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2016/11/10 第192回国会 参議院 参議院会議録情報 第192回国会 内閣委員会 第5号
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2016/11/10 第192回国会 参議院

参議院会議録情報 第192回国会 内閣委員会 第5号

#1
第192回国会 内閣委員会 第5号
平成二十八年十一月十日(木曜日)
   午前十時三分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月八日
    辞任         補欠選任
     佐藤  啓君     野上浩太郎君
     藤末 健三君     神本美恵子君
 十一月九日
    辞任         補欠選任
     野上浩太郎君    渡辺美知太郎君
     松川 るい君     岡田 直樹君
     新妻 秀規君     西田 実仁君
 十一月十日
    辞任         補欠選任
     江島  潔君     今井絵理子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         難波 奨二君
    理 事
                上月 良祐君
                高野光二郎君
                相原久美子君
                西田 実仁君
    委 員
                有村 治子君
                石井 準一君
                今井絵理子君
                江島  潔君
                岡田 直樹君
                岡田  広君
                山東 昭子君
                豊田 俊郎君
               渡辺美知太郎君
                神本美恵子君
                矢田わか子君
                里見 隆治君
                田村 智子君
                清水 貴之君
                山本 太郎君
                和田 政宗君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策、男女共同
       参画))     加藤 勝信君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革、地方創生)
       )        山本 幸三君
       国務大臣     丸川 珠代君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  野上浩太郎君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        武村 展英君
       厚生労働大臣政
       務官       堀内 詔子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤田 昌三君
   政府参考人
       内閣官房まち・
       ひと・しごと創
       生本部事務局次
       長        松尾 泰樹君
       内閣官房東京オ
       リンピック競技
       大会・東京パラ
       リンピック競技
       大会推進本部事
       務局総括調整統
       括官       芦立  訓君
       内閣府規制改革
       推進室次長    刀禰 俊哉君
       内閣府地方創生
       推進事務局審議
       官        高橋  淳君
       内閣府経済社会
       総合研究所総括
       政策研究官    酒巻 哲朗君
       外務大臣官房参
       事官       吉田 朋之君
       財務省主計局次
       長        藤井 健志君
       財務省理財局次
       長        北村  信君
       文部科学大臣官
       房審議官     義本 博司君
       厚生労働大臣官
       房審議官     吉本 明子君
       厚生労働大臣官
       房審議官     中井川 誠君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局生
       活衛生・食品安
       全部長      北島 智子君
       国土交通大臣官
       房審議官     堀家 久靖君
       国土交通大臣官
       房技術審議官   五道 仁実君
       観光庁次長    蝦名 邦晴君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○内閣の重要政策及び警察等に関する調査
 (一億総活躍、働き方改革及び地方創生等に関
 する件)
○一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(難波奨二君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、藤末健三君、佐藤啓君、新妻秀規君及び松川るいさんが委員を辞任され、その補欠として神本美恵子さん、渡辺美知太郎君、西田実仁君及び岡田直樹君が選任をされました。
    ─────────────
#3
○委員長(難波奨二君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(難波奨二君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に西田実仁君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(難波奨二君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 内閣の重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長松尾泰樹君外十四名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(難波奨二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(難波奨二君) 内閣の重要政策及び警察等に関する調査のうち、一億総活躍、働き方改革及び地方創生等に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○矢田わか子君 おはようございます。民進党・新緑風会の矢田わか子です。
 本日は、一億総活躍の視点から質問させていただきたいと思います。
 まず、働き方改革についてお伺いをいたします。
 加藤大臣が担当されている働き方改革、一億総活躍、そして男女共同参画、加えて少子化対策は、それぞれが深く関連していると思います。
 共通するキーワードは、一つが人口減少、そしてもう一つが女性の労働問題、女性の社会参加であります。このキーワードに基づき、それぞれの課題を有機的に関連付けながら政策論議をしていく必要があると思いますが、まず、御担当の加藤大臣より基本的なお考えをお伺いしたいと思います。
#9
○国務大臣(加藤勝信君) 委員御指摘のように、我が国の経済成長の隘路の根本には、人口減少、少子高齢化という構造的な問題があります。これに対して、全ての方がその能力を存分に発揮できると、そうした一億総活躍社会を実現することによってそれに対応していこうということで我々取り組ませていただいております。
 その中で、御指摘のありました女性の活躍あるいは男女共同参画、こういったところは、まさに一億総活躍社会実現に当たっての核になるものであります。様々な意味で、希望を持ち、そして能力を有しておられる女性の皆さん方が大変多くおられるわけでございまして、そういった方々がそれぞれの希望に応じて活躍できる社会づくりというものをしっかり進めていくということがまず必要だというふうに思っております。
 それから、やはり人口減少問題ということでありますけれども、やはり今、少子化の状況は進んでおりますけれども、若い皆さん方にその希望を問えば、九割の皆さん方が結婚したい、あるいは子供を持ちたい、こういう希望を持っておられるわけであります。そうした皆さん方の、若い方々の希望が一つでもかなっていく、結婚や出産の、こういったタイミングで結婚したい、そういったことも含めて希望がかなっていける、それを実現する社会がいわゆる希望出生率一・八の社会だというふうに我々は位置付けておりまして、そういった意味でもこうした取組を進めていきたいと思っております。
 加えて、これらに横断的に関わってくるのはいわゆる働き方改革ということになるわけでありまして、少子化の原因、女性のキャリア形成を阻む原因、あるいは男性の育児参加を阻む原因としては、長時間労働の是正ということもございます。また、柔軟な働き方の選択肢を広げていくというためにも、非正規で働く方々の処遇改善、こういったことを含めた働き方改革を進めていくため、今議論を進めさせていただいているところでございます。
#10
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 いろんなキーワードが出てまいりましたが、順次そこを因数分解しながらお聞きをしていきたいというふうに思います。
 担当いただいている分野、とても幅広くて、その政策課題については各省庁をまたがる横断的な政策が多いと思います。具体的な法整備や行政指導では、ほとんどは厚労省の管轄となると思います。特に働き方改革については、内容的には、大臣もおっしゃったような長時間労働、そして過重労働の規制、労働の場における格差の是正が主なテーマになるというふうに認識をしておりますが、基本的にこういった労働政策、雇用政策については、ILOの条約においても、政府、経営者団体、そして労働団体の三者構成で合意形成していくことが規定をされております。
 働き方改革実現会議、広く国民の声を聞くということで国民的な論議を展開するということが重要だというふうに思いますが、厚労省の省内における合意形成の場である各種審議会との関係をどのようにするのか、相互の協力関係どうやって図っていくのか、加藤大臣にお伺いしたいと思います。
#11
○国務大臣(加藤勝信君) 働き方改革、これまでもいろんな場所で議論されてまいりましたけれども、なかなか前に進まないです。大変難しい課題だというふうに認識をしております。そういったことも含めて、今回、総理を議長として、そして経済界、労働界のそれぞれトップの方々に入っていただく形で、それに加えて有識者の皆さん方にも入っていただく形で、働き方改革実現会議ということを立ち上げさせていただいたところでございます。
 この場においても総理から御指示がございましたけれども、働く方の視点や立場になって議論を進めて合意形成を図っていくということでありまして、中身においては、経営者側の皆さん方にもかなり御理解をいただかなきゃいけない、あるいは慎重な御意見がある、こういったテーマもございますので、そうした経済界の方々も含めてしっかりと納得をいただいたというふうに思っているところでございます。
 ただ、いずれにしましても、今お話がありました厚生労働省との、特に労働政策審議会との関係でありますけれども、これは、まず年度内を目途に実行計画をまとめることとしておりますので、その内容を踏まえた上で対応をしていく、検討していくと、こういうことになるんだろうというふうに思います。
#12
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 今大臣からもお話が出ましたけれども、働き方改革の実現会議の設立の趣旨をひもときますと、働き方改革の実現を目的とする実行計画の策定等に係る審議に資するためとされております。
 法案策定プロセスを担う審議会とは違いまして、実際の計画策定作業などに関して一定の知見を提供する役割を持つとはいえ、その構成が、大臣もおっしゃったとおり、少し、経営者団体、企業の人事担当者が中心となっているのでないかというふうに思っております。労働者側を代表する人はたった一人ということでもありまして、アンバランスの状態にないかという課題意識であります。
 ILOの三者構成原則は、労使代表は同数ということにもなっておりまして、少なくとも、例えば過労死防止に関わる団体や法律専門家、あるいは、非正規労働者これだけ増えておりますので、その方々の、労働者を代表する人たちを委員に加えていただくべきであったのではないかなというふうにも思っております。
 会議がスタートして既に二回会合が行われまして、総理と現場との意見交換も開催されております。例えば、今後、ヒアリングの人選等も含めて、バランスよくそうした方々の意見も反映されるように大臣には是非配慮をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#13
○国務大臣(加藤勝信君) 実現会議の構成については先ほど御答弁申し上げたとおりでございます。
 あるとき、労働界から出ておられる連合の会長ともお話をした中で、会長からも、別に一人だからということではないと、それから今申し上げたその後のプロセスについてもいろいろなことがあるんだと、こういうお話がございました。
 ただ、今御指摘あるように、経営者側、そして働く側の方々からも含めて様々なお話も伺いながら議論を進めていくというのは非常に大事だということで、先般、この実現会議とは別途に、総理を囲むという形でのいろいろお話をしていただく車座トークみたいなものもさせていただいておるところでございます。
 また、今後、そうしたことも含めて、今委員からも御指摘ございました、様々な立場の方々からの意見をしっかりと踏まえながら議論が進んでいけるように配慮していきたいと思っております。
#14
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 関連しまして、現在、規制改革推進会議が四つのワーキンググループを設置し、規制緩和政策の検討をされているとお伺いしております。そのうち、人材ワーキング・グループでは、転職して不利にならない仕組みづくりなどの論議をこれから行われようとしているとお聞きしております。
 こうしたワーキンググループが扱うテーマによっては、当然働き方改革にも関連する部分が出てくると思われますが、この二つの検討機関の関係について、規制改革担当の山本大臣より次に御見解を伺いたいと思います。
