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2017/06/09 第193回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第193回国会 環境委員会 第19号
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2017/06/09 第193回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第193回国会 環境委員会 第19号

#1
第193回国会 環境委員会 第19号
平成二十九年六月九日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 平  将明君
   理事 石川 昭政君 理事 北川 知克君
   理事 高橋ひなこ君 理事 冨岡  勉君
   理事 福山  守君 理事 太田 和美君
   理事 福田 昭夫君 理事 江田 康幸君
      青山 周平君    井上 貴博君
      井林 辰憲君    伊藤信太郎君
      木村 弥生君    小島 敏文君
      助田 重義君    田中 和徳君
      比嘉奈津美君    藤原  崇君
      堀井  学君    前川  恵君
      菅  直人君    田島 一成君
      細野 豪志君    松田 直久君
      塩川 鉄也君    小沢 鋭仁君
      河野 正美君    玉城デニー君
    …………………………………
   環境大臣         山本 公一君
   財務副大臣        木原  稔君
   環境副大臣        関  芳弘君
   環境副大臣        伊藤 忠彦君
   環境大臣政務官      比嘉奈津美君
   環境大臣政務官      井林 辰憲君
   政府特別補佐人
   (原子力規制委員会委員長)            田中 俊一君
   政府参考人
   (財務省大臣官房審議官) 藤城  眞君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           増子  宏君
   政府参考人
   (文化庁文化財部長)   山崎 秀保君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           土屋 喜久君
   政府参考人
   (環境省大臣官房審議官) 深見 正仁君
   政府参考人
   (環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)   中井徳太郎君
   政府参考人
   (環境省総合環境政策局長)            奥主 喜美君
   政府参考人
   (環境省地球環境局長)  鎌形 浩史君
   政府参考人
   (環境省水・大気環境局長)            高橋 康夫君
   政府参考人
   (環境省自然環境局長)  亀澤 玲治君
   政府参考人
   (原子力規制庁長官官房緊急事態対策監)      大村 哲臣君
   政府参考人
   (原子力規制庁長官官房審議官)          青木 昌浩君
   参考人
   (国立研究開発法人日本原子力研究開発機構理事長) 児玉 敏雄君
   環境委員会専門員     関  武志君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月九日
 辞任         補欠選任
  堀井  学君     青山 周平君
同日
 辞任         補欠選任
  青山 周平君     堀井  学君
    ―――――――――――――
五月二十三日
 水俣病の全貌解明のため健康調査及び環境調査を行い、今後の水俣病対策に生かすことに関する請願(郡和子君紹介)(第一一九二号)
 原発ゼロと温暖化対策の着実な実行に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一二七二号)
 同(池内さおり君紹介)(第一二七三号)
 同(梅村さえこ君紹介)(第一二七四号)
 同(大平喜信君紹介)(第一二七五号)
 同(笠井亮君紹介)(第一二七六号)
 同(穀田恵二君紹介)(第一二七七号)
 同(斉藤和子君紹介)(第一二七八号)
 同(志位和夫君紹介)(第一二七九号)
 同(清水忠史君紹介)(第一二八〇号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一二八一号)
 同(島津幸広君紹介)(第一二八二号)
 同(田村貴昭君紹介)(第一二八三号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第一二八四号)
 同(畑野君枝君紹介)(第一二八五号)
 同(畠山和也君紹介)(第一二八六号)
 同(藤野保史君紹介)(第一二八七号)
 同(堀内照文君紹介)(第一二八八号)
 同(真島省三君紹介)(第一二八九号)
 同(宮本岳志君紹介)(第一二九〇号)
 同(宮本徹君紹介)(第一二九一号)
 同(本村伸子君紹介)(第一二九二号)
六月九日
 水俣病の全貌解明のため健康調査及び環境調査を行い、今後の水俣病対策に生かすことに関する請願(田村貴昭君紹介)(第二五五三号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 環境の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○平委員長 これより会議を開きます。
 環境の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、去る七日に行いました日光国立公園における自然環境の保全状況等に関する実情調査につきまして、参加委員を代表して、その概要を私から御報告申し上げます。
 日光国立公園は、明治のころより欧米人が訪れる国際避暑地として発展し、現在も欧米からの旅行者が多くの割合を占めているという、他の公園にはない特徴から、環境省の進める国立公園満喫プロジェクトのモデル公園の一つとして選ばれ、現在、その特徴を生かした取り組みが進められているところであります。
 今回の視察では、まず、日光国立公園内に所在し、世界文化遺産日光の社寺の構成資産である日光東照宮を視察した後、昨年七月に奥日光・中禅寺湖畔の観光拠点としてオープンした英国大使館別荘記念公園において、栃木県から説明を受けつつ、その整備、利用状況等を視察しました。
 その後、福田富一栃木県知事を初め、栃木県、日光市、中禅寺湖漁業協同組合の関係者の方々と、国立公園満喫プロジェクト、鳥獣被害対策及び中禅寺湖における漁業などについて意見交換を行いました。
 意見交換会の後、ラムサール条約湿地である奥日光の湿原・小田代原に向かい、鹿の侵入防止柵の設置状況など、国立公園特別保護地区内における鹿対策の取り組みを視察しました。
 当委員会といたしましては、数多くの歴史的建造物と豊かな自然景観を有し、両者が見事に調和した日光地域の魅力を再確認するとともに、自然公園制度等による適切な保全管理のもと、その魅力をさらに磨き上げ、広く国内外に発信していく必要があると認識した次第であります。
 最後に、今回の視察に当たり御協力いただきました全ての関係者の皆様に深く御礼申し上げ、視察の報告とさせていただきます。
    ―――――――――――――
#3
○平委員長 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、参考人として国立研究開発法人日本原子力研究開発機構理事長児玉敏雄君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として財務省大臣官房審議官藤城眞君、文部科学省大臣官房審議官増子宏君、文化庁文化財部長山崎秀保君、厚生労働省大臣官房審議官土屋喜久君、環境省大臣官房審議官深見正仁君、環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長中井徳太郎君、環境省総合環境政策局長奥主喜美君、環境省地球環境局長鎌形浩史君、環境省水・大気環境局長高橋康夫君、環境省自然環境局長亀澤玲治君、原子力規制庁長官官房緊急事態対策監大村哲臣君、原子力規制庁長官官房審議官青木昌浩君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○平委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#5
○平委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石川昭政君。
#6
○石川委員 おはようございます。自由民主党の石川昭政でございます。
 過日行われました国立公園満喫プロジェクトの環境委員会における視察におきまして、栃木県初め日光市、関係者の皆様に大変御協力いただいたこと、私からも御礼申し上げたいと思います。
 その上で、日光は、首都圏から二時間ということで、日帰りのお客さんが多い、それをいかに宿泊していただくかということが日光、栃木県、関係者にとっても課題である、このようなお話を伺ってきたところでございます。茨城県も隣の県でございまして、同じような問題意識を持ちながら取り組んでいるわけでございます。お互い協力しながら、この国立公園満喫プロジェクトを成功に導いていこうというふうに思った次第でございます。
 それでは、通告に従いまして、今回、六月六日に、JAEAの大洗研究開発センター燃料研究棟におきまして被曝事故が起きました。今回の被曝事故は、安全を確保しながら原子力の研究を推進する我が国にとって、まことに遺憾な事態だと思います。
 まず、被曝をした皆様、そして御心配の御家族に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 まずは、五名の方、今回被曝をした作業員の皆様の医学的影響がどうなっていくのか、これについてお答えをいただきたいと思います。
#7
○増子政府参考人 お答え申し上げます。
 まず初めに、今般、六月六日に、日本原子力研究開発機構の大洗研究開発センター燃料研究棟におきまして、核燃料物質を収納した貯蔵容器の点検作業中に、先生御指摘のように、作業員五名に放射性物質による身体汚染が発生しましたこと、地元を初めとしました国民の信頼を傷つけるものでございまして、文部科学省としても、このような事態が発生したこと、まことに遺憾でございまして、所管省庁としておわび申し上げます。
 五名の作業員につきましては、翌日の七日水曜日より量子科学技術研究開発機構の放射線医学総合研究所に受け入れられておりまして、内部被曝の影響等について詳細な検査を継続的に実施しているところでございます。
 このため、健康影響につきましては、現時点で明確に申し上げることはできませんが、専門家によりますと、命にかかわるような急性影響が出るレベルではないと聞いておりますが、正確な内部被曝の評価には数週間を要すると伺っております。
 また、モニタリングポストの結果から、外部環境への影響は見られていないというふうに承知しております。
 また、被曝が発生した当時の状況につきまして御説明もさせていただきますが、六月六日の午前十一時ごろ、作業員五名が核燃料物質を収納した貯蔵容器の点検作業をフード内で実施していたところ、貯蔵容器内における核燃料物質が入った容器を封入した樹脂製の袋が破裂をしたというふうに確認しております。
 作業員五名全員の手足に放射性物質による汚染が確認されました。五名のうち三名の作業員から鼻腔内汚染を確認いたしまして、また、作業員全員に対して肺モニターを実施した結果、そのうち一名について、放射線業務従事者の年間線量限度を超える二万二千ベクレルの汚染が確認されたということでございます。
 文部科学省といたしましても、原子力機構から随時状況を聴取いたしまして、原因究明また再発防止に向けて厳格な指導監督に努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#8
○石川委員 今回の事故の報道を受けまして、例えば、その入っていた容器を、なぜグローブボックスの中で作業を行わなかったのか。あるいは、なぜ半面マスク、全面マスクを使わずにその作業に従事してしまったのか。
 聞くところによりますと、それの安全対策というのはそれでよかった、そういう取り扱いでよかったんだというような報道もされておりますけれども、本当にそれで作業される方の安全が守られたのか、リスクを下げることができていたのかということがこれから課題になってくるところだと思います。
 そういう意味で、今回、JAEAから、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第六十二条の三によりまして、国は通報を受けたわけでございます。これは、その取り扱っている事業者が主管大臣に対して通報を行う、そういう規定になっているわけですけれども、それを受けた政府としてどのような措置を講じることになっているのか、それについてお伺いしたいと思います。
#9
○大村政府参考人 お答え申し上げます。
 今、先生から御指摘ございましたように、原子炉等規制法第六十二条の三におきまして、この事象が発生したということで、日本原子力研究開発機構より、一昨日、六月七日、報告を受けたということでございます。
 機構は、原子力規制委員会規則に基づきまして、今後、十日以内に事象の状況それからそれに対する処置を報告することが求められているということでございます。ただ、その時点で原因の調査、再発防止のための対策の検討が終了していないというような場合には、後日追加でしっかりと報告をするということが必要になるというふうに考えてございます。
 機構が行う原因究明と再発防止対策につきましては、今後、原子力規制委員会として厳格に確認をしていくということとしているところであります。
#10
○石川委員 十日以内に事業者がさらなる報告をする、そういう規則になっているということでありましたけれども、これは、立地の自治体、周辺の自治体、市町村に対してはどのように報告が行くんでしょうか。追加でお伺いしたいと思います。
#11
○大村政府参考人 お答え申し上げます。
 地元自治体への連絡につきましては、この事象の発生それから現在の状況につきまして、これは機構の方から、安全協定に基づきまして、当該事故を地元自治体に報告したというふうに聞いてございます。
 原子力規制委員会としましては、事業者から来ましたいろいろな報告、これにつきましてはプレスリリース等で公表をしてまいることでございます。十日報につきましても、受け取り次第直ちにこれは公表されるということでございます。
#12
○石川委員 やはり報道に接して一番不安に思っているのは立地の自治体でありますし、その対策を迫られるのは自治体、行政でございますので、速やかに、ただ公表したからということではなく、しっかり自治体に規制庁から連絡を行う、こういったことをやっていただきたいというふうに念を押したいと思います。
 そして次に、除染費の不正疑惑についてお伺いしたいと思います。
 過日、安藤ハザマによる除染費の不正請求疑惑が報道されました。福島県の除染事業では、たびたび不正が発覚をしているわけでございます。我々、福島県の復興に向けて少しでも明るい話題を提供したいと日々取り組んできた者にとって、もしこれが本当であれば大変許しがたい行為だと思っております。
 伊藤副大臣は、一昨日、社長を環境省に呼んだというふうに承知をしております。今回の件はどこに原因があるのか、そして、環境省の対応、どのようにお考えなのか、この点についてお伺いしたいと思います。
#13
○伊藤副大臣 石川委員にお答えを申し上げます。
 今般、福島県のいわき市及び田村市が発注をいたしました除染事業の元請会社が、作業員の宿泊費を水増し請求し、費用を不正に取得した疑いがあるとの報道がございました。
