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2016/11/10 第192回国会 参議院 参議院会議録情報 第192回国会 法務委員会、厚生労働委員会連合審査会 第1号
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2016/11/10 第192回国会 参議院

参議院会議録情報 第192回国会 法務委員会、厚生労働委員会連合審査会 第1号

#1
第192回国会 法務委員会、厚生労働委員会連合審査会 第1号
平成二十八年十一月十日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
   法務委員会
    委員長         秋野 公造君
    理 事
                西田 昌司君
                山下 雄平君
                真山 勇一君
               佐々木さやか君
    委 員
                猪口 邦子君
                中泉 松司君
                古川 俊治君
                牧野たかお君
                丸山 和也君
                元榮太一郎君
                柳本 卓治君
                有田 芳生君
                小川 敏夫君
                仁比 聡平君
                高木かおり君
                糸数 慶子君
                山口 和之君
   厚生労働委員会
    委員長         羽生田 俊君
    理 事
                島村  大君
                そのだ修光君
                高階恵美子君
                足立 信也君
                山本 香苗君
    委 員
                小川 克巳君
                太田 房江君
                木村 義雄君
                自見はなこ君
                馬場 成志君
                藤井 基之君
               三原じゅん子君
                宮島 喜文君
                石橋 通宏君
                川合 孝典君
                川田 龍平君
                牧山ひろえ君
                熊野 正士君
                谷合 正明君
                倉林 明子君
                東   徹君
                福島みずほ君
               薬師寺みちよ君
   衆議院議員
       修正案提出者   井出 庸生君
   国務大臣
       法務大臣     金田 勝年君
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
   副大臣
       法務副大臣    盛山 正仁君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  井野 俊郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        青木勢津子君
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   政府参考人
       法務省入国管理
       局長       井上  宏君
       厚生労働省労働
       基準局長     山越 敬一君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       田中 誠二君
       厚生労働省職業
       能力開発局長   宮野 甚一君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    定塚由美子君
       厚生労働省老健
       局長       蒲原 基道君
   ─────────────
  本日の会議に付した案件
○外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生
 の保護に関する法律案(第百八十九回国会内閣
 提出、第百九十二回国会衆議院送付)
○出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法
 律案(第百八十九回国会内閣提出、第百九十二
 回国会衆議院送付)
    ─────────────
   〔法務委員長秋野公造君委員長席に着く〕
#2
○委員長(秋野公造君) これより法務委員会、厚生労働委員会連合審査会を開会いたします。
 先例によりまして、私が連合審査会の会議を主宰いたします。
 外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案及び出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案の衆議院における修正部分の説明につきましては、お手元に配付いたしました資料により御了承願い、その聴取は省略いたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○石橋通宏君 民進党・新緑風会の石橋通宏です。
 今日は、連合審査会ということで質問の機会をいただきまして、本当にありがとうございます。私自身も、この技能実習生の問題、これ、この何年間かに分けて継続的に問題点を指摘をさせていただいて、どう改善していくのか、そういう議論をさせていただいてまいりました。そのことも含めて、この法案審議は、今日、恐らく私自身にとっては最後の機会になると思いますので、今日は是非、積み残された課題について、どう本当にこの法案の名前にあるように実習生の保護を確保することができるのか、そういう是非前向きな質疑をさせていただければと思いますので、今日、両大臣お見えをいただいておりますし、衆議院から提案者もおいでいただいております。是非よろしくお願いをしたいと思います。
 それでは、早速質問に入りたいと思いますが、まず実習生の労働時間に関わる問題、課題について少し質疑をしてまいりたいと思います。
 まず、厚生労働省、確認をしますが、現行制度の下で実習生の労働時間の把握、確認、これはきちんと行われているんでしょうか。簡潔に教えてください。
#4
○政府参考人(宮野甚一君) お答えをいたします。
 現行制度の下での実習生の労働時間の問題でございますが、これにつきましては、実習生におきましても、それ以外に、日本人の労働者と同じく労働基準法上のいわゆる三六協定に基づきまして超過勤務を行うということとなっております。
 技能実習生も含めまして、事業場で働く方の過半数代表者等の意見を聴いて三六協定を締結し、現在、労働基準監督署が中心となって適正な手続がされるよう指導をいたしております。
#5
○石橋通宏君 お答えいただいていません。
 残業時間の把握をされておりますか。つまり、残業時間を含めた総実労働時間がどういう実態になっているかを厚労省は把握をしているんでしょうか。
#6
○政府参考人(宮野甚一君) お答えいたします。
 厚生労働省として、統計的な形での残業時間の把握はいたしておりません。ただ、これ、私どもはJITCOへの委託事業という形で技能実習生の労働条件等に係る自主点検というのを行っております。
 そのデータでございますけれども、これはそのデータ全体で約十一万人分のデータでございます。これを簡単に御紹介をさせていただきますと、時間外労働なしというものが約一三%、四十五時間未満というものが約六二%、四十五時間から六十時間というものが一二・七%というような数字になっております。
#7
○石橋通宏君 まず、厚生労働省としてはちゃんと把握はしていないということはお認めになりました。
 JITCOの調査でこういう実態だということですが、残業がある事業場、これ全て三六協定が適正に締結をされている、これは確認をされていますか。
#8
○政府参考人(宮野甚一君) お答えをいたします。
 これもJITCOの委託事業の自主点検結果でございますけれども、協約を締結する必要がない事業場である、残業がないというところが約五%、それから、残念ながら時間外労働、休日労働は発生しているけれども協約を締結をしていないというところがこの調査では約六%ございました。それ以外については三六協定を締結をしているという回答を得ております。
#9
○石橋通宏君 締結している実習機関で研修生もきちんと従業員代表の選出に関わっているということもチェックされていますか。
#10
○政府参考人(宮野甚一君) お答えいたします。
 全ての事業場について、委員御指摘がありましたような形で、適正な形で協約が締結されているかというところまで全て確認をしているということではございません。
#11
○石橋通宏君 ここが問題なんです。両大臣もこれは御認識をされていると思いますが、残業実態がある、そして三六協定の締結はあるんだけれども、そこに実習生が本来であれば関わらなければいけない、でもその確認はされておりません。恐らく現実的にはほとんど実習生は知らないままに三六協定の締結はされているんだというふうに思います。
 併せてお聞きしますが、農業などはこれ四十一条で残業時間そのもの適用除外です。農業や水産業、多くの実習生おられると思いますが、ここの労働時間規制はどうなっていますか。
#12
○政府参考人(宮野甚一君) お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、農業、漁業につきましては、労働基準法上の労働時間に関する規定は適用除外となっております。
 これにつきましては、農業あるいは漁業の分野における実習生の適正な労働条件の確保は重要な問題であると考えております。現在、事業所管官庁による指導がなされております。
#13
○石橋通宏君 どうなっていますかとお聞きしているので、これ規制はあるんですね。
#14
○政府参考人(宮野甚一君) 具体的に申し上げますと、農業分野におきましては、労働基準法の労働時間等に関する規定に準拠すべきとの通知が農林水産省から発出をされております。また、漁業分野につきましてでございますけれども、これは水産庁、あるいは業界団体等を構成員とした協議会が組織され、実習環境の適正化に向けた取組がなされているというふうに承知をしております。
#15
○石橋通宏君 この辺が、農業なんかでも非常に多くの残業が行われているという実態、我々も報告を受けています。結局その辺、周知をされていると言いますが、果たしてどこまで徹底されているのかというのが問題なんです。
 両大臣、今このやり取りも聞いていただいたと思います。労働時間、残業時間、これどういう規定、制限があるのか、産業分野別で様々ある、こういう実態の中で、残念ながら、これ、塩崎大臣は御存じのとおり、過労死による労災認定というのも過去二例、二〇一四年のフィリピンの方、岐阜県で労災死発生して労災申請認定されています。本来、実習制度で過労死なんてあっちゃいけないですよね。これはもう共有いただけると思います。でも、現実的にそれが起こっている。これ、どうするか。これ、本当に重要な課題だと思います。
 ですので、これは是非大臣お答えいただければと思いますが、今回のこの適正化策の中で是非、まず実習計画に労働時間記載させることになりますが、残業時間の有無、残業時間がどれだけなのか、そのことも含めた総実労働時間で記載をさせるべきだということは是非徹底をいただきたいと思いますし、三六協定の締結についても、これ是非実習計画の中でそれが分かるように記載をさせるべきだ、それによるチェックが必要だと思います。
 それから、実習生がそのことを知らない、三六協定がある場合にその従業員代表の選抜に関われない、これでは意味がありませんので、必ずそのことについて、実習生来たときの研修の中で、三六協定とは何なのか、従業員代表の選抜に彼らも関わらなきゃいけない、そういうことも含めて研修で周知徹底をする。これ、是非やっていただきたいと思いますが、大臣、これ具体的に、検討含めてお願いします。
#16
○国務大臣(塩崎恭久君) 今数々御指摘をいただきましたが、私は基本的にはそのとおりだというふうに思っています。
 やはり、働く方として実習をやっていただくということでありますから、働く人としてのお立場として、労働者の代表として今協議の場に加わるということを含めてやるべきでありますし、それから、やはり今の三六協定の問題についても、冒頭に、来られたときにきちっと研修でこういう制度だということを理解をしてもらうようにもしてもらうことが大事でありまして、そういうことを含めてこの技能実習計画というのがあるわけでありますから、そういうことを含めてしっかりとした計画も作っていただかなければいけないし、新たにできる外国人技能実習機構というものがそういうことについてもきちっと配慮するということが私は大事ではないかというふうに思っておりますし、この認定を行う際にやはりこの実習に要する時間数を把握すること、そして認定後においては実地検査の際に実際の実習時間についてもしっかりと確認をしていかなければならないというふうに考えておりますので、先生の御指摘をしっかりと受け止めてまいりたいというふうに思います。
#17
○石橋通宏君 大臣、確認をいただきまして、ありがとうございます。是非具体的な措置をよろしくお願いしたいと思います。
 あわせて、次に賃金についてお聞きしますが、これも労働時間と同じで、現行体制の下では賃金の把握そして徹底が非常にお寒い状況です。まず確認したいと思いますが、これまでこの法案審議の政府答弁で、技能実習生の賃金額について、基本賃金と各種手当の合計額で、一号であれば十三万九百五十一円、二号は十三万二千九百三十九円という答弁があります。これは基本賃金と手当のセットということで紹介されていますが、じゃ、基本賃金は幾らなんですか。
#18
○政府参考人(宮野甚一君) お答えいたします。
 現在、技能実習生の支給予定賃金でございますけれども、これ先生から今御紹介ありましたように、JITCOに対する委託調査の中で把握をいたしておりますけれども、これ基本賃金と各種手当の合計額によって統計的に整理をしているというものでございます。
#19
○石橋通宏君 基本賃金は幾らですか。
#20
○政府参考人(宮野甚一君) 基本賃金単独という形での整理、把握はいたしておりません。
#21
○石橋通宏君 残業代も把握されていないということでよかったですね。
#22
○政府参考人(宮野甚一君) 残業代という形で、これも統計的に整理、把握はいたしておりません。
#23
○石橋通宏君 これもまた両大臣確認を、これ、残念ながらこういう実態なんです。基本賃金が幾ら払われているか分からない、そして残業代の実態も分からない、これでどうやって適正な賃金、報酬が払われているのか。日本人と同等のというのは現行の入管法上もあるわけです。でも、それをチェックできない体制が放置されているのが今の問題なんです。この問題を対処しなければ適正化はあり得ないと思います。
