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2016/12/12 第192回国会 参議院 参議院会議録情報 第192回国会 厚生労働委員会 第12号
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2016/12/12 第192回国会 参議院

参議院会議録情報 第192回国会 厚生労働委員会 第12号

#1
第192回国会 厚生労働委員会 第12号
平成二十八年十二月十二日(月曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月九日
    辞任         補欠選任
     木村 義雄君     朝日健太郎君
     藤井 基之君     藤木 眞也君
     石橋 通宏君     古賀 之士君
     伊藤 孝江君     谷合 正明君
     福島みずほ君     森 ゆうこ君
 十二月十二日
    辞任         補欠選任
     谷合 正明君     宮崎  勝君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         羽生田 俊君
    理 事
                島村  大君
                そのだ修光君
                高階恵美子君
                足立 信也君
                山本 香苗君
    委 員
                朝日健太郎君
                石井みどり君
                小川 克巳君
                太田 房江君
                自見はなこ君
                馬場 成志君
                藤木 眞也君
               三原じゅん子君
                宮島 喜文君
                川合 孝典君
                川田 龍平君
                古賀 之士君
                牧山ひろえ君
                熊野 正士君
                宮崎  勝君
                倉林 明子君
                東   徹君
                森 ゆうこ君
               薬師寺みちよ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  橋本  岳君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        武村 展英君
       厚生労働大臣政
       務官       馬場 成志君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   政府参考人
       厚生労働大臣官
       房年金管理審議
       官        伊原 和人君
       厚生労働省職業
       安定局雇用開発
       部長       坂根 工博君
       厚生労働省老健
       局長       蒲原 基道君
       厚生労働省保険
       局長       鈴木 康裕君
       厚生労働省年金
       局長       鈴木 俊彦君
   参考人
       年金積立金管理
       運用独立行政法
       人理事長     高橋 則広君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○公的年金制度の持続可能性の向上を図るための
 国民年金法等の一部を改正する法律案(第百九
 十回国会内閣提出、第百九十二回国会衆議院送
 付)
    ─────────────
#2
○委員長(羽生田俊君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、伊藤孝江君、福島みずほ君、石橋通宏君、木村義雄君及び藤井基之君が委員を辞任され、その補欠として宮崎勝君、森ゆうこ君、古賀之士君、朝日健太郎君及び藤木眞也君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(羽生田俊君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省年金局長鈴木俊彦君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(羽生田俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(羽生田俊君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、年金積立金管理運用独立行政法人理事長高橋則広君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(羽生田俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(羽生田俊君) 公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案を議題とし、これより参考人等に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○そのだ修光君 おはようございます。自由民主党のそのだ修光であります。
 今回の法案について、今日は、独立行政法人の理事長の高橋参考人、出席いただいて質疑をさせていただきます。どうかよろしくお願いいたします。
 GPIFは、国民からお預かりした年金保険料を原資として、百三十兆円を超える年金積立金を運用する組織であります。積立金運用に関しては国民の関心も大変高く、GPIFは非常に重要な役割を担っております。高橋理事長は、今年四月にGPIFの理事長に就任をされ、指揮を執る立場になられました。重責であるとの十分な自覚を持って被保険者の利益のために日々業務に当たられていると思います。
 しかし、GPIFはどのような組織なのか、一般の国民にはうかがい知れないところもあり、被保険者の気持ちとは全く離れたところで大事な年金積立金が運用されているのではないかという心配する声も一部にあります。そこで、GPIFの責任者である高橋理事長から、年金積立金の運用に当たってどのような考えで臨んでおられるのか、まずお伺いをいたします。
#9
○参考人(高橋則広君) ただいまお話のありましたとおり、年金積立金の運用は、専ら被保険者の利益のために、長期的な観点から年金財政上必要な利回りを最低限のリスクで確保するということを通じまして、厚生年金及び国民年金の事業の運営の安定に資するということが全てであるというふうに考えております。
 それで、簡単に申し上げますと、それは次の世代に積立金をきちんと残すということに尽きるのではないかと考えております。このため、実際の運用につきましては、短期の価格の上がり下がりで利益を出すということではなくて、長期の投資家でありますから、その利点を最大限に生かしまして、全体として優れた資産を幅広く持ち、その資産が生む利益、すなわち利子とか配当などを着実に積み上げていくということが重要ではないかと考えております。
 残念ながら、昨年度の実績はマイナス三・八%、一年間で五・三兆円の損失ということでありまして、この数字に対しましては、運用の専門家として謙虚に向き合わなければならないというふうに考えております。
 一方で、積立金の自主運用開始以来の平成十三年度から平成二十七年度の十五年間の損益、合計で見ますと、昨年度の損失を入れてもプラスの四十五兆四千億円であるということもまた事実であります。したがいまして、長期的な観点からGPIF自身の人材組織の専門性の強化を図りまして、日々の市場の分析やリスクの管理に万全を期してまいりたいというふうに考えております。
 また、国民の方々に分かりやすく運用の状況を説明するという観点から、本年七月には業務概況書の内容を分かりやすい形に直しまして、かつGPIFが保有しております全銘柄の開示をするということで情報公開を進めているところであります。
 今後も引き続き国民の方々にGPIFについて御理解いただけるように説明に努めてまいりたいと考えております。
#10
○そのだ修光君 よく分かりました。長期的に見て四十五兆円の利益を出したという話でもあります。
 ただ、今回の組織運営について少しお伺いしたいんです。
 現在、資産運用の世界では激しく変化をする市場の動きに対応して、より安全に運用を行い、より効率的に収益を確保するためには、様々な手法が開発されるなど運用の多様化や高度化が進んでおります。このような中で、国民からお預かりした年金積立金をしっかりと運用していくためには、GPIF自身も専門性を高めて様々な変化に柔軟に対応する組織になっていかなけりゃならないと思っております。かつてGPIFに対しては素人集団なんだというような批判もありましたけれども、最近では運用スタッフの多くが金融機関での運用経験を持ち、さらには専門的な人材の採用にも積極的に取り組んでおられると聞きます。
 高橋理事長、現在のGPIFの運用体系についてどのように認識を持たれて、また、専門人材の採用や職員の資質の向上等の課題にどのように取り組んでいかれようとしているのか、お伺いをいたします。
#11
○参考人(高橋則広君) 運用の多様化なり高度化なりに対応いたしまして年金積立金の運用を安全かつ効率的に行っていく上で、おっしゃるとおり、職員の専門性の確保というのは大変重要な課題であろうというふうに考えております。
 昨年度、平成二十七年度に認可されました第三期のGPIFの中期計画では、運用の高度化、多様化に適切に対応するということで、一つは専門人材の必要とされる能力を精査してその人材の受入れに伴う環境を整備すること、それから業績を定期的に適切に評価するシステムを構築し導入するなど、人材の適時適切な配置を行うこと、それから専門人材による職員研修を行いまして、職員全体の業務遂行能力を高めることなどを定めております。
 この計画に基づきまして、平成二十八年十月一日までには運用の専門職員を十二名採用するなど、リスク管理、投資戦略の各分野において専門人材の確保に努めてきているところであります。
 その上で、こうした専門人材の採用に加えまして、職員による、例えば証券アナリスト資格やMBAの資格等の取得を支援、推進しておりまして、平成二十八年十月一日現在では、百二名の職員のうち、証券アナリスト資格保有者が三十八名、MBAの資格保有者が十六名という形で専門性の向上にも努めてきているところであります。
#12
○そのだ修光君 しっかりやってもらわなけりゃ困るんですけれども、国民が安心して預けられるような組織になっていただきたいと思っております。
 最後にちょっと大臣にもお聞きしたかったんですけれども、もう時間がなくなりました。またこの次に大臣、これしっかりとこの法案を通して頑張っていきたいと思っておりますから、どうかよろしくお願いいたします。
#13
○足立信也君 おはようございます。足立信也です。
 この法案は重要広範議案ですから、参議院には元々二十日間ルールというのはありますけれども、あさってまでの延長でどうしてこのタイミングでという気はありますけれども、この重要広範議案で私、今日初めての質問です。当然一回で終わるはずはないなという思いで、今、そのださんもそうおっしゃっていましたが、そのつもりで質問をします。
 ですから、年金のことに入る前に、やっぱり今一番ちょっと現場、業界の方、現場との違いが甚だしいと思うことについて大臣の以前の答弁との確認をしたいと思います。薬価改定のことです。
 藤井委員が先週おっしゃいましたが、私は今年の五月のこの委員会で、オプジーボのこともあって、二年に一回の薬価改定は大原則だと、そして診療報酬改定を伴わないと意味がない、しかし、その期中に適応が拡大されたりあるいは思い切って縮小されたり、そういう変化があったものはそこで単価を見直すべきじゃないか、そういう仕組みはどうかという提案をいたしました。そのときに大臣は、適応拡大した場合の随時薬価を見直す仕組み、それがどの程度拡大するかというのが問題だと。要するに、これは対象が大きくなり過ぎることに対する懸念だったわけです、大臣の意見は。
 しかしながら、今報道等々、あるいは実際かもしれません、大臣の発言で最低年一回の薬価改定ということは明言されている。それは品目について、あるいは全体の数としてどこを意味しているのかよく分かりませんが、まずは適応が拡大し過ぎることが問題ではないかという認識を大臣はされたんだけれども、その認識は今も同じなんでしょうか。大きくなり過ぎる、数が多くなり過ぎるととても年に一回はできないという趣旨だったと思いますが、いかがですか。
#14
○国務大臣(塩崎恭久君) 足立委員御存じのように、今、経済財政諮問会議で薬価の在り方、決め方についていろいろ議論が、民間議員の方からの提案がございまして、それを受ける形で議論をしているところでございます。
