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2016/10/20 第192回国会 参議院 参議院会議録情報 第192回国会 国土交通委員会 第2号
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2016/10/20 第192回国会 参議院

参議院会議録情報 第192回国会 国土交通委員会 第2号

#1
第192回国会 国土交通委員会 第2号
平成二十八年十月二十日(木曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月十八日
    辞任         補欠選任
     朝日健太郎君     衛藤 晟一君
     元榮太一郎君     金子原二郎君
     牧山ひろえ君     野田 国義君
 十月十九日
    辞任         補欠選任
     衛藤 晟一君     朝日健太郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         増子 輝彦君
    理 事
                井上 義行君
                石井 正弘君
                酒井 庸行君
                長浜 博行君
                新妻 秀規君
    委 員
                足立 敏之君
                青木 一彦君
                朝日健太郎君
                大野 泰正君
                金子原二郎君
                末松 信介君
                長谷川 岳君
                福岡 資麿君
                吉田 博美君
                野田 国義君
                羽田雄一郎君
                鉢呂 吉雄君
                魚住裕一郎君
                高瀬 弘美君
                山添  拓君
                室井 邦彦君
                青木  愛君
                行田 邦子君
                中野 正志君
   国務大臣
       国土交通大臣   石井 啓一君
   副大臣
       内閣府副大臣   越智 隆雄君
       国土交通副大臣  田中 良生君
       国土交通副大臣  末松 信介君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       藤井比早之君
       国土交通大臣政
       務官       大野 泰正君
       国土交通大臣政
       務官       根本 幸典君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 利幸君
   政府参考人
       内閣府地域経済
       活性化支援機構
       担当室次長    伊野 彰洋君
       厚生労働大臣官
       房年金管理審議
       官        伊原 和人君
       国土交通大臣官
       房長       吉田 光市君
       国土交通省総合
       政策局長     藤田 耕三君
       国土交通省国土
       政策局長     藤井  健君
       国土交通省土地
       ・建設産業局長  谷脇  暁君
       国土交通省都市
       局長       栗田 卓也君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       長        山田 邦博君
       国土交通省道路
       局長       石川 雄一君
       国土交通省住宅
       局長       由木 文彦君
       国土交通省鉄道
       局長       奥田 哲也君
       国土交通省海事
       局長       羽尾 一郎君
       国土交通省港湾
       局長       菊地身智雄君
       国土交通省航空
       局長       佐藤 善信君
       観光庁長官    田村明比古君
       海上保安庁長官  中島  敏君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国土の整備、交通政策の推進等に関する調査
 (地方におけるまちづくりの在り方に関する件
 )
 (空港・港湾の国際競争力の強化に関する件)
 (バリアフリーの推進に関する件)
 (一連の台風及び熊本地震の被害に対する国土
 交通省の取組に関する件)
 (地下街の浸水対策に関する件)
 (日本航空における雇用問題に関する件)
 (建設業における社会保険等未加入対策に関す
 る件)
 (海上保安体制の充実強化に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(増子輝彦君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十八日、元榮太一郎君及び牧山ひろえ君が委員を辞任され、その補欠として金子原二郎君及び野田国義君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(増子輝彦君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府地域経済活性化支援機構担当室次長伊野彰洋君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(増子輝彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(増子輝彦君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○井上義行君 自由民主党の井上義行でございます。国土交通委員会に初めて質問をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 まず、本年八月に発生した台風十号により、北海道や岩手県を始め各地で多くの犠牲となられた方々とその家族に対して謹んで哀悼の意を表すとともに、災害に遭われた方々にお見舞いを表したいと思います。
 それでは、まず始めに質問をしたいんですが、今日は非常に天気も良くて、上着を着ていても暑いぐらいですが、もうすぐ冬がやってきます。冬がやってくると、当然雪が降るところがあって、私もスキーを楽しむ人間なんですが、一たび多くの雪が降ると、そこに行けなくなってホテルのキャンセルがあったり、あるいはおじいちゃん、おばあちゃんがこの雪の中で閉じ込められてしまうということも起きました。当然雪は、このデータを見ると年間、それぞれ年によって違いますが、やはりこうした除雪あるいは融雪対策をしっかりやっていく必要があるのではないかというふうに思っております。
 こうした融雪対策あるいは除雪作業の道路について、どのような予算を活用し、そして、今年来る豪雪対策あるいは除雪作業についてしっかりと対応してもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。これは、道路局長、お願いします。
#7
○政府参考人(石川雄一君) お答えいたします。
 地方自治体の除雪対策につきましては、冬期の道路交通を確保する上で、地域の生活面や観光面からも非常に重要と認識をしております。国土交通省といたしましては、積雪地域における道府県、市町村への除雪費用に対しましては、年度当初に社会資本整備総合交付金により措置し、年度途中に、各地域の降雪状況に応じ、道府県に対し、交付金とは別に当初保留していた通常補助から追加配分をしているところでございます。さらに、全国的な豪雪の場合には、積雪地域にかかわらず自治体に臨時特例措置を講じてきたところでございます。
 また、道路の融雪施設につきましては、除排雪作業の軽減や円滑化、安全で快適な冬期歩行空間の確保に資する重要な施設と認識をしておりまして、自治体の要望を踏まえ、社会資本整備総合交付金により支援をしているところでございます。
 引き続き、地域の道路交通が確保されるよう適切に対応してまいります。
 以上です。
#8
○井上義行君 是非地方の負担が掛からない対策をしっかりと取っていただきたいと思います。
 今話のあったように、道路については国の支援があるんですが、鉄道については支援がないというふうに聞きます。やはり鉄道会社、特に豪雪地帯の抱えている北海道や東北そして信越、あるいは九州の方でもございます、やはりこうした除雪の作業というのは非常に鉄道会社にとっても負担でございます。
 是非、今まで支援をしたことはないんですが、やはり何らかの、鉄道会社、あるいは除雪車両とかこうした支援、こうしたことを是非行ってもらいたいと思いますけれども、鉄道局長、いかがでしょうか。
#9
○政府参考人(奥田哲也君) お答えいたします。
 鉄道事業におけます安全・安定輸送は鉄道事業者により確保がなされるものでございまして、積雪時の対応についても同様でございます。鉄道事業者は、このため、除雪車両や融雪施設の保有、監視や作業に必要な人員の確保等を行い、積雪時における運行を確保しております。
 これに対しまして、国土交通省では、輸送の安全性確保を支援するという観点から施設整備への支援を行っておりまして、地域鉄道事業者に対して除雪車両や融雪施設の整備について補助を行わせていただいております。
 国土交通省といたしましては、こうした支援を行うことで引き続き積雪時の鉄道事業における安全・安定輸送に対する鉄道事業者の取組を支援してまいりたいと、このように考えております。
#10
○井上義行君 是非そうした支援をもうちょっと拡大をしていただいて、そして、観光客、外国人観光客四千万人というふうに目標を掲げておりますので、そうした支障にならないように、あるいは多くの観光客が来たときに支障にならないように、是非御支援をお願いしたいというふうに思っております。
 そして、私の地元でもそうなんですが、東京は非常に、町並みを見ると、オリンピックもあるということで再開発が非常に進んでいるように感じられます。一方、地方は、非常に個人の土地の所有であったり老朽化が進んで、なかなかその建て替えがうまくいかない地域もあります。
 私も調べてみるといろいろ、国土交通省では、市街地再開発の事業として、様々なその法律やいろんな推進をすることによって早く再開発ができるような方策を取っているということも十分理解をしておりますが、なかなか地方ではファンドが集まらなかったり、あるいは思い切った政策がやはり個人の所有ということもあってなかなか進まないことがあります。
 そこは、もうちょっと何か国の関与というものがあって、もうちょっとスムーズに進む方法があれば、地方の町並みも大いに変わってくるんではないかというふうに思っておりますが、都市局長、この地方市街地再開発の支援の方向性についてお伺いをしたいと思います。
#11
○政府参考人(栗田卓也君) お答えいたします。
 地方都市の再開発についてのお尋ねでございます。
 地方では、大都市ほどの大きな床需要がありませんので、再開発事業の立ち上げが難しい場合、あるいは事業リスクの低減などに工夫が必要な場合がございます。このような地域では、まず再開発事業に関する知識と経験を有する専門家が、地域に適した事業スキームの提案ですとか民間事業者との調整等を行って、計画作り、事業化に向けた枠組みの構築を行うということが重要だと考えております。
 実際に幾つかの地方都市におきまして、このような専門家による事業コーディネートの結果、ディベロッパー等の参画が得られ、あるいは地域外のディベロッパーを含めまして参画が得られ、事業化に至った事例もございます。このため、国におきましては、地方公共団体あるいは再開発準備組織などによる再開発事業の検討経費に対して支援を行っているところでございます。
 また、再開発の促進を目的とする一般社団法人がございますが、こういったところから地方の相談に対する専門家の派遣紹介、こういった事業がございます。国としても、地方公共団体に活用を促しているところでございます。
 このほか、さきの通常国会におきまして、都市再生法等の一部改正、国土交通委員会の御審議をいただき成立させていただいたところでございます。その中で、市街地再開発事業につきまして、既存ストックを存置することを可能にする制度を設けております。これによりまして、事業費の低減などを図り、地方の身の丈に合った再開発が実現しやすくなるように措置したところでございます。
 こういった制度につきましても、現在、各自治体あるいは再開発事業の専門家に説明会を行っているところでございます。さらに、制度の活用を検討している市町村に対しては細かく個別にコンサルティングに応じるなど、きめ細かく対応してまいりたいと思います。
 様々なことを通じまして、今後も地方都市において都市機能の更新が図られる、市街地の再開発が図られるように取り組んでまいりたいと考えております。
#12
○井上義行君 私の考え方というか、都会と地方の大きな違いは、やはり財源がある特に東京などは大きなディベロッパーもあっていろいろ再開発が進んでいく、その再開発が進めば進むほど町並みがきれいになって外国人の観光客も増える、あるいは便利になるからそこに住もうとして人が増える。しかし、地方は全く逆になっているんですね。地方は財源がない、そして民間の投資といってもなかなか民間の投資が集まらない、そしてビルが老朽化をしてそこから企業が撤退をしていく、だからそこに、駅に行こうとしても人が集まらない、そして不便になる、だから人口が減っていく。ここをやはり直していかなければ地方再生というのは私はないんだろうというふうに思います。
 ですから、確かに地方の自主性とか、それは尊重しつつも、やはり何らかの国が調整に入っていく、こういうプランがありますよというのを積極的に参加していく、こういう姿勢がやはり地方を活性化していくんだろうというふうに思います。やはり少子高齢化の中で、中央ではどうしても、東京の中で生活をしていると便利だし、そして多くの外国人観光客も来て、そしてどうしても地方に行くと県庁所在地のところに行く、だから余り変わらないというふうに感じる。しかし、地方は県庁所在地だけではない、そうした小さな都市もたくさんあるということを是非考えていただいて、そしてできるだけサポートができる体制を取っていただきたいというふうに思っております。
 そして、もう一つは、私も地方に住んでおります。まあ小田原というと地方じゃないと言う人もいるんですが、二十万人をちょっと切る地方で、その周りには一万人ぐらいの市町村が並んでいるんですね。そうすると、最近よく私が言われるのは、バスがどんどんなくなっていくんですね。これは、私どもの地域はまだ鉄道がたくさんあってバスが走っている方なんですが、まだ多くの地方ではこういうことが進んでいるんだろう。先ほど話のあったとおり、このバスがなくなることによって不便になり、また多くの若者が出ていってしまうと。そして、高齢者が免許を返上するということになると、やはり交通の便が不便になってしまって、高齢者がますます町に出ない。そして、歩くことができなくなって介護になってしまう。こういう例があるんだろうというふうに思います。
 そこで、地方における独り暮らしの高齢者の交通手段をどのように確保していくかというのは非常に重要で、国土交通省としては、いろんな地域の連携とか、あるいは公共交通、それぞれの会社に補助を出したりするんですが、自治体によっては、その一割とか、その負担が重くて実は出せないというところもたくさんあるわけですね。
 こうした交通網をどうやって確保していくのかというのは、中長期的に非常に大事になってきます。時代が進んで、ITが進んで、ボタン一つで自動運転化して、そこに、目の前に自動車が来るような時代が来るかもしれませんが、なかなかそのときまでは待てない。やはりこうした交通網をどのように中長期的に守っていくのかを是非お聞かせ願いたいと思いますが、これは、総合政策局長、いかがでしょうか。
#13
○政府参考人(藤田耕三君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、高齢化が急激に進む中で、高齢者の足となる地域の公共交通を確保することは、地域社会の維持、活性化を図る上で大変重要、切実な課題であると認識しております。
 国土交通省では、地域のバスの赤字への補助に加えまして、平成二十六年に改正されました地域公共交通活性化再生法、これに基づきまして、面的な公共交通ネットワークを再構築するための制度を創設し、バス路線の効率化、活性化などを通じて、持続可能な地域公共交通網を形成する取組を推進しております。
 ただ、こうした既存の公共交通による足の確保が困難となっている地域も多々ございます。こうした地域では、例えば市町村による自家用自動車を使った輸送あるいはスクールバスへの混乗、こういったことも含めまして様々な手法を駆使して、地域の足が確保されるように取組を推進しているところでございます。
 さらに、今後の可能性としては、自動運転などの最新技術が地域の公共交通においてどのような活用が可能かといった点の検討も含めまして、高齢者を始めとする地域の方々の足の確保に取り組んでまいりたいと考えております。
#14
○井上義行君 私は三世代暮らせる社会を目指しておりまして、多くの若者が地域に残ってもらって、そしておじいちゃん、おばあちゃんをしっかりと支えていく、そのことによって地域を守っていく、あるいは社会保障を支えていくことになるというふうに思っていますが、なかなかそう思い切ったことまでには進まない場合もあります。あるいは、個人の暮らし方の考え方があって、一人で暮らせる、あるいはやむを得ず一人で暮らしているお年寄りがいる、そういうことを我々は決して忘れてはならない。ですから、こうした交通手段を是非確保できるように国としてもバックアップをお願いしたいというふうに思っております。
 次に、グローバル化に対応したやはり国土交通政策をしっかりとやるということで、私は、ちょうど二年、二〇〇六年、二〇〇七年ですね、総理の秘書官のときにオープンスカイというのを進めました。オープンスカイ、どんどんどんどん波及をしていって非常にできているんですが、そのオープンスカイのおかげで、北海道とかあるいはほかの町にも、地方に多くの観光客が来ているということを聞いております。
 そこで、まず空港のオープンスカイの現状について、航空局長、今どうなっているでしょうか。
#15
○政府参考人(佐藤善信君) オープンスカイにつきましてお答え申し上げます。
 我が国では、国際線の就航に関し、航空会社がそれぞれの判断で需要に応じて弾力的に新規路線の開設や増便を行うことができる航空自由化、いわゆるオープンスカイを推進しているところでございます。これまでに三十の国・地域との間でオープンスカイに合意をしており、日本発着の全旅客数の九割以上を占める国・地域との間でオープンスカイが実現しております。
 今後も、我が国の国際競争力の強化やアジアで激化する国際ハブ空港間の競争で優位に立つために、オープンスカイを戦略的に推進してまいりたいと考えております。
#16
○井上義行君 そうなんですね。日本はやはりハブの国を私は目指すべきだというふうに思います。やはりGDP六百兆円、そして外国人観光客を二千万人呼び寄せるためには、人、物、金が動いていかなければそれは達成できないわけですね。ですから、この時差がある世界の中で人が訪れる、あるいは情報が訪れるためには、やはり日本がオープンに開いていく必要があるというふうに思っています。
 そこで、いろいろ聞いていると、年間発着枠が三十万回、あるいは国際線の発着の枠が拡大されて、かなり成田を使った拡大が行われていると思いますが、やはり羽田のもうちょっと拡大を考えていただいてもいいんではないかというふうに考えております。
 そこで、羽田の空港の国際化に合わせて、今拡張していると思いますが、更に拡張するべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#17
○政府参考人(佐藤善信君) 羽田空港につきましては、我が国の国際競争力の強化、急増する訪日外国人旅行者の受入れ等の観点から、その機能を強化していくことが必要不可欠であると考えております。
 具体的には、飛行経路の見直しなどによりまして二〇二〇年までに発着枠を約四万回拡大することを目指し、平成二十六年八月より国と関係自治体で構成される協議会を設けて協議を行ってきており、本年七月には必要な予算措置をすることについて関係自治体から御理解をいただいたところでございます。また、住民の皆様に対しては、昨年七月より延べ九十五日間にわたり延べ三十四会場において説明会を開催し、約一万一千人の方に御参加いただくなど、情報提供に努めてまいりました。これからも引き続き関係自治体や住民の皆様に丁寧な情報提供を行ってまいります。
 今後は、飛行経路の見直しに必要となる航空保安施設や誘導路等の施設整備、さらには環境対策を着実に進め、二〇二〇年までに羽田空港の国際線増便を実現したいと考えております。
#18
○井上義行君 是非積極的に進めていただきたいというふうに思っております。
 そして、もう一つ大切なのは港湾の拡張だというふうに思います。
 やはりこの世界の港湾別コンテナ取扱個数ランキングを見てみると、一九八〇年代、これは神戸が四位だったんですね、そして横浜が十三位。ところが、二〇一五年の調査でよりますと、一位が上海なんですね、二位がシンガポール、そして韓国の釜山が六位に入ってくる。じゃ、日本はというと、東京が二十九位、そして横浜が五十四位、そして神戸が五十七位と。
 阪神大震災があってもちろん神戸への影響はあったろうというふうには思っていますが、やはり各外国は港湾のこのコンテナの領域をどんどんどんどん拡大して、より大きなものをつくって、大量なものを仕入れることによって大量なものを出すことに成功した港は、どんどんどんどんそちらの方に向いていったというあかしだというふうに思います。
 やはり、我々はこれからクルーズ船の訪日五百万人の時代をつくり上げなければならない、あるいは世界のグローバル化に対応したそうしたものを受け入れ、そして出していかなければならない。こうした港湾の拡大、拡張については、やはり重要な政策でございますので、きちっと整備を今からしていかなければ私は間に合わないというふうに思います。やはり港湾の整備には十年、十五年掛かるわけで、今から着手していかないと間に合わないというふうに考えていますので、是非整備を着手するべきだ、あるいは目指していくべきだというふうに考えておりますが、港湾局長、いかがでしょうか。
#19
○政府参考人(菊地身智雄君) お答えいたします。
 近年、釜山港などアジア諸港との国際競争が激化する中で、我が国港湾への欧米基幹航路の維持拡大を図るため、集貨、創貨、競争力強化、こうした三本柱から成る国際コンテナ戦略港湾政策に取り組んでいるところでございます。