 そこで、今日は衆議院、提案者にもおいでをいただいております。衆議院で非常に重要な修正提案がされていたというふうに思いますが、ここでちょっと二点確認をさせていただきたいと思います。
 ここで、実習計画に記載すべき待遇の内容ということで具体的に列挙をいただきました。その他の項目ということも含めて書いていただいておりますが、これ、要は全て待遇に関わる部分、処遇に関わる部分、いろいろ給料から天引きをされたり手数料などとして徴収をされる部分、こういう部分も含めて全て計画にきちんと記載されなければならない、裏返せば記載されていないものを勝手に取ったりしてはいけないと、そういう理解をさせていただいてよろしいでしょうか。
#24
○衆議院議員(井出庸生君) お答えを申し上げます。
 今委員から御指摘のありましたとおりでございまして、技能実習生の待遇については、技能実習計画に記載すべき技能実習生が費用を負担するものについては、食費及び居住費に限られないものであるということがまず前提の考え方でございます。
 法律上、技能実習法案第八条におきましては、技能実習計画に次に掲げる事項を記載しなければならないということで、報酬、労働時間、休日、休暇、宿泊施設、その後、委員御指摘の技能実習生が負担する食費及び居住費その他の技能実習生の待遇とありますが、食費、居住費というものはあくまで例示でございまして、その他給料から天引き、また実習生が負担するものについてもきちっと明示をして、お互いの了解の下で実習を進めていくと、そのような趣旨でございます。
#25
○石橋通宏君 ありがとうございました。大変重要な御答弁をいただいた、確認をいただいたと思います。
 もう一点、提案者にお聞きしたいと思います。
 九条の認定基準の方には、これ日本人の報酬額と同等以上であることというのがこれも明記をされたわけですけれども、なぜ報酬だけの同等以上ということに限定をされたのか。今の第八条でいけば、報酬だけではなくて休日、休暇とか労働時間含めて様々な要件を書いていただいたわけです。しかし、九条の同等以上の方には報酬ということで明記をされております。
 これは、本来であれば、日本人と同等以上のというときには、報酬だけではない、様々な労働条件も含めて本来同等以上を確保すべきだ、そういう記述にすべきではなかったのかなというふうに思うんですが、これ報酬ということで限定に書いておられるこの意味合いは、当然、その同等以上の報酬ということで考えれば、じゃ、労働時間、総実労働時間が何時間なのか、残業時間、残業代がどうなのか、当然、休日、休暇とか、日本人は週休二日なのに実習生は週休一日だけとか、それでは合理性がないよねとか、そういうことも含めて報酬に反映された同等以上ということで考えておられるということでよろしいんでしょうか。
#26
○衆議院議員(井出庸生君) 今、石橋委員から御指摘ありました九条の関係ですが、御指摘の労働時間ですとか休日、休暇、週休二日の話もございましたが、実習生保護の観点から申し上げましても、日本人が従事する場合と異なるような差別的な扱いはされてはいけないと、それが今回の法律、また修正の趣旨であると思います。
 私の地元でも実習生がおりまして、今年の夏に少しベトナムの関係の方と議論をさせていただいたんですが、そのとき、ざっくばらんに、やはり金銭的な水準においてはいまだ日本の方がベトナムから比べればはるかに魅力的であるというような、そういうざっくばらんな話もしたのですが、この制度というものはあくまで技能の実習、技能を国際的に伝えていくということでございますが、また、技能実習生の待遇面においても、これは技能実習生に限らず、今、日本人の働き方そのものも問題になっておりますが、そうしたものの取組も、この技能実習をやってもらうことによって日本の取組というものも理解していただけるように、日本人と同等の待遇を守っていくということは極めて重要であると考えております。
#27
○石橋通宏君 今御説明をいただきましたけれども、そういう雇用、労働、働き方含めて、ここのところはしっかりと同等以上を確保されるべきだという御趣旨だと思います。
 その上で、厚生労働省、確認をしたいと思いますが、例えば先ほどの十三万何がしの現行の賃金、報酬、手当含めた額ですね、現行制度の下でも一応入国審査上、これ同等以上のということには基準としてはなっているはずです。じゃ、今、先ほどのこの十三万何がしというの、これ、既に同等以上というのは確保されているというお考えなんでしょうか。
#28
○政府参考人(宮野甚一君) お答えいたします。
 ただいま先生から御指摘ありましたとおり、現行も省令におきまして同等以上という条件を掲げております。入国時におきましてそのチェックをしているところでございますけれども、新制度におきましては、計画の認定の時点での確認に加えまして、新しい機構によります具体的な実地検査を行って、具体的にそれがきちんと日本人と同等が確保されているかということについて更に確認をすると、それによって、より日本人と同等以上という点についてその履行の確保を徹底してまいりたいというふうに考えております。
#29
○石橋通宏君 全然お答えいただいていませんが、徹底していきたいということは、現行はきちんとそれができていないということを認められたということだと思いますが。
 これ、結局十三万何がしと、平均的にこうやって書かれているわけです。それ以下のところもあればこれ以上のところもあると。これ、産業平均、日本人のそれぞれの産業分野の平均値ちゃんと統計取って出せば、決定的に低いと思いますよ。全然同等以上なんて確保されていないというのが今の実態で、それが問題だから適正化が必要だ、今回こういう法案の適正化策というのが提案されているはずなんです。
 つまり、この法案が、塩崎大臣、特に確認したいと思いますが、この法案ができて、もし、そしてこの適正化策が徹底されれば、当然先ほどの十三万何がしという金額ではなくて、同業の日本人と同等以上の額が保証されるのであれば、十三万円という額じゃないんだ、もっとこれが適正な金額にきちんと支払われていくんだ、それがこの法案の趣旨なんだ、そういうことでいいんだと思いますが、それは確認できますか、大臣。
#30
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、この技能実習制度そのものは、言ってみれば新しい制度のようなつもりでやり替えないといけないなという気持ちを私は持っていますが、今回衆議院でこうやって明示をされた、法文として「同等以上」というものを入れていただいたわけでありまして、実習実施者、これが技能実習計画の認定を申請する際に、日本人が従事する場合の報酬と同等額以上であることについて機構に説明をしなければならないことになっています。
 仮にこれが果たされない場合には、当然認定が行われないということになるわけでありますし、計画の認定後においても実習実施者が認定計画に従って日本人との同等処遇を担保していないと認められる場合には、是正指導や改善命令を当然行って、従わない場合には認定計画の取消しにつながるということになっていくことで実効性を担保していくということが大事でありますので、今お話があった金額のレベルはともかくとして、技能実習生の賃金水準はこれまで以上に適正化が図られていかなければならないものだというふうに考えております。
#31
○石橋通宏君 大臣、金額のレベルはともかくではないんです。金額のレベルが大事なんです、日本人と同等以上ですから。
 じゃ、それをどう客観的に評価をできる、判断をできる、それ水準がないと判断できません。ですので、実習生が従事をされている業種ごとにこれは統計出るんです、日本人の基本的な水準というのは統計で出るんです。それをきちんと基準として用いて、それを同等以上の判断基準にする、それを是非やっていただかないと、基準できません、評価もできません、チェックもできません。だから、それをまずやってください。それを大臣、是非お願いしたいのと、もう一つ、それに基づいて実習計画の中にきちんと盛り込むことはもちろん、就業規則の中にもそれを明示していただいて、実習生がその判断も、自分でそれを知ることもできる、それをやらなければ担保できないと思いますので、それ三点セットで大臣、是非やっていただきたいと思いますが、いかがですか。
#32
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほどの、具体的な数字には限らずと申し上げたので、先ほど申し上げたとおり、技能実習生の賃金水準そのものは、やはり今御指摘いただいたような問題点をはらんでいた、今までは、ということを考えてみれば、これまで以上に適正化が図られなければならないということで、法文のこの同等報酬要件というものをしっかりと守っていくということが大事だということは先生御指摘のとおりだというふうに思います。
#33
○石橋通宏君 御指摘のとおりというのは、同等以上の水準を持つということについて、きちんと水準を、日本人の水準をチェックした上で、それを指標として同等性以上を判断するという私の提案に同意をいただいたということでよろしいですね。
#34
○国務大臣(塩崎恭久君) それは、やはり働く人の能力とかそういうことも含めてきちっと判断をするということで、全く能力が違うとかいうときに全く同じにするということはなかなかないんだろうと思いますけれども、しかし、余りにも懸け離れたようなことがあるようなことは、今回の同等報酬要件を明示をすることによってあり得なくなるというふうに私は理解をしております。
#35
○石橋通宏君 今の答弁で甚だ不安になりました。それを正当化されてしまえば、結局、実習機関の裁量で、いや、こういうレベルだからこの程度でいいんだということを、大臣、それお認めになっちゃったようなものですよ。それでどうやって同等性以上を確保するんですか。そういう基準では、これ適正化図れませんよ。
 だから、せめて、この法案できれば、それに基づいて同等性以上を担保する、そのためにはちゃんとした客観基準を用いて、恣意的、裁量的に勝手に実習機関がやってしまうようなことをさせないように、ちゃんと国として政府として同等性以上を担保する。具体的な措置は検討していただいて結構です。でも、それはちゃんとやらせるんだということは確認をいただかないと駄目だと思います。大臣、もう一回。
#36
○国務大臣(塩崎恭久君) 当然これは説明責任を課すということになろうかと思いますし、それから、機構に必要な通知を主務大臣、私どもの方から発出をして、機構において通知を踏まえたマニュアルを作っていただいて、この同等報酬について履行をしてもらいたいというふうに考えているところでございます。
#37
○石橋通宏君 はっきり答弁いただいていませんが、しかし、説明責任を果たすということと機構にそれを徹底させるという中で、やはりそれは客観基準として、ちゃんと日本人の賃金水準を含めたところを、それを指標として用いた上で機構にはそれをチェックをさせるということも踏まえて対応いただける、今うなずいていただいておりますので、それを是非徹底していただきたい、そのことは確認をしておきたいと思います。
 次に、転籍の問題について。これも既に様々議論されておりますが、これ法務大臣もよく御存じのとおり、やっぱりこの転籍の問題、これ国際的にも非難受けているわけです。転籍の自由がない、それが結局縛りを掛けられて、大変な扱い、問題ある扱いを受けても移動できない、泣き寝入りせざるを得ない、若しくはやむにやまれず逃げ出してしまう方もおられるかもしれない。この転籍の問題何とかすることが、むしろ適正化につながると私たちは思っているわけです。
 今回、残念ながらこの辺はっきりしませんが、それでも少しばかりはこの適正化策、この法案によって、必要に応じた、真に必要な場合には機構の方で転籍の支援もするんだということをこれも書き込んでいただいていると理解をしております。
 確認をさせていただきますが、実習生からの要望であっても、やはりそれが真に必要な状況であると認められれば機構の方でしっかりと転籍の支援をしていただく、そういう中身だということでよろしいでしょうか。
#38
○政府参考人(井上宏君) お答えいたします。
 転籍を求める技能実習生の支援に関するお尋ねでございました。
 新たに設立する外国人技能実習機構におきまして、母国語による相談窓口を設けることとしております。そこで、この相談窓口において、転籍を希望する技能実習生からの相談をまず丁寧に受け付けることになります。その後、それを踏まえまして、機構の方でまずは実習実施者や監理団体に対して必要な指導や助言を行いますが、それでもなお技能実習生が実習先の変更を求めることにやむを得ない事情があるような場合には、他の実習先への転籍を認めることとしまして転籍の支援を開始することと考えてございます。
 この相談とか支援の関係につきましては、衆議院における御審議に際しまして、技能実習を行うことが困難となった場合の外国人技能実習機構の業務として明記されたと、そういう経緯もございますので、しっかりとした対応をしてまいりたいと考えております。
#39
○石橋通宏君 今の御答弁で、実習実施機関側に問題があったときだけではなくて、実習生の方から相談がある場合にも、それはちゃんと機構の方で受け付けて、その状況に応じて判断をしていただくと、そういう答弁だったと思います。これは完璧ではないかもしれませんが、僕は一歩前進として受け止めたいと思います。
 その上で、是非これ統計調査を取ってください。どういう実習生からの相談があって、どういう場合に転籍が認められるのか、どういう場合がやむない、でも却下される。これ、ちゃんと把握をしていただかないと、残念ながら機構の方で聞くだけ聞いてさようなら、こういうのでは全く意味がありません。これ、ちゃんと統計取って適正な対応を担保していただきたいと思いますが、そこまで約束していただけますか。
#40
○政府参考人(井上宏君) 機構の方におきまして行った業務の結果につきましては、適切な記録を取って、可能な範囲での公開をしてまいりたいと思います。
#41
○石橋通宏君 可能な範囲じゃなくて、これはオープンにしてください、それによって適正な運営がチェックできると思いますので。それはよろしいですか。
#42
○政府参考人(井上宏君) もちろん、個人情報とかそういうところに対する配慮をした上で、公開を考えてまいります。
#43
○石橋通宏君 それで結構だと思います。
 もう一つ、転籍に関わって、今回、三号を拡充策の中で提案をされております。今回、三号の場合に、必ずしも二号までの実施機関に戻らなくていい、この縛りはないということが盛り込まれていると理解をしています。つまり、三号でもう一度日本で研修を継続したい、専門性のある研修を受けたいと希望される方については、実習生の側で研修実施機関を選択することができるというふうに解釈をしますが、それでよろしいですか。
#44
○政府参考人(井上宏君) お答えいたします。
 二号から三号に進む段階は、いわゆる応用段階に入るということと、三号の実習を行えるのはいわゆる優良な受入れ機関に限るということなどを踏まえまして、三号に行く段階では技能実習生の意向に基づいてどこで実習を行うかということを選べるようにすると、そういう方向で考えてございます。
#45
○石橋通宏君 大切な答弁いただきました。実習生の方に選択ができると。でも、これ結局マッチングの問題なので、ちゃんと、どういう実施機関があるのか、選択ができないと意味ないわけです。
 ですので、今大変重要な答弁いただきましたけれども、ちゃんと機構の方でこの三号については実習生側にどういう研修実施機関があるのか、どういう条件でどういう研修内容で、応用部分と言われました、そういう情報提供をして、実習生から選んでいただけるようにシステムとして対応いただく、そういうことでよろしいですね。
