112
○蒲原政府参考人 お答え申し上げます。
 認知症の方の人数でございますけれども、先ほど委員からお話がございました平成二十四年には四百六十二万人、これが団塊の世代が七十五歳以上になります平成三十七年には約七百万人になると推計をいたしておりまして、この問題については社会全体で取り組みを進めていく必要があるというふうに考えております。
 これを受けまして、平成二十七年一月に厚生労働省だけではなく関係省庁が共同して取り組むための認知症施策推進総合戦略、これは略称して新オレンジプランと申しておりますけれども、これを策定いたしまして、認知症の方の意思が尊重され、できる限り住みなれた地域のよい環境で自分らしく暮らしていくことができる社会の実現に向けた取り組みを推進しているところでございます。
 このプランの中では、七本の柱を定めております。例えば、認知症の容体に応じた適宜適切な医療、介護等の提供、あるいは認知症の研究開発、さらには認知症の人を含む高齢者に優しい地域づくりの推進など、七つの柱に基づいて推進をしているところでございます。
 こうしたプランを踏まえまして、平成二十九年度予算においても、例えば広域での見守りのネットワークを構築する、さらには認知症の御本人の方が集う、そうした取り組みを普及させる、さらには成年後見制度の利用促進のための相談機関やネットワークを構築する、こうしたことに必要な経費を計上しているところであります。
 今後とも、御本人や御家族の方々の意見を十分聞きながら、政府一丸となって施策を推進していきたいというふうに考えております。
#113
○大畠分科員 基本的に、この方針はお伺いをいたしましたが、オレンジプラン、それを実行することが大事でありまして、結局、予算はどのくらいこの間増強されているのかということも大変大事でありまして、予算についてはどういう形で推移してきたのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
#114
○蒲原政府参考人 これの予算は幾つかのパターンがございます。とりわけ予防関係の研究開発の関係の予算、これは現在約八・八億円ということでございまして、対前年度比で〇・二億円増ということになってございます。
 これは研究開発でございますけれども、あと幾つか、例えば地域でいろいろな取り組みがございます。認知症のための地域推進員を置いていろいろな連携事業を行いますだとか、あるいは認知症サポーターの養成ということで、認知症について知識、理解を持ってもらっていろいろな支援をする。これは、実は市町村が行う事業に対する支援ということになってございまして、市町村全体に対するそうした地域支援事業の支援について約一千五百億円やっておりますけれども、その内数ということで認知症関係も対応している、こういう状況でございます。
#115
○大畠分科員 後ほど、またこの市町村の支援についてはお伺いをしたいと思います。
 ここで、実は認知症を診ているお医者さんから、いろいろ私も伺っておるんですが、このような指摘がされておりますので御披露しながら、この対応についてお伺いしたいと思います。
 認知症では、アルツハイマー型、レビー小体型、ピック病とも言われる前頭側頭型、それから脳血管性の四大病型が有名です。さらに、これがいろいろ混合した形も最近では出てきているそうでありますが、多くの医師は知識が十分ではなく、誤診するケースが後を絶たないという指摘もされています。
 この薬は四つの分類があるそうですが、厚生労働省が定めた増量規定というのがあり、医師はこの規定に従い、服薬後、なぜか一定期間が過ぎると増量しなければならないと考えていて、増量しない場合、保険審査が通らず、薬代を医療機関が自腹で負担しなければならない。
 しかし、増量を続けると、徘回する、暴れるなどの認知症の周辺症状が悪化する、または副作用が強く出るケースが多々あり、例えばアリセプトは非常にすぐれた薬でありますが、穏やかなアルツハイマー型の患者さんなら症状の進行をおくらせることができます。しかし、怒りっぽいアルツハイマー型の患者さんに増量すると、より攻撃的になり、人格が壊れてしまうことさえある、こういう指摘もございます。したがって、治療する医師は、規定に従い、患者さんの体重や状況を考慮せず、増量処方を行ってしまいがちです。
 要するに、患者の状況を見て最適な薬の量を提供するのが患者さんのためではないかということで、こういう指摘を昨年の二月の予算委員会の分科会でも指摘させていただきましたが、その後、こういう現場のお医者さんの意見を反映した形で厚生労働省が六月に通達を出しまして、患者さんの状況によって薬を増量しなくてもいい、減量してもいい、そういう通達を出したんですけれども、この通達の内容が地域の医療機関に十分周知されていないとの指摘も受けております。
 今後の対処方針についてお伺いします。
#116
○鈴木(康)政府参考人 認知症治療薬の規定用量未満の処方に関する査定についてお尋ねがございました。
 御指摘のように、認知症治療薬については、患者の方の症状等により、添付文書に定められた用量未満で処方される場合というのがございます。この場合のレセプトの審査につきまして、御指摘のように、二十八年六月に、審査支払い機関に対し、一律に査定を行うのではなく、診療報酬明細書の指摘欄に記載されている投与の理由等も参考に、個々の症例に応じて医学的に判断するよう事務連絡を発出したところでございます。
 ただし、御指摘のような事態もあるということでございますので、この事務連絡の内容がいかに適切に支払い機関、それから医療機関に行き渡るかということのさらなる周知について、どのような方法が考えられるかということをしっかりと検討していきたいというふうに思っております。
#117
○大畠分科員 今御答弁がございましたが、これが周知徹底されないと、結局、お医者さんとしては増量規定に従ってしまって、疑いもせずに増量処方を行い、そうすると、患者さんの状況はよくなるどころか、悪化したり、怒りっぽくなったり、幻覚が出たりする。周辺症状の悪化に対応するため、さらに薬を投与すると、患者さんはほとんどが寝たきりになってしまうケースが多い。施設としては手のかからない状態となるので、これがよいと言えるのだろうか、そういう指摘もされております。
 そこで、今御指摘がありましたが、私もこの一年間、いろいろこの状況を把握させていただいてまいりましたが、ここのところがどうもみそなんですね。せっかくこの六月に、増量規定に従わなくていいんですよと。要するに、大きな体格の方に対する薬の量と少し体重が少ない方に対する薬の量というのは当然違ってしかるべきなんですが、一律に増量しなければならないという方針も、多分いろいろな知見からそういう方針を出したと思うんですが、その実例として、そういう現場のお医者さんから上がってきているんですから、それをせっかく六月に出したんですが、どうもまだ十分に通知されていない。
 再度これを、例えば茨城県の医師会の会長さんを私はよく存じ上げているんですが、日本医師会としてもそれを取り上げて、これを周知徹底するようにしようじゃないかという会議が行われました。医師会としても一生懸命努力をすると言っているんですが、厚生労働省としても、原型を厚生労働省は持っているんですから、やはり責任があるわけですね。だから、十分じゃないというんですから、さらに何かの形で前線で頑張っている医師に伝わるような工夫をすべきだと思うんです。
 もうちょっと工夫をしていただきたいと思うんですが、何か工夫はありませんか。
#118
○鈴木(康)政府参考人 先ほどもお答えさせていただきましたが、昨年六月に出しました審査支払い機関に対する通知でございますけれども、末端のお医者様に届くようにするためには、そういうことが必ずできるかどうかは難しいところがあるかもしれませんが、疑義解釈通知というのがございます。これはほとんどのお医者様が見ておられますので、こういうものの中にきちんと規定をするという方法が一つ考えられるかと思います。
#119
○大畠分科員 もう一つは、私がもしお医者さんだったら、なぜ増量しないか、レセプトの中に多分備考欄でもあるんだと思うんですが、ここに、患者の体重とかそういうものを配慮して、増量しないんですとちょっと添え書きをすれば、審査機関でもそれを認めて、よしとする。そうじゃなければ、レセプトが通らないと、私が聞いているのは、結局、お医者さんの自腹でその薬代は充当しなきゃならない。ここのところが問題だというんですよね。
 ですから、レセプトの書き方なんかも私は工夫が必要なんじゃないかと思うんですが、この件についてはいかがですか。
#120
○鈴木(康)政府参考人 御指摘の点は確かにもっともだと思います。
 今、通知の中では、審査支払い機関に対して、いわゆるレセプト、診療報酬明細書の摘要欄に記載される投与の理由等も参考にというふうに書いてありますから、もう少し、書いていただくことの工夫ですとか査定の仕方の工夫について考えてみたいと思います。ありがとうございます。
#121
○大畠分科員 今、御答弁を何点かいただきましたが、それを全国のお医者さんにくまなく通知することと、そして、要するに患者本位の薬量を調合、提供するのが一番患者のためになるんだということをぜひ徹底していただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 それから、もう一つの要望がありまして、前もちょっと申し上げたと思うんですが、今三ミリグラムの薬が多いんですが、割線が入っていないために割るのがなかなか大変だ。例えば、四ミリグラムにするというときは、今度は三ミリグラムをペンチかなんかで割らないとならないわけですよね。これはちょっと使いづらいんだという意見がありますから、一ミリグラムの認知症薬をぜひ市場に出してほしい。
 これは製薬会社との関係もあるでしょうけれども、やはり患者の方から、あるいは前線の医者の方からすると、そういう薬が必要だという話になっていますが、これについてはどういうふうな対処方針をしているか、お伺いしたいと思います。
#122
○武田政府参考人 ただいま御指摘がありましたアリセプトの場合につきましては、アルツハイマー型認知症に対する用法、用量は、通常、成人には一日一回三ミリグラムから開始し、一、二週間後に五ミリグラムに増量と、今御指摘がありましたように、こういう増量規定になっておりまして、三ミリから開始し五ミリに増量ということで、錠剤につきましては三ミリ、五ミリ、十ミリグラムというようなことになっておりまして、御指摘のように、用量の微調整が非常に難しいというふうに理解をしております。
 一方、現在発売されておりますアリセプトにつきましては、細粒剤というものも承認をされておりますので、用量の微調整については、この細粒剤の活用ということも一応可能にはなっているということでございます。
 ただし、一ミリグラムの錠剤も含めて、用量調整用の製剤に対して、臨床の先生方、医療上の必要性が非常に高いということでありますれば、製薬企業の方でもこの剤型の追加を検討することになるものと考えておりますので、相談があった場合には、私どもとしても適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
#123
○大畠分科員 今のお話は粉薬ですよね、結局、わかりやすく言えば。粉薬を一ミリグラム調合するといったって、くしゃみでもすれば飛んじゃうような感じですから、非常に扱いづらいんだと私は思うんですね。
 ですから、これはそういうお医者さんからの声もありますので、要望がありましたらというんですが、私のところには要望は来ているんです。ぜひ医師会ともよく話をしていただいて、そういうものがあれば、製薬会社の方も採算もあるんでしょうけれども、やはりベースは患者本位で物事を考える、要するに国民がベースなんですから。厚生労働省とかお医者さんとかみんな、製薬会社もあるけれども、やはり一番は患者本位の治療方針で薬を提供できないかということを考えて、ぜひ対処するように要望しておきます。
 それから次に、実は認知症の、お医者さんからの声なんですが、これは私もよくわからなかったんですが、最近、地域包括診療加算というシステムが数年前からできました。認知症と生活習慣病を一括して引き受ける開業医の動きを評価するもので、ようやく時代が変わってきたなと最初は思いました。
 しかし、ふたをあけてみると、常勤医が二人以上いること、二十四時間対応の薬局と連携していること、こういう二条件がついていて、結局、一般の開業医にはお医者さんは一人しかいませんから、地域の方でなかなか二十四時間開業している薬局というのもないんですよね、そういう意味では、せっかくこの地域包括診療加算という仕組みが投入されたんだけれども、開業医にとっては非常に、やれと言われても、手足を縛られて何かやれというのと同じで、ここのところがハードルが高過ぎる。
 だから、常勤医二名以上いること、それから二十四時間対応の薬局と連携していること、この二つの条件というのはどうして必要なんですか。このことについてお伺いしたいと思います。
#124
○鈴木(康)政府参考人 地域包括診療料の算定要件についてお尋ねがございました。
 この診療料は、いわゆるかかりつけ医機能の観点から、診療所のお医者さんが生活習慣病や認知症を有する患者さんに対して継続的かつ総合的に医療や健康管理を行うというものでございます。
 実は、平成二十八年度の診療改定では、もともと常勤医師の要件が三名であったものを二名に緩和するということがございました。また、認知症そのものに対応したような診療料というのもつくったということでございます。
 ただ、おっしゃるように、この地域包括診療料もしくは認知症の地域包括診療料でございますが、三つの要件全てを満たさないといけないということになっております。これは、お医者さんの二名という数、それから在宅療養支援診療所であるということ、それから時間外の加算をとっているという、この三つ全てを満たすということですけれども、なかなか地域では三つとも満たすというのは難しいということでございます。
 実は、二十八年のときに、地域包括診療加算というものをつくります。これは、再診料の上に、全てを満たさなくても、点数はちょっと低いですけれども、三つのうちどれかを満たせば加算するというものをつくりましたので、こういうことも含めて、団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年に向けて、大事な認知症の問題について対応していきたいと思いますし、対応までの間、関係者の御意見もよく聞いて診療報酬改定をしたいというふうに思っております。
#125
○大畠分科員 先ほど、冒頭に、これから患者数が一・五倍ふえて、二〇二五年には七百万人を超えるという話なんですが、今の状況では、お医者さんが二人いる町医者というのはいないんですよ。地域のお医者さんがやはり対応できるような対象じゃなければ、大病院とか中核病院とか、そういう大手術をするところじゃなくて、認知症患者の人が地域の病院に行って、先生、何か最近、私はおかしいんですがということで、安心して診察を受けることができるような環境をつくることが必要だと思うんです。
 そこで大臣、時々大臣にも質問しますので、これは、せっかく地域包括診療加算というシステムがあって、どなたか大臣をちょっとサポートしてあげてください。
 これだけ町の中にたくさんの認知症の人がふえ始めた場合には、今のいわゆる地域包括診療加算、これが地域の町医者にとっては大事な仕組みだなということなんですが、医者が二人いなければだめだとか、二十四時間開業している薬屋と連携しなければならないということじゃなくて、要するに、私が聞いている町医者の人の話では、相談業務なんですよ。まず、ぐあいがおかしいなという人の話をよく聞くこと、これが非常に大事なんですね。
 したがって、この地域包括診療加算システムの中の要件を少し、先ほど局長もよく地域の話を聞いて対応しますと言っていたんですが、認知症対策の一つのキーステーションが町医者だと思うんです。だから、ぜひ大臣の方からも、よく連携して、町医者が活躍できるような環境をつくっていただきたいと思いますが、大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
#126
○塩崎国務大臣 先般、新しい医療のビジョンと、そのもとで、医療関係者、特に医師、看護師、あるいは他の関係医療職種の人たちがどういうふうにこれから働くかというビジョンが先週まとまりました、五十ページ以上になるこれからの医療ビジョンでありますけれども。
 まさに、大きな要因はやはり高齢化であり、人口減少というのもありますし、お医者さんも実は高齢化するんですね。多死社会と言っていますけれども、お医者さんも多死社会に、お医者さんもおいでですけれども、なるのはもう目に見えているわけでありまして、そういうことを考えてみると、今の人数で認知症になられる方を前提に診療報酬も考えているということで、条件もいろいろ、それは確実にやれるようにということで要件を課しているんだろうと思いますが、新しい時代になって、お医者さんがなす役割と、それから看護師さんとかその他の医療職種の関係がある方々も含めて、役割分担もきっと出てくると思います。
 したがって、今御指摘になった要件が本当に必要かどうかということも含めて、今後のあり方ということは当然考えなきゃいけませんし、認知症の薬の処方についてさっきお話がありましたが、それも十分、今かかりつけ医と言っていますが、プライマリーケアとして一番接する機会が多いのは地域の開業されているお医者さんでありますので、そういった方々への、余り重過ぎない要件をもってする。
 しかし、能力担保がないと、さっきの、要するに間違った薬を処方するみたいなことがあっても困るので、そういうことを考えてみれば、今の加算のあり方などについても、今後しっかり考えていかなきゃいけないんじゃないかというふうに私も思います。
#127
○大畠分科員 大臣からも御答弁いただきましたが、局長さんもぜひ連携して、そういう町医者が認知症の方を十分にケアできるような環境をつくるように、さらに一歩進めて努力をしていただきたいということを申し上げておきます。
 これは、町医者の方からのつぶやき的なものですが、新規の患者さんの物忘れ外来を毎日行っていますが、一般診療の合間に対応できるのは一日に一人ぐらいがやっとなんです。そして、既に予約は二カ月待ちになっているんです。日々、患者さんといいますか、申し込んだ方にはがっかりさせてしまっているんです。初診の患者さんと家族からこれまでの経緯を聞き取り、長谷川式という記憶のテストを行い、検査結果や診断タイプ、今後の治療方針の説明をきちっと行おうとすると、一人やはり三十分かかっちゃうというんですよね、どう短くしても。しかし、風邪の患者さんは三分間で大体対処できるんですが、三十分間お医者さんが時間を使うのと、三分間の風邪の診察をするのと診療報酬が同じだというわけですよ。
 そうすると、どうしても、開業医の方を考えると、そういう認知症患者の人は、どちらかというと後回しにしてしまう傾向があるので、ここのところは、このお医者さんはきちっと認知症の患者さんと向き合いながらやっていきたいという話をしていますが、ここら辺の熱心なお医者さんが十分な診療ができるように環境を整えていただきたいと思いますが、局長からもう一度その件についてお伺いしたいと思います。
#128
○鈴木(康)政府参考人 御指摘のように、認知症の患者さんは、家族と一緒にお話をお聞きして、きちっとした治療方針を示すまで相当な時間がかかるというふうに認識をしております。
 もちろん、再診料そのものは一緒でございますけれども、そういう相談支援に係るきちっとした相談支援料のものを手当てをさせていただいて、そういう地元できちっとやっておられるお医者さんがきちっとコストに見合った活動をしていただけるように、我々としても次の改定へ向けて努力したいと思います。
#129
○大畠分科員 ぜひ、私もいろいろな事案について話を聞いたりなんかして相談業務に乗っていますが、時代が変わってきているんですよね。
 だから、従来の積み上げた仕組みというのは非常に大事にしなければなりませんが、社会が変わり始めたら、それに対応する形で医療行政もやっておかないと、国民のための医療なんだけれども、ともすると、組織のための医療になってしまう傾向もあります。私たちは、医療だったら患者さんの立場に立ってどう仕組みを変えるかということを常に局長にも求めておきますので、ぜひ今答弁いただいた形で、具体的に、町の開業医の人が積極的に認知症患者に向き合うことができるような環境づくりを強く求めておきます。
 それから、時間配分の関係から少し予定した質問は割愛するところがございますが、これについては御了承いただきたいと思います。
 そこで、認知症患者の家族に対する指導はどこが行うのか。いわゆる市町村が受け皿としてはかなり重要な役割を果たすと思いますが、ここに対する予算づけについても、先ほど一千五百億というお話もございましたが、ここら辺についての対応策についてお伺いしたいと思います。
#130
○蒲原政府参考人 まず、家族に対する支援策でございますけれども、これは新オレンジプランの中でも、認知症の人の介護者への支援というのが一つの柱になってございます。
 具体的な中身でございますけれども、例えば、認知症地域支援推進員という専門の方が相談に応じるというのが一つございますし、もう一つは、複数の医療、介護の専門職がチームとなって御本人の家庭に伺っていろいろな対応をする、これは初期集中支援チームと言っていますけれども、こういうチームをきちっと派遣するということ。さらには、これは最近広がっておりますけれども、認知症の人御本人だとかあるいは御家族の方が言ってみれば気軽に参加できるサロンのような場所、これはよく認知症カフェと言っていますけれども、そうしたものを普及していくこと、こうしたことを市町村において行っておりまして、これを今後とも進めていくということでございます。
 これのいろいろな財源でございますけれども、基本的には、話がございましたように、市町村の事業ということになってございます。これ自体は市町村の事業の中で、通常の介護のいろいろなサービスの給付とは別に、地域支援事業という枠組みがございまして、いろいろなメニューがございます。その中にこれが入っているところでございます。
 こうしたものについては国として一定の支援をきちっと行っている、これは保険料財源も入った上でやっているんですけれども、この部分をやってございまして、平成二十九年度に約一千五百億円、全体のその内数ということになってございますけれども、これを、こうした認知症が一つ大事な柱になってございますので、今後ともきちっと対応できるようにやっていきたいというふうに考えております。
#131
○大畠分科員 ありがとうございます。