 東日本大震災における復興事業については、被災地以外の地域から労働者を確保するための特例措置として、事業完了時に、作業員の宿舎建設やホテル宿泊費を実績に基づき精算することが可能となっております。今般不正が疑われているのは、この制度を悪用したのではないかというものでございます。
 除染は、被災者の皆様、復興に取り組まれている多くの関係者の皆様及び国民の皆さんの信頼のもとに行われている大切な事業でございまして、この報道が事実であれば、この信頼を大きく揺るがせ傷つける大変悪質な事実であり、まことに遺憾でございます。
 一昨日、副大臣室におきまして、私から安藤ハザマの社長に対しまして、事実関係の徹底した究明、そして環境省や関係自治体の調査への協力を強く要請したところでございます。
 環境省におきましても、水・大気環境局長を長とした調査チームを設置したところでございまして、再発防止につながるべく、福島県を初め関係自治体と連携をいたしまして徹底した調査を行った上で、事実関係に基づき、厳しく、厳正に対処をいたしてまいりたい、かように考えております。
#14
○石川委員 調査はこれからということでございますので、しっかり事実が解明できるように取り組んでいただきたいと、私からも強くお願い申し上げたいと思います。
 それでは次に、JESCO法に関してお伺いしたいと思います。
 JESCO法を改正して三年が経過したところでございます。中間貯蔵施設の整備に当たりまして、地主の皆様には大変苦渋な決断をいただきまして、おかげさまで用地買収もかなり進捗をしてきたということでございます。心から感謝を申し上げたいと思います。
 そこで、私もその当時、平成二十六年の法改正当時に質問に立たせていただきました。その際に一番私が重要だと思ったのは、二千二百万立米の除染した土壌、これをどう減容化していくのか、そして再利用はどうしていくのかというのが大きな課題だということで質問をさせていただきました。その際に、環境省からは、これから研究開発を行うという御答弁だったと思いますが、その後の開発状況はどのようになっているのか、お示しいただきたいと思います。
#15
○高橋政府参考人 お答えいたします。
 中間貯蔵除去土壌等の減容、再生利用技術でございますけれども、その開発の中長期的な方針といたしまして、昨年四月に、中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用技術開発戦略及び工程表を取りまとめたところでございます。
 また、昨年の六月には、福島県内から発生した除去土壌を対象といたしまして、再生資材化した除去土壌の安全な利用に係る基本的考え方というものをお示しいたしました。
 この基本的考え方を踏まえまして、昨年十二月には、南相馬市におきまして、除去土壌の再生資材化及び再生資材を用いた試験盛り土の実証事業に着手をいたしました。この中で、再生資材化を行う工程における放射線に関する安全性の確認でございますとか、具体的な管理の方法、土木資材として品質を確保するためのあり方等の検討を進めているところでございます。
 この実証事業の成果等を踏まえまして、再生資材を用いた工事の一連の工程における留意点を整理した再生利用の手引案というものの検討を進めているところでございます。また、戦略において、減容、再生利用を実施するための基盤技術の開発をこの十年以内に一通り完了するということとしてございまして、分級処理等の技術開発、再生利用の本格化などの取り組みを着実に進めてまいりたいと考えております。
#16
○石川委員 この中間貯蔵施設は、設置から三十年以内に福島県外において最終処分をする、こういう法律のたてつけになっているわけでございます。したがいまして、この再生利用それから減容化が十年かかると、残り二十年しか残り時間がないわけですので、ぜひこれはスピードアップをしていただきたい。
 あわせて、この再生利用のためには、建設業者の皆さんの御理解がなければこの再生資材化というのは進まないだろうと思いますので、この点もあわせて、よく業界の皆さんの御理解をいただけるよう周知徹底をお願いしたいと思います。
 それでは次に、海岸漂着物の処理についてお伺いしたいと思います。
 ただいま国連の海洋会議というものが開かれております。
 最近では、マイクロプラスチックなどが生態系に与える影響が懸念をされているというのは周知の事実でございます。これまでこのプラスチックに対して有効な手だてが打てなかったがために、今、年間八百万トンのプラスチックが海洋に流出しているというデータがございます。このまま海洋に流出が続きますと、二〇五〇年には海の海洋の生物の総量よりもプラスチックの廃棄物の方が多くなる、こういう深刻な事態に今向かっているわけです。
 とりわけ、日本周辺海域では、プラスチックごみが、北太平洋の十六倍、そして世界の海の二十七倍のマイクロプラスチックが確認をされているということでございます。また、南極海域にも到達しており、国際海洋環境情報センター、GODACというものが沖縄県名護市にあるんですけれども、この深海デブリデータベースを見たところ、深海六千メートルにもマイクロプラスチック、あるいはマネキン人形の首がおっこっている、こういう映像が公開をされているわけでございます。人類の母なる海をここまで汚してしまったことに私は非常に衝撃を受けました。
 そこで、お伺いします。
 平成二十一年七月に制定をされました海岸漂着物処理推進法でございますけれども、これまで大きな見直しが行われてきませんでした。ただいま与党において、改正に向けて検討の手続、協議を進めているわけでございますが、これには、海岸漂着物対策推進員あるいは団体の指定制度の活用、これまで政府が取り組んできた成果、そして新たな課題に対して何が不足しているのかなどについて見解をお伺いしたいと思います。
#17
○高橋政府参考人 お答えいたします。
 御指摘の海洋ごみ問題でございますけれども、御指摘のとおり、平成二十一年の議員立法で成立いたしました海岸漂着物処理推進法に基づきまして、これまで政府一丸となって、海岸漂着物等の発生抑制でございますとか回収、処理を促進してまいりました。
 この海岸漂着物の削減に当たりましては、まず、やはり陸域等からの海洋に流入するごみ等の発生抑制対策が大変重要かと考えてございます。
 環境省におきましては、マイクロプラスチックを含む海洋ごみの実態把握のための調査を実施するとともに、このプラスチックごみ等の発生を抑制するために、まずは廃棄物の適正処理等の推進によりまして陸域等から海洋への流入防止に努めるとともに、自治体に対する財政支援等により、マイクロ化する前段階における漂流、海底あるいは漂着ごみの回収を促進しているところでございます。
 また、民間団体の活動を促進するということも大変重要かと考えてございます。これまでも、自治体が地域の実情に応じて民間団体と連携をして海洋ごみの回収、処理あるいは発生抑制対策を講じるという場合の財政支援も行ってきているところでございます。
 また、近年、マイクロプラスチックを含む海洋ごみにつきましては、海岸のみならず生態系への影響というものが懸念をされておりまして、これも御指摘ございましたけれども、地球規模の課題となっているということで、G7などにおいても対策の必要性が確認をされてございます。
 このため、環境省では、アジアを含む国際的な海洋ごみの発生抑制に向けまして、マイクロプラスチックの調査手法の国際的な標準化に取り組むとともに、中国や東南アジア諸国も参加をするG20でありますとかAPEC、こういう枠組みを通じまして、積極的に海洋ごみ対策が促進されるよう働きかけをしていく必要があると考えてございます。
 環境省といたしましては、今後とも、内陸を含む全ての地域において発生抑制を推進することを含め、国際的な協力も含めてさまざまな対策を着実に進めることによりまして、海洋ごみ対策に積極的に取り組んでいきたいと考えております。
#18
○石川委員 この問題については、与党としても引き続き協議を行いまして、議員立法でございますので、改正に向けてさまざま取り組んでいきたいと思います。
 次に、イタリアで開催をされますボローニャG7の環境大臣会合についてお伺いしたいと思います。
 トランプ大統領は、六月一日、パリ協定を脱退する方針を表明しました。そこで、パリ協定は、他国に利益をもたらし米国の労働者には不利益を強いているとか、米国から雇用を奪って海外に再分配するものだ、あるいは、完全に履行しても〇・二度しか下がらないなどと表明しているわけでございます。これは国内の石炭産業向け、支持者向けではないかという見方もあるわけでございますが、その根底には、経済成長と地球温暖化対策は両立しないという見方を持っておられるということが推察をされます。
 一方で、こうしたホワイトハウスの動きとは別に、地方政府や民間企業を中心に、ウイ・アー・スティル・イン、まだパリ協定に残っているという運動が全米各地で沸き起こっているということでございます。この動きに私は非常に注目をしたいわけですし、我が国ではクールチョイス運動が展開中でございます。これについてもさらなる盛り上げが私は必要ではないかと。
 これから国会の了解が得られましたら大臣はG7にお出になると思いますけれども、アメリカのプルイット長官との会談にどのような姿勢で臨まれるのか、これについてお伺いしたいと思います。
#19
○山本(公)国務大臣 おっしゃるとおり、国会の情勢が許しますと、私自身、会合に出席をいたします。プルイット長官に直接働きかける機会を持ちたいというふうに思っております。
 私は、気候変動対策は新たなイノベーションの創出や経済成長につながるものと認識を従来から持っております。これは、言ってみればアメリカの新政権の目指す方向とも一致するものであろうと思っております。
 先般のG7サミットにおいても、安倍総理から、パリ協定は雇用、成長、脱炭素を両立できるものであること、米国が引き続き気候変動についてリーダーシップを発揮していくことが重要であること等々を、米国に向けて日本の立場を明確な言葉で伝えていただいたところでございまして、このG7環境大臣会合においても、私からも同様の日本政府の考えを伝えていきたいというふうに思っております。
 そしてまた、御指摘のあったように、トランプ氏のあの声明以来、私どもが想像した以上にアメリカ国内の反発といいますか、企業それから州、市、そういう自治体、想像以上の反発が生まれてきているということも、ある種の私どもの背中を押していく材料にはなろうかと思っておりまして、なかなか難しい会談にはなろうかと思いますけれども、できるだけ誠意を持って、私どもの立場、そしてアメリカに訴えていきたいと思っております。
#20
○石川委員 ありがとうございました。
 また、米国は、緑の気候基金、GCFへの拠出をやめるというふうにも宣言しているわけです。もし仮にこの三十億ドルの拠出をアメリカが停止した場合、私は、これは逆に日本にとってチャンスではないかというふうに思っております。
 日本が提唱しているJCMを、さらに適用を拡大して、日本のすぐれた環境技術を世界展開するためにも、このチャンス、絶好のチャンスを逃してはならないというふうに考えますが、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
#21
○山本(公)国務大臣 仮にアメリカがGCFへの拠出について停止を決定した場合、具体的な決定を行っていない状況でございますけれども、私どもとしましては、GCFの支援案件がまだ始まったばかりであります、したがいまして、初期の資金動員プロセスにおいて集まった資金をまだ十分に消化していないところでございますので、まずは採択された案件を着実に実施し、実績を積み上げていくことが重要だろうと考えておりまして、そういう観点から申し上げますと、やはり日本という立場というのはある程度重要な立ち位置になろうかと私自身も思っております。
 昨年末のCOP22においてお示しをした気候変動対策イニシアティブを着実に実施いたしまして、JCM等を通じた低炭素技術の普及等の支援をこれからも進めてまいりたいというふうに思っております。
 リーダーシップを目指して云々というよりは、必然的にそちらの方向に向かっていくのではないかぐらいの動きはしたいと思っております。
#22
○石川委員 日本はGCFに十五億ドルの拠出を決めているわけでございますので、さらにリーダーシップが自然にとれるような形に持っていっていただきたい。それが日本の、今、安倍政権の掲げるインフラシステム輸出にもつながるものだというふうに考えております。
 最後の質問に移らせていただきます。
 ESG投資の拡大策についてお伺いいたします。
 企業の環境配慮型の投資を行うESG投資は世界規模で拡大しているわけでございます。現在、世界のESG投資の投資運用額は幾らなのか、そして日本はどうなのか、これについてお伺いします。
#23
○奥主政府参考人 お答えいたします。
 ESG投資の額についてでございます。
 世界のESG投資は、二〇一四年の十八・三兆米ドルから二〇一六年には二十二・九兆米ドルへ、二年でおよそ二五%増加。日本につきましては、二〇一四年の七十億米ドルから二〇一六年には〇・五兆米ドルへ、二年でおよそ六十八倍増加しているというふうな状況にございます。
#24
○石川委員 ありがとうございます。
 拡大傾向ではあるんですけれども、世界の割合からすると非常にまだ小さいわけでございますし、そこに日本の成長の余地が残っているだろうというふうに思います。
 いわゆるESG投資には、デートレーダーのような方をふやすのではなく、中長期なスタンスで投資をする、そういう投資家を呼び込まなければならないというふうに考えております。したがいまして、中長期のファンダメンタルズを重視する投資家を呼び込むためには、やはり環境情報などを含む非財務情報の開示というのが不可欠だろうと思います。
 日本再興戦略二〇一六、そして本日閣議決定予定の未来投資戦略二〇一七においてこのESGの投資促進方針がどのようになっているか、お伺いします。
#25
○奥主政府参考人 お答えいたします。
 先生御指摘の未来投資戦略二〇一七につきましては、きょう閣議決定を目指すということで今調整中でございます。
 いずれにしても、その中身につきましては、まだ調整中ということで、お答えはなかなかできないところでございますけれども、いずれにしましても、ESG投資につきましては盛り込まれる方向で検討されているというふうに承知しております。
#26
○石川委員 ありがとうございました。
 ぜひ前向きに、日本が旗を振って、日本の成長戦略の大きな柱にしていただきたいというふうに思っております。
 それでは、私の質問は以上で終わりたいと思います。ありがとうございました。
#27
○平委員長 次に、玉城デニー君。
#28
○玉城委員 自由党の玉城デニーです。
 来週から本会議も、かりゆしに上着を着ることなく本会議場に入ることが可能になりました。ひとえに各党各会派、委員の皆さんの御協力のたまものと、心から感謝申し上げます。
 ちょうどクールビズの期間、五月から十月、そしてスーパークールビズが六月から九月ですが、この期間、沖縄ではもちろんかりゆしウエアがいわゆる公用のユニホーム、上着として、官公庁、銀行、それからさまざまなビジネスの場面でも活用されているのはもう皆様御承知のとおりであります。
 ちなみに、かりゆしというのは、カリーという、おめでたい、祝い事と、ユシユン、寄ってくるという、いわゆるおめでたいことがやってくる、吉兆という意味があります。ですから、かりゆしという言葉そのものにも、非常に沖縄県民は愛着を持っている言葉であります。
 ちなみに、かりゆしの下のパンツは何を組み合わせるのとよく聞かれるんですが、私は、つるしのツーパンツのスーツを購入いたしまして、そのうちの一本のパンツはかりゆしと合わせるようにしております。ですから、公用で着るときには割とダークな感じのズボン、パンツを合わせ、遊びのときにはチノパンなど明るい色のパンツを合わせるというふうにしていただければ、委員の皆様にも、これから暑くなる夏ですから、ぜひ御活用いただきたいと思います。
