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2016/12/13 第192回国会 参議院 参議院会議録情報 第192回国会 厚生労働委員会 第13号
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2016/12/13 第192回国会 参議院

参議院会議録情報 第192回国会 厚生労働委員会 第13号

#1
第192回国会 厚生労働委員会 第13号
平成二十八年十二月十三日(火曜日)
   午前十時八分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月十二日
    辞任         補欠選任
     朝日健太郎君     木村 義雄君
     藤木 眞也君     藤井 基之君
     古賀 之士君     石橋 通宏君
     森 ゆうこ君     福島みずほ君
 十二月十三日
    辞任         補欠選任
     木村 義雄君     今井絵理子君
     川合 孝典君     平山佐知子君
     宮崎  勝君     三浦 信祐君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         羽生田 俊君
    理 事
                島村  大君
                そのだ修光君
                高階恵美子君
                足立 信也君
                山本 香苗君
    委 員
                石井みどり君
                今井絵理子君
                小川 克巳君
                太田 房江君
                木村 義雄君
                自見はなこ君
                馬場 成志君
                藤井 基之君
               三原じゅん子君
                宮島 喜文君
                石橋 通宏君
                川合 孝典君
                川田 龍平君
                平山佐知子君
                牧山ひろえ君
                熊野 正士君
                三浦 信祐君
                倉林 明子君
                東   徹君
                福島みずほ君
               薬師寺みちよ君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  橋本  岳君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       馬場 成志君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      原  宏彰君
       内閣府子ども・
       子育て本部審議
       官        小野田 壮君
       厚生労働大臣官
       房年金管理審議
       官        伊原 和人君
       厚生労働省職業
       安定局雇用開発
       部長       坂根 工博君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       吉田  学君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    定塚由美子君
       厚生労働省年金
       局長       鈴木 俊彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○公的年金制度の持続可能性の向上を図るための
 国民年金法等の一部を改正する法律案(第百九
 十回国会内閣提出、第百九十二回国会衆議院送
 付)
    ─────────────
#2
○委員長(羽生田俊君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、古賀之士君、森ゆうこ君、朝日健太郎君及び藤木眞也君が委員を辞任され、その補欠として石橋通宏君、福島みずほ君、木村義雄君及び藤井基之君が選任されました。
 また、本日、宮崎勝君が委員を辞任され、その補欠として三浦信祐君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(羽生田俊君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省年金局長鈴木俊彦君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(羽生田俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(羽生田俊君) 公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案を議題とし、これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○川合孝典君 おはようございます。民進党の川合孝典です。
 総理、おはようございます。本会議での代表質問に引き続きまして、本日は直接総理とやり取りをさせていただくことを大変楽しみにやってまいりました。
 私どもは、今回のこの法律改正、年金の持続性を高めるために法律を改正するという、その趣旨自体には賛成をいたしております。年金制度は現在の受給者の皆様を守らなければいけませんが、と同時に、将来世代に対してもその責任を負わなければいけないという意味では、今できることをきちんとやらなければいけないという意味では、政府の皆様とも私どもも認識は共有をさせていただいているところだと思います。
 ゆえに、我々参議院では、無用な世代間の対立を招くような発言は極力避けて、内容に特化して、政策の中身についての議論をこれまで深めさせていただいてまいりました。
 質問入らせていただきます前に、たった今、理事会協議で頂戴した資料が私の手元に届きました。これは、さきの厚生労働委員会で私どもの議員である石橋議員の方から資料要求した内容でございます。その内容というのは、過去二十年間の物価、賃金の実態に合わせた試算を行った年金額が一体どうなるのかということについての資料要求でありました。
 そこにはこう書かれております。私どもがこの問題に非常に注目しておりますのは、今回この年金の額を切り下げるという措置に関して、その前提となっている物価やまた賃金が今後、将来百年間にわたって上がり続けるという大変バラ色のような試算に基づいて計算されているからでございました。実際に、二〇〇〇年以降だけでも、賃金の下落、物価の下落というのは幾度も幾度も繰り返されてきているわけでありまして、したがいまして、今後この法律が改正されることによって、賃金が上がり続ける、物価も上昇し続けるということを前提として計算をしてしまいますと、将来世代が思いもよらないほど低い額の年金を受け取ることにもなりかねないからであります。
 ゆえに、私どもとしましては、この実態に合わせた試算を出してくれと申し上げたわけでございますが、残念ながら、政府としては、物価、賃金共にプラスとなる経済を想定し、その実現に向けて全力で取り組んでいることから、お求めのように、将来において過去二十年間などと同じパターンで物価、賃金が推移することを前提とした試算を行うことは差し控えたいと。つまり、実態にマッチした試算は出さないという実は資料を頂戴しました。
 一週間以上前に委員会で質問をさせていただいた折に、検討しましょうといって期待を持たせておいて、いよいよ会期末をあしたに控えた状況の中でやはり資料を出さないというのは、これはどう考えてもおかしいと思いますが、この点について、是非御意見をお聞かせいただきたいと思います。
#7
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 財政検証では、いずれも賃金、物価は上昇するとの前提であって、マイナスの試算は行っていません。これらの前提は、経済、金融の専門家による客観的な議論を経て適切に設定されたものであり、合理的なものと政府としては考えております。
 安倍政権ではもとより、何よりも重要なことは強い経済をつくっていくことであり、そのため、デフレから脱却をし、賃金上昇を含む経済の再生に全力で取り組んでおります。お尋ねのような賃金が物価よりも低下する状況を前提とした計算を行うことは考えていないというのは従来から申し上げているとおりでございます。
 今回の見直しは、そもそも不測の経済状態に備えるものであり、そのような前提で長期的な試算を行うことは考えてはおりません。
#8
○川合孝典君 落胆いたしました。
 お手元にたまたま資料をお配り申し上げております。前回の委員会のときにもお配りした資料でありますが、これ、前回の法改正以降の賃金、物価の状況について示した表でございます。黒塗りの部分、これ、物価、賃金が下落しているという状況でありまして、僅かこの期間内だけでも七回、実は賃金、物価が下落している状況にございます。
 そうした状況を踏まえずに、頑張るから、だから試算は甘くていいという理屈はどう考えても通じないと思うんですが、いかがでしょうか。もう一度御答弁をお願いします。
#9
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは同じ答弁になるわけでございますが、そもそも、今申し上げましたように、我々は、このデフレから脱却をしという政策を進めている中において、もはやデフレではないという状況をつくり出すことには既に成功しているわけでございます。さらに、デフレから脱却をし、賃金が着実に上昇するという、そういう経済をつくってまいりたいと、このように考えているわけでございまして、賃金が物価よりも低下する状況を前提とした計算を行うことは考える必要がないだろうと、このように考えている次第でございます。
#10
○川合孝典君 これ、与野党でもめる目的でこれを申し上げているわけでは私はございません。今回のこの賃金、物価の実態に合わせた形でのきちんと試算を行わないと、手計算しただけでも、現在の基礎年金、老齢基礎年金の金額がおよそ二割から三割、実態に合わせて計算すると減るという試算も実は出てきてしまっているわけであります。
 大切なことは、この経済前提が崩れてしまいますと、将来世代がその財政的なツケを払わなければまたいけなくなるわけであります。今を乗り切るだけのために今の国民の皆様に誠実に説明をしない姿勢というのは私はいかがなものかと思いますが、改めて御答弁をお願いします。
#11
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに今回の改定は持続可能性を高めるものであり、様々なケースに対応したものを既にお示しをしているところでございます。一方、今要求をしておられるこの試算というのは、賃金が物価よりも低下する状況を前提として、それを前提として、それがずっと続くということを前提としてこれは試算をするという、そういうものは、その試算については我々は必要がないと、こう考えている次第でございます。
 しかし、いずれにいたしましても、今回の我々の改正によって様々なケースにおいてそれに対応して給付と負担を調整する仕組みにしているところでございまして、そういう意味におきましては、国民の皆様にしっかりと説明をしているところでございますし、国民の皆様に対する責任を果たしていると、このように考えているところでございます。
#12
○川合孝典君 実態に合わせた試算を行わないがゆえに正確な説明が今できていない状況にあると私は思っております。
 きちんとした試算、将来推計を行って、その試算に基づいて次回の財政検証にきちんと生かしていくというのが本来誠実なあるべき姿なんだと思いますが、厚生労働大臣、どう思われますか。資料を出していただけないんでしょうか。
#13
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、総理から御答弁申し上げているように、私どもは物価、賃金共にプラスになる経済を目指していますし、半ばその実現にも結び付いてきているわけでございまして、大事なことは、大事なことは、今回の御提案を申し上げている手だてを打たなければ、足下の所得代替率で見た給付水準というものが上昇してしまって、将来の世代が受け取る年金の水準、つまりこの代替率が下がってしまう、予定よりも。この構図は変わらないわけであって、私どもは、これを解消して、代替率が上がらないようにするための、万が一に賃金が下がったときのルールを今回申し上げているわけであります。
 衆議院において既に井坂試算に対して私どもは私どものルールを当てはめた場合のこの十年間の数字というものをお出しをしたわけであって、この構図は変わらないわけでございますので、先ほど総理が答弁したとおり、私どもとしては、やはりこの仕組みを導入することが大変大事であり、そして何よりも強い経済をつくっていくということが大事で、賃金、物価が上がり続ければ、これはこういうようなルールは当てはめることがないわけでありますので、そこのところを御理解を賜りたいということを申し上げているところでございます。
#14
○川合孝典君 しきりにその将来の所得代替率のお話をされますけれども、この経済前提が狂っていると将来の所得代替率も変わってしまうんですよ。我々が一番危惧いたしておりますのは、持続可能性を高めるということと同時に、将来世代の皆さんも含めて、基礎年金、老齢基礎年金、受け取った年金で最低限の生活ができる水準が守られているかどうかということを私どもは問題視しているわけでありまして、今の答弁では全く答えになっていないと思います。是非資料を出していただきたいと思います。
#15
○国務大臣(塩崎恭久君) これはもう繰り返し衆議院段階でも、そしてまたこの参議院の厚生労働委員会でも申し上げてきたとおりで、今繰り返し申し上げたわけでございますけれども、今回の改定ルールを早期に適用し将来の年金額の上昇幅を大きくするということが大事なことでございますので、この将来世代の年金額の確保というものをしっかりとするために是非今回のルールについて御理解を賜りたいというふうに思うところでございます。
#16
○川合孝典君 改めて申し上げますが、前回、平成十六年度、百年安心といって年金の改正を行われたときにも、こうした非常に甘い経済前提に立った検証が行われました。その結果、僅か数年後にはその理屈が破綻してしまっているわけであります。今回またこれ同じことをやってしまいますと、近い将来また同じことが繰り返されることになるんです。こうしたことが国民の皆様の公的年金に対する信頼を失わせる最大の原因になると思うんですよ。何とかここを、資料を出していただきたい。よろしくお願いします。出すと言ってくださいよ。
#17
○国務大臣(塩崎恭久君) 今日、先ほど御説明をいただきました私どもの方から委員会の理事会の方に提出をさせていただいたものに書いてあるとおり、将来において過去二十年間などと同じパターンで物価、賃金が推移することを前提とした試算、これをやれというのが石橋委員からの御下命でございました。
 過去二十年と同じパターンでいくということを我々想定した経済政策を運営しているわけでは全くないわけでございますので、このような試算を出すことはなかなか難しいということを申し上げているわけでございます。
#18
○川合孝典君 今大臣おっしゃいましたけれども、石橋議員からの要求は、日本のこれまでの景気変動、物価、賃金上下落の状況、それを踏まえて今後同じようなトレンドがもし繰り返されたとき、景気循環、賃金循環、そのときに一体この法案の賃金・物価スライドの導入がどういう効果をもたらすのか、それをシミュレーション資料として出していただきたいと、こう言っているわけであります。
 全くこれ、それに応えていない内容なんですけれども、もう一度御答弁をお願いします。
#19
○国務大臣(塩崎恭久君) 石橋委員からの、過去二十年と同じパターンで物価、賃金が推移するという、今日、川合委員からもお配りをいただいた、私どもが出しているものでございますけれども、このパターンでやってみろというのは、いささか将来推計としては根拠に乏しいのではないかというふうに思いますし、そのようなことよりも大事なことは、ちゃんと賃金が仮に万が一低下をしたときのやるべきことをやらないと、将来世代の年金の受取が代替率で見て減ってしまうということを申し上げているわけでありますので、その構図は全く変わらないということでありますので、そこのところを御理解を賜りたいということを申し上げているわけでございます。
#20
○委員長(羽生田俊君) じゃ、速記を一旦止めてください。
   〔速記中止〕
#21
○委員長(羽生田俊君) 速記を起こしてください。
 それでは、今の資料につきまして年金局長から御説明をお願いいたします。
#22
○政府参考人(鈴木俊彦君) 今先生お求めの資料でございますけれども、理事会に提出いたしましたこの資料のとおりでございますが、これは、将来につきましていろいろな前提を置くということは、今政府がデフレ脱却を全力で挙げているということ、それから、将来につきましていろいろな前提を置く場合にも様々な専門家のしっかりした検討が必要であること、これについては従来から御答弁申し上げてきたとおりでございます。
 この考え方に立ちまして、したがって私ども、今できる最善の策といたしまして、これを過去に、まさに石橋先生も、過去二十年と同じようなことが起きたらどうなるのかということでございましたので、過去に当てはめたところ、今回の御提案を申し上げている改定ルールの構造と効果が分かったわけでございます。
 これはあくまで過去ということでございますけれども、足下の水準の上昇が抑えられれば将来の水準の低下が防がれるということでございまして、これは過去であろうが将来であろうが変わらないということは分かったわけでございます。
 その上でさらに、このルールを早く発動すれば発動するほど効果があるということもまた分かったわけでございまして、したがいまして、お求めのこの法案の効果、国民の方々がどのように予測をするかという点については、これでお答えを申し上げているというつもりでございます。
#23
○川合孝典君 賃金上昇目標、物価上昇目標、それぞれ、内閣官房と、それから物価上昇の目標については、日銀の物価安定目標として設定されている数字にそのまま当てはめた形でこれ設定されているわけであります。
 政府がそういう形で経済を強くしていこうと、景気を良くしていこうとお取組をされること自体については何ら否定するものではありません。その方がいいわけであります。
 が、しかしながら、甘い推計に立って今後のシミュレーションを行ってしまいますと、結果的に国民の皆様、被保険者の方々が受け取る年金の額が大幅に変わってしまうということ、このことが公的年金制度が持つ最低保障機能を阻害してしまうということを恐れているんです。だから、きちんとした資料を出しましょうと言っているわけでありまして、今の答弁では、とてもじゃないですけれども、我々は納得できませんし、国民の皆様の公的年金制度に対する信頼も回復しないと思います。いかがでしょうか。
#24
○政府参考人(鈴木俊彦君) ただいまも申し上げましたけれども、国民の皆様方に御判断いただく材料といたしまして、これは取りも直さず、過去実際に起きた経済状況、ここに私どもの今回の改定ルールを当てはめた、その結果どうなるかということが明らかになったわけでございます。かつ、この構造は、財政計算上、将来に当てはめてもこの構造効果自体は変わらない、この今回のルールを早く発動すればするほど将来の給付水準の確保につながる、こういうことも従来から御答弁を申し上げているとおりでございまして、以上でもちまして、実際に起きたことを根拠といたしまして、今回のルールを当てはめた場合の効果、これが国民の皆様にも御理解いただけるようになっているというふうに考えているところでございます。
#25
○川合孝典君 将来、賃金、物価がどういうふうに推移するのかをきちんと出してほしいと言っているのは、政策目標からこの手の試算というのは常に中立でなければいけないからなんですよ。そこに恣意的に政策目標が入って前提が変わった瞬間に、出てくる数字も劇的に変わってしまうわけです。だから、将来の推計というものをこれまでの実態、トレンドに合わせて計算したらどうなるのかということを言っているわけであります。
 是非、委員長、出すように言っていただきたいと思いますが。
#26
○委員長(羽生田俊君) では、今の件につきましては理事会で協議をさせていただきます。
#27
○川合孝典君 きちんとした数字を、試算を出していただけないと今後の議論ができないということを申し上げております。出すとおっしゃってください。(発言する者あり)
#28
○委員長(羽生田俊君) 速記を止めてください。
   〔午前十時三十分速記中止〕
   〔午前十時四十分速記開始〕
#29
○委員長(羽生田俊君) 速記を起こしてください。
 暫時休憩いたします。
   午前十時四十分休憩
     ─────・─────
   午前十一時四分開会
#30
○委員長(羽生田俊君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#31
○川合孝典君 先ほど、自民、民進の国対委員長会談が行われまして、資料について、将来推計について実態に即した資料を御提出いただけるということの確認ができたという連絡が入りました。
 そこで、確認の意味でもう一度申し上げたいと思いますが、石橋議員からは、過去二十年、四十年間の実態を踏まえて将来の推計をこれから出していただくということがそもそもの要望でございましたが、これ、きちんとお出しいただけるとお約束をまずいただきたいと思います。よろしくお願いします。
#32
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど原則は申し上げたとおりでございますけれども、今、様々御議論がございました。また、御指摘もいろいろございました。今後、経済前提の設定に当たっては、今いただきました御指摘を踏まえて、一時的に賃金上昇率がマイナスとなるようなケースも含めて様々なケースを想定した前提の設定について、金融、経済の専門家にも御相談をしながらお示しをしていくようにできればというふうに考えているところでございます。
#33
○川合孝典君 できればでは困るわけでございまして、いつまでにきちっとした推計値をお出しいただけるのかという、このことだけについての要求でございますので、いつまでにこれ出すということをおっしゃっていただければ結構なんですが、もう一度お願いします。
#34
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、今申し上げたように様々なケースを考えながら、そして今お話し申し上げたように、一時的に賃金上昇率がマイナスとなるようなことを含めて、そういうケースを含めてお出しをしたいと思いますが、今すぐこの場でと言われてもあれなので、できるだけ速やかにお出しをしたいというふうに考えます。
#35
○川合孝典君 速やかにというのは年内ぐらいということで考えてよろしゅうございますでしょうか。
#36
○国務大臣(塩崎恭久君) 最善の努力をいたしたいというふうに思います。
#37
○川合孝典君 それと同時に、もう一つお願い申し上げたいのは、今後財政検証を行うに当たってもそうした実態に合った形での検証をきちんと行っていただきたいと私は常識として考えるんですが、その点についても確認をさせてください。
#38
○国務大臣(塩崎恭久君) 次期財政検証につきましては、この参議院の厚生労働委員会でも様々な御指摘もいただいております。特に、この給付の十分性のような問題についてもそうでございますので、経済前提の設定というのがいろいろ議論になっていますが、私どもとしても、一時的に賃金上昇率がマイナスになるようなケースをこの次期財政検証においても含める形で様々なケースを想定をして、幅広い前提の設定について、これは、金融、経済の専門家にいつも一緒に議論していただいていますから、そういう中で客観的に御議論をいただきたいというふうに考えるところでございます。
#39
○川合孝典君 是非、その政策目標とは別に、中立性をきちんと担保した形でこの検証というのをお願いを申し上げたいと思います。
 もめたくてこれをやっているわけではなくて、あくまでも我々としては、実態が今後どうなっていくのか、その社会経済の実態に合わせて推移していったときに将来世代の皆様の年金が一体幾らになるのか。努力されるのは当たり前のことでありますし、そのことを否定するつもりなんか一切ないんです。ただ、今回の推計でいきますと、将来、えっと驚くほど年金の水準が下がってしまうことが懸念されるという、このことを御指摘させていただいておりますので、そのことだけは確認をさせていただきたいと思います。
 では、次、参りたいと思いますが、一点、申し訳ありません、指示が参りましたので、この資料の提出の時期の問題について一点だけ確認をさせていただきたいんですけれども、私ども、この推計の資料が今後いつあるか分からない解散・総選挙後に出てくるのではないのかということを懸念する声がございますが、そうしたことはないということで理解させていただいてよろしゅうございますでしょうか。
#40
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、解散・総選挙を言われても、それはお隣におられる総理が決めることでございまして、先ほど申し上げたことは、この検証に当たって、次期財政検証もそうでございますし、年内を目指して最善の努力をするということを御提出について申し上げたわけでございますが、これは元々、経済前提につきましては、これは百年の平均の数字として我々は前提を置いていて、それを、言ってみれば百年間を過去の二十年と同じように、失われた二十年のままであと百年いきますと言われてもなかなかできませんよということを申し上げてきております。
 そういう意味で、まあ解散の時期はともかく、私どもも計り知れないところでございますので、先ほど申し上げたように、年内にということでございましたから、私どもとしてはそれをきちっと、最善の努力を尽くしてそれに間に合うようにいたしたいと、このように考えておるところでございます。
#41
○川合孝典君 今後、将来百年にわたってどうなるのか、確かに誰も分からない話であります。
 もう一度だけ確認をさせていただきますけれども、私どもが問題意識を持っておりますのは、今後百年間の賃金上昇が〇・八%から二・四%上昇するというのが今後百年間のトレンドとして推計されている幅なわけであります。それに対して、直近の過去十年、二〇〇〇年以降の賃金上昇率がマイナス〇・二三%なんです。
 この数字を見ておきながら、将来にわたってそれだけ高く上がっていくという推計をするということが、誰がどう考えても甘いのではないのかということで、何度も何度もこの指摘をさせていただいているわけでありまして、勘違いのないように重ねて申し上げますけれども、もめるためにやっているわけではなくて、我々は国民の皆さんの将来に責任を持たなければいけないから責任を持って推計をして、その推計に基づいて、私は最悪の状況をシミュレーションした上できちんと、どう対応するのかということが議論なされるべきだと思っておりますし、そのために私どもは参議院で冷静に冷静に政策の中身の議論をさせていただいてきたわけであります。にもかかわらず、こんな資料が出てきたから、今回残念ながらこういうことになってしまったわけであります。
 今回、年内めどに頑張って出していただけるという御回答をいただきましたので、是非ともこの問題、この点についてはきちっと御対応をいただきたいと思います。
 それと、もう一つ、今回のこの試算、今後、三年後には財政検証がもう一度、五年おきの財政検証が行われることになります。この財政検証には是非この試算の数字というものをきちんと反映させるという形で御対応いただくことをお約束をいただきたいんですけれども、これもよろしくお願いします。
#42
○国務大臣(塩崎恭久君) 次期財政検証については、先ほど申し上げましたけれども、様々なケースを考え、これまで以上に幅広い議論ができるようなことをやれればというふうに考えております。したがいまして、今御指摘のように、今回のような一時的にせよ賃金上昇率がマイナスになるようなケースも含めて、是非専門家の客観的な議論をいただけるように、次期財政検証でそのようなものをきちっと示せるようにしてまいりたいと考えているところでございます。
#43
○川合孝典君 是非頑張っていただきたいと思います。
 それと、もう一点確認をさせてください。
 次回の財政検証、三年後、まあ二年数か月後ということに迫っているかと思いますが、今回のこの賃金・物価スライドの導入というのは五年後ということになるわけであります。したがいまして、新しい財政検証が行われた後でこの賃金・物価スライドが動き始めるということになりますので、二年後のその賃金・物価スライドが発動する時期にはその財政検証の結果というものは反映されるのかどうか、ここを確認させていただきたいと思います。
#44
○国務大臣(塩崎恭久君) いつものことでございますけれども、これは、五年に一遍の財政検証は、まさに検証のためにありますから、それぞれやはり先を考える際には財政検証をベースに考えるということになろうかというふうに思います。
#45
○川合孝典君 ということは、賃金・物価スライドが二年後に行われるということは、最新の財政検証結果を踏まえて対応を図られるという理解をしてよろしいでしょうか。
#46
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、法律改正をお願いをしているわけでございますので、法律が成立をすれば法律に定められたとおりにやることになりますが、絶えず、財政検証は検証のための検証でございますので、その先をどうするかということは国会でまた御議論も賜りながら、どういうふうにするかは、法律改正が必要なのか必要じゃないのか、こういうことも含めて考えるのが財政検証だろうというふうに思いますので、今、三十三年にスタートするというふうな形に法律に入れ込んでいる、これがそのまま発動しないとかいうようなことは法律上あり得ないので、法律は法律として御審議を賜って成立をお願いをし、それを受けて財政検証が今度行われるわけでありますから、その際にどう考えるかは、国会においても、その際、お考えを賜るということだろうと思います。
#47
○川合孝典君 これで終わりますが、年金受給者の方々に必要以上に痛みが生じないような措置というものを是非講じていただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#48
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 九日の参考人質疑で、全日本年金者組合の茶谷参考人が、現在提訴されております年金裁判について御紹介ありました。年金減額に対し不服審査請求は十二万人と、却下されたということで裁判ということを選択されました。最初の提訴から僅か一年半で原告団は四千五百人という規模になっているということをお聞きしております。
 私、総理に聞きたいと思います。年金者がここまでの規模で提訴に至ったその背景には、どんな思いが、何があったとお思いでしょうか。
#49
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 年金については、その給付を受ける皆さんはできる限りこれは増やしてもらいたいというお気持ちがあるのは当然のことであろうと思います。一方、支え手側の方はなるべく負担は少ない方がいいと、こう思うでしょうし、大切なことは、その中で持続可能なものを、そういう制度設計を行っていくということであろうと、こう思います。
 御指摘の訴訟につきましては特例水準の解消に関するものと思われますが、政府としては、これは民主党政権時に成立をした特例水準を解消する法律に基づき適切に対応したところでありますが、これは裁判所で係争中でございますから、具体的なコメントをすることは差し控えさせていただきたいと思います。
#50
○倉林明子君 高齢者が減り続ける年金に対してやむにやまれぬ抗議として裁判に立ち上がったということを、本当に総理としても受け止めていただきたいと思うんですね。裁判の中身のことじゃないんですよ。そこに至った高齢者の思いをしっかり見ていただく必要があると私は思うんです。
 裁判参加された人たちの意見陳述がまとめられて冊子になりました。私、読ませていただきましたが、私の親と変わらない世代の方々が陳述されています。一つ紹介したいんですけど、戦争孤児になりながら懸命に働き続けて三十八年、タクシードライバーもやった、そのとき運輸省の最良ドライバーに表彰を何度か受けたという人ですよ。年金月額は十四万足らずだと。定年後も働き続けたけれども、とうとう体を壊して肺気腫だと。ほかの病気も出て、医療費の負担は毎月三万円だというんですよ。下がり続ける年金、増え続ける治療費、そして保険料、こんな仕打ちが許されるのかというのがこの裁判に至った高齢者の思いですよ。
 今、ぎりぎりで年金と貯金を取り崩しながら暮らしている、こういう高齢者の実態があるわけです。現在の年金水準、様々議論ありました。高齢者の生活を支えるために十分な水準を確保できていると総理は認識されているのかどうか、いかがでしょう。
#51
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 年金制度は、老齢、障害あるいは死亡によって生活の安定が損なわれることを防止することを主たる目的としているということは御承知のとおりであります。また、年金は、高齢者世帯の収入の七割を占めるなど、老後の生活の柱としての役割を果たしています。
 年金の支給額でどこまで賄えるかということについては、厚生年金については現役時代に被用者であった人の生活をある程度賄うことができる額を確保していきたいと考えています。
 一方、基礎年金については、高齢無職世帯の支出との比較で見ますと、夫婦世帯では基礎年金の二人分の額約十三万円が基礎的消費支出約十一万六千円を、これをやや上回っていると考えています。単身世帯では逆に、基礎的消費支出約七万二千円が基礎的年金の額六万五千円をやや上回っているという状況であります。
 いずれにいたしましても、基礎年金だけで生活の全てを賄うことは厳しいわけでありまして、それまでの蓄えを含めて万全な老後となるよう努力をしてまいりたいと思います。
 低所得や低年金の高齢者への対策については、社会保障・税一体改革において、年金の受給資格期間二十五年から十年への短縮、そして年金生活者支援給付金の創設、あるいはまた、医療、介護の保険料の負担の軽減など、社会保障制度全体で総合的に講じることとしております。まず、これらにしっかりと取り組んでいくことが重要であると、このように考えております。
 また、将来世代への対応としては、今回の年金改革法案にも盛り込んだ被用者年金の一層の適用拡大や個人型確定拠出年金など、私的年金等の拡充などにより保障機能の強化に取り組んでいく考えであります。
#52
○倉林明子君 総理お認めになったように、年金だけじゃ厳しいんですよ。それに、貯金しとけ、頑張れという話だけれども、今、年金生活に入っている人たちにこれ以上頑張れというのは余りにも酷な話、将来に備えてやれという趣旨でおっしゃったと思うけれども、今の厳しい生活をしている年金生活者にとって年金そのものの減額にとどまらない。
 この間、医療、介護、保険料、利用料、窓口負担の連続した引上げ、これ資料で作りました。二〇〇六年以降のこの間実施されたもの、そして今実施検討されているもの、今後引き続き実施検討されるもの、つまり負担増のオンパレードなわけですよ。年金減額とセットでやられてきたのは、医療や介護の負担を軽減するどころかセットで負担増をずっとしてきたし、これからもやっていくということじゃないんでしょうか。
#53
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 年金額については、物価スライドの特例水準の実施により平成二十六年まで本来より高い水準の年金が支給されてきたのは事実であります。平成二十七年には特例水準の解消を図った上で〇・九%のプラス改定を行ったところでありまして、年金が減り続けているということではないわけでございます。
 今回の年金額改定ルールの見直しは、マクロ経済スライドの調整期間の長期化を防ぎ、将来世代の基礎年金の給付水準を確保するためでありまして、マクロ経済スライドの未調整分を先送りにせずに、できる限り早期に調整をし、賃金に合わせた年金額の改定により、支え手である現役世代の負担能力に応じた給付とするものでありまして、世代間の公平性を確保するためのものであります。