#15
○国務大臣(山本幸三君) 今、加藤大臣が答弁されましたように、働き方改革実現会議の方で働き方改革に関する幅広い事項を検討するものと承知しております。
 そういう中で、私ども規制改革推進会議としては、規制改革という立場から、これを補完しあるいは支援するようなことはできないかということで考えております。そういう下で、人材ワーキング・グループというのをつくりまして、特にその中で労働移動の部分で貢献できるんではないかというように考えておりまして、失業なき労働移動を推進するという観点から、転職して不利にならない仕組みづくりというものを中心に、規制改革の観点で幅広く取り組むというように考えております。
 こうした働き方改革に関する議論につきましては、多様な働き手の声を反映しながら検討を進めていくことが重要であると考えておりまして、働き方改革実現会議と必要な連携を図りながら規制改革を進めてまいりたいと思っているところであります。
#16
○矢田わか子君 ありがとうございました。
 多分、横断的に束ねるのは加藤大臣のところのお役目だというふうに認識をしておりますので、是非ともリーダーシップを取っての関連付けをよろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、育児休業・介護休業制度についてお伺いをしていきたいと思います。大臣所信の質問の際にも実は若干触れさせていただいたんですが、時間切れでしたので、今日は深く問題について提起をさせていただきます。
 政府は、最長一年半にわたって給付金を受けられる育児休業期間を最長二年程度まで延長する施策について、現在、労働政策審議会で論議をされております。この延長措置は、乳幼児の育児について選択肢が増え、歓迎する声もあると思います。が、一方でこれが、保育所の整備の遅れをカバーしようとする意図や、あるいは乳幼児はやはり母親が家でしっかりと育てなければいけないんだというような、私たちから言わせれば古い発想からくるものであれば問題視せざるを得ないというふうに思っております。あくまでワーク・ライフ・バランス、この観点から論議を進めていただきたいという思いであります。
 特に、育児休業の取得者のキャリア維持について留意すべきではないかということを思っております。一般的に、休業期間中は、キャリアの維持と新たなキャリア形成のチャンスが失われやすいということがあります。このことから、職場復帰が円滑に進むような職場復帰プログラムを確実に実行させる環境整備が必要であります。
 現在、特に女性でも取得率の低い中小企業を対象に、もっとやっぱり育児休業取りましょうよというふうな多分思いも込めて、育児休業復帰支援プランの助成措置、金銭的な補助についても実施されておりますが、この制度を一層活用してもらう、実効性を高めていくためにどんなふうにしていけばいいのか、厚生労働省からお考えをお聞きしたいと思います。
#17
○政府参考人(吉本明子君) ただいま御指摘がございましたとおり、育児休業の取得に関しましては、女性につきましては平成二十七年度八一・五%でございます。ただ、これを事業所の規模別に見てみますと、五人から二十九人の小規模な事業所は六七・九%にとどまっているといった状況でございます。
 このため、御指摘のございました育休復帰支援プラン、これにつきましては、今後も、策定に係るコンサルティングの実施、また助成金の支給など、特に中小企業につきましては個別にプランナーがきめ細かく助言を行いまして、そうしたプランの策定支援を行いまして、結果として育児休業の取得、職場復帰のしやすい職場環境整備に努めてまいりたいというふうに考えております。
#18
○矢田わか子君 ありがとうございました。是非ともよろしくお願いしたいと思います。
 一方で、女性の育児休業取得におけるキャリア維持に関しては、対応策として大きな効果が期待されるのが父親の育児休暇の取得率を高めることだというふうに考えております。夫の育児休業の取得によって妻の休業期間が短縮されるということでもありますが、残念ながら我が国では男の取得率極めて低く、しかも短期間で終わっています。平成二十七年度のデータで四%、そして、そのうち五日以内で取っている方は四〇%、二週間以内が六〇%、ほぼ大半の人は一か月以内というような結果であります。休業というよりは休暇取りましたというふうな程度だと思います。
 そんなことから、なぜなかなか夫の育児休業取得が進まないのか。もう夫が取れるようになって二十年になります。でも進まない。この現状を踏まえた打開策が必要ではないかと思っています。
 例えばノルウェーでは、御承知のとおり、父親の育児休暇制度については九三年からクオータ制を導入しております。父母合わせて最大五十四週のうち、最初できたときは四週間父親が取ってください、今では十週間以上を父親が取らなければならないという義務付けになっております。賃金はその代わり一〇〇%保障されます。これによって、男性の育児休暇の取得率九〇%以上というふうなことになっております。この結果、出生率そのものの向上にも役割を果たしたというふうに分析がされております。
 私たち日本も、このくらいの思い切った制度を導入しなければ、女性の継続雇用とキャリア維持は達成できないと思います。政府としてそういった諸外国で見られるクオータ制の導入についてどのように考えていらっしゃるのか、見解を伺いたいと思います。
#19
○政府参考人(吉本明子君) 御指摘ございましたように、男性が積極的に育児に参加していくということは女性の就業継続、キャリア形成にとりましても非常に重要な課題だというふうに考えております。
 このため、厚生労働省におきましては、一つは、育児・介護休業法の制度的な手当てといたしまして、パパ・ママ育休プラスという制度を設けております。男性が共に育休を取ることにより、原則一歳のところを一歳二か月まで取れるようにしていくというようなこと、こうした制度の周知、また、職場環境の整備ということでイクメンプロジェクトといったような取組、またさらに、男性による育児休業の取得を促す企業に対しましては助成金を支給するといったようなこともいたしているところでございます。
 ただいまの御指摘につきましては、現在、労働政策審議会の方で両立支援制度の在り方について議論をしておりますので、そのときに、女性のキャリア形成、それから男性の育児休業取得促進、そうした観点についても様々な意見をいただいておりますので、そうした御議論も踏まえ、また、今御指摘のございました海外の事例も参考にしながら検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
#20
○矢田わか子君 ありがとうございます。是非納期を切っての御検討をお願いしたいというふうに思っております。
 続きまして、介護離職について触れていきたいと思います。
 安倍政権、本年六月二日にニッポン一億総活躍プランを閣議決定され、その中で、新三本の矢として介護離職ゼロを打ち出されております。これを実現するには、しっかりとした法的措置と環境整備をしていかなければならないと思います。
 政府としては、二〇二六年を見据えたロードマップを策定されております。国、自治体、企業、福祉団体などが本当に真剣に取り組まないと、介護離職ゼロは絵に描いた餅になってしまうと思います。ちなみに、二〇二六年という年、約八百万人いる団塊世代が七十五歳以上になる二〇二五年の翌年の年ということで、余り時間はないと思います。
 この介護離職ゼロ、現実的な政策目標として実現させていく決意を加藤大臣にお願いしたいと思います。
#21
○国務大臣(加藤勝信君) その前に、今育児休業の取得のお話がありました。
 我々としても、やっぱり男性側の意識をしっかり変えていかなきゃいけない、こういうことで、先般、男性の暮らし方、意識変革を促進するための調査会も立ち上げながら、そういった意識変革にもしっかり取り組む中で育児休業取得率を上げるべく努力もしていきたいと思っております。
 そして、今御質問ございました介護離職ゼロでありますけれども、これは一億総活躍社会の大きな三つの柱の具体的な柱の一つとして掲げさせていただいております。
 介護離職は年間十万人という数字も出ているところであります。介護をするために離職をするということは、その離職をされた方の将来の不安も増大をしていく、そういったことも含めて、介護する側あるいはもちろん受ける側、これが共倒れ、要するに、にならないように、しっかり配慮していくということが必要だというふうに思います。
 地域によっては、必ずしも十分に介護を受け得る環境になっていないところもございます。特養など施設入所を希望されながら、なかなかその思いが実現できていない、そういったことにも応えていく必要があるというふうに思っております。
 そういった意味から、施設・在宅サービスの整備量を大きく上積みをして介護離職の防止と特養待機者の解消の同時を成し遂げていきたいということで、具体的には、介護施設・在宅サービス及びサービス付き高齢者向け住宅を合計で約十二万人分、当初より整備量を上積みいたしまして、二〇二〇年代初頭までには約五十万人分の整備を図っていく。
 箱物だけでは十分ではありません。これまでも御指摘をいただいておりますように、そこで働かれる方々の人材を育成をして確保していく、あるいは処遇というものにしっかり対応していく、こういったことにも取り組んでいきたいと思っておりますし、また、介護休業を活用しやすくなるための改正育児・介護休業法が来年一月から施行されているところでございます。
 こうした様々な施策を展開しながら、このニッポン一億総活躍プラン、そして、その中に掲げました介護離職ゼロの実現に向けてしっかりと政策を進めていきたいと考えております。
#22
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 既にいろんな政策を、具体政策についても検討していただいていると思いますが、一方で、要介護の高齢者がこれだけ急速に増加している、していくという見通しの中で、当然供給体制が追い付かないという壁にも直面しております。既に多くの介護離職が発生しているということを少しお示ししていきたいと思います。
 総務省の就業構造基本調査は、残念ながら五年に一回しか調査されておりませんので、最新のデータが平成二十四年ということになりますが、二〇一一年の十月から二〇一二年九月の段階、会社などで働きながら介護をしている人、二百四十万人、そして介護離職をした人が、大臣もおっしゃったとおり、十万人既にいらっしゃるということです。これは五年前のデータなので、当然、現時点では介護離職予備軍を含め相当数の介護離職が推測される状況にあります。
 電機産業で働く労働組合が調査した結果、今資料として一をお示ししたいと思いますが、五千三百人に対して調査をしましたけれども、実際にもし要介護の状態の家族がいた場合に仕事を続けられますかという問いに対して、ここにあるとおり、男性で三〇%、女性では四〇%の方が続けられないと思うと答えていらっしゃいます。こうした、特に女性は、仕事と両立できないと懸念している方の割合が高くなっているということであります。
 ほかにも、我が国では様々な調査で明らかにされているように、自分の親や配偶者の親、施設に預けるのではなく、やっぱり自分で、最期は子供が責任持って見なければならない、自宅で面倒見なくちゃいけないというような社会的な風潮が強いように見受けております。
 また、高齢者本人も、施設入所を拒むという方々も多い。そして、結果として、いわゆるお嫁さんや娘さん、最近では独身の男性も多いので、独身の男性が会社を辞めて自宅で親を見ている、そんなケースも増えております。結果として離職していくというようなことであります。
 仕事と介護を両立させるための制度構築とともに、今後、地域包括ケアシステム運用していただいておりますが、それをもっと整備していく中で、地域主体で介護に関わる家族をきちんとフォローする、そんな体制を整備していくことも必要ではないかと思います。一人の家族が自分の家族を見るということだけではなく、地域全体でカバーし合う。これは地域において柔軟な保育、保育ママさんとか含めてですね、保育についてはそういう支援システムが既にできつつありますので、そういうものの応用を介護にも展開できないかというようなことを考えております。
 そのこと自身が、親の介護に対する社会的な風潮や家族文化を少しずつ変えていくその一助にもなるのではないかというふうに思いますが、政府としての受け止めをお願いいたします。
#23
○国務大臣(加藤勝信君) 委員も御指摘ありますように、我が国でも核家族化が進んでまいりましたし、また、介護する家族の高齢化、そういったことを踏まえて、介護を必要とする高齢者を支えてきた家族をめぐる状況の変化を受けて、高齢者の介護を社会的に支える仕組みとして介護保険制度が今から十五年前、二〇〇〇年に創設をされたところでございまして、この間、サービスの利用者数は三倍以上増加するなど、高齢者介護にとって大変重要な役割を担っているということでございまして、さらに、こうした高齢者の介護を社会全体で支える、こういう理念の浸透ということにもつながっているというふうに考えているところでございます。
 また、介護離職ゼロ、先ほど申し上げましたけれども、家族の介護のために離職をせざるを得ない、こうした状況、これをしっかり防いでいく、また、希望する者が働き続けられる社会を実現していく、こういう取組は非常に重要ということで、一億総活躍社会実現のための重要な政策としても掲げさせていただいたところでございます。
 ニッポン一億総活躍プランでも、先ほど申し上げましたが、介護サービスの基盤整備、介護人材の育成、確保など、それぞれの施策を着実に実行しながら、やはり介護をする側の家族の思い、あるいは介護を受ける高齢者の方々の思い、こういったことにもしっかり対応しながら、やはりそれが豊かな社会の実現ということにもつながっていくんだろうというふうにも思っているところでございます。
 また、今、離職の関係で申し上げると、女性のみならず男性の離職も結構この介護離職では増えてきているということで、経済界でも大変関心を持ってきております。
 そういう中で、様々な施策と同時に、やはり私感じるのは、その制度あるいはサービスというものを具体的にどう使っていくのかってなかなか、そういう状況になって初めてこう感じるというか、知っていかなきゃいけないということでありますから、そうしたものにどうアクセスしていくのか、そういったことをやっぱり各企業等においてもある意味事前に、そういう可能性はそれぞれ持っているわけですから、そういったことの周知啓発といったことも図っていただけるように我々も引き続き努力をしていきたいと思っております。
#24