 私は住民を支える基礎的な組織というのは自治体だと思うんですね。自治体も財政難で非常に四苦八苦しているんですが、そういうところを勘案しながら、ぜひ、今御答弁いただいたような形で支援をしっかりやる。
 内数というのがちょっと気になるんですね。内数というと、何でも押し込んでおいて、これでやっておいてくださいよと、ごそっとやるんだけれども、そこから必要なものを引いていくとだんだん足らなくなってしまうこともあるので、ぜひ明確に、そういう施策が行われるように、目配りをしていただきたいと思います。
 それから、認知症といいますか、自動車の運転が非常に難しくなった、こういうことで、きょう国交省の方にも来ていただいていると思うんですが、これは一般的な自動車の免許証返納の対策ということでも結構ですが、これも医師会からの話がちょっと漏れ聞こえてきまして、もうそろそろ運転は控えた方がいいですよと言うんだけれども、自動車がなくなったらうちの方はもう行動ができないんだ、こういうことで、非常に患者さんもどうしようかなと迷っているというんですが、この交通弱者対策について、国交省の現状についてお伺いします。
#132
○松本政府参考人 お答えいたします。
 高齢化が急速に進行する中、免許を返納した方も含め、高齢者が自家用車に依存しなくても安心して移動できるよう、公共交通を初めとする地域の移動手段を確保することは大変重要であると認識しております。
 このため、国土交通省では、地域の公共交通サービスを確保するため、路線バス、コミュニティーバスや乗り合いタクシーなどに対し補助しております。
 また、地域公共交通活性化再生法に基づき、高齢者を含めた地域の関係者が協力して、地域の実情に合った移動手段を確保する取り組みを促進しております。
 加えて、先般、高齢者の移動手段の確保に関する検討会を立ち上げたところでありまして、有識者の意見を踏まえつつ、引き続き、高齢者の移動手段の確保に努めてまいりたいと思います。
#133
○大畠分科員 交通基本法というのが制定されておりまして、国民は移動する権利がある、こういうことが保障されているわけですが、今の時代の変遷の中で、国交省だけではなかなか難しいかもしれませんが、自治体、県や市町村と連携して、日本の国を戦後七十一年間支えてきたメンバーですから、その方々が移動手段を失うことがないように、さらに目配りしながら力を注いでいただきたいということをお願いしておきます。
 厚生労働省関係の最後の質問にいたします。
 これはけさ方追加をしたものですから、多分準備はされていないと思うんですが、実は、私のところに、お医者さんとかスタッフが不足するために、立派な病院があるんだけれども、半分しか使っていないとか、そういうところがあるという話が来て、大畠さん、せっかく立派な病院も機械もそろっているのに、これは地方の方ですよ、これではもったいないんじゃないか、何とか施設がフルに活動できるような体制をつくるべきじゃないかと。
 これは、実は病院なんかも非常に立派な施設があるんだけれども、そのお医者さんが高齢化のために閉院するというと、全部取り壊されてしまうというのを私は見ているわけですが、ここら辺、日本全体の病院施設と、医師とかスタッフの不足のために半分しか使っていないような病院というのはどのくらいあるのかとか、それから、これをどういうふうな形で活用して地域の医療の受け皿にするかとか、こういうことについて、きょうは突然質問してもお答えいただけないかもしれませんが、これを調べて、そして現状をまず把握するということをぜひやっていただきたいと思いますが、これはどなたが。では、お願いします。
#134
○神田政府参考人 現在、病院のベッドが十分使われていないのではないかという御指摘かというふうに思っております。
 実は、入院患者全体の動向で申しますと、患者調査の推計によりますと、六十五歳以上の入院患者さんはふえているわけですが、六十五歳未満では減少していることから、入院患者全体の患者数は平成二十年から減少している傾向にございます。
 そういうことから、一般病床の病床利用率ということで申しますと、平成十四年には八〇%であったものが、直近の平成二十六年では七五%に低下しております。また、療養病床でも、平成十四年には九四%であったものが、平成二十六年では九〇%に低下しているということがございます。
 したがいまして、地域によりましては、既に人口が減少していること等もございまして、医療需要がピークアウトしている地域もあることもまた事実でございます。
 この原因としては二つあるというふうに考えておりまして、一つは、こうした地域で求められている医療の機能に今の医療供給体制が見合っていないという点があるのではないかというふうに思っております。
 この点につきましては、団塊の世代が二〇二五年に後期高齢者になりますので、そのときに地域の人口構成がどう変化するのか、患者数、また疾病構造がどのように変化するかといったデータに基づきまして、二〇二五年の病床の必要量、これを急性期、回復期、慢性期といった機能ごとに推計をするという地域医療構想というのを平成二十八年度に策定をいたしております。
 今後、効率的な医療提供体制に向けまして、こういった機能分化を進めていく必要があるというふうに考えております。
 また一方で、御指摘のように、医師等が十分確保できていないことから使えていないという点があることも確かだというふうに考えております。
 この点につきましては、医学部の定員についてかなり増員をいたしておりまして、平成二十年から、直近で申しますと、平成二十九年度にかけまして千七百九十五人、直近ですと、九千四百二十人の医学部定員といたしまして、増員をいたしております。特に、その中では、特定の地域ですとか、産婦人科とか小児科など、医者が足りない地域や診療科で勤務していただくことを条件にした地域枠の医学部生を中心に増員を図ってきているところでございます。
 また、各都道府県に地域医療センターというのを設置いたしまして、個々の病院ごとの医師不足の状況を調査、分析いたしまして、医者が足りない病院に対して、この地域枠の医師を活用いたしまして派遣、調整を行うといった取り組みを行っております。平成二十三年から行っておりますけれども、これは直近の平成二十八年四月までの間で申しますと、四千五百三十人の派遣、あっせんを行ってきております。
 したがいまして、効率的な医療提供体制をつくっていくということとあわせまして、地域で必要な医師が確保できるように、こうした取り組みを進めていくという両面で取り組みを進めてまいりたいというふうに考えております。
#135
○大畠分科員 私の地元の病院、高萩の方の病院なんですが、立派な病院が、今から十五年ぐらい前にできたんですね。しかし、半分は電気が消えているんですよ。それはなぜかというと、お医者さんがいないからだ。看護師さんももちろん不足です。だから、大きな大病院ができたんだけれども、半分しか機能していないというのが病院をつくってからずっとなんですよ。
 だから、今、ベッドについては徐々に減少しているんですというけれども、グロスでやるとそうなっちゃうけれども、個々の地域の実態をもうちょっと詳しくしていかないと、実態と違う形に受けとめちゃうので、ぜひ個々の地域の実態をもうちょっと詳しく調べてもらいたいということ。
 それから、これは厚生労働大臣、突然ですが、昔、私たちが学生時代は、みんな大学で、おまえはあそこへ行け、おまえはここに行け、はい、わかりましたと言って、教授の指摘に従っていろいろなところに行って、大体お医者さんは地域に、満遍なくかどうかわかりませんが、いたんですよね。ところが、途中から、お医者さんの希望によって六本木の病院とか東京の病院とか、そういう生活上快適な地域のところに集中して、地域の方の病院を希望するお医者さんが少なくなったという。
 これは、大臣、もう一回、お医者さんの配置については全体的に見直しをして、税金を投入してお医者さんを育てていることも事実ですから、もう一度、卒業してから十年間ぐらいは、個人の自由もあるかもしれませんが、全体を考えて、やはり、ここの病院に五年とか十年行ってほしいという仕組みに転換しないと、いつまでも地域の、地方都市の医師不足というのは解消できないんじゃないかと思うんです。
 自治体の方では、一人一千万とか二千万とか自治体が予算を組んで、ここに来てくれたらこれだけの予算をつけますからぜひ来てくださいとお医者さんに来てもらう算段まで一生懸命しているんですよね。これは、このまま自然の姿でいいということにはならないと思うので、厚生労働大臣のもとにそういう検討会があるのかどうかわかりませんが、一度、これはもう十五年か二十年前から続いている話なので、少し検討してもらいたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#136
○塩崎国務大臣 これは、先ほど申し上げた医療ビジョンと働き方のビジョンを検討する中で、初めて大規模な調査をお医者さんに対してやりました。十万人に対して発送して、返ってきたのは一万六千ですけれども、一万六千というのは、実はサンプルとしてはすごく大きいもので、全国、稚内から宮古島まで回答が参りました。
 いろいろ分析をしてみますと、お医者さんで若い人たちは、地方に行ってもいいと思っている方が結構多い。たしか四割ぐらいは行ってもいいと。ただ、条件が一定程度そろわないと行きづらいなと思っていらっしゃるということがわかりました。
 したがって、今、大畠先生おっしゃったように、昔は、事実上強制的におまえはここに行けみたいなことで、大学から言われて行くみたいなことがしばしば行われてきて、それでうまくいってきたという側面もあったわけでありますが、最近はそんな形では、なかなかそう簡単ではないということであります。
 今おっしゃるように、医師がおられないという、医師の偏在と医師の過疎が大変な問題になっていて、まさに地方創生と言っていますけれども、医療がなければその地域は生きていけないということがだんだん明らかになってきていますので、ただ一方で、いろいろな形があって、例えば、医療法人で、チームで、過疎の地域に当番で一人は必ず行って、そこの診療所を見るみたいなことをやっていらっしゃるところが私の松山にもあります。百キロぐらい離れたところに毎日行って、一泊してまた帰ってくるという先生が五、六人いて、それで順番に回っているということであれば、あえてそこに住まないでも行ける地域もある。ただ、住まなきゃ行けないところもあるでしょうから、そういうところも、例えば一週間の当番で回っていくとか、いろいろなことがあり得るということもだんだんわかってきました。
 やはりお医者さんも、皆さん、家族もおられますから、家族のことも考えてみると、やはり柔軟な働き方ができないといけないのかもわからないので、そういうことをしっかりこれから検討していこうということに、この一万六千人の先生方からいただいたアンケートをもとに、今後どうするかを考えていく、そういう検討の場は、私は、個人的にも設けた方がいいのではないか、医師偏在の解消の仕方ということを正面から取り上げた検討会というのは今まで余りなかったやに聞いておりますので、その辺は前向きに、今御提案もいただきましたので、考えていきたいなというふうに思います。
#137
○大畠分科員 今の御指摘といいますか、現状を検討していくという話ですが、私は、個人の自由というのもありますよね、あそこに行きたい、ここに行きたいと。ただ、国民から税金で支援してもらって一人前の医者になったんですから、自分の意思というのもあるかもしれませんが、やはり卒業して五年間ぐらいは、嫌だかどうかわからないけれども、国民が求めているということで、ぜひ大臣の、何というか赴任命令ではないけれども、何かそういう仕組みでも考えないとなかなか解決しないかなと思いますが、今の大臣のつくられた検討会の中で、そういうことも含めて、ぜひ現状の問題を解決するように努力していただきたい、こういうことを申し上げて、厚生労働省関係の質問は終わります。ありがとうございました。
 あと、農水省と経産省の質問をさせていただきたいと思います。厚労省関係の方は退席していただいて結構です。
 それで、残りの時間はわずかになってまいりましたので、農水省と経済産業省ですが、残り時間十五分ということでありますから、主に農水省関係の質問になって、経済産業省のものについては後日になるかもしれませんが、お許しいただきたいと存じます。
 まず農水省ですが、耕作放置の農地、いわゆる荒廃農地の現状と今後の見通しについてお伺いしたいと思います。
#138
○新井政府参考人 荒廃農地の現状についてでございますけれども、市町村及び農業委員会によります調査が平成二十年以降実施されておりまして、平成二十七年の全国の荒廃農地面積は、平成二十年以降、おおむね横ばいの二十八万四千ヘクタールとなっております。このうち、再生利用可能なものは十二万四千ヘクタールとなっているところであります。
 農林省といたしましては、限られた資源であります農地を有効活用するため、再生可能な荒廃農地の再生利用と発生防止の取り組みを進めることが重要であるというふうに認識しております。
 このため、荒廃農地の再生利用を図ります観点から、農業者等の取り組みを支援いたします荒廃農地等利活用促進交付金のほか、農地整備事業などの予算を措置しておりまして、平成二十七年におきましては、地方単独事業もあわせまして、一万一千ヘクタールの再生利用をしているところであります。
 また、荒廃農地の発生防止を図るため、農地の保全管理活動を支援いたします日本型直接支払交付金を措置しましたほか、今後、リタイアされる方が急増していくというふうに見込まれる中、リタイアする人の農地を担い手に円滑に集積していくことが最も重要であるというふうに考えているところでありまして、農地中間管理機構などを通じまして、担い手への農地の集積、集約化を進めているところであります。
 引き続きまして、地域の実情に応じまして、これらの対策を活用しまして、荒廃農地の再生利用、発生防止を推進してまいりたいと考えています。
#139
○大畠分科員 あと、経済産業省の方も、どうも時間的に間に合いませんので、後日、経済産業委員会の一般質問でさせていただきますので、どうぞ、退席していただいて結構です。済みません、よろしくお願いします。ありがとうございました。
 今、答弁を賜りましたが、この耕作放置の農地対策の一つの切り札といいますか、一つの対策として、企業等による耕作事業を展開する、こういう方針になったと伺っておりますが、この現状と今後の見通し等についてお伺いしたいと思います。
#140
○山北政府参考人 委員御指摘のとおり、企業につきましても地域の農業の担い手になり得る存在だというふうに我々は考えているところでございます。とりわけ担い手の不足する地域におきましては、企業が担い手として農業に参入していただくことによりまして、担い手が確保されるですとか、あるいは荒廃農地の解消も期待されるということでございまして、企業の農業参入を進めることが必要と考えているところでございます。
 こうした観点から、平成二十一年の農地法改正によりまして、リース方式での参入というのは完全に自由化されているということでございまして、以後、改正前の約五倍のペースで参入が進みまして、二千二百二十二法人が農業経営を行っているところでございます。
 また、加えまして、農地を所有できる法人の要件でございますけれども、これにつきましても、農業の六次産業化といった経営発展の障害を取り除く観点から、昨年四月から農業者以外の議決権比率が四分の一以下から二分の一未満にまで拡大されたところでございます。
 さらに、一般企業によります農地所有につきましても、昨年九月に施行されました改正国家戦略特別区域法におきまして、企業に農地の所有を認める試験的な事業を兵庫県養父市において行うなどの取り組みを進めさせていただいているところでございます。
#141
○大畠分科員 とにかく、八百九十六の市町村が消滅可能性のある地域として指摘をされておるわけでありますが、その地域というのは、大体、農業、林業、漁業というところが中心の市町村のように受けとめておりまして、逆に言うと、そういうところが戦後の日本の再生のときの、戦後復興の拠点になってきたんですよね。
 私なんかも、子供のころ、随分サンマを食べました。とにかくサンマは安いので、オート三輪に乗せてきて、バケツ一杯幾らというので、それを朝、昼、晩、食べたこともあります。そういう農林水産業というのが戦後の復興のエネルギー源だったんですね。
 今、そこのところが時代の変遷の中で力を失って、農地が荒れ、そして廃屋が広がっているというのが現状なんです。だから、尋常なやり方では再生はかなり難しいと思うんです。ですから、ある程度といいますか、考えられるものは全部やってみる、新たな考え方で農業を考えるということも大事な時代に入ってきているかと思いますので、そういう意味で、大いにそういうことを工夫していただきたい。
 それから、先週末の金曜日に国土交通委員会で、空き家の情報管理を国が行う法案が委員会で採決されて可決をいたしたところでありますが、耕作放置の農地の問題、それから、山林なんかも既に法律案ができておって、国が直接情報管理を行う、こういう体制は整っているという話を伺っておるわけですが、この法案が成立をして以降、今日までどのようなことで推移しているのか、現状と今後についてお伺いします。
#142
○山北政府参考人 いろいろな市町村の持っています情報の共有化の話でございます。
 農地につきましては、平成二十七年四月から、全国農地ナビといたしまして、全国の農地情報を電子化、地図化してインターネットで提供を開始したところでございます。それによりまして、例えば、どんな農地を探したいといったようなことが、農地の所在や面積、あるいは遊休農地であるか否かといった状況が公開されているところでございます。
 加えまして、二十九年の三月には、全国農地ナビにおきまして農地の区画を表示する筆ポリゴンの公開も開始したということでございまして、こうしたシステムを、担い手への農地の集積、集約化につながるよう活用を進めてまいりたいというふうに思っているところでございます。
 また、森林につきましては、平成二十八年五月の森林法改正によりまして、市町村が森林の所在や所有者、境界の情報を一元的に取りまとめた林地台帳を作成する制度が創設されたというところでございます。
 これらの林地台帳の情報につきましては、個人の権利、利益を害するものを除きまして、公表することといたしております。農林水産省といたしましても、これを効率的に管理、活用するためのシステム整備を支援しているところでございます。
 今後、林地台帳の情報を林業事業体等の森林整備の担い手に提供することで、施業の集約化ですとか、あるいは適切な森林整備を促進してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#143
○大畠分科員 先ほど厚生労働部門で、患者を中心に物事を考えていただきたいという話をしましたが、この農業問題についても、農家を中心に考えて、変えるべきところは変えていくということが一番大事だと思うんですね。
 農家が衰退し始めた、農家が十分な生活をするお金が手にできないという農業環境からこうなってきてしまっているんだろうと思うので、例えば、四月からNHKで、今度は「ひよっこ」という番組が始まりました。あれを見ていると、農業はいいなという思いがありますよ。高校を卒業した女の子が、あんたは農業をしっかり守ってくれとお父さんに言われて、なかなか収入が少ないので、僕は、お父さんは出稼ぎに行かなきゃならないんだけれどもと言うんだけれども、みんなで稲刈りをしたり、農作業の中で、一つのきずなというんでしょうか、地域の一体感もあって、ああいうことは地域にとって大変大事だなと思いました。
 したがって、ここで言うのもあれですが、戸別所得補償制度というのはアメリカやヨーロッパでもやっているんですから、そういうものをなぜ、政権がかわったからといって、やめちゃうのか。これについては、大臣がいなくなっちゃったので質問しませんが、やはり地域の農家がどうやったら農業を継続できるか、国民が安心、安全の食料をつくっていこう、そういう精神が大事なんだと思います。したがって、これからも農家を中心に物を考えていくということで、いろいろ対策をしていただきたいと思います。
 そこで、最後の質問になりますが、第四次産業革命という時代に入りました。これはIoTでありますね。位置情報が大変正確にわかるようになってきて、日本でも二機の情報衛星が打ち上がっておるんですが、そうなってくると、自動運転の耕運機等も活用できますので、大分農業のイメージが変わってくると思うんです。
 この農業分野におけるIoTの技術投入の現状について、見通し等も含めてお伺いしたいと思います。
#144
○菱沼政府参考人 お答えいたします。
 農業分野におきまして、ロボット技術や人工知能といった先端技術を活用して第四次産業革命を進めるということは非常に大事だということで考えております。
 このため、農林水産省におきましては、高精度な人工衛星を使った位置情報を活用して、トラクターの自動走行システム、さらには、中山間地域で求められている、除草作業の省力化をするロボットの開発に努めているところでございます。
 このうち、トラクターの自動走行システムにつきましては、実用化に向けて、本年三月に、安全性を確保するガイドラインを策定させていただきました。
 さらに、目標としております、来年、二〇一八年までの有人監視下での自動走行システムの市販化、さらには二〇二〇年、これは平成三十二年でありますけれども、それまでの遠隔監視による無人走行の実現に向けて取り組みを進めているところでございます。
 今後、これらの技術開発を用いまして、第四次産業革命を進めていく所存でございます。
#145
○大畠分科員 さっき私が申し上げた、「ひよっこ」というNHKの連続ドラマは、村の名前が奥茨城村というところで、どうも私が住んでいる近くの北の方だというから、あそこら辺かなと思って見ているんですが、委員長なんかもそうかもしれませんが、「明るい農村」という番組もあったんですよね。あのころは、農家というのは非常に将来に対して明るい展望を持っていました。
 今非常に、なかなかそういう声が聞こえなくなってしまったんですが、ぜひいろいろな工夫をして、農家の方がこれからも農業を営んで将来を展望し、子供たちも後を継ぐことができるような環境をつくるよう努力していただくことを要望して、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#146
○武田主査 これにて大畠章宏君の質疑は終了いたしました。
 次に、斉藤和子君。
#147
○斉藤(和)分科員 日本共産党の斉藤和子です。
 きょうは、女性の人権にかかわる問題について質問をさせていただきます。