#46
○政府参考人(井上宏君) 詳細なやり方は今後の検討になりますけれども、外国人技能実習機構におきましてそういう選択に資する必要な情報提供を行うなど支援をしてまいりたいと考えております。
#47
○石橋通宏君 これも先ほどの機構の報告義務の中に当然含まれる要素だと思いますので、その辺でしっかりとチェックできる形で、もしこれ、このまま三号ができるのであれば、実習生にきちんと選択が得られるようにこれ確保する、我々もこれは確認をしていきたいと思います。
 これは、非常に今のやり取り、両大臣聞いていただいたと思います。大変重要な部分ですので、転籍の問題は、これ是非実効性ある形を担保していただけるようにお願いをしておきたいと思います。
 次に、強制帰国の問題についてです。
 これももう言うまでもなく、強制帰国、残念ながらこれ現実問題としてなくなりません。強制帰国として現れなくても、途中帰国、今日資料にもお付けしておりますけれども、途中帰国、様々な事由による途中帰国の事例というのも多々あります。途中帰国として掲げられていても、実態は半強制的に帰されるケースというのもあるわけです。
 今回の法案、残念ながら強制帰国について明文で禁止ということにはなっておりません。一定の措置が講じられるというふうには理解をしておりますが、これ是非、提案ですので確認なんですが、もう強制だろうが半強制だろうが何だろうが、やはり中途で帰国をされる場合には、これもちろん研修実施計画の不履行になりますので、当然それ実施団体に一定の責があるかどうか、これは確認をいただかなければなりません。
 という観点から、いかなる理由でも途中で帰国をされなければならないことになった場合には、事前にそれをちゃんと通告を受ける、報告を受ける、そして事前に必ず実習生に個々にヒアリングをして、一体いかなる理由で研修が履行されないのか、中途で帰国されなければいけないのか、それが本当に実習生の側の、例えば親御さんが病気になってしまったとかそういう理由なのか、いや、実は実習機関からいろんな嫌がらせやハラスメントや受けたからなのか、それが分かるように、これを確認してから対応すべきだと思いますが、そういう運用をこの適正化の中でやっていただけるということでよろしいでしょうか。
#48
○政府参考人(井上宏君) 技能実習生が実習期間の途中で帰国する場合の対応についてのお尋ねでございました。
 この法案におきましては、実習実施者あるいは監理団体に対しまして、技能実習を行わせることが、継続することが困難になった場合には遅滞なく実習継続のための措置等を主務大臣に届け出なければならないこととしておりますので、実際に実習生が帰国する前に、外国人技能実習機構を通じまして主務大臣の方にそういう状況が把握できるような構造になってございます。
 それから、それ以外に、技能実習生側から直接訴える手段といたしまして、いわゆる母国語による相談の充実もございますし、また、いわゆる申告権という、違法行為があった場合における主務大臣に申し出た場合に不利益な取扱いをしてはならないという、そういう実習生側から自主的にそういう違法を訴え出るという手続なども認めることとしてございます。
 そして、このような届出でありますとか相談、申告を受けたときには、事案に応じまして主務大臣又は機構が、その役割に応じてでございますが、実習継続が困難となった理由や実習の現状等の確認を行い、必要があれば実習計画の認定の取消しとか監理団体の許可の取消し、改善命令等々のことをすることもあると思いますし、逆に実習先の変更の支援というふうに移行していくこともあると思いますけれども、いずれにしても、事案に応じまして適切な対応をしてまいりたいと考えております。
#49
○石橋通宏君 これも重要なポイントですが、今、先ほど、届出をしなければならないとおっしゃった。届出であって許可ではない。これ、届出をしただけで、許可なり何らかの対応を機構がする前に実習生を帰してしまったらこれ意味ないですが、それ、届出をしたその後きちんと機構が対応しないと実習生を帰国させてはいけないというところまで担保されるんでしょうか。
#50
○政府参考人(井上宏君) 技能実習生がその中途で帰国することは様々な事情がございますので、一律全てその確認をする必要があるかどうかというのは事案によると思います。そこは届け出られた内容と、あと実習生側から自主的に申し出る機会も今回大分充実させてございますので、さらに、最終的には空港で、出国段階でチェックをするということもございますので、そのような総合的な対応を図ってまいりたいと考えております。
#51
○石橋通宏君 それでは現行制度の穴だらけの制度と余り変わりません。駄目です。きちんと届出をさせる、事前に。いかなる理由も残念ながらつけるわけです、ああだこうだ。で、結局帰されちゃって、その後問題が起こる。これじゃ適正化になりません。
 是非、いかなる理由であろうともちゃんと事前に対応させる。空港のゲートで出国時に、あなたって言ったってもう遅いですよ。ちゃんと事前にチェックをさせる、これを施行、運用の中でチェック、確認をいただきたいと思いますが、これ、法務大臣、是非そういう形で議論、検討をしっかりいただきたいと思いますけど、法務大臣としていかがですか。
#52
○国務大臣(金田勝年君) ただいま入国管理局長からも説明はしておりますが、技能実習生が意思に反して途中帰国させられたりすることのないように、また、既に帰国した技能実習生からの相談の受付についても適切に対処をしていきたいと、このように考えているわけであります。
 そして、いずれにしましても、技能実習生の保護を図る必要な措置を講じて制度のより一層の適正化を図っていきたいと、このように考えております。
#53
○石橋通宏君 是非しっかりとした、今の点って重要ですので、対応を要請しておきたいと思います。
 もう、まだ何問かありましたけれども、時間がありませんので、最後に拡充策と優良性の判断についてセットでお聞かせをいただいて、最後にしたいと思います。
 今回、結局、ポイントは、残念ながら法案上は適正化と拡充策、これセットでやられてしまうので、本来は適正化をしっかりと実施をしていただいて、その実効性が確認をされてから拡充策に行くべきなんです。でも、それがそうなっていない、いきなり拡充もできてしまう、これではちゃんとした運用できません。
 ですので、せめて、じゃ、優良機関の認定については、新しい制度が施行されて、そして実習機関、これ機構が立ち上がって、この実習計画の認定ですとかそういうものをきちんと新しい制度の下で進めていただいた上で、優良機関の認定を新制度の下でする。その適正性を判断しなければ優良性認定できないと思いますので、そういうプロセスをきちんと取っていただきたいというふうに思いますが、これ是非大臣、お願いしたいと思います。
 そのことについて確認をして、もう一点、済みません、技能検定の合格率、これ是非二級の合格率を考慮をいただきたい。基礎では、合格率ほとんど一〇〇%近いところで判断されてもしようがありません。ですので、是非二号修了時の合格率を確認をする。
 この二つで徹底的に優良機関を判断いただきたいと思いますので、この二点要請して、終わりにしたいと思います。最後に答弁お願いします。
#54
○政府参考人(宮野甚一君) お答えいたします。
 まず、新制度の施行とそれから優良となる団体の指定の問題でございますけれども、これにつきましては、拡充策の対象となります優良な受入れ機関の要件、これは法務省、厚生労働省の合同有識者懇談会の報告書におきまして、適切な相談体制の整備、行方不明者が発生していないこと、技能評価試験の合格率などが挙げられております。
 現行制度で把握できるこれまでの実績を踏まえて優良性の判断を行うことも可能であるというふうに考えておりますけれども、いずれにしても詳細はこれらの制度について今後検討することとしたいというふうに考えております。
 それから、検定、試験の範囲でございますけれども、これもどこまでの範囲を優良性の要件に入れるかということにつきましても併せて検討してまいりたいというふうに考えております。
#55
○石橋通宏君 ありがとうございました。
#56
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 外国人実習生の介護職の拡大に関わって質問をしたいと思います。
 衆議院での本法案の可決を受けまして、資料でもお配りをしております一枚目、これは読売新聞ですけれども、「少子高齢化が進み、介護施設の職員が不足する中、海外の人材を積極的に活用することが狙いだ。」と書いております。さらに、二枚目、日経新聞十月二十六日付けですが、「移民の解禁が難しい中、介護人材の長期的な就労を促し、深刻な人手不足に対応する。」と書いております。
 厚生労働大臣に聞きたいと思います。繰り返し技能実習については開発途上国への技能移転が目的だと答弁されてきたかと思うんですけれども、こうした報道を見ておりますと、今回の改正の狙いというのはやっぱり介護職、ここでの人材不足への対応、これが目的になっているんじゃないでしょうか。
#57
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、技能実習法案につきましては、技能実習の適正な実施と技能実習生の保護を図る、そして人材育成を通じた開発途上国等への技能等の移転による国際協力を推進すること、これが目的でございます。
 このことを明らかにし、技能実習制度が人手不足対策として利用されることのないようにするために、法案の中で、「技能実習は、労働力の需給の調整の手段として行われてはならない。」、第三条の第二項ということで明記をさせていただいておりますので、今申し上げたことがこの法案の目的でございます。
#58
○倉林明子君 報道はそういうふうに報道しているということもしっかり見ていただきたいなと思うんですね。
 さらに、実際に法改正を見据えた現場での動きというのが始まっております。そこで、資料三枚目を見ていただきたいと思うんですが、これはメディカルサポート協同組合というものが四国で介護事業を行っている法人に対して送っているはがきでございます。
 中身はよく見ていただけばそのとおりで、介護分野での実習生の活用、これを勧誘する中身となっております。介護職員の人材確保に苦慮されている法人様、人材不足を外国人で補いたいと考える法人は、まずホームページを御覧くださいという中身になっているんですね。技能実習は開発途上国に対する技能移転だ、この趣旨というのはどこにも書いていないんですね。明らかに制度趣旨に反する勧誘じゃないかと思いますが、いかがですか。
#59
○国務大臣(塩崎恭久君) これ、個別の事案でございますのでお答えを差し控えさせていただきたいと思いますけれども、技能実習生の受入れにつきましては人材確保策であるという宣伝をする監理団体があるとすれば、それは制度趣旨に反するものというふうに思います。
#60
○倉林明子君 この協同組合の香川事務局というところが、三枚目のはがきに所在地書いてありますが、四枚目、御覧いただきたいんですね。この四枚目のところにはどうも大臣が写っているように見えるんですが、この同じ住所の株式会社キュアというところがこれ送っているはがきなんです。これは、「人材不足でお困りの企業様 外国人技能実習生雇用で解決します!」とはっきり書いてあるんですね。
 これ、ほかにもあるんですね。次のをめくって見ていただきたいと思います。これ、大手の外国人技能実習生の監理団体でもあろうかと思います国際事業研究協同組合のホームページとなっております。ここで既に、「介護施設経営者・人事担当の皆様へ」ということでコーナーが開いてあるんですね。ここではどう書いてあるか。「介護業界では、少子高齢化によるニーズが高まっている一方、労働力不足が深刻化しています。」と、「当組合は外国人技能実習制度の導入を通して、近い将来介護業界の皆様に貢献できるものと確信しております。」、こう書いてあるんですね。
 技能実習の介護人材への拡大、これ、現場では既に人材不足への対応策と、こういう動きが見て取れるんじゃないでしょうか、いかがですか。
#61
○国務大臣(塩崎恭久君) 繰り返し申し上げますけれども、介護実習制度への介護職種の追加というのは、日本から相手国への技能移転、特に介護の手法というかそういうことを行うのが制度の趣旨でございます。介護人材不足への対応を目的として行うものだという誤解は、これはあってはならないわけでございまして、そうした誤解が生じないように引き続き介護の業界団体を始め関係者に周知徹底を図ってまいりたいと思いますし、そもそもこの介護人材の確保については、もう一億総活躍社会づくりのプランの中でも申し上げているとおり、国内の人材確保対策を充実強化していくということが基本であります。介護人材の処遇改善あるいは多様な人材の確保、育成等を柱としてあらゆる政策を動員して取り組むということは繰り返し一億総活躍プランの中を含めて申し上げてきているところでございますので、そこは私どもが今繰り返し申し上げているとおりでございます。
#62
○倉林明子君 いや、これ明確に趣旨に反することだとおっしゃるのであれば、こんなことやっている監理団体についてきっちり指導する、これ、やるべきじゃないですか、どうですか、大臣。
#63
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、所管をしております私ども法務省とそれから厚労省と、きちっとこういうことについてのメッセージを発していきたいというふうに思います。
#64
○倉林明子君 きっちりやめさせるべきだと申し上げた。いかがですか。
#65
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げているとおり、この技能実習の目的は、国際協力を進めて、日本の技能を言ってみれば移転をしていくということでありますので、その趣旨を私どもの方からもはっきり申し上げていきたいというふうに思います。
#66
○倉林明子君 今趣旨に反するような勧誘が実際に行われている。その確認をした上できちんと指導する、しつこいようですが、確認させてください。
#67
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、もう既にそういうことが行われているときには指導をしているわけでございますので、今お話しのように、そういうようなことがあればきちっと指導をしてまいります。
#68
○倉林明子君 あしたからホームページを確認していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 さらに、私、問題だと思いますのは、この協同組合が、この国際事業研究協同組合のホームページですが、詳細を紹介しているんですね。この介護技能実習制度の内容なんです。これ、QアンドA方式でかなり踏み込んだ中身となっております。ところが、そのQアンドAのところには、小さく当組合の予想が含まれておりますと書いてあるんですね。そこで、どんな中身になっているかといいますと、介護技能実習生は介護報酬の点数に数えられますと書いてあります。さらに、夜勤は二年目から許されると思われますとも回答しております。
 そこで、無資格の外国人実習生、これを介護報酬上カウントするのか、評価するのか、夜勤もこれカウントすることになるのか。これは、国際事業研究協同組合の勝手な予想なのか、それとも一定条件出しているのか、重要なところだと思います。明確に答弁をお願いします。
#69