 現在、基幹航路に投入されるコンテナ船の大型化が進んでおり、例えば欧州航路には二万個積みの超大型のコンテナ船の投入が見込まれております。こうした将来の船舶の大型化も見据え、特に競争力の強化といった観点からは、大水深コンテナターミナルを戦略的に整備していくことが必要と考えております。
 国土交通省といたしましては、国際コンテナ戦略港湾政策を国が前面に立って進めていくことで、我が国経済の国際競争力強化を物流面からしっかり支えるための港湾整備を推進してまいりたいと考えております。
#20
○井上義行君 是非予算の確保とともに整備を強力に進めて、各外国の、我々も競争に勝って日本の港を利用していただくということを私も全力を挙げてやっていきたいと思いますので、是非お願いをしたいというふうに思います。
 そして、訪日五百万人のクルーズ船がやってくると、多くの外国人の方が日本に訪れる、一気に五千人ぐらいの人がやってくるという時代になってきました。そうすると、そうした人に応じていろんなメニューをそろえていく必要があるんだろうというふうに思います。
 最近、私の住んでいるところがちょうど海に面して、熱海とかそれから伊東が近くにあるので、非常にクルーザーというのがはやっていて、富裕層の人が東京からお客さんをクルーザーに乗せて、釣りをしたりあるいは接待をしている光景があると。いろんな地元の人に聞くと、もうクルーザーがいっぱいだ、何とかしてほしいという声もいただいているんですね。
 なかなかクルーザーの所有する人がどのぐらいいるかというのは調査は難しいと思うんですが、やはりクルーズ船で五百万人来るとか、多くの世界の人々の富裕層というのをターゲットにして、あるいは日本の富裕層を受け入れて地方にお金が回る環境というものをつくっていく必要があるというふうに思っていますので、クルーザーの整備もやはりしっかり行っていく必要があると思いますが、局長、いかがでしょうか。
#21
○政府参考人(菊地身智雄君) お答えいたします。
 日本小型船舶検査機構の統計によりますと、我が国におけるクルーザー等を含む総トン数二十トン未満のプレジャーボート、こちらについては平成二十七年度末時点で約二十五万隻というふうになっております。また、今委員御指摘のように、富裕層の方が主に使っておられると思われます二十トン以上の大型のプレジャーボート、こちらについては現在三百隻というふうになっているというふうに伺っております。
 しかしながら、三十メーターを超えるような超大型の豪華クルーザーが泊められるようなマリーナというのが我が国の現状ではほとんどないという状況になっております。今御指摘のように、大型クルーザー等の寄港、停泊場所、こうしたものをしっかり確保していくということは、地方の方の交流であるとかあるいは特産品の購買、消費といったような観点でも大変重要な観点だと思っております。
 今後、大型クルーザー等も含めて、停泊場所のニーズをしっかり把握しながら、関係業界とも連携をしながら必要な施設整備について検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
#22
○井上義行君 是非いろんなバリエーションで整備を進めて、地方にお金が行き渡るような政策をしていただきたいというふうに思っております。
 そして、これから二〇二〇年に向けて多くの外国人観光客も訪れます。やはり新東名を始め様々な道路の着工が行われておりますけれども、整備状況はいかがでしょうか、道路局長。
#23
○政府参考人(石川雄一君) お答えいたします。
 首都圏におきましては、新東名や圏央道などの高規格幹線道路を整備し、都心の渋滞緩和や都市間の連携強化を図っているところでございます。
 具体的には、新東名につきましては、御殿場ジャンクションより西側は既に開通をしております。さらに、平成二十九年度に海老名南ジャンクションから厚木南インター間、平成三十年度に厚木南インターから伊勢原北インター間、平成三十二年度に伊勢原北インターから御殿場ジャンクション間、逐次開通を目指して工事を推進しております。
 また、圏央道につきましては、現在、東名高速から東北道までを含む約八割が開通しております。今年度は境古河インターチェンジからつくば中央インターチェンジの開通を予定しておりまして、これによりまして東関東自動車道までつながる予定でございます。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックでは多くの外国人旅行者の訪日も予想されることから、東京オリンピック・パラリンピックも見据え、地元の協力を得ながら高規格幹線道路の整備を推進してまいります。
#24
○井上義行君 是非整備を進めてもらいたいと思います。
 よく、高速道路が悪だとか言う人がいますけれども、私は全く思いませんね。やはり、高速道路がつながることによって物流が早くなって、そして便利になって、また更に多くの観光客が訪れる、やはり道路の役割、高速道路の役割というのは非常に大きいというふうに思います。
 やはり、つなげるのが早くならないとやっぱりそれだけ需要が逃げてしまいますので、できるだけ早くつなげるようにしていただきたいと思います。それはなぜかというと、小田原から松本に行くとき、圏央道がないときは遠かったんですよ。ところが、圏央道がつながった途端に、八王子まで一時間掛からないですからね、そこから行くと二時間半で行っちゃうんですよ。やっぱり、こういう圏央道がつながったことによってまた東北の人が箱根にやってきたり、あるいは箱根の人が東北に行ったりあるいは信越に行ったり、多くのいろんなバリエーションが出てくる。そのためにも、やはりこの二〇二〇年のオリンピックの時期に多くの方が訪れますので、できるだけ多く分散できるように整備を進めていただきたいというふうに思っております。
 そしてもう一つは、地方に行くと、子供たちが学校に行くときに非常に危ない道路があったりするんですね。私も国土交通省から資料をもらっていろいろ見てみると、ダンプカーが近くにあって、国土交通省に聞くと、地方では道路に色を塗っていろんな創意工夫をしている、涙ぐましいそういうようなことをやっているというふうに思っています。私は、大切なことは、道路そして自転車、歩道と、理想の道路の姿が私はあって、そしてそれを、地方にもしっかりそういう整備をしていくということがやはり大切だというふうに思っています。
 そこで、子供たちが安心して通学ができる、あるいは安心して自転車を乗ることができる、そして自動車も安心して運転できる、こうした環境をしっかりとつくっていく必要があると思いますが、副大臣、こうした中長期的な整備の取組を教えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。田中副大臣、お願いいたします。
#25
○副大臣(田中良生君) 井上委員の御指摘のとおりだと思います。
 安全な通学路、これを確保するためには、歩行者、自転車、自動車、これは基本的にはやはり分離していくことが望ましいと思います。そして、道路構造令においては、それぞれの交通量、こうしたものを踏まえて歩道あるいは自転車道、これを設置することとされているところであります。がしかし、一方において、やはりそのためには空間の確保というものが必要となります。用地買収ですとか関係者との合意形成にやはり時間を要する、こういう場合も少なくありません。そのために、路肩部のカラー舗装による歩行空間を確保するですとか、また矢羽根型の路面標示による自転車通行区間の確保、即効性の高い対策、これを今積極的に推進しているところでございます。国交省といたしましては、社会資本整備の重点計画に基づいて、通学路における歩道等の整備率、これを平成三十二年度に六五%とすることを目標としております。
 今後とも、安全な通学路の確保に鋭意努めてまいりたいと思います。
#26
○井上義行君 そして、住宅分野について質問をしたいというふうに思っております。
 住宅は経済対策あるいは経済の即効性においても非常に重要な分野でございます。家というのは家のみならず家電も動きますし、様々な新しいものが動き出すわけでございます。今、人口が減少する中で、住宅部門をどうやって守り、そしてどうやって進化をさせていくかを大臣と議論をしたいというふうに思っています。
 一つは、例えば、東京で賃貸で暮らしている方がたまにはリゾートで家を持ちたいと考えている人もいるかもしれませんし、あるいは富裕層によっては別荘を持っている方もいる。やはり、これからはいろんなバリエーションがあってもいいんではないかというふうに思います。家を二つ持つなりあるいは複数持つなり、そうしたライフスタイルに合わせて家を持つ、こういうような考え方に立ってもいいんではないかというふうに思います。
 今、セカンドハウスはほとんど、一か月に一度でしょうかね、その実態があれば固定資産税も減免できる仕組みもあるというふうに聞いています。そして、国土交通省としても二地域居住等の促進というのがどうやら始まるということを聞いておりますので、大臣、こうした二地域居住等の促進についての大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#27
○国務大臣(石井啓一君) 今委員が御指摘いただいた複数の生活拠点に居住する二地域居住につきましては、これは豊かに生活を楽しむ住まい方の一つであるだけでなく、国土政策の観点からは、都市と地方との交流、地方への人の流れをもたらすものと考えておりまして、積極的に取り組むべき重要な課題と認識をしております。
 東京在住者を対象といたしました調査によりますと、五十代、六十代の男女の三割以上は二地域居住を行ってみたい又はやや行ってみたいと回答するなど、一定のニーズがあると考えられますけれども、一方で、実行できない理由といたしまして、費用の負担等を課題として挙げた人が多いとのアンケート結果もございます。
 こうした状況の中、二地域居住の促進に向けて国土交通省では、空き家を活用したお試し居住向け施設の整備に対する支援、空き家となっている公営住宅をお試し居住用に活用するための手続の簡素化、移動に掛かる費用を低減するためLCCの参入促進等に取り組んでおります。さらに、二地域居住の推進に係る官民連携によるモデル的な取組の支援を今年度実施することとしておりまして、現在、支援対象の取組の公募を行っているところでございます。
 引き続き、これらの施策によりまして、関係府省や地域公共団体等との連携の下、二地域居住の促進に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
#28
○井上義行君 最後に大臣に、こうした住宅分野をもっと大きな視点で、どういうふうに守り、そしてどういうように推進していくのかを最後にお聞かせ願いたいと思います。
#29
○国務大臣(石井啓一君) 本年三月、今後十年間の住宅政策の基本的な指針となる新たな住生活基本計画を閣議決定をいたしました。
 まず、若年・子育て世帯や高齢者が安心して暮らすことができる住生活の実現に向けまして、子育て世帯向けリフォームや、三世代同居、近居の促進、住宅セーフティーネットの機能強化を図るなど、多様な居住ニーズに応える環境づくりに取り組んでまいりたいと思っております。
 また、良質な住宅が資産として次の世代へ受け継がれるよう、住宅のリフォームに対する支援、良質な既存住宅が市場で適正に評価されるための環境整備など、既存住宅の流通・リフォーム市場の活性化に取り組んでまいりたいと思っております。
 さらに、住宅産業は国民の住生活を支えるとともに、内需の柱として景気を支え、地域経済に大きく貢献しておりますので、強い経済の実現につながる住生活産業の活性化に取り組んでまいりたいと考えております。
 こうした取組を含めまして、新たな住生活基本計画に基づく施策を着実に推進してまいりたいと存じます。
#30
○井上義行君 是非強力に推進していただきたいと思います。
 終わります。
#31
○長浜博行君 異常気象の影響でしょうか、地球温暖化の影響でしょうか、各地の自然災害、異常気象で被災をされた方に心からお見舞いを申し上げたいというふうに思います。
 久しぶりに国土交通委員会に入れていただきました。質問したのはいつだったか、吉田委員長の頃だったかもしれませんですね。本当に久しぶりでございますが、今日は鉢呂先生も御質問されますので、露払いということで私からまず質問をさせていただければというふうに思います。
 大臣所信の中で、交通などの安全確保ということをおっしゃられておられました。軽井沢のスキーバス事故によるところの道路交通法の改正案がちょうど所信をされた一昨日に閣議決定をされて、国会へも提出されたようでありますから、この件に関してはまた別の機会があるというふうに思います。
 私は、先日の近鉄の大阪線河内国分駅、これは十六日でしたか発生をした視覚障害者の転落死のことについて伺いたいというふうに思っております。八月にも東京メトロ銀座線の、比較的近いと思いますが、青山一丁目駅で同様の事故が、事件が起きたわけでございます。これまた一昨日、国土交通省としては、緊急会議、検討会を招集されたということであります。
 今日午前中、ちょうどJR各社あるいは民鉄とのヒアリングの機会がありましたものですから、その際にも現場の話をちょっと聞かせていただきましたけれども、この社会的に移動困難を伴うところの視覚障害者の事件に対する、事故に対する緊急会議ではどのようなことが話し合われたのでしょうか。
#32
○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 駅ホームにおける転落事故防止は大変重要な課題であるというふうに認識をいたしております。このため、これまでも、ホームドアの整備などハード対策や、鉄道利用者による視覚障害者の方への声かけの啓発といったソフト対策など、転落事故防止に向けた対策に取り組んでまいりました。
 このような中、御指摘のとおり、八月十五日に発生いたしました銀座線青山一丁目駅での視覚障害者の方の転落事故を契機に、八月二十六日に駅ホームにおける安全性向上のための検討会を設置いたしまして、ハード、ソフト両面から対策の強化を検討しているところでございます。十月十六日にはまた、御指摘の近畿日本鉄道大阪線で視覚障害者の方の転落事故が発生いたしまして、十八日に第四回検討会を急遽開催いたしました。
 お尋ねのこの検討会での協議事項でございますけれども、まずは近鉄から当日の事故の状況報告を受けた上で、出席者において原因の把握と再発防止に向けた課題について意見交換が行われております。また、転落防止対策の速やかな実施に向けまして、内方線付き点状ブロック、いわゆるどちら側が線路側か分かるようなブロックでありますけれども、でありますとか、簡易に設置ができます固定柵の設置を含めた駅ホームの安全確保の在り方についての検討、加えまして、ホームドアの整備を促進するため、車両扉位置の違いでありますとかコスト低減などの課題に対応可能な新たなタイプのホームドアの技術開発の促進に関する検討のほか、過去二回で視覚障害者団体の皆さんから拝聴した御意見も踏まえ、ハード、ソフト両面における更なる転落防止対策について議論が行われたというふうに報告を受けております。
#33
○長浜博行君 今お話があった警告ブロックですね、点状ブロックと内方線付き点状ブロックを整備をすると同時に、線状の誘導ブロック、こういったものに対して、是非国土交通省は現場に入られてその設置状況等、あるいは、先ほども申し上げましたように、今日のヒアリングによりますと、やはり、安全設備を付けなさいと言うのは結構だけれども、結構だというのは、それは付けないよりは付けた方が確実に予防策になりますが、そのために費用が掛かる、こういった現場事業者の声にも耳を傾けていただければというふうに思うわけであります。
 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、いわゆるバリアフリー法が平成十八年に施行されておりますけれども、十年ぐらいたつ状況の中において、果たしてこれがこの状況の中で見直す部分があるのかどうか。
 東京オリンピック・パラリンピック競技大会への対応ということで、大臣所信の中にもありました。二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を見据えた公共交通機関のバリアフリーの在り方について、国会閉会中の七月に報告書が上がっているようでありますが、私は千葉県ですから成田空港がありますが、成田空港、羽田空港が多分ゲートになって、それから各オリンピック競技場まで、テレビを見てみますと競技場がいつ決まるのか、どこに決まるのか分からない状況でありますが、こういう状況の中で、連続的、一体的なバリアフリーの在り方についてどのような検討を行ったんでしょうか。
#34
○政府参考人(藤田耕三君) お答えいたします。
 御指摘の報告書でございますけれども、東京オリンピック・パラリンピックの開催を見据えまして、障害者、高齢者、外国人等の方々が複数の公共交通機関を利用して円滑に移動できるように、平成二十七年度にモニター調査を行いまして、本年七月に取りまとめたものでございます。
 この調査では、交通需要の増加が想定される成田、羽田空港から競技会場の最寄り駅までの経路等を複数モデルとして取り上げまして、実際にこの経路で移動していただきました。その上で、バリアフリー化の現状等について調べたところでございます。
 モニターからは、例えばエレベーターの案内表示がなくて進むべき方向が分からないとか、あるいはエスカレーターの音声案内が不十分であるとか、階段における視覚障害者向けのコントラストが不十分といった様々な御指摘をいただきました。この結果を受けまして、国土交通省では、関係の事業者に対しまして、もう一度それぞれの施設の状況を確認するとともに、東京大会に向けてより高いレベルのきめ細かなバリアフリーを進めるようにお願いをしたところでございます。
 あわせて、東京大会に向けましては、先般、政府の方で取りまとめましたユニバーサルデザイン二〇二〇中間取りまとめがございます、この中でも今後の取組を進めることとしておりまして、その取組の一環としましてバリアフリー基準の見直し等にも着手したいと考えております。
#35
○長浜博行君 ですから、現行のバリアフリー法の改正、強化等々の必要性というのは現在感じておられないということでよろしいでしょうか。
#36
○政府参考人(藤田耕三君) ただいま申し上げましたように、今後、東京オリンピック・パラリンピックに向けましてバリアフリー基準の見直し等を進めることにしております。その結果を踏まえて必要な制度の見直しも行ってまいりたいと考えております。
#37
○長浜博行君 首都圏空港の機能強化ということも大変大きなハードの課題でありますけれども、社会的弱者と言ったらいいんでしょうか、移動困難者の移動を責任を持てるようなある種のソフトですね、こういった部分における配慮も是非国交行政の中において重点を置いていただきたいというふうに思います。
 所信の中にあった心のバリアフリー、心のバリアフリーの推進、バリアフリー化の促進に関する国民の理解、協力の促進ということがあったと思いますが、進んでいると思いますか。
#38
○政府参考人(藤田耕三君) 心のバリアフリーにつきましては、国土交通省では、例えば平成十三年度から、高齢者、障害者等の疑似体験等を通じましてバリアフリーに対する国民の理解の増進を図るべく、バリアフリー教室を各地で開催しております。これまで開催回数二千百回を超えまして、延べ十二万人以上の方に御参加をいただきました。
 また、本年四月には障害者差別解消法が施行されましたので、これを受けまして、障害を理由とする差別の解消や合理的配慮の提供の確保に向けて、所管事業向けの対応指針の策定、セミナーの開催等にも取り組んでおります。
 さらに、先ほど申し上げたユニバーサルデザイン二〇二〇中間取りまとめにおいて、東京オリンピック・パラリンピック大会に向けまして政府全体で心のバリアフリーに取り組むということを確認されておりますので、国土交通省においても、交通・観光分野における接遇の向上、職員研修の充実等に努めることとしております。
 進んでいるかということの評価は、なかなかこれは難しいわけでございますけれども、先ほど申し上げたバリアフリー教室の参加者からは、アンケートの結果によれば、理解が深まったという声も多く頂戴をしております。地道な努力を通じまして、心のバリアフリーを更に広げていくことが大事だと思っております。
#39
○長浜博行君 このやり取りを聞いて、大臣、どうお感じになりますか。
#40
○国務大臣(石井啓一君) 委員御指摘のとおり、バリアフリー、非常に重要な課題でございます。ハード面、また今御指摘のあった心のバリアフリー、いずれも非常に重要な課題でございますので、国土交通省としても全力で取り組んでまいりたいと存じます。
#41
○長浜博行君 久しぶりに質疑と申し上げましたけれども、以前は冬柴大臣の頃だったと思いますが、大変こういった社会的弱者、ハンディキャップを負っておられる方に対する意識の高かった大臣もいらっしゃいますので、是非石井大臣におかれましては、このオリンピックに目指して、日本の国が、ハードの面では恥ずかしくないんだけれども、いわゆるソフトの面で、心の面で随分考え方が違うなと言われないように、国土交通省としても御指導をいただければというふうに思うわけでございます。
 それからもう一つは、大臣所信になかったところであります。私は、ここにおられる委員の方は皆さん昨日本会議に出たわけでありますが、パリ協定が登壇物扱いになるというような状況の中における地球温暖化の問題というのは各省が認識をしなければならないと思いますけれども、内閣に地球温暖化対策本部が設置をされておりますが、大臣はメンバーですか。
#42
○国務大臣(石井啓一君) 突然のお尋ねなのでちょっと確認をしておりませんが、メンバーだったと思います。
#43
○長浜博行君 総理大臣が本部長で、全大臣がメンバーでございます。
 各省庁の中におけるやはり政策のポイントは、持続可能性というのが大きな視点ではないかなというふうに思っております。パリ協定についても説明は昨日の本会議でやっておられましたので、ここではしません。しかし、この状況の中で、国土交通省と関連の深い三部門、三部門というのは、運輸と業務その他、そして家庭という分け方をしますが、運輸がCO2換算排出量の大体一七%ぐらい、業務その他、家庭で三六%ですから、いわゆる全体の五割を国土交通省と関連の深い分野で出ているわけでございます。
 予算委員会の中の質疑の中でもありましたけれども、なぜ批准のための本会議上程が遅れているのかというのは、当たり前でありますけれども、閣議決定をしなかったからこの批准のための本会議が開けないわけであります。予算委員会を与野党共に傍聴されていた方がいらっしゃると思いますが、山本大臣とのやり取りの中において、非常に不思議だなと。審議は国会に任せておりますから、早く審議してくれれば、昨日の時点で、批准された国によるところの第一回の締約国会議が開かれるというリミットが昨日でありましたので昨日までにやってくれという状況でありましたけれども、あの予算委員会が参議院で開かれたのは十月の五日でありますし、この条約が閣議決定をされたのは十月十一日でありますから、これ与野党関係なく質疑をしようと思っても、閣議決定されず国会に出ていないわけですから、やりようがないんですね。