 医療保険制度や介護保険制度については、これまで社会保障・税一体改革に基づく給付と負担の見直しを行ってきました。今般も、昨年十二月に取りまとめられた経済・財政再生計画改革工程表等を踏まえ見直しを検討していますが、これらは、低所得者には配慮した上で世代間、世代内の負担の公平を図り、負担能力に応じた負担を求めるなど、制度の持続性を高めるために必要な見直しであると考えているわけであります。言わば、これは高齢者を全体として一くくりにはできないわけでありまして、高齢者の中においては現役世代の皆さんと変わらないこれは収入を得ている方もおられますし、またそうでない方もおられますから、そういうことをしっかりと見据えながら持続可能なものにしていく必要があるんだろうと、こう考えているわけであります。
 その上で、特に低所得の高齢者を支援する観点からは、社会保障・税一体改革における年最大六万円の年金生活者支援給付金の創設や医療、介護の保険料の負担の軽減、そして生活困窮者自立支援制度による包括的な支援など、社会保障全体で総合的に支援を行ってきておりまして、負担増につながるものばかりという御指摘は当たらないと考えております。
#54
○倉林明子君 今、所得の高い人に応分に負担してもらうというようなお話ありました。しかし、既に実施、検討ということで始まっている後期高齢者の保険料軽減特例の廃止って、これ、実際やったら保険料十倍になるという人もいるんじゃないですか。
 私、負担増ばかりだということは当たらないとおっしゃるけれども、高齢者の生活実態は、この間連続した負担増で苦しんでいるんだということですよ。そこを、負担増ばかりではない、負担引き下げたところもあるから見てくれ、これは国民に対しては本当に説得力のない話だと言わざるを得ないと思います。
 日本の年金、この水準が私非常に問題だと思っているんです。国際的に見てどうなのかということです。それ、二枚目に資料を入れております。OECDによる先進国の年金給付の比較資料となっております。日本はオレンジで棒グラフのところ、印がしてあります。これ、今働き始めた世代が将来に受け取る年金水準の比較という表です。確かに、指標違います。しかし、国際的にできるだけ統計合わせて並べたところがこうなっているんですね。一人当たりの総所得代替率、これ、日本を見てみると三五・一%足らずということになっているわけです。私、これ一目瞭然で、加盟国中、下から勘定した方が早いわけです。
 国際的にも日本の年金水準は低い、これお認めになりますか。
#55
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そもそも、各国の年金制度を適切に比較する場合、制度内容や保険料率、高齢化率等の前提条件の違いを踏まえる必要があると思います。御指摘のOECDの所得代替率の試算は、こうした違いは考慮しないで機械的に計算をしたものであります。
 その上で、OECDが試算した主要先進国の所得代替率については、G7諸国のうち、ドイツ、アメリカ、カナダといった国は日本と同様三〇%後半の、イギリスは二〇%台となっておりまして、我が国はこれらと比較して特段の遜色はないと、こう考えております。
 例えば、G7の中でイタリアは所得代替率が我が国の二倍近くあるわけでございますが、保険料も実は二倍なんですね。つまり、これは給付と負担でのバランスでありますから、イタリアの言わばケースにいくのであれば、言わば保険料の負担も倍にしなければそれは成り立たないということでございます。また、フランスも高いんですが、フランスは公的年金と私的年金を足し込んでいるものでございます。
 このように、言わばこの前提の条件をこれ比較考量しなければ余り意味がないのではないかと、こう思うわけでありまして、なお、政府が掲げている所得代替率は夫婦世帯のものである一方、OECDの試算による所得代替率は単身世帯を機械的に計算したものであるということは付言させていただきたいと思います。
#56
○倉林明子君 OECD加盟国の中で、様々おっしゃったように、条件も違うということは前提ですよ。しかし、こういう比較一覧で見てみたら、国際的にはやっぱり低いというのははっきりしていると思う。生活者の実感からしても、お認めになったように、単身の世帯が増えて、単身のところでの代替率というのは低いんですよ。そこ、しっかり見ないと駄目だというふうに思います。
 二〇一二年に採択されましたILOの社会的な保護の土台に関する勧告が出ております。G20も承認、国連も承認したものであります。保護の土台について、必要とする全ての者がその生涯通じて必要とされる物品及びサービスの利用の確保と保健サービスの利用及び基本収入が保障されることを少なくとも確保すべきだとしているわけです。高齢者について、少なくとも最低限の水準として各国で定義する基本収入の保障としているわけです。
 私、こうした勧告に対して、今政府がやっていることは逆行じゃないかと思いますよ。いかがですか。
#57
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御指摘のILO勧告は、加盟国に対し、社会保障として保健サービスの利用や、児童、高齢者を含め最低限の水準として各国として、各国で定義する基本収入の保障を確保すべきものとしているものであると承知をしています。
 この点、我が国においては、国民皆保険、皆年金制度を整備するとともに、所得の低い方々に対する保険料軽減など、きめ細やかな対応を行っています。また、一人親家庭を支援する児童扶養手当制度や最低限度の生活を保障し自立を助長する生活保護制度も整備をしています。
 勧告においては併せて制度の持続可能性の確保も要請されておりまして、この点についても我々は、本法案の提出のほか、社会保障と税の一体改革などを着実に実施してきておりまして、勧告に逆行しているということではないというふうに考えております。
#58
○委員長(羽生田俊君) 時間ですので、おまとめください。
#59
○倉林明子君 私、最低限の生活を更に破壊するような年金水準の引下げ、絶対にやるべきでない、申し上げて、終わります。
#60
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 まず、私の方からは、二問に絞らせていただいて質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初の質問は、次回、財政検証、これをどのように行っていくのかということについてお伺いをしたいと思います。
 今回いろいろと議論があるのは、やっぱりこの年金額の改定ルールの見直しであります。これは、経済成長が十分でない場合には年金の厳しい財政状況も踏まえていくと、将来の年金受給者のためにここはやっぱり必要であるというふうに考えておりますし、そして、今やるべき改革として今回の改正は必要だというふうに考えます。
 年金制度は、国民の関心事でもあり、一番の関心事だと言ってもいいかもしれません。老後の生活基盤となっている重要なものでありますから、必要な改革を不断に行っていくということは大変重要でありますし、そしてまた、年金財政が将来にわたってどのような状況にあるのかということを適切に国民に情報提供していくということは大変重要です。
 今回の法案をめぐっての厚生労働委員会では、賃金上昇率と物価上昇率との関係、それから全要素生産性と言われる、経済の前提条件となる、前提と言われているTFP、この上昇率など、財政検証の経済前提について様々な議論が行われましたけれども、このような議論を踏まえた上で次回の財政検証をどのように行っていくのか、お伺いをしたいと思います。
#61
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御指摘のとおり、年金制度については必要な改革を不断に行っていくとともに、年金財政の状況を適時適切に開示していくことは極めて重要であると認識をしています。
 財政検証の在り方については本委員会でも様々な御意見をいただいているものと承知をしておりますが、本委員会での議論も踏まえつつ、生かせるものについては次回の財政検証に生かしていくよう、厚生労働大臣に検討させたいと思います。
#62
○東徹君 次に、歳入庁のことについて質問させていただきたいと思います。
 これまで、今まで、検討チームで検討してきたとかおっしゃるんですが、この議事要旨を見ても、検討した様子というのがうかがえません。
 日本年金機構というのは職員数二万一千七百八十七人、国税庁は五万五千六百六十六人、年金機構の事業所三百十二か所、国税庁の税務署五百二十四か所、こういったものを統合すれば、人件費も削減できるし、そしてまた事業所の数だって減らすことだってできると思うんですね。だから、統合してやって、そしてまた情報も一つにする。そしてまた、重なりが少ない、八分の一しか重ならないというんですけれども、人数にしたら二百六十万人もいるんです。そういうことを考えていけば、やっぱりこれ是非前向きに検討すべきというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#63
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 歳入庁の設置については、従来から御党から強い御主張を伺っておりますが、歳入庁の設置については政府の検討チームで平成二十五年八月に取りまとめた論点整理においては、国民年金保険料と国税の徴収対象は重なりが小さく、国民年金保険料の納付率向上への効果は限定的であること、現在非公務員が行っている年金業務を公務員に行わせることになり、行政改革の取組に逆行することなど、歳入庁に関する様々な問題点が指摘された上で、組織を統合して歳入庁を創設すれば年金保険料の納付率向上等の課題が解決するものではないと整理されたと承知をしています。
 政府としては、この論点整理も踏まえ、厚生年金の適用対策や保険料徴収について国税庁が保有する情報を厚生労働省に提供するといった関係当局間の情報連携強化などの取組は着実にこれが進んでおり、成果も出しておりますが、今後とも更にこうした取組を強化していくことが重要と考えております。
#64
○東徹君 是非しっかりともう一度私は検討された方がいいかと思いますので、そのことを申し上げさせていただきまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#65
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 二〇〇四年四月二十八日、当時の厚生労働大臣は衆議院厚生労働委員会で、百年安心年金というか、五十年、百年先まで私たちは見据えた今回の案だというふうに自覚をしておりますと答弁をしております。百年安心年金と当時言われましたが、今回この百年安心は破綻したと考えますが、いかがでしょうか。
#66
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本の年金制度は、平成十六年改正において、将来世代の負担を過重にしないため、将来の保険料の上限を固定をし、そしてその範囲内で年金の給付水準を調整するマクロ経済スライドを導入しました。これによって制度を持続可能なものとするとともに、少なくとも五年に一度、人口や経済の長期の前提に基づき、おおむね百年間という長期的な給付と負担の均衡を図るための財政検証を行っています。
 平成二十六年の財政検証においては、日本経済が再生し、高齢者や女性の労働参加が進めば、将来の所得代替率は五〇%を上回ることが確認されています。また、年金の受給者に年金を払えないという状況には全くなっておらず、年金制度は破綻しているとの御指摘は当たらないと思います。
 安倍政権では、デフレ脱却、賃金上昇を含む経済再生に全力で取り組んでおります。その上で、非常に長期にわたって運営される公的年金制度を持続可能なものとしていくためには、あらゆる事態に対応できる仕組みにする必要があると、こう考えているわけでありまして、今回提案をしている賃金に合わせた年金額の改定の見直しは、支え手である現役世代の負担能力に応じた給付とすることで、将来にわたって給付水準を確保し、世代間の公平性の確保等に資するものであります。
#67
○福島みずほ君 私は年金制度が破綻したとは言っておりません。百年安心年金が壊れたじゃないかという質問です。まさに賃金が下がれば年金額が下がっていくというもの、それは年金をもらっている人からすれば賃金に応じて自分の年金額が減っていくわけです。
 しかも、今日試算をするというふうにお約束を厚生労働省されましたが、過去二十年にわたって起きたことに具体的に当てはめたらどうなるかという、そういう試算すら今まで出しておりません。賃金は上がり続けるということしか言わない。しかし、賃金が下がったことを前提に年金カットする法案を出すということそのものがインチキだというふうに思っております。
 本法案で年金支給額を引き下げる新たなルールが作られることになり、高齢者の生活基盤である公的年金が弱体化する危険が非常に高くなりました。これ、百年安心を壊していると思います。
 現在、新規裁定者は賃金変動に合わせ、既裁定者は物価変動に合わせて改定することにより、年金額の実質的な価値を維持し、高齢者の購買力を維持しています。ところが、今回の賃金・物価スライド見直しは、物価の下げ幅より賃金が大きい場合は賃金に合わせて減額する、物価が上がっても賃金が下がれば賃金に合わせて減額するというように、減額を強化する内容です。
 労働者の実質賃金は低迷を続け、政府が予定している消費税増税等による物価上昇を考えると、年金生活者の購買力がどこまで維持できるのか不安です。また、これは本則の改定ですから、現役・将来世代も、老後に受け取る年金が物価の上昇から離れて引き下げられる大きな影響を受けます。
 総理、公的年金の弱体化の危険性、これをどう考えられますでしょうか。
#68
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の見直しについては、平成二十六年までは本来よりも高い水準の年金が支給され、マクロ経済スライドが発動されずに、さらに、現役世代の賃金低下に合わせて年金額を下げなかったことによって将来の基礎年金の給付水準が低下したことを背景とするものであります。
 過去のこうした事実を踏まえますと、将来、賃金が下がるという望ましくない経済状況となったときに、将来の基礎年金がこれ以上下がることがないよう改定ルールを見直すことが責任ある対応と考えているわけでありまして、このように賃金が上がることのみを前提として考えているわけではもちろんないわけでありまして、そうした状況にも対応しつつ持続可能なものにしていく、世代間の公平性をより図っていくための改正であるということで御理解をいただきたいと思います。
#69
○福島みずほ君 基礎年金の劣化についてお聞きをいたします。
 十二月九日の本委員会参考人質疑で、日本総合研究所調査部主席研究員の西沢和彦さんは、年金を一階と二階に分けたときに、一階の方が財政検証では削られ過ぎるんですね、一階の基礎年金が。今満額で六万四千円から五千円だと思いますけれども、財政検証では厚生年金のマクロ経済スライド適用はもう二〇二〇年前には終わってしまうと。ところが、基礎年金の方は二〇四〇年、五〇年まで掛かって延々と続いていくわけですから、新規裁定年金の給付水準も下がっていきますし、既裁定の方も、この間、物価スライドが全く保障されないわけですから、購買力がどんどんどんどん低下していくわけですと発言をされています。
 基礎年金が本来持つはずの最低生活保障機能の崩壊について極めて強く批判をされました。総理はこれをどう受け止められますか。
#70
○内閣総理大臣(安倍晋三君) マクロ経済スライドについては、平成十六年の改革によって、将来世代の負担を過重にしないために将来の保険料水準を固定をし、その範囲内で給付水準を調整する仕組みとして導入されたということは先ほど申し上げたとおりでありますが、このような仕組みは基礎年金を含め公的年金制度全体に共通する考え方であります。
 また、今回の賃金に合わせて年金額を改定するルールでは、将来仮に賃金が下がった際に賃金に合わせて名目の年金額は下がることとなりますが、所得代替率には影響は生じないわけであります。名目額は下がるわけでありますが、所得代替率は影響は生じない。むしろ、過去賃金が下がったときにそれに応じて年金額を下げなかったことによって所得代替率がこれは向上してしまった、マクロ経済スライドの調整期間が長期化したことによって将来の基礎年金の水準の低下につながったことから、今回の改正を行うものでございます。
 また、将来の基礎年金額について言えば、二〇一四年の財政検証で示した、経済が再生し労働参加が進む五つのケースのうち最も経済成長率が低い場合、これはケースEでありますが、では、マクロ経済スライド調整終了後の二〇四三年の基礎年金額は二〇一四年価格で六万三千円でありまして、二〇一四年の六万四千円と比較しておおむね横ばいと見込んでいるところであります。
#71
○福島みずほ君 私は、基礎年金の劣化、二〇四〇年、五〇年まで掛かって延々と続いていくということに関しての答弁はなかったというふうに思います。
 やはり、この年金制度について、保険料を上げない、税金を二分の一しか入れない、これでなかなか本当に、年金額を下げていく、賃金に合わせてという選択は私は間違っているというふうに思います。
 税制度について総理にお聞きをいたします。
 二〇一七年度、平成二十九年度税制改正大綱において、タックスヘイブン対策として、対象国の税率、現行はペーパーカンパニーであっても現地の税率が二〇%以上なら不適用から、事業実体の有無に課税基準を切り替える規制強化が盛り込まれました。これは歓迎すべき内容だと考えます。タックスヘイブンなど、そういうところにこそメスを入れ、ここから税金を取って、やはり国民の生活の安定をこそすべきだと。
 このような税金の適正な集め方を進めていけば、年金支給減額を行わずに年金制度を維持できるんではないか、この点についての総理のお考え、決意をお示しください。
#72
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 多くの方々は、またサラリーマンとして、まさに給与からの天引きの形で、透明化された中できっちりと所得税を払っていただいています。その中で、一部の人々が租税回避を行っているということが事実であるとすれば、課税の公平性を損ない、納税者の信頼を揺るがす大きな問題であると考えています。
 国際的な租税回避の防止については、これまでも日本を含む各国が連携して対応しています。例えば、日本が議長国を務めた伊勢志摩サミットにおいても租税回避等の問題についての議論を行いました。また、日本はこれまで、OECD、G20によるBEPSプロジェクトでの議論を主導してまいりました。その合意事項を各国が足並みをそろえて着実に実施していくよう働きかけてきたところであります。さらに、累次の国際会議において、非居住者の金融口座情報をより多くの国で共有していく仕組み、取組などを実施していくことが重要という点で一致をいたしました。そして、いわゆるパナマ文書に関して、OECD国際基準に沿った金融口座情報の自動的交換のための協定の締結について、パナマとの間で世界に先駆けて実質合意し署名を行ったのは御承知のとおりであります。
 政府としては、こうした国際的な合意を着実に実施すること等を通じ、今後とも租税回避の防止に向けて不断に取組を進めていきたいと思います。
#73
○福島みずほ君 富裕層や大企業あるいはこのタックスヘイブンのところにきっちり課税をして、年金受給者の年金を減らすという方向は取るべきではないというふうに思います。
 GPIFとの関係についてちょっと御質問いたします。
 ここの参考人質疑で、西沢さんは同じように、究極のガバナンスというのは、私が一つ思いますのは、運用している人間が保険料を払っている人がどんな思いで保険料を払っているか、そして保険料を集める年金機構の人がどんな苦労をして保険料を集めているかということを肌身で知っていることだと思うんですよね、そういうふうに肌身で知っていますと、いや、ちょっと五兆円損しちゃったみたいな、長期で見ましょうという言葉が口から出てこないんですよねということがありました。そのとおりだと思います。
 今まさに国会は終盤で、この年金カット法とカジノ法案の両方が焦点になっております。カジノ法案はまさにカジノでもうけるということなわけですけれども、もう一つ、このGPIF、株に半分投入してやっていくことそのものも、私は極めてリスクの高い間違った方向だと思っています。こつこつこつこつ真面目に働いて保険料を納めている人たちがしっかりもらえるような体制をつくるべきだというふうに思います。
 最後に、非正規雇用の拡大と年金への影響について一言質問いたします。
 非正規労働者は、二〇一五年、史上最高の千九百八十万人に達して、全労働者の四割です。そして、非正規労働者の七割、千三百四十五万人が女性です。二十五から三十四歳、不本意非正規労働者数は七十一万人で、同世代の二六・五%です。雇用環境の劣化、不安定化、何といっても非正規雇用は千九百八十万人、史上最高になっているわけです。
 年金制度の持続可能性を傷つけているのは、取りも直さず雇用を壊してきたからじゃないか、非正規雇用を増やすようにやってきたからじゃないか、これに対して対応ができなかったからじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
#74
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍政権になってから雇用全体が増えている、これはもう福島委員も御承知のとおりでございます。
 その中で、例えば、団塊の世代の皆さんが六十五歳を超えていく中において二百万人近い方々がおられるわけであります。一方、新たに就業年齢に達した方の人口というのは百万人ちょっとでございますから、その関係でこの安倍政権の間に生産者の人口はこれ三百万人近く減っているわけでございまして、そういう関係から、どうしても正規が増えたかどうかということになれば、当然これは、団塊の世代の皆さんが正規から六十五歳を超えてからの、継続した仕事ではありますが、正規から外れるということのインパクトはあったわけであります。しかし、そういう中にありながら、正規雇用が昨年八年ぶりにプラスに転じて二十六万人増加をしたわけであります。そして、正規雇用の有効求人倍率が過去最高の水準に達しているというところもよく着目もしていただきたいと、こういうことを申し上げておきたいと思います。
 また、非正規雇用を取り巻く雇用環境については、不本意ながら非正規の職に就いている方の割合は前年に比べて低下をしています。働き盛りの五十五歳未満では、二〇一三年から十五四半期連続で非正規から正規に移動する方が正規から非正規になる方を上回っているなど着実に改善をしているわけでありまして、さらに政府としては、働き方改革をしっかりと進めていく中において、同一労働同一賃金を実現し、正規と非正規の労働者の格差を埋め、女性や若者などの多様な働き方の選択肢を処遇の差を気にすることなく選べる社会を実現し、将来に明るい希望が持てるようにしていく考えであります。
 また、正規雇用が増えることは年金制度の支え手の増加、ひいては年金制度の持続可能性を高めることにもつながっていくことから、非正規雇用労働者の正社員転換や待遇改善に全力で取り組んでいく考えであります。さらに、短時間労働者への被用者保険の適用拡大も重要と考えておりまして、今回の中小企業への適用拡大に加え、更なる適用拡大について検討をしていきたいと思います。
#75
○福島みずほ君 年金カット法には反対であることを申し上げ、質問を終わります。
#76
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。
 私は、最近のこの議論を聞いておりまして、国民の不安というものを大変心配いたしております。議論のこの過程の中で、ある一定の部分だけが取り上げられて、それがさらにまたニュースで報じられる。高齢者の皆様方、そして国民の皆様方が将来に対する不安というものがますます今増加しているんではないか。
 ですから、まず総理にお尋ねしたいのは、今回年金の議論ですから、もちろん年金のこのことを集中に議論させていただくのは当たり前でございます。しかし、政府としても、社会保障全体をどのように制度設計し、そして今どのように導いていっているのか。今働き方改革もやってくださっております。そういうものも総合して、国民に対して信頼を得るべく、全体像というものをまずしっかりとお示しいただくべきだと思うんですが、いかがでいらっしゃいますでしょうか。
#77
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 全体像としては、まず、今働き方改革を行っておりますが、女性も男性も、若者も高齢者も、あるいは障害がある方も、それぞれがそれぞれの能力を発揮できる社会をつくっていきたいと、こう思っているわけであります。そのために、働き過ぎの今までの仕組みを変えていく、そして同一労働同一賃金の仕組みをしっかりとつくっていく。今月中に我々しっかりとそのための目安をお示しをすることにしておりますが、そうしたものをしっかりと進めていくことによって、それぞれが自分たちの可能性を開花できる社会をつくっていくということであります。
 同時に、もしものときの安心のためのセーフティーネットはしっかりとしていく、そして、かつ、それは持続可能なものにしていくということであります。そして、年金ということにつきましては、保険料を一定の水準の中に収めながら、しかし同時に、モデル世帯においては所得代替率を五〇%維持をしていくというものをしっかりと行っていく、又は、病気になったとき、あるいは介護が必要になったときの保障もしっかりと行っていく、必要な給付を受けられるようなそういう社会保障制度はしっかりと維持をしていくということでございます。
#78
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 そういった内容というのは、私どもが問わせていただければいつも大臣もお答えいただけるんですけれども、それを国民の皆様方が御理解いただけていないというところが大変残念でございます。私も、これから子供を育て、そしてもっともっと日本社会の中で自分の実力を発揮していただけるような方々というものが生き生きと生活してもらえるような、そういった国会の議論につなげていただけるというふうにしていきたいんですけれども、なかなか、木を見て森を見ずというところで、全体像から中心に対しての質問というものが行われていないことは残念に思っております。
 今回、私、参考人の質疑の中でも問わせていただいたんですけれども、医療、介護、そして年金、このバランスというものを将来にわたって今のままで保持していけるのかという問題も一つあるかと思います。今回は年金でございますが、今まで私どもが小さい頃には、多くの、五、六人の生産年齢の皆様方が一人の高齢者を支えていけばよかった。そして、少し前からは騎馬戦型です、三人で一人を支え、そして将来的には肩車、一人が一人を支えるという時代がやってまいります。
 ですから、全ての医療、介護、そして年金について充実させるということは、多分これは私は無理ではないか。ですから、バランスを取りながら、年金を中心に充実させていこう、そして医療を中心、そして介護を中心にバランスを取っていこうじゃないかという議論が起こってもいいかと思いますが、総理のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
#79
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 年金、医療、介護のバランスについての御質問だと思いますが、これ、いずれの制度も主に高齢期に生じる異なるリスクに備えた仕組みでありまして、どれかを選んでそれだけを充実するというものではないと、こう考えております。
 我が国は、国民皆保険、皆年金という言葉に代表されるように、年金、医療、介護の全ての分野において国民全体をカバーする保障の仕組みをつくり上げてきたところであります。さらに、社会保障・税一体改革においては、負担能力に応じた負担をお願いするとともに、低所得者に対するきめ細やかな対応を行うため、年金、医療、介護を通じた低所得者対策の強化に取り組んでいるほか、効率的なサービス提供体制を構築するため、病床機能の分化と連携、地域包括ケアシステムの構築に取り組むなど、それぞれの分野において必要な充実策を講じています。
 今後も、年金、医療、介護を含む社会保障制度を持続可能なものとし、かつ充実をさせて次世代に引き渡していくために全力で取り組んでいきたいと思います。
#80
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 今回の法改正によりまして、厚生、そして労働というもののみならず金融という大変大きな役割も厚生労働省は担ってきたんではないかと思っております。GPIFの年金の積立金は百三十兆円です。平成二十八年度一般会計予算は国でも九十七兆円ということを考えれば、この額というものは大変巨大であるということが比較できるかと思います。
 今まで厚生労働大臣とも私何度もやり取りをさせていただきましたけれども、厚生の分野、労働の分野、それだけでも大変広い分野だと思っております。それにプラスアルファ、更に権限が、このGPIFにつきましては、厚生労働大臣、重たいものになってまいります。経営委員会、そして監査委員会、理事長の任命。ですから、これからは、厚生労働大臣、更に広い分野の知識が求められているのではないか。金融、そして経済についても広い知識というものを持った方々がそこに座っていただかないと、国民の皆様方の大切な年金というものが失われてしまいかねません。
 ですので、今後、厚生労働大臣というその職につきまして総理の御意見をいただきたいと思いますが、いかがでいらっしゃいますでしょうか。その資質についてお願いいたします。
#81
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そもそも厚生省と労働省が一緒になりまして、これ大変大きな役所になりました。それだけに、と同時に、言わば国民生活にとって、国民生活と密着した事柄を扱う極めて重要な役所でございますから、かつ多岐にわたりますから相当の能力が要求されるわけでございまして、塩崎大臣は見事にそれに応えていただいているんだろうと思うわけであります。
 そもそも、前任者の田村大臣もそうでございましたが、基本的にこの分野をしっかりと議員として取り組んできた、この分野を取り組んできた方々でないとなかなか対応できないのではないのかなと思います。
 また、GPIFとの関係についてでありますが、GPIFについては厚生労働大臣、もちろん年金という仕組みについては責任をしっかりと負っている、最終的な責任を負うわけでございますが、ポートフォリオの作成あるいは一々の株の売買等については、これはもう、全くこれは断絶されているわけでありまして、自主的に行われるものと承知をしております。
 その上において、適格な人物を指名する上において、正しい知識を有している人物が厚生労働大臣となるべきであると、このように思っております。
#82
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 そこの任命権限、そして厚生労働大臣の重責というものを考えましても、日銀の金融政策と政府の財政政策というものが独立しているように、私は、GPIFは将来的には厚生労働省から独立させまして独法通則法のようなものの適用とならないGPIF法などの下で運用されるべきではないかと思っておりますが、総理の御意見をいただけますでしょうか。
#83
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 年金積立金の運用は、厚生労働大臣が責任を持って行う公的年金事業の一環に位置付けられております。財政検証に基づく運用目標を厚生労働大臣がGPIFに指示をし、運用が行われており、厚生労働大臣がその最終的な責任を負うわけであります。
 このため、GPIFは、高い独立性を前提とする日本銀行とは異なり、独立行政法人として厚生労働大臣の監督の下に置かれておりますが、年金積立金の運用については厚生労働大臣が最終的な責任を負うことについては、今回の改正案の検討過程において労使を代表する団体からも強く要請されていた点であると承知をしておりまして、今後とも法律の規定に基づいて被保険者の利益のため、安全かつ効率的な運用が行われるように努めてまいりたいと思います。
#84
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 GPIFが政治利用されたということは絶対にないように、そこはお願いをしたいと思っております。
 あと、自助、共助、公助のことについてもお尋ねをさせていただきます。
 自助、共助、公助の中で私ども、政府ももちろんそうですけれども、自治体の中でも様々な施策が打たれているわけでございます。しかし、今回の年金のこの議論にもございますように、共助というものの比重がだんだん下がってきております。そして、我々はやはり自立して自分のことは自分で責任を持たなければならないという自助の部分が少しずつ膨らみ始めているんではないんでしょうか。先日も法改正をいたしましたiDeCo、個人型の拠出年金もそうでございます。そして、この働き方改革も、やはり高齢者の皆様方、働ける間はしっかりと環境のいい中で働いてもらわなければならない、やっぱりそういう改革であってほしいと私は思っております。
 福祉国家として、やっぱり自助という部分もしっかりサポートするような施策というものをこれからも打ち続ける必要があると思いますが、塩崎大臣の御意見いただけますでしょうか。
#85
○国務大臣(塩崎恭久君) 社会保障制度の中核を成します社会保険制度、これ、自助を言ってみれば共同化したという仕組みだというふうに思います。共助とこれは呼ばれるという位置付けでございますが、急速な少子高齢化の進行に対応して、持続可能性を確保するために、御指摘のように給付水準の見直し、そして負担の公平化というものを図っていかなければいけないものでございます。
 その一方で、御指摘のように、老後生活の多様なニーズに対応して、自助努力を促進をするための取組というものも重要であって、そこで、従来、民間の個人年金、医療保険あるいは介護保険の保険料に対する税制上の措置というものが講じられています。
 加えて、来年施行になります個人型の確定拠出年金制度、iDeCoと呼んでおりますが、この私的年金の普及、充実にも努めることによって自助努力を促進をするということになろうかと思います。
#86
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 総理、最後の一問でございます。お願い申し上げます。
 やはりこの社会保障というものがだんだん崩れてきたその根本原因としては、少子化というもの、これをいかに解決していくのかということでございます。今回のこの年金も賦課方式です。結局、仕送りです。少子化の問題が解決しない限り、更に状態は悪化してまいります。これは国民全体でもう解決していこうじゃないかと、やっぱり総理も更に声を上げていただかないと、最近少子化対策というこの言葉さえも使われなくなってきているような気がいたします。
 総理、そこの最後、御決断のほどをお聞かせいただけますでしょうか。よろしくお願い申し上げます。
#87
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 少子化対策、これは極めて重要な政策であり、政府を挙げて取り組んでいるところでありますが、少子化を克服していくためには、子育てを行っている若い家庭を取り巻く環境を改善していく必要があります。そして、子育てと仕事の両立のできる社会であることが必要と考えています。
 政府としては、今年六月に取りまとめたニッポン一億総活躍プランにおいて、希望出生率一・八の実現に向け夢を紡ぐ子育て支援として、長時間労働の是正等の働き方改革、待機児童解消に向けての保育の受皿整備等の子育ての環境整備、奨学金制度などの拡充など、全ての子供が希望する教育を受けられる環境整備といった取組を着実に行うこととしております。
 こうした取組が成果を上げるためには、政府、行政だけではなくて、広く国民の皆様の理解が不可欠であります。国民の皆様にも広く子供、子育てに優しい社会づくりに参画をしていただけるよう、私も先頭に立って取り組んでいく決意でございます。
#88
○薬師寺みちよ君 以上で終わります。ありがとうございました。
#89
○委員長(羽生田俊君) 以上で内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時六分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#90
○委員長(羽生田俊君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、川合孝典君及び木村義雄君が委員を辞任され、その補欠として平山佐知子君及び今井絵理子君が選任されました。
    ─────────────
#91
○委員長(羽生田俊君) 休憩前に引き続き、公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#92
○牧山ひろえ君 民進党・新緑風会の牧山ひろえです。よろしくお願いいたします。
 前回に引き続きまして、政府提出の公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案につきまして質問させていただきたいと思います。
