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2016/11/10 第192回国会 参議院 参議院会議録情報 第192回国会 厚生労働委員会 第4号
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2016/11/10 第192回国会 参議院

参議院会議録情報 第192回国会 厚生労働委員会 第4号

#1
第192回国会 厚生労働委員会 第4号
平成二十八年十一月十日(木曜日)
   午後一時十九分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月九日
    辞任         補欠選任
     杉尾 秀哉君     川田 龍平君
     三浦 信祐君     谷合 正明君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         羽生田 俊君
    理 事
                島村  大君
                そのだ修光君
                高階恵美子君
                足立 信也君
                山本 香苗君
    委 員
                小川 克巳君
                太田 房江君
                木村 義雄君
                自見はなこ君
                馬場 成志君
                藤井 基之君
               三原じゅん子君
                宮島 喜文君
                石橋 通宏君
                川合 孝典君
                川田 龍平君
                牧山ひろえ君
                熊野 正士君
                谷合 正明君
                倉林 明子君
                東   徹君
                福島みずほ君
               薬師寺みちよ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  橋本  岳君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       馬場 成志君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   政府参考人
       厚生労働大臣官
       房年金管理審議
       官        伊原 和人君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    定塚由美子君
       厚生労働省年金
       局長       鈴木 俊彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強
 化等のための国民年金法等の一部を改正する法
 律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
    ─────────────
#2
○委員長(羽生田俊君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、三浦信祐君及び杉尾秀哉君が委員を辞任され、その補欠として谷合正明君及び川田龍平君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(羽生田俊君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働大臣官房年金管理審議官伊原和人君外二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(羽生田俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(羽生田俊君) 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○太田房江君 自由民主党の太田房江でございます。
 本日は、厚労委員会では初めての質問でございます。よろしくお願いいたします。
 質問に先立ちまして、昨日アメリカで、世界中の驚きの中、トランプ新大統領が誕生をされました。イギリスのEU離脱に続きまして、私の正直な感想もサプライズでございましたけれども、その中で、今日も日経株価は乱高下を続けております。昨日は一時千円を超えて下落をしたんですけれども、今日はもうそれを取り戻したということです。円相場の方も、一時期百一円に急伸をいたしましたけれども、先ほど聞きましたら百六円ぐらいだということで、まさに世界中が混乱をしているということだと思います。
 こうしたグローバルな市場を通じまして世界経済あるいは日本経済への影響も当然心配されておりますし、経済と社会保障制度は表裏一体であると言われている中で、日本の社会保障制度についても意を持ってこの堅持を図っていかなくてはならないと思っております。
 私は、政務官を九か月やらせていただく中で、アメリカに一度、感染症対策の連携の件で出張をさせていただきました。こういう面でも大変重要なパートナーであると思いますし、また、WHO改革というのを進めなくてはなりませんけれども、WHOへの拠出金等を含めまして、何というんでしょうか、アメリカ・ファーストと言われるトランプ大統領の理念の中でこういう国際機関への関わりというのがどのようになっていくのか、こういうことも注視をしなくてはならないのではないかと考えております。
 ただ、私たちがやるべきことは、どのような状況下でも、世界に冠たる日本の社会保障制度、国民皆保険制度あるいは公的年金制度、こういったものをしっかりと改革を加えながら堅持をしていくということだと思っております。
 昨日の今日の話で大変恐縮なんですけれども、アメリカ通と言われる大臣、そして社会保障担当大臣であられます現在の大臣の思い、もう感想で結構でございますので、ちょっとお聞かせいただければ幸いでございます。どうも済みません。
#7
○国務大臣(塩崎恭久君) 昨日アメリカの大統領選挙が行われて、大方の予想と違う結果になったということは事実だろうと思いますが、今日の株式市場のお話を今お触れをいただきましたけれども、多分、選挙期間中とそれ以降とはまたいろいろ違うんだろうと思いますし、これからどういう形で来年の一月の大統領就任に向けていろいろなことを発信をされるのか、よく見ていくことが必要なんだろうと思いますし、冷静に見ていくことが大事ではないか。安倍総理は十七日にトランプ次期大統領とお目にかかるというふうに報道などでは聞いておりますけれども、来年の一月まではオバマ政権であることは変わりません。
 したがって、ゆっくり冷静に、トランプ政権というのがどういう政権になるのか、そして日米関係がどうなるのか、これについてよく考えて、落ち着いて対応方針を考えていくというのが一番大事なのかなというふうに思っています。
 その間にあって、私ども、この社会保障の改革については、少子高齢化の中で改革を進めていかなきゃいけないということは何も変わりませんから、私どもはやっぱり経済を強くしながら社会保障の充実と改革に向けて努力をしていくべきだろうと思いますし、今日の安倍総理とトランプ次期大統領の話合い、お電話でされたようでありますが、報道で見る限りは、先方も、日本というのは大変大事な国だということは何も変わっていない認識を示されたと聞いておりますので、そういう中で、日本の再生に向けて引き続き頑張っていきたいというふうに思います。
#8
○太田房江君 元部下に丁寧に御説明いただき、ありがとうございます。冷静さということが本当にキーワードだと私も思います。
 そこで、本題であります年金受給資格期間短縮法案について質問させていただきます。
 今回の年金受給資格期間の短縮と申しますのは、今年の八月二日に閣議決定をされました経済対策、未来への投資を実現する経済対策、これを受けて法案として提出をされたものでございます。この経済対策におきましては、消費の底上げを図り内需をしっかりと拡大するためには社会全体の所得の底上げを図ることが重要であるとして、年金受給資格期間の短縮が経済対策の柱の一つとして位置付けられております。
 そもそも、安倍内閣のニッポン一億総活躍プランでも、日本経済の更なる好循環を形成するため、社会保障の基盤を強化し、それが経済を強くするという新たな社会経済システムづくりに挑戦するということが明示されております。こうした観点から、まずは今回の期間短縮法案の効果や意義についてお伺いをしたいと存じます。
 まず、今回の施策の効果についてでありますけれども、受給資格期間の短縮によって、新たに生涯にわたり年金を受給でき、毎月一定の収入が得られる方々が出てこられることになります。高齢者は消費性向が一般に高いと、こういうふうに言われているんですね。お手元に一枚だけ資料を配らせていただきました。これは総務省の家計調査でございまして、平成二十七年のものでございますけれども、これを見ましても、いわゆる消費性向、これは可処分所得に対する消費の割合ということでありますが、平均が七三・八%であるのに対しまして、世帯主が六十歳以上の世帯では九二・四%と、こういうふうになっております。
 そこで、こういう消費底上げ効果に対する規模感を得るために、今回の期間短縮により恩恵を受けることとなる方の数、それから年金の増加額、基礎年金と厚生年金でそれぞれ平均してどれくらい年金額が増加すると見込んでおられるのか、年金局長にお伺いをいたします。
#9
○政府参考人(鈴木俊彦君) お答えを申し上げます。
 今回の法改正によりまして初めて年金の受給権を得る方は約六十四万人でございまして、そのうち老齢基礎年金の受給権を得る方が約四十万人でございます。加えまして、六十歳から六十四歳で受け取る特別支給の老齢厚生年金の受給権者等、これを含めますと対象者が約二十四万人加わります。
 この二十四万人の内訳でございますけれども、期間短縮で初めて六十歳代前半に特別支給の老齢厚生年金の受給権を得る方、これが六万人でございます。それから、現行制度でも任意加入などによりまして二十五年の期間を満たし得る方が、今回の制度改正によりまして自力で二十五年の要件を満たすよりも早く老齢年金の受給権を得る、こういう方がいらっしゃるわけでございますけれども、この六十歳以上の方が約十八万人でございます。
 年金額でございますけれども、初めて老齢基礎年金を受給することとなる方の平均受給額が月額で約二・一万円になるというふうに見込んでございます。
 一方で、老齢厚生年金でございますが、これは、個々の対象者の方の過去の標準報酬額を基にいたしまして平均の標準報酬額を年金の支給決定を行う際に計算して確定させる、こういう作業が必要でございますので、現時点で正確な平均受給額までお示しすることはなかなか難しいわけでございますけれども、一千人の対象者につきましてサンプル調査をいたしましたところ、厚生年金の期間を持つ方につきましては、基礎年金とは別に平均して月額一・一万円を受給されることになるという結果が得られたところでございます。
 したがいまして、給付費の全体の規模といたしましても、満年度で全体二千億規模、そのうち基礎年金が一千億規模ということで推計をいたしております。
#10
○太田房江君 ありがとうございました。
 新たに六十四万人の方が年金を受給することができるようになる、そしてその総額は全体で二千億円程度と、こういうことでございまして、先ほど紹介を申し上げました高齢世帯の比較的高い消費性向ということに鑑みますと、二千億円のうちの九割ぐらいがあるいは消費に向かう可能性があるということで、経済対策にも示されました消費の底上げ効果というものにも大いに期待したいと思います。
 時間の関係もございますので一つ飛ばさせていただきまして、次に、今回の措置の財源についてお伺いをいたしたいと思います。
 我が国の年金制度、これは言うまでもないことでございますけれども、基礎年金部分について二分の一の国庫負担、これがなされておりますために、今回の措置の実施に当たりましても新たな国庫負担は必要となります。しかし、基礎年金の二分の一以外は保険料で賄われると、こういうことであります。先ほど、六万人の方が特別支給の老齢厚生年金支給されることになるというお答えを頂戴いたしましたけれども、この部分についても、保険料のみを財源として年金給付が行われることになるということです。したがって、今回の措置は、給付費の全額を国庫負担で賄うということではなく、これまで支払った保険料が年金給付に結び付くことによって所得の底上げが図られるという点が経済対策としても大きく評価できるポイントであるというふうに考えます。
 国庫負担の財源についても赤字国債に依存しないで実施する予定だというふうに伺っておりますけれども、改めて、今回の措置に伴う国庫所要額と財源について副大臣にお伺いをいたします。
#11
○副大臣(橋本岳君) 財源についてのお問いでございますが、まず、受給資格期間の短縮によって必要となる所要財源は、初年度である平成二十九年度につきましては、年度の途中である八月施行であるために約二百六十億円と見込んでございます。そして、満年度となります平成三十年度につきましては約六百五十億円と、このように見込んでいるところでございます。
 それから、財源につきましてでございますけれども、これ具体的には今後の予算編成過程の中で確定をさせていくということになるわけでございますが、平成二十八年度当初予算において計上されていた簡素な給付措置の実施のために必要な予算約六百六十億円が、第二次補正予算において平成二十九年度からの二年半分の予算が一括計上されております。このことによって財源があるなというようなことは頭に置いた上で、先ほど御指摘をいただいたように、赤字国債に依存することなくこのことを実現をしていきたいと、このように考えているところでございます。
#12
○太田房江君 今日は二十分という時間、限られておりますので、ここで大臣にもう一つお伺いをしておきたいと思います。
 社会保障制度改革の全体像についてということなんですけれども、今回の受給資格期間の短縮は、現行の年金制度の枠内で保険料を給付に結び付ける施策ということで評価できるものでございますけれども、もとより基礎年金だけで高齢期の生活費の全てを賄うことは難しいという面もあり、貯蓄なども生かしながら自立した高齢期の生活設計を考えていく必要があると思います。その意味で、公的な年金制度のセーフティーネット機能の強化と併せまして、私的年金制度の普及などを含めて重層的な保障の在り方を考えていくということが重要なのではないかと思います。
 社会保障改革に魔法のつえはないとよく言われます。給付を厚くしようとすれば負担は重くなります。支え手である現役世代の負担とのバランスの上で給付の在り方を考えていかなければなりません。しかし、抜本改革という言葉を発するだけでも何も前進いたしません。ここは、実現可能な具体策を一歩ずつ進めながら更に不断の改革を進めていくということが重要と言うに尽きるのではないでしょうか。
 そして、もう一つ大事なことは、全ての高齢者が生きがいを持って自立して活躍できる社会像を描き、それに向けた社会保障制度の在り方をトータルで考えていくべきであるというふうに考えます。
 今後の社会保障改革の全体像と目指すべき少子高齢化社会の在り方についてどのように大臣が考えておられるのか、ここでお伺いをいたしたいと思います。
#13
○国務大臣(塩崎恭久君) 今先生からお話がありましたように、トータルで物事は考えていかなきゃいけないという御指摘がございましたが、まさにそのとおりだろうと思います。
 いわゆる狭義の社会保障制度、あるいは狭義の年金制度そのものにつきましては、年金であれば財源は保険料収入とそれから税とそして積立金と、この三つしかないわけでありまして、これをどう今と将来と分かち合っていくのかということを考えていく、そのためには絶えざる改革をしていかなければいけないということで、今回、賃金スライドのことも、改めて将来世代の年金を確保するためにこういう形で変えるべきではないかという御提案を申し上げているわけであります。
 しかし、社会保障制度を改革したとしてもそれで全てが解決するわけではないので、大事なことは、やはり今日の暮らしと将来の暮らしと両方が安心できるようにするためにやるべきことを全体としてやる、まさに一億総活躍プランというのはその全てをカバーしていると思うわけでありまして、あらゆる立場の人たちがそれぞれ能力を発揮しながら生きていけるようにしようじゃないかと、こういうことでございます。
 したがって、高齢者にとってもやっぱり可能な限りは働くことができる、あるいは多様な働き方ができていく、あるいは女性もそうだと思いますが、そういう形で自らが所得を得る期間を長くする。
 それから一方で、社会保障の全体で将来の高齢者の暮らしを、あるいは今の高齢者の暮らしを守るということを達成をしていくということでございますので、経済政策も基本であり、そして少子化対策、子育て支援というものも社会保障の基盤を強化するためでもあり、また、高齢者が働け、そして介護が必要な方も、そのことによって若い人たちに離職を余儀なくされるようなことがないようにしていくということも、実は全体として社会保障を守り、暮らしを守ることにもつながるということだと思いますので、今まさに我々がやろうとしている一億総活躍プランの中に今お尋ねの要素はほとんど全て入っているというふうに考えるべきなのかなというふうに思います。
 そういうことで、それぞれの力をそれぞれの力いっぱいいっぱいに出せるようにする環境整備をしていくということにまた不断の努力を続けてまいりたいと思います。
#14
○太田房江君 ありがとうございました。
 私がこういう質問をいたしましたのは、これから議論になるであろう年金改革全体の議論について、やはり整合性の持った全体を俯瞰した議論、持続可能な社会を築くにはどうしたらよいのかということの全体を俯瞰した議論がしっかりなされるようにということで、今、全体像を大臣にお聞きしたということでございます。
 最後に一点だけ、情報提供についてお伺いをしておきたいと思います。
 もとより、今回、十年間掛ければ年金がいただけるようになるという大変経済対策としても役に立つ措置がなされるわけでございますけれども、どれだけの年金が自分にもらえるのかどうか、これをしっかりと情報提供していかないと、これが本当の経済の場面でも役立つということになりません。