 ちなみに、私がきょう着ておりますこれはMAJUNというメーカーといいますかプロダクトの上着ですが、マジューンというのは、沖縄の言葉では一緒にという意味です。ジフィトゥンマジューンカリユシチチクィミソーリ、一緒にかりゆしを着てください、よろしくお願いいたします。
 さて、かりゆしの話から導入いたしましたけれども、実は今月は環境月間、六月は環境月間です。六月五日は環境の日と制定されております。そこで、きょうはまず、環境の日及び環境月間の啓発等についてお話を伺いたいと思います。
 まず、これまでの環境の日、環境月間の取り組みの経緯、これまでの経緯についてをお聞かせください。
#29
○深見政府参考人 お答えを申し上げます。
 六月五日の環境の日は、一九七二年の六月五日からストックホルムで開催されました国連人間環境会議を記念しまして、国連において、我が国の提案を受けて、六月五日を世界環境デーとして制定したことに由来しております。
 一九九三年に制定されました環境基本法の第十条におきまして、事業者及び国民の間に広く環境の保全についての関心と理解を深め、積極的に環境の保全に関する活動を行う意欲を高めるために、六月五日を環境の日と定めています。
 環境省では、この環境の日を含む六月の一カ月間を環境月間として、その趣旨にふさわしい各種の行事の開催を関係省庁、地方公共団体等に呼びかけて実施してきているところでございます。
#30
○玉城委員 本邦が提案して、この環境の日、環境月間が世界的にも注目され、認められているということですね。
 では、本年度、環境省が進める、環境に関する、環境の日、月間の啓発等に関する取り組みの内容や規模、予算などについてお聞かせください。
#31
○深見政府参考人 お答えを申し上げます。
 今年度、環境の日を含む環境月間において、環境の保全に関する普及啓発のため、各省庁、自治体等に協力をいただきまして、千四百三十件の行事を開催する予定でございます。
 そうした行事のいわばメーンイベントとして、環境省主催で、六月三日、四日に、渋谷区の代々木公園で、「パリ協定発効! キミの「賢い選択」が地球の未来を切り拓く!!」をテーマとしまして、エコライフ・フェア二〇一七を開催いたしました。山本大臣が参加するトークショー、企業やNPO等による五十のブース、エコカーの展示、日本野鳥の会などによるワークショップ、被災地の復興支援マルシェなどを行い、約四万人の人出でにぎわいました。予算は約三千五百万円でございます。
 そのほか、環境月間のポスター約四万枚を全国に配布し掲示する、環境保全功労者の大臣表彰、環境に関する講演会、国立公園における自然との触れ合い行事など、環境省としてもさまざまな行事を行っているところでございます。
#32
○玉城委員 ありがとうございます。ぜひ今後とも、鋭意努力して取り組んでいただければというふうに思います。
 では、続いて、希少種保護に関する件について質問をさせていただきます。
 平成二十八年九月二十八日、そして平成二十九年三月二十四日、二度にわたって沖縄県名護市の名護市議会から、二十八年の九月は「四度のIUCN勧告・決議を踏まえ、辺野古新基地建設にかかわる日本政府が行った環境アセスの検証をIUCNに求める意見書」、それから平成二十九年三月二十四日は「IUCNの協力要請を受けるように日本政府に求め、及び沖縄県がIUCNに協力を要請することを求める意見書」が、それぞれ環境大臣もその宛先として、この要請、意見書が出されています。
 この名護市議会からの意見書に関する対応についてはどのような対応をとられたか、お聞かせください。
#33
○関副大臣 御指摘の意見書の要請にございます、辺野古新基地建設によりますジュゴン等への影響や、外来種の侵入によります辺野古、大浦湾の環境への影響等につきましては、事業者でございます防衛省が、環境監視等委員会の専門家等の指導助言を得ながら適切に対応をされていくものと理解しております。
 このために、環境省からIUCNに対しての協力を要請することは今考えていないところでございます。
#34
○玉城委員 平成二十八年のこの名護市議会の意見書には、「環境省は、IUCNが専門的立場から検証を行う場合は、可能な限りの情報提供等の支援を行うこと。」という意見が出されています。そしてもう一つは、「日本政府は、IUCNが辺野古新基地建設計画を踏まえて示した勧告・決議を真摯に受け止め、環境保全に必要な措置を行うこと。」というふうにもなっております。
 では、そこで、大浦湾で最も注目され、そして世界的にもその生息が危ぶまれている絶滅危惧種、特に日本国内においては絶滅危惧種に指定されているジュゴンについてお伺いいたしますが、我が国のジュゴンの保護における国内の根拠法は何でしょうか。
#35
○亀澤政府参考人 お答えいたします。
 ジュゴンにつきましては、鳥獣保護管理法に基づきまして、国際的または全国的に保護を図る必要がある鳥獣として希少鳥獣に指定をしております。
 希少鳥獣に指定された鳥獣を捕獲等する場合、都道府県知事ではなく環境大臣の許可が必要である等、一般の鳥獣よりは規制が厳しくなっているところでございます。
#36
○玉城委員 ジュゴンの捕獲ではなくて、保護、保全についてですが、鳥獣保護法でそれが担保されるという理解でよろしいですか。
#37
○亀澤政府参考人 捕獲等に関しましては鳥獣保護法で担保できるというふうに考えております。
#38
○玉城委員 では、保護、保全に関してはどうでしょう。
#39
○亀澤政府参考人 生息地の保護という観点での御質問かと思いますが、ジュゴンが利用する海草藻場などの生息地について、現状では、環境省所管の法律によって地域を指定して規制を行っているものではありませんが、鳥獣保護管理法による個体の捕獲規制によって保全は図られております。
 加えて、ジュゴンにつきましては、一個体の死亡が種の存続への大きな脅威になることを踏まえて、漁網による混獲事故を未然に防ぐことを重視し、そのための対策を環境省として実施してきております。
#40
○玉城委員 ジュゴンの保護、保全に関して、環境省の持っていらっしゃるレッドデータリストやレッドデータブックには恐らくジュゴンは載っていないと思います。水産庁がそれは管理をするということになるのかと思いますが、水産庁のレッドデータブックでも、実はジュゴンが保護されるべき絶滅危惧種であるという種類には入っていない。つまり、レッドデータブック、レッドデータリストが統一化されていないという問題が非常に大きい問題だと思います。
 これはWWFジャパンが、日本哺乳類学会は一九九七年に「レッドデータ 日本の哺乳類」を作成していますが、鯨類を含む日本産の哺乳類全てが評価の対象です、ニホンアシカやジュゴンが絶滅危惧種として掲載されていますというふうに紹介しています。しかし、一方で、保護、保全されるべきこのジュゴンが、確たる、種として保護する法律の適用がないというのは非常に私は危惧することではないかと思いますが、その件について見解をお聞かせください。
#41
○亀澤政府参考人 レッドリストに関しましては、環境省が作成しているレッドリストにジュゴンは絶滅危惧種として掲載されております。
#42
○玉城委員 ありがとうございます。
 さらに質問を深めたいところですが、また次回にしたいと思います。
 ありがとうございました。ニフェーデービタン。
#43
○平委員長 午前十時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前九時四十二分休憩
     ――――◇―――――
    午前十時三十分開議
#44
○平委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。田島一成君。
#45
○田島(一)委員 民進党の田島一成でございます。
 休憩前に引き続きということで、三十分頂戴をいたしました。よろしくお願いをいたします。
 アメリカ・トランプ大統領によるパリ協定離脱宣言、さらには原子力機構の放射性物質のずさんな管理による被曝などなど、一般質疑で取り上げるテーマが本当に山ほどございまして、どれにしようかと実は本当に迷うほどの課題山積の国会会期末でありますが、こうした重要なテーマは同僚議員に譲るといたしまして、私の方からは、過日、五月の六日でしたか、六日付毎日新聞が一面で報道いたしました石綿の輸入問題について取り上げさせていただきたいと思います。
 きょうは財務副大臣にもお運びをいただいておりますので、どうぞ明快に、そしてしっかりと財務省の姿勢を示していただきたい。それこそ、森友学園等々で財務省は今非常な逆風にありますので、ここで正しい答えを出していただけるかにかかっていると思います。そのことをどうぞ肝に銘じて臨んでいただきたい、そのことを冒頭にお願いしておきたいと思います。
 さて、この石綿でございます。ちょうど私が二期目のときだったでしょうか、大臣と一緒にこの環境委員会で、クボタ・ショックの折、石綿救済法の日切れ法案を本当に大急ぎで、とにかく救済が先だからというので審議させていただきましたね。きのうのことのように懐かしく思い出されておりますし、あのとき理事者としてお互い向き合っていたのが、今や質問者と答弁する大臣という関係であります。大変感慨深いものを感じながら、きょう、再びこの石綿を取り上げさせていただきます。
 きょう、厚労の参考人にもお運びをいただいております。まず、この石綿の製造、輸入そして使用について、現在どのような扱いをされているのか、根拠となる法律も示していただいて、簡潔にお答えください。
#46
○土屋政府参考人 お答え申し上げます。
 石綿につきましては、労働安全衛生法第五十五条におきまして、その製造、輸入、使用が禁止をされております。ただし、試験研究のための製造、輸入、使用につきましては、都道府県労働局長による許可があれば可能となっているものでございます。
#47
○田島(一)委員 きょう、お手元に、皆様に新聞記事をコピーしたものをお配りさせていただきました。ぜひ、質問を聞いていただきながら、この新聞の記事にも目を配っていただきたいんですけれども、二つの記事、両方とも同じ五月六日土曜日付の毎日新聞の記事であります。東京、大阪、神戸の各税関で二〇一二年から一六年に計八件、アスベストを輸入した記録が貿易統計に残っております。
 この新聞の記事によりますと、輸入許可通知書には八件とも英語でアスベストと書かれていたと。ちょうどこのお手元の資料の左下、写真がありますけれども、これは斜線で消されていますが、ローマ字でちゃんとアスベストとわかるように入っております。この貿易のナンバーも、アスベストの八六から始まっていることが明らかになっております。
 このことからして、先ほど厚労省の方からも輸入は禁止だというふうに明確にお答えいただいたわけですけれども、税関は実際に、このアスベストと書かれた輸入許可通知書にあるとおり、アスベストの輸入を許可したのかどうか、まず、参考人、お答えください。
#48
○藤城政府参考人 お答えを申し上げます。
 報道にございました八件の輸入申告につきましては、統計品目番号が六八一二九一〇〇〇番の加工した石綿繊維等を使用した製品のうちの衣類等や、六八一二九九〇〇〇番のその他のもの、六八一三二〇〇〇〇のブレーキ用等の摩擦材のうちの石綿を含有する自動車用の部分品などに分類されるものとして輸入申告をされたものであります。
 税関といたしましては、申告内容に係る慎重な審査及び必要な検査を行った結果、当該貨物にはアスベストが含有されていないものと判断をいたしまして、輸入許可を行ったものでございます。
 なお、この場合、実際にはアスベストを含有していない貨物でありましたことから、申告書の分類番号を訂正する手続をすべきでありました。これを行わずに輸入許可をしていたということは遺憾でございまして、今後は、適切な事務処理が行われるように努めてまいりたいというふうに考えております。
#49
○田島(一)委員 今の話、何か、それだけ聞いていれば、すごくスムーズに訂正をさせたようにおっしゃっているんですけれども、実は、きょうの毎日新聞にも、この内容、やはりちょっと問題がある記事も挙がっております。
 今、何やら、実際にはアスベストの含有が少ないということで申請をそのまま受け入れたようでありますけれども、実際に、では、申請の訂正をされたのはいつだったのかというのが、新聞記事では、毎日新聞が取材を始めてから訂正願を受理したというふうになっているわけであります。
 つまり、一番最初に、この新聞記事にも挙がっておりますが、二〇一二年九月に入ったものから計算をすると、はるかに四年以上たってから訂正願を出させたことになっているわけであります。このあたり、どう説明されますか。
#50
○藤城政府参考人 お答えを申し上げます。
 八件の個々の輸入申告の訂正の経緯の詳細につきましては、個別の事項に関することであり、お答えを差し控えさせていただきますが、一般論として申し上げますと、税関が、外部からの指摘も含めまして、申告内容に誤りがある可能性というのを把握した場合には、輸入許可の後でありましても、申告内容を適正なものとする観点から、改めて輸入者等に申告内容に関する確認を行うことがございます。その結果として、申告内容の誤りが判明した場合には、輸入者等が輸入申告の訂正をするということが行われております。
#51
○田島(一)委員 何か、もっともらしくおっしゃいますけれども、この輸入申告の訂正願というのは、では、一年間で大体何件ぐらい出されているんですか。わかりますか、これは通告はありませんけれども。
#52
○藤城政府参考人 ちょっと件数については把握をしておりません。済みません。
#53
○田島(一)委員 いわゆる通関にかかわりを持つ業者の方々にも、私は直接、情報収集させてもらいました。こういう、品目が変わって変更願、訂正願等々が通るんだったら、幾らでも出したいとさえおっしゃる業者さんもありました。いわゆる輸入の段階でかかってくる税率だとか、品目によって税金が大きく変わるわけですから、輸入業者さんなんかも、皆さん、出せるものならどんどん出したいというふうにおっしゃっているんですね。
 ところが、そんなもの、あること自体知らないとさえおっしゃる業者の方もありました。にもかかわらず、今回、この石綿として輸入されたもの八件が、そっくりそのまま、日付もほぼ似通った時期に提出されているということは、これは財務省、税関の方から各業者に、毎日新聞の取材を避けるために、わざわざ働きかけをされたんじゃないですか。お答えください。
#54
○藤城政府参考人 お答えを申し上げます。
 訂正願に関しましては、私も部門の方に確認をしましたら、一日に数件とか、そういうものがあるもので、まず、決してないものではございません。
 その上で、先ほどの、財務省の方から働きかけたかという話でございますけれども、私どもの方としては、本件、この八件の輸入申告、これにつきましては、当初の申告の際に、先ほども申し上げましたけれども、慎重な審査、通関業者への照会に加えまして、必要なものは検査も行った上で、まず、アスベストがない、入っているものではないということは確認しています。
 そして、今回、お尋ねの訂正願というのが出てまいりましたわけでございますけれども、税関から通関業者及び輸入者に対しまして、再度、アスベストが含まれていない貨物であることを照会し、確認し、その上でこの訂正願というのを受け入れているというものでございます。我々の方から、アスベストが入っているのに何か違うような形で訂正願を出してくれとか、そういうことは一切言っておりません。
#55
○田島(一)委員 であるならば、なぜ最初に、その輸入許可を出した二〇一二年から一六年にわたって、その都度その都度に、アスベストが含有されていないということで、品目や番号を変えさせなかったんですか。何でまとまって、毎日新聞が取材を始めてから訂正願がまとまって八件出てきているんですか。どう説明されますか、お答えください。
#56
○藤城政府参考人 お答えを申し上げます。
 本件、最初に、当初の申告がございましたときには、先ほども申し上げましたけれども、本件について、アスベストが含まれているかどうかというところはまず真摯に審査を行い、必要な検査を行い、その確認をしております。
