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2016/11/22 第192回国会 参議院 参議院会議録情報 第192回国会 財政金融委員会 第5号
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2016/11/22 第192回国会 参議院

参議院会議録情報 第192回国会 財政金融委員会 第5号

#1
第192回国会 財政金融委員会 第5号
平成二十八年十一月二十二日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月十七日
    辞任         補欠選任
     浜口  誠君     大塚 耕平君
     山添  拓君     小池  晃君
 十一月十八日
    辞任         補欠選任
     阿達 雅志君     鶴保 庸介君
     平山佐知子君     風間 直樹君
 十一月二十一日
    辞任         補欠選任
     大塚 耕平君     浜口  誠君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤川 政人君
    理 事
                大家 敏志君
                長峯  誠君
                三宅 伸吾君
                白  眞勲君
                平木 大作君
    委 員
                愛知 治郎君
                石田 昌宏君
                徳茂 雅之君
                中西 健治君
                松川 るい君
                三木  亨君
                宮沢 洋一君
                山谷えり子君
                風間 直樹君
                古賀 之士君
                浜口  誠君
                藤末 健三君
                杉  久武君
                小池  晃君
                大門実紀史君
                藤巻 健史君
                渡辺 喜美君
                中山 恭子君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
   副大臣
       内閣府副大臣   越智 隆雄君
       財務副大臣    大塚  拓君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        武村 展英君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 伸一君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第一局長   村上 英嗣君
   参考人
       日本銀行総裁   黒田 東彦君
       日本銀行副総裁  岩田規久男君
       日本銀行理事   雨宮 正佳君
       日本銀行理事   櫛田 誠希君
       日本銀行理事   武田 知久君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づく
 通貨及び金融の調節に関する報告書に関する件
 )
○金融資本市場をめぐる情勢の変化に対応して金
 融の機能の安定を確保するための金融機能の強
 化のための特別措置に関する法律等の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
   午前十時開会
#2
○委員長(藤川政人君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、山添拓君、平山佐知子君及び阿達雅志君が委員を辞任され、その補欠として小池晃君、風間直樹君及び鶴保庸介君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(藤川政人君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁黒田東彦君、同副総裁岩田規久男君、同理事雨宮正佳君、同理事櫛田誠希君及び同理事武田知久君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(藤川政人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(藤川政人君) 財政及び金融等に関する調査のうち、日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づく通貨及び金融の調節に関する報告書に関する件を議題といたします。
 日本銀行から説明を聴取いたします。黒田日本銀行総裁。
#6
○参考人(黒田東彦君) 日本銀行は、毎年六月と十二月に通貨及び金融の調節に関する報告書を国会に提出しております。本日、我が国経済の動向と日本銀行の金融政策運営について詳しく御説明申し上げる機会をいただき、厚く御礼申し上げます。
 日本銀行は、十一月初の金融政策決定会合において、二〇一八年度までの経済、物価の見通しを展望レポートとして取りまとめました。これを踏まえ、まず、我が国の経済金融情勢について御説明申し上げます。
 我が国の景気は、新興国経済の減速の影響などから輸出、生産面に鈍さが見られるものの、基調としては緩やかな回復を続けています。先行きについては、海外経済の回復に加えて、極めて緩和的な金融環境と政府の大型経済対策の効果を背景に、企業、家計の両部門において所得から支出への前向きの循環メカニズムが持続する下で、二〇一八年度までの見通し期間を通じて潜在成長率を上回る成長を続けると見ています。
 物価面を見ると、生鮮食品を除く消費者物価の前年比は、エネルギー価格下落の影響から小幅のマイナスとなっています。先行きは、当面小幅のマイナスないしゼロ%程度で推移すると見られますが、マクロ的な需給バランスが改善し、中長期的な予想物価上昇率も高まるにつれて、見通し期間の後半には物価安定の目標である二%に向けて上昇率を高めていくと考えています。二%程度に達する時期は、見通し期間の終盤、すなわち二〇一八年度頃になる可能性が高いと予想しています。このように、二%の物価安定の目標に向けたモメンタムは維持されていると見ております。もっとも、前回七月の展望レポートと比べると幾分弱まっており、今後、注意深く点検していく必要があると考えています。
 日本銀行は、九月の金融政策決定会合において、量的・質的金融緩和導入以降の経済・物価動向と政策効果について総括的な検証を行い、その結果を踏まえ、二%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現するため、金融緩和強化のための新しい枠組みである長短金利操作付き量的・質的金融緩和を導入しました。新しい枠組みは、二つの要素から成り立っています。
 第一に、長短金利操作、イールドカーブコントロールです。二〇一三年四月に導入した量的・質的金融緩和は、主として実質金利の低下の効果により経済、物価の好転をもたらし、日本経済は、物価の持続的な下落という意味でのデフレではなくなりました。イールドカーブコントロールは、この実質金利の低下の効果を長短金利の操作によって追求するものです。日本銀行は、経済、物価、金融情勢を踏まえつつ、二%の物価安定の目標に向けたモメンタムを維持するために最も適切なイールドカーブ形成を促していきます。具体的には、毎回の金融政策決定会合で決定、公表する金融市場調節方針において、日本銀行当座預金に適用する短期政策金利及び十年物国債金利の操作目標の二つの金利水準を示します。国債買入れは、買入れ額のめどを示しつつ、長期金利の操作方針を実現するように運営します。
 第二に、オーバーシュート型コミットメントです。二%の物価安定の目標を実現するためには、人々のデフレマインドを抜本的に転換し、予想物価上昇率を引き上げる必要があります。この点、我が国における予想物価上昇率の期待形成は依然としてかなりの程度適合的であり、足下の物価上昇率に強く引きずられる傾向があります。こうしたことを踏まえ、日本銀行は、生鮮食品を除く消費者物価指数の前年比上昇率の実績値が安定的に二%を超えるまでマネタリーベースの拡大方針を継続するという極めて強力なコミットメントを導入しました。物価安定の目標の実現に向けた日本銀行の強い姿勢を示すことで、二%の実現に対する人々の信認を高め、予想物価上昇率をより強力に高めていくこととしました。
 十一月初の金融政策決定会合では、短期政策金利をマイナス〇・一%、十年物国債金利の操作目標をゼロ%程度とする金融市場調節方針の維持を決定しました。日本銀行は、今後とも、経済、物価、金融情勢を踏まえ、物価安定の目標に向けたモメンタムを維持するため、必要な政策の調整を行います。
 ありがとうございました。
#7
○委員長(藤川政人君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○石田昌宏君 おはようございます。自由民主党の石田昌宏です。
 黒田総裁、過去最多クラスとなる国会の出席、どうもお疲れさまです。
 今日は、今総裁が進められている長短金利操作付き量的・質的金融緩和について、まず確認させていただきたいと思います。
 これは、イールドカーブのコントロールを行って、短期金利につきましては日銀の当座預金のうち政策金利残高の方にマイナス〇・一%の金利を適用する、それから、長期金利については十年物国債金利がおおむねゼロ程度で推移するように長期国債の買入れを行う、さらに、長期国債の買入れ額はおおむね現状程度の買入れペースをめどとしつつ、金利操作方針を実現するように運用をするといった内容だと思います。
 ただ、例えば長期金利が十年物がゼロ程度で推移するのであれば、例えば国債の買入れを思い切って減らすというようなケースも出てくるかもしれませんし、八十兆じゃ足りないというケースも出てくるかもしれません。こういった様々な臆測があって、例えば減らす場合は、ひょっとしたらテーパリングの方向性をもう示しつつあるんじゃないかというような市場の声などもありますが、そもそも考えてみると、この政策も、今までと同じように量的には市場への資金供給量を増やし続けること、質的には国債の買入れを続けるといったこととして考えてみると、従来からの緩和の策を本質的には変えていないというふうに考えられるんですけれども、これについて確認したいと思います。
#9
○参考人(黒田東彦君) 御案内のとおり、日本銀行は、二〇一三年四月の量的・質的金融緩和の導入以降、一貫して量と金利の両面から積極的な金融緩和を行ってきております。
 日本銀行の量的・質的金融緩和は、大量の国債買入れによってイールドカーブ全体にわたって金利に低下圧力を加えるとともに、二%の物価安定の目標に対する強いコミットメントによって人々の予想物価上昇率を引き上げることにより、実質金利を引き下げることを主たる波及経路としております。本年一月にはマイナス金利付き量的・質的金融緩和を導入いたしましたが、その後の経験により、大量の国債買入れとマイナス金利の組合せはイールドカーブ全体に影響を与える上で大変有効であるというふうに判断をいたしております。
 以上のような認識に基づきまして、先般導入しました長短金利操作付き量的・質的金融緩和では、実質金利の低下効果を長短金利の操作により追求するイールドカーブコントロールを政策枠組みの中心に据えることといたしました。これによって、経済、物価、金融情勢に応じたより柔軟な対応が可能となり、政策の持続性も高まるものと考えております。
 イールドカーブコントロールの下では、長短金利の操作方針を示した上で、それを実現するように、引き続き大量の国債買入れを実施しております。量と金利の両面で積極的な金融緩和を行っているという点では、従来の枠組みと変わっておりません。
 日本銀行としては、今後とも、二%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現するため、積極的な金融緩和を継続していく方針でございます。
#10
○石田昌宏君 今、変わっていないというような発言だと思います。私もこの方向でもうしばらく行くしかないかなというふうに思っていますし、日銀自体もかなりのことをやってきているというふうには認識しています。でも、二%の物価安定目標は達成されていないしという話です。
 前回の委員会でもありましたけど、やっぱりそれはどうも企業の内部留保ですとかそういったものに随分蓄積されていて、なかなか市場全体にお金が行き渡っていないといったような趣旨の議論が前回もあったと思います。ここをしっかりと解決していかないといけないというふうに思いますし、これが解決されていない限りは日銀がどれだけ頑張っても結論はなかなか得にくいなというふうには感じております。
 どうも日本経済全体の構造的な問題に踏み込んでいかないと、このデフレからの二十年間の脱却は最終的には困難だと思いますので、それについてちょっと今からお話をしたいというふうに思います。
 特に、なぜ内部留保がこれだけあって設備投資や人件費に回っていないのか、これについて考えてみたいと思いますが、資料をちょっと御覧ください。今日は幾つか配っていると思うんですけど、まず一番の資料なんですけど、これはうちの事務所でいろんなデータを基にして作ってみたんですけれども、まず一番ですけれども、この二十年間ぐらい企業の利益余剰金というのはひたすら増え続けています。ただ、人件費は伸びていないということが分かります。安倍政権では、政労使会議等を通じて経営者や労働組合の方にも働きかけて、何とか人件費アップを頑張っているところではありますが、まだ結果は如実には表れていないと思います。
 Aの方の資料はROEの変化を示しているんですけど、現在も株式市場では企業のROEはかなり重要な指標として見られております。ただ、幾ら会社が利益をたくさん上げたとしても、ROEが低ければ株主のリターンは低いわけですので、株主としては経営陣にROEを改善するように求めるわけです。アベノミクスの最近のところは、確かに高いROE水準を達成してきているかというふうに思います。
 次の資料を御覧ください。三番です。これは出所がちょっと間違っていて申し訳ありません。経済産業省じゃなくて財務省の資料を基に作っていますが、これは売上高と利益率の比較なんですけれども、アベノミクスが始まってから、確かに売上高に対して利益率は非常に増えていることがあります。ROE高いのと裏付けになると思うんですけれども、企業はかなり効率的に利益を出せるようになっています。
 ところが、四番を見てください。得た利益は設備投資の方、青いところには余り回っていません。有形固定資産というのはこの二十年間ほとんど増えていません。現預金も、これ増えていることは増えているんですけれども、比較して圧倒的に多く増えているのが投資有価証券ということになっています。どうも効率的に出せるようになった利益を有価証券の方に回しているんじゃないかというふうに思います。
 引き続き五番を見てください。五番は、売上高に対して営業外利益ですね、これが最近急速に増えています。どうも営業外利益の多くは、急増してきた投資有価証券の配当などから得られているのでないかというふうに思います。