 十二月七日の経済財政諮問会議で私の方から、現在検討している薬価制度抜本改革の方向性の案について、これは先ほど申し上げたように民間議員の方からの提案がございました、それを受けてのことでございますが、まず、オプジーボのように効能追加をされた医薬品及び当初の予想販売額を上回る医薬品、これについては年四回の新薬収載の機会に薬価を見直すこと、それから、薬価調査の負担や効率も考慮しつつ、実勢価格、量を機動的に少なくとも年一回薬価に反映をするとともに、新たなイノベーション評価の仕組みの導入と、それからバイオなどのベンチャー企業の強力な支援を含めて、我が国の製薬産業を長期収載に依存せずにより高い創薬力を持つ産業構造に転換をするように強力に促すといったことなどを検討していくことが重要である旨を御説明を申し上げました。
 五月十日の答弁を今お触れをいただきましたが、随時薬価を見直す仕組みについて議論を深めていかなければならない旨を申し上げたわけでありますけれども、これは諮問会議での説明と矛盾をするものではないと考えております。
 先ほど申し上げた十二月の七日の諮問会議において、総理からは、薬価制度の抜本改革について、民間議員の提言、それから諮問会議のこれまでの議論、これを基に関係大臣で基本方針を決定するように指示を受けておりまして、イノベーションの推進と国民皆保険の持続性の両立を図り、より一層の医療の質の向上と、そして国民負担の軽減というものをしっかりと実現を目指して、基本方針を今後策定をしていきたいというふうに考えております。
#15
○足立信也君 ストレートにはお答えいただいていないと思うんですが、拡大し過ぎるのに対して懸念を示されたわけですけど、その点は触れられていない。つまり、どれぐらいの品目あるいは全品目なのか、そこはこの後の質問ではっきりさせていただきたいんですけれども。
 去年の五月に、やはりこの薬価の毎年改定のことについてもう一つ大臣が言われているのは、調査コストが問題だと、こうおっしゃっている。今は謝金等々ありますけれども、ほとんど卸の方々を中心にボランティア的にやられているところがあって、ボランティアというとちょっと言い過ぎかもしれませんが、それにかなり追われているところがある。
 この調査コストの問題、もし年一回、仮に全品目になった場合の調査コストについては、大臣はどう考えているんですか。
#16
○国務大臣(塩崎恭久君) 今週末、私はたまたま友人の地元の薬剤師の皆さん方と勉強会をやりましたが、二年に一遍の今の改定の際の調査に当たっては、薬剤師の皆さん方に至るまでかなり細かく調査をしているという話を改めてお聞きをしたところでございます。
 現在、経済財政諮問会議などの場におきまして、薬価制度の抜本改革について先ほど御説明したとおり議論をしているわけでありますけれども、この中で、市場実勢価格を適時に薬価に反映する観点から、毎年薬価調査を行うことについて民間議員の方からの提案を受けて議論をしているところでございます。毎年薬価調査を行うことによって卸業者に一定の負担が生じ得るということは認識をしているところでございまして、これらを考慮しつつ、正確性などの検証を踏まえた薬価調査の見直しについても検討しなければならないというふうに考えております。
 いずれにしても、まずは基本方針の策定に向けて、先ほど申し上げたとおり、医療の質の向上と、それから国民負担の軽減という観点から、十分検討をしてまいりたいというふうに考えております。
#17
○足立信也君 もうこれは最後にしますけど、どうもストレートじゃないので最後はっきり聞きますが、東日本大震災のときに薬剤師の方、卸の方々に薬や衛生品の流通において物すごくお世話になったんです。それまで、例えばファルマとかですね、アメリカの方は日本の商習慣、この卸に対してかなり懐疑的でしたけれども、あの東日本大震災の対応を御覧になって、この日本のシステム、流通、卸のシステムは大変いいということを私は直接聞きました。高い評価をしていると、アメリカにはむしろない部分で必要だということを言っていました。
 これで毎年毎年かなりの品目に対して調査をするということは、ほとんど一年中薬価のことばかりをやらざるを得なくなりますよ。ちょっと言い方は悪いですけど、卸の方も薬価のことばかり言っていて流通のところが仮におろそかになると、国民にとっては大きなマイナスですし、卸そのものがブラック企業になるかもしれません。そういう懸念も彼らは示しています。
 最後に、やっぱりこれはストレートに答えてほしいのですが、まだ決めていないとおっしゃるかもしれませんが、毎年一回の改定をやる、その対象はどう考えているんですか。全品目なんですか、あるいは適応が拡大されたものなんですか、あるいはオーファンなんですか、どの範囲を考えているんですか。そこだけ答えてください。
#18
○国務大臣(塩崎恭久君) これは先ほど申し上げたとおり、総理の方からはしっかりと関係閣僚の間で基本方針を決定するようにというふうになっておりますので、まさに今おっしゃったようなことを含めて、どういうことをやるべきなのかということはこれから決めることだと思います。
 先ほど申し上げたように、一定程度のやはり調査の負担というのがあるということは私もよく分かっていて、一錠十円のものを百円掛けて調査をして一円しか利益が、何というか、差がないとか、そういうようなことは余り意味のないことでありますので、国民にとって、国民負担の軽減にとって意味のあることをやる、そして医療の質を向上するというために何をすべきかということをこの薬価制度の抜本改革についても併せ考えていきたいというふうに考えているところでございます。
#19
○足立信也君 与党席の方々も物すごく期待している答弁なのに、一切そこは答えられないと。ということは、まだ期待していますよ。無理やり全品目毎年やるということは私は不可能だと思いますし、大変な負担になると思います。その点は与野党を問わず改めて申し上げたい、一部違うかもしれませんが、申し上げたい。
 年金の問題に移りたいと思います。
 公的年金制度というのは、原則は、もう度々答弁されていますけれども、給付の十分性と持続可能性のバランスだと、おっしゃるとおりです。この問題は、今回の法改正の問題はやっぱり二〇〇四年のあの年金国会の審議に戻るんですね。
 私は二〇〇四年初当選ですから、あの二〇〇四年の国会審議というのは報道しか知りません。あそこでやられたことは、誰が未納であるとか、あるいは未納三兄弟であるとか、そういうことの報道ばかりでした。今日、久々に見えている森さんもあの報道で随分有名になりましたけれども。あとは、小泉総理のやっぱり不真面目な答弁ですよ、私が印象に残っているのはね。だから、中身はほとんど伝わらなかったです。厚生年金に加入させていただいていて、小泉総理がですね、人生いろいろ、会社もいろいろと、そんな答弁で終わらせる。そしてまた、マクロ経済スライドについては、私に聞いても答えられるわけがないと。それに比べれば、塩崎大臣の態度は立派だと思いますよ。ただ、総理が、これだけ大きな大改正をするのに、私に聞いても分かるはずがないと突き放しちゃったら、国民に分かるはずがないじゃないですか。とんでもないですよ。
 ただ、そのことは、この前も発言がありましたが、私が述べたことを全く御理解いただいていないようであれば、何時間やっても同じですよと、総理がここでまた言ってしまった。これ、根っこは同じですよ。こんなことを言っているから国民は分からないんですよ。この点をまず私は、二〇〇四年に初めて当選したけど、二〇〇四年の審議はほとんど分からなかったということを強調したい。
 ただ、そのときに、この前も役所の方と話ししましたけど、私は、あのでき上がったものを見て、これは百年間の財政均衡を図るものであって、百年分の年金管理制度なんですよ、これはね。それを、隣にいるから言いづらいですけど、百年安心のと言うからまた大問題であって、安心じゃないですよ。百年もつためにどうしたらいいかという、そういう議論ですよ。そこも伝わっていないんですよ。だから、安心と言われたのに全然安心できないでどんどん下がるじゃないかと国民は不満を表明するわけですよ。百年管理するためにはこうやるしかないんだと、百年もたせるためには。そういう改革だったでしょう。そのことが実は伝わっていないということです。
 これ、大原則です。あのときの約束は、今までは年金給付に合わせて保険料を上げていったけれども、まず保険料を上限固定すると。そのことと、百年後に一年分、次の年の一年分の給付額を積み立てると。そして、そのときには所得代替率が五〇%以上。この三つですね。そこを確認したいと思います、約束は。
#20
○国務大臣(塩崎恭久君) おっしゃるように、それまでは財政再計算といって、給付もそれから負担も変わり得る、五年に一遍という前提で進んでいたわけでありますけれども、この二〇〇四年の改正では、今先生御指摘のとおりの改正を行って、法律上、マクロ経済スライドによる調整は財政検証の年から約百年後に給付費一年分程度の積立金を保有しながら年金財政が均衡するという見通しを立った時点で終了すると。また、所得代替率が五〇%を上回ることとなるような給付水準を将来にわたり確保すると。そして、こうした点について少なくとも五年に一度行う財政検証で確認をしていくということとしているわけでありまして、平成二十六年財政検証のケースEを例に挙げれば、マクロ経済スライドの調整の終了年度は二〇四三年度であり、そのときの所得代替率は五〇・六%という見込みでございました。これがおおむね百年後まで維持されることを確認をしているということで、先生の御指摘のとおりでございます。
#21
○足立信也君 おおむね三つの約束は今認められたんだと思いますが、それでも今回の法案では保険料百円上がる。まあ、百円、これは私どもはやむを得ないとは思っていますが、保険料の上限固定するという約束の下なんだけど、もう百円上げると、こうなったわけですね。この先、もっとまたそういう、しようがない、上がってくるだろうなというのが何となく予想できますよ。これが一点。
 その次は、今、調整期間の話をされました。マクロ経済スライドです、やっぱり大事なことはですね。これは、年金財政の安定均衡を達成するまでの間、給付水準を抑制していくと。抑制していく、水準をですね。そして、手段としてのその改定は、あのとき決めたことは、改定はですよ、新規ではなくて、改定は物価スライドと調整率によってだんだん給付水準下げていくんだと。これはもう皆さんお分かりのとおりだし。
 そこで、この給付水準という言葉が、今までの議論を私ずっと聞いていて、時にはそれが所得代替率であったり、時にはそれが給付額であったり、年金の、こういろいろ答弁が変わるような気が私はしているんです。ですから、そこでまず確認したい。財政検証に関するいろんな議論の中で給付水準と言った場合は、これは所得代替率ですよね。
#22
○政府参考人(鈴木俊彦君) ただいま、財政検証において確認すべきは、給付水準は所得代替率か年金額かというお尋ねであるというふうに理解を申し上げております。その中で、先生御指摘の平成十六年に構築をされました年金の財政スキームの中で、大臣からも御答弁申し上げましたように、おおむね百年間という長期的な給付と負担の均衡を図るための財政検証ということでございまして、法律上、将来にわたって所得代替率五〇%を確保すると、こういった規定が置かれているところでございます。したがいまして、財政検証において確認すべき給付水準の目安というのは所得代替率であるというふうに考えております。
#23
○足立信也君 財政検証においては所得代替率だ、このことは後でしっかり議論したいと思います。
 あと、やっぱりスライドしていく中で重要なのは、調整率と、それからスライドそのもの、それと調整期間、そして代替率だと思うんです。これ、一つ一つ聞いていきます。
 まず、資料一なんですが、御覧ください。
 先週、太田委員もおっしゃっていましたが、医療とか介護はプレーヤーがいて、そこに所得というものが入ってきて、産業でもある。私は数学の、いろんな多次元方程式がある中で、複雑系とも言われますが、数学的だと思っているんです。それに対して、年金は私は算数だと思っているんです。入りと出、そういうことだと思いますが。
 そこで肝腎なのは、一定で変わらない定数と変数は何なのかということになってくるわけです。この調整率、公的年金全体の被保険者の減少率プラス平均余命の伸びを勘案した一定率〇・三%、これは定数ですね。そうすると、変数は公的年金全体の被保険者の減少率ということになるわけですが。
 そこで、ここの労働市場への参加が進むケースと参加が進まないケースで調整率が違いますね。この理由を説明してください。
#24
○政府参考人(鈴木俊彦君) マクロ経済スライドによる調整率でございますけれども、ただいま御指摘ございましたように、賃金、物価による本来の年金額の改定率から一定のスライド調整率を差し引く、こういうことで調整が行われるわけでございます。
 この場合のいわゆる差し引かれるスライド調整率でございますが、これは二点ありまして、一つは、今御説明ございましたように、年金を支える力でもございます被保険者の数が今後減少していく率、これが一点でございます。それから、今後寿命が延びて、言わば給付費が増加する率、この二つを合わせて算出をされております。
 その中で、いわゆる変数でございます今後の年金を支える力でございます被保険者の数がどういうふうに減少していくかということでございますが、これは二十六年財政検証で大きく二つ、労働市場への参加が進むケースと進まないケースに分けたわけでございます。この場合に、労働市場への参加が進むケースでは、高齢者の労働参加が進むということによりまして六十歳以上の被保険者数が増加する、こういう影響を盛り込んでおります。したがいまして、労働参加が進まないケースと比べますと、その分、被保険者の減少率が小さくなるわけでございますので、これを反映してマクロ経済スライドのスライド調整率が小さくなる、こういった構造にあるわけでございます。