 二〇〇一年に、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律、いわゆるDV法が制定されました。お茶の水女子大学名誉教授の戒能民江氏が編著された「危機をのりこえる女たち」という本がございます。ここには、従来、夫婦げんかとして放置されてきた行為が、国家が責任を持って防止すべき暴力とみなされ、どっちもどっち、殴られる方にも悪いところがあると言われ続けてきた女性たちは、国家によって保護されるべき被害者となった。その後の法改正によって、被害者の自立支援も含めて行政の責務となり、国、自治体は被害者の立場に立った切れ目のない支援を担うことになったと書かれています。
 二〇一三年には、同居の交際相手まで対象範囲が拡大される改正も行われました。DV防止法によって、夫からの暴力が、ある種容認されていたものから、配偶者からの暴力は犯罪となる行為を含む重大な人権侵害であるという、認識を変える画期的なインパクトを社会に与えたもので、非常に重要だと考えます。
 DVの被害相談件数は年々増加をして、年間十万件を超えて、警察における配偶者の暴力事案等の相談件数も六万件を超えているという実態があります。DVは、残念ながら、減るどころかふえているというのがこの相談件数にもあらわれているというふうに思います。その上で、やはり初期の対応が私は非常に重要だというふうに考えております。
 まず、DV防止法の第三条三の三に、「被害者の緊急時における安全の確保及び一時保護を行うこと。」というふうにあります。この対応をする上で、非常に重要な判断が、一時保護するかどうかというのは、求められるというふうに考えるわけですけれども、一時保護の役割、重要性、そしてこの段階でどのような支援が必要と考えているか、明らかにしてください。
#148
○吉田政府参考人 お答えいたします。
 夫等からの暴力などによって心身に被害を受けられた女性の方々、この方々を一時的に保護する施設としましては、今御指摘いただきましたように、全国にある婦人相談所に併設されております一時保護所、これは全国で四十七カ所ございますが、これが非常に重要な役割を担っているというふうに私ども考えております。
 この一時保護所におきましては、安全、安心な生活環境を提供するというために、居室等の生活空間あるいは一日のスケジュール構成、それ以外にも、衣食住全ての生活環境にわたって、利用していただく方々が不安感とか危険感を感じないように配慮をしていただくということが必要だというふうにまず思います。
 また、DV被害に遭われた利用者の方々、その多くが著しく心の健康を損ねておられるという場合が多いというふうに聞いておりますので、心理面接など、特に心理的な支援というものが求められているというふうに思います。
 このほか、利用者の方々御本人が自立に向けた手続などのために、例えば福祉事務所でありますとかハローワークなどに出向かれることもあります。そういう場合に、この一時保護所が同行支援するなどのことも現実において求められているということだと思います。
#149
○斉藤(和)分科員 非常に重要だという御答弁がありました。本当に、やはり、わらにもすがる思いで助けを求めて来た方が、相談に来た人に、安全な場所で一時保護をし、支援を行っていくというのは非常に重要だというふうに考えます。
 政府は、二〇〇二年から、この一時保護を委託できるようにしています。これはちょっと質問通告が漏れてしまったんですが、一時保護を委託できるようにした理由、それから、直近の一年間で一時保護した人数と、そのうちの委託先での保護をされた人数を教えてください。
#150
○吉田政府参考人 お答えいたします。
 まず、今、一時保護されている方々あるいは一時保護委託ということになっている方々の人数から御報告申し上げますと、平成二十七年度の数字といたしまして、まず婦人相談所に一時保護されている女性の数として五千百十七人、この方々に同伴する家族の方々もおられますので、そういう場合、その同伴家族の方々が四千五百七十七人、都合合わせまして一時保護されている方々が九千六百九十四人でございます。
 この内数でありますが、いわゆる一時保護委託された方々ということについて申し上げれば、まず女性が千五百十二人、同伴家族の方々が千七百八十七人、合わせまして一時保護委託されている方々が三千二百九十九人、先ほど申し上げました一時保護全体の九千六百九十四人の方々に対して約三四%というのが現在のまず数字でございます。
 その上で、これまで一時保護というところだけではなくて委託という仕組みまで拡大させていただきましたのは、現実問題、一時保護を行います婦人相談所の部分について、地域的な偏在があったり、あるいは、キャパシティーとしての定数もさることながら、やはりいろいろな事情を抱えておられる方々のことを考えますと、先行してあります婦人保護施設、それは公立の場合も民間もありますけれども、そういうところで持っておられる専門性などを活用して、必要な保護のニーズというものに対してきちっと地域地域で応えていただけるように、私どもとしては、仕組みとして一時保護委託というものの道を開いたという経緯かと思います。
#151
○斉藤(和)分科員 一時保護をされた方の大体三割以上が委託先になっている。この間の推移を見ても、一時保護されている方の、同伴児童を含めると一万人ぐらいで推移をしている、そのうちの三、四割が委託先というようなことだと思います。
 被害を抱えている、今御答弁ありましたとおり、さまざまな問題を抱えて、しかも複雑化してきていらっしゃいます。そうした中で、やはりDV被害の支援に取り組んでこられた民間支援団体の皆さんにも御協力いただく、こういう支援は非常に私は重要だというふうに考えています。
 同時に、老人福祉施設やその他の保護施設などでも都道府県の判断で一時保護委託ができるようになっています。被害者の立場に立った切れ目のない支援をする上で、先ほども御答弁ありましたが、やはり必要な保護のニーズに合った、その人が必要としている必要な支援ができる場所に保護をしていくということが本当に求められると思います。
 と同時に、やはり私は、どの施設に行っても、少なくとも、一時保護所で受けられる心的カウンセリングや食事の提供、同行支援など、最低限の支援がどこに行っても受けられる体制、これをやはりきちんと国としても支援しながらつくっていく必要があるのではないかということを感じております。
 同時に、この支援をする上で、現在、委託費というのは一人当たり七千七百円、これは正直言って私は少ないというふうに感じます。しかも、同伴児童は、就学前は一人約四千五百円、小学生から十八歳までは二千四百円。これでは、やはり心的ケアも含めて十分な支援ができる額とははっきり言って言えない。
 そこで、大臣、ぜひ、この支援体制を委託先でもしっかり受けられるような体制と、あわせて本格的に委託費を増額する、こうした取り組みを進めていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。
#152
○塩崎国務大臣 おっしゃるように、婦人相談所が一時保護を行う場合に、被害者の状況とか同伴する家族の有無などを勘案して、婦人相談所がみずから行うほか、婦人保護施設、母子生活支援施設、民間シェルター等、状況に応じ適切な一時保護委託先で保護することというふうになっているわけであります。
 一時保護を外部に委託する場合についても、入所者に対して、食事あるいは入浴、衣服を提供したり、入所者が行政機関を訪問する際に一緒に同行するといったような適切な支援がさまざま提供されるべきとなっていまして、それから、心理的なケアが必要な場合には、一時保護所の心理療法担当職員が委託先を訪問して、被害女性などに対して支援を行うということについて、都道府県に通知を、これは平成十四年に局長通知として行っていまして、こういう趣旨が実際に徹底をされているかどうかということについて、私どもとしてもしっかり見ていかなければいけないというふうに思います。
 委託費が不十分じゃないか、こういう御指摘をいただきましたが、必要な人件費や日常生活に必要な経費を勘案して定めておりまして、今後も、これらの経費の実態を踏まえて、今御指摘いただいたような問題意識も踏まえながら検討してまいりたいというふうに思います。
#153
○斉藤(和)分科員 実態を踏まえて検討という、ぜひやっていただきたいと思うわけですけれども、一時保護をされた方の実に七二・七%が夫等からの暴力が理由です。子、親、親族、交際相手等を含めれば、全体の八五・一%が暴力被害となっている。心身ともに傷ついている相談者をしっかりと受けとめて回復へと導くためには、やはり心的ケアを十分に受けられる体制をどう確保していくかというのが非常に大事だというふうに思っております。
 一時保護所というのは、大体一県に一つですから、そうした面からも、心的ケアを行う人材をしっかり配置していく、そして委託先でも十分に心的ケアを受けられるようにしていく、これは本当に必要不可欠な、最低限の支援ではないかというふうに感じています。
 同時に、同伴児童の対応なんです。一時保護をされた、先ほど数字を御紹介いただきましたとおり、約一万人のうちの半数が同伴児童、子供たちが、厚労省の資料によりますと、乳児が一一・八%、幼児が四七・三%、全体の六割が小学生以下、三割が小学生で、同伴家族の九八%が十八歳未満というふうになっています。
 私、非常にこれは重要だと思うのが、一時保護を委託として行っている母子生活支援施設、この運営指針に、「目的」で、「子ども期における精神的・情緒的な安定と豊かな生活体験は、発達の基礎となると同時に、その後の成人期の人生に向けた準備でもある。」というふうに書かれていて、さらに、「回復をめざした支援」というところには、「子どもに応じた成長や発達を支える支援だけでなく、虐待体験や分離体験などによる悪影響からの癒しや回復をめざした専門的ケアや心理的ケアなどの治療的な支援も必要となる。」「子どもたちは、虐待体験だけでなく、家族や親族、友達、近所の住人、保育士や教師など地域で慣れ親しんだ人々との分離なども経験しており、心の傷や深刻な生きづらさを抱えている。」「こうした子どもたちが、安心感を持てる場所で、大切にされる体験を積み重ね、信頼関係や自己肯定感を取り戻していけるようにしていくことが必要である。」これが母子生活支援施設の運営指針に書かれていて、私はこれを読んで全くそのとおりだなというふうにも思いました。
 その点で、やはり一時保護というのは、まさにここで書かれている、分離体験のスタートというか始まり、悲しいですけれども始まりになってしまうわけです。一時保護の段階から、この運営指針に定められているような、子供たちがしっかりと心的なケア、専門的ケアが受けられるような支援体制にしていく必要があると思うんです。先ほども言ったとおり、委託費は四千五百円だったり二千四百円ですから、とても委託先でどうにかなるという問題ではありませんので、ぜひこうした子供への支援体制を強化していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#154
○吉田政府参考人 お答えいたします。
 今おっしゃっていただきました、一時保護された女性の同伴児童のお子さんたちについては、今るる御指摘いただきましたように、DVの目撃による心理的外傷ですとかあるいはネグレクトなどの不適切な養育の影響から、情緒面、行動面の問題を抱えておられるということも、残念ながら我々は報告を受けておりますし、その後のことを考えますと、やはり、私ども昨年の児童福祉法の改正で掲げましたように、養育というもの、将来に対しての発達というものを哲学として据えまして考えた場合には、それに対して、それぞれの状況に応じた個別的なケアというものがこの分野においても必要だというふうに強く認識してございます。
 このために、一時保護所あるいは一時保護の委託先であります施設などにおきまして、心理療法の担当をしていただく職員、あるいは同伴のお子さんたちに対して保育ですとかあるいは学習支援という形で支援を行う指導員の方々が配置できるように、その体制の確保にこれまで努めさせていただいております。
 さらに、この二十九年度の予算におきましては、この同伴児童の支援体制を強化するために、保育ですとかあるいは学習支援を行う指導員の配置の上限を上げまして、二名から三名に拡充をさせていただいております。
 このような取り組みを通じまして、引き続き、DV被害などに遭われた女性の方々はもとよりですが、その同伴のお子さんたちに対しても支援というものを強化してまいりたいと考えております。
#155
○斉藤(和)分科員 学習支援や保育というお話がありましたが、私は、やはり心的ケアができるような体制も、一方で、早い段階から、傷ついている子供たち、なれ親しんできた人たちと離れる、しかも、お母さんはみずからが被害を受けて、みずからの意思で逃げてきているからいいんですが、子供にとっては、なぜ自分がこうなっているのかを理解できないまま来ているという子たちもいるわけで、その子たちに現状をわかってもらうような、そういう親身な体制というのは非常に求められているというふうに思うんです。
 大臣、私の青いノートというのを聞いたことがございますか。私の青いノートというのがあるんです。これは何かというと、家庭でDVを経験し、家を離れた子供たちのためのノートとして、家族でDVが起きると子供も巻き込まれる、子供たちの多くは、自分の意思とは関係なく、母親と一緒に大きな生活の変化を強いられる、今言ったとおりです。別に質問しません、これは何かという紹介なんです。
 これは何かというと、やはり子供たちに現状を理解してもらいたい、元気を取り戻してもらいたいというために、長崎のNPO法人の皆さんが、実際にスイスのシェルターで使われている心理教育テキストというのをもとに、みずから日本語訳をされてつくったのが、私の青いノートというものなんです。こういうものも民間の支援団体の皆さんは使いながら子供のケアをされている。こうしたところが決して抜け落ちないように充実を求めていきたいというふうに思います。
 私、一つ指摘しておきたいのは、そもそも、暴力は犯罪となる行為を含む人権侵害だと言われているんですけれども、しかし、隔離されるのは加害者ではなくて、被害者が身を隠し、これまでの生活や人間関係、つながりを奪われる、この支援のあり方、根本が、私は率直に言って矛盾を感じるわけですけれども、そこは指摘にとどめて、次の質問に移りたいと思います。
 次は、相談を受ける側の婦人相談員についてです。
 四月七日の日本経済新聞に、婦人相談員が対応した相談件数は、二〇一五年度三十一万三千六百五十七件というふうに出ておりました。婦人相談員は全国に千四百十五人いらっしゃいます。単純計算すると、一人大体二百件以上相談を受け持っているということになります。この婦人相談員は、売春防止法の三十五条で都道府県知事が委嘱するものとされ、市長は委嘱することができるという任意規定になっております。人口当たりの配置基準はありません。
 厚生労働省は、市区によって婦人相談員の対応が異なったり、相談支援の内容や質に格差が生じないようにということで、婦人相談員相談・支援指針というのを出しています。DVやストーカー、性暴力だけでなく、ありとあらゆる相談が持ち込まれているというのもこの指針を見るとわかるわけですが、昨年、婦人相談員を非常勤とするという規定は削除されました。処遇改善、そして研修の回数をふやすということも盛り込まれていますけれども、さらに、今、受けているDVの被害の相談件数がふえている実態、また女性が抱えているさまざまな複雑化する問題、こういうところからいって、その相談に乗っている婦人相談員、これをやはり、任意規定ではなくて、しっかりと処遇も改善するし配置の基準も設ける、こういう姿勢が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#156
○塩崎国務大臣 今、婦人相談員の数について御指摘があって、平成二十八年四月一日現在で都道府県に四百八十二人、市や特別区に九百三十三人、合計で千四百十五人配置をされているということを今御指摘になられました。
 特に、市や特別区の相談員の数は年々増加しておりまして、平成二十二年と比較をいたしますと約一・五倍ということで、まさにこういった問題の現場は市や特別区になってきている、こういうことではないかというふうに思います。
 厚生労働省としては、市においても、それぞれの地域の実情に応じて婦人相談員を配置していただくべきものというふうに考えております。こういうことから、平成二十九年度予算、ここでは婦人相談員手当の国庫補助基準額を引き上げたところでございます。さらに、平成二十七年三月には、特に市や特別区の婦人相談員を念頭に、婦人相談員相談・支援指針というものを策定いたしまして、周知を図っているところでございます。さらに、これを教材として研修を行うなどの支援体制の強化を図っているわけであります。
 今後とも、婦人保護事業に尽力される婦人相談員の処遇改善にしっかりと努めてまいりたいというふうに思います。
#157
○斉藤(和)分科員 処遇改善をされたということで、これは非常に私は重要だというふうに思います。それでも、十四万九千三百円ということですから、率直に言って、婦人相談員の高い専門性を持つソーシャルワーカーとしての位置づけからいくと少ないし、さらなる処遇改善が必要かなというふうに思います。
 同時に、現場から、生活困窮で相談に来る相談者の収入と相談員自身の収入に大差がない、相談員自身の自立が望めないというおかしな状況になっているという指摘も出てくるぐらいな状態です。また、任意規定に市や特別区がなっておりますので、全く婦人相談員が置かれていないというような自治体間格差も生まれている。ここを、都道府県や市に任せるのではなくて、国がきちんと責任を持って、人口当たりの配置基準も示していくというようなことも必要ではないかということを求めたいというふうに思います。
 婦人相談員にしても婦人相談所にしても、先ほど言った売春防止法第三十四条が根拠法になっております。それが、二〇〇二年にDV防止法が入り、二〇〇四年には人身取引被害者への支援が入り、二〇一三年にはストーカー被害女性の支援を婦人相談所で行うということが位置づけられてきたわけです。根拠法は変わらないけれども、役割はどんどんふえていっている。
 こうした中で、婦人保護事業にかかわっている皆さんからの声で、二〇一二年五月に婦人保護事業等の課題に関する検討会が設置をされています。そこで婦人保護事業等の課題に関する検討会のこれまでの議論の整理というのが出されておりますが、その中で、課題二、婦人保護事業の対象となる女性の範囲について、検討案には何と書かれているでしょうか。
#158
○吉田政府参考人 お答えいたします。
 御指摘いただきました報告書におきまして、対象となる女性の範囲につきましては、婦人保護事業の対象者の規定を実態を踏まえて見直し、包括的な定義及び具体的な定義を置くことを検討してはどうかという記述がございます。
 その報告書の中には、今申し上げました包括的な定義といたしましては、家族関係の破綻、生活困窮、売春など性暴力被害その他生活を営む上で困難な問題を有しており、現に保護及び支援を必要とする女性という、規定の一つの提案がございますし、具体的な定義につきましても、配偶者からの暴力を受けた、配偶者以外の親族、交際相手からの暴力を受けた、売春の経験等を有する者で、現に保護、支援を必要とする状態にあると認められる、人身取引被害者、さらには、家族関係の破綻、生活困窮、性暴力被害その他生活を営む上で困難な問題を有しており、かつ、その問題を解決すべき機関がほかにないために、現に保護、支援を必要とする状態にあると認められるというような方々を例示として、その定義を置くことを検討してはどうかというふうに盛り込まれていると承知をしております。
#159
○斉藤(和)分科員 ちょっと時間がなくなってしまったので、その検討を受けてどういう対応をして、今後どうするかということは飛ばして、この間、こういう検討も受けて、婦人相談所のガイドラインだとか先ほどの指針なども出されたということがあります。
 やはりこの検討会でも指摘されているとおり、根本的には、この根拠法、売春防止法、これはあくまでも売春をした要保護女子を保護、更生するというふうになっているわけです。しかし、検討会でも、今御答弁ありましたとおり、さまざまな困難を抱えている、DVだとかストーカーだとか人身取引だとか、こうした方々に対する、ある意味、被害者女性の人権回復という視点は、はっきり言って抜け落ちているわけです。
 この状況の中で、やはり女性の人権擁護と自立を支援するという新たな法制度を考えていく必要があるんじゃないかということで、婦人保護事業にかかわる皆さんの中で検討会などもつくられて検討がされております。売春防止法が制定されてから六十年以上がたっております。売春防止法を見直すこととあわせて、やはり包括的な女性の人権尊重、社会的包摂を中身とするような法制度のあり方を真剣に検討する時期に来ているのではないかというふうに私は思うわけですけれども、大臣、いかがでしょうか。
#160
○塩崎国務大臣 昨年の通常国会で児童福祉法の改正を行いましたが、これも、昭和二十三年にたしかできた法律を大改正いたしましたが、もともとこの児童福祉法ができたのは、浮浪児対策、つまり道にいっぱい戦争孤児がいて浮浪児化していた、それに対するものとして法律ができ上がった、保護をするということで。したがって、施設中心でやってきた。しかし、事は全然変わってしまって、虐待による要保護児童化するというのが六割以上というふうになってきて、そして、去年、子供が健全な養育を受ける権利があるという、子供の権利を初めて明定をした法律にしたわけであります。
 今お話しのように、売春防止法ということ自体がおどろおどろしい名前でありますし、そもそも、婦人という言葉がクラシックな形で残っている数少ない法律であります。したがいまして、売春防止法を根拠法とする婦人保護事業を抜本的に見直すことについては、婦人保護施設の役割と機能や支援のあり方を明らかにすることを目的とした有識者による調査研究を実施して、その報告書が昨年三月に出てきたわけですね。
 去年の十一月には、与党のプロジェクトチームからも、性犯罪・性暴力被害根絶のための十の提言というのが出てきておりまして、その中でも、婦人保護事業の抜本的な見直しが指摘をされています。
 厚労省としては、これらの提言等を重く受けとめて、これは御案内のように、売春防止法は法務省と共管の法律で、厚労省だけでは物事を決められないということもございますが、婦人保護事業の運営の実態を踏まえた上で、弱い立場にあります被害女性の包括的な支援をどのように見直していくべきか、また子供たちを含めた家族の保護と健全育成をどう考えるのか、こういうこともしっかり、関係省庁と協力しながら、検討していかなければならないというふうに思います。
#161
○斉藤(和)分科員 関係省庁ともぜひ真剣に検討していただきたい。