 こうした観点から、国は年に一回誕生月にねんきん定期便というのを送付していただいておりますけれども、二十三年二月からはねんきんネットというパソコンやスマホでも見ることのできる新しい媒体ができたというふうに聞きましたが、まだこれが十分活用されていないということでございますので、これについて、もっと普及をさせるにはどうしたらよろしいかお伺いをして、質問を終わりたいと思います。
#15
○政府参考人(伊原和人君) ねんきんネットについて御質問がございましたので、お答えさせていただきたいと思います。
 ねんきんネットは、平成二十三年の三月にスタートいたしまして、着実に伸びてまいりまして、直近の九月末の段階では四百三十五万人の方まで御利用いただくところまで来ております。先生から御指摘ありますように、やっぱり多くの方に自分の年金記録を確認していただいたり、あるいは御自身の年金見込額を算出していただくという意味では非常に有効な手段だと考えておりまして、更に普及を図っていきたいと思っております。
 来年度は更に紙の定期便からオンラインへとシフトしていこうと考えておりまして、IDを簡単に取得できるような工夫をしたりとか、あるいはねんきんネットを使っていただいた方にはむしろ定期便は送らないような形で費用の効率化を図っていくというようなことも進めてまいりたいと思っておりまして、一層この普及に努めてまいりたいと、このように思っております。
#16
○太田房江君 ありがとうございました。
#17
○牧山ひろえ君 民進党・新緑風会の牧山ひろえです。
 久しぶりの厚生労働委員会での質問となります。よろしくお願いいたします。
 今回は、政府提出の公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案、いわゆる年金機能強化法改正案について質問させていただきたいと思います。
 御周知のように、日本の年金は二十五年間保険料を払っていなければ老後一円ももらえないようになっている、支払った保険料は全額没収される、つまり掛け捨てになる、こういう大変厳しい、先進国では非常にまれな、例を見ない厳しいルールとなっております。
 今、私は国際局の仕事を民進党の中でやっているんですけれども、各国の政治家とか大使館の方々とお会いしていますけれども、先日、実はこのことについてフランス大使館の方々と話し合ったんですけれども、フランスでは、年金をもらうための最低支払期間がないということを知りました。そして支払額によって、それに比例して受給額が決まるんだということを学びました。私も、ほかの国はどうなっているのかなと調べてみましたら、アメリカの場合は必要な保険料納付期間が十年、それから例えばドイツは五年といったように、二十五年間もというのは日本だけで、本当にこれは何とかしなきゃいけないなと思っておりますし、日本のこの厳しいルールを先進国並みに、例えば十年以上に短縮し受給資格を発生させようということで、旧民主党政権のときに年金機能強化法案を国会に提出しました。そして国会で成立をいたしました。
 今回の法案は、この年金機能強化法の施行日を、元々は消費税率の一〇%引上げ時、これは元々平成二十九年の四月の予定だったのが、安倍内閣による再延期によって平成三十一年の十月となる見込みだったんですけれども、それを平成二十九年の八月に改める内容となっております。
 受給資格期間の短縮は、納めた保険料ができるだけ給付に結び付くようにする無年金者救済対策であり、それを消費税率の引上げ時よりも前倒しして実施することとしたことについては、これについては全く異議はないんですけれども、ただ、無年金者対策は喫緊の課題であります。そして、受給資格期間の短縮は早急に実施するべきだと考えております。
 受給資格期間の短縮につきましてですけれども、本法案によって、消費税率の引上げによって、前倒しして実施することとされておりますけれども、肝腎のその期間が予定より四か月も後れを取って、平成二十九年の八月実施となっているんですね。新たに年金の受給権を得る六十四万人の方々は、この受給資格期間の短縮の実施を当然ながら心待ちにしていたと思うんですけれども、本来受給できるはずであった平成二十九年の五月から八月分の年金を受給できなくなるということになります。ここは、やはり施行期日を予定どおりの平成二十九年四月一日として、そして同年の五月から八月、この四か月分の年金を支給できるようにすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 塩崎大臣も無年金の問題は喫緊の課題だと言っております。できる限り早期に実施すべきだという判断をされたと衆議院の答弁で述べられておられます。できる限り早くというのであれば、それにふさわしいのはやはり平成二十九年の八月ではなくて平成二十九年の四月ではないんでしょうか。
 窓口の混乱とか発送の手間とかシステム改修とか、それから業者との契約などと言っておりますけれども、そう言って受給を八月まで遅らせるというのは、これはやっぱり行政の都合、政治の都合にすぎないと思うんですね。その行政の都合も、私たち民進党の議員立法で主張していますように、例えば初回の支払時期を柔軟に後ろ倒しにすれば済むことだと思うんです。このような行政の都合以外の理由で施行は二十九年八月がふさわしいという理由をお示しいただきたいんです。
 また、政府は六十四万人の方々を期待させてしまった。当然ながら、それによって生活のいろんなプランニングをされてしまった方が大勢いらっしゃると思うんです。そういった方々のお気持ちとか、それによってもうやってしまったいろんなプランニングのことに関わること、これをどのようにお考えになっているか、どのように責任をお感じになっているか、これを併せて大臣にお願いしたいと思います。
#18
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほどお話がございましたように、消費税一〇%に引き上げる際にこの二十五年から十年に短縮するという法律を実施していくということを決めていたのが三党合意であったわけでございまして、そのタイミングでいけば一〇%に上げる時期ということになりますが、これは何度も申し上げているように、無年金者の問題は極めて大事な問題でございますので、今回、私どもは二十九年の八月一日施行ということで、最短のタイミングとして決めさせていただいたわけでございます。
 今お話がございました、なぜ四月一日ではなく八月一日なのかということについてでございますけれども、もう何度も出ているように、今回の受給資格期間短縮で新たに六十四万人の方が年金を受給することになるというふうに見込んでいるわけでございまして、こうした大勢の方々が混乱なく年金を受給できるように、対象者の方を五回に分けて請求書をお送りをして年金事務所窓口の来訪者を分散をさせるということの対策に万全を期すために、最も早い施行期日として平成二十九年の八月施行ということにさせていただいたわけでございます。
 これが行政の都合だという御指摘でございますが、行政は国民のためのサービスとして提供されるわけでございまして、その国民に向けてのサービスがきちっと快適な形で受け入れられるような、そういうサービスとしてできるということも併せ考えなければいけないことだというふうに思うわけで、仮に施行期日を平成二十九年の四月と前倒しをした場合には、これはもう衆議院の方でも申し上げましたけれども、法的には受給権が発生をいたしますから、たとえ御案内が届いていなくても法的には受給権が発生するということになって、最大六十四万人の対象者の方が集中をして年金事務所の方においでになるということになって窓口が混乱をする、そして混乱の中でそういった方々が不快な思いをされるかも分からないということが一つ。
 それから、請求が集中することによって審査支払業務が滞留をして、対象者への支払がかえって遅延をしてしまわないか、あるいは毎月十二万人を数える通常の年金を請求される方の手続というものもこれは同時に進んでいくわけでございますので、そういった手続が滞らないか、そういうようなことも考えて、私どもとして、先ほど申し上げた二十九年の八月施行というのにさせていただいたということでございます。
#19
○牧山ひろえ君 大臣がおっしゃるように、混乱なくというのは当然のことだと思うんですけれども、やはりこれは、大臣が最初におっしゃったように、無年金の問題が大事だと、そういうふうに本当におっしゃるのでしたら四月ということでお願いしたいと思いますし、また、政府・与党は真摯にこの時期の期間について再検討することが必要だと思います。
 今回の法律が成立しますと、約四十万人が初めて基礎年金を受給することになります。特別支給の厚生年金を含めますと、対象者は約六十四万人になる見込みと説明されています。その一方で、年金機能強化法改正案が成立したとしても、なお加入期間が足りずに救済されない無年金の高齢者が二十六万人もいると推計されています。国民年金保険料の支払は原則六十歳までですけれども、受給資格期間が足りない場合には七十歳まで任意加入して支払を続けることができます。
 六十五歳以上の者で七十歳まで任意加入すれば年金受給権を得ることができる者の見込みは約六万人です。外国に在住していたなどによって国民年金に、任意加入が可能でしたけれども加入しなかった期間である合算対象期間、いわゆる空期間、また六十五歳未満の人は、二年の時効を超えて過去五年間の未納分の保険料納付を可能とする時限的な特例措置である後納制度の利用によって受給資格期間を満たす可能性もあります。
 お配りした資料がこれなんですけれども、ここに記載してありますとおり、期間条件を満たすには様々な方法があるということです。例えば、この例四に空期間とありますし、また、例五の右側には六十歳から七十歳の間の任意加入期間というのもございます。様々なこういった方法があります。
 こういったこれらの納付期間は十年間に不足していますけれども、何らかの方法で十年という期間要件を満たす可能性のあるオプションを全て挙げていただきたいと思います。そしてまた、それぞれの条件を満たす可能性のある人数を教えていただきたいと思います。
#20
○大臣政務官(馬場成志君) 牧山委員にお答え申し上げます。
 まず、現時点では加入期間が十年の受給資格期間を満たしていないものの今後十年を満たす可能性がある方としては、任意加入によって十年を満たす場合、また後納制度を利用して十年を満たす場合、また合算対象期間、いわゆる空期間を使って十年を満たす場合が挙げられますが、任意加入等によって十年を満たす可能性のある方を年齢と納付済期間等から機械的に計算しますと、六十五歳以上では先ほど御紹介いただきましたように約六万人でありますが、六十歳から六十五歳未満では約十一万人となります。
 なお、任意加入や後納制度については御本人の希望によって利用されることとなります。また、空期間については、年金記録として管理している情報ではありませんので、裁定請求の際に、例えば御本人が海外にいた期間等を個々に調べることとなるために、具体的な人数を正確に把握することは困難であるというのが実情であります。
 以上です。
#21
○牧山ひろえ君 具体的な人数を把握するのは困難だというふうにおっしゃっていますけれども、やっぱり思わぬ事故とか想定外のミスを防ぐためにも、制度施行前になるべく具体的に対象者の人数を確定する努力をすべきだと思います。
 続きまして、日本の年金受給は申請主義であります。条件を満たせば自動的に振り込まれるというわけではございません。それだけに、対象者に対する告知あるいは周知、これは非常に重要になってまいります。
 十年の期間要件を満たして今回受給権が発生する対象者約六十四万人の方々には漏れなく全て個別に案内が行く。案内漏れですとか、すなわち消えた年金もありましたけれども、そういったことが二度と起きないように是非お願いしたいと思いますが、もし案内漏れが生じるとしたらどのような原因によることが想定されるんでしょうか。それに対する対策も併せて御答弁いただきたいと思います。大臣、お願いします。
#22
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の受給資格期間の短縮によりまして新たに年金の受給対象となると見込まれている方は、先ほど来出ているように約六十四万人、そういった方々への年金請求書につきましては、日本年金機構に登録をされました住所地を住民基本台帳の情報と突き合わせをまずやって、全員に送付することとしております。このことによって案内漏れは基本的には生じないというふうに見込んでおります。
 ただ、一部、日本年金機構における作業の間に転居をされた方々などにつきましては、年金請求書がお手元に届かない可能性がございます。こういう方々につきましては、再度最新の住民基本台帳の情報と突き合わせるという作業をやり、正しい住所地を確認をし対応するということを検討をしておりまして、受給権を取得をされた方が確実に給付を受けられるように努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#23
○牧山ひろえ君 日本年金機構は、ただでさえ昨年の情報流出事案によって国民の信頼を損ねている、こういった状況でありまして、受給資格期間の短縮に関わる事務において失敗は許されないと思うんですね。日本年金機構への信頼を失うということは、公的年金制度への信頼も同時に失ってしまうということになりかねないと思うんですね。さきの漏れた年金情報事件で失われた信頼を回復するためにも、やっぱり信頼を取り戻すチャンスだと思って取り組んでいただきたいと希望しております。
 今回の制度改正の個別通知は、十年の条件を満たす対象者だけではなく、十年未満の対象候補者へのお知らせも負けず劣らず重要だと思うんです。塩崎大臣も、十年未満の対象候補者に対しても個別にはがきをお送りすると御答弁されております。
 今回の受給権が発生する対象者以外に個別告知の対象となるのはどのような方々なんでしょうか。そして、まだ受給時に達していない対象候補者、例えば現在六十四歳の方が過去に一、二年しか払っていないとします。その方が三年分後納して、そして六年間任意加入すれば十年の条件を満たすという人がいるとしますけれども、こういった方々に対しても案内は行くのでしょうか。
#24
○大臣政務官(馬場成志君) 今大臣の方からもお話がありましたように、十年受給資格期間を満たしていない方々にも個別に案内を送付いたします。いわゆる空期間がないか等の確認を促すこととまずはしております。
#25
○牧山ひろえ君 保険料納付済期間が十年未満の対象候補者は、その人の何らかのアクション次第で無年金状態を抜け出して、そして年金受給者となれる可能性がある方々であります。それだけに、その可能性を告知する案内はとりわけ需要が高いと思うんですね。漏れのない確実な送付を是非お願いしたいと思います。
 では、この保険料納付済期間が十年未満の対象候補者には具体的にいつから、そしていつまでに個別の案内が発送される見込みでしょうか。
#26
○大臣政務官(馬場成志君) お尋ねの十年の受給資格期間を満たしていない方々に対するお知らせについては、六十四万人の方々への年金請求書の送付などの対応が完了した後、平成二十九年度内に送付を開始し、数か月程度で送付を終える予定であります。
#27
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
 受給権が発生する約六十四万人の対象者は、多少申請が遅れても時効にさえ掛からなければ受給できる金額は変わらないんですね。ですけれども、受給権がすぐには発生しない対象候補者は、認識が遅れれば遅れるほどアクションも立ち遅れ、そしてその分だけ受給できる年金額も減るということになります。
 したがいまして、極力早い発送が当然ながら望ましいと思いますし、また、施行日を待たずに、また、いつまでに終わらせるという納期を早めにはっきりと設定して公表していただきたいと思います。
 そして、その対象候補者に対する個別の案内は、例えば、あなたの場合あと何年分後納すれば十年に達しますよとか、あるいはあと何年任意加入すれば、あるいは空期間を加算すれば十年に達しますよですとか、それぞれの対象候補者に合わせた内容で送られるんでしょうか。それとも一律で、任意加入などで十年の受給条件を満たす場合もありますので年金事務所と御相談くださいなどといったような一般的なものなんでしょうか。
#28
○大臣政務官(馬場成志君) 今お尋ねの件でございますが、受給資格期間が十年未満の方に対するお知らせは、御自身の加入記録や空期間などを改めて御確認いただくように促し、必要に応じて年金請求の手続を行っていただくことを御案内するということを考えておるわけでありますが、一方で、受給権につながる可能性が明らかでない方に対しどのような御案内をすることが費用対効果も含めて適切なのか、関係審議会において有識者の御意見なども伺いながら対応してまいりたいというふうに存じます。
#29
○牧山ひろえ君 例えば、受給資格期間には低所得を理由とした保険料の免除期間なども含まれているんです。ですが、年金の受給資格期間とは何かという点について知らない国民が多いと思うんですね。
 資料の二枚目のところの一番上を見ていただきたいんですけれども、これはお配りした平成二十六年の厚生労働省の調査なんですけれども、これによりますと、受給資格期間に関する周知度は約六割、この一番上のところの黒い部分ですね、六〇・六%と書いてありますけれども、この六割にとどまっており、前回の平成二十三年の調査よりも低くなっているんです。
 このような状況で、せっかく個別の案内を出すわけですから、なるべく分かりやすく発信をすべきだと思うんです。せめて個別の納付期間と免除期間を明記して、そして、あとどれほどの期間が不足なのか、その不足を満たすためにはどのような可能性と手段があるのか、具体的にナビゲーションするべきではないでしょうか。
 年金機構が頑張っていただき、もし漏れなく個別通知が実現できたとしても、裁定の手続に来ない、こういう方が必ず出てくると思うんですね。繰り返しになりますけれども、日本の年金は申請主義なので、申請しなければ受給も受けられないというふうになっております。
 このような課題への対策としても、塩崎大臣は衆議院で、ホームページなどでこれを周知するということも同時にやっていくというふうに答弁されているんですけれども、ホームページ、もちろん活用することはいいと思うんですけれども、周知あるいは告知の対象者となる無年金の高齢者に対してどこまでホームページでの告知が有効的に届くのかということもやっぱり真剣に考えていただきたいと思いますし、現実的に、皆さんが全員ホームページ見るわけはないので、それを考え合わせますと、テレビとかラジオとか新聞などによる広報、それから告知を積極的に行っていくべきだと思うんですね、漏れがないように。大臣、いかがでしょうか。
#30