 今回の法案では、日本年金機構の国庫納付規定が整備されることとなっております。これは、平成二十七年十月の会計検査院からの指摘を踏まえての整備となります。会計検査院からは、八宿舎、四事務所を不要財産として指摘されています。もちろん、こうした指摘を踏まえて国庫納付や処分を速やかに行う必要が当然ですけれどもあります。ですが、会計検査院から指摘があった八宿舎は三年間入居者がいなかったのであり、指摘があるまでは、八宿舎が不要財産という問題認識すら日本年金機構は持っていなかったんではないかなと思うんですね。
 そこで、現在、日本年金機構の保有する土地や建物などの財産のうち、今回の法案を受けて即国庫納付をすることを考えている財産は検査院から指摘を受けた物件を除きどれほどあるのか、端的にお答えいただきたいと思います。
#93
○大臣政務官(馬場成志君) お答えします。
 機構が保有する財産については、経済的に見て保有する合理的な理由がないものについては廃止するというのは当然だと考えておりますので、今お話ありました会計検査院から不要財産として指摘を受けた八宿舎、四事務所については、法案が成立すればいつでも国庫納付ができるようにしておりますが、また、これまで日本年金機構は公共事業による土地収用法に基づいて三件の資産を売却し、約一億千六百万円の資金が機構内に留保している状態でありますので、これについても法案が成立すれば直ちに国庫納付することとしたいというふうに存じます。
 以上です。
#94
○牧山ひろえ君 厚労省作成の法案資料ではこういうふうに書いてあります。そのほかの宿舎などについても、機構の業務改善計画の進捗を見極めつつ、耐用年数を踏まえて処分や活用を計画的に実施というふうに記載されています。会計検査院から意見の表示があってから一年以上が経過しているんですね。判断が難しい物件もあるかと思いますけれども、会計検査院が指摘した八宿舎以外にも、入居率がゼロだったりあるいは入居率が低い宿舎があるんですね。
 配付させていただいた資料を見ていただきたいんですけれども、これでもお分かりのとおり、平成二十八年十月時点で入居率ゼロの宿舎が七棟もあったんです。土地と建物を合わせますと、市場価格でいうと相当だと思うんですよ。少なくとも、こういった現状入居者ゼロですとかあるいは入居率が極めて低い物件についても、早急にというか、すぐにでも国庫納付を行うべきではないかと思うんです。それはできないというならば、八宿舎、四事務所以外の物件について、次の国庫納付は一体いつ実施されるんでしょうか。
#95
○大臣政務官(馬場成志君) 今現時点で入居者がいない宿舎でも、その利用が必要となる場合があります。実際に、今年十月にも入居率がゼロ%から四〇%、五〇%に至った宿舎もあります。
 現在、年金機構は業務改善、組織改革に取り組んでおり、その中で、平成三十年度までをめどに組織の集約等を進めていることから、地域ごとに必要な人員数等を踏まえ、広域異動者数を見込んだ上で宿舎利用のニーズを見極めることが必要だと考えております。
 今後、こうした宿舎利用のニーズ等を踏まえつつ、外部有識者等の意見を伺いながら、百九十九ある個々の宿舎ごとにコスト比較を実施し、来年夏をめどに廃止する物件を含め具体的な方針をまとめる考えであります。
#96
○牧山ひろえ君 やはり国民の財産に関わる話ですので、スピード感が重要ではないかと思うんです。
 そもそも、お配りした資料を見ると、資料、また御覧ください。そのほかの宿舎等の処分、活用の判断基準として、ちょっとこの部分を見てください。最初の切り分けが耐用年数が十年以下か以上か、次の切り分けで適地か否かというのが判断基準として挙げられていますけれども、これにもやっぱり疑問を感じるんですね。国民財産の有効活用という観点から考えますと、やっぱり一番参考になるのはここ数年間の入居率、つまりニーズ、これやっぱり基準となる話だと思いますし、また、入居率が低い場合には民間賃貸の借り上げとの費用の比較、こういったことが現在の基準に先立って基準とされるべきではないかと思うんです。いかがでしょうか。
#97
○大臣政務官(馬場成志君) 御指摘のとおり、宿舎の保有につきましては経済的な合理性があるか否かを基に判断するということが必要であるというふうに思います。具体的な検討に当たっては、やはり先ほども申し上げましたように、今後の広域異動者数を見込み、宿舎利用のニーズを踏まえながら、入居率を勘案しつつ家賃補助や民間住宅の借り上げ等とのコスト比較を通じてその存続の要否を判断し、来年夏をめどに具体的な方針をまとめる考えでありますので、御理解をいただきたいと思います。
 また、見直しに当たっては、未利用財産が生じたり、そうした事態が放置されることのないよう、機構任せとすることなく、厚生労働省の年金事業管理部会の場において定期的にチェックするなど、確実に見直しが実施されるよう指導監督してまいりたいと存じます。
#98
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
 確実にということも大事ですけれども、スピーディーにお願いしたいと思います。ニーズをベースにして、費用対効果に基づいて国庫納付を判断していくという基本方針の確立がやっぱり重要だと思うんですね。
 今回の法案は、国庫納付規定の施行期日を公布日から三か月以内の政令で定める日としています。不要財産は保有しているだけでも、当然ですけれども維持費が掛かります。ですから、当然、一刻も早い処分が必要だと思うんです。ですのに、公布日施行ではなく、そこから三か月以内としているのはなぜなのかなと不思議に思うんですけれども、売却先の選定に時間が掛かるのであれば公布日の十分前にやっておくべきだと思いますし、そうあるべきだと思うんですけれども、公布日から三か月以内としている根拠は何なのか、スピーディーにというお話をしましたけれども、この観点からも是非お答えいただきたいと思います。
#99
○政府参考人(伊原和人君) お答え申し上げます。
 今回の法律では公布日から三か月以内となっておりますが、既に今年春にこの法案を提出してから時間がたっている間に、処理するための、国庫納付するための準備作業を既に終えておりまして、この法律が成立し公布されればできるだけ速やかに国庫納付したいと、このように考えております。
#100
○牧山ひろえ君 是非、問題が発生してから、もういろんな方々が疑問を持っておりますので、是非施行期日、できれば公布日を目指してやっていただきたいなと思います。
 続きまして、短時間労働者への被用者保険の適用拡大に議題を移したいと思います。
 現在、非正規雇用者の比率はおよそ四割に達しております。ですから、かつてのように給与所得者の大多数が厚生年金の適用となることをモデルとするという時代ではなくなってきているんですね。企業で働きながらも厚生年金に加入できない短時間労働者の老後の所得の確保がやっぱり大きな課題となってくる中で、今回のような適用拡大は基本的に推進すべき方向だと思っております。
 今回の法案では、被用者保険の適用拡大のためには労使による合意が必要となっています。ですが、キャリアアップ助成金などが、こういった支援があったとしても、やはり企業側の社会保険料負担が増えてしまうため、従業員側の適用拡大に関する要請を快く思わない企業が出てくるのではないか、そういった心配もございます。
 具体的には、パート労働者などの就業状況につきまして、一週間の労働時間を例えば二十時間未満にしたり、あるいは月額賃金八・八万未満、八・八万未満へ変更する、こういった動きが社会保険の適用を避けるために出てくるのではないかという心配があるんですけれども、このようなことが起きないために、こういったことが防止されるためにはどのような対応をお考えでしょうか。
#101
○大臣政務官(馬場成志君) 労働契約法の規定によって、労働時間や賃金といった労働条件は、当事者である労働者と使用者の合意のみにより変更されるものでありまして、原則として、使用者が労働者と同意することなく労働者の不利益に労働条件を変更することはできないわけでありますが、被用者保険の適用拡大を契機に、労働者が被用者保険の適用にならないように事業主が一方的に労働時間や賃金の引下げ等を行うことは、労働契約法や、短時間労働者の所得や年金を確保するという適用拡大の趣旨にも反するものであり、あってはならないことだというふうに考えます。
 このため、本年十月の適用拡大の施行に先立ち、都道府県労働局に対し必要な啓発指導を努めるように指示したところでありまして、引き続き労働者保護が図られるよう努めてまいりたいと存じます。
 労働者の方におかれても、もし懸念があれば、労働基準監督署等に設けられている総合労働相談コーナーに御相談いただきたいということをこれまた啓発していきたいというふうに存じます。
#102
○牧山ひろえ君 絶対そういったことがあってはならないというふうにおっしゃっていましたけれども、そのとおりだと思いますので、事業所に対する指導監督を徹底すべきだと思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。
 また、就業時間等が今回の条件を満たし、かつ労働者が適用拡大を望んでいたとしても、労使協議の場すら設けようとしない企業が現れるようなことはあってはならないと思うんですけれども、もし仮にこういった企業側の非協力があった場合、どのような認識と対策をお考えでしょうか。
#103
○大臣政務官(馬場成志君) あくまでも、先ほども申し上げましたが、今般の労使合意を前提とした中小企業への適用拡大については、具体的には、中小企業の事業主が労働者の同意を得て年金機構に申出をすることにより実施するものであることは前提でありますが、今回の仕組みについては、事業主の理解と協力が不可欠でありますので、また、初めてのやり方であるということも一つあるというふうに思います。そういったことから、このプロセスがスムーズに進むよう、労使協議の方法の具体例等も盛り込んだQアンドAや通知を送付するとともに、その内容について、事業所にお集まりいただいた上で丁寧に説明するなどして理解を求めていきたいと考えております。
 また、十月からの適用拡大に先立って、企業ヒアリングや、労使団体等にも参加いただいた協議会を開催し、情報把握や意見交換を行ってきたところでありまして、これらの方法も引き続き活用し、議員御指摘のような企業の対応も含めた情報収集を行うとともに、そうした情報を踏まえて、関係団体等の御協力も得ながら、円滑な施行に向けて必要な対応を更に検討してまいりたいと存じます。
#104
○牧山ひろえ君 意見交換会だとか説明会とか、それも重要だとは思いますけれども、ちょっと心配がありますので、不十分だと思う部分については是非よろしくお願いいたします。
 今回の改正の対象は五百人以下の企業です。労働組合があれば労働者側の要望集約もやりやすいと思うんですけれども、そもそも労働組合がない企業が多いと思うんですね。このように、労働組合がない企業においての労使合意とはどのような形でイメージされているのか。例えば、対象労働者のうち一名でも希望すれば対象労働者全員を対象とした労使協議の場を設けるように指導されるのか、それとも、対象労働者のうち一名が希望したとしても、まずは従業員側の要望を取りまとめてよとか、そうしたら労使協議するからという企業側の逃げ道を許してしまう可能性があるのかないのか、その辺もお聞きしたいと思いますし、また、そもそも適用拡大に関する労使の合意の対象となるのは今回の適用拡大の対象となる短時間労働者なんでしょうか、それとも一般労働者も含めて被用者全員なんでしょうか、その点もお聞かせいただきたいと思います。
#105
○大臣政務官(馬場成志君) 今お尋ねの件でありますが、事業主、労働者、この合意によってこのことが前に進むわけでありますので、その中身につきましては、会社の中であるいは職場の中でのいろんな事業主とのやり取りの中で進めていくものだというふうに思いますが、労使合意の対象者につきましては、同一企業内の連帯という観点から、既に厚生年金の被保険者になった者と適用拡大により被保険者となり得る短時間労働者等、全てを対象としております。あっ、二十時間以上の労働時間の対象者ということになっております。
#106
○牧山ひろえ君 御答弁をお伺いしても企業単位での適用拡大がネックになっていることが分かります。個人単位の加入も検討した方が適用拡大の制度趣旨に合致するんではないでしょうか。
 また、例えば、労働者側が一致団結して企業側に適用拡大を要望していて、会社側に十分適用拡大の余力がある場合でも会社が拒否すればそれで済んでしまうんでしょうか。
#107
○大臣政務官(馬場成志君) 繰り返しになりますが、事業主の理解と協力が不可欠であるということは先ほども申し上げましたとおりであります。
 中小企業においては、ただ、人手不足に悩む企業も多いことから、今後は、企業の魅力をアップさせ、人材獲得をより進めるためにも、経営戦略の一環として適用拡大を選択する企業もあるというふうに考えております。こうした中小企業の取組をほかの企業に紹介することも有益ではないかと考えており、必要な対応について関係団体の協力も得ながら検討していきたいというふうに存じます。
 また、先ほど来答弁しているように、円滑な施行に向けた取組に加え、人材確保に意欲的な事業主を支援するキャリアアップ助成金の利用などについても十分周知を図るなど、中小企業における適用拡大が進むよう努力してまいりたいと存じます。
#108
○牧山ひろえ君 先ほど来御答弁がずれていらっしゃると思うんですけれども、やっぱり労働者が一致団結して、そして企業側に適用拡大を希望して、そしてなおかつ会社側も十分適用拡大の余力がある、そういった場合でも会社が拒否すればそれで済んでしまうのかどうかという、そういう御質問でございますので、的確な御答弁をお願いします。
#109
○政府参考人(鈴木俊彦君) 補足させていただきます。
 今回の仕組みはあくまで、強制適用といいますよりは、労使の合意を前提といたしますいわゆる手挙げ方式でございます。したがいまして、端的に申し上げれば、今の先生の御指摘のケースで申しますと、使用者側の同意が得られなければこれは手が挙がってこないと、これはあくまで法律上の前提でございます。
 これ、中小企業でございますので、一律に強制適用することが企業の体力、企業経営への影響という観点から適切だろうかと、そういう制約条件の中でも少しでも適用拡大を進めていきたいということで今回のような方式を取ったわけでございます。それに伴ういわゆる限界だというふうに御理解いただいてもいいと思います。
 ただ、これが一概に事業主の横暴のような、もう嫌だから嫌だみたいなことを認めていいのかということになりますと、これはまた別でございますので、これは強制ということはできませんが、そういう意味で、私ども事業主に入っていただく協議会、そういったものを丁寧に開催して、事業主側の協力、理解を得て、そういうところの理解が得られない事業主というのはなかなか人手の確保、あるいは労働者の保護に理解のない事業主なんだねというような認識も広めていくということも含めて、ソフトな形ではございますけれども、しっかり実効を上げていきたいというふうに考えております。
#110
○牧山ひろえ君 今の御答弁でもやっぱり心配がどんどん募るばかりなんですけれども、本当にこれで被用者保険の加入者が増えるのか、ますます心配になってきました。
 強制ではないというふうにおっしゃっていましたけれども、政策的な誘導をもっと強力に推進することは可能なはずだと思うんですね。例えば、従業員の申出に対する好ましい事業主側の対応のガイドラインを作るとか、あるいは好事例集を作るなど様々な手があると思いますので、手を尽くしていただきたいなと思います。衆議院の参考人の御答弁の中でもこういったことを言っております。できる限り適用拡大が進むようにとはっきりと答弁されているんですね。ですから、労働者側の要望が尊重される方向での御対応を是非よろしくお願いしたいと思います。
 短時間労働者の就業調整行動が生じる構造としましては、個人と事業主の双方の社会保険料負担回避行動が作用して生じていると分析されています。被用者保険に加入した場合のメリットを短時間労働者の方に周知する、理解していただく、そういった取組も重要だと思うんですね。
 年金保険に関する周知、広報の重要性につきましては、さきの年金機能強化法の改正においても言及しました。また、今回の改正に含まれている国民年金第一号被保険者の産前産後期間の保険料の免除、これに関しましても対象者に対する周知、広報が必要だと思うんですね。そちらも併せて、今回のように、年金の具体的な仕組みやメリット、それから手続について国民の皆さんに認識を深めていただく、深めていく、このことは当然必要だと思います。ですが、それと併せて、大本の認識として国民の皆さんに、年金は自分たちの暮らしに直結する問題であって、かつ年金積立金は自分たちのものだという自覚を持ってもらうことが、やはり年金に対する理解、関心を深めていく上で欠かせないものになっていくのではないかなと思うんです。
 したがいまして、周知や広報に関する内容についてもそれを反映させるべきと考えますが、大臣の御認識をお伺いしたいと思います。
#111
○国務大臣(塩崎恭久君) 御指摘のとおり、この適用拡大につきましては、今回特に手挙げ方式で労使合意ができたときということで、今お話があったように、必ずしも働く方が御希望されても、全体の総意にならないとなかなか難しいということもあります。
 そういう意味では、私どもとしては元々の見直し時期を早めて今回この任意の合意に基づく適用拡大というものを導入をしようということでやらせていただいているわけでありますので、今御指摘のとおり、広報に努めて、ホームページやいろいろなところで、年金事務所ももちろんでありますけれども、高校、大学の連携による学生を対象とする年金のセミナーとか、社労士会など関係団体を通じる、あるいは政府広報、あらゆる手を通じて知っていただいて、やはり将来の自らの暮らしが、老後の暮らしがしっかりしたものになるように、労使合意ができるようにそれぞれ雰囲気づくりをしていただいて、それで実際にそういう合意がなされて適用拡大がされるように、私どもとしても大いに期待を申し上げ、さっき馬場政務官から申し上げたように、キャリアアップ助成金を活用してでもやっぱりこれは応援をしていこうと、こんな気持ちでございます。
#112
○牧山ひろえ君 是非よろしくお願いいたします。
 次に、GPIFについて御質問いたします。
 年金積立金運用の評価や責任に関する我々の質問に対する答弁でも、年金運用の判断基準について聞きましたところ、短期的なことで一喜一憂するなとか、あるいは長い目で見てとやはりおっしゃっていました。
 そして、その長期的視点という場合の長期についてお伺いしましたところ、その期間についての私の質問に対してこういった御説明がありました。自主運用を開始した平成十三年度以降の十五年間であったり、あるいはGPIFが設立をされた平成十八年度以降の十年間というような運用状況、これを評価期間だとおっしゃっているんですね。しかも、それに加えて、マイナスが出たと言われるけれども、大半は評価損であって実現損ではないとも言われているんです。私は前回質問で、これ以上に大きな損失が出たり、あるいは長期的な運用のマイナスが続いても短期の結果で一喜一憂するなと責任逃れされるんではないかという懸念を指摘しましたけれども、この答弁だと私の心配そのものなんですね。
 平成十三年度の自主運用開始以降、年金積立金の累積収益は四十二・六兆円のプラスと言われています。今後、もし四十二兆円のマイナスが生じて初めて短期的ではない、あるいは責任を取らなければならない結果ということになるんでしょうか。通告はしていませんけれども、前回の関連質問ですので、大臣、お答えいただきたいと思います。
#113
○国務大臣(塩崎恭久君) 年金の運用自体、何度も申し上げておりますように、年金財政にとって必要な利回りを確保して、将来年金を受け取る方々も約束どおりの年金を受け取ることができるようにするための運用に最善を尽くすと、こういうことだろうと思います。
 今お話ありましたように、いわゆる長期的な視点というのはどのくらいのスパンなのかというお話でありますけれども、それは今申し上げたようなことであって、名目賃金プラス一・七というのを利回りとして私どもの方からGPIFにお願いをして、それを実現をしていくことが年金財政上必要な利回りを確保するということになります。
 実現損、評価損の話は、評価損も大事であるけれども、実現損ではないということは一般の方には御理解いただいた方がいいかなという程度のことであって、どっちが大事かとかそんなことでは全くないわけであって、適時な定期的なディスクロージャーというのは当然やっていかなきゃいけないことでありますので、それはそれとしてしっかりやっていきたいと思っております。
 何をリスクと考えるのかということは大事な視点だと私は思っていまして、株式が価格とかそういうものの振れが大きいという意味において、いわゆる標準偏差が大きくなって今回のようにいろいろなプラスマイナスが出てくるということはありますけれども、それは全体の経済の状況に応じたポートフォリオの組合せというものを専門的にも御議論をいただいた上でつくっていただいているわけでありまして、今回の組合せは、確かに短期的なぶれは大きくなる、いわゆる標準偏差は大きくなるかも分かりませんが、年金財政上必要な利回りを確保するその観点からいけば、リスクは以前の組合せよりも下がっているということでございますので、御理解を是非賜って、これはやはり長期的に利回りがしっかり確保できるポートフォリオになっているかどうか、こういう観点をやっぱり専門的によく詰めていくことが大事だというふうに思います。
#114
○牧山ひろえ君 前回の答弁では結果の責任という言葉がありましたけれども、結果というのは、最終的に年金の財政にとって必要な運用利回りが確保できない、したがって約束したとおりの年金支払ができないというようなケースに初めて結果が発生するとも答弁されているんですね。その段階ではもう終わっちゃっていると思うんですよ。取り返しが付かない段階だということはやっぱり許されないと思いますし、手を打つのはその前の段階だと思うんです。
 大臣のおっしゃる、約束した年金支払ができないという結果が出るまでは責任を取らないと明言されたということでよろしいでしょうか。しかもこれ、もしかしてこの損失が評価額ではなくて実現損にならないと責任は発生しないという御認識でしょうか。併せて大臣に最後に御答弁いただきたいと思います。
#115
○国務大臣(塩崎恭久君) 責任問題を問うていらっしゃるわけでありますけれども、最終責任は、厚生労働大臣が運用委託をしている立場でございますから、当然、厚生労働大臣が最終責任というのはあることは、それはそれとして事実でございます。
 ただ、どの期間で取ってみてどのくらいの評価損なり実現損なりが出ているのかということはディスクロージャーの中で示していくことでございまして、そして、先ほどの例えば自主運用を始めたときからとか、あるいは政権が始まったときとか、あるいはポートフォリオを変えたときとか、いろいろな角度から我々は見て、そして定時の定期的なディスクロージャーをお示しをしながら、皆様方にとって大事なこの年金が長期的に見ても必要な利回りを得ているかどうかということに光を当てながら皆様方にお考えをいただいているわけでございますので、それは今のところ、何というか、深刻な問題が起きているわけでは全くないということを申し上げ続けてきているわけでございます。
 したがって、直ちに今何か責任問題が起きるという状況では、様々なこの期間を取ってみてもまだそういう段階では全くないというふうに思っております。
#116
○牧山ひろえ君 今の御答弁だと納得いきませんけれども、時間となりましたので終わります。
#117
○川田龍平君 川田龍平です。
 まず、法案の審議に入る前に、先週八日に公表されました戦後最大の殺傷事件となった相模原の障害施設やまゆり園での事件を検証していた厚労省の有識者検討会の最終報告書について伺います。
 このことに関しては一か月前の当委員会でも取り上げたように、措置入院から退院した精神障害者の支援強化よりも障害者支援施設入所者の地域移行が最重要な課題です。現在、二〇一八年度から始まる第五期の障害者福祉計画策定に当たって国の基本指針を検討しているところですが、第三期三〇%、第四期一二%、第五期の案が九%と目標値が落ちていることについて、大臣はどう考えていますでしょうか。
 さらには一旦退所してもまた戻ってきてしまうケースなどがダブルカウントされてしまうということも聞いています。地域移行が実質的に進むよう必要な予算確保に全力を挙げるとともに、例えば自治体に対して目標達成のための何らかのインセンティブを与えるなど、大きな新たな取組を検討してはいかがでしょうか。
#118
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、川田委員御指摘のように、施設入所者が地域移行していくというこの大きな流れ、方向性は大事であることは、もう全く変わりがないことでございます。
 障害福祉計画に関しまして国が基本指針を定めていますが、そこでの施設入所者の地域移行の目標について御指摘がございました。
 第一期から第三期までは平成十七年十月時点の入所者数を基に設定をしておりまして、第三期の目標は平成十七年十月時点の入所者数の十四・六万人のうち平成二十六年度末までに四・四万人、毎年度で割りますと約四千六百人、この数の方々が地域移行することとしておったわけでございます。一方、第四期では、地域移行者数が伸び悩んでいた状況を踏まえて、平成二十五年度末時点の入所者数十三・二万人のうち、平成二十九年度末までに一・六万人、毎年度は約四千人でございますが、これらの方々が地域移行するという目標に見直しをしたところでございます。
 これは、施設入所定員の削減が進んでいること、それから施設入所者の重度化と高齢化が進展をしておりまして、施設から自宅やグループホームなどへの地域移行をできる方々が減少傾向にあるということ、こういったことを踏まえたものでございまして、引き続き地域移行に取り組む方針は全く変わっていないというのは先ほど申し上げたとおりであります。現在、三十年度から三十二年度の第五期の目標設定に向けて社会保障審議会障害者部会で議論を行っております。
 いずれにせよ、地域移行の取組を更に進めるためには重度化や高齢化に対応することが必要なわけでございます。このために、障害のある方の地域生活を支援する地域生活支援拠点の整備や、あるいはグループホーム、これの計画的な整備というものが引き続き重要であって、今後、重度化や高齢化に対応できるような人員配置や報酬等について検討することとしております。
 こういう取組によって、障害のある方が地域でやはり安心できる、そして生活ができる体制を整備をしていかなければならないと思います。
#119
○川田龍平君 ありがとうございます。答弁、簡潔に是非お願いします。
 次に、お手元の資料一を御覧ください。
 この代謝異常児等特殊ミルク供給事業は、一九八〇年の創設当時、財源は年金特別会計でした。その背景と二〇一三年に一般会計に移行した経緯について説明していただきたいと思います。
#120
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 御指摘の特殊ミルク供給事業は、先天性の代謝異常のお子さんに対して必要な特殊調合のミルクの供給体制の整備あるいは量の確保のために、昭和五十五年度に、かねて児童手当や児童健全育成事業の管理も行っておりました当時の厚生保険特別会計の児童手当勘定の国庫補助事業として創設をさせていただきました。その後、厚生保険特別会計は年金特別会計と改変されておりますけれども、さらに平成二十四年八月の児童手当法の一部改正によりまして特別会計関係の整理を行いまして、事業主拠出金財源を充てる事業については児童手当及び地域子ども・子育て支援事業に限定することにいたしました。これに伴いまして、本事業は平成二十五年度に特別会計から一般会計に移行したという経緯でございます。
#121
○川田龍平君 この資料の二枚目を御覧ください。
 一番下の米印にあるように、年金特別会計から移行した二〇一三年、平成二十五年度に補助対象を追加するべく増額要求を行っていますが、認められませんでした。なぜ認められなかったのでしょうか。特別会計から外れたことと関係があるのではないでしょうか。
#122
○政府参考人(吉田学君) 二十五年度の概算要求時点においての要求と最終的な査定においてこのような形になったということについては、当時の財政事情あるいは全体としての給付事業の在り方についての議論の結果ということでございますが、勘定が特別会計から一般会計に変わったということについては、特段これによるものではございませんし、予算につきましても、若干の漸減はございますが、ほぼこの前後において同額の予算を確保させていただいているところでございます。
#123
○川田龍平君 今後、てんかんなどの対象疾患が増える中で、今後の特殊ミルクの安定供給を考える上で安定財源の必要性を検討するべきではないでしょうか。もう一度年金特別会計に戻すことは考えられませんか。
#124
○政府参考人(吉田学君) 先ほど申し上げましたように、この財源、今事業主拠出金と別に行っているという経緯もございます。一般会計の中で行うという二十四年の児童手当法の改正時における整理について、引き続き、それを踏まえた上で必要な予算を確保させていただくということで私ども取り組ませていただきたいと思っております。
#125
○川田龍平君 この資料の三ページ目を御覧いただきますと、二十歳を過ぎると補助対象外とあります。新生児マススクリーニングが始まり予後が改善する中で、成人後への支援の継続の必要性を検討するべきじゃないでしょうか。難病法の施行に伴い、この左側の小児慢性特定疾患が雇児局母子保健課から健康局難病対策課に移管していますが、この事業についても、トランジションの問題を解決するべく難病対策課に移管すべきではないでしょうか。
 資料三ページにあるように、この特殊ミルクの品目、疾患により、費用負担や財源が様々に異なる複雑な制度の整理の必要性についてどのように考えていますでしょうか。
#126
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 特殊ミルクの品目につきましては、今委員資料をお示しいただきましたように、医薬品として指定されているものは通常基本的に医療保険を適用し、その上の自己負担分について医療費の助成を行うという仕組みを取っておりますし、また、代謝異常児等特殊ミルク供給事業安全開発委員会により認定されているいわゆる登録品目につきましては、先ほど御指摘いただきました代謝異常児等特殊ミルク供給事業の対象として公費による定額助成と、残額部分についてメーカーの御負担による無料の提供、そして三つ目として、登録品目と言われるもの以外の特殊ミルクにつきましてはメーカーの全額御負担による無料の提供、そしてさらに、通常市販されている市販品目についてはメーカーが有料で販売をされているというようになってございまして、このような仕組みで特殊ミルクを必要なお子さんたちに対してきちっと提供させていただいているとは思っておりますが、御指摘のように制度が複雑だという御指摘もございます。
 今後とも、省内関係部局間でしっかりと連携を取りつつ、関係者とも十分お話合いをさせていただいた上で、特殊ミルクを必要とする方々に安定的、継続的に製品が供給できるように取り組んでまいりたいと考えております。
#127
○川田龍平君 この制度発足から三十六年、数万から数十万人に一人と言われる子供たちの命を支えてきたのは乳業メーカーの各社の無償の協力でした。しかし、対象疾患の拡大や対象人数の増加が進む中で、乳業メーカーからこれ以上は負担できないと悲鳴が上がっています。私は、これも持続可能な仕組みではないと思います。
 これに対して厚労省は、臨床において使用実績が十分にある場合には、新たな治験を実施せずに薬事承認を得る公知申請という方法を提案していますが、承認後の製造工程の管理は医薬品同様のレベルを求めるわけで、メーカーは興味を示していません。医薬品並みの治験をしなくても健康保険が適用されるメディカルフード制度を創設し、特殊ミルクを保険適用すべきではないでしょうか。人数も少ないので保険財政に与える影響は軽微です。私の手元にはこのアメリカの患者家族の声が届いていますが、アメリカではメディカルフードがあって、欧米などではこの特殊ミルクはどのように供給されているか、他国の状況をよく調査していただけないでしょうか。
#128
○政府参考人(吉田学君) 特殊ミルクの安定的な供給という観点から、諸外国の状況につきまして、厚生労働科学研究費補助金によって平成二十六年度から三か年計画で今調査を行っているところでございます。
 手元に初年度の二十六年度の報告書がございますが、その中では、例えば今御指摘ありましたように、アメリカではメディカルフード、いわゆる病者用の食品として位置付けた上で多くの州で医薬品と同様に保険適用されていることですとか、ヨーロッパでは特定栄養補助食と呼ばれる栄養補助食品のサブカテゴリーとして位置付けて食品という扱いになっているなど、諸外国における制度について一定の実態調査、整理を行っているところでございます。
 いずれにいたしましても、まだこれ三か年計画の継続中でございまして、引き続き実態の把握を努めてまいりたいと思っております。
#129
○川田龍平君 ありがとうございます。
 これは、先天的疾患だとこの登録外品目に入ったりとかする中で、アレルギーのお子さんで特に乳アレルギーと大豆アレルギーと両方持っていたりすると飲むものがなくなってしまうと。そうすると、市販品を買わなければいけなくなってしまって大変だという話は聞いております。本当にこれ、大臣、医薬品並みの治験をしなくても健康保険が適用されるようなメディカルフード制度、是非欧米の仕組み、調査していただけませんでしょうか。
#130
○国務大臣(塩崎恭久君) これはアメリカなどでございますメディカルフード制度、これは一定の要件に該当する病者向けの食品を分類する制度と理解しておりまして、その対象製品は、規制当局による了承はないが、医療保険や公費負担の対象となる場合があるというふうに承知をしております。
 一方、我が国において特殊ミルクを含む病者向けの食品を仮に医療保険の対象とする場合には、医薬品医療機器法に基づいて医薬品として承認が必要となってまいります。製造販売業者からの申請に応じて、品質や安全性などの確認がこの承認の場合には必要となる筋合いになるわけでございます。
 メディカルフード制度は、我が国の制度と大きく異なるわけでございまして、直ちにそのまま導入をするというわけにはなかなか難しいのかなということで、まずは、現在議員から御指摘をいただいております特殊ミルクについては、代謝異常児等特殊ミルク供給事業、これを確実に実施をするとともに、その在り方について検討し、安定的、継続的に供給ができるというように努めていかなければならないのではないかというふうに考えております。
#131
○川田龍平君 この問題は、本当にこれから子供を産み育てていこうという若い人たち、もう本当にそのためになることだと思って、年金の問題とも関係してくると思っています。
 この法案の審議に入りますが、この公的年金制度の持続可能性の向上を図るためには、障害年金の大切さ、遺族年金の大切さなど、若い世代の年金制度の理解向上が重要ではないかと考えます。
 以前、この厚労省の年金漫画が、ネット上とうちの議員の柿沢議員も批判していましたけれども、これ、配付資料の四ページ目に、あなたが結婚してたくさん子供を産めばいいのよというところを批判されて、大臣答弁では、結局、一字一句直さないということでしたけれども、幾らソフトな手法で訴えても、上から押し付けるということになったのでは変わりません。
 一方で、日本年金機構が毎年実施している「わたしと年金」エッセイ事業、次の資料の五ページに付けていますけれども、非常に興味深いエッセーがたくさん寄せられているということです。この厚労大臣賞受賞した上村ノブエさんのエッセーなど、是非多くの人に、特に若い世代に読んでほしいと思います。これ、大臣、読みましたでしょうか。是非このエッセー読んでいただきたいんですが。
 一九九九年に、実は第二号の年金白書というのを、これは七ページ目の資料になりますが、こういった年金白書というのを厚労省これまで出していました。これ平成九年にも出ているんですけれども、こういった年金白書でこのような国民の多様な声ですとか、この年金白書を見ていると、はらたいらさんとか、見城美枝子さんとか、養老孟司さんとか、いろんな人がエッセーを年金について寄せています。そうした多様な選択肢、それから声、それから試算を紹介するとか、そういった内容で、是非これ発行すべきと考えますが、いかがでしょうか。
#132
○大臣政務官(馬場成志君) 今御紹介もいただきましたように、若い世代に年金制度の仕組みやその役割について正しく理解していただくことは大変重要だと思っておりますので、今、エッセーの話も紹介をしていただきました。
 あわせて、パソコンやスマートフォンから手軽に年金記録や将来の年金見込額などの確認ができるねんきんネットの普及に努めておりますほか、現在新たにスマートフォン上のアプリ機能の年金アプリの検討も進めておるところであります。
 今後とも、若い世代を対象に年金制度への理解が高まるよう、周知、広報にしっかりと取り組んでまいりたいというふうに存じます。