 ところが、今申し上げたように、大体五〇%ぐらい近い国土交通行政の中で関与されている状況の中において、これは外務大臣答弁もそれから総理大臣答弁もそうですが、国内における様々な対応の担保に関する政府内の調整等を続けているために時間が掛かったということをおっしゃるわけでありますが、今申し上げたように、かなりの部分を占めているこの国土交通省の中において、この条約批准に係る国内整備、担保の部分において引っかかっていた部分があるんでしょうか。
#44
○政府参考人(藤田耕三君) パリ協定につきましては、昨年の十二月にCOP21で採択されたわけでございますけれども、政府としては、昨年七月に、二〇三〇年度における温室効果ガスの二〇一三年度比二六%削減という目標を国連に提出し、本年五月、地球温暖化対策計画を閣議決定しております。その過程で、国土交通省としても種々調整をしてまいりました。締結に向けた手続は外務省を中心に進められているものと承知しております。
#45
○長浜博行君 昨日、ヒアリングのときもその件は確認をしておりますけれども、いわゆる国交省が、まあ変な言い方ですけど、意地悪をして何かを止めているとか、あるいは善意で言えば厳しくチェックをしないと、この条約のここに問題があるから批准はしばらく待ってくれというような状況には全くなっていないんですね。そして、経産と外務は、本会議、大臣が登壇していましたので、あの状況の中において御自身も認識をしていないという状況ですから、一体何が、国内担保のところでこの内閣の条約案件が閣議決定が遅れたのか、今もって私には腑に落ちないというところでございます。
 国交省における地球温暖化対策、今、局長ですか、御説明があったとおり、もう既に一三年比二六%削減、三〇年度までというのは、別にパリ協定と関係なく各省の対策も進んでいますし、平成二十六年の三月時点で、これは社会資本整備審議会の環境部会と交通政策審議会の交通体系の分科会の環境部会の合同会議で二十六年三月時点で国交省の環境行動計画が策定をされていると、こういう理解でよろしいですか。
#46
○政府参考人(藤田耕三君) 御指摘のとおり、平成二十六年に国土交通省の環境行動計画を策定してございます。
#47
○長浜博行君 国交省における地球温暖化対策の緩和策の推進ということは図られていますが、この、まあ環境用語で言うところの適応策ですね、こちらの方はどのように進んでおられるのでしょうか。
#48
○政府参考人(藤田耕三君) いわゆる地球温暖化の適応策につきましても、この環境行動計画の中に一つの項目として位置付けてございます。
#49
○長浜博行君 いつ、どういう形で位置付けておられるんですか。
#50
○政府参考人(藤田耕三君) 平成二十七年の十一月に、国土交通省が取り組むべき適応策の考え方、施策を示した国土交通省気候変動適応計画というものを策定をしております。
#51
○長浜博行君 そうですね。ですから、さっき申し上げた三月の時点での環境行動計画の後に、二十七年の十一月にいわゆる緩和策に続いて適応計画も作られていると、こういう状況であります。
 ですから、この国土交通行政における環境的な在り方、持続可能性、特に、さっきも申し上げました業務その他、家庭部門の中におけるオフィスビルを含むCO2の増加傾向と、こういう状況の中における環境問題の在り方について、大臣はこのやり取りを聞いてどのようにお感じになりますか。
#52
○国務大臣(石井啓一君) 国土交通省としましては、運輸部門、業務部門、家庭部門におきます温室効果ガス排出削減におきまして重要な役割を担っているものと認識してございます。
 今委員御指摘いただいたように、既に平成二十六年に国土交通省としては環境行動計画を策定してございますが、本年五月に策定をされました政府の地球温暖化対策に国土交通分野の新たな取組や指標を盛り込んだところでございまして、これらを国土交通省の環境行動計画にも反映させるため、現在、この環境行動計画の改定作業を行っているところでございます。
 引き続き、これらの計画に掲げた施策を着実に実行いたしまして、地球温暖化対策に貢献をしていきたいと考えております。
#53
○長浜博行君 二〇二〇年はオリンピック目指して観光客も増えてくると思いますが、日本の社会資本、特に運輸、交通、それから業務部門を所管する国土交通省のハードとソフトの持続可能性について、大臣も厳しくチェックをしていただければというふうに思っております。
 終わります。
#54
○鉢呂吉雄君 民進党の鉢呂吉雄です。
 四年ぶりに国会に戻ってまいりまして、また、与党時代は質問がなかったと記憶しておりますから約七、八年ぶりの野党としての質問という形で、委員長、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 国土交通委員会という大変重要な委員会であります。
 私が参議員になった途端に、北海道では大変未曽有の台風に伴う災害というものが惹起いたしました。そして、四年余りの浪人生活中、今も参議院は三分の一野党という形であります。石井大臣とも共に野党という形で仕事をさせていただいたことも記憶をしておるところでございます。
 そういう中で、最近の、ハウスは違うといいながら、衆議院でTPPの特別委員会、必ずしも正常でない。担当与党の理事が強行採決を公言したり、また、農水大臣が強行採決と、議運委員長がと。
 石井大臣、私は山本大臣は辞任してしかるべきと思いますが、いかがですか。
#55
○国務大臣(石井啓一君) 山本大臣は御自身の発言を撤回をして謝罪をされたというふうに承知をしてございます。
#56
○鉢呂吉雄君 私どもは三分の一でありますけれども、安倍内閣のこの間の政治姿勢は、数に物を言わせてというところが、国民の一人として見た場合、非常に心配でなりません。
 私はそういう面で、私どもも国民の代弁者として、代表としてこの間、質問に立つわけであります。是非、大臣はいつも謙虚な方というふうに私は承知しておりますので、今日の質問に対しても謙虚に御答弁、また大臣としての見識、あるいはリーダーシップを取った御発言を是非お願いをいたしたいのでございます。
 今回の台風による災害、まだ行方不明者が複数いらっしゃいます。河川が決壊をして亡くなったまま、まだ発見できない。また、道路が、橋が落下して、それに飛び込むような形で、もう雪が、今日はみぞれ、平地でも雪が降るような北海道の天気の中で、また、私が羅臼町に行きましたら、あの知床半島の国道で土砂災害で国道、道路が埋まった段階で、そのパトロールをしている、まさに国の責任ある国道のパトロールする建設会社の方がその土砂に押し流されて亡くなるという大変痛ましい中でございました。
 今なおいろいろな形で爪痕が深いわけでありますけれども、これらについて、私は事例の事実関係は国交省の職員の皆さんとも協議をしておりますので、大臣にはその見解を、経過についての二重になるような答弁は要りませんので、是非その点でお願いをしたいのでございます。
 まず一つは、この大臣の所信を何回か読まさせていただきました。冒頭の方で、昨年九月の関東・東北豪雨を踏まえて、大災害は必ず発生すると、こういう意識を社会全体で共有し、これに備える防災意識社会への転換を図っていきたいと、こういう形であります。これは間違いないですね、このとおりで。
#57
○国務大臣(石井啓一君) はい、そのとおりでございます。
#58
○鉢呂吉雄君 その後に、洪水氾濫を未然に防ぐ対策を着実に推進するとともに、地域で一体的、計画的に浸水対策を実施する取組を国管理の河川で引き続き強力に推進しと、これもこのとおり受け止めてよろしいでしょうか。
#59
○国務大臣(石井啓一君) そのとおりでございます。
#60
○鉢呂吉雄君 その中で、今回の北海道の台風十号の災害の中で、北海道の中央部、富良野市というのは、皆さんもお聞きになった市の名前が多いと思います、その隣接した南側に南富良野町というのがございます。そこの一級河川、国が直接直轄をしておる空知川、この空知川が二か所決壊をするという形で、幾寅という地域なんですけれども、ほぼ町役場の中心市街地半分近くは浸水、床上等の大災害に至ったわけでございます。
 その中で、国交省の出先機関がいわゆる洪水予想シミュレーションというものを作っておったということで、私もいただきました。かなり詳細な形で、国交省の担当者に聞けば、このシミュレーションと同じように破堤をして浸水をしたと、こういう形であります。
 そういう中で、大臣は地域と一体で作っていこうと、こういう考えなんですけれども、まあまだ作っているさなかだというような形で、これが南富良野町の自治体あるいは住民の皆さんと十分共有されておらなかったということで、破堤をする直前に役場の方には連絡、このシミュレーションがファクス等で行ったんですけれども、結局のところは間に合わずに、これを使っての、避難ということはその前に行われておったと。
 私も、大臣も行ったかも分かりませんが、多くの町民の皆さんが避難をしたセンター、「みなくる」という町保健福祉センター、ここに私どもも行ったら、ボランティアが、中に入った泥をかき上げる作業も宗教団体の皆さんも含めて大変なボランティアでやっていました。
 そこに多くの方が避難したそうです。ところが、そこに泥水が襲ってきた。幸い、次の日に地元の歌手のショーがあったということで、一階を避けて二階に避難をさせて事なきを得たと、こういう偶然が、いい偶然が重なって事なきを得たという形であります。
 そういう中で、国交省も、予想と実際の浸水エリアはほぼ同一で、町との情報共有が不足しておったということを認めておるわけであります。この点については大臣もそのように受け止めておりますか。
#61
○国務大臣(石井啓一君) 本年八月の台風十号の大雨によりまして堤防が決壊をし、大きな被害が生じました金山ダム上流の空知川につきましては、水防法に基づいて避難確保のために作成することとされておりました浸水想定区域図はまだ作成をしてございませんでした。このため、今回の災害も踏まえまして、来年の出水期までには作成、公表できるよう準備を進めてまいりたいと思っております。
 浸水予想を河川の事務所が洪水の当日になって町に示したということでございますけれども、この台風十号の大雨の際には、河川の事務の所長から、南富良野町長にホットラインにより河川の逼迫した状況をお伝えをしておりました。その際、水防法に基づく精度の高い浸水想定区域図はまだ作っておりませんでしたけれども、河川改修事業の効果の検討をするために作成中であった今御指摘のあった氾濫シミュレーションの図面がございましたので、住民避難の参考になると判断をいたしまして、急遽南富良野町に提供したということでございます。
 水防法に基づく浸水想定区域図ではなかったため事前に提供はしていなかったわけでありますけれども、今回の経験も踏まえまして、ほかの目的で作られていても住民避難の参考となる資料がある場合には、それが今回のように作成途上であっても役立つということであれば自治体にできるだけ早い段階で提供できることが必要だと考えております。そのため、国の管理河川におきましては、水防法に基づく浸水想定区域図を必要とするもののまだ未発表の河川の区間については、速やかに水防法に基づく浸水想定区域図を作成、公表するとともに、公表までの間においても、避難の参考となるその他の資料があれば自治体に提供するよう指示をしたところでございます。
#62
○鉢呂吉雄君 先ほどの「みなくる」というセンターは、ちょうどこのシミュレーションによれば二メートル、浸水の高さでいけば浸水する地域に入っておったという形で、まさに一階に避難をすれば大変な惨事も想定されたという形であります。
 今大臣言われましたように、私はそのことは非常に大事だと。同時に、その策定過程で、作成過程でやっぱり、住民と一体的、計画的というふうに大臣は言っておるわけですから、作成当初からそういった形を自治体なり住民の代表と協議をして、こういうものを作るんですよとか、こういう形で今試案が出ましたとか、そういうことがやっぱり、先ほど言った、意識を共有すると、こういう観点から私は必要ではないかと。やっぱり専門家が自ら独占的にやって示せばいいという形ではないのではないかと。
 町長さんの話では、あそこが、センターが床上浸水するとは想像だにしなかった。考えてみれば、堤防が破堤すれば、割と低い低地なんですね、そこの地域は、そういうことは住民の皆さんは、破堤をすればこっちが危ないということはそういう策定過程であれば分かっていくことでありますから、私はそのことを、是非全国的にそれを周知をしてやっていきたいと、そのことが大臣の言ういわゆる意識改革をすることにつながると、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
#63
○国務大臣(石井啓一君) 今委員から御紹介いただいたとおり、昨年の関東・東北豪雨を踏まえまして、施設では防ぎ切れない大洪水が必ず発生するという考え方に立って、社会全体で洪水に備えるという水防災意識社会再構築ビジョンの取組を昨年から進めております。まずは国管理河川ということで進めておりまして、今後はこれ県の管理河川にも広げていくつもりですが、この取組において、それぞれの水系ごと、地域ごとに協議会を設けてございます。
 これ、河川管理者と県や地元自治体等が入って協議会を設置して、その中で意見交換、意思疎通を図りながらやっていきたいと思っておりますので、今委員が御指摘いただいたような情報につきましても、この協議会の中でなるべく自治体の皆さんと丁寧に意見交換を、意思疎通をしながら進めていきたいと考えております。
#64
○鉢呂吉雄君 大臣、順番としては三番目になるんですが、堤防の補強対策といいますか、関連がありますのでそちらの方を先にやらさせていただきたいと思います。
 昨年の鬼怒川の決壊ですとか、北海道の今回でいえば先ほどの空知川、常呂川あるいは芽室川と堤防が決壊をする、氾濫をすると、こういう事例があったわけであります。
 事務当局に聞けば、それらの対策は常時監視をするシステムがあるんだと、河川管理者としてそのことはきちんとやらなければならないんだと、こういうことでありますけれども、私は今回、やっぱり堤防がもう決壊をすればこれは大変な重大な、国民生活に大きな影響を与えるわけですから甚大であります。
 ですから、私は、この二、三年の、数年のこういう状況を見まして、全国一斉のこれらの河川の堤防状況についての集中的な調査というものをやっぱり国交省のお力でやっていく必要があると。まだ国の河川の状態でも先ほど言ったような状態です。これが、都道府県管理の河川はもっと予算もないし、なかなかそこまで目が行かないという状況です。
 私は、以前、もう二十年前になりますけれども、私の地元の北海道の豊浜トンネルというのが、トンネルでありましたけれども、崩落しました。痛ましい命が二十名以上亡くなった。今も記憶されている方もいらっしゃるかと思います。当時、建設省でありましたけれども、橋本道路局長、事務次官にもなった方ですけれども、彼と連絡取って、橋本鋼太郎さんといいましたかな、全国、トンネル危険箇所の調査をやって、その後の予算あるいは補正予算も含めて重点的に予算を付けて、全国のそういう危険箇所の整備をしたことがございました。その後大きな事故に至らない状況はあのときできたのではないかと。
 ですから、私は、この経験も照らせば、こういった堤防あるいは道路ののり面、後で話しますけれども、まだ国道で見通しが付かない道路もあるわけです。そういったものは全国各地にあるのではないかと。こういう形からいけば、是非大臣に、そういった全国一斉の緊急調査、それに基づく対応をやることが必要ではないか、御答弁願います。
#65
○国務大臣(石井啓一君) 今委員御指摘いただいた平成八年二月の豊浜トンネルの岩盤崩落事故、これは台風や地震が直接引き金になっていない突発的な事故でございましたので、類似の事象が想定される全国のトンネル坑口ののり面、斜面に対象を限定をいたしまして緊急的な点検及び対策を実施したものでございます。
 一方で、道路のり面の危険箇所や河川堤防の状況については、日頃より適切に把握していくことが重要でございまして、一年に一回以上、適切な頻度で点検を実施することとしてございます。さらに、大規模な災害が発生した後には必要に応じて対応を行っております。例えば、河川の堤防について申し上げれば、平成二十四年の九州北部豪雨や昨年の関東・東北豪雨を受け、全国的に点検を行っております。
 その結果などを踏まえ、堤防のかさ上げや漏水対策など洪水氾濫を未然に防ぐ対策に対しまして、国管理河川においては今後五年間で優先的に予算を配分するとともに、都道府県管理河川においては防災・安全交付金で重点的に支援をしてございます。
 また、道路につきましては点検により危険箇所を記したカルテを作ってございまして、防災点検箇所として全国的に三十七万か所ございますが、危険箇所としてカルテを策定しているのが十九万か所ございます。そのうち、対策が必要な箇所が七万か所、観察を必要とする箇所が十二万か所ということで、道路ののり面についてはこういったカルテを既に作成をしてございます。これを適宜更新するとともに、こういったカルテを用いて事前の通行規制の実施や優先順位を付けて防災対策を進めているところでございまして、引き続き、こういった河川堤防や道路ののり面の防災対策を適切に実施していきたいと考えております。
#66
○鉢呂吉雄君 先ほどの空知川の関係は、氾濫シミュレーションでシミュレーションの段階で三日間で二百五十ミリの雨量想定をして、今回の実績といいますか実態は三日間で二百八十四ミリと、ほぼこのシミュレーションと同じような形で雨が降って、堤防が一か所というシミュレーションが二か所破堤をしておる状況です。私は、国ですからこういうものが、シミュレーションがあったんだろうというふうに思います。
 先ほど言ったように、都道府県の河川については、まだまだそういう意識なりあるいはまたそういう実際のシミュレーションの描き方などがなされておらないと。例えば、石狩川の河口では、去年の鬼怒川の堤防の決壊で、例えば天端を舗装するとか強力に護岸等でのり面を補強すると、こういうことが既にやられているんですけれども、都道府県は、そういう通達はあることは知っているけれども、なかなかやるところまで至っていないと。
 こういう形で、私は、この点についてはやっぱり、あのトンネルの崩落は自然のあれではありませんけれども、しかし、そういう人命を守るという点で、大臣のリーダーシップでやっぱり一斉にきちんと、一年に一回は道路管理者がやっていますということなんだけれども、こういう事例に合わせて集中的に、国土交通省としてどういう実態にあるのかやっぱり調査をすると。
 そして同時に、先ほど言った防災交付金ですか、一兆円規模の、あるんですけれども、これはもうほかの省庁も入っています。いろいろなものの、道路もあれば、いろいろな防災上のお金に使うことができるという形で、まあ分捕り合戦。なかなか、堤防の破堤だとか、道路が決定的にのり面を崩壊して重大な影響になるというところに重点的に充てられるかといったら、そうはなっていない。
 そういう面についても、私は、この財源的な、予算的なものについても大臣のリーダーシップを取っていただきたいと。もう一度御答弁願います。
#67
○国務大臣(石井啓一君) 今委員が御紹介いただいた石狩川の堤防ののり面の舗装あるいはのり尻にブロック等を積む、実はこれは、先ほど御紹介した昨年の鬼怒川の破堤を踏まえて水防災意識社会再構築ビジョンの中で取り組んでいる取組の一つでございます。
 といいますのも、昨年の鬼怒川は堤防を越水をして堤防が破堤をしたということでありますけれども、したがって、河川についてはなるべく安全に洪水を流すための堤防の整備やあるいは河道の掘削等を行うと同時に、それはなかなか時間と予算が必要でございますので、万が一越水した場合にも、簡単に破堤をしない、避難できる時間を少しでも稼げるように、強靱な、しなやかな堤防を造っていこうということで、堤防の天端を舗装したり、ですから、これは雨水の浸透をなるべく防ぐ。あるいは、のり尻をブロックを積むということは、越水するとのり尻から崩れていくということがございますので、そういうことをやろうとして、今、直轄区間は昨年からそういうことを実施しまして、特に五か年の重点区間を設けて、今計画的に着実に実施をしているところでございます。
 これは、昨年からスタートした時点では、まず国の管理河川からやろうということで行っておりますが、今年の八月に、これを今後、県の管理河川についても広げていこうということを決定をいたしました。決定をしたところはもう、今回の北海道やあるいは東北、岩手の災害がございましたので、この県管理河川についての取組を更に加速をしていこうということで、私ども国土交通省としてはそういう意気込みで今取組を始めたところでございまして、県の管理河川区間についても直轄と同様に、同じレベルにはなかなか、県の管理河川というのは非常に数も多うございますし、まだまだ整備されていないところもたくさんございますので、直轄河川とすぐ同じ安全度になるかというと、それはなかなか難しいところもあるかもしれませんが、県管理河川についても同様の取組をこれから加速化していきたいと思っております。
#68
○鉢呂吉雄君 だから、加速化するということは、目に見えた形で、予算が莫大に掛かるわけですから、そこを重点的に進めるには、やっぱり全国の一斉調査に基づいてきちんと予算を確保するということを私自身は求めておると。大臣も、言葉にここ書いてあるわけですから、何年でそれを行えるのか、そのぐらいのことは、後ほどまだ聞かせてもらいますので、きちんとやってほしいと思います。
 それでは、先ほどの改良復旧の関係です。
 私も、地元の皆さん、野党ですから、余り国交省の現場の皆さんではなくて地元の皆さんの案内でいろんなところを調査させていただきました。
 旭川市の近郊に、隣接地域に美瑛町、これは農村風景では全国的に有名な美瑛町、そこの九線橋、これは九線、数字の九線橋というえらい新しい橋が落下して、そこにありました。その先の住民は農家の人が多いんですが、大変不便だという形で、鉢呂さん、これ六年前に建設した橋が同じような形で落下したんだと、こういう形でありました。
 最初は昭和五十七年三月に完成して、二十八年ぶりに六年前に、これも災害で二億八千万掛かって橋を建設した。その同じところが落下して、国交省の事務当局に言わせれば落下の原因は違うと。橋台というて、道路の接続部の端に橋台、ここが今回、一方の橋台が、背後地まで濁流が来てそこが不安定になって、五・五メーターその橋台が沈下したと、したがって、主桁というか橋梁も、二つに渡っているんですけれども、一か所が落下しておると。
 私は、六年前に同じような形で災害で復帰して、またぞろ今回、二億八千万、本当に大切な税金です。私は、こういうところについては、もっとやっぱり原形復旧ではなくて改良復旧、どういう状態で濁流が来ても今度は大丈夫だと、こういう形をやる必要があると。改良部分については補助率が二分の一、激甚災害でもその部分は補助率がぐうっと下がるという形で、これも国の直轄の橋ではありません。したがって、なかなか町当局、都道府県当局は改良にすることについてもいろいろ頭を悩ますと思うんですね。ですから、改良復旧をして、以降六年また同じような流れが来たら橋が落下するというようなことがないような設計と、そして補助率を激甚災害並みに改良部分を適用すると。
 これは大臣にその御見解をお伺いいたします。
#69
○国務大臣(石井啓一君) 今御指摘いただきました石狩川水系辺別川に架かる九線橋でございますけれども、平成二十二年八月の豪雨で落橋してございます。その後、災害復旧をいたしましたが、今回の台風、この夏の台風による記録的な豪雨でも落橋してございます。同様に落橋したということは同じなのでありますが、この被災の形態が若干異なってございます。