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。
 ただいまお話がありました介護サービスというのは対人サービスでございます。したがいまして、サービス提供に当たりまして、利用者の皆さん方の不安を招かないようにするということは極めて重要であるというふうに考えてございます。
 このため、この件について、技能実習制度における介護職種の追加に関しましては、二〇一五年版の産業競争力の強化に関する実行計画というのがございまして、それに基づいて具体的な制度設計の検討を進めていくということとされております。
 まずは、技能実習制度の見直しの詳細、あるいは介護固有の要件についてどうなるかといったことをまず確認していくことが必要と考えております。その上で、私どもといたしましては、配置基準などの介護報酬上の取扱いにつきまして、今後、関係者の方々の意見、あるいは既に実施されておりますほかの制度等をよく踏まえて検討してまいりたいと、こういうふうに考えております。
#70
○倉林明子君 つまり、やるんですか、やらないんですか、どちらですか。
#71
○政府参考人(蒲原基道君) この点につきましては、先ほど申しましたけれども、まずはこの件についての具体的な制度設計、これをやるということがまず第一でございますので、見直しの詳細をまず固めてもらう、あるいは介護固有の要件について確認していくということがまず大事で、それを踏まえてよく検討していきたいと、このように考えてございます。
#72
○倉林明子君 結局どっちかよく分からないんですよね。今はやらない、しかし今後については可能性もあるという含んだ発言だったというふうに思うんですよ。
 ところが、既に勧誘を始めている監理団体のところでは、こういう要件、つまり介護報酬にカウントできるんだと、夜勤にも入れることできるんだということが推定込みでもう紹介しているんですよ。
 こういう情報が入ったらどうなるかと。介護現場ではもう人手不足なわけですよ。報酬上評価があるということになれば人材として使おうということになるのは私は当然の流れだと思います。夜勤も可能と、こういうことになれば何とか確保したくなる、そういう需給バランスになっているわけですよ、今。そこに、結果として外国人技能実習生を人材として活用するということに、私は、目的は違うと何ぼ言うても結果はそうなると、そういうことだと思います。
 そこで、そもそもEPAに基づき受け入れている三か国、ここには介護保険ないんですね、母国には。さらに、家族介護がここでは一般的となっております。日本で資格取得をしても母国ではその技術、その知識、生かせないという実態があります。だからこそ、日本での資格取得そして就労を目指して優秀な人材がEPAでは来られております。
 技能実習を拡大しようとしている相手国、つまり発展途上国、ここではどうかといいますと、やっぱりここでも介護職がもう専門職としても確立していないわけです。そこで一体どうなるのかと。技能移転は目的だというものの、母国帰ってこれで職業として自立していけるというものではないんですね。結局、技能移転、介護職に拡大するという場合の制度趣旨、これ一体相手国でどう生かされるのか。さらに、介護分野の技能実習生、この技能実習生自身に一体どんなメリットがあるというのか、御説明を願いたい。
#73
○政府参考人(定塚由美子君) お答え申し上げます。
 介護分野の技能実習につきましては、開発途上国、特にASEAN諸国において今後高齢化が我が国以上のペースで進展するということが予測されており、これまでに日本が蓄積してきた認知症ケアであるとか自立支援などの介護の知識、技術の修得や人材の育成に対するニーズが増大するものと考えております。実際に、ベトナム及びモンゴルから技能実習生を受け入れたいということで、例えばベトナムからは認知症ケアや自立支援技術について学びたいということが具体的に要望もされているところでございます。
 そうしたことを踏まえれば、日本の介護技術を他国に移転するということは技能実習制度の本来の目的でございまして、国際的にも意義があるものと考えておりますし、また、御本人におかれましても、帰国後に介護関係の業務において身に付けた技能を基に活躍して母国に貢献することができる、このように考えております。
#74
○倉林明子君 今日、朝日新聞の報道でも、ベトナムからの実習生受入れ、事業者自身がやるというような動きも伝わってきています。つまり、ベトナムから何でたくさん来るようになっているかといったら、この日本での就労がやっぱり目的になっているんですよね。私、母国での、その経験を生かして生活していけるような水準の需要はないということはしっかり見るべきだというふうに思います。
 看護と介護、ここで重大な問題として論点にもなってきました日本語教育の問題なんですが、これについては専門家からも意見書が我々にも届いております。外国人技能実習生に求めるとしております日本語能力の基準、これは入国時のN4程度ということになっているわけですが、これ、介護現場では通用しないというふうに専門家からの指摘があります。さらに、二年目の求められているN3程度、これも介護の現場で必要なコミュニケーション能力、これは担保されていないという指摘なんですね。
 私、こういう不十分なコミュニケーション能力しか担保されない場合、介護施設で働く実習生、この方々が一体どうなるんだろうかと。就労場面でのコミュニケーションが困難だというこの指摘を踏まえた上で、技能実習生の就労実態についてどうなっていくというふうに考えているんでしょうか、御説明ください。
#75
○政府参考人(定塚由美子君) 技能実習生の日本語能力についてということでございますけれども、技能実習につきましては、その制度における業務内容あるいは移転する技能の到達水準を決めることとしております。
 この業務内容や到達水準との関係を踏まえて日本語能力を考えていくということを考えておりまして、具体的には、実習の一年目は、業務到達水準として、実習実施指導者等の指示の下であれば決められた手順等に従って基本的な介護を実践できるレベル、これを業務として想定をしていることからN4程度。実習二年目については、実習実施指導者等の指示の下であれば利用者の心身の状況に応じた介護を一定程度実践できるレベルを想定して業務を行うこととしておりますので、N3程度を要件とする、このように考えているところでございます。
 いずれにしましても、日本語のコミュニケーションをしっかりと確保できるように支援も行っていきたいと思っております。
#76
○倉林明子君 支援するのはいいんですけど、実際どうなるかということなんです。不十分なコミュニケーション能力しかない、そこが人手不足のところに放り込まれたらどうなるかということですよ。コミュニケーションが不要な単純労働、コミュニケーションが必要ないところの仕事に回されるようになるんじゃないだろうか。さらに、対人サービスでもコミュニケーションが問われない、能力が、そういう仕事への配置ということに、私、現場の実態踏まえればなりかねないというふうに思うんですね。
 大臣は、二〇一四年十一月、厚生労働委員会で我が党の小池晃委員が、外国人技能実習生を流入させて介護の質が担保できるのかという問いに対しまして、介護は公的な財源で対人サービスを行う大事な制度で、利用者が安心できる制度にしていかなければならないと答えていらっしゃいます。私、こういう観点からすれば、今の介護職に外国人の技能実習生というのを拡大していくということはやっぱりやめるべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#77
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたとおり、国際協力の観点から、我が国で、この高齢化先進国で介護の手法というのはかなりソフィスティケートされたものとして確立をしております。
 中国に私、七月に参ったときに、日本の会社の人材育成の実地にやっていらっしゃるのを中国で見ましたが、熱心に日本の手法というものを学んでいるのをつぶさに拝見をいたしました。ベトナムから、看護師の資格がありながら介護の日本のやり方というものを学びたいということを私は直接聞いたこともございまして、そういう意味でこの技能実習の適正な実施の中でそういうことを学んでいただけるということであれば、技能移転の観点からも有益ではないかというふうに考えているところでございます。
#78
○倉林明子君 介護報酬にカウントするなんというやり方はやっぱりきっぱりやめるべきで、国内の人材確保が最優先の課題だと、この立場で取り組むべきだ。以上、指摘して、終わります。
#79
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 外国人技能実習制度のまずは失踪者の問題について質問させていただきたいと思います。
 この制度における研修生及び技能実習生の失踪者の数でありますけれども、平成二十三年が千五百四十四人ということでありました。それが平成二十七年になりますと五千八百八人ということで、約三・七六倍に増えておりまして、こうやって失踪者が増えていくというのは、ちょっとこれは一体どういうことかと本当に心配に思うわけですが、このように失踪者が増えてきた原因について、まずお伺いしたいと思います。
#80
○政府参考人(井上宏君) お答え申し上げます。
 技能実習生の失踪者数は、今御指摘のように年々増加傾向にございまして、法務省としてもこの事態を重く受け止めているところでございます。
 このような増加傾向に鑑みまして、平成二十六年三月以降、失踪した技能実習生の退去強制手続におきまして本人及び関係者から事情を聴取するなどして失踪の原因に関する調査を行ってきておりますが、その結果、失踪の動機といたしましては、実習生に対する人権侵害行為等、受入れ側の不適正な扱いに起因するものもございますが、技能実習を出稼ぎ労働の機会と捉えて、より高い賃金を求めて失踪する者が多数であるということが判明してございます。
 したがいまして、失踪者が増加する原因というのは、これを一つに断定することはなかなか困難なことでございますが、我が国に入国、在留する技能実習生が増加する中で、技能の修得意欲に欠けて出稼ぎ目的の者が少なからず入国していることが一因になっているのではないかと考えているところでございます。
#81
○東徹君 今原因についてお答えいただきましたけれども、失踪者が生じる原因として、低い賃金、それから職場環境、こういったことも挙げられておりましたけれども、全体で、この技能実習の職種、まあ七十四職種あるわけですけれども、その職種によって失踪者のばらつきがあるんですね。それをちょっと見させていただきますと、今年の九月と十月の数字でしか分からなかったわけですけれども、農業関係で百九十五名、最も多かったのが建設関係で二百九十二名ということで、失踪者が一番ここに偏って多く生じているわけですけれども、職種によって失踪者が異なる根拠、そしてこれについての御見解をお伺いしたいと思います。
#82
○政府参考人(井上宏君) お答え申し上げます。
 技能実習生の失踪につきましては、これまでも各地方入国管理官署におきまして実態把握に努めてきたところではございますが、特に近年、失踪事案が急増していることに鑑みまして、本年の九月以降、失踪した技能実習生が従事していた職種についての調査も始めたところでございますが、まだ二か月間の情報だけでございまして、失踪事案における職種特有の傾向でありますとか特徴等を特定することは困難でございます。
 今後とも調査を継続いたしまして、失踪事案が増加している原因等をきめ細かく分析して、新たな失踪者の発生を防止するための効果的な方策の検討に生かしてまいりたいと考えております。
#83
○東徹君 これだけ増えていて、その原因とかその職種によって偏りがあるということを、なぜなんだろうかということも把握していなかったというのは、ちょっとこれは問題だと思いますね。やっぱりこの問題について重く受け止めていると言っておきながら、そういったことについて把握していないというのは、ちょっとこれ、とんでもない話だというふうに思いますので、しっかりと原因究明、対策を是非講じていかなきゃならないというふうに思います。
 平成二十七年の一年間で五千八百八人の失踪者が生じておったわけですけれども、この失踪者、失踪後、在留期間が切れますと不法残留ということになるわけですけれども、技能実習の在留資格とする不法残留者は、平成二十八年七月一日現在で六千二百四十四人というふうになるわけですけれども、平成二十五年は一千六百十四人と比べますと、三年間でこれまた三・八七倍に増えておるわけなんです。在留資格では、技能実習は短期滞在に次いで二番目に多くて、留学、三千三百三十六人の約二倍になっております。
 今回の法案では、在留資格の取消し事由を拡充するなどの対策が含まれておるようですけれども、現在既に失踪している、この行方不明となっている不法残留者、これをどうやって見付け出してそしてやっぱり帰国させていくのか、ここ一番大事だと思いますので、ここをどういうふうに考えるのか、御見解をお伺いしたいと思います。
#84
○政府参考人(井上宏君) 不法残留者の対策といたしましては、一般的には、不法残留しそうな者を入れない、予備軍を排除するということ、また、既に不法残留になった者はなるべく自発的に出国させるということ、さらに、そうでない者については、これは摘発を強化して強制的に追放していくということ、こういうことが必要になるわけでございます。
 現在行方不明となっている不法残留者につきましては、その摘発を最大限効果的に行っていく必要があるわけでございますが、入国管理局といたしましては、退去強制手続を取った失踪技能実習生から、不法就労していた地域でありますとか職種など、いろいろな情報を聴取してございます。これらを基に失踪後の就労先でありますとか失踪後の職種を分析いたしました上、地方の、地元の警察等関係機関と情報共有を図って、共同して効果的な取締りに努めておるところでございますが、今後とも、失踪し不法残留となった技能実習生の縮減に努めてまいりたいと考えております。
#85
○東徹君 いや、今の答弁で、何か現在失踪している人、不法滞在者も含めて、それがきちっと摘発されて見付け出されて強制退去されるというふうには全然思わないんですね。重く受け止めると言っておきながら余り原因のこともよく分かっていないようだし、そんなことでこれ本当に摘発して効果が上がるのかなというふうに思います。
 是非、これ大臣、この失踪者についてどうやって減らしていくのか。やっぱり目標数字とかきちんと掲げて、こういった失踪者の数をやっぱりゼロに近づけるような目標と期限を決めて是非やっていただきたいと思いますけれども、どうでしょうか。
#86
○国務大臣(金田勝年君) ただいま入国管理局長から申し上げましたが、やはり私どもとしては、そういう局長からも申し上げたような地道な、例えば退去強制手続を取った失踪技能実習生から不法就労していたことを聴取する、そうしたものを基に就労先や失踪後の職種を分析をする、そしてまた、地元の警察といったそういう関係機関と連携をしながら効果的な取締りに努めているというのが現状でございまして、さらに委員が御指摘のような点を踏まえて、今後とも失踪したり不法残留となった技能実習生の縮減に是非とも努めていきたいと、このように思っております。
#87
○東徹君 是非縮減に努めていただきたいと思います。そのためには、しっかりと目標数字も決めてやっていただきたいなと思っています。