 また、年金白書についても発行してはいかがかということでありますが、御指摘の年金白書につきましては、平成九年度、平成十一年度に発行していたものと承知しておりますが、その後のインターネットの普及なども踏まえ、現在は年金制度の全体像を分かりやすく解説した「年金制度のポイント」、国民年金に加入する二十歳の若者などを対象として、年金制度の必要性や保険料、将来の年金給付、将来推計などのデータについて分かりやすく解説した「知っておきたい年金のはなし」など、様々な資料を作成し、厚生労働省や日本年金機構のホームページに掲載をしておるところであります。また、年金制度のポイント等については、日本年金機構が実施している、先ほど御紹介がありました「わたしと年金」のエッセイも紹介をしております。
 また、先ほど申し上げました年金アプリなども含めて、年金制度を分かりやすく周知していくべきという委員の問題意識は我々も共有しておるところでありまして、今後とも、年金制度に関する国民の理解が深まるよう、分かりやすい情報提供に努めてまいりたいというふうに存じます。
#133
○川田龍平君 この年金機構の年次報告書、これ読みましたけれども、つまらないですね、やっぱりこの年金白書と比べて。非常に簡素化していて、読み物として非常に面白くない、分かりにくい。そういう意味では、やっぱりしっかりと分かりやすく、年金白書のように、分厚い、こういうものをしっかりと出して、やっぱり読み物として面白いものを出していただきたいと思います。
 やっぱりネットにアクセスしても、ホームページ分からないんですよ。何度も薬師寺さんも話しているように、文書でしっかり出していくものを、毎年でなくてもいいので、是非、年金白書もう一回やっていただきたいと思います。参考人の山崎先生もあれは良かったと、またやったらいいねということをおっしゃっていました、立ち話ですが。是非、これしっかりやっていただきたいと思います。
 それで、個々人の年金の試算について前回質問したところ、未確定な制度を想定して国民に混乱を与えるとの答弁がありましたが、未確定な制度とはどの制度のことでしょうか。様々な選択肢があり、技術的に難しいとのことでしたが、例えば毎年の物価上昇率と賃金水準だけでも自由に入力をして、若い世代が将来の自分の年金額がどのように変化するのか試算できる機能をねんきんネットに追加すべきではないでしょうか。
#134
○政府参考人(伊原和人君) お答え申し上げます。
 現在のねんきんネットは、現行の年金制度を前提としまして人生設計に密接に関係する様々な条件を御自身で設定して計算していただくということが可能でございます。
 前回の答弁で未確定な制度と申し上げましたが、これは、現時点で法律が成立、施行されていない制度改正を前提に試算をするということになりますと、国民の方々に誤解を与えたり混乱を生じるおそれがあるということを申し上げた次第でございます。
 また、ねんきんネットにおきまして、毎年の物価上昇率や賃金水準を利用者の方が御自身で入力して試算が行えるようにするという御提案でございますが、たとえ物価上昇率とか賃金上昇率のみを入力可能な仕組みとして試算を行うとしても、例えばマクロ経済スライドの調整の前提となる公的年金の被保険者数の見通しを別途設定しなきゃいけないとか、あるいは積立金の運用利回りをどう設定するかといった、なかなか一般の方には難しい専門的なデータの入力をしなきゃいけないということで、難しいんではないかと思っております。
 でも、ちなみに、厚生労働省では、平成二十六年の財政検証の際に用いたプログラムを公開しておりまして、年金制度の知識があってコンピュータープログラムに習熟している方であれば、独自に経済前提を設定して計算することができるような仕組みは公開しております。
#135
○川田龍平君 それ、できるのは井坂さんぐらいでして、やっぱりこれをしっかりと、ここの年金の、物価上昇率と賃金水準だけを動かせればいいと思うんですね。そこの物価水準とそういったところの数値がずっと二%、一%と上がり続けるというのは、やっぱりそこに納得いかない国民が多いわけですので、そこをやっぱりいじれるようにしていくという、そういう試算をしっかりできるような仕組みを是非ねんきんネットの方に追加していただきたいと思います。
 アプリの方では、結局ねんきんネットに接続するまでのところまでだそうですので、是非、ねんきんネットをやっぱり機能を拡張していただきたいと思います。
 先日の西沢参考人も主張しておられたように、政治から中立的な立場で年金財政の試算をし、多様な選択肢を国民に示すことのできる独立した財政推計機関の設置を検討すべきではないかという見方はいかがでしょうか。
#136
○国務大臣(塩崎恭久君) 年金制度につきましては、厚生労働省でこれは企画立案を行っております。そして、企画立案に用いているデータや試算などの計算方法についても客観的かつ公正的なもので当然あるべきであって、恣意的なものであってはならないわけでありまして、例えば財政検証で用いる主な前提、これが幾つかありますが、例えば人口に関しては、国立の研究機関でございます社会保障・人口問題研究所の将来推計を使っています。経済に関しては、経済、金融の専門家で構成される専門委員会における客観的な検討を経て設定をした前提などを用いております。
 このように、財政検証は適切に実施をされていると考えておるところでございまして、年金制度の運営に最終的な責任を負うのは厚生労働大臣でございますので、厚生労働省が責任を持って担当すべきかなというふうに私どもは考えております。
 また、平成二十一年度財政検証からは基礎データや推計プログラムについて厚生労働省のホームページにおいて広く公表するなど、推計の透明性を高める取組、これはしっかりやっているわけで、今後とも第三者が検証しやすいように不断の取組を進めてまいりたいと思っております。
#137
○川田龍平君 厚生労働大臣が責任持っていただけるということなんですが、二十年、三十年先、百年先、責任持てるんですか。そういうことで、やっぱりここはしっかりと国民一人一人が試算をできるような制度設計を、制度、仕組みをやっぱりつくっていただきたいと思います。
 やっぱりこの二%、一%、その物価ですとかそういったものを想定するときに、やっぱりこれは参考人もおっしゃっていましたけれども、政治的なものが影響しているということを、政治的プレッシャーという言葉を言っていました。そういったところから、やっぱり内閣府の、それから安倍政権が頑張っているから経済は上向くんだと、そういうところに試算に影響してしまうということがあるわけですので、そこをやっぱり独立したところでやっていただきたいと思いますし、それから、個々人がそういったものが試算できるような制度、仕組みというのをやはり厚労省としてもしっかり与えていただきたいと思います。
 厚生年金の未納、未加入を減らすためには、零細企業の事業主負担分を大企業を中心とした経済界全体で負担することを検討してはいかがでしょうか。
#138
○国務大臣(塩崎恭久君) 年金保険料や、今お話のありました医療保険料といった、そこの社会保険料の事業主負担ですね、これにつきましては、年金や医療の給付を保障することで働く方々が安心して就労できる基盤を整備することが、働く方々を雇用することに伴う事業主の責任というか、事業主の責任だということだということがまず第一点で、もう一点は、働く方々の健康の保持あるいは労働生産性の増進が図られることが、これは事業主の利益にもなってくるわけでございます。そういう観点から事業主に求められているのがこの事業主負担ではないかと思っております。
 今の御提案がございましたが、社会保険制度において、利益を得ている事業主が本来負うべき負担を他の事業主に転嫁をするということにもなりかねないわけでございまして、他の事業主の理解を得られるのかという観点からも慎重に検討する必要があるのではないか。そして、厚生労働省としては、一時的なサポートとしてキャリアアップ助成金の拡充を今年度から図って、賃金の引上げや本人の希望を踏まえて働く時間を延ばすことで人材確保を進める事業主を支援をさせていただいているわけでございます。
 今回の労使合意を前提とした中小企業への適用拡大の対象となる企業も含めて短時間労働者を社会保険に適用するに当たっては、まさにこの助成金を御活用をいただいて適用拡大を広げていただければというふうに思います。
#139
○川田龍平君 先ほどの資料に戻りますけれども、この五ページの厚生労働大臣賞受賞した「わたしと年金」のエッセイ、大臣、読みましたでしょうか。
#140
○国務大臣(塩崎恭久君) ここに来るまで読んでおりませんでした。
#141
○川田龍平君 それはちょっと夢がなくなるので余り言わなかった方がよかったと思うんですけれども、やっぱりこれ、厚生労働大臣、是非読んでください。これ、政務官、一生懸命授賞式出ておられましたけれども、副大臣だったときも、昨年の受賞者のことをよく覚えていらっしゃるとお隣の人も言っていましたけれども、やっぱり本当、これエッセー是非読んでいただいて、このエッセーを読めばやっぱり本当に年金というのはいかに大事なものかと、特に若い人たちにとって大事なものかということが、これほどこのエッセーに込められている言葉に凝縮されているものはないと思います。
 財務省は毎年税金に関する習字を書かせているんですけれども、あれは全く意味ないと思いますね、増税とか書かせているんですけれども。ああいうのよりもよっぽどこっちの方がいいですよ。よっぽどこっちのエッセーの方を是非大臣、これは読んでいただきたいと思います。
 それでは、次の質問に移りますが、この平成二十六年財政検証におけるオプション試算のVについて、この配付資料の最後のページ御覧ください。
 これ、若年の雇用市場もいよいよ売手市場となってまいりました。今こそこの定年延長を実現するチャンスではないかと考えております。
 といいますのは、この最後のページの六十七歳のところを是非御覧ください。これ、もちろん高齢者の方に今後も働かせ続けるのかという意見もありますけれども、山崎先生も七十五歳ぐらいまで日本は定年を延長してもいいんじゃないかということをこの参議院の予算委員会でも公述人のときに言っておられました。
 それぐらい、本当に実はこの六十七歳のところ、上から三段目のところを見ていただくと分かるとおり、この所得代替率が一一・一%、ケースEで一一%、ケースGで九・四%のプラスということになっております。これは、マクロ経済スライドや、それからこのオプションUと言われている、追加していく人たちをどんどん増やしていくことによってどれぐらいこの代替率が上がるのかといえば、本当にこの二年間定年を延長して、その定年延長した分、納めてもらう分を増やして、そして更にこの支給を抑えることで、本当にこの代替率とそれから年金をこれから持続させることができると。
 ただ、もちろん、倉林先生が先日質問したように、定年になってからそのまま引き続き働けるかというとそうなっていないという現状があるんですけれども、是非これ、六十七歳まで定年延長に向けてどのような具体的な方策を行う予定か、お聞かせください。
 定年延長が実現すればこのマクロ経済スライドというのは不要になると思うんですが、いかがでしょうか。
#142
○政府参考人(坂根工博君) お答えいたします。
 厚生労働省といたしましても、六十五歳を超えても現役で活躍していただくことは大変重要だと考えております。このため、平成二十八年度の補正予算におきまして、六十五歳超雇用推進助成金を創設いたしました。この中で、六十五歳以上への定年の引上げ又は定年の廃止を行った事業主への支援を重点的に行うこととしております。また、別の施策といたしまして、全国の主要なハローワークに高年齢者の方を重点的に支援する生涯現役支援窓口を設置し、本人の意欲と能力に応じた職業相談や職業紹介を行っております。平成二十九年度概算要求におきましては、その機能強化に関する予算を盛り込んでいるところでございます。
 こうした取組を通じまして、働く意欲のある高齢者に更に活躍していただける環境を整えていきたいと考えております。
#143
○川田龍平君 年金局長、いかがでしょうか。
#144
○政府参考人(鈴木俊彦君) 御案内のように、年金は長く納めればそれだけ受給額が増える仕組みでございまして、厚生年金の場合は七十歳まで加入ができるということになっております。したがいまして、今、雇用開発部長も申し上げましたように、働く意欲のある高齢者の方々にできるだけ働いていただく、こういった環境整備の取組というのは、やはり個人の年金給付を厚くしていくという点におきましても、年金制度の保障機能の強化という点でも大いに意義があることではないかというふうに考えております。
#145
○川田龍平君 今、納付率が上がったといっても、免除者を増やして納付率を上げているようなところもありますし、やはりしっかりとこの納付を上げていくことももちろんですが、本当にこの今の、特に団塊世代が前期高齢者に入ったとおっしゃっていましたけれども、やっぱり、本当にこれが今、受給を遅らせることで働く意欲のある人がそのまま働いてくれれば、それだけ年金がもつというふうに思います。
 本当に、マクロ経済スライドでは〇・六%とか、所得代替率としては、マクロ経済スライドをやったとして、ケースEでも結局のところ増えるのは〇・八です。〇・八とかそういうのに比べると、一一%というのは本当にもう十倍ですね。本当にそれぐらいやっぱりこれ現実的なものとして、マクロ経済スライドももちろん現実的なのかもしれませんが、それでもやっぱり〇・八なわけですから、是非二年間定年を延ばすということが企業もしっかり頑張っていただいて、そして働く人も、働く意欲がある人が働ける社会にしていけばこれだけやっぱり変わってくるという、この現実的な数字をやっぱりしっかりと私はこれは現実にしていくことが年金をしっかりと持続可能にしていくことの大事なことだと思います。
 マクロ経済スライドよりも、こうした定年延長をしっかりできるような制度、これをやっぱり全力でやることが必要ではないかと思いますので、そのことを申し上げて、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#146
○石橋通宏君 民進党・新緑風会の石橋通宏です。
 いい議論をいろいろとさせていただいているというふうに思います。参議院で我々は徹底審議をさせていただくということで、午前中は総理入りの質疑もさせていただきましたし、我々が求めていた様々な課題についても前向きな、少しずつですが、対応もいただいている。そういう状況の中で、ひょっとすると私もこれがこの法案最後の質問になるかもしれません。今日一時間時間をいただいておりますので、ちょっとこれまで取り残された課題、さらにもう一回確認をしておきたい課題、るるありますので、それを改めて大臣中心にお聞きをしてまいりたいと思いますので、是非真摯、前向きな御答弁、やり取りをさせていただければということをまずお願いしておきたいと思います。
 最初に、今日は、短時間労働者への被用者保険の適用拡大について、先ほど牧山委員からるる質疑がありました。ちょっと年金局長から看過できない発言、答弁もあったので、そこも含めて確認をさせていただきたいというふうに思いますが、まず、大原則、改めて確認しましょう。年金制度って強制加入の社会保険制度でやってきたわけです。それには理由があると思います。なぜ強制加入の社会保険制度なんでしょうか。強制加入であるその大前提、改めて理由を教えてください。
#147
○政府参考人(鈴木俊彦君) 年金に限らず社会保険につきましては、自助、公助、共助の中で共助の仕組みということで、全体が全体を支えていく。社会保険でございますので、できるだけ多くの方の参加を得て、その方々の様々な医療とか老後の所得保障をしていくと同時に、そのために拠出もしっかりしていただく。この間で不公平がないように、今先生がおっしゃった、ある意味強制加入という仕組みを取っているということだと思います。
 あわせて、できるだけ裾野を広げていくこともまた大事でございますので、裾野を広げる努力を同じく社会保険の中でいろいろいたしております。例えば、任意包括加入の制度などもございます。今回の手挙げ方式の中小企業の短時間労働者の加入というものをそういった文脈の中で御理解を賜ればというふうに思います。
#148
○石橋通宏君 いや、後段はよく分かりません。
 最初に、強制加入の、なぜ強制加入なのか。いや、これは年金局長、今おっしゃったとおりだと思います。不公正になってはいけない、裾野を広げなければいけない、みんなでみんなを支えるシステムなんだと、いや、まさにそのとおりだと思います。まずそのことを確認しておきたいと思います。
 お手元に、我々、今回も、何度も何度もみんなで見てきた図でありますけれども、二十時間―三十時間の短時間労働者約四百万人の分布の図であります。ちょっとこれ、どなたでも結構です、年金局長でも、分かったら教えてください。これはあくまで二十時間―三十時間の短時間労働者四百万人です。二十時間未満の短時間労働者も含めると、社会保険が適用されてない非正規雇用労働者って一体、全体で今何人ぐらいになるんでしょうか。
#149
○政府参考人(鈴木俊彦君) これは、オプション試算の中で、働いていらっしゃれば必ず適用するということになりますと一千二百万人という数字をお示しいたしております。したがいまして、今の先生の御質問に対しては、この一千二百万人という受け止めをしていただければほぼ間違いないと思います。
#150
○石橋通宏君 一千二百万人もやっぱりおられるわけです。この一千二百万人の方々、恐らく、様々な今の言われた条件にまだ漏れる方もおられるということを考えれば、それ以上に将来不安、心配がある方というのはおられるのではないか、この皆さんも含めてどう支えていくかという議論を我々はしなければいけないということなんだと思います。
 その上で、この分布図でいいますと、今回の任意適用ですね、これはこの二十時間以上、まあ十月一日から五百一人以上の事業所二十五万人、これは適用になりました。強制加入の適用になりました。今回の任意適用でいけば、その一番下の八十万人、プラスマイナスでいけば約五十五万人、この方々が任意適用の対象だという理解でよろしいでしょうか。
#151
○政府参考人(鈴木俊彦君) 今先生御指摘のとおりでございます。
#152
○石橋通宏君 この部分の二十五万人引いて約五十五万人の方、これが任意適用と。これ、大臣若しくは副大臣、年金局長か、強制加入にしなかった、先ほどるるありましたけれども、デメリットは何なんでしょうか。強制加入、先ほどなぜ強制加入かという話はされました。今回、任意適用です。任意適用にすることのデメリットは何なのかということは政府として認識をされているでしょうか。
#153
○副大臣(橋本岳君) それは先ほど来御答弁申し上げていることの裏返しになるかと思いますが、結局、もちろん働く方にとっては適用された方が将来年金が厚くなるというメリットがあるんだと思いますが、その会社、企業にとっても、特に中小の企業にとって保険料負担が新たに生じるということが負担になり得るということとの兼ね合いの中で、今回の任意、労使の合意に基づく適用という方向にしたわけでございます。
 したがいまして、なぜそうしなかったというののデメリットはという、ちょっと済みません、私もこんがらがってきましたけれども、そこのところの合意が得られなければ適用は進まないということは、今回の方向を逆にしたときのデメリットという言い方はできるんではないかと思います。
#154
○石橋通宏君 先ほど年金局長が言われた、なぜ強制加入なのかという非常に大事な御指摘をいただいた。結局その裏返しになっちゃうわけです。不公正な状況を生み出してしまう、このことが僕は最大のデメリット、懸念だと、これ認識しないといけないと思います。
 二つ、両方あるんですね。労働者、働く側もこれ結局同じ小さな事業所で働いている。同じような業種で同じような仕事をされているかもしれない。でも、適用になれば将来の安心が増す、適用にならなければ将来不安のままで取り残される、同じ立場の労働者で将来安心格差が新たにまた生み出されてしまうかもしれない、ここは大変大きなデメリットなのではないかというふうに思います。
 もう一つは、事業所の側のことを今副大臣も言われましたけれども、事業者の側にも不公正競争を結局喚起してしまうのではないかと。残念ながら、小さな事業所、まさになかなか加入したくても加入できない、そういう中で、いや、競争事業者が加入してない、うちは加入したい、でも加入して労働コストが上がってしまったら競争に負けてしまうかもしれない。真面目に労使で取り組む、真面目に労働者のために頑張る事業者が、その結果、いや、逆に競争でコストに負けて、事業、仕事奪われて、潰れてしまうなんてことはあっちゃいけないわけです。ここでやっぱり競争させちゃいけない。だから、先ほど年金局長が言われたとおり、公正な競争環境、労働者の安心を全体でみんなで守る、だから強制加入なんじゃないでしょうか。この任意加入にすることで、そのどちらの面からも、働く者の側からも事業者の側からも残念ながら不公正な状況を生み出してしまうかもしれない、だから問題なのではないかというふうに私は強く思います。
 大臣、いかがでしょうか。先ほど大臣ね、すごくいい答弁を川田さんの質問に対してされましたね。大企業の負担にしてはどうかというところで、いや、それはできないと、事業主の責任で、事業主の責任だからって強く言っていただきました。そのとおりだと思います。だから、事業主の責任でこれやっぱり強制適用にしていただいて、全ての事業主にきちんと公正にその責任を果たしていただく、それこそが先ほどの大臣の答弁にまさに合致した制度なのではないでしょうか。
 大臣、いかがお考えですか。
#155
○副大臣(橋本岳君) 全員適用ということについての考え方でございますけれども、問題意識は、私どももできるだけ多くの、全ての、全てに、方にできるだけ入っていただきたいと思っているというその問題意識のことについては、私たちも意識は共有できているというふうに思っております。ですから、先ほどいろいろ不公正な格差になるのではないかという御指摘はいただきましたけれども、広報をしていく、あるいはキャリアアップ助成金等の適用等もきちんとさせていただくことで御支援をしていって、できるだけ多くの人に入っていただこうと思っているというのが私どもの思いでございます。
#156
○石橋通宏君 真っ正面から余り答えていただいていないように思います。
 であれば、逆に今回、任意適用という、本来強制適用であるべきその制度に任意適用、さっき局長も初めて設ける制度ですと、これは副大臣が言われたのか、まさに本来強制適用のところに任意適用を持ち込んじゃったわけです。ダブルスタンダードつくっちゃったわけですが、逆に言えば、であれば、なぜ今回ここにとどめちゃったんですか。なぜ、オプション試算でもやられた二百二十万人のところ、ここまで任意適用で持っていって、まさにより多くの労働者が将来安心が確保できるように任意でやれということにしなかったんですか。その合理的な理由を、じゃ、教えてください。
#157
○政府参考人(鈴木俊彦君) なぜ今回ここを任意適用にしたかということでございますけれども、御案内のように、この十月から実施をされております五百一人以上の企業についての強制適用ございました。このときに、御議論として、では、それ以下の規模の企業はどうするんだと、全く道を閉ざすのかという御議論があったわけでございます。これに対しまして、じゃ、そこも強制適用にしていくのだというのも確かに選択肢でございますけれども、そこは残念ながら全体としての合意が得られなかった。その中で、しかし、じゃ、この方々に対して労使共に道を全く閉ざしてしまうのではなくて、少しでもそういった希望のある方には道を開く、こういったことで私ども今回任意適用を導入したということでございます。
 もちろん、任意適用のままずっと放置をしていくということであれば先生の御指摘も当たるかもしれませんけれども、御案内のように、これ適用拡大をできる限り推進していこうというのは、これはもう政府全体の決定事項でございますし、またこれは三党合意でも合意事項になっていたと思います。そうしたベクトルの中で少しでもできることからやっていく、それによって道を閉ざすことはしない、そういう政策選択であるというふうに御理解を賜ればと思います。
#158
○石橋通宏君 繰り返しますが、任意適用なのであればやはりより多くの企業の皆さん、労働者の皆さんにこれ可能性を広げてさしあげるべきだというふうに私は強く思いますし、もし、これもう例外で今回まずこれをやってみようと大臣言われるのであれば、速やかにやはり検討に着手していただいて、まずこの部分できるだけ早く、結果も見ながらかもしれませんが、やっぱり強制適用に移行していただくべきだし、今、年金局長からは言っていただきましたが、やはりより多くの皆さん、裾野を広げていく、全体で全体を支える制度であれば、この図でいけば、四百万人のこの二十時間以上の全ての皆さんにまず適用されるように、これが速やかに実現するようにみんなで努力をしていくべきだと思いますし、先ほど、全体の数字としては二十時間未満の方々も多数おられるわけです。全体千二百万人という数字が挙げられました。同じ働く方々です。将来の安心が必要なのは誰しも同じです。大企業も中小企業も関係ありません。みんなが将来の安心が守られる、それが我々が目指す制度。であれば、まず四百万人目指すとしても、行く行くは、二十時間未満の方々も含めて適用拡大の在り方、これやっぱりきちんと議論をして将来そういう制度設計に進むべきだ、大臣も同じ思いだと思いますが、それでよろしいでしょうか。
#159
○国務大臣(塩崎恭久君) まず第一に、今回の法律にも見直しの規定は適用拡大についても入れているということがまず第一点ございますので、間接的に今おっしゃった考え方は全く同じであるということだと思います。
 自民党の中でも、もう既に全員適用という案を提案をしている若手のグループもあるわけでございまして、今お話があったように、全員に強制適用という考え方ももちろんあるわけで、ですからこそ、オプション試算で千二百万人ベースで計算をしているということもあるわけであります。
 ただ、そうはいいながら、今回手挙げ方式にしたのは、先ほど来御説明申し上げているとおり、企業がどういう行動に出るのか、働く方々がどういう行動に出るのか、それから専業主婦の皆さん方などがどういう行動に出るのか、いろいろ考慮事項があって、今回は、本来、三十一年九月末までに見直しをするということになっておりましたが、やはりこれは大事な問題であって、オプション試算でも示したように、できる限りそっちの方向に行くべきではないのかという考えも持ちながら、将来の全ての国民の暮らしが年金によって支えられ得るようにする方向としてはやはり適用拡大を進めていくことだろうと。そうなれば、合意のできるところはやっぱり今回の手挙げ方式で、それぞれの一つ一つの企業で労使で合意ができた際の導入ということを考えていただくということでいくのかなということで、法律をこうやって提案をさせていただいています。
 したがって、あらゆる方々の老後の暮らしのことを考えれば適用拡大はなるべく進めていくべきというふうに思いますが、合意ができない、あるいはかえって雇用調整をされるというようなことが起きては元も子もないので今回このような形にしているということでありますから、問題意識は石橋委員と同じだというふうに思います。
#160
○石橋通宏君 任意でいろんな企業で差を設ける、結局そういうことにすると、それを逃れようとする企業が出たり、雇用調整が逆にかえって起きてしまったりする、そういうことも逆にあり得ると思います。そういうことも含めて、大臣、思いは同じだと言っていただきました。これやっぱりいろんな、御本人たちのことも日本の将来も企業のことも考えて適用拡大はしていくべきだということだと思いますので、これは政治の責任としてこれからもしっかりと議論していきたいと思います。
 先ほど、私が看過できない年金局長の発言、ちょっとこれ、さっき、今回手挙げ方式にした、企業経営の影響を考えて強制できませんという発言をされた。それ言っちゃったら、じゃ、強制適用できないじゃないですか。今後も強制適用はしないというようなそういう発言に取られますよ。そうじゃないんでしょう、先ほどの答弁を捉えれば。年金局長、ここだけちょっと訂正してください。
#161
○政府参考人(鈴木俊彦君) お答え申し上げた文脈を御理解いただきたいと思いますけれども、あくまで今回につきましては、強制適用を突然するということになると企業への影響というものも、中小企業でございますから注意しなければいけない、そういうことも勘案要素の一つとして入れたということでございまして、影響があるから強制にしない、あるいは適用にしないというつもりで申し上げたところでは全くございません。
#162
○石橋通宏君 先ほどからそういう丁寧に答弁していただければよかったんですが、記録だけ残ってはいけませんので確認をさせていただきました。
 次に、GPIFの組織見直しについて、これも先ほどまた牧山委員からも質疑があったところですが、私からも一点改めて確認をしておきたいと思います。経営委員会のメンバー構成についてです。
 昨日も足立理事からもこの点取り上げていただきましたし、今日午前中、福島委員もこの点を触れられておりました。先週、参考人質疑で参考人の皆さんから大変重要な御指摘、この点についてもいただいた。やっぱり私も全く同感でした。現場の労使の痛みとか思いとか頑張りとか、そういうことのやっぱり分かる方々がこの運用に携わらないと駄目なんだと、そういう委員をやっぱりしっかり確保しないと駄目なんだというふうにおっしゃった。僕は本当にそのとおりだと思います。なので、今回、なぜ労使が五分の一になってしまったのか、一人ずつ二人だけなのか、この辺についてはやっぱりその意味から、観点からいってもどうしても納得ができない。
 それで、これまで政府、大臣も答弁の中で言われていました、いや、運用の専門家じゃないと駄目なんだと、運用の専門性がないと駄目だから、だから専門家を選ぶんだというふうにおっしゃった。大臣、これそのとおり、額面どおりでしょうか。じゃ、労使は運用の専門家じゃないんでしょうか。労使は運用の専門家を選べないんでしょうか。何か労使は労使は、逆に労使が全くそういう責任感を持った対応ができないかのような答弁と取られかねませんが、大臣、真意を教えてください。
#163
○国務大臣(塩崎恭久君) 私は資産運用の専門家でないといけないということを言ったことはないと思います。私が申し上げたのは、法律でもって、経済、金融、資産運用、経営管理などGPIFの業務に関する分野について十分な知識、経験を有する方を選任することが重要だということを私は何度か申し上げているわけでございまして、資産運用だけに特化をした専門性を言っているわけではない。ただ、フィット・アンド・プロパー・ルールということは年金部会でも随分議論されて、やはりこの資産運用に関連をして持っていなきゃいけない知識、経験はこういうものだということで、経済、金融、資産運用、経営管理などGPIFの業務に関連する分野について十分な知識、経験を有する方ということでございます。
 これ、労使は、御推薦をいただいて経営委員に拠出者団体の代表ということで労使各一人入れることを法律上明記をしているわけでありますので、当然、御推薦をいただいても、それは今申し上げたような要件を満たす方を御推薦をいただくということであります。ただ、最も大事なことは、どういう方が来ようとも、経営委員は全てこれは保険者の利益のために全てを、ごめんなさい、被保険者のために専らお仕事をしっかりやっていただくと、こういうことでございますので、私どもとしては、今御提起を申し上げていることで、年金部会での御議論も踏まえて、このような形で提案をさせていただいているということでございます。
#164
○石橋通宏君 まさにその関連する分野の専門性、これ労使が逆に責任を持ってその条件、要件に合致をする方をノミネートしていただければいいわけです。何も必ずしも労使の、もちろん専門性がある方が例えば労働組合の役員なり経営者の中におられればその方を推薦していただければいいわけですが、そうでなくとも、労使だっていろんな運用はしておられます。なので、運用の専門家、まさに労使の思いを、現場の痛みを分かる方を推薦するのは労使が一番よく分かっておられるわけです。であれば、やはり労使が推薦する、ノミネートする委員の割合を僕は理想的には過半数にすべきだと、幾つかの諸外国でやられている。同じように、労使のノミネートする分を過半数にしてオーナーシップを持っていただく、同時に責任もある程度担っていただく、いろんな意味合いがあろうかと思いますけれども、そういう形を、今回この法案でそうなっていない、でも、今後そういう方向で改めて議論をしてこれ見直していくこともあり得べしと思いますが、大臣、今後一切の検討もしないということでしょうか。そういう方向で、そういった意見もしっかり耳傾けていただいて、より適正な経営委員会の構成の在り方、労使から推薦される委員の在り方、これについては今後の見直しの中で検討いただけるということでよろしいでしょうか。
#165
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたように、十名ということで、委員長それから理事長含めて委員全体で十名という経営委員会を今回合議制の組織としてGPIFの中に置くということにいたしました。
 そもそもこのGPIFは、年金の資産の運用をお願いをする、委託をする、委嘱をする、そういう組織としてあるわけで、むしろ、年金全体については社会保障審議会年金部会で、これは当然労使の方々も二人ずつ入って、二十名のうちの四名お入りをいただいて御議論を賜って、年金制度そのものは御議論いただいています。絶えず、ですから働く方々、あるいは会社経営をやっていらっしゃる方々の声も十分反映するような形で年金全体についてやっているわけであります。
 このGPIFについては、年金資産の運用ということでお願いをしようということで、いろんな議論がございましたが、今回御提起しているような形で、さっき申し上げたように、フィット・アンド・プロパー・ルールに基づいて御推薦をいただいた方を一名ずつ労使からお入りをいただく、しかし、先ほど申し上げたように、専ら被保険者の利益のために、全体のためにお働きをいただくと、こういうことで出てきていただいて、御議論いただき、また監督もしていただくということであります。
 今、これから、じゃ、どうするんだということで、これで寸分たりとも変えないのかということでありますけれども、これはもう全ての問題にわたって、一度決めたからそれでずうっと百年いくということではないわけでございますから、全く議論を排除していることはございませんが、ただ、特に明示的に見直し規定を入れているわけではございませんけれども、全体の中で、特に年金部会の中で御議論があればなおのこと、いろいろなことが問題提起がなされるものだというふうに思っております。
#166
○石橋通宏君 まあ物すごいまどろっこしい大臣答弁ですが、結論を言えば、この件についても今後様々な見直し、検討の中に課題として出てくれば検討すると、それは排除しないという答弁だったと思いますので、これは是非そういう方向で、これいろいろ今後新たな体制出てくると思います。引き続きしっかりと耳傾けて、私はやっぱり労使、これ本当に労使が懸命に働いて、そして使用者の方々も拠出をされて、そして将来の安心を守る、頑張っていただいているわけです。その思いをしっかりと反映できる体制つくっていくことが必要だと思いますので、今後の検討の中でこれも含めてしっかりと検討いただく、そのことを改めてお願いしておきたいと思います。
 続いて、今日午前中の川合委員の質問で、大変ちょっと紛糾をいたしました。私が先週の質疑の中で要求をさせていただいた資料について、昨日回答らしきものを相談を受けながら、結局今日理事会に示されたもの、川合委員も指摘をされましたけれども、全くゼロ回答でした。だって、そもそも試算を行うことは差し控えたいと書いておられる。それ時点でゼロ回答ということですから、到底我々としてはこれは承服し難いということで、午前中、川合委員からも繰り返し要求をさせていただいた。最終的に大臣から、年内に頑張るということも含めて試算出していただけるということですので、ここは改めてしっかりお願いしたいと思います。出していただけるならもっと早く出していただければなという思いもありますが、ひとつこれは試算していただく中で検討していただければというお願いです。
 先週も私、二十年、四十年、要は、過去これまでの日本経済、マクロの様々な、賃金がどうだったのか、物価がどうだったのか、様々な循環は当然あったわけです。さらには突発的な事情も多々ありました。これはもうみんなが知っているとおりであります。であれば、やっぱりなかなか、じゃ、過去と言ったときに二十年取ればいいのか、十年なのか、結局、それで、取り方でかなりやっぱり差は出てくるであろうというふうに思います。それも大臣も重々御存じ。だから、余り取りたくないなということだったのかもしれませんが。
 であれば、これ試算していただく上で、是非、じゃ、過去十年、二十年、三十年、どれだけ取るかは、これいろいろちょっと検討していただければと思いますが、幾つかのオプションをちゃんと取って、それで試算を出していただきたいということを、これはお願いです。やっていただく上で、どこまで難しい、そんな簡単なことじゃないのかもしれませんが、十年、二十年、三十年、四十年、それぐらいのオプションで取っていただければ、例えば、古くいけばアジア通貨危機があった、リーマン・ショックがあった、消費税の導入があった、東日本大震災があった、いろんな局面局面でありますので、それをある程度理解しながら平準化していくことも含めて、十年、二十年、三十年、四十年、それが今後同様のマクロ経済の状況が起こったときにどういう今回の改定ルールの影響が及ぼされるのか、既裁定者それから新規裁定者、双方にとってどうなのか、そういうことで検討いただければなおいいと思いますが、これ、大臣、どうでしょうか。