#25
○足立信也君 受給者である年齢の方が実は働かれて被保険者になるという説明ですね。
 世の中の方は、調整率というのは何だと、物価のスライドから更に引くんだと、〇・九と思い込んでいる方が多いんです。ただ、これにずっと示されているように、二〇四〇年は一・九ですよね。一・九というのは相当なパーセントです。
 そこで、私どもは、新成長戦略の中で就業率を上げるべきであると。それは女性であり、障害者であり、元気な高齢者。女性であっても、今の高齢者、本来受給される方々が働く側に、被保険者の側になる、これは女性も含まれています。じゃ、障害を持った方々が働かれた場合、これも被保険者の減少ということにつながっていくんでしょうか。障害年金をいただいている方々の雇用が進んだ場合はどうなるんでしょうか。
#26
○政府参考人(鈴木俊彦君) 現在、法律に規定をされておりますマクロ経済スライドの調整率、この算定式ということで申しますと、障害者の方々につきましては、これは厚生年金、国民年金の中で被保険者という位置付けでございますので、言わば今のスライド調整率の中では支える力であるところの被保険者数に既に織り込まれてございます。
 したがいまして、メカニズムだけ申しますと、障害者の方が仮に働いておられないのが働く、厚生年金の被保険者になったということでありましても、このスライド調整率自体には直接には反映しない、こういった算定式になってございます。
#27
○足立信也君 少しずつ理解が進んでいくと僕は思うんです。障害者はそうなんですよね。ということでございます。
 これが調整率の話で、次はそのスライドの話に行きますけれども、よく答弁で、これは社会保障の税の一体改革の合意、それから年金機能強化法等々、我々もそれは認めていたじゃないかという話をよくされます。それは、私も当事者として、マクロ経済スライドは徹底しなきゃいけないと議論があったことは、それは当然認めます。しかし、それまでの段階、それまでの段階では物価と賃金の低い方に合わせてスライドを導入するという考えはなかったですよ。
 我々は、むしろ、この前も参考人の方に質問しましたけれども、厚生年金の適用を拡大した方がはるかに所得代替率に対しては上がっていく、効果的だと。我々の選択は、被用者保険、厚生年金の加入者をやっぱり増やしていこうと。この十月から二十五万人増えましたけれども、我々のあのときの考え方は、例えば最低賃金以上、二十時間以上百万人、時間制限をなくした場合は更に百万人とか、ずっと試算の中でそこを増やすことが大事だということをやってまいりました。
 ですから、物価と賃金の上昇率の低い方に合わせるという考え方はあのときはなかったです、我々としては。それが今回出てきた。そこに出てきたのは、やはり社会保障審議会年金部会の去年の一月のこの議論の整理だったと思いますよ、ここで。だから、私たちがそこは認めていたじゃないかというのは、ちょっと私たちとしては違うと、それはその後に出てきた、去年出てきたことだということです。
 要は、この考え方は、デフレであろうがなかろうが、まあずっとデフレだったわけですが、デフレであろうがなかろうが、マクロ経済スライドをより機能させるために、物価と賃金低い方に合わせてスライドしていく賃金スライドを導入したと、私はそう思っている。その評価でよろしいですか。
#28
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、足立委員からの御指摘がございましたけれども、今回の賃金に合わせて年金額を改定をするというこのスライドルールは、マクロ経済スライドをより機能をさせるためのものということで、御指摘のとおりだというふうに思います。
#29
○足立信也君 そこで、これは去年の一月の年金部会の議論の整理で出てきたと私申し上げました。その前の、おととしの財政検証に基づいたと、その基づいた法案であるというふうに説明をよくされているわけですけれども、やっぱり衆議院で特に議論になっていたように、二十六年財政検証には、賃金の上昇率が物価上昇率を下回る、この前提がないんですよね。そして、財政検証の後に賃金と物価の低い方で調整する。これ、丈比べという表現を参考人の方はされていました。
 財政検証の前提にないケースが法案として出てきた、そこに不満を持っている、あるいは本当にそれが実証できるのかということになっているわけです。参考人の方も、全方位の検証が必要だと。いい場合も悪い場合も、物価上昇よりも賃金上昇が低い場合も、それも含めて全方位の検証が必要である。なのに、財政検証には賃金が下回るケースがない。ところが、実際は二〇〇四年以降、物価変動率よりも賃金変動率が下回ったケースが二〇〇四年以降だけでも七回もある。七回もあるのに財政検証でそのことが議論されていない。このことが一番、私たちとしては不十分だろう、ここの試算出してくれよということになっている。
 衆議院はここに集中し過ぎたという感覚を私は持っていますが、やっぱりそれは偽らざる真実ですよ。実態に合っていない検証しかやられていないじゃないかと。政府の、安倍総理の希望は分かります。希望は分かるけれども、実態と合っていないじゃないかというのが一番の心配なことなんですよ。国民の皆さんもそうだと思いますよ。
 そこで、別の言い方をすると、キャリーオーバーというのが今度法案で出てきました。調整率をしっかり、調整率そのもの、数値まで下げられない場合に、景気が上昇したときに持ち越すんだと。しかし、これも、このキャリーオーバーしなきゃいけないときに、物価と賃金の低い方に合わせるということは、賃金スライドに合わせるということは、キャリーオーバーするときの代替措置じゃないかという考え方も、言い方としてはできるんですよ。
 賃金スライドの徹底ということですね。低い方に合わせるということは、要は、その目的は調整期間を、先ほど終点の話はしました、調整期間を短くする、早く終わらせる、一気に下げていく。これが、調整期間を短くするというのが目的、それでいいですね。
#30
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の二十六年の財政検証よりも五年前の二十一年の財政検証のときにも分かったことでありますけれども、平成十六年改正以降の現役世代の賃金の低下に合わせた年金額の改定を行わなかったために、今の年金をもらっていらっしゃる方々、高齢者の基礎年金部分の所得代替率が上がってしまうという一方で、将来の基礎年金部分の所得代替率が下がるということが判明をしたわけであります。
 今回の賃金に合わせてこの年金額を改定するスライドルールは、賃金が下がったときに賃金に合わせて年金額を改定することで、足下の所得代替率の上昇を防ぐことによって、マクロ経済スライドの調整期間をこれまでの見通しよりも長期化をするということを避ける、防ぐということのためのものでございまして、今、足立委員が御指摘のとおり、今回の見直しを行わなかった場合と比べてみますと、見直しを行った方が賃金が低下する不測の経済状態になった場合でもマクロ経済スライドによる調整はより早く終了をするということができると考えているところでございます。
#31
○足立信也君 そのとおりなんですよ。
 だから、もっと分かりやすく言いますと、所得代替率、現役の人の手取り収入に比べて何%かというのが、デフレで調整が利かなかったから、マクロ経済スライドできなかったから上がり過ぎちゃった、これを抑えなきゃいけない。つまり、給付額、所得代替率という給付水準で考えても、下げなきゃいけない。かつ、早く下げて調整期間を終わらせなきゃいけない。この二点について、給付額は下がるんですねということは、私は真実だと思います。我々は年金カット法案とは一言も言っていないと言いましたが、これは下がっていくんだ、結果として減っていくんだということは間違いないわけです。調整期間を短くするということです。将来のためにとおっしゃるけれども、形としては下がっていく。
 ただ、ここでまた言い方なんですけど、経済成長モデルを描いていますね、今ずっと。これから物価も賃金も、賃金の方が物価より上回って成長していくんだと、財政検証は全部そうですね。それを描いていると、年金を受給する方は、経済成長が続いていくんだから現役男子の手取り収入は当然上がっていくだろう、代替率五〇%で一定にするんだったら給付額は当然上がっていくだろうと思うじゃないですか。当然ですよね、成長モデルしか出していないんだから。だったら、年金を受ける側の人間は、調整期間は長い方がいいんじゃないかと思いますよ。長く掛けた方が現役男子の収入も上がっていく、代替率一定なんだから年金の給付額も上がっていくと、当然そう思いますよ。それが国民的な感情だと思います。
 ただ、給付額を調整するには調整期間を短くした方がいい、早めに調整期間を終了することが将来世代のためだと。その理由で、将来世代のためなんだという理由で今回賃金スライドを導入するというのは、やっぱり、やっぱりですよ、財政検証で八つのケースを出したけれども、経済成長はそれほどできないんじゃないか、あるいは実態として実際にできなかったから、だからこういう考え方を導いてきたんだと、それ以外にないと思いますよ、理解の仕方は。
 ですから、転ばぬ先のつえという表現もされましたね。私は、でも、財政検証で成長モデルばかり出したけれども、実態はそうじゃなかった、早く調整期間終わらせるためには賃金スライドを入れて早く下げていかなきゃということです。これは、実態と合わなかったということは、転ばぬ先のつえではなくて、もう転んだことを認めていることだと思いますよ、この二年間で。今回こういう制度を入れたということは、転んで骨折して、大変だといってこれから傷害保険に入るようなものですよ。私はそう思っていますよ。
 だから、そこを言わないと、今まで計画していたけれどもそうじゃなかった、これを将来世代のためには今抑制しておかないと駄目なんだとはっきりした理由を言わなくて成長モデルばかり出すから、そうじゃないだろうと。成長すると言っているじゃないか、だったらずっと調整期間長引いた方が増えてくるんじゃないかと思うのが国民の心理だと私は思いますよ。
 そこで、実際の運用の話になるんですが、財政検証は、何度も繰り返しますが、八つのケース全て物価上昇よりも賃金上昇が大きくて、そして、計算上これは、物価上昇があって賃金上昇は大きい、それよりも更に長期金利は高い、そして運用利回りはもっと高い、こういう前提になっているわけです、全部。本当ですかという話になりますが、実際はそうなっている。さっき言いましたように、物価の上昇も、何といいますか、やっぱり直近のところは下がっているし、賃金は上昇しない、長期金利は低い。だったら、あと頼みは運用利回りしかないじゃないですか。だから、財政検証したその年に株式の運用を倍増させたんじゃないですか。そこに頼るしかなくなっているんじゃないですか。実際に成長モデルって出したけれども、物価も賃金も利回りもそういっていない。あとはそれより上回らなきゃいけない運用利回りをとにかく上げるしかないんだ。だったら、おととしの十月から株式の運用を倍に増やそう、リスクもあるけれどもハイリターンを求めよう、そういう考え方で動いたんじゃないですか。
 そこで、GPIFの高橋理事長にお聞きします。先ほど全体の流れがありましたが、株式の運用を倍増させたその前後の運用利回りはどうなっているでしょうか。
#32
○参考人(高橋則広君) GPIF発足の平成十八年四月から基本ポートフォリオを変更する前であります平成二十六年九月までの八年六か月間の平均収益率は二・八%でありまして、基本ポートフォリオ変更後の平成二十六年十月から今年の九月末までの約二年間の平均収益率は〇・五%であります。
#33
○足立信也君 皆さんショックだと思いますが、繰り返しますね、物価よりも賃金変動は高い、それよりも長期金利は高い、それよりも運用利回りは高いという財政検証なんですよ、全てが。そして、その八つのパターン、運用利回り、一番高いのは五・四%ですよ。一番低いのが二・七%ですよ。そして、ポートフォリオを変更した後は〇・五%ですよ。変更前は二・八%ですよ。
 だから、今、前提を置いてきたものが、申し訳ない、全て崩れているじゃないですか。これで納得してくださいと言うのは難しいですよ。こう思い描いたけれどもそうはいかない、早く給付額を下げていかないと将来枯渇して大変だと、もう正直にそう言わないと、なかなか納得してくれないと私は思います。
 先ほど申し上げたように、この調整期間の終了は百一年後の一年間の給付総額に相当する積立金、こういうふうになっているわけです。この調整期間のことを申し上げますが、今はその約一年分ということになっていますが、資料二を御覧ください。
 これが、GPIFの運用資産額、それからGPIFからの特別会計への納付額、それから公的年金受給者の年金総額です。年金総額は緑、それからGPIFの運用資産額がブルーの折れ線、そしてダイダイ色が納付額です。これは、例えば二十七年は納付額がマイナスになっています。これは、当然、年金保険料がずっと今上がっている段階ですから、年金保険料でいわゆるほぼ完璧な賦課に近い形で成り立っているから納付額はマイナス、要らないということになるわけですけれども、この運用資産額がどんどんどんどん上がっていっている。給付額はこの程度なわけですね。
 じゃ、百一年後、百一年目の給付総額に見合う積立金ができるということになっていますが、現時点の考え方とか、今だと、今の判断だと大体それ額としてどれぐらいなんでしょうか。