 六番、最後ですけれども、営業外収益が増えているのと歩みを同じくして、現地海外法人の設備投資額が増えています。国内は増えていないんですけれども、外国に対する投資が増えています。どうも投資有価証券の配当は、海外からの配当ではないかというふうに思われます。
 つまり、今六つのデータを示しましたけれども、今の日本企業は着実に利益を上げているんですけど、その利益は国内ではなくて外国への投資に向かっているんではないか。確かに、内部留保は増えていますが、有価証券が多くなって現預金がそれほどもないために、国内の設備投資やむしろ人件費の方にはなかなか回ってこない、回せないんじゃないかということが推測されるわけです。
 そこで、なぜ国内に還流しないのか。これ、実は一九九九年に日銀の当時の速水総裁がこういうことを予言しているんですけれども、読み上げますね。日本経済の構造問題は、経済のグローバル化が進み、外国人投資家による株式保有も増加する中で、従来のボリューム志向に代えて利益率を重視する経営姿勢が我が国企業に広まりつつあることというふうに言っています。
 つまり、ROEのように利益の量よりも利益の率を重要視するために、日本は少子化や人口減少が進みますからハイリターンが望めないということで、効率よく利益を得られる海外にお金が向かっているということ、その結果、国内への利益の還流がなくなってきていて設備投資や人件費に回っていないと、こういった話ではないかというふうに思います。
 こういう観点からすると、企業自身は利益率の向上のために最適な行動を今取っているんですけれども、その結果、海外にお金が流れていくわけですから、逆に国内のマクロ経済の視点から見ると、こういった企業の行動が需要の抑制を起こしていると。言ってみたら、個別にはいいんですけれども全体では最適じゃないという合成の誤謬が起きているのが今の状況じゃないかというふうに考えられます。
 そこで、今やるべきことは、むしろ利益の率を求める企業経営の構造を変えていかないと、この構造的な問題は終わらないんじゃないかというふうに思われます。
 そこで、一つ提案なんですけれども、政府が今せっかく経営団体や労働組合と一緒に話合いを行って賃上げの話とかしているんですから、そこで終わらないで、むしろ企業経営そのものはどうあるべきか、株主のものなのか、会社は、社員や顧客、取引先、さらに地域、そういったいろんな観点から企業経営はどうあるべきかということを今後考えていくことの取組を是非していただきたいということを提案させていただきます。
 これにつきまして、財務省のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#11
○副大臣(大塚拓君) 御指摘のように、安倍政権のこれまでの取組によって、日本経済の雇用・所得環境、非常に改善をしてきているということを受けて、過去最高水準となった企業収益というものがあるわけですけれども、それに対して設備投資、賃金引上げが不十分だということは、恐らくこの委員会でも累次指摘をされていることだろうというふうに思うわけでございます。
 この要因としては、これも大臣からもよく答弁申し上げておりますように、デフレ不況が九〇年代以降二十年近く続いたために、企業経営者にデフレマインドがしぶとくこびりついているということがあるんではないかということが言われております。
 ちょうど私、昨日、ある中南米の大使といろいろ議論させていただく機会がありまして、その大使が力説をされておられましたのは、ちょっと最近、日本のプレゼンスがもう劇的に下がっているんではないかと。その背景として、彼は七〇年代、八〇年代の日本企業をイメージしながら、日本企業のリスクテーク能力とかアニマルスピリッツみたいなものが全く最近ないんじゃないのと、どうなっているんだ日本はと、こういうことをかなり力説をされておられまして、私もそうだなと思いながら聞いている部分があったわけですけれども、これはだから、何も国内だけではなくて、海外においてもそういう積極的に攻める姿勢というのが欠けているんじゃないかという外からの指摘であるわけでございます。
 本来は、余り政労使会議ということをやらずとも、経営者自らがいろいろ判断をして積極的に投資をする、あるいは賃金で分配をしていく、そのことによって前向きな循環を企業自らがつくっていこうとするのが本来のアニマルスピリッツの作用だろうなというふうに思うんですけれども、そういうものが残念ながら欠けている状況が続いているということもあって、政労使会議というものを政府としては立ち上げてやってきているわけでございます。
 賃金については、これによって三年連続今世紀最高水準ということで、政府がある程度リードする形で引上げというものを実現してきているわけですけれども、それ以外の分野についても、是非企業の皆様に本来の活力を取り戻していただくためにも、そういう力を、政府としても力を貸していきたいと、こういう思いもございまして、とりわけ構造改革については、今、働き方改革というのと第四次産業革命というのが焦点となっておりますので、こういったことの面である程度力を与えてリードしていくという意味で、今、未来投資会議ということと、あと、働き方改革実現会議というのを立ち上げまして、これを車の両輪として、各界の有識者の御意見も賜りながら改革を進めていくという方針で今進めているところでございます。
 これで何とか持続的な経済成長にしっかり結び付けていって、日銀の進めていただいております金融の方向性としっかりマッチをして、日本経済が再び地力を、自律的に回っていく力を取り戻していくように政府としても全力で頑張ってまいりたいと考えております。
#12
○石田昌宏君 おっしゃったとおり、ある意味、リスクテークを企業が取れなくなったというのは、やっぱり安易に海外を含めて利益率を求めるための方法をずっと取ってきてしまったツケかもしれません。おっしゃるとおり、やっぱりもっと積極的にリスクを取っていく、特に国内、人件費や設備投資に関して取っていけるような体質を企業自身も付けていただかないと、やっぱり幾ら政策を打ってもそれは結び付かないと思います。
 三十分の質問の予定が半分で終わりになることになりましたので、時間になりましたので、ちょっと中途半端ですけれども、これで終わります。
 次回、またよろしくお願いします。
#13
○風間直樹君 今日は、最初に日銀に質問させていただきます。よろしくお願いします。
 先週、十一月の十七日に日銀が国債の指し値オペを行ったという報道がされました。この指し値オペの目的は何でしょうか。
#14
○参考人(雨宮正佳君) 私どもは、先般導入いたしました長短金利操作付き量的・質的金融緩和の下で、経済、物価、金融情勢にふさわしい適切なイールドカーブの形成ということを促す政策を取っております。その中で、オペの手段といたしましては、通常の国債の買入れオペの増減のほかに、新たに日本銀行が固定金利で国債を買い入れます指し値オペという手段も導入したわけでございます。
 先般の国債市場の動きでございますが、とりわけ中期物、二年物、五年物を中心にやや金利上昇は急であったという動きがございましたので、こうした市場の動きを安定化させるという意図でもって、初めて指し値オペというものを二年物、五年物で適用して実施したということでございます。
 その後の市場情勢を見ますとある程度落ち着きを取り戻しておりまして、このオペの効果はあったものというふうに考えてございます。
#15
○風間直樹君 つまり、上がりつつあった金利を下げる目的でされたと、こういうことであります。
 ただ、肝腎の応札がなかったという報道なんですけれども、それは事実でしょうか。
#16
○参考人(雨宮正佳君) 事実でございます。
#17
○風間直樹君 そうしますと、今後、また同じ指し値オペを行われるのかどうか、応札がなかったとしても継続されるのかどうか、その点はいかがでしょうか。
#18
○参考人(雨宮正佳君) 先ほど申し上げましたとおり、応札はございませんでしたが、やはりこのオペは市場の安定化という観点から効果を上げたものというふうに考えておりますので、市場の状況次第に応じて、こうしたオペ手段も使いながら市場の安定化及び政策目的にかなったイールドカーブの形成に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
#19
○風間直樹君 私、国債のオペやったことないのでよく分からないんですが、ちょっと国民の皆さんにもよく分かるように御説明いただければ有り難いんですが、指し値オペを日銀がする、ところが応札がない、金利が下がる、マーケットが日銀の意思というのは大体金利水準この辺にあるんだろうということを察して金利が下がると。その後、また同じような指し値オペを日銀がする、応札がないと。それを繰り返していったときに考えられるリスクというのはあるんでしょうか、ないんでしょうか。
#20
○参考人(雨宮正佳君) まず初めにお断り申し上げますのは、私どものオペ手段というのは指し値オペだけではございませんで、もちろんイールドカーブ全体に影響を与えるという観点からは、短期金利をどのように設定するかということもございますし、先ほど申し上げましたとおり、通常の国債の買入れの増減という手段もございますし、こういう指し値オペもございます。
 指し値オペを行うときには、これは一定の価格、金利で行うわけでございますけれども、そのときの金利の示し方、固定金利の示し方というのも、市場の状況に応じて、その前に成立していた金利と比べてどの程度の金利に設定するかというのもいろんな手段の取り方があるわけでございますので、そうした様々な手段を駆使しながらイールドカーブコントロールは可能であるというふうに考えてございますので、御質問に直接お答え申し上げますと、応札があるかないかということにつきましてはそのときの市場動向次第でいろんな結果があり得るものでございますので、応札があるかないかということにかかわらず、それなりの効果は持つものというふうに考えております。
#21
○風間直樹君 分かりました。
 次の質問なんですが、先週十七日のこの財金の委員会で質疑に立った委員の皆さんから、現在の日銀の国債保有と、それからこの国債保有が将来的に出す可能性のある日銀の財務上の損失について質疑がなされました。
 このときの質疑をちょっと私なりにまとめてみたんですが、日銀保有の国債については多分こういう理解でいいのかなと考えています。まず、基本として、日銀が持っている国債は満期到来までは売らない、満期到来をもって償還するという原則があるんだろうと。満期に償還し、財務省から額面額を日銀が受け取ると。よって、この国債の額面額と簿価、つまり日銀の国債購入額との差額を、毎期、日銀の財務書類上、決算上加減すると、これが原則だというふうに理解をしました。
 一方で、従来の伝統的な金融政策でしたらこの範疇から出ませんのでそれでいいんですが、今の異次元金融緩和は伝統的な金融政策とは異なりますので、若干事情が変わってくるのだろうと思います。
 つまり、異次元緩和の下、日銀が今、毎年八十兆円をめどとして国債を購入しています。これは、原則として八十兆円分を買わなきゃいけないわけですから、どんな値段でも買うということなのだろうと思います。この場合、国債の額面より日銀が高く買うケースが出てきます。出てくるというよりも、最近は恐らく大半がそうなんだろうと思います。この高く日銀が買った場合、当然満期には額面の金額で償還し、額面額分を財務省から日銀が受け取るわけですから、日銀には損が出ます。よって、国債の額面と日銀の簿価、つまり購入額との差額を現在償却額として日銀の決算上計上していると。この償却額が二〇一五年度末で八千七百三十九億円あると、これが現状だろうということであります。
 そこで、ちょっと頭の体操としてお尋ねをしたいんですけれども、まず最初は、満期の到来まで、つまり償還まで日銀が保有している国債を途中で売却することはないという前提なんですが、これ、もし仮に満期前に売るケースが起きるとすればどのような場合なんでしょうか、教えてください。
#22
○参考人(黒田東彦君) 将来、この長短金利操作付き量的・質的金融緩和からの出口に当たりましては、金利水準の調整あるいは拡大した日本銀行のバランスシートの扱いなどが当然課題となるわけでございます。
 その上で、これらのことを実際にどのように進めるのかというのは、やはりその時々の経済・物価情勢あるいは金融市場の状況などによって変わり得るというふうに考えております。したがって、今の時点で、まだ早い段階で出口について具体的なイメージを持ってお話しするということはやはり適当でないのではないかと。
 したがいまして、御指摘の点につきましても、現時点でどちらとも申し上げることは適切でないだろうと。あくまでも二%の物価安定の目標が実現されるという下で出口ということになってくるわけですので、その際の経済・物価情勢あるいは金融市場の状況を踏まえて適切な市場との対話も行っていくということでありまして、今の時点で拡大したバランスシートをどうするかということを具体的に申し上げるのは適切でない、時期尚早であろうというふうに思っております。
#23
○風間直樹君 従来、この財金の委員会で同じような趣旨の質問が出た場合、総裁は同じような御趣旨で答弁されますので、ちょっと私の方で頭の体操のイメージをしてみました。
 例えば、国債の額面が百円だとした場合、今、民間の金融機関がこの国債を仮に百五円で購入し、これを日銀が年間八十兆円の購入枠の中で買い取るわけですから、当然民間金融機関が購入した百五円よりも高い金額で日銀が買い取ると。仮に百十円だとします。百十円で買い取った日銀はこの国債の償還時期が来たときに財務省から額面分を受け取るわけですけれども、ここで百十円マイナス百円イコール十円の損失が出ますので、それを毎期、決算書類上で日銀が償却されていると。
 仮に、今私がお尋ねしたように、途中で売却する必要が何らかの金融情勢の急変によって起きた場合どうなるか。日銀が百十円で購入した金額を、では百十円以上の値段で民間の金融機関に買ってもらうことができるかと考えると、それは多分不可能だろうと、民間金融機関は損が出ますから。じゃ、民間金融機関が自らが購入し日銀に売った当時のことを思い浮かべて自らが購入した百五円程度で買ってくれるかというと、それも多分無理だろうと。
 金融情勢が急変していますので、恐らくそのときには国債の価格自体が下がっているということで、そうするとそれは、もし買ってくれと日銀が頭を下げた場合、民間金融機関がこの金額だったらいいよというのが額面の百円なのか、あるいはそれを下回る九十五円なのか九十円なのか分かりませんけれども、いずれにしても、そのケースでは日銀にとって相当の損失が出ると。それを日銀は当該期の決算書類上で損失として計上せざるを得ないということになるんだろうと思います。そうなりますと、日銀のBSがかなりの程度毀損されますし、もしかすると債務超過になるようなケースも出てくるかもしれませんので、これは今、黒田総裁がおっしゃったように、現状では考えにくいということだろうと思っています。
 一方で、次の質問に移りますが、私は、今の日銀の金融政策を見ていまして、大きな問題、日銀にとっては課題が二つあるんだろうと。
 一つは、マイナス金利の下でこの国債の購入を日銀が続けていくと、どうしても満期の到来を見据えたときに、先ほど申し上げた額面と簿価との差額が償却負担という形で出てくる。日銀はどうしても金利を高い水準には誘導したくない、現状では低い水準にとどめ置きたいということですから、それを続けようとすればするほど毎年の償却負担額というのは今後増えていくという状況があると思います。私は、これを前門の虎かなと思っています。