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど馬場政務官の方からお答え申し上げたように、どういう形で御案内を具体性を持ってやるのかということについては、これから更に審議会などで議論をし、省内でも徹底的にやっぱり考え抜いていかなきゃいけないと思っております。
 今お話しのとおり、高齢者の方々がホームページを必ずしも見るとは限らないということはそのとおりでございますので、どういう例示を、例えば空期間とは何かというようなこともほとんどの方々は知らないでしょうから、こういうことがどういうふうな表現をすれば、ひょっとしたら私は該当するんじゃないかというふうにお考えをいただいた上で年金事務所で御相談いただくというようなことを考える、あるいは今お話しのようなテレビやあるいは新聞等々でお知らせをするということも含めて徹底的にやっぱり考えた上で、申請主義という御指摘ありましたが、この下で、本来の権利があるにもかかわらずその年金が得られないということがないように、できる限りの手を尽くしていきたいというふうに考えております。
#31
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。是非そのようにお願いします。
 日本の年金のいわゆる二十五年ルール、諸外国にないほど期間が長過ぎ、無年金者を増やすと批判されていました。現在の無年金者の中には、一時期は保険料を納めていた人も多いと思うんですね。納付期間が二十五年に達しない人はその分が払い損になるという不満も大きかったと言われています。二十五年という高いハードルが新たな無年金者を生み出すという悪循環になっていたわけです。
 このハードルを下げる意義がこの受給資格期間短縮にあるわけですけれども、一つ心配していますのは、短縮された十年という期間に達した時点でもう年金がもらえるからいいんじゃないかと、それ以上払い続ける意欲を失ってしまう、納付をやめてしまう人が誤解して増えるおそれがあるんではないかという心配です。もしあるとすれば、それに対する対策はお持ちでしょうか。
#32
○国務大臣(塩崎恭久君) おっしゃるとおり、年金は長く保険料を納めれば受給額も増えるという、そういう仕組みになっているわけでありますので、決して十年納めればこれで終わりだ、十分だみたいなふうな形で誤解をされないように、私どもも努力をしてお伝えをしていかなければいけないというふうに思います。また、納付するということの意味を御理解いただくように周知徹底を図るということが大事だということは御指摘のとおりであります。
 このために、国民年金保険料の納付率向上に向けて、口座振替とかあるいはコンビニでの納付などの保険料の納付のしやすさをもっと広めていくということ、それから、経済状況によって保険料納付が困難な方には保険料免除制度というのがあるということも周知していくことも大事だと思います。さらに、短時間労働者への被用者保険の適用拡大、これも進めることが大事だというふうに考えておりまして、こういったことを含めて、できる限り多くの方に長く保険料を納付していただいて、できるだけしっかり年金をいただいていただくということ、その環境を整備することも私どもの大事な責任だというふうに思っております。
#33
○牧山ひろえ君 年金額は納付期間に応じて決まるので、納付期間の短縮は低年金者の増加につながると思うんですね。十年分の保険料でもらえるのは基礎年金は月一万六千円余りにすぎない、こういったことも併せて周知していくべきだと思うんです。
 お配りした資料三ページ目を見ていただきたいんですけれども、免除期間があったりすると月数千円という、一番左側見てください、月数千円という極めて低額なケースもあり得るわけです。老後になってそれなりの年金をもらうには、それに見合う保険料を支払う必要があります。できるだけ長く保険料を納め続けてもらうための方策もやっぱり必要だと思うんです。納付の継続を維持するために保険料の減免や後払いなどの制度もあります。
 それから、年金受給の期間短縮によって、これら長期の年金加入促進策の利用者が減っては本末転倒だと思うんですね。受給資格の期間の短縮には、年金の長期加入促進策の利用率向上ですとか、あるいは納付率の向上に関する別途施策をセットで考えていかなければならないと思います。
 こういったことも併せて周知徹底する必要があると思いますので、やはり十年たったらそれで終わりになるとこういった結果になりますので、しっかりと年金をもらうためには、大臣がおっしゃるとおり、それなりの期間を長く払い続けることが重要だということも併せて周知していただきたく、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#34
○川合孝典君 民進党の川合孝典でございます。
 私、この場で質問させていただきますのは三年五か月ぶりということでございまして、当然、大臣を始め委員の皆様とも初めての方が多うございますが、改めましてよろしくお願い申し上げます。
 私の方からは、まず、本日議題となりました二十五年を十年に短縮させるという法案とは別に、同じく公的年金制度の問題に関して、三年間現場をとことこ歩いてくる中で現場から上がってきた声、意見ということで、少し厚生労働省並びに塩崎厚生労働大臣のお考えを伺わせていただきたいと思います。
 私がお聞きしたいのは、平成二十五年の六月に法改正されました公的年金制度の健全性及び信頼性確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律、御記憶にある方もいらっしゃるかと思いますが、この法律の趣旨は、当時問題となっておりました、準備金の不足等によって財政不足に陥った厚生年金基金の整理を速やかに行っていくということを含めた措置として実はこの法律が改正をされました。その後、平成二十六年四月一日施行ということで既に三年目に入っているわけでございますが、この法律が施行されてから少なからず現場で少し問題が生じていることに気が付きましたので、この点につきまして少し質問させていただきたいと思います。
 まず、厚生労働省にお伺いをします。
 平成二十六年四月一日以降に解散をした厚生年金基金の数、これを教えていただきたいと思います。
#35
○政府参考人(鈴木俊彦君) 二十六年四月の健全化法の施行以降に解散、そして代行返上というものもございますので、これも含めますと、これを行った基金の数、これは今年の九月末現在で三百六十八でございます。
#36
○川合孝典君 ありがとうございます。
 それでは、更に質問ですが、この厚生年金保険法の改正のときに、実は、代行資産の保全の措置だとか、いわゆる上乗せ部分の資産を円滑に移行させるための措置について支援をするということが法律で規定をされております。
 具体的には、まさしくこの参議院厚生労働委員会の附帯決議の二番で、「総合型の厚生年金基金の解散に当たっては、加入員、受給者等に移行先の選択肢を含めて必要な情報が行き届き、その上で最善の意思決定が行われるよう、基金及び母体企業への支援を行うこと。また、基金から他の企業年金等への移行については、基金の母体企業の多くが中小企業であることに鑑み、現行の企業年金制度の手続面での改善等を含め、移行のための支援策を拡充すること。」と、このように附帯決議が付されているということであります。
 そこで、改めて厚生労働省にお伺いしますが、この二十六年の法施行以降、この上乗せ部分の受給権を保全するための措置を講じて解散をした基金は幾つございますでしょうか。
#37
○政府参考人(鈴木俊彦君) 先ほど申し上げました三百六十八のうち、現時点で確定給付の企業年金などに移行したということで承知をしております基金の数は七十でございます。
 この内訳でございますけれども、代行返上いたしました基金、五十四基金ございますけれども、これは全ての基金で確定給付企業年金に移行いたしております。また、解散をいたしまして清算が終了いたしましたのが十六基金ございますけれども、そのうちいずれかの事業所がこの確定給付の企業年金等に移行した基金、これが十四基金ございます。そのほかの、今申し上げた以外の二百二十三の基金につきましては現在清算の手続中でございますので、その清算の過程が進むにつれましてそこの上乗せ給付の扱いというものが確定していくことになる、かように承知をいたしております。
#38
○川合孝典君 ありがとうございます。
 大きく集約した数字というのは一応そういうことということなんですが、ここから是非大臣に聞いていただきたいんですけれども、実際にこの厚生年金基金、中小企業の従業員の方が集まって入っていらっしゃる基金ということなんですが、実際にその従業員の方々、加入員御自身は厚生年金の制度についてほとんど事情が分からない方ばかりということでありますので、したがいまして、厚生年金基金の解散についての同意を求められ、もちろん同意を求めなければいけない、一定数以上の同意を求めるということになっておるんですが、この同意を求められたときにきちんとした説明を受けずに同意をしてしまうことでいわゆる付加給付、上乗せ部分の給付がなくなるという事例が実は現場の手続上多発しているということを実は指摘をされておるわけであります。
 ちなみに、厚生年金基金は加入員代表が一応理事会に入って議論はしているわけでありますが、この加入員代表というのも基本的には会社側の人が入っておられるということでありますので、実際、労働者は加入していること自体も知らずに入っていらっしゃるという方が多いのが現状ということであります。こうした状況の中で、労働者の方々は本来この厚生年金基金からもらえるはずであった年金や退職金が一部失われてしまっているというのが実は現状であり、今もその状況が続いているという実態があることを是非大臣に知っていただきたいんです。
 このことは実質的な労働条件の不利益変更ということにも当たりますので、このことを広く企業に指導をするべきなんじゃないのかと、特に、こういう手続を進めている企業に対しては厚生労働大臣として指導をしていただきたいというのが私からのお願いなんですが、大臣、いかがでしょうか。
#39
○国務大臣(塩崎恭久君) おっしゃるように、年金というのはなかなか広く知られているわけではない、しかし大事な生活の基になる、そういう制度であるわけでございまして、AIJ事件を端緒として法改正が行われたわけでありますけれども、そして解散になった厚生年金基金が先ほど局長から申し上げたとおりの数になっている、そういう中で今先生御指摘のような事態が起きていないのかどうかということは大変大事な問題だと思います。
 現在、厚生年金基金の解散時には、基金を経由をして、構成企業等に対して確定給付企業年金や確定拠出年金などへの移行といった選択肢や具体的な移行手続についてしっかりと説明をして、各企業において上乗せ給付部分を続ける検討を行うように求めているわけでありますが、厚生年金基金を解散した後に他制度に移る、移行するということは基金加入者の上乗せ給付を確保するためにこれは大変重要であるわけであります。
 そのために、今後とも地方厚生局を通じて企業等に対する周知をしっかりと行って、一人一人の加入者だった方々に対して、あるいは加入者の方々に対して、この厚生年金基金に、今申し上げたように周知をしっかりと私どもの方からも企業に対してしなければいけませんけれども、お一人お一人にもそのことが伝わるように、更なる周知の方法についても私どもとしてしっかり研究をしていかなければならないというふうに考えております。
#40
○川合孝典君 前向きな御回答をいただきまして、大変有り難く思っております。
 将来の生活の大きな基盤になる年金が目減りをするということは、これ、現在安倍政権が進めていらっしゃるいわゆる消費の拡大、そうしたことに対しても大変大きな悪影響を及ぼすことにもつながると思っております。労働者の方々お一人お一人の将来の資産をきちんと守るという姿勢を是非ともはっきりともっと明確に示していただきたいというのがお願いであります。
 あと、それと、先ほど厚生労働省の方からの御説明の中で確定給付型年金と確定拠出型年金への移行ということがございましたので、その点についても一点だけ追加で意見をさせていただきたいことがございますが、実は、この新たな確定給付、確定拠出の年金に移行するに当たって、従来企業年金基金に加入をいただいていたパートタイマー従業員さん、週三十時間以上の労働時間のある方なんかが要件を満たして厚生年金基金に加入されているケースが多かったわけですが、そういう方々が新たな基金に移行するときに加入から外されてしまっているという事例が非常に多いんです。このことを、大臣、御存じだったでしょうか。
#41
○国務大臣(塩崎恭久君) 聞いたことはもちろんございます。
#42
○川合孝典君 ありがとうございます。
 別に私、足を引っ張るつもりで質問しているわけじゃございませんので安心してお答えいただければ結構なんですけれども、実はそういうことなんです。
 パートタイマーで働いておられる方々、多様な働き方をしておられる方々がどういう働き方をしておられてもきちんと年金制度に加入できる、付加給付が受けられるという枠組みはやはり守られなければいけないという意味でいけば、今回、企業年金基金の事情でそういう移行をするということになるのであれば、当然、パートタイマー労働者の方々のそうした権利についてもきちんと守られる枠組みというものが必要だと思います。
 したがいまして、是非お願いなんですが、厚生労働省の方でこの問題に対応するために、今も日々解散の手続がどんどん進んでいる、移行の手続が進んでいるわけでございますので、是非この問題に対して早急に対応していただきたい、このことがお願いなんですが、いかがでしょうか。
#43
○政府参考人(鈴木俊彦君) 今先生御指摘の案件につきましては、私どもも事情を聞いております。
 基本的には、今御提案申し上げております法律の中で適用拡大を進めるということをやっております。当然、この十月からはもう適用拡大が実際に法律上動いているわけでございまして、そういったきちんとした、基本の部分をきちんとしながら、その上で、今先生御指摘のありましたこの上乗せ給付の部分につきましても、パートタイマーの方の間で不公平が起きたり、あるいはパートタイマーの方だけ一律に不利益が生じたりということがないように私どももしていかなければならないと思っています。
 ただ、その扱い自体につきましては、基本的にはやはり基金と加入者、企業と加入者の間でお話合いをいただいてお決めいただくということが基本でございますけれども、私ども、一つ一つ基金の解散事例について地方厚生局を通じてフォローもいたしておりますし、きちんと情報提供が行われているか、あるいは法律上不適切な扱いがないかどうか、これはきちんと点検をいたしておりますので、その中で、今いただいた問題意識につきましてもきちんとした取扱いができるように努めてまいりたいと思っております。
#44
○川合孝典君 是非とも、指導強化月間か何かつくっていただいて、周知徹底を改めて図っていただくということをお願いをさせていただきたいと思います。
 済みません、では、ここからは本体の公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化のための国民年金法の一部を改正する法律案について少し御質問させていただきたいと思います。
 私自身は、二十五年の給付適用期間を十年に短縮するというのは、元々、社会保障・税一体改革関連法案が成立したことを受けて年金機能強化法が施行され、その法律に基づいて平成二十七年十月からの消費税一〇%への引上げ時期から施行すると言われていたものが、今回、延び延びにはなったとはいえ、このタイミングで前倒しで実施をしていただけるということについては、これは前向きに実は捉えてはおりますが、しかしながら、私から申し上げさせていただきたいのは、本来であれば平成二十七年十月に動き始める、その時期からは十年加入すれば年金の受給権が発生する方がいらっしゃったという意味でいけば、それでもまだ遅れている状況にあるということでございます。
 そうした状況の中で、先ほど実は牧山議員の方からも御質問がありましたが、私ども民進党会派といたしましては、ここまで遅れたのだから、これ以上遅れさせることは受給権者の方々に対して申し訳がないから、四月から前倒しで支給できないのかということの御質問をさせていただきました。
 大臣としてお立場上ああいう答弁しかできないのかもしれませんが、私、委員の皆様にも是非考えていただきたいんですが、素朴に考えまして、そもそも平成二十七年の十月には消費税が一〇%になるよと決まっていて、そのときには、当然、今回やろうとしている手続を行った上で、十年加入をしている方はもう適用にするということを前提として本来準備がその時期からなされていたはずなわけですよね。それが更に延びて延びてということの結果、本来であれば来年以降に更に遅れるところが辛うじて来年の八月からということになったわけでありますが、私、はたから聞いておりまして、大変申し訳ないんですけれども、行政手続上の都合で八月からしか無理なんだと、こうおっしゃっていることに関して合理的な理由として実は受け止められないんですよ。
 このことについて、私、揚げ足を取るつもりはございませんけれども、リーダーシップのある塩崎厚生労働大臣でありますから、大臣がお尻をひっぱたいていただければ、作業を早くやって四月から支払を開始することはできるのではないのか、そうした方が、より今政府が進めようとしている低所得者対策という意味でも国民の皆様にもアピールしていただけるのではないかと思っているんですが、是非、そうしたことも踏まえて、私ども民進党が提案しているいわゆる修正案について耳を傾けていただきたいと思うんですが、この点について大臣のお考えはいかがでしょうか。
#45
○国務大臣(塩崎恭久君) 旧民主党の皆様方も、政権を担われて、行政の何たるかというのはよくお分かりになったと思います。
 それは、行政というのはやはり法律にのっとって、法律に従って行政を行う、執行するということが基本でございまして、この二十五年を十年に短縮するというのも法律にのっとってやらなければいけないわけで、今、消費税引上げを延ばす、そして、そうしますと同時に二十五年を十年にするというタイミングが一緒に変わるというときに、その法律を定めていただかないと行政は執行ができないということでございまして、そういうことを考えてみると、まずはこの法律を通していただくということがまず第一であり、そのためには、実は既に準備をしておったものを全部止めざるを得ないわけでありますので、それを止めて、今度法律が通ったところからまた手続を執行のために始めるということは、政権を担われれば容易に分かる行政の宿命だということを御理解をいただいているはずでございますので、そしてもう一つは、窓口での混乱というのは行政の都合というよりはやはり必然的に起きる混乱でありますから、それはできる限り緩和をして皆様方に御迷惑を掛けないようにするということでございますので、私どもとしては、今回八月に、来年の八月にするということが最短だということを申し上げているわけでございます。