 やはり、人権侵害を受けた全ての女性たちに光が当てられて、見守られて、切れ目のない支援が受けられる、そういう中長期にわたる支援ができる体制をぜひつくっていただきたいということを、済みません、本当はAVの強要とJK、内閣府、ぜひ民間の支援を受けてということで、質問、時間ができませんで申しわけございませんでした。
 ありがとうございました。
#162
○武田主査 これにて斉藤和子君の質疑は終了いたしました。
 次に、木村弥生君。
#163
○木村(弥)分科員 自由民主党の木村弥生でございます。
 私は、本日、子育て支援やこれからの医療体制について質問させていただきます。
 まず、待機児童問題でございます。
 私は、自民党の待機児童問題等対策特命チームの座長として、昨年の三月に安倍総理に緊急提言を提出いたしました。安倍政権になってから保育の受け皿が拡大され、二十九年度予算におきましては保育士さんの処遇改善等もなされておりますが、待機児童問題の解消にはまだまだ課題が山積しているというのが現実でございます。
 先月七日には、議員会館で「#保育園に入りたい!を本気で語ろう。」という集会が開催されまして、私も出席いたしました。赤ちゃんをおんぶしながら、また、だっこしながら、お母さんたちとじかに御意見交換をさせていただいた次第でございます。
 お手元の資料をごらんくださいませ。この寄せられたコメントに、働く女性とその子供たちに大変冷たい社会なのではないか、せっかく勉強して大学に行って就職できたのに、保育園が見つからないために退職を余儀なくされた、これでは二人目を産む気にはなれない、そういったお母さん方の切実な声が届いております。
 この待機児童問題、さまざまな要因がある中で、待機児童数が、その範囲が市町村間で異なっており、横並びでの比較が困難であるという状況がありました。いわゆる待機児童についての定義でございます。
 そこで、一番目の質問でございます。
 ちょうど昨年の十二月、総務省の子育て支援に関する行政評価・監視において、待機児童数の範囲を明確化するよう勧告がありました。そこで、厚労省では改善に向けた検討会が行われ、近ごろ取りまとめがなされたと承知しております。
 この待機児童に関する定義につきましての改善の状況をお聞かせください。
#164
○吉田政府参考人 お答えいたします。
 私どもは、地域における保育ニーズ、特に若いお父さん、お母さん方の声を聞いて、各自治体がそれぞれ受け皿整備を進めておりまして、現在、地域の保育所、また企業主導型の保育を合わせまして、五十三万人の確保に向けて取り組んでいるところでございますが、現に地域において保育待機児童という形でおられる方がおられますので、その解消に向けて引き続き取り組ませていただきたいというふうにまず思っております。
 その上で、御指摘いただきました、定義と言われる待機児童のあり方については、先般、三月の三十日でございましたが、それまでこの問題について御議論をいただいておりました有識者の方々の待機児童数調査検討会から取りまとめをいただきまして、市区町村ごとの不合理な運用上の取り扱いのばらつきをなくすということと、各市区町村が保護者の意向や状況を積極的かつ丁寧に把握して、利用可能な保育園等の情報を提供するなど、保護者のニーズに合った丁寧な寄り添う支援ということが重要だというような趣旨で御報告をいただいたところでございます。
 これを踏まえまして、私ども、翌三十一日、厚生労働省から各自治体に対して、新たな調査要領という形で示させていただきました。
 その中では、例えば、これまでいろいろ御指摘をいただきました中から、求職活動を休止している方については、保護者が求職活動を行っていなくて、保育の必要性が認められない状況であることを電話あるいはメールなどで確認してくれという趣旨、また、育児休業中の方々について、保育園等に入園できたときに復職することを入所保留通知書発出後などにおいて継続的に確認、そして復職に関する確認ができる場合には待機児童数に含めるという扱いについてお示しをし、保護者の意向や状況を丁寧に確認しながら判断していただきたいということを明確にさせていただいたところでございます。
#165
○木村(弥)分科員 ありがとうございます。
 同様に、いわゆる三歳児の壁についても少し質問いたします。
 小規模保育に預けた児童に関しまして、卒園後の受け皿を探す必要が出てくるといった問題に関しても、改善の状況、これは手短で結構です、一言でお願いいたします。
#166
○吉田政府参考人 お答えいたします。
 いわゆる小規模保育施設からの連携施設の確保につきまして、今回、いろいろなところで御指摘もいただきましたので、市区町村がみずから連携施設のコーディネートを行うなど、連携施設の設定に効果を上げた好事例の周知をする、あるいは事業者の懇談の場の設定など対応を求める通知の発出を通じまして、積極的な関与を各市区町村に促しております。
 また、このような三歳の壁と言われる事項について解消を目指すため、二十九年度予算におきましても、保育園と小規模保育事業所との接続あるいは調整等に必要なコーディネーターの保育園等への配置を支援するための費用も盛り込ませていただいているところでございます。
#167
○木村(弥)分科員 ありがとうございます。
 先ほどの定義の問題、そして三歳児の壁につきましては、先ほどの三月七日の集会やコメントでも御意見がありましたので、ぜひ改善に向けて頑張っていただきたいと思っております。
 もう一つ資料がございます。二月八日の日本経済新聞の「経済教室」でございます。
 京都大学の柴田悠准教授が「子育て支援と経済成長」という本を執筆されております。そこでは、子育て支援に予算を投じれば経済成長や財政再建につながるという主張がされております。これまでの子育て支援の充実は社会保障費の負担増であるといった考えではなく、労働時間の短縮や待機児童の解消によって希望出生率の一・八は実現可能である、それが労働生産性の向上、経済成長、そして子供の貧困率の低下につながるとのお考えでございます。私も同意見でございます。
 子育て支援策に予算をさらに振り向けるべきと考えますが、政府の見解をお願いいたします。
#168
○堀内大臣政務官 木村議員におかれましては、子育ての経験を踏まえながらの御見識のある日ごろからの政治活動に、心より敬意を表している次第でございます。
 御指摘のとおり、保育利用と女性の就業率の間には高い相関があることが知られており、女性の活躍、労働力の確保を通じて経済を強くするという観点からも、保育の拡充は必要であり、子育て支援の充実は重要な課題と考えております。
 昨年六月に閣議決定されたニッポン一億総活躍プランでも、まさに、広い意味での経済対策として、子育て支援や社会保障の基盤を強化し、それが経済を強くするという新たな経済社会システムづくりに挑戦と掲げられております。
 そのため、厚生労働省といたしましては、第二の矢である、夢を紡ぐ子育て支援といたしまして、保育の受け皿整備や保育士の処遇の改善の実施、また、妊娠、結婚から子育ての各段階の負担、不安を解消するための支援の充実、そして、育児休業制度の活用による子育てと仕事の両立などを実施しているところでございまして、子育て支援の充実にしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。
#169
○木村(弥)分科員 ありがとうございました。
 堀内政務官と私は同い年で、同じ母親の立場として、いろいろ子育ての話をさせていただくこともたびたびでございます。
 これは誤報と承知しておりますけれども、先日、ある新聞記事で、ゼロ歳児については保育ママを活用して、さらにその枠を縮小して、あいた分の枠を一歳児、二歳児の受け入れに回すというような記事がありました。私は、こういった方向性も実はありだと思っております。一歳児で確実に保育園に入れるなら、ゼロ歳児のうちは手元で育てたい、そういった御家庭もあると思うんです。
 さらに言えば、働き方改革、柔軟性のある雇用のあり方もぜひ進めていただきたい。職場復帰や再雇用のチャンスがある、さまざまな受け皿がある再チャレンジ可能な社会こそ、子育てに優しい社会ではないかと御提案申し上げて、次の質問に入らせていただきます。
 二番目は、新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会の報告書についてでございます。
 この検討会は、今後の日本の医療のあり方と、それを踏まえた医療従事者の新しい働き方、確保のあり方を検討されたものと承知しております。
 その報告書の中で、看護について、基礎教育は、多様なかつ複雑な患者の医療、生活ニーズに対応するために基礎教育の拡充が必要である。これは充実でなくて拡充と明記されたわけでございます。ぜひ、この報告書においてはっきりと示されている基礎教育の拡充を実現していただきたい。
 そしてまた、タスクシフティングの推進のために、新たな資格の創設として、フィジシャンアシスタントの創設などが言及されておられます。また、欄外ではありますけれども、アメリカのナースプラクティショナー制度といったことも記載されておりまして、いわゆる今後の看護師の新たな活動のあり方、役割拡大が示されております。
 ケアの時代と言われています。看護師がキーパーソンとして期待されているのだと実感いたしますが、この看護師の役割拡大について、政府の考えをお聞かせください。
#170
○塩崎国務大臣 今御指摘のように、今般取りまとめられました、新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会の報告書におきまして、我が国の疾病構造の変化であったり、あるいは地域社会が変わっていく中で、どういう新しい医療を、あるいは医療、介護を合わせて考えていくべきかということをお示しいただきました。
 ことしの一月にOECDで保健大臣会合が、これは五年に一遍ぐらいあるんですが、ございまして、私も参りました。そのときにも、やはり今御指摘をいただいたタスクシフティングという言葉がありましたが、タスクシェアリング、タスクシフティングというのが世界の大きな流れになっていて、言ってみれば、多職種の医療関係職種の方々が一緒になって、医師を中心に、そしてまた看護師の皆さん方が大きな役割を果たしながら、タスクシェアリング、タスクシフティングしないと新しい時代の医療は成り立っていかないということが共通認識であるということが、OECDの諸国の間でのコンセンサスかなというふうに私どもも思いました。
 今回の検討会の報告書では、看護師は、多様かつ複雑な患者の医療、生活ニーズに寄り添って、多職種と連携をしながら患者のケアを中心的に担う、それから、補助的な医行為を行うなどして医師の補完的な役割を担いながら、今後の我が国の医療では極めて大きな役割を担い得る職種という指摘がなされています。
 さらに、具体的な提案としましては、看護師として共通して求められる知識や能力が養われるような教育カリキュラムの拡充ということ、それから、特定行為研修制度の認知度の向上並びに研修方法、体制の見直し、そして、研修制度の対象となる医行為の拡大などの必要性が示されておりまして、先ほど、フィジシャンアシスタントあるいはナースプラクティショナーの話が出ておりますが、いろいろな新しい発想も導入しながら、看護師の役割はこれからさらに大きくなってくるというふうに報告をいただいたと思っております。
 そういう意味で、これらの提言内容は大変重要なものでございますので、本報告書の提言を踏まえて、今後、厚労省において必要な取り組みを講じてまいりたいというふうに思っております。
#171
○木村(弥)分科員 大臣、ありがとうございます。
 私たちは、患者さん、そしてその御家族、その生活を見る看護の視点を軸に、しっかりとこれからの医療を担っていきたいと思っております。
 そこで、人材確保についてのお話でございます。
 この検討会の報告書では、医師や介護職の働き方については提言等がなされておりますが、看護職の勤務の実態把握の必要性というのがまだ全く言及されていないのが大変残念なところでございます。
 これまで看護職への調査が行われた経緯はありますが、それが医療機関に限定されているということがあります。夜勤、交代制勤務による心身の影響や安全性のリスク等に関しても調査項目がありません。また、調査対象も、就業看護職員数の一%にも満たないといったこともあります。
 働き方改革に本気で取り組むという姿勢として、看護職の働き方として、夜勤、交代制勤務の実態と健康への影響や安全のリスクをしっかりと把握して対策を講じるべきではないかと考えます。
 そしてまた、病院だけではありません。看護師の職場は今、介護施設そして訪問看護、さまざまな多様な場で働く看護職を対象とした調査がまだされていないのが実態でございます。看護協会で調査等もありますが、まだまだ調査等が隅々まで行われていないというようなことがありますので、ぜひこの国の方針というものを伺いたいと思います。お願いいたします。
#172
○塩崎国務大臣 厚労省では、平成二十七年度から、病院の勤務環境に関するアンケート調査を実施してまいっています。この中で、看護師の労働時間、休日、休暇の取得、当直、夜勤の状況などについて調査を行っているわけでありまして、今お話しのように、病院勤務の看護師さんだけということになっているじゃないかという御指摘がございました。そのことは、しかと受けとめたいというふうに思います。
 二十八年度の調査結果を見ますと、二交代制勤務というのは約六一%、三交代制の勤務が約三六%となっておりまして、なかなか大変な働き方だということが数字にもあらわれています。
 平均夜勤回数が、二交代制が四・八回、三交代制が八・一回、そして二交代制勤務での十六時間を超えるケースが約五八%、六割ぐらいに上っている、こういうことでありまして、夜勤一回当たりの勤務が長時間にわたっているということなどの実態があらわれているところでございます。
 この調査は今年度についても実施をすることとしておりまして、本調査の結果を活用しながら、病院における看護職員の働き方の実態をしっかりと把握するとともに、看護職員の勤務環境改善に努めてまいりたいと思っております。
 私ども、三月末に働き方改革実行計画というのをまとめました。となれば、看護師さんは別に病院だけにおられるわけでもないわけでありますので、こういった調査をするに当たって、新しい働き方を改革していくという時代にふさわしい看護師さんの働き方を探るためにはどういう調査項目が必要なのか、そういうことについてもぜひまた御示唆をいただければありがたいなというふうに思っております。
 先ほどの検討会の報告書も踏まえて、そして、看護職員の病院の場合の夜勤負担などの軽減に向けて、そして、広く社会で活躍している看護師さんのあり方、働き方をよく踏まえた上で、医療機関の勤務環境改善の取り組みあるいは人材の確保、これについて引き続き推進をしてまいりたいと思います。
#173
○木村(弥)分科員 ありがとうございます。
 国ならではの深掘りした調査をぜひよろしくお願いいたします。
 基礎教育の拡充や地域包括ケアの在宅看護のこともちょっとお話ししたいのですが、それは飛ばして、三番目の質問に入らせていただきます。よきサマリア人の法についてでございます。
 これは、アメリカやカナダで制定されている法律で、急病人など緊急状態にある人を善意で手当てした場合、仮にその手当てによって状況が悪くなったとしても民事の責任を免除するという内容のものでございます。
 私は今京都で活動しておりまして、東京と京都を新幹線で往復する日々を送っております。ある日、京都に向かう最終便の新幹線で、お客様の中で医師や看護師はいらっしゃいますかという急病人発生の放送が流れました。私は、看護師として車両に向かいながら、改めてこの問題について考えました。
 今、新幹線には多くの外国人が乗車しています。日本を訪れる外国人は一千九百万人を超えました。さらに国は四千万人を目標に、より一層の観光客の誘致を掲げています。そして、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックを控え、今後、より一層の外国人の訪日が予想されます。グローバル化の波とともに、海外から多くの観光客、留学生、技能実習生などが訪日する現在、それぞれの国の文化、習慣の違いから、善意で行った緊急的な医療行為が逆に訴訟の対象になる可能性について、今こそきちんと向き合うときではないでしょうか。
 実は私、平成二十七年七月三十一日の厚生労働委員会で、日本版よきサマリア人の法の制定についての質疑をいたしましたが、当時の医政局長からは、慎重に検討すべき課題であること、市民が萎縮せず救急処置を実施できるよう普及啓発を行っていくという答弁がありました。しかし、あれから二年たちましたが、私の知る限り、何も変わっておりません。
 くしくも、さかのぼること平成二十年四月二十二日の決算行政監視委員会にて、橋本岳副大臣が、このよきサマリア人に関しまして同様の質問をされておられます。この経過、対応はどのようになっているのか、橋本副大臣にお尋ねいたします。
#174
○橋本副大臣 御指摘のとおり、以前私も質問させていただきました。また、累次御質問いただきまして、私たちの方でも議論をしてみたところでございます。
 法律等々のたてつけ等が変わったわけではないのですが、ちょっと答弁の仕方を変えようということで、内容は一緒です、だけれども、申し上げ方を変えた方がいいと思って、ちょっと前と違うような答弁をいたします。
 今御指摘をいただきました、アメリカやカナダで制定されていますよきサマリア人の法というものは、善意の行為は、重大な不注意がなく、対価を求めない限り免責されることとなっているというふうに承知をしております。
 我が国におきましても、善意に基づいて、悪意そして重過失なく救急の蘇生を実施した場合、特にこれは一般の人がとかそういう場合ですけれども、その場合には民事上、刑事上の責任を問われることはない旨の規定が民法や刑法に含まれております。
 具体的に言いますと、民法上では、第六百九十八条に緊急事務管理という項目がございまして、これに当たるだろう。だとすれば、悪意または重大な過失がなければ責任を問われることはございません。また、刑法上も、第三十七条の緊急避難に該当するだろうということで、これも違法性が阻却をされるものというふうに考えております。
 したがいまして、我が国の法体系においても、既に海外の一部の国で制定されておりますよきサマリア人の法とおおむね同様の対応が可能な法整備がなされているものと考えておりまして、この点をしっかりといろいろな機会を通じてお知らせをしていくことが今後大事なことなのかなというふうに考えている次第でございます。
 また同時に、法律の整備とともに、やはり一般の人も、何の知識もなくて、急にそこに倒れた人に何をしていいかわからない、自信を持って対応できないというのでは余りよくありませんので、市民の方々が萎縮せずに救急処置を実施できることが大事ですから、厚生労働省としては、日本救急医療財団に対して、市民向けの救急蘇生法の指針二〇一五の作成に要する費用を支援し、指針を厚生労働省のウエブサイト上に公開するなど、周知の取り組みを進めておるところでございます。
 今後とも、関係学会等とも協力をしながら、救急処置に関して国民への必要な普及啓発を行ってまいりたいと考えております。
 なお、今のは一般の方がというような場合でございました。改めて、医療の場において、あるいは医療従事者の方がというときにはどうなんだということになると、これは、医療過誤等々の考え方はどうなるんだということになります。
 医療過誤等について刑事責任を問うべきか否かという点については、本年三月に、医療行為と刑事責任との関係の論点整理に着手をしております。学術的な観点から、刑法の考え方を中心に考え方の整理をしっかりと進めてまいりたいと考えておるところでございまして、全く進展がないということではないということは申し上げてもよろしいかと考えております。
#175
○木村(弥)分科員 さまざまな価値観、そしてそういった文化を持った方たちがいる中で、やはり善意がちゃんと受けとめられるような、そういった法整備が必要かなと思っております。
 萎縮するというのは一つのキーワードで、介護や保育においても、何かあったときに訴えられてしまう、そういった疲弊で離職が進んでいるといった実情もございます。ぜひそこのところも考えていかなければいけない問題ではないかと思います。
 先ほど私が申しました、呼び出されて、たしか十四号車だったと思いますけれども、駆けつけましたときには、既に先に医師の方が急病人の方のケアをされておりまして、私のほかにももう一人医師の方が駆けつけていました。このように、私を含めて三人の医療職が、突然の急病人の呼び出しにも駆けつけたということでございます。
 私ども医療職、そういった責務を持ってしっかりと頑張っておりますので、ぜひこの点についても、先ほど申しました労働環境の改善等も、国としてサポートしていただきたいと思っております。
 最後に、ちょっと在宅看護についてお話をさせてください。
 この超高齢社会の中で、在宅のみとりがふえているところでございます。そんな中で、訪問看護のニーズに応え得る多様な看護人材の確保や活用策が必要ですけれども、なかなか訪問看護師がふえていないのが実情でございます。
 そこで、先ほど申しました基礎教育の拡充、特に看護の在宅ケア、訪問看護関連の教育体制を整えた上で、新卒の看護師でも訪問看護に就職ができるような、医療機関で働く看護師をまた訪問看護の領域で活用するといった、既存の枠組みにとらわれないような新しい施策の展開が急務ではないかと思います。
 例えば、日本看護協会では、医療機関と訪問看護ステーション間で看護職員の長期出向研修のモデル事業に取り組んで、一定の成果を確認していると聞いております。
 私も看護協会時代、例えば新人研修で、中小病院などでローテーション研修というのがありまして、いろいろな科、例えば放射線科、婦人科、そんなところで一定のローテーションをして、自分の行きたいところを考えるといった取り組みをしていました。
 そんな新人研修のローテーションの中でも、訪問看護ステーション等の実習というか研修があるとよろしいのではないかなと思っておりますので、このような取り組みについての全国展開をぜひ国に後押ししていただきたいと強くお訴え申し上げ、私の質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。
#176
○武田主査 これにて木村弥生君の質疑は終了いたしました。
    〔主査退席、瀬戸主査代理着席〕
#177
○瀬戸主査代理 次に、高井崇志君。
#178
○高井分科員 岡山から参りました高井崇志でございます。
 きょうは、質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 早速ですが、まずは厚生労働大臣にお伺いしたいと思います、ちょっと通告の順番と違って恐縮ですが。