#167
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、石橋委員おっしゃったように、過去二十年というのはもう御案内のように失われた二十年であり、生産性などを見ても非常に伸びが低いわけであります。三十年になるとバブルが入ってくるという、また非常に、十年タームで、まあ何というか、余り状態、普通の形ではないステージであったということもあります。
 もう一つは、やはり時間とともに経済の発展状況というのは変わってくるわけでありますから、成熟度合いというか、一方で、日本だけで生きているわけではなくて、世界の中での日本ですから、世界がどう変わっていくのかということで、中国がここまで伸びるということを例えば三十年、二十年前に正確に見通した人は多分いないんだろうと思います。
 その上で、さらに、いつも財政検証申し上げているのは、百年のおおむね平均的なパターンはどういうのがあり得るのかということを専門家の方々に見ていただいた上でやっていると、こういうことで、不確定、そして変動要因がたくさんある中でありますから、常識的に考えれば、今、石橋委員がおっしゃったように様々なケースを想定をする、どういうケースをお示しをすることが国民の皆さんにとって分かりいいのかということは、やはりなかなか、これ専門家に御議論いただいてやっていかなきゃいけないことなんだろうと思いますが、取りあえずこの年内にお出しをするというのはもう少し単純化したもので出していこうと思いますけれども、次回の財政検証においては、やはりかなり推敲を重ねた上で、どういうパターンをお示しをするのかを含めて議論を賜っていかなきゃいけないな。基本的に、ですから、おっしゃっていることと私の考えは、そう大きな違いがあるわけではないんだろうなというふうに思いました。
#168
○石橋通宏君 まあちょっと、単純化したものと言われたことがちょっと引っかかりましたが、いや、僕は単純化してくれと言っているわけじゃないんです。むしろ、ある意味、大臣が言われて、助け船を出しているつもりなんですが、いろいろなパターンがあり得るのでそれも考慮して、ちょっと心配、これ、済みません、別に信用していないわけじゃないですが、やっぱりどうしても、じゃ、政府にとって一番数字が良くなる都合のいいピリオドを取られて出されてくる、それじゃ困るので幾つかのパターンで出してくださいということも含めてお願いをしております。試算出していただくことは、これ是としたいと思いますが、当然その中身を我々しっかりと議論させていただかなければいけませんので、その中身含めて出していただいた上で、また判断をさせていただければというふうに思います。
 その上で、前回、先週の質疑で、マクロ経済スライドのキャリーオーバーについて質問をさせていただきました。これも参考人質疑で、特に西沢参考人が全く同じような懸念を示されたので、ああ、やっぱりそういう心配が出てくるなというふうに思いましたので、改めて確認をしておきたいと思いますが。
 先週、年金局長からはお認めをいただいたんだと思いますが、キャリーオーバー、結局、消化されるまでは積み上がっていくわけです、調整が終わるまでは積み上がっていく。積み上がっている時点で何らかの経済要因で急に物価なりが上昇してしまったときに、キャリーオーバー、調整メカニズムが働くわけですから、名目下限の部分まではこれは一気に調整をされる。つまりは、ちょっと場合によってはですが、四%、五%、六%物価上昇したときに、その分がぐっと名目下限までキャリーオーバー分調整される可能性がある、イコール、既裁定者、年金生活者の方々の実質生活がそれだけ悪化する、切り下がる可能性がある、このことは改めて確認したいと思いますが、それでよろしいですね。
#169
○政府参考人(鈴木俊彦君) 先日先生に御答弁申し上げたことと同じでございますけれど、今先生がおっしゃったような前提を置いて、そういうケースであれば今先生が御指摘のようなことになる、こういった答弁を申し上げました。その点については間違いがございません。
#170
○石橋通宏君 それで、西沢参考人はこうもおっしゃっています。今、〇・九、調整率ですが、今後調整率は上がっていきます。最大の時点で、二年前の財政検証でいけば一・九までケースEでも上がっていきますね。そうすると、当然ながら、〇・九よりも一・九の方が調整は厳しくなるわけです。キャリーオーバーが発生する可能性もそのときの方が高まる。一・九だと政府の楽観的ケースEシナリオでもキャリーオーバーが発生してしまう蓋然性は高まるのではないかということも含めて、このことも、年金局長、これは確認ですが、理論上はそうですね、〇・九よりも一・九、調整は当然厳しくなるので、キャリーオーバーがたまってしまう懸念、蓋然性はその方がやっぱり確率的には高いと、これはお認めになりますね。
#171
○政府参考人(鈴木俊彦君) この前提といたしまして、その時点での賃金、物価の動きがどうかということが大前提でございます。そのときに賃金、物価が十分上がっていれば、一・九であっても十分調整ができてキャリーオーバーが生じないわけでございますので、そういった前提抜きに〇・九がどうか一・九がどうかということを申し上げるというのはなかなか難しいというふうに思います。
#172
○石橋通宏君 一般的に普通に考えて、局長、素直に認めていただければいいと思います。経済が良くなれば、それはそうです。努力する、当たり前です。
 いや、でも我々は高齢者の暮らしを支える年金の話をしているわけです。キャリーオーバーという制度を今回入れるんでしょう。その影響がどうかという客観的な評価をしないといけないわけです。〇・九よりも、当然、一・九になればそれだけの成長を確保しなきゃいけないわけでしょう。であれば、キャリーオーバー、これ完全に調整、マクロ経済スライドするのはそれは当然難しくなるはずです。
 それで、私も改めてこれ、今後の我々の議論のためにも、西沢参考人が言われていた、いや、むしろ名目下限に固執するからこういうことになるんじゃないか、そういうふうにおっしゃる。いや、僕らは、年金生活者の安定、安心を守るために名目下限は必要だ、我々もそう思っていますし、逆に、先週お聞きしたように、そうやってキャリーオーバー積み上がっていったときに、経済状況で一気に調整されて、五%も六%も調整利いてしまって、それだけ年金生活者の暮らしが悪化する、いや、それはあってはならないと。
 だから、私、先週は、何らかのセーフガード措置を設けるべきではないでしょうかと。何%以上の切下げが行われるような事態になったら、それは一定のレベルで止めておいて全部の調整はしないというふうにしないと、いや、本当に五、六%実質生活が悪化したら、特に低年金の方々大変なことになりますよ。いや、だからこれはキャリーオーバー制度の副作用と言ってもいいんでしょうか。これ、認識しないといけないのではないかと思うわけですが、そうすると、名目下限をやめて、毎年着実に少しずつだけ調整をしていった方が、そういう一気に調整が起こるような、キャリーオーバーの積み上がりのような事態は起きないのではないか、その方が調整が早まって将来世代の年金の切り下がりも早めに確保できるのではないかと、参考人はそういうふうにおっしゃっていたわけです。
 ここで二つ、確認まででお聞きします。
 一つは、もう一度質問しますが、今も申し上げたようなセーフガード措置、余りに大きく調整が入ってしまうようなケース、これはやっぱり何らかの対応が必要ではないかと思いますが、そういう事態、今から考えるのか、そのときに何か措置をするのか、あろうかと思いますが、これはやっぱり何か必要だと思いますが、そういうことは今後お考えになりませんでしょうか。
#173
○国務大臣(塩崎恭久君) 今キャリーオーバーの今回提案しているものが急激に作動するときがあるじゃないか、そのときの年金受給者の暮らしに配慮が要るんじゃないかと、こういう問題意識というふうに理解をいたしました。
 キャリーオーバー自体は、マクロ経済スライドによる調整もできる限り先送りをしないで早期に終了させようということで、若い人たちの将来の基礎年金の所得代替率がこれ以上低下しないようにしようという目的であることはもう言うまでもないわけでありますが、年金受給者の生活を支えることも同時に重要だということで、今回の見直しに当たって、現在の受給者にも配慮をして、キャリーオーバー分を調整する場合であっても名目下限は作動させるということで今話が進んでいるわけでございます。
 しかし、今冒頭私がまとめさせていただいたような問題提起を受けると、確かに、この調整を遅らせていくことによって将来世代に、今のようなセーフガード措置で早めにやっていくということがありますが、多分もう一つは、言ってみれば、そういうときの今度、キャリーオーバーの調整の幅をシーリングを設けるとかいう形で少なくするというようなこともあるんだろうと思いますけれども、しかし、これは少なくすると、今度は問題を先送ってしまって将来世代の年金を減らしてしまうということになります。ですから、十分留意をしなければいけないんだろうというふうに思います。
 低所得や低年金の方々への対応についてはもう何度も申し上げて、二十五年から十年にするとか、それから福祉的給付とかいろいろもう言ってきたとおりでありますけれども、もう一つございますのは、年金生活者支援給付金の額その他の事項について、法律の附則、検討規定というのがございますので、これは平成三十一年十月の法施行後に、この生活者支援給付金の額、今、最大六万円ということになっていますが、こういったことについても、今お話しのような事態に備える意味での手だての一つとして考え得るのかなと。ですから、もうちょっと一般化すれば、今、石橋委員が御提起されているような局面の場合の対応については、検討をしっかり今後も深めていかなきゃいけないだろうというふうに思います。
#174
○石橋通宏君 これもちょっとまどろっこしい議論ですが、大臣、そういうおそれがあって、やはり仮に一気にこの調整が行われてしまうような事態になれば、そこは年金生活の方々の暮らしがやっぱり本当に一気に悪化、切り下がってしまう可能性があるということは大臣も確認をいただいたんだと思いますし、そのために今後何らかの全体制度設計を考えていかなければいけないというのも大臣、確認をいただいたんだと思います。
 なので、僕らはまさに、このことも含めて、今回、キャリーオーバー、本当にこれ大丈夫なのか、こういう形になって、将来世代の確保、いや、でも、今年金でお暮らしの方々、これから年金で暮らしていかれる方々、その皆さんの安心も守っていかなければいけない。百年安心云々の議論、今日もありました。百年後に安定すればいい話じゃないんです。百年間ずっと御高齢の方々の安心を守っていくのが年金制度です。であれば、五年後どうなるのか、十年後どうなるのか、そういうことをずっと継続的に見ていかなければいけないからこそ、いろんな試算も含めてちゃんと出して議論しようということを言っているわけであります。
 大臣、改めてその思いは共有をいただいたんだろうというふうに思いますが、ちょっと時間がなくなってきましたので、その点で、今日最後に大臣とも幾つか確認をしていきたいんですが、資料の二、これも先週も出させていただきました。それで、我々も概して老齢基礎年金の受給者だけの話をしがちなんですけれども、当然、今の低年金問題というのは、厚生年金に加入歴がある方でも、やっぱり加入歴が少ないなどなど様々な理由があって、厚生年金を受給される方の中でも低年金の方がすごく増えてしまっています。とりわけ女性の方々です。この表にありますように、上の厚生年金保険でも、平成十六年度末から二十六年度末まで十年間でも、十万円未満、以下の方々、ここがぐぐっと増加をしてきている、このことが見て取れると思います。
 ですので、低年金の方々、これは無年金が含まれていませんので低年金の方々ということになろうと思いますけれども、そうすると、やはり低年金の方々が増加している傾向にある。このことは、雇用の非正規化、様々な要素、これであるんだと思います。
 ただ、ちょっとこれ、今日、援護局長にも来ていただいておりますが、これ年金局長なんかにも、私はずっと全体像を是非示してほしいと、分布図を。厚生年金、基礎年金分けずに、じゃ、全体年金受給者の年金額の分布が、無年金の方から、ずっとどういう分布になるのか、それが全部分かるようにこれ出していただかないとなかなか全体像の議論ができないというふうにお願いをしていたんですが、これしか出てこないわけです。
 そういう分布図お作りになっていないんでしょうか。
#175
○政府参考人(鈴木俊彦君) これは、現在私どもが事業上取っております統計を今先生のお手元にお示ししたところでございます。
 端的にお答えいたしますと、今先生がおっしゃったような一人の方がどれだけ一階、二階合わせて持っているのか、一階だけの方、二階だけの方も含めてということで今分布というふうにおっしゃったんだろうと理解しておりますけれども、それは端的に申し上げますと、私ども事業統計上そういうものを取れるようにしないといけない、名寄せも含めてということでございます。
 そういうことをしていかなければならないという課題意識は私どもも持っております。ただ、御理解いただきたいのは、直ちに今日この時点でお示しするだけの用意と仕組みはございません。したがいまして、これについては将来的な検討課題とさせていただきたいと思っておりますし、また、そうした課題意識は持っているところでございます。
#176
○石橋通宏君 これ確認ですが、平成二十六年財政検証に対するピアレビューで四つの課題というのが指摘をされている。その中にまさにこの分布推計というのも含まれているというふうに理解して、今、年金局長これからの検討課題というふうにおっしゃいましたが、これ、次期財政検証までにしっかり出してやられるんでしょうか。
#177
○政府参考人(鈴木俊彦君) 二つございます。私が今申し上げましたのは、現在年金をもらっている方の一人当たりの年金の分布がどうなるか、これは無年金も含めて、これは事業統計上の問題でございますので、そういった仕組みをしっかりつくっていく、まあ時間掛かると思いますが、そういう問題だろうと思います。
 もう一つ、今先生から御指摘ございました将来の年金分布、これは大変難しい面がございます。一部研究者の中にはそういうものを実際に試みておられる方がいらっしゃるのも承知をしておりますけれども、これは、一人の方がどういったような職歴、収入そしてライフステージ、これをたどっていくのかということで、非常に様々な前提を置かなければなりません。したがいまして、これは一概にできないということではなくて、正確なものをきちんと言わば政策選択の材料としてできるように示していくためにはかなりハードルがいっぱいあると思います。
 ただ、先生が御指摘のように、ピアレビューの中でそういったものも目指して取り組めという御指摘をいただいているのはそのとおりでございます。したがいまして、私ども、そういったものに向けて何ができるかというような検討努力は続けてまいりたいと思っております。
#178
○石橋通宏君 ずっとお願いして今のような御答弁で、できないできない、難しい難しい、時間掛かる時間掛かるというので一向に駄目なので、私もずっと、まさに研究者の方々の研究探していたところ、今日お手元に資料の三をお配りをいたしました。高齢女性の貧困化に関するシミュレーション分析という新しい分析結果です。
 ここに一部図をお示しをして、これ、こういうのをまさに現実、実態としてどうなのか、将来推計がどうなるのか知りたかった、どんずばりの図でしたので今日ちょっと引用させていただきましたけれども、これ、図二、二〇一二年時点での公的年金の分布を男性、女性でシミュレーションで出されております。これ見ればもう一目瞭然ですね。男性は比較的平面的な分布ですが、女性はもう決定的、圧倒的に低年金水準、いわゆる基礎年金満額水準前後のところで集中をされております。これはこれまでの年金制度を考えればさもありなんかなというふうに思いますが、問題は、二〇三〇年の将来推計の分布、これ驚きませんか。ぐっと男性も下の方に移ってきてしまっていて、低年金と言われる水準も含めて、ぐぐっと増えているという分布になっておられます。
 これがこのとおりだとすれば、いや、本当に、我々が議論をしてきた十分性の問題、本当に年金が高齢者の安心をこれからも支え続けることができるのか、今回の改定ルールで一体どういう状況になるのか、そういうことも含めて大変心配な状況が生まれてくるのではないか。こういうことをしっかりと示していただいて、我々は年金制度の十分性を議論しなければいけないということだと思うんです。
 その下の図、これもずっと議論、私も、今高齢者の方々の貧困が高まっている、生活保護受給世帯のいよいよ半数以上の世帯が高齢者世帯という状況になっている、このことはここでも何度も質疑をさせていただきました。この状況がこれから悪化するのではないか、特に高齢の単身女性の貧困率が今でも高い。
 これ、援護局長、そこは確認させていただきますが、高齢者の貧困、生活保護受給者、これはやっぱり高齢の女性の貧困が少しずつ悪化をしていて、推計上、今後も単身高齢女性の貧困、これが一つ大きな課題になってくる、政府も厚労省もそういう認識でおられる、ここは確認をいただけるんでしょうか。
#179
○政府参考人(定塚由美子君) 高齢者の貧困率でございますけれども、私ども、全国消費実態調査などで貧困率のデータを取っております。
 これによりますと、六十五歳以上の男女計の相対的貧困率は、近年若干低下傾向にあると。ただ、男女別の数というのがございませんので、女性についての貧困率というのを私ども数字として把握をしてございません。
#180
○石橋通宏君 これも、お願いしても統計がないということで、一体どういう実態になっているのかが分からないんです。いや、今の年金制度を考えれば、どうしてもやっぱり女性のこれまでの日本のモデルですね、まあ今のモデルも結局男性が働いて女性が専業主婦でというモデルをいまだに使っている、だから、なかなか将来、これからますます単身高齢者が増えていく、とりわけ女性のといったときに、実態が分からない、それじゃやっぱり正しい政策が打てないのではないかと。
 この方が、この下の図六で、同様にこの論考の中で推計をされているんですね。男性と女性と分けて、どういう年金の将来推計になるのか、どういう貧困率になるのか、それをシミュレーションして、未婚・離別、死別、有配偶者、こういうシミュレーションパターンで出しておられます。
 これをそのまま引用すれば、非常に衝撃的な推計だと思います。女性の未婚・離別の方の貧困率がもう二人に一人、そういう状況にまでずっと上がっていく。この方の貧困率は生活扶助基準未満という形で出されておりますけれども、それだけ高齢女性の貧困率が上がっていく懸念が示されております、年金の不足ということも併せてですね。
 やっぱり、こういうきちんとしたシミュレーション、これを政府としても、年金局長、難しいから、いや、でも、やっぱり早く出していただいて、それに基づいてどのように年金制度を構築していくのか、改善していくのか、これ議論しないといけないのではないでしょうか。
 大臣、今の現状のデータ不足、資料不足、このことも含めて、これから正しい、そんな簡単じゃないかもしれない、でも、それはやっぱりしっかりと出していただいて正しい政策を打っていく、このことは認識していただけると思いますが、大臣、そういう方向で厚生労働省、御努力をいただくということでよろしいでしょうか。
#181
○国務大臣(塩崎恭久君) これは既に私も何度か申し上げてまいりましたけれども、今後、高齢化も更に進む、そして少子化についてもまだ当分続くとすれば、いよいよもってこの社会保障をどう強化するかという際に、今おっしゃったような基礎的なデータがそろっていることが大事なことだというふうに私も思います。したがって、今、定塚局長の方からも、男女別がないみたいなことがありますが、例えば今回の財政検証の中でも、賃金の水準と、それから単身、夫婦共働き、そして夫のみの就労世帯などというので立体的に基礎年金、厚生年金別の所得代替率などはお示しを初めて今回の財政検証でしています。
 ですから、徐々にいろいろデータを提供していますけれども、今お話しのように、特に女性の方が寿命が長いということもあって、女性の貧困な高齢者が増えるのではないかということはやはり私たちもよく考えなきゃいけないので、そういう意味で、データの多様化をよく図っていくということは大変大事なことだと思いますので、多角的に立体的に見れるようにしていくことが我々にとって大事な年金の将来政策を決める際の基礎データになるんだろうというふうに思います。
#182
○石橋通宏君 これ、必要だということは認めていただいたんだというふうに思います。是非それやっていただかないと、やはり正しい年金、これは議論できないと思いますので、ここは我々、引き続き要求もしていきますが、政府としても、能動的にここはしっかりとデータ改めて取っていただくことも含めてやって、今後の財政検証を含めた議論に必ず生かしていただきたいというふうに思います。
 最後に、資料の四、五、まさにこういう十分性の議論、全体としてどう御高齢の方々、これから高齢期を迎える将来世代の皆さんも含めて安心を確保していくのか。これ、実は年金局で作られていた資料を拝借をいたしました。局長もいろんな講演で使われていると聞いておりますけれども。
 特に四の資料、これ、私的な扶養と社会的な扶養。これやっぱり、かつては、年金制度のない時代、御高齢の皆さんの高齢期、これは家族が中心的に私的な扶養で担われていた。しかし、全体で全体を支えていこうということで年金制度をつくって、今ここに示されている社会的な扶養がずっと拡充をしてきた。だから、例えば私も有り難いことに、私の両親健在ですが、年金で安定的に過ごさせていただいていて、仕送りする必要がないので有り難く思っておりますけれども、今既にこの時点でも、残念ながら年金で十分な生活ができない方々、先ほど申しましたように増えてきている。
 御高齢の方の中で、十分な年金がある方、ない方、格差がむしろ広がっているという状況だと思いますが、ここでもし、これまで、大臣、答弁でも、年金でなかなか全て支えられないと、今回年金でマクロ経済スライドフル発動されれば、年金、これは下がっていくわけです。そうすると、ここで言うと、社会的な扶養の部分が、これ点線で示させていただきました。このまま真っすぐ横に伸びるのか、少しぐらいは上に上がるのか、むしろ下がってしまうのか。社会的な扶養が弱まれば、当然また私的な扶養が高まっていくわけであります。ということは、将来年金確保なんという、これまたちょっとミスリーディングかなと思うわけです。年金で支えていけなくなれば、やっぱり私的な扶養、つまり子供たちがまた支えなければいけない、そういう時代になる。逆にそうならば、それをしっかりと示していただいて、どう考えるか、やっていかなきゃいけないわけです。
 大臣のお考えを最後に聞いておきたいと思います。大臣、社会的な扶養が今後十分でない、年金で十分支えられないとすると、私的な扶養がまた増えていく、それは、子供たちこれから頑張ってまた御両親面倒見てくださいねというのか、御自身で自分のことは自分で面倒を見てください、もう年金はお役に立てませんというのか。大臣、どういう方向でこの将来の年金、今回の改正も含めてお考えなのか、最後にそのことをお伺いしておきたいと思います。
#183
○国務大臣(塩崎恭久君) よく私ども言う自助、共助、公助、これの組合せをどうこれから図っていくのかという問題なんだろうというふうに思いますが、年金の支給額でどこまで賄えるのかということについては、基礎年金が全てを賄うということでは必ずしもなく、なかなかそれは難しいというのは制度の最初からそういうことでスタートしておりますけれども、ある程度の蓄えを自ら蓄えておくということ、これはお願いせざるを得ないんだろうというふうに思います。これは自助の部分だろうと思います。
 その上で、現在、将来の収入の確保を図ることが大事であって、それをどういう組合せで、今お配りをいただいた、私的な扶養と社会的な扶養の組合せでいくのかということでありますが、まずは、先ほども質問がございましたけれども、やはり高齢者も働ける方は働けるように機会を提供をしていくということも大事な一つのことであり、また正社員に転換、それから待遇改善、女性の就労の促進、同一労働同一賃金、こういったことが大事であろうというふうに思います。
 公的年金についてでありますけれども、これ、厚生年金の適用拡大を先ほどお話をいただきましたが、まさにこれを進めて、働き方に応じた所得保障の充実を図る。そして、公的年金と併せて、老後の保障確保を充実するための個人型の確定拠出年金について、今回この加入範囲の拡大を図らせていただいたところでございまして、こういう形で老後の所得保障の重層化というものをしっかりと図っていかなければいけないんだろうというふうに思います。
 低所得、低年金の高齢者の方々への対策については、これは一体改革でも明示的にお取り上げをいただいて、福祉的給付や、あるいは医療、介護の保険料負担の方の軽減策などもやる。そして、生活困窮者自立支援法の施行によって、この制度が包括的な支援をできるような体制も組みつつあるので、これをどう進めていくのかということなどを含めて、やはり社会保障全体で総合的に支援をしていくということで、ですから、この社会保障の共助という部分を幅広くしっかりとさせていくこと、そして自助もしやすいようにしていくということが大事なんではないかというふうに思いますので、年金制度については年金の保障機能を、つまり十分性というものを強化をしていく中で、世代間、世代内の公平性を確保する観点から、先ほど来もお話が出ておりますけれども、既に示されている社会保障制度の課題、これは例えばプログラム法に四つの課題がありますが、こういうこと。それから、財政検証のたびにいろいろ課題が出てくる、これについても政策課題として解決をする努力をする。そして、オプション試算のような形で政策の選択肢を踏まえてこの年金制度自体の改革も行っていくということではないかと思います。
#184
○石橋通宏君 終わります。ありがとうございます。
#185
○三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。
 参議院での本法案の審議時間は、本日の委員会で衆議院での審議時間とほぼ同じくなります。三割カットや年金カット法案といったレッテル貼りが多用された衆議院での審議とは異なって、参議院ではマクロ経済スライドなどの年金額改定ルール、GPIF改革だけではなく、衆議院では審議の少なかった、先ほど来もありましたけれども、短時間労働者への被用者保険適用拡大、産前産後期間の保険料免除、そして日本年金機構の不要財産の国庫納付規定までしっかりと審議をされ、改めて参議院が良識の府であるということが示されたと感じております。
 今回の法改正をめぐっては、将来世代の年金確保につながるといった見解から年金がカットされるといった見解まで、多くの見解が示されました。しかし、法改正の趣旨はもちろん、世代間の対立をあおることではなく、現状のままでは解決できない問題を解決するためであるということは間違いありません。現状の問題をしっかりと説明した上で、法案がそうした問題を解決するために必要であることを示さなくてはならないと思います。
 そこで、塩崎大臣にお伺いいたします。
 法案審議の過程では、法改正のメリットとデメリットについてはその議論が集中をしてきました。しかし、その結果として、仮に法案が成立をせず、現行の制度のままであった場合のデメリット、これについては余り説明されていないように感じると思います。現行の制度のままでは今後どのような弊害が生じ得るのか、詳細な説明をいただければと思います。
#186
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、三浦委員から御指摘をいただいたように、この参議院の厚生労働委員会での議論で本当に将来の課題というものを御指摘をたくさんいただき、私どもとしても気付きの部分もたくさんあったと思います。そういう意味で、大変建設的な御議論があったことに感謝を申し上げたいというふうに思います。
 その上で、今回の法案に盛り込んでおります年金額の改定ルールの見直しにつきましては、平成十六年改正以降、現役世代の賃金の低下に合わせた年金額の改定を行わなかったために、今の高齢者の基礎年金部分の所得代替率が約一割上昇してしまった、その一方で、将来の基礎年金部分の所得代替率が約一割下がってしまった、このことを背景として今回御提起を申し上げているということでございます。
 本法案によります年金額改定ルールの見直しを行わないとすれば、今後、賃金が低下するような不測の経済状態になった場合に将来の基礎年金の水準はより低下をするおそれがございます。今回の見直しは、それを未然に防ぐ、そして信頼される年金制度をつくるために必要なものということだと思います。
 今後とも、広く国民に御理解をいただけるように、あらゆる機会を通じて制度改正の内容を丁寧に御説明を申し上げてまいりたいというふうに思います。
#187
○三浦信祐君 ありがとうございます。
 ちょっと順番を変えますけれども、今回の法改正によって、これまでたった一度しか実施されなかったマクロ経済スライドの調整機能が強化をされることとなります。マクロ経済スライドのキャリーオーバーの仕組みが導入されることでマクロ経済スライドの調整期間の長期化を防ぐことができると考えられます。先日の同僚議員である熊野議員の質疑の際にも、マクロ経済スライドの調整期間の長期化の及ぼす弊害について答弁があったことだと思います。平成二十六年の財政検証のオプション試算では、経済変動がある前提でマクロ経済スライドのフル発動によって、ケースのCでは将来の所得代替率が〇・四%改善、ケースEでは調整期間が二年早く終了して〇・八%の改善、そしてケースGでは二十二年早く終了し五・〇%の改善、ケースHでは国民年金積立金の枯渇を免れるとの試算結果も得られています。
 そこで、鈴木年金局長にお伺いします。
 オプション試算とは異なって名目下限措置を維持するキャリーオーバーの仕組みとした理由について、また、経済状況が順調とは言えないときがあったとしても調整期間の長期化を防ぐ効果があることを改めて御説明をいただきたいと思います。
#188
○政府参考人(鈴木俊彦君) マクロ経済スライドのいわゆるキャリーオーバーでございますけれども、これは社会保障審議会の年金部会で御議論がございました。その中では、将来世代の給付水準を確保するという観点からはマクロ経済スライド極力その先送りしない、この工夫が重要であるという点についてはおおむね一致をしたところでございますけれども、一方で、前年度よりも年金の名目額をマクロ経済スライドで下げないという配慮措置、いわゆる御指摘ございます名目下限措置、これを見直してフル発動までするかどうか、ここについては賛否が分かれたところでございます。これが審議会のステップでございました。
 このため、与党との調整もその後踏まえまして、現在の受給者の方々に一定の配慮をする必要がある、こういった観点から、名目下限措置は維持する、その上で、しかし、積み残しの調整がありましたならば、それは景気後退局面で生じますので、直近の景気回復局面がありましたならばそれを直ちに片付けると、こういった形できちんとマクロ経済スライド発動効果を及ぼそう、それによりまして、将来の年金水準の確保、マクロ経済スライドの長期化を防ぎ、将来の年金水準の確保も行うことができる、こういったような考え方、御議論があってこの案に至ったわけでございます。
#189
○三浦信祐君 しっかりバランスを取るために今検討していただいたということだと思います。
 その上で、いまだ国民の間で年金に関する法案への誤解があったり、理解が深まっていないように見受けられたりするのも事実です。今回の法改正について多くのマスコミ報道がありますけれども、専門用語が多かったり制度が複雑だったりすることが理解が深まりづらい一因かと考えます。また、厚生労働省が国民に対して行っている法案の内容の説明もまだ十分に行き渡っていない点も課題だと思います。
 そこで、馬場政務官にお伺いいたします。
 厚生労働省のホームページ等で、今回の法改正も含めて、国民、特にこれから責任世代となっていく若い世代に向けた分かりやすい解説に取り組んでほしいと考えますけれども、ある程度、先ほどもありましたけれども、是非御答弁いただければと思います。
#190
○大臣政務官(馬場成志君) お答えします。
 国民の年金権の確保のほか、年金制度の信頼確保の観点からも公的年金制度の意義などを理解していただくことは大変重要でありますので、特に将来の社会を担う若者に対して年金制度の仕組みやその役割について正しく理解していただくことが重要だと考えております。
 このため、厚生労働省と日本年金機構では、ホームページを通じた年金制度に関する周知、広報のほか、若い世代を対象に年金事務所と地域の高校、大学などと連携した年金セミナーを昨年度は全国で三千三百回以上実施するとともに、厚生労働省職員による大学等への出前講座なども実施しておるところであります。
 さらに、国民の皆様に年金制度を身近なものとして理解を深めていただくよう、公的年金をテーマとしたエッセーを募集しておりまして、中には、岐阜県の高山西高校などは学校ぐるみで参加していただくなど、取組を広げていただいておるところであります。
 あわせて、パソコンやスマートフォンから手軽に年金記録や将来の年金見込額などの確認ができるねんきんネットの普及に努めているほか、現在、新たにスマートフォン上のアプリ機能、年金アプリの検討を進めているところであります。
 今後とも、若い世代を対象に年金制度への理解が高まるよう、周知、広報にしっかりと取り組んでまいります。
#191
○三浦信祐君 ありがとうございます。
 広報戦略のみならず、これから年金を払うことになる若い世代に教育の場においてもしっかり年金教育の充実に取り組んでいかなければいけないんだと思います。是非今後、文科省ともしっかり連携をしていただいて、理解を進めるように頑張っていただきたいと思います。
 時間になりましたので、以上で終わらせていただきます。
#192
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 年金が地域の経済に与える影響についてまず質問したいと思います。
 年金給付が県民所得の一五%以上になっている県はどこか、また、家計消費の二割以上、これ占めている県はどこか、県名で、そして一番高いところで結構ですので、どの程度になっているのかと、数値も併せて説明してください。
#193
○政府参考人(鈴木俊彦君) 平成二十五年度の数値でございますけれども、年金給付総額が県民所得比で一五%以上となっている都道府県、島根県、鳥取県、高知県、秋田県、愛媛県、長野県、奈良県、長崎県、香川県、山口県の十県でございます。最も割合の高い島根県では一八・〇%となっております。
 また、同じく二十五年度の数値でございますが、年金給付総額が家計消費支出比で二〇%以上となっています都道府県でございます。島根県、鳥取県、愛媛県、奈良県、山口県、福井県、富山県、岐阜県、佐賀県の九県でございます。最も割合の高い島根県では二三・五%となっております。
#194
○倉林明子君 大臣の愛媛も含めて、大変影響が大きい、占める割合が高いということが出ていると思うんです。私、年金削減ということは、ただ年金生活者の生活の問題だけじゃなくて、地域経済にもマイナスの影響を与える、こう考えますけれども、いかがでしょうか、大臣。
#195
○国務大臣(塩崎恭久君) 今局長の方から答弁を申し上げた中に私の愛媛県も入っているわけで、年金の支払が暮らしにいかに意味のある政策としてあるかということ、そして影響が大きいということを私どもも確認をしたわけでございますが、年金が地域経済の一部を下支えする役割というのを果たしているということは、これはもう事実でございます。一方、将来の年金水準がこれ以上低下することを防止する措置をとらなければ将来の地域経済にダメージを与えかねないということもそのとおりでございます。
 その上で、今回の年金額の改定ルールの見直しに当たりましては、低年金の方にも十分配慮をする。まず、マクロ経済スライドにつきましては、賃金、物価がプラスのときに発動をし、またマクロ経済スライドによって前年度よりも年金の名目額を下げないという配慮の措置は維持をするわけで、その上で、未調整分を繰り越して好況のときに調整をする仕組みを導入すると、こういうことでございます。
 そして、賃金が下がった際に賃金に合わせて改定をする見直しにつきましては、低年金、低所得の方に対する年最大六万円の福祉的な給付を平成三十一年十月までにスタートした後の平成三十三年度から適用すると。これによって、年金と相まって今まで以上に高齢者の生活を支えていくということでございます。
 もちろん、適用拡大等々配慮をして、できる限りこの年金が幅広く受け取れるようにするということも大事であって、特に現役世代において現在の生活の安定、老後の不安の解消をもたらして、結果として消費の拡大につながることが期待できることから、経済にとってもプラスの影響を与えると考えております。
#196
○倉林明子君 今々アベノミクスの効果が地域経済の隅々まで行き渡らないと。今の課題なんですよ。そして、今、地域経済に年金減らすことがどれだけ影響大きいのか、その認識を聞きたかったんですけれども、制度全体の説明、今していただいても余り議論としてはかみ合わないんじゃないかと思いますね。指摘はしておきます。