#34
○政府参考人(鈴木俊彦君) 今、百年後のその積立金の額ということでお尋ねがございましたけれども、これは考え方でお答えしたいと思います。
 これは、既に御案内と思いますけれども、我が国の公的年金制度、いわゆる財政均衡期間でございますおおむね百年間の後に、給付費にいたしまして約一年分に相当する額の積立金、これを言わば支払準備金という考え方で保有をする、その状態で以降の財政を均衡させる、これが大きな枠組みでございます。
 その中で、公的年金の給付自体は、御案内のように、賃金に連動して決まる仕組みとなっておりますので、したがいまして、年金積立金の運用ということを考えますと、この利回りが賃金上昇率をどれだけ上回ったかということが重要になってまいります。そういった考え方で、長期的な積立金の運用の目標というのは、額というよりは賃金上昇率を基準といたしました利回りを設定して、この目標をGPIFに示して達成してもらうようにしようという考え方でございます。
 具体的には、厚生労働大臣がGPIFに示しております中期目標というのがございますけれども、これは、平成二十六年の財政検証におきまして、今御指摘ございましたように、百年間の推計を行いました結果を踏まえて、長期的な運用目標といたしまして、賃金上昇率を上回る実質的な運用利回りが賃金上昇率プラス一・七%、これを最低限のリスクで確保するようにといった目標をお示しをいたしておりまして、これで百年後に向けてきちんと運用をしていただくということでございます。
#35
○足立信也君 人口構造の変化、出生率は今一・四五まで上がっていますから、中位のものよりも若干いいわけですけど、これ答えられなかったらもうしようがないですが、今大体五十数兆ですよね、五十五、六兆ぐらい、年金給付額。この人口推移でずっと行った場合の二〇一四年からの百年後、二一一四年というのは大体どれぐらいだというのは分かるんじゃないですか、給付額。分かりませんか。分からなかったらいいです。
#36
○政府参考人(鈴木俊彦君) 平成二十六年の財政検証のいわゆるケースEでお答えをしたいと思います。
 今先生御指摘ございました例えば二一一〇年の時点で申しますと、二十六年の財政検証では、厚生年金の支出合計額が約二百兆円でございまして、そのときの年度末の積立金といたしまして約百六十五兆円を保有する、こういったような全体の財政見通しを立てているということでございます。
#37
○足立信也君 分かりました。
 金額が出てくると何となくイメージが湧きやすいと思いますので、ちょっと無理かもしれませんが言っていただきました。
 そこで、これは運用、先ほどから何度も言いますが、物価よりも賃金が大きい、賃金よりも長期金利が高い、そして運用利回りはもっと高いはず。GPIFのまた高橋理事長にお聞きしたいんですけれども、この前お呼びした参考人でGPIFに言及した参考人三名の方は全て、やはりその被保険者の気持ちをそんたくする、感覚が理解できる、あるいは被保険者の立場を代表する側の人間が、今十人中二人の予定ですけれども、やっぱりこれが足りないんじゃないか、その理由はやっぱり、先ほど言いましたけれども、気持ちを酌み取れていないんじゃなかろうか、酌み取ってくれないんではなかろうかという懸念を全員がおっしゃったんです。そのことに対して、理事長は、これは委員の比率がどうこうという考え方もありますが、委員の人には一般の受給されている国民あるいは被保険者の国民の気持ちを受け入れることが容易になるような何か仕組みを考えた方がいいんじゃないかと私は思うんです。その点について、いかがでしょう。
#38
○参考人(高橋則広君) 今回のGPIFの改正法案につきまして私として意見をする立場にはございませんので、具体的な経営委員会の構成につきましてはお答えはできませんが、先生おっしゃっていただいたとおり、積立金の運用は被保険者の納めました保険料の一部で、将来の貴重な財源だというふうに考えております。
 そのために、法律にも書いてありますとおり、専ら厚生年金及び国民年金の被保険者の利益のために、長期的な観点から運用をするということだろうというふうに考えております。
 GPIFにおきましては、昨年三月に投資原則、行動規範を定めておりまして、その中で、先生おっしゃっておりますとおり、専ら被保険者のために行動する、そういう利益を確保していくということで、そこを投資の目標にするということを掲げまして、そのために、GPIFの役職員の行動規範としまして、年金事業の運営の安定に貢献し、専ら被保険者の利益のために受託者として責任を果たしていくというふうに明記をしまして、こうした行動規範、投資原則を冊子にいたしまして役職員が携帯しているようにしておりますし、所内各所に掲示しているところであります。
 今後とも、こうした原則を守りまして、かつ労使の推薦する委員を含む運用委員会の御意見を伺いながら、被保険者の皆様の思いを受け止めて運用していきたいというふうに思っております。私個人だけではなくて、GPIFの組織の文化として被保険者の皆様の気持ちをきちんと酌んで運用する、そういう組織にしていきたいというふうに考えております。
#39
○足立信也君 議事録に残りましたから、しっかりやっていただきたいと、そのように思います。
 次は、所得代替率に行きます。資料三を御覧ください。
 皆さんもう御案内ですが、所得代替率というのは新規の裁定をやるときの基準になるわけですけれども、分母が現役世代男子の平均手取り収入額、つまり可処分所得。このモデル世帯というのが、男性が働いて女性は専業主婦、子供二人ですね。このモデル世帯の比率というのを出しましたけれども、平成二十四年で五四%ということになっています。
 しかし、まずちょっと局長にお聞きしたいんですが、これは、被扶養者になった場合はこのモデルに入るんだろうと私は思いますが、つまり百三十万円以下で働いているけれども、つまりどういうことかというと、共働き世帯というのは今このモデル世帯よりも上回っているわけですね、一九九四年ぐらいから。ですから、このモデル世帯、五四%というけれども、この中には百三十万円以下で働いている主婦の方がいらっしゃる家庭も全部入っている、そういう理解でよろしいですか。
#40
○政府参考人(鈴木俊彦君) このモデル世帯の定義の上では、今先生のおっしゃったとおりでございます。
#41
○足立信也君 これは、収入によって個人個人が所得代替率が決まるということはこの前教えていただきました。そこで、やっぱりこの分母のところが、なぜモデル世帯の現役男子、四十年間働いた現役男子の平均手取り収入額という単一の尺度なのかというのが物すごく気になるわけです。女性の就労は明らかに進んでいる。なのに、なぜ代替率は男子のみになっているのか。
 ここはやっぱり、次の財政検証、不幸なことも含めて、嫌なことも含めて実態に合ったような前提条件を置かなきゃいけないという、先ほど申し上げましたが、私は、この所得代替率、所得代替率はこういう形でやっていますよ、それを比較しなきゃいけないから、次もこれは必要だと思います。ただ、明らかに、専業主婦で男だけが働いている世帯というのはもう五〇%ないわけですよ。そういう世帯類型がいろいろ変わっている中で、単一の物差しだけというのはやっぱりよくないと思いますよ。是非、次回の財政検証は、そういう世帯、こういう世帯の場合というような検証の前提条件を是非置いていただきたい。この物差しは必要だと私は思います。それ以外のものも絶対に示すべきだと、実態はその方が多いんですから。その点についていかがでしょう。
#42
○国務大臣(塩崎恭久君) 結論から申し上げれば、今、足立委員御指摘のとおり、今後の世帯類型、まあ随分今までも変わってきているわけでありますから、これらについて多様化を踏まえてどういうような工夫ができるかということは、当然、次期財政検証に向けても検討しないといけないと思っています。
 この所得代替率は、夫が就労して妻が専業主婦だというモデル世帯でやってきておりますけれども、これは言ってみれば物差しで、平成十六年改正で法定化をされたものでありますから、これを連続的に見ているということが一つあります。
 平成二十四年度の老齢年金受給者実態調査、これを見て先ほど五四という数字をおっしゃいましたが、夫が現役時代に正社員中心、妻が現役時代にパートあるいは専業主婦中心という、こういう世帯が過半数であることはそれなりの事実だというふうに思います。ただ、過半数といっても圧倒的な過半数でもないということでありますし、だんだんこれが下がってきているんだろうというふうに思いますので、そこのところはしっかり踏まえるということだというふうに思います。
 所得代替率は、今の定義と計算方法が平成十一年の財政再計算から用いられ、そして平成十六年改正において法定化をされて、現在まで引き続いて物差しとして使ってきた連続性、それから物差しを当然変えれば、この目標値の今五〇%と言っているものも変わり得るわけでありますけれども、国民の受け止めとか、それをどう評価するかということを考えると、基本的には現在の所得代替率を継続して使用することは適切かというふうに考えておりますけれども、しかし、いずれにしてもこれは工夫をしなければいけないということで、今回も財政検証の際に基礎年金部分の代替率や、それからモデル世帯の代替率だけではなくて、基礎年金部分の所得代替率、あるいは夫婦共稼ぎ世帯やあるいは単身世帯の一人当たりの所得代替率を賃金水準ごとに示すというような工夫をこの間の財政検証では行っております。
 ですから、賃金水準も二〇一四年度の価格で十万円、十五万円、十七・四万円、二十万円、三十万円という五通り、そして夫婦共稼ぎ、それから単身といった世帯類型ごとの一人当たりの年金額に加えて、報酬比例部分と基礎年金部分にも分けた代替率も示しているわけで、それをぐっとにらんでいただいて、一体どういうことになるんだろうかということをお考えをいただくためにこういうデータを出しているわけでございまして、そうすれば、自分の賃金の水準に照らして将来の年金水準がどんなふうになるのか、特に代替率ベースで見てどうなるのかということが分かるようになっているということであります。
 いずれにしても、変わり行くこの世帯類型、家族の在り方、これを踏まえて、今後とも年金についてしっかり検証の際に検討をしていかなければならないと思います。
#43
○足立信也君 大臣の言っていることはそのとおりです。
 私も、財政検証、これぐらいありますよね、物すごい分厚いですよ。途中でやっぱりちょっと見切れなかったですね。国民の皆さんに、ぐっとにらんで自分はこれじゃないかというので考えてもらいたいって、気持ちは分かりますけれども、やっぱり表し方だと思いますよ。これは難しい。私だって途中でちょっと断念しかかったですからね。だから、そこの出し方ということも非常に大事だと思います。
 終わりの方になりますけれど、この法案のマクロ経済スライド、物スラ、賃スラのところは結局は調整期間短縮法案なんですね、私の認識は。アベノミクスのときに議論をいろいろしました。可処分所得が増え、収入が増えて、そのことが物価を引き上げ、購買意欲も湧いてくるディマンドプル型、これが正しい経済成長だということの中で、アベノミクスは、金融緩和と財政出動、やっぱりお金を増やすことによってまず物価を上げて、そして後に賃金付いてこいよというコストプッシュ型。これでは、何度も言いますが、物価よりも賃金の上昇の方が更に高いんだというのはなかなか生まれないという議論をずっとしてきたはずです。実態はやっぱりそうなっているんだと私は捉えています。
 公的年金の持続性については、多くの国民は、今回のこのように、給付を所得代替率を見ながら下げていくというのはしようがないなと思っている国民がほとんど大多数だと私は思っていますよ、実際はね。しかし、基礎年金が下がり過ぎると全員が参考人も指摘しました。
 これから社会保障の分野で負担が大きくなり過ぎている。社会保障、つまり医療、介護は現物給付です。でも、現物給付になっているんだけれども、そこには自己資金が必要になってくる、自己負担が必要になってくる、保険料負担が必要になってくる。その部分が基礎年金だけではとても賄い切れないから、みんなは不安を持っているわけですよ。
 資料四を御覧ください。
 理事会でお認めいただいたので、特に二〇一九年までの年金、医療、介護の負担増の内容です。赤で書いたのは、これは報道から私がピックアップしたものですので、確定ではない大前提でこれを御覧いただきたいと思うんです。
 要は、ここ二年、三年掛けて、先ほど自己負担とそれから保険料の件を医療、介護で申し上げました。これだけの負担が待っているよ、しかし基礎年金部分は減っていくよと言われたら、やっぱり不安でしようがないじゃないですか。そこに、その先、調整期間を更に短縮するために、新たに賃金スライドの考え方を入れてもっと短縮して下げますよと言われたら、生活できるのかなと、これ思うのは当然ですよね。
 そこのところが、将来世代のためにという気持ちはよく分かるんだけれども、やっぱり現物給付に対する現役への負担が大きくなり過ぎるのが先にあって、その後、一気にこれからは基礎年金部分は下げていくよ、見合っていないということが国民の感情なんですよ。基礎年金の機能が不十分だと多くの人が思っている、だから世論調査すると反対が多いわけですよ。
 この点が、みんな言うのが、基礎年金というものは一体何なんだという議論を、抜本改革とよく言葉は言いますけど、単純に言うと、基礎年金の機能は何なのかという議論を先にやろうじゃないかということが主に野党の主張じゃないですか。これがなくて、まず医療、介護のところで負担が増えて、その先どんどん年金減っていくんだって、大変だなということなんです。