 平成二十二年八月の豪雨の場合は、河道の中央部で局所的に洗掘が発生をいたしまして、川の中央に設置をしていました橋脚が洗掘によって沈下をして被災をしたという災害の形態でございます。このため、この復旧に当たっては、橋脚の基礎を従来より深い位置に設置をして、再度災害を受けることを防止する対策を実施してございますので、今回の台風でもこの橋脚自体は被災をしておりません、守られています。そういう意味で、二十二年の災害の後の復旧対策は一定程度の効果はあったというふうに思っております。
 今回の台風による、この夏の台風による記録的な豪雨では、この九線橋の上流側の堰の一部が倒壊をしまして流れを塞いだため陸地側に洪水流が回りまして、橋台と陸上部との取付け部の、橋台の裏側が浸食されて、それで被災をされたということでございます。河岸が削られて橋台の裏側が浸食をされてしまったということで、被災の形態が今回と平成二十二年とは大きく異なっているところでございます。
 今回の災害の復旧に当たりましては、河川管理者である北海道及び道路管理者である美瑛町が被災の状況や被災の原因を踏まえた上で、これは地域の生活上非常に重要な道路でございますので、再度災害の防止のため改良復旧も含めて検討していくものと聞いてございます。
 国としては、北海道及び美瑛町から御相談があれば必要なアドバイス等を行ってまいりたいと考えております。
#70
○鉢呂吉雄君 ちょっと時間が経過しましたので、鉄道関係に移りますので、大臣の方、事実経過は私も知っていますので大臣の見解は簡潔にお願いしたいと思います。事実経過をまたしゃべられれば私と同じ、重複しますから、そのことは全部私も知っていますので、時間がありませんのでお願いをいたしたいと思います。
 鉄道関係、これは台風で、根室線、これは道央部から道東部まで行く北海道の主要な幹線鉄道であります。そこの復旧の見通しがいまだ立っておらないという形でございます。これもJR北海道の発表では、来春、早くても春、この建設に着工できるかというJR側の発表でございます。
 私は、中身を見ますと、必ずしも全部、着工するのに、北海道は雪が来ますから大変です。十四か所程度、いろいろなこの災害箇所があるんですが、やっぱりもう調査、設計終わったところからどんどんこの復旧建設に着工しなければ、私は、最後の尻ではなくて建設着工が来年早くても春になりますということでは、やっぱり道民の皆さんの足としてこれはやっていけないと思うんですね。
 ですから、大臣が、もう途絶しているのは二つの鉄道しかありません、適宜やっぱり大臣、副大臣もいらっしゃいますから、進捗状況を見て、建設着手するものは建設着手をJR北海道に指導するという形を取っていただきたいし、この建設、復旧、鉄道の復旧事業は国と道が最大四分の一ずつ、したがって鉄道事業者は二分の一以上を負担すると。これでは、今JR北海道の経営状況からいけば、ほかのところも相当この災害でいかれてしまいました、なかなか難しいと思うんですけれども、特段の、従来対応策以上のものを取っていただきたいと、これは大臣に強く要請するところでございます。
#71
○国務大臣(石井啓一君) 私も被災後の九月の三日に新得駅の構内で鉄道橋梁が流失した箇所の現場を訪問いたしまして、従来にない非常に大きな災害が発生したことを実感をいたしました。
 こうした被害の状況を十分に踏まえた上で、災害に強い鉄道が構築されることをも念頭に置きながら、まずは被災した施設の早期復旧に向けまして、鉄道軌道整備法に基づく災害復旧事業費補助制度を始めといたしまして、必要な支援について検討してまいりたいと考えております。
#72
○鉢呂吉雄君 もう一つ、日高線という鉄道がございます。今回の台風で橋梁が流失したり路盤が流失、護岸が倒壊という形で、現在も不通になっています。
 JR当局、そして国交省に聞いても、この調査自体が人が足りなくて調査できないと。今どんどんどんどん復旧の建設にも掛かっておるところが北海道の鉄道であるにもかかわらず、ここは調査自体が人がないのでやれないという昨日、おとといの答弁なわけです。
 私はこれはおかしいと思うんですね。なぜこれは調査できないんですか。
#73
○国務大臣(石井啓一君) 日高線につきましては、昨年一月及び九月の被災に加えまして、今年の夏から、八月から九月にかけての一連の台風によりまして、豊郷駅から清畠駅間で橋梁の流失、厚賀駅から大狩部駅間で護岸の倒壊等の被害が生じております。
 これらの被災箇所の中には、海岸沿いにありアクセスが困難であることや、斜面崩壊等の二次災害のおそれがあること等の理由により、被災箇所に立ち入ることができず、被災状況を確認できない区間があると聞いております。
#74
○鉢呂吉雄君 それほど、先ほど言った根室線に比べると入れない箇所では全くありません。今大臣が言われたのは私は当たっていないと、こういうふうに思います。
 これは、調査自体は、これは河口口です。一つは河口口の陸橋というか橋、もう一つは護岸が浸食していると、こういう状況ですから、私は速やかにやるべきだと思います。大臣、その点はやるというふうに言っていただければ有り難いと思います。
#75
○国務大臣(石井啓一君) 日高線につきましては、昨年六月以降、復旧方針について実務的な検討を行うJR日高線検討会議、これはJR北海道、それから北海道、北海道運輸局で実務的な検討を行ってございます。また、路線を持続的に維持していくための方策を検討するJR日高線沿線自治体協議会、これは沿線の七つの町長さん、JR北海道、そして北海道が加わって協議会が行われておりまして、検討が行われておるところと承知をしてございます。
 この議論を進めていく中で、今般の一連の台風による施設の被災状況の把握や復旧方法の検討が行われ、その後、復旧費用も示されると考えております。
#76
○鉢呂吉雄君 私はそれはあべこべだと思いますよ。
 調査をして工事費用も出ないで、どういったふうにそれは協議するんですか。去年のやつは三十八億というふうに出ています。そして、その協議会が設定されていることも事実です。しかし、地元の皆さんは、今回の災害について調査すらしないと、これは大変不信感を持っていますよ。
 これ、大臣、私はおかしいと思いますね。やっぱりきちんと調査をすべきだと。その上に立って、どういった負担をするとかということはあるかも分かりません。
#77
○国務大臣(石井啓一君) 調査をする主体はJR北海道でございます。JR北海道は、このJR日高線検討会議あるいはJR日高線沿線自治体協議会、これらの議論を進めていく中で今般の一連の台風による施設の被災状況の把握や復旧方法の検討が行っていくものと、このように承知をしております。
#78
○鉢呂吉雄君 私は、自然災害があったときのどのぐらいの復旧のために費用が掛かるかということは、やはりきちんとその事業者にやらせるべきであると、こういうふうに思います。
 同時に、今週、十月十六日、菅官房長官が札幌で講演をしました。その際、地域の北海道のJRについて、地域の足、農林水産業にも極めて大事な鉄道と、従来の対応策の枠を超える形で支援したいと、こういうふうに述べておるんですが、大臣、これについてはどういう考えを持っていますか。
#79
○国務大臣(石井啓一君) 長官がおっしゃった従来の対応策の枠を超える形ということでありますが、先ほど申し上げましたように、災害復旧事業費補助制度を最大限活用することを始め、必要な支援についてしっかり検討していくという趣旨であると理解をしております。
#80
○鉢呂吉雄君 私は、官房長官は政府の一員です。所管の大臣は石井大臣です。官房長官が、こういった従来の枠にとらわれない、枠を超える形で支援したいという、明確に意向を発言しているんですね。
 今の石井大臣の答弁は曖昧で分かりません。枠を超えた支援をするんですか。官房長官が言っているんです。官房長官を、委員長、ここで政府委員としてこの委員会に招致をしていただかなければなりません。大臣の御答弁をお願いします。
#81
○国務大臣(石井啓一君) 官房長官の発言は、先ほど申し上げたとおり、災害復旧事業費補助制度を最大限活用することを始め、必要な支援についてしっかり検討していくという趣旨であると理解をしております。
#82
○鉢呂吉雄君 必要な支援ということは、従来の枠を超えるというふうに理解をしていいんですか。
#83
○国務大臣(石井啓一君) 必要な支援は必要な支援でございます。
#84
○鉢呂吉雄君 私は、国土交通委員会で菅官房長官の、答弁席に立っていただくことを協議していただきたいと思います。
#85
○委員長(増子輝彦君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議をいたします。
#86
○鉢呂吉雄君 実は、JR北海道は、七月二十九日にJR北海道の今後の持続可能な鉄道の在り方という形で公表しておる問題がございます。
 時間がなくなりましたから少しはしょりますけれども、自社で、これはJR北海道で維持できない路線について秋までに公表すると。JR北海道単独での維持が困難な路線について関係自治体と事業の抜本的な見直しに向けて協議に入る方針という形を示して、鉄道施設を自治体が保有をして運行はJRが専念すると、上下分離方式等を検討しなければならないと。
 北海道の各道民の皆さん、自治体の皆さんはこれを衝撃を持って迎えたわけであります。私も、選挙中あるいは選挙終わってからも、この鉄道沿線の自治体の皆さん、住民の皆さんと論議をさせていただきました。もう七つ、八つ、日高線の皆さんはもちろんです、石北線、釧網線、宗谷線、根室線、札沼線、留萌線、現地調査と協議もさせていただきました。
 沿線の皆さんは、公共交通としての鉄道、その定時性とか利用者の安全性、交通弱者を救うという形で不可欠なものという認識であります。安倍内閣の地方創生に全く相反するものではないかと。
 先ほども質問がありました。都会の方はどんどんどんどん、それは行政の支援がなくても展開をしていると。しかし、地方に行けば行くほど、私も十三年ぶりに北海道全域を回らせていただきましたけれども、十三年前よりもずっと疲弊をした形になっております。
 その一番大事なJR北海道、全路線が赤字という中で、分割民営化して以降三十年ちょうど来年三月でたつんですけれども、本当の苦労をして、JR北海道、頑張ってきております。
 今日は時間がなくなりましたので、最初の分割に問題ありというのがどこの首長さんも言っております。これを単に切ってしまうということであってはならないと。郵便局にしてもあるいはNTTにしても、こういった地域に細切れの方式はしなかった。一方で、本州の三会社は巨大な利益を上げるような形で、ほぼ自己資金でリニアモーターカー、四兆円も五兆円も掛かるものをやれるという力がある中で、大変な努力をした。
 当初、そういうことを見越して、橋本龍太郎運輸大臣のときに経営安定基金というものを六千八百二十二億円貸し出す、その果実を使うと。当初の議事録を全部読まさせていただきました。当初から、本当に、七・三%の金利、四百九十八億なんですけれども、この金利の果実を運用して、それが安定して行けるのかと。発足当初から、四百九十八億からどんどんどんどん下がって今二百二十八億円です。半減の形になっております。一方で、様々な努力をしている。人員についてもほぼ三十年間で半減して七千五百人程度。しかも、人件費もほぼ半減。様々な鉄道外収益を充ててJR北海道、今日まで来ました。
 残念ながら、安全対策に資金を投入できなかったということもあって、ああいった事故も多発して世の中のひんしゅくを買ったという形で、今その安全対策を三百億円程度すれば、今、平成二十八年度の収支計画で百八十億円の赤と。どうしてもこの赤が埋められないという状況で呻吟し、苦労して、赤字路線を発表せざるを得ないと。
 しかし、自治体の皆さん、住民の皆さんは、そんな簡単な経済の論理だけでいっていいのか、最初のボタンの掛け違えはどうだったのかと、こういった形です。もちろん、住民の皆さんの利用のための様々な取組も始められております。
 今日の新聞でも、この前行った月形町なんかは、札幌と近郊といっても大分離れているんですが、札幌から月形町まで札沼線を利用して高校生を、大都市の札幌から月形高校に来てもらうという、長年の苦労の中で高校運営を、道立高校ですけれどもやっておる。これが、札沼線が廃止になればまさにこの高校生の足がなくなる。
 先ほどの日高線についても、静内高校というところは二百人近くは汽車通、汽車と言ったらおかしいですね、鉄道を利用しておる。私行ったら、高校生を通わすことができなくなったから親共々その高校の所在地に引っ越しせざるを得ないと、もう実際引っ越した人もいるという形であります。私は、ですから、そういう中で、是非この問題については国交大臣に大きな判断をしていただきたいと。
 あと、これはあと残り四分とか五分と出ないんですね。衆議院は出るものですから。(発言する者あり)ないんですね。ずっとやっていてもいいということではないようですので、そこはわきまえながら、今日は具体的な話をいっぱい持っておったんですが、できませんが。
 先ほど、菅官房長官はエアポートという、札幌と千歳空港を目指す便数を二〇二〇年まで三割増やすと具体的なことを講演で言っているんですね。どちらが官房長官かどちらが国交大臣か分からない。こんなダイヤの増設することを官房長官が言うこと自体、私は不見識だと思いますけれども。それだけの具体性があるのであれば、もっと国交大臣に、このJR北海道の問題、もっと国と道が真剣に入って、その沿線の住民の代表と協議するという形でこの問題に対応していただきたいと。
 赤字路線だからといって、先ほど言った根室線と日高線はワースト十の中に、むしろ日高線の方がワーストのあれは高いんですよ。日高線をなぜ調査もしない、復旧のどういったお金が掛かるのかも示さないということであっては私はならないと思いますから、国交大臣のこの点についての御指導をお願い申し上げまして、時間が来ましたので私の質問を終わらさせていただきます。
 ありがとうございました。
#87
○新妻秀規君 たった今まで、民進党、鉢呂先生より水害対策について質問をされましたが、私も、水害対策、地下街の浸水対策について伺いたいと思います。
 大臣は、水防災意識社会と掲げまして、先日の所信でも水害対策に取り組む決意を述べられました。
 九月二十九日、参議院本会議での代表質問において我が党の山口代表より、近年の異常気象、また自然災害の局地化、集中化、激甚化を踏まえて新たな防災対策、減災対策の必要性を訴えたところ、総理より、ハード面、ソフト面にわたる総合的な取組を地方自治体と一体になって推進すると、こういう答弁もありました。
 ここで、大都市特有の課題として地下街の浸水対策があります。台風やゲリラ豪雨の激甚化もありまして、喫緊の課題です。
 ここで、資料一を御覧ください。これは一九九六年の六月、そして九九年七月の二度にわたる福岡の豪雨です。JRの博多駅周辺の地下に、この写真のように地下街に水が流入しまして、都市機能が麻痺をして大変大きな被害が生じました。残念ながら犠牲になられた方も出てしまいました。私が住む名古屋市でも、台風、また集中豪雨によりまして、度々地下街や地下鉄に浸水するなど、繰り返し大きな被害に見舞われてきました。
 こうした地下街の浸水被害を防ぐためにも、水防法、累次にわたって改正をされてきました。
 資料の二を御覧ください。この資料の右側中ほどにあるように、地下街における避難確保等の取組の中で、避難確保・浸水防止計画の作成において、新たに接続ビル等の所有者、管理者の意見を聴く努力義務が課せられました。以上を踏まえた上で質疑に入っていきたいと思います。
 まず、避難確保計画、浸水防止計画の作成の促進について伺います。
 資料三を御覧ください。これが現状なんです。実は、水防法、平成十七年及び平成二十五年の改正において、こうした計画、避難確保計画、浸水防止計画の作成を義務化をしております。なので、本来一〇〇%であるべきなんですけれども、この上の青線、避難確保計画のみ作成したのが現状大体六六%、避難確保計画、浸水防止計画共に作成済み五三・八%、まだまだやっぱり低い水準だなというふうに思います。
 平成二十八年四月、今年四月に総務省が発出しました地下街等地下空間利用施設の安全対策等に関する実態調査結果に基づく勧告、この勧告では、計画が作成されていない理由として、まずその施設の所有者などが計画を作らなくちゃいけないと知らなかった、二つ目にその作成について市から知らされていなかった、こういう二つを挙げています。なので、市町村から指示が必要だというふうにしています。
 知らなかった、要請がなかったということであれば、確かに市町村からの周知、指示は大事なんですけれども、それだけでは十分じゃないと思います。計画の作成は実際大変な作業だと思います。計画作成を促すために、国交省はひな形、手引を提供していることは承知をしておりますが、十分に活用されていないのかもしれません。
 ここで、国交省として計画作りの進捗についてどのように受け止めているのか、またその促進のためにどのような対策を講じようとしているのか、根本政務官、お願いします。
#88
○大臣政務官(根本幸典君) 避難確保・浸水防止計画は、指定された地下街等における義務として作成されるべきものですが、平成二十八年三月末時点で約五割の作成状況になっております。更に作成を促していくべき状況にあると考えております。
 地下街等においては、関係者の避難確保、浸水対策への認識が低い、関係者が複数にわたるなど、計画を作成するに当たっての課題があります。このため、国土交通省では、地下街等の管理者に計画作成を強く促していただくよう、説明会や文書を通じて市町村に働きかけるとともに、例えば委員のお地元であります名古屋駅周辺等の大きな地下街については、関係者が参加した協議会に地方整備局が直接参画し、計画作成に関わっております。
 また、地下街等の管理者が具体の対策を理解しやすく、地下街等に係る避難確保・浸水防止計画作成の手引きによる計画作成の参考になるよう、平成二十八年八月に、地下街等における浸水防止用設備整備のガイドラインを公表したところです。
 引き続き、避難確保・浸水防止計画の作成が進むよう努めてまいります。
#89
○新妻秀規君 今おっしゃった取組を是非とも強く進めていただきたいなと思います。厳しめにフォローをしていただきたいと思います。
 次に、連続する地下街、地下鉄、接続ビルの連携をどう促すのかについて伺いたいと思います。
 この件については、本年五月二十五日の参議院の行政監視委員会でも取り上げさせていただきました。国交省の報告書、水災害に関する防災・減災対策本部の地下街・地下鉄等ワーキンググループが昨年の八月に公表した最終取りまとめにおいて、連続する地下街、地下鉄及び接続ビル等において避難確保及び浸水防止に当たっての連携が必ずしも十分に図られていないと指摘をして、この課題への対応としまして、地方公共団体に対し、接続ビルなどについて地域の防災計画に位置付けることなどについて周知をし、また地下街、地下鉄及び接続ビル等が連携した協議会の設置及び共同での計画の作成などについて、地方公共団体、地下街管理者、鉄道事業者、接続ビル等の管理者に周知したとしております。
 ここで、周知はあくまでも最初の一歩でありまして、大切なのはその後、実際に地方公共団体が接続ビル等について地域防災計画にちゃんと位置付けたのか、また協議会が実際に設置をされて、連携をして実効性がある計画が作成されたのかどうか、これが大事だと思います。
 ここで、国交省として、どのようにして連続する地下街、地下鉄及び接続ビルの連携を促していくのでしょうか。山田局長、お願いします。
#90
○政府参考人(山田邦博君) お答えをいたします。
 連続する地下街などにおきましては、多数の地上の出入口ですとかあるいは地下街同士の接続口等が存在するために、避難誘導ですとかあるいは浸水防止の活動等におきまして各施設が連携して対応を図ることが重要であると認識をしております。このため、国土交通省といたしましては、地下街やあるいは接続ビル等の関係者が参加する協議会を設置いたしまして、連携した対応を図るよう市町村への働きかけを行っているところでございます。
 各地下街等におけます取組の進捗につきましては、協議会の設置状況あるいは連携した計画の作成状況等を定期的に調査する、その中で確認をしていきたいと考えているところでございます。また、その調査を通じまして、連携に有効な事例を収集、整理をいたしまして、全国の市町村で情報を共有できるようにしていきたいと考えるところでございます。
#91
○新妻秀規君 今、定期的に状況を把握をするとおっしゃいました。是非とも、きちんと状況を把握した上で、実際に効き目がある対応をお願いをしたいと思います。
 次に、避難訓練、防災訓練などについて伺いたいと思います。
 計画が作成されたとしても、いざというときに体が動かなければ全く意味はありません。
 資料の四を御覧ください。これは、我が党の大阪の市議団から入手をいたしました大阪の地下街における訓練の様子です。これは、地下鉄、地下街そして接続ビル共同での訓練なんです。こうした訓練を行うことが、いざというときに大変に役に立つと思います。
 しかし、総務省の先ほどの勧告においては、こうした計画を策定していても、この調査対象の地下街の一二%訓練未実施、二〇%は自衛水防組織ない、こういう状況というふうに指摘をしています。
 本委員会、参議院の国土交通委員会が平成二十五年六月、水防法の改正のときに附帯決議で、「国としても事業者等の取組状況の把握に努める」、このように本委員会の意思として決めております。
 この水防法にもこうやって明記をされている我々の附帯決議、実際に避難訓練、防災訓練を実施している地下街、どれくらいあるのでしょうか。また、自衛水防組織の設置状況はどうでしょうか。また、どのようにしてこうした取組を促していくのでしょうか。山田局長、もう一度お願いします。
#92
○政府参考人(山田邦博君) お答えをいたします。
 避難確保・浸水防止計画の作成後におきましては、自衛水防組織を設置しまして避難訓練等を行うことはその実効性を高める上で重要な取組だと考えております。
 水防法におきまして、市町村地域防災計画に位置付けられました地下街等の管理者は、訓練の実施ですとかあるいは自衛水防組織の設置が義務付けられているところでございます。
 国土交通省の調べによりますと、平成二十八年三月末時点で、避難確保計画を作成をしております七百四十三の地下街等のうち、訓練は約五割で実施、自衛水防組織は約七割で組織をされております。
 国土交通省といたしましては、地下街等におけます訓練の実施促進やあるいは自衛水防組織の設置促進に向けまして、引き続き市町村に働きかけていくとともに、その実態について定期的に調査をいたしまして、御指摘の大阪におけます地下街の訓練のような有効な事例を全国で共有していきたいと思っておるところでございます。
#93
○新妻秀規君 今局長から、計画を作成している七百四十三の地下街のうち、訓練をしているところは五割、あとは自衛水防組織が七割。本当に低い水準だなというふうに思います。今おっしゃった定期的なフォローアップ、状況の把握を確実に行っていただきまして、市町村を通して是非とも大切な取組なんだということを分からせて、取組を進めていただきたいと思います。
 最後に、地下街の浸水対策推進への大臣の御決意を伺いたいと思います。