○矢田わか子君 この一年間、四十七都道府県全て回りましたけれども、やっぱり地域によっては介護に関する地域包括ケアすごく機能していて、千葉県柏市のように地域全体で活用が推進されているような市もあれば、えっ、それ何ですか、どこにあるんですかということで全く知られていない、そういうところもやっぱり見受けられます。格差がやっぱりあると思いますので、是非とも、まずは周知徹底して、そういうセンターを核として皆さんが助け合うような、そんな社会づくりをお願いしたいというふうに思います。ありがとうございました。
 もう一つだけ、介護について制度の充実化をお願いしたいと思います。
 三菱総合研究所の平成二十六年度仕事、家庭の両立に関する実態把握のための調査によりますと、介護離職した人は介護を始めてから一年以内に五〇%以上が両立を断念しているというデータがあります。育児とは違い、先の見通しがなく、数年間続くことが多い介護のスタート時点で思うようにいかず退職してしまうというケースが多いということでもあります。
 この介護離職の防止策を雇用の面から見れば、介護の最初の段階で様々な便宜を供与する必要があると思います。これまで労使による先進的な取組を進めてきた事例からしましても、まず一つ目には、介護休業期間は一年以上を確保しなければいけない、することが適切であるということ。なぜかというと、つまりその期間に入所の施設を探す、若しくは入所に慣らす期間をきちんと策定していく、設けていくということでもあります。それから二つ目には、介護休業、介護休暇の分割取得をより弾力化すること。これまた、一度入ったけど駄目やったわ、次行きますわというときにまた休まなくちゃいけないんですが、今法的には数回しか認められていないんですね。でも、何度かやっぱり休みたいというような声があります。それから三つ目には、今増えている非正規労働者の方々です、この方々についても、介護休業を取得する場合の今要件がかなり厳しいものがありますので、やはり要件緩和を求めていきたいというふうに思っています。
 介護、育児の休業法、改正されまして間もなく施行されるという運びになっておりますが、改正法がより徹底され、企業が更に進んだ取組が行えるような支援策が求められると思いますので、これについては厚生労働省より見解を求めます。
#25
○政府参考人(吉本明子君) 介護離職防止のために、先般の通常国会におきまして、育児・介護休業法の改正案を成立させていただいたところでございます。
 その内容でございますが、これまで原則一回しか取れなかった介護休業を三回までの分割取得が可能となるということ、また、介護のための残業の免除制度、これを新たに入れたということ、それからまた、有期契約労働者の方々につきましても介護休業が取得していただけるようにその要件を緩和したといったようなことを主な内容とするものでございます。来年の一月施行でございますので、それに向けまして周知徹底を図っていきたいというふうに考えております。
 もう一つ、職場環境、事業主の取組という観点では、あらかじめ介護離職を防止するためにどんなことが必要なのか、労働者にとって必要な情報提供などを行うために、仕事と介護の両立支援対応モデルというものを策定しております。これを更に普及していくこと、また、これも個別の、特に中小企業向けにはプランナーがきめ細かくそのプランの策定を支援していくといったような取組、さらには、助成金の支給などによって取組を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
#26
○矢田わか子君 ありがとうございました。
 続いて、介護の離職問題と同様の性格を持つものとして、医療的ケアを必要とする障害児を持つ親の就労問題を挙げさせていただきたいと思います。
 人工呼吸器を装着している子供、あるいはたんの吸引や導尿を必要とする子供、自宅で看護している、そんな親、多くいます。保育園や学校に通わせるにしても、ずっと付添いをしなければいけない、そんな状況にあります。
 前通常国会で、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部改正案が可決、成立し、医療的ケアを必要とする障害児への支援が明文化された、これは大変有り難いことだというふうに思っております。ただ、これからは具体的な支援策講じていかなければならない段階に入っていると思います。
 医療的ケア児は、平成二十五年度では二万五千百七十五人とされており、現在も増加の傾向にあります。しかし、保育園や幼稚園でも預かってもらえず、多くの親が仕事を諦めて看護を続けなければならない、そんな状況に置かれております。幼稚園や小学校で受け入れてもらえても、看護師が配置されないために親が付きっきりになって看護をする、あるいは、訪問看護をしてもらっても、健康保険上の規定、つまり訪問看護は居宅、住む家に限るということから保険給付の対象とならず、家計の大きな負担になっているという現実もあります。先日も、支援者の方から、保育園、学校への訪問看護も保険給付の対象にならないでしょうかという御要望を受けています。
 健康保険上の改正という厚生労働省のマターですが、あえて取り上げさせていただきました。医療的ケア児の問題は、これまで数が少なかったので福祉政策の遡上には上がってこなかったと思われますが、一億総活躍の観点からも、国、地方公共団体として対策強化をしていただきたい。御見解をいただけますでしょうか。
#27
○国務大臣(加藤勝信君) 人工呼吸器などを使用しながら在宅で生活を送っている、あるいは医療的なケアが必要なお子さんが、これは明らかに増えているんだろうというふうに思っております。
 そして、今御指摘ありました、先般の、さきの通常国会で成立した改正児童福祉法において、医療的ケアが必要な障害のあるお子さんやその家族を地域でもしっかりと支えられるよう、地方公共団体で医療、福祉、教育等の関係者の連携体制を構築していく。そのお母さんが、この分野はここへ行く、この分野はここへ行くということで、かえって負担をするんではなくて地域全体でやっぱり支援をしていく体制を組み上げていくということが必要なんだというふうに考えておりまして、まさに一億総活躍社会の実現という意味においても大変重要な取り組むべき課題だというふうに認識をしております。
 今回の法改正を踏まえて、医療的ケアが必要なお子さんがおられる御家庭でも仕事と家庭の両立が図られるよう、その支援の充実にしっかりと努めていきたいというふうに思っております。
#28
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 是非とも、保育園、学校等でも訪問看護ができるようにお願いをしたいと思います。
 続いて、男女共同参画についてお伺いをしていきたいと思います。
 政府は、昨年十二月二十五日、第四次の男女共同参画基本計画を閣議決定されました。雇用面では、男性中心型労働慣行等の変革というものを打ち出されたことは大きな前進として捉えております。実際に、大企業を中心に女性社員の幹部登用が進み、また公務部門においても女性の採用が大きく拡大しております。
 しかし、依然として我が国の男女格差は大きなものがあります。世界経済フォーラムで先月発表されましたジェンダーギャップ指数二〇一六では、御存じのとおり、日本は百四十四か国中百十一位、一位ではなく百十一位でありました。去年は百一位でしたので、また十位下がったということでもあります。日本は二〇〇六年の八十位を最高に、それ以降は百位前後を低迷している状況にあります。とにかく男女共同参画の取組が国際的に見ても非常に遅れているということであると思います。
 特に、その中でも顕著に遅れているのが政治分野であります。基本計画では、二〇二〇年までに指導的地位に女性が占める割合、少なくとも三〇%となるようにというふうなことですが、国会議員について言えば、女性比率は現在、衆議院で九・三%、参議院で二〇・三%にとどまっております。特に、国際比較が可能な下院について見ると、本年一月現在で日本は百九十一か国中百五十六位となっております。資料二をお配りしましたが、これは、先進工業国で構成されるOECDの加盟国三十四か国中最下位にあります。世界の平均二二%ですので、せめて今の比率を倍増するような取組が必要ではないでしょうか。
 その際、国際的な事例からしても、最も大きな効果を上げている施策としてクオータ制の導入があります。法律によって女性の議席を確保する、法律のクオータ制は憲法の平等の原則から疑義が生じるという見解もありますので、現実的な方法としては、政党におけるクオータ制の導入を促進するというような方法が取れないかと思っております。例えばイタリアでは、二〇一三年二月の総選挙に向け、政党の候補者において一方の性が全体の三分の二を超えると政党助成金五%減額するという措置がとられました。こうした施策もポジティブアクションの事例の一つと思っております。
 現在の政府の基本計画では、このようなクオータ制は「各政党において検討が進められるよう、調査研究を行い、参考となる情報等も活用しつつ、各政党に対し、自主的な導入に向けた検討を要請する。」という程度にとどまっております。
 この課題は極めて政治自身の課題でありますが、政府としても、加藤担当大臣のいらっしゃる間に是非とももう一歩踏み込んだ対策ができないかどうか、是非とも、男女共同参画担当加藤大臣、よろしくお願いします。
#29
○国務大臣(加藤勝信君) 政治分野における女性の参画拡大ということは、まさに政治に多様な民意を反映するという意味においても大変重要な取組だというふうに考えております。
 ただ、残念ながら、我が国の状況、先ほど世界経済フォーラムにおけるジェンダーギャップ指数のお話もありましたけれども、低い理由の、要因としては、経済の分野とこの政治の分野がございます。そして、衆議院、参議院合わせて女性の比率は一三・一%ということで、まだまだ国際的な水準と比較すると高いとは言えない、低い、むしろ低いと言っていいべき状況なんだろうというふうに思います。
 そのため、政府では、男女共同参画基本計画においても、各政党に対してポジティブアクション導入の検討を要請するなど働きかけをするということで、これまでも、私自身、もちろん、与党そして御党にもそうしたことで要請をさせていただいたところでございます。
 また、今各党において超党派の議員連盟が結成されて、今いろんな議論が行われておられる。そして、御党を含めて、共産、社民、生活、四党による政治分野における男女共同参画の推進に関する法律が前通常国会に提出されたというふうに承知をしているところでございます。
 議員立法、またその国会での取扱いについて私どもがとやかく言う立場ではございませんけれども、先ほど申し上げたように、政治分野における女性の参画拡大、これは極めて重要な課題だと、こういうことを念頭に、政府としても、政党における様々な取組、またその検討が進んでいくように努力をしていきたいと考えております。
#30
○矢田わか子君 ありがとうございました。
 やっぱり政治の分野というのは、国民の皆さんから見ても、国のリーダーシップを取る機関でもありまして注目されています。そこがどこまで進むかによっていろんなところに影響を及ぼすと思いますので、是非とも前進をお願いしたいと思います。自民党の皆様もどうぞよろしくお願いいたします。
 最後になります。まち・ひと・しごと創生についてお伺いをしたいと思います。
 若い女性の減少から、二〇四〇年頃には消滅可能性のある自治体が八百九十六に上るという日本創成会議のレポートが大きなショックを与え、各自治体における町づくり、人づくりについては一段と真剣味を帯びてきております。また、内閣府のまち・ひと・しごとの創生本部も、地方支援のための政策づくりや予算確保に精力的に動いておられます。この政策の中心的課題は、仕事が人を呼び、人が仕事を呼び込む好循環を確立することにあると思います。地方の新たな人の流れを生み出し、町に活力を取り戻すことにあります。そして、そのためには、それぞれの地域において産業を振興させることが不可欠であると思っております。
 その際、留意しておくべきことは、政府は外部人材の活用を重視され、例えば地方創生人材支援制度として、今、意欲と能力のある国家公務員、大学の研究者、民間人材を市町村長の補佐役として派遣し、地域に応じた処方箋づくりを支援するという制度を運用されております。しかし、地域を担う人材は、実はその地域に豊富におられると思います。
 資料三を御覧ください。これ、山形県の事例です。山形では、経済産業省が進めているものづくりカイゼン国民運動の取組として、企業のOBを対象に、中小企業の経営革新や生産革新を指導する改善インストラクターの養成が行われております。例えば、山形大学で行われているシニアインストラクター養成スクールでは、この資料によると、域内企業からインストラクターの候補者を出し、スクールでそういう方々を育て、プール人材として域内の企業に派遣していくというふうなことになるわけですが、そういう方々がインストラクターとして中小企業に派遣され、実際に生産性向上で大きな成果を上げている事例があります。部材の移動距離を大幅に削減して何千万もの効果を出したり、生産リードタイムの短縮を図ったりということであります。
 この例に見られるように、地域には、自治体、企業、金融機関、労働組合など、地域の活性化、産業活性化に関わる専門知識を持った人材が埋もれています。一定のカリキュラムによる研修を行えば相当の力を発揮する人材に生まれ変わり、その事例として山形を挙げさせていただいた次第です。
 今後、まち・ひと・しごとづくりを担う人材がますます求められると思いますので、こういった経済産業省の取組とも連携しながら、是非とも地方の活性化に取り組んでほしいと思います。単にお金をまくだけではなく、その地域で産業を生み出す、その取組について、是非とも担当の山本大臣より御見解を伺いたいと思います。
#31
○委員長(難波奨二君) 時間が参っておりますので、大臣、簡潔に答弁をお願いいたします。
#32
○国務大臣(山本幸三君) 御指摘のように、地方における産業の創出だけじゃなくて、担い手の育成が大変大事であります。山形大学の例は大変すばらしい例だと思っております。
 そうした意味で、こうした政府の施策をしっかりと活用しながら、産学官金労士の多様な主体が連携してそうした指導者を再教育して、地域の中小企業の生産性向上に役立つということが大変大事でありまして、こうした先進事例を横展開をしっかりと図っていきたいと思っております。
#33
○矢田わか子君 ありがとうございました。是非ともよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
#34
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 まず、私は、経済統計の改善ということにつきまして御質問をしたいと思います。