 私、大臣にぜひお礼を申し上げたいと思っておりまして、学童保育のことでございます。
 前回、予算委員会の分科会で、私は学童保育のことで質問いたしまして、実は、放課後児童クラブの指導員への補助制度、常勤指導員処遇改善補助金といいますけれども、これがなかなか使い勝手が悪い。基準額が大幅に増額された、これはもう大変喜ばしいことなんですが、その上げ幅に自治体の予算措置が追いつかないという実態があって、なかなかこれは自治体が活用できないんじゃないですかというようなことを御質問したんです。
 このたび、三月三十一日付で、激変緩和措置としてこの金額を平成二十八年度の額に据え置くこととする、そういう通知が出されたということで、我々の地元でも、これは大変ありがたい、喜ばしいことだ、大臣にぜひお礼を言ってくれと言われておりますので、まずはお礼を申し上げたいと思います。
 ただ、この制度、なかなか複雑な補助制度でございまして、やはり、もっともっと使ってもらうには簡素化が必要だと思います。うちの地元の倉敷市なんですけれども、ここではNPO法人を立ち上げて、放課後児童クラブ支援センターというのを立ち上げて、複数の放課後児童クラブの申請のお手伝いをする。保育をやりたくて入った指導員が書類を書くのに膨大な時間を割かれるというのは、これはなかなか大変なので、こういった取り組みをやっております。
 本当に、こうした取り組みも広げると同時に、やはりそもそも制度も簡素化していかなきゃいけないんじゃないかと思いますが、大臣にはぜひ、学童保育の指導員の待遇改善も含めて、さらなる支援をお願いしたいと思うんですけれども、大臣の御見解をお伺いします。
#179
○塩崎国務大臣 最近、小学校の保護者の皆さんとミニ集会なんかをやりますと放課後児童クラブの話が一番多く出てくるぐらい、働いているお母さん方がふえている中で、この制度の改善を期待する、そういう声がとても多いということを私も地元で感じているところでございます。
 放課後児童クラブにつきましては、平成三十年度末までに百二十二万人分の受け皿確保を目指しているわけでありますが、こういう中で、放課後児童クラブで働く支援員の皆さん方の処遇改善を進めることはやはり極めて大事であって、これまでも、平成二十六年度より、職員の賃金改善等への補助を実施してまいりました。
 これに加えて、本年度から、放課後児童支援員の勤続年数とか研修実績等に応じた、キャリアアップが可能なそういう新たな処遇改善の仕組みを導入いたしまして、みずからの努力がお給料に反映するような工夫をしていただくということでございます。
 こういう取り組みを通じて、引き続き、放課後児童支援員の処遇改善を図り、そのことによって、優秀な人材に集まってもらって、子供たちが健全な育成を受けられるように、充実した時間を過ごされるようにしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#180
○高井分科員 前向きな御答弁をありがとうございます。
 大臣、今おっしゃっていただいたとおり、非常に要望の強い分野、これからますますそうだろうと思いますので、ぜひ改善に努めていただきたいと思います。
 それでは、きょうはいろいろなテーマを取り上げますので、ちょっと話ががらっとかわります。
 今度は働き方改革のことでございます。実は、中小企業、零細企業の意見が働き方改革の中にどこまで反映されているかという観点で、ちょっと御質問をしたいんです。
 私は実は、選挙で落選をしていた折に、自分で会社をつくってビジネスをやっておりました。そのときに、日創研経営研究会という、経営者が全国で四千五百名加盟している勉強会がございまして、全国に六十三の会がそれぞれ地域ごとにあって、私の地元岡山にも岡山経営研究会というのがあって、百五十名近い経営者が参加をしています。
 私は入ってよかったなと思うんですけれども、本当に中小企業の経営者の方というのは真面目に勉強されていて、毎月一回の例会というのがあるんですが、これもほぼ一〇〇%近い出席率で行われていて、また、その月一回の例会のほかに、月一回、委員会というのがそれぞれあって、その委員会ごとに勉強している、研究をしている、そういう会でございます。
 そのメンバーから、厚労大臣と、それからきょうは経産省から中小企業担当の中川政務官に来ていただいていますので、ぜひこれは聞いてほしいという要望を受けてまいりました。
 実は、その勉強会で「理念と経営」という雑誌を使いながら毎月勉強をしているんですけれども、今回、働き方改革のことが取り上げられています。ちょっと紹介させていただきます。
 企業経営は水道に例えられると思う、大企業は上水道で、いつも美しい水が流れる、新聞社などは上水道の仕事じゃないか、社会のひずみなどを記事にして、それをビジネスにして多くの社員を雇用して、社会的役割も大きくて、退職金なども整備され、記者は仕事に誇りを持ち、賃金も高く、働いていると。
 一方、新聞の拡販の現場、営業の現場に目を向けると、部数のとり合いで熾烈な戦いをし、以前は無理やりに押しつける営業などもあったと。拡販する人は上水道を守るための下水道の役割じゃないか、どんなに紙面は社会正義をうたっていても、下水道が見えないところで下支えをして、一つの企業としての経済行為が保たれていると。
 中小企業は上水道役の大企業の陰で、目に見えない部分の重要な責務を果たしていると確信しています。大企業のような経営資源もなく、大企業のような特殊技術もなく、大企業のような人財も育っていないのが中小企業です。
  仕事柄その悲哀を耳にしては、正直、世の中の矛盾を痛烈に感じるときがあり、尊敬する安倍晋三総理にふと疑問を感じたりします。
 この会の代表の田舞さんという方が書いておられる文章なんですが、このとおり、安倍総理を尊敬している、そういう方でも疑問を感じると。
 もう一つ例を挙げています。建設業界。
 一番末端の中小企業は、元請の要求をのまなければ生きていけません、工事期間を決められ、それに間に合うよう深夜遅くまで働いています、それに比較して、いろいろな御苦労はあるでしょうが、大手ゼネコンはいつも、社会正義や経営理念や使命感などを標榜して、法令遵守をしていればよい立場にいます、末端の中小企業、零細企業は、働き方改革の諸条件を満たすことは容易ではありません、それでなくとも、建設関連の小企業は人手不足です、少ない人数でも期間を守らなければならず、あえて現場で無理をする状況を強いられているのです、こうした構図は他の業種にも似たような状況がありますと。
  「働き方改革実現会議」のメンバーには、学識経験者、官僚、政治家、大企業の経営者だけでなく、もっと現場感覚をもった人物を増やしてもいいのではないでしょうか。人手が足りない業種がたくさんあるなかで、仕事がないという理由で「生活保護」を受けている若者もいるようです。
  私は政策を立案する方に、下水道役を果たして苦しんでいる中小零細企業の実態を知ってほしいのです。大臣室から「働き方改革実現会議」の答申を発表するのもいいでしょう。中小零細企業の経営者の努力不足や勉強不足も認めます。しかし、真に国家の下支えをしているのは、きつい、汚い、危険を承知で働いている人ではないでしょうか。そのことが反映されていないことを思うと、いくつかの点で「働き方改革」には納得できません。
私も全く同感であります。
 働き方実現改革には、大村さん、全国中小企業団体中央会の会長と、三村さん、日本商工会議所会頭が参加をしておりますが、しかし、やはりこの二人、果たしてお二人とも中小零細企業の意見まで代弁されるような方かという疑問もあります。
 こうした状況の中で、塩崎厚生労働大臣はこれから法案をつくっていく責任者でありますが、こうした中小零細企業の声をしっかりと聞いていく、そういう決意はおありでしょうか。
#181
○塩崎国務大臣 中小企業、零細企業の立場がちゃんと反映をされた、そういう働き方改革をやらないといけないというのは、そのとおりだと思いますし、私どもも、絶えずそれを意識してやってきたところでございます。
 今、働き方改革実現会議のメンバーで、日本商工会議所の会頭の三村さん、それから全国中小企業団体中央会の会長の大村さん、この方々が、もちろん中小企業、零細企業の代表として声を出していただいて、御意見をたくさん言っていただいたということについては、間違いなくそうしていただいていたというふうに思います。
 ただ、それで十分かというと、これからまたいろいろやっていかなきゃいけませんし、我々政治家が多分一番、選挙区で零細企業の声を聞いている立場でありますし、そもそも自分の事務所が超零細企業で、大変過酷な条件のもとで働いてもらわなきゃいけないということをやっていることを考えてみると、まさに足元から働き方改革をやらなきゃいけないということでもあります。
 やはり身近にそういった意見を絶えず意識しながら、これから労政審で具体的な法律の議論になります。そういったときに、メンバーの中にも、もちろん中小企業の代表はおられることになるんだろうと思いますが、なお、そういった点によく配慮をしながら、人数的にはそちらの方が圧倒的に多いわけでありますから、そういう人たちこそがどういう働き方ができるようになるのか。
 働き方は実は暮らし方そのものであって、家族で働いている人たちは、中小企業、零細に特に多いわけでありますから、そういうことを十分意識しながら法律をつくり、そして新たな制度をつくってまいりたいと思っております。
 例えば産業医といっても、診療所が建物の中にあるような大きい企業の話はともかくとして、中小企業、普通は自分のところにお医者さんがいるわけじゃなく、契約の産業医の皆さんにどう新しい働き方の中で健康管理をしていただくかというのはまたこれから考えていかなきゃいけないと思いますので、御指摘を受けてしっかりやっていきたいと思います。
#182
○高井分科員 では、経産政務官にもお聞きしたいと思いますが、中小企業御担当ということで、政務官、お願いします。
#183
○中川大臣政務官 高井委員におかれましては、本当に見識のある質問をいただきまして、ありがとうございます。
 私も高井委員と隣の広島を選挙区としていますので、やはり、全国三百八十一万社、全体の雇用の七割を担う中小企業の復活なくして本当に日本の再生はないなということを地元を回っていて痛感いたします。
 その上で、やはり中小企業の皆さんの声というのをしっかりと反映させていただいて、実践をしていくということが大事ですし、そういった仕組みづくりというのが私も本当に大事なんだろうというふうに思っています。
 同時に、中小企業政策というので、経産省でも、働き方改革のみならず、下請法を改正したりとか、価格転嫁の問題とか、さらには本当に中小企業で、高井委員の一番お得意の分野でいらっしゃるITというのをどんどんと設備投資に使っていただこうというような数多くの施策をやっております。
 こうした中で、働き方改革の会議体では、先ほどありますように、三村会頭ですとか大村会長にメンバーに入っていただきながら、やはり日商さんたちにもそれぞれ全国津々浦々の声というのを真に上げていただきたいなということを思っていますし、また、私たちの方にも、例えば下請価格駆け込み寺のようなところで多くの御意見というのを今伺っている段階です。
 そういった中で、私も地元に帰っていつも痛感しているのが、同一賃金同一労働と言われても、さらには長時間労働の是正と言われても、まだまだそんなところに行き切れていないというような本当に切実な声を聞かせていただいていますので、先ほど塩崎大臣も言われましたけれども、より一層、中小企業の皆さんにも働き方改革を実行に移していただけるために、そういった周知とか、さらには本当にそういった声というのを政策に移していくという方向が大事なんだろうというふうに思っています。
 厚生労働省の方で、労働政策審議会において法案に向けた具体的な検討が行われておりますので、これからも私たちも連携をさせていただきながら、中小企業、小規模事業者の切実なる声というものをしっかりと政策に転換していけるようにやっていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
#184
○高井分科員 ありがとうございます。
 先ほど大臣言われましたとおり、まさに我々政治家の事務所も零細企業ということ。ですから、私は実は、今、国会議員に当選してもこの勉強会には参加をしていて、できる限り出席をして勉強しています。
 本当に切実な声ですね。会社の数でいえば九九・七%が中小零細企業ということでありますから、ここの声を聞かずして働き方改革というのはあり得ないと思っていますので、また、経営研究会、本当にいいメンバーがたくさんいて、私は、かなり中小零細企業の意見を代弁できる、四千五百人も会員がいる組織でありますので、ぜひ、大臣あるいは中川政務官には、会って声を聞いていただきたいな、そのことを要望させていただきます。
 それでは、またちょっと話がかわりますが、同じ働き方の話なんですが、私はIT、ICTを専門でずっとやっておるんですけれども、やはり、今、AI、ロボット、こういったものがどんどん普及をしてきて働き方が劇的に変わる、数年後、十数年後には人間の仕事の半分がロボットやAIで置きかわるんじゃないかなんという衝撃的なデータ推測も出ているわけですけれども、こういったちょっと長期的な視点を見て、働き方改革というのにどのように取り組んでいく考えか、厚生労働大臣のお考えをお聞かせください。
#185
○塩崎国務大臣 去年八月に、私ども厚生労働省の中で、私の発案で、働き方の未来二〇三五というグループを立ち上げて報告書をいただきました。一人一人が輝くようにという副題もつけておりましたが。
 そこで、実はメンバーの中に、例えば東大の松尾先生、AIの御専門でありますが、それとかサイボウズの青野さんとか、そもそも座長はフューチャーの金丸さんということで、ITとかAIとかそういう分野に非常に詳しい方々に入っていただいて、これは十四人のうちの三人が今申し上げたような名前でありますから、ほかにも、もちろんITをフル活用しているビジネスマンはおられますけれども。
 こういうようなAIやロボットあるいはICTなどの技術革新というのは、いつでもどこでも仕事ができるということになるわけでありまして、働き方を大きく変えるだろうということで、この二〇三五のグループのディスカッションも、最初はまさに、技術革新がどういう変化をもたらすんだろうか、これを随分徹底的に議論しておられたところでございます。
 そういうことが進むと同時に、介護とか子育てとか障害者の働き方とか、そういう方々にとっても制約とならない社会を実現するためにも、これは必要な技術になるわけです。
 これらが、技術革新が何をもたらすかといえば、時間的な制約とか空間的な制約を取っ払う、そういう中で、新しい働き方は何なのかということを考えるということが大事なんだろうというふうに思いました。
 したがって、あらゆるチャンスを生かしていけるように、新しい技術に対応した職業能力の開発だったり、あるいは転職が不利にならない柔軟な労働市場あるいは労働市場慣行、そしてまた企業の慣行、企業文化を変えていく、それから柔軟な働き方を選択できるという環境整備、こういったことが、こういうAI、ロボットなどが、どんどんICTが進む中で必要になってくる働き方改革の政策ツールになるんだろうというふうに思います。
 ということで、働き方改革実行計画、この間まとめましたが、これを踏まえて、これからの問題に取り組んでいきたいと思います。
#186
○高井分科員 そういう観点でいうと、経済産業省にもお聞きしたいと思うんですが、実は今経済産業省で、新産業構造ビジョンというビジョンづくりを進められておると聞いておりますけれども、非常にこれはよくまとまっているな、いい検討をされているなと思っています。この中でも、やはりロボットやAIというもので置きかわっていくということがきちんと盛り込まれ、分析されているわけです。
 私は、特にその中でも、やはりシェアリングエコノミー、いろいろなものをシェアしていく、これがインターネット、ITの力でできるということは、非常に大きな、これから注目すべきテーマだと思っています。
 全体的に、「第四次産業革命をリードする日本の戦略」と題しておりますけれども、私は、やはりこの分野で今度こそ我が国はおくれをとるわけにはいかない、この分野でとにかく世界の先頭を走っていくということが大変重要で、そのために経済産業省には大いに期待をしておりますが、具体的にというか、政務官の決意をお聞かせください。
#187
○中川大臣政務官 本当に御指摘のとおりだというふうに思います。
 第四次産業革命に世界が向かってきている中で、日本がやはり本当に世界の中心、トップをとっていかなくてはいけないんだろうというふうに思っていますし、本当に頭の体操ですけれども、十年、十五年先の日本が、世界じゅうがもう自動運転になっていて、人工知能つきのロボットが生活や社会や暮らしに密接にかかわり合ってくる時代を迎えるわけでもあります。
 こうした中で、本当にさまざま、自動走行、物づくり、医療、介護など幅広い分野で第四次産業革命というのは大いに活用されるべきだろうというふうに思っていますし、とりわけ、やはり日本の強みというのは、ロボットなどの物づくり技術力ですとか自動車の高い国際市場のシェア、こうした中での実世界のデータの利活用をめぐる国際競争において大きな強みがあるんだろうというふうに思っています。
 こうした中で、実は二〇二〇年、東京オリパラまであと三年ということが言われていますけれども、なかなか余り知られていない話でいうと、二〇二〇年はもう一つ大きなイベントが愛知で開催されます。ロボットサミットが日本で開催をされる。こういう場所を使って、やはりロボット技術のすばらしさというのを本当に広めていくべきだろうというふうにも私は思っております。
 同時に、本当に高齢化などのさまざまな問題というものを、世界じゅう貧困であったりとか高齢の問題とか、世界が抱えるさまざまな問題というのを我が国日本が第四次産業革命を駆使していかに解決せしめていくかということが非常に大事な方向性だろうというふうにも思っております。
 実はこれは、安倍総理の指示のもとで、いよいよ来月正式に手を挙げていく方向になっていきますけれども、二〇二五年の大阪万国博覧会に我が国が立候補いたします。このテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」ということで、世界に先駆けて日本がどういうふうにこういったものを第四次産業革命を駆使して解決していくかということが大きなテーマになってくるわけであって、こういった今つくられたロードマップに合わせて、さまざまそういった方向性というのをみんなが本当に共有をしながらやっていくべきだろうというふうにも思っております。
 そして、その中でもう一つあるのが、第四次産業革命に対応して、本当にさまざまな具体的な施策をつくっていかなくてはいけないという方向性では、例えば平成二十八年度の二次補正でおよそ百九十五億円ばかり予算をとっていますけれども、産総研の舞台において、世界トップレベルの産学連携拠点の構築ということで、そうした施設というのもしっかりとつくっていきながら、そういった第四次産業革命が向かう方向性というのを応援していくということも大事なんだろうというふうにも思っています。
 また、福島の方では、ドローンの技術に関するテストフィールドの構築というのもしっかりと行っていこうと。工場や企業の壁を越えた製造現場のデータの取得であったりとか共有に向けた実証の場を設けるなど、企業の新たなチャレンジについても促進していくといったような方向性というのも今組ませていただいているところでもあります。
 いずれにしても、産学官民みんな挙げて、第四次産業革命、先生が御指摘いただいたように、しっかりと本当に世界の中心をとっていけるように、また、先生の方も、IoT、もう専門でいらっしゃるので、多くの御指導を賜りますようにお願いしたいと思います。
#188
○高井分科員 ありがとうございます。
 私は総務省出身なんですけれども、本当は経産省と総務省、両輪としてぜひこのことは取り組んでいただきたいと思います。
 それでは、また話はがらっとかわりますが、これまでは提案型の質問でありましたが、ここからはちょっと追及型で申しわけありませんが、きょうは礒崎農林水産副大臣に来ていただいておりますが、東北農政局で天下りそして談合の疑惑がある、公正取引委員会の立入検査が入ったということであります。
 まず、これは事務方の方で結構ですが、この件でいろいろ報道が出ておりますけれども、建設会社に農林水産省から再就職している方の数、これは管理職じゃない方も含めて、あるいは退職後二年を過ぎた人も含めての数はどうかということと、それから、今回七つの地方農政局が発注した全国平均の平均入札参加者数と落札額と今回の東北農政局のその数の比較、いかがでしょうか。
#189
○室本政府参考人 現行の国家公務員法では、再就職あっせん規制、就職活動規制、OBによる口きき規制などが規制されてございますが、これらの規制を遵守していく限りにおいて、職員が退職後に再就職の活動を行うことは基本的に自由でございます。
 これらの規制に加えまして、管理職であった者については、離職後二年間に営利企業等に再就職した場合に、再就職情報の届け出を行うことが義務づけられております。
 そして、この現行制度導入後の平成二十年十二月から平成二十八年の十二月までの間に、農林水産省の農業土木系の退職者で建設会社へ再就職した者は十一社で十三名となってございます。
 委員からお尋ねのありました管理職以外の退職者、これはいわゆる届け出義務のない者でございまして、これについては、農林水産省として把握してございません。
 それから、落札率と入札参加者数でございます。
 平成二十八年度に地方農政局が発注した工事について、工事一件当たりの平均入札参加者数を集計したところ、全国では五・八社、東北農政局では六・二社という状況でございます。
 また、同じ時期における平均落札率でございますが、全国では九二・二%、東北農政局では九二・五%という状況でございます。
#190
○高井分科員 これは、もうこれだけ報道もされていて、いろいろな疑いがある中で、調べなくていいということとはちょっと思えませんけれどもね。
 これは、副大臣、三月十九日に最初に朝日新聞で第一報があって、四月五日、六日と公取の立入検査もあったという報道になっていますが、これを聞いて、大臣なり副大臣からどういう指示を出されているんですか。
#191
○礒崎副大臣 まず、四月五日に公正取引委員会から東北農政局に対して立入検査があったことについては、私も重く受けとめております。ただ、今回の公正取引委員会の検査は、工事の入札参加業者が共同して受注業者を決定しているという疑いに関連する調査であるというふうに聞いておるところでございます。