 その上で、一般論ではございましたけれども、外部も含め、そこのところに疑義があるような話というものがありましたときには、我々としては確認をしなきゃいけませんので、確認を行い、そしてその結果、アスベストが含まれていないということでありますと分類番号が違ってまいりますので、一番最初に申し上げましたとおり、本来であれば、当初の輸入申告があったときに、その分類番号を変えて、これはアスベストがないものであるということを明定すべきであったというところは反省をしておりますけれども、結果として、そこのところでの分類番号の変更というのが行われずに、最終的には今委員おっしゃったところの時点で訂正願というのが出てきた、こういう結果でございます。
#57
○田島(一)委員 皆さん、そういうふうに、アスベストではないというふうに簡単におっしゃいますけれども、何で証明できますか、本当にアスベストではなかったということが。
 情報開示をされている、それこそ、変更願や書類等々は、もうほとんどが墨塗り、この写真を見てもおわかりのとおり、何が本当に入ってきているのか、どういうものなのかというのもわからないわけですよね。ましてや、まとまって、アスベストではなかった、鉄鋼製品であるだとかブレーキパッドであるというふうに変更されても、どうやって信用すればいいんでしょう。しかも、日付が相当たってから、新聞記者の取材が始まってからこういうふうに訂正されているという事実、これは動きませんよね。ましてや、貿易統計に載せられている中には、その段階でもう既に、アスベストが輸入されているということで件数まで上がってきているわけなんですよ。
 何でそういうところに注意が払えなかったのか、私は今もって残念でなりませんし、本当にアスベストでなかったのかどうか。輸入禁止のものなんですよ。にもかかわらず、そのまま、アスベストが輸入されているというふうに、書類上、スルーされている。入ってきたものが本当にアスベストかどうかもわからない。こんなばかな話がありますか。何を信用していいんでしょう。
 皆さんがおっしゃっているようなお話を聞いていると、この貿易統計にはいまだに残っているわけですよ。訂正をかけるにも数カ月やはりかかっているから、貿易統計にそのまま残っているわけですよね。その場で本当ならば変えなきゃいけなかったと今お答えいただきましたけれども、いけなかったのに、全然、悪いとかいうような反省は全くないんですか。そのあたり、お考えをお聞かせください。
#58
○藤城政府参考人 お答えを申し上げます。
 実際に輸入をした段階で、その申告書の分類番号を訂正するべき手続というものをしていなかったということについては、これは遺憾であるというふうに考えております。
 今後は適切な処理が行われるように、そこのところはしっかりと努めてまいりたいというふうに思っております。
#59
○田島(一)委員 一回きりなら、私もそんなにぎゃあぎゃあほえるつもりもありません。八件も、これは実は新聞記者の取材で明らかになってきているわけであります。一度ならずとも、八度も同じようにそのままスルーしている。
 もちろん、アスベストと品目に書かれて、それを輸入しようとしている業者の方も注意力がなさ過ぎます。本当に実は石綿だったんじゃないか。貿易に携わる人たちも、石綿が輸入禁制だということは恐らく知っていらっしゃる話でしょう。にもかかわらず、品目に石綿、アスベストと書かれているのに、それを堂々と輸入している。そして、それを税関もオーケーを出している。どう考えたって、素人が輸入しているわけじゃないんですよ、それを、何で八件も同じようなことが繰り返されるのか。私はそこに、実は本当に石綿だったのじゃないのか、ひょっとしたらこれ以前にも石綿が輸入されていたんじゃないか、ほかにも見落としがあるんじゃないかということを心配するわけであります。
 石綿が本当になかったというのは、何をもって我々は納得すればいいのか、示してください。
#60
○藤城政府参考人 お答えを申し上げます。
 労働安全衛生法の規定によりまして、アスベストを含有する物品の輸入に関しましては原則として禁止されているというところは委員御指摘のとおりでございます。ただ、その含有量が重量の〇・一%以下である場合は厚生労働省の許可を得なくとも輸入できるというふうなシステムになっております。
 税関に対しましてアスベストを含有する物品の統計品目番号の貨物として輸入申告が行われる場合には、申告内容に係る慎重な審査、関連書類の吟味、通関業者等への照会、それから必要な場合には貨物の確認というものを現実に行っております。その上で、労働安全衛生法に基づく輸入許可証が必要かどうか、このことも含め、問題がないということが確認された場合のみ輸入許可を行うことといたしております。
 御指摘の八件の輸入申告につきましては、いずれも、これらの審査等の結果、アスベストが含まれていないというふうに我々の方で判断をいたしまして、輸入許可を行ったものでございます。
#61
○田島(一)委員 それは全然答えになっていませんよ。私は根拠を示せと言っているんですよ。
 では、この八件、本当に現物を見て、違うということがわかったんですか。何で何年もたってから、まとまって六件の訂正願を受理しているんですか。おかしいでしょう。どう考えたって、これはおかしいですよ。
 あなた方の怠慢が、結局、これは業者にお願いして、訂正願を出してくれといって頼んだんじゃないんですか。あなた方と業者が結託してやった話じゃないんですか。そこを明らかにしてください。
#62
○藤城政府参考人 お答えを申し上げます。
 実際の貨物の確認に関しましては、リスクに応じて現物の確認をいたします。
 本件に関しましては、まず、先ほども申し上げましたが、机上のしっかりとした審査、関係書類の吟味、通関業者、輸入者への照会等々を踏まえた上で、リスクがあると考えられるものについては現物検査を実際に行っております。その上で、我々としては、これについてアスベストは含まれていないという判断をしたのは先ほど申し上げたとおりでございます。
 そして、実際の訂正願というものは分類番号の変更の話でございまして、アスベストがそこにあったとかなかったという話とはまた別に、分類番号が、アスベストがないのであれば正しい番号にする、事実に即した番号にして、その修正をするということが必要だという観点からしていただいたわけでございまして、確かに数年たった後でそういうようなことを業者の方からしてはいただいておりますけれども、そこのところは分類番号の話でございます。
#63
○田島(一)委員 石綿の含有率が〇・一%以下だったら輸入しても問題ないというのは私も承知しています。でも、〇・一%以下だったら、わざわざ品目にアスベストなんて書かないんですよ、輸入する人は。にもかかわらず、書類の上ではアスベストと書いてあるんですよ。
 さっき私は間違って八六と言いましたけれども、六八から始まっているものは必ずアスベストの含有の品目だということが、数字を最初の二桁見ただけでもわかるわけですよね。にもかかわらず、それをスルーしている、大丈夫だと。だったら、その場で誤解を与えないように絶対チェックすべきでしょう。
 念のため、厚労省さん、聞かせていただきますけれども、労働安全衛生法ではアスベストの輸入は禁止されていますよね、おっしゃったとおり。関税率表にも他法令確認貨物ということで注記されています。厚労省は、ちなみに、この八件、輸入されたアスベストを、直接相談を受けて許可をされた経験はありますか。
#64
○土屋政府参考人 御指摘の八件につきましては、いずれも都道府県労働局長による許可を行っていない事案であるというふうに承知しております。
#65
○田島(一)委員 厚労省には相談も何もないということが今明らかになりました。
 本当にアスベストであれば、当然、労働安全衛生法に基づいての引き合い、許可のオーケーの話が出てまいります、研究目的等々であったとしても。にもかかわらず、今回、書類上、我々が現物を見るわけにはまいりませんから、この書類の中で、いわゆる訂正願が出される前の段階では、アスベストだというふうにしか当然理解はできません。
 この訂正願をそれぞれが五月雨式に、各業者が本当に自分たちのミスだということで言うのならば、日をあけずして本来出されてしかるべきだと思います。にもかかわらず、きょうの毎日新聞の記事によると、毎日新聞が取材を始めたのは二〇一六年の九月中旬だということです。その後、それまでに輸入許可されていた八件の訂正願が、九月の下旬から十月下旬にかけてまず六件、そして、一七年の一月初旬に東京、神戸の各税関が計二件の訂正願を受理したことになっています。
 この訂正願を受理した一月の中旬に、ようやくこの三税関が情報開示請求に応えて決定をしているという、余りにでき過ぎたこのストーリーを見ると、皆さんが八件の輸入業者に変更願を出させて、それを待ってから情報開示請求、情報開示を決定したとしか思えないんですね。ここはもう正直に告白された方がいいんじゃないですか。きょうの毎日新聞、お読みになっていないならば、私、お渡ししますよ。
 皆さんがやっている話、やっていること、説明されていること、何やら、間違い、石綿ではなかったから訂正願を出させたとつないでいらっしゃいますが、その間にはとてつもないブランクがあるわけですね。その前に……聞いていますか。質問している人に対して失礼ですよ。何を考えているんですか、あなた。ばかにするのもいいかげんにしてください。こっちは真剣なんですよ。あなた方だって、これだけ新聞沙汰になっているんですから、緊張感を持っているはずですよね。今ここで担当者に聞く必要、何があるんですか。だったら、担当者に最初から答弁させてください。本当に不愉快ですよ。
 今回出されているこの八件の訂正願、余りに不自然な提出の仕方ですよ。どう考えたって、税関のあなた方が業者にお願いをして、あなた方業者のミスだからということにしてくれと、官民が癒着をして、結託をしてこれを出させたんじゃないですか。だから情報開示を決定したんじゃないですか。どう説明できますか。
#66
○藤城政府参考人 先ほどは大変申しわけございませんでした。
 その上で、今のお尋ねの件でございますけれども、情報開示されたものの中では、分類番号が変わっているということは見えるような形になっております。つまり、訂正願を出させた上で情報公開を認めたという段取りにはこれはなっておりません。私ども、そこについて訂正願を出すということについて、何か隠すとか、そういう意図はまずございません。
 それから、訂正願を出されたということに関しましては、先ほども申し上げましたけれども、アスベストというものが含有されていないというふうに我々は判断をして輸入許可をしておりましたけれども、分類番号が違うということについてその確認を業者に行い、そこで改めてアスベストが含まれていないということを判断した上で、この訂正願というものが業者の方から出されている、こういうふうな流れになっております。
#67
○田島(一)委員 こういうミスを犯した現場に対して処分は行われたんですか。お答えください。
#68
○藤城政府参考人 お答えを申し上げます。
 この分類の間違いというものを、事実上見過ごしたというか、その者についての処分というものは行っておりませんが、しかし、こういうようなことはあってはならないことですので、全ての税関の現場に対しまして、分類等のチェックについては、当然のことではありますけれども、改めて、しっかりやるように、こういうことを指示しております。
#69
○田島(一)委員 あってはならないことと言いながら、処分は全くしない。全然話が通じませんね。あなた方の緊張感と問題意識が全然私には感じられません。
 副大臣、きょうお越しいただいています。
 きょうの毎日新聞の社会面にも、現場の税関の職員の赤裸々な告白も載っています。「審査では拳銃や禁止薬物を見つけることに主眼が置かれ、石綿など他の規制品はおざなりになりがちだ」「担当者も全ての輸入禁止品を把握できておらず、審査がずさんな現状がある」、こういうことを現場の職員はぼやいているんですよ。
 実際に今、輸入の申告数は、ここ十四年で倍増しています。にもかかわらず、税関の職員数というのはほぼ横ばいなんですね。見落とすのも当然だというような現状があります。
 もちろん、拳銃や禁止薬物の取り締まりも大切ですが、禁止されているアスベストがこういうふうに堂々と、一件ならずとも、八件も輸入されたような書類がそのまま通っている、貿易統計にまで載っている。恥ずかしいと思いませんか。
 どのようにこれから省内で、また税関に対して、副大臣として、通達また訓示、処分されていくのか、お答えください。
#70
○木原副大臣 委員御指摘の八件の輸入申告につきましては、必要なものについては当時現物の確認を行ったという報告を受けました。その上で、慎重な審査等の結果、アスベストが含有されていないものと判断して輸入許可を行ったものであるということであります。
 他方、アスベストを含有していない貨物と当時判断したにもかかわらず、やはりアスベストを含有する貨物の統計品目番号のままで輸入許可されてしまった点は、これは大変遺憾であると思っておりまして、このようなことが発生しないように指導し、再発防止に努めてまいります。
 今後とも、アスベストを含めて、輸入が規制されている物品の審査等に当たっては、関係省庁と連携しつつ、厳正に取り組んでまいる所存であります。
#71
○田島(一)委員 答えにまだなっていないんですよ。要は、人が足りないからこういうような事件が起こっているのではないかという私の提案、問題提起であります。その点についてどうお考えなのか。
 それと、現物確認をしているというお答えでしたけれども、実際に取材の回答では、大阪では現物確認していないと税関現場では答えているんですよ。そういうところもあるということを見落として、一部やっていることだけを取り上げて全てやっているかのようなお答えをされるのは、私はどうも気に入らない。
 もう一度お答えください。
#72
○木原副大臣 昨今、訪日外国人、日本に訪問される方が非常に予想以上にふえているという状況、また、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックが控えているという現状、そういうことを踏まえて、税関職員については、今後適切に増員するという計画でやってまいりたいと存じます。
 また、その毎日新聞の記事、大阪税関と私どもとのやりとりについてでございますので、そこは詳細はわからないわけでありますが、しかし、実際に必要なものについては現物の確認を行った、そのように報告を受けているところでございます。
#73
○田島(一)委員 とにかく、現場の苦労を知らずに話を進めていくと、とんでもない記録だけがこうして残ってしまいます。何年もたってから、新聞記者の取材が始まってから慌てて取り繕うような、こういうことをやっていたら、財務省というよりも税関というよりも、とにかく政府に対する信用がますます失墜してしまいます。
 外国人の訪日者がふえたから人をふやすのではなく、それこそ、もうこうして、貿易統計等々から見ても、輸入申告の数が倍増しているという実態を踏まえて増員を検討しなければならないんですよ。理由がやはり曖昧だと思いますね。そこのところ、ぜひ緊張感を持ってやっていただきたい。
 本当に石綿でないことを私は切に祈っていますが、もしこの輸入されたもので石綿健康被害がさらに広がっていくんだとすれば、あなた方、相当な覚悟でこの事件を振り返っていただかなければなりません。
 最後に、山本大臣、私たちは、あのクボタ・ショックのときに、本当に身も凍るような、被害者の皆さんと向き合って、この対策を議論してきました。輸入や製造等々も禁止をし、そして、被害に遭われた方、御遺族の方々に少しでも報いよう、そんな思いで向き合ったはずです。あのとき、時の大臣は小池現都知事であります。被害者団体の皆さんには崖から飛びおりるとまでおっしゃいましたが、ちっとも崖から飛びおりていないと被害者団体の皆さんは怒っていらっしゃいました。