#46
○川合孝典君 最終的には、私、政府・与党というのも最後は政治判断ということだと思いますので、そういう意味では、総理なり大臣なりが絶対にやるんだと言えば動くものだということを僅かながらも与党経験をした中で私自身は実は感じているわけでありまして、ここがちょっと残念ながら、大臣から本音の部分が聞けなかったかなというふうにちょっと感じているわけであります。
 実際の手続は八月だったにせよ、八月に手続して、遡及して払えるところから前倒しで支払うということは、事務手続上は、私、可能だと実は思いますので、そういうことも含めて、決めたからこれ以外絶対駄目だということではなく、よりいい方法があるというのであれば、そのことについてはやはりアンテナを高くして耳を傾けるということも是非お願いできればと思います。これは御要望ということであります。
 それでは次に、私、ここからは少し、そもそもの国民年金制度の役割とか機能とかということをぼつぼつ本質的な部分で実は議論すべき時期に来ていると思っております。
 今回、十年の加入期間で支給対象になるということに一応なっているわけでありますが、実際、十年加入してもらえる金額は一万数千円ということでありますので、最低保障機能という言葉が何度も使われておりますが、最低保障機能たり得るのかということを考えたときにはとても無理だということは、これ誰が考えてもはっきりしているということであります。
 そこで、私、抜本的にこの年金制度自体のこれまでの生い立ちとこれからの在り方ということについて少し意見の交換をさせていただきたいと思っております。
 そこで質問をさせていただきますが、厚生労働省、平成二十七年の国民年金保険料の納付率は何%になっていますでしょうか。
#47
○政府参考人(伊原和人君) 平成二十七年度の現年度納付率は六三・四%でございます。それから、二十七年度に判明しました二十五年度の最終納付率は七〇・一%でございます。
#48
○川合孝典君 ありがとうございます。
 昭和から平成に変わる頃には納付率八十数%で推移していたものが、その後、平成バブルがはじけて以降急速に納付率が悪化し、その後、平成二十二年に底を打って、二十三年から回復基調にある、結果、今御報告があったように六三・四%と。多くの実は皆様の認識も、納付率はちょっと回復して六〇%をちょっと超えているというのが恐らく皆さんの御認識だと思いますが、実はさにあらずでありまして、この納付率というものの計算の仕方に若干からくりがございます。
 それでは、これは通告しておりませんが、厚生労働省の方ならすぐ分かると思いますので、納付率の計算の仕方について教えていただけますでしょうか。
#49
○政府参考人(伊原和人君) お答え申し上げます。
 納付率というものは、委員も御承知のように、納付状況を表す指標として活用しております。したがいまして、納付すべき対象月数、納付すべき人が納付すべき対象月数を分母といたしまして、分子に実際に納付した月数、これを置いて計算しております。
#50
○川合孝典君 数式としては一応そういう数式になっておりますが、実は、ここにただし書がございまして、この納付対象月数、加入員の方々が、十二か月で計算するわけですが、この月数から実は免除者、法定免除、それから申請して全額年金保険料免除になっている方、さらには学生納付の特例、そして若年者の納付猶予という、こういう実は制度がございまして、そうした免除をされている方々の母数というのが分母から実は引かれております。それを引いた数字で納付月数を割るというのが実は納付率ということになっているんですね。
 調べてみますと、この保険料の全額免除者、かなりの人数がいらっしゃいます。何人いらっしゃるか把握されておられますでしょうか。
#51
○委員長(羽生田俊君) どなたがお答えになりますか。
 じゃ、川合孝典さん。
#52
○川合孝典君 済みません。じゃ、もう私の方で時間がないのでやってしまいます。六百万人超えていらっしゃいます。法定免除百三十四万人、申請全額免除二百四十五万人、学生納付特例百七十八万人、そして若年者納付猶予が四十四万人という、こういう数字になっております。
 実は、納付率が少しずつ回復してきている一方で、この免除の特例の方がどんどん増えてきているんですね。平成十六年から平成二十六年にかけての十年間ほどの間にこの免除者の数が四百五十八万人から六百二万人にまで増えてきているという、こういう実は数字、百五十万人近く増えております。分母が減ったことで納付率が上がっているということでありまして、実際問題として、本来求められるのは納付月数をどれだけ増やしていくのかと、そのことが財源につながっていくということであります。
 したがいまして、そこの部分がきちんと増えていかない限りは、限られた財源、一部の真面目に保険料を納付しておられる方々でどう支えるのかという偏った議論に終始せざるを得ないということであります。
 そういう意味でいくと、私は、この納付率というものをどう改善していくのかということについてもっと根っこから抜本的な議論を進めるべきかと思っておりますが、この点については、済みません、大臣はどうお考えでしょうか。大臣の思いで結構でございます。
#53
○委員長(羽生田俊君) じゃ、まず、伊原年金管理審議官。
#54
○政府参考人(伊原和人君) まず納付率について、先生の方から御指摘ありました点について一点だけちょっと釈明させていただきたいと思うんですけれども、いわゆる免除とか猶予というものは、実際、負担能力のない方に保険料の負担を求めるのは難しいものですから、国民皆年金を維持するためにどうしても不可欠な制度でございます。それから、免除とかした方の実際にその方が年金をもらう際には、その負担していない保険料部分は給付には反映されませんので、年金財政上には何ら影響がないということになっております。したがいまして、現在の納付率はそうした免除というものを分母から外して計算しております。
 確かに、先生が御指摘のように、どれだけ納付月数をちゃんと確保するか、これは非常に大事なポイントでございまして、例えばコンビニ納付を進めるとか口座振替を進めるとか、あるいは滞納されている方に対して滞納処分をしっかりやっていくとか、こういうことは進めておりまして、そういう意味で申しますと、免除の問題は分母から外すのは我々は適切だと思っておりますけれども、実際納めるべき能力、負担能力のある方からはきちっと国民年金の保険料を出していただく、納付していただくということが大切だと考えております。
#55
○川合孝典君 今るる御説明がございましたけれども、ではなぜ免除対象者がそれだけ増えてきているのかということについて、今度はそっちの方も考えていかないといけなくなってくるわけであります。
 実は、もう皆さん釈迦に説法だと思いますが、国民年金の第一号被保険者の定義、ここからちょっと考えてみないといけないと思うんですが、これ、もう時間がないので自分で言いますが、この一号被保険者というのは二十歳から六十歳未満の自営業者、農業者とその家族、学生、無職の人などと、こうなっているわけであります。そういう方々が一号被保険者の対象になっております。
 それに対しまして、今一号被保険者と言われている方々のうち、この自営業者や農業者と言われる方々の比率は一六%です。実は、一番大なる部分はパート、アルバイト、臨時雇いです。ここが三〇%強。さらには無職の方々が三〇%というような形になっておりまして、一号被保険者の定義というもの自体がかつて制度をつくったときと今とでは大きく変わってしまっているという、この点をきちんと見なければいけないと思っております。
 ちなみに、一番大なる部分であるパート、アルバイト、臨時雇いの方々の年収、非正規雇用労働者の方々の、これは厚生労働省のデータですが、年収、昨年か一昨年かの数字見ましたら百七十一万円です。臨時、不定期で働いておられる方々の年収七十九万円という数字が実は出ております。
 そういう方々が果たして定額の保険料、年間にしますと十八万七千八十円、この保険料を負担できるのかという話なんですね、年収に占める比率が余りにも大きいということでありまして。したがって、過去の制度をそのまま引きずってきている結果、今の労働者の雇用労働条件、賃金条件に合わなくなっているから未納者がそれだけ増えてしまっているということの裏返しなんですよ、これ。
 という意味からいきますと、この場でこれから是非皆さんで御議論をいただきたいと思うのは、今の定額での基礎年金保険料の在り方というものが果たして今の状況にマッチしているのかということ、こういうことも含めて抜本的にぼつぼつ議論すべき時期に来ているのではないのかというのが私の提案であります。
 あと、最後になりますけど一点だけ指摘させていただいて、最後に大臣の御決意を聞いて終わりたいと思いますが、先ほど、厚生労働省の説明の中に、収入のある方からはきちんと納付をしていただくというお話いただきました、それは当たり前のことなんですが。でも、調べてみますと、滞納者、高収入の滞納者というのも少なからずおられるわけであります。経済的な理由で保険料の負担が重過ぎると、そういう真っ当な理由とは別に、収入はあるんだけれども払っていない方、これ調べてみて驚きましたが、年収一千万円以上の方の中の滞納者が二・六%いらっしゃるというデータが出ております。その一千万円以上の方で滞納されている方に滞納した理由を聞くと、保険料が高くて経済的に払うのが困難だという、そういう理由を挙げている方がおられるわけであります。
 そういう人たちが残念ながら放置されているという状況があるということでありまして、真面目に一生懸命働いて、なけなしの収入の中から保険料を一生懸命納めておられる方々のことを考えると、そうしたことが許される抜け道があるということ自体に制度上の問題があるのと違うのかというのが素朴な実は思いであります。
 そうしたことも含めて、是非とも、我々参議院には解散はございませんので、じっくりと議論できる環境にもございます。今後、本当の意味で五十年後、百年後のための年金制度はどうあるべきなのかということについて是非大臣とは議論をこれからさせていただきたいと思いますが、最後、今私が申し上げましたような状況も踏まえて、大臣、どのようにお感じになられましたでしょうか。
#56
○国務大臣(塩崎恭久君) 百年後のことはまたゆっくりやるとして、今御指摘をいただいたことは、確かに、いろいろなものが同時に進んでいろいろな現象が起きているということはそのとおりだと思います。高額の所得者が払わないという、納付していないというのは、これは滞納対策というのを強化しつつありますから、これはこれで当然やらなきゃいけないと。
 助け合いの仕組みですから、給付と負担というのがあって初めて、負担があって給付が初めてできるわけでありますので、それはそれでしっかりやっていくということと、一方で、非正規労働者の増加などで、先ほどありました就労形態の多様化を背景に国民年金の一号被保険者のうちの約四割が被用者となっているというようなこと、こういうことを踏まえると、やっぱり私どもが進めようとしている、被用者にふさわしい保障を受けられるための被用者保険の適用拡大というのは当然進めなければいけないということで、今回御提案申し上げている法律の中にもその任意の適用というものが込められているわけでありますので、まずは、やはり今日、太田委員のときにも申し上げたとおり、直すべきものは今の制度でも直し、そしてその先に考えることはあるならばやっぱり考えていくと、こういうことじゃないかと思います。
#57
○川合孝典君 ありがとうございました。本日はこれで終わらせていただきます。
#58
○谷合正明君 公明党の谷合正明です。
 国民年金法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について質問をいたします。
 年金の受給資格期間の短縮につきましては、四年前の、当時、民主、自民、公明の三党合意に基づく社会保障と税の一体改革の中で決められた施策であります。六十四万人の方々が新たに受給資格を得るということであり、さらにその実施時期について前倒しをするということで、極めて大変重要な法制度であります。
 そこで、まず冒頭に確認をさせていただきたいんですけれども、現行制度では受給資格期間が二十五年とされておりますけれども、今日の質疑の中でも二十五年がほかの国に比べて極めて長いとかいろんな指摘があったんですが、そもそも二十五年とされている趣旨というのがどういったものだったのか。また、短縮後これを十年にすると、ほかの国では多分、ほかの国では十年もあるかもしれません、五年の国もあるし様々あるんですが、十年にするとした理由についてまず確認したいと思います。
 その上で、本年、この参議院選挙の一つの争点にもなったわけでありますが、消費税率の引上げの時期を延期をするということになりまして、それに伴ってこの受給資格期間の短縮の実施時期も先送りされるのではないかとの懸念があったわけであります。ただ、私たち公明党、ほかの党もあったかもしれませんが、私たち公明党は、無年金者対策の推進のためにはこの施策については前倒しして実施すべきと訴えてきたものでございます。
 この受給資格期間の短縮の時期が当初、当初というんでしょうか、二〇一九年十月になるところからこれが前倒しになるということに対しての意義についてまず確認したいと思います。
 冒頭申し上げた二十五年の意味と十年の理由と、また前倒しの意義ですね、お願いいたします。
#59
○大臣政務官(馬場成志君) 谷合委員には、常に御指導いただきまして、心から感謝を申し上げます。
 そもそも受給資格期間につきましては、国民年金の制度が発足した昭和三十六年当時、まず、厚生年金等の受給資格期間が二十年であったこと、そして、経済状況により保険料納付が困難な方には免除制度が設けられており、低所得者にも受給資格期間が確保されるよう配慮していたこと、そして、ある程度の年金の水準を確保するためには一定の拠出期間を必要としていたことを考慮し二十五年と設定したものと承知をいたしております。
 こうした中で、無年金者の問題はかねてより年金制度の課題の一つとして指摘されており、社会保障・税一体改革において、無年金者をできるだけ救済すると同時に、納付した年金保険料を極力給付に結び付ける観点から、諸外国の例も考慮して、受給資格期間を二十五年から十年へ短縮することとしたものであります。これにより年金制度への信頼を高めることにつながるものと考えています。
 この期間短縮は、現行の法律上、消費税率の一〇%への引上げ時に行うこととされておりますが、先ほどからお話があっておりますように、消費税の延期を決定する中で、無年金の問題は喫緊の課題であることからできる限り早い実施をすべきと判断し、平成二十九年八月一日施行としたものであります。
 以上です。
#60
○谷合正明君 そこで、この法案の効果についてなんですけれども、いろいろ今お話があった中で、効果というか意義の一つとして、年金制度の信頼を高めるというお話もございました。それはそうだと思うんです。その中で、もう少し具体的な効果というところもお尋ねしたいと思っております。
 今、皆さんのお手元に参考資料を配付させていただきました。これは十月三十一日に総務省が発表したものでありまして、平成二十六年の全国消費実態調査、所得分布等に関する結果でございます。ここの中に貧困率の数字が出ておりまして、相対的貧困率、子供の相対的貧困率が出ておりますが、この相対的貧困率が前回平成二十一年と比べて〇・二ポイント低下というグラフがありまして、これをもう少しグラフを追ってみますと、相対的貧困率が一九九九年には九・一%だったものが二〇〇四年に九・五%、二〇〇九年に一〇・一%、二〇一四年に減少傾向に転じたということで九・九%、まあ僅かかもしれません。
 世帯主の年齢の階級別でいいますと、例えば六十五歳以上でいえば、一九九九年で一五・〇%だったものが二〇一四年で一三・六%となっていると。世帯類型別で見ますと、特に大人一人と子供の世帯ですけれども、六二・七%が四七・七%までこれは改善されているということだと思います。これはこれで、特にこの四年間の経済政策の運営に関して成果が表れているというふうに捉えることもできると思います。
 ただ一方で、貧困線というのがありまして、この貧困線の定義は等価可処分所得の中央値の半分の値ということでございまして、これが、一九九九年百五十六万円だったものが二〇〇四年百四十五万円、二〇〇九年百三十五万円、二〇一四年百三十二万円と、これいずれも減少傾向にあり続けるわけでございまして、相対的貧困率とこの貧困線の変動をどのように評価、解釈されるかなと。特に、貧困対策に中心的な役割を担っている厚生労働省としての考えを聞きたいと思っております。
 この度の無年金者対策との関連で申し上げますと、この度の無年金者対策によってそもそも貧困率というのが改善していくのだろうかと、本法案のこの効果について併せてお伺いしたいと思います。
#61
○国務大臣(塩崎恭久君) 総務省が実施をしているこの平成二十六年全国消費実態調査、これにおきまして、今御指摘いただいたように相対的貧困率が低下をしていると。その理由として、総務省の分析によりますと、近年の雇用情勢の改善によって若い世代を中心に、低所得者層において勤め先の収入が増加をしているということが考えられるとのことだということを総務省の方は分析をしています。
   〔委員長退席、理事島村大君着席〕
 また、今御指摘の貧困線が低下をしているということの理由でございますが、高齢化に伴って稼得活動から引退をした高齢者の方が増加をすることによって、世帯の生活水準を表す指標として用いられる等価可処分所得、いわゆる世帯の可処分所得を世帯人数の平方根で割ったものでありますが、これが全体的に減少しまして中央値も下がったことなどが考えられるというふうに聞いているところでございます。
 年金の受給資格期間の短縮によって貧困率が改善するかどうかという御質問でございますけれども、補足性の原則を有する生活保護との関係や、貧困線を超える人がどれくらいいるかといったことによるため、一概にはこれ申し上げにくいわけでございますけれども、権利性があって自由に使える年金給付によって高齢期の所得と消費の底上げ効果が期待をされるところでございます。また、受給資格期間短縮に加えて福祉的な給付を行うことによって一層の効果を期待をしているところでございます。
#62
○谷合正明君 高齢者の所得保障については、もちろんこの法案だけで何か全てが解決するなり説明できるものじゃないでしょうし、ただ一方で、こうした本法案であるとか低年金対策など、様々な施策を重層的にしっかりやっていくことによって所得保障を高めていくということが私としては大事なんだろうというふうに思っております。