 いずれにしても、談合というのはあってはならないことでございまして、山本大臣からは、公正取引委員会の調査に積極的に協力するなど、適切に対応していくよう指示をいただいているところでございまして、これに基づきまして、検査に先立ちまして報道段階から、東北農政局にあります公正入札等調査委員会を立ち上げまして、引き続き調査に努めておるところでございます。
#192
○高井分科員 この問題は、きょうとても全部追及し切れません。国会、委員会での質疑とあわせて、我が党でムダ遣い解消プロジェクトチームというのをやって、私、事務局長をやっておりますが、この問題は徹底的に追及させていただきたいと思いますので、できる限りというか、きちんと資料なり数字は出していただくようにお願いをしておきたいと思います。
 最後に、ちょっとどうしても聞きたいことがあるので、もう一度、厚生労働大臣にお伺いをいたしますが、子供の医療費の無料化についてでございます。
 これは私、ずっとライフワークのように、実は岡山の市長選挙に立候補したことがありまして、そのときにこれを公約に掲げました。
 岡山市は実は小学校に入学するときに三割負担になってしまうということで、近隣自治体はもう無料なところが多いものですから、岡山市から小学校入学のときに引っ越すという人が大変多いんですよ。全国を見ると、ほとんど小学校は無料が多くて、中学校まで無料というところも多い中で、岡山市もようやく小学校一割負担まで行きましたけれども、しかし、大きくやはり開きがある。これは結構自治体間の変な競争になってしまっていて、それによって引っ越しまでする、こんなことになるのは非常に私は不合理だと思っています。
 これを何とか、難しいとは思うんですけれども、厚生労働省としてリーダーシップをとっていただいて、子供の医療費無料化がもうちょっと全国的に進むような、自治体によってばらつきが出ないような工夫というのはできないものでしょうか。
#193
○塩崎国務大臣 今、子供の医療に対する支援というのは、国は就学前の子供の医療費の自己負担を三割から二割に軽減するという形、それに加えて、今のお話しの、各市町村が独自に助成をして自己負担をさらに軽減するという、それがばらつきがあるんだ、こういうお話でございました。
 このような子供の医療費助成制度を全て国の制度として運用すべきではないかという御提案だというふうに理解をいたしますが、今回いろいろな、国民健康保険改革の中で、市町村からこの問題については随分御指摘がございました。
 結局、今回我々が決めたことは、就学前に関してはペナルティーを与える措置はやめようということで一つの前進を図ったということでございますが、しかし、全体の子供に対する医療の自己負担の軽減を統一的にやれという御指摘については、なかなか財政状況が厳しい中にあって、この課題がやはりかなり重たいものがあってそう簡単にはいかないということで、私どもとしては、問題意識はよくわかりますが、そこは慎重に検討を引き続きやっていくということではないかというふうに理解をしておるところでございます。
#194
○高井分科員 時間が来たので終わりますが、やはり少子化対策にとってこれも非常に重要な政策だと思いますので、ぜひ前向きに御検討いただきたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。
#195
○瀬戸主査代理 これにて高井崇志君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして厚生労働省所管についての質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#196
○瀬戸主査代理 これより経済産業省所管について審査を行います。
 まず、概要説明を聴取いたします。世耕経済産業大臣。
#197
○世耕国務大臣 平成二十六年度、二十七年度における経済産業省の決算の概要を御説明申し上げます。
 まず、平成二十六年度における経済産業省の決算の概要を御説明いたします。
 一般会計の歳入につきましては、歳入予算額七百八十六億円余に対し、収納済み歳入額は一千七十三億円余であり、差し引き二百八十七億円余の増加となっております。
 歳出につきましては、歳出予算現額一兆七千二百二十八億円余に対して、支出済み歳出額は一兆五千七百七十二億円余であり、その差額一千四百五十五億円余のうち、翌年度への繰越額は一千二百六億円余、不用額は二百四十八億円余となっております。
 次に、エネルギー対策特別会計につきましては、収納済み歳入額は八兆五千四百十六億円余、支出済み歳出額は七兆六千四百九十八億円余であり、その差額八千九百十七億円余のうち、翌年度への繰越額は三千七百十六億円余、平成二十七年度予算に歳入計上した剰余金は三千四百九十三億円余、これらを除いた純剰余金は一千七百七億円余であります。
 このほか、貿易再保険特別会計及び特許特別会計がございますが、これら特別会計の決算の概要につきましては、お手元の資料に掲載したとおりであります。
 続きまして、平成二十七年度決算の概要を御説明いたします。
 一般会計の歳入につきましては、歳入予算額一千五百九億円余に対し、収納済み歳入額は一千七百六十九億円余であり、差し引き二百六十億円余の増加となっております。
 歳出につきましては、歳出予算現額一兆四千百四十八億円余に対し、支出済み歳出額は一兆二千三百四十二億円余であり、その差額一千八百六億円余のうち、翌年度への繰越額は一千五百四十三億円余、不用額は二百六十三億円余となっております。
 次に、エネルギー対策特別会計につきましては、収納済み歳入額は八兆九千九百三十三億円余、支出済み歳出額は八兆三千六百二十五億円余であり、その差額六千三百八億円余のうち、翌年度への繰越額は一千三百九十億円余、平成二十八年度予算に歳入計上した剰余金は二千二百五十一億円余、これらを除いた純剰余金は二千六百六十七億円余であります。
 このほか、貿易再保険特別会計及び特許特別会計がございますが、これら特別会計の決算の概要につきましては、お手元の資料に掲載したとおりであります。
 以上をもちまして、平成二十六年度、二十七年度における経済産業省の決算の概要に関する説明を終わります。
 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#198
○瀬戸主査代理 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院寺沢第五局長。
#199
○寺沢会計検査院当局者 平成二十六年度経済産業省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。
 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項七件、意見を表示しまたは処置を要求した事項二件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項一件であります。
 まず、不当事項について御説明いたします。
 検査報告番号三三七号は、無停電電源設備の蓄電池更新工事の施行に当たり、共通費の積算を誤ったため、契約額が割高となっていたものであります。
 同三三八号は、委託契約において、委託業務の実施に要しない電気料金を含めていたため、委託費の支払い額が過大となっていたものであります。
 同三三九号から三四三号までの五件は、補助事業の実施及び経理が不当と認められるものであります。このうち、補助の対象とならないものが二件、補助対象事業費を過大に精算していたものが二件、補助金により造成した基金の使用が適切でなかったものが一件であります。
 次に、意見を表示しまたは処置を要求した事項について御説明いたします。
 その一は、自家発電設備導入促進事業等の効果の把握に関して意見を表示いたしたもの、その二は、コンテンツ緊急電子化事業により電子化された書籍に関して改善の処置を要求いたしたものであります。
 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。
 これは、インターネット上からの通信が可能なサーバー上で利用していたサポート期間が終了しているソフトウエアの更新等に関するものであり、これについて指摘したところ、改善の処置がとられたものであります。
 続きまして、平成二十七年度経済産業省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。
 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項十一件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項一件であります。
 まず、不当事項について御説明いたします。
 検査報告番号二四九号から二五九号までの十一件は、補助事業の実施及び経理が不当と認められるものであります。このうち、補助金により造成した基金の使用が適切でなかったものが四件、補助対象事業費を過大に精算していたものが四件、補助の対象とならないものが三件であります。
 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。
 これは、全国商工会連合会等が小規模事業者に対して交付する国庫補助金を原資とした小規模事業者持続化補助金について、雇用を増加させる取り組みに対する補助上限額の引き上げの対象となるのは従業員数を純増させる事業者であることを公募要領等に明記するなどして、補助上限額の引き上げが適切に行われるよう改善させたものであります。
 以上、簡単でございますが、説明を終わります。
#200
○瀬戸主査代理 ただいまの会計検査院の指摘に基づき講じた措置について説明を聴取いたします。世耕経済産業大臣。
#201
○世耕国務大臣 平成二十六年度及び平成二十七年度の決算検査報告において掲記されております事項につきましては、会計検査院の御指摘のとおりでありまして、まことに遺憾であります。
 不当事項につきましては、直ちにその是正措置を講じたところであり、また、意見を表示されまたは処置を要求された事項につきましては、所要の措置を講じてまいる所存であります。
 今後このような御指摘を受けることがないよう厳に対処してまいります。
#202
○瀬戸主査代理 この際、お諮りいたします。
 お手元に配付いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#203
○瀬戸主査代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#204
○瀬戸主査代理 以上をもちまして経済産業省所管についての説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#205
○瀬戸主査代理 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。河野正美君。
#206
○河野(正)分科員 日本維新の会の河野正美でございます。
 本日は、原発再稼働に関連して質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 冒頭、世耕大臣にお尋ねを申し上げますが、人類は原子力をコントロールできているとお考えかどうか、御見解を伺いたいと思います。
#207
○世耕国務大臣 大変大きい視点での御質問であります。
 原子力につきましては、二十世紀初頭に日本の長岡半太郎博士やあるいはボーア博士などによって相次いで原子模型が提唱をされて、原子核研究が本格的に進められてきた。それ以降、さまざまな研究や民生利用についての取り組みが進められてきたというふうに認識をしております。
 こうした先人たちの研究や取り組みによって、原子力はしっかりと制御して取り扱えば人類にとって有用であるとされて、こうした考えのもと、エネルギー利用についても、これまで国内外においてさまざまな知見が積み重ねられ、より安全に利用できるよう取り組みが進められてきたわけであります。
 ただ、人類は、科学技術を活用してきたわけですが、その活用に当たってやはり困難に直面する場合もあるわけですけれども、それを克服できるよう努力を繰り返してきた、これが人類の進歩の一つの大きな部分だろうというふうに思います。
 ただ一方で、今回の福島第一原子力発電所事故などに見られるように、原子力に関しては、一旦重大事故が起きますと国民生活や経済社会に甚大な影響を及ぼすということについても改めて十分認識をしなければならない、我々が得た教訓だというふうに思っております。
 今後の我が国における原発の活用に当たっては、福島第一原発事故を防ぐことができなかったことへの深い反省をいっときたりとも忘れることなく、二度とあのような悲惨な事故を繰り返してはならないという強い決意のもと、事故の教訓も踏まえ、いかなる事情よりも安全性を最優先することが当然でありまして、いわゆる安全神話と決別をして、世界最高水準の安全性を不断に追求していくことが何よりも重要だというふうに考えております。
#208
○河野(正)分科員 丁寧に御答弁いただきまして、ありがとうございます。
 私も、もう既に我々は原子力を用いた文化的な生活を享受してきたわけでありますけれども、原子力をコントロールする、あるいは制御するということは極めて大変な問題ではないかなというふうに思っております。
 そういった観点から再稼働について伺いたいんですけれども、ことし二月の予算委員会で、総理、大臣にも質問させていただきました。日本維新の会が提案している原発再稼働責任法案を踏まえて、現在の原発再稼働のあり方などを改めて確認させていただきたいと思います。
 我々日本維新の会は、原発については、即時ゼロという立場はとっておりません。エネルギーに関する市場競争と技術革新を促進し、市場原理により原発はフェードアウトするものと考えており、それまでの間、原発を動かす際は、我が党が参議院に提出いたしております原発再稼働責任法によって国と自治体の役割を明確にして、国民の理解を得ることが必要だというふうに考えております。
 昨年の新潟県知事選挙では東京電力柏崎刈羽原発、鹿児島県知事選挙では九州電力の川内原発、それぞれの再稼働を認めるかどうかが争点として注目を集め、知事選挙の結果が原発再稼働の可否を大きく左右し、さらには、国のエネルギー政策にも影響を及ぼす事態になったかと思います。また、その後の県政にも影響や混乱を来したものかというふうに思っております。
 そもそも、さきの予算委員会での答弁で示されましたように、原発再稼働に当たって、自治体の同意は法令上の要件ではございません。選挙による国民の判断に重きを置くのは当然であるものの、現状は、法令や科学的な知見というよりも、政治的な力やいわゆるポピュリズムが再稼働の是非に大きな影響を及ぼしているとも言えるかと思います。
 世耕経済産業大臣の受けとめをお聞かせいただきたいと思います。
#209
○世耕国務大臣 地方の知事選とか首長選の結果について、政府として何か評価をする、コメントをするということは差し控えたいと思いますが、いずれにしても、原発の再稼働に当たっては、地元の御理解を得られるよう丁寧に取り組んでいくことが非常に重要だと考えております。
 原子力に対する理解活動には終わりはありません。引き続き、立地自治体を初め関係者の声にしっかりと耳を傾けるとともに、国民の皆様に丁寧な説明を尽くして、幅広い理解が得られるよう粘り強く取り組んでいく、このことに尽きるんだろうというふうに思っております。
#210
○河野(正)分科員 先日の予算委員会で、世耕大臣は、再稼働の是非を判断する権限は原子力規制委員会が持っていて、新規制基準に適合すると認めた原発を、電力事業者が運転主体として再稼働を行うかどうか判断するというふうにお答えいただきました。そして、経済産業省の役割は、エネルギー政策を推進する立場から、原発再稼働を進めるべく、地元の理解を得るように取り組むことにあると、今もおっしゃったように、されております。
 国民がこうした役割分担を理解しているとお考えなのかどうか。個別の原発再稼働について自治体も国も判断する権限がないことを国民が知っているとお考えかどうか。国民の間にそうした認識が広く共有されていないからこそ、原発再稼働を争点とした自治体選挙等々が行われているのかと思いますが、改めて大臣の考えを伺いたいと思います。
#211
○世耕国務大臣 やはり福島第一原発の最大の教訓は、原発の安全性とか稼働の是非に関して、ここに政治的な部分とか感情的な部分が入ってはいけない、これが私は福島第一原発の最も重要な教訓であったのではないか。それで、原子力政策を推進する立場である経済産業省からそういった安全性の判断という部分が切り離されて、そして原子力規制委員会という独立性の高い組織になったんだというふうに思っています。
 その教訓に基づいて、原子力発電所については、いかなる事情よりも安全性を最優先して、高い独立性を有する原子力規制委員会が科学的、技術的に審査をして、世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると認めた原発のみ、その判断を尊重して、地元の理解をいただきながら再稼働を進めるというのが政府の一貫した方針であります。
 原子力規制委員会が新規制基準に適合すると認めた原発については、事業者が、原発の運転主体として再稼働を行うか否かを判断します。
 その上で、エネルギー政策を推進する立場から、経済産業省は、再稼働を進めるべく、関係省庁と協力をして地元の理解を得るように取り組むということであります。
 なお、何度も申し上げているように、自治体の同意は、法令上、原発の再稼働の要件ではありませんけれども、避難計画は地域の実情も熟知している地元の自治体が中心となって策定するものでありまして、その策定と充実強化には国がきめ細かく関与することとしております。こうした仕組みは決して日本独自のものではなく、世界的に見ても、イギリスやフランスでも同様になっているというふうに理解をしています。
 このように、政府、地方公共団体、事業者は、政策を推進する責任や炉を安全に運転する責任など、それぞれの立場における責任があって、その責任を全うすべく対応することが求められているというふうに認識をしています。
 この役割分担について、では国民が完全に理解をしているかというと、それはなかなか、まだ難しい部分があるかもしれません。こういった責任関係も含めて、エネルギー、原子力政策について、国民に対して引き続き丁寧に説明することは続けてまいりたいというふうに思っております。
#212
○河野(正)分科員 我が党のお示しした法案に関連してお尋ねしたいと思いますが、その内容について幾つか御紹介しながら、見解を伺いたいと思います。
 地域の避難計画や地域防災計画について、国に関与させることとしております。地域防災計画は原子力規制委員会に報告し、規制委員会に助言、勧告権を付与します。
 福島第一原発事故の教訓の一つは実効ある住民避難ができなかった点にあり、不確かな情報の中、右往左往された避難者も少なくなかったかというふうに思っております。けれども、現在も、避難計画の主体は自治体であり、国は関与するだけにとどまります。国が責任を持って内容をチェックし、計画の実効性を担保すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#213
○山本政府参考人 避難計画のお尋ねでございます。
 避難計画につきましては、その策定の初期の段階から国がきめ細かく関与をしておりまして、そして、地域の実情を最もよく知っております自治体と一体となって策定するというのが適切だろうというふうに考えております。
 このため、私ども内閣府におきましては、原発の所在地域ごとに、原子力規制委員会も含めました関係省庁それから関係自治体が参画いたします地域原子力防災協議会を設置しております。その中で、避難計画の具体化、充実化を進めているところでございます。
 さらに、この協議会におきましては、避難計画を含みます緊急時におきます対応が原子力災害対策指針に基づきまして具体的かつ合理的なものであるということも確認をしているところでございまして、さらに、その内容、結果につきましては、総理が議長を務められます原子力防災会議でも報告し、了承をいただいているというところでございます。
 また、避難計画につきましては、つくったら終わりではありません。この避難計画に沿いまして避難訓練、防災訓練を実施いたしまして、計画の実効性を検証しているところでございます。
 福島事故の教訓を踏まえますと、万が一の災害時に、住民の安心、安全の観点から、国と自治体がしっかり連携し、実態としてきめ細かく対応できるよう、継続的に避難計画の充実強化を行うことが重要であろうというふうに考えております。こうした取り組みを各地域でしっかりと定着させてまいりたいと考えておるところでございます。
#214
○河野(正)分科員 地元知事さんのお話ですけれども、再稼働に関する知事の権限を法律で定めておくべきではないかと考えておりますが、これについてはいかがでしょうか。
#215
○村瀬政府参考人 お答え申し上げます。
 国といたしましては、原子力規制委員会によって規制基準に適合すると認められた場合のみ、その判断を尊重し、原発の再稼働を進めることとしておりまして、地元自治体の同意は、法令上、再稼働の要件とはなっておりませんけれども、立地自治体のみならず、周辺自治体も含めて、理解活動を丁寧に進めていくという方針で臨んでいるところでございます。
 その際、理解を得る範囲や方法につきましては、各地の事情がさまざまでありますために、国が法令等により一方的、一律に決めるのではなく、各地とよく相談して対応することが適切と考えている次第でございます。
 今後とも、立地自治体など関係者とよくコミュニケーションをとりつつ、適切に対応させていただきたい、このように考えております。
#216
○河野(正)分科員 コミュニケーションはいいんですけれども、やはりそういった責任というところを明確にした方がいいんじゃないかなと考えております。
 次に、原子炉を設置する事業者の供給計画について、経済産業大臣による認可制を導入して、総理を含めた関係閣僚会議で協議することにされております。そして、エネルギー基本計画等に照らして適当、合理的と認めるときは供給計画を認可するとされています。
 こうすることで、エネルギー政策や電気事業の観点に立ち、国の責任がより明確になり、国民にとってエネルギーに対する安心感も高まるのではないかと考えておりますが、政府の見解を伺います。
#217
○村瀬政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、原子力の安全につきましては、原子炉等規制法により規律がされるということになっているというふうに考えております。