 最後になるかもしれませんが、この基礎年金の機能、ここをしっかり議論、落ち着いた環境でやっていく、是非必要だと思いますが、大臣、いかがでしょう。
#44
○国務大臣(塩崎恭久君) たしか前回も、年金に関しては制度の持続性そして給付の十分性というのを両方追求していかなきゃいけないということを申し上げました。
 給付の十分性については、制度を、先ほど来御説明いただいているように、百年の長期にわたって安定的にいけるようにバランスを考えていくという制度で平成十六年の改正が行われて、それにのっとってやっているわけでありますが、今先生御指摘のとおり、給付の十分性ということに関しては、先ほどお話がありましたように、当然、暮らしとの兼ね合いでどうなのかということを考えていく際には、支出サイドのことも考えなきゃいけませんし、もちろん他の負担のことも考えなければいけないということだろうというふうに思います。
 したがって、これまでの年金の議論の中でも、一体改革のときにもそうでありましたが、次に消費税引上げの際に行われることになるであろうこの福祉的給付にしても、あるいは今回お通しをいただいた二十五年から十年に短縮する法案もその一つだろうと思いますし、適用拡大ももちろんそうだろうと思います。
 二十六年の財政検証でこれオプション試算というのをいたしました。短時間労働者の適用拡大などのオプションが制度の持続可能性を高めて、基礎年金も含めて所得代替率にプラスの効果があるということが分かっているわけでありますし、それから、プログラム法には四つの課題、検討課題、つまり、マクロ経済スライドをフル発動する可能性についてどう考えるのか、あるいは適用拡大を更に広げること、そしてまた支給開始年齢などの年金受給の在り方など、クローバックとか年金課税と、こういうようなことを同時に考えようということでありますから、我々としては、絶えずそういうことに検討を加えながら、この政策課題あるいはオプション試算で示した政策の選択肢に検討を加えて、年金の持続性を高めて、そして保障機能を強化する観点から必要な見直しは当然やると。
 一方で、医療そして介護、この見直しについては、社会保障の制度の持続可能性を高めるために、世代間、世代内の公平を図って負担能力に応じた負担を求めるということから、改革工程表に基づいて議論を今検討中でありますけれども、やはり社会保障全体の中でどう暮らしを支えるのかということを考えていくということで、全体として見ていくことがやはり大事だろうというふうに思うところでございます。
#45
○足立信也君 まとめます。
 次回の財政検証はもう再来年度には始まるわけですよ。そのスライドの部分の法の施行は五年後ですよ。そして、実態に合わない前提による財政検証で現実とどんどん懸け離れているから国民は不安になっているんです。是非そこのところ、そのときには、次回の財政検証には不都合な事実もしっかり入れてやってもらいたい、そのことをお願いします。
 以下の質問は次回に続けたいと思います。ありがとうございます。
#46
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 先週の参考人質疑でも、安定した雇用の確保、そして賃金を引き上げること、これ年金制度の安定にとっても重要な課題だという指摘がありました。本当にそう思います。
 与党の皆さんからも、標準報酬月額、最低賃金の問題についての質問がありました。最低報酬月額は八万八千円、全国一律ということになっているわけですが、最低賃金には地域格差があると。愛媛の例も出されたかと思います。最低報酬月額に達するための労働時間には月三十時間も格差があると、大変分かりやすい指摘でした。不公平感が出てくるのではないかという懸念が表明されたというふうに思います。
 そこで私聞きたいのは、地域による所得格差、これが年金格差にもつながるということになっていくわけで、報酬月額は全国一律だから変えられないという答弁があったわけですけれども、この問題、やっぱり解決していかないけない課題だというふうに思うんですけれども、どう解決を目指していきますか。
#47
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘になったのは、十二月六日の審議で年金局長の方から小川委員にお答えを申し上げた件だろうというふうに思いますが、社会保険である被用者保険の適用の要件というのが、これは保険集団として同質性を保つ観点から法律に基づいて全国一律だということが必要であることを申し上げたわけでございますが、その上で、今後、全国の中で最低賃金の低い地域の底上げが図られると月額八・八万円という賃金の要件に該当しやすくなって、議員の御指摘の地域差も縮小できていくというふうに考えております。
 仮に、今議員御指摘のとおり、全国どこでも同じ時間働いたら被用者保険を適用になるというようにするためには、基本的に月額八・八万円以上という賃金要件をなくす必要が生じてくるわけでございます。この場合、月額八・八万円の方の厚生年金保険料とそれから国民年金保険料が同程度であって、仮に賃金要件を現在の月額八・八万円より低く設定すると、国民年金に比べて低い保険料負担で上乗せの厚生年金を受け取ることができる方が出てくるとして、社会保障・税一体改革の三党協議の中で八・八万円ということが定められたことに留意をする必要があると考えております。
 いずれにしても、働きたい方が働きやすい環境を整備する観点から、適用拡大の施行状況、個人の就業実態、あるいは企業に与える影響などに加えて、最低賃金、御指摘の最低賃金の動向、一体改革の経緯や御指摘の点も踏まえて、更なる適用拡大について検討していきたいと思っております。
#48
○倉林明子君 いや、八万八千円を下げるというような話をしているんじゃないんですよ。やっぱりこの問題を解決していくためには、全国一律の最賃制度での対応という検討要るだろうというふうに思うし、やっぱり中小企業に対する直接支援、これと合わせ技で最賃そのものを本当思い切って上げていくと、こういう解決の方向を私は目指すべきだなということを改めて指摘しておきたいと思うんです。
 そこで、高齢者が働き続ける、保険料を払う役割、これを担ってもらうという問題についても指摘もありました。二〇一三年、厚生年金の支給開始年齢の引上げに伴いまして、高年齢者雇用安定法、これ改正されました。そこで、この改正後、雇用の実態どうなっているかということです。
 確認したいと思いますが、六十五歳までの雇用確保措置、これ、実施企業は九九%という数字が出ております。その中で、定年の引上げ、定年制の廃止ということで行っている企業の割合はどうなっているでしょうか。
#49
○政府参考人(坂根工博君) 本年十月に公表しました平成二十八年高年齢者の雇用状況集計結果では、定年制を廃止している企業の割合は二・七%、六十五歳以上に定年を引き上げている企業の割合は一六・〇%となっております。
#50
○倉林明子君 要は、残りは継続雇用という形態になっておろうかと思います。これ、三百一人という一定規模以上の企業になると、この継続雇用の割合というのは高くなっているという特徴あるんですね。私、その継続雇用、この中身が問題だというふうに思っております。
 厚労省は、高年齢者雇用確保措置、この実施及び運用に関する指針を示しているわけですけれども、賃金についての内容、どうなっているでしょうか。御紹介ください。
#51
○政府参考人(坂根工博君) お答えいたします。
 委員御指摘の指針におきましては、「継続雇用制度を導入する場合における継続雇用後の賃金については、継続雇用されている高年齢者の就業の実態、生活の安定等を考慮し、適切なものとなるよう努めること。」と定められております。
#52
○倉林明子君 雇用は確保できても実態どうなっているかということを私も京都でよくお話も伺っているんですね。雇用形態の希望、労働条件、賃金始め、この希望が受け入れられないと。極めて低い賃金、これまでとは全く異なる仕事内容、これを事業主が決めているという状況あるんです。
 実際にどうなっているかというと、フルタイムでの勤務希望しても週一日だけだという条件を示されたり、月額で賃金換算したら五万円程度だと、こんな社会保険入れない金額での契約を求められるというようなことが横行しているんですよね。何で私こんなことになるんだろうかと、この法改正の趣旨とは違う方向に向かっているんじゃないかと。
 調べたら、この高年齢者雇用安定法QアンドAというのを厚生労働省出していますよね。この中身を見てみると、Q、問いかけには、本人と事業主の間で賃金と労働時間の条件が合意できず継続雇用を拒否した場合も違反になるのかという問いに対して、回答はこうなっております。事業主に定年退職者の希望に合致した労働条件での雇用を義務付けるものではない、事業主の合理的な裁量の範囲の条件を提示していれば違反にならないとはっきり書いてあるんですよ。これでは、事業主が決めた労働条件、合意ができないという場合でも、労働者の雇用、生活、これは守られなくても問題ないと理解されても仕方がないと私思うんですね。
 私、この年金問題を支えるという観点からも重要な法改正だったと思います。指針こそその法の趣旨だと思うんです。指針の徹底、きちんともっとやっていただきたいと思います。大臣、いかがでしょうか。
#53
○国務大臣(塩崎恭久君) まず第一に、大前提は、定年を迎える方の継続雇用をする際のその後の労働条件、これにつきましてはあくまで労使の合意で決まるということが原則であることをまず御指摘を申し上げたいと思います。その際、企業は合理的な裁量の範囲の条件を示す必要があるわけでありますけれども、これについては、継続雇用をされている高年齢者の就業の実態、生活の安定等を考慮して適切なものになるように努めるというのが、先ほど御指摘をいただいた高年齢者雇用安定法に基づく指針というものでございます。
 継続雇用時の労働条件の提示に当たっては、各企業においてこうした指針の趣旨を適切に踏まえていただくとともに、労働契約の締結時には当事者間でよく話し合っていただくように今後とも都道府県労働局やハローワークを通じて周知や指導、助言に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
#54
○倉林明子君 その労働局が、雇用していればええというような実態指導になっているということは、私、厳しく指摘しておきたいと思うんですね。
 九月の二十八日には、この再雇用をめぐって不当な業務内容を提示されたということで慰謝料などを求めた訴訟で、改正高年齢者雇用安定法の趣旨に明らかに違反だということで、トヨタ自動車が名古屋高裁で敗訴しております。政府には、私、年金開始年齢引き上げた、この責任があるわけですよ。無年金者や生活困窮者の拡大につながるようなこと、絶対あってはならないと思います。法改正の趣旨、指針の徹底を重ねて求めておきたいと思います。
 最後に、日本の女性の低年金の問題、これも度々議論となってきた問題であります。これ、日本の女性のとりわけ低年金に対して、国連の社会権規約委員会から、最低保障年金の導入を要請すると勧告が繰り返されているわけです。そして、重ねて、今年三月には女性差別撤廃委員会からも要請されております。この要請にどう応えていこうとしているのか、お考えをお聞かせください、大臣。
#55
○国務大臣(塩崎恭久君) 女性の年金を確保することについてはこれまでも課題として取り上げられてきておりますけれども、昭和六十年改正におきます第三号被保険者制度の導入というのがまずスタートにあって、平成十六年改正における離婚時における年金分割制度の導入、さらには平成二十四年改正における大企業における被用者保険の適用拡大などの取組が進められてまいりました。さらに、今般の法律案では、中小企業の短時間労働者にも被用者保険の適用拡大の道を開くということとしまして、圧倒的に女性が多い非正規の皆様方の年金の拡大につなげていくという手だてを打っているわけでございます。
 こうしたことで、女性の年金権の確保及び年金額の底上げが図られるように取り組んでまいったのがこれまでの軌跡であります。
 その上で、現に低年金の方については、年金生活者支援給付金を始め社会保障全体で総合的に対策を講じていくということであり、また、将来に向けては雇用機会の確保であったり、あるいは更なる適用拡大、そしてまた、今回主婦の皆さん方も個人型の確定拠出年金に加入ができるようになったということもあって、そういうようなことによって女性を含めて老後の所得保障の重層化を図ってまいりたいと思っているところでございます。
 なお、厚生年金加入者には定額の基礎年金部分がありますから、所得再分配機能が働いて現役時代の賃金が低い方ほど所得代替率が高くなるために、男性と比べて平均賃金が低い女性にとっても厚生年金への加入促進は重要だというふうに考えております。
#56
○倉林明子君 いろいろやってきたというお話だと思うんですね。
 確かにいろんなことをやられてきたんだけれども、それでも今年の三月に改めて女性差別撤廃委員会から要請を受けているということが私重要だと思うんです。やっぱりこの問題解決していくためには何をなすべきなのかという中身ははっきり勧告されているわけですよ。
 確かにいろいろやったら女性の年金受給権は確保、一定進んできたということ、これは否定しません。しかし、女性の低年金問題の抜本的な解決には私至っていないと思うんです。そのためにも何が必要か。最低保障年金の導入ということを繰り返し勧告されているわけで、この点では重ねて強く求めて、残りの課題については引き続き議論を深めていきたいと思います。