 そんなことを振り返ると、今、あのときの議論から十年半たっているにもかかわらず、こうした石綿の輸入禁止が、本当に禁止されているのかどうかわからない事態が新聞紙上でこうして国民の皆さんに開示されている、不安を増幅させているという事実があります。
 所管ではないとおっしゃるかもしれませんけれども、私たちは、あのとき真剣に議論をし合った間柄であります。そのことを振り返っていただいて、今回のこの財務省の、税関のずさんなやり方に対してどのような感想をお持ちなのか、また、関係する省庁で、この石綿の被害をこれ以上絶対に拡大しないという決意も含めて、ぜひ、最後、締めのお答えをいただきたいと思います。
#74
○山本(公)国務大臣 田島委員御指摘のとおり、十年ちょっと前にアスベストの救済法をつくりました。最後、採決のときに、患者団体の方が傍聴に見えておられました。さっきの小池大臣の話もございましたが、私自身も、十分ではないかもしれないけれどもまずは一歩が踏み出せたという思いで、あの採決、御協力をいただいたと思っております。にもかかわらず、報道が事実とするならば、このような案件が起きてきたということを非常に残念に思います。
 水際でチェックするのが当然じゃないか、それは当然なんです。やってもらわなきゃ困るんです。我々はそこまで手が回りません。だけれども、いろいろ私も物流のことを研究する中で、税関であったり、また荷受け業者であったりする方からの御意見を聞いたときに、やはり緊張感というのが、日々同じルーチンの仕事をやっているとだんだんだんだん緊張感が薄れてくるという話を聞きました。これは財務省にもお願いしたいと思いますけれども、やはり、同じ仕事を毎日毎日繰り返している方はどうしても緊張感が薄れていきます。この毎日新聞の報道が事実とするならば、輸入禁止品という意識がなかった、まずそういうことなんだろうと思います。
 ぜひ、その辺のことは、これからも我々、関係省庁と連絡といいますか連携を密にして、もう一度、アスベストが輸入禁止品なんですよということをどうやって現場に認識してもらうかをやはりちょっと連絡し合っていきたいなというふうに、今、お話を伺いながら感じておりました。アスベストがまだ入ってきているのかというのが率直な驚きでしたので、事実とするならば。
#75
○田島(一)委員 ありがとうございました。
 やはり、まだまだもやっとしたままで、きょう、質問、最後の時間が来てしまいました。しっかりとこの八件、また八件以外にもひょっとしてあるのかもしれないという疑念は拭い切れません。財務省から今回のこの事案に関してのしっかりとした明確な報告を、ぜひ委員長から求めていただきたい。理事会でも協議をしていただくこと、そのことを強くお願いを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
 委員長、よろしくお願いいたします。
#76
○平委員長 理事会で協議いたします。
 次に、塩川鉄也君。
#77
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 きょうは最初に、日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターの燃料研究棟における、作業員のプルトニウム被曝事故について質問をいたします。
 きょう、原子力機構の児玉理事長にもおいでをいただいております。
 まず最初に確認をしたいんですけれども、今回、五人の作業をされていた方々、そのうち、内部被曝の二万二千ベクレルという方を含めて、複数の方が被曝をいたしました。こういう被曝をしたというのは、そもそもどのような作業を行っているときだったのか、それについてまずお答えいただけますか。
#78
○児玉参考人 お答え申し上げます。
 まず、今回の被曝事故につきましては、地元を初めとする多くの皆様に御心配と御迷惑をおかけしており、まことに申しわけございません。今後、被曝した方々とその家族のケアを含めて、機構の総力を挙げて、本件の対応に全力を尽くしていく所存でございます。
 まず、経緯でございますが、去る六月六日に、この燃料研究棟の貯蔵庫に保管してある貯蔵容器の点検作業をフード内で実施していたところ、十一時十五分ごろ、貯蔵容器のふたをあけたところ、内容物を収納していたビニールバッグが破裂し、内容物の一部が飛散しまして、施設内が汚染するとともに、作業員五名が被曝いたしました。貯蔵容器の内容物は、ウランとプルトニウムの混合化合物でして、性状などの詳細については、現在調査中でございます。
 同日、五名の作業員について、肺モニターによる測定を行ったところ、一部の作業員からプルトニウムの核種が検出されました。このため、翌七日に、作業員五名を放射線医学総合研究所へ搬送いたしまして、現在、詳細な調査をしておるところでございます。
 また、この事故による外部環境への影響はなく、外部への放射性物質の漏えいがないことは監視しながら、事故現場の調査を行っているところでございます。
 今後、本件に関する原因究明及びそれに基づく対策の検討に十分な体制を整えた上で、機構全施設に対する再発防止対策の検討及び実施に取り組んでまいる所存でございます。
#79
○塩川委員 燃料研究棟内の貯蔵庫に置かれています貯蔵容器の内容物の確認作業を行っていた、その際に、あけた際、内容物の一部が飛散をするということだったということなんですが、この燃料研究棟における貯蔵庫の貯蔵容器の内容物の確認をする、それはどういう理由で行っていたものなんですか。
#80
○児玉参考人 昨年十一月に規制庁の方から核燃料物質を適切に保管しているかどうかを点検しなさいと言われまして、当該実験棟におきましても、適切な保管をしていくための一環として、保管庫の中にあります容器の内容物を確認し、それでもって適切な保管をさらに検討していくための一環として実施していたものでございます。
#81
○塩川委員 そこがよくわからないんですけれども。
 もともと、原子力規制委員会、規制庁の方で昨年の十一月前後ぐらいに全国の調査を行う中で、いわゆるグローブボックスのようなところに、本来保管をするような設備でないにもかかわらず置かれているものがある、こういう状態はまずいよね、これは解消しましょうということについての指示、指摘があったということですよね。今回あけた貯蔵容器というのは、そのグローブボックスとかにあったような容器ではないわけですよね。そこの関係がよくわからないんですよ。
 規制委員会の方の指摘、指示というのは、あくまでも、グローブボックスのような本来作業するような環境に長期に保管されていた核燃料物資がありました、これは適切に保管の措置が必要ですねと、これはこれとしてやることが求められていたわけですが、今回の作業はそもそも何をもって行われていたのか、もう一回説明いただけますか。
#82
○児玉参考人 適切な保管をするために、現在きっちり保管されている箇所にあきがないか、現在適切に管理されていないものを適切に管理するために、保管庫に対してどの程度の余裕があるかということを検討するために、中をチェックしていたものでございます。
#83
○塩川委員 ちょっと前後する関係で確認したいんですけれども、原子力機構のこの大洗研究開発センターの燃料研究棟は、二〇一三年度に廃止の方針を決定した施設ということですね。その作業工程、つまり、燃料研究棟はもう畳みますよ、廃止をしますということでいえば、中にどういうものがあるのか、核燃料物質がどういうものがあるのか、これはこれとして確認は必要だったわけですよね。
 ですから、長期に保管されている実験済みの核燃料物質の貯蔵容器の内容物の確認作業を行う、これは独自に行っていたものなんですか。それとそのグローブボックスに置かれている不適切な保管状況の核燃料物質を処分するというのは別な話だと思うんですけれども、その相互関係をもう一回説明してもらえますか。
#84
○児玉参考人 廃止を決定したことによって適切に保管していくという作業は、当然別にやる作業でございます。ただ、国からの指示がありましたので、その作業を加速して前倒しで始めたということでございます。
#85
○塩川委員 そうしますと、保管庫の貯蔵容器がある、その貯蔵容器がどれだけ中が詰まっているのかというのを確認して、あきがあることを確認すれば、グローブボックスとかに置かれている、現状不適切に置かれているような核燃料物質をその容器に移しかえるという作業のための前段階の確認作業ということでよろしいですか。
#86
○児玉参考人 そういう御理解でよろしいかと思います。
#87
○塩川委員 それで、その保管庫、貯蔵庫に置かれている貯蔵容器というのは八十個という報道があるんですが、それでいいのか、今回の作業していた、内容物が飛散をしたのは幾つ目のものだったのか、そこはわかりますか。
#88
○児玉参考人 八十個で正しい個数でございます。
 今回調査していたのは、今まで三十一個調査済みの三十二個目の調査ということでございます。
#89
○塩川委員 そうしますと、まだ残り四十八とかというのが当然あるわけですけれども、もう一つ、もともと原子力規制庁から是正を指摘されているグローブボックスとかに置かれているような核燃料物質、これは容器の数でいうと百一個とかという報道もあるんですけれども、そのぐらいの数ということでよろしいんでしょうか。
#90
○児玉参考人 申しわけございません、正確な個数については今手元にデータがございませんので、ちょっとお答えできない状況です。
#91
○塩川委員 いずれにせよ、グローブボックスに置かれているような核燃料物質については貯蔵容器に移しかえる、そこに入れてしまうというために、まずは内容物がどうなっているかの確認をされておられたということであります。その場合に、結局、あけたときに、ボルトを緩めて、その途中で内容物が噴き出してとかということなども報道されていますし、結果とすれば、ビニールバッグに入れていた、そのビニールバッグが破裂をしたということですけれども、なぜこのビニールバッグが破裂したのか。その点についてはどのように受けとめておられますか。
#92
○児玉参考人 これからの調査によるところだと思います。
 ただ、いろんな可能性はありますけれども、その一つとして、中でガスが発生して、ふたをあけた途端に破裂したというような仮説もございますが、いずれにしても、原因究明はこれからでございますので、いろんな可能性を慎重に検討していきたい、そのように考えております。
#93
○塩川委員 二十六年間未開封の貯蔵容器をあけた場合に、その間に発生した水素ガスやヘリウムガスが充満してビニールバッグが破裂した可能性、そういうのも想定はされる、そういうことも視野に入れて今後調査するということでしょうか。
#94
○児玉参考人 おっしゃるとおりでございます。
#95
○塩川委員 それと、プルトニウム、核燃料物質が飛散をした際に、すぐその場を立ち去るのではなくて、その部屋の中に三時間とどまっていたということも報道されていますが、それは事実でしょうか。
#96
○児玉参考人 事実でございます。
#97
○塩川委員 それから、半面マスクの装着についても、本来であれば当然密着するようなものであると思いますし、私もいろいろ現場へ行ったときにつけたときもありますけれども、結構、しっかり締めれば痛いようなところもあるわけですけれども、こういったマスクの装着が適切だったのかどうか。その辺についてはどのように確認をしておられますか。
#98
○児玉参考人 装着が適切であったかも、今後検証していかなければいけないとは思っております。
 まず、なぜ全面マスクで作業しなかったかという点でございますけれども、内容物が密封されておって、放射性物質の飛散の可能性が小さいとそのときに判断して、半面マスクによりフードの作業を行ったものでございます。
#99
○塩川委員 一連の経緯は今後確認をしていくということにはなるわけですけれども、しかし、やはりプルトニウムを扱うようなそういう作業で、こういう作業手順でよかったのかということが問われてくると思うんです。
 田中規制委員長とそれから児玉理事長にもお尋ねしますが、やはりプルトニウムは、体内に取り込まれれば長期間とどまって放射能を出し続けて、がんなどの原因となるおそれというのがあるわけで、肺から二万二千ベクレルのプルトニウムが計測されるというこの内部被曝というのは極めて重大な事故だと受けとめておりますが、どのように認識しておられるか、お答えください。
#100
○田中政府特別補佐人 私、もう長いこと原子力に携わっておりますけれども、これほど大量のプルトニウムの内部被曝の事例は存じ上げておりません。その意味では、先生御指摘のように、非常に重大な内部被曝事故だというふうに思っております。
 それから、原子力機構は、本来、原子力研究開発をやる機関でありますから、こういったことについては模範となるべきところでこういった事故が起こったのは極めて遺憾なことというふうに思っておりますので、今後、規制庁、規制委員会としては、法令報告、それから現場確認等も、昨日も私どもの方から派遣しましたけれども、そういった調査を含めて、原因あるいは再発防止について、詳細に今後詰めていきたいというふうに思います。
#101
○児玉参考人 原子力の専門家集団としてあってはならないような重大な事態を発生させまして、まことに申しわけなく、またじくじたる思いでございます。
 気の緩みですとか、なれとかいうものがあったとは思いたくはございませんが、結果としてこういう事態を発生させたということは、どこかに欠陥があると思っておりますので、いま一度、再々チェック、仕事のやり方、組織、マインドの問題等、総合的に再々チェックをしていきたいと思っております。
#102
○塩川委員 田中委員長が後の御予定があるということなので、続けて何問か田中委員長にお聞きしようと思うんですが。
 やはり、二十六年間も閉めたままの容器をあける、プルトニウムを扱う作業としては、私は、率直に言って、作業手順が極めてずさんではないのかと受けとめざるを得ません。
 ですから、本来、こういう最悪の事態も想定したような作業手順になっていたのかどうか、こういうことについては規制委員会としてどのように受けとめておられるのか、そのことについてお聞きしたいと思います。
#103
○田中政府特別補佐人 結果的にこういった大きな被曝事故を起こしたということは、作業手順が不適切であったということはそのとおりだと思います。
 特にプルトニウムというもの、特に非密封のプルトニウムを扱うというのは、通常は、グローブボックスとかセルとか、非常に頑健なところで扱うものですけれども、フード内で扱うということについては、私どもとしても少し疑問を感じているところがありますので、そういったことについてどういう判断があったのか、それからどういったところが不適切であったのかということについては、今後、詳細に調べて、こういったことは二度と起こさないように、私どもとしても指導をきちっとしていきたいというふうに考えております。
#104
○塩川委員 もう一問だけ田中委員長に確認して区切りとしようと思うんですけれども、一連のこういう原子力施設の廃止措置が進んでいくわけですね。それは、原発ももちろんありますし、原子力に係る研究開発施設の廃止措置も進んでいくといった際に、やはり、研究開発の施設について同じ枠組みで仕組みづくりをするというのが、実際には、個々の事情によって、なかなか類型化というふうにいかないんだろうという面があるんです、しかし、やはりこういうプルトニウムを扱うような重大な案件であれば、私は、しっかりとしたルールづくりというのが、もっと踏み込んで規制委員会としてやるべきだったんじゃないのかと。
 ですから、そういう点でも、このような原子力の研究開発施設の安全管理対策について、事業者によろしくというのではなくて、規制委員会、規制庁としての対応自身にも問題があったんじゃないのか、改善すべき点があるんじゃないのか、私はこう思いますが、この点についていかがでしょうか。
#105
○田中政府特別補佐人 プルトニウムを扱っているというのは今に始まったことではありませんで、非常にいろいろな形で、研究用でもいろいろな製造用でも、たくさん扱われております。そういったことについて、廃止措置のことも含めてですけれども、一つ一つの作業まで規制委員会が見るということは、事実上不可能です。