 経済統計につきましては、内閣府に山本大臣を中心とした改善策を議論する研究会が設置をされ、より実態に反映したデータの作成が期待をされております。なぜ見直しが必要なのかといえば、言うまでもなく、統計が正確ではないと様々な経済対策あるいは金融政策等に問題が生じるからでありまして、特に昨今は日本経済が一%を上回るか上回らないかというようなところで大変に競っているところでありますので、ちょっとした誤差による、データがですね、成長率、それによってプラスになったりマイナスになったりするぐらいのところにあります。また、景気マインドの好転ということからいたしましても、その環境整備に統計の見直しは急務だと私は思っております。
 今日、お手元に日銀のワーキングペーパーを用意させていただきました。御覧いただきますと、これは本年七月に日銀がワーキングペーパー、一つの論文としてホームページ上に掲載をしているものでございます。GDP統計で、税務データを用いた分配側のGDP試算ということを発表されているわけであります。
 これを見ていただきますと、名目GDP、二〇一四年度、赤線が試算値、すなわち日銀の試算でありますけれども、五百十九兆円、青線は内閣府の現行値、支出側GDPで四百九十兆円と、これだけ大きく違ってきております。その要因が下に書いてございまして、ピンクが雇用者報酬分で十四・四兆円、そして営業余剰分で十二・六兆円違うと、こういう分析をされております。裏には実質GDPを試算したものが出ておりまして、これも赤線、日銀では五百五十六兆円、そして内閣府では五百二十五兆円と。それを前年比でいわゆる成長率にいたしますと、日銀でいえば二〇一四年度はプラス二・四%の成長、しかし内閣府の統計ではマイナス一・〇の成長、マイナス成長と。まさにプラスとマイナスが全く違うという、こういう状況でございます。
 これは、やはりいろんな政策を打ち立てる際に、マイナス成長から先どうするのかと考えるのとプラス成長から先どうするのかと考えるの全然質が違ってくるわけでありまして、なぜこうも違うのかということについて、まず、今日は政務官にお忙しいところお越しいただきました、御説明いただきたいと思います。
#35
○大臣政務官(武村展英君) お答え申し上げます。
 御指摘の論文につきましては、日本銀行の職員が個人として作成をされているものであるというふうに認識をしております。個人の論文の試算値と内閣府の公表値の違いにつきましては、計算の方法や基となるデータ、基となる一次統計が異なること、そうしたことが背景にあるというふうに考えます。
 日本銀行の職員が個人として作成されたものにつきましては、税務情報や法人企業統計等を基に年次の分配側GDPを試算したという一つの試みであるというふうに承知をしています。
 一方で、内閣府のGDP統計につきましては、国連の定める国際基準を踏まえました標準的な手法にのっとって、工業統計等の各種の詳細な一次統計を活用しまして、できるだけ精緻な形で支出側や生産側のGDPの推計を行っているところでございます。
#36
○西田実仁君 個人ということを強調されておりますけれども、しかし、別に個人のホームページに出ていたわけじゃないんですよ。日本銀行という中央銀行のホームページに掲載をされているワーキングペーパーであります。
 もちろん、手法が違ったり、基づく統計が違うわけでありまして、違うということを殊更強調するのではなくて、どこが、どういう手法が違って、何を使っているのか、それでなぜこんなに違ってくるのかというところをきちんと見詰めるということが私は生産的ではないかというふうに常々思っておりまして取り上げさせていただきました。
 今、様々、基礎統計の見直しをされている中で、例えば家計調査、これはサンプル調査でして、家計簿から取り上げておりますけれども、これが偏りがあるんじゃないか、捕捉率が低下しているんではないかとか、あるいは昨今のネット販売等の実態にそぐわなくなってはいないか、こういう問題も指摘されております。
 私も税制調査会で党内でやっているときにも、家計簿を使っていろいろ計算すると、身の丈がそもそも経済全体と違っているものですから、家計簿から推計すると違う答えが出てきて、軽減税率の導入の際の議論では大変に物議がいろいろ出ました。そういう経験もございました。
 また、設備投資におきましても、法人企業統計を使ってまいりますと、中小零細企業のデータが十分に反映されていないんではないかということがもう前から指摘をされておりますし、研究開発投資あるいはソフト投資が反映されにくいという問題点も指摘をされております。
 政務官には、もう一つ、この家計調査や法人企業統計など基礎統計をどう見直してより実態にそぐうように改善していくのか、今後のスケジュールも含めましてお聞きをしたいと思います。
#37
○大臣政務官(武村展英君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の経済統計につきましては、経済運営に当たって大変重要なものでありまして、不断の改善が必要であるというふうに認識をしております。
 現在、経済財政諮問会議におきまして、GDP統計を軸としました経済統計の改善について議論が行われているところでございます。このため、内閣府におきまして、より正確な景気判断のための経済統計の改善に関する研究会で専門家による議論を行っているところでございます。先生御指摘のGDP統計以外にも、家計調査や法人企業統計などもございます。こうした各種経済統計の精度向上やビッグデータなどの新たなデータ源の活用等について検討をしております。
 スケジュールにつきまして、本年十月二十一日の経済財政諮問会議におきまして、安倍総理から石原大臣に指示がなされております。各種統計の改善方策やその工程などにつきまして、年内をめどに政府としての基本方針を諮問会議において取りまとめるよう御指示があったところでございます。
#38
○西田実仁君 山本大臣におかれましては、確かな根拠に基づく政策立案の定着ということで検討を行っておられるとお聞きしております。より実態に近い統計手法の見直しについての御所見をお伺いしたいと思います。
#39
○国務大臣(山本幸三君) 私どもの下の研究会は、財政が厳しくなった下で、政府の政策をより説得力あるものにするためにはしっかりしたエビデンスに基づいた政策立案でなければいけないと、そういう観点から、その立案の基礎となる最たるものが統計でありますので、これをちゃんとしたものにしなければいけないというユーザー側の方からアプローチしたいと考えているわけであります。
 その意味では、今の、最近の議論の中でちょっと気になっておりますのは、景気判断のためだけにその統計を考えるような感じがありまして、それでは本質を見失うと私どもは考えています。つまり、GDP統計というのも、景気判断だけ考えて、あるいは四半期のGDP統計だけを見ていたら、本質的な日本経済の構造問題は分析、理解ができないと思います。私どもは、その意味で、景気判断という部分的な考え方じゃなくて、本当の意味での日本経済の構造をしっかりと分析して理解し評価をするという必要のための統計の改革が必要だと思っているわけであります。
 その意味で、例えば成長戦略を考えるときに、今の統計では産業別の生産性上昇率の統計はありません。あるいは産業別のGDPデフレーターもありません。そういうものをしっかりとしていかなければならないと思っておりまして、その意味では、GDP統計も今、日本の場合は支出面が中心でありますけれども、国際的な基準は生産面に移っておりまして、むしろそういう方向で考えていく必要があるし、そうすることによって、今ない統計のサービスとかあるいは各産業別の生産性とか、そういうものが出てくるんじゃないかというふうに思っておりまして、そういうユーザーの立場からしっかりとした統計に直していく必要があると、そういう問題意識でやっていきたいというふうに思っております。
#40
○西田実仁君 そういう試みは大変大事だと思います。
 一方で、私の常々の問題意識ですけれども、行政府の方にはそうした統計は当然出されて議論していただいておりますけれども、諸外国にありますように、立法府の方にもそうした経済統計を分析をするあるいは長期推計をする機関なり機能というものがやはりなければ、行政府と立法府の間で生産的な議論ができないのではないかというふうに思っておりまして、こうしたことは私の問題意識としてまた進めていきたいというふうに思っております。
 次に、財政投融資の運用残と行政改革ということの観点からお聞きしたいと思います。
 二枚目のページを見ていただきますと、財政投融資計画と実績ということで、過去十年にわたりまして様々、この財政投融資の運用残というのがどうなのかというのを調べてまいりますと、大体、計画に対する実績は八割に満たないというふうに過去十年なっているわけであります。折しも今日から秋のレビューが開催をされて、山本大臣の問題意識には、より成長戦略を深く議論する方針というふうにも伺っておりますので、あえてお聞きしたいと思って今日は取り上げました。
 財務省の方に今日来ていただいておりまして、財務省理財局が出しております報告、財政投融資資金運用報告というのがありますが、この説明資料を読みますと、なぜその計画に対して実績が過去私が言う十年で八割を切っているのかという中に、例えば平成二十一年から二十三年の間の、リーマン・ショックによって厚めにセーフティーネットだから計画を立てたけれども実績が及ばなかったとか、あるいは東日本大震災という特殊事情を挙げられたりということで、毎年、毎年度なぜこれだけ運用残が出ているのかという理由は述べられております。それはつぶさに拝見をしました。しかし、そうした特殊事情の期間を除いても、実はこの計画に対する実績率というのは八割に満ちていないという実態がございまして、つまり巨額の運用残額というのは恒常的になっているというふうに言わざるを得ないというふうに思います。
 考えられる原因としては、計画そのものが大変に高いと、実態と懸け離れているんじゃないか、まあそれはいろんなセーフティーネットとか理由があると思います。一方で、実際に融資をする側の地方公共団体でありますとかあるいは日本政策金融公庫等の融資機関の融資能力あるいは融資支援能力というものが不足していてなかなか計画に達しないんじゃないかという理由も考えられるし、あるいは双方かもしれません。
 いずれにいたしましても、これだけ恒常的に巨額の運用残額が続く現状は正常とは言えないと私は思いまして、財政政策と金融政策は経済運営の両輪であります。財政政策の重要な一部を成す財政投融資の運用が、もし、財政再建の要請の高まりを背景に、恒常的な運用残額を是認するということではいけないのではないかという問題意識も一方でございます。是非、今日は財務省から、まずこの現状、なぜこうなっているのかを簡潔に述べていただきたいと思います。
#41
○政府参考人(北村信君) お答えいたします。
 財政投融資計画の執行率は、議員御指摘のとおり、近年では八〇%程度となっております。執行されなかった部分について申し上げますと、まず、日本政策金融公庫における中小・小規模事業者の資金繰り支援のためのセーフティーネット貸付けに十分な融資枠を確保するなどの万全の対応を取った結果、執行されなかった枠があるということ、それから、地方公共団体における工事入札に伴う事業費の減額等によるものなどなどが約二〇%であるというものでございます。
 財政投融資計画の編成に当たりましては、過去に運用実績の少なかったものに対してはその実績を勘案して財投計画枠を減額するなど、適切な編成に努めてまいりたいと存じます。
 他方で、財投の活用を図る観点から、平成二十七年度より財務局において、地方自治体や地域金融機関に対して財投施策の説明会を実施しておりまして、こうした機会を活用して財投施策の更なる周知を図ってまいりたいと存じます。
 なお、財投につきましては、議員御承知のこととは存じますけれども、財投機関の執行状況に応じて財投債を発行しており、運用残部分について財投債は発行していないため、無駄な財投債の発行や利払いが生じているわけではないことは申し添えておきたいと思います。
#42
○西田実仁君 今年度におきましては、この間、第二次補正予算でも財投、補正計画をいたしまして、上積みしました。昨年の実績が約十二兆に対して、第二次補正予算も含めますと、プラス約七兆円の財投計画になっているんですね。
 この七兆円という額は、そのまま一〇〇%もし実施すれば、それだけの景気刺激効果があるわけです。もちろん無駄は必要ありませんけれども、七兆円という額は、今年第二・四半期のGDPギャップが約五兆円のマイナスでありますから、これをちゃんと執行すると、そのGDPギャップを解消するほどの効果があるということになるわけであります。
 まず、今お話しの、御説明のように、今年度、二次補正までわざわざ組んだわけでありますから、きちんとそれを実行できるようにして景気を浮揚していただかなければならないと。そして、来年度以降については、おっしゃったような立案の適正化をしていくということが必要でしょうし、あるいは融資能力や融資支援能力をもっと向上させるということも必要だと思いますし、参議院での決算審議ということもより強化をしていかなければならないというふうに思います。
 山本大臣に、こうした行政改革を所掌する大臣として、今の議論を聞いての御感想をお聞きしたいと思います。
#43
○国務大臣(山本幸三君) 財投としての特殊性もあると思いますが、安全性を見ておくという必要があるということもありますが、しかも、実質的なコストの負担というのはないようにしているということでありますが、ただ、恒常的に余りに差があるというのは好ましいことではないというふうに考えておりますので、これは、返済、執行の両面から適切な財投計画を編成して、効果的な運用が行われるように工夫を是非してもらいたいと思っております。
#44
○西田実仁君 今、山本大臣からも御説明いただきました。
 ここまでが大臣のところですので、もし委員長のお許しが出れば、山本大臣は御退席いただいて結構でございます。
#45
○委員長(難波奨二君) 山本大臣は御退席していただいて結構でございます。
#46
○西田実仁君 時間がちょっと限りがありますので、建設業の技能労働者の働き方改革について質問したいと思います。
 特に、技能労働者の担い手確保ということで、かなり過酷な労働環境になっております。特に夏場、昔はまだ鉄板とか敷き詰められていませんでしたので照り返しもそうなかったわけですけれども、今はもう体感としては四十度近くある。熱中症で亡くなられる方も全国で十一人と、他産業に比べると多いのが建設産業の技能労働者でございます。
 この熱中症対策、どう国交省進めているのか、また、安全対策の指針を実効性を担保するためにどのような工夫をされるのか、お聞きしたいと思います。
#47
○政府参考人(五道仁実君) お答えいたします。
 建設産業は、社会資本や住宅の整備、維持等を通じて我が国の社会経済の発展を支え、地域を守る国民に不可欠な産業である一方、その労働環境については、きつい、汚い、危険、3Kと言われるなど、その改善は急務でございます。