 じゃ、後門の狼は何かというと、今後想定される付利の引上げなんだろうと思います。将来的には、日銀は当然この出口の場面において、現在市中に大量に放出しているマネーを吸収して、そして日銀の資産自体も縮小していく必要が出てきますので、満期落ち方式で資産を縮小するということを考えますと、付利の引上げ方式を併用しながら正常化を進めるんだろうなというふうに考えるわけですが、この点について日銀の見解を伺えますでしょうか。
#24
○参考人(黒田東彦君) 御指摘の満期落ちによる資産縮小と付利の引上げといった出口戦略を取った場合の財務への影響ということでございますが、先ほど来申し上げておりますとおり、出口の際に実際に収益がどうなるかというのは、どのような出口の手段をどのような順序で用いるかといった進め方に加えまして、やはりその時々の金利情勢などによって大きく変わり得るものでございます。
 したがいまして、現時点で具体的にお話しするということは適当でないと考えておりますけれども、その上で申し上げますと、量的・質的金融緩和が日本銀行の収益に及ぼす影響につきましては、バランスシートが拡大する過程では買入れ資産からの収益が増加するため収益が押し上げられる、一方で、いわゆる出口の局面で付利の引上げによって収益は押し下げられる方向になるということは確かでございます。
#25
○風間直樹君 付利の引上げによって日銀の収益が押し下げられた場合、日銀の財務への影響はどのようにお考えですか。
#26
○参考人(黒田東彦君) それは、ただいま申し上げたとおり、出口の際の収益がどうなるかというのは、今、一つの仮定で委員御指摘のような満期落ちによる資産縮小と付利金利の引上げによる出口戦略を取った場合の財務の影響を仮定的に申し上げたわけですけれども、実際に出口の際に収益がどうなるかというのは、どのような手段をどのような順序で用いるかといった進め方によって相当違ってまいりますし、また、その時々の金利情勢によって大きく変わり得るものでございます。
 したがって、今の時点で財務への影響を具体的にお話しするということは適切でないんじゃないかというふうに考えております。
#27
○風間直樹君 黒田総裁の任期はいつまででしたでしょうか。
#28
○参考人(黒田東彦君) 二〇一八年の四月でございます。
#29
○風間直樹君 そうすると、あと一年半程度なわけですけれども、この間五回この二%の物価達成目標の時期を延長されて、国民から見ると、あと一年半の総裁の任期中に二%目標が達成できるのかな、多分無理なんだろうなというのが率直なところなんだろうと思います。そうすると、やはりこの異次元緩和を開始された責任者である総裁のお立場で、当初であれば出口について語るのは時期尚早とおっしゃるのは理解できたんですが、そろそろその御答弁は通用しにくくなっているのかなという気がするんですね。ですので、残り一年半の任期の中でこうした国会での質疑も幾多行われるわけですが、やはり黒田総裁の下の日銀として出口についてはこういう戦略を考えているということは、後世に対する責任上も、この国会の場できちんとお示しになるべきだと私は思います。そのことを申し上げます。
 それからもう一点なんですが、今、我が国の場合、金利はもう本当に最下辺に張り付いている状況ですので、今後このマイナス金利が一層進むというのはちょっと想像しにくい、むしろ想像しやすいのは、逆に金利が上昇していくケースなんだろうと思います。現に、アメリカ大統領選の後、米国の長期金利、上昇傾向にあるわけですけれども、この金利の上昇傾向が我が国にも反映された場合、日銀の財務も非常に容易ならざる事態になってくるんだろうと思います。
 そこで、先週のこの委員会でこの長期金利に関する質疑が出たときに、総裁は、長期金利をコントロールできるんだという自信のこもった答弁をされたと思うんですけれども、果たしてどこまで中央銀行がこの長期金利をコントロールできるのかというのは、マーケットから見ても疑問があると思うんですね。
 総裁、これどこまでコントロールできるのか。どの程度の割合というと変な言い方ですけれども、例えば五割程度はコントロールできるとか、あるいは、いや、八割方コントロールできる自信があるんだとか、その辺の御見解はいかがでしょうか。
#30
○参考人(黒田東彦君) 本年九月に実施いたしました総括的な検証でお示しいたしましたとおり、これまでの経験から、大規模な国債買入れとマイナス金利の組合せによってイールドカーブ全体についてある程度の影響力を与えることが可能であるというふうに判断をしております。
 もちろん、この短期金利はマネタリーベースの価格である当座預金に対する金利でございますので中央銀行が独占的な価格決定力を持っておりますし、それに対して、長期金利は短期金利の先行きに対する市場参加者の見方、その他様々なリスクプレミアムによって決定されるものであります。このため、中央銀行といえども短期金利のような精度でコントロールはできるわけではありませんけれども、先ほど来申し上げておりますとおり、大規模な国債の買入れとマイナス金利の組合せによって相当程度コントロールできると。そのことによって最も適切なイールドカーブの形成を促していくということは十分可能ではないかと考えております。
 具体的にこの幅とかレンジを申し上げるわけにはまいりませんけれども、これまでの経験、そしてこのいわゆるイールドカーブコントロールを導入した九月以降の状況を見ましても、比較的円滑にイールドカーブコントロールが達成されているというふうに思っておりますが、もとより経済、物価あるいは金融情勢も変化してまいりますので、そういった状況を踏まえて適時適切な対応をしていくということになろうと思います。
#31
○風間直樹君 総裁、そもそもこの長期金利を中央銀行がコントロールすることの是非というのはやっぱりあるんだろうと思います。今は異次元金融緩和という特別な政策下ですから、その下で国益にかなうということで大方の理解が得られているという側面はあるかと思うんですが、ただ、実際これ副作用もありますよね、長期金利をコントロールすることの。この副作用についてはどんなものがあると総裁はお考えになっていらっしゃいますか。
#32
○参考人(黒田東彦君) 先ほど来申し上げておりますとおり、このイールドカーブコントロールというのは、短期の政策金利を決め、そして十年物国債の操作目標を決めて、そのことを通じて経済、物価あるいは金融情勢に最も適切なイールドカーブの形成を促していくということであります。
 先ほど来申し上げておりますとおり、もとより短期政策金利が完全に日本銀行の決定によって決まってくるのに対して、十年物国債の金利は市場において様々な要因で決まってまいります。ただ、その中で、日本銀行は国債について、短期、中期、長期、超長期とバランスの取れた形で大量に買入れをしておりまして、そういうことと、先ほど申し上げたような短期政策金利マイナス〇・一%ということを通じてイールドカーブコントロールが実現しているわけであります。
 そうしたことによってどういった副作用があり得るかということでありますけれども、私どもとしては、仮に国債市場における流動性がどうかとかそういった議論、あるいは取引がどのくらい活発かといった点が議論になろうかと思いますけれども、これはイールドカーブコントロールそのものというよりも、欧米の中央銀行も同様でございますけれども、日本銀行が行っております長期国債を大量に買い入れるということの影響があり得るということかと思います。
 そういったことを踏まえて、私どもも常に国債市場の流動性あるいは値動き等をよく見ておりますけれども、これまでのところ、国債市場の流動性が大幅に低下して何か非常に取引が沈滞しているという感じにはなっておりません。ただ、基本的に、国債を市場で大量に中央銀行が買い入れるということによる市場へのインパクトというのは十分考慮していく必要があろうと。
 ただ、あくまでもその目的は、そういうことを通じてイールドカーブを低位にし、そして実質金利を引き下げ、経済に対してプラスの影響をもたらそうということでありまして、そういった市場への影響等はもちろん十分考慮して注視しておりますけれども、二%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現するという中央銀行としての責務というのはやはり非常に重要であろうというふうに思っております。
#33
○風間直樹君 一つ、ちょっと本質的なことをお尋ねしたいんですが、長期金利というのは、言ってみれば財政規律の弛緩に対する一つの指標であり、警鐘にもなり得るものだろうと思います。
 今、世界的に中央銀行がこの大規模な資産の購入という政策を取っているわけですけれども、一方で、アメリカのFEDを見ましても、かなりこの財政規律というものには相当気を遣っているように見受けられます。
 我が国では、総裁の御見識ではどうなんでしょう、長期金利がそうした財政規律に対する一種の警鐘を鳴らす指標として今機能しにくくなっているという状況の下で、今後財政規律がきちっと保てていけるのかどうか、この点について、総裁として何らかの御見解をお持ちなのかどうか、それが一点目。
 もう一つお尋ねしたいのは、今日の世界経済というのは、一九七〇年代より以前の世界経済とはかなり状況が違ってきているように私は感じています。つまり、それまではいわゆる実物経済というものが大半だったのが、七〇年代以降、金融経済の割合が非常に大きくなってきて、例えば実物の取引以外に金融機関、特に投資銀行がこの金融マーケットにおいて実物以外の取引で非常に多くの金融資産を売買しています。このことがこういった金利、特に長期金利に与える影響というのが一体どのようなものなのか、私は関心を持って見ているんですが、黒田総裁はこの点どんなお考えをお持ちでしょうか。
 以上、二点についてお願いします。
#34
○参考人(黒田東彦君) まず第一点の財政規律の点でございますが、この点は、我が国においても、それから欧米においても、財政当局あるいは議会関係者が常に重視しておられることでありまして、私どもも中央銀行の立場から、財政規律というのは極めて重要であるというふうに思っております。特に、欧米の中央銀行もそうですし、私どももそうですけれども、大量に国債を買い入れて、国債の金利、イールドカーブ全体を引き下げているわけでありますので、国債に対する信認が崩れたりしますと、せっかく金融政策によって金利を下げて経済にプラスの影響を与えようとしているものが十分な効果を発揮しにくくなるというような意味では、中央銀行として財政規律あるいは財政の持続性に対する信認というのが重要であるということはよく認識しております。
 ただ、その上で、どのような財政政策を取るか、あるいは財政の持続性を維持するためにどのような対応をするかということは、やはりどの国でも政府及び議会の言わば専管事項でありまして、そういったことを私どもとしても十分に注視はしておりますけれども、私どもが金融政策を通じて財政規律に何かの影響を与えようというのはやはり適切ではないだろうというふうに思っております。
 その上で、第二の御質問の、世界経済が特に近年金融の役割というのが非常に大きくなってきているということはそのとおりでありまして、特に金融は、ある意味でいうとお金というものですので、身軽ですので、グローバル化が一番進む傾向がございます。そういった意味では、各国の金利形成に対してグローバルな資金の影響が大きな影響を与えるようになっていると。各国の言わば実体経済と即応するような金融情勢、金融市場というものが適切なわけですけれども、他方で、金融は足が速いというか、グローバル化が一番進んでいる部分でありますので、今申し上げたように、グローバルな資金の動きが各国の実体経済にいろいろな影響を与えるということであります。
 そういった意味も踏まえまして、どのようにして我が国の経済、物価あるいは金融情勢に適切な金利水準、あるいはイールドカーブを形成するかということは更に重要性を増しているというふうに思います。
 もとより、金融政策について各国が何か協調して共同行動を取るというようなことは、これはなかなか難しいと思いますし、米国にしても欧州にしても、また我が国にしても、それぞれの国の経済に最も適切な金融政策を取っていくということだと思いますが、その結果として、それぞれの経済が物価の安定と経済の持続的な成長というものを実現することによって、先ほど申し上げたような、あるいは委員御指摘のような、金融が非常にインパクトが大きくなっていく、特にグローバル化した中で外国の金融市場の動向が我が国の金融市場の方に大きな影響を与えてくるというようなことも含めて、やはりそれぞれの国が適切な経済政策、なかんずく金融政策を実施することによって物価の安定と成長の持続ということを実現すれば、先ほど申し上げたようなグローバル化した足の速い金融のマイナスの影響というのは防げるのではないかと。ただ、これは委員御指摘のように、なかなかチャレンジングな課題であるというふうに思っております。
#35
○風間直樹君 次の質問に移ります。
 今年度決算の発表日について伺いたいんですが、日銀は毎年十一月の終わりに当該年度の中間決算を公表しています。今年度決算の発表日はいつでしょうか。
#36
○参考人(武田知久君) 上半期決算は例年十一月末頃に公表しております。今年度につきましても例年と同様のスケジュールで公表する方向で準備を進めているところであります。ただ、現時点では準備が完全には整っておりませんことから、公表日は確定しておりません。
#37
○風間直樹君 財務省にはもう承認申請をされていますか。
#38
○参考人(武田知久君) 承認申請しております。
#39
○風間直樹君 財務副大臣、お越しですが、財務省では今どういう状況でしょうか。
#40
○副大臣(大塚拓君) まだ日にちが確定しているという状況にはなっておりません。
#41
○風間直樹君 先ほど御紹介したように、二〇一五年度の決算では約九千億円の償却負担が出たと。これは、マイナス金利を導入したのが今年の二月半ばでしたので、この二〇一五年度末決算が公表されたのがその一か月半後ですか、ということですので、一か月半しかマイナス金利の期間が含まれていないけれども、それでも九千億円の償却負担だったということで、今回の中間決算は非常に注目されるところだと思います。
 次に、ちょっとこういう問題意識でお尋ねをしたいんですが、毎年、決算書類上に計上する償却負担の額というのが、マイナス金利政策を続ける限り、つまり国債の価格が上昇傾向にある限り今後も続いていくんだろうと。一方で、出口においては付利の引上げを取らざるを得ないでしょうから、そのときには逆に、日銀の財務上、またより大きな損失が出る可能性がある。
 私、先週の議論を聞いていて思ったんですけれども、日銀の財務が傷ついた場合にどのような方策で日銀の信認を保っていくのかというのが先週の一つの論点だったと思います。一つの方策としては、日銀側から答弁がありましたように、引当金計上、これを今一生懸命やっていると、これが一つの方法。
 そしてもう一つ、これは我々国会の方でやはりそろそろ議論を始めなきゃいけないと思うんですが、日銀法の改正を視野に入れざるを得ないのかなというふうに私は感じています。つまり、九〇年代の終わりに日銀法の改正がありました。このときは日銀の独立性をより強化するという目的でやったわけですが、このときに債務超過になる事態というのを想定しておりませんでしたので、国の一般会計から日銀に資金を補填するという規定がなくなっています。その後、現在の異次元金融緩和が始まりまして、今多くの国民が日銀の財務について関心を寄せるようになりました。
 したがいまして、この補填を可能にする法改正を国会で検討すべきではないかと私は思っています。その場合、どの程度の効果が見込めるかというのはまた議論の中で我々考えなきゃいけないんですけれども、この法改正の必要について、財務省と日銀、それぞれに見解をお尋ねしたいと思います。
#42