 これまで議論してきたように、地下街の浸水対策始め地下街等の地下空間利用施設の安全対策は、総務省からも勧告を受けておりまして、また、台風、ゲリラ豪雨の激甚化もありまして、国民の命を守る喫緊の課題だというふうに思っております。是非とも、石井大臣にはこの地下街の浸水対策、前に進めていただきたいと思うんですが、最後に御決意をお願いします。
#94
○国務大臣(石井啓一君) 地下空間は浸水に対して非常にリスクが高く、浸水時には多くの人的被害が発生するおそれがございますので、地下街等の浸水対策を進めることは重要と考えております。
 国土交通省では、平成十三年に地下街等の利用者の避難の確保等に関する規定を水防法に位置付けて以来、避難確保・浸水防止計画の作成、訓練の実施や自衛水防組織の設置、計画作成に当たり接続ビルへの意見聴取についての規定を追加するなど、改正を重ねて制度の整備に努めてまいりました。また、止水板等の設置を促進するための助成制度や税制の特例措置等、地下街等の管理者による浸水対策を支援する制度も設けております。さらに、浸水対策の推進のためには現場における対応が着実に進んでいくことが大切でありまして、大規模な地下街におきましては、国土交通省が直接、協議会に参画する取組も進めているところでございます。
 今後は、計画作成や訓練実施状況等の実態の把握を的確に行えるよう定期的な調査を充実させまして、地下街等の浸水対策がより一層推進するように努めてまいりたいと存じます。
#95
○新妻秀規君 本当に人の命が懸かっている重要な取組なので、まさに今大臣がおっしゃった御決意、是非とも実行に移していただきたいことを心よりお願い申し上げまして、質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。
#96
○高瀬弘美君 公明党の高瀬弘美でございます。
 七月の参議院選挙で初当選をさせていただき、今回、国会での初めての質問に立たせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、熊本地震に関する質問をさせていただきたいと思います。
 熊本地震が発生してから半年が過ぎ、改めて、亡くなられた方々に心から哀悼の意を表したいと思います。
 また、被害に遭われた皆様に対しても、心よりお見舞いを申し上げます。また、十月八日には阿蘇山が噴火をし、阿蘇周辺並びに周辺地域にお住まいの方々が大変な被害に遭われたことに対し、心からお見舞いを申し上げたいと思います。とりわけ収穫時期を控えていた農家の方々におかれましては、収穫物への被害だけではなく今後の先行きが見えない不安もあられると思いますので、政府としてもあらゆる手だてを講じていただきたいと強く願うところでございます。
 石井大臣には、これまでも熊本に何度も足をお運びいただき、迅速にかつ手厚い政策を立て続けに実行していただいていることに感謝申し上げるとともに、引き続き、陣頭指揮の下、所管の業務について万全の体制で臨んでいただけますようお願い申し上げます。
 まず初めに、熊本地震における被害及び復旧の状況についてお聞きしたいと思います。
 先週の土曜日に私も熊本市と益城町に入らせていただき、現地の方から現状についてお聞きをいたしました。交通インフラも多くは復旧をしておりまして、益城町の仮設住宅の視察もさせていただきましたが、住宅自体もプライバシーの確保など配慮がされており、また、買物もできるように小さいながらも商店街がつくられているなど、住民の方々からも、避難所に比べると大変快適な生活になっているというお声を伺いました。今後、この仮設住宅での生活が長くなるにつれて様々なニーズが出てくると思いますので、それに一つ一つ応えていくことが重要だとは思いますが、ひとまずはほっと安心をされているのかなという様子がうかがえました。
 一方で、益城町中心部は、家屋の解体も私の印象としましてはほとんど進んでおらず、現在も厳しい状況にあることが見て取れました。また、大規模な斜面崩壊のあった南阿蘇村では、阿蘇大橋地区の国道五十七号線や鉄道が甚大な被害を受け、いまだに通行止めや鉄道の運休、停止が続いております。阿蘇大橋地区の斜面崩壊は何度もテレビで報道されたということもあり、皆様の記憶にもまだ新しいかと思いますが、特に国道五十七号線及び周辺の道路は熊本と大分を結ぶ九州の東西の幹線交通路でもあります。
 この国道五十七号線における大規模斜面崩壊への対応と、国道五十七号線を含む東西軸の復旧の今後について、国土交通省のお考えを石井国交大臣にお伺いしたいと思います。
#97
○国務大臣(石井啓一君) 十月の十六日に熊本地震発災六か月が経過をいたしまして、改めて私、五回目の現地視察をさせていただきました。この阿蘇大橋地区についても直接視察をしたところでございます。
 大規模な斜面崩壊が発生をしました阿蘇大橋地区につきましては、国道五十七号、三百二十五号及びJR豊肥線が不通となっておりまして、一日も早い復旧は最重要課題の一つでございます。
 まず、斜面の対策でございますが、直轄砂防事業によりまして、これまでの前例がない規模で無人の機械、リモコン操作をする無人の機械で今不安定土砂の除去等を行っているところでございます。年内には緊急性の高い土砂の除去を完了させた上で、年明けから有人施工により対策工事を促進させたいと考えております。
 道路につきましては、阿蘇大橋地区を避けて東西を結ぶ国道五十七号の北側の復旧ルートのトンネル工事の発注手続を進めるとともに、同じくこの阿蘇大橋地区を通らず熊本市と南阿蘇村の中心部を結ぶ俵山ルートについては、旧道を活用し、年内を目標に復旧を進めているところでございます。
 また、国道三百二十五号阿蘇大橋につきましても、既に架橋の場所を、従来より少し下流側に場所を移します。また、橋梁形式も決定をいたしまして、本体工事の発注手続を進めるところであり、当面、その代替となる長陽大橋ルートにつきましても、来年夏を目標に応急復旧を進めているところであります。
 JR九州豊肥線につきましては、阿蘇大橋地区の大規模崩壊斜面において年明けから有人施工が可能となることを踏まえまして、復旧方法等についてJR九州と関係機関との間で協議が進められるということでございます。
 この阿蘇大橋地区につきましては、熊本と大分を結ぶ交通の大動脈が通りまして阿蘇観光の玄関口でもございますので、国の技術力を結集して、一日も早い復旧に努めてまいりたいと存じます。
#98
○高瀬弘美君 ありがとうございます。着実な対応をお願いいたします。
 次に、崖崩れ対策についてお聞きしたいと思います。
 国交省は本年六月十三日に特例措置を発表し、これまでは自然傾斜箇所における崖崩れだけを対象としてきた急傾斜地崩壊対策事業及び災害関連地域防災がけ崩れ対策事業の採択要件を緩和することで、対象を、山など崖崩れと耳にしたときに通常皆様が想像する大規模の崖崩れのみならず、民家の外壁に係る崖崩れ等にも広げていただいたところでございます。
 現地の状況を聞くところによれば、この特例措置の中でも比較的規模が小さい災害関連地域防災がけ崩れ対策事業に関しては、崖崩れの可能性がある箇所が相当数点在しているようでありまして、梅雨や台風などの被害は何とか免れたものの、危険性の除去は進んでいないとのことでした。
 現在、熊本県から国に対して事業申請が進んでいるところと思いますが、住民の皆様の安全な生活に密着する大切な事業でありますので、速やかな案件採択の決定、予算化をお願いしたいと思いますが、今後の見込みを末松副大臣にお聞きしたいと思います。
#99
○副大臣(末松信介君) 高瀬委員にお答えさせていただきます。
 熊本地震により小規模な急傾斜地や宅地擁壁等の人工斜面の崩壊が多数発生したことから、この崩壊土砂による第三者の家屋や様々なライフラインへの被害を迅速かつ確実に防止するため、災害関連緊急急傾斜地崩壊対策事業並びに災害関連地域防災がけ崩れ対策事業について、採択基準を緩和する特例措置を講じております。
 現時点において、従来の採択基準による採択は十一か所ですが、今回の特例措置によりまして二十三か所の事業実施が可能となっており、これまでに合計三十四か所において事業実施を決定いたしております。熊本地震によって多くの宅地擁壁等が被災したとの報告を受けており、この三十四か所以外にも、先生御指摘のとおり、事業の対象となるものが少なからずあるものと認識をいたしております。
 国土交通省といたしましては、宅地擁壁等の確実な復旧を実現するため、特例措置の要件となっているライフラインなどへの影響についても、河川、道路等に加え、例えば水道施設など地下埋設管等について図面をきめ細かく丁寧に確認をいたしてまいりたいと思います。また同時に、今後の県からの申請に対しまして、スピード感を大切にして全力で対応いたしてまいります。
#100
○高瀬弘美君 大変にありがとうございます。
 これは生活に密着する大事な事業でございまして、熊本の皆様は今か今かと待ち望んでおられますので。人命にも関わることであります、どうか予算化に時間の掛かることのないよう速やかな御対応を心よりお願い申し上げます。
 続きまして、熊本震災による観光業界への影響についてお伺いしたいと思います。
 震災後に熊本県のみならず九州全体の観光客が大幅に落ち込み、特に観光の目玉というべき熊本城や阿蘇が大きな被害を受けたことの影響もありましたが、観光全体としては徐々に回復傾向にあると承知をしております。
 その大きな後押しとなったのが今回の九州ふっこう割という制度であり、七月から九月に実施した第一弾も、また十月から十二月にかけて現在展開中の第二弾も成果を上げております。
 一方で、観光に従事する方々からは、ふっこう割が終わった後が心配だという声がたくさんいただいております。特に、今回の地震の影響を大きく受けた南阿蘇村や熊本市では営業再開ができていない宿泊施設も多数あり、本来このふっこう割の一番恩恵を受けていただきたい方々の下にはまだ十分に届いていないのが現状ではないかと思います。
 つきましては、今後の九州ふっこう割及び熊本の観光復興への対応について、観光庁のお考えを田村観光庁長官にお聞きしたいと思います。
#101
○政府参考人(田村明比古君) 九州の観光復興をいち早く遂げるために、九州ふっこう割のほか、中小企業等グループ補助金や九州地方の魅力的な地域産品等の海外発信などの施策を盛り込みました九州の観光復興に向けての総合支援プログラムを五月に決定をして、省庁横断的に幅広い支援を行ってまいったところでございます。こうした取組や、それから交通インフラが相当程度復旧してきたということ等によりまして、熊本地震があった直後に比べまして九州における延べ宿泊者数は前年同期比で二、三%減程度まで回復をしてきたということでございます。
 今後、これまでの施策の実施状況というものもフォローしながら、去る十一日に成立をいたしました第二次補正予算なども活用いたしまして、情報発信やプロモーションを実施すること等によりまして、九州への観光客が着実に回復されるよう引き続き努めてまいりたいというふうに考えております。
#102
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 ふっこう割につきましては、先ほども申し上げましたとおり、熊本の観光業に従事する方々のみならず九州の観光業に従事する方々からも続投を切望する声がありますところ、是非とも、第三弾のふっこう割の実施も視野に、前向きに御検討をいただきたいと思います。
 次に、熊本における海外からの観光客数の減少についてお伺いしたいと思います。
 海外からの観光客については、国内からの観光客に比べ回復が遅れている傾向にございます。熊本はいまだ安全ではないといった風評がなかなか払拭されずにいることも要因の一つではないかと思います。
 熊本空港には、元々、ソウルそして香港、台湾から直行便が就航しておりましたため、これまで熊本を多く訪れる外国人は、上から韓国、中国、台湾となっておりました。現在、国際線の運休の影響もあり、こうした国々からの観光客が激減をしておりまして、裏を返せば、こうした国々からの観光客が戻ってこないと熊本に入る外国人観光客の回復というのは見込めないということかと思います。
 そこで、観光庁として、海外からの観光客の回復に向けた取組及び風評被害対策についてお尋ねをしたいと思います。
#103
○政府参考人(田村明比古君) お尋ねがありましたインバウンドでございますけど、九州全体では外国人延べ宿泊者数、対前年同期比で約九割となるなど、回復傾向にございます。一方で、熊本県につきましては、対前年同期比、まだ三割程度にとどまっているというようなことがございます。特に、韓国や台湾などの東アジアからの需要の回復が遅れているということがございます。
 こういうこともございますので、もちろん今、先ほど申し上げました支援プログラムに基づいて九州への集中的な訪日プロモーション実施しておりますけれども、今後、先ほど申し上げました第二次補正予算で緊急訪日プロモーションの予算も確保してございます。こういったことも東アジアの国々を中心にターゲットに絞って実施をして、訪日旅行の早期の需要回復に努めてまいりたいというふうに考えております。
#104
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 今言及ありました訪日プロモーションにつきましても、どうか柔軟な対応を、また新しい方法も考えていただきながら前に進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 終わります。
#105
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
 今年七月の参議院選挙で初めて国会へと送り出していただきました。今日が初質問ですので、どうぞ皆さんよろしくお願いをいたします。
 私は、労働事件に労働者の立場で取り組む弁護士として仕事をしてまいりました。空の安全を担う労働者の権利に関わって質問をしたいと思います。
 JAL、日本航空は、御承知のとおり、二〇一〇年に経営破綻し、国策で再生することになりました。管財人という、破綻した会社を公正な立場で立て直していく、この役職に公的機関である企業再生支援機構が選ばれました。この年の大みそかに、何の責任もないパイロットと客室乗務員、合計百六十五名が整理解雇される事態になりました。
 この過程で不当労働行為があったとして、今年九月二十三日、最高裁が判断を下しました。具体的には誰のどんな行為がいかなる不当労働行為とされたのか、端的に御説明をお願いします。
#106
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
 本件に係る東京都労働委員会から日本航空に対する命令書によれば、平成二十二年十一月十六日に、日本航空の管財人であった企業再生支援機構の担当者が日本航空乗員組合及び日本航空キャビンクルーユニオンの二組合との間で行った労使交渉の場において、組合は争議権の確立に向けた投票を行っているが、組合が争議権を確立した場合にはそれが撤回されるまで日本航空に係る会社更生計画にある三千五百億円の出資はできないという旨の発言を行いました。
 当該発言について組合が東京都労働委員会に救済申立てを行った結果、同委員会は、本来、組合が自主的に決定すべき内部事項たる争議権の確立を自粛するように求める趣旨のこの発言について、労働組合法第七条第三号において禁止されている、労働者が労働組合を結成し、若しくは運営することを支配し、若しくはこれに介入すること、いわゆる組合への支配介入に当たる不当労働行為であると認定したものと承知をしております。
#107
○山添拓君 争議権を確立すれば出資しないと脅し、ストライキ権を背景に労使交渉を進める権利を妨害する、憲法と労働組合法が保障する団結権を侵害するものです。なぜこんな事態に至ったのでしょうか。
 当初、管財人は、人員削減は必要だけれども、しかしワークシェア的にやっていく、いきなり整理解雇とは考えない、労使協議で徹底的に議論を重ねるとしていました。しかし、実態は全然違ったものでした。
 一部のパイロットに乗務をさせずスタンバイを指示する、雇用の不安が高まっている中で更に不安をあおるような業務指示がされました。組合が抗議しても何ら改善されない、退職を迫るそのための面談日だけが指定される状況でした。
 客室乗務員ではどうでしょうか。管理職で五十五歳以上、一般職で四十五歳以上を対象に希望退職者を募集し、応じない人には、一日とか半日自宅待機を命じて個別面談を行う、希望退職に応じなければ整理解雇だ、退職条件の上乗せはなくなるぞと、自ら辞めるか解雇されるか、この二者択一を迫るような退職強要が行われた。
 この事実を大臣は御存じでしょうか。
#108
○国務大臣(石井啓一君) 日本航空の再生過程におけます個別の労働者との雇用に係る調整経緯につきましては、国土交通省としては承知をしておりません。
#109
○山添拓君 今の話は判決文にも書かれており、東京地裁、高裁、認定されている事実ですから、御確認いただける内容かと思います。
 私は余りにも酷なやり方だと思います。労働組合はこのときどう対応したか。人員削減は必要だという前提で、しかし解雇ではなくワークシェアとか、あるいは四〇%もの大幅な賃金カットだとか、相当の譲歩を含むような具体的な提案を繰り返し行っていました。大勢のベテランが首になれば空の安全が脅かされる、こういう思いからだと考えます。
 ところが、管財人は、組合の提案をまともに取り合わず拒絶し、退職強要を続け、拒否するなら整理解雇だと、この姿勢に固執しました。組合員の不安がますます高まる中で、何としても管財人を協議のテーブルに着かせたい、そのための手段として行ったのがストライキ権を背景に労使交渉を行うためのスト権の確立でした。これに対して管財人が、スト権確立なら出資しないと、そんな事実はどこでも決定していないのに、正式な見解だと述べて脅したわけです。
 大臣、判決でも認められたこうした管財人の対応、支援機構の対応は余りにもひどいものだとお思いにならないでしょうか。この仕打ちが労働組合にどんな影響をもたらしたか御存じでしょうか。お答えください。
#110
○国務大臣(石井啓一君) 御指摘の不当労働行為と認定された発言につきましては、本件に関する平成二十七年六月の高等裁判所判決文で、労働組合の自主性や独立性を脅かすものであったと述べられていることは承知をしております。
 この発言が労働組合に対して与えた影響につきましては、国土交通省としては承知をしておりません。
#111
○山添拓君 私は、判決で認定された、こうした不当労働行為への受け止めを伺っています。書いてあることは分かっておりますから、大臣自身がどのように受け止めたか、このことを伺いたいんです。
 そして、労働組合にどのような影響を与えたかという事実関係は、これもまた判決の中で事実関係が認定されています。組合員が動揺したわけです、整理解雇は困ると。しかし、スト権を確立して出資がされず、会社が倒れるということになるかもしれない、逆らえないというぎりぎりの思いの中で、スト権投票を中止したり、あるいは組合員の脱退が相次いだり、大事な時期にスト権を背景にした労使交渉が困難になるという、そういう状況ができた。
 取り返しの付かない影響が生じたんですが、このことを大臣はどのように認識されているのか、もう一度お答えください。
#112
○国務大臣(石井啓一君) 先ほど申し上げたとおり、不当労働行為と認定された発言が労働組合に対して与えた影響については、国土交通省としては承知をしておらないところでございます。
#113
○山添拓君 そもそも、この不当労働行為を行った張本人は誰か。先ほどお答えいただきましたが、企業再生支援機構のディレクター、飯塚氏らなんですけれども、政府が約半分を出資する公的機関の人間です。JALの再生において、支援機構は、本来公正な立場で立て直しを進める管財人でありながら、同時に再建のための出資も行っています。言わば、お金を出す側と受け取る側と両方担ったわけです。
 内閣府に伺いますけれども、所管する公的機関の支援の方法として、会社更生法上の管財人と出資者とを兼ねた、こうしたスキームを使ったケースはJAL以外にはあったでしょうか。また、JALでこのスキームを採用した際に参考となった先例はあったんでしょうか。
#114
○政府参考人(伊野彰洋君) お答えいたします。
 企業再生支援を行っている内閣府所管の法人における再生支援に係る取組で、管財人への就任と出資を併用するようなスキームを用いた事例は日本航空の事例以外にはないと承知しております。
 また、地域経済活性化支援機構からは、日本航空の再生支援に当たって、管財人と出資を併用するスキームとして参考にした事例はないと聞いております。
#115
○山添拓君 JALが初めてなんです。まれな、特異なスキームを使ったと言えると思います。
 支援機構が仮に管財人の立場だけなら、スト権確立なら出資はしない、こんな発言はできません。もちろん、出資者の立場だけでもこの発言はできません。管財人と出資者、両方の立場を兼ね備えていたから初めてできた発言だった。この前代未聞の特異なスキームが今回の不当労働行為を可能にしてしまったものだと言えます。
 内閣府にもう一度伺いますけれども、このスキームの中で、管財人である支援機構が不当労働行為に及んで、そのことがこの度、最高裁で確定をしました。どのように受け止めているか、また、判決を受けてどう対応したのか。これは、この二点は内閣府副大臣にお答えいただきたいと思います。
#116
○副大臣(越智隆雄君) お答えいたします。
 まず、企業再生支援機構の職員等による発言が不当労働行為と認定されたことについては、遺憾だというふうに考えております。
 地域経済活性化支援機構においては、今回の不当労働行為に係る最高裁判所の判決も踏まえまして、法令遵守の徹底を改めて社内で行う等により、引き続き適切な業務運営を行ってもらいたいというふうに考えております。
 また、今委員から具体的な取組について御質問がございました。地域経済活性化支援機構におきましては、今般の最高裁の判決を踏まえまして、法令遵守に向けた社員教育のため、社員向けホームページに労働関連法令を掲載するとともに、社内の幹部会におきまして、労働関連法令の遵守の徹底を指示するというふうに聞いております。
#117
○山添拓君 遺憾だと。つまり、適切でなかったということをお認めなんだと思いますが、本件の、JALの件については具体的な個別の対応をしていないということも今の話の中で明らかだと思います。
 JALの問題となった組合に対して、内閣府として、機構を所管する立場として謝罪することは当然だと思いますが、この点はどうでしょうか。
#118
○副大臣(越智隆雄君) ただいまの御質問についてでございますが、先ほど遺憾だというふうに申し上げましたが、ここは言い換えれば、良くなかったというふうに考えているところでございます。
#119
○山添拓君 資料の一枚目を御覧いただきたいんですが、そもそも今回、支援機構が管財人と出資者とを兼ねるというスキーム、これを考案したのは、国交大臣が二〇〇九年に設置したJAL再生タスクフォースの考案です。国交省も関与した異例のスキームの中で起きた不当労働行為です。
 大臣は改めてこのことについての責任をどのようにお考えか、答弁を願いたいと思います。
#120
○国務大臣(石井啓一君) これは前政権時代でしょうかね、多分、と存じますが、いずれにしましても、このJALの再生のための様々な枠組みを検討したということかと存じますが、その中で不当労働行為と認定されたようなことがあったということについては私自身も遺憾に思っているところでございます。