 昨年二月六日の読売新聞の報道であったんですけれども、ネパール人のブローカーが、ブローカーの男性がですけれども、技能実習生に対して難民認定の偽装申請によって不法就労を指南していたというふうな、報じておりました。
 ブローカーによる様々な問題が生じていることはよく御存じかと思いますけれども、このような不法就労を助けるブローカーの存在について政府としてどの程度把握しているのか、そして、昨年九月に偽装申請に対する対策を取っておられますが、これによって在留を認めないなどの措置をとった件数など、その対策の効果についても併せてお伺いしたいと思います。
#88
○政府参考人(井上宏君) お答え申し上げます。
 ブローカーの存在のことでございますが、我々、不法就労の摘発などをしますと、そこでその就労先をあっせんしたブローカーが発覚することはしばしばございますので、そういう場合には更に調査をしまして、そのブローカーの摘発等につなげる努力をしておるところでございますが、不法就労というものは非常に潜在、潜ってしまう、そういう性質がございますので、どこにどの程度潜在しているかを把握するということにはなかなか困難なのが実情ではございます。
 ところで、そういうブローカーについては入管法上どのような対応が可能かということでございますが、これは不法就労を助長するという行為に当たります。したがいまして、これ、外国人がブローカーの場合には入管法上退去強制ということで国外に追放しておくことができるんですが、日本人のブローカーの場合にはそれができませんので、これは警察機関等に告発、通報するなどして処罰をしていただくなどのことでその排除に向けて厳正に対応をしておるところでございますし、今後ともますます対応を強めてまいりたいと考えておるところでございます。
 それからもう一点、濫用的な難民認定申請に対する対策という点についてのお尋ねでございました。
 これは、昨年九月に難民認定制度の運用の見直しの一環といたしまして、例えば我が国での就労や定住を目的として難民認定申請を繰り返すような外国人に対しましては、就労を認めないでありますとか在留自体認めないという、そのような措置をとることにしたところでございます。昨年九月から始めまして約一年間の実績でございますけれども、就労又は在留を認めなかった者は三百四十名に上ってございます。
 今後、更にこうした措置を確実にとっていくことによりまして、濫用・誤用的申請の抑制を図ってまいりたいと考えております。
#89
○東徹君 次に、その失踪者とか不法滞在者、これが増えてきておるという現状の中で、やっぱり犯罪が心配になってくるわけですよね。その犯罪の件数なんですけれども、在留資格別の刑法犯の検挙人員を見ますと、在留資格が技能実習である方は平成二十四年が二百三十七人であるのに対して平成二十七年は六百四人と、これ刑法犯の検挙人員見ても二・五五倍に増えてきているわけですね。
 一方、技能実習を在留資格とする外国人の数でありますけれども、平成二十四年が十五万一千四百七十七人であることに対して平成二十七年は十九万二千六百五十五人ですから、約一・二七倍の増加になっておるわけですけれども、人数との対比で見た検挙人員数も約二倍になっておるわけです。
 在留外国人数の増加で犯罪が増加して治安が悪化するということを一番やっぱり国民としても懸念しているところだというふうに思うんですけれども、このように増えているまず原因からお伺いしたいと思います。
#90
○政府参考人(井上宏君) お答え申し上げます。
 技能実習生による犯罪が増加している原因というものもこれをなかなか特定、断定することは困難なことがございますけれども、様々な要因を考えますと、少なくとも失踪者数の増加ということが一因になっているのではないかと考えております。
#91
○東徹君 しっかりと警察の方とも本当に連携してやっていただきたいなと思うんですが、今回の法案で第三号技能実習生の受入れや技能実習の制度が拡充されることに伴って、技能実習を在留資格とする外国人、今後更にこれ増えていくというのは当然だと思うんですけれども、政府として犯罪件数を減らしていくためにどのような対策を講じていくのか、お伺いしたいと思います。
#92
○政府参考人(井上宏君) お答えいたします。
 技能実習生による犯罪と申しましても、正規の在留資格を持っている者による犯罪の部分と失踪して不法残留になったりした後の犯罪の部分と両方ございます。その一般に正規に在留している外国人の方々も一定数犯罪を犯すわけでございまして、そのような場合にどのような犯罪予防の措置をとるかということはこれ政府全体で取り組むべきような側面もあろうかと思いますが、少なくとも技能実習に固有の問題で入管当局としてできることという観点でお答えいたしますと、やはりそこは、一つは失踪を減らしていくということがあると思います。
 そのためには、制度の趣旨に沿った適正な運用を確保して、技能実習制度の適正化が失踪の減少につながって、ひいては犯罪の抑止に資するということを考えまして、与えられた様々な手段を活用いたしましてそのような犯罪の抑止に努めてまいりたいと考えております。
#93
○東徹君 是非、もうこの犯罪件数、減らしていくために、しっかりと対策を講じていただきたいと思います。
 ちょっと時間がありませんので、次に介護のことについてお伺いしたいと思います。
 介護の在留資格についてでありますけれども、今回の在留資格として介護を追加することが含まれておるわけですけれども、介護福祉士の資格を得るためには、この養成施設のルート以外にも実務経験とか福祉系の高校のルートというのがあるわけですが、現時点では実務経験ルートとか福祉系ルートはこの資格の取得に当たって国家試験に合格することが必要なんですけれども、養成施設ルートでは国家試験の合格が必要とされていないんですね。
 なぜ今回の改正で、介護の在留資格を養成施設ルートで介護福祉士資格を取得した者のみ対象としているのか。言い換えれば、実務経験ルートとか福祉系の高校のルートでの介護福祉士の資格を取得した外国人は、専門的、技術的分野の外国人ではなくて単なる労働者の確保として考えられているのか、少しこの辺のところの見解をお伺いしたいと思います。
#94
○政府参考人(井上宏君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のように、介護福祉士の国家資格の取得については三つのルートがございますが、今回設ける在留資格「介護」につきましては、当面は大学、専門学校等を卒業して介護福祉士の資格を取得した養成施設ルートを対象とすることとしてございます。
 その理由としては、次の三つを挙げることができます。
 まず第一に、養成施設ルートの教育内容が専門的、技術的分野における代表的な在留資格の場合と同程度の水準になっているということがございます。
 二つ目には、これは実務経験ルートの三年以上の実務経験の要件を満たすことのできる外国人といいますのは、現状ではEPAの対象者、この方々は特定活動という特別の在留資格を与えておりますが、EPAの対象者以外には、例えば日本人配偶者などその身分に基づいて就労が可能な者を除きますと、通常は想定されないと、つまり対象となり得る外国人の実務経験を積んでいる人がいないのが現状だということでございます。
 三つ目の理由といたしましては、今回の法改正の背後には、介護分野における留学生の活躍支援、そのような政策があるということでございます。
 このようなことから、まずは養成施設ルートの者から受入れを行うことが適当であると考えておるところでございますが、他のルートにつきましても資格制度の中では専門性に差異があるわけではございませんので、介護福祉士資格取得方法の一元化、現在進行中でございますが、その状況も踏まえまして、我が国産業及び国民生活に与える影響等も勘案しつつ、関係省庁と連携して今後検討してまいりたいと思います。
#95
○東徹君 介護を学ぶということは、決して養成施設だけではなくて、やっぱり現場から学んでいくというのは非常に大事なわけですし、やっぱり介護というのは、現場の利用者さん、それから現場の職員の方、そして現場の全体からいろんなことをやっぱり学んでいくわけですから、決して養成施設だけではないと思います。
 我が国で介護を学ぶ留学生について、次にお伺いさせていただきたいと思います。
 我が国と同様に高齢化が進む中国など特にそうだと思うんですが、介護人材を欲しがっている国が多くあると思うんですけれども、外国人の留学先として我が国を選んでもらうためには、養成施設の言語とか施設の面での受入れ体制、これもやっぱり整えていく必要があるのかなというふうに思いますけれども、現在我が国について、幾つか養成施設がありますが、留学生を受け入れる、そういう施設が幾つあるのか、またそういった留学生を受け入れる体制というのが整いつつあるのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
#96
○政府参考人(定塚由美子君) 養成施設でございますが、平成二十八年四月現在の全国の介護福祉士養成施設の数は三百八十校でございます。また、日本介護福祉士養成施設協会の調べによりますと、二十八年度に留学生の入学者を受け入れた養成施設は、このうち四十九校でございます。
 各養成施設について今後どの程度の留学生を受け入れることができるのかについては、それぞれの入学定員、教職員体制、施設整備などにより決まるものと考えられておりますし、また各学校の考え方にもよることから、今後の見通しについては一概にお答えすることは難しいと考えております。
#97
○東徹君 最後に一点だけ、もう時間がありません、質問させていただきたいと思います。
 こうやって外国人受け入れていくことになるわけですけれども、実際のやっぱりそういった介護の現場、今日本人の方たちが一生懸命、本当に大変な仕事だと思いますけれども、仕事をしているわけですけれども、そういったことに対しての影響がないのかどうか、現場に対する影響がないのかどうか、一点お伺いしたいと思います。
#98
○国務大臣(塩崎恭久君) 介護分野における外国人の受入れでございますけれども、介護職に対するイメージの低下というものを招かないようにする、それから日本人の介護職員の処遇とか労働環境の改善の努力が損なわれないようにしていくということが大事だと思います。
 そのために、介護という仕事について、今申し上げたように、今回の技能実習の場合には、日本語能力の乏しい外国人が担う単純な肉体労働という印象を持たれないようにする、外国人でも日本人が従事する場合と同等の処遇を担保していくと、こういった適切な対応をすることが必要だと思っております。
 こうした要請に対応できるように、今後具体的な制度設計などを進めて、介護現場のモチベーションが下がらないようにしていくということが極めて大事だというふうに、御指摘のとおり、私たちも考えております。
#99
○東徹君 どうもありがとうございました。これで質問を終わらせていただきます。
#100
○福島みずほ君 希望の会、社民党の福島みずほです。
 アメリカの国務省人身取引監視対策部は、今年六月三十日に発表した人身取引報告書において、外国人労働者の専門的技能育成という本来の目的の逸脱、一万ドルもの保証金、数千ドルの違約金、パスポート取上げ、移動の自由に対する制限などを挙げています。同報告書が二〇〇七年に初めて技能実習制度に言及して以来、十年が経過しているにもかかわらず、こうして毎年批判され続けております。
 国会においても、技能実習生について私も質問し続けてきました。改善されなかったのはなぜなんでしょうか。
#101
○政府参考人(井上宏君) 技能実習制度につきましては、御指摘のように、一部で保証金の徴収、パスポートの取上げ等の不適切な行為が行われておりまして、これまで米国国務省の人身取引報告書でもこれらの行為の禁止を求められるなどしていたところでございます。
 法務省におきましては、これまでも随時通達や省令を見直すことにより不正行為対策を強化してきておりまして、さらに平成二十一年には一年目から雇用契約の締結を義務付け、技能実習の全期間労働関係法令が適用されるようにするなど、技能実習生の保護の強化を図るための法改正も行ってきたところでございます。これらの制度改正によりまして不正行為は減少したものの、いまだに残業代の未払やパスポートの保管等の不適正な事例があるものと認識してございます。
 そこで、そのような技能実習における不適正な取扱いがなくならない原因でございますが、制度の趣旨を十分に理解せず、技能実習生を低賃金労働者として扱う監理団体や実習実施機関があるということが考えられます。また、入管法令や労働関係法令の遵守に関する点を含めまして、監理団体や実習実施機関などに対する政府の指導監督体制が十分でなかったことも一因と認識してございます。そこで、国際貢献という制度の趣旨を徹底するために制度の抜本的な見直しをすることといたしまして、今回の法案を提出させていただいた次第であります。
#102
○福島みずほ君 パスポートを取り上げたり、保証金や、あるいはたくさんの人権侵害事案があって、今の御説明でも根絶されていないと。
 今後どうしていくかなんですが、最低賃金、技能実習生にも労働法の適用があるわけです。しかし、そのことが徹底されていない。だとすると、先ほど石橋委員の方からも質問がありましたが、就業規則、先ほども現場を把握していないというのが答弁でした。じゃ、それを今後どうやって変えていくのか。
 私は、一つは、技能実習生一人一人に、例えば、日本はあなたには最低賃金の適用があって、この地域は幾らです、そして残業代は払われます、こういうふうに日本は規定をしています、あるいは、賃金が払われるけど、それからいろんな形で天引きがされることは違法です、そして問題があればここに訴えることができますというようなものを一人一人の技能実習生に配るなんというのはどうでしょうか。
 つまり、会社側はきちっとした最低賃金守りますというので出しているわけですが、現場の労働者の人権侵害はなくならない。だとしたら、現場の労働者に直接、あなたには最低賃金は保障されます、不当な天引きは許されません、そういうものをきちっとその国の言語で書いたものを渡していく、こういうのを徹底したらいかがでしょうか。どうでしょうか。
#103
○政府参考人(宮野甚一君) お答えいたします。
 現状の取組におきましても、技能実習生手帳というものを私ども作って配付をしております。これは主要な母国語でも作成をしておりまして、今先生が御指摘がありましたような労働法令につきましてもその内容に盛り込んでおります。
 引き続き、これは新制度におきましてもこうした取組、より内容についても更に必要なものを充実させていく、さらには入国後の研修のときにもこうした手帳等も活用しながら、よりこうした点を徹底をしてまいりたいというふうに考えております。
#104
○福島みずほ君 全員に配付されているんでしょうか。
#105
○政府参考人(宮野甚一君) これは、入国時に全員に配付をいたしております。
#106
○福島みずほ君 徹底して、きちっと守られるように更にお願いしますし、今日あったように、まだ人権侵害事案がたくさんあるということに踏まえて、対応していただきたいと思います。
 先ほど述べた報告書は、日本政府に対し、人身取引の被害者専用のシェルターなど、人身取引の被害者に対して専門のケアと支援を提供する資源を確保すべき旨勧告をしています。技能実習生を含む人身取引被害者のための専用シェルターを国の責任においてつくるべきではないでしょうか。
#107
○政府参考人(宮野甚一君) お答えいたします。