○副大臣(大塚拓君) 御指摘の日銀の資本金については、日銀法において、政府及び政府以外の者からの出資による一億円とするとされているところでございます。現行の日銀法においては、日銀への追加出資をすることはできないということになっているわけでございます。
 また、日銀の財務の在り方については、これも日銀法において、日銀の業務運営における自主性は十分配慮されなければならないというふうにされているところでございますので、まずは、これは日銀において検討されるべきものであるというふうに考えております。
 なお、日銀の財務の健全性に関しては、日銀からの要請を受けまして、今委員からも御指摘がございましたけれども、昨年十一月に日銀の引当金制度の機能を拡充する政令等の改正を行ったところでございまして、これによって収益の上下動を平準化していくという効果があるものと考えておりますけれども、いずれにせよ、日銀が財務の健全性に十分留意をされつつ二%の物価安定目標の達成に向け金融政策を実施していかれるものというふうに考えております。
#43
○参考人(黒田東彦君) まず、繰り返しになりますけれども、日本銀行では、保有国債の評価方法については償却原価法を採用しておりまして、このため、金利が上昇したとしても決算上の期間損益において評価損失が計上されることはないわけですが、委員御指摘のような償却原価法で経理を定めておりまして、それによって、御指摘のような毎年度の国債のクーポン収入を加減するという形で対応しているわけでございます。こうした経理上の処理によって、昨年度の国債利息収入は約一・三兆円の利益となっておりまして、今年度入り後もこの償却原価法の下で高い水準が続いていくものというふうに見込んでおります。
 その上で、先ほど来御説明いたしましたように、また財務省からもお話ありましたとおり、日本銀行では、量的・質的金融緩和に伴う収益の振れを平準化する観点から、昨年、引当金制度を拡充するなど財務の健全性の確保に努めております。
 こうしたことで、事前の対応としては十分なものと考えております。
#44
○風間直樹君 財務省にしても日銀にしても、現段階での御答弁はそういうことになるんだろうと思います。
 ただ、今後の出口の戦略を時期尚早として総裁おっしゃいませんが、少なくとも、私は黒田総裁よりも年齢も若いわけですし、総裁の任期到来後も私の任期は参議院議員としてまだ一年あります。したがって、今後の出口とそのときに予測されることを想定しながら、今どんな法律整備が必要かということを議論したいと考えております。日銀法の改正につきましては、引き続き議論させていただきたいと思います。
 先週の委員会で、会計検査院からの日銀に対する所見に関して質疑が行われました。このとき、黒田総裁は答弁の中で、引当金を拡充して平準化しようとしていること自体は検査院から評価していただいていると、こういう答弁をされています。私、本当にそうかなと思いまして、検査院報告を読んでみたんですけれども、検査院報告には評価という言葉は一切記載がありませんでした。
 検査院にお尋ねしますが、検査報告の中で、今回、日銀に対して評価という言葉を記載していないという理解でよろしいでしょうか。
#45
○説明員(村上英嗣君) 今御指摘のございました私どもの平成二十七年度決算検査報告における記述の問題でございますが、評価という用語自体は使用はいたしておりません。
#46
○風間直樹君 ということですので、検査院といろいろやり取りしてみますと、国の行政機関に対して検査院が毎年、日銀含め様々な機関に検査を行っていると。そこからいろんな検査結果が上がってくるんだけれども、その結果を見た上で、この検査結果は国民に対して検査院としてやはりきちんと開示をして情報を伝える必要があると判断したものについては今回の日銀のケースのように報告をするということでありました。したがいまして、検査院としても日銀の現在の金融政策と財務状況に対して一定の懸念を持っているんだろうというふうに私は理解をしたところであります。
 さて、先週の委員会で、藤末委員の質疑の中で配付資料が配られました。今日、お手元に再度配付させていただきましたが、この配付資料の一ページ目の財政危機時における法制度の枠組みという資料、一ページ目と二ページ目がそうです。私、これかなり網羅的に危機時の法制度をつまびらかにしているなと思ったものですから、委員会が終わりましてからいろいろと、この中で現時点でどれが有効なのか、また状況の変化によって有効でなくなったものはどれかということを調べてみました。その結果が配付資料の三枚目であります。ちょっとこれを簡単に説明させていただきたいと思います。
 私がこの藤末委員の資料を見たときの率直な感想としては、この中に、法制度の枠組みとして、万一の場合、日銀が保有している国債を担保として例えば金融機関の資金繰りに対してそれを活用するといったスキームが幾つかあるんです。ただ、これだけ大量の国債を日銀が保有している状況になってくると、将来、万一国債のマーケットに変化が起きた場合、日銀保有の国債自体の価格が下落する可能性もあると。その場合、国債が担保として使えるんだろうかという問題意識が私の頭にありました。
 そこで、この法制度の枠組み一つ一つの項目について検討した結果が三枚目であります。
 一番上の分類は、日銀による資産買入れ、そして資金供給のスキームですけれども、左から二番目に項番が付してありまして、この項番は藤末委員配付の資料の項番に相当するものです。その右に枠組みの名称、その枠組みのメリットとデメリットがそれぞれ記載してあります。
 例えば、最上段の日銀による長期国債の買入れの増額、これが項番でT―1―(2)という藤末委員の配付資料に相当するわけですけれども、これなどは、例えばデメリットとしては、長期金利が現在上昇傾向にある中での買入れ増額は日銀のBSにおける評価損を拡大させると、こういうデメリットが考えられます。
 また、その下の日銀による国債を担保とした貸付け等による民間金融機関の資金繰り確保というスキームに関しては、デメリットとして、長期金利の上昇局面では日銀保有の国債自体の担保価値が下落をして、日銀のBSを毀損しかねないというデメリットがあります。
 さらに、その下三段目、信用秩序維持のための日銀貸出しのスキームに関しては、日銀特融が万一不良債権化すれば日銀のBSを毀損する要因となる、また、日銀特融の残高増加は日銀資産の固定化という弊害にもつながり得ると、こういうデメリットが想定されます。
 つまり、日銀特融というのは過去にも例があります。一九六五年だったでしょうか、山一証券危機のときに、たしか当時、大蔵大臣が田中角栄さんだったと思いますが、日銀特融を発動されまして、山一証券が救われました。
 ここに書かれているデメリットというのは、日銀特融というのは返ってくる、この融資が返却されることを前提に当然特融がなされるわけですが、融資したものが返ってこない、不良債権化してしまえば日銀のBSを毀損する要因にもなると、こういうことであります。
 さらに、四段目、日銀によるETF、J―REITの買入れというスキームについてはメリット、デメリット双方がありまして、メリットは、財政危機と同時にインフレ率が高まる一方、一般にインフレ防衛的な資産とみなされることが多い株式や不動産の買入れは、日銀資産のリスク分散につながる可能性があるというメリットがあります。一方、デメリットにつきましては、過度なインフレがもし生じた場合、その下では株価が上昇から下落に転じる可能性が高いので日銀のBSを毀損する要因となる可能性があると。
 その下段、日銀による民間金融機関の貸出支援については、デメリットとして、民間金融機関の成長企業向け貸出しが焦げ付くことで日銀の民間金融機関向け貸出しもまた不良債権化すれば、結果的に日銀のBSが毀損される、さらに、日銀資産の固定化の可能性が否定できないと、こういったデメリットがあります。
 そのもう一つ下の日銀の資産買入れ等の基金による日本国債の買い支えというスキームに関しては、この基金がそもそも二〇一三年の四月で廃止をされていると。
 以下、詳細述べませんが、このように、現行の法制度の下で使えるものと使えないものがあります。同時に、使えるものにもここに記載しましたようなデメリットが多々あるわけです。ですので、私ども、今後この委員会の場も通して、この配付資料の法制度の枠組みについては、やはり近い将来、万一危機が起きた場合に備えて、リバイスとアップデートをする必要があるんだろうと思っています。私自身も、今後の質疑の場でまた改めてこの自分なりの確認の結果を問題提起として紹介させていただければと思っています。
 さて、ちょっとここで、先週の質疑で出ました過去の諸外国におけるインフレ、特にハイパーインフレ、財政危機、どんなものがあったのかという質疑がありましたけれども、答弁の中で黒田総裁がドイツの例にも多少触れられました。私、関心を持ちまして、じゃ、当時ドイツでどんな事態が起きたのかということを少し調べてみました。これは一九二〇年代なんですね、ドイツのハイパーインフレは。案外短い期間でありまして、一九二二年の八月から翌二三年の十一月にかけてであります、天文学的なインフレが発生したのが。この一年強の間の物価上昇率が実に約百億倍ということです。
 実際、ドイツの実生活ではどういうことが起きたのかを調べてみましたら、以下のようなことが起きていました。例えば、約百億倍のインフレですので、当時のマルク紙幣が全く価値がなくなります。私、たまたま当時のマルク紙幣を見付けまして、今日ちょっと持ってきました。(資料提示)こちらがそうなんですが、これ丸善で売っているんです、今、本屋の丸善で。何で売っているかというと、ここに書いてありますように、近現代史の歴史の授業の資料として売っているんですね。ドイツ、スーパーインフレ紙幣と書かれています。これ見てみますと、二枚ありまして、一枚が、上の方ですが、額面が十億マルクです、十億マルク。まあ日本円でどれくらいになるのか分かりませんけれども。下の方のもう一枚が一千万マルクです。ですので、一九二二年頃、こういった紙幣がドイツ国内で流通せざるを得ないハイパーインフレが起きたということだと思います。
 調べてみますと、起きていた事象はこういうことでして、例えば、大企業の経営者、経営破綻から財産を守るため、この紙幣、マルクを外貨に換えられるだけ換えた、それができないときには現物と交換した、現物というのは土地あるいは機械などとされています。これに対して中産階級は、保有する資産の価値がこのマルクの下落によって急速になくなったので息の根を止められたとあります。
 これは藤末委員の配付資料の中にもありましたが、我が国の現行のスキームにおいては、藤末委員指摘のように、この配付資料の二枚目の下ですが、個人の保護というところが極めて脆弱であります。ここに三つあります。生活保護法、そして食糧法、失業保険とありますが、いずれも万一の危機の場合には機能がなかなか難しいのではないかというのが藤末委員の指摘でしたが、私もそんなふうに感じています。
 ドイツでは、当時、続けますが、町では多くの店が売り切れを宣言し、店を閉めた。一九二一年十一月末に食料不足を背景とした暴動がベルリンで発生、その後全土に拡大、同年末には隣国オーストリアのウィーンにまで波及。為替市場の投機家やユダヤ人に対する憎しみ、妬みが高騰し続ける物価へのいら立ちと相まって噴出した。二二年になると、インフレの進行に伴い、企業による賃金引上げの計画が物価の上昇に追い付かなくなった。食料不足が深刻化し、子供を思う母親たちが高級住宅街で私邸内へと勝手に入り込み、残飯目当てにごみ箱をあさった。継続的な賃金の引上げにもかかわらず、超インフレで深刻な打撃を被った労働者は過激派に扇動されやすくなった。さらに、軽犯罪や苦し紛れの犯罪がドイツのほぼ全域で横行し、屋根の鉛板が一夜で盗まれたり、ガソリンが自動車のタンクから吸い取られるといった具合だったと。
 何でこんな屋根の板とか盗んでいくんだろうと思って専門家に聞きましたら、こういった紙幣の価値がなくなるので、逆に現物が物すごく価値を持つようになって、屋根の板でも相当の価値で取引されるようになったということのようです。
 その結果、しんちゅうや燃料などの物資が決済手段となり、特定の商品、ジャガイモ、ライ麦等を裏付けとした独自の通貨をドイツ国内の自治体が発行したと、こういう現状が報告されています。そして最後に、最も深刻な影響を受けたのが年金生活者や高齢者であったということです。
 私ども、この日銀の異次元緩和開始後、あれが一三年の四月ですから、約三年半にわたってこの委員会で日本の金融政策を議論してまいりました。黒田総裁の任期があと一年半で到来すると。そのとき、政府が黒田総裁を再び任命し、国会がそれに同意するのかどうかは分かりませんけれども、やはりそろそろこの出口というものを真剣に話し合うべき時期だろうと思います。同時に、その出口に際して現行の法制度で対応し切れないだろうと予想されるものがあれば、そのスキームを今から議論すべきだと思います。
 今日の配付資料の四枚目ですが、このときのドイツの銀行がどうなったのかということをまとめてみました。当時のドイツの銀行はライヒスバンクであります。このライヒスというのは帝国という意味ですので、帝国銀行といった意味だと思います。この帝国銀行が、事実上マルク紙幣がこんな状況になっちゃうわけですから、機能しなくなるわけですね、国債を大量に保有して。今御紹介したような状況がドイツ国内で起きたため、このライヒスバンクに代わる銀行としてレンテン銀行、レンテンバンクがつくられます。このレンテンという意味、どういう意味かなと思って調べてみましたら、これが、通貨の裏付けとした不動産、土地、工場等を意味する名詞だそうであります。このレンテンバンクに対して、ライヒスバンクが持っていた通貨発行権を取り上げて新たに発行権を付与した。旧マルクを廃止し、レンテンバンクが発行する新マルク、レンテンマルクと呼ばれたそうですが、これを発行した。このレンテンマルクをレンテン銀行がドイツ政府に貸し出し、そしてドイツ政府がライヒス銀行に対してこのレンテンマルクによって国債を償還することで、一年数か月でこのハイパーインフレの時期を脱したということであります。
 私が注目しているのは、このときレンテンバンクに対して供与された信用の中身であります。一つ目は不動産、二つ目は実物。不動産というのは土地ですとか工場など、実物というのは多分ゴールドですとかあるいは農作物ですとか、そういったものだったんだろうと思います。
 さて、こういう事態が日本で起こらないことを願いますし、また、そういう事態を起こさないべく我々もこの院を通して議論を続けているわけですが、頭の体操として、もし日本で同じようなことが起こった場合、この上段のドイツとの違いは何だろうかということを考えてみました。それが下の図であります。基本的な仕組み、構図は当時のドイツと同じです。ただ、一点違いがあります。それは何かといいますと、万が一そうなった場合に、新しい日銀が創設されるかどうか分かりませんが、創設されたとしたら、そこに供与をされる信用の中身が違ってくるということです。私は当初、このレンテンバンクに供与されたように、不動産とか実物といったもので信用供与は足りるんだろうと思っていたんですが、御案内のように、今日、先進国におきまして、通貨はいずれもこういった実物の裏付けがありません。ですので、日本において同じような状況が起きた場合に、実物を信用として供与するだけでは多分不十分だろうという専門家の意見がありました。
 そこで、重要になってくるのが新しい中央銀行の人事であります。つまり、非リフレ派の銀行家、学者、日銀プロパーの方々など、異次元金融緩和政策が万一うまくいかなかった場合、そして財政的な危機が起きた場合には、それと決別するという意味での信用を供与された新たな中央銀行が必要になるというのが専門家の意見を聞いた上で私がまとめた見解であります。この点について総裁始め日銀の皆さんに御見解を伺うのはちょっと今日の時点では不適切かと思いますので、あくまでも御紹介にとどめたいと思います。