 ですから、そういったものは現場の人間がやはり注意深くやるというのが安全文化の基本姿勢であるべきであるし、そのために必要な対策をとる、必要があれば手順をつくるというようなことになると思います。
 先生の御指摘ですけれども、規制でそういったことを全部決めてやればそれでいいということではないと。規制の考え方は、やはり事業者がみずから安全を確保することが基本だということを、もう一度、そういった意味での考え方の上での周知は今後さらに図っていく必要はあろうかと思いますが、マニュアル等の手順まで見て規制をするということではないんだろうというふうに思っております。
#106
○塩川委員 田中委員長、御退席いただいて結構ですので。
#107
○平委員長 田中原子力規制委員長は退席を許可いたしますので、どうぞ。
#108
○塩川委員 原子力研究開発機構においては、アスファルト固化処理施設の火災爆発事故がかつてありました。また、同じくこの東海の再処理施設では、放射性物質が入ったドラム缶がプールの底に積み上げられていたというずさんな管理も指摘をされました。高レベル放射性廃液のガラス固化作業もトラブル続きであります。
 そもそも、「もんじゅ」におけるナトリウム漏れ火災事故と隠蔽工作も大問題となったわけですし、その後も、一万点の点検漏れが発覚をし、原子力規制委員会は、安全に運転する資格がないと勧告をし、「もんじゅ」は廃炉に追い込まれたわけであります。
 率直に言って、原子力の開発、管理においても問題があるだけではなく、今回のような廃止措置の後始末においてもまともな対応がされていないという点は極めて重大だと言わざるを得ません。
 児玉理事長にお尋ねしますけれども、先ほど田中委員長にもお聞きした点ですが、やはり、二十六年間もプルトニウムを入れたままにしている、その容器をあける際の作業として本当に適切だったのかといった場合に、余りにも作業手順がずさんだったのではないのか、最悪の事態を想定した作業手順になっていなかったんじゃないのか。この点についてはどのように受けとめておられるか、お聞きします。
#109
○児玉参考人 結果としてこのような事態を招いたことは、考えが足りなかったということだと思います。
 御指摘の点、本当に肝に銘じて今後対応していきたいと思いますけれども、原子力機構、今までいろいろ御指摘を受けているとおりでございますけれども、我が国で唯一の原子力の総合研究開発機関として、核燃料の取り扱いにもまあまあ経験もありますし、知見も有しているという自負はございましたが、今回のような事象を起こすということは、反省すべき点が、まだまだ足りないということを肝に銘じて対応していきたい、そのように思っております。
#110
○塩川委員 極めて重大な事態だと言わざるを得ません。
 高速実験炉常陽の再稼働の話なんかもありますけれども、その際に、原子炉の出力を本来より低く設定して、規制委員会から是正を求められるような、こういう対応自身も極めて問題があるわけです。
 今回の事故を踏まえて、作業環境や作業手順など、事故の検証を行い、事故原因の究明等、しっかりとした情報開示を行っていただきたい。また、被曝をされた作業員の方への長期ケア、健康被害、この対策に万全の措置を強く求めておくものであります。常陽の再稼働などはとんでもないということは申し上げておきます。
 児玉理事長、結構であります。
#111
○児玉参考人 御指摘の点、拝承いたします。肝に銘じてやっていきたいと思います。
#112
○塩川委員 退席いただいて結構です。
#113
○平委員長 それでは、退席を許可します。
 ありがとうございました。
#114
○塩川委員 残りの時間で、茨城県内の放射性指定廃棄物の保管場所の強化策についてお尋ねをいたします。
 現状保管を継続しております茨城県内の放射性指定廃棄物の保管場所ですけれども、ひたちなか市の茨城県那珂久慈浄化センター、それから茨城町の園芸リサイクルセンターで保管されている放射性指定廃棄物について、保管状況がどうなっているのか。また、テント倉庫に入っているわけですけれども、このテント倉庫の風に耐える耐風性、また耐震性、耐用年数についてもあわせて説明をしていただきたい。
#115
○中井政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘いただきました、ひたちなか市の那珂久慈浄化センター及び茨城町の施設、この保管場所につきましては、どちらも指定廃棄物の保管用に設置したテント倉庫内で保管を行っております。
 このテント倉庫につきましては、耐風性につきましては、この二カ所とも秒速二十八メートルで設計されておりまして、基準を満たしております。
 また、耐震性につきましては震度五強程度、耐用年数につきましては、メーカーからの聞き取りによりますと、テント膜面については十年程度、骨組み部分については四十年程度とのことでございます。
 いずれにいたしましても、この両方の倉庫につきましても建築基準法等の基準を満たしておるというところでございます。
#116
○塩川委員 テント倉庫に入っているということです。私、それぞれの施設にも行ってまいりました。例えば、ひたちなか市の茨城県那珂久慈浄化センターの施設を見ますと、テントの膜が白くあるわけですけれども、破れて修繕している箇所もあるわけなんですよね。去年の台風は秒速三十一メートルですから、二十八メートルという耐風性の基準も、目安も超えるような風も吹いたりしたことがあるわけです。
 もともと、テント倉庫というのはあくまでも暫定的な保管策であったわけですね。ですから、この園芸リサイクルセンターを管理している茨城県農林振興公社は、指定廃棄物の保管について、保管施設の周囲に樹木が多いので、台風等の際、保管施設の破損が懸念されるとしているわけです。現地保管は、率直に言って、十年で解消するものにはならないだろう。
 大臣にお尋ねいたしますけれども、テント倉庫をつくったときというのは、もともと一カ所にまとめて最終処分場をつくりますという話だったんですよ。それを、茨城県においては分散保管、つまり、複数の場所における現地保管としたわけですから、本来、このテント倉庫の保管を見直して、保管策の強化を図るべきではありませんか。
#117
○山本(公)国務大臣 テント倉庫、私も見てまいりましたけれども、一般的には広く用いられているものでありまして、今部長が説明いたしましたように、建築基準法等の法令に定められた基準を満たすように設計されているなど、廃棄物の保管に必要な一定の強度を有していると考えてはおります。また、保管者からも、保管強化の要望はいただいてもおりません。
 そのため、現時点で保管強化が必要な状況とは考えてはおりませんが、今後、保管者や保管自治体から御要望があった場合には、状況を確認させていただき、必要な対策についてはよく御相談をしたいと考えております。
#118
○塩川委員 保管者から要望がないと言いますけれども、園芸リサイクルセンターが所在をする茨城町からは、保管強化をしてほしいという要望は上がっているんじゃないですか。
#119
○中井政府参考人 お答え申し上げます。
 茨城町の方からは、口頭で要望をいただいておるというところでございます。
#120
○塩川委員 保管者そのものは公社、それは、もとをたどれば茨城県なんですけれども、県の方は今のままでもいいよという話かもしれませんが、所在をしている茨城町の方は、口頭ではあれ、何らかの対策強化をしてくれという要望というのは上がっているわけですよね。やはり、その地元の声にどう応えるかということだと思うので、そういう意味でも、まさに地元からはこういった保管策の強化をやってほしいという要望が上がっているわけですから、それをぜひ受けとめて、対策強化をやっていただけませんか。
#121
○中井政府参考人 茨城町につきましては、先ほどお話しさせていただきましたように、口頭での町からの要望がある、保管者の方々からはまだなかったということではございますけれども、今後、よく保管者、保管自治体から状況を確認させていただき、必要な対策が必要であれば、よく御相談したいと思っております。
#122
○塩川委員 北茨城市のことについてもお聞きしました。北茨城市清掃センターにおける放射性指定廃棄物の飛灰は、フレコンバッグに入れられ、遮蔽シートで覆われていますが、野外に野積みにされたまま保管をされているということで、現状のまま放置するのでいいのか。保管強化策が必要ではないかと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
#123
○中井政府参考人 お答え申し上げます。
 北茨城市の廃棄物につきましては、飛灰四十五トンが市の清掃施設敷地内で保管されております。これは、保管状況としては、二重のフレコンに収納の上、遮水シートをかぶせて屋外保管という状況になっておりますけれども、市からよく保管強化について御相談を今受けておりまして、引き続き、市とよく相談の上、対応を図ってまいりたいと思います。
#124
○塩川委員 それと、牛久市における保管場所ですけれども、民間施設となっておりまして、それがどこなのか、どのような廃棄物がどのように保管されているのか。適切に保管されているというのが地元の方にはわからないんですよ。そういうことについてはどう受けとめておられますか。
#125
○中井政府参考人 指定廃棄物の保管場所につきましては、公共施設につきましては、固有名詞という形で保管場所について公表させていただいておりますが、民間施設というところにつきましては、民間施設ということで、特定の固有名詞を公表していないという状況でございます。
 牛久市の指定廃棄物は、汚泥〇・二トンがこの民間施設内の既存倉庫で保管されております。土のうによる遮蔽等の対策により、周囲に影響のない状況でしっかりと保管されているという状況認識をしております。
 現状の保管を継続することとしておりますが、またさらなる御要望等あれば、もちろん御相談してまいります。
#126
○塩川委員 ちゃんとやっていますというだけではなくて、具体的にどうなっているのかというのは示してもらわないとそれは安心になりませんよという声があるわけですから、きっちり、実態がどうかということについて、地元にわかるように説明してもらいたい。その上で必要な対策をとるということにも当然なってくるわけで、そういうことについては強く要望しておきます。
 八千ベクレルを超える指定廃棄物について、地元からの要望を受けるといった条件で、いろいろな保管策の強化を図るとなっているわけですけれども、もともと、放射性指定廃棄物は、加害企業である東電が責任を持って行う、求償するというスキームの特措法に基づく措置にもなっているわけです。
 その実際の作業は国が行うわけですから、その点で、環境省がみずからの責任として、住民のさらなる安心の確保や保管場所の災害リスクの軽減のために保管の強化策をとるべきだ、地元任せというのはだめだ、環境省として、しっかり対策をとれと言うことこそ必要だということを申し上げて、質問を終わります。
#127
○平委員長 次に、福田昭夫君。
#128
○福田(昭)委員 民進党の福田昭夫でございます。
 先日は、私の地元、日光国立公園を視察していただきまして、大変ありがとうございました。
 きょうは一般質疑ということなので、地球温暖化対策の推進などについて政府の考えをただしてまいりますので、山本大臣初め答弁者は簡潔にお答えをいただきたいと思います。
 まず、地球温暖化対策の推進についてであります。
 一つ目は、クールビズとウオームビズの徹底についてであります。
 第一点は、快適な室温は二十五度Cについてであります。
 環境省が目安としている冷房時の室温は二十八度Cでありましたが、最近、東京都市大学の先生たちの調査では、快適な室温は、冷房使用時では二十五・四度C、暖房使用時は二十四・三度C、冷暖房を使っていないときは二十五度Cだったということであります。
 オフィスの室温については、労働安全衛生法と建築物衛生法では十七度C以上二十八度C以下に努めるよう定められておりますけれども、この際、やはり働き方改革、ワーク・ライフ・バランスなどが言われている時期でありますので、ぜひ、この二十八度Cの目安も、快適な温度、二十五度Cに見直す必要があるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
#129
○鎌形政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘の研究は、オフィスビルにおける社員の暑さや寒さの体感についてフィールド調査を行ったものと承知してございます。
 クールビズにおける冷房時の室温につきましては、労働安全衛生法の事務所衛生基準規則等の法令において二十八度以下と規定されていることや、クールビズを開始した当時のオフィスの平均的な冷房温度が二十六度Cで、上着を脱いでネクタイを外すと体感温度が二度C下がるという調査研究の結果などを踏まえまして、地球温暖化対策のため、省エネルギーの観点から、二十八度Cを目安として設定したものでございます。
 二十八度Cはあくまで目安でございまして、冷房時の外気温や湿度、建物の状況、体調などを考慮しながら、無理のない範囲で冷やし過ぎない室温管理の取り組みをお願いしているというものでございます。
 政府として二十八度Cの目安を見直す予定はございませんけれども、クールビズの、軽装を積極的に取り入れ、無理のない範囲で冷やし過ぎない室温管理に取り組む、こういった趣旨がきちんと伝わるように伝え方の工夫をしてまいりたい、このように考えてございます。
#130
○福田(昭)委員 ちょっと余りにも柔軟性がない答弁だと思いますが。
 資料の一をごらんください。これは環境省がつくって配っている資料であります。
 クールビズとウオームビズについてということで、ここに説明がありますけれども、それでは、このクールビズのポイントとCO2の削減効果がここに書いてありますけれども、この運動が私は最近停滞しているような気がいたしております。
 つい最近は、何か衆議院では来週からかりゆしが上着なしで着用できるんだ、こういう話でありますけれども、しかし、五月からクールビズが始まりました、六月からはスーパークールビズということでありますが、皆さんも多分気づいていると思いますけれども、本会議場で、安倍総理初め閣僚の皆さん、みんなネクタイをしております、上着を着ているのはもちろんでありますが。
 実は、私がいろいろなところで体験している話でありますが、駅や町行く人々を見れば、ノーネクタイ、ノージャケットの人をよく見かけますけれども、最近私が出席をした○○団体の何十周年記念式典とか、あるいは○○工事の起工式とか、そういうところでネクタイ着用なんですね。クールビズかと思って行ってみたら、みんなネクタイをしている。起工式では、びっくりしました、ネクタイを貸すんですね。しようがなくて、私もネクタイをしてその工事の起工式に出ましたけれども。
 あれっ、クールビズってどこまで浸透しているのかな、あれっ、逆に、逆戻りしているんじゃないかな、こんな体験をしているものですからきょうはこんな質問をしているわけでありますが、クールビズのポイントとCO2削減効果についてどのように見ているのか、もう一度お答えをいただきたいと思います。
#131
○鎌形政府参考人 お答え申し上げます。
 クールビズのポイントは、軽装を積極的に取り入れることで冷房時の室温管理を適正化し、無理なく省エネに取り組んでいただくということでございます。
 クールビズの定着についてのお話もございましたが、クールビズの実施率は二〇一六年度において約七割と、オフィスにおける実施率ですが、定着しております。そのオフィス、いわゆる業務部門でのCO2削減効果を試算いたしますと、約四十九万トン、家庭の年間排出量の十五万世帯分ということになってございます。
#132
○福田(昭)委員 私が配った資料と今部長のお答えが違うんですが、当時の、配った資料では、クールビズ全体、五月から十月では、約十六万八千世帯の年間CO2排出量に当たる約九十万トン程度の削減を想定している、こう書いてあるんですよね。まあいいですよ、それは違っても。