 このため、国土交通省においては、熱中症対策として、これまでも現場において安全管理活動として朝礼やミーティング等による作業員の健康チェック、また注意喚起を行ったところでございます。さらに、今後、熱中症対策の事例集を取りまとめるとともに、今年度中に安全指針を改定し、熱中症対策を盛り込みたいというふうに考えてございます。国土交通省としては、このような取組のほか、i―Constructionの導入等を進めながら、担い手の確保に努めてまいりたいというふうに思います。
 また、実効性の担保ということでございますけれども、国土交通省では、契約図書においてこの改定いたします安全指針の遵守を求めるとともに、工事成績の評定時に取組の内容に応じて厳しい作業環境の改善に関する工夫として評価をするなど、熱中症対策が建設現場に浸透するよう適切な措置を講じてまいります。
#48
○西田実仁君 時間になってしまいました。終わりたいと思います。済みません、大臣。
#49
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 子供の貧困問題について質問をいたします。
 日本は一人親家庭の貧困率が五〇%を超えると。OECD諸国の中でも最も高くて、そこへの経済的支援というのが急務だということは明らかです。
 政府も今年度から、児童扶養手当について第二子以降の支給額を引き上げるという施策を取りました。二の矢、三の矢が求められているというふうに思うわけですけれども、子供の貧困対策に関する大綱、これを見てみますと、経済的支援、いわゆる家計の支援に値するような政策というのが見当たらないわけですね。
 今後、この分野どうするのか、加藤大臣にまずお聞きしたいと思います。
#50
○国務大臣(加藤勝信君) 政府においては、今お話がありました子供の貧困対策に関する大綱に基づきまして、子供の将来がその生まれ育った環境に左右されない、そういった意味で教育の支援、生活の支援、保護者に対する就労の支援に加えて経済的な支援など、子供の貧困対策を総合的に推進するとしているところでありますし、今お話がありましたように、すくすくサポート・プロジェクトやニッポン一億総活躍プランを決定をした中で、給付型奨学金の創設や養育費の確保の仕組みについての検討を開始するなど、多方面にわたって子供の貧困対策の拡充を進めさせていただいているところでございます。
 今御指摘ありました経済的支援については、第二子以降への児童扶養手当の加算額の倍増を行ったところでございまして、この平年度化が平成二十九年でございますから、まずその予算の確保にしっかり取り組んでいきたいというふうに思っております。
 その上で、これまで実施した施策の効果も含めながら、経済的支援だけではなくて、先ほど申し上げた総合的に様々な支援について検討を進めて必要な施策を講じていきたい、こういうふうに考えております。
#51
○田村智子君 やっぱり家計の支援というのが本当に必要だと私は思っているんですね。ところが、心配な動きがあるんです。
 十月二十七日の財政制度審議会財政制度分科会に社会保障に関する財務省資料が提出をされました。その一部、今日、配付資料していますので、表紙をおまくりいただきたいと思います。生活保護の基準と消費実態(有子世帯の扶助等)という資料があります。有子世帯というのは子供のある世帯ですね。
 これはどういう資料かといいますと、低所得者から高所得世帯まで、これ十の分位に階層を区切りまして、それぞれの階層ごとの生活扶助相当の消費支出なるものを財務省が全国消費実態調査から試算をしているんですね。これどういうものかと。その消費支出の中から住居費を除くとかあるいは教育支出を除くとかこういうのをやって、生活扶助相当という新たな概念をつくり出したかのようにして試算をしているわけです。
 その中で、論点の中でどう書かれているか。この生活扶助水準、これは母子世帯と比べると、五百万円を超える世帯の消費支出と同水準であることを意味していると。この生活保護世帯というのは、二級地一、栃木県宇都宮市を例に取って、母子世帯で子供が二人という設定なんです。一般世帯、五百万円を超える世帯と消費支出が同水準であると。
 これ財務省にお聞きしたいんですけれども、ということは、この母子世帯の生活保護世帯は、五百万を超えるような収入の一般世帯と同じような生活水準、子供の生活環境が同水準であると、こういうことが言いたいわけですか。
#52
○政府参考人(藤井健志君) お答え申し上げます。
 御指摘の資料は、平成二十九年度に次期生活扶助基準の検証が行われますことを踏まえまして、財政制度等審議会における議論の土台として私どもの立場から提案を行ったものでございます。
 今般の資料は、委員からの御指摘もありましたように、一般世帯における消費支出全体から住居、保健医療、教育などを控除して算出いたしました生活扶助相当の消費支出と、一例として母子世帯の保障水準を比較しているものでございます。このため、同じく十八万円だからといって、母子世帯の子供の生活水準や環境が年収五百万円を超える世帯と同水準であることを意味しているものではないと、かように認識しているところでございます。
 いずれにいたしましても、今後、生活保護の保障水準については、厚生労働省において検証、議論が進められていくものと承知しているところでございます。
#53
○田村智子君 極めて恣意的な資料なんですね。実態と乖離しているんですよ。
 次のページ見ていただきたいんですね。さきの資料と同じ手法で、今度は収入三百万円以下の一人親世帯のまた生活扶助相当支出というのを算出して、一人親世帯の生活保護基準額、これは生活扶助、児童養育加算、母子加算、教育扶助、これ積み上げているんですね、これと比較をして、一般低所得世帯、年収三百万円未満の世帯における消費実態と比べるとはるかに高い水準だとしているわけです。そして、このページの下、改革の方向性、案、何と書いてあるか。生活扶助の保障水準について、一般世帯の消費支出と比べ不公平感を招く水準とならないように検討するべき、また、有子世帯の加算、扶助についても、その在り方、水準について検証を行うべきであると。
 つまりは、一人親世帯の生活扶助基準、母子加算、児童養育加算、教育扶助の水準が高過ぎるんだ、不公平感を招くんだと、こういうことが言いたいわけですか。もう一度財務省お願いします。
#54
○政府参考人(藤井健志君) 御指摘の資料でございますが、ここでは、一例といたしまして、母子世帯の生活保護基準と一般低所得世帯、世帯年収三百万未満でございますが、におきます一人親世帯の消費支出を取り上げて比較しているものでございます。
 生活保護制度につきましては、一般世帯との公平性が確保され、また適正に運営されることで国民からの信頼を得ていくことが制度の持続性を確保する意味でも重要なことだと考えております。そのため、次期生活保護基準の見直しにおいては、一般世帯の消費支出と比べ不公平感を招く水準とならないように検討していただきたいという改革の方向性について述べたものでございます。
#55
○田村智子君 これは本当に、この加算等々に対する見直しって執拗に財務省迫っているんですね。
 二〇一四年度予算執行調査結果、これは財務省、別の資料で示しているんですけれども、子供のいる世帯の生活保護費について、少なくとも、生活扶助費と児童養育加算を加えた水準について、一般所得世帯の消費支出額、生活扶助相当分との均衡を図るよう調整すべきだと、こういう結論付けた文書も示されているわけです。これは事実上、一人親世帯の生活保護費の水準を切下げを検討せいと求めているのと同じなんですね。
 問題は、厚労省がこの予算執行調査の文書をそのまま二〇一四年十月二十一日の社会保障制度審議会生活保護基準部会に資料提出しているんですよ。この議論というのは今に続いています。そして、来年度、生活扶助基準の検証、これやられるわけで、基準部会がまさにその検討を行っているところなんですね。
 私が大変危惧をするのは、小泉内閣、そして第一次安倍内閣が強行した母子加算廃止と同じことが進んでいるのではないかということなんです。このときにも財政制度審議会で、一般母子世帯の平均収入と比べて保護水準を引き下げるということが求められました。しかし、国民の大きな批判、また違憲訴訟の提訴も経て、母子加算は復活されました。原告団、弁護団と厚労省、政府との基本合意の中では、我が国における貧困の撲滅とナショナルミニマムの考え方の確立を目指すということも明記をされたわけです。
 厚労省政務官、お聞きします。この基本合意をほごにして、今後、子供の貧困対策に逆行するような生活保護に関する議論が行われるのではないですか。
#56
○大臣政務官(堀内詔子君) 委員御指摘の資料につきましては、財務省が財政当局の立場から提出された、そういったものと承知しております。
 厚生労働省といたしましては、現在、社会保障審議会生活保護基準部会におきまして生活保護基準の次期検証に向けた検討を進めており、この中で、生活保護制度における母子世帯を含めた子供がいる世帯の扶助や加算の在り方についても議論しているところであります。同部会では、子供の貧困対策の観点も踏まえて、一般低所得者世帯とのバランスという考え方のみで見直すことは適切ではないという意見も述べられております。
 厚生労働省としては、様々なデータに基づきながら検証を進め、議論を深めてまいりたい所存でございます。
#57
○田村智子君 これ、生活保護の制度を議論するときにも、私は、子供の貧困の解決をどう進めるのかという、この視点を欠くことは絶対にあってはならないというふうに思うわけです。
 この間、子供の貧困問題に取り組む研究者からは、やっぱり経済的困難というのは消費だけじゃないんですよ、子供の社会的な経験の不足が子供の学習意欲に影響を与えていると、こういう調査結果が様々に示されています。母親と子供の接する時間がほとんどなかったり、休日も親子で過ごす時間がない、博物館や美術館あるいは映画や演劇、音楽の鑑賞、こういう機会がない、旅行やイベントへの参加の機会もない、こういうことが子供の成長、学習意欲に影響を与えているという指摘です。実際に、生活保護世帯、一人親世帯の、その他の世帯と比べると、高校進学率に明確な格差もこれ出てくるわけですよね。
 また、今日資料でもお付けしましたけれども、生活保護世帯が抱える様々な困難、これが子供にどういう影響を与えているかということも見るべきです。厚生労働省がナショナルミニマム研究会に出した資料の中では、健康状態に関する調査というのが出されています。時間がないので詳しく述べませんけれども、健康状態が悪いとか、心のストレスを抱えているという割合は、これ保護世帯のお母さんの方が、母子世帯で比べたとき、はるかに大きい。その状態が子供たちにどういう影響を与えているかということを見ていかなければならないと思うんですね。
 それで、加藤大臣にお聞きしたいんです。生活保護の世帯よりも低い収入の世帯が相当数ある、これ、私もそうだと思います。このことを議論するならば、そういう世帯をどう支援をして生活の底上げを図るのかと。このことを議論しなかったら、子供の貧困の解決の議論になっていかないというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
#58
○国務大臣(加藤勝信君) 子供の貧困という立場で申し上げさせていただきますと、先ほども申し上げましたが、子供の貧困対策を進めるに当たっては、教育の支援、生活支援、保護者に対する就労の支援等、まさに様々な課題があるわけですから、それに応じて総合的に支援を行っていく必要があるというふうに思っております。
 そういう中で、今御指摘の経済的な支援でありますけれども、こうした経済的な支援、そして現物給付、こういったものも組み合わせた形でそうした世帯の生活の下支えをしていく、こういった必要があると思っておりますし、さらに子供の貧困対策大綱においても、経済的支援に関する施策については子供の貧困対策の重要な案件として確保していく必要があると明示的に述べているところでございます。
 具体的な施策については、それぞれの趣旨等があって議論されているんだろうと思いますが、大事なことは、必要とする方に必要な施策があるいは必要な支援が届けるようにしていく、このことが大事であるというふうに考えております。
#59
○田村智子君 これ、低い方に合わせるなんて議論やっていたら、子供の貧困の解決にはならないということ、これを厳しく指摘しておきたいと思います。
 最後一問、給付制奨学金についてお聞きします。
 文部科学省の検討チームでは、児童養護施設退所者、生活保護世帯、住民税非課税世帯を経済的な基準として、ここに給付制奨学金やっていこうという検討がなされています。しかし、現在の生活保護の実施要領では、保護世帯の子供は、高校卒業後は稼働能力を生かすことが求められ、昼間の大学等への進学は認められていません。これは、整合性取れるように生活保護の実施要領の見直しが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
#60
○政府参考人(中井川誠君) お答え申し上げます。
 生活保護制度につきましては、利用できる資産、能力その他あらゆるものを活用することを要件としておりますことから、高校卒業後は、就学によって得られた技能や知識の活用を図り就労していただくこととしております。したがいまして、現行の運用上、生活保護世帯の子供が大学に就学する場合には、その子供についてはその世帯から分離した上で進学していただく取扱いとしているところでございます。
 現在文科省で検討されております給付型奨学金につきましては、生活保護世帯を含む低所得者世帯を給付対象とすることが検討されておりますが、これは、大学入学後に世帯分離により生活保護世帯から除外されたとしても、生活保護世帯以外の世帯の子供と同様に、経済的事情により就学を断念することがないよう、その負担を軽減するために奨学金の支給対象とする方向で検討されていると承知しております。
#61
○田村智子君 これ、結局、実施要領を見直しをしないと、進学した後、生活費は自分で稼げよということになるわけですね。奨学金が学費や教材費、全部賄えるような額にもならないというふうに思うわけですよ。
 これ、いろいろ難しい問題あると思います。しかし、もう時間がないので要望にとどめますが、是非政府全体として、一般低所得世帯、生活保護世帯、高校卒業後の進学を保障するためにどうするかということ、これ真剣な議論をしていただきたいということを要望いたしまして、質問を終わります。
#62
○清水貴之君 日本維新の会の清水と申します。よろしくお願いします。
 今日は、規制緩和そして地方創生の観点から、民泊についてお聞きをしたいと思います。
 この日本国内でも今この民泊というのが大変なスピードで広がっていっているというふうに思いますが、まずその基本的な政府の考えなんですが、民泊に対して推進をしていく立場なのか、それとも、今様々問題も起きているというふうに認識していますので、規制を掛けていくというようなそういった立場なのか、その辺りについてお聞きしたいと思います。