 さて、時間も少なくなりました。最後になりますが、限られた時間の中で、日銀の株主についてお尋ねをしたいと思うんですが、日銀の財務が今後も健全性を保ち、日銀が金融政策に当たることを希望しますが、万が一の場合、その株主がどうなるかということも我々考えなければいけないと思っています。
 現在の株主が誰か、財務大臣の保有分の割合が何%か、以上の二点についてお尋ねします。
#47
○参考人(武田知久君) 日本銀行の出資証券に関する保有構成比につきましては、平成二十八年三月末現在で、政府が五五%、個人が合計で四〇%となっております。
 民間の大口出資者の氏名につきましては、個々の出資者の投資判断に関わることでありますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
#48
○委員長(藤川政人君) 風間直樹君、時間が参っております。
#49
○風間直樹君 はい。
 時間が参りましたので、以上で終わります。引き続きの質疑は後刻させていただきます。
 ありがとうございました。
#50
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。
 本日、大変時間が限られておりますので、なるべく私の話す部分を短くして、たくさん質問できたらというふうに思っております。
 今日、黒田総裁にお越しいただいていまして、まずは、先日これ麻生大臣に大臣所信のときにお伺いした質問と同じ質問をさせていただきたいと思うんです。
 それは、これは財政を考える上でも、そして金融政策を考える上でも、やはり世界の状況を切り離して日本の金融政策というのは当然今もう語ることができないわけでありまして、日銀が例えば我が国の金融経済状況というのを語るときにも、今回も新興国経済の減速ということを指摘をされているわけであります。
 この点について先日麻生大臣に何をお伺いしたかというと、結局、もうそもそも、今例えば中国が大きく世界経済を引っ張るほどの成長力ないんじゃないかという声がある、あるいは、これまで引っ張ってきたアメリカについても、最近金利が少し動いたりはしておりますけれども、力が足りないんじゃないかという指摘があるという中において、そもそも二〇〇八年のリーマン・ショック以降、世界経済自体が低成長の時代に入ってしまったんじゃないかという指摘があるわけであります。
 こうなりますと、なかなか二%の物価安定目標を掲げたとしても、その達成時期も含めて、これはこの低成長に大きく影響されることになるわけでありまして、この見方について、まず黒田総裁としてどのような受け止めをされているのか、お伺いしたいと思います。
#51
○参考人(黒田東彦君) 御指摘のとおり、リーマン・ショック以降、世界経済の成長率が低下しているということは事実であります。IMFの最新の世界経済見通しによりますと、二〇一六年、一七年の世界経済の成長見通しは三%台前半となっておりまして、リーマン・ショック以前の二〇〇四年から二〇〇七年の平均成長率が五%を超えていたということと比較しますと、明らかに成長率は低下をしております。
 その背景につきましては、学界あるいは政策当局、金融市場の多くの識者の間で議論されておりますけれども、まだ意見が分かれておりまして、コンセンサスができているわけではございません。
 ただ、かなり有力な説としては、一つは、ハーバード大学のサマーズ教授が提唱したいわゆる長期停滞仮説ということで、趨勢的、構造的に成長率が低下しているのではないかというのがございますし、他方で、こちらの方がやや多数説かとも思いますが、資産バブル崩壊、金融危機後の成長率の低下であって、ある意味でいうと、構造的に成長率が低下したわけではないという議論もございます。
 ただ、こうした中で、我が国の状況を見ますと、実は、リーマン・ショック前から、労働力人口の減少などを受けまして、潜在成長率が趨勢的に低下してきておりました。
 こうした下でしっかりとした成長を実現していくというためには、やはり構造改革などの成長力を高める取組が極めて重要であると思いますし、また他方で、二%の物価安定の目標を実現してデフレマインドを払拭するといったことも必要ではないかというふうに思っております。
#52
○平木大作君 世界経済もなかなか見通しが付かない、そして日本経済も大変困難な状況からなかなか脱することができないわけでありまして、じゃ、今、黒田総裁もおっしゃいましたデフレマインドを打破する、このマインドを変えるというところがやっぱり最後なかなか厳しい。
 次にお伺いしたいのは、このマインドの根っこにあります適合的な期待形成というところでありまして、総括的な検証の中でも、二%の物価安定目標を達成されなかった主な要因として、やっぱり我が国に、予想物価上昇率の形成における適合的な期待形成、この影響が大きいんじゃないかということが指摘をされていたわけであります。私も全く同感でありまして、なかなか日本にずっと住んでいると物価が上がるという感覚自体がもうない、その経験自体がないという中でどうやって予想をつくったらいいんだというところがやっぱり多くの方が抱えていらっしゃる大きな課題なんだろうなと思うわけであります。
 私は、ちょうどリーマン・ショックが起こる直前、大変好景気でありましたスペインに住んでおりまして、当時、やっぱり今でも思い起こしますのが、お正月の間だけ少し日本に帰ったんですけれども、スペインに戻りますと、年が明けてから、例えば電車の初乗りに関してもパン一個に関しても、必ずちょっとずつ値段が上がっているんですね。日本で今これやると暴動が起きるんじゃないかと思うわけですが、ある意味これが当たり前、景気が良くなると物価が上がるんだよということが経験として皆さん持っていらっしゃる。当然、それは賃金にも結び付いていて、別に暴動が起こるわけでもないというわけでありまして、この経験がない中で、じゃ、どうやってまさに適合的な期待形成というものを突き崩して予想物価上昇率を上げていくかというところが大きなチャレンジなわけであります。
 先ほど御説明の中でも、新しい枠組みの説明の中で一部あったかと思いますが、もう少し、ちょっと分かりやすい形でこの点御説明いただけたらと思います。
#53
○参考人(黒田東彦君) 御指摘のとおり、二%の物価安定の目標を安定的に実現していくというためには、やはり人々のデフレマインドを抜本的に転換して、予想物価上昇率自体も二%に向けて引き上げていく必要がございます。
 二%の目標が実現できていない主たる理由といたしましては、量的・質的金融緩和導入以降の強力な金融緩和政策にもかかわらず、人々の予想物価上昇率が過去の物価上昇率に強く引きずられるという傾向がございます。したがいまして、例えば石油価格が大幅に下落して足下の物価上昇率が下がりますと、予想物価上昇率自体も下がってしまうということが起こっております。これが米国の場合などと顕著に違っておりまして、米国の場合は、足下の物価上昇率が下がりましても、予想物価上昇率が下がらないで二%台を保っているというような状況にございます。
 こうしたことを踏まえまして、やはり人々の予想物価上昇率の形成について働きかける必要が更にあるということで、九月に新しい長短金利付き量的・質的金融緩和という下で、消費者物価の上昇率の実績値が安定的に二%の物価安定の目標を超えるまでマネタリーベースの拡大を継続するという、言わばオーバーシュート型のコミットメントを導入したわけでございます。元々、二%の物価安定の目標というもの自体が景気変動をならして平均的に実現するということですので、二%を超える局面というのは当然想定されるわけでございますが、金融政策はやはりタイムラグがございまして、それを踏まえますと、中央銀行が実績値をベースにここまで強いコミットメントを行うということはやや異例であろうというふうに思っております。
 言わば、我が国が長年にわたって二%より低い物価上昇率、あるいは一九九八年から二〇一三年までの十五年間は実は平均してマイナスのデフレが続いていたわけでございますが、こういった状況の下では、実際に二%を超える物価上昇率を経験して、言わば上から二%に到達するという過程を経ることが必要ではないかというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、二%の実現に対して日本銀行としては引き続き最大限の努力を払ってまいりたい、その際には、予想物価上昇率に対する働きかけという点も十分注意していきたいというふうに思っております。
#54
○平木大作君 物価に対して、日銀としてより強く大きくコミットをしているということであります。
 なかなか経験がない中で日銀が幾ら言ってくれてもというところがあるわけでありまして、そこで、これはある意味、政府も日銀もうまくきちっと連携をしながら今取り組んでいるのは、じゃ、賃金をどう上げていくのかという課題であります。
 なかなか物価安定目標が達成されないというそのやっぱり要因は、大きく言うと賃金が上がらなかったからじゃないかということが指摘をされている。ただし、日本の日銀法の中では、この賃金についてというところの規定が、記述が基本的にはないわけでありますが、一方で、一部の識者の方は、もうこれは今、日銀は物価目標ということではなくて賃金目標みたいな形でやった方がむしろ効くんじゃないか、金融政策として効いてくるんじゃないか、こういう御指摘もあるわけであります。
 この点について日銀としてどうお考えなのか、お伺いしたいと思います。
#55
○参考人(黒田東彦君) 御案内のとおり、理論的には賃金上昇率というものは物価上昇率と労働生産性の上昇率によって決まってくるというふうに考えられます。実際、過去のデータを見ましても、我が国の物価上昇率と賃金上昇率はおおむねパラレルに動いております。
 したがいまして、日本銀行は、単に物価だけが上昇すればよいと考えているわけではございませんで、あくまでも企業収益の増加や雇用の増加、賃金の上昇を伴いながら物価上昇率が次第に高まっていくという好循環をつくり出していくことを目指しております。もっとも、今申し上げましたとおり、賃金上昇率は物価動向だけでなく労働生産性の動向などの影響も受けるために、賃金上昇率を直接的に金融政策の目標にするのはなかなか難しいのではないかと思っております。
 御指摘のように、日本の学者の方も、賃金上昇率というものを政府あるいは日本銀行の目標として掲げたらどうかという意見もございますし、実は、ポール・クルーグマンというかなり有名な経済学者でノーベル経済学賞をもらった方も、日本に来られたときに、これは日本銀行にというよりも、日本政府として賃金上昇率をきっちりと目標に掲げてその実現のために様々な政策を取るということによって、デフレからも脱却できるし、先ほど申し上げたようなバランスの取れた形で好循環をつくり出していけるのではないかということを言っておられました。
 ただ、先ほど来申し上げておりますとおり、中央銀行として賃金上昇率そのものを目標にするというのはなかなか難しいのではないかと。ただ、先ほど来申し上げているとおり、雇用が増加し賃金が上昇するという中で物価が上昇していくということを、そういう好循環をつくり出すことを目的としているという点は変わりございません。
#56
○平木大作君 時間が参りましたので、終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
#57
○大門実紀史君 大門です。
 黒田総裁と議論するのは久しぶりでございますが、三年半前にアベノミクスの柱であります異次元金融緩和がスタートしたときから、この政策は一貫して間違いであるということを指摘してまいりました。当時は、実は日本銀行の諸君も七割方、間違いだというか、おかしいというふうに思っておられたというふうに思いますけれども、今や、宮仕えということもあって、誰も逆らわないといいますか、やけくそでやっている人もいるんじゃないかと思うぐらい踏み込んでしまったんじゃないかというふうに思います。
 この委員会で何度も議論、前回もしたんですけれども、デフレの原因が金融ではないのに金融政策でデフレを何とかしようという、インフレに持っていこうというところに大きな間違いがそもそもあったんだというふうに思っております。今となれば相当でたらめなことを言う学者の方がたくさんいたわけですね、インフレターゲットにすれば全て良くなるんだと。岩田副総裁のことで責任追及論が出ていますけれども、私は、学者の良心として自ら進退考えられるべきで、あれだけのことをぶち上げて、あれだけ世間をあおって、インフレターゲットにすれば何とかなるんだとおっしゃった方が、まず学者の責任として進退を考えるべきだというふうに思ったりするわけであります。
 今日もありましたけれども、デフレマインドとかインフレ期待率とか、何かもっともらしい言葉が飛び交っておりますけれど、元々そういうことを掲げてやってきたけど、結局解決できなかったのは、原因がそういうところにないんですよ。先ほども賃金の話出ましたよね。やっぱり実体経済そのものに今のデフレの原因があるにもかかわらず、こんな空中戦みたいな議論ばかりやっている、続けてきているわけであります。
 そうなんですけれども、じゃ、空中戦やってくれということで済まないのが日銀による大量の国債買入れでありまして、インフレにする手法としてやられてきた異次元の金融緩和、大量の国債買入れですけれども、これについてももう三年半前に、あれは予算委員会でしたかね、最初に黒田さんと議論したときに、こんなことに踏み出せば戻れなくなる、出口がどうするんだどうのこうのじゃなくて、入り込んだら出てこれなくなると、出口のない政策だということも再三指摘をしてきたところでございます。それにもかかわらず、ずっと猛進してこられて、結局目標も達成できていないというようなことになっているわけで、経済の活性化もなし得ていないということでありまして、この間の責任をやっぱり痛感されるべきだと、日本銀行は、黒田路線はと申し上げた上でなんですけど、じゃ、誰にとって良かったのかと、この政策は。
 これは、やっぱり円安誘導になりましたから、大企業は為替利益で空前の利益を稼ぎ出す、じっとしていても増えると。大企業の利益が増えますと株が上がりますから、株を持っている大株主、大金持ちは資産をどんどん増やすと。一方、中小企業は、売上げ伸びないのに円安になりましたから、輸入物価が上がって原材料費が値上がりして利益が減ると。一般庶民も、賃金上がらないのに円安で輸入物価が上がって、食料品中心に物が上がって生活が苦しくなると。こういうことになった三年半じゃなかったかなと。
 だから、良くなる人は良くなったんですよ。でも、国民全体としては苦しくなって、格差が広がって、消費が冷え込んで景気も良くなっていないということになっているんじゃないかと思いますけれども、三年半前にそういう議論をしてからいろいろありましたけれど、ちょっと振り返ってみて、黒田さん、この三年半で、中小企業とか国民全体にとって、この日銀の異次元金融緩和政策で何か良かったことが一つでもあるんでしょうか。いかがですか。
#58
○参考人(黒田東彦君) 二〇一三年の四月に量的・質的金融緩和を導入し、その後、これを拡大、あるいは今年に入りましてマイナス金利を導入し、九月に長短金利操作付き量的・質的金融緩和という新しい枠組みを導入したわけであります。こうしたことを通じまして、日本経済の状況は明らかに改善したと思っております。
 企業収益、これは大企業のみならず中小企業も、また製造業のみならず非製造業も大幅に改善をしております。そして、失業率は三%、有効求人倍率はこの二十年以上を通じて一番高いところに来ております。そういった意味で、経済が大幅に改善したということは言えると思います。