 受入れ機関による実習生への人権侵害等が認められ、当該受入れ機関の下での実習継続が困難と判断される場合には、外国人技能実習機構におきまして、実習生本人の希望も踏まえつつ、新たな実習先を確保するための連絡調整等の支援を実施するほか、実習生が受入れ機関の用意した宿舎に滞在し続けることが困難な事情があると認められる場合には、新たな受入れ機関による宿舎の確保等までの間、一時的に利用することができる宿泊先を確保、提供する等の援助を予定しております。
#108
○福島みずほ君 それはシェルターではないじゃないですか。
 私は議員になる前、アジアからの出稼ぎ女性の緊急避難所のアドバイザーロイヤーの一人でした。やっぱりシェルターを国がつくるべきだ。いかがでしょうか。
#109
○政府参考人(宮野甚一君) お答えいたします。
 今、私どもで考えておりますのは、固定的な施設としてのシェルターというものではなく、具体的には、事前にこうしたケースについて優先的に宿泊できるということを特定の宿泊施設と契約をしておいて、必要が生じたときにそこで受入れをし、かつ機構の方の専用のスタッフがケアをするという体制を考えております。
#110
○福島みずほ君 たくさんの人権侵害事案があり、ここに駆け込めば何とかなる、逃げ出した後にここを仮の宿泊所にしますよというのではなく、やはりきちっと対応して、根絶していただきたい。そういうシェルターを設けることが、逆に情報が入ってくるので、問題があるところを逆に切り込めることができると思います。是非検討をよろしくお願いします。
 それで、介護のことなんですが、技能実習生の対象職種に介護を追加することを検討する等整備をするということですが、訪問介護については行わないということでよろしいですね。
#111
○政府参考人(定塚由美子君) 介護の技能実習制度におきましては、御指摘の訪問介護サービスについては実習の対象とはしないということを考えております。
#112
○福島みずほ君 理由は何でしょうか。
#113
○政府参考人(定塚由美子君) お答え申し上げます。
 厚生労働省の検討会において御議論をいただいた際に、訪問介護などの訪問系サービスは利用者と介護者が一対一で業務を行うことが基本であるサービスであるため適切な指導体制を取ることが困難であること、また、利用者、技能実習生双方の人権擁護など適切な在留確保の担保が困難であることから、実習実施機関の対象とすべきではないとされているところでございます。これを踏まえて、対象とはしないということと考えております。
#114
○福島みずほ君 訪問介護の禁止は、法令上、厚生労働大臣告示で規定するということでよろしいでしょうか。
#115
○政府参考人(定塚由美子君) 御指摘のとおり、技能実習法の主務省令に基づく厚生労働大臣告示で規定することを考えております。
#116
○福島みずほ君 そうだとすると、将来例えば訪問介護にも拡充する、要するに大臣告示を変えればいいわけですから、もちろん審議会等で議論するかもしれませんが、国会の関与なく例えば訪問介護も拡大するということは、法制度上は可能ということですよね。
#117
○政府参考人(定塚由美子君) 今申し上げたとおり、厚生労働大臣告示で規定をしておりますので、もし将来改正をするということがあり得るならば、告示の改正を行うということになります。
#118
○福島みずほ君 つまり、国会の法律の関与なく訪問介護まで拡充することができる。介護の訪問介護士の女性たちからは、やはりセクシュアルハラスメントを受けるや、いろんな労働相談、研修など、よく話を聞きます。ですから、やはり、守るというと変ですが、そういうことはとても必要だというふうに思っています。
 それで、訪問介護以外の部分において現在行われている介護労働と、技能実習生の行う介護労働は、どこが同じでどこが違うんでしょうか。
#119
○政府参考人(定塚由美子君) 技能実習生が行う介護の業務と介護職員が行う介護の業務は基本的には同じでございますが、その一方で、介護の技能実習制度では、技能実習生が行う介護について、移転対象となる適切な業務内容、範囲が明確にされ、各年で到達すべき水準が定められております。例えば、一年目であれば、指示の下であれば決められた手順等に従って基本的な介護を実践できるレベル、三年目であれば、自ら介護業務の基盤となる能力や考え方等に基づき利用者の心身の状況に応じた介護を一定程度実践できるレベル、このようなレベルに従って業務を進めていただくこととなります。
#120
○福島みずほ君 今まで技能実習制度が、実は技能の研修というよりも、安価な労働力として農村やいろんなところで使われてきたということがあります。介護現場で外国人技能実習生が入るということは、またその日本の介護労働者の労働条件を引き下げることになってしまうのではないか。つまり、外国人の受入れを整備する前に、日本人の介護人材の活用と課題への具体的施策、労働条件の向上、それこそすべきではないでしょうか。
 ただでさえ、とりわけ小規模ですと、今例えば労働条件悪く、皆さんも御存じのとおり、志を持ってもどんどん若い人が辞めていく現状があります。技能実習の利用が、要するに、介護職に導入することで介護職の低賃金の固定化や労働環境の悪化を招き、その結果、更に日本人の離職を助長するおそれがあるのではないか。政府はいかがお考えでしょうか。
#121
○政府参考人(定塚由美子君) 委員御指摘のとおり、国内の介護人材の確保対策、大変重要と考えておりまして、これはニッポン一億総活躍プランに基づきまして、あらゆる施策を動員して介護人材の確保の取組、進めているところでございます。
 一方、技能実習でございますけれども、厚生労働省の検討会の中でも、介護職に対するイメージ低下を招かないようにすること、また、外国人について日本人と同様に適切な処遇を確保し、日本人労働者の処遇、労働環境の改善の努力が損なわれないようにすることが必要であるとされているところでございます。
 今後、厚生労働省におきまして、こうした考え方に基づき、介護職種の追加に向けては、介護職の低賃金の固定化や労働環境の悪化などを招くことのないよう制度設計を進めてまいりたいと考えております。
#122
○福島みずほ君 今日の審議の中で、今まで法務省が、実際幾らで働いているのか現場の一人一人について把握しているわけではないということが他の議員との質疑の中で明らかになりました。そうすると、日本人と同程度の給料、あるいはそれ以上、そしてきちっと最賃守っているということの担保は具体的にどうやっていくんでしょうか。
#123
○政府参考人(宮野甚一君) お答えいたします。
 まず、技能実習計画の認定の時点におきまして、日本人と同等以上の賃金が支払われることになっているかと、これにつきまして実施者から証明をしていただくということになります。
 さらに、それに加えまして、新しく設立されます外国人技能実習機構の職員が実地にそれぞれの技能実習実施者を調査をいたしまして、具体的に支払われている賃金について、例えば賃金台帳等を確認するということも含めまして、きちんと確認をしていくということを考えております。
#124
○福島みずほ君 日本語のコミュニケーションということで、介護現場の話に戻りますが、介護は対人サービスですから日本語能力は不可欠です。技能実習生が介護業務を行うのに必要な日本語能力の要件、及びその要件を法務省令あるいは主務省令でどのように担保していくおつもりなんでしょうか。
#125
○政府参考人(定塚由美子君) 日本語能力につきましては、段階を経て技能を修得するという制度の趣旨から、期待される業務内容、到達水準との関係を踏まえ、入国時はN4程度を要件としつつN3程度が望ましい水準、二年目はN3程度を要件とし、一定の日本語能力を技能実習生に求めることを考えております。
 このような要件につきましては、技能実習法の主務省令に基づく厚生労働大臣告示で規定することを考えております。
#126
○福島みずほ君 質問を終わります。ありがとうございます。
#127
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。
 本日は、皆様方にも資料をお配りいたしておりますけれども、資料の二枚目、先ほども石橋委員が取り上げてくださいましたけれども、フィリピン人の実習生が過労死認定をされたと、衝撃的なこのニュース、私は絶対これを取り上げざるして今日の質疑はあってはならないと思っております。
 先ほどから国際貢献だというような言葉が答弁として上がっておりますが、国際貢献でなぜ彼は死ななければならなかったんでしょうか。私は、産業保健をいつもいつも取り上げさせていただいておりますけれども、今回の様々な過労自殺の件も含め、この事件、一つ、とても大事に取り上げていただきたいと思っております。
 特に、この時間外労働百二十二時間もあったということ、これははっきりいたしております。これは、産業保健の中でも、長時間勤務の中でしっかりと面談が義務化されている時間数でございます。彼にそれを確認したのか、彼が拒否をしたから面談をしなかったのか等々、詳細をきっちりと分析をし、そしてこれからの実習生の受入れ体制についてもこの事例を生かしていただきたいと思っております。
 そこで、田中部長にまず質問をさせていただきます。
 外国人技能実習制度によって来日をいたしました実習生、この健康管理、実習生に健診を受けさせることなどは、ほかの労働者と同じように事業場がしっかりと責任を有しているという理解でよろしいですか。お願い申し上げます。
#128
○政府参考人(田中誠二君) 議員御認識のとおり、働く技能実習生の健康管理に関しましては、ほかの労働者と同様に、労働安全衛生法に基づく健康診断の実施等の義務が事業者に課されているところでございます。
#129
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 資料一に、皆様方にもお配りをいたしております、平成二十二年から、入国一年目からこの実習生の皆様方も労働基準法上の労働者として適用を受けることになっております。
 二枚目を御覧いただきましても、安全衛生教育もこの中に入っておりますし、就労制限、先ほど石橋委員などもいろいろ取り上げていただきましたけれども、このような安全衛生、そして自分の身に降りかかったことについてどのようにアクションを起こさなければならないのかということさえもこの教育の内容にしっかりと含まれていなければならないものです。
 健康診断も実施し、そしてそれがもし異常があるんだったら、しっかりと産業保健の中で指導を受けなければならない。彼は心疾患のために亡くなっている、本当に指導を受けたんだろうか、もう私は不思議でなりません。
 実習生の健康管理について今までJITCOというところがしっかりと関与してきたというふうに私ども先日厚労省より報告を受けましたけれども、そのスキームを含めて実際にどのように行われているのかということを、局長、教えていただけますでしょうか。
#130
○政府参考人(宮野甚一君) お答えいたします。
 厚生労働省におきましては、現在JITCOへの委託事業といたしまして、技能実習生に対する安全と健康の確保を目的とした技能実習生に対する事故・疾病防止対策等事業を行っております。
 具体的には、安全衛生アドバイザー、メンタルヘルスアドバイザーといった専門家による巡回指導、技能実習生の作業の安全と健康確保に係る周知啓発のためのパンフレットを作成し、実習実施機関や監理団体と技能実習生への配付といった取組を行っております。
#131
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 資料二の、ちょうど彼の写真の下辺りにも、その表を見ていただければ分かると思います。このJITCOのまとめにおいても、労災事故、過去最多になっているんですね。いろいろ取組を行っても、なかなかこの件数が減ってこないのであったら、やはりこのスキーム自体を見直していかなければならないのではないかということ、私はもっともっと真剣に取り組んでいただきたいと考えております。
 大臣、この度、外国人技能実習機構というものを新設して、さらに実地検査なども強化されるということを私は認識をいたしております。JITCOが行ってまいりました安全衛生のこの体制についてはまだまだ不備がある、穴がある、十分ではないということは共通認識として塩崎大臣も持っていただけていることだと私は信じております。
 ですから、今回のこの新機構においてしっかりと強化をなされるべき点というものを大臣も認識していただいて今日は御答弁いただけるものと信じておりますが、安全衛生に努めるとともに、しっかりと実習生の健康管理について、これから事実をどのように把握していくのか、そしてこれを、今までの反省点をどのように生かしてこの法案の中に落とし込むべきだと考えているのか、厚生労働大臣として御答弁ください。お願いいたします。
#132
○国務大臣(塩崎恭久君) 受入れ機関におきまして実習生の安全衛生あるいはメンタルヘルス面での管理がしっかりと行われるようにしていくということが極めて重要であるということ、今御指摘をいただいたとおりでありまして、新制度においては外国人技能実習機構が中心となって取り組まなければならないということになっています。
 具体的には、この機構において、全ての受入れ機関を対象に、労働基準関係法令に関する専門知識や実務経験を有する職員が実習生に対する安全衛生管理に関する事項も含めて適切に実地検査を行うと。同時に、法令違反等が疑われる場合には改善指導を行って、仮に改善指導に従わない場合には技能実習計画の認定の取消しということを含めて厳しく対処をしていくこととしているわけでございます。
 これらによって、実習生に対する安全衛生管理は従来の委託事業よりも格段に充実強化をされるものというふうに考えているところでございます。
#133
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 私は、やっぱり一番心配なのは、言葉の面でございます。言葉が分からないからこそ、こういうように私どもが一生懸命にシステムをつくっても、それの利用をすることさえも彼らに伝わっていないかもしれません。
 今度はストレスチェックテストを義務化されました。ストレスチェックテストというものは、もし日本語で配付されてしまえば分からないから、じゃ、僕は答えないでいいんだなという認識になってしまいかねません。しかし、それを母国語に訳すことによってストレスチェックテストをもし実施してもらったら、高ストレスというふうにそこで判定がなされ、しっかりとその後の事後措置が行えるかもしれません。
 ですから、しっかりと我々が考えなければならないのは、特別な手当てが必要であり配慮が必要であり、そういうものがなかったからこそ今回のようなこの事例につながってしまったのではないかという反省をしっかりと今回私自身も持ちましたし、これから日本政府として責任を持っていただきたいと思います。
 先日も申しましたけれども、過労死というものを英語で訳しても、今KAROSHIというふうに訳されてしまうんですね。こんな不名誉なことはないですし、この過労死で実習生という、本当に原石をお預かりしてそれを磨いて母国に帰さなければならなかった、その原石が日本で粉々に崩れてしまったわけですよね。これは政府として、この一例をとても重要に考えていただきたいですし、氷山の一角です。なぜならば、途中で死亡したとしても、これが過労死として申請されなければ、そこで判定されることもありません。実際に、そういう事例が私はまだまだ実際に現場では山積している、ただただ我々がキャッチしていないだけだというような目で、今回もこの新機構の中で取り組んでいただきたいと思っております。