#63
○国務大臣(山本幸三君) 民泊サービスにおける規制改革につきましては、本年六月に閣議決定されました規制改革実施計画において、年間提供日数上限などの一定の要件を満たす民泊サービスを適切な規制の下で推進できるよう、家主居住型、家主不在型の類型別に規制体系を構築し、平成二十八年度中に法案を提出することとされております。これを踏まえまして、現在、厚生労働省及び国土交通省において、次期通常国会への法案提出に向け、関係者との調整を行いつつ、具体的な制度設計を進めていると承知しております。
 民泊サービスは、多様化する宿泊サービスや増大する宿泊需要への対応、空き家の有効活用等に極めて有効であり、違法な民泊サービスを排除するためにも適切なルールの整備が重要であります。規制改革担当大臣としても、しっかりと検討状況等をフォローし、民泊サービスが円滑に全国で展開されるよう取り組んでまいりたいと思っております。
#64
○清水貴之君 今お話しされたように、確かに今宿泊施設の不足も言われていますし、二〇二〇年の東京オリンピックというのもありますので、それに向けて、そうやって外国の方が泊まれる場所を増やしていくというのは非常に意義のあることじゃないかと思うんですが、ということで民泊の国内の物件も伸びているんだと思います。
 現状で、国内で営業している、使われている民泊としての部屋数であったりとか、この数というのはどのように把握をしているんでしょうか。
#65
○政府参考人(北島智子君) お答えいたします。
 国内のいわゆる民泊を行っている施設及び旅館業法の営業許可を得ている民泊施設の数につきましては、手続がインターネット上で完結していることなどから実態を把握することは困難であり、正確に把握はできておりませんが、例えば本年三月の規制改革会議公開ディスカッションにおいてエアビーアンドビー社が提出した資料によりますと、エアビーアンドビー社のサイトに登録されている日本国内での民泊施設数の登録件数は約三万件であると承知しております。しかし、登録された情報が正確でない場合があるため、実際の件数としてはもう少し少ない可能性があると考えております。
#66
○清水貴之君 もう国内では三万件、もしかしたら、エアビー以外の仲介業者というのも今数多くあるということですから、もっとあるんじゃないかというふうに思います。
 泊まったゲスト、これももう百万人を超えているという話もありますので、しっかりとこの辺も、どういった今状況になっているのか、これを認識していかなきゃいけないと思うんですが、その三万件若しくは四万件の中で、これ民泊というのは旅館業法によってしっかりと許可を得ているか、若しくは特区でその許可を得てやっているか、このどっちかしか正式には認められていないわけですね。それ以外は全て違法な民泊ということになるわけなんですが、しっかりとこの営業許可を旅館業法若しくは特区によって得ている民泊の数か、それがもし分からなければ無許可営業をしている民泊の数、これはどれぐらいだと把握をしているんでしょうか。
#67
○政府参考人(北島智子君) この三万件を対象にした調査の内数ではございませんが、旅館業法を担当する都道府県等の保健所が把握をしている無許可営業の件数は、平成二十七年度で千四百十三件となっております。また、これらの無許可営業施設への指導の結果、営業許可を取得した者は七十六件、営業を取りやめた者は五百三十三件となっております。
#68
○清水貴之君 自治体が把握している千四百十三件、これは無許可営業ですね。今三万件あるうちの千四百が無許可ということで、じゃ、ほか二万七千件、八千件が全部許可を得ているかというと、そうではないですよね、これは、実態は。京都市がこれ調査しているんですね。五か月掛けて調査をしたところ、許可が確認されたのは七%だということです。一〇%未満なわけですね。ほかの九割以上は無許可な営業なわけです。
 ということは、三万件でこれ計算しますと、三、九、二十七ですから、二万件の後半はもう許可を得ていない者だというふうになると思うんですが、これはこのままの状態でいいんでしょうか。旅館業法違反というのは六か月以下の懲役と、しっかり罰則も定められているわけですね。この二万何千件が、中にはしっかりとやっているところもあるでしょうし、とはいえ、そうではなくて、本当にお金もうけに走っていて、いろいろトラブルを起こしているような施設もあると思うんです。
 こういうのをしっかりチェックしていくべきじゃないかと思うんですが、これ法律に違反しているところを野放しにしておく状態で問題ないというふうに思われているんでしょうか。
#69
○政府参考人(北島智子君) 御指摘のとおり、こういった違法な状態を続けていくというのは問題があると考えておりますので、できるだけ旅館業法に登録していただくように、私どもといたしましても、簡易宿所という旅館業法の一類型を今年四月に緩和をいたしまして、できるだけ取っていただくようホームページなどでも呼びかけているところでございます。また、先般には、警察にも御協力をお願いするための依頼をしてきたところでございます。
 しかしながら、なかなかこの状態が改善しないこともありまして、冒頭、大臣から御答弁がありましたように、きちっとした制度に基づいた形で実施をしていく必要があるんだろうと考えているところでございます。
#70
○清水貴之君 今、現状としてはホームページに載っているわけですから、どの建物とかどの部屋がどういった営業をしているかとか、実際泊まる人がいるわけですから、そこに、覆面じゃないですけれども、アクセスしようと思ったら、調査しようと思ったら、調査できるわけですよね。
 そういった実際の実態の調査というのはやっているんですか。それとも、今後やろうとちゃんとしているんでしょうか。
#71
○政府参考人(北島智子君) 調査については現在実施しているところではございますけれども、今インターネット上に載っている物件を私どもも当たってみたところ、実際には掲載されている場所にないものがほとんどでございまして、なかなかインターネットから物件を特定するということが困難な状況になっております。
#72
○清水貴之君 今の実際の地図が載っていないとかというのは、これもいろいろ調べたところ、やっぱり違法な営業をやっているわけですから、ホームページ上にしっかりとした場所とか載せないわけですね。実際に泊まる方が予約をするなりなんなりアクセスをした時点で正確な場所を教えたりということをしているわけですね。ということは、本当に実態が分からないまま、無許可な違法なものがもう世の中にたくさんこれはもうどんどん増えている。エアビーはもうこの一年間で三倍ぐらいに登録件数が増えているという話ですから、どんどんどんどん増えていってトラブルも起きてしまっているということなんですね。
 今のその、エアビーが名前出ていますけれども、仲介業者ですね、この仲介業者は違法な物件を言ってみたら掲載しているわけですね。こういったところで私は法的な責任もあるんじゃないかと思いますし、仲介業者には場所を特定できるような情報が入ってきたりするわけです。仲介業者は実際に物件を載せる所有者のIPアドレスなんかも取得しているという話なんです。
 ですから、こういった情報を持っている仲介業者にしっかりと対応することがこの違法な物件に対処する有効な方法じゃないかと思うんですけれども、仲介業者の責任についてはいかがでしょうか。
#73
○政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。
 いわゆる民泊の仲介につきまして、海外の仲介事業者などが空き家で短期で貸したい人と旅行者をインターネットで仲介しているという状況がございます。これにつきまして、今先生が御指摘のとおり、こういった状況が言わば野放しのような状況になっておりますので、今年六月に閣議決定をされました規制改革実施計画におきまして、民泊の仲介事業者につきましては登録制というような形を導入をいたしまして、消費者の取引の安全の確保の観点から、取引条件の説明でありますとかあるいは行政当局への情報提供などを義務付けるような、こういった方向性が盛り込まれているところでございまして、これを踏まえまして関係省庁とともに関係者間の意見調整を進めまして、次期通常国会に法案提出すべく今検討を進めているというところでございます。
#74
○清水貴之君 例えばですけれども、泊まった部屋で事件が起きました、事故が起きました、火事が起きてしまいました、こういったときに仲介業者の責任というのはどうなるんですか。この辺りもちゃんと考えていらっしゃるんでしょうか。
#75
○政府参考人(蝦名邦晴君) 新しい法律ができますと、制度ができますと、そこについてしっかりとした責務に対して追及をしていくような仕組みができますけれども、現時点で、そのようなことに対して直接的にその仲介に対して罰則を掛けるとか、そういったようなことができない状況でございます。ただ、旅館業法に明らかに違反をいたしますような宿を提供しているということで、仲介規制としては旅行業法という法律がございますので、その宿泊サービスの仲介行為を旅行業ということで登録制度を設けているところでございます。
 この宿泊サービスは、有償で反復して継続されているという場合であれば宿泊サービスに当たるということでございますので、今のこのエアビーアンドビーの実態が必ずしも明らかではございませんので対応がよく分からない部分もございますけれども、旅行業法に該当をするというようなことであれば、旅行業法に基づいて、営業行為、仲介をしていることに対しての法を遵守するような義務を課していくということができると思いますけれども、今実態が必ずしも明らかではないという状況がございますので、新法に基づきまして、しっかりとした登録制の下でこういった違法な仲介が行われないようにしていく必要があるというふうに考えております。
#76
○清水貴之君 新法は早くても来年の通常国会でしょうから、まだ半年ぐらい掛かる可能性があるわけですね。となりますと、その間にも様々な問題が起こる可能性もあります。実態調査、まだ分かりにくいという話ですけれども、それはなるべくもう急いでしっかりと進めるべきだというふうに思いますし、民泊にこれだけ物件が登録されていると、もう違法だと知っていてやっている、貸している人もいれば、そうではなくて、あっ、もういいんだと、空き部屋を自分は持っているから、これを人に貸してちょっとお小遣い、お金を得ようか、収入を得ようかといってやっている人もいると思います。この辺りも法整備をしないと、良かれと思って、悪気なくて、悪意なくてやっている人でも京都市ではもう警察の摘発が入ったという事例もありますから、この辺の法整備もしなければいけないと思うんです。
 私、民泊自体は、規制緩和の中でしっかりとした制度の下で進めることには賛成なんです。その一方で、今みたいな、本当に短期で貸して、営利目的で、例えば又貸ししたりとか、もう収入目的でやっているような民泊と、トラブルも近隣と起こしてしまっているような民泊と、その一方で、ちゃんと家主さんが一緒の場所に住んでいて、ホームステイ型の民泊ですね、外国人の方泊めて、夜は例えば懇談したりとか一緒にコミュニケーションを取ったりして、外国の方も喜んで帰っていただけるような、こういう民泊はしっかりと分けて考えるべきじゃないかというふうに思っています。
 その新法の中で、上限の日数をどうするかという話もあると思います。上限日数決めても、本当に、じゃ年間何日だと決めても、そのとおり営業しているかどうか把握することもこれは難しいんじゃないかと思いますけれども、この辺り、どのような考えでしょうか。
#77
○政府参考人(蝦名邦晴君) 御指摘の年間の提供日数の上限につきましては、やはり先ほどの規制改革実施計画におきまして、年間提供日数上限による規制を設けることを基本とし、半年未満、百八十日以下の範囲内で適切な日程を設定するというふうにされております。
 これを踏まえまして、現在、営業日数の確認の方法も含めまして、関係省庁とともに関係者間で意見調整を進めつつ、法案提出に向けて今検討を進めているところでございます。
#78
○清水貴之君 この場合というのは、例えばもううちは全く認めませんよと、上限を定める方向かなと思うんですけれども、下限についても、もう全くゼロです、私の自治体は全く認めませんということが起きてもこれは可能なんですか。
#79
○政府参考人(蝦名邦晴君) その辺の上限の日程の決め方につきまして、今まさしく関係省庁あるいは関係業界と検討を進めているところでございますので、その検討次第によって決まってくるということだと思います。
#80
○清水貴之君 様々、事情は本当に難しいんだろうなと。進めながらも規制も掛けなければいけませんし、現状把握が本当に難しいんだろうなというのも分かるんですが、ただ、やっぱり違法です。違法なものがこれだけ世の中にたくさんあるというのは、大臣、やっぱり正常な状態ではないと思いますし、トラブルが起きてからでは遅いので、しっかりと見ていっていただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。
    ─────────────
#81
○委員長(難波奨二君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、江島潔君が委員を辞任され、その補欠として今井絵理子さんが選任されました。
    ─────────────
#82
○山本太郎君 ありがとうございます。自由党の山本太郎です。
 会派を代表しまして、一億総活躍に関係する生活保護家庭の子供の進学についてお聞きします。
 生活保護を受けながら大学に就学することは認めない、高校までのスキルで生きろ。大学の受験料や入学金につきまして、奨学金の収入認定除外の対象にはならないと毎回氷のように冷たい答弁が繰り返され、私はそのたびどん引きしていましたが、その状況をどうやら変えていただけたようなんですね。
 まず、一枚目の資料を御覧いただきますと、今年五月十四日、朝日新聞の記事がございます。奨学金を大学などの受験料、入学金に使う場合、収入認定除外する通知を今年度中に出すという記事ですね。二年前に、アルバイト代などを大学等の受験料、入学金に使う場合、収入認定から除外するという通知が出されてから、更に二年掛かってやっとこの通知を出していただけた。厚生労働省、大変すばらしい判断、ありがとうございます。そして、この答弁を勝ち取ってくださった、現在は厚労副大臣の古屋さん、ありがとうございます。
 先ほどの変更、この新しい通知についてなんですけれども、どのような考え方に基づいて行われたのでしょうか。
#83
○大臣政務官(堀内詔子君) 厚生労働省といたしましては、子供の貧困対策に取り組む観点から、生活保護世帯の子供の大学等への進学や就労による自立を支援することは大変重要な課題と考えております。