 そうした下で、物価につきましては、量的・質的金融緩和導入後、一年程度たった二〇一四年は、いわゆる生鮮食品を除くベースで見ても一・五%程度まで上昇したわけでございますが、その後、石油価格の大幅な下落ということがありまして、物価上昇率が低下していったと。そうした中で、予想物価上昇率も適合的に低下したということがありまして、物価上昇率がゼロ%近傍でこのところずっと低迷しているということは事実でありまして、二%の物価安定目標が達成されていないということはそのとおりだと思いますが、私どもの見通しでは、現在の長短金利操作付き量的・質的金融緩和を適切に運用していくことを通じて、展望レポートでも示しておりますとおり、今年度、来年度、再来年度といわゆる中期的な潜在成長率を超える成長が見通されておりまして、その下で更に雇用情勢は改善し、賃金、物価というものも次第に上昇していくというふうに見通しております。
#59
○大門実紀史君 全然お答えになっていないんですけど、私が聞いているのは、ただ、政府でさえ大幅に経済改善したなんて言っていませんよ。やっぱり政府でさえ消費、賃金、雇用、雇用というよりも賃金ですね、そういうところが問題だとおっしゃっているのに、全然そういうことお答えになっていないんだけれども、長々やめてくれます、聞いたことだけ答えてくれますかね、時間がないんですから。
 もう一つは、誰がこの間良くなったかというと、資料を配りましたけれども、金融機関の債券関係損益というのを配りました。これはいわゆる、先ほど言った国債を銀行が買うという中で、日銀トレードと言われていますけれども、大銀行がこの間、国債を買って日銀に売却するという日銀トレードですね。これ簡単に言いますと、財務省の国債入札で安く国債を仕入れて、その数日後に日銀の買いオペでその国債を売ると。財務省から銀行を通じて日銀にただ流れるだけということでありまして、もちろん利ざやは薄いんですけれども確実な取引でありまして、買えば日銀が引き受けてくれる、利ざやは薄いけれども利益は確実に出るということで、これは非常に本来あるべきじゃない不健全な取引だというふうに思いますけれども、それがどうなってきたかというのがこの表でございまして、もちろん国債だけではないんですけれど、国債が主な中身であります。
 三年間、二〇一三年から二〇一五年までなんですけれども、要するに都市銀行で九千三百七十一億円、地銀でも二千四百六十九億円ですね。都市銀行でいえば十行でありますけれども、国債の売却益中心に一兆円近くなっているということであります。
 ちなみに、二〇一五年が四千二百五十九億ですけれども、これは前年から一千億近く増えていますが、実は二〇一五年度というのはマイナス金利のときでありましたけれども、これは国債価格が上昇したことの反映で、マイナス金利で大変だと言いながらもこれだけの益を稼ぎ出しているということでございます。
 もう一つ、もう一枚の、二枚目ですけれども、これは七大金融グループでマイナス金利の下でどういう変化があったかということなんですけれども、要するに、マイナス金利で大変だ大変だと、苦しいということがありましたけれども、結局、この日銀トレード、日銀に国債を売るということを通じてプラスになっている、マイナスじゃなくて収益はプラスになっていると。売却益はプラスになっている、このことによってマイナス金利でのマイナスが補填されてきたということで、結局、マイナス金利になっても七大金融グループで言えば利益は減らなかったということが、この国債の売却益通じて補填されたということを表しているわけであります。
 これについては、黒田総裁が今年の二月三日のきさらぎ会で露骨にこのことを講演されておりまして、金融機関がマイナス金利で被るコスト負担は、長期国債等の売買価格の上昇、すなわち利回りの低下で釣り合うことになっているというふうに述べておられます。余りに露骨じゃないかなと思うんですけど。
 要するに、マイナス金利で銀行が負担したコストは日銀が国債を買い取ることによって相殺できるんだというようなことを講演で述べておられるわけでありまして、ちょっと余りにも露骨過ぎじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
#60
○参考人(黒田東彦君) 最近の大手行の決算を見ますと、一方で、低金利環境あるいは競争の激化を背景とした貸出し利ざやの縮小を主因に、コア業務純益は一割弱の減益となっておるようでございます。他方で、御指摘のような債券関係の売却益というものが増益になっておりまして、その結果、いわゆる実質業務純益は二%程度の減益にとどまっております。そういった意味で、国債売却益の増加が収益を一定程度下支えしたということは事実であるというふうに思います。
 なお、こういった国債の売却益が出ているのは、当然のことながら、かなり前に購入した国債を売って売却益が出ているということであろうと思いますので、ごく短期に、国債を買ってすぐ日銀に売って大きな利益が出るということはないと思います。
#61
○大門実紀史君 結局、大企業と株をたくさん持っている富裕層とそして銀行がこの異次元金融緩和の中でもうかったということであって、本当に庶民や中小企業に何いいことがあったのかというふうに思うわけであります。
   〔委員長退席、理事長峯誠君着席〕
 次に、出口の話もいろんな議論がありましたけれども、これももう三年半前のときから何度も触れてまいりましたけれども、要するに、根本問題というのは何かというと、日本銀行が大量に今も保有して増やしている国債をどうするのかと。いつまでもずっと持ち続けるわけにもいかない、増やし続けるわけにもいかない、どうするのかというのが根本的な出口の話でありまして、これが吐き出すときに国債市場で何が起こるのか、国民経済で何が起こるのかと、これがマクロ的に言えば一番大きな問題であります。
 そもそも、この間聞いていても、何をもって出口とおっしゃっているのかがちょっと分からないので、改めて確認ですけれども、黒田総裁がおっしゃっている出口、時期尚早という言い方も含めて議論するのは、出口とおっしゃっているのは、今、年八十兆というこの購入をやめるとき、もうこれ以上増やさないときなのか、あるいは減らす方向に、八十兆、五十兆、三十兆に減らす方向にかじを切ったときなのか、これだけでも国債市場に大変な影響を与えると思いますけれども、そういうことに切り替えたときの、八十兆のレベルを下げたそのときを出口に向かっている、出口とおっしゃっているのか。あるいは実際に、もう、ちょっとそれはおいておいて、その先、とにかく保有したものを減らす、これは売却かあるいは償還だけ待つ、徐々に減らすというのもあると思いますけれど、その保有額を減らす方向にかじを切ったときが出口とおっしゃっているのか。何をもって出口とおっしゃっているんでしょうか。
#62
○参考人(黒田東彦君) 従来から申し上げておりますとおり、出口という際には、二つのポイントについてどのように対応していくかということが出口戦略というか、出口の実施の仕方に懸かってくると思います。一つは短期金利をどういうふうに操作していくかということでありますし、もう一つは拡大したバランスシートをどのように調整していくかということであろうと思っております。
 ただ、例えば米国の場合を見ますと、御案内のとおり、FRB、FEDは、バランスシートを維持したまま短期金利を引き上げることによって言わば大幅な緩和政策からの出口を実施しているというふうにも見えます。
 したがいまして、先ほど来申し上げておるとおり、短期金利をどうするか、拡大したバランスシートをどうするかというこの二つが重要な要素であるというふうに思っておりますが、いずれにいたしましても、二%の物価安定目標を安定的に達成できるという状況になる以前に出口ということはないと思います。
   〔理事長峯誠君退席、委員長着席〕
 そういう意味では、そういう状況が近づいてきたときには当然出口の議論が出てくると思いますけれども、具体的な出口というのはあくまでもそのときの経済金融情勢に沿って最も適切なやり方で出口を探っていくということになろうと思います。これは、米国の中央銀行にせよイングランド銀行にせよ全く同様でありまして、なお、ECBと日本銀行はまだ出口を議論する状況には全くなっておりません。
#63
○大門実紀史君 黒田さん、もう長いこと議論していて、随分話が違いますよ。当初は、そんなに大量に国債買って、買った後どうするんだと、買ってどうするんだということから出口というのは始まっているんですよね。そういう曖昧なことじゃなかったですよ。もっとはっきり、こんなに大量に買い込むということをおっしゃるから、その買い込んだのをどうするんですかというのが出口論だったわけでありまして、今みたいな曖昧なことにすり替えられるというのはもう随分ちょっと違うんじゃないかと思っております。
 要するに、国債市場に影響を与えない出口はあるのか、国債を減らす方法はあるのかということがずっと問題になってきているわけでありまして、どう考えてもないだろうと。ですから出口はないということを、出口はない、こんな政策に踏み込めば出口がなくなりますよということを再三指摘してきているところでございます。
 FRBのことをちょっとおっしゃいましたので、出口にもいろいろあって、今日もありましたけど、出口のコスト論、日本銀行としてのコスト論というちょっとミクロ的な出口の話もありますよね。私が言ったのはもっと大きな国民経済にどう影響を与えるかということなんですけれども、そのコスト論もあるんですけど、そのコスト論は、FRBの場合は、今日時間の関係でもう全部資料も説明しませんけれども、要するに、日銀で言えば木内さんが、審議委員の木内さんが今の引当金だと足りない、日銀のコスト論としても出口のコストとしては足りないと、それは国民負担を生じるということを、三枚目の資料ですかね、去年の十二月におっしゃっているわけであります。
 実はFRBは、大規模な金融緩和政策第三弾ですね、QE3を修正する転機になったのが、FRB自身の出口コストを試算したら、国に対する納付金が長期にわたってゼロになる可能性が明らかになってきたんで、二〇一三年一月に、FRBのスタッフは、そういう試算が明らかにされたんで、二〇一四年一月から資産の買入れの縮小を始めたわけであります。
 この木内さん、日銀の審議委員の木内さんは、引き当て十分じゃない、このままいくと国に対する納付金も納められなくなるというようなことを警鐘鳴らしておられるわけですけれども、そういうことについて一切答えないということでずっと来られましたけれども、FRBが資産の買入れを減らすという方向転換したのは、実はFRB自身のこの引当金が十分ではないと、コストが、引き当てが十分じゃないということを、この木内さんの方ではこういう試算を基にもうこれ以上の買入れは抑えようというふうにやられたわけですね。
 日銀は一切そういうことを議論もしないで、議論もしないというか、そういうことは答えられませんの一点張りで来られているわけですけれども、FRB自身は、中央銀行そのもののコストについて、国との関係で、国の財政との関係でそういう判断をされたわけでありますので、これはこれで大変重要な議論なんですけれども、それについても一切、時期尚早なり言及しないというのは、要するに四千五百億ですか、積んだので足りるのかどうかという議論がありましたけれど、それについても、ただ粛々と積み上げるだけだということしかおっしゃらないのは、要するに、やっぱりそういうリアルな対応がもうできないところに日銀はFRBとは違いましてもうはまり込んでいると。だから、出口がないからそういう議論もできないというのが事実、実際のところではないかというふうに思うんですけれど、いかがですか。
#64
○参考人(黒田東彦君) 先ほど来申し上げておりますとおり、出口の際に収益がどうなるかというのは、どのような手段をどのような順序で用いるかということで変わりますし、また、その時々の金利情勢によっても変わり得るということでございます。
 なお、FRBが収益シミュレーションを公表したということは承知しております。もっとも、FRBのシミュレーションは、経済・物価情勢が改善して出口が近づいたタイミングで出口戦略を決定、公表した上で、市場参加者の金利見通しを用いて試算したものであるというふうに認識をいたしております。
#65
○大門実紀史君 もうちょっとリアルな議論をそろそろしなければいけないんじゃないかと。もう三年半たちましたので、もうちょっと真摯な、リアルな答弁を次からは求めておきたいというふうに思います。
 終わります。
#66
○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻です。よろしくお願いいたします。
 まず、日銀担当者の方お聞きしたいんですが、米国がテーパリングを開始したときのFRBの資産規模とGDPとの関係、GDPに関してどのくらい大きい資産規模を中央銀行は持っていたかということを、まず米国に関してはテーパリングを始めたとき、そしてバンク・オブ・イングランドの現状、そしてECBの現状、これを数字だけで結構ですのでお教えいただければと思います。
#67
○参考人(雨宮正佳君) お答え申し上げます。
 FRBが資産購入プログラムの縮小を開始したのは二〇一四年一月でございましたので、その直前、二〇一三年の十二月末時点における資産規模のGDP対比は二四・〇%でございました。
 それから、御質問のありましたBOEでございますけれども、バンク・オブ・イングランドは、これは決算期は二月ということでありまして、直近、分かっています数字という意味では二〇一六年二月末における資産規模でございますけれども、これがGDP対比で二二・二%でございました。
 ECBは九月末時点の計数が判明しておりまして、これはユーロ圏のGDP対比で三二・二%という数字でございます。
#68
○藤巻健史君 二四%、二二・二%、三二・二%ということですが、日銀、二〇一六年十月末で資産規模は四百六十三兆円なわけですよ。ということは、約九〇%、ほぼ、あっ、違いますか、まあそれはちょっと修正していただければいいんですけど、大体九〇%ですね。他の中央銀行に比べてべらぼうにどでかいわけですね。もうメタボもいいところなんですけれども、それで、かつ八十兆円ずつJGBを買っていくということであるならば、これ一〇〇%超えちゃいますよね。これについて総裁は危機感はないのかどうか、お聞きできればと思います。
#69
○参考人(黒田東彦君) 御案内のとおり、日本銀行は、二%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現することを目指して強力な金融緩和を推進してきております。日本銀行の資産規模の拡大は、こうした金融政策の結果でございます。
 日本銀行が実施している資産の買入れなどは、当然日本銀行の財務に影響を与えるわけでございますが、これらは日本銀行の責務である物価の安定のために必要な政策であります。財務の健全性に留意しつつ、必要な政策は行うということでございます。
#70
○藤巻健史君 必要なことをするのはいいんですが、世界の中央銀行に比べても余りにも異常な数字であると。
 先日も、国債発行額のうち日銀はどのぐらい保有しているかということを議論させていただきました。いろいろ数字の食い違いはちょっとあったんですけれども、いつも黒田総裁がおっしゃっている三割というよりは、やっぱり四割に近い数字だと思うんですね。これも異常な数字だと思うんですよ。いかに異常かということを余り認識されていないのかなと私は思ってしまいます。
 金融史が専門のハーバードのファーガソン教授なんですけれども、一九五〇年から八〇年代の中央銀行の肥大化がこれはインフレに物すごく関わっていたというふうにおっしゃっていまして、一九〇〇年以降、大体中央銀行は一〇から二〇%だったと、資産規模が、名目GDPの。ですから、ほかのBOEとかテーパリングを始めた頃のFEDとか、ちょっと多少高いぐらいなんですけれども、日銀は九〇%ですからね。