 それで、次の質問に移らせていただきますと、法案の成立した後でありますけれども、新たに六十四万人の方が受給権を得るということで、日本年金機構から送付される年金請求書、これを提出する必要が出てくるということでありまして、年金請求書は返送してもよいわけでありますけれども、実際には年金事務所の窓口に直接伺う方も相当おられるのではないか、そこで窓口の体制強化というのもしっかり進めなきゃならないということだと思うんですね。
 今日私が問題提起したいのは、さらにその窓口の方になかなか行けない方々ですね。返送がしっかり事務的に書類申請ばっちりできますよという方、それから窓口に行ける方、そこはいいとして、窓口になかなか足を運べないという方なんですけれども、もし分かればでいいんですけど、六十四万人の方々の中に、これは高齢者の方がほとんどだと思いますけれども、九十歳以上の方々がある程度いらっしゃるんだと思うんですね。私、約二千人というふうに承知しておりますが、もし正確な数字が分かれば教えていただきたいと思います。
 で、その年金事務所の窓口までなかなか出向くことが困難な方への対応という、今、九十歳以上の方を数字をお伺いしましたけれども、そういう高齢者の方々に対してのきめ細やかな体制というのが極めて重要ではないかと思っております。コールセンターでの相談体制、これも大事だと思いますし市町村との連携協力というのも大事だと思いますが、こうした点について具体的な取組はどう進めていこうとされているのか、お尋ねしたいと思います。
#63
○政府参考人(伊原和人君) お答え申し上げます。
   〔理事島村大君退席、委員長着席〕
 まず、最初に御質問のございました、今回の六十四万人の中に九十歳以上の方がどのくらいいらっしゃるかということでございますが、大体二千人ぐらいいるのではないかと我々は見込んでおります。
 それから、実際、超御高齢の方で年金事務所の窓口に来られない方がいらっしゃるのではないかという御質問につきましてですけれども、一つは、御家族が代理してやることは当然可能でございます。しかし、やはり身寄りのない方のような方の場合には実際なかなか難しいということもあると思いますので、我々としましては、日頃そういう方が接しておられる介護事業者などがいらっしゃると思います。ケアマネジャーとかそういう方がいらっしゃいますので、そうした方々に御支援をいただいて手続をしていくというようなことも一つの考え方としてあるのではないかと思っておりますので、今後、介護事業者団体などとも御協力いただけるように要請していくとか、そういう工夫もしてまいりたいと思いますし、何より、やっぱり一番身近なのは市町村でございますので、市町村と年金事務所の連携を図りまして、こうした方々への対応もありますし、あるいはその他市町村の窓口に御相談に来られる高齢者もいらっしゃると思います。
 そうした方々を、まず相談に乗っていただくことも第一番にやっていただきますし、その後年金事務所に適切に誘導していただくというようなことも考えていかなければいけないと思っておりまして、現在、市町村の方々とどう対応するかいろいろ研究をしております。工夫をして対応してまいりたいと思っております。
#64
○谷合正明君 市町村との連携について今研究されているということでありまして、具体的にやはり対応をお示ししていただくということが安心につながると思います。今、介護事業者の話も出ておりましたけれども、そうしたきめ細やかな対応を、万全な体制をしいていただくよう要請するものでございます。
 そして、さらに関連で申し上げますと、日本年金機構から送付される年金請求書を見逃す方、申請を忘れる方、様々いろんな状況が想定されるわけであります。あえて申請しないという方々もいらっしゃるのかもしれませんが、受給を希望しながら何らかの事情で年金請求を忘れてしまう方や、また漏れてしまう、そういった方々に対して更にこれをきめ細やかにアプローチしていただきたい、そう思うんです。そうした請求漏れや請求忘れへの対応についての対策についてお尋ねしたいと思います。
#65
○政府参考人(伊原和人君) まず、我々、六十四万人の方に五回に分けて年金請求書をお送りしたいと思っておりますが、単に個別にお送りするだけではなくて、ホームページもございますし各種媒体もございますので、今回の制度改正とか、こういう方々が対象ですとか、それから先ほどお話がありました空期間の問題とか、そういうこともできるだけ多くの方に知ってもらうべく様々なツールを使ってPRをしたいと思っております。
 しかしながら、このお送りした方からなかなか御返事がいただけないというようなことがあった場合につきましては、実際どの程度そういう未送達の方とか返事がない方がいらっしゃるかというようなことも、実際判明した段階で速やかに、どういう形で、もう一度御連絡するかどうかも含めてそういう具体策を検討してまいりたいと、このように考えております。
#66
○谷合正明君 この法案を速やかに可決しなきゃならないわけでございまして、そして、この年内にはそういう手続が始まっていくということ、手続というんですか、いろんな厚労省からの説明、周知広報というのもしていくわけでありますから、しっかり急ピッチにこの辺の対応を進めていただくようにお願いしたいと思います。
 それから、後納制度についてお尋ねしたいと思います。
 保険料の納付機会の拡大を図るために、平成三十年九月末までは過去五年間分の後納制度が準備されております。将来受給できる年金額は保険料納付済期間に比例いたします。将来の無年金、低年金を防止するためにもこの後納制度の活用を促進する必要があると考えます。一方、平成二十七年九月末まで実施された十年の後納制度については、約二千万件のお知らせを送付して、三年間の利用者は百十八万人でございました。
 この利用実績についての認識を伺いたいと思います。この実績を踏まえて現行の五年後納制度の利用をどのように促進するのかの見解を伺いたいと思います。
#67
○大臣政務官(馬場成志君) 十年後納制度については、平成二十四年十月からの三年間の特例として実施されたものであります。
 十年後納制度のお知らせを送付した方は、今お話がありましたように約二千万人でありますが、そのうち相談に訪れた方は約百四十万人おられ、その約八割に当たる百十八万人が利用されております。その結果、新たに老齢基礎年金の受給権に結び付いた方が約三万人、ほかに、既に老齢基礎年金を受給されていて増額に至った方が約一万人おられます。また、これからこの効果が出てくる方はまた別途現役の方々にいらっしゃるというふうに思っております。一定の効果があったというふうに認識をしておるところです。
 一方、平成三十年九月末までの特例として設けている保険料の五年後納制度についても、今回の受給資格期間の短縮により受給権を得やすくなることを踏まえ、日本年金機構ホームページや政府広報等を通じ、さらには、先ほどから議論があっておりますように、より一層の周知広報を行ってまいりたいと存じます。
#68
○谷合正明君 百十八万人の利用者で、これは、本当はもう少し想定していたんじゃないかなと思われるわけでありまして、その辺も踏まえますと、五年後納制度の利用を更に促進していただきたいというふうに思っているわけであります。
 二十五年を十年に短縮するということで、いろいろ周知広報を徹底してくれという話をしておりますけれども、何というんですかね、高齢者を狙った詐欺についてもちょっと警戒しなきゃならないなと思っております。
 不正アクセスによる年金情報流出の事案のときも、実は高齢者を狙った詐欺、振り込め詐欺が実際にあったというふうに聞いておりまして、今回の無年金者対策を悪用されるケースというんですかね、そういったことも想定しておかなきゃいけないというふうに思っておりまして、例えば、日本年金機構から直接対象者の方に電話が行くのか行かないのかとか、結構そういったこともちょっと知っておかなきゃいけないと思うんですね。
 こういった高齢者への詐欺の対策というのも併せて徹底していただきたいと思いますが、どうでしょうか。
#69
○政府参考人(伊原和人君) お答え申し上げます。
 今回の受給資格期間の短縮につきましては、御本人へ年金請求書をお送りいたしましてお手続をいただくこととしております。したがいまして、御本人から年金請求書を提出いただかない限り、年金機構の方から電話で御連絡することは一切ありません。それから、年金請求書を出していただいた後、例えば電話で振り込み先を教えてくださいとか、そういうことをすることも一切ありません。
 したがいまして、こういう取扱いにつきましては、ホームページやあるいは市町村の広報、そうした形で周知いたしまして、詐欺への注意喚起というものをしっかりやっていきたいと、このように考えております。
#70
○谷合正明君 終わります。どうもありがとうございました。
#71
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 本法案で、加入期間の短縮によって無年金者は大きく減らせる、歓迎であります。しかし、いまだ二十六万人の無年金者と低年金の問題というのが残るわけです。
 そこで、政府は繰り返し答弁で、基礎年金で高齢者の全ての暮らしを賄うという考え方ではないと言われているわけです。振り返って、そもそも一九八六年、月五万円でスタートしたのが基礎年金というわけですが、この発足時の議論で当時の厚生労働省は、月五万円の水準の根拠、これどう説明していたでしょうか、お願いします。
#72
○政府参考人(鈴木俊彦君) お答え申し上げます。
 基礎年金導入当時の考え方でございますけれども、基礎年金は老後生活の基礎的な部分を保障すると、こういった考え方を基本といたしまして、まず第一点目といたしまして、食料費、住居費、光熱費、被服費といった衣食住に関わる基礎的な消費支出額、第二点目といたしまして、生活保護における生活扶助の基準、三点目といたしまして、当時も今後増えていくというふうに見込まれておりました将来の保険料負担の水準、こういったものを勘案して設定をしたということで承知をいたしております。
#73
○倉林明子君 つまり、発足当初は、基礎年金によって老後の基礎的部分を賄うと、これが基本的な考えだったということは改めて確認したいと思うんです。
 当時の、中曽根大臣だったわけですけれども、この月五万円という当時の基礎年金の水準については、老後生活の支えとして基礎的部分の保障、そしてこの考え方は憲法の精神にも合致しているというふうに答弁されているわけですね。
 ところが、現在の水準はどうかということです。基礎年金導入時と同じ考え方で、六十五歳以上の単身高齢者の消費支出、ここから雑費を引いた基礎的消費支出は直近のところで月額幾らになっているでしょうか。
#74
○政府参考人(鈴木俊彦君) 総務省が実施をいたしております家計調査の平成二十七年時点の数字でございますけれども、六十五歳以上の単身無職世帯の基礎的消費支出は七万二千百九円となっております。
#75
○倉林明子君 単身高齢者、今おっしゃっていただいたように七万二千百九円と、基礎年金額は満額六万五千円ということになりますから、これ、月七千円低いということになります。
 大臣に確認したいと思うんですけれども、元々の一九八五年、基礎年金導入時の、老後生活の基礎的部分を保障する、こういう約束から見ると反することになるんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
#76
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど局長から御答弁申し上げましたが、一九八六年の基礎年金水準は、基礎的消費支出のほかに、現役世代が負担可能な保険料の水準などを勘案して設定をしたものだということを申し上げました。
 平成十六年改正に向けた議論の中でも、少子高齢化の一層の進行などを背景にいたしまして、当時の制度のままでは保険料がどこまでも上がっていってしまう、そして将来年金を受け取る現役世代の負担が過重なものになってしまうと、そういうおそれがあるという課題が浮き彫りになってまいりました。このため、現役世代の保険料負担を過重なものとしないように、上限を固定をするとともに、その範囲内で給付水準を調整する枠組み、いわゆるマクロ経済スライドを導入することとして、高齢期の生活の状況等を参考にしながら給付水準の下限を定めることとした経緯があるわけでございます。
 こういう中で、年金の支給額でどこまで賄えるのかといったことにつきましては、基礎年金で全てを賄うことは難しく、ある程度の蓄えはお願いをせざるを得ないのではないかということを御答弁申し上げてきたところでございます。
 現在の基礎年金の額も、高齢無職世帯の支出との比較で見ますと、夫婦世帯では基礎年金額が、十三万十六円が衣食住といった基礎的消費支出十一万五千九百三十三円をカバーをしているわけでありますが、一方で、単身世帯におきましては、基礎年金額が六万五千八円、そして基礎的な消費支出が七万二千百九円ということで、おおむねカバーをしているという表現を使わせていただいておりますが、そういう状況でございます。
 これに加えて、基礎年金のみの方など低年金、低所得の方に対しては、平成三十一年十月までに施行される予定でございます年金生活者支援給付金、これによって最大月五千円が年金額に上乗せをされて、年金と相まって高齢者の生活を支えるということになると考えているところでございます。
#77
○倉林明子君 つまり、基礎的部分をカバーするということには単身の場合はならないんだということの説明ではなかったかというふうに思うんですね。この単身の方の場合でいいますと、年間だと乖離が八万四千円という本当に大きなところになってきているのが現状だと思うんです。
 また、一九八四年当時に基礎年金月五万円、これ決める際に、基礎的消費支出だけじゃない、高齢者の生活保護、これも基準として参考にされました。現在、高齢単身世帯の生活扶助額は二級地で月七万円、一級地で月八万円、ここでも乖離あるんですけれども、満額だったら夫婦のところはカバーできるというふうにおっしゃる。しかし、これも今後どうなるかということなんです。
 ざっくり分かりやすいマクロ経済スライドの仕組みというのを、日経新聞からこれ取りましたのを載せています。物価上昇に見合ってこれまで上がっていた、それがマクロ経済発動したら抑制されるよと。これ、とても単純化したものですので、こういうイメージで今度、二〇一五年ですね、初のマクロ経済スライドが発動されたということになったわけです。
 これ、この導入でどうなっていくのかという試算を厚生労働省自身がされているわけですね。それが二ページ目のところに入れております。これ、赤や黄色を付けたのは私の事務所ですけれども、ベースは社会保障審議会の年金部会に出された資料ということになっております。
 これ見ていただきますと、二〇一四年六十五歳、二〇一四年のときは六万四千円ということなんだけれども、これ導入されていくとどうなるか。二〇三九年、五万一千円になるんですね。つまり、実質二割の目減りということになるわけです。そのほかのところも見ていただければ分かるとおりで、二〇一四年度から五十代、六十代という人たちが二〇四〇年に受け取る年金というのは実質一割から二割減っちゃうということになると思うんですけれども、厚生労働省、これで間違いないでしょうか。
#78
○政府参考人(鈴木俊彦君) 平成二十六年の財政検証におきましては、今お示しいただきましたように、生まれた年度別に見た年金受給後の基礎年金受給額の見通し、これを物価の変動率で平成二十六年、二〇一四年度でございますけれども、これに割り戻した額ということでお示しをしております。先生がお示ししたこの資料でございます。
 これによりますと、財政検証を八通りやっておりますが、そのうちのケースEでは、二〇一四年度に六十五歳となる一九四九年度生まれの方、この基礎年金の額が受給開始時で六・四万円、九十歳になります二〇三九年度には、物価で二〇一四年度に割り戻した額が五・一万円という結果になっているということでございます。
 一方で、先ほどおっしゃったように、二〇一四年度に五十歳から六十歳である方につきましても、二〇四〇年代の基礎年金額、これを物価で二〇一四年度に割り戻しますと受給開始時よりも低い額となるということでございます。
 これは、少子高齢化といいます長期の人口構造の変化に対応いたしますために、マクロ経済スライドによりまして時間を掛けて徐々に年金水準を調整する仕組みがございますが、この仕組みによるものでございます。このマクロ経済スライドの仕組みにつきましては、年金制度の持続可能性を確保するため、世代間の分かち合いの仕組みということで必要なものというふうに考えているところでございます。
#79
○倉林明子君 いや、つまり、今後について見れば年金の水準は下がる、カバーできないという基礎的な部分というのが増えてくるんじゃないですかと。どうですか。
#80
○政府参考人(鈴木俊彦君) このお示しの資料の意味するところは、年齢が上がっていきますとこのマクロ経済スライドの効果で年金水準も調整をされていくということでございますけれども、一方で、これ、先ほども引用いたしました家計調査によりますと、年齢が上がりますと基礎的消費支出の水準もまた下がりますので、必ずしも受給開始時の水準を保たなければこの消費支出が、年金によってカバーする率が落ちてしまうということではないというふうに承知をいたしております。
#81
○倉林明子君 いや、それでマクロ経済スライドが発動されて、みんなびっくりして怒っているわけですよ、年金受給者、今の人たちがね。
 今、この実際の試算のケースを見ても、まずこれで、年を取れば消費支出も減るさかいに、これだけ減っても実質減ることにはならへんみたいな説明というのはいかがなものかと思いますね。実際に減るんだから、それはきっちり説明すべきだと思いますね。
 大臣、カバーできない部分、ここがやっぱり増えるということは、マクロ経済スライド、間違いないと思うんだけれども、どうですか。
#82
○国務大臣(塩崎恭久君) これは次の年金で御議論いただきたいと思っている法律に関わる問題でもあるわけでございますけれども、元々この公的年金制度は、年金制度を支える現役世代の負担が、先ほど申し上げたとおり重くなり過ぎないということで、保険料の収入には既に上限が固定をされています。限られた財源をマクロ経済スライドによって現在と将来の受給世代の間に適切に配分をする、分かち合うという世代間の仕組みということでございまして、このマクロ経済スライドは時間を掛けて徐々に年金水準を調整することとしておりまして、また、現在の受給者に配慮をして、マクロ経済スライドによって名目の年金額を下げることはしないといういわゆる名目下限、これを導入をしており、適切なものだというふうに考えているところでございます。