 その上で、電気事業法に基づきます供給計画の制度について御説明をさせていただきますと、電気の安定供給の確保のため、電気事業全体の広域的運営を実現する上で電気事業者相互間での電力供給の調整が必要であるということから、必要があれば経産大臣が調整を行うために、全ての電気事業者にその届け出を義務づけているものでございます。
 また、電力需要に応じまして計画的かつ効率的に供給力を確保していくために、供給計画におきましては、初年度以降十年間における年度別の最大電力や電力量等のほか、発電所の長期間にわたる使用計画を届け出させているところでございます。
 このように、電気事業法における供給計画という制度は、事業実施を計画的に進めることを確認することで電気事業の広域的運営における調整を事前に図るということを目的としておりまして、これをもって、個々の発電所における実際の発電、つまり使用するかどうかの可否を判断しているものではございません。
 御提案のような原発の稼働の可否を問うための認可制度ということにつきましては、本制度の趣旨に照らしてなじまないものと考えております。
#218
○河野(正)分科員 予算委員会で、安倍総理から、政府や地方公共団体、事業者は、政策を推進する責任や炉を安全に運転する責任など、それぞれが担っている責任を全うすることが求められていると答弁がありました。
 しかし、責任をそれぞれが分担することによって、例えば事業者が避難計画の作成に積極的にかかわらなくなるなど、ともすると縦割りの弊害を生じるおそれがあるのではないでしょうか。権限と責任をより明確にする仕組みが必要と考えますが、改めて世耕大臣の見解を伺いたいと思います。
#219
○世耕国務大臣 現行法制でも権限と責任は明確になっているというふうに思っています。
 特に原発の再稼働については、いかなる事情よりも安全性を最優先して、原子力規制委員会が非常に高い独立性を持っておりまして、その委員会が科学的、技術的に審査をして、そして新規制基準に適合すると認めた原発のみ、再稼働を進めるという形になっております。これが政府の一貫した方針であります。
 その上で、こんなことは起きてはいけませんけれども、万々々が一事故が起きた場合には、政府として国民の生命、身体及び財産を守るということは、もうこれは言わずもがなの重大な責務でありまして、原子力災害への迅速な対応、すなわち、事故の拡大防止と早急な事態の収束や、自衛隊、警察、消防、海上保安庁といった実動組織による各種支援を含め、住民避難の支援、物資の円滑な供給、医師の派遣などが円滑に行われるよう、関係法令に基づいて、責任を持って対処させていただきます。
 そして、避難計画については、この計画を立案するに当たっては、住民の状況や具体的な避難経路、避難先など、地域の実情を熟知している地元の自治体が中心となって策定するのが適切であると考えます。
 これは地元自治体任せにするということでは決してありません。原子力規制委員会が作成をした原子力災害対策指針に基づいて、初期段階から国がきめ細かく関与をして、地域原子力防災会議において議論をしながら、関係自治体と一体となって策定をしております。
 今後とも、国がしっかりと関与をしながら、自治体とともに避難計画を継続的に充実強化していきたいというふうに考えています。
 また一方、事業者は、原発の運転主体として、再稼働を行うか否かの判断を最終的にし、炉を安全に運転する責任を有するわけであります。万が一事故が起きた場合は、事業者は、迅速な事故収束に当たるなど、その責任を全うしなければならないというのは当然のことであります。
 このように、政府、地方公共団体、事業者は、政策を推進する責任や炉を安全に運転する責任など、それぞれが担っている責任を全うすることが求められるというふうに認識をしております。
#220
○河野(正)分科員 では次に、放射性廃棄物の最終処分について伺いたいと思います。
 我が党が提案する原発再稼働責任法案では、最終処分が決まらない場合は原発の再稼働はできないというふうなルールを定めております。最終処分場の立地見通しが全く立たないままで再稼働を進めることは、放射性廃棄物の処分を次世代に先送りする、看過しがたいことであると考えているからであります。
 現在、新しい規制基準のもと、原発再稼働が進んでおりますが、最終処分に関しては、依然として何ら見通しが立たないままだと言わざるを得ません。また、一部、トイレのないマンションとやゆされることもございます。稼働していなければ安全だと思っている方も少なからずおられるかと思いますが、御承知のように、原発敷地内のプールにとめ置いているだけという現状は看過できないというふうに考えております。
 この最終処分について、世耕大臣の見解を伺いたいと思います。
#221
○世耕国務大臣 まず、資源に乏しい日本において、電力の安定供給の確保、あるいは電力コストの引き下げ、そしてCO2排出の抑制という三点を同時に実現しようと思えば、安全最優先という大前提のもと、当面は原子力を活用していかざるを得ないというふうに考えております。その上で、原子力政策については、原発立地地域のみならず、広く国民の皆さんの利益を得られるよう取り組んでいくことが重要だと考えています。
 再稼働に伴って新たに発生する使用済み燃料については、既に発生している使用済み燃料に対して行っているように、安全に保管管理していく必要があります。
 そのために、昨年十月には、私から各電力会社社長に対して、事業者が策定した「使用済燃料対策推進計画」を着実に進めていくよう要請をしたところであります。
 引き続き、官民が協力して、使用済み燃料の貯蔵能力の拡大に向けた取り組みの強化を進めてまいります。
 そして、高レベル放射性廃棄物の最終処分につきましては、既に相当量の使用済み燃料が発生している以上、再稼働があろうがなかろうが、解決に向けて取り組んでいくべき重要な課題だというふうに思っています。
 このため、一昨年五月に、最終処分法に基づく基本方針を改正いたしました。その中で、地域の科学的特性を全国マップの形でわかりやすく提示するなど、国が前面に立って取り組んでいくことといたしました。
 国民や地域の皆さんの御理解をいただきながら、一歩ずつ、国が前面に立って、着実に取り組んでまいりたいというふうに思います。
#222
○河野(正)分科員 今お話しいただきましたように、科学的有望地ということについて伺いたいと思います。
 これは、平成二十八年中の提示を目指すとされ、昨年も全国シンポジウムや自治体説明会を開催してきたものの、いまだ公開には至っていないという状況でございます。
 まず、この間の見直しの取り組み、全国的な対話活動や説明会などの開催にどの程度費用を投じてきたのか、その結果、国民や自治体の理解が高まってきているとお考えなのか、経済産業省の見解を伺いたいと思います。
#223
○村瀬政府参考人 お答え申し上げます。
 一昨年五月に最終処分法に基づきます基本方針を見直しまして以降、最終処分の必要性や地層処分の安全確保の考え方等につきまして、資源エネルギー庁として、一般の国民の方々を対象に、全国九都市ずつで計三巡、延べ二十七回にわたるわけですけれども、シンポジウムを開催し、処分実施主体であるNUMOと共催でこれを実施してきたところでございます。
 また、一方的なものではなくて、双方向性を重視した少人数のワークショップなどを計二十二回実施したほか、自治体の担当者向けに、都道府県ごとの計二回、延べ百回近くの説明会を実施してきたわけでございます。
 これらに要した費用は、合計で約四億円、そのうち国の支出は約一・五億円となっているところでございます。
 こうした全国的な対話活動には、延べ約六千人の一般の国民の方々など多くの参加者を得ることができまして、関心をお持ちの方々、自治体の皆様に対しまして、政府の取り組み方針、考え方などにつきまして丁寧にお伝えすることができたものと認識しているところでございます。
 また、こうした対話活動の開催につきまして多くのメディア等でも取り上げていただくことができまして、広く一般の方々にも関心を持っていただく機会となっているのではないかと認識しているところでございます。
 最終処分は国民の関心や理解の深まりなしに実現ができないということでございますので、これにとどまらず、一歩ずつ、丁寧に、粘り強く取り組みを進めてまいりたい、このように考えているところでございます。
#224
○河野(正)分科員 昨年中の提示を目指した科学的有望地が明らかにならない理由について、さきの予算委員会で、世耕大臣より、原子力委員会が、パブリックコメントの結果等を踏まえて国民目線に立ってもう一度注意深く慎重に検討すべきと指摘したことを受けて、スケジュールありきではなくて、丁寧な議論を尽くすことを優先してまいりたいというふうに答弁されました。
 そこで、原子力委員会にお尋ねをいたしますが、委員会では、この間の議論についてどのような議論を重ね、どういう懸念から、慎重な検討を行うことが必要と判断して意見をまとめているのか、伺いたいと思います。
#225
○進藤政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、検討の背景ですけれども、平成二十七年の最終処分法上の基本方針の改定におきまして、原子力委員会は、国民の信頼を確保する観点から、経済産業省資源エネルギー庁、原子力発電環境整備機構等の関係機関の活動状況に係る評価を定期的に行うことになりました。
 また、同じく平成二十七年十二月に開催されました第五回最終処分関係閣僚会議におきまして、科学的有望地が提示される前に、原子力委員会は、国民理解の醸成、地域対応の充実及び科学的有望地の検討に関する諸施策の進捗状況について評価を行うこととされました。
 これらを踏まえまして、原子力委員会は、昨年、平成二十八年五月に放射性廃棄物専門部会を新たに設置し、ヒアリング等によりまして先ほども申し上げました関係機関の活動状況を確認しつつ、計五回の審議を経た上で、昨年、平成二十八年十月に御指摘の報告書を取りまとめたものでございます。
 内容ですが、御指摘のとおり、報告書の総評の一部の部分で、科学的有望地の要件、基準につきまして、「その提示の際の説明や表現等について、提示から文献調査に至るまでのプロセスを含め、正確かつ適切に情報が伝わるよう、慎重な検討を行うことが必要」と結論づけております。
 これは、関連する全国シンポジウム等において収集されました国民の意見を見ますと、有望地が候補地としてピンポイントで示されるといった誤解や、有望地イコール安全性が担保された場所といった誤解が必ずしも払拭されていないと考えられたことを踏まえまして、国民の不信感、不安感をより払拭するためには科学的有望地の提示が国民にどのように受けとめられるのかという視点が重要であり、かかる認識のもと、委員の総意として、科学的有望地の提示に当たっては、できる限りそのような誤解が国民の間に生じないよう、国等は適切な情報提供を行うべきとの見解が示されたものでございます。
#226
○河野(正)分科員 時間が余りありませんので、ちょっと先に進みたいと思います。
 私は、これまで幾つかの施設を視察させていただきました。環境委員会の理事をしておりましたときに、フィンランドのオンカロも行ってまいりました。国内では、六ケ所村であるとか、北海道の幌延といったところも行ってまいりました。
 こうした経験から、日本国内には本当に地下水が豊富で、地底深くなると水がどんどん落ちてくる、また、地震、火山の影響のない安定した岩盤があるように思えないことから、果たしてどの程度、科学的有望地が存在するのかなと若干懐疑的になっております。
 しかし、私がいろいろなところで視察をさせていただいた中で、ある専門家の方は、具体的な地名をお聞きするまでには至りませんでしたが、科学的有望地はあるんだということを断言されておりました。
 専門家の先生方の議論を通じて、本当にそうした岩盤が存在するのか、そこに最終処分場を設置した場合、どのように廃棄物を輸送し、全体の費用はどの程度になると見込んでいるのか、これまでの議論で明らかにできる範囲で政府の認識を伺いたいと思います。
#227
○村瀬政府参考人 お答え申し上げます。
 最終処分場は、例えば、地下水の動きが緩慢であること等の特性が認められ、かつ、火山ですとか活断層といった影響を受けにくいといったような地域で、長期にわたって安定した地下環境で最終処分が可能、このように、さまざまな専門家の知見を取り入れまして一九七〇年代から長きにわたって研究が行われました結果、処分場所に求められるこうした条件を満たす地下環境は我が国にも広く存在する、このような評価が得られているところでございます。
 現在も、科学的有望地と呼ばれたマップの提示に向けて、技術的な専門家も入れた審議会で、そのような適地が日本の中に存在し得るということを示していただくための材料を提供すべく、検討が進められているところでございます。
 また、高レベル放射性廃棄物でありますガラス固化体の輸送方法でございますけれども、金属製の輸送容器に収納いたしまして、しっかりと安全性を確保した上で、再処理工場から専用輸送船または専用輸送車両で処分場に運ばれる、これが基本となっているところでございます。
 高レベル放射性廃棄物の最終処分費用につきましては、処分するガラス固化体の本数にもよるところではございますけれども、建設する処分施設はガラス固化体を四万本以上処分できるものとする予定でございまして、仮に四万本で見積もった場合には、その費用は現時点で約二・九兆円と見込まれているところでございます。
#228
○河野(正)分科員 ありがとうございます。私も、運搬するところとか、船で運ぶとか、いろいろ見せていただきました。
 最後になると思いますが、これまでの科学的有望地の議論を振り返ると、国が前面に立ってそれを示すことによって、国民の間に最終処分についての関心や理解が高まり、地域での国民的議論が深まっていくことを期待していたのかなと思います。
 予定した公表時期が大きく過ぎて、国民の関心が逆に失われていくことが懸念されます。世耕大臣のお言葉をおかりするならば、科学的有望地の提示は、最終処分に向けた何十年とかかるいろいろな長い道のりの最初の非常に重要な一歩なのでしょうけれども、その一歩がなかなか踏み出せないことで、国民の関心、信頼が失われることが懸念されるわけであります。
 科学的有望地が全て処分場になり得るわけではありませんし、安全な運搬、搬入を含めて、当該地域住民、周辺地域の方の御理解など、多くのクリアしなければならない障壁があるものだと思います。
 現在、「地層処分に関する地域の科学的な特性の提示に係る要件・基準の検討結果(案)」というのがパブリックコメントが終わった段階だというふうに思いますが、今後の見通しについて、大臣の見解を伺いたいと思います。
#229
○世耕国務大臣 今委員御指摘のように、昨年十月に原子力委員会からいただいた御指摘を受けて、審議会でさらに議論を重ねてきていただきました。
 三月二日に開催されたワーキンググループにおいて、地域の科学的特性をマップで示すための要件、基準の案が取りまとめられまして、先月末までに改めてパブリックコメントを実施したところであります。この結果を踏まえて、三月十四日金曜日に改めて審議会を開催する予定であります。
 その審議会でしっかりと議論を尽くしていただくことが重要でありまして、その先のことを予断を持ってお話しすることは控えたいと思いますが、いずれにしても、審議会の議論が取りまとまれば、その内容を改めて国民や自治体の皆さんにしっかりとお伝えをしていくことが非常に重要だというふうに思います。
 いずれにしても、スケジュールありきではなくて、丁寧に、着実に進めてまいりたいというふうに思います。
 ちょっと訂正。三月十四日じゃなくて、四月十四日金曜日であります。
#230
○河野(正)分科員 やはり我々はもう既に原子力の恩恵を受けてしまった世代で、しっかりとこういった核のごみについても検討して、次世代に先送りすることなく、道筋はつくらなければいけないと思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
 以上で終わります。
#231
○瀬戸主査代理 これにて河野正美君の質疑は終了いたしました。
 次に、逢坂誠二君。
#232
○逢坂分科員 民進党の逢坂誠二でございます。
 世耕大臣、きょうはよろしくお願いします。
 私は、この間、何度議論してもよくわからないことがあるんです。何で核燃料サイクルをやる意味があるのか、メリットがあるのか、理由があるのかというのを、何度説明を聞いてもわからないんですよ。きょうはだから、世耕大臣から、わかりやすく、核燃料サイクルはこういうことでメリットがあるんだというのを聞かせていただければと思うんですが、三十分後には私も、ああ、核燃料サイクルいいなというふうに変わっていられるように説明をいただければと思います。
 まず冒頭に、世耕大臣、核燃料サイクルを進める理由、メリット、これについて説明いただけますか。
#233
○世耕国務大臣 多分、今まで何回も同じお答えを役所としてしてきているんだと思いますけれども、核燃料サイクルについては、さまざまな課題があることも事実でありますが、それについてしっかりと検討して、問題点は明らかにした上で、一つ一つ解決をしていく必要があると思っています。
 その上で、核燃料サイクルについては、三つ、高レベル放射性廃棄物の量の減少ですとか、放射能レベルの低減ですとか、資源の有効利用などのメリットがありまして、原子力を重要なエネルギーとして使用してきた我が国にとっては、やはり必要なプロセスだと考えております。
 例えば、放射性廃棄物の量の減少という意味では、体積が約四分の一に減ると言われております。また、放射能レベルの低減という面では、天然ウランの有害度レベルまで低下するのに要する期間が、そのまま処理するのに比べて約十万年から約八千年まで短くなるということ。そして、資源の有効利用という点からは、一から二割の新たな燃料ができる。こういった面で有用性があるのではないかというふうに考えております。
 国として、責任を持って、安全の確保、技術の向上に万全を期しながら、引き続き、自治体や国際社会の理解を得ながら取り組んでいく必要があると考えております。
#234
○逢坂分科員 今、三つのポイントを言っていただきましたが、いずれも私はそれについて疑問がありまして、これは長い話し合いになりそうですけれども、また教えていただければと思います。
 そこで、まず最初に、「核燃料サイクルの仕組み」というペーパーを配らせていただきました。これについてちょっと話をお伺いしたいんです。
 これでは、特に左側の、「軽水炉サイクル 当面の姿」というふうになっていますが、発電所で使用済み燃料が出る、それを六ケ所の再処理工場で再処理をして、燃料加工工場でMOX燃料にする、もう一回、プルサーマルなりフルMOXで発電所で使うということになるわけですが、まず、事務方にお伺いしますが、このMOX燃料を使った後に、使用済みMOX燃料というのはこのサイクルに乗るものなんでしょうか。
#235
○村瀬政府参考人 お答え申し上げます。
 このサイクル政策でありますけれども、我が国では核燃料サイクルを進めていくということが基本方針でございまして、使用済みMOX燃料につきましても再処理を行っていく、このような方針でございます。
 現時点で使用済みMOX燃料の再処理をする工場があるかといいますと、現時点ではございません。
#236
○逢坂分科員 現時点で使用済みMOX燃料の再処理工場はない。
 あるいは、使用済みMOX燃料を再処理をして商業的に使うめどというのは立っているんでしょうか。いかがですか。
#237
○村瀬政府参考人 使用済みMOX燃料につきましては、当面、再処理をする工場がないものですから、これを安全に管理していく、こういう方針でございます。
 ただし、先ほども述べましたように、使用済みMOX燃料につきましても再処理をしていく、サイクルを回していくというのが我が国のエネルギー政策の基本方針でございますので、使用済みMOX燃料の処理の方策につきましては、今後のプルサーマルの実施状況ですとか、使用済みMOX燃料の実際の発生の状況ですとかその保管の状況ですとか、再処理技術の動向などを踏まえながら検討していく、このような方針でございます。
#238
○逢坂分科員 仮に、使用済みMOX燃料の再処理のめどが立つと、新たな工場をつくるか、あるいは六ケ所を改造するか拡張するかして、使用済みMOX燃料をまた再処理をして、新たな、今度は第二MOX燃料をつくる。第二MOX燃料をつくって、それを原子力発電所で使った後の第二MOX燃料の使用済みというのが今度また出てくるわけですよね、サイクルを回すとなれば。それは、二回目につくった再処理工場で再処理ができるというふうに考えておられますか。その技術のめどは立っておられますか。
#239
○村瀬政府参考人 基本的には、サイクル、使用済みMOX燃料を再処理できる工場でありますと、先ほど御指摘があったような使用済みMOX燃料につきましても再処理をするということになると思います。
 技術的にめどが立っているかということにつきましては、研究開発も含めて、どのような技術が適しているかということも含めて、今後検討していく、こういうことになってございます。
#240
○逢坂分科員 大臣、大臣ももうおわかりのことと思うんですけれども、この絵はサイクルじゃないんですよ、少なくとも現時点では。だから、私は、MOX燃料を仮に認めるとして、MOX燃料を軽水炉で燃やす、燃やした後は、もう一本横にラインがあって、当面は保管というラインがないと、これは誤解を与える絵だと思うんですよね。
 私はこれを何回も言っているんですよ。こういう絵を出すと、みんなサイクルだと思って勘違いするから、こういう絵は出しちゃいけませんよと。せめて正直に、これはサイクルじゃないんだということを言ってもらわないと、当面とか、現状とかというのは伝わらないと私は思っているんですね。手が挙がっていますけれども。
 それから、仮に、六ケ所以外にもう一つの第二再処理工場ができて、そこでMOX燃料をもう一回再処理できたとしても、そこから出る使用済み第二MOX燃料が本当にそこで処理できるかどうかも、現時点では技術的にも確立はされていないというふうに私は承知しているんです。
 だから、そういう意味でいうと、これはサイクルじゃないんだということを、やはり正直に絵の上でも言ってもらわなきゃ困るんですが、何かありそうですので、どうぞ。
#241
○村瀬政府参考人 お答え申し上げます。
 サイクルの事業の実態につきましては、丁寧に説明をしていくということは、もう御指摘のとおりかと思います。
 これは、日本のエネルギーの、核燃料サイクルの基本方針を表現した絵でございますけれども、これ以外に、御指摘いただいたような点について注記を入れたような資料もありまして、TPOに応じてどのような資料を使っていくのが一番いいのかというのはありますけれども、御指摘いただいたような点も含めまして、丁寧に、実態がわかるように工夫をして資料はつくっていきたい、このように考えます。