 それで、私が現役にいた頃は、大体日銀ってやっぱり一〇%ぐらいでしたよ、一〇%。九七年、これは名目GDPが一番日本で高かったときですが、これ五百二十一兆円で、そのときの日銀の資産規模は八十兆円ですから、一五%なんですよね。これが急拡大しているということで、これは私は、とんでもない数字で、後に極めて禍根を残すことになるのではないかなと思っております。出口があれば、それはそれでいいんですよ。後で議論をしますけれども、出口がないときにこんなにどでかいメタボになって大丈夫なのかなと、私は非常に危機感を覚えている次第です。
 次にお聞きしたいんですが、消費者物価指数の二%達成時期、今まで五度延長されました。六度目の修正があるかどうか、これをお聞きしたいんですが、私の質問の趣旨は、後ずれするのかという質問じゃないですよ、前倒しになるんじゃないかということを今私は非常に思っているんですけど。
 どういうことかというと、バンク・オブ・イングランド、十一月の三日に、二〇一七年のインフレ予想率を二・〇から二・七%まで引き上げたんですね、バンク・オブ・イングランド。それはなぜかというと、イギリスがEUから離脱してポンドが急落した。ポンド、大体今年の初めから二〇%下落して、それで要するに二・〇から二・七%まで消費者物価指数、予想を上げたわけです。となると、トランプさんが勝ってから、円はもう一〇%下落しているわけです。このまま行ったら、急速に二%消費者物価指数行くんじゃないかなと私は思っているんですね。
 今日ちょうど配付した資料を見ていただきたいんですが、一九八五年から一九九〇年、狂乱経済と言われた日本経済、狂乱経済と言われたわけですが、御存じのように、このときの消費者物価指数、極めて安定的ですね。全国総合で、八六年〇・五、八七年〇・五%、八八年〇・五。要するに、日銀が目標としている二%よりよっぽど低かったわけです。
 これ、なぜあんなに経済が狂乱していたのに低かったかというと、為替を見ていただきたいんですが、八四年二百五十一円、八五年二百円、八六年百六十円、八七年百二十二円、八八年はほとんど変わっていませんが百二十五円と、ほぼ一貫して円高になっていた、だから消費者物価指数というのは極めて低いところに抑えられていたと思うんですね。
 一方、八九年になると為替が百二十五円から百四十三円までまた円安になった。だから、消費者物価指数はぽんと上がっているわけです、〇・五から三・〇。その次はまた円高にちょっと戻ったので消費者物価指数はちょっと落ちたと。極めて為替と消費者物価指数との連動性は高いと思うんです。
 バンク・オブ・イングランドの認識とも同じだと思うんですが、そういうことを考えると、この円安方向が続くと消費者物価指数という二%は、今、来年度とおっしゃっていますけど、逆に今年度にまた戻るんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#71
○参考人(黒田東彦君) 日本銀行は、四半期ごとに公表しております展望レポートにおいて、先行きの経済、物価に関する政策委員の見通しを示すことにしております。
 最新のレポートでは、消費者物価の前年比が二%程度に達する時期は二〇一八年度頃になる可能性が高いというふうにしておりまして、日本銀行は、現在そうした見通しの下で、二%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現するように今金融政策運営を行っているところであります。
 御指摘の為替レートにつきましては、具体的な為替レートのあるべき水準とかそういったことについて申し上げるのは差し控えたいと思いますけれども、現在の為替レートも今年の初めに成立していたところと余り変わらないと。つまり、途中で円高に振れて、また今円安に振れているということであって、英国の場合のような状況とは相当違うのではないかと思っております。
#72
○藤巻健史君 先日の展望レポートは大統領選の前で、為替がこんなに動いていないときだと思うんですね。
 それから、私は別にあるべき水準を聞いているわけではなくて、為替というのは極めて消費者物価指数に影響するのではないか、円安になっているから消費者物価指数は意外と早く二%を達成するのではないかと思うということを申し上げた次第です。
 ここでお聞きしたいんですが、消費者物価指数が二%が達成したらば、日銀は今の異次元の質的・量的緩和をやめるのかどうか、これをお聞きしたいと思います。
#73
○参考人(黒田東彦君) 日本銀行は、今回導入いたしましたオーバーシュート型コミットメントの下で、消費者物価上昇率の実績値が安定的に二%の物価安定の目標を超えるまでマネタリーベースの拡大方針を継続するという方針を明らかにしております。今後の金融政策は、このコミットメントに従って実施していくということでございます。
#74
○藤巻健史君 ということは、二%が、安定的なのが超えて三%、四%になっていけば明らかに異次元の量的緩和をやめるということだと思うんですけれども、そのときに、先ほどの大門委員の質問にも関連するんですが、配付資料の二番を見ていただきたいんですが、現状、平成二十八年度で政府は百五十二兆円の国債を発行しているわけですね、借換債とそして新発債。そして、そのうち日銀が八〇%を買っているわけです、百二十兆円。八〇%を買っている人間が、これもう買うのやめたとか、五〇%に落とすとか六〇%に落とすと言ったら、どんなマーケットでも価格急落、長期金利暴騰しちゃいますよ。それでも日銀は、そんな国債マーケット関係ない、これは公約の消費者物価指数二%を安定的にやるために国債を買っていたんだからやめると言えるのかどうか。
 それに関連して、十一月十七日の白委員の質問にもありましたけれども、日銀は長期金利は昔はコントロールできないとしていたものを、急にコントロールできるものと変えたわけです、今日の質問にもありましたけどね。これ、消費者物価指数二%を達成した後に長期金利をコントロールできると言うんですか。これ、明らかに消費者物価指数でやめるんですよ、量的緩和。私はどう考えても長期金利暴騰していっちゃうと思うんですけど、それでも日銀は長期金利をコントロールできるとおっしゃるのかどうか、この辺についてお聞きしたいと思います。
#75
○参考人(黒田東彦君) 繰り返しになりますけれども、現在の金融政策は長短金利操作付き量的・質的金融緩和として、その一環としてイールドカーブコントロールというのが入っているわけであります。
 そういった金融政策は、あくまでも二%の物価安定目標をできるだけ早期に実現する、達成するということとの関係でそうなっているわけでありまして、足下で確かに例えば十年債の国債、十年国債の金利をゼロ%程度という操作目標にしておりますけれども、当然、操作目標も変わっていくでしょうし、金融政策自体も、二%の物価安定目標を達成した際には調整がされていくということになろうと思っております。
#76
○藤巻健史君 いや、私は、コントロールできるとおっしゃっているから、本当にコントロールできるのかということを聞いていて、これは、今みたいに八割のものを買ってりゃ何でもコントロールできますよ。例えば、サンマの水揚げの八割買ってりゃ、日銀、サンマだってコントロールできますよ。それをもってコントロールできるというのかという話で、そうじゃなくなったときに、買うのをやめたときに、長期金利が暴騰したりサンマが大幅下落したときにコントロールできるかという話をしているわけで、私は、長期金利をコントロールできるというのは、極めて日銀は傲慢だというふうに思います。私もビジネススクールで、ほとんど授業覚えていないんですけど、唯一覚えていること、二、三覚えているうちの一つは、やはり最初に総裁がおっしゃったように、長期金利はマーケットが決めて、短期金利は中央銀行が決める、まさにそれが金融理論であって、それに戻るんだと私は思っております。
 次に、長期金利は私はコントロールできないと思うんですが、こんなに質的・量的緩和をやった段階で、日銀、短期金利もコントロールできるのかなと、その辺についてお聞きしたいと思うんですが、これ、先ほど申しましたように、日銀はもうめちゃくちゃに国債買っているわけですよ。国債を買っているということは、負債サイドもやっぱりじゃぶじゃぶにあって、もう物すごくあるわけですから、やはり金融を引き締めなくちゃいけないというときには、どう考えてもバランスシートの資産サイドを売らないと、世の中のお金って吸収できないわけですね。
 これは、昔は短期国債しか買っていませんから、時間がたてば満期落ちということでバランスシートちっちゃくなりましたよ。でも、この質的・量的緩和で十年債、三十年債、四十年債を購入し始めたらば、これは満期まで待っていたらインフレもとんでもないことに、三十年待たなくちゃいけないんですからね。どこかの段階で売らない限り市中にあるお金というのは吸収できないと思うんですが、ということは、短期金利もコントロールできないんじゃないかと。要するに、短期金利をお金がじゃぶじゃぶの状態で引き上げていくなんてことは通常できませんよね、普通は。それでも短期金利をコントロールできるのか。
 長期国債は売らないと思うんですけれども、それは、長期国債を持っている、保有国債を売らないというのは、一つには売れないですよね。日銀が金利を上げたいときというのは、金利と値段というのは、釈迦に説法ですけどコインの表と裏ですから、金利を上げたいというときは値段を下げたいときですよ。日銀が値段を下げたいときに誰がそんなものを買うかと。日銀自身が売りたいのにそんなもの買ったら、あした損してまた更にあさって損しちゃうんですから、まず買手はいないと思うんですね、一つ。
 それから、もう一つそれに関連してお聞きしたいのは、前回の十一月十七日の会議のときにも、なぜ日銀が償却原価法を取っているか。今日も随分償却原価法のお話出ていましたけれども、償却原価法を取っている理由というのは、この前の回答、どなたの質問だったか、ちょっと私覚えていませんけれども、これは日銀が満期まで保有するから償却原価法だというふうにおっしゃった、回答があったと思うんですけれども、もし途中で売るならば、今途端に償却原価法から時価会計、民間のように時価会計に直して、それで時価会計に直したら、今きっと日銀の評価損、むちゃくちゃにぼんと出ますよ。
 ということで、今でも償却原価法を使っているということは、あくまでも長期国債を満期まで保有している前提だと。そのときにどうやって、満期は三十年先、四十年先、昔と違って。どうやって負債サイドのお金を、今市中にばらまいているお金、日銀当座預金と発行銀行が縮めていくのか、どうやってできるのかというのは非常に疑問に思うんですが、私はできないと思うんですが、その辺について御回答いただければと思います。
#77
○参考人(黒田東彦君) 短期金利のコントロールは、先ほど来申し上げておりますとおり、出口において短期金利をどのようにするかということと拡大したバランスシートにどう対応するかという二つの点が重要な点であるというふうに申し上げたとおりであります。
 御質問は、短期金利がコントロールできるかということですが、これは、金融機関が日本銀行に保有する預金に適用する金利、いわゆる付利でございますので、これを変更して行うということですから、当然可能であるということであります。
 なお、先ほど来御説明申し上げたとおり、FRBも、拡大したバランスシートを維持したまま、付利金利の操作によって短期金利の引上げを行っているところでございます。
#78
○藤巻健史君 FRBがバランスシートの量を減らさないというのは、これ先ほど私が言ったように、減らすということで売却を始めたら国債がめちゃくちゃなことになりそうだったので、それに手を付けずに付利金利の上げで対処したというふうに私は理解しております。
 短期金利をコントロールできるかどうかというのはやっぱり二つあって、バランスシートをきちんと縮められるか、これはFRBはできなかったし、どう考えてもできない。じゃ、あと付利金利を上げるかという話なんですが、それこそ付利金利を上げていけば、先ほど来議論にあった日銀のバランスシートの健全性の問題が出てきますよね。まさに総裁がおっしゃったように、今バランスシートを拡大しているときはシニョリッジが出てくる。要するに資金発行益が出ますけれども、これ縮めるときはマイナスのがシニョリッジが発生するわけで、まさに日銀の損益計算書がおかしいことになる。
 すなわち、日銀の資産サイドから利息収入があって、日銀当座預金の金利を上げていくわけですから、当然そちらの方がどこかの段階で上がっていっちゃいますよね。収入よりも支出が上がってくるということで、まさに負のシニョリッジ、通貨発行損になってしまうと思うんですけれども、そういうことを考えると付利金利の上げもできないわけですよ。資産規模も縮小できない。まさに何もないと私は出口思うんですけれども、いかがでしょうか。
#79
○参考人(黒田東彦君) 先ほど来申し上げているとおり、出口に際しては、短期金利をどのように操作するかということと拡大したバランスシートに対してどうするかということがあるわけでございます。そうした中で、FRBは、バランスシートを維持したまま、付利金利という短期金利を操作することによって市場の金利に影響を与えているわけでございます。
 現在の日本銀行が維持しております金利も、これも金融機関の日本銀行に対する、当座預金に対する付利でありますので、当然、仮に短期金利をコントロールしようということになれば、そういった付利金利を変更して行うということが十分可能であります。
 バランスシートをどうするかということと短期金利をどうするかと、この二つがポイントになるということはそのとおりでありますが、委員がバランスシートを減らさないという前提でお話しになっているのか、バランスシートを減らすという前提でお話しになっているのか、その辺がはっきりいたしませんけれども、いずれにせよ、この二つの要素というのは出口に際して十分議論し、最も適切な、経済、物価、金融情勢に対応して適切な形で出口を議論し、実行していくということになろうと思います。
#80
○藤巻健史君 私も、方法としては二つ、バランスシートを縮めていくことと、あと付利金利を上げる、この二つしかないと思っていますけれども、第一のバランスシートについて私の意見は、全く方法がないということを申し上げているわけです。それは、FRBができなかったと同様に日本銀行もできない。なぜならば、先ほど言いましたように、金利を上げたいとき、値段を下げたいときに誰が買うか、買手がいなければ売ることできないということであります。それからもう一つ、先ほど言いましたように、八割を買っている日銀がいなくなればマーケットはめちゃくちゃになりますから、それもできないだろうということを申し上げています。
 ですから、バランスシートを縮めるということはまず不可能であるということを申し上げているのと、もう一つ、付利金利については、アメリカ、FRBができるからといって日銀はできない。それは、FRBが持っている資産の方は大体きっと三%ぐらいで、私も数字しっかり知りませんけれども、テーパリングを始めた段階で買っていた米国債とかモーゲージバックセキュリティーの金利は高かったんです、三%とかなんとか。今の日銀は〇・四ですよね、きっとね。それから、さらにはマイナス金利の国債を買っているわけで、買っている資産の利回りがべらぼうに低いわけです。FRBは高いですよ。だから、付利金利を上げていくのにかなりバッファーがありますけれども、日銀はほとんどないわけです、〇・四かそこらの。そのときに、例えば一%上げて、二%に上げていったら、日銀、それこそ損の垂れ流しで、倒産の危機ですよ。