 高齢者は消費活動のほとんど、これ地域内で行うわけです。年金の削減、これは明らかに高齢化率の高い地域ほどマイナスの影響が大きいんですよ。地域の活性化にとって、高齢者の所得が増える、これ地域経済に直接プラスになるわけです。私、現在の、今求められる経済対策としても、地方活性化にとっても、年金の引上げ、効果が大きいと、これは強く指摘をしておきたいと思います。
 そこで、次の質問なんですけれども、積立金の運用の続きを聞きたいと思います。
 これ、二〇四〇年頃までに積立金が増え続けることになる理由を質問いたしましたところ、局長は、年金支給開始年齢の引上げによる給付額の減少があるんだと、さらにマクロ経済スライドによる、すなわち給付の減少によるということと答弁されております。つまり、今でも低年金で苦しむ高齢者にも一律に給付を削減して積立金を増やす、こういうことで理解は間違いないでしょうか。
#197
○政府参考人(鈴木俊彦君) これは、年金財政の仕組みとその中での積立金の役割という基本論に立ち返っていただく必要があると思います。
 御案内のように、今の年金制度、おおむね百年程度の財政均衡期間の中で年金水準を将来に向けて調整していく仕組みでございます。その中で、具体的に申し上げますと、少子高齢化が一層進みまして受給世代が増加して現役世代が減少していく、こうなるわけでございますが、このうち二〇五〇年代以降が少子高齢化が最も進むと見込まれますので、その頃がある意味年金財政にとって非常に厳しい時期になります。そうした時期も含めまして、世代間の公平を図りながら、積立金と運用収入を計画的にかつ最大限有効に活用して将来にわたって給付水準を確保していく、これが年金財政の仕組みと積立金の機能でございます。
 そうした中で、厚生年金の支給開始年齢の段階的な引上げ、あるいはマクロ経済スライドの給付調整について今御指摘ございましたけれども、これらは、以上申し上げたような流れの中で、全ての方を対象といたしますけれども、将来にわたって給付水準を確保して持続可能な制度とするために必要な仕組みであるというふうに考えております。
#198
○倉林明子君 つまり、否定されないわけで、今の低い水準の人たちの年金についても一律やっぱり給付削減することで積立金を積み増すという構図についてはそうだと思うんですよ、答弁されたとおりですから。
 そこで、今後、この積立金の積立てというのは三十五年、マクロ経済スライドがどう機能するかということもあるんでしょうが、いずれにしても積み立てていくという、三十五年ほど積み立てていくということになっているわけですね。この莫大な積立金、この運用で損失が出た場合、これについて九日の参考人質疑で西沢参考人がおっしゃっておりました、損失はマクロ経済スライドの長期化を通じて解消するしかないと。三十年、四十年後にツケが回ってくると述べられております。私、西沢参考人のおっしゃるとおりだなと思いましたけれども、どうですか。
#199
○政府参考人(鈴木俊彦君) 先般の参考人質疑で西沢参考人がお答えになったことでございますけれども、この御指摘は、積立金の運用が財政検証上の前提を一定期間ずっと下回り続けるような特殊な事態を想定しておっしゃっているんだろうと考えております。そして、かつ、一般的にマクロ経済スライドの調整期間に影響を与える要因といたしましては様々ございますけれども、人口構造、就業構造などの長期間の動向もございます。その中の一つとして長期間の積立金の運用実績もある、こういった論理的な構造について西沢参考人がお話しされたというふうに理解しております。
 そうした中で、積立金の運用でございますけれども、これは繰り返し御答弁申し上げておりますけれども、短期的な損失が年金額に影響を及ぼしたり年金財政上の問題を引き起こしたりするようなことはないわけでございます。
 今後とも、年金財政上必要な運用利回りを確保できるように、長期的な観点から安全、効率的に運用を努めてまいりたいと考えております。
#200
○倉林明子君 いや、西沢参考人は著書の中でも明確に書いているんですよ。運用損失が出た場合、損失が発生した場合の制度設計がないということを指摘されているんです。損失に対応するには、現状の設計ではマクロ経済スライド、長期化して解消していくしかないとはっきりおっしゃっていましたよ。違うんですか。
#201
○政府参考人(鈴木俊彦君) マクロ経済スライドの調整率に影響を与える要因としてそうしたことが、長期的に損失が非常に長く続けばあるということはそのとおりだと思いますけれども、問題はそうしたことは起きないということでございまして、具体的にそれを担保する仕組みといたしまして、五年に一度財政検証を行って、その中で必要な運用利回りを算出し、GPIFに対しまして運用目標として示し、これが実現できるような基本ポートフォリオを設定し、運用に努めている。これをずっと放置するわけではなくて、五年に一度きちんと検証しているわけでございます。
 その中で、年金給付総額全体に占める積立金と運用収入の割合というのはたかだか一割でございますので、そうしたことも含めて、短期の損失が年金額、年金財政に影響を与えることはございませんし、そうした損失が長期になるようなことは、今申し上げた財政検証とその中での目標の運用利回り、ポートフォリオの設定という仕組みできちんと担保されているということだろうというふうに理解しております。
#202
○倉林明子君 私、損失が出ないように運営していく、そういう意気込みについては盛んに説明を受けたんだけれども、やっぱり参考人の指摘もあって、この損失が出た場合についてのその責任は、まあ厚労大臣、形としては取ることになるかもしれないけれども、出た損失は一体誰が担うことになるんですかということでいえば、やっぱり加入者、被保険者が担っていくことになるわけですよ。こういうリスクを国民にやっぱり私きちんと説明すべきじゃないかと思うんですけれど、大臣、いかがでしょうか。
#203
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど来、局長からも答弁申し上げているように、GPIFの四半期ごとの損失などについて特におっしゃっておられるんだろうというふうに思います。
 何度も申し上げるように、年金の資金はやっぱり長期的な運用を大事にしている運用でございますので、結果としてきちっとお約束をした年金を支払えるような利回りを実現をしていくというのが大事なことでございまして、短期的な評価損は評価損としてしっかりと見ていただくようにディスクロージャーもはっきりやっているわけでありまして、そういうことを含めてお約束どおりの利回りが実現するように、絶えずGPIFで運用をしっかりやってもらうように、私どもとして、私どもの責任として、この委託をした運用をよく見ていくというのが大事だというふうに思いますし、今回の法律でもってこの合議制の監督組織が経営委員会として見るということになるわけであります。
#204
○倉林明子君 株式の運用拡大広げているわけで、そういうリスクを伴っているんだと、そして損失については一体誰が担うことになるのかと、ここまでやっぱり示してこそ説明責任果たしたということになるんじゃないかと指摘をしておきたい。
 さらに、将来世代にとって重要になるのは、積立金の取崩しの問題なんですね。先ほどもおっしゃったように、二〇五〇年代以降については課題が正面に出てくると思います。私、必要なときに確実にこの取崩しできるのかということが出てくると思うんです。それは、国債などの債券の場合、これ通常十年、償還期限来れば、仮に時価下がっていたとしても元本割れないですよね。ところが、株式の場合、償還期限ありません。取り崩すためには株売却ということになるんじゃないでしょうか。現金化する必要がある。売却が必要なときに必ず株価が上がっているということは限らないと思うんです。
 損失が出た場合、この将来世代の、ここでも損失が出た場合ですね、将来世代の給付水準にもこれマイナスの影響出るんじゃないでしょうか、いかがですか。
#205
○政府参考人(鈴木俊彦君) この積立金の取崩しに関わって、資産である株式の売却ということをおっしゃっているんだと思います。したがいまして、この積立金の取崩し局面がどういう場合に生ずるかということでございますけれども、これは具体的には、二〇四〇年以降の段階的に取り崩していく局面で、実際にマーケットにどのような影響が与えられるかということでございますので、これは子細に見ていく必要があろうと思います。
 しかしながら、構造的に申しますと、この年金給付に当てられます積立金というのは平均して給付総額の一割程度でございます。したがって、今申し上げた将来の取崩し局面でも、巨額の取崩しが一時的に生ずるということはございません。長期的に徐々に取崩しが進むわけでございます。したがって、実際に取り崩していく際には、積立金の運用益あるいは取崩しによって賄う財源の規模、タイミングにつきましてあらかじめ相当程度予測が立てられますので、これに従って慎重にやっていくということでございます。
 それから、その前提となりますポートフォリオについても、先ほど申し上げましたように、五年に一度財政検証を踏まえて見直されるわけでございますので、そうしたいろいろな面からきちんと、今先生の御懸念のようなことが起きないように、慎重かつ計画的に取崩しを進めていくということであろうというふうに思っております。
#206
○倉林明子君 経済の先百年は読めないという話も再々出ておりますけれども、株価ほど見通せないものも一方でないということが、この間の株価の動き見ていて本当に国民も実感していることじゃないかと思うんですね。株式運用の拡大というのは、そういう意味で様々なリスク、国民の資産に対して毀損するようなリスクも、そして将来にわたっても、売却時の私指摘したようなことも含めて、やっぱり株式運用のリスクという問題が生じているわけですよね。
 私、将来世代に対して、高い運用利回りも今後見直していくからというような説明一生懸命されるんだけれど、きちんとどんなリスクがあるかということでいえば、私は全く不十分だと思います。将来世代の年金もリスクにさらす、こういう株式運用拡大というのは、私きっぱりやめるべきだと指摘をしておきたいと思います。
 本法案では、先ほど来も議論もありますが、物価が上がっても賃金が下がった場合、物価よりも賃金の下げ幅が大きい場合、賃金スライド、賃金にスライドさせて年金を下げるということで、新しいルールが盛り込まれることになっているわけです。
 確認したいと思います。年金改定の指標となる手取り賃金、この変動率というのは過去十年間何%で推移してきたか、説明してください。
#207
○政府参考人(鈴木俊彦君) ただいま御質問のございました名目手取り賃金変動率の推移でございますけれども、平成十九年度以降を申し上げます。平成十九年度が〇・〇%、二十年度が三角〇・四%、二十一年度が〇・九%、二十二年度が三角二・六%、二十三年度が三角二・二%、二十四年度は三角一・六%、二十五年度は三角〇・六%、二十六年度はプラス〇・三%、二十七年度はプラス二・三%、二十八年度は三角〇・二%といった推移でございます。
#208
○倉林明子君 結局、プラスになったというところありましたけれども、消費税の増税の影響ですよね、これ。労働者全体の実質賃金というのはマイナス傾向から脱していない、こういうことが言えると思うんです。
 そこで、質問なんですけれども、二〇一二年に続いて、本法案でもパート、短時間労働者、これ被用者年金に加入拡大すると先ほど来議論もありました。これ自体、私は必要なことだと思います。しかし、この加入、進めば進むほど、進めなあかんと思いますよ、でも、これ進めば進むほどどういうことが起こるか、年金の賃金指標を押し下げるということになるんじゃないでしょうか。
#209
○政府参考人(鈴木俊彦君) 今回の法改正によります適用拡大の標準報酬に与える影響ということに関して申し上げますと、先ほど来御議論ございましたように、今回のスキームが労使合意に基づく適用拡大でございますので、正確な人数という意味ではなかなか困難なところがございますけれども、仮に今回対象として見込んでおります全体、約五十万人、これが対象になったといたしましても、厚生年金の被保険者は全体四千万人でございますので、しかも、この適用拡大自体が時間を掛けてある程度進むということも考え合わせますと、賃金変動に与える影響というのは限定的ではないかというふうに見込んでおります。
#210
○倉林明子君 いや、下げるのかということを聞いたんですけど。限定的でも下がるんじゃないですか。
#211
○政府参考人(鈴木俊彦君) 賃金の低い方々が被保険者に入ってくるということになりますと、それが全体の標準報酬の額を引き下げる下方要因に働くということは論理的にそのとおりでございます。その影響についてはただいま限定的であるという見込みをお答えしたところでございます。
#212
○倉林明子君 つまり、五十万で見込んでいるから限定的なんですよ。本気でここを拡大しようと思ったら、見えてきたのはさっきの指摘どおり一千二百万人でしょう。ここまで本当に広げていこうと思ったら、賃金指標を本当に下げるということにもなっていくんですよ。私は、それを直視する必要あると思うんです。これ解決していかなあかん問題だからですよ。
 そこで、賃金を押し下げるという要素はこれだけじゃないんです。昨日御指摘しましたように、高年齢者の雇用継続の実態なんですね。低賃金労働者の実質的な切替え、こういうことが実態は進んでいるわけです。年金の賃金指標、これも押し下げる可能性高いんじゃないでしょうか。どうですか。
#213
○政府参考人(鈴木俊彦君) これは、一にかかって、高齢者の方々の雇用継続が進んだ場合のその賃金水準がどうかということだろうと思います。
 一般的に、高齢者の雇用継続の場合の賃金水準が低いんだというふうに前提で考えれば、それは先ほどの短時間労働者の場合と同じく、標準報酬の下方要因に働くということになります。ただし、実際にどうかということは、その時点での標準報酬、賃金の動向全体、これも踏まえて見てみなければ分からないということだと思います。
#214
○倉林明子君 要は、年金制度のやっぱり水準に関わってくることなんですよ。これがパート、短時間労働者の問題でも、そして高年齢者雇用の問題でも、その賃金水準は労使合意だと、つまり、そこには政府の責任というのが見えてこないんですよ。どうやってその水準を引き上げていくのか、ここに政治の仕事というのがあるんじゃないかと私は思うんですよ。
 このままほっといたら、この法で改定したとおり進めれば進めるほど賃金水準下がる、つまり年金水準下げるということに結果としてはつながっていきかねない。これ、重大な問題だと思います。
 さらに、質問でも指摘したように、消費税の増税による賃金押し下げ圧力というのもあるわけです。私、賃金は上げますとおっしゃる、そしてすぐに年金は下がることはないとおっしゃる、賃金改定ルールの発動がまだ先だからということでもあろうかと思うんですね。しかし、パートの適用拡大や、消費税の増税や、指摘したような高齢者の雇用継続、非正規の問題の指摘もありました。私、今後、年金の賃金指標を押し下げる要因というのが増えてくる、こう思うんですね。賃金マイナススライドルール、これが早期に発動する、こういう可能性は極めて高いんじゃないかと思うんですけれども、大臣はいかがお考えですか。
#215
○国務大臣(塩崎恭久君) 実際に賃金変動率がどういうふうにこれから推移していくのかということについては、一概にこれを予測し、申し上げるというのはなかなか難しいわけでありますが、現時点であらかじめお尋ねの可能性を申し上げることは難しいというふうに思います。しかしながら、議員御指摘のような事情がどの程度の影響があるのかといった点については、今後、当然、注視をしていかなければいけないというふうに考えております。
 いずれにしても、賃金、物価が上昇をしていくということが今回の見直し後のルールが適用されることはないのでありまして、賃金上昇を含む経済の再生、この経済政策全体に全力で取り組んでいくことが何よりも政府として重大に感じなければいけないということで、私どもとして真剣に今取り組んでいるところでございます。
#216
○倉林明子君 今の説明でよく分からないんですよね。年金が直ちに下がることはないというのは、大臣もおっしゃっていたけれども、総理も答弁で何度もされていたと思うんですね。下がらないというんだったら、はっきり根拠、国民が納得するような説明をすべきだと思いますよ。どうですか。
#217
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の賃金に合わせた年金額の改定ルールの見直しは、低年金、低所得の方に対する最大限六万円の福祉的な給付を平成三十一年十月までにスタートをした後の平成三十三年度から適用すると、こういうものであることを繰り返し申し上げてまいりました。また、その適用後も、そもそも経済の状態が良く賃金と物価が上がるという状況であれば年金額が下がるということは起きないわけでありまして、むしろ賃金と物価が上昇している場合は年金は上がっていくということになるのは、もう委員も御理解をいただいているというふうに思います。
 したがって、今回の改正によって例えば来年度とかあるいは施行初年度の平成三十三年度に年金額が引き下げられることが決まるものではないわけで、総理もそういう意味で申し上げてきたというふうに承知をしているところでございます。
#218
○倉林明子君 私、この法が動き出して、そして本当にパート、短時間労働者を適用しようと、さらに高年齢の方々も引き上げようということになったら、物価が相当上がったとしても、景気回復が一定程度進んだとしても、年金のこの改定によっても下がる可能性というのがあるんだということを、私は逆にきちんと説明しないと駄目だということを指摘したいと思うんですね。
 ここで紹介したいのは、ILOの社会保障局長であったコリン・ギリオン氏がこう語っているんですね。最も重要な公的年金政策は、年金数理の帳尻合わせではなく、若者、女性、高齢者の就労促進で年金の支え手を増やすこと、年金財政を公平、透明に運営することだ、その上で、そうした政策抜きに縮小するパイを当然の大前提に給付削減と国民負担増を安易に繰り返したり、政治家や官僚の都合で年金財政の不透明な運営を横行させたりすれば、国民の信頼は急速に失われる。重大な指摘だと思います。政府は、この指摘、真摯に受け止めるべきだと思いますよ。大臣、感想をお聞かせいただきたい。
#219
○国務大臣(塩崎恭久君) 私どもは、ひとえにこの年金をお約束どおり払えるようにしっかりと運営をしていくということであり、絶えず見直しを繰り返していくということで財政検証を五年に一遍やらさせていただいているわけでございまして、平成十六年の改正法にのっとって国民に対してお約束をしている所得代替率五〇%を守れるかどうかということを絶えず検証し続けていくということが大事であり、当然のことながら、言ってみれば自助である働く機会というものも当然確保していくということで、そういう選択肢もきちっと用意していくことが大事だというふうに思います。
#220
○倉林明子君 将来のリスク、そして試算の指摘もありました。今の年金がいつからどの程度下がるんだろうか、こういう見通しも示せないで国民の理解というのは私得られないと思います。この審議の状況、そしてこの法案の内容、このまま成立させるというようなことは私、立法府としても責任が問われる問題だというふうに自覚をしております。廃案にしていくべきだということを最後は皆さんにお訴えをして、質問を終わります。
#221
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 国民年金のことについていろいろ、今回、質問を細かいところもさせていただいてきました。国民年金の現状をいろいろと聞けば聞くほど、厚労省として本当にしっかりとこれ把握しているのかなというふうな疑問を感じることが非常に多かったなというふうに思います。
 前にも質問して答弁いただいたんですけれども、国民年金の一号被保険者における滞納者のうち約九四%が、所得が三百未満のため免除の可能性があるという回答をいただきました。しかし、ですけれども、保険料の完納者、一部納付者の所得分布、これを見ていきますと、その完納者の約八五%、それから一部納付者の約九〇%が所得三百未満なんですね。全体の所得分布を見ても、滞納者との間に大きな差がないわけであります。
 今日資料を付けさせていただいておりますけれども、完納者というのはもうきちんと年金を払っている人、保険料を払っている人というのが完納者なわけですけれども、この分布図を見ていただいてもお分かりなように、五十万円未満からずっとこうあるわけですけれども、じゃ、三百万未満で一体どうなっているのかというふうにいうと、約八五・二%の人が三百万未満でも年金を支払っているということが言えるわけなんですね。三百未満と所得が低く、免除の可能性もありながら保険料をきちんと納めている完納者約四百二十九万人いる一方で、二年間の保険料を納めていない滞納者というのは約二百五十九万人おるわけです。
 我が国の年金制度はやっぱり皆年金でありますから、いろんな方が含まれていることはこれは当然なわけでありますけれども、社会保険方式である以上、保険料の免除者ばかりがいたのではこれ成り立たないわけでありますし、可能な限り保険料を納めていく必要があると思います。
 今日ちょっとこのような御指摘をさせていただきましたけれども、この現状を見てどのようにお考えなのか、お聞きしたいと思います。
#222
○国務大臣(塩崎恭久君) 我が国の公的年金制度というのは、二十歳から六十歳までの方々全員に加入義務を課す一方で、世帯の所得が少ないなどの理由で保険料の納付が困難な方には保険料免除という制度を設けています。全ての方に年金給付を保障する国民皆年金というのを実現をしているわけでありますが、平成十六年改正におきまして、保険料をより納めやすくし、年金給付に結び付ける仕組みとする観点から、多段階免除制度というのを導入をいたしました。本人の負担能力にきめ細かく対応しているという形のものでありまして、保険料の免除者が一定程度おられるということは制度が当初より想定をしているものだというふうに思います。その上で、一人でも多くの方が国民年金保険料を納めていただくことは、制度の信頼性確保はもちろんのこと、御本人の生活保障の観点からも極めて重要な取組だというふうに考えております。
 国民年金保険料の収納対策、これにつきましては、納めやすい環境を整備をするとともに、一定以上所得のある未納者に対する強制徴収の強化などの取組を講ずるなど、未納者を増やさないようにきめ細かい取組を講じているわけでありまして、納付率は平成二十七年度で六三・四%と四年連続でこのところは上昇をしておるところでございまして、二年の時効にもかかわらず、納められる最後の保険料である平成二十五年度の最終納付率は七年ぶりに七〇%台に回復をしております。
 保険料の納付は御本人の年金額につながるわけでございますので、今後とも国民年金保険料の収納対策をしっかり進めてまいりたいと思います。
#223
○東徹君 そのような答弁は今までもいただいておるんですけれども、三百万未満の人は保険料を払えないだろうというふうな、免除対象者になっていくんですよというふうな話でありましたけれども、五十万円未満の、年収がですよ、所得が五十万円未満の方でも四四・七%の方はきちんと保険料を納めているんですね。これはどういうふうに把握しているんですか、分析しているんですかということを、じゃ、教えていただきたいと思います。
   〔委員長退席、理事島村大君着席〕
#224
○政府参考人(伊原和人君) お答え申し上げます。
 国民皆年金制度の下で、負担能力のある方には国民年金保険料を負担していただくことは基本でございます。しかし、経済的に保険料納付が困難な方にはやはり免除制度を適用するということが必要だということで適用しております。
 今先生から御指摘のありました、五十万以下という非常に低所得の方であっても保険料を完納される方は確かにいらっしゃいますが、多くの場合は、学生であれば親御さんが負担したり、自営業者の場合は配偶者が代わりに負担するといったケースが考えられておりまして、その金額だけが、絶対値が低いからといって直ちに、負担能力がその人自身にはなくても、その同一世帯の中にはいるというようなケースは往々にしてあろうかと、このように思っております。
#225
○東徹君 じゃ、今そういうふうにおっしゃいましたけれども、完納者でも、三百万未満では、先ほども言いましたように八五・二%ね、八五・二%納めているんです。この間の答弁では、三百万以下の人は免除者になっていく方だというふうに話が出たわけで、じゃ、本当に完納者の人たちはどういった層なのか、今、学生とか自営業者で、そしてまた配偶者の方が払っているよとか、そういうお話ししますし、それちゃんと把握してそのようにおっしゃっているのかどうか、きちんとそこは分析されているんですか。
#226
○政府参考人(伊原和人君) 現在、強制徴収の対象基準を少しずつ下げてきておりまして、今は三百五十万まで来ております。これを、平成三十年度には三百万、最後完了しようと思っていますが、その先を考えますと、やはり今の、先ほど申し上げましたように、三百万といっても四人世帯の方もいらっしゃれば二人世帯の方もいれば単身世帯の方もいらっしゃいまして、その辺はもっときめ細かく一号被保険者の分析をしていかなければいけないと、このように思っております。まずそれを踏まえまして、強制徴収の在り方ですね、そこも見直しが必要だと、そのようには思っております。
#227
○東徹君 いや、ひょっとしたら中には、三百万未満でも本当に一生懸命掛けている人もいるかもしれませんよね、いるかもしれない。でも、いや三百万以下だからもう払わんでもええわと、そう思って払っていない人もいるかもしれない。だから、やっぱりそこの違いをすごく私は問題じゃないかなと、こう思っているわけですよ。
 だから、そこに、同じ所得があっても、一生懸命払っている人、払っていない人、ここにやっぱり不公平感が出てきますので、そこはしっかりと払ってもらうような仕組みをやっぱりつくっていかなきゃならないというふうに思いますので、そこは是非そのことを徹底して努力をしていっていただきたいというふうに思います。そうしないと、そう簡単には納付率上がらないですよ。分析をしっかりとしていかなかったらやっぱり納付率は上がりませんので、是非そこはしっかりとやっていっていただきたいと思います。
 続きまして、歳入庁のことも先ほど総理の方にお聞きもさせていただきましたが、何度聞いてもいい回答というのはなかなか返ってこないわけですけれども、そもそも私はどうしてこういうことにこだわるのかというと、今も本当に、例えば年金が下がっていくとか、それから負担の方がより高くなっていく、年金も医療も、それから介護保険だってそうだと思います。そしてまた、消費税は延期になりましたけれども、また将来、消費税を上げていこうとする。そうすると、国民の負担というのはどんどんどんどんと重たくなっていく一方なんですよ。
 そんな中で、まだまだまだまだ、これから幼児教育の無償化とか何かいろいろ、それからいろんなこともありますよ。そして、保育士さんの問題だって、そしてまた介護施設の介護士さんの問題だっていろいろあります。いろんなことにやっぱりお金も必要になってくる、また厚生労働省以外でもいろいろとこれからお金が掛かっていくこともあると思います。
 そんな中で、やっぱり国民にばかり負担を押し付けておっても駄目でしょうと、やはり今の組織を見直していって、少しでもコストを抑えていくということと、そしてまた、その一方で、きちんと、加入逃れしている人たちに対してしっかりと納めていってもらわないといけないでしょうと、そういうことを申し上げさせていただいているわけです。
 これ、国民年金保険料と国税の徴収対象は重なりが少なく、国民年金保険料の納付率向上への効果は限定的というふうに言われますけれども、その対象者は八分の一というふうな話がありました。人数を聞くとやっぱり二百六十万人、二百六十万人なんですね。八分の一しかいないと言いながら、人数にすると二百六十万人もいるわけなんですよね。
 国税庁が持つ情報としては、確定申告による所得情報だけではなくて、源泉徴収義務者情報とか給与情報、パートなどの短時間労働者で厚生年金適用の拡大の対象とはなっていない方の情報も国税庁の方にはあるわけです。
 だから、あるから、今までは、じゃ、どういうふうに、いつもこの話をしたらどう答えたかというと、ちゃんと国税庁とは連携取ってやっていますとかって言うんですよ。じゃ、国税庁と連携取ってやっているんだったら、何件あるんですかって聞いたら、たった三十件ぐらいしかないんです。そんなんで納付率が上がるわけないじゃないですか。
 だから、やはりここは効率的、効果的に保険料を徴収することを行う方がいいというふうに考えてずっと質問させていただいているわけですけれども、そういった基本的な方向性でもって考えていこうという姿勢というのはないのかなと本当思うんですが、いかがですか。
#228
○政府参考人(伊原和人君) 今御指摘いただきましたように、国民年金の保険料あるいは厚生年金の保険料をできるだけ効率的に徴収していくというのは、やっぱり国民の皆さんにとっても非常に大事なことだというのはそのとおりに考えております。
 今御指摘いただきましたように、国税庁が様々、いろんな所得情報とか持っているので、これをもっと活用して国民年金の被保険者の徴収もできるだけ一緒にやれないのかというお話でございますけれども、まず、今、我々、国民年金の保険料を例えば免除するとかあるいは徴収するときに絶対必要になりますのが所得情報でございます。
 所得情報というのは、現在は、国税庁かあるいは市町村が持っておりまして、実は国税庁が持っているデータというのは限りがあります。それに対して市町村は、原則全ての給与所得者についてその給与支払者から報告をもらっておりまして、市町村の方がずっと所得情報の範囲が広くございます。したがいまして、今我々の方で、例えば保険料の軽減とか免除とか、あるいは強制徴収の所得データは皆市町村の方からいただいております。
 それに対しまして、先ほど先生の方からお話ありましたけれども、どうしても国税庁の保有しているデータというのは、個々の被保険者になりますと限りがあります。二百六十万というお話がありましたが、重なっている部分が限りがありますので、やはりどうしても、そう考えますと、市町村の方がデータとしては我々として活用ができるということがございます。ただ、給料の特別徴収義務の件に関しましては法人ベースで国税庁はしっかり押さえておりますので、我々はそのデータをいただきまして厚生年金の未適用事業所の加入指導に使わせていただいております。
 このように、市町村、それから国税庁、それぞれ持っているデータありますので、その特性を最大限に生かしながら年金機構の業務の効率化にこのように努めていきたいと、このように考えております。
#229
○東徹君 これは、前もちょっと言いましたけれども、ほかの国でやっていないことをやれというふうに言っているわけでは全くありませんでして、これはアメリカでもカナダでも、アイルランド、イギリス、オランダ、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、ハンガリー、アイスランド、ノルウェー、こういったところが歳入庁としてこれ既に税と社会保険料の徴収の一元化というものをやっぱり行っているわけですよね。
 だから、決してほかの国ではやっていないことを日本で新たにやれとかいうふうなことを言っているわけでは全くございませんので、これ是非やっぱり検討をしていくべきというふうに考えますので、ここはやっぱり塩崎大臣にきちんと検討ぐらいはしていただきたいと、もう一度ですね、お願いしたいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
   〔理事島村大君退席、委員長着席〕
#230
○国務大臣(塩崎恭久君) 機構の業務、特に去年の個人情報流出の際に随分いろいろ中を見ながら検討をさせていただいて、年金機構の業務というのは制度と一体不可分で、例えば障害年金などはやはり一人一人についての認定をしていくという、そういう丁寧な作業も必要になってくるわけで、これは、国税の徴収をやっている方にこれをやってくれと言ってもなかなか難しいんだろうなというふうに思ったりすることも多々ございました。
 ですから、単純に組織を統合して集めるという一点だけを見て効率性を考えるということは一つの考え方ではあろうかと思いますし、私の周りにも、東委員のようにこれを進むべしという維新の考え方の方も中には民間の中でもおられますけれども、ただ、その効率的に徴収をしていくということが大事であるということは御指摘のとおりだと思います。
 したがって、いろんな意見がまとまらない、そっちの方向ではまとまらないという現状は、やはり国税庁との連携をしっかりとやって実際その効果も出ているわけでございますので、これはよく連携をしながら徴収効率を上げていくということでやっていかなければならないと考えておりますけれども。
 問題提起、今お話があって、今の答弁では十分ではない、組織をやはり歳入庁にせいと、こういう御指摘をいただいておるわけでございますが、政府としては一旦、今日総理からお答え申し上げたように、答えは出しておりますけれども、なお引き続きよく検討して、この効率的な年金の徴収業務は、保険料を集めるということについての効率性を追求していくことは大事だというふうに思います。
#231
○東徹君 是非検討していただきたいと思うんですけれども、これはもう本当に長年いろんな会派の方がこのことを御指摘されてきたというふうに思います。今、先ほど伊原審議官の方から市町村の情報が大事だと、それも確かにそうだと思います。市町村からの情報をもらって、国税庁と年金機構とが一緒になって、それで市町村から情報をもらえばより効果的になるわけだと思いますので、是非そういうことだってやっぱり検討していけばいいというふうに思うんですね。
 先ほどから市町村の情報、市町村の情報というところなので、もう一度、これ、くどいようでございますがここを聞きたいと思うんですけれども、国民健康保険料の納付率というのは、毎回これ言わせてもらうと、九〇%なんですね。国民年金保険料の納付率は六三・四%、こんなに格差が開いているわけですよね。先ほども申し上げましたように、国民年金の第一号被保険者、保険料の完納者と保険料の滞納者との間に所得分布の大きな違いがないわけです。所得分布が似通っているにもかかわらず保険料を納めるかどうかに大きな違いが生じている理由など滞納者などの特徴について必要な分析行って、この納付率を大幅に向上させることがすごく大事です。だから、市町村の情報というのはおっしゃるとおり大事だと思うんですね。
 だから、国民健康保険料を集めるのと国民年金を集めるのと、これはもうセットでやった方がいいんじゃないですかということを言っています。これを言うと、この間、橋本副大臣の方からも話がありましたけれども、納付しやすい環境をつくるということで導入しているコンビニ納付のこともこれはおっしゃっていましたけれども、コンビニ納付って、じゃ、どれぐらいあるのか把握されているんですか。
#232
○政府参考人(伊原和人君) 御質問いただきましたコンビニエンスストアでの納付ですが、平成十六年からスタートしております。普及が随分進んできておりまして、平成二十二年の日本年金機構発足当時は一年間に一千百六十四万件でございましたが、大体毎年百万件ペースで増加しておりまして、平成二十六年度には一千五百五十万件にまで来ました。
 しかしながら、平成二十七年度になりますと、実は、国民年金の一号被保険者の数も、それから納付対象月数も年々大体四%ぐらいでもう頭打ち、減ってきておりまして、そうした影響もあるためだと思いますけれども、二十七年度は一千五百十八万件と、二%減少いたしました。これが現状でございます。
#233
○東徹君 だから、コンビニもこれは頭打ちになって、もう既に減ってきているわけですよね。じゃ、どうやってこれ上げるんですかという話なんですけれども、これ、件数は把握されていますけれども、これ金額も把握されていますか。
#234
○政府参考人(伊原和人君) コンビニエンスストアでの保険料納付総額でございますけれども、平成二十七年度が三千八百五十億円でございます。
#235
○東徹君 件数、金額、把握されているということが分かりましたけれども、コンビニ、コンビニって、もう本会議の代表質問のときにもそういう答弁もありましたけれども、コンビニって言う割にはもうこの件数も減ってきているわけですよ。じゃ、どうやって本当にこれ納付率を上げていくんですかと、こういうふうな話になってくるわけですよ。
 国民健康保険の保険料は、八割は市町村が地方税として徴収しているという違いがあるというふうな答弁もありましたけれども、住民からしたら、市町村で健康保険も年金も保険料が支払える方がはるかに利便性があるわけです。だって、もう行くところが市町村、住民に身近なところにあるわけですから、それはもう全然、年金機構とかへ行くよりも市町村行った方がよっぽど近いところにあるはずです。
 だから、こういった国民年金保険料と国民健康保険料の納付をセットで行うようにすべきだというふうに思いますけれども、これもちょっと、もう一度過去に遡るのは本当に嫌なことだというのはよく分かりますけれども、もう一度こういったことも検討してみて、過去は、市町村がやったときには納付率は七〇%だったんでしょう、七〇%。これが年金機構に、旧社会保険庁に移してからはどんどんどんどんこれは下がっていっているわけですよ。だから、やっぱり住民に身近なところにあった方がよかったんじゃないですかということです。
 これ、過去に遡りたくない気持ちはよく分かりますけれども、もう一度ちょっと検討してみるぐらいのことはやっていただいてもいいんじゃないのかなと思うんですけれども、いかがですか。