 なお、先ほど来、消費との関係のお話が出ておりますが、将来の消費支出を予測するというのはなかなか難しいわけでありますけれども、基礎的消費支出の伸びが物価の伸びと同程度と仮定をいたしますと、財政検証の前提の下では、マクロ経済スライドによる調整が行われたとしても、新規裁定者の年金額改定率、これは賃金変動率マイナスマクロ経済スライド調整率になるわけでありますが、おおむね物価上昇率を上回ることから、夫婦世帯では将来も基礎年金、消費支出をカバーできるのではないかというふうに考えているところでございます。
 いずれにしても、低所得、低年金の高齢者への対策については、これはもう社会保障・税の一体改革の中で、消費税の財源によって福祉的な給付に加えて医療、介護の保険料の負担の軽減など、年金のみならず社会保障制度全体で総合的に手を打っていくということを決めているわけでございまして、これらにしっかりと取り組むことが大事であり、また、それに加えて、高齢者にとって就労機会を確保する、あるいは厚生年金の更なる適用拡大をする、さらには個人型の確定拠出年金の加入促進を行うなど、老後の生活をどういう形で総合的に守っていくのかということを考えていくことが大事で、独り年金制度だけで全部をもう全ての人にとって賄い切るような形でいくということではなく、全体としてどうするかということを絶えず見ていくことが大事だというふうに思っております。
#83
○倉林明子君 私はそんな全面的な説明聞いていないんですよ。
 このあなた方がこしらえて資料として出した資料を見たって、二〇三九年になったら、これケース設定していますよ。でも、六万四千円もらっていたものが五万一千円になるとはっきり書いてあるじゃないですか。減るんじゃないですか、そうですと、そういうことでしょう。
 私、そこで、その上で、いや、だから単純じゃないって、この事実はそうでしょうということを確認しただけなので、それについて認められないというなら、それと、じゃ、こういうケースならどうだという話であればやりたいと思うんだけれども、答弁長過ぎるし、しっかり答えていただかないと次に行けないので、きちんと明確な答弁をお願いしたいと思います。
 その上で、本会議でも質問したとおり、年金の最低保障機能、これは本当に弱いということで、国連からも累次の改善の勧告というのが出されているわけですね。マクロ経済スライドと賃金マイナススライドということで、今回の法案でも、新たに年金受給者に確かになるんだけれども、月一万円、月二万円ということで、極めて低額な年金者ということになるんです。
 これ、マクロ経済スライドと賃金マイナススライドは、こうした超低年金の方々にも適用されるわけですよね。私、少ない基礎年金を更に削って貧弱なこの最低保障機能を細らせるようなことにつながっていかないかと、こういう改変というのはやめるべきだと思います。どうでしょうか。
#84
○政府参考人(鈴木俊彦君) 今の年金、御案内のように、現在の若い人たちが年金受給世代を支えている賦課方式でございまして、限られた財源を長期にわたって適切に配分するという世代間の分かち合いの仕組みでございます。
 その中で、今度御提案を申し上げたルールというのは、現在の若い方の賃金が下がった場合に、現在年金を受給している世代の年金水準が、これを併せてお付き合いをいただきませんと、現在の若い人にとっては、自分の賃金も下がる、そしてそれによって将来の自分が受け取る年金の水準も下がるということで二重の厳しさに直面している、これを何とか解決をするという法案でございますので御理解を賜りたいというふうに思います。
#85
○倉林明子君 いや、若い人だって年いった人だって理解できませんよ。
 低年金で最大五千円乗せるんやという話ありました、低年金対策だと。ところが、これ、十年満期やったら千二百五十円ですよ。本当に、そういう意味でいうと、低年金の問題というのを真剣にやっぱり正面から考えないといけない。
 医療も介護も総合的な対応をしていくとおっしゃいました。しかし、中身どうですか。今出てきている医療、介護の総合的な見直しのメニューは、医療も介護も総じて利用料の負担を上げること、給付、サービスは削減すること、これで基礎的収支、基礎的支出をカバーするどころか、これに食い込むような改悪やっているんじゃないですか。
 私は、全体でフォローするといいながら、高齢者の低年金補うことにはなっていないと思うんですけれど、大臣、いかがでしょうか。
#86
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど長いというお話をいただきましたが、先ほどのこの六万四千円が五万一千円になるということについて、これは言ってみれば実質価格でありまして、この金額、名目は決して減るわけではないということをまずお認めをいただいた上で、御指摘の下がるという、実質価値として下がるじゃないかということは、そのとおりだからこそ、それに対してどうするかということを申し上げているわけでございます。
 今、低所得、低年金対策にはなっていない、医療、介護の問題でもむしろ逆を行っているじゃないかというお話でありますけれども、私どもとしては、やはりこの助け合いの仕組みである年金の中でどういうふうにするのか、そして負担能力に応じた負担をしていただくということ、そして世代間、世代内、それらの助け合いの仕組みをどう組み合わせていくかということが大事なことであって、それを絶えず見直すことが大事であるからこそ、こうして今回、今の二十五年を十年の短縮法案に加えて次に御議論いただこうという御提案もしているわけで、これも社会保障・税の一体改革の中で、デフレ下の中で、しかし、今の世代とそして将来世代との間の分かち合い、助け合いの仕組みをどう守っていくかという中で解を見付けようということでお示しをしている、宿題を、民主党政権時代の宿題を果たそうということでございまして、絶えず制度は見直し、そして経済政策と一体としてそれらをやっていくということが大事だというふうに思います。
#87
○倉林明子君 答弁はよく分かりませんでした。
 改めて、最低保障年金を確立していく、制度信頼回復していく、こういう方向にこそ向かうべきだと、改めて議論はさせていただきたいと思います。
 終わります。
#88
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 十一月二日に本会議がありまして、そのときに質問をさせていただいた中で答弁がちょっと納得いかないものもありまして、もう一度ちょっと質問もさせていただきたいと思います。
 今日は通告の方を出させていただいておりますけれども、その中で、ちょっと一番最後に考えておった、先ほどもほかの委員からありましたけれども、国民年金保険料の納付率のことについて質問をさせていただきたいと思います。
 本会議でも言わせていただきましたけれども、一九九〇年代は納付率というのは八〇%台だったんですね。その八〇%台だった納付率が平成二十七年度末では六三・四%ということで、四割近い人が納めていないわけでありますけれども、この納付率というのは、先ほども話がありましたように、年金保険料の納付を免除又は猶予されている五百七十六万人が除かれておるわけでして、これを含めた実質的な納付率というのは僅か四〇・七%しかないというのが現状なんですね。国民皆年金と言っておきながら、実際本当にお金を納めている人は四〇%しかいないということが事実です。
 この納付率について、十一月二日の本会議では、国民年金納付率の分母に免除等の月数を含めて率を算出する、いわゆる実質的な納付率について質問したわけですけれども、その実質的な納付率の算出は免除等を制度として設けている意義にそぐわないという答弁がありまして、この意義とは一体どういうことを言っているのか、是非お伺いしたいと思います。
#89
○政府参考人(伊原和人君) お答え申し上げます。
 国民年金の保険料免除制度につきましては、所得が低いために保険料を納付することが困難な方の年金受給権を確保するということから創設されたものでありまして、国民皆年金を実現するためには必要な制度だと、そういう形で設けられております。
 それから他方、この納付率というものはどういうものかと申しますと、納めるべき方がどれほど納めたかを把握するための、いわゆる納付状況を示す指標でございます。したがいまして、本来納付すべき月数、納付すべき月数というのは実際に賦課された保険料の月数ですね、に対しまして実際に納付された月数を分子とするということが指標として適当と考えております。
 もし仮に分母に免除とか納付猶予の部分をあえて納めていない月数として含めて算出した率を仮に置くとしますと、例えば、本来保険料を納付することが必要のない低所得者の方が増えた場合は、納付の意欲とか納付の状況と関係なく自動的にその数字が下がっていくということになってしまいまして、納付の状況を把握するための指標としては機能しなくなってしまうということで、今の納付率を設けております。
 以上でございます。
#90
○東徹君 そうですかね。
 この間の答弁の中で、じゃ、もう一つお聞きしたいんですが、実質的な納付率、景気低迷に左右される数値となり、納付状況を表す指標として適切でないというふうな答弁があったんですけれども、分母に免除者を含めないとなると、景気が低迷して所得が下がって免除者が増えれば増えるほど、これは分母が小さくなって納付率は上がっていくことになるわけですね。したがって、実質的な納付率のみならず、厚労省の言う納付率も景気低迷の影響を受ける数値であることには違いないというふうに思います。
 厚労省は、実質的な納付率だと本来納付する必要のない免除等を受ける低所得者が増えるほど算出した率が下がるというふうに言いますけれども、実際に保険料を払う人が減ると率が下がるのは当たり前の話でありまして、免除者が増えることは納付とは無関係ではなく、逆に、払う人が減っているのに納付率が上がるというのは、これ、こっちの方がおかしいんではないかというふうに考えます。
 世帯全体の所得が低くて保険料が全額免除になった方も、今回の法案が成立した後は十年間免除が認められれば年金の受給資格を有することになるわけでありまして、基礎年金の国庫負担分は保険料を納めなくても年金を受給することができるということになるのでありまして、免除者の存在が年金財政に影響しないわけがないわけであります。そうですよね。
 保険料納付率というときに年金財政との関係を考えないのは基準としておかしなことであって、やっぱり実質的な納付率、これを基準として考えていくべきということは大切なことだと思うんですけれども、いかがですか。
#91
○政府参考人(伊原和人君) お答え申し上げます。
 二点申し上げたいと思います。
 一つは、免除されている方の国民年金保険料ですけれども、その方の免除されている部分につきましては、その方が高齢者になって年金を受け取るときには実際の給付には反映されません。したがって、保険料が払われていない部分については年金財政への影響はひとつないということがございます。
 それから、先ほど先生の方から国庫負担への影響があるではないかというお話でございましたけれども、これは、満額の保険料を納めた方でも全額免除の方でも、共通して給付の二分の一は国庫負担をするということをルールとして決めております。したがいまして、免除者が増えたか減ったかによって国庫財政に影響を与えるものではないと考えております。
 そもそも、免除されている方も消費税を始めとして税金は負担しておられまして、納付している方と免除者の方でその取扱いを変える必要は、なかなか取扱いを変える理由はないものと考えております。
#92
○東徹君 じゃ、そうしたら、今度はやっぱり実質的な納付率というのをもう本当は上げないといけないということは当然だと思うんですけれども、いかがですか。
#93
○政府参考人(伊原和人君) まず、我々の考え方といたしまして、負担能力のある方にはしっかり納めていただく、負担能力のない方には、その負担能力に応じて全額免除される方もいれば二分の一免除するという形で、その負担能力に応じて納めていただくことが必要でございます。その負担能力に応じた保険料を賦課したときにその賦課した額をしっかりと出していただく、滞納せずにちゃんと納めていただく、こういう努力をすることが一番大事だというふうに考えております。
#94
○東徹君 それであれば、これ今の納付率で考えていくと、この間、答弁の中でも平成三十年にはたしか六〇%台半ばとかとおっしゃっていただいたと思うんですけれども、そこを上げるとなったときに、これは免除者が多かったらそういう数字になってしまうという。本当に、払う人が増えて納付率が高くなるということが本来だと思うんですけれども、いかがです。
#95
○政府参考人(伊原和人君) 年金制度というよりもやはり経済政策全体かもしれませんけれども、できるだけ負担能力、多くの方が国民年金保険料を負担いただけるように、所得を上げていくとか、そうしたことが大事だと思っております。
 それが一つですし、我々年金事業を運営する責任を持つ者としては、実際負担能力のある方からはしっかり徴収していくということが大事なことだと考えております。
#96
○東徹君 先ほどもありましたけれども、やっぱり実際負担能力がある人を、しっかりと払ってもらう、この努力をやっぱり是非やっていただきたいと思いますし、そこの納付率をやっぱり上げてこそ本当の納付率が上がるというふうに思いますので、是非その目標を、やっぱりそこをどれだけ上げるのかというところ、負担能力がある人をどれだけ払ってもらうのかという、そこをしっかりと引き上げていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 あと、年金受給資格期間の短縮についてお伺いいたしますけれども、今回の法案では受給資格期間が二十五年から十年に短縮する内容となっておりますけれども、これも、非常に今まで試算したのとは大きく違っていまして、平成二十四年の社会保障・税一体改革の当時の試算だったら十七万人で三百億円というふうになっていましたけれども、今回では四十万人の六百五十億円というふうになっているわけでありまして、どういう試算をしておったかなというふうに思うんですが、これはまあおいておきまして、仮に二十五年を十五年に短縮した場合とか五年に短縮した場合とか、それぞれについて、初めて受給権を得る方がどの程度必要となるのか、額が幾らになるのかお示しいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#97
○政府参考人(鈴木俊彦君) 受給資格期間の二十五年から十年、短縮によりまして、今先生おっしゃったように、初めて老齢基礎年金の受給権を得る方、約四十万人でございます。これ仮に受給資格期間を十五年とした場合でございますけれども、約二十万人が対象になるというふうに見込んでおります。
 一方で、五年ということでございますけれども、この場合、加入期間が十年以下の方については今回の措置の対象外でございますので、一定の前提を置いてちょっと推計をしてみないと分かりませんけれども、任意加入によって五年の加入期間を満たす方、これを一定の仮定を置いて出した場合に、五年に短縮いたしますと約六十万人が対象になるものというふうに試算をしております。
 もう一つ、所要額についてもお尋ねがございました。国庫負担等幾らぐらい掛かるのかということでございますが、これ正確に申し上げますと、個々の方々が保有いたします保険料の納付済期間、それから免除期間、この割合がそれぞれの方で違いますので、これも正確にということではないということで御理解を賜りたいと思いますけれども、この納付済期間とか免除期間の割合が今回の対象者の方と同じだというふうに仮定をいたしまして、先ほど申しました単純な人数比で機械的に試算をいたしますと、十五年に短縮した場合には満年度で約三百億円程度の規模になる、一方で、五年に短縮いたしました場合には満年度で一千億円程度の規模になるというふうに見込んでいるところでございます。
#98
○東徹君 ありがとうございます。
 どうしてそういうことをお聞きしたかったかといいますと、ほかの国との比較になるわけですけれども、アメリカとかイギリスは十年なんですね。ドイツは五年、イタリアも五年、フランスはなし、カナダは一階部分が十年で二階部分がなしということになっております。
 我が国では六十歳から最大十年の任意加入が可能ですが、これは、制度設計なので五年にすることも十五年にすることも可能だと思うんです。なぜ今回、十五年や五年ではなくて十年としたのか、この理由をお伺いしたいと思います。
#99
○政府参考人(鈴木俊彦君) これは、社会保障・税一体改革の中で、無年金者をできるだけ救済する、そして年金保険料をできるだけ給付に結び付ける、こういう理念の下にやっている措置でございますけれども、この具体的な年数、これを検討するに当たりましては、まず、現行制度で受給期間を満たしていない方、この方が六十歳から七十歳まで最大十年間の任意加入が可能であるということが一つ念頭にございます。社会保障審議会の年金部会の議論の整理の中でも、これが十年ということについての一つの目安ということで記述をされております。
 また一方、諸外国の状況につきまして先生御紹介いただきましたけれども、諸外国の中でも、例えばアメリカとかイギリス、カナダといったような国々では受給資格期間ということで十年というふうにいたしておりますので、こういったことを総合的に勘案いたしまして、二十五年を十年に短縮したということでございます。
#100
○東徹君 そうしましたら、平成二十三年十二月十六日に出された社会保障審議会年金部会のこれまでの議論の整理の中に、余りに低額の年金とならないようにする等の観点から保険料納付済期間のみで十年とすることも考えられるというふうに意見が出されているわけですけれども、今回の法案では、免除期間だけで十年あれば受給資格期間が満たされるということにこれなるわけですね。その金額は月八千円程度になるというふうなことなんですけれども、なぜ保険料納付済期間のみで十年というふうにしなかったのか、お伺いしたいと思います。
#101
○政府参考人(鈴木俊彦君) 今先生おっしゃいましたように、年金額の確保という観点から考えますと納付済期間だけを対象にするという考え方もあったであろうとは思いますけれども、一方で、現在の国民年金制度でも、先ほど来議論が出ておりますように、納付済期間だけではなくて、免除期間でございますとかあるいは合算対象期間、いわゆる空期間、こういうものを最大限活用してできるだけ年金の受給権に結び付けるような措置、これは今の制度でもございます。
 そういう現行制度があった中で、この二十五年というものを今回十年に短縮するということでございますので、今回の短縮措置を講ずるに当たりましても従来どおりこういった配慮措置の中でこの短縮を講じていくことが適当であろうと、そういうことで合算対象期間なり免除期間というものを含めまして十年というものをカウントするということにいたしたところでございます。
#102