 ですから、それは言葉で言うのは簡単かもしれませんけれども、持っている資産内容を考えれば、日銀は付利金利を上げるという選択肢もないのではないか。バランスシートは縮められないし、付利金利も上げられなかったら、どうやって短期金利をコントロールしていくのかということを質問しているわけです。
#81
○参考人(黒田東彦君) まず、バランスシートにつきましては、先ほど来申し上げているとおり、出口戦略を議論する際には、バランスシートをどうするかということと短期金利の操作をどうするかということが当然議論になるということであります。ただ、その場合、具体的にどういったことをどのような順でやるかというのはそのときの経済や物価や金融情勢に応じて最適なものを選択するということであります。
 なお、国債、米国の場合も英国の場合も現時点で国債は売っておりませんけれども、将来、再投資を停止するという形で徐々にバランスシートを圧縮するということもあり得るわけでして、そういう議論はかつては、今は出ておりませんけれども、かつては出ておりました。
 また、付利の点につきましては、先ほど来申し上げているとおり、米国はバランスシートを維持したまま付利の金利を上げていっていると。英国の場合は、ブレグジットになる前は恐らく同じようなことをするのではないかというふうに見られていましたが、御承知のようなブレグジットでむしろ金融緩和を拡大している状況にあります。
 いずれにいたしましても、長期的には中央銀行には通貨発行益、シニョレッジが発生しますので、その上で、短期的な収益の振れというのは、先ほど来申し上げているとおり、引当金で対応しているということであります。
 なお、金利を引き上げていくときには資産サイドの収益も上昇していくということもあろうと思います。
#82
○藤巻健史君 最後の方、ちょっと聞き捨てならないんですけど、資産サイドの収益が上がっていくと言いますけれども、これ、負債サイドの方は毎日毎日上がっていきますけど、買っている長期国債というのは十年、二十年でしょう。そんな簡単に毎日上がっていくわけじゃないですからね。全然スピードが違うということを申し上げておきたいのと、それから、バランスシートを縮めるときに再投資をしないで縮めていくという方法は、それは黒田総裁が異次元の質的・量的緩和を始める前だったら私納得しました。でも、この質的・量的緩和の一番の問題は質的緩和であって、三十年債、十年債買ってしまっているということ、これ、満期待ちしかできない、だからこそバランスシートの縮小はできないのではないかと私は申しているわけです。
 もう一つ、再度申し上げますと、もし売却による償却を考えているんだったらば、今こそ償却原価法をやめて時価会計に直さなくちゃいけないと私は思います。時価会計に直すと、今の日銀のバランスシート、極めて危ないんじゃないかなと私は思いますから、償却原価法を使っているということ自身が売却しないという前提の下でオペレーションをしていると私は理解します。そうすると、バランスシートは縮められないというふうに思うわけであります。
 それから、付利金利の方については、やはりその利回りが極めて日銀は低い、さらにはマイナス……
#83
○委員長(藤川政人君) 時間が過ぎております。
#84
○藤巻健史君 はい。
 マイナス金利の国債を買っているということで、極めて苦しいのではないかなというふうに思っております。
 ということで、時間が参りましたので、これで質問を終わらせていただきます。
#85
○中山恭子君 日本のこころ、中山恭子でございます。
 十月の日銀の展望レポートでは、景気見通しについて、成長率の見通しの中央値が今年度一・〇%、一七年度が一・三%、一八年度は〇・九%となっております。ただ、そのとき、リスクバランスについて、下振れリスクの方が大きいと説明されております。潜在成長率を上回る成長を続けるといいながら下振れリスクの方が大きいということは、具体的にどのようなことを指しているのでしょうか。
#86
○参考人(黒田東彦君) これは各委員のいろいろな御意見があると思いますが、それらを踏まえた展望レポートの文章の中でかなり詳しく述べられておりますけど、やはり一番大きいのは諸外国の経済がどのようになっていくかと。
 新興国の成長率は今減速しておりますけれども、IMFの見通しなどで見ると、今年から来年にかけて新興国の成長率は上昇していくという見通しになっておりますけれども、それがそのとおりになるかどうか。例えば、日本の輸出だけ見ますと、半分以上アジアに対する輸出であります。すなわち、ほとんど全て新興国に対する輸出、これが半分以上を占めておりますし、そういったことも含めて新興国の状況がどうなるのか。
 あるいは、先進国でいいますと、英国のブレグジットが決まったわけですけれども、具体的にいつ、どのような形でEUから離脱するのかというのがまだ見えてこないわけですので、IMFの経済見通しは、実は英国のEU離脱について最も、何というんでしょうか、緩やかなと、ビナインなというふうに言っていますが、前提でございまして、具体的にはノルウェー型のEU離脱ということを考えていますので、ほとんどシングルマーケットに残れて、域内関税もゼロですし、金融等についても従来どおりのことができるというようなかなり緩やかなEU離脱ということを前提にして英国経済の見通しを立て、ヨーロッパ経済の見通しを立てておりますので、その辺りが、仮にいわゆるハードブレグジットというか、より厳しいものになりますと、英国経済のみならず欧州経済にも影響が出てくると。
 それから、米国につきましては、IMFの見通しはトランプ大統領が選出される前でありましたので、やや米国における保護主義の懸念というようなことをIMFは言っておりまして、そういったことも含めてやはり世界経済は一応そのIMFの見通しのようなことになるというのが標準的な見通しでありますけれども、各委員によっては相当下振れするリスクがあるのではないかというふうに言っているわけでして、実際に、展望レポートでも何人かの委員は下振れリスクを言っております。上振れすると言う人もいるんですけれども、ほとんどが下振れリスクの方が大きいというふうに言っております。ただ、その程度は物すごく大きいというものではないようであります。
#87
○中山恭子君 ありがとうございます。
 物価についても、展望レポートでは、消費者物価は、マクロ的な需給バランスが改善する、それから中長期的な予想物価上昇率も高まるにつれ、先ほども議論がありましたが、予想物価上昇率というのがここでは高まるにつれてと書かれております。見通し期間後半、二〇一八年度では二%に向けて上昇率を高めていくとされております。この需給バランスが、マクロ的な需給バランスが改善し、予想物価上昇率も高まるというふうにここではしっかり見ていらっしゃるということなんだろうと思いますが、さらに、二%の物価安定の目標に向けたモメンタムは維持されていると見られているとのことですけれども、この辺りについてどのようにお考えでしょうか。
#88
○参考人(黒田東彦君) 物価上昇率を規定する非常に大きな要素は、一つは、このマクロ的な需給バランス、GDPギャップであるとか失業率であるとか、そういったマクロ的な需給バランスということが賃金や物価に影響を与えますので、これが一つの大きな要素であると。もう一つは、やはり中長期的な予想物価上昇率の動きというのもかなり影響を与えます。
 そういった意味で、この二つが非常に重要なわけですけれども、政策委員の見通しの中央値では、委員も御指摘になったように、二〇一六年度の成長率が一・〇%、二〇一七年度は一・三%、二〇一八年度は〇・九%ということで、現在の潜在成長率は多分〇・五%をやや下回るかというぐらいですので、三年連続で潜在成長率を上回る成長が続くということでありますので、明らかにマクロ的な需給バランスは改善し、賃金や物価を押し上げる要素があるということであります。
 ただ、この成長率について若干下方リスクがあると言っていることから、物価見通しにつきましても下方リスクを指摘しておりまして、現在の見通しの中央値では、このような形で二〇一八年度頃に二%に達する可能性が高いとしているわけですけれども、特に、中長期的な予想物価上昇率につきましてはやや弱含みの局面が続いていることなどから、今後ともこの動きには十分注意していかなければならないというふうに思っております。ただ、中央値の見通しとしては、二〇一八年度頃に二%に達する可能性が高いというのが委員の多数の意見でありました。
#89
○中山恭子君 金融政策が物価にいかに大きな影響を持っているかというのはもちろん申し上げるまでもないことで、例のデフレ状態について、他の国との比較で、通貨量が他の国の伸びと比較して余りにも小さかったということで極端な円高となり、デフレ状態を長引かせたということについては、黒田日銀によってこれは是正され、あの暗いデフレ状態から抜け出せたと考えております。
 今回の金融政策運営について、二%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現するため、金融緩和強化のための新しい枠組みを導入したということでございました。私自身も常々考えていたことでございますが、消費者物価二%の目標を掲げるということもこれまでの厳しいデフレが続いていた状況の下では必要であったし、非常に効果的であったと考えておりますが、現段階ではそろそろその考え方を変える時期に来ているのではないかと考えておりました。今回、そういった意味で、長短金利操作付き量的・質的金融緩和という新しい枠組みを導入したということは大変時宜を得た政策の取り方であると考えておりまして、高く評価しております。
 その消費者物価が金融政策によってコントロールされるということは申し上げるまでもないことですけれども、ある意味ではコントロールの利かない要因というのも多々あるわけでございまして、例えば消費税の導入というのも物価に大きな影響を与えました。
 ここに一九七一年から月別の物価上昇率が書いてあるんですけれども、まるで大きなけだものがのたうち回っているような状況でございまして、一九七四年には一〇%台から二四%、月別で、前年同月比ですかね、の上昇率が一〇%台から二〇%という高い上昇をしていました。一九八四年、十年後の八四年頃には、ここはほぼ二%、まあ理想的な形と言えるのかもしれません、たまたまそうなっていただけなのかもしれませんが、ほぼ二%台で推移しています。その十年後の九四年ではゼロ%台、さらにその後マイナスになりました。
 もちろん、こういった意味で、この大きなうねりのような動きをコントロールしていくということは容易なことではないと考えておりますし、先ほども申し上げましたように、消費税の影響が出るとか、またもう一つの大きな今回の要因は石油価格の下落、低迷であったと考えております。国際的な石油価格が、ちょっと荒っぽいかもしれませんが、単純化して言えば、今後石油価格が上昇すれば、日本の消費者物価も嫌でも上昇してくるであろうということも見通せるわけでございます。
 二%を超える目標ということは大変大切なことでありますし、これまでこのデフレから脱却するに当たっては、二%という単語は非常に大きな力があったと考えておりますが、今回この新しい枠組みをつくられた中で、二%という単語をもう少し緩やかな、幅を持たせた形で考えてもいいのではないか。一・七%では絶対駄目なのか、二・三%だったらいいのか、その辺りのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#90
○参考人(黒田東彦君) 御案内のとおり、この物価安定の目標の水準としては、主要先進国ではほとんどの中央銀行が消費者物価上昇率で二%というふうにしておりまして、言わばグローバルスタンダードとなっているわけですけれども、その理由としては、まず第一に、景気が悪化した場合の金融政策の対応力を確保していくためののり代を確保する必要があるということでありますし、第二には、消費者物価指数には、統計の性質上、上方バイアスがあるということが広く指摘されております。そういった意味で、今や欧米を含む先進国のほとんどが二%の物価安定目標というのを掲げて金融政策を行っているということであります。この点については、日本銀行も二〇一三年の一月に二%の物価安定目標というものを設定したわけでございます。
 そうした上で、確かに二%というのは、きっちり二%をずっと続けなければならないということではなくて、景気循環を通じて二%程度平均的になるようにということでありますので、若干下回ったり若干上回ったりするということはあり得ると思いますが、やはり現在の足下の物価上昇率はほとんどゼロ近傍で動いておりますので、これをやはり二%に向けてしっかりと引き上げていく必要があろうというふうに思っております。
 そうした上で、これもまた御指摘のように、月々の消費者物価はエネルギーを含めた輸入価格の変化などによって非常に大きく変化する、変動するということは事実でありますので、私どもも、例えば生鮮食品は気候によって大きく変動しますので、生鮮食品を除く消費者物価で動向を見たり、最近のようにエネルギー価格が非常に大きく変動する場合には、エネルギー品目を除いた消費者物価でも動向を見るという形で、御指摘のような点も含めて物価の基調がどのようになっているかということを適切に判断してまいりたいと思っております。
 ただ、その上で、やはり日本銀行は物価の安定に責務があるということでありますので、引き続き適切な金融政策によって物価の基調を規定する需給ギャップや予想物価上昇率に働きかけるような金融政策を行っていく必要があるというふうに思っております。
#91
○委員長(藤川政人君) 中山恭子君、時間が参っております。
#92
○中山恭子君 ありがとうございました。
 新しい枠組みが取られるということでございますので、今後も期待しております。頑張ってください。
#93
○委員長(藤川政人君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#94
○委員長(藤川政人君) 金融資本市場をめぐる情勢の変化に対応して金融の機能の安定を確保するための金融機能の強化のための特別措置に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。麻生内閣府特命担当大臣。
#95
○国務大臣(麻生太郎君) ただいま議題となりました金融資本市場をめぐる情勢の変化に対応して金融の機能の安定を確保するための金融機能の強化のための特別措置に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明させていただきます。
 金融資本市場をめぐる情勢の変化に対応して金融の機能の安定を確保するため、その目的に重要な役割を有する時限措置の延長を行うことが喫緊の課題となっております。このような状況を踏まえ、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明をいたします。
 いずれも今年度末までの時限措置とされている以下の措置について、期限を五年間延長することといたしております。
 具体的には、第一に、金融機能強化法に基づく金融機関等の資本の増強に関する措置、第二に、株式保有制限法に基づく銀行等保有株式取得機構による銀行等からの株式等の買取りに関する措置、第三に、保険業法に基づく生命保険契約者保護機構に対する政府補助に関する措置等であります。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願いを申し上げます。
#96
○委員長(藤川政人君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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