 よろしくお願いします。
#57
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 今日、通告を結構たくさんさせていただいておりますけれども、せっかく内閣府の方からも来ていただいておりますので、後半の問い五、問い六について先にちょっと順番を入れ替えさせていただいて、質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初にお聞きしたいのは、国民健康保険と国民年金保険の保険料の納付についてまずお伺いをさせていただきたいと思います。ちょっと、これまでも指摘をさせていただいておったんですけれども、国民健康保険料の納付率というのは約九〇%ということで、高いんですよね。それは、もちろんいつ病気になるか分からないというのもあることだろうとは思いますけれども、国民健康保険の納付率は九〇%、一方、国民年金保険料の納付率というのは六三%ということで、かなりこれが低いわけなんですね。
 国民年金保険料の徴収業務は、平成十四年度に市町村から旧社会保険庁へと移管されております。その前の平成十四年一月十六日に行われた第一回社会保障審議会の年金部会でも、当時の委員でありました山崎委員の方からは、市町村でさえも十分に行えなかった国民年金一号被保険者の保険料徴収について、ちゃんとできるのかどうかという指摘がされておりました。実際には、旧社会保険庁が担当するようになって、納付率もそれまで七〇%を超えておったものが六二・八%に急落したわけですね。現在でも低迷を続けておるということなんですけれども。
 その国民年金保険料の納付者と滞納者の所得分布を見ますと、所得が三百万円未満であるため保険料免除の可能性のある者は、滞納者では九四%ということは前に説明いただきましたけれども、納付者の方でも八六%であるなど、大きな違いはないわけなんですね。所得分布に大きな違いはないにもかかわらず、保険料納付者と滞納者に分かれるのはなぜかということを是非分析すべきですし、効率的に、効果的に対応していくためにも住民に一番近い市町村で徴収業務を行うこと、これは重要ではないのかなというふうに考えます。
 必要な分析を行って、納付率を大幅に向上させるために、国民年金保険料と国民健康保険料の納付をセットで行うようにすべきではないかと考えますが、御見解をお伺いしたいと思います。
#58
○副大臣(橋本岳君) お答えをいたします。
 国民年金保険料の徴収事務につきましては、平成十四年に国と地方の役割分担を明確にするという観点から、以前は市町村で、まさに委員御指摘のとおり市町村が担当していたわけでございますけれども、そうした観点から市町村から国に移管をされたという経緯があって今のような状況になっているということがございます。それから十四年が経過をしておりまして、市町村における国民年金事務体制も縮小されております。
 また一方、国民健康保険については、保険料の賦課方式、あるいは保険料率を市町村ごとに決定をしているほか、約八割強の市町村では地方税として徴収をしております。これが年金の保険料としての徴収の仕方と、国民健康保険の方は税としても取れるということになっておりまして、実際八割の市町村がそうしているという違いがあるわけでございまして、御指摘のように、国民年金保険料と国民健康保険料の納付をセットで行うということにつきましては、今申し上げました地方分権の経緯でありますとかその市町村の現状の事務体制などを踏まえると、なかなかハードルの高い、難しい問題であるというふうに認識をしております。
 納付率を高めなければならないという思い、お気持ちでこれまで累次にわたって御質問いただいておりまして、その問題意識は全くそのとおりだと思いまして、累次答弁申し上げておりますように、コンビニでの納付のような納めやすい環境の整備だとか、あるいは一定以上所得のある未納者に対する強制徴収の強化などの取組は講じているところでございまして、引き続き、そうしたものに努めてまいりたいと考えております。
#59
○東徹君 納付率の向上はもちろん指摘しているところと、もう一つはやはり窓口体制ですよね、窓口。窓口というのはやっぱり近くにあった方がいいと思うんですよね。そういったことをもう一つは考えているということと、それともう一つはやっぱり徴収のコスト、ここが主ですね、非常にやっぱり考えていかないといけないというふうに思っています。
 その次に、歳入庁の設置についてお伺いしたいと思うんですけれども、前にも本会議でも質問させていただいたんですが、利用者のメリットとか国税庁の日本年金機構との連携、これ不十分であるということを踏まえると、歳入庁の再検討をやっぱりすべきだということを指摘させていただきました。
 国民年金保険料と国税の徴収対象は重なりが少なく、国民年金保険料の納付率向上への効果は限定的ということを常に答弁をしていただいておるんですけれども、そもそも、歳入庁をつくることによって大幅に徴収コストの削減を図ることというのは可能だというふうに思っております。実際に平成二十七年度に徴収コストを調べますと、自主納付を含む第一号被保険者全体に対する国民年金保険料の徴収コストは百円当たり三円なんですけれども、国税庁の徴収コストは百円当たり一・三円ということで、国税庁が徴収やっているコストの方が低いわけなんですね。日本年金機構の半分以下に抑えられるということになるわけですが、現在の日本年金機構の高コスト体質自体問題だというふうに思いまして、徴収コストを削減し、国民負担を減らしていくためにも、国税庁と日本年金機構の徴収部門を統合して歳入庁を設置すべきではないかというふうに考えますが、よろしくお願いいたします。
#60
○大臣政務官(武村展英君) お答えいたします。
 過去に、歳入庁につきましては検討がなされているところでございます。その中では、三党合意を受けて、政府の検討チームで平成二十五年八月に取りまとめが論点整理という形で行われております。国民年金保険料と国税の徴収対象というのは重なりが非常に小さいんですね。八分の一しか重なっていないということでありまして、保険料の納付率向上への影響は極めて限定的であるというふうに考えられます。
 また、年金保険料と税というのは基本的な性格が違いますので、そのため制度上も異なっている点が多々あろうかと思います。実務的には、優先徴収権であるとか時効についてもこれは両者の間で異なっておりまして、これは必ずしも両者を同時折衝することがコストの削減に即つながるという問題ではないというふうに認識をしております。
#61
○東徹君 ちょっと最後、説明もう少ししてほしいなと思ったんですけれども。
 一つは、これ、どこの国でも統合して歳入庁のようなものをつくってやっているわけですよね、先進国では。日本は元々これなかなかやりたくないというふうな御意見なんですけれども。そのコストがなぜ下がるものでないというのか、もう一度ちょっと説明をしていただいてよろしいですか。
#62
○大臣政務官(武村展英君) 歳入庁の設置がコストの削減につながるかどうか、その点についてだというふうに思いますが、もう既に申し上げましたとおり、そもそも対象者の重なりが八分の一なんですね。ということは、八分の七は、国税庁は対象者の八分の七の情報を持っていないということになるわけであります。したがいまして、両者を統合した際のシナジー、それがそれほど大きくないのではないかというふうに思います。
 あわせまして、今、また重ねて申し上げますけれども、年金保険料と税の基本的な性格が異なりますことから、制度が異なっています。時効でいいますと、税は時効が五年、保険料は二年ということであります。それから、優先徴収権ということで、この優先順位でいいますと、国税があって、その次に地方税が、その後に保険料の徴収権があるということでございまして、これは実務上も同時折衝を行うのは問題が生じる、そういったケースもあるというふうに認識をしております。
#63
○東徹君 その八分の一というのは対象者の話ですか、対象者。要するに、何が八分の一で何が八分の七なのか、ちょっとそこを詳しく。
#64
○大臣政務官(武村展英君) お答えをいたします。
 これは国税庁の推計なんですけれども、国税庁が確定申告によりまして継続的に所得情報を把握しているものは保険料の対象者の八分の一であるというふうに推計をしているところでございます。
#65
○東徹君 ちょっともう一度その辺のところ詳しく、もう一度、八分の一と八分の七の対象者の人数とかですね、きちっと教えていただきたいと思いますので、また次回聞きたいというふうに思います。
 ちょっと時間がなくなってきましたので、今日通告しておりましたことについて先に質問させていただきたいと思います。
 財政検証についてですけれども、塩崎大臣の方からも、平成二十六年財政検証における経済前提は、平成三十五年度までは内閣府の試算に準拠し、平成三十六年度以降おおむね百年後までは経済、金融の専門家による客観的な議論を経て適切に設定したものというふうに答弁をしていただいておりましたけれども、駒村教授、慶応大学の方の著書の中を読んでも、本当にそうなのかなというふうに疑問を感じるところがありまして、これ、専門家による客観的な議論を経て設定したものと言えるのかどうか、そこを是非お聞きしたいというふうに思います。
#66
○政府参考人(鈴木俊彦君) 今御指摘ございました二十六年財政検証の経済前提でございますけれども、これ、まさに経済、金融その他の専門家の先生方にお集まりをいただきまして、約二年半にわたります専門委員会、それから検討班を重ねた結果の前提でございまして、そういう意味でいきますと、文字どおり、専門家の先生方によります客観的な議論を経て設定されたものというふうに認識をいたしております。
#67
○東徹君 その全要素生産性については、本当にこの数字が一体どうなのかと、この間の方も参考人質疑の中で高いというふうなことを御指摘をいただいておりました。
 財政検証では八つのパターンが掲げられておりまして、厚労省のモデルケースとして考えているケースE、百年後までは運用利回り四・二%というふうにされているわけですけれども、現在のGPIFの基本ポートフォリオは、日本国債など国内債券が三五%、トヨタ自動車など国内株式が二五%、米国債など外国債券が一五%、アップル社など外国株式が二五%となっており、そのうち国内債券に占める国債の割合が八〇%以上と、こう高くなっているんですね。
 仮に長期国債による運用利回り四・二%が達成できるという状況があるとすれば、すぐに我が国の財政破綻するのかどうかという危機的な状況に至ってしまうんじゃないかというふうに思うんですけれども、現在のポートフォリオでは達成することはできず、運用のかなりの部分を株式や外国債券で行わなければならないというふうに思うんですが、運用利回り四・二%を達成するポートフォリオをどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。
#68
○政府参考人(鈴木俊彦君) 財政検証によりまして、年金財政上必要な運用利回り、これを出しているわけでございますが、これは長期金利に分散投資効果を加えて算定するという方式を採用しておりますので、逆に申しますと、特定の基本ポートフォリオを前提として運用利回りを算定しているというわけではございません。
 その上で、どのようなポートフォリオということでございますけれども、ただいま申し上げたような形で目標となる運用利回りを設定いたしまして、先ほども御答弁申し上げましたが、中期目標の形で厚生労働大臣がGPIFに賃金上昇率プラス一・七%、これを確保するということを目標として示しております。
 ポートフォリオということで申しますと、この中期目標に基づきまして、GPIFが、想定運用期間二十五年間ということで、この年金財政上の予定積立金を上回る可能性が最も高いポートフォリオに見直しを行った、その中では、名目賃金上昇率プラス一・七七%、名目運用利回りで見ますと四・五七%を確保される、こうした見通しの下に現在の基本ポートフォリオに見直しを行ったということでございます。
#69
○東徹君 そうしましたら、運用利回り四・二%を達成するのに、株価、為替レート、これについて、二〇五〇年の株価と為替レート、現在の実質的価格から見てそれぞれどのような数値になるのか、お伺いしたいと思います。
#70
○政府参考人(鈴木俊彦君) これも結論から申し上げますと、具体的にそのようなことが実現いたします日経の平均株価とか為替レートといった個別の指標があるわけではございません。
 具体的に申しますと、この基本ポートフォリオの変更におきましては、債券でございますとか株式の期待収益率、これを設定をいたしまして、その収益率が確率的に変動するものといたしまして、リスクであるところの標準偏差あるいは相関係数を推定して設定をするということでやっておりますので、繰り返しになりますが、これが実現する場合の平均株価あるいは為替レートといった個別の指標について、特定の時点での具体的な数字というものはないわけでございます。
#71
○委員長(羽生田俊君) お時間ですのでおまとめください。
#72
○東徹君 はい。よく分かりました。また次回質問させていただきます。
 ありがとうございました。
#73
○森ゆうこ君 希望の会、自由党の森ゆうこでございます。