○東徹君 そうしましたら、次に、受給資格期間の短縮と消費税率の引上げについてお伺いしたいと思いますけれども、今回の資格期間の短縮に伴う財源についてでありますけれども、消費税率一〇%引上げまでのつなぎ財源については、二年半分の簡素な給付措置が第二次補正予算に一括計上されたことも踏まえて、毎年度の予算編成過程の中で確保するというふうに、先日の本会議での質問ではそういうふうに答弁されておったわけですけれども、これ、仮の話で恐縮ですけれども、そのときの経済情勢などによって消費税率が平成三十一年十月に引き上げられなかった場合、この財源の確保というのはどういうふうに想定しているのか、お伺いしたいと思います。
#103
○国務大臣(塩崎恭久君) これはもう繰り返し申し上げているように、無年金の問題というのは極めて大事な喫緊の問題だということを基本認識として、今般、受給資格期間の短縮につきましては消費税率の引上げに先んじて早期に実施すべきという判断をしたわけでありますが、消費税率一〇%への引上げまでの言わばつなぎの財源について、先ほどお話がありました二年半分の簡素な給付措置が第二次補正予算に一括計上されたということも踏まえまして、期間短縮を実施する以上は毎年度の予算編成過程の中でしっかりと財源を確保していくということが大事だと思って、そのようにしてまいりたいと思います。
#104
○東徹君 毎年度の予算編成過程の中で確保していく、大きな金額ですから、これはもう財源の確保というのはやっぱりしっかりと考えていかないといけないというふうに思います。
 続きまして、国民年金保険料の後納制度についてお伺いしたいと思います。
 現在の後納制度、昨年十月から三年の期限でこれ実施されております。既にこれは一年経過したわけですけれども、現在までの納付状況についてお示しいただきたいと思います。
#105
○政府参考人(伊原和人君) お答え申し上げます。
 本年八月末現在でこの制度を利用された方は約十四万人となっております。
#106
○東徹君 今回の法案では受給資格期間を十年に短縮することが検討されておるわけですけれども、これから七十歳まで任意加入したとしても十年の受給資格期間を満たすことのできない無年金者が二十六万人いるというふうに見込まれております。
 この無年金者に対して、昨年十月から三年間の期限で実施される後納制度を利用することで法案成立から十年となる受給資格期間を満たす可能性のある人、これがどの程度いるのか、お伺いしたいと思います。
#107
○政府参考人(伊原和人君) 委員御質問の、二十六万人の中に後納制度を利用すると十年を満たす、受給資格期間十年を満たす可能性のある方がどのぐらいいるかということでございますけれども、この方々を特定しようといたしますと、お一人お一人の保険料納付記録を確認し、その上で、後納制度の場合は過去五年間の間に未納があったかどうかというのを見なきゃいけません。それから、その未納期間がどのぐらいあったかというようなことを見なきゃいけないということになりまして、この作業は非常に複雑でございまして、現時点でそれを行うことは難しいと考えております。
 したがって、二十六万人という数字は分かりますけれども、その中で何人この後納制度が利用できるかを特定することはちょっとできておりません。
#108
○東徹君 ただ、この後納制度、やっぱり利用してもらって、この制度を周知していくことは非常に大事だと思いますし、利用してもらって活用を促進していくことって、これはもう大事だと思うんですけれども、ここはどういうふうに考えておられるのか、お聞きしたいと思います。
#109
○政府参考人(伊原和人君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、今回、十年未満の方にも御連絡、お知らせをいたしますけれども、そうしたお知らせの中も含めまして、空期間があるかとか後納制度が利用できるとか、そういうことにつきましてはしっかりとお一人お一人に御連絡できるように努力したい、そのようにしたいと考えております。
#110
○東徹君 是非、後納制度についても十分周知していっていただいて、年金を納めてもらうということをやっぱりしっかりと実現していっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 一応時間になりましたので終わらせていただきます。ありがとうございました。
#111
○福島みずほ君 希望の会、社民党の福島みずほです。
 まず、本法案により必要とされる財源について、先ほどもありましたが、二〇一六年度当初予算で約六百六十億円計上されていた簡素な給付措置が同年度第二次補正予算で二年半分一括して計上されたことを踏まえて、今後の予算編成過程で具体的に確定されると説明をされています。
 今回、消費税率一〇%引上げの増収分を活用せずに財源を確保できたのであれば、そもそも消費税率を引き上げなくても受給資格期間の短縮は実施できるのではないでしょうか。
#112
○政府参考人(鈴木俊彦君) 今般、消費税の一〇%への引上げに先立ちまして受給資格期間の短縮を実施するということにしたわけでございますけれども、これは、先ほど来御答弁申し上げているように、無年金者の問題が喫緊の課題である、これに早急に対応しなければならないという観点から実施をさせていただいているものでございます。
 この受給資格期間の短縮措置でございますけれども、これはもう申すまでもございませんが、一定の要件を満たしますと受給権が生じまして継続的に給付が保障される恒久的な制度でございます。したがいまして、こういった恒久的な制度として導入される上では、やはり財源につきましても恒久財源をしっかり確保する、具体的には、消費税の一〇%への引上げ以降は安定財源である消費税の増収を財源として充てるべきものである、こういうふうに考えております。
#113
○福島みずほ君 いや、やればできるというのと、社民党自身は公平な税制の実現、パナマ文書が明らかにしたようなタックスヘイブンや、富裕層そして大企業などにもう少し国際取引税などを課してお金を取るべきだというふうに思っています。
 受給資格期間の短縮について、消費税率一〇%引上げ時より前倒しして実施することは大変良かったというふうに思います。
 一方、将来受給できる年金額は保険料納付済等期間に比例して、十年の受給資格期間を満たしたとしても、保険料を納付した期間が十年であれば受給できる年金月額は約一万六千円にとどまります。低年金者の生活を支援するため、消費税率の引上げと併せて実施することとされている年金生活者支援給付金も前倒しして実施すべきではないでしょうか。
#114
○政府参考人(鈴木俊彦君) 社会保障の充実につきましては、やはり給付と負担のバランスということを考えることが必要でございます。そういたしますと、大きな財源でございます消費税率の引上げを延期する以上、これは全てを同時に行うということはできない、これは御理解を賜りたいと思います。そうした中で優先順位を考えるということで、喫緊の課題でございます無年金者救済ということで受給資格期間の短縮を今回先立って実施をしたということでございます。
 したがいまして、その後の、今御指摘のありました年金生活者支援給付金を含めますその他の施策につきましても、施策としての優先順位を十分に見極めながら、税収の動向でございますとかあるいは重点化、効率化の推移、こういったことも見極めながら今後の予算編成過程の中で最大限努力をしていく、こういった姿勢で取り組みたいと思っております。
#115
○福島みずほ君 最大限努力するというふうにおっしゃったので、是非お願いします。
 年金生活者支援給付金の額は保険料納付済等期間に比例するので、本法案の対象者は最大月額の五千円は受給することができません。年金生活者支援給付金は年金制度の枠外であるにもかかわらず保険料納付済等期間に比例することとなっており、見直すべきではないでしょうか。
#116
○政府参考人(鈴木俊彦君) この給付金の措置でございますけれども、社会保障・税一体改革の中で、当時の民主党政権が政府案として提出いたしました年金額の加算措置、これでは基本的に定額加算とされていたということでございます。しかしながら、その後のいわゆる三党協議の中で、そういったものは公的年金の保険料の納付意欲を損なうのではないかという意見が強く出されたところでございます。こういった意見を踏まえまして、この三党合意におきまして、この給付金の額を保険料の納付意欲に悪影響を与えないように年金の保険料の納付実績に比例することにされた、こういう経緯であるというふうに承知をいたしております。
 いずれにいたしましても、年金、長く保険料を納めれば受給額が増える、こういう仕組みでございますので、老後の保障を厚くしていく、こういう観点から可能な限り長く保険料を納付していただくこと、これが基本だろうというふうに思っております。
 一方で、今御指摘のございました給付金でございますけれども、免除期間につきましてもこれは給付金の給付額に反映をさせる仕組みがございますので、こういったものも含めて総合的に適切に対応していきたいというふうに考えております。
#117
○福島みずほ君 十年納める、十年以上納めれば年金の支給があるというのは、本当にいい制度というか、私たち自身もそれを推進してきたというか、多くのほとんど全ての政党がそれを支援してきたので、いいとは思います。
 ただ、十年間しか、しかと言うと変ですが、納めていなかったということもあり、年金額が非常に低額です。先ほども質問がありましたが、高齢単身無職世帯、六十歳以上の単身無職世帯の基礎的消費支出の月平均額は約七万円です。一方、老齢基礎年金の平均月額は五万七千円。本法案の対象者は、これよりも少ない年金額、平均月額二万一千円しか受給できません。これではやはり高齢者の生活を支えることはできないと。
 街頭演説などをやっていると、保育園落ちた、それから介護労働が大変だ、あるいは非正規雇用で最低賃金上げてくれ。もう一つは、福島さん、年金が少なくて食べていけない、女の独り暮らしで借家住まいだから食べていけない、あるいは年金額が下がったのでこれ何とかしてください。この年金についての皆さんの訴えというのは物すごく入ってくるんですね。食べていけない、独り暮らしで食べていけない、借家住まいだともう食べていけない、月額二万一千円支給というのは、ないよりももちろん、もちろんこれは貴重なお金なんですが、とても食べてはいけない、暮らしていけません。
 受給資格期間の短縮により無年金者の一部が救済されることは喜ばしいが、本法案成立後も無年金や低年金の問題は残ります。公的年金の最低保障機能を強化するために最低保障年金制度を創設すべきではないか、いかがでしょうか。
#118
○政府参考人(鈴木俊彦君) 今御指摘のありましたいわゆる低所得の方あるいは低年金の方への対策でございますけれども、これ基本的に年金といいますものは、るる申し上げていますように、限られた財源をいかに現在の高齢者世代と将来の世代で適正に分け合って、持続可能で安定的な制度、老後の生活の柱として機能するような制度にしていくかということが課題でございます。
 そうした中で、少しでもいろいろな工夫をしていって低年金、低所得者の方々の対応をしていこうということで、具体的に、今回御提案を申し上げております受給資格期間の短縮の前倒し措置でございますとか、先生御指摘ございました生活者支援の給付金もございます。
 それから、大臣も申し上げておりますけれども、これは、生活の保障ということになりますと、独り年金だけ、収入面だけで片付く問題ではございませんので、やはり医療とか介護、そういったものを総合的にどうやって支援として組み合わせていくのかという観点も必要になります。
 それからもう一つ、生活困窮者の方々には、御案内のように、生活困窮者自立支援制度というものがスタートいたしております。これをいかに実のある形で全国できちんと展開をしていくかと、これも非常に重要な課題だと思っております。
 そういったことで、ある意味、社会保障全体で総合的に対応していくという視点がこの問題はどうしても欠かせないだろうというふうに思っております。
 一方で、御提案のございました最低保障年金でございますけれども、これは、そもそもどういうような設計にするかということで大変な議論ございましたけれども、なかなか最適解がない、そもそも莫大な財源が必要になるわけでございますけれども、それもどうするのかというようなやっぱり高いハードルがあるだろうというふうに承知をいたしております。
 したがいまして、まずは社会保障全体として、年金のみならず医療、介護、福祉を合わせて総合的にこの低所得、低年金の問題に対応していく、これが私どもの取るべき道であろうというふうに思っております。
#119
○福島みずほ君 年金しか収入がないという方も多いですし、この問題は、現職世代の雇用の問題や非正規雇用をこれだけ増やしてきたという政策そのものも見直す必要があると思います。是非、年金で食べていけるという当たり前な制度を時間が掛かっても一緒につくっていけるように心からお願いいたします。
 本法案に初めて年金受給権を得る六十五歳以上の人は何人でしょうか。
#120
○政府参考人(鈴木俊彦君) 今回の短縮措置によりまして年金受給権を得る方、初めて老齢基礎年金の受給権を得る方が四十万人、その他も合わせまして約六十四万人ということで見込んでおります。
#121
○福島みずほ君 二〇一二年の法案審議において、厚労省は上記の人数を何人と推定していたでしょうか。
#122
○政府参考人(鈴木俊彦君) ただいま御指摘のありました平成二十四年の社会保障・税一体改革当時でございますけれども、この受給資格期間の短縮によりまして初めて基礎年金を受給できる方は約十七万人と見込んでいたところでございます。
#123
○福島みずほ君 二つの数字が大幅に乖離した原因は何でしょうか。
#124
○政府参考人(鈴木俊彦君) ただいま申し上げましたように、二十四年当時は、初めて基礎年金を受給できる方、この措置によりまして約十七万人、それが直近では約四十万人ということを今御紹介したところでございます。
 この二つの数字の違いでございますけれども、一体改革の当時の数字は、平成十九年の無年金者の調査、これを基に試算した結果でございます。一方で、今回の四十万人という数字は、直近のデータに基づきまして精査を行った結果でございます。
 対象者が増加した主な理由は、この間、団塊の世代の方々が六十五歳以上になるといったようなことで、高齢化が進んだことなどによるものというふうに考えてございます。
#125
○福島みずほ君 いや、しかし、政府の統計は、団塊世代の人たちが一挙に二歳年を取るわけでは一年間の間にないわけだから、見通しが物すごくずれたというのも変な話だというふうに思います。
 本法案に初めて年金受給権を得る六十五歳以上の人についても、実際の数字が見通しと大幅に異なる可能性があるのではないでしょうか。
#126
○政府参考人(鈴木俊彦君) ただいまは、一体改革当時と現在の数字、なぜ伸びたのかということで、高齢化などということで申し上げましたけれども、補足をさせていただきますと、これ、高齢化のほかに、平成十九年当時の人口構成で申しますと、六十五歳以上人口のうちの三割ぐらいが現行制度での受給資格期間の特例措置の対象者、二十五年なくてももらえる方々が相当程度十九年当時はいらっしゃったわけです。全体の高齢化に伴いましてこの特例措置の対象にならない方がどんどん増えてまいりますので、そういたしますと、推計でございますが、平成二十九年では現行制度での特例の対象者が約一割未満になっております。
 そういったことも相まって、高齢化だけではなくてそういった制度的な要因も含めて、十九年の調査に基づく一体改革当時と現在の見込みということで数字が増えてきているということでございます。
 それで、今回の調査は、私ども、日本年金機構が持っておりますデータを基に悉皆調査をいたしました。平成十九年はある程度推計にも基づく大づかみの調査でございますけれども、それに対しまして今回の調査は非常に精度が高い調査だというふうに思っておりますので、今回お示しいたしました数字がこれ大きく狂うということはないだろうというふうに思っております。
#127
○福島みずほ君 本法案により、無年金者の一部の人たち、大分かなりの部分が救済されることになります。一方、現在衆議院で審議中の国民年金等改正案では年金額を抑制するということにしております。
 無年金者の救済法案を提出する一方で年金額をカットする法案を提出しており、矛盾しているのではないでしょうか。
#128
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の受給資格期間の短縮は、納付をした保険料を極力給付に結び付けると、もう繰り返し申し上げておりますが、ということで、高齢期の所得の底上げを図るということがその効果であるわけでございます。
 一方で、衆議院において審議中の年金改革法案は、言わば将来の年金水準確保法案と我々は称しておりますが、中小企業の短時間労働者の被用者保険の適用拡大、それから国民年金の産前産後期間の保険料の免除、そして年金額改定ルールの見直しなどを内容としておりまして、これらの施策によって、若い世代が将来高齢期となったときに受け取る年金の水準の確保というものを図るものでございます。
 このように、いずれの法案も年金制度の所得保障の機能を強化するというための改革でございまして、両法案が矛盾するという御指摘は当たらないものと考えております。
#129
○福島みずほ君 年金法の改正のときに、あのときも強行採決されましたけれども、百年安心年金ということや、現職世代の半分の賃金を保障するという意見等ありました。今行われているのはマクロ経済スライド、当時もマクロ経済スライドの案が入っていたわけですが、年金額がやっぱりどんどん減っていっていく、受給する年金が予想と違ってだんだん減っていっているということが問題です。
 持続可能な制度であるべきだということは大変理解できますが、ただ、やっぱり約束していたことが履行できない、あるいはこの年金で将来設計しながら生きている、あるいは家賃を含めてやっている人たちもいるわけですから、やっぱりこの年金カットについて、これはやはり一人一人に大変痛みを生ずるものだ、そういう理解は厚生労働省の中にあるでしょうか。
#130
○政府参考人(鈴木俊彦君) 一つは、マクロ経済スライドにつきましては既に平成十六年の改正で導入をされたものでございまして、これは、非常に長い期間を掛けて徐々にこの人口構造の少子高齢化に対応していこうということでございますので、直ちに年金額がこれによって大幅に下がるということもございませんし、先ほど大臣からも御答弁申し上げましたけれども、名目下限措置ということで、これ実額を下げるということはしないということが法律の中に措置をされているところでございます。