 そこで、私は、やはりクールビズのポイントは基本的にノーネクタイ、ノージャケットだと思うんです、これをやらないと、とてもとても、なかなか暑さに耐えられないということなんだと思いますが、またCO2の削減もできないということなんだと思いますが、では、ウオームビズのポイントとCO2削減効果、これはなかなかこの資料には出ていないんですが、どのように考えているんですか。
#133
○鎌形政府参考人 まず、先ほどのお答え、舌足らずで申しわけございませんでした。四十九万トンと申しましたのは、いわゆるオフィス、業務部門での取り組みでございまして、家庭での取り組みも含めますと、資料のような数字になってくるというふうに思います。
 それで、試算しておりますのは業務部門ですので、それについてのお答えをさせていただきますが、まず、ウオームビズのポイントは、一枚多く羽織ったり、あるいは膝かけを活用したり、こういったことによりまして、暖房時の室温管理を適正化し、無理なく省エネに取り組んでいただくということでございます。
 ウオームビズの実施率は、二〇一六年度において、これはオフィスでの実施率ですが、六割を超えてございます。そのCO2削減効果を試算いたしますと、家庭約十万世帯分の年間排出量に相当する三十三万トンということになってございます。
#134
○福田(昭)委員 鎌形部長を初め環境省の皆さんはどう感じているか知りませんが、私も実験をいたしましたが、二十八度Cというのは相当暑いです。確かに、この東京都市大学の調査のように、二十五度Cはやはり冷房も暖房も快適です。ですから、これはやはりしっかり、私は努力目標も見直すべきじゃないかなというふうに思っております。その辺は柔軟に。
 そして、その結果としてCO2がどれぐらい削減されるのかというのも試算をして、改めてその趣旨を徹底しないと、何か最近またどこかに行ったら、ネクタイをしていた、背広も着ていた、あれあれ、自分一人だけ、これは困っちゃったということがよくあるようなことになりかねないので、そこはしっかり取り組んでほしいというふうに思います。
 それで、二つ目は、二〇一四年、二〇一五年度の温室効果ガス排出量と減少した要因についてでありますが、これは資料の二の一と二と両方見ていただきたいと思います。
 時間の関係で、第一点と第二点、あわせて質問をさせていただきます。簡潔に質問しますけれども、特に二〇一三年度と比べてエネルギー転換部門はどの程度減ったのか、そして、二〇〇五年度と比べて、産業部門や運輸部門とあわせて業務その他の部門及び家庭部門はどの程度減ったのか、そしてさらに、エネルギー転換部門での減った分のうち、原発再稼働分はどれぐらい減ったのかということ、それをお伺いいたしたいと思います。
#135
○鎌形政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、温室効果ガスの総排出量でございますが、二〇五〇年が確定値が出ております。それで、それが全体で十三億二千五百万トン。それは、二〇一三年度で十四億九百万トン、二〇〇五年度で十三億九千九百万トンということで、それらに比べて減少しているということでございます。
 それで、お尋ねの部門別の数値でございますが、まず、産業部門につきましては、二〇一五年度のCO2排出量は四億一千百万トン、二〇〇五年度と比べて一〇%減少しております。
 それから、運輸部門につきましては、二〇一五年度のCO2排出量は二億一千三百万トン、二〇〇五年度と比べて一一%減少してございます。
 それから、業務その他部門につきましては、二〇一五年度のCO2排出量は二億六千五百万トン、二〇〇五年度と比べて十一・一万トン増加してございます。
 それから、家庭部門でございますが、二〇一五年度のCO2排出量は一億七千九百万トン、二〇〇五年度と比べて〇・二%減少しているということでございます。
 それから、エネルギー転換部門でございますけれども、二〇一五年度のCO2排出量は七千九百五十万トンということでございまして、二〇〇五年度と比べて二三・三%減少しているということでございます。
 以上の数字は、エネルギー転換での発電などに要したものについて、具体的に家庭とか産業で使われるところも家庭や産業に配分した、いわゆる間接排出の数字ということで受けとめていただければと思います。
 それで、原子力発電所の分はどうかということでございますけれども、二〇一五年度の原子力発電の発電量は六十七億キロワットアワーということで、総電力量に占める割合は〇・八%ということでございますが、原子力発電が稼働した分、火力発電の発電量が減少した、こういうふうに仮定して試算した場合でございます、火力発電の平均の、原単位を使って計算しますと、原子力発電は約四百十万トン、CO2の削減効果があったということになります。
 ただ、この数字、先ほど申しましたエネルギー転換部門の数字は間接排出を前提とした数字でございますので、直接の比較は困難ということでございますが、いずれにしても、四百十万トンのCO2削減効果があったというふうに試算されます。
#136
○福田(昭)委員 資料の二の一をごらんいただければよくおわかりになると思うんですが、二〇一四年度は原発稼働ゼロで二酸化炭素の削減にもうまくいったという話で、二〇一五年度は原発の再稼働もあってこんなに減ったという話なんですが、それは間接の試算だというので、本当にどの程度減ったのかというのはちょっと疑わしいところでありますが。
 環境省も、これもクールビズと一緒で、やはり温室効果ガス排出のための計画の基準年が二〇〇五年度と二〇一三年度だということを実は広く知られていない。特に、我が国の大新聞でさえ、原発再稼働を多分推進したいがための記事だったかなと思っておりますが、特集を組んで、二〇一〇年度と比較して、家庭用の電気料金が二割、産業用は三割もふえた、温暖化ガスの排出量も、一〇年度から比べると一五年度はふえている、論説委員がそういう解説をして、質問している記事が出ておりました。
 確かに、これを見れば、一〇年度と比べればふえていますよ、二〇一五年度、基本的にですよ。でも、基準年は二〇〇五年と二〇一三年であって、それから比べれば減っているはずなんだが、こういう誤った誘導を我が国の大新聞がやる。だから、こうしたことも、クールビズじゃないけれども、環境省としてはしっかりチェックをして、新聞社に対しても記事の訂正を求めるぐらいのことをやらないと、なかなかうまくいかないのかなと思っています。
 次に、第三点は、これは答えは要りません。
 再生可能エネルギーの範疇に水力発電は含まれるのかという話でありますが、資料の二を見ると、二〇一四年度までは再生可能エネルギーの範疇に水力は入っておりませんでしたが、二〇一五年度の統計から再エネに含まれるということになったようであります。
 これは環境省の範囲じゃないのでお答えは要りませんけれども、私は、ぜひとも水力発電、特に多目的ダムを初めとして可能なところに大中小規模の発電所をつくるということを考えるべきだと思います。
 このことについては、元国土交通省の河川局長であった人間が「水力発電が日本を救う」という書物を書いておりますが、この方は、多目的ダムを三つもつくってきた元河川局長であります。その河川局長が、可能なところには水力発電をつくれ、こう言っておりますので、ぜひこれは、再生可能エネルギーの中に入れて、しっかりと推進をしていくべきだということを申し上げておきたいと思います。
 そして四点目。問題は、我が国の温暖化ガス削減の長期戦略の策定についてであります。
 文字どおり喫緊の課題だと思いますが、これはいつまでに作成するつもりなのか、大臣にお伺いしたいと思います。
    〔委員長退席、冨岡委員長代理着席〕
#137
○山本(公)国務大臣 長期戦略は、地球温暖化対策計画の見直し等の関連の政策を初め、あらゆる主体の投資や行動、判断に長期大幅削減という方向性を示すものとして認識をいたしております。
 環境省として本年三月に取りまとめた長期低炭素ビジョンは、今後の大幅削減に向けた基本的な方針等を示した、長期戦略の土台となるものでありまして、主な内容は、今月六日に閣議決定した環境白書に盛り込んでおります。
 骨太な長期戦略策定のためには、これに加えて長期大幅削減の実現に至る道筋を示す必要があると考えており、議論を深めるよう事務方に指示をいたしております。
 G7伊勢志摩サミットで、二〇二〇年の期限に十分先立って策定、提出する旨をコミットしたことも踏まえまして、関係省庁とも連携しながら、検討作業を着実に進めてまいりたいと思います。
 実を言いますと、私はもっと早く出したいと思っておりましたが、なかなか難しい問題であるということを今実感いたしております。さはさりながら、やはり日本が長期戦略を一刻でも早く出すことによって日本の立ち位置というのは国際的には決まってまいりますので、できるだけ早く出すように努力をしていきたいと思っております。
#138
○福田(昭)委員 大臣から、できるだけ早くつくりたいということでありますが、ぜひそうしてほしいと思っています。
 それでは、三つ目の質問です。時間の関係でかなり省略しますけれども、米国トランプ大統領のパリ協定脱退表明を受けた対応についてであります。
 この中で、トランプ大統領は、このパリ協定の親条約である気候変動枠組み条約からの脱退については触れていなかったようでありますので、そういった意味では、先ほどの大臣の話にありますように、まず日本が長期戦略をつくって、アメリカをぜひ説得してほしいと思っております。
 脱退できる時期はいつかという話でありますが、パリ協定のルールによると、米国が実際に離脱できるのは二〇二〇年の十一月以降だということであります。この時期は、既に次の大統領選が始まって、大きな争点になる、そういう時期でありますので、きっと別な大統領になっている可能性はありますので、ぜひこれは頑張ってほしいと思いますし、先ほど、緑の気候基金についても質問がありましたので、この点も含めて、これから、日本政府の対応、山本大臣、米国の慰留へ意欲を示しているようでありますが、その考え方をもう一度ぜひお聞かせいただければと思います。
#139
○山本(公)国務大臣 きょう、やっと国会の承認が得られましたので、今夜からG7環境大臣会合に行ってまいります。
 米国のプルイット環境庁長官ともバイの会談をやる予定にいたしておりますので、ぜひ日本の考えを私は言ってきたいというふうに思っております。
 その中で、トランプさんの今回の離脱表明のときの演説を聞いておりますと、何といいますか、気候変動対策と経済政策は両立をしないみたいな言い方に終始をしていたように感じるわけでございますけれども、私どもは、これは両立をするという従来の考え方でございますし、現に、アメリカの企業や州や市、大変な、私らの想像以上の、今、トランプさんの行動に対して反発が出てきているように理解をいたしております。とりわけ企業の方々はビジネスチャンスを失うというような危惧を持っておられますので、そういうこと等々を含めて頑張っていきたいと思っております。
    〔冨岡委員長代理退席、委員長着席〕
#140
○福田(昭)委員 大臣、そのとおりでありまして、実は、脱炭素、脱原発、これはいずれも経済を成長させるんです。ですから、よくトランプ大統領を、あるいはその周辺を説得してほしいと思います。ですから、そういう意味では、今度のG7の会議、さらには、その後、G20の会議や、あるいは気候変動枠組みの第二十三回の締約国会議、COP23もことしじゅうにはあるようでありますから、その都度やはり説得する。新聞報道では、機会があればなんて書いてありますけれども、機会があればじゃなくて、ぜひ機会をつくって説得してほしいと思っています。何度も申し上げますが、脱原発、脱炭素、これは成長産業なんです、実は。ですから、そこを確認してやることが必要だというふうに思っております。
 それで、次、大きな二番目の質問を省略して、もう時間がありませんので、最後の問題にちょっと行きたいと思っています。
 実は、資料の三をごらんいただきたいと思っていますが、これは、江戸時代の末期に六百を超える村々の復興に取り組んだ二宮尊徳翁が記した「三才報徳金毛録」という本であります。たまたま、私の地元の日光市にこの記念館ができたものですから、先日行ってみたら、この展示があったので、いただいてきました。本物は国会図書館に所蔵されております。
 途中から読みますけれども、「三才とは、天・地・人で宇宙間の万物を示し、金毛とは、貴重なものを意味します。この中で、宇宙論から説き起こし、天地が開闢し、人道界が生まれ、それらを貫く輪廻循環の法則について、円相の図を用いて説明しています。 なお、「天命治世輪廻之図」は、「報徳の道」の究極を示すものです。すなわち、」ここが言いたいんですけれども、「「為政者が仁徳に基づいた政治を行えば、よい循環が生まれ、理想的社会に至る」ことを示しています。」ということであります。
 きょうの各委員さんの質問を聞いておりましても、日本原子力開発機構のずさんな管理による事故、そして、アスベスト、まさに税関のこれの不適切な輸入の手続。それから、先日視察をしてきた中禅寺湖漁協への対応、環境省が、地元事務所が相談されても門前払いで全く何にもしなかった。もし環境省の仕事でないとしたら、例えば水産庁に仕事を頼むとか、そういうことが幾らでもできるはずであります。
 しかしながら、そういうことができない国の役所といいますか、昔からよく、局あって省なし、省あって国なしなどということが言われてきましたけれども、ぜひ、そういった意味では、今回いろいろなことが起きているわけです、そういう意味では、まさに、森友、加計問題などを考えると、安倍総理にこれは教えた方がいいのかなというふうに思ったりもいたしますが、まさに、こうした教えが今、日本に必要なんじゃないかなというふうに申し上げたいと思います。
 特に、尊徳翁は、天道と人道という教えを言っておりまして、天の道と人の道であります。
 質問時間がなくなりましたので終わりにしたいと思いますが、天の道は自然の道です。よく、こんな例え話があります。田んぼに稲を植えるだろう、しかしそのままにしておけば雑草が生えてきて稲は実らない、しかし、人間の手で雑草を取って肥料を加えてやれば稲はきちっと実る、これが人の道。自然の道と人の道、これを調和させるのが必要だ、こういうことを尊徳翁は教えております。
 ぜひ、この環境委員会もそういう観点から環境問題に取り組むべきだということを申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#141
○平委員長 次に、小沢鋭仁君。
#142
○小沢(鋭)委員 日本維新の会の小沢鋭仁でございます。
 一般質疑ということで、きょうは、憲法、環境権の議論をさせていただきたいと思っています。
 ただ、それに入る前に、今までの議論を聞いていて、一点だけ、トランプさんのパリ協定離脱の件で、ちょっと私の危惧を申し上げ、また大臣の見解も聞かせていただきたいと思っているんです。
 きょうずっと議論があった、まさに温暖化対策と経済は両立する、私は、逆に言うと、それを取り込んだ方が経済はさらに発展する、こうずっと言い続けてきているんですが、そういったお話を大臣がしていただけるというのは、大変うれしいことだと思っています。私が大臣をやっていたときは自民党から相当批判を受けましたから、そういった意味では、自民党も大変変わっていただいたのかな、こう思っておるんです。
 トランプさんは、その一つ前の、いわゆる温暖化でっち上げだと言っているんですね。温暖化デマ説、懐疑説というものです。ここは、もしそういう温暖化があるとしたら経済は両立するという議論を幾らしても、もともとが、それはでっち上げなんだという話になると、話が進まないと思っていて、そこを私は大変心配しています。