 平成十六年の改正の生き証人でございます。まあ、何ていったらいいのかな、デジャビュという感じですかね。行われている議論、そして野党からの指摘、あれから十二年たっているはずなんですけれども、全然変わっていない。あのとき我々は、何ていうのかな、前提が甘いというふうに指摘して、そしてきちんとした資料を出すようにとやはり言ってきたわけですけど、やっぱり甘かったんじゃないかと言わざるを得ないんですけれども、そうはいっても、いろいろ質問しなきゃいけないんで始めたいと思いますけれども。
 この年金に対する国民の信頼、これは制度に対する信用、いろんなものがあるんですけれども、その一つに、年金の記録の管理とそして給付、このシステムに対する信頼というものがあると思うんですが、今、年金記録システムの刷新についてはどうなっていますか。
#74
○政府参考人(伊原和人君) お答え申し上げます。
 年金業務のシステムのうち記録管理システムにつきましては、当初、平成十八年に業務・システム最適化計画を策定しまして、平成二十二年度までにシステムをオープン化することを目的としておりました。しかし、その直後に発生しました年金記録問題を受けまして、基本設計に再発防止のための業務プロセスを反映するといったような修正補完作業が必要となりました。
 さらに、平成二十三年にはこの基本設計の補完工程におきまして受託事業者の契約履行不能が明らかとなったために、改めて新たな事業者の下で基本設計の補完工程を完了させ、結果として平成二十五年辺りまで本格的な作業が進まないという経緯がございました。
 さらに、これに加えまして新たにマイナンバー制度というものが導入することになりまして、平成二十六年六月に業務・システム最適化計画を改定しまして当初のスケジュールを見直して、まずはフェーズ1として各制度共通の事務処理機能となるシステム開発に最優先で取り組む、その上で、フェーズ2として記録管理や適用徴収業務などの各業務システムの開発に着手するということになりました。
 このフェーズ1につきましては、昨年の不正アクセスによる情報流出事案の影響を受けまして一部変更がありましたものの、当初の予定どおり来年一月から、事業主から届け出される標準報酬や賞与に関する届出書類につきまして、業務処理のペーパーレス化や自動で記載漏れをチェックするなどのシステムを稼働させる予定となっております。
#75
○森ゆうこ君 お配りした資料一枚目なんですけれども、これまでの今御説明をいただいた経緯についてまとめていただきました。
 ただ、私と意見が違うところがありまして、二番目のその基本設計開始ということで、年金記録問題の発生によりというふうに書いてあるんですが、確かに年金記録問題もありました。しかし、最初の基本設計を開始して、もうできるというような時期に、基本設計ができたということで詳細設計に入るという段階でそれをオープンにして、そして意見招請を行った。ところが、その専門家から、この基本設計は完成していないんじゃないかという指摘が相次ぎました。
 私は、それについてかなり詳しく調べておったんですけれども、今日は詳しくは説明しませんけれども、そういうこともありまして、さらには年金記録問題の発生もありまして、改めて設計修正のための補完工程を調達したと。ここで三分割して発注しているんですよ。このこと自体が間違っていたのではないかという専門家の指摘もありますけれども。
 とにかく、要するに、ほとんどできていないということでいいんでしょう、橋本さん。
#76
○副大臣(橋本岳君) 何というんですかね、まず年金の業務システムについてのお尋ねで、これは現在動いているものがいわゆるレガシーと呼ばれるシステムでございまして、特定のベンダーが著作権を持っていたり、あるいは制度ごとにシステムが別々になっていて、それを一生懸命併せて運用しているわけですけれども、そういう意味で、効率的ではないとか、どうしてもコスト削減というものに限界があるとか、そうした課題があるから見直さなければいけないということでこれまでの取組を進めてまいりました。
 御指摘のように、その基本設計の修正のための補完をしようとしたら、それができていないということが後で分かったために、もう一回やり直しをするといったことがあったために、必ずしもそうしたプロセスが順調には進んでいるとは言い難いというのは正直なところだと思います。
 ただ、先ほど伊原審議官が答弁申し上げましたが、平成二十六年六月にその業務・システム最適化計画の見直しを行って、もう一回ちょっとその線を引き直しましてやり直しをしていこうと、改めて進めていこうというものが進んでいるわけでございまして、答弁があったように、今フェーズ1について始まるものが計画どおりに来年一月から始まる予定である、またそれ以降についても順次進めていくと、こうしたことで進めたいと考えております。
#77
○森ゆうこ君 何か進んでいるような答弁されていますけれども、それはシステムの刷新、最適化計画が本当に基盤のところから進んだと、ある程度できたというには程遠い内容だということは、橋本副大臣も御専門だというふうに伺いましたので、分かっていらっしゃると思います。
 そういうことで、今日は時間がなくて、私、説明する代わりにいろいろ資料を付けさせていただきましたので、皆さん是非御参考までに御覧いただければというふうに思いますけれども、恐ろしく古いシステムをそのまま使っている部分が大部分であると。もちろん、無理な発注をして、そして、いわゆるデスマーチみたいな感じで、いついつまでにやりなさいということを私言いませんけれども、でも、あれから十年たっているんですよ、最適化計画から。十年たってもできていない、これが現実ですよね。それはお認めになりますか。
#78
○副大臣(橋本岳君) 平成十八年に最初の業務・システム最適化計画というのを策定をいたしました。それからいろいろなことがございまして、もう割愛をいたしますけれども、平成二十六年にその計画の見直しをして、もう一回やり直そう、やり直そうというとあれですけど、進んでいるものはもちろん進めますけれども、今の……(発言する者あり)何というんですかね、改めて前に進めていこうということで見直しをしたわけでございますので、かつ、やはりこれまでレガシーのシステムでありましたので、ある意味で特定のベンダーにちょっと頼り過ぎていたというところが正直あったと思います。
 これをオープンにしていこうという見直しは必要ですが、ただ、そのために、例えば、仕様書を作るとかあるいは発注をする、プロジェクトマネジメントをする、そうしたもののノウハウが年金機構に余り、あるいはそれまでの社会保険庁になかったというのが正直あったということもあって、先ほど御指摘をいただいた調達がうまくいかなかったということが正直あったということは私たちも深く反省をしているところでございまして、体制の整備そのほか、そうしたことが起きないようにということで取り組んでおりますので、前向きに進めていきたいと、こう思っております。
#79
○森ゆうこ君 これ、マイナンバーのこととも関係するんですけれども、非常に大きな問題があるということをまた改めて質問をしたいというふうに思っております。
 百年安心の年金改革、私はあの場にいたわけですけれども、要するに、あのときの、平成十六年度改正の根幹であるマクロ経済スライドということについて総理が何もお分かりではなかったということが、その採決当日のこの委員会、亡くなられた山本委員の質問の中でそれが明らかになって、与野党問わず、この委員会にいた全員が一瞬凍り付いたんですよ。真っ青になったんですよ。それで、普通、強行採決は許せないんだけど、それでも質問権をきちっと確保した上で今までは強行採決もやってきた。でも、あのときは、共産党さん、社民党さん、そして何よりも国会議員として最後の質問に立とうとしていた西川きよし議員の質問を奪った。そういうとんでもない強行採決が行われたということでございます。
 そしてもう一つ指摘しておきたいのは、あのとき、重要な指標である合計特殊出生率、これを明らかにするべきだ、恐らくかなり低いんじゃないかということを再三山本議員が指摘されたんですけれども、結局明かさないまま、いわゆる甘い前提の下に試算をしたシミュレーションというか、それを基に平成十六年の改正案を提起されたということでございます。全然変わっていないと思いませんか、大臣。そのときの反省はないんですか。
#80
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の御提案申し上げている、御審議いただいているこの法案は、平成二十六年の財政検証に基づいて年金部会で議論をしていただいた上で今回提案をさせていただいているわけでございまして、そしてその前の、二十一年の財政検証の際にも既に、例えば、このデフレ下でのマクロ経済スライドの在り方などについても、これは一体改革として民主党政権時代に既に閣議決定もされていた課題があり、そういうこと、様々なことについて私どもとして答えを順々に出していくということで今回の法案を出させていただいているわけでありまして、この十六年改正から改正内容に何も進歩がないというようなことは決してないわけであって、今回も、ここの、特に参議院に来てからの議論ではいろいろな意味で議論が深まっているというふうに理解をしておるところでございます。
#81
○森ゆうこ君 あのときの最大の議論は、やはりマクロ経済スライドを基礎年金の部分に適用するのは、その年金の最低保障機能を更に弱めるのではないかという議論がやはり非常に大きなテーマでございました。やっぱり、基礎年金の部分をカットすべきではないということは、これは重要なテーマだというふうに思っております。
 私、この七月の参議院選挙で三年ぶりに当選をさせていただいて戻ってきたわけですけれども、その選挙戦のさなか、私こういうこと初めてでした、何回か選挙していますけど。駆け寄ってこられる方がかなりいらっしゃるんですよ。それで何とおっしゃるか。年金生活になったんだけど、こんなに苦しくなるとは思わなかった、本当に生活が苦しい、何とかしてほしい、そういうことを駆け寄ってきて訴える方が一人や二人じゃありませんでしたよ。それだけ最低保障機能、基礎年金、これが不十分であるということだというふうに思いますし、私はまずその部分を、先ほど来御指摘ありますように、その部分で国民の皆さんに安心していただく、そこを先にやるべきであって、百年安心って十年前に言っていたのに何で今またやるのという、こういうおかしな法案は撤回すべきだというふうに思います。
 それで、ちょっとAIJの問題についてやろうと思ったんですけれども、資料をお付けしておきましたので、皆さん後で御覧いただきたいと思います。
 AIJの問題で、投資残高のあった基金については、一言だけ局長に答弁いただきたいんですけれども、一応この被害に遭った基金も順調に解散の方向に行っているということでよろしいんでしょうか。
#82
○政府参考人(鈴木俊彦君) 今御質問ございましたAIJの関係のその基金でございますけれども、現在、順調にその解散あるいは存続に向けまして手続を取っております。それを支援するために、先生御案内のように、健全確保法案というものを制定いたしまして、政府としても必要な支援に努めているところでございます。
#83
○森ゆうこ君 そして、今おっしゃいましたその健全化法案の中で、この基金の解散等に支援をするというようなことが決められました。
 一番最後、十四ページの資料なんですけれども、これが社保審での企業年金部会で示された、今回の制度改正の背景と必要性等についてという文書なんですね。この中で、制度改正の背景と必要性という部分がありますけれども、近年、金融危機などにより金融市場の変動が非常に大きくなっていると、要するに、資産運用、非常にリスクが高いというふうなことが背景にあるというふうに説明をされております。これが厚生労働省としても基本的な考え方だというふうに思います。
 せっかくですから、GPIFの理事長さん今日来ていらっしゃいますので、こういう現状があって、基金の運用についてはなかなか難しいということが指摘されて機能強化法もできているわけですけれども、そういう認識の中で、これだけ巨額の年金資産を運用するという正当性、市場のリスクにさらしていくということについて本当に正当性があるのかということについての国民の素朴な質問に、疑問に、せっかくですからお答えをいただきたいと思います。
#84
○委員長(羽生田俊君) 時間でございますので、的確にお願いします。
#85
○参考人(高橋則広君) はい。
 実際の運用につきましては、短期の価格の上がり下がりということよりも、長期間保有できるわけでありますので、全体として優れた資産を幅広く持って、基本的にはその資産が生む収益、利息なり配当を中心に着実に長い目で見て資産を積み上げて次の世代に残したいというふうに考えております。
#86
○森ゆうこ君 おしまいです。
#87
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。よろしくお願い申し上げます。
 今日はまだ明るいうちの質問でございますので、ゆっくり質問させていただきたいと思います。
 GPIFの組織図、皆様方のお手元に準備をさせていただいております。私は、本当にこのGPIFの改革というものを絶対に成功させていかなければならないという信念の下、今日は高橋理事長、どんどん集中砲火のように済みませんけれども質問させていただきたいと思います。
 今回のガバナンス改革に当たって様々な組織というものも変わり、強化されていくと思っております。平成二十八年十月一日現在、百二名の職員というものが働いていらっしゃることを私調査してまいりました。今後、増員することもお考えでいらっしゃいますでしょうか。お願い申し上げます。
#88