#236
○副大臣(橋本岳君) 前回お答えをさせていただきましたのでありますけれども、まさに今御指摘をいただきましたように、確かに市町村の方がなじみやすいねということは一つの御指摘だろうというふうには思います。ただ、コンビニという話も出ましたし、納付自体は郵便局とか身近な金融機関でしていただけるはずでもありますので、そうしたことはしっかり進めていくということと、また逆に、先ほど御指摘をいただきましたように、結局、自治体がやっていたときでも納付率は七割ぐらいだった、それは、健康保険の保険料は九十何%ある中で、自治体がやっていた、同じ自治体がやっていても七割ぐらいだったということで、自治体がやれば健康保険の保険料と同じぐらいの収納率になるんだという話ではないわけであります。
 ですから、もちろん、どうにかしてでもその収納率を上げていくんだという努力はいろんな形でこれからもしていくように考えていかなければならないと思いますけれども、あわせて、やはり一度、地方分権の検討の結果、役割分担をこうしましょうということで整理をされたものについて、その時計の針をもう戻すという検討というのは少し考えにくいなということは申し上げなければならないと思います。
#237
○東徹君 僕はもう本当に心配しているんです、将来のことを。もうこれ生活保護者がどんどんどんどん増えてもらっては困るわけですから、低年金、生活保護、やっぱりこういった方が増えてもらってはいけないわけですから、だからそのために納付率を上げる方法をやっぱりいろいろ考えているんですけど。
 じゃ、納付率上げる方法は何ですかといったら、コンビニエンスストア、コンビニエンスストアだって、もう下がっているわけでしょう。もうそうなってきたら、じゃ、どうやって上げていくんですかといったときに、ちっとも明快なお答えがないわけですよ。何か、じゃ、いつまでにこうやって納付率をしっかりと上げます、七〇%まで上げますというような、こういう方法を取るとかいうふうな答えがあるんだったらいいんですけれども、それがないから、やっぱりこういったことを指摘、提案をさせていただいているわけですから、もうちょっと聞いていただいてもいいのになと、こう思うんですね。
 ちょっと、もう本当に時間がなくなってきましたんで、本当は鈴木局長にこの間の続きを是非ちょっと質問したいんですけれども、あと二分ぐらいしかありませんので、ちょっと鈴木局長には申し訳ないんですが、質問をやめさせていただきまして、国民年金保険料の強制徴収について伺いたいと思うんですね。
 これは、非常に幾つものステップを踏んで強制徴収は行われています。この理由はもう時間がありませんので聞きません。その手続の一方、保険料徴収のコストがすごくこれ掛かっているんですね。例えば、催告状は年二回定期的に発行されておって、年間約九百四十四万件が発行されています。しかし、特別催告状、これも延べ九百八十九万件発行されているんですけれども、これ一人に複数回発行されるらしいんですけれども、次に特別催告状についてなんですけれども、催告状の費用が約四億円である一方、この特別催告状は十倍以上の費用、五十一億円掛かっているんです。
 年金事務所で発行するのになぜこんなに多額の費用が掛かるのか、これはちょっと理由をお伺いしたいと思います。
#238
○政府参考人(伊原和人君) お答え申し上げます。
 特別催告状というのは、催告状を出してもお支払いいただけない方に対して再度出す、費用でございます。平成二十六年度に約五十一億円のコストを掛けまして、その年の収納額が一千百六十五億円ということになっております。したがいまして、徴収コストは百円当たり約四円というふうに考えております。これは、その後にある督促状の強制徴収コスト、百円当たり約三十円に比べて費用対効果が高いということで、まずは督促状の前に特別催告状というものを出しております。
 ただ、もっと効率化できないかということで、昨年度からは、今までは年金事務所から個別に特別催告状を送っておりましたが、これを全部年金機構の本部からまとめて送るような形でより効率化を進めております。
#239
○東徹君 強制徴収も非常に大事なことでありますから、これはもうしっかりやっぱりやっていっていただきたいというふうには思っております。一方、これ、コストの縮減も是非考えていきながらやっていただきたいと思います。
 もう時間になりましたけれども、やはりこれ、国民に厳しいことも我々としてはお願いもしていかないといけないこともあるし、そしてまた、年金だけではなくて医療も介護もそうだと思います。そういった時代だからこそ、やっぱりしっかりと組織の改革、行政の改革、そういったことを不断に行っていくことによってその分の財政コストをやっぱり抑えていくということも是非実現をしていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
 以上です。
#240
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 この年金カット法案、やはり減額を強化していく中身であるというところが最大の問題だと思います。下流老人という言葉がありますが、とりわけ女性の高齢者、非常に貧困問題を抱えています。
 街頭演説をやると、皆さんたちもそうでしょうが、年金減らさないでほしい、年金で食べていけない、借家住まいで、本当に払うと手元にほとんどお金が残らない、福島さん、絶対に年金下げないでくださいという、本当にそういう声を聞きます。それが多くの人たちの本当に声じゃないでしょうか。みんなぜいたくして年金を減らさないでくれと言っているのではないんですよね。その命綱の年金問題を減額を強化する方向はやっぱり間違っているというふうに思います。
 まず、GPIFについてお聞きをいたします。
 GPIFが運用している積立金は、労使が保険料を拠出している厚生年金の積立金だけではなく国民年金の積立金も含まれますが、国民年金第一号被保険者は労使代表とは異なり、経営委員会のメンバーにすら加わっておりません。国民年金第一号被保険者の意思が反映されない仕組みと言わざるを得ませんが、いかがでしょうか。
#241
○国務大臣(塩崎恭久君) このGPIFは、専ら被保険者の利益のために年金積立金を運用しているわけでございまして、新設の経営委員も、全員が被保険者の利益のために行動するということが当然求められるわけでございます。
 これを前提といたしまして、今回の改正案では、社会保障審議会年金部会の議論を踏まえて、経営委員に被保険者や事業主の拠出者団体の推薦者を入れることを法律上明記をしております。この団体推薦者は、当然ながら、団体の構成員のために働くのではなく、被保険者全体の利益のために行動されるものというふうに考えておりまして、一号、二号被保険者を区別して議論することは適当ではないというふうに考えております。
 経営委員につきましては、私は、市場や運用の環境が高度化、複雑化している中で、重要な方針を適切に決定をし執行部をきちんと監督をするためには、金融、それから経済、資産運用、経営管理などGPIFの業務に関連する分野について十分な知識、経験を有する方を選任をすることが重要だと思っております。
 拠出者である被保険者や事業主の御意見につきましては、経営委員会だけではなくて、経営委員の任命基準を議論する社会保障審議会の委員に労使の代表者を含む幅広い方に加わっていただくことなどによって適切に配慮をしてまいりたいと考えておるところでございます。
#242
○福島みずほ君 私は、ポートフォリオの見直しをすべきだと思っております。ばくちをやるなということですよね。カジノ法案にも反対、ばくちをやるな。だとすれば、やはり西沢和彦参考人もおっしゃいましたが、ひりひりとやっぱりこれ問題だと思うそういう人を是非やっぱり入れて運営をしてほしいというふうに思います。
 ところで、玉木参考人が、この委員会の参考人質疑の中で、書いていらっしゃって、そのことについて言及されているのでお聞きをいたします。もし将来の厚生労働大臣が主務大臣としての権限をちらつかせてGPIFに圧力を掛け、その保有株式の議決権を活用して賃上げの促進や雇用慣行の変更を実現しようという意思を持った場合、この大臣は国会の議決も予算措置も要らない大変便利で強力な政策手段を持ってしまうということをおっしゃっているんですね。
 つまり、今回ので厚生労働大臣がとても強い武器を直接持ってしまう、この点についていかがでしょうか。
#243
○政府参考人(鈴木俊彦君) まず、GPIFが現在運用している中で、先生の念頭に置いておられます例えば株式でございますけれども、これはGPIFが個別の株の売り買いをしている、いわゆるインハウス運用をやっているわけではございませんで、全額委託運用でございます。
 したがいまして、仮に厚生労働大臣がおっしゃるようなそういったような意思決定をしたといたしましても、これはGPIFが実際にそれを実現する手段というのはございません。それ以前に、そもそも厚生労働大臣がそうしたような被保険者のためということを外れたような意思決定が行われたといたしますと、これはもう厚生年金保険法、国民年金法違反でございますので、GPIF以前の問題として、そういうことはやってはならないし、できないし、やれば、それはそれでまたそのときの厚生労働大臣の責任問題になる。そういうことで、そういうことがないように担保されている法制ができ上がっているということだと理解しております。
#244
○福島みずほ君 しかし、参考人からこういう懸念が出ている。つまり、政治的な圧力や介入が起こり得るということは、やっぱり制度上問題があるのではないかというふうに思います。
 GPIFは独立行政法人でありながら国から運営費交付金を交付されておらず、業務運営経費は全て年金積立金の収益によるものとなっております。他方、年金事業を行う特殊法人である日本年金機構には年金特別会計から日本年金機構事業運営費交付金が交付され、業務運営経費に充てられております。
 GPIFが独立行政法人でありながら国からの運営費交付金の交付がなく、年金積立金がGPIFの業務運営経費の原資となっているのはなぜでしょうか。
#245
○政府参考人(鈴木俊彦君) 今御指摘ございましたように、GPIFなどの独立行政法人、それから日本年金機構のような特殊法人でございますけれども、これはいわゆる独立行政法人通則法あるいは個別法に基づきまして公共性の高い事務事業をやっているということでございます。
 したがいまして、この法人が通常、その収益事業、対象事業が収益を上げるということを目的とするものではないことから、運営費交付金の形で政府が財源措置を講じているということが多いということでございますが、しかしながら、具体的に、それぞれの運営費の賄い方というのは個々の法人の業務の性格、財政構造によって異なるということでございます。
 具体的には、GPIFでございますけれども、御案内のように積立金運用に専門特化された独立行政法人でございまして、先ほども御議論ございましたけれども、一定の独立性を確保する必要があるということ、それから、年金給付の必要等に応じて、これはGPIFが国庫納付も行う、年金の運用収入が出た場合、国庫納付も行うような役割があるということ、それから、現実に毎年度、利子配当等によります収益、これを継続的に得ております。
 こういったような諸点に鑑みまして、GPIFにつきましては、平成十八年度の法人設立時に、運営費交付金は交付せずに、基本的に積立金運用収益によって運営費を賄う、このように整理をされたところでございます。
#246
○福島みずほ君 みんなの貴重な年金積立金から払うということについては、今後議論の必要があるだろうというふうに思っております。
 今日も随分議論になっておりますが、私は、年金の立て直しの一番手っ取り早い確実な方法は雇用の立て直しだと思っております。今日も総理に質問しましたが、二〇一五年、非正規労働者数は史上最高の千九百八十万人です。こんなに増やしてしまった。まさに年収二百万以下の人が膨大に出現をしているわけですし、これは決して高齢者だけの問題ではなく、二十代、三十代の問題です。
 そもそも小泉構造改革の派遣法の改悪から始まり、規制改革会議が雇用の規制緩和を言うたびに、やはり規制緩和をやってきた、これは大問題だと思っています。雇用が不安定だったら、雇用が本当に、雇用の流動化という言葉でどれだけやっぱり雇用を破壊したのか。その結果、非正規雇用が増えれば年金の保険料払えないじゃないですか。あるいは、厚生年金の保険者とならない、これが極めて問題だと思います。
 もう雇用の規制緩和はしない、その立場で厚生労働省頑張ってほしい、いかがでしょうか。
#247
○国務大臣(塩崎恭久君) 小泉内閣から非正規に関わる関係法律を改正をしたのは今御指摘の派遣法だけだというふうに記憶をしております。去年も派遣法の改正が行われました。
 あたかも、この派遣法の改正によって今の働く人たちの四割近くが非正規になってしまったかのような表現をされておりますけれども、非正規の中で派遣で働いていらっしゃる方々は全体の二・四%でございます。したがって、何が一番多いのかというと、パート、アルバイトというのが一番多いんです。そして、この十年間で非正規が増えた中の増加分の七割以上は高齢者でございます。そして、二五%は女性です。合計しますと九五%以上が高齢者と女性で占められています。
 この女性の中で、不本意非正規というふうに御判断をされている方は、アンケート調査を取ると大体一二%ぐらいが不本意で非正規、つまり逆に言うと八八%ぐらいの方々が選んで非正規を選ばれている、そういう人生のステージにおられるという方々が多いということが統計的にこれは確認をされている事実でございます。
 したがいまして、私たちはもちろん、若い方々でそして不本意な非正規の方々がおられるということはよく理解をして、そこに対しては正社員化、そして処遇改善、そして今回は同一労働同一賃金ということで、特にこれ非正規の方々の全体の半分以上が、五七%ぐらいが女性でございますので、同一労働同一賃金を実現をしていくということは、特に女性の皆様、特に一人親の方々とか、そういう方々の処遇改善には非常に大きな意味がありますので、今、私ども安倍内閣として、同一労働同一賃金を実現をするということで今いろいろな議論をして、今朝も総理から御答弁を申し上げたとおりでございます。
 したがって、私どもは、総理が申し上げているように、非正規という言葉をこの国からなくすということも申し上げているわけでありますので、そういう志を持ってやっていきたいというふうに考えているところでございます。
#248
○福島みずほ君 非正規という言葉をなくしても、非正規雇用のパート、派遣、アルバイトの人たちの待遇が改善されていなければ大問題です。女性がなぜ五四%も非正規雇用なのか。やっぱり子育てや介護があって、なかなか長時間、正社員並みで働けない。しかし、実はパート、派遣、契約社員の人たちは正社員と同じぐらい働いているんですよ。でも、低賃金で仕事がないというのが問題です。
 今日は、雇用のことを長くやる時間、委員会ではありません。しかし、今の大臣の頭の構造を変えてくださいよ。つまり、千九百八十万人も非正規雇用を増やしたのは、やっぱり政治の責任ですよ。派遣がそのうちの一部だというのはもちろん知っています。しかし、こんなにも非正規雇用を増やし、二十代、三十代でも非正規雇用が多いということは、やっぱり年金を壊しているんですよ。年金の立て直しをやるんだとしたら、雇用の立て直しこそ必要だ。だから、この委員会で、国会で、そして厚生労働省が、もう雇用の流動化という名の下に雇用の破壊をしない、ホワイトカラーエグゼンプションなども論外だと、そういう立場でしっかり、賃金上げるために、労働条件良くするためにやっていくことが実は年金制度の一番の立て直しになるというふうに思っております。
 二千万人近い数が非正規雇用というのは尋常じゃないですよ。しかも、低賃金なわけですから、それをこそ変えていかなければならない。大臣、ちょっと頭の考え方を是非変えていただきたいというふうに思います。
 次に、今日の話でも労使での合意ということが議論になりました。短時間労働者への被用者保険の適用拡大の促進に関して、労使での合意による選択的な適用拡大ということですが、最終的に実現する適用拡大の規模あるいはその仕組みについて、どうお考えでしょうか。
 労働者が適用拡大を望んでいても、労使協議の場すら設けようとしない企業が現れるようなことも想定されます。そのような場合、厚生労働省はどのような対策を講じるのでしょうか。
#249
○政府参考人(鈴木俊彦君) ただいま適用拡大につきまして、最終的な適用拡大の規模、それから労使の合意を前提といたしておりますので、そういった合意に応じないような、そういったような事業主が出た場合どうするかという二点のお尋ねがあったかと思います。
 まず、今回の措置によります適用拡大の規模でございますけれども、これは、先ほど来申し上げておりますように、労使合意に基づく、言わばある意味任意の制度でございますので、なかなか推し量ることは難しいわけでございますけれども、今、こういった任意適用の仕組みといたしまして任意包括適用制度というのがございます。この任意包括適用制度の中で、対象者の割合でございますけれども、これは、適用対象外となっている事業所で週三十時間以上働く人の五%、これが任意包括適用の適用になっております。
 それから、一方で、今回の適用拡大に当たりまして独立行政法人の労働政策研究・研修機構、いわゆるJILPTが調査を行っております。その中で、週二十時間以上の短時間労働者の方々で被用者保険適用を希望する方の割合、これは三〇%でございました。したがいまして、こういった今分かっております調査等を前提にいたしますと、労使合意の仕組みの利用の中では、五%から三〇%というこの二つの割合の間というのが現実的な一つの見極め方かなというふうにも思っております。いずれにいたしましても、これ、できるだけ多くの方々にこの制度に入っていただけるように努力をしてまいりたいと思います。
 その中で、今先生の御懸念のように、事業主の方が非協力的な場合もあるかもしれないということでございます。これにつきましては、私ども、やはりこの制度について十分に御理解をいただくことが大事だろうと思っております。そういう中で、このプロセスがスムーズに進みますように、例えば、具体的にどのような労使協議をやったらよいかというようなこと、具体例も盛り込みましたQアンドAでございますとか、あるいは牧山先生からも御指摘ございましたけれども、様々な好事例の横展開、そういったような情報提供を丁寧に小まめにやっていきたいと思っております。
 そうした枠組みの一環といたしまして、この十月の適用拡大に先立って、私ども、関係企業のヒアリングというものも幅広くやっておりますし、また、労使団体にも御参画いただきまして協議会を開いております。その中で、できるだけ多くの事業主がこの制度に理解を示して今回の適用拡大が進むように、この協議会の御協力を通じまして、関係団体、労使の団体にもいろいろと御協力を賜って努力を続けてまいりたいと思っております。
#250
○福島みずほ君 そのために厚労省が努力するというのは分かります。しかし、労使合意というのはやっぱり弱いんじゃないか。やっぱりそれは積極的に事業主に厚労省が働きかけない限り、たった独りぼっちの労働者が個人で、まあ労働組合がないところも多いですから、使用者と対峙して交渉して勝ち取るというのはやっぱり至難の業だと思います。条文上、労使合意となっていますが、これは問題があるというか、改善の余地があるというふうに思っております。
 次に、厚生年金では育児休業期間のうち子供が三歳に到達するまでの期間の保険料が免除されています。次世代育成支援という観点からすれば、国民年金第一号被保険者の免除期間も厚生年金同様の期間を確保するべきではないでしょうか。非正規雇用で国民年金第一号被保険者の女性が多い中、産前産後の四か月間しか免除されないということであれば、同じ子育てをする立場でありながら、第一号被保険者と第二号被保険者の待遇格差が残るのではないでしょうか。
#251
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、第一号被保険者の産前産後期間の保険料免除につきまして、産前産後期間における母体保護の必要性は第一号被保険者も第二号被保険者と共通をしているというふうに考えることができるわけでございますので、産前産後期間に相当する期間、四か月間、これを対象として導入をしたものでございます。
 議員、今御提案のような産前産後期間を超えて第一号被保険者の保険料を免除をするという考え方につきましては、まず、国民年金第一号被保険者、これには自営業者や無業者もおられまして、育児休業を概念することが難しい中で働いていない期間を誰がどのように把握をし、そして配慮をしていくのかが適切かということが問題になります。仮に、産前産後期間を超える期間の保険料を免除をし、その間の給付を保障することとした場合の追加財源、これの確保をどうするのかといった論点がございまして、慎重な検討が必要なんだろうというふうに思います。
 なお、近年、非正規労働者の増加などによって、就労形態の多様化を背景に、国民年金の第一号被保険者のうち、被用者の方の割合が増加をしております。平成二十六年の調査では、約四割が第一号被保険者の中で被用者となっています。こうした実態を踏まえますと、被用者保険の適用拡大を進めて非正規雇用の第一号被保険者を厚生年金の対象としていくことが、ひいては次世代育成支援にもつながるのではないかというふうに考えておるところでございます。
#252
○福島みずほ君 今、最後におっしゃったことですが、この委員会でもその二百万人ということが随分議論になりました。厚労省の試算で、被用者である一号被保険者の中で本来厚生年金被保険者となるべき人の数が二百万人であるということです。
 この人たちをどうやって厚生年金に誘導していくのか、そのための具体的な決意を聞かせてください。
#253
○政府参考人(伊原和人君) 御指摘いただきましたように、我々が一昨年行いました推計で、厚生年金の被保険者になる可能性のある方が二百万人いるというのがございます。こうした方々の適用を進めていくということから、現在、国税庁からデータをいただきまして、未適用事業所の適用推進を進めております。おかげさまで、以前と比べまして作業が進んでおりまして、実績も上がってきておりますが、更にその対策を加速するという観点から今実態調査を行っていまして、今年度中にはその調査を取りまとめて、新たに更なる対策を取りまとめたいと、このように思っております。
#254
○福島みずほ君 この二百万人問題と千九百八十万人非正規雇用問題に関して、これはもう早急に実効性のあるものをやっていただきたいと思います。
 今回の改定ルールの見直しは、障害年金と遺族年金も対象となります。なぜ障害年金や遺族年金にまで適用するのか。若年層にとっては、年金保険料を納める動機は、単に老齢年金を将来受給するためだけではなく、障害を負ったときは障害年金を、配偶者等が亡くなったときに遺族年金を受給するためという側面は大きいです。そうした保険としての役割を考えると、今回の改定ルールの見直しにより、障害年金、遺族年金までカットされてしまうと、公的年金制度への信頼の低下につながるのではないでしょうか。
#255
○国務大臣(塩崎恭久君) そもそも年金というのは何かという問題にも関わる御質問かと思いますが、年金というのは、稼得能力の喪失に対して所得保障を行うということが目的でございます。基本的には、老齢によって生じる稼得能力の喪失、これを保障するというために老齢年金がございまして、現役期に障害を負ったり、主たる生計維持者が亡くなられた場合など、稼得能力の喪失が早期に生じた場合に対応するのが障害年金と遺族年金と、こういう整理かと思います。
 したがって、この年金額の改定ルールというのは、老齢年金だけではなくて遺族年金や障害年金などにも同様に適用されるものであるべきでありまして、今回の見直しもまたこれは同様だというふうに考えております。
 ただし、今回の年金額改定ルールの見直しにつきましては、マクロ経済スライドは賃金、物価がプラスのときだけ発動するという、前年度よりも年金の名目額を下げないという名目下限措置を維持し、そして、賃金が下がったときに賃金に合わせて年金額を改定する見直しについては、障害年金や遺族年金の受給者の方に年六万円の福祉的給付、障害年金一級の方は、これを更に上乗せをした約七・五万円の福祉的給付を平成三十一年十月までにスタートをさせた上で導入をするという配慮を同時に行うこととしておりまして、適切なものと考えているところでございます。
#256
○福島みずほ君 基礎年金や遺族年金や障害年金にまでカットしていくということは問題だと思います。
 六十八歳以上の既裁定者は、賃金変動が物価変動を下回らない限り物価に合わせて改定するため、賃金が物価を上回って上昇していく想定の下では、六十五から六十七歳の新規裁定者よりも六十八歳以上の既裁定者の方がマクロ経済スライドのキャリーオーバー分がたまりやすいのではないでしょうか。
#257
○政府参考人(鈴木俊彦君) キャリーオーバーでございますけれども、これ、今議員お示しのように、賃金が物価を上回って上昇する、こういう経済状況であれば、新規裁定者は賃金に合わせて改定をする、そして既裁定者は物価に合わせて改定するということになりますので、今おっしゃったように、マクロ経済スライドの調整率、これが物価とか賃金の伸びよりも大きい場合に既裁定者のキャリーオーバー分が新規裁定者よりも大きくなるという構造にございます。
 ただ、いずれにいたしましても、このキャリーオーバー分につきましては、そういうものを生じさせないような経済というのが大事だということは従来より大臣からも御答弁申し上げているとおりでございまして、まずはそういった経済再生に全力で取り組んでいくということでございます。
#258
○福島みずほ君 これでは六十八歳以上の既裁定者が狙い撃ちされているようにしか思えないというふうに思います。
 今回の年金額の改定ルールの見直しにより、六十八歳以上の既裁定者の年金額は六十五から六十七歳の新規裁定者の年金額と乖離して切り下げられていく可能性もあると思われます。
 国会答弁では、新規裁定者と既裁定者の給付水準が二割以上乖離した場合には、賃金変動率による改定等のいわゆる八割ルールによる改定を行うこととされております。この八割ルールの法令的な根拠は何でしょうか。
#259
○政府参考人(鈴木俊彦君) 今先生からいわゆる八割ルールについて言及ございました。これにつきましては、要するに賃金上昇が物価上昇を上回る状況が続きますと、先ほど申し上げましたように、既裁定者の年金水準が、これいわゆる物価スライド中心になりますので、現役世代の賃金水準に対する比率は徐々に下がっていく、こういうことになります。
 一方で、新規裁定者に比べて既裁定者の年金水準がそういった乖離が生ずるということもございますけれども、これは加齢に伴って、高齢者の消費実態を見てみますと、年齢が上がるにつれまして消費支出も減っていくということも事実でございます。これは自然なことでございまして、やはり人間は年を取りますといろいろな活動自体がそれなりに活発でなくなりますので、消費支出もそれに合わせて下がってくる。具体的に申しますと、平成二十七年の家計調査年報によりますと、六十五歳から六十九歳の世帯主の消費支出を一〇〇といたしますと、八十五歳以上の世帯主の世帯の消費支出というのはその八割ということでございます。
 こうしたことも踏まえまして、世代間の助け合いの仕組みでございます年金制度の中で、受給者の方々にもそういった消費支出の実態も踏まえながら少しずつ譲っていただく、それによって将来世代の負担が過大にならないようにしていく、それで全体で給付の十分性と持続可能性のバランスを取っていく、こういう全体の仕組みでございます。
#260
○福島みずほ君 いや、私は、自分が六十五から六十七のときと六十八以降だと、やっぱり六十八歳以上の方が心配ですよ。だって、高齢者になればなるほど、例えばタクシーに乗りたいとか、体がより、例えば、分かりませんが、若いときよりも加齢になればいろんな支出がやっぱり増えるだろうと。消費支出が低いというのは、我慢してやっぱり消費支出を抑えているということもあるんじゃないでしょうか。
 今回の改定ルールでこの六十八歳以上の既裁定者がやっぱり狙い撃ちされている。今の答弁も、やっぱり高齢者の方が聞いたら、そうかなと思うと思いますよ。六十八歳以上は消費支出が低い、いや、逆に六十八歳以上はお金掛かりますよ、いろんな意味で、ということがとても大事だと。それは、八十とかになると、やっぱりタクシーに乗ろうかなとか、やっぱりお金が掛かるというふうに私は思います。
 八割ルールについてしっかり法定すべきではないでしょうか。
#261
○政府参考人(鈴木俊彦君) 今申し上げたような消費支出の実態も踏まえまして既裁定年金者の改定を行っているわけでございますけれども、そうした中で、今まさに先生御指摘ございましたように、仮に将来的に新規裁定者と既裁定者の年金水準の乖離幅、これが二割を上回る可能性が生じた場合には、既裁定者の年金についても例えば賃金スライドを基本とした改定を行うといったような必要な措置を講じることによりまして、既裁定者の年金が過度に低下しないための措置を行う、これが八割ルールでございまして、この点につきましては、従来から国会審議の中で政府として歴代大臣がお約束をいたしておりまして、そしてまた、財政検証もそれを前提に行っているものでございます。
#262
○福島みずほ君 時間ですので終わりますが、廃案にすべきだということを申し上げ、質問を終わります。
#263
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。
 私の質問も、先ほどの福島先生と同じでございます。障害者年金そして遺族年金、この受給にも今回のルールが適用されるのか。実は、私の事務所にも問合せがございました。そこにつきまして、局長、まずは一言いただけますか。
#264
○政府参考人(鈴木俊彦君) 先ほどの大臣の御答弁と若干重複する部分ございますけれども、やはり年金というのは、稼得能力が失われた、稼ぐ力が失われたということによりまして、それに対して所得保障を行うということでございます。
 通常は、年を取る、加齢によってこの稼ぐ力が減少あるいは喪失されるということでございますけれども、現役期に障害状態になったり、あるいは主たる生計維持者が死亡した場合など、こういう場合にはこの稼ぐ力の喪失というのは早期に到来する、これに対応したものが障害年金、遺族年金でございます。
 そして、公的年金の共通の考え方にのっとりますと、やはりこの年金額の改定ルールにつきましても、障害年金、遺族年金の額、これ老齢年金と同水準であることは基本でございますので、改定ルールも同様に適用される、したがって今般の改正も同様であるという点については御理解を賜りたいと思います。
 ただ一方で、この障害基礎年金、遺族基礎年金を受給している方につきましては、今後、年金生活者支援給付金によりまして、例えば障害一級の方ですと年七万五千円、あるいは二級の方なり遺族基礎年金の受給者の方は年六万円ということを支給する予定でございまして、そういう意味では老齢年金と同等以上の配慮をした上でのルールの適用ということで御理解を賜りたいと思います。
#265
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 実は、この週末、障害をお持ちの皆様方と話をさせていただきましたら、困ったことが起こってしまった、この年金三割カット法案と言われて、これで来年から自分たちの障害年金が三割カットされてしまうんですかと訴えがございました。私は、大変これは誤った事実が伝わっていっているんだなと思って、不安になりました。私ども、しっかりこれは広報に努めていかなければ、要らない心配の中で、特に障害者の皆様方が情報が収集できなくて困っていらっしゃいました。
 大臣、その辺り、広報につきましても尽力いただきたいんですが、いかがでいらっしゃいますでしょうか。
#266
○国務大臣(塩崎恭久君) 今の年金三割カット法案という、特に衆議院の民主党の先生方が中心に御指摘をされましたが、民進党の方々が、大変誤解を招く表現だったと思います。
 これは何を捉えて三割カットとおっしゃったかというと、これは財政検証の中で、基礎年金の調整が、このマクロ経済スライドの調整が終了をするであろう二〇四三年、ですから、三十年近く先にこれが調整が終わるというときの所得代替率が三割低下するということであって、そのときの基礎年金の実質価格、平成二十六年価格でいきますとほぼ横ばいでございまして、今、二十六年では十二万八千円、これは夫婦の基礎年金でありますが、一人であればこの半分でございますけれども、ということでほぼ横ばいであります。
 ですから、年金額としては今と三十年弱先でもほぼ横ばいということでありながら、代替率という別の物差しが三割低下をするということで、年金の受取とはちょっと異なる物差しを、三割低下するということで、あたかも年金が三割カットするような大変誤解を招く表現を使ったことに私も非常に複雑な思いを持ったところでございます。
 なおかつ、今回のルール、賃金に合わせて、万が一賃金が下がった場合にそれに合わせてするルール自体は、今回この法律が成立をしたとすると平成三十三年度から適用するということでもあるので、何か急に今、目の前に何か大変なことが起きるという誤解を受けられたのは大変私どもとしても残念なことでございまして、決してそういうことではないということを申し上げておきたいと思います。
#267
○薬師寺みちよ君 是非その広報に努めていただきたいと思っております。
 本当に、この参議院ではそういう言葉は使われていないということは足立先生も何度もおっしゃってくださっていますので私も安心しておりますが、やはり大変なショッキングな言葉というものだけが世間に躍ってしまいまして、要らぬ誤解の中で、障害をお持ちで働きたくても働けないという方々、一層不安に陥れてしまうことにもなってしまいます。
 特に、もう今は年末、もう押し迫ったときでございます。でも、こういうときにやはり私どもでしっかりと議論をした上で正しい情報を発信をしていく、是非御協力いただきたいと思います。
 三番の質問につきましては多くの先生方が広報に努めてほしいということをおっしゃっていただきましたので、次に進みたいんですけれども、実は障害年金でございます。障害年金というものを、先ほどからいろんな先生方からも出ておりますけれども、やはりこの年金の中でも大変重要なものでございます。
 参考人の方からも、年金制度の中で、もちろん老齢年金もそうだけれども、老齢年金の掛金をしっかり払うということの根拠として、若い方々に障害年金も受け取れるよ、遺族年金も受け取れるよということで説明を続けているというようなことも教えていただきました。
 この障害年金、実は川田先生が先日取り上げていただきましたけれども、平等な給付が行われていないんじゃないかということでございます。皆様方にも資料をお配りをさせていただいておりますけれども、この障害年金の給付資格審査を行う障害認定医という方々がいらっしゃいます。じゃ、実際にこの認定をどのように行われているのかということをまずは審議官の方から伺いたいと思います。お願い申し上げます。
#268
○政府参考人(伊原和人君) 障害年金の認定は認定医という方々にお願いしておるんですけれども、この認定医の確保につきましては、これまでは、各地に所在する日本年金機構の事務センターが医療関係団体から推薦を受けるなどして個別に委託契約を結び、確保してまいりました。
 一方で、障害年金の認定に当たりまして、地域差の改善を図り、認定の標準化を進めるということが課題になっておりまして、今年の十月以降は、日本年金機構におきましては、各地の事務センターで行っていた障害年金の審査業務を東京の障害年金センターに順次集約化しております。
 集約化に当たりましては、特に首都圏近郊の認定医の確保が課題となっておりまして、これまでのように各地域ごとの取組ではなく、日本年金機構の本部がイニシアチブを取りまして関係団体に働きかけ、現在、協力を求め、確保に努めているところでございます。
#269
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。是非そうしていただきたいと思っております。
 皆様方にも資料をお配りいたしておりますけれども、不支給割合というものが県ごとにかなり違っております。私はこれ狙って資料を出したわけではないですけれども、今、不支給割合が一番高いのが大分でございます。大変申し訳ございません。この大分の現状を見ましても、資料二の認定医の数というもの、実は四名しかいらっしゃらないという現状が資料二の方で分かってまいります。本当に今お答えいただきましたように地域によってばらばらでございます。実は、この認定医というものは精神障害、外部の障害、この外部の障害とは肢体、手足ですね、それから目、聴力、内部の障害というように様々な障害を判定をしていかなければなりませんけれども、この今の認定医の数につきましても、審議官、実際の数というものを教えていただけますでしょうか。
#270
○政府参考人(伊原和人君) 現在、日本年金機構が委託をしております障害認定医は、平成二十八年四月一日現在で二百四十名となっております。その専門分野を内訳を見ますと、精神の障害が九十四名、手足、身体、目、耳などの外部の障害が九十三名、循環器、腎臓、肝臓、呼吸器などの内部の障害が五十三名であると承知しております。
#271
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 この二百四十名で一体何名をカバーしなければならないかということです。