 全世界が、それぞれの国が、あるいはまたそれぞれの研究者が、総力を挙げてこういったことはやってきているんですが、依然として温暖化でっち上げ説というのが残っていることは事実でありまして、どうもトランプさんの話を聞いていると、そうかな、こう思うものですから、ぜひ大臣、米国の担当大臣とお会いになるときに、そこのところを聞いていただければありがたいし、そこのところはそうじゃないんだということをぜひ主張していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#143
○山本(公)国務大臣 小沢委員御指摘のとおり、でっち上げ説というのは、トランプさんに限らず、日本国内にもいらっしゃることは御承知だろうと思います。
 ただ、今回のトランプさんの離脱の表明の演説等々、それからプルイットEPA長官の発言等々の中には、でっち上げもしくは人為的なものではないというような発言もなかったやに我々承知をいたしておりますので、多少、何といいますか、進歩されたかなと思っております。
#144
○小沢(鋭)委員 確かに、選挙のときの公約は、中国のでっち上げだ、こういうふうに言っていたんですが、今回はそこまではなかったかなと思うんですが、温暖化は誤りだみたいな話は私は言っていたように思うものですから、ぜひそこは正していただきたいな、こういうふうに思います。
 それでは、本題の環境権、環境条項について質問させていただきたいと思います。
 ただ、この話に入ると、きのう事前通告のときに、役所の皆さんから、なかなか大臣はいわゆる憲法に関する議論というのはしづらいですよ、こういうお話をいただきました。確かに、今までの政府はそういったところがあるのかもしれません。
 私はなぜこれをきょう取り上げるかというと、先週の憲法審査会で、いわゆる新しい権利、新しい人権ということで、環境権の議論を相当したんですね。なものですから、まさに専門的知見を持つこの環境委員会で大いに議論をして、憲法審査会にも貢献したらいいじゃないか、こう思って、きょうこのテーマを、一般質疑ですから、取り上げさせていただいたわけであります。
 ただ、なかなか答弁しづらい、こういう話ですが、ぜひそこは、大臣、おおらかに、私は追及型ではなくて提案型ですから、おおらかに議論をさせていただければありがたいということを冒頭申し上げ、そして、たまたま、きょうの日経新聞の「憲法 改正項目を点検」という連載コラムがあるんですけれども、それが環境権だったんですね。そこの冒頭のところに、菅官房長官が二〇一六年七月に、「民放の番組で「憲法には環境問題の「か」の字も無い。現実問題として必要なところからやる」と語った。」こういう話があって、官房長官も議論をしているわけでありますので、まさにその担当大臣たる山本大臣におかれましては、おおらかに議論につき合っていただければありがたいと冒頭申し上げておきたいと思います。
 ということで、まずお尋ねしたいんですが、環境省でこれまでに、こういう環境権、環境条項、こういった議論をされたことがあるんでしょうか。
#145
○奥主政府参考人 お答えいたします。
 環境省におきましては、諸外国における環境法制を毎年テーマを定めて調査しております。平成二十七年度、平成二十八年度におきましては、この諸外国法制調査のテーマの一つといたしまして環境権を取り上げまして、フランス、ドイツなどの数カ国についての海外調査を実施したことがございます。
 なお、憲法の改正事項の一つとしての環境権、環境条項の具体的内容につきましては、国会の憲法審査会において御議論いただくものと考えておりまして、環境省において具体的な検討は行ってはおりません。
#146
○小沢(鋭)委員 調査はしているけれども検討は行っていないということでしょうか、よくわからないですけれども。
 今まで、環境権、環境条項とわざわざ私は並べて言っているのは、環境権は権利、環境条項は個人、国の責務、割とこういうことでございますので、環境権、環境条項、こういうふうに並べて申し上げさせていただいていますが、この環境権に関しては、憲法十三条、幸福追求権や憲法二十五条、生存権によって当然に保障されているんだ、だから必要ないんだ、こういう議論があるわけでありますが、政府もそういう立場に立っているんでしょうか。
#147
○奥主政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、環境権につきましては、憲法第十三条の幸福追求権の規定や第二十五条の生存権の規定によって解釈上認められ、保障されているという意見があることも承知しております。
 他方、社会の劇的変化の中で新しい人権は広がりを見せており、環境権やプライバシーなどを個別の具体的人権として憲法上明記することは検討に値するという意見があることも承知しております。
 政府といたしましては、環境権を憲法上導くかどうかということにつきましては、特段、こうであるというようなことは見解を持っておりません。環境省といたしまして、いずれにしましても、環境行政を推進していくという観点から個別の施行に努めているということでございます。
#148
○小沢(鋭)委員 環境基本法がありますね。この間の憲法審査会の席でも、環境基本法の中である意味では環境権みたいな権利が代弁されている、こういう意見もありました。ただ、環境権という言葉は環境基本法の中にないんですよね。私、調べさせていただいたらば、環境基本法をつくるときに、環境権という話もある意味では使ったらどうか、こういう議論もあったやに記録が残っていたわけです。なぜ使わなかったのか。そこはいかがでしょうか。
#149
○奥主政府参考人 お答えいたします。
 環境基本法の議論のときに、環境権の趣旨を法律上の権利として位置づけることにつきましては、法的権利としての性格についていまだ定説がなく、判例においても認められていないことや、具体的権利内容について不明確であることから、環境基本法制定時におきましては困難であるというふうに議論がされた結果、そのような結論になったというふうに聞いております。
#150
○小沢(鋭)委員 それから大分時間がたちますけれども、今、奥主さんがおっしゃった、いわゆる権利としてなかなかその当時確定ではなかったという話は、かなり進展してきていると思うんですが、いかがですか。
#151
○奥主政府参考人 委員御指摘のとおり、環境基本法におきまして環境権というようなことはありませんけれども、ただ、環境基本法第三条におきましては、人間が健康で文化的な生活を送るためには良好な環境は欠くことができないものであるということはうたわれております。この点におきまして、環境権の趣旨とするところは環境基本法に的確に位置づけられているというふうに考えているところでございます。
 一般に環境基本法は環境の保全に関します施策の基本的な方向性を示す法律であるものと認識しておりまして、したがいまして、環境省といたしましては、国民が良好な環境を享受できるよう、環境基本法の趣旨に基づきまして、個別法上の措置や財政上の措置等を着実に推進してまいるということで考えているところでございます。
#152
○小沢(鋭)委員 今のような話は、ある意味でいうと、だから環境権というのは大事なんだよね、こういう話。冒頭申し上げた菅官房長官の、今の時代、環境のカの字もないというのは変だよね、こういう話で、ある意味でいうと、環境権という権利をやはり認めていった方がすっきりする、逆に認めないことの方が何か不自然ですね、こういうふうに思うわけであります。
 ただ、政府はなかなかそれに立ち入っていけない。その根拠が、憲法の九十九条の話を出すのかもしれませんけれども、憲法九十九条は、いわゆる閣僚の憲法遵守義務はありますけれども、皆さん御案内のとおり、天皇、摂政から言葉が始まっていて、閣僚、さらに国会議員、我々自身もいわゆる遵守義務を負っているわけでありまして、目の前のいろいろな事柄に対応していくのは当然憲法の範囲でやらなければいけない。しかし、改正ということに関して言えば、それを我々が議論してはいけないなどということはあり得ないわけでありまして、閣僚が議論してはいけない、国会議員はいいんだという話は九十九条からは導けないわけであります。
 ぜひ政府の方でも、環境省の方でも、そういった議論も、なかなか表立ってやりづらければ内部でも結構ですから、調査をされているのであれば、大いに事前に議論をしていただきたいと思います。
 さらにはまた、委員長にお願いですけれども、この一般質疑は、私は前から、議員同士の自由討議をやったらいいじゃないですか、そういう提案をさせてきていただいていると思います。また、政府がなかなかこういった問題に入れないということであれば、さらに、この委員会でも自由討議という形で、与野党を超えて立法府として環境権の議論を進めていくということは大変重要だと思いますので、委員長に御勘案をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#153
○平委員長 理事会で協議いたします。
#154
○小沢(鋭)委員 ぜひそういう形でやらせていただければと、改めてお願い申し上げます。
 そこで、では、聞けることとして幾つか質問させていただきます。
 さっき奥主さんがおっしゃった、海外での調査をしているということですが、海外での環境権、環境条項の設定状況はどんなぐあいになっていますでしょうか。ざっくりで結構です。
#155
○奥主政府参考人 お答えいたします。
 環境権、環境条項につきましては、アジア、ヨーロッパ、北米・南米地域の諸外国で憲法に規定されていると承知しております。
 その規定の仕方につきましては、国によってさまざまでありまして、国などの責務として環境政策の実施について規定が置かれている例、国民の権利として環境権が規定されている例、国民の責務として環境保全について規定が置かれている例などがあることは承知しております。
 具体例を申し上げますと、例えば、国などの責務として規定が置かれている国はオランダ、イタリア、ドイツ、中華人民共和国などが、国民の権利として規定が置かれている国はベルギー、フィリピンなど、国などの責務、国民の権利と責務の全てについて規定が置かれている国はフランス、スペイン、ポルトガルなどがそれぞれ挙げられるところでございます。
#156
○小沢(鋭)委員 先ほども申し上げましたように、国民の権利としての環境権と、それからあと、国だとか地方自治体だとかの責務としての環境権あるいはまた国民の義務と言ってもいいんですけれども、そういった二種類に環境関係の話も分けられるということでありますが、世界各国で、私の調査だと、環境権を記載しているのが二十四カ国、これは二〇〇七年の古い資料ですけれども、環境権を言っているのは二十四カ国、国等の責務、政策等を言っているのは三十六カ国、国民の責務を書いているのは二十六カ国、こういうことでありますから、環境先進国を標榜する日本として、そういったものはあっても全くおかしくない、こういうことだと思います。
 それから、いわゆる国際的な会議において、環境権、環境条項について、例えば一九七二年のストックホルム宣言や一九九二年のリオ宣言がなされておりますが、それ以降、どんなぐあいに国際会議の中ではなっていますか。
#157
○奥主政府参考人 お答えいたします。
 さまざまな国際会議について網羅的に把握はしておりませんが、委員御指摘のとおり、一九七二年ストックホルム宣言でありますとか一九九二年のリオ宣言の再確認として議論が行われているというふうに承知しております。
 具体的には、二〇〇二年に南アフリカ・ヨハネスブルクで開催されました持続可能な開発に関する世界首脳会議、いわゆるヨハネスブルク・サミットでございますが、そこで採択されました持続可能な開発に関するヨハネスブルク宣言、及び、二〇一二年にブラジル・リオデジャネイロで開催されました国連持続可能な開発会議、リオ・プラス20で採択されました成果文書であります「我々の求める未来」において、直接、環境権、環境条項の言及はないものの、一九七二年のストックホルム宣言及び一九九二年のリオ宣言を再確認したというふうに承知しております。
#158
○小沢(鋭)委員 まさにそういった話が国際的にもずっと行われてきているわけであります。
 人は、尊厳と福祉を保つに足る環境で、自由、平等及び十分な生活水準を享受する基本的権利を有する、これはリオ宣言でありますけれども、こういった話を我が国でもきちっと踏襲していくというのはいいのではないかな、こう思います。
 ということの中で、極めて具体的な話になるわけですが、毎回やっておりますので、最近は私の小沢芸みたいになっておりますが、ごみ屋敷でございます。
 ごみ屋敷に関しては、今、具体的には全国調査をしていただけるというふうに話を聞いておりまして、ぜひそれは進めていただきたい、こう思うわけですが、なぜこれを私は申し上げているかというと、これも繰り返しになるので委員の皆さんには恐縮至極ですけれども、要は、憲法の中に財産権が認められているんですね、憲法の中に環境権はないんですね。
 でありますので、そういった意味では、ごみ屋敷の話が出てくると、常に、それはその人の所有物であるとかいうことで、財産権に関しては、二十九条で「財産権は、これを侵してはならない。」こういう話があって、それに対する対抗要件が弱過ぎるんですね、環境権は。
 ということで、憲法審査会の席でも、各参考人の方から、環境権を記載して何のメリットがあるのか、こういう話があったんですけれども、例えば今のような話でいっても、ごくごく身近な問題であっても、まさにそういった生活に密着する環境権、先ほど、リオ宣言でも書いてあります、尊厳と福祉を保つに足る環境で十分な生活水準を享受する基本的権利という話で環境権が位置づけられていれば、財産権とそれに匹敵する環境権、こういうことの中で対抗要件を持ち得るということで、私は、このごみ屋敷を突破口に、ぜひとも我が国に環境権というものをしっかりと根づかせていきたい、こういう思いでずっとやっているのでございますが、最後に大臣の所見をお聞かせいただければと思います。
#159
○山本(公)国務大臣 環境権、環境条項については、委員御指摘のとおり、憲法審査会において御議論をいただいているテーマの一つでございまして、したがって、政府の一員である私から、まずはコメントは差し控えさせていただきたいと思っております。
 その上で、先生御関心のごみ屋敷の問題。
 ごみ屋敷の問題というのは、一口に言いましてもいろいろなパターンがあるやに聞いております。財産権が絡んだ話があったり、そしてまた、公共の道路にまで物を置くというようなことが横行したりと、いろいろなパターンがあるやに聞いておりまして、私が今役所の方に改めて指示を出しましたのは、全国のごみ屋敷の実態を調査してくれということを言っております。
 当然、今の状況の中では家の中に立ち入ることはできませんけれども、少なくとも、調査をすることにおいてその状況というのは把握はできるだろうというふうに思っておりまして、これからごみ屋敷の問題は環境省としても取り組んでいきたいというふうに思っております。
 憲法に絡めた話はちょっと、やはり御容赦を願いたいなと思いますけれども、ただ、うれしかったのは、環境という言葉がもう行く先々で枕言葉に使われる時代になってきた、そして、憲法との絡みにおいて、環境権という絡みにおいて議論をされるようになってきたということは、長く環境に携わっておりますと、まさに隔世の感がいたしまして、大変うれしい気持ちではおることは間違いございません。
#160
○小沢(鋭)委員 最後に大臣のお気持ちも聞かせていただいて、ありがとうございます。
 ぜひ委員の皆さんにもお願いですが、立法府として、委員長にも御配慮いただいて、自由討議を大いにしてこういう議論を専門的知見から盛り上げて、そして憲法審査会につないでいくというような話が本当の立法府の姿ではないかな、こう思うものですから、ぜひとも御理解を、御支援をお願いして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#161
○平委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時二十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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