#242
○逢坂分科員 確かに、注記の入ったものもあるんですが、やはりそれも私は決して正しいとは思えないんですね。米がついていまして、文字でだけ書いてあるんです。使用済みMOX燃料の扱いは未定と書いてあるんです。未定と書いてあるんだけれども、図面上はやはりサイクルになっているわけですよ。
 これはどう見ても正直じゃないと私は思うんですけれども、大臣、これは直されたらいかがですか。
#243
○世耕国務大臣 いや、我々は、別にそれで何か人をだまそうとか、そんなことを思ってなくて、もし正確に現状を説明しろといったら、今御指摘のような絵をやると思うんですね。
 これは軽水炉サイクルと高速炉サイクルを比較していて、我々は、少なくとも、軽水炉サイクルという以上は、国の方針として、使用済みMOX燃料もしっかりと再処理をしながらサイクルを回していきたいという思いを絵にしたわけでありまして、これは必ずしも今こうなっているというわけではありません。現状の政府としての目標というか方針を示したのがこの絵ということでありまして、そこは見る人が混乱を来さないように、丁寧に説明をしていきたいというふうに思います。
#244
○逢坂分科員 軽水炉サイクルと高速炉サイクルの比較だ、それはそれで、私は譲る気はないんですけれども、まあその説明をとりあえず受けとめるとして。こっちの絵は、でも、軽水炉しか描いてないんですね。これも経産省が出していただいた、これはきょう資料として提出はしていないんですけれども、これはやはりサイクルになっているわけですよ。だから、これは正直にやってもらわなきゃ困るなというふうに思います。この点は強く指摘をしたいと思いますし、ここが実は核燃料サイクルの一つの問題点なんですよ。
 核燃料サイクルをやろうがやるまいが、使用済み核燃料というのは残らざるを得ないんですね、現時点では。使用済みMOX燃料はすぐ処理できないわけですから。それでよろしいですね、理解は。
#245
○村瀬政府参考人 我が国のエネルギー政策の方針といたしましては、使用済みMOX燃料についても再処理をしていくということでございます。
 ただ、御指摘のとおり、今、現時点では使用済みMOX燃料を再処理する工場がございませんので、当面、何ができるかといいますと、しっかりそれまでの間安全に保管していく、このことをしっかり対応していくと。
#246
○逢坂分科員 当面保管するしかないということだったというふうに思います。
 さて、そこでなんですが、それではMOX燃料と通常のウラン燃料の価格はどうなっているのか、一般的にはMOX燃料の方が高いと言われているんですが、コスト差はどれぐらいあるのかわかりますでしょうか。
#247
○村瀬政府参考人 委員御指摘のとおりでございまして、今配付していただいている資料にもあるかと思いますけれども、ワンススルー、いわゆる直接処分と比べますと、核燃料サイクルの方が割高になっているところでございます。一般的には割高になるものと認識しております。
 具体的に申し上げますと、この表の中にもございますけれども、直接処分と違いまして、軽水炉サイクルの場合はいわゆる再処理工場が必要になるわけでございますけれども、今、六ケ所で建設がされました再処理施設につきましては十二・六兆円という費用がかかってくるということでございます。
 それも加味いたしますと、軽水炉サイクルにつきましては、これは比較のために、キロワットアワーベースでないとフェアな比較ができないものですから、キロワットアワーベースで比較した表になっているかと思いますけれども、軽水炉サイクルでいいますと、一・五円・パー・キロワットアワー。この中には、再処理費用、それからMOXの加工費用も含まれたものでございますけれども、したがってその分高くなっている。
 一方で、ワンススルー、直接処分につきましては、その費用がかからない一方で、最終処分する事業自体には、むしろ、直接処分の方がコストがかかる、ガラス固化体よりも使用済み燃料をそのまま処分する方がかかるという側面があるものですから、その分も考慮されていますが、結果として、トータルで見ますと、再処理の方が一・五円・パー・キロワットアワー、それから、ワンススルーの方が一・〇円・パー・キロワットアワーということで、御指摘のとおり、再処理を回した方が割高になっているということでございます。
#248
○逢坂分科員 私が聞きたかったのは、その前に、MOX燃料と通常のウラン燃料の値段はどう違いますかというところをまずお伺いしたかったんですが、それはいかがですか。
#249
○村瀬政府参考人 その点につきましては、今、トータルで見ますと、サイクルのコストとワンススルーのコストはそういうふうに比較できるわけでございますが、ただ、再処理事業というのが、再処理をして有価物を取り出すという部分と、再処理をしてできた廃液をガラス固化体というごみとして加工していくという部分がございまして、どこのコストをどれに割り振るかといったようなところがなかなか難しゅうございますので、その部分、いわゆる有価物を取り出す部分だけが幾らだという計算がなかなかできないものですから、ちょっとストレートにお答えするのは難しいんですけれども、恐らく、趣旨としては、再処理した場合とワンススルーした場合、このコストに比較があるだろうということについては、先ほど申し上げたような、トータルのコストで比較して御説明を申し上げさせていただいているということでございます。
#250
○逢坂分科員 少し答弁が変わりましたね。以前はそう言っておらずに、以前は、これは民間ベースのことだから国としてはMOX燃料のコストには関与しない的な発言をしていたかと思うんですけれども、今度は、有価物とそれから高レベル放射性廃棄物の話になってきたようですが。まあ、どっちでもいいんですけれども。
 でも、コストは、わからない、言えないということでしょうかね。
#251
○村瀬政府参考人 どちらも真実だと思っておりまして、今御指摘いただいた答弁も、結局、その上で、民民の事業で、幾らそのコストを消費に乗せていくかというのは民間事業の判断でございまして、ここは民民の契約の中で決まっていきますので、従来の答弁と変わったものではございません。
 ただ、御質問の趣旨からすれば、今私が申し上げたような説明の方がもしかしたらわかりやすいかなと思って、そちらを説明ぶりとして選択させていただきました。
#252
○逢坂分科員 細かいところは抜きにして、核燃料サイクルをやった発電の方が高い、これは事実でよろしいですね。政府が出していただいたこの表にもそう書いてありますので。キロワットアワー当たり一円と一・五円ということで、一・五倍の差があるということで、これはよろしいですね。
#253
○村瀬政府参考人 その点については事実でございます。これは我々が使っている資料でもありますので、事実でございます。
 ただ、他方、一方で、先ほど大臣から御答弁いただきましたような意味があるという中で、こちらの政策方針をとっているというのが現状でございます。
#254
○逢坂分科員 次に、政府のいろいろな計画の中に、利用目的のないプルトニウムは持たないという記載があるんですけれども、これはどういう意味なのか。利用目的のないプルトニウムは持たないということは、どういう利用をするんだというところについて、簡単に教えてください。
#255
○村瀬政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、利用目的のないプルトニウムは持たないということでございますけれども、我が国で利用として認められているのは平和利用に限られます。そういう意味では、それぞれの事業者が、持っているプルトニウムを平和利用の目的のもとで利用し消費するという目的以外にはプルトニウムを持たない。
 具体的にはどうやって消費するかといいますと、プルサーマル等の炉において燃やしていくというのが基本でございまして、それ以外のものは持たないというのがこの方針の意味するところでございます。
#256
○逢坂分科員 現在、我が国が保有している発電由来のプルトニウム、四十八トンというふうに承知をしているんですけれども、これはどういうプロセスで四十八トンのプルトニウムができたのかというか、私は、単純に、原子力発電所でウラン燃料を使って発電する、その段階ではプルトニウムというのは出てこないものだというふうな理解でいるんですけれども、そうではないんでしょうかね。
#257
○村瀬政府参考人 今、四十八トンという御指摘をいただきましたけれども、そのうち、燃やせる、燃えるプルトニウムは三十二トンでございます。
 これはどうやって、国内で再処理工場もない中で発生したかといいますと、従来は、国内で工場がなかったものですから、海外に委託をいたしまして、具体的に言いますとイギリスとフランスに再処理を委託して、イギリスはまだMOX加工の工場ができてないものですからプルトニウムの形で保存されている、それから、フランスについては再処理をして取り出したプルトニウムを燃料に加工してもらってそれを国内に持ってきて、今、もう実績がありますけれども、プルサーマル炉の中で燃しているということでございます。
#258
○逢坂分科員 すなわち、利用目的のないプルトニウムを持たないという言葉なんですけれども、そもそも、プルトニウムを持って利用しようという意図があったということですよね、だから再処理をしたんだということですよね。
 何か、あたかも自然発生的にプルトニウムが出てきて、でも、そういうプルトニウムは持たないんだと言っているのではなくて、核燃料サイクルをやろうと積極的に思っていたから、再処理もしたし、実際に四十八トンのプルトニウムを抱え、三十二トンの核分裂性プルトニウムを手にしているんだという理解ですよね。
#259
○村瀬政府参考人 長きにわたる国のエネルギー政策の中で、原子力政策の中で、サイクル政策を進めるという方針で臨んできているということでございまして、そのとおりでございます。
#260
○逢坂分科員 そこで、このプルサーマル発電とかフルMOX発電というのは、これは民間事業者がやることでありますけれども、民間事業者が自主的に、自主判断で行っているものなのかどうかということなんですね。国の政策の中に利用目的のないプルトニウムは持たないと書いてあって、それは民間事業者が自主的にその国の政策目的に会社の方針を合わせてくれているということなんでしょうか、それとも、もうちょっと違う力学が働いているのかどうか、このあたり、いかがでしょうか。
#261
○村瀬政府参考人 先ほど来申し上げているように、我が国は、エネルギー政策の中で核燃料サイクルを推進するという方針でございました。エネルギー基本計画におきましても、これは閣議決定しておるものでございますけれども、核燃料サイクルを推進する方針ということでございます。
 そういう国の方針のもとで、各事業実施の判断につきましては、事業者自身がみずからの責任のもとで行っているというものでございまして、例えばどこの原子力発電所でプルサーマルをやるですとか、フルMOX発電を行うといったようなことも、これは事業者の判断というふうに考えております。
#262
○逢坂分科員 そのときに、もう既に四十八トンもしくは核分裂性三十二トンを抱えている我が国として、これは本当に消費できる見込みがあるのかどうか。利用目的のないプルトニウムは持たないということは、それはそれで、一歩理解するとしても、これはちゃんと消費できるのかどうか。この点はいかがですか。
#263
○村瀬政府参考人 これにつきましては、原子炉を持っている事業者で、プルトニウム利用計画というものがございます。このプルトニウム利用計画は、原子力委員会に報告をされ、これが確認されてきたものでございます。現在でも、昨年三月時点で改めて確認されておりますけれども、原子力事業者は、十六から十八基のプルサーマル炉等によってプルトニウムを消費していくということになってございまして、これが年間五・五から六・五トン、しっかり消費していくということでございます。
 六ケ所の再処理工場が竣工いたしますと、大体年間四トン強のプルトニウムが発生するわけでございますけれども、これはまだ竣工に至っていないわけでございますし、今の四トン強といいますのは、いわゆる能力のマックスでございまして、いきなりそこまで生産がふえるわけではございません。数年かけてふやしていくということでございますので、五・五から六・五をしっかりプルサーマル利用計画の中で燃やしていくという中で、計画性を持って事業者の方もこのサイクル政策にコミットしている、このような状況かと思います。
#264
○逢坂分科員 話がだんだんずれてきたので、私の質問が悪いんですけれども。
 「核燃料サイクルの意義」というペーパーを用意させていただいたんですけれども、先ほど大臣から説明していただいたように、資源の有効利用だというふうに書いてあって、ワンススルーでは資源の有効利用はできないというふうに書いてあって、そこにバツがついてあります。
 確かにこれはそのとおりなんですけれども、ワンススルーであれ、軽水炉サイクルを回すのであれ、使用済み核燃料というのは現時点では残ってしまうという気がするわけですけれども、それはいかがですか。
#265
○村瀬政府参考人 ワンススルーの場合は、一回ずつ、出てきた使用済み燃料をもうそのまま廃棄するという考え方でございます。
 一方で、軽水炉サイクルの方は、再処理で回して、その中から取り出した有価物を使ってまた燃料をつくって、もう一回発電をしていくということでございますので、ここに書いてある表現が不適切だということはないかと思います。
#266
○逢坂分科員 仮に百歩譲って、この上段の表現が適切だとしても、この両者を比較する際には、軽水炉サイクルでも現時点では使用済み核燃料が残るんだということをあわせて書かないと、私はこれは実態が伝えられないのではないかという気がするんですね。
 先ほど説明したとおり、あくまでも目指す姿はこうであるというのがこの最初のペーパーですけれども、目指す姿はサイクルであると。これでは、使用済みMOX燃料は当面滞留することにはなっていないわけですね。でも、この「核燃料サイクルの意義」の方のペーパーにも、使用済みMOX燃料は当面残らざるを得ないんだということを書かないと、私は誤った印象を与えるということになると思うんですけれども、この点はいかがですか。
#267
○村瀬政府参考人 若干、先ほどの答弁にも重なるところがありますけれども、TPOにはよってきますけれども、そういったことをしっかり伝えなければいけない局面においては、丁寧に、適切な資料を用いて説明をしていくということにさせていただきたいと思います。
#268
○逢坂分科員 あと、高レベル放射性廃棄物の体積の問題。ワンススルーで一で、軽水炉サイクルだったら四分の一だ、ガラス固化体は四分の一になるんだというふうに言っています。
 ここがまさに問題でありまして、使用済み燃料は確かに一なんですが、軽水炉サイクルは、ガラス固化体四分の一プラス使用済みMOX燃料が残っている、そういうことにはならないんですか。さっきの話と同じ質問なんですけれども。
#269
○村瀬政府参考人 これも、いわゆる使用済みMOX燃料を再処理できるようになってまいりますと、次にまた再処理施設で処理できるようになってきますが、出てきますのはガラス固化体という形になってまいりますので、ここではガラス固化体と使用済み燃料を、最終的に処分していくごみとして出てくるものを比較しているということでございます。
#270
○逢坂分科員 ということは、永遠にサイクルを続け続けるということでありましょうかね。そうしなければ今の話は成り立たないわけですよね。どこかでやめると必ず使用済みMOX燃料というのが残るんじゃないですか。
#271
○村瀬政府参考人 先ほど申し上げたいわゆる国の方針では、全量再処理というのが前提になっておりますので、基本的には全量再処理していくということで考えているところでございます。
#272
○逢坂分科員 全量再処理をするということは仮にわかったとしても、でも、必ず使用済み燃料というのは何らかの形で残らざるを得ない、どこかでサイクルをやめればですよ。やめないで永遠に続けるというのなら、それはそれも、いつもいつも燃料になっていくわけですが、この点はいかがですか。
#273
○村瀬政府参考人 全量再処理ということですので、出てくるものはいわゆる、まあ、永遠に回すということに近い線でなっていますけれども、ただ、最終的にごみにして処分するという局面が仮に来たとしたならば、それに適したやり方を考えていくことになると思いますけれども、基本的には、今、再処理によって出すものはガラス固化体、そのガラス固化体を最終処分していくということでございますので、そういう事業を実現していくということであろうかと思います。
#274
○逢坂分科員 大臣、どこかでやめれば、必ず使用済み核燃料というのは残るんですよ。だから、使用済み核燃料があたかもなくなるかのようなこれは表なんですけれども、永遠に続けていればこういう状態は続くんだろうとは思いますけれども、多分永遠には続かないんですね。どこかで使用済み核燃料の問題に向き合わなきゃならないと私は思っています。
 それからもう一つなんですが、ガラス固化体があたかもいいものであるかのような話、いいものというか、高レベル放射性廃棄物の体積も小さくなるし、有害度も低減されるしということは、でき上がったもの、ガラス固化体そのものと使用済み核燃料を比較すれば確かにそれはそのとおりなんですけれども、ガラス固化体にするためにはそれへのプロセスが必要です。一瞬にしてそれがガラス固化体に変わるものではありません。放射性物質は、それを取り扱うプロセスが複雑であり、長ければ長いほど、場合によっては環境に負荷を与える可能性は高いというふうに思うんですね。このあたり、いかがですか。
#275
○村瀬政府参考人 むしろ廃棄物がふえてしまうんじゃないかというような御指摘かと思いますけれども、これについては、二〇一二年に原子力委員会において試算をいただいておりまして、高レベル、低レベルの放射性廃棄物の量の合計を見ますと、再処理をした方が、再処理を中止して直接処分、つまりワンススルーを行う場合よりも小さいという試算がございます。
 具体的には、再処理の場合は、廃棄物の体積で、確かに低レベルにつきましては若干多くなる。具体的には、ワンススルーは四十三万立米に対して、再処理の場合は四十五万立米となりますけれども、地層処分の対象となります高レベル廃棄物などにつきましては、ワンススルーが十八万立米に対しますと、再処理の場合は五万立米ということで、かなり小さくできてくるということでございまして、トータルで見ますと、やはりごみの体積とかそのために必要な処分場の面積といった観点からはすぐれているというふうに判断しているところでございます。
#276
○逢坂分科員 私が問題にしたいのは、最終的に残るガラス固化体とかあるいは使用済み燃料の量の問題もあるんですが、プロセスの問題なんです。そういう作業をしていくということは、使用済み核燃料を再処理する、再処理を常に繰り返していくということは、何にもしないよりは、やはり環境に与える負荷というのは私はあると思うんですよ。
 要するに、放射性物質をそのまま置いておくのと、それをまた何らか運搬をして、また処理の過程に入れて、そこからまたごみが出たり、あるいは高レベル放射性廃棄物をガラス固化化したりという、作業のプロセスが入れば入るほど被曝可能性が高まる、環境への放射線の放出の可能性が高まる、そういうことは懸念されないんですかということなんです。
#277
○村瀬政府参考人 まず、核燃料サイクルを進めるに当たりましても、新規制基準のもとでしっかりとした安全対策、その中には、被曝といった観点からの対応もされているということでございます。
 それから、プルトニウムの扱いにつきましては、そもそも、非常に国際的にも管理が必要だという中でIAEAの査察を受けるといったようなこと、それから、作業環境についても、グローブボックスといった形で人間が被曝しないような特別な取り扱いをするといったような工夫が求められるといったような中で取り扱っておりますので、トータルで見ますと、やはり、先ほど申し上げたように、ごみが減らせる、それから毒性もトータルで見ると減らせるというメリットはあろうかというふうに考えてございます。
#278
○逢坂分科員 コストはいかがですか。それをやり続ければやり続けるほどコストはかかっていくのではないでしょうか。
#279
○村瀬政府参考人 今私が申し上げたプロセスも、それから、最終的にでき上がった、あるいは、再処理事業を畳んで、廃棄していくといったコストも含めて、先ほど申し上げた十二・六兆円というものの中に、例えば廃棄のためのコストは三兆円ばかり、これは普通の事業に比べましても大変多うございますけれども、含んだ上でコスト計算がされているということでございます。
#280
○逢坂分科員 世耕大臣、私、やはりわからないんですよ、正直言いまして、いろいろ説明を受けても。
 大臣は冒頭、三つのポイントを話されましたけれども、大臣、本当に大臣も頭から大丈夫だ、核燃料サイクルが有効なんだというふうに思われますでしょうかね。いや、今この時点で思わないとは言えないとは思いますけれども、思わないと言った途端に大変なことにはなるとは思いますけれども、少し疑いの心を持ってやらないと私は道を誤るような気がするんですけれども、大臣、いかがですか。
#281
○世耕国務大臣 なかなか、きょうこれだけ議論させていただいても御納得いただけなかったわけですけれども、少なくとも、ワンススルーでやるよりはやはりサイクルでやった方が、いろいろな意味で、容量が減らせるとかメリットもあるわけであります。
 しかし、サイクルが絶対に安全で、こっちがこのまま自然体でいいという形ではなくて、やはり、安全性の確保とかコストダウンとか、そういったことには不断に取り組んでいかなければいけないんだろうというふうには考えております。
#282
○逢坂分科員 終わります。ありがとうございます。これからもやらせていただきます。
#283
○瀬戸主査代理 これにて逢坂誠二君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして経済産業省所管についての質疑は終了いたしました。
 これにて本分科会の審査は全て終了いたしました。
 この際、一言御挨拶申し上げます。
 分科員各位の格段の御協力を賜りまして、本分科会の議事を無事終了することができました。ここに厚く御礼を申し上げます。
 これにて散会いたします。
    午後四時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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