#121
○山添拓君 大臣、前政権の話とおっしゃいましたけれども、行政としては連続しておりますから。そして、その間ずっと苦しみ続けているJALの労働者の皆さんがおられます。その方たちの前で、前政権が行ったことだから関係ないというようなお考えは決して示されないでいただきたいし、遺憾だという言葉はありましたけれども、公的機関である支援機構の行った不当労働行為です。しかも、そのことを可能にしたのは、国交省が関与する下で考案された特異なスキームです。その違法行為が最高裁で確定したと。このことを踏まえて、国の責任をどう考えるのかということを聞いています。
 今、不当労働行為と認定されるような事態に至った、そのことは遺憾だとおっしゃいましたが、国に一切責任はないということなんでしょうか。国の責任をどう考えるか、改めて大臣に伺いたいと思います。
#122
○国務大臣(石井啓一君) 遺憾と申し上げたとおりであります。
#123
○山添拓君 国の責任は明らかだと思うんですね。責任があるのかどうか、遺憾だとおっしゃるなら、その責任をどう取るのか。働く者の職場を奪って、労働者の団結を侵して、司法に断罪されてもいまだに国の責任を認めない、個別の労使間の問題のように扱っている、そのような答弁はにわかには信じ難い思いがいたします。これは私は、何よりも空の安全に関わる問題だから申し上げています。
 不当労働行為の末に整理解雇が強要されて会社への不信が広がる下で、JALの職場は疲弊をしています。例えば客室乗務員でいえば、毎年六百人前後を採用しますが、二百人から四百人が辞めていくと。人材流出が止まらず、今三人に一人が新人という状況です。今年に入ってからも、ドアモードの誤操作、操作の誤り、あるいはカートを転倒させる、乗務員が客にスープをこぼしてやけどをさせる、こうした不安全事例が幾つも報告をされています。過酷な勤務の中で乗務員自身が体調を崩して機内で自ら医者を探したと、そういうケースも報告されています。
 資料の二枚目を御覧ください。客室乗務員の新規採用者数です。整理解雇から五年で、JALは二千九百七十名の客室乗務員を採用してきました。このうち千百名は海外勤務の外国人です。日本人の中途採用、邦人既卒とありますが、これは五百九十名です。労働組合によれば、外国人では、JALの破綻で退職した人を複数名再雇用、再契約で職場に戻している。しかし、日本人の退職者は一人も再雇用していないそうです。
 大臣はこれらの事実を把握していますか。
#124
○国務大臣(石井啓一君) 日本航空が採用する客室乗務員が過去に日本航空に在籍していた者であるか否かについては、国土交通省としては承知をしておりません。
#125
○山添拓君 経営破綻でやむなく退職させてしまった労働者については経営が再建したら元に戻すんだと、これが世界的には常識なんだと思います。だから、海外では、外国人の元JALの職員を戻していると。なぜ日本ではできないんでしょうか。ましてや、JALは、経営破綻した当時も含めて莫大な利益を、営業利益を上げ続けています。
 この間、JALの三つの労働組合、機長組合、乗員組合、また客室乗務員のキャビンクルーユニオンが、整理解雇された者についても、また希望退職者の募集に応じた者についても、復職を希望する者については職場復帰に向けて道筋を付けよと、こういう統一要求を掲げました。組合として確認をしたというふうに伺っています。
 整理解雇の過程での不当労働行為が、今、最高裁で確定をしました。ILOも、職場復帰に向けた労使の意義ある対話を維持せよ、このことを重視する、政府に対して繰り返し勧告をしています。
 客室乗務員に限らず、パイロットにおいてもこの間に約百八十名が退職するなど、人材不足も深刻です。国交省もパイロットの不足については問題意識を持って取り組まれているとも伺っています。何よりも空の安全に関わるような問題です。
 大臣に伺いますが、国交省として、JALに対して解雇問題の解決のために労使の協議を行うよう指導をする必要があるんではないかと思いますが、この点はいかがでしょうか。
#126
○国務大臣(石井啓一君) 日本航空の整理解雇につきましては、個別企業における雇用関係に係る問題でございますので、日本航空において適切に対処すべきものと考えております。
 このため、行政として関与することは適切でないと考えております。
#127
○山添拓君 二〇一二年、平成二十四年八月十日の「日本航空の企業再生への対応について」、八・一〇ペーパーと呼ばれていますが、JALの二〇一六年度までの中期経営計画の期間中、航空局は、再生の進捗状況について報告を求め、その状況を監視し、必要に応じ指導助言を行うとしています。不当労働行為について最高裁が判断をしました。違法行為の末の整理解雇だと確定した、そのことを大臣も遺憾だとまでおっしゃる。
 解決のために指導をすべきではないか。指導の必要性はこの八・一〇ペーパーでも航空局自身が認めているんではありませんか。
#128
○国務大臣(石井啓一君) 重ねてのお答えになりますが、日本航空の整理解雇につきましては、個別企業における雇用関係に係る問題でございますので、日本航空において適切に対処すべきものでございます。
 このため、行政として関与することは適切でないと考えております。
#129
○山添拓君 極めて無責任だと思います。
 JALは国策として企業再生が行われたわけです。それは、今日この場にいらっしゃる皆さんお分かりのとおりです。この中で、公的機関である支援機構が労使の誠実な協議に応じないばかりか、国がこしらえた特異なスキームに乗じて虚偽の事実を伝えてまで不当労働行為を行ったわけです。その違法行為が最高裁で断罪をされています。
 JALは不当労働行為の謝罪文を社内に掲示したと聞いていますけれども、それだけで済む話ではありません。整理解雇されたある客室乗務員の方からは、この時期になると思い出すと伺いました。乗務を外されて、辞めるか解雇されるか迫られると。八方塞がりの日々がちょうどこの今の秋の時分だったとおっしゃいます。
 このまま放置することは許されないと考えます。何よりも空の安全のために、今こそ国が自らの責任を重く受け止めて、解決のために役割を果たすべきであるということを強調して、質問を終わりたいと思います。
#130
○室井邦彦君 維新の会の室井邦彦でございます。
 早速質問をさせていただきます。
 最初に、災害に強い国土の施策ということでまずは質問をさせていただきたいと思います。
 台風十号、これは、過去気象庁が観測を始めて初めての、東北地方を通過して日本海を抜けるという特異な進路をたどったという十号でありました。各先生方からも関連した質問もございましたけれども、気象庁が一九五一年に統計を開始して以来初めてだということを聞いております。六十五年間このような観測はしたことはないということでありました。
 また、更に引き続き、台風七号、九号、十一号と三回も北海道に台風が上陸する、これも観測史上初めてのことである、このように聞いております。
 北海道は日本の食料倉庫と言われる大切な特に地域であります。ここに甚大な被害が出たわけでありますが、西日本、そして沖縄、南西諸島、この地域は、もう住民も台風予報が出るとすぐさまそういう準備を適切に敏速に対応できるわけであります。しかしながら、そういう経験を数多くしてきても、やはり被害、死亡者、こういう人たちが悲しいかな出てくるわけでありますが。
 そういう観点から、巨大台風とか竜巻がもう日本全国でどこでも起きるという、想定外ということはなくて、こういうふうな物の考え方をしていかなくちゃいけないんじゃないのかなと、私はこのようにも思っておりまして、国土交通省というのは多岐にわたる範囲でございます、非常に大変な守備範囲でありますけれども、国土交通省として、このような新たな経験を踏まえ、今後どのようにハードまたソフト面でこういう事態に備えていこうと考えておられるのか、大臣がお答えしていただくようでありますので、よろしくお願いします。
#131
○国務大臣(石井啓一君) 近年、雨の降り方が局地化、集中化、激甚化している中、昨年九月の関東・東北豪雨による甚大な被害を踏まえまして、施設では防ぎ切れない大洪水が必ず発生するとの考え方に立ちまして、社会全体で洪水に備えるための水防災意識再構築ビジョンの取組を進めているところでございます。
 具体的には、堤防整備などの洪水氾濫を未然に防ぐ対策の着実な推進に加え、タイムラインの作成など住民目線のソフト対策への転換など、ソフト、ハード一体となった対策を重点的に実施をしてございます。
 このうち、関係機関があらかじめ時間軸に沿って防災行動を定めておくタイムラインにつきましては、国管理河川において市町村による退避勧告等の発令に着目して策定を進めておりまして、沿川七百三十市町村のうち、八月末現在で五百八十九市町村で策定をされております。
 さらに、水防災意識社会再構築ビジョン、従来は国管理河川で取組をやっておりましたが、今後はこれは県管理河川にも拡大をする、これは八月に決めておりましたけれども、この夏、北海道、東北地方を襲った一連の台風による被害も含め、タイムラインも含めて県管理河川における取組を加速化することといたしました。
 なお、今委員の方から竜巻についても言及がございましたが、竜巻につきましては、竜巻等の激しい突風が発生しやすい気象状況となった場合、竜巻注意情報を発表し注意を呼びかけておりますが、この竜巻注意情報につきましては、本年の十二月から、発表区域を従来より細分化するなど、その更なる改善に取り組んでいるところでございます。
 引き続き、台風を始めとした風水害について、ハード、ソフト対策をスピード感を持って推進し、地域の安全、安心の確保に努めてまいりたいと存じます。
#132
○室井邦彦君 ありがとうございます。
 今大臣もきめ細かく御回答いただきましたが、私は西日本、兵庫県に住んでおりますけれども、やはり東北の方とか北海道の方というと、台風予報が来て、どのようにどうして動くかどうかという、特に北海道の皆さん方は経験がないだけに、特に地方自治体との連携を更に強固に、これでもかこれでもかという、もう念には念を押して御指導を是非していただきたい、このように思っております。
 引き続きまして、これは熊本地震の風評被害でありますけれども、高瀬弘美先生ともう全く同じ質問を、田村長官、丁寧に同じことでも答えてくださいね。
 本当にこれ飛ばそうと思ったんだ、これは五つ質問しておりますので、改めてもう一度させていただきますが、九州ブロックにおける観光の状況で一番心配しているのは、質問にございましたように韓国の旅行者がもう激減しているということ。九州の外国人の延べ宿泊者数、五百四十八万人泊というんですね、これ。こういう表現するようでありますが、その中で韓国の方が百八十七万人泊、全体の約四〇%を占めておると。こういう状況の中で、またアシアナ航空によるソウル―熊本間がいまだに直行便が運休しているというのは、これ非常に大きな打撃だと、私はこのように思っておるというよりも、このような現状であります。
 この状況に鑑みて、観光庁としてこれをどのように分析して、これからどう対応していこうとされているのか、まずお聞かせをください。
#133
○政府参考人(田村明比古君) 少し回答も重なってしまうかもしれませんけれども……(発言する者あり)はい、済みません。
 九州の観光復興をいち早く成し遂げるために、九州ふっこう割のほか、中小企業等グループ補助金、それから魅力的な地域産品等の海外発信などの施策を盛り込みました総合支援プログラム、これに基づいて省庁横断的に幅広い支援を行ってきたわけでございます。こうした取組で、それに交通インフラが相当程度復旧してきたこと等もありまして、熊本地震があった直後に比べますと、全体としては延べ宿泊者数も前年同期比で二、三%減というところまで回復をしてきているわけでございます。
 ただ、今先生御質問いただきましたように、インバウンドの、なかんずく熊本への韓国からのお客さんというのがまだ回復が遅れているということがございます。こういったこともございますので、先般成立をいたしました二次補正予算の中でも緊急訪日プロモーションのための予算というものも確保いたしました。これまでも、韓国の旅行業協会の方々に来ていただいたりとか、それからブロガーの人に来てもらったり、いろんなことをやっておりますけれども、更に効果的なプロモーション等をやって、情報発信、プロモーションをやりまして、この落ち込んだ需要の回復というものに努めてまいりたいと、このように考えているところでございます。
#134
○室井邦彦君 御努力していただいていることは事情も分かっておりますが、私見でありますけれども、なぜ韓国の方が激減しておるのか、まだいまだに回復、韓国の方だけに関してインバウンドがないのかというか、ほとんどゼロに近いというか、こういう状況の中で私なりに思っておるのは、韓国という国は特に、日本は地震が異常にあって、我々は少々、今日も震度四の地震がありました、あっても冷静さを保って、物事はスムーズに進み、何も行政が止まることはありません。もう地震に慣れてしまっている国民であるということ、まずこれを認識をしておかなくちゃいけないなと。
 韓国は、私、全く地震のない国とは言いません。しかし、日本に比べるとほとんどもう皆無に等しい、この間少し地震があったようですけれども。ですから、韓国の人たちは地震に対して非常に恐怖心を抱いておられると、私はそのように聞いております。そういうこともお考えになられて、地震に対する恐怖心をいかにして和らげるか、こういうところもちょっと見ていただきながら研究して対応していただきたいなというふうに付け加えておきます。
 続きまして、大臣が、首都直下地震や南海トラフ地震については、救急救命活動や復旧支援活動を支えるためにインフラの耐震化や無電柱化を推進していかなくてはいけないと、このようにおっしゃっておられます。
 首都直下地震とかこういうことに対応すること、これも大切なんですが、他方、観光振興の面でもこの無電柱化というのは非常に大切な、私は、京都というのは世界に冠たる歴史、文化、豊かな自慢の町と思っておりますし、世界の、世論調査においても観光会社においても、京都というのが一番だということも聞いております。
 その京都に、ちょっとこの資料を見ていただければいいんですが、これはごく一部です、これだけ歴史的景観のすばらしいところに電線、電柱が、ぶらぶら下がっておると。これは本当に恥ずかしいことで、先進国としてはお粗末過ぎると、僕はそう思うんです。
 この部分だけでも早急に、予算がない予算がないじゃなくて、予算はなくても分捕ってきて、それだけ観光にまた返ってきますから。僕はそう、是非大臣積極的にこの、特に歴史的景観のある町、そして四千万人の、四千万人というのは世界で五番目か六番目の観光大国になるわけでありますから、それを達成するためにも、このような見苦しい、こういうことは是非、これ観光、外国の方々が来られて、今私、赤坂プリンスホテル、麹町の議員宿舎に住んでおるんですけれども、あれはあっという間に騒音もなく、ダンプカーが何十万台も搬送、搬入に動いたようでありますけれども、そんな姿も見たこともない、騒音も見たこともない、そんなほこりも何も、そういうこと、あっという間にあれだけのビルが一瞬にしてなくなっていったと。そんなことを思うと、観光をしながら、夜中と朝方にさっと地中を掘りながら、そういうことができるはずやと。
 日本の技術力は冠たるものでありますから、是非そのように、これも大臣答えていただけるようでありますので、ひとつ的確な、さすが石井大臣というようなお答えを是非していただきたい、このようにお願いを申し上げます。いかがでしょうか。
#135
○国務大臣(石井啓一君) 無電柱化は、道路の防災性向上、安全性、快適性の確保、さらには良好な景観の形成、こういった三つの観点から重要な施策であると考えています。
 今委員が御紹介していただいたような京都市の五条坂や三十三間堂などの観光地、これは良好な景観の形成を図ることが必要であり、無電柱化が一つの有効な対策と考えております。
 ただ、無電柱化を進めるためには、コストが高いということもございますけれども、特に景観が重視される観光地においては、通常の場合よりも地上の機器、トランスなどの地上の機器の設置場所について地元との合意形成が難しいなどの課題がございます。このため、国土交通省では、関係機関と連携をしまして、管路を浅く埋設することやケーブルを直接埋設するなど、低コスト手法の導入に向けて取り組んでいるところでございます。
 また、観光地においては、地域が目標とするまちづくりと一体的に計画を立てて事業を進めることが重要でございますので、地域ごとに協議会を設置をして、地域の要請も踏まえた計画的な取組を進めていく必要があると考えております。
 例えば、同じ京都市の先斗町におきましては、幅員が約二メーターしかない道路で管路を浅く埋設する方式などを導入するとともに、地域住民や事業者が、行政などが連携をして地上機器を民有地に設置するなどして、全国に先駆けて先進的な取組が行われております。
 国土交通省といたしましては、地方公共団体及び事業者と協力をして、観光先進国の実現に向けて更なる無電柱化の推進に努めてまいりたいと思っております。
#136
○室井邦彦君 是非強力に各自治体とも連携を取られて、元はすぐ取れます、四千万人も五千万人も観光客がインバウンドということで、世界第五位以内には是非入っていただきたいなというふうに私も大きく期待をしておりますので、国交省の皆さん方には是非ともお願いをしておきたいと思います。
 続きまして、インフラメンテナンス国民会議という、メンテナンスとインフラというのはよく聞くんですけれども、これに対して国民会議という、このようなことでありますが、これについて多少御質問をさせていただきたいと思います。
 目的はよく分かっております。この社会資本が高度成長で集中的に整備をされたということで、それから三十年、五十年が経過し、今後二十年間で建設後五十年以上経過する施設の割合は非常に加速的に高くなるというのは、これはもうこのとおりでありますが、それとともに、共に少子高齢化が付いてくるわけでありまして、さらに、財政の状況が更に更に厳しくなっていくということで、ざっと試算されると、この二〇一三年度で約三・六兆円掛かると、この更新費用に。二〇三三年、二十年後、人口も千四百万人減少いたしますが、四・六兆円から五・五兆円になり、更に現状の三割から五割高になると。途方もない大きな費用が掛かるわけであります。
 これに対応するためにインフラメンテナンス国民会議は設置されたと思うわけでありますけれども、是非これの内容、今後どう構想を考えておられるのか。また育成、産業の活性化についてどのようにしようと思っておられるのか。この国内市場も規模も非常に拡大すると、こういう意味でも期待、期待をされるというか、見込まれているところであります。これは藤田局長がお答えされるんですか。是非、もう時間もございませんので端的にお願いいたします。
#137
○政府参考人(藤田耕三君) お答えいたします。
 今御指摘のような事情で、インフラをこれから効率的かつ効果的にメンテナンスをしていくこと、大変重要であります。そのためには、施設管理者、あるいは建設業といった業種のみならず、新しい技術を有する様々な企業の参画、あるいは市民、学界などの参画を得てインフラのメンテナンスに取り組む必要があります。
 インフラメンテナンス会議でございますけれども、こうした目的のために言わば産学官民が総力を挙げて取り組むためのプラットホームとして立ち上げたいというふうに思っております。これを通じて、新しい技術の導入、あるいは産業の活性化、メンテナンスの理念の普及、こういったことに取り組んでまいりたいと思っております。
#138
○室井邦彦君 最後の質問になります。
 首都圏空港についての質問でありますけれども、最終的な目標は百万回を目指していると、このように聞いております。そういう百万回というもう途方もない回数でありますけれども、是非これは実現をしてほしいと、このように思っておりますが、あとは、羽田空港においてはその飛行空路の見直しについて、そして成田空港は第三滑走路の整備などについて、やはりこれは住民との対話、これが一番のネックだと思いますが、今どのようになっているのか、お答えください。
#139
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
#140
○委員長(増子輝彦君) 時間が参っておりますので、まとめてください。
#141
○政府参考人(佐藤善信君) はい。簡潔にお答え申し上げます。
 まず、羽田につきましては、住民の皆様に対しまして、昨年の七月より延べ九十五日間にわたり延べ三十四会場において説明会を開催し、約一万一千人の方に御参加いただくなど、情報提供に努めてまいりました。これからも引き続き関係自治体や住民の皆様に丁寧な情報提供を行ってまいりたいと考えてございます。
 それから、成田につきましては、去る九月二十七日の四者協議会におきまして、第三滑走路の位置や既存滑走路の延伸、夜間飛行制限の緩和、さらには、これに伴う環境対策の考え方を国及び空港会社が地域住民の皆様に説明することについて地元自治体より了承されました。したがいまして、これを受けまして、この地域への説明を開始したところであり、今後、地域の皆様方に御理解をいただけるよう丁寧に説明してまいりたいと考えてございます。
#142
○室井邦彦君 終わります。
#143
○青木愛君 希望の会(自由・社民)の青木愛です。
 国交委員会に所属するのは初めてでございますので、最も基本的なこと、そして重要と思いますこれからの町の在り方について御質問させていただきます。
 町の在り方に関して、その時々の時代的課題に対処するために、例えば一九九八年には、中心市街地の空洞化という課題を受けまして、中心市街地活性化法、大店立地法、都市計画法のいわゆるまちづくり三法が制定されました。その後、二〇〇六年には改正されておりますけれども、町の機能を中心市街地に集中させるコンパクトシティーの考え方が内容に盛り込まれました。そして、二年前の二〇一四年には、省庁連携でこのコンパクトシティー形成が前面に打ち出されまして、国交省でも都市再生特別措置法と地域公共交通活性化再生法の一部が改正されたと認識をしております。
 そこで、まず質問させていただきたいと思いますけれども、この二年前の二〇一四年の改正で国交省が打ち出しましたコンパクトシティー・プラス・ネットワークにつきまして、それが提案された背景と今の進捗状況についてお伺いをいたします。
#144
○政府参考人(栗田卓也君) お答えいたします。
 我が国の地方都市では、一九七〇年以降の四十年間で人口が約二割増加しております。他方、市街地の面積、約倍増でございます。すなわち、多くの都市で住宅や店舗等の郊外立地が進み、拡散した低密度な市街地が形成されてまいりました。
 このような状況の中で、今後急速な人口減少が進み、市街地の更なる低密度化が進みますと、住民の生活を支える様々なサービスの維持確保が困難となり、地域の活力が大きく低下する、こういうことが懸念されます。また、大都市におきましては、高齢者、比率といいますよりも実数がこれから急増いたします。それに伴う医療、介護の需要が間に合うのかといった事態も懸念されておるところでございます。
 人口減少あるいは高齢化という中にありましても、地域の活力を維持しますとともに、福祉、医療等の生活機能が確保されて、高齢者が安心して暮らせる町を実現する。そのためには、各種の機能をコンパクトに集約してネットワークでつなぐコンパクト・プラス・ネットワーク、こういった考え方でまちづくりを進めることが必要と考えております。