 一方で、今回御提案を申し上げております、物価と賃金の動向に合わせて、賃金が名目でも実質でも下がった場合にはこれを年金額に反映させるという改定、これを御提案申し上げておりますけれども、まず大前提といたしまして、これまでのデフレのような賃金がずっと下がるということがない、そういう経済ではなくしていくというのが今政府が全力を挙げて取り組んでいることでございますので、それが実現をしていく、そういった社会の中ではこのルールで年金額が下がるということはないというふうに思います。
 では、なぜこれを導入しなければならないかということでございますけれども、これは、年金、長期の制度でございますので、例えばリーマンのように海外発の不況というものがこれからの社会に全くないというふうに言い切れるかというと、そうでもありません。そのときに、今回御提案申し上げているような措置を入れておきませんと、また年金の、現在の年金の実質水準が上がって、それによって将来もらう年金の水準が下がってしまうというようなことが起きますので、これ自体は年金制度の信頼性、持続可能性に関わる大きな問題でございますので、そういう問題が分かっている以上、ある意味、転ばぬ先のつえということもございまして、しっかり対応して法律の中で実現させていく、これが責任ある対応であろうというふうに思っております。
#131
○福島みずほ君 ただ、マクロ経済スライドを導入していることで実際年金が下がっていっているわけじゃないですか。ですから、将来デフレが回復させて上がっていけば大丈夫だとおっしゃるけれども、実際、マクロ経済スライドで受給額が減っている、マクロ経済スライドがそういうふうに作用してきたし今も作用しているというのが第一点目の問題です。
 それから二点目の問題は、将来年金の受給額が減れば年金に対する信頼感がなくなるとおっしゃいました。しかし、年金カット法をやれば年金に対する信頼感はやっぱり減るんじゃないですかということを思います。なかなか年金財政が大変で、限られた財源ということは理解できますが、高齢者は年金のみで生活をしている人たちが多く、やっぱり困窮しているということも踏まえて是非検討していただきたいというふうに思います。
 今回の法案は、十年間、十年以上納めればということですが、九年十一か月でどうかとかいろいろ、また将来も、受け取る金額は納付の期間によって左右されるとしても、ある程度納めればその分支給されるような制度も将来的には是非検討していただきたいと思います。
 また、十年じゃなく、長く四十年間みんなが年金を納められるような、そんな雇用の面も厚生労働省としては頑張ってやっていただきたい。副大臣がうんうんと言ってくださっていますが、雇用とリンクしていますので、十年と言わず、みんなが二十年、三十年、四十年と納められるような政策も厚生労働省として是非頑張っていただきたいということを申し上げ、私の質問を終わります。
#132
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。
 今日は、もう午前中から皆様方、長い間本当に御苦労さまでございました。今日は私の質問で最後でございますので、もうしばらくお付き合いくださいませ。お願い申し上げます。
 皆様方には資料を二部お配りをいたしております。
 本年四月、この委員会におきまして個人型確定拠出年金、議論をさせていただきました。その際に、私、どうしても公募によって愛称を付けていただきたいということを大臣に切にお願いいたしましたら、もう早々に公募をしていただきまして、実は、来年一月、この制度に向けまして、iDeCoという新しい、かわいい、皆様方にお配りをしているようなパンフレットまで作っていただいて、もう大変感謝を申し上げたいと思います。
 先ほどからもございましたように、年金、基礎的な年金だけではなく、やっぱり個人的にも努力をしながら将来に備えてもらいたい、これは大変私大切な制度だと思っております。ますますこの普及に取り組んでいただきたいと思っておりますけれども、大臣のお言葉をいただけますでしょうか。お願い申し上げます。
#133
○国務大臣(塩崎恭久君) 個人型の確定拠出年金につきましては、本年五月に成立をした改正法によって、来年一月以降、基本的に全ての国民の方々が加入できるというふうに拡大をされました。
 制度の認知度を高めるために、薬師寺委員の方から御提案が強くあって、本年八月に愛称を募集をいたしたところ、約四千件を超える御応募を延べでいただきまして、五名の選定委員会による審査を経まして、今般、iDeCoという愛称とロゴマークを決定をさせていただきました。
 施行に向けましては、より多くの方々に制度を知っていただこうということで、早速、iDeCoを周知するためのポスター、チラシを作成いたしまして金融機関等へ配付するとともに、インターネットや新聞広告等を活用した広報活動、さらに、制度の内容を周知するためのシンポジウムを開催しようということで予定をしております。
 これらの普及活動を積極的に行うことで制度の認知度を高めて、将来の、自らの判断の入る、そういう所得確保の手だてを広げていただきたいと、こう思います。
#134
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 目の敵にするわけではございませんけど、NISAという宣伝がテレビで出ると、私、どうしても敵対心で、今に見ていろ、iDeCoの方がというふうに虎視眈々と狙っておりますけれども、このようにいろんな制度をつくってくださっていらっしゃいます。本当に、厚労省も努力してくださっているその姿を見まして、私もSNSなどで、公募をしておりますので皆さんこの制度を是非知って愛称を自ら付けてくださいということを呼びかけてまいりました。ですから、この制度をしっかり、これから私も広報してまいりますけれども、厚労省も是非NISAに負けず劣らずお願いをしたいということをここで再度私からのお願いとさせていただきたいと思います。
 また、今日は年金ということで、私、新しい視点で一つ議論をさせていただきたいのが学生納付特例制度でございます。
 私ども日本国民というものは、二十歳になったときから国民年金の被保険者となりまして、保険料の納付というものが義務付けられてまいります。学生さんについては、申請によりまして在学中の保険料納付が免除されるというような学生納付特例制度というものが特別に設けられております。この要件として本人の所得が一定以下であるということが対象になるんですけれども、実は、この中で大変疑問に思ったことがございます。
 学生というといろんな学生が想定されるんですけれども、日本国内の学校若しくは日本国外にある海外大学の日本分校のみがこの学生の対象であって、海外でどうしても自分をスキルアップしたいと思っていらっしゃるような方々についてはこの対象ではないということなんです。
 今、政府の方におかれましても、グローバルに活躍する人材を育成していこうということで様々手だてが打たれているはずです。私も、いろいろ産業医として勤務をいたしておりましても時々相談がございます。もう少し自分がスキルアップしてみたいのでこの辺りで海外に飛んでみたいと思いますが先生どう思いますかというようなこともよく、特に女性が多いんですけれども、これからますますそういう女性活躍を推進するためにも、私は行っておいでといつも言っているんですが、そういう方々はやっぱりこういう対象にはならないということですよね。
 海外に自ら出てスキルアップしていこうということを応援していただくに当たりまして、やはりこういった方々に対してもこの特例の対象としていただいて、政府として後押しをしていただくような形で制度設計をし直すべきだと思いますけれども、大臣、御意見いただけますでしょうか。
#135
○国務大臣(塩崎恭久君) 学生についての取扱いの問題をお取り上げをいただきましたが、国民年金制度では、原則として日本国内に住所を有する二十歳以上六十歳未満の方を強制加入という、この被保険者としておりまして、学生納付特例というのは、こうした強制加入により生ずる納付義務を猶予をするというものでございます。
 一方で、海外留学中の学生のように日本国籍を有する者で日本国内に住所を持っていない方については、強制加入にならずに納付義務もないけれども、本人からの申出をすれば任意で加入、被保険者になることができると、こうなっております。このように、本人の意思に基づいて被保険者となって保険料を納付することとした方については、その納付を猶予する学生納付特例というのはなじまないのではないかというふうに考えております。
 また、学生に限らず海外に居住する日本国籍を有する方を強制加入の対象にするということは、日本の国内法である年金法を海外でどのように適用するかという問題に至るわけでございまして、資格の喪失、得失の確認とか、あるいは未納の場合の保険料の徴収などの実務面で難しいのではないかというふうに考えているところでございます。
 なお、海外留学中に保険料納付ができなかった場合でも、将来の老齢基礎年金の受給権につながるように、平成二十四年に成立をした年金機能強化法によって、任意加入している方が仮に未納であったとしても、その期間については年金額には反映されないものの受給資格期間には含まれる、いわゆる、今日も何度も出ていますけれども、空期間として扱うように配慮をしているところでございます。
#136
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 実際に大学生などに聞きましても、日本国内でも地方から東京の大学に出てきても住民票を移していない方も多いように、やはり海外にそういった居住ではなく留学という形で行っていらっしゃる方、ほとんどが、やっぱり日本に住所を置いたままというような方々が多いようなんですね。ですから、もしそれが可能なのであれば、私は学生の皆様方にももっともっと海外に出ていきやすいような環境を整備することができるのではないのかなと思っておりますので。
 また、大臣がおっしゃることももっともだということは分かります。しかし、なるべく私は、そういった海外での見聞を広げていただくような機会を広げるためにも、これ年金だけではありません、いろんな制度についてももう少し考えていただきたいということを申し上げさせていただきたいと思います。
 さて、この年金という制度なんですけれども、先ほどから何名か議員も質疑をしていますように、やっぱり根本的に見直すべき時期に来ているんではないかということもございます。
 国民皆保険制度もございます。国民皆年金制度というものもございます。なぜ皆保険、皆年金となっているのか。そもそも論でございますけれども、大臣はどのようにこの皆保険、皆年金というものが組み立てられるべき、若しくはなぜ皆保険制度になっているのか、みんながやっぱりみんなで支え合わなきゃいけないと思っているのかということについて御意見いただけますでしょうか。
#137
○国務大臣(塩崎恭久君) それぞれの国によってそれぞれの制度があることはもう先生御案内のとおりでありますが、一つのパターンとして、保険制度によって全員が助け合いの仕組みを形成をするということが私どもの、我が国の皆保険・皆年金制度で、これは一九六一年から続いているわけで、これは本当に、アメリカはまだ、オバマケアといってまさに皆保険を目指してもなかなか実現しないということと比べてみて、かなり世界に冠たるものとして胸を張ってもいいんじゃないかと思いますが、もちろんその他のやり方、税でやる等々いろいろありますが、いずれにしても、お互いに助け合うという形で、保険制度でこの助け合いの仕組みを守っていくという、そういうことで、私どもとしてはこの助け合いを制度として続けていく、もちろん、人口構成等々いろいろ変わってきますから絶えず見直しをしなければいけませんけれども、基本的な形は続けていけるようにメンテナンスをいつもしないといけないというふうに思います。
#138
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 不断の見直しは必要でということは、もちろん私もそう思うんですけれども、だからこそ、絶対崩してはならないものだというふうにしっかりとした御意思はございますですよね。皆保険制度というのは、私はもちろん医師として絶対に壊してはならないものだというふうに思っておりますけど、やはりこの皆年金制度というものも将来永劫しっかりと我々日本として、大臣おっしゃいましたように、アメリカでは確立できていないのに日本ではこれだけ上手にまだまだお互い支え合うようなシステムがあるではないか、だからそれを守っていこうというような御決意を一言いただけますでしょうか。
#139
○国務大臣(塩崎恭久君) それはもう言うまでもないのでちょっと言うのを忘れましたが、世界に冠たるものとして、本当にこれを守っていくことが一人残らず救うことにもなるわけで、将来の生活、そしてまた健康を守るということが皆保険・皆年金制度でできるということでありますので、この枠組みはしっかりと守りたいというふうに思います。
#140
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 そこで、今の前提があってお尋ねしたいんですけれども、やはり、この受給資格というものを十年にしてまいりました。この無年金者というものを減らしていくことによって生活保護の支給額、受給者というものも減っていくのかもしれません。しかし、そういったものを行っても結局誰かの懐が痛んでしまう、そのお財布をすり替えてしまうだけではないかというような議論もございます。
 ですから、根本的にそういった支え合いの仕組みを担保していくこともとても重要だとは思いますけれども、やっぱり現に今生活に困窮している高齢者の皆様方を政府としてこれから、若しくは今後そういう方々をつくらないためにどういうふうに施策というものを組み立てていくべきなのか、どういうお考えでいらっしゃるのか、大臣、お伺いしてもよろしゅうございますでしょうか。
#141
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、困窮をしておられる高齢者の方についてもお触れをいただきましたけれども、現に生活に困窮されている高齢者の方々への対応、それから今後生活に困窮される高齢者を新たに生じさせないための将来世代への対応のいずれについても、あらゆる施策によってきめ細かく対応をしていかなければならないというふうに考えております。
 現在の高齢者については、現に生活に困窮している場合には収入の確保と支出の軽減という両面からの支援に取り組んで、収入面につきましては、年金の受給資格期間短縮等の措置のほかに、年最大六万円の年金生活者支援給付金、これを支出することが三党合意で決まっているわけでありますが、就労を希望する方には、ハローワークにおける生涯現役支援窓口によって就職の支援とか、シルバー人材センターを通じた就労促進などによって、多様な収入を組み合わせて収入が増えるようにしていくということをバックアップしていく。一方で、支出面につきましては、医療、介護の保険料の負担の軽減、あるいは生活困窮者自立支援制度において、現役世代と異なる収入水準でやりくりをしていくための家計支出や各種支援の申請援助など、生活状況に応じたきめ細かな支援というものが大事でありまして、個々の生活状況に応じて支援をしていくということだと思います。
 将来世代への対応、これについては、現在の若い人たちに対しては、先ほど来出ているように、年金制度についてはマクロ経済スライド調整によって制度を持続可能なものにするとともに、今般の年金改革法案によって将来の給付水準を確保する、その上で、現在、将来の収入の確保を図ることが重要でありますので、非正規労働者の正社員転換あるいは待遇改善、女性の就労促進、意欲のある高齢者の就労機会の確保を強力に進めていくと。
 それから、公的年金においては、厚生年金の適用拡大を進め、働き方に応じた所得保障の充実を図る。公的年金と併せて老後の所得、老後の保障確保を充実していくために、個人型の、先ほど来出ております確定拠出年金への加入範囲の拡大とか企業年金等の拡充などによって老後の所得保障の重層化というものを図っていかなければいけないということでございます。
#142
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 厚労省の見解ではなく大臣の見解を伺いたかったんですけど。
 やはり強い経済をつくっていく上で、しっかり働き方改革の中で働けるうちは働いてもらう、そちらの方が生き生きとして生きがいがあり、かつ収入が入る、一石二鳥じゃないですか。やっぱりこういったことを厚労省として発信をしていっていただきたいんですよ。そうしていかなければ、いつまでたっても誰かが支えてくれるだろうというような、なかなかもうそういう甘えの中でこの高齢化社会は構造的にはもう設計は無理だということは誰しもが分かっているはずです。
 支える側が少なくなり、そして支えられる方が多くなってくるということであれば、どんどんどんどんやれるべきことは自分でやる、自分で自立できることはしっかり自立をしていく、こういう社会をつくり上げていかなければならないわけですよね。ですから、今回の働き方改革というのは、まさに今我々が議論しているこういう年金についてもすごく重要な私は政策だと思っております。
 ですから、しっかりとこれからの社会をつくる上で、狭い視野で、年金の上がり下がりというだけではなく、先ほどもございましたように、政策全体を俯瞰してみた上で、年金のこれがどういう意味を持つのか、かつ、それを余りにもいじり過ぎてしまうことによって原則が崩れてモラルハザードが起こってきてしまうというのも、これは一方で大変私は危惧をいたしております。
 ですから、原則論としてこうあるべきと、ここからなるべく崩さずに国民が、皆様方が健康に生活していただけるためにはどういう制度設計をしていかなければならないのかということをしっかり私はこれからも政府の中で議論をしていただきたいと思っております。
 ですから、そういう回答を実はいただきたかったんですけれども、なかなかちょっと細かいことに終始してしまいましたけれども、私ども、やっぱり厚生労働委員会の中でもこれからももう少し、木を見て森を見ずみたいな議論ではなく、しっかりと俯瞰してみたときに、今原点として立ち返らなければならないところはどこなのかということを忘れずに議論をしていく必要があるんではないか。私もそういうふうに心掛けてまいりたいと思いますけれども、また次回、年金の時間もございますので、細かい点につきましてはそのときに議論させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
#143
○委員長(羽生田俊君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時二十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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