 私もこの障害認定医の方に話を伺いましたら、毎年毎年更新、若しくは一年から五年ぐらいの更新という方々のもう山がぼんと書類が載る、それにプラスアルファ新規の方のものを審査をしなければならない、全くこれ見ている時間もないんだと。その認定医の方が聞かれたところによると、認定医によってはこの更新という束を一切見なくて、更新だからいいだろうという形でもうそれはそのまま認定を続けるということにもなってしまっているようです。認定医が替われば審査のその基準も変わってしまうんではないかというような不安も皆様方に与えていることは確かでございます。
 ですから、年金でございますので、これは公平公正に判断をしていただいて、そして支給をしていただく必要が私はあるかと思っておりますけれども、十分な時間が本当に確保されて審査をされているのか、その辺りのところを審議官、つかんでいらっしゃいますか。
#272
○政府参考人(伊原和人君) 今御指摘いただきましたように、現在の障害認定については地域差の問題がありまして、これは二年前に指摘をされて、それを改善するべく今回九月からガイドラインを定めまして、十月から全国一本の形で認定していくという作業を進めております。
 まず、認定医の数の問題につきましてですけれども、日本年金機構が発足しました、平成二十二年度の当初は、機構の発足時の混乱もありましたし、実は認定医の数も二百九名と限られておりまして、障害認定につきましては三・五か月で大体結論を出すという標準処理期間があるんですけれども、実はその達成率が一割程度という非常に問題のある状況でございました。そうした中で認定医の確保を図ってまいりまして、今年度は二百四十名、一五%増でなりまして、障害厚生年金の標準処理期間の達成率も九割を超えるようになってまいりました。
 しかしながら、先生御指摘のように地域によって差があるということで、現在、東京に集約化していこうという作業をしております。今の課題は、東京に集約化するに当たりまして、東京周辺での障害の認定医の方の確保が課題になっておりまして、今一生懸命取り組んでいるところでございます。
#273
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 東京に集約することによって逆に認定医の数は減りませんか。それは大丈夫でいらっしゃいますか。
 私ども、やっぱりこうやって全国の津々浦々の皆様方がその現地でしっかりと見ていただくということが大切だとも一方では声が聞こえてきておりました。その辺りのことにつきまして審議官の御意見をいただきたいと思います。
#274
○政府参考人(伊原和人君) 先生御指摘のとおり、全て東京で集約化して東京だけで、東京の認定医だけで判断していくということではなく、従来の認定医の先生方で引き続きやっていただける先生方には継続してお願いをしておりまして、できるだけ数多くの先生を確保して、円滑に審査業務ができるようにしていこう、このように思っております。
#275
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 資料の二の二枚目に付けておりますけれども、実はこの全国の先生方も是非私は御協力いただきたいと思っておりますが、平均年齢が実は六十歳を超えているような現状でございます。これは医師の平均年齢とはちょっとかなり差があるんではないのかな、資料の二の二枚目でございます。
 もっともっと若い先生方にもこういうことに加わっていただきまして、ガイドラインはたくさん出ているのを私も認識しておりますけれども、結局ガイドラインがあっても、その認定する人間がばらばらであってはならない。しっかり若い力でこれをこれからも責任持って進めていこうじゃないかというようにしていただきたいんですが、まだまだ経験年数から見ましても、障害を認定する経験というのも浅い方も多いようでございます。
 ですから、今回は年金機構にまとめられて、そしてしっかりと地域の皆様方にも協力していただいて、公平公正なやっぱり支給というものに努めていただく。それで初めて障害年金に対する、若しくは年金に対する信頼というものが上がっていくのではないかと思いますけれども、大臣の御意見を一言いただけますでしょうか。お願い申し上げます。
#276
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど来、年管審からお答え申し上げておりますけれども、この障害年金の認定の標準化、これはばらつきについての厳しい御指摘がございまして、それが図られるように、現在、全国三十九か所の事務センターで行っていたものを東京の障害年金センターに順次集約化をしているわけでありますが、こうした取組も精神障害に係る認定の地域差の改善につながるものだろうというふうに思っておりまして、集約化に当たっては、首都圏近郊で認定医をどう確保していくのかということは極めて大事だというふうに思っています。また、そもそも認定医の不足というものが、先ほど来御答弁申し上げているとおり、これをどう解決していくのかというものも同時にしっかり解決しないといけないと思っております。
 厚労省としても、日本年金機構と連携をして認定医の確保、これにつきまして関係団体に協力を求めておりまして、この認定医の確保に向けた対応にしっかり努力を傾けてまいりたいというふうに思っております。
#277
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 例えば身体障害者手帳申請に当たりましては、診断書を書くことができるのはやっぱり都道府県から指定を受けた指定医という方々でございます。そういう方々の知見も生かしながら、更に迅速に判断ができるような形というものも取っていただけましたら、もっともっと、障害をお持ちの皆様方も、大変理解も進んでいくかと思います。
 何かこれ、すごくこの障害年金というものが大きなハードルというふうに感じられていらっしゃる方が多うございます。ですけれども、もしその権利があるんだったらそれを利用しながら、また、働くことができるんだったら自分たちも働きたいという思いも多くの方がお持ちでいらっしゃいますので、障害者雇用という問題もパッケージ化して、しっかりと厚生労働省の方で取り組んでいただきたいと思います。
 それからもう一点、遺族年金について取り上げさせていただきます。
 この遺族年金につきましても参考人の皆様方からも意見をいただいて、これは大変重要だよということでございました。年金の信頼を上げる上においても、やっぱり不慮の事故等でパートナーを失ったときに、この遺族年金というものがその子供を支え家庭を支えるためにも大変重要なものである。しかし、私もいろいろ調べてみましたら、ちょっとこの遺族年金、まだまだこれも平等ではないんじゃないか、公平公正ではないんじゃないかと思われる点がございましたので、質問させていただきます。
 局長、お願い申し上げます。この遺族年金につきまして、夫婦の中で夫が働き、妻が主婦をしているというようなことが想定されていますでしょうか。お願い申し上げます。
#278
○政府参考人(鈴木俊彦君) 今御指摘がございました遺族年金は、世帯の生計の担い手が死亡した場合に、その死亡した方によって生計を維持されていた遺族の生活が困難にならないように所得保障をする仕組みでございますので、そういう意味では、現行制度は主に男性が家計の担い手であるという考え方が色濃い制度設計となっているところでございます。ただ一方で、社会保障・税一体改革の中で例えば父子家庭への遺族基礎年金の支給を行う、こういったように、より中立的なものとなるように対応してきているところでもございます。
#279
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 資料三をお配りをいたしております。こちら見ていただきましたら、主要な、遺族配偶者に対する遺族給付、ほとんどの国では男女差はありません。二ページ目を見ていただきましても、やはり欧米諸国は、既に共働きが一般化したこの社会において、遺族年金制度設計に男女差はありません。日本だけが残っております。
 私もいろいろ審議会の議事録なども拝見をさせていただいたんですけれども、元々、平成二十六年十一月四日、第二十七回の社会保障審議会年金部会でこの在り方について検討をされております。それが私が今皆様方にお示しした資料でもございます。この辺り、今回の法改正のためのまさに審議が行われていたんです。これも、その俎上に上がったにもかかわらず、男女というこの差が残ったままであるよねという確認をしたぐらいでスルーされてしまいまして、今回の法案にも、今、私どもが共働きをして一般化しているようなこの社会の中でも、さらにこれ残ったまま放置されているという状況でございます。
 これは、この問題意識というものはまだまだ持っていただいているかと思いますけれども、共働きが一般化することを前提として、この遺族年金の在り方についてもしっかりと見直していくべきだと思いますけれども、大臣、御意見をいただいてもよろしゅうございますでしょうか。
#280
○国務大臣(塩崎恭久君) この遺族年金制度に関して、今、男女格差というか、そういう御指摘をいただいたわけでありまして、遺族年金制度の在り方につきましては、平成二十六年から二十七年にかけまして年金部会で議論をいたしました。
 二十七年一月二十一日の取りまとめ議論の整理の中で、男性も女性も共に生計を維持する役割を果たしているという考え方の下で、制度上の男女差をなくして、若い時代に養育する子供がいない家庭については遺族給付を有期化若しくは廃止とするというのが共働きが一般化することを前提とした将来的な制度の在り方ではないかという考え、そしてもう一方で、配偶者の年金から発生をいたします受給権が仮になくなることになると、現実に今配偶者が亡くなってそれによって生計を立てておられる方々がたちまち困窮に陥るということになるために、実態を踏まえて改革をしていく必要があるのではないかという整理がされたところでございます。
 したがって、異なる考え方が示されているわけでございまして、この議論の整理は、まさに今、薬師寺委員から示されました問題意識にも通ずるものであって、この点を踏まえて引き続きしっかり検討をしなければならない重要な課題だというふうに思っております。
#281
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 私の周りでも、やはり働きながら家計をフィフティー・フィフティーで支えていっている女性が大変多うございます。そうなると、じゃ、自分が本当にそこで命がなくなってしまったときには家計が支えていけなくなるよねと、まだまだ男女格差というものがこういうところに見受けられるんじゃないかということでございます。ですから、しっかり今後議論を展開をしていただきたいと思います。
 このままペンディングで、これだけが置いていかれまして、結局遺族厚生年金というものが、男性の方が、妻死亡、五十五歳以上の夫のみが受け取ることができるというふうなことがないようにしっかりとした制度設計をお願いいたします。そういうふうなことで、えっ、男性が、受け取れないんだ、そんなものという不信感にもつながってまいります。平等にやっぱりこれからの世の中、働き方改革もやるんでしたら、まさにこういう改革も同時に行っていただきたいというのが私の願いでございますので、よろしくお願いします。
 それで、最後に、先ほど総理にも質問させていただきましたけれども、この問題、社会保障の問題、税の一体改革というものもございますけれども、一番の問題が少子化でございます。そこで、今日は内閣府にもいらしていただいておりますので、質問をさせていただきたいと思います。
 今回、この少子化対策というものが目玉という感じでは私は受け取っておりません。保育の改革、そしてネウボラというふうなことで、厚生労働省でも取り組んでくださっているのは存じ上げておりますけれども、しっかり少子化の社会的な対策というものを更に強化していくぞというようなやっぱり決意をいただかなければならないと思います。
 本当に、少子化をなかなか解決できないこの日本において、一番何が障害になっているというふうにお思いでしょうか。そして、どのような計画で、しっかりとこの少子高齢化の世の中というものを克服していく策をお持ちなんでしょうか、教えていただけますでしょうか。
#282
○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。
 政府におきましては、昨年三月に少子化社会対策大綱を定め、子育て支援施策の一層の充実、結婚、出産の希望が実現できる環境整備、子供、子育てに温かい社会、地域づくりなどの対策を講じてきたところでございます。また、この六月にはニッポン一億総活躍プランが策定され、希望出生率一・八の実現に向けて強力に取組が進められているところでございます。
 その結果、例えば平成二十七年度までの三年間で新たに約三十一・四万人分の保育の受入れ枠を確保。また、結婚支援につきましては、例えばマッチングシステムによる成婚数が増加した自治体が徐々に出てきております。さらには、自治体と地域の企業等が連携して各種割引を提供する子育て支援パスポート事業というのがございますが、これの全国展開が図られたところでございます。こうしたことにより徐々に実績を上げてきてはおります。また、働き方改革につきましては、例えば第一子出産前後の女性の継続就業率は二〇一〇年の三八・〇%から二〇一五年には五三・一%となっているところでございます。
 ただ、いずれにしましても、少子化の克服に向けてはまだ道半ばというふうに認識しております。少子化考える上で様々な要因がございます。未婚化、晩婚化の進行、長時間労働、子育て中の孤立感や負担が大きいことなど、こうした様々な要因が複雑に絡み合っているものが少子化の今の現状というふうに認識しているところでございます。なので、我々としましては、そうした要因を一個一個分析しながら、引き続き、結婚支援、子育て支援、働き方改革など、総合的に施策を進めていく必要があるというふうに認識しております。
#283
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 今御説明いただきました資料を四に付けておりますけれども、数値目標を基に政府も取り組んでくださっていることは大変有り難いと思いますが、大臣、今聞いていただきまして、そのほとんどが厚生労働省の施策でございます。しっかりとこれは、厚生労働省、年金を維持していくためにも、まさに今回の持続可能の向上というものを目指すのであれば、少子化取り組んでいくべきですし、少子化の原因から分析をし、そしてその次の世代の皆様方に安心して、お子さんを産んでもみんな地域で受け止められるんだよというような、そういう安心した社会も構築していかなければ、私の周囲でも、一人は何とか育てられるけど二人目はもう産む余裕がないよねというような声もございます。
 ですから、働き方改革もそうですし、保育の受皿もそうですし、いろんなところでもう少し、もちろん年金という問題、これも大変大切な問題だと思いますが、さらに、もっと若い世代の皆様方にもターゲットを当てて充実した施策というものを打っていただきたいんですけれども、大臣のお考えをお願いいたします。
#284
○国務大臣(塩崎恭久君) 昨年の九月に安倍総理が一億総活躍社会づくりということを初めて唱えたときに同時に発信をしたことは、安倍内閣として人口問題に取り組むということを明言をしました。このことを新しい三本の矢ということで示しているわけでございますけれども、そのうちの第一の経済再生については、働き方改革というのが今中心のテーマになっています。そして、希望出生率一・八というのの実現というのは第二本目でありますが、まさにこれが少子化対策そのものだと思います。そして三本目が、いわゆる介護離職ゼロと言っていますけれども、高齢化対策。
 これをやるということになれば、一本目も二本目も三本目も、今日も、年金と、男性、女性の働き方に関連して年金がどうあるべきか遺族年金も含めて考えろと、こういう御指摘をいただきましたが、まさに厚生労働省として、これは全てを取り組んでいかなければいけない問題として正面から立ち向かっていかなければいけないと思っております。
 具体的には、結婚、子育ての希望実現の基盤となる若者の雇用安定あるいは待遇改善、それから結婚、妊娠から子育ての各段階の負担、不安を解消するための支援、まさに子育て支援と少子化対策、そして、出産後、子育て中の就業が可能な多様な保育サービスの充実、さらには子育てが困難な状況にある家庭、子供等への支援等の強化などの取組を今まで以上に強力に推し進めていかなければいけないと思っております。
 今日は、午前中、総理も子育てに優しい社会づくりというふうに明言をされましたが、やはりこれに厚生労働省としてはあらゆる政策を動員をして取り組んで、少子化対策に立ち向かっていかなければならない、そして、子供たちが元気で、たくさん出てくる日本に変えていかなきゃいけないというふうに思います。
#285
○薬師寺みちよ君 以上で終わらせていただきます。
 私自身も子育てをしながらこのように働けていることを大変幸せだと思います。こういう環境をもっと多くの女性にも共有していきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
#286
○委員長(羽生田俊君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#287
○牧山ひろえ君 民進党・新緑風会の牧山ひろえです。
 私は、民進党・新緑風会を代表して、公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案に対し、反対の立場から討論を行います。
 本案は、当初、会期終了日の前日に当たる十一月二十九日に送付されたものですが、衆議院厚生労働委員会では、与党委員長による職権セットが相次ぎ、強引な運営により、二十時間余りの審議時間で強行採決されました。安倍総理は衆議院で何時間やったって同じと言い放ちましたが、参議院では議論が深まっています。本日の質疑の内容を見ても数多くの論点が残されており、審議が不十分なのは明らかです。
 反対する理由の第一は、本案の年金額の改定ルールの見直しが、年金制度、年金財政の持続可能性を重視する一方で、公的年金制度の最大の役割である最低保障機能がないがしろにするものであるからです。この二つはパッケージで議論しなければ、国民の将来不安に対応することはできません。
 公的年金の給付水準が低下すれば、生活保護を受給する高齢者世帯が増加することが懸念されます。生活保護受給者のうち、高齢者の割合が今年ついに五〇%を超えました。年金支給額切下げの結果、生活保護受給者が増えれば、ますます国家財政への負担は増すこととなります。
 本案は、年金財政だけを見て、国家財政全体を見ない法案でもあります。この法案により暮らしを脅かされるのは高齢者だけではありません。物価が上がっても賃金が下がれば年金が下がり、一度下がった年金は一生物価に追い付くことがなく、受給開始後の年金の実質的価値が一方的に下がり続ける仕組みとなっています。
 この物価・賃金スライドの新ルールは、現役世代や将来世代の老後にもひとしく適用され、年金がカットされていきます。大臣も、今回の法案で将来世代の年金は増えないと答弁で認めています。また、マクロ経済スライドのキャリーオーバーについては、物価が著しく上昇した場合に対応する措置が何ら規定されておらず、高齢者の生計維持に支障が生じる懸念が拭い切れません。
 現在の経済停滞の原因は、国民の将来に対する不安に起因しています。この法案では、国民の将来不安が払拭されるどころか、暗い未来しか描けません。
 政府が本案の提出に先立って行った平成二十六年財政検証は、今後百年間物価が上がり続け、賃金はそれ以上に上がり続けるというあり得ない経済前提に基づいています。実際、前回の十六年の財政再計算以降に物価変動率を賃金変動率が下回ったケースは七回もあるにもかかわらずです。
 過去、平成十六年財政再計算、平成二十一年財政検証の経済前提は実績では達成されておりません。年金制度改革の議論は、まず平成十六年改正時の見通しが誤っていたことを認め、現実的な経済前提の下で誠実な試算を示すところから始めるべきではないでしょうか。
 反対する理由の第二は、本案のGPIF改革が専ら被保険者の利益のためにという原則を貫く上で極めて不十分だからです。
 本案のGPIF改革では、新設される経営委員会に参画する労使の割合を十人中二人と規定しています。年金積立金の原資は被保険者と事業主が拠出する年金保険料であり、その運営損益も将来の年金財政に跳ね返ってくるものです。
 GPIFについては、保険料拠出者である労使の意思が適切に反映されることが重要であり、労使の意思を反映しない方向への改革は諸外国の運用機関の例を見ても理解できないものであります。また、監査委員が経営委員会委員を兼ねることとなっており、十分なチェック機能が働かないのではないか、経営委員会を設置するのであれば、独立行政法人ではなく特殊法人とし、国会の民主的統制を強化すべきだったのではないかなど数多くの疑念が解消されないままです。
 元々、平成二十六年十月の基本ポートフォリオの変更は、安倍政権の成長戦略のために国民の年金積立金を大きく株式につぎ込む結果となり、その後、巨額の損失も計上しました。ポートフォリオ変更前の平均収益率が二・八%であるのに対し、変更後の平均収益率は僅か〇・五%となっており、財政検証の見通しが全く達成されていません。
 GPIF改革は、現在の年金積立金の運用が専ら被保険者の利益のためになされていないという反省に立って行われなければならないと考えます。国民の老後の不安を解消するためにも生計を維持できるまともな年金額を受け取れるようにする必要があり、そのためには年金制度の抜本的改革が避けられません。ですが、その場しのぎの本法案で現行制度を温存することになる結果、抜本改革の先送りと将来世代のツケの増大を招く危険が大きいことを御指摘申し上げて、私の反対討論とさせていただきます。
#288
○熊野正士君 公明党の熊野正士です。
 私は、自由民主党及び公明党を代表して、公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案に賛成する立場から討論を行います。
 平成二十六年財政検証では、日本経済が再生し、高齢者や女性の労働参加が進めば、将来の所得代替率は五〇%を上回ることが確認されました。同時に、公的年金制度の持続可能性を更に高めるため、スピード感を持って対応すべき課題も明らかとなっており、早急に手当てをしようとする姿勢を評価します。
 本法案では、マクロ経済スライドの調整期間の長期化を防いで将来世代の基礎年金の給付水準を確保するため、年金額の改定ルールを見直すこととしています。具体的には、マクロ経済スライドの未調整分については、名目下限措置を維持した上で可能な限り早期に調整をすること、また賃金に合わせた年金額の改定を行うことで年金制度の支え手である現役世代の負担能力に応じた給付とすることが盛り込まれております。現役世代の今後受け取る年金水準の低下を防ぎ、世代間の公平を確保することで、若い世代が安心して高齢者の年金を支える仕組みにする重要な改正であると考えます。
 また、我が党がこれまで強く主張してきた国民年金第一号被保険者の産前産後期間の保険料免除は、年金の保障機能を強化すると同時に、次世代育成支援にも資する極めて重要な措置であり、少子高齢化が急速に進む中、一刻も早く実施されることが望まれます。次世代育成支援策を一つ一つ着実に実施していくことは、将来世代の安心感を醸成し、ひいては出生率の上昇に必ずつながっていくものであると考えます。
 このほか、本法案は、中小企業で働く短時間労働者にも被用者保険の適用の道を開くことが将来の年金額を増やすとともに、年金積立金を運用するGPIFについて国民から一層信頼されるよう組織を強化することとしており、時宜を得たものと考えます。
 我が国の公的年金制度は、創設以降、経済状況、社会情勢、人口構成の変化にきめ細やかに対応をし、今回の法案のように小まめにメンテナンスを行うことで世界に冠たる公的年金制度を維持してきました。(発言する者あり)
#289
○委員長(羽生田俊君) お静かに願います。
#290
○熊野正士君 今後も国民全員が安心かつ信頼できる公的年金制度の実現に向けて不断の取組を行っていくことが何よりも重要であることを申し上げ、私の賛成討論といたします。
#291
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 討論に入ります前に、本日採決を行うということに対しては断固反対だと、この意思を表明しておきます。
 日本共産党を代表し、公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案に対し、反対討論を行います。
 反対理由の第一は、際限なく年金を引き下げる賃金マイナススライドを導入するからです。
 これまで政府は購買力の維持のために物価に合わせて改定してきましたが、この法案により、賃金、物価のひたすら低い方に合わせて年金を引き下げることとなります。老後生活の基礎的部分を賄うという考え方で基礎年金制度がスタートした約束をほごにし、度重なる抑制が行われてきました。この二十年間、年金は下がり続けており、今後カバーできない部分がますます増えることは明らかです。政府は将来年金確保法案だと説明しますが、ただでさえ低い年金を更に引き下げて将来世代に引き渡すものであり、看板に偽りありと言わざるを得ません。
 反対理由の第二は、いわゆるキャリーオーバーで更に年金を引き下げることになるからです。
 実質的な年金削減が繰り返され、ただでさえ弱い最低保障機能を更に弱めるものにほかなりません。さらに、賃金マイナススライドとキャリーオーバーの導入により、二〇一九年十月に実施予定の消費税増税が物価、賃金の指標に反映される際に、年金がゼロ改定、マイナス改定になる危険性も明らかになりました。増税で物価は跳ね上がるのに年金は減額などという事態は断じて容認できません。
#292
○委員長(羽生田俊君) 傍聴席の方はお静かにしてください。
#293
○倉林明子君 反対理由の第三は、年金積立金を株価維持のために株式運用するものだからです。
 年金を引き下げ続ける一方、年金積立金は増え続けることになります。あろうことか、安倍政権は、この巨額の積立金を株価つり上げのために運用を拡大しました。運用利回りが確保できる制度的保障もなく、国民の財産である積立金を危険にさらすことは到底容認できません。積立金を維持、積み増しすることを前提とした考え方を撤回し、給付抑制を回避する運用へ転換すべきです。
 必要な財源は消費税に頼らず、応能負担の原則に立った税制改革で確保すべきです。保険料負担上限を見直し、再分配機能を強化することが必要です。減らない年金への改革に踏み出し、年金額を引き上げることを目指すべきです。それが国民の公的年金制度への信頼を取り戻す確かな道であることを指摘し、本法案は廃案にすべきことを強く求め、反対討論といたします。
#294
○東徹君 日本維新の会の東徹です。
 会派を代表して、本日の議題である公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案について賛成の立場から討論をいたします。
 我が国の公的年金制度は、現状、国民年金保険料の納付率は六三・四%にとどまっております。また、本委員会の質疑でも、第一号被保険者のうち保険料滞納者の九四%は免除の可能性があって、そのため、第一号被保険者の約半数が免除を受けているか、その可能性のある者であることが明らかになりました。我が国の年金制度が皆年金である以上、いろいろな方が含まれることを想定されているとはいえども、そもそも社会保険として成り立っているのかどうか疑問を生じるところがあります。
 今回の年金の改定ルールの見直しについてでありますが、我が国の財政はもちろん、年金財政も厳しいということから考えると、将来の年金受給者のため、現在の年金受給者の給付水準を一定程度引き下げること等を内容とする今回の本法案につきましてはやむを得ないものと考えます。
 しかしながら、今後の年金制度において、制度の持続可能性と給付の十分性を両立させるためには、我が会派が主張する積立方式への移行や支給開始年齢の引上げなど抜本的な改革が必要であり、年金制度にはまだまだ多くの課題が残っております。
 政府に対しては、甘い見通しによるのではなくて、現在の経済情勢を反映した年金財政の検証や年金制度と密接な関係を有する生活保護費負担金の将来推計など政策判断に必要な試算を行って国民に適切にその情報を提供すること、また、国民年金保険料納付率の向上や徴収コストの削減などのため、歳入庁の設置や国民健康保険料とセットの方式の導入などの検討を行うことを要請して、賛成の討論といたします。
 ありがとうございました。
#295
○福島みずほ君 私は、希望の会(自由・社民)を代表して、公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案について反対の立場から討論を行います。
 まず、本日の委員会採決そのものに断固反対をいたします。
 本法案に反対の最大の理由は、本法案で年金支給額を引き下げる新たなルールが作られることにより、高齢者の生活基盤である公的年金が弱体化する危険性が非常に高いからです。現在、新規裁定者は賃金変動に合わせ、既裁定者は物価変動に合わせて改定することにより、年金額の実質的な価値を維持し、高齢者の購買力を維持しています。ところが、今回の賃金・物価スライド見直しは、物価の下げ幅より賃金が大きい場合は賃金に合わせて減額する、物価が上がっても賃金が下がれば賃金に合わせて減額するというように、減額を強化する内容です。賃金カット法案です。
 労働者の実質賃金は低迷を続け、政府が予定している消費税増税等による物価上昇を考えると、年金生活者の購買力がどこまで維持できるのか大問題です。また、これは本則の改定ですから、現役・将来世代も老後に受け取る年金が物価の上昇から離れて引き下げられ、大きな影響を受けます。
 さらに、本法案では、マクロ経済スライド調整率が物価・賃金スライド率よりも大きくて引き切れなかった場合、翌年度以降に未調整分を持ち越すキャリーオーバーという仕組みが設けられます。
 マクロ経済スライド調整は年金全てに掛かりますが、特に問題なのは基礎年金の水準が著しく低下することです。また、キャリーオーバーには期限がないため、調整期間が長期化すれば基礎年金の劣化が激しくなり、国民年金のみの高齢者、低年金者、障害年金で暮らす人々ほどより打撃が大きくなります。高齢者の最低限の生活水準を保障できるのかどうか、これは公的年金の存在意義に関わることです。公的年金制度の最低保障機能を更に脆弱化する本法案を許すわけにはいきません。
 加えて、本則の改定とマクロ経済スライド調整の強化がダブルで実施されることへの不安に対して、政府は、賃金が上がり続けるという甘い前提による見通しを示すのみでした。国民が納得できる政府の説明がなかったことを許すわけにはいきません。
 政府は、現役・将来世代のために必要な改革だと強調しますが、本法案の短時間労働者への被用者保険の適用拡大は実効性が乏しいと言わざるを得ません。本気で現役・将来世代のことを考えるのであれば、中小企業への保険料負担軽減等の支援を講じながら適用拡大を大胆に進め、あわせて、非正規、男女の賃金格差を是正して社会保障制度の支え手を増やしていくことに積極的に取り組むべきです。
 新たに設置されるGPIFの経営委員会の構成員の割合も問題です。年金積立金の運用割合など重要方針を決定する役割を担うのですから、構成員の半数を被保険者の代表にして国民の意見を反映させるべきです。
 最後に、日本は国連社会権規約委員会から二度にわたり最低保障年金の創設を勧告されております。高齢者の貧困格差をこれ以上拡大させないために、最低保障年金を含む年金制度の抜本改革に今すぐ取り組むべきであることを強調し、私の反対討論といたします。
#296
○委員長(羽生田俊君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#297
○委員長(羽生田俊君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、足立君から発言を求められておりますので、これを許します。足立信也君。
#298
○足立信也君 足立信也です。
 私は、ただいま可決されました公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民進党・新緑風会、公明党及び無所属クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  国民の高齢期の生活の安心を確保することは、社会の安定を確保するためにも不可欠な課題であることに鑑み、政府は、本法の施行に当たり、公的年金制度の目的の確実な実現を確保するため、次の事項について万全を期すべきである。
 一、国民年金制度は、憲法第二十五条第二項に規定する理念に基づき、国民の共同連帯によって高齢期の暮らしの安心と安定に寄与するためのものであることから、今後もその機能や役割の維持・確保に全力を尽くすこと。
 二、短時間労働者への被用者保険の適用拡大の促進については、雇用形態の多様化等により、本来、加入すべき労働者が厚生年金保険に加入できていない現状を改める観点のみならず、平成二十六年財政検証のオプション試算において、労働者の厚生年金保険への加入促進が年金財政の安定化に資すると明らかになったことからも、本法施行後、更なる適用拡大について、速やかに検討を開始すること。
 三、社会保険制度は、強制加入を基本原則に運用されていることから、本法による短時間労働者への被用者保険の適用拡大の促進が労使の合意に基づく任意の制度であることについて、本法施行後の適用拡大の状況やその効果を検証するとともに、前項の検討も踏まえ、今後の適用拡大に当たっては、かかる基本原則を踏まえた対応を講ずること。
 四、厚生年金保険の未適用事業所に対する適用・徴収対策は喫緊の課題であり、その推進のためには日本年金機構における人員体制の確保が必要であることから、現在進められている日本年金機構の組織体制の見直しについては、労働者の厚生年金保険への加入促進という本法の趣旨に照らして、適切な対策を講ずること。
 五、本法による年金額の改定ルールの賃金・物価スライドの見直しについては、平成二十六年財政検証を踏まえて行われた関係審議会において取りまとめられた新しい改定ルールであり、オプション試算が行われなかったが、次回予定される平成三十一年財政検証に向けて、景気循環等の影響で新たな改定ルールが実際に適用される可能性も踏まえた上で、国民が将来の年金の姿を見通すことができるよう、現実的かつ多様な経済前提の下で将来推計を示すべく、その準備を進めること。また、国民が将来の年金の姿を理解するためには、単一の世帯類型における所得代替率による将来推計だけでは不十分であることから、前提条件の妥当性及び多様な世帯類型における所得代替率を併せて示すよう、より経済の実勢や国民のニーズに合った財政検証の態様の見直しを検討すること。
 六、今後の経済状況によっては、現時点で想定し得ないマクロ経済の動きが発生し、年金額の更なる調整が必要となる事態も起こり得ることを常に意識し、高齢期の暮らしの安心と安定を確保する上で必要な年金給付水準の維持に努めることはもとより、低年金・無年金者への対応について、生計費を把握するとともに、年金以外の現金及び現物給付を含む適正な生活保障が確保されるよう、施策の検討を続けること。
 七、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のガバナンスの強化については、年金保険料の拠出者であり積立金の受益者である被保険者の立場を代表する者の経営委員会における定数及びその配分について検討を続けること。また、労使の代表を含む経営委員会委員については、運用の専門性はもとより、拠出者である労使の意向や利害を真に代表し得る委員が透明かつ公正な手法によって選出されるよう、適正な決定を行うこと。
 八、障害年金受給資格審査を行う障害認定医の十分な確保のため、必要な措置を検討すること。あわせて、障害年金支給決定の地域格差を是正するため、全国障害認定医会議等の場において情報共有を行い、障害年金支給決定の判断の平準化を図るよう努めること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#299
○委員長(羽生田俊君) ただいま足立君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#300
○委員長(羽生田俊君) 多数と認めます。よって、足立君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、塩崎厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。塩崎厚生労働大臣。
#301
○国務大臣(塩崎恭久君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。
#302
○委員長(羽生田俊君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#303
○委員長(羽生田俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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