 このような考え方の下で、平成二十六年に都市再生特別措置法の改正を提案させていただきまして、立地適正化計画制度の創設を見たところでございます。予算、税制などのインセンティブ策を講じながら、町中あるいは公共交通の沿線に生活サービス機能あるいは居住機能の誘導を進めていくこととしております。
 現在、二百八十九の市町村で立地適正化計画に関する具体的な作成作業を進めていただいております。これまでに四市で計画を作成、公表いただいております。今年度中にはおよそ百都市が作成、公表いただけるものというように考えておるところでございます。
 コンパクト・プラス・ネットワークの取組は、中長期的な視点で都市構造の転換を図るものですので、幅広い政策分野にわたります。政府では、国土交通省だけでなくて、関係省庁で支援チームを設置しております。この枠組みを通じまして、省庁横断的に支援施策の充実を図りながら、市町村の計画作成等を支援しているところでございます。
#145
○青木愛君 まさにこれからその取組が進もうとしておりまして、ここでやはり過去の事例を検証しておく必要があろうかと思います。
 今から十年前の二〇〇六年の改正後にいち早く中心市街地活性化基本計画の承認を受けまして、いわゆるコンパクトシティー建設に向かいました富山市と青森市についてお伺いしたいと思います。
 先週、富山市にお伺いをしてまいりました。富山市のコンパクトシティーについて説明を受けますとともに、市内を視察いたしました。徒歩で利用できる生活圏、それを公共交通でつなぐという構想でございますが、市は、その生活圏をだんご、幾つかのだんごを公共交通という串でつなぐと、だんごと串という表現をされていました。廃線になりましたJR線をライトレールという路面電車として活用しまして、以前よりも運行本数を増やし、乗降駅も増設、バリアフリーにも配慮をした利便性の高い公共交通に生まれ変わりました。富山県は元々自家用車が一世帯当たり一・七台という全国二位の車社会でございますが、公共交通が便利になることによって、お年寄りや御婦人方、世代を超えた利用客がJR時代よりも相当数増えまして、経営も黒字とのことでございました。
 あわせまして、富山市は、六十五歳を超えた利用者に対しましておでかけ定期券という事業を行っております。市内の公共交通は一回百円という安価で利用ができます。現在、二千七百六十三人の利用者がおられ、定期券を利用した日は、一人当たり千七百九十四歩、歩数が増えているという具体的な数字をいただきました。
 筑波大学のスポーツ医学専攻の久野譜也教授がこの予防医学の実証実験を行っておりますけれども、一歩多く歩くことによる医療費の削減効果、これが〇・〇六一円だそうでございます。これをもって計算をいたしますと、年間で約一億一千万円の医療費削減の効果ということになります。
 また、別のデータで、日本福祉大学斉藤雅茂准教授によりますと、他者との交流が週一回以下の高齢者は、毎日頻繁に交流する人と比較しまして要介護や認知症になる危険性が一・四倍も高まるという御報告もございます。
 いずれにいたしましても、富山市における公共交通の成功は、住民の健康にも大きく影響しておりまして、医療費削減にも効果を発揮をしているということでございます。
 さらに、中心地に建設したマンションは、完成と同時に全室完売ということでございました。
 このように、富山市のコンパクトシティーは、課題を残しながらも、周辺の自治体に出店した大型ショッピングモールなどの影響を最小限に抑えながら、活力にあふれた市街地が形成されていました。
 そこで、お伺いをいたします。富山市のコンパクトシティーが成功している要因について、国交省はどのように分析をしておられますでしょうか、お教えください。
#146
○政府参考人(栗田卓也君) お答えいたします。
 人口減少、高齢化の中にあって、コンパクト・プラス・ネットワークというまちづくりの重要性、先ほど申し上げました。この都市構造をコンパクトというか集約型に持っていくと、こういうことを考えますときに、公共交通の再編と併せて考えていくことが大変効果的というように考えております。
 富山市はコンパクトシティー政策の代表例としてしばしば取り上げられる、委員御指摘のとおりでございます。その要因について幾つか申し上げようと思いますが、幾つかの点は委員既に御指摘のとおりでございます。
 一つ目の特徴といたしまして、富山市におきましては、利用者の減少が続いておりましたJRの富山港線、このインフラを活用するということで、実質的な市の負担を抑えてLRTの整備ができたということでございます。これに、バリアフリーなどの乗り継ぎ環境の向上も含めて公共交通の整備を実施しております。これは他の都市にはない大きな特徴でありますし、優位点であるというようにも考えております。
 二つ目の特徴として、関連して様々なソフト施策が講じられております。先ほど公共交通の、特に高齢者に対します運賃割引制度の御紹介がございました。それも代表例でございますし、公共交通の整備と連携しまして、公共交通の沿線に居住を誘導する地区を設定いたしまして、当該地区に居住する場合には住宅建設費の一部を補助する、こういった市独自の取組が多面的に展開されておるところでございます。これらが二つ目の大きな特徴として挙げられるというように思います。
 これらの取組は、これも先ほど委員御指摘になったとおりでございますが、平成十九年それから平成二十四年に第一次、第二次として富山市の中心市街地活性化基本計画が作成されておりますが、それに基づきまして実施されてきております。現在の市長は平成十四年に御就任でございます。一貫して強力なリーダーシップによって施策を積極的に展開されてきたとしばしば指摘されておるというように認識しております。
 これらの取組の結果によりまして、富山市全体の人口に対します中心市街地、それから公共交通の沿線地区の人口の割合が増加しております。平成十七年には、今私申し上げました人口の割合が約二八%でございました。平成二十七年にはそれが約三三%というようになっております。このように、コンパクトシティーというような都市構造の形成が進んできておるというように認識しておるところでございます。
#147
○青木愛君 続いて、青森市についてお尋ねをいたします。
 青森市も、富山市と同様に二〇〇七年二月に承認を受けましてコンパクトシティー構想に着手をいたしました。それまで青森駅を中心とした市街地区域は徐々にドーナツ化現象を見せまして、さらに人口減少と少子高齢化が拍車を掛けました。拡大した地域の除雪にも膨大な費用が掛かっております。中心部の活気をいかにして取り戻すかが切実な課題でございました。
 そこで考えられたのが、青森駅を中心に多額の資金を投じて複合商業施設アウガを官民合同で建築をいたしました。そこに図書館などの公共施設とテナントが同居をするというものでございました。また、公営住宅は、中心部に高層マンションを建設し、住民に郊外から移転していただくと。それにより中心部の活気を取り戻すというのが当初の計画でございました。
 ところが、アウガはテナントが集まらず、経営は赤字。郊外から高層マンションへ住民の移住も進んでおりません。行政コストを抑えるはずが経営危機に陥りまして、逆に多額の税金を投入する事態になっております。その責任を取って、今年八月二人の副市長が辞任、市長も辞意を表明する騒ぎになっております。
 そこで、質問をいたします。
 国交省は、この青森市のコンパクトシティー、この構想が迷走した原因はどこにあると分析しておられるか、それから国はこれまで青森市に対してどのような指導をしてこられたのか、計画を承認した国交省としての責任というものはどのように考えておられるのか、そして今回の立地適正化計画を承認した、先ほど四件公表されたとありましたけれども、この計画がこれから進むに当たって途中困難に直面した場合、例えば承認の取消しなどがあるのかどうか、どういった対応を取られるのか、その四点お伺いをさせていただきます。
#148
○政府参考人(栗田卓也君) お答えいたします。
 青森市のコンパクトシティー政策についての御質問でございます。
 平成十一年の都市計画マスタープランでこの基本的な考え方が打ち出されております。都市内をインナー、ミッド、アウターという三つの区域に区分して、市街地の拡大抑制、中心市街地の活性化を図るということでございます。この考え方は、一昨年の都市再生法の改正によりましてコンパクト・プラス・ネットワークという施策を本格的に国で取り上げておるわけですが、地方で先行的に、先駆的に具体化していただいたものの一つというようには思います。
 他方、青森市の再開発ビルの運営会社が今委員御指摘のような状況に立ち至ったというようなこともまた事実でございます。要因は複合的なものがございまして、分析はなかなか容易ではありませんけれども、幾つか指摘をさせていただきたいと思います。
 まず、この再開発計画自身は、当初の都市計画決定が昭和六十二年でございます。それから時間が経過する中で、当時はバブル前夜でございますので、その後、バブルの崩壊というように至ります。平成二年に再開発組合の設立認可がされ、平成四年に再開発ビルの株式会社の設立が行われております。そのように大変経済環境が激変する中で再開発の事業が進められたということでございます。バブルが崩壊した後、平成六年には予定していた商業のキーテナントが撤退するといったようなことで、見込みが大きく乖離したということでございます。
 このような計画途上の事業環境の変化に対しまして、当初の事業規模を縮小はしたわけですけれども、適当な規模にまで縮小ができなかったと、結果として身の丈に合わない規模になってしまったということが大変大きな一つの要因かと思います。当初の事業費は約二百五十億でございます。それを縮小しましたけど、約百八十五億ということでございます。これは、他の地方都市のいわゆる市街地再開発事業の成功例と取り沙汰されるものから比べますと約三倍の、縮小後でも約三倍の規模でございます。こういう見直しを経ながら平成十三年にオープンいたしております。
 当初の計画では、やはり相当商業用途に偏ったものでございます。ただ、キーテナントの撤退によりまして、一部に、先ほど委員御指摘のとおり、図書館あるいは男女共同参画プラザですとか情報プラザですとか、そういった公的施設を導入しましたものの、地域の需要に比して商業用途に床の配分が偏っているということも要因として考えられるのではないかと思います。これが大きな二つ目というように考えております。
 また、この計画を進めていく期間、あるいはこの再開発が行われた後に周辺部に二つの大規模商業開発が行われております。これらを十分に押さえられなかったということで商業的な厳しい環境に、中に追い込まれたということも大きな要因として、付加的な要因として挙げられるのではないかというように考えておるところでございます。
 国土交通省としてどのようにこのようなことに対処してきたかという、あるいはその責任ということでございます。
 国土交通省では、中心市街地活性化基本計画というようなことに位置付けられた事業につきましての国費補助については、これは主として社会資本整備総合交付金が活用されておるということでございます。交付金を活用いただいた事業につきましては交付要綱の中で、事業の完了時だけでなくて交付期間の中間年度でも、必要に応じて事業の目標の実現状況等について自主的に評価を行うように求めておるところでございます。さらに、交付金の計画は複数年度で立てていただきますが、実際の交付金の交付は各年度行います。各年度、地方公共団体から予算要望の聴取に当たりまして、各事業の実施状況あるいは課題等を把握するとともに、過去の事業に関する分析結果も踏まえつつ助言を行ってきておるところでございます。
 御指摘の再開発事業、これは実は再開発組合が事業主体となりまして、青森県がその事業計画を認可したものでありますけれども、中心市街地の基本計画第一次の認定をしたときには既に再開発事業が完了しておりました。平成十三年、完了しておりました。事業の実施、この再開発事業につきましてということですが、その事業の実施あるいは施設の運営に関しまして、事業主体であります再開発組合がその責任の下、評価し対応すべきものというように認識しております。
 ただ、国土交通省といたしましても、そのような経験を十分改めて分析して、これから各地方公共団体、いろいろコンパクトシティーのための計画策定、あるいは事業の実施を進めていただく、それには反映させていくべきと考えています。
 青森の……
#149
○委員長(増子輝彦君) 局長、まとめてください。
#150
○政府参考人(栗田卓也君) そういう経験で、さきの通常国会で都市再生法を改正させていただきまして、身の丈に合った市街地開発事業といったような制度もつくらせていただきました。また、交付の期間中に交付金の交付を行えないと判断することは当然あるものでございますし、実例もございます。
 長くなって恐縮でございます。
#151
○青木愛君 もう一か所だけ御紹介をさせていただきます。岩手県紫波町のオガールプロジェクトに関連してお聞きをします。
 紫波町は盛岡市と花巻市の間に位置する人口約三万三千八百人の町でございます。元々、町が紫波中央駅前に土地十・七ヘクタールを開発計画用地として買い上げたのですが、買収の直後に税収が落ち込んで、開発予算のめどが立たなくなりました。計画が頓挫したという経緯があります。そこで、この開発から資金調達まで、民間の株式会社が担う形で事業化に乗り出しました。現在は、図書館、産直マルシェ、子育て応援センター、カフェ、貸しスタジオなどを備えたオガールプラザ、またホテルやバレーボール専用体育館を備えるオガールベース、バーベキューなどを楽しめるオガール広場などがありまして、町民のみならず、今や年間で八十万人が訪れております。
 このオガールプロジェクトは、従来のような補助金に依存せず、民間が主体となって市場にしっかり向き合いながら公共を形成するという新しい官民の連携、民官連携の形として全国から今注目されております。
 これまでの官民連携プロジェクトは、官が主、民が従という形で行われてきましたけれども、厳しく批判する人からは、国や自治体が箱物プロジェクトを主導した場合、コスト意識に欠ける、特に維持管理費の見通しが甘いなどという手厳しい声を聞いております。官主導のプロジェクトの問題点について、またその改善策について、是非御意見、御感想をお聞かせいただきたいと思います。
#152
○委員長(増子輝彦君) 藤田総合政策局長、時間が参っておりますので、簡潔にお願いいたします。
#153
○政府参考人(藤田耕三君) いわゆる官民連携事業の課題、いろいろあろうかと思いますけれども、事業の継続が困難となっているケースを見ますと、やはり一般的には官側におきまして事業性やリスクに関する認識が不十分といった問題があるケースが多いように思います。
 国土交通省としましては、地域のプラットホームを通じて、こういったノウハウの横展開を図っております。さらに、事業の実施前に公的セクターと民間セクターが対話をすることによって、市場性の調査を十分に実施することが重要であると考えておりまして、こうした対話のノウハウの取りまとめあるいはその横展開ということも今後取り組んでまいりたいと考えております。
#154
○青木愛君 ありがとうございます。
 私は、この失敗した事例は、国の補助金を当てにした安易な開発計画ではなかったか、特に、中心地に箱物を建設すればテナントが集まる、住民が集まるという甘い計画ではなかったか、またその開発プロジェクトに地元住民が計画の初期の段階から参画していなかったのではないかなどと考えております。
 富山市長は、二年間で百回以上もの市民ミーティングを企画をし、住民や関係業者から意見を伺ったということでした。また、路面電車の上下分離で、車両などは市が持ち、運営は民間ができるよう法律改正を国に要望し実現をしたということでした。地方発信で国を変えていくという姿勢で臨んでおられます。
 これまでのように政府が統一基準を作成してその基準に沿って一律に指導するのではなくて、地元のこうした熱意や要望に応える、富山市の例のように、もしも法律が邪魔をしているのであれば、法律を改正してでも地元の自発性を応援をすると、そういった姿勢に転換されることを強く要望いたしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#155
○行田邦子君 無所属クラブの行田邦子です。よろしくお願いいたします。
 私は、今日は建設業における社会保険等の未加入対策について伺わせていただきます。
 本来社会保険等に加入する法的義務があるにもかかわらず加入していないという可能性のある事業所が七十九万社、そして労働者の数でいうと二百万人ほどいるのではないかということが厚生労働省の推計で出されまして、そして、今国会でも議論となっております。そうした中で、国土交通省におきましては、平成二十三年度頃から建設業においての社会保険等の未加入対策を徹底するよう取り組んできています。
 その内容を見ますと、かなり強力に推し進めているという印象を受けるわけでありますけれども、このような強力に社会保険未加入対策を進めている産業、業界というのはほかの産業を見渡しても私は見当たらないのではないかと思っておりますけれども、まず大臣に伺いたいと思います。
 建設業において社会保険未加入対策をこれほどまでに強力に推進する、その必要性と理由についてお聞かせいただけますでしょうか。
#156
○国務大臣(石井啓一君) 建設産業は、少子高齢化の進展に伴いまして、高齢化や若年入職者の不足という構造的な課題に直面をしております。こういった中で担い手確保のために技能労働者の処遇改善に取り組んでいるところでございますが、その際、適切な賃金水準の確保はもちろんでありますけれども、社会保険の加入促進が重要であります。
 建設業で働く方々が社会保険に加入できないような状況では、若者の入職を増やしていくことは困難というふうに考えております。建設業の持続的な発展に必要な人材を確保していくためには、社会保険の加入を進めることが不可欠であると考えているところでございます。
#157
○行田邦子君 今大臣御答弁されたように、若者の入職者がなかなか増えないというこの業界の現状を見れば、やはり社会保険の加入の徹底ということは、業界として、また国土交通省としても推し進めていくべきだと、この点については私も賛成でございます。
 そして、この国土交通省の取組が功を奏していると思いますけれども、数字を見ますと、過去三年間、平成二十四年度から平成二十七年度、この三年間で、いわゆる三保険、雇用保険とそれから健康保険また厚生年金と、この三保険全てに加入をしている会社というのは、企業別に見ますと八七%から九五%に上昇して、労働者別でいいますと五七%から七二%と、実績を上げていると言えるかと思います。
 ただ、元請、それから下請、二次下請と、この別に見ていきますと、元請よりか一次下請の方が加入が低い、一次下請よりか二次下請の方が更に低いというような状況になっているということを何とか改善していかなければいけないというふうに思っておりまして、その一つの方策として、私がこれを徹底していただきたいと思っておりますのが、見積書におきまして法定福利費の内訳を明示するということを、これを徹底させるということだというふうに思っております。
 そこで、お手元にお配りをしておりますけれども、これは全国鉄筋工事業協会が出しております標準見積書の作成例ということであります。これを見ていても思うんですけれども、皆様にお配りしているのは表紙一枚なんですけれども、この見積り一枚を作るために様々な歩掛かりの計算をしたりとかあるいは算定をしなければいけない、これを一枚出すためにかなり細かい積算が必要であるということでありますけれども、これを見ていて思うんですけれども、この全国鉄筋工事業協会はかなり丁寧なマニュアルを作っているとは思いますけれども、必ずしも職種によってはマニュアルが余り丁寧ではなかったり、分かりにくかったり、あるいは小規模の事業所にとっては非常にハードルが高い、作りにくいということもあろうかと思っておりますし、アンケートでもこのようなことが指摘をされています。
 小規模事業所にも使いやすい標準見積書のフォーマットに改正する、また分かりやすいマニュアルを作成すべきではないかと思いますけれども、局長、いかがでしょうか。
#158
○政府参考人(谷脇暁君) お答えをいたします。
 今御指摘がございましたように、元請企業から下請企業に対しまして適切に法定福利費が支払われるためには、法定福利費を内訳明示した見積書を広く活用することが有効であるというふうに考えております。現在、四十六の専門工事業団体におきまして、業種の特性に応じまして標準見積書を作成をしていただいております。
 国土交通省といたしましても、この事業主の負担を減らすことを狙いといたしまして、法定福利費を内訳明示をした見積書の作成マニュアルというようなものを作成いたしまして、ホームページでも周知をしているところでございます。
 さらに、今後、今御指摘ございましたように、小規模事業者に対しましても見積書を活用していただく必要があるということでございまして、この小規模の事業者にも使いやすい簡易版のマニュアル、こういうものの作成も進めているところでございます。
 また、今年の十一月から全国十か所で中小の事業者向けに、法定福利費の算出方法でございますとか見積書の作り方について分かりやすく解説する研修会というようなものを開催を予定をしてございます。この研修会では、社会保険労務士協会の皆様方にも御協力をいただきまして、この参加企業への個別相談の場も設けましてきめ細かく対応したいというふうに考えております。
 このような取組を通じまして、小規模事業者に対しましても丁寧に対応しながら、法定福利費を内訳明示した見積書の活用の促進を図っていきたいと考えております。
#159
○行田邦子君 実に多くの小規模事業所の存在によって成り立っているのが建設業界ですので、こうした小規模事業所がしっかりと法定福利費を請求できるような、そのような対策を更に進めていただきたいと思っております。
 こうした標準見積書を使って法定福利費分を元請に請求する、見積書を出すということがなされたにしても、実は、元請が払ってくれない、あるいは元請によっては態度が統一されていないといったことも、恐らく一次下請ぐらいの企業だと思いますけれども、何社かから最近私自身が直接声を聞くことがあります。
 法定福利費の元請からの支払のケースとして、大きく四つのパターンに分けることができます。一つ目は、社会保険等に加入している証明書をあらかじめ提示すれば現場の入場日数に対して決まった金額を支払うと、これは法定福利費を払うケースということです。二番目が、全体の工事費に対する法定福利費の割合を元請が決めて支払う、一部だけ支払いますよといったようなケースもこのAに含まれます。三つ目なんですけれども、法定福利費を支払うと言いながら同額かそれ以上の値引きを要請するという、この見積り作成例でいいますと法定福利費は約二百七十五万ですので、二百七十五万の法定福利費は払うけれども三百万まけろということを言われてしまう、一方的に言われてしまうというケース。それからCは、法定福利費が外出しである人件費単価に法定福利費を含ませろというようなことを言う、この見積りでいいますと組立て人件費は単価が三万七千六百九十円ですけれども、そこに法定福利費は大体一五%乗っかるはずですが、その一五%を含ませろというようなことを言う元請がいるということであります。