○参考人(高橋則広君) 平成二十五年十二月の閣議決定でございます独立行政法人改革等に関する基本的な方針におきまして、「高度で専門的な人材確保ができるよう、職員数や給与水準の弾力化に加え、任期制・年俸制の導入を検討する。」ということで、それを踏まえまして、昨年四月に認可された中期計画に基づきまして、リスクの管理を体制を強化するなり、運用対象が多様化してまいりますので、この中期計画期間中に、今百二人の職員でありますが、これを百三十人程度の体制とすることを想定していまして、予算を計上していただいているところであります。
 この計画に基づきまして、十月一日までに、例えば運用の専門職員を十二名採用するなど、リスク管理や投資戦略の各分野における専門人材の確保を行ってきたところでありまして、今後とも計画を踏まえまして着実に採用を進めていきたいというふうに考えております。
#89
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 先ほども理事長、御紹介いただきましたように、証券アナリスト三十八名、そしてMBAを取得なさった方が十六名ということで、更に専門的な知識を持たれた方の必要性というものは私も感じておりますが、実際に、私も金融の中で言わば産業医というものをいたしておりまして、本当に今そういった金融の中でヘッドハンティングというのが厳しい状況でございますよね。より良く稼げ、そしてより良い目利きと言われている方々は、より高いお給料を提示されて、いい企業に移っていく。実際に、このGPIFは国家公務員の給与に準じたような形で給与体制が組まれております。本当にこれでいい方々というものが採用できるのかどうなのかという不安を一方で私抱えておりますし、だからこそそのGPIFの中でもっともっと人材育成もしていくべきだと考えておりますけれども、理事長、御意見いただけますでしょうか。
#90
○参考人(高橋則広君) 先生御指摘のように、高度で専門的な人材を採用するためには給与水準の弾力化というものは図ることが必要であるというふうに考えておりまして、先ほど申し上げました平成二十五年十二月の閣議決定であります独立行政法人改革等に関する基本的な方針におきまして、役職員の給与につきましては、高度で専門的な人材確保ができるよう、給与水準の弾力化を検討するということとされまして、給与体系の見直しが求められていたところであります。
 このため、第三者的な観点から、マーケット、市場の報酬水準を勘案して改正を行うよう専門のコンサルタント会社を活用し、その提言に即しまして昨年一月一日に給与体系の見直しを行っております。
 この見直しにおきましては、高度で専門的な知識、経験及び識見を活用して遂行することが必要とされる業務に期間を限って従事する職員として運用専門職員という区分を新設いたしまして、その給与水準につきましては、人材を確保するという観点から市場水準の報酬額を設定いたしまして、さらにその水準に幅広いレンジを設定いたしまして、採用する人材に対応した柔軟な対応を可能としているところであります。
#91
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 先ほどもちょっと触れましたけれども、そのような柔軟な給与体系の中で、じゃ、その中でどのような人材を育成していくのか、これは大変重要なところだと思っております。
 先日、私も参考人質疑の中で質問させていただいたんですけれども、どういった人材が必要なのか。お二人の先生が同じことをおっしゃったんですね。結局、目利きと言われている方々というそういう教育をするよりも、命に関わる年金という公金を預かっているんだという、血の通った運用ができる方というものを絶対に育成をしていかなければ今後間違ってしまうだろう。そして、日本年金機構の中で、一生懸命徴収をして回っている皆様方がいらっしゃる、しかし一方では、大変お高いビルの中でただお金を回しているだけだと。やはりここをしっかり結び付けていって血の通ったお金というものを実感してもらう必要もあるのではないかという御意見をいただいたところでございますけれども、理事長の御意見をいただけますでしょうか。
#92
○参考人(高橋則広君) 先ほども申し上げましたが、誠にそのとおりでありまして、我々、運用しているお金というものは被保険者の方々からいただいた貴重な財産でありまして、それを長期に安定的に運用いたしましてその成果を次世代に還元していく、それに尽きるというふうに思っております。
 そのためには、先ほど申し上げました行動規範なり、私個人だけではなくて、GPIFの役職員全員がそういった使命にきちんと立ち向かっていくということをきちんと認識して運用に当たりたいと考えております。
#93
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 理事長、この場ではお答えしていただけないかもしれませんけれども、人事交流のような形でしたり、やっぱり現場を見ていただくような機会というものを多く設けていただきたいんですが、いかがでいらっしゃいますでしょうか。
#94
○参考人(高橋則広君) 先ほど申し上げましたとおり、何よりも被保険者の利益に資する、被保険者のために積立金を増やすという形の中で、必要に応じましていろんな識見、経験を外部の方々から学ぶ、あるいは実際に生活している方々がどういった形、どういった気持ちでおられるのかということもきちんと組織の中で認識するということを努めていきたいというふうに考えております。
#95
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 実は先日、私、この委員会の中でもESG投資について質問させていただいたところでございました。やはりこのESG投資というもの、将来的にも、長期的に見たときに有効な、株式というものを運営していく上でもとても重要な指標になるというふうに考えております。
 これにつきまして、いわゆる社会的役割というようなものも少しは付加されてきて、日本全体のガバナンスというものも今回のこのESGの指標によって示されるのではないのかなというふうに思っております。その辺りのことも理事長の御意見をいただきたいと思いますが、いかがでいらっしゃいますでしょうか。
#96
○参考人(高橋則広君) GPIFにおきましては、金融庁が機関投資家の果たすべき責任をまとめましたスチュワードシップ・コードを平成二十六年五月に受け入れますとともに、その活動の一環として、平成二十七年九月に国連が機関投資家に対し、投資に当たっての環境、社会、ガバナンスのいわゆるESG要素を考慮するということを提唱いたしました国連の責任投資原則、PRIに署名したところであります。
 先生御指摘のとおり、近年、欧米を中心といたしましてESG投資が普及してきておりますが、その背景には、ESGの要素に問題を抱えている企業というのは中長期的に見るとその企業自身がリスクを抱えておりまして、これらを改善することで企業の中長期的な企業価値が向上し、持続的な成長につながるという考え方があろうかというふうに考えております。
 したがいまして、長期の投資家として、GPIFはこういった観点から世界中の企業に幅広く投資をいたしておりますが、そういった意味では、ESGの要素を考慮した投資を行うということは、先ほど申し上げましたとおり、被保険者の利益につながる、中長期的な投資リターンの向上につながるというふうに考えておりまして、今後とも積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 なお、GPIFは専ら被保険者のために、被保険者の利益のために運用を行っておりまして、被保険者の利益を離れて他の目的の実現のため投資を行うということはなかなかできないことでありますので、あくまで被保険者の利益になる範囲内でこういったESGに取り組むということが前提であろうかというふうに考えております。
#97
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。そのための調査研究も今後進めていただきたいと思っております。
 今度、経営委員会というものが新たに設置されます。その経営委員会の意思決定を迅速に行う必要性も出てまいります。一体どのくらいの頻度でこの経営委員会というものを開催なさるおつもりなのか、そしてあわせて、その議事録の公開であったり、GPIFの情報開示の在り方について、局長、どのようにお考えか、教えていただけますでしょうか。
#98
○政府参考人(鈴木俊彦君) 経営委員会でございますけれども、これは法人の重要な方針の決定、あるいは執行部の監督という役割を持つことになります。そこで、定期的に開催することを基本といたしまして、必要に応じて随時開催すると、これが基本でございます。
 この頻度でございますけれども、これは、ただいま申し上げました経営委員会の設置趣旨、あるいは、現在運用委員会がございますけれども、これが月一回程度開催されているといった状況、こういったことを踏まえて今後検討してまいりたいと考えております。
 それから、議事録の公表でございますけれども、これは、今回の改正案の中には一定期間経過後に速やかに公表する、こういった旨の規定を置いてございます。じゃ、具体的に一定期間ということでございますけれども、これは、法案が成立いたしました後に社会保障審議会でも御議論いただいて、省令で決めるという枠組みでございます。
 現在の運用委員会の取組、あるいは日本銀行その他のほかの法人の事例も参考にいたしまして、議事要旨というものは速やかに公表してまいりたいと思っておりますけれども、議事録につきましては、マーケットに与える影響等も踏まえまして、やはり一定期間経過後に公表していくことになるだろうというふうに考えております。
#99
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 理事長、そのように、やはりマーケットというものに与える影響というものもこれからは勘案していかなければならないと思いますけれども、GPIFの基本ポートフォリオなどに係る意思決定というものがなされた場合、会見は行われるんでしょうか。そして、そのガバナンスの透明性確保、市場への影響というものも私としては留意していただきたいと思っておりますけれども、御意見をいただけますでしょうか。
#100
○参考人(高橋則広君) 御指摘のとおり、GPIFは国民から預かった保険料を原資として運用しているわけでありまして、その業務の透明性を確保するということは非常に大切だというふうに考えております。このため、GPIFにおきましては、平成二十六年度の基本ポートフォリオの変更に当たっての理事長による記者会見、運用状況につきましてホームページやユーチューブ、ツイッターなど様々な媒体で分かりやすく公表すること、運用委員会の議事録や議事要旨、資料の公表、さらにはGPIFの保有する全銘柄の公表といった様々な形で情報の開示ということを進めているわけであります。ただし、一方で、具体的なGPIFの投資行動なり投資戦略に関わる情報につきましては、その開示によっては市場への影響等も考えられますので、これらの情報につきましては開示に当たって慎重な配慮も必要になるというふうに考えております。
 お尋ねの基本ポートフォリオ等に係る重要な意思決定につきましては、今後もこれまでと同様に、市場への影響を配慮しながら、国民の方々に御理解いただけるよう丁寧に説明をしていきたいというふうに考えております。
#101
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 そのためにも三年の見直し規定というようなものも入っていると私は認識をいたしております。
 大臣、お尋ねをさせていただきたいと思います。このように、この見直しに当たって、どのような観点で運用状況、運用結果というものを今後モニタリングをしていらっしゃるんでしょうか。そして、経営委員会、監視委員会もしっかりと関係した上で適切にPDCAサイクルというものを回していかなければならないと思いますけれども、大臣の御所見をいただけますでしょうか。お願い申し上げます。
#102
○国務大臣(塩崎恭久君) GPIFは独立行政法人でいくということでございます。主務大臣の責任の下で、この独立行政法人というのは、中期目標、それから中期計画、これを策定をして、法人評価などの仕組みを通じてPDCAサイクルを有効に機能させるということで目的を達成するということになるわけでございますが、この仕組みに加えて、今回の法案によって、経営委員会が法人の重要な方針を決定をする、そしてその方針に基づいて執行部が業務執行を行う、そして経営委員会が、常勤の監査委員による日常的な監視などを通じて、監査委員会と連携する形で経営委員会が定めた方針に基づいて適切に業務執行が本当に行われているのかということを見ていく、監視する、その結果を経営委員会の執行部に対する監督やその後の重要方針の審議、決定に反映をさせて法人運営の改善につなげていくという、言わば新しいPDCAのサイクルを回していくことで法人内の有効な機能というものを実現していくということでございます。
#103
○薬師寺みちよ君 以上で終わります。よろしくお願い申し上げます。
#104
○委員長(羽生田俊君) 以上で参考人等に対する質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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