 それに併せまして、今回は、先ほどから様々な先生方取り上げていただきましたように、介護現場でということでの心配も広がっております。特に私、医療現場におきましても、医療者においても介護現場での言葉って最高に難しい瞬間がやってまいります。お年を召された方が何か一生懸命話してくださるんですけど、それが何を意味をして、そしてどのようにそれを受け止めていいのか。はいという言葉一つも大変難しいんですね。いいえというような意味のはいなのか、本当にはいと思って言っていただいているのか分からないけど取りあえずはいと言っておくのか。
 その点におきまして、先ほど福島先生も取り上げていただきましたけれども、日本語能力試験というものがございます。先生方のお手元にも資料をお配りさせていただいておりますけれども、N1からN5までの判定が、現在、能力試験では実施されているようでございます。
 今回も、N4レベルで入国、そしてN4レベルでも次に進むべき道はということで、大変申し訳ございません、N3レベルが望ましいんだけれどもN4レベルを要件としている、しっかりと次にレベルアップをしてもらうということを厚労省も想定してくださっている旨聞き及んでおりますけれども、じゃ、実際に現場で使われる言語とこのテストというのがリンクしているのか、ここが一番の問題だと思いますけれども、御答弁いただけますでしょうか。
#134
○政府参考人(定塚由美子君) お答え申し上げます。
 介護現場の技能実習においては一定の日本語能力が必要であることから、まずはその能力を確認するため、読む、聞くという観点から一般的な日本語能力を日本語能力試験等で評価をすることとしており、N4あるいはN3という基準を設定をしているところでございます。
 その上で、介護現場においては、委員の御指摘のとおり、介護特有の日本語によるコミュニケーションが行われることから、入国後の講習においては介護現場で使われている用語や表現も含め日本語学習を行っていただくとともに、実習実施機関において技能実習計画書に日本語学習計画を盛り込むことなどにより、技能実習の現場で通用する日本語によるコミュニケーションの能力が実際に確保できるようにしたいと考えております。
 またさらに、入国当初の講習期間に集中して日本語教育を行うプログラムの策定や、介護用語の共通テキストや実習実施機関における日本語学習指導者の手引の作成など、支援環境を整えていきたいと考えております。
#135
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 介護現場には介護現場の言葉というものがございます。もう医師、看護師、介護士、それぞれ使う言葉が違いますけれども、やっぱりしっかりそこを共通言語としてまずは確立して、それをしっかりと海外の皆様方にも学んでいただけるように、そのシステムを構築をお願いしたいと思います。
 最後に、法務大臣にも伺わせていただきたいと思います。
 この外国人技能実習制度、本当に目指すところはどこなのかというところです。この共通認識が日本の中で持っていなければ、何度も何度も先ほどから申しております、ほかの議員も、ただの安価な労働力として利用されてしまう、そして先ほどのような過労死が起こってしまうということになります。確かに、技能を身に付けて、そしてそれを海外の皆様方に、また母国で伝えていただく、そういうシステムの一環なのかもしれません。真の国際貢献となるためにも、本当の目指すところ、その道というものを私どもにも共有していただきたいと思いますが、大臣、お願い申し上げます。
#136
○国務大臣(金田勝年君) 委員御指摘のように、この制度が目指すもの、非常に重要な一番肝腎の視点であります。
 技能実習制度は、申し上げるまでもなく、技能、技術又は知識を開発途上国等への移転を図る、そして開発途上国等の経済発展を担う人づくりに協力することを目的とする、そういう制度であると、このように考えております。したがって、我が国の国際貢献において重要な役割を果たすというのはもちろんですけれども、同時に、できれば実習生が、実習の場面だけではなくて生活の場面におきましても我が国の文化や人々に接することが非常に有意義なのではないかと、このように考えておる次第であります。
 例えば、実習生と地域社会との共生に取り組んでいることを優良な監理団体あるいは実習実施者の評価要素の一つとして位置付けていくといったような考え方によって共生の取組というものも広がるようにしていけるのではないかと、このように考えておるわけでありまして、実習生が本邦において技能実習を行うことは、国際交流、国際理解という面からも重要ではあるんですが、以上申し上げたような側面も、この制度をよりよく理解してもらい、適正化していくことが非常に重要ではないかなと、こういうふうに思っております。
#137
○薬師寺みちよ君 大臣、ありがとうございます。
 東北大震災の際にも海外から多くの私どもは手当てを受けてまいりました、配慮を受けてまいりました。それをお返しするというようなつもりで私どもはこの実習生の皆様方を受け入れる必要があると思っております。ですから、是非そのスピリットをまずは伝えていただきたい。そうすることによって絶対にこういう事故は防げると私は思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
#138
○糸数慶子君 沖縄の風、糸数慶子です。
 まず、外国人研修制度の適正化策について質問いたします。
 技能実習制度の拡大策は、技能実習法案では主に関係省令に委任されており、昨年一月三十日に出された技能実習制度見直しに関する有識者懇談会報告書を踏まえて、法案成立後に詳細が決められることになっています。したがって、国会審議では、省令内容を方向付ける法案修正、附帯決議のほか、基本方針、これは法案第七条ですが、この基本方針への対応が必要ではないかと考えます。この点に関して、以下質問をいたします。
 まず、優良の判定基準についてであります。法案では、技能実習三号の創設がうたわれ、優良な監理団体及び実習実施機関、優良な技能実習生について二年以内の実習期間の延長を認めることというふうにされております。この優良の基準を具体的にどのように定めるかが重要であります。
 有識者懇談会報告書では、優良な監理団体及び実習実施機関の要件例として挙げていますが、技能実習計画等に基づき技能等の修得が着実に行われたこと、これは過去三年間の実習生の技能評価試験の合格率を見るというふうについて書いてありますが、それについてお伺いします。
 ここで比較的客観的な判断基準となる過去三年間の実習生の技能評価試験の合格率における技能評価試験について、技能実習一号から二号へ移行する際の技能検定基礎二級、二年目から三年目での基礎一級、二号から三号へ移行する際の三級、三号修了時の二級のうち、どの段階のものを指すのか明らかにしていただけますでしょうか。また、どの程度の合格率をもって優良とするのでしょうか、お伺いいたします。
#139
○政府参考人(宮野甚一君) お答えいたします。
 優良な監理団体及び実習実施者の要件としての技能評価試験でございますけれども、法案におきましては、先生御指摘ありましたように、各号の技能実習を修了するまでに技能検定又は技能実習評価試験の受検が義務付けられていること、第二号又は第三号の技能実習に進むための要件として前段階における試験の合格が求められていること、さらに、優良の基準とされる合格率については、法務省・厚生労働省合同有識者懇談会の報告書におきまして、現行制度における受検状況を踏まえつつ適切な水準を設定していくべきというふうにされております。
 先生御指摘の二点につきましては、この有識者懇談会の内容も踏まえまして検討してまいりたいというふうに考えております。
#140
○糸数慶子君 加えて、技能実習二号から三号へ移行する際の技能検定三級及び三号修了時の二級においては実技試験のみとされておりますが、筆記試験が行われていないことが想定されていますけれども、その理由を明らかにしていただきたいと思います。
#141
○政府参考人(宮野甚一君) お答えいたします。
 技能実習二号又は三号修了時に実習生に受検させる必要のある技能評価試験につきましては、これも法務省、厚生労働省の合同有識者懇談会の報告書におきまして、本人の負担軽減を図る観点等から、母国でより直接的に活用できる実技面の試験のみを必須とすべきとされております。これを踏まえて検討いたしているところでございます。
#142
○糸数慶子君 では次に、出入国管理及び難民認定法改正案についてお伺いいたします。
 入国警備官は誰でも調査に従事できるようにするのでしょうか、従事できる警備官を限定しトレーニングを実施する予定はあるのでしょうか、その際に難民保護についてのトレーニングは含まれるのでしょうか。併せてお答えいただきたいと思います。
#143
○政府参考人(井上宏君) お答えいたします。
 お尋ねは、入管法の改正案にあります新たな在留資格の取消し制度につきましての取消し事由の調査の権限のことであろうと思います。
 そこで今回、今まで入国審査官に調査をさせておったところ、入国警備官につきましても調査権限を付与するということにした点でございますが、入国警備官につきましては、なぜそのような改正をしたかということでございますが、これは在留資格の取消し事由があるような事例といいますのは、いわゆる退去強制事由がある事案の摘発という場合に発覚することが非常に多うございます。この摘発は入国警備官の本来的な業務でございまして、その過程で当初の聞き取りを行うということが非常に重要であるということ、また、在留資格の取消し事由の調査の手法といいますのは、通常の退去強制事由の調査に通ずるものがあるということから、そういう意味ではその調査につきましての十分なトレーニングが行われている者は警備官でございますので、そういう面での資格は十分にあるということでございます。
 なお、この在留資格の取消しにつきましては、難民認定申請をしている人に対して不当な圧力にならないかという御懸念を持たれておることだと思いますけれども、入国警備官につきましても、研修の過程で難民認定制度のことについては十分に教育をしてございますので、そのような御懸念はないものと考えております。
#144
○糸数慶子君 次にお伺いいたしますのは、お配りいたしました参考資料を御覧いただきたいと思います。この資料に基づいて質問をいたします。
 二〇一四年の六月五日に、私が法務省入管局長に、日本でも英国の視察基準を参考にその視察基準を作ったらどうでしょうかと質問いたしましたところ、英国におきまして委員指摘のようにこの文書が作成されていることについては承知しておりますが、視察を受ける立場の入国管理局においてそのようなものを作成することが適当であるのかなどについては慎重な検討を要するものと考えておりますというふうに答弁をされました。
 その後二年半たっておりますけれども、どのような検討がなされたのでしょうか、お伺いいたします。
#145
○政府参考人(井上宏君) お答え申し上げます。
 今委員御指摘の視察基準というものでございますが、これはイギリスの刑事施設視察委員会が入管関係の収容施設を視察する際に施設や被収容者の取扱いの状況を評価するための基準として視察委員会自らが作成したものであると認識しております。
 ところで、我が国の入国者収容所等視察委員会というものがございますが、これは平成二十一年の入管法改正によりまして、入国者収容所等の適正な運営に資するために、視察等を行い意見を述べる第三者機関として設置されたものでございますが、イギリスのそれと異なりまして、事務局を入国管理局が担当していることもございますので、この視察委員会における視察の基準を視察を受ける立場である入国管理局において作成することにつきましては、今御指摘いただいた、前の入管局長の答弁と同じになりますけれども、それは慎重にあるべきだと考えておるところでございます。
 他方、被収容者の一層適切な処遇を検討していくということはこれは大変重要なことと考えてございまして、入国者収容所の施設の視察委員会からの御指摘あるいは御提言につきましては、これを可能な限り実現するなど真摯に対応してきているところでございます。
 そこで、委員御指摘の視察基準という形での基準の要否につきましては、今後とも検討を重ねてまいりたいと考えております。
#146
○糸数慶子君 同じ答弁で、もっとも、英国の文書で求められているような施設の備えるべき基準につきましては我が国にも当てはまるものと思いますので、それらをも適宜参考にしながら収容施設における処遇の在り方を検討してまいりたいと考えておりますというふうに答弁をされております。
 東京弁護士会も、先月、英国の視察基準を参考にした日本版の視察基準を設けるべきという要請が行われましたが、法務省も英国のその基準を参考にしてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。
#147
○政府参考人(井上宏君) お答え申し上げます。
 今御指摘の東京弁護士会からの要請書は本年十月二十八日付けのものでございまして、同弁護士会がイギリスの視察基準を参考に作成した日本版の視察基準ということでございます。これを採用するように要請するものと承知してございます。
 ところで、イギリスの視察委員会につきましては、イギリスの収容施設の実情を踏まえて収容施設の備えるべき基準を定めていると承知しております。したがって、この基準をそのまま我が国に適用することは、我が国の入管の収容施設の実情に沿わない場合もあるところでございます。
 入国管理局におきましては、被収容者に対する処遇の在り方につきまして、被収容者からの意見、我が国の入国者収容所等視察委員会の意見等を参考にしながら検討、改善を行ってきておりまして、例えばイギリスの基準で求められているような外部への常時アクセスなどにつきましては、当局におきましても、外部とのアクセス向上を目的として、被収容者が電話を使用できる時間を延長するといった取組を行っているところでございます。また、被収容者のニーズに合わせた食事を提供するということにつきましても、当局では被収容者の宗教でございますとかアレルギーに配慮した食事を提供しているところでございます。
 入国管理局の収容施設における被収容者の処遇につきましては、法令の規定に従い、被収容者の人権に最大限配慮し、保安上、衛生上支障がない範囲でできる限りの自由を与えることとしておりまして、今後とも、被収容者や外部の方からの意見も踏まえ、また諸外国の例も参考にしながら、被収容者の人権に十分配慮した適切な処遇の実施に努めてまいります。
#148
○糸数慶子君 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
 次に、仮放免の申請から許否判断に至る時間ですが、これはその時間が二か月掛かるというふうに聞いております。これは長過ぎないでしょうか。イギリスでは三日でやっているということも聞いておりますけれども、そこで、その平均処理期間ですが、それはどれくらいなのでしょうか。
#149
○政府参考人(井上宏君) 御指摘の仮放免でございますけれども、退去強制手続というものは身柄の収容を前提として行われるところでございますが、その収容されている者につきまして、病気その他やむを得ない事情がある場合など身柄の拘束を一旦解く必要があると認められるときに行うのが仮放免ということになります。
 この仮放免の許可の申請から処分に至るまでの平均処理期間につきましては、これ正規に統計を取っておらず、正確なお答えはなかなか困難なところございますが、主要な地方入国管理局における本年四月以降に申請を受理した案件につきまして今回緊急に調査いたしましたところの数字でございますが、平均の処理期間は、収容令書の場合の仮放免は約十日、退去強制令書の場合の仮放免は約五十二日を要している状況でございました。