 そこで、局長に更に伺いたいんですけれども、こうしたその法定福利費の支払の実態についてどのように把握をされていますでしょうか。
#160
○政府参考人(谷脇暁君) この見積書の活用の状況につきまして、私どもアンケート調査を行いまして、その活用状況の把握に努めております。
 幾つか調査をしておりますけれども、最新の調査、これが昨年の十一月に行いましたアンケート調査でございますけれども、その調査をちょっと御紹介させていただきますと、回答をいただきました会社が大体千六百社でございます。このうち、法定福利費を内訳明示した見積書をほとんど又はおおむね提出している企業といいますのが全体の大体四五%ほどでございました。前の年の調査が三二%でございましたので、一年間で一・四倍ぐらいには増えてきていると、こういう状況でございます。
 さらに、今御指摘がございました、ちゃんと払ってもらっているかどうかという点でございますけれども、この見積書を提出した結果といたしまして、約五割の企業が法定福利費を含む見積金額全額が減額されることなく支払われる契約となったということでございまして、残りの部分は、やはりちょっと減額されたりとか、その今御指摘ございました、ほかの部分がちょっと削られたりということがあったようでございますが、約半分は全額を支払われたという結果になってございます。
 この調査は今年も行うことを予定しております。今御指摘ありましたようなことも考慮しながら、より充実した実態把握に努めていきたいと考えております。
#161
○行田邦子君 今年行われている調査では是非改善が見られることを期待したいと思いますけれども、それにしましても、やはりこういったアンケート調査ももちろん必要ではありますけれども、こうしたアンケート調査だけではやはり問題点が浮き彫りにならないのではないかと思っております。
 そしてまた、国交省では最近、建設大手二十社に対するヒアリングというのも行っているようでありますけれども、こうしたいわゆる発注元あるいは元請に対するヒアリングももちろん必要ですけれども、やはり私は、下請に対する定性的な生の声を聞くというようなヒアリングの機会、あるいはこうした下請の実態が分かるような、そういうその声を聞くチャンネルというものが国土交通省としても持つべきではないかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
#162
○国務大臣(石井啓一君) 社会保険の加入を進めるためには、加入のための原資となる法定福利費が元請企業から下請企業に適切に支払われることが重要でございます。その支払の実態については、アンケート形式の調査のみならず、現場の生の声をできる限り集めて対応しながら進めることが重要であると考えております。
 このため、社会保険未加入対策の取組は、元請団体、下請団体、労働者団体などと行政から成る社会保険未加入対策推進協議会を中心といたしまして、業界の声を聞きながら進めております。また、全国で建設企業を対象とした社会保険未加入対策に関する説明会も開催をしておりまして、その際、地域企業からの声を聞くことにも努めております。
 こうした場において、例えば小規模の下請企業などでは、見積時の法定福利費の算定や明示の方法が分からないという声もございました。こういった意見も踏まえ、簡易版の、今、法定福利費を内訳明示した見積書の作成手順の作成を進めているところでございます。
 また、本年の七月には、社会保険労務士連合会に御協力をいただきまして、各都道府県ごとに社会保険労務士による相談窓口を設置をしているところでございます。さらに、各整備局等には、不当な下請取引や法令違反情報を積極的に収集するため駆け込みホットラインを設けておりまして、問題を把握した場合には立入検査等を行い、個別に指導を行っております。
 あらゆる機会を捉えて、下請企業の声にも耳を傾けながら、社会保険の加入促進にしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
#163
○行田邦子君 今の大臣の御答弁伺っていて、大臣も、法定福利費がしっかりと支払えていないのではないかという問題意識、共有をされているかと思います。省を挙げて是非取り組んでいただきたいと思います。
 下請の業者の声を聞いていますと、中にはこれは下請いじめじゃないかと思うような、このような話も聞かれます。ただ、建設工事については、下請法の対象とならずに、建設業法で規制されているということです。建設業法の第十九条の三ということでありますけれども、不当に低い請負代金の禁止ということであります。不当に低い請負代金の禁止ということで、そこには、通常必要と認められる原価に満たない金額を請負代金の額とする請負契約を締結してはならないということなんですが、その原価の対象となる一つが法定福利費ということで、通常必要となる原価として法定福利費は認められているということであります。
 ですから、不当にあるいは一方的に法定福利費を削減するというようなことをした場合は十九条の三違反になるおそれがあると思いますけれども、この十九条三の違反の罰則規定と処分件数を教えていただけますでしょうか。
#164
○政府参考人(谷脇暁君) 今御指摘がございました建設業法の規定でございますけれども、今ございましたように、「原価に満たない金額を請負代金の額とする請負契約を締結してはならない。」と、こう規定されているわけでございます。その趣旨は、注文者が自己の取引上の地位を不当に利用して請負人に不当に低い請負代金を強いることを禁止していると、そういうことでございます。
 さらに、この条文に続きまして建設業法の四十二条という規定がございまして、その中には、先ほどの条文、建設業法第十九条の三の規定に違反している事実があり、その事実が独占禁止法第十九条の規定に違反していると認めるときは、公正取引委員会に対し、同法、同法といいますのは独禁法ですけれども、独禁法の規定に従い適当な措置をとるべきことを求めることができるとされておりまして、建設業法と独禁法の両方の違反が認められた場合には、その措置を公正取引委員会に請求するということでございます。
 この趣旨は、行政の一元化を図るため、監督処分等については独占禁止法の手続に委ねているということでございまして、したがいまして、建設業法第十九条の三の違反については建設業法上の罰則、監督処分の対象となっていないということでございまして、したがいまして適用もないという状況でございます。
#165
○行田邦子君 建設工事については、下請法ではなくて建設業法で見るということになっているにもかかわらず、建設業法での罰則規定がないということは、私は、これはこの十九条三が形骸化してしまっているのではないかというふうに思っております。ほかの業法でもあるような、例えば行政指導をし、悪質な場合には勧告を出し、あるいは営業を停止する、さらには、悪質な場合は社名の公表をするなどといった、こういった仕組みがあってもよいのではないかというふうに思っております。
 公正取引委員会に国交大臣や都道府県知事が措置請求するというのは、これは条文を見る限りでは非常にハードルが高くて、実績もゼロということですので、この点も是非実効性のある法律の運用といいますか、をしていただきたいというふうに思っております。
 そして最後に、厚生労働省にも来ていただいていますので伺いたいと思います。
 今、建設業界におきましては、国交省を挙げて社会保険等の未加入対策を推し進めているところでありますけれども、今建設業で行っていることというのは建設業の特性を踏まえた上での対策ですけれども、必ずしもほかの業界にも当てはめることができるとは思いませんけれども、こうした建設業で行っているような取組につきましても、ほかの業界においても行うことができるのではないかと私は思っておりまして、業種ごとの未加入状況をまず把握することが必要だと思いますが、どのように把握をしているのか、そして業種ごとの対策を講じるお考えがあるのか、お聞かせいただきたいと思います。
#166
○政府参考人(伊原和人君) お答えさせていただきます。
 厚生年金の未加入事業者に対する適用促進につきましては、低年金の防止という観点からも重要でございますし、企業間の公平な競争を確保するという観点からも、業界の健全な発展に資するという点で大変大切な取組だと考えております。こうした意味で、厚生労働省におきましても、この加入指導というのに努めておりまして、昨年度は九・三万事業所を適用しまして、平成二十二年度の約十九倍の加入実績を上げております。
 そういう意味で、今一生懸命取り組んでおるんですけれども、御指摘いただきましたように、未加入対策の実施に当たりましては、業界、業種の特性を踏まえた対応も必要だと考えております。現在、厚生年金の適用の可能性のある事業所、約六十二万事業所に対しまして実態調査を行っておりまして、その中で業種についても把握することとしております。本年度内にはこの実態調査の集計、分析を行いまして、その結果を踏まえて関係機関や経済界と連携した対応を考えてまいりたいと思っております。
#167
○行田邦子君 建設業界に戻りますが、建設業界におきましては、未加入者を入場制限するとかあるいは下請にしないといった、そういった対策と併せて、是非法定福利費を支払わせるというようなことを強力に推し進めていただくことをお願いを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#168
○中野正志君 ラストバッターでございます。日本のこころの中野正志でございます。
 石井国交大臣、所信表明の中で、最後の章でありますけれども東京五輪の成功に触れられておりましたから、あえてこの二〇二〇年東京五輪の会場見直し問題についてお伺いをさせていただきたいと存じます。
 なかなか今現在でお答えしづらい部分があるのは重々承知しながら、あえて、あえてお伺いをいたしますけれども、私たちの宮城県登米市の長沼ボート場、ここに小池都知事、視察に参られまして、当然ながら地元から大歓迎を受けました。東北あるいは宮城県の方は、気持ちはしっかりあるんでありますけれども、私のようになかなか口に出せない、そういう地域性でございますので、今までは、もう御存じをいただくように、東京五輪を招致するときの三つのコンセプトの一つが復興五輪だった、復興五輪。ところが、東京に決定をされたら、いつの間にやら復興五輪のコンセプトが今日ほとんど消えてしまっておりました。そこに経費節減ということで大きく現れ出たのが小池さんなんでありますね。それで、私どもの村井知事もアプローチをいたしまして、今メディアの皆さんを始めとして議論がかまびすしい状況になっておるわけであります。
 予算委員会のときにも申し上げたんでありますけれども、交通アクセスは全く問題ない。また、もうこの長沼ボート場は、世界大会を含めまして各種の大会も頻繁に開かれて、十二分に資格としてはあると、こう思っております。
 ちなみに、東京都は二〇一四年の十一月、海の森の水上競技場の総整備費、IOCに対して四百九十一億円と試算をしておるんでありますね。ところが、説明は本体工事費は九十八億円だと。ごまかしたとは言いませんけれども、大幅な誤差があるわけであります。
 やっぱり、海の森水上競技場の選定は、そういう意味では全く事実と異なる。私たちは、根拠のない数字に基づいていたのではないかという批判の目を持っておるわけであります。過ちを改むるにしくはないという言葉がありますけれども、このままいったら国民の皆様の理解を得るというのはなかなか大変なのではないだろうかなと。
 申し上げましたように、ですから、復興五輪というコンセプト、今までは私たちも遠慮して口を開いてこなかったのでありますけれども、ここまで来れば、是非長沼ボート場をよろしくお願いを申し上げたい。観客席は約二万席、立ち見を含んで、準備をしなければならない、あるいは伴走路、テレビカメラとコーチ用、あるいは駐車場、メディアセンター、こういった万般を整備をいたしますと、村井知事いわく百五十億円から二百億円の試算だと。今の東京の海の森に比べればてんで廉価で済むというお話であります。
 私自身は、観客席について、例えば二万席整備をしなければならないということであれば、いわゆる人工浮き島、メガフロートですね、これはもう飛行場に使われたり軍事基地に使われたりしておるわけでありますから。リースで借りたらてんで安い。二か月間ぐらいの使用でありますから、こういったことで対応できないか。あるいは、伴走路にしても、今よくドローン、大分性能高くなりましたから、こういったドローンで対応できないか、一部はと。そういった実は気持ちも持つわけであります。
 長沼ボート場、被災者の仮設住宅をリフォームする。これも業者さんによっていろいろあるんでありますけれども、幸いに品質の高い、いい仮設住宅を造ってくださったメーカーさんもあるんです。そういう品質の高い仮設住宅をしっかりバリアフリーにしてリフォームして、選手村あるいは関係者の住宅にすると。なおかつ、五輪後はインターハイの恒久的なボート場として使ってもらっていい、掛かる経費は宮城県が持ちます、ここまで実はお訴えをいたしておるわけであります。
 そこで、石井大臣にお伺いをしたいのでありますけれども、例えば運動公園を整備をするということになれば、用地代そして上物であります各競技施設場、これは国交省は二分の一国庫補助で出されるわけでありますけれども、例えば長沼ボート場に決定ということになればという前提付きでございますが、長沼ボート場の再整備の場合にも準用されるのか、あるいは何らかの別な補助の仕組みがあるものなのかどうか。さらに、申し上げましたように、震災からの復興、その視点で鑑みればプラスアルファということがあってもいいんではないかな、そんな気持ちで石井大臣にお伺いをさせていただくわけであります。よろしくお願いを申し上げます。
#169
○国務大臣(石井啓一君) 今回の東京オリンピック・パラリンピック大会につきましては、復興五輪といたしまして東日本大震災からの復興の後押しとなるよう被災地と連携した取組を進めるとともに、被災地が復興を成し遂げつつある姿を世界に発信するということを、政府のオリンピック・パラリンピック基本方針においても大会の大きな目的の一つとして掲げられているところでございます。国土交通省としても、こうした方針に沿って観光振興等の施策に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
 今御指摘がございましたボート競技会場の建設場所につきましては、今後必要に応じて関係者間で協議が行われるものと認識をしておりまして、協議の推移を見守ってまいりたいというふうに考えています。
#170
○中野正志君 大臣の答弁ですから、そんなところではあります。前提を置きましたが、長沼ボート場に決定ということになれば格段の御支援と御協力をお願いを申し上げたい、このことを改めてお願いをさせていただきます。
 さて、予算委員会でもどなたも触れなかったので、あえて申し上げます、これも。オランダ・ハーグの仲裁裁判所、七月に、中国が南シナ海での主権を主張すること、これに国際法上の根拠はないと中国側の主張を全面的に退けました。ところが、中国側は、御存じのとおり、ただの紙切れにすぎないと。とんでもないことであります。国際法すら守れない国が国連の常任理事国の一つだなどというのはとんでもない。これはこの委員会の担当ではありませんけれども。
 いずれにしましても、もう南シナ海で中国があれぐらいの軍事的な策謀を繰り返している。また、私から申し上げるまでもなく、尖閣諸島、領海あるいは接続区域も含めて、しょっちゅう中国の海警局、あるいは漁船、領海侵犯やら、もう本当にたくさん、三百隻、四百隻の漁船、しかもその中には工兵、水上工兵が乗っているということまではっきりしておりますし、中国軍当局が絡んでいるということも事実としてはっきりしてまいりました。
 そこで、心配でありますのは、中国が尖閣の実効支配を狙っていると見るのは私は間違いないと思うのでありますけれども、まずは国民の皆様に、まして、この議員の皆様に、中国の海警局、中国の海上保安庁ですね、この現状について海上保安庁としていかに分析されておるのか、まずはそれをお聞きをいたしたいと思います。
#171
○政府参考人(中島敏君) お答えします。
 尖閣諸島周辺海域では、平成二十四年九月以降、中国公船が荒天の日を除きほぼ毎日接続水域を航行しておりまして、また領海侵入も発生をしております。本年八月でありますが、中国漁船に続いて中国公船が尖閣諸島周辺の我が国領海、これへ侵入を繰り返す事案、これが発生するなど、情勢は依然として予断を許さない状況にあると考えております。
 海上保安庁では、我が国の領土、領海を断固として守り抜くという方針の下、事態をエスカレートさせないよう、冷静に、かつ毅然とした対応を続けてまいりたいと考えております。
#172
○中野正志君 当然、万一のことがあっては困るわけでありますけれども、どうあれ、中国の脅威は日々増大の一方であります。
 この間の補正予算で、過去最大の補正予算だと、海上保安庁にとって、これはまさにタイムリーだったと思います。ヘリコプター搭載型の大型の巡視船を建造する、あるいは今持っている、またこれから新造する巡視船艇について非常に高機能化、高度化させる、そういうことなどについては、私たちは本当にいいことだと、また意義あることだとも思っておりますから、新年度予算でもしっかりとそういった装備含めての増強、また人員の増強、これもお願いをしたいと思っております。
 伺いますと、二十九年当初予算の概算要求、海上保安庁として二千四億八千七百万円ということであります。尖閣諸島、隙のない海上保安体制ということであれば、この形で間に合うのかどうか。巡視船の乗組員四十六人の定員増、また人員の定員要求合計で三百三十五人ということでありますけれども、本当に実効性を持って対処、対応することができるのか、これで十分なのだろうか、担当の国交大臣として御決意をお示しをいただきたいと思います。
#173
○国務大臣(石井啓一君) 先ほど海上保安庁長官から答弁をさせていただいたところでありますけれども、尖閣諸島の周辺海域では、平成二十四年九月以降、中国公船等の徘回、接近、領海侵入が依然として繰り返されておりまして、特に、本年八月には多数の漁船と公船の襲来がございました。また、外国の海洋調査船による調査活動の活発化というものもございまして、尖閣諸島周辺海域のみならず、我が国周辺海域をめぐる状況は一層厳しさを増しているところでございます。
 こうした状況を踏まえまして、戦略的な観点から、巡視船、航空機や測量船の整備など、所要の体制強化のための予算、定員を要求しているところでございます。今後とも、情勢に応じた海上保安体制の構築を戦略的に進められるよう、一層努めてまいりたいと存じます。
#174
○中野正志君 大臣、その御答弁のとおり、この委員会のメンバーも立法府側から応援団務めるはずでありますから、どうぞ共々頑張り合いましょう。
 次に、リニア新幹線、これの問題ちょっとだけ取り上げさせていただきます。
 私たちは補正予算に賛成をした立場でありますけれども、であるからこそ国民の皆様の懸念だけはお伝えをしなければならない、そんなことで質問をいたすわけであります。
 正直、財政投融資で三兆円もの巨額な融資ということになれば、今まで正直経験したことないのではないかなと思っておるのではあります。あくまでも、JR東海の試算に基づくいろいろな資料ということでありますけれども、果たしてその試算、本当に確かなものなのだろうかなという、はっきり言えば疑念もございます。
 それから、まだクリアできていない、例えば大量の土砂が生み出されるわけであります。今ももう生み出されておるわけでありますけれども、その処理について各地方自治体の御理解をいただいているのかどうかというのもあります。
 それから、原局のお話、説明は受けておるんでありますけれども、例えばフォッサマグナを始め、今いろいろ原発で活断層のことが問題になっても、こういったリニア新幹線で活断層やらフォッサマグナが話題になることはありませんから、はて、何でだろうなと思うところもあるんでありますけれども、いずれにしても、鉄道の専門家、旧国鉄にいらした七十代、八十代の方々の本を読んでも、リニアには手を着けるべきでないという考え方の人も現実おります。
 元々、このリニア新幹線、JR東海が自分たちの会社で責任を持ってやると言ったはずなんでありますね。取りあえずは名古屋まで、八年休んで、それから大阪まで。そういたしますと、当初の経営計画と全く違う、全く違う。そういう意味では、大変失礼なお話かもしれませんけれども、ある意味、悪い話でいえばJR救済策、JR東海の救済策につながらないか、こんな実は思いもあるんであります。
 地方創生だ、あるいは景気対策だ、その部分があることは否定しませんし、またそうなんであろうと思うんでありますけれども、一〇〇%民間企業ですからどこまで関与できるか分かりませんが、三兆円もの巨額を融資するということであれば、しっかりと経営形態やら、また収支やら、また返済計画やら、また工事そのものの進められ方とか、しっかり監視をしていく必要があると私は思います。
 二度言いますが、補正予算に賛成していればこそ、なおさらのこと質問をいたします。こういうことでございます。大臣、よろしくお願いします。
#175
○国務大臣(石井啓一君) リニア中央新幹線につきましては、現下の低金利環境を活用いたしました財投を投入することによりまして、全線開業を最大八年間前倒しをして整備効果を早期に発現しようとするものでございます。
 この貸し付ける財投資金は、JR東海により利払いも行われ元金も全額償還されるものでありまして、JR東海による自己負担の原則を変えるものではございません。また、財投資金を貸し付けた後に、鉄道・運輸機構におきまして定期的に工事の進捗状況やJR東海の財務状況の把握及び確認を行いまして、円滑な工事の実施や償還確実性の確保を図ってまいりたいと思っております。
 また、工事につきましては、平成二十六年に環境影響評価書に対する国土交通大臣意見におきまして、JR東海に対し環境保全への適切な配慮や地域住民等への丁寧な説明を求めたほか、工事実施計画の認可の際にも、当時の太田国土交通大臣より、建設発生土の運搬時の環境影響の低減等、今後講じられる措置の効果をモニタリング等により確認をしながら環境保全に努めることを指示をしているところでございます。
 国土交通省といたしましては、土砂の処理等の御懸念の点を含め、地域の理解と協力を得ながら事業を進めるよう求めておりまして、リニア中央新幹線の事業全体についてJR東海を指導監督してまいりたいと存じます。
#176
○中野正志君 時間がありませんから、一方通行で申し上げます。
 インフラ輸出の件でありますけれども、アジア開発銀行、ADBが手掛けるプロジェクトでいうと、日本はADBの最大の出資国でありながら、受注率は僅か〇・四%と非常に低いと。このままでは、中国、AIIB、アジアインフラ投資銀行をつくって、元気、頑張っておりますけれども、日本、危機感を持って民間企業と共々に頑張るのでなければならない。是非、国交大臣、リーダーシップを取ってよろしくお願いを申し上げます。
 終わります。
#177
○委員長(増子輝彦君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時散会
ソース: 国立国会図書館
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