 このため、本年五月三十一日付けで関係通知を改正し、奨学金等を大学等の入学料及び受験料、そして就職などに伴う転居費用などの被保護者の就労や早期の保護脱却に資する経費に充てた場合に、生活保護制度における収入認定から除外し、その金額が手元に残るよう運用を改めさせていただいた次第でございます。
#84
○山本太郎君 ありがとうございます。
 安倍総理も、子供の貧困問題に関して国会で次のように発言されているんですね。「子供たちの未来が家庭の経済状況によって左右されてはならないと、このように思いますし、望めば全ての子供たちが大学や専修学校に進学できるような状況をつくっていきたいと思います。」。
 この安倍総理の御発言は、一億総活躍大臣でもあり、子供の貧困対策に関わる加藤大臣のお気持ちと一致されていますでしょうか。
#85
○国務大臣(加藤勝信君) 今総理の発言をお述べいただきましたけれども、子供たちの未来が家庭の経済事情によって左右されることがあってはならないという考え、これは、子供の貧困対策を担当する私としても、それを踏まえて進むべきものというふうに思っておりますし、そうした全ての子供たちが夢と希望を持って成長していける社会の実現に向けて総合的に施策を推進していきたいと考えております。
#86
○山本太郎君 ありがとうございます。
 現在、状況を見てみますと、高等学校等進学率は、一般世帯で九八・八%、生活保護世帯で九二・八%。ですけれども、専修学校などを含む大学等進学率では、一般世帯七三・二%、生活保護世帯三三・四%と、これ大きく差が開くんですね。生活保護世帯の大学等進学率は一般世帯の半分にも満たないと。
 子供の貧困をなくす、本気でそう考えるならば、まず最低限やらなきゃいけないことがあると。生活保護世帯の大学等進学率を高めるための支援の取組、特にこれが重要になってくるんじゃないかなと思うんですね。
 先ほどの資料の記事によりますと、大学などの授業料、これ、いまだに収入認定除外を認めていないということなんですけれども、どうしてこれ授業料について認めてもらえないんですか。
#87
○政府参考人(中井川誠君) お答え申し上げます。
 生活保護制度におきましては、利用できる資産、能力その他あらゆるものを活用することを要件としておりますことから、高校卒業後は、就学によって得られた技能や知識の活用を図って就労していただくこととしております。このため、生活保護を受給しながら大学に就学することは認めておらず、将来大学の授業料に充てる目的で奨学金やアルバイト収入を収入認定除外することは実質的に生活保護費からその授業料を支払うことと同じになるため、認めていないところでございます。
#88
○山本太郎君 政府が言っていること、総理が言っていること、一億総活躍大臣、子供たちの貧困ということを考える大臣が言われていることと真逆じゃないですか、やろうとしていること。それ、変えないのという話なんですよ。
 で、授業料、これ収入認定除外されないということはどういうことなのかということを説明したいと思います。
 生活保護家庭の子供が自分で頑張って働いてためたアルバイト代や民間が出してくださった給付型奨学金を大学の受験料や入学金に使いました、結果、お金が余ったとなった場合、余った分取り上げますね、収入とみなしてって。これ、ひどいでしょう。だって、元々国が出したお金じゃないですよ。自分で頑張って働いたお金、若しくは民間が出してくれたお金、どうしてこれ収入認定して取り上げられなきゃいけないんですか。見かねて民間の方々が善意で出してくださったお金や本人がバイトしてためたお金を授業料に使うって、どうして国が出てくるんですか。行政が出てきて収入だから取り上げるという話っておかしいでしょう、これ。
 収入認定して取り上げるなんて、余りに中途半端で酷なんですよ。せっかく頑張って大学に合格したんです。余ったお金がもしあったとしたら、授業料に使うことも認めてあげてくださいよ。それ、人の道じゃないですか。貧困の連鎖を解消するため生活保護世帯の子供の大学等への進学支援は重要な課題、このように言われている。
 このような中途半端なやり方を放置せずに、授業料についても認めるべき。是非そこまで踏み込んで通知を出せるように動いていただけませんか。堀内政務官、いかがでしょう。
#89
○大臣政務官(堀内詔子君) お答え申し上げます。
 生活保護制度においては、生活保護を受給しながら大学に就学するということは、働き得る場合にはその能力を十分に活用するという生活保護の要件との関係や、生活保護を受給されていない方とのバランスも考慮する必要があり、慎重な慎重な検討が必要と考えております。
#90
○山本太郎君 いつまで検討するんですかという話も言いたくなるんですよね、本当に。今そこで苦しんでいる子供たち、たくさんいるということを知っていただきたい。
 現在、生活保護を受けながら大学に就学することは認められていない。もし、生活保護世帯の子供が大学などに進学した場合、実際には同じように親や家族と同居を続けていても、観念的に世帯分離、つまり、一緒には暮らしているけれども、いないものとして扱い、進学した者の分は生活扶助費が支給されなくなるというルールになっていますよね。そのため、生活保護世帯の子供が大学等に進学する場合、学費と生活費を奨学金やバイト代から自分で全て賄うことになると。学ぶために大学などに進学したのに、実際は多額の奨学金を借り入れ、ほかにもアルバイト掛け持ち、働き続けなきゃいけない、生活できない、こういった状態で進学した意味ってあるんですかね。
 生活保護世帯の子供が大学などに進学した場合、世帯分離で保護費を打ち切る扱い、やめていただきたいんですよ。生活扶助費を支給するように運用を改めていただきたい。
 生活保護世帯の子供、大学などに進学しているのは全国で四千五百五十人ほど。一人当たりの生活扶助費は都市部でも四万円程度なんです。これ、現在、生活保護世帯から大学などに進学する子供に全員に支給したとしても約二十二億円ほど。たった二十二億円と言うと、財源どうするんだという声も飛びそうですけれども、このような投資が将来大きなリターンとなって返ってくるというお話をしたいと思います。
 日本財団による推計。子供の貧困対策をしなければ、二〇一三年時点で十五歳の子供の生涯所得の合計は二・九兆円少なくなり、それによって税金など将来の政府の収入も一・一兆円減る、このような発表をしている。この推計、当時十五歳の一学年だけを対象とした結果で、ここでいう貧困の子供とは、生活保護世帯、児童養護施設、一人親世帯の十五歳の子供十八万人を指す。この一学年の子供に貧困対策をすれば、政府の財政収入、一学年で一・一兆円改善するという試算なんですよね。じゃ、これ、一学年だけじゃなくて、ゼロ歳から十五歳の子供全員を対象とした場合、対策した場合で推計を行ったら、所得は四十二・九兆円増えて、財政収入に至っては十五・九兆円増に達すると。
 これは、加藤大臣、長い目で見たら、子供の貧困対策、これ十分にリターンが期待できるという、意味のある先行投資と言えるんじゃないかなと思うんですけれども、この件、検討してみる値打ちってあるんじゃないかなと思うんですけど、いかがお考えですか、今の推計を聞いて。
#91
○国務大臣(加藤勝信君) たしか日本財団でしたかね、の推計だというふうに思いますし、その推計にはいろいろな考え方があるんだと思いますけれども、やはり子供さんあるいは若い方々に言わば未来への投資という形でそうしたことを行っていくと。そして、それによって、言わばそうしなかった場合に、むしろ社会の中で落後してしまい、逆に生活保護等の対象になっていく。他方で、将来に対する希望を持ってそれを切り開いていくことによって、自らがその夢を実現し、併せて所得等を稼得することによって言わばタックスペイヤーになっていく。もちろん、その差というのはかなりのものがあり、それをそういった形で集計されたものというふうに考えております。
 そういう意味で、個々の政策について一つ一つ申し上げる立場ではありませんけれども、ただ、トータルとしては、総理もおっしゃっておられるように、その生活環境によって将来が左右されないように、そして若い方々がその夢と希望が実現できるようにしっかり取り組んでいくというのは我々の基本的な姿勢であります。
#92
○山本太郎君 これは、本当に子供たちに対する先行投資をすればリターンがあるんだと、財源はどうするんだじゃないんだ、これは先行投資なんだという話なんですよね。
 日本財団は、他学年やこれから生まれる子供について考えれば経済への影響は甚大、子供の貧困対策を経済対策として捉えて、格差の解消に有効な施策を模索することが求められると指摘しています。これ、子供の貧困を解決することが将来の税収入を上げると、そのためには大学等の進学率を大幅に上げる必要がある、そのためには当然大学などで勉強できる安定した経済的環境などの先行投資必要だという話ですよね。
 まず手始めに、生活保護世帯の子供が大学等に進学した場合、世帯分離で保護費を打ち切る扱い、これやめていただきたい。堀内政務官、生活扶助費を支給するように運用を改めるということを、まず政務三役でシェアしていただけないですか、お話ししていただけないですか。ごめんなさい、今ちょっとペーパー入ったと思いますけど、厚労省の立場としてというよりも、政務官、是非今のお話を政務三役でシェアしていただけませんか、お話ししていただけませんか。ペーパーにはない話です、これは。済みません。
#93
○大臣政務官(堀内詔子君) 委員御指摘のとおり、子供たちの未来がその家庭の経済状況によって左右される、それはこの日本の将来にとってゆゆしき問題だと思っております。様々な経済的困難を抱えている生活保護世帯の子供たちに対してきめ細かい支援を行っていくこと、その必要性は感じております。
 今後においても、生活保護世帯や制度の見直しの中で、子供たちの自立支援にとって必要な措置を引き続きしっかりと、この国への先行投資という覚悟の下に続けてまいりたいと思っております。よろしくお願いします。
#94
○山本太郎君 これ、生活保護世帯から進学する場合に生活扶助が削られるだけじゃない、これ住まいにも影響が出るんだと。
 生活保護についてのQアンドAが書かれた生活保護手帳別冊問答集。自治体職員とか福祉事務所などの方々、運用面などで疑問にぶち当たった場合、これを見て運用の判断をするというQアンドAスタイルの代物。
 その生活保護手帳別冊問答集の二〇一五年バージョンで改定が行われた。資料の二枚目でございます。これが改定された、世帯分離された世帯についての住宅家賃の限度額についてというものですね。これ、援護局保護課長通知の事務連絡として出された新旧対照表でございます。右側の改正前、色が変わっています、七人以上世帯、そこは色が変わっている。左側の改正後を見てお分かりのとおり、七人以上世帯の文言、改正で削除されました。この七人以上世帯の文言が削られたことによって、生活保護世帯の子供が大学進学した場合、大変なことになっていると、ベテランケースワーカーの方々から悲鳴が聞こえています。
 説明に時間掛かるのでざっくりにします。改正前の問答、七人世帯以上を前提にしたものですよね、改正前は七人世帯以上にしか触れていない。例えば、三人世帯から進学のため世帯分離で二人になりましたとか、そういうことを書いていないんです、触れていない、何も言っていない。あくまで改正前は七人世帯以上についてです。七人以上で暮らす生活保護世帯ってどれぐらいいるんでしょう、全体の〇・一四%。つまり生活保護世帯の中でも超少数、〇・一四。生活保護世帯の中でも超少数派である七人世帯以上にしか改正前は触れていないんですよ、世帯分離の細かいこと。
 例えば、母子二人世帯で子供が進学のために世帯分離された場合、この通知、何も言っていないんです。だから、以前は現場の判断で、住宅扶助費について減額せず、二人世帯基準のまま出し続ける、こういう柔軟な運用ができていたということなんです。実際にそういう対応をしている福祉事務所も少なくなかった。進学で世帯分離したといったって、現にそこに住んでいる以上、家賃を元々の世帯員数に応じた基準にすることもやむを得ないと、福祉事務所の裁量に助けられた人々がいた。
 全ては、この通知によって苦しんでいる人たちが更に増える、より厳格になる、これによって本当に困る人たちたくさんいるんです。この保護課長通知、是非改めていただきたい、事務連絡として出されたもの、これを以前に戻していただきたいんです。
 堀内政務官、最後に、堀内政務官でお願いします、もう時間がないので。
 先ほども言いました、あっ、ペーパーは結構です、政務三役とこのことをシェアしていただけませんか。先ほどの話です。
#95
○委員長(難波奨二君) 時間が参っておりますので、堀内大臣政務官、簡潔に御答弁をお願いいたします。
#96
○大臣政務官(堀内詔子君) 御指摘の通知改正は、平成二十七年四月の住宅扶助基準の見直しにおいて、住宅扶助の上限額を世帯人数に応じてよりきめ細かく設定することに伴うものでございます。
 私たち自身、一生懸命これからも、世帯分離前の三人世帯であったものが世帯分離に伴い二世帯となった場合は、住宅扶助上限額が単身世帯の一・三倍から一・二倍になるなどという様々な現状を踏まえて、これからも、子供の生活環境、そして生まれた家庭の経済状況にかかわらず、しっかりとした未来が開けるように、政務三役として頑張ってまいります。
#97
○山本太郎君 改定してください。それが重要です。
 ありがとうございました。
#98
○和田政宗君 日本の和田政宗です。
 地方創生の質問の前に、オリンピックについて二問お聞きをできればというふうに思います。
 まず、オリンピックの広報戦略についてお聞きをいたします。
 リオ・オリンピックの閉会式で安倍総理がゲームキャラクターのスーパーマリオに扮するなど、すばらしいプレゼンテーションで、大いに東京開催を印象付けました。私、九月にルクセンブルクを訪問いたしましてベッテル首相にお会いしたんですが、首相の執務室に現代アートの絵が幾つか掛かっておりまして、その中の一つにゲームキャラクターですとかアニメのキャラクターがいろいろ描かれた絵がございましたので、その中にスーパーマリオもあったんですね。ですので、ベッテル総理に、リオ・オリンピックの閉会式で安倍総理のスーパーマリオ御覧になりましたかというふうに聞きましたところ、見たよと、スーパー晋三、格好よかったよということで、これは海外の首脳にも好印象をもたらすことができたというふうに思っています。
 そこでお聞きしたいのですけれども、国内、海外における今後の広報戦略ですが、これは一義的に組織委員会ですとか東京都が行うということは分かっておりますけれども、国としてどういったサポートをしていくのか、また国としてどういった広報戦略を行っていくのか、お願いいたします。
#99
○国務大臣(丸川珠代君) ありがとうございます。