#150
○糸数慶子君 受付からその最終判断までどういう流れでやっているのでしょうか。
#151
○政府参考人(井上宏君) お答えいたします。
 仮放免の許可申請は現場の方で受理するわけでございます。担当者が事案を個別に精査いたしまして、例えば仮放免を求める理由でありますとか、被収容者の性格、年齢、資産、素行、健康状態、家族の状況、あるいは収容されている期間、次に、身元保証人となるべき者の年齢、職業、収入、資産、素行、あるいは本人との関係、あるいはその身柄を引き受ける熱意など、さらには仮放免を申請した者の逃亡のおそれの有無、そのようなことを総合的に考慮いたしまして、さらに仮放免を認める場合に付すべき条件があるか、どのような内容かというものを検討いたしまして、最終的には入国者収容所長又は主任審査官、これが判断するということになってございます。
#152
○糸数慶子君 日弁連との間で合意している郵便による申請を受け付けることになりましたが、その他、被収容者の家族からの申請は持参しか受け付けないということですが、なぜでしょうか。これは改善すべきではないでしょうか。
#153
○政府参考人(井上宏君) 仮放免の申請の受理方法についてのお尋ねでございました。
 御指摘のように、身元保証人となっている弁護士からの仮放免の申請につきましては郵送による申請の受付を可能としているところでございますが、弁護士以外の方からの申請の場合には、関係書類の作成等に誤りが生じている場合が散見され、郵送により訂正や再作成を求めると非常に長い時間を要することとなるところでございます。
 このため、関係書類に誤記や不備がある場合にその場で訂正を求めたり説明していただけるよう、直接持参により提出、申請していただいておるところでございまして、現状ではこの手続、方法について変更することは考えておりません。
#154
○糸数慶子君 ありがとうございました。終わります。
#155
○山口和之君 無所属の山口和之でございます。
 今日は、頑張れ厚労省というところで質問させていただきたいと思いますが、日本の予防医療、リハビリテーション、介護、また今まで輸入によく頼っていました医療機器やリハビリテーション機器、介護福祉機器など、これらを発展させてアジアに還元していくことは国益としても非常に大切だと思っております。
 そんな中で、日本の単なる労働力確保ではなく、優れた技能労働実習を、技能実習に介護を対象にするということが今検討されているところでございますが、そもそも日本の介護のどのような点が優れていると認識しているのか、厚生労働大臣に伺いたいと思います。
#156
○国務大臣(塩崎恭久君) 我が国の高齢化が急速に進展する中で、他国に比べて認知症高齢者への対応など、あるいは福祉ニーズの多様化、高度化に対応して認知症ケアや自立支援等の介護に関する知識、技能をこれまで蓄積をしてまいっております。
 こういう中で、開発途上国、特にASEAN諸国においては、今後我が国以上のペースで高齢化が進むということが予想される中で、介護に関する知識、技術の修得や人材の育成に対するニーズというものは増大してくるものだというふうに考えております。
 例えば、ベトナムからは認知症ケアや自立支援技術について学びたいという要望がされていることは先ほど来御答弁申し上げているとおりでありますし、その他の国からもいろいろ人材育成、すなわち知識、技術、そういったものを是非移転してほしいと、こういうような声が寄せられているところでございまして、こうしたことを踏まえて、今回技能実習制度に介護職種を追加することとしたわけでございます。
#157
○山口和之君 今年の三月九日の予算委員会で山口の方から塩崎大臣に質問させていただきました。そのときの回答で、要介護度の改善は理想的であるというふうに答えていただきました。理想的であるということは、まだそういうことが浸透していないということだと思います。
 資料の一を見ていただきたいと思うんですが、表があります。出典は介護サービス質の評価先行自治体検討協議会ということで、このメンバーは、要介護度を指標にして質の確保をしようということで、品川区であったり滋賀県であったり福井県であったり、自分は介護予防で福島県の古殿町と、あと、そこでは田舎バージョンの介護予防、それから川崎市では都会バージョンの介護予防ということで一緒に連携させていただいた経緯があります。
 この川崎市を見ていただきますと、要介護度の改善であったり、ADL又はIADL、それからQOLなどの指標によってそこにインセンティブを働くように制度をつくっているということでございます。どうしてこのようなことが行われているのか、お伺いしたいと思います。
#158
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、幾つかの自治体におきましてこういう形でいろんな取組がされております。やはりこれは、介護サービスというのは、ある意味、お世話するということではなくて、やはり本人の自立を支援するということが理念でございますので、各自治体において、とりわけそうした方向に取り組んでいる事業所をきちっと評価をするということによってそうしたサービスがより広がっていくといったことを目指してこのような取組がされているというふうに認識をいたしております。
#159
○山口和之君 そうすると、日本の優れたケアというのは、あてがいサービスであったりできないところを補うサービスではなくて、しっかりとした自立支援を行うサービス、ケアであるということが前提になければならないわけでございます。
 資料の二番目を見ていただきたいと思いますが、これは自立支援型デイサービスセンターポラリスというところが全国で五千人のデータを集めたところでございます。デイサービスセンターですが、緑色のところが改善されているところでございます。要介護度が改善されています。これ、要介護度の改善というのは、御存じの方、難しいと思うんですが、御存じの方はなかなかこれは難しいというのは知っていると思います。なぜならば、重い方がいいということで重くしたいとか、いろんなことが働くんですが、でありながらも、これだけ改善するというのは、ここが優れているわけではなくて、単なるここが優れているということだけではなくて、周りにそういうサービスが少ないということも考えなきゃいけないところなんです。
 その一握りの優れたサービス、あるいは最近ではフランスの認知症ケアでユマニチュードのようなものがテレビでもてはやされたり、皆さんがそれに食い付いてくるというのは、実際に日本のケアのレベルというのは本当にすごく優れているのが日本中に広がっているのかというと、実はそうでもないんじゃないかと、一部のところができているのではないかと。これは、本気で日本式ケアということでリハビリテーションも含めて日本全体が底上げしていくことが必要だと思っておりますので、是非あてがいサービスであったりできないことを補う、例えばおむつの交換の仕方だけ覚えて自分の国に帰るということでは日本の同じ轍を踏むことになるので、すばらしいものを移転していくということを是非検討しなければいけないと思っています。
 また、そもそも日本は施設ケアから地域ケア、在宅ケアにシフトしておりまして、技能実習が施設ケア中心では不十分ではないのかと思います。なぜならば、そこで、家で帰って自立した生活を送っていただくためのプログラムがなければ話にならないわけですね。ですから、在宅サービスへの転籍、あるいは実習期間中に僅かでも経験を積む必要があるのではないか、それをもって日本式のケアではないのかと思うんですが、厚労大臣、お伺いしたいと思います。
#160
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、先ほど局長からも少し御答弁申し上げましたけど、いわゆる在宅ケアのうちで訪問介護などの訪問系サービスは、利用者と介護者が一対一の介護をするということが基本であって、適切な指導体制を取ることがなかなか難しいという、そういうことで実習施設の対象外というふうにしたところでございます。
 基本的に、技能実習制度は、当初受け入れられた同一の施設において継続して実習を行うものでございますけれども、議員の御指摘のとおり、日本の施設では在宅ケアにも積極的に取り組んでいるわけでございますので、技能実習生が実習とは別に在宅ケアを理解することを否定するものではなくて、技能実習生が在宅ケアを学ぶことができるような施設の自主的な取組に期待をしたいというふうに考えております。
#161
○山口和之君 最近では、特養でも在宅復帰プログラムを組んでいるような特養も散見されます。そういう意味では、在宅での生活を視野に入れたケアも入るというふうには思いますけれども、日本のケアというのは施設ごとに役割が決まっておりまして、本来であれば役割が決まっていて、その内容を中心にやっていくということになっていくとすると、一か所にずっといるということはいかがなものかというふうにも思います。
 そうはいえ、いろいろ事情としてあるのであれば、日本語の能力を高めることが非常に大きなポイントになってくると思います。それが介護実習の成功の鍵と言ってもいいと思いますが、どれだけ実習生の日本語能力を高められるかについて、厚労大臣の見解を伺いたいと思います。
#162
○国務大臣(塩崎恭久君) 日本語の言ってみればコミュニケーション力を付けることの大事さについては、何人かの先生方から御指摘をいただきました。利用者の心身状態を適切に把握をしてチームで介護を提供していくためには、コミュニケーション能力の確保というのは当然不可欠でございます。このため、一定の日本語能力を技能実習生に求めることとしているわけでありますが、その上で、介護現場で適切に実習ができるように、入国後に監理団体等が実施をする講習において、介護現場で用いられる用語やあるいは表現も含めて学習をしっかりしてもらうようにするなどの対応を考えているところでございます。
 これに加えて、実習生向けの介護用語の共通テキストの検討、あるいは実習実施機関で日本語を指導する指導者向け手引を作成するなど、実習生の継続的な日本語学習を支援をするという、その環境整備を行うことによって、実習生の日本語能力を高めてまいりたいというふうに考えております。
#163
○山口和之君 最低ラインの話ではなく、更に高めたことを考えていくということが大事だと思います。
 EPAにおいては、国が補助をして日本語をしっかり学んでいくように支援したりしているわけですけれども、この実習においてはそれがなくて、そこの自助努力だということになってしまうと、ただでさえ忙しいところに構っていられないというのも出てきたりすると、単純労働だけで終わってしまう可能性もあるというふうに考えると、単なる労働力確保ではなくてしっかりとした技能移転をしていくんだというふうに考えれば、この日本語能力を支援するというのは非常に重要になってくるんだと思います。
 そうはいっても、なかなか先立つものはないと、いろんなことがあるんであれば、知恵を絞って日本語の教育をしっかり支援していくようなシステムをつくっていかないと、受入先によってはそれほど頑張らないところも出てくるのではないかと思いますので、是非厚労省の方からそういうことを出していっていただきたいなと思います。
 例えば、今、これから日本のケアの中では、専門職だけではなくて、それ以外の人たちあるいはボランティアの人たちを組み入れてそういう体制をつくっていくと、介護単体だけではなくて様々な支援をしていこう、地域包括ケアというものを行おうとしているわけでございますから、専門職だけに頼るのではなくて、その地域の力を借りるとかいろんな方法あると思いますので、知恵を絞っていただきたいなと思います。
 先ほどの資料一、二でお見せしたように、日本の医療は全国津々浦々、ある程度の質はもう標準化されて確保されていると思います。ですが、介護においては本当にばらつきが多い。厚生労働省の方々が視察に行ってくるところは全部いいところばかりですよ。すばらしいところばかりですよ。それ見て帰ってきて、これが日本の介護だと言われたら、ちょっと違うんじゃないかなと。
 自分の指標の中では、まず入った瞬間に分かるのはテーブルです。テーブルの周りに椅子がないとどういうことが起きているかというと、ほとんど車椅子で生活しているんですよ。あの車椅子ってどういうものかというと、ヨーロッパでは移動用の車椅子と言われています。搬送用の車椅子に座って、それでただ、乗り移りのチャンスを失って、トイレに歩いていく機会を失って、それで日本のケアですと言っていたら、ちょっと笑われちゃうんじゃないかなというふうに思います。
 ばらつきが多い日本のケアの現状の中で、トップレベルの優れた取組を日本の標準化として持っていくことが日本の成功にもつながるし、アジアへの還元、アジアの人たちも幸せになるんだと、自分はそう思っています。そういうことを考えていくと、この標準化に向けてトップレベルの取組を広げることが重要だと考えられますが、大臣の認識とジャパン・ブランドをつくり上げる決意を伺いたいと思います。
#164
○国務大臣(塩崎恭久君) 介護保険制度の目的というのは、よく申し上げておりますけれども、介護を必要とする状態となっても心身の機能に応じて尊厳を持って自立をした生活を送ることがそれぞれにできるということ、それを支援することが大事なんだろうということで、自立支援の考え方は極めて重要だと思います。
 しかし、うまくいっている例とうまくいっていない例といろいろありますが、我々今考えているのは、介護を科学しようじゃないかと。なぜうまくいっているのかというのは、やはりファクターを分析してみてやっていかなきゃいけない。今の介護データは、例えば通所ということでサービスに行っても、実は中で何をやっているのかというのは必ずしも集積をされていません。我々は、こういうところで、入浴一つ取っても何にしても、どういう自立に結び付くサービスをやっているところが自立支援に本当になっているかどうかということを今後しっかりと分析をした上で、そのアウトカムを見ながら、それを標準化をしていくということにつなげられないかということを今考えつつあって、そういうようなことをしっかりとデータ分析に基づいて自立支援を日本モデルとして確立をできればいいんではないかなというふうに考えているところでございます。
 いろんなやり方がありますから、それをしっかりと分析をしながらその標準化をしていければ、より良い介護のジャパン・ブランドができるのではないかというふうに思います。
#165
○山口和之君 ありがとうございます。
 先ほど来から人材確保とも言われていますけれども、そもそも介護職の身分をしっかりと保たなければ日本全体の質が下がってしまいます。このことも忘れずに、しっかりとした介護職の身分を上げていくということも同時に検討していただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#166
○委員長(秋野公造君) 他に御発言もなければ、本連合審査会はこれにて終了することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#167
○委員長(秋野公造君) 御異議ないと認めます。よって、連合審査会は終了することに決定いたしました。
 これにて散会いたします。
   午後零時二十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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