 昨年十一月に閣議決定されましたオリパラ基本方針には、スポーツ、文化、クールジャパンその他のイベントを通じてオールジャパンで日本の魅力を発信し大会の開催に向けた機運の醸成を図ると記載されております。今、オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて文化を通じた機運醸成策に関する関係府省庁等連絡・連携会議というのを、うちの推進本部の事務局長を頭で開催をしておりますけれども、その副議長に内閣府知的財産戦略推進事務局長、これはクールジャパン戦略推進会議を進めていただいているところの主体ですけれども、こちらに入っていただいておりまして、今御指摘のようなクールジャパンという側面での既に戦略推進会議で進めていただいている戦略を更にオリンピックに向けて関連施策を統合的に進めるということで取組をさせていただいております。
 先般終了したリオの大会期間中にはジャパン・ハウスを設置をさせていただきましたが、これは組織委員会、JOC等も入って開設したものでありまして、政府からも出展をして、食、文化、観光等の日本の魅力を紹介をしてきているところでございます。また、スポーツ・フォー・トゥモローというプログラムを御承知かと思いますけれども、二〇一四年から二〇二〇年までの七年間で、開発途上国を始めとする百か国以上、一千万人以上を目標に、人材育成やスポーツに親しむ環境づくりに協力して、スポーツ分野においても日本のプレゼンスを高める取組を進めてまいります。
 今後も、組織委員会、東京都等の関係者と連携をして、日本の魅力の発信に努めてまいりたいと存じます。
#100
○和田政宗君 ありがとうございます。
 次に、四者協議についてお聞きをしたいというふうに思います。
 オリンピックの開催は、これ国としても威信が懸かっているというふうに思います。現在、ボート・カヌー会場を見直すかどうかの議論というのが行われておりまして、地元選出の議員からしますと、何とか宮城の長沼にという思いがあります。
 このボート競技ですけれども、日本ですと、ある意味マイナーなのかもしれないですけれども、これ海外に行きますと、特にヨーロッパではもう大人気のスポーツで、元は貴族のスポーツであったわけですから、それこそ王室が招かれて、皆さんは正装で観戦をするというような形で、このボート競技をしっかりやるということというのは極めて重要であるというふうに思っております。
 そこでお聞きをいたしますけれども、そのボート・カヌー競技の場所、会場ですね、会場ですとか観客席数、インフラ整備などについて、四者協議の場で国として意見をすることはあるんでしょうか。
#101
○国務大臣(丸川珠代君) 四者協議については、オリンピックの持続可能性の観点から、いかに大会の総経費を抑えるかが大きな課題とされております。東京大会が国民の理解を得て祝福される大会となるためにもコストの抑制は重要な要素と私どもも考えておりまして、四者協議に賛同をして参加をさせていただいております。
 御指摘の競技会場の見直しについては、従来から、開催都市である東京都、また大会運営に責任を有する組織委員会、そしてIOC、また内外の競技団体が協議をした上で決定することが基本とされておりますので、四者協議においてもその基本が踏襲されると理解をしております。ですので、政府の立場で競技会場の場所や観客席数といった個々の具体的な論点にまで踏み込んだ意見や判断を行う立場にはないと考えております。
 一方で、インフラ整備ということについては、私どもは東京都からの要望を踏まえて、大会関連駅のバリアフリー化ですとか、あるいは臨港道路の南北線の整備等についても既に実施支援を行っているところであります。
#102
○和田政宗君 ありがとうございます。
 丸川大臣は、質問終わりましたので、御退席いただいて構いません。
#103
○委員長(難波奨二君) 丸川大臣は御退席していただいて結構でございます。
#104
○和田政宗君 それでは、地方創生についてお聞きをしていきます。
 今月一日のまち・ひと・しごと創生会議において、政府は、地方創生の総合戦略について、地方での平均所得の向上や空き店舗などの遊休資産の有効活用などを重点的な検討課題として、年末をめどに改訂する方針を示しました。
 この総合戦略は、毎年末に改訂しまして新たな目標値を設定するわけですけれども、今回なぜこうした項目の改訂を決断したのか、お聞きいたします。
#105
○国務大臣(山本幸三君) まち・ひと・しごと創生法におきましては、「政府は、情勢の推移により必要が生じた場合には、まち・ひと・しごと創生総合戦略を変更しなければならない。」とされているところであります。
 地方創生については、昨年度までに国と地方の総合戦略の策定がほぼ完了しまして、本格的な事業展開の段階に入ったところでございますが、一方で、新しいデータ等によりますと、東京一極集中の動きが止まっておりません。むしろ加速するような状況でありまして、これに対して私どもは大変な危機感を持っております。その意味で、地方創生の実現のための施策をより強化しなければいけないと思っております。
 そうした意味で、地方に還流させるためには、やはり地方に仕事がなければならない、所得が一定程度なければならないという要望が大変強うございまして、そうしたことを踏まえて、地方の平均所得を向上させる取組や遊休資産の活用等、施策の一層の強化を行う必要があると考えた次第であります。加えて、地方創生を進めるに当たりまして、地方の生活の豊かさに目を向けてもらう観点から、地域生活の魅力の分析、発信や、郷土の誇り、愛着の醸成など、働き方改革を含めたライフスタイルの見詰め直しが必要と考えております。
 これらを踏まえて、先日、十一月一日に、まち・ひと・しごと創生会議におきまして、重点的な検討事項として、平均所得の向上を通じた地方創生、ローカル・アベノミクスの一層の推進、地域特性に応じた政策メニューの充実強化、働き方改革を含めたライフスタイルの見詰め直しを示したところであります。今後、これらの点について重点的に検討を進めて、有識者の御意見等も踏まえて、今年中を目途に総合戦略を改訂してまいりたいと考えております。
#106
○和田政宗君 それでは、その地方創生、これを進めていくときの各論、どういったことをやっていくのかということについてお聞きをいたしますけれども、まずビッグデータの民間への開放についてお聞きをいたします。
 この度、地域経済分析システム、RESASが開放されるということになりましたけれども、これは政府や自治体が公表しているデータを市町村単位で再集計などをしているのが特徴で、例えばある地域の農産物販売について、市町村別の出荷先、農協や外食など業態別の出荷先といった情報を知ることができるわけです。
 地方創生において、このビッグデータを開放することでどのような効果が見込めるのか、お答え願います。
#107
○政府参考人(高橋淳君) お答え申し上げます。
 政府におきましては、地域経済に関する官民の様々なデータを分かりやすく見える化いたしました地域経済分析システム、RESASでございます、これを平成二十七年四月より提供いたしまして、地方公共団体を始めとする地域における地方創生の取組を情報面から支援しているところでございます。
 このRESASにつきまして、ただいま御指摘のありましたとおり、地方創生に向けたデータ利用の高度化を促す取組として、今月一日より、RESASに搭載しております公的な統計データを加工しやすい形式で一般の方々へ提供する取組を開始しております。これによりまして、例えば個人や民間企業などの利用者の方々が、RESASのデータと企業などが保有する独自のデータ等、複数のデータを組み合わせた高度な分析を行いますことや、RESASのデータを自由に加工して地域の魅力の発見に役立つアプリを開発することなどが可能になると考えております。
 こうしたことを通じまして、RESASが、言わば民の力も借りまして地域経済の把握や分析に使いやすいツールとなっていくと考えておりまして、それによりデータに基づく地方創生の取組が各地で一層進んでいくことを期待しております。
#108
○和田政宗君 次に、地方創生の発信についてお聞きをしたいというふうに思います。
 地方創生支援ということで、飯倉公館を活用した対外発信事業というのがあります。この狙いと今後の展開、そして現在どういった効果が出ているのか、これをお聞きします。
#109
○政府参考人(吉田朋之君) 地方創生支援、飯倉公館活用対外発信事業についてお尋ねをいただきました。
 この事業は、地方の多様な魅力を内外に発信することを目的として平成二十七年から開始した事業でございます。具体的には、飯倉公館を活用いたしまして、自治体主催のセミナーや外務大臣と自治体首長との共催でレセプションなどを行って、国内の駐日大使、外国プレス、それから駐日商工会議所、それから県選出の国会議員の方々などをお招きして行っております。最近では、毎回約三百名が参加しております。これまでに、京都市、福島県、広島県・広島市、三重県、青森県、香川県、茨城県と共催し、七回事業を行ってきております。共催自治体の方からは、知事のトップセールスによる各国代表への直接の働きかけ、自治体関係者と外交団との人脈の形成、それから関連の報道であるとかウエブサイトを通じまして広報効果が得られたというふうに評価をいただいております。
 今後につきましても、外務省としては積極的に推進していきたいと思います。本日、和歌山県と共催でレセプションを開催いたしますし、今年度内に複数の自治体と事業を開催する方向で調整しております。
#110
○和田政宗君 次に、地方にどういうふうに人を戻していくか、またIターンさせていくかという観点から、その取組についてお聞きしますけれども、地方創生インターンシップポータルサイトというものが開設をされたわけですが、これ、実は見てみたんですけれども、まだ発足してすぐだということで、表現は悪いかもしれないですけれども、かなりすかすかの状態になっています。これは充実させていかなくてはならないわけですけれども、このポータルサイトの周知を含めどのように充実をさせていくのか、答弁願います。
#111
○政府参考人(松尾泰樹君) どうもありがとうございます。
 お答えいたします。
 現在、東京圏におきましては約十二万人の転入超過、これは二〇一五年でございますけれども、二〇一二年以降も四年連続で転入超過数が増加をしてございます。先ほど大臣からの御答弁にもございましたが、東京一極集中の傾向が加速化してございます。このうち、約九万人が進学、就職を控えた若年層でございまして、そのために、今先生御指摘の地方創生インターンシップに取り組むこととしてございます。これはまさに、東京圏在住の地方出身学生等の地方還流、また地方在住学生の地方定着の促進を目的としたものでございまして、地元企業でのインターンシップの実施の全国展開を産学官挙げて取り組んでいくということでございます。
 その一環、促進策といたしまして、この十月十一日から、全国の大学と地方公共団体の連携促進のために、大学ごとに実施しているインターンシップの情報、また地方公共団体ごとに実施しているインターンシップの情報をまとめたポータルサイトの試行運用を開始をしたところでございます。まだ試行運用でございますので、少しまだ充実が必要でございます。
 今後、シンポジウムの開催でありますとか地方公共団体向けの説明会の場などを通じまして積極的に周知を図っていきたいと思っておりますし、そこでいただいた御意見も参考にしながら、一層広く関係者の協力も得て、掲載内容の改善充実に取り組んでいきたいと思っております。
#112
○和田政宗君 是非充実させていただければというふうに思います。
 時間が参りましたので、文科省さん、来ていただきましたけれども、質問できません。次回以降に回したいというふうに思います。申し訳ありません。
 ありがとうございました。質問を終わります。
#113
○委員長(難波奨二君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#114
○委員長(難波奨二君) 次に、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。山本国務大臣。
#115
○国務大臣(山本幸三君) ただいま議題となりました一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 まず、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。
 本年八月八日、人事院から、一般職の職員の給与の改定に関する勧告並びに国家公務員の育児休業等に関する法律の改正についての意見の申出及び一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律の改正についての勧告が提出されました。政府としては、その内容を検討した結果、勧告及び意見の申出どおり実施することが適当であると認め、一般職の職員の給与に関する法律等について改正を行うものであります。
 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、指定職俸給表を除く全ての俸給表について俸給月額を若年層に重点を置きながら引き上げるとともに、勤勉手当の支給割合を年間〇・一月分引き上げること等としております。
 第二に、扶養手当について、配偶者に係る扶養手当の月額を六千五百円に引き下げ、子に係る扶養手当の月額を一万円に引き上げること等としております。
 第三に、専門スタッフ職俸給表に四級を新設することとしております。
 第四に、介護休暇を請求できる期間を三回まで分割可能とすること、連続する三年の期間内に、一日につき二時間以下で勤務しないことを承認できる介護時間を新設すること、育児休業等の対象となる子の範囲を特別養子縁組の監護期間中の子等にも拡大することとしております。また、一般職の国家公務員である行政執行法人の職員についても、これに準じ、介護休業を請求できる期間を三回まで分割可能とする等の措置を行うこととしております。
 このほか、施行期日、この法律の施行に関し必要な措置等について規定しております。
 引き続きまして、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。
 この法律案は、特別職の職員の給与について、一般職の職員の給与改定に併せて、必要な改正を行うものであります。
 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 秘書官の俸給月額及び内閣総理大臣等の特別職の職員の期末手当について、一般職の職員の給与改定に準じた措置を行うこととしております。
 以上がこれらの法律案の提案理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
#116
○委員長(難波奨二君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 両案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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